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171回国会参議院2009/03/17

文教科学委員会 第2号

発言数
210
登壇者
19
会派数
3
開催日
2009/03/17

会議録

中川雅治自由民主党

○委員長(中川雅治君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。  政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府定住外国人施策推進室長齋藤敦君外十二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中川雅治自由民主党

○委員長(中川雅治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

中川雅治自由民主党

○委員長(中川雅治君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題とし、文教科学行政の基本施策に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

佐藤泰介民主党・新緑風会・国民新・日本

○佐藤泰介君 おはようございます。民主党の佐藤泰介でございます。  参議院の文教委員会最初の質問者が私だと思いますので、大臣、どうも御就任おめでとうございました。多分短期間になるのではないかと、このように思っておりますが、最長でも九月までかなと、こんなことを思っておりますけれども、その間、様々な課題がございますので、精いっぱい頑張っていただきたいと思います。(発言する者あり)そちらの方から不規則発言が出ましたので、もっと九月以降も、来年もなさるような御努力も与党に申し上げておきたいと、こう思う次第でございます。私どもも頑張らせていただきます。  安倍内閣、伊吹文科大臣のときに教育基本法の改定が行われたと、そう思っております。私どもも日本国教育基本法を対案として提出させていただいて、かなり深い議論をさせていただきましたが、残念ながら政府案が決定をしていったということでございます。  私どもも、その中で、政府案について評価できる点は、教育振興基本計画については一定の評価ができるなと、こう思っておりましたが、問題はそこに財源措置が打たれるのかどうかということについて我々も議論をし、我々はその教育振興基本計画について、GDP比を指標にして財源措置も講じていくべきだと、このように考えて提起をさせていただきました。  その後、その教育振興基本計画が作成されていき、文科省も財源措置を講ずるというような強気の発言も一時はありました。しかし、最終的には財源措置が講じられない形での基本計画になってしまいました。その辺り、私は非常に残念だったというふうに思っています。どんな経緯を経て財源が打ち込まれなかったのか。私はこれは文教行政の国民に対するマニフェストだというふうに閣議決定をとらえております。そういう観点からすると、やはり財源措置を講ずるべきだと、今でもこのように思っていますので、この計画の途中でそういう新たな提言を盛り込めることができるのかどうか。  一つは、なぜ財源措置が講じられなかったのか、いま一点は、今後、五年間の計画の間に新たな提起がされて、そういった財源の裏打ちがされるのかどうか、この点についてまず大臣に伺いたいと、こう思います。

塩谷立自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(塩谷立君) 参議院の文教科学委員会の皆さん方にはいろいろお世話になりますが、昨年も一度質疑をさせていただきまして、そのときも短いんではないかなというような雰囲気もあったかもしれませんけど、大分、半年ぐらいたちまして、また引き続き頑張らせていただきますので、何とぞ御指導よろしくお願いを申し上げたいと思います。  ただいまの教育振興基本計画の策定に当たりまして、特に教育財政の問題に対して、私どもも、私もそのときは実は衆議院の文教委員会の筆頭理事をしておりましたが、衆議院のですね、衆議院の方では決議を行いまして、その点強く財源措置をすべきだという文言で決議を行ったわけでございますが、残念ながら具体的な数値は盛り込まれなかったわけでございまして、しかしながら、OECD等のいろんな比較の中で、そういったGDP比の財源等を確保すべく努力すると、たしか文言では参考にしつつというような文言が入れられたと思いますが。  それを、特にOECD等の統計を参考にして、我が国が非常に低い、三・五%というもので、具体的には五%ぐらいという議論がされましたが、結果的に具体的な数字は入れられなかったことは私としても誠に残念に思っておりますので、今後、教育振興基本計画を実施する中で具体的にどういうふうにしていくかというのは、当然将来の教育行政に対して財政的な措置が必要なことが多々ありますので、そういった具体的な対策に対して取り組んでいく中で、当然財政にも力を入れていきたいと考えております。

佐藤泰介民主党・新緑風会・国民新・日本

○佐藤泰介君 じゃ、今のお答えは、それぞれ五年間で検討をして新たな財源措置も含めて検討していくというように受け取らせていただいていいでしょうか。

塩谷立自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(塩谷立君) ただいま、国家の財政について、例えば政府等で中期計画等を検討する中で税制の問題もいろいろと具体的な方針が示されているわけでございまして、そういった新たな財源の検討をする中で、私どもとしてはやはり必要な予算を確保するために将来の教育に対して議論をしていかなければならない。  これはやはり、国民の理解も含めて、何を具体的にはすべきかという点でやはりしっかりと計画を立てて財源措置をしていく必要があると考えております。

佐藤泰介民主党・新緑風会・国民新・日本

○佐藤泰介君 いや、私聞いているのは、その五年間の間にそういう何か新たな提起があるのかないのか。確かに予算を作っていく場合にはいろいろな問題を含んで文教予算も立てられていくとは思うんですけれども、その教育振興基本計画に盛られているところの新たな財源が年度途中、五年間の途中でも新たな提言があったり新たな財源の付け加えがあったり、そういうことがあるのか。今のお答えだと、それについていろんな状況を見ながら努力をしていくというように理解をさせていただけばいいですね。

塩谷立自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(塩谷立君) 具体的ないろいろ、例えば定数改善の問題にしても、今のところ明確に発表する段階ではないと思っておりますが、考え方としては、そういう点でいろんなこれから必要な、教育施策についての財源を必要とすることについて我々としては考えておりますので、具体的にどうするかは今の段階で発表する時期ではないと思っておりますので、ここら辺、財源を確保するというのは、ただそれを、計画を立てるだけではなくて、具体的にやっぱり財源をどう確保していくかというのはかなり困難な手続が必要になっておりますので、そういうことも含めて今後検討をしてまいりたいと思います。

佐藤泰介民主党・新緑風会・国民新・日本

○佐藤泰介君 できるだけ年度途中でも、文教行政、文科行政充実していくために、是非そういう追加予算的な財源を検討していただいて、この教育振興基本計画の中にそれが打ち込まれていくように一層の努力をしていただきたいと、このように思います。  しかし、今年度と来年度と見てみますと余りそういう努力がされていないなということを私は感ずるわけでございますが、その基本計画に基づいて毎年度基本計画アクションプランというものが作られて、そこで点検していくんだと。当然、その年度のアクションプランですから、これは実現可能なものがここに書かれているわけでございますが、特にその中でも、私は定数改善の部分を読ませていただくと、アクションプランの二〇〇八版も二〇〇九版も定数改善については「教員が子ども一人一人に向き合う環境をつくります」というところに定数改善が盛り込まれているわけです。やはり教員が一人一人に向き合う環境をつくるということは、定数改善をしていくことが大きな柱であろうと思っております。  昨年度は教職員定数改善が千百九十五人だったと思います。今年度が、ああ、年度が違いますね、今年度がまだ千百九十五人で来年度が千名の定数改善と、こうなっております。それと、加えて、非常勤が今年度は七千人、間もなく始まる来年度は一万四千人というふうに打ち込まれているわけですが、これは来年度予算の予算措置をそのままここに移してある、書き込んであるだけで、どういう計画に基づいてこのような定数改善が行われていくのかということが全く先行き不透明だと私は思います。  それは、その都度の予算折衝の中で決定したことしか書けない、アクションプランですから書けないという意味も分かりますが、何らかここに、あくまで教育振興基本計画を立てたわけでありますので、何かここに計画的な定数改善を図っていくというようなそういう意味合いを持っているのか。私は持っていないように思います。予算折衝で決まったことのみが書き写されていると、それだけではないかと、こう思うのでありますが、局長でも結構でございますが、お答えを願いたいと思います。

金森越哉文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(金森越哉君) 昨年七月に閣議決定されました教育振興基本計画では、教職員定数等につきまして、教員が子供一人一人に向き合う環境づくりの観点から、教職員配置の適正化を行うとともに、退職教員、経験豊かな社会人等の外部人材の積極的な活用を図ることとされております。  私ども、予算編成過程におきましては、子供たちの学力の向上や規範意識の育成を図るためには、教員が子供一人一人に向き合う環境をつくることができるよう、学校現場で日々頑張っている教員を支援することが重要であるという考え方に立って全力で取り組んだところでございます。  その結果、二十一年度の予算案におきましては、ただいま御紹介ございましたように、千人の定数改善を盛り込みましたり、また退職教員等外部人材の活用事業につきましては二十年度の七千人から倍増の一万四千人への拡充を盛り込んだところでございます。  今後とも、教育振興基本計画の着実な実施を図るためにしっかりと努力してまいりたいと考えております。

佐藤泰介民主党・新緑風会・国民新・日本

○佐藤泰介君 今の答弁はよく理解をしますが、いわゆる教育振興基本計画というものがあってこの定数改善が出てくる、そこに何らかの目標数値があって、そこへ近づけていくような定数改善が行われているのかどうかという質問に対して、一人一人に向き合う環境は非常に重要なので、二十一年度はこれだけの予算を決めたといいますか決まりましたということですが、やはりこれは、この項は、予算措置をここに盛り込んでいくと、最大限努力して予算措置をここへ盛り込んでいくと。これから向こう、あと四年になりますか、その間も一定程度の計画がなくて、予算で措置されたことをここに書き写していくという、結論的に言えばそういうことですね。  今、最大限努力されたというのはよく分かりますが、ここには振興基本計画としての私は計画性がないなと、こういうことを思うんで、年度途中でも提言できるかどうかということもお尋ねしたのは、新たな計画を立てて、その計画に基づいて定数改善がされていくことが可能であるのかどうかということをお尋ねしたわけでございますが、それについてお答えをいただきたいと思います。

塩谷立自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(塩谷立君) ただいま佐藤委員おっしゃったことはもっともなことだと私も受け止めておるわけでございます。つまり、教育振興基本計画を初めて立てて、そしてアクションプランを今年初めて今作成して、最終的に、あと年度内に決定しますが、この案ですと、おっしゃるとおり、予算措置がされた人数とかそういうのが書いてあるだけにとどまっていますが、今後こういうアクションプランはどうすればいいかということ、したがって、来年度の予算措置はこういう千人なり一万四千人なりということで、その次に向けた何か来年度は取組をということを書くべきなのかなという気がいたします。  したがって、このアクションプランの作り方は更にまた検討していって、実行に向けてこの一年度のアクションプランをどう書くかというのはまた検討していかなければならないかなという気がしますので、また今の御意見、しっかり受け止めて努力をしてまいりたいと思います。

佐藤泰介民主党・新緑風会・国民新・日本

○佐藤泰介君 大変前向きな発言、答弁をいただきました。是非、二〇一〇になるんですかね、今度、今二〇〇九の案が出ているわけですので、その次の年度だと二〇一〇のアクションプランになると、こう思いますが、是非そういう中には、予算措置のみならず、こういう方向で定数改善を図っていくということも検討していきたいということでございますので、是非検討を深めていただきたいと思います。  それから、今の項でもう一つ私が聞きたいのは、確かに財政事情厳しい中ではありますが、非常勤の講師が昨年は七千人、今年度は一万四千ということで、教員が子供一人一人に向き合う環境は非常勤頼みの学校教育振興策になってしまうのかどうか。常勤の講師は余り増がないけれども、金森局長も非常勤は倍にしましたと、このように答弁されたわけですが、これから子供たちに現場の教師が向き合っていく環境は非常勤に頼るべきところがこの数値では多いように思うんですけれども、本来私はそれは良くないと、こう思っていますので、常勤の教職員定数改善の方が抑えられて非常勤がどんどんどんどんと倍増されていく、そして子供との向き合う時間をつくるんですよというのはどこか違うんではないかと私は思いますが、どうでしょうか。

金森越哉文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(金森越哉君) 御指摘ございますように、例えば学校の授業時数や指導内容を増加する新しい学習指導要領の円滑な実施を考えてみましても、教職員定数の改善というのは不可欠であろうと考えております。  ただ、一方で、定数改善につきましては、行政改革推進法の範囲内で対応せざるを得ない状況の下では、それに伴う困難がございますものですから、定数改善ではなく非常勤講師の配置により対応したというところがございます。  ただ、今回の予算案におきましても、二十一年度予算案におきましても、千人の定数改善を盛り込んだことにより、主幹教諭によるマネジメント機能の強化や教員の事務負担の軽減、また特別支援教育の充実などのための定数改善を図ることができるわけでございます。また、一方の退職教員等外部人材活用事業につきましては、一万四千人への拡充を盛り込んだことにより、新しい学習指導要領の先行実施における理数教科の授業時数増への対応でございますとか習熟度別少人数指導、不登校等の生徒指導対応など、教育課題への対応も行うことといたしているところでございます。  いずれにいたしましても、教員が子供一人に向き合う環境をつくることができるよう、全力で取り組んでまいりたいと考えております。

佐藤泰介民主党・新緑風会・国民新・日本

○佐藤泰介君 今の局長の答弁、大変苦しい答弁だったと、こう思うわけですが、私どもは、後日また正規の、正規のといいますか、常勤の定数を増やしていくような議員立法をこの後当委員会に提出をさせていただきますので、またそのときにもこの問題については触れていきたいというふうに思っています。  やはり教育が行政改革推進法に縛られていくということは、本当にそれでいいのかどうか、私どもは、教員という職種柄、聖職とは申し上げませんけれども、そういう教員も一般行政の人々と同じように行政改革推進法で定数をどんどん削っていく、このことが本当にこれからの日本の教育にとっても、現実には子供一人一人に向き合う時間を確保するにとっても、私は今のままでいくと非常勤講師頼みになっちゃうなと。昔は各現場にそんなにいろんな職種の先生方が見えたわけではないと私は思っています。最近どの現場へ行っても大変な、各種の非常勤講師が勤務をしてみえる実態を学校へ行って感じます。教育の底、質を上げていくためにはやはり常勤講師を、常勤の先生方を何とか増やしていくことが日本の教育力を上げていくというふうに思っておりますので、先ほど大臣から更なる努力もするということでございますので、行政改革の中ではありますけれども、教育だけ別格にしろということまでは言いませんけれども、やはりある程度の定数改善を行っていかないと、今日的に起きている大きな現場の問題が解決していかない、それを非常勤任せにするということは私としてはいい方向ではないと、こういうことを申し上げて、どんどん時間が過ぎますので次の質問に移りたいと思いますが。  次の教員の資質の向上を図るとともに教員が子供一人一人に向き合う環境づくりを進めますという項の中に、その次にめり張りのある教員給与体系を推進しますという項目が入っているわけですが、めり張りのある教員給与体系が教員の資質を上げたり子供と向き合う環境づくりを進める上で、そのためには、めり張りのあるというのは一人一人差がある給与だと思いますが、その給与体系にすることが教員の質を上げ子供と向き合う時間を増やすということにどうも私の頭の中では結び付かないわけでございますが、どのような意味でこの項目の中にめり張りある給与体系を推進するというところが入っているのか、この点を伺いたいと思います。

金森越哉文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(金森越哉君) めり張りある教員給与体系の推進ということでございますけれども、私どもといたしましては、例えば学校で部活動で頑張っているような教員の適切な処遇を図るために、これは二十年度からでございますけれども、従来の部活動手当を千二百円から二千四百円にいたしましたように、頑張っている先生をしっかりと支援していくということが必要だというふうに考えているところでございます。  ただ、一方では、基本方針二〇〇六に基づき、教員給与の優遇措置の縮減という課題もあるわけでございますけれども、頑張っている先生、必ずしもそうでない先生、同じような給与体系で、給与でいいのかというようなことから考えますと、頑張っている先生をしっかり支援するという意味でめり張りある教員給与体系の推進、こういったものにこれからも取り組んでいきたいと考えているところでございます。

佐藤泰介民主党・新緑風会・国民新・日本

○佐藤泰介君 今の答弁聞きますと、現場において教員同士が競争せよと、おまえは頑張ったから給料上げてやる、おまえは頑張らぬから給料下げるんだと、そんなようにも聞こえます。本当に教育現場にそのような給与の差を持ち込んでいいのかどうか、これはもう少し考えていただきたいと、こう思います。  もっとここのところも聞きたいんですけれども、時間が限られておりますので、全体として、じゃ給与を縮減していくということと資質の向上とはどういう関係があるんでしょうか。

金森越哉文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(金森越哉君) 教員の給与につきまして全体の縮減とどう関係しておるのかということでございますけれども、私ども、教員の勤務実態調査などを見ましても、超過勤務がかなり、時間外勤務がかなりの時間になるということは、逆に申しますと、もっと時間外勤務をしている人もいればそうでもない人もいるという差が大きくなっているということがあるんだろうと思います。そういう面では、学校の中でしっかりと教育指導に取り組み、また夜遅くまでといいましょうか時間外もしっかりと取り組んでおるような、そういう熱心な先生に給与上も処遇をしていくというのは、そういった先生の努力を評価し、また支援するという意味で必要なことだろうというふうに思っております。  したがいまして、繰り返しになりますけれども、しっかりと取り組んでいる先生をできるだけ支援していきたい、そういうことでめり張りある教員給与体系の推進と、こういうことを盛り込んでいるところでございます。

佐藤泰介民主党・新緑風会・国民新・日本

○佐藤泰介君 私としては意見は異なるということで、これ以上質問をしませんけれども。  優遇措置の削減の方はきっちりとこれ計画性があるんですね、前の定数改善と違って。例えば人材確保法に基づく教員給与の優遇措置の縮減というのは、これは今年度どれだけ縮減されて、来年度はどれだけ縮減されるんですか。

金森越哉文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(金森越哉君) 人材確保法の優遇措置の縮減についてでございますけれども、いわゆる基本方針二〇〇六では、平成十九年度から二十三年度の五年間で人材確保法に基づく優遇措置二・七六%を縮減することとされておりまして、二十年度予算では義務教育等教員特別手当の縮減といたしまして十九億円、それから二十一年度予算案におきましてはトータル七十五億円を計上しているところでございます。

佐藤泰介民主党・新緑風会・国民新・日本

○佐藤泰介君 ちょっと済みません、パーセンテージで言っていただけませんか、その縮減のパーセンテージ。

金森越哉文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(金森越哉君) 人材確保法に基づく優遇措置は二・七六%でございますけれども、二十年度予算におきましては、義務教育等教員特別手当の縮減といたしまして、本給の三・八%義務教育等教員特別手当がございますけれども、それを三%に縮減をすることにいたしております。それから、二十一年度の予算案におきましては、この義務教育等教員特別手当の更なる縮減といたしまして、本給の三・〇%から二・二%に縮減をすることといたしております。

佐藤泰介民主党・新緑風会・国民新・日本

○佐藤泰介君 そうすると、これだけは計画的なんですよね。〇・八%ずつ下がっていくわけですよね。二十年度が三・八から三・〇%、二十一年度は三・〇%まで下げられたのがまた〇・八%下げて二・二、二十二年度は二・二から〇・八を引きますと一・四、一・四から〇・八を引きますと〇・六、平成二十四年度に〇・六縮減すれば人材確保法による優遇措置はこの五年間でなくなるという、これは非常に計画的に削減の方はなっているんですが、そういう理解でいいですか。

金森越哉文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(金森越哉君) この二十二年度、二十三年度における縮減につきましては、めり張りを付けた教員給与体系の実現でございますとかこういったことの、退職手当の反映とかいろいろな検討、また現在、教職調整額についても見直しを検討しているところでございますので、そういった検討と併せて二十二年度、二十三年度における縮減の検討をいたしてまいりたいと考えているところでございます。

佐藤泰介民主党・新緑風会・国民新・日本

○佐藤泰介君 のようですけれども、二十年度と二十一年度は計画的に〇・八下げたという、これは事実でございますので、二十二年、二十三年は様々のことを考えというふうに言われますけれども、私はやはり〇・八ずつ下げていくと最後なくなるなと、こんなことを心配をいたしております。  あわせまして、もう一つ削減するのに給料の調整額の削減、これは来年度からだと思いますが、どの程度これも削減されるんでしょうか。

金森越哉文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(金森越哉君) 給料の調整額の縮減につきましては、調整数を二から一・五にいたしますので、本給との比較で申しますと、本給の六%程度から四・五%程度に縮減をいたす予定にいたしております。

佐藤泰介民主党・新緑風会・国民新・日本

○佐藤泰介君 またこれも先ほどの質問のように言うと、その都度検討していくという答えになると思いますが、私の計算でいくと二十一年度に一・五%削り、二十二年度にまた一・五%削り、二十三年に一・五%削り、平成二十四年に一・五%残りますので、一・五%をゼロにすればこの四年間で給与の調整額の縮減は完了してゼロになるということが私自身は読み取れるわけです。それは人確法の〇・八%減も今年度から始まって五年間たつとゼロになるという、ぴったりと数値が合うことはこれは偶然でしょうか。

金森越哉文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(金森越哉君) 先ほどお答え申し上げましたように、二十年度、また二十一年度につきましては御説明いたしたとおりでございますが、その後の縮減につきましては、今後めり張りを付けた教員給与体系の実現など様々な検討と併せて検討してまいりたいと考えているところでございます。

