農林水産委員会 第16号
- 発言数
- 166 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2009/07/02
会議録
○委員長(平野達男君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る六月十七日、外山斎君が委員を辞任され、その補欠として亀井亜紀子君が選任されました。 ─────────────
○委員長(平野達男君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 農林水産に関する調査のため、本日の委員会に文部科学大臣官房審議官尾崎春樹君、厚生労働省労働基準局労災補償部長石井淳子君、厚生労働省職業安定局次長大槻勝啓君、農林水産大臣官房長佐藤正典君、農林水産大臣官房総括審議官實重重実君、農林水産省総合食料局長町田勝弘君、農林水産省生産局長本川一善君、農林水産省経営局長高橋博君、農林水産省農村振興局長吉村馨君、林野庁長官内藤邦男君、水産庁長官山田修路君及び国土交通省土地・水資源局次長宮崎正義君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平野達男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(平野達男君) 農林水産に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○岩本司君 おはようございます。民主党・新緑風会・国民新・日本の岩本司でございます。国民の皆様方に分かりやすい質問をさせていただきますので、分かりやすい御答弁、よろしくお願いいたします。 本日は、三十問以上通告させていただいていまして、ちょっと量が多いと思われるかも分かりませんけれども、別に選挙前だから大臣を困らせようと思ってこれ質問をしているわけじゃございませんので、私も仕事でございますので、何とぞ御理解と御協力、よろしくお願いを申し上げます。 まず、農地関係について質問させていただきます。 農地関係三問ございますけれども、時間の関係で、これ一言で申し上げますと、農地法の改正でございますが、私ども民主党は一歩前進ということで賛成をさせていただきました。しかしながら、耕作を放棄されている方々にはやっぱり将来的にはもう権利も放棄していただかないと、日本の未来の農業はこれ成り立たないんじゃないかというふうに私は思います。保有コストを上げる政策ですとか、いろいろあると思います。じゃ、税金をどうするのかとか。そのような検討が行われたんでしょうかね。 その辺のことと、それと、八〇%以上の農業委員会では特別な活動はしていないことが本当に浮き彫りになっております。耕作する場じゃなくて、資産運用の場になっている。これ、ほかの委員の方も質問されておりましたけれども、そういうふうになっていたり、私は、農地の保有コストを高めるなり、優良農地の転用は二、三十年認めないと、そのぐらいの手を打たない限り大変難しいんじゃなかろうかと。一言で言うと平成の農地解放といいますか、そのぐらい大胆なことをしなければならないんじゃなかろうかと。 以前も申し上げましたけれども、我が国日本から何日も掛けてブラジルやドミニカに行った先輩方がいらっしゃいます、日本の。ああいう方々は、ブラジルやドミニカに行くと、もちろん国内でも仕事が少ないという現状はあったようでございますけれども、現地に行けば土地を、大きな土地も手に入れられ、大きな家にも住めるというような夢や希望があったんですね。私は、今失業者の方もそうでございますけれども、会社勤めして上からがんがん言われて下からあおられる、そういう生活よりも、給料は少しは安くなっても自分の土地がもらえる、また大きな家に住めるんであれば、農業の世界に家族で行こうかというような議論にもなろうかと思うんですけれども、その点をまとめて御答弁いただければと思います。 大臣、よろしくお願いします。
○国務大臣(石破茂君) まとめて答弁せよというかなり難しい御下命ですが、農地法の改正には賛成をいただきました。誠にありがとうございます。一歩前進、それはそのとおりで、私どもこれがすべての完成形だと思っているわけではございません。これをまず着実に実施をし、その状況を見ながら次の手というのは考えていかねばならない。一歩前進ということは私も同じ認識として持っております。 今回の改正は、もうここでくどくど繰り返すことはいたしませんが、要は利用というものに着目をしようと。持っているけれども利用しない、あるいは持っているけれども利用できない状況になっちゃったと。これをどうやって利用拡大をしていくかということが一番の根幹にあるわけでございます。それを何々主義と麗々しくうたうことはいたしませんが、とにかく持っているものを利用しようよ、人に貸してもらおうよ、あるいは貸しやすく借りやすくしようよというのが今回の法でございます。 農業委員会の皆様方に多くの責務を担っていただかねばなりませんし、その農業委員会でどこで何が議論されているのかということが可能な限りの公開性、透明性を持たねばならないと思っております。農業委員会の責務が随分増えますので、そのことに対する手当てもちゃんとしなさいという御指摘をいただいたところでもありまして、随分と予算面でも配意をしてまいったつもりでございます。 何でこんなことになっているかというと、私は多分二つあるんだろうと思っておって、一つは、やはり兼業が可能になっちゃったということが一つございます。兼業が可能になっちゃいましたということ。ですから、規模拡大をしてそれによって収入を得ようというインセンティブが余り効かなくなっちゃったと。農家の収入自体は勤労者所得と均衡するところまで来ましたが、じゃ農業としてどうなのというと、規模を拡大してコストを下げてというインセンティブが余り効かない構造になっているということが一つございます。 それからもう一つは、委員御指摘になりましたが、資産保有的な側面が出てきた。ただ、これ農地すべて押しなべてそうか、玉突き効果という議論もございますが、それでは中山間の、中国山地とかあるいは四国山地とか、そういうところの限界集落みたいなところが、そこは資産保有としての価値を持っているかといえば必ずしもそうではないので、ここを一刀両断、とにかく資産的な価値を持っているのはけしからぬというような議論はかなり乱暴かとは思っているのですが、そういう面があることも事実だというふうに認識をしております。 じゃあと、じゃコストをもっと掛けろということなのですが、なぜ農地だけ保有コストを掛けるか、これは精神論的にはそうあるべきだという議論はございますが、私有財産でございますので、じゃなぜ農地だけ保有コストを上げるかということは、更に議論は必要だろうと思っております。お気持ちはよく分かるのですが、それが一つ。 それから、農地を農地として利用しやすいようにということで随分考えてまいりましたので、そこのところを更に広げていくということが大事なのだろうねというふうに思っております。この農地法の改正だけですべて事足りているわけではないというのは冒頭申し上げたとおりですので、今回の実施状況を見ながら、これが本当に農地を農地として活用する。ドミニカの例もおっしゃいました、ドミニカが大変だよということはもう尾辻先生がいつもおっしゃったお話でございまして、決して夢のような国が広がっていたわけではないということもよく認識をいたしておりますが、これだけ農地がある、これだけ自給率が四〇%でありながら耕作放棄地がやたらと出ているということは、本当に農政の根幹の問題だと思っておりますので、この農地が利用される、やはり付加価値が上がり、そしてコストが下がり所得が増えるということに農地の利用が資するように今後とも努力をしてまいりたいと思っております。
○岩本司君 大臣、ドミニカの話でちょっと誤解があるようでございますけれども、私が申し上げたのは、ブラジルにしてもドミニカにしても、行く前はそういう夢と希望があったと。しかし、行ってみたら全然条件が違ったということで、私はその条件の違うことがいいことだと言っているわけではないんですよ。ですから、夢と希望を持てるように土地や大きな家に住めるというような担保がなければ、なかなか農業をする若者は増えていかないのではないかということを申し上げているわけであります。 それと、増税とかあるいは、何というんですか、私、先ほど申し上げましたけれども、保有コスト、その点はちょっと、大変微妙なところだと思います、実際。しかし、こういうタブーのところにメスを入れていかないと、改革といいますか、日本の農業の未来は大変厳しいところにもっと追い込まれていくんじゃなかろうかと。 ですから、これは勇気を持って、それこそ党派を超えて、何年後には、例えばですよ、何年後には耕作放棄されている方はちょっと所有権も放棄していただくと。これは昔、日本でも農地解放をやっているわけですから、そういう大胆な改革をすべきではないかということをこの場で申し上げて、御所見がまだあるんであれば、どうぞ。
○国務大臣(石破茂君) これは、いい知恵があったら是非教えてくださいということなんでありまして、一部の論説にありますところの資産保有的な価値があってと、だから農地を農地として利用しない、そのことに一番の問題があるのではないかということを、私も首肯するというかうなずくというか、そういう面がないわけではありません。 じゃ、それをどうするのというときに、それが、農地が農地であるがよってに、じゃあなたと、これを利用しないんだから手放してちょうだい、所有権を放棄してちょうだいと言ったとしましょう。じゃ、その人の期待権というもの、これがやがて高速が通るかもしれない、もちろん公共施設へ転用するということは今回かなり抑えているはずなのですが、そういうものをどうしましょうかという話をこれは議論しなければいけないことなのです。 それは別に高速に限りません、宅地でもいいですし、商用地でも何でもいいです。そこになることに対して期待を持っていたとしましょう。それに対して、あなたは農地を農地として利用していないのだからというところまでは仮に議論を進めたとして、そういう人たちに対する補償というものをだれがどのような根拠に基づいてどのように行うのかというところになると、かなり議論が止まってしまうところがあるのです。そこを乗り越えていかないと次の話にはならないだろう。 じゃ、日本の土地の在り方と、ヨーロッパの土地の在り方とどう違うか。農地の価格が何でこんなに違うのかというところは、前も申し上げたかもしれませんが、いろんな国の法制というものをよく調べながら、大陸法系とあるいは英米法系とどのような法体系になっているのかというところまできちんと詰めた議論をしたいというふうに私は思っております。そこまで私詳細に全部存じ上げておるわけではありませんので、何か考えがあれば述べてみよという御下問に対しては、今のようなお答えしかできないというのが実際のところでございます。
○岩本司君 私が申し上げているのは、農地解放は、農地として活用してくれる方に解放しているわけですから、それが時代を超えて全然、今大臣おっしゃったように、だれだれさんのところに道路通ってお金が入ったから、じゃ自分のところも待っておこうみたいな、そういうことじゃないんですよね。 ですから、基本に戻しましょうということです。政治で決めないと決まらないですよ、これ。そのために国会があるわけですから。国会以外じゃ僕はこれ決められないと思います、こういう問題は。ですから、これを一歩前進で私どもは賛成しましたけれども、今後、本格的にタブーと言われたこの問題にメスを入れて、五十年後、百年後の日本の未来の農業のために議論をしましょうと申し上げているわけであります。 農業関係はまた、今日も宿題のような形で大臣に申し上げましたけれども、また次、真剣にこの議論を重ねていきたいというふうに思います。 次に、路網整備ですね、林業の、路網整備について前回私質問させていただきましたけれども、小規模森林所有を取りまとめて施業の集約化を図ることが、これはもう重要だというふうに考えております。所有森林の境界の明確化、これが、そのためには所有森林の境界の明確化をしなきゃいけないんですね。 有り難いことに、私も前回質問をしたその後、二十一年度の当初予算で森林境界明確化推進事業として十億円の予算を手当てされております。また、二十一年度の補正で、これは、森林整備加速化・林業再生事業、これで千二百三十八億円がこれ設けられました。 二十一年度の当初予算と補正予算でどの程度森林境界の明確化の整備を進めることができるのか、ちょっとお答えいただければと思います。
○政府参考人(内藤邦男君) 委員御指摘のとおり、森林吸収目標の達成のためには森林整備を進めていかなければいけません。そのためにはまず境界を明確化しなければいけないということで、私ども、どれくらいそれをしなきゃいけないかということで試算をいたしました。 これは、昨年、森林組合等へアンケートを行いまして、それを基に試算したものでございますけれども、森林の境界が不明等の理由から間伐等の実施が困難な面積ということが全国で約九万ヘクタールというふうに推計されます。 これを踏まえまして、委員御指摘のとおり、二十一年当初の森林境界明確化促進事業によりまして十億円を計上し、これによりまして約二・二万ヘクタールの森林の明確化を図ることとしております。二十一年度補正で私ども考えておりますのは、これを更に九万ヘクタールの実現を目指して前倒しをしていこうということで、残り約七万ヘクタールの解消をこの補正で図っていきたいと考えております。 またさらに、これと併せまして、森林整備地域活動支援交付金というものもございます。これはもう既に境界が明確化になったものを保全していくという活動に対する支援でございますけれども、こういったものも組み合わせまして今後とも森林境界明確化を進めていきたいと考えております。
○岩本司君 ありがとうございます。 そこで、森林の境界明確化については、これは国交省所管の国土調査法に基づく地籍調査と密接な関係があります。これ林野庁と国交省とこれ別々に事業を行って連携がないとすれば、これはもうちょっと大変ですよね、これ縦割り行政の弊害以外の何物でもないわけでありますけれども、林野庁は、地籍調査、また山村境界保全事業を所管する国交省、それと先ほど申し上げました地籍調査の実施主体である市町村との連携をどのように図っていくのか、お答えいただければと思います。
○政府参考人(内藤邦男君) 林野庁で実施しております森林境界明確化促進事業につきましては、委員御指摘のとおり、国交省、それから地籍調査を実施しております市町村と連携を図っているところでございます。 具体的に申し上げますと、私どもの事業の成果につきましては、これは個人情報ということもございますので、森林所有者の同意を得た上で、都道府県、市町村に測量結果等の情報提供を行います。これを基にしまして、森林の所有者、それから現況等を整理した森林簿、それから森林の境界等を図示した森林計画図に反映させていきます。これを地籍調査あるいは山村境界保全事業の参考資料として活用できるようにしているところでございます。 さらに、森林組合は境界等の情報を持っておりますので、これを地籍調査へ活用していただくために、私の方から通知を出しまして、これも所有者の同意を得た上でございますけれども、地籍調査の実施主体であります市町村へ情報提供に努めるよう指導しているところでございます。 また、国交省からも、森林組合から提供されるこういった森林情報の活用によりまして地籍調査が一層推進されるように、また、地籍調査の成果の森林組合への提供につきまして配慮するよう都道府県を通じて市町村に対して通知を出していただいているところでございます。 この形で、国交省それから都道府県、市町村と連携しながら、森林境界の明確化、地籍調査が相連携して進むように努めてまいりたいと考えております。
○岩本司君 その情報を市町村等から提供してもらって、国交省からも、それで全く問題ないんですか。それでちゃんとうまく事が進んでいますか。いろいろ問題点とかありませんか。あれば、この場で恐縮ですけど、本当にもう本音で素直にお答えいただければと思います。
○政府参考人(内藤邦男君) 私、現時点ではそういう問題点を聞いておりません。さらに……
○岩本司君 ないと。
○政府参考人(内藤邦男君) はい。 詳しくは、もう一回、再度都道府県それから市町村にも確認をしながら、何か問題点があれば改善しながら進めていきたいと考えております。
○岩本司君 よろしくお願いいたします。 前回もオーストリアとドイツの例を取り上げさせていただきましたけれども、路網密度でございますが、我が国の路網密度は一ヘクタール当たり十六メートルなんですね。しかし、ヨーロッパの林業国であるオーストリアが八十七メートル、ドイツは百十八メートルなんですね。ドイツなんかもう日本の十倍なんですね、これ。 それで、我が国の路網密度一ヘクタール当たり十六メートルの内訳を見ますと、十三メーターが林道で三メーターが作業道、だから林道が八割で作業道が二割なんですよね。ドイツとかオーストリアは五割、五割なんですよ、フィフティー・フィフティーなんですよ。これは、林道の方が御承知のとおりお金掛かって、舗装して、そんなところに山の中、林道ばかり造って、作業道が結果二割になっていると。これは、これまでの整備の在り方に問題があるからこうなっているんですね。この結果どうなったかというと、木材の国際競争力が落ちて、住宅産業が伸びても海外の材木を買わなきゃいけないということになっているんです。 私の支持者も、元々、大分の日田の山の中でしにせの材木屋さんやっていました。博多湾まで出てきて、最後はですよ、北欧から輸入木材を、自分はいっぱい山を持っているんですよ、木はあるんですよ、しかし輸入してそれでビジネスしていたんですけれども、それも成り立たなくなって、もうやめてしまいました。結果、こういうふうになるんですよね。 この点について、大臣、御所見をお願いします。
○国務大臣(石破茂君) 数字はおっしゃるとおりでございます。大体それが生産コストに跳ね返り、生産性というものに跳ね返る、この差が恐ろしく付いたのはここ五十年のお話でございます。この間に、日本とドイツ、オーストリアの森林整備の在り方というのは全然違っちゃっていたということ。 それは、一つは、我が国の従来の木材生産は、ある程度まとまった面積を皆伐し、それを架線により集材するという方式でやっていたと。これは私の考えなのですが、やっぱり一本切ると何千万とか、そういう銘木なるものがあって、それはもう極端な話、ヘリコプターで運んだって採算が合うのだみたいなところがあって、きちんと、それがすべてとは申しませんが、そういう北欧の諸国にはない木材の特性というものがあったというのも私はあながち否定できないところだろうと思います。 その林道の整備というのが遅れてきた。あるいは、作業道のお話ですが、伐採跡地などに造成された人工林にありましては、これまでは下刈り等の保育初期の間伐を行う時期にあるものが多くて、作業道の整備を優先する必要性は乏しかった、よって幹線的な林道の整備が優先されてきたのだということは言えるのだろうというふうに思っております。 私どもとして、今、二度目、三度目の間伐期を迎えておるわけでございまして、このような森林につきましては、公益的機能の継続的発揮等々の観点あるいはコストを削減する観点から、皆伐の方法によるのではなくて、間伐等の繰り返しによる長伐期化を図っておるということであります。そのためには、路網と高性能機械を組み合わせた作業システムの整備、普及を進めていかねばなりませんので、二十一年度補正予算におきまして、林道、作業道等の整備を行う森林整備事業、公共でございます、の予算を手厚く措置をいたしました、七百九十億。あるいは、工夫次第でございますが、森林所有者の負担なしで作業道の整備を実施できる定額助成方式の支援拡充、これは今それぞれの地域において非常に好評を持って迎えられておるところでございます。 林道と作業道とを適切に組み合わせた林内路網の整備を強力に推進していかねばならないということですが、とにかく林道、作業道の整備というのを相当に加速していかないとこれはもうできないと思っております。日本の木がどうしても高いというのは、やはり搬出に掛かるコストが高い、それは林道網というものが全然十分ではないということが根源的な原因であることは間違いない事実でございますので、これをどうやって急いでコストを下げていくかということが、私はこれから先、林政の中心的な課題になるのではないかというふうに考えております。 オーストリアの農林大臣ともこの間随分長い時間議論したことですが、オーストリアの森林政策、よく日本の場合には傾斜が急だからと言われるんですけれども、オーストリアだって急じゃないのという話ですよね。日本が今までエクスキューズとしてきたものが必ずしも普遍的に当てはまらないという認識を私自身は持っておるのです。 そうすると、かなりの予算を必要といたしますが、それによって森林が守られ、よく公益的機能というふうに言われますが、これはこれだけお金を掛けて森林を整備することにこういう意義があるのだということを納税者の方々にもよく理解をしていただきませんと、何でこんなにお金を使うんだというようなお話になります。 でも、二百年住宅とかいろんなことを言いましても、CO2削減とかいろんなことを言いましても、これをきちんとやって森が整備されなければそういう政策目標は成就いたしませんので、そこをやはりどうやって納税者の方々にも広く御理解をいただくかということ。もちろん、森林所有者の方々とも私、定期的に意見交換を行っておりますけれども、それと納税者とのマッチングというようなものを図っていくことが必要なことだと。 今までの政策というものの問題点というものはよく認識をしておるつもりでございますので、ここをどう改めるかは、また委員の御意見も承りながら積極的に進めてまいりたいと思っております。
○岩本司君 公共事業の在り方で、やはり無駄な公共事業は駄目ですけれども、国民も、必要な公共事業は必要なわけですから、そういう批判は出ないと思いますよ。 例えば、あの漫画館だって百十何億か付けて、あんなことやるからなんですよ。いや、フランスもああいうのを造っているんですよ、この間たまたまニュースでやっていましたけれども。しかし、それはフランスでは評価されているんです、漫画博物館。しかし、コストが十分の一なんですよね、数億円で造っているんですよ、こっちはもう百何十億掛けたり。だから、そういうところを言っているんですよね。 だから、林道にしても作業道にしても、観光バスが通るような立派なやつ造らなくていいわけですから、そんなところ観光に行きませんから。ですから、もう砂利道でいいんですよ。オーストリアとかドイツだってそうですから。立派な作業道、林道造っていないですよ、もう砂利ですよ。 まず、必要なところには、特に作業道にはお金を掛けていって、まず全国の林道、作業道を整備すると、初めは。余裕があれば舗装すればいいわけですから。僕はそういう税金の使い道をすべきだというふうに思います。何とぞよろしくお願いいたします。 次に、漁業経営、安定した漁業経営の実現について質問をさせていただきます。 これは平成十六年の三月ごろから上昇に転じて、燃油が、平成二十年八月には採算ラインと言われます一キロリットル当たり六万円の二倍の十二万四千六百円まで上がってしまいました。これがピークですね。で、二十一年の二月の現在では六万九千百円まで値下がりをしております。 これ、二十年の五月十三日の参議院農林水産委員会における山田水産庁長官の答弁でございますけれども、省エネ型の機器の導入あるいは省エネ型の操業方法の導入により漁業の生産構造を変えていくというふうな御発言があったんですね、これ。しかし、体力がある漁業者は私は少ないんではないかと。この取組がどうなっているのか、御答弁よろしくお願いします。
○政府参考人(山田修路君) 省エネ機器の導入等についての実施状況でございます。 省エネ機器の導入等につきましては、例えば省エネ型の船外機の導入というものもありますし、それから集魚灯の光力を落としていくということで省エネを図っていく、さらに、新しいタイプの省エネ型の漁船を建造して収益を確保する、実証していく事業がございます。 これらの取組の状況を見ますと、最初に申し上げました省エネ型の船外機の導入、これは十四道県で百三地区で実施がなされております。それから、集魚灯の光力の削減については七県二十七グループ、また改造漁船につきましては九県十一地区で建造が行われるということで、かなりこういった取組がなされてきているというふうに思っております。
