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171回国会参議院2009/04/08

国際・地球温暖化問題に関する調査会 第5号

発言数
55
登壇者
12
会派数
3
開催日
2009/04/08

会議録

石井一民主党・新緑風会・国民新・日本

○会長(石井一君) ただいまから国際・地球温暖化問題に関する調査会を開会いたします。  国際問題及び地球温暖化問題に関する調査を議題といたします。  本日は、「日本の国際社会における役割とリーダーシップの発揮」のうち、京都議定書目標の達成に向けた地球温暖化対策の現状と課題及び国際的な取組と日本の役割・課題—二〇一三年以降の問題—に関し、国民運動としてのCO2削減努力について参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。  本日は、特定非営利活動法人環境エネルギー政策研究所所長飯田哲也参考人、株式会社住環境計画研究所代表取締役所長中上英俊参考人及び独立行政法人国立環境研究所地球環境研究センター温暖化対策評価研究室主任研究員藤野純一参考人に御出席をいただいております。  一言、参考人にごあいさつをさせていただきます。  御多忙のところを本調査会に御出席をいただきまして、ありがとう存じます。  本調査会では、「日本の国際社会における役割とリーダーシップの発揮」について重点的かつ多角的に調査を進めておりますが、本日は、京都議定書目標の達成に向けた地球温暖化対策の現状と課題及び国際的な取組と日本の役割・課題—二〇一三年以降の問題—に関し、国民運動としてのCO2削減努力について三人の参考人から忌憚のない御意見を賜り、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。  本日の議事の進行でございますが、まず、飯田参考人、中上参考人、そして藤野参考人の順でお一人二十分程度の御意見をお述べいただいた後、午後四時ごろまでをめどとして質疑を行いますので、御協力をよろしくお願い申し上げます。  なお、御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、飯田参考人から御意見をどうぞよろしくお願いいたします。

飯田哲也特定非営利活動法人環境エネルギー政策研究所所長

○参考人(飯田哲也君) 環境エネルギー政策研究所の飯田哲也と申します。本日はこのような場にお招きいただきまして、どうもありがとうございました。  お手元の資料に従いまして、国民を巻き込んだ低炭素社会の実現に向けた取組の現状と課題についてということで、主に自然エネルギーを中心とする今後のエネルギー対策ということで報告をさせていただきます。  元々お伺いしましたのは、現在行われている国民運動が十分に機能していないのではないかという問題意識を事務局からお伺いしましたので、かなり政府に対しては辛口のコメントでまとめさせていただいておりまして、具体的な施策は、この後、中上参考人、藤野参考人の方からまた御提示されると思いますので、私の方では、構造的な課題あるいは本質的な課題のところに踏み込んで御提言を申し上げたいというふうに思っております。  最初のところの目次で、大きくまず国民運動、これは、私は現代の竹やり戦争というふうにちょっと刺激的に呼んでおりまして、この理由は後で申し上げます。それから、グリーン・ニューディールについて一言申し上げます。それから、政府で、先々週ですか、提示されました中期目標についても簡単に触れさせていただきまして、それから、今、太陽光を中心に提案されております自然エネルギー普及支援策、これについても今後の改善策を含めて御提言をしたいと。最後に、石炭の問題、これについて触れたいというふうに、大きく五項目のお話をさせていただきたいというふうに思っております。  まず、全体を通しての問題意識なんですけれども、この国民運動、中期目標、自然エネルギー、石炭、政府の施策というのが共通する課題というものを抱えているのではないかというふうに思っておりまして、これを大きく三ポイントにまとめておりまして、一点目は、どうも国際レベルで行われている議論と日本の中で行われている議論というのにかなりずれがあるのではないかと。これを知のガラパゴス化と、これも刺激的に呼んでおりますが、これがきちんと国際的な共有認識の下で日本も進められないと、この先、中期目標の議論を含めて、日本が京都議定書のときと同じような問題に直面するのではないかというふうに思っております。しかも、政府自ら出る情報若しくは経済界から出る情報に極めて恣意的バイアスの掛かった情報が非常に多くて、それで政策がかなりゆがめられると、そういうような現状があります。  二つ目に、一国二政府というか、一国多政府という事実上の状況というのがもう国際社会でも広く知れ渡っていて、これを政治が全くコントロールできていないという状況があると思います。特にエネルギー政策と温暖化政策が全く整合性がある意味取れていない状況ということが、ここは埋めていかないと、このまた裂き状況というのがまたますます大きくなって、中期目標もそうですが、官邸で行われていると言いつつも、実はやはり、裏を見るとどうしてもこの省庁間の駆け引きというのが見えていると。そういったところも、きちんと縛りの利いた本当の意味での政治改革というのがやっぱり必要ではないかというふうに思っております。  それから三つ目に、政治で、大きなことで、今回のグリーン・ニューディールもそうですが、行われている施策というのがどうしても古い補助金依存体質で、政策をきちんと打っていくというか、そういったことがきちんと行われない、あるいは、その政策が政策科学的、経験主義的ではなくて、どうしても業界とか省庁間の駆け引きで決まってしまって有効に機能しないと、そういった状況があって、相当ここら辺は根が深いのではないかというふうに思っております。  一つの例に、三月十七日に経済界が出した一面広告のうちの一つ、この低炭素社会をつくっていくのに、三%削減をするとしても百五万円掛かりますよというのがどおんと新聞広告が出るわけですが、これは、ここに書いてありますように、まず一年間の負担ではなくて十年間の負担であるということとか、しかも、環境省の二月十日に出した評価ではむしろこれのせいぜい半額ぐらいの負担になっておりますし、しかも、負担というのは同時に投資を伴いますから、その投資によって更に副次的な経済効果は当然出てくる。そういったプラス面を全く触れられていません。しかも、ほかの負担が実は電気料金にも溶け込んでいまして、例えば燃料調整費で原油が上がったときに電気料金が六百円上げるという話も一方ではありましたし、再処理、原子力の様々な負担というのも当然入っておりまして、そういったものの全体のバランスを当然見るべきであるにもかかわらず、この負担だけが経済界からどおんと出ている。  これは政府ではなくて経済界の話なんであれなんですけれども、こういったことが、例えば中央環境審議会と産構審の合同部会でも経済界の方々はもう文書を読み上げるようにずっと言われているわけですね。こういったことがどうしても大きな声としてまかり通ってしまっていると思います。  もう一つの例は、同じくその下に書いてあった、日本は世界トップレベルの低炭素社会というふうに言っているわけですが、このデータは単純為替換算で出してありますので、これを購買力平価という普通、統計を比較するときの数字で比較をすると、日本は決して省エネ先進国ではない。ヨーロッパよりも低いですし、購買力平価になると途上国は途端に下がってきますので、こういったところもバランスを欠いた統計の使い方ですし、ましてや一人当たりの炭素排出量でいうと、当然途上国は非常に少ないわけですね。グローバルな公平性ということをきちんと経済界の方々は考えているのかということがあります。  もう一つ。三点目、日本は省エネ国家だという、省エネ先進国という神話があって、これは省庁の中でも出回っているデータなんですけど、それをやはり同じく購買力平価で見直すと、実は日本はEUよりも全体としても省エネではないということが分かりますし、しかも、部門別に取り上げて、産業部門、このえんじ色というか赤いところを見ていただくと、日本は産業部門は非常に大きくて、EUよりも、ましてやアメリカよりも、産業部門だけ取り出すと実は省エネではないというような状況も見えてきます。  なぜ日本が全体としては省エネに見えるかというと、住宅、いわゆる一般家庭が使うエネルギー量は非常に少ないと。これは決して省エネということではなく、中上参考人の専門分野ですが、地方なんかに行くと極めて暖房を取らない文化を日本はつくっているということで、住宅部門のエネルギー消費は非常に少ないと、北海道を除いてです。と同時に、公共交通の発達と満員電車で。この交通部門と住宅部門の少なさが全体を薄めているという事実があって、全く構造的に実は改善ができていないという現実があるんですが、これを全部目隠しをして、日本は省エネだという一種の神話で政策がきちんと打たれていないという現実があります。  なぜ私が現代の竹やり戦争と言うかというと、まさに昨年の春までというか、一昨年の暮れまで一年半掛けて、経産省と環境省の合同部会で六十人がずらっと並んでいわゆる京都議定書目達計画の見直しをしていたわけですが、その産業界の方が異口同音に、とにかく産業界は乾いたぞうきんで、あとは家庭、民生が問題なんだということを異口同音におっしゃって、国民運動をやるべきだというふうにおっしゃっているわけです。  しかし、国民運動はもちろん重要だと思うんですが、同時に本質的な課題のところに切り込んでいかないといけないと。本質的な課題というのは、基本的には特に上流部分のエネルギー転換ですが、ここが全くなされていない。それから、キャップ・アンド・トレードであるとか炭素税、あるいは自然エネルギーを促進していく、あるいは石炭を抑制していくと、そういったきちんとした本質のところに切り込んでいく政策があって初めて国民運動というのが成立してくるんだと思うんですが、そちらをやらずにおいて国民のところだけみんな頑張ってくださいというのは、余り実効性がない運動に国民を駆り立てるという意味では現代の竹やり戦争という構図になっているということですね。  本来あるべき国民運動というのは、というか国民というのは、制度、政策をきちんと打てば自然に選択をした結果が低炭素社会になるという、そういう制度をきちんとつくるということがまず大前提にあると思うんですね。本来、国民に求めるべきは、そういう制度を導入するときに痛みを当然伴いますので、その痛みをきちんと合意形成をするというところに私は努力をするべきではないかというふうに思っております。  あと、グリーン・ニューディールは、もう今年前半の流行語大賞ぐらいにはやっておりますので余り詳しく触れるつもりはないんですが、金融経済危機と気候の危機、エネルギーの危機を自然エネルギーを中心としてくし刺しでやっていこうということで、この辺りはもう皆さん御存じで、日本政府もグリーン・ニューディールの日本版といったことをこれから予算化されるというふうに考えております。大体GDPの一%程度というのが相場観になっているということで、スターン報告、ダボスの報告あるいはUNEPのグローバル・グリーン・ニューディールも大体そういった投資をせよということになっておりまして、オバマの、議会で可決されて大統領が承認したのが大体、合計で十二兆円規模のクリーンエネルギー投資になっているということです。  どんどん飛ばしていきますけれども、これをちょっと今回構図化してみて、この図なんですが、オバマが言っている十二兆円、これは非常に賢く私はできていると思うんですが、単純にばらまき補助ではないということですね。当然、直接支出の補助金という要素もあるわけですけれども、よく最近言葉で言われるスマートグリッド、これはいわゆる長期的に構造改善していくための投資であるということで、アメリカの場合は日本よりも送電線がかなりばらばらになっているという、老朽化もしていますので、その大掛かりな投資とともにインターネットと組み合わせたような新しい成長の芽をつくるという、直接的なものというよりは長期的な成長構造をきちんとつくると、そういうことが考えられていますし、それから、政府のお金で全部支えるというわけではなくて、債務保証をすることによって民間のプロジェクトファイナンスをきちんと導いていくと。これが大体八千億円ぐらい使われているわけですが、そのお金をきちんと用意しておく保証制度を持つことによって民間のお金がそこになだれを打っていくと。そういう構図がきちんとつくられている。  そのお金が出ていくのも、政府の債務保証と併せて、その下に書いてありますが、制度的基盤、日本でいうと固定価格制になるわけですけれども、アメリカの電力生産減税、プロダクション・タックス・クレジット、これをオバマ政権は即座に三年間延長したということがありますし、この先にはキャップ・アンド・トレードなんかを導入していくというような形で、制度的な基盤で下支えをしながら民間投資を促していくということが織り込まれているということですね。  それから、政府の支出のところも、省エネビル化などでプラスアルファを足すことで既存の支出と合わせて省エネ構造にしていくということで、限られた予算を非常に巧みに使っていくというところがこのオバマのグリーン・ニューディールの一つのポイントではないかというふうに思っていますので、やはり日本も、補助金とか政府丸抱えではなくて、この制度的な基盤、長期的な成長構造、それから民間投資を促す構図、そういったものをきちんと織り込んだ賢い政策をきちんと政府はつくっていくべきだというふうに思っております。  あと、中期目標ですね。これは詳しくは後で藤野さんが触れられると思いますが、私は一ページのみと。あと幾つかのポイントを触れたいと思うんですが、全体として拝見をしていまして、やはり大前提の共有が欠けているというふうに感じております。  IPCCの第四次報告の最悪シナリオよりも今、排出増はもっと悪化をしているということで、今三五〇ppm水準の議論が出ているということがちょっと日本の中期目標検討会では忘れられているのではないかというふうに思っています。そして、京都議定書よりも更に悪化をするというようなオプションが出てくるというのはもうナンセンス極まりないというふうに思います。  それから、この間、日本は省エネで決して進んでいたわけではなくて、元々何ら制度的な手当てをしないままにプラス九・二%、二〇〇七年度の確報値が出ておりますが、結局、きちんとした石炭の歯止め、あるいは環境税、自然エネルギーの促進といった施策が後手後手に回った結果として増えてきているということですので、この不作為を忘れてそれを逃れるような、基準年をずらしていくとかセクター別アプローチであるとか、そういったことは国際的にもやはりきちんと評価をされないというふうに思っております。  三つ目は、今いろいろモデルでの比較をされていますが、やはりどうしても古い経済構造を基盤としたマクロでの予測というのは余り意味がないと私は考えておりまして、基本的にはバックキャスティング、いわゆる将来的にもう二五%減らすということをもしするのであれば、それを前提に、もう経済構造が根本的に変わっていくんだと、そういうような方向性できちんと提案をつくっていくべきだというふうに思っております。  そして、先ほどもありました、官邸の背景でやはり省庁間の駆け引きなんかが行われてしまう。しかも、今回の場合は、市民社会から、あるいはNGOからのきちんとした意見陳述、議論の場というのは一切与えられていないという、まあタウンミーティングの提案、今ちょうどなされていますが、あれは余り踏み込んだ議論はどうせできないでしょうから、そういった形で中期目標が進められていくという進め方にもかなり問題があるのではないかということで、やはり中期目標をすると同時に実質的かつ有効な対策に真剣に取り組むという必要があるのではないかというふうに思います。  私ども提案させていただいている自然エネルギー、これは、国環研のシナリオに自然エネルギーの最大限導入を入れて二〇五〇年で一次エネルギーで六〇%、電力では六七%は、十分これは現実的に導入可能であるというような数字を出させていただいております。  もう一つ、これは中期目標と直接関係ないんですが、政府レベルで行われている排出量取引の試行とクレジットの市場というのが、図を一見してお分かりになると思いますが、いろんなクレジットが出回り、そして、排出量取引もきちんとまだ導入できる見通しがないまま整合性が制度的に取れない形で進んでいってしまっているというところは、一体この先どうなっていくんだろうということを、この規制を掛けられる企業、あるいはこれをビジネスモデルにしようとしている企業、いろんな方々が非常に不安と不信を持って見られている。やはり、きちんと整合性が取れて、しかも分かりやすいシンプルな制度に排出量取引やクレジット取引というのは今後制度をきちんとデザインし直さないと、これはもう本当に取り返しが付かないことになってしまうのではないかというふうに思っております。  自然エネルギーの普及支援策ですけれども、ちょうど昨日も共同通信で情報が流れていましたが、日本が累積では世界三位、単年度ではREN21の情報によると世界四位、そして、こちらのソーラーブズというところのデータによると世界第六位に転落をしたと。もうイタリアと韓国にも抜かれたという話があります。これ、衝撃的なデータで、やはりこれははっきりと政策の失敗だというふうに思います。  これをこれからどうするかということで、取りあえずは経済産業省の方で、いわゆる経産省FITというふうに呼んでいますが、これまで絶対に導入しないと言っていた固定価格制を唐突に経産大臣が導入されるというふうにおっしゃられた。これは、一歩進んだという意味では評価をしたいと思うんですけれども、実は法律をよく見ると、法律では何も決まっていないし、決めようがない法律になっているということです。何も決まっていないし、決めようがないのに、何か決まったかのような情報だけが独り歩きをしているということで、新聞報道もなされ、新エネ部会では議論が始まっている。これがこのまま進んでいくと、世界第六位に転落をした結果をつくったところでまた密室で進んでしまうということが国民にとって果たしていいのかということが、やはりそこを問い直さないといけないと思います。  今の法律の構図、新しいその低炭素云々というこの法律は、法律の構図がいわゆる官僚白紙委任、経産省白紙委任の構図になっています。目標も義務付けも価格もすべて白紙委任です。これは、やはり国民に負担を求めるのであれば、きちんと開かれた国民のフィードインタリフ法にする必要があります。そういう意味では、この今の中身の決め方、つまりプロセス論のところにきちんと政治の方で手を入れていくということが必要だというふうに思います。  コンテンツについては、自然エネルギーの技術は日進月歩ですから、これは時とともに見直していく必要があります。コンテンツがきちんと科学的実証に基づいて見直すことができるようなきちんとした統合法に持っていくということが私は政治の責任ではないかというふうに思っております。  まず一つは、温暖化戦略と統合した自然エネルギー政策にする。そして、政府全体として長期的、野心的な導入目標値を掲げて、積極的な支援策をするんだという政治の意思を表明する。そして、独立の機関及び専門委員会をきちんと立てて、そこで定期的な見直しをして、それを、国民にもデータと負担、いわゆる負担と便益を明示しながら進めていくという構図にしないことには、ここまで自然エネルギー、ちょっと前まで世界のトップランナーと言っていたところが、凋落してしまった日本をやはり一から見直すのにはきちんと総力を挙げる必要があると思います。時間がありませんので、そういう意味では、再生可能エネルギー特別措置法なり統合法といったものをきちんと立てて、独立機関と独立委員会でやっていくことがいいのではないかというふうに思っております。  最後に、石炭の話なんですが、先ほどの国民運動の最上位の問題として、やはり日本の石炭化の問題というのは極めて深刻だと思います。プラス九・二%のうち九〇%は石炭によるものです、増加分がですね。とにかく、これは二つの石炭化と私は呼んでいまして、産業の石炭化と電力の石炭化です。  産業の石炭化でいうと、産業の自家発が著しく増えておりまして、例えば今、ちょうど山口県周南市、私はこの山口県周南市の出身で、ここの「周南ふるさと大志」というのを拝命しておりまして、そのトクヤマは先ほどの太陽光の多結晶のシリコンを作っているんです。それが、増産をするために石炭火力をつくるという、汚いシリコンを作ろうとしていると。  これ、三十万キロワットの石炭火力をつくるという話が今週にもゴーサインが出るのではないかという状況で、しかし、トクヤマは日本化学工業協会に入っていまして、日本化学工業協会は目達計画に適合と言っていますが、実は二酸化炭素は基準年比プラス七・二%で決して適合していません。ましてや、中期目標でこれから削減しようとするというこの瞬間に、二〇一四年に運開なんですが、これから石炭火力をつくってどうやって減らしていくんだという状況にあって、この新設の認可は少なくとも絶対に今すぐ認めるべきではないと。トクヤマという会社自身も、やはり汚い電気と熱でシリコンを作るのではなくて、どうせ太陽光をつくるのであれば、やはりクリーンな電力でつくるんだということをきちんと社会的責任からも明言すべきではないかというふうに思っております。  こちらの図、ちょっと分かりにくいんですが、一番下の濃い赤いところが日本の石炭から出てくる二酸化炭素の排出量の九〇年から急速に増えている増分でありまして、その下の緑のバーというのが電力、目標達成の超過量で、青のバーがその目標達成の超過量に占める電事連の割合です。電事連で増えている量と、この二〇〇七年に至っては、目標達成の超過量というのはほぼ一致していまして、これをそのまま上にずらしていただくと、九〇年から石炭で増えた部分とこれもほぼ一致していると。  日本の地球温暖化問題というのはもう石炭問題と言っても恐らく過言ではないというほど、この石炭をどうするのかということが非常に大きな問題です。にもかかわらず、これは、電力の石炭化の方はやはり引き続き次々に新設の予定がありまして、この中でも小名浜火力というのが今、これもゴーサインが出るかどうかの瀬戸際になっていると。さらに、その先にも電力会社の石炭火力という計画はすべてめじろ押しです。オバマ政権でも、石炭火力は今、凍結から廃棄に向かって大きく世界の流れは動いてきておりますので、やはりこの石炭をどうするかということに関する政策を是非打つべきだと。  一つは、経済的には石油石炭税。これは、二〇〇七年をもって増税が終わっておりますので、これ、大幅増税が必要ではないか、特に石炭に対してですね。同時に、かつて石油ショックのときに石油火力新設禁止という政策を日本ではきちんと打っています。これは世界全体で合同でやっているんでして、今この地球温暖化問題で石炭火力の新設禁止ということを日本がイニシアチブを持ってもこれは決して不思議ではないというか、むしろ国際的には評価をされると、そういう状況にあるのではないかと。  最後のまとめとしては、大きい政府か小さい政府かではなく、機能する政府というのをオバマ大統領が就任演説で言っていますが、これは日本にこそ当てはまるというふうに思っております。  温暖化政策とエネルギー政策の不作為はもう言葉でごまかし切れないほど非常に無残なことになりつつありまして、これでは、中期目標の国際交渉もグリーン・ニューディールも二十一世紀の産業革命も日本はかなり難しいのではないかと。  大きな政治改革も非常に大事なんですが、この政策の実質のところにまで切り込んだ機能する政治改革、そこまで是非国会の方では踏み込んでいただきたいというふうに考えております。  どうも御清聴ありがとうございました。