佐藤泰介民主党・新緑風会・国民新・日本

○佐藤泰介君 是非私の計算が正しくならないようにお願いしたいと思いますが、この部分についても、教員に十分な給与体系を再構築するというような観点から、民主党、議員立法も出していただきますので、そこらの議論はその場合も進めてまいりたいと思っております。  そして最後のところに、教員免許の更新という項目が付けられているわけでございますけれども、最初の項は、教職実践演習を必修化するというのは、これはもう二〇〇八で行われましたので削除されております。そして、二十一年度からの教員免許の更新については、予備講習ではなくて本講習を始めていくんだということが書いてあります。  今日はその教員免許更新制についてこの後お尋ねをしますけれども、私は、二十年度に実施された教員免許更新の予備講習においては、その成果等のまとめがありますけれども、それを読ませていただいても、全国的な事前調整が必要な事項があったにもかかわらず、最終的には大学と教育現場に丸投げで強行されたというような感じを抱いております。そして、各地で相当な混乱があったんではないかと。本来ならば来年度から開設されるはずの本講習の時間数として算入することを年度途中に認めたために早い者勝ちのチケット争奪戦になったり、持っている免許状にそぐわない内容の講習を受講するはめになったりした人もいると、このようなことが書いてあるわけでございますけれども、期待していた財政支援、これも財務省に大きく値切られて、本実施を前に大学の講習開設者あるいは講習を受ける者双方に大変な不安を抱かせていると思いますけれども、本当に今年度の予備講習で直ちに来年から本講習に移っていく数々の問題点が出ているわけでございますので、私は、もう一年予備講習をやるか、あるいは一度中断するか、あるいは凍結をして、もう少し問題点を十分に洗い出して、大学あるいは教育委員会あるいは文科省ともう少し綿密な打合せをしてこの教員免許更新制をスタートさせないと、いろんなまだ課題、問題が生じるんではないかというふうに思っています。  それで、逆説的にお聞きをしますが、文科大臣、これを今年は中断する、一遍凍結して、もう一度スムーズに、円滑に制度が運用されるようにしていく期間として一時的に中断した場合には、学校現場への大きな影響が出るんでしょうか。

塩谷立自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(塩谷立君) 教員免許更新制については、昨年、試行的に講座等、あるいは大学等の対応等、それぞれやっていただいたわけでございまして、その問題点も、それぞれ各方面から出てきたものを改善に努めて、今年四月からの実施をする予定で今準備を進めているところでございます。  問題点、私どもとしてはできる限り解決をしてきたつもりでありますので、これは今中断することが逆に現場への混乱を招くと思っておりますし、現在のところ大きな問題に対してはかなり対応できていると確信を持っているところでございまして、細かい点ではまだいろんなこれからも実施していく中で課題が出てくると思いますが、やはりこの目的、教員の資質の向上という目的に従って、しっかりと今年四月から導入して実施をしていきたいと考えております。

佐藤泰介民主党・新緑風会・国民新・日本

○佐藤泰介君 私はまだまだ非常に混乱を生ずる場合が生じてくるんではないかというような感じを抱いておりますが、残されたスタートまでの時間はわずかですけれども、これから私が申し上げる問題点について早急にクリアをして実施をしていただきたいと、このように思うわけですが。  まず、講習を受ける期間、それから最初の修了確認をする期限等々は、これは本人自身の、本人がそれを理解してやることになるんでしょうか。あるいは、何らか、あなたはここから講習を受けてくださいというようなことになるのか、その辺の、当然、本人の資格ですので本人でやれと言えばそれまででございますけれども、あるアンケートを見ると、自分の講習はどこで受けるのかということが分からなかったという人が、そんなに数はありませんけれども、十数%ぐらいあったという結果もあります。そうすると、これ、自分の講習期間、修了認定、期日等々は自らの免許証であるから自ら管理せよと、その下にスタートしていくんでしょうか。

金森越哉文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(金森越哉君) 教員免許更新制の教員各自の修了確認期限などにつきましては、教員本人がそれを確認するというのが基本でございます。  ただ、教育委員会によりましては連絡をいたしましたり、また校長が校内の教員に周知をするということもあるわけでございますけれども、私どもといたしましては、こうした教員免許更新制の導入に当たりまして、教員免許状更新講習がいつどこでどういう内容のものがだれを対象に開設されるのかというような情報でございますとか、あるいは教員各自の修了確認期限について教員にこれが十分周知されることが重要であると考えております。  このため、現在、制度を御理解いただくための冊子やポスターを作成、配布いたしましたり、開設される講習一覧などを配布いたしましたり、また文部科学省のホームページでは教員免許更新制のページがございますが、そのページに随時、制度の説明や講習の情報についての資料を掲載することなどを通じて周知に努めているところでございます。

佐藤泰介民主党・新緑風会・国民新・日本

○佐藤泰介君 ということは、そういうもろもろの資料で自らの講習期間あるいは修了認定等々は本人がやるということ、いろんな本人が参考にする資料あるいはホームページは立ち上げるが、最終的には本人で手続に入り、本人が講習を受けて、それを認定するということだと思いますが、果たして現場の先生方が日々忙しい中で、ああ、そろそろ十年講習だなということが分かって自らそういうことを調べて希望を出してやっていく、それは本人の免許状なので当然だと言われればそのとおりでございますけれども、万一それが本人でできなかった場合等々、私は今の現場の忙しい状況を考えると、そんなに自分の受講期間、それが修了認定されたということは、本当にそのとおりにいくかということは、要らぬ心配かもしれませんが、更新制を導入するんだから周知徹底はやっぱり私は個人にされるべきではないかと。学校長あるいは教育委員会から、おたくの学校のこの先生はいよいよ更新の時期ですよということが、そういう措置をとった方が私はよりスムーズではないかというふうに思うわけですが、そういうことはできないんでしょうか。

金森越哉文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(金森越哉君) いつ教員免許の更新講習を受けるかということにつきましては、基本的には各教員の生年月日によって決まるものですから、教員自身が十分把握をしておくというのが基本だと考えております。  ただ、私どもといたしましては、先ほど文部科学省のホームページのお話なども申し上げましたけれども、教育委員会に対しても説明会を開催したり必要な情報提供を行うことによって各学校やまた教員に対する周知を促しているところでございます。これから毎年度こういった教員免許の更新講習が開催されるわけでございますので、各教育委員会などと協力をしながら、教員の方々の御理解が進むように毎年周知に努めていきたいと考えております。  また、大学によりましてはそれぞれ開設する講習についてのパンフレットを作って教員へ配布しているところもございますので、そういった様々な形を通して教員にその周知が十分図られるよう今後とも取り組んでまいりたいと考えております。

佐藤泰介民主党・新緑風会・国民新・日本

○佐藤泰介君 これ以上質問しませんが、是非何らかの形で本人に、いよいよ更新講習が始まりますよ、今年からですよということがやっぱり周知徹底されるべきであると私は思いますので、本人の免許だから本人任せということではなくて、本人に、今年ですよ、今年からですよということを実施するに当たってはそんなに予算も要らないことだと思いますので、是非本人に直接通知が出るような、あるいは校長先生からそういうことが本人に伝わるような方途を考えていただきたいと、こういうふうに思っております。是非そんな方向で検討をしていただくと現場の教師も安心できるんではないかというふうに思います。その十年終わるときに修了証明が出る、したがって講習はその前から始めなきゃいかぬわけですから、是非その辺の、始める時期、それは個人個人誕生日によって違うということですので、多少手間は掛かるかもしれませんが、今の現場の多忙さから考えたら、是非そんなことも今後検討をいただけないかと、このように思います。これは要望として申し上げておきたいと思いますので、是非受け止めていただきたいと、こう思います。  次に、その更新講習の質の問題でございますけれども、中教審答申ではかなり様々な内容で行われるべきだというふうに答申をされたと思います。教職実践演習が必修化になったと同様に、更新講習も事例研究だとか現地調査とかあるいは模擬授業とかいった、大教室での一斉講義にはなじまないもので構成されるようにという答申になっていると思いますが、現実には、本年度の予備講習の成果報告書によると、多くの予備講習が講義形式のマスプロ授業で行われたようでございます。そして、一こま当たりの平均受講者数は七十五・一という結果がデータとして載っておりましたが、このように大教室でマスプロ講義で本当に更新の中身、質を上げることができるのであろうかと私は心配するわけでございますけれども、そういった問題点には来年度どんな対処をされたのか、お伺いをします。

金森越哉文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(金森越哉君) 免許状更新講習の質の確保についてでございますが、免許状更新講習は、いわゆる座学だけではなく、演習や実験、実習や実技などの方法によることも可能となっております。来年度実施予定の講習などを見ますと、その内容に工夫を凝らしたものが多く見られるところでございます。  また、免許状更新講習の開設に際しましては、文部科学省令におきまして、大学などの開設者に対して、講習の実施前に、免許状更新講習の内容等に関する受講者の意向を把握し、当該意向を適切に反映するよう努めなければならないこと、また、講習の実施後、受講者による講習内容についての評価を行い、その結果を文部科学大臣に報告するとともに、その結果に基づき、講習の改善を図るために必要な措置を講じなければならないことを規定しているところでございます。  文部科学省におきましては、各開設者からの報告に基づき、受講者による各講習の評価結果を公表することにもいたしておりまして、こうした取組を通して講習の質を確保してまいりたいと考えているところでございます。

佐藤泰介民主党・新緑風会・国民新・日本

○佐藤泰介君 今の答弁、それなりに理解はできますけれども、予備講習のときも同じようなことが起きたんではないかというふうに私は思っております。  全国各地の幼稚園から高校までの教員が講習を受けるわけでございます。多分、子供たちに迷惑を掛けないようにということで夏休みに集中するんではないか、十万人とも言われている講習者が夏休みに集中するんではないかと。今局長が答弁されたことは、予備講習における、二十年の四月一日にも事務次官通知ということで各大学に今言われたようなことは既に予備講習のときにも通知がされていることだと思います。それを繰り返して今言われたような気がするわけですが、それでもマスプロ七十五・一人というような結果になったわけでございますので、文科省の事務次官通知だけ今年も出しますよということで大学側で工夫してほしいということにしても、大学の先生方も夏休みに集中して自らも研究をする時間が欲しいと思ってみえると私は思うんです。なかなか大学の先生もそういう講習に時間が取れないと。そこへもってきて、各種、マスプロ授業にならないような形で今言われたような事例研究や現地調査、模擬授業といったようなものを実施してくださいよという通知だけでは予備講習はうまくいかなかった。じゃ、来年度の本講習に当たっても、私は、今、金森局長が言われたようなことを大学に通知をしても大変難しいんではないかということを私は考えます。財政支援のことはまた後で申し上げますが、大変それは、大学にそれだけの余力があるんだろうかということを心配しますが、どうでしょうか。

金森越哉文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(金森越哉君) 私どもでは、今年の四月からの教員免許更新制が円滑に実施されますように、本年度、更新講習の実施に伴ういろいろな課題を研究、検証し、その成果を大学へ普及するために、百四大学で、国の支援事業を活用して百四大学で試行を行ったところでございます。国の支援事業を活用しなかったものも含めると百三十一の大学で試行が行われたところでございます。  こうした試行を行った大学では、実際に講習を開設いたしまして受講者の募集から修了の認定まで一連の手続等を行いまして、そこでいろいろな課題やまた受講者の方からの要望が出てまいりました。講習の広報体制でございますとか、講習の内容や方法など質の確保、また修了認定の在り方、様々な課題が出てきたわけでございます。各大学でそうした課題についてどういう解決のための取組を行ったかということも併せて試行の中で御報告をいただいたところでございまして、来年度から本格実施するに当たりましての課題や、またそれに対する解決のための取組、これが試行で明らかになったというふうに考えております。  そうしたことから、こうした試行の成果と今後取組が望まれるような事柄を各大学に情報提供することによりまして質の高い講習が十分に開設されるよう取り組んでまいりたいと考えているところでございます。

佐藤泰介民主党・新緑風会・国民新・日本

○佐藤泰介君 ちょっと時間がなくなってきましたのではしょって質問をさせていただきますが、やっぱりまずは大学側とその都道府県の教育委員会が十分すり合わせをして、そして支障が生ずるようなときには文科省がしっかりそこへアドバイスをするというか、その状況解決に当たる、私は、大学、都道府県教委、それから文科省とがきっちりとその連携が取れて、そういうことが行われた上で講習が深まりをみるものだと私は思っています。  結局、今の答弁を聞いても、大学にこう指導しております、現場の先生にこうします、ああしますと言うだけで、結局は大学と受講者に基本的に丸投げをしてみえる姿勢は、丸投げと言うとちょっと言い方は悪いですけれども、出てきたものをそれなりにこうしたらどうかというような通知を出される、それだけで本当に講習の質が上がるんだろうかということは私は今でも疑問として思っていますので、これはこれからずっと続いてまいりますので、来年の実施状況を見て更に更にこれを改善して、そういう質の高い、やる以上は質の高い講習内容になることを期待をしたいというふうに思いますので、大臣、その御決意をお願いします。

塩谷立自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(塩谷立君) 教員の免許更新制の実施に当たり、私どもも、昨年の試行を踏まえて改善をしてこの四月からの導入を図るわけでございますが、もとより質の高い内容にするべく、今後もいろんな課題に対して、また内容的な問題、あるいはいろんな大学等あるいは受講者の御意見等もまた継続的に聞きながら、しっかりとこれから内容のある質の高い免許更新講習を実施していくために努力をしていきたいと思っております。

佐藤泰介民主党・新緑風会・国民新・日本

○佐藤泰介君 じゃ、ちょっと財政支援について伺いますが、この講習を受けるに当たっては、この委員会でも様々議論がされてきて、一定の援助が必要であるということは確認をされてきたことだと思いますけれども、これを実施するに当たって文科省は四十七億の概算要求を出されましたが、結果的には十億になってしまった。なぜ、四十七億円の概算要求が十億という、五分の一ぐらいでやることになってしまった。  それが何か支障が、私は生むんではないかというふうに思っていますが、結局そこまで、十億になったということは、これは受講者自身の負担が出てくるんであろうと思います。それから、大学への支援に対する財政的な措置も少なくなったんではないかというふうに思いますが、四十七億円で実施しようと考えていたものが十億で実施すると。それじゃ、その間の三十七億はどのようにお埋めになるのか、埋めさせられるのか、そこのところをお聞かせください。

金森越哉文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(金森越哉君) 免許状更新講習に伴う費用の御指摘でございますけれども、二十一年度の概算要求におきましては、各大学の免許状更新講習の開設を促進するために、開設に要する大部分の経費を国が支援するものとして四十七億円を要求したところでございます。ただ、政府部内での議論の結果、教員免許は個人の資格であって、その更新に際しての受講料等の経費は個人が負担することが原則と考えられますことから、免許状更新講習を開設する経費は基本的には各大学等が受講料によって対応するものとしたところでございます。  ただ、その際に、例えば離島やへき地に勤務する教員でございますとか、その講習の受講者数が少数となる例えば高等学校の専門教科を担当する教員、また障害を有する教員が全国各地域で教員免許状更新講習を円滑に受講でき、かつ著しく高い負担とならないように、出張講習や専門教科担当教員等のための講習の開設などに係る経費について、予算案では十億円となっておりますけれども、支援をすることとしたものでございます。  こうした支援は、直接的には、各大学が山間地や離島、へき地などで出張講習を開設する場合でございますとか、障害のある教員への配慮の取組など特段の支援が必要な事項についての講習の開設費用を補助するものでございますが、これによって大学の出張経費などの講習開設経費の増を抑制し、結果として全体的な受講者の受講料負担の軽減が図られるものと考えているところでございます。

佐藤泰介民主党・新緑風会・国民新・日本

○佐藤泰介君 それじゃ、たしかこの委員会でも、一こま千円ですかね、それの三十こまで三万円の負担だという話もあったと思いますが、この三万円という負担の根拠は、どのようにしてこの三万円が、この委員会でも話されましたけれども、文科省としてはその個人負担も概算要求で要求したけれども、個人が受けるんだからということで突き返されたと、したがって十万になったと、そして不便なところはそれなりに措置はしますよと、それは十億円でしますよと。  そうすると、言われましたのは、一こま千円の三万円が、この委員会で話し合われたときの額がそのままになっているような気がするんですけれども、その三万円の根拠というのは一体どこから出てきたんでしょうか。

金森越哉文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(金森越哉君) 私どもがこれまでに認定をいたしました免許状更新講習の受講料を見ますと、大学が設定した単価といたしましては、おおむね御指摘ございましたように一時間で千円程度のものが大部分となっております。教員免許更新講習、三十時間でございますから、一時間千円掛ける三十時間で三万円ということになっているものと考えられるところでございます。

佐藤泰介民主党・新緑風会・国民新・日本

○佐藤泰介君 千円というのはそんなに根拠はないと。それぐらい掛かるかなということですね、その千円というのは。そこに三十時間ですから掛けて三万円ですから。千円というのはどういう根拠でそれを打ち出されたんですか。

金森越哉文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(金森越哉君) これまで各大学ではいわゆる上級の免許状を取るときに講習を行っておりますが、そのときの経費が一時間当たり千円ということで、各大学では一時間千円を単価として考えているようでございます。

佐藤泰介民主党・新緑風会・国民新・日本

○佐藤泰介君 じゃ、これからもその三万円は個人負担していただくということで変わりがないということでございますね。

金森越哉文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(金森越哉君) 大学が設定した単価はおおむねただいま申し上げましたとおりでございますが、実際の講習の受講料は各大学によって多少差もございます。多いところ少ないところございますので、必ず全員が三万円ということではございません。  私どもといたしましては、先ほど申しましたように、大学での出張講習やあるいは多様な教科に対応した講習の開設、こういったものを支援するための経費として十億円を計上したところでございますので、各地域の教員が近隣で講習を受講できる環境がそれによって整えられることによって、結果としては全体的な受講者の負担軽減にもつながっているものと考えているところでございます。  いずれにいたしましても、受講者の負担の軽減ということにつきましては、国会の附帯決議でも「国による支援策を検討する」ということにされているところでございますので、文部科学省自ら予算措置などによってこうしたことにいたしましたし、また大学等でも様々な考えで授業料の設定を行っていくということになってくるものと考えております。

佐藤泰介民主党・新緑風会・国民新・日本

○佐藤泰介君 そうしますと、大学によってそれぞれ違うということで、文科省としては平均的なのは三万円だということですが、これまで大学が、三月十七ぐらいには認定の結果が、今年度分が終わると思うんですけれども、研修する大学の、それで四月からスタートしていくというふうに思うんですけれども、三万円以上、あるいは平均、あるいは文科省は上限はこの辺ですよ、ここまでですよという、そんなことは開設される大学にそういう要望を言ってみえるのかどうか。そうすると、受ける大学によって三万という数字が変わってくるわけでございますので、そこのところはどうですか。どのような指導を各大学にされているんですか。

金森越哉文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(金森越哉君) 私どもといたしましては一律に三万円というような指導をいたしているところではございませんが、これまで認定した免許状更新講習の受講料を見てみますと、おおむね一時間で千円、十二時間の講習ですと一万二千円でございますとか、六時間の講習ですと六千円というふうになっている例があるということでございます。

佐藤泰介民主党・新緑風会・国民新・日本

○佐藤泰介君 そうすると、ほぼ、大体三万と考えればいいということですね。  しかし、大学側への助成は本当に十分に支援がされているのかどうかということもまた心配の一つです。とりわけ、離島が多い、島が多いところは、土日に受けようとすると相当交通費も掛かるし宿泊も必要になろうと思いますが、一例を挙げると、例えば金曜日授業を終えて講習会場へ行く、そこまでで船の中で一泊をする。  これは鹿児島の例で、私が聞いたんですけれども、西岡先生のところも大変離島が多いんで、その離島で受ける場合、鹿児島で受けたいとなると、船の中で一泊して、朝大学へ行って土曜日六時間受けて、そして、土曜日に泊まって六時間受けて、それで船の中で一泊して帰ってきて、そして授業が始まるということになると、これは体力的にも大変な負担になるし、その人自身にとっても交通費、宿泊費、大変な費用になりますが、離島や山間地はきちっと更新講習をやると言っておみえですけれども、大学側はこの程度の支援ではそんなに出張はできないよというような声も聞いているわけです。  そうしますと、個人によって相当、交通費、宿泊費を使って研修する者、非常に自分が希望する講習を受ける大学が近くにある者、それは個人のことだからしようがないと言ってしまえばそれまでですが、非常にこの講習を受けるに当たって個人個人の負担が相当格差が生ずるわけでございますが、その格差はもう面倒見ないよと、しようがない、個人で負担してくださいよと、そういうことでございましょうか。

金森越哉文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(金森越哉君) 離島などの教員につきましては、講習受講のための時間でございますとか交通費の負担、こういったものが大きいのではないかという御指摘でございます。  私どもといたしましては、各大学に対して、離島、へき地などでの出張講習やまた多様な教科に対応した講習の開設を要請しているところでございまして、二十一年度予算案では先ほど申しましたような出張講習を開設した場合などを支援するための経費を計上しているところでございます。  例えば、現に鹿児島地域では、通信教育などの講習の受講での対応以外に、例えば種子島や奄美大島で鹿児島大学による出張講習が開設される予定になっておりますし、また、受講のための移動時間や経費負担が大きいトカラ列島などの離島の教員につきましては、修了確認期限の延期事由として認めるというようなことも考えているところでございます。  こうした離島などの地域の教員につきましても、その円滑な講習受講に努めてまいりたいと考えているところでございます。

