法務委員会 第13号
- 発言数
- 318 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2009/06/30
会議録
○委員長(澤雄二君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告をいたします。 昨日までに、主濱了君が委員を辞任され、その補欠として前川清成君が選任されました。 ─────────────
○委員長(澤雄二君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する等の法律案の審査のため、本日の委員会に総務大臣官房審議官佐村知子君、法務省入国管理局長西川克行君、厚生労働大臣官房審議官中尾昭弘君、厚生労働大臣官房審議官杉浦信平君、厚生労働大臣官房審議官坂本森男君、国土交通省航空局空港部長渡邊一洋君、観光庁審議官西阪昇君及び防衛省地方協力局次長伊藤盛夫君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(澤雄二君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。 ─────────────
○委員長(澤雄二君) 出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する等の法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○今野東君 おはようございます。民主党の今野東でございます。 それでは、早速質問に入りたいと思いますが、初めは大臣との議論を少しさせていただきたいと思っているんですが、今回のこの出入国管理に関する特例法の一部の改正案ですけれども、先日伺いました趣旨説明によりますと、在留外国人の方が多くなってきていて在留状況の適切な把握が困難になっているから在留管理に必要な情報を一本化していくんだということでありました。確かに、これまでの外国人の入国・在留状況は、入管法に基づく入国・在留審査と、それから外国人登録法に基づく外国人登録制度という二本立てでありました。私は、この外国人の在留管理が二元的に処理されているから居住等の実態が必ずしも十分に把握されていないと言われているんですが、なぜ二元的に処理されていると駄目なのか、どうもよく分からないんです。 入国・在留審査を経て適正に在留している人と上陸の許可を受けた人以外の人を分けまして、しかも、上陸の許可を受けた者以外の者については氏名あるいは誕生日、男女の別、国籍、出生地、職業、在留の資格、居住地等登録をさせて、できる限りやみに潜らせないというこの二本立ての現行制度、これ現行に合った合理的な制度だと思うんですけれども、これを一元的に管理したいという理由は何なんでしょうか、改めてお伺いします。
○国務大臣(森英介君) 現行の制度では、法務大臣は、入管法に基づいて、外国人の入国時や在留期間の更新時等の各種許可に係る審査を行う際に、外国人から必要な情報を取得しております。一方、在留期間の途中における事情の変更については市区町村が実施している外国人登録制度を通じて把握することとしているのは今委員から御指摘のあったとおりでございまして、そこがやはり、その途中、スポットでしか把握できないわけでございますから、法務大臣としては。だから、その間の線として外国人の方の在留状況を把握するということはやっぱりどうしても必要なことであろうというふうに思います。 かてて加えて、近年、今やはり委員の御指摘の中にもあったように、我が国の国際化が進展して新規入国者数がもう急激に増加をしておりまして、我が国に居住する外国人の数も増加しております。また、その構成も大きく変化しておりますので、実態的には、その外国人の在留状況、とりわけ居住実態の正確な把握が困難になってきているわけでございます。 そこで、今回の改正によって、現行の入管法に基づいて行っている情報把握と外国人登録法に基づいて市区町村を通して行っている情報把握の制度を改め、適法な在留資格をもって我が国に中長期に在留する外国人を対象として、法務大臣が在留管理に必要な情報を、先ほど申し上げたように、継続的に把握する制度の構築を図ろうとするものでありまして、今までの二元的な、言わばそこでツーツーであれば、情報が、それでもう適正な管理ができるかもしれませんけれども、やはりそれを一元化することによってより適切な管理ができるということは私は一つの考え方であって間違っていないというふうに思っているところでございまして、是非とも在留管理に必要な情報を一元的に正確に把握するということの意義を御理解をいただきたいというふうに思っております。
○今野東君 線として把握したいというのであれば、各自治体にそれを求めて、そして政府としてそれを管理しているということでいいんじゃないかと思いますけれども、どうも今のところの説明、よく分かりません。ただ、今日いっぱい質問したいことがあるので、そこに食い下がっていくと時間がなくなりますからここはこれぐらいにしておきますが。どうせ平行線でしょうし。 国連やあるいはIOM、国際移住機関によりますと、どれぐらい、何というか、さまよっている人といいますか、非正規に滞在している人がいるのかという数字なんですが、世界にはおよそ二億人の移民、定まっていないで動いている人たちがいると言われております。これは世界の全人口の三%になるわけですけれども、このうち二千万人から三千万人が非正規の滞在者であるとされています。 各国の傾向を見ますと、アメリカは全人口のこれが四%、ヨーロッパでは一%、日本では最近の数字で十一万三千人がこの非正規滞在者でありまして、非常に少ないんですね、各国に比べて。全人口の〇・一%です、およそ。欧米ではこうした非正規の滞在者への対応が大きな争点になってきたというのは御存じのとおりだと思いますけれども、一定の条件を満たす非正規滞在者の在留を短期間に大量に許可する方法、これを一般アムネスティーと言っておりますけれども、そうした工夫がなされております。 それでは、日本はどうかというと、始めに出されたこの改正案は、こうした非正規滞在者への対応、配慮というのが抜け落ちておりました。この法案については衆議院で審議がされているわけですが、この間、十九日の衆議院法務委員会で我が党の加藤公一委員が、在留特別許可の要件なくしては不法滞在者の出頭の促進は困難ではないかという指摘をいたしました。これに対して、大臣はこう答えていらっしゃいます。加藤委員の御指摘はこの法案施行に向けての最も重要なポイントであるとおっしゃっているんですが、なぜこの最も重要なポイントが当初の改正案に盛り込まれていなかったんでしょうか。
○国務大臣(森英介君) 我が国に不法残留している外国人及び船舶密航等による不法入国者を合わせたいわゆる不法滞在者が本年一月一日現在で約十三万人存在しております。新たな在留管理制度の円滑な導入を実現するためには、法律の施行までにこの不法滞在者の数を極力減らす必要があるということは論をまちません。 それをなぜ法案から欠落していたのかというお尋ねでございますけれども、それは法案としないまでも、私どもとしてはその対応をどうするかということはずっと綿密に考えてまいりました。要は、摘発をすると同時に、不法滞在者に自発的な出頭を促すことも重要でありますし、また新たな制度について周知活動を行う必要があると考えております。特に外国人登録をしている不法滞在者については、関係諸機関の協力も得るなどして不法滞在者に自発的な出頭を促し、個々の事案に応じて在留特別許可を認めるべきものは認めることを考えているところでございます。 この点につきましては、本改正法の円滑な施行のため必要なことであると考えて、いろんなことを考えてきましたところ、衆議院におきまして、不法滞在者について、在留特別許可の運用の透明性を更に向上させることなどその出頭を促進するための措置その他不法滞在者の縮減に向けた措置を講ずることを検討するものとするとの規定を設ける修正が行われまして、この点が明確化されたものというふうに受け止めております。 そのための方策としては、例えば、今委員が言及されましたアムネスティーについては、それも一つの方法には違いないと思いますけれども、それを実行していろいろとその後にそれがまた逆に問題になっている国もあることもよく御承知のことと思います。 私どもとしては、その在留特別許可の透明性を確保することが不法滞在者の自発的な出頭を促す観点からも重要であると認識をいたしておりまして、在留特別許可された事例及び在留特別許可されなかった事例の更なる公表を推進いたしますとともに、既に公表済みの在留特別許可に係るガイドラインの内容についても見直しの検討を行っているところでございます。
○今野東君 法案としないまでも自発的に申し出てくることを求めていろんなことをやっているんだと、要するにそういうお話だと思うんですけど、最も重要なポイントと大臣がお考えなら、法案を整備していくというのがまず最初なんじゃないかと思うんですが、これ、法案として整備されていなくて、しかも、自発的にといっても、その先どうなるか分からなくて、拘束をされるかもしれないし強制的に帰されるかもしれないし、その国の姿勢がよく分からない、法案になってないから、だから自発的になかなか出てこないということが逆にあるんじゃないですか。
○国務大臣(森英介君) 衆議院の加藤公一議員の御質問にお答えしたときにも申し上げたことですけれども、この法律施行までの一番重要なポイントであるというふうに申し上げました。直接その法案の中身というよりも、この法案を成立させていただいてから三年後に施行するまでにその問題を改善しなきゃいけないということでございます。その過程における重要なポイントであるということを申し上げたということをあえて申し上げておきます。 それで、やはりそういったことについて、それまでの過程におけるポイントであっても、それをここで明確化されたということはそれはそれで結構なことだと思っておりますけれども、つまり、これがそうであってもなくても、どっちにしても、この十三万人をどうするかということをこれから真剣に取り組んでいかなきゃならないわけでございまして、その点についてはまたいろいろなことを考えておりますので、また、いや、これはなかなか一概に、今までのこともありますし、これからのこともあって、その整合性を取りながらこの間の措置をするわけでございますから、なかなか奥歯に物が挟まったような言い方になりますけれども、恐らく皆様方がお考えになっているようなことを受け止めてやってまいりたいというふうに思っております。
○今野東君 改正案を考える時点では最重要ポイントと考えていて、よってこの法案が施行される三年の間にそのことについてはいろんなことを考えていくんだというお話で、何だか分かったような分からないような、奥歯に物が挟まっている方がもっと分かりやすいんじゃないかという気もしますけれども。 これ、施行まではここの問題を、まあ後でもこれ議論したいと思っていたんですが、施行まではここの問題をどうにかしたいと、そういう認識を持っているんだというのはこれは修正で入ったことで、大臣の発意じゃないんですね。これは、ここのところ大事だと思っていたのは、むしろその法案を受け止めた我々なわけですよ。大臣は最重要だと言いながら法案に入れなくて、我々がこれ入れてくださいと言うから、問題としては認識しますという極めてあいまいな、私はこの修正についても個人としては不満を持っているんですけれども、大臣は最重要ポイントだと言いながら入れてなかったのは何ですかって聞いているんですよ。なぜですかと聞いているんです。 この発案で、最初の発案でこれが抜け落ちたから、私たちはこういう問題ありますよと言って修正に入れてもらったわけです、やっと。そこのところを大臣取って、いや、三年後にここのところを考えるんだ、いろいろなことを考えるんだと言ったって、何だかよく分からない答えなんですね。
○国務大臣(森英介君) 要するに、この十三万人をどうするかということは、三年後に施行される法律の中身ではないわけですね。で、その三年後に施行される法律が円滑に実施されるために、それに至るまでにその準備段階としてこの十三万人を何とかしなきゃいけないということでございまして、それについては私どもとしてもいろんな、ここで申し上げたように、在留特別許可に係るガイドラインという既に公表済みのものがございますけれども、それを更にもう一度吟味して、これを減らす方向に行くように何とかできないかということを考えております。 一方、自発的に出頭してもらうことを促して、強制的にお帰りになっていただく方もあるわけですけれども、逆に在留の許可を出す方も出てくると思いますから、そういったことの不公平にならないようなガイドラインをいずれお示ししなきゃいけないというふうに思っております。
○今野東君 何とかしなければならないとおっしゃっているからには私たちもできる限り協力をしたいと思いますので、はっきりした形でこういうふうにするんだということを示していただきたい。また、後でも出てくると思いますけれども、むしろ不正規の滞在者の人を黒く塗りつぶすというのではなくて、むしろその方々に表に出てきていただいて、そしてその方々を正規の滞在者にしていくという不法滞在者の減らし方というのを是非考えていただきたいと思うんですね。 さて、次の質問ですが、平成二十年の十二月に、犯罪対策閣僚会議というのがありまして、これ、大臣も法務大臣になられてから加わっていらっしゃると思うんですが、この犯罪対策閣僚会議が犯罪に強い社会の実現のための行動計画二〇〇八というのを出しました。 これによりますと、犯罪情勢に即した重点課題として、国際化の進展に伴い、我が国に労働者として入国し定着する外国人は年々増え続けており、これらの人々やその子弟の一部が我が国の社会に適応できず、犯罪等の問題につながるという実態が見られる。このため、国際組織犯罪等・国際テロ対策推進本部における成果も踏まえつつ、一、水際対策、二、新たな在留管理制度による不法滞在者等を生まない社会の構築、三、多文化共生を可能とする社会基盤の整備、四、国際組織犯罪対策の施策を推進することとしとあるんですけれども、この多文化共生を可能とする社会基盤の整備と、三つ目に数えられている、こういうふうに言うのならば、非正規に滞在していてどこにいるか分からない人を、先ほども申し上げましたが、表に出てきてもらって、名前はもちろん、生年月日、住所、国籍等登録をしてもらって把握をしておく、そのことが多文化共生を可能とする社会基盤の整備であると思いますし、犯罪の未然防止にむしろなるというふうに思いませんか。 この二に数えている新たな在留管理制度による不法滞在者等を生まない社会の構築、これは恐らく、厳しくこの法律を作って取り締まっていくんだという決意なんだろうと思うんですね。そして、三に多文化共生を可能とする社会基盤の整備というふうになっているんですが、これ、二と三の整合性って付かないんじゃないですか。これ、説明するとどうなるんですか。
○国務大臣(森英介君) まず、前提として、不法滞在者というのはやっぱり日本にとって余り、何というんですか、歓迎すべき存在じゃないということは事実だと思うんです。と申しますのは、例えば正規在留者と非正規の在留者比べますと、やっぱりその犯罪の起こる率も違いますし、現に、不法滞在者半減計画で二十二万人が十一万人になったと、それによって不法滞在者に原因する犯罪も大幅に減ったということでありますから、やはり不法滞在者というのはなるべく減らさなきゃいけないということは、これは間違いのないことだろうと思います。 ただ、今野委員がおっしゃるように、それはそういうふうにアンダーグラウンドに押し込めているから余儀なく犯罪を起こすというような見方もあるかもしれないけれども、そもそも入ってきたときから、まあ適法に入ってきてオーバーステイになった人も確かにありますけれども、いろんな手段で入ってきているかなり悪質な事例も多いわけでございますから、やはりその不法滞在者をそっくりそのまま顕在化させて、そして日本の社会の一員として認めるというわけには私はいかないと思っております。 ただ、やはりなるべく表へ出てもらって、それで帰ってもらう人は帰ってもらうし、それから許容できる方は、それは先ほど申し上げたように今ガイドラインを一生懸命検討しているところでございまして、そのガイドラインに基づいて在留許可を出せる方には出すという仕分はしていかなきゃならないと思いますけれども、やっぱりそれを、押しなべてアンダーグラウンドにいる人を顕在化させて日本の社会に受容していくということはいささか無理があるんではないかと私は思います。 加えまして、不法滞在者を生まない社会と多文化共生社会の構築というのは全く私は矛盾しないと思っております。様々な文化を継承する方々が日本にいて、これは適正に、また健全に日本にやってこられて日本に住んでいる大勢のそういった正規在留者がおられるわけで、そういった方々がやっぱり多文化共生社会の担い手となるわけでありますから、日本人とともにですね、ですから、それは、不法滞在者を生まない社会と多文化共生社会の構築ということは、その両方を目指すということは何ら矛盾するところはないというふうに私は考えます。
○今野東君 今の国際情勢を見ますと、必ずしも国境を越えてほかの国に行く人が正規に移動する人とは限らないわけです。いろいろな事情を抱えて隣の国に逃れてきて、またほかの国に行って、そして日本に来る場合は日本に来たというケースもあるわけで、大臣のように、不法不法と、いかにも証明を持たない、あるいは非適正な人をマイナスな存在であるかのように一律にくくって言うのはやめていただきたいと思います。いろんな事情があります。私たちはこういう人とどう共生していかなければならないのか。皆さんが、証明を持たずに滞在している人たちのすべてを私は住基台帳に載せるなら住基台帳に載せるべきだと言っているわけではありません。この方々の中で正規に滞在したいと思って手を挙げている人に何らかのこれまでは外国人登録証明書というのを出していたわけで、それに代わる何らかの証明書を出していただけないだろうか、国としてそれが持っている幅じゃないだろうかというふうに考えているのですが、どうもそこのところは大臣とちょっと意見が違うようで、大変残念に思います。 我が国に滞在している外国人の方の在留状況を正確に把握したい、そして適正な管理を行いたいというのであれば、在日米軍基地に勤務する軍人軍属、家族で、米軍施設・区域外、基地外の周辺市町村に住んでいる軍人の方々にこそ住民基本台帳に登録してもらうということが必要なんじゃないでしょうか。暴行事件や交通事故など、在日の米軍人が関与する事件は後を絶ちません。政府は、平成二十年の二月二十二日に、そうした事件が二度と起こることがないように、当面の措置としての再発防止策を発表しました。しかし、この再発防止策というのは、居住区域外居住者、軍以外に外に出てきている居住者の数だけを教えてもらっているという現状です。これが再発防止策なんです。これで再発防止になるんでしょうか。 適法な在留資格をもって我が国に中長期に在留する外国人を対象として、法務大臣が公正な在留管理に必要な情報を継続的に把握する制度を構築して行政サービスを提供したいというのならば、まずここから始めなくちゃいけないんじゃないかと思いますが、そこのところは少し管轄がずれていくのかもしれませんが、これは外務省だとか防衛省だとかおっしゃらずに、法務大臣のお考えをここでお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(森英介君) これは、まず、米軍関係者は現在日米地位協定の規定によって外国人登録法の対象から除外されているということは御存じのことと思います。ただ、委員御指摘のような様々な問題があるということも承知をいたしておりまして、米軍関係者の居住状況の把握の問題については、沖縄などの地元の皆さんに種々の不安を与えないための取組は極めて重要であるというふうに私も認識をしております。 このことについては、つまり米軍関係者による犯罪防止については、本来米側が主体的に取り組むべき課題であろうと考えておりますけれども、政府としても、日米間の協議と協力を緊密に行っていくことが肝要であると思っておりますし、また、沖縄などの地元とも密接に連携して、地元からの御意見も踏まえて対処していきたいというふうに思っております。
○今野東君 想像の域を超えない答弁ですけれども。 もう一度お尋ねしますが、証明を持たずに滞在している外国人の管理、きちんとしたいというのなら、米軍人で基地の外に住んでいる人の、どこに住んでいて、何歳で、どういう名前でというのを自治体が知っておく必要というのは明らかにこれはあると思うんですよ。 例えば、いや、大臣に聞いています、沖縄北谷町だと、人口が九千百十六人です。そこに基地から出てきてマンションや何か借りて住んでいる人、三千二百二十三人いるんです。これ、人数しか分からないんですよ。そして、いろんな事件が起きているんです、こういう中で。これ、このまま放置していていいんですか、大臣。もう一度お尋ねします。
○国務大臣(森英介君) 基本的には先ほど御答弁したとおりでございますけれども、住民基本台帳制度については、所管外ではありますけれども、その改正住民基本台帳法の対象からも除外されていることについてはひとつ御理解をいただきまして、そこを乗り越えてやるためには、先ほど私が申し上げましたように、居住状況の把握等についてできるだけの日本国政府としてやるべきことをやるという、かなりいささか精神論的な話になりますけれども、その範囲でしかできないということを御理解をいただきたいというふうに思います。
○今野東君 是非、大臣、北谷町に行ってみてください。もうその辺を向こうの軍人の方が普通に歩いている。その人たちがどこのマンションにどう住んでいるのか分からない、人数しか教えてもらっていない、自治体は。これ、問題ですよ。今、この法律よりそっちの方を先にやらなきゃいけないという気分になります。是非行って見ていただきたいと思います。 さて、その辺りなんですが、これは総務省はどういうふうに考えているんですかね、同じ質問になりますけれども。こういう法律を出入国に関して整備して、外国人の方々を住基台帳に正規の方だけ入れるんだということよりも、そっちの方が先じゃないですか。今、全体で二万四千八百人の方が基地外に住んでいるんです。まあ正確な数字ではありませんけれども、おおよそ。そっちやるのが先でしょう、住基台帳に載せてくださいと、米側と交渉してでも。どうですか、それ。
○政府参考人(佐村知子君) お答え申し上げます。 先ほど法務大臣からお答えがあったところの繰り返しになってしまうので恐縮なんですけれども、(発言する者あり)はい。 在日米軍の構成員と軍属と及びそれらの家族は、日米の地位協定の第九条二に基づきまして、外国人の登録及び管理に関する日本国の法令の適用から除外しております。(発言する者あり)失礼いたしました。 ここで外国人の登録及び管理に関する日本国の法令には……
○今野東君 そこを聞いているんじゃないよ。
○政府参考人(佐村知子君) はい。 居住に関する法令も含まれておりまして、この規定に基づいて住民台帳法の適用を除外されると解されるものと承知いたしております。
○今野東君 委員長、いいです。 いや、そうじゃなくて、それは分かっていますよ。だから、あなた質問聞いていないの、ちゃんと。それは分かっているけど、そのことを、その人たちを住基台帳に載せるのが先じゃないかって聞いているんですよ。そのことについて答えてくださいよ。地位協定の説明求めているんじゃないんだ。
○政府参考人(佐村知子君) お答え申し上げます。 先生の御指摘のようなお考えもあると思うんですけれども、在日米軍の構成員と軍属と家族につきましては制度の対象外であるということになっておりまして、仮に……(発言する者あり)はい。本人が希望する場合であっても、市町村として外国人の住民票を作成すること困難であると考えております。
○今野東君 今のような現状でいいと考えているんですか。法律の中身で今どうなっているか聞いているんじゃないんです。それはよく分かっています。しかし、その上でこっち先にやらなきゃいけないんじゃないんですかという問題提起をしているんです。
○国務大臣(森英介君) 今野委員のお気持ちは大変理解できるわけでございますけれども、この改正住民基本台帳法につきましても総務委員会において審議をされてここまで来ているところでございまして、私としては、先ほど申し上げたとおり、政府としてもできるだけのことはやるということしか……(発言する者あり)いや、ですから、ここまで来ているということですよ。ですから、その御議論によると思いますけれども、私としては、法務大臣としての立場としては、そういったなるべく不安を抱かせないような努力をいたしますということを申し上げることしかできません。
○今野東君 なるべくそのようにならない努力って、具体的にどういうことですか。今、数だけ教えてもらっています。そこから前進するんでしょうか。そうおっしゃるなら、具体的にお答えいただきたい。
○国務大臣(森英介君) ですから、居住状況の把握等の問題について、より安心がいただけるような努力をするということであります。
○今野東君 ここではちょっと時間ももったいないという感じがしますので、大変残念なことでありますが、総務省もそれから法務省も、ここは先にしなければならないということをきちんと認識してほしいと思います。実際に沖縄に行ってそういう現場に行ってみると、これは役所がどこに住んでいてどういう人か分からないというんじゃ済まないぞという感じになりますよ。是非そこは検討していただきたいと思います。 日米地位協定、そのままでもいいじゃないですか。米軍側から、どこに住んでいて何歳なのか、軍ではどういう地位の人なのか教えてもらえばいいんですよ。私はそう思いますけどね。それ、何でできないんですかね。そういうことできないんでしょうか。総務省、一言だけ。
○政府参考人(佐村知子君) お答え申し上げます。 条約と法令の関係ということで、やっぱり日米地位協定は条約優先ということで解釈になるわけでございますけれども、今先生がおっしゃられたようなことがあるかどうかは勉強してまいりたいと思っております。
○今野東君 まあ官僚の方ですからその程度の答弁なんでしょうね。しようがないです。 さて、防衛省にお尋ねしますが、これ、米軍軍人が被疑者となる事件が後を絶ちません。なぜ多いのか、原因や背景について的確な分析が行われていると思うんですが、どのようになっているんでしょうか。
○政府参考人(伊藤盛夫君) 先生の御質問にお答えさせていただきたいと思います。 御承知のように、防衛省は、米軍の軍人軍属関係者等における事件、事故が発生しました場合におきまして、その日米地位協定等に基づきまして、被害に遭われた方への補償が適切になされるよう努力するという観点から、その実態調査とか、そういうことは行っておりますし、それから、当該事件等の再発防止のために、継続的な取組を政府の一員として関係行政府とも連絡調整しながら対応させていただいておるところでございますが、それぞれの事件、事故、一般論としまして、私どもが統計的に補償の観点から把握しております事件、事故の発生件数は、一般的に申し上げますとそれほど多いわけではございません。 しかし、地域住民の方々に不安を与えているような事件、事故が起こっていることは事実でございまして、それが起こらないように再発防止策につきまして真剣かつ着実に取り組む必要があると考えておりますが、その事件の背景につきましては個々様々でございまして、一概にお答えすることはなかなか難しいというふうに考えております。
○今野東君 結局、原因や背景について適切な分析はしていない。 それから、それほどこういう米軍人が被疑者になる事件が多くないからいいみたいな言い方はしない方がいいよ。そういう人の感情を、あなた、考えて言っているんですか、今。多くないからいいみたいな、そういう答弁は何なんだ、それ。多くないからいいんですか、そういう事件が起きても。
○政府参考人(伊藤盛夫君) 私は今の答弁で、起きましても、実際に被害に遭われた方の心情を勘案するときに、そうした事件、事故というのはあってはならないということで考えておりますと、そういうふうにお話を申し上げておりますし、そのように考えております。 それから、この点につきましては、防衛大臣もそのように答弁をさせていただいております。
○今野東君 そのことについて、本当に気を付けてください。被害者の方の感情というのもあります。たとえ一件の事件でも被害者の方がどれほど大きな傷を負っているか、そのことについて防衛省の担当者が多くないからいいなんて言われたらどんな気持ちになりますか。 厚生労働省に伺いますが、今回のような新型インフルエンザが流行した場合、北谷町のような、人口九千人のところに三千人も軍人の方が住んでいる、こういう町ではどう対応したらいいんですかね。防衛省あるいは厚生省、どう考えているんでしょうか。
○政府参考人(中尾昭弘君) 在日米軍の関係者が新型インフルエンザに感染していることが確認された場合には、米軍施設・区域の所在地を所管する保健所長と米軍の病院長との間における情報交換を通じて感染症の広がりを防ぐために日米の双方で協力をしていくと、このようなこととなっております。 具体的に申しますと、新型インフルエンザに感染した米軍関係者が日本人と接触をしたと考えられるような場合におきましては、当該患者に係る情報等について米国側からの情報提供を受けまして、感染情報に基づいて地方自治体が適切な感染拡大防止対策を講じると、こういう仕組みとなっております。
○政府参考人(伊藤盛夫君) 新型インフルエンザに在日米軍基地関係者が感染いたした場合でございますが、防衛省といたしましても、外務省とも連携いたしまして、関係地方公共団体等に対し適切に情報提供を行うとともに、その駐留軍等の従業員の方々の雇用主としての責任もございますので、そうした観点からも適切に対応していきたいというふうに考えております。
○今野東君 適切というのがどういう適切なのか分かりませんけれども、地域の保健所やそのほかが、どこに住んでいる人がどういう状態で今熱が出ていて、周辺の方たちにどういう呼びかけをしどういう措置をしなければならないかという密なる対策というのは、やっぱりこれは住基台帳に載っていてもらわないとできないことではないかと思いますよ。是非、法務大臣、大臣の一人としてこれを問題提起をしていただきたいと思います、必要なところに。これ先ですよ、そっちの方が、何て言ったって。不正規、証明を持たずに滞在している人の適正な管理というのももちろん大事です。しかし、それより先にそっちをやらなくちゃいけない、二万人以上もいるんですから、登録されていない人が、基地外にいる人が。 さて、それではちょっと話進めますが、修正案のところですけれども、特例法の規定により本邦に在留することができる者以外のものについて、入管法改正前の施行の日以降においてもなおその者が行政上の便益を受けられることとなるようにするとの観点から、必要に応じてその者に係る記録の適正な管理の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすることとあるんですが、ここにある行政上の便益というのはどのようなものがあるという認識なんでしょうか、修正案提案者に伺います。行政上の便益。