石井一民主党・新緑風会・国民新・日本

○会長(石井一君) それでは、次に中上参考人。

中上英俊株式会社住環境計画研究所代表取締役所長

○参考人(中上英俊君) ありがとうございます。  住環境計画研究所の中上でございます。  何回かお邪魔しておりますけれども、今日は飯田さんがすごくマクロなお話をなさいましたのでやりにくいんですが、私は各論で、国民運動としてのCO2削減努力ということでお話をせよという御下命でございましたので、極めて具体的なお話をしていきたいと思います。  今日、私がお話しする内容は、皆様のお手元にある絵と多少違っているのがあるかもしれませんが、これは版権の問題がありまして、写真等が入っていますので、そちらにはなくてこちらにはあるのがあるかもしれませんから、御容赦願いたいと思います。  まず最初に、家庭部門の私たちの暮らしで使っているエネルギー消費がどう過去移ってきたかということを御紹介し、一部、国際比較をしてみます。これは先進国と途上国、併せて比較してみますので非常におもしろいお話になると思います。それから、それを受けまして、じゃ家庭部門でどんな省エネルギーが私たちにできるだろうかというお話。それから、家庭部門でできる新エネルギーというのはどういうものがあるだろうか、どこまで期待すればいいだろうかというお話。それからさらに、国際的なというお話がありましたので、時間があれば、我々はやはりアジアの途上国に対して日本がやるべき課題はもっとあるんではないかと私、常々思っておりますので、そういうお話も御紹介してみたいと思います。  家庭部門のエネルギー消費が増えた、増えたと言われるわけですが、この絵は、塗りつぶしてある部分が家庭で使われる我が国の総エネルギー消費量でありまして、確かに一直線で伸びているわけでありますが、これは二つの要因がございまして、直線的に伸びているのが世帯数であります。途中からほぼフラット状態になって、九〇年から九五年ぐらいはやや右肩上がりで伸びておりましたが、九五年以降はほぼ横ばい傾向で推移している。これが一世帯当たりのエネルギー消費であります。ですから、分解して考えるべきだと私はいつも申し上げるわけでありまして、世帯数が増えていくとどうしてもおふろも増えますし、冷蔵庫も増えるわけですから、世帯員数は減ってもやはり世帯のエネルギー消費量というのは増えてしまうわけですね、家庭用のエネルギー消費は。  これでいきますと、二〇一〇年まで概算をしますと、九〇年ベースで約三割ぐらい世帯数は増える見込みでございます。世帯数が実際に減ってくるのはそれから更に六、七年遅れてと言われておりますので、人口は減り始めているんですが、まだ二〇一〇年、すなわち京都議定書の目標期間のうちには世帯数が減るという状態には残念ながらならない。  一世帯当たりのエネルギー消費は、このように横ばいになっておりますが、九〇年ベースから見ますと既にやはり十数%は増えておりますので、二〇一〇年でこの総量がどのぐらいになるかとこの塗りつぶした部分を一〇年まで伸ばしていきますと、恐らく一・五倍ぐらいに増えると。これをもって家庭用が増えたから悪いと言われるわけでありますが、いかなる政治家であっても世帯数を減らせという、そういう政策は取れないわけでありますから、本当は核家族化じゃなくて三世代が同居するような世帯に移ればいいんですが、なかなかそれは簡単じゃありませんので、そうしますと、家庭用で減らすとなると、この一世帯当たりのエネルギー消費を減らさなきゃいけないと。  御案内かもしれませんが、家庭部門で期待された京都議定書では、減らすのではなくて六%ぐらい増えてもいいというふうな多少甘い見通しだというふうに取られておりましたけれども、例えば六%増に九〇年時点で止めるということになりますと約五割ぐらい増えてしまうわけでありますから、世帯数は減らせないので、結果として、一世帯当たりのエネルギー消費を減らすとなりますと、世帯当たりのエネルギー消費は一九七〇年以前の水準にならなきゃいかぬということになるわけであります。一九七〇年以前といいますと、カラーテレビがやっと出始めたかどうかという時代でありますし、エアコンなんかはほとんど家にないという時代であります。推して知るべしでありまして、大変まだ貧しい状態でございました。そのぐらいやはり京都議定書で課せられた目的というのは、事、家庭部門が甘い見通しであってもかなりきつかったというふうに見えるわけであります。  これが最近の動向を少し詳しく見たものでありまして、用途別に見ておりますけれども、黄色い矢印で添え書きしてあるのが、これが一直線に伸びております。これが照明とか家電製品等であります。ほかのエネルギー用途はほぼ横ばいに転じかかっているわけです。  これは何を表しているか。横ばいに転じかかっているということは、例えば一番上の三角形、少し薄い折れ線グラフです。これは給湯用であります。給湯というとメーンはおふろですから、これから見てほぼ横ばいないし減少傾向ということは、恐らくおふろに使う、あるいはその他のところで使う給湯のエネルギー消費は十分充足水準に達していると。充足水準に達すれば、後は横ばいになるわけであります。暖房もしかり。一番下の冷房もやや減少傾向でありますし、ほとんどのものがほぼ充足傾向に達したかに見られますが、家電製品・照明だけが一貫して伸び続けていると。  したがって、家庭で減らせといったときにどこに着目するかというと、往々にして給湯、暖房といったところに着目しがちでありますが、敵は本能寺でありまして、この家電製品等をどういうふうにして減らしていくか、これは大変大きな目標になるのではないかと思います。先ごろの新聞に省エネ家電製品を取り替えるのに対して補助を出そうという話がありましたが、そういう意味では時宜を得たテーマかと思っております。  これは、申すまでもなく、七〇年から二〇〇〇年にかけていかに多くの家電製品が増えてきたかという例であります。事細かに説明する時間がございませんので、相当いろんなものが増えてきた、ある意味では豊かになったというふうに言い換えてもいいと思います。  現在の用途別のシェアを見ますと、一番多いのは給湯用であります。おふろに使っているもの、これが三四%。それから次いで、実は十年ぐらい前までは暖房だったんですが、それを追い抜きまして照明・家電製品等が三一%になって、暖房は二四%であります。よく住宅の保温構造化を強化する、いわゆる省エネ住宅を造るというお話がありますが、その場合にターゲットとされるのがこの暖房の二四%部門でありますから、本来、順番からいけば、まず給湯を何とかして、それから家電製品を何とかして、同時に暖房と、こういうふうな形でいかないと、暖房にだけ着目しても全体はなかなか減ってくれないと、こういうわけであります。  これが国際比較の例でありまして、これはやや違った表現の仕方をしておりますが、九〇年を一〇〇として、赤いのが日本でございます。そのほかはアメリカ、ヨーロッパの先進諸国でありますが、御覧いただいて分かりますように、ほぼどの国も横ばい傾向か若干減少に転じていると。すなわち、どの先進国も、欧米先進国は充足状態にあって、変動があるとするならば、その年の気候が暑かったか寒かったか、あるいは最近に至れば、省エネがかなり進んできてこうなるわけでありますが、日本の場合には一貫して右肩上がりだったわけであります。京都議定書が決められたときのデータはまだこの九五年以前のデータしかございませんでしたので、私はこのまま家庭用が伸びていったらどこまで行くだろうと非常に肝を冷やしたことがございますけれども、幸いに今横ばいに転じておりますけれども、増えているのは日本だけというわけであります。  ただ、これは相対的な比較でありまして、絶対量で比較すると、これはちょっとやや古いんですが、二〇〇〇年前後のデータでありますけれども、真ん中、囲ってあるのが日本でございまして、上半分が先進国、下が途上国であります。  まず、先進国から御覧になっていただきますと、日本は一としますと、大体、ヨーロッパ諸国は二倍程度、アメリカが二・五倍程度使っているわけであります。どこに差があるかというと、圧倒的に差があるのは赤い部分でありまして、これは暖房であります。なぜこんな差が出るかというと、欧米先進国はほとんどすべて全館セントラル暖房、これ、冬中そういう暖房状態が保たれていると、こういう条件であります。  日本もこの条件でシミュレーションしてみますと、その下の韓国と同じぐらいの暖房エネルギー消費が必要になります。したがって、今の日本の暖房状態を、ちょうどエネルギー消費は伸びは止まっているわけでありますけれども、これで充足したと見るか見ないか、さらに若い世代がもっと豊かな快適な生活をということになれば、これはなかなかこのままで止まらないと、まだ増える可能性はあるわけであります。  いずれにしましても、相対的には日本の位置は、一世帯当たりはこんなものでありますが、その下の途上国をついでに説明しておきます。  なぜ韓国はこんなに多いか。御案内のように、韓国にはオンドルという、古くから床下にかまどを切って煙突を床下に全部はわせまして、空気式の床暖房ですね、これが標準装備だったわけですが、それが今や完全に温水式の床暖房が標準装備になっておりまして、寒い冬中はほとんどそれがつけられているという状況でありますから、さっきお話ししましたように、日本の三倍ぐらいのエネルギー消費があると、これで韓国の方が日本より多くなっているわけであります。  その下の中国をちょっと着目していただきたいんですが、都市と農村とあります。普通は都市部の方が生活水準が高いのでエネルギー消費は多くなるわけでありますが、中国の場合は農村部の方が多くなっております。なぜこんな逆転現象が起きるかというと、農村部の、これは用途別に書いてありますが、ほとんどの主燃料はまきとか農業廃棄物、稲わらとか、トウモロコシの茎であったり、いわゆる今様に言うとバイオマスであり、再生可能エネルギーでありますが、そういったエネルギーがメーンに煮炊きに使われる、あるいはお湯を沸かすのに使われるわけであります。こういったものの燃焼器具の効率というのは効率という以前の問題でありまして、極めて無駄な使い方をしておりまして、ほとんどは大気を暖めて外へ逃がしてしまっている。恐らく、後で写真が出てきますけれども、煮炊きをするときに九割以上の熱は外へ逃げて一割ぐらいだけしか使っていないんじゃないかと。こういう効率の悪いことになっておるものですから、見かけ上、非常にエネルギー消費が多くなっている。  だから、途上国にまず支援するならば、そういった厨房器具あるいは調理器具といったものを効率のいいものに替えるだけで恐らくこの消費は半分以下にすぐ減ると思います。  これがヨーロッパの、例えばドイツの例でありまして、全館冬中こんな温度条件が保たれているから彼らはあれだけエネルギー消費が多いわけであります。  これがベトナムの農村部であります。これ、御覧になって分かりますように、もうほとんどの熱は外に行って逃げているわけですから、インプットしたエネルギーに対してアウトプットして有効に使われているのは一割いっていないかもしれない。九割の熱は外を暖めている。こういう状態ですから、見かけ上すごくエネルギー消費が多くなっているわけであります。  これで閑話休題ですが、後、藤野さんがやりにくくなるかもしれませんが、私は低炭素社会という言葉はやめるべきだといつも言っておるわけでありまして、低炭素社会というのはどうなのかと。地球温暖化防止から低炭素社会という表現が盛んに使われますけれども、低炭素イコール温暖化防止かと。確かに、先進国へのメッセージとしては私は非常にいいキャッチフレーズだと思います。私は金持ち社会の標語というふうに言っておりまして、途上国への確かなメッセージたり得るかと。今お見せしましたように、途上国は過半をまだバイオマス燃料、再生可能エネルギーに頼っている地域がいっぱいあるわけですね。したがって、地球温暖化問題がやはりエネルギー資源問題であるということをきちっとわきまえて対処していくべきではないかというのが私の持論であります。  これはベトナムの例でありまして、左が一次エネルギー消費の実績、二〇〇〇年の実績値でありますが、一番多い、三分の二ほどですね、三分の二ぐらいは何かというと、バイオマスと書いてあります。いわゆる先ほど申しました稲わらとか、しばとか、まきといったたぐいであります。ですから、こういった国々は今十分に低炭素社会であるわけでありまして、彼らはむしろ炭素社会になりたいというふうに思っているんじゃないかと私には思えます。  したがいまして、低炭素社会という言葉は先進国には非常にいい私はキャッチフレーズだけれども、途上国には本当にいいのかなと。こういう話をすると藤野さんの上司の西岡さんがいつも困っておられまして、何かいい言葉をつくってくれと言われて今、考えているところであります。  省エネルギーについて少し御紹介しておきます。  これは省エネの概念図でありまして、横軸にエネルギー消費量を取って、縦軸に快適性、利便性で、エネルギーを使うことが目的ではなくて、快適性、利便性を上げるために使っているわけでありますから、エネルギー消費量が増えれば快適性、利便性が上がるわけですが、ある水準を超えるとエネルギー消費量が増えても快適性も利便性も上がらないと、これは充足した水準ですね。それ以上にエネルギーを使うということは無駄なエネルギーになるわけです。  二回のオイルショックのときにやりました省エネルギーというのは節約、我慢でありまして、このオレンジのラインになるわけでありますが、本当の省エネルギーはこの黒いラインから青いラインに変えると。快適性、利便性は同じ水準を保ってもエネルギー使用量は減らすと、これが本来の省エネだと思います。ですから、省エネには幾つかのフェーズがあり、幾つかの考え方があるというこれは概念図であります。  無駄の最たるものはこの待機時消費電力。御承知だと思いますが、一九九七年にこの実測結果を公表しましたら大変大きな反響がございまして、今、日本の待機時消費電力は世界でもトップクラスに減ってきております。もうこれは詳しく御説明いたしません。大体、最近でこそ七%ぐらいになりましたけれども、当時は一家庭で年間一万円ぐらい待機時消費電力に使っていたというような状況でございました。減ってはおりますが、まだこれだけございます。いろんな減らし方がありますねということであります。  これはエアコンの例でありまして、上が古いタイプのエアコン、いわゆるオン、オフでしか制御できない。下のエアコンは、今ほとんどの皆さんがお使いのインバーター付きのエアコンでありまして、これは何が言いたかったかというと、使い方が消費者にきちっと伝わっていないという例でこれを持ってきたわけであります。  これは、たまたま三菱電機からいただいたデータでありますが、昔のエアコンは、付けると出る量は一かゼロと。今のエアコンは、付ければ必ずフルモードで運転してくれるようにできているわけです。にもかかわらず、大抵の方々は、部屋が寒ければ設定温度を上げる、夏であれば設定温度を下げるという使い方をするわけですが、そんなことをしなくても自動的に室温が従来の設定温度より高ければ、夏であればフル回転するようにできているんですね。にもかかわらず、更に設定温度を下げてもっと冷やそうとすると、無理な状態で運転することになりますから、かえってエアコンの性能が落ちるわけですね。エアコン側できちっと対応するにもかかわらず、ユーザーの方が正しい情報を知らないために使い方を誤ってエネルギーが多消費になっているという例で今日は持ってきたんですが、これも余り時間がありませんから御参考までにということであります。  これもエアコンの例ですが、ここで二つポイントがあるんですが、一つは下のオレンジ色、上の赤いのと二つ書いてありますが、オレンジ色の方は大型です。広い部屋に使うタイプのエアコン。赤い方が狭い部屋。例えば、二十畳用と六畳というふうに考えていただければいいんですが、今の日本のエアコンの効率は小さいものほど効率がいいんです。大きいものを選ぶとどうしても効率が悪くなってしまう。ですから、本来ならば、大きいのを一台選ぶよりも小さいのを二台選んだ方がずっと効率がいいわけですけれども、やっぱり一台で済ませてしまうということになりますと効率は非常に悪いという例であります。  これは高効率給湯器で、いろんな効率のいい給湯器がガス会社、電力会社問わず発売されておりますが、この場合も、自分たちのお湯の使い方、家族の生活モードに合わせて給湯器を選ばないと必ずしも省エネ性が保てないという例もありますから、そういったことを含めて、これもユーザーに対してきめの細かい情報を付けて機器販売をしないといけないという例の一つだと思います。  それから、買換えの効果。これは、つい最近、東京都内のロータリークラブの方々とボランタリーにやったスキームでございますが、御案内のように、トップランナーという制度がありまして、これも非常に世界でも評価されておりまして、私、これを海外で出たすぐに国際会議で発表しましたら、中上、トップランナーというのは、それは英語間違っているぞと、フロントランナーの間違いだと言われまして、いや先頭ランナーだからトップランナーだと言ったら、いや先頭ランナーのことはフロントランナーと言うんだと。私、大恥をかいて帰ってきましたら、今やトップランナーというと世界中で日本の最高の省エネ基準と通るようになりましたので、けがの功名だったと思っておりますけれども、それは随分前の話であります。  これを買い換えるとどのぐらい省エネになるかという例でありますが、右も左もエアコンですが、どんなふうに効率が変わってきたか。これは、効率が大きくなるほど性能が良くなる、省エネ性が高いという例でありますが、一九九七年にトップランナーを決めましたら、うなぎ登りに省エネ性が高まって効率が従来の倍ぐらいに上がったという例であります。それまでは、徐々に上がってはいましたが、あるところで上げ止まりしていたんですけれども、やはり規制というのは非常によく効くという例の一つだと思います。  右は、十年前の製品を今のに取り替えるとどのぐらい省エネになるかという、これはあくまでカタログ値で比較したものでありますが、実際に買い換えたらどうなるかというプロジェクトをやってみました。これは冷蔵庫の例であります。確かに減るわけでありますが、テレビの例、今の家電製品を十年前のものと買い換えると、家庭全体の電力消費の大体二〇%ぐらい省エネになるというわけですから結構大きな量になる。二割省エネするというのは大変なことです。  これは、ある家電量販店とロータリークラブと我々とで組んでやった例でありますけれども、ロータリークラブの方々に買い換えていただいて、買換え前を測っていただいて、買い換えた後を測っていただいて、どのぐらい省エネになったかということを検証したわけであります。こんな計測器を使いました。今いろんな計測器があるわけでありますけれども、これはみんな高いんですね。  これから、一つのキーポイントは、こうやってきちっと実測して、計測して実証するということを、そういう手続を踏まないと評価できなくなる時代が来るわけです。これまでは、これを使ったらこうなるはずだと、あらゆる議論がそれで進んでいるわけでありますが、京都議定書のこれからの評価というのは、すなわち実績で評価されるわけでありますから、計測して評価するということを当たり前のことにしていかなきゃいけない。  残念ながら、そのためには計測器が手軽なものがないんですね、今のところ。これをもっと安く手軽に入る計測器を普及させれば、そういった行動と連動して大きな省エネの効果が現れてくると思いますが、高いものですからなかなか普及しない。今回は、こういう先ほどの安い機器を皆さんにお貸しして測っていただいたわけです。  これがテレビの買換え前で、今使っている三十二型のブラウン管のものを測っていただきますと、左側の図でありますが、それと同じサイズぐらいのを買い換えると、これはメーカー二つ書いてありますが、この程度減りますよという情報を付けてお返ししたわけです。  これは冷蔵庫の例でありまして、二本、線がありますが、左側が買換え前の製品で、測っていただいたのが右のちょっとブルーの線で、その更に左はカタログ値と書いてありますが、同じ製品でも、カタログ値ではこんなになっているんですが、実績はこのぐらい違うんです。車の燃費を思い浮かべていただければ分かると思いますが、リッター何キロ走るといっても、実際に運転してみるとなかなかそのとおりにはいかなくて、大体二、三割燃費悪くなるわけでありますが、ここでもやはりカタログ値と実測値ではこのぐらい差があるわけです。  それに対して右側、実際に買い換えていただきました。そうしますと、カタログ値と実績値では、実績値の方が一割ぐらいエネルギー使用が多くなっていますが、絶対値、九百七十二から四百四まで減っているわけですから半分以下に減ったというわけでありまして、非常に大きな省エネになったというわけであります。  計測の結果が幾つか書いてありますが、この図は、上はテレビの例で下がエアコンなんですが、テレビの場合には残念ながらみんな増エネになっちゃったわけです。同じサイズのものを買い換えていただけると省エネになるんですが、皆さん全部サイズが大きくなっちゃった。平均画面サイズを見ていただきますと、ブラウン管型は平均しますと二十六型だったんですが、液晶型で三十一インチ、プラズマで四十二インチというふうに非常に大きくなってしまったがために、一インチ当たりは確かに非常に省エネが進んでいるんですが、大型化したために増えてしまったという例であります。  あとは住宅の保温構造化の例でありますし、住宅の保温構造化をするということは省エネにもなりますけれども、快適性が上がるという情報がなかなか伝わっていないようでありまして、これはノンエナジーベネフィットという言い方をしますけれども、エネルギーの効果だけではなくて、快適性が上がるという効果もありますよというふうな情報を付けてみんなにこういう活動を推進していただくことが重要じゃないかと思っております。  それから、新エネであります。  新エネは、これは、左が給湯で一番右が太陽電池でありますが、給湯の太陽熱温水器を付けると約半分ぐらい省エネになりますし、太陽電池の場合には、その家の電気の使い方によって違いますので、我々が実測した例では八割ぐらいカットできております。  これも我々が実測した例でありまして、何を表しているかというと、二千九百四十五って書いてあるのが、これが三キロワットの太陽電池で一年間、東京、神奈川地域で発電した量であります。右側に千五百九十五って書いてあるのが、これが昼間使わない余剰電力として東京電力に売っているわけですね。一千三百五十は自家消費しているわけです。それでは足りませんから、四千七百五十一買って、六千百キロワットアワーぐらいの電力消費をしている。太陽電池をお付けのおうちは大体規模が大きいおうちが多いものですから普通の平均よりはずっと電力消費が多くなっているんですが、我々が百三十件実測した結果、こんな結果が出ました。  これは、それを用いて今回の固定価格買取り制度によってどのぐらい効果があるかということをちょっと違った図で表したわけでありますが、これは投資回収率と書いてあります。太陽光発電ですと、三キロワットを付けると今、大体二百十万円から、ちょっと二百万円超えるぐらいしますけれども、年間大体七万五千円ぐらい発電してくれますので、それでやりますと大体三・六%ですが、そのうち余剰電力が約半分ぐらいございましたので、それを倍の価格でその分買っていただけるということはもう五割増しになるわけでありますから、大体五・四%ぐらいの金利では回ることになると。それで、五・四%の金利で回るということは、百で割り返していただくと二十年弱ぐらい投資回収に掛かるわけでありますから、まだこれでも投資回収を十五年以下にしようとするには届かないと。それに対して、太陽熱温水器は今の状況でも七%ぐらいの金利で回りますので、ですから、太陽熱温水器の方が私は非常に経済性が高いと言うんですが、なかなかこちらに着目しないで皆さん、みんな太陽光発電の方に行ってしまうと。是非、太陽熱温水器にもう一度光を当てていただきたいと思います。  それから、最後でございますけれども、省エネ意識が大事だということでありまして、これは、意識によってこんなにエネルギー消費に差が出てくる。平均に対して、余り意識しない人は三割ぐらいエネルギー消費が多い、省エネ意識が高い家は二割強ぐらいエネルギー消費が少ないというわけでありますが、やはり一人一人の心掛けといいますか、省エネ教育というのは非常に重要だということを改めて私たち、こういう調査から実感いたしました。  どうやって分けたかというのはここに書いてあります。多分お手元にもあると思います。  それから、サマータイムであります。これも、川口先生始め何回かお話しさせていただきましたけれども、この話が出ては消え、出ては消えしておりまして、これは決して少ない量ではないんですね。私どもが計算してみますと、大体九十万キロリッターぐらいの原油換算の省エネ効果は現時点で見込めそうであります。  九十万キロリッターでCO2換算で百五十万トンCO2というとどのぐらいかというと、太陽光発電に直すと三百四十万キロワット相当ぐらいになります。三百四十万キロワットと今の七十万円と掛けていただきますと、二兆数千億掛けて太陽電池を付けてやっとこのサマータイムと同じぐらいの効果でありますから、サマータイムに二、三千億、その準備費用が掛かると言いますけれども、もうはるかにコストベネフィットもいいですし、是非ともやるべきではないかと思うんでありますが、話が出ては消え、出ては消えしておりまして、まだあきらめてはおりませんので、是非応援していただきたいと思います。どのぐらいかというと、和歌山県から長崎県ぐらいの家庭で出しているエネルギー消費量に匹敵するぐらいのCO2になりますよという話であります。  ちょっとベトナムの話ができませんでしたが、また後ほど、途上国に対する私の考えは御質問のところでお話をさせていただきたいと思います。  ありがとうございました。

