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171回国会参議院2009/02/25

国際・地球温暖化問題に関する調査会 第3号

発言数
82
登壇者
21
会派数
4
開催日
2009/02/25

会議録

石井一民主党・新緑風会・国民新・日本

○会長(石井一君) ただいまから国際・地球温暖化問題に関する調査会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、広中和歌子君及び木俣佳丈君が委員を辞任され、その補欠として高橋千秋君及び大島九州男君が選任されました。     ─────────────

石井一民主党・新緑風会・国民新・日本

○会長(石井一君) 国際問題及び地球温暖化問題に関する調査を議題といたします。  本日は、まず、「日本の国際社会における役割とリーダーシップの発揮」のうち、NGOの役割に関し、NGOの役割及び今後の課題について参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。  本日は、特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン常務理事・事務局長片山信彦参考人及び中央大学総合政策学部教授目加田説子参考人に御出席をいただいております。  この際、一言ごあいさつ申し上げます。  両参考人におかれましては、御多忙のところ本調査会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。  本調査会では、「日本の国際社会における役割とリーダーシップの発揮」について重点的かつ多角的に調査を進めておりますが、本日は、NGOの役割に関し、NGOの役割及び今後の課題について両参考人から忌憚のない御意見を賜りまして今後の調査の参考にしたいと存じます。何とぞよろしくお願い申し上げます。  本日の議事の進め方でございますが、まず片山参考人、次いで目加田参考人の順でお一人二十分程度御意見をお述べいただいた後、午後三時ごろまでをめどに質疑を行いますので、御協力をよろしくお願い申し上げます。  なお、御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、片山参考人から御意見をお述べいただきます。片山参考人。

片山信彦特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン常務理事・事務局長

○参考人(片山信彦君) ただいま御紹介を賜りましたワールド・ビジョン・ジャパンの片山と申します。  大変重要な調査会で、それも、その中でNGOを取り上げていただけるということ、大変光栄に思いますし、また、委員の皆様方の見識の高さというものを感じております。  私のワールド・ビジョン・ジャパンでの経験を基にしまして、いただきましたテーマに従いまして、日本のNGOの役割あるいは今後に向けての課題について、しばらくお話をさせていただきたいと思っております。  お手元に発表のレジュメを用意させていただきました。大きな発表の要点は四つでございます。  まず第一番目に、「ワールド・ビジョン・ジャパンについて」というところで日本のNGOの概観をさっとしておきたいと。これは前回の、既に、調査会でも外務省等からのお話もありましたので、非常に短くさせていただきたいと思っております。  御承知のように、日本の国際協力、開発途上国で活動をするNGOの数は大体四百から五百ぐらいあると言われております。  会費あるいは一般の方々の寄附金は二百八十六億円。これは二〇〇四年度ですが、それよりも大幅に増えているということはございませんで、大体三百億円前後ぐらいだと思います。しかしながら、この四百から五百のNGOでやりますと、平均が一千万円。年間の予算が一千万円以下のNGOが約半数以上あるという状況で、日本のNGOの活動規模というのは、欧米と比べますとそれほど大きいということではございません。  会員数が十八万人、寄附者三十四万人、合計約五十万人ぐらいの方が日本のNGOに対して非常に関心を持ち、具体的な支援をしてくださっている層であろうというふうに思っております。  有給のスタッフの数は、日本のNGOの場合、約三千人でございます。無給で働いている、ボランティア的に働いている方も加えまして五千人ぐらいが日本のNGOで働いているということでございます。  活動の分野は、せんだっての調査会でも発表ございましたが、非常に多岐にわたっておりますが、近年は特に政策提言、アドボカシーと申しますが、政策的な分野での活動も盛んになりつつあるということが概観でございます。  次に、私の属しておりますワールド・ビジョン・ジャパンの少し具体的な例を取ってNGOの活動について御説明を申し上げたいと思いますが、お手元に私どもの年次報告書というものを置かさせていただきました。昨年度一年間での活動を表した年次報告書でございます。  開けていただきますと、二ページ目に、私どものワールド・ビジョン・ジャパンが、昨年は三十五か国の国々で約百五の支援事業を実施させていただきました。主にそれは開発援助と申しまして、地域で、その地域を活性化してもう支援が要らなくなるようにするという地域の自立に向けた地域開発援助事業というものが大きな柱で、その中心はチャイルド・スポンサーシップと申しまして、子供の支援を柱にしまして地域の自立を目指すものでございます。  二番目の活動の柱は緊急人道支援でございます。昨年は、五月のミャンマーのサイクロンあるいは中国の四川の地震等、自然災害が多く発生した年でございましたが、それ以外にもアフリカの国々で、例えば南部のスーダンでありますとかアンゴラでございますとか、紛争による緊急人道支援の活動も行わせていただきました。  三番目の柱は、先ほど申しましたアドボカシー活動、政策提言活動でございます。昨年はG8のサミットがございましたし、また、横浜でのアフリカ開発会議等ございまして、世界中が日本に注目をし、また政策的な日本の国際貢献、特に政策の面での関心が高まった年でございまして、私どもは特に子供の健康回復、あるいは子供の支援ということを中心とした政策の提言をさせていただきました。  それが昨年度の活動でございますけれども、事業規模について少しお話をさせていただきたいと思います。  十六ページをお開けいただきますと、昨年度の年間の収入が出ております。十六ページの上のところに、会計報告の一番上の左側に収入の部と出てございます。  昨年度一年間で私どもの一番大きな収入はチャイルド・スポンサー、子供の支援ですが、これが約二十二億円ございました。その他の募金等を集めまして、一般の方々からの寄附金、募金、あるいはチャイルド・スポンサーシップの収入を合わせまして二十八億の収入でございました。それから、補助金、委託金。これは、外務省等政府機関からの資金、あるいはUNHCR等の国連機関からの事業委託金等を合わせまして、それが約六億七千万ほどでございました。一年間で、前年度の取崩し収入を入れまして、当期の収入が四十一億になっております。  最初に、日本のNGOは大体一年間で一千万円ぐらいの規模が半数を占めていると申しましたが、私どもの四十一億という数字は、非常にほかのNGOと比べますと収入が大きいというふうに言ってよろしいかと思っております。  ただし、この年次報告書の一番最後のページを御覧いただきますと、私どもワールド・ビジョンの国際的なネットワークでほかの国との比較で見ております数字を最後のページに、二十一ページに載せておりますけれども、ワールド・ビジョンの例えばアメリカ、ワールド・ビジョンUSというのは、昨年度、年間に十一億ドル、約一千二百億円の収入がございます。あるいはカナダ、オーストラリアも三百億、二百億というような非常に、私どもワールド・ビジョン・ジャパンは日本の中では比較的大きな活動をさせていただくNGOではございますけれども、世界規模で見たときに、同じ仲間でありますが、一けたも二けたも違うようなNGOが世界中には存在しております。  ちなみに、この中で、アジアの仲間でも、例えばワールド・ビジョン香港とかワールド・ビジョン韓国の方が私どもよりも大きな事業規模で進んでおります。この辺も日本のNGOが持っている課題の一つになってくるのではないかと思っております。  それでは、続けて、第二番目のことでございますけれども、NGOの役割とか特徴とは一体何だろうかということを短くお話しさせていただきます。  私のレジュメの第二番目の大きな柱のところでございますが、NGOの役割というのは、まず最初にここではっきりと申し上げなければいけないのは、反政府ではなく非政府、ノンガバメントだということでございます。ですから、NGOというと、何か政府のやることに反対をするというようなイメージをお持ちの先生方がいらっしゃるかもしれませんけれども、決してそうではなくて、公的な政府の機関とは違う性格を持っているんだということを最初に申し上げます。  それは、具体的には、市民社会をベースにして市民社会をつなぐような草の根の活動をするということ、また、人道的支援がその理念の中心でございまして、政治的な中立性を保っているというのがNGOの役割であり、また特徴であろうと思っております。  ですから、私どももそうですけれども、外務省と連携をしながら、政府と協力をしながら事業をすることも当然ある場合にはございますし、またある場合には、その政策についていろいろ提言をさせていただくということで、政府との関係でいいますと、良い意味での緊張関係を持ちながら民間の活動をしていくというのがNGOの特色であると思います。  二番目に、市民社会組織であるということでございます。  市民あるいは住民の声の代弁者とNGOの方では自覚をしております。そしてまた、日本の社会を考えたときに、公の官とそれから民、企業に次ぐ新しい社会のアクターになるべきであろうと。より世界に開かれた社会を築いていくための大きなアクターとしての役割がNGOに求められているのではないかと思っております。  活動の精神は、ボランティア精神。全員がボランティア、無給というわけではございませんけれども、そういうボランティアの精神に基づいて自由で創造的な活動をしていくというのがNGOの役割であり、特色であろうと思います。  それから、三番目ですけれども、国際性、国際貢献というところでNGOの役割が大きくあるだろうと思っております。  国際的な連携、連帯、協力というのが、国を超えてのそのような活動をNGOが得意としております。皆様よく御存じの、例えば地雷廃絶キャンペーンのように、世界的なあるイシューについて連携をするのがNGOの特色にもなると思います。  また、国際性ということからいいますと、国益も非常に大事でございますけれども、国益だけではなくて地球益、国益を超えたグローバルな利益を求める、それを目指すというのがNGOの役割であり、また特色であろうと思っております。  そして、第四番目ですけれども、援助効果のことですが、これは前回の調査会でよく議論をされておったことですけれども、NGOの活動を通して効果が上がる活動をNGOはできるのではないかと思っております。  それは、現場の声を聞きながら、現場の人たちのニーズに合った、そしてまた現場の人たちが自立していくような、自立を目指した活動をしていくというのがNGOの特色でございます。また、その活動を通して直接裨益者に利益が届くような支援ができる、また柔軟できめの細かい支援、そういう意味で、現場に日本人が入ったり日本の支援があるということで顔の見えやすい支援でもある、そして、比較的、公的なセクターと比べると効率的な、コストが安く済むような支援ができる、このようなNGOの活動の効果があるのではないかと思っております。  最後に、NGOの特色は非営利性、ノンプロフィットでございますので、そのことを付け加えさせていただきます。  そして、大きな三番目に移らせていただきますけれども、日本のNGOの課題と今後の提案ということに移ってまいりたいと思います。  今申しましたように、日本のNGOは、非常に広範囲にわたって、また、きめの細かい現地の人たちに喜ばれるような事業を展開しておりますけれども、幾つか課題がございます。それぞれのNGOによって課題は異なりますけれども、私の見た範囲では五つぐらいにまとめられるのではないかなと思っております。  第一番目は、財政基盤を強化する、それが課題だと。特に欧米との比較において、NGOが財政基盤がまだ日本の場合には弱いのではないか。  それから、二番目は組織運営能力ということでございます。NGOはボランティア精神でみんなでわあっと活動をしますけれども、やはりきちっとした組織運営能力、マネジメント能力、あるいは透明性とか説明責任、アカウンタビリティーということに関してもっと意識を持ってきちっと報告をしていくというようなことが課題かなとも思っております。最近、NGOの仲間でアカウンタビリティー基準というのを作りまして、NGOとしては基本的にこういうことだけは守っていこうという基準を、できてはおりますけれども、まだ弱いところであろうと思います。  それから、三番目は情報発信能力。特に、日本のメディアとの関係でまだ十分な関係構築ができていないのではないかと思います。  それから、四番目ですけれども、政策提言能力。これは、例えば調査能力でありますとか、現地の分析能力でありますとか、それを政策に生かすような立案能力でありますとか、具体的にはアカデミア、大学等の研究機関との連携ということもこれから課題でございます。ある意味でNGOがシンクタンクになっていく必要があるのではないかというのが前回の委員会でも御発言がございましたけれども、そういう面でのこれからの課題もNGOの中では持っていると思います。  それから五番目ですけれども、国際的な連携あるいは国際的なリーダーシップを取る日本のNGOがもっともっと現れてくる必要があるということも感じております。今、世界ではMDGsに向けていろんなNGOが連携をしております。そういう中で、もっともっと日本のNGOが発言をしていくこと、あるいは、国連機関との連携ももっと進めていく中で日本のNGOのリーダーシップを発揮していくというのも大きな課題だろうと思っております。  そういう課題をいかにして支援をして成長させていくか、そのことによって日本全体の国際貢献につなげていくかということになるわけですけれども、私は大きな支援は二つの面から必要ではないかなと思ってここに書かせていただきました。一つは質的なNGOへの支援ということと、量的な意味での支援ということでございます。  質的な支援というのは、組織的な面で財政基盤が弱いとか組織運営能力が弱いとか、あるいは情報発信能力ということを申しましたが、そういう面でのサポート、能力向上の支援をする必要があるのではないかと思います。  特に、この中で一番の一番下の丸ポツに中間支援組織支援と書いてございますけれども、個々のNGOのスタッフの能力向上に努めるというだけではなくて、NGOの組織的な能力向上、そのためにはネットワーク型のNGOがございます。中間支援型と申しますが、そういうところを通してNGO自身によって能力向上をしていくというのも質的な支援になっていくのではないかと思います。  量的な支援というのは、やはりNGOが実施する事業が量的に広がっていきますと、そこでいろんな経験が蓄積されて事業をより広く深く展開できますので、量的な支援というのもこれから必要ではないかなと思っております。  最後に、具体的な提言を幾つか申し上げて終わりたいと思います。  まず第一は、NGOを対等なパートナーとして位置付ける。  今までの歴史の中で、NGOの側にも問題がございましたけれども、意識を変えて、パートナーとして、特に例えば行政であるとか、具体的には私どもの場合JICAであるとか、あるいは企業との連携も最近進んでおりますけれども、対等なパートナーとして一緒に考えていくという意識をまず持つようにすることが大事だと思っております。  また、二番目は、社会的にNGOを理解する土壌をつくっていく。土俵づくりといいましょうか、支援者を増やしていくための社会的な土俵づくりが必要ではないかと思っています。  それは、法制の改善や税制の問題。これは既にほかのところでも議論されておりますが、最近、具体的な例と申しますと、住民税の一%を自分の指定したNPOに支援できるというような制度がスタートしております。これは、今の税制ですと、自分が納税した分から税の控除を受けられるというのが今の税制ですけれども、そうではなくて、住民税として出すうちの一%を自分の指定したNPOに支援できる制度というのを市川市が始めておりますが、そういうような新たな税制の取組というのもこれから必要ではないかと思います。  また、日本では寄附文化の問題がよく語られますけれども、寄附文化を育成するために、例えば学校での教育でありますとか、それから具体的には開発教育への支援ということで、国際理解あるいはNGOへの理解、あるいは寄附をするということが市民にとってとても大事なんだというような教育の支援というのもこれから課題ではないかと思っております。  三番目の質的な向上についてでございますけれども、これは現在、外務省を中心にいろいろな支援策が進められております。本当にこれはよく配慮された支援策が進んでおりますので、それを続けて是非していくことが大事だというのが第一点でございます。  それから、その支援策をやっていく中で私どもが感じておりますのは、何か集合的な研修ですとか講師を呼んで話すというのではなくて、それも大事なんですけれども、コンサルティング型といいましょうか、専門性を持った方がそのNGOに出向いていって一年とか時間を掛けてアドバイスをしていく。例えば、広報の専門家、これはいろいろな企業で広報をやっている方が一年折々にNGOを訪問をしてアドバイスをしていく、コンサルティングをしていくというふうなこと、あるいはファンドレイジングの専門家がコンサルティングをしていく、あるいは組織の運営についてしていくというようなことが具体的にございますとNGOの組織がかなり自立していくのではないかと思います。  それから、三番目と四番目は政策の問題でございますけれども、ODA政策等、政策を決定する過程でNGOの声をよりよく聞いていただく、そういう対話の場の促進ということが求められると思います。  既に、外務省とNGOの定期協議、JICAとNGOの定期協議等ございますけれども、それをより高いレベルでの対話が持たれるように、あるいは国際的な政策決定の場、特に国際会議等にNGOが参加できるように積極的に政府として働きかけていくというのもNGOの能力向上に役立つのではないかと思っております。  最後は量的な拡大でございますが、これも現状いろいろなことが工夫されておりまして大変喜ばしいところではございますが、それの充実。  一つは、NGOに対する支援の予算を増やしていく。これはODAになると思いますけれども、ODAの問題がございますけれども、予算の拡大ということ。  それから、現状のNGOへの資金的な支援といいますのは、全部プロジェクト単位、一事業単位で支援をしているわけです。一事業ごとにNGOの方でプロポーザルを書いてそれをいただくという形ですが、欧米、特にイギリスを見ますと、ブロック的な支援が行われております。  例えば、あるNGOの資格を審査をしまして、六年間という、イギリスの場合ですけれども、そのNGOが出すものについて大きな枠で、あるいは大きな予算をプロポーザル等を出していただいて、それの枠を承認をして、実際の事業の実施に関しては各NGOが比較的自由に予算や事業の変更等もできるというようなことができますと、よりNGOの運用が自由度が増しまして能力が向上できるのではないかと思います。  また、あるいは、これは一つの例ですけれども、開発援助資金拠出のための第三者的機関、官民連携の形でそういうものがあるともう少し自由に資金が動くのではないか。例えば、今は緊急支援の場合にはジャパン・プラットフォームという経団連とODAのお金が入るような仕組みがございますけれども、そういうような仕組みをつくればもう少し柔軟な資金の提供ができるのではないかとも考えております。  時間が参りましたので、最初の発言を以上にさせていただきます。  誠に、お聞きいただきまして、ありがとうございました。