佐藤泰介民主党・新緑風会・国民新・日本

○佐藤泰介君 そろそろ時間が参りました、というよりも超えてしまいましたが。  今、奄美大島と屋久島、種子島等々の話がございましたが、地元の教員に聞きますと、今回の手当だけでは奄美大島ぐらいしか出張ができないということも言われているわけです。現在のそういう離島の手当ではできない、先回やったように種子島や奄美大島と両方ではできない、どっちかに絞らざるを得ぬというようなことも大学が言ってみえるわけだそうです。これは聞いた話ですから、事実がそうかどうか分かりません。去年は確かに両方やられたということですが、今の支援だけではできないというようなことを地元では言ってみえるわけで、やはり私は十分な支援を大学にすべきだというふうに思っています。  このことは、平成十九年五月三十一日の池坊副大臣がこのように答えてみえるんですね。その人件費を含んだ私は財政支援、経費負担ということをきっちりと大学にしていかなければならないのではないかというふうに考えております、教員免許というのは個人の資格ですが、これから免許更新講習の開設に関して費用は教員個人の負担にしたらどうかという声もございますけれども、これは私は教育上の観点から、法律で決められた教員の更新講習をするのですから、一定の配慮が必要だというふうに考えております、一定の配慮とは、これからしっかり国会で議論して──ちょっと飛ばして言っております、しっかり国会で議論をしてそれを決めていくべきではないかということでございます。  ということは、こういう議論をしても最終的には提起されている方向で決められていくということに私はなるんだろうと思います。とすると、このときの池坊副大臣の答弁は一体何だったのかと。個人負担であっても一定の配慮をすると。それは私は交通費や宿泊費のことでも一定の配慮だろうというふうに思います。受講する側に差が出るわけですから、そういう配慮が必要だということを池坊副大臣が答えてみえるんですけれども、大臣、副大臣が替わるとその前の答弁が変わってしまうことになるわけです。大臣、どうですか。

塩谷立自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(塩谷立君) もとより、大臣、副大臣が替わって変わるということは、その内容が変わるということは、我々としてはあってはならないことだと思っておりますが、昨年の副大臣の発言から、いろいろ試行をして、その結果、今現在導入までに至るわけでございまして、私どもも実際の具体的な配慮の範囲をできるだけ今拡大しながら対応しているところでございますので、予算等の状況もあり、また大学での工夫もいろいろ凝らしていただいて、一応各大学の要望あるいは先生方の、受講者の要望も取り入れた格好で今最大限の努力をしていると思っておりますので、今後もまた重ねてまいりたいと思います。

佐藤泰介民主党・新緑風会・国民新・日本

○佐藤泰介君 是非、答弁のそごがないように、今後の課題として申し上げておきますので、よろしくお願いをしたいというふうに思います。  奇妙に数字が合うわけです。三万円が十万人受けると三十億ですね。それで十億予算が付くと四十億を超えるわけです。最初文科省が出した四十億の概算要求に合うわけです、ちょうど、三万円ぐらい負担していただくと。妙にその数字が合うのが不思議に思っているということを申し上げて、質問を終わります。

西岡武夫民主党・新緑風会・国民新・日本

○西岡武夫君 塩谷大臣、文部科学大臣御就任を心からお喜びを申し上げます。おめでとうございます。  大臣にお尋ねをいたしますが、今教育を論じますときには、家庭教育、生涯教育全体、学校教育と非常に多岐にわたるわけでございますけれども、ここで学校教育に限って申し上げますと、学校教育において最も大切であるということを大臣はどのようにお考えですか。何が大切か。

塩谷立自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(塩谷立君) 大変重たい質問でございますが、学校教育で大切なことは様々あると思っておりますが、やはりその年齢に応じた知識等をまずは習得することだと思っております。これは学校の小学校なり中学校なりの段階、そしてそういった知識の習得と同時に人格形成を行うことで、それを修了して、社会人として我が国の社会の形成者としての立派な人間に育っていただくということが一番の大きな目標だと思います。

西岡武夫民主党・新緑風会・国民新・日本

○西岡武夫君 大臣がおっしゃっていることはもちろん正しいわけでございますけれども、そのためにも私は教育の現場にいかに優れた人材を招致することができるか、これが教育行政としては最も大切なことであると思いますけれども、大臣の御感想はいかがでしょうか。

塩谷立自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(塩谷立君) 私も今、西岡委員のおっしゃったこと、賛成でございまして、教育は人なりということも言われますので、やはりすばらしい人材を確保することが大事だと考えております。

西岡武夫民主党・新緑風会・国民新・日本

○西岡武夫君 それではお尋ねをいたしますが、私が文部省のこれは政務次官の時代でございますけれども、いろいろな出来事が当時、大学紛争を始めとしてございました。その中で特に初等中等教育の問題が大きな問題となりました。いろんな観点で問題になったんですけれども、その中でも非常に当時注目を浴びましたのが学校の先生方の超過勤務の問題をどうするかということでございました。  そのとき私はたまたま政務次官に就任をしておりまして、超過勤務の問題を解決するために、調整額四%ということで、当時のたしか書記次長だったか、役職はちょっと正確ではありませんけれども、日教組の槙枝氏と私とが正式に会談をいたしましてこの調整手当というものが合意されまして、現在、調整額手当というものができているわけでございます。  同時に、そのときに私はいろいろ考えまして、学校の先生に優れた人材を得るというためにはもっと思い切った施策を考えるべきではないだろうか。実は、敗戦前までの日本の教育政策の中で、学校の先生は当時国民の義務であった兵役、徴兵制度ですね、これを学校の先生は免除されるということになっていたのは御承知のとおりでございます。  ところが、これに匹敵するだけの学校の先生に対する優遇措置と申しましょうか、そういう政策はないのかなということを当時いろいろと考えたわけでございますけれども、なかなか徴兵制度を免除するということに匹敵するだけの施策というものは見当たりませんでした。ある方の御意見には、所得税を免除するというのはどうかという議論まで出たわけでございます。  しかし、最終的には私は、学校の先生の処遇を思い切って改善すべきであろうということで、この人確法、いわゆる人確法と言われる法律を発案をいたしまして、当時のこれは田中内閣の下でございましたけれども、後藤田官房副長官をされておられたときでございますが、いろいろと御相談をしながらこの法案を成立させたわけでございます。  ところが、今、自民党、公明党の連立政権が行っておりますことは、これをどんどんどんどんなくしていくと、調整額まで手を付けようとしているという状況下にありまして、むしろ教育の問題を重視されるということであるならば、いわゆる小泉改革と言われる下で行われている教育についての施策を根本から改めるということをなさらなければいけないのではないかと私は思うんです。  非常に大臣には難しい質問かもしれませんけれども、ここで、小泉内閣から文教政策についてのいわゆる小泉改革と言われておりますものは切り離すということをおっしゃっていただきたい。いかがですか。

塩谷立自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(塩谷立君) 大先輩の西岡委員におかれましては、今お話ございましたように、教職調整額制度、このときは文部政務次官でして、人確法のときは自民党の文教部会長ということで、もう大変な御尽力を賜りまして、改めて感謝を申し上げる次第でございます。これからもまたいろいろと御指導いただきたいと思いますが。  いずれにしましても、私どもも何とか今の状況の中で努力をしているつもりでございますが、やはりいろんな面で今後の教育政策を考えたときに、小泉改革がどうのこうのということもありますが、今現在では行政改革推進法で定数等が抑えられている。したがって、その点については、例えば根本的にベースが四十人学級ということがあって、それが実際は大体三十名前後でありますが、欧米と比較すると、欧米が二十数名、二、三人ですかね、そういったベースのところをやはりもう一度検討して、そういうことをやって、基本的に今のいわゆる財政なり、定数の問題なり、やはりこれから目指すところをもう少ししっかりと明確に打ち出す中で議論をしていかなければならないと思っておりまして、これにつきましては、当然教育は別だという気持ちで将来に向かって具体的な話を進めてまいりたいと思っておりますが、特に財政の問題につきましては、やり方というか進め方を間違うとあらゆる方面からいろんな意見が出てきますので、それは御案内のとおりでございますので、世論にも呼びかけなければならないと思いますし、我が省が一人でこうだと言ってもなかなか抵抗が強いところも現実でございますから、ここら辺の進め方はまたいろいろ考えながら、進むべき道は西岡委員のおっしゃるような気持ちでやりたいと思っておりますので、是非よろしくお願いを申し上げます。

西岡武夫民主党・新緑風会・国民新・日本

○西岡武夫君 オバマ大統領がかつてない経済危機という状況の下で打ち出されました幾つかの施策の中で、連邦政府という立場なんですけれども、教育というのを二番目に挙げておられたんですね、教育にお金を使うと。そういうことを考えますと、今まさに日本もアメリカ発のこの経済危機の中に巻き込まれているわけでございますが、そういう中においてもう一度ここで教育問題について力を入れて注いでいくんだというふうに持っていくべきであると私は思っているんです。  かつて、どなたとは申し上げませんけれども、ある文部科学大臣でしたか、文部大臣でしたか、その肩書きは省名が変わりましたので定かではございませんけれども、ある大臣に私は、この教育の予算を削っていくということについて、行政改革の名の下で教育まで巻き込むということについては、文部科学大臣としては辞表を懐に入れてでも総理大臣と折衝すべきではないかと、こう申し上げたことがございました。もちろん辞表を懐に入れてなさった方は今までどうも一人もおられないようでございまして、十把一からげで改革の名の下に定員であるとか予算であるとかというものが削られてきたわけであります。  一方で、最近、政権与党である自民党が日教組の批判というものに非常に力を入れておられるようであります。立て続けにいろいろな批判が行われておりまして、とうとう、先月でございましたか、二十二日の日に、麻生総理が日教組と戦うとまでおっしゃったということが新聞記事に載っておりました。  そこで、大臣にお尋ねをいたしますが、こういう自民党の考え方についてどうお考えなのか。そしてまた、戦うと言われる前に、大臣は御就任になってから日教組の委員長とお会いになったことございますか。その二点を。

塩谷立自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(塩谷立君) 今、与党の最近の日教組に対するいろんな御発言等があって、総理も発言したということでございますが、私どもとしては、日教組がかつて、例えば学習指導要領とか、国旗とか国歌、初任者研修、あるいは職員会議の位置付け等々、教育行政に対して一貫して反対してきた時期があったわけでございまして、そういう点について一応平成七年にそこら辺は改めたということで、もちろんそういうことも我々承知しているわけでございますが、基本的に、例えば昨年の法令違反であるストライキとか、あるいは我々の文部科学行政に反したようなことがあれば、それはしっかりと是正すべく努力をしていかなければならない、そういう気持ちはもちろん持っているわけでございまして。  ただ、私は、教員の皆さん方というのは日教組だけではありませんし、そして今の委員長にはまだお会いしたことはありません。以前にはお会いした、昨年別の機会でお会いして話をしたときはあるんですが、基本的に教育というものに対してどういう考えをしているかということ、私はやはり、教員としてこうあるべきだとかあるいは子供たちの教育はこうだということがそういった団体からなかなか見えてこない、どちらかというと処遇の面の方が強いのかなという気がしておりまして、もう少し教員全体で教員というのはどうあるべきだと自ら示すようなことが必要であり、私どももやはり、教職員というのは、当然資質の向上、免許更新制もそうだし、そういうことで、これからの養成あるいは研修についてもやはりそのところが一番大事であろうから、そういう点では教員の皆さん方と協力して子供たちのために努力をしていかなきゃならぬと思っております。  したがって、今後、いわゆる教員の皆さん方とそういったことを忌憚なく話していけるような場もつくらなければいけないんではないかなという気がしますし、養成研修等の見直しも、先ほどの更新制の話も含めて改善もしていく点もあると考えております。

西岡武夫民主党・新緑風会・国民新・日本

○西岡武夫君 実は、自民党さんが日教組と今ごろ戦うとおっしゃったのが私は非常に奇異に感じているんです。  と申しますのは、少なくとも今日ここにお見えの委員の皆さん方の中では、かつての日教組、これは一九七〇年前後でございますけれども、相当昔になりますので、そのころは確かに私自身日教組と戦ったこともございます。戦って、一方で話合いもいたしました。  そういう中から調整額とか人確法、人確法の場合には、ほかの公務員の皆様方との対比の中で、とにかくあの人確法を作るというのは大変なことでございまして、当時ですね、他の公務員よりも良くするという法律、たった四条の法律でございますけれども、その法律はそういう状況の中で作ったわけでございますが、それでも当時の日教組は反対する、人確法に反対だと言われたくらいでございまして、ところが、今、日教組の皆さん方とお話をいたしますと、決してかつての、三十年、四十年前の日教組とは大きな変化をしておられると私は思うんです。また一方で、教育に課せられている役割というものが非常に多岐にわたっていると、これはもう大臣も御承知のことと思います。  そういう中で、自民党さんが日教組を批判するのは結構ですけれども、御自由ですが、やるべき政策、またやっている政策をどんどん悪い方向に削っていって、そして批判するというのは、一体これはどうお考えですか。調整額を仮にですよ、先ほど佐藤委員の質問の中にありましたように、これに手を付けていけば調整額はゼロになる。そのときに学校の先生の超過勤務の問題というのが絶対出てくるわけです。こういうことまで全部お考えになった上でこの問題にお取り組みになっておられるのかどうか、これをお尋ねをしたい。

塩谷立自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(塩谷立君) 私ども、決してそういった給与等の待遇を悪くしようというつもりで考えているわけではなくて、先ほどお話いろいろありましたが、やはりこれからめり張りのある給与体系ということで、一方でやはり頑張っていただいている先生方にはしっかりとその手当てを考えようということでございまして、先生が人確法導入に対して大変な御努力をいただいて、これは大変なやはり効果があって、教員の先生方にもプラスになったわけでございますが、今後、一律にそういうことでいいのかという議論もありますし、ただ、教員の先生方にどういう待遇をしたらいいかというのはもう一度根本的に考えなければいけないと感じております。  それと、定数等の問題も、私は、先ほど申し上げましたように、いわゆる基本的に習熟度とか少人数とかということが必要で、そのベースを基本的に変えないと、今の議論をずっと続けていてもなかなか定数改善はなされないだろうと思っておりますので、そういったこととか給与の在り方とか、これが果たして先生方の教員の給与として、人確法の理念は当然私ども尊重してこれからも継続すべきだと思っておりますが、具体的な内容として、一方でめり張りあるというのをどういうふうに実現していくか、そういうことも検討していく時期だと思っておりますので、大変厳しい財政あるいは行政改革の流れの中でしっかりとまたそういう具体的な内容を検討していく、それに基づいてしっかり予算を付けるということになりますので、そこら辺にこれから努力をしていきたいと思います。

西岡武夫民主党・新緑風会・国民新・日本

○西岡武夫君 歴代の自民党政権下における文部大臣あるいは文部科学大臣が取り組んでこられたことでございまして、今、塩谷大臣お一人にいろいろ申し上げるのは私も心苦しいんでございますけれども、しかし、少なくとも、教育の問題はあらゆる問題に増して中でも大切だと思うんです。  私は他の国のことをどうこうということで引き合いに出すのは余り好きではないんですけれども、しかしこれだけの経済危機を迎えたアメリカが連邦政府として教育に力を入れると。これは単なる経済政策ということではないと思うんですね、教育に力を入れるという意味は。しかし、教育に大きな予算を割こうとしていることは事実だろうと思います。もちろんこれは具体化されなければ私も何とも言えないわけでございますけれども。  そういう中にあって、実は人確法を作るときに、全世界の学校の先生方の処遇、待遇は一体どうなっているのか、私、調べてみたんです。ところが、結局、最終的に人確法を作った後で感じたんですけれども、全世界の学校の先生方の待遇のいろんな制度というものが、我が国の人確法を制定した後の実態と比べてみると、はるかに我が国の方が手厚いといいましょうか、給与の面で申しますと優れた制度になっていたと、結果として。ですから、世界の何か国かでございましたけれども、私が知る限りでは、日本の教育制度について学びたい、特に人確法について学びたいといって来られた外国の方々もおられたというくらいでございます。  ところが、それをどんどんなくしていくという政策をこれ以上お取りになるというのは、これは是非大臣のときにおやめになっていただきたい、塩谷大臣の手によって。それをやらないと、もう。むしろ元に戻すと。まあ非常に同僚の佐藤委員は人格円満でございますから余り厳しくは言われないんですけれども、私自身は、これは小泉改革の下で大変な私は悪政をやったなと、せっかくの制度をぐちゃぐちゃにしてしまったなと私は思っているんです。  そして、私は今感じておりますのは、かつて私が先ほど申し上げたように日教組とも戦った時期もありました。しかし、話合いもしたんです。大臣はいまだにお会いになっておられないと。まあ短期間ですからそうかもしれませんけれども。しかし、学校の先生に頑張っていただかなければ、少なくとも学校教育に関する限りは、これはその役割を果たすことはできないと思うんです。そういう意味でここで断ち切ってもらいたいと、小泉改革を。  もう一度お尋ねしますけれども、そのお考えはございませんか。

塩谷立自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(塩谷立君) 私も西岡委員のおっしゃること、十分理解して賛成でございまして、人確法の理念をしっかりとこれからも堅持することが大事だと思っておりますが、一方で、小泉改革というのはやはり時代の変化の中で変えていかなければならない点もあって、いろいろと手を付けたわけでございます。  それはそれとして、私どもも、今の例えば教員の在り方、人確法を制定して実行していただいている中でいろいろ教員の問題も実は出てきているのも事実でございまして、そういったことで、私は一つのある程度その人確法という考え方は堅持する中でどうあるべきかというのを検討する時期だろうと思っておりまして、先ほど来、研修とか養成の問題も含めてもう一度検討していく、そしてやはり立派な先生方に子供の将来を託すということが一番の大事なところでありますから、教員の在り方というものをどうあるべきかということをここは検討して、そして国民の理解の下に、時代も大きく変わっている中でやっぱり明確にしていくことがまずは第一だと思っておりますので、その点で今後またいろんな議論をして、やっぱり先生の在り方、教員とはどうあるべきか、そして待遇をどうするかというのをもう一度検討していく時期だととらえておりますので、当然、人確法の考え方を堅持する中でそういうふうな検討をしてまいりたいと考えております。

西岡武夫民主党・新緑風会・国民新・日本

○西岡武夫君 それでは大臣は、少なくとも塩谷大臣は日教組はけしからぬということで教育の問題をお考えになっておられないというふうに解釈してよろしゅうございますか。

塩谷立自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(塩谷立君) 当然ながら、違法ストライキとかそういったことに対してはしっかりと毅然と対応していくことが私どもの務めと思っておりますし、ただ、先ほど申し上げましたように、今後、トータルからいきますと、今、日教組の組織率は三〇%を切っていると聞いておりますが、教員を代表する方々というのはだれなんだろうと。日教組だけじゃないと思いますし、そういった一つの連携を取るところを今、もう一度考えなきゃいかぬのではないかなと私は思っておりまして、実はいろいろと委員をお願いしたりなんかするときに、教員の代表、もちろん日教組も代表かもしれませんけれども、それだけじゃない、パーセントからいいますと。だから、それはどう組織するのがいいのかというのはちょっと私は具体的な考え方は今ないんですが。  ですから、もう全体の教員の代表をどう位置付けるかということを考えて、またその人たちと話し合うことは十分必要だし、日教組の委員長とは今のところ大臣としては会ってはおりませんが、過去に昨年か一昨年会ったときは、やはり教員のあるべき姿というのを、例えば日教組はどう考えているんだというところは私にとっては見えてこなかったものですから、そういうことを話し合う、お互いに子供たちの将来のために、そういう教員と文部科学行政と一体的に話し合えたら、今後いい形をつくっていけるのではないかなと思っておりますので、そういう点も含めて、今、現状と将来に向かって新たな関係をつくっていくことが必要だと考えております。

西岡武夫民主党・新緑風会・国民新・日本

○西岡武夫君 この問題はもう少しお話をしたいんですけれども、どうしてもお聞きをしておきたいことが一点ございますので、省略をいたします。  最近、教育問題に関して府県の知事が、御承知のとおり、大阪の知事、秋田の知事が具体的な提案をなさったり、あるいは批判のようなことをおっしゃったりしておられます。  私ども民主党としては、教育委員会制度というものについて、お手元にお配りをしておりますけれども、教育基本法においてこれを廃止するということをこの中では書いているわけでございますけれども、いろいろな日常の教育問題をめぐって、少なくとも学校教育の分野において府の知事や県の知事が、教育委員長が何にもおっしゃらないで知事が発言をなさるということについて、どう受け止めておられますか。

塩谷立自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(塩谷立君) 最近、特に学力調査等の関係で大阪府知事、あるいはいろんな県とか市町村の御意見があるわけですが、首長として当然そういう御意見は、言うことは私はこれはいいと思っておりますが、教育委員長等の関係では、いかに教育委員長、あるいは教育委員が機能しているかということをもう一度見直す必要があるなと私個人は思っておるわけでして、それと首長との関係とかそういうところを、実際に現場でどうなっているかを見ていかなければならないと感じております。  地方教育行政法で改めて教育委員会の役割も明確にしたわけでございますが、果たしてそれが機能しているかどうかということ、これはいろんな課題を解決するために教育委員長、教育委員、あるいは教育長の役割、そして、これは基本的に教育委員会はその教育的中立を取るために必要だと思っておりますが、現場で本当にそうできているかと、機能しているかというところがやっぱり一番大事だと思っておりますので、そこら辺は今後、もう一度私ども現場の状況を把握しながら検討していかなければならないと思っております。  首長があのような教育的な御意見を言うことは、それは多分、県なりあるいは市町村なりで教育委員会とのよく話をしていただきたいと思っておりますし、連携するところは連携していただき、いろんな意見を闘わせるところは教育委員会と首長としっかりと議論をして、まずはお願いしたいと思っております。

西岡武夫民主党・新緑風会・国民新・日本

○西岡武夫君 今お手元に先般制定されました新しい教育基本法と私ども民主党の日本教育基本法と二つの資料をお配りをさせていただきました。これは是非与党の皆様方に読んでいただきたいのでございますけれども、日教組の批判と同時に、民主党が政権を取ったときの教育が心配だというかのごとき発言も多くの自民党の皆さんからなされておりますけれども、これを御覧いただければ、これは法案として出したわけですから、民主党の教育についての基本的な考え方がすべて凝縮されていると私は思いますので、是非御覧をいただいた上で御批判をいただければ有り難いと思います。  以上です。

中川雅治自由民主党

○委員長(中川雅治君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午後零時一分休憩      ─────・─────    午後一時開会

