決算委員会 第9号
- 発言数
- 263 件
- 登壇者
- 39 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2009/06/22
会議録
○委員長(家西悟君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る十九日までに、山下芳生君、古川俊治君、大河原雅子君、近藤正道君、松あきら君及び森田高君が委員を辞任され、その補欠として仁比聡平君、丸山和也君、金子恵美君、又市征治君、西田実仁君及び亀井亜紀子君が選任されました。 ─────────────
○委員長(家西悟君) 平成十九年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、平成十九年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、平成十九年度特別会計予算総則第七条第一項の規定による経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)、平成十九年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、平成十九年度特別会計予算総則第七条第一項の規定による経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)、以上の五件を一括して議題といたします。 まず、財務大臣から説明を聴取いたします。与謝野財務大臣。
○国務大臣(与謝野馨君) ただいま議題となりました平成十九年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)外二件及び平成十九年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外一件の事後承諾を求める件につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、平成十九年度一般会計予備費予算額二千五百億円のうち、平成十九年四月十三日から平成二十年一月十七日までの間において使用を決定しました額は五百九十七億円余であり、その内訳は、災害対策として、地方道路公社有料道路災害復旧事業に必要な経費等の四件、その他の経費として、特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第Ⅸ因子製剤による特定C型肝炎ウイルス感染者等に対する給付金の支給に必要な経費等の十五件であります。 次に、平成十九年度各特別会計予備費予算総額一兆三千二百十億円余のうち、平成十九年十一月六日に使用を決定しました総額は五百四十九億円余であり、これは、食料安定供給特別会計麦管理勘定における麦の買入れに必要な経費であります。 次に、平成十九年度特別会計予算総則第七条第一項の規定により、平成十九年六月二十九日から平成二十年一月二十九日までの間において経費の増額を決定しました金額は六百十六億円余であり、その内訳は、道路整備特別会計における道路事業の調整等に必要な経費の増額等五特別会計の十一件であります。 次に、平成十九年度各特別会計予備費予算総額一兆三千二百十億円余のうち、平成二十年二月二十二日に使用を決定しました金額は十四億円余であり、これは、森林保険特別会計における保険金等の不足を補うために必要な経費であります。 次に、平成十九年度特別会計予算総則第七条第一項の規定により、平成二十年三月二十八日に経費の増額を決定しました金額は五十五億円余であり、これは、交付税及び譲与税配付金特別会計交付税及び譲与税配付金勘定における地方譲与税譲与金に必要な経費の増額であります。 以上が、予備費使用総調書等についての概要でございます。 何とぞ、御審議の上、速やかに御承諾くださいますようお願いを申し上げます。 以上です。
○委員長(家西悟君) 以上で説明の聴取は終わりました。 ─────────────
○委員長(家西悟君) これより平成十九年度決算外二件及びただいま説明を聴取いたしました予備費関係五件を一括して議題とし、質疑を行います。 なお、本日の平成十九年度決算外二件の質疑は准総括質疑でございます。 質疑のある方は順次御発言願います。
○那谷屋正義君 おはようございます。 民主党・新緑風会・国民新・日本の那谷屋正義でございます。今日は、准総括ということで、四十分の時間をいただきました。四十分の割には用意した質問が大変多くございますので、簡潔にしかも大変中身の濃いお答えをいただければ有り難いということで、よろしくお願いいたします。 まず最初に、雇用・能力開発機構の廃止問題について、舛添大臣にお尋ねをしたいと思います。 先月二十九日に明らかになりました雇用失業情勢というのは、正規雇用の有効求人倍率が史上最低を更新し、失業率も史上最悪水準に張り付いたままというような大変深刻な状況になってございます。五月の雇用失業情勢も改善の余地がなかなか見られないということの中で、より厳しさを増すのではないかということが予想されるわけであります。 こんな中で、昨年の暮れ、雇用・能力開発機構というのを廃止し、そして職業訓練は高齢・障害者雇用支援機構へ移管することを閣議決定をいたしました。 そこで、この部分について少し舛添大臣に是非決断をいただきたいと思いまして質問をしたいと思うんですが、お配りしてございます資料一を御覧いただきたいと思います。 雇用・能力開発機構の職業訓練に係る主な関係団体の国への要望ということで、日本商工会議所、全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会、日本労働組合総連合会というふうに、それぞれ国への要望が出されております。 その中身を見ると、いわゆる雇用保険二事業の財源の負担者であると同時に職業訓練のユーザーでもある大小を問わぬ事業主団体、そして職業訓練を受講する立場の労働者団体等の雇用・能力開発機構の役割に対する切実な思いがここに記されているというふうに思うわけでございます。そういう意味では、大変これまでの雇用・能力開発機構というものの評価が高かったということを意味するものではないかと思うわけであります。 舛添大臣は、当初、この廃止、統合に抵抗してこられたというふうにも伺っているところでありますけれども、その姿勢は私は大変正しいのではないかと、そんな中で今からでも遅くありませんから是非これを初心に立ち返るべきではないかと、このように思うわけでありますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(舛添要一君) 今委員おっしゃったように、大変厳しいこの雇用情勢の中で、失業保険をもらえばいいというんじゃなくて、やっぱり再就職してもらうということが必要ですから、そのためにこの職業訓練、これはもうセーフティーネット機能として極めて重要だと、この認識は私も全く共通しております。 ただ、私のしごと館の問題があったり、天下りの問題というのはいろんな批判がありまして、そういう批判にもこたえないといけないということで、一つは、そういう意味で無駄を排するという行政改革の立場がありました。それから、今おっしゃった雇用対策、これをしっかりしないといかぬと。それから産業競争力、これは物づくりの、先般静岡で、二年前でしたか、技能オリンピックをやったときに、やっぱりこの雇用・能力開発機構なんかがしっかりしているために金メダルを世界で取るんですね。それだけ優れた訓練ができている。 ただ、中小企業はそれだけのお金も、そういう訓練のシステムもないですから、だから残してくれというようなことがあったんで、労使、都道府県の意見なども踏まえて、これは担当は甘利行政改革担当大臣なので、いろいろ交渉した上で閣議決定において絶対これは守るということは、国の責任において職業訓練を行うための組織とするということをしっかり守って、職業訓練については、この機構は廃止されますから、今度、高齢・障害者雇用支援機構に移管するということで、引き続き、これは廃止されたとしても国の責任において職業訓練を行うということで、そういうことを明言しておりますので、この閣議決定があってもというか、それを踏まえて国としてセーフティーネットの役割をしっかりと果たしていきたいと思っております。
○那谷屋正義君 今大臣がお答えになったように、高齢・障害者雇用支援機構というものに業務が移管されることになったわけでありますけれども、本当にそれでいいのかどうかということについてもう一度足を止めて考えてみる必要があるんだろうというふうに思います。 今、私のしごと館というお話がございました。確かに巨額建設費及び累積赤字問題というものが大変大きな話題になりましたけれども、しかし、これを唯一説得的な理由とする雇用・能力開発機構の廃止というのは、私はある意味、木を見て森を見ない、そんな議論にもなるのではないかというふうに思うわけであります。特に民間ベースで成功している豊洲のキッザニアの例を見ましても、この私のしごと館の設立目的というものについてはやはり非常に意義のあるものだと私自身は考えているところであります。 ただし、その商法といいますか、殿様商法といいますか、そういうやり方、これが雇用・能力開発機構の廃止の口実とされてしまったことについて非常にいら立たしさを覚えるわけであります。いわゆる国民本位の行政改革というものを考えたときに、当然、血税の無駄遣いを決して許さないという立場からの首尾一貫した合理化の徹底と、そしていま一つは、国民生活を守る分野への資源の集中にあるんではないかというふうに思うわけであります。そういう意味では、この廃止というものは、行革の本意からは何か遠のいてしまっているような、そんな気がします。 そして、この高齢・障害者雇用支援機構に業務を移管することの妥当性でありますけれども、言ってみれば、高齢・障害者雇用支援機構というのは、その名前が示しているように、従来、ともすれば後回しにされがちだった高齢者や障害者の着実な雇用促進、そして定着、たとえ漸進的であっても成果を上げることを望まれてきたわけであります。他方、この雇用・能力開発機構というのは、現下の雇用情勢をリアルにとらえる、そして即効性も時に重視しながら、突出した雇用施策さえ辞さないという、そういう役割をも果たしてきているわけでありまして、このような観点からいくと、両機構を統合するということはどうも無理筋があるのではないか、そして機能不全を起こしてしまうのではないかということさえ危惧されるわけであります。 暮らしが立つか立たないかに直結する雇用施策には実験というものは私は許されないというふうに思うわけでありまして、さすがの舛添労政だったと後世の評価に堪え得る大臣本来の見識がいただけたらというふうに思うわけでございますけど、いかがでしょうか。
○国務大臣(舛添要一君) 私のしごと館の前にもスパウザ小田原というのがあり、こういう批判がずっとメディアなんかで続いておりました。甘利さんの前、茂木さん、その前は渡辺喜美さん、担当の大臣をなさっていた、非常に厳しく、これはメディアの批判というのも背景にあって交渉に臨まれた。私は、しかし、やはり国民に対して国が責任を持ってハローワークをやったりとか職業訓練をやるというのは必要だということを申し上げました。 そういう中で、行政改革ということが前面に出たものですから、何とか踏みとどまって国の責任で残すとして、こういう形での、ある意味で便宜的になりましたけれども、委員おっしゃったように角を矯めて牛を殺すことがあってはならないということでありますから、今回、高齢・障害者雇用支援機構に移りましても、ここもノウハウを蓄積しております。非常に就職が困難な方々への就職支援のノウハウ、これも生かすとともに、今度は中小企業主とか労働者の代表が運営に参画できるようなシステムにするということで、名前は高齢・障害者雇用支援機構ということになっていますけど、実質的にはそこで今までと変わらない職業訓練をやりたいと、そういう思いで改革に立ち向かいたいと思っております。
○那谷屋正義君 ちょっと、期待していた舛添大臣らしい答えではないなというのが残念なところでありますけれども。 ですから、懸念される本来の高齢・障害者雇用支援機構の役割、そして雇用・能力開発機構というものが本当にうまく折り合えるのかどうか、あるいは、そしてそれぞれがうまくかみ合っていくのかという問題が実は出てくるんではないかというふうに思うわけであります。 ここで改めて確認をしておきたいと思うんですけれども、雇用保険二事業の費用については、大小問わずすべての、その全額を事業主が負担をしているということであります。このすべての事業主が、とりわけ赤字や積み重なるばかりの債務を前に廃業寸前の中小企業事業主さえ雇用保険料を納めていただいているわけであります。人を雇うというその責任の重さに着目した、我が国の言ってみれば経営者道とでもいいますか、その一つの到達点が雇用保険二事業に体現されていると、私はこのように考えているところであります。そして、このことが事業主にとって、もちろん労働者にとっても本当に役に立つ使い方がそういう意味ではされなければならないわけであります。 今お話がありましたスパウザ小田原等の問題も指摘がございましたけれども、この問題は雇用福祉事業というので〇六年度に廃止をされたわけであります。そういう意味では、今度こそちゃんと労働者や事業主に正対できると思われたやさきにこの廃止ということになってしまっているということであります。雇用保険二事業の堅持と雇用・能力開発機構は車の両輪になるのではないかと。そういう意味では、雇用・能力開発機構の廃止とは雇用保険二事業の存在意義の否定と全く同じであるというふうに思うわけであります。 そこで、私は三点について大臣に御提案をしたいと思います。一つは、雇用・能力開発機構をしっかり存続させていく。そして二つ目は、保険料を負担している事業主や職業訓練を受ける立場の労働者の意見をきちんと反映させる。三つ目、二度と無駄遣いを許さない観点から、保有する資産の効率的活用に向けた外部の第三者が関与することなど。こうしたことが、いろいろと工夫される中で国民に納得していただけるような、そういったことが行えるんじゃないかということでありますけれども、こうした明確な改革ビジョンについてお答えをいただけたらと思います。
○国務大臣(舛添要一君) 今、那谷屋さんがいい御説明いただいたんで、実はスパウザ小田原のときも私のしごと館のときも、メディア含めて何て言っていたか。国民の血税を無駄にするな。あれは国民の税金で造ったわけじゃありません、雇用主が出している二事業ですから。 なぜ出しているかといったら、先ほど申し上げたように、中小企業は職業訓練するような能力もお金もない。みんなで、中小企業の経営者がお金出し合ってそれで一括してやるのを造ったわけですね。だから、百歩譲って言えば、スパウザ小田原だって、それは労働者は休息したいだろうと、そのときに一々やるわけにいかないからみんなでお金出し合ってああいう労働者のための、あれは私も行ったことあります、非常にいい施設です、そういうところを使うということでの論理も成り立つんです。 ただ、やっぱりこの日本というのは、その時代わあっと、駄目だといって特にテレビなんかで徹底的にたたかれたらもう、私も相当に抵抗しました。渡辺喜美、茂木敏充、甘利さんと、大変厳しい大臣です。だけど、こういうことになりましたんで、今の御質問についてお答えすると、そういう議論をきちっと、今の那谷屋さんと私がやったような議論をやって、その上で、いや、やっぱりこういうものはきちんとあった方がいいねということになれば、私はこれは復活することは十分あり得ると思います。 ただ、そのときにやっぱり労働者の代表が入る、それから中小企業主が入って、いや、金出したんだけど、あんな豪華なものは要らないよ、あれは無駄だよということを言えることを今度しました。それからもう一つは、外部の専門家から成る第三者委員会を設置して、二回今まで会議をやって、七月にもう一遍やって、常に外の目で見直すということを、改革も入れました。それから、今おっしゃった無駄遣い、それはやっぱり国民の税金じゃなくても、苦しい中小企業の経営の中から皆さん出しているわけですからそれは無駄遣いしちゃいけませんので、そういうことで今のようなことを平成二十二年度末までに法制上の措置をとろうと思って準備をしております。ただ、もう第三者委員会なんかは既に動いております。 だから、私も那谷屋さんと思いは同じなのは、戦後の貧しい日本においてなぜ日本がここまで経済大国になることできたかというと、国の責任においてきちんと職業訓練やったんですね。 私は学校もそうだと思います。那谷屋さん小学生をずっと教えてこられたけれども、あのころの先生たちというのは、貧しい日本だけどしっかり、もうガリ版刷りでね、自分で試験問題作って本当に子供たちを育ててくれた、そういうことがあって、まさに国の責任で子供を育て、労働者に職業訓練をしたから今日があるんで、バブル経済で浮かれて何もかもそんなこともしないで豊かな人だけがやればいいと、こういう世の中では駄目だと思いますんで、今これだけ厳しい経済情勢、雇用情勢の中で、何のために国があるか、何のために我々政府があるか、何のために国会議員がいるかと、こういうことをきちんと議論していい方向での改革を共にやりたいと思っております。
○那谷屋正義君 思いは共有していただけるということがよく分かりました。ただ、先ほど言いましたように、高齢・障害者雇用支援機構とのやはり併せるという部分について、どうしても懸念される部分がございます。 実は、四月十三日の同じこの決算委員会で、私は今日おいでいただいております与謝野財務大臣にも御質問をしましたけれども、政策投資銀行等の完全民営化というものは政府の経済政策の遂行に極めて有効な手段を自ら放棄するに等しいというふうなことで与謝野大臣に質問をしました。そうしたらば、大臣は政投銀完全民営化の非を率直に認められて、その役割の重要性等について信念を持って述べられたわけであります。そして、政府が全体の三分の一を超える株式を保有するという法改正につながり、いわゆる完全民営化路線の撤回というふうに結び付いたと、私はこのように考えています。 この教訓というものを生かすならば、雇用・能力開発機構の廃止というのはまだ法案にもなっていない、いわゆる閣議決定というふうな段階でございますので、いわゆる政策投資銀行の完全民営化問題に比べればハードルはかなり低いというふうに思うわけであります。そういう意味では、大臣が雇用・能力開発機構の廃止の閣議決定見直しの姿勢を鮮明にさえすれば、物事が大きく動く環境は格段に整うことになるのではないかということを意見述べさせていただいて、次に国直轄事業負担金問題について移りたいというふうに思います。 今、国直轄事業負担金問題が非常に大きく取り上げられております。しかし、この問題は今始まったという問題では当然なくて、五十年の長きにわたって解決されなかった根深い問題でもございます。いわゆる詳細な情報提供がない金額だけ入った請求書を示されて、地方の方で示されて強制的に負担を求められるというこれまでの在り方、ぼったくりバーなんていうふうに痛烈にやゆされる場合もございますけれども、要するに地方も非常に不満を持っているわけであります。 そこで、済みません、資料二を見ていただけたらと思います。 この資料二は、普通建設事業費における補助事業、単独事業、国直轄事業負担金の決算額について一九八〇年度から二〇〇七年度までの推移を示したものであります。 単独事業というのはこの黄色い部分でありますけれども、〇七年度決算と、ピークがちょうどこれ九三年になりますね、九三年度を比較すると約六二%減、五年前、〇二年との比較では約三二%減、十年前との比較では約五六%減と非常に大きく減少しています。 次に補助事業でありますけれども、この青いのが補助事業ですけれども、ピーク時の九五年度との比較では約五六%減、五年前との比較では約四〇%減、十年前との比較では約五〇%減となっておりまして、こちらも大変大きく減少しています。 そして、問題の国直轄事業負担金でありますけれども、このピーク時は、このピークは九八年になりますけれども、そこと比較をいたしますと二六%減、五年前との比較では約一四%の減。確かに減少はしていますけれども、単独事業や補助事業の割合と比べると非常に小幅であります。むしろ十年前の九七年と比べると一・四%増というふうに増加さえしているわけでございます。そういうふうなことから考えると、単独事業や補助事業は非常に切り詰めているのに、国直轄事業はほとんど無傷で維持されてきたと言っても過言ではないということであります。 それでは、それぞれの事業における財源の割合を見るとどういうふうになっているかということで、恐れ入ります、資料三の方をお願いします。ちょっと目がちかちかするかもしれませんけれども、お許しいただきたいと思います。 まず、単独事業の財源割合の推移であります。バブル期は非常に一般財源も豊かであったということでその割合が増え、バブル崩壊後は地方債の割合が増えるなど、年度により波はありますけれども、平均すると地方債は約四割で推移をしてきております。 次に、資料四を御覧ください。資料四は補助事業についてであります。おおむね五割は国庫支出金となっておりまして、地方債の割合は平均すると、でっこみへっこみありますが三〇%程度、近年は三〇%半ば程度で推移をしています。 そして最後、資料五でありますけれども、この資料五。国の直轄事業負担金について、見ていただければもうお分かりかと思いますが、年々地方債の占める割合が上昇しており、地方財政の圧迫要因となっているわけであります。 このように、負担額が一方的に決定され、義務的に支出せざるを得ない国直轄事業負担金の総額は、他の投資的経費に比べ削減が進んでいないこと、一般財源が窮乏していることから地方債により対応せざるを得なく、地方債の発行を強要する結果となっていることが指摘できるわけであります。 増田元総務大臣は、国直轄事業負担金が廃止されれば地方の財政状況の改善につながると答弁をされたことがございます。国直轄事業負担金が地方財政の逼迫を招来する構図となっていることについてどのような見解をお持ちか、お尋ねしたいと思います。
○国務大臣(佐藤勉君) お答えを申し上げたいと思います。 地方財政が極めて厳しい状況にある中で、地方団体は自らの公共事業を大変大幅に削減をしております。国に支払う直轄事業負担金はほぼ横ばいで、先生がおっしゃられるように推移しているところでございます。 しかも、維持管理費に係る負担金は、本来地方団体が自由に使える一般財源を充当しているところでありまして、またその他についてはその支払のために地方債を起こしている状況にございまして、先生おっしゃられるように、このようなことから直轄事業負担金は地方の財政の自由度を狭めていると私ども考えております。
○那谷屋正義君 そこで、財務省がここはキーを握るわけでありますけれども。国によって義務付けられた事務事業以外の行政サービスについては、ほとんど提供する財政余力がない自主財源に乏しい自治体は、実質的に国の手足と変わらない役割を果たすことで自己完結せざるを得なくなるというような状況になっておりまして、地方単独事業に対して財務省が取り続けてきた、言ってみれば北風政策というか厳しい政策が、各自治体の疲弊につながるだけでなく、地域の特色ある政策展開を拒んでいることに是非気付いていただきたいというふうに思うわけであります。 財政再建に名を借りたこのような改革手法が地方分権の要請に沿ったものであるとは思えませんけれども、まず財務大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 地方単独事業というのは、地域の実情に応じたきめ細かな事業について地方自治体独自の御判断によって行う事業であると認識をまずしております。 地方単独事業については、基本方針二〇〇六等に基づきまして、国、地方それぞれの財政健全化を進めるため、選択と集中の視点に立って国と歩調を合わせた改革努力を行う一方、地域の経済状況を踏まえまして、地域雇用創出推進費五千億円、地方再生対策費四千億円といった特別枠を設けるなど、必要な歳出は適正に計上してきていると思っております。 いずれにしましても、歳出改革の継続と安心と活力の両立を目指していくことが必要であり、今後とも国の財政状況を踏まえ、地方の財政運営に支障が生じないよう、適切に対応してまいりたいと考えております。
○那谷屋正義君 与謝野大臣であるからこそあえて付言をしておきたいと思いますけれども、さきに成立いたしました今年度の補正予算では、経済危機対策として地域活性化・公共投資臨時交付金が創設をされ、一兆三千七百九十億円の予算が計上されました。この交付金制度を活用すれば、地方単独事業についても地方負担分の原則九割が国の負担する方針というふうに言われています。 何というか、日ごろの先ほど言いました北風政策じゃありませんけれども、それから考えると豹変した感じを受けるわけでありますけれども、経済対策という冠をかぶせれば何でもありなのかなというふうにも思えるわけですが。しかし、こういうことは平時においてこそ、やはり地方の底力を引き出していくための切り札として地方単独事業の有効性をしっかり位置付けていくことが必要ではないかというふうに思うところであります。 それで、先ほど配付いたしました資料からも明らかでありますけれども、国直轄事業負担金は、国、地方を通じる歳出削減及び財政健全化の言ってみれば障壁となってきています。このことはもう事実だろうと思うんですけれども、でしたら、ならば、地方と歩調を合わせて積極的な削減、縮小、さらには廃止へと向かうという、そういうことが財務省本来の役割ではないかと、このように思うところでありますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(与謝野馨君) 国と地方との関係で一番大事なことは、結局、各県各市町村で財政力の格差があって、それを何らかの形で埋めなければならないと。どこまで埋めるのかということも一つ問題なんですが、こういう地方の負担金の問題、あるいはどこでどういう事業をやるのかと、こういうことを通じてもやはり地方の財政力をなるべく補っていくということをやっていかなければならないわけでございます。 一義的にはこの地方の財政力格差というのは地方交付税で埋めていくわけですけれども、それでもなおかつ地方によって力が違うと、これに対して国がどう関与していくのかと、これは国会にも課せられた重大な問題だろうと思っておりますが、地方が御主張になっているように、何から何まで国でやれという御主張は、これはちょっと行き過ぎかなと思っておりますが、これから地方が行います単独事業、国の直轄事業等々もろもろ含めまして、どういう負担をそれぞれがやっていくのかということは、これからもう一度きちんと総務省、財務省の間できちんと話し合わなければならないことであると思っております。
○那谷屋正義君 これからきちんと各省の連携を図りながら話合いをするということ、これはもう大事なことなんですが、しかし、今から十一年前、九八年の五月の地方分権推進計画では、直轄事業負担金について、維持管理費に係る負担金の在り方、負担金の積算内容の公開、国直轄事業と補助事業の役割分担、事務費の四点にわたり見直しの方針を閣議決定をされています。特に、維持管理費に係る負担金については、段階的縮減を含め見直しを行うとされています。また、負担金の積算内容の公開について、積極的に公開を進めることとされていたはずであります。しかしながら、十一年たった今でもその成果が余りはっきりと見えてこない、むしろその部分については故意に近い形で温存が図られてきたのではないかというふうにさえ思うわけであります。 そこで、この四月三十日に示されました二十一年度の直轄事業負担金に係る予定額通知について、東京都は、各事業の具体的な内容や経費の内訳等が全く分からない極めて不十分なものというふうに指摘をしています。全国知事会も、国庫補助事業においては、国は補助要綱に基づき地方に対して詳細な情報開示を求めてきたわけであります。この地方が取り組んできた内容、中身と同程度の情報開示を求めていたにもかかわらず、今回の開示内容はそれにこたえるものとなっていないというふうに手厳しいものでありました。また、知事会では、地方負担の使途や対象範囲の見直しの検討に際して、その前提となる二十年度分の内訳明細を明示するよう求めていました。これはもう至って当然のことだろうというふうに思うわけであります。 これらの求めにこたえる形で、国交省が五月二十九日と三十日に、二十年度の実績見込額の内訳内容を各都道府県等に対して通知をされました。これは一定評価をしたいというふうに思いますけれども、ただし東京都においてはまだまだ不十分だというふうなことも指摘をしておりまして、今後一層充実させていく必要があるだろうというふうに思うわけでありますけれども、国交大臣、その準備があるかどうか、お尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(金子一義君) 十分準備しております。 既に四月に提出させていただいたもの、これは、基本的には補助事業について地方自治体から国がもらうものと同じレベルのものを出させていただいておりますけれども、まだその中身についていろいろ御意見があると伺っております。それらについても更に詳細を詰めて、地方自治体が自治体住民に十分説明ができるようなものを公開し、意見交換させていただきたいと思っています。
○那谷屋正義君 ありがとうございます。是非その情報開示に努めていただきたいと思います。 私が懸念いたしますのは、要するに、この部分についてはもう我々は知らないよというふうにお互いに見切っちゃったときに、実は国民にとってとても必要な事業だったにもかかわらず、どちらも手を引いちゃったがためにそのことが置き去りにされてしまうというようなことがあってはならないというふうに思うわけであります。 全国知事会のプロジェクトチームは、先週十六日、〇九年度の負担金のうち、出先機関の庁舎整備費や退職金などの人件費の一部を負担対象から外し、国道や河川の維持管理費の負担を来年度から廃止することなどを求めるアピールを採択をいたしました。これらの要請に沿った見直しを行わない場合には、今私が心配をしている話をしましたけれども、〇九年度分の負担金についても支払えないというふうに、このようにしているわけであります。 退職金はもとより庁舎整備それ自体も、地域住民からすれば本体事業の外延部分であることは明らかであります。したがって、この問題の処理に当たっての最悪の決着の付け方というのが、先ほど申し上げました、直轄事業本体の推移に影響が出る形でのにらみ合いだろうというふうに思うわけであります。そうならないように国交省は知事会との合意形成に努める明確な責任があるというふうに思うわけでありますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(金子一義君) 十六日の知事会プロジェクトチーム意見書、またこれから拝見をして精査させていただきたいと思っておりますが、やはり請求しているものの中で、退職金、年金、これ変ですよね。これは要求するのは変だよと、私はこれをやはりきちんと整理すべきだということで、今国交省の事務方と財務当局の事務方では相談をしていただいております。 維持管理費について知事会から御要請を受けております。この部分については、今もう委員が御指摘のとおりでありますが、これによって事業費が削減する、その結果として、本来、事業費を、新規事業を待っている地方自治体、特に地方の、遠い地方、財政力の、これから道路整備等々を進めていく自治体は新規事業は総額来なくなるのかよということに対する問題点というのはあります。 そういう意味で、全体の事業量が減ってしまって、新規の事業が減ってしまうというようなことで本当に知事会は納得するわけじゃないものですから、やはりそういう部分について地方財政措置あるいは国の全体の事業、併せて検討していく必要があると思っております。
○那谷屋正義君 時間が大分残り少なくなってしまったので、もっともっとお尋ねしたいんですが、石破農水大臣にもおいでいただいておりますので、一問是非お聞きをしたいと思いますが。 総務省、農林水産省、経済産業省が所管する社団法人日本農村情報システム協会、この協会の基本財産約四億四千万円を二〇〇一年度以降、三省の承認を得ることなく取り崩していたと。同協会は、その資金を利用して、前通商産業省職員で協会の副会長が理事長を兼務する情報通信システム技術会議への業務委託費を水増しして、〇三年度から〇八年度にかけて約六億円以上を不正支出していたことが明らかになっています。毎年、協会を検査していたわけでありますけれども、不正な会計処理を残念ながら見抜くことができなかったわけであります。 その理由を最初問おうと思ったんですが、もう時間がありませんので、そういう意味では、こういうふうにして今もう一度徹底的にチェックをするというお話だと思うんですけれども、六月初めに同協会が自己破産を申請する方向で調整しているという報道がございました。自己破産によってこのことの真相究明が妨げられることがないように、しっかりとした対処が求められていると思いますけれども、それについてお答えをいただけたらと思います。
○国務大臣(石破茂君) おっしゃるとおりで、自己破産の手続に入っておるわけでございますが、今、六月九日、破産手続の開始を申し立てるということは決定したわけでございます。もう破産手続に入ったのでもうあとは知らぬというようなことになると、どうにもこれはなりませんので、国といたしましては、引き続き事実関係の究明に努力をしたいと。 何をするかというと、裁判所により破産が認められました場合には、破産管財人による調査、役員等に対する責任追及が行われるということになります。 国といたしましては、これまで把握した情報を提供するなど真相の解明に向け全面的に協力するのは当然でございますし、そしてまた、何でこれが見抜けなかったかということについては、それはもう徹底的にチェックをしなければいかぬだろうと。これは形式に堕していたのではないかという思いが私にはございますので、これはダブルチェック、トリプルチェックを掛けまして、こういうことが起こらないようにきちんとしたシステムを構築したいと思っております。
○那谷屋正義君 終わります。
○行田邦子君 民主党・新緑風会・国民新・日本の行田邦子です。 私は、いただいたお時間の中で、前半部分は国土交通省の発注業務の契約状況について、そして後半部分については行政の情報化、IT化、電子政府について質問をさせていただきます。 まず、国交省さんですけれども、今回、平成十九年度の決算審議ということですが、会計検査院の平成十九年度の決算検査報告書を私も読ませていただきました。その中で、大変私が関心を抱いた意見表示がございました。それは、道路整備特別会計からの支出についての意見表示です。その中で私が関心を抱いたものというのは、道路関係公益法人、昨年もいろいろと話題になりましたけれども、一件当たり五百万円以上の道路特定財源から支出がある関係法人、五十ありました。その中で、その公益法人に対して発注した調査研究業務の再委託について会計検査院が意見表示をしています。 その報告書によりますと、会計検査院は今回、平成十八年度と十九年度の二年間にわたって八つの公益法人が国交省から受注した調査研究業務が百十三件ありました。そのうち、契約額の五〇%を超える額を再委託している契約が百十三件のうち三十一件あったという報告です。その三十一件のうち、何と二十九件は再委託承認申請を事前に行っていなかった、国交省に対して承諾なく再委託を行っていた、業務の半分以上を再委託したにもかかわらず国交省に事前の承諾を得ていなかったというものが百十三件のうち二十九件あったということです。 ちなみに、この再委託については国交省の内部で規則を設けています。業務の軽微な部分については国交省の承諾なしで再委託できるが、それ以外は承諾を要することと、このようになっています。ちなみに、軽微な作業というのは、ワープロ、コピー、印刷、製本、計算処理、トレース、資料整理、模型製作などというふうになっています。 ということは、今回、会計検査院が意見表示をしましたこの二十九件、業務の半分以上が、半分を超えるものが再委託をされていると、しかも国交省の承諾なく再委託されていたと。この二十九件について、この再委託した中身というのは軽微な作業、すべて軽微な作業だったということなんでしょうか。この中身について、国交省さん、お教えいただけますか。
○政府参考人(金井道夫君) お答えいたします。 会計検査院の意見表示で、先ほども先生御指摘のとおり、三十一件という御指摘をいただいておりますが、個々の契約が適正であるか否かを問われたものではないと理解をいたしておりまして、会計検査院の方で公益法人に対する再委託の傾向を全体として把握されて、再委託のいわゆる申請を要しない軽微な業務の範囲が具体的に示されていなかったことに関して制度的な改善が必要という意見をいただいたものというふうに認識をいたしております。 したがいまして、三十一件の契約、全部、三十一件の内訳であるとかその中身について詳細な把握をしているわけではございませんが、私どもとしては、昨年四月も、道路関係業務の執行のあり方改革本部最終報告において、こういったことについて厳格に確認するという方向が示されているところもございまして、昨年八月に設計業務共通仕様書の改正をいたしまして、その軽微な変更について、いわゆる限定列挙する、いわゆるあいまいなところを残さないということできちっと定めさせていただきまして、その適正化ということで取り組まさせていただいていると、このような経緯でございます。