石井一民主党・新緑風会・国民新・日本

○会長(石井一君) ありがとうございました。  次に、目加田参考人から御意見をお述べいただきます。目加田参考人。

目加田説子中央大学総合政策学部教授

○参考人(目加田説子君) 中央大学の目加田と申します。  本日は、NGOと政府との連携に話を特化してお話しさせていただきたいと思います。  昨今、NGO、とりわけ政府との関係、これは国際的な分野に限らず、例えば国内であれば自治体とそれからNPOの協働というような文脈でパートナーシップというものが強調されるようになってまいりました。それにつけ、自治体側、あるいはNGOとの関係ということでいいますと、外務省であったり政府側がどのような形で連携を進めていけるのかということに非常に関心が高まってまいりました。  その一つの背景には、今、片山さんの方からもお話がございましたけれども、日本のNGOというのは必ずしも、欧米諸国のみならず、その他の日本よりも経済的な規模が小さいような国であったり、あるいは民主主義制度が十分拡充していないような国においてもNGOというのは一定の社会的な役割を果たしているのに比べますと、日本はどうも社会的なプレゼンスが小さいのではないかと。  とりわけ国際的な活動をするNGOに対しては、政府としては、例えば国際機関などを通じて欧米のNGOに資金が流れている、なかなかそれを獲得するような力を持った日本のNGOが存在しないということに背景がありまして、日本の国民の税金なのだから日本のNGOにも是非そういう力を持ってほしいという期待が込められているということがあるのではないかというふうに考えております。  したがいまして、昨今では、政府とNGOがどういった場面で協力できるのか、あるいは、協力する際の障害はどのようなところにあるのかというようなことをよく聞かれるわけですけれども、そのお話をするに当たって、まず若干大きなフレームワークといいますか、現状認識から始めさせていただきたいと思います。  グローバル化というものが進行している中で国際的な問題を解決しようというふうに考えたときに、そのかかわってくる主体というのは多様化しております。今のお話にもございましたけれども、例えば民間企業が重要な役割を果たしてきているという側面もございますし、あるいは場合によっては地方自治体が重要な役割というものを担うようになってきているというようなこともございます。それと同時に、今日の主課題であるところのNGOが様々な場面で一定の、時には非常に重要な役割を果たすようになってきているということがございます。  その背景にはいろいろたくさん複雑に理由がございますけれども、あえて乱暴に二つだけ挙げさせていただきますと、一つには、NGOがやはり問題の所在地などで経験を積み、そこで知識などを吸収することによって、それらがその問題の根本的な問題解決にとって不可欠になってきているということがあろうかと思います。これは何十年にもわたって、長きにわたって現場を抱えながらそこで取り組んでいるということで、地域の問題、あるいはその問題がどのように扱われてきたのかということに長きにわたってかかわっているということが非常に強みとなって、NGOのそういった知識あるいは情報、経験というものを問題解決に生かしていこうということが大事になってきているんだろうと思います。  二つ目には、NGOには時と場合によっては政府が果たし得ないような役割、例えば、一つの国の中で武装集団とそれから政府が対立していたような場合に、その仲介役などを果たすというときに、必ずしも政府や国際機関がふさわしい主体ではないというところでNGOの需要というものも増してきているということがあるのだろうというふうに考えております。  そして、先ほど片山さんのお話にもありましたけれども、NGOの活動というのは、大きく分けますと、サービス提供型とそれからアドボカシー型というふうに二つに分けることができるかと思います。もちろん、密着しておりまして不可分の部分もあるわけですけれども、あえて本日はそのアドボカシー的な後者の機能について主眼を置きながらお話をさせていただきたいと思います。  それはまさしく政府とNGOの連携という文脈に通じてくるわけですけれども、連携といったときに、そもそも何のために政府はNGOと連携をしようとするのか。先ほど根本的な問題解決のためにはNGOが不可欠になっているというお話をさせていただきましたけれども、そもそも、どの方向に向かってどういうふうな形で連携をするのかということ、その目標、目的みたいなものを明確にしないと、連携する姿というのは非常に抽象的であいまいなものになってしまうのではないかというふうに私自身は考えております。  さらには、再三申し上げておりますけれども、日本は必ずしも世界の中でNGOが非常に活発な役割を演じているというわけではないという現実を踏まえますと、そのNGOと政府が連携するという場面がどういう諸外国に比べると比較優位性を持ち得るのか、あるいは、その他の諸国との差別化をいかに図っていけるのかということをじっくりと考えてみる必要があるのではないかというふうに考えております。  と申しますのは、例えば開発型のNGOが、欧米諸国のように、それこそ何千ドルというような資金を動かして途上国で開発事業を日本のNGOが行う、そういうNGOを育成するという場合の連携の在り方と、それから、より政策オリエンテッドな場面で連携するというのは、かなりその連携する内容というものも変わってくるわけです。  前者につきましては、これは全く私のいろいろなこれまでの研究、現場での活動などを通じて感じていることですけれども、途上国における民主化の促進あるいは経済的な発展というものに伴って市民社会というものが多くの諸国の中で活発になってきております。また、この何十年間かの開発の反省なども踏まえて、欧米のNGOが大金を持って大量に途上国に乗り込んでいくというような従来型の開発支援というものから、より地元の援助を受ける側のNGO、NPOが自立をしていく、そういった支援に昨今では変わってきております。  したがって、先進国側が例えば途上国の問題に対処するときに求められるのは、主に専門性、専門的な知識であったりあるいは豊富な経験であったりということであります。それは何を意味しているかというと、今後の日本のNGOの在り方として、大量の資金を動かして途上国に対して大きなプロジェクトを運営していくというよりは、より専門的な分野に特化した非常に専門性の高い活動というものをしていくということが求められているのではないかというふうに考えております。  したがいまして、政府との連携といったときに、こういった専門的な知識あるいは経験、ノウハウといったものを、政府側からした場合には、活用していくというような思考法でNGOとの連携というものを考えていく今後は必要が生じてくるのではないかというふうに思います。  さらに、何のために、どうやって連携をしていくのかということをもう少し考えてみますと、やはり政府側の国際情勢をどのようにとらえてその中でNGOをどう位置付けるのかというようなマインドというものが求められてくるんだろうと思います。  例えば、具体的に申し上げますと、外交政策とどのように連携をするのか。たまたま先週ですか、アメリカからクリントン国務長官が来日しておりましたので、クリントンさんが、アメリカの外交政策の柱は三Dだというふうにおっしゃっておりました。三Dというのは、そこに書きましたとおり、ディプロマシー、ディフェンス、ディベロップメントということで、これまでのアメリカは、よりどちらかといいますと防衛というものが主軸にあったと、そして開発、ディベロップメントの方はペリフェリー、周辺に追いやられているという印象があったけれども、今後はそうではないんだということを強調しておられるわけです。  その背景には、テロなどの根本的な要因の一つとして貧困問題があるというようなことが叫ばれているからだというふうに解釈できるわけですけれども、例えば、これは全く個人的にそこにデモクラシーとそしてディスアーマメントという二つのDを追加させていただいておりますけれども、日本の外交にとって軍縮の問題であったりあるいは民主化の促進であったりというのはこれまでの外交上の政策と整合性があるものだというふうに思いますので、こういった例えば幾つかの柱を立ててそこに集中的に支援を行っていく、あるいは連携を模索していくということが一つの選択肢として考えられるのではないか。  重点配分、選択と集中というふうに書きましたけれども、今であれば、例えば環境であったりあるいは人間の安全保障というのが日本の外交の柱の一つですから、その文脈の中でNGOとの選択とそれから戦略的な関係を構築していくというようなマインドを持つということが一つ重要になってくるのではないかと思います。  そして、大型のプロジェクトを大量の資金を用いて途上国などで活動するというNGO以上により大事になってくるのは、先ほど申し上げたNGOの専門性ということだろうというふうに私は考えております。  先ほど片山さんの方から御案内があったとおり、日本の中でなかなか大きな資金を運用しながら大規模なNGOを育成していくということは、今の現状にかんがみますと、非常に非現実的なのではないかなと私自身は考えておりまして、それよりは、非常に教育水準の高いこの国において、私、教育現場におりますと、若い学生は国際問題あるいはNGOでの活動というようなことに非常に関心を持っているわけですが、そういった人材を今後戦略的に活用していけるような方法、方向性というものを一つ検討してみる必要があるのではないかと考えております。  例えば、専門家を包括的に育成するような体制を整備していく。これは、現状でありますと、NGOの専門性といっても、途上国で何年住んで一つの、例えば井戸を掘るプロジェクトを五年やってきたと、もちろんその専門性はあるわけですけれども、それでは十分ではない。NGOで途上国において何年間か活動したと、それをもってして、それだけで専門性と言うわけには到底いかない。例えば、水の問題であったりとか衛生の問題だったりということを体系的に学んで、その知識を生かしていくということが必要になってくるかというふうに思います。したがって、そういう人材を育成するような体制を整えていくということが一つ大事なのではないかなというふうに思います。  さらに、研修やインターンシップ制度などをやはり充実させていくということも今後求められてくるのではないか。そこにはJPOのNGO版というふうに書きましたけれども、私自身は、NGOが今後専門性というものを向上していく中でやはりシンクタンク化していく、その中にかなりの情報、知識、調査能力、分析能力といったようなものを蓄積していくという必要を強く感じているわけですけれども、そのために、例えば、欧米のより政策志向型のNGOなどに人を派遣して、具体的にどのような形でその専門性というものを身に付け、報告、分析というものを行っているのかというようなことを研修できるような制度の支援を行っていくというようなことも考えられるのではないかなというふうに思っております。  さらに、他主体との連携ということで、これは残念ながらなかなか日本の中で広まっていかない分野ですけれども、大学や研究機関、それから弁護士の、これも日本の大きな課題ではありますけれども、プロボノ制度などをより拡充していくことによって専門的な知識というものがNGOあるいは政府との連携の中に生かされていくような、そういう体制というものを整える必要もあるのではないかなというふうに考えております。  そして、昨今の、これは日本だけに限ったことではございませんけれども、世界的なNGO業界と申しますか、NGOの世界の潮流としまして二極分化というものが進んでおります。本日おいでのワールド・ビジョンさんなどは、先ほど御案内があったとおりで、日本の中では最大手でありますが、一千万以下、本当に数百万円で活動しているNGOというのも何百というふうに日本の中にはございます。これは欧米でもそうで、やはり大手のNGOは、人材などをインハウスで抱えているということもありまして、大きな財源にアクセスできるということで、大きなNGOが更に大きくなっていって資金をそこに集約していく。そして、小さなNGOにとっては、どんどんアクセスできるような財源というものがなくなっていって、小さいところは更に小さくなっていくというような二層化といいますか、二極分化が進んでいるわけですけれども、そういった中小のNGOなどを支援して、彼らがエンパワーといいますか、より社会の中で力を持つような仕事ができるような体制を整えていく。  ここでは、インターミディアリーと言われている中間支援組織というものを一つ取り上げてみましたけれども、資金調達、例えばドイツやフランス、カナダなどの事例を見ますと、具体的にこういうインターミディアリーと言われている中間支援組織が、例えば申請書の書き方なども丁寧に教えたりという形で中小のNGOをバックアップするという体制を取っているわけです。日本にも東京、名古屋、関西などにこの中間支援組織がございますけれども、なかなかプロジェクトを運営していないということで、公的な資金を始め民間からも資金調達するのは困難であるというのが実情であります。したがって、こういった中間支援組織を今後拡充していくということも日本のNGOのすそ野を最終的には広げていくという意味において重要になってくるのではないかなというふうに思います。  とりわけ、再三申し上げているこのアドボカシー型、つまり、具体的なサービスを提供するのではなくて政策を提言するというようなNGOが資金を集めるということが非常に困難だというふうに予想されるわけですので、そういったNGOが今後社会の中で発言権を増していくことができるような支援体制というものを整えていく必要があるのではないかなというふうに考えております。  簡単ですけれども、時間が参りましたので、以上で私のお話を終わらせていただきます。ありがとうございました。

