厚生労働委員会 第12号
- 発言数
- 362 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2009/06/02
会議録
○委員長(辻泰弘君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る五月八日、大島九州男君及び山田俊男君が委員を辞任され、その補欠として下田敦子君及び石井みどり君が選任されました。 また、去る五月十一日、浜田昌良君が委員を辞任され、その補欠として渡辺孝男君が選任されました。 また、昨日、坂本由紀子君及び梅村聡君が委員を辞任され、その補欠として礒崎陽輔君及び武内則男君が選任されました。 ─────────────
○委員長(辻泰弘君) 厚生年金保険の保険給付及び保険料の納付の特例等に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。──別に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 本法律案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から本法律案に対する意見を聴取いたします。舛添厚生労働大臣。
○国務大臣(舛添要一君) お答え申し上げます前に、今日は沖縄のかりゆしの日ということで、かりゆし着用をしろということで閣議決定がありましたので、こういう服装でおりますことをお許しいただきたいと思います。 さて、厚生年金保険の保険給付及び保険料の納付の特例等に関する法律の一部を改正する法律案に対する内閣意見を申し上げます。 参議院議員津田弥太郎君外八名提出の厚生年金保険の保険給付及び保険料の納付の特例等に関する法律の一部を改正する法律案につきましては、政府としては反対であります。
○委員長(辻泰弘君) これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○衛藤晟一君 私は、自由民主党及び公明党を代表して、ただいま議題となっております厚生年金保険の保険給付及び保険料の納付の特例等に関する法律の一部を改正する法律案、いわゆる年金記録回復促進法案について反対の討論を行うものであります。 この野党の年金記録回復促進法案は、さきの法案審議でも明らかになったように、その内容については不備が多く、到底国民の理解は得られない欠陥法案と言わざるを得ないものであります。 以下、具体的に反対理由を申し述べます。 第一の理由は、第三者委員会における事実認定の現行基準は、明らかに不合理ではなく、一応確からしいこととしていますが、本法案では、一応確からしいを削除している点です。第三者委員会が明らかに不合理であるという証明などできないので、申立人が、保険料は天引きされたはず、あるいは保険料を納めたはずとだけ主張し続ければ、年金が増額され、ごね得という結果になるわけであります。 このようにこの法案では、実際には保険料の天引きがなくても、保険料が天引きされたはず、保険料を納めたはずと主張した人すべての年金が増額することになりかねず、第三者委員会に申立てさえすれば確実に年金が増えるというモラルハザードの現象が起きかねません。提案者もこの問題があることを認め、そこを何とか話合いをさせていただきながら詰めさせていただきたいと答弁しているにもかかわらず、何の手当てもせずに可決しようとするものであります。 第二の理由は、本法案の理念と具体的な政策手段が合致していないという点であります。 具体的には、本法案では、標準報酬等の不適正な遡及訂正事案を想定して、国の帰責事由があるおそれがないと認められない場合には公表は行わないこととされておりますが、標準報酬等の不適正な遡及訂正事案は厚生年金保険法に基づいて救済しており、厚年特例法に基づく公表等の対象とならず、厚年特例法を改正する本法案はこうした事例への対応とは全く関係がありません。この問題についても提案者は認めており、御指摘の点は私ども十分これから検討させていただきたいと答弁されているわけであります。問題点を認識しながら放置するのですか。 もちろん、我々は、標準報酬等の不適正な遡及訂正事案についての対応は精力的に進めていきます。しかし、この法案とは別の問題であります。 第三者委員会の審議に事業主の協力を求めていこうという趣旨は賛同できるところであります。しかし、本法案による措置では、保険料天引きの事実確認に協力したかどうかに関係なく納付勧奨、公表されるかどうかが決まるので、事業主の協力に結び付きません。また、たとえ納付勧奨、公表を免れても、従業員が有する損害賠償等の請求権を国が取得することになっており、法案の内容に一貫性がありません。 与党は、第三者委員会の審議に事業主が協力した場合には事業主名の公表を免除するという具体的な提案もさせていただきました。このような直接的な政策手段を講じることにより、事業主の協力を得ることができると考えたからであります。しかし、野党は与党からの具体的な提案を受け入れず、目的と政策手段が合致していない法案に何の手当てもせずに可決しようとしています。 第三の理由は、安易な国庫負担が行われるという点であります。 国の帰責事由があることの主張を社会保険庁が反証することは、昔の出来事でもあり、事実上困難であります。事業主は、国の帰責事由があったと主張さえすれば、納付勧奨、事業主名の公表を免れることになります。第三者委員会の審議に協力しようとする事業主ではなく、猫ばばした年金保険料を何とか納めたくないと考えている事業主ほど納付勧奨、事業主名の公表を逃れ、結局安易な国庫負担が行われることになります。 二年前の厚年特例法の制定の審議のときの民主党の悪徳・不行き届き事業主を許さないというスタンスは一体どこに行ったのでしょうか。これらの点は既に審議で明らかにされ、提案者も認めていることであり、この法案が多くの問題点を放置した欠陥法案であることは明らかであります。このような法案は、当然のことながら国民の期待には到底こたえられるものではなく、党利党略のパフォーマンス法案であると断ぜざるを得ません。 野党の先生方、法案提出者が法案の不備について認めているような法案を良識の府である参議院で可決してよろしいのでしょうか。我々は、このような欠陥法案を可決させようとする暴挙について断固反対であることを表明するとともに、年金記録問題の解決のためには、実施体制強化や作業の効率化の徹底等、様々な取組を集中的、計画的に実施していくことこそ国民の負託にこたえるあるべき姿勢であり、それを担えるのは着実に具体的な政策を講じ実行できる我々与党しかないということを申し上げた上で、私の討論を終わります。
○委員長(辻泰弘君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 厚生年金保険の保険給付及び保険料の納付の特例等に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(辻泰弘君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(辻泰弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(辻泰弘君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省年金局長渡邉芳樹君外十四名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(辻泰弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(辻泰弘君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に参考人として日本郵政株式会社常務執行役伊東敏朗君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(辻泰弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(辻泰弘君) 国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。 政府から趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明を聴取いたします。舛添厚生労働大臣。
○国務大臣(舛添要一君) ただいま議題となりました国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 平成十六年に成立した年金制度改正法においては、長期的な負担と給付の均衡を図り、制度を持続可能なものとするため、基礎年金の国庫負担割合を平成二十一年度までに二分の一に引き上げることとされております。 この法律案は、これを踏まえ、平成二十一年度からの基礎年金の国庫負担割合を二分の一に引き上げるための所要の措置を講ずるものであります。 以下、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。 第一に、国庫は、平成二十一年度及び平成二十二年度については、現行の基礎年金の国庫負担割合に基づく負担額のほか、財政投融資特別会計から一般会計への特例的な繰入金を活用し、当該額と国庫負担割合二分の一に基づく負担額との差額を負担することとしております。 第二に、所得税法等の一部を改正する法律附則の規定に従って行われる税制の抜本的な改革により所要の安定財源の確保を図った上で、基礎年金の国庫負担割合の二分の一への引上げを恒久化することその他所要の措置を講ずることとしております。 このほか、関係する法律の改正について所要の措置を行うこととしております。 なお、本法律案は、その施行期日を平成二十一年四月一日として提案いたしておりましたが、衆議院において公布の日に修正されておりますので、御報告いたします。 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。 以上でございます。
○委員長(辻泰弘君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○蓮舫君 民主党・新緑風会の蓮舫でございます。 まず、年金の法案の質疑に入る前に、若干確認をさせていただきたいことがございます。 五月の二十六日に厚生労働省の職員が逮捕されました。これ一体どういう事件だったのか、概要の御説明をいただけますでしょうか。
○政府参考人(木倉敬之君) 御説明申し上げます。 郵便料金におきます障害者団体向けの割引制度、心身障害者用の低料第三種郵便ということでございますが、これにつきまして、その利用に必要な障害者団体の刊行物、それに対します証明書に関しまして、今御指摘の五月二十六日、当省の職員が虚偽公文書作成等の容疑で逮捕されたものでございます。
○蓮舫君 虚偽公文書偽造などの容疑で逮捕。逮捕された容疑者は、障害保健福祉部企画課の係長だったときに、凜の会という、障害者団体の実体がないにもかかわらず証明書の発行を認めるうその決裁文書を作成、証明書を偽造したのではないかと報道されているんですね。 郵便事業会社にお伺いをいたしますが、この障害者団体が低料金第三種郵便制度を利用するために求められる条件というのは何でしょうか。
○参考人(伊東敏朗君) お答えいたします。 心身障害者用低料第三種郵便物の承認を得るための条件でございますが、心身障害者用低料第三種郵便物というものにつきましては、第三種郵便物という大きな枠組みの中の料金区分の一つでございます。心身障害者団体が心身障害者の福祉を図ることを目的として発行する定期刊行物を内容とするもので、発行人から差し出されるものというふうに定義されているところでございます。 まず、第三種郵便物でございますので、第三種郵便物の承認条件を満たす必要がございます。具体的には、毎年四回以上、号を追って定期に発行するもの、掲載事項の性質上発行の終期を予定し得ないもの、政治、経済、文化その他公共的な事項を報道し、又は論議することを目的とし、あまねく発売されるものであること。 この今申し上げました三点目につきましては更に具体的に定められておりまして、会報、会誌、社報その他団体が発行するもので、その団体又は団体の構成員の消息、意見の交換等を内容とするものではないこと。先ほど申し上げましたように、あまねく発売するということからこういう基準がございます。そのほか、全体の印刷部分に占める広告の割合が五割以下、一回の発行部数が五百部以上、一回の発行部数に占める発売部数の割合が八割以上、定価を付していること等の条件がございまして、心身障害者用低料第三種郵便物につきましては、今申し上げました承認条件を満たした上で、心身障害者を主たる構成員とする団体が心身障害者の福祉を図ることを目的として発行する定期刊行物であることから、一つといたしまして、会則、規約等当該団体への加入資格又は構成員が明らかになる資料、それから、公共機関、厚生労働省、都道府県、政令指定都市等でございますが、発行した証明書を提出いただくこととしているところでございます。
○蓮舫君 低料金郵便制度を使うためには障害者団体であるという公的な証明書がこれ大変重要な要件になってくるんですけれども、凜の会が厚生労働省発行の証明書を添えて、団体として、郵便事業会社の前身ですけれども、承認されたのは何年ですか。
○参考人(伊東敏朗君) 平成十六年度でございます。
○蓮舫君 平成十六年度、二〇〇四年は、この逮捕された職員がこの証明書作成を担当している年です。 厚労省にお伺いします。二〇〇四年度、平成十六年度に厚労省として公式に発行した証明書は何件ですか。
○政府参考人(木倉敬之君) お答え申し上げます。 障害者団体の発行いたしますこの定期刊行物についての証明の状況でございますが、現在更に精査をしておると。これは、それぞれの団体に一番関係の深い事務をやっておるところがやっておるということでそれぞれを精査をしておりますけれども、現在までの把握の状況といたしましては、十六年、この暦年の方で見ますと証明はゼロ件でございます。ただ、十六年度となりますと、十七年三月に別な部門で一件確認はできておるところでございます。
○蓮舫君 つまり、その凜の会は、厚労省が公式に証明書を発行したゼロ件の年に証明書の発行を受けて、郵便事業会社に低料金第三種郵便の承認を受けていると。郵便事業会社から今回厚労省にそのときに提出された証明書の事実確認が行っていますが、その事実確認をした結果、どうだったでしょうか。
○政府参考人(木倉敬之君) お答え申し上げます。 今年、二十一年の一月のころでございますけれども、郵便事業株式会社からこの凜の会に係ります障害者団体の証明書のコピーの提供を受けまして、この該当する日付にそういうものがあるかどうかということを確認を求められたわけでございますが、その該当する証明書に書かれております日付に、そこに書いてあります番号、公文書の番号でございますが、この日付、番号を使用して文書を発行したという事実がこちらで確認できませんでした。 そこで、これについて証明書を発行したという事実は確認できなかったということを郵便事業会社の方にお答え申し上げたところでございます。
○蓮舫君 つまり、偽物だったということですか。
○政府参考人(木倉敬之君) その点は今捜査中だと思いますが、我々としては、そのときに私どもの方から証明書を出したものではないというふうに認識をしているところでございます。
○蓮舫君 その偽物だと思われる証明書には厚労省の公印、公的な判こ、印が押してあったと聞いていますけれども、これは本当でしょうか。
○政府参考人(木倉敬之君) そのときに提示を受けております証明書と言われるものにつきましては、企画課長、職名ですが、企画課長の公印が押してあったというふうに承知をしております。
○蓮舫君 公印はだれでも勝手に自由に使えるんでしょうか。
○政府参考人(木倉敬之君) お答え申し上げます。 この公印は、厚生労働省公印の管理の規程がございます。その規程の中で、紛失、盗難等の事故が生じないように厳重に管理しなきゃならないということでございまして、その規程の上で、押印につきましても、管理者、この場合は企画課長印でございますから企画課長でございますが、企画課長の下でこの決裁、稟議と言われているものですが、決裁を終了したその原議を照合いたしまして終わっているということを確認の上、総務係の管理の下で押印を行っておると、こういう仕組みでございます。
○蓮舫君 児童家庭局長にお伺いします。当時の企画課長として決裁されましたか。
○政府参考人(村木厚子君) お答え申し上げます。 お尋ねの件でございますが、雇用均等・児童家庭局長である政府参考人としては、所管ではございませんのでお答えをする立場にございません。
○蓮舫君 これも報道なんですけれども、国会議員から相談、依頼を受けたという元部長の証言がマスコミで報道されておりますが、元部長から、あるいは国会議員から、当時企画課長だった児童家庭局長は何らかの相談がありましたか。
○政府参考人(村木厚子君) お尋ねの点でございますが、先ほども申し上げましたとおり、雇用均等・児童家庭局長という立場で所管外のことにお答えをする立場にはございません。
○委員長(辻泰弘君) 速記を止めてください。 〔午前十時二十分速記中止〕 〔午前十時三十一分速記開始〕
○委員長(辻泰弘君) 速記を始めてください。
○蓮舫君 〇四年に厚生労働省は、障害者団体の公的な証明書の発行はゼロ件だった。でも、その年に凜の会は、厚労省が発行したとされる証明書をもって低料金郵便制度の承認を受けている。その証明書を作った職員が公文書偽造で逮捕された。その職員の直属の上司だった当時企画課長だった児童家庭局長はこのことを御存じでしたか、あるいは国会議員から何らかの相談がありましたか。
○委員長(辻泰弘君) 村木さんに対する質問ですけれども、村木局長。
○政府参考人(村木厚子君) 同じ答弁を繰り返して大変恐縮でございますが、雇用均等・児童家庭局長である政府参考人としてはお答えをする立場にございません。
○蓮舫君 この答弁のありようについては、是非、委員長、理事会で協議をお願いしたいと思います。
○委員長(辻泰弘君) ただいまの件につきましては、後刻理事会で協議をさせていただきます。
○蓮舫君 最後に、郵便事業会社に一つ確認をさせていただきたいんですが、今回の事件によって、障害者団体にとって、今後、この低料金郵便制度が持続するのかどうなのか非常に不安に思っておられるんですが、この件はどうでしょうか。
○参考人(伊東敏朗君) お答えいたします。 第三種郵便物制度は、国民文化の普及向上に貢献すると認められる新聞、雑誌等の定期刊行物の郵送料を安くして、購読者の負担軽減を図り、その入手を容易にし、もって国民文化の発展に寄与するものとして、郵便法という法律の規定により郵便事業会社に提供が義務付けられているものでございます。その中でも心身障害者用低料第三種郵便物は、特に社会福祉への貢献として、更に低廉な料金で提供しているものでございます。 今般問題となった制度の不適正利用に関しまして、昨年十二月に総務大臣から発せられた監督上の命令を厳粛に受け止めまして、昨年十二月及び本年三月に総務大臣に御報告いたしました再発防止策を確実に実施し、お客様の信頼回復を図り、本来の趣旨に添った形で今後とも制度が適切に運用されるよう努めてまいりたいと思っているところでございます。
○蓮舫君 ありがとうございました。郵便事業会社さん、どうぞ御退席ください。 それでは、年金法案の審議に入らせていただきたいと思います。 今回政府が提案されている国民年金法の改正案、私どもは大きく二つの意味で問題があると考えております。 一つは、平成十六年度改正では、基礎年金の国庫負担を三分の一から二分の一に引き上げる、財源は附則において「税制上の措置を講じた上で」と明記してあります。つまり、安定財源確保のための税改正が行われることを前提として行うと。ところが、税改正を行うことなしに、今回、不安定な埋蔵金に頼るとしていることが問題の一点。 もう一つは、五年に一回行われる財政検証なんですが、モデル世帯の所得代替率は辛うじて五〇・一%で、〇四年の政府の公約を維持はしているんですけれども、経済前提を少し厚労省の想定とずらす、低く見積もることによってこの五割はあっという間に割り込みます。制度自体がもはや百年安心、維持可能性について私は大きな問題があると思っております。本当はこの厚労省のこうした見込みが外れると一番だれがその負担を負うかというとこれは国民であって、保険料の引上げとか給付の大幅削減という形で将来世代に大きなツケを先送りしてはいけないと私どもは考えております。 その意味で、私たちはこんな場当たり的な改正あるいは不安定な埋蔵金に頼るのではなく、制度そのものの見直しを行うべきだという立場に立ってはおりますが、まず財政検証の基本ケース、経済前提の説明、結果厚生年金の標準的な給付水準、所得代替率の見通しを教えていただけますか。資料一と二で付けてあります。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 御指摘の財政検証の基本ケースにおける経済前提は、長期にわたる経済の平均的な姿として、物価上昇率一%、名目賃金上昇率二・五%、実質一・五%、名目運用利回り四・一%、実質三・一%と設定をし計算をしているものでございます。金融経済の専門家を集めた専門委員会による検討結果を踏まえているものでございます。この基本ケースにおける所得代替率は、平成五十年、二〇三八年度以降、五〇・一%の見通しでございます。
○蓮舫君 済みません。児童家庭局長さん、どうぞお帰りください。ありがとうございました。 今年金局長から御説明をいただきましたけれども、この経済前提は内閣府の試算によるもので、経済中位ケースを想定するとなっています。この経済中位ケースというのは資料三にお付けをさせていただいておりますけれども、世界経済順調回復シナリオ。 内閣府にお伺いをいたします。このシナリオでは今年度と来年度の実質成長率をどれぐらいと試算していますか。
○政府参考人(齋藤潤君) お答え申し上げます。 本年一月に公表いたしました経済財政の中長期方針と十年展望、これのための比較試算によりますと、財政検証の経済中位ケースに対応いたします順調回復シナリオの下での実質成長率は、今年度、すなわち二〇〇九年度は〇・〇%、来年度、すなわち二〇一〇年度は一・五%でございます。
○蓮舫君 今年度の実質成長率が〇・〇%で、来年度が回復をしてプラス一・五%という試算で今回の年金財政検証の経済前提が置かれています。 併せて内閣府に伺います。二〇〇九年度一月から三月期の実質GDPの成長率はどれぐらいで、年率に換算するとどれぐらいでしたか。
○政府参考人(大脇広樹君) お答え申し上げます。 五月二十日に公表しました二十一年一―三月期四半期別GDP速報における実質成長率は、前期比マイナス四・〇%、年率換算でマイナス一五・二%でございます。
○蓮舫君 つまり、内閣府の試算で今年度〇・〇と言っておりますけれども、実質はもう年率に計算するとマイナス一五・二%、相当乖離が出ている。 この前提となったシナリオでは、来年度に世界経済が順調に回復をして、二年後の二〇一一年から一五年までに日本で消費税を五%更に上げ、かつ十四・三兆円もの歳出削減が可能になるという見通しなんですね。 内閣府にお伺いをいたしますが、こうした世界経済の中で来年度以降の経済見通しはこの中位ケースに想定した世界経済順調回復シナリオになるんでしょうか。
○政府参考人(齋藤潤君) お答え申し上げます。 現時点においてどのシナリオに沿っていくかということは大変言いづらいところでございます。 この比較試算におきましては、こういった不確実性の下で三つのシナリオを想定しておりまして、今御説明しました順調回復シナリオ以外には、世界経済が急回復するシナリオとともに世界経済が底ばいを継続するシナリオについても試算をしております。
○蓮舫君 いや、見通しとして、この中位ケースで今後経済は回復しているとまだ見ておられるんですか。
○政府参考人(齋藤潤君) お答え申し上げます。 この試算は一月に公表をされましたけれども、その後、経済見通しの暫定試算が出ております。それから、今御説明いたしました本年の一―三月期のGDP速報も出ております。それから、もちろん二十一年度の補正予算もございます。こういったものにつきまして織り込んだ上でどうなるかということ、その場合には世界経済の現状についても織り込むことになると思いますが、この下でどうなるかということについては、今、作業をしているところでございます。
○蓮舫君 百年間にわたる年金財政の見通しを検証する前提というのは、私は相当堅めに見るべきだと考えています。 世界経済危機とか金融危機、あるいは新型インフルエンザの問題など、今、世界経済、特に日本もかつてない状況に置かれていると思っております。もちろん、こうした危機を克服するために、国内も世界も世界協調で経済を押し上げるための努力をするべきだとも思っておりますが、こうしたリスクも織り込んだ現実的な経済前提で財政検証を行う方が、私は国民に対する年金制度への信頼につながってくると思うんですが、今、内閣府から、世界経済見通し、まだ試算しているということなんですけれども、厚労省にお伺いします。 長期の経済前提を経済低位、悪化ケース、つまり利回りが四・一%ではなくて三・九%、つまり利回りが〇・二ポイント落ちただけで所得代替率はどうなりますか。
○政府参考人(渡邉芳樹君) お答え申し上げます。 出生率の方が中位推計のベースで経済前提が低位であるケースでお答え申し上げます。 その場合の長期の値につきまして、二〇一六年度以降でございますが、物価上昇率等々の前提を置いて所得代替率が五〇%に達した後どうなるかということでございます。法律上は御承知のように明文がございまして、この五〇%のところで止めて給付と負担の見直しをその直前に行うとされておりますが、仮に、計算上、機械的にマクロ経済スライドの適用を続けて財政を均衡させるまで持っていくというふうにした場合の所得代替率は、二〇四三年度以降四七・一%の見通しでございます。
○蓮舫君 この十年間の対物価実質運用利回りは平均値で実は二・九%なんです。この数値は、長期経済前提の経済低位ケース対物価実質、ほぼ同じなんですね。この十年間の運用利回り平均値を置くだけで代替率はもう五割を割り込むと。しかも、今より経済状態が良かった五年前の財政検証では、名目で運用利回りを三・二%としていたんです。それから経済状態が悪くなった今、この三・二%を更に〇・九ポイント上げて四・一%に数値を置いたというのは、これは何でなんでしょうか。
○政府参考人(渡邉芳樹君) お答え申し上げます。 私ども、前提としてるる述べております下で、基本ケースにおいての将来にわたる実質経済成長率は〇・八%と置いております。そういう専門家の御意見でございますので、決して無謀な目標ではないというふうに思っておりますが、今お尋ねのこの四・一%の算出の背景ということでございますが、長期の平均的な姿として、物価上昇率一%はあるとして、実質の長期金利が二・七%、株式等による分散投資効果を〇・四%という前提を置いている、そうした結論に基づいているものでございます。 この実質長期金利の動向ということにつきまして、十六年のときに同じ手法で過去の長い期間の実質金利の動向を見込んだときに比べて、今回、五年後に見込みましたところ、少し高くなっていると。そして、過去は一・八から二・一の実質長期金利の見込みというものが、今回、改めてもう少し直近のデータまで入れ込んでみますと二・七%の見込みとなっていたということから、その二・七を入れ込んで四・一というものが算出されたものと理解しております。
○蓮舫君 いや、厚労省の想定より〇・二%運用利回りが下がるだけで所得代替率は五割を切るんです。所得代替率を五割を切ると公約違反になるから、ここは絶対切ることができないから、だからあえて、五年前に現実的な低い運用利回りにしたものを高く置くことによって政府公約の五割を維持する逆の計算をしたんじゃないですか。
○政府参考人(渡邉芳樹君) そのような事実は全くございません。
○蓮舫君 運用実績をお伺いします。 厚生年金、国民年金の積立金の運用状況をお知らせください。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 平成十三年度から市場運用分が始まっております。そうした中で、過去五年、二十年度はまだ結果が出ておりませんのでマイナスの傾向が出た十九年度まで含めた過去五年で見ますと、厚生年金、国民年金、財務省にまだ残っております部分を含めて五年平均で二・七五%。それから、十三年度以降、市場運用分で認められた分の運用利回りは五年間平均で五・七%ということでございますが、委員も御承知のとおり、二十年度はまだ途中までではございますが、大変経済の影響が大きく出ておりまして、昨年四月から十二月までの通期では収益率がマイナス六・九%、収益額では全体を含めるとマイナス八・四兆円、市場運用分だけではマイナス八・七兆円というふうな状態でございます。 それまでの運用利益の累積が二十三兆ございますが、少し目減りしたという感覚で見ております。
○蓮舫君 平成二十年度の第三・四半期だけでおよそ九兆の運用損が出ている。 財務省にお伺いします。 国家公務員共済年金は、国民年金、厚生年金と違って財務省が運用しているんですが、二十年度の運用状況はどうなっていますか。
○政府参考人(木下康司君) お答えいたします。 平成二十年度全体の運用実績については現在決算整理中であり数字がまとまっておりませんが、概数でございますが、平成二十年四月から十二月までの九か月間の運用実績はマイナス三・六%程度となっております。それから、平成十九年度の運用実績はマイナス〇・五三%となっております。
○蓮舫君 二十年。
○政府参考人(木下康司君) 二十年度全体の運用実績については現在決算整理中でございまして数字がまとまっておりませんが、二十年四月から十二月までの九か月間の間の運用実績がマイナス三・六%程度となっております。
○蓮舫君 平成二十年度の第三・四半期までの運用損、額でいうと幾らですか。
○政府参考人(木下康司君) 平成二十年四月から十二月までのその運用収入全体でございますね。運用収入全体では、マイナスでございますけれども、三千七十七億円のマイナスというふうになっております。
○蓮舫君 資料四に財務省のデータ付けておりますけれども、昨年一年間だけを見ても国民年金、厚生年金の資産運用あるいは国家公務員共済年金の資産も大きく落ち込んでいる。 運用利回りを〇・五%高めに設定すると、給付水準を実は二%押し上げる効果があると。だから、この利回りというのはやっぱり相当堅めに見ないと給付水準に私は大きな誤差が生じる、誤差どころか大きな間違いが生じると思っているんですけれども、大臣、今までの話を伺っていて、私たちはやっぱり疑いを持たざるを得ないんですよね。 確かに、一時期、単年度だけを切り取って、こんなに損が出たじゃないか、こんなに見通しが悪いじゃないかという数値を置くことで百年を見ることはできませんけれども、せめてこの十年、二十年の数値を入れていったところで、どう計算しても五割の所得代替率というのは私は維持ができない。どうしても楽観的にあるいは逆に置いた数字だと見ざるを得ないんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(舛添要一君) これは経済前提の専門委員会に参集しておられる経済学者、金融学者、そういう方々がこれはお作りになったわけで、委員の名簿を見ていつも思っていますけれども、それぞれの研究業績のある方々なんで、これは一つのシミュレーションだと思っています。 ただ、どうしても十年後、二十年後、三十年後という長期のスパンになりますと、今非常にこれは言われるように、新型インフルエンザこれあり、GMの破綻ありということで、非常に厳しい状況でありますけれども、長期的にプロットしたときにずっとこういう状況が続くのかなということもありますので、これは一つの専門家委員会の皆さん方がきちんと出された数字だということを念頭に置いて作業をしたものだと思っております。
○蓮舫君 いや、今回の財政検証で唯一現実的だなと私たちが思うのは出生率だけです。それ以外は非常に甘い。 例えば、〇四年の検証では、二〇二五年に働く三十歳から三十四歳の女性の割合はどれぐらいと言っていましたか。
○政府参考人(太田俊明君) 平成十六年の財政再計算の前提となっております労働力率の将来推計におきまして、今お尋ねの三十から三十四歳の女性の労働力率でございますが、二〇二五年までに六五・〇%となることを見込んでいるところでございます。
○蓮舫君 六五%。 では、今回の検証で二〇三〇年に働く三十から三十四歳の女性の割合はどれぐらいでしょうか。
○政府参考人(太田俊明君) 平成二十一年の財政検証の前提となっております労働力率の将来推計におきましては、今お尋ねの三十歳から三十四歳の女性の労働力率が二〇三〇年までに七八・七%となることを見込んでいるところでございます。
○蓮舫君 二〇二五年、前回は六五%だったものが今回計算したら二〇三〇年には約七九%、飛躍的に女性の労働力市場への参入が進むんですね。 どうやって改善されるんでしょうか。
○政府参考人(太田俊明君) 将来推計、様々なモデルがあるわけでございますけれども、最新の労働力の将来推計では、これは社会的な要請の強いワーク・ライフ・バランスの進展によりましていわゆる女性のM字型カーブが一定程度解消される社会の姿を展望したものでございまして、七八・七%と見込んでいるところでございます。 一方で、その前の平成十六年の財政再計算の前提となりました労働力率の将来推計では、基本的には女性のM字型カーブが残ると、こういう前提のモデルの設計となっているところでございます。このために、いわゆるM字の底に当たります三十歳から三十四歳層の労働力率の両者の差の値が特に大きくなっているということでございます。
○蓮舫君 女性のM字型カーブを解消するのは、当然私たちも協力をしたいと思っております。女性が社会にもっともっと参画しやすいための環境改善を政策として講じるのは当然だと思っております。 今回の労働力率の前提となった労働力需給の推計というものがあるんですが、ここでは三つのパターンで試算されていますね。どういうパターンか御説明いただけますか。
○政府参考人(太田俊明君) お答え申し上げます。 今回の労働力推計、今お話ございましたように、三つのケースに分けられておるところでございます。 まず一つ目は、男女別、年齢別の労働力率を二〇〇六年に固定して労働市場への参加が進まないケースというのが一つのケースでございます。二つ目のケースは、若者、高齢者の就業参加が進むものの、ワーク・ライフ・バランスがそれほど進展しないために女性の就業参加が一定程度にとどまる、上がるわけでありますけれども一定程度にとどまると仮定した労働市場への参加が一定程度進むケース、これが二番目のケースでございます。それから三番目のケースが、若者、女性、高齢者等の就業参加が実現すると仮定した労働市場への参加が進むケース、こういう三つのケースに分けて推計を行ったところでございます。
○蓮舫君 今からほぼ二十年後に三十から三十四歳の働く女性の労働市場への参加が進まない場合、労働力率は約六六%です。一定程度進むと労働力率は六八%、二%しか伸びないんですね。ところが、今回試算の前提に置いた相当程度進むケースだとそれが一気に七九%になるんです。これは政策効果が反映された結果、こういう数値になるとなっていますが、どんな政策効果があるとされていますか。
○政府参考人(太田俊明君) 推計におきましては、一定の仮定を置いて推計しているわけでございますけれども、今のお尋ねの三十から三十四歳の女性の労働力率の上昇におきましては、一つはやはり無配偶者の、配偶者がない方の影響というのがございますけれども、それ以外に、男性の家事分担割合でございますとか保育所幼稚園在所児童比率の上昇などの変数が寄与しているところでございます。
○蓮舫君 保育所幼稚園在所児童比率、二倍の伸びになるというんですね、今から二十年後に。どうやって今から二倍になるんですか。箱物を造りまくるんでしょうか。
○政府参考人(太田俊明君) 二倍というのは、先ほど二番目のケースと三番目のケース、一定程度労働市場への参加が進む場合と相当程度進む場合というのがそういうことでございますけれども、実際の保育所幼稚園在所児童比率につきましては、二〇〇五年の四八・六%から二〇三〇年までに六四・四%となると仮定して推計を行っているところでございます。これは、一九九五年から二〇〇五年の平均的な増加幅から定率延長を行ったところでございます。 個別の施策が個々の変数に与える効果については推計していないところでございまして、今申し上げたとおり、平均的な増加幅から定率延長を行った数字で推計を行っているところでございます。
○蓮舫君 これは、過去十年間の平均値を単純延長して、単純延長しただけでは問題だから少し定率的に補完をして六四・四%だという計算なんですけれども、この数値を実現するためには、二十年間の間に子供の数がどれだけ増えて、幼稚園、保育所に入る子供がどれぐらいおられて、それに対してどういう整備計画をして子供たちを預かっていくのかという、そういうロードマップは考えましたか。
○政府参考人(太田俊明君) 今お尋ねの件につきましては、お話ございましたように、平均的な増加幅から定率延長を行って二〇〇五年の四八・六%から二〇三〇年までに六四・四%となると仮定した推計を行っているところでございまして、個別の施策が個々の変数に与える効果については推計を行っていないところでございます。
○蓮舫君 極めて楽観的だと思います。 しかも、ほかには、男性の家事分担割合が上昇する。大変うらやましいと思いますが、どうやって上昇するんでしょうか。
○政府参考人(太田俊明君) 今回の労働力推計でこの男性の家事分担率でございますけれども、これは、欧州諸国における女性の労働力率も参考にしつつ、先ほど申し上げました女性のM字型カーブの解消という観点から推計を行ったところでございます。 お尋ねの男性の家事分担割合でございますけれども、これは、一つは労働時間の短縮、それから、二つ目は男性の家事分担に対する意識変化などによりまして今後上昇することを見込んだところでございます。
