文教科学委員会 第7号
- 発言数
- 51 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 2009/04/09
会議録
○委員長(中川雅治君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 原子力損害の賠償に関する法律及び原子力損害賠償補償契約に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、文部科学省生涯学習政策局長清水潔君外三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中川雅治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(中川雅治君) 原子力損害の賠償に関する法律及び原子力損害賠償補償契約に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○藤谷光信君 おはようございます。民主党の藤谷でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 今日は、原子力損害の賠償に関する法律及び原子力損害賠償補償契約に関する法律の一部を改正する法律案に対する質問をさせていただきます。 私事で恐縮でございますが、私は国会議員であると同時に僧侶でございまして、物事を考えるときに安心、安全といいますか、非常にその辺は一番心掛けておるつもりでございますが、仏教の言葉の中に安穏というのがございまして、安らかという字に穏やかと書きますが、これは大変大きな意味合いで、ただ安心、安全より更に精神的にも落ち着いておる、安らかなというのを安穏と言うのでございますが、そういう意味で、この原子力政策の問題につきましては正面から取り組んでいきたいと思っております。 また、同朋という言葉、同じであると。同朋同行という言葉、そういう意味合いからも、人間が、自分だけが良いというのではなくて、自分の愚かさといいますか未熟さというのを自覚しながら、仏教では凡夫という言葉がございますが、それをもとに私は平素心掛けておるつもりでございますけれども、そういう意味で質問をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。 政治もやはり謙虚あるいはお互いの未熟さというものを認識した上で、お互いがお互いを信頼し合える、心穏やかな世界を目指すという意識が私は大切だと思っております。そういう意味で、信頼し合える間柄として政府あるいは議員という間柄も真摯に意見を闘い合わせてやっていくということが一番大切だと思っております。 こういうことから過去の我が国の原子力政策を当てはめてみますと、国民の原子力に対する気持ちというものが案外間違った方向に、安心と安全というのを配慮し過ぎて、必ずしも国民に真っ正面から向き合っていないような感じがしてなりません。一方では安全神話を唱えることが多くて、国会答弁においても、いろいろな過去の答弁を読ませていただきましたけれども、ちゃんとした御答弁ができていない部分もあるんじゃないかと思っております。 安全神話となりますと、案外秘密主義になるところがあります。国民に真摯に向かい、そして深い理解を求めていくと、共に理解し合う、信頼し合うということを、私は原子力の平和活用の政策を推進するという観点から私は一番大切だと思っております。 私が住んでおりますのは山口県岩国市でございますが、広島まで直線距離で四十キロでございまして、昭和二十年の八月六日の原子爆弾、原子力発電と原子爆弾、簡単にくっつけたら問題がありますが、同じ原子力ということからいいますと、八月九日には長崎に落ちました。八月六日に原子爆弾が落ちたときは、私、小学校三年生でございまして、ぴかっと光ってどかんとなるのも実際に肌で知っております。 あのぴかっというの光りましたら、全部目の前がピンク色に変わりました。ピンク色の濃いか薄いの、モノトーンに変わったんです。で、あらっと思ううちに、まあ二、三分後でしたでしょうか、ごうっという音出て、四十キロ離れておるんですよ、それが。そして昼から原子雲が、原子爆弾の雲ですね、あれが真っ黒いのが立ち上がるのを目の前に見ました。それから私はすぐ、まあ小学校三年生ですからすぐは行きませんが、身内の者もおりますので、十二月に広島の惨状を見ました。そういうことが今でも印象に深く残っておるわけでございますが。 それから、昭和六十一年、一九八六年は当時のソ連で発生したチェルノブイリ原発事故。事故から今もう既に二十数年たっておるんですけれども、白血病とか甲状腺がんに苦しむ人々がいます。日本に救いを求めてくる人もたくさんあります。このように放射線による人体への障害というのは本人はもとより子供の代、孫の代まで続きますから、事故当時は何ともない場合でも健康診断などの継続的なフォロー、異常が見付かったときは迅速かつ適切な医療対策が求められております。ある意味では、そういう医療対策が日本が非常に進んでいるんじゃないかと思うんでございますが、そういう意味で、いろいろと報道を見るにつけて事故の恐ろしさというものを感じております。 そういう意味で、日本は唯一の被爆国として我が国ではこれまで原子力の研究、開発及び利用を平和目的に限り安全確保を旨として人類社会の福祉と国民生活の水準向上に寄与すべく進めているところでございます。 それで、この原子力政策の在り方につきましてお尋ねするんですが、民主党としましては原子力政策については、国による原子力政策への説明責任の徹底を図るとともに関連施設の立地自治体との十分な理解を得るため国と自治体との間で十分な協議が行える法的枠組みを含めて検討するという立場を取っております。 平成十七年十二月に我が国の原子力政策について国民がどうとらえているか、内閣府が行ったエネルギーに関する世論調査では次のことが明らかになっています。 今お手元に資料として配りましたが、これは内閣府の調査でございますが、原子力の推進に関する姿勢というのがありますが、千七百十二人に聞いています。そして、その中で原子力を推進していくが五五%、これは慎重に推進とか積極的推進合わせてですが五五%。それから、原子力の安全性については、安心であると答えた人が何となく安心とも合わせまして二四%、不安であるが六五%となっています。 原子力政策につきまして、原子力発電が、男性と女性でちょっと違うんでございますが、男性の方は六〇%が進めていくべきであると、女性はそれが五一%。それから、不安を感ずるという方は男性よりも女性の方が不安を感ずるという人が多くなっています。この不安になるという理由は、先ほど言いましたようにチェルノブイリの事故とかいろんなことがありますので、事故が起こる可能性がある、あるいは外国で事故があったと、そういうことから、自主点検記録の虚偽報告の影響もあったとも私は思っております。 事業者による虚偽報告、データ改ざん、不祥事が続いたというのも回答の中に三八%も国民が感じておるわけです。あるいは、国がどのような安全規制を実施しているか分からないというのにも三六%がそれに該当すると言っております。原子力発電所の故障や事故のマスコミ報道がなされているから、これが三四%。それから、事業者の原子力に関する情報公開や広報活動が不十分、そういう人が三一%。 いろんなデータを読みますと、ああ、なるほどなと思うところがいろいろと感ずるところであります。 実は、今日、私のところの地元に、山口県ですが、山口新聞というローカル紙があるのでございますが、山口県で今原子力発電所の新しいのを造る計画が進んでおりまして、二十七年前から計画が浮上しまして、昨日その第一歩のくわ入れが始まりました。上関原子力発電所ですけれども、大変な賛成、反対、ずっとこれまで続いてまいりまして、文部大臣もよく御存じだと思うのでございますが、ようやくにして第一歩が始まったというところに来ています。ということも、先ほど、内閣府のデータにありますように、不安がある、あるいはいろんな問題点を透明性を持って公表していないんじゃないかというようなことから積み重なってきたのではないかと思っているわけでございます。 このデータを見られまして、国民から信頼される原子力政策の推進には何が重要である、どういうことが一番大切なんだということを塩谷文部科学大臣がお感じになりますか、お尋ねをいたします。 あわせて、これまで政府や電力業界が我が国の原子力産業は従業員への教育、トレーニングなどのソフト面、施設の耐震性や何重もの防護装置により安全策が講じられていると繰り返して、原子力の安全神話という言葉が語られ続けてまいりました。ついせんだっても、ある発電所の耐震構造がちょっとおかしいという発表がありましたが、そういうことから含めまして、安全性ばかりが一方では強調されてきましたけれども、ジェー・シー・オーの臨界事故のように、正規の作業手順を無視した違法な作業工程によって住宅街に突然裸の原子炉が出現するというような事故がありました。幾ら何重の安全策を講じようと、それを設計し動かす人間の側の作業ミス、法令マニュアルの不遵守、たった一つのことがジェー・シー・オーの臨界事故などは起きたわけでございます。これまで大事に至らなかった国内の原子力発電所の事故、トラブルから学んだ貴重な教訓があると私は思っております。 民主党は、原子力政策を推進するに当たり、事故、トラブル、情報の公開も含めた原子力情報公開ガイドラインの早期具体化などにより原子力事業の透明性を確保することで、国民の安全、安心を深めていくことが重要であると考えております。安全神話を強調するのではなく、現実を見据えて、そして正しく国民に伝えることから始めなければならないと考えておりますが、原子力を利用するに当たって、人間がつくるものに完璧はない、すなわち事故は起こるものという発想で、仮に事故が起こったときでも原子力事業者や政府が責任を持って対処する、迅速かつ適切に被害者救済に当たるという姿勢をより明確に示した方が国民の原子力政策への信頼が深まると私は考えていますけれども、塩谷文部科学大臣のお考えをお尋ねいたします。