石井一民主党・新緑風会・国民新・日本

○会長(石井一君) それでは、参考人の意見の聴取を終わりまして、これより質疑に入ります。  本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行いますので、質疑を希望される方は、挙手の上、会長の指名を待って御発言くださいますようお願い申し上げます。  なお、発言は三分程度、多少は結構でございますが、その都度答弁者を明示していただき、質疑をお願い申し上げたいと存じます。  加藤修一理事。

加藤修一公明党

○加藤修一君 会長、ありがとうございます。  公明党の加藤ですが、片山参考人、そして目加田参考人には、御多忙の中、誠にありがとうございます。  片山参考人の論文等には、「国際NGOが世界を変える」とあり、目加田参考人の論文等には、「一般市民の力で社会を変えていく方法」とありまして、関心を持って聞いておりました。  今、資料として「クラスター爆弾廃絶」というのが乗っておりますけれども、私は、クラスター爆弾禁止条約の締結の件というのは非常にNGOの役割を考える上では大変示唆的だと思っております。  国際社会で、対人地雷禁止条約の締結はまぐれと言われてきたようでありますが、しかし、クラスター爆弾禁止条約が締結できたことから必ずしもまぐれではないことが証明された、そんなふうに言われております。  また、ある報道によりますと、この件に関して、「大国抜き 実りと限界」、実り、すなわち成果でありますが、また、「NGO主導世論を動かす」、こういう表現がありました。  また、目加田参考人の論文には、軍縮問題について、大国のパワーポリティクスの洗礼を受けずに解決することはあり得なかったのですと、そういうふうに指摘しておりますし、また、その論文の見出しの一つは「「大国不在」の中小国による条約づくり」、こういうふうにありました。条約づくりが大国抜きで進められてきた経緯を述べてその動きを注目しているように私はとらえておりますけれども、オスロ・プロセスと言われる条約づくりは、まさにそういった意味では国際NGOが主導してきたというふうに考えられると思います。  例えば、これは新聞に載っていた中身でありますけれども、「英国では、条約に否定的な国会議員の選挙区で独自に世論調査を行い、禁止を支持する有権者が多いことを議員に示して翻意を迫った。こうした活動が世界で展開された。」と、こういうふうにクラスター兵器連合の事務局長は述べておりまして、「政治家はよその国の世論まで変えることはできない。我々にはできた。」と、そういうふうにNGOの役割の大きさを指摘しているわけでありますけれども。  そこで、両参考人にお伺いしたいわけでありますけれども、現在、劣化ウラン弾禁止条約づくりも一部で動きがあるようでありますが、このような活動、すなわち、中小国が核になりNGOが主導する条約づくりの方式ということでありますけれども、これはNGOの役割として大きく位置付けられると私自身は思っておりますが、どのように考えていらっしゃるかということであります。  また、仮に大きく位置付けられるというならば、日本のNGOにとって、以上のような展開が進む国際社会におきまして今後役割を十分果たすためには一体何が求められているか、何が要求されているか、そういった点についてお伺いをしたいと思います。  以上です。

片山信彦特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン常務理事・事務局長

○参考人(片山信彦君) 大変すばらしいコメントをありがとうございます。  NGOとしましては、先ほど目加田さんがおっしゃいましたように、現場型で現地に入って、サービスデリバリーといいましょうか、現地の問題に取り組んで活動しているそういうNGOと、それから、今御指摘のございました地雷廃絶キャンペーン、あるいは、私どもですと子供の権利に関するいろんな働きをしている、むしろ政策や国際的な問題に関して発言をしていくという両方の形のNGOがあろうかと思います。  私どもは主に現場で働いている要素が強いんですけれども、御指摘のように、現場で働いているがゆえに、そこだけやっていても問題の解決にならないんだということも逆に現場から見えてくるわけです。大きな政策の変更が大事だということを感じております。その意味で、今委員の方の御発言がございましたけれども、こういうグローバルなイシューに関してNGOが連携して進めていくというのがますますこれから重要になってくるだろうというふうに感じております。  そういう中で、日本のNGOは、従来日本のNGOとして日本というのが非常に強く意識されておりまして、日本と現場の、ある意味で二国の関係の中で仕事をしてきた要素が強かったというふうに感じておりますが、これからはむしろグローバルなイシューに関して国際的なNGOの潮流に自ら入っていって発言をしていくということがますます求められてきているというふうに思っております。また、そういう経験を持っている特に若い方々のスタッフがNGOの中でも増えておりますので、NGOとしては是非積極的に取り組んでいくべきことだろうというふうに思っております。  むしろ地雷廃絶等は目加田さんの方が詳しいので、後はお譲りしたいと思いますが。

目加田説子中央大学総合政策学部教授

○参考人(目加田説子君) 先ほどは失礼いたしました。パンフレットを本日二つ配付させていただいておりまして、「地雷なき世界へ」ということで、私が創設来かかわっております地雷廃絶日本キャンペーンのパンフレットと、それから、今御案内がありましたクラスター爆弾を廃絶しようという活動をしておりまして、簡単なクラスター爆弾の解説と何が今行われているのかということに関してまとめたものを配付させていただきました。  先ほど御案内がありましたとおりで、対人地雷そしてクラスター爆弾、両方とも政府とそれからNGOがまさしく連携をしてパートナーシップで実現した条約であるということでありまして、中小国とNGOということが大国抜きでと、そのとおりなんでございますが、これは大国を抜きでやったというよりは、大国にも参加を呼びかけたんですが参加してくださらなかったという方が恐らく正解なんだろうというふうに思います。  ちょうど一九九七年に対人地雷禁止条約が交渉されていた当時はアメリカはクリントン政権で、クリントン大統領はこの問題を大事だというふうにおっしゃって非常に積極的に米国議会内でも禁止に動いたのでありますが、そして条約交渉にも参加していたわけですけれども、残念ながら条約には加盟していないということでございます。  一方で、クラスター爆弾につきましては、ここ二年ほど条約交渉が進められてまいりましたけれども、最初からアメリカ、中国、ロシアあるいはイスラエルといったような、このクラスター爆弾を大量に保有しあるいは使用してきたような国々が参加していないということで、これらの国々が参加する別の場で交渉をしようというふうにやっていたわけですけれども、なかなか合意形成に時間が掛かってしまって、その間に民間人の人たちがたくさん犠牲になっているという現実を中小国が重く受け止めて、NGOとともに新しい条約を作ろうということで対人地雷あるいはクラスター爆弾を禁止する条約がそれぞれ九七年、そして昨年成立したということがございます。  我々日本のNGOも、おかげさまでこのクラスター爆弾の禁止につきましては積極的に関与させていただき、そして政治家の皆様と、特に議連などをつくっていただいて、その中で議論を進めていただいて協力をさせていただいたということがございますので、日本の中でこういったNGOに何を求められているかというふうに言われると、専門性、先ほど来同じことの繰り返しになりますけれども、やはり経験、そしてノウハウということに尽きるかというふうに思います。  ただ、NGO側に何が求められているのかということと同時に、当然ですけれども、政治家の皆さんがこういった問題に関心を持って、そして取り組んでくださる。あるいは、もう一点、これはちょっと余談になりますけれども、諸外国のネットワークを通じて仲間と話をしておりますと、やはり政治家の方々とそれからNGOの距離というものが非常に近しいといいますか、アクセスブルなんですけれども、なかなか日本の場合にはやはり、それはNGOサイドにも多々問題はあるかと存じますけれども、敷居が高いと申しますか、なかなか気軽にアプローチできないという現実もございまして、NGOが取り組んでいる問題などについて知っていただくという機会が余りないのではないかというふうに考えております。  それから、ちょっと話が長くなって恐縮なんですけれども、私自身、ずっとこのクラスター爆弾の問題で霞が関あるいは永田町の方に足を運びながらいろいろな形で意見交換をさせていただいた中で感じることですけれども、最終的には、政策決定というのは、あるいは変更というのは、当然ですけれども、国会議員の皆さんがされることで、幾ら霞が関に通っても、我々の権限ではないというところに落ち着いてしまうわけですね。したがって、やはりNGOとそれから政治家の方々の距離がぐっと縮まって、そして具体的な個別の案件について相互に情報交換をしながら問題解決に取り組んでいくというような姿勢であるのか、それは制度化するというのはちょっと難しいことだろうとは思いますけれども、そういう必要性というのも率直に申し上げてあるのではないかというふうに考えております。  以上です。

石井一民主党・新緑風会・国民新・日本

○会長(石井一君) それでは、高橋千秋君。

高橋千秋民主党・新緑風会・国民新・日本

○高橋千秋君 民主党の高橋千秋と申します。今日は、お忙しいところありがとうございました。  まず、片山参考人の方にお伺いをしたいと思います。  ワールド・ビジョンの方とはいろんなところでお会いをしまして、三年ほど前にもインドのチェンナイで一緒に食事をさせていただいたことがございますし、ワールド・ビジョンのワシントンのユニオン駅の裏の本部も行かせていただいたことがございます。  それで、アメリカの本部に行って感じたんですが、先ほど御本人も言われていましたが、ワールド・ビジョンは日本の中で一番最大手というお話ですが、もう規模が全然違いますよね。アメリカへ行って職員数の多さにもびっくりいたしましたし、むしろ、日本は五十人ぐらいということで聞いていますが、タイの方がはるかに多かったりして、この歴然とした差というのは税制の問題だとかがいろいろあるというお話なんですが、日本で一番ネックのところは何なのかということと、なぜアメリカがあそこまででかいものがつくれるのかということを教えていただきたいのと。  それから、ワールド・ビジョンが長期派遣を海外にされている方々、ほとんど女性なんですよね。それで、男性の姿を余り見ないんですが、これは、何か男性が参加できないような理由があるのかどうかというのを教えていただきたいなと思います。  それから、目加田参考人には、先ほどNGOと政治家の距離が遠いというお話もされました。いろんな海外の国際会議へ行くと、NGOのメンバーが政府の方々と同じ席に座って中心になって働いている姿をよく見るんですね。日本で国際会議をやったときに、最近はまあ少し良くなってきたとは聞いているんですが、やはり、政治家とも遠いんですが、政府が何かちょっと拒絶をしているような感じを受けるんですけれども、その辺の現状はどうなのか。そして、なぜ、さっき少しお話ございましたけれども、特にヨーロッパ等ではかなり中心に入り込んでいるんですが、その辺の原因というか理由というか、そういうことを教えていただけますでしょうか。

片山信彦特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン常務理事・事務局長

○参考人(片山信彦君) いつもいろいろなところでお世話になってありがとうございます。  御質問にお答えさせていただきます。  主に二つのことだったと思いますが、なぜ日本でNGOに資金が集まらないのかというようなことでございます。  これは幾つかの理由があろうかと思いますが、一つはNGO側にもやはり課題があると。NGOが自分たちで努力をしながら資金を集める、市民の方々にいろいろな形で訴えていく、工夫をしていくという、そういうことが今まで余り行われてこなかったのではないか。むしろ、NGOというのは自分たちが現地で現地の住民の人たちにいい事業をするということに関心が非常に強かったものですから、現場での質の高い効率的な事業をやろうということが主で、日本の社会で支援者を本当に増やしていこうというところまでなかなか意識が行かなかったという現実も一方ではあろうかと思います。  また、私どもは、専門的にマーケティングと申しますが、ファンドレイジングをするセクションにも何人もスタッフを持っておりますけれども、それも試行錯誤でやってきたわけで、そういう募金をする専門的な知識や経験を持ったスタッフが少なかったというようなことも一つのNGOの側の理由であろうと思っております。  そういうこともありまして、今年、ファンドレイジング協会というのがNGOの中で立ち上がりまして、NGOのファンドレイジングをもっともっと自分たちで努力してやっていこうという動きも一方で出ておりますので、これからの課題だろうと思います。  一方、NGOの側の問題と同時に、やはりこれは社会全体のNGOに対する理解がまだ十分ではない、もう少し時間が掛かるのではないかというふうに思っております。NGOの側からの情報発信が足りないというだけではなくて、やはりメディアとかあるいは一般の方々のNGOに対する理解が少し足りないのじゃないか。訳の分からないNGOがあって、あそこに寄附してもそのお金がちゃんと使われるかどうか分からないというような形で、NGOがもう少し使ったお金の透明性を担保しながらきちっと説明責任を果たしていくというようなことも今後の課題かなというふうに思っております。  また、そういう現状の中で男性が集まらないというのは、私も考えて感じているところの一つではございまして、やはり日本のNGOの場合、給与等を含めた待遇面で、一生働ける、それも家庭を持ってお子さんを育てていくことのできるような待遇面での措置がまだ日本のNGOの場合に弱いのかなということが一つあると思います。また、女性がいろんな意味で社会進出、特に海外に出ていっていろんな経験をしていこうという身軽さというふうなこともあろうかとも思います。その辺は今後の努力だと思っております。  また、USを比較なさいました場合ですけれども、アメリカとの比較、もちろん寄附の文化の長い歴史があるということもございますが、ワールド・ビジョン・USの例を取ってみますと、収入の半分ぐらいが個人の寄附なんですが、それ以外に、企業あるいは国連機関あるいは政府からの支援金というような形で、幅広い、いろんなところからの連携を通して収入が保たれています。  そういう意味で、今後の課題でございますけれども、やっぱりNGOがもっと企業との連携、あるいは政府のODAももう少しNGO枠を広げていくというような形、それから国連・国際機関との連携をしていくと、そういうリソースを多様化させていくということが今後の課題かなというふうに思っております。  以上でございます。

