厚生労働委員会 第8号
- 発言数
- 98 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 2009/04/14
会議録
○委員長(辻泰弘君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る二日、犬塚直史君及び大久保潔重君が委員を辞任され、その補欠として小林正夫君及び家西悟君が選任されました。 ─────────────
○委員長(辻泰弘君) あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。 提出者衆議院厚生労働委員長田村憲久君から趣旨説明を聴取いたします。田村憲久君。
○衆議院議員(田村憲久君) ただいま議題となりましたあん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容を御説明申し上げます。 国民の保健医療に直接的にかかわるあんまマッサージ指圧師、はり師、きゅう師、歯科衛生士、診療放射線技師、歯科技工士及び柔道整復師は、国民の健康保持に大きな役割を果たすものであることから、その免許付与者は厚生労働大臣とされているところであります。しかしながら、医療関係職種のうち、医師、歯科医師、薬剤師、看護師等の資格試験については、法律上、国家試験と明記されている一方で、これらの七職種については国家資格であるにもかかわらず、法律上、試験の名称が国家試験とされておりません。 これらの業務に携わろうとする者が今後とも国民の信頼になお一層こたえていくためには、国家資格に係る業務に携わる者としての使命感を高め、その資質向上を通じてこれらの業務の適正遂行を図る必要があります。 本案は、このような状況にかんがみ、これらの資格に係る試験が国家試験であることを明確にするため、その名称を国家試験と法律上明記する措置を講じようとするものであります。 なお、この法律は、平成二十一年九月一日から施行することとしております。 以上が本案の提案理由及びその内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(辻泰弘君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。──別に質疑、討論もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(辻泰弘君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(辻泰弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(辻泰弘君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省健康局長上田博三君外二十一名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(辻泰弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(辻泰弘君) 社会保障及び労働問題等に関する調査のうち、雇用、医療等に関する件を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○小林正夫君 民主党・新緑風会・国民新・日本の小林正夫です。 四月七日火曜日、厚生労働委員会で、辻厚生労働委員長及び関係者の御尽力によりまして、ハローワーク渋谷と日本赤十字社医療センターを視察いたしました。労働及び医療の厳しい実態をこの目で見てまいりました。 特にハローワーク渋谷では、関係者から概要を聞いた後各フロアごとを視察をさせていただきましたけれども、どこも相談だとかあるいは手続に来られている方で待っているいすがいっぱいであったと。正直、私たちが視察しに行ったことが少し邪魔になったのかなと、そのぐらいこのハローワークが大変人が多かった、こういう実態を私は見てまいりました。また、対応に当たる職員の方も本当に繁忙を極めているな、ハローワークの要員は少し足りないなと、このようなことを正直私は思いました。 そこで、今日は視察結果を基に、まず労働・雇用問題について質問をさせていただきます。 急激な雇用情勢の悪化で仕事を求めてハローワークに訪れる人、今言ったような実態でございます。失業手当を受ける人が急激に増えていると、こういう実態にあると思いますが、失業手当の受給実態はどうなっているか、お聞きをいたします。
○政府参考人(太田俊明君) 失業等給付の支給実態でございますけれども、雇用保険の受給者実人員で申し上げますが、これは昨年の十二月以降、対前年同月比で増加が続いておりまして、直近の実績、平成二十一年二月実績で申し上げますと、約六十九万三千人ということでございまして、これは前年同月と比べますと三三・八%、約三割強の増加という状況でございます。
○小林正夫君 失業手当の今年度の財源として労働保険特別会計に一兆五千七百億円余りが盛り込まれました。この金額で足りるんでしょうか、お聞きをいたします。
○政府参考人(太田俊明君) 平成二十一年度の失業給付費関係予算でございますけれども、今お話にございましたが、収入が一兆五千八百七十二億円、それから支出が一兆七千七百五十九億円を計上しているところでございます。 先ほど申し上げたとおり、雇用失業情勢が悪化する中で、年末以降、雇用保険受給者数の増加が続いていることなどを踏まえて、安定的な給付を確保するためにどうするかということで、現在、政府部内において失業等給付費予算の追加補正につきまして鋭意検討している状況でございます。
○小林正夫君 一部の報道では七千億円程度上積みをしないといけないというような報道もされていますが、そういう方向での検討でしょうか。
○政府参考人(太田俊明君) 追加補正につきましては、現在鋭意検討中でございますけれども、今申し上げたとおり、受給者数が相当数増えておりますので、数千億円単位の補正が必要な状況ではないかというふうに考えているところでございます。
○小林正夫君 舛添大臣、三月に雇用保険法の改正の審議を行いました。そのときに、政府の提案は保険料率を〇・四%下げると、こういう提案でした。私たちは、失業者が多くなるので、この時期に雇用保険料を下げることは心配があると、こういう問題提起もしてきました。 さらに、麻生総理大臣は、昨年の十二月ごろ、ある団体の会議で、雇用保険料を下げる代わりに、その分、春の賃上げ交渉のときに賃金を上げてあげればいいじゃないかと、こういうお話が麻生総理からされたと報道されております。実際に、まだ春闘はこれから中小企業の本格的な交渉に入りますから、すべて終わっているわけじゃありませんが、今までの労使の話合いの結果を聞いていると、定昇、定期昇給を維持することも難しいと、ましてベースアップされるということが本当に実現していないという、こういう実態もあるんですが。したがって、昨年の十二月に麻生総理が保険料を引き下げる代わりに、その分、給料あるいは賃金に上乗せしてあげればいいんじゃないかということも実現されていないと、私はこのように判断をしております。 そこで、〇・四%下げたことが本当に正しかったんでしょうか。厚生労働大臣としてどのように思われていますか、お聞きをいたします。
○国務大臣(舛添要一君) まず、春闘情勢、非常に厳しいと思っています。車にしても電機にしても、まず大手を見ても、今おっしゃったように、とてもじゃないけど定昇まで行かないところだってあるという具合なんで、そこまでやっぱり経済情勢、雇用情勢が厳しくなっている。これはもう本当に予想を超えている側面があろうかと思っています。それがまず第一点。 それから、第二点については、まあ法案の審議のときも申し上げましたけれども、片一方では雇用はきちんと守っていく、しかし新たな雇用をつくり出すために成長戦略もやらないといけない。それで、その五百兆という日本のGDPの六割の三百兆がこれは個人消費ですから、それを刺激する策として、手取り、可処分所得を増やすために、公租公課の面で、特に保険、社会保険で一部下げるということをやったという一つの経済パッケージだったと思います。それ自体は間違っていないと思います。 ただ、委員が御心配のように、じゃ財源、今後どんどんどんどん失業者が増えたらどうするのかということで、あのときも〇・四%なんと言わずにもっと大幅に下げろというのがありましたけど、それは駄目ですと、もう下げてもここまでが、その経済成長戦略というのを入れたってそこが限度だということで、これはそこで私とどめました、まず、厚生労働大臣としては。そして、それであっても、まあ本当に厳しい状況が続いても、今持っている、プールしているお金で五年はもつだろうということですから、今のところは三年以内に経済を立て直すという片一方の戦略がありますから、そういうことを総合的に勘案してこういう御提案を申し上げたということでございますが、ただ、今更それで過去が正しかったか正しくなかったかと議論をするよりも、目先に次から次と問題が出てくる、問題が出てくれば必ずそれは解決していく、一つの決断下して動いているわけですから。しかし、政府の役割は、新たな問題が生じ更に困難な状況になれば、持てる力を全力を尽くして働く人たちを助けていくということなんで、むしろそういう方向で今後とも頑張りたいと思っております。
○小林正夫君 三年で景気回復できるかどうか、今大臣のお顔を見ていますと、大臣自身も本当に三年で大丈夫かなと、こういうお顔をしていました。 私は、やはり一刻も早くこういう状態を脱することが大事だと、こういう気持ちは変わりませんが、やはり今後の失業者など考えていくと、あの〇・四%下げたということが本当にどうだったのかなと、こう心配をしております。 現に、そういう私たちが心配したような現象が起きていて、さらに今後、政府としては失業手当を払う財源にまた税金を投入していくと、こういう状態になっている、このことだけは指摘をしていきたいと思います。 もう一つ、ハローワークの仕事量が大変増えているなと、こう感じました。そして、ハローワーク渋谷の職員の方も、本当に休み時間が取れるんだろうかという心配なほど次から次への相談者が来訪されているという、こういう実態ですけれども、政府は新たに経済対策でハローワークの人的強化に取り組むと、こういうことが盛り込まれると報道されておりますけれども、具体的な増員計画、今分かっている範疇で教えていただきたいと思います。
○政府参考人(太田俊明君) ただいまお話ございましたように、厳しい雇用失業情勢の中でハローワークを訪れるお客さんの方々、大変増えてきております。その中で、体制整備が大変重要でございますので、昨年度の補正でも相談員等の確保等の体制整備を図っているところでございます。ただ、まだまだ体制整備必要な状況でございますので、今般の経済危機対策の中でもハローワークの機能の抜本的強化ということが盛り込まれているわけでございまして、現在どのような体制が必要かということについて鋭意検討しているという状況でございます。
○小林正夫君 なかなか具体的な数字が示していただけませんが、いずれにしても、今のハローワークの業務処理実態を見ていると、政府としても人的強化をしていきたいと、こういう方向にあると思うんですね。 当日、ハローワーク渋谷の職員の方と意見交換もさせていただきましたけど、私は率直に、特にハローワーク渋谷の場合なんですが、人的強化をしても、事務所が狭隘化しているために本当に人が配置できるんだろうかと。また、その人の机を入れて業務することが可能かどうか、この辺についても質問をしたところ、やはり私の指摘したどおり、今のままじゃ人的強化もなかなか難しいと。特に、会議室をつぶして業務処理に当たるように改造しなきゃいけないとか、あるいは渋谷の今のハローワークの近くのビルを新たに借りてそこで業務をしないと、人的強化があった場合でもなかなか業務処理は難しいという、こういう職員の方の声がありました。私はもっともだと思いました。 このハローワークは全国で五百四十九か所ありますけれども、すべてがこういう状態ではないと思いますけどね、特に今回視察したハローワーク渋谷ではそういう実態があったんです。このことも並行して取り組まないと、人的強化だけじゃ私は十分じゃないと思いますけど、この事務所の狭隘化対策についても含めてどう取り組むのか教えてください。