○行田邦子君 今の御答弁ですと、昨年の八月に業務仕様書、軽微な部分についてより厳格化したと、改善したからもういいじゃないかというように聞こえるんですけれども、私は、これは通常の一般の常識というか感覚として、国民の皆様から預かっているお金を支出するその担当者として、会計検査院が今回、不当ということではありませんけれども意見表示をして、より透明性を高めなければいけないというふうに指摘をしているものについて、じゃ、その三十一件という指摘が何だったのか、何かおかしい部分があったのかどうかということを自ら調べようと思うのが自然だと思うんですね。それをやっていないということ、今の答弁を聞いて大変驚いております。 国交省さんとしては、本当にこの道路関係法人への支出の改革、改善ということ、透明化ということをやる気があるのか。残念ながら、全くやる気がないと言わざるを得ないというふうに思っております。 昨年の四月、通常国会でもいろいろと道路特定財源からの支出、いろんな無駄遣い、取りざたされました。その流れを受けて国交省では昨年の二月に道路関係業務の執行のあり方改革本部が設置されました。そして、四月には報告書が出されて、その報告書の中には、「公益法人からの再委託の状況について厳格に確認することとする。」というふうに宣言していますけれども、全く厳格に確認していない状況ということを今確認させていただきました。 さらに、昨年四月二十二日、当時の福田総理の下、「ムダ・ゼロへの取組み」というのを政府を挙げてやっています。その「ムダ・ゼロへの取組み」の第一番目に掲げられているのが道路関係の支出、公益法人を徹底的に見直しますと、そういうふうになっているんですね。これって本当に掛け声だけなんじゃないかというふうに思わざるを得ないんですけれども、大臣、いかがでしょうか。金子大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(金子一義君) 今の御指摘を既に受けまして、国土交通省、入札契約の適正化に取り組んでおります。特に平成十九年十二月に応募要件の見直し、これは民間参入の拡大を図る、あるいは公募方式を限定し、企画競争など競争性の高い契約に移行すること、今御指摘いただきました第三者機関の監視対象を全分野に広げるということ、特に一者応募のものは重点的に監視するということ、この結果として、今御指摘いただいております道路関係公益法人でございますが、これについて、平成十八年度に九四%が特命随意であったものが、二十年四月から十二月の数字でありますが、特命随意というのは四%と大幅に減少しております。 今御指摘いただきました再委託の件についても、適切にきちんと目を配って取り組んでまいりたいと思っております。
○行田邦子君 通告していないので、可能であればお答えいただきたいんですけれども、今大臣がおっしゃった平成二十年四月から九月、上半期での支出、特命随契が減って四%になった、競争性の高い随意契約に移行してきているというお話ですけれども、それでは、この競争性の高い随意契約の中身、一者応札がどのぐらいあるのかというのは把握されていますでしょうか。
○政府参考人(金井道夫君) 恐縮でございます。一者応札の最終的な全数については今集計中でございますが、昨年度の十二月ぐらいまでの状況を見ますと、当初、非常にまだ民間が参入に慣れておりませんでしたもので、八〇%ぐらい一者応札というような月もございましたが、年末になりますと、大体三〇%程度に収まっているというふうに考えておりまして、新しい契約方式でございますので民間の方が慣れるのに大変時間が掛かったかなというふうに理解をいたしておりますが、一者応札の状況自体はかなり改善されているという理解をいたしております。 ただし、データはまだ全部集計はできてございません。恐縮でございます。でき次第、また提出をさせていただきます。
○行田邦子君 今おっしゃられたのは、道路関係公益法人への支出ということでよろしいんでしょうか。
○政府参考人(金井道夫君) 先生御指摘のとおりでございます。
○行田邦子君 随分競争性の高いものに移行しているという御答弁でしたけれども、それでは次に、今、私が質問させていただいたのは道路関係でしたけれども、国交省さん全体でどうなのかというのを見てみました。 お手元の資料の一を御覧いただきたいと思います。 これは、国交省さんから御提出をいただいている資料を私の方でまとめさせていただきました。平成十七年度、十八年度、十九年度と契約状況を見てみました。確かに、国交省さん、道路だけではなくて国交省さん全体の契約状況で、平成十七年度からするとかなり競争性のない随意契約、いわゆる特命随契というのは比率的には減ってきています。その代わりに、徐々に競争性のある随意契約に移行してきています。平成十九年度では一九%、全体の一九%が競争性のある随意契約というふうになっています。 ところが、これ、競争性のある随意契約の中身を見てみますと、何と、公募が約四千数十件なんですけれども、公募のうちの九九%が一者応札となっているんですね。これのどこが競争性のある随意契約と言えるんでしょうか。大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(金子一義君) 競争入札をスタートさせていただいておりますが、なかなか発注者の方でまだ慣れていない、あるいは、いや、発注者が慣れていないということは、逆に言いますと、業務実績要件を縛るとか、発注するのに、それから、例えば国の実績がなければいけない、エリアの実績がなければいけないといったような、入札の応募条件というのを相当厳しくしていたんだと思いますが、これを国の受注実績がなくても、県のものあるいは民間でも同等のものであれば受注対象にするといったような要件緩和。それからもう一つは、金額なんでありますけれども、やはり発注ロットというものを下げていきませんとなかなかそこが受けにくいといったようなこと。それからもう一つは、入札希望者が発注情報を容易に入手できるように無料で発注情報をメールで配信するといったようなところを今、入札契約の競争性の向上を図っていくという観点から、今年三月に一者応募・一者応札に係る改善方策として今取り組んでいるところであります。
○行田邦子君 競争性のある随意契約と言っておきながら公募で一者応札九九%、これでは全く胸を張って競争性のあるものですと言えないという状況になっています。 先ほど大臣も御答弁されましたけれども、この点について、公募について、公募の応募方法について、総務省の行政評価局が昨年の十二月に出しています結果報告書、契約の適正な執行に関する行政評価・監視結果報告書というもので随分と厳しく国土交通省の契約状況について指摘がなされています。 公募において公示書に契約する予定業者名を明記していると。公募をしますと、国土交通省としてはこのA社というところに発注する予定ですけれども、ほかにも自分がやりたいというところがあったら手を挙げてくださいというやり方、これは一般的には公募とは言えないと思うんですね。これは総務省の行政評価局も、これではほかの事業者の応募を阻害する可能性があるという指摘をしています。この指摘をされたのは国土交通省と環境省だけです。だから、このインチキ公募ですね、インチキ公募のやり方というのはこれは国土交通省オリジナルなのかなというふうに思っています。三百十三件指摘されています。 さらに、公募への応募条件として同種又は類似業務の実績を有することを挙げているような例も、国交省さん、これもやはり指摘されています。例えば、中国地方整備局で公募した業務では、中国地方整備局からの同種業務の実績か、あるいは中国地方の各県あるいは政令市発注の同種業務の実績がなければ応募できないというような縛りを設けていると。これでは新規参入が全く阻害されてしまいます。 さらに、東北地方整備局での公募の例では、業務従事者の資格要件に、東北地方整備局で道路行政に関する実務経験が五年以上あり、そのうち高度な行政判断が伴う指導監督的立場で二年以上の実務経験を有する者となっています。これでは東北地方整備局OBが在籍する事業者を優遇する措置と解されると、これは総務省行政評価局も指摘をしています。 これで一体どこが競争性のある契約と言えるのかというふうに、非常に見ていますと腹立たしい思いでおります。 それで、事前に国交省さんに何度もお聞きしたんですけれども、無駄ゼロの取組というのは確かに去年の、平成二十年度の冒頭に始まったものです。この無駄ゼロの取組が一体どのように今なされているのかを知るには、やはり平成二十年度がどうなっているのかを知るべきだと思うんですね。 何度もお聞きしているんですけれども、ちょっと今日また改めてお聞きしますけれども、平成二十年度の国交省の契約状況、どのような状況になっているのか。競争性のない特命随契が何%なのか、そして公募の一者応札が何%なのか、二者応札以上が何%なのか、一般競札が何%なのか、お教えいただけますか。
○政府参考人(増田優一君) お答え申し上げます。 先生御指摘の契約関係のデータ集計につきましては、現在まさに作業中でございます。昨年の例でいいますと、七月に速報値、それから十月に確定値ということでございます。国交省だけでも年間六万二千件の契約件数がございますので、現在作業をしておりまして、できるだけ早くお示しをしたいというふうに考えております。
○行田邦子君 いつまで集計しているのか、本当に疑ってしまうというか、この遅さ、信じられないと思うんですけれども、例えば民間企業であれば、もうとっくに平成二十年度の決算というのは出ているわけなんです。国は民間と違って非常に規模も大きいし、しかるべき手続取らなければいけないということは分かりますけれども、契約の透明性ということは無駄ゼロの取組の中でも最重要課題とされていますし、どうして集計がこんなに遅いのかなと。今、六万二千件というふうにおっしゃいましたけれども、六万二千件、これ、どうもお話をお伺いしていると紙ベースで一件一件チェックするような作業をやっていらっしゃるようなんですね。私が国会にお送りいただいて二年間たちますけれども、最も驚いたことは、この行政府、国の中でのIT化が遅れている、恐ろしいほど遅れているという事実なんです。 そこで、次のテーマに移りたいと思います。電子政府についてお伺いしたいと思います。 金子大臣への御質問は終わりましたので、御退席いただいて結構です。委員長、お願いします。
○委員長(家西悟君) では、金子大臣、御退席いただいて結構でございます。
○行田邦子君 電子政府について伺います。 電子政府。今いろいろ私が申し上げたイントラといいますか、行政内部での電子化ということでもいろいろお聞きしたいんですが、今日は行政手続のIT化、電子化について伺いたいと思っております。 この電子政府の経緯、簡単に御説明しますと、一九九〇年代の後半ぐらいから急速にインターネットが普及しました。私の記憶でも、ウィンドウズ95ができてから、企業でもそれから個人でもインターネットというものが普及拡大していったというふうに記憶しています。そんな流れを受けまして、二〇〇〇年に政府ではIT基本戦略を決定して、そしてIT基本法が成立しました。ちょうど二〇〇〇年というと、このころ、たしかどなたかがIT革命をイット革命と呼んだような時代だったかと思います。 翌年二〇〇一年にはIT戦略本部を内閣に設置して、そしてe―Japan戦略、次いでe―Japan重点計画を決定しました。このe―Japan重点計画の中で、政府は大変電子政府について重要な方針を決めています。国民と行政との間の実質的にすべての申請・届出等手続を、二〇〇三年度までのできる限り早期にインターネットで行えるようにすると。私の理解では、これとんでもない決定だと思っているんですけれども、ともかくこの方針にのっとりまして、とにかくすべての行政手続、原則すべての行政手続をオンライン化だということで政府は突っ走っていきます。 結果、どのような状況に今なっているかといいますと、資料の二を御覧いただきたいと思います。 国の行政手続、申請・届出等、約一万四千種類あります。その中で今オンライン化されているもの九四%にまで行っています。ほとんど可能なものはすべてオンライン化になっているという現状です。そして、ところが、この申請・届出手続の件数ベースで見ると、オンライン利用率というのが今二〇%と。この二〇%をどう見るかというのはこれ是非野田大臣にお伺いしたいんですけれども、今二〇%ということになっています。 一方、政府では二〇一〇年度までに国の手続におけるオンライン利用率を五〇%以上とするという目標を掲げていらっしゃいます。それからすると、二〇%というのは目標からすると非常に遅い歩みではないかと思っております。 また、この同じ資料二の中で、括弧三、右側見ていただきたいんですけれども、政府が特に力を入れてオンライン利用率上げましょうと言っている重点手続、昨年七十一手続設けました。その中のいろいろ、じゃ今実際に利用率どうなんだろうかというのを見てみますと、一万三千件の中で七十一の重点手続を設けた中でも非常に利用率が低いものがあるんですね。中にはいまだに利用率が〇%とか〇・〇〇〇三%とか、こういったものを重点手続にして本当にいいのかと、大丈夫なんだろうかという素朴な疑問がわいてまいります。 そして、括弧四、下の方を見ていただきたいんですけれども、今度違った見方しますと、利用状況、申請一件当たりの経費なんですけれども、十万円を超えるものを挙げてみました。一番高いものだと、防衛省ですけれども、申請一件当たりの経費が二千五百三十二万三千七百五十円というふうになっています。今、国を挙げてすべての行政手続オンライン化した結果、今このような惨たんたる状況になっております。 野田大臣にお聞きしたいと思います。今この状況ですね、電子政府のこの状況をどのように感じていらっしゃるのか、そしてどこにオンライン利用率が上がらないことの障壁があるのか、大臣のお考えをお教えいただきたいと思います。
○国務大臣(野田聖子君) 国のIT戦略についてなんですけれども、実は私は約十年前に小渕内閣のときに郵政大臣を拝命しまして、そのときが実は日本のIT化のスタートでありました。当時はまだインターネットも日本の国内で普及してなく、まだパソコン通信が主流で、徐々にインターネットに切り替えられているような状況であったし、また当時は、ネットをするのに電話料金が従量制ですから、すればするだけ高くなるということで、利用者にとっては、ヘビーユーザーにとっては大変な負担になるという、そういう時代でございました。その後、様々な努力を今日まで繰り返していく中で、料金は定額制となり、そして競争原理が働く中で、世界で恐らくユーザーは一番安い料金でネットの利用が可能になってきたと思いますし。 あわせて、当時アメリカが光ファイバーを断念したんですね。高速大容量のネットワークづくりということをアメリカは進めていたんだけれども、当時ゴアさんがちょっとこれは駄目だということでおやめになったときに、日本もスタートをさせていたわけですけれども、その当時のいわゆるITの有識者という人たちが、アメリカがやめるんだから日本もやるべきではないみたいな多くの反対がありました。でも、やっぱりこれはやるべきだということで日本の国は判断した結果、今日、今いろいろ御批判もありましたけれども、インフラにおいては世界一の国家になっていることは間違いありません。現在、目標達成の中で、二〇〇五年に評価がなされていて、その中で、とりわけインフラの整備については五年以内に高速インターネットを三千万世帯に、超高速インターネット一千万世帯にとの目標はもう達成できているわけであります。 ただ、問題はこれからで、ITというのはもう試行錯誤の連続なんです。あの当時、十年前に、ITをどう活用するかということは非常に難しい、いろいろなお手本があるけれども、それぞれ世界中も試行錯誤の中で取組をしていた。ですから、ここは思い切って電子政府という高い目標を掲げて、すべての行政手続を紙だけじゃなくてオンライン化することによって利便性を高めようじゃないかということで、大きな高い目標を掲げた結果、九十数%のオンライン化というのが成し遂げられたんですね。 ただ、先生御指摘のように、すべてじゃ必要だったかというと、これは実はやってみなきゃ分からないところは当時ありました。これ、基本的にはすべてのやはり行政手続がオンライン化できることが望ましいと。ただ、その中には実際には紙であってもだれも利用しない手続もあったかもしれないし、紙から電子化されても効率性、つまりアナログな法律が改正されていない、手続が改正されていないことで手続が簡素化されていないこともありますし、そういうことが間々出てきているわけですが、これは結果として、今そういうふうな試行錯誤の中で全体のオンライン化を進めた結果、これは一〇〇%使われているところもある、そして全く使われていないところもある。 でも、今はゼロだけれども、これは絶対オンライン化の方がいいというものもあるので、これはしっかり精査をして、今御指摘いただきましたゼロ%のところは、本当に必要かどうかの見極め、そもそもこの手続自体がアナログでも要らないんじゃないかというのもあるのかもしれません。申請が一年間にゼロというところもあれば、それは思い切ってやめていくという手続もありましょう。そして、オンライン化したけれども、アナログのときと同じ手続を踏むんだったらそれは面倒くさい。やっぱり基本的にはワンクリックでできるところがオンライン化のだいご味ですから、それをできるためにはやはりアナログの手続を抜本的に改正することをしていかなければならない。 こういうことをやっぱりこれから先々やっていくことで、本来、ユーザーにとって、国民、利用者にとって必要なオンライン化というのに取り組んでいかなきゃいけない局面に来たと私は今考えているところであります。
○行田邦子君 今大臣の御答弁の中で、やってみなければ分からないこともあったと、この電子政府、行政手続のオンライン化、やってみなければ分からなかったという御答弁いただきましたけれども、ちょっとそれは私の見識とは異なるんですね。 二〇〇三年までにできる限りすべての申請・届出手続をオンライン化するという目標を掲げていたその当時、二〇〇一年、二〇〇二年、二〇〇三年、世の中では何が起きているかというと、もう既にネット専業銀行もできていました。オンライン証券というのもできていました。それから、Eコマースもかなり発達していまして、私も個人的にもネットでかなりショッピングもしていました。世の中全般的にはインターネットリテラシーというものは相当高まっていたと思うんですね。 にもかかわらず、私の見識では、政府だけがこのIT化から取り残されていて、取りあえずやってみようと、お金掛けて取りあえずすべての行政手続をオンライン化してみようということで何千億円毎年お金を掛けているという状況だと思うんですね。確かにやってみなければ分からないこともありますけれども、その割には余りにもお金を掛け過ぎていると。 そして、業務のIT化、政府でいったら電子政府、何がメリットがあるかと。一番のメリットは何かというと、これはやはり業務の効率改善が図れるということだと思うんです。通常、民間の企業でIT化を進めるときに何をするかというと、オンライン化をする前に業務プロセスを一つずつ見直して、本当にこの書類が要るのかどうか、この承認手続は要るのかどうかということを見直してから、その上で、これはオンライン化しましょう、逆にこの申請手続はやめましょうと、これはアナログのままにしておきましょうということを図っていくんですね。 私は、先ほど申し上げた大きな誤りと言っていたのは、そういった業務効率の改善を一切しないままに、すべての行政手続をオンライン化しましょうということを決定してしまった、これは大きな誤りだと思っております。是非これは、過去の過ち、しっかりと総括して反省をしていただいて、これからの電子政府推し進めていただきたいと思っております。 〔委員長退席、理事神本美恵子君着席〕 時間も限られております。佐藤大臣、お待たせしました。 この電子政府の利用率進まない、オンライン利用率進まない理由が幾つかあるとは思うんですけれども、そのうちの大きなボトルネックの一つに、私は個人の手続における公的個人認証の電子証明、これがあると思っております。 そこで、まずお伺いしたいんですけれども、佐藤大臣は公的個人認証の電子証明、いつ取得されましたか。それで、何に使っていますか。
○国務大臣(佐藤勉君) お答え申し上げたいと思います。 今持ってまいりましたが、最近取得させていただきまして、利用というのは、改めての利用というのはございません。
○行田邦子君 利用されていないというお答えだったんですけれども、恐らくつい最近、住基カードは持たれたかもしれませんけれども、その中に電子証明入れてなかったのかなというふうに思っています。利用はしていないと。 これは大変正直なお答えだと思っていまして、私も今回質問するに当たって慌てて住基カードを作って、電子証明発行しました。だけれども、使い道ないんですよね、ほとんど。一般の個人の方というのはこの電子証明、公的個人認証ってほとんど使い道がなくて、私も何に使ったらいいんだろうと、千円掛けて発行しましたけれども、いまだに使い道がないと。恐らく来年三月の確定申告のときに一回使うぐらいなのかなというふうに思っております。 この公的個人認証というのは行政手続にしか使えないものとなっています。私の考えでは、行政手続のオンライン利用率を促進するためには、今の現行の公的個人認証のシステムというものを抜本的に見直すべきだというふうに思っておりますけれども、佐藤大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(佐藤勉君) 先生おっしゃるとおりだと私も思います。 〔理事神本美恵子君退席、委員長着席〕 したがいまして、今後の公的個人認証サービスを普及拡大させていくためということで、利用者の視点から検討が不可欠だというふうに思います。 これらには、利用者サービスの拡大、そして利便性の向上を図るのに必要な制度を速やかに設計することが重要だというふうに考えておりまして、このため、現在、外部の有識者から成る検討会が開催をされまして、民間事業者などの意見も伺いながら、民間での公的個人認証サービスを利用できるようにするための検討を進めているところでございます。また、民間事業者においても、高いセキュリティーによる本人確認は相当のコストが必要との認識の下で、安心で安全なオンライン利用の実現に努めていただくことが重要と考えております。 私も、こういう分野をいろいろ勉強させていただく中で、たしかもう六、七年前からこの論議をさせていただきながら、先生おっしゃるように進んでいないという現況がありますので、一歩でも進むように努力をしたいと思います。
○行田邦子君 格納媒体を住基カードにするということの見直し、あるいは本当に電子証明は必要なのかという見直し、是非行っていただきたいと思っております。 最後になりますけれども、資料三を御覧いただきたいと思います。 内閣官房IT戦略本部からいただいた資料をまとめました。これまで、平成十四年度から平成二十年度まで、行政の情報化、電子行政、いわゆる電子政府に国が掛けている費用です。年間大体五千億円ぐらいずつ毎年毎年掛けています。莫大な費用を投じている。 私思うには、よく箱物、それから道路についての、いろんな要らないんじゃないかとか無駄遣いということを指摘されますけれども、逆に箱物や道路というのは目に見えるものなんですよね。ところが、このIT投資というのは、国民の皆様の目には見えない、我々の目にも見えない、見えないところでどんどんどんどん、こうして毎年五千億円規模のお金が費やされていくというような状況になっているわけです。目に見えないものこそ、この決算委員会でも、厳しくどのような使い道をしているのか、効率的に使っているのかということをこれからもチェックをしていきたいと思います。 以上です。終わります。
○吉川沙織君 民主党の吉川沙織です。 今日は、厚生労働省の省庁別審査でも取り上げました若年者雇用対策の側面からまた質問をさせていただきたいと思っております。 四月二十日の決算委員会では、若年者雇用対策について主に厚生労働大臣と議論をさせていただきましたが、若年者雇用対策事業は、厚生労働省のほかに経済産業省や文部科学省、内閣府でも行われております。今日は、一つ目として若年者雇用対策に係る関係省庁間の調整、連携の必要性、二つ目として省庁内における事業重複整理の必要性という観点から質問をしていきたいと思います。 四月二十日の決算審査の際にも申し上げましたが、私自身就職活動をいたしましたのは今から十一年前の超就職氷河期で、今またその再来と言われております。今から十年前に会社員として社会人のスタートに立たせていただきましたが、しかしながら一方で、どれだけ働きたいと思ってもどんなに働きたいと願っても、多くの同世代が正社員になれず非正規という働き方で社会に出ざるを得なかった世代の一人でもあります。 正社員になった同世代は、超長時間労働で心身が疲れ果て、一方で、どんなに働きたいと願いながらも当時の経済状況から正社員として社会に出ることができなかった同世代の中には、自らを責め、将来に希望を持てないまま三十歳前後を迎えている状況にあります。そのような中、我が国の二十代、三十代の死因の一位は自殺となっています。それもほかの死因の割合を大きく引き離しての一位であり、ほかの先進国にはない現実であります。若い世代が明日に夢や希望を持てなくなっている国の側面の一つであると思います。 前回はこのことを申し上げてから質疑に入らせていただきましたが、今日はこのことに関してどうしても確認をさせていただきたいことがあるため、この点から質問をさせていただきます。 六月十七日に行われました党首討論を受けて、官房長官は記者会見で次のような発言をなさったと一部報道で報じられています。河村官房長官は十七日の記者会見で、民主党の鳩山代表が党首討論で医療事故や若者の自殺問題を取り上げたことについて、「お涙ちょうだい」の議論をやるゆとりはないのではないか、財源の問題や外交・安全保障などテーマは多々あると述べた。長官は、人の命は重要なテーマだと考えているが、情緒的な話をしている段階ではないとも語った。官房長官記者発表には、ウエブサイトには掲載されていないため、この報道が誤報であることを信じたいのですが、この発言が事実か否か、まず確認をさせてください。
○国務大臣(河村建夫君) お答えいたします。 新聞報道に出たとおり、お涙ちょうだい式のということを申し上げたことは事実であります。ただ、情緒的な、今そういう段階でないということを申し上げました。 それは、確かに鳩山代表が命の大切さをお訴えになった、医療については、医師の数をうんと増やす、あるいは診療報酬のアップを主張されたんです。そのことについて総理が財源いかにしますかという話、これに対して、命より財源が大事なのかと、こうおっしゃった。総理への質問に対してはそのような切り返しがあったということ、これは全くその回答になっていないなという私がまず印象を受けたこと。 それから、命の大切さ、このことはもとより異論がないところでありまして、医療について言えば、政府・与党としてもこの問題は大事だということで、地域医療の再生を図る、あるいは緊急医療対策であるとか、また医師不足対策、あるいは女性特有のがん対策、あるいは未承認薬の開発支援、あるいは新型インフルエンザ対策等々数多くの施策、特に自殺対策もございましたが、これもNPOで頑張っておられる方々に対する百億円の基金等の対策をやっておるわけです。 しかしながら、財源については、現在の医療は将来世代に膨大な負担も先送りしながらでもやらなきゃいけない、こういう現実がある。更なる医療の充実を図るということであれば、具体的な財源というものも当然正面から取り組んでいかなきゃならぬ。そういう意味で、それをただ情緒的な議論ではなくて、かえって将来世代の負担を増幅するものになるのではないかということも含めて、これをそのままやるということは無責任になりますから、そういう意味で私は申し上げた次第でございます。
○吉川沙織君 お涙ちょうだいと官房長官が切って捨てたということを私は本当にショックでありますし、愕然としました。誤報であることを信じていました。しかも、官房長官は閣僚で構成される自殺総合対策会議の会長でもあられますし、自殺対策推進に関する政府の責任者でもいらっしゃいます。そのような立場にあられる方がこのような発言をされることは信じ難いことです。 若い世代が自ら死を選ばざるを得ない状況は、そしてまた、生命力あふれる若者が自殺をするという状況は究極の絶望から来ていることに違いありません。どの時代のどの国よりも恵まれているであろうこの現代の日本に生まれながら、絶望して自らの命を絶つ人がこんなにも多いのは、やはり社会の責任でありますし、今までの政治の責任でもあります。 ここに東京マラソンのときの新聞があります。これ三万五千人ですが、ちょうどここにあります。二〇〇八年、自殺で亡くなった方は、自ら命を絶たれた方は三万二千二百四十九名。これ、三万五千人全員写っていなくてこれだけの人の数です。その重さ、確かに、財源の問題や外交・安全保障などが重要な課題であるということは私自身も十分理解をいたしております。しかしながら、国民の安心と安全を守る、つまり命を守るのが政治家の役目だということも強く感じています。 そこで、改めて官房長官にお伺いいたします。 政府の要職にある官房長官のあの発言、本当に悲しいことですが、あのお涙ちょうだいというのはもしかしたら本音だったのかもしれません。しかしながら、この発言をされたことによって、若者を始め悩んでいる人を絶望に陥れ、もしかしたら引き金を引いてしまったかもしれないなど、影響は大きかったと考えます。 今後このような発言をなさることは二度とないと思いますが、命に対するメッセージ、あればお伺いしたいと思います。
○国務大臣(河村建夫君) かつて、人の命は地球より重いとおっしゃった総理もおられました。やっぱり今もってそれは、命の大事であることは多言を要しません。私も同じような思いでカネミ油症の問題であるとか、今、原子爆弾で苦しんでおられる方々の一括解決といいますか全面解決に向けて今努力をいたしておるわけでございまして、私の言葉がいささか独り歩きした思いもございますが、しかし、口から出たことでありますから、逃げるつもりはありません。 ただ、あのときのやり取りでマスコミの方からも、そういうことを言うと、政府は切るべきところは切っていかなきゃいけないというふうに聞こえるが、どういうことなんですかという実はやり取りがございまして、私としては、もちろん私が言いたかったのはそういうことじゃなくて、今もう非常に切迫、詰まっている話なんだから、そういう情緒的な話をしている段階ではないという、私も深刻な思いをしているんだということを言いたかったんだというふうに申し上げました。 誤解をされるような発言であったということは私も残念に思いますが、まさに人の命の大切さについてはもうまさに真正面から取り組んでいかなきゃいけない課題であることは、私もそういう思いでございます。
○吉川沙織君 情緒的な話としてお涙ちょうだいと切って捨てられたことは本当に多くの方に失望と絶望を与えたと思いますし、官房長官の御発言、本当に重いものがあると思いますので、是非、今後はそのようなことのないようにお願いをします。 次に、厚生労働省と経済産業省の省庁間連携についてお伺いしたいと思います。 厚生労働省と経済産業省の間では、厚生労働省が行っているジョブカフェ事業と経済産業省が十八年度までの三年で行っていたジョブカフェモデル事業のように、非常に似通った事業を行っている部分があり、両省の仕切りが余りよく分かりませんでした。若年者雇用対策に係る両省の違いについて経済産業大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(二階俊博君) ジョブカフェの件につきましては、私も現地へ、船橋市のジョブカフェを見学に行ってまいったこともございますが、若者の皆さんが非常に積極的に御参加をいただいて、一緒になって就職活動を支援をしている姿を拝見したものであります。 今お尋ねありましたように、厚生労働省は主にカウンセリングなどの求職者向けのサービスの充実を中心に支援を行っていただいております。他方、私どもの経済産業省は、中小企業の人材確保という観点から、企業の魅力発信や企業と若年者との接点の提供といった中小企業向けのサービスを中心に支援をしております。 経済産業省が支援する地域では厚生労働省との取組が相乗効果を発揮しており、平成十六年度から昨年度までの累計で約二十七万人の就職を実現する、これは私どもの経済産業省の分でございますが、二十七万人の就職の実現等大きな成果を上げていると考えております。 今回の補正予算におきましても、新たにジョブカフェの設置、あるいは臨時的といいますか週に何回というふうなジョブカフェのようなものをつくっていこうということで、今いろいろ地域の御要望を伺っておるところでありますが、各方面から地方の拠点としてジョブカフェをやっていきたいという希望をたくさんちょうだいしておること、これにしっかりこたえていきたいと思っております。
○吉川沙織君 今、二階大臣、成果の方を強調なさいましたけれども、このジョブカフェにおける就職決定者数は、正社員、非正社員を問わない形であり、雇用の質がまず確保されていません。 と同時に、私、厚生労働省との事業の違い、今あっせんか、それとも中小企業との橋渡しかというお話ございましたけれども、個人的に勉強してもなかなか理解し難い側面がございました。 また、今御答弁の中で触れていただきましたけれども、経済産業省のモデル事業は十六年度から十八年度として展開されていましたが、今御答弁いただきましたとおり、昨年度の補正予算で十五億、そして今年度の補正予算で九億が計上されています。いろいろ気になっていろいろ見ていましたところ、内閣府が運用しているウエブサイトがございます。これ、ニュートラというものなんですが、ニュートラを拝見すると、経済産業省の御担当者、モデル事業が終わった段階で、つまり平成十八年度末で、その先は自立していただかないと困ります、最初からその約束ですからと述べたものがいまだにウエブサイトに載っています。 いずれにしても、確かに細かいところできめ細かな対応を上乗せでするというところで差異はあるのかもしれませんが、非常にそれが分かりづらいというのが現状ではないでしょうか。もちろん、そのサービスを受ける若年層にとってみれば、良いサービスを受けることができれば問題はないわけでございますが、省庁間の事業重複という側面は否めないと思います。 そこで、次に、最近の若者はコミュニケーション能力等が低下しているとの認識の下につくられたとされる事業に関してお伺いいたします。 まず、経済産業省が実施している社会人基礎力育成・評価システム構築事業について、この事業名にある社会人基礎力について何かを経済産業大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(二階俊博君) 社会人基礎力ということは、社会人で多様な人々と共に仕事を行っていく上で必要な基礎的な能力として平成十八年に経済産業省が提唱したものです。 具体的には、前に踏み出す力、あるいは考え抜く力、チームワークで働く力、この三つの能力が必要だということで、そういう能力を引き出していく。経済産業省では社会人基礎力の育成のために、大学においてもモデル事業を実施するとともに、多くの大学の参加を得て、学生が取組の成果を発表する大会を開催したりしておるわけであります。 しかし、これは、今御質問にもありましたように、社会人基礎力ということは、まだまだ必ずしも人口に膾炙されておるとは言い切れない。したがって、こうした面についてはもっと若い人たちの御意見も吸収して、このことに対して、私は発想は確かにいいと思うんですが、これにもっと成果を収めるように今後努力をしていきたいと、このように思っております。
○吉川沙織君 社会人基礎力は、アクション、シンキング、チームワーク、この三つの連係ということでございましたけれども、続いて、厚生労働省が実施されている若年者就職基礎能力支援事業・YESプログラムについて、この事業名にある就職基礎能力について何かを厚生労働大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(舛添要一君) 今御質問の就職基礎能力というのは、これは企業調査を行って、企業が採用に当たって重視する能力を五つの分野で整理したと。 具体的には、第一がコミュニケーション能力、第二に職業人意識、第三が基礎学力、つまり読み書き、計算、計数、数学的思考力、社会人常識、四番目がビジネスマナー、五番目が資格取得。以上であります。