○蓮舫君 〇六年に男性の家事分担割合は一二・二%、それが二〇三〇年に三七・二%に上昇する。どんな政策ですか。どんな政策でこうやって具体的に男性の意識が変わって働き方が変わるんでしょうか、この二十年間で。
○政府参考人(太田俊明君) 今回の推計におきましては、労働時間の短縮あるいは男性の家事分担に対する意識変化などによりましてこの家事分担割合の上昇を見込んだところでございまして、個別具体的な政策がどのような個々の変数に与えるかという効果については推計を行っていないところでございます。
○蓮舫君 お話をお伺いすると、スウェーデンでは男性の家事分担割合が三九%だから、それを目標にするという極めていいかげんな楽観的な数値目標を今回の三十から三十四歳の女性の労働力が、労働市場への参画が進むという前提に置いているんです。 さらに、このケースでは男女間の賃金格差が二〇三〇年に解消することが前提となっています。どうやって賃金格差がこの二十年間で解消されるんでしょうか。
○政府参考人(太田俊明君) これは、個別具体的な政策というよりも、長期の雇用政策の検討を行う上であるべき雇用労働社会の姿を描くということで二〇三〇年の推計を行っているところでございまして、男女の賃金格差につきましては、ポジティブアクション等を通じまして社会における女性の能力発揮が進むことによりまして、男女間の賃金格差が二〇三〇年に解消をされるという仮定を置いたものでございます。
○蓮舫君 あるべき姿を前提に置くというのを否定はしませんが、あるべき姿までどうやって到達するかという政策も一緒に出していただかないと、それは極めて楽観的な数字だと私たちは思います。 賃金上昇率も、やはりこれは相当驚くほど高い数値が前提となっています。財政検証の前提では二・五%、実質一・五%プラスと想定されているんですが、平成十年から十九年までの実質賃金上昇率の単純平均でも、これはマイナスなんです。 この過去平均値を超えて飛躍的に賃金が上昇するのは何でなんでしょうか。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 財政検証における賃金上昇率の構造でございますが、長期の平均的な経済の姿として、先ほども少し申し上げましたような実質経済成長率を〇・八%と想定をしております。物価上昇率一%を見込んでおりますので、その間の〇・七%というのは何かということでございます、二・五%との対比で申し上げると。これは、この財政検証におきましては、将来、人口減少局面を迎え、被用者数が年間〇・七%ずつ減少をする、こういう中では、その部分が資本の方に回るのではなく労働の方に回るということをモデルとして前提としているものでございます。そういう内容で二・五%というものを設定しているものでございます。
○蓮舫君 いや、ただ、この過去十年間を見ましても、労働に回らないで資本、いわゆる内部留保に回っているのがトレンドですけれども、このトレンドが飛躍的に変わるというのは何でなんでしょうか。
○政府参考人(渡邉芳樹君) そういった点につきまして経済前提専門委員会の専門の方々に御審議をいただいた結果としての長期の財政検証モデルでございます。 今御指摘のような、過去は確かに、残念ながらと申し上げていいと思いますが、賃金上昇率は過去十年マイナス、二十年見てもわずかにプラスと、こういうような状況を続けてございますが、仮に今後ともこうしたマイナスの賃金上昇が続く経済だといたしますと、それが数十年、百年ということになれば、我が国の経済社会そのものがもたない、年金制度以前の問題がそこに出現するということであろうかと思います。 今回、こうした財政モデルをお作りいただいたことについては、私どもは妥当な見方であるというふうに考えております。
○蓮舫君 いや、厚生年金財政において賃金上昇率は収入そのものに直結するから、こここそ相当リアルな数字を置かなければ楽観的だという批判は免れないと思うんです。 資料五を御覧いただきたいんですが、民主党として厚労省に試算をお願いしました。実質経済成長率、物価上昇率、名目賃金上昇率、名目運用利回りを、それぞれ過去十年平均、過去二十年平均の数値を経済前提として置いていただいて試算をしていただいた結果です。過去十年の平均値の試算は、四ですね、ここではマクロ経済スライド調整は、これは機能しません。平成四十三年、今から二十二年後に厚生年金の積立金が枯渇します。過去二十年平均の試算、機械的な試算五です。平成六十二年、四十一年後に国民年金の積立金が枯渇をします。 積立金が枯渇をする、いわゆる財政均衡期間における給付と負担の均衡を図ることができない、これはどういう意味でしょうか。
○政府参考人(渡邉芳樹君) お答え申し上げます。 ここで積立金が枯渇するという表現をしてございますが、委員も御推察のとおり、積立金が枯渇いたしますとその年に入ってくる保険料では給付を満たすことができない、すなわち、法律でお約束している給付を受給権者に給付することができない、こういう事態が現出するということでございます。 これは、いずれも経済の状況あるいは出生率の状況という制度的には外的な要因によるものでございますが、例えば今御審議いただいている二分の一国庫負担という政策が実現しない場合にはもっと早く十八年で同様に資金が枯渇するということを示させていただいておりますので、制度的あるいは制度外的な様々な要素について更に政府全体として努力をしていかなきゃいけないと、こういうことを指し示しているものだと考えております。
○蓮舫君 私どもは何も不安をあおろうとしているわけではなくて、より現実的に、十年、二十年間の平均値、実質こういう経済前提だった数字だったらどうだろうかといったときに、やはり今の制度というのは百年安心なんだろうか、この制度設計はそろそろ見直すときに来ているんではないんだろうかという立場に立たせていただいているんです。 平成十六年度改正のフレームは大きく四つありました。一つは上限を固定した保険料の値上げ、これは国民に負担を強いました。二つ目はマクロ経済スライドを導入して給付の自動調整を図るとした、これまだ機能していません。三つ目は国庫負担を二分の一に引き上げます。四つ目が積立金の活用。この四つの改正をして、積立金をおおむね百年間で財政均衡を図って、百年後に給付費を一年分だけ残して積立金を保有すると、次世代の給付にそこを充てるんだという説明を平成十六年度には受けました。 ところが、財政検証の数値を現実的な過去の平均値を使うと百年ももたない。百年にわたってもちろん経済がマイナス成長になると私たちは見ていませんけれども、前提条件を楽観的にしないと持続可能性がもたないという制度が本当に百年安心なのかどうなのか。 大臣、私、ここは御決断をするべきときだと思います。特に今回は相当大きな埋蔵金を活用しますし、制度が本当に百年安心なのか、いかがでしょうか。
○国務大臣(舛添要一君) これはこれから各会派含めて大きな年金制度全体の改正についての議論をする場が出てくると思いますが、いかなる制度であれ様々な問題点あると思います。 この財政検証を五年に一度やる。今おっしゃったことと、もう一つは、四つの前提に更に加えると、所得代替率は五〇%は維持すると。やっぱり五年ごとにやっていくことについて、どう考えてもこの点は無理ですよ、この点はどうですよということになれば、むしろそこを改正していくことは可能なわけです。 ですから、財政検証自体が無意味だとは申しませんし、それから、先ほど申し上げたように、専門家にお任せしている話ですし、まさに将来のことは、今おっしゃったように、ずうっと低位で経済成長が続くわけでもありません。それから、例えば労働時間が減っていく、これはもう労働条件を改善しようというみんなの努力をやっているわけで、そういう中で、家事の分担も増えていく可能性もありますし、いろんなことを政策としてもやっていって、そういうように実現をしたいというふうに思っております。 ですから、私は財政検証自体が無意味だとは思わないんで、その前提についてはいろいろ御異議があることも分かりますけど、それで柔軟に見直していく。ただ、おっしゃるように、五年ごと見直していく、五年後、十年後、十五年後。しかし、それとやはり同時並行で、これはもう過去に例えば在職老齢年金の問題とか、様々に今の年金制度で一つ一つ細かいところをつつけば、なぜこうなっているんだろうかというのが万人が合点いかない点があって、こういう問題についての議論をしながら、ですから、そういう意味で長期的な大きなグランドデザインをかく議論は私は始めないといけないというふうに思っております。
○蓮舫君 是非始めたいと思うんですけれども、この法案を進めちゃうとまた始めるきっかけが遅くなるのかなと思っているんです。 この財政検証を私たちは無意味だとは申し上げておりません。ただ、その前提条件が余りにも恣意的に置かれているんでないかという思いが払拭できないんですね。 例えば国民年金の最新の納付率は何%だと分かりましたか。
○政府参考人(坂野泰治君) 平成二十年四月から平成二十一年二月までの国民年金保険料の現年度の納付率は、平成二十一年三月末現在で六一・五%でございます。
○蓮舫君 六一・五%。これ、昨年の国民年金納付率は六三・九%でした。まだ単純に期間で比較はできませんけれども、下がってきている。 資料六に平成二十一年財政検証の諸前提という厚労省からいただいた資料をお付けしましたが、ここにはどこにも国民年金納付率は記載されていないんですね。あえて、どこにどういうふうに数値を置いたんですかと聞いたら、四番、「(4)その他の前提」の二行目、「これらの諸前提は、被保険者及び年金受給者等の直近の実績データ等を基礎として設定している。」、この「等」に国民年金の納付率を入れているんですね。何%で入れていますか。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 前回の財政再計算、五年前と同様、直近の社会保険庁の社会保険事業計画に載っている八〇%というものをここで前提としております。
○蓮舫君 最新の国民年金納付率は六一・五%です。なぜ八〇%という理想的な数字を、しかもここに書かないで、何々等の「等」の中に含むんでしょうか。これ、私どもの部門会議のときに現場の若い担当職員にお伺いすると、この財政検証の諸前提という紙、報告するリポートにスペースの関係で書き込むのが困難だと答えました。八〇%と書くスペースがなかったと言ったんですよ。一体全体、どこまで本気で国会でこの法案を審議してもらいたいと思っているのか。私どもからしたら、この資料の作り方一つを取っても、とても厚生労働大臣が先ほどから真摯にお答えしている答弁内容に沿った仕事を厚労省の方々がしているとは思えないんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 衆議院におきましてもるる御指摘のあった点でございます。 先ほど申しましたように、五年前の財政再計算書の表記におきましても同様の表記でございましたし、それから社会保険庁の業務の事業計画というのは行政目標としてはっきりしておりますし、それから、これを公表した際の説明の際には、当初から収納率については行政目標の八割を前回同様入れているということを申し上げておりましたので、ここについてはこういうような表現のままにしておったわけでございます。 八〇%のことだけを入れるんであればスペースがあるだろうというような御指摘だったと思いますが、そのほかにも様々な諸前提というものがたくさんこの計算の前提には入ってございますので、それらを含めてコンピューターの中で入っているものを公表させていただいております。 紙として出していないという点については御指摘のとおりでございますが、この点について分かりづらいというようなことについては、前回の五年前の審議、それから今回の公表時の説明を含めて全体を見ていただきたいというふうに考えております。
○蓮舫君 スペースに記載した、しなかったという問題だけにとどまらないで、国民保険料納付が困難な方、免除制度や学生納付特例制度あるいは納付猶予制度を受けている方を母数に入れて、これ国民年金の納付率を再計算すると、平成十九年の国民年金納付率は六三・九%ではなくて実は四七・三%まで下がるんですね。八〇%にはとても届いていないんですよ。さらに、国民年金の被保険者総数のうち保険料をすべて納めている完納割合者はどれぐらいですか、完納者割合。
○政府参考人(坂野泰治君) 平成十七年の国民年金被保険者実態調査によりますと、調査対象となりました国民年金第一号被保険者千八百九十六万三千人のうち、完納者の割合が八百九十七万七千人で四七・三%となっております。
○蓮舫君 国民年金保険料の完納者も半数に足りていない、これ資料七に付けています。それで、金額ベースを資料八に付けていますが、平成十九年度、納付されるべき国民年金総額は幾らで、それに対して未納額は幾らでしたか。
○政府参考人(坂野泰治君) 十九年度におきます国民年金の現年度保険料の収納済額は一兆七千三百七十七億円でございますが、未収保険料額、これが約九千二百六十二億円ということになるわけでございます。なお、国民年金の保険料は、徴収する権利が消滅するまで二年間、過年度保険料として収納可能でございまして、その収納努力もいたしております。二十一年三月末現在の平成十九年度の納付率は六六・六%と、過年度分として六六・六%ということになっておりますので、先ほどの六三・九%という現年度納付率からは、未収保険料額は減少しているのではないかというような見通しを持っております。
○蓮舫君 大臣、国民年金、もう本当に見直さないといけないぐらいになっているというのがお分かりいただけたと思います。一・七兆納めていただかねばいけないのに、未納額がおよそ半分ですよ。しかも、その大半に当たる未納額九千億の中の八千億は、もう時効で消滅して取り立てることができなくなっているんです。こうした問題を放置したまま社会保険庁の数値目標である八〇%という納付率を前提条件で置いて、その数値をデータの中から隠して、そして財政検証を行っている。これが本当に持続可能性のある年金制度につながるとお考えでしょうか。
○国務大臣(舛添要一君) いろいろ申し上げたいことはございますが、まず基本的には、これは税であれ保険料であれ国民はきちんと払うべきであって、むしろ八〇%でさえ理想を言えば低くて、一〇〇%払ってもらわないといけないものであるというのが一つ。それで、ただ、こういう状況になったのは、もちろん今一生懸命努力していますが、年金記録問題がありますし、それから今これだけの不況だということもあって、いろんな状況があるんだろうというように思います。 そういう中で、最終的には経済成長率と出生率、これがウエートからいうと一番大きなファクターになろうかというふうに思っておりますが、今例えばおっしゃった点について言うと、厚生年金というのは、掛金について所得に比例しますから、そういう意味で所得再配分効果はあります。しかし、国民年金保険料というのは一万四千六百円前後でありますので、これは皆さん一律ですから、そこはありません。それは、だから制度ができたときのいろんな起因があるわけで。それから、今の二年で時効になる、今度は払っている方の立場から見たら、もっと時効を長くしてくれれば後でまとめて払って自分の年金を確保したいよということがあるんで、様々な問題点はこれは御指摘のとおりだというふうに思います。 それで先ほどの、これは衆議院でもあったんですけれども、「等」の中に入っていますので、役人がもう是非そういう使い方をするんですけれども、こういうのもどれが一番ウエートとして重いかというものからやっぱり順番に書くとか、いろんなそのデータの示し方の説明もあると思いますが、いずれにしても、委員がおっしゃったように様々な問題があることは確かでありますので、これは長期的な改革の方向、すぐできるものからやっていく、しかし、長期的にはどうするか、これは党派を超えてやらぬといかぬ時期に来ているなという認識は持っております。
○蓮舫君 さらに、年金の問題深刻だなと、国民一人一人の立場から不安だなと思わせるのが、今回の財政検証でマクロ経済スライド、五年前の検証時よりも十年間延びている。結果、二十七年掛かることが明らかになりました。まず、基礎年金へのスライド調整はどういう姿になったでしょうか。
○政府参考人(渡邉芳樹君) ただいま先生おっしゃられたようなことでございますが、基礎年金部分のスライド調整につきましては、給付水準の調整に入るのが二〇一二年度、そして給付水準の調整が終了するというのが二〇三八年度の見込みでございますので、御指摘のとおり調整期間は二十七年間というふうになるものでございます。
○蓮舫君 報酬比例部分のスライド調整はどうですか。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 同様の期間を報酬比例部分について申し上げます。 給付水準の調整の開始が二〇一二年度、これは同じでございますが、調整終了年度が二〇一九年度の見込みであり、調整期間は八年間にとどまるという見込みでございます。
○蓮舫君 報酬比例部分、基礎年金部分、共に二〇一二年からマクロ経済スライド調整が始まるんですけれども、報酬部分は八年間、二〇一九年に終わる予定、ただ、基礎年金部分は二〇三八年まで二十七年間ずっと続くことになる。二十七年間給付水準を物価や賃金の伸びよりも自動的に抑える仕組みが働き続けるんですね。 一二年度から年金を受け取る団塊の世代、五年前の検証であれば、七十歳代の半ばで給付抑制って終わる予定だったんですよ。それが今回、五年後の見直しによって、七十代半ばどころか九十歳までずっと給付抑制が働き続けるということなのかという確認と、これで御納得いただけると思っていますか。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 今度の財政検証の事実についてまず申し上げます。 二〇一二年度に六十五歳となって年金をもらい始める方の基礎年金部分の給付調整というものは、年齢で申し上げますと九十一歳まで続くという見通しでございます。全体としてそういう幅でございますが、五年前に御説明申し上げました当時の財政計算の下で申し上げると一五%程度の給付水準の調整ということでございますが、今般のこれはこうした長い基礎年金部分の調整もございますので、一九%程度の給付調整というふうに考えております。 御指摘の中に、実際にそれはその長い期間国民が受け入れられ続けるだろうかという御指摘がございました。私ども、その点については、それまでの間に更に様々な課題をこなしながら御理解をいただかなければそもそも年金制度そのものが均衡していかないと、持続可能でなくなる道をわざわざ選ぶというわけにはいきませんので、様々な手だてを講じて御理解を賜りたいと思っております。
○蓮舫君 ただ、デフレ傾向が続く限りこのマクロ経済スライド調整というのは働かなくなるというか、ずれていくんですよね、先にもっと。どんなに厚労省が賃金を上げるとか物価を上げるとかいろいろ努力をすると言われても、一二年度からスライド調整が始まるとはこれはまた限っていないわけで、また将来に負担が先送りされるシステムというのはなお残っているんだと私は思っています。 それと、次に、今回、厚労省は世代間の給付と負担の関係をこれ検証してくださいました。結果、納めた保険料といただける年金額、これ、御高齢者と若者の間でその格差というのが本当に広がっているというか、大きいということが分かって、国民の中に愕然とした思いというのが私は広がったんだと思っております。 予算委員会でも伺いましたが、ちょっともう一度確認させていただけませんか。一九四〇年生まれ、来年七十歳の方と、一九八五年生まれ、来年二十五歳の方、それぞれが、厚生年金、国民年金、前回の財政計算時と比べて今回で負担と給付の関係はどのように変わりましたか。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 予算委員会でも申し上げましたけれども、世代間の給付と負担の格差そのものが私は根本的な問題だというふうな理解に立つべきものではないというふうに考えております。 御指摘の特定の年のお生まれの方の給付負担倍率について申し上げます。今回の発表につきましては、御要請に基づき整理させていただきましたが、五年前の再計算のときの数字とどう変化したかということで、今お尋ねのとおりのことでございました。私どもの総括的な評価はおおむね同じ、大きな変化はないというところが総括的な評価でございますが、具体の今の御指摘について数字で申し上げれば、一九四〇年生まれの方については五年前の再計算では給付負担倍率が六・三倍、今回の試算では六・五倍、八五年生まれの方は五年前二・三倍、今回二・三倍。以上、いずれも厚生年金についてでございます。一方、国民年金における比率は、四〇年生まれの方は五年前の前回の計算で四・三倍、今回の試算では四・五倍、八五年生まれの方は一・七倍、一・五倍、こういう数字になってございます。
○蓮舫君 来年七十歳の方は、納めた保険料に比べいただける年金額が前回六・三倍だったのが六・五倍でプラス〇・二お得になっている。でも、来年二十五歳の方は厚生年金では二・三が二・三になっていますから全く変わらず。国民年金で見ると、来年七十歳の方は四・三が四・五倍でプラス〇・二お得。来年二十五歳の方の国民年金は一・七倍が一・五倍ですからマイナス〇・二。つまり、御高齢者の方ほど得で若い方ほど損、こういう流れが見えるんです。 確かに、年金制度は現役世代が御高齢者を支えるシステムですから、その給付と負担の関係に格差があることは否めません。ただ、今の年金制度への信頼感の揺るぎ、特に記録問題も含めて、社会保険庁の不祥事も含めて、そのときにこの給付と負担の関係というのはどこかで一度整理をしなければいけないと。私たちは、であればやはり自分の所得に応じて納めた所得比例年金と最低保障年金を入れて一元化をしたいと考えているんですが、こういう見直しをどこかでするべきなんだろうというふうに考えています。 さらに、世帯類型ごとに所得代替率がやはり大きく違ってきている。この世帯類型別の所得代替率についてもまた簡単に御説明いただけますか。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 今回、お求めにより発表させていただいた数字におきましても、五年前もいわゆる世帯類型にあえて分けた形での所得代替率を算出し、公表しておりますので、それとの変化を見ていただくというつもりで作らせていただきました。 この世帯類型別の所得代替率ということについては、やはり無用の誤解を避ける必要があると私どもは思っておりまして、まず、年金制度におけるこの議論でございます。世帯の所得が同じで一人当たり所得が同じであれば、一人当たりの年金額、所得代替率は同じでございます。逆に、所得が高ければ代替率は低くなる。低い代替率を示された人は、これは年金額が高いのだと、こういうことと同義であることをまず押さえておかなければいけないと思っております。 また、例えば共働きなど同一類型の世帯であっても、基礎年金による所得再配分効果の結果、世帯一人当たり所得が低いほど、すなわち配偶者が外に働きに出なければやっていけないという所得の低いサラリーマンの共働き、こういうようなパターンで見ますと、今回の試算のモデルであっても優に五〇%を超えるわけでございます。逆に、世帯一人当たり所得が高ければ代替率が五〇%を下回ることになりますし、それから、いわゆる専業主婦世帯類型でありましても、その御主人の所得が高ければ五〇%の所得代替率は期待できないと、低ければもっと高いと、こういう関係にあるわけでございます。 世帯の在り方によって年金額は百人百様でございますし、一概にお示しすることができない中で、一方、国民にとってどの程度もらえるかを具体的にイメージすることができるようなよすがとして従来からこうした世帯類型別のものを示しておりますが、年金制度でございますのでやや不器用な点がございまして、男女それぞれの平均賃金を基に、そのお二人の方が一緒になるとか別々とか、こういうパターンで類型化しておるわけでございます。 そういうことでございますので、専業主婦やパート主婦の世帯については、マクロ経済スライドによる調整後でも、基本ケースで六十五歳の受給時で前回とほぼ同様の五〇・一%である。お示しした共働き世帯、男子単身世帯、女子単身世帯ということでは、世帯一人当たりの所得が女子、男子の平均賃金をベースに作っておるものですから、専業主婦、パート主婦世帯より高い数字があるために、つまり所得が高いために年金額が高くなり、所得代替率については所得ほど年金額は高くないという相対関係の下で、三九・三%であった共働き世帯の代替率が三九・九%にむしろ上がっております。 それから、男子単身につきましては、単身と申しますのは男子一人ということでございますが、前回三六・〇%であったものが三六・七%に上がっております。女子単身は、前回四四・七%であったものが四五・〇%という上がった結果になっておりますが、私ども、この評価も総じて前回とほぼ同様で、上がった下がったという点が大きな変化であるというふうには思っていないというのが評価でございます。
○蓮舫君 小さなところで評価しないで結構です。 世帯類型別の所得代替率でいうと、夫のみ就労の場合、いわゆるモデル世帯、二〇五〇年の所得代替率は五〇・一%、四十年間共働きだと三九・九%、男子単身の場合だと三六・七%、女子単身だと四五・〇%、モデル世帯だけが辛うじて所得代替率五割を維持できる。このモデル世帯というのはどういう世帯の人員ですか。
○政府参考人(渡邉芳樹君) モデル世帯と、便宜こう申し上げさせていただき、従来からの資料作成上もそのように示しておるわけでございますが、現時点で申し上げますと、十六年の法律改正に基づいて、その法律附則により、こういう計算に基づいているということが定められております。 一つは、基礎年金についてですが、二十歳から六十歳まで四十年加入した場合の大人二人分の基礎年金、それから報酬比例部分については、平均的な男子賃金で四十年厚生年金に加入した場合の老齢厚生年金、それを男子被保険者の平均的手取り賃金で割った数字が五〇%を上回ることを、結果としてそういう状態になることを法律が目標として掲げ、努力を要請しているというところでございます。 したがって、これが定められたルールでございますが、これをどのように表現するかということでございますので、四十年間片方の配偶者が厚生年金に加入し続けた世帯であって、もう一方の配偶者が四十年間基礎年金に加入し続けた場合と、こういうことでございますので、いわゆる片働き専業主婦世帯というふうに便宜申し上げておるものでございます。
○蓮舫君 四十年間だんなさんが正社員サラリーマン、四十年間奥様が専業主婦で、それでお子様が二人、これがモデル世帯で、二〇〇四年の法改正のときには、年金保険料を上げて御負担をお願いしますけれども、このモデル世帯の方たちは所得代替率、給料の半分は維持しますから御安心くださいという喧伝を政府がされていました、このモデル世帯。 じゃ、このモデル世帯は日本の全世帯の中の何割いるんですか。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 先ほども申し上げましたように、年金制度はそうした社会実態、政策というものを器用にすべて取り込めるわけではございませんので、一人一人の納付実績、加入期間によって年金額が計算されてくるというものでございます。したがいまして、四十年、四十年の今のケースについて何%いるかということ自身が、年金制度の政策の中からは私どもは分からないというお答えをするしかないと思っております。 ただし、現時点で、この日本の社会の中でいわゆる共働きの世帯と、片方の配偶者が働いて片方は被扶養者になっておられるというような方々がどういう状態にあるのか。これはもう年々移ろっていることとは思いますが、そうしたものは年金関係の調査以外でも見て取ることができますので、私どもはそういうことも補足的に説明をさせていただいているところでございます。 その中で申し上げれば、例えば年金制度内でいえば、業務用語ですが、二号二号の夫婦、すなわち両方とも厚生年金の被保険者である御夫婦というのが三割ぐらいなのかと。これは年金のデータで出てまいります。それから、労働力調査によれば、夫が雇用者である、そして奥さんが働いています、雇用者ですというのが五二・五%という平成十九年の数字がございます。ただ、この中にも厚生年金の適用されていない状態で働いている奥様もいらっしゃいますので、それをどう評価するかという点も残るところでございます。 そんなような物の見方をしながら、年金制度としては、先ほど申し上げましたような、やや機械的でございますが、平均賃金の個々人の計算を男女合わせた場合ということで、片働き世帯の基準の五〇%という表現をすることを許していただきたいと思っております。
○蓮舫君 私がお伺いしているのは、政府がこれまでお約束をして主張されてきたモデル世帯、所得代替率五割が保障される方たちは、全世帯のうち何%、どれぐらいおられるんですか。
○政府参考人(渡邉芳樹君) その点につきましては先ほども少し申し上げましたけれども、世帯一人当たりの所得の多寡によって所得代替率が決まってまいります。それぞれ平均的なモデルで男子平均賃金というようなものなどを使ってみたものが五〇・一%と申しておりますが、専業主婦世帯であれ共働き世帯であれ、所得が低ければ五〇%を上回る方々が多くいらっしゃいます。 それの分布につきましては、私ども残念ながら十分なデータを持ち合わせていないというものでございますが、決して少なくない御家庭が必ずしも男子女子の平均賃金というものではないというふうに考えておるところでございます。
○蓮舫君 予算委員会の審議で渡邉局長は、年金受給者の中で約六割の世帯が、夫が現役時代に主に正社員であった世帯のうち妻が厚生年金に加入していないと答えているんですけれども、これがモデル世帯の受給者の中の数ですか。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 予算委員会におきまして、もう一つの調査、今の御答弁ではちょっと触れさせていただきませんでしたが、もう一つの調査を念頭に置いて御答弁をさせていただきました。それは先ほどお繰りいただいておりますので、この資料だと思っておりますが、老齢年金受給者実態調査、平成十九年十一月調査というものでございます。それによりますと、夫の経歴が正社員中心であった世帯のうち、約六割の世帯では妻が厚生年金に本格的に加入していなかったものと考えられると、こういう調査結果になっております。これを基に、約六割の世帯ではというふうに申し上げたところでございます。
○蓮舫君 妻が厚生年金に本格的に加入していなかったものと考えられる、この六割の方は、じゃ奥様は四十年間専業主婦なんですか。
○政府参考人(渡邉芳樹君) この調査によりますと、常勤パート中心、アルバイト中心、収入を伴う仕事をしていない期間中心、その他のいずれにも当てはまらないケースを中間的な経歴とまとめておりますが、そういうものに分けて回答を記入していただいております。それを合計いたしますと、正社員中心の方たちの中でそれを一〇〇といたしますれば、夫が正社員中心だったというふうに御回答いただいた方々の中で見ますと、五九%がそうした類型に当たります。一方、奥様が正社員中心であったとお答えをいただいているのは、夫が正社員中心だというお答えの中の二二%であった。 これは、年齢が六十五歳以上の世帯の方々でございますので、今後の状態としてこのとおり推移するかというのはまた別問題だと思いますが、こういう調査が出ているということを御紹介したものでございます。
○蓮舫君 そうすると、この中からモデル世帯が何割いるというのは分からないんですね。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 繰り返し申し上げますが、いわゆる四十年、四十年のそのケースはこれで分かるのかという御指摘だとすれば、そもそもそういうケースが何世帯いるのかというのは年金制度の中からは分かり得ないものであるというものを申し上げます。
○蓮舫君 そうすると、政府がお約束をした二〇〇四年の年金改正で、それ以降ずっと喧伝されてきた、御安心ください、モデル世帯の御家庭の方は所得代替率五割は維持しますという方は一体どこにおられて、何人ぐらいおられて、どの方たちにお約束したんですか。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 重ねて申し上げます。 法律の定めるとおり、一方の配偶者が四十年厚生年金に加入し、他方の配偶者が四十年基礎年金ということで、その報酬比例部分を受給される配偶者の方が平均的な男子賃金をその間ずっと得ておられたというケースについて、法律が従来の比較に照らして物差しとして適当であるという判断から規定をし、その五〇%というものを維持するように、あるいはそれ以上でございます、今現在それ以上でございますが、それを下回らないように努力するよう義務付けているもの、こういうふうに考えております。
○蓮舫君 今朝、部門会議でいただいた資料なんですけれども、モデル世帯一体どこにおられて、どういう方に約束をしているのか。いろんな計算を出してくださいって資料をいただいたんですが、二〇五〇年度における世帯一人当り所得別の年金月額及び所得代替率という数字をいただきました。二十一年財政検証のこれ基本ケースなんですけれども、先ほどから言っている存在しているかどうかも分からないモデル世帯は五〇・一%の所得代替率を二〇五〇年には維持しているんですね、先ほどからお話しのしているように。ところが、女性も多様な働き方をしておりますから、例えば結婚、出産まで働いていて、結婚、出産を機に専業主婦になった方、そういうパターンの計算もしてもらいました。そうすると、結婚、出産を機に離職をすると所得代替率は四七・五%に落ちているんです。じゃ、この女性はどれぐらい働いているかというと、七年間正社員として働いていただけでもうモデル世帯から外れるんですよ。 そうすると、今のトレンドは共働き世帯の方が増えています。厚生労働省も、今回の財政検証の前提はこれから女性はどんどん働くんだ、労働市場に出て行くんだ、政策として男女雇用機会均等なんだ、ワーク・ライフ・バランスなんだ、少子化対策として働くお母さん応援していくんだという様々な施策をしていることを勘案すると、これから先片働き世帯というのは減っていくという前提なんです。そうすると、モデル世帯というのは更に見えなくなってくるのではないかなと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 年金制度は御承知のように非常に長期にわたる制度でございますから、その給付と負担がどういう水準で推移するのかということについて私どもは、何かいい物差しはないかというのは先人もそう考えたし、私どもも今もそう考えているところでございます。そういう中で、今は法律の規定になっているそのパターンを物差しとして継続的に給付水準の変化というものを見ていく、五年ごとの財政検証の中でそれを見ていく。例えば今回の場合は、いわゆるモデル世帯のところで六二・三%から五〇・一%になるんだなということをつかんでいく、こういうことが大変大事だというふうに思っております。 それから、御指摘いただき、そして本日も御説明させていただいた途中で変化のあった離職の場合に、四七・五%というような二〇五〇年の数字も既に公表し、御説明させていただいたところでございますが、そういう変化がありますときには、五〇%より低い所得代替率ということは、奥様か御主人か分かりませんが、どちらかが働いていなかったのが働いて、あるいは働いていたのがお辞めになってということでしょうけれども、その働いていた部分の賃金というものが上乗せになって、そして年金額がそうでなかった場合よりも高くなる、その結果所得代替率が低くなる、そういう関係にございますので、私どもそのモデル世帯というものをどう考えるかって、確かに悩ましい点でございますが、現在、法律に世帯概念として記述しているわけではございませんが、きちっきちっと明確な規定があり、それに基づいてその物差しで判断していこうという制度になっておりますものですから、なかなか他に方法が難しいんですが、今回お示しさせていただいたように、一定の前提を置いてほかの類型の場合にどうであるかということを常々公表し、御議論いただくということが肝要かというふうに思っております。
○蓮舫君 いや、納得できません。二〇〇四年の改正のときには保険料を上げる負担を国民にお願いをした。国庫負担は三分の一から二分の一、これは税制改革で行っていくという約束をした。その代わりモデル世帯の方には、所得代替率は五〇%は維持しますと大々的に言ってきたんです。今お話を伺っていると、モデル世帯はどこにいるか分からない、何割ぐらいいるかも分からない、これからどれぐらい減っていくのか増えていくのかも分からない。これで納得を私はできない。 つまり、モデル世帯ということは、国民の世帯の中の標準的な多くの方が当てはまる方たちで、多くの方たちにお約束をしたんだと私たちは思っていたんですが、私たちの考え方が、じゃ勘違いだったんでしょうか。
○政府参考人(渡邉芳樹君) なかなかこの世帯という概念は、御承知のとおり、様々な価値観も交じりますし、それぞれ変容する、世帯もいろいろでございますので、一概に法律制度や役所の説明で特定していくというのは難しいという御事情は少し御理解賜りたいと思います。 その上で申し上げれば、これを何とか直せないのかという点は様々に議論がかねてよりございましたし、また、違う世帯類型の場合は五〇%じゃないんだなということについては、五年前の国会質疑でも答弁をさせていただいているという経緯もございます。そういうことばかり申し上げても御納得いただけないかもしれませんが、では、違う指標、物差しをころころ変えればいいのかというと、なかなかそうはいかないという点もやはりございます。 また、この世帯をめぐる話は、働き方の実情や国民意識の変化の動向を踏まえて非常にデリケートな議論をやはり背景に持って詰めなきゃいけないと思います。また、共働き世帯でも五〇%といえば、そのための保険料、税財源というのはいかほど必要かというのは非常に巨額なものになるであろうということもあり、なかなか簡単に取り替えるということが技術的、制度的、行政的にはそう容易ではないという点は、私ども大臣を支える事務方としてはどうしても申し上げざるを得ない、こういう点であると思っております。
