総務委員会 第21号
- 発言数
- 281 件
- 登壇者
- 27 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2009/06/25
会議録
○委員長(内藤正光君) ただいまから総務委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、牧山ひろえ君、大久保潔重君及び芝博一君が委員を辞任され、その補欠として林久美子君、外山斎君及び大島九州男君が選任をされました。 ─────────────
○委員長(内藤正光君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 行政制度、公務員制度、地方行財政、選挙、消防、情報通信及び郵政事業等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、総務大臣官房総括審議官岡崎浩巳君外九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(内藤正光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(内藤正光君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 行政制度、公務員制度、地方行財政、選挙、消防、情報通信及び郵政事業等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長西川善文君外四名を参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(内藤正光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(内藤正光君) 行政制度、公務員制度、地方行財政、選挙、消防、情報通信及び郵政事業等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○高嶋良充君 おはようございます。民主党の高嶋でございます。 今日は、新大臣になられました佐藤大臣を中心に御質問をさせていただきたいと思います。 佐藤大臣、総務大臣御就任おめでとうというふうに申し上げたいのでございますけれども、私どもは心の底からお祝いを申し上げるわけにはいかないわけであります。 その理由は二つございます。 まず一つは、佐藤大臣が五大臣八分野の仕事を兼務をされるという、常識では考えられない人事が行われたということでございます。そして、もう一つの理由は、鳩山前総務大臣の辞任に、国民の皆さんもそうなんですけれども、私どもも納得をしていないということでございます。参議院の総務委員会において何回かこの郵政問題について審議をしてまいりました。この中の審議状況を見ても、辞任をさせるべきは鳩山大臣ではなくて、日本郵政の西川社長であるということは明白だったというふうに思っているわけであります。この郵政問題については後ほど長谷川理事より質問をさせていただきますから、私は、大臣の兼務問題についてまず質問をさせていただきたいというふうに思っております。 御承知のように、総務省というのは、旧の自治、総務、郵政の三省庁を統合してできた省でございます。ただでさえ幅広い分野を所管しているわけでございますけれども、それにもかかわらず、今度は兼務ということで、国家公安、沖縄北方、そして防災、地方分権を兼務をされるということになった。先ほども申し上げましたように、五大臣と八分野を担当されるということになったわけであります。 報道によりますと、秘書官は七人、執務場所は日替わりだと。月曜日と木曜日は警察庁、水曜日と金曜日は総務省、火曜日は未定と、こういうことであるようでございますけれども、これが事実であれば、腰を据えて執務に打ち込む体制にはなっていないことは明らかだというふうに思っているわけでございます。 このような兼務体制を取ることが結果として国政に重大な欠陥を生じさせる懸念があるのではないか。佐藤大臣は記者会見で、そうならないように身をなげうって頑張っていきたいというふうにおっしゃっているようですけれども、一人八役、これは命をなげうってもできないんではないかというふうに私は思っているんですけれども、このような麻生総理の無責任でその場しのぎの大臣の兼務任命について、佐藤大臣の認識をまず伺いたいと思います。
○国務大臣(佐藤勉君) 総務大臣兼務の発令をいただき、その重責に改めて身の引き締まる思いをしております。 所掌する範囲は御指摘のとおり大変広いものがございますが、特に総務関係においては、副大臣そして総務委員長を務めた経験もございまして、従来から関心を持って取り組んできた分野であるということもございまして、任命された総理の期待にこたえるべく全力を挙げて職責を果たしてまいる覚悟でございます。 あわせて、三名の副大臣、五名の大臣政務官にも十分力を発揮していただき、またそれぞれの役所のスタッフをフルに活用いたしまして、一つ一つしっかりと判断をして対処してまいる所存でございます。 所信でも申し上げましたように、内藤委員長を始め、理事、委員の皆様方の御指導をよろしくお願い申し上げたいと思います。
○高嶋良充君 佐藤大臣、総務副大臣もやられて、総務省の問題については大変御見識を持っておられるということは私も存じております。しかし、幾ら経験が豊富であっても、これだけの任務を全うするのは大変だ。そのことによって国会等を含めて迷惑が掛からないようにできるのかどうかというのはこれから問われてくるんだろうというふうに思っております。 野党から言えば、私どもは非常識な事態だと、こういうふうに言っていますけれども、与党からもやっぱり緊急事態だと、こういうふうに言っておられるわけですね。緊急事態であればいつまでも続けておくというのは私はやっぱり問題があるというふうに思っていまして、こういう状態をいつまで続けられるのか、続けることによって国民と国会に大変な迷惑を掛けることになるのではないかと、こういうふうに思っております。 佐藤大臣は、先ほど私は五大臣八分野と、こう申し上げましたが、国会の委員会の所管は五つもあるわけですね。総務委員会でしょう、内閣委員会、災害対策特別委員会、沖縄北方問題特別委員会、倫理選挙特別委員会の五委員会を所管をされると。これ、日程が重なれば一体どうするんですか、国会審議。それだけ法案審議が、そのことによって法案審議が停滞をして、国民のための法案が成立しない場合も起こり得るというふうに思っています。 既に私たち総務委員会はもう迷惑を被ったというのは大臣御承知のとおりであります。本来ならこの質疑、二十三日の火曜日に行う予定でした。しかし、大臣が沖縄へ出張されたと、こういうこともあって委員会が開催できなかった。これで二十五日に、今日になった。そのことによって明日、参考人質疑、金曜日だけれどもやらなければならないという事態になったと。明日、参考人質疑をやることによって、沖縄北方委員会の沖縄大学の法案が今週審議がされないと。もう参考人質疑はあそこは済んでいるわけですけれども、審議に入れないという状態が続いて、来週もどうなるか分からないというのが沖縄北方委員会の現状だというのも御承知のとおりでございます。 もし、私どもが委員会開催に、あのとき二十三日にこだわってあれを強行しておれば、今度は沖縄県民に逆に迷惑が掛かるという事態にもなっていた。だから私どもは沖縄県民の方を優先をしたわけですけれども、そのことによって国会審議が停滞をする、こういう事態になっているということ、これはあくまでも国会の責任ではなくて政府側の責任であるということは明確に申し上げておきたいというふうに思いますけれども。 このような状態でもし災害が起これば一体どうなるんですか。災害担当大臣として第一線に赴いて指揮を執らなければならない大臣ですよ。その間、総務委員会も他の委員会の法案も全部ストップをしてしまうという、そういう状態になるのは目に見えているわけでございまして、まさにそういう意味では非常識で無責任な任命だと、こういうことで私どもは申し上げているところでございまして、今後、国民にも国会にも迷惑を掛けないでやっていけるんだということであれば、そのことも含めて明言をいただきたいと思います。
○国務大臣(佐藤勉君) 今先生からおっしゃられた、御迷惑をお掛けしていることについてはおわびを申し上げたいと思いますが、私にできることを最大限頑張らさせていただいて、それを乗り切ってまいりたいというふうに思っております。
○高嶋良充君 国会審議だけであれば私どもある程度は協力を惜しまないつもりではございますけれども、国会審議だけでなしに政策を実現をするという、そういう観点でも大きな影響を与えているというのは先週から今週にかけてございました。 その点について申し上げたいというふうに思いますけれども、地方分権改革に大きな影響を与えたと私どもは思っておりまして、私どもだけでなしに地方六団体もそういうふうに思っておられるということをお聞きをしております。 今月、この六月というのは地方分権の推進にとって重要な局面になる月だというのは、これは総務省の幹部を始めとしてそこにお並びの大臣以下、副大臣や政務官の皆さん方も御承知だったはずでございます。にもかかわらずにこのような辞任劇が政府・与党の内紛で繰り広げられたと、結果として地方分権の推進に停滞を招くということにつながったのではないか、これは私は重大な問題だというふうに思っています。 去る六月十六日、経済財政諮問会議から経済財政改革の基本方針二〇〇九、いわゆる骨太方針二〇〇九の原案が提示されたのは御承知のとおりであります。この中に、大臣、読ませていただきましたけれども、地方分権改革の推進が全く重点政策として取り上げられていない、具体策もほとんど記されていないんですね。本当に一ページもない、言えば私の赤線を引いたこれだけですよ。それも地域主権とかそんなのじゃなしに、地域発の成長というところで、一番最初に来ているのが太陽光発電を導入しましょう、それから最後の方に地方分権やりましょうというのが六項目ほど並んでいる。直轄事業負担金も載ってません。全く各論で一行ずつ書いているという。 こういう、しかし経済財政諮問会議の原案に対して、一体総務大臣はどのような発言をされてきたんですか。六月十六日には鳩山大臣でなしに佐藤大臣のときですから、出席をされてこの原案を受けられたと思うんですけれども、これに対してどういう反論をされてきたのか、お伺いをしたい。
○国務大臣(佐藤勉君) 基本方針二〇〇九は、確かに先生がおっしゃられるように、従来に比べて全体的に記述が厳選をされページ数が減少しております。 その中で、地方分権改革については、地方分権改革推進委員会の勧告を踏まえまして、地方分権改革を着実に推進することを明記するなど、決して内容が後退したというものではないというふうに考えております。このようなこともございまして、十六日の経済財政諮問会議での私からの特段の発言はしておりません。 いずれにいたしましても、地方分権改革の推進につきましては、今月十二日に開催した地方分権改革推進本部において、内閣の最重要課題の一つとして政府でしっかりと取り組んでいくことを改めて確認したところでもございまして、政府としての取組姿勢に何ら変わりはないというふうに思っております。
○高嶋良充君 認識が甘いんじゃないですか。それは政府部内でそういうふうにとらえられていても、全く地方六団体含めてそういうふうにはとらえられていない。 大臣のこの諮問会議の中の役割というのは、地方の意見を内閣において表明をして推進をする役割というのが期待をされていたんではないんでしょうか。あなたの役割というのは、地方行財政を充実強化をするんだというそういう地方の要望、それを具体的にこの骨太方針に盛り込むというのが任務だったというふうに思うんですけれども、そういう意味では、全く発言をされなかったというのは、私は職務怠慢だというふうに言わざるを得ないというふうに思っています。 地方団体は怒っていますよ。とりわけ、指定都市市長会、早速もう十七日に声明というか要望を出されて、こういうふうに言っておられますね。我々の意見が全く反映されていないことは誠に遺憾であり、地方分権改革の推進に対する政府の姿勢について厳しく評価せざるを得ないと、こういうことを言われて政府を痛烈に批判をされていますね。そして、一昨日ですか、この原案が閣議決定されたということを受けて知事会も市長会も厳しい声明を出されているというのは、これはもう大臣御承知のとおりであります。 大臣、分権改革というのは総務大臣や総務省の方針だけでは進まないということは今までからも十分に承知されているはずではなかったんですか。地方分権推進委員会の丹羽委員長がこの間、私どもの民主党の総務部門会議に来られて次のように言っておられました。地方分権は全省庁の協力なくしては進まないんだ、そのためには政府の強力なリーダーシップが必要だ、こう言っておられるんですね。ということは、政府の強力なリーダーシップというのは何かといえば、小泉政権以来、これは経済財政諮問会議が作った骨太方針にどう方針化をさせるかということがリーダーシップの中心的なものだと、こういうふうに位置付けられてきたんではないんですか。 その骨太方針の重点政策に入らないというのは私は全く理解ができないわけですけれども、これを閣議決定までに巻き返してと、こう言いたかったんですけれども、もう閣議決定は済みました。社会保障費は巻き返して何とかされましたね、与党の方も。しかし、この問題は全く巻き返していない。この間、閣議決定までどのような対応をされて、今後どうこの問題について巻き返しを図ろうとされているのか、その決意を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(佐藤勉君) 現在、内閣府の地方分権改革推進委員会において引き続き精力的に調査審議が行われております。秋ごろまでに第三次の勧告が行われる見込みということになっておりまして、今年度は今次分権改革の最終年度でございますし、具体的な成果を出していくことが必要だというふうに考えております。 今月の十二日に開催をされました政府の地方分権改革推進本部において、同委員会の調査審議に政府を挙げて協力していくとともに、既に委員会から勧告が出された事項については既定の政府方針に沿って年内の計画策定に向けて作業を一層加速させることと確認をしたところでもございまして、地方分権改革は国政の最重要課題の一つであるというふうに位置付けをさせていただいて、担当大臣として改革の実現に向けて全力で臨んでまいりたいというふうに思っております。
○高嶋良充君 一応決意は決意として伺っておきますが、しかし、いずれにしても、政府も新総務大臣もどうもやる気がないというふうにしか映らない。だから宮崎の東国原知事に総裁候補と知事会の分権方針を丸のみせいというような条件を付けられるんじゃないですか。それは、全くそういう対応だから東国原知事に足下を見られているんだと、そういうふうに思っていまして、知事に言われなくても総務省が、総務大臣が先頭に立ってやるんだという、そういう意欲を示してもらわなければ困るということを申し上げておきたいというふうに思っております。 地方分権を進めるに当たって、今当面する最重要課題が直轄事業負担金の問題だというふうに思っておりまして、その点について若干お尋ねをしたいというふうに思っています。 この問題は、大阪府の橋下知事のぼったくりバー発言等で国民の注目もメディアの注目も集めるということになりましたけれども、しかしこれは古くて長い間解決が付かなかった、知事会としては昭和三十四年からこの負担金の廃止を訴え続けてこられているんですね。まさに古くて新しい問題なんです。五十年の長きにわたって解決されなかった根深い問題なんですけれども、これはこの時期にやっぱり解決を図るべきだというふうに私どもも思っております。 そこで、大臣にお伺いをしたいんですけれども、直轄事業負担金の見直しについて、今のところ知事会と国土交通省の間で議論が交わされていると、こういうふうにとらえられているわけですけれども、その中で総務省の姿が余り見えてこない、一体どういう考え方を持っておられるのかということが国民にもはっきりしない、そういうことでございますので、総務大臣としてこの直轄事業負担金問題、どのような考え方をお持ちなのか、どのように改革しようとされているのか、まずお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(佐藤勉君) おっしゃられるように、地方分権改革推進委員会からも直轄事業負担金に関する意見書が提出をされておりまして、地方団体からも早急にこれに対応すべきという主張がなされております。 総務省としてでございますけれども、地方分権を推進する観点から、まずは情報開示の充実など直轄事業負担金の透明性を確保すること、あわせて、二番目といたしまして、地方からの要望の強い維持管理費に係る地方負担金を早急に廃止をすること、そして三番目といたしまして、国と地方の役割分担の明確化を図り、直轄事業を縮減することに取り組んでいくという必要があるというふうに私も考えておりまして、今後とも地方団体の御意見を十分に踏まえて積極的に取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○高嶋良充君 大臣、今御答弁で言われたのは、知事会の要望に対してそのとおりやっていくという、ここの部分は知事会の要望どおりやっていくと、こういうことなんですけれども、分権の部分は横に置いて。 知事会は、非常に都市と地方という関係もあっていろんな利害関係もありましたから、こういう表現になってかなり遠慮された御要望になっているんですが、やっぱり直轄事業負担金の本質問題というのは非常に根深いものがあって、この本質をきちっと見詰めないと私は解決されないんではないかというふうに思っているんです。 ちょうどこの間、土曜日ですけれども、橋下知事が民主党に対して、分権のマニフェストに対する要望と来年度の予算要求について要望に来られまして、いろいろ話をさせていただきました。もう政権が替わるという前提で予算要望ですかと、いやいやこれは今の政権に対する要望ですと、こう言っておられましたけれども、その中で、彼のぼったくりバー発言、私は、一面国民の注目は浴びたけれども、あなたの発言は本質を突いていないですよということははっきりと申し上げておきました。 ぼったくりバー発言について、佐藤大臣は橋下知事のあの発言についてどういう感想と評価をお持ちですか。
○国務大臣(佐藤勉君) 非常にこの直轄事業負担金については分かりづらいところもございますし、地方から見れば、何でこんな部分を負担をしなければいけないのかというのが基本にあってそういう御発言になったものというふうに理解をしております。 表現が良かったか悪かったかというのはいずれにいたしましても、すべて、分かりづらい部分ではないということも踏まえて、今後しっかりと見直していかなければいけないという思いをする中での御発言だったかなというふうに思っております。
○高嶋良充君 佐藤大臣、ちょっと違うんですね。 橋下知事のぼったくりバー発言というのは、ぼったくるバーは駄目だと、こういうことなんですね。これは、私は橋下知事に申し上げたんですが、じゃ、良心的なバーならいいのかという議論なんですよ。知事会は遠慮されていますけれども、知事会も含めて市長会も、これは基本的には廃止をしてくれと、こう言っているわけですよ。ということは、良心的なバーでも駄目なんですよ、ぼったくりバーだけでなく良心的なバーも、バーをなくせと。 橋下知事がぼったくりバー駄目だと言うから、国土交通省は、じゃ、退職金まで取ろうとしているのはこれはやめましょうと、それで、ほかのも、ぼったくりに見えるような、酒も飲まさんとお金を取ろうと思っているところについては、これは透明化を図ってそれは取りませんと、そう言っておるわけでしょう、国土交通省は。国土交通省は、今、ぼったくりはやめるけれども良心的なバーになりますよと、こう言っているわけだ。そんなのになられてもこれはしようがないわけですよ。 だから、私どもは、そういうことではなしに、手続を改善するんではなしに、すべてこの問題を改革しなければならない、それが地方分権の趣旨なんですね。改革をしてもうバーはなくすんだと、地方分権によって直轄事業負担金そのものをなくすという、そういうシステムに持っていくんだということがなければならないんだということを申し上げておりまして、民主党はマニフェストに、これは橋下知事が大評価をしておりますけれども、完全に廃止をしますと、そしてそのことによって地方交付税も削減はしませんと、そういうことを今度マニフェストに載せることになっておりますので、これは政権を取ってから実現をしてまいりたいというふうに思っております。 そこで、次に移りますけれども、六月五日、これも六月中に出てきている問題ですけれども、地方分権推進委員会から新たな地方税財源の提言が示されたのは御承知のとおりであります。これは、国の義務付け、枠付けというのを縮小させて地方財源の自由度を高めると。丹羽委員長に言わせると、地方に自由だと、地方に自由を与えるのがこの問題だと、こういうふうに言っておられました。そういう意味で、高く私は推進委員会から出た内容については評価をしたいというふうに思っています。 ただ、財務省が従来から、この義務付け等を縮小すると地方への財源保障は縮小するんだと、こういうふうに主張を行ってきておるわけですけれども、総務大臣としては、この義務付けと枠付け等の縮小、廃止と自治体の財源保障の関係についてどのように考えておられるのか、伺っておきたいと思います。
○国務大臣(佐藤勉君) もちろん、地方自治体にいろんなことが移管をされれば、当然その予算というものは必要になってくるというふうに思います。したがって、私どもとしては、地方税財源を拡充、確保するということに関しては必ず必要だというふうに考えております。
○高嶋良充君 当然、縮小、廃止をしても自治体の仕事がなくなるというわけではないわけですから、そういう意味では、財政需要に基づいて財源保障が行われるというのは重要だし、それは必要だと、そういうふうに受け止めていいわけですね。一言でお答えを。
○国務大臣(佐藤勉君) そのとおりでございます。
○高嶋良充君 もう一点、多分最後になると思いますが、小泉改革によって都市と地方の格差が大きな問題になっているというのはもう御承知のとおりであります。そのことによって自治体間格差も非常に開いたと。これは住民にとっては大変な、同じ日本国民として、各自治体に住んでいるのに大きな格差が出てくるというのは非常に大きな問題だと。 一例を挙げれば、保育料の格差では、所得三十万円の世帯で三歳児の場合に、東京の渋谷区では一万一千三百円の費用、これに対して北海道の砂川市が五万二千百円、夕張市では五万三千五百円、何と五倍弱の格差があるんですね。 そこで、夕張市の問題について伺っておきたいというふうに思いますけれども、夕張は今御承知のように、財政再建団体として特別措置法に沿って財政再建計画の下に努力をされているわけですけれども、この再建計画下における予算も大変厳しくてこういう保育料を取らなければならないということにもなっているわけですが、この予算そのものが公債費半分以上を占めるという状況になっているというのは、もう総務省も御承知のとおりだろうというふうに思っています。 私は、国民は全国どの地域に住んでいたとしても最低限の住民サービスを受ける権利を持っているというふうに思うんですね。そういう意味では、財政再建下であっても夕張の市民には保育を受ける権利というのはあって当然なんだけれども、じゃなぜ五万三千五百円も払わなければならないのか、この部分についてはきちっとやっぱり財源保障というものが必要なんではないかと、そういうふうに思っているわけですが、私のその考えに対する大臣の見解と、そして、今の夕張市の行政水準の実態というのも十分調査と検証をしていただきたいというふうに思っていますけれども、その点についてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(佐藤勉君) 夕張市の件については、冒頭先生からお話がございましたように、しっかりと調査等々させていただきたいというふうに思います。 財政再建団体、そして財政状況の著しい悪化により財政の健全化を図るということが困難なことから、徹底した事業の見直しや歳出の削減の取組が必要だというふうに思います。他方で、法令で定められた事務、そして基礎的な行政サービスを確保するという観点から、これは先生のおっしゃるとおりだというふうに思います。また、計画上可能な範囲で、地域の実情から見ても必要となるサービス等について一定程度確保するということも考慮されてしかるべきというふうに私も考えます。また、財政再建計画の期間、住民負担も考えると、必要な範囲でできる限り短くするのが適当ということも言えるのではないかなというふうに思います。 そして、夕張市の財政再生計画の検討に当たっても、こうした点を前提にしつつ、当初計画策定から三年が経過をしておりまして、当時想定されなかった行政需要が発生していることなども踏まえながら市においての検討が進められているというふうに伺っておりまして、住民に対する基礎的な行政サービスの提供を維持しながら、早期の財政の健全化が達成できるように、道そして国と連携をしてしっかりと対応していかなければいけないというふうに思いますし、先生のおっしゃる趣旨を十分に踏まえて、先ほど申し上げましたように調査検討をさせていただきたいというふうに思っております。
○高嶋良充君 終わります。
○長谷川憲正君 長谷川憲正でございます。 今日は佐藤新大臣に対する御質問ということでございますけれども、私は何か今日は、改めて四年前のこの郵政の民営化是か非かという議論をやっていたころを思い出しまして、当時、私は自民党の郵政事業懇話会という議員団体の事務局の次長をさせていただいておりましたけれども、佐藤大臣も御一緒に次長をしておられまして、いろんなことを相談したことを昨日のように思い出したわけでありますが、そういう意味では、今日は郵政事業の御質問をさせていただきますが、実態にも大変お詳しい大臣でもございますので、率直にお考えをいろいろお聞かせをいただければ有り難いと。そして、第一回の質問でもございますので、本当に御苦労さまだとは思いますけれども、まずはお祝いを申し上げさせていただきたいと思う次第でございます。 それから、今日は西川社長においでをいただいております。もうあちらこちらに引っ張りだこで、大変、一方では社長としての経営もおやりにならなければいけないわけですから御迷惑なことかと思いますけれども、社長人事が今世間で大きく取りざたされておるときでございますので、御迷惑は承知であえて今日は出ていただいたわけでございますので、また率直なお考えをお聞かせをいただきたいというふうに思っております。 そこで、佐藤大臣にお伺いをいたしますが、私は、社長の、今月の二十九日が日本郵政の株主総会というふうにお聞きをしておりますので、社長をその後どなたがおやりになるのかということの政府側としての決定というのはぎりぎりまで掛かるのかなというふうに思っておりましたが、鳩山大臣を更迭をしたその後世論の評価というものは非常に政府に対して厳しくて、麻生大臣の判断が間違いだというような意見が随分多いようでございますけれども、そんなところから早く決めたのかなという気はいたしますが、いかにも大臣就任されて間もなく、事情も、そう言っては失礼ですけれども、すべてがよく把握できるほどの時間がなかったと思うわけでございまして、そういう中でなぜこんなに早く結論を出されたのか、ちょっとその辺のいきさつをまずお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(佐藤勉君) 今回の問題に関しましては、政府側から改善命令を出しておりました。その基本線というのが先日参りまして、それを精査したわけでございますが、それを、もちろん期間のないということもございましたが、事務方等々いろんな精査はしてきたわけでございますので、そういう方々からの御意見を聞き、そして会社側からはその基本線という文書が出てまいりましたので、それを判断しつつ、財務大臣そして官房長官に御相談を申し上げ、総理に相談をさせていただいたという経緯がございました。 そこでるるお話を申し上げて、この線であればいいのではないかという御示唆をいただいたものですから、昨日会社側においでをいただいて、その改善命令に対する回答をいただき、るる申し上げたところでもございまして、決していろんな審議を怠ったという行動はなかったというふうに御理解をいただければ有り難いというふうに思います。
○長谷川憲正君 もう一度お聞きをしますけれども、そうしますと、総務大臣は、六月の株主総会以降の新体制に関して、どういう基準で社長を選ばれるというか、判断をされたんでしょうか。基準をちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(佐藤勉君) 昨日会社側から出てまいりましたものに対してお話をさせていただきますと、四月三日の業務改善命令に対する改善措置を講じ、一年以内に責任を持って実施することとしていること、そして、第三者の視点を導入した日本郵政グループ経営諮問会議(仮称)というふうに書いてありますが、を設置するとともに、今後三か月以内に社外取締役の中から取締役会長を選任し、その者が同会議の議長を務める旨約束したこと、そして経営陣が一定の処分を行うこととしていること、また三井住友銀行出身のいわゆるチーム西川の四人について速やかにお辞めいただくとしていること等々を総合的に評価し、そして法律と事実に基づき続投との判断を行ったものというふうに御理解をいただきたいと思います。
○長谷川憲正君 ちょっと幾つか問題があるように思います。一つは、改善措置と言われているもの、私どももゆうべ見せていただいたわけでありますけれども、正直申し上げて大した改善措置だというふうには思いません。そもそも、今の日本郵政のグループというのは西川社長が全権指揮を執って物事ができるようにつくってあるわけでありまして、周りにいろんな装置をつくってみたからといって、そのことで何か経営の仕方が変わるとはとても思えない。 かつて週刊ダイヤモンドに西川社長の銀行時代の手腕について書いた記事がありまして、私もちょっと改めて読み直してみたわけでありますけれども、当時、金融庁から、取締役会等のガバナンス、西川頭取に対するガバナンスが十分でないという指摘があったものに対して、その記事の中で当時の西川頭取は、自分に対するガバナンスが十分でないというんだったら、株主総会であろうと取締役会であろうと自分の首取りゃいいじゃないかということをおっしゃっておられる記事を拝見をいたしまして、ああなるほどな、大変強気で今と余りお変わりになっていないなというふうに思いましたが。 私は、その改善措置についても十分な措置を考えていただきたいとは思いますが、次期社長を選んでいくプロセスというのは、これは今までやったことに対するまず評価が定まらなければいけない、勤務評定をきちんとやっていただかないといけないと思っているわけです。白紙の人事をやるんであったら、それはもうどうでもいいんですけれども、そうではなくて、今までやってこられた実績というものが今後も社長としてお仕事を続けていかれるのに適任なのかどうかという御判断が必要だと思うわけでありまして、今のお話ですと、どうも、改善命令に対して改善措置が出てきた、それがまあまあいいだろうということだったから認めたというふうに聞こえるんですけれども、今までの評価というものはなさらなかったんでしょうか、大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(佐藤勉君) もちろん、るる先生方の御議論等々あったということを承知しております。いろいろ私も、もちろん長谷川先生とずっと仕事をさせていただいてきたという思いもございますし、いろんな観点から検討をさせていただきました。この問題に関しましては、かんぽの宿からの話があったということも理解をしております。 そういう中で、いろんな判断が求められたということももちろんございますが、本質論である日本郵政会社を本当の民営化という方向に導かなければいけないという点では、西川社長がおやりになるという観点で、一年間という規定もございました。一年間をもってそれを解決に向けて行いたいという明記もございましたので、まずはそういうことに期待をし、そこでしっかりとした郵政民営化というものがどういうものであるかということをいま一検証する場を設ける中で、本当の民営化というものを探ってまいりたいという思いで考えていきたいというふうに思っております。