○国務大臣(塩谷立君) ただいま藤谷委員の原子力に対する包括的また基本的なお考えを伺いまして、大変共感するところが多いなと思っておりますが、御提示のあったアンケート等も読みますと、やはりまだ不安だという結果が出ていますし、私ども政府としては、この原子力発電については昨今の温暖化あるいは二酸化炭素の排出をしないエネルギー源としては重要な位置付けをして、我が国としてもエネルギー政策の中核に位置付け、これを推進する立場で今努力をしているところでございますが、一方で、まず前提として安全確保が重要な前提となりますので、この点については、いろんな事故、あるいは今お話があった改ざんあるいは情報公開等の面でも、改めて国民に、その実態を理解しまた情報を提供すると同時に、信頼をしっかり築いてこの政策を進めていく必要がある。そういう面では、今回改正を行う賠償責任問題についても、また国民の理解を得て安全の確保、そして万が一のときにはしっかりとした対応ができるように体制を整えていくことが大事だと感じております。
○藤谷光信君 基本的なお考えをお尋ねしたわけでございますが、次に、賠償措置額、今回、原子力損害の賠償に関する法律では、原子力事業者にその事業の種類と規模に応じて損害賠償に充てるべき財政的措置を講ずることを義務付けてあります。原子力事業者は、原子力発電所などの施設ごとに原子力事業者と損害保険会社が結ぶ原子力損害賠償責任保険契約及び原子力事業者と国が結ぶ原子力損害賠償補償契約、それぞれ締結しています。責任保険と補償契約における損害賠償措置、すなわち万が一の原子力損害の際に支払われる金額が現行六百億円が改正後に千二百億円となるという法案でございますけれども、原子力損害の賠償に関する法律、賠償措置額は少額特例措置として原子力施設の規模、事業内容、リスクに応じて今まで六百億、百二十億円、二十億円の三つに区分されておりました。 別の資料、一覧表を作っておりますけれども、そこに原子力発電所の規模が載っておりますが、例えば熱出力一万キロワット以上の原子炉や使用済燃料の再処理は上限いっぱいの六百億円、使用済燃料の貯蔵は百二十億円、低レベル放射性廃棄物の埋設は二十億円となっています。これを千二百億円とした算定の根拠はどのようになっているのでしょうか。実際に原子力事故が起こった場合、千二百億円の被害がどの程度カバーできるのか、また今回の賠償措置額の引上げは国民の不安を十分に払拭できて信頼を得るに足りる額となっているのでしょうか。その点をお伺いいたします。
○政府参考人(藤木完治君) お答え申し上げます。 まず原子力事業者が原子力発電所等を運営しているときに講じる責任がございます。千二百億円という賠償措置額について今回改定により定めさせていただくという案になってございますが、この千二百億円という数字でございますが、これは、まず国際的な水準を勘案しながら、かつ民間の保険にかかわる部分がございますので、民間の保険会社の引受能力で安定的に確保できる範囲内でできるだけの高額を定めるという基本的な考え方でこの額は定めてきております。 具体的には、国際動向といたしましては、平成十六年に欧州の原子力先進国が参加いたしますパリ条約というものが改正されておりますけれども、この案におきましては七億ユーロ、すなわちこれは日本円換算では千百十八億円程度ということでございますけれども、これが最新の国際水準として世の中に出ているというものであること。そして、民間の責任保険については、従来六百億から倍の千二百億ということに保険の賠償措置額が引き上げられるということで、これは民間の保険会社の引受能力、これが果たしてあるのかないのかということでございますが、民間の保険会社からのお話を十分聴取しました結果、長期的にいろんな変動要因があっても千二百億円という額は保険として十分確保できるというお話をいただいておりまして、これら二つに基づきまして千二百億円という賠償措置額を講じることを義務付けるということにしてはどうかというものでございます。 ただ、先生が御指摘のように、この額で賠償措置がすべて賄えない場合も想定されるわけでございます。 その場合にどうするかということがございますけれども、原子力損害賠償法におきましては、原子力事業者はまず賠償措置をすべきものがある限り無限に責任を負っているという、まずそういうことを原子力事業者に義務付けております。したがいまして、原子力事業者は被害者がいる限り賠償措置を行っていくわけでございますけれども、しかしながら一方で、これは民間企業が事業者でございますので、一定限度以上になりますと、自らの資力が足らない、その結果、企業として存続できなくて被害者保護もできなくなるといったような事態にも立ち入ることが想定されるわけでございますが、そういった場合には必ず政府が原子力事業者を支援いたしまして、最後のお一人の被害者の方まで必ず補償ができるような形で国が自ら出てそれを行っていくというような構造になっているわけでございまして、そういったことで最後の被害者、最後の一人まで確実に救済するという制度になっているところでございます。 そして、先生がお話ありました少額の賠償措置額特例措置というのもございます。これは、商用発電炉のような大変大規模な原子力施設におきましてはただいま申し上げました千二百億円という賠償措置を講ずるわけでございますけれども、事業形態や取り扱う核燃料物質が少ないとかそういった場合には、より少額の賠償措置額を規定しているところでございまして、先生がお話しのように、千二百億円ではなくて二百四十億円あるいは四十億円といった少額の特例措置を講じようとしているところでございます。 今般これが改正された場合には、ジェー・シー・オーの事故の場合には最終的な賠償措置総額は百五十億円強と言われております。今回の改正によりまして、当時のジェー・シー・オー事故を当てはめてみると二百四十億円の賠償措置額のカテゴリーに入りますので、そういった意味では、当時の事故が起こりましてもこの賠償措置額の中で措置できるということにはなります。 しかし、これも先ほどとあとは同様でございますけれども、仮にその少額賠償措置を上回りました場合においても、これは必ず被害者がおられる限り補償していくという制度でございまして、まず原子力事業者が可能な限り無限責任を果たすという観点からこれを措置した上で、更に必要があるときには政府が必ずこれを援助して被害者救済を行うという制度となっておりますので、そういった観点から、この賠償措置額ということにつきましてはこれが妥当な額であるというふうに考えているところでございます。
○藤谷光信君 今、賠償措置額が不足した場合に、会社の親会社から出てきたり、あるいは保険会社が出して、その足らないところは政府が見るという非常に踏み込んだ実は答弁をいただいておりまして、過去のいろいろと私も勉強させていただいたのでございますが、以前に政府の答弁にありますのには、そこまで踏み込んだ答弁というのはなかなかなくて、ある意味では、今回の改定で六百億が千二百億になったということも大きいんですが、前向きに住民の不安を取り除こうという姿勢は私は高く評価したいと思っております。 今のは単純に足らなくなったら出しますよということでございましたが、この原子力事業者が賠償措置額の一万分の五を毎年国庫に納めて補償料をプールしているわけでございますが、そのプールした金が云々ということはさておきまして、プールしなくとも賠償措置額について確実に被害発生後には早期に措置される、そしてその無限責任、無限限度額を超えても、まあ規模は三段階に分けてありますけれども、それを超えても面倒を見ると、賠償するというのでいいんでしょうか。