○蓮舫君 せっかくお越しいただいているので大村副大臣にも、通告はしていないんですけれども、政治家として、二〇〇四年の年金改正のとき、どなたに対してモデル世帯は五割維持が可能だと説明されましたか。
○副大臣(大村秀章君) 先ほどまで渡邉局長が答弁をしておりましたように、このモデル世帯は、今回も示しておりますように四パターン。特に四十年勤めている専業主婦、子供二人というのを二〇〇四年も、その前も、その前もずっと、やはり比較というのは一つの継続性が必要ですから、こういったもので財政はこうなっていきますよということを比較をしているというふうに承知をいたしております。 したがって、今回も五年前と同じようなモデルを使っての比較検証、そして、意味があるのは、これの先ほど説明がありましたように、五〇・二が五〇・一になる、それから、四十年間共働きの場合は三九・九とか、単身の場合は三六・七、四五・〇と、こういったふうな形になる。特に今回の検証は、要は足下のこのデフレ状態とかこういった経済の状況を見ると、マクロ経済スライドが長期間にわたって進んで、なかなかこれから先々、年金財政は大変ですよということを示しているということがやはり特徴的なことかなというふうに思っております。 いずれにしても、私は、この今回のものを見て、やはり年金財政をしっかりやっていくためにも日本の経済の成長シナリオをしっかりやっていくということが大事かなということを申し上げたいと思います。
○蓮舫君 いや、全く筋違いな話をされています。 意味のあることは五〇・一%とおっしゃいました。五〇・一%の所得代替率を維持するために財政検証の数値が甘いんじゃないかと、一時間半にわたって私は今質問をしてきたんです。しかも、最後に質問をしているのは、その五〇・一%の恩恵を受けるモデル世帯はどこにどれだけいるんですかというのに、紙がないんです、バックデータがないんです。 こういう机上の空論的な年金制度ではなくて、舛添大臣、やっぱり私はもう見直すべきときだと思っています。各党が議論を始めるべきだとおっしゃっておりますが、民主党は、世界の年金改革の流れで、若者も無理なく入れる制度、転職によって左右されない制度、最低保障機能がある制度、年金制度は一元化すべきだと御提案をさせていただいております。今回のように高額所得者にも低額所得者にも同じように税金を投入するんではなくて、所得比例年金に対して最低限の額に至らない人には税を投入して最低保障年金という形の二階建てにしようという提案を具体的にさせていただいております。 今回のこの財政検証なんですけれども、厚労省の社会保障審議会の年金部会でも、今回の数字を見ると五〇%という縛りが抜け切れていない気がする、五割を切ってくれたらよかった。委員の本音が出ているんですよ。やはり、ここで五割を切った、切ったら、これは法改正をしなければいけない、そういういいきっかけにするべきではないでしょうか。
○国務大臣(舛添要一君) 後半の問題の前に、例のモデル世帯の話ですけど、これ、たしか財務省というか税制の話のときも同じモデル世帯をいつも置いているんですね。ただ、委員おっしゃるように、いろんな働き方とか家庭の持ち方、様々あるわけですから、非常に多様になっていることは事実です。ただ、半分ぐらいの人がそういういわゆるモデル世帯だろうということでやっていることの一定の意義はあろうと思います。 ただ、本当は、本当はというか、それ以外に、実は今の民主党の案との問題で、一番大きな、今から我々政治家が議論しないといけないのは、年金の所得再配分機能をどうするかということであって、例えば現役時代に月給百万取っているというような人であったって、これは年金になると百万もらえるわけではありません。がっと下がりますから、所得代替率は、それは五割どころか三割とか、そういうふうにもっとなりますね。だから、今の制度は、それでかなり再配分機能を利かせている。 しかしながら、現役時代百万円であったって、定年退職した途端に非常に貧しくなって、資産も何も形成していなかったというような場合どうするかというような問題もあるんです。それで、例えば、最低保障というものを置いて、そこから賦課制度か積立制度か、いろいろまだ細かい議論はありますけれども、基本的に自分で積み立てたとした場合に、その部分は基本的に所得再配分機能は利きませんね。そうすると、最低の保障する部分をかなり上げれば所得再配分機能はかなり出てくるけど、それが低ければ、実を言うと今の制度よりも所得再配分機能がより少なくなって、極端に言うと金持ち優遇じゃないかということになりかねません。ですから、ここは相当議論をしていかないといけないなというのが一つ。 それから、もう一つは、世帯単位でいえば、それは世帯単位で、この世帯で六百万、こっちの世帯は共働きであれ何であれ六百万ということになると、そこは変わんないんですけれども、一人ずつのポータブルにすると。それは離婚したり再婚したりとかいろいろありますから、はるかにポータブルの方が個人個人にとってはいいんで、方向はそういう方向だと思いますけれども、もうこれまで積み重ねてきたことの整理をどうするか。簡素、公平、中立というのが税制の基本なんですけど、私は年金についても同じことが言えるだろうと思いますが、今の状況はこれまでのずっと積み重ねたことで、今の三原則ではとてもいけない。 それから、本当に中立であっていいのかということになると、これは政治の機能がそこに働く、再配分なんてある意味でそういう意味なんで、再配分の比率なんて。だから、実を言うと、委員の問題に加えて、我々は今のような大きなこの問題点を見据えながら、例えば民主党案についても議論をする必要があるというふうに思っております。
○蓮舫君 一つフォローしておきますけれども、私たちの案では、最低保障年金はすべての方に入れるとは考えていません。基本的には所得比例ですから、豊かな方は豊かに掛けていただいて、それに見合うだけをいただいて、その方にまでも税で再分配を課せようとは思っていません。こういう議論って実はもう始めなきゃ間に合わないと思うんですね。 反対ですけれども、麻生総理は、中福祉中負担という訳の分からない定義をして、中期プログラムでは二〇一一年には消費税を上げるって、消費税を上げるたがからはめているんですけれども、それを貫くんであれば、実は政府・与党ではもうこの議論は始めなければいけないと思っています。そこに至るまでの二年間で、今回の二分の一改正があるという位置付けならまだしも、そこもつながっていないというのが私にはよく見えないんですが、ここでちょっと財源論についてお伺いをいたします。 そもそも平成十六年改正では、基礎年金国庫負担分三分の一から二分の一に上げるのは、附則でこれ税改正を行うと書いてありました。たしかそうだったと思いますが、いいですか、それで。
○政府参考人(渡邉芳樹君) お答えいたします。 十六年改正法の附則においても、税制抜本改革を行って安定した財源を確保すると、こういうふうに書いてございました。
○蓮舫君 そうすると、今回、税制改正が行われて安定財源は確保されましたか。
○政府参考人(渡邉芳樹君) これも先生よく御承知のとおり、今般成立した所得税法改正や財源確保法によりまして今後の税制改革の道筋というものを明らかにしながら、当面の二か年について財政改革法及びこの法律に基づいて臨時の財源を確保して、三分の一と二分の一の差額を埋めて約束どおり年金財政に二分の一国庫負担を投入するということにしているわけでございます。 三分の一と申しましたけれども、その間の御努力をいただきまして三六・五%との差でございますので、一三・五%を埋めるという財源措置を講じているわけでございます。
○蓮舫君 改正法二〇〇四年には、今局長が御答弁したような条文がありましたか。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 税制の抜本改革を経て安定財源を得て二分の一を実現するという趣旨の法律条文はございましたが、今御質問は、こうした臨時の財源措置ということに関する法律規定があったかという点につきましては、二面ございまして、平成二十一年度を目途とする二分の一の恒久化の前の数か年につきまして適切に段階的に引き上げるという様々な努力というものが予定されていたのを横に置きますと、そこの二十一年度以降については、当時の法律は税制抜本改革を経て安定財源を確保して二分の一を実現するというふうな規定でございました。
○蓮舫君 法律にない臨時財源で手当てをしようとしているんです。そしてそこに、税制の抜本改革を行うことなしに二・五兆円もの埋蔵金に頼ると。この二・五兆円の埋蔵金は安定財源ではないですよね。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 臨時の財源でございます。 ただいま先生、法律にない規定でそういうことをという御趣旨の、私、誤解したのかもしれませんが、であればこそ、今回、財源確保法であり、この二分の一国庫負担引上げ法というものを出して法律上の根拠を明確にするというものでございます。
○蓮舫君 後付けで法的根拠を作ったんですね。 財務省に聞きます。 財政投融資特別会計、今回、一般会計に特例的に繰入れを活用するんですが、この特会のお金の財源、目的は何でしょうか。
○政府参考人(桑原茂裕君) お答え申し上げます。 今御指摘の財投特会におきましては、主として、財投債という国債で調達した資金を基本的に利ざやを取らずに政策金融機関や独立行政法人などの財投機関に貸し付けております。このため、金利動向によりましては利益又は損失が生じることとなりますが、近年におきましては、歴史的な低金利の継続により調達金利が低水準で推移している一方、過去の比較的高い金利の貸付金が残存しておりますため、結果として、運用利回りが調達コストよりも高くなりまして利益が発生いたしております。 それで、財投特会におきましては、今後の金利変動に伴う損失に備えるため、特別会計法に基づきましてこの利益を金利変動準備金として積み立てているところでございます。
○蓮舫君 金利変動の損失に対応するための特別会計。非常に分かりやすい。 今回のように、一般会計にこの特会から繰り入れて、法律にあった税制改革で安定財源を確保できなかった年金国庫負担分に使うことは、特別会計で想定されていますか。
○政府参考人(桑原茂裕君) 特別会計の目的自体は金利変動のために備えるというものではなくて、今、金利変動準備金の説明として申し上げました。 それから、特別会計法上でございますけれども、財投特会におきましては、毎年度利益が発生した場合、今後の金利変動に伴う損失に備えるために金利変動準備金として積み立てる仕組みとなっておりまして、金利変動準備金の準備率の上限であります総資産の千分の五十を超える額につきましては国債整理基金特会に繰り入れることができることとされております。このように、特別会計法におきましては、財投特会から一般会計へ繰り入れることは想定されておりません。 今般、二十一年度及び二十二年度においては、年金及び生活対策等の財源に充てるために財投特会から一般会計への繰入れを行うことといたしておりますが、これらは、先ほどから御答弁ございますように、特例法に基づいて臨時的、特例的な措置として行うものでございます。
○蓮舫君 特別会計法で一般会計に繰り入れることは想定していない、今回は臨時特例法で繰り入れる。 過去に一回でもありましたか、こういう特例的な措置。つまり、特別会計法を超えて特例的に一般会計に繰り入れてほかの補てんというものに使われたということが。
○政府参考人(桑原茂裕君) 今回、二十二年度までの特例的な措置といたしまして一般会計に繰り入れることといたしておるわけでございますけれども、過去におきまして財投特会から一般会計への繰入れが行われたことはございません。 ただし、一般会計への繰入れではございませんが、今般のような特例法に基づきまして、財投特会から他の会計に対して繰入れを行った例といたしましては、十八年度において金利変動準備金を十二兆円取り崩して国債整理基金特別会計へ繰入れを行った例がございます。
○蓮舫君 過去にない形で法律を作って、特別会計からいわゆる埋蔵金を活用して安定財源ではないものを二年間措置する。三年目以降はどうされるんでしょうか。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 今般の年金改正法におきましても、税制の抜本改革を経て安定的な財源を得て二分の一を恒久化するということが規定として設けられているところでございます。これが何らかの経済的事情等で遅れた場合には、その間についても臨時の財源を確保して二分の一の国庫負担を維持するという精神が記述されているところでございます。
○蓮舫君 大臣、ちょっと考え方聞かせてください。二年間は埋蔵金、三年目以降税制改正できなかったらまた埋蔵金、こういうことでしょうか。
○国務大臣(舛添要一君) 二分の一、基礎年金の国庫負担二分の一にするということが一番大きな課題でありまして、そのため特例法で所得税法の一部を改正する法律を作ったわけで、基本的にはこの二年間のうちに何とかしようと。しかし、今おっしゃったように、もし万が一それができなければ様々な財政措置を使うと。ただ、大きな改革は、この三月三十一日に公布された所得税法の改正法律の百四条で「改革は、二千十年代の半ばまでに持続可能な財政構造を確立することを旨とする」ということでありますから、そこは一つの大きな縛りは掛かっていると思っております。 〔委員長退席、理事中村哲治君着席〕
○蓮舫君 そうはいいましても、五年前にも税制改正は行うと言われて、この五年間、政府・与党の中で税制改正はどうするんだという議論が後ろ向きになってきて、そしてこの事態になって埋蔵金に活用するしかないという前例がある中で、二年間でまた税制改正を行うと言われてもなかなか信頼できないんですけれども。 資料九に、これは去年の末ですか、政府が中期プログラムをおまとめになられました。消費税を含む税制抜本改革を二〇一一年から実施できるように法制上の措置をとる、二〇一〇年、来年半ばまでに段階的に行って持続可能な財政構造を確立するとされたんですが、この方針は、副大臣、今日お越しいただいておりますが、今なお同じでしょうか。
○副大臣(宮澤洋一君) 今御指摘いただきましたように、昨年末に中期プログラムをまとめさせていただきました。そして、それを受けた形で、先般、税制改正の附則におきまして、消費税を含む税制抜本改革について、経済状況を好転させることを前提として、遅滞なく、かつ、段階的に行うこととし、このため、平成二十三年度までに必要な法制上の措置を講ずるという規定を入れさせていただいておりまして、この方針はいささかも変わっておりません。 ただし、二十三年度までに必要な法制上の措置を講ずるということでございまして、二十三年度から引き上げられるかどうかというのは経済状況等々に懸かってくると、こういうことでございます。
○蓮舫君 済みません。どういう意味でしょうか。経済情勢が悪かったら引き上げないということですか。
○副大臣(宮澤洋一君) 二十三年度から引き上げられるような用意はしておくけれども、経済状況次第であると、こういうことでございます。
○蓮舫君 ところが、その後、平成二十一年の四月十日、この春です、政府・与党会議で経済危機対策が発表されました。資料十です。ここでは、「財政の持続可能性を確保する観点から、累次の経済対策として実施される措置を踏まえ、「中期プログラム」について、必要な改訂を早急に行うこととする。」と。去年十二月に出た中期プログラムがそのわずか四か月後に「必要な改訂を早急に行うこととする。」という表現になっている。これもう見直しをするということでしょうか。
○副大臣(宮澤洋一君) 見直しをするということでありますけれども、もちろん中身については今後経済財政諮問会議等々という場で議論されることになりますが、私が基本的に考えておりますことは、この経済対策で随分いろんな措置を実は前取り、先取りして実施しているものがございます。中福祉、また中福祉のほころびといった点でございますけれども、それについてある程度記述はしていかなければいけない、こういう問題はあると思っております。
○蓮舫君 ちょっと分からないんですけれども、必要な改訂を早急に行う、これは具体的に何ですか。
○副大臣(宮澤洋一君) 具体的にということはこれから検討をするわけでございますが、少なくとも中期プログラムを決定した昨年末時点で、工程表といったふわっとした形の中で入っているものについて、この四月の景気対策、またそれを受けた補正予算で一部具体化している。ただ、残念なことに恒久財源は付いていないといったものがございますので、それについてどのような形で中期プログラムの記述を変えていくかという問題は少なくとも必要なことの一つだろうというふうに思っております。
○蓮舫君 よく分からないんですが。麻生総理が力強く言いましたよね、中福祉中負担、二〇一一年に消費税を上げる、それで中期プログラムに沿っていくんだと。でも、春になったら、経済対策はどうなるか分からない。今後、景気対策の効果が出るか分からない。つまり、後退したという受け止め方でいいんでしょうか。
○副大臣(宮澤洋一君) 中福祉中負担という大きな流れを何らか変えるということでは恐らくないんだろうというふうに思っております。
○蓮舫君 つまり、税制抜本改革は先送りされる可能性もあるという理解でよろしいですか。
○副大臣(宮澤洋一君) 税制抜本改革につきましては、先ほど御答弁しましたように、今回成立いたしました税制改正法案の附則で記述してあるとおりで、それは一切の変化はございません。
○蓮舫君 舛添大臣、政府がやろうとしていることがどうもいま一つ分からないといいますか、今の宮澤副大臣の答弁も私は分かりません。 去年の十二月の中期プログラム、その方針は賛否はありますけれども、政府の姿勢として私は評価をしています。財源を示して、そして改革の道筋、工程をお示しをして、年度を区切ると。これは評価をさせていただくんですが、ところがその四か月後にはこの中期プログラム自体を早急に見直しを講じる、経済の状況によるんだ。確かに経済、今悪いですよ。でも、悪いからこそこれまで補正予算も組んで、この間、私は史上最低だと思っていますが、十五兆円の補正予算も組んだ。これで景気効果が出るんだという前提で言っていたにもかかわらず、その効果とは別に、景気がもっと悪くなるかもしれないから税制改革が今後どうなるかも分からないという後退になってくる。 こういう政府の税制改正に臨む姿勢の中で、今回、参議院で国民年金を三分の一から二分の一に国庫負担引上げの議論が始まりましたけれども、一体全体、今後二年間だけで本当に安定財源を講じる、信頼するに足り得るものなのかどうなのか。二・五兆円もの埋蔵金を今ここに投入してしまっていいのかと。 私たちは、それであれば投入するよりも、投入する前にやはり抜本的な制度改正を行うという政府側の強い決断をいただいた方が与野党として社会保障の改革に向けた前向きな議論が始められるんではないのかなと思っておりますが、最後にいかがでしょうか。
○国務大臣(舛添要一君) 制度改正、これは先ほど来、もう検討をした方がいいということは申し上げました。ただ、その制度改正の大きな一つの柱は、財源問題をいかにどうするかということであります。 消費税を主として社会保障を目的税的に使ってこれを賄おうというのはこの中期プログラムの三年の計画でありますけれども、ただ片一方で、やっぱり経済成長、これをどうするのかと。今本格的に経済を回復の軌道に乗せなければ、とてもじゃないけれども税という形で国民の皆さん方に更なる御負担をお願いするのは困難であろうと、そういう事情があります。 ですから、経済を回復させ、日本の活力を取り戻しながら、その中でセーフティーネット機能に財源を注ぎ込む、それは国民の御負担をお願いしないといけないですよと、そういうことなんですが、政府が考えているとおり、すべてそれが整合的にいくかどうか。努力はいたしますけれども、全体的な経済情勢や何かがあるということを宮澤副大臣が先ほど答弁したとおりであります。全体的に最大限の努力はしていきます。 そういう中で、片一方で、国民のコンセンサスを得るために必要な柔軟性もまたあるということを申し上げておきたいと思います。
○蓮舫君 国民のコンセンサスを得るいい機会がもう間近に迫っていると思います。解散・総選挙で是非政府・与党、特に自民党も社会保障の改革の具体的な案をお示しをしていただいて、そして私たちの一元化という案を御提案してまいりますので、是非そこでは戦わせていただきたいと思っています。 終わります。ありがとうございました。
○理事(中村哲治君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午後零時十二分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(辻泰弘君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、礒崎陽輔君が委員を辞任され、その補欠として佐藤信秋君が選任されました。 ─────────────
○委員長(辻泰弘君) 休憩前に引き続き、国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○森田高君 国民新党の森田でございます。 午前中の蓮舫議員に続いて年金財政中心に伺ってまいりたいと思いますが、昼食休憩後ということもありまして、午前中、蓮舫議員がもう火の出るような質問を繰り返されておりましたんで、少し気分転換をしてもらおうと思うんですが、冒頭ちょっと新型インフルエンザ問題をお伺いしたいと思うんです。 ゴールデンウイーク以降、関係各方面の皆さん、大変お疲れだったと思うんです。先週、官房長官もおっしゃっていますし、いろんな罹患状況を見ても終息傾向にはあるんですね。ただ、これを喜ぶわけではなくて、WHOのチャン事務総長が、資料一に示しましたように、これはあらしの前の静けさであると、こういう声明も聞こえてくるわけでございます。 今回の第一波に遭遇した我が国が、例えば薬の供給、医療供給の状況とかあるいは検疫、いろんな問題点が多分整理されてくるんだろうと思います。恐らく数か月後に第二波、その後第三波が来るという前提で、危機管理のプロフェッショナルでございます舛添大臣も当然いろんな方法を考えていかれると思っていますが。 ここまでのところ、ワクチンの生産時期が、五月八日に一回大臣と質疑応答させてもらったんですが、株が、いいのがCDCからも供給されるだろうという話があって、ニュースを見ていると、そういう話だというふうには思うんです。 だけれども、じゃ生産がどういうふうになるのかなということを、やっぱり不安を禁じ得ないというか、六月に株が入ってきても、生産体制がつくれるのが秋ぐらいになるんじゃないかとか、そうなるとタイムリミットの問題もありますし、あるいはポートフォリオといいますか、通常型のワクチンと新型のワクチンのバランス、生産力には当然限界があるわけですから、どういう政策的な構成を考えていかれるのかというのを、厚生労働省、まず聞かせていただきたいと思います。
○政府参考人(上田博三君) 新型インフルエンザワクチンの製造につきましては、新型インフルエンザの重篤性やWHOの提言なども勘案し、現在既に製造に着手しております季節性インフルエンザワクチンの製造を新型インフルエンザワクチンに切り替える判断が必要となります。現在、WHOにおいて検討が進められております新型インフルエンザワクチンの商業ベースの生産開始に関する勧告など国際的な動向にも注視しつつ、切替えを検討することになります。 具体的には、各ワクチン業者において種株ウイルスの増殖性などを見た上で、国において種株ウイルスや製造方法の選定などを決める手順となっておりますが、その種株については国立感染症研究所や米国CDCなどで開発を行っておりまして、早ければ六月上旬に国立感染症研究所から各事業者に分与される見込みでございます。 このようなことから、七月の早い時期には製造が可能になるわけでございますけれども、今後WHOの国際会議等に参加するとともに、専門家の意見を踏まえつつ、最善の方針を検討、決定していくべきものと考えておるところでございます。
○森田高君 早急に考えないと、供給体制というものがすぐに追い付いてくるものではないんで、是非やっていただきたいなと思うんですが。 先週も、参議院の予算委員会では集中審議もありまして、いろんな参考人の方もいらしたと。別にそのことに関して、ここの資料には木村検疫官の写真も少し出ているんですが、医系技官の役割というのは、ああいう答弁とか、あといろんな方が批判もするし肯定もするしという状況だったんですが、思ったんですが、やっぱり医系技官は医系技官の役割が、多分文系の官僚とは違った役割があるんだなというふうにやっぱり見ていて思ったんですよ。 これは、僕なんかは医系の議員ということで、医師免許を持った国会議員です。木村さん始め医系技官、厚生労働省たくさんいらっしゃるんですが、もちろん医師免許を持っているという特殊性があると。国会議員でも、当然文科系の方が非常に多いわけです。官僚の社会でも、明治以来の官僚機構の中で文系優位という状況はやっぱりこれは否めないだろうと思うんですね。やっぱり、専門性がある人が適切な助言をしていって政策がつくられるということは当然です。 反面、自然科学の本質的な議論と官僚のあるいは法律の体系の議論というのは時としてかみ合わないこともあるし、前例と合わないこともあるかもしれないという意味で、医系技官が勇気のある発言をしたと。この発言がいいかどうかという議論は今日ここでするつもりはありませんが、だけど、そのことによって、勇気のある発言をしたということによってその人の人格や職場におけるステータスというものが毀損されてはならないし、そうであっては多分医系技官は存在する意味がなくなってしまうだろうと思うんです。 だからこそ、これからの、木村さん個人のこともあるし、厚生労働省全体の医系技官の役割というものを新たにやっぱり認識していって、別に反論を唱えることは全然これは悪いことではなくって、やっぱり公務員というのはシビルサーバント、国民に対する奉仕者であって役所に対する奉仕者ではありませんから、堂々と正論を言える環境をつくってもらいたいなと思いますが、大臣、ちょっと御所見をいただければと思います。
○国務大臣(舛添要一君) 私は、与党であれ野党であれ、国会でこういう人の話を聞きたいということがあれば、よほどのことがない限りそういう希望はかなえさせてあげたらどうかということを申し上げて、木村さんが来ました。 考え方によっては、会社に例えると私が社長で、社員になるわけですよ。その社員が、社長何やってんだって公の場で言うのは何事かという意見もありますが、しかし公務員ですから、今おっしゃったように国民のためにどういう発言をするかというのは自由であるので、ああいう発言したからということで人事上の差別をするようなことは全くありません。それは明確にしておきたいと思います。 それからもう一つは、ただ、医系であれ薬系であれ技官と、それから例えば私のように法学部を出ている役人との間の交流が少ないことは確かであって、お互い足りないところを補うことが必要であるというふうには思っておりますんで、例えば法律の知識全くなくて医学の知識だけでWHOとの国際交渉をどうするかと、これはできません。逆に、我々も新型インフルエンザの特性を専門家に聞かないで判断するわけにはいかないんで、その交流が少ないことが今の厚生労働省の一つの問題であるんで、それは今後の人事政策においてよく考えていきたいというふうに思います。
○森田高君 ありがとうございます。 個人的な見解なんですけれども、今ほど我が国あるいは世界が直面するいろんな諸課題の中で、自然科学、まあ医療を含めて専門家の役割が大きい時代というのはやっぱりなかなかなかったんじゃないかなと思うんですね。これは感染症対策もそうですし、気候変動に関してもそうですし、あるいはエネルギーの開発とかに関する大きな政策を考える上でも、物理学とかいろいろやっぱりこれは必要になってくるわけですね。その中で、自然科学の本質的な議論がまず根底で間違っていると、多分どんなに法律の専門家がそこに寄ってたかっても、もうどんどんどんどんずれていってしまうと。これは年金制度においても多分そう言えるんだろうと思うんですが。ですから、是非専門知識を持った集団というものを強くしていただければ、これは国益に資するというふうには思います。 そこで、資料の一の下の方に少し示させていただいたんですが、五月八日のときにも申し上げたんですが、高齢者に少なくて若年者に罹患者が多いという事実は世界的に観測されているんです。H1N1が一九五七年ぐらいまでいったんは席巻、猛威を振るったということですから、アジア風邪が出る前までは罹患した人がやっぱり一定のアドバンテージが免疫上あるんじゃないかという仮説を当時僕も推定として申し上げさせてもらったんですが、どうもそういうふうな物の見方をする人が多くなってきたと、学術界でも。 その中で、ただ日本は特殊だなと思うのは、資料一の一番下の、八〇%が十代に集中特化しているんですよね。アメリカだと、大体何千人かいる患者さんの中で三分の二が二十四歳以下なんですよ。三分の二なんですよ。しかも、五歳から二十四歳の枠。日本は十歳未満、二十代は度外視して、十代だけでおとといの表だと二百九十人、全体が三百七十ですから、約八〇%が十歳代なんですね。 これは、結局何を言いたいかというと、数字には時としてやっぱり意味が出てくる可能性があるんです。統計学的有意差という話もありますけれども、それが出た場合、その数字は単なる数字ではなくって、科学的根拠がどこかにあるはずの意味を持った言葉になってくる、その可能性があるんです。そういう目で見ていくと、二枚目ちょっと見ていただくと、これは兵庫県内の初期の罹患者の状況ですけれども、とにかく高校生が非常に多いんですね。 この、とにかく日本は十代に八割、その中でも高校生に圧倒的に特化しているという現状を厚生労働省としてはどういうふうに今分析されているか、聞かせてもらえますか。
○政府参考人(上田博三君) 御指摘のとおり、今回の新型インフルエンザは海外で比較的若年者に感染者が多いとされまして、我が国においても、新型インフルエンザに感染した方の年齢別の感染者数は十代が八割を占め、その中でも高校生は、集団発生があったとはいえ全体の六割強と高い割合を占めております。 若年者に感染者が多い原因として、一つは年齢による社会的な行動範囲の違いなどもございますけれども、成人、特に六十歳以上では今回の新型インフルエンザに対する何らかの免疫応答を有する可能性が海外でも指摘をされております。この指摘はいまだ推論の域を出ておりませんが、高校生の方の家族内発症がほとんどないということもございまして、我が国でも同様の可能性がございますことから、日本人の年代別の抗体保有状況などの検証を行う予定でございます。
○森田高君 そうですね。十代、しかも高校生に特有の、先ほどは六十歳以上にアドバンテージがあると言ったけど、その逆の現象がある可能性が排除できないという話だと思うんです。 資料三を見ていただきたいんですが、国内におけるインフルエンザワクチン製造量の推移という表です。漠然とした表ですけど、やっぱりこれは僕の推論なんですが、平成六年から平成十一年ぐらいまで国内でのインフルエンザワクチンの接種は、これは一般的なH1N1含めた三価ワクチンですけど、もうゼロに近く落ち込んでいるんですよね。 これはなぜかといえば、平成六年から任意接種に変わって、当時、やっぱりその副作用というものの問題性が非常に高まった時期でもあったので、瞬間的に特に平成六年から九年ごろまではワクチン接種がゼロに近い状況なんですよ。 だとすると、一般的に大体幼児期からワクチンって打ち出しますよね。一部の除外はありますけど、通常、インフルエンザで四歳ぐらいから打ちますよ、幼稚園入るころから。だから、平成六年から打っていないということは、平成三年生まれぐらいの人から平成六年生まれぐらいの人に幼児期のインフルエンザワクチンが未接種だったという裏付けがあるんですよ。 そうすると、その年代、平成三年から平成六年ごろの生まれた世代が、世代間のやっぱりディスアドバンテージが発生したと。これは、当時、やっぱりインフルエンザワクチンが安全かどうかとか社会的な問題になりましたので、そのときの状況としては、新型インフルエンザができるというあれは、予測は不可能だったと思うので、そのことの是非を言うわけではなくて、ただ高校生の世代に集中しているという根拠がやっぱりあるんじゃないかと。その一つのやっぱり推定としてこういう考え方もあるんじゃないかなということを、僕はこの出荷額を見て、これは友達の薬剤師が、出てないんだよと、この時代に出てないとアドバイスしてくれたんですけど、見て、これは確かに理由としてはあるんじゃないかなと。 だとすると、これ結構複雑で、これからたとえワクチンができたとしても、幼児期の免疫形成というのは人間の人生の中で一番重要な時期なんですよね。初期免疫の形成における決定的な時期なんです。その時期にインフルエンザのワクチンに対する免疫が、それはみんな打っているわけじゃないんですけど、やっぱりちょっといったん不利になった世代があるんですよ。そうすると、たとえワクチンを接種してもほかの年代よりも効果が悪いという場合が出てくるので、やっぱりこの問題は後々まで結果として尾を引くんじゃないかと。だから、高校生の世代というのは非常に注意を要した方がいいんではないかなということを御忠告申し上げたいなというふうに思うところでございます。 それで、インフルエンザワクチンに関してもう一点だけ申し上げたいんですが、資料四めくってもらって、皆さん御存じだと思いますけど、RNAウイルスの増殖というのはRNAポリメラーゼを介して遺伝子の複製が行われるんです。その原子構造の解析というのが、先般、横浜市大の先生とか筑波大の先生と兵庫の播磨にあるSPring8という施設を使って原子構造からRNAポリメラーゼの構造を解析したというのが非常に世界的に評価されているんですよ。ここをきちんと制御できる技術、薬というものを開発すると、RNAウイルスに関しては相当これは効果が高いいい薬を造ることができるだろうということで非常に今注目が集まっているんですね。 自分、富山県の選出の議員だから特別そこで強調したいわけじゃないんですが、RNAポリメラーゼの阻害剤というのが今世界で一個だけあるんですよ、今開発中ですけど。それが富山化学が今開発しているT―705、今臨床試験のフェーズⅡが終わりまして、この前、春先にキーオープンが終わってまあまあの成績だったというふうに伝え聞きますけど。 資料五の方も見てもらうと、結局、今のインフルエンザの薬、抗インフルエンザ薬というのがほとんどNA阻害剤、ノイラミニダーゼ阻害剤なんですね。ノイラミニダーゼというのは表面の糖たんぱくであって、細胞が増殖するときに切り離すときのたんぱく、そこを阻害しましょうと。だけど、ノイラミニダーゼは悲しいかな、遺伝子変異が非常に速いスピードで起きてしまうからイタチごっこになりやすいと。どうしてもウイルスと薬のイタチごっこで耐性が非常にできやすい、それが資料五の真ん中から下ほどのところですね。 ところが、T―705というのは、RNAポリメラーゼ、細胞の複製の根幹のところを抑えに掛かりますから、やっぱり人間でも何でもウイルスでも一番大事なところというのは遺伝子が余り変わらないんですよ。だから、RNAポリメラーゼの阻害剤というのは非常に耐性ウイルスが出現しにくいというのが実験結果では非常に明らかになっていますし、ブロードバンドにウイルスに効くんですね。だから、例えばタミフル、このGS4071という、右側の表ありますけど、A型は効くと、B型もまあ効くと、だけどCは効かないと。だけど、T―705だと、Aは全部効きます、Bも効く、Cも効きます。そして、GS4071レジスタント、つまりタミフル耐性のウイルスにも効きますという話になってくるんですね、タミフルだったら大体効くやつでも五世代回すと耐性化するんですけど、これだと八世代回しても耐性化しないとか。 やっぱり根幹で増殖を抑制するという薬というのは、これは、今インフルエンザが非常に大きな問題なんですけど、例えば肝炎とかHIVとか、いろいろ夢は膨らむんですよね。そういう病気まで、RNAウイルスを制御できる可能性を持ったそういう技術だと思うんで、これは多分ワクチンだけでは解決できないと思うんですね。供給能力が二千五百万人分ぐらいしかない。検疫だって不完全であるというのが露呈したわけです。 そうすると、やっぱり抗ウイルス薬というのは、やっぱりこれもう一つ、三本の柱の非常に大きな一点になってきて、しかも耐性をつくりにくい、非常にブロードバンドに効くから多少の変異は寄せ付けないということですから。こういうやっぱり薬は、本当に私はこの会社とは直接的な個人的な関係ないんですよ。だけど、医師として、自然科学をやっぱりこれずっとそこで、そういう中で育ってきた人間として、自然科学の論文を読む中で、やっぱりこういう薬は是非大事にしないといけないし、だから世界的に評価されているんだろうなと思うんですが、大臣、危機管理の専門家として、やっぱりこういう危機管理の対応性ということも含めて、どうですか。
