決算委員会 第6号
- 発言数
- 142 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2009/04/27
会議録
○委員長(家西悟君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る二十四日、弘友和夫君、松あきら君、外山斎君及び山内徳信君が委員を辞任され、その補欠として山本香苗君、加藤修一君、松浦大悟君及び近藤正道君が選任されました。 ─────────────
○委員長(家西悟君) 平成十九年度決算外二件を議題といたします。 本日は、経済産業省、国土交通省及び中小企業金融公庫の決算について審査を行います。 ─────────────
○委員長(家西悟君) この際、お諮りいたします。 議事の都合により、これら決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれも省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(家西悟君) 御異議ないものと認め、さよう取り計らいます。 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(家西悟君) 速記を起こしてください。 ─────────────
○委員長(家西悟君) これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○中谷智司君 皆さん、こんにちは。民主党の中谷智司です。今日は、経済産業省と国土交通省に平成十九年度の決算について御質問をさせていただきます。 まず最初に、経済産業省にお伺いをいたしたいと思います。 参議院経済産業委員会で、二階大臣とは、今の経済の深刻な状況を何とか良くしていこうと前向きな議論をさせていただいております。本日は平成十九年度の決算審議ということで、少し厳しい指摘をしなければならない点もあるかと思いますが、どうか御理解をいただきたいと思います。 まず最初に、平成十九年度の日本経済について御質問をさせていただきます。 日本のGDP成長率は、内閣府が本年三月十二日に発表した二次速報値では年率換算マイナス一二・一%、一九七四年以来の大変大きな落ち込みとなっています。本日の閣議でも、二〇〇九年度の実質GDP成長率の見通しを〇%からマイナス三・三%へ下方修正したとお伺いをしています。経済産業省では、平成十九年度時点で日本経済をどのように認識をされていましたか。
○政府参考人(森川正之君) お答え申し上げます。 平成十九年度の我が国経済は、年度前半には生産、輸出などの企業部門が底堅く推移するなど、景気回復が続いておりました。こうした中で、企業部門の好調さが家計部門に波及し、国内民間需要に支えられた回復が継続することが期待されておりました。 他方、年度の途中からは、改正建築基準法の影響により住宅投資が減少いたしました。また、原油価格の上昇が家計の購買力や企業収益を圧迫するということが懸念されました。また、アメリカのサブプライム住宅ローン問題を背景とします米国経済の下振れリスクや金融市場の混乱が生じますとともに、原油価格が更に上昇し、対ドルレートで見ました円高も進展いたしました。 こういった中で、経済産業省としては、当時、景気回復のペースが足踏みし、下振れのリスクが高まっていたというふうに認識しておりました。
○中谷智司君 現在の日本経済の落ち込みの原因は、リーマン・ブラザーズの倒産以降のことばかりお話をされています。しかし、今経済産業省がお話をされたとおり、私は平成十九年度が日本経済後退への分岐点だったと思います。 まさに今お話をされたように、平成十九年六月の改正建築基準法によって住宅着工が大きく落ち込みをいたしました。九月には前年比マイナス四四%、平成十九年の住宅着工数は四十年ぶりの低水準でした。そして、サブプライムローンも既にこのとき、つまり平成十九年の夏から秋には既に破綻をしていて、原油高騰、原材料価格の高騰、そして食料の高騰によって日本経済、とりわけ私の地元徳島のような地方は大変厳しい状況になっていました。 経済産業省は、これらの日本経済の問題点を解決するために、他省庁への働きかけを含めて政策や予算など、どのような対策を行われましたか。二階大臣、お答えください。
○国務大臣(二階俊博君) ただいま先生からお話ありましたように、まさに日本経済、原油価格の問題も当然大きなウエートを占めておったわけでありますが、建築着工件数の問題につきましては、大変地方にも与える影響は大きかったと言わざるを得ないと思います。 我々は、ちょうどここに、お隣に金子大臣がおいででございますが、いわゆる国土交通省ともよく連携を取ってこの問題についても協議をしてきたところでありますが、我々はまず、いずれにしましても中小企業、特に小規模企業の皆さんに及ぼす影響、これを最小限にしなければならぬという立場から、資金繰りを支援するために公的な保証やいわゆる貸付けの強化、この点に力を注いでまいりました。こうした対策は、昨年十月以降、緊急保証等の対策に引き継がれ、これまで約六十万件に及ぶ緊急保証等を行ってまいりましたが、金額にしましても十二兆円に及ぶ実績を上げております。 また、原油など価格高騰によるコスト増の転嫁が不当に妨げられることのないように、下請代金の支払遅延防止法を活用して親身になって御相談を申し上げるようにと、そしてまた御要望に対しては下請かけこみ寺というものを設置して、親事業者で二百七十社、総額、金額にして十二億五千万円の返還を行わせるなど、下請代金法の厳格な運用なども行ってまいりました。 原油市場の安定化に向けては、国際会議や二国間の会談等、いわゆる資源外交を通じて、例えば産油国に対しては増産や開発投資などを求めてまいりました。サウジアラビア等から将来も含めた安定供給の確保についてのコミットメントを引き出しておりますのも、その成果の一つであろうと思っております。加えて、金融面の対策の重要性をいち早く主張してまいりました結果、洞爺湖サミットでの首脳宣言において市場の透明性向上の重要性が合意され、各国にもこのことが共有されてきていると理解をしております。 一昨日、昨日とアジアの産消国と消費国二十一か国の閣僚と国際機関を東京にお招きして閣僚会合を開催いたしました。会議では、我が国からの御提案を申し上げたことは、アジア地域の需給見通しの策定や先物市場における対策の要請などが合意され、原油市場の安定化に向けて産油国、消費国が共に協力して取り組んでいくことを確認した次第であります。 経済産業省は、引き続き、今先生から御指摘のあったような点を踏まえて、実効性のある対策を実施して、最大限、中小企業の皆様に対しての支援を強化してまいりたいと思っております。
○中谷智司君 経済産業省は、今、二階大臣がお話をされたとおり、確かに平成十九年度、経済に対して様々な施策を打たれました。これは、平成十九年度は経済産業大臣は二階大臣ではありませんでしたので、少し申し上げにくいんですけれども、ただ、その対策は余りにも総花的で、実際には経済を持ち直すためにはまだまだ不十分だったと思っています。 名目GDP成長率の見通しは二・二%程度だったのが、実績は一・〇%でした。民間住宅、先ほど二階大臣がお話をされていましたけれども、見通しはプラス〇・九%でした。しかし実績は、先ほど私も申し上げましたけれども、建築基準法の改正によって住宅着工が大きくずぼっと落ち込んで、実績はマイナス一一・五%でした。実際の金額は、見通しと比較し、実績はマイナス二・五兆円、数値は発表されていませんけれども、住宅はすそ野が非常に広く、関連産業まで加えるととんでもない額の経済損失になります。 私は、今の平成二十一年度に入ったこの時点においてもまだまだこの平成十九年度の後遺症は残っている、そういったことを地元徳島でもお話を伺います。そして、建築基準法改正によって認可申請が戻ってきている、そういうふうな国土交通省の発表ですけれども、まだまだ建築確認も時間が掛かっている、そういうふうなお話も伺っています。 金子大臣に、この件については本日は触れませんけれども、現場は現在まだまだ混乱しているという認識を是非とも持っていただいて、二階大臣と一緒になって地域が元気になるように取り組んでいただきたいと思います。問題は、やはり起こったときに即座に適切な対応をする、先送りをしない、このことが重要であると思っております。 それでは、課題を絞りまして、特許特別会計についてお伺いをいたします。 日本は、世界の中でも研究開発に大変優れた国です。資源の乏しい日本にとって、今後経済を発展させるために知的財産を経済的価値に結び付ける必要があります。 私の地元徳島に日亜化学工業という会社があり、ある雑誌で日亜化学工業の青色発光ダイオード関連の発明がニッポンの発明の第一位に選ばれました。私自身、かつては技術者として特許やあるいは論文を書いていましたので、知的財産の重要性はよく理解をしています。 そこで、二階大臣にお尋ねしたいのですけれども、これまでの特許政策は順調に進んでいるでしょうか。
○国務大臣(二階俊博君) この資源の乏しい私たちの国が世界に伍して、またさらに、その先端を走っていく、そのためには、今お話にありましたとおり、技術革新ということが大変重要なことは申すまでもありません。 知的財産をめぐる状況としましては、企業の国際展開に伴い複数国へ特許出願をするという、このケースが大変増えております。世界中で迅速に特許取得が求められている、このことが大変重要なことであります。複数の企業や大学研究機関などが自らの技術等を持ち寄って研究開発を行う、いわゆるオープンイノベーションに対応した制度構築が求められているという課題が今誠に顕在化しておるわけであります。 このため、我が国としては、企業や個人による知的財産の成果をしっかりと保護して、その成果を適切な収益と社会全体の発展につなげるために、総合的な知的財産政策を展開していかなくてはならないと思っております。 具体的には、一方の国で特許となった出願について、他方の国ではその審査結果を参照しながら審査を行う制度である特許審査ハイウェイの取組を推進し、世界中で知財が保護される環境を整備しております。また、研究開発のオープン化などイノベーションの多様化に対応する、今ちょうど特許制度五十年ぶりのこのときを迎えて、特許法の抜本的な見直しを開始しておるところであります。 経済産業省としては、今後とも関係省庁とよく連携して、経済成長の原動力である知的財産保護により一層努力をしてまいりたいと思っております。
○中谷智司君 皆さん、資料一を御覧ください。 日本からの特許出願件数は世界一位を維持をしています。すばらしいことです。まさに、二階大臣が今お話をされたような経済産業省やあるいは特許庁の取組が実を結んだ、そういう部分もあると思います。しかし、経済成長率に占める技術革新等の寄与度を見ると、日本〇・四%に対して、アメリカは四倍の一・六%、イギリスは〇・九%、フランスは〇・七%です。大学においては特許出願数は五年で十二倍に伸びていますが、知的財産収入はアメリカの八十分の一にとどまっています。 もっと積極的に特許を経済的価値に結び付ける取組をするべきではないでしょうか。二階大臣、御見解をお聞かせください。
○国務大臣(二階俊博君) 御指摘のとおり、大学や中小企業等の研究機関での成果が活用され、イノベーションが創出されることが極めて重要であります。そのためには、大学や中小企業が生み出した知的財産が幅広く活用できる、しかもそれができるだけ早く、いわゆるスピーディーに企業にそのことが展開できるような環境を整備しなければならないと考えております。大学や中小企業の特許活用を支援するために、特許流通アドバイザー等の専門家の派遣、あるいは大学や中小企業の特許の情報をインターネットで提供する特許流通データベースの提供、地方で開催される特許ビジネス市への支援などに取り組んでおります。今後とも、大学や中小企業の特許の活用を積極的に支援をしてまいりたいと思っております。 今、各国とも、特許に対して大変神経を注いでおるといいますか、懸命な取組を行っております。ですから、知的財産の問題で例えば私どもが中国と話し合ったとしますと、すぐアメリカが飛んできて、どんな話の内容であったか、間もなくしましてフランスからまた閣僚がやってきて、どういうことであったかと。極めて特許問題というのはそれぞれの国が神経質になっておるわけでありますが、我が国は今までの相当の知見を持っておるわけでありますから、今議員からも御指摘のように、特許の成果をもっと日本の産業界の発展のために役立てることができるように頑張ってまいりたいと、このように思っております。
○中谷智司君 経済産業省が様々な施策、とりわけ大学や中小企業に支援をされていることはよく分かりました。しかし、先ほど二階大臣がお話をされましたように、まだまだ特許を始めとする知的財産が経済的価値に結び付いていない現状があることも確かです。今まで以上の取組をどうぞよろしくお願いいたします。 続きまして、特許特別会計についてお伺いをいたします。資料二を御覧いただきたいと思います。 特許特別会計は、審査請求件数の急増による審査待ち案件の増加によって、平成十九年度決算では、この資料二に書いていますように、千八百四十六億円もの剰余金が発生をしています。前年度の千三百八十八億円からも大きく増加をしていることがお分かりいただけると思います。この剰余金の額は適正規模と言えるでしょうか、またこのような多額の剰余金を持つことをどのようにお考えでしょうか。特許庁、お答えください。
○政府参考人(鈴木隆史君) お答え申し上げます。 特許特別会計は、出願人から料金を受け取りまして審査等の事務に要する経費に支弁することとしているため、収入と支出が相償うのが原則となっております。しかし、現在におきましては、特許審査順番待ち期間が、先生御指摘のように、平成十九年度末で約二十八か月と長期化しておりますために、翌年度以降に審査することとなる案件の処理に必要な費用に相当する金額が累積している状況にございます。先生御指摘のとおり、平成十九年度末に剰余金額が千八百億円に達しておりますが、これは、審査の順番を待っていただいている数年間で収支相償となるものが単年度の決算で見れば特許審査にかかわる費用が早めに収入に立ってしまうため、一見すると過大な規模に見えてしまうものでございます。 現在、日本の審査順番待ち件数は約九十万件、米国は八十万件、それから欧州も三十万件を超えておりまして、先進諸国の特許庁にとりまして、審査順番待ち件数の削減は非常に重要な共通の課題となっております。特許庁といたしましては、先ほど大臣申し上げましたことも含めまして、引き続き、各国とも協力をしつつ、審査処理の一層の促進を図って、併せて剰余金の低減も実現できるよう最大限努力してまいりたいと考えております。
○中谷智司君 審査順番待ち件数の件はこの後詳しくお伺いをしたいと思っております。 特許特別会計から一般会計への繰入れは、平成十九年度は千八百四十六億円のうちわずか四十三億円でした。平成二十年度はもっと少なく、わずか八億円にとどまっています。 剰余金を一般会計に繰り入れる基準はどのようになっておられますか、また剰余金の一般会計への繰入れは検討していないのでしょうか。特許庁、お答えください。
○政府参考人(黒岩進君) お答え申し上げます。 特許特別会計の剰余金につきましては、翌年以降の審査に必要な費用の財源として翌年度の歳入に繰り入れるのを原則としております。また、特許特別会計の歳入は出願人から受け取ったものでございますので、審査事務の効率化等によるコスト削減の効果については出願人に還元することが本筋であるというふうに理解しております。このため、昨年六月には料金の大幅な引下げを行っており、特許関係料金で約一二%、商標関係料金で約四三%の引下げを実施しております。 一方で、昨今の厳しい財政状況にかんがみ、審査のための費用として支出することに出願人の理解を得られると考えられるものについては、これらに相当する金額の一般会計への繰入れを行っております。具体的には、平成十八年度には、特許庁が一般会計に帰属する経済産業省別館庁舎を無償で賃借してきたことを踏まえまして、また、委員御指摘のように、平成十九年度、二十年度には、特別会計創設時に一般会計から特許庁庁舎の土地の無償所属替えを受けたことを踏まえまして、合計してこれまでに総額六十六億二千万円の繰入れを実施しております。
○中谷智司君 この特許特別会計、そして剰余金の件に関しては、今御説明がありましたけれども、不透明だと感じることが非常に多い。そして、各委員会でも、この件は様々な委員会で様々な議員の方から御質問をされています。 そこで、更に詳しくお伺いをいたします。 特許特別会計は、現在、特許会計に関する法律によって規定されていますが、かつては特許特別会計法で規定をされていました。その際、政令で定める金額を除いた額は一般会計に繰り入れることができると規定をしていました。それにもかかわらず、この政令は制定されていませんでした。特許庁、この理由をお聞かせください。
○政府参考人(黒岩進君) お答え申し上げます。 ただいま委員御指摘のとおり、平成十九年の特別会計に関する法律制定以前の特許特別会計法第八条におきましては、剰余金から政令で定める金額を控除した金額は一般会計の歳入に繰り入れることができると規定されておりました。 当該規定は、例えば災害等の事態によりまして特許特別会計の支出が一時的に大きく増大したような場合に一般会計から繰入れを行い、後に剰余金が発生したときに所要の額を一般会計に繰り戻すような例外的な場合を想定されていたということでございまして、このような事態が発生しなかったために政令は定められなかったというふうに理解しております。
○中谷智司君 それでは、資料三を御覧いただきたいと思います。 先ほどお話のあった特許の審査順番待ち件数と平均審査待ち期間をグラフにしています。先ほどのお話では、この審査待ち期間がだんだんだんだんと減っていく、それにつれて剰余金も減っていくという、そういうお話でした。この審査待ち件数はだんだんだんだんと、グラフを見ていただいたらお分かりのように増えていって、平成十九年度末には九十一万件になっています。 この膨大な件数の審査の遅れはいつから生じているのでしょうか。かなり以前から生じているのであれば、もっと早い段階で抜本的な対策を講じるべきだったのではないでしょうか。