○吉川沙織君 今、コミュニケーション能力、職業人意識、基礎学力、それからビジネスマナー、資格取得ということでございましたが、これ、それぞれの資料、それぞれの省庁が出されている資料を調べてみますと、経済産業省が実施している社会人基礎力とは企業が職場で求める能力であり、厚生労働省が実施している就職基礎能力とは企業が若年者に求める具体的な能力であるとされています。企業が学生に求める能力という点で何ら差異はないと考えられます。 強いて、違いを探してみました。すると、経済産業省は、このプログラムを修了すると振り返りシートをくれる。厚生労働省は、このプログラムを修了すると就職基礎能力修得証明書が厚生労働大臣名で手渡されるという点です。しかしながら、企業が学生に求める能力、力を養成するという点においては同一ではないかと思われますし、重複しているのではないかと言えるのではないでしょうか。 また、それぞれの事業に投入された予算を調べてみましたところ、経済産業省の社会人基礎力に関しては、平成十九年度九千七百万円、平成二十年度五千七百万円、平成二十一年度、倍の一億三千六百万円。若年者就職基礎能力支援事業、これ、ごっちゃになっていますけれども、厚生労働省の方ですが、平成十七年度ぐらいから追ってみますと、経済産業省と合わせて、平成十九年度が七千九百万、平成二十年度が九千百万、平成二十一年度が八千万円で、それぞれ総額すると、それぞれの年度で二億弱掛かっているというような計算になります。 ということで、省庁間の連携取れているのかどうか、同じような事業が展開されてしまっているのではないかという観点からお伺いします。 若年者雇用対策、就労支援に関しましては、関係省庁間で、若者の自立・挑戦のためのアクションプラン、平成十八年の一月に改定されておりますが、これが取りまとめられております。この下で各省庁間の連携でこれが推進されることになっています。しかし、今申し上げたジョブカフェや就職基礎能力や社会人基礎力というように、厚生労働省と経済産業省の事業の重複などを見ると、関係省庁間の連携がいまいち図られているようには思えません。 総理官邸に設置され、関係大臣、これ今日は文部科学大臣以外は全員いらっしゃることになりますが、関係大臣は内閣官房長官、文部科学大臣、厚生労働大臣、経済産業大臣、経済財政政策担当大臣がこれ関係大臣ですが、この関係大臣が構成員となっております若者自立・挑戦戦略会議でこのアクションプランも取りまとめていらっしゃいますが、その会議も、そして官邸ウエブサイトで見たところ、平成十八年一月以来一度も開催されておりません。若年者雇用対策、就労支援に関して、現在、関係省庁間で何らかの調整や協議は行われていらっしゃるのか、官房長官にお伺いいたします。
○国務大臣(河村建夫君) いわゆる就職氷河期において直面した若者、若い方々、特にフリーター、非正規雇用、あるいはニートの方々の職業的な自立、この若者たちの雇用問題というのは非常に重要な課題だと認識しております。 このような認識の下で、これまで、今御指摘がございました若者の自立・挑戦のためのアクションプランあるいは再チャレンジ支援総合プラン、こういうものに基づいて関係府省が対策に取り組んでまいりました。また一方、昨年十二月に、青少年育成推進本部、これは本部長総理でございますが、ここで策定をいたしました新しい青少年育成施策大綱がございます。これにおきまして、困難を抱えておる青少年の育成を支援するための取組を重要課題と、こういたしております。また、この五月、安心社会実現会議を開きました。ここでもやっぱり若者世代の雇用というのを第一課題にした安心実現が図る必要があるという報告の指摘も受けておりますので、これらを踏まえて、今御指摘のように、各省任せにせずに引き続き関係府省一体となって若年層の皆さんの雇用問題、最重要課題として取り組んでいきたいと、このように考えております。
○吉川沙織君 最重要課題として取り組んでいきたいという官房長官の御答弁ございましたけれども、それであるならばなぜ縦割りで同じような事業が展開されているのかというところは甚だ疑問でございますし、再チャレンジのことに関しても今御答弁でおっしゃいましたが、この再チャレンジ、平成十九年で一千七百二十億円、平成二十年度で千八百九十八億円の事業費が投じられていますし、平成十八年一月以降会議は開催されておりませんが、関連省庁の事前評価や事後評価書を拝見すると、このアクションプランを取りまとめ、政府一体となって若年者対策を推進しているところという表記もございますし、アクションプランの具体化を中心として関係府省の連携の下で施策を進めてきたところとの表現がなされております。だからこそ、今前向きな御答弁をいただきましたので、調整、協議、内閣官房として是非行っていただきたいと思います。 さて、ここで行われている様々な事業を拝見いたしますと、先ほど申し上げましたジョブカフェ事業、そしてジョブカフェモデル事業や社会人基礎力、そして就職基礎能力のように、関係省庁間での重複や連携不足が感じられ、無駄が残念ながらあるのではないかと思われます。若年者雇用対策については政府全体の課題ではあるけれども、やはり第一義的には厚生労働大臣が責任を持って取り組まれるべき課題ではなかろうかと思います。横並びの関係省庁の一つとしてではなく、厚生労働省が全体の調整を図り、責任を持って若年者雇用対策を進めていくべきであると考えますが、厚生労働大臣の御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(舛添要一君) 若年者の雇用対策、これはフリーター、年長フリーター含めてこの正規化のために今努力をしていますが、一つは、学生さんたちが先ほどおっしゃった就職氷河期なんかにぶつかるといけない。そうすると、どうしても文部科学大臣、文部科学省との協力も、在学中の段階からの支援ということで一つ必要だと。それから、やはり企業側にも協力をいただかないといけない。そうすると、これは経済産業省ということでありますので、頑張って雇用対策を一生懸命厚生労働省もやりますが、関連の省庁ともこれは連携が必要なんで、そこも忘れないようにしてしっかりとやっていきたいというふうに思っております。
○吉川沙織君 であるならば、先ほど河村官房長官から御答弁いただきましたけれども、内閣官房なりどこか調整、連携、幅広く省庁が何をやっているかを見て調整をするところが必要でありますし、それであるならば、平成十八年一月以降その会議が開かれていないことはやっぱりちょっと残念であります。 次に、厚生労働省が実施する若年者雇用対策の個別事業の重複についてお伺いいたします。 平成十五年度の実施事業は二十、平成十七年度は二十四、平成十九年度の実施事業数は三十六、平成二十一年度、つまり今年度は四十三事業と、右肩上がりに増えている状態にあります。これらの中には非常に似通っていると思われる事業もあります。例えば、先ほど申し上げました若年者就職基礎能力支援事業・YESプログラムと、廃止になりましたけれどもジョブパスポート事業は、いずれも能力証明書や経歴証明書を発行するという点で両者の違いがよく分かりません。また、昨年四月から始められたジョブ・カード事業も似たような側面を持っている事業であります。 四月二十日の決算委員会で厚生労働大臣は、「とにかく予算を付けるためにいろんな事業をつくるという面もあるということを御理解いただければと思います。」と答弁なさいましたが、利用者である若者から見て決して分かりやすいものではありません。少なくとも、重複ある事業は整理して一本化していく必要があると思いますが、改めて厚生労働大臣の御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(舛添要一君) 若者向けにたくさんメニューがあった方がいいなというのがまずあります。それは、予算の獲得ということもありますけれども、ただ、これはフォローアップをしっかりしないといけないんで、やってみて余り人気がないとか、さっきのジョブパスポート事業というのはジョブ・カード制が入ったのでこれはやめると、そういう整理統合もやっていかないといけないというふうに思いますし、今後はもう少し現場の若者の声を聞いて、どういう名前だったら食い付いてくれるのかねということもやりたいと思っていますので、霞が関の感覚だけではどうしても駄目だというふうに思いますから、そういう点も取り入れて効率化、改善を図っていきたいと思います。
○吉川沙織君 これは前回の決算委員会でも申し上げましたけれども、多過ぎるんですよね。もちろん、若年者雇用対策はどんどんやっていただきたいんですけれども、前も申し上げましたが再度申し上げます。ジョブという名が付く事業だけでも、ジョブカフェ、ジョブ・カード、ジョブサポーター、ジョブパスポート、ジョブクラブ、ジョブミーティング、ジョブトレ、ヤングジョブスポット、ジョブパーク、ほかにもいっぱいあります。質疑に当たっていろいろ調べてみても、やっぱりどれが何だかさっぱり分からない、理解に苦労いたしました。ですから、利用する若者が利用しやすいメニューに一元化していく、予算の規模は変えないであっても、やっぱり一元化していくという動きは必要なんじゃないかと思っています。 そこで、平成十九年度決算の観点から一点だけお伺いいたします。 十九年度に実施していた事業の決算額を拝見いたしますと、予算額に対して非常に決算額が小さいもの、若しくは執行残が生じたものがあります。平成十七年度から十九年度まで執行率がそれぞれ三四・三六%、四二・八六%、四六・一五%で推移しているなど多額の執行残が生じている事業や、そもそも決算額が示されていない事業などが散見されます。やっぱりこれは事業メニューが多過ぎることによって利用者に分かりにくいという側面が否定できないのではないかと思いますが、一言でお願いできますでしょうか。
○国務大臣(舛添要一君) なかなか一言で言えなくて、これはよく分析をしてみないといけないと思いますが、今委員の御指摘の点は、これは十分次年度予算に反映させるように努力したいと思います。
○吉川沙織君 数をどんどん増やした事業の中には、残念ながら誤った認識に基づいてつくられてしまったのではないかと思われる事業もあります。 例えば、平成十九年度まで行われていました若者の人間力を高めるための国民運動であります。先ほど取り上げました社会人基礎力や就職基礎能力のように、○○力を好んで使用されている一例でもありますが、若者に人間力、ないんでしょうか。ちなみに、若者の人間力を高めるための国民運動のパンフレットをウエブサイトからダウンロードしてみたのですが、このURLをたたいてみますと既にリンク切れ残念ながら起こしているようなものもあります。 前回の決算委員会でも申し上げましたが、若年者雇用の問題は、最近になって若年層の意識が劣化したために生じているのではなく、企業が残念ながら採用を抑制せざるを得なかったという需要側の構造的な要因で生じているものであります。それにもかかわらず、今年度の若年者雇用対策の資料を見ても、若年層が的確な就職活動を行えないとするなど、若者の側にのみ原因があるかのごとくの表現がなされています。とともに、若者に人間力などの力が付けば解決する問題として事業を打っている側面が少なからず見受けられます。 この点については明確に認識をしていただく必要があると思いますが、大臣の御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(舛添要一君) 人間力とか基礎力を付けることは悪いことではありませんが、若者に原因があるんじゃなくて、私が何度も申し上げていますように、企業の慣行として新卒者ばかりを採ると。だから、既卒者を採ってくれということを、これは直接私も経団連に赴いて何度もお願いしていますし、会うたびにお願いしていますので、今後とも既卒者に対する開放ということは努力してやりますので、企業側にも責任があると思っております。
○吉川沙織君 今、構造的な方にも問題があると御答弁いただきましたけれども、それでもやはり、今の若年者雇用対策はどちらかといえば構造的な問題が個人化をされて、若者たち自身の自己責任に基づく問題への対処が求められる状態となっています。労働市場側の構造的問題を問わずに、若者たちの意識や能力の問題に今日の雇用問題の打開策を求めようとしていると言わざるを得ません。 また、日本における若年者雇用対策は、そのほとんどが就労支援に限定されています。前回の決算委員会での質疑を受けて、厚生労働省から若年者雇用対策事業名をいただいて一覧にしてみました。そうしましたところ、その中に占める調査、会議、キャンペーン、イベント、施設設置、検定制度などの多さに驚かされました。就労支援という形で橋を幾らたくさん造ったとしても、その先に島という安定雇用がなければ残念ながら意味がないということになってしまいます。 今後の若年者雇用対策の在り方について、既卒者の採用を経団連にお願いなさっているというお話ありましたけれども、雇用対策の側面においても構造的問題に踏み込んだ視座が必要であると思いますが、いま一度、大臣の御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(舛添要一君) まずは雇用問題全体をどう解決するか。それから、特に今の若年者の雇用、それから年長フリーター、これは就職氷河期をそのまま引き継いでいますから。これは、今申し上げたように、産業構造全体の問題でもありますし、企業の慣行でもあると思います。ただ、やっぱりどういう時代であっても、自分のその能力を高めていく、そして就労活動に役立つようにするということは非常に必要だと思いますので、そういうことの努力はやりたいと思います。これは主として厚生労働省が行いますけれども、やはり政府全体として取り組まないといけない課題だと思いますので、これは全力を挙げて取り組んでまいりたいと思っております。
○吉川沙織君 是非お願いいたします。 前回も申し上げたことでありますし、厚生労働省からいただいた事業名を一覧にして自分なりに調べてみて若干驚きを感じざるを得なかったのですが、この事業費を、そしてこの事業を本当に必要としている若者に行かなければならないはずのこれらのものが、委託先や再委託先となっている関連法人や関連事業者にそれが流れてしまっているという傾向は、すべてを否定するわけではありませんが、否定できない側面だと思います。 例えば、先ほどから就職基礎能力とか社会人基礎力とか申し上げていますが、例えばこの若年者就職基礎能力支援事業・YESプログラムのパンフレットにも記載されている中央職業能力開発協会あります。ここは、常勤役員がすべて厚生労働省のOBで占められていますが、会計検査院の指摘では国に約四千万円の不正請求が行われている団体でもあります。また、同協会の補助金、委託費は年間約三十億円でありますが、今年度の補正予算では、職業訓練者に生活支援給付などとしてこの協会に七千億円が計上されています。 多額の不正請求が明らかになっている団体に、しかも年間予算が約三十億円の団体にこれらのお金がしっかりとした運用ができるのか甚だ疑問ですが、大臣、これはしっかり見ていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(舛添要一君) 一つの組織をつくり、そこに人を雇うと、次から次と仕事を求めないと組織が存続しない、そういう面はあらゆるところにあると思います。天下りの問題もそこにあります。ただ、きちんとこれは会計検査院の例えば調査、検査に基づいて、不正があれば正していくということをしないといけません。国民の税金を使ってやる仕事ですから、やっぱり成果が上がらないといけないと思いますので、厳しく見ていきたいと思います。
○吉川沙織君 是非厳しくチェックをしていただきたいと思いますし、キャパシティーを超えた基金が積まれるということにもなりますので、是非お願いしたいと思います。 最後になりますけれども、最初から申し上げてきましたとおり、現在、正社員や非正社員を問わず厳しい雇用状況が生じてしまっている背景には、経済のグローバル化と産業構造の変化による安価で量的調整の容易な非正規社員の増大、日本の年齢構成のゆがみと景気変動の不幸な一致による正社員の採用抑制、そして新卒の一括採用がもたらす格差や挽回の困難さなど、複数の要因が絡まり合っていることにあります。政府として平成十五年から一生懸命取り組んでくださっているのは十分理解をいたしますけれども、その取り組んでくださっている多額の事業費が本当に行かなければならない若者に行くべきですし、これが委託先や再委託先が潤ってはいけないとも思います。 そしてまた、若者が明日に夢や希望を持てるような社会をつくるべく、官房長官もおいでいただいておりますので、是非リーダーシップを持って、関係大臣一丸となって、この問題、なかなか世代が違えば認識はもしかしたら残念ながら違うのかもしれませんけれども、この問題、放置をしていきますと、将来の日本社会の経済、将来このままほうっておくと、私世代が六十五歳ぐらいになったときに生活保護費が年間十九兆円も掛かってしまうという予測も昨年になされておりますので、是非前向きに、そして着実に取り組んでいただきたいということを心よりお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○中谷智司君 皆さん、こんにちは。民主党の中谷智司です。 本日は、日本経済、そして日本経済に大きな影響を与えている住宅着工の落ち込みについて御質問をさせていただきます。 まず最初に、与謝野経済財政担当大臣に日本経済についてお伺いをいたしたいと思います。 内閣府が六月十一日に発表した日本のGDP成長率は、昨年十月から十二月期が年率換算マイナス一三・五%、今年一月から三月期がマイナス一四・二%と戦後最大の大きな落ち込みが続いています。 本日は平成十九年度決算の審議ですので、平成十九年度の日本経済のことについてお伺いをいたしたいと思います。大臣の御認識をお聞かせください。
○国務大臣(与謝野馨君) 我が国の経済は、もう先生御承知のように、平成十九年の後半には、その年に行いました建築基準法の影響で住宅投資が進まなかったということで、これがGDPの成長率を押し下げる要因になったわけでございます。 建築基準法の改正の影響だけを抽出するのは困難ですけれども、例えばこの問題だけに限ってお話しすれば、二〇〇七年度の民間住宅投資の動きを見ると前年度比マイナス一三・五%と大幅な減少になっておりまして、これが実質GDP成長率への寄与度は前年比〇・五%の押し下げになっております。 十九年度の日本経済を、過去のことですけれども、どのように認識しているかと、全体を。これは、日本の経済はその当時は堅調な外需、そしてそれに伴う設備投資に支えられて、二〇〇二年一月から緩やかな、かつ息の長い景気が続いておりました。しかし、平成十九年の十月、すなわち二〇〇七年の十月が、後で分かったことですが、ここが山であってその十月を境に景気後退局面に入ったと。この背景には原油、原材料価格の高騰もありますけれども、やはりその年に始まりましたサブプライム問題が企業の生産活動や設備投資計画に大きな影響を与えたと、そのように考えております。
○中谷智司君 今、与謝野大臣からお話がありましたけれども、私も平成十九年度が日本経済の大きな分岐点であったと思っています。 耐震強度偽装事件をきっかけに平成十九年六月に建築基準法が改正されましたが、運用がうまくいかず住宅着工は大きく大きく落ち込みました。加えて、先ほど与謝野大臣がお話をされていましたけれども、サブプライムローンがこのとき既に破綻をしていて、原油価格や資材の価格などが高騰して日本経済、とりわけ私の地元、徳島のような地域経済が深刻な状況になりました。平成二十一年度に入った現時点においても、まだまだ建築基準法改正の後遺症は残っているという話を、私は地元でお話をお伺いをしています。 建築基準法改正による混乱について、今からの時間をいただいて深く議論をさせていただきたいと思います。 平成十九年度の住宅着工数とその前年度に対する比率を住宅局長、お答えください。
○政府参考人(和泉洋人君) 御指摘の平成十九年度の住宅着工戸数は百三万五千五百九十八戸でございまして、前年と比較しますと一九・四%の減少となっております。
○中谷智司君 ありがとうございます。 今、住宅局長がお話をされたことが資料一に載っていますので、御覧ください。それまでは百二十万戸平均だった住宅着工数が、今お話をされたように百三万五千五百九十八戸、前年度と比較して一九・四%減となっています。さらに、一枚おめくりをいただいて、資料二には平成十九年度の住宅着工数を月別にまとめています。これを見ていただいたら容易にお分かりいただけると思いますけれども、八月、九月にはとんでもないくらい落ち込んで、前年同月比四三・三%減、四四%減となっています。このことは昭和四十一年度以来の低水準となっています。多分ここにいらっしゃる委員の皆様の地元でも大変な状況になっていたと思います。 そこで、与謝野大臣にお伺いをいたします。先ほど少し触れてくださいましたけれども、この住宅着工の落ち込みによって日本の経済損失はどの程度の規模になりましたか。
○国務大臣(与謝野馨君) 改正建築基準法の施行の影響による落ち込みからの回復の効果を試算をしました当時、これは二〇〇七年十二月ですが、国土交通省が進めている建築確認審査の円滑化策の効果もありまして建築着工の回復が進みまして、住宅投資は一定のタイムラグを伴いながら二〇〇八年度中に改正法施行前の水準まで回復するものと見込んでおりました。見込んでおりましたが、しかし原油、原材料価格の高騰や世界的な景気後退を背景に、我が国の景気も急速に悪化したことによりまして、建設用材料価格等の上昇による建設コストの上昇、雇用・所得環境の悪化による住宅販売の低迷などの影響を受けまして、住宅投資の水準は回復せず、二〇〇八年度の実質GDP成長率への民間住宅投資の寄与度はマイナス〇・一%となりました。
○中谷智司君 今の与謝野大臣のお話で少しちょっと分かりにくいところがあったんですけれども、大田前大臣は昨年の参議院予算委員会で、実質GDPを〇・六%下押ししたと見ていますと言われました。ここから試算すると、約三兆円強の損失ということになります。平成二十年六月までの一年間の実質GDPは、その前の一年間と比べ〇・五二%、二兆八千七百億円押し下げたと試算した民間シンクタンクもあります。 ここについては同じような認識だと思いますけれども、住宅関連は大変すそ野の広い業界です。まずは建材、鉄鋼やセメント、かわら、次にトイレやキッチンなどの住宅設備機器、カーテンなどの内装を経て家具や家電、そして自動車にまで大きく影響を及ぼすような大変すそ野の広い業界です。建設関連業界には、八兆円から十数兆円の影響が出たことも考えられると言ったアナリストもいました。そして、今さっき与謝野大臣は、これら大きな落ち込みが戻ってきているかどうかについて、それは戻ってきていないと、そういうふうなお話をされましたけれども、私はこの二年間、この参議院に来させていただいてから、この件についても何度か御質問をさせていただきましたけれども、やはり政府の認識というのは余りにも甘い、そういうふうに思っています。 先ほども申し上げましたけれども、政府の取組の失敗によって、三兆円あるいはそれ以上の大きな損失になっています。是非ともこれらの件に関しては、皆様方もきちんと国民のお話を聞いていただきたい。私も地元徳島を回らせていただいて、仕事が減ったという程度では済まないで、仕事が全くなくなったと深刻な表情でお話をされるような方々にもお会いをいたしました。経済に対する認識の甘さはそのまま経済政策の甘さにつながって、そして最終的には企業経営者やあるいは労働者、生活者、つまり私たち国民の生活を苦しめることになります。 現状をきちんと、是非とも与謝野大臣、そしてこれから金子大臣に御質問をさせていただきますけれども、閣僚の方々、そして政府の方々は、そういったことを認識をして政策につなげていただきたいと思います。 私は、住宅着工の落ち込みについて、昨年の参議院予算委員会で冬柴元大臣や、今日ここにいらっしゃる和泉住宅局長と二度にわたって質疑をさせていただきました。このときに、住宅着工の混乱を終息させるのに効果あるのが大臣認定された構造計算プログラムだというお話がありました。和泉住宅局長からは、構造計算プログラムができれば七十日の審査期間が三十五日に短縮できるわけでございまして、その意味において一番効果があるものと考えております、こんな御答弁をいただきました。 そこで、金子大臣にお伺いをいたします。構造計算プログラムの大臣認定の現在の状況をお聞かせください。
○国務大臣(金子一義君) 昨年二月の二十二日に、NTTデータのプログラムを大臣認定構造計算プログラムにつきまして行ったところであります。まだ大臣認定は受けておりませんが、大臣認定のための性能評価を申請しておりますのは現在五社あると報告を受けております。
○中谷智司君 昨年三月の十九日に私が参議院の予算委員会で質疑をした際にも、大臣認定は一社でした。今と全く変わっていません。そして、ほかに、先ほど五社評価申請をしているというお話がありましたけれども、そのときには二社が評価申請をしていました。一年たってもこの件に関してはほとんど変わっていない。先ほど私が申し上げたように、これは日本の経済を三兆円あるいはそれ以上も大きな損失をさせるような、こういうふうな大変難しいそして深刻なことにもかかわらず、真剣に取り組んでいないように思います。 金子大臣、構造計算プログラムの大臣認定が遅れている理由をお聞かせください。
○国務大臣(金子一義君) プログラムの開発に要する時間の問題でありますが、NTTデータのプログラムについては、国が特例的、主体的に関与してプログラムの開発を促進してきたという理由がありまして、通常よりも早期に開発が終了したものと認識しております。 現在、先ほど五社性能評価申請中というお話を申し上げましたが、従来からの旧大臣認定構造プログラムの利用実績などを踏まえて、NTTデータよりもより広範な機能を盛り込んで開発しておられると、そのために一定の時間を要しているものと聞いております。
○中谷智司君 今のお話では大臣認定が早く進んだというようなお話をされましたけれども、私の認識は全く違います。というのも、一社、つまりNTTデータに関しては、今大臣がおっしゃられたように仮認定という特殊なことをいたしまして、そして確かに早く認定をされました。しかし、残りの五社についてはその申請の状況がまだまだ大臣認定にまで至っていない。こういうふうな状況でありますけれども、この件についてはどういうふうにお考えでしょうか。
○政府参考人(和泉洋人君) 今大臣からお答えしたことに尽きるわけでございますが、当初一件もなかったときにつきましては、何しろ早くいわゆる大臣認定プログラムを作るということを目標に、委員御承知のコンソーシアムをつくって、仮認定、そして試行使用、そして本認定という手続を踏みました。 その効果自体でございますけれども、一番大きな効果は何しろ早く大臣認定プログラムを出すということに加えて、もう一つの効果としまして、その大臣認定プログラムを試行利用する中で、後続のプログラムメーカーにも参考になるような様々な不具合情報とかあるいは改善情報、こういったものがそのコンソーシアムの中で一千四百件出てまいりまして、これについては後続のメーカーにも開放、公開してございます。 加えて、そのときに、そういった将来、大臣認定プログラムが出てきたときに審査側あるいは設計側が利用しやすいように、これも費用を使いまして全国で研修を行いました。 そういう中で、今大臣から御説明しましたように、後続のメーカーは元々いわゆる旧認定プログラムを持っておりましたので、そういったときのユーザーのニーズ等を踏まえて、NTTデータで考えましたよりも更に幅広い、具体的に申し上げますと、ちょっと細かくなりますが、いわゆる複雑な形状の耐力壁の耐力計算をする際に、その耐力壁の効果を設計者が工学的な判断をせずに自動的に計算する機能などなど、そういった汎用性の高い機能を盛り込んで各社努力しているところでございまして、その限りにおいて時間が掛かってしまったと、大変申し訳なく思っております。
○中谷智司君 今おっしゃられたように、大変申し訳なく思っておられるというお話をされましたけれども、この件に関しては、やはり私は余りにも時間が掛かり過ぎていると思います。 昨年もお話をしましたけれども、私もアプリケーションを作っていたエンジニアです。もちろん、その仕様が変わっていくことによって時間が掛かり過ぎているというお話なんですけれども、私は、大臣認定の評価方法にも問題があると思います。先ほど住宅局長は、妥当な手法を用いているプログラムメーカーの手法をほかのプログラムメーカーに公開するようなこともされているというお話をされましたけれども、私もいろいろなプログラムメーカーの方からお話を伺いましたけれども、そこは若干プログラムメーカーの方と認識がずれていると思いますし、本来、技術基準解説書に明確に示すことができないことをプログラムメーカーに求めている、こういうふうなこともあるのではないか、そういうふうに思っています。 先ほど、大臣認定を急ぐためコンソーシアムを設立し、NTTデータの構造計算プログラムを仮認定をしたというお話をされました。NTTデータの構造計算プログラムのみが仮認定された理由をお聞かせください。
○政府参考人(和泉洋人君) 過日、委員との議論の中で御説明申し上げましたが、平成二十年一月時点においてこの大臣認定のプログラムがないというようなことで、何しろ実務界から早く、一件でもいいから早く出してほしいと、こういう話がございました。元々こういったものは企業の側から申請するものでございますので、本来は国の方が待っておって指定するという性格のものでございますけれども、そういった状況の中で個別の企業の努力のみにゆだねたのでは時間が掛かるということがございまして、当時、設計側二十三社だと思います。加えて言うと審査側十社、こういった方々から成る、そして当然NTTデータから成るコンソーシアムをつくりまして、共にバグチェック等を行って、そして第一号を出そうと。これが一つの公益性。 もう一点は、その中で、先ほど、今委員若干認識が違うというお話がございましたが、当時の思いとしては、そういう中で様々な不具合情報とかあるいは改善情報について公開することによって後続のメーカーの役にも立てると、加えて審査側、設計側が使いやすいように、基本的な大きな仕組みは同じでございますので、各地で講習会等を行って、後続のメーカーが出てきたときにスムーズに実務に乗るというようなことを準備させていただいたと、こういった趣旨だと思います。
○中谷智司君 今お話をされたコンソーシアムを設立するため、つまり構造計算プログラムを大臣認定するために国費を幾ら使われましたか。
○政府参考人(和泉洋人君) 全体で三千万円でございまして、その内訳でございますが、そのコンソーシアムの運営経費等につきまして七百万円、そして仮認定したプログラムを試設計等で使っていただくと、そういった費用として一千四百万円、今御説明した各地で講習会等を開いた費用として九百万円、都合三千万円を支出させていただいております。
○中谷智司君 今お話をされたような予算三千万円を使ってNTTデータの構造計算プログラムを大臣認定をされました。構造計算適合性判定の申請件数がどのようになっているかお教えください。また、大臣認定構造計算プログラムの使用件数と使用率はどのようになっていますか。住宅局長、お答えください。
○政府参考人(和泉洋人君) いわゆるピアチェック、構造計算適合性判定の申請件数でございますが、平成十九年秋から二十年夏までは約千七百件から約二千三百件程度で推移してございました。平成二十年秋以降、景気の低迷等もございまして大きく減少し、ちなみに直近の平成二十一年四月では千二百七十八件となっております。 そのうち大臣認定構造計算プログラムの使用件数及び使用率でございますが、平成二十年四月以降、毎月数件から十数件で推移してございます。二十一年四月現在、累計六十九件でございます。したがいまして、二十年四月から二十一年四月までの構造計算適合性判定の累積申請件数に対する割合は〇・三%となっております。
○中谷智司君 今、住宅局長がお話をされたことを詳しくまとめたのが資料三です。是非御覧いただきたいと思います。使用件数と使用率が低迷をしていることが一目でお分かりいただけると思います。例えば平成二十年四月ですと、二千百九十五件のうち大臣認定プログラム使用件数は一、使用率が〇・〇五%です。 昨年からの私との議論の中では、住宅着工数の落ち込みを回復させるのに、この認定プログラムの開発が何よりも大切なんだということを当時の冬柴大臣も、そして今議論させていただいています和泉局長もお話をされましたよね。 実際にこの利用実績を都道府県別にまとめたのが、もう一枚めくっていただいて資料四です。私の地元徳島は利用件数がゼロです。先ほども申し上げましたように、冬柴元大臣は、業界が待ち望み、省を挙げて取り組んでいるとまで言っていましたが、それにしてもこれを見ると余りにもお粗末だと思います。 金子大臣にお伺いいたします。大臣認定構造計算プログラムの使用数、使用率は増加する見込みですか。大臣。
○政府参考人(和泉洋人君) 増加する見込みでございますが、まず理由は、今委員御指摘のNTTデータの使用件数少ないということでございますが、これ、委員御案内のとおり、従前、この大臣認定プログラムができる前に、計算ツールとしての認定プログラムがございまして、各々その顧客がおったわけでございます。したがって、NTTデータだけが現在大臣認定プログラムが認定されましたが、従前の各々のソフト会社の顧客さんはなかなか移りにくかったということが一つあるかと思います。 その上ででございますが、冒頭、大臣からも御説明しましたように、従来、そういった計算ツールとしての認定プログラム、大手数社、五社でございますが、こういった方々が今性能評価を申請してございます。一番初めに申請した中には相当いいところまで来ているものがございまして、そういった元々のその市場占有率の高い業者さんの認定プログラムが認知されれば、今後そういった使用も増えてくるんじゃないかと、こう期待してございます。
○中谷智司君 今、旧大臣認定プログラムを使われている方がいらっしゃるというお話がありましたけれども、私自身ももちろんそのことは存じています。しかし、ずっと元大臣やあるいは住宅局長がお話をされていたのは、大臣認定をすることによって住宅着工の落ち込みが回復することができる、そういうふうにお話をされましたね。その件はいかがですか。
○政府参考人(和泉洋人君) 当時、現場の建築確認の停滞なかんずく構造計算適合性判定の停滞で、大変現場に迷惑掛けました。その中で、私どもやれることは一生懸命やってきたわけでございますが、その一つの大きな柱として、委員御指摘のように、構造計算の大臣認定プログラムができれば、これは法律上、確認検査期間が最長七十日であるのに対しまして、この大臣認定の構造計算プログラムを使ったものは三十五日ということがございますので、その限りにおいて極めて大きな効果があるし、かつそういったものが早く世の中に出て使われることについて我々も努力をしたいというふうに申し上げました。
○中谷智司君 今のお話を聞いてもそうなんですけれども、私もいろいろな方々からお話を伺いましたけれども、大臣認定されている構造計算プログラムを使っても審査期間が大幅に短縮する可能性は低いのではないかと、こういうふうなお話がありました。それは多分、今さっき和泉住宅局長がお話をされたように、旧の大臣認定プログラム、つまり今大臣認定をされていない構造計算プログラムを使っているからということなんだと私も思います。だからこそ、昨年言ったことと、今のお話を聞いていますと、言っていることが全く違っています。是非とも、そこの御認識を持っていただきたいと思います。
○政府参考人(和泉洋人君) 新しい大臣認定プログラムは法律上七十日じゃなくて三十五日でございますから、その限りにおいて極めて効果があると思っています。これが一点でございます。 もう一点、今御答弁申し上げたのは、いわゆる他のメーカーが大臣認定ではない、すなわち三十五日という効果はないけれども、新しい構造基準等に適合した新しいプログラムを並行して開発し、それが使用されておると。一方で、構造計算適合性判定機関の方も大分習熟してまいりましたということがございまして、そういった効果が相乗的に効いて、まだまだ委員御指摘のように現場で部分的に困っている部分もございますけれども、相当程度改善されてきたというふうに認識しているのが現状でございます。