○政府参考人(太田俊明君) 御指摘ございましたとおり、ハローワークの体制整備、人的強化も必要でございますけれども、庁舎が大変狭くてお客様にも大変御不便をお掛けしているという状況でございますので、併せてやっぱり庁舎の整備も必要ではないかと思っております。例えば、助成金などの審査体制なり相談体制の整備ということは、これは相談員なりあるいは職員の体制整備も必要でございますけれども、やはりお客様に来ていただく相談のスペースも必要でございますので、そういう相談のスペースなども含めて、あるいは失業給付なり職業紹介も含めて、人的強化と併せて庁舎の整備等も検討することが必要であるというふうに考えているところでございます。
○小林正夫君 やはり、現場で働いている人の声を十分聞いていただいて、人的強化も大事、併せて事務所の狭隘化対策もやっていかないと、来訪する方も待つところがないと、こういう事態を生みかねませんので、この辺についてはしっかり取り組むことをお願いをしておきたいと思います。 そしてもう一つ、関係者との質疑で、育児休業切りと言われる解職が多くなってきていると、こういうお話を聞いてきました。現在の厳しい雇用情勢において、働かないと食べていけない、あるいは育児休業後復帰できないと家庭を支えていけないと、こういった私は声が今多く、大きくなっていると、このように受け取っております。 そこで、私は、特に今必要な施策としては、育児休業切りの防止をすること、二つ目は認可保育所の整備をすること、三つ目に非正規雇用労働者も含めた両立支援、この三つを対策として早急に取り組む必要があるんじゃないかと考えております。その観点から、育児休業切りの防止を中心に幾つか質問をさせていただきます。 私のところにもこういう声が来ます。妊娠や出産、あるいは産休、育休の申出や取得など、こういうことを言うと、退職を強要されたり、通勤不可能なところへ配置転換を求められている、こういう実態があるということで訴えが続いておりまして、不利益取扱いが相次いでいると、私はこのように受け止めております。 そこで、今日お手元に資料を用意をさせていただきましたけれども、資料一を見ていただきたいと思います。これは厚生労働省から出ている資料ですけれども、労働者からの相談及び指導等の状況で、育児休業に係る不利益取扱いという表でございます。下の方は、妊娠、出産等を理由とした解雇等不利益取扱いについてのここ至近年のまとめの数字でございます。 労働局の調べでは、平成二十年度、これは二十一年二月末までの集計というふうになっておりますけれども、育児休業については全国で千百七件の相談があり、是正指導したものが四十七件、是正できたのが三十八件。妊娠、出産等を理由とした解雇等不利益取扱いについては、全国で千八百六件の相談が労働者からあり、是正指導に入ったものは二十四件、是正できたものは二十二件となっております。 不利益取扱いは男女雇用機会均等法や育児・介護休業法で禁止されているものの、昨今の雇用失業情勢の悪化を背景に不利益取扱いの事例が増えているということだと私は考えます。以前は法律を知らないで不利益取扱いをしていた、こういう企業もあったと思いますけれども、最近は法令を知っていてもこういうような不利益扱いをしているというのが私は実態じゃないかと思います。 そこで、育児休業に係る不利益取扱いで是正指導に入った四十七件のうち九件が是正できなかったことになりますけれども、どのような事例だったのか、それぞれ具体的に紹介してほしい。また、是正できなかった原因や背景をどのように考えられているのか、お聞きをいたします。
○政府参考人(村木厚子君) 先生御指摘のとおり、育児休業を取ったこと、あるいは妊娠、出産を理由としたことによる解雇等その他不利益な取扱いというのは、これは法律違反でございます。最近相談件数が増えていることもありまして、先月十六日にこうした法違反への厳正な対応について都道府県労働局長に通達を発出をしたところでございます。 先生が御指摘をされたこの是正指導をしたもののうち、実際に是正されているものの件数が少のうございますが、私ども雇用均等室で指導を行っておりますが、基本的には是正がされるまで指導を続けるというのが基本でございます。したがいまして、まれにやはり事業所が廃業になってしまうというような形で打切りをすることはございますが、それ以外の場合は指導を途中でやめてしまうということはございません。そういう意味でいいますと、年間一件とか二件とか打切りをその特殊な事情によってすることはございますが、それ以外の場合は是正がされないまま打切りはいたしません。 今、二十年度の是正指導をした四十七件のうち是正が三十八件ということでございますが、これはやはり指導をしてから実際に企業が是正をするまでにかなり時間が掛かることが多うございます。ですから、四十七指導をした中で是正が既に終わっているものが三十八件ということで、これ残りのものについても最後まで指導をするという方針でやっていきたいと思っております。
○小林正夫君 それで、この九件がまだ是正ができていないんですね。ここで何か特徴的なこと、あるいはこういった事例があって困っているということ、こういう事例は何かありませんか。
○政府参考人(村木厚子君) 個別に今のこの数字の九件の部分についての状況についてはまだ十分把握はできてございませんが、一般的に申し上げますと、やはり雇用情勢が悪い、企業の経営状態が悪いときというのは是正に時間が掛かるということがございます。それから、個別のケースで申しますと、その事業所は、その支店は廃止になってしまって、勤め続けようと思うとほかの支店に移らなければいけないというようなケースもございますので、そういったときには非常に、具体的にではどういう形で救済をするかといったようなことで相当時間が掛かるというケースもございます。
○小林正夫君 具体的な内容まで把握はできませんけれども、私の身近な者でも、出産後、職場復帰をしようと思ったら大変今言ったような嫌がらせ的なこともあって、やはり子供を産んだ後、育休を一定の期間取ってその後働く、働くときに本当に嫌な思いをして今働かなきゃいけない。まして働ければいいけど、それを何か理由に付けて解雇していくという、解雇になっていくような道が引かれ始めていると、こういう点が今大きな問題ですので、この問題については積極的にそういうことがないように取り組んでもらいたいし、そのような指導もしてもらいたいと、このように思います。 そこで、四月八日の日経新聞の夕刊だったんですけれども、東京労働局の雇用均等室長のコメントがこの新聞に出ておりました。この室長は対応策として、育休を申し出るときに期間や休む間の給与、復帰条件などを会社と書面で確認しておくことをお勧めすると、このように東京労働局雇用均等室長は言われているんですね。 そこで、今日は資料二を用意をいたしました。法律を見ていただきたいんですけれども、育児・介護休業法第二十一条では、事業主が育児休業等を申し出た労働者に対して、労働者の育児休業及び介護休業中における待遇に関する事項と、育児休業及び介護休業後における賃金、配置その他の労働条件に関する事項、それから、施行規則の第三十二条に定める内容を書面で明示することについて、ここが努力義務になっているんです、努力義務。 私は、この努力義務が義務規定となれば、育児・介護休業法五十六条が定める厚生労働大臣による助言、指導若しくは勧告をする根拠となるのではないかと考えますけれども、また、そうすることによって個別労働紛争の防止にもつながると思います。 育児休業切りが急増している実態を考えれば、義務規定にすることが私は必要じゃないかと思いますけれども、厚生労働大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(舛添要一君) 今委員がお示しになったこの第二十一条、これは努力義務ということになっています。 今、例えば賃金その他の条件について、まずはこの努力義務をとにかく一生懸命やってくださいと、これは指導いたします。その上で、実を言うと、労働基準法上、賃金や何かについての定めることがこれは義務付けられております。こちらは義務付けられている。ですから、労働基準法の中に書いてある、つまり賃金幾らというのが書いてあれば、それを使って義務付けができますよと。 ただ、ここまで細かいことを育休だけについて、育休絡みのことだけについての義務規定にはなっていませんので、これをそこまで高めた方がいいかどうか、ちょっとそれは検討するなり、もう少し、これは法律マターですから、変えるときはみんなで国会で変えないといけないんで、ちょっと検討させていただきますけれども、現実的な適用としたら、労働基準法という武器を使ってやることで相当可能じゃないかということを考えてはおります。 今後、こういうことを努力義務と書いてあるわけですからきちんとやってくださいというのは指導はしますけれども、今の委員の御提案を受けて、どういう形で、例えば法律改正まで持っていった方がいいかどうか、ちょっと検討させていただきたいと思います。ただ、それまでの間は労働基準法という武器を使って徹底してやりたいというふうに思っております。
○小林正夫君 是非こういうことを実現していかないと、育児休業切りというようなことがまだまだ多くなってしまうと私は思います。 そこで、政府は育児・介護休業法の改正案を準備していると聞いておりますけれども、その改正案に、今言った事業主から労働者に対する書面の明示などについて改正をしていきたいと、こういう内容が今の検討の中に含まれているのでしょうか。
○政府参考人(村木厚子君) 昨年の十二月に労働政策審議会から育児・介護休業制度の見直しに関する建議が出ておりますが、先ほど大臣からも御答弁申し上げたとおり、労働条件面については労働基準法等の規定もあることもありまして、この建議の中には改めて育児休業に係る様々な事項を書面で通知することを義務化をするといったような内容については建議の中には含まれていないという状況でございます。
○小林正夫君 建議は建議として、そういう内容だということを今聞きました。 でも、この法案でこういうことを盛り込むということは、まさにこういう国会審議の中では私可能だと思うし、今言ったような実態を考えれば、義務化していくということを私は取り組むことだと思うんです。今言ったように、私が提起した問題が今回の法改正の検討の中で取り扱われていないとするならば私は今の実態から相当ずれている検討かなと、このように思います。 私は、労働局への相談に至る不利益取扱いの事例はほんの一握りであると思っております。働きたいとか、働かなければ、多くのお母さん方が働く場所があるかどうか、こういうことに悩んだり、育児休業から復帰できるか、こういう不安を抱えているわけです。現行の育児休業法における指導はあくまで労働局による助言、指導ベースで、事業主があくまで拒否すれば救済ができない。最後は裁判や労働審判に訴えるとしても、子供を抱えているお母さんあるいは親が実際に裁判を起こすなんていうことは実質的に私無理だと思います。特に、働き続けたいというのが私たちは基本にありますから、事業主が拒否すれば自動的に退職をしなきゃいけないと、こういう実態にあるんですね。 大臣、そこで、もう一度お聞きをしますけれども、今の育児休業切りが急増している実態を考えれば、書面に明示することを義務規定にすると、こういうことで、今検討されている法律改正の中に盛り込んでいただきたいと思いますけれども、いかがですか。
○国務大臣(舛添要一君) 今の小林委員の御意見、よく分かる点ございます。 具体的にどうするか、ちょっと検討時間をいただくとともに、こういう問題は党派を超えてきちんとした形でコンセンサスを得たいというふうに思っていますんで、厚生労働委員会の委員の先生方を中心として、少し党派を超えてこの中でも議論をしていただいて、今の委員の御提案をどういうふうに取り扱えられるか、ちょっと時間を賜ればと思います。
○小林正夫君 是非、喫緊の課題であるし、これが起きている実態ですから、本当に赤ちゃんを産んで復帰しようと思ったときに、もうその復帰がかなわない、これほど本当に自分たちの生活にも影響してくるし、希望が絶たれてしまう、この実態ですから、私は、今言ったような対策が何しろ大事だと、このことを取り組むことが政治の役割だと、このように思いますので、積極的な取組をお願いをしておきたいし、またここでの審議を十分させてもらいたいと、このように思います。 そこで、厚生労働省は、育児・介護休業法二十一条の育児休業等を取得する際に会社と取り交わす書面について何かひな形のモデルは作ってあるんでしょうか。