中川雅治自由民主党

○委員長(中川雅治君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題とし、文教科学行政の基本施策に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

関口昌一自由民主党

○関口昌一君 自由民主党の関口昌一でございます。もう限られた時間での質問ということでございます。  まず最初に、これからの教育行政についてお聞きしたいと思っております。  資源の少ない我が国は、有能な人材を大きく育てようということで、いろいろな形で教育の問題に取り組んでまいりました。歴史を振り返れば、我が国は近代国家となるために、国の重要政策の一つとして、特に先ほど申し上げましたとおり教育に力を注いできたと思っております。どの時代においても厳しい財政状況の中においていろいろ取り組んできたわけでございますが、今日の日本の繁栄があるのも、私たちの先輩方が教育に対して強い情熱と期待を込めて取り組んできた形であるかと思う次第であります。  しかしながら、最近、OECDの学習到達度調査の成績不振や、また二〇〇七年における国民一人当たりのGDPの十九位転落、さらには百年に一度と言われる現在の大変厳しい経済状況の悪化など、我が国の将来を危惧するような状況が続いております。このような状況だからこそ、ここでいま一度、更に一層教育の重要性を確認する必要があると思っております。  そこで、教育行政全般の担当は松野副大臣ということでございますので、松野副大臣に対しまして、我が国における教育の重要性と教育がこれまで果たしてきた役割等を含めまして御所見を伺います。

松野博一自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(松野博一君) 我が国における教育の重要性と果たしてきた役割ということでございますけれども、もう既に関口先生にお示しをいただきましたお考えと同様の考え方を私も持っております。  国づくりの基本といいますのはもう人づくりにあり、教育を通しての人づくりこそが国民一人一人の可能性を引き出し、それが国の発展の礎となっていくものだというふうに承知をしております。我が国の教育は、明治期以来、大変高い国民の教育に対する熱意と関係者の努力に支えられながら、国民の知的水準を高めて社会の発展の基盤として大きな役割を果たしてきたと考えております。

関口昌一自由民主党

○関口昌一君 今、松野副大臣の教育行政に対する思いというのか、十分受け止めさせていただきました。  教育が重要だということは、やはりその裏にはしっかりとした予算の裏付けが当たり前でありますが必要であると考えております。  そこで、平成二十一年度文部科学省の一般会計予算を見ますと、対前年度比〇・一%増の五兆二千八百億ということであります。しかし、過去十年間の国の一般歳出に占める文部科学省当初予算の比率で見ますと、年々低下しているという現状がございます。平成十一年度が一三・八%、十六年度が一二・七%、現在審議されております二十一年度予算では更に低下して一〇・二%となっております。  この状況は様々な要因があるかと思います。例えば国立大学の法人化や義務教育費国庫負担金の負担率削減など、単純に比較できないこともあるかと思いますが、確実に一般歳出に占める文部科学省予算の割合が低下傾向にあるというのは現実であるかと思います。  松野副大臣は、この一般歳出に占める文部科学省予算の比率の推移を聞いてどのような御所見をお持ちか、またどのように取り組んでいくか、決意を聞かせていただければと思います。

松野博一自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(松野博一君) 国の一般歳出は過去ほぼ同程度の水準となっておりますが、その中で社会保障関係費が大幅に増額をされておりまして、他の主要経費の多くは減額となっております。結果として、数字だけを見れば一般歳出に占める文部科学省の予算の割合が減少していることは委員御指摘のとおりであります。  平成二十一年度の文部科学省予算案において、対前年度七十八億円増となっておりますが、その内容は、教職員定数については千人の定数措置、新学習指導要領実施における授業時数の増に対応するため非常勤講師を倍増しております。公立学校施設の耐震化や奨学金事業の充実、基礎科学力強化のための科学研究費補助金の拡充や宇宙開発予算の増額、そして文化芸術、スポーツ予算の拡充などの予算を確保しているところであります。  現下の厳しい経済情勢のときこそ、資源の乏しい我が国が明るく、そして強い未来を切り開いていくために教育、科学技術・学術、スポーツ、文化芸術の振興が重要と考えており、必要な文部科学省の予算を確保してまいりたいと考えております。

関口昌一自由民主党

○関口昌一君 今御答弁にありましたとおり、一般会計予算からの歳出の比率で見ますと、例えば社会保障費の自然増を含めて、比較できない部分もあるかと思いますが、教育は大変重要だという認識の中で毎年低下してきている現状というのも事実でありますので、是非、更に一層の予算獲得のために御尽力をいただきたいと思う次第であります。  次に、文部科学省関係の景気対策の予算の一つとして、その主なものは公立小中学校施設の耐震化事業があると思います。この予算は、内閣府計上分も含めますと、平成二十年度第一次補正予算で一千百三十九億円、第二次補正予算で五百一億円付きました。その結果、一千百五十億円を計上しております本年度予算が成立すると、Is値〇・三未満の公立小中学校施設は残り千五百棟ということになります。文部科学省は、当初、平成二十四年度予算で完了する予定だった耐震化事業計画を一年前倒しして二十三年度予算で完成することとしております。  学校施設は、もう私が申し上げるまでもなく、児童生徒が一日の大半を過ごす活動の場であるとともに、非常災害時には地域住民の緊急避難場所として役割を果たすなど、大きな役割を占めておりまして、一年でも早くこれを完了していただきたいと思っておる次第でございますが、これまでの耐震化の取組と今後の耐震化推進についてお伺いいたします。

布村幸彦文部科学大臣官房文教施設企画部長

○政府参考人(布村幸彦君) お答えいたします。  先生御指摘の学校の耐震化につきましては、現在、地震による倒壊の危険度の高いIs値〇・三未満の施設の耐震化につきまして最優先に取り組んでいるところでございます。このため、公立学校施設の耐震化につきましては、先生に読み上げていただきましたけれども、平成二十年度第一次補正予算、そして第二次補正予算、また現在御審議いただいております二十一年度予算案に、必要な額として合わせまして約二千八百億円の当初予算の倍以上の規模の関連予算を計上させていただいているところでございます。これによりまして、十九年度補正予算から含めますと、二十一年度予算案まででIs値〇・三未満の公立小中学校施設約一万棟のうち約九千百棟分が予算上計上いただいたところになります。  なお、私立の小中高校につきましても、学校法人の需要の見通しに応じまして、平成二十年度一次補正予算、二次補正予算、そして二十一年度予算案を合わせまして、耐震改修が見込まれる所要額として四十五億円の計上をさせていただいております。  昨年の十月には、この予算を確保しつつ、特にIs値〇・三未満の公立小中学校施設につきまして、平成二十年度から二十四年度までの五年間の耐震化をするという政府方針を一年前倒しをし、二十三年度までの完了を目指すという方向で塩谷文部科学大臣名で全国の市町村に加速化のお願いをさせていただいたところでございます。このような形で取り組んでおります。  そして、地震による倒壊の危険性の高いIs値〇・三未満の公立小中学校施設の耐震化につきましては、先生お話がありましたように、残り千五百棟の予算措置を残し、耐震化の一つの区切りに近づいているところでございます。  そして、Is値〇・三以上の耐震化も今後取り組むべき課題でございますので、引き続き市町村に対しまして耐震化の前倒しを要請していきたいと考えているところでございます。このためにも、今後、市町村の前倒しの計画を踏まえまして、できる限り速やかに耐震化が進められますよう、あらゆる機会を通じて予算の確保に努めてまいりたいと考えております。

関口昌一自由民主党

○関口昌一君 耐震化ということは大変重要であるかと思います。今、市町村と連携を保ちながらということでありますが、十分市町村の要望にもこたえていただくように取り組んでいただきたいと思う次第であります。  現在審議されております二十一年度予算は教育振興基本計画に基づいた初めての予算になるかと思っております。この計画は、今後おおむね十年先を見通した教育の目指すべき姿と、また平成二十年から二十四年度までの五年間に総合的かつ計画的に取り組むべき施策について示したものであるかと思います。  文部科学省は、今回の予算折衝において教育振興基本計画の実現ということを念頭に置いてどのようなスタンスで取り組まれたかお伺いいたします。

金森越哉文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(金森越哉君) 教育振興基本計画に基づいた二十一年度予算編成についてでございますけれども、教職員定数の改善を例にとって御説明申し上げたいと存じます。  平成二十年七月に閣議決定されました教育振興基本計画では、教職員定数等につきまして、教員が子供一人一人に向き合う環境づくりの観点から、教職員配置の適正化を行うとともに、退職教員、経験豊かな社会人等の外部人材の積極的な活用を図ることとされております。このため、平成二十一年度概算要求におきまして、行政改革推進法の範囲内で、必要な教職員定数の改善や、退職教員や経験豊かな社会人等を学校に配置する退職教員等外部人材活用事業の拡充等を盛り込んだところでございます。  その結果、大臣折衝を経て、平成二十一年度予算案におきましては、千人の教職員定数の改善を行うとともに、退職教員等外部人材活用事業を倍増の一万四千人に拡充することとしているところでございます。  この予算編成過程におきまして、文部科学省といたしましては、子供たちの学力の向上と規範意識の育成を図るためには、教員が子供一人一人に向き合う環境をつくることができるよう、学校現場で日々頑張っている教員を支援することが重要であるとの考えに立って全力で取り組んだところでございます。  今後とも、教育振興基本計画の着実な実施を図るため努力してまいりたいと存じます。

関口昌一自由民主党

○関口昌一君 この基本計画、当初は十九年度内に閣議決定する予定だったと伺っております。その数値目標の設定において文科省また財務省との間でいろいろ議論があったということであります。先ほど、午前中の審議の中にも出てまいりました、GDP比の目標を五%にするというような問題、数値に盛り込まれなかったというようなこともあるわけでありまして、私はやっぱり教育の重要性ということはもうすべての委員、また多くの国民の皆さんから共鳴をされることであるかと思います。更に一層の、この計画の中で、今後、関係省庁との対応も出てくるわけでございますが、毅然とした態度でしっかり主張しながら文科省としても取り組んでいただき、そして数値目標の中にしっかりと加えていただけるように頑張っていただきたいと要望する次第であります。  今日は松野副大臣の方に、所管がということで質問させていただきましたけれども、山内副大臣も御出席いただいておりますので、もう当然でございますが、副大臣、政務官は大臣を補佐して、この教育、科学行政も含めて多くの課題の実現に取り組むということであります。そうした流れの中で、副大臣の文部科学行政に対する取組についての決意をお伺いいたします。

山内俊夫自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(山内俊夫君) 日本は確かに極めて今厳しい情勢下にありまして、このような時代だからこそ、私は、資源の乏しい我が国が強く明るい未来を切り開いていくために、文部科学行政、これ一層推進が必要であると、このように考えておりますし、また、文部科学省においては、こうした認識の下に、重要な政策課題について、塩谷大臣を中心にいたしまして、我々両副大臣、そして政務官、一丸となって今取り組んでいるところであります。  例えば、例を申し上げますと、先般、文部科学大臣塩谷立ということで、心をはぐくむための五つの提案というのを出させていただきました。これも、やはり我々、大臣、全員集まりまして、提案を一応煮詰めまして、大臣提案という形で出させていただきました。  少し五つばかり読み上げてみますと、読み書きそろばん、外遊びをやろうと。二つ目には、校訓を見直して実践をすると。そして三番目には、先人の生き方、本物の文化芸術を学ぶと。四つ目には、家庭で生活の基本的ルールをつくっていこうではないか、これはもう家族そろって、みんなで何でもいいから一つルールをつくっていこうではないかと。そして五番目には、地域の力で教育を支える、支えてほしいという、この五つの提案、非常に分かりやすいという評判もいただいております。こういったことも我々一丸となって取り組んでいるところであります。  特に、私が今担当しておりますのは科学技術・学術、そして文化に関してでございますが、我が国はこの二十一世紀に活力ある国家として発展してまいりましたけれども、世界に貢献していくためには、未来への先行投資である科学技術・学術、この辺りに積極的に取り組んでいきたい、そのように思っております。そして、国民に夢や感動をもたらすと同時に、社会や経済に活力を与え、国際社会における我が国の存在を高めるということで大変大きな役割を果たしてきたやはり日本文化、この文化の振興にも尽くしていきたいと思っております。  先般、藤原正彦さんなんかと話をしておりますと、日本人には大変品格とか人格が形成されているんだ、誇りを持って行こうじゃないかというお話がございました。日本というのは非常に四季がありまして、日本人の感性というのは非常に優れておりますよと。ですから、それにやはり芸術文化というものをしっかりと日本の中に定着させていくことが、より国際貢献の役割を果たせるのではないか、このようなことも言っておられました。  ですから、国づくりの基本はまさに人づくりでありますし、新しい教育基本法の理念の下に、家庭、地域と一体となって教育基本計画の着実な実施に取り組んでいきたい。今後とも両副大臣、政務官、今日、浮島政務官はそちらの方へ座っておいでになりますけれども、五名一緒になって頑張っていこうと思っております。  以上です。ありがとうございました。

関口昌一自由民主党

○関口昌一君 文部科学行政に取り組む決意を伺わせていただきました。いろいろ重要な課題も多いわけでございまして、大臣を補佐し、もう副大臣、当然でございますが、今日は浮島政務官も御出席いただいているということで、副大臣、政務官、共に取り組んで、頑張っていただきたいと思う次第であります。  次に、部活動、クラブ活動の充実について伺います。  小学校の四年生以上ではクラブ活動が必修になるということであります。これは、学習指導要領に定めがありまして、特別活動の一領域とされているためであるということであります。他方、中学校では平成十四年、高等学校では平成十五年改訂の学習指導要領で必修のクラブ活動は廃止され、現在は各学校の実態に応じ、課外活動の一環として部活動が行われていると伺っております。  平成二十四年度に実施が予定されております次期中学校学習指導要領の総則には部活動の意義や留意点について明示しております。学習指導要領に部活動や教育課程との関連が明記されるのは初めてのことであると思います。  今回、このような部活動を学習指導要領の中に位置付けた理由をお伺いいたします。

山中伸一文部科学省スポーツ・青少年局長

○政府参考人(山中伸一君) 先生御指摘のように、部活動でございますけれども、特に中学校、高等学校、部に加入している生徒にとりましては、学校生活の中で授業とともに非常に大きな場面、役割を占めているところでございます。また、運動部の部活動でございますと、一生、運動していくという、そういうスポーツに親しむ基礎を培う、体力の基礎を培う重要な時期でございまして、非常に重要な活動であると考えております。  そういう面を考慮しまして、平成二十年一月の中教審答申の中でも、部活動、これが中学校、高等学校の教育の中で非常に大きな役割を果たしてきているということで、教育課程に関連する事項として学習指導要領の中で記述する必要があるのではないかという指摘がございまして、これを受けまして、今回の学習指導要領改訂では、部活動について、学校教育の一環として教育課程との関連、これを図ること、あるいは、地域の人々あるいは各種団体との連携、そういうもので運用上の工夫を行うこと、そういうふうな配慮事項というものを新しく記述したというところでございます。

関口昌一自由民主党

○関口昌一君 新指導要領では週当たり一時間の授業時間数が増えたため、教師の増員をめぐる議論が出ていると伺っております。週末も含めた部活動指導の教師の負担というのは大変厳しい環境にあるかと思います。学校現場では部活動の多くが顧問教師の任意と善意によって維持されているというのが現状であるかと思います。  労働時間の問題を解決するためにも、部活動指導も含めた教師の増員や、授業、校務分掌の負担軽減などの制度的な対策が必要であると考えておりますが、文部科学省はこの点についてどう認識されておりますか、お伺いいたします。

金森越哉文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(金森越哉君) 部活動もそうでございますけれども、教員が勤務負担がかなり大きくなっているということが指摘されているところでございます。  私どもといたしましては、学校における教員の負担を軽減するために、教職員定数の改善でございますとか、あるいはいろいろな事務的なことについての負担が大きいということもお伺いするものですから、文部科学省が実施する各種調査などにつきましても、できるだけそれを精選していくというようなことで取り組んでいるところでございます。  学校の先生方によって学校教育は支えられているものでございますから、一人一人の先生がその持てる力を十分に発揮できるように、学校内で校長を中心に教職員が一丸となって取り組んでいく、また地域の方々の協力を得ながら学校の教育活動を進めていくということも必要であろうというふうに考えているところでございます。  地域ぐるみで、地域に支えられた学校教育、そういった観点から外部講師の導入なども進めているところでございます。

関口昌一自由民主党

○関口昌一君 地域ぐるみでというのは非常に大事であるかと思いますが、現況は、顧問の先生を含めて教員の先生方が大分いろんな形で、個人負担も含めて大変な取組をしているというのが現状であるかと思います。  午前中のちょっと答弁で、現在の部活動の手当額が昨年の十月から倍増されたということであります。土日四時間で二千四百円。ただ、これは時給に換算すればわずか六百円という金額で、ほとんど先生方の個人的な負担に依存しているというような現状が続いているかと思います。少なくとも最低賃金並みの水準にまで引き上げる必要があると私は個人的に考えておりますが、この手当について、今後更なる改善の見通しについてお伺いいたします。

金森越哉文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(金森越哉君) 部活動手当につきましては、各都道府県の条例によって土曜日や日曜日などに部活動指導を一定時間以上行った場合に支給をされているところでございます。従来、国は一日四時間程度の部活動指導について日額千二百円を基準として国庫負担しておりましたが、めり張りある教員給与体系を推進し、部活動に頑張っている教員の適切な処遇を図るため、平成二十年度から手当額を二千四百円に倍増することとし、義務教育費国庫負担金予算に必要額を計上したところでございます。国の予算措置を踏まえ既に四十六の県で手当額の改善に取り組んでおりまして、一県については検討中とお伺いをいたしているところでございます。  義務教育費国庫負担金の予算の関係で申しますとただいま申し上げたとおりでございまして、部活動で頑張っている先生方の適切な処遇について今後とも取り組んでまいりたいと存じます。

関口昌一自由民主党

○関口昌一君 午前中の答弁を聞いて私個人的にちょっと気になったのは、頑張っている先生に対してはいろいろ評価する、競争というような話もあるわけでありますが、私は競争原理という言葉に非常に反応を、ちょっと拒否感を示す一人でありまして、余り教育の場でそういう考え方でスタンスを持つというのはちょっとどうかなと。それぞれの先生方が頑張っているというのは私はもう当然であるかと思いまして、特に今回、部活動のかかわっている先生の話をさせていただきましたけれども、今後もいろいろな幅広い視野に立って取り組んでいただきたいと思うことを要望しながら、質問を終わらせていただきます。

神本美恵子民主党・新緑風会・国民新・日本

○神本美恵子君 民主党・新緑風会・国民新・日本の神本美恵子でございます。  塩谷大臣には初めて質問させていただきますが、この委員会には久しぶりに所属することができまして大変喜んでいるところですけれども、今日は、私も元小学校の教員、午前中ちょっと話題になりました日教組の組合員でもございましたけれども、教育の問題もたくさん課題がありますが、今日は、一つは、大臣の所信にもありました文化芸術の振興ということで、文化行政の在り方に関連してまず御質問をしたいと思います。  今お手元に資料をお配りしてもらっておりますけれども、新国立劇場の芸術監督の問題でございます。  この文化芸術振興のためということで新国立劇場が開設されましてもう十一年目になっているというふうにお聞きしているんですが、ここでは芸術監督制度というのがありまして、オペラ、ダンス、演劇という三部門の芸術監督が置かれているということでございます。今お配りしました新聞記事にもございますように、昨年六月末に、この芸術監督の交代ということで、運営している財団側から二〇一〇年の秋に一斉に三人の芸術監督を交代させるというふうに発表がなされたと。この中の演劇部門の監督というのは、現在一期目でございまして、監督の任期は一応一期三年、次期監督を二年前に決めて参与という形でかかわって本当の監督に就任するというようなスタイルになっているというふうに聞いているんですが、現在の演劇監督、鵜山さんという方ですけれども、この方は今一期目で、一昨年就任されたばかりで、一期目の途中なんですね。残す二年のところで交代、退任というふうな発表があったと。このことについて、特に演劇界から、それから新聞報道でも、今日は毎日新聞と裏側に朝日新聞の社説をお配りしておりますけれども、ほかの新聞各紙、このことについて驚きを持って、あるいは疑問を呈した報道がなされております。  何が問題かということについては、やっぱり資料としてお付けしておりますが、二枚目に、「芸術監督選定プロセスの詳細開示を求める声明」ということで、下の方に声明を出された方々、井上ひさしさんとかほか有名な、蜷川幸雄さんとか、私でも知っているような演劇界の活躍されている著名な方々、それから劇作家協会等の団体からもこういった声明が出されている。この選定プロセスが不透明だということと、下の方ですね、芸術監督選びのプロセスをあいまいにしようとする財団執行部のやり方は芸術監督制度と芸術家を著しく軽視する行為であるということで、こういった声明が出されている。  この経過について、あるいはこの問題について文化庁としてはどのように受け止めておられるのかということをまずお聞きしたいと思います。大臣には後で、このやり取りの後で御見解をお聞きしたいと思います。

高塩至文化庁次長

○政府参考人(高塩至君) 昨年六月、新国立劇場の運営に当たります財団法人新国立劇場運営財団がオペラ、舞踊、演劇の各部門の次期の芸術監督の予定者を公表したところ、その演劇部門の芸術監督の選任につきまして一部の演劇関係者から批判があったことと承知いたしております。  本件につきましては、文化庁に対しまして新国立劇場運営財団から報告を受けているところでございまして、新国立劇場運営財団における定められた手続に沿って行われたものというふうに承知をいたしているところでございます。