○岩本司君 これ、かなりですかね。なかなかこれ対応が、現場では悲鳴を上げているというふうに私は聞いておりますけれども。 一方、平成二十一年度の補正では、自動車分野では環境対応車への買換えを促進するための減税、補助金措置がとられているんですね、これ三千七百二億円。私は、船も高齢化したというか高船齢化しているわけですね。そういう漁船の更新のために直接補助するような支援措置を検討すべき時期に来ているんではなかろうかと思います。自動車分野でもやっているわけですから。これ、いかがですか。大臣、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(石破茂君) それを検討する価値はあると私は思っております。 今のやり方というのは、結局、経済活動というものに着目をして、漁船や漁網などの生産資材の更新は、経営を良くしてそこで出てくるお金でやってちょうだいということを申し上げているわけです。今委員御指摘の自動車等々のものは、むしろ経営ということではなくて、経営に着目しているというお話ではなくて、CO2の削減をどうするかという別の政策目標を持ってやっておるものでございますから、そういうものに対して、それでは、じゃ商用車でもそういうことになるわけですよね、自家用車だけではない、商用車までその範囲はあるわけで、だとすれば、さて漁船あるいは商用船、貨物船でありますとか、そういうものまで含めて省エネルギーという観点でやったらどうなるであろうかという議論、それはそれであり得るだろうと思っております。 ですから、私はそこの中よく整理をしたいと思っているのですが、今のところは経営を良くするという経済事業の中でこの仕組みを仕組んでいる、漁船の更新等々。それが今なかなか進んでないじゃないかと、弱い体力のところはそれじゃ十分じゃないじゃないか、弱い体力のところにとってもっと魅力的なものがあるべきではないかと、それはそのとおりです。そのときに、別の政策目標を仕組んでどういう形で結果的に経営の改善に資することができるか、それは何を政策目標にするかで税制の立て方等々全部変わってまいりますので、その御指摘、今の委員の御指摘は、私として十分承っておきたいと思っております。よく検討させてください。
○岩本司君 ありがとうございます。 切り口はCO2でも何でもいいんですよ。漁民の皆さんが仕事し続けられるような環境を我々が作らなけりゃいけないということを申し上げているんですね。自動車ではそれは商売じゃないじゃないかというのも、それは分かりますよ、そのCO2と。しかし、海に囲まれたこの日本で、もう御承知のとおり、農業も海外に依存、当然資源がないわけですから、オイルは輸入でしょう、オイルと食料止められて魚だけはと思っていたのも、魚を捕る人もいなくなったらこれはどうやって生きていくんですか、これ百年後、二百年後。そこのところは重要な問題でございますので、しっかり取り組むとおっしゃっていただいたんで、考えて、前向きにですね、もう是非よろしくお願いします。 省燃油操業実証調査ですね、省燃油操業実証事業、これは平成二十年七月に水産庁が実施しました燃油高騰水産業緊急対策において創設されたものでございます。これが当初八十億円計上されているんですね。しかし、これ七月ですね、二十年の七月に。二十年の第一次補正予算、これ十月、七月に実施して十月に補正やっているんですけれども、において五百五十億円が積み増しされているんですね。初め八十億円だったのに三か月後に五百五十億円積み増しして、トータル六百三十億円という大規模な措置となったわけであります。燃油対策基金ですね、これ。しかしながら、これ支払額が三百十七億円、半分しか使われてないんですね。これはどのようにお考えになります。
○政府参考人(山田修路君) 省燃油操業実証事業の実施状況でございます。 この事業につきましては、これまでおおむね千二百グループ、約三万三千隻の認定がございまして、燃油の使用量、年間で見ますと大体八十万キロリットルに相当する内容でございます。我が国の漁業で一年間に使用される燃油の量、二百五十万キロリットル程度でございますので、おおむね三分の一がカバーされているということでございます。 それで事業費の支払でございますが、これは三か月ごとに燃油費を漁協等の事業実施主体に支払っていくという格好でございますので、先生が今お話しになったのはある時点での実績でございます。本年六月までの累計でいいますと、約四百十億円ということでございます。昨年の秋ごろからスタートしてかなり来ておりますけれども、それで四百十億円ということになっております。 こういった形で累計的に増えていくものでございますので、最終的に締めて幾らかというのは今のところまだ分かりませんけれども、かなり使われておりまして、一定の効果が上がっているというふうに思っております。
○岩本司君 私が申し上げたその三百十七億円が一時的なあれとおっしゃいましたけれども、昨年の秋からスタートして四百十億円と。じゃ、秋までにこれ全部使い切れますか、このペースで。使い切れるというか、その点をお願いします。
○政府参考人(山田修路君) 省燃油操業実証事業は、いったんその燃油価格についてお渡しして、そこで燃油を買っていただいて、操業して、そのうちその燃油価格の水揚げで賄えた分と賄えない分の差を返していただくと、こういう形でぐるぐる回転をする仕組みでございます。 ですから、今の四百十億円が秋になったら幾らになっているかというのは、燃油価格によるんですけれども、今六百三十億円ですというお話ありましたが、トータルで見れば、全体年間通せばおおむねそのような規模になると思いますが、ただ、返ってくる分もあるということでございます。最終的にどうなるかは締めてみないと分からないということでございます。
○岩本司君 これ、現場の声でございますけれども、申請の手続がちょっと複雑過ぎると。やっぱりこういうところも変えていかなければならないんじゃないでしょうかね。 あと、参加漁業者が燃油使用量を共同して一〇%削減するなどのこの要件、これがちょっと厳し過ぎると。やっぱり活用したい人たちはたくさんいるんですけれども、そのハードルですよね、それと手続とか、もうややこしいと。そこのところはちょっと改善していただけませんか、早急に。
○政府参考人(山田修路君) この事業の手続につきましては、現場からいろいろ御要望、お話もお聞きをいたしまして、事務処理の負担軽減を図るという観点から、例えば申請書類を従来であれば数種類必要なところを一つにまとめるとかということで、大分その負担の軽減を図っております。 それからもう一つ、一〇%の燃油削減がなかなか厳しいということなんですが、これは、この事業自体が、燃油価格が非常に漁業経営を圧迫していると、燃油の使用が圧迫しているということで、燃油の消費量を減らして操業ができるでしょうかということを、例えばみんなで、先ほどちょっと言いましたけれども、イカ釣りについて光を落として、そうすると燃油の消費量が少なくて済むと。それで本当に経営が成り立つかというのをやってみて、うまくいったらそれでみんなで操業しましょうという、そういう実証事業でございますので、一〇%削減する、あるいは燃油の使用を減らしていくというのが要件といいましょうか、それを目的としているところでして、そこのところはちょっとなかなかこの仕組みとしては変更できない点でございます。
○岩本司君 切り口というか、これをつくったときの、そういう目的のためにつくったというのは分かるんですけれども、しかし現場の方々は、やはりその目的はこれは役所の都合であって、現場は援助してもらいたいと、続けるために、仕事を。 さらに、若い、先ほど農業の話もしましたけれども、もう会社を辞めて、じゃ、漁業の世界に入ろうかというような若者を呼び込む必要もあるんですね、今後の漁業を考えると。先ほども申し上げましたけれども、農業だけじゃなくて、もう漁業をする人がいなくなってきているわけですから。 また、船は高いんですよね、一そう当たり、買うと。だから採算が合わないわけですよ。もうかるどころか赤字だったら、もう辞めますよ、みんな。この間も、記憶に新しいと思いますけれども、オイルが上がったら、海に出たらもう損するから行かないとか、やっぱりこういう現実を乗り越えてもらうために援助するのが私は国の役目だというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。 また、我が党のベテランの郡司理事が五月二十一日の予算委員会でちょっと指摘しましたのは、この事業の対象となる基金の価格が十九年十二月時点の一キロリットル当たり八万五千円だと、八万五千円。現在の価格が七万円程度とまだまだ高い水準にあるにもかかわらず、十九年十二月の基準価格を下回っているために発動の対象にはなっていないと。大臣は、さきの郡司理事の質問に対しまして、浜の意見をよく聞いて施策に反映させる仕組みにしていきたいと御答弁されております。これ、改善された点はあるんでしょうか。
○政府参考人(山田修路君) 一つ、まず燃油価格の発動のラインがどうかというお話でございますが、これは委員からお話がありましたように、平成十九年の十二月以降、燃油価格が急騰したというような状況を踏まえて、それから特に漁業については燃油費のウエートが高いわけですので操業がなかなか苦しいということで、緊急の措置として燃油の価格の上昇分とコスト、水揚げとの差額の九割を補てんをすると、緊急の措置として実施をしたわけでございます。その際に、省エネも実施していただいて、ある程度の高い中でも実施できるかどうかというのを実証していただくという、それが事業の目的でございますので、ラインを燃油が下がってきたからまた下げるという性格のものではないというふうに思っております。 それから、手続等の改善の話でございますが、これについては当初からかなり改善した手続でやっておりますけれども、その後、委員から御指摘がありましたように今燃油価格非常に低くなってきておりますので、当初から参加されていた方はずっと続けてやっておられる方が多いんですけれども、今の時点で新しく入ろうかという方は今はおられないわけです。ですから、そういう意味では、具体的に何かを改善して適用を受けているという方はその後はおられないということでございます。
○岩本司君 これ、私は、十九年の十二月時点とした基準価格、この水準を引き下げるべきではないかというふうに思います。 我々もあそこまで原油が上がると思っていなかったんですね。緊急的にやったんですけれども、しかし、それで応募されて実施している人はしていますけれども、下がったからしていないと。私は、未来の漁業を考える中でランニングコスト、一番やっぱりオイルですよね、あと船を買うコスト、やっぱりここの援助を何らかの形でしていかないと、若者も漁業をやっていこうと、そういう人たちは増えないと思います。 それから、確かに緊急的にやった施策でありますけれども、これは今後、何というんですか、これいいことをやったんですよ、もちろん、いいことをやったんですけれども、更に良くするために水準を引き下げるべきじゃないかと思います。いかがですか。
○政府参考人(山田修路君) この施策としては、今委員がお話があったとおり、一定の目的を持って一定の状況の下で実施をしてきたということでございますけれども、現在の燃油価格の状況ですとか、また上がりつつあるような兆しもありますし、それから実際の事業がどういうふうに行われているかということもありますので、そういった状況も見ながら、今後どういう施策が必要かは考えていきたいとは思っております。
○岩本司君 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。 次に、平成二十年十二月二十二日に、内閣府の規制改革会議から規制改革推進のための第三次答申が公表されました。これ、水産分野に関しましては、漁業管理制度の見直しや漁業権漁業、許可漁業の在り方についての見直しなどが提言されております。これ、具体的に言いますと、譲渡可能性個別漁獲割当て方式、これITQ方式と言うそうでございますけれども、この導入が不可欠であること、またもう一点が漁業権の優先順位について見直しを検討すべきことと。 このことに対して、これ内閣府の公表に対して全国の漁業協同組合連合会は、何でこんなこと言うんだと、無秩序な競争原理を生産現場に持ち込むとともに外部資本の自由な参入を求めているもので、こうした考えは漁業現場に混乱をもたらすものであると抗議しております、強く。 また、全国の海区漁業調整委員会連合会では、これは、漁業権の優先順位は海の秩序を維持するために重要な役割を果たしていることから、優先順位の撤廃は行わないことと、これ要望書を出しております。二十一年六月十七日。 もう強く反発しているわけでございますけれども、一般企業及び外国資本による漁業への参入については、これは農地法改正案の審議の際に議論されたものと同質の問題があるんですね、これ。漁業権の優先順位の見直しによる影響は非常に大きくて、農業に比べより深刻な問題を生じさせる懸念があると、これ私も強く思いますけれども、大臣に質問させていただきますけれども、この規制改革会議の第三次答申に示された水産分野の見直しについての御所見をよろしくお願いいたします。
○国務大臣(石破茂君) この第三次答申、御指摘のとおり昨年十二月二十二日に公表されました。その具体的施策につきまして尊重すべき旨の閣議決定が同月二十六日に行われていると。 水産関係の具体的な施策として規定されたもののうち、ABCを可能な限り超えないようなTACの設定につきましては、二十一年TACにおいてTAC対象七魚種のうち、これまでの三魚種に三魚種を加えた計六魚種でABCの枠内でのTACを設定をしたという実態に応じた個別割当て方式、IQ方式の活用につきましては、漁業実態に応じ活用を検討することとし、大西洋クロマグロについては八月から実施すると。あるいは、漁業権の免許の優先順位に関する実態調査につきましては、本年六月に調査結果を公表したものでございます。 委員御指摘のように、そういう弱肉強食の論理というのか、そういうものがストレートに導入されるということは決して好ましいことだと私自身思っておりません。全漁連の見解につきましてもよく拝見をしたところでございます。 私ども、そこのところはよく配意をしていかねばならないと考えておりまして、また本年末にも次期の答申がなされるわけでございます。個々具体的な項目、内容が検討されることになるわけでございまして、水産業、漁村の実態、そういうものが十分に踏まえられなければいかぬというふうに思っております。 基本的な認識は委員と共有するところでございますので、外国資本による弱肉強食のようなそういうような漁業の世界が展開されることのないように私どもとしては十分配意をしていきたいと思っております。
○岩本司君 考え方は一緒と、それはそうなんですけれども、やっぱり我々、結果出さなきゃいけないものですから、その優先順位の見直しですね、優先順位の撤廃、これ行わないと、この場で大臣、言っていただけませんか。
○国務大臣(石破茂君) 今この時点で方針を明言するということは実際できないことでございます。ただし、委員の御所見あるいは御趣旨、賛同するところは大いにございますので、私自身そのことをよく認識しながら事に当たりたいと存じます。
○岩本司君 ありがとうございます。急にかじ切れないというお立場はよく分かりますけれども、早めに実行に移していただきますよう強く申し上げます。 次に、最近子供たちが余り魚を食べなくなったと。大臣もデータとかも入ってきていると思うんですけれども、需要と供給、需要があれば漁業を営まれている方々もそれはもうビジネスになるわけですから、もうかるわけですから、要はたくさん魚を食べてもらうようにしなきゃいけないんですね。特に冒頭申し上げた子供たちになるべく魚を食べてもらうような、そういう対策も考えなければならないんですけれども。 これは、学校給食に水産物を供給する際の支援策として、平成二十一年度の予算において、水産物産地販売力強化事業、これ新規ですね、十一億円予算組まれました。あと、国産水産物安定供給推進事業、これが継続で十二億円。それと、二十一年度の補正予算で国産水産物流通促進特別対策事業、これが新規、十二億円。 これが用意をされているわけでございますけれども、国民の魚離れを食い止める効果、これがどのようにこの予算が反映していくというふうにお考えでしょうか。
○政府参考人(山田修路君) 今御質問の学校給食につきまして水産物を利用していただくということにつきましては、お話にありましたように、子供のときからこういった魚に親しんでいただくということが将来的に見て極めて重要であるというふうに考えております。 それで、今お話がありました二十一年度の当初予算あるいは補正予算で、産地と使う場、あるいは地産地消というような形で学校給食の方が利用しやすいような事業を組んでおりまして、事業の実施は一部着手をしておりますが、これからだんだん本格的に進んでいきますけれども、こういった事業の推進によりまして、まさに子供のときから魚に親しんでいくというような効果を上げていけるものと思っておりまして、是非しっかり推進をしていきたいというふうに考えております。
○岩本司君 いや、私がお伺いしたいのは、これ具体的にこの予算がどのように使われて、どういうようになるのかというのを具体的にちょっとお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(山田修路君) 例えば、今までですと、浜で捕れたものについては、その産地の市場へ出してそれから流れていって、もし学校給食で使おうとすれば途中で学校給食の関係者が入手して使っていくということなんですけれども、今回考えておりますのは、地元の漁業団体と学校給食の関係者が直接タイアップして、自分たちの魚をじゃこういうふうに利用しましょうということで直接提供していくと。 そのときに、どういう形にしたら子供さん方に食べていただけるかというのもそこで相談をしながら、どういう役割分担にするかというような形で進めていくということで、今までよりもコストは多分安く済みますし、それから品ぞろえもいろんなパターンが考えられるということで、そういう効果があるというふうに思っております。
○岩本司君 こういう予算は、そういう現場の方の会議費とかそういうのに使うんですか。これ宣伝、何かパンフレットみたいなのに使うわけですか。そういうことを聞いているんです。
○政府参考人(山田修路君) そういった打合せもありますし、例えば先ほども言いました商品開発、こういったものは骨を取ってこういうミンチにしたら子供が食べてもらえるかなというようなことで作ってみるとか、そういった活動にも使えるというようなことでございます。
○岩本司君 何か分かったような分からないような感じですけどね。いずれにしても、それは本当に進めていかなければならないというふうに思います。 我々が子供のころは魚屋が近所にあったものですから、魚というのはもう頭も付いてしっぽも付いているのが魚だって分かるんですけど、最近の子供は、初めからスーパーとかでも切って売ってあるから、魚というのは本では見たことあるけどみたいな、そういうところがあるんじゃないですかね。まあサンマぐらいじゃないですか。サンマは、本当に有り難い話で、もう百円とかで最近市場に出ていますけど、何か目玉商品とかでやっぱりスーパーが取り扱うんですよね、サンマ百円って。それを目当てに来てほかのものも買ってもらうみたいな。そうすると、サンマが百円だったらほかのは何か魚はちょっと高いなという感じになるんですよね。 別にサンマの値段を上げろと言ってるわけじゃないですよ。その辺の、何というんですかね、魚のトータル的な売値のバランスというのが海外とかと比べて的確に、何というんですか、コントロールされているのかどうか。これ、私ちょっと通告していないですよね、たしか。もしお答えできれば、よろしくお願いします。大臣に。
○国務大臣(石破茂君) 済みません、的確なお答えになるかどうか知りませんが。要は、農産物もそうなのですが、店頭で売られているものの値段の大体三割ぐらいしか農業者に行かないと。水産物の場合ではもっと低いということもある。そして、目玉商品ですよとかいって売られて、スーパーがみんな値段決めちゃうんじゃないのというところがあるわけです。そうすると、やはり多様な流通というのを確保しなければいかぬのではないか。 ただ、島根県なんかでは大きなスーパー、名前は言いませんが、大きなスーパーと浜が直接取引をしているというような例もあります。これはこれで広げていきたいと思いますが、やはり多様ないろんな流通があっていいだろうというふうに私考えております。 したがいまして、今回の予算におきまして、まさしく近くに魚屋さんがあった、今ないです。委員よりも私ちょっと世代上ですけれども、お魚の行商のおばさんという商売があったんですよね。自転車にリヤカー引いて、氷箱に魚詰めて、今日はこれがおいしいよといって、はかりに掛けて売っていた、こうやってさばくんだということも教えてもらっていた。そういう現代版魚の行商のおばさんというのがあってもいいのではないだろうかと。仮にそういうような方々が、漁業者の方々が移動販売に取り組みたいということになった場合に、まさかリヤカーに氷箱という話に現代なりませんので、移動販売車のリース経費の三分の二を助成をさせていただくというような事業を今回入れております。 実際に、捕ったらばそれでおしまいということではなくて、実際に捕った魚を漁業者の方自らが売ってみるということ。町中限界集落といいますが、要するに、町中はお魚屋さんもなくなった、果物屋さんも八百屋さんもみんななくなっちゃったと。某々大スーパーまで行かないと何も買えないみたいなことになるとどうにもならないわけで、そういう多様な流通の形態を確保することによって漁業者の手取りを増やすということは私はあってしかるべきではないかと思って、今回予算に組んでおるところでございます。
○岩本司君 ありがとうございます。 米については、米粉用米ですとか飼料用米の生産を拡大するために主食用米との差額を助成する措置をとっているんですね。 私は、魚にも同じような施策を講じる必要があるんではなかろうかと、加工用ですとか餌料用ですとか、水産物需要の拡大に努めていくために。その辺のお考えはどうですか、大臣。
○政府参考人(山田修路君) 今お話がありました加工用、飼料用についてでございます。 これ、魚離れが進んでいるというお話がずっとありましたけれども、一方で水産資源がやはり非常に弱っているという状況もありまして、やっぱり大事なのは、今まで利用されていなかったお魚について、まさにおっしゃるように加工用ですとか、それから、えさ用に作っていく。そうすると、その資源も傷めずに魚を供給していくことができるということでございます。 そのためには、まずやはり用途を開発していくということが非常に重要でございまして、そういう用途開発のために我々今は様々な取組をしていると。そこで新しい加工用、飼料用の用途がはっきりできてくれば、それに見合った魚の漁獲とその流通というんでしょうか、供給していくということにつながっていくというふうに考えております。
○岩本司君 分かりました。 次に、六月二十九日に開催されました農林水産物等輸出促進全国協議会、この総会で我が国農林水産物・食品の総合的な輸出戦略がこれ改正されたわけでございますけれども、今回、輸出目標の対象品目にアルコール飲料、たばこ及び真珠、この三品目を追加することにしているんですね。私の地元の福岡県でも真珠の養殖業に取り組み始めたところなんですね。大変、真珠が追加されたことは喜ばしいことですけれども。 新たにこの三品目を追加した理由、これ、具体的にどのような支援措置を講じる予定があるのか、お答えいただければと思います。
○政府参考人(實重重実君) お答えいたします。 農林水産物・食品の輸出につきましては、世界的な不況といった厳しい昨今の状況がございます。こういった輸出環境を踏まえながら進めていくことが必要と考えております。 先般、委員御指摘のように、六月二十九日に農林水産物等輸出促進全国協議会総会を開催させていただきました。その中で、新しい輸出戦略といたしまして、証明書の発給など体制整備に力を入れていくと、それから新規の事業者だけではなくて既存の輸出関係者も支援していく、あるいは日本食や日本食材の海外におけるネットワークを広げるといったようなことが重点を置いて展開していこうということとしたところでございます。 従来、農林水産物・食品の輸出額にはアルコール飲料、たばこ、真珠の三品目は含めていなかったところでございますが、一つは関係業界からの御要望がございます。それからもう一つは、国際的な統計や我が国の輸入統計ではこれらの品目がまとめて一つの金額とされているということがございます。こういったことを勘案いたしまして、今後はこれら三品目についても輸出額に含めることといたしました。 また、支援につきましては、商談会やアンテナショップを出される、こういった際に支援をするなど、ほかの品目と同様の、先ほど申し上げました重点を置いて展開をしていく施策について支援措置を講じることとしているところでございます。 なお、三品目を含めない場合の輸出額は平成二十年で四千三百十二億円、三品目を含めますと五千七十八億円でございますが、今後はこの双方の輸出額を両方とも表記をいたしまして双方の増減の状況を見ていきたいという具合に考えておるところでございます。