○政府参考人(鈴木隆史君) 御指摘のとおり、審査の遅れが生じましたのは、平成十三年度に法律改正をお願いいたしまして、審査請求期間を七年から三年に短縮した影響が顕在化し始めました平成十六年度以降でございます。 このため、経済産業省では、先行技術調査の外注先として民間機関を積極的に活用したり、また、任期付審査官の採用によります審査官の増員などによる抜本的な対策を講じてまいりました。 加えまして、審査請求期間の短縮後の審査請求率が当初の想定よりも高かったため、期間を限定いたしまして、出願を取り下げたり放棄した場合に審査請求料を全額返還する制度、こういう制度も実施をいたしました。 さらに、各国が審査結果を相互に活用し合うという特許審査ハイウェイの枠組みを推進するなど、追加的対策を講じているところでございます。 経済産業省、特許庁といたしましては、今後の特許審査の迅速化、効率化に向けて更に一層全力で取り組んでいきたいというふうに考えております。 以上でございます。
○中谷智司君 是非とも、この審査の迅速化をお願いいたしたいと思います。 この資料三からもお分かりいただけますように、平成十九年度末の審査順番待ち期間は平均二十八・三か月となっています。このような審査の遅れが、特許の経済的価値を損なわせるなど、日本産業に悪影響を与えるおそれはないでしょうか。 また、平成二十五年に審査待ち期間を十一か月にするという目標を掲げておられます。このグラフを見てますと、右肩上がりで審査待ち期間が延びていっております。この審査待ち期間をどのように短縮し、審査待ち件数をどのように減少させるのでしょうか、二階大臣、お答えください。
○国務大臣(二階俊博君) ただいま御指摘のとおり、二年以上の間に審査待ちをしている状況は我が国の産業競争力にも影響を与えかねない重大な問題だというふうに考えております。 このため、経済産業省としても、これまでに任期付審査官を約五百名増やしていわゆる採用し、審査官の増員を行ってきたところであります。審査に必要な先行技術調査に民間機関を活用することなども取り入れております。 海外の特許当局による審査結果を活用し合ういわゆる特許審査ハイウェイの推進等により、早期の権利化に取り組んだ結果、昨年度には近年増加基調にあった審査順番待ちの件数がやや減少に転じたところであります。 加えて、大学や中小企業などの早期の権利化が必要な出願については、早期審査制度、スーパー早期審査制度を設けることにより、優先的に審査をする仕組みを設けております。 引き続いて、特許審査の迅速化、効率化に向けて、全力で取り組んでまいりたいと考えております。 私は、以前に、小泉内閣のころでありましたが、総理に特許庁を一度訪れていただきたいと。特許庁というのは割合便利なところに存在しているわけでありますから、そこを、いろんな方々もそのそばを通られるわけですけど、なかなか特許庁というのも、入っていくというのも、入っていきにくいような雰囲気もあるんでしょう。しかし、私は驚いたことは、特許制度始まって以来、初代の高橋是清さんから小泉さんまでの間にだれも行ってないということで、私は驚きました。今、私は、日程の様子を見て、麻生総理にも是非見ていただきたい。 そして、特許関係の皆さんにしっかりした取組をしていただくという意味でも、激励をすると同時に、特許関係という仕事がいかに重要な仕事であるかということを担当者にも認識をしてもらわなくてはなりません。私は、鈴木長官にも、機会あるごとに、国際会議等にも出ていって、世界の特許の状況等を十分把握してしっかりした対応をして、我が国が後れを来すようなことのないようにということを始終申し上げているところであります。
○中谷智司君 日本にはまだまだ表に出ていないようなきらきらと輝くような発明がございます。不透明に見える剰余金を減らしていくことはもちろん、日本の特許の経済価値を失わせないように、この審査待ち期間を、十一か月と言われていますけれども、できる限り短縮できるように取り組んでいただきたいですし、先ほど二階大臣が麻生総理にも働きかけをされているということをお話しされていましたけれども、是非とも日本政府一丸となってこのことに取り組んでいただきたいと思います。 経済産業省への質問はこれで終わらせていただきます。
○委員長(家西悟君) じゃ、いったん速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(家西悟君) 速記を起こしてください。
○中谷智司君 ここからは国土交通省にお伺いをいたします。 本委員会で行田邦子委員や徳永久志委員が厚生労働省や防衛省のコンピューターシステムについて利用率の低さを指摘されました。政府がつくっているコンピューターシステムは、開発費や改修費、保守費などが高く、かつ利用率が低いものが多いと言わざるを得ません。国土交通省に自動車保有関連手続のワンストップサービス、これは国土交通省のホームページに、世界最先端のIT立国を目指した政府の戦略的プロジェクトの稼働、国民の負担軽減と行政事務の効率化を目的としたサービスがスタートと華々しく記述されています。 本システムについてお伺いをさせていただきますが、まず最初に、ワンストップサービスプロジェクト立ち上げ当初、省庁連携して全体を統括していた内閣官房にお伺いをいたします。 システム開発においては、一番最初のシステム設計が何よりも大切です。政府は、平成十一年十二月、内閣総理大臣直轄の推進体制として設けられたバーチャルエージェンシーによる一年間にわたる検討を踏まえ、自動車保有手続ワンストップサービスの実現に入りました。内閣官房は、計画段階で利用者の要望や導入効果の定量的な分析をどのようにされたのか、またそれを本システムに反映することができたのか、お聞かせください。
○政府参考人(藤田耕三君) 御指摘のとおり、平成十年十二月に内閣総理大臣直轄の省庁連携タスクフォース、いわゆるバーチャルエージェンシーが設置されたところでございます。この場におきまして、この自動車保有関係手続のワンストップサービスが取り上げられ、検討が進められたところでございます。 そのバーチャルエージェンシーにおける計画段階におきましては、定量的な分析は必ずしも行われておりませんが、ワンストップサービスに期待される具体的な効果として、例えば関係官署等に出向く手間あるいは申請事務の手間が軽減される、あるいは申請者の費用負担が軽減される、さらに行政側では、書面の確認、審査、証明書の発行、申請書面の保存等の業務について効率化が図られる、こういったことが示されているところでございます。
○中谷智司君 自動車ワンストップサービスは、政府のIT推進の中でどのような経緯で選定されましたか。
○政府参考人(藤田耕三君) 先ほどもお答えしましたとおり、平成十年十二月にバーチャルエージェンシーが設置されたところでございます。この検討におきましては、情報通信技術の活用等により、国民負担の軽減あるいは行政事務の効率化などの達成が期待されるテーマが選定されたところでございまして、そのうちの一つとしてこの自動車保有関係手続のワンストップサービスが取り上げられたところでございます。 その後、バーチャルエージェンシーにおける検討、あるいは平成十一年十二月になりますけれども、当時の政府の高度情報通信社会推進本部における決定、さらには、そういったことを経まして、関係省庁連絡会議において具体化が図られたと、こういう経緯でございます。
○中谷智司君 バーチャルエージェンシーや自動車ワンストップサービスの報告書、私も読ませていただきました。これは総理に提出する報告書であることを差し引いても、後で本プロジェクトの金額規模等についてはお話をさせていただきますけれども、巨額の費用が使われている割にはかなり大ざっぱな計画であるように私は感じました。 細かく国土交通省にお伺いをいたします。 本システムは、開発の最初の段階で実現可能性や利用者の要望などをきちんと把握し設計を行われましたか。
○政府参考人(本田勝君) お答え申し上げます。その際の経緯について少し御説明いたします。 今内閣官房からお話のありましたバーチャルエージェンシー、その手続に引き続きまして、平成十二年四月に内閣に自動車保有関係手続のワンストップサービス推進関係省庁連絡会議、これが設置をされました。この関係省庁連絡会議の主催の下、私ども行政のほかに、申請者の立場の方あるいは申請者の代理、具体的に言うと自動車販売業者の方々、あるいは学識経験者、それからシステムに関する技術をお持ちの方々に御参加をいただきまして、平成十二年度と十三年度、一次、二次にわたる実証実験を行わせていただきました。 平成十二年度の第一次実証実験は、そもそもこうした非常に複雑なシステムが技術的に基本的な機能を問題なく実現できるかどうかといったことに主眼が置かれました。続きまして、平成十三年度におきます第二次実証実験におきましては、いったん模擬システム、これを構築させていただきまして、通常の業務を行うに当たって問題なく実現できるか確認いたしますとともに、今まさに先生がおっしゃいました、その模擬システムの運用に当たって、申請者の方にモニターになっていただき、あるいは関係機関職員もそれを評価していただく。具体的には、アンケートあるいはインタビューを実施して、利便性、運用性の側面からどういう問題があるかといった評価、あるいは技術的側面、例えばセキュリティーの問題を含めたそういった評価を行って、それらの実証実験の結果を踏まえ平成十四年度からシステムの設計に着手したという、これが経緯でございます。
○中谷智司君 後で細かく触れますけれども、実証実験やアンケートやインタビューをきちんとされたとお話をされていましたけれども、このシステムは私は余りにもお粗末なものであると思います。 金子大臣にお伺いをいたします。本システムはどのような目的を持って、どの程度の費用と期間を掛けて開発し、どのような効果が見込まれていましたか。
○国務大臣(金子一義君) バーチャルエージェンシーの最終報告を、これは平成十一年でありますけれども、自動車の保有関係手続のワンストップサービス、政府調達手続の電子化、行政事務のペーパーレス化及び教育の情報化の実現に向けて諸施策を着実に実施するという、高度情報通信社会の推進本部というのを受けましてこれを進めてまいりました。 当時の計画では、おおむね平成十七年を目標としまして、平成十七年ですから二〇〇五年でありますけれども、目標としまして電子化によるワンストップサービスの実現を図る、諸課題を解決して稼働を目指すということで、段階的に対象手続、地域を拡大していこうということでスタートしたものであります。 目的は、もう既に委員がおっしゃっていただきましたように、こういう自動車の登録、保管場所の証明あるいは自動車諸税の納税などの国土交通省、警察、都道府県にまたがるいろいろな手続、複雑な手続がありますが、これをオンライン一括申請を可能としまして、政府全体で推進する世界一便利な効率的な電子行政サービスの提供ということを目的としました。これは委員がもう御指摘のとおりであります。 その効果としまして、行政機関へ出向いて書類を受け取るといったような行政機関に出かける出頭回数の軽減などを図ると、これは国民負担の軽減であります、及び行政側の事務の効率化というものも見込みました。 平成十四年から十七年度全体で四十五億円規模の開発費を想定していたと聞いております。実際の開発費用は全体で約二十七億円、国交省分では約十四億円と聞いております。
○中谷智司君 今までの局長やあるいは大臣のお話からこの資料四のようなイメージをされていたことがお分かりいただけると思います。自動車購入者、つまり本人がインターネットを経由をしてワンストップサービスにアクセスをして、この右のところにある警察署や都道府県税事務所、運輸支局に申請手続をする。結果として、先ほど大臣がお話をされましたけれども、利用者も警察署も都道府県税事務所も運輸支局も負担が軽減ができる、そういうことですね。 そして、費用はこの資料五にまとめています。金子大臣は四十五億円ということをお話をされていましたけれども、国土交通省分だけで開発費約十四億円、維持関係費用約三十八億円、計五十三億円が必要でした。 私から見ると、莫大な費用を掛けて開発、維持をしているように感じますが、本システムを導入して、利用件数や利用率はどのように推移しましたか。また、本システムを利用している都道府県をお聞かせください。国土交通省、お願いします。
○政府参考人(本田勝君) お答えを申し上げます。 まず、申請数、申請率でございますが、平成十九年度申請数が一万一千百七十五件、利用率は〇・七%でございました。平成二十年度は三万三千六百一件、利用率は二・六%でございます。 なお、本システムは、現在、岩手県、茨城県、群馬県、埼玉県、東京都、神奈川県、静岡県、愛知県、大阪府、兵庫県、都合十都府県で稼働いたしております。
○中谷智司君 資料六に利用件数など詳しく分類し、表にまとめています。その後ろの資料七は、すべての都府県の合計を年度別にグラフ化したものです。 特に資料七を見ていただいたらお分かりいただけると思いますけれども、この黄緑色は新規登録件数です。つまり、このワンストップサービスを使ったものと従来のものをすべて足したものです。その中で、水色がこのワンストップサービスの利用件数です。十七年度、十八年度、十九年度、余りにも少な過ぎて見えないぐらいなんですけれども、莫大なお金を掛けているには余りにも利用数が少ない、利用率が低い、そういうふうに思います。 聞くべきところは本当にたくさんあるんですけれども、平成十七年十二月から平成二十年五月までの本来の利用者、つまり個人利用件数はわずか、資料六に書いていますけれども、五十九件というのは少な過ぎないでしょうか。目標と現実に大きな乖離があり、システムに無理があったのではないでしょうか。
○政府参考人(本田勝君) 本件に関します会計検査院からの指摘にもございますとおり、平成十七年十二月から二十年五月におきます個人の方が直接御利用になった件数は五十九件で、これはもう間違いなく事実として少ないと考えております。 この点につきましては、会計検査院からの御指摘にもありますとおり、幾つかの原因が考えられますが、やはり新車の新規登録手続というのは、自動車の購入者御自身がおやりになるというよりは、購入者に代わりまして自動車販売事業者が代理申請で行うというのがある意味で商習慣として定着しているということ、あるいは個人の皆さんにとってはやはり自動車保有関係手続というのは引き続き非常に複雑な手続になっており、その点については基本的に解消されていない、こういったことが原因だというふうに受け止めております。 ただ、自動車購入者に代わりまして自動車販売事業者が行われます場合、その自動車販売事業者にとりましては、このシステムによって行政機関に出向く回数が減ることを含めた負担軽減の効果がありまして、これを通じて新車を新規に購入される御本人の方にも一定のメリットがあるというふうに考えております。 したがって、私ども、個人利用者を直接というだけでなく、商習慣にのっとり、自動車販売事業者を通じてこのメリットが更に普及拡大いたしますように取り組んでまいりたいと、かように考えております。
○中谷智司君 国土交通省が負担をしている五十三億円、それについての今までの御説明を聞いていても、とても費用に対する効果が出ているように感じませんけれども、まだまだこれだけではなくて、ほかにもたくさんの費用がこのワンストップサービスには掛かっています。警察署及び都道府県税事務所の費用負担、そして利用者が必要な機器やその費用についてお聞かせください。 そして、このシステムを利用するとどのようなメリットがそれぞれの方にあるのか、お答えをください。
○政府参考人(本田勝君) お答えを申し上げます。 各々の方の費用負担でございますが、まず、国で、私どもの関係でまいりますと、平成十九年度を例にいたしますと、本システムの共通部分の維持関係費用、これにつきましては、私ども国土交通省が全体の約半分、六億円でございます。残る六億円につきましては、それぞれ二五%ずつ、都道府県税務部局、それから都道府県警察に御負担をいただいております。また、私どもといたしましては、運輸支局に展開しておりますシステムの維持関係費として十一億円。したがって、国土交通省といたしましては維持関係費として十七億円を負担をさせていただいております。 また、これを御利用になります自動車販売業者、あるいは直接御本人が利用されます場合には、当然ながら、利用していただくためのパソコンあるいはスキャナー、あるいは自動車販売業者の方の場合には、こういったシステムを業として稼働するためのソフトウエア、あるいは個人で御利用になる場合には、住基カードあるいはその住基カードのリーダー、カードリーダーといった諸設備、諸機器を持っていただく必要がございます。 それから、こうしたシステムのメリットでございますけれども、まず申請者、これは自動車購入者御本人のみならず、代理申請を行われますいわゆるディーラーの方々のメリットを申し上げたいと思いますが、幾つかございます。電子的な納税あるいは手数料納付というものができる、それから行政機関を訪れる回数が減る、それから文書の電子化による情報管理が容易になる、また申請の書類作成の手間が省けるといったメリットがあろうかと思います。 また、私ども行政におきましては、申請の電子化による審査が効率化できる、あるいは文書保管が電子化できる、あるいは納税の電子化による確認の容易化、効率化といったメリットが考えられると思います。 以上でございます。
○中谷智司君 今、メリットについてお話をしていただきました。 私は、今のお話を伺って、国土交通省だけで約五十三億円、他の省庁で約十二億円、つまり国費が約六十五億円、その他にも警察署や都道府県税事務所、利用者などが多額な費用を掛けるには値しないものだと思いますけれども、今までのお話を聞いて、金子大臣、どういうふうに思われますか。