目加田説子中央大学総合政策学部教授

○参考人(目加田説子君) NGOと政府、あるいはNGOと政治家との関係ですけれども、御指摘のとおり、欧米諸国だけに限らず、最近ではアフリカの国々なども大半がそうですけれども、NGOの人が政府代表団の中に入って一緒に協議をしているということは本当珍しくなくなってまいりました。  昔は環境、人権の分野などではそういうことが頻繁に、女性の問題なんかでも行われておりまして、最近は安全保障であったり軍縮の分野でも同様の試みというものが見られるようになってきているわけですけれど、残念ながら日本の場合にはなかなかそこまで進んでいないと。環境あるいは他の分野でそういう事例があるということは承知しておりますけれども、少なくともこの通常兵器あるいは軍縮の分野でNGOの人が代表団の中に入ったというような話はちょっと承知しておりません。  それはなぜなのかというふうに考えてみますと、やはりチキン・アンド・エッグの部分もあると思うんですけれども、どうしてもNGO側に専門知識がない、あるいは十分な経験がないということで、政府があえてNGOを代表団の中に入れるメリットが見出せないというのが多分政府側にとってはあるのだと思いますし、それから、先ほどちょっと片山さんの方からもお話があったとおり、長らくNGOというのはやはり反政府というふうに見られてきたところがあって、したがって、反政府の者を代表団の中に入れるということに対する抵抗感というのもいまだにあるのかなという感じはしております。  これは、当然ですけれども、欧米諸国でも同じようなことは幾らでもありまして、ただ、やはり違うのは、意見が違ってもそれは当然だと。だから、意見が違って、話し合って進めていこうというふうに思うか、意見が違うのであれば入られると困るというふうに考えるか、若干のその姿勢の違いもあるのかなという感じがしております。  それから、政治家との距離というところで申しますと、欧米のネットワークの仲間などと話をしておりますと、ほとんどの場合が、政府に対する働きかけというのは、事実関係の確認であったりとかというところにおいては日本で言うところの例えば外務省であったり、例えばこういうクラスターの問題であれば防衛省などとの意見交換、定期的な連絡等は取っているということはありますけれども、主にやはり政策を変えるという場面では政治家の方ですので、政治家の方々と直接連携しているというのが実情ですね。  どうしてアクセスブルなのかというところはちょっと私自身も承知しておりませんけれども、国内法の整備など、欧州の国々を見ておりますと、例えばベルギーで、先ほどイギリスのことについても御案内がありましたとおりですけれども、ベルギーですとかオーストリアとかオランダといったような国々では、政治家の方と一緒になってNGOの人たちが国内法の整備などを進めて政策を変更していっているというような事例がたくさん報告されているかと思います。

石井一民主党・新緑風会・国民新・日本

○会長(石井一君) それでは、福山哲郎君。

福山哲郎民主党・新緑風会・国民新・日本

○福山哲郎君 民主党の福山でございます。  片山参考人並びに目加田参考人におかれましては、お忙しいところありがとうございました。若干私の経験を踏まえて御質問をさせていただきたいと思います。  私は、九〇年から九一年にかけて、ほんのちょっとだったんですが、スリランカのサルボダヤ運動に参加をして、ほんの一、二か月だったんですが、農村に入り込みまして、お二方とも御案内だと思いますが、アリヤラトネ博士と一緒に活動してまいりました。現実にNGOの皆さんの頑張りとかを拝見してきましたし、その後も温暖化の問題では気候ネットワーク、CANのメンバーともいろいろやってきたりしました。  その中で、最近の問題意識としてあるのは、一つは、目加田参考人がおっしゃられました現地のNGOの自立の問題です。  スリランカとインドネシアの津波の大被害のときに、私、被害の後すぐにスリランカに参りまして、サルボダヤがどんな状況か見に行きました。そうすると、やはり、先ほどまさにおっしゃられたように、欧米のお金のあるNGOがどんどん救援に入っている。これは有り難いんですが、現地の村がほとんど壊滅的な状況の中で、欧米のNGOはどうアクセスしていいのか分からない、ましてや現地語が分からないという中で、英語のできる村の若手だけ集めてそこに高いフィーを払って動かすという状況があって、欧米のNGOのメンバーは、逆に言うとホテルに寝泊まりをしていると。  当時、アリさんがおっしゃったんですが、そこは逆に、欧米のNGOはお金とマネジメントのサジェスチョンをしていただければいいと、あとは現地のNGOに任せてもらった方がよほど機動的に対応できるのに、そこを実は屋上屋を重ねるような形で今非常にそこがトラブルの原因に逆になっているんだという話があります。  この津波の状況とか例の震災、サイクロン、いろいろこういう状況があって、第一陣として欧米のNGOが入ってくるのは私は大歓迎だと思いますが、その後の、いかに引継ぎとそれから現地のNGOの自立に結び付けるかということに対してどんな議論が現実にされているのか、目加田参考人、もう少し詳しくお聞かせ願えればと。  それから、もう一点。先ほども高橋先生からお話があったんですが、要は日本の政治や政府内とNGOとの連携ですね。僕は、NGO側にも日本の政治家とコミットすると政党の色が付くとか政治色が付くということで逆に避けている部分もあるんじゃないかなという気がして、その分政府にコミットしますが、政府のコミットは実は大して影響力がないというジレンマの中に入っているんじゃないかという問題意識を持っています。  温暖化の交渉なんかを見ると、先ほど出ましたけど、政府の代表団の中にNGOのメンバーが入って現実に交渉をしています、各国は。日本はまだ全然そういう状況ではありません。ここはやはりどこかひとつブレークスルーしなきゃいけないのではないかなと私自身は思っている部分で、そのことについても、もしお聞かせいただければなと思います、目加田参考人。  片山参考人にお伺いしたいんですが、これは目加田参考人も、もし最後にお聞かせいただければなんですが、メディアとの関係です。  やはり、日本のメディアは政府の発表やそういったものを主たる発表として発信する状況があって、先ほど出たクラスターや地雷の問題も、世界では、各国では既に当たり前のことが、日本には随分タイムラグが入ってメインイシューになるんじゃないかということが私などの問題意識としてはあって、メディアとの関係の仕方というか、メディアがちゃんと世界で動いている状況をどのように日本に伝えているのかということについて問題意識をどうお持ちか、お答えをいただければなと思います。  少し長くなりましたが、よろしくお願いいたします。

目加田説子中央大学総合政策学部教授

○参考人(目加田説子君) 途上国におけるNGOの問題ですけれども、元々、開発支援というものがある意味で施しといいますか、かわいそうな人たちを豊かな人たちが助けてあげるというような発想で始まってしまったがゆえにそのマインドからなかなか脱却できない。かわいそうな例えばあの人たちの写真を使って人々のそういう心に、慈悲といいますか、その心に訴えかけるというようなところがまだまだありますので、なかなか途上国側の自立であったりとか、あるいは途上国の方々のはっきり申し上げてプライドを尊重するというようなことが十分にできていないのではないかということは私自身日々感じるところであります。  昨今では、欧米のNGOなどの中には、大量のスタッフというものをすべて引き揚げて、例えば開発であれば何に重点を置いているかというと、国内の世論形成ですね。まさしく、例えばどうして途上国の貧困問題が解決できないのか。それは彼らの責任なのではなくて、例えば債務帳消しなどがG7、G8で非常に盛んに議論になったころにもうずっと主張されていたことですけれども、やはり援助の失敗であったり、あるいは世界銀行の取組の失敗、構造調整の失敗だったりという、より本当に国際社会の本質的な構造的な問題があるのだということを途上国の人たちが抱える問題を理解する上で先進国の中でまさしく伝えて教育をしていかなければいけないということで、先進国内における開発教育というものをもっともっと重点的にするようになって徐々に途上国から手を引いてきているということもNGOによってはございます。  したがって、これは今日の冒頭申し上げたんですけれども、欧米のNGOが大きなお金を使って途上国の中で大きなプロジェクトを大規模に実施していくという流れから徐々に変わっていくというところにまさしく直結するわけですけれども、今後はますますそういう傾向が強まっていくのではないかと私自身は感じております。  それから、政治家とのNGOの連携ということで、NGO側が避けているというふうな事例を私は承知しておりませんけれども、あるいは片山さん御存じだったらちょっと……

福山哲郎民主党・新緑風会・国民新・日本

○福山哲郎君 避けてというか、抵抗があるんだと。

目加田説子中央大学総合政策学部教授

○参考人(目加田説子君) 抵抗がある。そうですね、ちょっと敷居が高いといいますか、ちょっと怖いという意識は若干残っているかもしれませんが、私たち、地雷キャンペーンにつきましてはもう十二年前から議員連盟の方々とずっと連携をさせていただいて仕事をさせていただいておりますので、そういう抵抗はないんですけれども、あえて申し上げるのであれば、我々NGOが常に気を付けているところは、やはり特定の政党であったり特定の政治家の方々と非常に親しくするのではなくて、すべてのあらゆる政党の方々と、多くの政治家の方々と接点を持つということを心掛けているということはあるかと存じます。  今後、政府の中にNGOの人たちが入っていくというようなことも、まさしくブレークスルーとおっしゃいましたけれども、今後は検討する必要があるのではないか。そのためにも、日本のNGOがやはり専門的な知識、経験といったものをしっかりと身に付けて、本当に単に、言葉は悪いですけれども、アリバイづくりとして入るのではなくて、具体的な貢献ができるような地位をNGOが築いていかなければいけないというふうに考えております。  それから、最後にメディアとの関係ですけれども、これは非常に重い課題だなというふうに私自身も感じておりますが、日本の国民の方は、ちょっと外れた発言になってしまうかもしれませんけれども、やはり権威に弱いというところもございまして、例えば、ある一定の問題や活動を朝日新聞あるいは読売新聞、日経新聞などで取り上げますと寄附が集まるというようなこともあって、やはりNGOは積極的にメディアに対して働きかけを行っていくという必要があるのではないかと思いますけれども、他方でメディアの方の感度というのは必ずしも常に鋭いわけではない。  端的な事例で最近思いましたのが、例えば世界経済フォーラムについては、ダボスの会議が首相も駆け付けるというようなことで非常に大きく新聞、メディアが取り上げるわけですけれども、他方で、世界社会フォーラムというのが行われて、今年もダボス会議と同時期に開かれて、十万人の人が世界からブラジルのアマゾンに駆け付けるわけですね。それで、グローバライゼーションに対する様々な問題提起を行ったりしたわけですけれども、主要メディアで一度もこのニュースを私自身は拝見することがございませんでした。反対に、欧米の大手のメディアなどはほとんどこの記事を、当然ですけれども、取り上げているというようなことから見ても、やはり若干感度の違いというものはNGOとの間にあるのではないかと認識しております。

片山信彦特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン常務理事・事務局長

○参考人(片山信彦君) メディアとの関係は、私どもも本当に大きな課題だなというふうに思っております。  まず、一点感じるのは、NGOに対してなかなか理解してくださるメディアの方がまだ、何人かいらっしゃるんですけれども、増えてはいるんですけれども、まだ少ないなという感じがNGOの側からするとあります。  それと同時に、御質問のことでいいますと、例えば、私ども現場に行っていて見るテレビとか新聞、欧米の大きなものを見ると、やっぱり発想が違うなということをいつも感じます。日本のメディアは、日本の国内の問題あるいは日本の状況に関心があるという視点からいろんな問題を見ますけれども、やはり、例えばBBCにしろ、グローバルなイシューは何か、そこでどんなことが起こっているのかというのは、かなり問題意識、発想、それから実際の取材力は違うなというふうに感じております。  そういう意味で、これからメディアの方々が世界のトレンド、世界でどういうグローバルなイシューがあるのかという、それに対してどういう動きがあるのかという発想を持つメディアの方がたくさん出てくださると、NGOの活動も含めてですけれども、変わってくるのかなというふうに思っております。  ただ、NGOの側も責任があると思います。もっと適切な情報をどんどんどんどんメディアの方々に出していく責任がNGOの側にもあるし、これは政治家の先生方とも同じ問題で、NGOの側から積極的にもっとアプローチしていく責任があるということも付け加えておかなければいけないと思います。

福山哲郎民主党・新緑風会・国民新・日本

○福山哲郎君 もう終わりますが、私はもとより、問題提起はさせていただきましたけれども、ワールド・ビジョン・ジャパンさんがやられている活動等について否定をするものではありませんし、そこで頑張っていただいている現場の方の苦労も分かっているつもりでございますので、そこは誤解なきように、よろしくお願いします。  ありがとうございました。

片山信彦特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン常務理事・事務局長

○参考人(片山信彦君) ありがとうございます、そういう誤解は全くございませんので。  もう一つメディアに関して付け加えなければいけないのは、比較的日本のメディアは、災害等が起こったときに、海外の、これは報道をするんですけれども、国際問題、例えばアフリカの紛争とかあるいは貧困とかということに関する報道が少ない。これは先ほど申しました。やっぱり、グローバルなイシューを見て、何が問題かというよりは日本の関心と、それから特に災害に関しては非常に問題意識が高いなということも感じております。その違いは感じております。

石井一民主党・新緑風会・国民新・日本

○会長(石井一君) それでは、西田昌司君。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 ありがとうございます。参議院の西田でございます。両参考人におかれましては、本当に貴重なお話をお伺いさせていただき、ありがとうございました。    〔会長退席、理事主濱了君着席〕  それで、まず片山参考人にお聞きするんですけれども、日本のNGOが大体寄附総額が二百八十六億のうち二十八億ほどこのワールド・ビジョン・ジャパンの方があるんですが、一割ほどあると。非常に大きなNGOだと思うんですけれども、それを見ますと、四万人を超えるサポーターといいますか、スポンサーの方がおられるんですね。それで二十億円ということは、一人五万円ぐらいの換算ですかね。それで、もう片一方で企業の方の寄附がありまして、それが大体三億ぐらいで二千人ぐらいですから、十万円ちょっとですか。  そこでちょっと素朴な疑問を感じたのは、要するに、企業が十万円ぐらいで、チャイルド・スポンサーになっておられる方は多分個人なんでしょうね、個人が五万円と。余りにもその企業と個人の差が、意識のある方が、個人で五万円出す方が四万人おられるというのは非常に大したものだと思うんですけれども、意外と企業というのは随分そういう活動に対して、わざわざこれ、名前書いておられたり、この中の役員になっておられる方ももちろんおられるみたいですけれども、随分温度差があるものだなと思うんですけれども、その辺のところをちょっと教えていただきたいのと。  それと、もう一つちょっと疑問に思いましたのは、この報告書の五ページのところで、全国二十三か所で活動報告会をされていると、九百八名なんですよね。全国で五万円も出す方が四万人おられてやっておられるんでしたら、もっとここは大きな数字の方来られるんじゃないかなというのがあるんです。  といいますのは、何が言いたいかと申しますと、要するに、先ほどからマスコミの話とかいろいろありますけれども、やはりそういう関心をお持ちの方はどんどん草の根で広げていくということからしますと、この報告会も、それだけ寄附者がおられるんでしたらもう少しあってもいいし、また、どんどんこの報告会を通じて広がっていくんだと思うんですけれども、これがどのように評価されておられるのかということです。  それから、両名の参考人にお聞きしたいのは、私も昨年この参議院の方からアフリカにODAの調査で行かせていただいたんですけれども、そのとき非常に感じましたのは、一生懸命日本のボランティアの方もされているんですけれども、結局、要するに、あそこに行きましても、アフリカでしたけれども、援助をしてもまさに砂地に水が吸い込んでいくように、果たしてその援助の形がどうなってくるのかなというのがなかなか見えにくい。  その一番の原因が、やはり言葉が、例えばヨーロッパ各地に、列強に植民地にされていたために母国語がないといいましょうか、いろんな部族語はあるんですけれども、国としてまとまった言葉や歴史というものがなかなか教えられないところから、国の体を成さないと言えばちょっと失礼なんですが、要するに、我々の思っているこの地域を支え、国を支えているという感覚がなかなか伝わらないのかなと。そのことが彼らのこの貧困から抜け出せない一番大きな原因じゃないのかなということを感じたものなんですが、その辺をいかがお考えになっているかということ。  以上、二点でお願いします。