○中谷智司君 今までの議論を基に、金子大臣にお伺いをいたします。 構造計算プログラムの大臣認定に国費やそしてもちろん人員を使っていますけれども、効果は出ていますか、どういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(金子一義君) 先般の建築基準法の改正、これは、耐震偽装問題再発を防止するということで不可欠な措置として、やはりこういう問題で国民が不安を受けるということが一番困るということで、一日も早く国民が安心して住宅取得あるいは建築物利用できるというためにも公布後一年以内に施行すると。そういう意味で、普通もう少し時間を掛けてやるということを非常に早めたという、国会の議論も、委員の御指摘もあったんだと思います。改正法の施行後は、確かに御指摘いただきましたように、建築確認手続の現場、混乱をしました。国民経済に非常に影響を与えたと思っております。 ただ、最近、実務者向けのリーフレット、それから手続の写し等々、申請者が申請するのに非常に今までいっぱい申請書を出さなきゃいけなかったのを簡略化する、あるいは政省令の改正といったようなもの、それから、先ほど住宅局長がお話ししましたような指定構造計算適合性判定機関、対してヒアリングを行って判定の迅速にやってほしいという要請をするといったようなところで、建築確認の手続についてはそれなりに円滑化を図ってきたところであります。 それからもう一つでありますけれども、今年に入りましてから、五月二十七日からは、建築士法改正によりまして、構造設計一級建築士によりまして一定の建築物への設計の関与の義務付け、これが施行されます。また、十月一日からは、住宅瑕疵担保責任法によります資力確保の義務付けが施行される、こういうことを通じまして再度混乱が生ずることのないよう円滑な施行に万全を期してまいりたいと思っております。 それからもう一つ、少し余談になりますけど、中谷委員、住宅が非常に落ち込んでしまったということに対して認識が甘いという御指摘がございましたけれども、決してそういう意識持っておりません。非常に厳しい落ち込みであると。 これだけの経済状況の中で、建築基準法自身が一つ大きな要因になったことは事実であるけれども、しかし、これを一刻も早く立て直していかなければいけないということで、今の建築基準法の手続のみならず、今年でありますけれども、過去最大の住宅ローンの減税を行う、あるいは持家、手持ちの資金に対しても優遇税制を行う。先週金曜日には、五百万の贈与税、住宅に関して非課税という措置をとらせていただくといったような、住宅の回復、これサブプライムの大きな影響、経済の大きな影響でありますから、これはもう中谷委員もよく御理解いただいた上でだと思っておりますけれども、したがって、この建築基準法だけじゃなくて、やっぱり総合的に住宅建設者、需要者のマインドを早く復活させていきたい。そのために建築基準法が阻害要因にならないようにしていきたいという意味では、多分中谷委員と私も同じ意見だと思います。
○中谷智司君 住宅着工の落ち込みについて深刻な状況である、大変厳しい状況であるという認識を金子大臣が持ってくださっていたことについては本当に有り難く思います。しかし、やはりこの二年間、もっと言うと、耐震強度偽装事件が起こって以降の取組を見ていると、やはり私は認識もその当時は甘かったですし、そしてそれに対する取組も間違っていたと思います。 この建築基準法改正の混乱によって政府や国土交通省はどのように責任を感じ、どのような責任を取られましたか。金子大臣、お答えください。
○国務大臣(金子一義君) 一刻も早く消費者に理解されるように、まずは建築関係の皆さん方にスムーズに理解をされるように、法令改正、先ほど申し上げました。それからもう一つ、建築士が足らないという問題というのがあるんで、これは今度は国の金で県にセンターをつくりまして、これは各都道府県に全部つくりまして、そこで国がお金を出して、そして建築士不足あるいは持ち込まれたときの相談事項、一刻も早くスムーズに発注者の要望が通るような体制をつくるということで、一刻も早い回復ができる環境をつくってまいっております。
○中谷智司君 冬柴元大臣も、前向きに取り組んでいくこと、この混乱を回避することが私の責任の取り方だというふうなお話をされました。この耐震強度偽装事件が起こり、建築基準法の改正、その結果、先ほどからお話をしている住宅着工が落ち込んで日本経済が混乱をしているこの間、国土交通大臣は五人、住宅局長は三人、私が知る限り、どなたも責任を取られていないように思います。 この住宅着工の落ち込みを始め、日本経済に大きな打撃を与えて私たち国民の生活を混乱させた大きな大きな問題です。倒産に追い込まれた企業もありますし、仕事をなくした方もいらっしゃいます。トップ自らが責任を取るべき深刻な問題だと私は思います。 本件に関連して、改正建築士法が施行されましたし、住宅瑕疵担保履行法が近く施行される予定です。改正建築基準法のような混乱が起こらないように、是非とも国土交通省挙げて取り組んでいただきたいと思います。 本委員会で、神本理事が学校の耐震化、舟山委員が住宅の耐震化の取組をただしましたし、耐震化については衆参の委員会で数多くの方々が早急に進めるべきと言っています。私の地元徳島でも、命や財産を守るため、南海地震発生に備えて全力で取り組んでいます。住宅、学校、病院などの耐震化に予算が組まれていますけれども、この件は順調に進んでいますか。一連の法律改正の影響は出ていませんか。あるいは、発注が集中して工事が進んでいないなどの問題は起こっていませんか。金子大臣、お答えください。
○政府参考人(和泉洋人君) 委員御指摘のとおり、住宅、学校、病院などの耐震化、一番急ぐテーマでございます。特に、地震による人的、経済的被害を軽減するためにも最大の課題でございます。 このため、国土交通省におきましても、住宅、建築物の耐震化に係る予算の確保並びにその制度の拡充、こういったことを行ってまいりましたし、文部科学省や厚生労働省におかれましても、委員御指摘のように、大きな予算を確保して学校、病院の耐震化に尽力しておるところでございます。 今の御質問の点でございますが、いわゆる一連の法改正、今回の基準法改正等々が影響があるかということについて言いますと、多くの耐震改修が建築確認を要しないケースが多うございますんで、その限りにおいて法改正が影響することはないとは思いますが、ただし、一方で耐震診断の技術者等が各地で不足する、全国的には足りているわけでございますけれども、いわゆる地域偏在において不足する、こういった問題がございますので、先ほど大臣からも御答弁申し上げましたが、各県の事務所協会に国費を使ってサポートセンターを設け、今回の建築確認の問題のみならず、耐震改修等においてそういった技術者が足りない場合のあっせん等についても鋭意努力してございます。 ちなみに、全国で千七百三十七事務所が耐震診断、改修等についての能力を有するというようなことがございまして、そのリストを設け、ちなみに委員御地元の徳島県でも三十事務所がこういった協力事務所として登録をしていただいておりまして、そのうち十四事務所はすべての構造に対応できる事務所ということで登録をしておる状況でございます。
○中谷智司君 命や財産を守る、そして景気、経済にも大きな影響を及ぼすものです。是非とも前向きに取り組んでください。 政府の方々には、肌身をもって現実を理解した上で国民と一丸となって政策を練り上げていただきたいですし、職務に取り組んでください。 ありがとうございました。
○委員長(家西悟君) 午後一時半に再開することとし、休憩いたします。 午後零時三十四分休憩 ─────・───── 午後一時三十分開会
○委員長(家西悟君) ただいまから決算委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、丸山和也君が委員を辞任され、その補欠として石井準一君が選任されました。 ─────────────
○委員長(家西悟君) 休憩前に引き続き、平成十九年度決算外二件及び予備費関係五件を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○塚田一郎君 ありがとうございます。自由民主党の塚田一郎でございます。 今日は、各大臣、お忙しい中、お出ましをいただきまして大変ありがとうございます。 まず、北朝鮮問題を中心にお話を伺ってまいりたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。若干近時の、ここ数日の動きもありますので、質問の順番が少し変わるところがあるかもしれませんが、御容赦を願いたいというふうに思います。 まずもって、国連の決議、これについては中曽根外務大臣、河村官房長官を筆頭に大変な御尽力をいただきまして、二〇〇六年の一七一八に比べても更に強い内容の一八七四決議がなされたことは大変に私は良かったことだと思いますし、大きな成果を得ていただいたというふうに思います。これからはやはり、中曽根外務大臣がおっしゃっているとおり、この決議をいかに実効性あるものにするかということが大変重要な課題になってくるというふうに思います。 そこでまず、お伺いをしたいんですが、同決議においては、最初の一年間、制裁委員会の指示の下で行動する七人の専門家グループを設置するというふうにされております。これは当然私は日本がこの七名のメンバーの中に入るべきだと強く思っております。そのことについて今現状として決定をされているのか、これをまず一点。 そして、この制裁委員会の下の七人の専門家グループはどのような機能でこれからこれらの措置の確実な履行に資するようになるのか、その点について外務大臣から御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(中曽根弘文君) さきに採択をされました国連の安保理の決議、これは一八七四号でございますけれども、これの主文の二十六におきまして、ここでは、国連の事務総長に対しまして、北朝鮮制裁委員会と協議をし、同委員会の任務の支援、決議一七一八号及び本決議で課されました措置の履行に関する情報収集、また審査、分析、並びに同委員会や安保理等の検討のために、この措置履行の改善に係る勧告などの任務を遂行するために、この委員会の指示の下に、今委員がおっしゃいました七名までの専門家のグループ、これ専門家パネルとも言うそうですけれども、これを当初一年の間設置することを要請をしているわけであります。 私どもとしては、この決議の採択にも積極的にかかわりましたし、これを実効あらしめるために日本としても当然のことながら役割を果たさなければいけないと思っております。 ただ、この専門家パネルのメンバーにつきましてはまだ決定されていないところでございますが、我が国としては、まずパネルができるだけ早く設置されるようにということと、そして設置されましたら、この制裁履行に資する役割を果たせますように我が国としても積極的に貢献していきたいと、そういうふうに思っております。 なお、この機能についてでございますけれども、これはさきの決議の一七一八号及び今回の決議、一八七四号でございますね、これの実効性を高めるためには、やはり制裁措置の履行に関する情報の収集とかまた分析などの面で制裁委員会をしっかりと強化する必要があると、そういうところから安保理としてこのような専門家パネルを設置したものと、そういうふうに聞いているところでございます。
○塚田一郎君 ありがとうございます。 是非、日本が主体的にかかわって、アメリカ等との関連国とともにこの決議を導いたわけでありますから、この七名のグループに是非入っていただいて、併せてこうした履行の強化に取り組んでいただきたいと思います。 それに関連してなんですけれども、今ほど情報収集、分析というお話がありましたが、やはり一七一八のときもそうなんですけれども、いろいろな制裁措置が実際に決まって、問題はどう履行するかだと。例えば、奢侈品の禁輸というふうにいってもそのリストが定まらなかったり、あるいはそれぞれの国で履行状況がはっきりしていなかったりということがやはりあったわけですね。それが、抑止力が十分に働かなかったことが引き続き北朝鮮がこのような暴挙を続けていることにもつながっているのではないかというふうに考えるわけでありますが、今回の制裁委員会並びに新たな専門家グループというのは、例えば中国なども含めていろいろな国がこうした履行をしているかどうかを検証した上で、実際にそれを強力に強制をするような権限、こうした機能を持っているのか、その点について少し御説明いただけますでしょうか。
○政府参考人(石井正文君) 事実関係でございますので、私の方から若干補足させていただきます。 先ほど大臣から申し上げました決議の主文二十六におきましては、この専門家パネルは安保理、それから制裁委員会又は加盟国が検討し得る制裁措置の実施を改善するための行動について勧告を行うということになっております。したがって、勧告を行うことはこの専門家パネルの機能ではございますが、それを検討するかどうか、これはあくまで作業部会、安保理、加盟国の判断ということになっております。 ただし、同時に、この決議は主文二十七におきまして、安保理はすべての国、関係機関などに対し情報提供を通じて委員会及び専門家パネルと完全に協力するということを要請しておりますので、それなりの情報をしっかり専門家パネルに与えるということが期待されるということでございます。
○塚田一郎君 是非、こうした決議が有効に実効力あるものになるように、こうした機能を使ってこれからも政府一丸となって取り組んでいただきたいということをお願いをさせていただきます。 今回の決議の中に、前回から更に強化をされる内容として、武器禁輸の強化あるいは輸出入禁止品目の疑いがある貨物の検査の強化といったことが盛り込まれているわけであります。特に、この貨物検査の強化、いわゆる船舶検査ということを含むわけですが、これについては大変有効だろうというふうに我々も考えているわけでありますが、まず、アメリカの動きが既に出ているわけであります。 ここ数日の新聞等によりますと、北朝鮮の貨物船カンナム号、一部にはカンナム一号というふうに言ってありますが、米政府が十七日に北朝鮮を出航したこの船カンナム号の監視を続けているというふうな報道があります。この船は北朝鮮から恐らくシンガポール経由でミャンマーに向かっているということでありまして、十八日の日にはアメリカのマレン統合参謀本部議長も、国連安全保障理事会決議を積極的に実行するというようなことをおっしゃっているわけであります。そうすると、まさにアメリカはまず実効力を有する形でこの北朝鮮の船を今捕捉をしているということなんですが、これらの状況について我が国の政府としてはどのように情報を把握されているのか、その点について、まず外務省からお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(石井正文君) ただいま委員御指摘になりました報道につきましては承知しております。 また、六月十八日、ゲーツ国防長官、それからマレン米統合参謀本部議長は記者会見におきまして、記者が米海軍は北朝鮮船籍の船舶のカンナム号を追跡しているということを指摘いたしまして、その船舶に乗船する用意はあるかなどと質問されたのに対しまして、マレン議長より、先ほど委員お話ありましたように、るる安保理決議一八七四号の内容を説明した上で、現時点で個別の詳細について言及するつもりはないというふうに発言をしたというふうに理解しております。 アメリカ軍の活動の詳細、それから本件をめぐるいろいろな状況につきましては日々アメリカ側と情報を交換しておるところでございますが、個別の内容につきましては、恐縮でございますが、差し控えさせていただければと思っております。
○塚田一郎君 同様の内容について、防衛省の方で今のお話以外に何かあればお聞かせをいただきたいと思いますが、よろしくお願いします。
○政府参考人(高見澤將林君) お答えいたします。 ただいま外務省から御答弁いただいたとおりでございますけれども、防衛省といたしましては、北朝鮮関連動向につきましては、こういった問題に限らず、各種武器等の移転、拡散の指摘があることも認識しながら、平素から情報の収集、分析に努めております。 様々な情報には接しているところでございますけれども、個々の具体的な情報の内容につきましては、先ほどの外務省の答弁と同じで恐縮でございますけれども、事柄の性質上、コメントを差し控えるということで御理解をいただきたいと思います。 ただ、いずれにいたしましても、こういった動向につきましては、現下の情勢も踏まえまして、引き続き重大な関心を持って、あらゆる手段を通じて情報の収集、分析に努めてまいりたいというふうに考えております。
○塚田一郎君 よろしくお願いします。 もう実際、決議が起きてすぐにこうしたことが起きているということですから、これからもどんな状況が起きてくるかも分かりませんので、引き続き情報収集、これ場合によっては初めての船舶検査の履行ということになりますので、それに伴ってどんな事態が起きるやもしれません。その辺も含めて、政府の方で是非引き続き監視体制を強化していただきたいというふうに思います。 これに関連をしてでありますけれども、当然、国連の船舶検査は加盟国に要請をされている内容であります。したがって、我が国政府も、この決議を強力に導いた立場としても、何としても船舶検査あるいは貨物の検査等についてやっていかなければいけない。しかしながら、現行の国内の法整備では、こうしたことが周辺事態等でないとなかなかうまく対応できないという現実があります。 それを踏まえて、今政府は、新たな船舶検査関連の法制を御検討されているというふうに伺っております。いろんな報道では、海上保安庁を主体的にというようなお話とか、自民党の中では、やはり海上自衛隊も一致して体制として対応できるようにするべきだというような意見も出ておりますが、私自身は、やはり今お話があったとおり、アメリカ自体も軍が主体的に情報を収集をして、イージス艦が出たというような情報もあります。こういうことを考えると、我が国の検査法についても海上保安庁そして海上自衛隊のいずれもが対応できるような法整備にするべきではないかというふうに考えますが、官房長官、いかがでしょうか。
○国務大臣(河村建夫君) 政府としては、安保理決議第一八七四号、この実効あらしめるために必要な法案の整備、これを急がなきゃならぬと思っておりまして、現在、論点を整理いたしております。 そこで、今御指摘の点でございますが、六月十八日に開催されました与党の北朝鮮の貨物検査に関するプロジェクトチーム、ここで御指摘がございました、海上保安庁あるいは海上自衛隊いずれもが船舶検査に対応できるようにすべきではないかと、こういう議論があったことも承知をいたしております。政府としても、この点は目下検討中と申し上げる段階だというふうに思っております。 ただ、いずれにしても、こうした与党の御議論もございますので、政府としても、これを踏まえるといいますか、そうした御指摘も踏まえながら、速やかな検討を要する、この問題はいずれにしてもこの国会で法案を提出するという方向で今調整をいたしているところでございまして、そういうつもりで対応していきたいと、このように思っております。
○塚田一郎君 残り限られた国会の会期内でありますけれども、やはりこれはもう可及速やかに立法を行わなければいけない状況であります。今申し上げたとおり、既に北朝鮮の船はいろんな活動をしているわけでありますので、その意味では、民主党の皆様からも是非御協力をいただいて、今国会中でこの法律、きちっとした形で立法できるように我々も議会の側で頑張っていきたいというふうに思いますので、政府としても、引き続き検討を急いでいただいて、国会での審議が早くできるようにお手続をいただければというふうに思います。 官房長官には、本当に私は毎週のように官邸にお邪魔をしておりまして、いろいろな北朝鮮問題についてのお願いを差し上げているわけでありますが、自民党の方でも、特命委員会の中で、経済制裁のシミュレーションチームというのを私事務局長を務めさせていただいている中で、今年に入ってから何度となく対北朝鮮の我が国としての独自の追加措置、いわゆる経済制裁などの措置をお願いをさせていただいておりましたところ、今回、この国連決議の後に、輸出の全面禁止と各種措置に違反をした外国人の再入国禁止ということの実施を決定をいただいたというわけであります。大変にこれは有り難いことですけれども、やはりきちっと、国連の決議もそうですけれども、国内の独自の措置もきちっとこれが法執行力が有効に働いて機能するということが大変に重要だと思います。 その意味で、これらの今までの国連決議、そして新たに課された日本国内独自の措置も含めて、こうしたことの制裁措置が実施状況がどのようになっているか、あるいは、今までの実施効果がどのようになっているかの検証、こうしたことを行う、特にコーディネートをしていく各省庁横断のチームを官房の中で、もちろん官房長官が大臣をお務めいただいているわけでありますが、そういうチームが見える形で機能をしていくように今後もお願いをしたいと思うんですが、この点についてはいかがでしょうか。
○国務大臣(河村建夫君) 塚田委員にも何度か官邸を訪れていただきましていろんな御指摘をいただいて、政府としても、それを踏まえ今具体的な対策を講じておるところでございまして、感謝申し上げます。 北朝鮮に、日本を含む国際社会の意思というものをやっぱり明確に伝える必要があるし、それから前向きな行動を取らせる必要がある。安保理決議一七一八に続いて一八七四が出ました。このことをいかに実効あらしめるかということ、そのためにきちっとした対応は是非必要でございます。特に、日本にとりましては、北朝鮮の核を始めとする脅威に最もさらされると言っても過言でない。安保理決議に基づく措置あるいは独自の対北朝鮮措置、これを適切に実施することは、これは当然だというふうに考えております。 これらの対北朝鮮措置に対しましても、これまでも内閣官房を始め関係各省庁とも連携を取りながら適切に実施してきておるところです。また、措置の実施状況あるいは効果、これについても不断の検討はやってきております。今後とも、ただいま御指摘のような省庁横断的な組織を持ってきちっと対応するようにという御指摘でございますので、これを踏まえて政府一体となった取組を強化したいと思っております。また、発信の仕方についても検討を加えたいと思っております。 これまでの、今官邸にございます組織というのが、いわゆる拉致問題対策本部という形になっておりまして、今必要なのは、拉致問題はもちろん重要でございます。さらに、総括的な制裁検証が必要になってきておりますので、そうした総括的ないわゆる対応ができるような組織、こういうものを今検討させておりまして、まさにこの措置に対する実効をいかにあらしめるかということに更に力を注いでまいりたいと、このように考えております。
○塚田一郎君 官房長官から力強い御答弁をいただきまして感謝を申し上げます。 まさに今御指摘があったとおり、拉致問題、これはもう対策本部で一生懸命やっていただいているわけですが、北朝鮮に関しては我が国は三つの懸案事項があるわけでありまして、まさに拉致、核、ミサイルと、今それらすべてが非常に切迫した状況にあるわけでありますから、そういう意味で、官邸の機能を更に強化をいただけるということは有り難いことであります。 アメリカの場合ですと、例えばNSCとかCIAのような、情報収集をしてそれを分析をする、それをまた政府に上げるような機能があるわけですけれども、我が国の場合そうしたものをすべて有しているわけではありません。逆に言えば、内閣官房調査室などがそうしたことをやっていただいているわけなんで、やはり内閣に大きな機能を期待されているというふうに思いますので、引き続きよろしくお願いを申し上げたいと思います。 次の御質問もアメリカの独自制裁に関連をするニュースでありまして、つい十八日の日のニュースだったので追加で通告をさせていただきまして恐縮でありますが、米財務省が十八日に米国内のすべての金融機関に対して、いわゆる十七の北関連の金融機関をリストアップをして北朝鮮が絡む金融取引の監視強化などを求める勧告を出したというふうに伝わっております。 これはまさに、国連決議で各国の措置と合わせつつ米国が独自に、いわゆるマネーロンダリングですとか犯罪関連の資金の流れを止めるために実施をした一つの例だというふうに思います。過去にもアメリカは、いわゆるマカオにあるBDA、バンコ・デルタ・アジアの制裁等を実施をして、大変これが効果があったということが我々が認識をしているところでありますけれども、近時のこうしたアメリカの財務省の動きも踏まえて、今、日米でどのような連携が、制裁がなされているのか、これはまず外務大臣の方からお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
○国務大臣(中曽根弘文君) 六月の十二日に安保理で全会一致で採択されましたこの決議の一八七四号、これでは、もう委員も御承知のとおり、制裁措置として武器禁輸、それから貨物検査、そして更に金融面での措置ということがあるわけでありますけれども、そういう意味では、金融面での措置というのは大変重要であると、そういうふうに思っております。この決議を真に実効性あるものにするためにこれは必要でありまして、加盟各国がこれを着実に実施をしていくということが不可欠でございます。 政府といたしましては、米国や韓国を始めといたします関係国と緊密に連携を取り、連絡を取り合いながら、この決議を実効あらしめるように適切な対応を早期に取るということで今いろいろ準備を行っているところでございますが、御承知のとおり、我が国独自のまずそういうような制裁といたしまして、十六日に新たに、北朝鮮に向けたすべての品目の輸出の禁止及び対北朝鮮の貿易・金融措置に違反しそして刑の確定した在留外国人の北朝鮮を渡航先とした再入国、これなどを原則として許可をしない措置をとることとしたところでございます。これらにつきましては、委員を始め国会の皆さんのいろいろな御指導、御意見を参考にさせていただいたところでございます。 米国政府は、今お話ありましたように、この決議一八七四号をしっかりと実施することが重要であると、そういう考えの下に、十八日に米国の財務省が、安保理決議一八七四号が北朝鮮の核ミサイル、WMD関連の計画、活動に貢献し得る金融サービスの提供などの防止を各国に要請していることを受けまして、米国の金融機関に対して勧告を発出をいたしております。それでは、北朝鮮に所在いたします十七の銀行をリストアップをいたしまして、北朝鮮の顧客との取引等に当たり一層の注意を呼びかけているものでございます。 我が国政府といたしましては、そういう金融面の措置を含めましてこの決議に基づく措置をしっかりと実施することが重要と考えておりまして、引き続き米国を始めとする関係国と連携を取りながらしっかりとした対応を取っていきたいと思っております。
○塚田一郎君 ありがとうございます。 やはりアメリカがいよいよ動き出したということでありますので、日本は当然独自の輸出禁止あるいは再入国規制の措置もとっていただいているわけですが、こうしたアメリカの関連で、これ実際にリストを見ると、この十七の金融機関の実名がリストアップをされております。日本も十五団体一個人ということでリストアップをされているわけですが、すべて多分ここに含まれていないものもあるのかなというふうに思いますし、こうしたことも含めて情報交換を密に行っていただきたいんですが。 そのことにも関連をして警察庁にお伺いをしたいんですが、今のアメリカの財務省の発表の内容も踏まえて、例えばマネーロンダリングの関連の情報ですとかそうした犯罪関係の情報交換を、日本、アメリカ、韓国等でこうした情報の共有はどのように行われているんでしょうか。警察庁、お願いします。
○政府参考人(池田克彦君) 北朝鮮につきましては、ただいま御指摘のとおり、マネーロンダリングあるいは偽札や薬物の製造や流通、こういうような違法行為に関連があるという指摘がなされているところでございまして、警察といたしましても重大な関心を持っているところでございます。 このような北朝鮮の動向につきましては、警察といたしましては、アメリカ、韓国を始めといたします海外の関係各機関と鋭意情報交換を行っているところでございます。今後とも、国内外の関係各機関とも十分に連携をした上、関係情報を収集して、具体的な違法行為を確認されれば厳正に対処してまいりたいというふうに考えております。
○塚田一郎君 やはりこうした金融制裁というのはまず特定をすることから始まるわけであって、このアメリカのトレジャリーの文書の中にも、いわゆる偽造通貨の問題、そしてまた麻薬等の密輸の問題、あるいはマネーロンダリングの問題という具体的な言及があります。こうしたことをトレースをしていく中でこういう金融機関が浮き彫りになってきたということでありますので、日本独自だけでは情報収集できない場合もあるかと思いますけれども、やはり関連各国と密に連携をしていただきたいと思いますし、このアメリカのトレジャリーの文書の中にも、いろんな国に対しても同様のリストアップしたところについての措置を要請をしていきたいという文章も書いてありますので、引き続き日本政府としても、この十七リストだけではないと思いますが、今後も含めて連携強化を図っていただきたいというふうに思います。 まさにこうした意味でも官房の機能が、先ほどお話をしたことの補足になるんですが、いろんな情報が多分これから関連国からも来ると思うんですね。その際に、それぞれの部署で、例えば財務省になるんでしょう、金融の場合はですね。しかし、それのまず一元的に情報を収集をして、外務省あるいは今お話があった警察庁から上がってきたものを官房で割り振りをして、実際の省庁でそれをどういうふうに対応できるかという、まさにこのコントロール機能も先ほどお話をした各省庁の横断機能に含まれると私は思うんですが、その辺も踏まえて、もう一言官房長官からいただければと思うんですが。よろしくお願いします。
○国務大臣(河村建夫君) 御指摘のとおり、新しい安保理決議も出てきて、これをいかに実効あらしめるかということは非常に大事になってまいりますので、ただいまの警察情報も含めそうした、あるいは防衛省等関連省庁との連携を非常に取っていく、またコントロールタワーの役目を内閣官房が果たしていくことは非常に大事だと思っておりますので、先ほど御答弁申し上げた省庁横断的なチームといいますか、その機能が急がれると、こう思って今検討をさせているところでございます。
○塚田一郎君 ありがとうございます。是非よろしくお願いをいたします。 時間もだんだんたってまいりますので、先の質問に入らしていただきたいんですが。 近時、ミサイルの発射をまた北朝鮮が強行するのではないかというような情報も多く流れているわけであります。実はアメリカの下院の外交委員会で十七日の日に公聴会が開かれました。その席でアメリカの北朝鮮専門家のセリグ・ハリソン国際政策センター・アジア計画部長という方がこの公聴会でしゃべられているわけでありますが、大変にちょっと私としてはどきっとするようなことをこの席で話されてます。 これはどういう内容かというと、北朝鮮では反日感情の強い若手将校が影響力を強めており、北朝鮮が今回の制裁等の結果でもし戦争を始める場合、攻撃対象は韓国ではなく日本であろうというような見解をこのアメリカの下院の公聴会でハリソン氏は述べているということであります。ハリソン氏は今年に入ってからも北朝鮮に行かれたというようなことも情報も入っておりますし、このことがどれだけ信憑性があるかということあるんですが、アメリカの外交の公聴会で語られたということでありますから、大変に重要な一つの指摘であります。もしかすると、本当に北朝鮮にとって今、日本というのはそうした対象になっている可能性がすごく高いのかな、私自身は大変に危惧をしているわけであります。 そうした折に、もしまたミサイルの発射実験が行われる場合に、いろんなケースが今後考えられてきます。一つは、前回、四月のような長距離のミサイル、いわゆるテポドンの改良型を発射するケース。これは読売新聞でありますけれども、その場合にハワイ方面、グアム方面、沖縄方面等の三つぐらいのコースが考えられるということです。ハワイの目指すコースが長距離のこのテポドンの改良型では今回あるのではないかという予測が載っていますが、この場合は我が国の青森の上空を通過をするというコースになるというふうに言われています。 こうした状況の中で、一方で同時にノドンのような、長距離までいかない、中距離型の我が国が射程に入るミサイルも同時に発射をする可能性も否定できない。そうすると、前回のようにテポドンの改良型だけをウオッチしていればいいわけではなくて、近い時間帯でいろんなミサイルが連発される可能性も出てくるわけです。 そうなったときに、果たして我が国のMDシステムだけで対応できるのかな。やはり、ここは日米の安全保障の機能を十分に生かして米軍との連携を強化して対処していかなければいけないというような局面にあるんではないかと思うんですが、防衛大臣にお伺いをしたいのは、このような中距離、長距離のミサイルが連続的あるいは同時多発的に発射をされた場合のMDシステムの対応をどのように検討されているのか、御説明いただければと思いますが。
○副大臣(北村誠吾君) お答えをさせていただきます。 先生御承知のとおり、我が国の弾道ミサイル防衛システムは我が国全体を二、三隻で防護し得るSM3登載イージス艦による上層防衛と、そして拠点防御のためのペトリオットPAC3による下層防衛から成る多層の防衛という考え方を採用しておるところでございます。 また、我が国のBMDシステムは特定の国、地域を対象としたものではございませんが、過去の試験の結果にかんがみますと、我が国の領域に飛来する一千キロメートル級の弾道ミサイルの対処につきまして技術的な信頼性は高いというふうに考えております。また、SM3登載イージス艦及びペトリオットPAC3は多目標対処ということでたくさんの目標に対処することを念頭に置いて整備をしたシステムでございまして、これらによる多層防衛によりまして複数の弾道ミサイルが我が国に向けて発射された場合であっても対処ができるというふうなことで臨んでおるところでございます。 以上です。
○塚田一郎君 一千キロ級というのは多分ノドンのようなことを想定をされていると思うんですが、余り何度も同じことをお伺いするのもあれですけれども、いろんなケースが考えられますから、当然、日本のイージス艦のSM3、まあPAC3等で十分な対応ができるということなんだと思いますが、引き続きいろんなケースを想定して日米できちっとした防衛体制の強化を行っていただきたいということを御要望をさせていただきたいと思います。 それに関連して、実はこれもBMDに関連する予算に今度は関連してなんですけれども、今二十一年度以降の予算はどのように今後見込まれるのかということをまずお伺いしたいのと併せて、日米で新型のSM3を開発をされているというふうに伺っております。この研究はどのように進んで、今実用化の見込みはどうなっているのかを併せてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(高見澤將林君) お答えいたします。 先ほど御質問がございましたBMDシステムの整備の状況でございますけれども、平成二十一年度予算におきまして平成十六年の防衛計画の大綱に定められました体制というのはおおむね完成をするということでございます。ただ、二十一年度予算と申しましても、実際に取得までは三年ないし四年というような時間が掛かりますので、もうしばらくそこは掛かりますけれども、平成十九年度末に最小限の多層防衛の体制ができて以来、そういった整備は非常に順調に進んできているというふうに理解をしております。 それから、今後のBMDシステムの整備でございますけれども、これまでの状況の変化等も踏まえまして、また技術革新等も踏まえまして、大綱あるいは中期防の検討の中で具体化していくということになろうかと思います。 それから、SM3の日米の共同開発の現状でございますけれども、これは現在保有しておりますSM3よりも更にレベルの高いブロックⅡAというものを開発しようということでございまして、これはセンサーも良くなりますし、それから対応能力のスピードも上がるというようなことでございまして、防護範囲も拡大をすると。それから、仮に撃たれましてもそれなりに対応する機会も長くなるというようなことでございますので、非常に重視をしておりまして、現在平成二十六年度の開発完了を目標にしておりまして、どうしても開発期間九年間ということで長くなりますけれども、更に今進めているところでございます。 平成二十一年度予算におきましては、いろいろ試作をしたり、もう物を作る段階にも来ておりますので、そのための経費として二百三十八億円を計上しているところでございまして、いずれにいたしましてもこれを重視してやっていきたいというふうに考えております。
