農林水産委員会 第1号
- 発言数
- 133 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2009/03/04
会議録
○委員長(平野達男君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 議事に先立ちまして、一言ごあいさつを申し上げます。 去る一月五日の本会議におきまして農林水産委員長に選任されました平野達男でございます。 本委員会の運営につきましては、委員各位の格別の御指導、御協力をいただきまして、公正かつ円満にといいますか、委員長も余り口を挟まないように円満に行ってまいりたいと存じますので、何とぞよろしくお願いを申し上げます。(拍手) ─────────────
○委員長(平野達男君) 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、一川保夫君、青木愛君、藤原良信君及び米長晴信君が委員を辞任され、その補欠として小川勝也君、岩本司君、大河原雅子君及び姫井由美子君が選任されました。 ─────────────
○委員長(平野達男君) 理事の辞任についてお諮りいたします。 主濱了君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平野達男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 理事の辞任及び私が委員長に選任されたことに伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平野達男君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に郡司彰君及び高橋千秋君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(平野達男君) 国政調査に関する件についてお諮りします。 本委員会は、今期国会におきましても、農林水産に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平野達男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(平野達男君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 農林水産に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、公正取引委員会事務総局経済取引局取引部長中島秀夫君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平野達男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(平野達男君) 農林水産に関する調査のうち、畜産物等の価格安定等に関する件を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○金子恵美君 民主党・新緑風会・国民新・日本の金子恵美でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 まず冒頭、鳥インフルエンザ発生問題についてお伺いしたいというふうに思います。 過日、愛知県の豊橋市の採卵用ウズラ飼養農場で高病原性の鳥インフルエンザが発生いたしました。この発生状況、そしてその対応等についてお聞かせいただきたいと思います。 定期モニタリングを通しての発見であったというふうに伺っておりますが、今後も予防、早期発見のシステムを強化していく必要があると思います。今後の取組についても併せてお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○副大臣(近藤基彦君) 大変残念なことでありますが、二月二十七日に愛知県の豊橋市でウズラ農場から高病原性インフルエンザの発生が確認されたところであります。また、本日、移動制限区域内の他のウズラの農場一か所において高病原性インフルエンザの発生を確認いたしました。そして、直ちに当該農場から半径五キロメートル以内を移動制限区域に新たに指定したところであります。 本当に、今回の豊橋市の発生農家及び周辺農家の方々におかれましては、突然の災難に見舞われたということで、心からお見舞い申し上げたいと思います。 我が省としては、二日に私自身が現地に赴きまして、防疫措置の対応状況を聴取し、防疫対応に万全を期すように指示するとともに、早期の清浄化に向けた防疫措置に万全を期すべく、関係機関と連絡をして、農林水産省の専門家あるいは東海農政局の職員を現地派遣いたしまして防疫対応の支援をしているところであります。あるいは、感染経路の調査を行う疫学チームを設置をいたしまして調査を開始したところであります。 家禽肉及び卵の安全性に関する情報の消費者への提供及び食品表示Gメンによる不適切表示の巡回調査を強化するように指示をしたところであります。 関係生産者に対するあとは相談窓口の設置等、経営維持支援策の用意をさせていただいておりますし、また各都道府県のウズラの農家に対する調査に着手をしておりますし、また各都道府県の家禽生産者に関して立入調査を実施をするように指示をしました。また、新たに感染が確認された農場及びその周辺農場についても、これから迅速かつ的確な防疫対応を進めていきたいと思っております。 何より、もちろん清浄化に向けてというのが一番でありますけれども、風評被害が非常に怖いわけでありますので、できる限り、我が省としては、正確な情報をいち早く報道機関に発表するということをもってできる限り不安がないように措置をしたいと思っておりますので、それも併せて現地でお願いをしてきたところであります。 いずれにしても、引き続き本病の感染拡大の防止、これが第一でありますので、各般の防疫体制の万全を期してこれからも頑張っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
○金子恵美君 ただいま防疫対策として万全を期していくということをおっしゃっていただきました。よろしくお願いしたいと思います。そしてさらに、危機管理体制の強化ということに全力で取り組んでいただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。 それでは、まず今日の畜産、酪農をめぐる情勢について、その御認識についてということでお伺いさせていただきたいというふうに思います。 昨年までの飼料価格高騰も、今年に入って配合飼料価格が若干値下がりしたとはいいましても、やはり平成十八年秋以前に比べてまだ相当高い水準にございます。また、政府は、平成二十年度中に畜産・酪農緊急対策等様々な対策を実施してきたというふうなことでございます。これまでの畜産、酪農の規模拡大に伴う借金、高騰した飼料費による経営悪化をしのぐために受けた融資の返済等もあり、様々な対策があっても、まだまだ依然として畜産農家の経営難が解消され将来展望が描ける状況には至っておりません。 農水省も、こうした飼料価格の高騰を受けて、トウモロコシを始めとする輸入飼料ではなく、自給飼料の割合を増やすことにより飼料費の負担を軽減する方向にかじを切っているように伺っております。水田をフル活用することが最適な方策であるということで、飼料稲や飼料米等の生産に本格的に取り組む方針も打ち出されているところでございます。 一方で、来年には新たな食料・農業・農村基本計画を策定するため、食料・農業・農村政策審議会の企画部会でも議論が始まっております。また、農政改革を進めていくため、農水大臣自ら農政改革担当大臣を担当し、農政改革関係閣僚会合、いわゆる六大臣会合が設置されているなど、農業、農村をめぐる課題に向けても動きが見られています。 また、アメリカでは、オバマ大統領がバイオ燃料などの再生可能エネルギー開発へ投資するという内容を含む施政方針演説を行っております。また、インドで五月に予定されている総選挙も終われば、WTO農業交渉もいよいよ妥結に向けて動き出すのではないか。仮にWTO交渉が妥結することになれば、我が国農政は大きな転換を迫られるという状況にもなります。 こうした中で、まずはこれらの農政における課題、特に畜産、酪農が直面する課題についてどのようなお考えをお持ちでいらっしゃるのか。どのようにとらえておられ、そしてそうした課題をどのように克服をしていくというお考えをお持ちでしょうか。大臣の御所見をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 御指摘の二十年に様々な対策を打ちました。それなりの効果は上げてきたというふうに認識をいたしておるところでございます。 昨今の事情を考えますと、委員御指摘のように、配合飼料価格、なお十八年度と比べれば高い水準にございます。また、景気が良くございませんので、いつもそういうことが起こるわけですが、高級牛肉、牛肉全般そうなのですけれども、特に高級牛肉の消費というものが減退をし、食肉の卸売価格が減退、落ちているということでございます。 酪農におきましては、御存じのとおり乳価の引上げを行うわけでございますが、その裏腹として消費が減少をいたすことが予想されますので、セーフティーネットを張らねばならぬ。肉用牛においては牛肉の需要拡大、繁殖経営の生産性向上、経営安定をやらなければいかぬということでございます。 明日開催を予定されております食料・農業・農村政策審議会畜産部会で御意見を承りました上で適切な対策を決定したいと思っております。 委員が御指摘になりました水田フル活用というものでございますが、要は自給率が下がったというのは、米に替わってパンを食べるようになったから下がったわけではなくてと、その米に替わって肉類あるいは油脂類を取るようになりましたと。としたところが、そのえさはほとんど外国から入れておりますので、結果として自給率が下がっている、カロリーベースで下がっているということになるわけでございます。 これを安定的に供給をするという観点、それが自給率の向上につながるわけでございますし、かてて加えて、日本の場合にはやっぱり水田というものが一番向いた装置であるということを考えてみますと、水田フル活用をやりたいということで、平成二十一年を水田フル活用元年と位置付けておるわけでございます。そのようなことから、飼料作物、飼料用米等を生産拡大する取組に対し助成金を交付いたします。水田等有効活用促進交付金を平成二十一年度予算案に計上しておるところでございます。 これ、やはり自給率を上げていかねばならぬ、また経営を安定をさせねばならぬ、そういうことから考えまして非常に重要な施策でありますが、それが本当に有効に機能しますように様々な対策を複合的に組んでいかねばならぬという認識は私として持っておるところでございます。
○金子恵美君 これからしっかりとした取組をもちろんしていくというようなことだと思いますけれども、しかしながら、今までのこの現状を見ていくと、景気の悪化、まあいろんな現状も今ちょっと触れられましたけれども、本当にこの畜産酪農家の皆さんの状況というのは大変な状況なんです。 お手元の方に資料をお配りしてございますので、それを御覧になっていただきたいと思いますが、お手元にございますのは畜産酪農農家の年別の戸数ということでございます。これを見ていただきますと、毎年畜産酪農家の数がどんどん減少しているというようなことで、もう本当に一目瞭然でございますので、これを踏まえましても質問させていただきたいと思いますが。 もちろん、その廃業戸数というのは少ないことにこしたことはないわけでございますが、小規模農家を始め、体力的に弱い農家はどうしても経営上難しい局面に立たされているということでございます。畜種によってその現状というものは若干違ってくると思いますが、特に酪農についてはその戸数が減少し、その影響による生乳の生産基盤縮小の危機にあるというふうにも言われています。 中央酪農会議が平成二十年九月に公表した資料によりますと、酪農家戸数は、一九六〇年代半ばからもちろん減少し続けてきている。ピーク時には四十万戸を超えていた酪農家戸数は、二万戸台にまで落ち込んでいると。本会議の調査によりますと、特にここ数年は廃業率が増加する傾向にあると。二〇〇八年四月時点の戸数を三年前と比較すると、全国で約一三%減少しています。北海道を除く都府県では、三年前より一六%減となって深刻な状況にあるというふうに資料として出されております。畜産酪農家のその戸数の減少、またこの所得の減少の主な理由として、もちろん穀物や原油価格の高騰によって飼料代がかさんだということが考えられます。 そこで、農水省としてこの実態をどのように把握していらっしゃるのか、伺いたいと思います。畜産酪農家数の減少のこの原因、もちろん高齢化の進展等、一般的な要因のほかにもどのような特殊要因があるとお考えなのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(本川一善君) 御指摘のように、このお出しいただいた資料でございますと、例えば肉用牛につきましては近年三から四%台で減少しておるというふうに見て取れるわけでありますが、今御指摘のあったような中央酪農会議の資料などで昨年二月以降の状況について見ますれば、一年前と比べて六・四%減少しておるといったような状況が見られているわけでございます。 その主要な要因としては、やはりこの間の配合飼料価格の高騰、そういったものが影響しておるというふうに伺っております。 それから、いろいろと調査をいたしていますと、やはり負債がたまっているとか、あるいは高齢化でおやめになるというようなこともございますし、さらには、最近増えておるようでございますけれども、経営が悪くなる前に廃業するというか、やめようといったようなアンケート用の回答も増えているといったような状況だというふうに把握をいたしております。
○金子恵美君 そうすると、やはり経営が大変もうきついと。そうすると、それに対してもちろん支援をしていかなくてはいけないわけですが、これだけ減少していくということが明らかになっていくと、先ほど大臣もおっしゃられました食料の自給率をもちろん向上させていくというふうな目標があるわけですけれども、その生産目標についても考えていかなくちゃいけないわけですけれども、食料・農業・農村基本計画で示されているこの畜産物の生産努力目標に照らした場合、この減少というのは想定の範囲内であるのかどうか、お伺いしたいと思います。また、その生産目標自体ですね、これは維持されていくのでしょうか。この状況を受けて、今後将来に向けてどのような施策で取り組もうとしているのか、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(本川一善君) 御指摘のとおり、食料・農業・農村基本計画で私ども生産努力目標を決めております。これにつきましては、実現可能な目標として設定をしております。現に、鶏肉なり鶏卵につきましては、この目標のトレンドを上回っているというような状況でございます。ただ、残念ながら今のところ生乳なり牛肉、豚肉では目標を下回っているという状況でございます。 御指摘のとおり、畜産農家の戸数というのは減少をしてきているわけでありますが、これを規模拡大なり、あるいは生産の効率化で補いながら、一定の生産努力目標を達成すべくいろいろな施策を講じながら取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。
○金子恵美君 今の御答弁の中で、もちろん畜種によって違う、そしてまた大規模化することによって戸数は減っても生産量をどうにかカバーしていくというようなことなんですが、しかしながら酪農について、やはり牛乳、乳製品の安定供給の危機にあるというふうにもう示されてしまっています。 一戸当たりの飼養規模拡大にもやはり限界があるというふうに言われていまして、多くの酪農家の方々は和牛やF1、まあ交雑種ですね、の生産にシフトされているというふうにも聞いております。そしてまた、懸念されるのは、今後その肉用牛、まあ養豚もこちらに今回資料としては含めておりますので、この規模拡大についてもやはり今後限界があるというふうに考えられます。農家戸数の減少、やはり生産量に影響していくというのはこれは間違いがないことだというふうに思いますので、そういったところでもやはり減少というような状況にはきちんと注視をしていっていただきたいというふうに思いますので、お願いいたします。 そこで、今酪農家の廃業の増加ということでお話をさせていただきましたので、引き続きそれと今後の牛乳の需要減少の懸念ということを併せて質問させていただきたいというふうに思います。 特に、先ほどもありましたけれども、酪農では廃業した農家は比較的転職可能な若く働き盛りの年齢層が多いというふうにも聞いています。 今回、関東生乳販連と大手乳業三社との間で三月から飲用牛乳向けの乳価がキロ当たり十円引き上げることで合意されたわけでございます。まあ、それ自体は生産者にとっては喜ばしいことでありますが、しかし消費者の負担増から消費量の落ち込みにつながらないのかというような懸念もあるわけでございます。 食料・農業・農村政策審議会畜産部会の部会長である東京大学の鈴木宣弘教授が論文の中で、生処販の取り分論というのを示されておられます。牛乳小売価格は通常、これは生産と処理と販売ですけど、生処販の取り分比率が三対三対四ないし三対二対五程度になるという実態があるようだということを指摘されていて、その計算をそのままもし当てはめるのであれば、生産者の手取り分の十円の引上げ、これは乳業メーカー分で六円から十円程度、そしてスーパーなど小売業者分で十二円から十五円程度の加算が行われるということになります。結局、消費者の負担が最大三十五円程度の負担増になる可能性があります。 実際に、実はここに某乳業メーカーが配った、消費者の方にお配りしたチラシがございます。内容は、この春から、三月から酪農家から購入する原料乳の価格が昨年に引き続き引き上げられるということで、メーカーとしては、宅配商品の希望小売価格を据え置く代わりに容量を変更しますというふうに言っているんです。ヨーグルトでは五グラム、牛乳では二十ミリリットルを減らすということになっております。 こういったことから、生乳生産の今後、動きということが大変心配であるわけなんですけれども、実際に十円引き上げられたとしてもやはり酪農の経営状況が苦しいのには変わりはない、そういう状況であります。そしてまた、実際に、先ほど申し上げたように、消費量がまた減ってしまうという可能性がもしあるとしたらば、やはり将来的に生乳の安定供給というもの、これ自体にも赤信号がともってしまうというようなことも否定できないというふうに思っております。 もちろん、こうした事態に対処するため、生産者団体と国が拠出金を出し合う、値上げによる飲用乳消費量の落ち込みに伴う生産者のプール乳価の下落を補てんする、いわゆる共補償ですね、こういう制度もあるということを承知しておりますが、いずれにいたしましても、農水省としては、まずはこのような牛乳の値上げというものが消費量に及ぼす影響というものについてはどのように考えを持っているか、そしてまた、その対策としてはどのような対策を打とうとしているのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(本川一善君) 今回は十円の値上げということでございますが、前回は三円、昨年の四月からは値上げがあったわけでございます。このときは、確かに生産者の乳価は三円でございますけれども、末端小売価格で十円が大体目安になっておりました。まさにおっしゃるとおり、生産者の方の手取り分だけではなくて、それが小売価格にそのような形で反映されるというのは事実だろうというふうに思っております。 そのときに私ども見越しまして、先ほどおっしゃった共補償事業の中でどの程度の消費減が起こるかということを一応見越しましたのは、トレンドとして三%程度減少するというようなことでございますけれども、更にそれが三%減少する場合に備えて共補償の基金を準備をしたということでございます。 今回は十円ということでございますので、その規模よりも更に大きな規模を、六%を超えるものをやはり想定をして基金を造成しなければいけないというふうに考えているところでございまして、その点につきましても、明日決定をするまでにきちんと細部を詰めて判断をしたいというふうに考えているところでございます。