○衆議院議員(細川律夫君) ちょっと通告が私の方ではないあれだったものでちょっと戸惑っておるのでありますけれども、お答えをいたしたいと思いますが、入管法の修正案の提案者といたしましては、住民基本台帳の修正を含めた御質問にできるだけお答えをするとすれば、入管法の修正案で追加した同じ文言の趣旨に関連してということになるかと思います。 現在、外国人登録を利用するなどして母子の保護あるいは児童に関する予防接種あるいは教育など、人道的な観点から行政サービスは仮放免された者に対しても提供をされておりますが、改正法の施行後におきましてもなおこれらの人たちに対して行政上の便益が受けられるようにするためには、例えば予防接種の案内等の発送などが、市町村において外国人の居住の実態をしっかり把握をする必要があるというふうに考えられます。 そこで、法務大臣におきましては、仮放免をされてから一定期間経過したものについては、施行日以後についてもなお行政上の便益が受けられるようにするもの、そういう観点から、通知などについての検討規定を置いたものでございます。
○今野東君 住民基本台帳の附則、こちらの方の二十三条でも同様になっています。ちょっとお尋ねしたいところですけれども時間がないので、是非、総務省に、就学案内とかあるいは国保とか介護保険とか、そういった、いわゆる証明を持たずに滞在している人たちのこれは命綱になっているところですので、是非そこを削らないようにお願いしたいと思います。 さて、この附則二十三条で同じように対象としている人は仮放免許可者のみなのかなとちょっと心配になるところがあるんですが、仮放免もない、いわゆるオーバーステイの方もこれは含めるんでしょうか。住民という意味では、オーバーステイも、住所を持ってそこに住んでいるわけですから、住民基本台帳に記録されるべきなのではないかと私は思っております。在留資格にかかわりなく、住所を有する住民の記録を整備するのが住民基本台帳の本来の業務であります。 また、昭和五十六年のこれは最高裁の判決ですけれども、外国人登録法第三条について、「有効な旅券等を所持しない不法な入国者であると否とを問わず、すべての入国者に対し一般的に義務づけられているものであり、前記行政目的を達成するために必要かつ合理的な制度というべきである。」というふうになっておりまして、私たちは、ついこの間のカルデロン・ノリコちゃん一家の一連の出来事を通して、あのように不適正に滞在とはいっても、周辺の住民から信頼されて、また必要な税金も納めて、あそこの蕨市の市議会でも在留を認めてくださいという議決をされたように、地域の方々からもきちんと認められている、極めて良心的に滞在している人たちがいることを私たちは知りました。 わざわざこういう人たちをやみに潜らせるのではなくて、表にいてもらうという意味で、こういうオーバーステイの方も住民基本台帳に、住所を持って住んでいる方は住民基本台帳に載せたらいいと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(佐村知子君) お答え申し上げます。 住民基本台帳法の附則二十三条に関するお尋ねと思いますが、衆議院における修正により追加をされた附則二十三条に規定をいたします「本邦に在留することができる者以外のもの」というのは、おっしゃったように、現に本邦に在留をする在留資格のないもの一般を指すものでございまして、仮放免をされて当該仮放免の日から一定期間を経過したものは、限定するものではなくて例示として掲げているものでございます。
○今野東君 今のその一定期間を経過したというのは、どれぐらいの期間なんですか。
○政府参考人(佐村知子君) 失礼いたしました。お答え申し上げます。 住民基本台帳制度の対象者のお尋ねでございますけれども、住民基本台帳制度は、市町村長が、住民の居住関係の公証など住民に関する事務の処理の基礎として、住民に関する記録を正確かつ統一的に行う、そういう台帳を作成する制度でございます。 こうした制度趣旨を踏まえて、本改正法では、観光目的で入国をした短期滞在者等を除く、適法に三か月を超えて在留をする外国人を住民基本台帳法の適用対象としております。 不法滞在者についてでございますけれども、入管法上は退去強制されるべき地位にあることから、住民基本台帳法の適用対象とすることは適当ではないと考え、適用対象外としているところでございます。
○今野東君 少し質問がそちらでずれていて、私が質問したのではない答弁をさっきされたようですけれども。 もう一回お伺いしますが、一定期間経過したものというのは、どれぐらいの期間なんですか。
○政府参考人(佐村知子君) 失礼いたしました。お答え申し上げます。 附則二十三条において、「仮放免の日から一定期間を経過したもの」とございます。これについてのお尋ねと承知しておりますが、この一定期間につきましては、衆議院における修正によって追加をされた入管法等改正法附則六十条の第一項に規定をいたします一定期間と同様の範囲と考えられるところでございます。 総務省といたしましては、入管法等改正法附則第六十条第一項の趣旨を踏まえて、関連をよく整理をいたしまして、法務省とよく相談してまいりたいと思います。 失礼いたしました。
○今野東君 それでは、ここのところ、修正案提案者にお尋ねいたします。
○衆議院議員(細川律夫君) 端的に申し上げますと、御指摘のこの一定期間というのは、私ども提案者といたしましては三か月程度ということを考えております。 これは、短期の滞在者というものは、カードとかあるいは住民基本台帳には載らないということで、それ以上というようなこともありますので、そこで一定は大体三か月ということを考えております。 したがって、きちっと私どもとしては行政サービスがしっかり行われるようにしていただきたいというようなことでこういう修正をしたわけでございます。
○今野東君 よく分かりました。 そして、また同時に、仮放免についても基準を示して制度を見直していってほしいと思います。ここ、お尋ねしたいところでしたけれども、ちょっと時間がないのでお願いだけにしておきますが。 最後に、入国者収容所等視察委員会について入国管理局にお尋ねしますが、これ、本来なければならないものだと思っておりましたので、是非収容所の運営の改善向上につなげてほしいと思っているんですが、この委員会は幾つつくるんでしょうか。
○政府参考人(西川克行君) 現在の構想を申し上げますと、東西二か所に設置をしようというふうに思っております。 と申しますのは、入国者収容所等視察委員会の対象となる施設、全国で二十二施設あるんですが、これは大きいところは定員が八百人から八人と非常に多岐にわたっております。それで、先生方にはいろんな施設を見ていただきまして、それで御助言をいただきたいということと、それと、あと行政の効率性というものもございますので、当面は二か所に設置して、一か所には大体十人以内ぐらいの委員の先生方に行っていただきまして、巡回して見ていただいて、それで改善点について御助言をいただくと、現在はこのような構想でおります。またその運用状況を見て更に考えたいというふうに思っております。 以上でございます。
○今野東君 衆議院の審議を見ておりますと、二委員会で、各委員会に、今十人以内とおっしゃったけれども、二方面で、計四方面というお答えだったようですけれども、それでいいんですか。
○政府参考人(西川克行君) 東に一か所、西に一か所、それで各一か所十人と、こういうことでございますので、四か所という意味ではございません。
○今野東君 ただ、それにしても、収容施設、東日本収容所、西日本収容所、長崎、大阪、名古屋、東京、成田と、私たちが知っている主に数えられるだけでも六か所ある、今、二十二施設あるとおっしゃいましたけれども、これ、足りないんじゃないですか。
○政府参考人(西川克行君) 今、どれくらいの頻度で見ていただくかというのもこれから詰めるわけでございますけれども、常時見ていただくということは考えておりませんので、定期的にといいますか、ローテーションみたいなものを取って見ていただいて助言をいただくということでございます。 確かに先生おっしゃられるとおり施設が多うございますので、運用状況を見ながらまた更に改善を考えていきたいというふうに考えております。
○今野東君 それで、この委員なんですが、「人格識見が高く、かつ、入国者収容所等の運営の改善向上に熱意を有する者のうちから、法務大臣が任命する。」というふうにあるんですが、具体的にこれどういう人たちを想定しているんですか。
○政府参考人(西川克行君) これもこれから詰めていきますが、今構想しておりますのは、例えば学識経験者、それから法曹関係者、医療関係者、NGOの関係者、そのほか幅広い分野の有識者から任命することを考えておりますし、それから、選出に当たりましては、例えば弁護士会、医師会であるとか、NGO等の推薦を受け、あるいは少なくともこのような団体と御相談をさせていただくということを検討しております。
○今野東君 参与員制度の例を見ますと、どうも私たちから見ると偏っていて、NGOからの推薦の人がなかなか委員になれなかったりというようなことがあるようなんですけれども、是非医療関係者の方は入れていただきたい。それから、難民支援NGOあるいは弁護士、今法曹界からもとおっしゃったからその辺は考えていただいているんだろうと思いますけれども、その辺りで、公正に収容状況、運営状況を見詰めることができる人を、是非、私たちが見て何か偏っているなという、できるだけ問題が表に出ないような人選なんじゃないかと思われるような人選ではなく、公正な人選をしていただきたいと思います。 それから、最後に確認なんですが、これは、委員会が問題意識を持ったときに、入国者収容所長に改善の申入れを直接するということはできるんでしょうか。そして、委員会の改善申入れについて必要な措置を講じなければならないというような具体的な文言がないんですが、その辺りはどこをどう読めばこれは担保できるようになっているんでしょうか。
○政府参考人(西川克行君) まず、入国者収容所等視察委員会ですが、視察の結果でありますとか被収容者との面接などの結果に基づきまして、入国者収容所等の運営に関しましてその長に意見を述べるということによって、当該施設における警備、処遇の透明性あるいは運営の改善向上を図ると、このために設置されるというものでございますので、意見を述べるということができます。当然、入国者収容所長はその意見を真摯に受け止めて、その内容を踏まえて改善を図る、そのために必要な措置を講ずるということになるわけでありますが、その担保といたしましては、委員は適任者を法務大臣が任命する、法務大臣は、毎年、委員会が入国者収容所長に対して述べた意見、これを受けて入国者収容所長等が講じた措置の内容を取りまとめてその概要を公表するということにされております。 したがって、委員が収容所長等に申し述べた意見が無視されたり、そういうことはなくて、その意見は十分担保されるというふうに考えております。
○今野東君 これ、今聞いていると、何か委員と所長の意見のやり取りというのがどうもないように見えるんですね。 委員が所長に改善を申し入れる、そのことをどう措置したかというのを法務大臣が公表するとなっていますね。これ、委員が収容所長に改善申入れをして、収容所長が委員に対してこれこれの点はこうなりましたよという段階も必要なんじゃないですか。
○政府参考人(西川克行君) 実行上は、当然のことながら、いろいろ意見を申し述べられて、実情についてその所長の方も話をし、それから改善の予定であるとかそういうこともその段階で意見交換がなされるということが通常だと思います。その上で、意見と、それとなされた措置については別に法務大臣の方に報告をされると、こういうことでございます。
○今野東君 委員が改善を申し入れたことについて、これはそうなっていないよというやり取りは要するにできるんですね。
○政府参考人(西川克行君) 当然できるというシステムにしようと思っております。
○今野東君 およそ一時間お尋ねをしてまいりましたが、様々なお答えをいただきました。 この今の入国収容所視察委員会は、せっかくおつくりになるんですから、是非きちんとしたものをつくっていただきたいですし、それから住基、住民基本台帳についてはオーバーステイの方も是非、不法に滞在している人という考え方をやめて、非適正に、あるいは証明書を持たずにやむを得ず滞在している人という見方を持って住民基本台帳に載せていただいて、そして共生社会をつくっていくという視点を持っていただきたいと思います。 時間が来ましたので、終わります。ありがとうございました。 ─────────────
○委員長(澤雄二君) この際、委員の異動について御報告をいたします。 本日、小川敏夫君が委員を辞任され、その補欠として白眞勲君が選任をされました。 ─────────────
○丸山和也君 自由民主党の丸山和也でございます。 これから質問させていただきますが、個々の今回の法案についてお尋ねする前に少しお聞きしたいんですけれども、今回、どうしてこういう、先ほどの質問にも若干重なるんですが、今回、入管法とそれから外登法による外国人管理といいますか、そういうのを一元化する方向で法案が出されているということなんですが、ここの、この時期にこういう改正といいますかねらいを定めた提案をされている基本的な理由というのはどういうところにあるんでしょうか。
○国務大臣(森英介君) 先ほどの今野委員に御答弁したことと重なりますけれども、現行の制度では、法務大臣は、入管法に基づき、外国人の入国時や在留期間の更新時等の各種許可に係る審査を行う際に、外国人から必要な情報を取得している一方、在留期間の途中における事情の変更については、市区町村が実施している外国人登録制度を通じて把握することといたしております。 ところが、近年、我が国の国際化が進展し、新規入国者数が著しく増加するとともに、我が国に居住する外国人の数も増加し、また、我が国に在留する外国人の構成も大きく変化してまいりました。そうしたことから、外国人の在留状況、とりわけ居住実態の正確な把握が困難になってきております。 そこで、今回の改正により、現行の入管法に基づいて行っている情報把握と外国人登録法に基づいて市区町村を通して行っている情報把握の制度を改め、適法な在留資格をもって我が国に中長期に在留する外国人を対象として、法務大臣が在留管理に必要な情報を継続的に把握する制度の構築を図ろうとするものです。すなわち、今までは点の把握でしたけれども、それを線でもって把握しようというものでございます。 これによりまして、在留管理に必要な情報をより正確に把握できるようになりますし、また、新たな制度の構築を前提として、在留期間の上限の伸長や再入国許可制度の見直しなど、適法に在留する外国人に対する利便性を向上する措置の実施が可能となるわけでございます。
○丸山和也君 点から線へということですね、何か松本清張をちょっと思い出したんですけれども。 近年、非常に不法滞在者が政府の御努力によって、当局の御努力によって減った、半減したというふうに聞いているんですけれども、この点については事実だと思うんですけれども、すると、今までの制度では、せっかくここまでやってきたのにまた不法滞在者が増えてしまう、情報把握もできないようなところからせっかくここまで減らしたのがまた増えてしまうというような不安も背景にあるんでしょうか。
○政府参考人(西川克行君) 今回の改正の中身が新たなる在留管理制度の構築ですので、不法滞在者の面があるのは否定いたしません。 先ほど、なぜこの時期にという質問がありましたが、音を上げているのはどういうところが音を上げているかというと、いわゆる外国人の集住都市、この集住都市会議、外国人が集中して住んでいる都市、そこの会議がございます。そこでどういう意見が強く出されているかというと、今は外国人登録しかございませんので、その行政サービスを提供する基礎は外国人登録しかないと。ところが、住所を始めとしてそれが極めて不正確で使いづらいものになっているんだと。ですから、何とか外国人の住所を中心としたその把握を十分できるような、それを行政サービスの基礎にできるようなシステムを新たにお願いしたいと、こういう強い声がございまして、外国人に対する、正規在留者に対するサービスということになりますけれども、外国人に対するサービスの面と不法滞在者の両面を取り上げまして、それでは法務大臣において継続的に外国人の情報を正確なものを取得をして、それはもちろん在留管理にも使いますし、必要な部分については各市区町村に提供してそれを行政サービスの基礎にしていただくと、こういうことで始まったと、こういうことでございます。
○丸山和也君 分かりました。 それで、個々のちょっと質問に入る前に大臣にお聞きしたいんですけれども、前にもお聞きしたんですけれども、やっぱり基本的に外国人とどう向き合っていくかということ、さらに、外国人を日本にどのように受け入れるかという問題なんですけれども、とりわけやはり切実に感じるのは、労働力として外国人を受け入れることについて、非常に一般的な質問で、どのように基本的に考えているのか、それから、特に難民ですね、それも政治的難民と言われる人たちに対する受入れを含めた対応をどうするのか、ここら辺がやはり常に問われていると思うんですけれども、案外はっきりしないんですよね。基本的には門戸を広く受け入れるという政策は取っていないと思うんですけれども、国際化の時代にあって、これから日本として外国人の受入れについて基本的にはどのようにお考えになっているのかということをまず最初にちょっとお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(森英介君) 今お尋ねのありました我が国における外国人の受入れにつきましては、我が国の社会の安全と秩序を維持しつつ、かつ我が国の経済社会の活性化や一層の国際化を図る観点から、専門的、技術的分野の外国人労働者についてはこれまでも積極的な受入れを図ってきているところであります。今後も引き続き受入れを推進してまいりたいと存じます。 また、少子高齢化時代を迎えた我が国においては、外国人の受入れの在り方に係る議論は重要なものであると認識をしておりますけれども、専門的、技術的分野に該当しない分野におけるいわゆる単純労働者につきましては、またあるいは移民政策の導入ですとか、こういったことについては、我が国の将来の国の在り方あるいは社会の在り方そのものにかかわる問題でありまして、様々な観点からの国民的な議論が必要ではないかと思っております。 ちなみに、私個人といたしましては、やはりこういった単純労働者の受入れというのは抑制的な方がいいんじゃないかというふうに思っているということを付言しておきます。 そういったことで、法務省としては、こういった様々な御意見に耳を傾けまして、今後はこういった議論が収れんしていくのを見守って的確に対処をしてまいりたいと考えております。
○丸山和也君 じゃ、確認ですけれども、基本的に我が国としては、一部専門技能的な労働者以外は受け入れないと、そして移民も受け入れないと、単純労働は当然受け入れないという、それとちょっとお答えなかったんですが、難民とかそういうふうについても受け入れないと、非常に制限的にというか、ほとんど受け入れないという基本政策を堅持する中で、ちょこちょこっとまあ必要な専門家は入れたり、こういう方針でいくという、分かりやすく言えば、そういうふうに理解をしてよろしいんでしょうか。
○国務大臣(森英介君) これは、やっぱり日本人のむしろ雇用労働の問題もございますし、必ずしも、また、単に今少子高齢化でもって現役世代が少なくなったからそこを補完する意味でこういう移民を受け入れましょうというふうな短絡的な議論ですと、それに、一時的に見ればそれは経済の推進ということからすれば好都合かもしれませんけれども、それで、ある年代になって母国に帰っていただくようなことができればこれは誠にもって結構な話ですけれども、そのまま日本に定住されるとすると、結局その方々もいずれ社会保障の給付の対象になるわけであります。 そういった意味で、私は、なかなか移民政策というのもいろいろと御意見があることは承知しておりますけれども、実際、いざ、言うはやすく行うは難しで、それを大胆に取り入れるということになりますと、いろんな慎重に考えるべき問題点があるというふうに思っております。 一方、今、外国人研修制度、これでもってもう随分多くの研修生が日本に入ってきておりますけれども、これはある意味で苦肉の策みたいな一面もありますけれども、我が国の様々なそういった伝統技術等の技術移転とか国際貢献とか、そういった一面を併せ持ちながら、かつ、日本のそういった労働力に対する需要を満たすといった両面からぎりぎりのところで非常に有効に機能している制度であるというふうに思っておりますので、これは、今回の改正でも、やはりそういった外国人研修生の様々な、についてかかわる労働基準法上の問題が起こっておりますので、そういったことをよりなくすように、外国人研修生の保護につながるような改正が行われていることは御存じのとおりでございます。 いずれにしても、非常に単純労働者の大胆な受入れとかそれから移民政策の導入についてはやはり国民的な議論を踏まえて慎重に対処していく。ただ、もちろん、全くそういうことを、閉鎖的な国であり続けていいかということはもちろん議論の余地があるわけでありますから、そういったことも含めていろんな観点からの議論が必要であるということを申し上げているわけでございまして、決して、丸山委員がおっしゃっているように、はなからそういうことが議論の余地もないと申し上げているつもりはございません。
○丸山和也君 是非、やはりこれは法務省にとりましても非常に重要な、いいと言うと変ですけれども、要するに、外国人をどのように受け入れるか、労働者、移民も含めてどのように国がそれを、姿勢で向き合うかということを、国の在り方とか日本の社会の在り方そのものを非常に大きく変えていくというか、これからつくっていく非常に大きなファクターになると思うんですね。 そういう意味では、単に外国人を管理するとか情報を、不法滞在者を追い出すということだけじゃなくて、これからの国づくりに資する大きな権限を持っていると思うんですね。もちろん法務省だけでこれを決定することはできませんけれども、そういう意味では、決して、僕が言いたいのは、今すぐ、だから全部労働者を入れろとか移民政策を取れと言っておるんじゃないんですけれども、こういうことについての基本的な考え方を深めていく努力をある程度リーダーシップを持ってやっていただきたいと。これはもう何十年前から、三十年、四十年ぐらい前から言われているんですけど、結局余り議論がされないまま、いずれというような形で余り真剣に議論もされてこなかったと思うんですね。だけど、これだけの国際社会の中で日本がこれからやっぱり活力を持って世界に伍していくためには、ある意味ではやはり避けて通れない問題だと思うんですよ。決していろんな文化的違いがあるからマイナスが起こるということではなくて、プラスの面もいっぱいあると思いますので、そういう意味での共生社会をつくっていくということ、日本型の共生社会をつくっていくという意味では、やっぱりかなり重きを置いて議論されてもいいテーマではないかと私は思っているんですよ、常々。 そういう意味で、法務当局におきましても、やはりリーダーシップを持って議論を起こすような方向で取り組んでいただきたいなということをお願いしておきたいと思います。一応、答弁というか。
○国務大臣(森英介君) 私も、そういった問題というのは極めてこれからの日本にとって大きなテーマであるというふうに思います。 それぞれのいろいろな立場からこういった議論をして、この問題について、もうちょっと輪郭をはっきりしていくということが極めて重大なことであろうというふうに受け止め、私自身、できる限りの努力をしてみたいというふうに思っております。
○丸山和也君 それでは、個々のちょっと質問に入らせていただきたいんですけれども。 これまでは外国人登録証明書ですか、これは不法滞在者に対しても、まあ不法滞在者、一応いろいろ御意見ありましたけれども、不法滞在者に対しても発給されているわけですけれども、これは今後、在留カードという形になった場合は、もちろん不法滞在者に対しては交付されないわけですよね。ここら辺はどういう違いがあり、また意義があるんでしょうか。
○政府参考人(西川克行君) 委員御指摘のとおり、現在、外国人登録証は不法滞在者にも発行をされております。 この理由を簡単に申し上げますと、外国人登録法の登録の対象となる外国人には不法滞在者も含まれると、こういうことになっておりまして、かつ、本邦に在留する外国人は上陸の日から九十日以内に登録の申請をしなければならないと、したがって、不法滞在者であっても登録の申請をしなければならないと、その登録は受け付けなければならないし外国人登録証を渡さなければならないと、こういう仕切りになっております。 これは相当昔の話になって、戦後の話になりますが、当時は、不法滞在者というのはほとんど朝鮮半島からの不法入国者ということのようでございました。その人たちの取締りに、不法入国した後に我が国に定着した後、外国人登録をしていないということで検挙をしたと、こういう歴史があるようでございます。したがって、当時としてはそれなりの合理性があったのかなと思いますが、現在では外国人の構成も変わっておりますし様々な状況が変化しておりますので、現在はむしろ不法滞在者が外国人登録証を持てるということに違和感を感じることになっているというふうに考えております。 新たな在留カードについては、正規の在留者であり、かつ中長期我が国に在留する外国人の方に交付すると、こういうことになっております。
○丸山和也君 そのように説明されております。 それで、ちょっと念のためにお聞きしたいんですけれども、では、今までの制度の中で、戦後すぐとかそういうのじゃなくて、いわゆる割かし最近といいますか、不法滞在者で外国人登録申請をしてそれでカードを持っているという人の数というのはどのくらいあるんでしょうか。
○政府参考人(西川克行君) 概数ですが、約一万八千人おられるというふうに考えております。
○丸山和也君 それでは、今回の法改正の中で非常に形としてはっきり変わったなというふうに思われるのは、やっぱり在留カードだと思うんですよ。これの導入だと思うんですよね。 それで、これについてお聞きしたいんですけれども、これはどういう手続で、いつ、どこでもらえるというか交付されることになっているんでしょうか。
○政府参考人(西川克行君) 基本的には、当初から中長期我が国に在留する外国人の方の場合は、空港において上陸の段階で中長期の在留期間が与えられますので、その段階で在留カードを交付するということを考えております。 ただ、途中で中長期の在留資格に変わる場合もございますので、その後は、その場合には、後日、入管官署で交付するということになろうというふうに思います。
○丸山和也君 このカードはいわゆる券面の記載事項のほかにICチップが組み込まれていると聞いているんですが、これのやっぱり意味というのはどういうところにあるんですか。ICチップを組み込んでいる、またそこに記載されている内容との関係では。
○政府参考人(西川克行君) このICチップを組み込んでいるという意味は、ほとんど専ら偽造対策ということでございます。もちろん、カードの券面上というか、あっ、失礼、額面上も、今は外国人登録でなされているような偽変造対策、例えばホログラムを使ったりというのはしようと思いますが、基本的には額面に表示されているものの全部又は一部をICチップの中に入れると。したがって、そのICチップを読み込める機械があれば、その額面の記載とICチップの内容を比較して、それで真正なものかを確認するということで、それが強力な偽変造対策になるというふうに考えております。
○丸山和也君 ということは、額面だけでは偽造されやすいけれども、ICチップの中まではなかなか読み取られて偽造されるようなことはないから、これで偽造対策になると、こういう考えでよろしいんでしょうか。
○政府参考人(西川克行君) 委員のおっしゃられるとおりに考えております。
○丸山和也君 これは、交付された場合、常時携帯義務というのはあるんですね。
○政府参考人(西川克行君) 在留カードの場合については、常時携帯義務がございます。
○丸山和也君 現在、この関係で偽造、変造が非常に横行しているというようなことで特にこういう改正を取り入れられたと聞いているんですけれども、これ、ICチップを盛り込んだこの在留カードによって実際偽造、変造というのはほとんどなくなるというふうに思われているんでしょうか。どうなんでしょうか、そこは。
○政府参考人(西川克行君) もちろん、ICチップまで、つまりカードの額面を似せるようなものについてはあるかもしれませんが、いずれにしろそれは機材に入れたときにICチップの中身と照合することによって偽造であることが判明すると。そういう意味で、強い偽変造抑止の効果があるというふうに思っております。
○丸山和也君 それでも偽造されたような場合に対しては罰則で対応すると、こういう考えなんですね。
○政府参考人(西川克行君) 罰則及びその偽変造に関与した者が外国人である場合は、これを退去強制事由とするということで対応しようというふうに考えております。
○丸山和也君 そこで、やや問題にされていると思うんですけれども、個人情報との関係ですよね。これの個人情報が、あるいはこのカードに、ICチップに記載された個人情報が他の目的に利用されるとかあるいは流出するとか、こういう危険性というふうなことはないんでしょうか。
○政府参考人(西川克行君) まず、法律上、ICチップに組み込まれる情報というのは額面の記載の全部又は一部ということでございますので、写真の情報は入りますけれども、それ以上のものではないということでございまして、そう膨大な情報をこのICチップの中に組み込むということではございませんので、見た額面の情報がそのままICチップに入っていると。一部の場合もあると思ってこれからこれも詰めますけれども、全部又は一部でございまして、それ以上のものを入れると今度は法律違反になりますので、それはできないということになっております。