○長谷川憲正君 今もちょっと委員の皆さんから言葉が出ていましたけれども、大臣、大臣のおっしゃる本当の民営化、いい民営化というのはどういうものをイメージしておられるのか、御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(佐藤勉君) 大変失礼しました。本当の民営化という表現は訂正をさせていただきますが、国民の皆様が理解をできる私は民営化というふうに思っておりまして、そういう点を留意していろいろ検証してまいりたいというふうに思っております。
○長谷川憲正君 お手元にちょっと新聞の切り抜きを資料として配付をさせていただきました。これは六月二十四日の東京新聞でありまして、決して週刊誌のこれは写しではないんですけれども、これを見ていただきましても、冒頭に「西川社長「我田引水」の内幕」というようなことが書いてありまして、要するに、御自分の出身企業である三井住友グループに対して利益の我田引水ということが盛んに言われているというところから始まりまして、これは池袋にあります、旧かんぽヘルスプラザという健診施設があったわけでございますけれども、そこの不動産の処分に関しまして極めて不透明だと、これはまさに三井住友銀行が大株主であります住友不動産に事実上処分権が渡っていたということでありまして、その内幕はいろいろ国会で追及されるまで表に出ていなかったというたぐいのものであります。 それから、左を見ていただきますと、左の方は、JPバンクカードと言われておりますけれども、要するに、お金の出し入れ、ゆうちょ銀行でお金の出し入れをするカードを、クレジット機能の付いたものを今度、今までのものを全部廃止をして新たにそういうものをつくったわけでありますけれども、その実際の事務をやるのは三井住友カードと。これまた三井住友グループの会社でございまして、しかも、実質的にここにやらせるということを決めた担当者というのは元この三井住友カードの副社長さん、副社長さんが今、日本郵政グループの中、ゆうちょ銀行の中に入ってこういうことを実質的に決めておられるということで、異常に利権絡みではないかということを言っているわけであります。これは、新聞が言っているというよりも、いろんな方が言っているということをまとめて記事になっているわけでございますが。 こういうものから見ますと、今、佐藤大臣は、国民の理解をいただけるような、国民が理解のできる民営化とおっしゃいましたけれども、そういう方向に西川社長の手で行っているというふうに御理解なんでしょうか。もう一度伺いたいと思います。
○国務大臣(佐藤勉君) 今御指摘の一連の問題につきましては、ガバナンスの問題に行き着くということと考えておりまして、四月三日に、先ほど申し上げました業務改善命令においてもガバナンスに問題があるというふうに指摘をしております。また、今般の業務改善命令に対する報告についても、西川社長から説明を受けた際にも、一連の問題は日本郵政グループのガバナンス不足に起因するものと認識をする旨の発言をさせていただいております。 今般の報告において、ガバナンスのため、日本郵政グループ経営諮問会議の設置とか、全国モニター会議の開催などの設置を一年以内に西川社長の責任において実施し、三か月ごとに総務省に進捗状況を報告するとしておりまして、それを適切に検証してまいりたいと思います。 ただし、国民の皆さんにとっては、これらの個別の問題に限らず、郵政民営化によりいかに多くの利便がもたらされるかということが先ほど申し上げましたように大事なことだと思います。例えば、私も昨年副大臣をさせていただいて、全国いろいろなところを回らせていただきました。その際に、局長さんのお話をよく聞かせていただく機会を設けたわけでありますし、飛び込みで特定局に入らせていただいて、いろんなものを見させていただきました。 そういう経験の中から、例えば、郵便局に来て仕切りが三つあって、貯金をしに来たおばあちゃんが貯金を終わった後、貯金の、その預けが終わった後、この手紙をここで出してくださいと言っても、その貯金の業務に当たる人間がその郵便を受け取れないと、こういうシステム自体、私はやはりおかしいのではないかなというふうに思っております。根本的にそういうものは改善をし、それがやはり国民の皆様方から見て良かったと言われるような改善に向かわないと、私は本当の意味での民営化というのはなし得ないというふうに思っております。 いずれにいたしましても、間違いなく地方の郵便局の皆さん、局長さんも含めてのモチベーションは決して高くなっていないというふうに思います。昨日申し上げましたが、私は、地方の特定局長さん、歴史から見れば非常にすばらしいものがあって、その意識の中でこれまでの業務をこなされてきた。ここの民営化によって、ある意味では誇りを持てる仕事ができなくなってしまっているという現状を私は打開をしていきたいというふうに思っておりまして、そういう意味も含めてのお話だというふうに御理解をいただきたいというふうに思います。
○長谷川憲正君 今の郵便局の状況に対する大臣の御認識というのはよく分かりました。実際、大臣が全国を随分お歩きになったというのは私の耳にも入っておりまして、これは非常に有り難いことだなというふうに思っておりますし、また実際目で見たことが一番分かりやすいですからね、おっしゃったとおりだと思うんですよ。非常に現場は混乱していますよ。お客さんからはもう苦情ばっかりですよね。そういうところを何とかしなきゃいけない、それは私も同じ思いなんです。 そこで申し上げているわけですけれども、今の、ガバナンスに問題があったというふうにおっしゃるけれども、この今資料で御覧をいただきました池袋のかんぽヘルスプラザの土地の処分だとか、それからいつの間にかカードが全部、三井住友が事務をやって年間五十億円も委託料をもらっているなんという、そういうことが本当に国民の皆さんの理解と納得が得られて、そして大いに国民の皆さんから支持をされて郵政事業が発展をしていくのかといったら、私はそうならないと思うんですよ。それが、今のガバナンスというお話ですけれども、ガバナンスというのは横文字、英語を片仮名にしたものですから国民の皆さんのすべてがとてもお分かりになるとは思えないんで、日本語で言うとすれば、社長がちゃんと部下を統率して、社長が考えているとおりに事業がきちんと動いていくかどうか、その統率力ということでしょう。 そういうことから申しますと、ガバナンスが欠けていたというのは、要するに社長がきちんと統率していなかった、部下が勝手なことをやっていたというふうに聞こえるわけです。そうしますと、例えばこの池袋の土地あるいはJPバンクカード、何か三井住友ばかりがおいしい汁を吸っているというふうに世の中の人見ているわけですけど、これは、社長が連れておいでになった三井住友グループの人たち、今度何か帰られるという記事も出ていますけれども、その人たちが勝手にやったことであって、それがうまく統率できていなかったのが問題だと、こうおっしゃるわけでしょうか。 もしそうだとすると、最高責任者である西川社長が経営者としてぼんくらだったということになりませんか。私は、西川社長という方はそういう方ではないと信じているわけです。今までの確たる業績を見たら、超一流の経営者ですよ。そういう方が部下の統率もできなかった、そんなことはあり得ない。そこはもう自分の指示の下でみんな動いていたと思いますが、仮にそうではなくて、国会で何遍も答弁を西川さん自身がおやりになったように、いや、その報告も聞いておりませんでした、いや、その報告も後で知りました、そういうことばっかりだったとするなら、本当にこれはもうこれから先、事業経営を任せておける人ではないと言わざるを得ないと思うのですけれども、大臣の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(佐藤勉君) もちろん先生のおっしゃることもよく検証させていただきました。したがいまして、先ほども申し上げましたように、法と事実に基づきというお話をさせていただきましたが、そういう意味で、しっかりと整理をした上で出した結論というふうに御理解をいただきたいと思いますし、また先生がおっしゃられているいろんな疑惑等々、これから私どもしっかりとその辺は会社側に問いただしてまいりたいというふうに思います。
○長谷川憲正君 全くそこは納得がまいりませんが、これ以上やっても大臣から同じ御答弁しかいただけないと思いますので、私は、今回のそういう意味では、四月三日に指摘された問題、それ以外にもいっぱい今日本郵政をめぐって不祥事が多発をしているわけでございまして、いろんな指摘がなされておりますけれども、それらに対して十分な分析をし、そしてその結果として、この社長の人事をお決めになったというふうにはとても思えないものですから非常に残念だと。これは政府がそういうことで役割を果たされないというのであれば、私たちはやっぱり国民の代表として国会でこれを更に追及をしていかざるを得ないというふうに思っているところであります。 あわせて、一つ個別の事案で大臣に注意を喚起しておきたいことがございます。それは、JPエクスプレスと言われている新しい組織なんですけれども、これは日通の荷物部門、小さい宅配ですね、部門のペリカン便と日本郵政の郵便事業の中でやっている小包部門、ゆうパック部門と言われておりますけれども、これを統合する計画についてであります。 これは、事業計画の認可に当たりまして、前大臣がこれは問題だということで、三月の末に条件付の認可をされたというわけでございまして、これは今後、日本郵政側においていろいろ計画を詰めた上で認可の再申請が行われるというふうに認識をしておりますけれども、私はこれは非常に問題の事案だというふうに思っているんです。 時間がありませんので私の方から勝手にしゃべらせていただきますが、例えば小包部門、ゆうパック部門に従事をしていた従業員というのは二万人ほどいるわけでありますけれども、この新会社の日通との合併会社、JPエクスプレスに移る人は九千人。残りの一万一千人は残った本体の郵便事業の方で抱えなければならないと。これは大変な負担ですよ。本当にこれで郵便事業がうまく運営できるのかなとか、それから、例えば今までのゆうパックでありますと、配達がちゃんとできたかどうかというのははがきで返ってまいりましたが、今回はそういうサービスは廃止にするとか、それから日本郵政とは離れた子会社になるものですから、何か切手を張った小包は扱えないとか、いろんな問題があるようでございまして、私はそれを軽々に、この再申請に対して、また今回のように即断即決で返事を出されるようなことがあってはならないと。十分御検討いただいて、この新会社も、残ります郵便事業もきちんと発展していけるものかどうか、十分御確認をいただくべきだ。 場合によっては、十月から事業を本格的に展開をするというので、今、条件付認可にもかかわらず、事実上はもうどんどん走っているようでございますけれども、この十月からの実施というのを延期してでも中身を詰めていただくべきだと思いますが、大臣の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(佐藤勉君) 今おっしゃられたこと等々いろいろお話を伺っておりまして、十月の統合に不可能と判断する場合には申請のとおり認可はしないこととなるというふうに思っております。
○長谷川憲正君 社長の続投問題についての、もう一度本論のところへ戻って質問させていただきたいと思いますが、先般の自民党と民主党との党首討論のときに、民主党の鳩山新代表が、西川社長の続投は自分が政権を取った、民主党が政権を取ったときには認めないという趣旨のお話をされました。それに対して麻生総理は、民間会社なんだから、人事に介入をする、世論をバックに介入するのは極めて慎重であらねばならぬという趣旨のことをおっしゃいましたが、私はこれは全然、麻生総理の認識が間違っているというふうに思うわけです。 私はちょっと字に疑問がありますとすぐ広辞苑を引く方でございまして、総理にも是非お勧めしたいとは思いますが、広辞苑引いてきました。そうしましたら、介入というのはどういう意味かといいますと、問題、事件、紛争などに本来の当事者でない者が強引にかかわることと書いてあるんですね。本来の当事者でない者が強引にかかわる、権限のない者が横車を押すというのが介入ですよ。しかし、政府が一〇〇%株を持っている株式会社の人事の在り方を政府が考えるというのは、これは介入ですか。 本当は総理にお聞きしたいんですけれども、今日は総理おいでになりませんので、民営化担当大臣であります佐藤大臣の御見解を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(佐藤勉君) 麻生総理から、日本郵政株式会社は国が一〇〇%出資している特殊会社でございます、株式上場を目指している民間企業であることから、指名委員会及び取締役会という会社法で定められた株式会社の機関において決定した事項については、政府の介入は慎重でなければならないという御発言があったというのは承知しております。 先生がおっしゃられるように、特殊会社ということも含めて、私どもそういうものを全く勘案しないで物事を進めたという経緯はございません。
○長谷川憲正君 今大臣がおっしゃった中にも介入という言葉が出てくるんですけれども、これは言葉の使い方間違っています。権限のある人がかかわるのは介入ではないんです。むしろ、政府が一〇〇%株主になっている、過半数でもいいんですけれども、世界の郵政事業の実情を見れば、一〇〇%国が株主になっているというところが株式会社形態を取っているところではほとんどでありますけれども、そこは完全に人事権を掌握している。 これはもう今までも、予算委員会でもこの委員会でも私お話をさせていただきましたので、余り繰り返して言うつもりはありませんけれども、株式会社にする、法律で定める特殊会社ではあるけれども株式会社という形態を取って、しかも株を政府がきちんと持っているということの意味は、日ごろはどうぞ御自由にやりなさいと、経営者にお任せをします、しかし国の方針に逆らうようなこと、国家、公共の利益に反するようなことをしたときには承知しませんよ、そのときには人事権を発動しますよというのが本来の趣旨なんですよ。 これはもう大臣よくお分かりのとおり、世界の郵政事業においては常識なんですよ。その常識が日本で通用しないというのは私は甚だ残念に思っているところでありまして、例えば今、指名委員会が決めたからとおっしゃるけれども、指名委員会が決めることができるのは、株主総会にこういう提案をするということを決めるだけなんですよね。提案だけなんですよ。それを実際に認めるのは株主総会でありまして、株主の権限なんですよ。それを行使せずに口出しをするのが介入だと言って逃げる。 私は、ここは新聞報道等でしか分かりませんけれども、やはりこの民営化を推し進められた小泉総理そしてその周辺の方々が、何か自分たちのやった民営化に文句を付けられるのが面白くない、考えていた方向と違う方向へ行っちゃうんじゃないかということを心配してまさに人事に介入もされたんだと私は思っているわけです。それこそ不当介入だというふうに私は思います。 そういう中で、済みません、西川社長にお忙しい中をおいでいただいて、じっと御自分にかかわることで不愉快なことだと思いますがお聞きをいただいておりますので、お聞きをしますけれども、前回、私、ここで質問をさせていただいたときに、今までのようなやり方でこれからもいい経営ができるんでしょうかと社長にお伺いをしたときに、自分は民営化をやり遂げるということが自分の責任だと思っているという趣旨のことを言われましたが、もう一度お伺いをいたしますが、これで続投ということになりました場合に、西川社長としては何をおやりになりたいのか。これだけ世間が注目をしている、騒がれている、自民党の人気ががた落ちになっている、鳩山大臣が更迭をされた、そういう大きな動きがあった中で、自分がそれでも社長として残って一体何をやろうとしているのか、お伺いしたいと思います。
○参考人(西川善文君) お答えいたします。 まずは、皆様の御指摘を踏まえまして作成いたしました今回の改善・是正措置を速やかに実施してまいるということでございます。 さらに、今後も、まずはお客様目線、お客様や地域の皆様に評価をされる、そして社員の方が誇りを持って働けるような日本郵政グループにしていく、そういう方向で発展できるよう、現場の意見もよく聞きながらより良い民営化の推進に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
○長谷川憲正君 そういうことでずっとやってこられたんだとすると、なぜこういう事件が起きたのかというふうに私は思うんです。 今回、一種の減給処分のようなことが行われておりますけれども、これは正確にお聞きをしますと、処分ではなくて自主返納だということですけど、この意味はどういうことなんでしょうか、西川社長にお伺いいたします。
○参考人(西川善文君) 今回の措置は確かに報酬の自主返上という形を取っておりますが、これは社内処分に基づくものでございます。 以上です。
○長谷川憲正君 よく分からないんですけれども、処分規定に基づいてやっているものでないというふうには承知をしますが、そういう規定があるんでしょうか。
○参考人(西川善文君) 役員につきましては処分規定というものはございません。したがって、今回こういう事態を踏まえまして、自主返上という形でそれを社内処分という格好にしたということでございます。
○長谷川憲正君 そうだといたしますと、要するに、自分たちあるいは部下の方々も含めてやってきたことが適切でなかったと、そのことの責任を取られたということだというふうに思いますので、そうだとすると、これは自民党の笹川総務会長が言っておられますけれども、国民にとっては非常に分かりにくいので、自ら処分をしなければならないような人を何で再任するんだと。これはもう世の中の一般の見方だというふうに思っておりまして、私はやはり、西川社長、もう一度冷静にお考えになって自ら身を引かれるのが一番いいというふうにも思いますし、そうでなければ、私ども、先ほど申し上げましたように、これからも国民の声をみんなで代表して、早期に辞任をされるように政府にもそして西川社長にも求めていきたいというふうに思っております。 時間が参りましたけれども、最後に総務大臣に、せっかくの機会ですから一言お伺いをいたします。 このまま参りますと、恐らく来年度、郵便貯金銀行とかんぽ生命保険会社の株が売りに出されるのかと。そこはもう西川社長が一生懸命今までお取り組みになっていたところでありまして、そういう方向で進むのかというふうに思いますが、私は、これを今の法律のままで売りに出してしまうと、何の制約もない中で一〇〇%株が売られていくわけでございますので、一方では郵便貯金や簡易保険を全国どこでもサービスをしなければいけないという、そのユニバーサルサービスの義務は小泉さんによってなくなってしまっているわけでございますから、これはもうこの銀行もかんぽ生命も、新しい株主の命令の下に金もうけ金もうけという方向に走っていって、郵便局から出ていっちゃうだろうと。そうなると、ほとんど全国の郵便局というのはつぶれるだろう。それは現にドイツやニュージーランドで事例があるわけでございますから、非常にそのことを心配をしておるわけでございまして、この株の売却については非常に慎重であらねばならない。西川社長自身も今のような混乱した市場ではすぐ売るつもりはないとはおっしゃいましたけれども、大臣のお考えを伺って、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(佐藤勉君) 先生の御趣旨をよく体しながら、もちろん株式の処分の凍結が必要かどうかということも含めて考えてまいりたいというふうに思っておりますし、慎重に対応してまいりたいと思います。
○長谷川憲正君 ありがとうございました。
○二之湯智君 自民党の二之湯智でございます。 まず、定額給付金についてお伺いをしたいと思います。 定額給付金の申請書が本人に届かずに戻ってくる事例が東京二十三区で約八万通あるという、せんだって新聞報道がございました。申請には期限があるところから、各区役所では職員がその対応に非常に追われておると、こういうことが書かれておりました。二十三区以外でも、全国でもかなりの数の申請書が転居先不明で戻ってきているんじゃないかと、このようなことを思うわけでございます。 総務省はそのような事例を実際把握しているのか、またそれに対する適切な対処法を各自治体に示すことによって円滑な給付が可能となると思われますけれども、総務省の見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(岡崎浩巳君) 定額金の給付でございますけれども、全国で五千万件以上の給付を短期間で行うというものでございますので、仕組みの簡素化や二重給付の防止の観点から、居住関係を公証する公簿であります住民基本台帳等に記録されている情報に基づいて給付を行うということにいたしたわけでございます。その申請書につきましても、市町村は基本的に住民基本台帳等に記録されている住所へ送付すれば足りることといたしております。なお、この扱いは選挙の投票所入場券を始めとした行政文書を市町村から住民に送付するときに一般的に行われている方法でございます。 御指摘のように、申請書の返送が発生しているという報道については私どもも承知いたしておりますが、全国的な件数については把握をしてございません。申請書を受け取ることができなかった住民が本制度の実施、給付金の実施を知る機会が全くないままに申請期限が過ぎてしまう、六か月でございますけれども、というようなことがないように、市町村に対しては自治会を経由したりいろいろポスター等を使ったりという様々な連絡、広報を行うことによって適切に対応するように助言をいたしておるところでございます。 なお、国といたしましても、広報の一環として、申請を済ませていない方への注意喚起を来月以降行う予定でありまして、申請書を受け取っていない方が気付いていただくような効果を期待しております。 以上でございます。
○二之湯智君 定額給付金は政府の経済対策の大きな柱として実施されているものであります。給付を開始してからまだ日がそれほどたっておりませんので、経済効果は数字として表れていないかもしれませんけれども、現時点でどのような効果があったのか、さらにまた、総務省はそういうことを実際把握されているのか、まずお伺いしたいと思います。そして、総務省として、今後どのようにこれを検証していくのか、その考え方をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(佐藤勉君) 定額給付金でございますけれども、三月五日に最初の団体で給付が開始されて、五月の二十八日までですべての団体において給付が開始されたところでございます。 受け取った方々からは喜びの声が聞かれるなど、心理的な元気付けの効果があったというふうに、効果は現れているというふうに認識をしております。また、定額給付金に関しまして、プレミアム付き商品券の発行とか消費拡大セール等の地域の取組、そして旅行キャンペーンなどの民間企業の様々な商品企画も多く見られておりまして、これらの取組は、地域の活性化、そして消費拡大につながる効果があるものと思います。 経済効果については、現在、内閣府がアンケート調査を実施中でございまして、なお、内閣府が毎月実施している景気ウオッチャー調査では、三月以降判断の指標が改善している要因として定額給付金の給付を掲げている声が報告をされているところでありまして、今後、企業、商品企画などに関しての調査を行うなど、施策の効果の検証を実施してまいりたいというふうに思います。
○二之湯智君 次に、定住自立圏構想についてお伺いしたいと思います。 政府は、現在、定住自立圏構想を推進していると思いますけれども、この構想は、高度医療や福祉の充実、あるいは交通基盤の強化など、定住自立圏圏域全体で人口の定住を図っていこう、そのために必要な生活の機能を確保して、経済基盤を培い、地域の活性化を図ろうと、こういうことだと思います。 定住自立圏構想推進要綱が四月から施行されて、既に中心市二十市、周辺市町村三市三町が定住自立圏の先行実施団体として指定されたところでありますけれども、そこで具体的にどのようなこと、どのような取組をされておるのか、その点についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(佐藤勉君) 先生御指摘のように、定住自立圏構想推進要綱を本年四月から施行をしました。これに先立ちまして、制度づくりに参画した先行実施団体のみならず、全国の市町村が定住自立圏の形成に取り組めるようになっております。 定住自立圏を形成するために圏域の中心的な役割を担う意思を明らかにする、御承知のように中心市宣言を行うことが最初の手続となっておりまして、既に計二十五市が中心市宣言を行っております。中心市宣言の後でございますけれども、中心市と周辺市町村が人口定住に必要な生活機能の確保に向けた役割分担、そして連携方策を定めた定住自立圏形成協定を締結をするということになります。 そして、現在、長野県飯田市とその周辺町村が協定を六月議会に提案をして順次可決されているというふうに伺っておりまして、これによりまして近々全国初の定住自立圏が形成される見込みでございまして、今回の基本方針二〇〇九においてもこの構想がしっかりと明記をされておりまして、政府を挙げて全国の定住自立圏の取組を積極的に支援してまいりたいというふうに思っております。
○委員長(内藤正光君) 中村政務官にすぐに戻るよう注意を申し上げます。
○二之湯智君 定住自立圏は、市町村合併と異なりまして、行政区域が変わるわけでもなし、また名称が変わるわけでもございません。しかし、中心市と周辺市町村の協定協議であつれきが生じることや、ストロー現象が発生して中心市にすべて集中してしまうと、周辺市町村の地域の誇りや自信を、あるいは自立に向けての意欲を失わせてしまうんではないかという懸念があるわけです。 したがって、定住自立圏の形成を進めるに当たり、市町村合併と同じことを繰り返さないよう十分な留意を払う必要があるんではないかと、このように思うわけでございますけれども、総務省の見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(椎川忍君) 委員御指摘のとおりだというふうに基本的には思っておりまして、今お話にありましたように、定住自立圏構想は、中心市と周辺市町村がそれぞれ今までの人格を持ちながら一対一で自主的に協定を締結することによりまして、住民生活実態に応じまして相互に役割分担をして連携をする。そして、圏域全体で必要な生活機能を確保することによりまして、三大都市圏と地方圏という関係におきまして、まず地方圏に人口定住の核をつくろうという政策でございます。そのような考え方は当然、地方圏の中あるいは定住自立圏の圏域内でも同じように考えられなければならないというふうに思っておりまして、周辺市町村の人口定住や振興にも資するものになっていかなければならないというふうに思っているところでございます。 具体的に申しますと、すべての機能を中心市に集めるということではなくて、周辺町村はその特性を踏まえまして、豊かな自然環境でありますとか食料生産の機能、あるいは伝統文化、青少年教育、健康増進、そういったような機能を担いまして、それらを中心市の高次な都市機能とネットワークをしていくということによりまして全体として生活機能を確保して活性化を図っていこうと。それを政府としては各省連携しながら応援をしていく、総務省としても交付税や地方債で支援をしていこうということでございます。 このような趣旨を定住自立圏にこれから取り組んでいこうという市町村には十分理解をしていただきまして、こういった支援策も活用しながら、中心市、周辺市町村の双方がその特性を生かしながら役割分担を行い、十分議論を重ねていただいて双方にとって有益なものとなるような定住自立圏を形成していただくことを期待しております。
○二之湯智君 次に、六月十六日に第二十九次地方制度調査会が答申を出されました。それには市町村合併、監査委員、そして議会のことに関して触れられておるわけでございますけれども、今日は特に地方議会のことについてお伺いしたいと思います。 御案内のとおり、日本の地方自治は二元代表制ということであるわけでございますけれども、地方自治法では議会事務局は、都道府県においては必置義務、そして市町村においては条例によって定めることができると、このようになっておるわけですね。しかし、この答申の中でも地方議会の機能強化と言われておりますけれども、私はかねがね、政令指定都市、中核市それから特例市、特に政令指定都市においてなぜ議会事務局が必置義務になっていないんだろうと、常々私は政令指定都市の出身の議会議員として思っておりました。 例えば、人口百万以下の県というのは数多くあるわけですね。しかし、百万以上のまた政令都市も数はあるわけです。極端なことを言えば、島根県とか鳥取県は人口六、七十万だと思いますけれども、──八十万らしいです。しかし一方、横浜市は三百万以上ある、そして名古屋市とか大阪市は二百万近い人口を擁しているわけです。ここは条例によって定めることができるという。何か非常に私はこの辺に釈然としないものを感じるわけでございまして、実態に合っていないのではないかと、このように思うわけでございますけれども、その点についての見解をお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(久元喜造君) 議会事務局についてでありますが、今御指摘のとおり、都道府県についてはこれは必ず置かなければならないと、指定都市を含む市町村については、これは任意設置となっております。必ずしも規定として整合的ではないということはそのとおりであろうかと思います。 ただ、これを改正すると仮にいたしましたときに、これは市に対して新たにこれを義務付けるということになりまして、新たな法令による義務付けということになります。今、分権改革で、法令による義務付けはできるだけこれは撤廃していこうという流れの中で、こういう改正をするということについてはやや私どももちゅうちょを感じているところでございます。 いずれにいたしましても、この点につきましては将来的な課題とさせていただきたいと思いますが、その際の議論といたしましては、そもそもこの議会事務局を地方自治法で規定する必要があるのか、それも含めて、全く地方自治体の自由にしてもいいのではないかという議論、また一方で、この議会事務局は大変重要な事項なのでやはり引き続き地方自治法に規定すべきではないか、その辺が議論の焦点になってくるのではないかと感じております。
○二之湯智君 多分そういう、地方に義務付けを求めることは地方分権に反することじゃないかというような答弁が返ってくるかと思ったわけでございますけれども、しかし一方、一方では地方議会の機能強化あるいは地方議会の権限強化と、こう言われているところで、地方議会議員の活動をバックアップする体制を私は強化しなきゃいかぬと、このように思うわけでございます。 しかし、現実には議会事務局も、これは他の行政委員会と違って市長部局の一つとして成っているわけですね。そうすると、予算も人事も握られているわけです。そういうときに、果たして監視機能たる議会の議員さんの立場に立って職員が働いてくれるかという問題もあるわけなんですね。 したがいまして、私は、監査委員事務局も他の自治体と共同で職員を抱えて、そして独立、中立な立場で監視すべきだという、こういう答申になっていると、触れられておりますけれども、私は議会事務局もこれは将来的にはそういうことをしていったらどうかなと。そうしないと、なかなか地方から独立して、そして議会としてのあるべき機能を、あるいは役割を果たすことはできないんではないかと、こう思ったりするわけでございますけれども、その点についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(佐藤勉君) 議会事務局等の在り方についてということで、今回の地方制度調査会の答申においても、議会の役割が一層重要となるものと、考えの下、提言がなされているものというふうに認識をしております。 具体的には、政策立案、そして法制的な検討、調査等に優れた能力を有する事務局職員の育成など、議会の担う機能を補佐、支援をするための体制の整備、強化が図られるべきとされているところでございまして、先生おっしゃられるように、今回の答申を踏まえて各団体において、もちろん地方を担うという観点から考えれば当然そうなるべきだと思いますので、検討してまいりたいというふうに思っております。