○塚田一郎君 専守防衛である日本にとってはこのやっぱりMDシステムというのは大変重要だと思いますし、その強化を図るということは今の状況から考えて当然適切な措置だと思います。したがって、必要な予算であれば私はやはりきちっと計上していただきたいというふうに思いますし、その意味でこれからも大綱等でまたそういうこともうたわれていくんだと思いますが、よろしくお願いをしたいというふうに申し上げておきます。 次に、もう時間が迫ってまいりましたのですが、北朝鮮にとっての、この今の脅威の状況の中で、ミサイルやいわゆる核の問題がクローズアップをされると、ともすると拉致の関係が余り注目をされない。御家族の方、大変に心配をされていることは、この拉致問題ということがどうも置き去りにされるのではないか。決してそんなことはないということは官房長官からもいつもお答えをいただいているわけでありますが、さはさりながら、ミサイルと核の問題が浮き彫りになってくると、どうもトーンダウンをしてくるような懸念が出てくる。 その中で、是非お願いをしたいのは、韓国の新しい李明博政権になって、この拉致問題に関する刑事捜査協力が今まで以上に進められるのではないかという期待を御家族の方も持たれています。さきにそうしたこともあったわけですね、金賢姫さんと御家族の面会ということも実施されたわけでありますし、それに限らず、脱北者等の情報ですとか、いわゆる拉致被害に関する具体的な情報を日韓で、特にこの刑事協力の中で進めていっていただきたいということで、もうこれ官房長官にもお伺いしたいんですが、まず警察庁に現在の状況について御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(池田克彦君) 今御質問の拉致容疑事案につきましては、あらゆる情報を収集して、これを捜査に生かしていくということが何より重要であるというふうに認識しております。このような観点から、ただいま御指摘の脱北者あるいは元工作員などからの情報というものも大変重要だというふうに認識しております。そういう意味で、警察は、従来から、適宜必要に応じまして韓国当局を含めます海外の関係機関と情報交換に努めまして、各種の協力を行っているところでございます。 警察といたしましては、今後とも、更なる関連情報を収集するために、韓国当局だけでなく、いろいろな関係機関と緊密に連携に努めまして、拉致容疑事案の全容解明に推進してまいりたいというふうに考えております。
○塚田一郎君 よろしくお願いします。 大変に御家族の皆さんは、もう今更申し上げるまでもありませんが、時間がたっていく中で不安を募らせている毎日でありますので、少しでもそうした情報が、我々が得ることができなくても、少なくとも御家族の皆様が得られることがあれば一つの前進だというふうに理解をしていただけるのではないかと思うので、政府として、官房長官も今うなずいていただいています、よろしくお願いをさせていただきたいと思います。 最後の質問になりますが、余り想定をしたくないケースでありますけれども、いわゆる北朝鮮を含む朝鮮半島が有事の非常事態にならないということも、今後起きないとは言えない状況があるかなと思います。今、一つは北朝鮮の政権がどういうふうになるか、金正日国防委員長の健康状態、そしてまたそれに伴う後継問題もありますし、こうした今の北朝鮮等の状況下を考えると、朝鮮半島の有事のような状態あるいは非常事態のような状態が起きる可能性も否定できないわけであります。そうしたときに、やはり私が非常に心配をするのは、今申し上げた拉致被害者を含む邦人がこうした状況の中で取り残されてしまうようなリスクが起きてくることだというふうに考えています。 なかなか難しい想定をしている中でのことだと思いますが、政府として、こうした北朝鮮有事の際のいわゆるコンティンジェンシープランをどのように今、日米で考えられているのか。特に拉致被害者を含む邦人の安全確保のための試みを是非取り組んでいただきたいと思うのですが、どういう状況にあるか、少し御説明を防衛省からいただきたいと思います。できれば大臣にお願いしたいんですが。
○国務大臣(浜田靖一君) 北朝鮮の非常事態への対応についてのお尋ねでございますけれども、特定の地域における事態への対応については、仮定の御質問は、大変そういう意味では予断を持ってお答えすることは差し控えさせていただきたいと思っております。 その上で申し上げれば、日米間では、周辺事態に際しての相互協力計画等について、その時々の安全保障環境も踏まえまして継続的に検討作業を行っております。また、日米防衛協力の指針において、ある事態が周辺事態である場合には、日米間の協力について、米軍の活動に対する日本の支援として、施設の使用及び後方地域支援、そしてまた運用面における日米協力として、自衛隊は警戒監視や機雷の除去、米軍は平和と安全の回復のための活動、そして日米が主体的に行う活動として、避難民への対応、捜索救難、経済制裁の実効性を確保するための活動及び非戦闘員を退避させるための活動等を行うこととされております。特に、在外邦人等の輸送を含む非戦闘要員の退避に関しましては、日米両国は、輸送手段の確保、輸送及び施設の使用にかかわるものを含めて、計画に際して調整し、実施に際して協力するとされておるところでございます。 さらに、拉致問題について申し上げれば、すべての被害者の一刻も早い帰国が実現するよう全力を尽くすという政府の方針でもあります。我々としても、この方針の下、努力をしていきたいというふうに考えているところでございます。
○塚田一郎君 ありがとうございます。 是非、政府一体となって、これから何が起きるか分からない対北朝鮮情勢でありますので、引き続き鋭意努力をお願いを申し上げて、私の今日の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○森まさこ君 自民党の森まさこでございます。よろしくお願いします。 まず、私はふるさと納税の実施状況について総務省にお伺いをしたいと思います。 ふるさと納税、私、実は提案をさせていただいた者なんですけれども、我が党が候補者を公募したときに公募の論文に書かせていただきまして、一位をいただきまして政策に採用をしていただきました。参議院選挙のときに街頭演説の足台にふるさと納税実現しますと言って演説をしたんですが、これ実は自分自身の体験に基づいておりまして、税収格差の解消とかそんな大きなことをやろうとしたわけではないんです。 私は女性ですが、他県の男性と出会ってしまいますと、元々、私自身福島県で消費者被害に遭ったということで、弁護士資格を取ったら福島県で恩返しをしたいと思っていたんですけれども、結婚によってその願いがなかなかかなうことができなかった。しかし、他県に出て働いている者でも、ふるさとに何らかの形で貢献をしたいと思っている人たちは多くおります。私も東京福島県人会に所属をして、役員としてふるさとの特産品の販売などに尽力をしてまいりましたけれども、そのような県外にいる者と、それから自治体の意識が必ずしもマッチングをしていなかったんですね。そういった十数年に及ぶ経験から、働きたくても県内に働く場所がなくて、やむなく県外に働いている方もいらっしゃいます。そういった方、それから結婚して県外に行った方、そういう方々の小さい助け合い、感謝の気持ち、そういったものと自治体の意識を合致させたいという趣旨で御提案をさせていただきました。 子供のころに行政サービスを受けている、そのことが見過ごされているという、そういう思いもありました。つまり、今、税金は行政サービスと対応するものですというふうに説明をされておりますが、実は成人するまでいるその自治体から私たちはたくさんの行政サービスを受けています。出産、それから子供のころの医療、教育、地方の自然の中で元気いっぱい駆け回って、おいしい食材を食べて、都会よりも地方の子供の方が体が丈夫という統計が出ています。ところが、地方から都会に出て、働き盛り、そのときに税金は都会に納めるわけです。 ほんの小さなことですが、そういった行政サービスと税金との対応が不公平ではないかといったことも考えて提案をいたしましたが、実際、自治体の意識がどの程度反応をしていただいたのか、この自治体の取組状況、本日お伺いをしたいと思います。 寄附金額がどの程度あったのか、全国と、それから福島県の市町村も含めた金額がもし分かれば御報告願いたいと思います。
○政府参考人(河野栄君) お答えを申し上げます。 平成二十年度の税制改正におきまして、御指摘いただきましたような納税者のふるさとに対する思いを生かすことのできる仕組みを税制上つくっていくと、こういう観点から、地方公共団体に対する個人住民税の寄附金税制を大幅に拡充をいたしたところでございます。 この制度改正を踏まえまして、各地方公共団体におきましては、地域の魅力あるいは施策につきまして積極的に情報発信を行っていただいたり、また寄附の手続について利用しやすいように工夫をするなどの取組を進めていただいておるところでございます。例えば、ホームページに寄附金のコーナーを設けまして、情報発信なり情報提供を行っている例、また寄附金の使い道、使途のメニューを提示して寄附金を受け入れている例、さらにはインターネットを活用した収納の仕組みを導入するなど、それぞれ地域の実情に応じまして創意工夫をしながら、様々な取組が行われているところでございます。 お尋ねいただきました実績でございますけれども、平成二十年、これは一年間でございますが、個人からの都道府県、市区町村の寄附の受入れ状況でございますけれども、全国計で、件数にして約六万六千件、金額にいたしまして約百八億円となっております。福島県と県内市町村におきましては、約一千三百件、金額で約二億円の寄附の受入れを行っているところでございます。 以上でございます。
○森まさこ君 ありがとうございます。各自治体で様々な取組を行っていただいて、大変有り難いことだと思います。 我が福島県も寄附をしたものをどんなメニューに使うか選べるようになっておりまして、自然環境の保全に使いたい方、又は子育て支援等に使いたい、それから地域産業の活性化に使いたいと、お任せでもいいんですけれども、選べるようにしたり、それから地域で人気の、アクアマリンふくしまというんですが、環境水族館の無料チケット等の特典が付いていたりということで、地方自治体の努力があって、そして県人会とのネットワークも非常に盛んになってまいりまして、企業誘致とか、それからUターンに向けての成果も期待をしているところです。 私から一つ御意見申し上げるとすれば、税額控除の適用下限が現在五千円となっておりますが、そこまでのコストが実際掛かるものかどうか、電子納税が普及をしていく段階に合わせて今後見直しをしていっていただきたいというふうに御要望を申し上げます。 それでは次に、子育て支援について小渕大臣に御質問したいと思います。 二〇〇五年の一・二六ショックから今月頭の一・三七ですか、微増いたしまして、政府の施策も効果が出ているというふうに評価をいたします。小渕大臣も妊娠七か月ということで、大変な少子化を食い止める御貢献もいただいているようでございますけれども、そのことよりも、やはり子を授かるということは大変有り難く、うれしいことですので、心からお祝いを申し上げます。 どうぞ無理をなさらないでください。我慢をしないでください。これは不便だなと思うことはどんどん言っていただいて、それを施策につなげていただきたいと思うんです。大臣のお姿は本当に働くママたちにとって期待でございますし、これはもう、大臣がそういったことを発言していただくことはわがままではなく、それが一つ一つが子育て支援につながるということで、是非発言をしていただきたいなと思います。 私も今小さい子を二人子育てしながらでございますが、常日ごろ政府の政策を見ていて感じるのは、実際に子育て支援の政策過程に子育て中の女性がかかわっているのだろうかということを疑問に感ずることがあります。 様々な子育て支援に対する注文をいろいろ聞く。声の大きいものから取り上げて、それをパッチワークでつなげているんじゃないかな。実際に子育てをしていると、子育ては二十四時間休みがなくて切れ目がないわけですけれども、ある一定時間だけ何か子育ての恩恵がもらえても、その後がなければ、やはり働きながらの子育て、あきらめざるを得ませんし、そういう意味では、声の大きい人だけの施策をパッチワークをしていて、声の届けられないサイレントマジョリティーの声を吸い上げることができていないのかな。そういう実際に子育てに役に立つ施策というのは、政策決定過程に実際に子育てをしている方がかかわることが必要だと思うんです。 是非、私は大臣の方に、霞が関の女性官僚の皆様、どれだけの方がお子さんをお持ちで、そして育休を取った後、復職していらっしゃるのか、一度データを出していただきたいと思います。 男女共同参画の白書を見ますと、霞が関の女性官僚の採用のときの割合は書いてあるんです。これが二四%です。国会議員よりも少し多いぐらいですね。国会議員は女性の割合は二割に届いておりません。そのうち、実際に子育て中の女性国会議員がどれぐらいいるか私は把握をしておりませんが、常々ママズトークをするメンバーを数えてみると、十人に届かないんじゃないかと。特に、小さいお子さんの子育て中、しかも、手元に置いて、毎朝御飯を作って、学校に送ってここに来ると、帰りは夜の会合などには出かけないで、必ず家に帰って、おふろに入れて、寝かせて、それから仕事をすると、そういう本当に世の働く女性と同じような生活をしている女性国会議員がどれくらい人数がいるか分かりませんが、私は、そういう女性国会議員と是非、小渕大臣、意見交換をしていただいて、切れ目のない、先ほど言ったような、パッチワークではない、切れ目のない支援をしていただきたいと思うんです。 その中で私が今日一つ御提案をさせていただきたいのは、子連れで出勤ができる環境ということでございます。 職場に保育スペースがあるということがどれだけ母親にとって良いか、そして子供にとって良いかというのは語るまでもございません。やはり住所と勤務地が離れておりますと、いざ、熱を出した、迎えに来てくれと言われても行けません。住所地に自分の母親、両親と同居している人はいいんですけれども、そうじゃない、自宅にだれもいないという、そういう働く家庭の方が多いわけでございますから、その場合は、母親の近くに、父親の近くに保育園がある、又は職場の中に保育園があるのが理想でございます。その理想に程遠いのは、今、保育園に入る条件に、住所地の近くというのが最優先事項でございまして、職場の近くの保育園というのは住所地の近くの人が全部入ってからしか入れませんから、基本は入れないような状況ですが、しかし、企業の中に保育園ができてきましたから、そこに預けるということができた場合に、そこまで連れていくことができなくてはいけません。満員電車の中にベビーカーを持って移動するということが非常にこれは難しいです。時間をずらしても難しいんです。 これをやはり私は、キッズを連れてキッズ車両と、子連れでも一緒に移動できる、そういう車両を設けるということが一つはいいんじゃないかなと。女性専用車両というのもございますが、それと併用でもいいんです。ベビーカーで乗れるような、座ったときにもベビーカーを固定できるような、そういう車両を優先的に導入したらいかがかというふうに思っておりますが、大臣の御意見をお聞かせください。
○国務大臣(小渕優子君) お答えをいたします。 委員が御指摘のように、現在、今までどおり家の近くでお子さんを預ける方もおられますけれども、企業の中にもそうした託児所ができてきている中で、一緒に通勤をして子供を職場の近くに預けたいというニーズも大変増えてきております。しかし、御指摘のように、満員電車に子供を乗せることも大変ですし、やはりベビーカーを乗せるということは周りの皆さんにも大変迷惑ではないかと心配をしたり、あるいは子供が騒いだりということで、やはり通勤が大変だという理由で職場の近くで預けるということをあきらめる親御さんも多いというふうに聞いております。そんな中で、この御指摘のキッズ車両は大変興味深い御提案であると思っております。 今後、子供や子育て家庭に優しい町づくりを進めていくためには、やはり国、自治体のみならず、企業や地域、国民の一人一人がみんなで知恵を出し合って、各々できることから実践をしていくことが大切ではないかと考えています。鉄道事業者にも御協力をいただいていますマタニティーマーク、この普及などはその好事例の一つではないかというふうに考えております。とはいいましても、このキッズ車両の実現はなかなか克服すべき課題も多いというふうに今聞いておりますけれども、国土交通省や鉄道事業者において是非とも前向きに御検討いただきたいと思いますし、少子化担当大臣としてもそうした方向で働きかけてまいりたいと考えております。
○森まさこ君 ありがとうございます。是非よろしくお願いをいたします。 私、先ほど霞が関の女性官僚のデータを欲しいと申し上げましたけれども、想像するに非常に少ないというふうに思います。私が金融庁に勤務しておりました二年間の間も、子供を持っている官僚は私以外はゼロでした。それはもうとても勤務できるような環境じゃないんですね。まず国会対応というものが不可能でございます。次の日の質問の通告が夜遅く来るんです。本当に私、民主党さん申し訳ございません、Kナオト先生という方からいつも夜遅く通告をいただいて、零時にいただいたこともございました。私、母が同居しておりません。もう子供をどうするかという、本当にその中で、女性の官僚の方々が子供を産むという選択をしない、子供を産むと辞めてしまうというような現実を見ました。 これは、私はKナオト先生でしたけれども、いろんな先生方がいらっしゃったのかとも思いますが、個人を攻撃するということではなくて、やはり国会自体の改革もしていかなければならないというふうに私は思います。夜遅い通告をしていくということで、なかなか子育てをしながらの勤務ができないという現状があったということを私は申し上げておきたいというふうに思います。 少子化対策の予算の確保について御質問をいたしたいと思います。 二十一年度の予算が一兆六千億円ぐらいだったと思います。(発言する者あり)民主党さんの方から、何か今国会のことについて言ったら、いろいろなやじが届いておりますが、二十一年度の一兆六千億円の予算があったと思いますが、私はやはり、GDP比で今日本が〇・八一%ということで、スウェーデンの三%には及ばない四分の一程度の状況でございます。 私としては、是非、消費税率の一%程度を子育て支援の予算に確保していただきたいというふうに思いますが、大臣の御意見をお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(小渕優子君) 御指摘のように、我が国の家族関係支出規模は、出生率が回復してきていますフランスやスウェーデンから比べますと三分の一から四分の一という水準であります。お金がすべてということではありませんけれども、それでもやはりしっかりお金を掛けている国は少子化に歯止めを掛けている。こうしたところを見ますときに、やはりしっかり抜本的に少子化対策を講ずるために、少子化対策予算の大幅な拡充が不可欠ではないかと考えております。 間もなく決定を予定されています骨太方針の二〇〇九の原案においても、安心社会を実現するためには少子化対策を抜本的に拡充することが必要であるとされています。また、子育て世代の要望でも、やはり経済的なことを理由に子供をあきらめるという方も増えていますし、多少の負担をしてでもしっかりとした社会環境整備をしてほしいという声もあります。そうした声にしっかりこたえるためには、やはり安定した財源を確保していかなくてはならないと考えています。 ただいま委員の方から消費税率の一%分をというお話がありました。大体二・五兆から三兆円、この額があれば、例えば小学校前の幼稚園や保育園のお金を無料化するとか、あるいは医療費を中学生まで無償にすることができる、保育園の整備をすることができる、様々なことができるわけであります。 そうしたことを拡充させることによりまして少子化にしっかり歯止めを掛けていきたいと思いますし、消費税の一%を子供のためにということは、やはり社会全体で子供を育てている意識が高まる。例えば、百円のお買物をしたときに一円、これを子供たちの将来のために使っていただきたいと思っていただけることができる。そうした視点でも大変大事な点ではないかと思っています。 今後、しっかり少子化の流れを反転させられるような抜本的な拡充を目指して頑張っていきたいと考えております。
○森まさこ君 ありがとうございました。是非しっかり取り組んでいただきたいと思います。 それでは次に、消費者庁の創設について野田聖子大臣に御質問をしたいと思います。 本日は、小渕大臣に続いて、麻生内閣の二大女性閣僚に質問をさせていただいて大変光栄ですけれども、私は女性大臣の数はもうちょっと多くてもいいんじゃないかなというふうに思っております。ただ、お二人は一人で三人分ずつぐらい働いていらっしゃるので、大変頼もしいと思っておりますが。 さて、この消費者庁、消費者保護に奔走する日本の行政機関が初めてできたということで大変期待をされておりますが、一方、地方自治体の方では、地方の負担が大きくなってしまうのではないかというような心配する声も聞かれます。こういった地方の負担に配慮する国の政策はどのように取られているのか、御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(野田聖子君) せんだって、衆参合わせて八十八時間御審議いただきまして、消費者庁関連三法案がこの国会におきまして全党一致で成立させていただきました。あわせて、そこには附帯決議が三十四ございまして、その中には、特に地方の消費者行政に対する思いと不安も含めての取組についての決議が数々なされていたところであります。 私も、消費者庁の議論の中で申し上げていたのは、消費者庁をつくることが今回の目的ではなく、やはり今、地方の消費者行政が極めて脆弱になっていて、しかしながら、反比例して消費者被害が増えている。これに対してやっぱりしっかり、国の価値の一つとして、国民が安心して安全な暮らしを得ることができるようにするための、これまでのいろいろな役所というのは明治以来の殖産政策のための役所であったわけだけれども、戦後、環境庁が四十年前にできました。そして、その二つ目ということで、まさに日本の歴史始まって初めての消費者のための、消費者に向き合った、国民のパートナーたる消費者庁をつくるということで取り組んできたわけですけれども、これまでやはり地方の消費者行政が極めておろそかだったから、この消費者庁をつくることによって、地方とのパイプをしっかり持って一元的に行政がしっかり動くようにということでできたわけであります。 そうはいっても声掛けだけでは駄目で、具体的に、じゃどういうことができるかというのは、地方消費者行政が弱くなってきた原因の一つはやっぱり財源なんですね。残念ながら、地方自治にお任せしていた結果、年々地方消費者行政に回るお金が少なくなってきたということで、相談員の皆さんが本当に、根性だけでという言い方はおかしいかもしれないけれども、本当に大変な努力をして今日まで地方の消費者行政を守ってきてくれたけれども、これからはやはり国の大きな政策であるということでしっかりと財源の面でも皆さんのリクエストにこたえようということで、決議にも言われていることを踏まえて取り組んでいくところです。 具体的に、今申し上げてよろしいですか、補正予算がおかげさまでこの間通りましたが、そこでは交付金の配分過程、もう既にさきの基金があるわけですけれども、集中、三年間、そのときに地方交付税の措置を活用して相談員の処遇改善を図る都道府県、これらの配分を手厚くする仕組みを設けるべく、現在交付要綱というのを検討しているところであります。 いずれにしても、二十三年度までの集中育成・強化期間というふうに名付けましたけれども、望ましい形を、今後消費者委員会が設置されることになります。そのときにはしっかりと検討していただいて、速やかに答えを出していただくべくお願いをしていきたいなと思っています。
○森まさこ君 ありがとうございます。 地方自治体の負担を軽減するような二回の補正予算の措置ということで、この使い道でございますけれども、今大臣からも一部御説明がありましたが、この集中育成・強化期間において増大する業務に係る人件費等に拡充するということで、衆議院の合意事項、そして参議院の附帯決議に盛り込まれております。そして、交付要綱等において処遇改善を図る、こういった人件費等を含めた処遇改善を図る自治体には交付金の配分を手厚くするよというような、そういうインセンティブを刺激するような措置も図っていただくということで、本当に有り難いことでございます。 今大臣がお答えなさった交付要綱、これはいつごろできる予定ですか。内閣府の方、お願いいたします。
○政府参考人(田中孝文君) お答え申し上げます。 国会の審議におきましても、新たな交付要綱の見直しに際しましては、是非、地方公共団体、現場の声をよく聞いて使い勝手の良いものにしろという御指示がございました。 六月に入りまして、私ども全国で、地方に出向きまして、都道府県及び市町村の行政の方々お見えいただいて意見交換会を開催してまいっております。そうしたものを集約しまして、可及的速やかに、できましたらば七月の早い時期に新しい交付要綱を発出できるようにしたいと考えてございます。
○森まさこ君 七月の初めまでにということで、できるだけ急いでいただきたいと、待っている方が多いのでということをお願いするとともに、もう一つ前の、一回目の補正予算、二次補正、二十年度の二次補正ですね、こちらの方にも遡及をして、今のような人件費等への拡充、それができますようにということを併せてお願いを申し上げておきます。 次に、この消費者庁及び消費者委員会の人員配置について御質問をしたいと思います。 お手元の方に参考資料が配付をされていると思いますけれども、これが政府の方から提出をされました消費者庁及び消費者委員会の組織図でございます。この人員配置の中に幅広く民間の委員又は民間の任期付公務員を採用するという御方針であると思いますので、この人員配置がどのようになるかというものが非常に消費者団体等の関心が大きいところでございますので、御質問をさせていただきたいと思います。 右側に消費者庁についての組織図が書いてございまして、定員が二百二名というふうになっております。そうしますと、長官、次長、審議官、参事官の数を除きますと、下の方に、課ごとに配置される数が、単純に割りますと一課当たり二十四名ということになりますが、恐らく課長、課長補佐、係長、係員というふうになっていって、民間から任期付きで入る場合には、その年齢や経験によって課長補佐に入ったり係長、係員に入っていったりするんだろうというふうには思いますけれども、大体平均して二十名程度の課の配置ということでよろしいでしょうか。 私の意見を申し上げますと、執行部門の方がやはり実際に監督、執行を行うということになると少し手厚くなるのかなというイメージも持っておりますが、その辺の組織の案を御説明をいただけたらと思います。お願いします。
○政府参考人(田中孝文君) お答え申し上げます。 ただいま二十名ちょっとぐらいということでしたけれども、要するに、先ほど二百二名と申しましたのは、これはいわゆる機構定員上の定員ということでございます。そういうことで、先生御指摘のように課によって多少増減がございます。一番少ない定員としては、今、消費者安全課というのが十八名という定員というふうに聞いています。逆に、一番多い課としましては、表示対策課というところで三十六名の定員がございます。 ただし、いずれにしましても、この人員だけでは十分に業務が執行できないということで、専門的な非常勤の職員等についても手当てをしていく所存でございます。
○森まさこ君 ありがとうございます。 確かに、この人数ですと大変不足をするというふうに思います。消費者被害、年々増加しておりまして、この不況下でまた新たな消費者被害が増発をしております。今、非常勤の人員で補充をするというような御答弁をいただきました。非常勤の方にも十分な処遇をして、手厚い組織で消費者問題に対処をしていっていただきたいとお願いします。 それでは、左側の方でございますが、消費者委員会でございます。実はこの消費者委員会、その立ち位置でございますけれども、衆議院でこの法案が修正をされまして、消費者庁から外出しをされて内閣府の方に入りました。 私が自民党で消費者問題調査会の事務局次長として野田聖子会長の下で取りまとめた案では、消費者委員会というのは消費者庁の中に内在をしておりました。これは諸外国の組織に倣ったものでございまして、また我が国の中では金融庁と証券取引監視委員会をイメージしてつくったものです。それによると、消費者委員会と消費者庁はより連携を強くするような形になっております。 諸外国でも、北欧に消費者オンブズマンというのがあるんですけれども、こちらの方もできたときは外出しだったんですけれども、外出しですと連携がなかなかうまくいかないということで、結局十年前には見直しをして、親となる省庁の中に入ってきております。そうでないと、やはり大きな市場での悪さをする悪徳業者と対抗して消費者問題に対処していくには、消費者委員会と消費者庁が連携をしていってそのパワーを使っていかないとなかなか対抗できないという、歴史的なそういう教訓があったわけでございます。 ただ、今回はやはり民主党さんの案もあって、全会一致で、連携よりは牽制の方、チェックする機能の方を強くしようということで消費者委員会が外に出されましたので、消費者庁と消費者委員会は連携もするんですがチェックもするという、そういう難しい立場になったところでございます。 やはりこれは国会の全員の知恵ということで私は尊重をいたしますが、やはり諸外国やそういった歴史の教訓を見ると、非常に難しい関係になったのかなと思いますので、そういったところを念頭に置きながら、今後の運用というものをしっかりとして、やはり一番の目的は消費者被害を出さないことでございますので、そういったことに重きを置いてほしいなと、よく注意をしてほしいなと思います。 そういった観点から申しますと、この人員配置も、消費者委員会が委員が十人で、事務局が今定員が三人ということですけれども、非常に私は少ないのではないかというふうに考えております。この定員、組織の中身については今のところ変更はないんでしょうか、お答えをお願いします。
○政府参考人(田中孝文君) お答えいたします。 いわゆる機構定員上の機構及び定員ということでは、今先生のおっしゃられたとおりでございます。したがいまして、事務局というのが三名ということで非常に手薄でございますので、ここのところも、主として民間の専門的な知識を持たれておられる方々に公務員としてお助けをいただくということで補完をしてまいりたいと思ってございます。
○森まさこ君 そうしますと、定員三名のほかに非常勤の方を採用するということですか。
○政府参考人(田中孝文君) さようでございます。非常勤職員として、これ、まだプランで来ていただけるかどうか分かりませんけれども、専門性の高い非常勤職員を十名ほどお願いしようということで準備を進めているところでございます。
○森まさこ君 確認ですけれども、事務局の中に非常勤をプラス十名ということで伺ってよろしいでしょうか。
○政府参考人(田中孝文君) はい、そのとおりでございます。
○森まさこ君 今室長の方もおっしゃいましたけれども、来ていただけるかどうか分かりませんがというふうな前置きをなさいましたが、やはり処遇、つまりお給料の点で非常勤の方というのは非常に金額が低いというふうに伺っております。 ただ、今申しましたように、消費者委員会の持つ役割は非常に微妙かつ重要な役割を担っておりますので、やはり来ていただける方がその中で非常に御苦労なさって消費者被害の防止のために働いていただくということを考えますと、そういった処遇の点も含めましてこの人員配置というものをきちんと行っていただけるように御要望をいたしまして、質問を終わりにしたいと思います。 ありがとうございました。
○山本順三君 自由民主党、山本順三でございます。 今日は国と地方の負担の在り方について、直轄事業負担金を中心に議論をしていきたいと思いますが、その前に、通告が遅れて大変恐縮でございましたけれども、一点、お願いを込めながら、お礼も込めながら、また文句も言いながらということで質問をさせていただきたいと思います。 実は先般、国のいわゆる道路に対しての事業評価をしていくということで、十八路線、全国で事業の凍結をされました。実は私の地元の愛媛県にも関係するところがありまして、地元は大騒ぎになりましたし、ちょうど当時経済危機対策ということで、補正予算等々これからどんどん地方に向けて温かい政策を展開していこうと、そういうやさきに事業凍結がされたということで、地元の方々の受けたショックというのはかなり大きいものがあったように思いました。 実は、この十八日の日でありますけれども、四国に関しては、一般国道四百四十号地芳道路、それから高知の方でありますけれども一般国道五十五号高知南国道路、この二つが四国整備局事業評価監視委員会で審議をされ、その結果として、両事業共々に妥当であるというような評価をいただきました。大変にその評価をいただいたということをうれしく思っておりますし、この道路の必要性というものは我々常日ごろから非常に重要と考えておりますので、大変賢明な対応をされたものと、このように思っております。 そこで、実は、例えば四百四十号地芳道路というのは、事業が凍結をされたときにはもう進捗率が九割を超える、九十数%という状況でありました。当初はBバイC一を超えた形で事業をスタートさせていただいたわけでありますけれども、思いのほかというか、予想をはるかに超えるような出水、水が出ました。その結果としてコストの部分が大変跳ね上がってしまって、結果的に〇・五という非常に残念な数値が出てきて、そして、これ、事業の評価をもう一回し直す、このような形になったわけであります。 他の十八路線すべてでありますけれども、BバイC一以下のところについていったん事業を凍結してということになっているんだろうと思いますけれども、例えばこの四百四十号、果たしてあの時点で止めるべきであったんだろうか。要は、どう考えてみても、九割以上の工事の進捗率の中でいったん止めて、そして、その結果としてよしんば事業を止めるということになった場合に失う利益というのは、これは実は計り知れないものがある。私が何を言いたいかというと、BバイCという数字だけですべてを決定するというような、そういう風潮が蔓延しつつあるんではないだろうか、こんなことを大変に危惧をしております。 後ほど申し上げますけれども、御案内のとおり、BバイCのBの部分については、走行経費とそれから走行時間と交通事故の減少と、この三要素のみで算出をされておるわけでありますけれども、全世界、この三要素だけでBバイCをはじくというのは日本の国だけだろうと思いますし、だれしもがそれ以外の効能、例えば私の場合は「いのちの道」議連なんていう議連で一緒に大臣やあるいは総理大臣のところにお願いに行ったこともありましたけれども、そういう命を救わんがために、救急医療というものを受けるそのチャンスを増やすために道路というのは必要であるというのは巷間よく伝わっているところでありますし、また一方では、道路ができたことによって、長期的な視野に立つと産業振興に大いなる寄与をする。あるいは、国交省で今、ビジット・ジャパン、ようこそジャパンという、そういうことを展開しておりますけれども、国内あるいは外国のお客さんが日本に来られたときに、やはり道路整備できてなかったら地方の本当にすばらしい観光資源に接触する機会も少なくなる。要は、観光振興のためにもこの道路整備というのは非常に重要である、これは私どもみんなが価値観を共有できるんだろうと思うんです。 そこで、まず最初にお伺いしたいことは、三要素で判断されているBバイCが私は数字として独り歩きをしてしまっているように思えてなりません。これから事業の評価をしていく上で、単にBバイCだけではなくて、今ほど申し上げた様々な要素を総合的に勘案して議論をしていくべきではないだろうか。もっと端的に言いましたら、BバイCは道路を建設していくその判断基準の一つでしかないんだということを私はあえて大臣にアピールしたいと思いますけれども、そのことに対しての大臣のお考えをまずお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(金子一義君) 道路財源一般化に当たりまして、無駄な道路は造らない、そして厳しい事業評価というのをもう一遍考え直すべきではないかと。福田内閣のときでありますけれども、直轄事業についてすべて見直そうと、昨年、すべての、六百超えましたけれども、事業評価というものを再評価をさせていただきました。 確かに、費用便益、三便益に基づいて行ってくるということだけでいいのかという御議論を今いただきましたけれども、今の三便益で評価をするということ、まずここから始めて、そして本当に無駄がないのかと。三便益が一を切るということであれば、やはり国民的に説明するということも必要でありますし、無駄な道路とならないためにも、それならば必要なコストを低下する手段を取るべきではないかということを考えていくというのがやっぱりある意味大事なことであると思っています。そういう意味で、道路財源一般化に当たりまして、こういう一つの道路を造るという客観基準を改めて設けた、それによって事業評価をやり直してみたということについてはそれなりの評価があっていいんだと思います。 ただ、御指摘されましたように、この三便益がすべてかということになれば、それは衆参の国会の議論の中でもそれだけでないよなと。それから、諸外国だってこの三便益、いろんなやり方を取っているなと。例えば、イギリスは三便益のほかに最終的には政治が決断するという仕組みを取っておりますし、それぞれ国のやり方もあるということでありまして、今度の地芳道路、四国についても、今先生御指摘いただきましたように、費用便益のコスト計算だけからしますと非常に一を下回るという、まあ出水というものもありました。しかし、それでも、トンネル電気設備規模を縮小するといったようなコスト縮減を図る、同時に、地域の市町村あるいは知事さんたちの御意見も寄せられまして、事前通行規制時間、これが年二日から十九日に及ぶということですとか、あるいは県境をまたぐ医療施設への所要時間といったようなものが提示されるといったような、ある意味、三便益以外の地域の事情というのも個々の事業評価委員会に寄せられました。だから、こういう要素を加えて、先般、十八日に三便益及びそれ以外の要因、最終的にはこれから私上がってきたら決断をさせていただきますけれども、三便益以外の要因も併せて総合的に判断をしていく必要があるんだと思っております。 ただ、改めて、私のところも工事が止まりまして、費用便益をもう一遍見直させていただいて、これはそういう意味で無駄な道路は造らないという道路建設の一つの考え方、しかし同時に、それだけでない地域の事情というのもあるよねというのも併せて、これ、これからどういうものが客観的にいいのかというのは、我々国会の場で更に積み上げていく必要がある事項であると思っています。