○国務大臣(舛添要一君) その前に、先ほどの予防接種の時期との関連性、これは非常に面白いデータだと思いますので、できれば、我々も含めて、アメリカとかカナダとか諸外国の予防接種状況とこれとの比較も非常に面白いと思います。というのは、兄弟間の感染はあるんだけど、親に全然うつってないんです。十五歳の子供の親って、三十で子供を産んでいたらまだ四十五ですから、六十以上じゃないんで、六十以上の免疫じゃないんじゃないかという感じがしますのと、あれだけ高校生、感染者がいて、町のレベルで、それは買物に出たりしているはずなんで、うつってないというのは、これは非常に関係あるかなという一つの仮説として面白いので、国際比較をやってみたいというふうに思っています。これはありがとうございました。 それから、ワクチンの製造能力限られているときに、こういう新しい抗ウイルス薬の開発というのは、これは一生懸命やりたいということと、もう一つ、医療機器、デバイスの方で、ワクチン接種するときに非常に効率よく接種することによって今まで十単位必要だったのが八で済む、そうすると二割浮くわけですから、そういう面での今研究もやってもらっていますので、非常に日本のやっぱり医療機器、医薬メーカーというのは相当な水準がありますから、今こういうニーズがあるので、一気にそういう側面からの支援をしてもらって製造プラント能力の少ないのをカバーできれば来るべき第二波に備えられると思うのと、それと、何といってもワクチンの製造期間、それを短くするというのが非常に大事なんで、こういう総合的な政策で当たりたいと思っています。 一日も早く、どういうコンビネーションで新型と季節のワクチン作るかをやりたいんですけど、ちょっとWHOもまだ決めかねているのでもうちょっと時間掛かるかなと思っていますので、そういう側面からのいろんな支援が助かると思います。
○森田高君 ありがとうございます。 資料三のワクチンの接種の大きなカーブですね、ほとんどゼロになっている世代があるというのは、自分の本当、友人の薬剤師が教えてくれた基本的なデータで、ああ、そうか、灯台下暗しだなというふうに目からうろこが落ちた思いなんですが。中学生でもない、大学生でもないと、やっぱり高校生なんですよね。そうすると、やっぱりこの仮説というのはかなり信憑性が高いんじゃないかなって素朴に思います。 ラスト、最後一個だけ、インフルエンザでちょっと質問をさせてもらいますけど、さっきのT―705でもう一点だけお伝えしたいんですけど。 H5N1、鳥インフルエンザに対する今度危機というのも今非常に皆さん心配されていらっしゃるんです。この薬、さっきブロードバンドに非常に効くと申し上げたんですが、これアメリカの科学雑誌に投稿されているT―705の論文、基礎研究の論文なんですけど、これH5N1に効いているんですよ。非常に高い暴露量に対してタミフルは十分の二しか、これ赤線で囲ってある資料六ですね、救命、動物ですけど、できてないんですけど、T―705は十分の十、三つのドーズで成功しているんですね。しかも、タミフルだと四十八時間までに投与しないとという話もありますが、これは実験レベルなんでちょっと単純比較はできないんですが、九十六時間経過した後の暴露から、ウイルスに、切れているんですよ。だから、くどいんですが、RNAポリメラーゼ抑える薬というのは非常に有望だと、これは本当にそのように素朴に思うわけでございます。 年金の方に話を、時間も限られていますから、移していきたいんですが、もう蓮舫議員からもいろんな問題点が午前中指摘があって、世代間の格差の問題とか年金財政そもそもの信憑性、すべてがファンタジーの世界の財政計算じゃないかとか、いろいろやっぱりこれ問題点はあるんです。 その話をしようかなと思って資料七からいろいろこの一年間の時系列で記事みたいなものを切り抜かしてもらったんですが、ただ一点、それを読む前にちょうど同じ紙面にあったんで目に留まってしまったんで、ちょっと御感想を聞きたいんですが、社会保障費の抑制を維持という、財政審の建議書が先週出されて、また抑制を継続しなさいというのを財務大臣に対して申し立てられているわけです。今ほど年金や医療や介護、社会保障分野全体に対して国民の不安が大きくて、やっぱり骨太の方針の中で様々な破綻というか難しい問題が浮き彫りになった現状で、でも方向を変えないと。年金制度でも百年安心という有限均衡方式が百年間も設計できるのかなというのはありますけど、やっぱり政治は生き物、制度もやっぱり変わり得るものだと思いますんですが、財政審の方は非常にかたくななんですよね。 まあ一点だけ評価できるとすれば、国家の健全性、財政事情の健全性というのは、債務割ることのGDP、これが債務負担率であるということを明記されたことは一点評価できるんですが、それにしても、それを健全化する上においても経済成長をしなければならないことはもう午前中の大臣の答弁、大村副大臣もそのようなことをおっしゃっていらっしゃったんで明らかなんですが、だけど十年間の、この前、四月にも、大臣には何回もこういうことを申し上げたんですけど、小泉政権以来のやっぱり方向性というのはデフレなんですよね、十年間。デフレーターはずっとマイナスで、賃金も下がっている。 デフレの時代に緊縮財政やっちゃならないというベーシックな経済政策ができなかったことに、今の経済のアメリカがマイナス五パーの時代に日本がマイナス一五%というやっぱり根本的な問題があると思うんですよ。なのに何か財政審の書いていることを聞いていると、やっぱり夢がないというか、これから財政出動をするぞと、社会保障に関してもきちんと担保するというビジョンが全く感じられないんで、医師としては非常にやっぱり失望すると。何でこんな十年間も同じことを言っている御用学者の人がまた十年たってもこういうこと書いているのかなということもやっぱり思うんですね。 大臣だってやっぱり今まで御自身がおっしゃってきた答弁を、こう何か冷や水かけられたような気持ちになると思うんですよ。こういうもの見てどういう感想を持たれるか、聞かせてもらえればなと思います。
○国務大臣(舛添要一君) それぞれの役所に様々な審議会がありますけれども、最終的には国民の代表である政治家が決めるべきだというふうに思っています。 そういう中で、私が今、この過去十年ぐらい日本を振り返ってみると、バブルの崩壊からくる不況というときに、財政政策というよりむしろ金融政策論が多かったような、マネーサプライ論が多かった。ですから、要するにゼロ金利が長期に続くような形で、今までの伝統的な経済学にはなかったやり方をやってきた。実を言うと、財政均衡、財政均衡という、プライマリーバランスという話はしているけど、本当にそこに本格的に取り組んだかというと、実はやっていないんじゃないかと。 私は、極めて厳しく日銀批判をやってきて、インフレターゲットもやってもいいから、もう少し金融を考えなさいといったような議論をしていたときに、実は本格的にこの財政の出動の在り方というのは検討したんだろうかと、批判する方も賛成する方も。そういうことを考えたときに、やはり何が何でも財政再建ということを言う方は言う方でいいんだけれども、今の現状を見たときに、基本的にはこれ国民が借金を担っているわけですから、お父さんが借金で苦しんでいるから借金を払うことがまず大事で、お父さんの医療費、介護の費用が出なくて死んじゃったら何にもならない、分かりやすく言えば。 だから、そういう常識的な議論をするべき時期に来ていると思いますんで、まあ与謝野さんも一応にしきの御旗は掲げているけど、ほとんどこの旗が廃れてきたというようなことをおっしゃっていたと思いますので、これから先、少し与謝野大臣とも議論をしながら、私はやはりこのセーフティーネットが国民に安心と活力を与える源だと、それとともに、経済成長もこれは両方でやっていかぬといかぬと、そういうことを申し上げていいと思います。
○森田高君 恐れ入ります。 さっきデフレの時代の緊縮財政というのはやっぱりこれ愚かだなと僕は思うんですが、結局それで有効需要が出なくて、お金だけ、マネーサプライだけ増やしたって、結局日本以外のところでバブルをつくっただけの話で、結局それが世界経済危機だという話につながってきていると私たちは考えています。だから、やっぱり十年間の経済政策といいますか財政政策の総括はすべき時期だし、それがやっぱり社会保障と不可分だろうなというふうにも思います。 ただ、会社だったら経営責任というのがこれ当然やっぱり数年間続けて赤字を出せば出てくるのに、政治というのは案外そういうものが、まあ選挙があるじゃないかと言われるけど、今までなかったのかなというふうにもやっぱりこれは思います。 本題に入ります。年金、百年安心とうたわれた平成十六年の年金制度の骨格が早々と、午前中の議論でも明らかなように、破綻してきているんですけど、表八に、これはもう今は厚労省のホームページから消えちゃいましたけど、やっぱり恥ずかしいのかなと。百年間の財政見通しをずっと出していらっしゃるんですよね。二〇〇五年以降の二〇〇七年まで確定している、決算が、しているところまで見ても、保険料収入は大体総じて下振れしていて、運用収入も下振れしている、支出合計は上がったり下がったりという状況で、数兆円単位の誤差はもう既に発生しているというふうになっています。 ただ、やっぱり賃金上昇率が二・五とか運用が三・二で、それが厳しくなったら、帳じりを合わせる目的か何か分からないけど四・一にえいと上げると。それは、方法論としては、コンピューターがありますから百年間のシミュレーションは幾らでもできますけど、この話をしても、荒唐無稽じゃないか、いやそうではない、実体はあるんだとかいう水掛け論になってしまうんですが。 ただ、何を言いたいかというと、生命保険でも八〇年代後半から九〇年代前半のいわゆるバブル期に発売された商品というのは非常に高利回りだったんですよね。五%から六%のいわゆる逆ざやってやつが保険会社各社に発生して、大体大手の四社だと年間二千から三千億円、ひどいときには、九〇年代末には、一社、含み損じゃなくて逆ざや抱えていたわけですよ。それを死差益と費差益で何とかつじつまを合わせて総合的に黒字決算をやってしのいでいって、駄目なところはそれで淘汰されてしまった保険会社がたくさんあるんですけど、なったわけです。 保険会社のバブル期に売った商品というのは大体二、三十年のスパンですよね、通常。まあ終身なんていうのもありますけど、通常は養老保険だったりとか、出ているのは。もちろん定期付終身で長いのもありますけど、それは定期付終身は額が小さいですから、ボリュームのでかいやつはやっぱり有期なんですよね。それは、二、三十年のスパンで五パーとか六パーとか、そういう商品を売ってでも生命保険会社は三十年でもやっぱりこういうものをやるべきじゃなかったと当時はみんな考えたと思うんですよ。 いろんなやっぱり有識者も、五%の運用というものを三十年、一定の仮置きで提供するというのは多分無理だったんだろうというときに、当時、皆さん、経済学者の人は総括したと思うんですよ。なのに、そういう学習効果が年金制度に入ってこないんですよね。だから、百年間、三・二でも四・二でもいいですけど、同じ利率で引っ張っちゃう、コンピューターを。それはやっぱり無理なんですよ。それは生命保険のかつての逆ざやでいっぱい会社がつぶれているということ、歴史が証明していると思うんですが。 これ、やっぱり有限均衡方式というのはそれはそれでいいと思うし、賦課方式ももちろんいいと思うんです、まじめに運用されれば。グリーンピアとかあほなことしなくって、ちゃんとまじめに運用されて給付されている限りにおいて賦課方式の有限均衡方式という年金制度はいいと思うんですよ。次世代が現世代を養うということでいいと思うんです。だけど、やっぱりスパンの問題に今度技術的にはなってくるのかなと僕は見ているんですよ。 保険のことを考えても、かつてそうだったというと、やっぱり百年間というのはそろそろ看板を下ろされた方がいいんではないかなと思いますが、大臣、どのように御認識されますか。
○委員長(辻泰弘君) 局長でいいですか。
○森田高君 両方やられるそうですから。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 委員長、お許しください。済みません。 今、大変深い御意見を承ったように思っております。ただ、私ども、公的年金制度というのは人の一生にわたる非常に長期的な制度であって、民間企業で提供できるものではないという観点から国家が直接行っております。そういたしますと、産業や経済や、あえて言えば国民世論も含めて、様々の世の移ろいを超えて、次世代、次々世代にこれを伝えていける、そういう制度でなければ本来の役割を果たせないという大きな宿命を持っているものであり、これは民間保険会社で運営できるようなものではない、私どもはそう考えております。 それから、事実関係でございますが、おおむね百年という点については……
○森田高君 期間について聞いているんじゃないんだよ。
○政府参考人(渡邉芳樹君) はい。国民年金法、厚生年金法のそれぞれの条項でおおむね百年の財政の均衡を図るように常々努めなきゃいけないということで、更に別の条項で少なくとも五年ごとの財政検証を通じて将来における給付水準が一定の物差しに沿ってどういうことになるのかきちっと観察していく、こういうことが義務付けられているものと思っておりますので、私どもはこの百年というのはどうかという技術論的な論点はあると思いますけれども、アメリカにおきましても七十五年であります、やはり公的年金制度というのは長いスパンで設計されるものという宿命があるというふうに思っております。
○国務大臣(舛添要一君) 年金のこの給付や負担を決めるときの一番大きなのは、先ほど申し上げましたけれども、経済成長と出生率だというように思っています。ですから、今から世の中が様変わりしてもう年率一〇%ぐらいの経済成長をする、それからもう合計特殊出生率が二・一ぐらいになるということになれば全く様変わりをいたしますが、結局、恐らく合計特殊出生率というのはそうころころ変わらない。やっぱり十年、二十年、三十年ぐらいのタームで変わるだろうと。まあ戦争なんかあるとこれは別ですけれども。 ただ、経済成長の方は、それはシュンペーターの説を取るかケインズ取るかだれに取るかあれなんだけれども、物すごいイノベーションということが起こればそれは変わる可能性もあります。ですから、そういうことの兼ね合いでいったときに、どれぐらい長期のスパンを取るかというときに、私は百年という単位は合計特殊出生率についてはかなり整合性があると思いますが、経済成長については非常に難しいなという気はします。 それからもう一つ、二十歳のときから保険金払い始めたとして平均寿命の八十まで生きるとするとやっぱり六十年間のスパンですね。だから、どの指標がどこまで正しいかというのは非常に難しいですけれども、かなり長期に考えないといけないということはまだ確かだというふうに思っています。
○森田高君 ありがとうございます。 局長が言ったことで、民間に売らせろというのは僕は全然そういうつもりはなくて、こういうものこそ国家がしっかりやらないといけない、あとは技術的な問題だということを言っているんで、何かこう答弁とかみ合わなかったんですごい残念なんですね。あと、アメリカはという話もありましたけれども、アメリカは基本的にポートフォリオの一〇〇%を国債で運用されていますから、それはもうすべてやっぱり国家がまとめて面倒を見るという姿勢が明確になっているわけですから、それはそれで一つの考え方だと思うんですよ。 まあ大臣がおっしゃられた人口の出生率ということは、もちろんそれ非常にというか、非常に大きなファクターであることは間違いない。保険料の収納率と人口ということがやっぱりこれ最大のファクターだと思いますんで、経済が伸びないと出生率がもう伸びようがないということは多分正しい話だと思いますんで、いかに経済を伸ばすかと、その中で再分配とか社会保障全体をどう守るかという話になるというふうに私も認識しているんです。 それで、ただ、さっき大臣が一点だけ、人口の出生率に関しては大体あんまりぶれないんだという話があったんですが、資料九だと、これは平成十四年と平成十八年の人口統計ですね。国立人口研究所の統計を示していますけれども、一・三九が一・二六に中位出生で変わっていたりとか、平均寿命も女性の八十九歳が、それが九十になったり、男性が八十・九五が八十三・六七になったり、やっぱりかなり短いスパンで人口統計上の数字も変わっているんで、まあ五十年先とか見ると医学の進歩あるいは戦争あるいは自然災害、いろんなことがやっぱり織り込まれるんで全く予断は許せないと思うんです。ですから、あんまり人口統計は狂わないということは言わない方が学者としては多分いいんじゃないかなというふうにも思います。 一年間、まあ百年のことを言う前にちょっと一年間を振り返ってみたいんですが、次のページから新聞記事をずっと時系列で並べさせてもらったんですよ。これ何を言いたいかというと、世論というのは非常に脆弱で移ろいゆくし、政治家の言っていることや官僚が言っていることはもうころころ変わるんですね、この一年間だけ見ても。 結論からいうとそういう話なんですけれども、例えば資料十見ると、去年の五月ころは結構みんな行け行けだったんですよ。年金運用、プロに任せてソブリン・ウェルス・ファンドみたいなものをつくって運用だと。当時、自分、一年前財金だったんですが、今与党の方ではなくなった大臣が担当大臣でいらっしゃいまして、自民党の方、与党の方では田村さんという師弟関係で結ばれた本当温かい答弁がずっと質疑がされていて、それははたで見てほほ笑ましい光景でもあるんですが、こんなに行け行けの議論をして大丈夫かなというのは少し寒い思いはしていたんです。 次のページ見てもらうと、やっぱりいろんな世論がやっぱり賢く増やせとか、与党のPTも、あれ七月二日ごろに多分、答申出しているんですよね、ファンドつくってやろうって。百五十兆のうちの十兆でもいいから年金の運用はプロがやるべきだと。それはそれで考え方としてはもちろんいいんですが、だけど、七月二日がPTの答申が出た日で、翌日が、一ページめくってもらうと、だあんと五兆円赤字と、五・八兆円のショックと。二〇〇七年度の年金運用の決算が出たのが七月三日ですから、何とその出る前の日にPTが答申出していると。そうすると、もうみんな、そういうことをだれも言わなくなっちゃって、五兆円、六%のマイナスということですから。 その次の資料十三見てもらっても、大臣も、七月五日の新聞記事に出ていますから、四日にすぐ何か談話出されているんですよね。ポートフォリオもよく考えてリスクをカバーした方がいいという趣旨のことを言われて、大臣の立場としてはもっともなんですが、新聞も今までは行け行けのもうファンド、ファンドというところから運用益か安定かと一気にトーンダウンしてくるんです。これが資料十三ですね。 資料十四の方に行くと、その後、今度、秋以降から今の話題になっている三・二パーから四・一パーへという、そういう過渡期に入ってくるんですが、実は第二・四半期、平成二十年度の、その年金運用の決算が出たのが十一月の二十八日なんですよ。その二週間前にちょうど、これが大体分かっていたのかどうか分かりませんけれども、厚労省の方は三・二から四・一に上げるということをおおむねで表明しているんですね。多分これ、運用損が出た後だとこういうこと言いにくいんでしょうね、多分、人間としては。僕もそう思うんです。 同じことがまた今年の春に起きていて、第三・四半期で五・七兆円損出ているんですが、その四日前なんですよね、四・一%に確固たる行政目標が定まったのは。こういうことが二回繰り返されて、そのたびに決算、決算と来ていますから、四・一で回せるかどうかという次元の問題とは少し切り離した、ちょっとわい雑な話なんですが、やっぱりこれは、斜に構えて僕が見ているせいかもしれませんが、やっぱりこれ確信犯で、決算期の前にできもしない目標をぼおんと打ち上げて、後に出すか先に出すかというのはやっぱりこれ大きな問題で、損が出ましたと言った後に目標値を設定すると、やっぱりいろんな人が一斉にたたきに入ると思うんですよね。現実、資料十六見てもらうと、やっぱり四・一パーの運用なんかなかなか難しいねという記事が圧倒的に多くなってくるんですよ。 だから、こういうやっぱり世論の流れというものを考えると、一年間でも右往左往するし、ファンドから安定へと、あるいは決算期の発表前後、行政目標の設定なんかもかなり恣意性が私なんかから見ると思えてしまう、それを感じるなという方が無理かもしれないと思う。国民の多くは、やっぱりこういう記事の流れをちゃんとチェックしている人だったら、そのように考えるかもしれないと思います。 この一年間を振り返って、こういう行政目標の在り方とか経過振り返って、大臣、どういうふうにお感じでしょうか。
○国務大臣(舛添要一君) この一年間というのは大きく動いて、特にリーマン・ブラザーズの破綻以降今のような状況になりましたから、ただ、私も見ていて、当初はとにかくこんなにもうけの少ない運用は何だということで相当やられて、今度は危険なものに手出すなということになりました。 だけど、これ、森田さんの資料の十三の左側の方に年金資金、運用を分散と、こう書いているのは、私はやはり年金は賢い運用はした方がいいとは一つは思います。ただ、余りにリスクが高いのはいけませんから、その一番最後のところにあるように、例えば百五十兆を一つの組織で動かすというのはやっぱり、それが失敗したら終わりですから、そのうちの例えば一兆でもいいから、例えばそのうちの十兆を、十五分の一の十兆をハイリスク・ハイリターンで回す。そうすると、百四十兆円を安定運用することによってカバーできるので、例えばそういう試みをやるならやってもいいんではないかと。 だから、今でもやっぱり運用益を高める努力はしないといけないし、資産の分散ということもやらないといけないんで、そういう考え方は全く基本的には変わっておりません。ただ、役所が恣意的に何日か前に分かって出したかどうかは、ちょっと私自身はそこは明確に、関与していないんで、何とも申し上げられません。
○森田高君 大臣、今非常に重要なことを言って、百五十兆規模のファンドを一か所で管理するのがあって、その管理するファンドが公的部門であればもちろんそれはそれでいいんですが、現実、あの年金運用機構という独立行政法人は八十人ぐらいしか戦力がいないから、マンパワー的に運用がまず伴わない。だから、ほとんどアウトソーシングでやっていかれるんですよね。資料十七では一応基本的なポートフォリオとか最近の収益率とか書いていますけれども、まあベンチマークどおりだからいいじゃないかと中の人は言うと思うんですが、国民はそれじゃ多分納得できないんだと思います。 そして、一番重要なことは、やっぱり大きな資産を特定少数の人が運用するというリスクはいろんな意味で大きいと思うんですよ。これは、僕は国民新党の人間で郵政民営化反対という立場で、それはなぜそこまで言ったか、言って考えているかというと、やっぱり、ゆうちょ銀行は二百二十兆資金残高があります。かんぽは八十兆あって、足すと三百なんですよ。三百兆円、世界最大のファンドをだれがじゃ運用するんですかという話になってくるんですね。 現実、郵政公社時代というのは大蔵省資金運用部の方で運用されていて、国債、地方債、財投債という流れで、かつての年金と同じような話なんですが、今は民間会社になったから民間で運用しますと。だけれども、ファンドマネジャーは郵貯の中にはずっといなかったわけですから、運用代理人が入ってきているわけですよ。じゃ、だれが入ってくるのかといったら、国内四社、あと海外だとゴールドマン・サックスとかベアー・スターンズとかバークレイズとか、平成十九年の決算状況を見るとそういうのが書いてあるんですが。 結局、三百兆の金を動かす情報をその特定の七社、国内四社と海外三社が独占できるんですよ。これは、もちろん運用がうまくいったらいいじゃないかという考え方はあるけれども、市場の公正さ、形成の仕方というのを考えると、世界最大のファンドをその七社が運用できる、しかもその七社の中だけで情報が共有されるわけですよ。そうすると、やっぱりこれはインサイダーという話にもうどうしてもつながってくるし、それだけの大きなお金を動かすのにやっぱり彼らに聖人君子のようなモラル観が当然求められるんだけれども、それが本当に実行されているのかなというやっぱり不安も禁じ得ない。 だから、正当に、やっぱり国内でできればお金を回してほしいという気持ちもありますから、ゆうちょ、かんぽというのは国内でやっぱりお金を使うべきだという話になるんですが、同じことが年金のファンドにも当たるんですよ。八十人しかいないから自力での運用が不可能であるのはもう一目瞭然なんですね。だから、大手の証券会社とか投資信託組合とか、そういうところに委託する話になりますけれども、じゃ、その百五十兆円の国民の財産の運用情報を特定一部の人だけが知っているということは、やっぱり情報の非対称性というものが必然的に起きると。そうなると、これは一般の投資家と余りにも格差が大きい話になりはしないかと、やっぱりこれ思わざるを得ません。 そういうことも含めて、ちょっと余り事前にちゃんと通告していなかったかもしれないんですけれども、運用の仕方とかポートフォリオ。アメリカみたいに、それだったらもう国債で全部やっちゃえというのは、ある意味これは本当にフェアな考え方かもしれないなと。もちろん、カナダとか欧州みたいに積極運用の道もありますけれども、大局観として、運用の仕方、あるいはだれがその情報を持つべきかということ、そしてポートフォリオに関して御見解をいただければと思うんです。
○国務大臣(舛添要一君) 私が大臣になって運用の委員を一部差し替えました。というのは、余りにも市場の運用の仕方を知らない方が入っていた。笑い話のような話があるんですけれども、厚生労働省の役人もいっぱいいますけれども、それは、あなた、前に何やっていました、保育園の担当をやっていましたという方がそれはやっぱり株の担当は無理だろうという気がしますから、そういうところは改めないといけないということで改めましたのと、ポートフォリオ選択について言うと、それは国民の大事な資産ですから、これを運用するためにやはりある程度の収益を上げないといけない。 だから、もちろん国債があります。その次に国内株があって、外国債券というのもあります。その分配の比率から見ると極めて安定的な形で今は取っていますので、田村耕太郎さんを始め、山本有二さんもそうでしたか、とにかくもっと大胆に運用しろと。ただ、それをやるとカルパースの、今のカルパースがそうですし、物すごい赤が出ていますね。だから、そこはまさにポートフォリオの選択をどうするかを、これはやっぱり相当専門家が入ってやる。最後はやっぱり政治家が責任を持って決めるということであってもいいんじゃないかな。 というのは、専門家だって分かりません。だから、これは今の政権なら政権がこういう判断でどうだと。それは情報を開示して、だから、どこの、例えば国内株だったらどこの会社の株を何株買うというところまでこれ言うかどうかというのは、それをやると、これだけ大きな百五十兆のファンドですから、マーケットに逆に影響を与える。だから、マーケットへの影響を遮断する形で、少なくとも配分の比率ぐらいは知らせて、これでどうですかというのをやる。あとは、ファンドマネジャーがそれぞれの才覚を働かせてやらざるを得ないと思いますけれども。 今もう立ち消えになったかもしれないですが、厚労省分割案のときに私が三分割という話をして、年金というのは一つ重いですよというのはまさに今の話なんです。だから、年金に専門家を金融庁からでも財務省からでもいい、役人だけで構成するんなら入れて、相当強力な年金の運用についても能力持った人が来ないと、それは旧厚生省、旧労働省だけの能力じゃ無理ですよ。だから、三分割という話をした裏には、実はこの運用を改善したいという話があったわけです。
○森田高君 ありがとうございます。 非常に重要な提案だと思いますし、百五十兆のお金を運用するんですから、これは極論だと言われるかもしれませんけど、しっかり守秘義務さえ守ってくれる腕のいいファンドマネジャーがいれば、五千万の年収の人百人雇っても私はいいと思うんですよ。もう全然それで五十億使ったら使い勝手あります。それで本当に国民に利益を提供してくれて、不公正な一部の寡占化された金融資本市場の会社だけがメンバーになって自分たちだけが不当なインサイダーの情報を得るということがなければ、それはもう国民の財産、五千万掛ける百人使っても、それは年金運用の健全化のためには、絶対それはその方が逆に私もいいと思うんです。 もちろん、資料十八のように、ただ、今現状は非常に厳しいんですよね。近年の国民年金とか厚生年金の決算、運用状況を国会図書館に時価ベースで調べてもらったら、やっぱり総合修正何とかというのと少しちょっと数字はずれるんですが、まあそれにしても十九年度は赤字ということは間違いないんです。多分二十年度も赤字でしょう、既に八兆円以上出ているわけですからね、赤字が。二十一年度も、このままいってそんなに明るい未来があるのかなというふうになりますから、相当やっぱり、つまり先ほど示した百年間の有限均衡の表とはずれが更に拡大してくると。 今四・一%に五年ごとの財政再計算の見直しで上げたんですが、結局、今からだと九十五年間の有限均衡方式ですけど、この方式を取り続ける限り、現実と理想の実態のギャップが広がれば広がるほど、最終的には保険料収入か運用収入しかインカムありませんから運用益を出すということに特化せざるを得なくて、いや、これちょっと話が違うんですけど、金利をまた更に上げざるを得ない話になってくるんじゃないかなと思うんですよ、五年後になると、この数年間の赤字決算が続く状況になると。でなければ均衡を図るためには給付を下げるしか方法論としてはお金の中の均衡を保つにはあり得ないんですよ。 そうなると、うまくいかなかったらまた利回り上げますと、それやっても目標に到達しないからまた上げますという話になってくると、これは制度としては破綻するなというふうに思いますし、現実もう五〇%の人、それ以上が、国民年金でいえば保険料を払っていない、厚生年金は天引きですからもっとたくさんの人が払っているわけですけど。結局、運用益よりも圧倒的に保険料収入の方が、これは賦課方式の年金制度と考えると、それが生命線なんですよ。国民が信頼なくした瞬間に国民年金なんかは破綻する、もう今終末期に入るかどうかの瀬戸際だと思うんですが、やっぱり今撤退すべきに来ているのかなと。これは、それは初めの設計が悪かったとかいう次元ではなくて今そういうふうになっているわけですよ。運用益が赤字、そして保険料収納率が下がっている。 これを改めれなかったら、本当に制度全体が玉砕するしかなくなっていって、いや、よく友達と話すときに、インパール作戦って知ってるかという話をするんですけど、大本営発表のとおりに牟田口中将が行けと、三個師団に命令出して十万人近くの日本兵がほぼ玉砕に近い状態になるんですけど、現場ではもうこれは無理だという声が何回も何回も上がっているけど、結局大本営には伝わらなかったと。 だけど、年金の実態考えると、これから先のシミュレーション、まあそれはコンピューターでどうにでもできるとはいえ、普通の常識を働かせて大人が考えれば、やっぱりこれは四・一%の今度の目標の実態、それは日本の復活のいろんなシミュレーション、想定はあるとはいえ、乖離する可能性がこれから数年間は特に高まっていると思うんです。 そうなると、四・一で無理だから今度は五・五にしますという話になっても、それは絶対に無理ですよ。だから、やっぱりこれは原点に立ち返って、有限均衡方式はいいとしても、じゃ、スパンをどうするかとか、あるいは税財源化の話もありますけれども、じゃ、どうするのかという、やっぱり大きな話をしなければならないのかなというふうに思うわけです。 やっぱりそれには相当の時間も掛かるでしょう。スウェーデンなんかは年金国会ということで、何年間もやっぱり与野党関係なく議論をしていって、積み上げていって結果を出したということですから。まあ選挙近いですからね、腰を据えて議論をするのは難しいんだけど、だけど総選挙が終わったら、ひとつやっぱりこういうものはやりますと、これは与野党共通の目標でもいいと思うんですよ。政争の具とするよりは、年金国会二年間やりますと、特別委員会でも作ってとか、そういうことをやるくらいの方がむしろ責任ある対応ではないかなというふうには僕は思いますが、大臣、どうですか。
○国務大臣(舛添要一君) それにお答えする前に資産運用の話について言うと、今最悪の外国株式について言うとマイナス四〇%ぐらいですね。だけれども、比率が非常に少ないからいいんですけれども、こういう状況がずっと続いていくというのは年金制度が破綻する前に経済が破綻していると思いますから、そこはいかに経済を立て直すかが必要だというふうに思います。 今、二番目に非常に建設的な御意見ですけれども、あと三月以内ぐらいにどうしても選挙はありますから、それはもう選挙が終わったらこれはきっちり、与野党含めて、そのときの政権がどうなろうとやっぱり国民的なコンセンサスを得るしかないんで、既に様々な、今朝の蓮舫さんの意見もそうです、様々なヒントがもう出ているわけですね。これはどう考えてもおかしい、これはどう考えても。与党だからそれでいいよということではなくて、是非それは腰を据えて、しかもこれはあのスウェーデンのように十二年掛けてという話ではないと思います。十二年も掛けないで、まあそれは次の衆議院から次の衆議院の選挙まで四年間任期満了にはありますから、その期間でしょうね。 ですから、是非それは鳩山代表におっしゃっていただいて、そういう形で、マニフェストが同じことになるかもしれませんが、そこは党派を超えて年金制度について真摯に、今、今日ここでやったような議論を国民に広げるということは決して悪いことではないと思います。
○森田高君 建設的にやっていきたいなと思いますが。 ただ、やっぱり現状の認識というものも十分必要で、例えば資料十九を見ていただくと、午前中、蓮舫議員もKKRのことはおっしゃったんですが、国民年金、厚生年金、地方共済なんかは極めてポートフォリオ全体は近いんですが、KKRだけ違うんですよね。国内債券がやっぱり圧倒的に多いと、八割。ポートフォリオを上回って、資産構成割合で見ると、直近の資料、八〇%が要するに国債だと。株式に対しては非常に薄めに投資していて、なるほど、これを見習えば国民年金ももっと健全化するのかななんてやっぱりこれ素朴に思うんですが。 先ほど財務省の方が、今年はさすがにマイナス三%ぐらい行くんじゃないかと。決算どうなるか注視したいとは思うんですが、だけれども、今までの痛み方は極めてKKRは小さくて済んだんですよね。平成十九年でも大体国民年金、厚生年金、マイナス、まあ六か三かというのはありますけれども、計算の仕方ですけれども、これ同じ時価ベースでやると〇・五三ですから、やっぱり明らかに痛み方は小さいんです。じゃ、黒字のときの利ざやが小さいんですよと、何か言えばこう言われるんですが、資料二十を見てもらうと案外そうでもなくて、これは過去十数年の流れですけれども、厚生年金と国共済、これ青枠と赤枠で囲ってあるんですけれども、大体遜色ないんですよね、黒字のときも、いいときも。悪いときは少ないと。ああ、何だ、これ理想的なポートフォリオじゃないかなとぱっと見ると思ってしまうんですが、いや、またいろいろありましてという話にこれなりがちなんですが、これだけ見ても、何か乗っている船が違うなと国民はやっぱり思うと思うんです。 あるいは、この運用以外だって、やっぱり給料に対する保険料の割合というのが、やっぱり公費の補助率が公務員さんの場合は圧倒的に国民より有利な状況になっていますから、いろんな意味でアンフェアという状況になっている。 それを考えていくと、一元化の議論を今ちゃんとやらなかったら、ある種、政治家だって国民に対する奉仕者だというふうな観点で考えれば、やっぱり背任的な考えを持っていると、背任とも言えるんじゃないかなというふうにも思います。是非、これは一元化ということ、その中で均衡方式、賦課方式、いろんなやっぱり議論をかみ合わせていかないと、最終的に有権者の大多数は年金を信用してくれなくなるんじゃないかなと思いますが、KKRのことも含めて、大臣、どのようにお感じですか。大臣もKKRの加入者だったわけですね。
○国務大臣(舛添要一君) 東大の先生をしていたときに文部省の共済組合のメンバーでしたから、まさにそのメンバーでしたけれども。 ただ、今やはり、どういう形で一元化するか。我々は、与党の方は、取りあえず被用者、サラリーマンと公務員の一元化をまず言っている。その塊と国民年金とは、事業主が払う部分のことも含めて相当乖離がありますね。私は今国民年金を払っていますけれども、一万四千幾らかで、収入の多寡に関係ない。 先ほど申し上げたように、そういう問題があるので、将来的にはそういうことも見据えて、簡素で公平で中立的で、そして本当に国民が使い勝手のいい年金制度にすべきだということを思っております。
○森田高君 今度、運用主体のさっきちょっと触れた年金運用機構のGPIFという組織ですね、八十人しかいなくて、結局管理職ばかり、まあどういうふうな運用が行われるとか、自分もそこの中にいたことがありませんから詳細は分かりませんけど、だけど、まあこれ基本ポートフォリオがあるといいながら、じゃこれからどういうビジョンを持っておいでなのかなというのが一つ考えなきゃいけないと思うんですよ。 資料二十一を見てもらうと、この理事長さんも結構今悩ましいなと思っていらっしゃるのかな、「低リスク、一定の株式比率で」と、多分これはポートフォリオをもう少し堅いものにしたいという気持ちなのかもしれません。そういいながら、四月十五日のこれは毎日新聞ですか、「株価支える年金資金」と、株が下がっているからどうしても相対的に株を買う量が増えてしまっているのかもしれませんけど、株を買いに行っているのか外国人投資家に代わって買っているのか、でも低リスクだと言ってみたり、今日の日経にも同じような記事が出ていて、「公的年金運用 進まぬ改革」で「基本方針定まらず」と、今日の日経のこれは経済面ですね、出ていますんですね。だから、いろんな人が運用委員会に入ってきて好きなことばかり言って、舛添大臣この前一人辞めさせたという話をしていますけれども、全然まとまっていないような気がするんです。だから、これは相当心してこれからの年金運用をする組織の在り方というものも考えなきゃいけないなというふうに思います。 時間が少なくなってきていますので、もう一枚めくっていただきまして、じゃ、このGPIFという組織が、役員三名、参与一名、職員七十六名とあって、いや、これ何を言いたいかというと、要するに経営責任というのは、どんなセクションにしろやっぱりこれはあるべきだと考えるのが普通だと思うんです。平成十九年度が五・八兆円赤字を出して、去年、二十年度は第三・四半期までで八兆円オーバーの赤字ですと。銀行でこういうことが起これば、それは頭取以下執行役員は皆さん退陣されるでしょうし、役員給料は半分にするとか、もちろん賞与なんかは返上するとか、それなりの経営責任が出てくると思うんですね。さきに国会議員も涙をのんで自らの給料を下げると、国家公務員皆さんもみんな下げていると。やっぱりそれは社会に対する共同責任を取っているわけですよね。 このGPIFの皆さん方は、例えば給料とか賞与とか、あるいは退職金とか、こういう手当の観点で何らかの社会的責任は今までのところ取られていますか。取られていたら、いつからどういうふうな取り方をされていますか。