○二之湯智君 十問用意してきたんですけれども、時間でございますから、あと七問。 特に最近、いわゆる平成二十一年度の補正予算で地域活性化・経済危機対策臨時交付金及び公共投資臨時交付金というのが出てきたわけでございますけれども、特に経済危機対策臨時交付金についてはソフト、ハードにも使えて非常に使い勝手がいいと、これは地方自治体、大変喜んでおられるわけでございますけれども、一方、公共投資臨時交付金についての使い方が非常に難しい。全体のスキームが分からない。 私も市長とか町長にこの間会って、これの話を聞きますと、特に市町村の場合は、県庁に聞いても府庁に聞いても、府庁の職員が全体分からない。府庁の職員も分からないから、当然市町村としても、いろんなプランを上げてこいといったってなかなか上がってこないということでございますので、こういう多岐にわたる補正予算を組まれるときは、だれか一人、全体が分かる人間をやっぱり配置すべきじゃないかと。総務省においてもそうですし、また都道府県においても、何を尋ねられても答えられるというような職員を配置しないと、地方は戸惑ってしまうわけでございます。 せっかく、こういう政府が緊急に大規模な経済対策をしようとしたときに、これはうまく機能しないんではないかという、私はそういうおそれを持つわけでございますから、その点についてひとつ是非とも効果的な、経済対策が効果を緊急に上げるためにも是非ともそういうことが必要ではないかと、こう思うわけでございますけれども、この点についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(上西康文君) 内閣府よりお答えを申し上げます。 お尋ねにございました地域活性化・公共投資臨時交付金でございますけれども、これは経済危機対策にも盛り込まれまして、各種の経済対策事業を円滑に執行するために、私ども、総務省さんとも御協力をいただきまして、前広にと申しますか、説明をさせていただいているところでございます。 四月中にも、総務省で行われました全国の都道府県の財政課長あるいは市町村の担当課長さんが集まられる会議で説明をいたしました。これを皮切りといたしまして、通知を発出したり、あるいは五、六月にかけましては、私どもの内閣官房の方で主催しました会議あるいは総務省で主催されました会議あるいは全国市長会で開催されました会議等、様々な場を通じまして必要な情報提供に努めるとともに、私どもあるいは総務省におきまして、随時、地方公共団体からの相談に対応してまいりました。この結果といたしまして、複数の都府県の五月あるいは六月の議会におきまして、この交付金の活用を含む補正予算が提出をされておるというふうに承知をしております。 ただ、今議員から御指摘がございましたとおり、市町村のレベルになりますと、この交付金の仕組みがとりわけやや複雑なものでございます。言及いただきました経済危機対策の臨時交付金に比べましても、この公共投資の交付金の仕組みが複雑なものでございまして、すべての市町村におきまして十分に御理解をいただいているということでは必ずしもないのかなと私どもも感じておるところでございます。 もちろん、担当者がおりまして、また都道府県におきましても担当の部局、定められておることと思います。随時、お問い合わせがございましたときにはきめ細やかに御相談、あるいは情報の提供に応ずるとともに、今後また説明会の機会もございますので、そういったものを通じまして、地方公共団体に対しましてこれまで以上に分かりやすい情報提供に努めてまいりますとともに、特に市町村に対しても十分に情報が提供されますよう心掛けてまいりたいと存じます。
○二之湯智君 終わります。
○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。 大臣の所信に対する質疑ということで、若干時間をいただきまして質問をさせていただきます。 まず、佐藤総務大臣の就任、誠におめでとうございます。安倍改造内閣で副大臣になられて、また衆議院の総務委員長も歴任されてということでございまして、郵政を含むこの総務行政に通暁をされている方がある意味では古巣に戻って仕事をされるということでございまして、まさに今の時期、適任かというふうに思っているところでございます。しっかりやっていただきたいというふうにお声を掛けさせていただきたいと思います。 さて、日本郵政の西川社長にもおいでいただいているわけでございますが、続投が決まったということで報道されているところでございますが、昨日、郵政グループの報告書、昨晩私も拝見をしたわけでございますが、この報告の提出に際し、以下の報酬返上を行うことといたしましたというところがございまして、先ほど長谷川理事からも先行の質問の中でこの報酬返上の意味合いというのを問われたわけでございますが、私、全く同じ意味で、どういう意味合いを持ってこの報酬返上ということを決定されたのか、そこのところをお聞きしたいと思っております。 大臣所信の中でも日本郵政に関していろんな諸課題といいますか、不祥事も含めて国民の信頼を損なう事態も生じているという認識が示されているわけでございますが、取締役社長として適法か違法かと言われたら違法ではないということなんでしょうけれども、しかし先ほどの御答弁にもございました、減給処分というのがないから報酬返上だというような御答弁もございました。 いま一度、この報酬返上の意味内容をお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(西川善文君) お答えいたします。 監督上の命令等に対する改善・是正措置につきまして、昨日、総務大臣に御報告するとともに、自主的に報酬を返上し、実質的な処分を行ったということでございます。 以上です。
○魚住裕一郎君 今お話あったわけでございますが、別に大きな失点とは考えていないと、私はそう思います。特に今、社長に就任されて、何とか民営化軌道に乗せるという、私は使命を受けて一生懸命取り組んでおられると思います。 いろんな問題出てきておりますけれども、やはり公営企業体としての職員の意識、あるいは今、どんどんこれから民間企業として組織立ってしっかりやっていかなきゃいけないという、そういう移行期になろうかと思っておりまして、社長が替われば全部その企業の体質、一遍にできるかというとなかなかそうはいかないだろうと。そういう中でのことでございまして、自分を減給処分をすることによってまた新たな決意で取り組むということだろうというふうに思っておりますが、やはり、それでも社長がしっかり旗を振ることによって職員の意識改革も変わってくるでしょうし、またガバナンスもしっかりやらなきゃいけないということになってくるんだと思いますが、いま一度、西川社長の決意をお伺いをしておきたいと思います。
○参考人(西川善文君) お答えいたします。 今回御報告をさせていただいた改善・是正措置を着実に実施いたしますとともに、国会等の場でいただいてまいりました様々な御指摘を重く受け止めまして、厳しい反省の上に立って全社一丸となってガバナンスやコンプライアンスの改革、改善に取り組みまして、より良い民営化の実現につなげてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○魚住裕一郎君 そこで、総務大臣、先ほど続投をするという決定するについての基準ということで長谷川理事の方からも質問があったわけでございますが、それについていろんな意見といいますか、いや、一部返上でこれは愚弄するんじゃないかという意見もあったやに思っておりますけれども、しかし、やはり大事な国民の共有の財産をしっかり守りながら、さらに民営化のいいところを出していかなきゃいけないというふうに思うわけでございまして、それを本当に管理、監督していくというお立場でございまして、その総務大臣としての責務への決意をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(佐藤勉君) 先ほど申し上げましたように、私は昨年、先生と一緒に副大臣にならせていただいた後、全国を回らせていただいて、もちろん郵政行政だけではございませんでしたけれども、現場を拝見をさせていただきました。 簡易郵便局の一時閉鎖、先ほど申し上げたいろんな局内のそごを来すようなこと、またその局内に、何といいますか、監視カメラがいっぱいあって、何となくそういう体制がいいのかどうか、いろいろ現場を見て感じることがたくさんございまして、これが本当の民営化なのかなという疑問はもちろん私の頭の中にございます。 そして、前島密さんがつくって以来もう百年以上たつこの組織を、やはり民営化をしたからには、しっかりとした地域に根付いた私は郵政民営化でなくてはいけないという自分なりの意識を持っておりまして、もちろん、かんぽの宿、長谷川先生がおっしゃられたいろんな不祥事といいますか分かりづらいこと、たくさんございますが、それはしっかりと検証し、整理をし、西川社長の下で一年間を掛けて整理をしていくということもこれありでございまして、本来の郵政民営化の議論といいますか、国民がいかに利便性を確保できるかということに特化をいたしまして、私は、郵政民営化という、もっともっと理解の深まる郵政民営化を達成してまいらなければいけないという気持ちで頑張ってまいりたいというふうに思っております。
○魚住裕一郎君 ちょうど前回、この郵政の問題につきまして、郵政集中の質問をさせていただいた日だと思うんですけれども、郵便局会社の静岡局で、たしか富山の物産展ですかね、局の中でやっておられて、富山県知事の石井隆一さんがわざわざ出向いて、郵便局会社のCEOも出てということが報道されておりました。あっ、こんなこともできるんだ、すごいなかなかいい発想で取り組んでおられるなということもあるわけでございまして、何か暗い面ばかり最近報道されますけれども、そんなことももっともっとPRしていただきたいなというふうに思うところでございます。 さて、次に、平成の合併についてお聞きをしたいと思います。 「平成の合併の評価・検証・分析」ということで、総務省が、昨年十一月ですが、そういうことが示されたわけでございますけれども、大分、平成十一年の三月末の時点、三千二百三十二から、来年の三月二十三日の見込みでは一千七百六十まで減少するということでございまして、いろんな評価、分析をなされているだろうというふうに思います。 また、この間の六月十六日に、第二十九次地方制度調査会では、全国的な合併推進運動、現行合併特例法の期限である来年の三月末までで一区切りとすることが適当であると考えられるというような意見が付されているわけでございますけれども、総務大臣として、この平成の合併に対する評価、それから一区切りというようなことで大臣としてもいいのか、この辺についてお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(佐藤勉君) 市町村合併でございますけれども、相当程度先生がおっしゃられましたように進捗をいたしました。そして、組織の専門化、そして一定の財政基盤の充実強化が図られたという意味では評価をすべきではないかなというふうに思います。一方、地理的な条件そして様々な事情によりまして合併に至っていない市町村もございまして、また合併市町村の周辺では地域の活力に差が生じるなんということも指摘があることも事実でございます。 今後でございますけれども、今般の答申で示されるように、全国的な合併推進運動は現行合併特例法の期限である平成二十二年三月末で一区切りとすることが適当ではないかなというふうに思います。その上で、平成二十二年四月以降、自らの判断により合併を選択する市町村を支援することに加えまして、周辺市町村との広域連携、先ほど議論にございましたように、そして都道府県による補完などの多様な選択肢を用意していくことが必要ではないかなというふうに思っております。
○魚住裕一郎君 そこで、残された最も重要な課題というのはやはり小規模自治体だと思います。 人口一万未満の小規模自治体が来年の三月の末の段階で四百七十一団体が残るというふうにされているわけでございますが、今申し上げた地方制度調査会の中でも、意見として、小規模自治体が共同で行政機関を設置できる仕組みであるとか、あるいは都道府県が事務を補完できるような枠組みも検討されるということであるわけでございます。 しかし一方で、全国町村会長の山本会長が意見を述べられておりまして、平成の合併に対してかなり厳しいと、そういう厳しい批判をするとともに、特例町村制あるいは広域連携の仕組みについても、そこに生きる人々の気持ちを無視した制度論ではないか、地理的条件などに応じて選択可能な広域連携の仕組みにすべきであると、そういった指摘もなされているところでございます。 そこで、大臣として、今後の小規模自治体の在り方についてどんな方針で臨まれる所存なのか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(佐藤勉君) 今先生がおっしゃられましたように、地方制度調査会の答申において、おっしゃられたような趣旨とされているところでございます。 具体的には、小規模市町村について、市町村合併そして周辺市町村との広域連携に加えて、その選択によりまして、法令上義務付けられた事務の一部を都道府県が代わって処理をすることも考えられているところでもございます。この場合、都道府県による補完については、全国町村会から提出をされております意見書においても指摘をされておるところでございまして、様々な論点、考え方があることから、関係者と十分な意見調整を図りつつ、小規模市町村が基礎自治体として必要な行財政基礎を確保できるように多角的に検討を進めていくことが必要だというふうに思っております。
○魚住裕一郎君 同じくその地方制度調査会の中で、検討事項も含まれておるんですけれども、地方議会の機能強化といいますか、そういうことも述べられているところでございまして、例えば、第三セクターの経営破綻を防ぐために、今まで五〇%以上だったところを二五%の第三セクターまで監視、議会への報告義務を広げていくというようなことも、あるいは通年議会ということも考えていいんじゃないのかというようなことも言われているわけでございます。先行事例として、例えば三重県議会みたいな場合、かなり長くやっておいでになるわけでありますが、理事者が首が上がってくるみたいな、あごが上がってくるような、そんな状態だというふうに伺っているところでございますけれども。 それで、議会の権限を強化してしっかり監視機能を強化しようという反面、一方で、検討事項で、サラリーマンでも議員として活動できるような休職制度をやったらどうか、あるいは女性議員クオータ制度を導入したらどうかと。一方で、幅広く住民の意見が反映できるような議会にしなきゃいけない。それはそのとおりなんだけれども、一方でかなり専門性のある、例えば第三セクターの財政状況はどうかと、これはかなり難しい調査だと思っておりますけれども。 その辺の地方議会改革といいますか、さらには、多分この夏場から秋にかけて、地方議会の年金の問題が大きくクローズアップされてくるだろうと。そうすると、地方議会の立場、この間、報酬について議員報酬というふうに改正しましたけれども、やはり総合的に判断していかなきゃいけないというふうに思っておりますが、大臣の地方議会改革、そして地方議会の議員の在り方について御所見がございましたらお述べいただきたいと思います。
○国務大臣(佐藤勉君) 当然、地方分権が進展をいたしますれば、地方議会の先生方の、何といいますか、その役割というのは当然大きいものがありますし、重要なものというふうに考えます。 今回の地方制度調査会の答申では、議員が多様な民意を集約し、団体意思を決定していくために、住民の多種多様な層から議員が選出をされることが重要であるとしておりまして、このことが全体として議会に求められる専門性、先生がおっしゃられるような専門性を強化することにもつながるとされているところでございまして、地方議会がその役割を適切に果たしていくためには、御指摘のとおり、専門性を有する優れた人材が議員となることが求められているところでありまして、今回の答申の趣旨を踏まえて、地方議会の議員がその役割を十分に発揮できるような検討をしてまいりたいというふうに思っております。
○魚住裕一郎君 だんだん時間がなくなってきましたが、次に住宅用火災報知器の普及についてお尋ねしたいと思います。 何問かに分けて聞こうと思ったわけでございますが、平成二十三年六月までに既存住宅についても設置義務化されるという形になるわけでございますが、現時点、この普及率がかなり地域によりばらつきがあるんではないかなと。 具体的に、家電量販店に行ったら、何か火災報知器、かご売りしているというふうなそんな状況がありますけれども、しかしばあちゃんが行って自分で天井に上って取り付けるのかと思うとそれは厳しいなという、そんな思いがいたします。地域によっては共同で購入して補助制度を設けたり、あるいは消防団が頑張って啓発活動をしているということがあるわけでございますが。 岡本長官に来ていただいておりますので、この普及促進策をどのようにお考えなのかお聞きしたいと思いますとともに、よく消防に関しては結構悪質商法といいますか、何かありますよね、消火器で何か。これでもまた同じようなことがあったらえらいことになるなというふうに思っておりまして、この注意喚起がやっぱり大事だろうと思っておりまして、まとめて一分半ぐらいでお答えいただければと思います。
○政府参考人(岡本保君) お答えいたします。 今委員御指摘になりましたように、二十三年六月までに住宅用火災警報器を義務化をされます。それで、全戸設置を今目指しまして、財政措置といたしましては、これまで普通交付税、特別交付税の措置や各省のいろんな交付金等も道を開いていただきまして財政措置を講じてまいりました。また、今回の二十一年度補正予算でも、地域活性化・経済危機対策臨時交付金を使って住宅用火災警報器の普及、これを集中的に促進をお願いをいたしております。 一方で、今御指摘ございましたように、高齢者の方々を中心として、御自分で設置をするということがなかなか困難な方もいらっしゃいますので、御紹介いただきましたような消防団あるいは各消防署によって、そういう家庭にまさにいろんな防火診断でございますとか地域の防災の総合的な診断ということも併せてやることができますので、まさに地域の総合的な防災力を高めるという、この住宅用火災警報器の普及は一番分かりやすいそういう意味での一つの目標、国民運動的なものにしていく必要があるというふうに私ども考えております。 そういう意味で、放送界それから婦人防火クラブの皆さん方、そういう方々にもすべて御参加をいただきまして国民運動的な展開を今やっておりますけれども、そういう意味で、その中で、いろんな今御紹介がございましたような悪質販売みたいなものも一、二そういう情報も得ておりますので、そういう方々とじかに具体的に購入の御相談に応じられるような消防団や消防署の体制も取って普及に努めてまいりたいというふうに考えております。
○魚住裕一郎君 終わります。
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。 西松建設の違法献金事件などで政治と金の問題に国民の厳しい目が注がれております。言うまでもなく、総務大臣は政治資金規正法の所管大臣でもあります。 まず、総務大臣として、政治資金規正法の目的、基本理念を実現する先頭に立つ決意を佐藤大臣から伺いたいと思います。
○国務大臣(佐藤勉君) 今先生がおっしゃられた趣旨をしっかりと守るというのが私の立場だというふうに思います。
○山下芳生君 そこで、今日は、佐藤総務大臣御自身の政治資金問題について聞きたいと思います。 あなたが支部長の自由民主党栃木県第四選挙区支部は、日本歯科医師連盟から〇一年に百万円、〇二年に二百万円、〇三年に百万円、合計四百万円の献金を受けております。また、あなたの資金管理団体は、パーティー券を〇二年に百万円、〇三年に百万円、計二百万円分日歯連に買ってもらっております。全部合わせると六百万円です。 この日本歯科医師連盟からの献金は、どういう経過で受けたのか、またどのように処理をされたんでしょうか。
○国務大臣(佐藤勉君) 平成十三年から平成十五年の間に日歯連から受けた政治献金、おっしゃられるように六百万円については、日歯連からの政治献金として受け取ったものでございます。
○委員長(内藤正光君) 佐藤総務大臣、引き続きどうぞ。
○国務大臣(佐藤勉君) 失礼しました。 政治献金として受け取ったものでございます。
○山下芳生君 どのように処理されましたか。
○国務大臣(佐藤勉君) 日歯連との関係で誤解を招いたということに反省をいたしまして、平成十六年四月二十日に日歯連に返還をしたところでございます。
○山下芳生君 なぜ返還されたのかといいますと、〇四年二月二日に日歯連が政治資金規正法違反容疑で東京地検特捜部の捜査を受けました。橋本龍太郎元首相が料亭で一億円の小切手を受け取ったとされる事件であります。それが大きな問題となったので、あなたは慌てて日歯連からの献金を返却したということだと思います。 しかし、佐藤総務大臣、あなたが日歯連から受けた献金はそれだけではありません。一億円のやみ献金事件の中で、別の多額の迂回献金疑惑も浮上しております。その中に、〇一年十一月二十日、日歯連から四人の政治家を受取人に指定した三千万円の献金が国民政治協会に行われて、同協会から自民党に送金され、さらに自民党から指定された政治家へ献金が渡るという迂回献金がありました。このときあなたは、四人の政治家の一人として日歯連から五百万円の迂回献金を受け取ったと指摘されております。 しかも、あなたは〇一年五月七日から〇二年一月八日まで厚生労働政務官でありました。厚生労働政務官のときに日歯連からの迂回献金を受けていたことになります。当時あなたが日歯連から働きかけを受けて、歯科診療報酬改定のため汗をかいていたということも後にメディアで問題となりました。 この五百万円も、あなたが日歯連から受け取ったお金ではありませんか、説明を求めたいと思います。
○国務大臣(佐藤勉君) 今御指摘のございましたお金につきましては、あくまでも党から政治活動費としていただいたものでございまして、関係はございません。
○山下芳生君 ここに財団法人国民政治協会から日歯連に渡された三千万円の領収書のコピーがございます。日付は平成十三年十一月二十日とありまして、この台紙に張られた領収書の欄外に三けたの番号が四つ並んでおります、七百五十九、七百六十、七百六十一、七百六十二と。この七百六十一番が佐藤勉衆議院議員だということが、日歯連の現金出納帳には同じ番号として佐藤勉衆議院議員、伝票番号七百六十一番、五百万円と記されてあったという報道もあるわけですね。 ですから、これは、出した日歯連の側はあなたへの献金だとはっきり記録しているわけですね。あなたがそれを認識していなかったら献金の意味がないと思うんですが、違うんですか。
○国務大臣(佐藤勉君) 先ほども申し上げましたように、党からの政治活動費でございます。
○山下芳生君 〇五年四月十四日、東京第一検察審査会は、日歯連から佐藤勉衆議院議員に五百万円の迂回献金がなされた政治資金規正法違反被疑事件について、検察の不起訴処分は不当という決議をされました。 検察審査会は、佐藤大臣が自民党から政策活動費として受け取ったと今おっしゃった五百万円についてこう述べております。本件は、当時厚生労働政務官という政府の要職にあった被疑者佐藤勉に対して利益団体が便宜を図ってもらうという目的でなされた献金であり、政治資金規正法の精神からいっても国民の視点から見てもその報告の義務はなおさら大きいと思われる。献金者と政治家の間に別の団体や口座が介在するというだけでその報告義務から免れるということであれば、そもそもこの法律の実効性は失われてしまうと断じております。これが国民の目線だと思いますよ。 政治資金規正法を所管する大臣として国民が納得できる説明をする必要があると思いますが、いかがですか。
○国務大臣(佐藤勉君) 検察審査会の決定を受けた検察庁でございますけれども、再度不起訴の判断をしておりまして、ただ、その検察審査会のこのような判断があったということは留意をいたしまして、国民から誤解を招かぬように政治活動に精進をしていきたいというふうに思っております。
○山下芳生君 誤解を招かないように説明をすべきなのに、説明はされていませんよね。 これは、政治資金規正法の基本理念には、政治団体はその責任を自覚し、その政治資金の収受に当たっては、いやしくも国民の疑惑を招くことのないように、この法律に基づいて公明正大に行われなければならないとあります。その所管大臣が自らの政治資金問題で法の基本理念に反するような態度を取り続けることは、私は許されないと思います。 佐藤総務大臣の政治資金について、日歯連以外にも調べてみました。〇五年十月十四日に公正取引委員会が栃木県宇都宮市発注の建設工事談合事件で四十一社に対して排除勧告を行いました。宇都宮市は直ちに四十一社を八か月間の指名停止処分にいたしました。さらに、〇五年九月二十九日、公取は北陸地方整備局管内などの鋼橋上部工工事の談合事件で四十五社に対して排除勧告を行いました。五か月間の指名停止処分がありました。配付した資料を御覧になっていただきたいんですが、談合事件で排除勧告を受けた企業から佐藤大臣が支部長である自由民主党栃木県第四選挙区支部への献金、パーティー券の購入がなされております。談合中に六社、それから排除勧告や指名停止処分を受けた後も二社からなお献金を受け続けております。 佐藤大臣は、談合事件で排除勧告を受けた企業であることを知りながらこの献金を受けたんですか。
○国務大臣(佐藤勉君) 私が支部長を務める自由民主党栃木県第四選挙区支部の関係の御指摘がございますが、政治献金については政治資金規正法にのっとって適切に処理をしているものと承知をしております。
○山下芳生君 談合事件で排除勧告を受けた企業だと知りながら受けたのかどうか聞いているんですよ。
○国務大臣(佐藤勉君) そこまでの明確なところはちょっと把握しておりません。
○山下芳生君 何を把握していないんですか。あなたがこの企業は談合で排除勧告を受けたという企業だということを知っていたのか知らなかったのかですから。どうなんですか。
○国務大臣(佐藤勉君) 先ほど申し上げましたが、具体的な事情について現時点での逐一把握をしていないので、よく調べさせていただきたいと思います。
○山下芳生君 ちょっと納得できないんですね。これは栃木県内の公共事業の談合事件ですよ。あなたの地元なんです。新聞やテレビ、マスコミで大きく報道されました。十分承知していたはずなんですよ。知らないはずないんですよ。にもかかわらず、その談合企業から献金を受けていたのはなぜか。なぜなんですか。
○国務大臣(佐藤勉君) 何回も申し上げますが、具体的な事情について現時点では逐一把握をしておりませんので、よく調べてみたいというふうに思います。
○山下芳生君 所管大臣としての私は姿勢がまさに今、瞬間、問われていると思いますよ。 麻生内閣の閣僚の中には、談合事件などにかかわった企業からの献金が指摘され、受け取った献金を返却した大臣が何人もいらっしゃいます。河村官房長官、金子国土交通大臣、小渕少子化担当大臣、中川前財務大臣などですが、佐藤総務大臣は、談合事件で指名停止になった企業からの献金を返却はされないんですか。
○国務大臣(佐藤勉君) 先ほど申し上げましたように、その具体的な状況を調べた上で、慎重に対応して、検討してまいりたいと思います。
○山下芳生君 非常にあいまいですよね。日歯連からの献金しかり、談合企業からの献金しかり。私は、政治と金をめぐる佐藤大臣の対応を見ますと、政治資金規正法を所管する総務大臣としての資格があるのか疑わしいと言わなければなりません。このままでは国民はとても納得しないということを指摘しておきたいと思います。 次に、日本郵政の問題について伺いたいと思います。 まず総務大臣、資料に別に配っておりますように、これはもう前回も配りましたけれども、日本郵政の西川社長には国民に大被害を与えた六つの責任があると思います。佐藤総務大臣が西川社長の続投を認可するに当たっては、六つの責任の一つ一つについてちゃんと検討をする必要があると思いますが、大臣の認識を伺いたいと思います。
○国務大臣(佐藤勉君) 西川社長につきまして、かんぽの宿に代表される日本郵政のガバナンス不足等について、経営責任者としての責任はもちろん否定できないというふうに思います。 しかしながら、今般、二十二日月曜日に西川社長から受けた報告において、日本郵政が自らの責任を明らかにいたしまして、今後の改善方策を明確にした上で、これを一年以内に責任を持って実施するとのことでございまして、西川社長には、今後、改善方策として提案をした内容を確実に実行していただきたいというふうに思っております。
○山下芳生君 これまだ、株主総会は二十九日ですから、その議決に対して認可するのが総務大臣ですから、そこで問われると私は思っておりますので、しっかりと一つずつ改めて検討していただきたいと思います。 それからもう一つ、佐藤総務大臣は西川社長続投の条件として、西川社長が三井住友グループから連れてこられた幹部を辞めさせることを求めたとされております。西川社長も、大臣からの指示もあったと、一昨日、参議院財政金融委員会で答弁をされております。総務大臣は三井住友グループ出身者の扱いについて具体的にどのような指示をされたんですか。
○国務大臣(佐藤勉君) 今週月曜日、二十二日でございますけれども、西川社長の来訪時に私から、かんぽの宿等の一連の国民の目から見て分かりにくい出来事に対して、チーム西川とされる人々が携わったことが国会での御議論や報道等で問題とされておりまして、日本郵政に対する国民の信頼を取り戻すためには、これらの人々に速やかにお辞めいただくことが最低限求められるのではないかというふうに申し上げました。
○山下芳生君 チーム西川というのは、佐藤大臣はそのとき具体的にだれとだれだと指名されたんですか。
○国務大臣(佐藤勉君) 具体的な名前までは申し上げておりません。
○山下芳生君 具体的に言わずに、チーム西川というふうに言って、それが指示になるんですか。
○国務大臣(佐藤勉君) マスコミ等々でいろいろあるのと、御議論の中で出てまいっているというふうに私は認識しております。
○山下芳生君 チーム西川の中で結局お辞めになることになったのは、横山専務執行役、後藤英夫秘書室長、百留一浩グループ戦略室長、奥村真コーポレート・コミュニケーション部次長だと思いますが、加えて昨日、宇野ゆうちょ常務執行役も執行役の退任ということが発表されました。この四人プラス宇野さん、間違いないですか、西川社長。
○参考人(西川善文君) 四人については、特にチーム西川というような名前を付けているわけじゃありませんが、マスコミ等でそういう言い方をされておるということでございまして、今御指摘の横山、後藤、百留、奥村、この四君であります。それから、宇野ゆうちょ銀行常務執行役は昨日退任をいたしましたが、これは、彼のゆうちょ銀行におけるクレジットカード業務、そして変額年金保険の取扱い等につきまして、彼の担当した業務が一定の区切りが付いたので彼は退任をするということで退任をしたものでございます。
○山下芳生君 なぜ退任する人と退任しない人が同じ西川さんが三井住友グループから連れてこられた中で分かれたのか、私理解できないんですよ。 佐藤総務大臣、この四人と一人ということで、佐藤大臣がおっしゃった国民から不透明な人事をやめさせるということ、これで完了なんですか。