○政府参考人(藤木完治君) お答え申し上げます。 政府補償契約の補償料につきましてのお尋ねであると思います。先生御指摘のように、政府補償契約の補償料というのは積み立ててございません。 これは、政府補償契約の補償料につきましては、地震等に伴う原子力損害が発生した場合に、これ、原子力事業者に対して国がこの補償金を支払うというものでございますけれども、地震等に伴う損害の発生の蓋然性は極めて低うございます。この制度の発足以来一度も起こっていないということもございます。また、損害が発生しない限りは毎年度の特定の歳出がないという構造になっておりますので、この特別会計の補償料収入というのは確かにございますけれども、これを積み立てていくとした場合には、長期間にわたってずっとたまっているだけの資金、そういうものを滞留させてしまうという状況が生じてしまうために積立てを行うことはしていないということでございます。 しかしながら、政府は事業者との間で政府補償契約を結んでいるわけでございまして、地震等による損害が発生した場合には補償金を支払う義務を負っております。この義務の履行でございますけれども、実際に事故が起こりまして損害が生じたという場合に支払が必要となる場合が当然予想されるわけでございますけれども、それに備えまして、一般会計予算の予算総則におきまして当該年度内に政府が締結できる補償契約の契約金額の限度額というものを予算総則に書かせていただいてございまして、このような形で国会の議決を経た上で実際の補償契約を結ぶということ、そういうことになってございますから、支払が必要となった場合には、国会の議決をいただいている範囲内で、予備費あるいは必要な場合には補正予算等をお願いいたしまして補償金の支払を確実に実行するということでございまして、その場合、先ほども申しましたように、補償金額は最後の被害者の方、最後の一人の方まできちっと救済されるところまでこの補償金の支払をするということであるというふうに考えております。
○藤谷光信君 時間も余りありませんので、ちょっと進みますが。 そして、損害保険会社と原子力保険事業に関する共同引受けなどの共同行為を行っておるわけでございますが、日本原子力保険プールと昭和三十五年に始まったときの二十社で、今では二十四社で形成をされているわけでございますけれども、その保険会社の最近の経済情勢の悪化で、アメリカのAIGグループなんかはオバマ大統領にしかられたという話ですが、経営危機などの報道を見ると、責任保険を担う損害保険会社の経営、それの影響もちょっと懸念を感じるんでございますが、その点はいかがでしょうか。
○政府参考人(藤木完治君) お答え申し上げます。 先ほど申しましたように、この民間責任保険の引受能力につきましては、御指摘のような日本原子力保険プール二十四社によりまして共同で引受け、分担されてございます。 この度、サブプライムローンの破綻を発端とします金融危機が生じているわけでございますけれども、この損害保険会社の資金運用というのは、比較的金融派生商品等の高リスクの運用をするという比率は少なくて、安定的な資金運用が中心であるというふうに聞いておりますので、現在のところ損害保険会社の支払能力への影響は比較的軽微であるというふうに考えております。 さらに、損害保険会社は、保険業法に基づきまして、将来の保険金支払に備えまして責任準備金の積立てというのを義務付けられております。現時点におきますこの二十四社合計でのこの責任準備金の額は、合計一千億円を超えるまでに至っております。実際の支払の場合は、さらにこれに海外保険会社からの再保険による保険金受取もございますので、そういったことを考えますと、我が国の損害保険会社は現時点で十分な支払能力を有しているというふうに考えているところでございます。
○藤谷光信君 今の御答弁で、安心だと、大丈夫だというふうに取らせていただきますけれども、一般的には、どうも保険会社も離合集散があったり海外の大きな保険会社がちょっと変なことがあったりしますので、しっかりそこは日本政府としても、国内の会社も、それから海外のそういう保険会社の情報も平素からしっかり見ていただきたいと思っております。 時間も余りありませんので先に行かせていただきますけれども、先ほどの、損害賠償が保険額を超えた場合も政府が見るということでございましたし、また海外の例もちょっとお話しになりましたが、外国のこの保険の賠償制度、損害賠償制度を見ますと、民間の責任保険と、それから事業者の共済、政府の拠出金というのでやっておるようでございまして、日本とちょっとシステムが違うようでございますが、事故を考えますと日本のやり方がすべていいのか、あるいは、ちょっと先ほども海外の例をおっしゃったように、外国では、先ほどはちょっと千数百億とおっしゃいましたが、私の方で調べた結果では、日本円では、ドイツでは日本円に換算して、二十五億ユーロプラス一・二五億SDRというんでございますので、日本金では四千二百十四億円というのを持っております。それから、先ほどもパリ条約の例もありましたが、ブラッセル補足条約といいますと二十八億ユーロですから、四千四百七十三億円が確実に措置されておるということも聞いています。 そういう意味で、今後、今十年たって六百億が千二百億になりましたが、将来的にもこの引上げを考えるといいますか、そういう内容も案外考えていかなければいけないのではないかと思っておりますが、将来的にはどういうふうにお考えでございましょうか。
○国務大臣(塩谷立君) ただいまお話ありましたように、海外の例等で、具体的にはドイツや米国の損害賠償措置については、民間の責任保険に加えて事業者間の協力によって共済制度があるわけでございまして、その合計で損害賠償額を充当する仕組みとなっているわけでございます。 これは、例えばドイツについては、国として原子力発電を段階的に撤退する方針を取ってきた中で、国の支援制度はつくらずにこの共済制度が電力会社の協力で創設したわけでございまして、そういう意味で我が国と仕組みが違っているわけですが、我が国の場合は、事業者に無限責任を制度とした上で必要が生じた場合は必ず政府が援助を行うものということで、被害者保護に万全の制度が担保されているわけでございます。 しかしながら、今お話ありましたように、この賠償措置額の更なる積み上げが必要となった場合については、再保険市場も含めた保険制度の状況の変化等を踏まえて、損害賠償額を充実させるための方策の一つとして共済制度も検討する課題となる可能性はあるかと思いますので、その状況において的確にまた判断してまいりたいと考えております。
○藤谷光信君 時間が来ましたので置きたいと思いますが、この管理の、この保険に関する扱い方のガイドラインとかマニュアルとかもっと聞きたいこともあるんでございますが、先ほども言いましたように、万が一ということがありますと子供や孫まで大きな影響が考えられます。 それから、塩谷文部科学大臣が就任されて、一緒にこうして委員会でやっていますが、回を追うごとに自分の声で発言をされて、今のこの保険の限度額あるいは取扱いの仕方も自分の声で相当踏み込んだ今発言をいただきましたので、大変私としたら有り難く思っておるわけでございますが、将来の安心、安全、安穏ということから是非そういう姿勢を貫いていっていただきたいと思っております。 それでは、質問を終わります。ありがとうございました。
○大石尚子君 ありがとうございます。 民主党の大石尚子でございます。私は、藤谷先生に引き続きまして、ただいま議題となっております原子力損害の賠償に関する法律について最初伺わせていただきたいと思います。 私は、実は三十年ちょっと前から原子力の平和利用は我が国にとって必要だという立場を取り、社会に公言してきた人間でございます。それで、今御答弁を伺ったりあるいはこの法案を読ませていただきますと、こういうふうに理解しているんですけれども、これが間違っていないかどうか確認させていただきたいと思います。 この法律は、損害賠償責任を原子力事業者に集中して、そして無過失であっても、たとえ過失がなくても無限の責任を事業者に負わせる、ただしこの法律の理念というか目的がございますから、いわゆる被害者の保護をもちろん第一とするけれども、さりとて、じゃ原子力事業者が健全に発達できない状況に追い込まれてしまったのでは、日本の国民の安全な生活が、特にエネルギーの安定した供給ができなくなっていくわけでございますから、そこは事業者を第一義的に、そしてそれが無理になったときに国が出動して、そして原子力事業者と国とで無限の責任を負っていくのだと、そういう法律と理解しておりますが、それは間違いございませんですよね。