○岩本司君 終わります。
○郡司彰君 民主党・新緑風会・国民新・日本の郡司でございます。 本日は委員会がもしかすると開かれない可能性もあるかなと昨日の段階では心配をしておりました。党役員人事がもしあった場合には石破大臣、農林水産大臣としてももちろん大事な大臣でございますけれども、選挙を仕切る枢要な地位にでも行ってしまうのではないかとちょっと心配をしておりました。 昨日来いろんな話、新聞等も党役員人事断念だとかというふうな話がございますけれども、一言ございましたら、どうぞ。
○国務大臣(石破茂君) いかなる立場でも全身全霊で職務を果たすということと、人事は党総裁の専権事項でございますので、党員たるものそれに従うべきだと私は一自民党員として考えております。
○郡司彰君 ちょっとそのような話を申し上げましたのは、実は六月十八日に次官が発言をされたことについていろいろと報道がされております。昨日の党役員人事について総理は、私は一言も言っていないと、こういうような発言をしておりまして、ただ、聞いている方々はどうもやるのではないか、本人は言っていない、こういうようなことがございました。私も次官の発言について伺いたいなということで今日、委員会に御出席を願いたいと申し上げてきたところでございますけれども、どうもかなわないと、こういうようなことでございまして、私は直接本人からお聞きをした方がかえって相互の理解のためにはよろしいのではないか、このように思ってきたところでございまして、大変残念に思っているところでございます。 そこでちょっとお伺いをしたいと思いますが、政治改革がございました。今、今日も出席をされておりますけれども、副大臣、政務官というものが新しくできて、その中で委員会のやり取りについては政治家同士の議論をしようではないか、そして、それまでの政府委員というものを改めて政府参考人ということにしようではないかと、こういうようなことがあったわけでございます。 私は、事務次官というのはどういう立場かというようなことを考えた場合に、例えば閣僚がお集まりになる会議の前に事務次官会議等が行われて、そこで全体で御了解をいただいたものが閣議の方に出されるというようなことも伺っております。したがいまして、枢要な地位にあって枢要な政策決定にかかわる、こうした人たちというのは私は政治家だろうというふうに思っております。 したがいまして、委員会で政治家同士の議論をする場合に事務次官が出ても当然ではないかという感覚でございますけれども、次官というのは私は政治家だという認識でございますが、大臣にとってはどういった認識でございましょうか。
○国務大臣(石破茂君) 私、大臣を務めるのは今回で四回目でございますが、防衛庁で二回、防衛省で一回、農林水産省ということでございますが、委員と認識が違うのかもしれません。 お言葉を返すつもりは全くないのですが、私自身、事務次官を政治家だと思ったことは一度もございません。それは政治家の認識によりますが、要は選挙によって選ばれ、国民に対して直接責任を負うのが私は政治家だという認識を持っておりまして、いかに事務次官であろうとも、あるいは当省の場合には林野庁長官あるいは水産庁長官、農林水産審議官にいたしましても、国民に対して直接責任を負う者ではございません。国民に対して直接責任を負わない者は私自身の認識ではそれを政治家と呼ばないと私自身は考えております。
○郡司彰君 一つの見識だろうというふうに思います。 国の体制、仕組みが違うことによって、あるいはその国を統治をし、あるいは行政をつかさどる、あるいは司法も含めてつかさどる者が選挙によらずに国を治めているという国もまたあるわけでございます。したがいまして、日本の場合には大臣のような見識というものが一般的な理解だろうというふうに思いますけれども、私自身は、そうはいっても、やはり枢要な地位にあり枢要な会議で政策決定にかかわるこの方というのは、私は政治家だろうというふうな認識を持っております。 したがいまして、でなければ、先ほどのような政策決定のプロセスの中で次官会議等がかかわるということもおかしいし、あるいはまた、それとはまたちょっと議論が別でございますけれども、なぜ次官が出られないんだということになると、慣行であります、全会派がそろわなければいけないんですというようなことと併せて、もう一つは、行政の長としての大臣が出ておりますから、そちらの発言でもってすべてその代弁をする、あるいは代表をするんだと、こういうような言い方をなさるわけであります。 私は、それもそれとして受け止めるにしても、聞きようによっては、次官は守るけれども大臣は守りませんからどうぞ表でやってくださいと、こういうようにも取られかねないではないかというふうにも思っておりまして、またこれも大臣にお聞きすれば見解が違うんだろうというふうに思いますけれども、私自身は余りよろしくないなと。 では、例えばマスコミの会見は、記者会見は行っている、それはどういうような理由によるんでございましょう。これは大臣にお聞きをすることではないんでありますけれども、すべからく大臣が代表をしてお答えをするというようなこれまでの考え方だということになれば、大臣の方にもお答えをいただきたいなと思っています。
○国務大臣(石破茂君) 議会にだれが出るかは議会がお決めになることでございます。それは行政側として意見を差し挟むべきだとは考えておりません。役所の中でなぜ次官が会見をするかというのは、しなければならないというマストの規定がどこかにあるわけではございません。できればしたくないという次官もひょっとしたら世の中にはいるのかもしれません、私それぞれ聞いたことはございませんが。 事務方のトップという言い方をよくいたします、事務次官につきまして。そうしますと、大臣は省全体の、つまり副大臣、政務官も併せた農林水産省全体のトップが大臣でございますが、事務方のトップ、つまり省務とか称するもの、つまり政務以外のものでございますね、そのことについてのトップは事務次官であると、その上に大臣がいて全体を見るということでございますが。そうすると、事務的な、いろいろな法令の考え方あるいは数字等々につきましてはやはり次官に聞いた方がよろしかろうということではないか。ですから、それぞれの省庁にございます報道関係の方々のお集まり、そういうような組織、それが次官会見というものを要求している。 ただ、それ以外の、例えば官房長あるいはそのほかの者、そういう者の会見につきましては、省庁によってかなりの差があるというふうに私自身認識をいたしております。
○郡司彰君 委員会に出てこない理由というのが余りよく分からなくなってくるわけでありますけれども、マスコミ各社、記者クラブその他からすると、それぞれの次官に対して記者会見を行う、行ってください、それは、私どもは直接国民の声をあなたの方にも伝えたいし、直接お聞きをしたいんだというようなことも含まれてくるんだと思うんですね。 私どもも一応国民の代表としての、代弁者としての意見を持っているんだろうというふうに思っております。次官との話ができないということは、私どもがもし国民から、この、あの次官の発言に対してきちんと問うべきだということになったときには、私どもはマスコミの方にお願いをして記者会見で聞いていただくと、こういうことしかあり得ないというような形に現在はなってしまうんですよ。これは私は、慣行だとかいろんなことを言っているけれども、好ましいものではないなというふうに思っております。 ただ、このことばかりで時間を費やすわけにはいきませんので、ちょっと質問を変えさせていただきますが、これも大臣にお聞きをすることではないのでありますけれども、その後二回目の、その後の記者会見のときにこのことを更に問われまして、次官の方はいろいろとお話をなされた。それに対して、これもまたそれぞれのマスコミの扱い方、受け取り方が違うようであります。ある新聞については陳謝をしたと、ある新聞については釈明をしたというようなことでございます。 大臣としては、これはどちらの方のニュアンスだというふうに取ればよろしいんでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 恐縮です。私は海外出張をしておりまして、その会見、実際にライブでといいますか、見たわけではございません。 これは、私自身十分ではなかったかもしれませんが、後でビデオで見たわけでもございません。字面だけで見たものでございますので、その場の臨場感的な感じ、要するに釈明なのか陳謝なのか、そこで済みませんみたいな感じがにじんでおったかと言われると、これどうもライブで見ていないのでよく分からぬというところはございます。 ただ、もし、国権の最高機関であり、そしてまた国民の代表であられる議員の方々のパーティーであります御党の方々に対してそのお気持ちを損ねるような表現があったとすれば、不徳の致すところというような表現を使ったかどうか、私なんかはそういうふうに思っておりますが、だとすれば、それは申し訳ないことであるというようなことは、陳謝あるいは釈明、ややニュアンスは異なりますが、そういうような意味合いがあったのではないかと私は字面からは判断をしたところでございます。
○郡司彰君 一応、そのときの話、一回目の話も私も読まさせていただきました。ただ、今大臣おっしゃったように、その場で受けるものとその後で字になったものは相当違うんだろうと思うんですね。 ですから、私も言葉じりやその文言に書いてあることをとらえてどうのこうの余り言いたくはありませんが、私の感じで、その字面を読むと、例えば私どもが提案をしている、国会に出している法案についての発言だから問題にしているんでありますけれども、農林漁業再生法案という、今、衆議院の方で審議をしていただいている法案についてのコメントでございます。その中で大臣もというような発言をしておって、二回目のときには、言わばこれは大臣がおっしゃっていることを私の方でそのようなことでというようなことでお伝えをしたようなニュアンスのことを言われました。私は、大臣がというならばそれはそうだろうと。しかし、大臣もというのは、私はそう思っているが大臣もそうだと、そういうふうにも取られかねないわけでございまして、やっぱりそこは、本来、本人が来ていただいてその辺もきちんとお聞きをしたかったなというふうに思っております。 法案の中身についても四点ほど触れられておりまして、これについて大臣と今ここで議論をするということは控えたいというふうに思います。 一つ、この法案とは別に、成立になった農地法の改正案について聞かれて、次官は、修正は害はないと、こういうような言い方をしておりました。修正されたけれども害はないと。民主党は鳥獣保護法で言う鳥獣に当たるのかどうか分かりませんが、取りあえず害はないというような発言でございました。 修正について害はないということについて、私どもはこれはちょっと聞き逃すわけにはいかないという認識を持っておりますが、与野党共に修正をして私どもは参議院の方で議論をしたという認識でございまして、そのような認識で与党の方も修正をされたということになれば、これは与党の方々としても余り快くないんではないかというふうに思います。一言コメントをいただきたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 大臣もという言い方、大臣がという言い方、それは(発言する者あり)お静かに、大臣がという言い方の方がより適切であっただろうと思っております。 それはもう、次官が申しましたのは、次官、大臣の認識に全くそごはないのだと、当たり前の話で、そごがあったら大変なことでございますから。大臣が言っておることはこういうことであるというようなことを申し上げた。そこは、日本語的に言えば、がの方がより適切であったかなと私自身思うところでございます。 今御指摘の害がないということはどうなのかということは、次官からも私は聞いたのでございますが、地域に溶け込み、農業をきちんとやりたいという方が参入されるということに対して何ら支障になるものではないという旨を申し上げたというふうに私自身聞いておるところでございます。 ただ、委員おっしゃいますように、この修正というのは、この国会という場において、国権の最高機関という場において、すべてのパーティー、すべての議員が協議をし、なされるものでございます。そのときにこの言い方は決して適当な言い方であったというふうに私自身思っておりません。それは私自身の指導監督が十分ではないということで私の責任でございます。そのことは次官にも私からよく注意を申し上げるところでございますので、何とぞ御容赦を賜りたいと存じます。
○郡司彰君 繰り返しでございますが、私、大臣とこの話をしていて大臣を特に困らせようという思いではないのでありまして、やはり次官という立場がどういうものかということをこれから私どもも考えていかなければいけない。そして、巷間言われているように、違うんだということであれば、そのような形を示していただきたい。 つまり、官僚主導の政治ではないかというようなものが見え隠れするようなものであってはいけないだろう、私どもは、政権がもし替わるということになれば、議院内閣制というものをより徹底をさせるような形でこれからの官僚の方々とはお付き合いをどうするかということを考えていかなければいけない、そのように思っているところでございます。 時間の関係で区切らせていただきたいと思いますが、次に農村情報システム協会についてお尋ねをしたいと思います。 破産というようなことになりました。管財人にその手がゆだねられているということでございますから、その後でまた管財人とどのような話が今なされているのか、農水省としては今後どのような対応を取られるのかということについてもお聞きをしたいと思いますが、まず大臣に、一月二十九日に匿名の情報が寄せられた。お聞きをすると、それ以前から部分的にだれから、どういうようなという断片的なものはあったということをお聞きをしております。受けて、二月の五日から四回にわたって事情聴取を行い、その後また時系列的に申し上げればいろんなことがございましたけれども、どの段階で大変だなとお思いになったんでしょうか。 あるいはまた、匿名の情報が寄せられるまで、こうした公益法人についてそれぞれ目を光らせて、基金その他でも十分に有効に、ここでなければできないんだというのがこれまでの大臣の答弁でありましたけれども、御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 経緯は今委員が御指摘になったとおりでございます。匿名情報の提供がございました。二月から三月にかけて協会に対して事情聴取を実施したのでありますが、もちろん匿名情報の提供があって程なく経営局長からこういうことがありますと、事情聴取もいたしますという報告を受けております。その時点で、これは非常によろしくないという認識を私自身は二月から三月の時点で持ったところでございます。 このシステム協会でなければできないんだというようなことも申し上げてまいりましたが、私、これから先、事がつまびらかになり、今、破産管財人が選任されて手続に入っておるところでございますが、それはもちろん淡々と行うものでございますけれども、私どもも協力して事実の解明に取り組まねばなりませんが、私どもの対応、検査というものがパーフェクトなりせばこんなことは起こらなかったのではないかということが問題点の一つ。本当にパーフェクトであったか、私はあったと思っておりません。いつ、だれが、どこへ行って、何をやってきたかということは子細に把握をしなければいけないと思っております。 もう一つは、本当にここでなきゃできませんかということは私どもの方に挙証責任があるというふうに考えておりまして、このたぐいのものが私どもかなりの数持っております。これは数年後にその在り方というものは抜本的に見直されることに相なりますが、それを待たずして、私としては、本当にこれが必要なのかということは全部点検をいたしたいと思っております。必要でないものは、それはもう普通の法人になればいいものでございまして、こういう形の法人で存続する必要はございません。 検査の在り方が十分であったか、なかったとすればどのように改めるかということ。そして、こういう法人がこのままで存続する価値があるのか、あえてきつい言い方をすれば、価値があるのか、意味があるのかという言い方をいたしますが、それがないものは今のまま存続する意味がないというふうに考えておるところでございます。
○郡司彰君 大臣が言われたことに尽きるのではないかと思います。 BSEの問題がありました。それから、昨年もMA米を介しての汚染米の問題がありました。同じような流れでいろんなことが起こってきて、その都度、本当にこれまできちんとチェックができていたんだろうか、あるいはまた、最初の情報があったときにそれをきちんと受け止めて対応したんだろうかということが常に問われているわけでありますけれども、大臣、今公益法人の在り方そのものを全体見直さなければいけない、これは当然やっていただかなきゃ困りますが、この一つの問題は、それはそれとしてきちんと片付けていただきたいなというふうに思っております。 全体をするためには一つのところをきちんと切開をしていただきたいというふうに思いますので、例えば、このシステム協会の中に技術会議とかそういうものがあった、同じフロアの中にあった。そこで、例えば副会長の方が報酬として一千四百万を協会から受け取って、同じ時期に会議の方からは一千二百万、理事長という形で報酬を受けたとか、こういうことはこれまで全然分からなかったということなんでしょうか、それとも、それは認知をしている状態だったんでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 担当者に確認をいたしました。こういうようなお話であります。 協会の事業の委託先であります情報システム技術会議なる任意団体が協会と同じフロアにいますよということは認識していましたと。しかしながら、任意団体でありますところの情報システム技術会議に対しては検査権限が及ばないので、協会の副会長が両方の団体から報酬を得ていたということは認識しておりませんでしたと。 実に、何といいますか、それはそうだろうが、幾ら何でもそれはちょっとひどいんじゃないのという感じが率直に言って私しておるところでございます。検査権限がないのでと、及ばないのでということが、それがエクスキューズとして成り立ち得るかといえば、なかなかそうでもないだろうと、形式論理ではないかという気がいたしております。 この協会につきましては、私どもで定めております公益法人の検査マニュアルに記載されました検査項目の点検は行われました。しかし、任意団体であるこの技術会議、これが同じフロアに入居しているという状況に気付いておりながら、そのことに疑問を持ち、掘り下げることをしなかったということは、検査の職員としては、これは先ほども申し上げましたが、反省をしなければならないということだと思っております。 認識はしていませんでした、報酬を得たことを認識していませんでした、しかし、認識をしようと思えばできるということ、そういうような状況であったと。それを認識しなかった、してはいなかったのだけれども、しなかったこと自体に反省点なしとはしないというふうに私は思います。
○郡司彰君 大臣がおっしゃられましたから、まさにその認識が正しいんでありますけれども、私どもがこれまで言ってきたのは、国の一般会計と特別会計でも同じようなところがあるんじゃないか、あるいはまた、この前の補正のときの基金についても、本当にそこでやる必要があるんですか、本省でできることではないのですか。公益法人はまだいいけれども、その先のところについては分からないんだというようなことをもしかすると目的の一つとしてそういう団体がつくられていっているんではないかという疑念を、私どもが持っているんじゃなくて、国民の人たちが持っているんですよ。 だから、使われているものが税金のたかが十億だろうが二十億だろうが五千万だろうが二百万だろうがそれはやっぱり問題にするのであって、こういうような形の中で私は非常に残念なのは、補正予算のときに大臣はしっかりとお答えになりました。間違いなく、これはこの基金を預ける団体でなければできないんだ、そういうような能力を持っているところがそこなんだというような形でこれまでも多分言われてきたんでありましょうが、実態として一つこういうものが出てくると、その原因はすべて本当なんだろうかというふうにしかだれも聞かなくなってしまうのであります。 では、今回の公益法人全体を、そしてこの一つの問題をどう処理を付けるか。つまり、具体的に言えば、俗人的な名前は別にしても、今おっしゃった、先ほど申し上げた副会長であって理事長であった方は今何をされているんですか。どこにいるんですか。何の責任を取ることがあり得るんですか。できるんですか。させようと思っているんですか。
○政府参考人(高橋博君) 御指摘のこの日本情報システム協会の役員についてでございますけれども、いわゆる情報協会、任意団体と、それから当協会とで両方で兼務をして両者から報酬を受けていた。それから、このシステム協会からこの任意団体に委託費というものが相当額払われていた。この点の事実関係についてまずきちんと精査をしていくということが必要だというふうに私どもは思っております。 ただ、御承知のとおり、ここの協会そのものは破産申請の申立てをいたしまして、現在、破産管財人がこの権限をもって調査を掛けているというところでございます。私どもは、この破産管財人、指定されました破産管財人に対しまして、事実関係について私どもが持っておりますことをすべて提供いたしまして、その上で、今申し上げましたようなこれまでの経理関係の確認、あるいは協会におけます経理の状況、それから協会の資産の毀損状況等々についてまずきちんとお互いに認識を一致させていく、その中で必要な、一番当事者であると思われるような役員の方々についてどのようなことを問うていくのかということについて今相談をさせていただいているところでございます。
○郡司彰君 結果として、いろいろなことがあったときにさかのぼってということにはなかなかなりません。現職の方はそのことについては申し上げる立場ではございません、こういうことの繰り返しが常套句にしか聞こえなくなってきているんですよ。だから、今回の問題を最後どう決着を付けるかということが、これからまた起こったときに結果としてだれも責任を取らないんですよということになると、これは私どもの立場としても逆な意味で、じゃその方はそこに行かれる前は何をされていた方なんだというようなところまで一つ一つお話をするような形になってしまう。それは余り生産的な話ではないんだろうと思っているんですよ。 まず、自分のところできちんと何ができるかをこのことでもって農水省として示してもらいたいなというふうに思っておりまして、最後に大臣に、その辺の決意をもう一度お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) これは総務、経産、当省、三省の共管であります。三省の共管なので、だれが責任取るのか訳が分からないと。責任はおまえが悪いんだ、おまえが悪いんだみたいなことが一番よろしくございませんので、私どもとしては、破産管財人はもう破産の手続に入ったんだから、破産管財人が真相を究明するのであとは知らぬよというようなのが一番よろしくないと思っております。 何でこんなことが起こったかということ、これはもう破産の手続とはまた別、別といいますかね、の中においてきちんと明らかにされねばならないし、これはもう当省として協力するのは当たり前の話ですが、私どものやり方に問題がなかったか、そして人事のシステムに問題はなかったのか、委員がおっしゃったように、それはそういうような団体をつくること自体が、つくることに目的ありきみたいな、意義ありきみたいな、そんなことになっているのではまさかあるまいなと。本当にそれでなければできないという挙証責任は私どもにございますので、これをうやむやにするつもりは私としては一切ございません。 これがいかなる教訓を引き出し、今後にどう生かされるかということないままに、うやむやに終わるということだけは絶対にさせないつもりでございます。