○金子恵美君 分かりました。共補償につきましては、まずは生産者の立場に立ったということでの御支援をしっかりお願いいたしたいと思います。 次に、借入金のお話が先ほどありましたけれども、平成十八年秋から飼料価格の高騰が二年間続きまして、もちろん経営の悪化や資金繰りの困難に直面している農家も増加しているわけです。たとえ資金繰りがうまくいっている農家にしても、飼料価格の高騰時に増やさざるを得なかった借入金の返済が大きな負担となってのしかかってくるだろうということは容易に想像ができるところでございます。 平成二十年の十二月十九日公表の農林水産統計、農業経営統計調査によりますと、酪農経営者の一戸当たりの平成十九年末の借入金、それと買掛未払金残高、農業負担分でございますけれども、これは前年に比べて約八十一万円、六%増というふうになってございます。実際に一千四百四十一万円という数字が出ております。また、農業粗収益は前年に比べて四・九%増加しましたが、農業経営費は八・九%増加しているため、結果としては農業所得は一四・六%も減少をしています。経営費の増加の中でも、飼料費は一五・九%、百九十万円も増加しているという状況になっています。平成二十年の飼料価格は一貫して高騰しましたから、畜産酪農農家の借入金等は更に増えて、そして経営を圧迫しているものというふうに考えられます。 このために、特に借入金のその原因となった過去の飼料価格高騰分について何らかの対策、例えば緊急対策として飼料価格高騰による農家負担分を補てんするなど、その対策等を打てないのかどうか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(本川一善君) まず、飼料価格の高騰に対しましては、農家の方あるいは飼料メーカーの方あるいは国も含めて、基金造成をしております配合飼料価格安定基金の方から過去一年間の平均を超える値上がり分に対しまして補てんを行うという制度により緩和を行ってきたところでございます。 それから、おっしゃるとおり、そういう配合飼料価格上昇が経営に圧迫を与えて負債が増嵩するという場合がございますので、それに対しまして家畜飼料の特別支援資金という低利の資金を融通する、これを新たに設けまして取り組んでいるところでございます。その限度額につきましても、肉用牛、肥育牛につきましては当初四万円、一頭当たり四万円だったものを昨年の暮れには一頭当たり十万円に拡大するなど、機動的に農家の方々のそういう負債の増大に対して対応してきているところでございます。 それからもう一つは、畜産経営の場合にはそういう負債が大きい装置産業でもございます。借換えのニーズでありますとか、あるいは、いろいろと借りている資金を低利のものに一括して借り換えるというようなニーズもございます。そういうことにも備えまして、そういう大家畜を対象にした特別な借換え資金、これは償還期間最大で二十五年まで、据置き五年間といったような有利な資金でございますけれども、そのようなものも用意をして農家の方の負債の圧力を軽減する対策を講じてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○金子恵美君 負債の圧力の軽減ということで、実際には借金であることには変わりはないんですけれども、確かに家畜飼料特別支援資金制度、これも融資制度としては拡充もされていて、そしてまた、無担保・無保証人化というふうなことでございまして、昨年も私もこの場で質問させていただきましたけれども、この一年間で随分いろいろな手当てをしていただいたなというふうには思ってございます。 昨年は、その使い勝手が悪いということも指摘をされていたところでございましたけれども、今回、そうであれば、このような制度の利用状況というのは良くなっているのかなと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(本川一善君) ちょっと今手元に数字は──ございました、ございました。 この家畜飼料資金につきましては、今総計で百五十九億の利用がございます。融資枠が六百八十億でございますが、百五十九億の利用がございます。ただ、この暮れに利用は非常に急増いたしておりまして、後でまた御論議あろうかと思いますが、いろいろマル緊対策だとか、そういう発動がしております肥育牛などが特に最近急激にこの資金を御利用になりつつあるといったような状況でございまして、更に枠の確保なり、新年度に向けて努力をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○金子恵美君 済みません、今通告をしていなかったので申し訳ありません。 配合飼料の価格安定制度、こちらは激変緩和措置ということで、こちらも現在の値下がりした配合飼料価格では直近一年間の飼料価格の平均を下回っているということで、実際には通常補てん基金からの補てんは行われないという状況もありますけれども、先ほど来申し上げているように、飼料の高騰、やはり今、これからも高止まりしていくということも考えられますので、このような制度は機能しないということになります。ですので、それ以外のしっかりとした価格安定の制度というものが必要になっていきます。ですので、まずそれについてもしっかりとお考えをいただいて、御検討いただきたいと思いますが。 いずれにしましても、この飼料価格の動向というのは農家にとって最も重要な関心事ということになっているわけでございますが、この配合飼料価格、そもそもどのように決定されるのでしょうか。
○政府参考人(本川一善君) 配合飼料につきましては、基本的にはアメリカでできましたトウモロコシを、パナマ運河を通って太平洋を渡って運んでまいりまして、国内に搬入するということでございます。したがいまして、その価格につきましては、トウモロコシの国際相場と、それからパナマ運河を通ってこちらへ運んでくる海上運賃と為替相場、基本的にはこの三要素で決定されるということでございます。そういうものを踏まえまして、配合飼料メーカーが三か月に一度、四半期に一度、自らの経営判断で改定をいたしているということでございます。 よく、今値段が下がっているのになかなか反映されないというのがございますが、大体、調達をして運んでくるのに二月から三月掛かるということで、それだけのタイムラグがあるということでございます。そのような形で配合飼料メーカーが決定しているというのが価格の決定の実態でございます。
○金子恵美君 トウモロコシの価格、まあ原料の一つ、トウモロコシの価格はシカゴ相場で昨年の七月をピークに値下がり、そして海上運賃も昨年五月をピークに値下がりに転じております。為替相場は一昨年六月から円高傾向にある。そして、我が国の配合飼料価格が実際に値下がりをしたのはこの一月、半年後の一月でございます。今の御説明で半年掛かっても仕方がないということなんですね。 メーカーの価格設定は、実際には適正でしょうか。
○政府参考人(本川一善君) 配合飼料価格自体につきましては、自由な競争の下でそれぞれのメーカーがお決めになることでありますから、国として直接の関与はなかなか行い難いところがあります。ただ、飼料価格の動向というのは、まさに御指摘のとおり、畜産経営に大きな影響を与えるということでありますし、異常補てんの部分には国民の税金が入っているわけでございます。 そういうこともありまして、私ども、主要なメーカーから、価格決定に当たりましては、まさに今申し上げた飼料穀物の購入価格でありますね、そういったものを我々が把握しているデータと比べて高いのか安いのかといったようなことでありますとか、海上運賃の動向とか、そういうようなものをヒアリングをさせていただいて、価格決定額の見込みなどについて意見交換を行っております。 その際に、我々が持っている情報と大きなそごがあるような場合には更に詳しい情報を求めるといったような形で、いろいろと調査はさせていただいているということでございます。
○金子恵美君 そうしますと、農水省としても情報交換をしっかりしていただいていて、もちろん適正な価格を設定していただけるようにしているということでよろしいと思いますが、私は、今おっしゃっていただいたように、その配合飼料価格の安定制度、異常補てん基金の部分、一般会計予算から補てん金として支出されていると、国民の皆さんの税金が使われている以上、やはりこの価格決定について不透明さがあってはいけないというふうに思っています。 ですので、もちろん、今後も配合飼料価格の適正価格の把握にしっかりと努めていただきたいということと、反対に、しっかりと農水省の方からこの情報発信というものもしていただきたいなというふうに思っているところでございます。配合飼料メーカーへの適切な指導等をしっかり行っていただけるような体制をお願いしたいというふうに思っています。 実際にこうやって配合飼料価格の動向に振り回されていると言ったらあれですけれども、そういう状況の中で畜産酪農家の皆さんが頑張っていらっしゃるところなんですけれども、今後、農水省として今後の飼料価格の動向についてどのような見通しを持っているのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(本川一善君) 各メーカーなり全農さんが価格を決定するのは、三月でいえば大体二十日過ぎ、下旬になりますので、今の時点で確定的なことを、私どももヒアリングさせていただいているわけではありませんし、申し上げることは困難でありますが、ただ、この一—三月期の積算根拠となった水準、これはトウモロコシの価格とか海上運賃等でございますけれども、それに比べて、このままの傾向が続きますれば、四月—六月期はこの一—三月期に引き続き値下げとなるような価格動向になっていると、要素の価格動向になっているということでございます。
○金子恵美君 ちょっと、見通しということでもっとその辺のところを突っ込んで伺いたいところですけれども、まずは、いずれにしても、輸入飼料と国産自給飼料、この関係というのはとても難しくなってくるのではないかと思うんですが、輸入飼料のその価格が高ければ自給飼料の取組が進んで、それで逆に輸入飼料の価格が安ければ自給飼料の取組も縮小してしまいかねないという関係にあり、こういった動きは過去にもありました。 あくまでも、今後の動向というのも、もちろん見通しというものも持っていただいているわけなんですが、それ以上に、この価格の動向に左右されない形で自給飼料の生産拡大というのはしっかりと推し進めるという方向性を堅持していくこと、これがとても重要ではないかというふうに思うのですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(本川一善君) まさに御指摘のとおりでありまして、飼料の自給率を上げていくということは私どもの念願でございます。 飼料自給率というのは今二四%でありますが、これを少なくとも粗飼料については一〇〇%に持っていきたいというふうに考えております。それにいろいろなエコフィードとかそういう濃厚飼料の自給率向上を合わせて、平成二十七年度には三五%の自給率を達成したいということで計画を立て、取り組んでいるところでありまして、まさにその国際価格に左右されない国内の自給飼料体制を構築していく、そのようなことに取り組んでまいりたいと考えております。
○金子恵美君 大臣にお伺いさせていただきます。 自給飼料を拡大という点でございますが、先般、石破大臣によりまして米の生産調整見直しの発言が報道されました。仮に、来年度以降、生産調整について選択制の導入が行われるということになれば、これから本格的に取組を進めようとする飼料用米の生産に対して大きな影響を及ぼすと思われます。 生産調整の選択制が導入され、自由に主食用米を作ってよいということになれば、主食用米の生産を行い、飼料用米を作らないということが農家の偽らざる正直な心情と言えるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 私が選択制にするとかそれを軸にして検討するとかそういうことを言ったわけではございませんが、世の中にそういうような考え方があるというふうに報道が述べておるということは承知をいたしておるところでございます。 そういう前提で申し上げますが、結局、この生産調整というのは、委員よく御案内のとおり、一生懸命やった人と、私は関係ないよと言って全然やらない人といるわけですね。一生懸命やった人がそれぞれの負担の上に価格を維持している。やらない人は、そういう人たちが維持してくれた価格の上に乗って利益を得ているという、この不公平性というのはどうしても払拭をできない。この不公平性というのを払拭していかないと、どうも制度として永続性がなかなか難しいのではないかなという問題意識を持っておるわけでございます。 他方、生産調整の中身は御案内のとおりでありまして、主食用米は水田の六割しか活用いたしておりません。残りの四割で飼料を始めとする自給率の低い作物を作っていただき、自給率の向上につなげたいということで生産調整をやっておるわけでございます。 この二つが事実としてございまして、いずれにしても、新しい政策において考えなきゃいかぬことは、繰り返しになりますが、不公平感を解消するということ、将来、展望ある水田農業を確立をするということでございます。 昨日も記者会見で似たような御質問があったのですが、水田フル活用ということと世に言う選択制なるもの、もちろん選択制の中身によるのです、これもいろんなバリエーションがきっとあるのでしょうから。それがもう二律背反で全く相入れないものかといえば、論理的にはそういうことにならないと思っております。それは、選択制の中身がどのようなものになるのか、そこを詳細に検討しなければ答えの出ないことでございますが、選択制というものを仮に世に言う幾つかのイメージでやるとすれば、この水田フル活用というものに阻害要因となるということには必ずしもならないと私は思っております。
○金子恵美君 済みません、もう時間がありませんので次に行かせていただきたいと思うのですが、自給飼料の取組として、今言った米、そして飼料作物、これを作ると。大変重要なことだと思うんですが、もう一つ注目したいところに放牧というものがございます。 平成十九年の畜産統計によれば、全国の放牧面積三万八千七百ヘクタールある中で、一番盛んなのが全体の四分の一を占める北海道でございます。都府県でも大分や青森、秋田、熊本などで多く行われています。放牧頭数で見ますと、北海道始め九州地方、そして東北、中国地方でも多くなっているところでございます。 実際に耕作放棄地は我が国は埼玉県の面積と同じ三十八万ヘクタールあるということですが、この耕作放棄地の有効な活用として放牧が行われるという、その必要もあるというふうに思っております。非常に有効な取組というふうに聞いておりますので、さらに今後、中山間地域の棚田の保全や鳥獣被害の防止という観点からもその有用性が指摘されているところでございます。 この辺について農水省の所見をお伺いさせていただきます。
○政府参考人(本川一善君) まさに御指摘のとおり、耕作放棄地に放牧をするというのは非常に有効な手だてでございます。その地域にとっても、耕種農家の方にとっても、それから和牛繁殖農家の方にとっても、放牧をすると非常に牛が元気になって帰ってくるというようなこともお伺いをしております。私どもとしてもそういう観点から進めていきたいと思いますし、それから、まさにイノシシの害を防止する、牛がいることによってイノシシが近づかなくなるというような効果もあるというふうに期待しております。 私ども、そういうことも念頭に置いて、例えばソーラー電さくの支援でありますとか、あるいはダニを忌避するための薬剤の支援でありますとか、あるいは専門の指導者として、これ放牧伝道師というふうに名付けておるんですが、そういう方々を全国に養成していくとか、あるいは全国で放牧サミットというのを開催いたしまして、例えば山口県の放牧の事例を表彰したり、そのような形で全国に放牧を広めるべく取り組んでいるところでありまして、どうか先生方の御地元の方でも放牧をしたいというあれがありますれば、レンタカウという制度もございますので、お声を掛けていただければ、牛をお貸しする、そういう放牧牛をお貸しするというような仕組みもございますので、是非お声を掛けていただければというふうに思っております。 以上でございます。
○金子恵美君 我が国の畜産、酪農を守るという点では同じ思いだと思いますので、これからもしっかりとした取組をお願いしまして、時間になりましたので私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございます。
○姫井由美子君 民主党の姫井由美子と申します。 農林水産委員会では初めて質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。 まず、質問に先立ちまして、今回の鳥インフルエンザが発生いたしました関係者に対しましては大変お見舞いを申し上げますとともに、実は一昨年、私の選挙区であります岡山県でも鳥インフルエンザが発生いたしました。このときは関係各位の努力によって大変早期に移動制限が解除されたわけでございまして、是非今回も一生懸命対処していただきまして早めのこの解除をお願いしたいというふうに思います。 それでは、質問に移らせていただきます。 まず最初に、明日、政府の畜産物価格が決まるに当たりまして、畜産、酪農に対して、まず、石破大臣がどのようなビジョンをお持ちなのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 現状の危機意識、つまりえさが高い、あるいは牛肉の消費が減退をしているということは先ほど来申し上げておるとおりでございます。畜産物価格の決定に当たりましては、こういう状況を踏まえ、畜産経営の安定、畜産物の安定供給を図る観点で臨みたいと思っておるわけでございます。 せっかくの御質問ですからお答えをいたしますと、さらに、一つは、やはり自給率が低い。これはえさが外国から入ってきているからだということでございまして、ここを、えさ米でありますとかいろんなもの、ホールクロップサイレージでありますとかいろんなものを使ってそれを上げていきませんと自給率そのものは上がりませんねと。これはどうしても達成をしなきゃいかぬことだと以前から私は思っております。 もう一点は、中山間において畜産、酪農というものがどういう意味を持つかということでございます。 すなわち、足が四本ある動物というのは非常に傾斜地に強いわけでございます。先ほど金子委員から放牧のお話もございましたが、足が四本ありますと非常に傾斜に強いと。我々人間ですと〇・五度ぐらい角度が傾きましても三半規管がおかしくなって普通の状態ではいられないということになるのですが、非常にそこに強いところがございます。これを中山間地においてどのように活用していくかという点。あるいは、山口県なんかで山口型の放牧というものをやっておりますが、これが耕作放棄地の解消に私は相当の効果を持つのではないかと考えております。 私は、中山間地のこれからの対策ということを考える上において、酪農、畜産の占める位置も非常に高いものになっていかねばならないだろうと思っております。さらに、環境保全ということと、それにマッチした酪農、畜産の在り方、さらには、これから先、燃料というものを考える場合に、バイオの活用というときに、また畜産、酪農の果たす意味合いというのも大きいだろうと。いろんな可能性はあるので、政策をうまく仕組んでいかねばならないと思っております。