片山信彦特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン常務理事・事務局長

○参考人(片山信彦君) 御質問ありがとうございます。  若干補足を説明させていただきますが、まず個人と企業の問題ですけれども、個人の方の寄附、私どものチャイルド・スポンサーになりますと毎月四千五百円、年間五万四千円です。ですから、五万四千円を払う方が全国に四万人以上いらっしゃるということです。これをどう見るかということがありますが、私は、まだまだ日本のいろいろな方々を見ていくときに可能性がもっともっとあるんじゃないかというふうに見ております。  昨今の経済的な非常に厳しい状況の中で、昨年度よりもやめる方の数は増えているんです。しかしながら、新しくこのスポンサーになりますという方も増えているんです、これもちょっと不思議なんですけれども。ですから、まだまだ私どものやり方次第によっては、日本の方々がこういうことに関心を持っていて、ここの団体だったら寄附しても大丈夫だ、ちゃんと使ってくれるとか、そういう信頼が置ければ加わってくださる層の方はいらっしゃるだろうというふうに一方では思っております。ですから、四万人という数は多いと見るか、私はまだまだというふうに見ておるのが一点。  それから、企業との比較で申しますと、委員がどこのページの企業のことを御覧になったかにもよりますけれども、年間、昨年度、私ども企業からの募金の総額は一億三千万ございます。これは、企業といいましても、例えば組合で集めたお金であるとか、あるいは企業の社会貢献としてある事業をやるということで、これはある自動車会社さんですが、ベトナムの事業を全部自分のところでやるということで年間一億円お出しになってくださった企業さんもあるんですね。  ですから、そういうことの合計なので、確かに一企業当たりちょっと少ないじゃないかということであればそういうふうにも言えるかもしれませんが、非常に落差があると。企業といっても、組合であったり個人であったり、あるいは社会貢献の一環としてやるという、いろんなケースがございますということでございます。  それから、報告会の人数に関してはおっしゃったとおりでございまして、全国二十か所で約千人の方だと。これは、支援者が四万人以上いるのに少ないじゃないかと。本当にそうでございます。もっともっといろんな方に来ていただくような工夫が必要だなと。  ただ、毎月、東京でワールド・ビジョン・カフェというのをやっております。それがこの報告書の中にも出ておりまして、十ページですが、ここには毎回百人前後の方が来られまして、年間十二回ですから、約二千人ぐらいの方が東京近郊にはいらっしゃるんですね。ですから、これは支援者の多い地域と少ない地域にもよりまして数が違うんですが、首都圏では比較的多い。年間二千人。  それから、その左側に「教科書にのっていないアフリカ」という、これは体験的なイベントで、コーナーを自分で歩いていきながらアフリカの子供の生活や状況が体験できるような体験型のイベントなんですが、これを東京と神戸と札幌の三か所でやりましたが、これで八千五百人来ているんですね。  ですから、やはり、申しましたように、工夫をしながら、一般の方々が来やすい時間帯とか場所とか、それから方法とか、そういうことをもっともっと工夫していってやらなければいけないなということを感じております。でも、やればまだ可能性はあると。  それから、先ほど、もう一つの質問でございますが、途上国の場合ですが、やはり一番大事な地域開発、私ども現場で活動していることで一番大事なことは、物を送るとかお金を渡すとかということを通して一番目指しているのは、地域住民の方が自立意識を持つ、自分たちでこの地域、コミュニティーを支えていくんだと、そういう意識を持っていただくことが最終ゴールと思っております。  ですから、地域のリーダーの育成であるとか、あるいはコミュニティーの中にいろんな自治組織的なものをつくって自分たちでやっていくんだという意識を持ってもらう。そういうプログラムを組みながら長期的にかかわっていって、チャイルド・スポンサーシップの場合には十二年から十五年、一地域でやります。しかし、それを最初から、十二年や十五年たったらもう支援を終わりますよということを最初にもう住民の方々に御説明をして、それまでに自分たちでこのコミュニティーを自立させてくださいという取組をしているのが比較的効果が上がっているように感じております。

目加田説子中央大学総合政策学部教授

○参考人(目加田説子君) 貧困からの脱却ということで、まさしく砂地に水というのは、恐らく援助に携わってきた方々であれば、ここ本当、三十年、四十年ずっと実感していることじゃないかと思うんですけれども、その理由といいますかは国によって様々だと思いますし、政情が不安であったり、あるいは例えばアフリカ諸国ですと感染症が蔓延しているということも一つその経済力を奪う、あるいはその国の成長を阻む要因になっているだろうというふうにも思いますので、一概にこれが一つの理由だということは申し上げられないと思うんですけれども、先ほど片山さんがおっしゃったように、その支援を受ける側が自立をしていく、最終的には独り立ちしていけるというような形で支援を行っていくという、例えば箱に投資をするのではなくて、やはり人、つまり教育であったり職業訓練であったりというようなところにより投資をしていくというような形で開発援助というものを今後考えていかなきゃいけないんだろうなというふうに私自身は考えております。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 これからも頑張ってください。

主濱了民主党・新緑風会・国民新・日本

○理事(主濱了君) それでは、佐藤正久君。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 今日は、目加田参考人、そして片山参考人、本当にありがとうございました。  私の質問は、片山参考人のペーパーの方にもありました、これからの質的な向上の分野でNGOもどんどん活躍していくべきだと、特にコンサルティング型とかキャパシティービルディング型の支援というものについてお伺いをしたいと思います。  私はその必要性を非常に強く感じている一人でありまして、私は自衛隊という立場で国際貢献というところで、あるいはゴラン高原とか、あるいはカンボジアとかイラクの方に行かせていただいたんですけれども、そこで感ずることは、欧米のNGOの方々はコンサルティング型のNGOの方がいるんですけれども、日本のNGOの方々でそういう方、コンサルティング型をやっているような方がやっぱり少ない、見ることが少なかったなという感じがします。  しかしながら、私は、コンサルティング型とかキャパビル型は、どちらかというと日本人の文化とかメンタリティーにすごい合っているような感じを非常に強く持ちました。例えば、私のイラクの経験で言わせてもらいますと、どうしても食べられることが一番大事ですので、やっぱり農業という分野が基本になります。その後、生活ということも大事ですので、その上にクイック・インパクト・プログラムという感じで道路整備とかかんがいとか、あるいは診療所とか学校修復と、ちっちゃな即効性ある事業をやってお金を少しあげるということがやっぱり一番最初のステージとしてあります。  そのときに、イギリスのNGOの方々がやっていたのは、地方政府のコンサルティングみたいな立場でいろんな、自衛隊、外務省のプロジェクト、あるいはオランダのプロジェクト、UNDPとかUNHCRとかUNハビタットのような国際機関のプロジェクト、セーブ・ザ・チルドレンとかいろんなNGOのプロジェクトを、ドナー会議を主催するような形で横からくしを通して、地域のバランスとか、あるいは道路だけに偏らないとか、あるいは次の中期的な支援策への段階的なつながりとかいう形でコンサルティング型の形で支援をしていたり、あるいは地方の政府の議員の定数を決めるサポートをしていたり、例えば部族代表からは何名とか、政党代表からは何名、女性何名、宗教から何名と、あるいは選挙のやり方とか、いろんな形で地方政府のガバナンスとか復興支援をコンサルティングしている、やっていたんですけれども、やっぱりどこか上から目線というのが時々出て反発を食らったりしていました。やっぱり日本人の場合は、郷に入ったら郷に従えとか、あるいはあきらめないという部分があるので、こういうやり方だったら日本人の方がずっとうまくやるなという感じを持っていました。  そこで、質問なんですけれども、日本のNGOの方々でこのようなキャパビルとかあるいはガバナンス構築支援とか、こういうコンサルティング型支援を主にやっているNGOの方がいらっしゃるのかどうか。あるいは、特に目加田参考人の場合は学校の先生とかされておられますので、学校の方ではこういうNGOを育てるためのカリキュラムとかプログラムがあるのか。あるいは、NGOの方々でオン・ジョブ・トレーニングでこういうプログラムがあるのか。その辺辺りをちょっと、次のアフガニスタン支援にも非常に参考になりますので、教えていただきたいなと思っています。  以上です。

片山信彦特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン常務理事・事務局長

○参考人(片山信彦君) 本当に良い発言をありがとうございます。  現地の経験に照らして、おっしゃっているとおりだと思います。私も全く同感でございます。  日本のNGOが比較的国際的に評判がいいのは、余り偉そうにしないということと、それから住民の中に一緒に入って住民に受け入れられるような形で事業を実施しているというのが、ほかの欧米の人たちと比べたときによく言われることでございます。そういう意味では、おっしゃったとおり、コンサルティングとかあるいはキャパビルのような形で日本人が指導していくのが合っているのかなと、私も全く同感に思っております。  実際の事業の現場に行きますと、日本人は何をしているかといいますと、主には、行った日本人のスタッフが実際に例えば農業をやったりとかしているわけではなくて、やっぱりローカルの人たちと一緒になってやっていると。実施主体はローカルの人たちというのが現実のことでございます。それがもっともっと発展してくれば、先ほど目加田さんがおっしゃったように、もういずれローカルの人に全部渡していくというふうになっていくわけですね。その過程で、既に日本のNGOの多くの職員は、おっしゃったようなキャパビルとか、それからノウハウを伝えていくという経験はございますので、どこのだれがというのではなくて、そういう経験を持ったNGOの現地職員というのはたくさんいるだろうというふうに思っています。  ただ、問題は専門性ということになります。ある事業を実施しながら現地の人にいろんな経験やノウハウを教えていくというのは比較的しやすいんですけれども、おっしゃったように、例えば政治的なアドバイスとか地方政府の政策に対しての適切なコンサルティングをするとかということになりますと、これは少し専門性が要求されてくるようになると思います。私の存じ上げる中では、まだまだその辺はこれからの課題ではないかなというのが日本の場合にはございます。  ただ、例えば教育の分野でいいますと、教育支援をしているときには必ず現地のコミュニティーだけではなくてその地方政府のお役人さんとも一緒に仕事をしていくと。そこで自然に、この地方政府の教育政策をこういうふうに変えた方がいいんじゃないですかというような話をしておりますので、確立された専門性を持った人というのは今はすぐには思い浮かびませんけれども、経験値とかそれから可能性というような意味では、日本人のNGOの中にはキャパシティーがあるというふうに思っております。

目加田説子中央大学総合政策学部教授

○参考人(目加田説子君) 今御指摘があったとおりで、先ほど私がよりアドボカシー的な、専門的なNGOというふうに申し上げたのは、まさしくこういう役割を演じられるようなNGOということを想定しておりました。つまり、専門的な知識や経験を持って、大きな投資あるいは財源がなくても人の貢献ができるということが大事なんだろうと思うんですね。  ただ、日本のNGOでこういったことをしているところがあるかと問われますと、私自身は承知しておりません、残念ながら。今後はそういった人材を育成していくということが求められるんだろうと思うんですが、残念ながら、まだ大学などではそれほど専門的な教育というのは行っておりません。  私自身は、そのNGOの中でNGOのキャパシティービルディングを行っていくということも大事だろうと思うんですけれども、そういう仕事を、今御指摘のあったような、例えば地方政府のコンサルというような仕事をやってみたいという人たちがNGOのコミュニティーに入ってくると。つまり、NGOのコミュニティーが魅力的であれば優秀な人材を外からNGOの中に呼び込めると思うんですね。  そこが一つ大事なことなのかなというふうに考えておりまして、それにはやはり、現状では日本の、これはNPO、全国の平均ですけれども、の年収が百三十万円ぐらいということですから、どうしても世帯は、例えば男性が働いて支え、そしてその妻が半分ボランティアのような感覚でNPOで仕事をするというような現状から脱却していかないと、優秀な人材をNPO、NGOの中に呼び込むというのは非常に難しいんじゃないかなと思います。    〔理事主濱了君退席、会長着席〕  ある東南アジアの国に参りましたときに、まさしくその国の財政についてコンサルタントを行っていたNGOがおりまして、その方は元、フランス人ですけれども、フランスの大蔵省で仕事をされていたということがございましたので、そういう専門知識をNGOの中で付けていくというよりは、専門的な知識を、あるいは経験を豊富に持った方がNGOの中に入ってきてNGOという立場で仕事をしていけるようなコミュニティーをつくっていく必要があるんだろうと思います。  以上です。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 ありがとうございます。

石井一民主党・新緑風会・国民新・日本

○会長(石井一君) それでは、島田智哉子さん。

島田智哉子民主党・新緑風会・国民新・日本

○島田智哉子君 両参考人、本日はありがとうございます。島田でございます。  私は歯科医師でもございまして、私ども歯科医師、また特に口腔外科医は、口腔保健を通じて、また口唇口蓋裂という先天性の病気を持って生まれてくる赤ちゃんなどの手術を行うNGOの団体が三十ぐらいあるんですけれども、この障害を持って生まれてくると、お乳を吸う力がなくて命を落としかねないということになってしまいます。手術をしなければ命を落としてしまうということもあると。また、手術も何度も行わなくてはならないこともありまして、知識ですとか技術がない途上国は、赤ちゃんの死を待つのみという途上国もあるというふうにお聞きをいたしております。  こうやってNGOで現地に行って手術を行うことでその子供たちの命とそして人生を救うことができるということで、また技術移転も行われているようなんですけれども、この点については本当に様々な困難があるというふうにお聞きをいたしております。  NGOの活動の目的の一つとして、人も地域も自立をしていくことを目指すという、この点が私も本当に重要であるというふうに思われますけれども、医療レベルが決して高くない国々において技術移転が難しいように、NGOの活動と地域と人の自立という点について様々な困難があると思われますけれども、これからの日本独自のNGOにしていくために、この点について両参考人のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