○郡司彰君 次の質問に移らさせていただきたいと思っております。 予算委員会でも大臣にお聞きをいただいたと思っておりますが、新規就農者に対するいろんな支援策があります。それではなくて、もう少し違う角度のものを考えていただきたいなということでお話を申し上げました。例えて言えば、新規就農者に対して、他産業並みにしなければいけないんだという話をよく聞かされます。他産業とは何だということになると、収入ではないか、あるいは待遇ではないか、休日とその他のものがありますけれども。私の方は、この前風間委員からも同じような質問がございましたけれども、いわゆる労働保険について、労災保険であるとかあるいは雇用保険であるとかというものを他産業並みにということでもって就農者に話しかけるようなことの検討ができないか、具体的にどうなんだろうかということをお話をさせていただいたと思っております。総理も前向きにやっぱりそれは考えなければいけないというような答弁をいただいておりますので、重ねて今日の委員会で質問をさせていただきたいと思っております。 今日は厚労省からもおいでをいただいていると思いますので、まずお話をしていただきたいと思いますが、農業従事者というものに対して、この労働者性というものはどのように認識をすればいいのか。いろんな法案があります。労働法もございますし、民法の中の規定もございましょうけれども、総じてどのような認識で、あるいは感覚としてとらえればいいのか、お話をいただきたいと思います。
○政府参考人(石井淳子君) お答え申し上げます。 農業従事者の労働者性についてのお尋ねでございます。 労働者につきましては、労基法の第九条におきまして規定が設けられております。そこにおきまして、「「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。」とされております。すなわち、労働者であるかどうかにつきましては、基本的にはまず事業に使用される者であるかどうかという点、そしてその対償として賃金が支払われる者であるかどうか、この二つがポイントでございます。 様々な態様がございますので、実際の具体的な判断に当たりまして、まずその前者、使用される者ということについては、労務の提供が使用者の指揮監督下において行われているかどうか。具体的には、例えば仕事の依頼、業務に従事すべき旨の指示等についてそれを拒否できるか、諾否の自由の有無ですね。そして業務遂行上の指揮監督の有無。さらには拘束性の有無。これ、就労の場所だとかあるいは就労の時間の指定とか、そういったようなものでございます。そして代替性の有無。指揮監督の判断を補強する要素でございますけど、例えば本人に代わってほかの者が労務を提供することが認められているかどうかとか、あるいは本人が別の人を勝手に就けて働かせることが認められているかどうかと。そういったような様々な要素を判断する必要がございます。加えまして、指揮監督下の判断のほかに労務の対償として報酬が支払われているか否か。そういったことも勘案をしまして、総合的に判断することとされております。 これは農業従事者についても同様に適用されておりまして、これによって労働基準法上の労働者に該当するか否かが判断をされることになります。
○郡司彰君 九条の関係と、それからいわゆる民法の六百二十三のところですね。雇用関係を結んで、そして賃金を受け取るというようなことが労働者としての規定だというふうに思います。 今現在、農業者については労災保険について運用が認められておるわけでありますけれども、この場合には、今の原則的な規定をどういうような解釈、クリアをして適用という形になっているのか。これはどちらでしょう、お答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(石井淳子君) 農業従事者に対する労災保険の適用の御質問でございます。 まず、法人である事業主の事業や、個人事業主で常時五人以上の労働者を使用する事業については、これ強制的に適用となっております、労災保険強制適用でございます。 あと、個人事業主で常時五人未満の労働者を使用する事業については、これ実は雇用関係とか賃金の支払関係等が必ずしも明確でない、そういったような場合も想定されますことから、これは任意適用でございます。ただし、使用される労働者の二分の一以上が希望するときには、これは事業主は加入の手続をしなければならないというふうにされておりますことに加えまして、労災保険については、一定の危険なあるいは有害な作業を主として行う場合は、これは強制適用とされております。 そのほか、農業法人の事業主や自営業者などの労働者以外の農業従事者という方がおられるわけですが、労災保険の制度で特別加入という制度がございまして、農業従事者に関しては三つのパターンがございます。一つは中小事業主等ということで、常時三百人以下の労働者を使用する事業主及びその者が行う事業にこれ従事する者。例えば家族従業者とかそういった方が該当されます。そして、もう一つのパターンが特定農作業従事者といいまして、一定の規模の農業で、高所、高い場所での作業など危険有害な農作業を行う方。そして、三つ目のパターンとして、指定農業機械作業従事者といいまして、トラクター等の特定の農業機械を使用して農作業を行う者。こうした三つのパターンのいずれかについては労災保険に加入することができることとなっております。
○郡司彰君 原則として認めるけれども例外的に、部分的に駄目ですよというものと、それから、本来は認めづらいんだけれども例外的に認めますよというものがありますよというようなことだろうというふうに思います。 それで、労災保険と雇用保険の関係からいえば、そこはほとんど違いがなくて、適用される事業所については対象とするというような認識になろうというふうに思うんですね。だとすると、雇用保険については、同じような解釈でもって農業従事者についても可能だというような判断がなされますでしょうか。
○政府参考人(大槻勝啓君) 農業従事者の雇用保険の適用についてのお尋ねでございます。 この点につきましては、雇用保険の場合におきましても、雇用する事業主が法人である場合、あるいは個人事業主でございましても常時五人以上の労働者を雇用する場合には強制適用としているところでございますが、ただ、個人事業主でございまして五人未満の労働者を雇用しているといった場合につきましては、雇用関係、賃金支払関係が不明確である場合もあるといったことから任意適用としているところでございます。
○郡司彰君 ちょっと通告をしていなくて急に質問をして申し訳ないんですけれども、農林漁業関係でいうと、山林労働者、白ろう病というのがずっとありました。その中で、適用がしばらく見送られていてようやくなったという経過がありましたけれども、そのときには何か例外的なものをどうこうしようということだったのか、あるいは年月掛かった中で、時代の要請、あるいは罹病者というか、そういう方が多い中で救済という意味を含めてでき上がったものなのか、ちょっと突然の質問で恐縮でございますけれども、お分かりになればお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(石井淳子君) 今議員おっしゃったのが特定農作業従事者という特別加入の、新たに追加されたカテゴリーでございます。これは平成たしか元年か二年かに追加されたものでございますが、この特定農作業従事者の中に、振動、動力により駆動される機械を使用する作業というものも高所作業以外にも含まれておりまして、もう少し適用を広げるということで追加された経過がございます。
○郡司彰君 大臣、お聞きになっていただいたと思いますけれども、どうするかという熱意があって、きちんとそういうものを就労者には国として考えていってはどうかというような思いでございます。できれば厚労省あるいは関係をするところとチーム等をつくっていただいて、新しく就農をする方にはこういう形で労働保険についても加入がもちろんできるんですよ、そして今までと違ってこういうようなものをというようなことを一つの就農のポイントにしていただきたいなというふうに思いますけれども、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) おっしゃるとおりであります。 二十年度二次補正及び二十一年度補正予算において農の雇用事業というのを措置をしたところでございますが、研修経費などの助成の条件として雇用保険、労災保険への加入は義務付けておるところでございます。あるいは、事業者につきましては今厚労省から御説明がございました。私どもとして、自営農業者の労災保険への加入促進も進めたいと。雇用労働者につきましては、今申し上げたようなお話でございます。 やはり、新規に就農したい特に若い方々、他産業並みの労働条件というときに、やはり雇用保険というものあるいは労災保険というものが大きな意味を持ちます。もちろん、性質上越えられない壁というのはどうしてもあるのでございます。それはもうトラクターとか非常に例外的なもの、特別に例外的に認められるというものではございますが、そういう性質的に越えられないものは除きまして、就労条件の整備というものがきちんと明示をされる。もう話をよく聞いてみないと分からないとかそういうことではなくて、きちんと明示をしていくことが就農を促進することになる、そして地位の安定を図ることになるという認識を持っております。 御指摘よく認識をして、今後努力を一層いたしてまいります。
○郡司彰君 これちょっと質問ではございませんが、現場の方でこの就農ということに関して戸惑いが起こっている事例がございます。これは今までの話とちょっと違います。 親が農業をやっていて、息子がほかのところに仕事をしていたんだけれども戻ってきた場合には、その就農者、後継者、いろいろなことでいうと、それが余り使えないというようなものがあって、この辺のところについてももう少し検討をいただきたいなというふうに思いますが、先ほどのところに戻りますと、いろいろな、例外のところも含めていろいろな適用ということになっていますので、現場の方は非常に一般論として進めづらいというか、こういうような形で取り組みにくいというものが、この労働法制とか民法の問題とかというものをなかなか理解をしづらいというところもありますので、そこのところはきちんとPRができるように取り組んでいただきたいなというふうに思っております。 厚労省の方、本当ありがとうございました。
○政府参考人(大槻勝啓君) 近年、特に最近そうでございますが、農林業等で仕事を得たいという方も増えているところでございます。ハローワーク等におきましては就農等支援コーナー等々も置きまして、農林業関係機関との連携にも努めているところでございます。 また、やはり多くの方が農業の場で働いていただくためには、農林業等における雇用管理の改善といいますか、そういったことも非常に重要でございまして、そういった面につきましても努力をしていきたいと考えているところでございます。
○郡司彰君 せっかくのお言葉がございましたので、私の方からも実は注文を一つだけさせていただきたいなというふうに思っています。 労災でも何でも、労災の場合には特にもう六十五歳以上という形はなかなか難しい、新しく入る場合はですね、というような規定になっております。農業者の今の平均の年齢がもう六十五歳を超えるようなところになっておりまして、いまだ加入をしている人たちが非常に少ないという実態があるものですから、これからその年齢の人たちが入るようなときには、もうすべて年齢で一応切られるというような形にならないような配慮も、これから高齢社会でございますので、御検討いただきたいなというふうに思っております。 次の質問に入らせていただきたいというふうに思います。 農地法の際に、ちょっと質問をする時間が回ってまいりませんでしたので、農地法改正を受けて、改めてちょっと三点ほどお聞きをしたいなというふうに思っております。改正を受けての話でございます。 まず、一つ目でございますけれども、これまでも農地保有合理化法人等を通さず、いわゆる三条とかにかかわりなくということもありました、いわゆる相対での土地の賃借といいますか、貸し借りというものがございました。それによって耕作をしている人も実は現場の方には相当出ていると思います。 この相対というような農地の貸し借りというものは、今回の改正農地法によって、農水省からすると、できればやめろということなのか、現行のままでそれはもう仕方がないということなのか、逆にそれはそれで今後とも増えてもいいんだということなのか、その判断をこの農地法改正を機に、相対でのそのような土地の貸し借りというものに対してどのような認識かをお答えいただきたいと思います。
○委員長(平野達男君) 厚生労働省の政府参考人はもう出席、結構でございます。
○政府参考人(高橋博君) 御指摘の相対によります貸付けの件でございますけれども、私ども基本的に、今回の農地法の目的にもございましたように、農地をその担い手に利用集積をしていくということで、これまでもこの規模拡大につきましては貸付けを通じた規模拡大ということを中心に政策展開を行ってまいりました。 その場合の権利関係でございますけれども、基本的には貸す側、農地所有者と、それから借りる側、担い手、この二人の間の賃貸借関係になりますのでございます。したがいまして、従来の農業委員会によりますあっせん、あるいは農地保有合理化事業によります貸借等の推進、あるいはこれは利用集積計画もそうでございますけれども、実態的には個々の両当事者間におけるバイ、相対ということで進めてきたということは事実でございます。これは今後とも私ども、制度の改正によりましてここのところについて何ら否定をするものでもございませんし、そこのところは地域に応じて行っていくものだと思っています。 ただし、これまでの政策の展開の過程の中でやはり一番大きな問題になっておりましたのは、分散錯圃の状況、戦後の状況がなかなか一向に解決をしないという、これを従来の相対によります手法で解決するということについては非常に限界があったというふうに考えております。 したがいまして、今回、新たな面的集積の仕組みを設けまして、これを活用していただくことによりまして面的にまとまった形での担い手への集積ということを新たな仕組みとして設けて、これを推進をしてまいりたい。今年度の補正予算におきましても、これを推進するという観点からの予算も盛り込まさせていただきましたので、そういった意味で、面的に集積をするために新たな集積組織に委任をしていただく、こういうシステムを整えたということでございます。
○郡司彰君 なぜ委任をしないでというようなことの議論をするとちょっと時間が掛かりますので、今の話はそれとして承って、要するに、現行続いてきたものについては、本来の趣旨からすると組織を通してもらった方が有り難いけれども、今のままでもそれはそれで結構だということで理解をさせていただきます。 次に、もう一つ、自然人と法人との関係についてお聞かせをいただきたいというふうに思っております。 今回のことを契機にかどうかは別にして、集落でやはり年齢的なものがあったり、やっぱり元気な人もいたり、いろんな人が集まっている中で、みんなで相談をして、この集落は全部貸すということにしましょうということにする。それは、個々人が貸し手として農地を提供をする。そして、その集落の人が全員集まって農事組合法人というものを立ち上げて、同じ人たちが役割を分担をして耕作を行うということになるという形式は、これは今までもあったろうし、これからもまた増えてくる可能性があるわけであります。場合によっては、今年中にそのような手続をすれば、五年間で一反歩当たり七万五千円をいただいて、貸し手がいただくんですけれども、借り手としても使えるようなことにもなるわけでありますけれども、この方式は農水省としてはよろしいということですね。
○政府参考人(高橋博君) 御指摘のお話は、今回の補正予算で措置いたしました農地集積加速化事業のことだと思いますけれども、この事業は、一定の仲介組織、JAでございますとか市町村公社、あるいは土地改良区等を通じて、先ほど言いましたように農地の所有者が貸付けについて委任をしていただく、で、この組織が担い手に対して一括をして貸し付けるということになるわけでございます。その場合に交付金を交付するということになるわけでございます。 したがいまして、借りる者は個人であろうと法人であろうとこれは一切問いませんし、また、この法人の形態につきましても、例えば農業生産法人、従来の担い手と言われているような農業生産法人であろうと集落営農組織が法人化をした場合であろうと、これは別に事の形態を問うものではございません。 郡司委員御指摘のとおり、集落の方々が新しく法人を立ち上げる、で、自分たちの持っている農地についてこの法人に貸し付けるということになれば、当然のことながらこの事業の対象になるということでございます。
○郡司彰君 分かりました。そのように、現場でそれが可能かどうかという議論がありましたので、確認をさせていただきました。 もう一つ、農地法に関連をしてお聞かせをいただきたいと思っております。 自治体で行っていますクラインガルテンについては、これは農水省としても推奨をしてきたかというふうに思っております。このクラインガルテンというものを、個人の農家が、多くの農地を所有をしている方が利用の方法としてクラインガルテンを行いたいという場合には、農水省としては、これはよろしいということでしょうか。
○政府参考人(吉村馨君) 個人の農家が市民農園法に基づいて、所有する農地について、滞在型の市民農園ですね、クラインガルテン、これを開設することは可能になっております。
○郡司彰君 かなりの面積で、例えばその中に、百五十坪ぐらいのもので、畑が百坪以上あって、そこに駐車場があって、家が、滞在型のものが建てるような形の許可を取って、百戸ぐらいができ上がるというものを個人でやっても、それはもちろんオーケーだということでございますね。
○政府参考人(吉村馨君) 市民農園につきましては、一区画当たりの農地の部分、これが十アール未満という要件はございますけれども、区画数の制限はありませんので、そういう意味で全体の規模についても制限はございません。
○郡司彰君 自分で大工さんが腕を持っていればよろしいんでありますけれども、そうでない場合にはその建物は、例えばハウスメーカーに建ててもらってそれを行うという形式ももちろんよろしいわけですね。
○政府参考人(吉村馨君) 可能でございます。
○郡司彰君 見た目には分譲住宅と何か変わるようなところがないような畑付きのものであって、滞在型で、自分がそれをやっているということについて、農水省からの御推奨をいただいたということで、こういう事業もこれから始まってくるのではないかなというふうに思っております。何かありますか。
○政府参考人(吉村馨君) 今の委員御指摘の庭園付きの住宅ということの対比でございますけれども、市民農園は、これは滞在型のものも含めて、できるだけ多くの人に利用してもらうということで、貸付けあるいは利用の期間は原則として五年以内ということになっておりますので、そこのところは性格上明確な違いがあるというふうに考えております。
○郡司彰君 それは、その範囲でということは理解をしております。 次の質問に移らさせていただきたいというふうに思いますが、近藤副大臣にまた御答弁をいただければというふうに思っております。 農水省の方では、収益を上げるためには米だけではなくていろんなこともやりなさい、施設園芸とか畑作とかいろんなことやりなさい、少量多品種でもって一年間消費者に喜ばれるような栽培方法もありますねということをやっております。 現場の方は、少量多品種、新しい品種を行うということについて、非常にやりづらいという声が上がっております。それは、ありていに言えば、ほとんど農薬が使えないというような現実にぶち当たるわけであります。その場合に、普及所その他のところが特定のエリアを区切って、このような形でもって栽培をしなさい、いわゆる体系防除というシステムを取っているかというふうに思っております。 この体系防除というシステムそのものは、非常に努力をされて効果が上がるものだというふうにも聞いておりますけれども、場合によっては、もう少し何かいい形が取れないものだろうかという声も上がっているのも現実でございまして、そうした現実について、副大臣の方から何かコメント等がございましたらばお聞かせいただきたい。
○副大臣(近藤基彦君) 私も当選以来、この件に関しては同じ問題意識を持っておりまして、私、新潟県でありますけれども、私どものところは枝豆が結構有名で、黒崎茶豆、お隣の山形県、だだちゃ豆ですけれども。この枝豆農家からやはり同じような指摘があって、使える農薬がもうぐっと絞られてしまって使い勝手が悪いんだと。調べましたら確かにそうで、まだ当選したばかりでありましたので、三年か四年かけて、メーカーその他県とも協議をして、ようやく多少、二、三品種認められたということも実はありまして、これには私も問題意識を持っております。 それで、今現在、我が省としては、できるだけ似たような種類の、まあ根菜なら根菜とか葉菜なら葉菜、似たような種類のもので指定除外がされているもの、あるいは指定されていないもの、これは大体、まあ若干のやっぱり残留農薬とかの問題がありますので検査しなきゃいけないでしょうけれども、入れられるという形の方向で検査をすることと除外をするということで検査をする方向とは全く違ってきますので、できる限り包含ができるかどうかのチェックをすると、できるだけ時間を掛けずにやるというような方法とか、あるいは都道府県とか農薬メーカーあるいは市町村、関係団体等から協議会を設置していただいて、何かそういう問題があったときには協議会の中でどうするかということをきちんと話し合っていただく。あるいは、都道府県で大体試験データを作りますが、それに対しての、データ作りに対しても二分の一助成をして、できるだけ早くにそういった試験データが集められるような工夫はしております。 ただ、やっぱり食の安全、安心という面からも、農薬のデータとか試験というのはきっちりやらなきゃいけない部分でもありますので悩ましいところではあるんですけれども、できるだけ時間を掛けずに、御要望があり次第にすぐに試験データが集められるような形を取って、結果をできるだけ早くに出していくということにしたいと思っていますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
○郡司彰君 以前に同じような無登録農薬を使って大変に話題に、話題というか関心を呼んだときがありまして、無登録というのと農薬の害があるなしというのは、これはまるっきり関係がないんでありますけれども、言わばメーカーの方で、登録を更新をするための何十億、それから新規だと百億を超えるような金額が掛かる。それに対して、少量のものを作っている地域あるいは少量のものを作っている農家、新しいものをやろうとする人たちは、農薬がないという現実に今まで何度もぶつかってきたんですね。それ、副大臣のおっしゃったように、有り難く副大臣の方で何とか考えようといってやってもらえるところはいいですけれども、全国的にいうとなかなかそうはいかない。 それで、前に法律が改正をされるときに、これは初め、私もマイナークロップということで質問をしましたら、当時は答弁席の方も、マイナークロップというのは初めて聞いたと、何だか質問があって初めて調べたらばそういう問題があるというので、その法改正に合わせて猶予期間を取って、その間だけは何とか使えるようにとかいろんなことを一時はやってもらったんです。それが落ち着いてきて、新しい品種ができて、また使えないものが増えてきております。 先ほど枝豆がありましたけれども、大豆と枝豆、何が違うんだと言うけれども、それは使うものはまるっきり同じものは使えないわけでありまして、私のところは今メロンの収穫が大変忙しいんでありますけれども、メロンも大きくするためには途中で摘果をしますから、そのときしたものは今まで漬物用として出していたものが、これもう完全に駄目だと。漬物用として使うんならば、それは漬物用としての農薬は別だから、それは無登録農薬で違反だということでもうこれはもう出せないと、こういう現実があります。 問題は、今のような話もそうなんですけれども、アメリカの種子と特許という戦略の中で、我々のこの国はこれから先やっぱりその辺のところをきちっと考えていかなくちゃならない。大臣の方でやってもらっているTRIPS二十七とかその辺の関係の問題だと思うんですよ、実は。現場の方で困っている人たちはそんなことは知りません。しかし、この特許料の申請とか何かを地域や少量多品種をやろうとする農家が負担をするなんてことはあり得ないわけですから。 これは、アメリカの種子や特許戦略に対して我が国が自分の国の農業を守るためにどれだけ国としてできるか、それを農家にどれだけ還元をするかということがやはり農家の所得を上げるためにも必要な施策だということで、これは国としてそのことを取り組んでいただきたいと思います。もう一度御答弁をいただきたいと思います。