○丸山和也君 すると、それはむしろ偽造とか対策用にICチップを入れていると、表の面と中身、チップの中で違っている、偽造した場合は発見するツールとしてICチップを組み込んでいると、こういう理解でいいわけですか。
○政府参考人(西川克行君) おっしゃるとおりでございます。
○丸山和也君 次に、それと、今回、改正で非常に私も前進したなと思う点が一つあるんですけど、やっぱりみなし再入国という点ですね。これについて、かつて非常に、意味のないというと変ですけれども、何度も何度もこういう手続を、再入国手続を取らなきゃならないということで、非常に日本にいる外国の方から不満が漏れていたんですけど、これについてみなし再入国制度を設けられたということで利便性を図られたということなんですけれども、これは単純にそういう要望をついに聞き入れたということでよろしいんでしょうか。それとも、情報管理が非常にこれから進むようになるからこういう制度を取ったという、そういう側面もあるんでしょうか。
○国務大臣(森英介君) 従前から再入国許可の見直しにつきましては種々の要望がなされていましたが、新たな在留管理制度の導入によって中長期在留外国人に関する在留状況の継続的かつ正確な把握が可能となりました。それによりまして再入国許可に際して在留状況を確認する必要性が少なくなりますことから、外国人の利便性向上のため再入国制度の見直しを行い、みなし再入国許可制度を導入することといたしたものでございます。
○丸山和也君 非常にこれは僕は前進であり、私も外国人雇った経験があるんですけれども、そういう意味で利便性、あるいは図られて良かったと思っています。評価も高いと思います。 それで、それはその評価ということで、一方、在留資格の取消しということに関して少しお聞きしたいんですけれども、いわゆる今偽装結婚とかそれからDVとか家庭内暴力とか、いろんなことが問題になっているんですけれども、これの関係で、いったん在留資格はもらったけれども、これが取り消されてしまうんじゃないかという懸念もかなり強く出ているんですが、とりわけDV被害との関係で、同居していたんだけど、そこから逃れるとか行方をくらますとか、いろんなことが出てくると思うんですが、こういう事件といいますか家庭内の事件とそれから在留資格の取消しというようなことがこれからいろいろ起こってくるんじゃないかと思うんですが、その点についてはどういう配慮をされるんでしょうか。
○政府参考人(西川克行君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、今回、在留資格の取消し事由の一つとして、配偶者の身分を有する者としての活動を行っていないというのを付け加えるということになっております。これは、配偶者の身分を有する者としての活動を行うことを理由に我が国に在留が認められると。その活動自体がなくなったということでございますので、その資格で日本にそのままいるというのは不都合であろうということから、取消し事由の一つにするというのが一つと。また、もう一つの理由としては、近年、非常に偽装婚が問題になっておりまして、偽装婚の対策にもなるということで導入させていただいたというものでございます。 それで、御懸念の点でございますけれども、確かにDVの被害者が配偶者のうちの一方であるという場合等で、これをこのまま当てはめると酷な面があるというのが出てくるというように思います。すなわち、DVが原因で離婚した外国人については、形式的には配偶者の身分を有する者としての活動を行わないで在留するということの要件に該当するということになりますが、これは衆議院における修正案において明記されましたとおり、活動を行わずに在留を継続することについて正当な理由がある場合には在留資格の取消しの対象から除外をされるということになります。 DVの事案の中には、申請があれば定住者等の在留資格への変更の許可が見込まれると、こういう場合もございまして、在留資格取消し手続における意見聴取の際に外国人に対してその意思を確認するなどし、在留資格変更を許可するのが相当である場合には、在留資格取消し手続を終了させて、資格は実際は取り消さないと、このような柔軟な対応をすることが適当であるというふうに考えております。
○丸山和也君 言うはやすしで、実際は結構難しいというか、ケースもあると思うんですね。 ちょっと立ち入ってお聞きしますけれども、DV被害に遭ったんだ、だから離婚したんだというようなケースがあって、それは虚偽であるかも分からないし本当であるかも分からない。そこら辺の調査というか判定というのはどの程度実効的におやりになるんでしょうか。
○政府参考人(西川克行君) その点については、御本人、それから関係者の方々から詳細話を聞きますし、今回、在留資格の関係につきましてある程度の調査も実施できるということが明文化されましたので、その調査権限等も利用して調べていって真相を確かめるという以外の手だてはないというふうに思っております。
○丸山和也君 そこら辺は、是非この修正された趣旨に沿ってやらないと、やっぱりかなりさじ加減で結構どうでもなると思うんですね。ですから、やはり慎重にというか、丁寧にやっていただきたいということを申し上げておきます。 それからもう一つ、やはり修正協議の結果が出ているんですけれども、上陸許可の新規の居住地の届出を九十日以内にしない場合は取消し事由になるんですけれども、この場合もやっぱり正当な理由ということが加えられているんですけれども、除く、正当な理由がある場合はと。これはどういうことを特に念頭に置かれているんでしょうか。
○政府参考人(西川克行君) これは、原案では正当な理由というのは入れておりませんでした。ただ、すべてを取り消すというわけではなくて、取り消すことができるという条文になっておりましたので、事案では取り消さない場合もあるのかなというふうには考えておりました。 修正で正当な理由というのを入れていただいたということでありますが、初め、日本に上陸をして中長期我が国に在留する外国人なので普通の場合はどこそこに住むだろうという住所についてのある程度のめどを持って我が国に在留しているだろうということを考えていたので、あえて正当な理由がある場合は除くというのを入れる必要はないのかなというふうに考えておりましたが、ただ、例えば何らかの就労の資格で我が国に在留して、本人の責めによらないで会社が倒産してしまってどうしても住所を定めることができなかったと、そんなような場合も生ずるのかなというふうに思いましたので、そのような場合については、事案によりますけれども、正当な理由ということで認められる場合も出てくるのではなかろうかなというふうに考えております。
○丸山和也君 分かりました。 それと、この九十日以内にという点ですね。私、これは必ずしもけしからぬというわけじゃないんですけれども、やや個人的な感覚として、九十日というのは逆にちょっと長過ぎるんじゃないかなという感触をちょっと持っているんですけれども、そこら辺についてはどのようにお考えになるでしょうか。
○政府参考人(西川克行君) 本法案では、実際は十四日以内に届け出ていただくということになっていて、九十日というのは取消し事由でございます。取消しというのは、在留資格自体が取り消されて我が国から出ていかなければならないわけですので、やっぱりある程度の余裕を与えた方がその当該対象となる外国人の方にもいいのではないかなということで九十日という日付にしたものでございまして、実際はもっと早く住居地を定めて届けていただけるのを念頭に置いておりますが、それでも九十日以内には届けてくれなければ取り消される可能性もありますよと、こういうことでございますので、そのように理解願いたいと思います。
○丸山和也君 おっしゃることは分かるんですが、逆に長くすれば、逆に、届け出る人はきちっと届けるんだけれども、だらだら余り長く余裕を与えているとかえっていいかげんになって届け出ないというか、こういう退去強制事由といいますか、取消し事由に該当する人が出やすいんじゃないかなと思ったものですから、ですから時間を短くしていった方がいいかなと思ったんですけれども。分かりました、その点は。 それから、今回の改正で目玉とされている外国人の研修・技能実習制度、これについても大変これまでの弊害も勘案した上で配慮をした内容になっているというふうに説明されているんですが、これは特にどのようにメリットがあるんでしょうか。
○政府参考人(西川克行君) 今回、外国人の研修・技能実習制度の改正をいたしましたが、これは、研修生、技能実習生を実質的に低賃金にしている、それから不適正な受入れが増加していて、いわゆる不正行為、これも多発していると、こういう実情にあるということで、この不正行為を何とか少なくする、さらにはなくそうということで、専ら研修生、技能実習生の保護の強化という観点から改正をお願いしたというものでございます。 具体的には、実務研修、これはもちろん学ぶという側面もあるんでしょうけれども、働くという側面もあると。ただ、現在、研修というのは就労ということでは位置付けられておりませんので、これは労働法規の保護を受けることができないと。したがって、この実務研修を行う場合は原則として雇用契約に基づいて技能修得活動を行うということを義務付けて、その結果、例えば労働基準法だとか最低賃金法等の労働関係法上の保護を受けられるようにすると、これが第一点ということでございます。 それから、技能実習生の安定的な法的地位を確立するという観点から、現在、技能実習は在留資格、特定活動ということで、法務大臣が個々に指定する活動として実施されていたんですが、在留資格として整備をすると、これが第二点目ということでございます。 そのほか、例えばブローカー対策として、研修生のあっせん等で例えば文書の偽造等をしたりとかいう外国人がいたらそれを退去強制できると、このようなシステムもつくりましたし、それから、法案の中ではございませんけれども、第一次受入れ機関がより強固な管理をできるというシステム、これもつくっていくということでございます。
○丸山和也君 今そういうふうにお答えになって、これまで非常にこの制度を悪用して社会問題になっていて、それからもうブローカーも暗躍していた、一つの、入管政策の、くぐり抜けて悪用して社会問題に大変になっていたのが、今後これによって改善されると、またされなければならないと。そしてまた、技能実習生に対しても法的保護を厚くして、彼らが、たくさんの人たちを受け入れようとならなきゃならないと思うんですけれども、これについてやや問題点が、これでもう万全だということなんでしょうか、それとも、やはりなお足りないというような点があると思われているのか、そこら辺をちょっとお聞きしたいんですけれども。
○政府参考人(西川克行君) 本件の改正は専ら現在における不正行為、これを何とかしようという観点からの改正でございますので、今後の研修・技能実習、これから技能実習ということになりますけど、この在り方については更に関係省庁、それから各分野の御意見もいただいて、議論を深めていく必要があるというふうに考えております。
○丸山和也君 やはり制度をつくっても、それが本当にうまく運用されるかどうかは非常に重要な問題だと思うんです、特にこの部分に関しましてはですね。ですから、実際どういう運用状況になるのかということを、もうやっぱり十分調査していただき、またデータも集めて、それから見直しも含めて検討を是非していただきたいと思うんですけれども、その点について、そういうお気持ちはあるんでしょうか。
○政府参考人(西川克行君) 今回の改正で、まず不正行為をとにかく少なくすると、これが第一の主眼でございますけれども、その上において、運用をよく見極めて、それから、先ほど申し上げたとおり、各関係省庁それから各界の意見も伺って、今後の研修・技能実習の在り方について議論を深めたいというふうに考えております。
○丸山和也君 そういうことなんですが、実際にこの制度の下で、いわゆる受入れ団体の中で非常に悪質だと、行為あったことが発覚したような場合、それに対してはどういう処置をとられるんでしょうか。
○政府参考人(西川克行君) 現在もいわゆる不正行為が多数発生をしております。現在は、不正行為を行った受入れ団体については三年間受入れを停止すると、こういう措置をとっておりますが、これは今回の改正に伴う法務省令等で定めるということになると思いますけれども、法務省令等で定めるということになりますが、この受入れ機関につきまして、重大な不正行為については受入れ停止期間を三年から五年に伸長するというふうな措置もとりまして、より厳正、適切な不正行為認定、それから悪質な受入れ団体をこのシステムから排除していくということをやりたいというふうに思っております。
○丸山和也君 この三年から五年にというのは、そういうふうに持っていきたいということなんですか、そのようにするということなんですか。
○政府参考人(西川克行君) 関係省庁の意見も伺いますが、三年から五年に伸長するということで考えております。
○丸山和也君 こういう悪質な受入れ団体について、三年から五年これ停止するということもあるんですけれども、やはり氏名の公表とか責任の追及とか、こういう、単に停止期間を五年にしたということだけじゃなくて、もっとやっぱり厳しい罰則が必要だと思うんですね。よく、いわゆる外国人を食い物にして利益を上げるということは、決して外国人の受入れの本来の目的と全く逆のことを、彼らがやっぱり悪い感情を持ってまた本国に帰るなりして日本でひどい目に遭ったよということが広まるわけですから、決して日本にとってプラスにならないんですね、一時的には確かに何らかの形で戦力になったりするでしょうけれども。ですから、かなり厳格に、厳正に対処した方がいいと思うんですけれども、どうでしょう。
○政府参考人(西川克行君) 委員おっしゃるとおりで、不正行為の認定で、ただ単に受入れ機関を決めるというだけではなくて、不正行為の中には犯罪を構成するもの、これもございます。特に、賃金不払等の労働基準法違反等多数の事件が挙がっておりますし、現在も、労働基準法違反ということで労基の方で刑事手続に乗せている事件もございますが、今回、ただ、今までは研修につきましては、これはあくまで研修でございまして、労働法関係法規の適用がなかったものですから、研修手当の不払や何かにつきましては、これは労働基準法違反ということはできなかったと。 今度は労働関係法規のカバーする枠が広がりますので、今後、労働基準監督署等、それから刑事司法機関等とも連携を深めまして、それで犯罪を構成するような不正行為のものにつきましては、ただ単に行政手続だけではなくて刑事手続の力も借りてこれを減少させる、さらには撲滅に近づけるという努力を払っていきたいというふうに思っております。
○丸山和也君 じゃ、今後はそういう各機関と連携した上で、悪質な刑事事件に該当するようなものについては刑事告発もすると、こういう強い姿勢で臨んでいくというふうに理解してよろしいんでしょうか。
○政府参考人(西川克行君) 委員のおっしゃるとおり、厳正に対応したいと思っております。
○丸山和也君 じゃ、是非期待しておりますので、それを見守りたいと思います。 それから、衆議院で修正された点についても若干お聞きしたいんですけれども、特別永住者については証明書並びに旅券の携帯義務条項を削除したとあるんです。これはどういう理由からなんでしょうか。
○衆議院議員(桜井郁三君) 現時点においては、特別永住者について特別永住者証明書及び旅券の常時携帯義務を課す必要性が完全に否定されたわけではございません。しかしながら、特別永住者については、その歴史的経過及び我が国における定着性にかんがみ、特段の配慮が必要であり、また、平成十一年度の外登法の改正による全会派一致の附帯決議において、特に特別永住者にかかわる外国人登録証明書の常時携帯義務について見直しが求められていたところでございます。したがって、今回の法改正において、特別永住者証明書及び特別永住者にかかわる旅券の常時携帯義務規定を削除することとしたものであります。 なお、特別永住者証明書の常時携帯義務を削除したことにより、特別永住者への成り済ましの危険性があるとの指摘については、当該外国人の身分関係、在留資格の有無等について迅速に把握して、その運用を徹底することにより対応することは可能であると考えておるわけであります。
○丸山和也君 これについても、随分前から携帯義務をやっぱり削除すべきだという、もうずっと前からいろいろあって実現したと思うんですけれども、成り済ましという、そういう若干その危険もあるかも分かりませんけれども、この削除されるに至った理由というのは、やっぱりそういうことを常に、特別永住の資格を持っている人に対してまで常に携帯しなきゃそれは違反だよというようなことが、やっぱり何というかな、まあ人権侵害と言えるかちょっと分かりませんけど、そういう観点からの配慮もかなり考慮されたんでしょうか、そこをお聞きしたいんですけれども。
○政府参考人(西川克行君) 特別永住者につきましては、もう先生御案内のとおり、平和条約の発効によってそれまで日本人であったという方々が自分の意思に関係なく国籍を失われたと、こういう歴史的経過がございますし、定着性が非常に高いということで、改正原案を出した立場からは非常に申し上げづらいんですけど、もう平成十一年の段階で罰則からは外れておりまして、過料と、こういうことになっておりました。したがって、特別永住者の常時携帯義務違反について現行犯逮捕とかそういう問題は既に生じていなかったと、こういうことでございます。 もちろん、特別永住者の方々、日本に定着いたしまして日本人と変わらない生活をされているということで非常に大きな要望等もございましたし、それから、平成十一年の過料になった後の経過を見ましても、もちろん現場では特別永住者の方々に外国人登録証を提示を求めるという事案はあると思いますけど、検挙事例はございませんので、現時点で廃止されても迅速な照会に対する回答ということで対応できるんではないかというふうに考えました。
○丸山和也君 そういう歴史的経過を逆にお聞かせいただくと、逆に、今から言っても仕方ない、もっと早くこういうのが削除されてもよかったんじゃないかなという気もするんですね。 それで、実際問題として、これ携帯していないからといって検挙されたり処罰された例がもう全然ないようにおっしゃっているんですが、これ一件もないということなんですか、過去に。
○政府参考人(西川克行君) 少なくとも、平成十一年に過料ということになった後、過料を取られたという事例については聞いておりませんので、ないと思います。
○丸山和也君 やはり厳格な法の執行ということと、それからできるだけ差別とかあるいはそういうのを廃止していくという、またそういう感情を持たせるということもできるだけ、場面も少なくしていくという考え方は、法の執行には厳格さとそれからやっぱり差別を廃止するという、この両面はやっぱり大事だと思うんですね。そういう意味では、やや若干長く掛かり過ぎたなという感じは持っているんですけれども、良かったなと思っています。これは質問ではありません。 もう大体聞いてしまったんだよな。それから、修正協議に関して附則があるんですね、附則の追加がありまして、その中で、三の中、法務大臣は、永住者のうち特に我が国への定着性の高い者について、歴史的背景を踏まえつつ、その者の本邦における生活の安定に資するとの観点から、その在留管理の在り方を今後検討するものとすると、こういうふうに附則が追加されているんですけど、これはさっきの、何というか、特別永住者とはまたちょっと違う論点で付け加えられたと思うんですけれども、これはどういうことを言わんとしているんでしょうか、修正の方ですけれども、修正の附則ですけれども。
○国務大臣(森英介君) お答え申し上げます。 今委員からお尋ねがあったのは、一般永住者の特に定着性の高い方のことについてだと思いますが、特別永住者と一般永住者の取扱いについては、例えば、在留の場面においては、在留カードの有効期間の更新方法、常時携帯義務の有無、再入国許可の有効期間や再入国許可を受けたものとみなされる期間の長短、退去強制の場面においては、退去強制事由の限定の有無の点において違いがあります。さらに、上陸審査の場面においても、上陸拒否事由該当性の審査の要否、個人識別情報の提供の要否の点で違いがあります。 このように、特別永住者について他の外国人と異なる様々な配慮がなされている理由は、申すまでもないことですけれども、日本国との平和条約の発効により本人の意思に全く関係なく日本の国籍を離脱した方々であること、それから、終戦前から引き続き日本に在留している方であり、我が国に対する強い定着性があるという点にあります。この点、そのほとんどが新たに来日した外国人、いわゆるニューカマーである一般永住者とは、その歴史的経緯や定着性に関して全く事情が異なっております。 ただ、今、附則にも盛り込まれたことでございますけれども、一般永住者の中には、その歴史的背景から我が国に長期間在留しているなど、我が国への定着性が特に高い方がおられることも一方事実でございまして、今後、この附則の規定を受けて、法施行後の内外の諸情勢をも踏まえつつ、これらの方々に対する在留管理の在り方全体について前広に検討してまいりたいというふうに思っているところでございます。
○丸山和也君 この点は、聞くところによると、特に今野東先生が力を入れて主張されているんで、今それを言おうと思ったら本人がおられないんで非常に残念なんですけれども。私も、これからはむしろこっちの永住者の方の扱いをどうするかということの方が特別永住より重点が重くなってくると思うんですね。ですから、是非この点についてそういう姿勢で取り組んでいただきたいと思います。 それから、これは通告していなかったんですけれども、大臣にお聞きしたいんですけれども、いわゆるこの前の何さんの事件でしたかな、(発言する者あり)カルデロンさん、あれについて大臣は、苦渋の決断をしたけれども非常にいい決断だったというふうに、そういう趣旨に私は受け止めたんですけれども。苦渋の中でのいい決断をされたと私が思ったからかもしれませんけれども、そのように受け止めたんですけれども。 いわゆるああいう、ああいうと言うと変ですけれども、ああいう類似のケースで、非常に世間の注目も浴び、また法と人情がせめぎ合うようなケースで、それは個々の事案によって判断してまいりますと最後に答弁をおっしゃったんですけれども、そこに対してある程度のもうちょっと基準を明確化すべきじゃないかという意見もいろいろ出まして、これは非常に難しい問題なんですけれども、今後もああいう事例というのはやっぱりかなり発生してくると思うんですね。それについて大臣は前回、更に検討を進めてまいりますというふうにおっしゃったんですけれども、その後、検討の結果といいますか、何かありましたら御所見をお伺いしたいと思うんですけれども。
○国務大臣(森英介君) これは、今回の改正案が成立をさせていただきまして施行された暁には、この間のカルデロン一家のような事例というのは非常に起こりにくくなるというふうに思います。これは、今までダブルスタンダードというか、在留管理は国においてなされ、外国人登録は市町村というそのことでもって、その谷間みたいなところで発生した例でございますから起こりにくくなるとは思うんですけれども、先ほどの今野委員の御質問にお答えしたように、それが施行されるのが三年後でございますけれども、十三万人からの捕捉しているだけでも不法滞在者がいると。 これについては、この人たちについては三年後に非常に中途半端な立場になっちゃうわけですし、またそれまでになるべくその数を減らさなきゃいけないというのが私どもに課せられた課題であって、その減らす方法についてはいろいろあるわけでございますけれども、やっぱり一つは、先ほど申し上げましたけれども、在留特別許可に係るガイドラインをもう一度吟味いたしまして、もうちょっと少し許容範囲を広げるとか、そういうことでもって要するに不法滞在者を正規滞在者に変えていくということもあり得ると思います。 そういったことと、あるいは、なるべく速やかに自発的に出頭していただいて、どんどん帰っていただく方には帰っていただくということでも減るわけでございますけれども、そういった様々な合わせ技でもって一挙に、先ほど申し上げたアムネスティーというようなことで一挙にばあっとやるというのはやっぱりこれは私どもとしてはなかなか採用し難いわけでございますので、そういったきめ細かい配慮をして、しかしながら、そういったガイドラインをいま一度吟味して、より不法滞在者の減少につながるような工夫を凝らしてまいりたいというふうに思っておりまして、具体的なことについては、やはり今こうこうこういうガイドラインということはちょっと申し上げかねますけれども、そういった方向の検討を進めているということはこの際申し上げておきます。
○丸山和也君 今回の改正によってカルデロンさんのようなケースはかなりといいますか減っていくだろうというお考えを持たれているということと、それから、在留特別許可についてもよりガイドラインを作る方向で検討し、また、在留特別許可もこれまで以上に、個別の事案によるんでしょうけど、柔軟に判断していきたいというようなお考えと伺ってよろしいんでしょうか。
○国務大臣(森英介君) 結構です。
○丸山和也君 非常に結構なお答えをいただきましたので、私も、ちょうど時間と、早いんですけれども、切りにいたしていただいて、次にバトンタッチさせていただきたいと思います。
○委員長(澤雄二君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十八分休憩 ─────・───── 午後一時三十分開会
○委員長(澤雄二君) ただいまから法務委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告をいたします。 本日、丸山和也君が委員を辞任され、その補欠として佐藤正久君が選任をされました。 ─────────────
○委員長(澤雄二君) 休憩前に引き続き、出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する等の法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○松野信夫君 民主党の松野信夫です。 入管法に伴います様々な問題点について、法務大臣等々に御質問させていただきたいと思います。 今回の法案というものは、法務大臣に在留管理を一本化すると、そういうような基本原則があるわけですが、いろいろ中身を見てまいりますと、ある意味ではあめとむちを使い分けているというふうに言っても過言ではないかと思います。確かに、中長期に適法に在留する外国人の人にとってみると一定の便宜が進んでいるという側面もありますが、若干むちの部分もないわけではないということで、私のところにも外国人問題をいろいろとサポートしておられる方々から、大丈夫だろうかということでの心配、不安も寄せられているところでありまして、とりわけ多かったのが外国人配偶者の処遇の問題で、私は別に外国人妻からそんなにもてるわけじゃないんですけれども、そういう御質問がかなり、(発言する者あり)いやいや、決して似合わないことはないと思うんですが、参っておりまして、最初に、まず外国人の配偶者の在留資格の取消し、この問題について御質問したいと思います。 今回の法案見ますと、新たに、配偶者の身分を有する者としての活動を継続して、当初は三か月以上、衆議院で六か月以上というふうに修正されておりますが、それを行わないと在留資格が取り消されると、こういう新しい設計が行われているわけで、とりわけこの点については非常に心配をされている方が多いわけです。 それで、その配偶者の身分を有する者としての活動という、もうこれは正直言って法律家の作った悪文だなというふうに考えざるを得ない。非常にあいまいだし、分かりにくいし、何となくこれ、配偶者の身分を有する者としての活動というと、妻は妻らしく、夫は夫らしく、何となく外国人配偶者にだけ最近では余り聞かなくなったような良妻賢母型、古風なそういう活動を求めているのかなというふうに思わざるを得ないところもあるんですが、なぜこういうような形で配偶者の在留資格取消しというのをまず設けなければいけなかったのか。従来どおりも、日本人の配偶者等という在留資格で、ただ途中で、例えば偽装結婚だというようなことで取り消されるというケースもこれはあるわけですね。だから、私はそれはそれでいいのではないかと。何もわざわざ非常に分かりにくい、配偶者の身分を有する者としての活動を継続してなんという文言を新設しなければならないのか、まずこの点について大臣にお聞きします。
○国務大臣(森英介君) 私もこの配偶者の身分を有する者としての活動というのは一体どういうことなのかということで調べてみましたら、日本人の配偶者の場合でいえば、平成十四年十月十七日付け最高裁第一小法廷の判決において、「日本人との間に、両性が永続的な精神的及び肉体的結合を目的として真しな意思をもって共同生活を営むことを本質とする婚姻という特別な身分関係を有する者」というんで、こういう定義だと何か当てはまる人は割と少ないんじゃないかと思いますが。 それはおいておいて、今回、その配偶者の身分を有する者としての活動を行っていないことを在留資格の取消し事由としたのは、日本人の配偶者及び永住者等の配偶者は、今申し上げた配偶者の身分を有する者としての活動を行うことを理由として我が国における在留を認められている以上、離婚などによってその身分を失った場合やそれらの身分を有する者としての活動を行っていない場合に、少なくとも日本人の配偶者等又は永住者の配偶者等の在留資格で我が国における在留を継続させるのは法の趣旨に反すること、また、近年、いわゆる偽装婚によって日本人の配偶者等の在留資格を取得して就労活動を行う者の存在が大きな問題となっておりまして、これに適正に対処する必要があるということがこの取消し制度創設の大きな目的であるというふうに理解をしております。
○松野信夫君 従来どおり偽装結婚、これを阻止するんだというなら、それはそれで分からないではないんですが、ただ、在留資格をもって在留期間の途中で離婚をしたというような場合も念頭に置いておられるとすれば、従来は、例えば日本人の配偶者等というビザは一年ないし三年で在留期間が設定されているわけです。ですから、例えば三年もらっていた、途中で、例えば一年ぐらいで離婚したという方も、じゃ直ちに取消しになるのかというと、実務的にはそんなふうではなくって、その後二年間、つまり当初三年の在留期間が終わるまでは離婚して日本人の配偶者等でなくなったとしても在留は続いて、だけれども、今度更新するときには、もう離婚していればもはや日本人の配偶者等ではありませんから更新はできないということで済んでいたわけなんですね。何も途中で、つまり在留期間の途中で在留資格を取り消すというところまでは従来はやっていなかったんで。 要するに、従来から日本人の配偶者等という在留資格が取り消されたというケースはこれはあります。これはありますが、何も離婚したから取り消すというんじゃないんです。要するに、途中でこれは偽装結婚だということがまあ言うならばれたということで取り消されていたわけであって、ですから私は、大臣がこれは従来と同じです、偽装結婚対策だ、その目的だというなら従来と同じかなという理解ができなくはないんですが、ただ、在留期間の途中で離婚した場合にもそれは途中で取り消すんだと、こういう趣旨も入っているんだということになると、これはかなり身分が不安定な形になりますし、これはちょっと認められないのではないかというふうに思いますが、この点についてはいかがでしょうか。政府参考人でもいいです。