○姫井由美子君 ありがとうございました。 一方、石破大臣は昨年十一月の本委員会で食品の安全と消費者の信頼の確保というのが第一の目標であるとも言われています。しかし、例えば米国産牛肉では昨年一年間で輸入が認められていない部位の混入事件が六件も発生するなど、いまだ消費者の信頼確保というには道のりは遠いという感があります。 畜産も含めて、この食品の安全と消費者の信頼の確保についての大臣のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 食の安全というものに私どもは責任を負う官庁であるという認識を強く持たなければなりません。BSEのときにそういう認識を持ったはずなのでありますが、事故米ということが起こってしまったということを考えますと、なおその意識不徹底であると言わざるを得ないわけでございまして、食の安全について責任を負う官庁であるという認識を強く持ちたい、持たねばならないと思っているところでございます。 畜産物について申し上げれば、食品衛生法に基づきます有害物質の残留基準等の規制を遵守する、これは当然でございますが、畜産物の生産から消費にわたる各段階においてリスク管理が適切になされなければならない、事故の発生を未然に防止するという取組を進めることが肝要であります。 当省といたしましては、科学的な根拠に基づきまして、畜産物の安全性を向上させるため、家畜の飼養管理方法の改善に向けた飼養衛生管理基準を設定する、そしてその遵守を指導するということであります。それが一点。第二点は、動物用医薬品や飼料等の製造、品質に係る基準、規格の設定や適正使用に向けた指導を行う。三点として、動物検疫所と厚生労働省の検疫所の連携による水際での畜産物の安全確保のための検査の的確な実施等々を行いまして、畜産物についての生産現場から食卓にわたる安全確保に取り組んでおるところでございます。 これは、厚生労働省そして食品安全委員会等と密接に連携をしていかねばなりません。すべての食品について安全、そして消費者の信頼、それを確保していかねばならないわけでございまして、それぞれの段階においてきちんとした責任を果たすということが重要であると思っております。 なお、米国産牛肉についての御指摘がございました。それは、やはりきちんと水際で防ぐことができたということは、私はそれなりに評価をされてしかるべきと思っております。入ってくるものが消費者の流通のルートに乗る前に、きちんとそれを止めるということも徹底をしていかねばならないと認識をいたしております。
○姫井由美子君 石破大臣が就任されて、省内では非常に勉強会が増えたというふうに伺っております。今のこの食品の安全につきましても、一方で、行革の中で、地方の農政局あるいは農政事務所等が合併あるいは廃止されるというようなことがありますけれども、地方が果たす役割というものにつきましてもいま一度更に検討いただきまして進めていっていただきたいというふうに思います。 さて、私たち民主党の農林水産部門の畜産部会では去る二月十一日に岩手県久慈市に参りまして、短角牛の飼育を視察してきてまいりました。赤身で大変おいしいお肉でしたが、何よりもこの短角牛は一〇〇%国産飼料で飼育をされています。今回、平成十九年の飼育自給率がたったの二五%、そして平成十五年からわずか一%しか上昇していないということに大変私は驚いております。農水省は平成二十七年に三五%まで、この自給率の目標も私は大変低いかと思うんですけれども、上げる目標を立てておりますが、このような短角牛のような取組が大変参考になるかと思っております。 こういった短角牛のような脂肪の少ない赤身の肉を、健康志向からも生産振興を図って牛肉の消費拡大を図るという方向性もあるかと思いますが、この牛肉の消費拡大のための農林水産省の取組について伺いますとともに、また、生乳の生産者団体は乳業メーカーとこの間、この三月から乳用飲料の乳価が十円引上げを合意をいたしました。これも大変な問題となっております。 今回のこの値上げで牛乳の消費が更に減ることも大変懸念されております。牛乳の消費拡大に向けた農林水産省の取組も併せてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(本川一善君) こういう景気低迷の中で、食肉の中でも特に高級な和牛の今消費が大きく低迷をいたしております。そういう中で、国産牛肉の消費拡大を図っていくということが大きな課題になっているわけでございます。重く受け止めて私ども取り組んでいきたいというふうに思っております。 こういう関係で、畜産フェアとか例えば農業祭、こういったところでイベントを利用して国産牛肉の普及啓発を行いますとか、あるいはシンポジウムの開催などによる、先ほど赤身牛肉の話ございましたけれども、牛肉のその機能性やら、安全あるいは体への良さ、そういったものを情報提供していく、あるいは産地における消費者と生産者との交流会を開催する、このようなことを実施してきております。 また、そういう、先ほどの短角種など、各地域の特色ある肉用牛につきましても、こういう産地でのイベントとか交流会を通じて消費拡大を図るということが可能であるというふうに考えております。 また、昨年末より小売店におきまして、全国九千店の小売店におきまして国産牛肉の消費を拡大するための緊急キャンペーン、こういったものを実施をしておりまして、実際に参加店舗で特売セールが行われて一定の効果が見られているところでございまして、これからも関係者と一体となって取組を進めてまいりたいと考えております。 それからもう一つ、牛乳の御指摘を受けております。三月より十円乳価が引上げになっております。それに伴いまして消費が減退するのではないかという心配がございます。 この点については、よく水より安い牛乳というふうに言われますけれども、やはり牛乳の価値というのは少し過小評価をされておるんではないかと。ですから、そこは自信を持って良さをアピールすることによって消費者の方々に値上がりしたものを買っていただくという努力を、業界あるいは消費者の方も入れて話合いをしていきたいと思います。 えさが上がりかけたころから、消費者の方それから生産者、業界団体、小売業集まっていただいて、理解醸成委員会というのを畜産だけで行ってきております。そういう場を使って、今申し上げたようなことに取り組んでいきたいというふうに思っております。 ただ、そういう中でも少し消費が落ち込むということであれば、先ほど来少し議論があります全国共補償の形で、落ち込んで牛乳として売れなかった場合に加工に回さなければいけなくなったと、それは安くなります、それに対する補てんを行うというような形で対応していきたいというふうに考えているところでございます。
○姫井由美子君 ありがとうございます。 ただいま牛乳の消費拡大の取組についてお伺いいたしましたけれども、今まで我が国では、牛乳の消費拡大に向けて酪農家に対して様々な支援をしてまいりました。その一つに草地開発整備事業、いろいろ名称が変わっているというふうに伺っておりますが、これがあります。 農林水産省が平成十五年度まで実施していた、当時の名前で団体営草地開発整備事業は、畜産経営の合理化を図るため、草地の造成改良、既耕地の飼料基盤としての整備改良、野草資源の有効利用を図るための整備事業、あるいは牛舎等のそういった施設整備なども行うものであり、国庫補助事業により地方公共団体や農業協同組合などの団体が事業主体となって実施をしたものです。 この事業は、会計検査院の昭和五十六年度の決算検査報告によりますと、国営、都道府県営を含めた全草地開発事業の面積全体の約九〇%、事業費全体の約八〇%と、非常に高い比率を占めていたものです。しかし、その決算検査報告によりますと、開発された草地が目的に沿って利用されずに荒廃をしていたり目的外に使用されたりして、事業効果の発揮が十分でないと認められるものが相当数あるというふうにも伺っています。 実は、私の選挙区の岡山県、今は合併しまして岡山市ですが、旧御津町、昭和四十四年から四十八年にかけて四名の方が入植されたこの事業の場所があります。これは昭和四十九年の躍動する御津町内の草地酪農ということで、四つのこの酪農家が入植いたしまして、気概を持って酪農を始めたわけです。しかし、現在、その四名のうち酪農を続けている方は一名だけです。いろんな状況によりまして残りの三名は廃業をしております。 ところが、今回、その廃業された一つの牧場の跡地に民間の産廃処分場が計画が予定をされています。処分場が建設されると、今残って牧場経営をされている方も実は非常に経営困難になります。つまり、そこはどうして一名だけ残ったかといいますと、いろいろ工夫を凝らしまして、乳牛だけでなく、そこの娘さん夫婦がそこに小さなミルク工房をつくりまして、毎朝取れた生乳でおいしいアイスクリームをジェラートということで全国に販売をしていたり、あるいはその近くに小さなさくを作ってヤギとかウサギを飼って、近くの子供たちにいわゆる小さなミニ観光牧場として呼んでいたりするものです。 ところが、隣に安定型の処分場ができるということになれば景観も悪くなる、あるいは風評被害も強くなる。この発端となったのが、国の事業として元々山であったところを開発して道路を付け、木を切り倒し、非常に行きやすい便利な場所にしてしまったからということにもつながるかというふうに思います。牧場をやめたその後の土地が譲渡されてから処分場の建設が可能になったとも言えるわけです。 草地開発をした後、その後の譲渡や使用方法について何らかの規制を掛ける方法はなかったのでしょうか。いったん入植した人が廃業した後のことについて、このような不都合が起こらないよう国として何らかの方策を取ることができたのではないかと思いますが、石破大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 実際によく状況を把握をした上でコメントをしなければいけないと思っております。 今委員が御指摘のように、旧御津町でそのような状況が現出をしておると、そしてまた、その廃業なさった方の跡地に安定型処分場、建築廃材等を処分するということですが、これを造りたいと企業の方が概略書を市に提出をして、今申請を受けるかどうか、前段の手続にあるということだと承知をいたしております。 そこに道路を造ったからそんなことになっちゃったんだと、こういうこともございますが、逆に言えば、道路ができたのでいろんなものが搬送できるようになりましたということもございまして、どのようにするかは、なかなか一概にこれだということは言いにくいことだと思っております。 私どもとして、私どもの事業をお使いになった方のうち、四名のうち三名の方がやめちゃったということは誠に、四戸のうち三戸ですね、廃業されたことは誠に残念だと思っております。残っておられる一軒の方、松田さんとおっしゃる方だというふうに承っておりますが、その方が今おっしゃいますように大変にアイデアを凝らされて積極的に取り組んでおられます。処分場が近くにできた場合には風評被害もあるということを心配なさっておられることも承知をいたしております。 そういうような本当にやる気のある方々の取組に対して農水省として支援ができることがあれば、また委員から御指摘をいただきましてさせていただきたいと思っておりまして、国の事業が有効に活用していただけるように私どもとしても配意をしてまいりたいと考えております。
○姫井由美子君 大臣、今度できるこの処分場は安定型といいまして、実は非常に問題になっている処分場の形態でもあります。 管理型というのは、一般廃棄物等も廃棄するようにこう遮水シートをしまして、非常に厳重な管理の下、一年以上にわたる環境アセスメントの下にできる処分場でありますけれども、この安定型というのは、建設廃材等を中心にしました、今回のこの計画時では安定六品目を埋めるということで来ておりますけれども、実際は何を埋めるか分からないということで改正が行われ、途中検査をするようになっております。 しかし、この検査をする団体がその処分産廃業者のグループ企業であったり、あるいは産廃業者の仲間の企業であったりすることで、非常にその検査の内容が信用を置けないということで、昨年、平成二十年度は全国で二か所、最高裁でこの安定型処分場の差止めの判決も出ている。非常に今後これができてしまうとなりますと、この許認可をする岡山市は、法律に従って相手が法違反をしなければ着々とその手続、認可の手続を進めなければいけないという状況になっております。これを止められるというのはもう非常に厳しい状態になるわけですね。 今、松田さん、大臣もよく調べてくださいまして、今、まつだ牧場さんが本当に頑張っているわけですけれども、松田さん自身が反対というと企業エゴとも言われかねません。こういった状況をやはりしっかりと全国見ていただきまして、せっかく大臣の大好きなやる気のある農業経営者がこの国の事業のツケによって、もしかすると廃業に追いやられるという今危機に際しているわけですので、是非、何とか回避できるように、まだ間に合いますのでお考えいただきたいというふうに思います。 そして、大臣に今回通告しておりませんでしたのでお願いをしたいんですけれども、全国で、今回は牧場ですけれども、農地等が転用あるいは地目変更されて、現在、産廃処分場あるいはごみの集積場になっているというケースが幾つかあるというふうに聞いておりますので、是非これをお調べいただいてお知らせいただきたいのと同時に、これは農林水産省の方がこれを売るときには農業委員会が許可をするから転売できないだろうというふうに言われました。 しかし、農地法では、農地又は採草放牧地、これに関して農業委員会がしっかりとチェックするわけですけれども、一方、私は司法書士なんですが、不動産登記法では、地目は牧場というのしかありません。田、畑、牧場、この中の採草放牧地は農業委員会の許可が必要なわけですけれども、例えば、不動産登記の地目というものは現況を重視する現場主義なんですね。実際に地目変更が出されますと法務局の職員が現場を見にいって、もう牛もいない、牛舎もぼろぼろ、草も、牧草もない、実際、木が生えてこれは山だというふうに判断すれば山林という地目に変更することも可能だと思います。ここに本当に農業委員会の許可が、あるいは目が働いて、譲渡することが、ちゃんとしっかりと的確な業者に譲渡できるように、そういった監視体制になっているかどうかをお調べいただいてお知らせいただきたいとともに、今後ここをしっかりとして、やはりこの酪農してほしいというために税金を掛けて開発した土地は、やはり何らかの形で私たちのこういった農業に活用されるように最後までしていただきたい。 これは、大臣に責任を取れではなくて、農林水産省としてやっぱり責任を感じていただきたいということをお願いしたいと思います。
○委員長(平野達男君) 今の質問の中に二つほど調べてほしいというものがあったと思いますけれども、一点は農地の中で産廃の施設に転用された実績ということについて、これは資料要求をするということですか。
○姫井由美子君 はい、そうです。
○委員長(平野達男君) 二つ目は、いわゆる農地の転用につきまして、農業委員会の監視体制がどうなっているかということについての、これはもし政府委員というのなら政府の方でお答えいただければ今お答えいただいていいですし。大臣。
○国務大臣(石破茂君) 今国会に農地に関する法律を提出をさせていただいております。また委員会で御審議をいただくことになりますが。 今委員が御指摘になりました二点は私どもとしても非常に関心を持っておるところでございます。農業委員会というものが農地を守る番人としてその使命感に基づきお仕事をしていただいておるわけでありますが、それがきちんとお仕事をしていただけるような環境にあるか、そしてまた、どのような議論の後にそういうような決定が下されるか等々、本来の趣旨に沿った運用がなされるようにということで私も考えておるところでございます。 また、転用の実態、別に産廃に限ったわけではございませんが、違反転用というふうに言われるものが八千件ぐらいあると、一体これは何なんだということについて、現在、省内できちんとした精査を行っているところでございます。 また、委員長あるいは理事会の御指示も賜りたいと思いますが、今委員の方もおっしゃっておられるような問題意識につきましては、私どもとしてきちんとした調査を行い、御議論に供したいと思っております。
○委員長(平野達男君) じゃ、転用の実態については、ちょっと後刻、扱い等については理事会で協議させていただきたいと思います。
○姫井由美子君 では、続きまして、エコフィードについて御質問したいと思います。 姫井さん、こんなすばらしいリサイクルセンターがあるよということで、一昨年、稼働したばかりの千葉県佐倉市のアグリガイアシステムの飼料化センターに行ってまいりました。これは農水省の補助金が三年間にわたり、平成十七年から十九年、十五億八千万円、約二分の一、投入されている施設です。 私はこのセンターに視察に行き、非常にきれいなリサイクルセンターの中で地元の女性たちが一生懸命働いている姿を見たわけですけれども、ただ驚いたことに、目の前に非常に真新しいお弁当がどんどん流れていくんですね。聞きましたら、都内にあるセブンイレブンのお弁当、賞味期限が切れたばかりのものを持ってきて回収をしているということになりました。 もちろん、これは非常に食品リサイクルとして画期的なわけですけれども、ただ、ここの問題が、豚あるいは鳥の飼料にするんですけれども、これがなかなか売れない。価格的にリサイクルが高く付く、あるいは養豚業者の飼料に対するこだわりもある。あるいはお弁当は脂分が多いし、保存料、着色料等の問題もある。なかなか売れないというふうに伺っております。実際、コンビニはなるべく売り切る方がいいというふうに私は思うわけですね。 今回このアグリシステムには、わざわざセブンイレブンは賞味期限が切れたお弁当を冷蔵庫に入れるんですよ。それを冷蔵車で回収してきているんですね。そして、丁寧に豚の飼料にしているけれども、このできた飼料が焦げたしょうゆ臭いというふうに言われているんですよね。こういった中で、やはり食のリサイクルに関しては、しっかりと農水省の方から、本当に豚の飼料に適するところまでリサイクルできるように指導していただきたいというふうに思うわけです。 そしてまた、このセブンイレブンですけれども、先日、二月二十日、二月二十一日の報道でありましたように、このセブンイレブンに公正取引委員会の調査が入りまして、加盟店のこのお弁当等の見切り販売を不当に制限をしている、これは優越的地位の濫用として独占禁止法違反であるということで調査が入っております。 一方では、お店の方々は安く見切り販売したい、しかし本部が許してくれない、仕方なくお金を払って産廃に回す。それを国の大きな税金でリサイクルセンターで飼料にするけれども、それは売れない。このミスマッチを何とか改正していただきたいというふうに思っております。 そこで、まず公正取引委員会に、見切り販売に対する不当な規制など、コンビニチェーンのフランチャイズ本部と加盟店との間のどのような取引が独占禁止法違反となるのかについてお伺いいたします。 そして、大臣には、このコンビニ弁当が飼料化しても実際に飼料として使えない、こういった現状はエコフィードの観点からどう考えるのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(中島秀夫君) お答え申し上げます。 公正取引委員会は、フランチャイズシステムの本部と加盟者の取引におきましてどのような行為が独占禁止法上問題となるかということは、具体的に明らかにするために、「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方について」、いわゆるフランチャイズガイドラインを昭和五十八年に策定し、平成十四年にはこれを改訂したところでございます。 この改訂に当たりましては、平成十三年にコンビニエンスストアにおける本部と加盟店との取引に関する実態調査を行いました。この実態調査におきまして、例えば今お話のありました廃棄商品については、加盟店側から廃棄ロスの本部の負担について不公平であるとの指摘が寄せられたところでございます。このような実態調査の結果を踏まえまして、平成十四年のガイドラインの改訂を行いました。 そのガイドラインの改訂におきまして、お尋ねの見切り販売、今お話に上がりました見切り販売の制限につきましては、例えば加盟店に対して取引上優越した地位にある本部がその地位を利用いたしまして、廃棄ロス原価を含む売上総利益がロイヤリティーの算定基準となる場合におきまして、加盟者に対して、正当な理由がないのに商品等の見切り販売を制限し、売れ残りとして廃棄することを余儀なくさせる、このようなことによりまして加盟店に対して正常な商慣習に照らして不当に利益を与える場合には優越的地位の濫用に該当し、独占禁止法上問題になるという考え方を明らかにしたところであります。 要は、見切り販売は駄目ですと、しかしながら売れ残りの商品の負担は加盟店が負いなさいということでは独占禁止法上問題が生じる場合があるということでございます。 以上でございます。