石井一民主党・新緑風会・国民新・日本

○会長(石井一君) ありがとうございました。  次に、藤野参考人からお述べいただきます。

藤野純一独立行政法人国立環境研究所地球環境研究センター温暖化対策評価研究室主任研究員

○参考人(藤野純一君) 御紹介どうもありがとうございます。  飯田さんや中上さんのように手慣れた方と違って、私は国会の場でこういう機会をいただいたのは初めてなので、ちょっと今どきどきはらはらしていますし、多分うちの研究所の理事とかも余計なことを言わないかといってはらはらしているんじゃないかと思いますけれども。  今日のお話は、ちょうど去年の四月にうちの研究所の前の理事だった西岡というものが、二〇五〇年までに日本のCO2排出量を七〇%削減できるんだというような報告をさせていただいたと思います。その後に、去年の六月に福田ビジョンが出まして、日本の目標値が六〇から八〇%削減という数字が出て、何らかお役に立ったのかなというふうに思っているんですけれども。  その後、しばしば、じゃどうやってできるんだということを問われていまして、去年の五月に十二の方策というものを作りまして、そちらの方の御報告と、あと、今、参議院の調査室の方で藤崎室長を始めとするグループで一緒に勉強会をさせていただいて、そこで勉強したことを今日御報告させていただければと思います。  今日用意させていただいた資料は三種類ありまして、まずこの一枚紙、ポイントだけ書いてある紙と、あとパワーポイントをコピーしていただいている、これに沿って今日お話しさせていただきます。それから、参考資料としまして、クリップで留めてあるもの、こちらの方があります。  一番上にはがきが付いているんですけれども、これがある意味、今日の話の、ストーリーの見える化の一つの形でありまして、何が書いてあるかといいますと、LCSと書いてあるんですけれども、ローカーボンソサエティー、低炭素社会、中上さんから何度かコメントいただいている低炭素社会。二〇五〇年までに富士山の山の尾根のラインのようにCO2が減れば低炭素社会ができるんではないか、できれば温暖化は二度に抑えられる、できないと五度まで上がっちゃうかもしれないというようなデザインをしたものです。  それでは、早速パワーポイントのスライドの方を使いながら御説明させていただきたいと思います。  済みません。タイトルの見える化の左括弧が見えていなくて抜けているんですけれども、見える化の必要性、問題の見える化、活動の見える化、仕組みの見える化、特に今回はこの仕組みの見える化にも触れながら御説明させていただきたいと思います。  まず、下の一番ですけれども、国民の認識レベルとしましては、何をしたらいいのか分からない、又は、やったらどれぐらい効果があるのか見えない。先ほど中上さんが、見せること、測ることが大事だとおっしゃっていましたけれども、まさにそのとおりだと思います。大体の国民は、温暖化対策の重要性には合意しています。さらに、行動にも移そうとしています。そして、たくさんエネルギーを使っても満足が得られるわけではないと、適切な利用が肝心だということも皆さん分かっています。しかし、どうやったら減らせるかという方法を正しく認識していません。  次のページを御覧ください。  例えば、地球温暖化問題への関心・行動という調査をしますと、関心がある人が九〇%近く、また実践、意向があるという人がほぼ一〇〇%近く、こんなまじめな国民は多分日本人以外ないと思います。ヨーロッパにもしばしば行きますけれども、これだけの数字はなかなか出ないと思います。  しかし、例えば下の方のスライドを見ますと、これは東京理科大学の井上先生のグループでやられた結果で、中上さんが御報告されたやつにもかなり近いんですけれども、世帯によってはかなりエネルギーの使用の分布にばらつきがあります。ようけ使っている七五から一〇〇というような人もいれば、余り使っていない人、ただし、余り使っていなくてもやっぱり最低限のエネルギーは必要になっていると思います。  その中で、じゃ、それぞれの層でどれぐらい満足しているかといいますと、右下を見ますと、それなりにみんな満足しているのか、どれだけ使っても不満な人は不満だったりとか、そういったことが分かってきます。つまり、やはりたくさん使う人に対しては、それなりの逆のインセンティブを与えないとこの人たちは減らさないということにもなるかもしれません。  じゃ、どうやって減らせばいいか。次のページを御覧ください。  これも東京理科大学の井上先生のグループでやられているものですけれども、一番右の方を見ていただきたいと思うんですけれども、こういう調査をしまして、皆さん、どの消費エネルギー、どの種類のエネルギーをたくさん使っているとお思いですかというような質問をすると、冷房とか暖房というふうに答える人が非常に多い。先ほど中上さんがおっしゃった照明・家電とか給湯、こう思っている人は少ないんですね。  真ん中のところを見ますと、これは、その各世帯ごとで一番使っている用途のものを集計すると、給湯が実は一番多いんですね。実際のそのエネルギーのシェアで見ますと、やはり給湯とか照明・家電が多くて、冷房はわずかですね。ただし、冷房を二十八度にしようとか、そういったものが皆さんの頭の中に意識付けられてしまうと、やっぱり冷房で減らさないといけないというようなことになってしまっているのではないか。ただし、敵は本能寺にありではありませんが、やはり給湯なり照明・家電、ここを減らす必要があると、まずここのサイエンスというか、科学的な知見をしっかりと知らせるということが非常に大事だと思います。  下のスライドは、飯田さんの方からも御紹介がありましたけれども、太陽光の発電量が下がってきた。これは、一説によると補助金がなくなって皆さんのインセンティブが下がっちゃったというようなこともあると思うんですけれども、政策の見える化がなされないと国民も付いてこないということを示していると思います。  次のページを御覧ください。  二番目の柱ですけれども、我々は低炭素社会という言葉を二〇〇五年の終わりから、二〇〇六年くらいからずっと使って、大分、西岡と頑張ってやってきたんですけれども、まずビジョンが必要ではないかと思っています。  どういうことかといいますと、去年のサミットでも、世界全体で二〇五〇年半減と、日本だと六〇—八〇と。これは、今までの開発してきた我々のイノベーション、技術開発、このスピードを今後、五十年間二倍のスピードにしないと間に合わないというふうに我々は計算しています。そうしたすごいゴールを目指そうとすると、バックキャスティングというか、まずもう、こんな社会があるぞと、そこに至る方法はいろいろな方法を使っていくんですけれども、少なくともゴールを見える化する必要があるのではないかというふうに思っています。  そういった意味で、目指すべき低炭素社会の姿、ゴールが見えないと行動できませんし、また、それは場面場面、住まいやオフィス、移動、消費など、皆さんの場面でどういうことをすればどういう社会になるんだろうか、又は、どうすればCO2が減るなりエネルギー消費が減るようなことが見れて、また実感できるか、そうすれば本物の行動になるというふうに思っています。  このプロジェクトの中で、最初に四ページ目の下にある二〇五〇年低炭素社会の描写例という、こういった社会像を二つつくってみました。A、Bとあって、Aは活力、成長志向、都市型、技術によるブレークスルー、より便利で快適な社会を目指す。まあ、ある意味今の日本の社会を表しているようなところもあるかもしれません。外国の人とお話しすると、本当に何で日本はこんな便利なんだと、トイレの温水便座器とかは特に驚かれますけれども、こんなコンビニエンスな社会というのは本当に日本だねと。そうすることでGDP一人当たり二%成長も確保できるような社会が描けないかどうか。これ、まず一つのストーリーです。  もう一つのシナリオとしましては、ゆとり、足るを知るとか、分散型だったり、地産地消だったり、もったいないなど、そういうようなキーワードが入ってきまして、それでもGDP一人当たり一%成長できるような社会、こういうものが描けないかどうか。  この右下の絵は、琵琶湖研究所に関連している方がかかれた琵琶湖を中心としたちょっとノスタルジックに見える絵ですけれども、実はこの屋根にも太陽光は乗っていまして、多分、家の中ではインターネットがきちんと使えて都会にいる人と同じような情報が得られるような、そういった社会を想定していると思いますけれども、そういったものができるのだろうかということです。  次のページを御覧ください。  一つの絵として、中上さんの得意分野の家の低炭素社会像を示してみました。太陽光を使ったり、太陽熱温水器を使ったり、又は屋上緑化をすることで、エネルギーをつくったりエネルギーの消費量を減らしたり、家の中にも、日本の技術、優れたものたくさんありますから、エアコンなりヒートポンプなりを入れていくことができ、照明もLEDのすごいいいものができています。又は、高断熱住宅にして、そもそもエネルギーを投入しなくても寒くない家というものもできるでしょう。  さらには、見える化させると。環境負荷表示システムを付けると。例えば、今、太陽光発電を付けている御家庭では見える化できるんですね。どれぐらいのエネルギーが太陽光でつくられているか、又は家でどれだけエネルギーを消費しているか、その差分が余剰電力として電力会社に売ることができる。そうやって見える人は頑張って減らすんですね、余計売りたいと。やっぱりそういったみんなのインセンティブに訴えていくということは大事だと思います。  また、前の東京大学総長だった小宮山先生、自分でエコハウスを造ったと自慢されていますけれども、こういったものを全部入れると、彼はエネルギー消費が八〇%減ったと言っています。今までどれだけ使っていたのかもよく分からないんですけれども、八〇%も減るとすごいと思います。  下の絵です。そういったものを積み重ねると一体どんな将来になるんだろうか。このエネルギー消費量というのは石油換算百万トンという単位なんですけれども、二〇〇〇年では、大体四〇%が石油、二〇%が天然ガス、四〇%、紫の部分が電力、たった一%が太陽熱・光のエネルギーの貢献になっています。  それを二〇五〇年、一体どういうふうになるんだろうか。三とか四で上に伸びているのが世帯当たりのサービス需要の増加なんですけれども、家電製品が増えたり、又は家が少し広くなったりして増える分もあるかもしれません。一方、日本は今、少子高齢化で人口がもう既に減っていますし、世帯数も多分二〇一五年から二〇年でピークを打って減っていくんですけれども、その効果で相殺されて必要なエネルギーは大体とんとんかなと。さらに、緑色の九とか十二ですけれども、高断熱住宅等、家を魔法瓶化してエネルギーを投入しなくても寒くない家にする。そうすることでエネルギー消費を減らす。さらには、エアコンとかの効率を高めることによって大分エネルギー効率を改善して減らせる。実は、こういったものを入れるだけでエネルギー需要を五〇%削減できるのではないかと。  また、エネルギーの供給の方を見ましても、例えばAシナリオですと、石油とかガス、オレンジとか黄色の部分はかなり減るんですね。ほとんどゼロカーボンな家というのができる。Bシナリオで残念ながらガスを入れています。これは、バイオマスの見込みがどこまで行くかというのが我々、飯田さんが頑張ってもらえば入るのかもしれませんけれども、そうすると、Bシナリオでもかなりゼロカーボンな全体の家、住宅というのはできるのではないかと思っています。  次を御覧ください。  スライド十一枚目は、そういったものを、家庭であり、業務であり、運輸であり、エネルギー転換であり、それぞれの部門でエネルギー需要の方から見直しまして、一体どんなエネルギーサービスがまず必要なんだろうか。そして、省エネ技術によってどれだけ減らせるんだろうか。我々の試算だと、GDPを一人当たり二%、一%増やしても四〇%エネルギー需要を減らせると計算しました。さらに、あと低炭素エネルギー、再生可能エネルギーとか、原子力とか、又は炭素隔離貯留というものを組み合わせて七〇%削減ができるのではないか、それもGDP比プラス〇・三%の追加費用でできるのではないかと計算しています。  ここまでは多分、去年の四月に西岡が御報告したところだと思います。  じゃ、一体どうやったらできるのだろうかです。  低炭素社会を実現するための手段、頑張りの見える化で努力を持続できないか。お手元の方の参考資料で配付させていただきました「低炭素社会実現に向けた十二の方策」という、五月に、ちょうどG8の環境大臣会合の前日に実は作り上げたものなんですけれども、そちらと、あと緑色の方が実はもうちょっと分かりやすいかもしれませんけれども、そういうものを作っています。  次のページを御覧ください。  その「低炭素社会実現に向けた十二の方策」ですけれども、民生、産業、運輸、エネルギー転換、それぞれの部門で、例えば民生ですと、快適さを逃さない住まいとオフィスとか、トップランナー機器をレンタルする暮らし、レンタルだけでなくてもいいんですけれども、サービス化するというようなことで、さっきお示ししたようなエネルギー需要五〇%削減の将来像ができるのではないか。それぞれ、あと、作っています。一番下の方に十一、十二とありまして、十一、見える化で賢い選択、十二で低炭素社会の担い手づくりとありますけれども、これが分野横断的なもので、十二番目の担い手づくり、まさにここにいらっしゃる先生方は担い手だと思うんですけれども、そういった人たちがいかに低炭素社会を設計するか、実現させるか、又は支えるかという人づくりが大事だと思っています。  