○国務大臣(金子一義君) いろいろ仕組みに伴う不備もあったんだろうと思います。 この仕組みでは住基カードの利用を必須としておりましたけれども、こういう住基カードが伸び悩んでいるということで利用率も低迷しておったと思います。一昨年の十一月に、昔ながらの紙の印鑑証明書、これを申請を可能とするシステム改善を図って利用率がまた少し上向きになっているようでもあります。 ただ、御指摘いただいた点で、本当に十分費用対効果が出ているのかよということについては、会計検査院の意見も踏まえて、利用者の意見を的確に、もっともっといいものにしていく必要があるんだろうと思っております。 特に、この制度で、車を買う本人、個人が申請するというのはなかなかやっぱり難しいんだろう、複雑過ぎるんだろうと。何回も警察署、あるいは車庫証明を取りに行かなきゃいけないとか、納税は案外簡単なんでしょうけれども、その他検査等々、個人が使うというのはなかなか、ワンストップサービスとは言っても簡単でない仕組みになっているなということを感じております。 ただ一方で、自動車販売会社がある意味これを、業としている販売会社がこれを使っていただければ、先ほど自動車局長からお話がありましたように、自動車販売会社自身の非常にコスト軽減あるいは手間暇の削減にもなってくるということでありますので、もっとこれが販売会社に使ってもらえるよう、あるいは販売会社に利用の利便性を高めるようなことをもっともっとやっていく必要があるんだろうというふうに思っています。
○中谷智司君 私は、こういうふうなシステムを開発あるいは改善していくにおいて、やはり現場の声が何よりも大切であると思います。実際に利用者である自動車販売事業者や都府県、警察署などに本システムについてお話を伺いました。最初は手間が掛かっていたが、最近は慣れてきて効率化も図られるようになってきたと前向きなお話をされたそんな自治体もありましたし、導入に積極的な自動車販売事業者もありました。しかし、多くは、使い勝手が良くない、メリットが感じられない仕組みである、取組は全く進んでいない、ワンストップサービスの導入は考えていない、こういったものでした。 先ほど私は、一番最初に、このシステムをつくるにおいてどういう目的を持ってつくられたか、そしてどういうふうな方々にお話を伺ったか、そういうふうなことを伺いました。こういうふうなコンピューターのシステムをつくるのは、一番最初の基本設計、これが何よりも大切です。 先ほど金子大臣が、利用者は個人であるのが無理だった、そういうふうなお話をされていました。多分このことも間違っていたんでしょう。そして、これが、個人が駄目ならば、もちろん自動車販売事業者が使えるような形になるのであればこのシステムを使うことができると思います。しかし、それを変えようと思っても余りにも無理があるのであれば、一からつくり直した方が早い、このシステムを使わなくしてしまった方がいい、そういうふうなことも考えられます。 今までのお話を伺ってきて、本システムの利用数を増やすことはかなり難しいと思いますが、本システムの利用が低調な原因と、利用率向上に向けてどんな取組をされるか、お聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(本田勝君) 今回の会計検査院の御指摘の中で、利用者の意見等を的確にとらえた方策を講ずる必要があると明記されております。まさにこれは先生が今おっしゃっておられることだと考えます。 私ども、この意見を受けまして、現在、改めて、自動車販売事業者、中央団体のみならずその支部、場合によっては個別の販売会社といった方々に、現在のシステムについての御意見あるいは御要望を承って、要するにヒアリングを継続実施をさせていただいております。これまでも、住基カードから印鑑証明書に替えるように、使い勝手を良くするためのシステムの改善でありますとか、あるいは自動車の納車日がある程度予測できるようなそのための我々の手続、これを迅速、スムーズに行っていく、さらには利用者の方にメリットを周知するといったような対策を行ってまいりましたが、今回、改めて関係の皆様から御意見を賜って、その結果を踏まえ、対策を拡充してまいりたいと思っております。 なお、利用率のことでございますけれども、先ほど、昨年度の利用率は二・六%と申し上げました。ただ、その中で、例えば大阪府、これは現在、私どもの近畿運輸局が自動車販売事業者の皆様を含め大変強力に利用促進の活動をしておりますけれども、大阪府について見ますと七・八%でございます。また、これを非常に短期的なことでございますが、直近で見ますと、例えば一月が一二・八%、二月が一三%、三月に至っては一五%ということで、かなり利用促進をすればある程度の効果は出てくるということは分かっておりますので、今後、きめ細かく利用促進に関しましての取組を強化してまいりたいと、かように考えております。
○中谷智司君 今のお取組で平成二十二年度までに利用率五〇%を掲げておられますが、可能でしょうか。
○政府参考人(本田勝君) 正直に申しますと、利用率五〇%というのは大変厳しい目標だと考えております。 ただ、今御紹介いたしましたとおり、利用促進のための取組を強化することによって、今例えば大阪府のこの三月で一五%という数字が出てまいっておりますので、ここはもう一段対策を強化してまいりたいと、こう考えております。
○中谷智司君 本システムの改善をして是非とも利用率を上げていただきたく思いますけれども、先ほども申し上げましたけれども、どうしても駄目な場合には勇気を持って撤退するということも考えるべきだと私は思います。 本案件を見ていて、私は、PDCAのP、つまりプランの段階で既に間違っていたり、C、つまりチェックの機能が全く働いていなかったり、思った以上にひどく、まだまだ改善の余地がある、改善をしなければならない、そういうふうに思いました。 国を預かり行政を管理する大臣や副大臣、政務官、そして局長以上の皆さんに、国が良くなるように是非とも責任を持って業務に取り組んでいただきたいと思います。 ありがとうございました。 ─────────────
○委員長(家西悟君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、仁比聡平君及び松浦大悟君が委員を辞任され、その補欠として紙智子君及び外山斎君が選任されました。 ─────────────
○森田高君 国民新党の森田でございます。 本日は、金子国土交通大臣に、主に航空政策あるいは鉄道政策に関して質疑をさせていただきたいと思っています。 金子大臣とは昨年十二月十八日ころだったと思うんですが、野党の整備新幹線促進議員連盟として大臣室に陳情に赴かせていただきまして、その際は本当に多忙な期間中だったと思うんですが、年末の、時間取っていただいて、またいろんな意見を聞いてもらいましたことを大変感謝するものでございます。 まず、冒頭に、先ほどの本会議で、西島議員からも本会議の質問があったんですが、豚インフルエンザに関して一言だけちょっと申し上げたいと思うんです。 もちろん国土交通大臣としても、水際対策の責任官庁として、非常にこれは思い重責を担っておられるということはもう言うまでもないと思うんですが、やっぱり今回のインフルエンザ、非常にこれは私はもう世界の危機だと思うんですが、なぜそう言うかと言えば、この原因ウイルスであるとされるH1N1というウイルスは、御存じのとおり、九十年前、世界を震撼させたスペイン風邪と同じルーツを持つウイルスでございます。当時は、戸籍がある人で五千万人、戸籍がない人も入れれば約一億人が命を落としたと言われておりますし、もちろん、今日では医療環境違いますから一概には比較できません。だけど、ほぼ二日前に報道が始まって、非常にこれはすさまじい速度で世界に拡散を続けている。もうニュージーランドや欧州大陸あるいは中東にまで伝播しているということを考えれば、やはり早晩日本にも何らかの影響が出てくるであろうと考えることは自然な考えであろうと思われますし、是非重責を担って頑張っていただきたいと申し上げる次第でございます。 同時に、これは経済の危機に関しても、やっぱりこれは深刻化がもう更に大きくなるということも懸念されます。仮にWHOがフェーズ3からフェーズ4にランクアップ宣言するとすれば、国際定期便の運用は大きな影響を受けると、あるいは様々な経済活動に甚大な影響が出るということにかんがみれば、今の百年に一回と言われる経済危機の中で、もちろん我が国はその中でも非常に大きな影響を既に受けているわけですが、民間の中にもう予備力がないという状況で更に経済活動が停滞する、移動方法が制限されるとなると、これはまさに恐慌のトリガーにさえなり得ると、そういうふうにもやっぱり懸念するところです。 幸いにも一昨日のWHOの緊急委員会ではフェーズ3に留め置きました。だけど、あした、もう一回緊急委員会があると。恐らくこれは四十八時間から七十二時間ごとに見直していくことになると思うんですが、相当の危機感を持って政府の皆さんには頑張っていただきたいし、恐らく大臣もゴールデンウイーク吹っ飛んでしまうと思われるんですが。 でも、やっぱりまだまだ今日の議会を見ても、全体的にやっぱり国会議員全員に緊張感が足りないのかなと、こういう危機的な状況だという観念がまだ足りないのかなと思います。与野党の多くの議員はゴールデンウイーク中多数の方々が外遊されるであろうと思いますし、閣僚の中でも七名、総理を始め外遊されると。 こういうときに、特に総理なんですけれども、もちろんこれは前から決まっていたことなんですが、やっぱり非常事態に国家の指揮官がいないということになると、これは日本という国が本当にこういう非常事態に対するガバナンスがあるのかというふうにやっぱりこれはなってくると思うんですね。大きな問題になると思うんです。先のことはまだ分かりませんが、僕の言っていることが杞憂に終わる可能性もありますけど、政府としてもう一段緊張感を引き締めてもらいたいとお願いするものでございます。 次に、航空政策の方から入っていきたいと思うんですが、資料もいろいろ配らせてもらっております。 資料一のことで、話ががらっと変わって恐縮なんですが、羽田空港が来年の秋にD滑走路が完成しまして、文字どおり機能が拡張されて国際化されるという運びになっています。実際、搭乗口に行くと、いろんなところにポスターがあって、二〇一〇、羽田テークオフと書いたポスターありますよね。あるいは、今日も自分、地方から飛行機に乗って東京来ましたけど、Dランがもう大分、半分ぐらい骨格が出てきていますから、いよいよ近いんだなということが実感できるようになりました。この話は、羽田の拡張、国際化というのは、実は我が党の代表代行をしています亀井静香が与党の政調会長時代に始めたというふうに言われておりますので、自分としても極めて前向きに議論していきたいなと思うんですが。 このD滑走路の開業によって、深夜、早朝を含めると年間最大十五万便の発着能力の改善がもたらされるとされております。これは、今までの厳しい発着規制により抑圧されていた地方路線の増便、あるいは機材の小型も含めた、旅客の需要に見合った運航、そしてもう世界から非常にこれは高い要求がある羽田の国際化に対応すべき大変これはすばらしい政策であると思っています。 同様に、資料二のように、これは羽田のターミナルというのは、来年の拡張に伴って今PFIで工事が進んでいますけど、堂々たる陣容で、固定スポットが十か所、オープンで十か所、二十か所の駐機スポットがある立派な国際空港としてまさに生まれ変わるわけなんですけど、やっぱりこれは、成田が去る三月、アメリカの貨物機が墜落、炎上して長い時間滑走路が閉鎖されて、国際旅客、貨物にわたって非常に大きな影響が起きたということから考えても、首都圏の航空需要の大きさを考えれば、羽田の国際化というのはやっぱりこれはしっかりと考えていかにゃならないと、そういうふうにも思いますし、同時に、成田の方も頑張っていらっしゃって、二千百八十メートルの現在のBラン、B滑走路が、来年ぐらいですか、今年の秋ぐらいに前倒しされるとも聞いていますけれども、二千五百になってくると。こうなれば、成田でも、たとえ一つの滑走路が何かあってももう一つで飛び立てることができる、離陸もできる、あるいは着陸もできるということですから、運用上の柔軟性、危機管理の観点からもこれはいい話だと思います。 そこで、羽田に戻りますけど、十万回の離発着枠が新たに生じますことで、羽田、成田共に今はもう発着枠ぎりぎりの状況で目いっぱいの運用、管制やっている状況ですけど、しかし一方で、一日千秋の思いで多くの地方から羽田便飛ばしたいという思いもありますし、旺盛なビジネスや観光需要を考えれば、いろんなやっぱりこれは海外からの引き合いもあると思うんですね。 そうなってくると、自分の頭の中はまだちょっと十分整理できていないんですが、昨年五月の経済財政諮問会議の中でいわゆる冬柴プランという国土交通省の大きな構想が発表されていますけど、そこでは冬柴さんは日中三万回、深夜三万回、国際便に関しては大体六万便を増便するということを表明されていますけど、基本的にこの方針で間違いないと考えてよろしいでしょうか。国交省、お願いします。
○政府参考人(前田隆平君) お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、羽田空港において二〇一〇年の新滑走路の供用開始当初に、昼間の時間帯に約三万回、深夜、早朝時間帯に約三万回の合計六万回の国際定期便を実現することとしております。
○森田高君 それと、あと離発着枠が増加すると、今そのとおりだという答弁いただいたんですが、国際線の内訳として大ざっぱに考えると、成田の存在がありますから日中はそんなに遠距離路線を飛ばすことができないと。それは国内線の手前もあります。 〔委員長退席、理事神本美恵子君着席〕 だから、日中は従来どおり近距離路線を中心にしてやっていって、夜間は、深夜、早朝帯は遠距離便を中心にやっていくという話になってくると思います。 羽田の新ターミナルは、エアバス380、世界最大の機材にも対応できるような造りになっていますから、まさにそのとおり国際化が進んでいくんだろうと思うんですが、ここでもう一点国交省に確認したいんですが、今までは、もう現在でも日中、ソウルとか上海飛んでいますよね。大体これペリメーター方式というもので運用されていて、ペリメーターって何かといえば、今の羽田は国内線の基幹空港であるという位置付けから、大体国内の最長路線の範囲内で国際便だったら許可していきましょうという話になっていますが、冬柴プランでは大体香港とか北京も対象にしてやっていこうというふうに発表されています。つまり、大体千キロぐらいペリメーターを延長していって、三千キロ弱の範囲を守備範囲として国際線を運航していくというふうに聞いておりますけれども、それはもう間違いないでしょうか。
○政府参考人(前田隆平君) 先生が今おっしゃいましたとおり、昼間の時間帯には羽田にふさわしい近距離アジア・ビジネス路線として今の上海、ソウルに加えて北京、台北、香港まで国際定期便を就航していくということにしております。 ちなみに、先ほど先生御指摘になりましたペリメーターについて、これ規制ということでは必ずしもなくて、あくまでも目安として考えていたものでございます。
○森田高君 そのような方針でいきますと、当面期間は新設滑走路が開通しても、今度、管制方法もいろいろ、成田と羽田の一体運営とかいろいろ変わるということも踏まえて習熟期間が必要だろうと、そういうふうに考えられますので、今日時点では大体国内線三十七便ぐらいを純増して、国際線を二十八便ぐらい純増して合計四十往復ぐらいになっていくんですけれども、その程度の純増でとどめておいて、二期的にもう少し増やしていこうというふうに判断されているというふうに聞きます。 それが半年後か一年後かまだはっきり分からないんですが、仮にこれで一日四十便国際線飛ばすと、今まで十二便ぐらいだったですから、それが増えても大変便利になったじゃないかという向きもあります。これ、大体一日四十便だと三百六十五日掛けていって往復ということで考えると、大体それ二万九千二百回になりますから、当面の冬柴プランの三万回という話になっていくんですね。 だけど、一方で、じゃ羽田というか首都圏のアジアの近距離路線の引き合いというのが大体今どれくらいあるかということを考えれば、羽田と成田の近距離路線、大体、中国あるいは台湾、韓国という路線を合計していくと一日これ百便以上既に飛んでいる状況になってきます。この中で特に重要路線だと思われるのは北京や上海や香港やソウル、あるいは台北ということになってくると思うんですが、もちろん北米系の航空会社に関しては以遠権行使して成田で一回中継して飛んでいったりするんで、そこまで全部対象に入るとは思えないんですけれども、だけど、アジア系のキャリアだけで考えていっても、今言った北京や上海や香港やソウルや台北ということだけでも大体一日七十便以上の需要というのが既に発生していて、これをさらにまだ、今後さらに需要が拡大するであろうと思われるような光州とか大連とかあるいは釜山ということも考えていけば、やっぱり一日八十便から九十便ぐらいないと、近距離は羽田、遠距離は成田というようなすみ分けがきれいに進んでいかないと思うんですね。 一遍に全部言うなよと言われるかもしれないんですが、やっぱり利用客に分かりやすい形で羽田の国際化をPRする必要があると思いますし、そうじゃなかったら羽田の便だけ混雑して成田の便はがらがらとなると、やっぱりこれ需要と供給から考えてもおかしなことになってきて、またこれアメリカのキャリアからいろんなこと言われてくる原因にもなると思われるので、そう考えれば、やっぱりソリューションとしては再追加七十二便すると言っているわけですから、地方はやっぱりこれは、是非うちの地方に飛ばしてほしいというところはたくさんあると思うんですが、トータルでの国益、これは首都圏の国際線というのはやっぱり極めて大きな経済価値が出てきますので、そこを考えていくと七十二便追加するうちの恐らく半分以上の路線、四十便ぐらいは国際線でやっていかないとこれは処理し切れないんではないかなと思うんですが、この辺りやっぱり大局的に考えていって、成田の役割、羽田の役割あるいは羽田の中でも国内線そして国際線の役割というものを大局的にとらまえて大臣の御見解いただきたいと思います。
○国務大臣(金子一義君) 委員、よく勉強、御検討いただいておりますが、羽田空港というのは非常に貴重な資源だと思っております。したがって、将来の発着枠の使い方につきましては国内、国際双方の需要動向を踏まえて十分に検討していきたいと思っております。 〔理事神本美恵子君退席、委員長着席〕 御指摘いただきました、二〇一〇年以降の羽田の将来の方向性について御意見いただきました。まずは国内線需要に対処していきたいと。さらに、国内、国際双方の需要の伸びを勘案しながら昼間、昼間は羽田のアクセス、利便性を生かせる路線を中心に国際線の増加を推進していくと、昼間です。深夜、早朝は、世界の主要国、主要都市への就航によりまして、成田空港と併せて首都圏全体の国際航空機能の二十四時間化というものを実現したいと思っております。