○政府参考人(村木厚子君) 先ほど来お話が出ておりますように、この育児休業中の様々な処遇、それから休業明けの賃金等に関する処遇について法律で義務は課しておりませんが、育休法に基づきます指針において、こうした取決めを事業主がきちんと一括して整理をして、これを労働者に周知をすることが望ましいという規定を指針に置いております。その上で、この育児・介護休業に関する規定の規定例についてパンフレットを私ども作成、配布をしてございます。その規定例の中でひな形をお示しをしまして、休業の期間、休業期間中の給与等の取扱い、それから休業後の賃金等労働条件、これらを内容とする様式をお示しをして、これを周知をしているところでございます。この点、しっかり普及をしていきたいというふうに考えております。
○小林正夫君 分かりました。ひな形モデルはあると、こういうふうに受け止めますけれども、育児休業法のメニューを単に増やすだけではなかなかニーズに私は合わないと思いますので、こういうこともしっかりやっていくことが大事だということを指摘をしておきたいと思います。 そして、仕事と家庭の両立が喫緊の課題、こういう社会になっております。業績悪化で以前の勤務時間帯に仕事がない、こういう理由だとか、業務を縮小、組織改編をした、またほかの人を雇ってしまったと、こういった理由が企業から挙げられる場合が多いんですけれども、今の雇用情勢を見ると、このことを単にけしからぬと言えないほど雇用情勢は悪化しているんじゃないか、このように私は思います。これは企業にとっても労働者にとっても想定外の出来事と、このように受け止めざるを得ないなと思います。 そこで、大臣、私は共稼ぎをしないと生活ができないという国にしてはいけないと、こう思っているんです。このことを前提に、今の日本社会全体が一斉休業状態、こういう景気の悪化によってなっているという状態が現状じゃないかなと私は思っているんですけれども、ここ数年、先ほど大臣、三年ぐらいで景気回復云々というお話がありましたけれども、なかなか景気後退、この回復は難しい、少し長期に掛かるのかな、こういう心配しておりますけれども、その景気が回復したときにはお子さんを抱えたお母さんの負担ばかりが重くなる働き方では駄目だと思うんです。共働きを前提とした働き方に転換をしていく、この社会をですね、そういう条件整備が私は必要だと思いますけれども、大臣の考え方、あくまでも私は、共働きをしないと一家の生活が成り立たないと、こんな国にしちゃいけないというこの前提の上で今のことについて大臣はどうお考えか、お聞きをしたいと思います。
○国務大臣(舛添要一君) いろんなアンケートを見ても、というのは今の緊急事態でないその前の状況ですけれども、なぜ共働きなんですかと女性に聞くと、そうしないと家計がやっていけないというのが一番多いんです。自己実現とかなんとかそういうことよりもまずそうだ。だから、これはそうじゃない社会をつくる、それだけの本当の豊かな社会をつくるべきだというこの点は、まず大前提は同じだと思います。その上で、どういう仕事の仕方、どういう生活の仕方、それは個人の自由ですけれども、しかしながら、子育てと家庭と仕事を両立させるというのは、これはそういう社会に是非すべきだというふうに思っております。 ですから、育児があるからとか介護があるから仕事ができないという状況ならば、これは育児にしても介護にしても社会的責任だと、介護の社会化ということを言ったのはまさにそういう意味であって、個人の負担でやっちゃいけませんよということで介護保険もあるわけですから、そういう面で私は、育児の分野について言うとまだまだ遅れているというふうに思っています。 ですから、これはそういう意味でのセーフティーネットを張り巡らせていく、そして本当に例えば女性が仕事と家庭を両立したいというときに、それがかなえられる社会というのが本当の先進国だというふうに思っています。 ただ、問題は、そのためのこれはきちんとした財源について、消費税であれ何であれ、国民の皆さんの納得のいくことが必要と。じゃ、ただ金だけあればいいかというとそれだけじゃなくて、ボランティア活動を含めて、知恵を働かせて、それからもう少し社会的連帯、お互いさま、助けましょうと、遠くに住んでいる親が、おじいちゃん、おばあちゃんが孫を見に来る、見てくれるという状況を想定しちゃ駄目なので、自分の住んでいるコミュニティーが子育ても助けてくれる、介護も助けてくれる、そういう社会が理想であって、それをみんなが積極的にやれば、その分財政的なコストだって相対的に低くなるので、是非そういう社会を目指して努力をしたいと思っております。
○小林正夫君 是非、これからの我が国を考えると、今言ったような働き方ができるようなあるいは生活ができるような環境を整えていくと、これも今私たちの政治家に与えられた一つの大きな仕事だなと、このように思っております。 そこで、非正規労働者の育児・介護休業の関係で質問をいたします。 前回の二〇〇五年四月の法改正で、非正規の人も非常に限定されたものではありますけれども育児休業を取得できることになりました。現在どのぐらいの方が利用されているかというと、これは、独立行政法人労働政策研究・研修機構が二〇〇八年五月に報告した契約労働者の育児休業等の利用状況に関する研究報告、こういう報告があったんですが、これで、有期契約労働者で育児休業取得者のいる事業所は一・七%であった、雇用期間の定めのない労働者で育児休業取得のいる事業所は八・八%であったと、こういう報告がありました。単純な比較はできませんけれども、有期と無期とでは取得に五倍の差があると、数字的にはこういう数字になります。 この調査報告書の、今日は提示していませんが、五十五ページにこういう記載がありました。契約更新を繰り返して有期契約労働者を継続的に雇用している事業所においても、有期契約労働者は対象外としている事業所が少なからずあると、こういうことになっているんです。 私は、こういう実態を見て、有期契約労働者の育児休業が普及していないこの実態が本当にうかがわれるなと、このように思います。 そこで、非常勤公務員には育児休業は認められないと、こういう記事があったんですが、これは本当なんでしょうか。
○政府参考人(川村卓雄君) お答え申し上げます。 非常勤職員の官職につきましては、基本的に臨時又は緊急の場合に設定されまして、長期にわたりましてその官職が継続することが予定されているものではないということから、その官職を占めます非常勤職員も継続的な雇用が予定されているものではないというところでございます。 また、閣議決定によりまして、継続して日々雇い入れられることを予定する職員については、必ず発令日の属する会計年度の範囲内で任用予定期間を定めることというふうにされておりますなど、常用化につながらないような運用がなされているところでございます。 このように、非常勤職員につきましては、長期の雇用を前提として任用されるものではないということから、継続的な勤務を促進することを目的とします育児休業制度の対象にはなっていないところでございます。
○小林正夫君 私は、現状の社会の受け止めが甘いなと、そう今の答弁聞いていて思いました。 独自の規定で取り組む自治体もあると、このように聞いておりますけれども、フルタイムかそれに近い勤務状態の方も多いと、こう聞いているんです。調べたところによると、勤続三年以上は三割を超えているという、非常勤の職員の方でもこういう実態があるんですよ。 ですから、正規社員のための育児・介護休業法という枠にとどまらないで、今言ったような人たちも育児休業が取れるという、こういうふうに今の社会の実態に合わせた制度が私は必要じゃないかと思いますけど、舛添大臣、どう思いますか。
○国務大臣(舛添要一君) 委員が冒頭おっしゃったように、十六年の改正で一定の要件で有期雇用の方も取れるようになって、それは、同一の事業主に引き続き雇用された期間が一年以上であるとか、それから子が一歳に達する日を超えて引き続き雇用されることが見込まれると、限定はされていますけど取れますよと。ただ、やっぱり、今の公務員の例じゃないけど、臨時とか有期の場合はそもそもそういう権利ないだろうと思っている方々がほとんどじゃないかというふうにまず、そういう懸念を抱いていますんで、これはちょっと周知徹底を相当せぬといかぬなと思っていますんで、それは今後取り組みたいと思っていますし、今の要件を更に緩和するかとか、公務員については厚生労働省云々ということではなくて、これは人事院を含めて全体の公務員の在り方についての問題ですけれども、ここまで非正規の人たちの問題が大きくなったときに、なるべく条件同じようなところで救えるところは救うという方向でやっぱりいくべきだと、原則はそういうふうに思っています。 だから、条件設定をどうするか。それで、今来年度予算で約四千万円を計上しまして、業種ごとにどういう形で今の私が申し上げたことが実現できるかモデル事業をやろうとして、四月になりましたから、これ取り組んでいって早急に答えを出したいというふうに思っていますが、委員の問題意識はよく分かりますんで、条件の緩和、そして具体的にどうするかをモデル事業を見てやっていく。 それを公務員にまで広げていくか。これはちょっと、今おっしゃったように、地方公務員で現実にそういう例があれば、そういうことも研究しながら政府全体の課題として考えてみたいと思っています。
○小林正夫君 是非、先ほど言ったように、非常勤公務員にはこの育児休業は認められていないという、こういう実態と、もう一つ、こういう人たちも勤続三年以上勤めている人たちは三割を超えていると、こういう実態もあるわけですから、日本の全体の少子化対策にもつながっていく話なんで、やはり私はこういう人たちも育児休業が取れるような、そういう法改正が必要だと思いますので、このことを指摘したいと思います。 そして、次の質問ですけれども、女性の労働力率の上昇は、この間、政府が示した年金財政の数字の中でも期待値として、女性の働く人たちが多くならないと今の所得に対して五〇・一%以上の年金がもらえないと、こういう私は基礎の数字になっていると思いました。期待どおり労働力率が上昇しないと、今政府が示した年金財政は不安定になって年金額の一段の引下げになりかねないと、このように思います。そこで、労働力率の上昇と出生率の引上げという両方を追求していかないと、政府としては今までの政策が失敗だったと認めざるを得ないわけで、そこで政府は追い込まれているのではないかと私は考えております。 そこで、労働力率上昇に当たって、特に保育所の整備が私は必要だと思うし、これが不可欠だと思います。非正規労働者のカップルも含めて、だれもが働きながら安心して家族形成あるいは子育てができるような社会をつくる仕組みが必要で、将来的には、経済的支援制度の強化を目的に、一つは保育サービス、児童手当、育児休業給付、出産手当等の財源を統合して子育て基金、これは仮称ですけれども、この子育て基金をつくったらどうか。二つ目は、子育て基金は第三者機関として、労使、国民の意思が反映される運営体制とすると。そして、徴収と給付については現行の仕組みを活用したらどうだろうか。三つ目としては、保育サービス等の利用者負担を軽減し、それぞれの給付水準を引き上げるとともに、給付の在り方や新たな財源について検討すると。そういった子育て基金を創設をしたらどうかと私は考えますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(舛添要一君) これは一つの考えですけど、いろんな案があると思います。 具体的には、保育であれ育児であれ、子育てについての様々なサービス、それがより良く受けられるということが一番大事なんで、基金でやる方式がいいか、これもプラス、マイナスもあると思います。それから、個別にそれぞれやるのがいいか。 今の最大の制度的な問題は、例えば保育というのは、これは全額公費で見ると。しかし、そのほかの分野は負担率が全部違ってくると。こういうのを一つにまとめる仕組みをどうするのかと。フランスの場合はケース・ナショナル・デ・ザロカシオン・ファミリアールという、そういう国庫の基金方式がありますけれども、やっぱりこれずっと長い長い年月を経ていろんな代表が入ってやってくる。やっぱり一気にできなかったんですね。だから、少し、これは一つのアイデアとして承っておきますが、今言ったそれぞれの制度が非常に負担率なんかが違ってくる。そこの整合性をどう取っていくのか。 そうすると、問題は、また一つ基金をつくるとそこにいろんな、悪い言い方をすると天下りみたいなのが入ってきてまた肥大化して、そんなことなら今の形で、とにかくもらう方から見るとちゃんと来ればいいわけですから、また新たな組織をつくって行政の肥大化みたいなものにつながるよりはいい面もあるかもしれない。だから、あえて言うとそのマイナスをどう排除しながらやるかということなんで、ちょっと、もうフランスの家族手当、ファミリーアロケーションだけれども、フランス語でアロカシオンファミリアールというのはシャンソンなんかの歌の文句に入ってくるぐらいの日常茶飯事で、アロカシオンファミリアールと言って分からないのは子供でもいません。それぐらいに人口に膾炙している組織になっているんで、これをちょっともう一遍少し、しばらく私もフランスを離れておりますので、もう一遍見て、そのプラス、マイナスも含めてちょっと検討して、また委員会の場やその場で、こういうプラスあってこういうマイナスあってそこをどうクリアするかというようなことを議論して、一つのアイデアとして、いい面もたくさんありますので、検討させていただきたいと思います。