○国務大臣(塩谷立君) ただいまの大石委員の考え方というか内容はそのとおりだと思います。 我が国の原子力賠償制度においては、原子力事業者に対して無過失の無限責任を集中させているところでありまして、これについては、事業者がやはり専門的な技術を用いていることから、被害者が一般的な損害賠償請求で行わなければならない故意又は過失についての立証責任を不要として、迅速な被害者救済をする観点から無過失責任としているわけでございます。また、被害者が容易に賠償責任の相手方を特定できることにより被害者救済を促進する観点から、原子力事業者への責任集中を採用しているものでございます。 こうした無過失責任と責任の集中の考え方は、諸外国の原子力損害賠償制度や国際条約においても一般的な原則とされておりまして、我が国においても、特に唯一の被爆国として、原子力損害に対しては被害者の最後の一人まで確実に救済するとの考え方の下で無限責任を取っているところでございます。 こうした厳格な責任と義務を原子力事業者に課する一方で、原子力損害賠償制度においては、必要があると認められたときは政府が必ず、上限を設けることなく、原子力事業者へ援助をするということで、政府自らが被害者の保護に万全を期す制度となっておりまして、今回の改正によりましてその賠償額の増額あるいは紛争審査会の所掌事務の追加など、万が一の際に被害者救済に遺漏がないように制度の充実をしているところでございます。
○大石尚子君 ありがとうございました。 それでは、日本と同じように自国の国民に対して賠償責任を、いわゆる事業者とそれから国が共同して無限の責任を保証している、そういう国は具体的にはどういう国があるのでございますか。 それと、あわせて、この法律で国が出動していく場合、これ十七条の出動と十六条の出動とあろうかと思うのでございますが、まず十七条の出動を考えてみましたときには、いわゆる、あってはならないことですけれども、戦争による被害それから大変巨大な天災地変、そういうふうに言われておりますけれども、それでは、一つの国が日本を攻撃するのではなく一つのグループがテロリストとして攻撃してきた場合はこの十七条発動に該当するのか。 それからあと、十六条であった場合は、これは十六条の法律を読んでまいりますと、「この法律の目的を達成するため必要があると認めるときは、」、どういうときに必要があると認めるのか。そして、「原子力事業者に対し、原子力事業者が損害を賠償するために必要な援助を行なうものとする。」、これは国の措置に関するところでございますが、援助を行えるというのではなく、「行なうものとする。」という、こういう法律になっておりますので、どのような状況に事業者が追い込まれたときに十六条で無限の出動を国は請け負っていくのか。具体例がございましたらお示しいただけると有り難いのですが。
○政府参考人(藤木完治君) 幾つか御質問の点があったと思いますので、順番にお答えさせていただきたいと思います。 まず、日本、我が国におきましては無限責任を採用しているということでございますけれども、我が国以外で原子力事業者に無限責任を課しているという国といたしましては、ドイツあるいはスイスといった国が無限責任制度を採用していると承知しております。ただ、ドイツ、スイスの場合には、事業者には無限の責任が課されておりますけれども、日本のような政府がこれを支援するというようなシステムにはなっておりませんで、どこまでも事業者が最後の最後まで責任を果たすというシステムになっておりますので、現実には事業者の資金能力の限界のところがその限界になるだろうというふうに思っております。 二点目で、十七条の措置という点について御質問がございました。 この原子力損害賠償法の十七条といいますのは、原子力事業者が免責をされる部分でございます。これ、先生のお話ありましたように、異常に巨大な天変地変又は社会的動乱ということで、御指摘のような戦争が起こった場合等々がこれに該当するということで考えておりまして、このような極めて異例な事態は原子力事業者にとりましては大変不可抗力性の高い事由であるということで、こういった事態が生じまして原子力損害が生じた場合には、これは最初から国が被害の救済に当たるという、そういう規定になっているわけでございます。 先ほどのような外国からの武力攻撃等があった場合、これはこの第十七条の発動によりまして、被害が生じました場合には最初から政府がこの救済に当たるということになるわけでございますけれども、先生お話しのようなテロによる破壊行為が起こった場合につきましては、これは国際的にもまだ例がございませんので、様々な国際的には議論がなされているところでございますけれども、今の国際的な一般的な理解といたしましては、テロによる破壊行為については第一義的には事業者がこれは責任を負うものというふうな理解がされているのではないかと思います。このような理解に立ちますと、第十七条の発動はしないということになりますけれども、しかしながら、先ほどのように第十六条はいずれにしても発動されますので、いかなる被害者が生じた場合においても、原子力事業者と国との共同によりまして最後の一人まで確実に救済されるということになっているというふうに考えております。 そして、先ほど十六条が発動される場合というのはどういう場合、具体例があればという御質問でございましたが、これは、十六条が発動される場合と申しますのは、原子力事業者がそもそも無限責任を負って被害者救済にとにかく最大限当たるわけでございますけれども、原子力事業者にやはり資力的な限界もございますから、これ以上賠償をしていくと事業体として存続できなくなり、したがってエネルギー供給等々にも支障が出る、あるいは被害者補償も結果としてできなくなる、そういったような限界が来ると予想されるわけでございまして、そのような事業体としてのもうこれ以上は存続にかかわるといったような状況になりました時点におきまして政府の援助というこの十六条の発動が考えられるという状況になりまして、そして発動された場合には、必ず国は原子力事業者に援助を行って、被害者救済の最後の一人まで救っていくという責務を政府が課せられた状態になるというふうに考えてございます。 十六条の規定は、文章を読んでいただきますと、最後が「必要な援助を行なうものとする。」と書いてございまして、行うことができるとか、行うよう努めるとか、そういう規定になってございませんので、これは政府に強い責務を付与する大変強い規定であるというふうに我々は認識しているところでございます。
○大石尚子君 ありがとうございます。 原子力事業者がもう資産が目いっぱい減ってしまって経営が成り行かなくなる、成り立たなくなると、そういう状態は当然そうだろうと思うんですが、この法律の精神から申しますと、健全な経営が成り立たなくなる、例えばボーナスカットしてしまうとかリストラをしなければならないとか、そういうようなことじゃなく、健全な経営が成り立たなくなるという状態に追い込まれたときに発動すると読めるんですけれども、そういうふうに読んでよろしいかどうかということ。 それから次いで、細かいことをちょっと引き続き伺わせていただきたいと思います。平成十一年でございましたか、ジェー・シー・オーの臨界事故のとき、これは十六条発動がなかったわけでございます。これはたまたま親会社の住友金属鉱山株式会社が代わって賠償責任を果たしているのでこれは発動しなかったんだと思いますが、このような場合でも親会社が出動してこなかったときは当然十六条の発動がなされるわけでございますよね。 その確認が一つと、それから今回賠償措置額が引き上げられたことで、それで当然政府と原子力事業者の補償契約の補償料の額というものが変わってくるのではないかと思います。そこら辺は政令でどう変えようとしておいでになるのか。 それともう一つ、これ簡潔、簡単で結構なのでございますが、先ほど藤谷先生からもちょっとお触れになりましたが、このいわゆる補償料が毎年一般会計に入ってくるわけでございますね。それは基金として積んだりなんかしなくて、その年ごとにそれは支出、ほかのところに使って、それでそういう会計の処理をしているということ。これは逆に特会にして積み上げていきますと、何か埋蔵金みたいになってほかへ流用されても困ると私は思っているんですけれども、なぜそのような考え方になっているのか、その考え方を簡単で結構でございますので、お触れいただければ幸いでございます。 細かいことをちょっと伺って恐縮でございますが、手短に御答弁いただければ幸いでございます。