○山本順三君 コストを削減していくという努力は、これは安全ということだけは頭に入れながらも全力を挙げて取り組んでいかなければならない、そして無駄の排除をしていかなければならないということには私も大いに賛同するところでありますけれども、そのベネフィットのところについては、繰り返しになりますけれども、三便益だけでは対応できないことはだれしもが分かっているわけでありまして、その三便益でもってBバイCをはじいて、その数字が独り歩きをするという、これだけは是非避けてもらいたい。ということは、そのBバイCのはじき方、これに是非国交省の英知を結集してもらいたいと思うんですね。 今ほど申し上げたような様々な効果というものをどう数値的に出していくのか、これは大変難しいと思います。長期的な問題あるいは短期的な問題、それを全部踏まえた上で数値化するというのは非常に難しいんだろうと思いますけれども、でも、それが現に効果としてあるんだと、便益としてあるんだということが分かっている以上、それを除いた数値、BバイCという数値というのは私は意味がない、これをあえて今日は大臣にお伝えしたいと思いますが。 それで、私も仄聞するところによると、そういったBバイCのはじき方について国交省もかなり検討されておるやに伺っておるのでありますけれども、これ、今後どういうふうな形で進めていかれるのか、大臣の御所見がありましたら、せっかくの機会ですから、お聞かせ願います。
○国務大臣(金子一義君) 事業評価のB及びCというのについても、その中身についても、どういうコストを使うべきか、どういう便益を使うべきであるか、これも累次の国会で議論されてまいりました。専門家にゆだねまして、そして一定の結論を得たところであります。 ただ、それに加えて、これは三便益だけなんですけれども、それ以外の命の道等々について数値化というのを更に検討はしてもらっておりますが、なかなか数値化というのは難しいと。ですから、先ほど申し上げましたように、それ以外に測れない事情、命の道、いろんなスクールバスの事情、あると思います。それはやはり、数値だけでなくて、地域の皆様方のそれぞれの地域事情、あるいは客観的に見てそれはそうだよなと納得できる事情といったようなものを最後は政治が総合判断していくことかなと思っておりますが、少なくとも、しかし、どういうことであるならば皆さんが理解いただくかということについては、まだ国会の中でこれからも議論をしていく必要があると思っております。
○山本順三君 私も昨年、政務官しておりまして、まさにBバイCの議論を目の当たりにしてまいりました。あえてこんなきついことを言うのは、そのときにこんな議論でいいんだろうかな、本当の道路の必要性というものを我々しっかりと真正面から議論するようなことが必要じゃないかな、そんなことをつくづく感じましたので、あえて申し上げましたが、どうか、いい評価基準ができますように、英知の結集方、よろしくお願い申し上げたいと思います。 それでは本題に入りますが、国と地方の負担の在り方ということであります。 これ、実は、今は国の直轄事業負担金に関心が多く集まっておりますけれども、もういろんな分野で地方分権という名の下に議論が展開されておりまして、特に今日総務大臣も来ていただいておりますけれども、地方交付税、これの交付の仕方、これとて、例えばよく言われるのが、学校図書費が国で基準決めたけれども実際の地方ではなかなかそういうふうには使われない、あるいは私学助成、これも国で方針決めたけれどもなかなか地方ではそういう状況にならない。また、言わば最近の話でありますけれども、妊婦の無料健診でありますけれども、これも五回を九回プラスして十四回にする、大方は対応してくれているんだろうと思いますけれども、いかんせん財政状況、地方厳しい折がらでありますから、そうなってくると思ったほどに対応のできていない地方自治体もあると。 そうなってきますと、国の施策と、それに伴って負担をしながらも、じゃ地方でその国の施策がその方針どおり展開されているかというと、なかなかそれが判断しづらい、交付税に色が付いておるわけでもないわけでありまして。そんなことをこれから様々な分野で議論をしていかなければならない、このように思っているんですが、今日はその直轄事業負担金、午前中に那谷屋議員が大体やってくれましたので、その間隙を縫って何点か質問をさせていただきたいと思います。 これは、実は、四国の香川県の河川国道事務所、こちらの方でその建て替え費用の一部が入っているじゃないかと、地元の知事なり皆さん方の非常に厳しい反応がありました。それに関連して、先ほど来お話があったとおり、大阪府知事がぼったくりバーのような請求書云々と、こういう話で議論が沸き起こりました。 でも、我々は、実は原点に返って冷静にこのことは考えておかなければならない。それは何かというと、その直轄事業負担金、これは当初、受益者負担という観点から地財法十七条に明確にこれ位置付けをされておるわけでありますし、細かい案件については、例えば道路法の五十条あるいは河川法の六十条にその内容について地方も負担すべきということが明記をされております。 現段階では国の直轄事業負担金というのは、それはそれなりの長い長い歴史を持つそういう制度として今までやってきたわけでありまして、そのことをまず頭に入れて、なおかつ国と地方の信頼関係が崩れないようなそういう調整をしていかなければならない、こういうことだろうと思うんですね。 それで、なぜこういうふうなことになったかというと、先ほどもずっとお話ありましたけれども、直轄事業に対してのその費用の内訳、その明細というものが地方に対して十分国交省側から説明がされていなかったというようなことがあったのでしょう。それと同時に、やはり地方財政は本当に厳しいから、そして直轄事業負担金の言わば地方財政に占める割合が相対的に高くなってきたから、だから地方としても非常にそのことについて関心を高めざるを得ないというそういう状況に追い込まれたと言っても私は過言ではないんだろうと思います。 そういうことを前提にして、先ほど内訳の明細についてはしっかりと出していく、五月にも出しましたけれども、また八月に向けてより詳細な明細を出すという大臣のお話がありましたので、このことについては是非そのことを私も強く要望するということで、質問からは省きたいと思います。 そして、その明細と同時に対象範囲、この基準というものがどうなんだと。そのことについて見直しをすべきではないかという声が高まってきました。それは今ほどの申し上げた庁舎の建て替え費用、それがその対象に入っているのはいかがなものかと。あるいは、人件費とか退職手当とか、あるいは年金保険料とか公務災害の補償費とか、こういったものは実は一般の補助事業では対象にならないものでありますけれども、直轄事業の負担金にとってはそれが対象になっている、これでかなり地方が不満を持っているというような状況になってまいりました。それで、六月二日に金子大臣が、年金とか退職金というものはもう請求しないというような記者会見をされました。今ほどの答弁でも、やはり年金、退職金はおかしいと思うという率直な大臣の意見表明がありました。 そこで、私はお伺いしておきたいのは、やはり庁舎の建て替え費用だろうが、あるいは人件費だろうが退職手当だろうが、あるいは保険料だろうが、その対象に入れたということは、そのときにはそれを入れるべきという当然の考え方があったと思うんですね。そして、それが長い間に時間掛けて、いや、これはせめて年金と退職金だけはやめましょうよというような流れになってきた。 ということは、今までのことを否定するのではなくて、新たな根拠ができたからこういうふうにしますというそこを明確にしておかないと、多分国に対して地方からいろんな要求出てくると思うんです。そのときにしっかりとした整合性を持って対応していかないと、ここまではいい、ここまでは悪いの判断基準が非常に難しくなっていくのではないだろうかというふうに心配しておるわけでありますけれども、今大臣が年金なり退職金、これを入れるのはおかしい、請求しないという方針を立てられましたけれども、その根拠たるや那辺にあるのかということについてのお話をまずは聞かせていただきたいというふうに思います。
○政府参考人(増田優一君) まず、私の方からその基準の考え方につきまして御説明をさせていただきたいと思います。 先ほどもありましたように、直轄事業負担金の法律上の根拠、これは地財法なりあるいはそれぞれの個別法の中で明確に規定されておるわけでございますが、先生からお話ありましたように、じゃそのうち例えば事務費についての範囲というものにつきましては、これは法令上明示的なものはございませんで、これまで従来から、予算編成過程の中で関係省庁が協議しながらセットしてきたものでございます。 その考え方は、具体的には、これまで例えば道路であれば特別会計の中で収支を相償うということでございますので、事業として必要不可欠な経費ということで考えたわけでございます。したがいまして、発注費、外注する建設会社の工事費のみならず、当然用地買収でありますとか、あるいは発注事業そのものは職員が行うわけでございますので、その職員の人件費、これは退職金も含めた人件費は必要でありますし、そういった職員が勤務する現場事務所、あるいは当然辺地等に赴任するわけですから、そういうところの職員住宅というものが必要だということで、それ全体を直轄事業負担金の対象範囲というふうに考えてセットさせていただいてきたものということでございます。
○国務大臣(金子一義君) 事業の対象の中身についての基準は今官房長からお話しいただいたとおりでありますけれども、山本委員最初に御指摘されたとおり、香川国道事務所、あれでもって、人件費なのか事務費なのか何なのか全く分からないで丸めて請求してきたと、これおかしいなと。これまでこれで通ってきた。私、全国を調べさせましたら、香川事務所、高松整備局だけじゃないんです、全部がそれで今まで通ってきてたんですね、これも不思議だと思いますけれども。 しかし、今こういう地方の財政状況の中でありますし、また、非常に地方自治体の皆様方も大変なそれぞれの地方自治体の再建に向けて努力をする、それから、特に地方自治体、人員の削減に大変な努力をされている、そういうときに、国家公務員の仕事に携わったからといって、人件費だ、特にいつ辞めるか分からない人の退職金まで何で負担するんだよという、感情として非常に強い声が出てきている。共済もそうです。 こういう対象費目について、先生くしくも御指摘されましたけれども、直轄の負担の対象と補助事業の対象というのがありますよね。補助事業には入っていないものについて直轄ではどんどん請求してきている、これが地方自治体から見ると非常にアンバランスではないかと、事務費も同じようなところがありますけれども。しかし、そういう中で、やはり地方自治体の今の人員削減に大変な御努力をされている状況をかんがみて、私は、人件費、特にその中の退職金あるいは共済年金というのについては、これは請求する対象から外してはどうかということで、今財務省と事務的に検討入ってもらっているところであります。 これまでも、この対象の見直しで、休職者、直轄事業に携わる国家公務員の休職者の退職金ですとか年金ですとか、こういうものも請求していたんですけれども、これはひどいじゃないのということでやめるといったようなこともあったようであります。それぞれそういう意味で対象はあると思いますけれども、直轄負担金と補助事業の負担金で求める、こういうもののバランスも考えて細目を見直すべきだと思っております。
○山本順三君 是非地方としっかりと協議をされて、そして、これいろんな今後展開も出てくるんだろうと思いますけれども、国交省としての明確な意思表示というものをされて、そしてそれを地方に納得してもらってということでの調整方、くれぐれもよろしくお願い申し上げたいと思います。 もう一点、維持管理費の負担金についてもこれ俎上に上がってまいりました。全国知事会、地方分権改革の実現を求める緊急アピールということで、維持管理費負担金を是非来年度から廃止してもらいたいと、こういう要望がありました。 実際のところ、維持管理というのは、当然受益負担という観点からいきますと、受益を受ける側が何がしかの負担をしていくというのはある意味では当然のことなのかも分かりません。さはさりながら、今のような地方自治体の財政状況等々もあってこういう話に広がってきたんだろうと思うんですね。でも、これを廃止しますと、今現在千七百五十億余りの維持管理費、これを廃止することによって、そうなってくると、この財源一体どうしていくんだろうなということから始まって、事業量は減らないんだろうか、陳情合戦も増えてくるよなというようないろんな心配をする者の一人であります。 そこで、まず第一番、この維持管理費の廃止について国交大臣の意見はどうなのか、そして同時にお伺いしますけれども、鳩山前総務大臣はこれは早急に廃止すべきだというふうに明言をされておりましたけれども佐藤総務大臣はどのようにお考えか、再確認をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(金子一義君) 維持管理費について地方の知事会から廃止の要請は出ているのは伺っております。ただ、維持管理費、事業量が変わらないとすると、新規の事業というものが当然でありますけれども少なくなると。そうすると、今まで工事を待っていた地域あるいは新規に事業を進めたいと思っていた地域の新規事業が遅れるということで、地方自治体によってはやっぱりそれは困るという御意見があります。 一方で、全体としての地方交付税、特に基準財政需要というものがどういうふうに動くのか。減る可能性があります。そのときに、結果としてこの分、国が払う。維持管理費、地方が負担しないんだからということで、我々としては地方交付税、人口、面積、道路の延長という配分になっておりますので、その分だけ地方交付税が減ると。 結果として事業量は減る、あるいは地方自治体全体としての事業量が減るということが起こらないようにやっぱりしていく必要がある。ですから、そういう意味でこの議論というのは、全体としての事業量が減らない、地財措置の調整も併せてやっていく必要があると思います。
○国務大臣(佐藤勉君) お答え申し上げます。 地方からの要望等々は、先生がおっしゃられるように大変強い要望がございます。地方分権改革推進委員会からの提出された意見書においても維持管理費に係る負担金については廃止すべきであるとされておりまして、総務省としては従来から維持管理費は本来管理者が負担すべきであるということから、維持管理費に係る地方負担については早急に廃止すべきとの考えを持っております。 維持管理費に係る地方負担の廃止に向けては、先ほど国交大臣からのお話にございましたように様々な御意見がございますので、これから調整をしなければいけないという部分もあるかもしれませんけれども、積極的に総務省としては関係省庁に申入れをするなど、今回の分権改革において見直しが進むように努力をしてまいりたいというふうに思っております。
○山本順三君 総務大臣にもう一つ追加で質問をさせていただきたいわけでありますけれども、今、国交大臣の方から話があったんでありますけれども、維持管理費というのはこれは先ほど申し上げたとおり千七百五十億余りだと思いますけれども、これは交付税措置をしていただけるということであります。したがって、それが廃止になれば当然その交付税措置、地方に対してはなくなるわけですね。ただし、地方の要望としては何としても交付税の総額を確保する、これがもう我々の悲願で、我々じゃないですね、我々も含めて地方の悲願であるということでありますが、その点についてはどういうお考えなのか、再確認をさせていただきたいと思います。総務大臣に。
○政府参考人(久保信保君) 維持管理費に係る地方負担額、これは御指摘のように千七百三十五億、今年の地方財政計画ベースで歳出に計上しておりますけれども、当然、維持管理費に係る地方負担、これがなくなればその地方財政計画の同額の歳出、これは落とすということになってまいります。ただ、これも御指摘にございましたように地方財政、これ巨額の、今年は十兆五千億という巨額の財源不足を生じております。 私どもといたしましては、地方財政対策を通じまして、そして地方財政計画の策定、こういうことを行っていく中で適切に、今の維持管理費以外のいろんな事情がございますから、これを適切に地方財政計画の歳出に計上していく、そしてその結果出てきた財源不足に対してはこれを地方交付税等で埋めていくといった作業を通じることによって、交付税始め一般財源総額、これを確保していきたいと考えております。
○山本順三君 是非その覚悟を明確に持って、そしてそのためには財務省ともいろんな調整もしていかなければならないかも分かりませんけれども、国交省とそれぞれに調整しながら今の覚悟をしっかり固めていただきたいと思います。 本当はこの後がメーンの質問でありまして、直轄事業とは一体何なんだと、これからどうしていくんだというような、そんな質問をしようと思ったんでありますが、残念ながら時間がなくなってしまいました。是非お願いしたいことは、地方分権に向けて、直轄事業とは一体何なんだと。いわゆる国と地方の負担の在り方が極めて明快に分かるような仕分をしていかなければならない。今もありますけれども、本来の直轄事業は何なんだ、これは国が責任持つんだ、これは地方なんだということがもう少し分かりやすく、また我々にとっても理解しやすいような、そんな議論ができてきたら国と地方の信頼関係は更に深まっていくと思いますので、そのことをお願いを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
○浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。 本日は決算委員会の准総括でございますので、私は省庁別審査で厚労省と財務省を担当させていただきました。その質疑を受けまして、ではどういう措置をとるのかということを質問させていただこうと思っておりますが、その前に幾つか、今回の補正予算、経済危機対策について少し質問させていただきたいと思っております。文科省は来ていますかね。 今回、文科省の国立大学法人等施設整備費補助金というのが六百六十四億円計上されたんですね。二十一年度本予算は八百三十四億円ですから、一年の八割分ぐらい積んだわけですね。ところが、私は大学では建築が専門だったんですが、同級生にいろいろ聞いてみると、低入札価格というのを心配する声が多いんですよ、発注がされても。これ余り、耳の痛い話かもしれませんが、国土交通省の低入札価格の審査はちゃんとしているけれども文科省の調査はざるだと、こう実態言われています。 文科省は、本年三月三十一日付けで八十六大学法人に特別重点調査と、これを実施について通知を行いました。原則二億円以上の工事がある大学についてはこの調査を行うという返答もあったわけでありますが、いつから行うのかというのが明確ではないと。国民の税金を安かろう悪かろうという、こういう悪質工事に使うことがないよう、文科省本省は四月一日から適用すると言っておりますので、この各大学法人においても一定規模以上については補正予算はもとより本予算についても適用してほしいと、これが一点です。 もう一点は、国土交通省や防衛省においては、この特別重点調査という、こういう調査と並行して施工体制確認型総合評価方式というのが導入されているんですよ。これはいわゆる下請等にちゃんとお金が行くのかをチェックする、そういうことをチェックするんですね。これを導入することによって低入札価格の対象が激減しているという効果が表れているんですが、文科省はこれをやっていないんですよ。これについても、本来であれば本年度から早々やってほしかったですが、もう始まっておりますので、例えば本省の工事、ナショナルトレーニングセンターで十七億円付いています。また、入札対象が一定規模以上の大学法人については、今年度の後半からでも結構ですから試行を始めてはいかがでしょうか。 これについてまず答弁いただきたいと思います。
○大臣政務官(萩生田光一君) 浜田先生から御指摘のございました国立大学法人につきまして、今回の補正予算はもとよりでありますけれども、本年度の本予算のうち、低価格の受注による工事の品質低下を防止するための従来の低入札価格調査に加え、本年度から二億円以上の工事発注において特別重点調査を行うこととしております。国立大学法人に対しても同様の取組を行うように要請をしてあるところでございまして、各国立大学法人からは本年度本予算及び補正予算の執行に当たり、原則として二億円以上の工事について特別重点調査を行うものとの回答を得ているところでございまして、省としましても様々な情報提供や研修会の実施により国立大学法人が行う調査の円滑な実施を支援してまいりたいというふうに思っております。 あわせて、御指摘のありました施工体制の確認型総合評価方式でございますけれども、これもダンピング防止の対策を強化する上で大きな効果が期待できるものだというふうに思っております。国交省の方では施工体制確認型総合評価方式について既に一定の効果を上げているということも十分省として承知しておりますので、本年度から実施している特別重点調査の実施状況などを分析するとともに、今後、施工体制の確認型総合評価についても試行を今年度中に行ってまいりたい、こう考えております。
○浜田昌良君 ありがとうございました。 せっかくの補正予算でもありますので、景気回復につながるように、しかも税金として安かろう悪かろうというものにつながらないように適正な執行をお願いしたいと思います。 もう一点、この補正予算関連なんですが、これ厚労省関連ですけれども、実習型訓練というので非常に期待されている予算がございます。三年間七万人の雇用、実習でございまして、約二千億円が計上されているんですね。どういうものかというと、一般に訓練を受けるんじゃなくて、中小企業とかという企業に入ってOJTを受けて毎月十万円半年いただいて、正規雇用になると百万円が出ると、非常に実践型な訓練なんですが、これについては、舛添厚労大臣から五月二十六日の予算委員会でも、同僚の加藤委員の答弁でもいただいているんですね。いわゆるNPOも対象になると答弁いただきました。 さらに、NPOでも、いわゆるアルバイトを今している人なんですね。この人が適用になるかどうかと。これについては、加藤議員からこういう質問をさせていただきました。アルバイトのような雇用保険の対象者になっていない人、何とかアルバイトから正規雇用になりたいとそういうふうに思っている人、それがアルバイトしているがゆえにこの制度を受けられないということは私はなかなか理解できないところでございますので、これについてはもっと弾力的な対応をお願いしたいということに対して、舛添厚労大臣は、加藤さんの問題意識は非常によく分かりますので、そのことを含めて、補正予算が成立した暁には、ハローワーク、それから関係の機関とよく協議をして弾力的な運用を図っていきたいと思いますという答弁をいただきました。 それで出てきたのが、お手元のこの六月十五日の厚生労働省というアルバイト雇用についての考え方なんですね。これについては、国際NGO等の場合においては次のように解釈しますということで、いわゆる無償ボランティアは当然ですが雇用ではありません。有償ボランティアであったとしても、過去やっていた人については雇用保険でなかった人は雇用ではないという解釈もいただきました。ただ、問題は、(2)にありますように、現に有償ボランティアをしているという人の場合の対応ですが、これについては離職中の求職者に準じた者を対象にしましょうということで、ここに、有償ボランティアとして雇用されており、雇用保険の被保険者でない者であって、正規雇用を希望する求職者としてみなし得る者ということで、①、②、③という条件が付けられました。 ここで今問題となっています②の条件なんですね。過去九か月以内に雇い止めによる離職等がきっかけで求職活動を行ったことということなんですが、実際にアルバイトしながら求職ってなかなか難しいわけですね。そういう意味では、現に有償ボランティアとして雇用されている者であっても、過去九か月間以内に家計が苦しくなる等により、国際NGOで正規職員として働きたいと、こういう意思を持ちつつ、有償ボランティア、アルバイトを続けている場合には、この②の条件に当たる旨を是非明確にしていただきたいんですが、厚労大臣の答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(舛添要一君) 今もう委員がこの緊急人材育成・就職支援基金の意義についてはお話をいただきました。でも、基本的には、本当に必要な方に再就職支援が行われるようにということでございますんで、今その過去九か月以内に雇い止めによる離職等がきっかけで求職活動をした方についても、まさに再就職支援をきちんとやっていきたいというように思っております。
○浜田昌良君 今の答弁で私の質問に答えていただいたというこういう理解でよろしいですね。ありがとうございました。 それでは、資料の二枚目を見ていただきますと、この下の表は前回この委員会でも配った資料なんですが、いわゆる今回この会計検査の結果を見てみると、厚労省の都道府県労働局からの委託先で不正経理がたくさん見付かりました。 我々は、不正経理に対しては不正経理防止法というものを作ろうと。これは、国なり地方の公務員が虚偽の請求書等の作成を要求したりすると刑罰に科そうと、これを抑止力にしようと思ったわけですが、いわゆる委託先の人は民間人ですから、この適用にならないんですね。 じゃ、どうやって抑止力を持つのかというので、この下は、ある意味ですごく抑止力を持っている厚労省のやり方なんですが、これはいわゆる失業給付ですね、これ、不正受給を受けた人の、平成十五年から十九年度の、逆にそれを返還命令した場合の例なんですが、右端にパーセントがありますが、四三・八%は不正受給した額そのままを返したと。それで、半分以上の方は二倍返し、三倍返しを要求しているんですね。三倍返しであった人は一・三%、この年間に五百一件あったんですね。二倍返しをされた人が五・二%、千九百五十四件もあった。つまり、こういうことをもって不正受給を防ごうというのが厚労省のやり方なわけですよ。 ところが、上を見ると、黄色いのが今回四つの事業なんですが、例えば右の方に、右から二つ目の欄に不正機関の比率とあるんですが、この委託事業、①の地方労使就職支援事業というのを受けている二十五機関のうち二十三機関が不正をしていたと、九二%。②の事業でいうと、もうここも五四%。③の事業は一〇〇%。④の事業も一〇〇%。ほとんどの機関が不正をしているという実態の中で、じゃ、この契約上、加算金ってあるんですね、不正なことをすると。これは五%なんですよ、たったの。 ただ、たったの五%なんだけれども、どれぐらい適用されているかというのを見ると、これ、①が契約総数、契約総数が四千五百五十七件あったんですが、そのうち不当事項に当たるものが、今回検査院で指摘されたものが六百三十一の一三・八%、そのうちの約半分がこの五%の加算金を受けていると。これが高いと見るか低いと見るかというか、五%だともう慣れっこになっているんだと思うんですね、抑止力になっていない。これをいかに上げるかというのがまず一点だと思うんですよ。 もう一点は、右端に処分の現状とあるんですが、この不正経理をした団体で処分を受けている人は、④の雇用安定事業等のところにあります三十三協会、百十五名だけで、ほかの事業であった人は全然処分をその団体で受けていないと。こういうものに対して、厚労省としてやっぱり処分を求めるべきじゃないかというのが二点です。 三点目は、次のページめくっていただきますと、いわゆる地方労働局における癒着の体質の現況というのがはっきりするんですが、職業安定系職員の労働局間異動、つまり都道府県をまたいで人事異動があったかどうかというのを見ると、平成十九年度以降そういうブロック採用が始まったようですが、それからを見ても、県をまたいだ人が四百六十七名と、二十一年度の職員数に比べてたったの三・四%しかいない。一般職員でいうと二・六%しかいない。 こういう形じゃどうしても水がよどんでしまうわけですね、知っている人ばっかしで。そういう意味では、もう少しブロックとして人事を大幅に見直していく。そういうことを通じて、今まで指摘があったこの不正経理について抜本的に、まず第一にはこの加算金を大幅に上げることによって抑止力を高める、二番目にはその委託先には処分を求める、そして三番目にはここにあるように人事体制を改めてよどまないようにすると、この三点について抜本的見直しを求めたいと思いますが、厚労大臣の答弁をお願いします。
○国務大臣(舛添要一君) まず、不正経理防止の話ですけど、三倍返し、これ雇用保険でありますけど、この不正経理の方は法的根拠が民法や契約等に基づくので同列には論じられませんが、しかし、これはやっぱり問題でありますので、加算金の割合を現行の年五%から上限二〇%まで引き上げることを委託契約で明記しようと思っております。 それから、その処分の問題も、これはもう法と証拠に基づいて厳格に対応したいと思っております。 それから、御指摘の県をまたいでの異動がないからよどんじゃうと、これはもうそのとおりでありますので、今ブロックごとの異動をすることを十九年以前採用の職員についても来年からやろうとしておりますので。 不正経理絡みでいうと、今回から一層の不正防止の強化を図る観点から、契約の履行に当たりまして、先ほど申しましたけれども、不正経理に関与した職員などについては処分その他適切な対応を行う、法と証拠に基づいて行うということをやりたいと思いますので、御指摘の三点について更に改善してまいりたいと思っております。
○浜田昌良君 ありがとうございます。是非、解体的に出直しをお願いしたいと思っております。 実は、我々、今回の補正予算を通じて各都道府県の労働局が私は名誉挽回するいいチャンスだと思っているんですね。今まで不正経理いっぱいありました。しかし、今一番我々にとっての頼りは都道府県の労働局なんですよ。町に失業者があふれている、又は訓練を受けたい、その窓口がハローワークになっています。しかし、現場の方々はなかなかそれが分からないかもしれない、もう何でこんな残業が多いんだろう、土曜までやらなきゃいけないんだろうと。その士気をもう一度高めていただきたい。今回のこれを通じて労働局を引き直すんだと。是非、大臣、副大臣が先頭に立って現場の職員を、これを励ましていただきたい、これを是非お願いしたいと思います。 次に、済みません、やっと至りました、外為特会について財務大臣にお聞きしたいと思いますが、配付資料に配らせていただきました。 前回の議論を少しまとめさせていただきましたが、外為特会には二十兆円の積立金があるんですが、これが使えるのか使えないのかということなんですが、財務省の「主張」、主張を括弧を付けてありますのは、一部主張じゃなくて思い込んでいるという、周りの人が思い込んでいるものを含んで書いてみたんですが、①は、九十九円より円高となると、外貨資産の評価損が積立金を上回るので国内調達金利が上昇するんだという論理。また、二番目には、そういう意味では積立金比率は三〇%必要なんだけれども、今は二〇%しかない。三番目には、積立金は決算上の不足の補足のために必要だと。しかし、右に、歴史的事実を前回も説明しましたが、決して国内調達金利が上昇したことはありませんでした。 さらに、四番目、これは前回は説明しませんでしたけれども、これは財務省の方が主張しているんじゃなくて、こう誤解している人が結構おるんですね、某財務副大臣経験者もそうなんですが。つまり、積立金というのはドル建てでかつ外国債となっているからこれ活用できないんだと、こう思っている方がおられるんですが、これ、そうじゃないんですよ。右に書いてありますように、一兆ドルの外貨資産に二%の運用益二百億ドル、二兆円が出ても、現状ではそれを現金化して円貨へ戻すわけじゃないんですよね。その分を運用益に見合った二兆円分の為券を国内で発行して円資金を財投に預託している、つまり貯金しているわけですよ。その預託が積もり積もって今二十兆円が円であるんですよ。そういう意味ですよね、財務大臣。 そういう意味では、別にこの二十兆円は使おうと思えば使えるんですが、唯一使えない理由があるんですよ。それがこの⑤なんですね。特会法八十条二項で、決算上の不足の補足以外には活用できないと。法は書いていないんですけれども、そういう解釈らしいです、財務省によると。法改正は必要かもしれません。 私自身は、全部使ってしまえというものでもないんだと思うんですよ。この外為特会の中で一定の積立金は必要だと思います。しかも、この今の時期を考えるといろんな対策が必要かもしれません。私自身は、消費税の対策というのは将来の社会保障の安定財源のために必要だと理解をしております。しかし、とはいっても、今すぐ消費税を上げられるという状況でもない。経済が好転もしていない、また無駄ゼロもできていない、いわゆる所得税法の一項、二項の条件があるわけですよ。それがあるまでの間に、今言ったような社会保障の厚い手当てが必要かもしれませんし、また、例えば今回の補正予算も、実は残念ながら三・五兆円の赤字国債を発行せざるを得ませんでした。本来であれば、将来にツケを残すんじゃなくて、現役世代のこういう積立金を使えれば我々のお金も使える。 また、我々は、できれば経済がどんどん良くなることを期待して、将来、平成二十三年度からはいわゆる年金の二分の一引上げについては税財源を投入とは考えておりますけれども、それが至らない場合には何らかのまた財源を考えなきゃいけないかもしれない。そういう不測の事態、いわゆる一過性、臨時的にはこういうものも考えてもいいんじゃないかと。 確かに、王道として消費税というのは社会保障財源のために必要でありますけれども、そこに至る道としてこういうものの活用もあると思うんですが、財務大臣の御見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) そのお金は手を付けてはいけないお金だと私は思っております。
○浜田昌良君 手を付けてはいけないとおっしゃいますが、法律を改正すればできるという事実は事実だと思います。 じゃ、もう一度、次の紙には別添二というのがありますので。 これは、そもそも、じゃ、外為特会自身が必要なのかどうなのかということなんですけれども、特会というのは特会法七十一条に目的もあります。与謝野大臣自身が「堂々たる政治」で、為替変動リスクに備え、為替介入を行う原資だと言われています。しかし実態は、我が国は平成十六年一―三月に十五兆円やってから、これは平成五年から十四年平均の五倍ですね、五倍の円高介入した後、もう一回もやっていません、ゼロです。アメリカ、ヨーロッパはユーロですね、ポンドは平成十二年を最後にもうやっていません。この四つの通貨で世界の四分の三以上です。一日当たりの世界為替通貨量はもう約三百二十兆円、円・ドルだけでも約四十兆円ですね。我が国の為替介入用年間資金規模というのは、これ予算総則で決まっていますから百四十兆円しか使えないんですよ。これを超えようと思うと、もう一遍予算通し直さなきゃいけない。この百四十兆円というのは、一日の世界通貨量の半分以下、また円・ドルで見ても三日分しかない。とはいっても、全部介入するわけじゃありませんから、相手がやってくれればいい。相手が、じゃ、持っているかというと、アメリカもヨーロッパもほとんどそれほど積んでいないんですよ。 そういう意味で、私は、外為特会の必要性をそろそろもう一度再検討して、あわせて、この積立金の在り方はどの程度がいいのかというのを議論すべきと思いますが、財務大臣、どうでしょうか。