○森田高君 ありがとうございます。 首都圏の航空需要というのはやっぱりこれ非常に多いと。そして、この経済価値は非常に大きいということを少し申し上げたいと思うんですが、なぜ首都圏の航空需要が非常に大きいかといえば、これはもう言うまでもなくて、首都圏というのは三千万人以上の人口を抱えた、同時に、東京だけでもフランス程度の経済力があると言われるくらいですから、非常に大きな経済力を抱えたマーケットであると。これはもう世界最大の航空拠点としてはマーケットであると言っても過言ではないと思うんです。同時に、都心に非常に近い羽田空港というのはその中でも非常に、国際的な空港いろんなところを見ても競争力が高いというのは、これはもう事実だろうと思うんです。 資料二にちょっと書かせてもらったんですが、これ羽田拡張に伴う経済波及効果というのは、これ国交省が出してもらった資料なんですが、これ一便当たりで分析していくと、大体計算すると、ざっと国内線一往復で六十七億円程度の経済効果が出てくると。同時に、八・一億円の税収効果が出てくるんですね。国際線に使った場合は、一便何と百八十三億円の経済波及効果が出てくる。二十一・七億円の税収効果が出ると。宝の山なんですよね。 また、これ一便当たりの付加価値というものを考えていけば、一般には、これは僕の想像ですけど、滞在期間が非常に長い、そしてファーストクラスやビジネスクラスの需要の多い遠距離国際便の需要は、需要というか価値というものは極めて大きいんだろうなというふうにも考えられるわけです。 だから、こういうふうに考えていくと、いかに我が国の中で国力、経済波及効果出していくかというのは、まさにこれこそが政策であり、ここでも頑張っていかなきゃいけないと思うところなんですが、これはD滑走路できるということもあります。更に国際化が進んでいって、需要が喚起されるということになっていきます。最終的には、羽田空港の商品としての競争力をどこまで国際社会にPRできるかということがやっぱりこれ問われてくると思うんです。 これは、空港の競争力というのは一義的にマーケットの大きさに依存するんですが、だけど、付加的にはアクセスというものが非常に重要になってきます。成田はその点で非常にこれは劣位にあると言っても過言ではないんですが、来年アクセス鉄道できますんで多少改善されるだろうと思うんですが。 羽田のアクセスというのは、もちろん都心から十数キロで近いからいいんですが、だけど、東京オリンピック当時のモノレールがそのままの状況でずっと放置されている。浜松町の駅の周りは、単線ですから、がちゃんがちゃんがちゃんがちゃんと切り替えながら列車を入れて出すということしかできませんから、三分半以上の間隔ないと出せないんですよね。あるいは、浜松町という駅自体の構造、あるいは地理的な特性から考えて、都心からのアクセスが必ずしも便利ではないということもあります。 あるいは、京急線数年前できて、非常に良くなったんですね。京急も頑張っていて、恐らくもう近々、今までのボトルネックだった京急蒲田辺りの単線構造が複線化に改善されますから、京急も非常にこれ運行本数増やせるようになるんだけど、都心に向かってみたら、品川止まり。都営浅草線乗り入れるんだけども、これが東京駅に来ないんですよね。宝町から日本橋抜けちゃいますから、都心からアクセスしようと思うと、東京駅からもワンストップで行けないし、新宿からだって行けないし、なかなかやっぱりこれ難儀なんですよ。特に外国人が、国際化されたときに何か不便だなと思うと思うんですね。 例えば、シンガポールのチャンギ空港なんか例に出していえば、あそこは三十分でのアクセス、これは何が三十分かといえば、マイホームのドアからチェックインまでなんですよね。これはすごいことなんですよ。やっぱりこれが国際化進んだ空港のまさに競争力の次元なんだろうと思うんですが。 やっぱり、この羽田へのアクセス、せめて都心から三十分で確実に空港のエントランスまでは入れるくらいの状況はこれは国策としてつくっていかないと国益には資さない、そういうふうにも思いますが、これからの、大臣、国交省ですか、国交省としてのお考え方、アクセスをどうやって改善していくかということもちょっと見解いただきたいと思います。
○政府参考人(北村隆志君) ただいま先生おっしゃいましたように、首都圏の国際競争力の強化を図るというのは、空港の容量拡大だけではなくて、アクセスの改善を図るというのは非常に大切なことだと我々も認識しております。そして、今先生、羽田のことをおっしゃいましたが、我々は、都心から羽田ともちろん成田と両方の空港のアクセスの改善を図ることが非常に重要だというふうに思っております。 御指摘の羽田空港のアクセスでございますけれども、先ほどモノレールのことをおっしゃいましたが、利便性の向上を図ることを目的としまして、モノレールにつきましては昭和島の駅に追越し線を整備して快速列車の運行本数の増加が図られましたし、先ほど先生御指摘ございました京浜急行の蒲田駅につきましては、現在、空港線の容量拡大を目的といたしまして、駅機能を総合的に改善する事業というのを、平成二十四年度でございますが、今から約三年後の完成を目指して推進をしているところでございます。 さらに、我々としましては、今先生御指摘のように、大切なのは都心からということでございますので、都心から羽田なり成田の両空港への更なるアクセスを改善するということに向けまして、今先生も御紹介ございました、来年度、二十二年度開業をめどに整備を進めております成田新高速の鉄道、それに既存の鉄道施設を最大限活用して、さらに、東京駅を経由する短絡線などを整備することによりまして、東京駅から羽田空港へのアクセスが約二十分台、さらに、成田空港へのアクセスは三十分台、両方、結果としては両空港間のアクセスの五十分台ということを目指して、現在、調査検討を進めているところでございます。
○森田高君 ありがとうございます。 今回の拡張でいずれにしても相当の増便能力が羽田には備わるので、現実には小型機を用いた地方路線への需要の対応も余儀なくされるだろうし、また、首都圏の、成田のことを考えると、国際線基幹空港でありながら滑走路が残念ながら二本しかなくて、夜間の離発着が制限されている状況から能力限界がどうしてもここで出てきてしまうということを考えると、羽田のやっぱり更なる拡張ということも政策として持つ必要があると思うんです。 二点の拡張計画を一回整理したいんですが、資料三で示しましたように、これ、いろいろやっぱり話が出てきているんですよね。 羽田の滑走路の延伸というのは、多分、参議院では今日提出された補正予算の中にも恐らく数十億円程度盛り込まれているんだろうと思うんですが、今、三千メートルが二本で二千五百が二本なんですよね、A滑走路、C滑走路が三千という話になるんですが。国際線の大型化に対応するためには三千でもぎりぎり、それは東海岸とか欧州に行くためにはもう燃料満載で行かなければなりませんから、結構やっぱり三千でもしんどいと。だから、三千三百六十に延ばして離発着を確実にしようという考えには全面的に賛同できるし、これは是非早くやらなきゃいけないんですが、何でこれ五年も掛かるのかなと、やっぱりこれは疑問に思うんですよ。用地買収が必要なくて三百六十メートル延伸するだけの話だったら、二年ぐらいでできるんじゃないかなというのはこれ普通に考えたら皆さん疑問に思われると、それはやっぱりあると思うんです。 もう一つは、五本目の滑走路の計画、こういう話も出てきていますが、その前に、Cだけ三千を三千三百六十に延ばしても、全部円満に国際線の大型機の離発着が解決するという話には多分ならないと思うんですね、風向きによっては横風用の滑走路も造らないといけないし。今回、D滑走路が造られるんですが、これは二千五百なんですよね。D滑走路を造るときというのは、そもそも羽田の拡張と国際線入れるということを前提にして着工が始まったはずなので、Dを始めから三千にしなければならなかったんじゃないかとやっぱりこれ思うんですよ。僕、今日、出てくるときもずっとD滑走路をにらみながら出てきたんですけれども、前後二百五十ぐらい延ばしてもやっぱり航路にはそんな影響しないと素人目には映るんですよ。じゃなかったら、必ずしもこれ風向きによっては対応し切れないというケースが出てくるんですよ、やっぱり。 夜間は都心に向かって飛べないので海に出るしかないので、これ一方通行で制限されちゃうので、これはやっぱり運用上かなり厳しく制約されるんだろうなと思いますし、もちろんB滑走路も二千五百だし、あれは町の方に近いですから夜間はなかなか使用しづらいと。だから、夜間使えるのはCかDしかないのに、なかなかDが短いのでは大型機というのは難しいと。 だから、まずこの点ですね、何で五年掛かるのかということと、延伸に、そして、Dというのは始めから三千見据えて造るべきじゃなかったのかということに関して、疑問に答えていただけますでしょうか。
○政府参考人(前田隆平君) まず、C滑走路の延伸について、なぜ長期間必要なのかということについてお答えいたします。 先生御指摘のとおり、既存空港の敷地の中の事業ですので、余り時間は掛からないのではないかというふうに思われがちなんですが、実際には、空港の処理能力あるいは航空機の安全運航に支障を与えないようにするためには、工法に厳しい制約が課されるということがございますし、それから施工時間、C滑走路は離着陸が行われている間は工事ができませんので、当然、夜間に限定されるということもございます。そういう意味では、ほかの工事と比べて非常に時間が掛かるものとなるわけでございます。 それから加えて、延伸部の埋立地の地盤の状況が極めて劣悪でございまして、地盤改良工事が追加で必要になるといった、そういった悪条件も重なりまして、私どもとしてもなるべく早くこれ完成させたいということは私どもも思っているところでございますけれども、現状ではやはり完成までおおむね五年を要するという想定をしております。 それから、D滑走路、二千五百がなぜ三千メートルにできなかったのかという御指摘でございますが、これは先生も図を御覧になりながらとおっしゃっていましたが、北東には東京湾の航路があり、それから南西には多摩川の河口部、これが隣接しておりますので、船舶の航行、それから治水機能への影響、これを最小限にするべく、工法的にも前例のない構造形式、あるいは工法の導入を採用して、海運事業者あるいは関係自治体と調整を行って、いろいろ苦労して検討を行った結果が現在の位置及び長さでございます。 そういう意味では、三千メートルにできなかったかといえば、なかなかいろんな諸般の条件からして難しかったということ、それから今後できないのかということについても、これもなかなか残念ながら難しいと言わざるを得ない状況でございます。
○森田高君 そうなると、夜間の国際線の大型機の離発着に関しては一方通行を余儀なくされる状態でスタートということですから、重大な課題を担った、これは安全性に関して課題を担った状態でのテークオフということになりますから、これは慎重に状況を見ていくしかないんだろうと、そんなふうにも思います。 そういう中で、二月ごろのいろんな新聞で、羽田の五本目という構想も報道されているんです。今までお話ししてきたようにもう羽田の需要というのは非常に大きいですから、当然五本目という着想には十分蓋然性はあると思うんですが、実際のところ、四本目まだできていないのに五本目の話するなという話も出てくると思うんですが、今、一体全体どういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、これは大臣の見解をいただきたいと思います。
○国務大臣(金子一義君) 委員御指摘いただきましたように、現在はD滑走路をまさに工事を進めておるところであります。これができますと、平成二十二年十月でありますけれども、この四本目ができますと、今の発着容量一・三倍、四十・七万回に増加してくると、これに向けて今全力で進めております。したがいまして、五本目滑走路につきましては、今はまだプロジェクトとしてはありません。 ただ、今後の首都圏における航空需要は、もう御指摘いただきましたように、羽田空港再拡張事業、成田空港北伸事業によりまして、おおむね十年は今の容量で対応できていくんだと思いますが、それ以降になりますと、やはり空港容量の限界というのも当然予測されてまいります。そういう意味で、今年から羽田空港の総合的な容量の拡大調査というものを着手し、容量拡大、機能拡大、機能強化、いろんな角度から総合的に検討してまいりたいと思っております。 ただ、特に飛行場の場合にはいろいろ地域問題もあることはもう委員御存じのとおりでありますので、騒音防止、様々な問題がありますので、地元の関係者とは十分の意見すり合わせしていかなければいけないということで認識しております。 それから、先ほどアクセスの話がありましたが、羽田だけでなくて成田と羽田、これをやはり首都圏の大事な、世界における言ってみればハブ空港というような位置付けとしてやはり我々考えたいと思っておりまして、委員もそういうお考え、先ほどからおっしゃっていただいているんだと思いますけれども、そういう意味で、アクセスについては成田—羽田、これをやはり東京中心部経由してアクセスできる、それも一時間以内で、五十分程度でアクセスできるような交通アクセスというものをやはり検討していきたいと思っておるところであります。
○森田高君 御丁寧な答弁、ありがとうございます。 おっしゃったように、成田—羽田のアクセスというのも極めて重要で、やっぱりハブ空港という概念が我が国の狭い国土に適切なのかなという考えはいろいろあると思うんですが、だけど、現実として首都圏の需要が非常に大きいし、今地方空港から世界に行こうと思ったら、自分がいる富山県もそうだし、西日本エリアというのはやっぱり仁川空港経由というのが非常に今シェアを伸ばしているんですよね。これこそがやっぱり国益上考えた場合、もったいない話なんですよ。 せっかく羽田にはいい空港機能があって、成田にも一定の機能があるというふうに考えていくと、羽田と成田を本当に一つのサービスの供給体として提供できるようなアクセスルートがあるといいんだろうと思います。一説には羽田—成田のリニアという話も出てきているんですが、リニアがいいかどうかはちょっと別なんですね。トップスピードに乗って減速すると、トップスピードで走れる時間が多分四、五分で、距離感でいくと五十キロぐらいですから、もうそこでリニアの効果が出る前に多分リニアが終わっちゃうんで、新幹線でも十分いいと思うんですが、トランジットする人は優先的に割引運賃で乗れるとかいうふうにしていくと、羽田—成田の相互的な利害関係一致するといいますか、極めて円満に首都圏の航空需要に対して適応できるんだろうと思います。 成田の話に、今ちょっとしましたので、ちょっと言いたいと思うんですが、成田はB滑走路、今年の秋にできるんですね。大型機も一応離発着ができる二千五百メートルの滑走路機能をB滑走路が備えますからいいことなんですが、だけど、今までの長年の地元とのやっぱり歴史があるから、今は二十万回の発着枠が二万回しか増えないんです。この二万回が適切かどうかというのは、これいろんな人の考えがあると思いますから一概には言えないんですが、結局、羽田プラス成田で六十万回では、やっぱりこれは大臣おっしゃったような航空需要に本当に見合うかという観点からいくとちょっと足りないという向きも出てくるかもしれません。七十万回程度は必要になってくるという見方もあります。 こうなってくると、資料三の成田の今民営化された会社の社長さんが成田が三十万回飛ばさせてもらえれば成田はもう一段飛躍できるという話もありますし、現実問題、成田を国際線化することによって、ここに資料、千葉県の資料ですけど、千葉県だけで一兆円の経済効果が出ますよという話になります。これ、先ほどの国交省の国際線の価値、一便百八十三億ということと考えていくと、恐らく日本全体でいくと一兆五千とか二兆円近い話になってくると思うんですよ。これは公共投資一円も要らない、管制作業のやっぱりやり方を変える、あと、地元の皆さんの協力を引き付けるということで一兆円以上の経済価値が出てくるんで、これはやっぱり非常に有望な話であるはずなんです。 そうなってくると、やっぱり現実問題、かなり地元の方も、このまま成田が二十二万回で終わってしまえば羽田に五本目ができるかもしれない、首都圏の第三空港ができるかもしれないという危機感がむしろ地元の方で今高まってきていますから、成田も協力しようじゃないかという方も増えてきていると思うんです。 そういう中で近未来の成田の三十万回、これが本来の発着能力だと思いますが、どのような見解を持っていらっしゃるか、聞かせてください。
○政府参考人(前田隆平君) ポスト二十二万回の件でございますが、これについては本年の一月の二十三日に、国と千葉県と、それから空港周辺の九市町、それから成田空港会社、この四者で更なる容量拡大に向けて検討に着手するという合意がなされたところでございます。この合意に先立って、成田空港会社の方で、先生からお配りいただいた資料にもございますが、成田空港会社の方で三十万回という目標を設定していたわけでございます。 現在はこの三十万回というものに向けて管制、機材、環境、施設、そういったあらゆる角度から可能な限りの施策の検討を進めているところでございまして、今後も、私ども国土交通省としても、地元自治体等と十分協議しながら、この三十万回実現に向けて、まさに空港容量拡大に向けて最大限努力していきたいというふうに考えております。