○小林正夫君 私は、一人の収入だけではなかなか生活が難しくなっているという、こういう社会実態、こういうことを考えると、せっかく自分も採用されてその会社に勤めている、でも出産をした後、また復帰ができない、こういうようないろんなことを考えると、やはりそれを総括的に子育て支援をしていくという一つの制度、場合によっては一元化して、今言ったような子育て基金などを設けて全体的な対策をしていくことが必要じゃないかと思いますので、今日はその指摘だけしておきたいと思います。 最後になりますけれども、育児等のための短時間勤務などについてお聞きをいたします。 育児や介護の家庭的責任のために民間企業で短時間勤務をしている人は年間何人ぐらいいるか、厚生労働省の方で把握をしておりますか。
○政府参考人(村木厚子君) この短時間勤務をしている方の人数を直接調べた統計はございませんが、平成十七年度の女性雇用管理基本調査によりますと、労働者数五人以上の事業所において短時間勤務制度を導入している割合は三一・四%でございます。また、同じ調査によりまして、育児休業後、復職した女性に占める短時間勤務制度の利用者割合が一八・二%でございます。この数字を用いまして、粗い推計でございますが、平成十九年度時点で育児休業を取得する女性、これは育児休業給付の初回受給者数でとらえておりますが、これが十五万人でございますので、この割合を掛けますと短時間勤務利用者、およそ二・七万人というふうに推計できるかと思います。
○小林正夫君 具体的にきちんと調べた数字じゃなくて、推定するとそういう数字だというふうに受け止めたいと思います。 私は、国家公務員においてこの短時間勤務がどの程度取られているのか、こういうことを調べたいと思って幾つか問い合わせをいたしました。その結果、平成十九年八月一日から施行された育児のための短時間勤務の制度において、まだ始まって二年しかたっていないということなんですが、人事院のホームページによると、平成十九年度に取得した職員は百四十二名と、こういう数字になっています。これは、母数の職員数は三十万人ということであります。さらにまた、平成十一年から実施をされている国家公務員で育児や介護に係る早出遅出勤務等をしている人について人事院に問い合わせをいたしましたところ、これは、母数は一般職の非現業の三十万人、平成十八年度という調査なんですが、早出遅出勤務を行っている国家公務員の人数は、平成十八年度は、育児が千六百九名、介護は百十七名、これは全労働者に占める割合は〇・五八%、こういうことになります。ただ、出産した人に占める割合は、この数字は不明だと、こういうことでございます。 もう一つ、深夜勤務の制限をしている国家公務員の人数は、平成十一年度、育児で七十三人、介護で五人、平成十四年度、育児百十八人、介護二人。そして、超過勤務の制限をしている国家公務員の数は、平成十一年度二十八人、介護二人、平成十四年度では、育児が二十六人、介護二人、このような数字が、ホームページあるいは私がお聞きをしたところ、こういう回答が返ってまいりました。 私は、育児短時間勤務制度についても、早出遅出勤務並びに深夜勤務及び超過勤務の制限についても、正直言って利用者が少ないなと、こう感じました。こういう実態が民間の範たるビジネスモデルになっていくのかどうか、私はなっていないんだと思うんですけれども、大臣、このことをどう考えるんでしょうか。
○国務大臣(舛添要一君) 公務員の方からまずやれ、まず隗より始めよというのと、もう一つは民間がそこまで行っていないのに公務員から先にやるのかという批判が出てきて、例えば私は保育所というのを国会の中に設けるべきではないかと参議院の中で相当申し上げて、文部省の中にはありますね、今民間、職場に、職場がいいかどうかは別で、とにかくやっぱり働く人のために、病院だって院内保育所。それを言ったら議運の偉い先生たちにばか者と言われて、おまえ、またそんなことを、国会議員から先にそんなことをやったら袋だたきに遭うぞとか、公務員から先にそんなことをやるものじゃないと。まあ、そっちはそっちであるんですよ、非常に公務員に対する風当たりは強いですから。 だけど、まず隗より始めよということもあるので、ここは私は、今委員がおっしゃったように介護休暇なり育児休暇なり取るべきであって、それで短時間勤務というのは、実は今からの大きな切り札になると思っているのは、看護師さん、お医者さん、助産師さん。せっかく免許取られて、女性の場合に、子育てのためにいったん家庭に入って戻ってこられないんですよ。戻ってきてくださいと、人手が足りないからというと、一番の希望はこれ。だから、夜勤はできません、短時間なら戻りますよというので今度そういう制度を入れたので、医師不足や看護師不足の問題がこんなに大きくなってやっとそこまで来ました。なら、ほかの分野でもそういうことをやるべきじゃないかと思いますので。 これは、やはりまず隗より始めよというところの方を国民が見ていただければ有り難いなという気持ちを持ちながら、しかし非常に批判が多いので、官尊民卑、民もやらないのを官だけぬくぬくという御批判を受けないようにしながらということもあると思いますので、そこのバランスを取りながらやりたいと思っています。
○小林正夫君 そこで、近々中に政府の方から提出が予定されていると、このように聞いておりますけれども、育児・介護休業法改正案では、短時間勤務について、これまで事業主が講ずることをいずれか義務付けられている措置の一つであったのを、三歳に達するまでの子を養育する労働者に対する事業主による単独の措置義務とすることが盛り込まれるんじゃないか、このように聞いておりますけれども、現下の雇用失業情勢において、このことについて使用者団体の理解は十分得られている状況にあるんでしょうか。
○政府参考人(村木厚子君) 先生御指摘のような内容が、すなわち短時間勤務を単独の措置義務とするという内容が昨年末の建議に盛り込まれたところでございます。 事業主団体、審議会のメンバーの事業主団体の方々、経済情勢が悪くなる中で大変つらいことではあるが、少子化対策は喫緊の課題ということで、建議には使用者団体の方々にも御賛成をいただいたところでございます。
○小林正夫君 現下の雇用失業情勢において、雇用調整の一環として私は短時間勤務を強いられている労働者も、自分の意思とはかかわらずですね、そういう方も多くいるんじゃないかと思うんです。 したがって、この短時間勤務をどう位置付けるのか、どういうニーズがあるのか、また運用の仕方も含めて、もし国会に改正案が出てくるのであれば私は十分審議が必要と考えております。少なくともこの参議院ではいろいろ論議をさせてもらいたいなと、このように思っております。 育児休業法は先輩方が勝ち取ってこられた歴史的経過があると承知はしておりますけれども、その精神を生かすに当たっては現下の雇用失業情勢を踏まえる観点も必要だと思います。今、喫緊の課題は育児休業切りや保育所に入れない、この問題をいかに対応するか、このことが私は求められているものだと思いますので、最後にこのことだけ申し述べておきたいと思います。 以上で労働雇用関係の質疑は終わります。 次のテーマに入ります。 あと持ち時間が五分程度しかありませんので、今日は質問通告で成年後見制度と新型インフルエンザについてお聞きをしたいと、このように通告をしたのですが、るるお話をしていると時間がありませんので、大変恐縮なんですが成年後見制度のここが聞きたいという部分だけお聞きをしますので、御容赦願いたいと思います。 皆さんのお手元に資料三として成年後見人の解任という、どういう場合に解任ができるかということを法務省の方で作成していただき、今日お手元に資料を用意をさせていただきました。 実は三月十二日の予算委員会のときに私、この問題について取り扱いました。そうしましたら一般の視聴者の方から、その方も大分高齢なんですが、更に高齢のお母さん、この方の後見人を弁護士さんにお願いしてある、ところがその弁護士さんの動き方がどうも信用できないと、不信感があると、そういうことがあるんだという私は訴えをもらいました。そこで、この選ばれた後見人である弁護士さん、弁護士さんに限らないんですが、後見人を辞めてもらって別な後見人に頼みたいと。こういうことが発生したときに今、後見人の解任についてはどういうことの理由がないと解任ができないのかどうか、このことをお聞きをいたします。
○政府参考人(團藤丈士君) お答え申し上げます。 このお手元の資料三で整理させていただきましたとおりでございまして、成年後見人の解任事由でございますが、成年後見人が本人の財産を横領した場合など成年後見人に不正行為がある場合、また成年後見人の品行が甚だしく悪くその行状が本人の財産の管理に危険を生じさせる場合など、成年後見人に著しい不行跡がある場合、さらには財産の管理方法が不適当である場合など、成年後見人に後見の任務に適しない事由がある場合に解任されるということになってございます。 この解任の手続につきましては、この解任事由がある場合に親族等の申立て又は職権によりまして家庭裁判所が行うということとされてございます。
○小林正夫君 正直言って私も法律的には素人ですけれども、こういう理由があれば解任できるんだという話がありますが、実際にお願いした後見人の方がこういうことに該当するという、このことを証明することもなかなか大変だなと。逆に言えば、財産を管理するんだからそう簡単に後見人を解任できないような、こういうことが前提になっていると言われればそれでおしまいの話なんですが、でも、少なくとも後見人を選んでもらった、その後見人にどうも不信があると、犯罪を犯していないんですよね。だから、そういう場合について、自分としては後見人を替えたいと。このときになかなかそのことが進まないと。 この人が法律相談に行ったところ、解任できるのは後見人が病気になったときか死亡したとき、あるいは犯罪を犯したときに限られると、こういう説明を聞いてきたということなんですよ。ですから、今日は改めてここでは確認するんですけれども、でも、この内容でも、一般の人がこのことを証明することはなかなか難しいなと。 したがって、今言ったような事例があった場合にやはり解任が素人でも、解任ができると言っちゃおかしいんですが、取り組めるようなことも私は考えていかないと、後見人制度を利用した、後見人が選ばれた、でも選んだことによって本当に人生の最後の方で不幸な思いをしてしまう、あるいはいつも心の中でもやもやがたまってしまうという、こういう事態を私は避けていくべきだと、このように思いますので、是非こういう視点で検討してもらえばなと思うんです。 この成年後見制度については、本来ならば法務委員会の場での審議が正しいのかもしれないんですが、私は、これは日本の高齢対策としての一環として常に厚生労働委員会でこの問題を取り上げてきました。 そこで、時間もありませんので、私、大臣に提案なんですけど、この方からの訴えも、困ったときにどこに相談行ったらいいのか分からないというんですよ。今、後見人を選んだときにパンフレットみたいので一括した資料の中でもらえるようなんですが、私は、運転免許証みたく、小さな、いつでも財布に入れたり持ち歩けるような、何か常に、ここを見て連絡先が書いてある、あるいは市町村の福祉のところに取りあえず行ってみろとか、そういうような携帯できるような表示をする、こういうカード的なものを後見人を選んだときに渡してあげると、このことも私は大きな対策になるんだと思うんです。このことについてどうか、最後にお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(舛添要一君) 小林さんも私もそうですが、介護で苦労して、介護の社会化ということをやったときに、二つの車輪を動かそうと。一つは介護保険、これは比較的うまくいっているし、これだけ大きくなった。成年後見制度、こっちが普及しない。今言ったような問題も。それは、幾らこう決めていたって、認知症で困っている人の後見ですから、認知症の本人が、後見人、あなたがおかしいということが言えるはずないんです。 ですから、普及しない理由は何なのか、どこを改善すればいいか、今のような提案も含めて。私は、成年後見制度をもっときちんと日本国に定着させるべきだと思っていますので、これは是非この委員会も含めてみんなで少し検討せぬといかぬなと思っていますので、是非やりたいと思っております。