○政府参考人(藤木完治君) 何点かございましたので、ごく手短にお答えさせていただきたいと思います。 まず第一の点でございますが、この原子力損害の賠償法は、その第一条の目的におきまして、被害者の保護を図るということとともに原子力事業の健全な発達に資するということがうたわれてございますので、当然、様々な観点、最大のものはエネルギー供給ということではないかと思いますが、そういった国民生活にとって不可欠な事業が健全に行えるようにその事業体が維持される、そういった観点から政府の援助がどの時点から始められるかといった点が当然考慮に入ってくると考えてございます。 それから二点目の、ジェー・シー・オー臨界事故の際に国の援助は発動されなかったということがございました。これは先生お話しのとおり、ジェー・シー・オーが自らの資力とそして親会社の支援があったために所要の賠償額百五十億円強が確保されたという状況になったために十六条は発動されなかったということでございますけれども、もし当時こういった親会社からの支援等もない状態でジェー・シー・オーだけでは十分な被害者に対する支払いができないと、ジェー・シー・オーも存続できないという状況になるような状況が生じていればこの十六条に基づいて国の援助が当然行われたものであろうというふうに考えているところでございます。 そして三点目が、賠償措置額の引上げに伴って補償契約にかかわる補償料はどうなるのかという御質問でございました。この政府補償契約の補償料率につきましては、この法律の第六条の中で損失の発生見込み等々を勘案して定めるということになっておりまして、この法律制定当時から一万分の五という料率が設定されてございます。 今回の賠償措置額を二倍に引き上げるということに関連いたしまして、この補償料率につきましてもいろいろと検討を専門家の方にしていただきました。そして、その中では、民間保険の方の保険料率というのはこの法律の制定当時からかなり低くなってきてございます。そういった状況もあることを踏まえまして、この補償料率についても見直すことが適当と考えまして様々な技術的検討を行いました結果、この一万分の五を一万分の三に引き下げるといったことが適当ではないかと考えてございまして、現行の補償料と比較して総額が二倍になりますけれども料率が五分の三ということで、トータルの補償料としては約二割増しになるというような見込みであるというふうに考えてございます。 それから、補償料率について積立てを行わない理由ということで御質問があったと思います。これは先ほど藤谷先生の方からも御質問があった点でございますけれども、この補償料につきましては、地震等に伴って原子力損害が発生した場合に補償金が支払われるという構造になってございますけれども、地震等に伴う損害発生の蓋然性は大変低く、先ほど申しましたとおり、まだ制度発足以来一度も発動されておりませんし、世界的な原子力賠償制度の中でもこのような事態が起こったということはまだ、起こっておりません。 したがって、非常に蓋然性が低いということと、それから、損害が発生しない限りは毎年度の特定の歳出が生じないということでございますから、補償料率を積み立てていくとなると何十年にもわたってこの補償料の積立資金が滞留するということになる可能性がございますので、そういったことを避けるために積立てを行うということはしておりません。 ただ、先ほど申しましたように、歳出が必要となった場合につきましては、毎年度の国会の議決をいただきました上で、事業者と国とが契約を結んで補償金が的確に支払われるようにシステムを組んでございますので、被害者保護の点については万全なシステムになっているというふうに考えてございます。
○大石尚子君 ありがとうございます。 それでは、ここで大臣に二点についてまとめてお尋ねいたしたいと思います。 一つは、今るる御説明いただきましたこのいわゆる原子力損害の賠償に関する日本の国の考え方、これは他の諸外国と比べて、それで国際水準から検討してどのように評価しておいでになるのか。日本のこの補償の仕方、この制度というものをどう思っておいでになるのかということが一つでございます。 それからもう一つは、先ほど藤谷先生が原爆の当日のことをおっしゃっておりました。これは、万が一原子力災害が起こったときに、これはそこにだれが出っくわさないとも限らないわけでございます。それは、子供であろうが大人であろうが、まず第一義的に自分の身を守るのはその本人でございます。したがって、原子力というものに関する、これは私たちの国民生活にとって大変平和利用は大事なものである、だけど一歩間違って軍事力として、原子爆弾というような形で日本も投下されているわけでございますから、使いようによってはこういうものだという。ですから、日常生活そうどこかで必ず出っくわす、原子力の災害と出っくわすことはないんですけれども、ですけれども、知識として、情報として幼いころから子供は子供なりに、そして小中高、その発達段階に応じてきちっと認識している必要があるのではないか。したがって、それをやはり子供に提供できるのは教育課程であろう、小中高等学校の教育のカリキュラムの中でそれをきちっと体系付けて子供に提示すべきではないかと私は思うわけでございます。 この二点に対して大臣のお考えをお尋ねいたしたいと思います。
○国務大臣(塩谷立君) 我が国の原子力賠償補償制度につきましては、今いろいろと答弁もさせていただきましたが、この賠償責任、無過失責任として原子力事業者のみに集中をしておるわけでございますが、万が一の場合には賠償措置を原子力事業者に義務付けておると同時に、国が最後の一人まで確実に救済するということで、これは上限を設けずにしっかりと援助するということになっておりますので、こういう点で被害者に対して我々の責任を果たしていけるということが明記されているところでございます。 こういう点で、諸外国の制度から比較しても優れている制度と私ども思っておりまして、今回その額をまた引き上げ、より一層いろんな対応ができるようにと考えているところでございます。 それから、原爆等の話、先ほど藤谷先生の大変悲惨な実体験にも、お話ございましたが、そういったことがないように我が国としては自ら核を作らない、持ち込まない、持たないということでございまして、それについては教育の中でしっかりと指導をしていくということで、特に小中学校あるいは高校の学習指導要領を昨年、今年と改訂をしておりますが、そういう中で確実に原子力の指導に関する、あるいは利用に関する内容を充実しておるところでございます。特に社会科、理科の教科において今回また充実をしたところでございますので、今後とも教育の面でその点をしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○大石尚子君 ありがとうございます。 私の持ち時間があと六分ぐらいになりました。この残りの時間を、実は私は、この原子力災害と大変関連の深いがんの問題について取り上げさせていただいて、がん対策に対する私自身の思いを聞いていただいて、そして大臣の最後に御所見を伺いたいと思っております。 どういうことかと申しますと、私は実は、一昨年の暮れにお亡くなりになりました山本孝史参議院議員の繰上げ当選でこちらに参加しているわけでございます。私、山本先生のお別れの言葉とか、あるいはお書きになった「救える「いのち」のために」という御本や何か、これを読ませていただいて、大変がん対策に対する思いを残してあの世に旅立たれておりますので、後を受け継がせていただいた私として大変不十分、不勉強ではございますけれども、思いの幾ばくかでもしょっていかなくてはいけないのではないかと、そういう思いになりまして、一体このがん対策をどういうふうに私自身受け止めて自分の仕事の一部として取り組んでいけばいいかと、おととしの暮れから去年のお正月辺りにかけてずっと悩んでおりました。 そのときに、よく山本先生がおっしゃっていることに、日本人、二人に一人はがんになる、三人に一人はがんで死ぬ。とおっしゃっているんです。これは、山本先生がおっしゃっているだけではなく、もうほとんど日本の常識になって、それで、専門医もおっしゃっておりますし、そこまでいくと、もうがんは国民病でございますから、これは何とかしなければならない。そういうときに、去年のちょうど今ごろでございました。ある私立の大変有名な病院のこれはがんの外科の専門医の女医さんからお手紙をいただいた中に、ちょうどがん対策に関して触れられている箇所がございまして、それで私はちょっと、目からうろこではないんですけれども、あっ、これだと思いましたのがあるんです。 これは、がんの治療に関しては早期発見、早期治療ということはよく言われていることでございますし、今、日進月歩、とにかく治療法も進んでいる。そういう中でこの先生がおっしゃっておりますことは、予防に勝る治療はない、予防が、予防医学が遅れているために罹患者が増加していると。そして、この先生はお忙しいさなか、とにかく啓発が必要と学校に出向いて出前授業をしておいでになる。まだがんにかかっていない若い人たちにその知識を提供していこうと頑張っておられるのですが、やりましょうかと投げかけた高等学校から返事が来ないところもあるわけですね。 そういうことを考えますと、私、山本先生の御遺志を受け継いで、それでしっかりと頑張っていく一つの方向性は、日本の国民の中に、特に小中高等学校の教育の中に、がんに対する教育、がん教育と言っていいんでしょうか、それをきちっと体系付けて、小学校は小学校なりに、中高、しっかりと知識として子供たちに学ばせておく。 したがって、この先生がおっしゃっていますように、欧米、ヨーロッパの方では検診を受ける人が九割いるのに、日本では検診を受けていない人が九割ということも嘆いておられますが、とにかく、国民全体の生涯の幸せのためにこのがん教育ということはこれから取り組まなければならない大きな課題だろうと思っております。