こういった研究成果は、それこそ見える化ではありませんけれども、一般の国民の人たちに知らせることが大事だというふうな我々の思いもあって、去年の八月に日本科学未来館で一か月間展示と解説というものを行わせていただきました。そのときに使った資料がその緑色の資料の方になります。  次のスライドを御覧ください。  例えば、方策十一です。見える化の話で、ここでは、いつでもどこでも見える化ともうちょっと易しい言葉で書いていますけれども、中上さん御紹介あったそういったモニタリングシステムを展示しています。この展示会に、うちの研究所の岩渕というアシスタントフェローの研究員がずっと、ほぼ一か月説明に立ったんですけれども、まず皆さん、物を見るんですね。ハイブリッド自動車なり、水素自動車なり、物を見て、それからやっとこの文章を読んでくれるかどうかということなので、やっぱりまず物で、目で見せるということが国民の皆さんにも大事なことなのではないかということを一か月間学びました。  ただ、見えるのも大事ですけれども、我々は設計することも大事です。スライド十六では、何でそういうことを考えたかなんですけれども、先ほど言葉で使いましたバックキャスティングです。  我々が欲しいものは、例えば住宅そのものの低炭素化です。それをしようとすると、高断熱住宅だったり、二百年住宅だったり、こういうものを普及させる必要があるんですけれども、そのためには建てられる人が必要です。それから、設計する人も必要になってきます。そういった人たちが働きやすい環境をつくるために政策というものを適宜打ち出していく必要があると思います。  例えば、住宅建設の義務化、規制というものも必要です。IEAの調査によりますと、先進国で住宅に省エネ規制が入っていない国というのは日本だけだというような調査もありますけれども、耐震基準で、耐震で直されるときに省エネもうまくやっていただければ、少なくとも窓だけは二重窓にするとか、そういったことだけでもかなり省エネ化は進むと思います。  又は、右上の方の行動・使い方の低炭素化ということで、ちょうど今日エコポイントの話もありましたけれども、高効率機器をいかに普及させていくか。そのときに、効果が見えるようにするというのも大事ですし、あとは、機器を買うことからサービスを買うというような産業の転換というものも必要になっていくのではないかと思います。  次のページを御覧ください。  上のスライドは、我々が作り出した二〇五〇年に向けたロードマップになります。  今、現時点で快適さを逃さない住まいとオフィスをつくるための課題としては、省エネ性能の測定がちゃんとできていないとか、あと、そういった家を買うインセンティブがないというようなことがありますけれども、そのためには省エネ・省CO2診断士という測れる人、これを養っていく必要がありますし、あと、そういう性能評価の手法、今、CASBEEという建築研究所の村上先生が御尽力されてつくられた制度がありますけれども、実はその制度で測りなさいという義務がないんですね。測るのにお金掛かっちゃうからなかなか測ってくれる人がいない。あと、講座、研修とか、あとラベリング制度、そういったことで見える化させることによって右のような将来像、太陽と風を生かした建築デザインとか、家計に優しい環境性能、匠の技の育成・伝承、右の方はちょっとキャッチフレーズっぽくなっちゃっていますけれども、そういったものができるのではないか。ここの中身はどんどんどんどんブラッシュアップさせて、もっとプロの人に聞いて詰めていく必要ありますけれども、こういった作業、ロードマップが必要ではないかと思っています。  実は、イギリスではもう既に進めています。ゼロカーボン住宅・建築物化政策というのが行われていまして、これは慶応大学の伊香賀先生から教えていただいたことですけれども、既に御存じのように、クライメート・チェンジ・ビル、今年の一月にたしか通ったと思いますけれども、実は二〇五〇年までにここでは六〇とあるのが八〇%削減を目指すと。その二つが結構すごいなと思ったんですけれども、二〇〇七年十二月に、二〇一六年までにすべての新築住宅をゼロカーボン化すると。二〇一六年以降はイギリスではゼロカーボン以外の家は売れないということです。さらには、二〇一九年までにすべての新築非住宅建築、つまり業務ビルとか、そういったものもゼロカーボンだと。これは、日本の建築の専門家の人に言わせると、本当にこんなことができるのかというようなことも言われますけれども、心意気としてすごいなと思います。  ただ心意気だけではありませんで、次のページを御覧ください。  例えばコード・フォー・サステーナブルホームズという、指針と呼ばれるような、こうすればできるんですよというものを作っています。これはサマリーだけで五十ページぐらいあって、本体、たしか二、三百ページあったと思いますけれども、政令からデザインから、そういったものをまとめたものです。  さらには、スライド二十ですけれども、ゼロカーボン住宅のデザイン、こうやって造ればイギリスでもゼロカーボンになるというようなものを示しています。是非、研究者はこういうのも示す必要があると思っています。  次を御覧ください。  スライド二十一では、イギリスでは先ほどあったラベリング、住宅エネルギー性能証書、こういったものがもう進められています。それも幾つかのグレードに分けて、あなたの家はこのグレードですよ、これだけCO2を出していますよ、右の方では、これだけのお金で省エネ対策ができますよというような診断書を張らないと逆にもう家が建てられないような社会にしようというふうにしています。  下のスライドは、ちょっと話が変わりまして、今まさに行っている中期目標検討の途中経過を御報告します。  国立環境研究所でもAIMというモデルを使って計算しているんですけれども、その中で分かってきたことは、対策にもいろいろな種類があります。中には、光熱費の削減まで考えるとお得になる対策もあります。又は、ちょっとのお金でもできる対策。しかし、例えば断熱住宅まで行ってしまうとかなり高いんですね。対策群Cです。  そういった幾つかの対策がありますけれども、特に対策群AとかBは見える化をうまくやっていけば、あとは補助政策もうまく最初に入れてあげれば、これはいくんじゃないかなと。そういった対策群をまず見ていくことが大事です。  次、御覧ください。  ちょっとお手元の資料で字が消えているところもあるかもしれませんけれども、例えば家庭の現状の姿です。今の人が次世代自動車とか太陽光発電、省エネ住宅、高効率給湯器、これ、全部入れようとすると四百五十四万円掛かります。これ、補助金が入ると三百九十一万円。これは相当な金持ちの人しか入らないようなことになっています。それもあって、今、次世代自動車は新車販売の一%にしかなっていない。一方、ただ、驚くべきは、省エネ住宅で高断熱化しているところは二〇〇五年で四%入っています。つまり、皆さんは寒くない家の方がやっぱり大事なんですね。そういった意味で入っていっているのかなと思います。  これをどういうふうに変えていくか。下のスライドですけれども、まずは補助金をしていく。例えば次世代自動車では、投資回収年数が三年となるような支援をしていくと入るのではないか。補助金を、今十八万円ですけれども、ちょっと五十一万円まで積み増ししていただくと三年で投資回収しますので、そうすると皆さん買うようになるのではないか。今まさにその方向に日本でも向かっていまして、ドイツはもっとすごいことをやっていますけれども、そうするとどんどん普及していく。太陽光発電も固定買取りの話がありますけれども、きちんと買い取ってあげると入っていくのではないか。  実は、補助金を復活させるということで、設置費用が今まで七十万円キロワットだったのが今は六十万円にもう既に落ちています。つまり、普及していくと価格も下がっていくんです。そういうものをもろもろやると、家庭の初期負担が二百四十二万円。これもローンとかでもっと負担を分担していく必要があると思いますけれども、省エネ、創エネでコストを回収できる効果があるんですね。早くやった人が得する制度を是非作っていただければと思います。  そして、そういうのがどんどん入っていくとどうなるか。次のスライドですけれども、そうすると、次世代自動車とかは価格が下がっていきますから補助金が要らなくなるんですね。そうすると、二〇二〇年で新車販売の五三%は次世代自動車になる。太陽光発電につきましても、今、七十万円なのが普及で六十万円まで落っこってきていますけれども、更に普及させると二十六万円まで何とか行くんじゃないか。そうすることで全戸建てで一四%入っていくんじゃないか。そういったこといろいろありまして、エネルギーの回収というのができて普及が進んでいくと思います。  低炭素社会を実現すれば、もちろん温暖化による影響の少ない生活もできますけれども、資源のリスクを低くすることもできますし、あと、国際競争力を高める、又は国土利用、都市計画等につながっていくというふうに思っています。  最後の方ですけれども、国民運動で大事なこと。一つは、人の問題でなく、自分の問題にすること。見える化して問題をしっかり見せてあげる。それから、活動を見える化すること。自分がやったことがどれだけCO2削減につながっていくか見せること。そして、きちんと褒め、これ「怒る」じゃなくて、済みません、しかるですけれども、しかることが大事。いつも怒られているので「怒る」と書いちゃったんですけど、そういうルール作りが必要で、そのためには研究とか情報提供がとても大事だというふうに考えています。  ちょっと時間、超過して済みませんでした。御清聴ありがとうございました。

石井一民主党・新緑風会・国民新・日本

○会長(石井一君) どうもありがとうございました。  これより質疑を行います。  本日の質疑は、従来どおり、挙手の上、会長の指名を待って御発言をお願いしたいと存じます。  なお、一回の発言は三分程度となるように御協力をお願い申し上げます。  それでは、どうぞ、質疑のある方。  それでは、福山哲郎君。

福山哲郎民主党・新緑風会・国民新・日本

○福山哲郎君 参考人の皆様におかれましては、お忙しいところ、ありがとうございました。民主党の福山でございます。  それぞれの先生方には、本当に地球温暖化並びに将来に希望の持てるコメントをいただきまして、本当にありがとうございました。  それぞれの先生方のコメントは、まさに私は我が意を得たりのことばかりでございますし、飯田先生とは再生可能エネルギーの問題では常に議論させていただいておりますし、中上先生には、残念ながらサマータイムの導入ができていなくて国会の非力さを感じておりますし、藤野さんの国環研の去年出た報告書は、二〇五〇年、何とかなるんじゃないかという希望を与えていただきまして、本当にありがとうございました。  まさにおっしゃるとおりで、日本はずっと、日本の省エネ技術は世界一で、絞ったぞうきんから何も出ないとか、京都議定書はEUにだまされたとか、そういうどちらかというと後ろ向きの議論が先行してこの十年間、実質的な政策が前になかなか進まなかったというふうに思っておりまして、若干冗談交じりに申し上げれば、今日お越しをいただいている三人の参考人の先生方に政治任用か何かで目達計画を作ってもらえれば非常に日本の温暖化政策は進むのではないかというふうにお話を聞いていて感じました。  若干、意見と御質問でございますが、まず中上先生。具体的に家電製品等の省エネが実現をした例をお示しをいただきましたが、若干、藤野先生の先ほどのコメントと重なるんですけれども、じゃ、その家電製品にインセンティブを与えて国民の買換えを促進するときに、あれだけ商品の量が多くて、価格もオープン価格で一定をしていないという状況の中で、今、政府からエコポイントという話が出ておりますが、実は残念ながらエコポイントは国民にほとんど普及していませんし、エコポイントで買えることに対するインセンティブというのは、私には国民には現状では全く効かないと思いますし、エコポイントは登録制ということもありますので、国民に全くそのインセンティブを感じていただけないかと思っていまして、冷蔵庫、冷暖房、テレビも含めて、家電製品でインセンティブを政府の政策として与えられる方策が何かあるとお考えか、お考えならば、中上参考人、藤野参考人にお聞かせをいただければと思います。  それから、飯田参考人におかれましては、固定価格買取り制度の導入が基本的に政府の中で議論が本格的に始まったことは私も評価をしたいと思いますが、実はどういう形の制度設計になるかというのがまだ見えない部分がありまして、形は導入だけれども実態としては余り促進されないようなことになると、仏作って魂入れずみたいな話になりますので、一般的には全量買取りや余剰買取りのどっちがいいかみたいな議論があるんですが、二元論ではなくても結構ですので、飯田先生なりに、この再生可能エネルギーの固定価格買取り制度の導入に対して何らかの形で大きく広がっていくための具体的な方法が何かおありか、あればお答えをいただきたいと思います。  藤野参考人については、もう一点だけ、例の内閣府の作った国環研モデルを回した中期目標なんですけれども、あれはちょっと余りにも負担という意味合いと、投資をした者が回収できたり、投資をした者が逆に言うとプラスになったりすることに対する評価が非常に僕は欠けているのではないかと思っておりまして、あの中期目標の報告書について何らかのコメントをいただければと思います。よろしくお願いいたします。