○政府参考人(本川一善君) エコフィードにつきましては、まさに食品リサイクルの推進の観点と食料自給率を上げていく観点から、私ども非常に注目して取り組んでいきたいと思っております。基本計画の中でも、平成十五年に八万トンというものを二十七年には四十九万トンに拡大するということで取り組んでおりまして、平成十九年度の実績としては二十二万トン、おおむね順調に拡大をしてきているところでございます。 ただ、御指摘のとおり、原材料によりましてでき上がってくるものの品質が区々になるということがございます。大きな酪農家や大きな養豚農家であれば、御自分で日々そういう搬入されるものを成分調製をして、豚に与えるときには均一のあれにするということがやられておりますけれども、なかなか小さい方では難しいということで、私ども、配合飼料メーカーにそういうエコフィードを搬入して、配合飼料メーカーのノウハウで均一のえさにしていただくとか、あるいは、TMRセンターといいまして、飼料を混合して、その混合したものを豚に与えるというようなセンターがございます、そういうところに搬入をして利用促進を図るとか、いろいろな工夫をしながら利用促進を図っていきたいというふうに考えているところでございます。
○姫井由美子君 済みません、大臣にお伺いしますというふうに言ってしまったので、大臣にまた考えていただきたいと思うんですけれども、特にこの食品リサイクル、この企業は二〇〇六年は農林水産大臣の表彰も受けているわけですね。そして、昨年は食品リサイクル推進で環境大臣の表彰も受けているんです。この企業は一生懸命頑張っているんですよね。いいことをしていると思っている。しかし、ミスマッチであるし、一方では大企業のパフォーマンスに使われている。 私は、しっかりとここはやっぱり農水大臣で、農水省がリーダーシップを取って食品リサイクルをしていただきたいんです。そうでないと、やはりいい形のリサイクルはできないというふうに思っているんですね。そして、公正取引委員さんは大変遅い対応ですよね。平成十四年にガイドラインができている。この間に、お弁当を安売りできなくて自殺されたオーナーの方も少なくないというふうに聞いています。岡山県では、昨年十一月二十日に一人のオーナーが自殺しました。もちろん、報道では自殺というふうに出ていませんでしたけれども、その方はセブンイレブンの制服を着て首をつったんです。この死に方が何を訴えているか、私はお分かりだというふうに思います。 実際、フランチャイズの加盟店のオーナーの生活権を脅かしてまで見切り販売させない。これは、約一千五百万円の平均の収入を上げているコンビニ店は月に二トンの産廃を出しているんだそうです。そして、この産廃処分のお金はオーナーに課せられてくるわけです。こういった不平等感をどこかで断ち切って、真の意味での食品リサイクルを求めますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 今生産局長からお答えを申し上げたとおりでございますが、私は衆議院の方の所信表明でも申し上げたのですが、日本人が食べずに捨てているというのは大体二割ぐらいなんだそうですね。宴会料理なんてもっと捨てられていると。結婚式なんて最たるものであるというようなお話なのでありますが、これの量を全部足しますと、世界中が食糧援助をしているのですけれども、それの三倍も日本人は食べずに捨てていると。一体これは何なんだということにやっぱり私は問題意識を持つべきではないかと思っております。天罰が当たるとは申しませんが、こんなことをやっていていいのかというお話なのですよね。 そしてまた、これは何というか、ここで言うと差し障りあるのかもしれませんが、まだ賞味期限内のものを、これを捨てちゃうって一体何ですかと。私は半額だったら喜んで買うんですけれどもね。そこのところはどうなんだろうと、これは大臣として申し上げているわけではございません。 やっぱり、世の中にはもったいないとかそういうような発想がもっとあってしかるべきであろうと。しかるが後に、どのようにしてエコフィードというものを実現するかというのは、きちんとした事例、あるいは今局長が申しましたようにTMRセンターを活用する、配合飼料メーカーと連携をする、そういう中で、本当にこれがそれでも出る食品残渣というものの最もいい活用の方法であるということについて、農林水産省としても畜産の観点からも意識を強く持ちたいと思っております。 以上であります。
○姫井由美子君 是非、公正取引委員さん、私は一昨年国会議員になって、最初にセブンイレブンのオーナーからこの相談を受けました。皆さん、食べれるものを泣く泣く出しているそうなんですね。それがこのようにリサイクルされていないということを聞けばもっと悲しむと思いますので、是非、大臣もよろしくお願いをいたします。 そして最後に、私、司法書士といたしまして、林野庁が環境問題で、間伐材、これを進めるための森林の整備に関しまして、非常にたくさんの予算を付けていただいております。これは、不在村、所有者が分からない土地について相続登記を促すというPRの予算ですけれども、しかし二十年度も二十一年度も、残念ながら、ポスターを作った、チラシを作ったで終わっているんですね。 私は、これは少しでも早く森林整備が進むために使われるべき、例えば入会林野等に係る権利関係の近代化の助長に関する法律、いわゆる入会権、この特例で、都道府県知事等に認可の公告をする場合には所有者に代わってできるというような特例がございました。こういった思い切った措置をして実際的に効果が上がる対策にしていただくというのはどうでしょうか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(内藤邦男君) 委員御指摘のとおり、間伐を進める上で、不在村森林所有者との連絡が困難、あるいは相続によって権利関係が不明確になっているということで合意がなかなか得られないという事態が生じております。 委員御提案の入会林野等に係る権利関係の近代化の助長に関する法律にございます都道府県知事による嘱託登記でございますが、これは知事によりまして、知事の認可公告で、入会権の消滅、あるいはそれに伴います所有権の移転、設定とか、そういったものが効果が生じます。そういった複雑な多数の権利関係を速やかに登記に反映させるというためのものでございまして、当然、入会権者全員の合意形成がまずあるということが前提として必要になってまいります。 林野庁としましても、まず、施業についてのそういう意味では関係森林所有者の合意を得ることが非常に重要だというふうに思っておりまして、そのための施策としまして、例えば、森林組合が不在村森林所有者に直接会って間伐等の施業を働きかけるふるさと森林会議、こういったものを開いたり、あるいは御紹介ございましたように、司法書士会連合会の御協力を得まして、司法書士と森林組合系統が連携して不在村森林所有者への施業の働きかけといったことを行っております。さらに、二十一年度予算におきましては、森林の境界の明確化のための境界測量に関する定額助成、あるいは森林組合から不在村森林所有者にダイレクトメールを網羅的に送ってそして森林施業について考えていただくと、こういった施策のための予算計上を行っているところでございます。 まず、私ども、やはり森林所有者の合意形成を図りながら森林整備を進めるということが重要だと思っていますので、そのための各般の施策を講じていきたいと考えております。
○姫井由美子君 ありがとうございました。
○舟山康江君 民主党の舟山でございます。 今日は会派のトリということで、最後の質問をさせていただきますけれども、よろしくお願いいたします。 ということで、畜産の関係なんですけれども、鳥も畜産の一種ということで、まず最初に、順番を変えまして、鳥インフルエンザのことから少し質問させていただきたいと思います。 先週発生いたしました愛知県豊橋市におけます高病原性鳥インフルエンザ、こういった場合、やはり初動態勢の整備が非常に重要だと思います。何よりも迅速な対応が求められるわけでありますけれども、こういった場合、感染拡大防止に備えまして移動制限措置は必要だと思います。この範囲の農場の鳥について早急にウイルス感染の有無を調べて安全性の確認を取ることが必要でありまして、そういった意味では私は、いたずらにこの移動制限を長引かせるとか時間を掛けるのは周辺農家に多大なる損失を与えることだと思っています。 そういった中で、現在、EUでは、二十七か国中二十六か国でこの検査の手法としてリアルタイムPCRという手法が導入されているようであります。診断手段としては一般的に普及しているものだと聞いておりますけれども、この方法であれば二、三時間でウイルスの特定が可能であり、またその検査のための機械も比較的安価であると、そういうようなことを聞いているわけでありますけれども。 一方、我が国では、今回、ウイルスのPCR検査、遺伝子の検出検査ですけれども、昔ながらというんでしょうか、普通、一般のPCR検査の中で、現場で採取され、それをつくばの動物衛生研究所に送って、そこで検査をされていると。時間が掛かる上に精度も低いんじゃないかと、そんなような問題点を聞いているんですけれども。 現に、最初の発生後三日もたった三月二日になって新たな陽性鳥が発見されたりとか、昨日もまた新しい陽性鳥が発見された、高病原性の陽性鳥を発見したわけでありますけれども、やはり迅速な診断などの体制整備、これをどうお考えなのか、EUで一般的だと言われているリアルタイムPCRの導入、なぜ日本はしていないのか、その辺、お聞かせください。
○副大臣(近藤基彦君) 我々としてもリアルタイムPCR法は大変有効な検査手法だと思っております。検査そのものは数時間の、実は現在もPCRとリアルタイムPCRは数時間の違いであります。ですから、ただ数時間の違いといってもそれは早いにこしたことはありませんから、今、舟山委員御指摘のとおり、動物衛生研究所で集中的に今検査手続、手順等の確立のためにマニュアルを作るよう急いでおります。更に急がせるように指示をしたいと思いますし、また、そういうものがきちんと確立されれば、もちろんEUの手法にも倣いたいと思いますし、ですから、できるだけ早くに確立をして導入をしていきたいと考えておりますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
○舟山康江君 是非早急にお願いします。 今回たまたま弱毒性だったから拡大が余りなかったかもしれませんけれども、これが万が一強毒性だった場合に、この数時間の差というのは非常に大きな影響の差として現れてくると思います。こういったリアルタイムPCR手法の検査によって、恐らくもっと検査機械も各都道府県なり多く導入、設置することもできると思います。もちろん技術者の育成なんかも必要だと思いますけれども、そういったことで是非、今後やはり新型インフルエンザ、ヒト・ヒトの感染なんかも非常に懸念されている状況でありますので、是非早急なる対応をお願いしたいと思います。 そしてもう一つ、今回、陽性の鳥が見付かった農場というのは殺処分が行われたわけです。その殺処分が行われた農場というのは、致し方ない部分もありますけれども、非常にこの経営にとっては大打撃であります。 そしてまた、移動制限区域内の農家、仮に殺処分の対象にならなくても、いろんな意味で、出荷ができない、その分のえさが掛かる、いろんなマイナスがあります。また今回、残念なことに風評被害なんかも起きてしまったということもありまして、そういった部分に対する経営再建対策というのはどのようなものがあるのか、お聞かせください。
○政府参考人(竹谷廣之君) お答え申し上げます。 今回、高病原性鳥インフルエンザが発生いたしまして、関係農家の方に大変大きな災難が見舞われたことを大変残念に思っているわけでございますけれども、その経営再建策につきましては万全を期していきたいというふうに考えております。 具体的に申し上げますと、委員まず御指摘がございました、発生をいたしました農家に対しましてでございますけれども、発生いたしました農家におきましては殺処分をしていただくということになるわけでございますが、その殺処分につきましては国の方から手当金という形で一定の補償をさせていただくという形になっております。 また、経営の大きなダメージを受けるわけでございますので、経営の再開に向けまして大きな運転資金を必要とするわけでございますが、これにつきましては低利の融資制度を設けておりまして、しっかりと応援していきたいというふうに考えているわけでございます。 それからまた、周辺農家におかれましても移動制限が掛かるわけでございます。移動制限につきましては、先ほど委員が御指摘がございましたように、移動制限が掛かっても、PCR法等々をもっと活用いたしまして早期に出荷再開の確認ができるような取組もしておりまして、現に昨日段階で七戸の採卵鶏の農家につきましては出荷再開の運びになったわけでございますけれども、そういったものを急がせると同時に、他方におきまして、出荷ができない間の売上げの減少分につきましても、国と地方公共団体、県が一緒になりまして助成金という形で一定の補償をしていくという形になっております。 それから、経営を維持していくためには大きな運転資金が必要でございますが、それにつきましても、やはり長期低利の融資制度という形で支援をさせていただくという形を取っております。特に、この資金制度につきましては従来鶏が対象になっておりましたけれども、ウズラにつきましても今回新たに対象に加えまして、しっかりと経営再建に向かうように応援をしていきたいというふうに思っておる、もう既に対象に加えましたので、応援していくという考えでございます。 これらの対応策を総合的に講じまして、今回大変な災難に見舞われました農家の方々に、経営再建に向けて国、地方公共団体、融資機関一体となりまして支援をしてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○舟山康江君 今様々な経営支援対策をお聞かせいただきましたけれども、このウズラも含めた養鶏農家の経営も決して今現在楽なものではないと思います。非常に収益性も悪化して厳しい状況の中で殺処分に追い込まれ、またこういった出荷停止に追い込まれ、その手当として評価額、殺処分した鳥の評価額の一部ですよね、すべてじゃないわけですよね、一部を手当として支給するだけでは、やはりなかなかこれ経営再建難しいんではないか。また、運転資金の融資というのを、融資というのは当然ながらいずれ返さなければいけないものであって、非常にここで受けた融資というのが後々重く負債としてのしかかってくる。さっき金子委員からも、いろんな今畜酪経営の中で負債が非常に重くて厳しいというようなお話、説明ありましたけれども、そういう中で、この融資とか一部の手当というだけで本当に再建ができるのかという疑問が非常にあるわけです。 そういう中で、過去の鳥インフルエンザ発生の際に殺処分を行った農場、こういった形で経営再建対策を受けた農場、たくさんあると思いますけれども、その中で殺処分を行った農場が幾つあって、そのうちどのぐらいの農場が再建できたのか教えてください。
○政府参考人(竹谷廣之君) お答えを申し上げます。 我が国の場合、高病原性の鳥インフルエンザにつきましては、平成十六年、それから平成十七年、それから一年飛んで平成十九年に過去発生をいたしているわけでございます。それらの中で直接殺処分に御協力をいただいた農場というのは、一つの愛玩性の鳥を飼っていたところを除きますと、四十八の畜産として取り組んでおります農家があったわけでございます。 それらの農家につきまして、先ほど申し上げました総合的ないろんな経営支援策を講じたわけでございますけれども、そういう中で、四十一の農場につきましては既に経営を再開して行っております。また、三農場につきましては現在再開に向けて準備をしているということでございます。残念ながら四農場につきましては、親会社の方でやめるというような方針が示されたとか、あるいはほかの事業の方への転換をしてしまった、転業をしてしまったというようなことで、四農場は再開に至っていないという形になっているところでございます。 しかしながら、それぞれの経営の方針もございますけれども、先ほど申し上げました手当を国、あるいはさらに地方公共団体が補完していただきながら総合的に講じて、今回の災難に遭われました農家につきましてもしっかりと経営再建策を講じて応援してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○舟山康江君 まさに、自らの落ち度によって起こったものというよりは、やはり災害だと思いますので、そういった面で本当に経営再建ができるような支援を是非よろしくお願いしたいと思います。 次に、体細胞クローンについて少し今後の取扱い方針などをお聞かせいただきたいと思います。 二月二十四日、食品安全委員会の新開発食品専門調査会でしょうか、ここにおきまして、体細胞クローン技術で生まれました牛や豚やその子孫について、いわゆる食品として安全とする評価書案が了承されました。 それはそれとして、農水省として、一九九八年に世界で初めて体細胞クローンの牛が誕生して以来、現在、五百頭を超えるクローン牛、ほかに豚やヤギも、豚なんか大分多いですけれども、クローン牛が誕生しています。このクローン牛についてどういう成果を期待して研究をしているのかということをお聞かせいただきたいと思うんです。 といいますのは、たしか以前は良質な肉を安価に提供するということも目的だったと思いますけれども、今それがどういう目的になっているのかということで、かなり国の機関でも県の機関でも相当、恐らくそう安い費用でできるものではない、今、かなりコスト的に掛かるので商業ベースにはなかなか乗らないんじゃないかという声を聞くわけですけれども、そういう中でまさに何を期待してクローン研究をしているのか、その基本的なクローンの位置付けをお聞かせください。