○森田高君 来年には成田アクセス鉄道も開業するんですね。少なからず公共事業として一生懸命投入してきたものもありますから、成田の能力限界を更に引き出していって、そこでやっぱり投資に見合う効果を得ると、これこそがやっぱり国益に見合った政策だと思いますので、是非、航空政策も頑張っていただきたいと思います。 続きまして、自分たちの地元の悲願でもあります整備新幹線問題に関してちょっと質問させていただきたいと思うんですが、整備新幹線は、もう言うまでもありませんが、北陸を含めて北海道、東北、九州、鹿児島、長崎ルート、五線あります。これはもう御存じのとおりかと思いますが、東北の青森延伸、鹿児島ルートの八代—博多間というのはもう間もなくと言ってもいいですね、もう二年後には開通するという運びになっています。 一方で、北陸あるいは函館ルート、そして長崎ルートに関してはまだまだちょっと時間が掛かるなという状況なんですが、一応ゴールは見えてきてはいるんですが、まだ時間は結構あるなというふうに思うんですが。 この話をちょっとやっぱり顧みると、四十年間以上の歴史なんですよね。昭和四十年に佐藤栄作首相が金沢市にやってきて、当時のタウンミーティングである一日内閣というのが開かれて、そのときに富山県の公聴人の代表が北回り新幹線どうかと、まさに佐藤首相の御前で陳情したんですよ。佐藤さんというのは鉄道省官僚の出身ですから、もう鉄道には大変お詳しくて興味を示されて、当時は、東京—大阪間一本でいいのかと、経済効果も十分あるし危機管理の観点からも北回りルートいいんじゃないかと大蔵省さえも乗り気だったというふうに聞いています。 それはでも、しかしなかなか順調にはいかず、田中首相がいたころまでは列島改造計画もありましたので、四十五年にこれは全国新幹線鉄道整備法が制定され、東北新幹線、上越新幹線が四十六年に着工、四十七年には全国の基本計画が決定して、そのときの基本計画はなかなか不採算路線もたくさんあったと思うんですが、整備五線に関しては、これは完全に採算的にも問題がないとされていた路線だったと思います。なんだけど、その後のオイルショック、列島改造計画の頓挫、行革、財政均衡至上主義、そんなふうになってきて、結局、四十年間、地元の悲願とは裏腹に開通の日の目を見ていないと。 それはやっぱり、沿線に育った自分もこれはもうじくじたる思いでずっとこれは見てきました、何で社会資本の整備がここまでアンフェアかと。富山の人間はまだいい方かもしれないんですけど、それでもこれはやっぱり中央と地方の均衡ある社会資本の整備というものに関して見ればかなり不十分だと思います。 同時に、マスコミや政治家の方々でも一部、整備新幹線は国鉄同様にお荷物だとずっと喧伝され続けて、今回の補正予算をめぐる報道を見ても、新幹線のシの字が入っただけで、どこかのニュースキャスターがしたり顔で、またこんなもの入っていますとかと言うんだけど、もう本当に不見識で、この経済効果の大きさというものを全く認識されていない方がやっぱり多過ぎるとこれも思うわけなんです。 結局、やっぱり公共事業全般に言えるんですけど、ある時期に集中投資をやって早期に完成させて事業を展開する、事業を展開することによってリターンが返ってくると。新幹線でいえば、四十年代に基本計画ができて五十年代にはできるはずだった。上越・東北新幹線は五十七年に開業していますけど、北陸や長崎やあるいは北海道というのは四十年たっても開業していない。この時間の差というのはもう本当にすごい。結果的に、これは経済効果が地方に落ちてこない。それと、現在のような、金子大臣も大変苦労されたと思うんですが、資材の高騰リスクという、これを抱えてしまうことになるんですね。 だから、公共事業としてはやっぱりこれはやり方としては正しくない。早くやって減価償却する。日本でいえば、今は減少人口社会に入っていますから、当初目的のように五十年代後半に新幹線が開通していれば、もう人口減少期に入る前に、とっくの昔に減価償却できてしまっていた案件だと僕は思うんです。 こういうふうに考えていくと、今までの政策全体の在り方、特に高速交通網に関しては相当問題があったと思いますが、総括していただければと。大臣、お願いいたします。
○国務大臣(金子一義君) 委員御指摘のとおり、この整備新幹線、地域間の移動を短縮するという以上に、我が国の幹線でありますから、地域開発ですとか経済活性化という以上に大きな効果をもたらします重要なプロジェクトであると思っております。 もっと早く何でやらないんだ、何でできなかったんだという気持ちはもとより私にもありますが、昭和四十八年の整備計画の決定されました後に国鉄の危機的な経営悪化、これで、昭和五十七年でありますけれども、国鉄経営の危機的な状況にかんがみというので、臨時行政調査会、ここで整備新幹線計画は当面見合わせるというのが出てまいりまして、一時凍結されてまいりました。 しかし、平成元年からは、国土の骨幹を成す高速鉄道の必要性、あるいは、先生ももとよりでありますけれども、沿線の皆様方、地域の皆様方の強い要望がどんどん出てまいりまして、そういう御要望を踏まえて整備を開始してきたところであります。私も、御指摘いただいたとおり一刻も早く整備して開業する、すればするほど早く経済効果は上がると思っておりますので、できるだけ早くやっていきたいと思っております。 現在までのところ、三線三区合わせまして三百四十キロ開業いたしました。現在既に営業中の路線と合わせて二千百七十六キロ、ネットワークが我が国全体で整備されまして、着実に整備されてきた。しかし、残余について、残余といいますか、今残っているもの、今工事を進めているもの、一刻も早く整備をしていきたいという気持ちであります。
○森田高君 ありがとうございます。 大臣の御地元も飛騨地方でいらっしゃいますので、北陸地方とも非常にやっぱりこれは歴史的にもゆかりの深いところですから、是非北陸の発展というものは、別にここで我田引水しようという気はないんですが、日本全体の均衡ある発展というのは必要であるということはもう重々御承知されている方だと思いますので。 そこで、ちょっと次話変えるんですけれども、さっきも少し触れたんですが、資材高騰による地元負担の上昇ということが去年の年末来非常に大きな話題になりました。これは結局直轄事業の地元負担の話へも飛び火しましたんで、大きな政治上のテーマになってきたと。そのきっかけが整備新幹線の資材高騰問題だったというふうに僕は認識しているんですね。 さっきも言いましたけれども、本来であればとっくの昔に開業して経済的、社会的効果の恩恵を受けなければいけなかった地方に対して、政治上の都合で工期が遅れたということに加えて材料費が余計に掛かったから、もう三位一体で財源がない地方にもっと余計に払えというのはやっぱりこれは筋が通らない話だと思います。 しかも、ちょっとこの表にも示したんですが、資料四ですね、資材高騰と言うけれども、本当に資材高騰なのかと。これは鉄スクラップの値段だけで恐縮なんですが、原材料価格というのは去年の夏をピークにどんどん今下がっていて、十年前の水準と比べても高いとは言えない状況になっているんで、今年度から増やしますとか来年から増やしますと言われても、何かぴんとこないんですよね。 結局、整備新幹線の中でも順調に工事が進んだ青森とか九州、鹿児島ルートというのは相対的に負担が少なくて、遅れたところがねらい撃ちに遭うように、一番ひどいのが北陸で全体四千百億の中の半分以上なんですけれども、ねらい撃ちに遭うというようなのはやっぱりこれは筋が通らない上に不公平であり、やっぱり容認できるものではないです。 これ、地元の方でも何とかこれは回避したいなということで、いろんな県知事といいますか、富山と長野の県知事ですけれども、将来のJRの貸付料の負担と、それが財源になって新幹線も更に延伸するわけなんですが、それを使って地元の財政力の負担というものを軽減しようという案も国交大臣に既にもう陳情されていらっしゃると思うんですが、だけれども、これは国家全体の基本インフラとして新幹線考えた場合は、イカが自分の足を自分で食うような話で、ちょっと下品なので恐縮ですけれども、将来の財源食べちゃうような話というのは決してこれはいい政策とは言えなくて、国家全体のインフラをどうつくるかという信念がやっぱり政策の中に必要なんだろうと私は思っています。 そういうふうに考えていくと、今回の補正予算十四兆ぐらいだということで、さっき所信表明がありましたんですけれども、結局経済効果としての即効性というところで期待される公共投資、インフラ整備に関する予算というのは二・数兆円というふうに聞きますし、整備新幹線に関する国費はわずか七百三十三兆円ですから、今まで新幹線が無駄無駄無駄と言われてきて、結局国費ベースの公共事業予算の一%しか使っていない新幹線事業に無駄とずっとみんなに言われてきたんですけれども、今回もその延長線上からなかなか脱し切れないということはやっぱり残念なんです。 原材料価格が上がりましたと、四千百億円が上がったということが百歩譲って正当だとしても、結局事業ベースでいうと千百億円ぐらいの上昇、補正予算の手当てにすぎませんから、結局、大臣は二月の金沢に来て、これ実は新聞切り抜いて、資料の六に金子大臣の顔がちゃんと大きく写っているんですね、整備新幹線、開業前倒しに言及と。地元はこの記事見て喜んだわけなんですが、なかなかこういう話にはなってこないと思うんですよ。四千百億円上がっちゃって、一年間に千億円ぐらいしか補てんできないんだったら、結局高騰費の補てんあるいは地元の軽減を少しだけ緩和しましょうという話でとどまってしまって、前倒ししますよという派手な話にはどうしてもなってこない。 春田事務次官も四月十三日に、まあ前倒しじゃなくって確実にやっていきましょうというような趣旨の発言されていますから。大臣が二月に威勢のいいことを言われたんですよ。三月ぐらいには北陸でも前倒し現実味とかいっていろいろ新聞記事が躍るんですが、なかなかそういうふうになってこなかった。少し寂しいなと思うんですが、今のところ、事業全体の前倒しとか、これはどうなるんだろうということは疑問に思うんですが、一応展開を確認したいと。国交省、お願いします。
○政府参考人(北村隆志君) まず、先生おっしゃった前半が例の事業費が増えた問題でございます。 昨今、建設費が増加しているというんじゃなくて、先生は昨今鋼材など落ちているじゃないかと、こういうふうな御指摘でございますけれども、先生がお配りになられました資料を見ていきましても、我々、建設物価が上昇しましたというのは、実は元々のありました価格が平成十五年の四月で算定した価格が、昨年、二十年四月で見直しますと、その間建設物価が年平均一・七%、トータルで九%上昇している等などがございまして、それに伴って見直しをさせていただいたものでございます。 また、工事を始めますと、もちろん地質調査などをやるわけですが、実際に工事を始めますと、どうしてもボーリング調査などは限られたところでございますから、想定した以上に地質が悪くて、やはり想定外の安全のための追加工事が必要になるようなこともございまして、そういうことから建設費が、ここの資料でも付けていただいていますが、トータルで四千百億円増加する見込みというものを去年出させていただいたところでございます。 これにつきましては、基本的には負担割合、国が二、地方が一という負担割合がございますので、その基本的な負担割合に従って各自治体にも御負担をいただかなければならないというふうに我々としては認識をしております。 ただ、その一方で、先生、先ほど貸付料のお話の際にもおっしゃいましたが、一昨年以来、整備新幹線については更に新規着工を求める議論が行われてきました。新規着工を求める地元からは御意見がある一方で、今申しました建設中の区間の地元を中心に負担を軽減を欲しいというふうな様々な意見をちょうだいしておるところでございます。 このような議論を踏まえまして、我々としましては、昨年末の政府・与党ワーキンググループの合意事項におきまして、今後の財源方策の一環として国と地方の負担の在り方について検討を行うとされております。他の検討事項と併せて合意事項にのっとって、本年末までに結論が出せるように検討を進めていく所存でございます。 また、先日決定されました経済の危機対策におきまして、整備新幹線の着実な整備ということが盛り込んでいただきましたが、我々としては、予定どおりの開業を更に確実なものにするために可能な限りの工事の前倒しを行うということでございまして、それぞれボトルネックのところがございますので、開業の前倒しは難しいんですが、工事の前倒しは行いたいということでございます。
○森田高君 改めて言うまでもないんですが、高速鉄道というのは日本に限らず世界中が今推進している、言わば公共事業としては非常にこれは優良な投資案件だと思うんです。 資料七、八、見てもらったらいいと思うんですが、例えば資料七というのはEUのプロジェクトなんですね。EUはTEN—T、トランス・ユーロピアン・トランスポーテーション・ネットワークという政策を二〇〇五年に策定して、大規模な三十か所の公共事業政策、交通に関する政策を策定しています。二十七か国。この中の三十個の主要プロジェクトのうち、二十二が高速鉄道関連の案件です。域内二十七か国に総延長二万キロの高速鉄道網を完成させようと、この赤の線が鉄道網です。例えば、ベルリンからスイス経由でローマまで一本で乗っていくと、やっぱり非常にこれは夢が広がるいい話だと思うんです。 裏めくってもらうと、これ鉄道ジャーナルのオーバーシーズ・レールウエー・トピックスという記事の抜粋で、もうこれ、とても収まらないんですけど、ウクライナとかロシアとかインドとか中国、もう各国が競うようにして数万キロ単位の高速鉄道網を今造ろうとしている。米国も、オバマ大統領が、グリーンニューディールの中に米国版新幹線を入れ込んできた。 これ、EUでもアメリカでもそうなんですけど、高速鉄道網をなぜ今各国が進めるか。単に経済危機だから、その一点でやるわけではないんですね。これからの地球温暖化対策の中で、僕もCO2、CO2と余り言いたくないんですけどね、この十年間地球の温度下がっていると言う学者もいるくらいですから、だから乗りたくないんだけど、でも現実問題、省エネのこともありますから、陸上運輸部門の二酸化炭素の排出というのは減らしていかねばならないというのは国際的なコンセンサスだろうと思います。 その中で、例えばEUでいえば、二〇〇五年から換算して二〇二〇年では陸上運輸部門でプラス三八%の二酸化炭素の排出レベルが増えるであろうという推測にのっとって、高速交通網を完成させればプラス五%で済みますよと、そういう話になってくる。だから、オバマさんも、新幹線事業は緑の公共事業であると、これをはっきり断言されているわけです。 そういうふうにして考えると、日本の場合は、整備新幹線札幌ルートまで入れて考えたって残り千数百キロの次元で、まだまだ財源問題とかいって次元の低い話に終始しているという、こういうふうにやっぱりこれ外から見ると多分思う人いるんだろうなと思うんですが、やっぱりさきの、さっき言いましたように、首都圏空港の問題と同じように、やっぱり新幹線、高速鉄道事業というのは今のこの国に対して非常にプライオリティーが高い、時代に適した緑の公共事業だとお考えになりませんか。大臣、どうぞ、見解いただきたいと思います。
○国務大臣(金子一義君) オバマ大統領も、今度のプロジェクトで五ルートについて新幹線を挙げておられます。先般、麻生首相が訪米してオバマ大統領とお目にかかった際には、日本の新幹線技術を何とか供与したいという、言わばまさにそういう意味で、委員御指摘のとおり、CO2削減という、あるいは高速での移動、幹線という意味で大事なプロジェクトであると思っております。 ただ、一方で、財源の問題は財源の問題として、やはり我が国として、当然でありますけれども、厳しい財政事情の中でありますから、どうやってこれを回収していくのか、どうやって財源を捻出していくのかというのは、昨年も委員も御苦労いただきましたけど、我々何とか捻出して、そして事業化できるようにしていくということが求められてきたわけであります。
○森田高君 空港のことも新幹線のことも財源問題は確かに大変なんですが、経済波及効果が、恐らく、投資対効果で考えるとはるかに多分効果の方が大きいだろうと、結果、税収にも跳ね返ってくるということが当然想定される事業に関しては、やっぱりここは断固として進めていただきたいなと改めてお願いします。 新幹線問題に関して少し細分化して、時間も余りないんですが、考えたいんですが、並行在来線、第三セクターの問題は、やっぱりこれ非常に地方にとって重い課題になってきます。既に、青森や岩手や鹿児島や熊本や長野県、ここはもう第三セクターで開業して地元なりに努力しているんだけど、やっぱり赤字ということからは免れない。これはやっぱりこれから開業する路線に関しても同様であろうと思われます。 また、並行在だけではないんですが、それに準ずる存在で、北越急行ほくほく線というのもあるんですよね。あれは、今、第三セクターの鉄道で日本一収支状況がいい会社で、二位以下を圧倒的に引き離しているんですけど、これは九割の収入が首都圏と北陸を結ぶ特急「はくたか」の収入で賄われていますから、新幹線開業すれば「はくたか」は消滅するというふうに考えられますので、九割以上の収入がなくなってしまうということにも等しい状況で、同社の社長の見解というのも、今内部留保を積んでいって、積んでいって耐えるしかないと、あとは耐えるしかないというような見解で、これ、いろんな知恵を出していって並行在来線を守るということもやっぱり考えないといけないと思うんです。 これは、なぜ並行在来線重要かといえば、高速鉄道網をつくるということは非常に重要なんですが、同時にEUがしっかりやろうとしているということは、陸上運輸部門トータルで考えていますから、やっぱりこれはいろんな貨物の需要を担う存在でもあるということ、特に整備新幹線というのは、これはもう地方のローカル枝線ではなくて、国家の骨格とも言える重要幹線ですから、ここの運輸安全性とか確実性というものは絶対担保されないとやっぱり思ったような経済効果につながらない可能性が出てくるので、どうしても守らないといけないとこれは思います。 時間が余りないので大変恐縮なんですが、じゃ財源どうするんだという話になってくると思うんですが、これは僕の私的な見解、提案なんですけど、新幹線のことばっかり見ていたら答え出ないんですよ。これ、新幹線が開業することによって何が起きるか、だれが得をしてだれが損をするかと簡単に申し上げたいと思うんですが、これは明らかに損失を被るのは多分第三セクターの事業者、そして地方の第三種空港になると思うんですね。今の整備新幹線の路線の中で見ると、第三種空港に該当するのは青森空港と富山空港ということになります。恐らく東京便が大幅に減便若しくはもうなくなってしまうということで、発着料の収入が得られなくなりますし、当然テナントに関する売上げも減りますから、第三種空港と第三セクターがかなり沈んでいくと。一方で、じゃだれがもうかるのかと考えると、JRは違います、JRは貸付料で大体利益分取られますから、余りもうからないんですね。もうかるのは多分これ羽田空港、その周りだと思うんですね。 これは何を言いたいかといえば、結局さっきも、羽田の需要というのは国際線の引き合いに対して十分まだ見合いを出していないという状況なんですが、例えば整備新幹線できると、富山便六便というのは、これは絶滅危惧種と言ってもいいような状況になってくると思いますし、そして石川県の小松空港、今十一本ぐらい飛んでいますけれども、これはやっぱり金沢市内からのアクセスの悪さがありますから、大幅減便は避けられないだろうと思われます。青森、三沢、函館空港、この辺の路線も大幅に減便されることが考えられます。だから、日中で二十本ぐらいの空きが出てくる可能性があるんですね。 二十本の経済価値は、さっき言いましたように、国内線一便で六十七億円、国際線が百八十三億円の値段です。と考えていけば、多分半分程度、あるいはそれに少し届かないかもしれないけど結構多数、十本ぐらい国際線が飛ぶことになる可能性が羽田においてあり得る。そうなれば、一本の国内線と国際線の差額というのは百十五億円です、百八十三億引く六十七億。国内線が国内線に転用される限り経済効果はプラスのものが出てこないけど、国際線に転化されて初めて経済効果が発生します。だから、そこで人為的に政策でもって財源をつくり出すということが可能になってきて、こうなるともう空港整備特別会計だけの話ではなくなってくるんですが、もっと大きな、総合交通体系を含めた、それをサポートするファンドあるいは会計というものが必要になってくるのかなというふうにも考えますし、それがなかったら、将来の延伸ということも含めて展望が出てこないんではないかと思いますが、御見解をいただきたいと思います。