中上英俊株式会社住環境計画研究所代表取締役所長

○参考人(中上英俊君) 福山先生、ありがとうございました。  家電製品の買換えなんですけれども、今回、私どもがああいうプロジェクトをやってみましたときに、皆さん、やはりまだ使えるのにもったいないというお考えの方がほとんどだったわけですね。それをもう一押ししようということでやってみたわけでありますけれども、私があのときに考えましたのは、家庭で減らしたCO2の量を実際に計測して検証してあげることによって、家庭で減らしたものを証書か何かでお渡しする。実際、私たちこれだけ減らしたんだという形でお返しする。それを例えばエコポイントのような形で買い取る。だから、私の仕掛けの中には実は量販店があの中に入っているんですね。量販店じゃなくてメーカーでもいいんですけれども、今は量販店がほとんど扱っていらっしゃるんで、ユーザーとの接点は量販店が一番多いものですから、そこでもう今でもポイントを出していらっしゃるわけですから、そのポイントに上乗せしてCDMのような形で買い上げると。その代わり、証書としてきちっと証明書を付けてあげるというふうな形にすればもう少し自動的に回っていくんじゃないかと。  実は、政府でも、経産省が家電のCDMというプロジェクトを補正予算でやるやに聞いております。これからお手掛けになると聞いておりますけれども、その場合には、試験的にやるようなプロジェクトだと思いますけれども、それを自発的に回るような仕掛けにするためには何らかのやっぱりこういう仕組みが必要だと思いますけれども、そこに消費者、販売者、メーカーというのがうまく手を合わせてやれるような仕組みとしては今言ったような方法がいいんじゃないかと。  そのときに、計測器は例えば量販店さんあるいは家電販売店さんが持っていてお貸しする。買い換える前に実際に測っていただいて、最初の一次情報として、買い換えたらこれだけ省エネになりますよという情報をお出しする。買い換えていただいたときにもう一回測ってみると、実際に減りましたねと。それを証書としてお渡しし、ポイントとして返すとかという形でやれば私は回るんじゃないかなと。自分なりにいいアイデアだと思っているんですが、いかがでございましょうか。

福山哲郎民主党・新緑風会・国民新・日本

○福山哲郎君 ここは議論する場ではないので。

藤野純一独立行政法人国立環境研究所地球環境研究センター温暖化対策評価研究室主任研究員

○参考人(藤野純一君) どうも御質問ありがとうございます。  我々、提案しているのは、トップランナー機器をレンタルする暮らしというような名前で提案しているんですけれども、問題はやっぱりイニシャルコストが非常にお高いというところで、それを年間、年間にどうやって割り振っていくのかということも一つありますし、あと、例えば今、新入生が新しくマンションに入りますけれども、中にはもう既にエアコンとかが付いている家もある。そういったところで、いかにそういうところにいいトップランナー機器を入れてもらうか。やはり、そのビルのオーナーからしてみると、それは単価の安いものをどんどん入れたいですよね。そのときに、併せて規制をしていくのか、それとも、今回エコポイントとありますけれども、もうダイレクトにお金を安くするような、やはりちょっと手続が入るよりかは生で安くなった方が皆さん選択される。ハイブリッド自動車の件もまさしくそれで、今、爆発的に新しいハイブリッド自動車が売れるような状況になっていますので、そういうことがあるかなというふうに思います。  中期の方ですけれども、ここも口が滑るとなかなか危ないところもありますけれども、我々国立環境研究所で経済モデルの方も動かしております。今回の計算の結果を示すと、必ずマイナスの効果しか出てこないです。  どういう計算をしているかといいますと、二〇二〇年までに皆さんが最適な行動をして経済成長したら大体一・五%か二%成長しますよと。それから、その環境政策をするとどれだけロスをしますかというような計算をしているんですね。実際、今の二〇〇九年から見ますと、いずれにしても経済成長はするんですけれども、そのパスの中で既に最適な答えを出している中で環境制約を掛けますから必ずマイナスになると。ただし、経済モデルの特質としまして、過去のトレンドを引きずっている。過去で起こったことで検証した数字をそのまま将来に当てはめていますから、今回、我々目指しているような低炭素革命みたいなことを経済モデルの中でやると逆に異端になってしまうんですね。  そういったモデルの限界というものがありまして、ただし、実はIPCCの第四次評価報告書の中で、制約を掛ければ掛けるほどGDPが増えるという計算をしたイギリスのテリー・バーカーという研究者もいて、IPCCのソサエティーで袋だたきに遭ったんですけれども、彼は信念があって、ポーター仮説という日本が公害のときに経験したような、又は排ガス規制のときに経験したような技術革新というものが必ず起こるんだということでやられている先生もいますから、是非そのところはそういうふうに広い視点で見ていただければと思います。

飯田哲也特定非営利活動法人環境エネルギー政策研究所所長

○参考人(飯田哲也君) 先ほどプレゼンの中でも少しお話ししましたが、固定価格制をこれまで政府、といっても特に経済産業省とその周辺の審議会等では徹底的に否定をしてきて、これも、福山議員とは十年ぐらい前から、あと加藤議員もいらっしゃいますが、自然エネルギー促進議員連盟で固定価格制が十年前に俎上に上がったとき以来のやはり経緯があって、これまで政府としてはそれをとにかく議論の俎上にのせないという、そういう流れの中で、ここに来て、日本がもう世界六位までずり滑ってきたという状況と、自民党、民主党、社民党、公明党も、各党が、やはり太陽光支援策として固定価格が必要ではないかということを政治主導で大きな機運が上がってきたと。それから、環境省も再生可能エネルギーの検討会で、太陽光を中心として固定価格制は非常に有効で、しかも、費用に対して便益が倍以上のメリットがあるんだという数字も持ち出してきて、そこで二月の二十四日ですか、二階経産大臣が突如として固定価格制を導入するんだということを発表されたという経緯かと思います。  そういう意味でのいわゆる政府の大きな機運が一歩進んだということは評価をしたいと思うんですが、法案の形となって出てきたものを見れば見るほど、これはかつてRPS法が入った構図と全く同じではないかというふうに私はむしろ危惧を覚えます。  結局、あのときRPS法が入ったのも、固定価格制をめぐって自然エネルギーの機運が国会で盛り上がったものをむしろ火消しをするような効果で入ったという側面がやはり否定し切れないと。目標値も極めて低い一・六三。当時は一・三五%ですね。今回、フィードインタリフだけは唐突に入れると言いつつも、法案の中身では全く一切担保がなく、しかもRPSの目標値とは切り離されており、太陽光以外にどう広げるんだと、あるいは先ほどの全量、余剰といった買取り条件をどうするんだとか、そういったことを議論する手掛かりが一切ない中で白紙委任していいものかということは、これは私は、国民としても、恐らく政治としてもやっぱり許すべきではないと。つまり、これだけ日本の自然エネルギーが凋落した原因を作った人たちがそのまま同じことをやっていくということは、やはり非常に大きな問題が私はあると。  一般論で言うと、とにかく、オバマもそうですが、ドイツもそうですけれども、政治的に長期的に高い目標をはっきりとコミットするということがまず共通要素としてあって、それを裏付ける形で積極的な支援策を政府がきちんと取ると。それは非常に分かりやすいシンプルな形であることが必要であると。  それから、今回の経産省に一番欠けている視点なんですけれども、金融とか投資の視点から見て、それが事業として魅力的な支援制度になっているかどうかということが極めて重要で、今回の極めて不透明で複雑で、いわゆるRPSと余剰購入メニューと今回唐突に復活した地方自治体の補助金と、いろんなものをごった煮のように、積み木細工のように組み合わせたこんな制度で金融機関、しかも、元々もうけてはいけないという議論が新エネ部会では出ているぐらいで、そうするとお金が回らないんですね、こういう形では。  やっぱりこういう形で制度設計していくと、は未来に禍根が、もう一回失われた十年を繰り返しかねないと思いますので、やはりここはもう少し、せっかく固定価格制も含めて導入するのであれば、もっと表舞台で堂々と議論をしながら、そして、この先の見直しの道筋もきちんとつくりながらやっていくということが王道でしょうし、太陽光から始めるというのは私はいいと思うんですが、そういう道筋をきちんとつくった枠組みを作らないことには、またぞろこのRPSで失われた十年を繰り返すという、そういう心配があります。

石井一民主党・新緑風会・国民新・日本

○会長(石井一君) それでは、加藤修一理事。

加藤修一公明党

○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。三人の参考人、大変ありがとうございます。  まず、藤野参考人にお願いしたいんですけれども、先ほどモデルの再現性の問題等を含めて、過去を引きずっているというものであると、モデルについては。それはモデルの限界について話しているわけで非常に正直な発言でなかったかなと思います。  それで、よくモデルの話の中で、再現性の問題って余り論じられていないんですよね。そこはどういうふうに皆さんの中で考えられているかということが一点。  それから、今日配付されております「低炭素社会実現に向けた十二の方策」の厚い方の本ですけれども、二ページ目の上の方にかなり複雑な式のようなもの、恒等式が書いてあるわけですけれども、これ、二〇五〇年にCO2排出量七〇%削減を実現するという場合の各要素について分解して書かれておりまして、二行目の方に、一番左端、CO2を〇・三倍にする、つまり、二〇五〇年には七〇%削減できているという話でありますけれども、その〇・三倍の右側の式ですよね。まあ、人口は分かります。一人当たりも分かります。ただ、このサービス産業化の関係で〇・四倍とか、エネ効率改善で〇・七倍、低炭素化で〇・四倍というふうに数字が書かれていますけれども、これはいかなる議論をしてこういう数字を定められたかということについてちょっと説明をいただきたいなと思います。  それから、中上参考人にお願いでありますけれども、今、経済追加対策の関係で、GDP二%ということですから十兆円でありますけれども、その前に補正を含めて全体で七十五兆円の経済対策、特に税制改正の関係で投資減税が、例えば省エネの関係で太陽光を入れてまいりますと三百万円、投資減税で一〇%減税という話になっています。あるいは、住宅の減税の関係で最大限五百万円、二百年住宅にかかわっては六百万円、こういう減税の関係がありますけれども、どれだけこういったことが温暖化対策の関係について貢献し得るかどうかについて、これだけに限らないわけですけれども、全体としてどういうふうにお考えになっているかという点ですね。  それから、飯田さんにお願いでありますけれども、最近政府が検討している中身として、中期目標の検討状況の説明として、非常に私はびっくりしている表現がありました。  マイナス二五%というのが一番削減量が多いシミュレーションケースになっておりますけれども、そういうことを含めて表現した文章でありますけれども、どういう文章かといいますと、温暖化対策を進めるほど省エネ投資が活発化することにより民間投資は増加すると。一方で、過度な温暖化対策は社会全体のコストを増加させるため、生産価格の上昇、消費の減退、輸出の減退が生じ、実質GDPの減退、失業率の増加、可処分所得の減少、光熱費の上昇を引き起こすということで、まあネガティブな表現が羅列されているので、しかも、過度な温暖化対策という、過度という表現については私はちょっと、どうしてこういう表現になっているのかなというのをなかなか理解できないんですよね。  それで、この中期目標の中身について様々な議論があることは確かなんで、ただ、温暖化対策を導入することによって社会変革とかあるいは技術の開発とか、競争力が当然向上されてくるので、そういうことが余り考慮されていないと。先ほど話がありましたが、省エネ効果が出てくるということについても余り考慮されていないと。例えば、何にも対策を取らなかったときに社会が相当負担をしなければいけないわけでありますけれども、そういうことについても余り提示されていないということだと思うんですね。  だから、これ、藤野先生の関係にもなるかもしれませんが、前提条件というか予見というか、モデルの関係についてもやはり分かりやすく説明する必要が当然あるし、そういう点を考慮していないということについて私はかなり疑問も持っているところなんですけれども、そういう点についてどうお考えかという点。  以上、お願いいたします。

藤野純一独立行政法人国立環境研究所地球環境研究センター温暖化対策評価研究室主任研究員

○参考人(藤野純一君) 加藤先生、どうも御質問ありがとうございます。  まず最初のモデルの再現性の話ですけれども、先ほど福山先生からも御質問いただいた経済モデルは、過去の十年、十五年の排出量というのが経済モデルの過去起こった数字を入れても再現できるような、そういったモデルを作っております。そういう意味では、我々もモデルというふうになってしまいますとブラックボックスだと。例えば、あと気候シミュレーションのモデルも、過去百年とか百五十年前からシミュレーションして、現在がちゃんと当てはまるか確かめて、そして将来を推計したりというようなことをやっていますけれども、その点に関しましては、モデルの再現性というのは我々も大事だと考えています。  ただし、実は去年四月に西岡が報告したような、二〇五〇年、七〇%削減とか、そういったものをやろうとしますと、今までのモデルでは扱われていなかったような技術進歩率をやはり入れていかないとそこにたどり着かないということも事実であります。そういう意味では、過去も見ながらも、逆にモデルを使うことによって、二倍のスピードが必要ですよということがそういった数値のシミュレーションをもって言えることではないかと思います。    〔会長退席、理事主濱了君着席〕  そして、あと、この短時間の間で、資料の二ページ目のところを御指摘いただいて、すごいなと思ったんですが、これは、こちらの方の資料ですけれども、我々、俗に茅恒等式と呼んでいるもので、東大の名誉教授の茅陽一先生、僕が卒論のときの恩師なんです。中上さんも非常によく深く関係されている方ですが、CO2排出量、こういうふうに要因分解すると分かりやすいんじゃないかと。  数字はどういうふうな根拠で作っているかと申しますと、右の方から見ていただくと分かりやすいかもしれませんが、こちらの方の二ページ目ですけれども、例えばCO2をエネルギーで割ったもの、これ、何かといいますと、例えば再生可能エネルギーとか原子力とか、エネルギー一キロリットル使っても余りCO2の出ないものの割合が将来増えていくと。そうすると、〇・四倍CO2削減効果が効くと。  それから、エネルギーをサービス需要で割ったもの、これは省エネみたいなもので、例えば暖房をするときにも必要なエネルギーを減らせばCO2の量は減りますけれども、それで〇・七倍。  そして、三番目のオレンジのサービス需要をGDPで割ったものですけれども、これは、一単位のGDP、百万円付加価値を稼ごうとしたときに、二〇五〇年に向けて恐らく日本の社会というのはよりサービス産業化すると思います。それに伴って、同じ百万円のGDPをつくるにしても、それほどエネルギーを投入しなくてもGDPが稼げるような業種に移行していくというような予測を立てているためです。つまり、鉄とか紙パとか、そういったものももちろん大事なんですけれども、既にストックも十分ありますから、今までのトレンドのようにたくさん造る必要はないんじゃないかなというのが我々の推計です。  GDPを人口で割ったものとか人口については直感的にお分かりになりやすいかなと思いますけれども、その中で、人口も約〇・七倍から〇・八倍と、そういった意味でCO2削減に非常に効くんですけれども、この辺りは本当にいいのかなというのはあるんですけれども、こういうのを掛け算すると〇・三倍になるというような式になっております。  御説明、これでよろしいでしょうか。

主濱了民主党・新緑風会・国民新・日本

○理事(主濱了君) よろしいですか。

加藤修一公明党

○加藤修一君 はい。

中上英俊株式会社住環境計画研究所代表取締役所長

○参考人(中上英俊君) 今、経済対策というのは私は非常に有効に効くと思いますが、ただ、いかんせん、我々の家庭部門でいくと、お使いになる方は御家庭の主婦であったり、非常にこういう手続に疎い方が多いわけですから、こういった情報を正確に消費者にお届けし、その間に立って、例えば住宅建築ですと建設・建築業者の方とか、そういう方々がかみ砕いて御説明するというようなプロセスを経ないとなかなか伝わっていないんですね。地方に行って聞きますと、特にそういう気がいたします。東京にいますと割と情報が流れていますので、どこかで聞いたことがあるとなるんですが、聞いたことすらないということになりますので、せっかくの対策が末端までなかなか行き届かないようなケースもあるんではなかろうかと思いますので、できるだけ末端の消費者にこういった経済対策がなされているというようなことをお届けできるような情報の流し方をやっていただきたい。  そうすれば、車なんかはもう非常にメーカーの方がどんどん出しますので、消費者はほっておいても目にしますが、なかなかこういった減税とか、特に住宅にかかわってきますと、日常的なことじゃないものですから難しい面があると思いますが、私は効果は非常に大きいものだというふうに期待しております。