○政府参考人(佐々木昭博君) お答え申し上げます。 今お話がありましたように、我が国におけます体細胞クローン研究でございますが、平成十年に我が国で国内で初めて出生して以来、農林水産省所管の研究独立行政法人あるいは各道県の研究機関等におきまして五百五十七頭の出生が報告されております。この数字は昨年九月三十日時点での集計でございます。 これらの体細胞クローン研究でございますが、畜産における優良種雄牛選抜、いわゆる種牛、種雄でございますが、このための能力検定の効率化などに利用可能な技術として期待されておりまして、このほか、有用な実験動物の作製、あるいは絶滅が危惧されている希少種の保護、再生、こうした利用の可能性が想定されております。 御指摘のありました生産につきましては、現在の技術水準でかなり作製効率が低いという現状から、すぐにこうした場面への適用というのは難しい状況にあるというふうに考えております。
○舟山康江君 今の御答弁の中で、やはりそういった、基礎研究というんでしょうか、遺伝子レベルの基礎研究なり優良種牛の保存なり、そういった部分を目的に今クローン研究を各都道府県なり国で進めているというお答えでしたけれども、そういった意味で、商業生産されることはまず当分ないという理解でよろしいんでしょうか、商業生産に向けられることはないということでよろしいんでしょうか。
○政府参考人(佐々木昭博君) 先ほど御答弁させていただきましたように、現在、作出効率が一〇%以下ということでかなり低い状況でございますので、現実的には困難な状況にあろうかと思っております。
○舟山康江君 そうしますと、今回、まだ案が了承されたということで食品安全委員会に、今月に正式に決定されると、その過程で多分パブリックコメントなんかも求めていくんでしょうけれども、この中、商業生産されることなどまず今のところ考えられないものに対して、なぜ今食品安全委員会において、こういったクローン技術でできた牛又は豚が安全である、一般の牛と発育の違いはなく、肉や乳についても安全上問題となる差異は認められなかったと、そういうようなものをここで今決めようとしているのかちょっと理解できないんですけれども、それはなぜなんでしょうか。
○政府参考人(佐々木昭博君) こちらの方は、科学的な根拠に基づく評価ということで理解をしておりまして、現実の生産があるかどうかということが必ずしも前提になっているのではないというふうに理解しておりますが。
○舟山康江君 どうも、ここで国内で生産される見込みのないものについて安全、そういった生産されるとすれば安全だと、食用に回されるとすれば安全だということのお墨付きを出そうとしていると思うんですけれども、これは想像するに、例えば輸入、そういったものが輸入されたときにこれが安全だということをここで言えることになってしまうと思うんです。まさにそういった、特にやっぱりアメリカなんかでも随分と、まだ商業ベースには乗っていないという話ですけれども、随分この体細胞クローン牛が誕生していますけれども、そういったものが万が一もっと量産体制になったときに、輸入して、そのときの輸入条件として今ここである程度確立しておこうという、そういった意図があるように思えてしまう部分があるんですけれども、そういったことは、そこはどうお考えなんでしょう。
○政府参考人(佐々木昭博君) 私どもとしては、そういった点を必ずしも考慮して、考慮してといいますか、前提としているわけではございません。
○舟山康江君 是非、そういった、何というんでしょうか、そういうやはり、今畜産経営が非常に厳しい中で、畜産農家、特に肉牛生産農家なんかは、こういった動きも非常に注目していると思うんです。なぜ今こんなことをやっているんだろうと、もしかしたらという非常にこういう疑念を感じられていると思いますので、是非そういった疑念が起きないように、しっかりここはガイドラインを引いていただかないと、私は安心して畜産経営に取り組めないと思います。また、消費者の不安もありますけれども、何といっても現場の畜産農家が非常に不安を感じているんじゃないかと思います。是非そこは、まだ正式に評価が出ていませんけれども、正式決定はされていませんけれども、是非そのガイドラインというんでしょうか、そこをきちんと検討いただきたいと要望申し上げておきますけれども、よろしくお願いします。 次に……
○委員長(平野達男君) 答弁はいいですか。答弁はよろしいですか。
○舟山康江君 じゃ、お願いします。
○政府参考人(佐々木昭博君) まだ食品安全委員会での検討が完全に終わっていない状況ですので、こうした検討の推移を見守っていきたいと考えております。
○舟山康江君 見守るだけではなくて、農林水産省として、是非しっかりと監視をしてガイドラインを作るように働きかけていただきたいんです。私はそういった方向性が必要だと思います。その食品安全委員会の立場と同じ役所とはいえ、やはり農業の振興、畜産の振興を担当する農林水産省として、しっかりとそういった部分、どんどん入ってきていいというお考えなら別です、そうじゃないのであれば、そこをきちんと取扱いを省内で御議論いただいて、しっかりと監視、チェックをしていただきたいと思うわけなんですけれども、大臣にうなずいていただいたんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 技術会議だけでお答えをできる問題ではございません。私が答弁をすべきでございました。ごめんなさい。 かなり問題意識は共有はいたします。そういうことであろうと思っておりますが、当省だけでガイドラインを作るということを今ここで断定的に申し上げることはできません。食品安全委員会あるいは厚生労働省等々とよく協議をして、食の安全というもの、あるいはモラルにもかかわってくることかもしれません。御指摘を踏まえて、省として、よく検討をして、他省とも協議をし、方向性は出していかねばならないと考えております。
○舟山康江君 是非、正式決定される前にしっかりと方向性を示していただきたいと思います。 それでは、畜産、酪農の対策に移りたいと思いますけれども、やはりこの対策に関しましては、中長期的なものと短期的なものとやっぱり分ける必要があるのかなと思っているんですけれども、私は、中長期的に今の日本のこの畜産、酪農、今農林水産省も鋭意進めておりますけれども、飼料自給率の向上を図り、総合的な自給率を向上させていこうという方向は本当に正しい方向だと思いますし、これからもっと力強く更に対策を進めていただきたいと思いますけれども、一方、まず今そこにある危機にどう対処するのか、今困っていることにどう対処していくのか、それも、そういった短期的な対策もやはり必要だというふうに思います。 そういった中で、まず配合飼料価格につきまして、先ほど金子委員からも指摘がありましたけれども、今、今年の一—三月で大きく下がったものの、やはりまだまだ高い水準にあると思います。価格決定要因の、先日聞いたところによりますと、大体八割ぐらいは輸入トウモロコシの価格に左右されていると聞いていますけれども、やはり為替とか運賃とか、様々な要因によってこの配合飼料価格が決まっていくと思います。 そういう中で、先ほど来、タイムラグがあるのでなかなか価格の下落、そういったトウモロコシ、為替、運賃、そういったものの下落とリンクするような形で今の価格が決まっていないんだと、そういったお話がありましたけれども、非常にやはり今見ていて価格決定のメカニズムが不透明だと思います。 確かにタイムラグは分かります。今の一—三月の価格というのは十二月に決まっておりますし、恐らくこのときにある飼料というのは、多分一か月、二か月掛けて運んでくるわけですから、例えば十月ぐらいのトウモロコシ、そのときに運んだ船賃、為替が影響していると思いますけれども、そういったことを考えても、例えば昨年の十月のトウモロコシの価格を見ますと、いったん高騰して今落ち着いたところに来ているわけなんです。かなり低い水準に戻っていました。その水準というのは、一昨年の大体秋ぐらいと同じような水準なわけなんです。しかも、それプラス海上運賃や為替というのは一昨年の十月の段階よりも更に下がっているというんでしょうか、為替は円高に動いておりますし、海上運賃は下がっていると。そう考えると、少なくとも一昨年の十月から一月ぐらいにかけての飼料価格ぐらいには下がってもいいんじゃないのかなという気がするんですけれども、見てみますとそれよりもかなり高い、五、六千円高い水準、まだまだ五、六千円高い水準になっています。 そう考えると、非常に、適正にヒアリングをしながら、そごがあれば細部調査をしますということを先ほど御答弁ありましたけれども、やはり私は、農家にとってはその価格がそれこそ幾らになるのかというのは非常に大きな問題なわけです。経営費の相当な部分を飼料費が占めるという中で、非常に大きな問題。それこそもう百円でもいいから、二百円でもいいから下がってもらいたいという中で、私は非常にまだまだ高過ぎるんじゃないかというような思いをすごく強く持っているわけです。 それぞれのメーカーの価格決定の、どういう背景で価格決定しているのかという、公表されている公表ベースで見ましたけれども、非常に漠然としていて分かりにくい。そういう中で、私の認識は、少なくともまだまだ下がるんじゃないかと、今回の一—三月の価格もやはりそれを考えると高過ぎるんじゃないかと、そんなふうに思うんですけれども、農林水産省の御認識はいかがでしょうか。
○政府参考人(本川一善君) 先ほども申し上げましたけれども、要素としてはトウモロコシの価格と運賃と為替の相場、これが大きな要素となるわけでございます。確かに三ドル直前まで下がった時期がございます、ブッシェルでですね。ただこれ、半月も続いていないんですね。日本海溝のように下がった形でございまして、それはまた四ドル水準ぐらいまで戻しておる、三ドル八十セントぐらいでこのところ数か月は推移しているというような状況でございます。それからもう一つは、船腹、運賃にしましても、相当先まで、船が足らなかった時期には先まで予約をしているというような事情もございますし、これはいろいろな要素がございます。 私どもも、私が直接聞いているわけではございません、関係の担当の専門の職員が聞いているわけでございますけれども、価格改定の際にはそれぞれやはり聞かせていただいて、非常に大きなそごがあるようなものについては疑問を持ち、いろいろ調査をさせていただくということはやっておるところでございます。 先ほど申し上げましたが、この一—三月の前提となっている要素を比べますれば、四—六月については更に下の方に向かうベクトルが働くということではないかというふうに考えておるところでございます。
○舟山康江君 いろいろな要素でというのは分かりますけれども、やはり、先ほど申しましたとおり、非常にこの価格決定のメカニズムが見えにくい、分かりにくいと思います。我々でさえおかしいんじゃないのと思うわけですよ。それは、それこそ生活を懸けて農業、畜産、酪農に取り組んでいる方はもっと非常に厳しい目で見ているんじゃないかと思うんです。そういった方々にきちんと説明できるような形で決まっていかないと、やはり私は本当にここも、そういった、何というんでしょうか、そうしないと非常に、今ただでさえ経営が厳しい中で、本当に希望を持ってこれからの経営に取り組めないと思うんですね。まさにそこをきちんとチェックして公表するような、透明化を図っていくようなことをしっかりと監視するのは国の役割ではないかと思うわけです。 もちろん、これは民間が価格を決めているのはそうなんですけれども、やはり、さっき金子さんも言っていましたけれども、税金も入っています、しかも経営に直結する問題ですから、そこは是非厳しい目を持ってしっかりと、場合によっては、どういう要素でこうなったということを透明化を図ってしっかりと公表できるような体制を取っていただきたいと思うわけですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(本川一善君) まさにおっしゃるように配合飼料会社というのは自由な企業で、アメリカから大量のトウモロコシを持ってきて酪農家に届ける、それも代金決済を何か月か猶予するというようなことまでやって競争している企業でございます。ですから、その価格内容自体を、あるいはどのような調達をするかとか、どういうようなサイトで何を持ってくるかとか、そういうところまで明らかになるような形での価格公表というのはなかなか適切ではないのかなと思います。 ただ、この企業の要するに競争を促す、例えば従来は、昔は配合飼料基金というものはそれぞれメーカーごとに、商系のメーカーだとか全農とか、そういう形で固定的に決まっておりまして、なかなかその基金を移るということはできなかったわけでありますが、今はそういう基金を移るということも自由にいたしまして、配合飼料メーカーを農家が選べるというような状況をつくっております。ですから、そういう競争の中で、不当な価格を形成するようなところについていえばだんだんと淘汰をされていくという、そういうような形をやはり目指していくべきではないかな。 ただ、余りに不当なものについては、私ども事前に情報をいただけるときにいろいろと情報を収集をしていくということをやっていきたいというふうに思っておるところでございます。
○舟山康江君 逆に言えば、メーカーごとの価格の差が余りないんですよね。そちらの方が逆に何か非常に不思議な気もするわけなんですけれども、いずれにしても、やはり上がるときは簡単に上がるけれども、下がるときには何かスピードが遅いんじゃないかというような懸念を抱かれないように、しっかりとそこは監視いただきたいということをお願い申し上げます。 次に、飼料費が依然として高い水準にある一方で、食肉需要、先ほどこれもお話ありましたけれども、低価格化志向が進んで、特に牛肉、まあ高級牛肉の消費が大分落ち込んでいます。価格が低迷して収益性が悪化しているそういった肉牛生産に関して、いわゆるマル緊事業、補完マル緊事業というものがあるわけですけれども、補完マル緊事業というのは、物財費割れのときにその六割を補完するというものです。これは、それこそないよりあった方がましではありますけれども、物財費割れというのは、それこそ全く、それこそ労賃を割るぐらいであれば、自分が我慢して、自家労働分の収入を我慢すればいいわけですけれども、物財費を割るというのは、非常にこれは経営に大きな打撃を与えるわけです。逆に言えば、作れば作るほど赤字になってしまうということでありますので、ここはしっかりと、それこそ所得をしっかりと確保するような対策、抜本的な対策が必要だと思いますけれども、この経営収益性の悪化に対する抜本対策をどう考えているのか、また今後の食肉の振興方針をどう考えているのか、お聞かせください。
○政府参考人(本川一善君) マル緊対策と申しますのは、例えば和牛を購入いたしますと飼育に二十か月掛かります。ですから、高いときの牛を購入いたしまして高いえさを食べさせて、実際売るときに安いお肉でしか売れないということになれば、そこに赤字が生じます。ただ、その時点で、本来であれば肥育経営は導入する子牛を安く買うような努力をしていただく、そのような形で次の経営を再建に向けて取り組んでいただくわけでございますが、そこに大きな損が一時的に生じますので、その部分を穴埋めするというのがマル緊対策でございます。いわゆるそのタイムラグを補うという対策でございます。 そこに物財費の割れがあるということで非常に御苦労をしておるということで支援をさせていただいておりますが、もし仮にこの物財費部分を全部補てんするということになれば、次の経営に向けての経営の御努力というものが期待できなくなるのではないかという心配をいたしております。それにつきましては、やはり経費の節減でありますとか、子牛価格を安く購入するような御努力をいただくとか、そういうことを是非お願いするという意味でその六割の補てんということをさせていただいていますが、ただそれでなかなか厳しいということで、更にその上に五千円なりの対策を措置をしておるということで御理解いただきたいというふうに考えております。
○舟山康江君 今の御答弁は、ちょっと聞き方によりますと、支援をすれば農家がサボるといった、そういうふうにも聞こえたわけなんですけれども、私はそんなレベルではないと思うんですね。 もうこれは、肉牛もそうですし、酪農も同じです。結局、ちょっと時間がないので余り詳しく言いませんけれども、生乳についても、生産努力目標よりも、現状、実際は非常に生産量が低い水準になってしまっています。しかも、二歳未満の乳用雌牛の頭数が非常に今、二年前に比べて一二%も減っているという状況で、次、予備軍なわけですよね。乳を搾る予備軍が非常に少ないという状況で、これから目標はもっともっと乳用を増やしていきましょうと。 さらに、今チーズの需要が増えているということで、チーズ向けをどんどん増やそうというような方向もあるわけですけれども、こういう、今なぜ、さっきの金子委員の資料にもありましたけれども、酪農家の戸数も畜産農家の戸数も減っているのか。それはいろんな、やはり経営状況が厳しいということにあるわけであって、そこを何とかカバーしていかないと、特に生産費を割っているような状況を何とかカバーしていかないと、私は抜本的な畜産や酪農の対策にはなっていかないと思います。 是非、そこをしっかりと、先ほどの御答弁を聞いていますと、皆さんそこは認識されていると思いますので、是非やはり生産費、しっかり所得をきちんと確保するというような方向で対策を打っていただきたいということを要望したいと思います。 ちょっと時間がないので最後になりますけれども、中長期的な対策として、飼料自給率向上の一環として、今年度から本格的に飼料用米の利用拡大に向けたいろんな施策が組まれるような、今年度というか二十一年度ですね、二十一年度から本格的にそういった取組に乗り出すという方向であるようでありまして、実は私は、山形県で遊佐町におきまして飼料用米の取組は大分先進的にもう何年も前から取り組んでいますので、そういった意味では、そういった取組が国の大きな取組に結び付いたという意味で非常にうれしく思っている部分もありますけれども、やはりこの飼料用米の生産拡大、利用拡大のためにはいろんな課題があると思います。 まず一つには、やはりこの飼料用米は主食用米に比べて価格が安いということもありますので、どうしても一定の助成が必要なんだろうと思います。そのほかに、高単収品種の選抜とか育成、また、なるべく低コストでやるためには直播の取組、いろんな技術の確立も必要だと思います。 さらに、大きな問題として、たしか昨年まで、なぜ耕畜連携水田活用対策事業の中で飼料用米が取り上げられなかったかという理由の一つとして、主食用米との分別がなかなか難しいということがあったように聞いていますけれども、やはりそこは非常に大きな課題だと思います。分別集荷、分別流通の徹底が必要だと思います。 もう一つ、作ったはいいけど本当に売れるのか、販売先はどうなっていくのか。やはり、依然として輸入の配合飼料価格に比べてどうしても割高になる、若しくは安くなきゃ買ってもらえないとなると、作ったはいいけど売れないというふうな状況になってくると思います。 その辺、総体的に対策をきちんと御検討いただいているのかどうか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(本川一善君) 飼料米については、私どもも、自給率を上げていく、あるいは飼料自給率を上げていく上で非常に有効な作物だと思って取り組んでいるところでございます。 対策といたしましては、まさにその価格差を、コスト差を補てんするということで、昨年は、流通経費への助成も合わせまして四万八千円の十アール当たり助成だったものを、今年は、そういうものも含めますれば、二万円アップさせまして六万八千円という支援をさせていただくようなことで予定をいたしております。 それから、まさにおっしゃるようなマッチングの問題がございます。これについては畜産農家にアンケートを取りまして、たしか一万四千ヘクタール分ぐらいまで使えるといったようなアンケートを私ども数量集めておりまして、それを耕種農家の方にお渡しをして、さらに耕種農家の方から畜産農家の方へフィードバックをするといったようなマッチングの取組を今行っております。 それから、保管倉庫でありますとかそういうような施設、そういうものも必要になるということでありますれば、これも補助事業を用意いたしまして支援をしてまいりたいというふうに考えております。 いずれにしても、水田をフル活用する上で非常に有効な取組でございますので、畜産サイドからも、あるいは、私、耕種サイドも担当しておりますが、両方から、それぞれマッチングをさせながら取り組んでまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○舟山康江君 終わります。