○国務大臣(金子一義君) 並行在来線につきましては地元の同意を得て経営分離したとの経緯もありますので、鉄道事業者の経営努力を前提にしまして、基本的には地域の力で維持していただきたいとは考えておりますけれども、しかし、安定経営のためには、JRに対しまして要員の派遣、運用面での協力、指導あるいは税制上の優遇措置、それから御存じの貨物調整措置というのも講じておるところでありまして、引き続き、予算、税制、地方財政措置等々により幅広く支援していく必要があるだろうと思っております。 一方、空港の方でも、御指摘のように総合的な交通ネットワーク、これ充実によりまして、一方で地域の自立的な発展をやっぱり支える強い足腰としての役割、これが地元に期待されていることも事実であります。委員はそのことよく分かった上で御意見をおっしゃっておられると思います。 一つの考えとしては、委員の御指摘の点はあると思いますが、羽田も、今おっしゃるように、そんなに利益が本当に上がってくるのかよと、それどういうファンドでやるんだよと。全国にまたがっていきますよね、こういう高速ネットワークが。ですから、そういうもので基本的にはやっぱり地域で何とか頑張っていただく、やれることは、当然でありますけれども、例えば着陸料を更に引き下げていくといったようなできる対応というのは考えていきたいと思っております。
○森田高君 時間も迫ってきましたので、最後一点だけ聞いて終わりにしたいと思うんですが、整備新幹線計画で、やっぱり最後一つ重大な問題というものを提起させてもらいたいと思うんですが、それは資料九にも示しましたが、大宮—東京間の輸送力が既に現時点でもう目いっぱいだということです。 時刻表のコピーも十七時台ちょっとこれ写したんですけど、大体四分ヘッドで電車が出入りしているんですよね。一時間に十五本、既にもうダイヤ組まれてしまっていて、これ以上どうやってダイヤ入れるんだと。だから、整備新幹線が、これ金沢開業する、青森開業する、その先には函館開業、その先にはさらに札幌開業があるわけですよ。どう考えたって、一時間にプラス七、八本のダイヤが入れ込めるような状況でなければ、新幹線が期待された経済効果が出てこない。地元が四十年待ったその悲願の新幹線ができても、大宮止まりで終わりですかということでは、やっぱりこれ感情論としてもかなり複雑なものがあると思うんです。 東京駅のプラットホームだって、今皆さん立ってみたらひっきりなしに電車が出入りしていますよね。これで、これ以上電車さばける道理がないんですよ。操車場は川上の逆方向の田端にあるから、回送列車さえ出すことができない。せめて川下にあれば流すことができるんだけど、それもできないから、今の構造ではどうやったって列車増やせないんですよ。となってくると、整備新幹線できた後の運行に関しては、物すごく知恵を出していかなきゃいけないと思います。 これは、東海道・山陽は三面六線のホームがあるからかなり余裕持って運行しているけど、こういうものと相互一体的にやるとか、あるいは東京駅の川下側に引上げ線造るとか、あるいは最終的には東京—大宮間を複々線化するというのは、これは当時からの計画なんですよね。今でも大宮から戸田市の荒川橋梁までは複々線の用地が確保してあります、グリーンベルトになっていますよね。まあ騒音問題とかといういろんな問題があることは分かるんだけど、本来それくらいの輸送容量なければ、新幹線造っても、札幌便ができれば多分需要にこたえることができないだろうという話があったはずなんですよ。 これは、北海道新幹線というのは一番経済効果が大きい新幹線で、札幌—東京便の五十本の一日の航空機のダイヤのうち二十本例えば羽田枠を空けることができたら、その波及効果は非常に大きい。しかも、小樽、ニセコ、世界的なリゾート地もあるということを考えていくといろんな呼び込み需要が出てくるんで、やっぱりそういうものをしっかり当初の発想どおり生かすためには複々線化に関しても逃げられないんじゃないかと思うんですが、当座の課題はどうやってさばくかということになってきます。 国交省、これ、七、八本増やさないとこれさばけない、需要の期待にもこたえれないと思うんですが、どのようにお考えか、意見伺って終わります。
○政府参考人(北村隆志君) 今先生おっしゃいました東京—大宮間の運行、確かに北海道、東北、上越、そして北陸の新幹線が共用することとなります。この区間を運行しますJR東日本では、今東京駅で折り返します回送列車の削減などによって営業列車の本数を確保するというようなことで今対応策を検討されていると聞いておりまして、我々としては、今その状況を注意深く見守っているところでございます。 ただ、いずれにしましても、先生おっしゃいましたように、今後の新幹線の開業のときにおいて利用者利便を最大限確保するという工夫、それがなされることが重要でありまして、それが基本でございますから、それを基本にしましてこれからも必要な検討を行っていきたいと思っております。
○森田高君 終わります。
○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。 まず最初に、公正取引委員会にお願いいたしますが、四月二十日に公正取引委員会は、H製作所が株を一〇〇%所有の子会社Hアプライアンス社、これに対しまして景品表示法の違反で排除命令を出したわけでありますけれども、これを説明してください。
○政府参考人(中島秀夫君) お答え申し上げます。 先生の方からHアプライアンスというお話がありましたので、Hアプライアンスという名前で答弁させていただきます。 Hアプライアンス株式会社が電気冷蔵庫を取引先販売業者を通じまして一般消費者に販売するに当たりまして、昨年の秋以降、当該商品のカタログ、ウエブサイト、新聞、ポスターにおきまして、当該商品に使用した断熱材の原材料に廃棄された電気冷蔵庫の棚等からリサイクルした樹脂を使用していること、また、当該樹脂を使用することにより、断熱材の製造工程におきまして二酸化炭素の排出量を約四八%削減しているかのように表示をしておりました。 しかしながら、実際には、断熱材の原材料にリサイクルした樹脂はほとんど使用されておらず、また断熱材の製造工程における二酸化炭素の排出量の削減率は四八%を大きく下回るものでありました。 このため、公正取引委員会は、平成二十一年四月二十日、かかる行為が景品表示法第四条第一項一号の優良誤認の規定に違反する不当表示であると認め、一般消費者の誤認を排除するための措置及び再発防止策の実施並びに今後同様の不当表示を行わないことを命じたものであります。 以上でございます。
○加藤修一君 昨年は、大手の製紙会社八社に排除命令が出されまして、これもエコに関するものでありました。家電の量販店には省エネの文字が並んでいるわけでありますけれども、地球温暖化の影響が叫ばれるようになりまして、家電メーカーは競うように環境への配慮を前面に押し出しております。こういう時代だからこそ、省エネのものがいいとか、あるいは消費者は環境エコ、その辺がポイントだと、こんなふうに報道もされているわけでありますけれども、環境、エネルギーの技術への期待感が増している時代でありますので、日本は大いに力を発揮すべきところでありますし、国際貢献あるいは国際競争力を強化しなければならないところであります。少し大きく言いますと、今回の件については国際的信用に傷を付けかねないと、あるいは国際競争力に影響を与えかねないというふうに私はとらえておりますけれども。 この省エネルギー大賞は返却されたということでありますけれども、平成二年以降続いている権威ある賞でありまして、補助金とか委託費も使用されてきておりまして、こういったことが起こったということはやはり省エネ賞の権威に傷を付けたようなものではないかと、そのように考えておりますけれども、今回の排除命令に対しまして経済産業大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(二階俊博君) 今回のような法令違反行為があったことは、言うまでもなく、誠に遺憾であり、残念なことだと思っております。 経済産業省としては、会社側に対し、法令の遵守はもとより、これを会社に、社員の皆さんに徹底すること、さらに原因の究明を行うこと、再びこのようなことを起こすことのないように万全を期すよう、私自身も関係者に直接強く要請したところであります。一日も早く消費者の信頼を取り戻すことに向けてあらゆる努力を行っていただきたいということを引き続き求めてまいりたいと思います。
○加藤修一君 誠にごもっともな御答弁だと私も思います。 報道によれば、環境大臣の斉藤鉄夫衆議院議員が今回の事案については激しい憤りを感じると、法律の厳正な適用でリサイクルに出されたものがリサイクルされ、エネルギー効率の高い社会になるよう全力を挙げたいと、このように述べているわけでありますけれども。 この会社が受賞に向けて申請者の概要説明、これを見てまいりますと、非常に不正確である。あるいは、今回、おわびという中で、性能上は全く問題ないので返品、交換などには応じませんと言っているようでありまして、また、公正取引委員会から排除命令が来るまで会社の中で情報がお互いに共有されていなかったという、そういう理解ができない、ある意味ではお粗末な状況でありますけれども、経済産業省関係のこれ省エネ大賞でありますので、審査会を置いておりますが、審査会自体が甘く考えられていたというふうに考えることもできると思いますし、あるいは、最近はCSRとかあるいはコンプライアンス、こういったことが強く言われるような時代になってきているわけでありますので、このようなおわびの中でも、まだまだ企業の姿勢として私は足りない、不足していると、そういうところが見受けられるわけでありますけれども、この点についてもCSR、コンプライアンス、これ国も相当経費を使ってこういうことを広げてきているわけでありますので、こういった面について、どのようにまた大臣はお考えでしょうか。
○政府参考人(近藤賢二君) お答えを申し上げます。 今委員御指摘の文書は、今先生、Hアプライアンスとおっしゃいましたけれども、これは会社の方で自分の名前で文書を発表しておりますので、私の答弁は正確に日立アプライアンスと申し上げさせていただきますが、日立アプライアンス株式会社が排除命令を受けた四月二十日に作成をし公表した文書が、今先生御指摘になった文書だと思います。 公正取引委員会からの排除命令が出された翌日の四月二十一日でございますが、株式会社日立製作所の庄山取締役会議長と日立アプライアンス株式会社の石津社長がおわびのため、経済産業大臣のところに来られました。事実関係についての報告を受けるとともに、原因の徹底究明を行い再発防止に万全を期すように要請をしたところでございます。 今回のような法令違反行為があったことは誠に遺憾なことでございまして、一刻も早く、一日も早く消費者の信頼を取り戻すことができるよう、あらゆる努力を行うことを求めているところでございます。
○加藤修一君 コンプライアンスって、これ英語なんでしょうけれども、法律遵守ですよね、日本語で言うと。これ、国民の皆さんというのはコンプライアンスと言われたって、何のことか分からないと思うんですね。 私は前々から言わせていただいておりますけれども、これ法律遵守という言葉に換えて、企業のそういう様々なレポートの中にもそういう形で使っていくべきだと思います。あるいは、それ併用というか両用というか、英語のコンプライアンスと法律遵守、括弧付きで法律遵守という形で、そういう記述の仕方、使い方ということを考えていくべきだと思いますけれども、これ質問通告している話じゃございませんが、こういった面についてはどうお考えでしょうか。
○政府参考人(近藤賢二君) 今御指摘のそのコンプライアンスという言葉についても、必ずしも国民の理解を得ていないという御指摘でございます。 これは、会社が作る文書については私どもが云々直接できるわけではございませんが、少なくとも経済産業省では、文書を出すときにそういった点についても分かりやすいようになるべく日本語の表記をするといったことも含めて対応したいと考えておるところでございます。
○加藤修一君 やはり国民の目に触れて、企業もそういうことに対して意識をする、又は国民の側も、どういう法律遵守するために企業が最大限努力しているかということが知ることができるわけでありますので、そういったことをお互いの方向から非常に私は大事だと思っておりますので、そういった面について更に進めていただきたいと思います。 それから、省エネ大賞、四つの賞があるということでありますけれども、これ平成二年から約二十年間近くやられているわけでありまして、補助金とかあるいは委託費が投入されているわけでありますけれども、これ累積の総額はどのぐらいになりますか。
○政府参考人(羽藤秀雄君) 省エネ大賞の実施に伴う決算額についてのお尋ねがございました。 これは、現在のロゴマークが定められましたのが平成十六年度でございますので、平成十六年度から平成二十年度の過去の五年間ということで申し上げますと約一億三千万円となっております。平成二十年度、昨年の予算措置は二千二百四十一万円でございました。
○加藤修一君 それなりに委託費を使っているわけでありまして、先ほど申し上げましたように、審査の過程が甘いんではないかなと思いますけれども、審査の在り方をもう少し検討したらいいんではないかなと思いますけれども、その辺はどうでしょうか。過去の受賞者の実態調査も含めて、これは報告をしていただきたいと思いますけれども、どうでしょうか。
○政府参考人(羽藤秀雄君) 過去の省エネ大賞受賞製品についてのお尋ねがございました。 今回の受賞の取消しを受けまして、今後、経済産業省といたしましても、こうしたことを見逃すことのないようにしっかりした対応を行って消費者の皆様の信頼に役立てるように努力をしてまいりたいと考えております。 まずは、現在の、先ほど申しましたように省エネ大賞のロゴマークが使用されることとなりました平成十六年度から現在に至るまでの五年間に関しまして、そのすべての受賞企業に対して、表彰理由となった内容と製品実態との間で不整合が生じていないことにつきまして、この省エネ大賞の実施機関でございます財団法人省エネルギーセンターがフォローアップ調査を行い、こういうものを通じまして省エネ大賞に対する信頼を引き続き確保してまいりたいと考えております。
○加藤修一君 これは、過去の実態調査についてはどうお考えですか。
○政府参考人(羽藤秀雄君) 一部のものにつきましては、既にこの資料から、必ずしもマーケットの製品化という意味では商用化はされていないものもございますけれども、そういったものも含めまして、過去の表彰理由となった内容と現在マーケットにございます製品実態との間で不整合が生じていないことについて、可能な限りこの省エネセンターのフォローアップ調査の対象として、その結果を我々自身もしっかりと把握をしたいと、そのように考えております。
○加藤修一君 環境省からもこの当該社は受賞をしておりまして、平成十八年度の地球温暖化防止活動環境大臣表彰を受賞しているということなんですけれども、この辺はどうですか。
○政府参考人(寺田達志君) 御指摘のとおり、日立アプライアンスでございますけれども、環境省で実施しております地球温暖化防止活動環境大臣表彰、これは平成十年度から地球温暖化防止に顕著な功績のあった個人又は団体の活動をたたえるために行っているものでございますけれども、これにつきまして、ただいま問題になりました冷蔵庫ではございませんで、平成十八年度には店舗用のパッケージエアコンの省電力化について、平成二十年度には寒冷地向けの業務用パッケージエアコンの省電力化についてそれぞれ表彰を受けております。 環境省といたしましては、その際のデータに問題がなかったかどうか、現在確認をしているところでございます。
○加藤修一君 これ、昨年は、先ほども申し上げましたように、大手の製紙会社八社が排除命令を受けているわけでありますけれども、公正取引委員会にお願いしたいんですけれども、これ、現在の法律をこれは改正したらどうですか。課徴金とか刑事罰というのはないわけですよね。どうです。
○政府参考人(中島秀夫君) お答え申し上げます。 今先生申されましたとおり、現在の景品表示法には不当表示をした事業者に対する課徴金及び罰則の規定はございません。 これは、しかしながら独占禁止法における不当廉売や優越的地位の濫用等の一定の不公正な取引方法等につきましては、先生御案内のとおり、独禁法に基づく排除措置命令だけではいわゆるやり得となっている、あるいは違反行為に対する抑止力を高める必要があるとして、これらの不公正取引方法等とともに、独禁法の特例法として位置付けられております景品表示法の不当表示につきましても課徴金の対象とすることを実は盛り込んだ独占禁止法改正法案を昨年の三月、第百六十九回国会に提出したところでございます。 しかしながら、御案内のとおり、その後、昨年六月二十七日に閣議決定されました消費者行政推進基本計画におきまして、消費者行政一元化という観点から、景品表示法については所要の見直しを行った上で消費者庁に移管することとされた経緯がございます。 このことを踏まえまして検討した結果、政府としては、景品表示法上の不当表示に対する課徴金制度の導入については、同法の消費者庁移管に当たってはこれを見送り、今後、被害者救済制度の総合的な検討を実施する際に併せて検討していくこととされたことでございます。 以上でございます。