○政府参考人(西川克行君) 元々日本人の配偶者等という資格でございますので、この日本人の配偶者という身分を前提に我が国に在留が認められているということですので、理屈の上においては、その身分を失ってしまってもう日本人の配偶者ではなくなったということであれば、その配偶者という資格で在留を継続するというのはやはりまずいのではないかということで入るというふうに思います。 ただ、よくそれを見定める必要があるということで、相当、婚姻の破綻であるとかそういうのが事実であるかということで、当初は三か月という改正案の規定を置きましたけれども、これを六か月に伸長されたということでございますので、その間によく判断をされて、もし、別の資格に変更するという場合もございますので、そういう場合にはそういう資格に変更していただけるということで、六か月の期間がありますのでそれほど酷な結果にはならないのではないかということで、こういう取消し規定を設けたということでございます。
○松野信夫君 そうすると、従来は、何度も申し上げるように、日本人の配偶者等という在留資格でいる方が途中で取り消されるというケースはあるんですが、従来は偽装結婚が実態ではないかということで取り消されたケースがもうほとんどだと、実態はですね。あなたは離婚したからもう日本人の配偶者等でなくなりましたね、だから取り消しますと、そういうことは実務的にはやってなかったというふうに私は聞いているんですが、そのとおりで間違いないですか。
○政府参考人(西川克行君) 何かだまして在留資格を取った場合ではありませんので、従来はこの取消し規定というのは存在しなかったと。だから、今回の改正法で新たに付け加わった取消し規定ということでございます。
○松野信夫君 いや、従来も在留資格の取消しというのがありましたよね。日本人の配偶者等という在留資格で持っていて、それで取消しなされるというのは、これは要するに偽装結婚だということだから取消しだと、こういうことで間違いないんでしょう。
○政府参考人(西川克行君) 従来については委員のおっしゃられるとおりでございまして、偽装結婚ということで在留資格を、要は事実を偽って在留資格を得たという理由で取消しになっていたということでございます。今回の導入はそれとは異なるということでございます。
○松野信夫君 それで、少し実態的に見てまいりますと、夫婦関係がなかなかうまくいかない、仲たがいする、そうすると離婚についての話合いが進む、中には離婚の調停ということで家庭裁判所で離婚の調停が進む、調停もうまくいかなくてさらに離婚訴訟に進むというのが一般的な離婚の流れだと思いますが、この法改正のように、配偶者の身分を有する者としての活動を継続して、修正案ですと六月以上行わないという、このとおりだとすると、継続して六月以上ということになりますと、今私申し上げたように、夫婦間が余りうまくいかなくて離婚の話合いがなされる、離婚の話合いが更に高じて離婚調停あるいは離婚訴訟というふうに行けば、どうかするともう六か月以上、一年ぐらい調停とか訴訟が続くということになるわけですね。 そういうのを前提にしてきますと、もしかしたら、もう離婚訴訟までなれば六か月は優に別居期間が続いてしまうということも十分あり得るわけです。こういう場合も、配偶者の身分を有する者としての活動を継続して行っていないということで、在留資格取り消しちゃうんですか。
○政府参考人(西川克行君) 委員御指摘の場合ですと、今回の修正で正当な理由がある場合は除くという条文が付いております。例えば、調停中であるとか離婚訴訟中であるという場合については、これはまだ婚姻の解消の過程ということでございますんで、実際上配偶者としての活動がなされていなくても、なされないことについて正当な理由があるというふうに認められる場合が多いというふうに考えております。
○松野信夫君 そうすると、今のお話ですと、離婚調停中あるいは離婚訴訟中、これが半年以上続いていたとしても、少なくともそれは正当な理由があるということで大体除外されるだろうと、こういうふうな理解でいいんですか。
○政府参考人(西川克行君) そのような理解で考えております。そのとおりだと思います。
○松野信夫君 それで、離婚調停とか離婚訴訟、これもいろんな理由があるわけですね。それは夫婦ですから、一〇〇%どっちが悪いということもなかなか言えないケースもあろうかと思うし、場合によっては、例えば日本人の夫の方が暴力を振るう、DVをやるということもあるでしょうし、そうすると、かなり長期間別居しないと身の危険が生ずるということだってあり得ると思うんですね。 こういうような例えばDVで長期間別居する、これはもちろん、ですから配偶者の身分を有する者としての活動はできないわけですが、こういう場合はどうなんでしょう。
○政府参考人(西川克行君) DV事案についても様々なケースがあり得るとは思いますので、個別の事案を個々に判断するということになろうとは思いますが、一般論で申し上げれば、例えばDV被害を受けて配偶者から逃げている、あるいは離婚訴訟中であるというような場合については正当な理由があると認められることになろうというふうには思います。
○松野信夫君 それで、いろいろ調べましたら、永住許可に関するガイドラインというのが法務省の入国管理局の方で平成十八年三月三十一日付けで作られておりまして、この中見ますと、どういうような場合に永住許可が下りるかということで、法律上の要件として、素行が善良だとか、独立生計を営むに足りる資産又は技能を有することとかいろいろ書いてある。その中で、原則十年在留に関する特例というのがありまして、この第一項のところに実態を伴った婚姻生活が三年以上継続しという要件があります。実態を伴った婚姻生活というのとこの法案で言うところの配偶者の身分を有する者としての活動というのは、これは実質的には同じことでしょうか。
○政府参考人(西川克行君) 同じことだというふうに考えております。
○松野信夫君 同じことなら、配偶者の身分を有する者としての活動云々と書かないで、この永住許可に関するガイドラインのように、実態を伴った婚姻生活を継続するという、そういうのでは何で駄目なんでしょうか。
○政府参考人(西川克行君) 在留資格の立て方で、それぞれ別表第一、第二、活動内容が指定されているので、当該在留資格がどういう活動なのかという観点から在留資格を決めているものですのでそういう書き方になったということでございますので、中身的には同じことで、委員のおっしゃられるとおりだというふうに思っております。
○松野信夫君 そうすると、今の御答弁見ますと、場合によっては正当な理由というような形を柔軟に解釈していただいて、そのDV被害者等々については十分救済が可能かなというふうに理解いたします。 それから、これは衆議院の方の修正で、取消しをしようとする場合には、在留資格の変更の申請又は永住許可の申請の機会を与えるように配慮しなければならないと、こういうような修正が衆議院でなされて、私はこういうような修正がなされるということは、これは評価できると。つまり、いきなり在留資格を取り上げちゃうというのではなくて、場合によっては定住とか永住とかそういうような在留資格という手もありますよと、こういうことでそちらの方にリードしていくという、こういう配慮が非常に重要なことではないかというふうに理解をしていますが、この点は大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(森英介君) おっしゃるとおりと思います。
○松野信夫君 ありがとうございます。 そうすると、具体的にどういうふうに配慮をするのかというのが次の問題としては考えられると思うんですね。つまり、外国人配偶者の方が何らかの理由で離婚をするということで、形式的には日本人配偶者等という在留資格を失うと、だけれども、何らかの形で永住者だとか定住者だとかこちらの方に変更できますよということですね。これを上手にリードする必要があると思いますが、そこはどの時点でどういうふうなお知らせ、教示がなされるということをお考えなんでしょうか。例えば、離婚届が出された、外国人配偶者から離婚届が出たと、その時点ですぐにこういう在留資格で変更ができますよ、あなたはその変更が通る可能性がありますよというようなサジェスチョンが、例えば離婚届が出される時点でなされるんでしょうか。この点はいかがでしょう。
○政府参考人(西川克行君) 日本人の配偶者等のように身分関係に基づいて在留が認められている資格の場合につきましては、その身分関係に変動があると、入国管理局の方にその旨の連絡をいただくことになります。実務上は、その連絡をいただいた段階で先ほどの、このままでは日本人の配偶者等の資格を失いますので、本人の要望も聞いて、ほかの在留資格が得られる見込みがあればその申請を促すという形になろうと思っております。
○松野信夫君 ただ、離婚届自体は当該市町村に出されるということですね。で、その当該市町村から今度は法務局の方に連絡が行くと、そうすると、あれですか、法務局の方から離婚した外国人配偶者の方に何らかの連絡、サジェスチョンが行くということですか。
○政府参考人(西川克行君) その場合につきましては、先に離婚届がなされて、その役所経由で入国管理局の方に連絡が来る場合がございますので、その時点で本人に連絡を取らせていただいて本人の意向を確認すると。それで、先ほどの他の在留資格に変更することが可能な場合についてはその分のサジェスチョンを行うと、こういうことになろうと思います。
○松野信夫君 そういうサジェスチョンをして配慮するというときに、以前は日本人の配偶者等という在留資格を持っていた人が、じゃ今度は何か別の在留資格ということになると、具体的にはどんな在留資格というのが一般的には考えられますか。
○政府参考人(西川克行君) 一般的に申し上げますと、定住者という在留資格が考えられます。最も典型的な場合を申し上げますと、日本人と結婚していて日本人のお子さんがいて、今後、離婚した後もそのお子さんの養育監護をしていくという場合については、日本人の定住者という資格で認めているという事例がほとんであろうというふうに思っております。
○松野信夫君 私も、恐らく考えられる在留資格の最も代表的なものは定住ビザだろうというふうに思います。 ただ、これも調べてみますと、永住の許可の場合は、これは、先ほどもちょっと申し上げたように、平成十八年三月に永住許可に関するガイドラインというものが法務省の方で定められております。ですから、例えば原則十年在留とかいろいろと客観的な基準もあって、ある程度は予測が付きます。日本で十年頑張ると永住許可があり得るかなということで、それは一定、客観的な基準で分かるんですが、調べてみると、定住の方にはガイドラインがないんですね。二、三年ぐらいでいいという方もおられれば、そうでない場合もあったり、定住にはどうも個々ばらばらということでやって、これだと、せっかく離婚してきちんとまじめに届けをして、引き続いて日本で生活をしたいと思っていても、本当に自分は定住の在留資格が得られるのか、やっぱり得られなくて、おまえは駄目だと、母国に帰れということで追い出されるのか、そういう不安な状態ではまずいのではないか。 私は、やっぱり永住だけでなく定住にも一定のできるだけ客観的なガイドラインというのを設けたらどうかと思いますが、この点はいかがですか。
○政府参考人(西川克行君) 定住の在留資格を認めるかどうかにつきましては、個々の事案によって、入国の経緯だとか在留状況だとか今後の在留の目的だとか生活設計だとか、あるいは実子があれば非常に確実だということでありますけれども、こういう点を総合的に判断したということで、なかなかガイドラインを決めるのは困難な状況でございますが。 今、例えば子供がいないようなケースを想定して、引き続き在留を認める場合に大体どれくらいの期間日本に定着していればいいのかなという目安的なものだけ若干お話しいたしますと、引き続き定住者として在留を認めるためには、大体三年ぐらいいれば認めているというのが実情じゃないかなというふうに思っております。これは、今後また更に検討して、御示唆もございましたので、より明確化する必要があるということであればそれも検討したいというふうに思っております。
○松野信夫君 私が調べたところですと、子供がいると、子供がいてちゃんと養育するとなると、別に三年ということではなくて、もっと短くたって定住という在留資格はもらえると。ところが、例えば子供の方は日本人の夫の方に取られたと。そうすると、まるで一人になってしまったということになると、なかなかそう簡単に定住の在留資格がもらえないというどうも実態があるのではないかなと。 そうすると、非常に、外国人配偶者の方にとってみれば、子供が自分のところにいるかいないかということでかなり不安定になりかねないということですので、この点はやっぱりできるだけ客観的なガイドラインを是非お作りいただきたいと思います。そうでないと安心して離婚もおちおちできないというか、ちょっと表現が余り良くないかもしれませんが、例えば、嫌な日本人の夫だけれども、あと何年我慢すると定住の資格が取れそうだという一定の我慢のめどというのもあるかもしれませんので、そういうできるだけ客観的な判断基準というのを設けていただきたい。そうでなくて、個々ばらばらに総合的に判断なんと言われたって、それは普通の人は分かりませんよ。是非、その点、大臣からもお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(森英介君) 何かそういう統一的なガイドラインができれば確かに望ましいとは思いますけれども、やっぱり定住者というカテゴリーというか、その対象が非常に様々だということを考えますと、なかなかそういった整理というのは実際問題としてはしにくいのかなというふうに思いますが、いずれにしても委員の趣旨を酌んでいろいろと工夫をしてみたいと思います。
○松野信夫君 それで、今は日本人の配偶者等という形で在留資格の取消しの話をお聞きしておりましたが、今回の法案で在留資格の取消しというものは、法案でいいますと法の二十二条の四ですが、従来よりもかなり事項としては増えているわけです。従来は在留資格の取消しというのは一号から五号まで五つあったわけですが、今回の法改正で更に五つ増やすということでありまして、そうすると在留資格の取消しという事由を全部で十個設けると。そうなると、在留資格の取消しをばんばんやって、いわゆる適法でない方についてはすぐ取り消して母国にお帰りいただく、こういう趣旨なんでしょうか。この点は、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(森英介君) 今回の改正法において、今委員御指摘のとおり、在留資格の取消し事由を追加しておりまして、新設した在留資格の取消し事由は、第二十二条の四第一項第五号、七号、八号、九号、十号、ざっと大きく分けると、偽りその他不正な手段により在留特別許可を受けたこと、次に、配偶者の身分を有する者としての活動を継続して六か月以上行わないで在留すること、三番目として、住居地の届出をしないことや虚偽の住居地の届けをしたことの三つでありまして、これはやっぱり、もちろん、だからといってしゃくし定規にというあれでもないでしょうけれども、やはりこれだけ一元化してきちっと在留管理するという趣旨を踏まえて、やっぱり適切に対処しなきゃいけないというふうに思っております。
○松野信夫君 必ずしもしゃくし定規にばんばんと取り消すわけではないというお話ですが、従来の実態について少しお聞きしたいと思いますが、従来、在留資格が取り消されたと、取り消されれば当然母国に帰っていただくということになろうかと思いますが、どういうような理由でどういう在留資格が取り消されたのか、主な事例について御説明いただけますか。
○政府参考人(西川克行君) お答え申し上げます。 在留資格取消し制度は平成十六年の十二月二日から実施をしておりますが、制度導入から平成二十年末までの間に三百八名の在留資格を取り消しているということでございます。これを在留資格別に見ますと、日本人の配偶者等が百四十三名で最も多く、次に短期滞在が四十六名、留学が三十三名と続いております。取消し事由別に見ますと、偽りその他不正の手段によって本邦において行おうとする活動を偽り上陸許可の証印等を受けた場合が百五十八人と最も多く、次に上陸拒否事由に該当する外国人が偽りその他不正の手段により上陸拒否事由のいずれにも該当しない者として上陸許可を受けた、これが九十三名となっております。 平成二十年における在留資格取消し件数について申し上げますと、その総数は八十五名、在留資格別には、日本人の配偶者等が四十八、短期滞在が十、家族滞在が八と続いており、取消し事由としてはやはり、偽りその他不法な事由により本邦において行おうとする活動を偽って上陸許可の証印を受けたのが四十三、それから上陸拒否事由のいずれにも該当しないということで偽って上陸許可を受けた者が三十四ということになっております。
○松野信夫君 そういうような形で在留資格が取消しということのようですが、これは当該外国人の方にとってみると明らかな不利益処分に該当するわけですね。そうすると、やっぱり一定の不利益処分を出すというのであれば、例えば行政手続法の不利益処分の手続に準じて、十分その理由を説明する、あるいは当該本人から十分な弁明の機会を与えて弁明してもらうと、こういうような手続的な保障というものが大変大事だろうと。いきなりずばっと取消しというのではなくて、やっぱりちゃんと弁明の機会を与える、これが大事だと思いますが、この点はどうなっているでしょうか。
○政府参考人(西川克行君) 在留資格の取消し制度は平成十六年の入管法改正によって創設されたわけですが、その当時から入管法とそれから入管法施行規則の中に手続規定を設けまして、その中で行政手続法の聴聞に係る規定に相当する規定を置いております。 したがって、手続保障としては十分な保障を定めておりまして、先ほど配偶者の身分を有する者の取消しはどうなるのかという話が出ましたけれども、例えば申請があって、その方から聴取をしている段階で先ほど話が出た定住者等への在留資格の変更の許可が見込まれる場合については、意見聴取の際にはそのような主張もお聞きして、その段階でも変更の申請を促すなどして取消し自体の手続はやめると、こういうことも考えておりますので、今後十分対応できるというふうに考えております。
○松野信夫君 それで、今度新しく在留資格の取消しの中には、九十日以内に住居地の変更届をしなきゃいけないと、こういうような規定が設けられております。それで、今回の法改正で見ますと、住居地の変更というのをこれは十四日以内にまずしなさいとなっているわけですね。十四日以内にしないとまず過料というような罰が加えられると。それで、さらに、九十日経過してしまうと今度は在留資格の取消しもできると、こういう仕組みになっているかと思います。 そうすると、例えば十四日以内に住居地の変更届しない、あなた罰を与えますよというのがすぐに本人のところに伝われば、ああそうかということで本人も急いで住居地の変更手続が九十日以内にできるかなと思うんですが、しかし、あなた罰を与えますよというのが九十日たってから来たとすると、罰も与えますよ、それから在留資格も取り消しますよというのが一遍にやられてしまう可能性もこれはあり得るわけですね。 これはしかし、そんなことが一遍にやられたんではちょっと、例えばうっかりしていたという方だっておられるだろうと思いますので、その点はやっぱり少し配慮をしないといけないところではないかと思いますが、その点はどうなっていますか。
○国務大臣(森英介君) まず罰則の適用についてですが、住居地の届出義務違反に該当する場合であっても、そのすべてを硬直的に処罰するのではなくて、捜査当局において事案の実態に即した適正な処置が行われるものと思っております。 次に、在留資格の取消しの運用につきましても、委員御指摘の場合も含め、住居地の届出義務違反の場合に、常に在留資格の取消しを行うのが必ずしも適当なわけではなくて、在留資格の取消しに際して、外国人からの意見聴取等によって事実関係を正確に把握して、事情に応じた弾力的な対応をしていきたいというふうに思っております。 なお、住居地を届け出ることを失念して九十日が経過した場合、住居地の届出自体、市区町村において容易に行うことができますことから、これだけでは通常は正当な理由がある場合に該当するとは考えておりません。
○松野信夫君 そうすると、今の大臣の御答弁ですと、十四日以内に本当は住居地の変更届しなきゃいけない、だけど、中にはうっかりしている人もいるでしょうから、そういうような場合には硬直的に何も罰をどんどん掛けるというわけではなくて、その辺は柔軟に対応すると。 それはいいんですが、しかし、あれでしょうか、九十日を経過してしまったというときには、これはなかなかうっかりというようなことで正当な理由によって在留資格の取消しをしないとは言えないというふうにちょっと私はお聞きしたんですが、そうなんでしょうか。
○国務大臣(森英介君) ですから、それだけではと申し上げましたので、事情を十分に聴取して、そのケースケースに応じた対応をすることになるというふうに思っております。
○松野信夫君 是非、硬直的な対応ではなくて、やっぱり実態をよく見ていただいて、確かにそれは中には悪質な事例というのがあろうかと思いますので、その辺は是非、悪質ではないうっかりミス、ちょっとした間違いだったと、あるいは失念だったということもあろうかと思いますので、これは是非柔軟に対応をお願いしたいと思います。 それから、今回の法改正で研修、実習の在留資格というのについては、技能実習というのに一本化するということのようであります。 ただ、技能実習というふうに一本化するといっても、その中は、従来の研修生に該当するのが一号、従来の実習生に該当するのが二号ということで、法務省関係から見ると、実質的には一本化すると言いながら、法務省関係では実質的には余り変更はないのではないかなというふうに私は見ておりますが、その点はいかがでしょうか。
○国務大臣(森英介君) 結論として大変鋭い御指摘だと思いますけれども、研修・技能実習制度に関しましては、一部の受入れ機関において制度本来の趣旨に反し不適正な受入れが行われており、研修生、技能実習生が実質的に低賃金労働者として扱われるような非常に問題のある事例が増えていることも御承知のとおりでございます。 このような現状に対処するため、改正案では、研修生、技能実習生の保護を強化する観点から制度の見直しを行いまして、実務研修を伴う研修については原則として雇用契約を締結した上で実施させることとし、一年目についても労働基準法、最低賃金法等の労働法制の保護を受けられることにいたしております。 また、過去に不正行為と認定された事案の多い団体監理型の受入れについては、受入れ団体が適切に監理することが重要であることから、今回の法改正に合わせ、関係省令を見直し、受入れ団体の指導監督体制を強化することとしております。 したがいまして、確かに委員おっしゃるように、実態的に一年目も二年目もこれまでと変わらないんじゃないかという御指摘でございますけれども、一年目については研修をしつつも労働法制を適用して実態に即した対処ができるようにした点に大きな進歩があるというふうに思っております。
○松野信夫君 私も、厚生労働関係では要するに労働法制の適用を受ける、最賃、労働基準法、そういうような法規制が受けるというふうになっていることは評価できると思います。 ただ、この点は、従来も二年目、三年目の実習生の段階では基本的には労働法制は受けておったわけです。だけれども、それでも悪質な事例が残念ながら見られたわけで、中にはパスポートを取り上げて工場の中に缶詰にして朝から晩まで低賃金か十分でない給料で働かせていたと、こういうようなケースもあって、時々摘発されたり裁判になったりということでありました。 それで、厚労省の方もおいでいただいているかと思いますが、そうすると、従来から例えば実習生は労働法制の適用がありながら、残念ながら余り十分な法適用がなされずに、悪質な、それこそ外国人の労働者の人たちを搾取するみたいな側面があった。今度の法改正で何かそれに対する変更というのは出てくるんでしょうか。
○政府参考人(杉浦信平君) お答えいたします。 今回の法改正によりまして、先ほど法務大臣の御答弁にありましたように、一年目の研修生の部分についても労働関係法令の保護の下で技能修得活動が行われるということになりますので、その部分の法的保護の強化が図られるというふうには考えております。 私どもとしましては、従来から労働基準監督機関におきまして、外国人の技能実習生の適切な労働条件確保に向けた監督指導等を実施しておるところでございまして、今回改正された部分も含めまして、実態、監督指導、あるいは申告等に適切に対応しながら指導等を行ってまいりたいというふうに考えております。 また、改正法が成立をいたしました場合には、受入れ団体あるいは事業主に対しまして、関係行政機関ですとか財団法人の国際研修協力機構などと連携しまして、説明会の開催等、いろんな形を通じまして積極的に周知を図ってまいりたいというふうに考えております。
○松野信夫君 今の御答弁ですと、法改正がなったからといって取り立てて厚労省サイドでどうこうと、これで例えば悪質事例が減るとまではそう簡単に言えないのかなという気がしますが。やっぱりこの点は、厚労省関係、それから法務省関係、この連携をやっぱり密にしながらこういう悪質事例が発生しないような対応を是非お願いをしたいと思いますが、大臣、この点はいかがでしょうか。
○国務大臣(森英介君) ちょっとお言葉を返すようですが、やっぱり一年目から労働法制が適用されるようになったというのは、研修生の保護という意味でかなりの進歩だというふうに私は思っております。 その上で、確かにそれでもう問題が本当に減るのかというと、必ずしもそうとばかりも言えませんので、そういったこれから起こり得る様々な問題については、厚労省あるいは関係省庁とも連携して極力問題が少なくなるように努めてまいりたいというふうに思います。
○松野信夫君 時間も余りありませんでしたので最後の一問ぐらいになるかと思いますが、最後の一問とすれば、法十九条の十七にあります所属機関、外国人の例えば留学生、就学生あるいは会社員、この所属機関の届出義務の点についてお伺いしておきます。 元々のこの法改正では届出が義務化されていたのが、衆議院で修正されまして、これは努力義務というふうに修正されて、私は、これはこれで評価できる、この修正は評価できるというふうに見ております。 ただ、実際のところ、やっぱり努力義務ではありますが、所属機関が一定の届けをしなきゃいけないということでありますので、どの程度のものを届けるように予定しているのか。例えば学生の場合、その学生、その留学生の研究内容とか履修単位の取得状況とか、あるいは成績だとか出欠だとか指導教官だとか、そういうようなところまで届け出るというふうに予定しているんでしょうか。この点はいかがですか。
○政府参考人(西川克行君) 所属機関からの届出については、やはり入管上知らなければならない事項にその事項を制限するという予定でおります。 例えば外国人に対して教育を行う機関からは、外国人の身分事項、特定に関する事項、これは当然のことでございまして、氏名、生年月日、性別、国籍の属する国、在留資格、期間、在留カード番号は届けていただきますが、不入学、つまり、予定があったのに入学しなかった事実、退学、それから除籍、所在不明、それから在籍していれば在籍と、この程度を届けていただければというふうに考えております。成績等については届け出るということは全く予想をしておりませんです。
○松野信夫君 この点は是非、管理強化につながらないように、また思想信条の自由だとかプライバシーの侵害だとか、そういうふうにならないように、極めて限定的な形で行っていただきたいということを最後に申し上げて、時間が参りましたので私の質問は終わります。 ありがとうございました。
○白眞勲君 民主党の白眞勲でございます。 いつも私は外交防衛委員会に所属しておるんですけれども、今回、入管法改正においては私自身極めて関心の高いところでもありまして、この度多くの所属議員の皆様の御尽力、御協力を得て、このように質問をさせていただく機会をいただくことになりまして本当にありがとうございます。この場を借りて御礼を申し上げたいと思います。 さて、なぜ私がこの法案にそれほど関心を持っていたのかと申しますと、恐らくここにおられる委員の皆さん、あるいは大臣を始めとしまして政府の皆さん、政府参考人の方々、この部屋にいらっしゃるほとんどの方々は、多分全員だと思うんですけれども、外国人登録証を持っていたのは私一人だけだったのではないかと、特別永住者としてですね。それがどうしたと言えばそうかもしれませんけれども。でも、やはり、私も実は韓国籍として四十年以上この日本で生きてまいりまして、もうもちろん今は日本の国籍持っていますけれども、取得したわけですけれども、今回、入管法改正というのは私にとってみても非常に感慨深いものがあるわけですね。 ちょっと身の上話をさせていただきますと、十六歳、高校生のときに私は初めて役所に父と一緒に連れられまして、窓口で指紋を取られたことを今でも記憶しております。窓口の人からは左手人差し指の指紋の捺印の仕方を、結構係員の方は、係官は丁寧に教えてくださり親切だったですけれども、でき上がった登録証を学生証と一緒に、高校生でしたから、持って歩いたわけですね。その登録証の裏側には、たしか官憲の要求があったときには提示しなければならない、官憲というのは官吏の官に憲法の憲、という文言が書いてありまして、高校生の私でも官憲なんという言葉は初めて見るような言葉でして、余り使われていない単語が入っているなと、その当時、妙に役所の言葉というのは変な言葉を使うものだなと感じた次第でございます。 ちなみに、官憲というのを、昨日ですか、検索サイトで調べてみましたら、漢字検定のことではないかと、そっちが出ていまして、いまだに一般的な用語ではないんだなというのは、今でも同じだなというふうに思ったわけですけれども。 もちろん、それはそうとして、その後、御存じのように特別永住者の指紋押捺というのはなくなった。ただ、今回入管の改正案に、修正案については、特別永住者に限ってともかく常時携帯義務規定が削除されたというのは、私は一歩前進であるというふうに思っておりますし、ここにおられる委員の皆様の御尽力に本当に敬意を表する次第であります。大変在日の特別永住者の皆さん喜んで、この法案の成立を待ち望んでいるという感じがいたします。 ここで、修正案の提出者の方にお伺いいたします。 もちろん、今まで政府側としましても特別永住者の成り済ましの危険性について指摘があったところですけれども、もちろん携帯義務が外れたとしても成り済ましの危険性はないとは言えないかもしれない。しかし、少なくとも特別永住者って、ほとんど日本人ですよ。五世までもう出ていると。もう日本語を話せないなんという人は特別永住者の中にはいないんじゃないかなと思いますね。もう、私、日本人以上に日本人、ぺらぺらしゃべる、こういう早口でしゃべれる、こういうのも普通におるわけですから。いわゆる親戚とか知人とか、日本にいない特別永住者なんというのは私自身会ったことがない。全員ほとんど、下手すると自分の嫁さんからもう親戚の中に必ず日本の方がいらっしゃるという中で、やはり住所やほかの手段ですぐにだれでも調べられるという点では、私は大きな成り済ましの障害というのはないというふうに思いますけれども、まず提案者から御答弁をお願い申し上げます。