○国務大臣(佐藤勉君) 決してこれで完了ということではありませんし、辞めさせる、辞めさせないということも含めてこれからしっかりとした検証をしながら見守ってまいりたいというふうに思っております。
○山下芳生君 大臣は西川社長に対して、四人組と言われる人について、速やかに日本郵政を退職して銀行に戻る措置をとりなさいと御指示を受けましたと財政金融委員会で西川社長がおっしゃっているんですが、四人組ということは言われたんですか。
○国務大臣(佐藤勉君) 四人組というところまでは申し上げていないというふうに思います。
○山下芳生君 じゃ、なぜか西川さんがそう言われたと、頭の中にあったのかもしれません。 四人組という言葉のほかに四天王という言葉がメディアでは書かれております。それは先ほどの四人とは違うんです。横山さん、それから妹尾日本郵政常務執行役、それから宇野さん、さらに福島ゆうちょ銀行執行役副社長ですね。これがこれまでずっとメディアでは三井住友四天王と言われておりました。この中でお辞めになるのは横山さんと宇野さんだけであります。なぜ妹尾さんはお辞めにならないのか。なぜですか。
○国務大臣(佐藤勉君) ちょっと社内のことでございまして、私からはちょっと測りかねます。
○山下芳生君 それは無責任なんですよ。それは無責任なんですよ。チーム西川はお辞めになるべきだと言っておきながら、それがだれなのかはチーム西川のトップ任せ、西川任せでは、これはちゃんとした大臣としての責任を果たしたことにならないですよ。それは駄目ですよ。 それで、何で妹尾さんが辞めさせられていないのか。これは、これから新たな利権を出身の三井住友グループに多額に与える役割をしなければならないからですよ。妹尾さんというのは、大和証券SMBCの常勤監査役だった方であります。 実は、カード事業以上にこの三井住友に巨額の利権を与えるであろうと言われているのが、我が党の大門議員も再三指摘しております従業員持ち株会であります。莫大な持ち株会でして、この事務代行を委託されたのが大和証券SMBCですね。これも三井住友フィナンシャルグループです。なぜ大和SMBCに委託が決まったのかというと、これは非常に不透明で、個別面談で決まっているんですね。これが最大のもうけ口になっていくだろうと。郵政の株が上場するときに、このときの新規株公開の幹事会社はどこがやるかといいますと、大抵、普通の企業では、この持ち株会の事務委託をやっていた証券会社がそのままやるんです。 ですから、郵政の株式が上場されるときの膨大な手数料を大和SMBCが手に入れる。それが今からこの妹尾さんには大きな仕事として残っているから今回は辞めさせるわけにいかなかったというふうに、これはこういうふうに今辞める人と、もうカード事業で道付けた宇野さんは辞めてもろてもいいと。だけれども、まだ妹尾さんはやってもらわなあかん仕事があるでということじゃないんですか、西川社長。
○参考人(西川善文君) お答えいたします。 妹尾君がただいま担当しておりますことは監査、コンプライアンス部門でございまして、持ち株会などの業務を担当しておるわけではございません。
○山下芳生君 今直接担当していなくたって、そういうことを出身の、大和の出身の方ですからね、非常に重要な仕事をされているわけですよ。 じゃ、なぜ妹尾さんは残り、ほかの方で辞める方、また残る方もあるのか。これ、国民に説明が付かないですよ。これでチーム西川解散だという報道がありますけど、解散されてないですよ。徹底的に国民が納得できるような対応をしてもらわなければならないということを申し上げて、終わります。
○又市征治君 社民党の又市です。 佐藤大臣には、五大臣兼務八分野担務ということで、聖徳太子以上のことを努力が求められておるようでありますから、率直に言わせてもらうと、お祝いというよりも同情申し上げた方がいいんだろうと思います。 今日は、先般の大臣所信について幾つか確認をさせていただきたいと、こう思います。 まず初めに、所信の中で、地方公務員の定員の純減を進めるなど、地方行革を着実に推進しますというふうに述べられております。しかし、毎年、地方交付税五兆円余りの削減と国からの定員削減圧力で、地方は非常に厳しいスリム化を強いられてきた。これは副大臣なさっておりましたから重々御承知のとおり。その結果、正規職員や賃金を減らして、総務省調べで五十万人、自治労調べで六十万人と推定される臨時・非常勤職員、こんな状況になってきた。 特に市町村では今や職場の十人のうち三人がそれこそ守秘義務も持たない非正規だと、かなり無理が掛かってきていると、私は去年の十二月十八日、この委員会で前総務大臣に質問をいたしましたら、鳩山さんは、これはやっぱり正常な姿ではない、これは今後最大の課題になる、こう述べられたし、また、四月二十三日にも、行政改革というものは減らせばいいというものでは絶対ない、真に必要なところに人を移すのが行政改革だとも述べられているわけですが、今日、少子高齢社会がどんどん進んでいく、ますます自治体の役割、責務というのが大きくなっているときに、まだこの純減という姿を追い求める、こういう格好で無理を押し通せるということなのか、ここのところをまず大臣の認識を一つはお伺いしたい。 もう一つ。その関連で、今申し上げた五十万、六十万という自治体における非正規職員、雇用保険にも健康保険にも入っていない、入らせられていないわけですね、これ。これどうするんだと、こう聞いたら、鳩山さんは、皆保険、皆年金という原則をやっぱり守る努力しなきゃいかぬということでおっしゃっておるわけだが、さて、これだけ雇用問題が大きな問題になっているときに、佐藤大臣はこういう人々のこの保険問題などについてはどういうふうに努力をなさるおつもりか、この二点、まずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(佐藤勉君) 現在、地方公共団体でございますけれども、集中改革プランにおいて、十七年から二十二年までの五年間でマイナス五・七%の定員削減の目標の下、六・三%の目標を自主的に定めて取り組んでおられます。平成二十年までの三年間で四・七%の純減となっておりまして、大変御努力をいただいているところでございますが、その中で、それぞれの地域の実情に応じて、今先生おっしゃられましたように、正規職員と併せて臨時そして非常勤職員の活用も図っているものと承知をしております。 各地方公共団体において、国民、住民の信頼に支えられた分権型社会を確立するためにも、住民のニーズを的確に把握しながら、めり張りを付けた組織の見直しを通じて簡素で効率的な行政体の整備に努める必要があるものというふうに思います。 総務省として、地方公共団体の声を十分にお伺いをしながら、地域地域のいろんな状況があると思いますので、先生の御指摘も含めて検討してまいりたいと思います。 そして、その臨時・非常勤職員のうちの地方公務員共済の対象とならない人たちについて、勤務時間や日数などに応じて、年金の制度としては御承知のように厚生年金そして国民年金制度がございます、健康保険の制度としては協会けんぽや国民健康保険制度が適用されております。 各地方公共団体は、それぞれの制度の適用要件に応じて、臨時・非常勤職員の健康保険や公的年金の適用について遺漏のないように対応すべきというふうに私も考えておりまして、総務省においても、四月二十四日付けで臨時・非常勤職員の任用等についての留意事項を各地方公共団体に通知しておりまして、先生がおっしゃられるように、すべての皆様方がそういう不利益を得ないようなということを基本に通達をさせていただいたところでございます。
○又市征治君 今申し上げた大事な認識は、ただ単に政府が目標をつくったと、五・七%毎年削りなさいよと言ったということが問題なんではなくて、現実にどういうことが起こってきているか、まさに鳩山さんじゃないけれども、今役場で守秘義務を持たない職員が十人のうち三人もいる、こんなことが正常だと思うのかどうか、ここのところの認識が非常に佐藤さん、大事ですよ。改めて答弁求めませんが、こんなものだれも正常だと思っておるわけがない。 そうすると、ますます少子高齢社会の中で公務部門が果たす役割が大きいときに、何か非常勤でも何でもいいから人数だけおればいい、無理に無理が掛かってきた。国の責任で交付税削ってきたんでしょう。それは、佐藤さんもこれは大変問題だとおっしゃっておったはずだ。とすれば、そういう国の責任があるのに、また一方で機械的に削れというのはいかがなものかと、こう申し上げているんで、その認識はしっかり持っていただきたい。 二つ目に、地方団体の安定的な財政運営に必要となる地方税、地方交付税等の一般財源の総額を確保してまいりますと、こう述べられている。先ほど述べたとおり、まさにこれからの時代は自治体の果たす役割が非常に大きい、こういうことなんでありまして、まして地方の疲弊が著しい中で、単に現状維持の総額確保ではなくて、やはり交付税削減前の総額復元に、むしろ復元こそが求められるんではないのか。 そういう立場で、例えば今年度、道路特定財源の廃止に伴って財源増に総務省挙げてこれは努力をされてきたと思うんですね。だから、そこの認識、単に総額確保ではなくて、元の、交付税をやっぱり削る前のところに戻す努力というのが大事じゃないのかというのが一つ。同時に、じゃ、その財源確保のために具体的にどういうことを大臣としてはなさろうと考えておられるのか、この二点をお伺いしたい。
○国務大臣(佐藤勉君) 平成二十一年度において地方六団体からの要望というのがございまして、別枠で地方交付税を一兆円増額し、そして併せて地方財政計画の歳出を一兆円増額をいたしました。このうち、特別枠以外の五千億については、平成二十二年度以降も地方財政計画の歳出に計上して必要な一般財源を確保することとしておりまして、今後も、経済情勢を踏まえた地方財政計画の策定等を通じまして、地方団体の安定的な財政運営に必要な地方税、交付税等の一般財源を確保していかなければいけないというふうに思っております。 また、経済状況を好転させることを前提に、消費税を含む税制の抜本改革に取り組む際でございますが、これからの話だと思いますけれども、地方消費税の充実、地方交付税の法定率の在り方の検討など、地方税財源の充実に取り組んでいかなければいけないというふうに思っております。
○又市征治君 前段おっしゃったのは、ちょっと継ぎはぎの時限的措置ではなくて、やはり地財計画レベルでの需要額の算定増による交付税の計画的な復元というものを是非しっかりやっていただくようにこれは求めておきたい、これまでも申し上げてきたことであります。 三つ目に、国の直轄事業問題、先ほどからも出ていますから簡潔にしたいと思いますが、地方団体からの御意見も十分にお聞きしながら見直しに取り組んでまいりたいと、こうおっしゃったわけですが、全国知事会、ずっと以前からこれは制度そのものの廃止を求めておられる。三月二十七日のこの委員会で、全会一致で地方分権改革を推進するための地方税財政基盤の確立に関する決議が上げられておりまして、この中でも、直轄事業負担金については、役割分担の明確化等に応じ、廃止を含む見直しを行うことを全会一致で決めているわけですね。そして、地方分権改革推進委員会、四月に出されている要望を受けている。このことは御存じのとおりであります。 こういう、もう今や、余りにもこんなひどい状況というか、地方交付税がどんどん削られて地方が財政危機に陥っているからなおのこと、この直轄事業問題というのはみんな目が行くということは、これはもう言うまでもないことで、この間も大臣にお聞きしました。 そこで、さっき高嶋さんからもお聞きになったが、大臣としては、来年度予算では何と何をまず手直ししろよと、そしてその上で維持管理費の廃止に向けてどういうふうに取り組もうとなさっているのか、もう少し具体的にこれはお答えいただきたい。
○国務大臣(佐藤勉君) おっしゃられましたように、直轄負担金の対象範囲の見直しについては国庫補助との均衡を図ることが基本と考えておりまして、具体的には、現在国庫補助金の対象外となっている退職手当、先日もお話を申し上げましたけれども、管理職員の人件費、河川国道事務所の建設費等の経費については直轄負担金の対象外とするとともに、助成事業と同様に事務費の上限を設定すべきであるというふうに考えております。 したがって、全国知事会でもおっしゃられているように、国土交通省との見直しの協議に臨む考えでございます。しっかりと対応してまいりたいというふうに思いますし、対象範囲の見直しが進むようにこれからも頑張っていきたいというふうに思います。 そこで、維持管理費の廃止に向けてということでございますけれども、維持管理費に係る地方負担金については、地方から、平成二十二年度から廃止すべきとの強い要望がございます。先ほど先生がおっしゃったとおりでございます。地方分権改革委員会からの提出された意見においても、維持費に係る負担金については廃止すべきであるというふうに明記をされておりますし、総務省としても、維持管理費、本来管理者が負担すべきであることでありますから、維持管理費に係る地方負担については早急に廃止をすべきという考え方を取っていきたいところでございます。 維持管理費に係る地方負担金の廃止に向けては政府部内で調整が必要でございまして、総務省としては、概算要求基準の策定に合わせて国土交通省等に申入れを行うなどして、今回の分権改革に見直しが進むように積極的に取り組んでまいりたいというふうに思います。
○又市征治君 それでは最後に、郵政の問題についてお伺いをしたいと思います。ちょっと通告と前後するかもしれませんが、是非、これは肝要なところですから。 大臣もこの間の中では、国民の信頼を損なう事態も生じており、政府としては、民営化後の状況を十分検証し、改善すべき点は改善してまいりますと、こんなふうに述べられていますが。さっきも一つ出ました、長谷川さんから出たんですが、日通との宅配便の統合問題、これ日本郵政株式会社が勝手にこれも進めて、郵便局会社はこれを知らないんですよね。それでばっと出てきてやっていて、一万人以上にわたるこれは首切り問題が発生する危険性があるということをこの間の九日の日にも私は追及しました。 したがって、この問題については、この新会社の認可再申請が出てきても、これはそういう問題まで含んでいますから、慎重に対処していただくというのがまず一つ。それからもう一つは、様々、かんぽの問題などの大きな問題としてなったのは、法律的に五年以内に売り払えと、こうなっているから、これは問題だよというふうに国会でも問題になって、前大臣もこれは見直さにゃいかぬと、こうおっしゃってきた。 この二つをまず先に、大臣、お答えいただきたい。
○国務大臣(佐藤勉君) 先ほども御答弁申し上げましたけれども、JPEXですか、この件についてはこれからスタート、スタートといいますか、今進行中でございますけれども、そごがあれば当然認可を与えるなんということにはならないというふうに思いますし、そこは先生のおっしゃる趣旨を体してしっかりと検証していきたいというふうに思います。 それと、五年後という話でございますけれども、これもこれからのいろんな検証の中でいろんなことがまた明らかになる可能性もあるわけでございまして、そういういろんなお話を含めた上で検討しなければいけないというふうに思いますし、絶対に五年ということではないというふうに私は感じております。
○又市征治君 いや、五年という縛りがあるから売らなきゃならぬと日本郵政は言ってきたわけですから、そうすると、それが生きたままだとそんな格好でまだいくわけで、これは法的な見直し問題も含めて早急に検討いただきたいということなんです。
○国務大臣(佐藤勉君) おっしゃるとおりにしたいと思います。
○又市征治君 そこで、先ほど来から出ている問題なんですが、大臣は、あなたの就任早々、十三日、地元の栃木で講演なさったときに、会社の社長を国が追及して替えるというのは民営化の趣旨に反する旨述べられたというのが新聞に載っています。これはちょっといかがなものか。 そもそも郵政三事業は国民の共有財産であって、だから政府一〇〇%出資の特殊会社と、これはあなたもおっしゃった。だからこそ政府は業務改善命令も出せるわけでしょう。一般の民間会社に出すわけないじゃないですか。そして、その途中でまたマスコミに聞かれてあなたは、いや、業務改善命令に対する最終報告を受けてからこれは判断をすると、こうおっしゃっていたが、現実問題は最終報告出たのは昨日でしょう。だけど、あなたがほぼ了解をしたと、総理大臣も一緒になって言っているのは二十二日じゃないですか。 なぜそんな格好で判断がされてくるのか、これは納得、全く理解ができない。これは総務大臣の適格性が問われていますよ。お答えください。
○国務大臣(佐藤勉君) 大変申し訳なく思っておりますけれども、総務大臣に任命をされた当初ということで、そんなこと言い訳にはならないわけでありますけれども、正確な情報を持ち合わせていない中での若干踏み込み過ぎたとも受け取れる発言があったことに対しては大変反省をして、御容赦をいただきたいというふうに思います。
○又市征治君 もう一つの方はお答えになっていないわけで、十三日の件は分かりましたよ。 だけれども、本来ならば株主総会は二十九日だ。そうすると、二十四日には最終報告を郵政は持ってくると言っている。これを昨日受けて、今日なり、そこで判断されるなら分かるけれども、何で二十二日の日にもう続投は認可しますという方向になっていくのか。これは我々、国民は全く分からぬと、こう言っているわけですよ。 そこで、そのこともお答えいただくことも含めながら、もう一歩突っ込んで申し上げますが、先ほど来出ているように、国民共有の財産であるかんぽの宿を始めとした不動産の疑惑に満ちたたたき売りの問題や、かんぽだけじゃありませんよ、多額に上る簡易保険の未払問題がある。これは国民に損害を与えているわけだ。あるいは郵便事業における低料第三種の不正問題、三井住友銀行とさっきもありました疑惑のあるカード事業の問題、全体的にはユニバーサルサービスが低下している問題。それは大臣も地方を回って、さっきちょっとおっしゃっていたけれども、窓口がそんな格好で行き来ができないなんてばかな話もあるということもある。簡易郵便局が閉鎖されてきたところもある。こういう問題など、ユニバーサルサービス低下という問題もある。 つまり、こういうものを、全体の一連の不祥事、こういう問題で国民に損害を与えたり、あるいは民営化で求められたことがたがえられたりしたことがむしろきちっと総括をされるということが大事だ。とすると、さっきから言われているように、ガバナンスが欠落していたんではないのかということなんでしょう。この総括をまずきちっとした上でなければ人事の問題というのはいかないというのは当たり前だと思うんだけれども、さて、この今私が申し上げた、本当は、山下さんは六つとか言って、この間私は八つ挙げたんだね。そういう、たくさんあるんだが、そのことについてどういうふうに総括をなさっているのか、ここのところをまず率直に今大臣としてお答えいただきたい。
○国務大臣(佐藤勉君) 先ほど答弁が漏れましたことをおわびしたいと思いますが、二十二日に報告をいただいたものはその基本線としてということで伺ったわけでございまして、正式には昨日の提出によって判断をさせていただいたということでございます。 その後、いろいろ改善命令等々を伺い、そして拝見をし、そういう中で、何回も申し上げますが、財務大臣、官房長官、そして総理に御相談を申し上げた後、その結論を出したということでございまして、御理解を賜りたいと思います。
○又市征治君 また総括のところが答弁がないんですが。 やっぱり政府一〇〇%出資の特殊会社として、たまたまそれは商法に基づいて運営した方がいいだろうと与党の皆さんがおっしゃって、いろいろと議論があったけれども民営化をされてきた、民営化に向かって進んでいる。だけど、その中できちっとユニバーサルサービスを維持しようということだったはずですよね。この民営化に向かっていく中で、弊害が出てくれば国民の立場で行き過ぎを停止をする、あるいは是正をするというのが総務大臣の私は大事な役目だと思うんです。 そうすると、そのことが総括抜きに単にまず人事が先行していくと、こういう話というのはおかしい。だから、前回、私この委員会で郵政集中のときに、これ国会同意人事だったら全く参議院は否決ですよと申し上げた。また、郵政公社であれば当然更迭じゃありませんか。何か報酬の一部減額程度で済むような話じゃない。これを正しく是正指導した大臣を更迭をして、逆に社長はそのままおとがめなし、こんな自主的に返納でございますと。ここに国民が唖然としている。こんなことで一体全体郵政事業に対する国民の信頼、こんなことが勝ち取れるのかということが今問われている。 だから、今からでも遅くないから、二十九日以降でもいいんだから、西川社長は更迭すべきだということを申し上げたいし、そういう意味で今大臣の適格性がさっきも申し上げたように問われている、このことを申し上げて、時間が来ましたから終わりたいと思います。
○委員長(内藤正光君) 本日の調査はこの程度にとどめます。 ─────────────
○委員長(内藤正光君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 日本放送協会平成十九年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、総務省情報流通行政局長山川鉄郎君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(内藤正光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(内藤正光君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。 日本放送協会平成十九年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、日本放送協会会長福地茂雄君外七名を参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(内藤正光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(内藤正光君) 日本放送協会平成十九年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書を議題といたします。 まず、政府から説明を聴取いたします。佐藤総務大臣。
○国務大臣(佐藤勉君) ただいま議題とされました日本放送協会平成十九年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書並びに監事の意見書について、その概略を御説明申し上げます。 本資料は、放送法第四十条第三項の規定により、会計検査院の検査を経まして国会に提出するものでございます。 平成十九年度の貸借対照表の一般勘定については、平成二十年三月三十一日現在、資産合計は七千八百五十三億円、負債合計は二千六百二十三億円、資本合計は五千二百二十九億円となっております。 損益計算書の一般勘定については、経常事業収入は六千八百四十七億円、経常事業支出は六千四百十六億円となっており、経常事業収支差金は四百三十一億円となっております。 以上について、監事の意見書においては、監査の結果、平成十九年度の財務諸表は、日本放送協会の財産及び損益の状況を正しく示しているものと認められております。 何とぞよろしく御審議のほどお願いを申し上げます。
○委員長(内藤正光君) 続きまして、日本放送協会から説明を聴取いたします。福地日本放送協会会長。
○参考人(福地茂雄君) ただいま議題となっております日本放送協会の平成十九年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びに監事の意見書の概要につきまして御説明申し上げます。 初めに、財産目録、貸借対照表を御説明申し上げます。 一般勘定の当年度末の資産総額は七千八百五十三億円、一方、これに対する負債総額は二千六百二十三億円、また、資本総額は五千二百二十九億円でございます。 続いて、損益計算書における一般勘定の経常事業収入は六千八百四十七億円、経常事業支出は六千四百十六億円でございます。 以上の結果、経常事業収支差金は四百三十一億円となり、これに経常事業外収支及び特別収支を加え又は差し引いた当期事業収支差金は三百七十五億円となりました。 このうち、債務償還に充てた資本支出充当は八億円であり、事業収支剰余金は三百六十七億円でございます。 なお、この事業収支剰余金は、翌年度以降の財政安定のための財源に充てるものでございます。 以上につきまして、監事の意見書では、貸借対照表等は、監査の結果、協会の財産及び損益の状況を正しく示しているものと認めるとされております。 これをもちまして概要説明を終わらせていただきますが、今後の協会運営に当たりましては、公共放送としての使命と責務を深く認識し、視聴者から一層信頼される公共放送を目指した改革に取り組み、放送事業の一層の発展に努力してまいる所存でございます。 何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○委員長(内藤正光君) 最後に、会計検査院から検査結果についての説明を聴取いたします。真島会計検査院事務総局第五局長。
○説明員(真島審一君) 日本放送協会の平成十九年度決算につきまして検査いたしました結果を御説明いたします。 協会の平成十九年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書等は、平成二十年六月二十七日に内閣から送付を受け、その検査を行って同年十一月七日に内閣に回付いたしました。 協会の十九年度の決算につきまして検査いたしました結果、法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項はございません。 以上、簡単でございますが、説明を終わります。
○委員長(内藤正光君) 以上で説明の聴取は終わりました。 午前の部はこれで終わります。午後二時に再開することとし、休憩いたします。 午後零時四十三分休憩 ─────・───── 午後二時開会
○委員長(内藤正光君) ただいまから総務委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、日本放送協会平成十九年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○加藤敏幸君 民主党・新緑風会・国民新・日本の加藤でございます。 NHK十九年度決算に関する質問並びにNHKの放送、報道の自律性あるいは中立性についての集中的審議と、こういうふうな位置付けで本日時間を取っていただきましたので、それに関連して幾つか質問をさせていただきたいと、このように思います。 まず最初に、報道の在り方の方から幾つか御質問をしたいというふうに思います。 この問題は、NHK予算の審議のときに、長谷川委員それから行田委員、お二方からいろいろ質疑がなされたということがございました。時間の関係もありましてまだまだ質問をしたいというような内容であったというふうに思いますので、その流れを追いながら、また、個々の事象にこだわるということだけじゃなくて、少しく全体的な立場でいろいろと質問あるいは御意見もお伺いしたいと、このように思います。 NHKは公共放送機関として正確また公正な、あるいは公平な報道を行うということは、放送法あるいは独自のガイドラインによっていろいろと責務が明確にされていると。しかし、西松建設の政治献金問題に関する報道の一部について、その正確性あるいは不偏不党性という原則から少し離れたのではないかという指摘があったと、これが発端でございます。また、本件が、御存じのとおり、私どもを含めまして社会的にも大変大きな影響を与えた、大変甚大な影響を与えたという、そういう状況を含めまして、本日この問題を取り上げているということでございます。 既に、先ほど申しましたように両委員の質問がなされておりますので、細かい経過は省略をさせていただきましてストレートに申し上げますと、問題になった報道は、大久保秘書が起訴された三月二十四日の翌二十五日の深夜午前零時のニュースだったと、このように思っています。民主党の小沢代表の秘書が東京地検特捜部の調べに対し、西松建設からの献金だと認識していたと、収支報告書へのうその記載を認める供述をしていることが関係者への取材で分かりましたという、こういう報道がございました。このニュースは、NHKのみならず、毎日新聞、TBSを除く主要マスコミのすべてが報道をいたしました。 ただ、本件に関しましては、その三日後でありますけれども、三月二十七日、大久保秘書の弁護人が司法記者クラブにおきまして、大久保氏が起訴事実を大筋認めているとの報道については弁護士らの認識は全く異なっております、そして今後は十分な取材に基づき客観的かつ公正な報道を行っていただきますよう申し入れますというコメントを出されたと、このような経過になります。 また、本件に関しましては衆議院におきまして、原口議員の質問において法務省は、検察のリークはないと、このようにはっきりと答弁されており、一方の当事者の被疑者と弁護人は起訴事実を認める発言はしていないということ、このことも明確に申しておりますので、結局は、報道各社が検察の特別のルートで供述調書のコピーなどを手に入れられたのか、あるいはある種の予断を持って報道されたのか、そのどちらかではないのかと、普通の人間はそのように思うということでございます。 また、マスコミ各社が一斉に報道したという、これもまたある意味で、経過から申しますと不思議な事象が起こっているということであります。先週十九日に開かれた西松建設の前社長の国沢被告に対する公判では、検察側が大久保秘書の供述調書を朗読しておりますけれども、内容から判断すれば、やはり供述調書が事前に漏れたか、あるいはその内容について意識的に漏らされたのではないか、このように考えるしかないと、こういうふうに思っています。 さて、NHKでは、日向放送総局長がこれまで、取材によって得られた確かな情報に基づいて報道をしましたと、取材源は明らかにできないと、このように繰り返されているだけでありますけれども、これだけ委員会において取り上げられた言わば政治問題化した報道について、NHKは実際にこの報道の適切性について、いわゆる内部における放送現場の倫理に関する委員会など設置されていると思いますけれども、内部的に検証されたのかどうか、そこをまずお伺いしたいと思います。
○参考人(今井環君) 今回の事件も含めまして、NHKは事実を正確に報道するために日々十分な取材を行っているところでございます。取材によって把握した事実に基づいて正確な報道をすることを心掛けております。 今回の件について局内の放送倫理委員会などで個別に議論はしておりませんけれども、正確な報道、公平公正に努める報道の在り方については活発な議論を続けているところでございます。
○加藤敏幸君 今日は、何が何でも認めさせてやるぞとか、そういう姿勢では私はございません。ただ、余りにも木で鼻をくくったような答弁に終始されますと、まあまあ余り議論が前に進まないというのもこれは問題があるというふうに思いますので、できるだけ率直に私は答えていただきたいというふうに思うんです。 そこで、この事件の基本は、逮捕された本人がどう供述するかというのが第一級のやっぱり証拠なんです。そういうふうにNHKの皆さん方も解説をしておられましたよね、新聞見てもそうでしたね。したがって、そういうふうな、まさに供述こそがキーポイントだというこの種の事件において、関係者の取材で分かった、供述を始めたと。しかし、弁護人は、それは違うと。また、密室ですから、身柄を拘束されていますから、本人か接見した弁護人か取調べに当たった検察あるいはその上司、ここしか事実を知ることはできないんです。そしてまた、法務委員会においては、検察はリークはしていないと、リークしているということになるとこれまた大問題ですけれども、という状況の中で、皆さん方が取材源を秘匿する、ニュースソースは明かせないんだという、このことは分かりますけれども、だけれども、このことを目の前にしたときに、じゃ、だれがうそをついているんだということにもなるし、検察は一切そういうことはしていませんと、しかし、相当のところが同時に報道しているわけですから、そこの経過について、私は質問を変えますけれども、こういうふうな真実を知る人が数人しかいないという状況についての取材を総合的にやるというのは、どういうふうな種類の取材をされて、自信を持ってそうだと言われたのかという点についてはどうですか。