○山田俊男君 山田俊男であります。 各方面で大活躍されておられます石破大臣と初めて質疑を交わすことができるわけでありまして、大変ありがとうございます、よろしくお願いします。 ところで、今回の畜産の政策価格の決定は大変重要な意味を持っておるというふうに思います。飼料の高騰が続いた中で、大変コスト高に苦しんでおります。しかし、その一方で卸売価格ないしは市場価格はこの経済危機の中で低迷しているわけでありますが、大臣が日ごろおっしゃっております永続的な農業経営、持続的な農業経営を図っていくということになる、今この剣が峰に来ているんではないかという思いであります。 といいますのは、畜産経営はともかく今大変苦しんでいるわけでありまして、このままでは離農がどんどん進むという心配であります。そうなりますと、今こそ経営全体を安定させていくという対策が必要になるわけで、そこへ踏み出していく、その初年度になっていくんではないかと、こういうふうに考えるからであります。 ところで、酪農家は、最近の都府県で見た数字でいいますと、前年比で、八%これは減ってきているわけであります。施設型ですから、更に大規模化して施設型にしますから、いったんやめると、もう離農したら元に戻らないと、こういう実態にあろうかというふうに思います。 ところで、飲用乳については昨年の四月に三円上げました。そして、今年の三月から十円上げるという取組になっているわけでありますけれども、ともかく十円分はまだ生産者の元に届いていないわけであります。今後課題になりますのは、今後というよりも、まさに今この時点で、小売メーカーも、それからさらには飲用乳業のメーカーも一体小売価格をどういう形で設定するかという大変困難な交渉に入っているかもしれないわけであります。 といいますのは、先ほど来からも議論がありますように、この景気低迷の中で飲用の需要がずっと減っていくという心配があるわけで、このまま値段が上がらない、そして生産者にはしかるべき価格を払わなきゃいかぬということになったときに、中小の乳業メーカーは大変な困難に遭っているという声も聞こえてくるわけであります。間に立つ飲用乳業のメーカー、とりわけ中小メーカーが経営できないということになったら、生産した牛乳は一体どういう形で消費者に届けるのかという大問題を抱えるわけであります。そうなってしまいますと、それこそ本当に根底から我が国から酪農がなくなる、新鮮な牛乳が飲めない。率直に言えば、こんなことは絶対起こしてはなりませんが、メラミン入りの牛乳になってしまうということになったら、それこそ大変な事態であるわけであります。 ところで、加工向け主体の北海道の酪農に対しましては補給金の仕組みがあります。しかし、補給金の仕組みは、価格対策全体のうち、加工原料乳の取引価格が、これはメーカーとの間で取引が決まっていくわけでありますけれど六十五円内外、一方、この補給金の水準は十一円八十五銭という水準です。この十一円八十五銭にいろんなコストを反映させるということになっているわけですが、十一円八十五銭にコストを反映して掛かったにしても、元々単価が小さいですから、そのことが経営全体を支えていく所得補償になるには極めて不十分なものでしかないわけです。 しかし、この十一円八十五銭の水準はやっぱり大事でありまして、ここがしっかりしたものになることによって、都府県の牛乳は、それこそそれに支えられて都府県の牛乳が存在しております。都府県の牛乳は、しかしそうであっても、乳業メーカーとの取引の価格設定の中でしかまさに価格を決められないという事態にあるわけであります。このままでは本当に都府県から酪農が消えてしまうのではないのかという心配であります。 じゃ、北海道から生乳を入れてくればいいじゃないかということでありますけれど、その北海道にしても牧草のやっぱり確保に一定の限界があるということでありますし、更に大事なのは、出てきますふん尿を堆肥化して、それを還元する牧草にも当然限りがあるわけであります。北海道から都府県に牛乳を持ってくるときに堆肥を一緒に運んでこれれば、それはそれで一つの手だてかもしれませんが、そんなことはもう到底できないわけであります。 こうなってくると、都府県で本当に新鮮な牛乳がちゃんと飲めるのかということと同時に、もう一つは、やはり都府県におきまして酪農があって、その堆肥があって、その堆肥が新鮮な野菜の生産につながっている、耕種農家の、健康な安全な耕種農業につながっているということがあるわけであります。そうした意味合いからしましても、酪農経営に対する所得補償の仕組みと、それと価格保証をきちんと行える乳業メーカーと生産者団体との交渉の仕組み並びにその交渉を行う体制について大変大事な課題になってくるというふうに思っております。 さて、これらのことについて大臣の考えをお聞きしたいと、こう思います。
○国務大臣(石破茂君) 多岐にわたって御指摘をいただきました。全部お答えができなければ、また後から御指摘をいただければと思っております。 私は、都府県の飲用乳について、これをきちんと残していかねばならないと思っております。それは家族酪農が多いわけでございますが、そういうものはきちんと残していかねばならない、そういう認識は持っておるところでございます。 十円上げるわけですけれども、さて、そうすると消費が減るわけで、セーフティーネットはちゃんと張らなきゃいけないねって話は今日ずっとさせていただきました。それをきちんとやるということであります。そして、再生産が可能となる乳価を確保するということが最も重要なわけで、二十年度におきましては二次にわたってこれを引き上げたわけでございますが、今後ともそういうような臨機の対応というのはしていかねばならないと思っております。 問題は、生産者の皆様方の団体において生乳販売の権限が一元化されていないというのが大きくて、これが交渉力の強化をディスターブというか阻害しているということになっておるわけでございます。このため、大規模な貯乳施設とか大型ローリー車とか、そのような集送乳合理化、このハード整備を通じまして生産者団体の機能強化を図りたいと考えております。 昔話をしますと、今から二十年ぐらい前ですかね、私、当選二回のころ、自民党の酪農畜産対策の委員長なぞというものをやっておりました。そのころ委員ともいろんな議論をさせていただいたことを覚えております。当時と余り、もちろん不足払いみたいな制度でしたから、当時は、それとは少し変わってきているわけでございますが、やはり北海道と都府県というのをどう考えるかという問題。それから、中小のメーカーと大メーカーというのも、これもまたいろいろ現場へ行くと複雑な関係にございます。資本力に物を言わせてということになっちゃうと、中小のメーカーってやっていけなくなっちゃいますんで、これをどう考えるかということも私の問題意識にございます。 もう一つは、大規模量販店というものをどのように考えるか。大規模量販店において、どおんと目玉みたいに安売り牛乳なぞというのが出てくるわけでございますが、これをどのように考えていったらいいのか。 いずれにいたしましても、一つ一つはちっちゃな酪農家の方々の価格交渉力というものをきちんと持っていただくということが一番肝要なことではないかと私は認識をいたしております。
○山田俊男君 大臣のおっしゃいます生産者団体の販売の一元化、さらには生産者団体の機能強化が必要だという問題意識は、私もそのとおりだというふうに思いますので、是非御決定になります政策・価格対策の方向にしっかり盛り込んでいただきたい、こんなふうに思うところであります。 ところで、公正取引委員会の中島部長さんにお願いしたいわけでありますけれど、ともかく昨年十月に十円上げますよというふうに決めましたけれど、それは具体的にはこの三月からやりますと、こうなっているわけであります。今後はというよりも、まさに今、この時点でもうそうかもしれませんけれど、乳業メーカーとバイイングパワーを持ちます大規模量販店との間で小売価格をどう決めるかという大変な交渉になっているんではないかというふうに思います。 公正取引委員会は、我が国の牛乳を取り巻く事情を十分踏まえていただいた上での適切な対応が必要だというふうに考えますので、その考えをお聞きしたいと思います。
○政府参考人(中島秀夫君) お答え申し上げます。 今委員お話のありましたとおり、飼料価格の高騰等を受けまして、昨年来、乳価が二回にわたりまして改定が行われているということは私どもも十分承知しております。 今後とも、各取引当事者間におきまして引き続き十分な協議がなされることが何よりも望ましいと考えておりますが、私ども公正取引委員会といたしましても、委員の今お話のありました大規模小売業者によります中小の乳業メーカー等の乳業者に対する優越的地位の濫用等の違法行為につきましては、これが行われないよう状況の推移を十分注視してまいりたいと考えております。
○山田俊男君 どうぞ、今お話がありましたように、円滑な小売価格の決定ということについて是非監視、見守りをお願いしたいと、こんなふうに切にお願いするところであります。 さて、肉用牛は、これも飼料高騰の中で、繁殖農家は子牛の価格が上がらないとやっていけないわけであります。これを買って飼育する肥育農家は、子牛価格が上がって、かつえさも上がっているわけですから、相当の卸売価格が、市場価格が決定しないと経営がやっていけないということであります。しかし、これについては、これも消費者の家計が締まっているものですから、需要が伸びない。結果として、価格は低迷しているし在庫も増えていると、こういう事態にあります。 繁殖農家の子牛対策としては、三つの事業が手を打たれております。かつ、肥育農家の肉用牛については、マル緊と補完マル緊という形での経営安定対策が講じられているわけであります。これについて、もっと分かりやすい仕組みにできないかという声がいっぱいあるわけでありますが、それにこたえる検討がどんなふうになされているか、是非お聞きしたいと思います。
○政府参考人(本川一善君) 分かりやすい仕組みにしたいという気持ちは強く持っております。 ただ、税金を投入する形になりますとすれば、やはり永続的に税金を投入するということではなくて、やはり一定の御努力をいただいて、いずれはその投入が必要でなくなるというような姿をつくっていくということが必要であろうかと思っております。 例えば、子牛の価格が四十万円を割り込んだというような事態でありますと、やはりその安くなっているのは、なかなか母牛が随分お年寄りでいい子牛が生まれないからだとか、いろいろな要素がございます。そういうことを考えまして、四十万円を頑張った方には補償すると、補てんをするという考え方の一つとして、やはり次の種付けのときにいい精子を付けていただくとか、そういったような御努力をいただいた場合に一定の支援を差し上げるといったような事業を講じさせていただいております。仮にこれを一本化しますれば、保証基準価格というのは一定の価格を割り込んだら必ずお払いするということになるわけでありまして、そういう政策目的なりとの兼ね合いを含めて検討してまいりたいというふうに考えております。 ただ、今申し上げましたように、一定の目的に取り組んでいただいた場合に一定の支援を差し上げるということがやはり最低限必要ではないかなと思っているところでございます。
○山田俊男君 是非、分かりやすい仕組みであることがまた生産者に元気を出させる源になるということでもありますので、大変難しい課題を抱えておられるということはそれなりに承知しているつもりでありますけれども、その努力をやっていただきたい、こんなふうに思います。 ところで、こんな困難な環境に置かれながら、これは野村政務官に是非お尋ねしたいわけでありますが、私は、鹿児島で肉用牛農家の現地調査をさせていただいたわけであります。この肉用牛経営の基礎となる子牛の繁殖農家について、鹿児島県の例を見ますと、七十歳以上の繁殖農家の数が全体の繁殖農家の五六%を占めていますと。さらに、飼養頭数では二〇%も占めていると、こういうことであります。そして、聞きますと、これらの農家こそが優良繁殖牛を大変大事に育成しているということでもありますし、一方、中山間地等耕作放棄地となりがちな畑で牧草地化を進めていると。大変な努力をやっているわけで、こうした七十歳以上の高齢農家がこの繁殖農家ないしはこの肥育農家の子牛対策を支えていると言ってもいいかというふうに思います。 こうした小規模な高齢農家、これを大事にしていくということが我が国の、牛はもちろんでありますけれども、地域を守るという意味でも大変大事だというふうに思うわけですが、これらについて一体どういう政策を行おうとされているのか、お考えをお聞きしたいと思います。
○大臣政務官(野村哲郎君) お答え申し上げたいと思いますが、山田先生とは、つい先般も鹿児島の繁殖農家を調査をしていただきました。ただ、あの農家は規模も比較的大きいし、そしてなおかつ後継者でございましたので、言わば今の御質問の内容とはちょっと違う農家でございました。 ただ、今、先ほど御指摘のございましたように、繁殖基盤というのは大変脆弱といえば脆弱なんですが、高齢者の方々で支えておるというのは、これはもう事実でございます。 全国的には、先ほどのお話のとおり、七十歳以上で大体三割強、三三%、私の鹿児島では四四%という、大変、七十歳以上の元気なお年寄りがこれを支えているという状況でございます。しかも、また鹿児島のお話させていただきますと、この農家の皆さんが飼育している頭数というのは二万八千五百頭おります。十三万五千頭の中の二万八千でありますので二割、二四%ぐらいになると思うんですが、非常なウエートが高い、重要な役割を担っておるというふうに認識をいたしております。 ただ、お年寄りが一番何が困っておられるのかというと、やっぱり日常の仕事についてはさほどお困りじゃないんですが、要は子牛を市場に持っていく、車に乗せる、そして搬送していくという、そういった引き出し等なかなかこれが難しいんで、私ども農水省としてはヘルパー活動推進事業等々でお助けを、お手伝いをしていると。こういった事業を全国で、事業規模でいくと八億ぐらい出ておりますが、これをますますやっぱり拡充していく方向が必要だろうと、こんなことも考えております。ただ、いずれこういうお年寄りの方々は近い将来にリタイアされていくであろうというふうに思いますので、やはり世代交代というのも必要であります。 そういった新たな農家の参入とか、あるいはまた規模拡大等々にもいろんな施策を講じておりまして、おかげをもちまして、今、規模あるいは新規参入農家も増えつつございますので、どうにかこういう緩やかな世代交代を通じながら繁殖基盤の維持、そして強化に努めていかなきゃならないという認識でおるところでございます。
○山田俊男君 ありがとうございました。 次に、飼料米の対策につきましてお聞きしたいわけでありますが、本川局長にお尋ねします。 先ほど、舟山委員の質問に対しまして、飼料米対策の重要性はありますと、昨年の対策に比べて今年は二万円も対策費を増額しましたよというふうにおっしゃっておられましたが、ところで、二万円を上げていくという対策の内容には、まだこれは検討中だというふうに思いますが、稲わらをえさとして使った場合ということがあるようでありますが、ところが、養鶏農家に対する対策だったり養豚農家に対する飼料米の供給だったり、地域によりましてはそれこそ牛がいないという地域もあるわけでありまして、そういうところでは稲わらをそれこそえさとして供給することについては相当な制約があります。としますと、二万円上げましたよといったってそれは形になっていないわけであります。 是非、私が申し上げたいのは、御案内のとおり、昨年の対策で、飼料米をそれこそ、流通、加工、そして保管して供給するという、そこの流れに対してキログラム当たり二十五円、総額にして十アール一万三千円ですかね、そういう対策がなされていたと思います。まさか、それこそえさ米の対策を今度力いっぱいやっていこうというその初年度に、スタート台にして取り組もうというときに、この対策を、昨年限りの話でしたということにされるわけじゃないんでしょうねということを聞きたいわけでありまして、これは極めて大事な私の質問でありますので、適切に思い切って答えていただきたいと、こんなふうに思います。