○副大臣(近藤基彦君) 御認識は全く同じでありますので、とにかくそこはきちんと取り組んでいきたいと思っております。 農薬改正のときに猶予期間を設けたこともあります。あのときに私が一番腹を立てたのは、農薬メーカーがラベルに新たに作物を追加するのに全部ラベルを印刷をし直さなきゃいかぬ、これに膨大な金が掛かるという話まで出たわけです。それは無視して乗り越えさせていただきましたけれども。 特許に関してもそうですし、膨大な金が掛かることも確かなんですけれども、しかし、それ以上に、やっぱり農業者の人たちがそういう新しいものにチャレンジをしながら所得を上げていくという、これはもう本当に意欲を持ってやっている人たちでありますから、これは私どもとしても最大限にバックアップをしていきたいと思っていますので、もし、例えば具体に何かあれば、例えば先ほど言ったような事例を是非聞かせていただいて、それをやっぱり一つ一つつぶしていくしかないんだろうと実は思っていますので、是非、御地元のそういうことがあれば、担当の者を呼んで聞かせていただければ対処をしたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
○郡司彰君 ここの問題について、またいろいろと取り組んでいきたいなというふうに思っております。 派生をする問題があります。例えば、除草剤でも、農業用でないものと農業用のものとは、同じ成分で、売っている場所も隣同士で並んでいて、これは除草剤として農業用に使うものと同じ成分ですよ、ただし使ってはいけませんよと、これ見よがしに売っているわけですね、半額の値段や何かで。だから、農家の人たちは同じならばこっちを使いたいと思って、使えばそれは無登録農薬で違反だというような現実がそのメーカーのところの戦略があるわけです。 もっとひどいことをやっているのは、そういうような抜け道を使った、農薬じゃないけれども、同じ成分のものを売っているのは、ほとんどが農水省出身の人なんですよ。これは現実問題そうなんです。だから、そういうふうなことも含めて、しっかりちょっとそういうことは取り組んでいただきたいなというふうに思っております。 最後の質問でございますけれども、民主党も、昨年からの特に畜産関係の飼料高騰等を受けまして、酪農関係をもう少し何とか、いろんな形でもって生き延びる道はないものかということでやってまいりまして、一昨日、中間取りまとめで循環型酪農の推進をしようという考え方をまとめさせていただきました。大臣には衆議院の方で石川議員の方からブラウンスイスというような話もされたかと思いますけれども、そのような研究をしてまいったところでございます。 今日は、ちょっと、この理事会で、済みません、忘れておりました。日経新聞でございますけれども、サッポロという会社が自治体と農業法人をつくって、ワインの出荷を始めるようなそのブドウ園をつくるんだというような形で、ワインのこれから二倍ぐらいの伸びを目指していこう、ワインが伸びればチーズを食べる人も増えるだろう。そのためには、例えばこれまで我が国になかったような、九九%がホルスタインでございますから、このブラウンスイスでありますとか、ジャージーでありますとか、チーズを作る人たちにとっては歩留りが良くて収益が望める、しかし、これまで農水省の蓄積としては、余り生体では輸入をするようなこともございませんでしたし、飼った、どういうときに、どういうえさをやれば、どういうような飼い方をすれば乳量が増えるんですよとかというような蓄積も余りないのかなというふうに思いますけれども、これから八割のチーズが輸入品に頼っている現状を抜け出して、生乳だけではないような酪農の在り方を目指すためにも、是非とも国としても真剣に取り組んでいただきたいと思いますが、これは野村政務官の方にお聞きをしたいと思います。
○大臣政務官(野村哲郎君) 先般、新聞で、郡司委員の方で取りまとめられました特色ある酪農支援というのも読まさせていただきました。 今御指摘ございましたように、酪農家の保有しております乳牛というのはもう九九・二%がホルスタイン種でございまして、郡司委員御指摘のありましたブラウンスイス種というのがわずか一千頭。しかも、これは北海道とそれから関東のこの地域に限定されておりますが、一番の問題はやっぱり乳量が、やはりホルスタインは大体九千キロ、そして一方のブラウンは六千キロと。こういった乳量の差が大きいものですから、酪農家の方々がやはりホルスタイン種が多いと。ただ、御指摘のとおり、ブラウン種というのはやっぱりたんぱくの含有が多いものですから、確かにチーズ向きだというのはこれはもうおっしゃっておられるとおりです。 そこで、なかなかこういうものを役所がやっていないじゃないかという御意見もあるわけですが、農水省として、この生乳の生産の支援としましては、一つは、余り役に立っていないというお話もありましたけれども、やはりこの乳量なり乳成分のこれは検査、これはサンプルでやりますけれども、こういうものをやって、そしてまた農家にテークバックしていく、キックバックしていくという、そういうのが一つありますし、それからもう一つは、純粋種に対します関税、これを免税を実はいたしておりまして、導入しやすいような仕組みをつくっております。 それから、チーズ作りの話でございますけれども、確かに、おっしゃいますようにチーズは国産がわずか一六%しかございません。あとは外国からの輸入でありますので。今、北海道の方で三工場増設いたしまして、四十五万トンぐらい増産をしようという考え方で、これがフル活動いたしますと大体三割弱の自給率になっていく、もちろん輸入を止めればの話でありますが。 そういうような仕組みもつくっておりますが、今おっしゃいましたようなことも、いろんな形態をつくりながらやっておりますのは、一つは、もうこれは二十年ぐらいのお話なんですけれども、チーズのコンテストをやっております。ですから、そこで品質を高めるとか製造のやっぱり技術を磨くとかというのも一つあります。それからもう一つは、研修も実はいたしておりまして、二十年度で大体二十数名の研修、これは酪農家があったり、酪農家以外の方もおられるわけでありますが、そういう研修も実はやっておるわけです。 チーズは今後、今、ワインとの関連でもおっしゃいましたけれども、需要が見込める、そしてまた、国産をできるだけ国民の皆さん方に消費していただく、そういう視点からいろんな支援をいたしたいというふうに考えているわけであります。
○郡司彰君 できるだけ規模拡大、効率化を目指すところにやっぱりそういう形の援助をする。しかし、北海道で大量にというのも、それは一つの方法なんです。でも、チーズを作っている職人の方からすると、搾乳をしたものは動かさないで作るのがやっぱり一番おいしいものができるというようなことらしいんですよ。 ですから、ヨーロッパなんかでは、大量に作るというものももちろん、販売ルートに乗せる関係もあるのかもしれませんけれども、地域ごとに一軒ずつチーズを作っている農家があって、その地域の人たちが食べるような形のやっぱり文化につくる、それもまた日本の中でも可能性があるんではないかなというふうに思っております。 私どもも幾つか研究をさせていただいたところ、岡山の方の牧場の方は、これは技術があったりこれまでの蓄積があったりいろんなことがするからで、一概に一般論として言うわけにはいきませんけれども、大変高い収益を上げているというような話も聞きました。 ですから、大きくということももちろん国全体の数量を考える場合にはあるかと思いますけれども、地域の中で、うちの村の、うちの町のチーズ屋さんがそこにあるんだというような、そういう行き方ができるような考え方というのも取っていただきたいと思いますし、コンテストもやっておられるということも聞いておりますが、せめて毎年行われるとか、あるいは地域の経営とかなんかにも精通をするような、技術だけではなくて、経営能力も持ったような形のものもつくって、プライドが持てるような、国としての認定というようなものも考えていってもいいのではないかなというふうに思っております。これから大変期待が持てるところ。 そして、日本の場合には、チーズは嫌いだ、余り合わないんだという人がいますけれども、これ間違いなく、飲むものから食べるものに乳製品というのは変わってくる。そして、ほかの国と違って、へしことかなんとかかんとか、もう全国に臭いものなら任せろというのがいて、その人たちはまだチーズを食べておりませんから、そういう人たちが食べ出せば大変に需要が増えると。 それからもう一つ、ほかの国の人から言われるのは、もったいないのは、チーズを作るときに出る乳清、ホエーというのが、成分的にはかなり優秀な成分を持った飲み物としても使えるわけでありますけれども、これがやっぱりそのままほとんど捨てられているというような状態でございまして、これの活用なんかも、捨てられているんならば、もう少し加工して飲みやすくして、豆乳もこのごろメジャーになってまいりましたけれども、それこそ普通の牛乳を作っているところだったらそれを飲めるような形で、ただで飲ませてあげてファンを増やしていただけるようなこともちょっと考えていただければ。大変もったいない資源を捨てているんではないかなというふうに思っております。 時間ですので、終わらせていただきます。ありがとうございました。
○委員長(平野達男君) 午後一時十分まで休憩いたします。 午後零時九分休憩 ─────・───── 午後一時十分開会
○委員長(平野達男君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、農林水産に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山田俊男君 本日は、大臣中心に一般質疑をやらさせていただきます。どうぞよろしくお願いします。 大臣は、OECDの閣僚会議に大変駆け足で行っていただいて、さらにその際、WTOの閣僚会合に御出席されたということであります。食料をめぐる環境が圧倒的に今変わっているんじゃないかというふうに思います。とりわけ、一年前、ちょうど一年前の洞爺湖サミットの状況がどうだったかということを、今ほとんど関係者は忘れてしまっているんじゃないかと思うぐらいであります。 ところが、最近の事情からしますと、地球温暖化の問題が引き続き利いているのかというふうに思いますけれど、飼料穀物等を中心にして価格が上がってきているということがあります。それから、飢餓人口が十億人に今増えてきているというFAOの報告もあるわけであります。さらには、途上国を中心にしていまだに輸出規制を行っている国もありますし、さらに、アメリカも中国も自国の製品を国内消費するんだという形での動きすらあるわけであります。それぞれ取ってみますと、ちょうど昨年の大騒ぎした洞爺湖サミットの状況は、引き続きちゃんと地下でといいますか、燃え続けている動きがあるんだというふうに思うんです。 としますと、従来の貿易それから投資の自由化という枠組みだけでこのWTOの交渉が進むということではなくて、やはり環境に合わせた新しい枠組みでの議論を進めていかなきゃいかぬのじゃないかという議論がWTOの非公式閣僚会合の中で、大臣、議論があったかどうか、まずお聞かせ願いたい。お願いします。
○国務大臣(石破茂君) 国会のお許しをいただきまして、OECDと並行して開かれましたWTOの閣僚非公式会合に出席をさせていただきました。これ、何かを決めるという場ではありませんで、どちらかというと、今後どのように進めるかというようなことがフリーディスカッション風に行われた場でございました。合衆国カーク通商代表が参りまして、私、初対面でございましたが、その場におきまして、あるいはバイの会談等々でいろんな議論をさせていただいて、有り難いことであったというふうに考えております。 その場でどのような話をしたのかということでございますけれども、これから先、ラウンドを決めていくにおいて、とにかく閣僚会合だけ開けば何か決まるというようなことは、それは言うなればかけみたいなものであって、実質的な議論というものをきちんと積み重ねた上でこれならばうまくいくというようなことでなければ、閣僚会合というのは開くべきではないと。もうとにかく何が何でもまとめるんだと、閣僚会合をこのときに開くというようなことは、私としては賛成はいたしかねるというようなお話をいたしました。 あわせて、委員御指摘になりましたように、昨年洞爺湖サミットがございました。我が国、議長国として、福田総理のイニシアチブの下に、食料安全保障というような議論がなされた。その前のイタリアの会議でもそうでございました。 最近の国際会議で折に触れて申しておりますのは、多面的な機能を維持しなければならない、多様な農業の共存というのはそうなのだが、その根っこにあるものは何なのかといえば、持続可能性のある農業というものを維持しなきゃいかぬと。それだけでも何かよく意味が分からないので、要は、持続可能性のない農業というのが行われていはしないかと。それが持続可能性のある農業というものを経済原理で淘汰してしまうというようなことは絶対にあってはならないのだということは、かなりしつこく私毎回申し上げるようになりました。 持続可能性のある農業とは何か。持続可能性のない農業とは何か。多様な農業の共存とは一体いかなる概念であるかということは、それはもう再度よく強調しておきませんと、下手をすると経済原理一辺倒の話になってしまうと。それはもう日本のみの利益ではなくて、委員おっしゃるようにもう世界的に何となく気象がおかしくなっている。それは即収量に反映をしてきているわけでございますね。 そして、持続可能性のゆえんは水とそして土、これが持続可能でなければならないのですが、水と土の持続可能性が失われていはしないか。そして、これが持続可能という表現にフィットするかどうかよく分かりませんが、気温というものが非常に変動している。その自然というものにあらがうような、そういうような農法というものが自然に順応した農法を淘汰するということがあるべきではないというようなお話、これは我が国として更に強調すべきものだと認識しております。
○山田俊男君 全く、大臣の今おっしゃっていただいた、ないしは、WTOの非公式閣僚会合でおっしゃっていただいたその内容に私も大賛成であります。 ところで、カーク米国のUSTR代表ともお会いになったというふうに聞いております。オバマ政権では民主党を支持しております農業団体であります米国のファーマーズ・ユニオン、これの実は専務をやっておりましたジム・ミラー、私も旧知でもありますが、彼が農務次官に就任したわけです。このファーマーズ・ユニオンは、今まさに大臣がおっしゃった多様な農業の共存ということを従来から主張していまして、我々日本の農業団体とも共通の主張をしているわけです。そうしたメンバーが内閣の中に入っているわけですから、このオバマ政権は今後の通商交渉におきましても従来の、前政権とは違った対応をやはり考えているんじゃないかと、こう思います。 大臣、カーク代表とお会いになりまして、それで、一体オバマ政権のWTO農業交渉に臨む姿勢は従来どおりなのか、それとも変わろうとしているのか、どんなふうに受け止められましたですかね。
○国務大臣(石破茂君) カーク代表はWTO交渉について、マルチ、多国間の議論に加え、二国間、バイの協議が重要であるということを強調いたしておりました。そして、来年中に交渉を妥結すべく進展させたいということ、これは新しい発言であったというふうに私は思っております。しかしながら、市場アクセスあるいは国内支持についてアメリカはこういう方針で臨むのだということについては、具体的な発言はございませんでした。 オバマ新政権は、四月二日、ロンドンで開催されました金融・世界経済に関する首脳会合におきまして、ドーハ・ラウンド妥結のため、これまでの進展を基礎として交渉を進めるということに合意をしておるわけでございまして、今後この方針に従いまして議論に参加するということになると考えております。 私自身、オバマ大統領と直接話をしたわけでもございませんので、オバマ政権がこうだということについて具体的に確たるものを委員にお話しできるような状況にはございません。また、支持団体が民主党政権と共和党政権で異なってくるということはよく留意が必要だと思っております。 もう一つ、私が思っておりますのは、報道等々にもございましたが、この三月にホワイトハウスに野菜畑ができたということがございました。報道に出ておりました。ホワイトハウスに野菜畑ができたというのはあるいは初めてなのかもしれません。そこでは五十種類の野菜が栽培をされると。そしてまた、ミシェル夫人は非常にオーガニックということに関心をお持ちであるということが報道等々によって出ておりました。農業に対する見方というものがオバマ大統領あるいはそのファミリーの中で、また前大統領とは違う認識を持っているのかもしれないという思いを私自身、個人的には持っております。 合衆国は何しろ五十州ございますので、それぞれ農業の事情は違いますけれども、よくその辺りを踏まえた上で、合衆国は何を考えるか、我が国はどう対応すべきか、かなり戦略的な精緻な議論というものが必要であり、向こうの人脈に通じておられます山田委員のお知恵をまた借りたいと思うゆえんでございます。
○山田俊男君 大臣、昨年の七月、土俵際まで詰められましたが、決裂になりました。十二月の閣僚会合は流れました。ところで、その際の議論になりました砂糖、それからでん粉等々の扱いについて、これはまだ引き続き大変重要な課題として残りますし、そのことが実は米の、MA米の扱いですね、ないしは枠拡大の扱い、これに影響を与えるわけであります。大臣、一貫して、就任されてからも米の生産調整のありようについて見直したいということでシミュレーションも含めて取り組んでいただいたわけでありますが、しかしそのシミュレーションをどうするかということにWTOの合意に基づきますMA米の扱いが大きな影響を与えるわけです。 要は、大臣、今後の交渉について、改めてまさに大臣がおっしゃいましたように、新しい環境の中でのアメリカ等の動き、これらも踏まえた取組が何としても必要じゃないかと、こんなふうに思うわけです。とりわけ、先ほど大臣からおっしゃっておられましたように、一貫して、持続的な農業の発展をどうつくり上げるのかと、土地と水だというふうにおっしゃっていただいたわけです。 このことは、この前、ケアンズ・グループの会合、六月の上旬にやったんですかね、大臣は御都合で、まさに国会が許さなかったから行けなかったんじゃないかというふうに思いますが、その際、大臣はメッセージを託されているわけです。メッセージ、三点おっしゃっていまして、飢餓、貧困の食料問題に対処する上でのWTOの見解、二つ目は、先進国と途上国、輸入国と輸出国の双方が利益を得る解決の必要性、それから先ほど来おっしゃっています農業の多面的機能の維持と持続可能な農業の確立の必要性と、こうおっしゃっておるわけです。これ、非常に意味があるというふうに思います。 まさにこうした観点での枠組みづくりをそれこそオバマ政権との間で交渉していくと。交渉といいますか、オバマ政権との間でいろんな観点での折衝を試みてつくり上げていくということが私は必要になると思いますが、改めて大臣の見解をお聞きします。
○国務大臣(石破茂君) 国会がありまして残念ながら出席はできませんでしたが、私、ケアンズ・グループの会合、バリでございました。これ、できれば出たいと私自身思ってまいりました。 ケアンズというふうに一くくりに申しますけれども、いろんな国があるわけですよね。ケアンズといったら何かオーストラリアをすぐ連想して、たくさん輸出する国なのだ、そういう国の集まりなのだという感じがいたしますが、ケアンズ一つ一つ子細に見ると決してそういうわけではなくて、中には食料をたくさん輸入しているという国もケアンズの中には入っているわけであって、ケアンズの在り方、我が国としてもケアンズというのはかくなるものだというふうに断定的に決めてしまうことなく、我が国の立場というものをケアンズにもきちんと説明をする必要があるのではないかと思っておりましたので、出たかったということはありました。ただ、出席がかないませんでしたので、メッセージという形で私、書きまして、村上農水審議官に託したものでございます。そこでは委員が御指摘になりましたようなことを申しました。 そういうお話をケアンズの中のみならずWTOで主張しなければいかぬ。それは、どこかの国だけが利益を得て、どこかの国だけが利益を全然受けないというような、そんなのは続くはずがないのであって、そこはきちんと言わねばならないだろうと。 そして、農産物貿易とはそもそも何であるか。農産物貿易の幅といいますか量はとにかくちっちゃいわけで、それはもう二つ理由があって、どの国も自分が食べるもの優先でしょうという話がある。もう一つは、品質劣化がほかの工業製品と比べて大きいですから、そんなに市場に流通するものではない。よって、少しでも不作であればどんと値段が上がり、少しでも豊作であればどんと値段が下がるというものでございます。そのような農産物貿易というものに一国の生殺与奪というものを任せていいかといえば、それはそういうものではないでしょうと、そもそもそういうものではないでしょうと。 ですから、我が国としても自給力を高める努力というものは一生懸命やっていく。しかしながら、それとは別に、農産品の貿易のルールというものは公正公平であり農産品の特質を踏まえたものでなければならないのではないかということは、それはもう何度でも主張し、賛同国を増やしていくということが私は肝要ではないかと思っております。 合衆国との関係におきましては、カーク代表と本当に一回三十分ぐらい話をしただけでございますので、当然肝胆相照らす仲ということになるわけではございませんが、いろんな議論ができる人だという感じを私自身持っております。 MA米の取扱いをどうするかということについても、それは一般の方々の感覚からすれば、これだけ生産調整をしながらMA米を受け入れるということはなかなか理解のしづらいお話だと思っております。もちろん、私ども重要品目の数、あるいは関税割当て、あるいは上限関税、このことの主張はきちんとしていきますが、それをお題目みたいに唱えてだけおっても仕方がないのでありまして、このMA米をどうするかということについては、我が国で今議論をされております農政改革と併せて、このMA米というものの取扱いを今後どのようにしていくか、合衆国と本当に本音の話をして、お互いの利益というものはきちんと確保されるということを実現すべく努力をしなければならないと思っております。