○加藤修一君 先進国ではこういうことをやっている国があるわけでありまして、例えば韓国は排除命令、これは日本と同じでありますけれども、課徴金納付命令、あるいは刑事罰では虚偽・誇大広告については一・五億ウォン以下の罰金だと。それから、重要情報の非表示一億ウォン以下の罰金等含めてこういう形でありますけれども、今、消費者庁の話が出ましたが、内閣官房、これはどうですか、この点については。
○政府参考人(福富光彦君) ただいま公正取引委員会の方から御答弁がございましたように、景品表示法上の不当表示に対します課徴金制度の導入につきましては、消費者庁への移管に当たりまして、現段階において導入を進めるよりも、移管後、被害者救済制度の総合的な検討を実施する際に併せて違反行為の抑制力強化策を検討するということとしたものであります。 衆議院におけます消費者庁関連三法案の審議の結果盛り込まれました附則におきまして、「政府は、消費者庁関連三法の施行後三年を目途として、」「多数の消費者に被害を生じさせた者の不当な収益をはく奪し、被害者を救済するための制度について検討を加え、必要な措置を講ずるものとする。」とされております。これを踏まえまして、検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
○加藤修一君 しっかり検討のほどよろしくお願いしたいと思います。 それでは次に、経済産業省ですね。このおわびの文面を見ていくと非常にいろんな点が考えられるなと思いまして、省エネ、CO2削減の総合的な効果、これは、どう見るかということについては非常に大事な点だとは思いますけれども、製品そのものの性能もさることながら、工場のいわゆる製造過程の効果などを含めたライフサイクルアセスメント、これは非常に大事だと。だからこそ、この当該社も製造上のCO2削減の効果を宣伝でうたっていたと私は思っておりますが、したがって、全体を通じた構造上のプロセスも品質にかかわるものとする考え方が大事である。性能に変わりがないという表現は、いささかそういった意味では問題があるのではないかなと思いますけれども、このライフサイクルアセスメントの今後の展開がそういった意味ではますます重要になってくるわけでありまして、今回の件を含めてどうこのLCAを考えているか、この辺について経済産業省、お願いいたします。
○政府参考人(鈴木正徳君) ただいま先生から御指摘ございましたライフサイクルアセスメント、これは製品におけます資源の採取から製造工程、使用、また廃棄に至るまで、そのライフサイクル全体における原材料の投入やエネルギー使用による環境負荷を測定いたしまして、その製品がどの程度この地球環境に負荷を与えているかというものを示すものでございまして、極めて重要な取組というふうに考えているところでございます。 このため、これまでもこのライフサイクルアセスメントに関しますデータベースの構築や、地点の拠点機関を通じまして企業にこのライフサイクルアセスメントを導入していただきたく私ども努力をしてきたところでございます。 今後も、例えばカーボンフットプリントのようなCO2の排出量に関しますライフサイクルアセスメントも含めまして、企業による適正なライフサイクルアセスメントの運用のための理解の向上と、また様々の製品に導入していただくことが大事だと考えておりますので、普及促進に一層努めてまいりたいと考えているところでございます。
○加藤修一君 このLCAと同時に、非常に大事な製品を作る上での考え方としては、環境適合設計あるいは環境配慮設計にかかわるものがありますけれども、ISO絡みの話でありますけれども、いわゆるDfEですね、今回の件を通して、やはりこういった面についてもしっかりと対応していかなければいけないと考えるわけでありますけれども、この点についてお願いいたします。
○政府参考人(鈴木正徳君) ただいま先生から御指摘ございました環境配慮設計、DfE、デザイン・フォー・エンバイロンメント、これもそのLCAに基づきまして、製品のライフサイクル全体の環境負荷低減を目的といたしまして製品を企画する、また設計をすることに伴う手法でございます。このLCAの手法と同様に極めて重要な手法かと考えておりまして、私どもこれまで企業にこの環境配慮設計を導入していただくように働きかけを行ってきたところでございます。 現在、このDfE、デザイン・フォー・エンバイロンメントのこの重要性はますます高まっておりますし、今後も一層高まるというふうに考えておりますので、私ども、できるだけ多くの企業の方々にこの設計手法を利用していただくように働きかけを一層強めてまいりたいと考えているところでございます。
○加藤修一君 いずれにしても、環境エネルギーの関係については、ふだん大臣がおっしゃっているように、日本の極めて優れた技術のところでありますので、余り信用に傷つけるようなことがあっては当然いけないわけでありますので、しっかり今言った二つの方法を含めて真っ正面から取り組んでいただきたいと思います。 それで、今回、本日でありますけれども、補正予算が提出されまして、そこでエコポイント制度なるものが出ております。総額三千億円、波及効果が四兆円と言われているものでありますけれども。 入手したエコポイントでありますけれども、使用対象についてはエコ製品にすべきであると。中には、自由に使っていいのではないか、あるいは商品券と換えていいのではないかということで、そういうふうになってしまいますと、CO2等を含めて場合によっては増大する可能性も全くないわけではないというふうに考えられますので、エコ製品にすべきであるというそういった審査をしっかりと、客観的に分かりやすい基準をしっかりつくるべきであると思いますけれども、この点についてはどうでしょうか。
○政府参考人(近藤賢二君) お答え申し上げます。 今般の経済危機対策に盛り込まれましたグリーン家電の普及促進事業でございますけれども、地球温暖化対策、経済活性化対策、そして地上デジタル放送対応テレビの普及対策と、これを同時に達成することを目的としているわけでございます。経済産業省、環境省、総務省の三省が全面的に協力をして実施をすることとしております。 今先生御指摘のエコポイントと交換できるエコ製品についてでございますけれども、基本的な考え方として、エコに資するものを購入することによりましてエコのサイクルが循環していくことが望ましいと考えてはおります。すなわち、例えばエコポイントを利用して省エネ型の電球を購入するとか充電式の電池を購入するといったことでございます。 ただ、一方、消費者にとって魅力のある多様な商品や多様なサービスをエコポイントの対象とするのでなければ、せっかくのグリーン家電の事業が十分に効果のある制度とならないというおそれもございます。したがいまして、省エネに資するものを対象とすると同時に消費者にとって魅力的な多様な商品、サービスがその対象となるよう考えなければいけない、こういう二面を持っておりまして、これにつきまして関係省庁と十分に検討を急ぎたいと考えておるところでございます。
○加藤修一君 時間がなくなってまいりまして、次の方に行けないんですけれども。 法律を作る場合あるいは改正する場合、それが規制にかかわる問題については規制影響分析というふうにやっていただいているわけでありますけれども、ただ、このRIAという点については自己評価がほとんどなわけでありまして、中立的な第三者によるチェックが不可欠であると、省庁横断的に第三者機関がチェックを行う新たな仕組みを構築すべきであると、こういうふうに経済財政諮問会議でも言われているわけでありますけれども、なかなかそれがうまく進んでいないように私は受けておりまして、この点に関しましては、ちょっと時間がございませんので別の機会に譲りたいと思います。 以上で質問を終わります。
○委員長(家西悟君) 速記をいったん止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(家西悟君) 速記を起こしてください。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。 都市計画法改正問題について、特に都市農業にかかわる観点からお聞きしたいと思います。 現在、国土交通省として都市計画法の抜本的見直し作業が進められているというふうに聞いておりますけれども、最初に、その経緯と現状についてまず明らかにしていただきたいと思います。
○政府参考人(加藤利男君) お答えを申し上げます。 御指摘のように、私どもでは、今、都市計画制度の全般的な見直し作業に取りかかっておるところでございます。これの考え方でございますが、現在の都市計画法は昭和四十三年に制定されたものでございまして、昭和四十三年当時の都市計画をめぐる環境というのは大きく様変わりをしてきております。具体的に申し上げますと、我が国がこれまで経験したことのない人口減少でありますとか高齢化社会の到来、そのほかにも地球環境問題の深刻化ですとか市町村合併による行政の広域化といったようなことがございまして、私どもといたしましては、都市政策自体の大きな方向性について原点に立ち返って見直すこととしておるところでございます。それで、現在、社会資本整備審議会の小委員会において幅広く御議論をいただいております。 私ども、それをビジョンと言っておりますが、このビジョンを取りまとめた上で、これは今年の夏前ぐらいを目途にビジョンを取りまとめたいということで作業を進めておりますが、それを受けた形で、具体の都市計画制度の在り方について、その制度設計を含めて、新たな都市政策の方向性に沿って、都市計画制度が十分にその機能が発揮できるように具体の検討を進めていきたいと、こういうふうに考えておるところでございます。
○紙智子君 要するに、現行の都市計画法が高度経済成長期に作られているもので、その前提が都市人口が急増すると、都市への機能の集中ということで、それにこたえるものだったわけですけれども、それがこれからでいうと都市の人口減少、それから高齢化が進むと、そういう現行の都市計画法が想定していなかった事態が進行するということが明確になっている中でこの都市計画法の抜本的見直しが必要になったという、そういう理解で大臣、よろしいでしょうか。
○国務大臣(金子一義君) 御指摘いただきましたように、今までは市街化区域内の保全すべき農地について、都市計画制度におきましては、生産緑地制度を活用して保全を図ってきておりました。地域の実情に応じて、その保全、活用が図られるよう地方公共団体には周知してきたところであります。 ただ、一方で、緑のオープンスペースというのは都市にとって必要不可欠でありますし、また都市農地というのも、都市の緑地的空間、防災的な空間、また農業体験、レクリエーションの場としても都市における良好な生活環境の確保という面からも大きな役割を果たしていると思っております。(発言する者あり)どうも失礼しました。
○紙智子君 今、途中までお答えになりましたけれども、現行の都市計画法は、この高度経済成長の中で都市に集中する人と機能に対して、市街化区域という線引きを持ち込んで、その市街化区域内に取り込まれた農地を宅地や商業施設や、あるいは様々な都市機能に必要な用地に転用するということで都市需要にこたえてきたわけですけれども、逆に今人口が減少すると、それで高齢化が進むという事態では、宅地が新たに必要になるというわけじゃないし、逆に住宅地が縮小していくと、あるいは商業施設も縮小するという事態になるわけで、市街化区域内の農地の位置付けというのは大きく変わらざるを得ないわけですよね。 それで、都市農業のサイドから見ると、これ、市街化区域内の農地は農地として保全をして農業振興してほしいということになりますし、都市農業の多面的機能ということから見ますと、これは都市住民も、緑の保全やいやしとしての機能ですとか、あるいは災害とか防災の対策ですとか、何よりも新鮮な農産物が得られるということからもこの都市農業を支持しているわけで、都市計画法の抜本的な見直しでこの都市農業を都市計画法に積極的に位置付けるべきだというふうに思うわけですけど、これで大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(金子一義君) 都市農業、新鮮な野菜が食べれるという意味で、私、個人的には、これ是非、大事なことだと思っております。 ただ、こういう市街地における農業というものを、あるいは農地というものをどう考えるのか、農業政策という意味で、あるいは農地保全という意味でどう考えるか。これ、税制も関係いたしますし、そういう意味では、私のところだけでやっちゃうわけにいきませんものですから、やはり在り方について、農水省を始めとして関係の省庁と相談していきたい。 そういう中で、都市計画制度にどう位置付けられるのか、先ほど局長が答弁しましたように、今年の夏めどに審議会の検討結果も出てくると思いますので、そういうのを踏まえて、緑のオープンスペースは、私はもう、元に戻りますけれども、何とか確保できるような方向というのを考えたいと思っています。
○紙智子君 今私が申し上げました意見というのは、同じような意見は、現在、都市計画法の見直し作業を進めております都市政策の基本的課題と方向という検討小委員会でも出されていることですよね。 この小委員会の第八回小委員会、これ三月十九日に開催されたものですけれども、ここに提出されている都市政策の基本的課題と方向検討小委員会報告骨子案、これを見ますと、「都市政策の課題」というところでは、「農地の転用・開発と都市からみた農のニーズの高まり」として都市農業問題を次のように位置付けているわけです。 「都市郊外部等では、依然として農地転用は多く、農地転用後は資材置き場や駐車場等が雑然と拡がっている例が多く見られる。ここでは、都市行政と農地行政の双方の土地利用コントロールの隙間に陥っている農地が、経済合理性の観点から容易に転用され、その結果、無秩序な市街化、営農条件の悪化など双方にとって望ましくない状況の悪化を惹起。」、「一方、食料自給率向上や食の安全の観点から農業の重要性が再認識されているほか、農地について、都市住民は、農業体験の場や緑地としての機能を積極的に評価するなど、身近な自然を求めるニーズが顕在化。」、「後継者不足等から耕作放棄地が増えているものの、都市内にも農地は多く存在。」と。都市政策としても、農地に対する土地利用コントロールや都市の機能としての農地の位置付けについて検討する必要というふうに述べていますよね。 それからさらに、「政策転換の視点」というところでは次のように述べているわけです。 「農地から宅地へと転換していた都市の膨張・拡大から宅地需要の減少へという時代の変化と農業の再評価、都市住民の農への関心の高まりなどの観点から農業政策との関係は重要。」だと。これからの都市農政を考える上では、都市の生活の一翼を担っているものと言える農山漁村との共存を考慮に入れることが必要だと。 さらに、もう一つ言っているんですけれども、「農地など土地・地域の性格に相応しい土地利用」として次のように述べているわけですね。 「都市の非成長トレンドの前提において、農地を含めた都市環境をコントロールする手法を検討。」と。都市近郊地及び都市市内の農地について、「農業生産機能を中心に、自然とのふれあい、憩いの場、防災機能等の多面的機能の側面から、都市サイドとしても、積極的に位置づけ。」というふうに言っているわけです。 そこで、大臣に再度お聞きするわけですけれども、都市計画法にこの都市農業を積極的に位置付けると、これは大臣、先ほどもちょっと自分自身としてもということを言われたんですけれども、大臣としてそのことの位置付けというか、重要性についてどのようにお考えか、おっしゃっていただきたいと思います。
○政府参考人(加藤利男君) お答え申し上げます。 先生の御指摘のとおり、私ども今検討していますビジョンの中では、都市農地をめぐる問題点、あるいは都市農地を積極的に都市サイドとしても評価をして、これをしっかり保全していくことが必要ではないかというような中間的な御意見の取りまとめをちょうだいしております。 実は、この都市農地をどう守っていくかということについてはこれまでも長い議論がございまして、元々、これも先生御案内のとおりでございますが、実は市街化区域内と調整区域という線引きをしてございますが、特に市街化区域内の農地について申し上げたいと思います。 市街化区域内というのは、これも御案内のとおりでございますが、おおむね十年以内に市街化をちゃんと、きちんとした市街地環境を整備しようということで性格付けられておるところでございますが、市街化区域内はそういたしますと、人口が都市部に流入してきていた時代は非常に開発圧力が強うございました。開発圧力が強い中で農地をいかに守っていくかということで工夫されたのが生産緑地制度でございます。これは昭和四十九年に最初に導入されました。これを大きく平成三年に改正をさせていただきました。 そういう中で、都市サイドとして都市農地をどう評価するかという議論がその当時からずっとなされてきたわけでございますが、都市計画として都市農地をどう見るかということになりますと、これも先生もう御案内のとおりだと思いますが、元々これは、都市農地を都市農地として守っていただくためには生産緑地を使いますが、そのときの大きなねらいは、緑の機能を積極的に評価すべきである、こういう観点から制度が構成されております。 都市計画的に緑が評価できるという以上はある程度の規模がないといけないということで、現行五百平米の規模を定めておりますが、以前はもっと大きかったわけでございます。平成三年のときにもいろんな議論がございましたが、できるだけ残された貴重な緑を守ろうということでこの面積を大きく下げました。ぎりぎりのところまで下げて、しかも、当時もそうでございましたが、できるだけ営農を継続していただけるような環境を生産緑地地区制度に盛り込もうということで制度改正を行ったわけでございます。 今申し上げましたように、したがいまして、都市計画としては緑とかあるいは公共施設の用地になり得るものであるといった要件が一番先に来て、それを担保するためにいろんな要件が定められておるわけでございます。また、手続も定められているわけでございますが、そうした都市計画上の理屈というものを、再度、先生御指摘いただきましたが、都市農業という目からは都市計画法では残念ながら位置付けがなされておりません。 したがいまして、都市農業という観点から都市農地を正面から受け止めたときに、果たして都市計画制度でどううまく整理ができるのか、あるいは整理ができなくて外に飛び出すものか。これは非常な議論をしてみませんと制度設計が固まりませんけれども、いずれにいたしましても、私どもとしては、昭和四十三年以来の右肩上がりの都市を取り巻く環境から随分変わってきたので、その中で都市農地の扱いについても随分変わってきたと、そういう面から制度を総点検したいという気持ちで現在いろいろ検討をしているところでございます。