○国務大臣(与謝野馨君) 外為特会には、外貨建ての財産、すなわちアメリカのTBが多いわけですが、これがドル建てとして財産がございます。それと、先生が御指摘のように、そこから出てまいりました果実等を積み立てる、これは円として別建てで、円貨として持っております。これがバランスシートでいえば資産の方です。ドル建ての資産と円建ての資産を両方持っています。ところが、負債の方をよく見ると、やっぱり借入金、これは短期国債で借りているお金、こういうバランスシートの構図になっていますけれども、このバランスシートが辛うじてバランスするのは、右側の資産の方のドル建て資産が、円・ドルレートが九十九円になったときにこのバランスシートはちょうど資産と負債がバランスするわけでして、そういうように、見かけ現金があるというだけでそのお金を使っていいはずはない。 これは、外為特会は独立して会計をやっていますから、その中自体でプラスマイナスを勘定しなきゃいけない。これは、決算の不足に充てることができるというのは、言わば資金繰り的な使い方の話をしているので、いわゆる外為特会のお金を、見かけのものを使うということは実は効果としては短期国債を発行したと同じことなんであって、何か純資産を持っているということは考えてはいけない。もちろん、円が安い時代には確かに余ったお金が出てきて、そのお金は一般会計に繰り入れた時代がありますけれども、これだけ円高傾向が強いときには、使うと後で穴埋めをしなきゃいけないと、そういうことなんで、使っちゃいけないお金だと私は思っております。
○浜田昌良君 時間終わりましたので、私自身は、この外為特会につきましては、よく調べると平成十八年度に会計検査が入っているんですが、そういう、本来の積立金の程度、また特会の目的等に十分そこまでの審査がなされていないと。それは会計検査になじむかどうか分かりませんが、なじむものであれば私は検査をしていただきたい。この点について委員長に要求して、私の質問を終わります。
○委員長(家西悟君) 後刻理事会で協議いたします。
○西田実仁君 引き続き、公明党の西田実仁でございます。貴重な機会をいただきまして、誠にありがとうございます。 私は、まず浜田防衛大臣にお聞きしたいと思っております。防衛省の医療資源につきましてお聞きします。 この防衛省の医療資源につきましては、当然、有事の際に出動して住民や国家のための衛生活動に従事をいただくという意味では、一定の余裕というものが必要であるということはよく認識をしているわけであります。しかし、実際今、地域では医師不足も大変に問題になっておりますし、地域の皆様にその防衛省の医療資源を活用いただくという視点も必要ではないかというふうにも思います。 〔委員長退席、理事神本美恵子君着席〕 今、防衛省には、全国に十五の自衛隊病院、そして防衛医大もございます。そのうち、オープン化している、つまり地域に開いている自衛隊病院は、札幌、中央、横須賀、富士、福岡、そして私地元でございます埼玉にあります防衛医大ということでございます。特にこの防衛医大については、大変に八百床という大きな病院でございまして、昭和五十二年の設立以来、地域に開いてきていただいているわけであります。第三次救急病院、特定機能病院、災害拠点病院の指定も受けて、外来患者の八割以上が埼玉の人だということでございまして、大変に貢献度が高いわけでございます。 ただ、大変に貢献いただいているんですけれども、地域の方々の一部は、お医者さんの数が余りにも少ないとか、看護師さんも大変に少ないというような、医療サービスに対して厳しい声も正直ございます。 そこで、今日お手元にお配りさせていただきましたのは、この防衛医大の病院と全国の自衛隊病院のそれぞれの病床利用率、歳出対歳入率、人件費対歳入率、また看護師一名当たりの患者数。これを見ていただきますとその違いは歴然でございまして、時間の限りもございますので防衛大臣に一問だけお答えいただきたいと思いますが、これを見ていただきますと、やはり相当の違いがあるわけでして、この防衛省が持っていらっしゃる医療資源全体を再編なりして、もう少し防衛医大の、これ余りにもこれだけ違って厳しい状況にもございますので、効率的な、しかし余裕は自衛隊病院にも必要だとは思います、しかし、防衛省の医療資源全体を見直しての再編あるいは人的な交流ということをもうちょっと進めていただくことが、より臨床例を増やすという意味でも、幹部医官の育成という点でも資するんではないかとこう思いますので、大臣に一問だけお聞きしたいと思います。
○国務大臣(浜田靖一君) 先生の御指摘のとおり、我々もその点については問題意識を持っておるところでございます。 医師につきましては、専門研修といった研修等を通じて相当数の医官が防衛医大病院において診療を行っております。また、看護師については、防衛医大病院における研修の必要性を感じており、今現在、若干名の研修を行っているところでございます。 〔理事神本美恵子君退席、委員長着席〕 また、自衛隊病院の看護師の防衛医大における研修を通じた勤務の在り方については、これはもう今先生御指摘を踏まえて我々も対処していきたいというふうに思っておりますし、オープン化に向けて地元の御理解をいただけるように、各全国の自衛隊病院についても今後、我々の防衛省の中でも今議論をさせていただいておるところでございますので、できる限りそのオープン化についても前向きに検討していきたいというふうに思っているところでございます。
○西田実仁君 大変にありがとうございます。防衛大臣、この一問だけで誠に恐縮でございます。もし委員長のお許しがありましたら、もう結構でございます。
○委員長(家西悟君) 浜田防衛大臣、御退席いただいて結構です。
○西田実仁君 引き続き、金子大臣にお聞きしたいと思います。 テーマは、伝統構法の設計法についてでございます。 大臣の御地元の岐阜におきましては東濃のヒノキ、あるいは私、地元埼玉では西川材といった地場の木あるいは地場の技を生かしての木造住宅というのが日本の伝統的な住宅、家造りを支えてきたんだろうというふうに思っております。こうした伝統木造構法のたくみの技というのは是非とも残していくべきであるという私は立場でございます。なぜならば、このたくみの技というのは、地震が起きたときにもしなやかな構造で地震力を分散あるいは吸収あるいはやり過ごすというようなことを通じて倒壊を防ぐ技にほかならないからでございます。 具体的には、例えばこの伝統構法によりますと、大きな地震が起きた場合、四つの段階でこの地震力を吸収していくという話があるわけです。土壁でまず衝撃力をそぐ、あるいは木の軸組みで力を散らす、あるいは柱脚が動いて力を伝えない、これは石場建てと言われるものでございますが、そして四つ目には通し貫の粘りで倒壊を防いでいくと。特に、私は、このかなめ、伝統構法のかなめはこの石場建てといういわゆる免震構造、ここにあるんではないかというふうに思っております。 今年三月、国土交通委員会で大臣にもお聞きさせていただきましたけれども、この伝統構法による木造住宅の建築確認が大変に通りにくくなっているという問題点がございます。元々法的にきちっと位置付けられてなかったということもございます。そして、その上に耐震偽装事件というのが起きてまいりまして、ピアチェック等の大変厳しい建築確認ということになりまして、なおさら通りにくくなっております。 今日、お手元にお配りをさせていただきましたのは、国土交通省さんで作られているこの木造住宅と設計法ということでございますが、この上の方の壁量計算でできるものはそう難しくないわけであります。下の限界耐力計算を用いなければならない伝統構法に建築確認、これがピアチェックも要し、難しくなっていると。 その限界耐力計算と書いてある右側には、いわゆる東のマニュアル、いわゆる西のマニュアルというふうに書かれておりまして、いわゆる東のマニュアルというのは関東版のものでございます。主に在来工法を対象としたマニュアルでございます。下にあるいわゆる西のマニュアルというのは、近畿版とも言われておりますが、伝統構法を対象としたマニュアル。 この西のマニュアルでは例えば先ほど私が申し上げました伝統構法の石場建ての木造住宅は建築確認が通るわけでございますけれども、東のマニュアルではそれがなかなか通らないと、こういう問題があることを私は三月の委員会で質問をさせていただいたわけでございます。 まず、大臣には、この伝統構法という日本古来伝わる、また今も根付いている、また地震に対しても強いという検証もなされているこうした伝統構法ということについて、私は残していくべきだし、また保護し、また育てていくべきだという立場でございますけれども、大臣の御所見をまずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(金子一義君) 西田議員のお地元、私のところも飛騨のたくみという伝統構法がまだ脈々と続いているんでありますけれども、だんだん技術の伝承がいない、あるいは先ほど御指摘いただきましたように、なかなかこの伝統構法に対する技術基準、建築基準法、これ非常に厳しいと、あるいは難しいという状況がありました。 ただ、国会で御議論いただきました長期優良住宅の普及の促進法がありましたですね、あのときには、国会で修正をいただきまして、木造の使用に関する伝統的な技術も含め研究開発の推進等に努めるという旨を国会で修正をいただきまして、そのことをある意味実現をしていきたいと思っております。 国民の大半は木造住宅を志向しておりますし、伝統的構法による木造住宅の振興についても国民のニーズにこたえられるように今後とも積極的に努力してまいりたいと思っております。 たまたま、ある日刊紙に今日の社説で、先生が今御指摘をいただきました伝統木造構法の、こういう地震列島に対してきちんと検討しろという社説の記事も拝しましたけれども、このことを大事にしていきたいと思っております。
○西田実仁君 そこで、具体的にお聞きしたいと思いますが、先ほどの国交省さんで作られた資料、伝統的構法木造住宅の設計法開発という、ちょうど真ん中のところについてお聞きしたいと思います。 今大臣も、この伝統構法の重要性ということについてもお話しをいただきました。今、そういう意味では、伝統構法をきちんと建築確認等で通るようにしようということで設計法の改正が行われているわけです。実大震動実験というのが昨年そして来年と行われることになっております。私が今指摘しました伝統構法の中でも、そのかなめとなる石場建てによる伝統構法、これについては実大震動実験で行ったのでしょうか、国交省にお聞きしたいと思います。
○政府参考人(和泉洋人君) 御指摘の検討は、二十年度から三か年の計画でございます。その中で、住宅全体についての実物大の構造性能実験を行うことになっておりまして、委員御指摘のとおり、二十年十一月と二十年十二月に行いました。しかしながら、この中では、初めての実大構造実験でございますので、今委員御指摘の石場建てについてやってございません。 理由でございます。 今回の実験は初めての実験として、伝統的木造軸組み構法全体、上部構造も含めてデータを取りたいという趣旨でございました。委員御指摘の石場建てのケースにつきましては、もしかしたら建物全体がずれてしまって上部構造に関する実験データが得られないかもしれない、こういった性格がございまして、相当数の金額掛かることもございまして、今回は石場建てじゃない、いわゆる基礎等を固定した構法についての検討を行っておるという状況でございます。
○西田実仁君 今年夏にもつくばで、これから要素実験を経まして、つくばにおきまして実大水平加力実験というのを行う予定だと思いますけれども、これは昨年に行いました実験、この二棟、これを前提として行うんでしょうか。
○政府参考人(和泉洋人君) 今委員御指摘の石場建ての実験でございますけれども、住宅丸ごと一棟ではございませんが、二十年から二十二年にかけての検討委員会にも参画しておる独立行政法人建築研究所におきまして、十九年度から二十年度にかけまして、石場建て構法の構造体について、純然たる石場建ての場合とアンカーボルトで固定した場合の震動実験をしました。 このうち、特に水平移動を拘束しないいわゆる純然たる石場建ての場合につきましては、木材と石との間の摩擦力についての分析や、柱脚の滑り量などについての分析、これ極めて伝統的な構法ゆえに最新の型になかなか乗りにくいということもございまして、委員の先生方が今分析をし、二十年から二十二年にかけて行う全体の設計法の中にどう入れ込んでいくのかというようなことについて真剣な討議がなされているというふうに承知してございます。
○西田実仁君 私がお聞きしたのは、この夏につくばにおいて建築試験研究センターで行われるものは、平成二十年、昨年に行ったものを、二棟、実大震動実験を行っていますけれども、それを元に行っていくんでしょうかという質問です。
○政府参考人(和泉洋人君) 当然、十九年度から二十年度にかけて行った、今私が御説明した石場建てに関する検証結果も踏まえながら、更に知見を深めるための実験をするというふうに伺っておりますし、建築研究所自体が二十年から二十二年にかけての全体設計の中のメンバーでございますので、その知見がどう全体に生かせるかということについて関係者で真剣に勉強してまいりたいと、こう考えております。
○西田実仁君 今、中間報告で、この伝統的木造軸組み構法住宅の耐震性能検証実験ということがこの三月に発表されておるんですね。 今おっしゃっていただいているような検証の委員会の委員の方々を見ますと、確かに現場で伝統構法に携わってこられた職人の方も随分入っておられまして、大変そういう意味では委員会構成、検討委員会の構成自体は画期的なものであるというふうにも思います。当然のことながら、大学の先生、専門家の方々も入っていらっしゃいます。 しかし、今いろいろとるるお話しされて、石場建ても何か実験をしているかのようなお話に聞こえましたけれども、現実には、この検討委員会に参加されている職人の方々、また国宝修理にもかかわっている方々から提案書というのが出ていますよね、五月に出ております。私、手元にございますけれども、これは伝統構法についての共有認識事項提案書というものでございまして、特に伝統構法に現場で携わってこられた方々が、この検討委員会においてその方々の意見が十分に反映されていないんではないか、この実験、検証の進め方の中にそもそも石場建て自体が外されてしまうんではないかという大変な懸念を持って提案書を出されているんではないかというふうに思われます。 この点につきましてはどんなように受け止めておられますでしょうか。
○政府参考人(和泉洋人君) そもそもは、伝統的木造軸組み構法、石場建てを含めて、非常に多様性があります。加えて言うと、今委員御指摘のように、それに関連する技術者とか棟梁等も非常に様々な意見があるというのが実態でございます。 そういう中で、今回設けました委員会につきましては、関西で実績のある石場建てについての専門家を一名入れ、加えて、いわゆる大工さんの団体等から推薦された実務者から成るメンバーを、ある意味ではかなり公平な手続で選んでいただいてつくられたメンバーでございます。したがって、率直に言って、今の委員会構成自体一〇〇%じゃございませんから、そういった御意見もあるかもしれません。これが一点目でございます。 もう一点は、そういった御心配する向きの中に、今回の設計法の開発の中で詳細設計法、限界耐力計算法を延長させ詳細設計法を作る際に難しさゆえに石場建てが落ちてしまって、その結果、石場建てを造ることが不可能になってしまうんじゃないかと、こういった御心配をされる向きもあるのかもしれません。 それにつきましては、今回の詳細設計法というのは、現在使われている限界耐力計算法を在来木造軸組みに使う際によりスムーズに使えるようなマニュアルを考えてございまして、一方で、限界耐力計算法自体が建築基準法の中に規定もございますので、その法律を守る範囲で個別にエキスパートジャッジで造っていくという道は当然残されると、その点については御心配ないかと思います。
○西田実仁君 しかし、実際に今、実験はこの石場建てを外した形で行われているわけですね。このままこの既成事実が積み重ねてまいりますと、来年には大臣告示という形になるんでしょうけれども、その大臣告示に石場建てが外されてしまって、マニュアルの方でできるからといっても事実上はできなくなる、そういう懸念を持っているわけでございますが、どうでしょうか。(発言する者あり)
○政府参考人(和泉洋人君) これ、大臣からやれという指示があるものですから。 まず、正確に御説明しますと、設計法の開発の中に簡易設計法と詳細設計法がございます。簡易設計法の方は、今やっています限界耐力計算法という高度なことをやらなくてもやれる範囲でまとめると。ある意味では、若干の木造在来軸組み構法に関する制約はあるかもしれません。二番目の詳細設計法というのは、現在行われております限界耐力計算法だとしても、それを現場の設計者や工務店がより簡素に、簡易に使えるように、一種のマニュアルと考えていまして、前者は今先生おっしゃったように告示、後者は一種のガイドライン、マニュアルというふうになるかと思います。 先ほど御答弁申し上げたのは、そういったことをした上で、さらに、当然のことながら、その告示やマニュアルから外れる部分についても、現在の建築基準法に従って限界耐力計算法をして西の方でやっていますようにエキスパートジャッジをやれば、当然造り得る道は残されていますし、それを我々としては振興していきたいということでございます。 その上で、じゃ二十二年度に石場建てを含む実大実験をやるかどうかについては、今私がここでやりますとかなんとかということじゃなくて、専門家が集まった委員会の中で、限られた予算をどう使うことが在来木造軸組み構法についての振興について一番プラスかということを議論する中で、石場建てについても十分、今の委員の御指摘を踏まえながら検討してまいりたいと、こう考えております。
○西田実仁君 大臣にお聞きしたいと思いますけれども、伝統構法には確かにいろいろあるんですよね、いろいろあります。その中で、確かにいろいろあるんですけれども、石場建てというのは非常に重要な技術なんですよ。結局、免震という地震の揺れを水平方向に動きながら力をそいでいくという、そういう重要な技術だと思います。いろいろあるという割には実大震動実験には石場建ては外しているという、こういうことがあっては、このまま、皆さん心配になってしまうわけであります。 まだ夏、これから震動実験もするし、来年もまだありますので、これ是非、現場でこの伝統構法を、特に石場建てに取り組んでいらっしゃる方々がきちんとこの日本の伝統技術を継承してまた発展をさせられるような環境を少なくとも邪魔しないようにしないと、これはもう本当に途絶えていってしまうと私は危惧しております。 大臣、今ちょっと技術的な話もございましたけれども、御感想、また御決意をお話しいただければと思います。
○国務大臣(金子一義君) 技術的な部分は余り軽々に申し上げるわけにいきませんが、何とか石場建てというのが、さっき委員が御指摘された四つの要因の中で一つの大きな、これだけではありませんけれども、これも重要な要素であるということは私も理解をしております。そういう中で、住宅局長が言ってくれたように、これがどの程度の効果があるのか専門家にも相談をさせるということをちょっとさっき指示をいたしましたものですから、その検討結果を見守らしていただきたいと思います。 結構この石場建てについては、中小の工務店等々も関心持っておられますよね。私のところにも、お盆の上にパチンコ玉三つ持ってきた人がいましてね、お盆をこういうふうに横にすると、ちょっと傾けるとパチンコ玉おっこっちゃうよねと。だけれども、これ、揺らしてごらんなさいと。こういうふうにぐらぐらっと揺らせるとパチンコ玉三つが真ん中に集中するんですと、これを在来工法に使えないかなんて、結構そういう、言わばこれ軸受けです、下のところの。石場の代わりですけれども。こういったような技術開発みたいなものも一方でかなり皆さん研究してくれている方々も多いものですから、そういうものを生かすという方法と、方向性として是非何らか対応できるようにしていきたいと思っています。
○西田実仁君 ありがとうございました。じゃ、よろしくお願いいたします。 ─────────────
○委員長(家西悟君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、亀井亜紀子君、柳澤光美君及び西島英利君が委員を辞任され、その補欠として川合孝典君、轟木利治君及び椎名一保君が選任されました。 ─────────────
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。 私はまず、税の滞納者に対する差押え、取立ての在り方について関係大臣にお尋ねをしたいと思います。 鳥取県で昨年、〇八年の六月十一日にある宅建業者のTさんという方の銀行口座に児童手当が十三万円振り込まれましたところ、鳥取県東部総合事務所がこのTさんの自動車税などの滞納を理由に差押えをし、そしてその日のうちに取り立ててしまいました。 今お手元に資料が配られていますが、その最後のページに差し押さえられたTさんの預金通帳の写しがございます。 御覧いただきましたらお分かりのとおり、この児童手当が振り込まれる六月十一日前は七十三円しか残高がありません。六月十一日に児童手当が十三万円振り込まれ、その同日、県税事務所が七十三円と合わせて十三万七十三円全額を差し押さえ、そして取り立てているわけです。この県税事務所の差押えは児童手当の振り込みからわずか九分後に行われたということが、その後、明らかになりました。 当時、このTさんのおうちは、一年前ですけれども、高校二年生のお姉ちゃんを始めとして、中学一年生、小学校四年生、小学校一年生、そして保育所の年中さんという五人の子供さんがおられる御家庭で、奥さんは肝臓や甲状腺などを患って、病弱で働けません。そして、お父さんが認知症で入院するという本当に大変な生活の状況にございました。その中で、この宅建業、不動産業、この本業で食べていけない状況になっていっていたわけですね。この経済的な苦境の中で、本業では食べていけないという中小零細の自営業者の方々は大変急増しております。 この方に私もお会いして伺いましたら、三年ほど前から極端に不動産の動きが悪くなって、売上げは、二〇〇六年はその前の年の五〇%、〇七年、この決算の年ですけれども、は更に前年比二割から三割、そしてこの差押えがなされた〇八年六月当時は、不動産の仲介は全くなくなってしまって、アパートの管理費でほんのわずかな手数料が入るという程度になってしまっていたといいます。ですから、アルバイトに出て働いていたんですけれども、こうした税金の支払ができなくなっていたわけですね。 もう少し御紹介をしますと、本当に大変な生活の中でこの六月十一日に振り込まれた十三万円の児童手当は、この家族にとって大変貴重な大事なお金でした。といいますのは、高校当時二年生の子供さんの高校入学後の教材費、あるいは予定されていた修学旅行、この積立てのお金がそういった家庭事情の中で七万七千円滞納になっていたわけです。この支払を、お父さん、お母さんはもちろん、当時高校一年生から二年生に上がった子供さんも厳しくその支払を迫られておりました。小学校の方でも給食費が約九万円滞納するという形になってしまって、学校から両親は、払えないと給食を止めぬといけぬ、給食を止められたら子供さんにかわいそうなことになるでしょうとまで迫られていたわけです。ですから、この六月十一日に十三万円入るから、滞納している高校の金額の全額と、そして残りを給食費を払うという約束をそれぞれ小学校、高校としていたわけですね。ところが、それが果たせずにこの差押えの後、この家族の生活は破綻をしていくことになります。 まず、国税庁にお尋ねをしたいと思いますけれども、一般に滞納処分について、滞納者の今申し上げたような生活の実情、これを無視して財産を差し押さえるなどあり得ないことだと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(岡本佳郎君) 一般論としてお答えさせていただきます。 我々、財産の差押えに当たりましては、滞納者の個々の実情に即しつつ、法令等の規定に基づき適切に対応をいたしておりまして、預金等の差押えに当たりましても、滞納者の生活の維持又は事業の継続に与える影響をも考慮して慎重に対応しているところでございます。
○仁比聡平君 今、国税庁から御答弁をいただいたように、その実情に即しつつ行うのであると。これ、四月の十七日に同じ問題を与謝野大臣に衆議院で我が党の佐々木憲昭議員がお尋ねをしていますけれども、税の行政も血も涙もあるものなんだという御趣旨の御発言がございました。国税庁、もう一度確認ですけれども、その即すべき実情というのは、これは滞納者の個々の実情を徴税担当者の方で十分把握してつかむべきものなのではないですか、いかがです。
○政府参考人(岡本佳郎君) 御指摘のとおり、我々の方でも財産調査とか滞納者の個々の実情をよく調査した上で慎重に対応するということでございます。
○仁比聡平君 また、先ほど御答弁あったのかもしれませんが、滞納者の生活の維持あるいは事業の継続に対してこれ甚大な影響を与える、これを差し押さえたら生活そのものが壊されてしまうと、そういう事態のときに国税庁はまさかそういう財産を差し押さえることはないと思いますけれども、いかがです。
○政府参考人(岡本佳郎君) 先ほど申し上げたとおりでございますけれども、例えば差し押さえる財産の選択につきましても、第三者の権利を害することが少ない財産であること、それから特に滞納者の生活の維持又は事業の継続に与える支障が少ない財産であること等に十分留意して選択しているところでございます。
○仁比聡平君 そこで、舛添大臣にお尋ねしたいと思うんですけれども、児童手当は、これはもう大臣に申し上げるまでもなく、子供が健全に育っていくことができるように給付されているものだと思います。 本件につきましても、この御両親は、子供さんたちの給食費や高校の教材費や修学旅行の積立て、こういったものを払って、子供たちが学校で楽しくすくすくと育つことができるようにと、当てにしていたわけですよね、学校と約束までしていました。私もお会いして、お気持ちが本当につらくなりましたけれども、この日の朝九時半に銀行に行かれたそうです。ATMで引き出そうとしたら、これ引き出すことができませんということになったときのその途方に暮れた思いということを考えますと、本当につらくなるわけです。 私は、児童手当は子供たちのために最優先で使われるべきものだと考えますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(舛添要一君) 今委員が御指摘のように、児童手当は、児童を養育している者に支給することにより、家庭における生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健全な育成及び資質の向上に資することを目的としており、児童の養育のために用いていただくということであります。 法律論を純粋に言うと、差押禁止規定が児童手当法にはありますけど、これは、今私が申し上げたことを前提にして、支給を受ける権利の差押えは禁止していると。ただ、口座にお金が入って、これ、お金に色が付いていないものですから、そこまでの差し押さえることまでは禁止してはおりません。ただしかし、こういう行政の目的ということに照らして、関係官署がよく、どういう目的でこのお金が振り込まれているのかということをしっかりと念頭に置いて、児童手当の趣旨が生かされるようにやるべきだと、まあ一般論として申し上げれば、そういうように思います。
○仁比聡平君 ありがとうございます。 その今大臣が前提としておっしゃった法律論、あるいはお金に色が付いていないという問題については、後ほどもうちょっと議論させていただきたいと思うんですね。 佐藤総務大臣、先ほど国税庁にお尋ねしましたけれども、実情を十分把握すべきであると、滞納者の。そうした配慮すべきであるというのは、これ地方税も全く同じだと思いますが、まずいかがでしょう。
○国務大臣(佐藤勉君) 差押えを含む滞納処分については、地方税においても基本的に国税徴収法に規定する滞納処分の例によることとされておりまして、おっしゃるとおりだと思います。
○仁比聡平君 ところが、私が調べる限り、御本人に伺う限り、鳥取県はそうした個別的事情、具体的事情は全く考慮しておられませんし、把握もしておられない、で、この差押えに臨んだのではないかと私は思っております。 納税義務者本人が、つまりTさんがこの件で徴収担当者に面会をしたのは三回であるということは、これは双方が認めるところなんですけれども、そのいずれも不動産を営んでいるその事務所でのことなんですね。いつお客さんが入ってくるか分からない、そういう状況の中でのことです。その場所で徴収担当者から、鳥取市内の不動産の市況はどうなのか、景気はいいのかとか、○○町の坪単価は大体今幾らぐらいですかとか、そういう景気の一般的な話はあったけれども、生活がどうですか、生活の実態はどうですかというのは聞こうともしなかったというんですね。子供が何人かも聞かれたことがないというんですよ。このTさんは親身に私たちの生活について聞いてほしかったと、そういうふうに訴えておられます。 当日、児童手当だから取り上げないでくれというふうにTさんは差押えを受けたことを知って県税事務所に要請に行っているんですが、それにも応じていません。一方で、Tさんの財産についてはいろいろ調べているということがその後判明してまいりました。 同じ県税事務所の担当者は、昨年の六月十一日に同じく児童手当がその口座に振り込まれているということを既に調査で把握をしております。大体、市から児童手当が振り込まれる日というのはこれ決まっているわけでありまして、これが何日の何時ぐらいに振り込まれると、その口座を差し押さえればこれは取り立てることができるということはこれは容易に知り得ることでありますし、県の担当者は重々承知をしておったのではないか。それを知っていながら、この通帳を御覧いただくように、わずか九分後、これ手続としては、差押えの通知書を当該銀行の支店に徴税担当者が持ってそれを渡せば差押えの効力は生ずるんです。そういうやり方でねらい撃ちで児童手当を取り上げると、こんなやり方はまさに血も涙もないひどいやり方だと私は思いますけれども、佐藤大臣、いかがですか。
○国務大臣(佐藤勉君) 一般論としては、先生の御趣旨はよく理解をさせていただきます。 ただ、税務職員には地方税法上の守秘義務というものが課せられておりまして、総務省が個々の事案の内容について情報提供を受けることは大変守秘義務に抵触するおそれがありますから、総務省として個々の事案について事情を伺い、指導を行うことは困難というふうに思いますけれども、先生がおっしゃる趣旨を踏まえて、よく検討させていただいて、そういう事案等々を理解できるような指導はしてまいりたいというふうに思っております。
○仁比聡平君 私の申し上げる趣旨をよく理解できるように指導していきたいというその御答弁は、私、今大事な御答弁だと承っているんですが、もう少し深めたいと思うんですよ。 国税庁、もう一回お尋ねしますけれども、差押えの通知書を第三債務者に交付しに行くというときに、徴税担当者がその振り込みが児童手当であるということを知ることはこれは容易でしょう。前日までは七十三円、今十三万円入った、これは出どころは児童手当だ、これ知ることは簡単なことだと思いますが、いかがです。
○政府参考人(岡本佳郎君) 一般論でお答えさせていただきますけれども、財産の差押えに当たりまして、滞納者の生活の維持又は事業の継続に与える影響を考慮して、そうした差押えについては慎重に行っているところでありまして、必要と認められる場合には、預金の原資についても確認をいたしているところでございます。
○仁比聡平君 つまり、預金の原資、振り込まれたのが何手当か、あるいは年金かということをこれ知ることはできるんですよね、税務当局は。 そこで、舛添大臣の先ほどの御答弁の中で、お金に色は付いていないというお話があって、もちろんお金には色は付いていないんですよね。けれども、本件のこの通帳を見ていただくと、この預金口座に入っているお金が児童手当であるということは、これは明らかでしょう。識別できるんですね。そういうときに、お金に色が付いていないって、付いているじゃありませんかというのが私が強く申し上げたいことなんです。 確かに一般財産に混入してしまうとその識別ができなくなってしまう、そのときに一般財産か差押禁止のそういう債権に基づくものかを区別できなくなってしまう、そのときに差押えは絶対してはならないというふうには言えませんよという最高裁の判決があるというのは私も承知をしていますが、その事案は一般財産に混入してしまっている事案なんですよね。この事案というのは、年金が受け取られた口座にその年金の受取のほかに多数の取引があって、年金の振り込みの後に入出金が多数回存在している、だから原告の一般財産に混入しその識別ができないものとなっているという、そういう事案なんです。それでもその最高裁は、差押禁止の趣旨はきちんと考慮されなきゃいけないんだと、そういうものなんだというふうに評価もされていますし、議論もされてきました。 それならば、識別できるならどうなのかという議論が当然あるわけですね。 これ、民事の債権差押えの問題ですけれども、東京地裁の確定した二〇〇三年五月の判決があります。これ、年金の件ですが、年金が差押禁止の趣旨を全うするためには、年金受給権に対する差押えに限らず、つまり年金受給権そのものを差し押さえるというのはこれはできないことだけれども、その受給権者が年金を受給した後の預金、つまり年金そのものですね、振り込まれたその年金、お金そのもの自体に対する差押えも許されるべきものではない。そして、年金受給権者が受給した年金を金融機関、郵便局に預け入れしている場合にも、当該預貯金の原資が年金であることの識別が可能であるときは、年金それ自体に対する差押えと同視すべきものであって、当該預貯金に対する差押えは禁止されるという判決がありまして、これは確定しているわけです。 同じような考え方に基づく下級審の判決というのは幾つかあるんですよね。そうした判決例があるんだという事実そのものは、国税庁それから総務省、御存じですか。
○政府参考人(岡本佳郎君) 個別の判例について今直ちにお答えはできませんけれども、先ほど来申し上げておりますように、個々の実情をよく判断して対応すべきということでやらせていただいております。
○政府参考人(河野栄君) 引用された判例そのものについては承知をしておりませんけれども、平成十年の二月十日の最高裁の判例におきまして、これは、一審判決におきまして、年金等の受給権とそれからそれが転化したところの預金債権を別とした一審判決を支持して上告を棄却した例はあるというふうに承知をしております。
○仁比聡平君 それぞれ大臣が、差押禁止債権、児童手当、この本件では児童手当、ここ、よくその趣旨考えなきゃいけないと言っているのに、どうしてそういう答弁するんです。その最高裁の判決が私が今申し上げた識別ができないと言っている事案だと言っているんじゃないですか。その後に下級審判決が幾つも出て確定しているんですよ。 お尋ねしますけど、最高裁のその判決は確かにお金に色はないという趣旨の判決をしました。けれども、それはそうした預金が発見された場合にすべてを差し押さえなさいというふうに命じている判決ではないでしょう。
○政府参考人(河野栄君) 地方税法におきましても、この滞納処分の実施に当たりまして、滞納者の生活を著しく窮迫させるおそれがあるときなどにおきましてはその執行を停止することができると、こういった条項もございますので、個々具体のケースにつきましては、滞納者の個別具体的な事情というものを踏まえまして、こういった制度の運用によって適切に対応をしていくということが適当であろうというふうに考えております。
○仁比聡平君 与謝野大臣にお尋ねをしたいんですが、大臣、よろしいですか。ちょっとここでやっぱりお尋ねをすべきだと思いますので。 与謝野大臣、改めて伺いたいんです。私、前回の御答弁は、四月の御答弁はお気持ちよく分かるつもりでおるんですけれども、改めて伺いたいのは、今日も申し上げているような差押禁止債権による給付が預貯金に振り込まれた場合、その実情あるいは滞納者の生活の実情をつかまずにそれを差し押さえるべきではないのではないかという一点。少なくとも、その原資が差押禁止債権であることが識別できる場合、差押えは行政としてこれはやめるべきじゃないかと。いかがでしょうか。
○国務大臣(与謝野馨君) これは県税事務所のやったことなので、我々がそれの当否を御答弁するのが適当かどうかということはあるんですが、一般論として申し上げれば、やっぱり税法は厳格に適用しなければならないというのは一方では当然のことですけれども、それじゃ機械的に法律というのは適用していいのかと。 私はこの前も大門議員にお答えしたんですけれども、法律というのは、すべての法律はその具体的個別案件に対して相当性とか妥当性というものを持っていなきゃいけないと、そう思っております。刑法でいいますと、やっぱり刑事訴訟法の中の起訴便宜主義というのはまさにそういう考え方に基づいているものであると私は思っております。 税法を適用する場合も、一方では厳格でなければならないということは当然なんですけれども、やっぱり個別の事情に応じた相当性のある判断をしなければならない。これは相手の今までの納税経歴とか御家族のこととか家業の状況とかいろんなことを知らないとできないことなんですけれども、やっぱり税を取る方はいざこういうものを差し押さえるときにはそういう努力も少しはしていただかないと、社会的な妥当性を欠くような行政になってしまうと。 一方では厳格でなければならないけれども、一方では相当性を持つということがあらゆる法律の適用に当たっては私は必要なんではないかと思っております。