○衆議院議員(細川律夫君) 今度の法案の修正によりましてこの携帯義務がなくなる、削除するということで、御指摘のその成り済ましの危険性ということは当然出てくるところであろうと思います。 そういうときに、じゃどういうふうにしてそれを、身分関係をはっきりさせるかと、こういうこともあるかと思いますけれども、それについては、その代わりのものの証明書などを提示を求めるとか、そういう外国人の身分関係あるいは在留資格のものについて、関係の連携を迅速にすることによりまして、そこでこの運用を徹底することによってそれに対しては対応していくしかないというふうに思っております。私どもとしてはそれで対応できるというふうに考えております。
○白眞勲君 極めて親切な御答弁、ありがとうございます。 そこで、総務省にお聞きいたします。 今回の改正のポイントの中に、外国人も住民基本台帳制度の適用の対象に加えられるということになるわけですけれども、ということは、これからは外国人、永住外国人に対しても住民票や住基カードが出るということでよろしゅうございますね。これは確認ですけれども、よろしく御答弁をお願いします。
○政府参考人(佐村知子君) お答え申し上げます。 今、先生から御指摘のありましたとおり、今回の私どもの住基法の改正によりまして適法の外国人の方々につきましても住民基本台帳法の対象といたしますので、今おっしゃられたように、住民基本台帳等、日本人の方と同様にサービスの対象になるものでございます。
○白眞勲君 つまり、それは住基カードも出るということでよろしゅうございますか。
○政府参考人(佐村知子君) 声が小さくて失礼いたしました。 そのとおりでございます。
○白眞勲君 そうしますと、その住民票の項目がちょっと気になるんですけれども、その中に、今、例えば住民票の中に本籍地を書かないでもいいですとか、できますよね。そうすると、例えばその場合に、本籍地要らないですといった場合には、これは外国人という項目というのは出るんですか出ないんですか、その辺をちょっと確認したいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(佐村知子君) お答え申し上げます。 外国人住民の方につきまして、その住民票につきましては、各種行政サービスにおける事務処理を行う上で必要とされる項目を記載すべきである一方で、市町村が公証するに足りる正確性を確保できる事項など、事務処理を行う上で必要最低限の事項を整理するということが適当と考えております。また、日本人と幾つか違ったこともございます。 それで、こういった考え方に基づきまして、具体的には、戸籍の表示など日本人に特有な事項を除きまして、日本人の住民票に記載をされます氏名や住所、生年月日、性別、世帯情報などといった情報、それから国民健康保険など各個別法と連携する事項といったものが一塊でございます。それから、これに加えまして、外国人住民特有の事項として、国籍や在留カードに記載されている在留資格、在留期間などの事項について記載するということで制度を考えてございます。
○白眞勲君 いや、だから、例えば区役所へ行きますよね、市役所でもいいですけれども。これだけ載せてくださいというのがありますよね。住所と性別と生年月日だけですねといった場合に、もう自動的に在留資格とか何かも出ちゃうのかどうか、この辺についてちょっとお聞きしたいんですよ。つまり、それは外国人特有のデータが要求するしないにかかわらず出てくるかどうか、これちょっとお聞きしたいんですね。
○政府参考人(佐村知子君) 失礼いたしました。お答え申し上げます。 日本人と同じように四情報というのが、住所、氏名等四情報が基本の最低情報でございまして、必要がない情報については掲載、登載をしないということが可能でございます。
○白眞勲君 今回の法律変わりまして、永住者の方、これは入国管理局長さんにお聞きしなきゃいけないのかな、永住者の方は、ともかく法律が変わったら一度は入管に行かなきゃいけない形になりますよね。三年以内に行かないといけないということだと思いますが、それで二十万円以下の罰金ということで、行かない場合は罰金になっちゃうわけですね。
○政府参考人(西川克行君) 確かに切替えの問題がございますので、三年以内に出頭していただいて、切替えに一回来ていただかなければならないと、それに対して罰則が設けられているということでございます。
○白眞勲君 これがなかなか私、大変なんじゃないかなと思うんですね。この厳しい経済状況の中で、外国人の方々も必死になって今生活されていると。つい、忙しいから少し後で一段落したら行こうかと。特に、入管というのは私もよく、よくでもないけどたまに行くと、平日の昼間しかやっていないわけですね、まあ当たり前といえば当たり前なんですけれども。これ結構半日ぐらい掛かるんですね、仕事を休んで。これ一日掛けて行く余裕ない方って結構いらっしゃる中で、三年以内に行かないと即罰金、前科者だというのはちょっと酷な感じがするんですね。 やっぱりちゃんと、そうはいっても、行かなきゃいけないんだったらそれは来てくださいということだと思うんですけれども、何かやはり入管に、何というんでしょうね、行くのはいいんだけれども、この日も空いているからこの日だったらどうですかみたいなという、ちょっとそれの弾力性というか、いわゆる今回住民サービスというのかな、そういうまた観点からの少し配慮というのも必要なんじゃないかなと思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。
○政府参考人(西川克行君) 在留カードを本人を確認してお渡ししなければならないということで、その確認をしないと今度は在留カードがどこかへ行っちゃうとこれもまた大変なことになるという意味合いはあるわけですけど、これから何とか工夫してできるだけ負担を減らしていきたいと。 例えば、同一人性を確認できるということを前提にしまして、例えば郵送やインターネットで元々申し込んでおいていただいて、それで日付を前もって決めて一度だけ取りに来ていただくとか、それから、これは郵送だとちょっと在留カードがほかの人に渡っちゃう危険性が全くゼロではないので、その点は何か注意しながらやる方法をこれから工夫していきたいというふうに思いますので、時間を掛けてちょっと工夫をさせていただきたいと思っております。
○白眞勲君 是非工夫をしていただきたいんですね。例えば、入管って市役所みたいにあちこちないんですね、郵便局みたいに。例えば、長野なんかは長野市だけなんですね。例えば飯田辺りにお住まいの方は、松本に行かないで長野市に行かなきゃならないと。これは平日の昼間にということになりますと相当な負担になる可能性がありまして、私、昨日またこれもインターネットで調べてみたんですけれども、飯田市役所から長野市にあります入国管理局長野出張所までどれぐらい車で時間的に掛かるのかなと思ったら、二時間二十七分と出てきたんですよ。片道です。これ高速使ってですよ。道路がすいていてというもちろんこれ前提条件。そうすると、往復だけで五時間掛かるという、これ一日仕事になるんですね。これ相当な負担ですね。 ですから、今もちろん費用の問題もあるし、入管の職員の皆さんをもっと増やさなきゃいけないんじゃないかなと私思うんですよ。もう本当に一生懸命やっているんですよ、皆さんね。でも、もう分量が猛烈に多くなってきているということ、これ少し道路工事やめてもこっちの方を増やした方がいいんじゃないかなと私思うんですよ。 本当にこれ、その辺せめて、毎週土日開けというのはそれはなかなか難しいかもしれないけど、せめて月初めの土日だけでもまず試験的にやってみるとか、いろいろなことをちょっと工夫して、やはり外国人の方々の利便性を高めていくということをちょっとお考えいただきたいと思うんですけれども、どうでしょうか。
○政府参考人(西川克行君) 特に切替えの時期については、相当事務が錯綜して、多くの方々が入管の官署に来なければならないと、こういう場合が予想されます。それまでには、できるだけ負担を掛けない方法、今先生の御示唆された方法も含めましていろいろ検討してみたいというふうに思っております。
○白眞勲君 まあ予算が絡んでいることでもあります。法務大臣、ちょっと何か一言ありましたら。やらなきゃねというぐらいのことを言っていただいてもいいんじゃないかなと思うんですが、どうでしょうか。
○国務大臣(森英介君) もう改めて、いや、確かに大変だなということを実感いたしまして、非常に世知辛い情勢でありますけれども、何とか頑張って少しでも改善するように努力したいと思います。
○白眞勲君 是非お願いしたいと思います。 それと同時に、結構やっぱり、私なんかも特別永住者とか永住外国人の皆さんと話ししてみますと、いろいろな情報が錯綜しちゃっているんですね。中には、今度は雇用者は、雇用主が、特別永住者でも雇用主は雇用した場合には報告しなければいけないとか何かで、結構雇用主に対する負担が高まるんじゃないかとか、これは誤解ですよね、これはね。そこは誤解だと思うんですよ。 ですから、そういういろいろな、何というんでしょうね、今回こういう大きな改正が行われることによるやっぱり知られていない部分というのもあるわけですから、その辺はいわゆる広報辺りをどういうふうにやっていくのかというのについて何か、やはりこれも予算措置を伴うことでしょうけれども、それも一生懸命やっていただきたいと思うんですが、その辺の決意も、入管局長さん、お願いいたします。
○政府参考人(西川克行君) まず、雇用対策法に基づく雇用主の届出義務というのは、これは特別永住者と外交、公用の在留資格を有する者というのは除かれておりますので掛かりません。したがって、特別永住者についても雇用主は届出義務があると考えていると、これはもう全くの誤解であるということでございます。 この問題も含めまして、このような誤解が生ずるとしましては、これからもし法律を通していただいた場合、法律の施行に向けて内容を理解していただかなければならないということで、これは十分な広報活動が必要であるというふうに考えております。もちろん、入管官署の窓口はもちろんでございますけれども、マスコミでありますとかそれから海外の機関であるとか、そういうところも含めまして広報活動に努めていきたいというふうに考えております。
○白眞勲君 総務省さんにもちょっとお聞きしたいんですけれども、在日外国人の実際の手続は役所で、例えば住所の変更手続なんかはそちらの方でやるということになると思うんですが、今までは外国人登録事務という場所に行っていましたよ。今回これ、外国人登録事務という部署、なくなるんでしょうかね、それともそのまま置いてあるのか。あるいは、住民課というんですかね、役所の住民課の方に行くのかな。この辺は、どの辺の手続をどういうふうにするのか、例えば住民票を取る場合どうするんだというような、その辺の広報も含めてちょっとお聞きしたいんですけれども。 〔委員長退席、理事松村龍二君着席〕
○政府参考人(佐村知子君) お答え申し上げます。 どういった窓口を設けるか、どういった組織で対応するかというのは基本的にはそれぞれの自治体、市町村の方で決めていくことだと思うんですけれども、ただ、住民基本台帳というのは従来住民課というところで担当しておりますので、そちらの方で主な事務をやることになるんではないかと思います。また、写しを取ったりするところもやっぱりそちらと同じようになっていくんじゃないかと思うんですが、ただ、あと、外国人の方によりましては言葉の問題とかというのがございますので、その辺り何らかの配慮が必要かどうか、いずれにしてもよく趣旨を踏まえて検討してまいりたい、助言をしてまいりたいと思っております。
○白眞勲君 今御指摘のとおりなんですね。やはりこういう手続関係というのは、日本語が少々話せるぐらいですと、私が英語で例えばどこかの外国の役所に行ってだあっと書いてあるものなんて見れないわけでして、まして、やっぱりそういうことを考えますと、今まで外国人登録事務というところはそういったことに慣れている人たちが対応していたという部分があるわけですが、今回それがなくなって、もし住民課の方でやるとかいうことになりますと、その辺の混乱、あるいは場合によっては、これは縦割り行政の弊害かもしれませんが、たらい回しみたいなことになりかねないと思いますので、その辺りは、今日は中村政務官がいらっしゃいますので、ちょっとその辺、一言お願いいたします。
○大臣政務官(中村博彦君) だから、もう私から申し上げるまでもなく、今までの住民基本台帳への問題点がございました。だから、外国人の登録法ということで、本当に市区町村が所在情報が正確に把握できなかった。それと同時に、外国人と日本人の混合世帯ですね、これも把握できなかった。おっしゃるとおり、外国人と日本人の人権だとかプライバシーが同等に扱われなかったわけですから、当然、今あらゆる点で、御提案いただいたとおり、現場にそごが来さないように、政治主導といいますか、私が総務大臣政務官としてあと何か月もつかどうか分かりませんが、どちらにしても現場というものを大切にした形で政治主導で正確な法施行に備えさせていただくと。白眞勲君がこの場でやっていただくかも分かりませんので、どうかその辺は本当に外国人を大切にする、日本人、在住を大切にするということはもうこれ基本理念でございますんで、そごが来さないようにやりたいと、こう思っております。
○白眞勲君 非常に力強いお言葉、ありがとうございます。 そういう中で、今まさに私は本質を政務官の方でおっしゃっていただいたなというのは、外国人の人権とかプライバシー、これは同等に扱わなければならない、もうこれは大切にしなければいけないんだという部分において、ひとつ私はこの入国管理という法律について、やはりこれを、何というんでしょうね、もうやっぱりトータルでこれもう少しちょっと考えていかなきゃいけない時代になってきたんではないんだろうかというふうに思うわけなんですね。 管理法という言葉ですね。その管理ですよね。これはもちろん管理といっても事務手続の管理なんだということだとは思うんですけれども、何かまるで人間を管理するような内容に取られかねないといいますか、そういうイメージやっぱりあるんですね。出入国の管理だといっても、ここで生まれ育ってパスポートも持たないままいる人もこの法律の枠の中に入っているわけなんですよ、これは。全部これの中に外国人というのは入れられてしまうわけですから、それはやはりここでそろそろ、私何かちょっともう少しトータルで、管理というのと、管理は必要なんですよ、確かに管理、入国管理という部分は必要です。しかし、それと同時に、ここにいる外国の人たちに対してどういうふうに対応するかというのをもう少しきちっと考えていかなきゃいけない。先ほど森大臣も、やはりここに、例えば移民とか外国人労働者をどうするんだとか、そういったものについての総合的な施策を国民と一緒になって考えていかなければいけない、まさに私はそう思っています。 せんだってもインドネシアのEPAの関係で看護師さんとか介護士さんが日本にいらっしゃいましたけれども、じゃこの国のトータルの外国人の施策って一体どこにあるんですかという部分、ここをもっと我々国として、国家としてあるべき姿に持っていかなければいけないんではないんだろうかというふうに思うわけなんですね。 例えば外国人住民基本法みたいなそういったものでもいいですし、何かそういう管理という言葉自体ではない、そういったものをしていくというのが、やっぱり言葉は体を成すというか、やはり上から目線になっちゃうというか、外国人が使えるときにだけ使える何か便利な存在みたいな、そういう感じになってしまうのが良くないのではないかなと。 ちなみに、法律の中に管理法という法律が一体どれぐらいあるんだろうかなと、これもちょっと私、急にこれ気になってまたインターネットで調べてみました。管理という言葉と法律という言葉を並べてみたら、最初に出てきたのが公文書管理法なんですね。あ、なるほどなと思った。それは分かる。その後出てきたのが動物の愛護及び管理の法律。動物かと。でも、愛護が付いているんですね、これね。それで、あとは海洋生物とかマグロに対する管理だと。人に対する管理ということを調べてみると、雇用管理ぐらいしかないんですね、法律の中に。あとはみんなマグロとかね。 これ、私、ちょっと何か自分の質問じゃなくて演説みたいになっちゃって本当に申し訳ないですけれども、私、前に新聞社の支社長をしておりまして、これ韓国の新聞社で一番大きい新聞社です。優秀な記者が、日本では大体東大出ると役人になる方が一番優秀な、そこにいらっしゃる方が一番優秀なんでしょうけれども、韓国では役人よりも新聞社の方が優秀な人が結構来るんですよ。役人の方がよっぽど首になっちゃったりするんですね。ですから、(発言する者あり)支社長は大したことないんですけれども、特に、東京、ワシントンの特派員というのは一番優秀な人材が来るんですね。それで、マンションを当然こっちで借りてあげようとする。もうこれが一苦労なんですね。外国人がこの国でアパート一つ借りるんだって大変ですよ。そういう優秀な人材でも外国人という十把一からげの中で、もう要するに、まあ確かに民間の賃貸オーナーさんにしてみれば、どんな人が入るか分からないというリスクを管理するというのはしようがないかもしれないけど。 私、一つショック受けたのは、いまだに覚えているんです、マグロとかこれと一緒で、動物の愛護と一緒で、間取りの、何ですか、ファクスで不動産屋さんが来たときに一番下に書いてあった言葉が、外国人、水商売、ペットお断りなんですよ。外国人はペットと一緒かと。本当、私、これショック受けました。やはりもう少し、何というんでしょうね、優しい気持ちになっていくというかね、やっぱりこれ私本当に重要だなと思います。 ちなみに、またこれは別だったと思いましたけれども、ある外国人が、お断りだといって、借りようとしたらお断りを食らいました。よく調べてみたら、それは総合商社の下請の不動産会社さんで、その総合商社は韓国に駐在員をさんざん送っているわけですよ。私、かんかんになって怒っちゃいまして、だったらもう出ていってくれと言ったことがありますよ。今、例えばあれは韓国の大使、この方も日本で以前住んでいたことがあります。あるいは、韓国の国会議員の中には、もう大統領になるんじゃないかと言われている、未来の大統領の候補の一人だと言われている方も日本の千葉県松戸市で住んでいたことがある。 やはり、私たちはこちらで受けたものと表裏一体だと私は思っているんですね。ここでは外国人でも、我々、海外へ出れば我々が外国人になるわけですから。そういうスタンスからすると、やはりトータルで、出入国管理は重要です、これは重要だ、しかし、ここにいらっしゃる、まじめに暮らしていらっしゃる大多数の外国人に対する施策というものをどう考えるのかというのも私は大切な問題だなというふうに思っているんですね。 ちょっと長話になって申し訳なかったんですけれども、森大臣、別に質問通告していなかったんですけれども、何か意見がありましたらどうぞ。
○国務大臣(森英介君) まさにおっしゃるとおりだと思いますけれども、やはり先ほどもあったように、多文化あるいは多くの国々の方々が共生する社会をつくるため、やっぱりそれこそ健全に住んでいらっしゃる外国人の方がより便利に快適に過ごせるようにするということは日本国の務めだと思いますし、また今度入管法も一面から見ればそういう役割を果たすわけでございまして、是非前向きにとらえていただきたいというふうに思います。 〔理事松村龍二君退席、委員長着席〕
○白眞勲君 特に総務省の中村政務官にもやっぱり同じ考え方をちょっと聞きたいなと思っていますので、もし御意見がありましたらどうぞ。
○大臣政務官(中村博彦君) 今回のこの法律を機会に、もう一遍やはり日本人は見直さなくてはいけないんじゃないか。やはり日本国内にいらっしゃる方は、同じ生活者ですし、同じ地域住民でございます。だから、やはり日本人として考えないかぬことは、共生職場をどうつくるか、共生社会をどうつくるかというのが、この法律が通った後、私たちは逆に問われているんじゃないかと、このように考えています。
○白眞勲君 そういう中で今もう一つの大きなポイントは、やはり外国から来るお客さん、観光客なんかも含めて、この入管法が今度改正されることによって、私は今回、在留カードが空港で渡されるということになりますと、今でも結構な行列なんですよ、これ大変なことになるんじゃないかなと心配をしているわけですね。 今日は観光庁いらっしゃっているかと思うんですけれども、どうでしょうか、ビジット・ジャパンを推進している観光庁としては、成田空港や関西空港とかで相当待つ例、外国の方が入国するのに待つ例というのはあると思うんですが、これは評判良くないんですね。その辺り、調査されていますか。
○政府参考人(西阪昇君) お答えいたします。 外国人の方が最初に日本に訪れまして経験するのが、多くの方、飛行場での雰囲気あるいはその手続でございます。それは大変外国人の観光者の方々について重要な要素であるというふうに考えております。 具体的に、我が国を訪問する外国人が最も利用をしております成田国際空港につきましては、その入国審査待ち時間の短縮に向け、訪日外国人から強い要望を受けているところでございます。また、二〇〇七年に成田国際空港株式会社が実施をいたしました利用者アンケートにおいても、その上位に出入国審査に関するものが挙げられているところでございます。 私ども観光庁といたしましては、観光立国推進基本計画におきまして、外国人の入国審査につきまして、全空港での最長審査待ち時間を二十分以下にすることを目標とするということとされていることを踏まえまして、航空会社、エアラインを含めた入国審査待ち時間短縮に向けた調整を入管当局と行うなど積極的に協力をしているところでございます。
○白眞勲君 やっぱり評判悪いわけでして、二十分以下に短縮することを目標としていると。 私も海外の空港で、もっとも飛行機に乗るだけでへとへとになっているんですね。あと緊張もあるとか何かあると、やはりそこで、どっと待っている人たちがいるとそれだけで何かもうなよなよっとしてきてしまう部分というのは、これ皆さん、委員の皆さんでも、皆さんあるいは大臣でも、皆さん感じることがあるかと思います。 実際に成田空港で、入国管理局の皆さん、聞きたいんですけど、大体今何分なんでしょうか。平均で結構です。
○政府参考人(西川克行君) 失礼しました。 今、国土交通省から説明がありましたとおり、全空港二十分というのを目標にしているわけですが、昨年一年間の成田空港における平均最長審査待ち時間、これは全員が掛かったというわけではなくて、その日一番長く待った方が何分掛かったか、これを毎日報告させていますので、これが二十七・七分ということで、残念ながら七・七分超過と。 ただ、ちょっと弁解をさせていただきますと、今年になってまた少し良くなりまして、今年の五月の実績だけを見ますと、成田空港の一ビルが十八分、それと成田空港の二ビルが十六分ということでございます。だから、これは五月だけを取り上げると一応二十分は達成しているということですが、長くなるときもあるということです。 今後やはり二十分というのを最大の目標にいたしまして、まず、ブースにどうやって人を張り付けるかとか、それから、今自動化ゲートを、今成田にしかありませんが、成田に増設するとともに、今度は中部やそれから関西空港にも自動化ゲートを造って、これだと相当スムースに通れるようになっているというふうに思いますので、こんなことで更に短縮に励んでいきたいというふうに思っております。
○白眞勲君 ちょっともう一回お聞きしたいんですけど、二十七・七分というのは、これはあれですか、最長の方が待っている時間ということなんでしょうか、その日のそれの平均ということなんですか、それとも、何かちょっとやけに短いなという感じがするんですけど、その辺はどうなんでしょうか。
○政府参考人(西川克行君) 毎日、一日の空港における最長の待ち時間の時間を報告させていると。だから、一番長い方で二十七・七分待ったと。これが、例えば機械がちょっと故障したとかいうとわあっと長くなってしまうことはないことはないんですが、これはほとんどないということでございます。
○白眞勲君 私の知っている方はソウルから東京に来るよりも待っていたとか、そういう、いや、これ本当の話なんですよ。これは、いたんですよ、そういうことは。 やっぱり、私、これは短くするにこしたことはない。ただ、もちろん、これ別に入管の皆さんを責め立てようということではないんです。飛行機がどっと到着しちゃったりするわけだし、なかなか、何というんですかね、満遍なく到着してくりゃいいけどというのもあるので、その辺なかなか難しい部分というのはあると思うんですね。 例えば、今回私が一番懸念しているのは先ほど申し上げたとおりなんですね。在留カードを今度そこで発行するということになるわけですね。そうすると、下手するとこれ、言葉が、何というか、どうしてもあやふやになったり何なりかんなりすると、ちょっとあれっというのがあったりすると、もう五分、十分すぐたっちゃいますよ、一人。そうすると、一つのゲートで下手すると十分、十五分待たされる、その方に掛かっちゃうと。その方、ほとんど使えなくなるとまた減ってしまう、ゲートが、ということにもなりかねない。ということになると、これから、今十八分、十六分という、今こういう経済の状況でお客さんも少し少なくなってきているというのがあるけれども、またこれもっと増えたらどうなっちゃうんだというのもあるんで、ここら辺は相当やはり私は工夫した方がいいんではないんだろうかというふうに思うんですね。 私、シンガポールのチャンギ空港というのはいつ行ってもがらがらなんですね。何でだろうなと思うと、あれは帰国したときにショッピングできるようになっているんですね。だから、入国ゲートが込んでるわと思うと、何か買物して時間つぶしたりして、すいているときに入ったりするとか、そういう散らす努力というのもしているんではないんだろうかと。 ただ、私も調べてみたら、日本では条約に何か批准していて、入国した人に免税店で買物しちゃいけねえという話になっているということも何か聞いておるんですよ。そういう条約はもうやめちゃって、そうした方が空港ビルもうかるんですよ、空港ビルももうかるんです。日本人は、今特に液体物は買って乗り換えると嫌み言われるんですね。ですから、だったら日本国内のまだ入国していない時点でショッピングをしてもらっているうちに散らした方がよっぽどいいんじゃないかと、私はそういうふうに思うわけですね。あるいは、そこにちょっとコーヒーショップか何か造るとかして、お茶でも飲んで、ちょっと人が待っているときには少し減るまで待っていてもらうとか、その辺の工夫というのはこれは空港当局と一緒になって少し考えた方がいいんじゃないかなというふうに思うんですね。 どうでしょう、森大臣、その辺はどうでしょうかね。
○国務大臣(森英介君) そういう様々な工夫を凝らすということは極めて重要だと思いますけれども、条約を直ちに破棄してというのはちょっといささか検討の余地があるかと思います。
○白眞勲君 いや、まさにそうでして、条約を、そんなものを破棄するとまたこれも大変なことになるということはそのとおりです。ですから、なかなかそれは難しいかもしれない。しかし、そこの中でのやはり工夫を凝らしていくということは、これは私は必要なんではないんだろうかというふうに思うわけですね。 そういう中で、特別永住者は日本人のブースで入国審査が行われることになっていると。しかしながら、例えば日本人の配偶者が外国人の場合は、そこで、外国人のブースに外国の配偶者の方だけは行って、日本人の家族が、すぐ通りますから、日本人の方は、待っていなきゃいけないとか、これちょっとやっぱり違和感を持っている方々が多いんですね。 私は、やはりその辺りを、今後、例えば日本人等とその同伴家族と、家族は一緒にみんなもう受けて結構ですよと、日本人のだんなさんなりお母さんなりいらっしゃるんならば外国人の方も一緒に例えばブースの中でやってくださいねとか、何かそういった工夫というのも今後研究したらどうかなと、これは今運用面の改善でできるんではないかなというふうに思うんですが、入管局長さんのお考え、いかがでしょうか。
○政府参考人(西川克行君) 確かに、家族で日本人と外国人の方が一緒とか、そういう場合については別々のブースに通らなければならないという問題があります。 これは、一緒にしたらどういう問題が生ずるかといいますと、今、入国段階でいわゆるバイオメトリックスの検査というのをしておりまして、これが外国人からしかバイオメトリックスの提供を受けておりません。それから、日本人もそれから特別永住者もこれから除外されているということで、日本人用のブース、それと特別永住者の方用のブースというのがございますけれども、日本人と一緒でございますけれども、についてはそのバイオメトリックスの装置がないという問題がございまして、それで要は別々のブースで通していただいているということでございますが、いずれにしろ、これは装置の問題であって、今後運用面で改善していく余地はある話だということでございますので、更に検討させていただきたいというのと、ここでもまた再度申し上げたいんですが、今自動化ゲートをどんどん展開していこうというふうに思っておりまして、自動化ゲートの場合につきましては、日本人も外国人も一度指紋の登録をしていただければ同じ手続で通れるということになりますので、そちらの方も進めていこうというふうに思っております。