○小林正夫君 これで質問を終わりますけれども、やはり成年後見制度は介護保険の制度と同じようにスタートいたしました。やはり高齢対策あるいは認知症対策として私は大変大事なる制度だと思いますけど、今大臣おっしゃったように、なかなか普及しないのが実態なんですね。ですから、費用の問題とかいろいろ今日は質問したかったんですが、また別な機会でこの問題については取り上げさせてもらいたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 政府参考人の方については、いろいろ通告はいたしましたけど、質問できなかった項目があったことをおわびをしたいと思います。 ありがとうございました。終わります。
○梅村聡君 民主党・新緑風会・国民新・日本の梅村聡でございます。 本日は、一つは肝炎の問題、そしてもう一つは勤務医の方の宿直の問題、この二つを取り上げていきたいと思っております。 質問通告とは少し順番が変わりますが、先に肝炎の方を質問をさせていただきたいと思います。 今回、特にB型肝炎、これは平成十八年の六月十六日に最高裁判所において、過去の集団予防接種時に注射の針、筒を連続使用したこととB型肝炎ウイルスに感染したことの因果関係に関する争いについて、この原告の五名の方については国の責任というものが確定をし、そして賠償義務を認めたということになっております。 私、今日、是非質問させていただきたいのは、じゃこの五人以外の方で集団予防接種による感染ということを政府としてどのように考えておられるのかということをお聞きしていきたいと思います。 この質問に関しましては、平成十八年の十一月八日の衆議院厚生労働委員会、当時の柳澤大臣が、その可能性は完全には否定できないと答えられております。それから、平成十八年十一月三十日の参議院の厚生労働委員会では、当時の外口健康局長が、その可能性は否定できないと考えているが、具体的にどれくらいかということについてはなかなか把握が困難であると、このような旨の答弁もございました。 それから約二年半が経過をしましたが、現時点では、原告の方も二百八十五名の方が係争中ということでありますけれども、まずこの二年半の間に、じゃ、この五名以外の方に集団予防接種による感染の可能性のある方がどれくらいおられるのかと、可能性があるのかということに関して調査検討をこれまでされたかどうかということをお聞きしたいと思います。
○政府参考人(上田博三君) まず、結論を申し上げますと、御指摘のような集団予防接種によりB型肝炎に感染した患者さんを把握するための調査は次に述べますような理由から行っていないところでございます。 その理由でございますけれども、平成十八年の最高裁判決を踏まえたB型肝炎の感染経路についての実態調査を行うには、六歳までに注射器が連続使用された集団予防接種をまず受けていたこと、それから母子感染等その他の感染原因が考えられないことなどを明らかになる必要があると考えています。 しかしながら、まず注射器の連続使用が疑われる集団予防接種が行われたのは、おおよそ二十年から六十年ほど以前のことでございます。その当時の書類とか関係者の証言を集めるのが非常に困難であるという点がございます。また、B型肝炎の感染経路としては母子感染なども考えられるため、お母さんの血液検査などが必要となります。こういうことから、調査を広く行うことは極めて困難ということでございます。
○梅村聡君 調査をされていないということは今お聞きしましたけれども、それではこの五人以外の方に感染の可能性があるかどうかと、その可能性の検討ということもされておられないということですか。これは、おられるかどうかという話と可能性があるかどうかという話は少し違うと思いますけれども、可能性に関してはいかがですか。
○政府参考人(上田博三君) 可能性があるなしにつきましては、平成十八年の最高裁の判決におきまして、原告五人の方について注射器の連続使用の事実認定がされております。このような五人の方々以外にもそういう例があったということは当然考えなければいけないんだと、このように考えているところでございます。
○梅村聡君 少し前提を整理しておきたいと思います。 いわゆるこのB型肝炎のキャリア、持続感染者という方の感染経路については大きく二つに分けられて考えられます。一つは母子感染。お母さんから子供さんへというのが一つ。それからもう一つは乳幼児期に水平感染をしていくと。この大きな二つがまず考えられると。 成人期の水平感染はどうなのかと。これは欧米なんかでは一〇%ぐらいは原因であると言われておりますけれども、日本においては非常にそれはまれであると。例えば、免疫不全の状況であるとか、そういった状況であれば特殊な成人期の水平感染でもキャリアはあり得るけれども一般的にはまれであるということになれば、大きく分けて、カテゴリーを、お母さんから子供へと若しくは乳幼児期の感染であると。集団予防接種に関してはこの乳幼児期の感染という部分のカテゴリーに入るわけですよね、垂直感染ではありませんから。 となると、逆にお聞きしたいと思うんですけれども、乳幼児期の感染で集団予防接種以外で感染できるというケースを、具体的なケース、どんなケースが考えられるのかということを教えていただきたいと思います。
○政府参考人(上田博三君) 私どもすべて詳細に把握しているわけではございませんが、まず一般的に申し上げますと、B型肝炎に関する医学の教科書等によりますと、幼児期の水平感染の原因としては、まず医療行為による感染や家庭内感染などが考えられるほか、外傷を伴うような格闘でも感染が起こり得ると、このように言われています。また、事例としては、保育所の中で集団感染を起こしたりという事例も報告されているところでございます。
○梅村聡君 医療行為に関する感染というのは、これ、厚生労働省のマターになると思いますし、それから格闘というのは余り乳幼児期にはしないと思いますし、それから家庭内感染というのも、一般的には、教科書的にはB型肝炎の患者さんに対する指導として、日常生活は同じようにしていただいて結構ですよと。例えば、入浴であるとかお手洗いであるとかプールではこれは一般的にはうつらないんだから、決して患者さんを特別扱いにすることはないと。例えば、かみそりの共用はやめておこうとかということありますけれども、乳幼児期にかみそりは余り使わないわけですから。 そういうことを一つ一つ詰めていくと、これ、水平感染というのはかなり大きな部分を医療行為若しくは予防接種が占めているということは、これ概数として出てくるわけですよね。 舛添大臣に少しここでお聞きしたいと思います。 今、B型肝炎のキャリアの方は全人口の、いろんなデータがありますけれども、大体一%だと。つまり、日本でいけば一%ということは百二十万人ぐらいおられるということになります。その中で、じゃ、垂直感染と乳幼児期の水平感染、これ割合どれぐらいかといいますと、二〇〇一年の飯野四郎先生の慢性肝炎という文献によりますと、日本においては一九七〇年から八〇年当時では大体半々ではないかと。これは今、母子感染防止事業なんかがありますから少し割合変わってくると思いますけれども、半々ではないかと。そうすると、乳幼児期の水平感染によるキャリアの方というのは単純計算で六十万人と。数字は確定的なものではないんですけれども、少なくとも数十万単位でおられるということが推定はできると、推測はできると。 今おっしゃられたような家庭感染であるとか格闘とか、そういうことは日常生活の中では一般的には感染しないということがこれが前提でありますから、そう考えますと、こういった医療行為あるいは集団予防接種による感染ということが、具体的な数字はお聞きしませんけれども、数十人、数百人という単位ではなくて数万人、数十万という単位でおられると考えるのが自然かなと思いますが、この概算、概数に関しては大臣、どのようにお考えになりますか。
○国務大臣(舛添要一君) いろんな専門家の方が飯野先生含めて数字を出しておられまして、もう梅村さんもお医者さんですからよくお分かりだと思いますけれども、七割とか八割の方がむしろ垂直感染で二割、三割が水平だとおっしゃっている先生もおられますので、私自身が研究者じゃないので自分で特定できないとともに、まさに私が子供の時代はああいう予防接種の仕方をやっていましたから、そうすると、そのころそれが原因でかかったどうかの確定というのはやっぱり非常に難しいと思いますので、今、何対何ということはちょっと私からは断言できないと思いますけれども、いろんなそういう研究を見ても、例えば八割、つまり八割が垂直で二割が水平だという少ない数字だと、そうすると、百二十万の二割だと幾らになりますか、二十万、二十四万ぐらいになるので、その推定でも二十万を超えるという、そういう数字は出てくると思います。
○梅村聡君 つまり、五人以外は分からないということではなくて、可能性としては五人以外の方がおられるということがほぼ、確定とは言わないですけれども、かなり可能性が高いということになってきますので、二百八十五人の原告という、これ裁判事項なのでなかなかそこから先の議論は難しいですけれども、少なくとも厚労省としてそれはやはり調査をしていく、あるいは検討をしていくということが私は必須ではないかなと。五人以外はこれは調べられないから検討しないんだということには私はならないと思いますので、是非その点は私、提案していきたいと思っております。 じゃ、実際に予防接種の、これ一九四八年、昭和二十三年の厚生省告示の予防接種心得というものを見てみますと、これは当時の種痘ですね、種痘の針に関してはこの消毒を必ず受痘者一人ごとにこれを行わなければならないと、こう規定をされている。それから、腸チフス、パラチフスその他の予防接種については注射針の消毒は必ず被接種者一人ごとにこれを行わなければならない、こういう通知が出ております。 それから、BCGそれからツベルクリン反応に関しては、これは一九五〇年の二月の厚生省告示では、注射針は注射を受ける者一人ごとに乾熱又は温熱により消毒した針と取り替えなければならない、なお、注射器のツベルクリンが使用し尽くされたときはその注射器を消毒しないで新しくツベルクリンを吸引して注射を継続してはならないと、こういった記述があるわけです。 つまり、予防接種一般については昭和二十三年、BCGやツベルクリンに関しては少なくとも昭和二十五年の通達以降、注射器は一人ごとに取り替えて消毒し、接種しなければならなかったと、私はこの通知を読んでそう判断したんですけれども、この認識で間違いないでしょうか。
○政府参考人(上田博三君) 注射器と注射針とが少し扱いが違っておりますけれども、昭和二十三年に痘瘡、ジフテリア、腸チフス、パラチフス、発疹チフス及びコレラの予防接種心得を、また昭和二十四年にツベルクリン反応検査心得及び結核予防接種心得を定め、それぞれの被接種者ごと、すなわち接種を受けられる方ごとに注射針の消毒を義務付けたところでございます。 その後、昭和二十五年にツベルクリン反応検査心得及び結核予防接種心得の一部を改正しまして、注射針は注射を受ける者一人ごとに、乾熱又は湿熱により消毒した針と取り替えなければならないとしたところであり、また同規定はBCGも準用されているところでございます。