○政府参考人(渡邉芳樹君) このGPIFの年金資金の運用でございますが、御承知のとおり公的年金の資金を運用する際には、公的年金が賃金スライドをベースにしておりますので、実質賃金上昇率を少し上回るところをねらっていただくという基本がございます。それから、やはり安全かつ効率的な運用のために、御承知のようにインデックス運用をするということをしております。そういう中で、これまでの間にこの体制の下でも、今のポートフォリオの下でも大変大きな運用益を出した時期と、それから今マイナスが出ている時期がございます。 責任問題云々については、最終的には厚生労働省あるいは大臣、局長、こういうことになるわけでございますが、この理事長以下につきましてもきちっとした管理責任ということが当然課されております。そういう観点から、現在、法人における期末手当等の取扱いについて、人事院勧告を踏まえた総務省からの要請に基づき、社会一般情勢に適合したものとなるよう適切な措置を講ずることを法人に対して私どもから公式に要請しているところでございます。
○森田高君 要するに、今まではほとんどの公務員、議員、いろいろな人がいろんな立場で社会に対する共同責任を取っている状況で、GPIFの方々は自浄作用の中で自らボーナスを返上するとか、給与をどうするとか、そういう話は出てきていなかったと。独法というのはやっぱり管理するのは難しいですね、たくさんありますし。だけど、やっぱり年金部門に関しては国民の注目が集まっているし、この人たちが結局、僕が質問をするまで局長からそういう勧告もしなかったわけでしょう。まあ、してもどうなるか分からないけど、責任取ろうという姿勢が全くないですよね。 自分たちのせいじゃない、基本ポートフォリオがこうだからしようがないんだという話になりますけど、じゃ、役員の在任期間何年なんだと。かつて黒字と言うけれども、そのときその人たちは関与を直接する立場にあったのかどうかとか、いろんな問題点が出てくるでしょうから、それはそれですよ、やっぱり。国会議員だって、去年当選しようが今年入ろうが、やっぱり責任取るときには責任取って給料は下げる、皆。それはやっぱり当然公務員としては一つ姿勢を示す必要があるんだろうと思います。ですから、それは是非大臣、御指導いただきたいなと思います。 時間来ましたので、最後一点ちょっと御覧いただいて、別にこれで意見どうこう言おうという気持ちはありません。ありませんが、二十三ページに、日本医学会が一つの見解出したんですよ。これ本当にインパクトが大きい見解なんですね。日本医学会というのは、御存じのとおり百七の医学会の集合体です。高久史麿先生が学会長をされていて、国内最高権威ですね、医学に関しては。そこが評決取りましたら、大体七〇%の賛成ということでA案を支持されたと。 医師会に関しては、正式な表明はないといいながらも、医師会のホームページ見ると、これ昨日でも掲示されていましたけど、文章を読むとA案としか見れないものがある。そして、患者会の方は、もうA案以外はやめてくださいということも言っておられる。そういう状況です、客観的に。 現場と学会と患者と、この三者がみんな異口同音に同じ答えを求めているんです。国会が、国民の代表で構成される組織で、それで国民の声を代弁するというのに、学会、現場、患者、この三つの声がそろっているのに、そうじゃないという答えが出るということは、私は素朴に信じられないんですよ。 だから、ここで、A、B、Cどれがいいと議論するつもりは今この場ではありません。だけど、これは重いんです。医学会が表明したという事実は非常に重いんです。これをどういうふうに受け止めておられるか、御見解いただきたいと思います。
○委員長(辻泰弘君) 舛添厚生労働大臣、簡潔にお願いします。
○国務大臣(舛添要一君) そういう意見もあるということを賜りますけれども、先般衆議院の厚生労働委員会で申し上げましたように、私は私の意見を言いません。私は、国会議員として、私の生命観、倫理観に基づいて評決に参加したいと思います。 以上です。
○森田高君 どうもありがとうございます。
○南野知惠子君 自由民主党の南野でございます。国民年金法等についての質問をさせていただきます。 我が国の公的年金制度は、現在の現役世代の納める保険料によって現在の高齢者の年金給付を賄うという、世代と世代の支え合いの仕組みによって成り立っている。また、全国民が職業や所得にかかわりなく加入するという、世界でも例を見ない国民皆年金の制度を取っております。現在、加入者は七千万人、受給者も三千万人を超えており、年金制度は国民にとって老後生活における所得保障の重要な柱となるまでに成長したと言っても過言ではないと思います。 しかしながら、近年の急速な少子高齢化の進展、社会経済状況の急激な変化や年金記録問題などにより、国民、とりわけ若い世代を中心に年金制度への不安が高まっており、こうした不安を解消していく取組が必要であると考えております。委員会でもいろいろな意見が今出されておりますが、そのような中にあって、基礎年金の国庫負担割合を二分の一に引き上げる本法案の意義は大変重要であると考えております。 このような重要な国庫負担割合の二分の一への引上げを内容とする法律案がようやく国会のこのテーブルに出されておりますけれども、振り返ってみますと、平成六年の年金改正法の附則に国庫負担引上げについての検討規定が設けられてから、今回の法律案による二分の一の実現まで、関係者の長年にわたる努力もあったのではないかなと思います。その間、政府はどのような取組を行ってきたのか、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(渡邉芳樹君) ただいま長い歴史を振り返っての思い、お話をいただきました。政府関係者の努力と申しますよりも、やはり立法府を通じて定められてきたものが国家の意思だと、国の意思として定められてきたのが基本であると、こういうふうに考えております。 御承知のように、基礎年金には高齢期の基礎的な生活に対応する全国民に共通する公的年金給付であるという性格付けから、制度が安定的なものとなるよう従来から三分の一の国庫負担が行われてきたわけでございますが、平成六年改正において、御指摘のように、衆議院での修正により、改正法附則において、将来の保険料負担増への対応という観点から、基礎年金に対する国庫負担割合を引き上げることについて検討規定が設けられたというところから始まっております。 平成十二年改正において、平成九年の財政構造改革の推進に関する閣議決定を踏まえて、そこにありました、基礎年金国庫負担割合の引上げは財政再建目標達成後、改めて検討を行うという決定がございましたので、その時点での引上げは行われませんでしたが、十二年改正の附則に、「平成十六年までの間に、安定した財源を確保し、国庫負担の割合の二分の一への引上げを図るものとする。」との規定が設けられました。 それで、改めて平成十六年改正においては、長期的な給付と負担の均衡を確保し、制度を持続可能なものとするために大きな四本柱の改革を打ち出す中で、基礎年金の国庫負担割合について、まず、これまで手を着けてこなかったことでございますが、国民年金法の本則の上で二分の一を規定し、その法律が成立しているという状況にまで参りました。 その改正法附則において、二分の一を恒久的に実現する特定年度については、所要の安定した財源を確保する税制の抜本的な改革を行った上で、平成二十一年度までのいずれかの年度を別に法律で定めることとされたという経緯がございまして、今般この法律案におきましては、昨年来の予算、税制の様々な議論を経まして、当面、二か年は臨時の財源でございますが、それ以降は税制の抜本改革による恒久財源により二分の一を恒久化する、それがずれ込んだ場合でもしっかり二分の一を確保していくと、こういう規定を織り込みましてただいま御審議をいただいておるというものでございますので、御指摘のとおり、相当長い道のりの中で、現在私どもは、国民年金法本則上は既に二分の一ということが定められているということの前提に立って、一方、年金財政の観点、国民の保険料負担ということから見て平成二十一年度は待ったなしの年であるという判断の中で、ぎりぎりの政策選択をしていただき、今御審議をいただいていると、こういうふうに理解をしております。
○南野知惠子君 今の御答弁の中には、長い旅路の御苦労があったなというふうに思っておりますが、平成十六年の年金改正におきまして、長期的な給付のその負担の均衡、これを確保して、制度を持続可能なものとする年金財政の枠組みが築かれてきたわけでありますが、具体的に、平成十六年年金改正による年金財政の枠組みとはどのようなものなのでしょうか。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 先ほど長々と申し上げました答弁の中でも少し触れさせていただきましたが、様々な改正事項ございましたが、中でも、この十六年改正の骨格は四本の大きな柱であるというふうに説明してまいりました。 一つは、保険料の上昇をできる限り抑制しながら、当面は引き上げていくものの、将来は一定の法律で定められた保険料率、保険料額で上限に固定するということが一つ。そして二つ目は、その保険料負担の範囲内で給付水準を自動的に調整する仕組みを導入する。それから、百五十兆円にもわたる年金の積立金を有限均衡方式の下に財政計算を行いながら積極的に活用する。そして第四に、所要の安定財源を確保する税制の抜本改革を行った上で基礎年金国庫負担割合の二分の一への引上げを行う。 この四つの柱で、保険料面それから給付面で現役世代、受給世代のある意味での我慢をお願いしつつ、それから、先人が積み立てた積立金の活用の道も開きながら、国のお約束としてきちっと二分の一に引き上げて、持続可能な、そして現役世代が将来とも負担が可能な保険料水準を実現していく、こういう考え方の改革でございました。
○南野知惠子君 基礎年金の国庫負担の割合を二分の一に引き上げるということに今結論が出てきたわけでありますが、平成十六年の年金改正法に定められている政府・与党の国民に対する約束であったのかなと、年金制度を将来にわたって持続可能なものとするためには不可欠であろうかと、今お話を聞いてそのように思いますが、したがって、本法案の一刻も早い成立が必要であるというふうに考えます。 もし仮にこのまま法案が通らない場合、将来の年金給付や保険料負担はどのようになってしまうのか、要らぬ心配だとは思いますが、これは皆様方の御協力によるものでありますが、お考えをお示しください。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 前提条件が甘い甘いという御批判をたくさんいただいております今般の財政検証でございますが、その数値を当てはめてみましても、本法案が成立しなかった場合には、二〇二七年、今から十八年後には国民年金の積立金が枯渇する、すなわち基礎年金の給付ができなくなるおそれがあると、こういうことを発表させていただきました。 国庫負担が二分の一にならないままにそうした事態を回避するというのはなかなか器用にできるものではございませんで、そうした場合には、後々と申しますか、それほど時日を要せず給付面で大幅なカットを必要とするということになってみたり、負担面で保険料の上限を大幅に引き上げる必要があるというふうになるんではないかと、様々に御批判を込めて指摘されているわけでございます。あながち否定できないわけでございますが、実際そのような選択を政府としてするわけにはいかないと思っておりますので、是非とも本法案の早期成立をお願いしたいと考えております。
○南野知惠子君 この法案が通らなければ国民の方々に更なる御迷惑をお掛けするというようなところにも一つのポイントがあるのかなと思います。 今回の法案による基礎年金の国庫負担割合二分の一の実現、これは、平成二十一年度及び平成二十二年度においては財政投融資特別会計からの繰入金を活用した臨時特例的なものであり、その後は税制の抜本改革により安定財源を確保し、二分の一を恒久化するとしております。国民の年金制度に対する安心を確保し、制度を持続可能なものとするためには、もし仮に税制の抜本改革による安定財源の確保が平成二十四年度以降となった場合においても、それまでの間、基礎年金国庫負担割合を三六・五%に引き下げるなどということがないことを確約すべきだと考えておりますが、この点につきましては、大臣の御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(舛添要一君) これは先ほど蓮舫さんの御質問にもあったことでもありますけれども、仮に抜本的な税制改正が行われなくても、臨時的な財源措置を今回のようにとることによって基礎年金の国庫負担の二分の一という比率は守っていきたいと思っております。
○南野知惠子君 次は、基礎年金の税方式化についていろいろと御説がございます。我が国の公的年金制度は、社会保険方式を基本としながら、給付改善、保険料負担の抑制という観点から、基礎年金部分に国庫が投入されております。この基礎年金を税方式化して全額税財源による最低保障年金を実現しようとする意見も出されておりますが、こうした税方式を主張する意見の背景には、現在の無年金、低年金問題があるのではないかと思われております。そうした問題意識には拘泥すべき部分もございますが、税方式への移行は実際には困難な点が多々あるのではないかと思っております。先ほども少し口ごもっておられましたが、そのこともあるのではないかと思っておりますが。 そこでお尋ねするのは、基礎年金を税方式化する場合、現在保険料で賄われている分の巨額の財源をすべて税で調達するということになります。どの程度の規模の財源が必要となるのでしょうか。お伺いいたします。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 税方式の議論が大変様々な機会に多くの方々から提言されていることは、私どももよく承知しております。 今お尋ねの、どのぐらいの規模の財源になるのかというのも、その具体の税方式の制度設計によって変わってくるものとは思いますが、私ども参考としておりますのは、昨年五月に官邸に設けられました社会保障国民会議の定量的シミュレーションというものが行われ、公表されました。その中で、税方式のパターンを三つに分けて初めて分析が行われております。それを引用しながらお答えをさせていただきたいと思います。 税方式をする場合には、一つは過去の国民年金の納付状況に関係なく一律に税財源による給付を行うというパターン、二つ目は過去の保険料の未納期間に応じてその分は減額するというパターン、三番目は過去の保険料納付実績を評価してその分給付に加算をするというパターン、この三つの方法が基本的にあるものと考えております。そういう観点で試算が行われ、公表されたと理解をしております。 具体的には、一の過去の納付状況に関係なく一律給付とするという方式を取った場合には十四兆円、消費税率換算で五%相当の財源が、また、過去の保険料未納期間に応じて減額という場合では九兆円、消費税率換算で三か二分の一%程度、三番目の過去の保険料納付実績を評価して加算して給付するという場合は、自己負担のみを加算するのか事業主負担分も含めて加算するのかということが分かれてまいりますが、その両方の幅を取りますと、二十四兆から三十三兆円、消費税率換算で八か二分の一%から一二%程度が必要になるという試算が出ております。 制度にはそれぞれメリット、デメリットがございますが、こうした数字も視野に置きながら御議論を賜れば有り難いと思っております。
○南野知惠子君 今お話をお聞きしますと、税方式によれば本当に多額なお金が必要であるということは、これは今理解できるところでございます。財源をどのように調達するかという問題もございますけれども、税方式に転換する場合には移行措置をどうするのかということも大きな問題であろうと思います。 先ほどもちょっとお触れになったのかなというふうには思いますが、これまで保険料をきちんと納めてきた人、それと納めてこなかった人との公平性をどのように確保するのか。また、何らかの移行措置を講ずるとして、それはどのくらいの期間に及ぶのかといったような課題があると思いますが、こうした点も含めて政府として税方式化についてどのような御見解をお持ちなのか、大臣、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(舛添要一君) この移行期間の問題が非常にありますのと、例えば今年金を受給しておられる方々、仮に税方式に変えた場合に消費税でやるとすると、まあほかの税でもいいんですけれども、これだけ四十年間払ってきた、今もらっているのにまた払うのかと、こういう不満が必ずありますね。こういう方の不満をどうするのかということがございます。その他、元々はですから自助、共助、公助という形でなぜ保険料方式にしたのかということは、自ら助くという面がそこにあるわけなので、これは今まで三分の二対三分の一だったのを税と半々にした。これはもう委員御承知のように、介護にしても医療にしても全部フィフティー・フィフティーで税と保険という形でやっていて、保険料で払うことの意義が非常にあるわけですね。そういう精神的な問題、社会的連帯の話もあります。 どれぐらい掛かるかというと、先ほど森田さんのときにちょっと話していたと思いますが、二十歳から納め始めて八十で亡くなるとすると、やっぱり六十年間ぐらい論理的に言うと必要になってくるんです。ただ、そこをぐっと縮めて三十年ぐらいでできるかなということがあるので、経過措置に伴ういろんな不公平さの解消というのが実を言うと制度を変えるときに極めて大きな問題になるので、そこを、しかもこれは、先ほど申し上げましたように世代によってプラス、マイナスが全く違う。だから、世代間公平を考えて万民を納得させるような経過措置をどう考えるかというのは、与野党共にやるならば、これが最大の課題になるんじゃないかなという気はしております。
○南野知惠子君 本当に大変な課題になるだろうと思っておりますが、そういうことも計画の中に入れながらこの問題は見ていかなければならないと思います。 今後の年金制度の在り方について何点かお尋ねしたいと思いますが、我が国の年金制度では、二十五年加入することが年金の受給資格期間となっております。これを満たすことができなければ無年金となってしまいます。無年金者を少しでも減らすためにこの二十五年という受給資格期間の見直しを行うべきとの意見がございますが、受給資格期間の短縮により低年金者が増加する懸念もあると考えております。 この点について、政府としての御意見をお伺いいたします。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 私の立場で申し上げられるところにはおのずから限界はあると思いますが、この二十五年の受給資格期間問題というのは、私は、個人的には大いに議論し出口を見付けていくべきものと考えております。他方、社会保障の専門家の間では大変評判の悪い意見であるという点も国会の答弁などでも申し上げてきております。 それは何なんだろうかという点が今御指摘いただいた点であると思いますが、この二十五年の受給資格期間というものは、一つは、国民皆年金をつくったころに、何とか低所得あるいは所得の不安定な方まで、諸外国ではやらない道を取って、包摂型で年金のスキームの中に入れて老後の安心を図ろうとしたことがありまして、低所得等で保険料負担が困難な方に特別に税を活用した免除制度をつくり上げまして、これを用いてやっていけばこの二十五年の受給資格期間がクリアできるではないかと、こういう制度設計で行われてきたということが一点ございます。 その後も、工夫として六十五歳まで任意加入期間を開いたということもあるし、さらに二十五年に足りない方は七十歳までの任意加入期間を設けたという制度の工夫もしてきたので、一つは、低年金者を増やさず、かつ国民年金の受給に確実につなげるという精神と技術論は十分に駆使してきたという自負も関係者の中にあるというふうには思います。 しかしながら、今日的な年金を取り巻く課題を大局的に見ますと、やはり無年金、低年金問題というものは、もう既に皆年金確立して半世紀たって、それで振り返って見たときに、やはり全体の議論の中にもう一度入れて考え直すべき時期に来ているのではないかというふうに考えております。 そうした観点から、審議会におきましても、様々の異論はございましたけれども、是非こういう点については御検討をいただきたいということで、中間的整理まで御議論をいただいております。一定の条件を付け、とりわけ低所得、低年金の問題に対する最低保障機能の強化と併せてしっかり考えていくのであれば、一つの出口として二十五年の受給資格期間の短縮ということは政策論的に十分あるというところまで、私ども政府としても関係審議会と一緒に歩みを進めてきている、そういう途中の段階にあるということを申し上げて、答弁に代えさせていただきます。
○南野知惠子君 皆年金制度を続けてこられてもう今半世紀というところの中で、御苦労としては、いわゆる低年金者を増やさないと、その方向で大変御苦労されたというふうに思いますが、現行の年金制度では、保険料を納付する権利は二年で時効、消滅してしまいます。その結果、二年以上さかのぼって保険料を納めることはできないと。今は経済的に苦しい時期であるため保険料を納めることができないが、将来、経済的な余裕が生まれた際にまとめて後から保険料を納めることができるというような仕組みを導入すれば、将来の無年金、低年金者の発生の抑制に一定の効果を持つのではないかと考えられますが、この点についての御見解をお伺いいたします。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 今の点につきましても、先ほど申し上げましたように、今、現下の公的年金制度、とりわけ国民年金制度が置かれている状況、果たしてきた役割ということを総括してみますと、低所得、低年金対策というもの、あるいは無年金対策というものを重視する時期に来ているという判断に立つと、こうした二年の時効という点についても十分議論の余地があるというふうに考え、これも関係の審議会において、途中まででございますけれども前向きの議論の整理をいただいてきている、そういうところまで来ております。 ただ、この点について、二年は短いから後で六十歳になってまとめて払うからいいではないかと、こういう御議論もちまたに聞こえないわけではございません。私どもは、そういう考え方はやはりモラルハザードを起こすものであって良くないのではないか。また、六十とは言わないまでも、二年を二十年でも三十年でもいいではないかと、こういうような御議論ではその間払える資金的な余力のある人にだけチャンスを広げるのかということにもなりかねませんので、一定の知恵と技術というものを少し編み出さないといけないかなというふうに考えているところでございます。五年とか十年とかいう点であればある程度工夫の余地があるのではないかというのが関係の審議会の御議論でもございますので、今後機会を得ましたら是非その具体論を詰めてまいりたいと考えております。
○南野知惠子君 最後にまとめて払うとしても、六十年はちょっとスパンが長過ぎるんじゃないか、五年、十年ぐらいだったらどうにかそこら辺で帳じりが合うんじゃないかというような御示唆もしておられるようでございますので、そのことにつきましてもまたこの度の年金改正にも参考に取り入れられていただければうれしいというふうに思います。 もう一つは、厚生年金には育児期間中の保険料を免除する制度がございます。その一方で、国民年金にはそういった仕組みがございません。現在、国民年金に加入する被用者が増えている中で、次世代育成支援の観点から国民年金にも同様の仕組みを拡充すべきであるという考えがございます。この点について大臣の御見解をいただきたいと思います。
○国務大臣(舛添要一君) 今の育児休業などの期間中の保険料免除、この財源は厚生年金の保険料で賄われているわけです。だから、その心というのは、サラリーマン、これは仕事をしている、その育児期間中は大変だろうから厚生年金で拠出した掛金でそこを救おうと。ただ、政府全体としては国の財政の中で育児休業支援というのは様々な形でやっています。じゃ国民年金の中でもそれをやるとすると、一万四千四百六十円だったか、その辺の金額、保険料を上げざるを得なくなりますね、その負担として。そうすると、それをやってでもやった方がいいのかどうなのか。元々サラリーマンと、元々国民年金というのは自営業者の場合だったような形であって、制度の発足からいって若干そういう発想がなじまなかった面もあると思います。 ただ、今おっしゃったように、まさに年金制度の一元化の議論のときに、様々なメリット、デメリットがある。それから、特に厚生年金の場合、事業主が半分払うというのがある。そういうものをできるだけ同じような制度にしていくことをやらないと一元化ができませんから、一元化をやるとすればですよ、その前提としてやはりこういう問題についてはきちんと検討すべきときに来ているというふうに思いますが、先ほど申し上げたように、年金の掛金でやるならだれの負担になるのかと、ここが一番ネックだと思っています。
○南野知惠子君 今大臣がおっしゃるように、やっぱり年金掛金、これはだれが負担するのかと。年金といえば掛けた人が後でもらえるという性質があろうかというふうに思います。そういう中で育児期間ということについて考えたのは、やはり今少子化であると、そこら辺をどのように担保していくのか、この年金の中でもどうにか考えられないかということでございましたけれども、保険料との関係があるということでございますので、その点はまたみんなで検討しなければならない課題かなというふうにも思っております。 次に、今回の財政検証結果につきまして何点かお尋ねしたいのですが、まず今回の財政検証結果では、今後の少子高齢化の進展の中でも所得代替率五〇%が確保されることが示されたわけでございます。 その一方で、世代別の給付負担比率の格差が拡大しているということが問題と指摘されておりますけれども、これにつきましては、現在の年金受給世代は現役時にその上の世代を私的に扶養しており、年金制度内の格差を主張することは適当ではないと考えるのでございますけれども、その点について政府としての見解をお伺いいたします。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 午前中の質疑の中でも、私の方からもこの点についての基本的な考え方をちょっと触れさせていただいておりましたが、今回の試算は前回の、五年前の財政再計算時の数値を基に公表したものと同じ内容の試算を全く同じ手法で行ったものを公表し、その比較をしていただいたと、こういう趣旨のものでございます。 大きく言うと、それほどの変化はないというふうには総括して見ておりますけれども、若干の数字の変化がある、その間の経済情勢の厳しさ等により制度の働き方が若干予定と違っているというような点も影響している、こういうふうに見ておりますが、いずれにせよ、若干の変化ではありますが、その変化があるなしにかかわらず、世代間の給付と負担というものを見るという立場に立って見てみますと、確かに今の高齢世代は、かつて納めた保険料、それに二・五%の運用と申しますか賃金上昇率を込めた数字を分母として見るわけでございますから、運用したような状態を分母と置きながら見るわけでございますけれども、今のお年寄りの世代については高い数字が出てくる、それから、うんと若い方々については低い数字が出てくる、こういうことが前回も今回も見て取れるわけでございます。 その背景にありますのは、都市化、核家族化による、御指摘のように、私的な扶養から年金制度を通じた社会的な扶養への移行というのがこの三十年の間にも大きく変わってきております。それから、少子化、長寿化の更なる進行により、現役世代に掛かる扶養負担が全体的に高まってきている。生活水準の向上、それから数十年前と比べますと明らかに実質的な保険料負担能力が上がってきた、そういう中で保険料負担水準が引き上げられてきた、こういったような様々な背景があり、ある種年金制度を、何といいますか、材料にして見た日本のこの数十年来の歴史そのものがこの数字に表れているということであると思いますので、逆に言うと後輩世代である我々、あるいは更に若い世代は先人のつくり上げた社会資本あるいは技術、様々な恩恵を被って今の制度の中で給付と負担の恩恵に浴している、あるいは義務を果たしている、こういうことではないかと思いますので、やはりこの数字は事実は事実として受け止めなければいけませんが、それをもって問題だという観点で見ることは慎むべきことだと考えております。
○南野知惠子君 やはりここにも歴史的な観点から眺めてみなければいけないというような課題が散見されます。 今回の財政検証結果につきましては、片働き世帯、これは専業主婦世帯ですが、それしか所得代替率五〇%を確保できていない。それは平成十六年の年金改正の約束に反するというような指摘もございます。政府・与党は、平成十六年改正の際にもそのような誤った説明があったのかどうか、そのようなことはしていないと認識していますけれども、平成十六年改正では所得代替率の目標についてどのような内容となっているのか、改めて御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(渡邉芳樹君) この点についても午前中の質疑で若干触れさせていただきましたが、当時どのように説明していたのかという点につきましては、現在私ども説明していることと全く同様の、きちっと条件付けをした五〇%の維持ということをパンフレットその他でしっかり記述をしているところでございます。また、国会における答弁もそのようにさせていただいております。 その中身というのは、少し技術的になりますけれども、一定の給付水準を維持するという観点から設けられた平成十六年改正法の附則の規定に記述されているルールでございます。それは、満額の老齢基礎年金二人分と男子平均で四十年就業した場合の老齢厚生年金の合計額が、男子平均手取り賃金に対する割合を将来にわたり五〇%を上回ることを目標とするという定めがされているものでございます。 この給付水準の目標を国民に説明する際には私ども欠かせないのが、年金制度は世代内での所得再配分を行う仕組みが組み込まれているという点であると思います。世帯員一人当たりの所得が高ければ年金額が高くなり、所得代替率は低くなり五〇%未満にもなります。世帯員一人当たりの所得が低い場合には、年金額が低くなるが所得代替率は五〇%を上回ることは容易でございます。それは、世帯の類型にかかわらず当てはまるルールでございますので更に誤解のないよう努力をさせていただきたいと思いますが、十六年の時点と今日では説明の内容には違いはないということを御答弁申し上げたいと思います。
○南野知惠子君 世代間におけるものだけではなく世代内においてもちゃんと勘案されているということも了解できることかなと思っております。 国民年金では、学生間の保険料納付を猶予し、後で納付できることとする学生納付特例という制度がありますが、学生などの若者に対して国民年金制度に入ることにより障害年金を受けることができるといった良い点をもっと周知すべきであり、また学校教育の場においても年金教育を実施すべきと考えます。二十歳になる前に成人となる意味、又は日本を支える義務と権利がある、また住みやすい国づくりへの参加等の教育、これを必ずその個人個人が教育を受けていくことが大切ではないかというふうに思います。 そういう意味では、厚労省、文科省ともに考えていただきたいと思います。例えば、妊婦さんに母子健康手帳を渡すときには母となる心構え等を話し合っているように、事の節目節目に知らせていくことが大切であり、大切なことは学校教育のカリキュラムの中にこれは入れていただきたいというふうに思っております。 若者にとって年金を納めた効果は先のこと、何年も何十年も後のことになりますので余り理解できない、また後で勉強すればいいやと思っておられる方がいると思いますが、更に理解しやすくお願いしたいのでございます。 こういったことについて、政府の取組についてお伺いいたします。
○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。 ただいま御指摘をちょうだいいたしましたとおり、まず国民年金制度の学生納付特例制度でございますけれども、学生がこの制度を活用することによりまして、お話ありましたように、保険料の猶予期間中であっても不慮の事故などに遭った場合に障害が残ってしまったというようなケースにおいても障害基礎年金を受けることができる、そういう保障を備えた、そういう仕組みであるということでございます。大変大切な仕組みだと思っております。 こうした点も含めまして、私ども、大学生あるいは専門学校に通われている学生さんたちに対しまして、この国民年金制度の周知を図るために、機会をとらえまして大学などの校内におけるポスターの掲示とかあるいはリーフレットの備付け、それから入学時のガイダンスの中での説明とか学生さんに対するセミナーの開催、そういった取組を大学あるいは専門学校の方と連携協力しながら進めさせていただいているというのがまず現状、一つでございます。 それから、中学生、高校生についてでございますけれども、まさにこれも御指摘賜りましたとおり、年金制度という仕組みの必要性でありますとか、あるいは、さらにはなぜそういうものが必要なのか、基本理念、そういったものを中心に、正しい理解をしていただくことが将来の安定的な運営のためにはこれ重要でございますので、具体的な取組でございますけれども、平成五年度から学校教育の場におきまして年金教育というのをさせていただいております。具体的には、地方社会保険事務局長が委嘱をしました年金教育推進員あるいは学校の先生が、副読本を用いまして社会科などの授業の時間帯において年金セミナーあるいはそういった指導を行っておるということでございます。 なお、年金教育を推進するに当たりましては、内容がばらばらということでもいけませんので、文部科学省の御協力もちょうだいいたしまして、平成十五年度から社会保険関係者それから教育関係者で構成いたします年金教育推進協議会という推進組織を全国の各社会保険事務局に設置させていただきまして、都道府県や市町村の教育委員会などとの連携を図っているところでございます。ちなみに、この年金の教育推進員でございますが、これはもう過半が例えば高校の校長を歴任なさった方というようなことで、教育畑の方が相当な割合を占めるというような形になっているわけでございます。 それから、カリキュラムの中できちっと位置付けて行うべきではないかという御指摘も非常に重要でございます。この点についても、かねがね私どものこれは要望でもあるんですが、文部科学省の方にこれは要請を続けてまいっております。 今後とも、そういうことで、様々な機会をとらえてこの年金制度の周知を図っていきたいというふうに考えております。
○南野知惠子君 ありがとうございます。 いろいろと御苦労されているのは分かります。漫画もたくさん取り入れながら頑張っていただきたいというふうに思いますが。 年金の未納問題につきまして、先日、国民年金納付率が過去最低となっているというような報道もございました。連日のマスコミの報道などを通じて、未納者の増加により制度が破綻するのではないかという不安が国民の間に広まっていると感じております。未納者の増加によって本当に年金制度が破綻するのか、保険料納付率が年金財政に与える影響について政府としての見解をお伺いします。先ほどいろいろお話しされましたが、この点、また強調してお伺いいたします。
○政府参考人(渡邉芳樹君) お答えいたします。 もとより、国民年金保険料の納付率向上、近年、向上した年も二、三年記録いたしましたのでその点も御記憶にあると思いますが、この納付率の向上というのは、被保険者の負担の公平を図るとともに、将来の低年金、無年金の発生を防止するという観点から極めて重要であると考えております。納付率向上に向けた対策はもちろん、社会全体としての環境整備ということが重要であるというふうに考えております。 お尋ねの年金財政への影響ということになりますと、少しまた年金固有の話に戻りますのでお答え申し上げますが、国民年金はいわゆる未納問題を指摘される一号被保険者だけではなく、サラリーマンや公務員など被用者も含めた公的年金加入者全体七千万人の世界で支えられております。その中に占める未納者の割合は約五%程度となっているという点も御留意いただきたいと考えております。 また、国民年金一号被保険者の保険料の納付率が今回発表された数字でも今までにない低い数字だということでございます。こうした納付率が低下した場合に年金財政の持続性への影響はどうなのかという点が問われるわけでございますが、保険料未納者の将来の年金給付の減少につながるということから年金財政の立場に立ってみますと、それほど大きな影響はなく、むしろ、それに比べると経済成長や少子化の影響というものが非常に大きいということは私ども感じているところでございます。 もとより、納付率がいわゆる所得代替率に与える影響というのは、衆議院の審議におきましても示されておりますとおり、単位当たりで申し上げますと、納付率が一ポイント増加若しくは減少した場合には最終的な所得代替率が〇・〇五から〇・〇六ポイント上下するということにつきましては、昨年来私ども説明を申し上げているところでございます。