神本美恵子民主党・新緑風会・国民新・日本

○神本美恵子君 定められた手続に従ってというのはそれは当たり前だと思うんですね。どこかで隠れてこそこそ決めたわけではないと。ちゃんと選考委員会があり、理事会があり、そこの手続を踏んでやったからというふうに受け止めているとおっしゃいましたけれども、一部の演劇界からとおっしゃいましたが、このメンバーを見て一部と言うのか、それとも日本の演劇界を代表する方々がここに名を連ねていらっしゃるというふうにとらえるのか、個人的なとらえ方の違いとは私は思えないんですね。  実際この中の、名前を連ねていらっしゃる中の、お名前は一人一人申し上げませんが、運営財団の評議員、あるいは理事、それから選考委員になっている方々もここに名を連ねていらっしゃるんですね。一枚目の毎日新聞の二段目にも書いてありますけれども、二段目の中ほどに、注目すべきは財団理事を務める小田島さん、それからずっと書いてある評議員、というふうにこういう方が名を連ねて声明を出しておられる。つまり、これは内部告発が行われているということなんですね。  このことについて文化庁は、これは正当な手続を踏んで行われたものと受け止めるということで、何もされていないんですか。

高塩至文化庁次長

○政府参考人(高塩至君) 先ほどもお答えしましたとおり、新国立劇場運営財団からはこの間の経緯についての説明は受けているところでございます。その際に、新国立劇場財団側からは、本日の資料、先生お配りいただいた資料にもございますような新国立劇場運営財団としての考え方についてのまとめた文書というものもいただいているところでございまして、私どもといたしましては、新国立劇場運営財団の中の芸術監督の人選ということにつきましてはやはり財団が自律的に行うべき事柄というふうに考えているところでございます。

神本美恵子民主党・新緑風会・国民新・日本

○神本美恵子君 その中でやったやられ方が問題であるというふうに演劇界から、あるいはマスコミでもこのように問題視されているということについて、文化庁としては説明を聞いただけで何もしていないんですかということをお聞きしているんです。

高塩至文化庁次長

○政府参考人(高塩至君) 詳細な、今先生からお配りいただいた声明に掲げてある方々、この中には先生御指摘のように運営財団の理事ないし評議員の方も含まれているわけでございまして、そういった経緯も含めまして事情を聴取し、それを私どもとしては了解をしたということでございます。

神本美恵子民主党・新緑風会・国民新・日本

○神本美恵子君 了解をしたということなんですね。  それでは、今お話にもありました、お手元に、委員の皆さんにも資料を配っております、運営財団の考え方ということで資料を配っておりますその考え方の二ページになりますが、そこの真ん中ほどですね。「選考の過程は、まず、五月に選考委員会を開催した。そこでは、次期監督について様々な意見があったが、結果として後任を選ぶなら」云々というふうにあります。「また、六月の理事会では、一部の理事から鵜山監督の継続を主張する意見があったが、」ということで、最終的には理事長一任というふうになったという経過が示してございます。  ところが、この経過について、この五月の選考委員会で、選考委員のメンバーの一人でもあります、先ほど名を連ねておられた小田島雄志氏は、当日欠席ということで、事前に財団側から、常務理事からお電話があって、実は今度の舞台監督については本人に続投の意思がないので財団側としては宮田氏を推すことにしているというようなお電話があったということがあるんですね。  ところが、後で分かったことは、この鵜山氏、現監督ですが、現監督に続投の意思がないというようなことは、本人はそんなことはおっしゃっていないと。まずそこから、出だしから、情報操作といいますか、が行われて選考委員会が開かれ、そこで結論が出され、それが次の理事会にも提案されているというようなことが明らかになっているわけですけれども、文化庁としてはそういった経緯についてはお聞きになっていますか。交代の理由はどのようにお聞きになっていますか。

高塩至文化庁次長

○政府参考人(高塩至君) 今先生がおっしゃられましたことにつきましては、同じページの、今御指摘いただいた二ページ目の一番上から二つ目の段落にございまして、本年三月には御本人に担当理事が会って後任を検討している旨お伝えしたところ、それに対し監督は分かりましたと回答されたと。そのことを前提として新国立劇場は次期監督の選考に入ったものであると。こういった経過があるということは伺っているところでございますけれども、選考委員会の中で具体的にどういうやり取りがあったかは承知していないところでございます。

神本美恵子民主党・新緑風会・国民新・日本

○神本美恵子君 三月に本人に後任を検討している旨お伝えしたところ、本人は、監督は分かりましたと。この分かりましたが、自分は辞めること、続投の意思がないというふうな意味で言ったんではないと。後任を考えていると言われたから、ああそうですかと言っただけであって、あなたは続投する意思がありますかという確認があったわけではないんですね。ということがこの後のことで分かっていくんですけれども、それが最終的には、この中にはないですかね。  それで、理由はやっぱり本人に続投の意思がなかったから交代したというふうに文化庁としては今もお考えなんですか。

高塩至文化庁次長

○政府参考人(高塩至君) その退任の理由につきましては、先生お配りいただいた今のペーパーのその前のページになりますけれども、一ページのナンバー四と先生が振られたところでございますけれども、その最終段落が新国立劇場の判断だというふうに私ども受けておりまして、就任最初の今シーズンは演劇関係では二作品の御自身の演出作品があったが、そのほかに他の演劇団体での演出家としての仕事が多忙を極め必要なコミュニケーションを取ることができなかったのは事実である、そのために制作上の支障がしばしば生じ、これ以上再任をお願いすると更に今から五年間お願いすることになり、制作現場が抱える劇場としては難しいと判断したと、これが公表されている理由だというふうに受け止めているところでございます。

神本美恵子民主党・新緑風会・国民新・日本

○神本美恵子君 つまり、最初は選考委員会には、本人に続投の意思がないから後任を探して、後任にはこの方をというふうに選考委員のメンバーである方に事前根回しをして選考委員会が開かれた。しかし、後からはその交代の理由が変わっているんですね。必要なコミュニケーションが取れなかったから、本人が多忙を極め取れないから交代をしてもらうことになったというふうに交代の理由が変わっているわけです。  そのことについてはこの演劇界の方たちも大変やっぱり憤慨をして、最初の新聞報道の中でも書かれておりますけれども、実際に今埼玉県の芸術文化振興財団の芸術監督をなさっている蜷川氏なんかも、新聞記事の一番下の中ほどですが、解任に近い性急な交代だ、鵜山さんが忙しくてコミュニケーションが取れないという理由はほとんど喜劇だと。つまり、コミュニケーションが取れるか取れないかというのは、本人が逃げ隠れしているなら別として、携帯電話もそれから事務所も住所もきちんと連絡が取れるような形になっているわけですから、必要なコミュニケーション取ろうと思えばどれだけでも取れる状態にあったのではないかと。  コミュニケーションは双方の問題だというふうに指摘をされている方もいらっしゃいますし、私は、これは選考委員会で事前に本人に続投の意思がないという事情を言われて、当日欠席の小田島氏が後継者に宮田氏を推しているというふうに選考委員会に提案をされて、そして選考委員の皆さんも本当にびっくりしたというふうに後で、そんなことは考えてもいなかった、当然一期しかやっていない鵜山さんが続けるだろうと思っていたというふうに驚いて、別の理事にお電話をされたというような経過も私はお聞きしたんですけれども、そして理事会でこれはおかしいんじゃないかというふうに意見を申し上げて、その理事の方がですね、かなりいろんな意見が出たらしいんですけれども、それに対して、交代の理由が変わっているではないかというような理事の疑義に対して、財団側はきちっと反論もできないままに、ここでは、あとフォローしますので理事に一任をいただきたいということで事が決まっていき、記者発表になって今日に至っているというふうに聞いたんですが。  そもそも、この選考委員会の選考委員のメンバーですね、これが、選考委員会の規定では選考の結果は理事長に報告されるというふうにあるんですが、実際には理事長も常務理事もこの選考委員の中に入っているんですね。普通なら選考委員会というところで選考が行われて、その結果が理事長に報告されて理事会で議決されるというような運びになるんですが、これも規定ですから何とも言えないんですが、選考委員会の中に財団側の理事長や常務理事が入っているという、これも非常に選考委員会の在り方としては恣意性が、恣意的に行われかねない形になっていると思いますけれども、これについては文化行政を預かる文化庁としてはどのように考えておられますか。

高塩至文化庁次長

○政府参考人(高塩至君) 芸術監督の選考委員会の委員につきましては、理事、評議員をもって構成するという規定がございまして、これは財団の方でそのように決定されているものというふうに考えております。

神本美恵子民主党・新緑風会・国民新・日本

○神本美恵子君 いや、ですから、そのことに恣意性が入らないかということをお聞きしているんですが、文化庁としてはどのようにお考えですか。

高塩至文化庁次長

○政府参考人(高塩至君) 財団の決定で適切だというふうに考えております。

神本美恵子民主党・新緑風会・国民新・日本

○神本美恵子君 そもそも最初から行き違っているような気がするんですけれども、文化庁としては今回のこの新国立劇場の舞台監督交代については問題があるというふうにお思いですか、問題がないというふうにお思いですか。

高塩至文化庁次長

○政府参考人(高塩至君) 先ほども御答弁申し上げましたとおり、新国立劇場運営財団において定められました手続にのっとって行われたということで、適切な手続を踏んだというふうに考えております。

神本美恵子民主党・新緑風会・国民新・日本

○神本美恵子君 だから、手続は踏んだけれども、その手続の中に事前根回しがあって、本人の意思とは違う、続投の意思がないということが前もって選考委員に告げられて、そして次の人はこの人にしたいという人をさもその選考委員が推しているかのように選考委員会の中で告げられて、当人欠席しておりますので、告げられて、そこが出発で、理事会に諮られ今日に至っているということを聞いても文化庁としては手続に問題がないから問題ないというふうにお考えですか。しかも、これだけ演劇界、当事者の人たちが疑問を呈している、そのことについて文化庁としては財団側の言い分だけを聞いて問題ないというふうにお考えでしょうか。

高塩至文化庁次長

○政府参考人(高塩至君) これも先ほどお答え申し上げましたけれども、選考委員会の中のやり取りについては私どもはつまびらかに伺っていないところでございます。  そして、この選考委員の中には常任の役員を含む、理事長も含まれているわけでございますけれども、方々が入った中で合議の上決められたというふうに承知しているところでございます。

神本美恵子民主党・新緑風会・国民新・日本

○神本美恵子君 私は、文化庁という、文化庁って、まあ文部科学省ですね、文化芸術の振興、文化行政に当たる行政として今のような考え方でいいのか。これだけ問題になっていることについて、手続上問題がない、財団側からこう聞いているからそのように承知しておりますだけで、私は文化庁としてやるべきことをやっていないんじゃないのということを本当に許せないなと思います。もっときっちり事実関係を双方から聞いて明らかにすべきではないですか、これだけ問題にされているのに、というふうに思います。  もう一度選考をやり直すように、私は財団側に文化庁として、これは国から五十億近い委託費が出ているわけですから、国として見過ごしてはいけない問題だと思いますけれども、いかがですか。

高塩至文化庁次長

○政府参考人(高塩至君) 新国立劇場につきまして、運営財団につきましては、今年度も御指摘のように約四十六億円の国費を投入いたしまして、我が国の文化政策を劇場の方で舞台芸術という形でやっていただいているということでございます。  ただ、芸術の内容といいますか、芸術監督を含みます芸術の中身につきましては、やはり運営財団という組織が設けられておりまして、この組織の中には様々な文化芸術団体の方、さらには経済界、教育界、その他様々な芸術家の方の構成された理事会、評議員会というのが設置されておりまして、その中で様々な事柄、特に重要事項について決定していくという仕組みになっているというふうに承知いたしておりまして、文化庁が財団の中の芸術監督という人事に介入するということは適切ではないというふうに考えております。

神本美恵子民主党・新緑風会・国民新・日本

○神本美恵子君 人事に介入しろと私は一回も言っておりません。今おっしゃったような有識者や演劇関係者や経済界からもいろんな方が入って構成されてやられている。しかし、その中に入っている方々から内部告発が行われていると。この運営の在り方については、金を出している国としても、また国民のための文化芸術振興を預かる行政として、この運営の在り方には問題があるのではないかと。これは何も文化に対する介入や人事に対する介入ではないと私は思います。そういうことをきちっとやるべきだと思いますけれども。  この問題は、事この人事に関してだけではなくて、こうしたことが起きるのは、この新国立劇場の運営財団の中には文科省からのOBの方が何人も入っていらっしゃいます。もう時間がありませんので私がお聞きしたところで言いますが、七人入っていらっしゃるんですね。しかも、そのうち有給者は、常任理事、理事長も含め、会計、総務、五人だということを聞いております。それから、新国立劇場の開設以来、歴代理事長、これまで理事長五人、現在の遠山元文科大臣理事長までの間に、四人のうち三人が文科省出身者というふうになっております。つまり、文科省の天下り先、天下りの指定席になっているとしか言いようがありません。それで、演劇界の人々あるいは国民の目から見ると、今回の人事交代劇はいかにも官僚的なやり方だと。財団側の恣意が非常に働いて、情報操作までやってやられているのではないかというような批判、非難も出ている状態です。  私は、文化庁の今の御答弁ずっと聞いて、これでは本当に真実が事実経過もはっきりしないと思うので、委員長にお願いがあるんですが、この新国立劇場財団の理事長であります遠山理事長をこの場にお呼びいただいて、私は直接お聞きしたいなと思います。事単なる監督の交代というだけではなくて、私は鵜山現監督、お会いしたこともありませんし、演劇も見たことないので、この方を再任すべしというふうに言っているわけでは全くないんです。ただ、こういう決め方で演劇界の人たちから新国立劇場の運営について非常に大きな疑念が持たれている。これでは日本の演劇にとって大きなマイナスだと思うんですね。これは単なる疑念なら、疑義ならそれを晴らすということが新国立劇場の財団としては、運営側としては義務があるのではないか、晴らす義務があるのではないかと思いますので、委員長のお取り計らいをお願いしたいと思います。

中川雅治自由民主党

○委員長(中川雅治君) 後刻理事会で協議いたします。

神本美恵子民主党・新緑風会・国民新・日本

○神本美恵子君 この問題は、あと、まだ助成制度の在り方とか芸術監督の存在というものはどういうものなのかと。日本の歴史の中ではまだ芸術監督制というのは日が浅いそうです。ですから、余りこれについてのきちっとした位置付け、社会的位置付けなどが明確になっていないというようなところもこういう問題を引き起こしているのではないかと思いますので、ここは大事なところだと思いますから、はっきり、きっちりした方が今後の文化行政にとってプラスになるのではないかと思いますので、よろしくお取り計らいをお願いしたいと思います。  次の課題に移りたいと思います。次は、障害者の問題、障害児者の問題でございます。  障害者権利条約が国連で採択をされて、日本もその条約に署名をし、二〇〇八年、昨年五月にこの条約は発効しております。この条約の批准について、我が国でも今政府として取組が進められているというふうにお聞きをしておりますけれども、特にこの条約の中でも二十四条に教育の部分がございまして、我が国の障害児教育との関係はどうなるのかという点で私は幾つか疑問を持っておりますので、実はこういう機会が今日私得られると思いませんでしたので、質問主意書を出させていただきました。外務省としては批准を急いでいる、今国会中に批准案を提出をして批准をしたいという意向もお聞きしておりましたが、今のまま批准だけが先にされるということは問題ではないかということで質問主意書を出しております。先ほどその回答書をいただきましたので、ちょっとこれを見てからにすればよかったなというふうに思っておりますが、少しダブりながら御質問させていただきたいと思います。  この障害者権利条約の第一条で、障害者とは、長期にわたる身体的、精神的、知的、感覚的な損傷によって、他者との平等に基づく、十分かつ効果的な社会参加が、次が障害者の定義といいますか障害者観というところで大事なところなんですが、様々な障壁の相互作用において阻まれている人たちのことである。機能障害や損傷によって阻まれているのではなくて、そのことが相互作用において阻まれている人たちのことであるということで、障害のとらえ方を社会環境との関係で規定しております。これが障害者権利条約の非常に大きな定義でございます。障害の克服は社会の在り方との相関においてとらえるべきであるというふうに条約は求めているわけでございます。  ところが、我が国の学校教育法第七十二条、これは、私もこの委員会で質疑させていただきました特別支援教育というものが学校教育法七十二条に提起されたときに、特別支援学校は、視覚障害者、聴覚障害者、知的障害者、肢体不自由者又は病弱者に対して、幼稚園、小学校、中学校又は高等学校に準ずる教育を施すとともに、障害による学習上又は生活上の困難を克服し自立を図るために必要な知識技能を授けることを目的とするというふうに規定してございます。  この学校教育法七十二条は、障害を克服し、学習上、生活上の困難を克服しというふうに、教育の目的が機能障害の克服というふうに書かれているんですけれども、先ほど読み上げました条約の一条の定義とこれはちょっと合わないんではないかというふうに思いますが、これは外務省、条約に抵触しませんか。──外務省ではないですか。外務省の見解もお聞きしたいんですが。

金森越哉文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(金森越哉君) 学校教育法を所管しております立場からまずお答えさせていただきたいと存じます。  学校教育法第七十二条に規定いたします特別支援学校の目的は、障害のある幼児、児童、生徒に対して幼稚園や小学校、中学校又は高等学校に準ずる教育を施すとともに、障害による学習上又は生活上の困難を克服し、自立を図るために必要な知識技能を授けることでございます。  文部科学省といたしましては、特別支援学校における学校教育活動を通じて幼児、児童、生徒の将来における自立や社会参加が促されることになると考えておりまして、この学校教育法第七十二条の規定が障害者権利条約に抵触することになるとは考えておりません。

神本美恵子民主党・新緑風会・国民新・日本

○神本美恵子君 外務省はいかがですか。

廣木重之外務大臣官房審議官

○政府参考人(廣木重之君) 外務省としても同様に考えております。

神本美恵子民主党・新緑風会・国民新・日本

○神本美恵子君 障害を克服して自立していけるようにするのが教育、そういう教育を授けることが教育の目的であるというふうにおっしゃいましたが、私はその考え方をこの条約批准を契機に変えるべきではないかというふうに非常に強く思います。  つまり、障害というのは、障害を持っている、障害がある人がその障害がなくならないと、それを何とか克服しないと社会参加ができないという社会ではいけないんじゃないかと思うんですね。社会の側が、あるいは共に地域で暮らす側が、障害はそのままで何とか双方の相互作用で克服していく、双方で克服していくという考え方に立つべきではないかと。そうであるならば、この七十二条は、克服し、知識技能を授ける、上から授けるというようなことにはならないのではないかというふうに思うんですけれども、文科省、どうですか、そこは。

金森越哉文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(金森越哉君) 先ほどお答え申し上げましたように、特別支援学校の目的は、学校教育法第七十二条におきまして、幼小中高に準ずる教育を施すとともに、障害による学習上又は生活上の困難を克服し自立を図るために必要な知識技能を授けることとされておりまして、このことを通じて障害のある児童生徒の自立と社会参加を促進することを目指しております。  このような観点から、特別支援学校では、障害のある児童生徒に対し、障害による学習上又は生活上の困難の克服を目的とした教育を行いますとともに、一方では小中学校も含めた学校教育全体において障害のある児童生徒と障害のない児童生徒との交流及び共同学習を推進し、同じ社会に生きる人間としてお互いを正しく理解し、共に助け合い支え合って生きていくための基盤づくりを進めているところでございます。  こうしたことから、特別支援教育におきましては、障害者理解を進める教育、交流や共同学習といった障害者理解を進める教育を通じて社会の在り方の基盤づくりに資する教育を進めておりますことから、障害者の権利条約が求める障害を社会の在り方との相関においてとらえるという点に対応していると考えているところでございます。

神本美恵子民主党・新緑風会・国民新・日本

○神本美恵子君 どうも分かってもらえないのが本当にもどかしいんですけれども。  私、数年前に本会議でも御紹介したんですが、小学校一年生を受け持ったときに、私のクラスに自閉的傾向の男の子がおりました。教室では一言も言葉を発しません。私はどの子も自分の名前が言えたり自分の考えが言えたりするようになってほしいというふうに願って一緒のクラスで、教室でやってきたんですが、一年の終わりごろまでそのまま、言葉は一言も教室では発しないままで一年が終わろうとしておりました。でも、あるとき、それは一年間一緒に過ごした子供たちの私は相互作用の結果だと思います、私は何も彼に授けたり施したりはできなかったというふうに思うんですが、あるとき、その子は言葉を発しているふうには私には全然聞こえなかったんですけれども、周りの子が聞き取るんですね。言葉を聞き取るようになるんです、相互作用で。物理的な音声は発していないのに、T君が言っているのはこういうことだと。どうして分かるの、あなたたちと聞いたら、口を見れば分かるよと。分かるコミュニケーションの方法を子供たちが発見するんですね。それは、人間関係が一年間続いたからそういうことが出てきたんですね。  というように、私は、決め付けた、この子は言葉を発することができないから、取り出して、言葉を発する、あいうえおと口の形を教えてと。それも私は否定しませんけれども、それ以上に、一緒にいることで言葉を発しなくてもそれを聞き取るという、この相互作用が起きてくるという、そういう考え方を持って私は障害児、特に教育には当たるべきではないかということを御提起しているんですが、なかなか通じませんので、次に行きたいと思います。  障害者権利条約の第二十四条の(b)では、今のこととも関係するんですけれども、障害のある人が自己の住む地域社会において、他の者との平等を基礎として、インクルーシブで質の高い無償の初等教育及び中等教育にアクセスすることができるとされております。これは政府仮訳、それから公定訳のまだ草案ですよね。公定訳は確定したんですかね。済みません、途中ですが、外務省。