○参考人(今井環君) この件も含めまして、こういう事件報道といいますのは、もうあらゆるところ、もちろん捜査当局もそうでございますし、弁護団もそうですし、その事件にかかわるであろうと思われる方面、各種方面を取材をして情報を集め、事実を確認した上で報道しております。 個別の取材源については放送倫理上、申し訳ありませんが申し上げられませんけれども、そういう各方面への取材を総合してニュースを出しているというふうに御理解をいただきたいと思います。
○加藤敏幸君 前回も与党の議員さんの質問で似たようなことが、七回繰り返したんですか、そういうことがあって、余り時間を費やすことはしませんけれども、本件は取りあえずここで止めます、質問は。 もう一度翻って同様のことをお聞きしたいと思いますけれども、それでは、弁護士のコメントが行われた三月二十七日のこの内容について、いわゆる、そういうことはしていませんと、このことについてはNHKさんは報道されましたか。
○参考人(今井環君) 三月二十七日の大久保秘書の弁護士のコメントについては放送はしておりませんけれども、二日後の三月二十九日に放送しました日曜討論の中で、民主党の当時の鳩山幹事長が発言をこれに関連してされています。起訴された小沢氏の公設秘書が容疑を認める発言をし始めているという報道は事実ではないという御発言でございました。日曜討論、生放送でございますので、当然放送されておりますし、この発言につきましては、当日正午のニュースでそのままお伝えしています。また、大久保秘書の保釈後のコメントについては、当日、五月二十六日ですけれども、夜のニュースで放送しておりますほか、西松建設の前の社長の初公判の後、大久保秘書の弁護団のコメントにつきましても、当日のニュースで丁寧に放送しております。 一連のニュース報道の中で公平公正は確保されていると考えておりまして、個別に何をどのような形で放送するかにつきましてはNHKの編集権の問題であるというふうに考えております。
○加藤敏幸君 三月二十七日の極めて重要なこの弁護側の発言についてはなぜ報道しなかったんですかと。いやいや、二日後に民主党の幹事長の鳩山さんが日曜討論でそういうことを言うからもうこれは言わなくてもいいと、そういう判断だったんですか。
○参考人(今井環君) そういう特に理由があったわけではございませんで、意図的に放送しなかったというようなことではございませんで、こうしたコメントにつきましては、新聞の記事と違いまして、テレビのニュースの場合といいますのは、それなりに時間を取って出さなければいけません。そのために、関連の原稿という形で出すことは可能でありましたけれども、その当日は、それに関連する本記的なものがなかったものですからあえて原稿にしなかったという事情でございます。
○加藤敏幸君 それは、今ちょっと技術的に報道しにくい事態があったということをお答えになったんですが、じゃ、それが可能であれば放送はした可能性が高いと、そういうことですか。
○参考人(今井環君) 当然そうでございます。
○加藤敏幸君 無理にしなかったということじゃなくて、非常に残念に思っていると、もしそういう技術的なことを含めてあれば、今思えばしておけばよかったと、それに近いかも分かりません。これは誘導尋問だと言われるといけませんけれども。 そこは少しおいておきまして、さて、じゃお伺いしますけれども、放送法三条の二、どういうふうな規定ですか。──私も今ぱっと言ったところでね。やっぱり報道については、双方のやっぱり意見を公平公正に報道すべきだというのが基本的な精神であり、これは前回の行田委員が指摘したポイントなんですよね。したがって、先ほど言ったように、この報道の基本は、検察側と被告という、言わば近代における裁判の基本原則は、推定無罪の上に立って国家権力をもってその罪を適切に追及をしていくというこの構造の中で、一方の意見を言うならば一方の意見についてのその反対コメントをしっかりと報道することによって公正公平という報道は成り立っていると。 これは反論しますか。
○参考人(今井環君) そのとおりだと思いますし、そういう意味で三月二十七日の大久保秘書の弁護士のコメントについては放送しておりませんけれども、その後の鳩山幹事長の御発言、ニュースでも取り上げておりますし、一連のニュース報道の中でそういった双方の主張が示されるという形で報道されているというふうに御理解をいただきたいと思います。
○加藤敏幸君 これも取りあえず今少し止めて、次に、一般論として質問をいたしますけれども。 私は小さいときから新聞を読んでおりまして、字が読めるようになってからですけど、それで、小学生のころ、一番最後におわびと訂正という小さな欄があったんです。子供心に、ちょっと人間が曲がっておるものですから結構それを読んだりしておったんですけれども、何日に報道の何々何々についてこうだと書かれているから、母親に、三日前の新聞どこ行ったと、あんなもの、おくどさんで燃やしたよと。だから、結局それを見たときには何をどう報道、訂正しているのか分からないという経験があって、まじで結構ずるいなと、何でこんな後ろに小さくするんでしょうかと。あるいはテレビも、最近は少し反省をしておられますけれども、間違った報道が仮にあった場合の訂正の仕方ということについては、やっぱり十分考えていかなきゃいけない。特に人権にかかわる問題を起こすときには、訂正報道こそ誠実に、あるいは徹底してやるということをもって私は報道というものが世間に認められる立場になるんじゃないかと、このように思うわけであります。 そこで、私は、放送の訂正又は取消しに関して四条委員会が対応するとNHKの場合に言われていますけれども、このような誤報があった場合の訂正の仕方についてNHKさんとしてはどう考えているのか、あるいは現実、事例があったらこうしていますということがあればお話しいただきたいと思います。
○参考人(今井環君) NHKは、放送の内容に誤りがあったことが判明したときにはできるだけ速やかに最もふさわしい方法それから放送枠で訂正を行うということでございまして、残念ではございますけれども、日々のニュースの中でも時々言葉を間違えたり読み方を間違えたりということもございます。そういう場合は直ちに訂正を行うということを実施しております。 それから、放送法第四条第一項に言う訂正又は取消しの放送の請求があった場合でございますけれども、原則としてNHK内に設置した四条委員会で取り扱い、訂正又は取消しの放送が必要か否かについて公正な議論を行うことを定めております。そして、視聴者の納得を得られるように適切な対応に万全を期しております。
○加藤敏幸君 余り具体的には分からないですけれども、訂正といっても、最近のアナウンサーの日本語の使い方というのは、よく間違いますね。もう間違いを訂正するタイミングがない、連打だと。別にNHKさんだけのことじゃないですけれども、そういう事態が増えていますけれども、そういう間違いと先ほど私が申し上げたことの間違いとはやっぱり違うと思うんです、質が。 だから、最初言ったように、何が何でもここで言わせてやろうとかそんな気はないんです。私元々そういう性格でもないし。だから、そこは安心してお答えをしていただきたいんですけれども、ここは私は会長にも、やはり誤報と、言い間違いとか例えば写真を間違えたとかそういうことと、まさに人権に直結する間違ったときのやっぱり訂正の仕方というのは違うと思うんですよね。だから、そのことについても御見解をいただきたいんですけど、今すぐというと誤報になるといけませんので、済みません、少しこの後でいただきたいと思います。 そこで、それまでの間、お手元に資料を二種類お配りさせていただいています。 一枚は、「公正な裁判と報道」ということで、これは講演より抜粋をしたということで私はBPOの冊子からこれを抜きましたので、これは最高裁事務総局刑事局総括参事官平木正洋さんという方がこういうふうに紙にすることも前提として講演されたと、このように思っております。ただし、御本人は私見として講演をされたということであります。 それからもう一枚は、「裁判員制度開始にあたっての取材・報道指針」。これは、去年の一月十六日付け、日本新聞協会、こちらがまとめられたということでございます。 実は、裁判員制度を導入するときに、いわゆる報道に関して幾つか議論が起こったということでありました。これはもう皆さん御存じのとおりであります。報道が過熱化すると裁判員の方に予断をもたらすということをいかに防止するかということから、相当報道規制的なニュアンスがありましたけれども、皆さん方の反対を含めまして、世論も支持があって、少しそこは規制の方を強化する方向を緩めたということではございます。 さて、平木正洋さんが、これは一応最高裁のある種の見解だと、こういうふうな理解でいいと思うんですけれども、一、捜査機関から取得した情報の報道。裁判員制度下では、公正な裁判の確保の観点から、捜査機関が取得した情報をあたかも真実であるかのように報道することには問題があろうと。すべて問題だとは言わないですね、問題がある可能性が多いという趣旨だというふうに思いますけれども、こういうふうなこと。 二つ目は、被疑者の犯行自白の報道についてということで、自白が任意になされたものかどうか、信用できるものかどうか分からない段階で、被疑者が自白していることやその内容を報道することには、一般市民に対し被疑者イコール犯人であるとの強い予断を生じさせて、自白について厳格な証拠能力の要件を定めた刑事訴訟法の趣旨を失わせ、証拠に基づく事実と報道された事実との区別に慣れていない裁判員が参加する裁判員制度においては、推定無罪の原則を実質的に無意味にするものとすることにつながるのではないかと心配していると、こういうふうな心配されているということですけれども、こういうふうなことを主張されていると。 それから、新聞協会の方は、前文は先ほど言った報道規制の在り方に対する協会としての考え方を言われておりますけれども、下向きの黒三角印、捜査段階の供述の報道に当たっては、供述とは、多くの場合、その一部が捜査当局や弁護士等を通じて間接的に伝えられるものであり、情報提供者の立場によって力点の置き方やニュアンスが異なること、時を追って変遷する例があることなどを念頭に、内容のすべてがそのまま真実であるとの印象を読者、視聴者に与えることのないよう記事の書き方等に十分配慮をする。二つ目は、プロフィールだとか成育だとか、御近所の人がこんなまじめな人がとか、そういうふうなことをどんどんどんどん流すこと自体もやはり予断を形成をするということから、新聞協会はこのような内部のルールをつくっておられると、こういうふうなことでございます。 さて、まず最初に、これは裁判員制度ということを前提にまとめられておりますけれども、NHKさんとして、この平木参事官の言われている第一項、第二項について、どうお考えになりますか。
○参考人(今井環君) この裁判員制度の開始を前提とせず、NHKといたしましては、日々の取材や番組制作に当たっての基本姿勢をまとめました新放送ガイドラインの中で、やはり同様の、逮捕されたり起訴されたりした人物も有罪が確定するまでは法律的には無罪と推定される、このため、逮捕段階や裁判中は犯人と決め付けるような報道はしないということを明記しておりまして、原則、こうした方針に基づいて報道をしているところでございます。
○加藤敏幸君 それでは、捜査当局の発言、あるいはリークと言われているような皆さん方が夜回りして得た情報とか、そういうことの扱いについてはどう考えます。
○参考人(今井環君) こうした取材に基づく情報、確認に確認を重ねて事実であろうと判断した場合には報道することがございます。
○加藤敏幸君 私もたまに取材対象になることがありますけれども、よく来るのは、いわゆる裏取りで聞かれるわけですよね。もう何も返事しなければイエスだと、拷問みたいな仕掛けがありますけれども。そういうふうなことの中で、やっぱり一か所だけじゃなくて、取材源一つじゃなくて、じゃ反対がどうだとか、その上司がどうだとか同僚はどうだとか、そういうふうな裏取りを固めていって報道をしていくというのがこれは伝統的な方法だし、やっぱりそこはしっかりやらにゃいかぬということですよね。 だから、私、質問しているのは、皆さん方がよくリークという言葉を使われるけれども、漏れているのか漏らしているのか。ここは、報道の皆さん方は当局の一員じゃないんですから、なぜ報道の自由という、今でいえば政治家を上回る権力だと言われているそういうものを世の中で認められているのか。そのときに、私は、やっぱり人権も守るし、世の社会正義だとかそういう価値観を守るという強い使命と立場があるから、私は、やっぱり許されている、皆さん方に与えられているし、期待もされていると、こういうことだと思います。 そのことからいって、先ほどの大久保被告の供述を始めた云々という報道については、正直言って、やっぱり捜査当局のリークに近い形で得た情報がメーンであったと、このように私は思うんですよ。おまえが勝手に思っているだけだと、そういうふうに言われるかも分かりませんけれども、多分、多くの方はそういうふうに思っていると。 だから、私が申し上げたいのは、ある部分、それを報道の情報として採用される、したいと。まさに黙秘を続ける被疑者の場合は何も出てきませんから、そういうようなことの、皆さん方がそういう思いになるかも分からないけれども、皆さん方自身が自分たちで決めているやっぱりルール、ガイドにのっとってしっかりとやっていくということを私は一番申し上げたいんですよ。 その件についてはどうですか。
○参考人(今井環君) 今先生お話ございましたけれども、取材をしている記者といいますのは、漏らしてくれることを期待して取材をしているわけではございませんで、やはり各社との競争という面もございますし、何とか情報を得ようとして様々な方面、取材をするものでございます。 その上で、やはり今御指摘のとおり、様々な配慮、人権ですとか様々な配慮というのは当然必要だろうと思いますし、得られた情報を基にそういったことも考慮し、配慮しながら報道をしていくことは当然だろうというふうに思います。
○加藤敏幸君 答弁について私が満足するとかしないとか、そういうふうなことではございませんけれども、なかなかこれ以上言いにくいということもあるかも分かりません。 ただし、あの大久保被告の供述が始まった云々という報道については、毎日新聞さんとTBSさんは報道していないんですよね。それから、他の報道機関は、三月二十七日の弁護士のコメントについてはやっぱり一様に扱っているんですよね。それは、先ほど言った一方的な報道の偏ったあれじゃなくて、Aといえば必ず反A、こちらを取らないかぬと、そういうふうなまさに基本的動作をやった報道機関もあるということの中で、私が一番信頼し、一番愛しているNHKにおいてどうだったのかということで、非常に私は悲しいと、そういうふうなことであります。まあまあ、これ以上のことはあれでございます。 さて、そういうふうなことで、先ほど申し上げました、会長にお答えいただきたいんですけれども、誤報、仮に、NHKはないと信じていますけれども、人権にかかわる誤報があったと、そういうふうな場合の対応策としては基本的にどうお考えですか。
○参考人(福地茂雄君) 誤報があった場合には当然、公共放送でなくてもそうだと思いますが、公共放送として当然きっちりとこれは訂正すべきだというふうに考えます。 以上です。
○加藤敏幸君 せっかく余裕の時間を差し上げたんで、もう少しと思ったんですけれども。 さて、次に放送の独立性とBPOの意見ということで、これもこの総務委員会で昨年から問題になって、理事会でも少し議論をした内容であります。 昨年六月十日、当委員会におけるNHK決算審議において、私は国会が個別の番組の内容について立ち入ることの是非について質問をし、当時の高嶋委員長より委員長見解なるものが出されました。その趣旨は、国会における個別の放送番組に対する発言は、その内容が番組編成権の干渉に及んだり、放送番組編集の自由を阻害するおそれのないものでなければならないというものでありました。 この委員長見解を発表するまでの経過といたしましては、本委員会において、昨年春に放送されたNHKスペシャル「日本の社会保障が危ない」について、自民党の委員より、取材、編集において政治的中立性が損なわれたのではないかとの指摘があり、この質問の是非をめぐり理事会を含め議論になったために、理事会の協議を経てこの委員長見解が出されたということでございます。 そこで、現在まで、この番組編集権の自由の問題、あるいは政治からの独立、中立性をめぐって大きな政治問題、社会問題となってきましたのが、二〇〇一年一月にNHK教育テレビで放映されたETV二〇〇一「シリーズ戦争をどう裁くか 第二回問われる戦時性暴力」であります。つまり、この番組の編集、放映に政治的な介入があったのかどうか、そこで放送の自律自主性が損なわれたのではないかという問題でありました。 この問題に関しましては、第三者的、客観的な立場からBPOが四月二十八日に意見書をまとめられ、本日は、私、要請をいたしましたけれども、ちょっと日程が合わぬということでBPOの出席をいただけなかったんでありますけれども、この意見書の内容と説明的部分、これは省略させていただきますけれども、要は、番組制作に当たる職員が政治家と会い、放送前に番組についてしゃべったり意見を聞くことがあってはならないと厳しく指摘をされております。 この意見書に対してNHKは、四月二十八日、五月十四日、そして六月四日と三回にわたりコメント、見解を出されております。これらのコメントでは、BPOの意見書に対して、全体的には真摯に受け止められておりますけれども、なおも幾つかの疑問点を逆に出されております。 本日はこの疑問点をめぐって議論してみたいという思いもありますけれども、これを始めたのでは早急に結論は出る話ではございませんので、本日は、NHKの見解に書かれているように、放送の自主自律を貫く重要性とともに、仮にも視聴者に自主自律に対する疑念を持たれることがあってはならないと改めて深く認識していると、この姿勢を今後とも貫いてほしい、こういうふうに私は思っておりますので、その意思を再度この場で明らかにしていただきたいということと、NHKとしての御意見があればお伺いをしたいということでございます。
○参考人(日向英実君) この番組につきましては、これまでずっと申し上げておりますけれども、NHKが自律した立場で自らの編集判断に基づいて制作したもので、国会議員の意図をそんたくして内容を改編したりとか、そういう事実はございません。 ただ、今もお話がありましたけれども、今回のBPOの委員会の意見の中で、当時の放送総局長、それから総合企画室の担当局長が事前に面談したということについて、自主自律を危うくし視聴者に重大な疑念を抱かせる行為であったというふうに御指摘がありました。これについては真摯に受け止めております。 NHKでは、番組制作部門の担当者が放送前に個別具体的な番組の内容を説明するというようなことはやっておりません。これからももちろん行うことはございません。 また、委員会の意見で指摘された国会対応の窓口とそれから放送・制作現場との組織的な分離については既にそのようになっております。 それから、NHKとしては、今回の委員長意見については、放送関係の部局長でつくる放送倫理委員会、それから現場の担当者で構成する放送倫理連絡会等を通じて職員への周知を行っております。とりわけ、自主自律の重要性については改めて役職員一人一人に徹底を図っていきたいというふうに思っております。
○加藤敏幸君 私は、この手の問題は堂々と議論をどんどんしていく必要があると思うんです。やはり、ある種、積み重ねが報道の公正性をつくり上げていく。これは皆さん方も神様じゃないし、私どもも完全な人間じゃないし、世の中みんな不完全な人間が集まってやっておるわけですから。そういうような意味で、やっぱりみんなでつくり上げていくという、そういう姿勢で私は対応していただきたいし、やっぱり言いたいこともあれば受け入れるべきところもあるということであります。 そこで、先ほど担当者が説明するときに、やっぱりそれぞれ役割もあるしということで、それなりに明確な内部の基準を作っていきたいと。これはこれで結構なんですけれども、私、解説記事の中でよく与党キャップに解説をお願いしますとかいうのありますよね。与党キャップという顔をした人が出てきて、それで何となくこんなふうでああだとか、与党のことですから余り深くは言いませんけれども、よそのことで。また、当然野党キャップという方がおられるんですよね。この与党キャップという人はやっぱり与党担当ということでしょう。ずうっと与党を担当しないと、それは与党の先生方も信用しませんよね。去年まで民主党に入り浸っておったいう人が来て、おまえ、難しいこと教えたろかということにはならないので、顔洗って出直してこいということでしょう。人間の社会そうですよ。 私、申し上げたいのは、これはNHKさんだけじゃないけれども、やっぱり取材対象と取材者というものの信頼関係と、もう一つは癒着と紙一重じゃないですか。そして、やっぱり出世するのは与党スタッフなんですよ。そうでしょう。野党スタッフというのは、野党担当というのはなかなか出世できないというのは、長い間一党が政権を持っていたという、これ仕方がないですよ。私もその立場だったら、政権取る気があるのかないのか分からないような野党でずうっとやっておる人を、それはなかなか報道の中枢に座らすわけにはいかないと。 ただ、申し上げたいのは、先ほどのやっぱり報道、それから各種番組について、申し訳ないですけれども、議員である私たちは非常に神経質に今テレビ番組見ています。民放の某番組なんかは嫌になるほど真剣に見て、真剣に見ることがやっぱり影響を受けるということで、我々も反省せないかぬと思っているんですよ。これはもう与党の議員も野党の議員もある種そういう思いは持っていますよ。 そこで申し上げたいんですけれども、やっぱり取材する人たちの育て方、NHKの組合の皆さん方、私、昔よく付き合っていましたから、やっぱりそういうふうに公平な取材を成立させるということをもう頭に置いて、ひょっとしたら政権交代が起こるか分からないというこの新しい時代に対したやっぱり新聞記者あるいはNHK記者、取材記者、デスク、それの育成の仕方と体制を今真剣に考えるべきときに来ているんじゃないですか。いや、もうそんなことは真剣に考えているよという某新聞社もありました、相当言いましたから。そこのところはどうなんでしょうか、NHKさんは。
○参考人(今井環君) 先生御指摘の与党担当、野党担当、与党の方が偉くなるというようなことは決してございませんで、与党を担当したり野党を担当したり、入れ替わりになっております。そういう仕組みにしております。実際私も政治部記者をしておりましたけれども、与党も担当しましたけれども野党も担当しております。 それから、人材の育成につきましては、とにかくジャーナリストとして公平公正に対する強い意識が求められるという指摘はごもっともでありますし、そうした人材育成に努めているところでございます。 先ほども申しました新放送ガイドラインというものをNHKの放送に携わる者すべてに配付し、放送倫理の向上を図っております。それから、今年度スタートいたしました三か年計画でも、高い志と倫理観を持つ公共放送の担い手のプロフェッショナルを育てる改革に取り組むということで、ジャーナリズムの役割を全うすることをうたっておりまして、放送倫理をめぐる研修ですとか、それから中堅職員のテーマ別専門研修などを繰り返して人材育成に努めているところでございます。
○加藤敏幸君 与党も野党もないと。ちょっと現場とは違うような雰囲気がありますけれども、是非とも新しい時代に向けて本当の意味での公正公平を全うできるような工夫もやっぱりしてほしいということで、これは要望としておきたいというふうに思います。 以上で放送の公平性にかかわる質疑はこの程度で終わりたいというふうに思います。更にという期待の目線もありますけれども、本日は決算も大切ですので、そちらの方に移らさせていただきます。 さて、NHKの十九年度決算にかかわる課題でございますけれども、この数年の間、NHK職員にかかわる、あるいは職員が絡んだ様々な不祥事が起き、それに連動して受信料の不払という事態が発生をしました。このため、NHKは組織改革と経営改革を迫られることになりました。そして、経営委員会の主導によって様々な改革案が立案され、内部でも相当激しい議論をしながら、いいことはやろうということで、NHK内部でその実践が積み重ねられて今日に至っているというふうに思います。 そこで、まず会長にお伺いしたいんですけれども、アサヒビール御出身でしたか、前歴は。ごめんなさい、私も時々楽しむもので。 民間の企業経営者として、株主総会というのがあると思うんです。やはり株主総会が持つ位置付けなりあるいはプレッシャーというものがあったというふうに思うんですよね。人事案件だとか決算だとか、あるいは剰余金処分とか役員報酬だとか、まあいろいろあったと思うんですよ。 そこで、私はNHKについての株主総会というのは一体何なんですかと、どこにそういうふうなものがあるのかということについて、会長、いや、株主総会もなくて楽だなと思っていらっしゃるのか、そこはどうなんでしょうか。
○参考人(福地茂雄君) アサヒビールからNHKに参りまして、いろんな方からどこが違うんですかというふうな質問をよく受けました。私は、前職時代に自分でビールを造っておったわけでもないし、自分でビールを売っておったわけではありません。NHKに参りましても、自分で放送をつくる、自分で受信料の収納をして歩くわけでもない。やっぱりアサヒビールの場合には社員に、NHKの場合は職員にビビッドに動いてもらう、そして所定の目的を、目標を達成してもらうというのが趣旨です。そのときの軸足は、私は前職の時代にはお客様目線ということを言っておりました。今は視聴者目線と言っております。それだけの違いで、BツーCの世界ですから変わりはありませんということを申してきました。 確かにNHKに参りまして株主総会というものはございませんが、その代わり、この場ではございませんが、予算につきましても決算につきましても、国会のこういった場できっちりと御報告申し上げる、それが公共放送としての私どもの責務と思っております。その面での緊張感は、前職の場合も今もいささかも変わりございません。 以上でございます。
○加藤敏幸君 私どももより良き株主という立場で、国民の声を代表して、時には厳しく、また厳しく質問をしていきたいというふうに思います。 それでは、その意味で、会長のお立場で、この十九年度決算あるいは業務の中身を御覧になってどのように総括されますか。簡単にお願いします。
○参考人(福地茂雄君) 十九年度という年度でございますが、平成十八年、十九年、二十年というのが、これは第一回の中期計画で三か年計画でございます。その三か年計画の二年度に当たったわけでございますが、この三か年計画の二年度という位置付けを踏まえまして、業務全般にわたりまして効率的な運営を進めていく。とりわけ、不祥事によりまして受信料が大幅に減少した直後でございました。一層効率的な経営ということが求められた時期でございました。 そういった効率的な運営を図りつつ、事業計画、決められた事業計画を着実に実行していくということでございまして、その結果でございますけれども、事業収入が、これは受信料の契約が二十二万件増加したという大変有り難い状況になりまして、これによりまして、予算に対して収納が二百五億円上回りました。一方、事業支出の方は、これは三か年にわたりまして千二百人の人間の整理とかいろいろございまして、そういったこともございましたし、経費の支出を抑えまして、事業支出が、放送サービスの効果的な、効率的な事業運営によりまして、予算に比べまして百二十九億円、逆にこれは圧縮することができました。その結果、この事業収支差金が三百七十五億円となりまして、予算に比べまして三百三十四億円の収支改善を図ることができました。 具体的な取組といたしましては、放送サービスでは、NHKだからできる放送、それから放送の公共的役割を追求いたしまして、質の高い番組を充実するとともに、参議院選挙とかあるいは新潟県の中越沖地震などで迅速的確な報道を行ったということがございます。 また、国際放送では、テレビ国際放送の英語化率を九一%、現在は一〇〇%でございますけれども、こういったことで、外国人向けの情報発信力を強化いたした年でもあります。 地上デジタルテレビ放送につきましては、中継局とか送出設備の整備を進めることによりまして、十九年度末の視聴可能区域を全世帯の九三%カバー、今日では九七%でございます、こういった事業計画を着実に進めることができました。 ただ、大変残念なことには、二十年一月に職員の株インサイダー取引が発覚をいたしまして、私が会長に就任した直前でございまして、すぐに第三者委員会を設置をいたしまして、徹底した事実解明を行いますとともに、再発防止策を講じるなど様々な取組を行ってまいりました。 今後も、公共放送人として、より高い倫理観とコンプライアンス意識を根付かせるように努力をしてまいる所存でございます。 以上でございます。
○加藤敏幸君 簡潔にとお願いしたのは、多分そういう紙をお読みになられるんじゃないかなと。むしろ、民間の経営を背景にしてずばっずばっと、そういうふうな、さすがだなという、十九年度のことですから、少しいただきたかったんですけれども、また機会があれば。 そういうふうな民間を経験した会長さんが、やっぱりちょっと育ちの違うNHKの皆さん方に対して、やっぱり味の違う、ホップの効いたばっばっとした、そういう寸評を私もうちょっと大事にしていただければというふうに思いますので。じゃ、どうぞ。
○参考人(福地茂雄君) 甚だ御期待に沿えなくて申し訳ございませんが、実は十九年度は私は最後の二か月半しか関与しておりません。業績が良かったのは前会長の成果でございまして、ただ、二十年度につきましては丸々と関与いたしておりますので、二十年度の決算のときには自分の言葉で十分にしゃべらせていただきたいと思います。 以上でございます。
○加藤敏幸君 私が質問できるかどうか分かりませんけれども、よろしくお願いします。 大臣につきましては、恐らく、先ほど一応問題ないということをいただきましたので、それで総務大臣の見解だということで受け止めさせていただきます。 そこで、十九年度決算で一つ気になるのは、連結決算のキャッシュフロー計算書で有価証券の取得を前年度に比べ大幅に増やしておられること、また、この年度は有価証券の売却も前年度の倍以上されておりますけれども、こういった投資活動は経常事業外収入を増やすには意味がありますけれども、まあ金融危機のようなことがあると大変だなと、こんなふうに思っております。幸いにも、NHKの場合には債券で安全運用をしているということで、かの金融危機からは逃れられたと、こんなふうに思っています。 ただ、約一千億円もの資金の運用が余資として、余った資金としてこういう運用をされているのかどうか、この辺のところはいかがな考え方かなと、こう思っていますので、この辺りはどうお考えなんでしょうか。
○参考人(金田新君) 御指摘の点は、十九年度におきますキャッシュフロー計算書、有価証券の取得として九百四十九億円の計上をさせていただいています。これは前年度に比べまして六百二十一億円の増加となっております。御指摘のとおりであります。その六百二十一億円のうち、実は四百五十億円でございますが、日本公認会計士協会の金融商品会計に関する実務指針というものが出まして、これに従いまして会計方針を変え、従来、譲渡性預金を現預金に計上していたものを有価証券に移したと、その事情によります。これは、売却の方も事情は同じでございます。 御指摘のように、NHKにおきます資金の運用といいますのは安全性を基本としておりまして、取得した有価証券は国債や政府保証債など非常に安全性の高いものに限定しております。現在の状況でございますが、二十一年三月末現在でございますが、保有している有価証券を時価評価いたしますと、三十一億円の評価益となっております。 以上でございます。