飯田哲也特定非営利活動法人環境エネルギー政策研究所所長

○参考人(飯田哲也君) 先ほど藤野参考人も少し触れられたところもありますけれども、この中期目標検討会、加藤先生もおっしゃったとおりですけれども、最初の入口論の前提でまず共有されていないというところが節々に議事録を読んでも拝見できまして、これはもう、そもそもIPCCの一番厳しいシナリオが非現実的なんだということを最初から先入観で持っておられる検討会の委員の方もいらっしゃるというふうに伺いますので、そこから入っていくと、とてもまともなシナリオが出てくるとはまず思えないと思います。  それから、大体ここで今、提示されているモデルというのは基本的にはエネルギー経済モデルですので、それこそ二〇〇六年にイギリスのニコラス・スターン卿が出されたような、いわゆるスターン・レポートで出されたコスト・オブ・インアクションというか、地球温暖化対策をきちんとしなかった場合にどれだけ社会全体に被害が及ぶのかといったところは全く検討の俎上に上っておりませんので、エネルギー経済モデルの、しかもマクロというか、全体をがっさり上から見てきた過去のトレンドか、あとは、せいぜいエネルギーの費用によって需要がこういうふうに変わるといういわゆる費用限界曲線を使ったそのマクロモデルでもってコストのところだけが強調されているという非常にバランスの悪さがまずあります。  それからもう一つ。もう一段踏み込んで申し上げると、二つのこのモデル、モデルを科学的と言いながらそこだけに頼った説明をしようとしているわけですが、そこの価格制に二つの疑問がありまして、一つは、産業構造が大きく変わることは全く取り入れることが不可能であるということです。例えば、再生可能エネルギーが導入されていったときの、昨今でいうと、もう年率六〇%で成長しているようなマーケットというのは過去のマクロトレンドの延長線上では入りようがない。それは全く、例えば産業連関表と言われるそういった数字も従来産業の割当てを使うしかないので、雇用がきちんと増えるとか、そういったものが評価されてこない。  もう一つは、あくまで費用とそれによる効果という、このパラメーターだけで出すために、実は費用だけで物事が決まるということは極めて少ないんです。  例えば、再生可能エネルギーにまた戻りますと、省エネもそうですが、固定価格制を導入したドイツやスペインあるいはカリフォルニアが爆発的に普及しているということは、こういうモデルの中にはどうもやはり反映しにくいそういったことをすべて捨象して、すべて費用と結果だけで物事を説明しようとしているので極めて限界があると。そういったもので日本の国として余り過大な目標を立てるべきではないとか、ましてやプラスのオプションが出ていくといったことが平然と、しかも首相官邸の下で行われているということは国際的に見ても全く妥当ではないのではないかというふうに私自身は、部外者というか、外部から拝見しておりまして見ておるところでございます。

加藤修一公明党

○加藤修一君 確認ですけれども、中期目標の検討会の関係で、入口論が共有されていないというのは、これはIPCCの第四次レポートの二〇二〇年、これは二五%が四〇%削減というその意味ですか。

飯田哲也特定非営利活動法人環境エネルギー政策研究所所長

○参考人(飯田哲也君) はい。  まず第一次的、直接的にはそういう意味ですが、もう一段さらに、最近、今年の三月に開かれたIPCCの会議やその他の幾つかのレポートを見ても、それの最悪シナリオを超えるようなスピードで温室効果ガスが排出されているということが言われて、例えばカリフォルニアやオーストラリアでは食料が取れなくなるのではないかといった危機感も高まっているとか、そういったような温暖化に対する危機的な認識だというふうに思います。

加藤修一公明党

○加藤修一君 それで、先ほど固定価格制度についての懸念が主張されたんですけれども、二〇二〇年目指して政府はゼロエミッション電源、これ、五〇%以上にしようという、そういうことを説明しているわけなんですけれども、これについてはどういうふうにお考えか、飯田参考人と藤野参考人にお伺いしたいと思います。

飯田哲也特定非営利活動法人環境エネルギー政策研究所所長

○参考人(飯田哲也君) 先ほど私も足早に触れましたが、この非化石電源、ゼロエミッションということで、言わば原子力と再生可能エネルギーを一つにするということは大人と赤ん坊を一緒に競わせるような要素があって、原子力は原子力としてもう成熟した電源であって、しかも様々な別の課題がある。これはもう五十年育ててきた技術ですから、これはこれとしてきちんとやるべきなんですが、再生可能エネルギーは、これからのまさに新しい産業のかなめとなるということで、これはそれぞれ対象をきちんと切り分けてまず普及施策をする必要があります。  ある席で電気事業連合会の方と御一緒にプレゼンテーションをしたときに、非化石電源が五〇%で、二〇二〇年に原子力が四〇%、実は今、水力が既に一〇%ありますから、そうすると新しい再生可能エネルギーが入る余地が例えばそういうふうになってくるとなくなるわけです。ですから、お相撲さんと子供を一緒に取らせるのではなく、お相撲さんはお相撲さんの世界でしっかりやり、子供はこれからきちんと育てると、そういうやはり切り分けは必要かというふうに思っております。

藤野純一独立行政法人国立環境研究所地球環境研究センター温暖化対策評価研究室主任研究員

○参考人(藤野純一君) どうも御質問ありがとうございます。  我々が七〇%削減を目指そうとすると、恐らく五〇%でも足りなくて、もっと数字を入れていかないといけない。そのためには、例えばエネルギー全体で多分五〇%ぐらいを非化石にしていく必要がありますので、電源としましては多分七〇とか八〇とか、それぐらい非化石に持っていくような方向に行かないと七〇%に行かないんですけれども、もう飯田さんがおっしゃったことにかなり尽きるんですけれども、原子力がまずベースにある、それから再生可能エネルギー、そして火力発電で負荷調整をしていくと。  ただ、今はどちらかというと供給サイドで何とか負荷変動に対応しようというようなところ多いですけれども、何とか需要サイドもそれに協力できないか。スマートグリッドだったりとかそういった言葉で言われますけれども、需要も負荷変動しているんですね。需要も、いつどれだけ皆さん使うか分かりづらい。ただし、それは中上さんおっしゃったように、見える化してデータを集めていけば需要の負荷もかなり予想できる、確率的に予想できるものになりますから、その予想と、あと太陽光、再生可能エネルギーなどの負荷変動のあるもの、これをうまく組み合わせていけば更に入る余地がある。ヨーロッパとかはそういう予測精度を上げようというようなことで研究が進められているということを聞いています。

主濱了民主党・新緑風会・国民新・日本

○理事(主濱了君) 続きまして、喜納昌吉委員。

喜納昌吉民主党・新緑風会・国民新・日本

○喜納昌吉君 飯田哲也参考人へ二点、質問したいと思っています。  地球温暖化対策として原子力へ誘導する意見に私も危機感を持っています。原子力には取り返しの付かないリスクがあると思っています。いただいた資料によると、長年日本の原子力の世界ともかかわってこられたようですが、日本の原子力の世界が権威主義的だと指摘されていますが、その原因をどのようにお考えになるかが一点ですね。    〔理事主濱了君退席、会長着席〕  もう一つは、自然エネルギー。エネルギー政策に官僚、省庁の縦割りがネックになっているとの指摘がありますが、本来、日本の運営を円滑にするはずの官僚がむしろネックになっているというのは今、様々な分野での共通の問題だと思っています。既得権益を守るために未来の人類益を損ねているというのは愚かと言うしかありません。飯田参考人から政治の側への提言で特に強調したいことはどのようなものがあるでしょうか。  この二点、よろしくお願いします。

飯田哲也特定非営利活動法人環境エネルギー政策研究所所長

○参考人(飯田哲也君) まず一点目、原子力の話ですが、原子力は議論するのはなかなかしんどいというか、まあ日本ではなかなか大人の議論ができにくいので、私も取りあえず、一応、今、既存の原子力は大事に使ってというふうに申し上げてはいるんですけれども。  まず、日本の原子力政策は、実は、二〇〇四年に六ケ所再処理工場をめぐって核燃料サイクルをどうするのかということで国を二分する議論があって、結局、日本はそれを進めるという結論を取ったわけですが、これはかなり、経済的にも環境的にも本当にそれは妥当な結論であったのかということは、これは従来の原子力そのものの推進と批判の立場を超えて実は様々なセクターから異論があったわけですが、それを押しつぶす形で六ケ所再処理工場が前に進んでしまった。実は、そこの最初のまずボタンの掛け違えをもう一度議論をやり直すところから始めないと既存の原子力をどうするのかという話が次に進まない。  既存の原子力も、実は最大の問題はいわゆる最終廃棄物、核燃料廃棄物ですが、これを果たして日本の中で、あるいはどこかで受け入れるところが合意形成可能なのかという話を今度始めようとすると、やはり入口論のところで合意ができないことにはそこの国民合意というのは絶対に私はできないというふうに思っています。  私自身、かつて原子力委員会、原子力安全委員会の仕事も内側でずっとお手伝いをしてきたんですが、本当に開かれた意味で実質的な議論がいまだかつて本当に行われたことが日本ではないわけです。やはり、それはどこかの時点で原子力はしていかないと、先ほど喜納さんおっしゃったいわゆる事故のリスク、そして最終廃棄物、そういったことを、あと本当に国民が納得する形でどこかで収めていくということは必要だと思いますが、これは本当に時間の掛かる話で、今、原子力委員会も真正面からの議論を逃げているという状況だというふうに思っております。  第二点目の省庁間の縦割りは、これは大きい話から小さい話まで無数にあるんですけれども、とにかく最大の問題は、今、温暖化政策とエネルギー政策がもう非常に深い溝があって、ここを政治が本当の意味で埋め切れていないということが問題です。  あれは、たしかブエノスアイレスかどこかで行われたCOP10だったかCOP11だったかですが、環境省と経産省が全く別のスタンスのペーパーを国際会議で配っていたといったところがあります。最近はさすがにそれはなくなりましたけれども、本当に一国二政府というのは、これはもう海外でも有名でありまして、そこをきちんと国内で収める。それも、変な方に収まると困るんですが、国際的な良識にきちんと従う形で、やはりエネルギーの構造改革まで視野に入れた形でそれを政治的にもきちんと収めていって進めるということが、とにかくもう徐々に時間切れというか、待ったなしになってきているんだと思います。  それが、先ほどちらっと見ていただいたクレジットの状況も、もう環境省が生み出したクレジットと経産省が生み出したクレジットが相入れない展開の形まで、もう民間経済にまで本当に深刻な影響を及ぼしているんじゃないかと思いますので、そういったところ、いわゆるミクロなところまで踏み込んだ筋の通った政治を是非していただきたいというふうに考えております。

石井一民主党・新緑風会・国民新・日本

○会長(石井一君) 私からお伺いしますが、その二省の違いというのは、簡単に言うとどういうふうに違っていたんですか。

飯田哲也特定非営利活動法人環境エネルギー政策研究所所長

○参考人(飯田哲也君) 基本的に、経済産業省は、電気事業連合会や経団連、そういったところとのいわゆる規制及び推進官庁というような形で、そこと密接に調整を取られている。環境省は、元々新参の弱小官庁でもあって、これは先日、NHKでもちょうどこの太陽光やグリーン・ニューディールをめぐっての微妙な対立もありましたが、基本的には、環境政策、温暖化政策の方に軸足を持ってやはりそこの橋渡しが十分にできないままに、例えば京都議定書の目標達成計画の議論をする審議会、私も委員で出ておりましたが、そのときは経産省の審議会と環境省の中央環境審議会の委員が六十名ぐらいずらっと並んで、一人一分という形でずっとしゃべっていって、ずっと最後の最後まで平行線で終わってしまうと。裏舞台の事務方の方も、その合意形成を両省の間で取れないままに、京都議定書の目標達成計画は実効的な施策を中にほとんど何も持たないまま、二〇〇八年のもういわゆる誓約年に突入をして、結局、プラス九・二%という極めて無残な状況になってきているということですね。  その間、温暖化対策税であるとかキャップ・アンド・トレード、いわゆる排出量取引であるとか、あるいは先ほどの固定価格制、自然エネルギーの政策であるとか、そして、原子力政策はもう基本的にアンタッチャブルですから環境省は全く口を出せない。そして、石炭はもう完全に電源計画の中で事実上野放しというような形がずっと続いて、いまだに続いているわけですね。  このエネルギー政策と温暖化政策を本当の意味で組み立てる形をつくらないことには全くこの問題の出口は見えないということで、中期目標、これ、今年の十二月のコペンハーゲンの議論では相当私は日本は厳しいスタンスに立たされるというふうに思っております。

石井一民主党・新緑風会・国民新・日本

○会長(石井一君) あなたのお立場としては、環境省の主張の方が正しいというお考えですか。

飯田哲也特定非営利活動法人環境エネルギー政策研究所所長

○参考人(飯田哲也君) すべてがすべてということではないんですが、一応国際的なコモンセンスに従ってはいると思います。  ただ、それはミクロな話等また別途ありまして、ただ、私はもうこの際、いいか悪いかは別にして、持続可能な開発省のような形で、経済と環境は統合を抜きにあり得ないということを考えると、両省を統合してもいいのではないかと私は思っておりまして、もちろん、その中をきちんと機能するように組み立てなきゃいけないですし、それから、資源エネルギー庁というのも私は自然エネルギー庁に変えてもいいぐらいではないかというふうに思っておりまして、そういう形で少し、エネルギー政策と温暖化政策、そしてそこに産業政策も入っていくという、三つを実体化していくことは組織的にも必要ではないかというふうに思います。

石井一民主党・新緑風会・国民新・日本

○会長(石井一君) ありがとうございました。  山下栄一君。

山下栄一公明党

○山下栄一君 今日は本当に勉強になりました。ありがとうございました。  私の方からちょっと具体的な話を、ちょっと御所見をお伺いしたいと思っておりますことがございます。それは、いわゆる日本の学校における施設設備の在り方でございます。  エコスクールということで、環境省、文科省を中心に、ほかの省庁も関与しておりますが、エコスクールのモデル事業の中に、一つは学校の空調、私はエアコンが分かりやすいと思うんですけれども、エアコン、省エネ家電を普及させるというのが入ってございます、現在、エコスクールのモデル事業として、推進事業として。もう一つは、校庭の芝生化でございます。  この学校の環境というのは非常に私は子供に物すごい影響を与えるので、後々の精神、心に影響を与えるので、選択を誤ればこれは子供のためにならぬと。そういう意味で、学校の施設設備をどうするかということは極めて重要な政策だと思います。  特に大都会で、ヒートアイランド現象が起こっているところで、もう暑くて授業にならぬので、最初の方のエアコンを設置するということが推進事業になっております。私は、これは本当に正しいのかなというふうに思います。先日、環境省にも聞きました。ヒートアイランドの三分の一は空調関係の影響はあると、直結して因果関係があるというふうに言っていましたけれどもね。省エネという、省エネ家電ならどんどん学校に、すべての教室です。図書室とか職員室と違います。すべての教室、授業を受けるところに設置するということ、それをモデル事業として今は推進しているわけですけれども、これはおかしいのではないかというふうに思っております。この御所見をまずお伺いしたい。  もう一つは校庭の芝生化なんですけれども、これも推進の一つになっておりますが、これは人工芝でなくて、天然芝でもやっぱり面倒を見るのが大変だと。面倒を見るのは一体だれが見るんですかと。結局、学校の先生にしわ寄せが来る、もちろんいろんなボランティアの人とかがやってもらっても構わないんですけれども。今、教師はどんどん忙しくなっている、また仕事が増えるという、実際維持できるのかということもございまして。  それと、私は土の重要性をもっと言うべきじゃないかと。校庭ですね。土というのは大事だなと。生きた土というのを見る機会がどんどん大都会では減っている。だから、原っぱの感覚なんですけれども、要するに芝生を、敷き詰めるわけじゃないんでしょうけれども、グラウンドの特定のところに芝生を置くということを全否定はしませんけれども、そういうことの一方で土の重要性ということも併せて教えるべきじゃないのかと。そうしたら、生きた土なら雑草も生えるでしょう。原っぱの感覚になってくる。わざわざ高いお金を掛けて芝生を、天然芝であっても、やるという政策の推進、それをモデル事業としてやるということについてどうなのかなと。  この二点を、空調、とりわけ大都会における学校の教室に省エネの家電としてのクーラーを置くということ、もう一つは校庭の芝生化について御所見をお三方にお伺いしたいと思います。

飯田哲也特定非営利活動法人環境エネルギー政策研究所所長

○参考人(飯田哲也君) 教育問題には余り深い知見がございませんので、十分に御参考になる意見が開陳できるかどうかはあれですが、学校設備そのものが、私の住んでいるところも含めて全般に、そもそも建築物としての断熱性であるとか、設備的には新しく建ったものでも必ずしも十分な建築になっていないということもいろいろ拝見をしておりますので、やはり社会的なストックとして学校建築はかなり長く使われることもありますので、社会ストックという観点からすると、住宅の断熱性、その中における必要最小限な省エネ設備等々はやはりきちんと設備が整ったものを基本的には私は入れていった方がいいのだろうというふうに思っております。  芝に関しては、ちょっと私は特に知見を持たないのであれなんですが、ただその中で、今回、学校の太陽光とかそういったことも政府の提案としては出ておりまして、そういったところはやはり学校の中で、ハードの部分もきちんとしたものを導入をしながら、ソフト面をきちんと学校教育の中に織り込んでいくとか、そういったところをきちんと拡充していくということが今後の日本の次の世代を育てていくという意味では非常に重要だというふうに考えておりますので、まさにこの低炭素というか脱温暖化では、そういう社会ストックとして学校というのはコミュニティーのかなめになっていることは確かですので、そのことを、いわゆるハード面はもちろんそうなんですが、ソフト面も含めてきちんと手当てが行くような、そういう施策を政府とそれから自治体と連携をしながらやっていくといいのではないかというふうに考えております。

中上英俊株式会社住環境計画研究所代表取締役所長

○参考人(中上英俊君) 私自身は田舎で育ちましたので、今の山下議員のような都会でというとなかなかぴんときませんし、私、息子の区立の中学のPTAの会長をやったこともありまして、随分都会は違うなという記憶が今よみがえってまいりましたけれども、今、飯田参考人から、学校はコミュニティーの中心だと言いますけれども、学校はそうではなくて、もう授業が終わったらぱっと地域から閉鎖して中に入らないようにしているというふうな感覚がむしろあったものですから、もっとコミュニティースクールになるといいなというふうに思って聞いておりました。  それから、エアコンの話ですけれども、これはもう田舎であれば当然エアコンなんかない時代でありましたし、学校はだから夏休みがあったわけでありまして、でも、やっぱり今の子供たちは夏のとば口でも暑いからエアコンが必要なのかと言われると分からない気もしないでもありませんが、夏休みを取ることによってエアコンを使わないでも暮らしができるということを逆に本当はもっとアピールすれば今のような議論は違った展開があるんじゃないかと思います。付けるからといって省エネを付ければいいという話ではないと思いますし、これは低炭素でも同じ話でありまして、低炭素になったからエネルギーをどんどん使っていいという話では私は決してないと思っておりますので、議論の原点に返ってやるべきならば、本当に必要かどうか、夏休みの在り方をどう考えるかという、補習がいっぱいあると必要かなという気がいたします。  それから、芝生の話でありますけれども、だれが手入れするのかなと考えてみましたら、先生かなと、用務員のおじさんいないだろうな、区役所がやるのかなと考えていきますと、これは今、議員がおっしゃったように大変な手間暇が掛かる話でありまして、何も校庭が芝生である必要は私にはないように思えますけれども、そこから先はもう個人的な話でありますから議論になりませんけれども、どうしてそういう議論が出てきたのか、その背景をむしろお伺いしたかったなという気がいたしました。お答えになりませんけれども。