○山田俊男君 合衆国のオバマ政権とは今そうしたことも含めまして議論をしていく大きなチャンスだというふうに見ますので、是非是非大臣、進めてもらいたいと、こんなふうに思います。 ところで、その六月にありましたケアンズ・グループの会合なんかでも、結局は、その際の取りまとめなんか見ますと、早期妥結を目指して、これまでに得られた成果、これは昨年十二月の議長改訂テキストなのかというふうに思いますけれども、これらをベースにジュネーブでの作業の加速化を図ると、こう言っているんです。 オーストラリアの代表が中心になってまとめているというふうにも報道あるわけでありますけれども、一方、今日の新聞なんかを見ますと、イタリアの今回開催されます七月のサミットでもこの方向で、要は早期妥結の方向で宣言をするんだと、こんな報道があるわけです。 我が国の、じゃ政府の方針どうだというふうに見てみますと、我が国の政府の方針も、多角的自由貿易体制の維持強化に向け保護主義の抑制と、ここまでは何となく分かるんですよ、その上で、WTOドーハ・ラウンドの早期妥結に取り組むと、これだけなんです、まとめは。 一体、大臣、先ほど大臣もおっしゃっておられて、さらにケアンズ・グループでの会合でメッセージをお出しになったように、私は、早期妥結というふうに言う前に、輸入国の立場を踏まえてとか、それから世界の農業が共存できるようにとか、それから地球温暖化の下で食料の飢餓が進んでいる状況を踏まえてとか、こういう注釈をちゃんとやっぱり入れてかかるということが必要なんじゃないかと。しかるべきところで発言させてもらったりもしたんですが、なかなかうまくいかないんですけれども、言うなればこういうことがどうしても必要なんだと、こんなふうに思うんです。 WTO交渉は、悪者捜し、これは合意に向けて、合意を拒否するような悪者捜しがあるんじゃないかというみたいな議論が昨年一年間ずっとあったりしたわけでありますが、悪者になることを恐れていたんでは本当に問題の解決ができないんじゃないかと、こんなふうに思うわけです。主張すべきことはきちっと主張していくという努力が必要だと、こんなふうに思います。 これは、うんとうなずいていただきましたが、民主党も実は同じでありまして、言うなれば貿易立国だから農産物も例外じゃないと、これは御案内のとおり、昨年の福田総理が総理就任に当たって所信表明をおやりになったときの代表質問で輿石参議院議員会長さんがおっしゃっておられるわけです。こういう流れの中でいったら、民主党もWTOに臨む姿勢がもうちょっとはっきりしていないんじゃないかと、こんなふうに思うわけであります。 要は、悪者になることを恐れていたんでは問題は片付かない、この国の、我が国のこの農産物の最大の純輸入国としての立場をだれかがどこかできちっと主張していかないと、もう歯車は回転していかないんじゃないかと、こんなふうに思いますので、改めて大臣のお考えをここで聞いておきたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 別に私は悪者になることを恐れているわけでもありませんし、いつも大体悪者になっているような気もしないわけではございませんが、これは常に農林水産大臣あるいは農林水産省が悩むところでありまして、非常に妙な言い方をすれば松岡洋右か小村寿太郎かみたいな話でありまして、悪い合意ならばしない方がいい、それはそのとおりなのでございます。 他方、自由貿易の恩恵を一番受けているのは我が国なのでしょうと。WTO体制そのもの、農業とか工業とか商業とかいろいろな分野がございますが、トータルで見れば自由貿易の一番の恩恵を受けているのは我が国なんでしょうということがございます。農業のことだけでとは申しませんが、それでWTOを壊していいのかという議論も一方にはあるわけでございます。 私として悪者になることを恐れるつもりは全くございません。しかしながら、トータルとして我が国の国益に資するということも考えていかねばなりませんが、農業がその不当なしわ寄せとか、あるいは多大な代償とか、それを払うということが、それがあっていいのかということでございます。ですから、我が国の国益も確保をしなければならないが、同時に農業がそれによってしわ寄せを受けるということは何としても回避をせねばならぬ。国内の改革というもの、それから農地法の改正も一つのステップでございました。 そして、消費者の方々が、もうスイスの卵の話をするとまたしかられますから言いませんが、やはり国産品を選んでいくということ。やっぱり我が国の農業を支えられるものならば、多少高くても買いましょうよと、安全で安心なものならば消費者がちゃんと買いましょうよということもそうでしょう。 そういうものを全部合わせていきながら、合意というものは探っていくべきものだと。とにかく、もうここまで来たんだから日本の農業は我慢しなさいというような形でラウンドが終わるというようなことは、私は農政の担当者として何としても回避をせねばならないことだというふうに思っております。したがいまして、あらゆる場を通じまして、我が国がなぜこのような主張をしているのかということを本当に政治的にもきちんと伝えていかねばなりませんし、国会のお許しがあれば海外にも出掛け、一対一の信頼関係の下でやっぱり話をしていかねばならぬ。 これは余談でございますが、オフィシャルな会議だけではないわけです。今回も朝食会とか夕食会とか随分ございました。物すごく長い時間でした。そこにおいて、各国の大臣同士、お互い旧知なわけですよね。本当にお互いの家族構成も全部知っていて、奥さん元気かとか、子供大学に入ったかとか、そんな話もしておるわけで、やっぱり交渉の成功というのはそういうこともあるだろうと。そういう人間関係に基づいた信頼というものもあるだろうと思っております。 そういう信頼関係も深めながら、我が国の農業というものがきちんと維持発展できるように努めたいと考えております。
○山田俊男君 まさに大臣の決意をお聞きしました。近藤副大臣もジュネーブへ先般行ってこられたわけでありますから、是非多様な形での取組を今後引き続き強化してもらいたい、こんなふうにお願いするところであります。 さて、本日は、私は米と並んで人間の食生活上欠かせない作物であります牛乳、それから私はもう一つ挙げると砂糖だと思っているんです。米と牛乳と砂糖、これをしっかり国として、国民の食の安全保障を守るためにもこの三つをしっかりするというのは大変大事であると、こんなふうに確信しているところであります。 そこで、今日は牛乳について質疑させてもらいたいというふうに思います。 昨年の四月に三円、生産者取引価格を上げるという決定をいただいて、努力をしていただいた。さらには、今年三月から十円、乳価アップの大変な努力がありましたが、農林水産省もいろんな形でのサポートをしながらここまでよく実現できたと、こんなふうに思います。酪農家もちょっと一息ついているという状況を聞いてはおりますが、しかしその一方で、えさ価格がまたぞろ上がり始めたという動きがあるわけであります。 それで、都府県の酪農家の状況を見てみますと、これは北海道は別にして、都府県です。都府県の酪農家の状況は、廃業がやはり相次いでいるわけで、廃業が大変高水準に推移しているということであります。お手元に資料を出しておりますけれども、とりわけ小規模な三十頭未満で、ここ十年間で一万五千戸が八千三百戸へ半減しているわけです。さらに、五十頭クラス、それから八十頭クラスでも、これは農家数が減っているわけです。一方で、百頭、二百頭を超える経営が増えているということであります。 明確に、小規模な酪農家は、新しく規模拡大しようということになれば、高齢化しています、それから、今新しい投資をするということになれば到底できないというようなことで、この際整理してしまおうという動きなんだと思うんです。言うなれば、このままの形で推移すると、家族農業、家族酪農経営が一遍に消えてしまいかねないんじゃないかという心配であります。 一方で、これはメガファームというふうに言われる、百頭、二百頭どころじゃなくて、都府県におきましても二千頭を搾乳するという経営が誕生しているわけです。二千頭を搾乳するときには、じゃ、搾乳は朝三時からだれがするのかということになってくると、もう隣の国の人に頼まざるを得ないみたいなことでの構造です。そういう酪農経営の構造になってきているんじゃないかということであります。 果たして家族酪農経営をこのままつぶしていいのかどうかということです。酪近計画を今畜産部会等で検討されているというふうに聞いておりますが、とりわけ都府県の酪農経営の将来像をどんなふうに描いておられるのか、お聞きします、大臣に。
○国務大臣(石破茂君) 御指摘のとおり、都府県の酪農農家戸数につきましては、平成二十年二月現在で、県内に千三百九十戸ある県もある一方で、御指摘のとおり二十一戸まで減少しちゃいましたというところもあるわけでございます。 家族的な経営というもの、これがなくなっていいというふうに私自身考えておるわけではございません。それはそれで、みんなが大きくなればいいということではなくて、本当に家族でその地域を守り酪農を営みというものが全部つぶしていいというふうに考えておるわけではございませんのです。そのために、行政、関係団体一丸となりまして協力、支援を行うことは極めて重要だというふうに認識をしておるところでございます。 これは何かお答えを先送りするようで申し訳ないのでございますが、現在、新たな酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針の策定に向け、検討を食料・農業・農村審議会畜産部会において行っておるところでございます。 そこにおいて、どうやったらばこういうものが守っていけるか、これ、新たな施策というものを講じませんとなかなか維持発展していくのは難しいのかもしれないという認識を持っております。それは中山間地直接支払でも同様の議論がございまして、本当にこれを維持していくというのは、何か新たな手法を講じませんと維持をするのは難しい。 私、戸数が減っていること自体をネガティブにとらえるつもりはございませんで、それが規模拡大につながりコストダウンにつながるということは否定すべきではございませんが、しかしながら、小規模の酪農というもの、家族経営が淘汰されるべきだとも考えておりませんので、これをどうすれば維持できるか、どういう手法を講ずべきかということがこの畜産部会において議論をされる、私どももそこにおいて必要な情報、知見を提供し、有益な、有意義な政策が出るように努力をしたいと考えております。
○山田俊男君 大臣、午前中の質疑でもおっしゃっておられましたが、限界集落ということが生じています。一方、限界中心市街地みたいな話もやっぱりあると思うんですね。要は、高齢者が増えちゃって生活するにも施設がもうないと、生活も中心市街地ですら難しくなってきているという状況が一方で現れているというわけであります。 ところが、限界酪農地帯みたいな、集落よりも規模は当然のこと広いというふうに思いますが、県域で見たって限界酪農県みたいなものが生じているんじゃないかという心配があります。要は、都府県ごとの酪農の農家数がもう数十戸単位に減っちゃってきている。最近また著しくそれが減少し始めている。 そうなりますと、もう獣医師もいなくなっちゃいます、これは営業できません。それからさらに、乳業メーカーも乳量を維持できないということで撤退してしまうという事態があるんだと思うんです。酪農があって新鮮な牛乳が飲めるし、供給できるわけでありますし、それから乳業メーカーがあって初めて加工できるわけであります。それから堆厩肥が出ます。堆厩肥は近辺の水田にまくことによって、それこそ水田の地力を上げることができます。 北海道から牛乳を入れればいいじゃないかと、これは確かにそれも一つの大きな戦略でもありますし、最近量は増えています。ところが、牛乳と合わせて北海道から堆厩肥を一緒に船に積んで持ってきていますというわけには毛頭いかぬわけなんですよ。ここのやはり関連が大変大事だというふうに思います。 この限界酪農地帯が生まれてきているんではないかということについて、もっと危機感を持った対応が必要じゃないかというふうに思います。酪近計画の議論におきましてもそうしたことを念頭に置いた議論を是非進めてもらいたいと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(本川一善君) 委員がお配りになっている資料の例えば三ページにございますけれども、酪農家戸数の都道府県別のですね、出てございますが、例えばこの中で真ん中辺りにあります和歌山県などは、もう二十一戸まで酪農家が減ってきているというような実情がございます。 そういう和歌山県でございます、南北に非常に長い大きな県でございますけれども、例えば大きな乳業工場はございません。大きな乳業工場は、やっぱり近隣の大阪府に出荷をするということになっておりますけれども、そういうところに出荷しておられる方は、大体、和歌山市を中心にした北部に固まって半分ぐらいの方がおられます。こういう地域においては、恐らく集送乳の合理化を図りながらコストを低くして集めるということになろうと思います。伺っているところでは、二日に一回、集乳をするというような工夫もしておられるというふうに聞いております。 それから、半分の方は南部の那智勝浦町あるいは新宮市、こういうところを中心に大体半分の酪農家の方がおられます。こういうところにおきましては、それぞれ牧場ごとに小さい乳業施設を持っておられます。委員の資料でありますと、この一番最後のページに牛乳の処理工場の乳製品工場数というのがありますが、和歌山県は七つぐらい小さいのがあるわけでございますけれども、これは、南部地域にそれぞれ牧場ごとにこういう処理工場を持って近隣の地域に販売をしておられたり、あるいは地産地消という形で、観光牧場のような形でやっておられるのかもしれません。ちょっと実態、つぶさには把握できておりませんが。 今申し上げましたような限界酪農地域に近づいているところ、そういうところにおいてもそれぞれ工夫をされながら酪農経営を営んでおられると。私どもとしても、そういう地域地域の実情を踏まえながらきめ細やかな政策を講じていきたいというふうに思っておるところでございまして、そういうことも含めまして、先ほど大臣もお話ありました畜産部会における新たな基本方針の検討の中で、どういう地域にどのような施策が必要なのか、どういうことが適切なのかということについて検討してまいりたいと考えているところでございます。
○山田俊男君 私の資料の説明も的確にやっていただきまして、助かりました。 ところで、同じ資料の五ページに「やっぱり美味しい成分無調整牛乳」と書きましたが、メーカーの名前が書いてありますけれども、ほとんど忘れてください、メーカーを出すためにやったわけではありませんでして。 要は、最近低価格の牛乳の提供ということが大変進んでいる、それから要は成分調整牛乳、これの量がずっと拡大しているということです。低価格での提供、それから低脂肪にして健康志向に合わせたと、こういう議論もあるわけですが、要は大規模量販店のプライベート商品として大々的に、言うなれば安売りの場合によったら目玉商品として活用されるようなことも含めた動きになって、それに乳業メーカーとしては、加工メーカーとしては応じざるを得ないという流れも一方にあるんじゃないかというふうに思うんです。 私は、この四本全部飲んでみたんです。やっぱり一番おいしいのは成分無調整、これメーカー見て言っているわけじゃないんですよ。やっぱりちゃんとおいしいですよ。成分無調整と成分調整と、(発言する者あり)ああ、なるほどね。当然そういう牛乳もあるし、低脂肪もある。これ先生、低脂肪牛乳が駄目と言っているわけじゃないんです、駄目だと言っているわけじゃないんです。要は、成分無調整が本来の牛乳の姿じゃないのかと、そこへ持ってきて成分調整牛乳が出て、そしてそれが言うなれば安売り対象になって販売戦略に使われていると。結果として、その分だけ言うなれば成分無調整牛乳はどうしても売れないという課題を抱える。それからさらに、一方で、成分調整牛乳は売れるけれども、安いですから生産者の手取りに基本的に十分反映できないという問題が生じているわけです。 この動きを一体どんなふうに受け止めておられますか。
○政府参考人(本川一善君) 本年三月以降、成分調整牛乳の需要が非常に伸びております。例えば五月でありますと、対前年同月比で九五・三%増という売上げになっております。その主な背景といたしましては、やはり成分調整牛乳というのは一〇〇%牛乳から脂肪分、乳脂肪分を少し取り出すという形でございますので、成分無調整牛乳と比べまして少し飲み口がすっきりしているということであります。それから、脂肪分を取り出してそれをバターとかに用いるということでございますので、牛乳自体はクリームを他に活用できるということで、一般的には安値で販売されているということが影響しているんではないかなと思います。 私も、ここにあるのとは違いまして、今日答弁を申し上げるということで今朝あるメーカーのものを、同じメーカーの調整牛乳とそれ以外のもの、三・七%乳脂肪分と三%乳脂肪分のものを飲み比べてみましたが、やはり濃厚な味の無調整に対しましてさっぱりした飲み口であるということであります。ただ、そのメーカーにつきましては、同じ一リットル二百八円で、同じ値段で販売をされておったということでございます。もちろん、脂肪分を取り出すということでありますからその分手間を掛けるということでありますので少し高くするという、同じ値段にするというところもございますし、乳脂肪分を取り出したということで少し安く販売している、いろんなケースがあろうかと思います。 そのメリット、デメリットでございますけれども、牛乳の生産量が減少している中で、成分調整牛乳の需要の拡大というのはやはり農家の皆さん方にとって全体の需要の確保という面でメリットがあると思います。一方、先生御指摘のように、この三月から十円値上げをしておりますけれども、牛乳全体で、そういうものの何か安売りということで行われれば少し足を引っ張るような形になるんではないかということが心配をされますし、一方で、クリームを取り出してバターとかに回していくということでありますから、今度はそちらの需給に少しいろんな影響が出てくるかもしれないと、今はそういう顕著な影響は見られませんが、状況があると思います。 私どもとして、この成分調整牛乳の需要について、今後とも注視をしてまいりたいと考えているところでございます。
○山田俊男君 成分調整牛乳を出すためには、今もあったように、要は脂肪分を取り出すわけですね。すべての乳業メーカーがその施設を持っているかといったら必ずしもそうじゃないわけですね。だから、その施設を十分ないしは機能を持っていない例えば中小の農協系の乳業メーカーなんかは要は大変苦労をしている部分もあります。 一方、この施設を持っている農協系の乳業メーカーでも、要は量販店の先ほど言った安売りの目玉商品として、これはもう量を確保するんだからいいだろうということも含めて、低価格の牛乳を供給せざるを得ないという実態がありますから、その分だけ大変な経営困難になっているということも聞きます。 要は、中小の乳業メーカーの大胆な再編の取組が必要ではないかと、こんなふうに考えます。大臣の地元の大山乳業等は大変おいしい白バラ牛乳を出しておられるし、さらにヨーグルト等多様な商品を加工されて出しておられる。言うなれば、こうした乳業再編をしっかりやらないといかぬと、こんなふうに考えるわけですが、見解をお聞きします。
○政府参考人(本川一善君) まさに御指摘のとおりでございまして、農協系を含む中小乳業につきましては、一般的に商品開発能力がやはり余り高くない、さらにはそれに伴いまして販売力も弱いということで低価格競争に陥りやすい構造にあるというふうに考えておりまして、利益を確保できなくなって厳しい経営状況にあるところも少なくないという状況でございます。 私ども、そういう状況も踏まえて、平成八年度から、乳業の再編に伴う工場のスクラップや新増設、こういったものに予算を投じて支援をしてきているところでございまして、先ほど御指摘のあった大臣の御地元の大山乳業につきましても、平成十四年と十五年度に、中小乳業二社と再編を実施されて、今そういう状況になっているわけでございます。 ただ、平成十六年以降はなかなかこういう統合の機運が出てきていないということもございまして、私どもこれを加速すべく、この二十一年度の予算におきまして、予算額を増やすというようなことと同時に、例えば同じ県の中であると、あそこと一緒になるのは嫌だというようなこともございますので、都道府県を超えた広域的な再編、こういうような場合に少し条件を緩和する、そのようなこともしながら、乳業再編について力を入れて進めてまいりたいと考えているところでございます。
○山田俊男君 さらに、今回の今年の三月の対策におきまして、農水省から都府県の生乳の共補償の制度を動かしてもらってきたわけでありますが、これが大変今の環境の中でも効果的だと、こんなふうに聞いております。 この共補償の仕組みは、プール乳価の維持ということですね。言うなれば、牛乳で出す分、加工乳向けに出す部分、その差額を補てんできると、それから需要減の中で対応できるということがあるわけで、大変効果的であります。都府県の酪農家は、今は価格を支えてくれる仕組みはないわけです。あくまで、それは北海道から幾らで生乳が入ってくるかということと、それともう一つは、都府県におきます乳業メーカーとの、大規模乳業メーカーとの、指定団体との価格交渉によってしか実現できないわけです。 そういう中で、この共補償制度が大変意義のある経営安定対策の一つじゃないかと、こんなふうに考えるわけですが、これの拡充なり制度化が必要というふうに考えます。いかがですか。
○政府参考人(本川一善君) 御指摘のとおり、都府県の酪農経営については、制度的な価格を支える仕組みはございません。それは、飲用乳が中心でございますので、私どもとしては、やはり基本的には指定団体、生産者とメーカーが交渉をして適切な経費を賄えるような価格に設定する、そういう交渉力を強くしていくということが肝要ではないかなと思っております。 ただ、この飼料高の中でこの三月から十円値上げをするという中で、消費の減退というのが非常に心配されたわけでございます。一方、その消費の減退というのは、特に大都市消費圏から遠いところに、条件不利なところにその消費の減退が形として現れる、そういう可能性がございますので、全国の酪農家の皆さんが集まって、共補償という形でそういう一時的な消費の減退を補うような対策を講じることができないかということで、国が三それから生産者団体が一を出して積みました基金から、例えば例年の減少トレンドを超えて下回った分については生乳一キログラム当たり二十円、それから全国平均減少率を下回った分については生乳一キログラム当たり三十円、こういう補てん金を共補償として出す仕組みを講じたところでございまして、関係団体と連携をしながらこの円滑な実施に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○山田俊男君 是非、この制度の充実について引き続き検討をしてもらいたいと、こんなふうに考えます。 さて、もう一つ最後に、酪農対策と関連しまして、今までも十分進めてきたかどうか疑問なんですが、酪農というのは、自給飼料をどんなふうにちゃんと生産、確保するか、さらには、搾乳施設の整備が必要です。それから、乳業工場の配置が必要です。それから、獣医師等の確保等々は当然必要になります。それから、当然そこには遠隔地への輸送という問題が出てくるわけです。要は、全体として地域における複合的なかつ総合的な装置産業であろうかと、こんなふうに思います。 だから、個別の酪農家だけでの対応はなかなか難しいということがあるわけです。ですから、一元集荷多元販売ということでやったり、指定団体制度でやったり、それから海外からの輸入品に対する補給金の交付ということがあったり、それから今議論ありましたプール乳価の水準維持のためにもセーフティーネットの対策と、こうした仕組みの中で私は成り立っていると思うんです。 ところが、規制改革会議、これも先ほど、午前中若干議論がありましたけれど、この規制改革会議の答申の中で、要は、自立した酪農家の競争原理の導入、これが大事なんだということで問題意識をまとめられて、その旨の主張をされているわけであります。この流れの中でいくと、本当に我が国の酪農はそれこそメガファームに全部席巻されて、家族酪農経営はほとんど崩壊しかねない、こんな心配があるわけであります。 規制改革会議の動きをきっちり拒否して、あるべき牛乳の戦略をそれこそ作るべきだという、こんなふうに考えます。意見をお聞きします。
○政府参考人(本川一善君) 御指摘のように、規制改革会議の第三次答申におきまして、酪農経営の競争環境の整備等についてという内容のものが出されておりまして、その中に問題意識としてまさにおっしゃるような議論が掲載をされているところでございます。 ただ、この規制改革会議のこの問題意識というのは、そこであった議論を比較的自由に掲載をするというような部分でございまして、ここのメンバーの方々はそのようなことをおっしゃっておられますけれども、これに対して私どもも、その今委員がおっしゃったような牛乳の特性、さらには、それを考えればやはり一元集荷多元販売というような制度がずっと行われてきたということも重々御説明申し上げまして、この規制改革会議の具体的施策という、政府に求める具体的施策の中には必ずしも今おっしゃったような観点からの具体的な指摘、要求というものが盛り込まれているわけではないと思っております。 今後とも、私ども、そのような実態なり必要性なり制度の背景、そういうことをきちんと説明をしながら対応してまいりたいというふうに考えております。 現実にそういうことを踏まえまして、私どもとしては、やはり一元集荷多元販売体制を維持をする、そういう中で、やはりそれを集めていく指定生産者団体の機能充実、こういうことが肝要ではないかなと思っておりまして、やはりそういうところをきちんと合理化をしながらやっていきたいと思います。 現に、ある指定団体で、集送乳経費をですね、広域的なクーラーステーションを設けたりしてやったところが、平成十六年度にキログラム当たり五円六十三銭掛かっていた集送乳コストが十九年度は四円九十八銭に低減できるとか、こういったことがございますので、広域的なクーラーステーションを造り、できるだけ一元的、効率的に集める、このような取組、機能強化を図っていきたいというように考えているところでございます。