○加藤敏幸君 間違いなく運用できているということと同時に、どのぐらいの余裕資金を持つのがNHKという事業体の性格と経営的な視点から妥当なのかということについて検討していただきたいということなんです。 皆さん方は、視聴料というものは法律に基づいて徴収できるという立場なんですよ。民間の企業が持っている不安定性ということからいくと極めて恵まれている。そういう状況の中でどのぐらいの余分のお金を持つのか、そして、それはどういう性格なのかということで、貸倒れ対応金とかそういうことではなくて、やっぱりNHKさんの置かれている環境の中で、私は、資金の活用についてはもっともっと有効活用の道もあるのではないかという意見を申し添えまして。 次に、業務報告書に関する監事の意見書の中でも指摘されています課題ですけれども、総合テレビ接触者率の低下傾向を踏まえた若年層を含む幅広い視聴者層に支持される番組の積極的編成という課題、これへの対応です。 若い人たちは見ておらんよと、なかなか、NHK固いから、そういう指摘もあるし、データも出ておるんでしょうね。しかし、だからといって、やけにお笑い的番組に走り過ぎるのも何かなと。民放とはまた違う性格でしょと。私は、そこは現場の皆さん方は悩んでおられるけれども、やっぱりNHKが持つ、古くさいけれども権威とか品格、今品格がはやっていますけれども、そういう視点から私は余り若者番組のところを何かお笑い中心で、そういうことにしてほしくないなという思いはあるんです。この辺のところはどういうお考えでしょうか。
○参考人(日向英実君) 今、お笑い中心というお話がありましたけれども、二十一年度の番組改定でいいますと、そうしたいわゆるお笑い番組とか歌番組と言われるものは増やしておりません。 ただ、確かに若い世代向けの番組をどうやって作ればいいのかというのは非常に難しい問題で、日夜試行錯誤しているというところなんですけれども、基本は、今おっしゃったような表面的なおかしさとか笑いを追い求めるというそういう番組ではなくて、やっぱり若い世代に役立つ情報とか心を豊かにする番組とか、そういうものを中心に我々は放送していかなきゃいけないというふうに思っております。 今も、多様な分野で活躍する人々の姿を紹介する番組、それからキャリア教育に資するような番組とか、それから、今、特に若い世代、インターネットをたくさん使っていらっしゃいますけれども、インターネットのリテラシーに資する番組、その他そういうNHKらしい番組を追求していきたいというふうに思っております。 先ほども申し上げましたけど、若い世代の接触者をどうやって広げていくかというのは非常に私どもも大きな課題として受け止めております。放送だけではなくて、今申し上げたようなインターネットとかそういうものを活用して、なるたけNHKならではの番組、それからサービスというものをこれからどんどん開発していきたいというふうに考えております。
○加藤敏幸君 是非よろしくお願いしたいし、私どももここは高い関心を持ってやっていきたいというふうに思います。 三点目は、子会社との関係といいましょうか、NHKのいわゆるグループ経営ということについてお尋ねをしたいというふうに思います。 民間の例えば製造業だとかサービス業がいろいろと子会社化していくだとか、そういうふうにグループ経営をどう展開するかというのはなかなかいろいろと理論もあって現実もあって、非常に工夫をされているし、非常に成果が上がったり苦労したりと、こういうふうなことなんですけれども、NHKさん自身がやっぱりグループ経営として何がポイントなんだと。 これはいろいろ私は本音を言えばあると思うんですよね。やっぱり責任の遮断だとか、あるいは車付き、個室付き、秘書付きの人のポストを増やす方法論だとか、厳密には、そういうふうなことから子会社化をやる、そういう動機もあると思うんです。純粋に言えば、やっぱり労働問題だとか、言わば正社員でない人たちをつくっていくだとか、そういう労働法制への対応としての子会社化だとか、これは水平的にやるとか垂直にやるとかいろいろ方法論があるんですけれども、NHKさんがやっぱり子会社化をし、グループ化をやっていくということの真の動機というなり、何がメルクマールであり、何のためにそれをやっていくのかということを是非端的に何かお答えをいただきたいと。普通の利益を追求する株式会社ということの原理ではないと思うんですよ。そこはどうなんでしょうか。
○参考人(福地茂雄君) これは書いたものを用意せずにお答えをさせていただきたいと思いますが、実は、前職からNHKに参りましていろんなところで違うということはありましたけれども、グループ経営に対する考え方でございます。 今、いろんな競争社会の中で、今までは個別企業と個別企業の競争でございましたけれども、今はグループ対グループの競争、いろんな産業別に見ましてそうなってまいりました。場合によってはもう産業分野と産業分野の競争になってまいりました。 そういった点からNHKグループを見てまいりますと、NHKの各グループはNHKの機能を切り出しております。例えば、教育テレビについてはエデュケーショナルが担当するとか、いろんな装飾についてはNHKアートが担当するとか、そういった機能切り出しになっています。 そういった中で、NHKこそまさに関連企業を含むグループとしての活動をしていかないと、これから先のいろんなメディアの競争、いい意味の競争ですけれども、品質競争もそうですが、耐えていけないという事態だと私は思ってまいりました。 しかし、この決算発表もそうでございますけれども、今民間企業では決算発表といったら連結で発表するのが当然でございますが、決算発表にしてもNHK単体でございまして、まだそういったところまで至っておりません。しかし、これは、そういった連結、グループとして考えていかなければいけないという面で見てみますと、企業関連団体ごとにまだ経理のシステムが統一されていない、いろんな問題がございます。 それから、こういった効率化の問題だけじゃなくて、連結で物を見ていくグループ経営というのは、人材育成もそうでございますし、研修もそうでございますし、人事の問題もそうでございます。人事も、よくNHKのことを天下りという見方もありますけど、私はそうじゃなくてトータルの人事と思っておりますし、子会社に出ていった人が戻ってきて理事になった、今日も本人が来ておりますが、そういった例もございます。 そういったトータル、もう人事から研修から金融から放送を作る作業から、すべてをグループとして力を発揮していくというのが私は今NHKに求められている、それを今着実に実行しようとして取り組んでおるところでございますし、連結決算につきましても、曲がりなりながら発表できる状態になってまいりました。早急にそういった体制をつくり上げていきたいというふうに思っております。 以上でございます。
○加藤敏幸君 ありがとうございます。こういう感じで議論ができればと、こういうふうに思っておりまして、今会長がいみじくもおっしゃられました、やっぱりグループ全体としての視点を大切に。 グループ経営がはやったといいましょうか、非常に広まっていったときの一つの動機にコスト主義というのがございました。特にこれは、私がおりました製造業においては、外国との競争において特に人件費を含めた競争力を高める、コスト主義においての子会社化という経営の手法を取ってきたこともあるんです。 ただ、今はそのことを追求すると同時に、例えばNHKさんが持っている基本的な競争力、付加価値の源泉はどこにあるんだと。売りに出したときに、お客さんが、世界の放送事業者がNHKを買うときの値付けのときに、いや、ここだけは銭を出すけれどもこれ以外は要りませんと、大体重役陣は皆要らないとなりますけれども、その一番売れる、競争力を持っているのはどこなんですか。どこが付加価値を生み出しているのかということの分析をしっかりした上で、ただ、それを本体に残した方がいいのか、やっぱり多少自由闊達にしていただくという意味で子会社という形がいいのかというのはこれは経営の判断ですけれども、常にやっぱりお値打ちはここなんだと、それが私はやっぱり今の時代の一番大事な視点ではないかということで、ただ形式的に形としてのグループ経営であり決算ということでは、やっぱり私ども決算委員会の議論としては不足ではないかと、このことを申し上げたいと思います。 最後に、そういうふうなことの関連の上で、労使の協議ということについて少し御意見を伺いたいんです。 私は民間の労働組合でいろいろと仕事をしてきました。まあ同じ組合といっても千差万別、育ちも活動も構成、いろいろこれはあるんです。それをいいの悪いの言っても、これは人様のことをとやかく言うことでは意味がありません。 問題は、NHKさんの場合は、特にコンプライアンスと言われている法律との関係、あるいは遵法精神とか、あるいは世の中の規範、規律を更に大切に一歩進んで守っていくとか、こういうふうな姿勢が非常に大事であり、そして職場の隅々まで私はある種の清潔性が求められていると。 これ、いいとか悪いじゃなくて、私どももそういう同じような立場にあって、そこは厳しく自らを律していかなきゃいけないというときに、労使がある程度厳しく、やっぱり社長には言いにくいよな、会長には言いにくいよな、常務はちょっと遠いよなという状況ではなくて、そういうことを率直に、おかしいところはおかしいよと、そういうようなことをどんどんお互いに言い合う。だから、組合に対しても、委員長何やっているんだと、余りやると問題ですけれども、そういうふうな率直な関係をつくらないと、なかなかNHKという事業をきちっとやっぱり運営していくことには難しいという意味で私は申し上げているんです。 ただ、行き過ぎると、何とか天皇ができたとか週刊誌に書かれたりいろいろありますから、そこは非常にお互いに気を付けながらも、やっぱり労使関係というものをどう的確に活用していくかということも大きな課題だと思いますけれども、この点はいかがでしょうか。
○参考人(福地茂雄君) 今日のNHKの改革というのは労働組合の協力なくして私は実現できないと、そういうふうに思っております。したがいまして、これまでも、これまでと申し上げましても一年半でございますが、単なる労働条件の問題じゃなくて、例えば今度の三か年の中期計画の策定につきましても、かなりの回数を労働組合との意見徴収にも費やしました。そういった中で、これまでもそうですし、これから先もそういった対話は続けていきたいと。 私自身もその場に出ておりますし、それから、労働組合の本部間の交渉じゃなくて、やはり労働組合の母体は現場でございますので、私も、これで一年半でございますけれども、全国五十四放送局のうち五十放送局を全部回りました。少なくとも一放送局で一時間半以上、数十人の職員と話し合う中でそういった現場の声をくみ上げる、そして労働組合と一緒にこのNHKの改革を進めていく、そういった気持ちと行動で取り組んでおるつもりでございます。 以上でございます。
○加藤敏幸君 決算における討論でございますので、そういった会長の考え方、お気持ち、決意を受け止めさせていただきまして、若干余りましたけれども、私の質問は終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○世耕弘成君 自由民主党の世耕弘成でございます。 本日は、少しNHKの番組その他中心に質問させていただきたいと思いますが、まず冒頭、ちょうどNHKの今年度予算をこの総務委員会で審議をした去る三月三十日の質疑の中の日本共産党の山下委員の質問の中に、これはそのまま引かせていただきますが、「安倍氏はNHK番組改変にかかわった前歴がある。」というところがございました。これはもうそのときの議事録のとおり申し上げておりますが、という部分があったわけでございますけれども、NHKとしてこの発言に関してどういう認識を持っておられるかということをまずお伺いをしたいと思います。
○参考人(福地茂雄君) NHKといたしましては、当時、女性法廷という番組でございます、これを四夜連続でドキュメンタリーで放送するという誤ったうわさが国会議員の間で流れておりましたことから、NHK総合企画室の担当局長は、安倍氏ら国会議員への予算説明の際に放送総局長を伴いまして、うわさが間違っているということを説明いたしました。安倍氏に会う前とその後の編集方針には全く内容について変更はございません。安倍氏の政治的圧力で番組が改編されたという事実はございません。これにつきましては従来から御説明申し上げたとおりでございます。 以上でございます。
○世耕弘成君 まさにこの改編にかかわったのではないかというような話は、これ元々朝日新聞の誤った記事に基づいた情報だというふうに私は思っております。あたかも安倍氏やあるいは中川昭一議員がNHKを呼び付けて、そして番組内容について圧力を掛けて中身を改編をさせたのではないかという趣旨の記事が、朝日新聞にスクープという形で誤った情報として出たわけでございますが、その後いろんなやり取りの中で、安倍晋三氏自体も、当時官房副長官であったわけですが、NHKが予算の説明に来たいということでNHKからアポイントを入れられたという経緯だったということ、そしてまた中川昭一氏も、中川昭一氏に至っては、そもそも番組の前にはNHKとは面会をしておられずに、放送後三日後に会っているということも後で判明したわけでございまして、まさにこの朝日新聞の記事というのは、朝日自身も取材に不足があったということは紙面で認めているわけでございますが、そういう誤った情報に基づいたものだというふうに私も思っております。 今会長がおっしゃいましたこの番組は、戦時法廷、これETV二〇〇一というシリーズで、「問われる戦時性暴力」という番組で取り上げられました。 この番組に関しては、取材をされた側が自分たちの期待していたところがカットをされたということで裁判に訴えられまして、それが昨年六月に最終的に最高裁の判決が下りております。あるいは、それに関連して、今年四月にはBPOの方から意見書が出ているわけでございますが、そのそれぞれ判決や意見書の中で、安倍氏が改編にかかわったというこの誤った情報に関してどういう判断が行われていたとNHKとしてはお考えになっていますでしょうか。
○参考人(日向英実君) 裁判につきましては、まず、東京高裁の判決は、放送総局長、それから総合企画室の担当局長らが国会議員等の意図をそんたくしたという指摘を行いました。最高裁はこれについて直接判断は示していませんけれども、最高裁は高裁の認定について全体としては是認することができないとして取り消しています。最高裁判決において、安倍氏が改編にかかわったという認定はされておりません。 それから、BPO、放送倫理・番組向上機構の放送倫理検証委員会の意見ですけれども、当時、安倍氏が務めていた内閣官房副長官という匿名の記述で、副長官がNHKの国会担当局長や放送総局長と面談した際に、こうした問題を公共放送であるNHKが扱うのであれば公平公正な番組になるべきだとの意見を述べたというふうに記しております。この委員会の意見においても、安倍氏が改編にかかわったという判断は示されていないというふうに認識しております。
○世耕弘成君 最高裁でもBPOでも改編というような事実はなかったという認定がされていると私は考えたいというふうに思うわけでございます。 ところで、このBPOの意見書の中で、少し私、気になる表現がありまして、そこは、要するにNHK幹部、放送総局長らNHK幹部が、形式的な公平、公正、中立性にとらわれ、その上、安全を考え、強過ぎる印象を恐れる余り、元兵士や元従軍慰安婦らの証言シーンを全面的に削除してしまったという、NHKの経営幹部による行き過ぎた編集があったのではないかという批判的な言及があるわけでございますけれども、この部分に関してNHKとしてはどのようにお考えでございましょうか。
○参考人(日向英実君) BPOの意見書に関してはNHKは既に見解を示しておりますけれども、今お話のあった番組編集の経緯につきまして、委員会の意見は、安全を優先し、機械的な公平、公正、中立性に目を奪われ、質の追求という番組制作の大前提をないがしろにするものであったなどと指摘している点がございます。これについては、私ども疑問を感じております。一連の編集の過程というのはあくまでNHKの自律した編集作業の中で行われたものだというふうに認識しております。 それから、番組の質については、非常にいろんな意味を含んでいますので非常に難しい議論になるかとは思うんですけれども、基本的に、意見書の中では、完成度を欠き散漫、それから番組の完成度に踏み込んで評価しておられますけれども、これについても疑問がちょっと残ります。 人によって価値観というのがございますので、番組の評価というのはそれぞれ人によって違う部分もあるかと思います。もちろん違わない部分もあると思いますけれども、そういう質の評価というのは非常に難しい部分を含んでいると思います。 その問題と、それから放送倫理というのを一緒にして論じるというのはちょっとどうかなというふうなことを考えております。特に、放送人にとって守るべきルールとしての放送倫理の概念というのがございますので、それに混乱をもたらすことになりかねないようなことについては非常に慎重に進めるべきではないかというふうに考えております。
○世耕弘成君 私は、昨年六月の最高裁判決や、あるいは、一度福地会長とこの委員会でやり取りをさせていただいたときにも非常に重要なことを確認をさせていただいているんですが、編集権の所在ですね。 NHKが作る番組の編集権の所在というのは、これはあくまでもNHKそのものにあると。そしてまた、当然、その組織の代表として会長がそのことについて責任を持っておられる。逆に言えば、決して番組を作っている現場に編集権があるわけではなくて、編集権というのはあくまでも会長の下、NHKに組織として存在をしているという非常に重要なことを確認をさせていただきましたし、これはやはり当然この最高裁判決でもそういった中身がある程度もう一度チェックをされ、保障をされているのかなというふうに思っているわけでございます。 そういう意味で、私はこのBPOの指摘は、NHKの経営幹部が番組内容に関してきちっとコミットをして、責任ある立場でNHKとしての編集権を行使するのは私は当然のことだというふうに思っておりまして、このBPOの指摘というのは少し私も大きな疑念を感じるわけでございます。 そういう中で、私は是非NHKにお願いをしたいのは、会社として、組織として、どういう判断でこういう最終的に編集を行ったのかというのを、これだけ国民的な問題になっているわけですから、是非、テレビとして検証番組を作っていただいて、NHKとしてこの部分はこういう判断でカットをした、この部分については残した、こういう表現にしたということを視聴者、国民に明らかにした方が私は非常に問題としてもすっきりするんじゃないかと思いますが、その点、お考えはいかがでございましょうか。
○参考人(日向英実君) 検証番組を作る考えはないというのをこれまでも申し上げてまいりました。 この番組に法的な問題があるとか、番組基準、それから新放送ガイドラインに照らして重大な問題があるということであれば検証番組を作る必要もあるかと思いますけれども、今回はそういう番組ではないというふうに認識しております。 それから、この編集過程につきましてはホームページでかなり詳しく詳述しております。その過程を御覧いただいて、十分に視聴者に説明をしているというふうに私どもは考えております。
○世耕弘成君 これ、元々編集前のテープというのは残っているんでしょうか。一部に残っているという報道も私は見たことがあるんですが。
○参考人(日向英実君) 編集前のテープというのは、様々な段階でいろんなバージョンのものがございます。 今回につきましては、職員が個人的に持っていた編集の過程でのテープが一部ございました。これについては、裁判になった段階で、本人から提出を求めてNHKで保管をしております。ただ、これは裁判への対応として保管しているものでありまして、編集過程のテープというのは、番組編集の自由の確保という観点からも外には出すことができないというふうに考えております。
○世耕弘成君 でも、逆に、そういうある程度元のテープが残っているんであれば、こうこうこういう映像があったんだけれども、NHKとしてこれは放送にふさわしくないと判断をしたということをきちっと世の中に見せられたら非常にこれは分かりやすいというふうに思いますので、是非そういうことも御検討をいただきたいと思います。 そして、また、このBPOの意見書を踏まえて、五月十二日のNHKの経営委員会において、福地会長が、それまでは割と政治家への接触も、原則はやらないけど必要な場合はやるという話をされていたのが、基本的に非常に明確に政治家への事前説明、番組内容の事前説明は一切行わないというふうに宣言をされました。その真意について、会長からお伺いしたいと思います。
○参考人(福地茂雄君) その点につきましては、BPOの委員会の意見の中で、番組の放送前に当時の放送総局長が政治家に面談したこと及び総合企画室の担当局長が試写や編集作業に立ち会ったことなどについて、自主自律を危うくし、視聴者に重大な疑念を抱かせる行為であったというふうな指摘をいただきました。 そういったことから、私は、この指摘に関連しまして、政治との距離についてNHKの考え方を明確に示そうということでございまして、申し上げましたのは、制作部門担当者が放送前に個別の番組内容を国会議員の方々に説明することを行っていないし、その時申し上げましたのは、私ですら放送前の番組を全部知るということは事実上不可能だと、だからそういったことはあり得ないんですということを申し上げたんです。 この考え方は別に今度変わったわけではございません。以前からのものでございますし、この委員会の指摘を受けて変わったということじゃなくて、委員会からの疑念を抱かせるという指摘をされたことから、NHKの自主自律に疑念を持たれないように改めて明言したまでのことでございます。 以上でございます。
○世耕弘成君 改めて、ですから番組の事前説明をしないという考え方を導入したわけではないということでございますね。 多分これは野党の委員の皆さんのところにも時々お見えになると思うんですが、NHKさんには国会担当という職員が恐らくいらっしゃると思うんですが、これ一体何人ぐらい、何のためにこういう職員がいらっしゃるんでしょうか。
○参考人(福地茂雄君) この辺は、ちょっと申し上げておきますけれども、放送法の規定によりまして予算、事業計画などにつきまして国会の御承認をいただくということから、国会とそれから総務省との折衝、連絡という業務がございます。これを今NHKの中の総合企画室の経営計画という部署でやることになっております。 しかし、国会との折衝、連絡という業務だけを専任で担当している職員は今はおりません。そういった連絡の窓口を務める業務があるということでございますので、御理解いただきたいと思います。
○世耕弘成君 やはりNHKというのは国民の皆さんから入っている視聴料で運営をされているわけでございますし、予算、決算はこうやってそれぞれ委員会でも審議になるわけですから、過度に政治家と接触をしないというような方法は取られるべきではないと私は思っております。当然番組内容の事前説明なんてことは全くやるべきではありませんが、当然予算とか、あるいは例えば不祥事が起こったときに迅速にやはり国会に対して説明をする、そういったことは私は萎縮せずにきちっとやっていただきたいというふうに思っております。 さて、先日、私はNHKの番組でちょっとびっくりした番組を見ました。NHKスペシャルで放送されました。私はこれリアルタイムで見ましたけれども、「JAPANデビュー 第一回アジアの一等国」という番組でありました。 これは日本の台湾の植民地支配に関して取り上げられた番組でありましたけれども、そこで放送された内容が余りにも、私も台湾の知人はたくさんおりますが、私が知っている台湾の人々の対日観と余りにも懸け離れている、これ相当偏った人の取材をしたんではないかなと、私、見た瞬間に思いました。 で、それはどうも私だけではなかったようで、様々な今抗議が寄せられておりますし、我が党の中にはこの番組を少し検証しようという議員のグループもできております。また、デモが行われたりとかいろんなことも聞いているわけでございますが、この番組に関してこれだけ抗議が寄せられているということについて、NHKとしてどういうふうにお考えになっているでしょうか。
○参考人(福地茂雄君) 四月五日の夜の九時でございまして、NHKスペシャル「シリーズJAPANデビュー 第一回アジアの一等国」という番組でございます。 放送後、視聴者の皆様から多数の御意見、御要望をいただきまして、高い評価をいただいたものもございますし、一方で、御指摘のように、内容が偏っている、事実関係に誤りがある、台湾の人たちへのインタビューを恣意的に編集しているといった批判の声も寄せられました。 このために、一般の視聴者の皆様にも御説明申し上げる方がいいんじゃないかということにいたしまして、六月十七日水曜日、番組のホームページでこの番組についての説明を掲載をいたしました。その中で改めて内容に偏向がないこと、あるいは事実関係や用語に間違いがないこと、あるいはインタビューは適切に編集していることなどを説明いたしました。 御意見につきましてはきちんと受け止めまして、誠意を持ってこれからも対応してまいりたいと思います。 以上でございます。
○世耕弘成君 そうおっしゃるんですが、やっぱり物すごく問題がたくさん、もう今日は一々全部を指摘しませんが、代表的なおかしいところを幾つか言わせていただきますと、例えば先住民族の方々、台湾の先住民族の方々を国際博覧会で参加をしてもらって見せたということに関して、人間動物園というキャプションが入っているんですね。ですけど、当時の記録で人間動物園と称したこともないし、そこへ出た先住民族の皆さんは、別に一般の宿舎へ泊まることもできたけれども、そこへ住むこともできたという選択制になっていたという意味で、何か強制的にそこへ入れているような人間動物園ではなかったのに、しかも当時そういう表現はされていなかったのに人間動物園というキャプションが入れられているとか、あるいはオープニングでいろんな映像が出てくるんですけれども、例えばヒトラーの映像の直後に日本の兵隊が軍刀を抜いて勝ちどきを上げているようなところとか、あるいは、これは恐らくナチスの収容所なのか、どこかポーランドのゲットーなのか分かりませんけれども、そういうところで女の人たちが、いわゆる欧米の女の人たちが泣いているシーンの後に軍服姿の昭和天皇が馬に乗った姿が出てくるとか、これは非常に何か視聴者をある一定の方向へ誘導する意図があって作られているんじゃないかと思わざるを得ないような処理がたくさんありました。 NHKの番組基準の第二章第五項の二では、「ニュースは、事実を客観的に取り扱い、ゆがめたり、隠したり、また、せん動的な表現はしない。」という表現があるわけですが、この規則にもかかわってくるんじゃないでしょうか。どうお考えでしょうか。
○参考人(日向英実君) 先住民族の方々の日英博覧会でのことにつきまして、番組では、この番組、そもそも日本が近代化の過程の中で、西洋列強の要するに後を追いかけるといいますか、肩を並べるために様々なことをしながら一等国へ向かっていったという、そういう文脈の中で描いておりますけれども、この人間動物園に関しても、私ども様々な資料を既に当たりながらこの言葉を使用しております。 先ほどそういう事実はないというふうにおっしゃいましたけれども、私どもの集めている資料の中ではそういう用語も使われておりますし、それから、パイワン族の方々ですけれども、その方々に対して朝から夜まで一つの生活そのものをある種展示するというような形で行われたことも確認をしております。 それから、オープニングタイトルの映像の御指摘もございましたけれども、これも先ほど申し上げたように、番組が、未来を見通すかぎは歴史の中にあるということと、世界の連鎖が歴史をつくってきたというコンセプトを持っております。そういう中で、近現代史の主な出来事、人物、それから絵画、フィルム、そういう素材を年代順に並べて映像化したものです。 タイトルの後半部分で写真が舞い上がる表現もありますけれども、これも百五十年の歴史を早送りするイメージで歴史的な出来事や人物の写真を編集したもので、特に特別な意図を持って作られたものではございません。
○世耕弘成君 いや、そんなあれでは全く納得できないですね。どうしてナチスの収容所とおぼしきところの後に昭和天皇が出てこなければいけないのかとか、全く納得がいかないと思いますね。 それと、あと、人間動物園、これ当時の資料で日本が人間動物園をやったなんということは一言も、人間動物園なんという言葉は出てきませんよ。やはり当然視聴者は当時の時代と今の時代、全然価値観も感覚も違うわけです。人間動物園と聞けば、裸で鎖でつないでいたのかというそういうイメージになるわけですよ。やはりNHKとして慎重な扱いをちゃんとやっていただかないと困りますね。 もう一つ大きな問題は、この番組のほぼ主人公と言っていいでしょう、ほとんどインタビューに長時間答えていらっしゃった柯徳三さんという方、この方のコメント使用に非常に問題があった。この人はわざわざ本まで書いて、そして台湾も日本も好きなんだということを繰り返し主張してこられた、そして日本の植民地時代の負の部分もしっかりとらえながら、しかし、一方でプラスの部分もあったという、非常に客観的な評価を長年続けてきておられる方なんですね。この方のコメントが、しかし本当に日本にひどい目に遭った、差別をされた、苦しかったというところばかりが取り上げられて、私も本当にこの人そう思っているのかなと思ったら、その後、御本人は週刊誌やあるいはケーブルテレビの取材等で非常に不満を述べておられます。自分はもっと両方しゃべったのに負の側面しか取り上げられなかったということをおっしゃっております。 このことに関してNHKとしてどうお考えでしょうか。
○参考人(日向英実君) 今お話のあった柯さんについては、合わせて五時間程度インタビューしております。番組で使用した部分、それは柯さんの発言の趣旨を十分に反映していると考えております。恣意的な編集はしておりません。 柯さんのインタビューについて、日本の台湾統治の良い部分を語ったのに取り上げられなかったという批判などが一部伝えられておりますけれども、柯徳三さん自身はNHKに対して抗議する気持ちはありませんというふうにおっしゃっています。 番組は、柯さんを始め多くの証言や一次史料に基づいて全体を構成しておりまして、恣意的な編集を行ったものではないというふうに信じております。
○世耕弘成君 いや、NHKにどうおっしゃっているかは私は知りませんけれども、少なくともケーブルテレビの映像に出て、週刊誌あるいはほかの媒体で本当に不満だということを涙ながらに語っておられるわけですよね。これは明らかに柯さんは大変不満を持っていると思います。 その五時間のインタビュー内容が私は正確にどういう内容かは分かりませんけれども、恐らくいい部分、日本の統治に関して柯さんが思っているプラスの部分もかなり表現をされていたはずなんですね。やはりそこが取り上げられなかったことについて、当然、柯さんは負の部分を語ったことは否定されないと思いますけれども、プラスの部分が取り上げられなかったということに非常に不満を持っておられるんじゃないですかね。 NHKのいわゆる新放送ガイドライン二〇〇八というやつを見させていただいたら、取材先との基本ルールということで、取材先との関係、取材相手には誠実に接し、お互いの信頼を大切にしなければならない、取材に当たっては番組及び取材の意図を事前に十分説明し理解を得る、また、取材後の状況の変化によって番組のねらいが変更された場合にも取材の相手に十分説明すると書いてあるわけですね。 これは、ですから、ちゃんと負の側面だけにスポットライトを当てた番組ですよということを説明をして柯さんの取材を行っていたんですか。あるいは、その後、負の部分だけ集めてやろうということになったときに、そのことをちゃんと柯さんにこのガイドラインに従って断っていたんですか、どうですか。