○梅村聡君 確認なんですけれども、そういうことは、一人ごとに取り替えて消毒しなければならないと、二十五年以降はそういう認識でよろしいでしょうか。
○政府参考人(上田博三君) 当時の規定を振り返りますと、注射針についてはそれ以降は明確に取り替えなければならない、注射器については使用前に煮沸することによって消毒をすると、このようなおおむね規定になっていると、このようなことでございます。
○梅村聡君 そこで、現実には、裁判の過程の中で実際は針の使い回しが行われていたということになったわけですよね。つまり、これ厚労省としては昭和二十五年以降、予防接種において注射針、まあ筒ですね、注射針ですけれども、注射針の使い回しの実態ということは、厚労省は把握されていたのでしょうか。
○政府参考人(上田博三君) 昭和二十五年からツベルクリン反応検査及びBCGについて、注射を受ける方一人ごとに注射針を取り替えなければならないとし、昭和三十三年からは痘瘡、ジフテリア、腸チフス、パラチフス、発疹チフス及びコレラについて注射針は被接種者ごとに取り替えなければならないと指導したところでございます。 しかしながら、平成十八年、最高裁判決におきまして、原告五人につき注射器の連続使用などの事実認定がされており、この五人のケースなどに見るように、指導の徹底がなされていない事例があったことは認めなければならないと、このように考えております。
○梅村聡君 把握されていたのか、されていなかったのかをお答えください。
○政府参考人(上田博三君) 私どもとしては、この最高裁判決の以前にはそういう事例を把握していなかったものと理解をしております。
○梅村聡君 把握していなかったということですね。 そうなると、じゃ、把握されていなかったということであれば、この昭和六十三年一月二十七日の厚生省保健医療局結核難病感染症課長・感染症対策室長通知の中の文章ですね、このツベルクリン反応検査のための一般診断用精製ツベルクリン溶液の注射についても、被検査者ごとに注射針及び注射の筒を取り替えることが望ましいと思われているので、関係者に対し指導されたいと、こういう文書を出されているんですよね。把握されていなかったら、どうしてこの文書を出されたんですか。
○政府参考人(上田博三君) 御指摘の通知でございますが、昭和六十年十一月十三日にWHOより、肝炎ウイルス等の感染を防止する観点から、予防接種の実施に当たっては注射針のみならず注射筒も取り替えるべきであるとの意見が出されたことから、各都道府県あてに通知をしたものでございます。 WHOの意見は、予防接種を行う際の接種器具の取扱い方法を示したものでございます。これを受け、予防接種の実施に当たっては、注射筒も被接種者ごとに取り替えるように指導したところでございまして、このようなWHOの指導があり、当時はエイズの問題もあったんではないかと思いますけれども、そういうことでこのような通知を出したものというふうに考えております。
○梅村聡君 そうしたら、そういうことが全く知らなかったけれども、通知は一応出したと。 そうすると、ここに望ましいと書いてあるんですよ。大臣、望ましいというのは、本当にこれをしてはならないという話であれば、これは確実に替えるべきだと指導するわけであって、これ望ましいと書いてあるわけですよ。つまり、把握はしていないけれども、WHOが言ったので出したと。だけど、やっていない、認識は何もしていなかったけれども、この表現としては望ましいなんです。 これ大臣、今の答弁聞かれて矛盾していると思われませんか。
○国務大臣(舛添要一君) 私や小林さんが小学校のころに、やはり記憶が、完全に覚えていない、どういうふうにやっていたかな、何か次から次と打たれていたような記憶があるんです。だから、針替えていたかもちょっと分かりません、我々の記憶はもう五十年以上前ですから。ただ、筒までどうするかというのはその当時は、昭和二十三、二十四年は、その私も今のやり取りの通達聞いていて、そこまではなかったわけですね。それで、WHOがその筒も替えないといかぬというようなことを六十三年か、それを出したということなんで、これは感染源、HIV含めてなるのであれば、これはやめぬといかぬですよね、基本的に。 だから、そこをちょっと、経過、なぜそういうふうになったかもう少し調べさせていただきますけれども、これは少しでも感染の原因があるとすると義務化すべきじゃないかと、今のやり取りを聞いて思いますので、少しよく六十三年当時のこと、背景、そういうのを調べてみたいというふうに思います。そして、替える必要があれば直ちに替えたいと思います。
○梅村聡君 ここは非常に重要なところなんですよね。個別の事例は、これ裁判でできます。だけど、厚労省としての行政どうだったのかと。これ、今後にもつながりますよ。 今後もこういうことがまた体質として残っているというのは私は非常に問題だと思いますので、是非これは検討をしていただいて検証していただきたい。後日これはまた質問を、機会をつくっていきたいと思いますので、是非検証のほどをよろしくお願いをいたします。 それでは、肝炎については後日またさせていただくということで、次は勤務医の方の宿直の問題について質問をさせていただきたいと思います。 この問題に関しては、先日も森田高議員が舛添大臣と議論をされたということでありますけれども、これはやはり非常に難しい問題がございます。 最初に、この質問をするに当たって私の考えを申し上げますけれども、非常にグレーなゾーンが今現状あると。中には、労働基準法をなかなか守れない、これは遵守しないということではなくて、守れないという現状が実際にはあるわけなんです。 そんな中で例の愛育病院の立入りが起こったということで、私も今日質問するに当たって、これは、じゃ今すぐ立入りをして、じゃ宿直許可取り消せとか、それから救急の告示を返上しろとか、そういうことを言いたい話ではありません。ですから、明日にどうこうというわけではないです。だけど、一方でこの問題、今までパンドラの箱が開けられていなかった。そこに切り込まないと、本当の意味での今の勤務医の問題、医療の改革ということは私はできないと思いますから、あえて今日はこの問題を取り上げさせていただきます。 それではまず厚労省にお聞きいたしますけれども、今回、医療法のまず十六条というところについて質問をしたいと思います。 この医療法十六条とは何なのかといいますと、これは前半部分に、「医業を行う病院の管理者は、病院に医師を宿直させなければならない。」と、こういう文章がございます。この条文の意義と、それからこの条文における宿直の定義ということを教えていただきたいと思います。
○政府参考人(外口崇君) 医療法第十六条は、医業を行う病院について、緊急治療に支障を来さないように医師の宿直義務を要求した規定であります。お尋ねの宿直につきましては、医療法上の定義はありませんが、一般的に外来診療を行っていない時間帯に入院患者の病状の急変等に対処するため、医療機関内に拘束され待機している状態をいうと考えております。
○梅村聡君 ありがとうございます。 それでは次に、お手元に資料をお配りしました。これは平成十四年三月十九日の局長通達ということで、これは通達、医療機関における休日及び夜間勤務の適正化についてという文書がございます。それでは、この文書の中での宿直の定義というのをお教えください。
○政府参考人(金子順一君) まず、労働基準法におきます宿直につきまして御説明する前に、労働基準法の労働時間に関する規定でございますが、御紹介をさせていただきます。 御案内のとおり、法定労働時間一日八時間、週で四十時間ということになっております。これを超えて労働させる場合には割増し賃金を支払う必要があると。こういう規定を受けまして、その上で、労働基準法におきましては、宿直につきまして、仕事の終了、一般的には通常の勤務時間の後ということでございますが、この終了から翌日の仕事の始めまでの間、この間につきまして、原則として普通の仕事は行わないと、ただ労働者を事業場に待機をさせるというようなことで労働基準監督署長の許可を受けた場合に、今冒頭申し上げました労働基準法に基づきます労働時間規制、これにつきまして適用がされなくなるという法律的な効果をもたらす、そういった勤務形態につきまして、宿直という概念を置いているところでございます。 その宿直の許可に当たりましては、それぞれの実態を踏まえまして一定の基準を設けまして許可を行っているところでございます。
○梅村聡君 二つの質問を大臣、今させていただきましたけれども、ここから明らかになることは、医療法で言う宿直は、これは緊急の急変であるとかそういうものに対して対応するためにドクターの方が病院の中に常に常駐をしていると、働き方に関してはこれは限界はないわけですね、あくまでもいるということがこの十六条での宿直の意味であると。一方で、今の労働基準法上の、この平成十四年三月十九日の通達でもありますように、こっちの宿直は働き方というのが決められている、基準があると。その働き方を超えた場合には、例えば時間外労働が超えてしまう、あるいは通常の昼間と同じような勤務体系が続くという場合には、これは宿直許可を出さないわけですから、労働基準法上の宿直にはならないということですね。 つまり、今確認しておきたいのは、大臣にお願いしたいんですけれども、労働基準法上の宿直と医療法上の宿直というのは、これは概念は異なっている、医療法上の宿直の中に労働基準法上の宿直が入っていると、その確認をしたいんですけれども、その解釈でよろしいでしょうか。
○国務大臣(舛添要一君) 大変いいポイントをおっしゃっていただいてありがとうございます。 まずその前に、冒頭おっしゃった認識、全く私同じなので、まさに労働基準法の宿直の概念と医療法上のは違うんですね、別の概念。厚生労働大臣を引き受けてやっていたときに、これだけ大変な分野が広がっていることについての悩みがあるとともに、実を言うと、勤務医の問題、最初から、足立委員なんかもよく一緒に研究していたわけですから、そうすると、片一方で厚生大臣として医師不足をやらぬといかぬ、片一方で労働大臣としてこっちの問題を見ないといかぬ、まさに概念違うんですよ。その矛盾をどう解決するかを実は悩んできて、しかし、発想を逆転して、まさに二つの省が一緒になって一人の人間がやっているんだから、もっといいことできるんじゃないかと思って今やっていますので、是非この今のいい質問を基に更にいいことをしたいと思いますが。 ちょっと前置きが長くなりました。全く二つ、別の概念でございます。
○梅村聡君 ありがとうございます。認識としては私と全く同じだということがよく分かりました。 そこで、じゃ、この労働基準法における宿直という概念の中では宿直許可というのがございます。この宿直許可を取らなければこの宿直という扱いができない。宿直ができないというわけではないんです。宿直許可を取らなければ三六協定を結んで時間外労働を、賃金を支払わないといけない若しくは完全交代勤務にしなければいけないと。ですから、宿直許可というのは、なければ宿直ができないという意味ではなくて、なかった場合には確実に三六協定を結んで時間外労働を認めて、そして賃金を払わないといけない、そういうものでありますよね。 そこでお聞きしたいんですけれども、平成十九年十月時点の全国の病院総数は八千八百六十二病院ございます。この八千八百六十二の病院の中で宿直許可を取っている病院の数を教えてください。
○政府参考人(金子順一君) 少し前の数字で恐縮でございますが、平成十四年度に調べた数字がございまして、この労働基準監督署長によります許可を受けている医療機関の数は、これは今委員の方から病院の数ということでお話がありましたが、こちらは診療所も含めてということになりますが、約六千六百という数字を把握しているところでございます。
○梅村聡君 八千八百のうち六千六百が宿直許可を取っていると。この中には診療所も入っているわけですから、少なくとも二千二百、全体の病院の四分の一の病院は宿直許可を取っていないということですね、四分の一の病院が。 そうすると、今のお話の流れでいくと、全体の病院の四分の一は、これは宿直許可を取っていないわけですから宿直扱いできないわけです。となると、全体の病院の四分の一は必ず三六協定を結んで時間外労働の時間を決めて割増し賃金を払っていると、そういう話に理論上はなるはずなんです。それは把握されていますか。