目加田説子中央大学総合政策学部教授

○参考人(目加田説子君) 技術移転ということですけれども、私がかかわっております対人地雷とかクラスター爆弾の問題というのは、まさしく多くの人々が命を落としている最大の理由は病院へアクセスできないということなんですね。平均で大体事故に遭ってから六時間ぐらい掛かって、その間に出血多量で命を落としてしまうということで、医療体制の整備を途上国で行っていくということは本当に急務な課題になっているわけですけれども、今御指摘がありましたとおり、特に途上国の、例えばカンボジアという国であれば、プノンペン近郊ならいいんですけれども、そうではなくて、地雷が埋まっているようなところというのは非常にアクセスが悪いようなところですので、なかなか道もないようなところで事故に遭ってしまうと病院や医療にアクセスすることができないということがございます。  NGOの取組としましては、出張サービス、ちょっと言葉は悪いですけれども、大きなバンの中に最低限必要なそういう医療の器材などと一緒に地方を回って被害に遭っている方の手当てをすると。ただ、これは主に義足などを作って生活のクオリティーを上げていくという試みでして、事故に遭ったその場面にそういうバンで巡回するというようなことはなかなかできませんので、やはり社会的なインフラということも含めて、そういった整備を進めながら医療施設にアクセスができるようにしていくということが急務なんだろうというふうに考えております。  以上です。

片山信彦特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン常務理事・事務局長

○参考人(片山信彦君) 日本独自のNGO、日本のNGOらしい貢献、特に技術移転でということになりますと、やはり日本の知見をどういうふうに用いていくかということだと思うんですね。だから、余り、日本の知見が途上国にそのまま生かされるというケースがあればいいですけれども、ない場合もありますので、そこはよく吟味しながら進めなければいけないと思いますが。  例えば、ずっと取り組んでおりますのは、アフガニスタンの場合は女子教育がずっとできないでいたということがございます。でも、解放された後に女子の教育をやりましょうということが非常に大きなテーマになった。そのときに、日本の場合には、日本の教育経験というのは女子教育が日本では非常に明治以来進んでいたということで、日本の女子教育の経験をアフガニスタンの特に女性の先生たちに伝えていくということで、毎年、もうこれ五年以上だと思いますけれども、アフガニスタンから先生たちをお招きをして学校を見てもらうとか女子教育のやり方を見てもらうというようなことが行われております。  また、障害児のケアということでいうと、日本は障害児教育、障害児に対する働きが非常に進んでおります。そういう日本でのいい経験、知見というものを持って現場の状況をよく吟味した上でそれを展開していく、技術移転していくという、それが必要ではないかなというふうに思っております。  そういう意味でいきますと、例えば農業のこれからの可能性としては、今いろんな意味で農業にもう一度注目が当たっております。日本の農業経験というのは途上国で生かされる面がたくさんあると思うんですね。そういう日本のいいものを集めていって、それを集約して技術移転をしていくというのが大事ではないかなというふうに感じております。

石井一民主党・新緑風会・国民新・日本

○会長(石井一君) 島尻安伊子さん。

島尻安伊子自由民主党

○島尻安伊子君 ありがとうございます。自民党の島尻安伊子でございます。  今、ちょうど教育という言葉が出てきましたので、ちょっとその辺に関してなんですけれども。  片山参考人から、このパンフレットの二十一ページで、世界的に見て日本のNGOの収入額が大変に低いという事実が見えるというお話がございました。もう一目瞭然の表で、大変インパクトのある表だなというふうに思っておりますが、前回の調査会でも日本は寄附の文化が育たない状況があるという委員からの意見もありまして、各国、ドネーションが集まる国というのは、背景にいろいろな宗教観だとかそういうものがあるのかなというふうにも思うんですけれども。  翻って日本を見るときに、参考人から市民社会というお言葉もありましたけれども、もうむしろ日本の教育の中でこの市民社会、つまり、市民教育というものをもっとグローバルな視点から考えていかなければいけないのかなというふうに思っております。まあ強いて言えば、お金のある人は出す、時間がある人は提供するという、それも社会貢献というものに向けて自分が何ができるかということを問いかけるような教育が必要なのではないかというふうに思っておりまして、そういった土壌づくりをした後でドネーションする、貢献するという、そういう気持ちが日本の子供たちにも育っていくのかなというふうに思うんですけれども。  これを考えたときに、一番手っ取り早いと言ったら失礼かもしれませんけれども、日本の学校の先生方へのNGOの理解度というか、これについてはどのようにお考えなのか。  あとは、これは、できればというか、こうなったらいいなというふうに思うんですけれども、例えば研修派遣みたいな形で学校の先生がある一定の期間そのNGOのメンバーとして海外に派遣されるだとか、それで、学校現場に戻って、それを教育の視点で子供たちにいろいろと教育をするというようなシステムができ上がったらいいのかなというふうに思うんですけれども、この辺いかがでしょうか。

片山信彦特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン常務理事・事務局長

○参考人(片山信彦君) おっしゃるとおりのことを私どもも感じております。  まず、日本の教育の現場で市民社会教育といいましょうか、市民としての責任とか権利というようなことがきちっと教えられていく、その中で、寄附することの重要さ、大切さということが教育の中でやっぱり進められていく必要がすごくあるなと。それでないと底上げして日本の寄附文化というものが変わっていかないというふうに感じております。  そういう中で、私のメモで開発教育への支援というふうに書いてございますが、開発教育といいますのは、開発途上国の状況をよく子供たちが理解するようなための教育を開発教育と呼んでおります。これまでNGOはいろんな現地の知見がございますので、本当に子供に分かるような教材をたくさん持っております。私どもの団体でも開発教育担当の専門の職員がおります。そういう職員が子供たちに分かりやすい教材を作って、そして先生の手引書も一緒に作って先生にお渡しして、先生が、今までですと総合学習の時間というのがあったんですけれども、そこがなかなかどう使っていいか分からない先生も多くいらっしゃったので、そういうときに使っていただけるような形で教材も準備しております。  ですから、NGOは、まさにおっしゃったようなことをしたいなと、学校の先生や子供たちにもっともっと世界のことを知ってもらうようなことをしていきたいと思っております。ただ、現実的に、学校の先生は大変お忙しかったり、いろんな事情があって、また、カリキュラムの中に正規のカリキュラムで国際開発教育というようなものが入っていないようなこともあったりして進んでいない現状がございます。  ただ、私どもの関係している幾つか学校等も少しずつネットワークが広がっているんですけれども、ある先生は、やっぱり自分の子供を連れて途上国に行きたいんだということで、実際に高校生、中学生を連れて現場を見せていく、私もツアーに参加するという先生も増えておりますので、是非そのところは、これ担当は文科省になるのかもしれませんけれども、教育の現場でもっともっと市民社会教育あるいは国際理解の教育のプログラムを広めていただきたいと強く思っております。

石井一民主党・新緑風会・国民新・日本

○会長(石井一君) 議事進行上のことを申し上げますが、参考人質疑を一応三時をめどに終了し、本日はあと委員間討議をやる予定をしております。現在、四人の方の挙手が残っておりまして、残余の時間は十五分であります。そういうことをちょっと頭に置きながら、ひとつ御協力を願いたい。必ずしも絶対的にとは申しませんが、よろしくお願いしたいと思います。  挙手順に指名します。  富岡由紀夫君。

富岡由紀夫民主党・新緑風会・国民新・日本

○富岡由紀夫君 今日、両参考人、ありがとうございます。お二方にちょっと質問をさせていただきたいと思います。  先ほどいろいろ説明を聞いて、NGOの皆さんが大変御苦労されているのをよく理解したつもりなんですけれども、ちょっと基本的なことなんですけれども、先ほど、日本と海外と比べると、その陣容とか組織とか、日本は小さいというお話なんですけれども、例えばそこで働いている、働いているというか、仕事を、活動をされているスタッフの人たちの例えば年齢層とか男女間の比率とか、日本のNGOで働いている人たちと海外、欧米で働いている、そういった仕事をされている人たちの違いみたいのがあるのか。  あと、このNGOの活動、世界中共通でやっているわけですから、日本人のスタッフが、日本人が海外のNGOで活動している人たちというのはどのぐらいいるのか、ちょっとそういったものを教えていただきたい。逆に、海外の人が日本のNGOで働いている人がいるのかどうか。  あと、それと、ちょっと心配なのは、こういうNGOで仕事をされた人たちがその後のキャリアとしてどういう道を歩んでいるのか。ずっとNGOで年を取るまでやっている人ばかりではないと思いますので、その人たちがその後のキャリア、どういうふうになっているのか。そこが、日本とまた欧米との違いが、そのキャリアの違いなんかもあれば教えていただきたいなというふうに思っております。  それと、あと、ちょっと一つ、注文じゃないですけれども、このクラスター爆弾と地雷の特別キャンペーンのパンフレット、良くできていると思うんですけれども、それぞれ条約を批准している国としていない国、それが分かると、我々としては非常に先ほど言ったいろんなところの働きかけをするにも参考になると思うんで、そういうのはやっぱり示した方が、いろんな人と会う機会がありますから、あなたの国もやった方がいいよということが言えると思いますので、その辺を今後の検討課題としていただければよろしいのかなという提案ですけれども、お話をさせていただきたいと思います。  以上です。

石井一民主党・新緑風会・国民新・日本

○会長(石井一君) 質問はいいポイントをついていますし、多岐にわたっておりますが、簡潔にお答えください。

片山信彦特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン常務理事・事務局長

○参考人(片山信彦君) 手元に具体的なその統計の数字がないので正確かどうかは分かりませんので、私の感覚的なことになると思いますが、年齢的に言いますと、やはり比較的働いている方は若い方が多いと。三十代、四十代が中心。二十代後半から三十代、四十代で、私のように五十代で働いているというのはそういないんじゃないかなというふうに思っております。  それから、男女の比率でいいますと、やっぱり平均的に六割、四割で女性の方が多いだろうというふうに思っております。  欧米との比較では余り変わらないんじゃないかなと、日本のNGOとの様子。ただ、欧米の場合には、年齢の高い方が専門性を生かしたマネジメント的な責任者としてずっとNGOで働くという方もいらっしゃるので、欧米の方が比較的年齢が高い層がNGOに残っているというふうに、私の感覚でございます。  日本人で海外のNGOで働いているのはどのくらいいるのかと。これも数字はないんですが、私どものケースでいいますと、私どもの団体で海外の関係するパートナーの、例えばワールド・ビジョンのアフリカに雇われて働いている日本人というのは現在五、六名おります。ほとんどが女性というのが実態という形ですね。ですから、海外のNGOで働いている日本人というのは数もそれほど多くはないんだろうと思います。同様に、日本で働いている外国籍の職員という方もそれほど多くない。そういう意味では、日本のNGOも国際化しなければいけないというふうに思います。  それから、一生涯働けるのかどうかという進路の問題ですけれども、これは、私の見ている限り、やはりNGOの中でも二つに分かれているような気がいたします。NGOで長くずっと働いていく方も若干名いらっしゃいますが、多くの方はいろいろ進路を変更しております。  例えば、いったんNGOに入ったけれども、大学院のために海外に行って、また戻ってきて違うNGOで働くとか、あるいは、外務省等の短期の契約で外務省で働いて、今度国際機関に行ってまたNGOに来るとかという、そういう移動をする方が比較的多いと思います。ただ、ずっとNGOにとどまっているという方もいらっしゃると。ちょっと数的には申し上げられないんですが、ルートとしてはそういうふうな二つのパターンがあるんじゃないかなと思っております。

目加田説子中央大学総合政策学部教授

○参考人(目加田説子君) 日本人のスタッフについては、今、片山さんの方から詳細な御説明がございましたので、一点だけ。  批准国なんですけれども、私たちもそれを載せたいんですけれども、国の数が変わってしまいますと、すぐパンフレットが古くなってしまって使えなくなってしまうということがございまして、大量に刷ると安価になるものですから、そういうちょっと事情がございまして、でも、御提案のとおり、何か紙を差し挟むというようなことでもできると思いますので、検討をさせていただきたいと思います。  ありがとうございます。

石井一民主党・新緑風会・国民新・日本

○会長(石井一君) 大島九州男君。

大島九州男民主党・新緑風会・国民新・日本

○大島九州男君 どうも、両参考人、ありがとうございます。  一点だけ簡潔にお伺いしますが、全世界、いろんなところで活動されていると思うんですが、やはり宗教というのはすごく、いろんな意味で大切な役割を持ったり、いろんな影響があったりすると思うんですが、皆さんからして、宗教の果たす役割とか、こういうことを期待するとか、今までの活動の中でこういうことで困ったと、こういうことがあれするともっと良かったなというのがあったら教えてください。  以上です。

片山信彦特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン常務理事・事務局長

○参考人(片山信彦君) 私どもは、キリスト教精神にのっとってやっているということを明記しておりますけれども、活動しているのは、イスラム圏も、それから仏教圏も、それから共産主義、社会主義の圏もございます。そういう中で、やはり宗教というものの役割は、日本にいるよりも途上国の場合、非常に宗教の果たす割合が大きいということを強く感じております。  そういう中で、私どもが実際に宗教に期待することは、やはり、特に和解の働きを宗教が担ってほしいなと。紛争の原因が必ずしも宗教ではないケースが多いんですけれども、ほかの理由の方が多いんですが、しかし、宗教的な指導者や宗教的な考え方が違う部族、あるいは違う宗教、あるいは格差のある人々の和解の責任を果たすのは、途上国の場合、宗教が非常に大きな力があるというふうに思っております。そういう意味では期待しております。

目加田説子中央大学総合政策学部教授

○参考人(目加田説子君) 宗教の役割というのは、欧米諸国を始め途上国などにも非常に大きな役割を果たしていると思います。一方で、特に困ったことという意味では、ございません。私たちも、政治と同様に宗教に対しても、キリスト教から仏教、イスラムまで含めてすべての宗教的な関係団体とお付き合いをしているということですので、特に困ったことというのはこれまでございません。