私自身もこれから勉強して、何かいろいろな方々の御意見も伺い、提案できることは提案をしていきたいと思いますけれども、是非、大臣いかがでございますか、このがん教育の実現に向けて、前向きな検討というんじゃなく、もっと前向きな御答弁をいただきたいと思うのですが、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(塩谷立君) 山本孝史先生、本当に大変御活躍、御努力いただいて、残念ながらお亡くなりになったわけでございますが、そういう経験に基づいてまた大石先生がこの問題に取り組んでいただくということで、大変敬意を表するものでございます。 国としても一番死亡率が高いがんに対してがん基本法も制定して、それに基づいて我が省もいろんな対策をやっておりまして、また厚生労働省あるいは経済産業省と協力してこの対策に取り組むということも今進めているところでございますが、特に今お話ございました教育においても大変この役割は大きいだろうと考えておりまして、具体的に現在、体育科あるいは保健体育科を中心に、がんを含む健康に関する指導を行っているところでございます。 小中高等学校を通じて、生活習慣病の予防には望ましい生活習慣を身に付けることが必要であるということ、また小中学校では、常習的な喫煙により肺がんなどの病気を起こしやすくなること、高等学校では、悪性新生物などの生活習慣病の予防を適宜取り上げて、健康に関する適切な意思決定と行動選択が重要であることを指導しているところでございます。また教科書において、がんの予防等について盛り込まれているところでございます。 さらには、がん予防の大切さを含んだ健康に関するパンフレットを作成しまして、小学校五年、中学校一年、そして高校一年の各段階ですべての児童生徒に行き渡るように配付しているところでございますが、さらに、今いろんな研究等充実しているとか、いわゆるがんに対する対応について医学的にもかなり今努力をしておりますし、また教育の面でも、先生が御指摘のとおり、できるだけ子供たちに十分理解できるような形で今後指導に力を入れてまいりたいと考えております。
○大石尚子君 ありがとうございました。終わります。
○山下栄一君 公明党の山下です。 法案に入る前に確認させていただきたいんですけど、三月十七日に私質問させていただいたときに中学校卒業程度認定試験のことを取り上げました。大臣も再認識して、しっかり取り組んでいただくということをお約束していたわけでございますけれども、特に公表ですね、問題の公表、高校の方は高校卒業程度認定試験は公表されておりますけれどもこちらは公表されていないということで、これもまあその方向で検討するという意味の御答弁もいただいたと思うんですけど、このことについて早速取り組んでいただいたようでございますので、そのことを御報告していただきたいと思います。
○政府参考人(清水潔君) お尋ねがございました中学校卒業程度認定試験の過去の問題の公表につきましては、これまで個別の問い合わせのあった方に対して提供してきたところであります。このような取扱いについて先般の御指摘をいただきまして、必ずしもこれが周知されていないということで、平成二十一年度の受験案内、七月に配布の予定でございますけれども、これに入手方法を明記する予定であります。 また、文部科学省のホームページにおいても三年分の過去の問題を掲載し、受験者の利便性を高めてまいりたいというふうに考えております。ただ、ホームページへの掲載に当たりましては、試験問題、とりわけ国語でございますけれども、著作権の許諾に一定の時間を要します。そういうことで掲載は、今鋭意作業中でございますが、五月中を目途として今作業を進めている状況でございます。
○山下栄一君 ありがとうございます。 このときに申し上げましたように、当初の昭和四十二年の当時は就学免除者、病気等でですね、そういう方中心で制度化されたわけですけど、今はもう大きく時代が変わりまして外国籍の方の出願者が増えている、六割はそういう方々であると。これはもう外国籍の大人の方にとりましてもお子さんにとりましても日本の義務教育をきちっと終了しているんだという、そういう認定は外国の方の進路や日本における生活について非常に有効であるということから大変評価されておる制度でもございますので、そういう観点のニーズが二十一世紀に入って強まっているということも踏まえて、更なるこの改善の検討をしていただきたい。 特に、問題は今全部日本語でございますので、非常にこれも御検討いただいて、外国籍の方がどんどん増えておる、五、六割も、六割になっているということを踏まえて、そういうほかの言葉、外国語対応のことも積極的に御検討いただきたいと、これを要望しておきたいと思います。 それでは、法案の審査でございますけど、今回二つの法律の改正案でございますが、まず冒頭、私は法律の名前ですね、ちょっと若干違和感があったもんで法律ももう一遍読んでみたんですけど、「原子力損害」という言葉なんですけども。損害賠償ですから損害ということになるんでしょうけど、法律の一条とかほかの九条等では「被害者」という言葉があるし、十七条では「被災者」という言葉もあると。特に、人に焦点を当てたそういうことがなかなかこの法律名では結び付かないなと。 要するに被曝するわけですからね、この人的被害の場合は。もちろんいろんなほかの物的とか営業損害とかそれはあるんでしょうけど、人的な場合にも損害という言い方がちょっとなじみにくいなと、こういうことを感じまして、法律のこれは第二条ですかね、にもそのことがちょっと「原子力損害」とはと書いてあって、例えばこの「放射線の作用」、ちょっと略しますけど、「により生じた損害をいう。」と書いてあるんだけどね。研究所なり大学なりまた事業所なりで多くの労働者も仕事されているわけで、実際被災というか被曝したというか、こういう方もいらっしゃるわけでございますので、ちょっとそれ見直すかどうかは別として、「原子力損害」とはというところの例えば二条二項の表現なんかもちょっと工夫した方がいいんじゃないのかなと。 人的被害の場合に原子力損害という言い方ではちょっと分かりにくいし抵抗感がございましたもので、ちょっと考えていただいたらどうかなというふうに感じたんですけど、ちょっと大臣、御所見を若干お伺いできたらと思います。
○国務大臣(塩谷立君) 確かに、今、山下委員おっしゃったように、損害と言うと人的な場合に適当な言葉かどうかということを考えますと、確かにそういう感じもないわけではないと思いますが、損害という言葉を使ったのは、総括的にいろんな被害をこういう言葉で表すのが一番いいだろうということで、条文としては損害とはということでうたっておりますので、人的損害だけをお話しする規定の場合はやはりもう少し適当な言葉があるかもしれませんが、今回損害全体を示す場合には、被害全体の総称を示す場合には損害という言葉で御理解いただくということでこういう条文になっているわけでございます。
○山下栄一君 そういうことだと思いますけど、やっぱりこういう原子力発電とか原子炉等の事故、研究施設においても事故あったときに一番気になるのは人への影響なわけで、それが何か損害と言われると何かすっと来ないなと、損害賠償ということを感じましたので、やっぱり現実は被曝するわけですから、それはやっぱりそういう感覚でお仕事もしていただきたいと思いましたもので、あえて法律の名前にこだわって確認をさせていただいたわけでございます。 その次でございますけれども、先ほど来御質問もございましたこの補償料、政府補償契約の、二番目の法律に係ることでもあり、一番目にも係ることであるわけですけど、これをちょっと確認させていただきたいと。 昭和三十六年以来、この補償料、一万分の五ということは現在では三千万になるんですかね、これを毎年支払うと。金額は変わってきたと思いますけど、これがずっと、別に積み立てているわけじゃないけれども、平成十九年までですか、約百二十三億のお金になるわけですけど、それは基本的に全部一般会計だと。使い捨てみたいな、使い捨てじゃない、掛け捨てといいますか、そういうこと、そうせざるを得ないと思います。そしてまた、特別会計ではやりにくいし、こういった事例も法律にもあると。だから、現実は、実際被害が起きたときにはそのお金はもうほかのものに使われていると、見方を変えれば。一般会計です、毎年これ予算組むわけですから。災害が起こらない限り使われていくわけです。だから、現実としては、やっぱり実際災害が、原子力災害等、事故等起こった場合で、政府が出動、政府じゃないわ、この補償料を使うという状況が起こったときには予備費等で対応するということになっていくと思うんですけどね。 私、これもいろいろ担当の方にも勉強させていただいて理解できたんですけど、確認させていただきたいのは、一応政府はちゃんと国会に議決を求めているということを知りました。それで、例えば平成二十一年度でしたか、四兆円の予算措置がされていると、現実はほとんど使わないかも分かりませんけれども。ということになっているというこのことをちょっと説明いただきたいというふうに思います。