○参考人(日向英実君) 先ほどから申し上げておりますけれども、柯さんのインタビューの中身でございますけれども、今ここで個別に申し上げることはできませんが、基本的に、今の負の部分でない部分、プラスの部分については、教育について、それからインフラについておっしゃっています。 教育については、番組の中でナレーションも含めて、柯さんが非常に評価している部分については伝えております。それから、インフラにつきましても番組の中では伝えておりますし、それから柯さんのインタビュー全体の文脈からいって、私どもが使用した部分が非常に意図的な編集とか意図的な抜き出しとか、そういうものはないというふうに私は考えております。
○世耕弘成君 この問題は、ちょっともう時間がなくなってきましたのでこれ以上言えませんが、今もう千人を超えるデモがNHKに対して行われたりしております。我々自民党の方でもかなり問題意識を持っております。 現にかかわった方々がかなり不平不満を言っているわけですから、是非NHKとしても、ホームページなどと言わずに、NHKは基本的には放送局なんですから、やはり番組で取り上げて、きちっとしたNHKとしての検証あるいは立場の表明というのをされるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○参考人(日向英実君) 先ほども会長が申し上げましたけれども、番組の事実関係その他については番組のホームページに今細かい説明を含めて載せております。それを是非御覧いただいて、御理解いただきたいというふうに思います。 デモも起きていることはもちろん承知しておりますけれども、NHKとしては、質問状など誠意を持ってお答えしてこれまでもきましたし、これからも誠意を持って対応していきたいというふうに思っております。
○世耕弘成君 是非、委員の皆さん、もし見ておられない方がいたら、DVDをお貸ししますので一回見ていただいて。本当に衝撃的な番組だった。これは、今後ともちょっと少し問題意識を持って取り組んでまいりたいということを申し上げておきたいと思います。 さて、NHKは今、NHKオンデマンドというインターネットを通じてテレビを事実上見れるというものをビジネスとして始めておられます。私も非常に愛用しています。こうやって過去の番組も見ることができますので、昔の番組とかあるいはちょっと見逃したニュースとか、そういうのを便利に見ているわけでございますが、少し過去の番組の著作権処理に関して、NHKは若干見切り発車をされているのかなと。 私も、過去の番組の著作権処理問題をずっといろんな形で取り組んできて、これ、本当に解決しなきゃいけないと思っていますが、このNHKオンデマンドでは、実演家著作隣接権センターというところを通じてNHKさんがそこと一括の処理という形を取っておられて、万が一、将来、いや、おれ聞いていないよという人が出てきたら、その人の報酬請求にもこたえられるように、一人当たり幾ばくかのお金を同センターに供託をしておくという仕組みを取っておられるわけですが、これはしかし、まだ法的な裏付けも非常に私は弱いと思うんですね。それでいければそれでいいと思いますけれども、これ万が一、後から言った人が、いや、数千円では納得しないというようなことになって、そもそも放送すること自体私は反対だなんということを言われてきたときには、とても法律的に対抗できないと思うんですね。 こういう問題について、今後の新たなデジタル時代の著作権処理の在り方も含めて、NHKとしてどのようにお考えでございましょうか。
○参考人(日向英実君) 今御指摘のところについては、おっしゃるように、連絡の取れない権利者、特に俳優さんなんですけれども、これが非常に問題になっております。これについては、実演家の団体とルールをつくりまして権利処理を進めています。現在のところは特段の問題は生じていません。また、著作権法の改正案が今国会で成立して、権利者の所在が不明の場合、文化庁長官に裁定申請をした段階で配信可能となるということに、来年の一月からですか、権利処理が円滑に進められるものというふうに期待をしております。 著作権の処理については、御指摘のように、非常に特にテレビの番組は複雑で、権利者がたくさん、多岐にわたるわけです。したがって、非常に権利処理については私どももかなりの労力を使っております。これはもちろん、デジタル時代においても一つ一つ丁寧にお話をして許諾を得るということの原則は変わりませんけれども、今申し上げたように非常に複雑な状況になっているので、これから先、もっと適当な権利処理の在り方というのは当然考えられるべきだと思いますし、我々も検討を行っていきたいというふうに考えております。
○世耕弘成君 終わります。
○弘友和夫君 公明党の弘友和夫でございます。 私は最初に、難視解消のための衛星放送の在り方についてお伺いしたいと思います。 NHKは経営計画におきまして、今BS1、BS2それからBSハイビジョンがあるんですけれども、これを二波に再編すると、こういう検討をされているわけでございますけれども、この衛星放送再編についての基本的な考え方と、それから、現在BS2というのは、難視聴解消を目的として、地上波が届かない地域の方へNHKの番組だとか必要な生活情報を提供する役割を担っているわけでございますけれども、そこで、現在地上波の難視聴地域で衛星のみでNHKを視聴している方がどの程度いらっしゃるのかということを併せてお伺いしたいと思います。
○参考人(福地茂雄君) それでは、まず私の方からBSの基本的な考え方を御説明申し上げまして、その後で永井理事の方から難視聴の問題を御説明申し上げます。 まず、国の方針、これは、放送普及基本計画では、NHKの衛星放送はアナログ放送が終了する二〇二三年までに二チャンネル以内に見直すということが前提となっております。総務省の研究会は、NHKの衛星三チャンネルをハイビジョン二波に再編成するという案につきまして、直ちに合理性を欠くものではないという答申を平成二十年六月に出しておられます。経営計画で示しましたこの案は、再編案を基に検討したものでございます。 新しい衛星第一テレビは、衛星による放送の特性を生かして行う総合放送と位置付けまして、国内外のニュースやドキュメンタリー、スポーツなど、報道情報番組を中心に編成する総合情報波として実施してまいりたいと考えております。新しい衛星の第二テレビは、デジタル時代の映像文化向上に資する総合放送と位置付けまして、自然、紀行、文化、伝統芸術、ドラマ、映画、アニメ、音楽、エンターテインメントなど教養・娯楽番組を中心に総合編成をしてまいります。 新たな衛星放送の役割といたしましては、外部の開かれた制作体制で番組制作会社のコンテンツを拡大することで日本のコンテンツ制作力の向上に貢献すること、また、放送通信融合サービスの開発や新たな演出手法の開発などを通じまして先導的な役割を発揮することなどを考えております。 なお、現在、衛星第二で実施しております難視聴解消対策は、暫定的な衛星利用による難視聴対策、衛星セーフティーネットと呼ばれておりますが、これが実現する見通しなので、それが実現されればそちらにゆだねてまいるということにいたしております。 アナログ放送の終了、平成二十三年でございます。ちょっと訂正をいたしておきます。 それでは、あと永井理事、お願いします。
○参考人(永井研二君) お答えいたします。 現在の地上波の難視地域で衛星のみでNHKを視聴している世帯がどのぐらいいるのかという話でありますので。 NHKの受信料の規約には衛星のみの特別な規約というのがございまして、これは、難視聴地域での視聴、衛星だけを視聴している、若しくは電車とか日本沿岸を航行する船舶が衛星のみを受信する場合、契約をするということになっておりまして、これが二十一年の三月末で全国九千八百件の特別契約があるということであります。御指摘の地上波の難視地域で衛星のみで御覧になっているというのは、そのうちの半数であるというふうに考えております。
○弘友和夫君 九千八百件の半数が衛星で、難視聴のところであるというお話でございましたけれども、衛星放送の役割を、政府が打ち出したデジタル放送への完全移行に向けた総合対策の一環として衛星利用によって難視聴対策を行うと、こういうふうになっているわけでございますけれども、これは全額国庫負担によって地上デジタルの難視聴世帯に衛星放送用のチューナーとかパラボラアンテナ等を支援するものであるけれども、その対象にはNHKのアナログ難視世帯が入るというふうに理解していいのかどうか。総務省、いかがでございますか。
○政府参考人(山川鉄郎君) 御指摘の暫定的な衛星利用による難視聴対策でございますが、これは本年度内に開始するべく約七・八億円の予算を計上しておりまして、関係者とともに準備を進めております。 その概要につきましては、中継局やCATV共聴施設等の地上系インフラが皆無でございまして、アナログテレビ放送は視聴できていたにもかかわらずデジタル放送が視聴できなくなる世帯に対しまして、暫定的、緊急避難的にBSデジタル放送によりまして、五年間の措置として東京の番組、NHK総合、教育、それから東京キー局の五系統でございますが、これをスクランブルを掛けて同時再送信をし御視聴いただくものというものでございます。また、このための最低限の受信設備の整備に支援を行うものでございます。 この対策の実施に当たりましては、総務省及び放送事業者で構成する全国協議会の検討結果といたしまして、NHKのアナログ難視聴地区につきましても特例として利用の対象とすることとしておりまして、情報通信審議会の第六次中間答申におきましてもこれを適当とする旨の御提言をいただいておるところでございます。 ただ、御指摘のNHKのアナログ難視世帯に対する受信設備の整備支援につきましては、これは本対策の目的とは異なるものでございますので、本対策の目的と申しますのは、新たな難視世帯に暫定的な衛星利用のために追加的に発生する受信設備の整備の経費に対して支援を行うという意味でございますけれども、こうした対策の目的とは異なるものでございまして、チューナーあるいはパラボラアンテナ等の受信設備整備の支援対象とはしていないところでございます。
○弘友和夫君 衛星放送で難視聴対策というのは、地域の情報とか放送が見られないという問題もあるけれども、五年間の暫定措置でやっているわけですね。だから、NHKにお伺いしますけれども、五年間暫定措置にゆだねて、地方で見られない方が二〇一一年から五年間たったと。そのときに五年たってもまだ見られないという場合は、これはどういうふうにするおつもりなんですかね。
○参考人(永井研二君) 御指摘のとおり、暫定的な衛星利用による難視聴地域対策というのは平成二十二年から五年の暫定措置とされております。この間にNHKとしては難視聴を解消するために様々な手段を活用して地上系の放送基盤の拡充に努めていくということにしていますが、今後も技術的な進展、それから状況の変化を見ながら、調査をしっかりと進めながら、関係機関と御協力しながら、具体的な、ではその先の計画をどうするのかということは検討していくということにしております。
○弘友和夫君 検討、だけど実際に五年たって見れないところが出るということは、これはもうちょっと何らかの対応をしないといけないわけですから、そのときにやはりまだ追い付いてこないということになりましたら、衛星放送の再編について、現在の難視聴対策、じゃ具体的にどうするんだということは総務省としても十分配慮しないといけないと思いますけれども、いかがですか、それは。
○政府参考人(山川鉄郎君) 御指摘のとおり、あまねく日本全国においてNHKの放送を受信できるようにするために、NHKの衛星放送は難視聴対策としての重要な役割を担っているものでございます。したがいまして、その再編に当たりましては、御指摘の点も十分配慮しながら私どもも検討を進めてまいりたいというふうに思っております。
○弘友和夫君 それに関連しまして、独立行政法人情報通信研究機構というのが現在実施している衛星放送受信設備設置助成制度というのについてちょっとお伺いしたいんですけれども、これは、NHKの難視聴地域において衛星放送の受信設備を設置する場合に、政府が出資した三十億円、政府が基金をつくって運用益をこの原資として費用の四分の一を助成すると、こういうふうに聞いているけれども、こういう制度があるというのは間違いありませんね、総務省。
○政府参考人(山川鉄郎君) 御指摘のとおりでございまして、衛星放送受信設備助成制度、これは現状におきましてNHKの地上テレビジョン放送が一波も良好に受信できない難視聴地域におきまして、衛星放送を受信するための設備を設置した者に対し、その設置費用の四分の一を、一世帯当たり二万五千円を上限として、独立行政法人の情報通信研究機構を通じて衛星放送の受信対策基金三十億円の運用益により助成するものでございまして、平成二年から行っております。
○弘友和夫君 それで、この実績、交付状況というのを見ましたら、今お話しのように平成二年から始まっておりまして、ずっと毎年、二千数百世帯とか三千世帯の場合もありますけれども、ずっとこれをやってきたわけです。 去年、平成二十年度なんかはわずか一世帯なんですね。一市町村、一世帯しかこの実績がないわけですよ。何でこうなっているのかというと、二〇一一年の段階で地上放送の難視世帯は全額国庫負担で衛星放送の受信設備の整備が可能となるというわけですから、自分の、二万五千円なりなんなりを負担して今更取り付けるというようなことは必要ないわけですよ。 そうなってくると、じゃ、その三十億円を基金としてやっている今のこの制度、これがもう必要ないんじゃないかなと。確かに、この研究機構は字幕番組の作成等もやっていますけれども、本来の目的である衛星放送受信対策、これが不必要になるわけですから、言ってみればこの三十億円というのは、埋蔵金じゃありませんけど、もう今必要なくなってくると。これ、その有効活用を何か図るべきじゃないかというふうに考えます。これは大臣、いかがですか。
○国務大臣(佐藤勉君) 先生おっしゃられるように、平成二年以来、二万八千世帯分の助成をした実績があるというのは先生御承知のとおりだと思います。 テレビの難視聴解消に大きく貢献しておりますが、いまだ全国で約二万八千世帯の難視聴世帯が残っているという推計も出ているところでございまして、昨年度の助成世帯は確かに一世帯にとどまっておりまして、十五年から十九年度の五年間において各年度平均二百四十八世帯の実績があるところではありますが、いずれにしても、先生がおっしゃるように、御指導を踏まえて、そろそろ見直す方向にあるのかな、有効利用も含めて考えていかなければいけないことなのかなというふうに思っております。
○弘友和夫君 今大臣からこの三十億円、有効利用、今お金のないときですから、是非いろんなことで有効利用していただきたいというふうに考えます。 それから次に、先ほど世耕先生からも質問がありましたけれども、NHKオンデマンドの現状と展望についてお伺いしたいと思うんですけれども。 これは、今お話がありましたように、見逃したニュースとかいろんなものを有料で配信するサービスですね。これは放送法まで改正してやり始めたわけですけれども、この三月までに八万人の会員獲得を目指すということだったんですけれども、今目標を大幅に下回って、一万人程度だという声があったり、五万人ぐらいになっているとかいう報道もありますけれども、会長は今月の定例会見で、五月に入って一か月のパソコン新規登録会員数は二万九千人と過去最高を記録した、四月と比べて三倍以上の会員を獲得したと、こういうふうにも言われておりますけれども、これは有料会員の数字なのか、無料会員も入っているんじゃないかということなんですけれども、実際、今有料会員が何人、お試し会員ですか、要するにお試し期間ということじゃなくて、実際にもう契約した有料会員って現実に何人いらっしゃるか、ちょっとお聞きしたいと思います。
○参考人(日向英実君) 会員制度を設けているのはPC向けのサービスでございまして、その中で有料会員、無料会員という区別はしておりませんが、御指摘のように、会員に登録をされた方でも実際に購入をされないという方がいらっしゃいます。 五月の末までのPC向けのサービスの会員登録数、八万一千人まで増えておりますけれども、実際に番組を購入した利用者は約二万人でございます。更に購入者が増えるような努力は様々これからやっていきたいというふうに思っております。
○弘友和夫君 世耕先生は入っている、私は入っておりませんけれども、何でこの利用者が少ないのかということなんですね。 これ、要するに見逃し見放題パックというのがあって、受信料は二千二百九十円、BSが入って。千四、五百円とかそういう受信料を普通は払って、その上でプラス千四百七十円を払うわけですね。一回か二回見るのに月に千四百七十円も払うというのはちょっとこれ高いんじゃないかということが一つと。 それから、例えば夜の七時のニュースとか九時のニュースを見逃したと。じゃもう少し後にこれを見ようと思ったって、これはアップされていないというんですね。見られない、翌日しか見られないとかいう、見逃したという人にとってすぐ見られないというのはやはり問題があるんじゃないか、余り利用する価値がないというようなことだとか。 それから、そもそもこのオンデマンドというのは大体NHKのすべての番組が見れると。例えば、大河ドラマをずっと見たいとか、今までの朝の連続テレビ小説か何かそれを見たいとか、そういうことで見逃したやつを見たいとかいう人が結構多いんじゃないかと思う。それが、だけど、じゃ、果たして大河ドラマとかこれは全部今までの過去のやつが入っているんですか、見れるようになっているわけですか、ちょっとお伺いしたいと思います。
○参考人(日向英実君) 最後の御質問の大河ドラマにつきましては、残念ながら、全部、過去の大河ドラマすべてをオンデマンドサービスで御覧になることは今できません。先ほどもございましたけれども、特に過去の番組につきましては、当時インターネットを介したサービスというのはございませんでしたので、権利上の問題がございます。その中で、非常にたくさんの人たちが、著作権、隣接権を持っている方々がいらっしゃいまして、それを一人一人当たらなきゃいけないという問題がありまして、今努力をしておりますけれども、なかなか一気に全部の大河ドラマをお見せするというところには至っておりません。 それから、料金の問題ですけれども、今申し上げたような権利処理とか、それから配信経費というのが掛かります。これについては番組制作費とは全く別でございますし、法律上も区分経理をするということになっておりまして、その経費を利用者が負担していただくという形になっております。これについても様々な御意見、御要望ございます。それから、市場の中での価格が適当かどうかという問題もございますので、これについては柔軟に対応していきたいというふうに考えております。
○弘友和夫君 相当古いものであったら確かにそういうところを想定をしていなくて、先ほども出ていましたが、そこら辺をどう処理をしていくのかというのはあると思うんですよ。ただ、この最近の一、二年の大河ドラマでも、じゃ、去年の「篤姫」がそれは放送できるのかどうかとか、その前の「新撰組」か何かはできないと聞いているわけですよ。それはその中のタレントの事務所が駄目ですよと言っているわけですから、永久にそれは放送できないということなんですね。 ですから、そうなってくると、せっかく契約しても自分の見たいものが見れないという、どれが見れてどれが見れないのかという、先にこれを言ってもらわないと、それを見るために入ってしまった場合は困るわけよ、これは。だからもし、反対に今からは、大河ドラマに出てもらう場合にはこれは先に、オンデマンドじゃないけれども、これはやりますよという承諾を得てやらないと、先にもう署名してもらわないと、これは本当ばらばらになってしまうと思うんですけれども。 そういうことをきちっとしないと、このオンデマンドの将来は私はないと思うんですよ。せっかくお金掛けて、どこまでになったら赤字を、それは視聴者に全部かぶってくるわけですから。会長、いかがですか、これは。
○参考人(日向英実君) したがいまして、今年の大河ドラマ「天地人」はオンデマンドでサービスしておりますし、去年の「篤姫」につきましては、まだサービスが始まっていない段階でしたので、なかなか許諾の問題はちょっと微妙な問題がございました。 ただ、御指摘のように、そういう期待を視聴者の方、ユーザーの方がされるのは当然だと思いますので、なるたけ今後作っていくものにつきましてはオンデマンドで提供できるような形にしていきたいと思いますし、先月ですか、「ハゲタカ」という、これは過去に放送した番組なんですけれども、かなりこちらからも権利処理を急ぎまして特選ライブラリーで配信することになりました。 そういう努力はこれからもしっかりと続けていきたいというふうに思っております。
○弘友和夫君 まだいろいろ大臣にもお伺いしたいんですけど、これ、うまくいかなかったらやっぱり大きな問題になってくると思うんですよ。だから、NHKには努力していただかぬといけないけれども、どこら辺でどうなったらもうこの事業をやめるとか、何かそういうものがあるのかどうかですね。
○国務大臣(佐藤勉君) 今のお話を聞いていて、やっぱり権利処理の話がどうしてもかかわってくるんだと思います。コンテンツの話、どうしてもここは避けて通れない話で、私もこの事業が始まるときに非常に心配したところでございまして、結果的にはこうなってしまったのではないかなというふうに思います。 先生の御趣旨も踏まえて、これから見直さなければいけませんし、例えば権利処理の話にしても、ハリウッドなんかでやっているような処理等々あるわけでありますから、そういうこと等々も踏まえて、もっともっと権利処理がスムーズにできるようなことを、NHK独自のものでもいいでしょうから考えていただいて、普及促進をしていただく。 いつやめるのかというのはちょっと私も言いづらいので申し上げられませんけれども、これはもうちょっと推移を、始まったばかりなので見ていてもいいのかなという思いはいたしますが、そんなところで勘弁していただきたいと思います。
○弘友和夫君 いつやめるのかということじゃなくて、是非成功するように総務省も頑張っていただき、NHKはもちろん頑張っていただきたいと思います。 時間がありませんので次に移りますが、前々から問題になっております放送受信契約の締結拒否者に対する、これは一昨日六月二十三日に、NHKの再三の要請にも応じず、放送法に基づく受信契約の締結に応じない埼玉県内のホテル事業者をさいたま地方裁判所に提訴したと。 これは、もう何回も警告出しているわけですね。初めてのケースなんですけれども、これはNHKの経営計画においても民事訴訟の実施に向けて準備していると、で、初めてこれをやったと。受信料の公平負担の確保の観点から、悪意のある受信契約拒否者に対してはこれはきっちりやはりやらなければいけないんじゃないかと。一千万世帯は未契約ですからね。個人は別としても、こういう事業者においても。 これは名前も出していないんですよ。何回もあれして、警告というかいろいろ言って、お願いもし、何かしている。NHKはよその放送とかなんとかのときは名前出せみたいな話を言っていますけど、自分のところでやるのは名前出さないというのは、やっぱりこれは一罰百戒じゃないけれども、もう悪質なものはそれを公表するぐらいのことがあっていいんじゃないかなというふうに思いますけれども、今後の方針についてお伺いしたい。 それからまた、経営委員長、わざわざおいでいただいておりますので、またそれについても御見解をお伺いしたいというふうに思います。
○参考人(福地茂雄君) 今回の民事訴訟は、埼玉県でホテルを経営している事業者に対して行ったものですが、契約義務化が保障されているこのときに、幾らお願いをしても契約に応じてくれないという未契約者については、当然これからもこういった訴訟に踏み切ってまいります。 一般世帯の問題もございますけれども、こういった事業者に着手したところでございますので、当面は事業者を対象に進めていって、ある時期から一般世帯にも当然広げていかないと、受信料の公平負担の面から見てもおかしいというふうに考えております。 名前を公表しなかったのは、今の時点だけでございまして、ある時点からは、当然これは訴訟でございますので相手の名前を公表してまいります。 以上でございます。
○参考人(小丸成洋君) 先生のおっしゃるとおりでございまして、受信料の公平負担は大きな経営の課題でもあります。 平成二十一年度から始まりました三か年計画におきましても、方針八に、公平に負担していただくための取組方の強化ということを常に私どもは言っているわけでございます。三か年計画では、未契約者への民事手続を進めることもしており、今回の提訴はそれに沿ったものと受け止めております。誠心誠意、視聴者の皆様に説明を行っても契約をしていただけない場合は、今後とも、受信料の公平負担を徹底するためにも民事訴訟への提起をしていきたいというふうに考えております。
○弘友和夫君 時間が余りありませんで、あと本来であったら、インサイダー引責辞任した理事の方がNHKに関係のあるところに役員として行っていることだとか、それから前回、私、質問しましたけれども、要するに、報道の順番というか、やはり視聴者の目線で報道しないといけない。新型インフルエンザの報道のときは、大臣が緊急記者会見していると、そのときにほかの民放なんかは全部一切ほかの放送をやめて切り替えた。NHKの場合は全然切り替えずに何か朝の連続テレビドラマの再放送を放送していたと。一時からまたやるのかといったら、今度はやらないで違うやつをやっていたというようなことで、ちょっと国民の視聴者の皆さんの目線と感覚が違うんじゃないかなというようなことも質問したかったわけですけれども。 時間が来ましたので、最後に、経営委員長においでいただいて、いろいろ今まで経営委員長が、五年間ですかね、経営委員としてやられて、また、福地会長が就任されて一年半です。大分私は会長が就任されて体質的には相当変わってきたというふうに思っておりますけれども、まだまだそういう改革に対する抵抗等もあるわけですから、是非、経営委員長といたしまして、そこら辺の今までの改革の進み具合、そしてまた今後の、福地会長と車の両輪で頑張っていただきたいと思いますけれども、その決意をお伺いして終わりたいと思います。
○参考人(小丸成洋君) 私が平成十六年の六月に経営委員に就任した直後に一連の不祥事が発生して以来、視聴者の皆様からの信頼を回復するため様々な組織風土改革の取組が行われてまいりました。現在でも、福地会長が民間から来られて、現場の意見を聞きながら様々な取組をされていることは私は高く評価をしております。五年前に比べて職員の意識は少しずつではありますけれども変わってきているというふうに思っております。 しかしながら、NHKを取り巻く環境は急速に変化をしております。こうした中で、まず、福地会長を始めとする執行部と経営委員会が協力して今年度から三か年計画に掲げた目標達成に向けまして取り組んでまいるところでございます。 また、放送と通信をめぐるメディアの多様化、あるいはまた若者のテレビ離れの問題、あるいは受信料制度の在り方などを、将来的なビジョンを見据えた大きなテーマとして今後とも経営委員会の中で討議していきたいというふうに思っております。よろしくどうぞお願いいたします。
○弘友和夫君 終わります。
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。 私も、四月五日放送されたNHK、「シリーズJAPANデビュー アジアの一等国」を見ました。世耕委員と違ってリアルタイムでは見れませんでしたので、昨日の夜、録画放送を見させていただきました。一時間十分でした。日清戦争後日本が行った五十年間に及ぶ台湾の植民地支配、統治の実態を、当時の貴重な映像や台湾総督府文書などの史料を基に、また台湾人元日本兵などの証言も盛り込みながらリアルに描いた番組でした。先入観なしに見ましたけれども、非常にいい番組だったと私は感じました。登場する現在の台湾の人たちの表情を見ておりますと、親日的と言われる台湾の人々の心の奥底にある複雑な思いが伝わってまいりました。 私たちは過去を変えることはできません。しかし、歴史を直視すること、互いに歴史を共有すること、反省すべきは反省し共に生きることはできる、それでこそ相互理解とより深い友好関係が構築できると私は番組を見て感じさせられました。番組制作スタッフの皆さんに感謝を申し上げたいと思います。 そこで、NHKに対する反響も大変多いと思います。先ほど福地会長は、多数の意見が来ている、高い評価のある一方、批判的な意見もあるとして、批判的な意見だけ先ほど紹介されましたけれども、高い評価の声はどのようなものが来ているんでしょうか。
○参考人(福地茂雄君) この番組でございますけれども、台湾が親日的であるという前提、この事実は多くの日本人の皆様が承知していることでございますが、この番組でもその点は伝えておりました。 それから、いろんな中で、日本が台湾でなしたいいことが述べられてないという御意見ございまして、私も何度か見直してみまして、ちょうど樟脳産業を後藤さんが立て直したこと、それから台湾縦貫の南北縦貫鉄道を日本が造ったこと、それからキールン港でございますか、港湾の設備といいますかあれに尽力があったこと。それから、この樟脳産業を立て直したことについてイギリスが非常に高く評価をしている、そういったことの中でイギリス、フランスに高い評価を得たというふうなことも触れられておりましたし、それから台湾総督府が欧米向けに出版しました「台湾十年間之進歩」というのがございますが、これを紹介をしまして、台湾の歳入とか内地貿易の金額が非常に増えたということも示しておりました。 ただ、この番組は、確かに台湾の今日の隆盛に結び付くようなインフラの投資を当時の日本がしたわけでございますが、その点は評価された一方で、この番組の軸足が、このタイトルがそうでございますが、日本がアジアの一等国になる、そのためには、あのままでおったら日本が逆に植民地になっていたかも分からない、そのときに、ちょうど日清戦争のああいうふうなことで台湾の割譲を得た、そこで、日本が台湾の植民地化に対して大きな大きな成果を上げて、評価をされて一等国の仲間入りをしたんですけれども、一方で、植民地は植民地だということで、その植民地の痛みというものがあそこで柯さんの言葉の中にも出てきたと。そういった一面をあの番組は表現しているというふうに私自体もあれを見ておりまして感じました。 それから、いろんな御指摘がございました。一方的な、恣意的な編集がなされているのではないかというような御指摘もございました。私も前職時代から、前職時代は報道、そういったものを受ける立場にございまして、私が一番やっぱり嫌でしたのは、都合のいいところだけを取られるということが前職時代も一番私にとって嫌なことでございまして、これについても当時のディレクターを呼びました。そういった、要するに都合のいいところだけを取っていることは絶対ないなというふうなことを確認もいたしましたし、私もそういったものを自分の目で検証いたしまして、そういった恣意的な編集はなかったというふうに私自身も実は感じ取ったわけでございます。 こういった台湾が親日的であるということを前提に、たくさんのこれは台湾総督府のときの数万冊に上る史料からも検証しているわけでございますが、新たな理解を深めていくということについては、これから先の両国の関係にとっても、やっぱり両方の関係にとってもプラスになるんじゃないかというふうに認識をいたしております。 以上でございます。
○山下芳生君 今、福地会長自身の評価が語られました。 それから、番組に寄せられた好意的意見は紹介ありませんでしたけど、ホームページに載っております。こうした歴史を知ってこそ台湾の人々とより良い関係を築いていける、あるいは、証言を聞いて台湾の人たちがより深い意味で親日家であったことがよく分かった、まさに相互理解をより前進させることに資する番組であるという評価も随分来ているんだなと思います。 ところが、NHK、「シリーズJAPANデビュー 第一回アジアの一等国」の内容が反日的だなどとして、自民党の国会議員有志でつくる公共放送のあり方について考える議員の会が六月十一日に発足をいたしました。また、自民党の議員連盟、日本の前途と歴史教育を考える議員の会がNHKに対して質問状を出しております。それに対するNHKの回答と再質問、さらに、それに対する再回答を全部読みましたけれども、私はこれを読んで、その質問されている側の中身は、例えば再放送やDVD化に当たっては、ここは削るつもりがあるかないかというようなことがずらっと並んでいるんですね。これは事実上、番組編集の自由、放送の自主自律に関する介入だと、私はこの内容を読んで感じた次第です。 NHKとして、こうした政治からの圧力にどのような姿勢で臨まれるんでしょうか、福地会長の意見を伺います。