廣木重之外務大臣官房審議官

○政府参考人(廣木重之君) まだ閣議決定はされておりません。

神本美恵子民主党・新緑風会・国民新・日本

○神本美恵子君 公定訳。

廣木重之外務大臣官房審議官

○政府参考人(廣木重之君) 訳の方につきましてはまだ閣議で決定をしておりませんので、そういう状況にあるというふうに御理解いただければと思います。

神本美恵子民主党・新緑風会・国民新・日本

○神本美恵子君 それで、このインクルーシブで質の高い無償の初等教育及び中等教育にアクセスすることができるという、これはNGOの訳なんですが、このアクセスというところが政府の仮訳では、機会を与えられることというふうに訳されておりましたが、公定訳草案では享受することができるというふうに変わっております。私はこれは一歩前進だなと思うんですね。機会を与える、政府が与える、締約国が与えるとかいうのではなくて、障害のある人が享受することができるというふうに主語になっていることが大変いいと思うんですが、そのことを具体的に、では障害を持つ子供が日常的、恒常的に地域の初等中等教育学校にアクセスできる、就学できるというふうにこれは理解していいんでしょうか。

廣木重之外務大臣官房審議官

○政府参考人(廣木重之君) お答え申し上げます。  ただいま先生の御指摘いただいた第二十四条は教育について規定してございまして、締約国は教育についての障害者の権利を認めると、締約国はこの権利を差別なしにかつ機会の均等を基礎として実現するため障害者を包容するあらゆる段階の教育制度及び生涯学習を確保する、当該教育制度及び生涯学習は次のことを目的とするとしながら、その同条約の2で、締約国は、1の権利の実現に当たり、次のことを確保すると、こう書いてあるわけでございます。  今まさに先生の御指摘のございました第二十四条2(b)でございますけれども、障害者が他の者との平等を基礎として、自己の生活する地域社会において、障害者を包容し、質が高くかつ無償の初等教育を享受することができること及び中等教育を享受することができることと、こういうふうに規定しているわけでございます。  今御指摘の本条約第二十四条2(b)の規定でございますが、同規定に定められているような初等教育及び中等教育を受けることのできる機会を確保する、こういう趣旨であるというふうに考えております。

神本美恵子民主党・新緑風会・国民新・日本

○神本美恵子君 ですから、地域の学校に障害を持つ子供が就学できるというふうにこれは解していいんですか。外務省。

廣木重之外務大臣官房審議官

○政府参考人(廣木重之君) 先ほど申し上げましたとおり、本条約第二十四条2(b)の規定は、同規定に定められているような初等教育及び中等教育を受けることのできる機会を確保するという趣旨であると考えております。いずれにせよ、同規定に照らし個別に判断されるべきものと考えております。

神本美恵子民主党・新緑風会・国民新・日本

○神本美恵子君 個別に判断されるというふうにおっしゃったんですか、今。

廣木重之外務大臣官房審議官

○政府参考人(廣木重之君) 今申し上げましたのは、先ほど申し上げましたとおり、本条約第二十四条2(b)の規定でございますけれども、この規定に定められている趣旨についての御質問でございましたので、趣旨についてお答え申し上げますと、同規定に定められているような初等教育及び中等教育を受けることのできる機会を確保する、こういう趣旨であるというふうに考えておりますと、これが先ほどの御質問に対する答えでございます。

神本美恵子民主党・新緑風会・国民新・日本

○神本美恵子君 ということは、地域の学校に就学することができるというふうに解していいというふうに私は受け止めさせていただきました。  次に、この同じ二十四条の(c)ですが、個人の必要に応じて合理的配慮が行われることというふうに定められております。この合理的配慮というのは、特別支援学校、普通学級共に行われるというふうに理解してよろしいんでしょうか。

金森越哉文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(金森越哉君) 条約は、締約国に対しまして個人に必要とされる合理的な配慮が提供されることを確保することを定めておりまして、御指摘のように障害者が教育を受けるあらゆる段階の教育の場についても適用されるものと考えております。

神本美恵子民主党・新緑風会・国民新・日本

○神本美恵子君 分かりました。  さらに、地域の普通の学校と普通の学級に通っている子供に対して合理的配慮が行われるというふうになった場合には、現行の学校教育法施行令第五条一項二号の認定就学制度、これは今後廃止されるというふうに考えていいんでしょうか。

金森越哉文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(金森越哉君) 御指摘のございました認定就学制度は、障害の状態に照らして市町村の設置する小中学校において適切な教育を受けることができるかの判断を行うものでございます。その判断に当たっては、条約の言う合理的配慮に相当する対応も判断の一要素として考慮されることになっております。したがって、条約の合理的配慮との関係により直ちに認定就学制度が廃止されることとなるとは考えておりません。  また、個人に必要とされる合理的配慮の内容は、この条約の合理的配慮の定義を踏まえ、障害のある幼児、児童、生徒の障害の状態等に応じて各学校の設置者等が判断するものと考えております。

神本美恵子民主党・新緑風会・国民新・日本

○神本美恵子君 学校の設置者等が判断するという、この「等」の中には本人あるいはその保護者も入るんでしょうか。

金森越哉文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(金森越哉君) ただいま申し上げましたものの中には、教育委員会及び学校が含まれるものでございます。

神本美恵子民主党・新緑風会・国民新・日本

○神本美恵子君 これは、これも訳の関係が解釈にもつながるような気が私はしているんですけれども、政府訳では、仮訳、公定訳とも、個人に必要とされる合理的支援というふうになっているんですね。だけど、NGOの方たちが訳されているのは、各個人の必要に応じて。必要とされるというと、ほかの人が判断するというふうにも受け取れますよね。でも、各個人の必要に応じてというと、その人の必要に応じてということですね。微妙に訳の仕方で意味が変わってくるということを私は非常にこだわるんですが、どういう支援が必要か、どういう合理的配慮が必要かということは、やはりすぐれて当事者、あるいは当事者に最も近い人たち、当事者を最も理解している人たちが判断すべきだというふうに考えます。ただ、一方的にそれだけで配慮が行き届くとはいきませんので、直接子供を受け入れる学校や教育委員会も一緒に考えるということはいいですけれども、当事者やその最も近い保護者が外れるということは私は問題ではないかと思いますが、いかがですか。

金森越哉文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(金森越哉君) 保護者の意見等に関しましては、私ども特別支援教育の推進に関する調査研究協力者会議というのを設けておりまして、今年の二月、中間まとめを公表いたしました。その中では、就学する学校の指定に関しまして、制度としては児童生徒の障害の状態や保護者などの意見を総合的に勘案した上で教育委員会が決定することといたしておりますが、その場合も個別の教育支援計画を保護者の参画の下で作成し、その作成や活用を通じて保護者との共通認識を醸成し、保護者の意見を踏まえることが大前提としているところでございます。  私どもといたしましては、こうした協力者会議の提言等も踏まえ、保護者の意見をきちんと受け止め、きめ細かな対応を行うことができるよう努めてまいりたいと考えております。

神本美恵子民主党・新緑風会・国民新・日本

○神本美恵子君 分かりました。  次に、条約の七条3項では、障害のある子供が他の子供との平等を基礎として、自己に影響を及ぼすすべての事項について自由に自己の意見を表明する権利を有することを確保する、この場合において、障害のある子供の意見は、その年齢及び成熟度に従って相応に考慮されるものとするというふうに記載をされておりまして、これは子どもの権利条約でも意見表明ということは規定されているわけですけれども、なかなか障害のある子供だけではなく障害のない子供についても学校の中やあるいは社会の中で子供の意見が、自分たちにかかわるあらゆるところでその意思決定にかかわるとか意見表明が尊重されるというような状況になっていないという中での今回の条約での規定でありますので、これは非常に私は重要に扱った方がいいのではないか、扱うべきではないかというふうに考えております。  それを、意見表明をすることを支援する、支援を提供することも締約国に今回の条約は求めているわけですけれども、先ほど言いました合理的配慮の提供やその内容について、障害を持つ当事者、子供の意見表明に基づくべきだというふうに考えますけれども、これについてはいかがでしょうか。

廣木重之外務大臣官房審議官

○政府参考人(廣木重之君) ただいま御質問のございました第七条の3項でございますが、締約国は、障害のある児童が、自己に影響を及ぼすすべての事項について自由に自己の意見を表明する権利並びにこの権利を実現するための障害及び年齢に適した支援を提供される権利を有することを確保すると、このように規定してございます。この場合において、障害のある児童の意見は、他の児童との平等を基礎としてその児童の年齢及び成熟度に従って相応に考慮されるものとすると、このようになっておるわけでございます。  ですから、お尋ねの事項に関する障害のある幼児、児童及び生徒の意見については、この本条約第七条3、ただいま読み上げました本条約第七条3の規定に基づき、他の幼児、児童及び生徒との平等を基礎としてその幼児、児童及び生徒の年齢並びに成熟度に従って相応に考慮されることになります。

神本美恵子民主党・新緑風会・国民新・日本

○神本美恵子君 そこで、文科省にお聞きしたいんですが、先ほどお答えになったような気もするんですけれども、障害のある子供の意見表明権の確保ということは、就学に際しても、どの学校に行くかということを決定する、そのことに際しても子供の意見を尊重しなければならないというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。

金森越哉文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(金森越哉君) 就学先の決定に係る制度について申し上げますと、これは義務教育段階を対象としたものでございますので、通常当事者の意見は保護者を通じて表明されるものと考えているところでございます。

神本美恵子民主党・新緑風会・国民新・日本

○神本美恵子君 何か時間を勘違いしておりまして、まだたくさん残っておりますが、時間が来ておりますので、ここで終わります。ありがとうございました。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 自民党の西田昌司でございます。  私は、財団法人日本漢字能力検定協会、いわゆる漢検の協会にかかわる問題につきまして質問をさせていただきたいと思っております。  この問題は今年の一月になりましてから様々な報道がなされておりまして、いわゆる公益法人でありながら多額の利益を上げているんじゃないかとか、そしてまたその役員構成が理事長家族の方々で事実上支配されて、その関連する会社に業務が委託され、要するに財団法人が私物化されているんじゃないかと。そしてまた、その法人が新たな財団法人をつくられ、それに関連して民主党の議員が大臣に陳情に行かれたと、こういうことも報道されておりますが、いろんな報道があるんですけれども、まずこの問題は一体何が問題だと考えておられるのか、文科省の御見解をまずお聞きしたいと思っております。

清水潔文部科学省生涯学習政策局長

○政府参考人(清水潔君) 財団法人日本漢字能力検定協会につきましては、去る二月九日に行った実地検査及びその後の追加調査により、第一に、公益事業における多額の利益に関し、平成十九年度決算においても多額の利益、七億円でございますけれども、それが生じており、平成二十年度において漢字能力検定事業以外の公益事業支出が増えることから、利益は相当程度圧縮される見込みではあるけれども、二十一年度以降の検定料の引下げを含む収支の状況が明確でないという点。  第二に、法人理事が役員である企業と法人の取引、いわゆる利益相反取引でございますけれども、手続規定が整備されていないこと、特に、広報、広告を行う株式会社メディアボックス、調査研究を行う株式会社文章工学研究所については取引全般の必要性が不明瞭であること。  第三に、漢字資料館を運営することを目的として購入した高額な土地建物については、立地的に資料館の運営には相当の配慮が必要とされるような場所にあること、購入後五年間を経過しているにもかかわらず購入時の目的を果たしておらず、また利用計画等も不明瞭であること。  第四点として、供養塔については法人の目的との関係が極めて不明瞭、不明瞭であること。  そして、これらの問題が生じた大きな要因として、法人の意思決定を行う重要な機関としての理事会、あるいはチェック機関としての評議会、監事等、それぞれの法人機関の役割が適切かつ十分に発揮されていないという問題点が明らかになっております。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 それでは、まず言われたのが多額の利益を上げていると、こういうことをおっしゃったわけなんですが、しかし多額というのは一体幾らからが多額というのか、その基準が実はよく分からないんですね。公益法人ですから当然、普通は費用弁償といいましょうか、利益が上がらない仕事をしているということなんでしょうが、しかし法人である以上やっぱり組織を継続して維持し、事業を行っていくためにはそれなりにやっぱり適正な利益がなければならないし、またその事業に関連して新たな仕事をしていく場合にも当然そういうことが必要というのはあるわけですが、じゃもうけ過ぎというのは、一体何をもってもうけ過ぎというふうに判断されているわけなんでしょう。

清水潔文部科学省生涯学習政策局長

○政府参考人(清水潔君) もうけ過ぎというのは、私どもが決してそういうふうな表現を使っているわけではございませんが、多額の利益という点について、まず一般的に、公益法人の特例の許可及び指導監督基準において、対価を伴う公益事業については、当該法人の健全な運営に必要な額以上の利益を生じないようにすることとされており、文部科学省においてはこの基準において指導監督を行っているということでございます。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 それもちょっと分かりにくいんですよね。といいますのは、財団法人日本漢字能力検定協会だけじゃなくて、他のいわゆる財団法人、公益法人におきましても数億円も利益を上げているところはあると思うんですよね。それからいいますと、特にこの漢検協会ができた経緯といいますのは、報道なんかによりますと、この理事長さんが元々学習塾等いろんなことをされておられまして、その中で、英検があるのなら漢検があってもいいじゃないかと、そういうところから実はされたというふうに伺っております。  それで、私、英語検定をされている協会の決算書なんかも見てみたんですよね。そうしますと、この英検の協会の方も大体受験者数二百万人を超える規模でありますから同じような収入があるわけでして、この平成二十年度の決算を見ていますと、大体収入の方が六十三億円ほど、そして事業の支出が五十八億円ほどですから、いわゆる事業活動での収支は四億二千万ほど出ているわけなんですよね。もちろんそのほかに、この中で投資活動の差引きがありますから、結果的にこの年度はマイナスということになっていますが、しかし事業活動では漢検の方が、この年度はたしか七、八億あるんですかね。こっちが四億ということになりますと、それなりにこちらもあるんですよね。  だから、金額でどうかというのではないと思うんですが、その辺はいかが考えているんでしょうか。

清水潔文部科学省生涯学習政策局長

○政府参考人(清水潔君) まさに先生御指摘のように、指導監督基準との適合性を見る場合に、単に利益が生じている、あるいはその額だけをもって判断するわけではなくて、当該利益が法人の健全な運営に必要な額と言えるかどうかという観点から判断をしております。  ただいま日本英語検定協会について、公益事業収支差額の御指摘がございました。例えば、これを英検で見ますと、英語検定協会自体は、第一に受験者が一定して増え続けているというような状況にはなくて、近年は減少傾向にございます。例えば、十一年度三百四十九万人であったのが、それをピークに十九年度、約八年後は二百四十万人ということで、百万人近い減少を見ております。  第二に、公益事業収支でありますけど、英検を私ども子細にフォローしておりますと、受験者数は増えているけれども、例えば平成二年と平成七年、五年間で約八十五万人増えましたが、実際上はコストとの関係では赤字時期がずっと続きました。そして、その結果、いろんな引当金を取り崩したりというようなことで合わせて、それでも対応できず、受験料の引上げを行って、その結果として収支差額が生じてきているということでございますけれども、次第に今の状況では圧縮が同時に見込まれるというふうなこともございます。  そういう意味で、なかなか英検の場合ですと、私どもそういう意味では健全な運営に必要な額以上の利益を生じているとまで言えるのかどうかという点で、様子を見守っていきたいとしているところです。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 英検の方は、私もこの決算書を見ていますと、漢検と違いは、公表している内容が細かな事業科目までこれ入っていますよね。割とその実態が明らかになっているんですが、もう漢検の方は、その利益どうのこうのというよりも、やはり大きくは、事業を関係会社に委託をして、その関係会社がブラックボックスになっています。ブラックボックスになっているんですが、そのブラックボックスの結果でも要するに多額の利益が上がっていると。  ということで、利益の問題云々というよりも、実は、先ほど利益相反ということもおっしゃいましたけれども、まさにこのファミリー企業に業務委託をして、結局は漢検の出てくる利益が、今でも出ているんだけれども、もっと実はたくさんの利益が出ていて、それがファミリー企業に吸収されているんじゃないかと。まさに利益相反、まさにこれは背任ということにもなろうかと思うんですけれども、この背任ということになってまいりますと、これは当然刑事的な責任も問われるわけですが、その辺はどのように考えておられるのでしょうか。

清水潔文部科学省生涯学習政策局長

○政府参考人(清水潔君) 漢検の状況については、まさに先生御指摘いただきましたように、公益事業の収支差額のみならず、利益相反あるいは取引の必要性自体が疑われるようなそういうものが存在し、さらには目的も明確ではないような土地建物の購入があったということで、いわゆる、御指摘もございましたような、あるいは一部報道もされていますような、もうけ過ぎとかあるいは私物化というような批判、それは公益法人としての在り方にかかわる、そういう認識を持っているところでございます。  私どもこの利益相反取引の状況について調査を行い、そういう意味で、特にこのうちのメディアボックス及び文章工学研究所に対しては、委託内容あるいは委託理由も含めて取引全般の必要性が不明瞭である、そういう意味では、取引全般の解消を含めた抜本的な対応が必要であると、こういうふうな考え方を持ち、そう指導したわけでございます。  ただ、利益相反自体については、御案内のように、それぞれが例えば理事会等の承認により追完も認められるわけでございます。取引に当たらないケース、あるいは該当するけれども許容するケース、あるいは該当し損害賠償を求めるべきケース、あるいは刑事的な責任も生じるようなケース、多々あろうというふうに思っておりますし、そこの部分ではまさに追完、承認の手続等は法人の判断にゆだねられているところでございます。  ただ、御指摘の刑事罰に該当するかどうかというのは、まさに捜査機関が収集した証拠に基づいて個別に判断される事柄でございますし、私どもが申し上げるのはなかなか、差し控えさせていただきたいと思います。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 確かに監督権限ではなかなかそこまで出られないのかもしれないんですけれども、やはりこの問題の一番の核心は、このファミリー企業の決算内容が明らかにならないと全容が全然つかめないわけなんですよ。  ここが壁になっているというんですが、その一方で、先ごろ塩谷大臣は衆議院の委員会の方で、この法人の解散命令も視野に入れた処分を考えているんだと。そういうことになると、非常にこれ法人を解散するということになると一番極めて重い処分になろうかと思うんですが、しかしそれをするにしましても、実はこの関係会社の中身が分からなければどうしようもないと思うんですよ。それを分からないうちでそういうことがそもそも可能なのか、そういうことも含めて、大臣、どういうふうにお考えでしょうか。

塩谷立自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(塩谷立君) 今回の問題は公益法人として大変残念な状況だと思っておりますが、私は衆議院の委員会で答弁したのは、今回、私どもからいろいろ調査あるいは指示をして、それに対する回答が来月十五日までということで、その内容によってまたいろんな改善命令とかそういった段階を経て、結果的に何も改善されない場合には解散命令も含めて検討するということでございまして、段階的ないろんな状況によっての判断でございますので、今お話あった、特に関連会社等の経理とかそういうことも明らかにして問題が改善されれば、それはその段階で改めて公益法人としての活動をやっていただくことになると思っております。  特に漢検のやっている事業については、事業自体は立派なことをやっていると思っておりますが、しかしながら運営状況というのが非常に問題であるととらえておりますので、そこら辺のところを解明していくことが大事だと思っております。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 それで、私は、どちらにしましても、取りあえず改善命令出しておられますから、その通知を見るのももちろん必要なんですけれども、やはり真相を解明するには、この関連会社をいろんな手段、これは例えば国税当局も含めていろんなやり方があろうかと思うんですよ。是非そこは考えていただきたいと、これは要望させていただきたいと思っております。  それで、漢検の業務自体はいいんだということをおっしゃっていたんですが、その業務の仕方、中身が問題であるということが今浮き彫りになってきたわけですが、そんな中、一般財団法人で資格標準化機構というのが設立されたわけです。これは漢検から二億円の拠出がされて昨年の十二月に設立をされたということなんですが、これに先立って、新聞の報道などによりますと、平成二十年の一月に、福山参院議員が同席されて、漢検の副理事長の大久保副理事長と一緒に当時の渡海文部科学大臣に面会をされて陳情があったというふうに報道されておりますけれども、この事実関係についてまずお聞きします。

清水潔文部科学省生涯学習政策局長

○政府参考人(清水潔君) 平成二十年の一月に、同協会から、同協会の役員が渡海大臣のところに陳情要請に参りました。そこで、検定を評価する仕組みを法制度の中に位置付けられないかというような点につきまして大臣に要望があり、そこに民主党福山哲郎議員も同席の上でございました。大臣の方からは、文部科学省の認定技能審査制度が平成十八年三月に廃止されたこと等を踏まえ、法制度化は難しいというような回答をしたものと承知しております。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 それで、この要望は難しいというふうに大臣が答えられたと、こういうことなんですが、私はちょっとそこで問題にしたいわけなんですよ。  といいますのは、平成二十年の一月の段階といいますのは、要するに文科省から様々な実地検査をして改善の命令が出され、通知が出されているわけですよね。そうしますと、普通、大臣のところにそういう団体の副理事長が新たな法人をつくると言って来られたら、そもそもあなた方の法人は非常に業務的に問題があるんじゃないのかと。まず、だから、大臣にそういう話がちゃんと通知されて、しかるべき、大臣の方が、そういう団体ならそもそも新しい団体をつくるなんてことは何事だと。むしろおかしいわけですよね。ちょっとあなた方来られたんなら言っておきますけれども、実はあなた方の基の母体となっている法人自体の運営がおかしいじゃないかということを本来指導できる立場にあったわけですよね。それをされていなかったのかどうか、そのことをお聞きします。