○白眞勲君 バイオメトリックスのポイントで私が申し上げたいのは、やはり永住外国人、これは三年で永住外国人になれる場合もあれば、七十年間の永住外国人もいらっしゃるわけですよね、こちらに、七十年以上ここに住んでいても永住外国人。私は、元々これは同じ法律の枠組みで入っているのはどうなのかなという部分は私感じているんですね、それは。 ですから、今回、民主党の方で、修正案で、二十年以上住んでいらっしゃる方についてはそれなりの配慮をしていったらどうですかということを、携帯義務を外したりとかいうこともいろいろアイデアとして出ていたというのは、私はそういう部分もあるんではないんだろうかなというふうに思うんですね。 今後、私は、特に空港に関して申し上げたいんですけれども、在留許可、在留カードでもらう人というのは相当時間が掛かるじゃないかとか、あるいは一般のツーリストの人たち、そして永住権を持っている方々、これ相当細かくこれから分けていって、きめ細かな対応というのも入管のブースの方でもやっていく必要があるんではないんだろうかというふうに私感じているわけなんですね。 ですから、そうすると、今度は間違えちゃう人が出てくるんですよ。今まで外人と日本人だけだったらそんなに間違えないけれども、今度はブースを細かくすれば細かくするほどどこに並んでいいんだか分からないということになると、一か所まず何かブースをつくって、そこで、ああ、あなたはこっちですね、こっちですね、こっちに並んでください、Aコース、Bコース、Cコースという、そういう係をつくってさっささっさと分けていかないとやはりこれうまくいかないんじゃないかなというふうに思いますので、これは今も御答弁いただいたように、それも一つの私からのアイデアですけれども。私も相当これ海外旅行しましたから、ですから、そういった関係で是非、別に御答弁する必要もないですから、考えていただきたいと。うなずいていることだけは私しっかり見ましたので、それだけ見ておけばいいかなというふうに思うんですね。 要するに、私が申し上げたいのは、先ほど申し上げましたように、管理ということではなくて、ここにいらっしゃる外国の方々、出入国もしていないでもうずっとここに住んでいらっしゃる方々を、入国管理法という一つの枠組みではなくて、やはりもう少し外国人の、先ほど申し上げましたように、人権とか何かを考えた中での一つの共生した社会への糸口となるようなやり方を含める、そのまず初期段階としまして、やはり永住権の中にも少し、今回附則でもその辺は今後配慮していこうじゃないかということが書いてありますけれども、私本当にそうだと思うんですね。 我々、何で二十年としたかと。私もずっと昔からこれ二十年というのが一つのポイントだと思っているんですね。二十年も住んでいたらそろそろ日本のことよく分かるじゃないですかと。日本国民からも受け入れられる。元々、成人というのは二十歳ですから、そういった部分もあるので、社会的にもいろいろな変化があるということだと、やはりこれを一つの枠組みの中というのは私はおかしいんではないか、少しやはり変えていく必要性があるんではないか、私はそういうふうに思っているわけでございます。 そういった観点について、森法務大臣、これ質問通告したかどうかちょっと忘れちゃったんですけれども、お考えで結構ですから、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(森英介君) 確かに、先ほど申し上げましたけれども、特別永住者と一般永住者の取扱いについてやっぱりそれなりの差ができるということはもう御理解いただいていると思いますけれども、一般永住者についても二十年以上在留する場合にそれなりの配慮というのはやっぱり定着性という意味では意味があるというふうに思うんです。 ただ、やはり余り体系が複雑になってしまうということはやっぱり在留管理の面でどうかなという気もいたしますし、ただ、やっぱりその点について考えていこうと、前向きに考えていこうということで附則が設けられたわけでございますので、それはきちんと考えていきたいというふうに思います。
○白眞勲君 本当に、こちらにいらっしゃる中で日本の税金を払ってまじめに暮らしていらっしゃる方々に対しては、もちろん国籍は違っているかもしれないけれども、今も中村政務官の方からもおっしゃいましたように、全く同じようにしていく方向性でやることによって本当の意味でのいい刺激がこの国に与えられていくんではないかなと私は思っているんですね。外国の人たちにもきちっとそういったものを与えることがやはりここに定着性を増やしていって、そして日本に対する愛着の度合いを高めていくというふうに私はなっていくんではないんだろうかというふうに思っております。 最後にちょっと総務省にお聞きしたいと思います。 今回、住民基本台帳法の一部を改正する法律案に関しまして、附則の二十三条に「検討」という項目があって、これは政府はというところから、入管法の趣旨を踏まえ、必要に応じて、適正な管理の在り方についての検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする、これは住民基本台帳法ということですけれども。 これは、附則を付けたのは我々政治家かもしれませんけど、「政府は、」となっておるんですね。当然これ総務大臣はですよね。総務大臣、総務省としてメーンでやっていくということでよろしゅうございますね。
○政府参考人(佐村知子君) お答え申し上げます。 各種行政サービスの対象の範囲というのはそれぞれの制度において定められておりますけれども、在留資格がない方でありましても、従来から、例えば義務教育や助産施設での助産あるいは結核予防のための健康診断など対象とされているものがございまして、今回の改正法、住民基本台帳法の改正法というのはその対象範囲に変更を加えるものではございません。 こういったことから、今後ともこれらのものに適切に行政サービスが提供されるようにしっかり努力をしてまいるという趣旨だと考えております。私ども政府といたしましては、こうした趣旨を尊重してしっかり対応してまいりたいと考えております。
○白眞勲君 いや、ですから、答えになってないんですね。「政府は、」となっていますけど、メーンはこれ総務省ですよねということを聞いている。それだけの、イエスかノーかだけなんですけれども。
○政府参考人(佐村知子君) お答え申し上げます。 総務省及び関係省、それぞれのサービスは所管している各省、制度の所管省庁ございますので、総務省及びその所管しているそれぞれの省庁ということと考えて受け止めてございます。
○白眞勲君 いや、それは当たり前なんですよね。総務省及びそれぞれの所管官庁がやるに決まっている。だから、その中でメーンはどこですかと私は聞いているわけですね。メーンは総務省でよろしゅうございますね。
○政府参考人(佐村知子君) お答え申し上げます。 住民基本台帳法の附則ですので、私どもの方としてしっかり対応して、総務省がしっかり対応してまいります。
○白眞勲君 この国には様々な外国の方がいらっしゃるわけですね。私はやっぱり、私も外国人だった。でも、私この国にいて、やっぱりこの国大好きだし、そして恐らく外国の人たちも、この国にいらっしゃる外国の人というのは好きだからいるんですよ。普通にやっぱりここの国がいいなと思っているわけですよね。そういう人たちに対して、ああ、生きていて良かったというか、ここの国にいて良かったという気持ちになっていくことがやはり私は国際社会への第一歩だと私思う。国際化への第一歩だと私は思っているんです。この国にいる外国人と日本人が仲良くできなければ私は国際化なんかできないと思うんですよ。外交なんかできないと思っているんです、私は。ここにいる外国人とどう付き合うかということをやはり我々はもっともっと論じていかなきゃいけないなというふうに思っているんですね。 最後ですけど、これは聞いていただければ結構です。私も韓国との関係があったせいかもしれませんけれども、例えば、韓国人すり集団というのが前マスコミをにぎわしたことがあります。ああいう者がいると一番嫌な思いをするのがここにいる外国人、韓国人なんですよ。本当に嫌な気持ちになるんですよね、ああいうのがいると。 私はだから、あれは新聞社の記者に言ったことがあるんですね、ああいう人間はもう二度と出すなと。そもそも泥棒しに外国に出かけるやつなんというのはとんでもないやつだぞということを私は言ったことがあります。ほかの国の人に危害を加えてお金を取ってなんというのは、これは許し難いことであると私は言いました。死刑にしちゃえ、そんなのはと言ったぐらい、本当に私はそういうふうに思ったぐらいですよ。本当にそれぐらいの気持ちになるんです、ここにいる人間にとってみたら。本当にそうなんですよ。 ですから、そういう部分と、それからここにいるまじめな人たちが、何というんでしょうね、十把一からげにならないようなそういう施策、そういったものをやっぱり私は政府の皆さん、そして関係省庁の皆さんにお願いをしたい、そういうふうに思いまして、私の質問とさせていただきます。 ありがとうございました。
○木庭健太郎君 今日は入管法改正案の審議でございます。大きな法案であるとも思っておりますし、在留管理の問題、制度を含めて、新たな制度をつくるような、言わば今までいろいろばらばらになっていたものを一元化するとか大きなメリットもございますし、そして今、白眞勲君がお話しされていましたが、衆議院の修正で、本当に特別永住者の皆さんにとってみれば悲願ともいう課題であった常時携帯義務、これが廃止をされることが決定をするというような大きなメリットもございまして、私はこの改正案、できる限り、待ち望んでいらっしゃる方もいらっしゃいますし、早い成立を心から願う一人でもございます。 繰り返しの質問も出るかと思いますが、総括的に質疑をしたいものですから、まず法務大臣に、この新たな在留管理制度を導入するという趣旨を、今なぜということを先ほど御指摘もあっておりましたが、そこも含めてまず御説明をいただいておきたいと思います。
○国務大臣(森英介君) 現行の制度では、法務大臣は、入管法に基づき、外国人の入国時や在留期間の更新時等の各種許可に係る審査を行う際に、外国人から必要な情報を取得している一方、在留期間の中途における事情の変更については、市区町村が実施している外国人登録制度を通じて把握することといたしております。 ところが、近年、我が国の国際化が進展し、新規入国者数が著しく増加するとともに、我が国に居住する外国人の数も増加し、また、我が国に在留する外国人の構成も大きく変化してきております。こういうことから、外国人の在留状況、とりわけ居住実態の正確な把握が困難となってきております。 そこで、今回の改正により、現行の入管法に基づいて行っている情報把握と外国人登録法に基づいて市区町村を通して行っている情報把握の制度を改め、適法な在留資格をもって我が国に中長期に在留する外国人を対象として、法務大臣が在留管理に必要な情報を継続的に把握する制度の構築を図ろうとするものです。 これによりまして、在留管理に必要な情報を正確に把握できるようになります。また、新たな制度の構築を前提として、在留期間の上限の伸長や再入国許可制度の見直しなど、適法に在留する外国人に対する利便性を向上する措置の実施が可能となります。
○木庭健太郎君 今大臣がおっしゃったように、法務大臣が必要な情報を継続的に把握する制度を設けると。そのことによって適法に在留する外国人の利便性を向上させる措置だと。 ただ、先ほどもちょっと議論あっておりましたが、在留管理とか言われると、何か人権の問題も含めて、人がそこで生きるための権利というか、言わば個人情報も含めてそういったものが、管理管理という名の下に極めて個人情報というものが国家に掌握されるというか、そういう懸念をやっぱり一面持たざるを得ないようなところもあるわけです。 そういった意味では、この個人情報をどう取り扱うかというのは本当に大事な観点だと思いますし、一方で、この法案について、外国人を不当に管理するものだと今もおっしゃる方もいらっしゃるわけであって、こういった懸念に対してどう考えるか、法務当局の見解を求めておきたいと思います。
○政府参考人(西川克行君) まず、新たな在留管理制度におきまして、法務大臣が外国人本人や所属機関からの届出等により取得する情報、これは在留管理のために必要な最小限の範囲に限定をされております。 例えば、例を挙げますと、現行の外国人登録法では、一部の例外を除いて、在留資格のいかんにかかわらず、二十項目の登録事項を定め、このうち十四項目について外国人に変更届出の義務を課していますが、今回の改正では、各在留資格に共通した外国人本人の届出義務を氏名等五項目の基本的事項に限定をしております。また、所属機関や身分関係等の情報については、外国人の在留資格に応じて必要な範囲内で届けさせることや、世帯に関する情報は住民基本台帳の保有情報で、入管法上は届出義務を課さないなど、必要な情報に限定するための措置を講じております。 それから、集めた情報につきましては、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律の規定に従って、原則として目的外の利用等をすることはできない、する場合には法令等に基づく場合に限るというような厳格な運用を行うことであり、この趣旨につきましては、先般、衆議院における修正においてさらに明文で規定されたというふうに承知しております。 このようなことから、新たな在留管理制度において御懸念のような問題はないというふうに考えております。
○木庭健太郎君 逆に言って、逆にというか、今ある程度どういうふうに情報管理が行われるかお聞きをいたしました。今回の改正によって、適法に在留する外国人、特に中長期の方々にとっては非常に利便性が向上された点があるというふうに何度も聞かされておりますが、どういう点が便利になっているのか、どういう点がこの法案の中で一番外国人の皆さんにとって便利になったと言えるのか、その点についてもはっきりさせていただいておきたいと思います。
○国務大臣(森英介君) まず、適法に中長期間在留する外国人の在留情報を正確かつ継続的に把握できるようになることによりまして、これらの方々に対する在留期間の上限を引き上げたり、あるいは再入国許可手続を原則として不要とする措置を講じることが可能になるなど、これによってこれらの外国人が各種許可手続のために入国管理局に出頭する負担が大幅に緩和されることになります。 また、新たな在留管理制度においては、在留カード交付の対象者を入管法上の適法な在留資格をもって我が国に中長期間在留する方に限定することにより、これらの外国人においては、在留カードを示すことによって自らが適法な在留資格をもって我が国に中長期間在留する者であることを簡単に証明できるようになります。したがって、就労や社会生活の様々な場面における利便性が高まることが期待されます。
○木庭健太郎君 そういう便利になる点はあるんですけど、その一方で、これも先ほど御指摘をされておりましたが、今回、改正によってというか、新しい制度が生み出されることによって何が生じるかというと、これまで外国人登録制度においては届けや申請というのは市町村区が窓口でしたが、新たな在留管理制度というのは、もう先ほどから指摘があっているとおり、地方入国管理局、ここが窓口になるということになる。 数も少ない問題もあった、いろんな御指摘がなされました。でも、本当に変わることで、負担になると思われるものがどんなことが起きる可能性があるのか、それとも心配ないよ、ある程度こういったことはこうやってできるんだよというふうな仕組みになっているのかどうか、さらに、先ほどはインターネットとか郵送の問題等のお話もございましたが、もし負担になるというようなことが考えられるとするならば、そのほかにどういった点について配慮をしながらその負担増を避けようとなさっているのか、この点についてもう一回まとめて御答弁をいただきたいと思います。
○政府参考人(西川克行君) まず、変更届のうち一番数が多いと考えられる住所については、これは今までと同じようにその部分は法定受託事務という形で市区町村に残りますので、この分の負担は変わりません。 変更等の届出申請のうち新たな在留カードの交付を伴う氏名、国籍、生年月日、それから性別の変更の届出につきましては、外国人の同一性の確認等のために入国管理局に出頭してもらうという必要がございますけど、これはそもそも変更する頻度が非常に低いということに加えまして、例えば婚姻に伴って氏名や国籍を変更した場合には同時に在留資格の変更申請が必要なことも多いということで、そのようなときには当該申請に合わせて行うこともできることなどから、これはほとんど負担の増加にはならないと考えております。 所属機関の変更や配偶者との離婚等の届出については、外国人登録制度では一部の例外を除いて在留資格の種別を問わず届出義務が課されておりましたが、新制度においてはこれを改めて、前者については所属機関の存在が在留資格の基礎になっている者、後者については配偶者としての身分が在留資格の基礎となっている者に限ることとしており、外国人の負担を軽減しております。 また、これらの届出先は地方入国管理局になりますが、その方法については、例えばインターネットを使うとか郵送で行うとか、本人の同一性の確認という壁はあるわけですけど、その部分について検討した上で負担を軽減する措置を検討したいというふうに考えております。 それから、永住者の在留カードの有効期限の更新申請については、これは確かに入国管理局に来ていただかなければならないんですけど、これは七年に一回ということであることに加えまして、弁護士又は行政書士等、申請の取次ぎを認める者の範囲を広げるということにしており、過度の負担増にはならないものと考えております。
○木庭健太郎君 そこで、今度は、特別永住者の問題について基本的なことからちょっとお伺いしていきたいと思うんですけど、この特別永住者につきまして、新たな在留管理制度というものにこの特別永住者は対象となっているのかどうか、また特別永住者の制度は今回の改正でどのようになるのか、まずこの基本をお答え願います。
○国務大臣(森英介君) 特別永住者の方々については、現行の外国人登録制度や在留管理制度において正確な情報把握の観点から大きな問題があると指摘されているものではありませんので、新たな在留管理制度の対象とはしておりません。したがって、外国人登録制度の廃止に伴い、現在特別永住者の方々に交付されている外国人登録証明書が法務大臣が交付する特別永住者証明書に替わることなどを除きますと、現行の制度を実質的に維持することとしつつ、特別永住者の方々の利便性の向上を図る観点から制度の見直しを行っております。 なお、衆議院における御審議の結果、特別永住者証明書等の携帯義務を、特に公明党、民主党さん等々の御要請によりまして、削除する旨の修正がなされています。
○木庭健太郎君 今大臣がおっしゃった、利便性を向上させる措置を講じなければならないとおっしゃいましたが、その点、どのような措置を、修正前の段階ですけど、本法として講じているのか、これもお知らせ願いたいと思います。
○政府参考人(西川克行君) 特別永住者の方々の利便性の向上を図る観点から、有効な旅券及び特別永住者証明書を所持している場合には、二年以内の出国については原則として再入国許可を不要とするということで、通常の外国人は一年以内の出国ということでございますが、本邦への定着性が高いということで、その部分について特別永住者について、より利便性を大きく図っております。 また、特別永住者証明書の記載事項、これについては従前より大幅に削減するなどの見直しを図っており、この部分についても利便性が向上したのではないかと思っております。
○木庭健太郎君 そこで、修正案提案者の方に来ていただいておりますが、今も大臣からお話がありましたが、特別永住者については、その歴史的経緯や我が国における定着性にかんがみ、特段の配慮が求められているところ、今回、衆議院の法務委員会において特別永住者証明書の常時携帯義務が削除されたというふうに承知しておりますが、その趣旨について提案者から伺っておきたいと思います。
○衆議院議員(大口善徳君) 木庭委員にお答えいたします。 木庭委員もこの問題について非常に熱心に取り組まれておられまして、今年の二月に、民団の方々と一緒に木庭委員も森法務大臣の方にこの件について要望をされたところでございます。 特別永住者につきましては、御案内のように、一九五二年、サンフランシスコ講和条約で、これは本人の意思に関係なく国籍を離脱された方であり、またその子孫であるわけです。こういう歴史的な経緯がある。また、今や四世、五世の方もいらっしゃいます。日本に生まれて日本に育って、そして本当に地域でもいろんな形で貢献され、納税もされている、そういう点で定着性があるわけでございます。 そういう特別の配慮ということをしていかなきゃいけないということで、平成十年、外登法の改正がございました。今から十年前でございます。このときに、この携帯義務について罰金を過料、刑事罰を行政罰にしたときでございますけれども、その際、やはりこういう定着性あるいは歴史的な経緯、こういうものを着目しまして、衆参で附帯決議がなされたわけであります。 また、そういうことで今回外国人登録証明書がなくなったわけでありますけれども、特別永住者証明書ということについて、常時携帯義務というものが、そしてまたその罰則というものが継続して問題となったわけでございます。 この附帯決議の中で、衆議院、参議院のこの立法府の意思の中の決議として、外国人登録証明書の常時携帯義務の必要性、合理性について十分な検証を行い、同制度の抜本的な見直しを検討すること、とりわけ特別永住者に対してはその歴史的経緯が十分考慮されなければならない、こういう立法府の意思が明確にされたわけでありまして、特に特別永住者については配慮をすべきということになったわけでございます。 そういうことで、この行政罰につきましても、実際には適用されていない弾力的運用ということであります。また、成り済ましの危険性も格段に低い、ほとんどない、こういうこともありまして、今回、この特別永住者への配慮の必要性、また附帯決議の趣旨を踏まえて、改めてこの特別永住者証明書の携帯義務の要否について真摯に検討を行いました。衆議院の法務委員会でもこの点につきましていろいろと議論をし、そして修正協議の中で、やはりこの常時携帯義務について、そしてまたこの罰則について、また旅券の携帯義務及び罰則についてはこれを削除すべし、こういうことになったわけでございます。
○木庭健太郎君 今経過の説明があったんですけど、私もちょっと感慨深いものがありまして、それは、前回の、先ほどお話があった、平成十一年だったと思うんですけど、外国人登録法の改正のとき、実は参議院に法案が送られたときにどういう法案が送られてきたかというと、先ほど白眞勲君が言っていたとおりですよ。携帯していなかったら、(発言する者あり)白眞勲さんがおっしゃっているんですけど、まさに、どういうことかというと、携帯してなかったらどうなるかというと、逮捕できるというような刑事罰を科したままの法案が実は参議院に送られてきた。 あのとき、私ども野党でございましたが、本当に民主党の皆さんにも御協力をいただいて、これは余りにも人権侵害というかひど過ぎるということで、そのときに何とかこの常時携帯義務をなくせないかということを実は随分警察庁の方ともやり合ったんですけど、法務省の方は何となくそこまでおっしゃるならという気になったんですが、警察庁の大反対の中でもめにもめて、最終的にどうなったかというと、だったら過料ということぐらいでしたらどうにかできますということで、実はそのときに刑事罰から過料に、行政罰に改めるというのがあったのがもうそのときでございまして、そういう意味では、もういつこれができるかというお話でいくと、本当に長年の願いがようやく今法案でできるんだなという思いで感慨深いということを、ちょっと済みません、私も余計なことを申し上げましたが、そんな思いがした次第でございます。 それとともに、これも先ほど丸山先生が、今野委員がというお話をしていた問題なんですけれども、何かというと、今回これで特別永住者のこの常時携帯義務の問題は一つ解決をしたと。ただ、問題は何かというと、同じような環境に、一般永住者の中でもほぼある意味では特別永住者と変わらないような方たちという一群がいることは間違いないと私どもは思っております。例えば華僑の皆さん方の問題でございます。 これ、質問通告しておりませんが、大口提案者、もしお答えできるならば、修正案の附則において、我が国への定着性の高い永住者についてその在留管理の在り方を検討する旨の規定というのを置かれたようでございますが、この規定を置いた趣旨を、通告しておりませんが、もし趣旨を御説明していただけるなら説明をしていただけますか。
○衆議院議員(大口善徳君) これ、附則の六十条の三項で、永住者のうち特に我が国への定住性の高い方、そして歴史的経緯ということも考えて、今後、一般永住者の中に様々な方がいらっしゃると、ですから、我が国への定住性が高い方、そして特別の歴史的経緯を踏まえて、在留管理の在り方について検討を進めていくべきとの趣旨を検討規定に入れさせていただいたわけでございます。 例えば、これは、朝鮮半島から来られて、そして、昭和二十年の九月の二日当時、朝鮮半島に一時帰郷していた方がいらっしゃいます。こういう方は、昭和二十年の九月二日当時はこの日本にいらっしゃらなかった、しかし歴史的経緯もありますし、また、ずっと定着をされていると。こういう方どうするんだと、こういうことが議論にあったわけでございます。 この方々について、じゃどうしていくのか。要するに、特別永住に準じて、日本への定着性が高い方、歴史的背景を有する方々、あるいは華僑の方々もそうでございましょう、こういう方々について、これは在留カードの常時携帯義務を含めた在留管理の在り方全般を幅広く検討を行っていこうということでこの附則を付けさせていただいたところでございます。 修正協議で、ここについて、その準ずる者についてはもう少し踏み込んだ形でできないかという議論もしたわけですけれども、どこへ線引きを引くかというようなこと、いろいろなことがございました。これをそういうことで検討課題という形にさせていただいたところでございます。
○木庭健太郎君 この附則を付けられたということは私は大きな前進だと思っておりますし、様々な立場から様々な御指摘もいただいておりまして、私は、これ、公明党の衆議院議員で赤羽一嘉というのが神戸でおるんですけれども、実は神戸の華僑総会の方から御要望いただいたのはどんなことかというと、例えば台湾出身の方というのはこれどうなるかというと特別永住者、ところが本土になるとこれ一般永住者になってしまう。今結婚されるときも、本土の方と台湾の方が、日本に住んでいらっしゃる方が結婚されることはある。そうすると、例えばその人たちが海外旅行へ行くときどういう扱いになるかというと、特別永住者と一般永住者ということで扱いがまたこれ違ってきたり、もう様々な問題が実は起きていることも事実であって、やはり歴史的経過とか、その経過というものをしっかりやっぱり掌握しながらこういった問題に対して取り組まなければいけないと思っておりまして、先ほど申し上げたように、そういう意味で、今回、この在り方をもう一度、永住の定住者の方たちの問題は一つ片付いた、じゃ次に一般定住者の方たちをどうするかという問題について、これから是非、どこがどうなのかという線引きの問題も含めて検討をしていくというこの附則が付いたことというのは大きな前進であるということを評価しておりますが、是非、今後このような在日華僑社会の実態、それから先ほど大口委員がおっしゃったような問題も含めて、そういった実態を踏まえながら是非とも政府として具体的な取組を進めていただきたいと思いますが、大臣の見解をここはきちんと伺っておきたいと思います。
○国務大臣(森英介君) まだ参議院は御審議中でございますけれども、衆議院の御議論の結果こういうことになったわけでございまして、国会のその御議論、また御決議の趣旨を十分に踏まえて法務省としても対処したいと思います。
○木庭健太郎君 是非この点は検討を更に続けていただいて、早い機会に結論を出していただきたい、このような強い希望を持っておることを要望としてお伝えしておきたいと思います。 話をちょっと変えまして、今回の改正では、外国人の方だけでなくて、これまで外国人登録の事務を担ってきた市町村、いろんなこの市町村の要望にもこたえたものでなければならないんだろうと思うんです。特に今回の改正法は、住民として暮らしているこの外国人の方々に関する様々な事務を日々行っている市町村からいろんな要望が上がってきて、それを踏まえた形の法改正という形をつくったんだというふうにお伺いをしておりますが、具体的にどういうことなのか、法務当局の御説明を伺いたいと思います。
○政府参考人(西川克行君) 現行の外国人登録制度につきましては、これまで外国人登録と実態との乖離、とりわけ居住実態との乖離につきまして各方面から度重なる指摘を受けてまいりました。 特に日系人の方々を中心とする外国人が多数居住する都市、これは外国人集住都市と。そこで集まって行われる外国人集住都市会議というものがあるわけでございますけれども、そこからは現行の外国人登録制度では市区町村が外国人の所在情報を迅速かつ正確に把握することが極めて困難であるという指摘を受けております。また、外国人集住都市会議は地域の多文化共生を推進していく等の立場から外国人住民の台帳制度の創設に関する要望もしてこられたというふうに承知をしており、その中では外国人の厳正な在留管理を基本としつつ、同時に、外国人住民に関する記録を迅速かつ正確に把握できる制度を構築することで課題の抜本的な解決を図るべきであるという指摘がなされております。 今般の入管法等の改正案は、外国人住民に適時に正確な住所を届けさせるための措置や外国人住民に関する必要な情報を法務大臣が市区町村長等へ的確に提供するなどの措置を講ずることとしているので、外国人集住都市を始めとする市区町村のこれら要望を踏まえたものになっているというふうに認識をしております。
○木庭健太郎君 それとともに、現行制度においては結局国際化が進展する中で外国人がどこにどう移住しているのかというような正確に把握できないという問題があるから今回の法改正に取り組んだという話になっているわけであって、今回の改正案を見ていった場合、こういう居住状況、正確に把握するためにどういう手だてでこれを行っていこうとされているのか、この点も御説明をいただいておきたいと思います。