○山田俊男君 午前中に郡司委員の方からも、チーズに対する対策を是非ということがありました。それら多様な取組のベースに装置産業としての酪農経営全体を支える仕組みが必要なんだということを念頭に置いていただいて対策を引き続き講じてもらいたい、こんなふうにお願いするところであります。 さて、私は国民の食にとって米と牛乳とそれと砂糖というふうに言いましたが、砂糖は本格的な議論はまた後ほどさせてもらいますが、サトウキビとそれと芋でん粉につきまして政策価格の方向を決めるやに聞いておるわけであります。サトウキビは、増産プロジェクトが軌道に乗りまして生産が増えてきております。大変いいことです。何がいいかといったら、生産者にとってもいいことなんですが、一方で離島の製糖工場の稼働率をちゃんと維持できるということなんです。これができなかったら製糖工場なくなります。なくなったら生産はもう無理ですからね。そういう意味合いも含めて、この連関というのは大変大事であります。 ですから、こうした生産者の努力に報いる政策価格の方向をきちっと打ち出してもらいたいということでありますし、それから、これは補給金が出る、交付金が出ているわけであります、交付金が出ているわけでありますけれど、交付金の対象農家のありようについてこれまで三年間特例措置が講じられてきたわけでありますけれど、新しい取組が求められております。是非、引き続き生産者が安心して生産にいそしめるような見直し、対策が必要というふうに考えます。これは、産地を抱えておられます野村政務官にお聞きいたします。
○大臣政務官(野村哲郎君) 今、山田委員御指摘のとおり、サトウキビとそれからでん粉原料用のカンショでございますけれども、十九年度から新たな品目別経営安定対策を講じたところでございます。 これによりまして、特にサトウキビを中心に申し上げますと、今お話ありました増産プロジェクト、まあこれを、ちょうど丸二年たったわけでありますが、この目標を既に達成をいたしました。これは天候に恵まれたということが一つありますし、それからもう一つは、先ほどのお話がありましたように、交付金がこの一定の要件を満たす生産者に交付されると。これが言わば諸外国との生産条件の格差から生ずるそういう不利益を補正するためのものでありますが、大変このことが農家の皆さん方の生産意欲につながっておりまして、先ほど申し上げました増産プロジェクト、この二年間完全に達成をいたしまして、農家の所得も本当にこの二年間で大幅に上がって、なおかつ生産意欲も上がっていると。大変、島の皆さん方、私も先々週来大島をずっと回ってきましたけれども、本当に昔はサトウキビ畑なのか草畑なのかというようなところもありましたけれども、もう最近は本当にきれいに草も刈り取って農家の皆さん方が営農にいそしんでおられる。非常にすばらしい仕組みをつくり上げてきたと、こういうふうに実は自負しておるわけでございます。 そこで今御指摘のとおり、今回の三年間、二十一年度で三年間がたつわけで、来年度からじゃどうするかということを今検討いたしておりますが、ただ、価格面につきましてはこの三年間は固定方式を取らせていただきました。これは現地からの強い要望がありまして、固定方式を取らせていただいたわけですが、今後、七月末には大体生産費の統計もまとまりますので、これらを踏まえまして今年の秋までには適切な価格を決定してまいりたいというふうに考えております。 それから、もう一点ございました対象要件の件でございます。 たしかにこの三年間、特例措置として三年間の経過措置で小規模農家の皆さんやあるいは高齢者の皆さん方、特例措置を三年間設けさせていただきましたが、この三年間やってみて、そしてまた現場の方でもいろんな課題も出ております。これらを沖縄なりあるいは鹿児島の皆さん方と十分に検討しながらまたこうした小規模農家の皆さん方も引き続き安心して生産に取り組めるようなそういう検討をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○山田俊男君 ありがとうございました。その方向でしっかりやっていただきたい、こんなふうに思います。 最後に、民主党は農地集積加速化事業、これなかなか読むのが難しいんですが、この廃止をどうも主張をされておられるということでありまして、民主党の戸別農業者所得補償法案並びに農山漁村再生法案、農山漁村再生法案は私も丁寧に読まさせていただきましたが、これは規模拡大を念頭に置いた交付金の支払が中に含まれているんですよね。そういう立場からしますと、今この規模拡大を進めるためのツールとしてこの事業が検討されて実施に移されているわけですが、この廃止の主張は従来の主張と矛盾するんではないかと、こんなふうに思うんです。 総選挙を控えているからということで政局的な対応だけでない、やっぱりこう腹に覚悟した取組はどっかで必要なんではないかと、ここをちゃんと腹を持ってそして進めないとこの日本の農業の将来展望はなかなか開けないんじゃないかという思いでいるものですから、この点大変心配であります。 大臣、この点についてお考えがあれば。大臣に聞くんです。なかなかこっちへ聞くわけにルール上できないものですから、大臣にお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 結局、受け手に対していろんな施策を講じていっておるわけでございます。それはそれで大事なことで今後も続けていかなければいけませんが、しかしながら農地がばらばらにあちらこちらにありますとどれだけ受け手を支援をしてもその経営体質の強化のための支援策の効果というものは減殺をされるということでございます。 何でこう出し手の方に金を出すんだというようなおしかりがあるわけですが、やっぱり早く貸した方がお得ですよということで経営規模を拡大をしていかないと、コストは下がらない。特に土地利用型の作物においてはその数字ははっきりしておるわけであって、どうやってコストを下げて手取りを増やすかということを考えていかねばなりません。私は、農業は産業でございますので、やはり基本にあるものは、いかにして付加価値を上げるか、いかにしてコストを下げるか、そしてどうやって所得を増やすかということは基本にあらねばならないことだと思っております。 民主党さんの法案について私はお答えする立場にもございませんが、所得補償というのはだれのどのような所得をどのようにして補償するのか、それを確実にするための手法とは一体何なのか、だれがその事務を負うのか、そしてそこにおいて利害があった場合にどのようなシステムでそれを調整されるのかということが明らかになりませんと、それは難しいことなのだろうと思っております。つまり、生産目標を決めるということ、どのようにして決めるか。そのときに輸入というものをどう考えるか、相場、為替の相場がどのように振れていくか、それは当然変動するものでございます。どのように決めるか、それをどうやってそれぞれの地域に割り振り、どうやって個人に割り振るのか、それをだれが行うのか、そのとおりにならなかったときにどうなるのか、そしてコストとの差額を払うという作業は一体だれがどのようにして算出をするものか、その辺りがつまびらかではございません。 私は、本当に農業の発展を願うという思いはどの人も一緒なのだろうと思います。ですから本当に、委員がおっしゃいますように、スローガンを掲げるということではなくて、一つ一つ精緻に、どうすればAならA、BならB、CならCという農家の所得が向上するかということを誠実に考えていくことが重要であると思っております。
○山田俊男君 以上で終わります。しっかり頑張ってください。 以上です。 ─────────────
○委員長(平野達男君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、山田俊男君が委員を辞任され、その補欠として佐藤正久君が選任されました。 ─────────────
○風間昶君 公明党の風間です。 まず最初に、太平洋小型かじき等流網連絡協議会というのがあって、小型のカジキマグロを漁をされている方々で要望がありましたことで、北海道の襟裳岬の周辺海域で漁をされているわけですけれども、禁止区域が実は期間限定であるんです。こういうもの御存じだと思いますけれども、襟裳岬から太平洋側のこれは気仙沼ぐらいまで行っているところですけれども、あるんですが。 実際に、七月から九月末までの禁止期間があって、彼らが言うには、以前は十月の解禁以降にマグロが来ていたんだけれども、最近はもっと早く、禁止期間にマグロが来ていると。したがって、解禁される十月にはもうマグロがいなくなると。漁獲量が落ち込んで経営悪化を起こしているという点と、それからこれ、四十八年に制定されたこれは省令なんだと思うんですけれども、禁止地域ですね。そのころは、昭和三十年代から四十年代はもう数百隻いた操業船、今はもう百隻程度しかいなくて、それに伴い漁獲努力量も減ってきているから、規制が緩和されてもそんなに資源に悪影響を与えることはないと考えているというふうにおっしゃっていました。おっしゃっていたんで、私は向こうの言い分しか聞いていませんので。 まずはだから、水産庁として、昭和三十年代、四十年代と比べて、三十数年たった今とでマグロの回遊サイクルというのが変わってきているということをきちっと把握しているのかどうかということと、漁獲高がそれに伴って変化があるはずなんで、どう押さえているのかを教えてください。
○政府参考人(山田修路君) カジキ等流し網漁業についての御質問でございます。 風間委員からお話がありましたように、この漁業につきましては昭和四十八年に省令が制定されまして、今御指摘のありました海域の操業禁止期間もその際に設定をされました。 その当時、昭和四十八年と最近の状況、これ十八年の状況で見てみますと、操業隻数のデータで見ますと、昭和四十八年には約三百五十隻でございましたが、平成十八年には約百隻へと大きく減少しております。この間に、平成二年に公海における流し網が禁止されたというような周辺事情の変化もあったわけでございますが、隻数は大幅に減少しているということでございます。 それから、もう一つのカジキ等の来遊のパターン、サイクルといいましょうか、それにつきましては十分その科学的な状況といいましょうか情報といいましょうか知見が十分ではありませんけれども、お話がありましたように、漁獲量で見ますと、昭和四十八年に約八千五百トンございましたものが平成十八年には約五千トンということで、減少している事実がございます。
○風間昶君 したがいまして、四十八年に制定されて、周りの状況が変化しているというにもかかわらず規制は変わっていないと。結果的にそれが漁業者の経営を悪化させているということの原因にもなっているし、私は見直しした方がいいんじゃないかというふうに思っています。 見直しができないと言うのならば、そのできない理由も併せてお伺いしたいと思いますけれども。
○政府参考人(山田修路君) この禁止期間の見直し等についての御質問でございますけれども、このカジキ等流し網漁業、主な対象としましては、カジキマグロといいましょうか、カジキですが、それとビンナガというようなものが主たる対象魚種でございます。この魚種またこの漁場において競合する漁業として、沿岸漁業ですとかあるいはカツオ・マグロ漁業ですとか、こういったものと競合しているわけでございます。この禁止期間等の措置につきましては、こういう漁業調整という観点からも設定をされたわけでございます。 このため、この規制の見直しということになりますと、一つは、その主たる対象魚種のカジキやビンナガの資源状況がどうかということを確認をする必要があるのは当然でございますが、それと併せて、漁場あるいは資源の利用についての競合する漁業種類との調整という問題が必要でございまして、関係漁業者の合意がまず前提になるというふうに考えております。 こういった合意形成につきましては、水産庁におきまして、必要に応じまして関係漁業者の話合いの場を設定するというようなことで調整を行うように対応を考えていきたいというふうに思っております。 今後、直ちにその規制の見直しということにつながるかどうか分かりませんけれども、必要な取組をしていきたいというふうに考えております。
○風間昶君 できるだけ、ですからそういう意味では去年の八月にも気仙沼で水産庁の方が出席して打合せ会議も開かれて、その後、岩手県の小型カジキ流し網漁業者とも協議した上でこういう要望が出てきているということは御存じのとおりでしょうから、最終的にきちっとソフトランドできるような調整をしていただかないと困ると思いますので、よろしくお願いしたいというふうに思います。 それから次に、この間、四月の十四日に長崎県の平戸市で百三十五トンの巻き網漁船第十一大栄丸が高波で転覆して、二十二人のうち十名が仲間の漁船に助けられて十二名の方がまだ見付かっていないと。何か海底は平戸市の何とか橋からはもう見えるところらしいんですけれども、底に沈んだ船の中に閉じ込められているんじゃないかということなんです。いずれにしても、十二名がまだ行方不明になったままでもう二か月半経過しているわけです。それで、この四月の末に、いろいろ御努力をされたということは聞いています、引揚げの問題あるいは救出の問題で。結果的には、いろんなことがあるんでしょうけど、いまだに手が打たれていないという状況であることはもう御存じのとおりであります。 家族の方々あるいは被災者の方々を支援する方々が、十六万名もの署名を集めて、何とかしてほしいと大臣のところに恐らくあした行くはずです。来ることになっていまして、それで、いずれにしても、この行方不明の乗組員あるいは御家族に対して、人道的観点からこのままにしておいていいはずはないわけです。技術的にどういうことが、いろんなことがあるのかもしれませんけれども、是非ここの部分については、だてに青い羽根着けているわけじゃないでしょうから、大臣からここの部分についてきちっとした御答弁をいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(石破茂君) 見えるところであります。水深はどれぐらいかというと八十から九十ということでございまして、潜水員によります船内捜索あるいは船体の引揚げ、現在国で持っております、防衛省あるいは海上保安庁、その装備では船内捜索あるいは船体の引揚げは不可能であるということは御説明をいたしました。 そうすると、浅いところへ移して、そういう圧が掛からないところまで移動させて、そして潜水員による捜索等々行ってはどうかというお話になってまいります。それが技術的に可能かどうか、そしてその費用はだれが持つべきなのかという議論をしなければなりません。 私どもとして、防衛省あるいは海上保安庁と意見交換を行っております。これから先も行うわけでございます。そういうような問題がどうすれば解決できるか。これは、本当に先生おっしゃいますように、この羽根は別にだてに着けておるわけではございません。そういうような御家族のお気持ちにこたえるにはどうすればいいか。 保険がどうなるかということが一番の問題でございますが、現在までのところ海上保安庁からこれの撤去命令というのは出ておらない。そうすると船主責任保険では対応できないということになります。 その辺りも踏まえまして、どういうことができるのか、これはいろいろな可能性を、これはどう、あれはどうということをぎりぎりまで今詰めておるところでございます。どうすればできるかということについて最大限の知恵を絞っておるところでございますので、御家族のお気持ちというものをよく踏まえた上で対処しなければならない。そして、言を左右にして時間が徒過するということがないようにしなければいけないと思っております。
○風間昶君 恐らく船内に閉じ込められている可能性が極めて高いから、通常水死すると、夏場ですと十日ぐらいで腸の中のガスが発酵して浮力が付いてきて上がってくるのが大体なんですけれども、恐らく閉じ込められているから、だから、したがって、その漁船のところまでたどり着けるかどうかという技術的な問題もあるんだろうけれども、無人の探査機とか何かがあるわけだから、あのハッチを開けるぐらいでもまた、いやそれは難しいかもしれない、そんな首かしげないで、可能性はだからあるわけで、可能性としてはですね、そういうことを是非きちっと検討した上で、一日でも早い救助を行っていただきたいというふうに思います。 次に、去年の事故米に端を発して、要するにBSEの問題を教訓化しないで、結局また事故米で、あれもやっぱり九月でした、BSEも九月でした、もうあと数か月で九月になるわけです。 要するに、国民に信頼される、もういったん落ちた農水省が信頼されるためには、この九月をめどにきちっとした改革の姿を国民に提示する必要があるのではないかというふうに思います。 昨日通告したときに担当者の方は、いや三月三十一日に取りまとめをしたというふうに、取りまとめをしたなら取りまとめをしたなり、国民にどの程度伝わっているかというと、私は十分でないような気がいたします。ホームページ見ましたけれども、三十ページも四十ページもあるような報告書、三月末の取りまとめの報告書が、ホームページの中、到達するまでに時間が掛かるのと、何をこれ改革として国民の前に出しているのかということが分からないなという感じがします。 できれば、だから、少なくとも九月をめどに、きちっと何と何と何、意識の改革が一番大事なんだけれども、国民の食の安全というか国民の安全のためにやるという意識の改革が、もちろんそれは目に見えるものでないから、こうやりましたというふうにはなかなか発表できないのかもしれないけれども、でも、そこが一番国民にとっては、変わったなという思いをしていただくためにはやっぱり大事なことだと思うんですけれども。まずは九月までに、もうやるべきことを三月末に取りまとめたと言うならば、それでそのうち、やるべきことのうち、文章ではですよ、三月末までに結論を出すことが求められている三十七については成案が得られたという、では、その三十七がどのような状況なのかもすら、公表されているにしても国民の側には分かりづらいと。 例えば日本農業新聞とか何かもあるわけだから、こうこうこういうふうなことも今進めておりまして、三十七はこうですというぐらいのことをやらないと駄目だと思いますし、何よりも、この九月のデッドラインを私はそのように思っていますから、きちっとしたやっぱり省としての改革方針を明確に示すことが必要ではないかと思いますけれども、大臣いかがですか。
○国務大臣(石破茂君) 何をやりましても、国民の皆様方に実感していただけねばやっていないのと一緒でございます。そのことはよく承知をいたしております。 御指摘のように三十七の事項を取りまとめました。それを二十二項目に整理をいたしたところでございます。それを毎月、改革本部を行い、どこまで進捗したかということを今チェックをいたしておるところでございます。それは、もうよく進んでいるところもあれば進んでいないところもあります。進んでいないとすればなぜなのかということもよく検証しながら情報というものを出していきたいというふうに考えております。 私思っていますのは、やっぱりお役所というのは競争相手がございませんものですから、比較していいとか悪いとかいう議論にならないわけでございます。そしてつぶれませんので、頑張らなきゃつぶれちゃうぞというインセンティブも効かないわけでございます。とにかく政策は商品なのだから、その政策を作る過程において、現場のニーズ那辺にありやというところからやらねばならないと。もう、まず政策を作る段階から現場のニーズを把握をすること、そして、政策を作ったとするならば、それが本当に現場にきちんと受け入れられるかどうか。いろいろなパンフレット等々も、もう何と言うんでしょう、だれが見てもまず分からぬというような紙は作っても意味がないのでありまして、そのことが本当に現場に分かったと言っていただけるかどうか。そして、書類を何十枚も書くのが農林漁業者の仕事ではございませんので、どれだけ書類というものを減らしたかということ、そういうことで実感をしていただく。商品の設計から開発から、それの売り込みに至るまで、本当にユーザーがなるほどねと思っていただけるまで努力をしなければいけないと思っております。 先般、米麦調査業務の不適正事案、またこういう言い方がよろしくないのでありまして、要はきちんと仕事をしていなかったというだけのお話なんでございますが、なかなか徹底をいたしません。何のために一人一人の職員が税金によって仕事をしているのか。自分がやっていることは農林省の政策の何に役に立つものであるのかと意識を徹底させないと、これは駄目だと思っております。 したがいまして、九月に国民視点確認月間、要は自分のやっていることが国民に対してどう見えているか、そして国民に対して本当に今日は一日ちゃんと役に立つ仕事をしたねという納得が持てるかどうか、そういうようなことを確認します国民視点確認月間を御指摘の九月に行うようにいたしております。いろいろなシステム、ツールの検証も行います。省改革全体、ちょうど一年になりますので、どこまで進んだか、百点満点とすれば何点かということをきちんと出しまして、世の御批判を仰ぎたいと思っております。
○風間昶君 次に、この二十一年度補正予算について伺いますが、前回か前々回の委員会でも、十九年度補正予算で計上されたうちの金が何億しか使われなくて、あとはもう丸々国庫返納になったという話を、地域水田農業活性化緊急対策五百億、百十八億しか使われていなくて返したと。まだ調べたらありまして、緊急米価安定支援対策費、これは平成十八年に残った主食米を飼料米にするやつですけれども、これ五十億付けていただいていたんだけど、七億しか使われていなくて、時間がなかったのかどうか分からぬけれども、ほとんどは国庫返納されていると。 したがって、今回の補正予算で農水省のお金は一兆三百二億円ですよね、計上されています。積算に当たっては必要最小限でいっていると思っているんですが、だからそういう意味で無駄な予算一つもないはずなので、とりわけこの、今もちょっと山田議員がお話ししました農地集積加速化事業が二千九百七十九億、それから水田フル活用が千百六十億。これ物すごい大きいわけですよ、この一兆のうち農業の分野で五千六百億。あとは林とか水産とか地域の雇用とかとあるわけですけれども、この五千六百九十億の、純然たる農業、酪農も含めた農業のジャンルで補正を付けて、そのうちの大きいのが、半分以上が農地集積化事業ですよね、一千百六十八億が水田フル活用ですから。これどのように効果的に使っていくのかということが極めて大事な問題だというのは共有できると思うんですけれども。 それで、なおかつ、この一兆三百二億円のうちの七割を占める七千億が二十一の基金で運用されることになりますね。そうすると、基金というのは使いやすい反面、国の財政コントロールに資する本当に予算編成と言えるのかというふうな声も出るわけですから、なぜ今回こんな形の基金方式にしたのかをまず基本的に伺いたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 予算委員会でもお答えをいたしました、繰り返しになったら申し訳ないのですが、なぜ基金にしたかというのは、複数年度にまたがるというのが特徴でございます。動物にいたしましても植物にいたしましても、これ飼う期間というものは会計年度をまたがりますので、生育期間も会計年度をまたがりますので、複数年度ということから基金にしなければならなかったと。 あるいは、委員御指摘の面的集積の取組でございますが、多くの農業者との調整を行わねばならないということでございます。あるいは、路網整備、間伐等々、これはお天気の影響を非常に強く受けますので、基金方式を取り、複数年度にまたがりまして弾力的な活用ができるということが必要であるということでございまして、必要な金額を積み上げ、基金という形を取ったということが概括的なお答えになります。