清水潔文部科学省生涯学習政策局長

○政府参考人(清水潔君) まず、陳情の背景については先ほど御説明させていただいておりませんが、当時文部科学省では、中央教育審議会の生涯学習分科会で学習成果の評価の在り方に係る検討の一環として検定制度の評価の仕組みについて検討を行って、十九年一月に中間報告が取りまとめられております。二十年一月でございますとその一年後ということになります。中間報告の内容は、学習成果を検定によってきちんと評価し、個々の検定の安定性、継続性、情報の真正性を確保するようなそういう仕組み、法制度化も含めて必要であるというような中間報告でございました。  こういう中で、検定試験を行う団体においては、漢検のみならず、英検あるいはそれ以外の検定の関係者においても資質向上に向けた団体設立の様々な動きが実はございまして、そういう活動の一環として漢字検定協会より陳情があったというふうに認識しております。  それで、御指摘の、陳情の当時、二十年一月において同協会に多額の利益が生じていたというようなことで指導監督を行っていたのは事実でございます。  ただ、今般、私ども、漢字検定協会に対して指導したのは、例えば先ほど申し上げた二社を含めた取引全般の必要性が疑われるような利益相反取引の存在でありますとか、漢字資料館用の土地建物の購入等の点については、実は二十年の十月、それ以降、九か月後でございますが、二十年の十月から二十一年一月にかけて外部からの情報提供により私ども調査を行い、そして全体の取引の実態を把握するに至ったというふうな経緯がございます。そういう意味で、同協会の運営上の問題の全貌を把握していなかったということになろうかと思っております。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 ですから、そうすると、大臣もそういうことを、当然上げていなかったというか、文科省自体が知らなかったと、そういうことをおっしゃるわけなんですよね。  しかし、私はそこで一つ申し上げておきたいのは、まず文科省自体が、その分かったのがつい最近なんだと、外部からのいわゆる通知といいましょうかそういうことによって分かったんだと言うんだけれども、そこがよく分からないんですよ。  文科省が調査をされましたのが平成十五年、十六年、それから十八年、二十年とされているんですね。そのときに、様々な法人の業務の運営状況とあるんですが、これは十五年でしたらAですし、事業の内容及び実施状況というのもBで、あとも会計処理収支、資産の状況A、予算及び決算の状況、これもAなんですよね。その後、十六年になってから、十六年もA、C、A、Aですか、それから十八年がB、C、A、A、二十年になってB、C、C、Bとなっているんですが、しかし事実は、随分前から利益相反取引も行われてきているし、関連会社に対して、要するにファミリー企業に対してお金の支出はされてきたんですよね。それを、いや分からなかったんだと、決算書では分からなかったんだというような言い方をされているんですが、果たしてそうなのかなと。  といいますのは、決算書を見ていましても、私は、例えば、普通でしたら予算と決算というのを並べて出しますと、当然その並べたときの予算といいますのは、途中で収入が上がったり下がったりしたら補正予算を組んでやるわけです。特に一番問題は、例えば予算を組むときには決算ができていませんからいわゆる前期繰越利益という額は確定していないかもしれないけれども、それは次の年度になったら必ず確定しますからね。予算と決算書を調べるときに前期繰越利益が一致していないなんということは本来あり得ないんですよ。ところが、ここの漢検協会の資料を見ますと初めから一致していないんです。  というのは、何が言いたいかといいますと、要するに、予算書は常に利益が余り出ない形で実は書いてあるわけなんですよ。ところが、決算を出すたびに莫大な利益が出ているわけです。それがずっと何年も続いているんですよ。だから、そういう状況を考えると、予算、決算の状況自体がおかしいんですよ。それをおかしくないという評価をしたらおかしいじゃないですか。なぜそうなっているんですか。

清水潔文部科学省生涯学習政策局長

○政府参考人(清水潔君) 当協会の予算と決算が乖離しているという点については御指摘のとおりでございます。  これにつきましては、私も担当の方から当時の状況を聞きますと、いわゆる検定の受検者数が常にこれがピークであるというような認識で、いわゆる現実にいえば受検者数をほぼ前年度のあれを言わばピークとしたような形で予算を組み、結果として実はその後に受検者数の増が相当見られるというような経緯があるようでございます。ただ、おっしゃるように、予算と決算の乖離が余りに毎年続いているというのは問題のある状況であるというふうに思っております。  なお、ちょっと一部付け加えさせていただきますと、先ほど先生から御指摘いただきました私どもの指導経緯の中で、例えばA、B、Cというそういう評価が特に十八年から二十年の間で非常に悪くなっているわけでございますが、要因だけちょっと一言だけ申し上げさせていただければ、実は十八年に会計基準とか会計帳簿の制度改定が、これは全法人共通でありますけれども、ございました。そういう意味で、例えば財務諸表への注記、外部監査の実施、会計帳簿の据付けなど改正に伴った基準の変更について適切に対応されていないというのが一つの大きな要因でございます。  もう一つの要因は、当時の法人の業務運営に関するものにつきましては、業務・財務状況のホームページ公開とか、理事、評議員の定数における上下限の適切な設定とか、過去の実地検査等における実態把握が不十分であったというふうに申し上げざるを得ないと、こういうふうに思っております。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 そして、何かこれを見ていますと、この四年間にされた直近のやつでもすべて担当の生涯学習推進課長さんの名前が全部違いますよね。ですから、そういうことも含めて、どうも問題意識が文科省として非常に小さかったんじゃないのかなと。ここに来て急にこういう問題が取り上げられまして大変だという形で認識されているんですが、私はこの法人自体がやっている仕事は確かに日本人の漢字能力を上げていこうということでそれは公益に資するものだと思うんですよ。しかし、やっぱり文科省が、監督すべきところがきっちり監督できなかったがために、もちろん問題は運営側の役員側にあるんですが、しかし、それでももう少し早くこれは指導しておけばこういう状況にはならなかったんじゃないのかなという気がしてならない。  ですから、そういう意味でいいますと、ここは文科省側にもかなりの監督責任があると思うんです。そのことも、前任の渡海大臣も知らなかったし、恐らく福山議員も知らなかったんでしょう。だから、知っておられたら、ちょっと待てと、来たときに、あなた方、もっと人を頼む前にまず自分のところを直しなさいと、そういうことになったんだろうと思うんですけれども、それほどみんながこれ分かってなかったということですけれどもね。  そこで、そうなってくると、まず私は是非これ委員長にお願いしたいなと思っていますのは、やっぱり実態を知ろうと思って今文科省に行っていましても、関係会社の決算内容は法的に強制的に調べられない仕組みなんですよね。だから、実態を把握するためには、この理事長なり副理事長なりを当委員会に招いて、招致をしていただいて内容を聞かせていただくのが一番いいかと思うんですが、是非このことについては御配慮をいただきたいと思います。

中川雅治自由民主党

○委員長(中川雅治君) 後刻理事会で協議いたします。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 それで、それを踏まえて、今後の処分なんですが、解散命令も辞さないということをおっしゃっているわけですけれども、しかし現実には、年間二百万人を超える受験者がおられて、恐らくですから延べでいいますと数千万受けておられるわけですよね。かくいう私の実は中一の娘も小学校時代に何級か受けまして、この話をしていますと、お父さん、私がせっかく受けたこの漢検の検定はどうなるのということを言うわけですね。恐らくそう思っておられる国民がたくさんおられるわけなんですよ。ですから、この検定自身は何とか残してやっていかなければならないんではないかなと。そうしないと大変国民的にも影響を受ける人がたくさん出てくるんじゃないかなと。  しかし、かといって、今のままではこれはとんでもないわけですよね。ですから、理事長、副理事長を始め、そういうファミリー企業と関連して、言い方は悪いですけれども、私物化しているような形の運営は絶対に排除しないとやっぱり漢検の、検定の意味すらなくなってしまうと思うんです。  ですから、まずそういうところのことを踏まえて、役員をすべて入れ替えるなり、それからもう少し検定内容も、何かこの前の月刊の文藝春秋によりますと、試験の内容自体が果たして意味があるのかというような非常に辛口のそういう記事も載っておりましたけれども、もう少し解散命令以前にそういうことをしていかなければならないと思うんですが、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

塩谷立自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(塩谷立君) 今回の問題について、実態を明らかにすることがまず求められて、我々も改善の指示をして、そして当方の今回答を待っているわけでございますが、そもそも公益法人、今の法律の中では多分これほどもうかることを想定していなかったと思うんですね。したがって、今我が省でできることというのはかなり限られたことでございまして、かといって、しっかり指導をしたかというと、明らかに甘かったことも事実でありますから、しかし、これだけの問題が明らかになってきましたので、この漢検事業、公益法人としての事業をしっかりまた今後続けられるような改善をする努力をしていかなきゃならぬと思っております。  今後、公益法人の登録が新たになりますので、そういったこともあり、今度どういう選択をするのかということもあると思うので、そのことも踏まえて法律的な問題も、このままやってもかなりやりようによってはもうけが出るんですね、これ、数が増えると。ですから、そこで何か歯止めを今後の一般財団法人のことでもやっていかないと、こういうことをうまく仮に利用したら、もうけるばかりで税金も払わなくてもいいようなところが出てきますので、そこら辺も今後は課題だと思っております。  いずれにしましても、この漢検については、しっかりと改善して、公益的な事業ができるように指導をしてまいりたいと思います。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 私も財団法人なんかの会計の顧問をした経験からいいますと、利益出るのはある種仕方ないんですよね。かといってマイナスになってしまうとこれ法人が維持できませんから。ですから、私は、出たらそれは公益のために使っていただけばいいんですよ、これは。いろんな例えば寄附をするなり、事業をするなりですね。私のためじゃなくて公益のために文字どおりすればいいんですが、それが、そういう気がない方が運営されるとこれはどうしようもないと。ですから、法律でなかなかこれだけ以上の金額というのは難しいと思うんですが、まずそういう支出を義務付けるといいますか、そういう方向ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

塩谷立自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(塩谷立君) 利益が出たら公益にというのも一つの方法かもしれませんけれども、やはり公益法人たる事業内容というのは始めから決めて公益法人としてやっておりますので、まずは利益が出ないことが前提になっておるんですね。もちろん利益が出るぐらいの収支をしないと運営していけませんので、したがって、そこら辺のところはやっぱり利益が出た場合どう処理するかということを何か法律的に考えていかないといけないんだろうなと思っております。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 終わります。

山下栄一公明党

○山下栄一君 最初に大麻の問題を質問したいと思います。厚生労働副大臣も来ていただいておりますので、最初にこれを取り上げたいと思います。  大麻の汚染の問題は私は相当深刻だと、こういうふうに思いましたので、質問させていただきます。その深刻な状態になっている原因がちょっと間違って伝えられているのではないかということも感じまして。大学生の検挙、逮捕、高校生、中学生もずっと続いております。私は、若者については非常な勢いで増えておるわけですけれども、もうほんの一握りしか検挙されていない、蔓延の実態はすさまじいのではないかと、こういうふうに感じましたので、質問させていただいておるわけでございますけれども。  最初にまず厚労省にお伺いいたしますが、毎年国連が薬物乱用者、大麻、覚せい剤、コカインとかその他やっておりますが、群を抜いて大麻の薬物乱用者が多いと。しかし検挙者は少ないと。このざっと乱用者数、検挙者数、正確な数でなくてもいいですけれども、ちょっと教えていただきたいと。乱用者数は推定ということらしいですが。じゃ、審議官ですね。

岸田修一厚生労働大臣官房審議官

○政府参考人(岸田修一君) 世界の薬物乱用者数につきまして、国連の薬物犯罪事務所が各国から提出される統計を基に乱用者数を出しておりまして、大麻につきましては、二〇〇二年には一億四千七百万人、こういう推定をいたしておりますが、六年後の二〇〇八年のレポートにおきましては一億六千五百六十万人ということでありまして、大体横ばい状態と、こういう状況でございます。

山下栄一公明党

○山下栄一君 検挙者。

岸田修一厚生労働大臣官房審議官

○政府参考人(岸田修一君) 検挙者数までは……。  日本の検挙者数で申し上げますと、平成十九年一年間におきまして二千三百七十五人が大麻取締法に違反した検挙者数というところでございます。

山下栄一公明党

○山下栄一君 日本の薬物乱用者数の推定、どうぞ。

岸田修一厚生労働大臣官房審議官

○政府参考人(岸田修一君) 日本におきましては、これは研究班でアンケート調査をして大体どれぐらいの乱用経験があるのかというところを調べたものがありまして、それによりますと、大体十五歳から六十五歳までの層位に対しまして大体〇・一%の乱用者がいるんじゃなかろうかと、こういう推定が出ております。

山下栄一公明党

○山下栄一君 〇・一%。何人ぐらいですか、計算しています。

岸田修一厚生労働大臣官房審議官

○政府参考人(岸田修一君) 〇・一%にその先ほどの十五歳から六十五歳の人口を単純に掛け算いたしますと、大体八万人ぐらいになる計算でございます。

山下栄一公明党

○山下栄一君 それで、私は、厚生省ちょっとちゃんとやってもらいたいんだけれども、国連の活動は毎年報告されているけれども、ほかの先進国は毎年報告しているのに、日本の場合はなぜ毎年報告しないんですか、これ。

岸田修一厚生労働大臣官房審議官

○政府参考人(岸田修一君) 国連の報告は毎年求めがございますので、先ほどの研究班の報告に基づいてその推定数を、推定率といいますか、それを報告申し上げております。ただ、国連のそのレポートが毎年毎年数字が更新されないというところから、少し昔の数字がまだ載っていると、こういうところがあると思います。

山下栄一公明党

○山下栄一君 是非これ、大臣、薬物乱用のことですね、低年齢化するとこれは世の中自身がもう荒廃していくと思うんですね。銃と、銃というのは銃と刀剣の銃ですけれども、鉄砲というか、銃とこの薬物の蔓延というのはこれはもう魂を奪っていきますので、これが若者に蔓延すると悲惨な状態になると。  ところが、政府におきましては、いろいろそれは確かに総理大臣本部長の会議はたくさんあるので整理したいんだと思いますけれども、薬物にかかわる対策本部はもう格下げされているわけですね、去年の年末に。総理大臣からもう担当大臣に替わってしまっていると。私は少なくとも文科省はこれは深刻に受け止めるくせを付けてもらいたいというふうに思います。若者に蔓延し、もう中学生も検挙されている、覚せい剤においては小学生もですから、相当深刻であるという認識が大事だと。  今の厚労省も、推定のこの報告は極めていいかげんだと私は思います。いいかげんな理由は法律にあるのではないかというふうに思うんですけれども、大麻取締法という法律は昭和二十三年にできた法律ですが、例えばネット販売ですけれども、種の販売は、種の販売も購入も自由だということになっていますよね。種の販売はネット販売等でやっても自由だと。規制も何にもないと、販売も購入も。もう一点は、持っていること、栽培すること、所持することは規制されているけれども、吸引ですね、吸引そのものは処罰の対象になっていないと。法律を比べたらよく分かるんで、ほかの法律は、覚せい剤その他ですけれども、使用、吸引、これは処罰の対象になっているのに、大麻取締法は種の販売、購入、それから使用、吸引ですね、これはなぜ規制の対象になっておらないのか。

岸田修一厚生労働大臣官房審議官

○政府参考人(岸田修一君) まず初めに、インターネットでの大麻の種子の販売のことについての御質問があったと思いますが、インターネット上でもって大麻の種子を販売するかのような広告、写真を載せる、あるいは購入を促すような掲載をする、こういう場合には、麻薬特例法という法律がございますが、そこに薬物犯罪のあおり、唆しというものが処罰の罪刑として設けられてございますので、そういったものが適用可能かどうかというところを個別事例に即して検討することによってそこは防いでいくことが可能ではなかろうかなと、こういうふうに思っております。  もう一点、大麻の種子を渡す行為についてどうかと、こういうところでございますけれども、種をまく前でありましても、不正栽培の予備行為ということでその栽培する前の段階から処罰が可能であると。また、種子を渡す側におきましても、不正栽培の幇助あるいは不正栽培のための種子の提供罪と、こういう処罰の規定がございますので、そういったものについての対応が可能だと思っております。インターネットを通じた、観賞用と、こういうことを称して大麻の種子を販売していた者につきましては不正栽培の幇助罪として摘発した例もございまして、こういったところで防止が可能ではなかろうかと思っております。  また、吸引、使用についての御質問でございましたが、使用する場合にはその前に譲受け、あるいは所持というものが必ずあるわけでございますので、そういう譲受け、あるいは所持、こういう段階での処罰というものが可能でございます。

山下栄一公明党

○山下栄一君 ごまかしちゃ駄目だよ、あなた。ほかの法律と比較してと私は申し上げているわけで、インターネットの話が出てしまっているけれども、要するに種子を、種を購入する、売る、これをダイレクトにそのものを規制されてないでしょう。  もう一つ。ちょっとごまかしちゃ駄目だよ、あなた。吸引、使用ですが、栽培とか所持は明確に書いてあるんです、これ法律に、大麻取締法に。どこを読んだかて吸引、使用、吸引というのは吸うということだけど、それはダイレクトに法律に書いてないでしょう。それがほかの法律と違うところだから私は言っているんですよ。  それは、吸引するというのはだれかが譲渡しになるとかそんなことを言っているのではなくて、使用そのものの規制、種子の売買そのものの規制、これは法律で書いてないでしょうと、そう言っているんです。

岸田修一厚生労働大臣官房審議官

○政府参考人(岸田修一君) 種子の販売について少し説明が不足しておりましたが、御指摘のように、大麻の種子は七味唐辛子にも入ってございまして、そういったものの販売そのものは確かに規制の対象ではございません。  また、その吸引についても、大麻取締法では吸引そのものについての処罰規定はないのはそのとおりでございますが、先ほど申し上げましたような譲受けや所持の規定があるということでございます。

山下栄一公明党

○山下栄一君 所持はもう言っているじゃない、そんな話は。  だけど、ここでちょっと大臣、特に僕はここに大きな問題あるなと。種を販売しても、購入しても、そのことの行為自身では処罰、規制になっていないんですよ。尿検査で出てもそれは別に処罰にならないんですよ。吸引、使用そのものです、そのものは処罰されない。これはほかの麻薬と違うんです、これね。何でこんなことになっているのかと。原因があると思うんですね。あるはずですわ、それは。  それはどういうことなんでしょう。これ、副大臣、よろしいですか。

渡辺孝男公明党厚生労働副大臣

○副大臣(渡辺孝男君) 大麻につきましては、大麻取締法におきまして、大麻の栽培者及び大麻の研究者には、都道府県知事の免許を受けた者であれば、それを所持、使用できるという、そういうことになっておりますので、全員が駄目というわけではないということであります。

山下栄一公明党

○山下栄一君 だから、生産者というか、麻ですから、麻の生産者というのは職業的には農業の人が多いんでしょうけど。生産者と研究者は免許制だと。それは知事免許だと。では、生産者とか研究者って一体どれぐらいいらっしゃるんですかと。昔はたくさんいらっしゃったと思います、昭和二十三年当時は。今はどれぐらいいらっしゃるのかと。数字を審議官示してください。

渡辺孝男公明党厚生労働副大臣

○副大臣(渡辺孝男君) 平成十九年末現在におきまして、大麻栽培者は六十名、大麻の研究者は三百六十二名、合計四百二十二名となっております。

山下栄一公明党

○山下栄一君 基本的にはやっぱり生産者に配慮してこの法律を作ったと思うんですね。昭和二十三年ですよ。それ以来ほとんど改正していないと、形式的な改正はあるけど。時代がもう激変していると。生産者は六十名しかおらないと。その生産者のことを想定して、売買は、種ですよ種、種の売買は駄目だとか、それから使用は駄目だと、こうなっているというふうに私は理解しているわけです。  そういうすき間というか何といいますか、これ何でこんなことになるのかなと思うんですけど、大麻取締法そのものに、もう一度、今の規定のままでいいのかという、そこに戻って、ほかの麻薬と比較してですね。こういう抜け穴があると、それは、栽培言うたかて、それは観賞用ですわとかいうことになっていったらこれ逮捕できないと。そんなはずなかったとしてもですけどね。ダイレクトに、だから種を買っても、インターネットで販売されてもそのものずばりではできないわけですよ。  だから、こういう状況の中で、大相撲がどうやとか大学生がどうやとかいう話がありますけど、それはもちろん、規範意識とか、それから啓発もそれはもちろんやらなあかんと思いますけど、根幹のところに抜け穴があったらそれはちょっとひどいんじゃないかと。人間だれもいつもいつも強いわけじゃありません、弱くなるときもあると。何かの友達その他の関係で、善意でとは言わぬけれども、悪さしようと思って初めからやっているのではないと思うんですよ。そこに引き込まれてしまった。ということは、これは麻薬ですから常習化していくかも分からない。たまたま検挙された人は二千七百人かも分からないけど、こんな状態だったら、これどれほど実際、警察能力も限界があるわけでございますから、いつもいつも大麻だけで走り回っているわけじゃないと思うんですね。潜在的な、だから乱用者というのは、推定の数自身もきちっとこれ調べられていない状況です。毎年報告すべきなのに五年に一回ぐらいしか報告していないと、同じ数報告していると。推定そのものも私は難しいと思いますけど。  この検挙というのは私もう本当の氷山の一角だという認識で、若者への蔓延を、物すごい勢いで増えているわけですから、検挙そのものも。これはちょっと根幹のところにメスを入れないと、法律改正ということです、私申し上げているのは。若者が汚染されたらこれはもうえらい話でございますので、アメリカの例を言うまでもございません。  これは、折しも対策本部を対策会議に格下げして、犯罪対策の下に、一つの中にこの麻薬取締りのことをやってしまっている状況でございますので、文科省だけは違うぞと、違う体制で臨むぞという、そういうことでこの問題に真正面から取り組んでいただきたいと。そうしないと、ある意味では、相撲協会も早稲田も慶応も京都大学も、ある意味では、ちょっと私言い過ぎかも分かりませんけど、被害者かも分からないという認識ぐらいのことでやらないと、法律そのものに欠陥があるんだという認識が大事なのではないかと。問題提起でございます。  大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