○政府参考人(西川克行君) まず、現在の外国人登録法の問題点といたしましては、まず法務大臣が外登法の規定に基づいて市区町村の長が収集したその情報に関する調査の権限がないのでその正確性を確認することができないということや、外登法上の虚偽申請や申請義務違反に対して罰則は定められているものの、入管法上の処分と直接関連していないため実効性に乏しいというような問題が指摘されております。 今回の改正では、これらの問題点を解消するために、外国人からの届出の相手方を法務大臣とした上で、情報の正確性を確保するため、法務大臣に調査権を与えることや、住居地の虚偽届出や届出義務違反を在留資格取消しの対象とすることなどを定めております。これらの改正によって外国人の居住情報をより正確に把握することができるようになるものと考えております。
○木庭健太郎君 そういった形で様々な掌握をしていくわけですが、これも先ほど議論がございました。上陸後九十日以内に居住地の届出をしないことを在留資格の取消し事由としていると。やはり最も重いこの在留資格の取消し事由、これが九十日ということについて、厳し過ぎるのではないかという懸念が、これも各方面から上がっているのも事実でございます。本当にこの九十日ということがどうなのか。例えば上陸直後にやむを得ないような事情があるようなケース、例えば病気とかそんなこともあり得ると思うんですよね。そういったことまですべてもうひっくるめて九十日というようなことをやられた場合、これやっぱり少し制度として厳し過ぎる問題があるんではないかと思うんですが、この点について御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(西川克行君) 委員御指摘のとおり、この九十日をしゃくし定規に当てはめて九十日を超えた場合について取消しを必ずするということは全く考えておりませんで、例に挙げられました例えば疾病等のために九十日の期間内に住居を定めることができなかったという場合につきましては、修正で加えられました正当な理由があるという場合に当たるというふうに思われます。 また、あるいは正当な理由に当たると思われない場合でありましても、例えばうっかりとその期間を経過してしまったという場合につきましては、その違反に対する悪質性に応じた処分といいますか、取消しというのは相当、日本における在留資格自体が取り消されるわけですから、そう悪質でない場合についてはきちんとその住所の登録をさせて取消しには至らないということは大いにあり得るということで、柔軟に対応するのが適切な処理であるというふうに思っております。
○木庭健太郎君 それと、やはりこれもずっと今日議論がなされたんですけど、やはりその取消しという問題の中では、この配偶者の身分を有する者としての活動を継続して行わないことというやつですね。御説明の中で、これは質問通告ちょっとしておりませんでしたが、偽装結婚がこのごろ多いから、だからこういう規定が要るんだというお話がありましたが、実際に数からいって、そういった偽装結婚というのが現実に目に見える形で増えているというような、本当に現下の現状があるのかどうか、そういった実態も踏まえて、だからこういうものを作る必要があったんだというきちんとした御説明をいただきたいと思うんですが。
○政府参考人(西川克行君) ちょっと偽装結婚の数まで把握しておりませんでしたが、偽装結婚が増えているというのは例えば摘発の現場等では極めて明らかな話でございまして、今も摘発活動を入管でしておりますけれども、非常に日本人の配偶者等が多いと。実際は疑わしいわけですけれども、それについて実際、疑わしいというだけで偽装婚と決め付けてはいけないわけですけれども、偽装婚の疑いのある事例も非常に多いという話を聞いております。 先ほどの日本人の配偶者等の活動をやめたときに取消しができるという規定が偽装婚対策になるというのは、偽装婚の立証というのは非常に難しいと。ただ、実際、本来夫婦であるべき二人がほとんど何も関係がなく、別々に生活をして別々に働いていると、こういう立証が付く場合というのは結構ございますので、先ほどの規定を有効に使って偽装婚対策にも活用していきたいと、こういう意味でございます。
○木庭健太郎君 この事由を聞いたときにやっぱり一番心配なのは、もうこれも午前中から議論がありましたが、DVの問題との絡みの問題がやはり一番、配偶者の身分を有する者の活動を継続して行わないというような取消し事由とDV被害者の保護の必要性の問題というのは、本当、ちょっときちんとやっておかなくちゃという思いをしていたんですが、これも衆議院の方でこのDV被害者の保護の必要性等の様々な議論があって、修正を少しなさっているとお聞きしましたが、この修正の内容そして趣旨について提案者に伺っておきたいと思います。
○衆議院議員(大口善徳君) この配偶者の身分を有する者としての活動を行っていない場合の中で、お尋ねのいわゆるDV被害者の保護の必要性というものがもう衆議院の法務委員会におきましても多くの委員から質問があったわけでございます。 そこで、修正案は、このような外国人のDV被害者の保護の必要性ということを配慮しまして、入管法第二十二条の四の第一項第七号関係、そして入管法第二十二条の五を修正を加えたわけでございます。 まず、二十二条の四第一項第七号の関係でございますけれども、一つは、正当な理由、こういう活動を行わずに在留を継続していることにつき正当の理由がある場合につきましては、在留資格の取消しをすべきでないということになりました。 例えば、日本国籍を有する子供の親権を争って離婚の協議中であったり、あるいは離婚の調停中であったりする場合、あるいはDV被害等によって、配偶者の暴力等によって離婚協議中あるいは離婚調停中である場合、こういうような場合につきましては、在留を継続していることにつき正当な理由があるということで、在留資格取消し手続における意見聴取の際にそうした事情が判明すれば在留資格の取消しはしないことになることとしたわけでありますけれども、このような趣旨を明らかにするために、配偶者の身分を有する者として活動を行わず在留継続をしていることにつき正当な理由がある場合を除外すると明文で規定したわけでございます。 また、もう一つは、この行えない期間を三か月を六か月に延ばしたと、こういう修正を加えたということでございます。 一般に、就労資格で在留する場合については三か月以上継続して活動を行わない場合が取消し事由となるわけでありますが、配偶者の身分を有する者としての活動を継続して行わない期間ということにつきましては、やはり就労資格で在留の場合よりも一般的に日本社会でのつながりが深い、また、婚姻関係が完全に破綻したかどうか、修復の可能性があるかどうか等、やはりその取消しの可否について慎重に見極める必要があるということで三か月を六か月に延ばしたわけであります。こういうことも一つ配慮させていただいたと、こういうことでございます。 それから、入管法の二十二条の五でございますけれども、ここで、配偶者から暴力が原因で離婚したような事案について、申請があれば定住者等の在留資格への変更許可が見込まれる場合があるわけであります。そこで、在留資格取消し手続における意見聴取の際に、外国人に対して在留資格変更申請を行う意思があるか否か、これを確認し、それで、在留資格変更許可をするのが相当である場合には在留資格の取消し手続を終了させ、外国人の在留資格は取り消さないこととなります。このような趣旨を明らかにするため、在留資格変更申請の機会を与えるよう配慮することを明文をもって定めたところでございます。
○木庭健太郎君 こういう修正を受けて、法務当局としては対象者がDVの被害者であるということが思われるとき実際にどのような対応をすることになっていくのか、具体的に法務当局からお答えをいただいておきたいと思います。
○政府参考人(西川克行君) 今の提案者の説明とほぼ同じということになろうというふうに思いますが、DV被害者が例えば離婚訴訟中であると、このような場合については、配偶者としての活動をしていない場合についてもそれについて正当な理由があると認める場合になろうというふうに思いますし、あるいは転居をして、転居先を知られるのを恐れてそれを申告してこないと、こんなような事情の場合についても正当な理由があるということで取消しの対象にならない場合が多いというふうに思います。 また、事情聴取等の段階で在留資格の変更の申請の機会を与えるということで、定住者等の他の在留資格への変更の可能性があればそちらの方に変更するということでDV被害者については配慮をしていきたいというふうに考えております。
○木庭健太郎君 今言われたように、例えばDV被害者が加害者に所在を知られないようにするためにという理由で住居地の変更が届けられなかった、この場合は正当な事由に当たると、そういった判断をしていくということでよろしいんですね。
○政府参考人(西川克行君) 委員のおっしゃられるとおりです。
○木庭健太郎君 もう一項目、研修・技能制度の見直しの問題です。 やはり、今回の改正の一番大きな柱の一つでもあると思っております。ただ、大きな柱であるとともに、先ほどからこれはもう大臣がおっしゃっているように、じゃ根本問題まで立ち至って今回これを、全般を直しているのかというと、どちらかというと、今回のこの研修・技能実習制度を見直した一番のポイントが何になるのかということをお聞きしようと思っているんですが、法案を見る限りは、やはり一番の、今回改正しようとしたのは、やはり研修生そして技能実習という、こういう区分けしたような制度があるために言わば外国人の方々を守れない結果がある、それをどうきちんと機能強化するかというところに私は何か主眼点が置かれているというような思いがいたしておるんですが、したがって極めて大事な改正だと思っているわけですが、大臣に是非、これを見直そうとした背景、そしてその事情を大臣から御説明をいただいておきたいと思います。
○国務大臣(森英介君) 研修・技能実習制度は、外国人研修生、技能実習生が我が国で修得した技術を本国において生かし、本国の経済発展や技術の進歩に寄与することを本来の目的とする制度です。平成二十年末現在、約十九万人の研修生、技能実習生が我が国に在留しており、同制度は多くの団体、企業で活用されているところです。 しかしながら、研修生や技能実習生の受入れ機関の一部には、研修・技能実習制度の趣旨を十分に理解せず、実質的に低賃金労働者として研修生を扱うものがあり、賃金の不払や時間外労働などの労働関係法令違反の事例もしばしば発生しております。また、傘下の企業に対する指導監督が不十分な受入れ団体の存在や、研修生をあっせんして不当な利益を得るブローカーの存在も指摘されております。 このような状況の下で、研修生、技能実習生の保護の強化を図ることが喫緊の課題となっておりまして、今回の改正につながったわけでございます。
○木庭健太郎君 この研修・技能実習制度を考えるときにやっぱりポイントになってくるのは、この受入れ団体の問題が大きなテーマにこれからなっていくんだろうと思います。 どうこういう団体の監理を強めていくかという問題だと思いますし、これをどう監理強化というものに取り組むかということが大事ですし、なおかつ、法務省令辺りでこれはこれから規定していくんだろうと思いますが、受入れ団体に具体的要件をどんなものを期していくかということも極めて大事なポイントになっていくと思いますが、どういう方向性でこの受入れ団体の監理強化をやっていこうとなさろうとしているのか伺っておきたいと思います。
○政府参考人(西川克行君) お答え申し上げます。 団体監理型の第一次受入れ団体でございますが、まず、従来は一年目の研修についてのみ監理を行っておりました。法改正後は、一年目だけではなく二年目以降の技能実習についても責任と監理においてその技能実習を行うということになって責任を持つということになります。 また、団体による監理体制や支援体制の強化、運営の透明化が重要であると考えておりまして、受入れの基準を定める法務省令の中でこれらの点について規定していきたいと考えております。 法務省令等で規定する受入れ団体の具体的要件につきましては今後検討していきますが、例えば団体の指導監督体制の強化、これは具体的にどういう監督をしてどういう監査を受けるかということについて細かく決めていきたいということと、団体の運営の透明化を図る規定を設けることや、重大な不正行為については受入れ停止期間を三年間から五年間に延長することなどの厳格化を図りまして、受入れ団体の業務運営の適正化を図ってまいりたいというふうに考えております。
○木庭健太郎君 そうすると、これ、また法改正した後、今は受入れ企業が技能実習生に対する不適正な受入れというようなものが発覚した場合は、処罰というか、いろんな形がある。ただ、その受入れ団体の問題、この監理責任をどうするかという問題というのがあると思います。この点について、もしそういうものが発覚した場合、この受入れ団体についても監督責任を取って不正行為を認定するのかどうか、ここも伺っておきたいと思います。
○政府参考人(西川克行君) 委員御指摘のとおり、現行の技能実習制度におきましては、研修時の受入れ団体は実習を実施する企業に対する監理は行っていないと、こういうことになっております。 法改正後は、受入れ団体が二年目以降も実習実施機関の監理を行うということになりますので、仮に実習実施企業による労働関係法令違反等の不適正な受入れが発覚した場合には、事実関係を調査した上、受入れ団体が適正な監理を実施していないということが判明すれば、受入れ団体につきましても、その監理の責任ということで不正行為の認定等を行うということになると考えております。
○木庭健太郎君 ちょっと細かい話ですが、ちょっと聞いておきたかった、よく分からなかった点なんですけれども。 この法改正後の技能実習の一号というところですけれども、この活動には講習による知識修得活動が含まれるというふうに聞いているんですけれども、具体的にどんな知識をどれくらいの期間を掛けて修得させようとしているのか。ちょっとこの中身、分かる範囲で教えていただきたいと思います。
○政府参考人(西川克行君) この講習の具体的内容につきましても法務省令の中で規定する予定でございますけれども、例えば日本語、労働関係法令、出入国管理関係法令、修得する技能や生活一般に関する知識等、その後の技能実習活動を適正かつ効果的に行うための知識を修得していただくことを予定しております。 講習の期間につきましては、原則として、技能実習一号の活動時間全体の六分の一以上の時間の講習を実施することを受入れの要件ということで法務省令に規定する予定でおります。
○木庭健太郎君 最後に、この制度というのは、大臣から冒頭発言あったように、この研修・技能実習制度というのは何のためにあるかというと、それは研修・技能実習制度というのでいろいろ、今の段階では不当な扱いも受けた方もいらっしゃるし、是非そういったところも保護するためにやりたいという、保護を目的としたというのが一番の基本になっている意味でいくと、こういったものはできるだけ早い施行にすべきではないかと思うんですよ。 ただ、これ、施行時期を見ると、公布の日から一年以内というふうに結構猶予を持ちながらやっていらっしゃる。この辺の理由を伺っておいて今日の質問を終わりたいと思います。
○政府参考人(西川克行君) 委員御指摘のとおり、研修生、技能実習生の保護の強化という観点からいいますと、実務研修中の研修生に対する労働関係法令の適用や受入れ団体の監理体制の強化などの措置を速やかに講じたいというふうに考えておりますけれども、これらの措置を円滑に実施するためには、関係法令の整備を実施するとともに、国内の関係機関はもちろん、さらには技能実習生の送り出し国等への周知、これを図る必要がございます。それで、改正法の施行時期を、その結果、公布の日から起算して一年を超えない範囲内で政令で定める日と、こういうふうにしたものでございます。 なお、改正法の附則第一条第二号及び第六条の規定により、改正の施行日以降に技能実習一号をもって本邦へ入国する予定の技能実習生に対して、同施行日前でも技能実習一号に係る在留資格認定証明書を交付することができるとされておりますので、施行後は速やかに新制度への移行が図られるものというふうに考えております。
○木庭健太郎君 終わります。 ─────────────
○委員長(澤雄二君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、舛添要一君が委員を辞任され、その補欠として西田昌司君が選任をされました。 ─────────────
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。 これまでの政府、そして修正案提案者の答弁を伺っておりまして、私は全く納得がいきません。今日からこの参議院の審議でございますので、徹底して審議を尽くすことを冒頭求めておきたいと思います。 大臣、少し時間をいただきたいということなんですが、今日の審議の冒頭で、大臣は線として把握することがどうしても必要だというふうにおっしゃいました。 この外国人についてどのような情報が収集、蓄積の対象となるのかという点についてまずお尋ねをしたいと思うんですけれども、この法案の提出過程で規制改革・民間開放の推進に関する第三次答申が行われておりまして、在留資格の変更あるいは在留期間の更新許可のガイドライン化という問題について、国税や地方税の納付状況、社会保険の加入状況、雇用・労働条件、子弟、子供さんたちの就学状況、また在留資格の特性に応じて日本語能力などをこうした在留資格の変更あるいは在留期間の更新許可を考える上で把握すべき事項として挙げているわけです。これは閣議決定がなされているわけですね。 こうした情報を政府は継続的、一元的に把握をしていくという必要を考えているわけですか。大臣ちょっとおられませんでしたから、まず入管局長。
○政府参考人(西川克行君) まず問題が二つに分かれておりまして、今回新たな在留管理制度の下におきましては、外国人本人の方々から情報をいただいて、それが重要な情報である場合については変更があった場合にその情報をいただくと、こういうことになっております。その情報に今委員が挙げられました例えば納税状況だとか社会保険の加入状況等が入るかといいますと、これは全く入りません。 どういうことになるかといいますと、まず新たな在留管理制度は外国人の情報をその外国人の有する在留資格に応じて必要な範囲内で取得しようとするものでございます。したがって、まず届出義務については氏名、生年月日、性別、国籍等、それから居住地の基本的事項に限定をしているということでございます。それから、所属機関や身分関係等の情報につきましては在留資格に応じまして必要な範囲内で提供を求めるということにしております。 入管法改正案の検討に当たっては、外国人又はその所属先等から提供を求める情報については関係各方面においても御議論をいただきましたが、先ほど述べたような理由から、例えば納税状況、社会保険、それから質問に出ていた学業の成績だとか、そういうものについても一般に外国人や所属先等から情報の提供を求める事項とはしておりません。 ただし、例えば留学生等が在留期間更新許可申請を実施した、又は在留資格変更許可申請を行ったと、こういう場合にその在留状況を確認するために学業成績に関する文書の提出を求める、あるいは、就労可能な在留資格で在留する外国人が在留期間更新許可申請等を行ったという場合に納税状況を求める等、個々の在留資格に応じて個別の入国・在留審査に必要な情報としてこれらの情報を求めることはあろうというふうに思っております。
○仁比聡平君 在留カードを常時携帯を刑事罰を科してまで求めるということ自体も私は大問題だと指摘を今後していきたいと思いますけれども、今局長もお認めになったように、在留カードの記載事項以外の外国人に関する様々な情報を在留資格に応じて必要な範囲において把握をしていくんだというふうにおっしゃっているわけですね。 先に修正案提案者にお尋ねしたいと思いますが、法案の十九条の十八第三項では、法務大臣は、在留管理の目的を達成するために必要な最小限度の範囲を超えて情報を取得、保有してはならないというふうに修正をされましたけれども、この趣旨は一体何なのかということなんですよ。 規制改革の答申で先ほど申し上げたような内容が答申をされて、これが閣議決定されているんですよね。修正案に言う在留管理の目的を達成するために必要であるとして閣議決定をしているんじゃないんですか、これ。修正案はこの閣議決定の考え方を変えるんだという意味ですか。
○衆議院議員(大口善徳君) これは、まず今回の新たな在留管理制度は、法務大臣が外国人本人や所属機関の届出によって取得する情報は在留管理のために必要な最小限の範囲に限定されているということで、しかも外国人に係る個人情報の利用や提供については、法令に基づく場合を除き、原則として目的外の利用等をすることはできないということが、これは行政機関の保有する個人情報の保護法にも規定されていて、厳格な運用を行うことになっているわけであります。 これは当然のことなんですが、今般、法務大臣が外国人の在留情報を継続的に把握する制度を構築するに当たって、情報の取扱いに当たっては個人情報の保護に対する十分な配慮が必要であることを明確に示すため、修正案でこのような規定を置いたと、こういうことでございます。
○仁比聡平君 全くはっきりしない。そうだとすると、この修正規定がどれほどの意味を持つのかということが私は甚だ疑問なんですね。 大臣に、問題の所在はお分かりいただいたと思いますのでお尋ねしたいと思うんですけれども、こうした例えば税金の納付状況だったり社会保険の加入状況だったり学業状況だったりあるいは雇用・労働条件だったり、こうしたものを在留管理の必要があるからこれは把握する必要があると閣議決定しておられるわけでしょう。その内閣の一員として、在留管理の目的を達成するために必要な最小限度の範囲というのを一体どんなふうにお考えになって今おられるわけですか。
○国務大臣(森英介君) 入国管理局において整備を図ろうとしておりますシステムというのは、あくまでも出入国管理業務にかかわる情報でありまして、それ以外の目的で在留外国人の情報を収集したりあるいはデータを自由に利用させるということではなくて、法令で認められた範囲内において出入国管理業務を所掌する行政庁としての権限を行使することに尽きるというふうに考えております。
○仁比聡平君 私は、閣議決定でそのようにしていることと今度の法案との関係はどうなるのかとお尋ねをしているんですが、御答弁がないわけです。 この問題について、今、先ほど大口提案者の方から、目的外利用などは厳格に規制をされているというような趣旨の御発言、御答弁もあったんですけれども、データがそもそも莫大に蓄積をされているということ自体が流出の問題だとか、あるいは利用に関していっても何が目的外かということについては、今、日本の社会において大問題になっているわけですよね。ここについて、法律、つまり私ども国会の徹底した審議に基づく限定、明確化ということを抜きに政省令に任せてしまう、そういうやり方をやっていいのかということを私、根本的に疑問に思っているんですけれども。 これ、入管局長、あれでしょう、先ほど学業状況だとか例えば雇用・労働条件に関しての報酬だとか、こういったものを求めるものではないんだというような話されましたけれども、これ、何をどういうふうに求めていくのか、あるいは蓄積していくのか、これは政省令で決めるんでしょう。
○政府参考人(西川克行君) 政省令で決定をいたしますが、既にこの会議の席に出ておりますとおり、一つは、政省令の中身を決めるに当たりましては、まず行政機関の保有に対する個人情報の保護に関する法律、この規制が掛かります。さらに、衆議院で修正のありました、先ほど提案者の方から説明がありました規定の制限も掛かりますので、収集できる情報につきましては入国管理行政上必要最小限の範囲に限定されるということはもちろんであるというふうに考えております。
○仁比聡平君 この法案が仮に成立をするということになれば、この法律に基づいて行われる行政がこの先法廷において争われる、裁判において争われるということも当然あり得るわけです。憲法十三条や、あるいは外国人のみにこうした規制を掛けるということ、これが憲法十四条に適合的なのかということが争われ得るわけですが、今の御答弁は全く定義も示せないのと同様の、本当に包括的であいまいな議論しかなされていないと。私、このままでこの法案を通すわけにはいかないと思っております。 時間がありませんから、今日、端的に法案のそれぞれの問題について伺っていきたいと思うんですが、先ほども少し議論のありました住民基本台帳に関する記載事項の変更があった場合の届出、これが徒過されたり違反があったときに在留資格の取消しという処分に結び付いているというこの問題について伺いたいと思うんですけれども、届出の徒過あるいは虚偽届、こうした問題についての制裁が、総務省、日本人住民について、住民基本台帳法五十三条違反の件数が平成十九年度についてそれぞれどれぐらいあるか御紹介ください。
○政府参考人(佐村知子君) お答えを申し上げます。 平成十九年度におきまして、住民基本台帳法第五十三条第一項に規定します虚偽の届出をした者に係る市町村から簡易裁判所への違反通知の件数というのは二百二十五件でございます。また、同条第二項に規定する正当な理由がなく届出をしない者に係る通知件数は五万四千七百五十六件でございます。
○仁比聡平君 その二項というのが、つまり十四日以内に変更を届けていないとかそういうようなたぐいの話なんですけれども。 これ、私も北九州の出身で、大学は京都でした。大学に行って、もう今覚えていないんですが、何年も住民票を移しませんでしたけれども、そうしたことで何か過料処分を受けたという覚えは全くないわけですよね。言ってみれば、その期間を超えるというのはよくあることなんですよ、日本人について。だけれども、それで例えば国籍を喪失するとか、そういうことはあり得ないでしょう。そんなことを考えもしないと思います、皆さん。だけれども、外国人だけは過料のみならず刑事罰、そして、日本で暮らしていく根本にかかわる在留資格、これが取り消されるという、こういう重大な処分の要件にされているわけですね。 なぜ外国人住民にだけこうした処分を科すのかという、この理由は、大臣、何なんですか。
○国務大臣(森英介君) 外国人の届出違反に係る罰則については、現行の外国人登録法でも刑事罰とされていますが、これは外国人の公正な在留管理に資するためという行政目的を達成するために必要なものと解されたことによるものであります。その点において住民基本台帳法上の届出違反とは趣旨、目的を異にするものであります。 このような点に加えまして、現行法上の問題点としては、外国人の居住実態の正確な把握がなされていないため、在留管理上の問題はもとより、種々の行政サービスの提供という観点からも支障が生じるに至りまして、法制度上、居住地に関する届出不履行や虚偽の届出に対して、罰則以外に入管法上の有効な規制がないということが原因と考えられました。 こういうことから、今回の改正においては、外国人について新たに住居地の届出違反に対する在留資格取消しの規定を設けたものでありまして、在留管理上必要かつ合理的な規定と考えております。 もっとも、住居地の届出義務違反に係る在留資格の取消しや刑事罰の適用につきましては、先ほど来申し上げておりますように、硬直的に行うのではなくて、事案の実態に即して適宜適切に行うべきものと考えております。そのため、取消しの手続では、外国人からの意見聴取などによって住居地を届けなかった理由などについても正確に把握していきたいというふうに考えております。
○仁比聡平君 後段に大臣が御答弁されたこと、先ほどの局長の御答弁では、前の議員に対する答弁では、事情に応じた弾力的な対応を図るとしたような答弁もあったわけですね。これは当たり前のことだと思います。けれども、実際にすべての外国人住民に対して、この要件を満たさなければ在留資格の取消しに至る、こうした規制が掛かる、新たに掛けられるということは、これは明らかなんですね。 総務省の関係の日本人住民についての届出に関する法違反に関して、昭和四十二年に当時の通知がございまして、通知といいますか、住民基本台帳事務処理要領というのがありまして、ここには、違反事件については、その理由のいかんを問わず、すべて住所地を管轄する簡易裁判所に通知するという、こういう定めになっているんですね。このようなやり方が法違反があるときの対応の仕方としてはあり得ることなんだろうと思うんですけれども、これが仮に外国人住民に今回の法案のように科せられるということになれば、これは外国人住民にとって一体どんなふうに自分が扱われるのかというのはこれは分からないということになってしまうでしょう。 正当な理由があればそうはならないという修正をされたわけですが、そこで言う正当な理由というのは何なんですか、大口提案者。
○衆議院議員(大口善徳君) これは二十二条の四の一項八号に、上陸の許可を受けた場合に、新たに中長在留者となった者が当該上陸許可の証印又は許可を受けた日から九十日以内に法務大臣に住居地の届出をしないこと、ただ、届出をしないことにつき正当な理由がある場合は除くと、こういうことで、正当な理由がある場合を除くということに修正させていただいたわけです。 これは、日本に上陸をして、この前の委員に対する答弁にもありましたように、例えば病気になったとか、あるいはけがをしただとか、九十日以内に届出ができないことに対して正当な理由がある場合があるだろうということで修正を加えたわけでございます。
○仁比聡平君 これもまたよく分からないんですよ、これまでの議論を聞いていても。例えばこういう場合というような議論はあるんだけれども、それによって外国人住民が自分の行動の予見可能性を持てるというふうにはなっていないのではないかと思っているんですが。 逆にお尋ねしますと、事情に応じて弾力的な対応をするというようなお話なのであれば、仮に定めるとしても、悪質でこれは取り消さなきゃいけないというようなものを取消し事由として厳格に明確に定めるというやり方だってあると思うんですけれども、ばくっと全体に網を掛けて、その中で個別入管が判断して特別な事情が認められるときは、正当な理由が認められるときはこれから除外しますよという、こういう定め方をしているのはなぜなんですか。どちらでも。
○政府参考人(西川克行君) 例えば、外国人が初めに入国をしたと、ところがその後、住居を定めないで所在不明になってしまったという場合があるといたします。この場合は恐らく非常に悪質な事案で、これは取り消さざるを得ない。 ただ、これをどういうふうに特定するかというのは、やはり何日以内に外国人が住居を定めたときには届けるというそういうルールを作っておいて、それに従わない場合についてはやはり取り消す、これを原則にしていただくと。しかも、取消しまでの期間というのは九十日という比較的長期間取っているわけでありますから、通常はそれほど酷な場合にはならないと。 それから、先ほど提案者が説明したとおり、これはかわいそうだという場合については、正当な理由ということで個々に救っていけばいいわけでございますし、それから、違反自体が悪質でないという場合については、これは必ず取り消すという規定にはなっていないわけで、取り消すことができるということになっているわけでございますから、その辺は弾力的に適用して救っていけばいいのではないかというふうに考えているということでございます。