石井一民主党・新緑風会・国民新・日本

○会長(石井一君) 山内徳信君。

山内徳信社会民主党・護憲連合

○山内徳信君 私は、片山参考人にお伺いしたいと思います。  このレジュメのNGOの役割と特徴の大きな三、国際貢献というところの②についてお伺いしたいんですが、政治や政府が十分やれないのをNGOの努力で、私は、日本の発信だとかあるいは日本への外国からの信頼といいますか、そういう面で大きくNGOの皆さん方が貢献しておるということに敬意を表したいと思っております。今日は、お二人の参考人、ありがとうございます。  そこで、時間がありませんから一点だけお伺いしたいんですが、一つは、②は「国益だけではなく地球益をめざす」と。私は、これを見まして大変すばらしいと感動したわけです。そこで、地球的な課題としては、地球温暖化の問題や環境問題というふうにこの地球益というのを認識していいかどうか。あるいはそれ以外にもありましたら教えていただきたいと思いますし、こういう地球益を目指して活動をしていくに当たって日本の法制度は十分じゃないと思っておりますが、実際のその現場を統括していて、実定法ではどうにもならないところがあって、やはり自然法の発想まで広げていかなければ地球益を目指すということは十分できないのじゃないかと、こういうふうに思っておりますが、片山さんの見解を教えていただきたいと思います。  以上です。

片山信彦特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン常務理事・事務局長

○参考人(片山信彦君) 御質問ありがとうございます。  御質問に答えられるかどうかちょっと自信が余りありませんが、地球益と言ったときに温暖化とか環境の問題でよいかということに関して申しますと、そういう問題もあります。しかし、例えば人権の問題ですね。差別をされている人たちあるいは途上国の子供たちを見たときに、当然、子どもの権利条約で規定されているように、子供は学校に行く権利があるとか成長をする権利があるわけですね。それが阻害されているというような状況、こういうことも人類全体で見たときには、やはり人権を守っていくというのが地球益にも入ってくるだろうというふうに思いますので、温暖化とか環境だけの問題ではないんじゃないか。むしろ、もう少し広いヒューマニズムといいましょうか、人権の思想の中から出てくるものではないのかなというふうに思っております。  その後の法的な制度、自然法までというのはちょっと私、どういうふうにお答えしていいか分からないので、また別途少し勉強させていただいてお答えしたいと思います。

石井一民主党・新緑風会・国民新・日本

○会長(石井一君) 目加田参考人、何か加えることがありますか。

目加田説子中央大学総合政策学部教授

○参考人(目加田説子君) 特にございません。

山内徳信社会民主党・護憲連合

○山内徳信君 ありがとうございました。

石井一民主党・新緑風会・国民新・日本

○会長(石井一君) それでは、喜納昌吉君。

喜納昌吉民主党・新緑風会・国民新・日本

○喜納昌吉君 片山参考人へ。  NGOと政府との協力の重要性が増しつつあるようですが、例えばNGOグリーンピースと捕鯨に熱心な日本政府、水産当局のように利害が真っ向から対立している場合はどうしたらいいのか、これが一つですね。  それから、目加田参考人へ。  いろいろな国のNGOと日本のNGOの協力も重要かつ大切だと思いますが、日本のような資本主義国のNGOと中国やキューバのような社会主義国のNGOとの協力はうまくいくのでしょうか。よろしくお願いします。

片山信彦特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン常務理事・事務局長

○参考人(片山信彦君) ちょっと聞き取りにくかったんですが、グリーンピースの件で政府と対立しているものをどう評価するかということでございましょうか。  NGOは多様でございまして、いろんな主義主張があります。必ずしも、例えば私と同じ意見でない考え方をしているNGOもあります。それを否定するつもりはありませんが、基本的にはNGOは法令遵守で、法の枠の中でやるということがはっきりしておりますので、その決められた枠の中で自己表現をしたり、あるいは自分の主張を展開するということがあってしかるべきだと思います。ただ、それを越えていく場合には、私どもとしても賛同しかねるというケースでございます。  ちなみに、グリーンピースは、例えばノンフロンの冷蔵庫の提案をいたしまして、これは企業と、ただ反対しているだけではなくて、連携して、昔の松下、今のパナソニックと連携して、ノンフロンの冷蔵庫を一緒に作っているんですね。ですから、必ずしもNGOもただただ反対しているだけではなくて、提案して一緒にやっていくという側面もあることをちょっと付け加えさせていただきたいと思います。

目加田説子中央大学総合政策学部教授

○参考人(目加田説子君) 中国とキューバのNGOと日本のNGOが協力できるかということで、これはもちろんできます、全くその国の体制というのは関係ございませんので。  ただ、社会主義体制の諸国においては、NGOといった場合にも二種類ございまして、いわゆる官製NGOといいますか、そういった、どちらかといえば政府を代弁するような存在のNGOと、それから反体制的なもの、あるいはより独立して環境問題なんかに取り組んでいるNGOということですので、NGOといってもいろいろあるということだけは御指摘させていただきたいと思います。

石井一民主党・新緑風会・国民新・日本

○会長(石井一君) どうもありがとうございました。  最後はちょっとラッシュアワーになりましたが、ひとつお許しください。  それでは、予定の時刻が参りましたので、参考人に対する質疑はこの程度といたします。  一言ごあいさつ申し上げます。  片山参考人及び目加田参考人におかれましては、長時間にわたりまして貴重な御意見を率直に、果敢にお述べいただきまして、おかげさまで大変有意義な調査を行うことができました。調査会を代表し、両参考人のますますのその分野における御活躍を祈念いたしまして、本日の御礼とさせていただきます。  どうもありがとうございました。(拍手)  速記を止めてください。    〔速記中止〕

石井一民主党・新緑風会・国民新・日本

○会長(石井一君) 速記を起こしてください。  NGOの役割について委員間での協議を行います。  議事の進め方でございますが、去る十日に行った調査の概要と論点整理について調査室長から説明を聴取した後に、これと本日の調査を踏まえて午後四時前をめどに委員間で自由に意見交換を行っていただきます。  なお、発言は着席のままで結構でございます。  それでは、調査室長から説明を聴取いたします。藤崎第一特別調査室長。

藤崎昇第一特別調査室長

○第一特別調査室長(藤崎昇君) それでは、委員間の意見交換を行うに当たりまして、NGOの役割をテーマとして開催されました前回の調査会の概要と、その際示された主な論点について御参考までに説明いたします。  去る二月十日の調査会では、本テーマに関して調査を進めるに当たり、まず関係府省から報告を聴取することとし、外務省からはNGOの活動状況、NGOと国際協力について、内閣府からはNPO法人制度について、財務省からはNGOに対する税制上の支援措置の現状について、それぞれ報告を聴取し、この後、各委員はこれらの報告を踏まえて質疑を行いました。  これらの調査の中で示された論点を整理しますと、NGOの現状に関するもの、NGOと政府との連携に関するもの、NGOに対する支援に関するものなど、おおよそ三つに分類できるかと思います。  以下、こうした区分に従い、主な論点を紹介いたします。  まず、NGOの現状についてですが、これについては、NGOの役割の重要性、日本のNGOの課題などに関する指摘がございました。  具体的には、NGOは国際世論を動かす力を持ち、国際秩序の形成にも大きな役割を果たしている。日本のNGOは米国のそれに比し、財政規模、スタッフ数、寄附金額で大きく劣り、寄附金優遇措置の対象となるNGOも少ない。日本のNGOでは十分な所得が得られず、NGOでの活動を職業として行うことが困難である。日本では政策志向型のNGOが少ない。これはNPO法が活動分野を決めていることや縦割り行政がその障害となっているのではないかなどでございます。  次に、NGOと政府との連携については、連携の強化とそのための施策の必要性などに関するものがございました。  具体的には、国際協力に当たり、現地の状況に応じたきめの細かい援助、迅速・柔軟な緊急人道支援などが行えるNGOとの協力が不可欠であり、戦略的連携・活用を推進する必要がある。NGOがその役割を十分果たすには、政府との連携、NGO間の連携が重要であり、各NGOが有する情報の共有に向けてその一元化を図るための窓口を外務省に設けるなどの必要がある。日本の存在感を高める意味から草の根・人間の安全保障無償資金協力を拡大すべきである。NGOとの連携における費用と成果を掌握し、歳出削減に結び付ける必要があるなどでございます。  最後の、NGOに対する支援については、その財政基盤や組織の強化を図るべきとするもので、具体的には、寄附によってNGOが成り立つような社会にするため、寄附金優遇措置の対象となるNGOの拡大など税制面での議論を進めること、啓蒙などによるNGO活動に対する国民の理解を深めることが必要である。寄附の文化が育たない状況においてNGO活動を担保していくためには、公的資金による財政基盤の充実が必要である。NGOは幅広い活動を行っており、政府と立場を異にする部分があるNGOについても支援を行っていく必要があるなどでございます。  以上でございます。

石井一民主党・新緑風会・国民新・日本

○会長(石井一君) これより委員間で自由に意見の交換を行っていただきたいと存じます。  発言を希望される方は、挙手の上、指名を待って御発言くださいますようお願い申し上げます。

川口順子自由民主党

○川口順子君 前回の議論については大体こういうことだったかなというふうに思いますけれども、今国会の終わりまでに我々の勉強したことをまとめるということからいいますと、今日の議論を付け加えることが必要で、私なりに今日の議論の部分からこの紙に何を付け加えるかということを考えてみたんですが、こういうことかなというふうに思いましたので、申し上げたいと思います。  まず、NGOの現状のところですが、今日、私、非常に印象を深くいたしましたのは、非常にいいNGOの方に来ていただいているということで、全部のNGOが、さっき目加田参考人がおっしゃったように、全部こういうふうに今日の御発言どおりに思っていらっしゃるということではないかもしれませんが、アドボカシー型になるために専門性を身に付けることが大事だということをお二方とも強調なさったということで、このNGOの現状の最後の黒丸のところで縦割り行政とか云々という話が書いてありまして、前回、これ私、自分が言ったような気がしますけれども、それに加えて、専門性をまだ十分に持っているところが十分に数がないというところがNGOの方の御発言としてあったかなというふうに思っております。  それから、そこは政府との連携についても同じことが言えるというふうに思いますし、NGOの情報の共有の一元化ということよりは、むしろ今日の感じは、いろんな立場のNGOがあるので、それぞれの立場で政府と連携を持っていくということであったかなという感じがしておりますが、更に皆さんの御意見を伺いたいと思います。  それから、NGOに対する支援ですけれども、一つは、これは目加田参考人がおっしゃった二元化、大きくなるところと小さいところと二つあるというお話があって、それで、小さいところについての集金能力といいますか、寄附を集める力が十分にないのでプラットホームのようなものが必要だとおっしゃったかなというふうに思いますので、そういう部分を付け加えたらいかがかと思っています。  また、同時に、これは片山参考人がおっしゃったかと思いますが、寄附を集めるノウハウの蓄積が大事だ、そういうことも努力をしなきゃいけないというふうにおっしゃったので、そのノウハウを身に付けるというNGOの努力を支援をしていくことが大事かなと思いまして、全体に今日強くNGOの方々が自分たちの自立性、あるいは力を自分たちが持っていくための努力ということを強調なさいましたので、NGOの方々のそういった努力を高く評価を私はしておりまして、それも書き、かつ、その努力を支援する必要性というのも書き加えたらいかがかなというふうに今日の議論を聞いて思いました。  皆様の御意見をいただければ幸いでございます。

石井一民主党・新緑風会・国民新・日本

○会長(石井一君) 川口理事ありがとうございました。

牧野たかお自由民主党

○牧野たかお君 調査会で、これ、要は調査会として総意としてこれを出されることになるんですか、委員会と違うものですから。  NGOに関する考え方も恐らく私たちの立場としていろんな考え方があるかと思うんですが、個人的なことを申し上げますと、NGOに対する支援、今の川口先生がおっしゃったことはよく分かるんですが、上の方に書いてあるような、税制面での優遇の制度をつくると、そういったことには私はいいんですが、ただ、先ほどのお話にあったみたいに、もうNGOの団体はいろんな団体があって、ここに来られている方は本当に世界の中ですばらしい活動をされている方たちが来られていて、そうではない、私たちが知らないところのNGOの団体もあるかと思うんですけれども。  私がちょっと気になったのは、公的資金による財政基盤の充実が必要であると、この公的資金を出すということは、これはかなり、総意として、調査会としてみんなが同じ意見を持つかというと、そうじゃないんじゃないかなというのと、政府と立場を異にする部分があるNGOについても支援を行っていく必要があるということについても、これも様々な意見があるかと思いますので、総意として出すんだったらちょっと私もどうかなと思うんですが、こういう意見もあるということでそこに書かれるなら何も問題ないんですが、総意として出されるとなると私は、自分の考えからするとちょっと異を唱えてしまうんですが、どうなんでしょう。

石井一民主党・新緑風会・国民新・日本

○会長(石井一君) ここでの議論はできるだけ自由にやっていただいたらいいと思うので、もう本来指名など不必要かとも思うんですが。  今の牧野さんの御意見に関しましては、確かに、言われている主張もある部分正しいと思いますが、同時に、余り固まるとNGOの活躍ができないので、その辺は少しリベラルにとらえてやってほしいなという一面もありますから、最終的の結論としては、強い反対があることであれば削除しますが、原文ができたときに理事に見ていただいて、皆様にも見ていただいて、御異論があれば私の責任で削除させていただきますが、少しやっぱり議員らしいアドバイスもしてやってもいいんじゃないかなと。  そういうことで、合意を得ながら取りまとめますから、どうぞひとつ、今の問題の御指摘はよく分かりましたので、議論を進めていただきたいなというふうに思います。