○参考人(福地茂雄君) 公開質問状には文書で誠実にお答えをしております。 この番組で申し上げますと、放送内容が放送法に基づく番組基準に適合しているかどうかのチェックにおきまして、企画段階から取材、制作、放送に至るまで、様々な過程で複数の者によりまして多角的に行っております。また、放送の前にも、放送部門とは独立いたしました考査室が番組考査を実施をしております。放送後には番組審議会、この意見をNHKは大変尊重しなければならない義務がございまして、中央番組審議会には毎月私も出席をいたしておりますが、そこでは肯定的な御意見をいただきました。番組内容に偏向はなくて、事実関係や用語に間違いはないと認識をいたしております。先ほど申し上げましたけれども、台湾の方々へのインタビューにつきましても、不適切な編集はなかったというふうに私も信じております。 以上でございます。
○山下芳生君 私は、全体としては今NHKの取っている態度は立派だと思います。政治介入を許さない作り手の毅然とした態度こそ質の高い放送番組の土台になると感じております。 NHK執行部の毅然とした姿勢が大事だと、その点について、会長、もう一度、毅然とした姿勢が大事なんだということ、どうですか。
○参考人(福地茂雄君) NHKは放送法に基づきまして国内番組基準を策定いたしまして、その中でも、全国民の基盤に立つ公共放送の機関として、何人からも干渉されず、不偏不党の立場を守って、放送による言論と表現の自由を確保すること、こういったことを明記しております。NHKの自主自律、不偏不党、公平公正の原則こそが、国民の皆様、視聴者の皆様に信頼される公共放送の生命線である、ゆるがせにしてはならないというものと信じております。 私は、いろんなこのNHKの中の場におきまして、編集権の自律という権利は、ジャーナリストとしての権利は、一方で不偏不党、公平公正という義務で担保しなければならないということで、この路線を絶えず検証しているつもりでございます。 以上でございます。
○山下芳生君 そこで、次に、BPOの放送倫理検証委員会が四月二十八日に、NHKの番組、ETV二〇〇一「問われる戦時性暴力」に関する意見書を発表した問題について少し質問をしたいと思います。 このBPOの意見書を私も全文熟読をいたしました。これも非常に味わい深い内容でした。本文二十九ページ、資料二十ページから成るものですけれども、最高裁の判決が法律論からNHKの番組改変問題を吟味したのとは違って、放送人の倫理観はどうあるべきか、それが放送の質にどうかかわるか、政治と放送の関係はどうあるべきかという角度から論じられておりました。 委員会として、NHK、ETV二〇〇一「シリーズ戦争をどう裁くか」の全四回の放送を委員みんなで視聴し、その上で、意欲的な問題提起と企画意図を積極的に評価した上で、問題のいわゆる従軍慰安婦を扱った第二回「問われる戦時性暴力」だけが不自然な編集の仕方、散漫な番組になっていることを指摘しております。そして、その背景に政治家とNHK幹部の接触があったことを重視しております。 私は、放送と民主主義の関係、あるいは歴史発展とのかかわりをも深く考えさせてくれる優れた意見書だと、これは放送関係者だけではなくて広く国民に読んでほしいものだというふうに感じました。これはまたBPO委員会の皆さんに感謝を申し上げたいと思っております。 そこで、このBPOの意見書で、私はNHKに対して三点、問題提起がされたと思っております。 第一は、BPOは、NHK番組制作部門のトップである松尾武放送総局長(当時)らが国会対策担当の野島直樹総合企画室担当局長(当時)とともに放送前後に与党政治家を訪ね、番組内容を説明したことについて、面談自体が視聴者がNHKに寄せる自主自律への期待と信頼に対する疑念を起こさせると指摘していること。 それから二つ目に、放送日前日、番組の試写に立ち会った野島担当局長が番組内容を修正、削除する方針を番組制作者らに指示したことも批判をして、乱暴で性急、放送人の倫理として当然目指すべき質の追求という番組制作の大前提をないがしろにするものとしております。 そして三つ目に、番組の公平、公正、中立性は、NHKが考えるような特定の意見を機械的に排除したり単純に並立させることによって実現されるものではないとも指摘しております。 これ非常に三点大事な指摘だと思いますが、NHKとしてこのBPOの指摘、三つのポイントをどう受け止めておられますか。
○参考人(福地茂雄君) まず明確に申し上げておきたいのは、政治的な圧力で番組が改編されたという事実はございません。 安倍氏につきましては、当時女性法廷を四夜連続でドキュメンタリーとして放送するという誤ったうわさが国会議員の間に流れていたことから、総合企画室の担当局長が、安倍氏ら国会議員への予算説明の際に、放送総局長を伴ってうわさが間違っていることを説明いたしました。安倍氏に会う前と後の編集方針に全く変更はなく、安倍氏の政治的圧力で番組が改編されたという事実はないと確信をいたしております。 最高裁の判決におきましても、このBPOの放送倫理検証委員会の意見においても、政治家が番組の改編にかかわったという認定はなされておりません。この番組は、NHKが自律した立場で自らの編集判断に基づいて制作したものでございまして、政治的圧力を受けて内容を改編したり、国会議員の皆様の意図をそんたくして内容を改編したりした事実はございません。この点は改めて確認をさせていただきたいと思います。 ただ、今回のこのBPOの委員会の意見の中で、番組の放送前に当時の放送総局長が政治家に面談したり、また総合企画室の担当局長が試写や編集作業に立ち会ったりしたことにつきましては、自主自律を危うくし、視聴者に重大な疑念を抱かせる行為であったというふうに指摘をされております。これについては私どもも、誤解を受けないように、李下に冠を正さずじゃございませんが、真摯に受け止めてまいりたい、かように思っております。 以上でございます。
○山下芳生君 そうお答えになるだろうなと思っておりました。 ただ、最高裁の判決は取材を受けた方々の期待権に対しての判断でありまして、どういうそこに至る経過があったのかという事実認定は高裁判決を踏襲しております。そこでどういうことがあったのかということが問題なんです。だから、安倍氏がかかわってないという判決はしてないんです、最高裁では。そこには触れてないんです。 そこで、高裁では、これ判決文を持ってまいりましたけど、もう全部読んだら時間ないんですが、事実経過として、二〇〇一年一月二十九日午後、つまり放送前日ですね、首相官邸内にある官房副長官室において松尾放送総局長と野島国会担当局長が安倍官房副長官と面会し、その際、野島氏がNHK新年度の予算について一般的な説明をした後、松尾氏が本件番組について説明をしたと。安倍官房副長官は松尾氏らに対し、いわゆる従軍慰安婦問題について持論を展開した後、NHKがとりわけ求められている公正中立の立場で報道すべきではないかと指摘したわけですね。どういう持論をどういうふうに展開されたかはここでは分かりません、ここでは。しかし、そういうことがあったと。 それが二十九日の午後あって、二十九日の夕方、NHKの番組制作局長室において、松尾氏それから伊東番組制作局長、野島氏、永田プロデューサーなどが立ち会って本件番組の試写が行われました。これまで何回も試写はやっていたんですよ。そもそも放送前日にこれほどまた試写がやられること自体がおかしいんですね。そして、この前日の異例の試写直後に野島氏が、これでは全然駄目だと発言した後、プロデューサーらを締め出して四人だけで話し合って四点修正することを決めて指示したと。プロデューサーらが難色を示したところ、野島氏は、毒を食らわば皿までだと述べて指示を維持したと。 翌三十日、今度は放送当日ですけれども、伊東番組制作局長が自民党は甘くなかったわよと発言して、元兵士と元慰安婦女性二人の証言シーンを三分削除することを指示したわけですね。これで番組の全体の長さが四分間縮まったという非常に不自然な放送になっちゃったわけです。 私はこれを、この事実をもって政治家の改変はなかった、介入はなかったなどということを言い張ることが不自然だというふうに思います。ですから、今ここで言っちゃうと、安倍氏がそういうことをやったということをNHKが認めることになりますから、なかなか言いにくいのは分かります。しかし、しかしこの事実は消せないです。裁判でもこれは認定されました。 それに対して国民は、ちゃんと放送の自主自律、編集の自由を守ってほしいと、その守れなかったことは残念だけども、四回のETVシリーズの中で二回目だけが大変不自然な番組になっちゃっているというふうに、BPOは四回全部見た上で意見を言っているんですね。非常にこれは、放送関係者が自主的に検証するBPOの委員会として、私は真っ当な良識のある検証の仕方であり、意見の発表と内容だったと思います。 これ、やっぱり真摯に受け止めないと。これを真摯に受け止めるかどうかは、現瞬間問われているんですよ。現瞬間「JAPANデビュー」が政治の圧力にさらされているんですね。そのときにこれにどう立ち向かえる、過去をどうやって、この教訓を生かすのかということが今まさにNHKに問われている。そういう立場からBPOの意見書をしっかり受け止める必要があると思いますが、最後に会長の意見を伺いたいと思います。
○参考人(福地茂雄君) 何度も申し上げますけれども、私どもにつきましては、先般でも明言いたしましたとおり、番組の内容につきまして事前に政治家の皆様に番組の制作担当者が説明することは、私はなかったというふうに確信いたしておりますし、少なくともこれから先は絶対にないということをお話を申し上げます。 以上です。
○山下芳生君 終わります。
○又市征治君 社民党の又市です。 NHK決算の承認については賛成をした上で、幾つか質問をしておきたいと思います。 今日も冒頭の加藤さん、そして今の山下さんからBPOの問題出ていますから、まずこの問題から入りたいと思いますが、この放送倫理・番組向上機構が例のNHKの従軍慰安婦問題の番組改変問題について出した意見に対してNHKが、これたしか六月四日ですか、回答をされておるわけですね。 言うまでもなく、BPOはNHKと民放が共同で設立された自主制作の第三者機関であり、言わば日本の放送界の倫理的あるいは文化的な権威ある機構だろうと、こう思いますし、それによる評価というのはもう万鈞の重みがあるんだろうと、こう思うんですね。また、そうしなきゃならぬということでもあると思います。 〔委員長退席、理事高嶋良充君着席〕 そこで、NHKの回答では、一部にBPOへの反論もあるようですけれども、総論としては、放送の自主自律についての懸念に対してNHKとしては真摯に受け止めるという回答をされたことは私は評価をしたい、こう思います。私たち政治家もNHKの態度を前向きに受け止めて、放送の自主性、政治からの独立について適切な距離を保って見守るべきだ、こんなふうに思います。 そこで、これについて、さきに福地会長が会見などで、今もおっしゃっていますが、政治家への個別番組の事前説明はしないというふうに宣言をされた。また、小丸経営委員長もインタビューに答えて、この福地会長の発言を信頼をして、再発の可能性についてはないと思うと、こう明言をされておるわけですが、先ほどから、この「シリーズJAPANデビュー」、第一回放送「アジアの一等国」をめぐって再び政治家からのいろんな発言やいろんな動きが出てきているだけに、改めて会長がどういう会見内容でなさったのか、小丸委員長がどういう発言をなさったのか、ここでもう一度改めてきちっと説明を両者からお願いしたい。
○参考人(福地茂雄君) BPOの委員会意見の中で、番組の放送前に当時の放送総局長が政治家に面談したこと及び総合企画室の担当局長が試写や編集作業に立ち会ったことなどにつきまして、自主自律を危うくし、視聴者に重大な疑念を抱かせる行為であったという御指摘を受けました。 五月十四日の記者会見で私が発言いたしましたのは、この指摘に関連いたしまして、政治との距離についてのNHKの考え方を明確に示そうとしたものでございます。すなわち、それは制作部門の担当者が放送前に個別の番組内容を国会議員等に説明することは行っておりませんし、これからも行わないということでございます。この考え方は以前からのものでありまして、委員会の指摘を受けて方針が変わったわけではございません。委員会から疑問を抱かせると指摘をされたために、NHKの自主自律に疑いを持たれないように改めて明言したことでございます。 以上でございます。 〔理事高嶋良充君退席、委員長着席〕
○参考人(小丸成洋君) BPOの意見に対する執行部からの説明を受けまして、経営委員会では二回にわたって議論を行いました。放送番組の内容を政治家等に事前に説明するという行為は、放送の自主自律、不偏不党という観点からして視聴者に誤解を与えるおそれがあり、私はあってはならないと考えております。この件に関して執行部は、政治との距離を保ち、個別番組の事前説明を一切行わないという姿勢を明確にしております。 経営委員会としましては、NHKがこうした姿勢をより明確にし、視聴者に示していくことが重要であるとして、これを評価をしております。
○又市征治君 是非、御両者の発言、しっかりと実践をしていただきたい。小丸委員長はあした、何か御社の株主総会だそうですが、この委員会を大変大事にされて御無理していただいたようでありますが、是非とも経営委員長の立場でまたしっかりとNHKの経営を見ていただきたい、そのことを申し上げておきたいと思います。 そこで、総務省にお伺いを幾つかします。 一つは、デジタル化移行の問題についてですが、二〇一一年デジタル化の政府目標は今なお高いハードルですし、私自身繰り返し求めてまいりました、そしてまた、過去の大臣も公約をされてきた五千円チューナーは依然として実現がしてない。さきに、生活保護世帯等に対してチューナー等を現物支給するという法的措置がとられたことは、これは一歩前進だろうと思うんです。 しかし、これはNHKと契約して全額免除を受けている世帯という条件が付いている。これはおかしな話なんで、しかし、生活保護世帯の総数百二十万、そのうち、現在契約されているのは約四十万でしょう。残り八十万世帯どうなるのか。NHKの契約待ちでは残る八十万世帯には二〇一一年までにはチューナーが届かないということになるんじゃないのか。ここのところを総務省、どうお答えになるのか。
○政府参考人(山川鉄郎君) 私どもといたしましては、御指摘のとおり、受信機器購入等の支援の対象者が少しでも多くデジタル放送に対応いただけるように支援を行ってまいりたいという基本的な考え方でやっております。 今御指摘のございました対象者に対しまして、こちらの方から探し出して例えば配付するということにつきましては個人情報保護の観点から非常に難しい点がございまして、申請をベースといたしまして支援を行うことが方法としては適当であるというふうに判断をしております。 こうした支援を行う際には生活保護を受けていることを確認する必要があるわけでございますけれども、NHKの受信料全額免除という手続にも同じように生活保護を受けていることの確認が必要でございまして、この二つの手続は手続的にはそう違いはないのではないかなというふうに思っております。 もちろん、現在、NHK受信料全額免除を受けていない方、こうした方に対しましては、例えば申込み時にNHKの受信契約や受信料全額免除も併せて例えば申し込めるようにするなど、申し込みやすい手続とするように検討はしてまいりたいと思っておりますし、支援の対象者である生活保護世帯の方々に対しましては、福祉事務所等の協力を受けながら支援の十分な情報提供を丁寧に行ってまいりたいと。その上で、申請をしていただいて手続を始めるような形で取り運ばせていただきたいというふうに思っておる次第でございます。
○又市征治君 それを聞いていると、役所の方はできないんで、結果的にはNHK任せ、NHKが見付け出してそれをやりなさいよ、こんな感じに聞こえてしようがないんだが、そこで大臣にお伺いします。 生活保護世帯で、テレビは持っているけれども契約をしていない、NHKとは。こういうケースというのは相当あると思うんですよ。一般世帯で三割が受信料未納なんですからね。まして生活保護世帯となるとそういうことはもっと多いと当然考えられる。また、テレビを持てない生活保護世帯もあるわけですよね。テレビを持てない世帯というのは、今日的な社会状況からいうならば、むしろ情報のナショナルミニマムであるテレビを持たせる、持ってもらうということに行政はやらなきゃならぬのじゃないのか。これはむしろ福祉の問題として、国、自治体の責任じゃないだろうかと、今の今日的状況で。三十年前なら違いますよ。だけれども、今はそうだろうと思うんだよね。そんなときにNHK任せでこの人たちを探し出してチューナーを配るなんという、NHK任せでいってはいかぬ。むしろ国なり市町村が乗り出すべきじゃないのかと。これ大変重要な問題だから、私は大臣にお答えいただきたい。 それからもう一つは、生活保護ではない一般世帯が待ち望んでいるこの五千円チューナー、いつまでにどうするのか。もう具体的に示していただきたい。 この二つ、大臣から。
○国務大臣(佐藤勉君) 今の御指摘等々、これからじっくりと、まあじっくりとはしていられませんけれども、御指摘の点をよく勘案をさせていただきながら検討させていただきたいというふうに思います。まして、総務省だけで決める話になるのかどうかということも含めて、検討してまいりたいと思います。 それと、五千円のチューナーでございますけれども、積極的に取組をしていきたいというふうに思いますし、五千円という話が出てもうかなりたちます。私も総務省を離れて一年たちますが、まだなし得ていないということも含めて、積極的に対応してまいりたいというふうに思っております。
○又市征治君 ずっと大臣が積極的に対応していく言うて、これで二年ほどそんなことをみんな、歴代というか、大臣がくるくる替わるものだから、言っている方は同じ人間なんだけれども。ちょっと、積極的じゃ駄目で、もう二年後でしょう。いつまでに移行するという格好でやらなかったら、それで台数だって違ってくるんじゃないですか。そういう問題、さっきの話じゃないけれども、八十万からの未契約のところをどうするかという問題は本当に緊急の問題になってきている。どうもそういうのが、検討してまいるとかそんな話ばっかりでいるわけで、本当に佐藤さん、本気になって頑張ってくださいよ。どこまで大臣でおられるか分かりませんけれども、それは是非頑張っていただきたい。 そこで、次にNHKにお伺いしますが、NHKは受信料徴収業務を廃止、縮小して、それに従事してきた集金・加入契約勧誘業務の従事者、いわゆる地域スタッフ、この削減を進めておられるわけですが、しかし、その際、彼らの職を奪うんではなくて円満に移行させていくということについてはこの委員会で何度も約束をされてきた、このことは。これは総務大臣からも、それはそのことは是非やってほしいということは言われてきたところだね。 ところが、一つの例だけれども、今月二日に、地域スタッフの組合の一つの副委員長に対して、委託契約の解約という形で事実上の解雇通告を出されている。この中身も見てみたらちょっとびっくりしたけれども、六月二日付けで出しておきながら、六月一日からおまえは来るに及ばず、仕事をするに及ばず。何で一日さかのぼるのか分からぬのだけれども、こういう訳の分からぬ文書、前日ならまだ分かるけれども、そういう格好で、事実上の解雇通告になっている。 この組合はNHKに、自分たち個々人ではなくて事業組合として認めてもらって、できれば契約してほしいという要望をしていたやさきにこういう措置だと。これは事業組合にでもしていかないと、NHKの元会長との関係の深いあのクルーガー社など大手と条件が太刀打ちできないからと、もうその人たちは一生懸命になって考えている、このやさきにこうだ。中身を見てみてたら、業績不良だと、こうレッテル張る。しかし、よくよく聞いてみると、実際は非常に勧誘の困難な世帯をその人らは押し付けられている、こういう格好だ。 おまけに、この組合は、そういう実情を訴えるために国会議員に契約業務の視察など、これは案内をしたと。どうもこのこともNHKは気に食わぬということがあったんじゃないのか。及び、NHKと大手の請負会社、クルーガー社との不適切な関係、すなわち、ある別荘地の別荘との受信料契約を一方的に解約、解除した上で、経営者にこれらを新規の契約相手としてあてがい、実績を上げさせたということについて批判的なことを取り上げた。こういうことがあって、どうも不当な解雇理由ではないかといってみんなが騒いでいる、こういうことになっておる。 これでは、地域スタッフはNHKと視聴者をつなぐ貴重な人材であり大事にしますと、これは福地会長からもおっしゃってきたことだと思うけれども、この国会での表明というのはうそだったのかと。私が何度も取り上げてきたこういう人々、何千人かの人々の雇用問題があるからといって何度も取り上げてきたんだが、そういう意味で、こうした解雇の問題は手続的にも問題があるし、やはりこうした事業組合というものを認めながら円満に移行していくという、そういうことを含めて委託交渉に道を開いていくように私は再検討すべきじゃないかと、こう思うけれども、その点についての見解をお伺いしておきます。
○参考人(大西典良君) たくさん御質問がありましたので、一つずつお答え申し上げます。 地域スタッフの皆さんは、放送受信料の受信契約の業務の主力として、日夜、放送受信料の支払業務あるいは契約取次業務に取り組んでいただいております。地域スタッフがNHKと視聴者をつなぐ重要な人材であり、大切にするという考えは全く変わりません。業績不振のスタッフについては、協会職員が現場で一緒に業務をして具体的に指導するなど、相当の期間、業績改善に向けて丁寧に助言し指導することにしております。それでもなお業績が見込めない場合については、委託契約に基づき解雇することがあります。今回の場合も、それと同様に解約したものであります。 法人委託については、現在、協会のホームページ等を通じて募集を行っております。法人格を持った組織として御応募いただければ拒むものではありません。ただし、契約の締結については、委託できる地域の有無、効果的あるいは効率的な業務が可能かどうかについて十分に確認した上で判断していくことになります。 それから、先ほど、委託解約の日付についてでありますが、二十一年四月一日付けで目標を達成しなかった場合は解約する旨の通知を事前に行っております。六月一日に六月末をもって解約をする旨を通知をしたということでございます。 以上でございます。
○又市征治君 いずれにしても、もう少し慎重に、かつ検討し直してもらいたい。つい先月も地域スタッフの一人が自殺されていますよね。そういう問題。この人のケース挙げて言い出したら時間が足りないから言わないけれども、現実に随分悩んでおいでになって最終的に自殺をするという問題が起こっているわけで、ちょっと正直なところ、この答弁には納得できないわけで、私も引き続きこれは調査をして、場合によったら取り上げていかざるを得ない、こんなふうに思っています。 前鳩山大臣は、結論からいえば、ただただ効率だけを議論をすると公共放送は間違うこともある、この問題についてそういうふうにも答えているわけで、是非とも慎重な検討を改めて求めておきたいと思う。 最後になりますが、これは総務省、別の観点でお伺いをいたします。 六月十日に電波監理審議会が、地上波のデジタル化によって空く予定のBSデジタル放送について、八つの会社、団体に十一のチャンネルを免許割当てすべしと答申をしました。規制緩和で注目された外資でいいますと、フォックス社が認められてディズニー社が外されたと、こういう結果のようです。私は決してディズニー社を味方するつもりなんか全くありませんが、この選考基準に私はちょっと首をかしげざるを得ないと、こう思うんです。 それは、総務省が事業計画の確実性を重視したと述べてディズニーのような無料放送を締め出した、こういう格好になっている。例外で放送大学だけは無料放送だけど通過をしている、こんな格好だと。もちろん電波の運営には莫大な資金が掛かることは承知のとおりですが、有料放送で若干の収入は得られますけれども、それはわずかであって、多くは、収入の大半は広告料によることはもう常識だろうと思うんですね。 そこで、ディズニー自体は大資本ですからこれは無料放送で応募したんだろうと思いますけれども、電波が多様化する中で、今後はむしろ小規模なコミュニティー規模の放送局などで受信料によらずファンドなどで経営をしていく良質な放送内容のビジネスモデルをこれは許可していってもいいんではないのか、それが放送内容の自由さ、少数者による電波発信、また受信の権利というものを保障するものじゃないのか、このように思うわけで、無料か、有料かを離れて、小規模な放送にも電波を開放する、そんな方向性というのはあっていいんじゃないかと思いますが、総務大臣の御見解はいかがでしょうか。
○政府参考人(山川鉄郎君) BSデジタル放送でございますが、高精細度テレビジョン放送の対応受像機の一般家庭への急速な普及に伴いまして、四割以上の世帯に普及していると考えられる準基幹的なメディアになってきてございます。 今回の認定に当たりましては、あらかじめ公開による意見募集等を経まして、有料無料を問わず、収入の算出根拠の客観性及び確実性の審査による事業の安定的継続性の確保、あるいは字幕付与番組の確保等の放送の公共性及び社会的役割、さらに放送番組の高画質化の推進等に留意した審査基準を策定、公表いたしまして、これに従って公正かつ厳正な審査をし、認定を行ってございます。 このような経緯もございまして、今回の申請におきましては、例えば御指摘のような小規模な事業者からの申請はなかったということでございますけれども、こうした事業者の中には、先生御指摘のように、国民の一定のニーズを充足することができるものがあるというふうに思います。こうした事業者の放送につきましては、その事業規模に応じまして、例えばCSデジタル放送や地上ラジオ放送の活用なども選択肢の一つとしてとらえていただきまして、適切に対応いただくことでこうした事業者の特性を生かしていくことができるのではないかというふうに思っているところでございます。
○又市征治君 時間が来ましたから終わりますが、申し上げた趣旨、そんなに認識が違っているとは思わないんで、是非とも申し上げたことも踏まえながら、更に検討いただくように要請して、終わりたいと思います。
○委員長(内藤正光君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 日本放送協会平成十九年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書について、これを是認すべきものと議決することに賛成の方の挙手をお願いします。 〔賛成者挙手〕
○委員長(内藤正光君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって是認すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(内藤正光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(内藤正光君) 続きまして、住民基本台帳法の一部を改正する法律案を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。佐藤総務大臣。
○国務大臣(佐藤勉君) 住民基本台帳法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 この法律案は、外国人住民の利便を増進するとともに、国及び地方公共団体の行政の合理化に資するため、外国人住民を住民基本台帳法の適用対象に加え、住民票の記載事項等について所要の改正を行い、また、市町村の区域外へ住所を移した場合においても住民基本台帳カードを引き続き利用することができるよう所要の手続を定めるものであります。 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。 第一に、日本の国籍を有しない者を適用除外とする現行の規定を改正し、外国人住民をこの法律の対象に加えるとともに、外国人住民に係る住民票の記載事項について、氏名、住所等のほか国籍、在留資格、在留期間等を記載することとしております。 第二に、外国人住民となった者の届出、外国人住民の世帯主との続き柄の変更の届出など外国人住民に必要な規定を設けることとしております。 第三に、法務大臣は、外国人住民に係る住民票の記載事項の変更等を知ったときは、遅滞なく、その旨を住所地の市町村長に通知しなければならないこととしております。 第四に、住民基本台帳カードを継続して利用できるよう、住民基本台帳カードを交付した市町村長に当該住民基本台帳カードを返納する規定を削除するとともに、転入地の市町村長によるカード記載事項の変更等の手続を定めることとしております。 以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要でありますが、この法律案につきましては、衆議院において修正が行われたところでございます。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いをいたします。 ありがとうございました。
○委員長(内藤正光君) 続きまして、本案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員森山裕君から説明を聴取いたします。森山裕君。
○衆議院議員(森山裕君) ただいま議題となりました住民基本台帳法の一部を改正する法律案の衆議院における修正部分につきまして、趣旨及び内容を御説明申し上げます。 この修正は、政府原案において外国人住民に係る住民票を作成をする対象者となっていない仮放免者等について、引き続き行政上の便益を受けられるようにするとの観点から、その者に係る記録の適正な管理の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講じようとするものであります。 その具体的な内容は、政府は、現に本邦に在留する外国人であって入管法第五十四条第二項の規定により仮放免をされ当該仮放免の日から一定の期間を経過したものその他の現に本邦に在留する外国人であって入管法又は入管特例法の規定により本邦に在留することができる者以外のものについて、入管法等改正法附則第六十条第一項の趣旨を踏まえ、入管法等改正法の施行日以降においてもなおその者が行政上の便益を受けられることとなるようにするとの観点から、必要に応じて、その者に係る記録の適正な管理の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする規定を、附則第二十三条として追加するものであります。 以上が、本法律案の衆議院における修正部分の趣旨及び内容であります。 何とぞ、御審議の上、御賛同くださいますようにお願いを申し上げます。
○委員長(内藤正光君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 ─────────────
○委員長(内藤正光君) そして、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 住民基本台帳法の一部を改正する法律案の審査のため、明日二十六日午後一時に参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(内藤正光君) 御異議ないと認めます。 なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(内藤正光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 次回は明日二十六日金曜日午後一時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十七分散会