藤野純一独立行政法人国立環境研究所地球環境研究センター温暖化対策評価研究室主任研究員

○参考人(藤野純一君) どうも御質問ありがとうございます。  まず最初に申し上げたいのは、今の都会に住んでいる子供たちも温暖化なりヒートアイランド現象の被害者であって、過去百年で地球全体では〇・七度の温度上昇ですけれども、東京都とかは多分三度ぐらい温度が平均で上がっているので、最高気温としてはもっと上がっているかもしれませんけれども。  我々も東京で働いているときは、夏はまず冷房のあるところで仕事をしている人がほとんどだと思いますので、そういう意味だと、必要最小限のサービスを提供することは私は大事ではないかなと、それが低炭素社会に向けたまず大事な姿勢なんじゃないかなと思います。ただし、全部どこでも冷房にすればいいかというと話は違いまして、やはり場所、場所に応じて、余り使わないところに冷房の設備を置いてもお金が掛かりますから、そこはよくわきまえていく必要があると思います。  また、そのときに、併せて、どれぐらいのコストが掛かっているとか、そういった情報も生徒にどんどん何とか知らせていくような見える化させることが大事になっていくと思います。エネルギーの消費量の見える化もそうですし、CO2の見える化もそうですし、お金の見える化も大事だと思います。  教室とか学校というのは子供たちが最初に学ぶ社会の入口ですけれども、子供たちがそこで学んだことを家庭に持ち帰って、こんなことがあったよと両親に言うと。親は、特に最近の子供は環境教育をよく受けていますから、お母さん、何でこんなごみの捨て方をするのとか、よく怒られると、しかられているのか分からないですけれども。  そういった意味で、これだけのお金が掛かる、ただし、それは将来の投資でもあるということを学校のそのエネルギー教育の中でもよく指導をしていただけると、低炭素社会に向けた人づくりにつながると思います。  芝生の方は、私はちょっと知見がありませんのでお答えできませんけれども、何とか学校の先生だけでそういった面倒を見ないような仕組みを是非、先生方で考えていただけるといいかなと思います。

石井一民主党・新緑風会・国民新・日本

○会長(石井一君) 主濱了理事。

主濱了民主党・新緑風会・国民新・日本

○主濱了君 三人の参考人の皆様には本当にありがとうございました。  私からお三人の参考人の皆様にそれぞれお伺いしたいんですが、二点お伺いしたいと思います。  第一点は、先ほど来ずっと問題になっております中期目標について。この中期目標、三月二十七日、政府から五つの案が提出をされたと、こういうことであります。この五つの案、それぞれいろいろ考えていきますと、今後の検討に当たりましては、一方にはIPCCの科学的な知見がある、もう一方には経済性であるとかそれから実現性と、こういったような問題があると思います。その中間に各国の動きがどうなるのかと、こういったような動きでいろいろ検討されていくんじゃないかなというふうに思っております。  この中期目標を作るに当たりまして、私はもし京都議定書、これがこの約束期間中に実現されるのであれば、これは九〇年比でマイナス〇・六まで行くはずですよね。そうすると、今提出されている案の中にはもう全くお話にならない案が含まれているのではないかと、こういったような感じを持っております。結果として、私としてはIPCCの科学的知見、二五から四〇まで、ここに近づけたような案でなければならないのではないかなというふうに思います。  この点について、これから検討されるわけですので様々な支障があると思いますが、現時点でぎりぎりのところまで参考人の皆様の御意見をまずそれぞれ伺いたいと思います。  それからもう一点。もう一つは、コンパクトシティー、これは手法の問題ですけれども。コンパクトシティーという考え方、実は三、四年前の白書には大分書かれているんですよ、最近ちょっと見かけませんですが。このコンパクトシティーについてどう考えるのかということ。  特に、地方都市では逆に本当はエネルギー消費を縮めるためにはシティーをどんどんどんどん狭めていけばいいという、市街地を活性化するような方向に持っていけばいいんですが、ところが、例えば郊外型のモールとかそういうものがどんどんできて市域が広がっていく傾向にあるというふうに私、思っております。  この点について、ひとつ参考人の皆様の御認識と、もしそういうふうに市域が広がって、そのことによってエネルギーが拡散して大きくなっていくんであれば、それを逆の方向に持っていかなくちゃいけない。そういうことについてのお考えがあるのであれば是非ともお聞かせいただきたいと。  こういう二点でございます。よろしくお願いします。

中上英俊株式会社住環境計画研究所代表取締役所長

○参考人(中上英俊君) 中期目標についてですが、私、これでコメンテーターで一度何か委員会に呼ばれていって話をした覚えがございますけれども、私、個人的に思っておりますのは、長期エネルギー需給見通しもそうですけれども、ターゲットの年を絞ってそこに向けてどう走るかというシナリオはいいんですが、皆様、御覧になりますと、来年からすぐ下がるような絵に大体なっているんですね。事はそんな簡単ではないと私は思っておりまして、人口が減り始めた二〇〇五年ですけれども、人口減によって社会全体のエネルギー消費量が減るだろうという長期需給見通しは二〇二一年ごろなんですね。そのぐらいまでは増えるんですね。それから、世帯数もそうですけれども、人口は減り始めていますけれども、世帯数はやはり十数年たって減り始めるという、慣性といいますか、なかなか車は急に曲がれないといいますか、巨艦は急に曲がれないわけでして。  ですから、中期目標といいながら、もう時間が余りなくなってきていると。十年というスケールは、方向を変えるところまでは行くでしょうけれども、変わって落ちるというところまではなかなか行かないんじゃないかと思うのが私のいつもの感じでございまして、したがいまして、二〇四〇年、五〇年と三十年ぐらいあれば、例えば住宅だと恐らく相当数が建て替わるわけです。十年ですと、目いっぱいいっても一千万戸ぐらいしか建て替わらないわけでありまして、四割は既存の住宅が残ってしまうわけですね。ですから、中期目標といいながら、かなりもう時間的には短期に近くなっているということを考えてみれば、高い数字を言うのはいいですけれども、実現可能かなというのは、私は個人的には極めて難しいと。  私自身は、京都議定書のときにもそうでしたけれども、京都議定書が具体的な施策として走り始めたのは二〇〇六年以降ですよね。ロシアが参加して議定書が発効したために、そこから本当に走り出したと。本来ならもっと、五年前から走れたはずが走れなかったわけですね。二〇〇五年、六年から走り始めて二〇〇八年から減るという話は、これは普通は無理なんですよね。そこが議論している立場と実際とのずれになってつながって、いつもジレンマになってしまう。だけれども数字を出さなきゃいけない。  私は、何でもかんでも世界一である必要はないと、飯田さんには申し訳ないですが、思っていまして、そのうち中国が太陽光で一番になるに決まっているわけですね、人口が日本の十倍もいるわけですから。もちろん、ドイツは日本より人口が少ないですから、負けるのはしゃくですから、それは追い越そうと思いますけれども、何も、何でもかんでも世界一である必要はないです。  自分たちの立ち位置といいますか、軸足がどこにあるかを見極めて議論すべきなのに、数値だけが走ってしまう。確かに目標は高い方がいいと思いますけれども、できもしないと言ったら言い過ぎですが、かなり困難な目標を国民全体に強いてしまうことになりはしないかということが、私自身はいつも民生の家庭部門をやっているがゆえに非常に強く感じるわけでして。  だから、お答えにはならないかもしれませんが、中期目標についてどうかと言われたときには、私は、行ってせいぜい長期需給見通しの厳しいシナリオぐらい行けばかなり成功だろうと。もう少し時間があればもっと、減り始めれば速いですから、減り始めるのがいつかと見極めると、来年からはとてもすぐには下がらないと思いますので、かなり厳しいのではないかと私は思っております。  それから、二番目のコンパクトシティーですが、これも同じことでございまして、都市ができ上がるまでには相当な時間が掛かるわけです。ですから、時間軸を相当慎重に見極めて議論をしないと、今から多分、町づくりを始めて町が落ち着くには三十年、四十年掛かるわけですね。そのぐらいのスパンで話をしているかというと、どうもそうではなくて、もっと性急な議論に走っているような気がします。例えば、田舎に行きますと車がなければ生活できないという、いや応なしにそういう暮らしになっておりますから、そこでコンパクトシティーにしろといっても、やっぱり分散に今のところは走ってしまっている。  そうすると、抜本的な何か対策を考えなきゃいけないんですが、それをやったとしても、現実としてコンパクトシティーが実現化するためには時間が掛かる。時間というファクターをもっとやっぱり重要なファクターとして考えて議論すべきではないかというのが私の意見です。  個人的な意見を述べさせてもらいました。

藤野純一独立行政法人国立環境研究所地球環境研究センター温暖化対策評価研究室主任研究員

○参考人(藤野純一君) どうも御質問ありがとうございます。  まさに中期の数字を作る真っただ中におる者なんですけれども、我々の見立ては、政策がきっちりと入っていけば二〇二〇年、マイナス七%は十分できますし、また、マイナス一五%も技術の積み上げをかなりのペースでやっていくとできる。もし、もっとすごい対策までやると二五%も数字としては何とか積み上がるのではないかというような推計をしています。  ポイントは、もう既に政策の芽というのは出ているんですね。自動車の補助制度ももう既に始まっていますし、あと太陽光の買取り制度も一応は打ち出されています。そういった政策の芽というものを大事にしながらそれを更に加速させていけば一五%は我々の推計では十分希望を持ってできるのではないかというふうな計算をさせていただいています。  その中で、国際交渉とのつながりという御指摘も飯田さんの方からありましたけれども、今我々が計算している主な尺度というのは、どれだけできるかという限界削減費用というものを使ってメーンに計算していますけれども、国際的な尺度で見ると、あとほかに公平性とか、それとか能力とか、そういったものもあるんですね。  例えば、一人当たりの排出量を均等化するというのは、それぞれの割り当てられた権利というものもありますし、あと、GDPの経済規模の大きいところが負担をしていくという能力というような話もあるんですけれども、今の日本のその数値の決め方が専ら限界削減費用という能力、能力というか、実際、実効性のところばかり議論していて、それが、六月のボンのSBSTAだったりとか、十二月のコペンハーゲンのあのCOPの場で皆さんと同じ土俵で話し合えるのかどうか。ここら辺は我々も研究者として、国際舞台を見るとそういった三つの大きな指標がありますけれども、それを見ながらやはり数字を議論しないと、恐らく交渉のトップに立つ外務省の方々は戦えないと思うんですね。  そういった数字を準備することが実は中期目標で本当は大事なことであって、中期目標では別に数字を作るというか決めるのは、最後、首相が決められますから、そういった十分な準備をするということが大事で、もし皆さんの目でまだ準備が足りていないということになると、我々はもっとまた計算をして、トップに立たれる方が戦える数字は是非研究者として作り出していきたいと思っています。  あと、コンパクトシティーのお話ですけれども、もうヨーロッパの例を見るまでもなく、そういったことで、例えばヨーロッパもありますし、アメリカのポートランドという町がありますけれども、そこでは自転車道を普及させるというような活動をして、それによって実際、町のCO2排出量が一九九〇年に比べて今、二〇〇〇年から二〇〇五年で一〇%ぐらい上がったんですけれども、またゼロ%に戻ってきているんですね。そういった意味でコンパクトシティーの効果というのはありますけれども、そのためには人々が町づくりに参加していかないと多分そういった計画はできないと思います。  私のスライドの最後の方にオーストラリアのパースで行われたタウンミーティングの資料をちょっと含めさせていただいているんですけれども、やはりそこに住んでいる人がどんなふうな町をつくりたいのか、自分の問題にするということにしないと町のマスタープランというのはいつまでも数人の人が決める話になってしまいますから、そこをよくよく見極めるという住民参加型のサイエンスが必要だというふうに感じています。

飯田哲也特定非営利活動法人環境エネルギー政策研究所所長

○参考人(飯田哲也君) まず、中期目標につきましては、まず私の尊敬するデンマークのヨアン・ノルゴー先生の言葉に、未来は予測するものではない、選ぶものであるという言葉があって、確かにエネルギーというのは集団現象なので簡単に変えることもできないんですが、一方で自然現象ではないわけです。ですから、エネルギーと経済の在り方というのは政策によってある程度というか、むしろ政策で強引に変えていかないといけないわけですね。  先ほどちょっと中上参考人がおっしゃったように、こういうふうになるということではなくて、政治的な意思でこういうふうにしなければならないわけですけれども、京都議定書以降、実はもう京都議定書を日本は締結しているわけですから批准をして何かどうのこうのなったかということではなく、批准をした段階からもう実効的な政策を次から次に本来打つべきであったにもかかわらず、一向に打たれておらず、ましてや、先ほど私、資料にお出ししたように、電源設備、電力供給計画には二〇一〇年代にまだ石炭火力の増設がめじろ押しであると。こういったことも、一つ一つ裏を見ていくと、既に電力会社と経産省の言わば覚書とかが確定していて、そういうものの水準で動かせないんだというふうになっているわけですね。  そういうことも含めて覆していかないことには、中期目標をまず数字を幾らにするという意味では極めて高い目標にする必要があるんですけれども、仮にプラスの目標を出したとしても、施策を打たないとそのプラスの目標すら達成できないのではないかと私は危惧を覚えていまして、制度を導入することも、EUのEUETSを見ても、まずは予習期間から見て何年も掛かるわけですね。制度が実効的になるにも時間が掛かりますから、今すぐそこの様々な制度にきちんと踏み込んで実効的な施策を作るということにまず全力を挙げながら、そして、それに裏付けられて高い目標値を掲げるということがまずは大前提で必要だと思います。  そうはいっても、もう既にプラス九・二%まで来ていますから、京都議定書のときのように森林吸収源という棚からぼたもちのようなギフトはもう日本はもらえることはさすがに不可能だとすると、これからの削減というのはもう正味の削減になっていく。  そうすると、本当にどこまで可能なのかというところは、一つはやはりぎりぎりの、ちょうどアメリカも相当超過しておりますので、国際的にきちんと説明が付く形での日本としてある種のロジック作りというのが、今のようなごまかしのようなロジックではなくて、二〇五〇年の半減に必ずたどり着くけれども、これまで日本は九・七%増やしてしまったと、しかし、二〇二〇年はこの数字を通過させることで二〇五〇年はこれを絶対到達するんだということを実効ある形で見せないことには、日本の国際社会における存在意義が私は問われると思います。  もう一つ、中国なんかから、先ほど藤野さんからも出ていましたが、単純に一人当たりではなくて、歴史的に排出した量でもってやるべきではないかというのがもう中国から正式に提案が出てきています。それは極めてリーズナブルな提案だと思いますし、単純に先進国何%削減ではなくて、途上国を巻き込む形でそういった全く新しい枠組みも入ってくる可能性があります。  そういったところもきちんと視野に入れながら、国際交渉のところはきちんと戦略的に幾つかの弾を日本が持っていかないといけない。それが、日本の中に制度が何もないと、どんな数字を出してもそれは空砲のようなものになってしまうので、本当に実効的な政策をきちんと踏み込んでやっていくということをやるべきときだということを私は思っております。  あと、コンパクトシティーの話は、これもやはりコンセプトとしては私は基本的に大賛成で、そういう方向性に持っていくというところはいい思うんですが、どこまで行ってもコンセプトでとどまっていまして、私は幾つかの自治体のアドバイザリーに入っていますけれども、コンセプトで入った後、最終的に現実に、じゃ、それが例えばLRTのプログラムまで下りていくかとか、きちんとした都市整備のお話まで下りていくか、あるいはきちんとした土地利用計画でスプロール化を防止する形できちんとアレンジできるかというと、やはりこれは恐らく地方分権も絡むんだと思うんですが、そこまでのなかなか実現力が日本の中では、これも複雑に絡み合った規制とそれから権限の移譲ができていない、財源の不足、様々なもので実現の道筋はほとんど見えていないという状況ではないかというふうに思っています。  その辺りももっと、先ほど藤野さんおっしゃったようなボトムアップで、住民参加型で究極的には魅力ある町づくりをそれぞれの地域、地域で実現していくということは、コンパクトかどうかという形というよりも、本当に魅力ある都市にしていかないといけないと。地方自治体は今本当に疲弊しているということを実感していますし、それを内実のある都市づくりに中央政府がどう支援し、地方自治体がどういうふうに二本足で踏ん張るのかということに踏み込んだ政治が必要ではないかというふうに思っております。

主濱了民主党・新緑風会・国民新・日本

○主濱了君 どうもありがとうございました。

石井一民主党・新緑風会・国民新・日本

○会長(石井一君) それじゃ、神取忍君。

神取忍自由民主党

○神取忍君 ありがとうございます。  三名の参考人の方々、貴重なお話をありがとうございました。  飯田参考人に教えていただきたいんですけれども、自然エネルギー五〇%以上でCO2が七〇%以上削減されるという中で、風力発電、風力が結構割合が私的には平均が高いかなと思っているんですけれども、なかなか風力は難しいと今言われている中、今後また時間がたっていく中できっとここまで行くと思うんですが、その根拠を教えていただきたいのと、中上参考人にも教えていただきたいんですけれども、太陽熱温水器、先ほどちらっとお話が出たんですけれども、オール電化とかガス給湯器とか、そういった中で、装置がやっぱりいろんな問題になっていくと思うんですけれども、その辺を打開する何かアイデアがあったら教えていただきたいと思います。