○南野知惠子君 次に質問申し上げたいのは、未納者の増加、それ自身が年金財政に大きな影響を及ぼすのではないかということでございますけれども、国民皆年金であるという我が国の年金制度にとりまして未納問題は放置できない。今お話もございましたが、年金保険料未納、納付率向上に向けた現在の取組状況について、何かございましたら教えてください。
○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。 国民年金保険料の納付率の向上でございますけれども、これは、ただいま年金局長の方からお話がございましたように、年金財政全体に深刻な影響が及ぶという側面よりも、むしろ被保険者の負担の公平感とか、それから、あるいは個々にそういう状況にある方にとっての低年金、無年金、そういったむしろ事態の発生を防止するという観点から極めて重要であるというふうにとらえております。 こういう観点から取り組んでいることを幾つか御紹介申し上げますと、一つは保険料を納めやすい環境をきちんと整備するということでございまして、ここ数年来の取組を幾つか御紹介申し上げますと、口座振替を推進する、それからコンビニエンスストアあるいはクレジットカードで納付することができるというようなことの導入を図っております。 それから二つ目に、市町村から所得情報を御提供いただけるようになりました。これは平成十六年の年金制度改正によりまして実現したわけでございますが、この所得情報を活用させていただくことによって未納という状態にある方の特性に応じたきめ細かな対策に力を入れて取り組んでいるところでございます。 具体的には、その所得情報を拝見しまして、お支払いになっていない方でありますが、十分な負担能力があるのに納付なさっていない、納付義務を果たされていないというような場合には、これはいろいろと督促を申し上げ、最後は、大変恐縮でございますが、強制徴収によるといった厳正な対応を図らせていただくというようなこと。 他方、負担能力が乏しい方については、免除でありますとかあるいはただいま御指摘いただきました学生納付特例制度、そういった制度を活用することによって将来に向けた確実な年金権の確保というものを図ると、こういうようなことで、きめ細かな対策を展開しようということで取り組んでいるわけでございます。 それから、もう一歩踏み込んで申し上げさせていただければ、まさに今現在御審議いただいているこの国民年金法の改正法案が成立いたした時点におきましては、今後の免除期間にかかわる保障も充実するわけでございますので、そのことも含めて更に免除制度の周知徹底を図っていきたいと、かように考えているわけでございます。 こういうような各般の取組をきちんと展開していくとともに、年金記録制度への適切な対応も並行して進めて、何にしろ年金制度への信頼を回復していきたいと、そういうことを通じて保険料の納付率向上もしっかりと図っていきたい、できる限りの努力をしていきたいと、かように考えているわけでございます。
○南野知惠子君 生命保険等であるならば、もう何回も何回も説明されますよね。そして、改正するときも、それはこういうふうになってこうなるからということの説明の中に、ああ、これは自分が入っていれば得だなと思えることが、そこまで感じさせてくれるわけでありますので、国民年金、これは皆保険でありますけれども、聞いた人たちは、やっぱり自分たちも入らなきゃいけない、これは義務なんだ、そしてそこには特権があるんだと、権利があるんだというようなところを納得するまでやっぱり教えていかなければいけない。クラスでお話があったにしても、ただ説明して、知らない人が来て黒板書いて説明して終わるぐらいじゃ、これは学生は集中しません。面白い漫画でも出しながら、そこで漫画を書かせてみるとかというようなことも一つの大きなシミュレーションになるのではないかなと、そのように思います。 多数の国民年金保険未納者が存在する背景の一つに保険料免除制度の周知不足、これもあるのではないかなと思われます。先ほどは年金保険スタートに当たっての教育を取り上げていただきましたが、料金の未納に関して周知活動の徹底、これも図っていかなければならないと思っております。そういう保険料の免除制度ということもこれ細かく教えていかなければならないんですが、それについての広報活動はいかがしておられるでしょうか。
○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。 免除制度の的確な運用ということを進めていく上においてその周知広報、これは非常に今御指摘のように大切だというふうに思っております。 私どもの取組でございますけれども、まず一つは、毎年送らせていただいております納付書に免除制度を含みます年金制度の周知用のチラシを同封させていただいております。かなり分かりやすい形でいろいろと工夫をしているものでございます。 それからまた、免除制度について詳しく記載したパンフレットを社会保険事務所あるいは市町村の窓口などに置くというようなことで便宜を図らせていただいているということ、それから社会保険庁ホームページ、こちらの方にもかなり詳しい情報を掲載さしていただいております。 そういうようなことを中心にその周知を図らせていただいているわけでございますが、そういう一般的な取組と並行して未納状態にある方個々に対する働きかけもやってございまして、先ほど申し上げました市町村から提供を受けた所得情報の活用、これを要するに中身を見まして、免除に該当すると思われる方に対しましては、まずはお手紙、文書で督励をする、それからその御反応がない場合には今度は電話をさせていただく、電話で働きかけてもなかなか行動を起こしていただけない方については更に戸別訪問をするというようなことをやって、届出の勧奨というものを丁寧にきめ細かに進めてきているという状況でございます。 それからもう一つ、これは周知広報とはちょっと次元が違う話になるわけでございますが、ただ、免除しやすくするという観点から一つ申し上げさせていただきますと、免除などの申請というのは以前は御案内のように毎年行うこととされていたわけでございますけれども、現在は全額免除あるいは若年者の納付猶予の承認を受けた方については、十八年七月からですけれども、あらかじめその適用を受けたときに申入れをしていただければ、翌年度以降も所得要件を満たす場合には申請書を提出していただくことなく承認を受けられる、そういう仕組み、これ継続免除制度というふうにいっておりますけれども、そういった形での申請手続の簡素化を図ってございます。 そういうようなことで、今後ともこうした取組を徹底するとともに、現在御審議いただいておりますこの国民年金法の改正法案が成立した場合には、免除期間にかかわる保障が充実することも含めまして、周知の徹底を更に図ってまいりたいというふうに思っております。
○南野知惠子君 いろいろ御努力していただいているようでございますので、これは結果として未納者が少なくなるというところを結果で出していただける方がいいのかなと、そのように思っております。 最後になりますが、いわゆる無年金障害者の問題についてお伺いします。 ちょっと長くなりますけれども、我が国は国民皆年金を採用しており、日本に在住する方はすべて公的年金に強制加入となり、老齢、障害、死亡のリスクについてカバーされる体制となっておりますけれども、様々な事情により年金給付を受けられない障害者が存在しております。 年金受給権を有しない障害者は、大きく分けて四つございます。強制適用となる前に任意加入していなかったサラリーマンの配偶者、また強制適用となる前に任意加入していなかった学生、昭和五十七年一月に国民年金の国籍要件が撤廃される前に障害者となった我が国に滞在する外国人の方、それから強制適用対象であったにもかかわらず年金制度に加入せず又は加入していても保険料を一定以上滞納している状況で障害者になった者の四つの類型がございます。 このいわゆる無年金障害者の問題につきましては、超党派の議員連盟が組織され、様々な議論がなされております。また、国会の場でも様々な調整が行われた結果、年金受給権を有しない障害者のうちサラリーマンの配偶者と学生につきまして、年金ではなく福祉的措置として特別給付金を支給することとすると。特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律、これが議員立法により全会一致で成立し、一定の救済が図られました。 他方で、この法律の附則第二条において、サラリーマンの配偶者や学生以外の方々に対する福祉的措置については、国民年金制度の発展過程において生じた特別な事情を踏まえ、障害者の福祉に関する施策との整合性等に十分留意しつつ、今後検討することとされました。 この附則第二条の規定の趣旨等を踏まえ、現在も超党派の議員連盟において特別障害給付金の対象となっていない方々に対する福祉的措置について検討がなされており、私も議員連盟の会長をしておりますが、ここにおられる強力な谷先生、そして相原先生たちとともに、日々話を続けております。 平成十六年十二月に議員立法で救済が図られた際に、なかなか難しい問題であるため、今後検討とされた課題でありますが、議員連盟における検討に併せて、政府においても引き続き真剣に検討していただきたいと思っておりますが、お考えを教えていただきたいと思います。
○政府参考人(渡邉芳樹君) ただいま御質問にございましたように、国民年金に国籍要件が設けられていたことなどにより年金受給権を有していない障害者に対する福祉的措置につきましては、先般の議員立法で成立いたしました特定障害者給付金法の給付がなお対象としていない状況にございまして、同法の附則二条において、今御紹介がございました、国民年金制度の発展過程において生じた特別な事情を踏まえ、障害者の福祉に関する施策との整合性等に十分留意しつつ、今後検討するとされておるわけでございます。 この規定の趣旨などを踏まえまして、私ども行政府の立場でも、立法府を始め関係者の御議論を踏まえつつ、引き続き検討をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○南野知惠子君 大変難しい課題であろうかと思いますが、何かどこかに解決する玉手箱はないのでしょうか。大臣の一言でこの無年金者等についての勇気を私たちはもらいたいというふうに思っています。期待する玉手箱をよろしくお願いします。何か一言。
○国務大臣(舛添要一君) 南野先生の問題意識を共有いたしますので、今後精力的に検討してまいりたいと思います。
○南野知惠子君 ありがとうございました。期待いたしておりますので、よろしくお願いします。 これで質問を終わります。
○石井みどり君 自由民主党の石井みどりでございます。 先ほどから御質疑を聞いておりますと、大先輩であります南野先生、南野委員の御質問と重複するところがあろうかと存じますが、その際は失礼をおわび申し上げます。 国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案について本日は御質問をさせていただきます。 我が国は、ヨーロッパの先進国に比べて急速に高齢化社会に突入いたしました。また、少子化という大変大きな、まさに政治的な課題としては私は最もこれが問題ではないかと思いますが、少子化社会でもあります。そしてまた、昨今の社会経済状況は急激に悪化をし、変化をしてきております。それに加えて、年金記録問題等がありますので、国民の方々には今非常にこの年金制度への信頼感が薄らいできているのではないかと思います。特に若い世代の方々は、御自分の将来を考えたときにその不安というのは大きなものがあるのではないかというふうに思います。 基礎年金の国庫負担割合の二分の一という引上げは、国民の年金制度の安心を確保するとともに、将来にわたって年金制度を持続可能なものとするためには不可欠なものと考えますが、基礎年金の国庫負担割合を二分の一に引き上げる意義というのをどのようにお考えでしょうか。改めてお聞かせくださいませ。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 重ねての答弁になりますが、お許しください。 平成十六年の年金制度改正におきましては四つの柱がございました。一つは、保険料の上昇をできる限り抑制しつつ上限を固定する。二つは、その保険料負担の範囲内で給付水準を自動的に調整する。三番目、積立金の活用を図るとともに、所要の安定財源を確保する税制の抜本改革を行った上で基礎年金国庫負担割合の二分の一への引上げを図る、こういうものでございました。長期的な給付と負担の均衡を図り、持続可能な制度を構築するとともに、現役世代の負担を過重なものとしないということをポイントにした改革でございます。 このように、四つの柱の中でも、基礎年金の国庫負担割合の二分の一への引上げというのは、政府が行う非常に重要な政策であると考えております。長期的な給付と負担のバランスを確保し年金制度を持続可能なものとする上では本当に必要不可欠な施策であるということでございますので、現在御審議中のこの法案の早期の成立をお願いしたいわけでございます。 今回、この法案におきましては、基礎年金国庫負担二分の一への引上げと併せて、先ほど南野委員からもお話のございました保険料免除者、低所得者でございますが、現役時代の低所得者の方々が保険料を納めなくてもきちっと税財源により給付を保障していくという仕組みでございます。その保険料免除者の老齢基礎年金の額計算、一言で言うと、税財源をてこ入れしてもらって給付してもらう給付水準でございますが、例えば、保険料全額免除期間が保険料納付済期間の二分の一に評価されるということを今年度から行うという内容をこの法案の中身に入れ込んでおります。 したがいまして、この二分の一への引上げというのは、こうした低所得者の方に対する年金保障の充実を今年度から直ちに図っていくという観点も含まれてございますので、改めて早期の成立をお願いしたいと考えております。
○石井みどり君 基礎年金部分に国庫負担が行われる意義というのは、今の御説明でよく承知ができました。 公的年金制度の運営について国の責任を具体的に表明するということであろうかと思いますが、給付水準の改善、また保険料負担の軽減などの観点から国庫負担が行われているというふうに承知いたしますが、先ほど大臣の答弁の中にもございました社会保険方式で年金制度を運営する、共助の最たるものだろうというふうに思いますが、一定の国庫負担を行いつつ、なお社会保険方式により運営をしていくということの意義をお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 私ども従来説明しております中で、やはり我が国の公的年金制度というのは、自らの老後に備えるという自立自助の考え方を基本としつつ、すべての国民の老後の生活の安定を図るために、今委員共助とおっしゃいましたが、国民全体で保険料を拠出し合う社会保険方式の下で制度の運営が図られているわけでございます。そのメリットは計り知れないというふうに信ずるところでございます。また、無業者や低所得者など、保険料負担が困難な者を含め、すべての国民に年金保障を及ぼす国民皆年金というものを実現しております。 こうした大前提を置きますと、この社会保険方式を基調にした年金制度において、主たる財源はやはり現役世代である被保険者の拠出する保険料、それから事業主の拠出する保険料、これが主たる財源となるべきものと考えておりますが、年金制度の中でもとりわけ全国民に共通する基礎年金につきましては、一定の給付水準の確保、現役世代の保険料負担の軽減、こういった観点から、費用の一部に対して全国民が負担する税による負担を行ってまいったわけでございます。 今般、その水準を現行の三六・五%相当から五〇%、二分の一に引き上げることにより、さらに現役世代の将来における保険料負担の過重な水準というものを回避するために、この社会保険方式の下でも税負担の部分の拡充を図りたい。ただ、それは介護それから高齢者医療そしてこの年金制度を通じまして保険料と税の負担というものは一対一を基本とするということが今回の二分の一法案の趣旨でもございます。
○石井みどり君 今回の改正案で基礎年金の国庫負担割合二分の一へ引き上げるというこの財源は、平成二十一年度及び平成二十二年度においては財政投融資の特別会計からの繰入金という臨時特例的なものでしかないわけであります。これを国庫負担割合二分の一を恒久化するためには、財源としては今後やはり恒久財源というところで考えていかなくてはいけないと思いますが、消費税を含む税制の抜本改革を実施していかなければこれは不可能と思いますが、政府としてはどのようにそこをお考えでしょうか。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 本法案におきまして持続可能な年金制度の構築のために今御指摘のとおり税制の抜本改革による所要の安定財源確保を図った上で二分の一を恒久化するということが重要でございます。 しかしながら、現下の情勢の下、平成二十一年度以降しっかり二分の一国庫負担を実現していくということが国民の年金制度に対する信頼あるいは年金財政の安定のために待ったなしの課題である、国民に対するお約束であるという観点から、今回の法案におきましては更に当面の対応といたしまして平成二十一年度及び二十二年度について財政投融資特別会計から一般会計への特例的な繰入れにより、臨時の財源でございますが、その手当てにより国庫で三六・五%と二分の一との差額を負担して二分の一国庫負担を実現すると。 また、二分の一の恒久化が平成二十四年度以降になる場合にも、それまでの各年度においても二分の一との差額を国庫が負担するように臨時の法制上及び財政上の措置を講ずるものとするという規定を明文化し、盛り込んでいるところでございます。 こうした中で、先ほど申し上げました低所得者に対する給付水準の引上げということも現に今年度から実施するわけでございますので、しっかりこの二分の一というものを将来とも守っていくと、こういうことに努力してまいりたいと考えております。
○石井みどり君 国民年金には低所得者の方に対して非常に保険料の負担が困難であるということで免除する仕組みがありますが、今回の改正案によってこの保険料免除期間を持つ方に支払われる老齢基礎年金の額が改善されるという、このことについては広く周知をする、広報をするということが重要だと思います。 先ほどもこの広報活動に関して南野委員の方から御質問がありましたが、具体的な年金額の計算方法、これがどのように変わるのか、お教えいただけますでしょうか。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 先ほども少し触れさせていただきましたが、老齢基礎年金につきまして免除制度というのがございます。基本的には二十歳から六十歳までの四十年間、四百八十か月加入することにより満額の年金、本年度月額六万六千八円が支給される仕組みでございますが、そうした中で低所得等の方を抱える国民年金制度においては、通常の保険料、現在は一万四千六百六十円でございます、月額でございますが、これを納付できない場合には所得に応じてきめ細かな多段階の保険料免除の仕組みが設けられております。 例えば、全額免除を受けた期間分につきましては国庫負担相当部分、現行は満額の三分の一とされておりますが、今回の法案で二分の一に引き上げようということでございますが、そうした国庫負担相当分の給付が約束される、こういうものとなっております。それから、今のは全額でございますが、四分の三免除、半額免除、四分の一免除という形で給付水準が二分の一から八分の五、四分の三、八分の七というふうに引き上がっていくことになっております。 本法案におきましては、こうした保険料免除者の額計算、給付水準につきまして、本年四月以降の免除の期間につきましては三分の一ではなく二分の一で算定をすると。この改正前の法律では税制の抜本改革が行われるまで三分の一にとどめ置くとされておりましたものを二分の一に引き上げるということを盛り込んでおるところでございますので、先ほど御指摘もございましたような広報、周知の努力というものはとりわけ求められていくものだと思います。 三分の一から二分の一というのは、月額でいうと、保障水準が全額免除の方について二万二千円が一気に三万三千円に引き上がるということでございますので、その点の周知が大切であると考えております。
○石井みどり君 今回の改正案が成立したとしますと、基礎年金の国庫負担割合二分の一が実現するわけであります。将来にわたる年金制度の持続可能性が確保されるとしても、先ほども御質問がありましたように、無年金者の方あるいは低年金者の方々が存在するということは現実のことでございます。これが大きな課題かと思います。 このような課題の解決のためには、社会保障国民会議あるいは社会保障審議会においては、基礎年金の最低保障機能の強化ということを検討すべきだという御提言をいただいておりますが、このことに関して政府としては今後どのような検討をお進めになられるんでしょうか。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 御指摘のように、社会保障国民会議や私どもの社会保障審議会における議論もございました。それら全体を含めまして政府においては中期プログラムを策定し、所得税法等の改正等を行ってまいりましたが、本法案の附則におきましても、今御指摘のありました点につきまして検討規定が設けられ、今審議に付されているという状態でございます。 その検討規定には、政府は、途中省略いたしますが、公的年金制度について、基礎年金の最低保障機能の強化その他の事項に関する検討を進め、当該事項がそれぞれの制度として確立した場合に必要な費用を賄うための安定した財源を確保した上で、段階的にその具体化を図るものというふうに記述されているところでございます。 では、その最低保障機能の強化ということに関してどういう議論が関係方面でなされてきたかというものでございます。それは私どもの審議会の中間整理の中で整理をされておりますが、四つほど議論のパターンをいただいております。一つは、基礎年金において、低年金者に対し、保険料拠出の有無にかかわらず一定額を保障する最低保障年金を創設する。二つは、保険料の拠出時に所得に応じて保険料の一部を軽減し、軽減された保険料納付を求める一方、軽減分についてはこれを公的に支援する保険料軽減支援制度を設ける。三番目、基礎年金の額が満額であるか否かにかかわらず、著しく所得の低い単身高齢者等の基礎年金に加給金の加算を行う単身低所得高齢者等加算を導入する。四番目、基礎年金に必要な財源を全額税財源で賄う税方式を導入するなどといったものが示されているわけでございます。 無年金、低年金といった課題への対応について、このほかにも様々な御提案はあることは承知しておりますが、いずれにせよ、昨年末に決定された中期プログラムや本法案の検討規定にあるように、社会保障の機能強化と効率化を図るために、今後、基礎年金の最低保障機能の強化等を始めとする年金制度に関する諸課題について、安定財源の確保を図りつつ国民的な議論を進めてまいる必要があるというふうに考えております。
○石井みどり君 今、様々、マスコミから我が国の年金制度に対していろんな御提案がございますが、その中には、例えば年金に十年加入すれば月額五万円の年金を支給するというような、現行の給付分との差額を税で負担するというような、そういう最低保障年金制度といったような御提案も含まれています。 こういうものに対して政府としてはどのようにお考えか、お聞かせください。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 委員御指摘のは社会保障審議会でも取り上げた一つのパターンでございますが、とある大新聞の政策提言として昨年の春に打ち出されたものでございます。 今、委員御指摘になったその部分をコアとするものと考えておりますが、様々に工夫もされておりますので、こちらから一概にコメントするというのもなかなか難しい点もあるわけでございますが、この素材を社会保障審議会で議論をするということについてそういう機会を得ることができましたので、そこでの議論の整理をもって今のお尋ねに対する回答に代えさせていただきたいと思いますが。 あり得ない制度ではないというふうな前提で様々な御議論をいただきました。しかし、結論としては、この最低保障年金については滞納者であっても受給資格期間さえ満たせば、例えば十年となっておりましたが、一定額の年金を受給できることとなり、受給資格期間を超えて保険料を納付する意欲に対する悪影響が懸念されるのではないかという指摘がございます。 やはり社会保険方式でありますので、ある程度の御工夫はいただいているようでございますが、そうしたモラルハザードと申しますか、その部分をもっと最小限にするにはどうしたらいいかという更なる工夫が必要なのではないかというふうに考えておるところでございます。
○石井みどり君 今の御説明では、いわゆる最低保障年金にはモラルハザード、滞納者の問題というふうなこともあるということでしたけれども、しかしその一方で、国民年金には保険料負担が困難な低所得者の方に対してやはり保険料を免除するという、こういう仕組みもあります。 この保険料免除制度を活用することによって、保険料の支払が困難な方、こういう低所得者の方に対しても将来の年金保障を受けることができるというわけでありますが、しかし、この現行の保険料免除制度では、先ほど来から御説明もありますが、国庫負担分のみしか給付されません。つまり、保険料が全額免除されている場合、国庫負担分である三分の一しか給付がされない。非常にこれでは将来生活ができないのではないか。やはり低所得者対策としては不十分であると言わざるを得ません。むしろ、所得に応じて保険料を軽減し、そしてその軽減した分を公的に支援するという保険料軽減支援方式といった制度を導入することの方がより満額の基礎年金を受けられるということに近づくのではないかというふうに思いますが、いかがお考えでしょうか。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 今議員御指摘の保険料軽減支援制度という仕組みにつきましても、これは国民健康保険とかにある仕組みでございます。それほど想像力の外にある制度ではないだろうと、こう言われるわけでございますが、社会保障審議会においてもそれを取り上げていただいております。 むしろ、現行の免除制度というのはやはり申請免除を基本としているものでございまして、無理に職権免除すると先年問題となりましたような逆のデメリットも出かねないということでございまして、基本的には満額の一万四千六百円でございますか、それを納めていただくということを基本にして本人の事情に応じて多段階で免除をするというものでございます。 今御指摘の考え方というのは、国民健康保険にもありますように、むしろ満額の保険料を求めるのではなくて、その方の所得に応じてそもそもお支払いをいただくよう御連絡する保険料を軽減する、低い保険料をお支払いしてくださいと、一万四千円じゃなくて三千円でいいですとか五千円でいいですということを御通知いただくということを基軸にして考える方がこうした低年金問題に対する解決力があるのではないかという観点で様々に審議会でも御議論をいただきました。 仕組みとしては、保険料拠出時に所得に応じて保険料の一部を軽減し、軽減された後の保険料納付を求める一方、つまり、低い額の保険料納付をお願いする一方、軽減された分を公的に支援する仕組みでございます。つまり、税財源で足し算をすることで、低い所得に応じた保険料でも満額の基礎年金に手が届くようにすると、こういう考え方と仕組みでございます。 これにつきましては、所得に応じた保険料、低所得者に関してということでございますが、所得に応じた保険料ということではございますので、社会保険方式の基本を踏まえた案であり、先ほど申し上げましたような最低保障年金型の制度に比べると、いわゆるモラルハザードの難点というのは少ないと、こういうふうに考えられますが、他方、制度設計の前提となる自営業者や非正規労働の方々などの所得捕捉をどうするのか、所得捕捉が不十分な中で、そのグループの中とはいっても所得再分配を行うのか否か、行わないにしても、正確な所得捕捉に基づいてその方にふさわしい正確な軽減された保険料水準での保険料納付をお願いすることができるのか、そうした所得情報というのを国がどのように、年金当局がどのように利用できる仕組みを取ればいいのか、そういった点が実は行政技術的には大変大きなハードルとしてございまして、地方自治体でやっている国民健康保険の場合には、その市町村の中の税務課の御協力も得ながらやっておるわけでございますが、私どもは、それではそのようにお願いできるものなのかどうなのか、あるいは国税の御協力はどういうことなのか、様々今後詰めていかなければ、現実的にはなおまだ検討が不十分という御批判を免れないというふうに考えております。
○石井みどり君 先ほど私が申し上げました保険料軽減支援方式、これは将来低年金に陥る危険性を防止する効果としては期待が持てるわけでありますが、これはやはりあくまでも現役世代の方に対する方策であるというふうに思います。年金受給世代の方にとっては、これは即効性がない。今まさに年金を受給する世代で低所得の方には別の方策が必要なのではないんでしょうか。 我が国は世界最長寿国家でありますし、この急速な高齢化の進展によって今後単身の高齢者世帯が増加するというふうに、いわゆるお一人様の方々が増えていくわけであります。単身の高齢者世帯の場合、収入面で見ると、基礎年金を満額受給するとしても月額六万六千円程度であります。一方、支出面で見ると、単純に夫婦二人世帯の半分というわけにはいかない、やはり基礎的な生活費というのは必要なわけですので、そうなりますと、やはり基礎年金の六万六千円だけで生活していけるんだろうか、これは決して十分な保障とは言えないと思います。非常に苦しい生活を強いられることになる可能性が高いと思います。 これから増えるであろう単身世帯、こういう高齢者の方々に対して何らか政府としての対策が必要ではないかと思いますが、このことに関してはどういうふうにお考えでしょうか。
○政府参考人(渡邉芳樹君) ただいま御指摘の点も大変重要な論点であると思います。冒頭申し上げましたように、社会保障審議会における議論も、幾つかの柱を立てて御議論をし、中間整理をいただいておりますが、その中でも取り上げられている論点でございます。 基礎年金の額が満額であるか否かにかかわらず、現に著しく所得の低い単身高齢者等の基礎年金に年金制度の枠組みを利用して加給金を加算することができないのかと、こういうような論点でございました。これにつきましては、低所得高齢者の所得保障の改善に直ちに資するということが指摘されているわけでございます。 しかし、他方、元々低年金の方は、この加算だけで十分な基礎年金を受給できないのではないか。先ほど申しましたような、現役世代対策とはいっても、所得に応じた保険料を負担することで満額の基礎年金をもらえるということがまず基礎にないままにこれだけでいいのかと、こういうような御議論もございました。 また、支給対象範囲の給付の水準、それからこうしたものを行うのはだれにでも、つまり所得の高い方でも年金だけ小さいというときに出すのかという問題もございますので、所得基準というものがやはりここでも問題となってくるだろう。その情報をきちっと正確に把握し、公平公正に適用するにはどうしたらいいかという点があるだろう。 それから、加給をしたとしても、生活保護との関係がぎりぎりのところであれば確かに目に見えて効果があると思いますが、現在低年金の方に、二万円、三万円というような方々もいらっしゃって、そういうような方々が、じゃ、どうなるのかということがなお論点として残りますねということも指摘されております。 加えて、先ほどの保険料軽減制度もそうでございますが、財源的にかなりこれは大きな財源を要するものであり、現行の予算の中でやりくりで対応できるようなものではないのではないか、やはり別途税制改革の議論の中で安定財源を確保して対応していくべきものではないか、こういったような御議論をいただいているところでございます。
○石井みどり君 我が国の少子高齢社会ということを考えましたら、これから先、年を取っても働く方々、高齢者でも就労される方がやはり増えていくだろうと思います。これは経済的な事情、あるいは生きがいというようなところ、そして現実に就労世代が少なくなるわけですから、やはり女性、そして高齢者の方々の就労が促進されるのは、これは間違いないだろうと思いますが、在職時において賃金と年金の合計額に応じて年金額を調整する仕組みである在職老齢年金については、年金の支給開始年齢、これに到達していても働くことによって年金の支給が停止されているというふうに理解をしておりますが、これはやはり現実に受給ができるはずなのに受けれないということは、非常に国民感情としては納得できないという不満が残るんではないかというふうに思います。 やはり、高齢者の雇用というのを促進する、これはどうしてもこれから先必要なことでありますし、それから、自分の納付した保険料に応じて給付を受け取るということ、これも当然のことでありますので、やはり在職老齢年金ということを見直すべきではないかというふうに思いますが、この点についてはどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(渡邉芳樹君) この点につきましても、もちろん審議会での御議論もございましたが、御承知のとおり、中期プログラムの中の社会保障の機能強化の工程表においても、在職老齢年金の在り方の見直しということが明記されているところでございます。 非常に分かりやすい御議論で、また大臣からもしばしば指導をいただいておるわけでございますが、やはり年金制度は長い歴史の中でございますので、この制度って一体何物なのかということをやはりはっきり見定めないといけないという要素がございます。 これは、厚生年金制度というのは元々退職後の所得保障を行う制度でございました。したがって、制度発足時は、在職中は年金は支給しないというのがもう大原則でございました。しかしながら、だんだん歴史を下っていく中で、高齢者は低賃金でなお就労を継続しておられる場合が多いという社会の実態に照らしまして、在職者にも支給される特別な年金として、本来は出さないのだけれどもということで昭和四十年に在職老齢年金制度が特例的に設けられたという経緯がございます。何か今の議論とはちょっと隔世の感がございますけれども、百八十度逆のところからスタートしておるというところでございます。 また、それ以降、この在職老齢年金制度は、実は二種類の政策要請から対応を余儀なくされてまいりました。一つは、年金受給者の就労に抑制的に機能しているから、御指摘のように就労に中立的な制度に見直すべきだ、できればやめてしまえ、給付の抑制をやめてしまうべきだと、こういうような御議論がございました。一方、退職後も職に就いて給与収入がある方々で、なおかつ一定の収入以上の方々について言えば、それを支えるのは賦課方式の年金では現役世代であるから、現役世代の保険料負担が重くなる中で見ると、そのバランスからは一定の賃金を有する高齢者については給付を我慢してもらうべきであり、制度的に制限すべきであると、こういう御意見も強まってまいります。 年金財政が少子高齢化の中で大変厳しい環境に置かれる中で、こうした両方の要請の中で逐次見直しが行われてきたというのが実態でございます。 現在、六十五歳以上の方について、基礎年金は全額支給した上で、賃金と厚生年金の合計で四十八万円を上回る場合に減額措置が行われるものがございます。これで見ますと、ある程度現役世代と比べてゆとりのある高所得の方が給付の制限を受けているという実感を私ども持っております。他方、六十歳代前半の方々につきましては、実は十六年改正までは一律二割カットという更に厳しい条件が付いておりましたが、それは撤廃いたしましたが、現在でもなお賃金と年金の合計額が二十八万円を超える場合には減額措置が行われるという、六十五歳以上の方々と比べると相対的に厳しい減額方法が取られております。 六十歳代前半の在職老齢年金受給者の賃金分布を見てみますと、平均値で三十三万円、中央値で約二十七万円となっておりますので、比較的多くの方々がこの制度の下で、せっかくいただけると考えた年金給付が一部カットされると、こういう状態が発生しているわけでございます。このため、在職老齢年金制度について、社会保障審議会においても、とりわけ六十歳代前半の方に対する支給停止の基準を緩和すべきではないかということが議論されております。 なお、この見直しを行う場合でも、実は財源問題があります。また、これを見直したら給料と合わせて収入が増えるのかというと、さにあらずという世の中の実態もあるのではないかという御指摘もございます。 その財源問題について申し上げますと、六十歳代前半の対象者だけでも約九十万人、支給停止額は八千億円に至っております。その八千億円の財源あるいはその一部をどのように捻出するかということが大きな課題となるわけでございます。 そういったところも踏まえて、いかなる財源によってそこをカバーしていくのかということと併せて、しかししっかり議論していく必要があるものと考えております。