○仁比聡平君 先ほど総務大臣にも確認をしましたように、滞納者の生活の実情をつかまない差押え、取立てというのは、これは私はあり得ないことだと思うんですよ。今、与謝野大臣からも前置きがありましたように、これは県の税務でありまして、ですから佐藤大臣にじかに権限が今あるわけではないとは思うんですけれども、だからこそ先ほどの、よく検討したいという、そういう御答弁だったと思うんですけれどもね。 私、今後こんな血も涙もないやり方はしないんだという政治の姿勢、私たちのこの日本の国における税務のありようを、今少し与謝野大臣もおっしゃられましたけれども、そのありようをはっきりさせるためにも、今からでもこの十三万円をお返しできるように検討されてはいかがかと思いますけれども、いかがですか。
○国務大臣(佐藤勉君) 今の先生からお話をいただいたこと等々を踏まえて検討してまいりたいというふうに思っております。
○仁比聡平君 時間がなくなりまして、最後に、この件について文科大臣に、お待たせしましたが、お尋ねしたいと思います。 一つは、先ほどもお話ししましたように、この子供さんたちが通っていた小学校で、滞納している給食代を親が払えないなら子供に給食を出すのを止めるんだというふうな言葉が学校の側から保護者に発せられているわけです。少なくとも、私はそのように直接御両親からお伺いをいたしました。 もう一つ、高校、当時二年生の御長女ですが、そうした家庭の事情で滞納が払えない、なかなか払われないというので、学校の側から高校一年生の三学期の二月に、バイトをして払ってはどうかというふうに勧められて、学校からバイトの許可を得て働き始めるんですね。そうすると、三月にそのバイト料が振り込まれる郵便局の貯金の口座、この通帳と印鑑とキャッシュカードを学校に預けろという話になって、その彼女は泣いて嫌だと言ったそうです。私をなぜ信頼してくれないのか。ところが、六月十一日にこの差押えになり、滞納分が払えなくなってしまって、とうとう取り上げられてしまうことになったんですね。バイト料が入る日は学校の先生の車で学校のすぐ近くの郵便局に引き出しに連れに行かれて、そこで学校にお金を払って、通帳や印鑑もまた返す、キャッシュカードを返す、そんなことになっているんですよ。 こんなことは学校においてあってはならないことだと私思いますけれども、大臣、いかがですか。
○国務大臣(塩谷立君) ただいま委員からのお話の中で、小学生の給食の件でございますが、これについては直接私ども把握しておりませんで、もし、そういうことが先生から生徒にお話があったということは大変遺憾なことだと思っております。 それから、長女の方の話でございますが、私どもが受けている報告ですと、いずれにしても、高校の授業料はすべて減免という措置をとって、その他修学旅行とか経費等を払うために本人と相談して、学校、家庭、親と相談してアルバイトで払いましょうということになったということを聞いておりまして、それも口座を預けるときも本人の了解を得て、たしかお母さんから通帳を受け取ったというふうに聞いております。 先ほどの税務署の話は私どもちょっと把握していませんので分かりませんが、いずれにしても、本人の了解の下で、アルバイトでそういった修学旅行とかあるいはその他経費を払うようにということで、学校が通帳を預かったと。そして、出し入れは本人のみがやるというようなことを聞いておりましたので、事実関係、私どももまたしっかりと把握しながら、もし、委員がおっしゃっているように、学校の先生が銀行まで連れていってその場でというようなことがあれば非常に問題だと。そういったことについては、本人の気持ちを十分に配慮して、よくよく相談してやっていくことが大事だと思っております。
○仁比聡平君 この高校生は、結果として高校を中退するということになりました。学校をやめてしまっているんですよ。大人たちは私を信用してくれないのかと、そんなふうに今も訴えています。 私はそのお母さんにもお尋ねしましたけれども、娘さんが嫌がっているから親の権限であなたがこれを持ってきてくださいと学校から迫られたというふうに証言をしています。是非実情をはっきりつかんでいただきたい。 そして、こんなことが絶対に今後、日本中のどの学校でも起こることがないように厳しく指導をしていただきたいということを強く求めまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。 ─────────────
○委員長(家西悟君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、牧野たかお君及び松山政司君が委員を辞任され、その補欠として中山恭子君及び礒崎陽輔君が選任されました。 ─────────────
○又市征治君 社民党の又市です。与謝野大臣と金子大臣は、ずっと長い間本当に御苦労さまでございます。 今日は、初めに直轄事業負担金問題、那谷屋さんや山本から出ておりますが、この問題から入りたいと思います。 私もこれまで、この委員会あるいはその他の委員会を含めて直轄事業の負担金問題については八回ぐらい質問に立ち、改善を求めてまいりました。特に今年は大変大きな問題になっているわけでありまして、その改善は不可避なんだろうと、こう思います。 そこで、先ほども金子大臣、お話がございましたけれども、共済年金や退職金は見直して請求はしないなど、こういうふうに御発言なさっているわけで、これ、前向きにこれまでずっとやられたものが一歩前進だろうと、こう思うんですが、ただ、知事会やあるいは地方分権推進委員会など、あるいは私たちも長い間、むしろこの維持管理費、ここらはやっぱり廃止すべきだと、こう言ってきたことから見ますと、これは一部だという、まだ程遠いんではないかという感を免れません。 そこで、先日、国土交通省が二〇〇八年分を項目別に公表したのがお手元のお配りした資料の一ですが、その中で、都道府県分の営繕宿舎費と、人件費とそのうちの退職金と、事務費の三つを合わせて六百四十七億円で、全体の七・一%、これは都道府県だけの分。下へ行きますと、指定都市分も入りますが、この三つを出したというのはどういう意味なのか、なぜ維持管理費全体についてお出しにならなかったのか、ここのところをちょっと事務方から説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(増田優一君) お答え申し上げます。 五月末に二十年度の直轄事業負担金の実績の内訳を公表いたしましたが、これは今年が最初でございまして、御案内のように、四月に知事会との意見交換会の中で、二十年度分についてより詳細な内訳を出してほしいと、その際、特にこれまで明示してこなかった営繕宿舎費、退職手当等の人件費、それから事務費等々について明示的に出してほしいというお話がありましたので、それに答えさせていただいたわけでございまして、決して維持管理費を出さないというわけではなくて、維持管理費相当額については昨年も十分にお話をしてきているものですから本省で発表しました公表資料にはあえて載っけなかっただけで、他意はございません。その辺、御理解いただきたいと思います。
○又市征治君 今日は二〇〇七年度の決算審議ですからその決算数値の提出を求めたんですが、国交省は今日までに出せないということで、やむを得ず今お話があった二〇〇八年度のを使いますけれども、それはこの資料の裏側の二枚目というか、資料二であります。 この特色についてちょっと説明してください。
○政府参考人(増田優一君) 先生提出されました資料の二枚目でございますが、これは、都道府県それから政令市別に、平成二十年度の直轄負担額、それから内訳としてそのうちの維持管理費の額、それからその比率をまとめて整理させていただいたものでございます。
○又市征治君 中身をちょっと。そんなことはここに書いてあるから分かる。
○政府参考人(増田優一君) 中身につきまして概括的にお話しいたしますと、維持管理費は、見ていただけますように、約千八百六十二億円でございます。負担金総額に占める割合は約一九・二%でございます。
○又市征治君 構成比だとか何かをちゃんと通告してあるじゃないの。何を聞いているんだよ。
○政府参考人(増田優一君) 失礼いたしました。 合計欄等はそうでございますが、維持管理費の金額が高い順に見ていただきますと、まず金額で見ていただきますと、北海道、それから新潟、それから山形、これが上位三となっております。これは額でございます。 それから、負担金に占める維持管理費の割合、これはパーセントの高い上位三県ということで順に申し上げますと、福井県、これは約三〇・四%、徳島県、約二九・六%、山形県、約二八・七%というふうなことになっております。
○又市征治君 そこで、私は、請求して出していただいたわけですが、やはりこれらについても自ら進んで公表をむしろすべきだろうと、このことを意見として申し上げておきたいと思うんです。 そこで、大臣、先ほどもございましたけれども、積極的に、こんなことをずっとやられておったというのはおかしな問題だと事実上大臣もお認めになって改善発言をなさっているわけですが、さて、これでいうと、今、私がお出しをしたこの一枚目、一枚目のこの指定都市まで含めると六百七十八億、ここのところをなくしていこうというふうにおっしゃっているのか、そこのところをもう少し明らかにしていただきたいのと、もう一つは、維持管理費の問題について言うならば、さて、これだけ廃止の大合唱になっているわけですが、そのことの検討はどの程度なされておるのか、その点のところを大臣からお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(金子一義君) 前者でありますけれども、又市委員がこの問題、非常にかねてから取り組まれておられるのを存じ上げております。 ただ、私が申し上げたのは、この表にとらわれずに、先ほど申し上げましたのは香川河川事務所、全く明細がなくて請求していたと。請求する方も請求する方、払う方も払う方という意味で、やっぱり明細を御提示すべきと。 それから、当然でありますけれども、その中の明細のうち、やはり先ほど申し上げたように、地方自治体がこれだけ財政状況が悪いという中で必死になって地方公務員の方々の削減の努力をされているという現状にかんがみて、やはり国家公務員の給与、特に退職金あるいは共済年金の部分について、これは対象を少し整理すべきではないかということでございます。そういう意味で、必ずしもこの明細に絞って私申し上げたのではないんであります。 後者についての、維持管理費全体をどうするかというのは非常に大きな実はテーマであると思っておりまして、そういう意味で、国交省だけではなくて地方財政の全体の在り方、それから直轄事業あるいは補助事業というものについてのあるべき姿というのも実はかかわってくる話であると思っておりますので、国と地方の役割分担も含めて検討をしなければいけないテーマだと認識して発言をしております。
○又市征治君 ここに出した今数値でいうならば、この退職手当のところぐらいは、あるいはそれ以外の、ここには出ていないけれども年金ぐらいは、これは削ろうということで大臣はおっしゃっているんだろうと思います。 その後、幾らか香川の話が出ましたけど、そういう点では、庁舎の、現場事務所のそれまで取り上げていくなんという話、私もあれ取り上げたわけですけれども、そんなのも併せてやっぱりこれはきちっと是非やってほしいと思いますが。 そこで、ちょっと観点変えて、今年度から、直轄河川維持修繕費であるとか直轄堰堤維持費などの投資的経費、これを特別管理費として、これは国土交通省。別に農水省などでいうならば、仮称機能強化事業などという名前を付けて、これ一般公共事業債の対象経費、充当率九〇%にする、その元利償還について交付税措置を行うというのが今年度から、この四月から取られているわけですね、これ。どのような経緯で国土交通省の場合はこの措置をとることになったのか、まず国土交通省。それから、このことを認めたのは総務省ですから、総務省は今ごろなぜ河川関係であるとかあるいは農水関係の起債とか交付税措置というものを認めるに至ったのか、それぞれお答えいただきたいと思う。
○政府参考人(甲村謙友君) お答え申し上げます。 河川維持修繕費及び堰堤維持費につきましては、直轄で管理している河川やダムにおきまして、河川管理施設の機能を維持するため、施設の巡視や点検等の維持管理及び老朽箇所の修繕等を行うものでございます。 このうち河川の護岸あるいは水門、ポンプ、ダムのゲート等の修繕等を実施する経費につきましては、年度ごとの事業費にばらつきがあるため、都道府県から特定年度に負担が集中するということで、各都道府県から負担の軽減と平準化について前々から要望がございました。これを踏まえまして、国土交通省といたしましては、地方負担の軽減と平準化を図るために、河川維持修繕費及び堰堤維持費のうち施設の延命化や老朽化対策のために行う維持工事を特別管理費として区分し、それを一般公共事業債の起債対象とし、その元利償還金について交付税措置をすることを総務省に要望し、平成二十一年度から新規制度として認めていただいたところでございます。
○政府参考人(久保信保君) 御案内のように、地方債につきましては、地方財政法の第五条で公共施設又は公共施設の建設事業費などにその使途が限定されているということになっておりますけれども、実務上建設事業に該当するか否かといった判断につきましては、直轄事業につきましては国の事業区分に即してこれまで行ってきております。 ただいま御指摘がございました直轄河川事業等の維持修繕費につきましては、これまで国土交通省におきまして全体として一つの維持修繕費と整理をされておりましたけれども、本年度、平成二十一年度から地方公共団体の要望も踏まえて、施設の延命化でありますとか老朽化対策事業といった公共施設の建設事業費と認め得る経費、これにつきまして特別管理費として明確に他と区別されたということでございまして、したがいまして、今年度から私どももそれを踏まえて当該事業部分を一般公共事業債の対象といたしたものでございます。
○又市征治君 今の説明、納得できないんですよね。つまり、これまで道路関係は全部やっていたわけだ。ところが、今ここへ来て河川関係だとか農水関係まで総務省は認めることになった。どういうことですか、これは。全然話が逆じゃないの。もっと言うならば、国土交通省的に言うならば、いや、道路はそういうことをやっていたのを知らなかった、河川は、お聞きをすると二年前からようやく要望した、こういう話でしょう。つまりは、全然流れと、今維持管理費も全部廃止をしてくれよと言っているときに、今度は片一方でこういうやり方、交付税で措置していくということは、地方負担を将来にツケ回しするわけであって、地方一般財源である将来の交付税の使い道を今から事実上制約してしまう先食いなわけですよ。私はこれ総務省も一体何を考えているんだと、こう言わざるを得ない、これだけ問題起こっておるときに。 だから、私は、金子大臣がさっきおっしゃったように、やっぱりあるべき姿、これが今本当にとことん求められている。地方からなぜこんなに大きな問題になってきたかと、やっぱり地方の財源が五兆円も交付税削られて、そういう格好の中で財源難に陥ってもうどうしようもこうしようもない。そこでだんだんだんだんこういう直轄事業にもみんな目が向いた。何か見てみると、理屈の、訳の分からぬものまで取られているぞ、こうなって、さっきから出ているようにぼったくりバーだなんてことまで言われる、こういう格好になってきているわけでしょう。 とすると、やっぱりあるべき姿を本当に、これは国土交通省だけじゃないんですよ、農水省もあるということですから、それに総務省もかんで、財政もかむんでしょう。本当にやっぱり私は早急にそのことの検討をすべきなんだろうと思うし、金子大臣にはむしろ一番問題になりましたから、そのイニシアを取っていただきたい。あなたの大臣のときにせっかく今幾つかのところは改善を、具体策をもうお出しになっていますから、むしろそういう意味でこの廃止を含めた方向性を政治決断する時期に来ているんじゃないかと思いますが、前向きに御検討なさるその決意をお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(金子一義君) 国と地方の役割、今地方分権の第三次勧告でも、これから第三次勧告も出てまいります。そういう中で、物としてこの河川、この道路というのを地方にお任せするという、国と地方の役割分担というのを仕分、これから出てきますよ。そういう中で、又市先生、やっぱりあるべき姿というのを求めていくというのが、無理をしてもどっかでまたツケ回しにするだけになってしまいかねないという意味で、国と地方の役割の仕分の中で是非この問題は考えていきたいと思っております。
○又市征治君 そこで改めて佐藤総務大臣にお伺いしますが、先ほども御回答はございましたけれども、前総務大臣は維持管理の地方負担はなくせ、人件費、退職金、旅費、地方整備局の人件費、光熱費、これは明らかにおかしいということでおっしゃっているわけですが、この点は佐藤大臣も同じ認識ですか、改めてお聞きします。
○国務大臣(佐藤勉君) 長々と答弁する必要もないと思いますが、先生がおっしゃられる方向で検討してまいる所存でございます。
○又市征治君 それでは次の案件に入りたいと思います。金子大臣、私の方はこれで結構ですから、委員長の御配慮があれば。
○委員長(家西悟君) 金子大臣におかれましては御退席いただいて結構です。
○又市征治君 独立行政法人の契約問題について次に伺いたいと思います。 会計検査院が昨年十一月に当委員会の要請に基づいて報告をされておりますが、総務省の行政評価局も今年一月にほぼ同様の評価をされております。したがって、これに沿って論議をしていきたいと思いますけれども、ただ、あらかじめ確認しておきますけれども、随意契約の横行あるいは形だけ競争に移行したけれども実態は随契に近いといったケースというのが独立行政法人に限ったことではないわけですね。むしろ、親元の各府省においてもひどいケースが多くて依然改められていないということは、私を含めてこの委員会でも何度も指摘をされてきたことでもあります。 ちなみに、私自身振り返ってみて何回ぐらいこの問題取り上げたかなと思ったら、二〇〇七年から二年半で七回この委員会で随契問題について取り上げてまいりました。ほとんどの全府省にまたがったIT業務の膨大な委託の随意契約の問題、あるいはタウンミーティングと称して行った世論操作の随契問題、道路特定財源をよいことにして国交省が行った数々の無駄と利権供与の随契など、こんなのを指摘をしてまいりました。 そこで、まず会計検査院に伺いますが、昨年九月の各府省の随契に関する検査報告では、随契が件数で四九・六%、約五〇%、金額で五八・一%。また、競争と言いながら、うち二六・一%が一者入札だった。随契の落札率は九八・一%、こんなのを落札率言うかどうか知らぬけれども、競争入札に比べたら一二・四ポイント高かった、こういう報告だったわけですが。 さて、去年の十一月の独法の随契と比べてどんな問題、独法の随契はどんな問題点があるのか、簡潔に御説明ください。
○説明員(真島審一君) お答えいたします。 先生御質問の昨年十一月の検査した結果の報告につきまして御説明いたします。 この報告におきましては、独立行政法人につきまして十九年度、これは十二月まででございますが、随意契約の割合が件数で七四・四%、支払金額では七五・一%となっていることを記述しておりまして、これを先生お尋ねの各府省等の随意契約についての報告と比較いたしますと、同時期における各府省等の随意契約の割合、件数で四九・六%、支払金額で五八・一%に比べますと、二十ポイント程度上回っているという状況でございます。 それから、お尋ねのありました独立行政法人の随意契約の特徴点について申し上げますと、随意契約によることができる範囲が明確かつ具体的でない包括的随契条項又は契約相手方が公益法人の場合は随意契約ができるとする公益法人随契条項を設定している法人があること。 次に、契約相手方が公益法人等であるものについては、十九年度十二月までの随意契約の割合が件数では九〇・七%、支払金額では九二・七%となっていること。 そして、契約相手方が公益法人等である随意契約のうち再委託が行われているものにつきまして再委託の状況を調査いたしましたところ、十九年度で再委託率が五〇%以上となっている契約の割合が件数で四六%、支払金額で四四・八%を占めていたことなどを報告しているところであります。
○又市征治君 大変問題があるという御指摘をされている、これまでも何度もやられてきているんですよ、これ。だから、ばかみたいに私も七回もこれまで取り上げてきたと言わざるを得ないわけで。 そこで、佐藤総務大臣、まあ大臣になられたばかりで気の毒ではありますけれども、つまり、各府省と比べて独法の方が、今報告があったように、随契の比率は二割から金額などを含めると三割も高い。そして、形としては、親元たる各府省に見られる随契や偽装競争のパターンをそのまま模倣しているというのが独法の随契問題ですよ、これは私が長い間調べてきたら。 問題は、契約と利権及び天下りポストとの関連を見ますと、一つ一つの独法がその周囲に公益法人等を従えておって、天下りさせて契約を与えている。つまり、親元の府省から発して子供に当たる独法、そしてそこから孫に当たる公益法人だとか関連会社、こういう格好で天下りと利権のピラミッドができているわけですよ、これ。このことがやっぱり浮き彫りだ。これを私たちは問題にしてきたんです。特に、そういう意味では、独法は府省と比べて天下り規制がないも同然ですから、こういう実態になっていくんですよね、これ、仕組みとして。 だから、私は、大本の役所の随契の規制や天下り規制をより厳格にする必要があるし、今辛うじてやっている人事院の天下り規制というのは廃止すべきではなくて、逆に独法などの公益法人からの天下りまで含めて強化すべきだ、こうこれまでも申し上げてきた。なのに、人事院のこの機能すら解体しようという政府の、一方で内閣人事局構想が出されているわけだけれども、今後ますますこんな格好やったら、各府省、独法共に天下りと随契が増えていく、そういうおそれが非常に強い、こう言わざるを得ない。だから、これは反対なんですよ、私たちは。こうしたピラミッド、天下りと利権のピラミッドというものを不問にして独法の随契だけ追及しても限界がある。 さて、総務大臣に今決意聞いても、なったばっかりでとおっしゃるかもしらぬが、これ、どうやって改革するつもりなのか、ちょっとお答えください。
○国務大臣(佐藤勉君) お答えを申し上げたいと思います。 独立行政法人と公益法人を含む関連法人との関係につきましては、十九年の十二月に閣議決定をいたしました独立行政法人整理合理化計画によります。先生も御承知のとおりだと思います。 一つとして、独立行政法人と関連法人との間の補助、取引の状況と関連法人への再就職状況を情報開示をすること。そして二つ目として、関連法人への再就職に関して不適切な契約の発生等がある場合には、人と資金の流れについて適正化を図ること。そして三つ目に、さらに随意契約の適正化を含めた入札、契約の状況や情報開示の状況について、監事、各府省の独立評価委員会などにおいて厳格にチェックするとしたところでございまして、透明性を向上させる取組を行っております。 このような取組を通じまして、独立行政法人と関連法人との間における人と資金の流れを、透明性確保など適切に対処してまいりたいと思いますし、先生の御趣旨、よく伝わりましたので、厳格に対処してまいりたいと思います。
○又市征治君 ここの閣議決定の中身見させていただいたけれども、形式的なものもあるわけで、先ほども申し上げた指摘繰り返しませんが、そこらの人的な流れと一緒に利権が付いて回る、ここをやっぱりメス入れないと駄目だということを改めて強く申し上げますし、そのことも受け止めて取り組んでいただくというお話ですから、是非しっかりとやっていただきたいと思います。 そこで、外務大臣、長々お待たせをいたしましたが、私、四月二十七日の行政監視委員会で、ソマリア等の国連分担金や拠出金についてただしました。その後、国連の二十種類以上の口座で日本の出した資金三億四千六百万ドル、約四百五十億円ということに、当時の一ドルが百二十九円ですから、その残余金が一千九百六十六万ドル、およそ二十億円余っているということでした。 その中で、私は、特に今ソマリア海賊対策が論議をされているわけですから、この一九九二年、九三年度に大規模なソマリア支援をやったわけですが、それがどのように終結をし、どれだけの金を出し、どれだけの残余金があったか明らかにするように求めたんですが、後日、調査をして回答するということでございましたけれども、外務省の回答は単に支出額を列挙しただけで、詳しい説明全くなし。少なくとも大変巨額な内容があったわけでありますし、その自己評価も全く付いていない、こんな格好ですから、この残余金の処理がどのようにされたのか、これは事務方で結構ですから、そのことの説明をきちっとこの場で求めたい。 併せて、大臣、このソマリア基金拠出にせよ撤退にせよ、全くアメリカに追随するばかりで独自の平和的、人道的な活動はやっぱり欠いておったんではないのか、こういう感じがしてならないわけですが、この過去のソマリア支援の総括について、大臣からこの点についてはお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(中曽根弘文君) 今委員が御指摘の残余金等については後ほど参考人から詳しく報告をいたさせます。 ソマリアの復興につきましては、一九九二年の十二月に、もう委員御案内のことと思いますが、ソマリアにおける人道上の緊急事態に対応するということで、国際社会全体の努力が不可欠であると、そういう認識の下に、国連ソマリア信託基金に我が国としては一億ドルを拠出をいたしました。この国連ソマリア信託基金は、ソマリアへの、今申し上げましたけれども、での人道援助を実施するための安全な環境の確立を目的とする国連の統一タスクフォース、UNITAFと申しますけれども、これの活動のために一九九二年の十二月に設立されたものでございます。 当時のソマリアでは、人口六百万人のうち約二百万人以上が深刻な飢餓と内戦の影響を受けていました。こうした状況の中で、このUNITAFは人道援助活動の安全確保という点で一定の成果を収めたと思います。その後、九三年の三月に、安保理は、このUNITAFが武装解除、それから人道支援、さらに政治和解の促進を任務とする第二次国連ソマリア活動、これはUNOSOMⅡと申しますけれども、これに移行することを決議をいたしました。そして、同年の五月にその活動が開始されましたけれども、現地の武装勢力によりますこのUNOSOM側要員への襲撃事件、これが多発をいたしまして、そういうものを契機に双方の犠牲者が増える結果となりまして、一九九五年三月に完全撤退することとなった経緯がございます。 このUNOSOMⅡは、対立する種族間の武装解除実現が和平の達成に不可欠と、そういう認識の下に、必要とあれば強制措置もとり得ると、そういう権限が付与されたわけでございますが、この展開に当たりまして紛争当事者の同意を前提としなかったわけでございます。 こういう試みが国際社会に一定の教訓をもたらしたことは事実でございますが、国際社会として何とかこのソマリア情勢を安定させようとする、そういう真摯な努力の一環であったと、そういうふうに認識をしているところでございます。
○政府参考人(廣木重之君) お答え申し上げます。 我が国が国連に支払った国連ソマリアPKO分担金の総額でございますが、これは平成五年から七年にかけて約二億ドルを払ってございます。このPKOに我が国が拠出した分につきましては、PKO活動の費用として国連において適切に執行されております。 また、ソマリア信託基金、これは平成四年度の予備費において拠出したものでございますけれども、このソマリア信託基金への拠出については、一九九二年に一億ドルを拠出してございます。ソマリアにおける人道支援活動の安全な環境を確保する目的で設立された統一タスクフォースに参加した途上国に対する支援として、このうち九千五百八万ドルが支出されました。さらに、九三年の安保理決議八一四に基づき国連ソマリア信託基金の目的が拡大されましたが、その目的であるソマリア警察の再建に約六百八十八万ドル、ソマリア司法制度の再建に約五十八万ドルがそれぞれ充当されました。
○又市征治君 残余金は。
○政府参考人(廣木重之君) 今先生がおっしゃられました残余金ということでございますけれども、これら今私が申し上げましたのは元々のソマリア信託基金の目的に沿ったものでございます。 その後、二〇〇一年に、約三百八十九万ドルをユニセフが実施するソマリアにおける司法制度改革、犯罪防止プロジェクトに拠出しております。また、同じ二〇〇一年に、約四十九万ドルをUNDPが管理する持続可能な平和と安全構築プロジェクトに充当し、我が国の拠出金の全額が支出されました。 今先生がおっしゃられました残余金というのはこれに当たるもの、つまり二〇〇一年に拠出した約三百八十九万ドルのユニセフのプロジェクト及び約四十九万ドルのUNDPのプロジェクトであるというふうに認識しておりますが、国会で承認いただいたこれらの予算は関連法規にのっとってすべて適正に執行されております。
○又市征治君 長々と説明がありましたから時間が来てしまったんですが、外務大臣にもう一つだけ簡潔にお聞きをしておきます。 どうも国連支出金の他の資金への流用が、外務省の場合に、何か当たり前のように行われてきている。その後、流用のガイドラインが作られたようですけれども、内規作りゃいいということじゃなくて、一件ごとに、国会で議決された予算に忠実に、これはやっぱり返すものは返すということをはっきりしてもらいたい、そのことを強く求めたいわけですが、この点だけ、外務大臣、改めて答弁を願いたいと思います。
○委員長(家西悟君) 中曽根外務大臣、時間が来ておりますので簡潔に御答弁ください。
○国務大臣(中曽根弘文君) はい。 今委員がおっしゃいましたように、ガイドラインを作りまして、それにのっとって手続等を行っておりますが、一連の国会での今までの御議論を踏まえまして、拠出残余金の振替がこれは例外的な措置であるということをより明確にするという、そういう観点から、今般、振替を行うのは国連からの要請がある場合のみに限定すると、そういう形になっておりまして、残余金の処理状況につきましては毎年国会へ御報告することとした次第でございます。
○又市征治君 終わります。 ─────────────
○委員長(家西悟君) 他に御発言もないようですから、平成十九年度決算外二件の本日の質疑はこの程度といたします。 予備費関係五件につきましては、質疑を終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(家西悟君) 御異議ないものと認めます。 これより予備費関係五件を一括して討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○仁比聡平君 日本共産党を代表して討論を行います。 二〇〇七年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)及び同特別会計予算総則第七条第一項の規定による経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)は、承諾することに反対です。 C型肝炎特措法成立に伴う給付や特別児童扶養手当給付、基地爆音訴訟賠償金、選挙経費など、当然に必要な経費については是認できますが、ここに含まれる自衛隊のインド洋派遣経費及びイラク派遣経費は憲法九条に違反し、到底容認できないからです。また、特別会計の弾力条項に基づく経費の増額措置は、そのほとんどが都市再生プロジェクト等推進の大規模開発であり、毎年度ほぼ同じ項目が同様に増額措置されているという本予算以上の事業推進の常態化となっているからです。 一方、特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、(その2)、同特別会計予算総則第七条第一項の規定による経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)は賛成です。 食糧麦の買入れは、需要に比して自給率は低い現状にあり、輸入に頼らざるを得ないこと、また台風や梅雨前線豪雨などによる森林被害の増加に伴う保険金支払に伴う措置は妥当だからです。 また、交付税及び譲与税配付金特別会計は、国税の一定割合を地方公共団体に交付するための特別会計であるところ、二〇〇七年度は地方に配分される自動車重量譲与税譲与金を増額する必要が自動的に生じたためであるからです。 以上をもって、討論といたします。
○又市征治君 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、二〇〇七年度予備費関係五件の承諾を求める件について討論を行います。 まず、平成十九年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)については反対です。 本件には、災害対策や特定C型肝炎ウイルス感染者対策などのように、当然私たちも賛成すべきものもございますが、しかし、相変わらず国際テロリズムの防止云々と称して、いわゆるインド洋での無料ガソリンスタンドと言われる米軍等への燃料の譲渡を行うために合計五十四億円余が費やされています。 また、自衛隊のイラク派遣経費二十三億八千八百万円は、例の米軍の武器弾薬や兵員輸送を含む自衛隊の対米協力に使われています。どちらもテロ防止の美名の下で、米軍等の軍事作戦の補給という形で直接支援したものであり、平和憲法の下、なすべき平和的、人道的な支援に違背した支出であり、容認できません。 次に、平成十九年度特別会計予算総則第七条第一項の規定による経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)は、国土交通省により道路・河川事業の調整として合計三回、四百七十億円増額されています。これらは、私たちが制度そのものに反対している道州制北海道モデルの推進や都市再生プロジェクトと称して営利的開発事業に国費を提供し、生活環境の悪化につながりかねない事業への財源とするものが含まれています。 また、道路整備、治水、港湾整備など、巨額の予算がほぼ毎年度常態化していますが、予見し難い予算の不足に充てるためとの予備費の目的から逸脱した使用というべきで、無駄を洗う立場からも認めることはできません。 最後に、平成十九年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)及び(その2)並びに平成十九年度特別会計予算総則第七条第一項の規定による経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)の三件については、それぞれやむを得ない措置であり、おおむね妥当であると考えます。 以上、申し述べ、討論を終わります。
○委員長(家西悟君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(家西悟君) 御異議ないものと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 まず、平成十九年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、平成十九年度特別会計予算総則第七条第一項の規定による経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)、以上の二件を一括して採決を行います。 これら二件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(家西悟君) 少数と認めます。よって、これら二件は賛成少数により承諾を与えるべきものでないと議決されました。 次に、平成十九年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、平成十九年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、平成十九年度特別会計予算総則第七条第一項の規定による経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)、以上の三件を一括して採決を行います。 これら三件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(家西悟君) 多数と認めます。よって、これら三件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。 なお、これらの案件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(家西悟君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時二十分散会