飯田哲也特定非営利活動法人環境エネルギー政策研究所所長

○参考人(飯田哲也君) お答えします。  先ほど、二〇五〇年のビジョンでお示しした図ですが、まず、このバックデータは、実は日本風力発電協会と風力発電懇話会で出していただいた数字をそのまま採用させていただいております。  私は決して少ないとは見ておりませんで、今、グローバルに見ると、風力発電は約一億三千万キロワットで、原子力は四億キロワットで、あと数年で原子力の設備容量を超すというふうに言われております。太陽光は、まだせいぜい一千五百万とか、大体風力の一けた小さい数字で、グローバルに見るとこれは当然の経済原理で、太陽光発電に比べて風力発電は導入コスト、発電コスト共に一けたぐらい、一けたまでは行かないにしても極めて経済的に安いので、風力発電の方が普及するというのは、これは経済原理にのっとっているということです。  日本がなぜ風力発電が少ないかというと、これは経済原理がそのまま機能していないということで、一番大きな理由は、電力会社が過剰に送電線を風力発電を使うことに関して制約を設けていると。これは、もう私どもホームページで公開しておりますが、それぞれの電力会社が、例えば九州電力が五万キロという制約を設けて、そこに七十万キロワットの風力発電の応募があって、十四倍を抽せんで決めているような状況があるということですね。それが、系統に制約があるという口実なんですが、現実的に系統に制約があるという事実はほとんど見当たりません。そういった系統が、日本の場合は電力会社が厳しい制約を設けているというのが最大の制約です。そのほかにも、最近ですと建築基準法、それから鳥や低周波、あるいは景観といったところで幾つかの反発があって、そういったところのきちんとした風力発電を開発していくような道筋が日本の中で十分に整っていないと。  太陽光は、屋根に付けていくのでそういった障害が比較的少ないということと、電力会社が今のところはほとんど制約なく受け入れているということから、日本の場合は太陽光の方が風力よりも普及しているという諸外国ではほとんど見られない逆転現象が起きているという状況です。

中上英俊株式会社住環境計画研究所代表取締役所長

○参考人(中上英俊君) 太陽熱温水器は太陽光発電にもう押されまくって何か日陰者のようになっていますけれども、日本でははるかに歴史がありますし、この方が省エネ、コスト的にもはるかに有利なんですけれども、一時期無理な押し込み販売をやった業者がおりまして、あれからすっかり太陽熱温水器が姿を消しまして、残念ながら、例えば真空管式の温水器のメーカーが日本からいなくなっちゃったりしているんですね。もう中国から輸入するしかないみたいな状況になって、非常に寂しい状況でありますが。  今御質問がありました昔の温水器は、温めてどんとおふろ場に落とすと、こういう単純な使い方だったんですが、もう今どのおうちだって蛇口をひねればお湯が出るようになっていますから、太陽熱温水器がある場合には、やっぱりボイラーと一緒に設備を一体化してやらないと使い勝手が悪いんですね。そういうところの開発がこの空白の時期の間に全部止まっちゃったわけです。  ところが、最近になりまして、改めて太陽熱温水器に対する評価もじりじりと上がって戻ってきておりますので、メーカーによりましてはボイラーと太陽熱温水器を一体化したスマートな、今までの温水器、みんな上にタンクが乗っていますからぶざまな、格好が悪いと言われるんですけれども、ああいうタンクがなくて、タンクはもう下の設備と一体になっておりまして、そういう温水器が開発されておりますし、ガス会社も、例えば東京のようなところですと集合住宅が多いわけですから、集合住宅ですと太陽熱温水器も一家に一台ってなかなかいかないんですが、ベランダのところに置いて、多少集熱効率は落ちますけれども、それを利用してガスボイラーと一体化して利用するというような機器も開発されて、これはURと一緒に開発して、多分もう市販されると思いますが、徐々にではありますけれども、そういう動きが出てまいりましたので、これからは太陽熱温水器も息を吹き返してくると思いますので、是非御期待いただきたいと思います。

石井一民主党・新緑風会・国民新・日本

○会長(石井一君) それじゃ、郡司彰君。

郡司彰民主党・新緑風会・国民新・日本

○郡司彰君 三人の参考人、本当、大変に参考になりました。ありがとうございました。  こういうことが問題になってからしばらくたつわけでありまして、いろんな知識、資料を私どもも目にしたり聞いたりすることが多くなって、それなりの知識を蓄えてきているのかなというような感じがしております。  そういう中で、排出権の取引でありますとか、あるいは森林吸収源でありますとか、このごろはまた新たに水田吸収源はどうだとか、マイナスにカウントされるポイントの問題とは別に実質的にどうしていくのかという問題があるんだろうというふうに思っておりますし、先ほどから言われておりますように、国といいますか政府といいますか、強い意思を持ってやらなければいけないということも、これ、皆さんが理解をしてきているんじゃないかなと思っておるんですね。  そういう中で、例えばスーパーのレジ袋を有料にしようとか、その他いろんなところの取組も始まってきておりますけれども、一方で、そういう中でも温暖化ってそんなに何か悪いことなのかと。例えばの話で恐縮でありますけれども、北海道がどこどこの地域ぐらいになるんだ、東京が例えば沖縄のような気候になるんだとかというような例えをするようなときもございます。人によっては、それが悪いのが分からぬと、こういうような意見を言う方もいるわけですね。  しかしながら、生態系が変わることによって一番これから考えなくちゃいけないのは、実はアフリカでしかなかったようなエボラ出血熱とか、そういうものが起こってくるんじゃないか。つまり、人類にとって感染症とか大変な脅威というものがこれから予想しなかった範囲あるいはその地域とかというところで出てくるだろう。これは大変なことなんだということも一方で聞かされるわけです。  私は、今までのお三方のお話をいただいたそれぞれの具体的なその取組というものが一方にあって、その一方の極の方で、感染症に対するような国際的な取組というものはどうしようとか、この温暖化ということの関連も含めて、そういう取組が具体的になされている。その中で日本はどのようなイニシアチブを取っているというような話もなかなか聞かないものでありますから、そういうことに関しての情報とかあるいはお考えがあれば、お三方から簡単にお聞きをしたいなと思っております。

藤野純一独立行政法人国立環境研究所地球環境研究センター温暖化対策評価研究室主任研究員

○参考人(藤野純一君) どうも御質問ありがとうございます。  感染症なり温暖化の影響の方ですけれども、IPCCのCOPの方でもアダプテーションファンドという適応のファンドができているんですね。それは、CDMでやり取りされるお金のたしか一%をそういうアダプテーションに充てようと。多分、その中に感染症という非常に大きなリスクがあるものも含めて対応されるということを聞いています。  ただ、おっしゃるように、影響の方は将来起こることもあって見えにくいので、特に日本の場合は、そういうふうに北海道が東京並みになるからいいんじゃないかとかというような議論に陥ってしまう。温暖化で一番恐ろしいのは、将来どうなるか分からなくなる、危険性が高まるという、その不確実性が高まるということだと私は理解しているんですけれども、CO2がごみだということをはっきり見える化させるということがそういうのを防ぐためには大事なことで、普通のごみは皆さん見えるので、それを業者が持っていって、それで、埋め立てていって埋め立てる場所がなくなったとかという話ですけれども、我々は大気にそのごみを出していますから、そこの大気の容量がどんどん減っているということが実は温暖化なんですけれども。  そういった意味で、その感染症によってどれだけ影響が起こるかというコスト、これも見える化をしっかりさせていかないといけないのと同時に、スーパーのレジ袋の有料の話もとてもいい例で、今までレジ袋、ポイント制で、例えば二十個ポイント集まったら百円ペイバックしますよというものだと、調査だと、仙台市だと三、四割の人しかそういうの参加しないんですけれども、一枚五円になるだけで八、九割の人がもうレジ袋は要りませんよという見える化が行われるんですね。  要するに、感染症のリスクの見える化もするのと同時にCO2の価格の見える化をしていかないと、そちらの方の議論に、同じ土俵にのらないので、そういうのも併せて考えていく必要があると考えています。

飯田哲也特定非営利活動法人環境エネルギー政策研究所所長

○参考人(飯田哲也君) 感染症あるいは先ほどのミティゲーション等々について、あるいはアダプテーションについては、それほど私は余り知見を持ちませんので、的確にお答えはなかなかできないんですけれども、私の知っている範囲のことで申し上げると、まず、基本的に地球温暖化というのが日本では流布しているわけですけれども、英語では、御承知のようにクライメットチェンジという、いわゆる気候が変動するということで、これも先ほど藤野参考人がおっしゃったように、単純に暖かくなるということではなくて、不確実性のリスクが高いということが、まずきちんと共通認識が必要ではないかということが第一点かと思います。  それから、二〇〇四年だったか、まだブッシュ政権時代のアメリカ国防省が、急激な気候変動、アブラプト・クライメット・チェンジという、地球温暖化は、単純にCO2濃度が高くなって一様に暖かくなるんではなく、どこか平衡状態がいきなりずれて急激に気候変動を起こすリスクはあり得ると。そのときに、例えば食料が取れなくなる、あるいは様々ないわゆる温暖化難民が出てくると紛争も大いにあり得るんではないかということで、紛争危険地域をその中でもいろいろ描き出していた報告書がもう五年も前に出ているかと思います。  そういったことも含めた、これはいかにもアメリカらしい、国防省らしい視点ではありますが、こちらは国単位で見た気候の安全保障ですし、もう一つは、ヨーロッパや国連のいわゆる持続可能な開発ということで、途上国の発展、いわゆる開発とそれから環境の保全をどういうふうに調和させるのかという人間の安全保障の視点から立った気候の安全保障と、大きく二つの視点をやはり我々日本政府として、もちろん日本の国自身の国土の保全というのも極めて大事ですし、食料安全保障とも様々に絡んだことも大事なんですが、グローバルに見てそういう気候の安全保障という視点からきちんと政策を見ていくということは必要ではないかというふうに思っております。

中上英俊株式会社住環境計画研究所代表取締役所長

○参考人(中上英俊君) 私も専門ではございませんのでお答えにならないと思いますけれども、いずれにしましても、この問題は、温暖化というほんわかしたイメージなものですから、一般の消費者の方々にお話ししても余り危機感がないんですね。もう少しいいネーミングにそれこそしておくべきだった。それが変わって低炭素になったかもしれませんが、ますます分かりにくくなっているんじゃないかと思いますけれども。  もう一点、やはりいわゆるユーザーサイドから考えると、時間が長いんですね。随分先のことですから、ぴんとこない。それからもう一つは、見えない。だから、まるで危機感がないわけですね。  ということになると、これどうやって変えていくかというと、いろいろ飯田さんを始め議論がありましたように、政策を強力に打っていかなきゃいけないんでしょうけれども、やはり哲学とか価値観みたいなものに立ち返って、そこからじゅんじゅんと説いて、やはり教育も含めてそういう活動をもう不断にやり続けるということをやらないと、一般の方々にはなかなかやっぱり今でも理解していただけないんじゃないかと。私、飯田さんと御一緒している合同審議会に出ておりましてこういう暴論を吐いたことがあるんですけれども、我々ここでこれだけ熱くなって議論をしておりますけれども、一歩外に出たらほとんどの方は考えていらっしゃいませんよと言ったんです。多分そうだと思うんです、今でも、残念ながらですね。  そのためには、あらゆる手だてを尽くさなきゃいけませんが、やっぱり価値観を変える、哲学にまで持っていかないと、この超長期の、しかも目に見えない事柄を実際の行動にまで結び付けるというのは非常に難しいんではないかと思っておりまして、したがって、時間があるうちにやればいいんですが、どんどんどんどん時間がなくなってきますので、そういう意味ではいち早く、これも飯田さんがおっしゃいましたけれども、打てる手は打っていくということに尽きるんではないんでしょうか。  お答えではございませんけれども、私の考え方でございます。

石井一民主党・新緑風会・国民新・日本

○会長(石井一君) それじゃ、この質問者をもって今日の最後にしたいと思います。  牧野たかお君。

牧野たかお自由民主党

○牧野たかお君 ありがとうございます。  飯田参考人に、未来は予測するものじゃないとおっしゃいましたけれども、ちょっとその予測することをお聞きしたいと思うんですが。  先ほども、一番最初の御説明の中でアメリカのグリーン・ニューディールのお話が出ましたけれども、私が思うに、いろいろなところの報道とか、いろんな書物を読むと、どうも本気でやるつもりなのかなという気がするんですが、過去、IT革命のように、アメリカは経済が疲弊したときに必ず新しい分野で新しいビジネスをつくって、それを世界に普及させるというのが何回も繰り返されてきましたけれども、今度もそういうことを想定した中で、さっき、政府保証の形式を使って今お金を民間から集めてビジネスとしてグリーン・ニューディールを実現していくということで御説明がありましたけれども、車も今のガソリンを使った車から電気の自動車に変えていくでしょうし、電力も化石燃料を使った発電から風力等で蓄電をしてそれを一つの都市でぐるぐる回すようなことを一つの構想として挙げておりますけれども、アメリカがこの政策を本当に実行して成功すれば、私は世界に、特に先進国、ヨーロッパとか日本にはすぐさまその風がやってくるんじゃないかと思うんですけれども、そこら辺の、成功するのか、そしてまた、アメリカは戦略的に、要は、この地球温暖化を止めるための政策であってもビジネスとして一大ビジネスの分野をつくっていくつもりなのか、そこら辺、お分かりの範囲で教えていただきたいと思います。

飯田哲也特定非営利活動法人環境エネルギー政策研究所所長

○参考人(飯田哲也君) 本日お配りした資料の三十二ページ目、添付資料のところに既に参考になる資料を入れておりますけれども、今の御質問にお答えしますと、ある程度の成功は既に実は約束をされていると。量的なイメージでの成功です。質的な転換のところは、これから大きな言わばイノベーションのチャレンジだというふうに見ております。  量的なところは、このお手元の資料にありますように、元々ヨーロッパ、ドイツや北欧が切り開いた自然エネルギー市場が、五年前にはわずか一・六兆円のマーケットだったのが、一昨年で、これで見て十三兆円程度、昨年もほぼ横ばい、昨年はさすがに金融危機の影響を受けて横ばいだったんですが、それまで六〇%程度の成長をしておりまして、これが仮に、六〇%行かないまでも三〇%程度の成長が十年続くと、世界の自動車産業の規模にこの自然エネルギー産業の規模が並ぶという形になっております。そういう意味で、今、百年単位での、言わば二十世紀が自動車の世紀であるとすれば、二十一世紀が自然エネルギーの世紀と言っても、これ、産業で見て過言ではない、そういう時代の今、入口に、とば口に入っていると。  実際に、この右側の、これはリーマン・ショックの前の表なんですが、日本のトヨタを筆頭とするそうそうたる一部上場企業の株式時価総額に世界の自然エネルギー企業の時価総額を入れるともう次々にランクインをしてきているということで、実はこの企業群の中に日本企業は、総合メーカーとしてはシャープさんとか幾つかあるものの、自然エネルギー単体企業としては一社もないという状況です。  シリコンバレーを始めとしてベンチャーキャピタルはこの投資の中でもう今うなぎ登りに増えてきていまして、こういった制度的な基盤と投資の基盤が実はベースにあって、ヨーロッパもアメリカもこれを加速するための施策ということでグリーン・ニューディールがどんとあるので、電気自動車というのは実はサイドストーリーというか、横のストーリーで、風力であるとか太陽光であるとか、こういう自然エネルギー産業が実はグリーン・ニューディールの直球ど真ん中というか、本命としてあるというのがまず中心です。  その横にもちろん電気自動車もあり、先ほどのスマートグリッドをグーグルなんかが考えている十年単位で見た新しい投資先として、かつインターネットが十五年前ぐらいに入ってちょうど経済の在り方が大きく変わったものに覆いかぶさるように、このエネルギーとインターネットと電力市場をオープンソースにしていくようなマーケットをアメリカは確かにつくろうとしていると思います。それは、ヨーロッパも実はスマートグリッドは相当力を入れていて、電力市場改革という意味では実はアメリカより今ヨーロッパが一歩進んでいるわけです。  これが成功するかどうかは、インターネットとの違いというのは、インターネットは言わば無から始まったものなので、唯一通信規制とのインタラクションがあったぐらいで、比較的フリーな成長であったということです。このエネルギーの分野、特に電力市場というのは、どこの国も、日本もそうですが、規制の塊なわけです。この規制の塊の中でこういうオープンソースのマーケットができるかどうかというのは、これはやってみないと分からないというか、いろんな障害があり得るので、確実に成長するかどうかはこれからアメリカやヨーロッパの腕の見せどころですが、ただ、日本も指をくわえて待っているわけにはいかないので、まずはこの量的な成長分野であるところの自然エネルギー及びその低炭素自動車、これは日本はやはりきちんと後押しすべきでしょうし、この新しいイノベーションの芽としての電力とインターネットと電力市場のオープンソースをやはりきちんと日本も可能性は追求すべきだろうというふうに思っております。

石井一民主党・新緑風会・国民新・日本

○会長(石井一君) それでは、今日の質疑はこの程度といたします。  一言ごあいさつ申し上げます。  飯田参考人、中上参考人及び藤野参考人におかれましては、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、調査会として大変参考になりました。会を代表して厚く御礼を申し上げます。ありがとうございます。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十一分散会

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