丸山和也自由民主党

○丸山和也君 一点なんですけれども、私は牧野委員とはちょっと反対というあれで。  やはりNGOというのは、その存在が、要するに政府の意見とも違う、政府ではできない、そういうところに対してどう力を民間が発揮するか、あるいは、ある意味においては政府をどうやって市民的な力でリードするかというところが出ていますから、将来的には政府と一致するにしても、やっぱり今の時点では政府と対立するとか、中にはいっぱいあるわけですね。そこにまさにNGOのNGOとしてのある意味できらきらとした存在意義があるわけですよ、未来志向型なんですよ。  そういう意味では、ここを、政府と対立するんだったら、いやこれはもう公的資金は出さないんだよとなると、やっぱりNGOの精神の、スピリッツの根幹にかかわってくると思うんですよね。だから、これは反政府、武装勢力にどうこうするとなると、これはまあ別ですけれども、そうじゃない、いわゆるやっぱり健全なNGOに対しては、むしろ政府の方もそれを期待しているというふうなところもあるようにも思うんですよね、そういうことがあれば政府も動くというみたいな、そういういろんな作用がありますから、是非残してほしいと、アンダーラインを入れてほしいというぐらいの。  それともう一つ。本当は参考人に聞きたかったんですけれども、もう時間がなくなったんですけれども、このワールド・ビジョン・ジャパンにしましても、これはやっぱり、あらゆる政治団体あるいは宗教団体等も分け隔てなく活動されている、非常にあれだと思うんです。そのエネルギーというかはやっぱりキリスト教精神なんですよね。やっぱり宗教的なあれがあってこれだけのものになっているんですよね。すると、こういうNGOの活動と宗教の問題というのは、やっぱりなかなか深いところでは避けて通れない一線があると思うんですね。  例えば、昔、よく知らないんですが、いろんな活動をされている中で、キリスト教的な、布教とまでは言わないまでも、そういういろんなことがなされているのか、いないのか。あるいは、じわじわとしたそういうことを目的にしているのかどうか。目的とはしていないと思うんですけれども、やっぱり影響はあると思うんですね。  日本にも、曹洞宗でやっぱりNGOでやっているいろいろな団体があるんですよね。だから、日本の場合は仏教って余り宗教を強制しないんですけれども、キリスト教というのはやっぱりザビエルの時代から世界に命懸けで出ていって、救済しながら布教していく、時には武器を持ってという、こういう激しい、情熱と言えば情熱があるんですね。だから、こういうところでぼやっとしたNGOが対抗、対抗って変ですけれども、なかなか組織的にはやっぱり大きくなるんですね。  弊害じゃないんですけれども、こういう宗教的バックグラウンド、政治の世界でもいろんな宗教団体がいろいろありますし、石井先生の得意分野ですけれども、そういうとこら辺について我々がどういうふうにNGOの活動の中で宗教というものをとらえるかというところを、これはなかなか今回の案には出ないと思うんですが、やっぱり考えていくというか、工夫をしていく、みんなが仲良くなればいいんですが。  例えば、僕が聞きたかったのは、イスラム教を母体にしたNGOがあるのかとか、それから、いろいろな世界の宗教を、ヒンズー教を母体にしたNGOがあるのかとか、そういうこともちょっと勉強したいなと思っています。余計なことでしたけれども。

石井一民主党・新緑風会・国民新・日本

○会長(石井一君) いや、非常に貴重な御意見だと思いますよ。御両人の意見はもう非常に自由民主党的で、幅が広いし、そこで何かの頂点を見出して何十年も政権持ってきたんですから、それと同じような形でここでも合意を求めていきたいというふうに思いますので、以上の御意見を拝聴して、皆さんほかに、どうぞ御自由に御発言いただきたい。

喜納昌吉民主党・新緑風会・国民新・日本

○喜納昌吉君 やっぱり、民族益とそれから国益というものがもう限界に来ていると思うんですね。やはり、民族益と地球益とか、それから国益と人類益とか、その整合性を当てはめていくところに私はNGOの役割があると思うんですね。だから、そういう意味では、今日はずっと聞いていたんですけれども、そこはまとまるということ、特権を与えるとNPOと余り変わりはなくなってしまう可能性もあるし、やはりNGOというのは野性を残していくという方向からつくっていかないと困るんではないかなと思っています。  やはり、この地球白書をずっと勉強してきたんですけれども、この国際問題調査会で。やっぱり、地球そのものが人類の爆食というんですか、爆食にこたえ切れなくなっているという、このまま行くと地球が三個あっても足りないと言われていますからね。やはり地球を運営していくという方向に、私は、日本の政府がNGOをしっかり固めていくことができれば、国連さえも改革していく一つのきっかけになるんではないかというほど思っているんですね。そういう意味ではこの国際問題調査会というのは非常に重要な役割があると私は思っていますけれども、是非そこら辺もよろしくお願いします。

島田智哉子民主党・新緑風会・国民新・日本

○島田智哉子君 先ほど、参考人の質疑の中でも発言をさせていただいたんですけれども、NGOの活動として、現地の住民への直接的な支援と併せて技術移転を通して地域と人の自立をいかに支援していくかということが大変重要なNGOの目的の一つであるかというふうに思いました。  先日の外務省の説明の中でも、NGOの持っているメリットとして、現地の状況に応じてきめ細かな援助ができるということと、あるいは迅速、柔軟な緊急人道支援等のお話がございました。また、NGOは国際協力における重要なパートナーということを強調されておられましたので、やはりODAの予算が削減傾向にある中で、NGOの組織強化に対して予算の拡充等々、私は政府に対してNGOの協力に向けてなお一層の強化策を求めていく必要があるということを認識させていただきました。

石井一民主党・新緑風会・国民新・日本

○会長(石井一君) どうぞ御自由に御感想をお述べください。

主濱了民主党・新緑風会・国民新・日本

○主濱了君 私も先ほど来お話しのあった、まず牧野先生の指摘についてお話をしたいんですが。  実は私も、前々回の調査会で発言をさせていただいたんですが、要するに一〇〇%資金を政府が出してしまえばそれはNGOではないと、こういうふうに思うんですよ。要するに、もう先ほど話題に出ました官製NGOだと、こういうことだというふうに思いますので、これはやっぱり避けなければいけないと思いつつも、やはり日本の場合はもう本当に財政基盤それから支持基盤、これが薄い、弱いと、こう言って差し支えないと思うんですよ。ですから、そこのところは様々な意見があると思います。私はその中間辺りをねらいたいわけなんですけれどもね。  これは、どの意見をここで採択するかというのではなくて、それぞれの意見を掲げていいんじゃないだろうかと。幅広く掲げて私はいいんではないだろうかというふうに思うんですよ。ここのところ、公的資金、これちょっとでも入れば駄目だとか、一〇〇%であれば駄目だとか、こういうことじゃなくて、幅広く意見を、要するに対立した意見であってもそれぞれ掲げていくのがいいのではないだろうかと、こういうふうに思っております。

石井一民主党・新緑風会・国民新・日本

○会長(石井一君) いや、今の御指摘もまたレポートのときに十分配慮したらいいんじゃないか。両論併記ということもございますし、こういう意見もあり、こういうこともあったというふうな話もあってもいいんじゃないかなというふうに思いますから、また後刻、その段階で協議させていただこうというふうに思います。  それから、さっき質問をされた大島君が退席をされましたが、NGOと宗教という問題で、私はやはり宗教心のある人がNGOに一番協力をされるということはあり得ると思うんですよ、犠牲の精神、人を救うというような話ですから。それを排除するべきではないと思うんでありましてね。それが直接布教につながるとかなんとかということになると、これはまたいろいろと異論というふうなものがあると思いますが、NGOで積極的な参画をしておるそういうお方にはやっぱり私は深い宗教心を持った人が非常に多いんじゃないか、そういう感じがしておりますので、これとこれとを否定するということはまたどうかなという、そういう印象を受けましたですね。  私は宗教団体なんかは一切批判しておりません。それはもう非常に崇高な存在だということを常に申し上げておるわけでありまして、その点ひとつ丸山先生、誤解のないように。

丸山和也自由民主党

○丸山和也君 いやいやもう、いつも常々そういうふうに聞いておりますから。

島尻安伊子自由民主党

○島尻安伊子君 宗教のお話だったんで、ちょっと。  実は昨年、エチオピアに行かせてもらったときに、バースコントロールという、テーマじゃないんですけれども、そういう場面で、例えば女性がうまくバースコントロールしなきゃいけないというか、した方がいいというような場面があったんですけれども、そこに、例えばキリスト教でもカトリックだとかですね。そうすると、そういったコントロールするのはいかがなものかというような考えも出てきて、そういう場面、場面というか直接対決ではないんですけれども、その二つのものというのがなるほどということで現地で見ることができたんですけれども。  先ほども両参考人からもありましたけれども、NGOって本当にいろんな考え方があって、その考えに基づいて行動しているという意味では、宗教というふうな一言はあるかもしれませんけれども、その宗教でさえもいろいろな考えがあるので、宗教という切り口はちょっと慎重に取り扱わないといけないのかなというふうに思いました。

石井一民主党・新緑風会・国民新・日本

○会長(石井一君) いかがですか、御感想でも御提言でも結構ですけれども。

喜納昌吉民主党・新緑風会・国民新・日本

○喜納昌吉君 余り制約なんかは付けない方がいいんではないでしょうかね、宗教がああだとかこうだとかで。  NGOというのは、基本的には地球的に人類的に目覚めた人たちが中心になっていきますから、やっぱり中東なんかでいうと、アブラハム、イサク、ヤコブからモハメッド、ジーザス、それからモーゼという一つの体系があって、その下の根底には旧約聖書があるという、コーランとかタルムードと、新約聖書があるというのはよく分かりますけれども、世界にはたくさん宗教ありますからね。宗教だから、こうだからといって、NGOというのはやはりボーダーレスというんですかね、国境を越えた哲学と信念がありますから、これは一つのカテゴリーを当てはめて考えるとNGOは死んでいくんではないでしょうかね。そう思っております。

郡司彰民主党・新緑風会・国民新・日本

○郡司彰君 いろいろ今日のお二人の参考人の話も聞かせていただいたりしながら考えていたんですけれども、なぜ必要かとか、そういうような議論というのが余りなじまないのかなというような感じがしております。  私自身の感覚からいうと、このような国会の中でNGOの話をする場合には、例えば、なぜ日本でNGOで、俗っぽく言うと、生活をしているような人たちが増えないんだろうか、あるいはまた、若い人たちでそこに入っていく人たちが少ないんだろうか。例えば、学校教育でそれを教えるとかというよりも、制度の面で、休学をしてそのような活動に行っているときには復学をするときにそれを可能にするような制度をきちんとつくってあげるということができないんだろうかとか、あるいはまた、国外に行って活動をしている日本のボランティアの人たちの年金とか、あるいは社会保障制度というものはどういうふうになっているんだと、それが日本に戻ってきたときにどのような形で継続をされるんだろうか、されているんだろうか。  そういうところでもって、国が制度として補完するというよりも、それをバックアップするような形というものを議論をする方がかえってよろしいのではないかなというようなちょっと思いを持っておりまして、それ以外のところはできるだけ私たちが関与すべき分野ではないのではないかなと、そういうような感覚を持っているものですからちょっと先ほどから発言を控えていたんでありますけれども、そういうような視点で、逆にもう少し何が補完できるんだろうかということの意見を聴かせていただければ有り難いなというちょっと私自身は感じをしております。

石井一民主党・新緑風会・国民新・日本

○会長(石井一君) 今の御指摘は今日の参考人にもぶつけていただきたかった点ですね。

富岡由紀夫民主党・新緑風会・国民新・日本

○富岡由紀夫君 最後、ちょっとラッシュアワーの中で質問をさせていただいたんで思いが全部伝えられなかったんですけれども、今、郡司先生からお話あったのと関連するんですけれども、やはり私もODAの委員会でいろんな視察を何回か行っているんですけれども、そういうところで見ていると、やっぱりそこでNGOの人もそうですし、あと、例えばJICAで働いている人たちもそうですし、いろいろ外務省で働いている人もそうなんですけれども、あとボランタリーでやっている人たちもそうなんですけれども、自分のキャリアとして見たときに、若いうちは、それはさっきも三十代、四十代が中心だというお話だったんですけれども、そういう海外でいろんな救援活動をやったり支援活動をやったりすることはできるんですけれども、やはりある程度の年齢になってくると、例えば世帯を持ったり自分の生活を考えたりしたときに、そのままずっとやっていられるかというと、なかなかいられないと。  せっかく、先ほど専門性を高めるというお話がありましたけれども、専門性を高めてもそれを捨ててやっぱり自分の生活に戻らなくちゃいけないという、そういう非常にジレンマを持っている人がたくさんいるという話を聞いております。  では、どうしたらいいかというと、国連の機関に入れるかというと、なかなか、そういう道は非常に狭い道ですし、外務省で雇ってくれるかというと、また非常に厳しいという形で、いろんな若い人たちがそういう活動をした後の、ある程度の年齢になった後のそのキャリアというものが非常に整備されていないというか不透明だというところがやはり日本の若い人たちがそういうところに入りづらい要因の一つにもなっているのではないかなと私は思っております。  今言ったように、やっぱりそういう将来展望、こういう分野に入ったら将来こういう仕事、こういうキャリアの道に進むことができるんだというような道筋をある程度つくり出すというか、そういったものも国としてある程度援助できるというか、お手伝いできるようなことを考えていく必要があるのかなと私は思っております。そういった議論もさせていただければというふうに思っております。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 二点だけお願いします。  二番目にNGOと政府との連携と書いてあるんですけれども、今日の参考人の方から指摘があったように、NGOと政治との連携というのが非常に遠いと。政府とは、多分外務省の方が所掌していますのでいろいろやってはいると思うんですけれども、NGOと政治という部分はすぽっと何か抜けているような感じがしますので、その辺りも入れていただきたいと思います。  三番目のNGOに対する支援という分野では、いろいろお金の面とか書いてあるんですけれども、今日の二人の参考人からあったように、今まで日本のNGOが弱い部分、専門性と川口理事からありましたけれども、専門性の分野に対する支援とか、支援をするにしても、そういう量的な支援だけではなく、分野というか、そういう機能とか分野面を少しクローズアップした形でここに書いてもらうともっと調査会の思いというか結果がぐっと浮き上がるような感じがいたします。  以上です。

小池正勝自由民主党

○小池正勝君 私は今日のお話を聞かせてもらって、今も先生方からお話が出ましたが、若い人が多くて五十代の人なんというのは少ないんだという話がありました。それから、女性の方が非常に多いんだというお話もございました。志の高い人はたくさんいるんだけれども、結局それが途中で持続できなくなってしまう、それは一に掛かってやはり生活の話があるからだろうと思うんですよね。  だから、その生活の話というのをやはり我々は支援してあげなければいけない。先ほどおっしゃっておられた年金云々と、もちろんそういった部分も大事ですけれども、やはり財政基盤ということを我々は真正面に受け止めていかなければならないのではないかと。だから、そのときには、まさに政治がやれることというと、税のお話であるとかそういった面をきっちり支援していくということがNGOの支援になっていくし、まさにそういうことこそがこういう調査会で勉強すべき話なのではないのかなと、そんな思いをいたしました。

石井一民主党・新緑風会・国民新・日本

○会長(石井一君) さて、それでは、少し時間が早いようですが、ほかに御発言がなければ、本日の調査はこの程度とさせていただきたいと存じます。  委員各位には、貴重な御意見を熱心にお述べいただきまして、誠にありがとうございました。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時三十四分散会

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