塩谷立自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(塩谷立君) 大麻の問題につきましては、昨年来、いろんな学校、あるいは今お話あった相撲の協会の中でも大きな問題として持ち上がっておりまして、誠に残念に思っているところでございまして、私どもとしては、学校教育の中で、大麻の、あるいは薬物使用の問題についてはそういった啓発活動あるいは教育の中でしっかりとその怖さも含めて指導していくつもりでございまして、特に最近は大学で検挙される例が多くなっておりまして、今までは大学向けのパンフレット等作っておりませんでしたが、来年度はそれも作成して一斉に配らせていただきたいと思いますが。  今お話しのこの取締法の法律の問題については、今の山下委員のお話の中で、やはりそこを厳しくやっていただくことが大事であろうと。なぜ今の法律のようになっておるのかということは私もまだ理解しておりませんが、是非そういう点は厳しく法律を改正するなりやっていただかないと、本当に若い、子供から青年がこういう形で実際に検挙もされるという事実が多く出ておりますので、未然に防止するという意味では、法律改正も是非検討していただきたいと思っております。

山下栄一公明党

○山下栄一君 ありがとうございました。  ちょっと厚労大臣とも、今日の質問も材料に、参考にしていただいて、法律そのものに、昭和二十三年の法律ですからね、生産者は激減して六十何人ですから、そういうことも含めて是非、今も大臣の御決意ございましたように、検討しないと、啓発とか規範意識だけではこれはちょっと違う対策になっているんじゃないのかなと、そのことは大事なんですけどね、というふうに私、理解しておりますので、今の大臣の御決意を大事にしていただきたいというふうに思います。  次に──副大臣、結構でございます。ありがとうございました。  義務教育の九年制、義務教育の九年は、教育基本法から九年というのは外れましたが、ちょっとこの九年間勉強してちゃんと理解して卒業しているのかなということを最近思うようになりました。もしよく分からないままに卒業しておると、ほとんどの中学生が高校に行きますので、また新しい高校学習指導要領がかぶさってくると。もし分からぬままに卒業する人が並みの数じゃないんだったら、こんな苦痛なことはないと。劣等感を思いっ切り拡大して十五歳、十六歳を迎える、こんなことはちょっとおかしいですねということを考えるようになりました。  大臣は、余り統計ないようなんですけれども、百万人ぐらい卒業するんですかね、中学三年生。卒業するときに、九年間勉強して、教科にもよりますけど、どれだけ理解して卒業しているんだということは検証する必要があるのではないかということを重要な視点として提起したいと思うんですけれども、何か検証する方法はございますでしょうか。

塩谷立自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(塩谷立君) 義務教育の九年間でどこまで子供たちが学習をして達成するかというのは、まさに私どもの一つの大きな課題だと思っておりまして、今それをどう検証するかというのはなかなか具体的には難しい中で、小・中学校教育課程実施状況調査というものを実施しておりまして、小学校五年から中学三年までの児童を対象として抽出によりこの調査を行っている。直近では平成十五年度の調査で、一応ほとんどの教科、学年において学習指導要領の目標、内容に照らして想定された学習が実現されているとの評価がされているところでございます。また、全国の学力・学習状況調査も今年で三年目を迎えますが、この学力調査の結果また改善を図って、児童生徒一人一人が学習状況の改善をしていくことをねらいとしておりまして、これについては小学校六年と中学三年で行っております。これは国語と算数、数学でございますが。  いずれにしましても、義務教育の九年間でしっかりと知識等の定着をすること、またその知識等を活用する力に課題があるということもありますが、そういった調査をどういうふうにやったらまた効果的に活用できるかということも含めて、今、山下委員が、多くの生徒がなかなかそこまで行っていないんではないかなという、これは多分推定の話だと思いますが、どの程度そういう方がいるか、これも大変な一つの問題になると思いますので、また今後検討してまいりたいと考えております。

山下栄一公明党

○山下栄一君 学校の授業の理解度ですか、これは教育社会学者ですかね、そういう委託調査されたことがある、七五三という言い方ですね。要するに学校の授業の理解度と。小学生は七割理解して中学に行く、中学生は半分理解して高校に行く、高校は三割というふうな、七五三というふうな、これは一つの調査だと思いますけれども、私もこの辺当たっているんじゃないのかなというふうなことも感じるときあるんですけれども。  学力調査とか、それから学習指導要領の教育政策研究所が行う抽出調査も一つの検証だと思うんですけれども、この検証はちょっと日本全国、全員ということは難しい。学力調査はそれを活用するということもあるでしょうし、モデル的にやるというふうなことも、どこかの市町村、設置者のところで、小中の、義務教育の話ですから、ということも考えられるのかなと。言うほどに簡単なことではないかも分かりませんけれども、やっぱり検証というのは大事なのではないかと。本当に分かっているのかなと。  それで、関連してですけれども、中学校卒業後の進路ですが、高校という名前、学校教育法上の高校に行くという、それ以外に、専修学校に行く、高専、高等専門学校に行く、就職する、この辺りかなと思うんですけれども、大体どの程度行かれているのか、ちょっと数字を言えるようでしたら言っていただけますか。政府参考人で結構です。

清水潔文部科学省生涯学習政策局長

○政府参考人(清水潔君) 中学校卒業者の進路状況、平成二十年度の数字で申し上げますと、卒業者数約百二十万人という中で、高等学校の進学者が百十七万人でございますから、九七・八%というような状況でございます。それから、高等専修学校、高等課程進学者が二千七百二十二名、〇・二%、一般課程入学者が〇・一%、公共職業能力開発施設等の入学者が八百六十名、〇・一%、就職者が七千三百名、〇・七%、その他一万三千七百人と、こんな状況になっております。

山下栄一公明党

○山下栄一君 その他というのもちょっと気になりますけれども。九八%近くの人が高校という名前の付いたところに行くと。それは高校学習指導要領がかぶってくるところだと思うんですね。  それで、私は、何か知らぬけど高校に行かないかぬということになってしまっているということが不幸だなと。高校ぐらい卒業しておけよということが、高校を卒業しておけということは高校学習指導要領を課されるということですからね。それは、柔軟化しようが多様化しようが、高校学習指導要領が課されることは間違いないと。  専修学校ですね。専修学校は、そういう何かこう指導要領的なものはあるのかないのかということと、専修学校、先ほど〇・二%とおっしゃいました。私は中学卒業して専修学校の道というのは非常に大事なのではないかと。ところが、探してみたらほとんどないと。専修学校で何かこうパソコンとか、調理師とか美容師とか今はどんどんなくなっていると。英語、数学もう堪忍してという気持ちが大きいのに行くところがない。専修学校すら高卒が普通になってしまっていると。ここが大きな問題点かなと。  就職というのは、中学三年生の先生で就職に配慮してハローワークと連携取って走り回ってくれる先生もいらっしゃるかも分かりませんけど、基本的には高校の進学ということを前提で進路指導をやりますから、就職指導というのは基本的に慣れてないし、習慣もないと。例外的な人ですから。ノウハウもないと。だから自営とか、もうとにかく、というようなことじゃないかなと思うんですね。  私は、この中卒の就職ということと、それから専修学校の道というのは大事なのではないかなと。だけど、どっちも世間は冷たいと。体制もないと。ここを何とか変える必要があるのではないかというようなことを感じます。  高校という名前の学校に九八%も行く。たとえ六割分かっていたとしても四割は分かっていないわけですからね。七五三でいくと五割が分かってないとしたら、科目にもよると思いますけど、それはもう晴れ晴れと高校に行けてない子供が多いんじゃないのかなという、そういう認識でございます。  専修学校に中卒を受け入れるところが余りにも少ないという問題、就職に対するハローワークの体制も、それから学校における進路指導の中卒で就職したいという子供に対する環境整備も非常に弱いのではないかという問題提起に対して、大臣の御所見をできたらお伺いしたいなと。

塩谷立自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(塩谷立君) 高校の学習指導要領を今年改訂することで今の問題等もしっかり踏まえていかなければならないと思っておるわけでございますが、果たして高校へ行って理解してない人が大勢いる中でそれがいいのかどうなのかということだと思います。  確かに、今、山下委員の、もう英語やそういうのはたくさんだという人は多分多くいるのかなという感じはします。したがって、一つの道としては中学卒業しての専修学校、あるいは就職を希望する人がどの程度いるか、しっかり把握はしておりませんが、いずれにしても、キャリア教育というものが重要であろうと私は感じておりますので、今、普通高校の、専門高校のいわゆる役割あるいは高専の役割、専修学校の役割等も含めたキャリア教育の在り方というものを中教審に諮問をしておりまして、今作業部会もつくってやっていただいておりますので、その検討状況によってまた私どももしっかりと今後のキャリア教育の位置付けをしてまいりたいと思っております。  したがって、私どもも問題意識を持って、そして高校のある面では在り方も含めて、前々から私も、果たして高校の役割は何かということ、そこら辺をもう少し明確にする中で、キャリア教育と併せて今後検討してまいりたいと考えております。

山下栄一公明党

○山下栄一君 私は、高等学校に九八%ということになってしまっているのは、ちょっと制度改革を考えるときが来ているなと。高等学校という、後期中等教育は大体六割ぐらい行くと。あとの、専修学校と申し上げましたけれども、実学中心の、就職にすぐ役立つというか、専門高校もそういう受皿になっている部分もありますけれども、なっていない部分もあると考えましたときに、思い切って複線化といいますか、義務教育終わったら受皿が、元気いっぱい行けるところが高校だけじゃなくて、ほかに実学コースというか、それが専修学校かなというふうな雰囲気なんですけど、私の場合はね。それは、だけど、一条校じゃないというふうなことでちょっと冷遇されている面もありますので、きちっとした学校体系の中に位置付けるようなそんな議論もすべきではないのかなと思っております。これは意見だけ申し上げます。  九年間で、特に、中一、中二、中三の英語とか数学とか国語とか社会とか理科、これ難しいなと。なかなか難しいですよ、あれ。だから、その九年間を本当によく理解できたらもう社会人としての基礎力は整っていると。全国一億二千万、中学校レベルの理解が浸透したとしたら、それは非常に優れた人間が育っていると。人間というか、いろんな、というのが元々のこの義務教育の目的ではなかったのかなと。社会人の基礎力が九年間の勉強で大体マスターできると。実際そのような内容になっているんではないのかなと。  本当に、中二、中三の教科書開いてみたら、難しいなと。もう一回勉強したいなということを五十歳過ぎてから勉強したいのが、高校の勉強はちょっと難し過ぎてよう分からぬと、だから、社会とか理科とか地理とか、歴史もそうですけれども、中学校の本を読んでもう一回勉強したいなという気持ちに襲われる人も多いのではないかと。生涯学習という観点は、九年間の学習内容を再チャレンジでもう一回勉強するということもあっていいのではないかと。高校の勉強をもう一回したいというよりも中学校の勉強をもう一回したいなという、それほどやはり九年間の教育内容は大事だなと、義務教育の目的というのはそこにあるのではないかというふうに感じております。  夜間中学というのがあるんですけれども、これがなかなか地方の財政難でうまく活用されていないと。別に夜間でなくてもいいんですが、昼間でもいいと思う。再チャレンジで、五十過ぎても六十になっても七十になっても中学校の教育内容を勉強できると。たまたま夜だったら夜間中学と名付けると。そういうことをきちっと生涯学習体系の中で位置付けてもいいのではないのかなと。  夜間中学を簡単に、今どんなふうになっているのかと。生徒数と設置されている県の数だけで結構です。

金森越哉文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(金森越哉君) 中学校の、いわゆる夜間中学校でございますけれども、義務教育の未修了者で学習意欲を有する者に対して義務教育を受ける機会を提供しており、国民に対して広く教育の機会を提供するという観点から一定の役割を担っているものと考えております。  この夜間中学校でございますが、現在、全国に八都府県、三十五校ございまして、平成十九年五月一日現在で二千三百十七名、この方々は学齢を過ぎた方々でございますけれども、二千三百十七名が在籍をいたしております。また、日本国籍を有しない生徒が千六百九十六名在籍しておりまして、全生徒に占める割合は七三・二%になっているというのが現状でございます。

山下栄一公明党

○山下栄一君 もう一度積極的に位置付けてもいいんではないのかなと。生涯学習の視点、再チャレンジの視点でもう一回義務教育を勉強するという。そうしたらちょっと財政支援もやる必要があると。私はそのニーズは、もう人生八十年の時代ですから、新卒中心主義の日本の国内にあっては、もう一回五十過ぎてから勉強したいなというのにふさわしいのは中学レベルの教育内容じゃないのかなと思いましたもので、言っております。  中学卒業認定試験、この問題をちょっと取り上げたいと思いますけれども、中学卒業認定試験というのは昭和四十年代から始まったそうですが、今受験実態、どんなふうになっていますでしょうか。

清水潔文部科学省生涯学習政策局長

○政府参考人(清水潔君) ちょっと今手元に資料を持ち合わせておりませんで、後ほどお答えさせていただきます。

山下栄一公明党

○山下栄一君 これは生涯学習政策局生涯学習推進課から資料を昨日いただいたんですけれどもね。済みません、そうしたらしようがないですけれども。  大体七十人前後受験されて、合格者平成二十年の場合は六十二名と、半分以上が外国籍の方でございます。だから、外国籍の方にとっては、中学卒業ということ、これは非常に大事になってきているなと。これは、また次の機会に外国人学校の問題とか学費にかかわることをちょっと、学費のことは質問したいと思っておりますが、中学卒業認定試験というのは別の意味でえらい注目されるようになってきたということでございます。  ただ、この試験問題、公表されていないと。高校卒業程度認定試験は公表されているのに、中学校認定試験は公表されておりません。したがって、外国籍の方が受けようと思っても分からないと。どの程度勉強したらいいのでしょうねと日本語教育の先生に聞いても分かりませんと。情報がどうなっているのかさっぱり分からないと。これはちょっとすぐに変えてもらいたいなと、中学卒業認定試験は公表すると。どうでしょうか。

清水潔文部科学省生涯学習政策局長

○政府参考人(清水潔君) ただいまの御指摘も踏まえまして、中卒認定試験の在り方についていろいろ検討させていただきたいと思っております。

山下栄一公明党

○山下栄一君 大臣、どうですかね。何で公表しないのか分かりませんけれども。

塩谷立自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(塩谷立君) 中学卒業認定試験の存在も私は余り、申し訳ないです、存じなかったものですから、ちょっとしっかり調べて、それだけやはり外国人も含めて必要だと思いますので、しかも公表されていないのは何か理由があるのかちょっと分かりませんけれども、しっかり調べて対応したいと思います。

山下栄一公明党

○山下栄一君 あとの残された時間、別の質問をさせていただきます。  大学院生なんですけれども、特に博士課程ですが、就職が悲惨というのではないかというふうに思っております。一万六千人で一万人ほど就職するということなんですけれども、ちょっと就職という学校基本調査だけでは、私はもうちょっとちゃんと調べてもらいたいと。  それは、正規か非正規かということです。大学院博士課程を卒業して、もう親も莫大なお金を投入して、そして行くところがないと。これほど悲惨なことはないというふうに思います。就職がどうなっているのか、正規、非正規はどうだと。データがないようなんですけれども、なかったらこれはちゃんとデータの取り方変えてもらって、正規、非正規が分かるような、就職の実態、社会にどんな出口として行っているのかということを生々しく分かるような実態を把握してもらいたいなと。そうしないと、大学院生増やせとか若手研究者を育成するとかということはナンセンスだというふうに思いますけれども、いかがですか。

徳永保文部科学省高等教育局長

○政府参考人(徳永保君) 学校基本調査によりますと、大学院の博士課程を修了した者、就職した者は六割でございますが、そのほか一時的な仕事に就いた者が三割、あるいは分からないという者が千五百六十九名おります。そのほかに、それ以外、左記以外という回答もございまして、言わば就職も進学もしていない者等は全部で四千九百人。あるいは、一時的な仕事に就いた者等もその内容はよく分かっておりません。  そういったこと、御指摘ございますので、博士課程修了者の詳細な進路状況につきましては、今後きちっと把握をするということについて、その具体的な方法等について検討していきたいと思っております。

山下栄一公明党

○山下栄一君 ありがとうございます。  科学技術に力を入れていこうと、成長戦略の面でも大事だということで予算も重点化されております。ただ、この中で、私は人件費という言い方をしているんですけれども、若手研究者にもいろんな名前で予算が付いているんですけれども、何か腰が引けた予算の付け方しているなと。若手研究者に力を入れて、立派に育成するぞという迫力を感じないと。既存の大人の、大人というか、人にはいっぱいお金が行っているのか知りませんけれども、若手に何でこんな冷遇しているのかなと。  何兆円という科学技術予算の中で、文科省は非常に大きい比率占めております。人件費の中で、特に若手にもっと割くべきではないかと。いかがですか。

塩谷立自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(塩谷立君) 若手の登用というか、あるいは外国人も含めて研究者の活躍の場を考えなければいけないということで、私どももその点についてしっかりと対応していくべき考えを持っております。ただ、定員の問題とか、なかなか、行革推進法も枠がはまっているということでありまして、そういう中でできるだけ若手に配慮するということを今後考えていく必要があって、その分野でも予算、科学技術振興費等を増やしておりまして、今後やはり一つの仕組みを新たに考えていくことが必要だろうと。  今の枠組みであるとどうしても人数的にも制限がありますし、また、今後、研究者の在り方等も、いろいろと、将来の科学技術の研究開発、これを充実していくためには、やはり自由な発想とか若手のいろんな新しい発想ですね、そういったものが必ず必要だと感じておりますので、そんなところを、特に昨年のノーベル賞受賞を機に、科学技術、特に基礎科学力強化年ということで今その構想を練っているところでございますので、そういった意味も含めて、今後、若手研究者が活躍できる場をしっかり検討してまいりたいと考えております。

山下栄一公明党

○山下栄一君 高等教育局長にお分かりでしたらちょっとお願いしたいんですけれども、大学院生を増やしていこうという、計画的に増やしていこうという何か取組はありましたでしょうか。

徳永保文部科学省高等教育局長

○政府参考人(徳永保君) ちょっと私の手元に、大学審議会といった時代でございますけれども、平成二年、三年、ちょっと若干その当時の記憶であるわけでございますが、その時点で大学院の規模というものを倍にしていくというような形で計画をいたしました。

山下栄一公明党

○山下栄一君 それで、私ちょっとこの科学技術政策がちぐはぐじゃないかなと思うんですね。総合科学技術会議というのがこれは内閣にございますよね。そこでは人材が大事だと言っているんですよ、若手の人材も育成せないかぬと。だから大学院生も増やしていこうと言っている。その大学院生の博士課程がこんな悲惨な実態だったら何なんですかと。人件費は、何か人件費削減のノルマが掛かっていますと。国として何をどう考えているんでしょうねと。全然一貫していませんねと。既に地位のある人にいっぱい配るんですか、お金をと。一方では若手が大事だと言っているのに、科学技術予算では人件費は増やせないんです、若手にも増やせないんですと言って、非常に何かこう、こそくじゃないわ、ちょっとゆがんだ形で若手研究者にお金を渡そうとしているみたいなイメージがあって、ストレートに、益川さんとか話をするんだったら、あの人たちはいつ蓄積したんですかと、力を。それはやっぱり学校の時代だと思うんですよ。  だから、何かちぐはぐなことになっているなと。科学技術予算を増やすんだったら、若手に思い切ってこれだけ増やすんだ、その仕組みはこういうふうにつくるんだと。大学院生の処遇も改善すると。そして教育内容も、論文で勝負することも大事でしょうけれども、論文だけで評価されたら企業の方はもう要らないと。論文は書いているかもしらぬけれども、もう企業は要りませんよと。ということは、企業の研究所がもう独立行政法人とか国立大学法人になってくる、そこは削減されておるというようなことですよね。だから、トータルに日本の科学技術政策、そして若手の研究者をどう育成するんだということを真正面から取り組む、腰引けてやっているんじゃないのかなと、みんな遠慮しながらというような感じがするんですね。  だから、大学院の教育内容も、アメリカはよう知りませんけれども、企業が欲しいと、ちょっと給料高く付くけれども欲しいというふうな、そういう社会的に活躍できる大学院卒業生というふうな考え方、ということを感じまして、大学院の教育内容、何でこの成果を見るかと。論文の数だけじゃなくて、どれだけ社会に人材を送り込んだかということで担当教員とか大学院の成果を測るということも大事ではないかと。  最後に、大臣のお考えを一言お聞きして、終わりたいと思います。

塩谷立自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(塩谷立君) 基本的に、山下委員のおっしゃった若手の活用ということは当然今後考えていかなければならないと思っておりまして、腰が引けているというようなのが、実態としてはそんな状況かなというのは思われてもしようがないような今の予算の状況でございますが、思い切って若手に活躍していただくにはどういうやり方が必要かなということを是非検討してまいりたいと思います。  特に、ノーベル賞のお話をしますと、やはり三十歳前後のアイデアがこうやって今回それが証明されたわけでありますから、自由な発想、そして若手がいろんな場面で、分野で活躍できるような在り方、そういったことを検討してまいりたいと思いますし、科学技術政策全体の今後の在り方等も含めて考えていかなければならないと思いますので、前向きにその点は今後検討してまいりたいと思っております。

山下栄一公明党

○山下栄一君 どうもありがとうございました。

中川雅治自由民主党

○委員長(中川雅治君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後三時三十八分散会

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