○石井みどり君 現在、年金の標準報酬等級の上限は六十二万になっていると思います。一方、健康保険制度においては、平成十九年四月から上限が九十八万から百二十一万に引き上げられました。稼得能力に応じた負担を求めるという視点からは、これはやはり年金の標準報酬等級の上限を見直す余地があると考えますが、しかし、上限を引き上げれば、やはり年金の過剰給付につながるおそれがあると考えます。 先ほどから高額所得の方のお話も出ますが、高額所得の部分については、その給付を、全部を給付に反映しないという見直しも併せて行わなければいけないんではないかというふうに思いますが、その辺りのところをどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(渡邉芳樹君) ただいま御指摘のありました、先生、医療の御専門でございますので、健康保険における標準報酬上限が百二十一万円であるという点は大変、私ども年金を担当している側からは、だんだん格差、差が広がっていっておりまして、大変重く受け止めております。 他方、年金の過剰給付につながらないかということで、年金制度の標準報酬上限、つまり保険料を賦課する給料のみなし上限でございますが、これをなかなか上に上げてこられなかったということがございます。一定のルールはありますが、なかなかそのようには動かないという点もございまして、現行制度の下でルールに沿ってその上限を改めていくということは極めて困難な状態にございます。 そうした観点はございますが、給与に恵まれたサラリーマンが医療保険と同様、ないしはそれを踏まえながら今まで以上の保険料の御負担をいただくべきではないかという点については十分、国民的なと申しますか、役所、国会のみならず様々な場で議論をされていくプロセスが必要なのではないかと思っております。 保険料率は変えない、上げないのだから、高い給料をいただいているんだから払うべきだという考え方も一方の目から見ると当然ございますけれども、当事者の目から見たらそれはどのようなこととして映るのか、そういうことを十分含んで判断できるような状態に議論をもっと幅広く行っていく必要があると考えております。 先ほど来紹介しております社会保障審議会では、しかしそれはいいではないかという観点に立って、そこの財源を例えば健康保険並みに百二十一万に引き上げ、料率は一八・三%で変えなくていいからということであれば、先ほど御指摘になった在職老齢年金制度の基準の緩和あるいは六十五歳未満のところについての撤廃とかいうのもかなり視野に入ってくる大きな財源でございます、これも。しかし、財源があるからということでこれは決められるものではございませんので、一方において、じゃ過剰給付への批判は無視するというわけにもまたいかず、負担は求めるわ、それから過剰給付の批判に対して給付は更に織り込む、こういうようなことが御納得いただけるものなのか。もちろん、アメリカ合衆国の年金、公的年金制度というのはまさしくそれを地で行っておりまして、ベンド制度と言われておりますが、そういう仕組みでアメリカ合衆国は厚生年金に相当する制度を現在も運営しておるわけでございます。 したがって、例のない話ではございませんけれども、やはりかなり、先ほど申し上げた在職老齢年金制度の改革に必要な財源に匹敵するような財源が生まれるということは、逆に言うと非常に大きな財源であり、その方たちに対する非常に大きな御負担であるということも併せて総合的に判断していく必要があると考えております。
○石井みどり君 それでは、医療、介護関係というところからお聞かせをいただきたいと思います。御質問させていただきます。 政府の持続可能な社会保障構築とその安定財源確保に向けた中期プログラム、これにおいて、医療、介護も含めた社会保障全体の機能強化の工程表が昨年十二月に示されました。今後、この中期プログラムに沿って進めていかれると思うんですが、社会保障制度全体の機能強化をどのように図っていかれるのか、その辺をちょっとお聞かせいただければ有り難いんですが。
○国務大臣(舛添要一君) 昨年末まとめられました中期プログラムというのは二つ大きな柱があって、社会保障の機能強化、それが一つ、もう一つは安定的な財源の確保ということであります。 当面やれる政策というのは、今まさに、御審議いただきまして、先般、参議院では否決されましたけれども衆議院での議決が優越ということで決定された補正予算、それから本予算なんかで様々なことがその中にあります。例えば、妊婦健診の公費の拡大とか、そういうものも含めて既にあるわけですけれども。 例えば、具体的に言うと、今議論している年金制度ですと、この基礎年金の最低保障機能強化などの検討は二〇一一年ごろまでにやると。それから、二〇一五年に向けては、まさに今問題になった在職老齢年金制度の見直しとかですね、それから低年金、無年金者対策の推進、それから、先ほど南野先生からでしたか、育児期間中の保険料免除、こういうことを中期的にやろうということでありまして、それから今ちょっと申し上げた少子化対策については、妊婦健診のこの公費負担の拡大などが今、当面やろうとしていますけれども、今度新たな制度体系をつくってサービスを拡充するにはどうするのかと。 それから、医療について言うと、地域医療とか緊急医療も今やっていますけれども、例えばお医者さんと看護師との間のいわゆるスキルミックスというかチームワークをどういう形でやれるのかというような問題があります。それから、介護の問題にしても相当、今、介護の処遇ということを一生懸命、介護人材に対して処遇の改善をやっていますけれども、キャリアアップ制度を設けて定着するにはどうすればいいか。 だから、今、様々な施策をやっている、それを更に進めるということがこの中期プログラムで書いてありますので、やはり社会保障の制度の機能強化をやらないといけないと思います。そして同時に、そのためにはお金が掛かりますから、財源の確保で、やはり消費税を含む税制の抜本改革をやっていきたいというふうに思っております。
○石井みどり君 今、大臣から、この中期プログラムに沿って社会保障全体の機能強化を図っていくという御答弁いただきましたが、それであるならば、先ほど森田委員からも御指摘がありましたが、小泉政権のときの構造改革によって、二〇一一年までに国、地方のプライマリーバランスを黒字化するという目標が出ましたが、もはやこの目標は達成できないと与謝野大臣もたしかおっしゃったんではないかと思います。しかしながら、与謝野大臣は同時に、財政再建目標の旗も降ろさないとおっしゃったように記憶しておりますが、もうすぐ政府のいわゆる骨太の方針が出るかと思いますが、もうこの目標が達成できないんであれば、毎年度社会保障二千二百億削減するという、これをもう撤廃する、これが私は必要なんではないかと思います。是非、骨太の方針二〇〇九にこれを盛り込んでいただきたい、そのように思いますが、大臣の御見解をお伺いして、最後の質問にさせていただきます。
○国務大臣(舛添要一君) 先ほども申し上げましたけれども、与謝野大臣も、旗はあるけれども、相当、何とおっしゃったかな、相当廃れたとおっしゃったか、(発言する者あり)ぼろぼろになったという、そういう現状の中で、やはり最終的に国民に安心と安定をもたらすということ、不安や不満を解消するというための社会保障制度のセーフティーネット機能を強化するということが当然必要なわけでありますから、そういう中で財源論だけでは駄目だということは常に私は申し上げている。ただ単に財源論だけでは駄目だということではなくて、そこで財源を投入することによって、介護や医療の部分で更なる成長への起爆剤となり得るよということをもう少し明確にする必要があるんだろうというふうに思います。 一方、やはり先ほどの中期目標で、新しい技術、医療技術などを用いて効率化をやるということ、この旗もやはり捨ててはいけないと思いますので、やはり無駄があれば無駄はきちんと是正していくという態度も、これは捨ててはいけないと思います。 そういう中でもう一つ、常に申し上げておりますけれども、セーフティーネット論だけでは駄目なんで、その落とし穴にはまっては駄目ですよと。つまり、日本国の人口は一億二千五百万人いますから、どうしても外貨を稼がないと食っていけません。外からの資源や何かの輸入を支えるために我々は輸出していかないといけない。その輸出ということについて言うと、やっぱり成長戦略、輸出戦略、そういうものをきちんと立てないといけない。 そういう中で、厚生労働行政においても大きな発想の転換を求められているのが、先ほど来、森田さんのときにワクチンの話ありました。ああいうすばらしいものができれば、これは外貨を稼ぐ成長産業になることができるんで、私は、厚生労働行政がそういう先頭に立って、二千二百億円が限界にあるということを言う。それはある意味では、逆に言うと後ろ向きかもしれない。むしろ、我々が新しい行政を主導することによって、私たちが外貨を稼いできますよと、そしてそれが日本国民の健康を守るのみならず、世界中の人々にワクチンなんかは、これは健康を守ることにつながるわけですから、そういう新しいビジョンをつくるべきときに来ていると思いますから。 それから、骨太の方針、これは先般、麻生総理ともお話ししましたが、大体何だと、骨太というのは分かるかねと、普通の人が言って。何もかも役人言葉を使えばいいというものじゃないんで、骨太というのもいい言葉に変えた方がいいんじゃないかなと。日本国民に夢と希望を与える新しいビジョン、その中で、後ろ向きではなくて、ただ単に財政コストの話ではなくて、二千二百億円について言っても、限界に来ているとか、こういうものはどうだというよりも、それを超える新しい夢と希望とビジョンを設けるべき時期に来ていると思いますので、麻生内閣の閣内において全力を挙げてそういう主張をしてまいりたいと思っております。
○石井みどり君 夢と希望と、これは実現していただくのは大変有り難いんですが、やはり歳入がきっちりしてこそでありますので、できないことはできないとはっきりやっぱり政府内で主張をしていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○山本博司君 公明党の山本博司でございます。 本日は、国民年金法の一部改正案についてお聞きをしたいと思いますけれども、その前に一つだけ、原爆症の認定訴訟に関連をして大臣の御見解をお伺いをしたいと思います。 国からの原爆症認定を求めて被爆者が全国で集団訴訟を起こしている中で、五月二十八日に東京高裁の判決が下されました。この判決では、原爆症認定の判断基準とする疾病の放射線起因性について、被爆後の行動や発症の経緯などを考慮して総合的に判断すべきと、こう指摘をしているわけでございます。また、肝機能障害と甲状腺機能低下症は原爆の放射線と関連性があるものとして審査に当たるのが相当と、こうしているわけでございます。 このように、国が昨年から実施をした新基準の認定範囲を広げる判決が続いており、原告が勝訴をして国が事実上十八連敗している状況であるわけでございます。河村官房長官もこの東京高裁判決がある五月をタイムリミット、こう設定して、基準見直しを含めた対応を検討する方針を明らかにしておりますけれども、一日も早い政治的な決断が必要であると思います。 この五月二十八日にも、私もメンバーの一人である与党の原爆被爆者対策に関するプロジェクトチーム、座長は南野先生でございますけれども、厚生労働大臣舛添大臣とともに河村官房長官、森法務大臣に対しまして一括解決を求める勧告的意見書を手渡してまいった次第でございます。 この中では、司法判断を踏まえた認定を促進するために、先ほど申し上げた肝機能障害や甲状腺機能低下症などの積極認定の症例拡大や、がんは幅広く認定する方針を表明すること、また訴訟の解決に向けて勝訴原告は認定し、未判決原告や敗訴原告に対しても被爆者救済の立場で対応するよう求めているわけでございます。 確かに、昨年からの新基準で昨年だけでも約三千人が認定されるなど、大幅な改善がされてまいりました。ただ、いまだに十分ではないということをこの司法判断が示していると思います。被爆者は大変高齢化していることを考えますと、これ以上先延ばしにするべきではないと思います。政府は早急な決着を図るべきと考えますけれども、舛添大臣の御見解をお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(舛添要一君) まず、五月二十八日の東京高裁の判決に対してどういう対応をするかということについて、今、政府部内で検討をしております。まずはこの問題について判断を下したいと。これは六月の十一日がこの控訴の期限であります。その上で、私は原告の皆さん方とお会いしてお話も十分聞いた上で、官房長官を始め政府の中でどういう解決策が可能であるのかと。ただ単に政治的ということを言っても、司法の判断もこれは尊重しないといけないですし、専門家の意見もきちんと聞く必要があります。そういう中で、現行法律の中でどこまでできるのか、できないとすれば新しい立法措置が必要なのか、そういうことを含めて総括的に迅速にこれは判断を下したいと思います。 そういう中で、元々河村官房長官はずっとこの問題、熱心に対応なさっておられまして、政府の閣僚になられる前はむしろ私のところに先頭になって陳情にいらしたような立場でもありますので、河村さんとよく相談をした上で、最終的には麻生総理の御決断をいただこうというふうに思っておりますので、まずは二十八日の高裁判決に対する対応をやり、その上で原告にお会いし、その上で様々な意見を聴取し、政府部内での意見を統一して、最終的なこの対応について考えたいと思います。 その際に、今委員がおっしゃったように、皆さん大変御高齢であります。そして、何の責任もありません、原爆というのはアメリカが勝手に落としたわけですから。そういうのでこれだけのこの苦しみを今なお負われている方がたくさんおられますので、そういう状況を十分勘案して対応を考えたいと思っております。
○山本博司君 是非とも大臣よろしくお願いをしたいわけでございますけれども、先日行われた北朝鮮の核実験を批判する声というのは世界的に高まっているわけでございます。また、本年四月には、アメリカのオバマ大統領がプラハで核廃絶を訴える演説の中で原爆投下の道義的責任も言及をしたわけでございます。今私たちは唯一の被爆国として核兵器の廃絶を世界中に訴えるためにも、この被爆者救済の姿勢を明確にすることが急務であると思います。そうした視点からの一刻も早い解決を是非とも目指していただきたい、このことをまず最初に強く要望したいと思います。 それでは、本題に入りまして、国民年金法の一部を改正する法律案についてお聞きをしたいと思います。 この改正案、午前中からずっと論議、審議が続いておりますけれども、平成十六年に行われました年金改革に基づいて、基礎年金の国庫負担を二分の一へと引き上げ、世代を超えた相互扶助という年金の基本的な仕組みを維持するとともに、年金財政の長期的な安定を図るための重要な改正であると思います。また、財源につきましては、今回の法案においては、平成二十一年度及び平成二十二年度の二年度について財政投融資特別会計の積立金などを活用して引上げを行うこととしており、現在の厳しい財政状況の中において、平成十六年の改正当初に考えられておりました平成二十一年度からの実現が図られることは大いに評価をしたいと、こう思っているわけでございます。 この平成十六年の改正は、世界でも例のない少子高齢化が急速に進んでいく中にあって、負担と給付の限度を設けたということが大きなポイントであったと思います。つまり、現役世代の保険料を段階的に引き上げていく際に、平成二十九年度以降に厚生年金は一八・三%、国民年金は一万六千九百円という保険料の上限を明確にしたこと、そして、マクロ経済スライドの導入や積立金を取り崩すという大きな政策転換を行って、モデル世帯で現役時代の五〇%は保障するという給付の下限を設けたことであります。これとともに、今回の国庫負担の二分の一への引上げが実現することで、約百年間にわたる超長期の年金財政の安定した見通しを立てることができると思います。 しかしながら、この間、消えた年金、こう言われる年金記録問題などが報道されることや、厳しいこの経済情勢が影響することによりまして、年金制度に対する不信感、不安感が国民の間に高まってまいっております。最近は、今日も議論のありました百年安心について様々な意見が出ており、年金制度は破綻するのではないか、払い損になるのではないか、こういう不安の声が出ておるわけでございますけれども、今大事なことは、こうした不安をいたずらにあおるのではなく、信頼される持続可能な年金制度を確立することであると思います。 そうした意味から、不断の見直しを行うことはもちろんでありますけれども、あらゆる機会を通じて年金制度の周知徹底をお願いをしたいと思います。そのような考え方に立ちまして、幾つか質問をさせていただきたいと思います。 まず、大臣にお聞きをいたします。 初めに、この基礎年金の国庫負担を二分の一に引き上げることの意義、また今回の改正が行われることによって年金財政にどのような影響があるのか、この点につきましてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(舛添要一君) 山本さんが今御説明なさったように、十六年改正、これは年金制度の持続可能性を高めるということで、給付も負担もその上限下限を決めるということがあります。その中で、積立金を活用するとともに、やはり余りに保険料が高くならないために、そして給付水準を維持するためには国庫負担を三分の一から二分の一に引き上げる必要がある。これはもう十六年に決めて二十一年までにやらないといけないということで、これをきちんとやったことでまさに今の年金制度の持続可能性が高まったというふうに思っておりますし、これは本来は税制改正でやるべきであったわけですけれども、特例的に財源の臨時的な措置を行ってこれをきちんとやったと、これをもしやらなければ非常に不安がもっと高まったと思いますので、私はむしろ、逆にこのことをきちんとやったことは更に安定性を増したということで評価していいと思います。
○山本博司君 ありがとうございます。 それでは、この国庫負担について質問をしたいと思います。 平成十六年当時、全体の三分の一であったわけでございますけれども、これをこの五年間の間に徐々に二分の一に引き上げてきたわけでございますけれども、この国庫負担割合を引き上げるこれまでの取組状況、そして財源に関してどのようなものであったのか、この点を確認をしたいと思います。
○政府参考人(渡邉芳樹君) お答え申し上げます。 十六年制度改正において、二十一年度から基礎年金国庫負担を二分の一に引き上げるというための道筋が規定されたわけでございますが、その道筋の中で、平成十六年度そのものは、二百七十二億円を三分の一に更に積み増しをするということが法律上明記されました。これは年金課税の見直し等によるものでございます。 それから、平成十七年度、十八年度については、法律上の規定に沿って段階的に引き上げるという対応をしてまいりました。十七年度につきましては、定率減税の縮減による国の増収により一千百一億円を加算をいたしました。また、十八年度については、国庫負担割合を三分の一プラス千分の二十五ということで、引き上げて定率化するという措置を講じております。 さらに、平成十九年度においても、加えて国庫負担の引上げを行い、現在の三分の一プラス千分の三十二、パーセンテージでいうと三六・五%に引き上げてまいりました。 さらに、今回、本法案により、本年度及び平成二十二年度において、財政投融資特別会計からの一般会計への繰入れという臨時の財源を手当てすることにより二分の一を実施するとともに、税制抜本改革により所要の安定財源を確保した上で二分の一を恒久化する、それが実現するまでの間も臨時の措置を講ずることにより二分の一を実施する、こういうことが法律の条文として記述され、現在ここで御審議を賜っているものでございますので、しっかり実現を図ってまいりたいというふうに考えております。
○山本博司君 そうした経緯を経て二分の一まで引き上げてきたわけでございますけれども、ここでお聞きをしたいのは、保険料負担と国庫による負担の割合を二分の一ずつにした根拠、これは一体どういうものであるのか。また、厚生年金では、企業と被保険者の割合、これが五十対五十であったと思いますけれども、なぜ税金と保険料の割合を二分の一ずつとしているのか、その辺の理由に関して説明いただきたいと思います。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 先ほども少しお答えする機会があったのですが、我が国の公的年金制度については、自立自助の考え方を基本としつつ、すべての国民の老後の生活の安定を図るためには、国民全体で共助の精神で保険料を拠出し合う社会保険方式がふさわしいということで制度運営が図られてまいりました。 一定の給付水準の確保、保険料負担の軽減ということを図る観点から、かねてより費用の一部に税財源による負担が行われてまいりましたが、昭和六十年の改革によって、全国民共通の基礎的給付であり、すべての世代が負担する税財源を投入する合理性があると考えられる基礎年金部分に国庫負担を集中するということを行いました。それにより、三分の一国庫負担による基礎年金制度が確立したわけでございますが、その後の経済の変化、それから少子高齢化の更なる進展の中で、将来にわたって安定的、持続可能な制度に脱皮するように、平成十六年の年金制度改正では、先ほど説明をさせていただいた四本の柱を立てて実施するとともに、最重要の課題の一つとして基礎年金国庫負担割合二分の一を実現しようということにしておるわけでございます。 この二分の一の意義についての今御質問でございますが、そうした中で振り返ってその意義を再確認をしてみますと、基礎年金の国庫負担二分の一というのは、基礎年金において世代間の支え合いに基づく部分、これを保険料財源とする、全国民の支え合いに基づく部分を税財源とする、全国民に対応した基礎的な給付である基礎年金ということの特性をとらえて一対一の割合ということにすることが最も適切ではないかというふうに考えられるものでございます。そのことにより、社会保険方式のメリットというものをきちっと享受しながら、世代間あるいは全国民全体の支え合いということをしっかり制度として確立することができるんではないかというふうに考えておるところでございます。
○山本博司君 ありがとうございます。 保険料を自分の意思で払ってこの年金制度に参加する、大変重要であると思います。しかし、もし今後、将来、経済の悪化に伴って収入が減ってくる、保険料負担も減らしてほしいという声が国民の多数となった場合を仮定して、国庫負担を増やすというこの可能性はあるのかないのか。また、例えば国庫負担を三分の二にすれば、その分税負担の財源を確保しなくてはならないわけでございますけれども、保険料負担は軽減をされるわけでございます。そして、国庫負担分を一分の一、すなわち一〇〇%にすれば税方式と言えるわけでございますけれども、こうしたことが可能なのかどうか。基礎年金の税方式に関しまして舛添大臣はどのような見解をお持ちなのか、この点、お示しをいただきたいと思います。
○国務大臣(舛添要一君) 自助、共助、公助という我が国の社会保障制度の原則について言うと、五〇、五〇ならばまだしも、税の比率を高めて最終的に税だけにするということで、自立自助というのはどこに行くんだろうという問題点があります。それから、もちろん先ほども申し上げましたけれども、要するに、例えば消費税でやるにしても、今現に受給している方は一生懸命今まで払ってまた新たに払うのかということになって、その不満もあるというふうに思いますし、それから、どれぐらいの財源が要るのかと、そういう様々な問題がありますので、これはもっとよく議論をすべきだというふうに思います。そして、まさに経過措置をどうするか、こういう問題も入ってくると思います。
○山本博司君 今大臣からもお話ありましたように、この税方式に関しまして、現行の保険料方式から移行するということになりますと、制度的に様々な課題が指摘をされると思います。今大臣も指摘されました。 例えば、保険料方式から税方式に移行した場合、幾ら消費税がアップしたとしても、保険料の負担がなくなるので国民全体の負担は税で払っても保険料で払っても変わらない、このことをよく言われますけれども、保険料方式のときには会社員の保険料の半分は会社が出すことになっております。税方式のときには会社の負担分はなくなることになりますので、多くの世帯は世帯負担増になってしまうわけでございます。 また、税方式に移行する場合は、保険料を払い終わっている年金受給者の世代、この方たちというのは更に消費税の負担を求めることになるわけでございますので、大変課題もあるわけでございます。 そしてさらに、大きな課題がありますのは、税方式に移行する場合、移行期間、約六十年から六十五年程度時間が掛かると言われておりますので、それぞれの状況に合わせて調整することがかえって年金制度を複雑化させてしまい、混乱を来すのではないかと、そうした危惧もあるわけでございます。 そこで、確認をさせていただきますけれども、現在諸外国においてこの全額税方式の基礎年金を導入している国があると思いますけれども、それはどのような国で、またその中で年金制度が発足をした当初からでなく制度の途中から税方式に移行した例が存在するのか、このことをお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(渡邉芳樹君) お答えいたします。 主要国のうち、現在いわゆる税方式の年金制度を採用している国というのは、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、デンマークであると承知しております。 よく言われますスウェーデンの方式というのは、むしろ税方式と言われていた基礎年金を廃止して保障年金というものに、小さな保障年金というものに切り替えたと、こういうような改革でございますので、そういうパターンではない基礎年金型の税方式の年金というのは今の四か国でございます。 こうした国々の過去の歴史の中で、私ども十分つまびらかにしないところもあるのかもしれませんが、知る限りにおいて、当初社会保険方式を採用していた部分ないし制度をこのような税方式に移行したという事例は含まれていないと承知しております。
○山本博司君 ありがとうございます。 税方式、いろんな課題もあるわけでございます。現行の保険料方式を基本として、本当に慎重な検討が必要であると思います。 次に、この法案、参議院に、当委員会に付託されまして既に一か月以上が経過をしております。しっかりとした議論をした上で速やかに結論を出さなくてはならないと思いますけれども、もし法案が成立しない場合には、将来の年金給付また保険料負担にどのような影響を与える可能性があるのか、この点を確認をしたいと思います。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 先ほどもやむを得ず答弁させていただいた点でございますが、余りうれしい答弁ではございませんのですが、本法案が成立しなかった場合について答弁せよということでございますので、大変難しいことを政府参考人として答弁するわけですが。 仮に、給付面若しくは負担面で調整を行わないで、そのままとにかく法案が成立しない状態が続いたというふうに仮定しますと、先ほどもちょっと御答弁申し上げましたように、十八年後の二〇二七年には国民年金の積立金が枯渇する、すなわち基礎年金の一角を成します自営業者等の方々に対する基礎年金の給付が滞る、ということは、基礎年金制度は一体でございますので、サラリーマンのOBの方々の基礎年金についても滞る、こういった可能性が否定できないというふうに考えるところでございまして、給付面、負担面で大なたを振るうということは、これは私どもがやってはいけないことだと考えておりますので、是非本法案の成立をお願いしたいと思っております。
○山本博司君 ありがとうございます。 四月十五日の年金支給日、これは年金の積立金を約四千億円取り崩しているということでございますけれども、この改正案が成立すれば四月にさかのぼって国庫から補てんされる予定ではございますけれども、影響が出ないように早急の結論を出す必要があると思います。 それでは、続きまして国庫負担分の財源に関しましてお聞きを申し上げたいと思います。 今回の改正案では、平成二十一年度及び平成二十二年度については、財源確保法の規定に基づく財政投融資特別会計から一般会計への特例的な繰入金を活用し二分の一との差額を負担する、こうなっているわけでございますけれども、財政投融資特別会計という暫定的な財源で二分の一への国庫負担引上げ分を調達したことについてどのように考えているのか、お示しをいただきたいと思います。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 私どもは、本来消費税を含む税制抜本改革を実施していただき、安定財源を確保し、二分の一国庫負担を恒久化していくという機会が得られることを切望しております。そして、これまでもそうおりました。 しかしながら、現下の経済情勢、その他様々な状況から、どうしてもこの二十一年度から税制抜本改革を実施し財源を確保することができないという見通しの下で、では、それまでの間、現在の三六・五%ということで年金財政を運営していくということが正しいことかどうかという難しい選択の中での判断でございました。そうした中で、政府全体としての将来の道筋を定める中期プログラムも閣議決定されるのと並行して、そうした将来の道筋の中で、当面の二十一年度、二十二年度について財政投融資特別会計からの臨時の財源を確保することができる、こういう可能性が出てまいりましたので、私どもとして、その可能性を実現していただくということで予算編成をさせていただき、本法案を取りまとめたわけでございます。二十一年度からは二分の一の実現を図るということは、私どもの考えで言うと、どうしてもこれは実施しなきゃいけない、ゆるがせにできない問題である、何年も待てばいいということではないと、こういうふうに考えておりましたので、そうしたところでございます。 来るべき税制の抜本改革を実施し、その恒久化を図りたいわけでございます。 以上でございます。
○山本博司君 さらに、今回の改正案では、その後の税制改正法の規定に従って行われる税制の抜本的な改革により所要の安定財源を確保した上で基礎年金国庫負担割合二分の一を恒久化する、なお、それまでの間は上記と同様に臨時の法制上、財政上の措置を講ずるものとすると、こうしているわけでございますけれども、つまり、平成二十三年度以降は消費税を含む税制の抜本的な改革で安定的な財源を確保していく、しかし、抜本改革が遅れた場合には臨時の措置で財源を確保する、こういうことであるわけでございます。 年金制度の長期的な安定を図るためにはこの二分の一はしっかりと恒久化をしていかなくてはならないと思うわけでございますけれども、政府として、この平成二十三年度以降の財源についてどのように考えているか、改めて見解をお聞きしたいと思います。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 先ほども御答弁申し上げましたように、税制抜本改革により二分の一を恒久化するということをメーンに置いて考えざるを得ないと思いますが、なお、よんどころない事情でそれがどうしても遅れるという場合についても、本法案において、異例のこととは思いますが、臨時の財源手当てをして国庫負担二分の一を維持すると、こういうことが規定されているわけでございます。もとよりその規定だけでそうなるわけではなく、その時点において所要の財源措置と立法上の手当てというものは必要となってこようかと思いますけれども、二分の一に実現したものをまた元に戻す、こういうような改革というものを政府として取ることはないというふうに考えております。
○山本博司君 ありがとうございます。 麻生総理は、この現在の経済状況、全治三年、こうおっしゃっているわけでございますけれども、この百年に一度とも言われる厳しい経済情勢を考えますと、税制の抜本的な改革というのはなかなか簡単にいかないものではないかと思っております。まずはこの経済危機から一日も早く脱却するためにも、先日成立しました本年度の第一次補正予算を始めとする経済危機対策を着実に実行することが重要であると思います。 また、現在見舞われておりますこの世界的規模での経済不況、様々な社会の仕組みに大きな影響を及ぼしていると思いますけれども、年金制度に対しましてはどのような影響があるのか、お伺いを申し上げたいと思います。 今国会では、景気が悪い中で保険料をきちんと支払う方が難しい中小零細企業多くなっておりますけれども、こうした方々に対しまして、厚生年金保険料の支払が遅れた場合に課される延滞利息を現行の年利一四・六%から七・三%に引き下げる厚生年金法の改正が議員立法で行われたわけでございます。 このような景気の悪化が年金制度に対して影響を与えるような状況が起こり得るのかどうか、この点について御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。 景気の悪化が納付率などの数値にどの程度の影響を及ぼすのか、及ぼしているのか。これについて具体的にお示しすることはなかなか難しい面があるわけでございますけれども、ただ、幾つかのことは言えるだろうと。一つは、非正規労働者の雇い止めというようなことが起きているわけでございますけれども、そういうようなことなどによりまして失業者が増加しているというようなこと。それから、現下の厳しい経済情勢の影響によりまして、事業所の経営状況もなかなか厳しい形になっているというようなこと。そうしたようなことなどを踏まえますと、やはり、現下の経済状況は保険料を納める環境としてはやはり厳しいものがあるのではないかというふうに認識しているところでございます。
○山本博司君 次に、大臣にお聞きをしたいと思います。 中期プログラムの件でございまして、先ほどもお話がございました。昨年十二月二十四日に閣議決定されましたこの中期プログラム、その名称を持続可能な社会保障構築とその安定財源確保に向けた中期プログラム、こうしているわけでございますけれども、社会保障制度の安定財源確保に向けた方針を示しております。この中期プログラムにつきましては、今後の年金、医療、介護、少子化対策などの社会保障制度を持続可能なものとするために非常に大切な方針であると思っているわけでございます。この必要な給付を行うには財源確保が不可欠でございます。 そこで、この中期プログラムにおきまして社会保障制度の財源確保に関しましてどのように整理をされているのか、大臣から御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(舛添要一君) これは広く薄く国民に御負担いただくということで、消費税を中心とした財源を手当てをしたいということでありますんで、現役世代と将来世代とのバランスも考えながらそういう方向での取組をやっていきたいと思っております。
○山本博司君 ありがとうございます。 増税による財源の確保というのは国民に負担増を強いるということでございますので、国民の理解と協力を得るためには明確なビジョン、また考え方を示していくことが大事でございます。是非とも議論を先送りしないで進めていただきたいと思います。 この中期プログラムの中には、社会保障の安定財源確保といたしまして消費税を主要な財源として確保することが示されておりますけれども、先日の衆議院予算委員会の審議でも、麻生総理から消費税の社会保障目的税化について言及があったと伺っております。また、税制改正の附則におきましても、消費税の改正の方向について、上げる場合には社会保障制度と少子化対策の目的税化に使うこと、そしてもう一つはそれ以外には一切使わせないということが書かれております。 こうした考え方ならば国民の皆様にも理解していただけるのではないかと思いますけれども、この消費税の社会保障目的税化についての大臣の見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(舛添要一君) 中期プログラムの中でもこういうふうに書いてあります。消費税の全税収を確立・制度化した年金、医療及び介護の社会保障給付及び少子化対策の費用に充てることにより、消費税はすべて国民に還元すると。まさに消費税を社会保障のために使うということで、その方針で結構だと思っております。
○山本博司君 ありがとうございます。 人口減少、高齢化社会、乗り切っていくためには、この社会保障改革、大変税制と一体となって考えていかなくてはならないと思います。しっかりした議論を進めていただきたいと思います。 次に、社会保障費の抑制策について大臣にお伺いをしたいと思います。 先ほども質問がございましたけれども、二〇一一年度のプライマリーバランスをゼロにする、そのために社会保障費を五年間で一兆一千億円、毎年二千二百億円の自然増を抑制していくということについて様々な議論がこれまで行われてまいりました。これは続けていくにはなかなか難しいとして今年度の予算編成では一定の方針が決められたと思っておりますが、一方では、経済財政諮問会議ではこの抑制策を引き続き堅持していくという取りまとめが行われております。 そこで、今後の方向性としてのこの社会保障費の抑制策についての大臣の御見解をお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(舛添要一君) 社会保障費についても効率化しないといけないところはやるということはこれは当然ですけれども、やはり政策にはプライオリティーを付けないといけない。今何が一番大事なのか、二千二百億円を抑制することが大事なのか、国民の生命と健康を守るために必要な施策を十分行うことが大事なのか、それは言をまたないと思っております。