○政府参考人(本川一善君) 先ほど御説明で最高六万八千円というふうに申し上げました。まさに御指摘のとおり、一般会計から五万五千円が交付されまして、畜産の関係の予算から一万三千円、これはわらまで利用していただいた場合にということでお願いをいたしております。 畜産のサイドで見ますれば、やはり植わっている稲を全部利用していただくということが畜産サイドにとっては最も理想的でございますので、そのような助成として一万三千円を交付したいというふうに思っております。それをやりますれば、単収なり単価にもよるのでありますが、わらの代金それから飼料用のお米の代金、全部合わせまして十万円を超えるか、あるいは少し切るぐらいの水準にまで農家の方の手取りが確保できるというふうに私ども考えております。 昨年との関係でございますが、昨年は緊急に飼料米を進めるということで、一般会計予算が御審議いただいている中で何らかの支援がということで、先ほどの一万三千円の流通助成というのは畜産の助成で措置をいたしましたが、その分につきましては、先ほどの五万五千円という一般会計の予算の中に二十一年度は吸収をして要求をし、今御審議をいただいているところでございまして、私どもとしてはそういうものを御理解をいただきたいなと思っております。 わらが利用できないようなところにつきましては、耕種側にとっては水田で転作作物である飼料米が作れるといったようなメリット、それから飼料米については、畜産サイドではオレイン酸が増すとかそういう肉質を良くするというようなメリット、そういうようなメリットを全体として御評価をいただいて取り組んでいただけるようにお勧めをしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○山田俊男君 どうも今の答弁では、まだ審議中なのかもしれませんが、私にとりまして受け入れられない内容のものでありますので、是非、それこそ海外の飼料穀物に全面的に依存していた我が国の畜産をきちっと転換していく第一歩としての飼料米の生産があるわけでありますから、畜産のサイドでもこれをスムーズに思い切って進めるための対策の一環として、今申し上げました対策は、ましてや昨年やった内容でありますから、昨年やった内容を引き続いて是非検討してもらいたい、こんなふうに強くお願いするところであります。 さて、もう一つ、これもなかなか大事な対策でありまして、近藤副大臣にこれは聞いておきたいと、約束してもらいたいというふうに思っているわけでありますけれど、水田フル活用対策と関連しまして、飼料米の生産については生産調整の拡大分に限るというふうに、原則はそうした。 しかし一方で、特認の仕組みということで、生産調整で何も作付けしていない調整水田や、それから、麦や大豆を作付けしていたとしても、条件が悪くて収量も低いところ等について地域水田農業協議会で認めれば、それは対象にしていくよという内容やに聞いているところでありますが、しかしこれでは大々的な取組を阻害しかねないという心配があります。 もちろん、きちんと作られている大豆や野菜、麦、この生産を壊すものであってはならないし、ブロックローテーションをやって計画生産をきちっと行っているという対策を壊すものでは決してないというふうに思いますが、しかし、飼料米の国内生産と、それと飼料として供給することによって良質な豚肉や鶏卵の消費者への提供という、大変、我が国の畜産の、これも何度も言いますが、転換の第一歩なんです。そういう意味合いでも、この取組を大胆に踏み出すといいますか、取組にしてもらいたいというふうに思っています。 といいますのは、私のふるさとの町で、十二人の青年農業者のグループは、仲間の養鶏農家に供給するために十二ヘクタール、九十四トンの飼料米の生産を昨年取り組んだんです。ところで、これ、三万五千羽の常時飼養の鶏に対して七%の混入に該当します。十三年間この鶏卵をやってきたその農家にとっては、この七%入れただけで、これほど外見も品質もいい卵を生産できたのは初めてだと、こう言っているわけであります。この混入を一〇%にしたいと、こう言っているわけです。そのために、飼料米の作付けを二十ヘクタールに拡大したいと。 ところが、私のふるさとはきちっと徹底して生産調整をやっているわけです。こういう地域に、この十二ヘクタールを二十ヘクタールに拡大するといったときに、対象じゃありませんよというふうなことを言って通りますかということなんですよ。 是非、これらの取組についてやはりきちっと踏み込んでいくという対策が必要だというふうに考えますので、副大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○副大臣(近藤基彦君) 飼料米については、これは重要な作物であるということはもう御認識のとおりで、我々もそう認識しております。一方、麦、大豆も今まで転作作目の中で大変重要に我が省としても扱ってきたわけであります。ですから、先ほど山田委員もおっしゃったとおり、麦、大豆で成功してきちんと団地化をしたり、ブロックローテーションや集落営農できちんと取り組んでいらっしゃって、なおかつ実需と結び付いたり、ある程度の利益を上げていらっしゃるところをわざわざやめて飼料米にするのかどうかというのはいかがなものかなと。 ただ、先ほど言ったように、条件が不利な場所、あるいは私の県でもそうなんですけれども、大豆を数年頑張ってみたんだけれども、なかなか固定払いはもらえても成績払いのところまでは届かないと、なかなか収入にならないというような条件不利な地域の人たちもいるわけで、ですから、そういうところは地域の協議会長さんとお話をして認めていただければ、あるいは連作障害が出てなかなか作れない、毎年毎年はなかなか難しいというようなところにちょっとローテーション的に飼料米を入れていただくというようなことは、そういう特認制度は設けてありますので。 ですから、規模を拡大するときのその規模拡大分の土地がどういうものであるかというものをよく、本当に意欲ある生産組合だと思います。ですから、そういった意味では大変意欲的に取り組んでいただけて有り難いわけでありますので、どうぞそこは地域の中でお話をいただいて、そこはどうしても規模を拡大しちゃ駄目ですよというような話は、我々も大いに規模を拡大していただきたいと思っていますので、これは麦、大豆も同じなんですよ。麦、大豆も規模を拡大していただきたい。水田もフル活用していただきたい。その地域の農家の皆さん方に、どういうものが一番その地域に合っているのか、それを選択の幅を広げたということでありますので、どうぞそういうふうに御理解をいただきたいと思います。
○山田俊男君 もう、すぐ終わります。 副大臣、このことも、実需と結び付いたこの取組は畜産農家と稲作農家との間の連携として地域であるわけでありますから、それを増やしていくというための対策としてこれは是非必要なので、このこともまだ時間がありますからしっかり検討の上決定いただきたい、こんなふうに思います。 ありがとうございました。
○風間昶君 公明党の風間ですけれども、去年の十一月、石破大臣がごあいさつをされたときに、昭和六十一年から当選してずうっと農水をやってきたと、政務次官からいろいろおっしゃっていました。その中で、八項目にわたって大臣は一応考えの一端を述べられたんです。余り覚えてないかもしれません、もう三か月もたっているから。 それで、大臣になられて、これからいつまで大臣をやれるかとなると、早く選挙になれば、あと三か月くらいで選挙になっちゃうから、長くてもあと半年の間に何をやるのかと、大臣の間に。WTOの交渉もあり、いろいろな国内のこの今回の酪農の問題もありで、通告していませんけれども、これだけは残していきたいというものがあれば、私、所信聞いていませんからあれですけれども、是非一言お願いしたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 持続可能性というものを反転させたいと。農業というのは、先生科学者でいらっしゃいますから一番御案内かと思いますが、要は、人、金、物、三つともずうっと長期低落が止まらない、生産額はどんどん落ちると、十五年間で農業の所得って本当に半分になっちゃったわけですよね。平成二年から平成十七年までに所得は半分になってしまいましたと。耕作放棄地が埼玉県の全面積を上回り、農地転用も全然歯止めが掛からないと。高齢化というのは、まさしく六十五歳以上の方が基幹的農業従事者の六割を占めるに至りましたということであります。人、金、物がずっと縮小の傾向にありますと。もちろん、高齢化はいいんですが、高齢化そのものが悪いと私は申しませんが、若い人の後継ぎというのがいないという状況を憂えているわけでございます。 この三つの面において反転をさせて所得が増える、後継ぎの方々がいる、農地の面積の減少に歯止めが掛かり、耕作放棄地が解消に向かうということで、その低落傾向に歯止めを掛けたいというのが私の思いでございます。 もう一つは、直接所得補償だとか、いや、そうではないとかいろんな議論がございます。農業を守っていくのはだれがいかなる負担をすべきなのか、そして、いかなるゆえんに基づいて負担をするのかということをきちんとしたいと思っております。やはり日本の場合に、消費者と生産の現場というのがどうも隔絶感があるところが多い。すべてがすべてそうだとは申しませんが、このお米は、この果物は、この野菜はどこのだれが作ったのという認識が消費者の方々にない。生産者の方々も、これはだれの口に入り、だれが喜んでくれるのという意識に乏しいところがあって、一体感に欠けているのではないかと思っております。そこの一体感が醸成されれば、いかなる形であれ納税者の方々の御理解によって農業を支えることができる。 持続可能性なんていいながら農林水産大臣の持続可能性が怪しいのではないかと、こういうお話なのだと思っておりますが、いつまでやるかはそれは存じません。ただ、その二つは一生懸命やってまいりたいと考えております。
○風間昶君 十一月にも大臣は、生産者の方々にとって役に立つ仕事をしたいというふうにおっしゃっていましたんで、極めて私は、それが今のお言葉でも変わらないで今来ているということに安心をいたしました。 それで、先ほど来議論になっておりますが、日本の農業産出額八兆幾らのうち三〇%も、酪農が二兆円以上産出しているという中で、とにかく酪農家の農業所得がもうどんどん下がってきていると。北海道なんか特にひどいというと、厳しい状況なわけで、そういう意味では今年の二月、それから六月、十月と一千八百億ぐらいいろいろな形で支援していただいて助かってはいるんだけれども、それ以上に厳しい状況になっていると。 助かってはいるもののまだ価格高騰が続いているし厳しい状況になっているということからすると、事酪農生産家に対して閉塞感を打ち破っていける、やっぱり大臣の思いがきちっと伝わらないと駄目じゃないかというふうに思いますので、そういう意味で、特に酪畜関係における大臣の言わばこの間にやれるものといったら、価格の問題も大きいんですが、私は、価格の問題でいうと、とにかく酪農経営における負債が北海道はもうめちゃくちゃ高いんですわ。おととしで三千万ぐらい負債、平均ですよ。ところが、その翌年、平成十九年には三千三百万円ぐらいになって、他の都府県は七百七十万くらいですから、べらぼうに負債が、もう支え切れないぐらい負債があって、そういう中で酪農をもう一年三百六十五日、二十四時間フルタイムでやっている。そこに政府がいろんな資金の融資、まあL資金も含めてやっていただいているんだけれども、こっちが重くて、手を出したいんだけれども手が届かない、融資までに、この負債が大きいから。 私は、だから根本的には、融資対策ももちろん両輪で必要なんだけれども、むしろウエートは負債対策にどこまで国費を使えるかということを真剣に考えないと、この二兆円の酪畜の産出額は、先ほど来議論ありますように、もう完全にシャットアウトされるということになろうかと思いまして、そのことがまたそのまま食料自給率につながっていく話なんで、そのところでやっぱり情を入れてやってもらわないと困るんで、いや、うなずいているだけじゃなくて、返事ください。
○委員長(平野達男君) 石破大臣ですか。──じゃ、本川生産局長。
○政府参考人(本川一善君) 融資対策につきましての御質問がございましたが、確かに畜産、特に北海道の酪農は非常に規模が大きゅうございます、装置産業でございますので。それから、牛を導入してから、やはりそれが搾れてお金になるまでに一定の時間が掛かるとか、いろいろやはりございます。そういう借入金の対策につきましては、従来から新農村の問題とかいろいろあったときから、新酪農村の問題とかあったときから、畜産関係は特に手厚い借換えや負債整理資金などを用意をさせていただいております。 そういう中で、特にこの配合飼料価格の高騰を踏まえまして、私ども、新たに家畜飼料の飼料資金というのを措置をいたしまして、これにつきましては、昨年の十月には、今おっしゃったようななかなかその負債整理というか貸付額に手が届かないというお話もございました。そういう関係もありまして、農業信用保証に係る無担保・無保証人化を措置をしたり、あるいはその限度額につきましても、先ほども申し上げましたように、乳用牛について三万円を五万円にするとか、あるいは肥育牛を四万円を十万円にするとか、そのような形で充実をさせていただいております。 今後とも、おっしゃったような負債の実態というのはよく承知をしております。そういうものを踏まえまして対応してまいりたいというふうに考えております。
○風間昶君 ありがとうございます。 そういう意味では、緊急対策で去年金利の緩和措置として三・〇%に下げてくれたのは極めてこれは大きかったと思うんですけれども、これは単年度限りなんですよね。これはずっと続けるわけじゃないんですから。少なくとも、だから三・〇とは言わぬけれども、この金利の緩和措置を是非もっと続けていただきたいというふうに思います。 大臣も、何回も言っているように、生産者に役に立てるかどうかと。役に立てれば役人というふうに言えるといって言っているんですよ。ちょっと聞いてる、お役人の人。ね、聞いてないでしょう、何て言ったか、私。本当に役人になってもらえるかどうかというこれ瀬戸際なんで、大臣、ここお願いしますよ、本当に、腹据えて。どうぞ、大臣。
○国務大臣(石破茂君) 私はずっと以前からこの負債対策というのをどう考えるか、北海道というのはいろんな条件は恵まれているわけですよね。気候にしてもあるいは地形にしても、酪農をやるのにはかなり向いた地域だと思っております。それが何でこういう状況になっているかといえば、おっしゃるとおり、もうすごい負債をしょっているのでということでありまして、今生産局長からお答えを申し上げましたが、それが本当にそれぞれ個々の酪農の経営の改善にどれぐらい役に立っているのか。それぞれいろんなスタイルがあるわけですが、本当にそれが負債が減って経営が楽になったねと言ってもらえなければ何を御託を並べても意味がないわけで、私は生産局長も役に立つ人だとよく認識をいたしておるところでございまして、よくよく私ども督励をしながら、それぞれの方々の御要望に沿った仕事ができるようにしてまいりたいと思っております。
○風間昶君 あと、先ほど来から議論になっております飼料価格安定制度の問題で、飼料価格安定制度そのものは非常にいい仕組みなんですが、ただ、これは特に輸入配合飼料価格がずっとこう上がってきて上がってきて、去年でしたか、どどんと下がったと。下がったといったってまだ高いという状況でありまして、昨年の十二月末の六万七千円から一万二千円ぐらいどっと下がったこの理由については、先ほど来からいろいろあると思うんですが、穀物価格の高騰等々あるんだと思うんですけれども、この推移は、果たしてこのまま行くのかどうかということについてどう見ておられるのか、ちょっと意見をいただきたいと思います。
○政府参考人(本川一善君) 先ほど来申し上げておりますが、要素といたしましては、トウモロコシの価格と運賃と為替相場でございます。トウモロコシの価格につきましては、一時期、ブッシェル当たりというふうに申しますが、七ドル五十五セントだったものが、現在は三ドル八十セントから三ドル五十セントぐらいの水準で推移をしております。それから、運賃につきましては劇的に下がっておりまして、一時期百四十七ドルという高値を付けたものが、今四十ドルを切って三十五ドルと、これで大体トン当たり一万円ぐらい下がるというような状況でございます。そのような傾向でございます。 そういうことを踏まえまして、この一—三月の価格引下げの前提になりましたそういう諸要素と、今度四月—六月の前提になる諸要素でございます、それを比較しますれば、ベクトルは下に引き続き向かうというようなものであるというふうに推測をしております。
○風間昶君 そこで、大臣、この配合飼料価格安定制度で、つまり直前一年間の平均を上回った場合は当然発動されるんだけれども、平均を下回った場合はこれ発動されないわけですよ。谷間になるんですよね、現在のように高値でずっと続いている場合には。生産者は負担は大きいわ、しかもこの価格安定制度というのがありながら要するに補てんされないわけです、発動されないんだから。 だから、そういう意味では、この谷間の部分を想定していないんだろうけれども、どういうふうにしていくかということを真剣に考えないとならないんではないかというふうに私は思うんです。例えば、その都度というか、そのときはやっぱり激変緩和で更に追い打ち掛けて支援するとか、あるいはこの基準価格帯を設けて、それを設定して、超えたら補てんするとかといったような仕組みを更に考えておく必要があるんじゃないかというふうに思いますが、この件については、議論しているんだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(本川一善君) 配合飼料価格安定制度につきましては、まさに御指摘のように、急激に上昇した場合に過去一年間の平均を超える分について補てんを申し上げるということでございます。 配合飼料は日本が年間大体二千四百億円輸入をし、使用しておりますが、ここ一年半ぐらいで三千五百億程度の補てんがこの配合飼料基金からなされたと。それだけ価格上昇分を、二千四百億が大体一・五倍ぐらいになっておりますから、それぐらいの支援をしておるわけでございます。 ただ、それを行った結果、この配合飼料機構の基金に借入れが生じたりいろいろしております。それから、異常補てん基金にも少し不足が生じるということで、一般予算で補てんをしたり、追加造成をしたり、あるいはその借入金について利子補給をしたり、そのような支援をさせていただいているところであります。 今後の動向でございますが、これからアメリカなりの作付けの方向に向かってまいります。その作付けの状況でありますとか、あるいは次の年産の、この夏の作柄の動向とか、そういうのを見ますれば、まだまだその配合飼料価格安定制度が高止まりして発動しないとか、そういうことでは必ずしもない状況も想定されますので、この制度をきちんと借入金の動向などを見ながら維持をしていきたいというふうに考えているところでございます。
○風間昶君 ちょっと済みません、動向を見ながらということは、下回った場合にはじゃどうするんですか。
○政府参考人(本川一善君) 今は一時的に下がって、高値といえ安定をいたしておりますけれども、借入金を返還をしながら次のまた発動に備えて制度を健全に保っていくということを私どもとしてはやりたいというふうに考えているところでございます。
○風間昶君 どっちにしても、制度は維持しながらと言っているから、根本的には変えないつもりでいるんですね、じゃ。
○政府参考人(本川一善君) この制度につきましては維持をしながら、高止まりしている配合飼料価格の状況につきましては、いろいろな畜種ごとの経営安定対策で措置をしてまいりたいと考えております。
○風間昶君 はい、分かりました。 それから、いろんな対策を打ってみても、結局、消費者に消費が拡大していかないと意味がない。先ほど大臣も、生産者側に立てば高く売れた方がいいけど、消費者側に立てば相反して安く物を買いたいという心理が働くわけで、飲用乳の乳価の引上げもされたけれども、引上げ分を最終的に負担するのは消費者なんですよね。だから、牛乳の値段が上がれば、結局、消費者は消費が鈍ってしまうということにつながるわけで、それは牛乳に限らず畜産物全部そうですよね。今はもう、それこそ札幌なんかでは、産直生鮮市場で鳥肉百グラム四十八円とか四十六円とか、みんなわあっとガソリン代何ぼ掛かっても行くわけですよ。 そういうように安いところ安いところへ行くその消費者の心理を考えると、えさの価格、飼料の価格が上がった分だけ価格転嫁をどこかにしなきゃならないんだけど、そのときに消費者の方々に価格が上がった分の転嫁をどのようにするかということについての理解をどう求めるかということもまた一つの大事な私は話じゃないかと思っておりまして、そういう意味では、どういうふうに知恵を絞っていったらいいのか、ちょっと私、今すぐさま出てこないんですけれども、技術的な問題だと思うんですけれども、大臣としてはどうしていった方がいいというふうにお考えなのか伺って、終わりたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 牛乳を飲む人は、酪農家がどんな暮らしをしているかということを想像しながら牛乳は飲まないんだと思うんです。私、何年か前に、記憶が間違っていたらお許しをいただきたいのですが、新聞広告なんかで、酪農家の方々の暮らしをこれから先守っていく、維持をしていくために牛乳を上げます、ごめんなさいというような、ごめんなさいがあったかどうか知りませんが、乳業メーカーのコマーシャルがあったのを、記憶間違いでなければ、そういうのを覚えているのでございます。 やはり、生産者の暮らしを守っていかなければこれから先ちゃんとした国産の牛乳は提供できない、そして酪農家を守っていかなければ国土を守っていくこともできない。だから、安ければいいということじゃなくて、酪農家の暮らしと国土を守っていくために負担してくださいねということを言っていかないと、やっぱり消費者が安けりゃいいんだからねということで生産者が泣くようなこと、転嫁ができないことがあってはいけないと思うのです。何のために消費者に御負担をいただかねばならないかということをPRするということから逃げてはいけないのではないかと私自身は思っておるところでございます。 スイスでは、この話をよくするのですが、卵一個六十円するんだそうです、日本円で。外国から入れれば二十円なんだそうです。でも、スイスの国民はほとんどスイスの卵を選ぶ。なぜならばと。これを買うことによって、鶏卵家というのか養鶏家というのか、それの暮らしが支えられる、その人たちがいることによって国土が守られる、だから僕たちはこの卵を買うんだということを子供たちが平然と言うんだそうでありまして、やはりそういうようなことから私どもは目をそらしてはいけないのではないかと考えております。 また、消費の拡大についても、多様な流通の確保、今のルートが悪いとは言いませんが、ホクレンの今の取組なぞというものも我々としては非常に参考にしなければいかぬのではないか。今の流通ルートを否定をするということではなくて、多様な流通を確保することによって生産者と消費者が両方ウイン・ウインの関係に立てるということも私どもとしてはよく追求をしてまいりたいと考えております。