○政府参考人(藤木完治君) 政府補償契約の補償料に関します予算等の関係について御説明させていただきます。 先生今お話しのとおり、政府補償契約の補償料につきましては積立て等をしてございません。これは先ほどから何度も御質問にも出ておられましたように、非常に地震等に伴う損害の発生の蓋然性が低いということと、損害が発生しない限り特定の歳出がないということで、これは積み立てて取っておくという場合には大変長期間にわたって資金を滞留させてしまうということになるからということでございますけれども、ただ、この原子力損害賠償を行うことが必要となる場合を想定してこの法律が作られておるわけでございますから、そういった補償金を支払うための様々なシステムが当然組み込まれてございます。 実際に、この政府補償契約に基づきまして支払が必要となる場合に備えまして、一般会計予算の予算総則におきまして、毎年、当該年度内に締結できる政府補償契約の契約金額の限度額を定めて国会の議決をいただいております。今年、平成二十一年度予算におきましては、その額は四兆七百四十億円の限度額の中で政府と事業者の間で補償契約を締結してよろしいということになっているわけでございます。 こういった形で国会の議決をいただいた上で、実際の事業者との補償契約を結び、そして支払が実際に必要となった場合には、そういった根拠に基づきまして、予備費あるいは補正予算等によりまして補償金の支払を履行することになるというシステムになっていると理解してございます。
○山下栄一君 どうもありがとうございました。 次に、国際条約ですね。日本は海に囲まれていますけれども、原子力船もあると。また、よその国の被害とか事故が場合によっては日本に放射能等、影響がある場合があると。という意味で、国際条約に加盟するということも大事な段階ではないかなというふうに思っております。 これはもう既に御検討は繰り返しされているとお聞きしておりますが、この国際条約につい最近米国も加盟したということもあり、我が国がこの原子力損害賠償制度の国際条約に加盟する見通しといいますか、どういうふうに今段階になっているのかということを御説明お願いしたいと思います。
○国務大臣(塩谷立君) 原子力損害賠償制度の国際条約につきましては、現在パリ条約、ウィーン条約、CSCの三系統が存在しまして、各条約とも原子力事業者の無過失責任及び責任集中、賠償措置額の設定等、原子力損害賠償制度の基本原則が定められているわけでございます。パリ条約についてはEUを中心としておりまして、またウィーン条約は中・東欧、中南米諸国が締結をしております。また、CSCは米国やアルゼンチン等が締結しておりますが、まだ発効していないという状況でございます。 我が国につきましては、原子力先進国にふさわしい国内制度を現在整備しているところでございまして、特に近隣の原子力利用国との陸続きの国境を接しておりません。そういったことで、越境損害への対応の必要性が顕在化していないこと、また国際条約については関係国とも締結をしなければ意義が乏しいわけでございまして、現在もアジア周辺諸国の姿勢がいまだ明らかでないという理由、そういった理由で、直ちに我が国が国際枠組みに参加しなければならないという状況にはないと考えております。 しかしながら、近年、いわゆる原子力ルネサンスと言われるように、アジアの近隣諸国においても原子力発電の導入拡大が進んでおります。また、我が国の原子力メーカーが海外で展開していることが多く最近では見受けられることから、我が省としましても、原子力損害賠償に関する国際条約を締結することの必要性及び利害損失等、具体的な検討をしていくことが必要でありまして、国際条約の締結について有識者会議を設置して政策的また法的観点から検討を進めているところでございます。
○山下栄一君 よく分かりました。 三つの条約で、日本が加盟するとしたらどの条約になるか、可能性があるかということを、もし御答弁できるようでしたらお願いしたいと思います。
○政府参考人(藤木完治君) お答え申し上げます。 この原子力損害賠償制度の国際条約にかかわりまして、三つの条約につきまして有識者の検討ワーキンググループで議論をした報告書がまとまってございます。その中におきましては、様々な我が国の制度、原子力損害賠償制度との整合性、あるいは先ほどの原子力メーカーの海外展開等々に関して大変関係の深い米国が加入しているということ等々の理由から、可能性としてはこの中のCSCの条約への加盟ということが最も可能性として検討すべきものではないかという御指摘をいただいているところでございます。
○山下栄一君 ありがとうございます。 このCSC条約はあと一か国が入れば発効するということもありますので、特にアジアの状況は非常に私も大事だと思いますので、アジアは一国も入っておりませんし、そういう意味でこれはきちっと検討する必要が迫っているのではないか、場合によっては日本がリードするという場面も出てくるのではないかと思いますけど、御検討をよろしくお願いしたいと思います。 次に、今年の二月に総務省の原子力の防災業務に関する行政評価・監視の二次勧告ですね。去年は経産省に対して一次勧告、今回は経産、文科両省に対して二次勧告ということがついこの二か月前に行われたところでございます。 これは、原子力防災、災害対策の方の話、特に原発の、直近いろんな、柏崎その他地震の影響等、大きく国民に不安を広げたこともございまして、総務省が昔でいう行政監察を行ったわけでございます。 ここでやっぱり非常に極めて重要な指摘を、勧告を私はしているというふうに思います、極めて重要な指摘だと。東海村で事故が起きたのは、起きた事故、これは人災やったんでしょうけど、地震大国日本にとりましては、特に原子力災害対策特別措置法、平成十一年にできた法律に基づく様々なことをする予定になっている、しかし現場はなかなかそうなっていないという指摘をしているわけで、この勧告に対して、今これ二か月ほどたちますが、どんなふうに受け止めて対応されようとされているか。これは緊急に対応すべきことだと私は思いまして、ちょっと御答弁お願いしたいと思います。
○政府参考人(泉紳一郎君) お答え申し上げます。 ただいま御指摘ございました今年の二月の原子力防災業務に関する行政評価・監察に基づく総務省の勧告でございますけれども、これは、今御指摘ございましたように、経済産業省と文部科学省に対してあった勧告でございます。 その中で、文部科学省に対する勧告の部分でございますけれども、これについて大きく三点ございます。 一点目が、緊急事態応急対策拠点施設、いわゆるオフサイトセンター、これの適切な運営の確保にかかわるものでございます。具体的には、迅速かつ的確に災害時の応急対策が実施されるように、このオフサイトセンターの代替施設への避難対応にかかわる方針等をオフサイトセンターの運営要領にきちんと示す必要があるという勧告でございまして、これにつきましては、文部科学省におきましては、文部科学省の所管する一番大きなオフサイトセンターでございます茨城原子力安全管理事務所のオフサイトセンターの運営要領につきまして、既にこの勧告の趣旨に沿った改定を行っているところでございます。 それから二点目が、原子力災害が発生をしたときに放射能の影響の予測を迅速に行うためのシステムを文部科学省で運用してございます。SPEEDIと言ってございますけれども、これに対する実際のいろいろな入力情報、これの更新頻度あるいは入力情報の内容等について、SPEEDIの運用の見直しを行うことを勧告されてございまして、これにつきましては、この入力情報を具体的に把握して更新したりするところは現場の関係地方公共団体ということになるわけでございますので、関係公共団体と現在調整を行いながら、今後早急に適時的確な勧告に沿った対応が図られるように今努めているところでございます。 それから三点目が、原子力災害が発生したときに被曝患者が出ることが想定されるわけでございますけれども、この搬送体制の整備にかかわる問題でございまして、これにつきましては、特に重篤な被曝患者を第三次の被曝医療機関、これは西日本では広島大学、それから東日本では放射線医学総合研究所でございますけれども、ここに搬送していくための体制を整備されるように支援を講じる必要があるという勧告でございますけれども、これにつきましては、特に長距離搬送につきまして防衛省等の支援を得る必要があるわけでございまして、去る二月にこの長距離搬送についての輸送手段、それから発着地等につきまして防衛省と調整を行ったところでございます。これを踏まえて、今後、放射線医学総合研究所あるいは広島大学が作成した具体的なフロー図に基づいて検証会を行いまして、この実効性を確認した上で早急に搬送体制を確立したいというふうに考えております。 以上でございます。