○風間昶君 ですから、単年度でないから使い勝手が良く数年にわたるということでの今お話ですけれども、弾力活用ということは言葉はいいけれども、本当に必要なところに必要な形で基金を造って使っていただくということにしなきゃならないわけで、そういう意味では、私どもも、五月の十二日でしたか、総理のところに申入れに行きまして、その後の予算委員会でも、たしか基金の使い方については目的をきちっとはっきりした上で活用をしっかりしていくと……(発言する者あり)どっちに立っても同じなんだけれども。そして、時限的なものとして残額はきちっと返すということをたしか河村官房長官が答弁で、そのことを交付要綱にきちっと明記するというふうにお答えになったんですよね。それ、知っていますよね、当該省としては、当然知っていますよね。だから、そういう意味で、大切な税金使うわけですから、それでなくても農業にはじゃぶじゃぶ金入れて、本当に全く頭のない農政だと言われて今まで来たわけだから。 だから、そういう意味では、国民の信頼を得るものにするためには、どういう交付先にどのように渡していくのか。また、いろんな民間団体だとか推進協議会だとか農業会議所だとか、いろいろ基金ごとに交付先が一応方向性としては出されているけれども、どういうきちっとした基準でお渡しになるのか。そしてまた、執行状況をきちっと監視していくというかチェックをしていくということが極めて大事でありますから、その部分について、ざるであるまいし、局長が自分一人で全部確かめられることでもないんだろうけれども、どのようにしていくのかの具体的な考え方とやり方を教えてもらいたいと思います。
○政府参考人(高橋博君) まず、農地集積加速化事業でございますけれども、これにつきましては、先ほどもお答えいたしましたとおり、いわゆる担い手が今経営しているばらばらな農地の状況、分散錯圃の状況を何とかまとめていく必要がある。これについては、今回の農地法の改正で新しい仕組みといたしまして、農地の利用集積に関する円滑化団体というものを設けまして、そこが当該土地の利用を集積をしていくプランニングを行っていく。そこに農地の所有者の方々が自分の保有している農地を全面的に委任していただきまして、これをまとまった形で担い手に貸し付けるというのを新しい仕組みとして、装置として制度的にまず用意いたしました。 さらに、税制といたしましても、貸付けについては相続税の納税猶予、これについて、貸付けの場合、従来打ち切られたものについて貸付けもオーケーであるということで税制的にもきちんと措置をした上で、予算的に更にこれを推進するという形でこの二十一年度の補正予算に入れ込んだものでございます。 これの執行につきましては、今大臣が最初に申し上げましたように、現実にこれが執行されますのは、地域でこの集積団体が地主さんから農地の委任を受けまして、これを担い手にまとめた形で貸し付けるという形になりますけれども、当然単年度だけでこのようなものがきちんと進むわけではございません。やっぱり三年程度、将来の先のことも見据えてきちんとやりますので、基金という形にしていただいておるわけでございます。 そして、実際にお金の交付はこの団体に交付するわけでございますけれども、そのために、その必要なお金を交付する団体としまして、基金の造成主体といたしまして、今民間団体を公募しているところでございます。これは、現在、農地の利用集積、あるいは担い手についてノウハウを有している、あるいは農地の出し手、受け手である農家等からきちんと信頼を得られる、そういったような能力を満たす民間団体という形で、六月二十四日から一か月間の間で今公募でこの審査をしているところでございます。ここで公募選定が決定しましたら、ここのところに基金造成のために必要な資金を支出をするということでございます。 この基金の管理団体、造成団体が交付を受けまして、実際に地域で、先ほど申し上げましたような新しい貸付けが行われた場合には、この基金の造成団体から所要の額を交付金として交付するわけでございますけれども、この場合にも、支出内容、基金の増減などについて、当然毎年度国に提出させましてチェックするとともに、毎月の基金残高、収支計算書についても国に報告はさせ、執行の適正化を確保することとしております。 さらに、多額の基金になりますので、当然のことながら運用についても安全な運用ということをきちんと確保しますし、この運用についても、毎月の収支計算書、これをきちんとチェックすることとしております。 なお、最終的に三年間の事業ということにしております。その場合、本事業を終了する段階でもし残余がありました場合には、これを国庫に返納するということにしておるところでございます。
○風間昶君 会計検査院の指摘を受けないように自分のところできちっとチェックをしていくということも、また農水省改革のやらなきゃならないことなんですよ。よろしいですね。是非やっていただきたいと思います。 それで、別の問題ですけれども、先々週か、農林水産知的財産保護コンソーシアム、これは日本ブランドの出す部分とそれから入ってくる部分というか、向こうで名前使われたりなんかするやつを、つまり食品の知的財産をきちっと保護するということだというふうに聞いていますけれども、この設立が六月十九日に行われたときに野村政務官が出席されたという話を伺っていますが、戦略上、このコンソーシアムの役割は重要だと思いますけれども、何をどうするという具体的な方向性を今後どのように考えていますか。
○大臣政務官(野村哲郎君) 今、風間委員お話しのとおり、六月の十九日に農林水産知的財産保護コンソーシアムという、コンソーシアムというのは共同事業ということになりますが、立ち上げたわけであります。 これは、近年、特に中国あるいは台湾、こういうところが日本の地名等が第三者によりまして商標出願されている問題が生じております。私の出身の鹿児島もそうでありますし、それから青森、それから松阪、いろんなこういった地名の商標出願がされておりまして、これをそのまま放置しておりますと、日本産の農林水産物の輸出促進を図る上で大変な障害になってまいります。 そこで今回、地方自治体あるいは農林水産関係団体、こういったところを中心に、五十五から成る参加を得て組織を立ち上げたわけでございます。ここのコンソーシアムの活動でありますといいますか、中身でありますが、一つは、今までそれぞれの自治体なりあるいはまた団体が、それぞれの立場で中国からの、あるいは台湾からのインターネットで監視を行っていたものを、統一的にこれをひとつ商標監視をすると、これが一つでございます。それからもう一つは、海外の現地調査もやるということの二つ目の内容になっております。これは、新聞等で取り上げられたけれども、もう全然現地の状況が分からないと、いろんなこういう問題もあるものですから、これも統一的に現地調査を実施すると、この仕組みの中で。それからもう一つは、やはり地方の相談会を実施をすると、この三つが大きな柱になってございまして、これらを立ち上げた組織で統一的にやってまいりたいと、このように考えておるところでございます。
○風間昶君 終わります。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。 以前、大臣と議論をした際に、ミニマムアクセス米について、入れなくて済むのであればそれにこしたことはないが、ではどうすればいいのかということで、セクター方式はいかがでしょうかということで、続きはまた次回ということになっていましたので、今日それを質問したいと思うんです。 それで、このセクター方式の導入について、ミニマムアクセス米問題についてなんですけれども、最初に官房総括審議官の方にまず確認をしたいと思うんです。 それで、EUは、WTO農業交渉でミニマムアクセスについて、対米交渉の最終段階で品目区分のアグリゲーション、すなわちセクター方式が認められて食肉について適用されているということなんですけれども、EUにおけるセクター方式の導入の経緯とその運用状況、そして効用について明らかにしていただきたいと思います。
○政府参考人(實重重実君) お答えいたします。 ガット・ウルグアイ・ラウンドは、一九九三年末、平成五年末に合意したところでございますが、農業交渉においては、すべての非関税措置を関税化することとされました。その際、従来の輸入量が消費量の五%を下回る品目におきましては、消費量の五%をミニマムアクセスにする。また、従来の消費量が五%を上回る品目にあっては、輸入量をカレントアクセスとするといった形で関税割当て枠を設定することとされたところであります。 その場合のその関税割当て枠を算定するに当たって、品目の単位、すなわち算定するに当たってのくくり方でございますが、これについては統一的なルールがございませんでした。実際には、関心のある国同士の交渉によって決められることとなりました。 御質問のEUにつきましては、食肉のアクセス数量を算定するに当たりまして、牛肉、豚肉、鶏肉、羊肉等の食肉をまとめて一つの単位として算定を行ったところでございまして、食肉部門を一括したことから、いわゆるセクター方式という呼び方をされております。 しかしながら、このアクセス数量の算定に当たって食肉部門を一括したといいましても、あくまでもミニマムアクセスの全体量の計算に当たってのことでありまして、個々の品目につきましては、譲許表の中で例えば冷凍鶏肉といったように細かく品目別に関税割当て枠を設定しているところでございます。
○紙智子君 もしもEUが品目ごとにミニマムアクセスを設定していたら、アクセス数量は豚肉で六十万トン、それから家禽肉で十九万トンに達していたわけですけれども、このセクター方式を導入したので、アクセス数量は豚肉で七万五千六百トン、家禽肉で二万九千トンで済んだということなので、これによってEUの養豚農家やあるいはブロイラーの保護を図れたという大きな効用を果たしたというふうに思うんですけれども、この点について、次、大臣にお聞きしますけれども、どのように受け止められるでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) セクター方式につきましては今総括審議官からお話を申し上げたとおりでございます。 ガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意というものは平成七年から平成十二年、六年間が実施期間でございます。ミニマムアクセスの数量につきましては、最終年度、日本でいえば平成十二年、消費量の五%というふうに拡大するルールとなりました。 EUが食肉部門について約束をしておりますアクセス数量を見ますと、いわゆるセクター方式によって算出をいたしますので、豚肉や鶏肉につきましては消費量に占める割合が五%より小さくなりました。六十二万六千トンが十九万三千トン、これが豚肉。二十七万三千トンが十二万三千トン、これが鶏肉でございます。他方、牛肉は三十七万三千トンが消費量の五%でございますが、約束数量は五十四万八千トン。羊肉については消費量の五%というのは六万一千トンですが、約束数量は三十二万トンということになっておるわけでございます。EUはEUへ輸出することに関心のある国々との交渉をいたしまして、食肉部門においてはこのような一定の調整をするということが認められた。何もいい話ばっかりではございません。消費量の五%よりもはるかに多い約束数量というものを設定しておるものもございます。
○紙智子君 はるかに多いというと、羊の肉だったりとか牛肉については高いということだけれども、しかしEUが守らなきゃいけないとしていた養豚の農家やブロイラーについては低く抑えることができたということでは、そこを守る一定の役割は果たしたんじゃないですか。
○国務大臣(石破茂君) それはその時点においてはそういう評価というものが一概に全くないとは私は申しません。 しかしながら、じゃほかの部門を守らなくてよいかということになれば、それはEUはEUでそれなりの議論があるのだと思います。
○紙智子君 一定の役割を果たして、ほかのところは議論はあるかもしれないけれども、しかし果たしたということは事実だというふうに思うわけですよ。 それで、次にちょっとまた審議官にお聞きしたいんですけれども、例えば日本でこのセクター方式を導入した場合についてどうなるだろうかということなんですけれども、問題は、日本の場合は米の問題があります。米を含む上位の品目区分というのは穀物ということになるわけですけれども、それでその穀物として区分した場合には、どのような作物が穀物に含まれることになりますか。
○政府参考人(實重重実君) 一般論としてというお尋ねでございますが、一般的に穀物と言う場合の範囲には、用語としては米、小麦、トウモロコシ等が含まれるものと考えております。しかしながら、ウルグアイ・ラウンドの関税割当て枠を算出するに当たって、我が国が穀物部門についていわゆる今申しましたセクター方式を採用しているところではございません。したがいまして、セクター方式の一般論といったような仮定に立った上での御質問にお答えすることは困難であることについては御理解をいただきたいと思います。
○紙智子君 セクター方式は選択してないので無理だけれども、しかし、理屈として言えば、今言われたことで言うと、確認するのは、穀物ということになった場合は、一般論として言えば米、麦、飼料作物のトウモロコシということですよね。ちょっとそのことを前提にして、やるかやらないかはまだこれからなんですけれども、それを前提として、その米、麦、飼料作物としてのトウモロコシが穀物区分の中に含まれるということになって、米、麦、飼料用トウモロコシの総量を穀物区分としてカウントして、それに対してアクセス数量を設定するということになるとすると、そのアクセス数量を飼料用のトウモロコシで処理するということにすれば米のアクセス数量を設定しなくてもいいと、理論的に言えばということですが。実際それをこれからどうするかというのは別として、理論的に言えばそれはそういうことができるということですよね。
○政府参考人(實重重実君) 先ほどEUの食肉についてのお話を申し上げましたが、食肉につきましても、EUについては全体の計算に当たってそのような一括した計算方式を取ったということでございまして、個々の品目につきましては、関心国との交渉によりまして個々の品目別の割当て数量、関税割当て数量を設定し、それを譲許表に記載しております。したがいまして、あくまでも交渉の上、合意を得てそのような形になっているということでございまして、全体が一括して一つの数字だけで譲許表に掲載されているというものではございません。
○紙智子君 だから、EUは、その相手国とのかかわりがあるけれども、交渉できたわけですよね、やって、関心あるところで。できたということは、そういうことも可能な仕組みなんだということですよね。
○政府参考人(實重重実君) 一般に譲許表につきましては、それを提出する時点で関心国との交渉によりまして合意を得るという形で設定されることになっております。ガットの関税貿易一般協定二十八条には、譲許表、他の締約国と交渉し、かつ合意することにより譲許を修正し、又は撤回することができる。ただし、その場合でも、交渉前における定められた水準より貿易にとって不利でない相互的かつ互恵的な譲許の一般的水準を維持するように努めなければならないと、このような規定がございます。したがいまして、一般論として申し上げれば、交渉によって決定されるということでございます。
○紙智子君 だから、そういうことですよね、一般論として、交渉によってお互いの国がそれで合意すればということだと思うんですけれども。 それで、その飼料用トウモロコシで穀物のミニマムアクセス量を処理するとした場合には、飼料用トウモロコシはこれは国家貿易ではないわけですよね。だから、政府が言うような、これまで言ってきたような義務輸入ではないと。国内需要がなければ、アクセス数量でそれが未達成であったとしても何ら問題のない取扱いになるというように思うんです、一般論で言って。今現に日本ができるかどうかは別として、そういうことも理屈の上では成り立つわけですよね。
○政府参考人(實重重実君) 先ほどEUのケースでも申し上げさせていただきましたように、ミニマムアクセス、あるいはその関税割当て量全体を計算するに当たってのセクター方式ということでございまして、個々の品目については定めていないというわけではございません。 したがいまして、輸出の関心を有する国々との交渉によって合意を得なければならない。合意を得た上で、そういう算定方式も一定の調整をすることが認められ、また個々の品目についての数量も設定をされているということでございます。
○紙智子君 だから、やっぱり今の説明を聞いても、一般論としてということですけれども、実際に個々の問題についてお互いに合意し合えば、個別のそういうアクセス数量ということもあるけれども、EUのような形でやることもできなくはないんだということなんだと思うんですよ。 そこでなんですけれども、やっぱり理屈としてはそういうことがなり得るということなのであれば、穀物区分のセクター方式を導入して、やっぱり米のミニマムアクセスから、それを導入すれば日本が非常に苦しんでいる米のミニマムアクセスから解放されることになるんじゃないのかと、そのことが日本農業にとって非常に大きな意味を、役割を果たすことになるんじゃないかと思うわけです。 二〇〇三年の九月十一日付けの信濃毎日新聞の記事がありまして、ここには、カンクンでのWTO交渉に当たって、当時の交渉に臨む農林水産省の一部にセクターアプローチという考え方が浮上していたということが指摘をされているわけです。 それで、農水省はかつてなぜこの穀物区分でセクター方式を導入しなかったのか、そのことについて大臣、明らかにしていただきたいと思います。
○政府参考人(實重重実君) 今のお話に、先ほどの私の答弁にも補足させていただきたいと思いますが、ガットの二十八条で御紹介をさせていただきましたとおり、交渉に当たって現状を変更するのは大変困難でございまして、従来の水準を維持するということが定められておりますし、また関係国すべてと、これはWTOに参加している国は百五十か国以上ございますが、関係国すべてと合意をするということに伴いましては、あらゆる日本に対する関心のある国が合意しなければなりませんので、次々と要求をされて、一定の変更を行うためにはそれ以上の変更が必要になるということが想定をされます。 また、今カンクンについてお話ございましたけれども、カンクンの閣僚会議は二〇〇四年だったかと思いますが、これは、二〇〇四年の際にはモダリティーを確立する、現在行われておりますドーハ・ラウンドについてのモダリティーを確立するための交渉だったわけでございまして、今EUがセクターアプローチ、セクター方式といったような最終局面で、譲許表を設定するための交渉といったわけではございません。ですから、そういう段階で、モダリティーのための交渉の段階で今のような議論があったということはないと思いますし、承知しておりません。
○紙智子君 ちょっと記事を読みますと、もう少し前のことだったかもしれません、この書いた人というのは、二〇〇三年ですからもうちょっと前の話をこのときしているのかもしれません、そこは。ただ、そういうことが、何というんでしょう、俎上に上ったということはないんですか、どうなんでしょう。
○政府参考人(實重重実君) 済みません、今、カンクン閣僚会議、二〇〇四年だったのではないかと申しましたが、二〇〇三年九月でございました。これはモダリティーの会合でございますから、今のような譲許表の話とは全く無関係でございます。それ以前についてどうであったかということについては現在承知しておりませんので。 ただ、譲許表について議論がなされましたのは、先ほど申し上げました平成五年末のウルグアイ・ラウンドの合意に当たりまして、日本の個別の産品をどうしていくかということでございました。具体的に譲許表は翌年のマラケシュ合意、モロッコのマラケシュで合意をいたしました際に日本としての提案を出しているわけでございますけれども、その際に、今先生御指摘の米につきましては関税化の例外でございましたので、関税化の例外措置であるということが日本としても最も重要な課題でございましたので、そのようなセクターアプローチの議論をするといったような余地はなかったのではないかと思います。
○紙智子君 確かに、当時はまだ関税化されていなかったから、米を守らなきゃいけないという観点から取下げということもあったかもしれないけれども、今はもう既に関税化されてしまっていますから状況はその当時と違うわけで、実際、理論としては、EUはやっているわけだし、やっている国もある中で、やっぱり要は交渉ですよね、ということだと思うんですよ。 だから、最初からこれを排除してしまって無理ということではなしに、やっぱり新たな状況に立って、これ、今後の問題としてその交渉にしていくべきではないかと思うんですけれども、大臣、いかがですか。
○国務大臣(石破茂君) ということができたらいいなと思わないわけではありません。 ただ、委員が今るるおっしゃいましたように、あのときはとにかく関税化絶対阻止という話だったわけで、もうとにかくそのためにはいかなることも甘受しましょうみたいな、そういう雰囲気がございました。じゃ、今関税化したらいいじゃないかということ、関税化したのだからいいではないかと、このセクター方式に変わったらどうだということで、それはそういうふうに話がうまくいけばいいのでございますが、まずドーハ・ラウンド交渉におきましてはウルグアイ・ラウンドの譲許表がベースになって交渉が行われるわけで、これを変更しますということは非常に難しいのではないだろうかと。 仮に変更しようとすれば、よしよしと、そうであれば日本に対して関心を持つ国がこのセクター方式認めてやろうということになると、世の中なかなかそう簡単にはいきませんで、それではと、代償何払ってくれますかという話になるわけでございます。セクター方式に移ってもいいよと、代償も要らないよというような、そういうような有り難い国があればよいのでございますが、なかなかそうはいくまいてというふうに考えております。 先般委員に御指摘いただいて以来、このセクター方式というのを私も随分考えてみたのですが、なかなかこれを導入するのは難しいというふうに考えております。もちろん、全く考慮の外ということではございませんので、引き続きそういうような方式もあるということは念頭に置いてまいりますが、そうなった場合に膨大な代償の支払、じゃ何をどれだけ出すかということはまた相当の議論になるだろうと。その前に、まずこの話を聞いてくれる国がどれだけあるか、相当に困難なものだとの認識を持っております。
○紙智子君 やる前からすべて無理としないでいただきたいというふうに思うのと、前回話しましたけど、実際にミニマムアクセスが今のまま、今七十七万トンですけど、更に百十何万トンとか増える可能性があるわけで、そういうことを心配、考えれば、やっぱり何としても食い止めなきゃいけないという思いなわけですよ。そのことをちょっと提起をしておきたいと思うのと。 あと、最後に一問聞きたいんですけれども、今年の春以降、米価が下落傾向が続いているわけです。このままだったら、〇九年産の米が価格の暴落が強く懸念をされているわけです。米の価格形成センターが形骸化している中で、なかなか正確にどうなっているかということが把握できていないわけですけれども、この間、農民連が市場や首都圏のスーパーなどの米の販売価格をずっと調べている中で、一俵当たりで千円から二千円下がっている、それから、中には五キロで五百円下がっているというようなことで、この買いたたきによる安売り競争の様相も見えているということも指摘をしているわけで、こういう今の米価の下落の状態に対する認識とこれからの対応策について、総合食料局長は昨日話聞いたので、今日は大臣にお聞きしたい、最後。
○国務大臣(石破茂君) 私どもが毎月公表しております農協などから卸売業者への相対販売価格の本年五月の最新データでございます。これでは、ほぼ安定した水準で推移しているというふうに認識をいたしております。同様に、毎月把握、公表しております卸売価格及び小売価格につきましても、産地、品種、銘柄によりまして小幅な変動は見られますが、本年五月、これが最新データでございますが、おおむね同水準で推移していると。 昨年の春から米消費というのは拡大をしてまいりました。しかし、今年の春からこれが大体一巡をいたしましたので、大体昨年同期並みあるいは弱含みかなと。そしてまた、外食における需要というのがやや減ってきたかなというふうに思っております。 委員御指摘のように、私も時々スーパーをのぞくのでございますが、スーパー等におけます売れ筋の価格帯は下がっているという状況は見られます。ですから、もう大丈夫だ大丈夫だ、安定しているというだけではなくて、需給、価格の動向というのは注視をしていかなければならないという認識でございます。
○紙智子君 時間になりましたけれども、やはり、ちょっと今、今年の作についてはまだこれからによっていろいろ変わってくるとも思いますから、是非注視をしていただいて、やっぱり事態をつかんで機敏な対策をお願いをしまして、質問を終わりたいと思います。
○委員長(平野達男君) 本日の調査はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時五十九分散会