○山本博司君 ありがとうございます。 最後に、今の問題とも関連をするわけでございますけれども、社会保障制度の在り方についてお伺いを申し上げたいと思います。 これまでに、昨年は、社会保障国民会議やその他の審議会、検討会などでもこの社会保障制度の在り方について議論をされてまいりました。本年に入ってからも、経済財政諮問会議、また安心社会実現会議など様々な場で議論が進められております。いよいよ財源の確保につきましても相当の議論が行われているわけでございます。 ここで重要なことは、国民が安心をして暮らせるセーフティーネットを再構築していくことでもあるわけでございます。もう一度、我が国の現在のそしてこれからの状況に適切に対応できるようにこれまでの制度を見直す必要があると思いますけれども、この社会保障制度の在り方について大臣の見解をお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(舛添要一君) 社会保障制度というのはまさに国民の日々の生活にかかわっていることでありますし、今では新型インフルエンザ、これに対してどう対応するか、それからこの不況の中において雇用をどう確保するか、これも非常に大切ですし、私は日本の医療システムの再構築をやっていかないといけないと思っています。そしてまた、財源、コストという観点からだけ、だけと言うと、これは厚生労働大臣がそう言うとしかられますけれども、コスト概念が先行した介護現場への対応というのはこれは変えていかないといけない。ですから、三%の改正、それから一人約一万五千円の介護報酬のアップ、これは補正予算で今対応しようと。こういう多くの施策によってセーフティーネットの更なる拡充を行っていく。 ただ、何度も申し上げますけれども、効率化の努力や、それから例えばNPOの力を借りるといういろんなこともありますけれども、やはり基本は財源であります。ですから、今のようなセーフティーネットを更に拡充することに対する必要性、これを国民に十分説明し、その上で、国民の御理解を得た上で例えば消費税を中心とする税制改正を行い、そしてこれは例えば消費税を二%上げる、二%というと五兆円の増税になります、しかし、その五兆円をまさに国民に還元するということで社会保障のために使う、そのことによって国民が安心を得、活力を得ることによって更に十兆、二十兆の税収増を図ることができれば、私は十分それは可能な論理立てだと思いますので、今後とも、そういうことを国民とともに考え、国民とともに社会保障制度の更なる拡充を図ってまいりたいと思っております。
○山本博司君 以上で質問を終わります。 ありがとうございました。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。 五年前の年金制度改革のときは、政府・与党が百年安心だというふうに大宣伝をされました。今回、財政検証を行われていますが、やっぱり経済前提が余りに現実と遊離しているのじゃないかという指摘がありました。経済成長率、物価上昇率、賃金上昇率、この十年間およそ達成したことのないような数字が並んでいる。例えば国民年金納付率は、これは八〇%という設定になっているんですが、現実には二月までの納付率が六一・五%なわけです。そもそも国民年金は、九七年以降、納付率が八割になったことは一度もありません。〇二年以降は六五%前後の数字で、更に今下がってきている。 資料でお配りしたものは、これは政府に計算してもらったんですが、ちょっとこれで答えてほしいんですけれども、政府が試算している基本ケースの場合で、国民年金保険料の納付率を仮に六五%としてマクロ経済スライドの適用を続けた場合に、一九七四年生まれの方の六十五歳時点及び八十五歳時点の所得代替率はどうなるでしょうか。簡潔にお答えください。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 今先生お示しになられておりますこの資料にございますように、所得代替率は、新規裁定のところで申し上げておりますが、別途の資料でもお示ししておりますように、年々お年を召される中で、既裁定者の中では既裁定物価スライド制度というんですが、それによって賃金との格差もありますので、少しずつ減ってまいります。 そういう中で見てまいりましたときの、先ほど、今御指示ございましたのは、六五%の収納率の場合に、六十五歳時点では四九・二から四九・三五%の所得代替率、基本ケースと、こういうような話であったが、その後七十五歳になったときには、そうした既裁定者の物価スライドルールというものに基づきまして少しずつ減ってまいりまして四二・五から四二・六%、八十五歳の時点になると三九・四から三九・五%程度になる、こういう計算になるところでございます。
○小池晃君 要するに、国民年金納付率が現状よりもちょっと良くなっても、六五%のままでも、政府が〇四年改正で約束をしていた支給開始時点の五〇%を切るだけではなくて、受給開始後二十年後には四〇%を切るということが明らかになるわけであります。 更に聞きますが、今回の財政再計算の経済指標では名目賃金上昇率二・五%としていますけれども、過去十年間にそういったことは一度でもあったでしょうか。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 過去十年というのは、委員御承知のとおり、大変賃金上昇率が低いないし減った、そうした時期でございました。したがって、名目でいって二・五%を上回ることはなかったのでございますが、一点だけ補足させていただきますと、今後長期にわたる経済のモデルを考えて財政検証をしておりますが、この二・五%の内訳は、物価上昇率一%を除いてみますと、一人当たりの実質賃金上昇率は〇・八%であって、その程度については余り高い賃金上昇率だとは思われませんが、今後の二十一世紀の社会の中では被用者数の変化率は年々マイナス〇・七%ということが見積もられますので、そうした労働力の減少に伴って賃金に対する影響がプラスに働くということなしにすべて資本の側に回ってしまうというようなことではないのではないかという専門家のモデルの判定により、この〇・七を〇・八に上乗せした数字が二・五%ということでございます。これまでの人口上昇局面における賃金上昇率とは同一に評価できないものと考えております。
○小池晃君 未来のことはともかく、当面のことでいうと、じゃどうかというと、今回の再計算のバックデータ、今日、資料の二枚目にお配りをしましたけれども、これは今年の名目賃金上昇率がプラス〇・一%になっていますし、来年は三・四%というふうに急上昇するという、こういう数字で計算されているんですね。一体ちょっとどこの国の話かなという感じがするわけですが、未来の数字も私今の説明では納得できないんですけれども、今年の数字も実態と違うわけですし、来年こんなに急に良くなるなんというのは、これはそういうふうに考えている人は日本に余りいないんじゃないかと思うんですけれども、こういう数字に何か根拠があるんでしょうか。どういう根拠でこれを年金財源の根拠にしているんですか。
○政府参考人(渡邉芳樹君) こうした数値につきましては、経済、金融の専門家に集まっていただきまして、専門委員会を構成して議論をしたわけですが、先ほど申し上げましたような二〇一六年以降と申しますか、そういう超長期の問題につきましての経済モデルを開発すると同時に、この足下につきましては内閣府における当面の経済の見通しというものを置くということが政府として取り得る最善の道ではないかということで、専門の先生方にも御理解賜り、そうした結論を得てこういう数値表ができておりますが、検証というのはやはり長い、長期にわたる年金財政のモデルというものをどう見積もるかということでございますので、当面の単年度、単年度の数字についてはそういう目で見ていただきたいというふうに考えております。
○小池晃君 もう当面の数字も長い数字もそういう目で見れないんですよね、こういう数字出されるとね。 大臣にお聞きしますけれども、もちろん経済は好転してもらわなきゃいけない、しなきゃいけない、それから納付率だって上がらなきゃいけないですよ。このままでいいなんて私は思いません。そういう方向でやっぱり行政が努力するというのは、これは当然のことだというふうに思うんですけれども、ただ、その年金財政の根拠となる数字というのは願望とか決意でやっちゃいけないと思うんです。やっぱりリアルな実態、きちっと根拠のある数字でなければ、これ、やっぱり年金に対する国民の信頼は逆に揺らぐことになるんじゃないかと私は思うんですね。 大臣は、今回のこの前回の五年前よりむしろ好転している指標を使って計算をしているわけですが、この今回の経済指標、妥当なものだというふうに大臣は考えますか、これで国民の信頼が得られるというふうに思われますか。
○国務大臣(舛添要一君) 過去十年の経験をそのまま将来十年にプロットすることは不可能です。そして、我々は今全力で経済回復に努めている。したがって、そういう方向で努力する。それから、先ほど来申し上げておりますように、経済の専門家がそういう話をきちんとデータを持ってきてやった。それぞれの年について振り返ってみて検証すれば違うということはあると思いますけど、今から十年、二十年、三十年、低成長で続くとはとてもある意味で思いません。 それから、何度も申し上げますけれども、国民年金の納付率一〇〇%であってしかるべきなんです。一人一人にとってみれば絶対得なんだから、民間のところでやるより、一・七倍になるんですから。こんな得なのを、それは、今払えないなら免除措置がありますから、払えるのに払えない人がいたら、是非、赤旗でもどんどんキャンペーン張って、払いなさいと、あなたにとってこんなに得なんですよと、労働者の皆さんどうですかと、こう言って助けてくださいよ。もうとにかく払わない方がいい、年金はやらない方がいい、やらない方がいいというのを皆さんがおっしゃることも一つ原因だと思いますから、是非一緒になって納付率を上げましょう。
○小池晃君 いや、だからそれはすり替えだというの。だって、要するに、そういう方向にしなきゃいけないというのは私もそうだと言ったんですよ。しかし、振り返ってどうだったというんじゃないんですよ。今年の数字だって八割で設定しているわけでしょう。ところが、六一・五%だというわけですよ。賃金上昇率だって、今年の数字がもうもはや足下から違うと。こういう数字出しておいて、年金信頼してください、払ってくださいと言ったって、払うという気持ちになりますかと聞いているんです。ならないんじゃないですか、こんなでたらめなやり方したら。
○国務大臣(舛添要一君) だから、十年、二十年、三十年の見通しで言っている。 それなら、合計特殊出生率一・二五か二六でやっていますよと。明日ぐらい発表になると思いますけれども、恐らく、今、集計していますけれども、一・三六より上ぐらい来るんじゃないですか。私が大臣になってから三年連続して合計特殊出生率は上がってきていますよ。ですから、上がってきているのにこんな低い数字、大臣、何だと、あなた悲観的過ぎるじゃないか、もっと高い数字言ったら国民はもっと安心するんだ、そういう反論やってみてくださいよ。
○小池晃君 いや、今のは反論になっていないって。出生率は、それは実態、私、これ、反映している数字、唯一認められる数字ですよ。あと、だって、納付率にしたって経済指標にしたって全然認められない数字。こういうものを出して信頼してくださいなんて言ったって信頼得られないんだということをやっぱり踏まえて、年金改革というのは議論していただきたいというふうに思います。 それから、財源問題もあるんですが、ちょっとそれは次回に回したいと思います。 障害者団体向けの割引郵便の悪用問題についてちょっと聞きたいんですが、これ、企画課の係長が逮捕されました。当時、障害保健福祉部の企画課というのは障害者自立支援法の企画立案をやっていたんです。障害者には応益負担だと重い負担を押し付けるような議論をしながら、一方で障害者向けの施策を悪用して暴利をむさぼるような団体の手助けをしていたとすれば、これ、極めて重大な問題だというふうに思います。 厚生労働省も省内調査委員会を立ち上げている。で、官房長に聞きたいんですが、この凜の会という自称障害者団体、この案件は、これは前任者から逮捕された係長に対して引き継がれたという報道がありますけど、これは前任者についても調査をやったんですか。それから、引継ぎメモなどは調査したんですか。
○政府参考人(大谷泰夫君) 本件につきましては、五月の二十七日付けで省内の調査チームを発足をさせたところでございます。この省内調査チームでありますけれども、主にこういう身体障害者用の低料金の第三種郵便制度における障害者団体の証明事務について、申請の受付から審査、決裁、発番、押印、証明書の発行といった一連の手続が適正に運用されていたのかどうか、こういうことを調査するということで進めているわけでございます。 今、お尋ねの件であります前任者の問題等でございますが、いろいろ報道等で私どもも承知はしておりますけれども、この事実関係につきましては、現在捜査当局で捜査が進められている最中であるということから、私どもとしてはそれについてのコメントは差し控えたいというふうに考えております。
○小池晃君 政治家の関与も報道されているんですが、この件に関して、当時国会議員から何らかの働きかけがあったのかどうか。これは、元障害保健福祉部長、元企画課長などにその点について問いただすなどの調査はやっていますか。
○政府参考人(大谷泰夫君) お答え申し上げます。 この調査チームの進め方でありますけれども、現時点では当時の担当者からの聴き取りというものは行っておりません。これは、捜査当局の捜査の状況を踏まえまして、私どもとしてもその事実の解明と併せて進めてまいりたいと思いますが、現時点ではそれは慎んでいるところでございます。
○小池晃君 何で慎んでいるの、おかしいじゃないの、省内にいるんだから。 〇四年二月当時の障害保健福祉部長は、現在独立行政法人福祉医療機構理事の塩田幸雄氏、それから同じく企画課長は、現在雇用均等・児童家庭局長の村木厚子さん、今いらっしゃいます。 村木さんは、〇四年二月ごろ、凜の会の代表が企画課を訪れたときに面会されたという事実はありますか。
○政府参考人(村木厚子君) 私、雇用均等・児童家庭局長として政府参考人として今日呼ばれておりますので、所管外の問題についてはお答えをすることができません。御容赦をいただきたいと存じます。
○小池晃君 私、その言い訳は通用しないと思うんですよ。これ、施策の中身、細目について聞いているんじゃないんです。今、厚生労働行政の公平性、公正性に社会の疑惑の目が向けられているんですよ。その当時、やっぱり担当者だった以上、あなたは厚生労働省の幹部としてこの疑問に対してちゃんと答える責任があると思います。もう一度答えてください。
○政府参考人(村木厚子君) 恐縮でございますが、重ねてお答えを申し上げます。 雇用均等・児童家庭局長としては所管外の問題でございますので、お答えをする立場にございません。
○小池晃君 いや、駄目だって。だって、この障害者団体の証明書には企画課長だったあなたの公印が押されていたというのは、さっき答弁があったんですよ。ね、ちゃんと答えてくださいよ。これじゃ駄目ですよ。
○政府参考人(村木厚子君) 重ねて申し上げます。 私の立場でお答えをできる状況でございません。立場でございません。
○小池晃君 官房長、当時の企画課長が、まさに公印が押されていたというわけですよ。ね。だったらば、それについて元課長である村木さんに、調査委員会としてその件について調査する、聴くというのは当然じゃないですか。何でやらないんですか。やってないんだったら、今そこで聴いてください、隣にいるんだから。村木さんが答えられないんだったら、あなたが答弁してくださいよ。そうでなきゃ駄目です。 そこはちょっと止めていただきたい、私。ちょっと今相談していただいて、村木さんに聴けばいいじゃないですか、横にいるんだから。雇用均等・児童家庭局長としては答えられないというのであれば、調査委員会の官房長、あなたは責任で今聴いて、それで答弁してください。
○委員長(辻泰弘君) まず大谷官房長。
○政府参考人(大谷泰夫君) 個々の担当者からの聴き取りというのは、今捜査当局の状況を踏まえて、これは追って検討をしていきたいと考えていまして、こういう場で行うことは今考えておりません。
○小池晃君 こういう場でって、国会で問われているんだからね、知っている人がそこにいるんだから、おかしいじゃないですか。 委員長、これ止めてください。ちゃんと答えさせてください。
○委員長(辻泰弘君) ちょっと速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(辻泰弘君) では速記を始めてください。
○小池晃君 大臣、今ちょっと横で聴いていただいて、事務次官は記者会見で、組織的に行われるとは理解し難いと述べているんですよね。 しかし、この逮捕された係長というのは、〇四年の四月に異動したばかりの係長が、見ず知らずの相手に偽の稟議書を作成して、決裁途中の稟議書を外部に出す、これ全部個人で行ったなんて、私、到底これこそ理解し難いんですよ。組織的関与がなかったとは到底考えられないと思いますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(舛添要一君) まず、一人係長が逮捕されたということは極めて遺憾であるということを申し上げた上で、今捜査当局による捜査が進んでいるところでありますので、これを見守りたいというふうに思っています。 そして、私は冒頭から申し上げていますように、予断を持って、組織的かどうかということも分かりません。今は省を挙げて捜査当局にこれは全面的に協力をする。そして、捜査の結果、事実が確定したならば、それは厳正に対処をすると、そういう方針で今後とも貫いていきたいというふうに思っています。 司直の手が入っているところでございますから、三権分立ということを考えても、今この場で私の方からコメントをすることは差し控える。ただ、この調査チームを我々はつくりましたから、我が省内の調査はきちっとやる。そして、今委員が御指摘のような組織的な関与ということがあれば、今大きな厚生労働行政の改革をやっているところでありますから、一切の容赦なく厳正に対処し、処分すべきは処分すると、そういう立場で臨みたいと思います。 今は当局の捜査の結果をお待ちしたいと思っております。
○小池晃君 いや、おかしいですよ。省を挙げて調査するというのであれば、組織的関与があったかなかったか、当時の担当の上司に聴くのが一番のまず調査すべきことじゃないですか。それをやっていないというわけでしょう。その当人も、ここでね、国会でこうやって問いただしても答えないというわけですよ。 大臣、これで省を挙げて調査しているって国民は思うと思いますか。省を挙げて事実を隠しているとしかこれは国民から見れば見えないじゃないですか。
○国務大臣(舛添要一君) 何度も申し上げますけれども、今捜査されているわけですから、当局によって、これに全面的に協力をする。そして、捜査当局、これがきちんと結論を出し、どういう事実であるかを確定する、それに基づいて対応する。そして我々は、人的なヒアリング、それから書類の精査含めて私たちのできる限りのことについては、それはやります。ただ、例えば、警察が入って全部資料を持っていっているわけですから。捜査当局に資料あるんですよ。そういうことも含めて、これはきちんとやる。今、調査チームを発足させたばかりですから、それはそれできちんとこれは対応して、しかるべきときにそれはどういう結果であるかということはお話しいたしますが、今まさに捜査の対象になっているわけですから、そのことは厳正に受け止めて結果を待たないといけないというふうに思っております。
○小池晃君 別に捜査資料を取ってこいなんて言っていないんですよ、一言も。調べられることを調べたらどうなんですかと言っているんですよ。当の御本人がいるんだから、そこに。なぜ聴かないのかと。これすらやらないっていうのは、私、本当に、やれることやっていますって言うけど、一番やんなきゃいけないこと、一番最初にやらなきゃいけないことを大臣やっていないじゃないですか。 大臣、聴いたんですか、じゃ、村木さんに、あなたはそのことを知っていたのかと。聴いたんですか、聴いていないんですか。
○国務大臣(舛添要一君) そういうことも含めて、こういう捜査が入っているときにその内容について国会の場で私は言明すべきではないというふうに思っております。
○小池晃君 おかしいと思います。やはり、国会は国会で独自の真相究明の責任があるんです。 私、冒頭申し上げたように、この案件というのは、まさに厚生労働行政の公平性、公正性が問われているわけですよ。障害者の皆さんに大変な負担を押し付ける議論をする一方でこういうことをもしやっていたとしたら、これは重大なことだというふうに言っているわけで、私は今の答弁では全く納得できないし、今のやり取りを見た国民は、これは疑惑隠しを大臣先頭にやっているというふうにしか見えないというふうに思いますので、そのことを申し上げて、私の質問は終わります。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。 私も、障害者団体向けの郵便割引制度を不正に利用した事件で、凜の会と厚生労働省との関係についてお聞きをいたします。 二十七日に調査チームを立ち上げたということですが、現在、だれに対してどういうヒアリングをし、どういう結果になっているか教えてください。少なくとも、だれに対してヒアリングをやったか教えてください。
○政府参考人(木倉敬之君) お答え申し上げます。 私ども障害保健福祉部としても、この報道があって以来、その当時の担当者等から必要に応じて聴き取り調査を行ってきたところでございますが、私どもの方として、当時このような証明書が出されたという事実、これはさっきも御答弁申し上げましたが、確認できないところでございます。 別途、大臣の御指示によりまして省内に調査チームが立ち上がりました。今、官房長がお答え申し上げましたように、この調査チーム、今この仕組み等についても私ども御説明を申し上げておりますけれども、この調査、捜査当局の進展も踏まえですが、部としても協力をし事実を解明してまいりたいというふうに思っているところでございます。
○福島みずほ君 私は、調査チームを立ち上げてもう一週間たつので、だれに対してヒアリングを行ったかを聞いています。
○政府参考人(木倉敬之君) これは、調査の方は官房の方主体で実施されておりますが、先ほども官房長申し上げましたように、個別の調査の手順等につきましては、この場での御説明というものは官房長からも申し上げていないところだというふうに承知しております。
○福島みずほ君 だれもヒアリングやっていないんですか。
○委員長(辻泰弘君) 木倉部長、いかがですか。
○政府参考人(木倉敬之君) その内容につきましても、今の調査の状況について、我々としても内部で手順等を検討しながら調査を進めているところでございますが、その具体的内容については、私どもは障害部として御答弁申し上げる立場にないというふうに思っております。
○福島みずほ君 刑事捜査は刑事捜査で、そして厚生労働大臣はメディアの取材に対して、つまびらかに明らかにする必要があると重ね重ね発言をしていらっしゃいます。ですから私たちとしては、この厚生労働委員会でずっとお付き合いしてもらった役人の人たちですから、きっぱり言ってもらいたいんですよ。そして、もう一週間前に立ち上げたんだったらヒアリングやればいいじゃないですか。なぜ、それをやらない。 村木さんが、いや、そういう凜の会知りませんし、私は連絡をしたことも一度もありません、全く知りませんと言ってくれれば、もうそれで結構なんですよ。
○国務大臣(舛添要一君) 弁護士であられるからよくお分かりだと思いますけれども、片一方で捜査が進んでいます。我々が片一方で調査して捜査当局に先駆けて、私たちは捜査機関じゃありません、何という人がどういうことを言いました、どうぞこれが資料です、そういうことをやるわけにいきません。 我々は、まないたの上のコイでございますから、そういう意味でコイはコイなりにちゃんと調査はいたしますけれども、そういう意味で、これは極めて厳しい捜査がそこに入っている。捜査に予断を与えるようなことは組織の内部から言うべきじゃないし、我々はきちんと調査をし、捜査当局の捜査を見守りながら、そして私たちが、例えば捜査当局が、だれとだれが関与して、どういう政治家がそこで圧力を加えた、それに対してだれが例えば郵政省にどういうふうに電話を掛けたとかいうことが、これは捜査当局がつまびらかにすることであって、むしろ我々がやるべきことは、もし事実が確定したら、なぜそういう事実が確定したのか。 そのときに、例えば公印の判こですね、それの取扱いが内部でどういうふうになっていたのか。あれが勝手に使われていたということが事実として確定したならば、じゃその当時、どういう判この扱い方のルールがあったか、そういうことをきちっと確定すべきであって、だれが犯人で、何党の何という政治家がどういうふうに圧力掛けてきたかというようなことを、そしてそれに対してどこの何とかの役人がどういうふうに答えたかというようなことを、私たちは捜査当局ではありません、そういうことは捜査当局がやることであって、むしろ私が言う調査というのは、もしそれが事実として確定して犯罪になるようなことをやったとすれば、それを許した我が組織の問題点、そこを解明する。そして、解明した段階においては皆さん方にこの委員会でもきちんと報告いたします。 しかし、今そのプロセスにおいて、片一方で捜査が進んでいるときにそういうことをやることは、むしろ私は捜査にとって妨害することにもなりかねないというふうに思いますから、そこはきちんと節度を保って、今の日本の憲法以下の法律体系の下において私たちはしかるべきことをやりたいと思っております。
○福島みずほ君 いや、それは違うと思います。捜査当局と同じようなことをやれとか国会議員の関与がということではなく、厚生労働省内の自浄作用の問題なんですよ。問題が指摘されればそれはきちっと聴く、別に証拠隠滅とかそういうことではなく、本当にどうだったんですかということを内部でやらなかったら、結局自浄作用がないということじゃないですか。捜査だって間違えることがあるかもしれない。厚生労働省としては、この事件、このケースをどう見ているのか。やっぱりそれはきちっとヒアリングをする、例えばテープに取るとか、きちっと残しておくべきですよ。 なぜそれをやらないんですか。
○国務大臣(舛添要一君) まさに自浄作用を働かせるために私がやるということが必要なのであって、それは全部同僚ですから、同僚が、あなた、あなたやりましたか、どうですか、ああ、つらかったからやったんですかと、そんな話じゃないですよ。それは捜査当局が厳しく法律に基づいて捜査をする、それが必要なんですよ。それと我々のやるやり方は違いますよ。組織としてどうするかということと捜査当局がやることは違います。ヒアリングはむしろ捜査当局がやることですよ、そういう意味では。
○福島みずほ君 刑事事件で問題にすることと厚生労働省が行政として問題にすることは違うんですよ。結局、それは自浄作用をきちっと示して、それはやっぱりヒアリングをちゃんとやるべきですよ。なぜならば、厚生労働省として、この問題、何が問題だったかについていち早くそれを明らかにするべきではないですか。それは刑事捜査とは別の立場でやるべきことなんですよ。 この調査委員会を立ち上げながら、今日答弁をお聞きしていると、結局何もしていないようにこちらは見えるわけですね。書類はない、だれもヒアリングしてない、これだったら駄目じゃないですか。結局、厚生労働省は調査委員会を立ち上げたけれども何もやっていないということなんですよ。
○国務大臣(舛添要一君) 何もやっていないんではなくて、捜査の妨げになったりしないために言わないということを言っているわけであって、それはきちんと、それは今言ったように自浄作用につながることをやりますよ。 それは、社会保険庁の不祥事に対しても、弁護士まで入れて徹底的にヒアリングをやっているけれども、ヒアリングでも相当出てきますけれども、おのずから限界がありますよ。法律を基にして、法律を基にして捜査をする場合と、内部はそこが違うんです。だけれども、私が言ったように、判この使い方のルール、判この保管場所、こういうことがルーズになっていることが、もしこれが、今一人はもう逮捕されていますからね、これのもとになったんであれば、そこは自浄作用として判この使い方のルールをきちっとやる、これが我々がやるべきことであると思っております。
○福島みずほ君 上村勉係長が逮捕されたのが五月二十六ですが、これ以前に厚生労働省はこういう問題があるということは知っていらっしゃったんですか、それとも寝耳に水だったんでしょうか。
○政府参考人(木倉敬之君) これは、報道がありましてから、あるいは今朝ほどの御質問でもありましたように、郵便事業会社の方からこういう証明書というのはそちらで発行されるものですかという照会を一月に受けておるというようなことから、その日にそういう文書を出した記録がないということで承知をしておったところでございます。
○福島みずほ君 確認をします。ヒアリングはやったけれども捜査があるので言えないのか、ヒアリングはそもそもやっていないのか、例えば現局長に対してですね、それはどちらなんですか。
○国務大臣(舛添要一君) 私はこの場でそういうことも含めて言うべきではないというふうに先ほど来申し上げておりますのは、私は検察官ではありません。検察は犯罪であるということの事実を確定し、その上に立って組織の長としてしかるべき処分を下す。そして、省内の規律のゆがみであるとか、判この取扱いについての問題があればそれをきちんと正していく、それが私は厚生労働大臣としての役割だというふうに思っております。 したがって、先ほど小池さんがおっしゃったように、私が隠ぺい工作の最先頭に立ってやっているというふうなその言は是非取り消していただければ、ありがとうございます。
○福島みずほ君 さっき官房長はそもそもヒアリングをやっていないと言ったからなんですよ。ヒアリングをやらない、そうしたら分からないじゃないですか。 大臣、私はせめて、言えないというんだったら、百歩譲って言えないというのをこちらも考えますが、せめてヒアリングはやるべきじゃないですか。ほかの人が暴く前にきちっと厚生労働省としてメスを入れるべきじゃないですか。いかがですか。
○国務大臣(舛添要一君) まず検察がきちんとメスを入れるべきだというふうに思っておりますし、今既にメスを入れつつあります。そして、ヒアリングを含め、物的証拠を含めて、こういうものを捜査し精査するのが検察の仕事であって、我々はそれに全面的に協力する。そして、その結果が出て、私たちが正すべきは正す。 もちろん、私たちにできる限りにおいて、そして検察の捜査の妨げにならない限りにおいてヒアリングを含めて様々なことはやりたいと思いますけど、私たちがやる仕事と検察がやる仕事とは違います。我々は検察とは違います。そういうことはよく御理解をいただければというふうに思います。
○福島みずほ君 厚生労働大臣がインタビューで事実をつまびらかにするとおっしゃっているので申し上げるし、厚生労働省の自浄作用のためにもきちっとヒアリングをやるべきだと。やっていないんであれば、それはやっぱりおかしい。ヒアリングをちゃんとやってください。 そして、やはり障害者自立支援法をやった人たちなんですよ。私たちは大反対をしましたが、障害者自立支援法を作成したときの課長なんですよね。ですから、一方では障害者の人たち、私たちは苦しめたというふうに思っているあの法律を作り、一方で障害者のための郵便の制度を悪用したと。これはやっぱり障害者施策をやる厚生労働省として問題だというふうに思っています。 大臣、こういう問題が起きて、どう思われますか。
○国務大臣(舛添要一君) とにかく福島さん以上に私は事実を知りたい。したがって、知るための努力はいたしますけれども、今まさに検察が捜査に入っておりますので、それを受けた上で、それは当然ヒアリングもそれはやりますよ。当たり前のことですよ、調査というのは。だけど、その目指す方向は、私たちは犯罪者をそこで発見して、それを司法の場に連れていくという立場ではありません。私たちに問題があるとすれば、それは厚生労働行政を更に国民のためにするために努力すると、ただその一点において努力をしたいと思っておりますので、どうかよろしくお願いいたします。
○福島みずほ君 捜査当局とは違う立場で厚生労働省として事実をやはり明らかにする努力をすべきだというふうに思います。そのためにもヒアリング調査をし、かつそれをきちっと発表していただきたいということを強く申し述べます。 一連の原爆症認定訴訟において行政府側十八連敗をしています。東京高裁の判決が一つのデッドライン、メルクマールだということを官房長官も常に言っていました。国は早急に一括救済をするべきではないですか。
○国務大臣(舛添要一君) まず、六月十一日までに東京高裁の先般の判決に対する対応を決めます。その上で、私自身が原告の皆様のお話をお伺いして、そして専門家の意見もこれはきちんと聴かないといけません。そして、司法の判断もこれは聴かないといけません。司法の判断でまさに国が勝訴しているケースもあります。例えばこれについては、一括ということをやれば、それは司法の判断をないがしろにすることにこちらについてはなります。 ですから、そういうこともすべて含めて慎重かつ迅速にこれは結論を下したいというふうに思っておりますので、精力的にこの問題に対して取り組んでまいりたいと思っております。
○福島みずほ君 上告は断念してくださいますか。
○国務大臣(舛添要一君) 六月十一日までに法務省を含め政府の関係省庁と協議をして決めたいと思っております。
○福島みずほ君 国民年金法の改正なんですが、年金をもらう側の立場と年金の保険料を払う側と両方、今本当に問題が起きていると思います。 実は今地方を回っていますと、国民年金の平均月額が五万三千円ですから、高齢者の皆さんで国民年金しかない、特に独り暮らしですと遺族年金がありませんから、高齢者の例えば女性が五万円しか年金をもらわないという話もよく聞きます。基礎年金を満額もらって六万六千八円ですから、やっぱり正直国民年金では暮らしていけないという話をいろんな地域で聞くんですね。高齢者の女性の貧困問題というのは、男性ももちろんそうなんですが、非常にあると思っています。 お手元に単身高齢者世帯の生計費と基礎年金の給付水準というのをお配りをいたしました。これですと、結局、食料と住居と光熱水道費、電気、ガス、水道を払うと六万円ぐらいになって、交通・通信、保健医療、洋服、履物、教養娯楽と、お金がもう払えないんですね。だから、家があればともかく、ないと本当に五万円で暮らせない。六万円でもかつかつというこの現状、こういう年金制度には問題があるんじゃないか。いかがですか。
○国務大臣(舛添要一君) 午前中の蓮舫さんもおっしゃっていましたし、まさに先ほど来申し上げているように、年金の最低保障機能というものをやっぱりこれは早急に高める必要があると思います。やり方はどういうことにするか。 それからやはり、例えば、一万四千六百六十円だったと思いますけれども、国民年金の保険料。それを、現役であっても低収入の人が払うというのは非常にきついですよ。例えば、十五万の月収の中からそれだけ払う、それから介護保険料もありますでしょう。ですから、社会保険料の軽減措置をどういうふうにやっていくかということも一つの大きな議論になると思います。 それは税の控除方式か、逆に児童手当のように与える方でやるのかというようなことも含めてなんですけれども、だから税も社会保険料もそういった観点から議論をするとともに、年金の最低保障機能をぐっと拡充するということは私は喫緊の課題だと思っておりますので、これに取り組んでいきたいと思っています。
○福島みずほ君 国民年金をもらっていらっしゃる方で生活保護を受けていらっしゃる方も四分の一ほどいるというふうに聞いております。結局、国民年金が生活を保障するものではないので別途制度が必要であると。これは生活保護の仕組みも年金の制度も両方ゆがめていると思います。 それで、平成十九年度末における国民年金第一号被保険者の内訳なんですが、実際に当該免除を受けている者がどうかというので、免除、猶予なしが七〇%、だけれども所得状況によって分類した場合は二〇%というデータがあります。このデータは何かといいますと、国民年金の払うことの免除を受けてもいいと思われる人が七〇%いるにもかかわらず、実際免除をもらっている人が二〇%しかいない。つまり、みんな国民健康保険料も払っているということなんですが、さっきは国民年金をもらう人の立場ですが、払う側の問題をお聞きをします。 今、年収二百万円以下の人が一千万人以上超えている現状で、国民年金を払えない、払いたくても払えないという人たちがたくさんいます。年収二百万円は月額十七万円、これで税金、健康保険料、国民年金を支払えるのかという問題について、厚生労働省はどうお考えでしょうか。
○政府参考人(渡邉芳樹君) 今、具体的に年収二百万円以下で生活される方たちにとっての払う側の様々な困難と、こういった御議論をいただきました。提出されている資料も御紹介いただきましたけれども、私どもとしても皆年金のために特別に諸外国にも例のない免除制度というものを持ち込んでおりますので、これをしっかり周知徹底して、その方たちの保険料負担能力に応じた保険料のお支払をお願いする、あるいは当面猶予をして、後ほど払ってもらう。様々な、そういう現場での工夫が更に求められているということはそのとおりであるというふうに考えております。 そのことと、さらに先ほど来、質疑、御議論ありましたように、制度としてこの免除制度というものを、やはり申請主義が基本となっておりますので、じゃ、職権でやりゃいいのかという御議論はありますが、それも、その免除制度というのを利用してやるという点の難点というものもあるのではないかと。 こういうようなこともあり、審議会においても、そもそも免除制度というものは基本的にはそれを廃止した上で、逆に所得に応じた軽減保険料制度というものを導入して切り替えてみてはどうか、例えば、それは全く知らない世界ではなくて国民健康保険で現にやっているではないかと、こういうような御議論もあります。 その場合には、所得に応じた保険料に、本来満額につながるような公費による保険料負担支援というものが欠かせなくなります。じゃ、その財源をどうするか、どういう仕組みで実際に機能することができるかという点、更に詰めていかなきゃいけないと考えておりますが、基礎年金の最低保障機能を考えていく場合には欠かせない御指摘であり、一つの考え方の整理であると考えておりますので、当面は免除制度というものを持っておりますので、それの徹底的な利活用をお願いするということで対応してまいりたいと思います。
○福島みずほ君 国民年金は、もらう側からするととてもこれで暮らしていけない、今若い人だと払いたくても払えないという状況がありますので、免除制度、それから将来的にはこの年金制度の根本的な立て直しもやるべきだというふうに申し上げ、私の質問を終わります。
○委員長(辻泰弘君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時六分散会