○風間昶君 終わります。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。 既に今いろいろ議論をされてきました。それで、その中で、国際的な穀物価格の高騰などの要因によって畜産、酪農が大きな打撃を受けているというのは共通のものとして示されてきましたし、この間の離農の数字なども含めて示されたわけです。そして、現在、飼料などの国際価格が下落傾向にあるとはいっても、しかし、この二、三年に受けた大きな打撃を取り返して持ち直すという状況になっているかというと、そこまでまだ至っていないというのも大体共通の皆さんの認識ではないかというふうに思います。今のまま放置すれば、やはり国民への安定的な酪農製品の供給そのものも危ういということもまた事実だというように思うわけです。それで、我が国の酪農、畜産を維持し発展させるというためには、再生産できる仕組み、そして経営安定対策の抜本的な強化が必要になっているというのも大体皆さんが発言された中身ではないのかなというふうに思っているわけです。 我が党としては、先日、二月の二十七日ですね、農林水産大臣あてに今必要な対策ということで申入れをいたしました。六項目申入れをしたんですけれども、今日、時間が十五分と限られていますので、その中で酪農問題に集中して質問したいと思います。 それで、大臣に伺いたいんですけれども、加工原料乳の生産者補給金について、これ、昨年の四月から一円、それから七月から三十銭、これが引き上げられて、十一円八十五銭というふうになったわけです。それで、現場の酪農家の皆さんに実際どうなのということで話を聞きますと、やっぱり経営を守って続けてこれからいくためには更に引き上げてほしいというふうにおっしゃるわけですよ。 実際、〇八年、搾乳牛一頭当たりの生産費で約六十一万円掛かると言うわけですね。ですから、一頭当たりの搾乳量で割り返した生産費というのはキロ当たりで七十九円だと言うんですよ。ところが、昨年四月以降も資材価格が上がって、生産者の乳価というのは大体九十円ぐらいでないとやっていけないと言うんですよね、九十円。この三月にメーカーとの交渉で五円超えて引き上げられるということなんですけれども、生産者のプール価格、プール価格という形でやっていますけれどもね、それで見た場合には約八十三円だと言うんですよ。そうすると、この価格だったらぎりぎりだと。 現状は維持できたとしても、過去二年間赤字、赤字だけど上がるよということで我慢してこの間何とか持ちこたえてやってきたわけですよ、借金しながら。そういう赤字の部分を補てんするということで考えれば、今のままだったらそこを補てんするところまで行かないということを考えると、やっぱり負債部分を緩和するためにも補給金の引上げあるいは限度数量の引上げというのが必要なんだというふうに言っているわけです。これについて大臣どうかということを一つ聞きたいということ。 もう一点は、乳用の雌牛の導入の支援をしてほしいということなんですね。これ、どうしたって、酪農家の皆さんは新たに妊娠した牛を買って、お産すればすぐ乳搾れるわけですから、そういう牛を何頭か導入してやっていかなきゃいけないわけですよね、不可欠なわけですよ。それで、そのほかに、例えば施設設備だとか資材だとか機械とか、そういう更新なんかも必要な、毎年毎年出てくるんですけれども、そういうものも含めて考えたら、導入したいけれどもなかなかできない状況になっていると。 その妊娠した牛の値段が上がっているんですね、今。五十万超えて五十二万、五十三万というところから更に六十万ということにもなっていて、これが例えば北海道から本州の方にということになると運賃も掛かりますからね。そうすると、本当にこの買い取れないという状況があるという中で、今後の生産に希望をつなげるためにも是非支援措置をとってほしいという声が上がっているんですけれども、これについてどうかということで、二点お聞きしたいと思います。
○政府参考人(本川一善君) まず、加工原料乳でございます。 これにつきましては、まさに、何回もお答えしておりますが、法律に基づきまして、直近の物価等の動向も踏まえ、補給金単価については一定のルールに基づいて算定をしてまいるという考えでございます。 それから、限度数量につきましても、最終的に生乳需給見通しを基本に生産団体が行う計画生産等を考慮して設定して、明日、審議会に諮問をして答申を得て決定をしていくということにさせていただきたいと考えております。 それから、乳用雌牛の導入でございます。 私どもが、手元にありますのは、搾乳牛の更新に当たりまして、自らの経営の中で生産しておられるのが大体経営の三分の二程度でございます。残り三分の一は外部から導入しているというような形になっております。これに対しましては、近代化資金とか各種制度資金により計画的な導入に対して支援をさせていただいておるところでございます。 仮に、自家生産で対応している、これに支援をするということになりますれば、自家生産で対応している生産者との間の公平の問題というようなもとでありますとか、あるいは需給バランス、それは需給の状況にもよりますけれども、そのようなことから従来からは適切でないというふうに整理をしてきているところでございます。
○紙智子君 いつも、この質問すると、判で押したように機械的な答弁が返ってくるんですよね。要するに、計画的、算定に基づいてという話をされるんですけれども、本当にそれでいいのかというふうに思うんですよ、今の現状に照らして。そこをもっと変えてほしいということを私は強く言いたいわけです。 川上から川下の話すれば、先ほど来も話にありましたけど、生産のところの川上からだんだんメーカー、そして販売店、消費者というふうに波及していくわけですよね。結局は、国民生活全体に波及していって、もう続けられなくなってやめてしまうということでどんどん生産基盤がなくなっていくわけですから、そういうことを黙っていていいのかということなんですよね。このことを真剣に考えていただきたいと思うわけです。 もう一点。都道府県で飲用向けの酪農生産を行っている農家の話なんですけれども、〇七年から〇八年と二年続いて採算割れだと言うわけです。一戸当たりの赤字額で、合わせて約五百五十万円だというふうに指摘されていると。これはさっき山田先生がいろいろ言われていて、まだ都府県の方が額的に言えば北海道よりは少ないのかもしれませんけれども、それでも採算的には赤字、採算割れで来たと言うわけですよね。 多くの酪農家の方は、家族の労賃などの家計を切り詰めて何とかする、あるいは借金、貯金を取り崩すというような形でやってきているわけで、これをやっぱり継続できるように経営安定対策というのはどうしても必要じゃないかというふうに思うわけです。 若い担い手がこの後希望を持って続けられるようにしていくというのが今、本当に切実な声になっているわけです。農家の息子、娘が都会に働きに出ていっているわけですよ。なかなか自分のうちでは大変だというので、働きに行って派遣労働で働いていると、今、派遣切りに遭ったと、それで地元に戻ってきたとしても、その派遣で働いていた分の労賃も払えないような今現場の実態になっているということでは、今、農家で引き取ったらいいじゃないかという、一方では雇用の問題で議論もあるわけだけれども、やっぱりそういうことも含めて、そういう経営安定対策、ずっと続けられるようなことを考える必要があるんじゃないかと思うんですけれども、この点、大臣いかがですか。
○委員長(平野達男君) 石破大臣、先ほどから指名されていますけど、どうですか。どうしますか、答弁を。大臣。
○国務大臣(石破茂君) 本年三月から飲用牛乳向けの乳価を十円上げるというのは、ずっと御議論のあるところであります。ただ、それがかえって消費の減退を惹起するのではないかということでセーフティーネットは張らなきゃいけませんと。そしてまた、国産の飼料に立脚した酪農政策を展開をしなければなりませんし、乳用牛の遺伝的能力の向上等を通じた酪農生産基盤の強化も図らなきゃいかぬということであります。 私は、正式には何年ぶりなんでしょう、十八年ぶりですかしら、この問題、また正面から議論をさせていただいているのですが、北海道、都府県で事情は違います。違いますから一律に論じることはできません。価格の決め方とかそういうものは、やっぱりルールにのっとってやるということは基本だと思っているのです。年々によってルールが変わったりしますと全く安定性を欠きますので、それはルールにのっとって淡々とやるということなのだと私は思っております。 ただ、関連対策みたいなものは、負債対策も併せて、それぞれの経営、個々に着目をしながら、精緻にやっていかねばならないのではないかというのは先ほど風間委員にもお答えをしたとおりでございます。実際に、経営はどんどん悪くなっているじゃないか、どんどんやめていくじゃないかというようなことを看過することはできませんので、関連対策が本当にそれぞれの個々の酪農経営にとって意味のあるものによりなるように今後とも努力はしていかねばならないと思っております。
○紙智子君 先ほども北海道の酪農とそれから都府県とは違いがあるということを言われているんですけれども、やっぱりどっちも成り立たなきゃいけないわけですよね。北海道の酪農家の人は北海道さえ良ければいいなんて全然思っていなくて、なぜかというと、北海道でどんどん牛を増やしてやっていくときに、牛を今度買ってもらわなきゃいけないわけですよね。都府県の方は北海道から牛を導入して、それで回っていっているわけですから、どんどん今都府県の酪農が、去年、おととしですか、もう一千二百戸とか一千戸とかという、離農しているという中で、どんどん縮小されている中で、売りたくても売れないような状況も一方で出てきているわけですよね。だから、本当に健全でなければ成り立たないと、どっちも、そういう関係にある中で、本当に何としてもそこがちゃんと安定的にいくようにしていかなきゃいけないということなんですけれども。 ちょっと時間がなくなっちゃうので飼料の問題とかはちょっとカットさせてもらって、今のことを含めてもう一回大臣に聞きたいんですけれども、やっぱり乳価どうする、価格どうするというだけで対応し切れなくなっていると思うんですよ。実際、今年に入って、一月ですか、北海道の農協酪農畜産対策本部委員会かな、ここはJA中央会やホクレンや全道の農協幹部がもう一斉に集まって、そういう場で農水省の担当部との意見交換が行われたと思うんですよね。その中で意見いっぱい出されているわけですけれども、食料生産をしている農業において、貯蓄ができるだけの所得が確保されなければだれも農業をしなくなると、それから単年度単年度で経営が成り立つようにすべきなんだと、それから様々な地域で作物ごとの経営が成り立つような政策が必要だといった意見がずっと出されているわけです。 やっぱり、いかにして経営安定を図るかということが焦点になっているという中で、もっと先を見て、中長期的という話もさっきされていましたけど、本当に先を見て畜産・酪農経営を守るために、やはり畜種ごとに必要な所得を確保することを目的とする、かつてやられていましたけれども不足払い制度のような、こういう価格制度の導入の検討をやっぱり今するときじゃないのかと思うんですよ。 かつて、二〇〇〇年ですかね、議論して法改正して、言ってみれば政府が保証価格というのを決めてやるというのを変えたわけですよね、二〇〇一年から変わったわけだけれども、そのときの導入の理由で言っていたのは、要するに実需者のニーズを生産者に伝達して加工原料乳の生産を促進するんだと、そのための法改正なんだと言ったけれども、結果やってきてどうなっているかと見れば、こんなふうにどんどんどんどん縮小されていって生産基盤そのものがもう失われてしまいかねないという事態の下ですから、改めてそこのところを見たら、その価格制度の在り方といいますか、全体安定していくような仕組みということで、そういう新たな価格制度の導入の検討こそ今必要なんじゃないかというふうに思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) それでは、不足払いがそんなに良かったかというと、不足払いの当時もいろんな問題はあったわけですよね。だから今の制度に移行している。やはり、私は、価格交渉力というものがどれだけきちんとできるかということだと思っておって、価格交渉力をきちんと付けるためにいろんなハードの事業もやっていきたいと思っています。 しかし、今の制度やってみてこんなじゃないかということは、それはそういう面もございますので、価格というよりは、むしろその関連対策をどのようにして打っていくかということではないかと思っております。 新しい不足払いから今の制度に移行してもう十年近くたつわけでありまして、今の制度の効果の検証というのは、それはやっていかねばならぬ。それは、ありとあらゆる政策を検証すると、こう申し上げております。その中の一つとして今の制度がこれで良いのかどうか。私は、今の制度を維持しながら価格交渉力というのを強めていくべきだというふうに考えておるものでございますけれども、いずれにしても、この制度を維持するというからには、この正当性というものの挙証責任は私どもにあると思っております。
○紙智子君 ちょっと時間になってしまったんですけれども、やっぱりその関連対策ももちろん必要だからやらなきゃいけないと思うし、その不足払い制度の当時がすべて良かったのかというと問題もあったと、それもそうだと思うんですよ。だけど、やっぱり実際にこの間やってきたことの検証と今言われたので、それは大事だと思うんですけど、検証しつつ、太いところで今この事態を根本から解決していくというための対策、是非考えていただきたいということを申し上げまして、質問を終わります。
○委員長(平野達男君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。 高橋君から発言を求められておりますので、これを許します。高橋千秋君。
○高橋千秋君 民主党の高橋千秋でございます。 私は、民主党・新緑風会・国民新・日本、自由民主党、公明党及び日本共産党の各派共同提案による畜産物価格等に関する決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 畜産物価格等に関する決議(案) 平成十八年秋以降の配合飼料価格の高騰を受け、平成二十年度畜産・酪農緊急対策等の諸対策が講じられたが、我が国の畜産・酪農経営においては、生産性向上の努力を続けているものの、所得が減少し借入金が増えるなど、厳しい状況に置かれている。また、世界的な経済不況と景気悪化により、国産畜産物の需要と価格が低迷するとともに、WTO農業交渉が大詰めを迎え、また、各国とのEPA交渉も実施中であること等から、生産現場では経営不安が増している。 よって政府は、こうした情勢を踏まえ、将来を見通せる畜産・酪農政策を確立するため、平成二十一年度の畜産物価格及び関連対策の決定に当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。 一 配合飼料価格安定制度については、同制度による補てん金の支払が農家にとって重要な役割を果たしていることにかんがみ、今後とも畜産・酪農経営の安定に寄与するよう万全の措置を講ずること。 また、農家の負担を軽減する観点から、制度の見直しについても検討を行うこと。 二 飼料の輸入依存体質を転換し、国産飼料に立脚した畜産・酪農を確立する観点から、水田フル活用による飼料用米・稲発酵粗飼料・青刈りとうもろこし等の生産拡大、エコフィードの活用、水田・耕作放棄地への放牧等の耕畜連携を強力に推進するとともに、国産飼料の保管・流通体制の確立に努めること。 また、国産飼料の利用拡大には、輸入飼料に対する価格の優位性等が必要であることから、飼料用稲の多収化や低コストの播種技術等の開発を推進すること。 三 加工原料乳生産者補給金単価については、酪農経営の安定を図る観点から、意欲を持って営農に取り組めるよう、再生産の確保を図ることを旨として適正に決定すること。 また、加工原料乳限度数量については、バター及び脱脂粉乳の安定的な需給を確保する観点から、生乳の生産事情、牛乳・乳製品の需給動向等を踏まえて適正に決定すること。 四 平成二十一年三月から、飲用牛乳向け乳価が改定されることに伴い、飲用牛乳の消費者価格の上昇と需要の減少が懸念されるため、牛乳の有用性と機能性を消費者に訴えるなど、消費拡大策を強力に講じること。 五 牛肉・豚肉の安定価格及び肉用子牛の保証基準価格等については、畜産農家の経営安定に資するよう、需給動向、価格の推移、飼料価格の高騰などに十分配慮し、再生産の確保を図ることを旨として適正に決定するとともに、肉用牛農家及び養豚農家の経営安定対策の充実・強化を図ること。 また、経済状況の悪化等により、国産牛肉への需要減少が生じ、枝肉価格の低下傾向が顕著になっていることにかんがみ、消費者ニーズを的確に把握しつつ、消費拡大に向けた取組を強力に推進すること。 六 家畜の生産性向上を図るため、乳量の増加や乳質の改善、出荷頭数の増加に向けた繁殖性向上対策や事故率低減のための家畜疾病対策を強化するとともに、効率的な飼養管理技術の普及を推進すること。 高病原性鳥インフルエンザ等悪性伝染病の侵入防止に万全を期すとともに、万が一発生した場合には早急にまん延防止の措置を講じ、その原因究明に努めること。また、生産者による疾病予防の取組に必要な支援を行うこと。 七 WTO農業交渉やEPA交渉に当たっては、我が国の畜産・酪農が今後とも安定的に発展できるよう、適切な国境措置等の確保に向けて、確固たる決意をもって臨むこと。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(平野達男君) ただいまの高橋君提出の決議案の採決を行います。 本決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(平野達男君) 全会一致と認めます。よって、本決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、石破農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。石破農林水産大臣。
○国務大臣(石破茂君) ただいまの御決議につきましては、その趣旨に従いまして、最近の畜産をめぐる情勢を踏まえつつ、十分検討してまいる所存でございます。
○委員長(平野達男君) 本日はこれにて散会いたします。 午後五時四十二分散会