○政府参考人(金子順一君) 宿日直の許可を受けていないケースの労働基準法に適合した対応ということで申し上げますと、今委員から御指摘がありましたように、時間外労働としてこれを行うということですが、これ以外にも、交代制というものを取りますと通常の所定労働時間ということでカウントすることも可能かと思います。 今、全体としてどういった対応をしているかについては、数字その他については把握をしておりません。
○梅村聡君 全体の四分の一が交代制をやっているとは私とても思えないんですよ。これは私の感想ですから聞き流していただいて結構ですけれども、絶対に四分の一はこれ交代勤務なんかはできない、これは絶対にできないんですよ。 それで、じゃ、逆の質問をさせていただきます。 そうなると、逆に救命救急センターあるいは二次救急医療機関、これはもう常に患者さんやってきますね、常に患者さんがやってくるような機関、これはすべて二千二百の中に入っていると考えるのが自然ですよね。つまり、この常時来る医療機関が、これ平成十五年十二月二十六日に厚生労働省の労働基準局監督課長名で出された文書の中にどこからどこまでを宿直に扱うかということが述べられています。この中では、一か月のうち救急患者に医療行為を行った日数が十六日を超える場合は救急患者に対応するのに要した時間がおおむね一時間を超えるものについていわゆる宿直許可基準上での宿直を認めていますという文書がこれ出されているわけなんですよね。 ということは、これ、地方の例えば救急病院と都市の救急病院、これいろんな状況があるので一概には言えませんけれども、一般的にはこれ救急告示をしているということは常時患者さんがやってくるということを前提にされているわけですから、そういったところではこの二千二百の方にすべての救急病院あるいは二次救急医療機関が入っていると考えるのが自然かと思いますが、その点に関してはいかがでしょうか。
○政府参考人(金子順一君) 大変申し訳ございませんが、救急の状況につきましては、救急指定を受けている病院の中でもいわゆる宿日直許可を受けて運営をしている病院があるということは把握をしておりますけれども、全体の数字の状況といいますか、全体像については今把握した数字を持っておりませんので、申し訳ございませんが御理解いただきたいと思います。
○梅村聡君 全部把握し切れておられないと思うんですけれども、それではこれ、実際にもう常に患者さんが夜中にやってくると、夜も昼間と同じような状況で働いている病院があったとして、じゃ、その状況があれば宿直許可ということを取り消すということはあり得るんでしょうか。 これは、先週、私の事前のレクチャー、厚生労働省から受けたんですけれども、宿直許可のこの基準ありますね、この資料の(5)のところに書いてあります。「宿直のために泊り込む医師、看護師等の数を宿直の際に担当する患者数との関係あるいは当該病院等に夜間来院する急病患者の発生率との関係等から見て、上記の如き昼間と同態様の労働に従事することが常態であるようなものについては、宿直の許可を与える限りではない。」と、こういった部分がございます。 これに対してどういう説明を受けたかというと、これは病院として最初に宿直許可を受けるかどうかの判定に使うものであって、途中からその状況になったからといって宿直許可を取り消すものではないという説明を受けたんですけれども、この説明は間違いございませんでしょうか。
○政府参考人(金子順一君) この通達の趣旨は、その許可に当たりましての基準をもちろん示したものでございます。 ただ、労働基準監督機関といたしましては、その後、やはり法令の遵守が適切に行われているかどうかということにつきましてやはりきちんと確認をしていくというのが使命でございますから、可能性の問題ということで申し上げれば、いろいろな指導、助言、時間を掛けて丁寧に今やっているところでございますけれども、もう可能性のことということだけで言えば、この労働基準法を遵守し得ない状態というのがはっきりした場合には当該許可を取り消すということもこれは当然あり得るということではありますが、基本的には、現在は粘り強くその適正化に向けた指導をしているということでございます。
○梅村聡君 そうなんです。私もおかしいと思ったので、実際、東京都の宿直勤務許可書を取り寄せてみました。その中にきちんと書いてあるんですね。この許可書の中には、「通常の労働に従事させる等許可した勤務の態様と異なる勤務に従事させないこと。」とまず書いてあるんですね。で、「なお、この附款に反した場合には、許可を取り消すことがある。」と、きちんと明記がされているわけなんですね。 ですから、これ、もちろん今御努力をされていると、いろんな指導をされているということがありますが、じゃ実際に救急告示病院あるいは昼間と同様の働き、夜にですね、夜間勤務としてある実態の病院に対して、一つはこれ取り消して三六協定結んできちんと賃金払いなさい、時間外労働守りなさいという指導の方法と、それから今局長がおっしゃられたような、宿直許可は取りあえず認めておくけどそれに見合うような労働態様になるように指導すると、二つの道があるわけですよね。私は前者の方が法的にはすっきりしていると思うんですが、じゃ仮に局長が今おっしゃったような、この宿直許可を認めた上でその条件を満たそうと思えばどういう指導をされるんでしょうか。
○政府参考人(金子順一君) まず、ちょっとこの間の経過につきまして簡単に御説明させていただきたいと思います。 委員からお示しいただきました資料、平成十四年の通達でございますが、当時、この宿日直許可につきましてやや適切を欠く運営が行われているんじゃないかというようなこともございまして、通達を発出いたしまして、全国の六千六百の許可を受けている医療機関に対しましてまず自主点検をしていただきました。その上で、宿日直の適正化を図る必要があると認められた事業所、約二千七百でございますが、これらの事業所、病院につきましては集談会のようなことでお集まりいただいて、労働基準法の趣旨あるいはこの許可の基準に則した適正な運用ということにつきまして要請をしたわけでございます。 その上で、更に個別に問題があるというところにつきましては、労働基準監督機関の方で個別に病院の方を訪れまして、お話をさせていただいているということでございます。その際、どんな内容の指導をするんだということでございますが、できる限り自主的、計画的に改善が進められますように、具体的な工夫例も示しながら粘り強く指導しているということでございます。 もとより、交代制労働にしていただくとか、それから必要な医師の確保を図っていただくという抜本的な解決策ということがなかなか難しい状況の中で、例えば労働時間法制の中には変形労働時間制というようなこともございます。それから、宿日直の許可につきましても、実際に救急で忙しい時間帯がかなり限られているのであれば、そこは外していただいて、それ以外のところを宿日直許可にしていただくとか、それぞれの病院の実情に即しまして労働基準法の枠の中で何とかできないかということで、監督署の方でも知恵を出させていただいて病院の方とお話をさせていただいている。こういうことを積み重ねながら、適正化に向けまして私どもとしては粘り強く御指導、御説明を申し上げている、こういうことでございます。
○梅村聡君 交代勤務制を勧めるということ、これは正しいことだと思います。しかし、今お聞きしていて思ったのは、なぜそこまで宿直許可の範囲内で解決ということにこだわるのかなと、私は少し思いました。例えば人員を増やすとか、例えば愛育病院なんかは新聞報道では人員を増やせということが指導されたということにお聞きをしております。 しかし、これ大臣に少し感想をお聞きしたいんですけれども、宿直許可の出ている宿直の条件の下で人の数を増やしても、これは解決しないんですよ。なぜならば、十六日以上救急患者さんが来られる病院、これは周産期センターでもそうですけど、一時間までだったら宿直許可基準だということになれば、これ一人の宿直医を三人にした場合、どんな状況になるか。A先生とB先生とC先生、三人まず寝てくださいと。A先生がまず呼ばれて、とにかく一時間余働くまでA先生が働き続けると。一時間働き、タイムリミットが来たら、次、B先生起きてくださいと。B先生がまた働き続けて一時間まで行ったら、またC先生が次出てくると。 そういう状況にしなければ、宿直許可の下で人数を増やしても合法的にはならないわけですよ。現実的にそんな働き方をしているかというと、私は絶対それはあり得なくて、これ、だれにとっても何のメリットもないんです。一つは、病院側にしてみたら三人分宿直代払わないといけない。働くドクターの側からいうと、拘束回数三倍になるわけですよね。 つまり、一般的に見て、さっきおっしゃった交代勤務にするという、これの指導は正しいと思います。しかし、人員を増やすということに関しては、これは宿直許可の下で満たしていくというのは、理論的にはあり得るんだけれども、非現実的じゃないかなと私は思います。 そこで、取り消すということは、やるかやらないかということはおいておいて、大臣、今の局長の御説明を聞いて、実態と比較してどういう感想をお持ちになられますか。
○国務大臣(舛添要一君) まず、同じ宿直という言葉が使われていて、二つの法律上概念が違うと、これは余り法治国家としてはよろしいことではないと思っています。ですから、せっかく厚生省と労働省が一緒になったんなら、こういうところを手を付けぬといかぬわけですよ。ですから、概念を変えるとか、これはみんなで考えて法改正をすればいいんで、まずその作業はいずれやらぬといかぬというように思っています。 それから次は、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、根本は医師不足や勤務医の過酷な労働条件、これをどうするかということなんで、あらゆる施策を使ってやらないといけない。その施策の中に、この四月から、長期的には医学部の定員を増やすとか、それから緊急医に対して直接的な財政的な支援をするとか、短時間勤務を満たすとかメディカルクラークをやるとか、一連の新政策ありますね。それとともに、どうせあるんだから、労働基準法という武器もそのために使おうと、こういう観点から今やると。 それで、病院を取りつぶしたり、おまえ許可しないぞとかいうことが目的じゃなくて、良くするためですから、まず労働基準局が入る、まず実態を把握する。これはちょっとひどいじゃないですかと、こういう手がありますよと、こういう手で改善してください。だから、愛育病院も、ぱあっと報道が先行して、あれで周産期なくなる。そうじゃなくて、今おっしゃったように三六協定をちゃんと結べばできるわけですから、こうやってくださいよと言って、都とも話をして、今そういう方向に向いています。 だから、あくまで立ち入るというのは、つぶすためじゃなくて、残して良くするために改善策をやるわけですから、今おっしゃったように、やっぱり交代制というのは、医師の数が少ないところでなかなか難しい。そうすると、やはり本当はそこまで行くのに、頑張って今やっていますけれども、すぐは行かないんで、取りあえずはそれは、あれだけ働いたら賃金を上げると、こういうところからでも相当助かりますから、そういう方向への誘導の方が私は正しいなと思っています。 でも根本は、同じ省が持っている二つの法律で同じ言葉が書いてあって概念が違うというのは、ちょっとこれから含めて少し検討する必要があると思いますんで、できれば本当に勤務医の方々が働きやすい状況になる、そして救急であれ周産期であれ入ってきた患者さん、国民の命が必ず救われる、その体制にするために使える法律、使える武器は使おうということなんで、非常に大事な指摘だと思いますんで、そういう方向での指導ができるように、これは労働大臣としてもやっていきたいと思っています。