○仁比聡平君 結局、実際に取消しにまで至るかどうかは別として、届出を厳しいサンクションを掛けて達成するというためにこういう規定を置くんだという趣旨なんだと思うんですけどね。その手段として、つまりそうした目的、在留管理の必要性という目的を達成するために在留資格の取消しに至りますと、つまり、そうなってしまえば日本から出ていってくださいと、こういうやり方をするというのが本当に必要最小限と言えますか。 同じ問題は、配偶者の身分を有する者としての活動という、今日も議論された問題についても同じです。 まず、法案二十二条の五を修正案として出されましたけれども、ここに言う二十条第二項の規定による在留資格の変更の申請の機会を与えるように配慮しなければならないと、この点について、変更申請があり得る在留資格とは何かという議論が、今日松野委員の答弁の中でも定住者であるというお話がございました。この日本人配偶者、あるいは特別永住者の配偶者から定住者への在留資格の変更、これがどれほど現実に行われているのかというこの問題について、私は恐らく政府や修正案提案者とは問題認識が違うんだと思う。違います。 例えば、広島県の福山市で日系ブラジル人の支援などを大変精力的に取り組んでおられるNGOの方のお話でいいますと、日本人の配偶者が離婚によって定住者への申請をしても、入管で定住者の資格を取ることは法律的に駄目だと言われる、定住者になれた話を聞いたことがない、みんな帰国させられている、自分が知る限り一〇〇%帰国させられていると、そういうお話なんですよね。 私は法務省にどういう考え方でこの在留資格を考えているのかというお尋ねをいたしまして、その資料の中には、この定住者としての資格を、日本人又は永住者の配偶者と離婚又は死別をした後に特別な事情を考慮して認める場合、独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること、そして、日本人あるいは永住者あるいは特別永住者との間に出生した子を養育しているなどの在留を認めるべき特別な事情を有している者であること、こうした基準を総合的に判断するとおっしゃっているわけですね。 この子供さんがいるというときのことは今日もこれまで御答弁がありましたから聞きませんが、日本人だって婚姻生活が破綻したときに、とりわけ女性の側が生計の手段を有していないということはよくあることです。縁があって、理由があって日本に来て結婚をされた、その女性が何らかの事情で婚姻関係が破綻に至った、あるいは死別した、そのときに独立の生計を営むに足りる資産を持っていなければ在留資格は与えないということになったら、定住者に変更なんてできないんじゃありませんか。
○政府参考人(西川克行君) 委員が御指摘の点につきましては、恐らく独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること、あるいは日本人又は永住者の在留資格をもって在留する者の間に出生した子を日本国内において養育していること等特別な事情があること、これを総合的に考慮しということでございますので、例えば一つの要件が欠けたからほかの要素があるときにすべて認めないと、こういう判断はしていないというふうに思っております。 それから、確かに認めている事例についてはお子さんを養育している方は多いというふうに思いますが、先ほども少しお話しいたしましたとおり、外国の配偶者の方、別れたとしても、その方が相当程度日本に定着性があると認められる場合については定住者ということで認めているというふうに認識をしておりますので、子供がいないときには認められないということでもないというふうに思っております。
○仁比聡平君 そうしますと、生計の道がなくても、子供さんがいなくても、入管は定住者として認めていくんですということなんですね。
○政府参考人(西川克行君) そうは言っていないわけで、そういう要素を総合的に考慮して決めているというふうに言っているわけでございますので。
○仁比聡平君 ちょっと事柄を鮮明にするためにDVの問題についてお尋ねをしたいと思いますが、日本人配偶者という在留資格で、DVを受けたと、その被害者であると認定をされたことによって、ほかの永住者ですね、永住資格、これ定住者だと思いますけれども、への変更を認めた件数は、平成二十年、平成二十一年、それぞれ何件ありますか。
○政府参考人(西川克行君) まず、入国管理局では平成二十年の七月にDV事案に関する措置要領というのを策定をいたしております。これでDV事案に適切に対応してきたところですが、そこから本年五月末までに在留審査や退去強制手続の過程等において四十人の外国人からDV被害者である旨の申立てがなされております。 ちょっと年度で分けていませんので申し訳なかったんですが、これら外国人DV被害者四十人のうち在留資格の変更を許可したのは九人で、変更後の在留資格は、定住者が七人、それから特定活動が二人というふうになっております。それから、残りの三十一人につきましては、相談者の申請内容や在留資格の有無等によりそれぞれ事情が異なりますけれども、在留期間の更新を許可したという者が十二人、それから在留特別許可をした、これは恐らく不法滞在状態になっていたと思います、これが九人、それから永住許可申請中であったことから永住許可した者が一人、それから手続中の者が四人、その他が五人ですが、そのうちの四人は相談のみであったと、それから一人は本人の申立てで退去強制手続を取ったものの、結局容疑なしということで、そのままの在留資格で在留をしているということでございます。 したがって、現在は手続中四人ですが、少なくともこのDV被害者と認められる方々の訴えにおいて、本人の意思に反して無理やり送還をしたとか国外に出したということはありませんので、十分配慮しているというふうに考えております。
○仁比聡平君 時間がもうなくなってしまいましたけれども、今お話しの日本人の配偶者等、これは平成十九年の数字で二十五万六千九百八十人、永住者の配偶者等で一万五千三百六十五人いらっしゃるわけですよね。この中でDV被害に遭われた方がわずか四十人ということはあり得ない数字です。そのうち九人しか在留資格の変更には至っていないわけですよね。 修正案提案者に最後聞いて終わりますけれども、これはあれですか、これまでのそうした運用は変えるんだということなんですか。そうじゃなかったら、幾ら政府原案の三か月を六か月に延ばそうが正当な理由を付け加えようが、これ問題全然解決しないんじゃありませんか。いかがです。
○衆議院議員(大口善徳君) 提案者といたしましても、このDVというのは犯罪行為を含む重大な人権侵害であると、こういう認識を持っております。 法務当局からDV被害者への対応の状況についての答弁が今あったわけでありますけれども、提案者としましても、法務省には、これまでの対応に足らざるところがあるのであれば、これを補い、関係省庁と連携をしつつ、人道的観点から適切かつ迅速に対応していただきたいと、こういうふうに考えております。
○仁比聡平君 今日は終わります。
○近藤正道君 社民党・護憲連合の近藤正道です。 法案審議の前に一つ、難民申請者の問題について質問いたします。 六月の二十二日にイラン人の難民申請者アフシンさん、これは通称名のようでありますが、この方が入管に強制収容されました。アフシンさんは過去二回難民不認定処分を受けておりますけれども、イラン反体制組織ムジャヒディン・ハルクに関係しておって、最高裁での取消し訴訟におきまして、泉裁判長からは、法務大臣の裁決に重大な手続上の瑕疵があって、退去強制が著しく不当であるとの反対意見も出されております。また、今回の収容においても、異議申出の結果の通知に手続上の瑕疵が明らかになっております。 今のイラン情勢から見ますと、反体制派の強制送還、これは拷問とかあるいは強制失踪など生命の危険が明白でありまして、人道上の理由からも強制送還は行うべきではないというふうに思っています。しかも、これは、今法案審査中でありますけれども、今回の改正法案の五十三条の三項、これは、帰した場合、拷問あるいは強制失踪される危険のある国には帰さない、こういう拷問等禁止条約の趣旨をきちっと盛り込んだ、この点では私はいい条文だというふうに思っておりますが、これに私は反するというふうに思っております。 そういう意味で、アフシンさんに対する退去強制手続はやっぱり直ちに停止すべきだというふうに考えますし、速やかに難民として認定するか、少なくとも在留特別許可、これを与えるべきだというふうに思いますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(森英介君) 個別の難民認定申請事案につきましては、難民認定制度の性格上、申請者のプライバシーの保護及び身体、生命の安全の確保に配慮せざるを得ませんので、具体的な回答を差し控えさせていただきます。 なお、一般論として申し上げれば、難民の認定に当たっては、国際的な取決めである難民条約等にのっとり、申請者が人種、宗教、政治的意見等を理由に迫害を受けるおそれがあるなどの難民条約の定める要件に該当しているか否か、個別に審査することとなります。この審査は慎重かつ適正な手続を経て行われており、例えば難民不認定に対する異議申立て手続においては、難民審査参与員から意見を聴取し、公正中立な判断を行っているほか、不認定処分の通知に際しては、取消し訴訟の提起に関する事項を教示し、裁判所による司法審査を受ける機会を保障しているところでございます。
○近藤正道君 手続は十分承知をしておりますが、御案内のイラン情勢の中でこの人のイランへの強制送還がどういうことをもたらすのか、今ほど申し上げました。是非、人の命にかかわる話でございますので、慎重に対処していただき、強制退去処分はやめていただき、せめて特別在留許可、この処分を是非与えていただきたいと強く要望申し上げて、法案の方に入っていきたいというふうに思っています。 改正法案、目的でありますが、外国人管理のための情報把握、在留期間の伸長あるいは利便性の向上、外国人研修生の保護強化など、こういうことをうたっておりますが、一方で、入国管理のコンピューターシステムや情報データベースを再構築する設計図とも言える出入国管理業務の業務・システム最適化計画、これは配付資料にも今日出しておきましたけれども、この内容を見てみますと、そういうものとは違いまして、IT技術を使ってテロ、犯罪、不法滞在者対策に当たることに著しく私は偏重している、偏っていると、こういうふうに思います。 確かに、オーバーステイ、こういった非正規の滞在は違法でございます。しかし、多くの一般の非正規滞在者は地域住民として平穏な社会生活を送っておりまして、納税の義務も果たしております。ごく一部が犯罪に走ることはあったとしても、日本人より有意にこれは高い確率という事実はございません。改正法案は、現に日本に滞在し生活する外国人の実態を見ていないんではないか。すべての外国人を潜在的な犯罪者とみなして常時監視を行う、そういうもう中身になっている。外国人も当然享有する基本的人権、市民的自由を合理的な範囲を超えて過度に制約するものとしか思えないというふうに思いますが、大臣の所見をお伺いいたします。
○国務大臣(森英介君) 近年、我が国の国際化が進展し、新規入国者数が著しく増加するとともに、我が国に居住する外国人の数も大幅に増加しております。また、我が国に在留する外国人の構成も大きく変化しておりまして、こうしたことから、外国人の在留状況、とりわけ居住実態の正確な把握が困難になってきております。適正な在留管理のみならず、各種行政サービスの提供にも支障が生じてきております。 そこで、今回の改正により、現行の入管法に基づいて行っている情報把握と外国人登録法に基づいて市区町村を通して行っている情報把握の制度を改め、適法な在留資格をもって我が国に中長期に在留する外国人を対象として、法務大臣が在留管理に必要な情報を継続的に、すなわち点から線に、線的に把握する制度の構築を図ろうとするものです。 そして、ここで把握する情報は、適正な在留管理という目的のために必要な最小限のものに限られることは言うまでもありませんが、このような情報を正確に把握できるようになることによりまして、新たな制度の構築を前提として、在留期間の上限の伸長や再入国許可制度の見直しなど、適法に在留する外国人に対する利便性を向上する措置の実施が可能となります。 すなわち、今回の改正法案が外国人の基本的人権、市民的自由を侵すものであるとの御指摘は全く当たらず、むしろ、適法に在留する外国人にとっては大変その居住性あるいは便益に資するものであるというふうに考えております。
○近藤正道君 今ほども申し上げましたように、外国人が享有する基本的な人権、制約の場合は合理的必要な最小限度のものに限るべきだ、これは憲法の大原則でございますが、これは各論にわたりますけれども、私はこの最小限度の制約の範囲を今回の法改正は超えていると、こういうふうに考えております。 法案では、これまでも人権侵害を指摘されてきましたカード、在留カードですね、この常時携帯義務と違反に対する刑事罰が規定されております。これは、九九年の外国人登録法改正の際の附帯決議、どういうことを言っているかといいますと、外国人登録証の常時携帯を義務付ける必要性、合理性について十分な検証を行う、同制度の抜本的な見直しを検討すること、こういう指摘がされているわけでありますが、これに私は反しているというふうにも思いますし、あるいは、国連人権委員会から、外国人永住者が登録証明書を常時携帯しないことを犯罪とし、刑事罰を科す外国人登録法は、法の下の平等と差別の禁止を規定した国際人権規約第二十六条に適合しない、この国連の委員会は、そのような差別的な法律は廃止されるべきである、こういう勧告が再三なされているわけでありますが、この勧告とも真っ向から私は対立するものだというふうに思っております。 大臣にお尋ねをいたしますが、なぜこれらの指摘に反してあえてカードの常時携帯義務を設けたんですか。あるいは、違反に行政罰ではなくて刑事罰を科したのはなぜですか。お答えください。
○国務大臣(森英介君) 平成十一年の外国人登録法改正の附帯決議において、特に特別永住者に係る外国人登録証明書の常時携帯義務について見直しが求められ、また平成十年に規約人権委員会から、外国人永住者が登録証明書を常時携帯しないことを犯罪とし、刑事罰を科す外国人登録法は人権B規約第二十六条に適合しないとの勧告を受けていることは承知しております。 しかしながら、在留カード制度は新たな在留管理制度の根幹を成すものでありまして、不法入国者や不法残留者が依然として多数存在し、様々な問題を惹起している状況の下では、在留カードの常時携帯制度は必要かつ合理的なものと考えておりまして、いわゆる人権B規約に違反するものではないというふうに受け止めております。また、仮に在留カードの常時携帯義務及び義務違反に対する刑事罰が存在しなければ、不法滞在対策上重大な支障が出るおそれがあると考えております。 このように、在留カードの常時携帯義務及び義務違反に対する刑事罰は合理的であり必要であるというふうに考えております。
○近藤正道君 常時携帯義務を設け、違反に刑事罰を科さないと重大な支障を来すということでございまして、衆議院では、刑事罰を付けなければ現行犯逮捕ができなくなる、不法滞在者対策上大きな支障を生ずると、こういう答弁がなされているわけでございます。 つまり、率直に言って、現行犯逮捕できる余地を常に持っていたいということなんだろうというふうに思いますが、常に携帯義務に違反したからといって逮捕するわけでは私はないというふうに思っておりますが、いつでもしかし逮捕できる、そうすることによって捜査機関の恣意的な運用の余地を残しておく、逮捕することもしないこともできる、ここがやっぱり私はポイントだろうというふうに思っています。しかも、逮捕が別件捜査目的で濫用される、こういうこともこれはしばしばあるし、むしろそういう場合に逮捕権が行使されるというケースが結構多い、私はそういうふうに見ておりまして、そういう意味でも大変これはやっぱり問題があって、国連の人権B規約違反、この指摘は極めて私は正当だというふうに思っているところでございます。 配付資料にも出しておきましたけれども、出入国管理業務の業務・システム最適化計画、これが作られておるわけでありますが、これが予定しているもの、統合一元化されたデータの最上位にあるインテリジェンスシステム、この配付資料の一番右側にオレンジの色を塗ってありますが、このインテリジェンスシステムではこういう説明がなされております。 現在複数のシステムで分散管理されている外国人の入国、在留に関するデータを統合、また関係行政機関などから提供される諸データを一元的に管理し、これらのデータを収集、分析、また自動アラート、つまり警告です、この機能を活用することで空港だとかあるいは港における水際対策や不法滞在者の摘発に有効活用するものであると、こういう今の出入国管理の業務・システム最適化計画というのが作られています。こういう計画の一環として今回の法改正がなされているわけなんですね。 大臣に質問でありますが、このインテリジェンスシステム、これはデータベースから自動的にその犯罪者を抽出するために統合されたデータベースを分析するシステムではないんですか。
○政府参考人(西川克行君) インテリジェンスシステムについてお答えいたしますが、入国管理局が整備を図ろうとするインテリジェンスシステムは、あくまでも出入国管理業務を日常的に遂行する過程で得られた情報、例えば外国人の入国、在留に関する許可手続や不法滞在者の退去強制手続において必要な範囲内で収集した情報を基に出入国管理に関する総合的なデータベースを整備して、入国管理局の職員が行う出入国管理業務の適正な遂行に資するためというものであります。したがって、出入国管理業務以外の目的で在留外国人の情報を収集して、それを保管するためのデータベース化をしたり、あるいは出入国管理業務以外の目的のためにデータを自由に利用させるということはございません。 また、当局が検討しているインテリジェンスシステムは、今申し上げたように出入国管理業務を日常的に遂行する過程で得られた情報を基に構築されますので、例えば関係機関からテロリストや犯罪者に関する情報の提供を受けたといたします。この情報については、当然のことながら、上陸拒否等の場面のデータベースに加えることで出入国審査等の徹底を期するということはこれは当然やらなければならないということになるというふうに思いますが、このコンピューターシステム自体が自動的にデータ分析を行ってテロリストや犯罪者を浮かび上がらせると、こういうことを目的としたものではございませんし、また、現にそのような機能を持たせることも想定もしておりません。
○近藤正道君 今日は配付資料として持ってきませんでした、かなり膨大な資料でありますので持ってきませんでしたけれども、法務省がIBMに作成を依頼して作ってもらったこのいろんな資料、その中の一つがインテリジェンスシステムということなんですが、これをやっぱり見ますと、これはもう徹底した言わば情報管理、日本人にこんなことをやったらこれは大変な騒ぎになるわけでありますが、まあ外国人の場合はそれはやっても構わないということで、徹底してこの情報を集めて、そしてそれをその水際あるいは空港での出入国管理に使うと、そういうイメージが、あるいはその計画がこの中にしっかり盛り込まれている。 これ見ますと、これは、取りあえず外国人から言わば総背番号制度あるいは総監視の体制をつくろうとしているのかなと、私がちょっと心配し過ぎなのかも分かりませんけれども、そういう危惧の念を非常に持たざるを得ない、こういうことでございます。この外国人の情報管理、私は外国人総背番号制というふうにこれを見て思うんですが、こういうものへの危惧は、皆さんはその個人情報保護法によって回避できると先ほども言いましたし、衆議院でもそういうふうに答弁をされております。 しかし、危惧されているのは、民間業者による名寄せの危険ということではなくて、むしろ政府の、他省庁や他国の機関との外国人の在留情報共有化による管理強化なんだろうというふうに私は思っております。特定個人の一部の情報をキーに、他の分野の情報を結び付けて個人の生活実態やプライバシーの詳細を明らかにするデータマッチング、あるいは一方、不特定多数個人のすべての情報属性を一定の行為を行う蓋然性が高いとされる幾つかの属性により絞り込み、検索し、少数ないし特定の個人を抽出するプロファイリング、この二つですね。この入管のデータベースがこういうデータマッチングとプロファイリングに活用される、利用される、こういう私は危険をすごく感ずるわけでございます。 大臣にお尋ねをいたしますが、これは私だけが言っているんではなくて、今回の情報、入管の改正問題を契機に、まず外国人の情報管理を徹底する、こういうことから、外国人の入管システムを突破口にこの国に監視社会をつくり上げようというねらいがあるんではないかということを大変危惧する、不安視する国民の声が結構私どものところに寄せられてくるわけでございますが、この国民の声をどういうふうに受け止められますか、お答えください。
○国務大臣(森英介君) 入国管理局が整備を図ろうとしているシステムは、あくまでも業務を遂行する上で得られた必要最小限の情報を基に、出入国管理に関する総合的なデータベースを構築し、入国管理局の職員が行う出入国管理業務の適正な遂行に資するためのものであります。 したがって、出入国管理業務以外の目的で在留外国人の情報を収集したり、あるいはデータを自由に利用させるということではなくて、あくまでも法令で認められた範囲内において出入国管理業務を所掌する行政庁としての権限を行使することに尽きることから、委員御指摘のような、情報管理を通じた外国人プライバシー侵害とか不当な監視強化であるとの批判は当たらないものと考えております。ましてや、これを突破口にして更にその先云々なんてことはもとより考えておりません。
○近藤正道君 そうであれば結構なんですが、そういう指摘がたくさんあるということを申し上げているわけでございます。私は先ほどの出入国管理業務の業務・システムの最適化計画、素人ながらいろいろ少し読んでみまして、分からぬこともありますけれども、すごいことを考えているんだなというふうに驚くこともあります。 例えば外国人についてでありますけれども、たくさんの外国人のデータを持っていて、こういう傾向を持つ人間はいるかと検索をすると、そういう人間がばっと出てくるとか、あるいはこういう傾向を持つ人たちというのはどのぐらいいるかというふうな検索をすると、ある属性を持つ外国人がぱっと出てくるという、こういうシステムなんですよ。こういうシステムをもう既に民間業者が法務省の依頼に基づいてつくっているわけですよね。 これが本当に入管目的のためだけに今後活用されるのかどうか。それは入管目的のためだけにこういうものが使われれば、それはこれにこしたことはないけれども、本当にそこだけに限定して使われるという、そういう保証が法制度的に一体どこにあるんだろうかというふうに考えますと、やっぱり入管法の改正問題の冒頭にこういう質問をせざるを得ない、こういうふうに思っています。 できればこういう情報を一度この委員会にもちゃんと出していただいて、ここまで一応業者は丁寧に考えてつくってくれたけれども、しかし、ここから先はすべて封印して一切使いませんとか、そういう説明を私是非一度皆さんから受けてみたいなというふうに思っているんですよ。その辺の不安について、丁寧な説明を一度されるおつもりはございませんか。
○政府参考人(西川克行君) 委員が御指摘のはIBMの作られた報告書ということでございます。これは、入管、膨大な情報を扱いますので、コンピューターシステムがなくては成り立たない。ですから、IBMが専らコンピューター会社の観点から、システムの効率的な活用という観点から様々な提案をしているというのは事実でございます。その中には、もちろん役所として聞くべきだといって取り入れている部分もあるでしょうし、それから実際取り入れていない部分もあるということで、それは参考にはさせていただきますけれども、IBMが入管のシステムをそのままつくっているというわけではございませんので、これは、あくまであの報告書は、今までの入管のシステムを見てこういう点の改善をしたらどうかという提案書でございますので、その点を御理解いただきたいというふうに思います。 それから、先生の方に必要であれば、個別にいつでも御説明に上がりたいというふうに思っております。
○近藤正道君 今ほどの話を聞くと、御理解どころかますます不安になるんですが、じゃ、いずれにいたしましても、膨大な情報をやっぱり管理をして、いつでも目的に応じて取り出せる、そういうシステムが一方で着々と皆さんが依頼する業者等によってやっぱりつくられている、そういう現実があるということを、これは皆さんも今おっしゃったので、これは大変なことだなと。改めてしっかりと私はこのシステムを皆さんから教えていただきたいというふうに思っています。 先ほどもちょっと出た質問でありますが、この膨大な情報、外国人の個人情報を基本的に入管目的に使う、それ以外には使わない、ただし法令による場合はこの限りではないという話でございました。法令による場合とは具体的にどんな場合を言うんですか。犯罪捜査などもこの場合に入るんでしょうか。犯罪捜査目的であれば自由に情報は使えるというシステムになっているんでしょうか。お答えください。
○国務大臣(森英介君) この新たな在留管理制度においては、法務大臣が外国人本人や所属機関からの届出により取得する情報は、在留管理のために必要な最小限の範囲に限定されております。また、当該外国人に係る個人情報の利用や提供については、今委員から御指摘があったように、法令に基づく場合等を除いて原則として目的外の利用をすることはできません。このように、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律の規定に従った厳格な運用を行うことになります。 ここで言うところの法令に基づく場合と申しますのは、例えば刑事訴訟法第百九十七条第二項に規定する捜査に係る公務所等への照会も含まれますが、もとよりその照会内容は当該捜査についての必要な事項に限られるものと理解をしております。 これらのことは当然のことでありますけれども、今般、衆議院における修正案において、法務大臣が外国人の在留情報を継続的に把握する制度を構築するに当たり、その情報の取扱いにつきましては、個人情報保護に対する十分な配慮が必要であることを明確に示すために個人の権利利益の保護に留意しなければならない旨の規定が置かれておりますので、その趣旨も十分に踏まえて対応してまいりたいと考えております。
○近藤正道君 確認をいたしますが、そうすると今ほどの法令による場合を除いてというのは、これは基本的に、刑事訴訟法で言うところの照会のケースに基本的に限定される、それ以外のケースはあり得ない、ましてや政省令等で簡単に抜け道を設けるなどということはあり得ないということははっきり明言できますか。
○政府参考人(西川克行君) 大臣が御答弁いただいたとおり、個々の事件にわたって照会を受けたら、その後捜査の必要な範囲内で回答することはありますが、例えば包括的に情報を渡すとか、そういうことは法令の定めがありませんのでできないということでございます。
○近藤正道君 次の質問でありますけれども、少なくとも住民基本台帳上では個人情報保護という立場が貫徹しておりまして、いろんな個人情報が漏れないような制度はそれなりに整備されていますね。例えば、条例等でそういうものができないような制度になっておりますが、外国人の場合はどうなるのか、入管目的以外に個人情報が流出するとか、そういうことはないのか。 皆さんは多分ないというふうにおっしゃるんだけれども、私がお聞きしたいのは、単にないという皆さんの決意だけをお伺いするのではなくて、日本人と同じように個人情報保護のちゃんと保護を受けられるような法的な仕組み、例えば日本人であれば、日本の国籍を持った日本人であれば自分の個人情報がいつどの行政機関へ何の目的で提供されたのか、情報を開示するよう求める本人確認情報の提供状況の開示制度というのがあるんですが、外国人についてはこういうのは全くないですよね。日本人については保護されているけれども、外国人はもう情報をとにかく収集して管理されるだけで、自ら身を守るという制度がないんですが、外国人についてはどうやって個人情報を守るそういう言わばシステムをつくるんですか。
○国務大臣(森英介君) まず委員が言及されました本人確認情報の提供、利用状況の開示に関する制度は、住民基本台帳法に根拠を有するものではなく、住民基本台帳ネットワークシステムを運営する都道府県においてそれぞれ定められた個人情報保護条例に基づき実施されているものであります。 他方、外国人の入国、在留等に関する個人情報につきましては、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律に基づいて、その取得、保有、利用及び提供等が行われているものでありまして、いわゆる個人情報の提供、利用状況について開示するという制度を設けることにつきましては、同法の趣旨に照らし、政府全体において検討すべきものと考えます。 さらに、仮に外国人の入国、在留等に関する個人情報の提供先などに関する情報を開示することとした場合には、その情報の性質や出入国管理行政の目的等に照らし、その開示は国の安全や利益にも大きくかかわるものであり、出入国管理業務に支障を来すおそれもありますので、その検討に当たってはより慎重を期する必要があるというふうに考えております。 なお、新たな在留管理制度において法務大臣が取得する情報は、衆議院での修正でも明らかとされましたが、在留管理のために必要な最小限の範囲に限定されることになるほか、個人情報の利用や提供については、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律に従った厳格な運用を図りたいというふうに考えております。
○近藤正道君 まだお聞きしたいことはたくさんありますが、時間が来ましたので、これで今日は終わりにしたいと思います。ありがとうございました。
○委員長(澤雄二君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後四時五十六分散会