○山下栄一君 いろいろ御説明いただきましたけど、机の上の言葉だなと。 これ、もちろん深刻に受け止めておられると思いますけど、これは要するに、茨城の東海村の事故あった翌年に法律に基づいて体制ができていると。原子力災害応急対策を実施するためにオフサイトセンター、緊急事態応急対策拠点施設と、これがもう造られているわけですよ、全額国のお金で造られていると。文科省所管のオフサイトセンターも六か所ぐらいあると思うんですね。 ところが、この運営要領がもう要するに機能するようになっていないと。専門的な知見を有している者がオフサイトセンターの構成員名簿上、構成員となっていないと。運営要領、今ちょっとお聞きしたら、運営要領も東海村は作ったとかおっしゃっていましたけど、これは、こんなのもう九年ほど前の話に出てきたやつ、作ることになっているわけやから。 ちょっとこれ、私は、これはオフサイトセンターというのは要するに連携が大事だと、原子力事業体、それから国の文科省、経産省もあると思います、それから自衛隊もあるし医療機関もあると。様々な連携のためにこのSPEEDIというシステムができたと。そのSPEEDIそのものも更新をされていないと。大事な情報を伝達するための情報が四つの都道府県では一回も更新されていないと、こういうふうにこれ行政監察で指摘されているわけです。住民避難のどうするかということは極めて重要なことやと思いますけど、この体制もちゃんとできていないということなんですわ。先ほどの三次医療でしたか、被曝者の搬送体制も整備ができていないと。 これ、だから、めったに起こらないんでしょうけど、体制を一応、防災専門官を置くとか、そのために任命されています、併任で。だけど、オフサイトセンターなんて一人も大体おらないと思うんですよ、光熱費は使っているのかもしれませんけどね。全部それは特別会計でやるし、管理は自治体やし、金は全部国が出していると、特会でね。だから非常に管理意識もないし、これ危機管理体制のための法律、これは東海村の事故起きたからこういう体制をつくったのに、体制はあるけれどもメンバーは更新されていない、要領もできていないとかですね、搬送体制の具体的な体制ができていないと、整備されていないとかね。 確かに、こういうことは一回も起こっていないからこうなるのかも分かりませんけど、何のためにこの原子力災害対策特別措置法を平成十一年に作ったんですかという問われる実態が、これは文科省だけじゃないと思います、経産省も同じ指摘されていますので。オフサイトセンターは防災専門官をリーダーに、トップにして指揮を執るはずなんですよ。防災専門官はだれが任命されているんですかと、どんな人が。その人は自覚あるんですか、ころころ替わっていませんかということですよ。十何年、さっき資料いただきましたけどね。併任で全部、併任だから現場になんて行っていないと思うんですよ。まあ近所にその事務所があるからそこに来るんやろうと思うけど、いざとなったらね。 もう時間がありませんので、これ訓練、防災訓練というか訓練をやっているはずなんですね、年一回。毎月はこれ、たしか地元でやっていると思うんですよ。そういうことを局長とか大臣その他は御存じなんでしょうか、そういうことを。自覚を持ってそういう訓練、訓練って、文科省所管のところもあるわけですから、大学もあるし研究所もあるわけやからね。どうなっているんですか、この訓練の臨み方というか。
○政府参考人(泉紳一郎君) 原子力防災の訓練でございますけれども、年に一回、昨年は十月に行われましたけれども、政府全体の原子力防災訓練を行ってございます。それから、文部科学省自身の原子力防災訓練につきましても、直近では今年の二月に、この文部科学省の茨城のオフサイトセンターも使いまして訓練を行っているところでございます。
○山下栄一君 だから、分かりました。やり始めたということだと思いますけどね。 要するに、この文部科学省所管のオフサイトセンターは六か所ありますよね、大阪の熊取もその一つだと思いますけどね。だから、いわゆる行政監察で指摘されたことができていないのに、どないして訓練するのかなと。そのためにSPEEDIという仕組みが機能するかどうかチェックするわけですから。だから、日本全国の防災の日に兼ねてやっているのかもしれませんけど、この視点の意識が私はもう弱過ぎるんじゃないかなと思いました。 大臣に最後、確認しますけど、これ二月に、この行政監察、勧告、極めて重要な勧告をしているんですけど、これ御存じであったとは思いますけど、これどんな感想を持たれます、この書いてあることに。すごいこと書いてあるんですよね。済みません、感想をお願いします。
○国務大臣(塩谷立君) 当然行うべきところが指摘されたのかなということでございまして、今お話ございましたように、原子力災害対策特別措置法においてオフサイトセンターが設置されて、その役割を果たすべく、こういった事項においてはやるべきことだったわけでございますので、私どもとして早急に対応に努めているところでございます。
○山下栄一君 時間が参りましたんですけど。 文科省も膨大なお仕事を抱えながらされているので。ですけど、この原子力防災は具体的な事件が、戦後初めての事故がこれ、まして亡くなっているわけでございまして、今も裁判続いていると、係争中の裁判も残っているという、そういう感覚でやっぱり仕事されないと、実は地震列島でもあるわけですから、そういうことの危機意識といいますか、それがちょっとやっぱり鈍くなっていたんではないかというようなことを強くこの行政監察の結果を見て私は思う。これは内部監査ですからね、政府内の。これは国民から見たらちょっとびっくりすると思うんですよ。だから、これはきちっと、東海村だけではなくて、ほかのところも含めてきちっと見直していただいて、体制どうなっているんだと、防災専門官はだれが行っているんだと、保安検査官はどうなっているんだということをチェック、政治主導でやっていただきたいということをお願いいたしまして、質問を終わりたいと思います。 ─────────────
○委員長(中川雅治君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、中曽根弘文君が委員を辞任され、その補欠として佐藤正久君が選任されました。 ─────────────
○委員長(中川雅治君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 原子力損害の賠償に関する法律及び原子力損害賠償補償契約に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(中川雅治君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、鈴木君から発言を求められておりますので、これを許します。鈴木寛君。
○鈴木寛君 私は、ただいま可決されました原子力損害の賠償に関する法律及び原子力損害賠償補償契約に関する法律の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会・国民新・日本、自由民主党及び公明党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 原子力損害の賠償に関する法律及び原子力損害賠償補償契約に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。 一、賠償措置額については、国際水準等を勘案した適正な額となるよう、遅滞なくその引上げに努めること。 二、原子力損害賠償制度については、被害者保護の充実と原子力事業の健全な発達に資するよう、諸外国の例を参考にしつつ、賠償措置額を超える原子力損害が発生した場合の賠償資金の確保や原子力損害賠償補償契約の補償料に関し、その在り方を検討すること。 三、国際的な原子力損害賠償の枠組みへの加盟については、我が国及び近隣諸国における原子力損害賠償制度の実情と国際的な動向等に十分配慮し、今後も多角的に検討を進めること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(中川雅治君) ただいま鈴木君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(中川雅治君) 全会一致と認めます。よって、鈴木君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、塩谷文部科学大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。塩谷文部科学大臣。
○国務大臣(塩谷立君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意いたしまして対処してまいりたいと存じます。
○委員長(中川雅治君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中川雅治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時四十四分散会