○梅村聡君 もちろん労働基準法を使って、闘うという言い方は変なんですけれども、やる方法はあるんです。あるんだけれども、そこは医療者側も良心があって、それやっちゃったらうちの病院、もうできないよねと。そこまで、じゃ同じ経営者をやることによって地域医療を崩壊させたら、どうするんだと。そこで、まさに現場が、じゃ自分の自己犠牲を背負ってやろうという、今そういう取組をしているわけなんですね。 やはりこれ難しいのは、医療は、一つは医療機関のインカム、収入は診療報酬ということで規定をされているわけです。それから、人員も、これは医学部の定員、国家試験のそれに合格率を掛けるんですけれども、それによって規定をされているわけですね。だから、そこの部分をフィックスされてしまって、そして基準を改善しろという指導が入ってくると。ですから、その両手、両足が縛られている状況で、それを改善しろというのは、これは非常に難しい問題なんですね。 これを実は最後に少し大臣と議論をしたいと思いますけれども。その前に、今回の補助金事業、救急医療対策支援事業というのがこの四月一日から、二十億四千四百九十六万七千円の予算が付けられて四月一日からスタートをしました。 私は、これ、非常に前進だとは思っています。というのは、これまで三次救急が手厚くいろんな診療報酬を付けられたと。しかし、今の救急医療の問題は、実は二次救急が破綻をすることによって、行き詰まることによって、その患者さんが三次救急のところに押し寄せてくる。結果として、三次救急もうまくいかなくなっている。ですから、本当に実は手を入れなければいけないのは、これは二次救急医療なんです。ここをまず壊さないということが私は大前提だと思っています。 そんな中で、今回のこの補助金事業はどういうものかといいますと、勤務医のドクターに手当を出すんだと。その積算単価としましては、救急当直等一回当たりにつき、土日祝日の昼間は一万三千五百七十円、それから夜間は一万八千六百五十九円、これを積算単価として設定するということになりました。ところが、この補助金の負担割合が、国が三分の一、都道府県が三分の二以内、市町村が三分の二以内、事業主が三分の二以内ということになっているわけですね。仮に、都道府県、市町村が、これ負担しないよと言ってしまえば、これ、当然三分の二を事業主である病院側が負担をしなければいけないわけです。 ここが、多分、厚労省側からは、本来一万八千円あげる分の六千円を補助してあげるんだという論理だと私は思います。しかし、大臣、これ、今その救急を担っている民間病院も、公立病院ももちろんそうですけれども、非常に財政が今厳しいわけですよね。私もこれ、いろいろ調べてみました。公立病院は今いろいろと言われていますけれども、これ、民間病院も、この福祉医療機構から借入れを起こしている約六百の急性期医療を中心とした民間一般病院の収益率、この平均値を見てみると、平成十五年には一・八%だったものが、平成十九年にはマイナス〇・三%になっている。ですから、もうこっちも一円も出せない。救急やったら、むしろコストからいうと一件当たり四万円とか、それぐらい取らないとやっていけない状況で、補助金は有り難いんだけれども、更に自分たちが出さないといけないのかと。 本来は、例えばこれは真水で、その分をすべて国庫負担として出すであるとか、あるいはもっと言えば、原理原則からいえば、診療報酬でそこの部分は手当をすると、これが私は基本だと思っています。 今年は診療報酬改定の年ではありませんので、緊急対策としてこれをつくられたと、私はそれには一定の評価をしますが、その国庫の負担分の入れ方であるとか、あるいは事業主の負担である診療報酬に将来付けるのかということも含めて、この出し方というのは、私は今の現場の本当に危機的な状況をまだまだ肌で感じておられないのかなと思いますけれども、この点に関して大臣の御所見をお願いしたいと思います。
○国務大臣(舛添要一君) 現場が非常に大事だというのは、少なくとも私は認識をしております。 それで、国が三分の一、それから都道府県が三分の二以内、事業主も同じだと。ただ、やっぱり医療は都道府県が現場ですから、全部の医療方針の策定する主体というのは都道府県になっていますから、これが責任を放棄することは絶対許すわけにはいかないので、それは知事会と議論すると、もういかに地方財政が大変かというのは入ってきています。だけれども、そこは優先的にきちんと弾力的に運用ですから、三分の二満額と言っていないので、それは弾力的にやってくださいと。その分、じゃ病院の経営者にいかないようにするか、どうするかという問題があります。 それと、やっぱり今ちらっとおっしゃいましたけれども、二年に一回の改定なものだから、どうしても、例えばここで議論されているようなことがすぐ診療報酬に直結するかというのは、クッションがあって、まさに私に言わせると隔靴掻痒なので、この中医協の在り方を含めて、診療報酬の在り方を含めて議論した方がいいんじゃないかというようなことを私は思っています。 そういうことで、言った途端にいろんな批判も受けますけれども、まずそれが第一点。 それで、ただ、今言った現場が非常に厳しいので、今、補正予算という形で新たな経済対策を策定しています中に、地域の現場が基本だということで地域医療を充実させるための予算を相当付けるべく今財務当局とこれは折衝しているところなので、この財源も使うことによって、今委員が御懸念のようなところを何とか解決したいというふうに思っておりますので、弾力化で今できる、診療報酬改定でない、できることをやって、更にもう一歩やりたいと思っていますので、危機意識を持ってきちんと対応したいと思っております。
○梅村聡君 ちょっとだけ視点を変えて質問をしたいと思うんですが。 これ、元々は勤務医の宿直問題で始まった話なんですけれども、患者さんの視点というのをちょっと忘れていると私たちも思っていて、これ、当直明けの先生に手術してほしいかなと。 これ、超党派の議員連盟でも、医療現場の危機打開と再建を目指す議員連盟でも話題になったんですけれども、二十四時間覚せいしている人間の注意力というのは、これはアルコール濃度血中〇・一%と一緒なんだと。これ、ビール大瓶二本を飲んだのと同じ血中濃度の方が二十四時間覚せいした方だと。 一般の方がビール二本飲んで運転したら、これもうすぐ警察行きですよ。それから、タクシーとかバスの運転手さんなんかでも、大阪の吹田ででもスキーバスがずっと人員削減の中で走ってきて橋脚にぶつかって亡くなられたという、あれも非常に労働の問題として考えないといけないという中で、患者さんの利益から考えて、受ける不利益から被って、この労働実態というのが許されるのかなと。こっちの観点から実は私は本来入っていかなければならないと思いますけれども、大臣、御所見いかがでしょうか。
○国務大臣(舛添要一君) まさにおっしゃるとおりで、お医者さん、お医者さん、二つ飛んでお医者さんと。そっち側にもお医者さん、歯医者さん、そこもおられますから、半分ぐらいはこの厚労委の中は医療関係者なんですけれども、どうしてもそうすると医療サービスの提供者の側からのさっきの話になっちゃうので、やっぱり受益者、圧倒的多くの国民をどう守るかということの視点を忘れちゃいけないと思うので、全くおっしゃるとおりだと思います。 ですから、そのためにも、まさに医療というのは財源が必要で、国家財政の足を引っ張る大元凶だみたいなことで残念ながら来た面がありますよ。ですから、そうじゃなくて、まさに人の命が救われる、その人がまた一生懸命働いて社会に貢献する。世の中明るくなりますよ。 それは、医療ミスや何かで亡くなったなんというのがあると、それは家庭も社会も暗くなるし、ミスを犯すような状況に置かれた勤務医も大変になりますから、やはり私は、これは未来と希望への投資だと、医療というのは。そういう意味で、国民には御負担をお願いするけれどもそういう哲学でやるんですよということでやりたいと思いますので。 それは、私も大きな手術を受けたことありますけれども、そのときは、これは目の網膜剥離の手術で緊急手術をやったんですが、その先生、まあ眼科だからこれは当直明けじゃなかったと思いますので安心して任せましたけれども、内臓とか外科だったらやっぱりちょっとやめてくれよと思いますね。という気がしますので、全く問題意識は共有しております。
○梅村聡君 今まさに大臣、最後に私が大臣のお答えしていただきたいこと、質問の一個前におっしゃられたんですけれども、実はこの宿直の問題は三つの観点からお話をしないといけないと思います。 一つは、先ほど申し上げたような勤務医の方の労働環境の問題。それから二つ目が患者さん側からの問題。そして三つ目は、先ほど基金であるとか補助金という話をされたんですけれども、私はこの、大臣いつもおっしゃられているのは、給付と国民負担の議論というのは常に必要だということをおっしゃられておられたと。その中で、例えば消費税の問題であるとか、私は消費税へ行くよりもまず保険料をどうするのかとか、そっち、保険料方式を維持してどうしていくのかということがまずは基本だと個人的には思っていますけれども、いずれにしてもそういう財政とそれから国民負担と給付の問題と、これ常に議論をしないといけないわけですよね。そこに、今大臣がおっしゃられたのは、補助金あるいは基金ということをおっしゃられた。しかし、本当に国民負担を議論するためには、これコストをきちんと国民の前に提示をして、そして、実は本当の必要な救急医療体制をつくるには宿直許可でごまかしごまかしやっていては駄目なんだと。本当は、この一つの病院に何人のドクターがいて割増賃金どれだけ払わないといけないんだ、だからそのコストを吸収するために診療報酬はこの値段にしなければいけないんだと、この議論をしないといけないわけですよね。 それから、診療報酬の決定の仕方としては、これ積み上げ方式ですから、だんだん今コストが吸収できないようないろんな値段設定が出てきているという中において、先ほど労働基準局長がお答えになった宿直許可の問題であるとか三六協定のお話も、現状ではそのお答えしかできないというのは私は認識をしています。しかし、国民の方に、今医療費がGDP比八%だからこれを増やすために国民負担をお願いしますねと言ったって、これは納得できないんですよ。本当に国民の方が、じゃそれだったら、その負担をするんだったら、こっちの救急病院はじゃ縮小して、その代わり負担はこれぐらいにしてよとか、いろんな議論をするときに、本当の法制上正しい働き方をして人員を配置してコストを掛けたときにどれだけの負担が要るんだということを国民の方に示さないと議論できないんです。 これは、会社経営されていたとお聞きしましたから、例えば銀行から企業が融資を受けるときも、この物を単価幾らで売るのかと、どれぐらいの収益が出るのかという計画を出さないと銀行はお金なんか貸してくれないんですよ。うどん屋さんで一杯うどん幾らで売るんですか、いや、これ言えないよ、企業秘密だからといって、それで融資なんかは受けれないわけで。 ですから、私が三つ目の観点として、先ほどの労働基準局の方に対する反論としては、本当の正しい意味での働き方、そしてそれによる医療の提供の仕方、ここを、パンドラの箱を開けることになるかもしれませんけれども、今まさにここに切り込まないと国民負担の問題にもつながってこないんです。医療費を増やすということにもつながってこないんです。 ですからここは、労働基準局からいうといろいろ今の制度の中での仕組みということをおっしゃられますけれども、私はここは勇気を持ってパンドラの箱を開けて議論をするときが来ていると思いますが、それに関して舛添大臣、取り組むおつもりがあるのか、あるいはそのパンドラの箱を開ける決意がおありになるのかどうか、最後にお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(舛添要一君) 先ほど申し上げましたように、一人の人間が旧厚生省と旧労働省を大変な仕事ですがやっていることの意義がまさにそこにあるというように思っています。 ただ、開けようとしたときに閉めろというのが、物すごい圧力が外にはあります。しかし、これは国民のためを考えてきちんとやりたいと思いますので、是非またそういう議論をこの厚生労働委員会でも続けていければというふうに思います。私は、この委員会はそういう意味で非常に、今朝二人の方との御議論をさせていただきましたけれども、大変この世の中を前に進める大きな原動力になっているということでうれしく思っております。
○梅村聡君 もうこれからも、このことに関しては常に問題意識を持って質問をさせていただきたいと思いますので、是非これからもよろしくお願いいたします。 ありがとうございました。
○委員長(辻泰弘君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十九分休憩 〔休憩後開会に至らなかった〕