○紙智子君 大臣に伺いたいんですけれども、今いろいろ議論の途中ということを話されているんですけれども、三月二十六日の日本都市計画学会で、国土交通省の大臣官房審議官の石井喜三郎氏の「都市計画制度の抜本的見直しに向けて」という講演が行われていますよね。その資料を見せていただいたんですが、これを見ても都市計画制度見直しの論点として五点挙げている。その中の一つが農地も含めた都市環境のコントロールなわけです。そして、都市農地に対する市民ニーズは高く、農業体験の場や緑地としての機能を積極的に評価としているわけですよね。要するに、国土交通省の都市計画サイドの幹部も、また検討小委員会も、都市計画に積極的に都市農業、都市農地を位置付けようということでは一致しているんじゃないかと思うわけです。 ですから、重ねて大臣にお聞きしたいんですが、大臣としてもその方向でやはり都市計画法の抜本的改正のイニシアチブを発揮していただきたいと思うわけですけれども、いかがですか。
○国務大臣(金子一義君) 先ほど申し上げましたとおり、都市の農地というのは都市の緑地的空間あるいは防災的な空間として大事な役割を果たしていると認識しております。したがいまして、ただ一方で、農地、農業政策としてどうするかということになりますと、これは農林省と協議、関係省庁と協議しなければいけない点でありますが、都市計画という観点から大事だという認識を持っておりまして、したがいまして、新しい今後の社会経済の状況変化というのをきちっと踏まえました都市政策の方向、それに沿ってきちっと機能が発揮できるように現行の制度、これは総点検して幅広く検討をしたいと思っております。 社会資本整備の審議会、御議論いただいている今後の都市政策の方向性の取りまとめというのが、今こういう課題でやっていただいていますけれども、これを踏まえた上で具体の都市計画制度の在り方に関する議論を進めていきたいと思っております。
○紙智子君 是非大臣としてのイニシアチブを発揮していただいて、今せっかく議論しているわけですから、やっぱり前に向かって進められるようにしていただきたいということを申し上げたいと思います。 それで、次に、大臣にお聞きしたいんですが、全国の市街化区域内の農地面積ですけど、これは九万二千八百ヘクタールあるわけです。そのうち一万四千五百八十四ヘクタールが宅地並み課税にならない農地課税で、今ちょっと農業政策の話されていましたけれども、農地課税で相続税の猶予制度の対象となる生産緑地として登録されているわけですけど、残りの七万八千二百ヘクタールの農地というのは固定資産税は宅地並み課税ということで、相続税の猶予制度もない農地になっているわけですよね。 結局、都市農業の八四%がこういう宅地並み課税、相続税猶予制度のない農地に支えられているわけです。そして、その生産緑地以外の市街化区域の農地というのは、結局この十五年間で半減しているわけですよね。市街化区域内の農地を保全する課題というのは、そういう意味では急務だというふうに言えるわけです。それだけに、都市計画法の改正も急がれているというふうに思うわけですけれども。 冬柴元国土交通大臣が、平成二十二年の春には都市計画法の改正法案を提出するという考えを既に表明されているわけですけれども、当然その法改正に都市農地の見直しも織り込まれるべきだというふうに思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(金子一義君) 先ほど申し上げましたように、具体的な都市計画制度の在り方、議論を二つに仕分けしながら検討してまいりたいと。 一つは、地方分権に合わせまして、平成二十二年度、通常国会に提出し、早急に措置するもの、これは都市計画に関する国の関与の在り方が、冬柴大臣が平成二十二年通常国会提出に向けて準備するということを言われたのはここを言っておると理解しております。 もう一つは、総合的かつ慎重な検討が必要、その先に逐次措置するもの、この二つに仕分けしながら、今の農業政策との関係といったようなこと、あるいは税制の関係といったものはどうしても総合的に、方向は私がもう先ほど申し上げているとおりでありますけれども、税制等々につきましては、あるいは農業政策につきましてはこれは総合的な検討も必要であると思っておりまして、ただ、逐次措置をするという仕分はさしていただきながら進めたいと思っております。
○紙智子君 二〇〇六年の十一月に東京都の都市農業検討委員会、ここで貴重な都市農地の保全に向けてということで報告書を発表しております。その中で、これまで都市開発によって減少してきた都市農地について、今後は都市に重要な役割を果たすものとして農業政策と町づくりの両面から明確に位置付け、保全する必要があると提言をしているわけです。 あらゆる面からそれを実現させるときになってきているというふうに思うんですけれども、この点で大臣の決意といいますか、お伺いをして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○国務大臣(金子一義君) 先ほど申し上げましたように、私は都市農地というものは貴重な財産だと思っておりますので、そういう方向で検討、そういう方向でと、ちょっと言い方は間違えましたけれども、何とか残せるような方向で議論をして、検討をしてまいりたいと思っております。
○紙智子君 終わります。
○近藤正道君 社民党・護憲連合の近藤正道です。 資料の配付をお願いしておりますが、私は、JR東日本の信濃川からの違法取水の問題について質問をいたします。 JR東日本の水力発電所が信濃川の宮中ダムから少なくとも七年間で三億トン余の大量の水を違法に取っていた事件は、以前から地元では可能性として指摘をされておりました。信濃川本流の流れを取り戻そうと定期的に信濃川水なしサミットというものが開かれておりまして、私も何度か参加をさせていただいております。 まず、河川局長にお尋ねをいたしますが、今回のJR東の行為で特に悪質だと考えている点はどの点でしょうか。
○政府参考人(甲村謙友君) お答え申し上げます。 今回、JR東日本により超過取水、あるいはダム下流への放流量不足、工作物新築等にかかわる手続の遺漏等があったわけでございますけれども、これらの行為につきまして、平成十一年一月以来、信濃川中流域水環境改善検討協議会を設置し、信濃川の水環境改善に取り組んでいた最中においても行われていたこと、さらに、この違反が発覚する以前に、十電力会社の不適切事案を受けて、平成十九年の一月と三月の二度にわたり河川法の適正性にかかわる自主点検を求めましたが、JR東日本は適正である旨の虚偽の報告を行っておりました。 こういったことは、信濃川沿川住民を始めとする国民の信頼を裏切った行為でございまして、本年三月十日に河川法に基づく水利権取消し等の監督処分を行ったところでございます。
○近藤正道君 御答弁のように、JR東の水利権は取り消されたわけでございます。再申請を行うためには一年以内とされておりますが、その場合、河川法では漁業者と新潟県の了解が必要となります。 さらに、今ほど話が出ました三月二十三日の信濃川中流域水環境改善検討協議会では、宮中ダムの直下で毎秒四十トン以上の放流、そして魚道等の構造改善、そして環境調査の継続などが提言をされました。私はこれを尊重していただきたいというふうに思いますが、提言の位置付けについてお聞かせください。
○政府参考人(甲村謙友君) お答え申し上げます。 信濃川中流域水環境改善検討協議会は、水環境及び水利用の調和のための方策を検討し、その実現を努めること等を目的に平成十一年一月に北陸地方整備局が設置したものでございます。検討会のメンバーとしては、学識経験者、関係市町村長、県、北陸地方整備局がメンバーとなっておりまして、途中からJR東及び東京電力もオブザーバーとして参加しております。 委員おっしゃるとおり、この三月二十三日にこれまでの検討結果を踏まえた提言を取りまとめて、宮中ダム直下で毎秒四十トン以上を確保すべき、魚道等の構造改善が行われるべき、河川環境の調査等を継続するなどとされたところでございます。このオブザーバーも含めまして関係者につきましては、この提言を踏まえて、河川環境と水利用の調和に向けた努力を継続すべきと考えております。
○近藤正道君 最低四十トン以上の放流というものが出ているわけでありますが、これでも取り過ぎだと批判が大変強いわけでございます。地元には、百五十トン戻せという声も強いものがございます。四十トンというのは、提言でも、学術的に検討された最低限確保すべき河川流量であって、これをもって減水前の信濃川の豊かな環境を再生することはできないとしております。 国交省も、四十トンは学術上の最低限であって、あと、つまり四十トン以上というものは、地元、つまり漁業者と県とJRとの協議にゆだねられていると、こういうふうに認識を持っているというふうに伺ってよろしいでしょうか。
○政府参考人(甲村謙友君) お答え申し上げます。 委員おっしゃるとおり、提言におきましては、宮中取水ダム直下で毎秒四十トン以上の河川流量を確保すべきとされておりますが、同時に、確保することとなる河川流量は、関係者による望ましい河川環境の確保に向けての今後の取組を経て決まるものであるが、このときにその流量が、先ほど申し上げた四十トン以上であるとすべきであるというふうに提言されております。 委員おっしゃるように、今後JR東日本が水利権の再申請を行うのであれば、地元を始め国民の信頼回復に努めるとともに、この提言を踏まえて地元と真摯に話し合うことが重要であると考えております。
○近藤正道君 北陸地方整備局信濃川河川事務所では、河川監理員が十四名おります。報告の聴取だとか立入調査権限を持っております。今回、JR東による二百五十点もの違法構築物が明らかとなりました。例えば、水をせき止め水量をごまかす角落としという設備があるんですが、これはだれが見てもすぐ分かるものでありまして、行政府も知っていたんではないか、知っていて見逃したんではないか、こういう声が地元では非常に強うございます。 今回、北陸地方整備局や河川事務所に処分は一体あったんでしょうか。国にも長年この違法取水を見逃してきた責任があるんではないでしょうか。いかがでしょうか。
○政府参考人(甲村謙友君) お答え申し上げます。 まずは、取水量報告につきましては、毎年一月三十一日までに報告を受け、その内容をチェックしておりましたけれども、取水量を算定するプログラムに上限、下限設定の処理をするなど、巧妙にデータ改ざんがなされておりまして、また先ほど申し上げましたように、十九年の一月、三月の二度にわたり自主点検を求めましたが、適正である旨の虚偽の報告を受けておりました。このため、これまでの不正取水を発見することができなかったわけでございますが、平成二十年八月に信濃川河川事務所の職員が改めて取水量報告を詳細にチェックした結果、明らかになったものでございます。 以上のような経緯から、北陸地整が処分に該当するものとは考えておりませんが、平成十八年、十九年の大手電力会社の不適切事案等を踏まえまして、またさらに、今回のJR東の不適切事案を含めまして、抜き打ち的に行う不定期検査の実施を四月から本格実施する、さらには河川巡視等の河川監理員の現地指示を充実強化し、不適切事案の再発防止に努めてまいりたいと考えております。
○近藤正道君 皆さんそうおっしゃるけれども、地元ではやっぱり長年にわたって国交省が見逃してきたんではないか、そういうふうに考えるのが常識的だと、そういう声が非常にやっぱり強いですよ。指摘をさせていただきたいというふうに思っています。 JR東の今回の行為は違法取水、これは河川法の二十三条、二十四条、二十六条違反です。そして、虚偽報告は河川法七十八条一項違反です。共に罰則規定がございます。詐欺罪の余地もあると。皆さんの解説書から見れば十分に詐欺罪の余地も考えられる。国交省には刑事訴訟法で告発の義務もあるわけでございますが、現在ではJR東を刑事告発はしていない。なぜ告発をしないのか。甘いんではないでしょうか。いかがですか。
○政府参考人(甲村謙友君) お答え申し上げます。 河川法二十三条等に罰則が設けられておりますけれども、目的といたしまして、そういう河川法の違反により河川管理の目的を侵害し公共の福祉又は公共の安全を害するおそれのある行為に対して、河川法の実効性を確保するためにそのような刑罰が設けられております。 本件につきましては、河川法七十五条の監督処分によりまして水利権を取り消すことにより、河川管理の目的を侵害し公共の福祉又は公共の安全を害するおそれのある違法行為は既に是正されております。また、JR東日本では、社長を始めとする関係者の処分を行うとともに、今回の不祥事を受けた業務改善等のための組織改正を行い、北陸地整からの報告聴取等にも社を挙げて対処をしてきております。さらに、水利権取消しという水利行政の中で最も厳しい行政処分を受けたことで社会的、経済的制裁を受けていると考えております。 このような状況を踏まえ、現段階では刑事告発はしておりません。
○近藤正道君 皆さんの方で勝手に、言わば犯罪の構成要件を限定したり告発要件を絞るというのは全くおかしいと思いますよ。まず、しっかりと告発をすべきだと。処分を最終的に、それを受けてどういうふうに対応するかと、それは検察庁が決める話でありまして、皆さんが勝手にそういうふうに絞るというのは、限定をするということは全く私はおかしいというふうに思います。 次の質問でありますが、仮にJR東が再申請をしたとしても、相当厳しい条件を付けないと地元の納得は得られないと、こういうふうに思っております。違法行為を理由に取り消されたものの再申請は極めて異例なことでございます。申請の審査基準には、申請者が事業を遂行する能力及び信用を有すると客観的に判断されること、これが局長通知で出ているわけでございます。 今回、言わばJRに信用を有する客観的な判断があるかどうか、この点などを見ても再申請は厳しい審査となって、許可するとしても厳しい条件になるという、そういうふうに理解をする、これが相当だというふうに思いますが、そういう理解でよろしいでしょうか。
○政府参考人(甲村謙友君) お答え申し上げます。 JR東日本の今回の違法取水は、信濃川沿線住民を始めとする国民の信頼を裏切る行為でございまして、まずはJR東日本が信頼回復に向けてしっかり取り組むことが重要と考えております。 現在、JR東日本は信頼回復に向けて取り組んでいるところでございまして、水利権の再申請があった場合の具体的な対応については、現時点では申し上げられませんが、協議会の提言を踏まえつつ、更に先ほどの審査基準も厳しく適切に対応してまいりたいと思っております。
○近藤正道君 JR東は発電によって年間二百八十億円の利益を上げております。つまり、自分のところの電車を走らせているわけでございますけれども、他から買えば二百八十億円、この費用が掛かると、こういうことでございます。うち五億円を占用料として新潟県に支払っているだけでありまして、今回の処分も役員の減給のみ、違法取水で傷ついた信濃川の自然環境、景観、地元のコミュニティーといったものには何ら補償がなされておりません。 大臣にお尋ねをいたしますが、地域貢献として地元への利益還元が必要ではないのか。大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(金子一義君) 委員御指摘のとおり、この違法取水、これ本当に国民の信頼を失わせる行為であります。そういう意味で、今御指摘の地域貢献という観点、これやはり信頼回復に向けてしっかり取り組んでいただくことが重要でありますけど、地域貢献という観点は、その取り組む過程で地域の要望、先ほど幾つか出ておりましたけれども、そういう環境、魚道等々、しっかりそういう地元の声を聞く過程で対応してもらいたいと思っております。
○近藤正道君 新潟県の十日町市に宮中ダムがあるわけでございますが、宮中ダムのような環境アセス法以前に造られた施設では、仮にJR東から再申請がなされてもアセスは行われません。しかし、九七年の河川法改正で、環境の整備と保全が河川法の目的に加えられました。水利事業が自然環境に影響することは避けられません。水利の便益と環境負荷の比較考量によりまして許可の範囲が決定されるとするならば、既に失われた発電所ができる前、減水前の豊かな信濃川の環境とはいかなるものであったのか、これを正確に測るということは比較考量のために欠くべからざるものでありますし、極めてそれを調べるということは私は誠実な対応だというふうに思っております。 また、今ほど何度も出てきております協議会でも、サケに関して文献調査、聞き取り調査をしております。サケ以外の魚も含めまして、かつての信濃川の環境あるいは信濃川と結び付いた人々の暮らしそのものを記録するような文献調査、聞き取り調査も行うべきだというふうに私は思っています。 大臣、その河川法の目的、趣旨を生かして、アセス法が規定していなくとも国交省は独自に環境影響調査を行うべきではないでしょうか。
○国務大臣(金子一義君) 信濃川中流域水環境改善検討協議会、平成二十一年三月の二十三日の協議会で取りまとめました提言におきまして、今後も引き続き国が中心となってモニタリングを行うということとされておりまして、国土交通省も、河川環境の調査を継続するなど、河川環境と水利用の調和に向けた努力を継続する所存であります。
○近藤正道君 前向きな御答弁をいただきましてありがとうございました。 協議会の提言でも、今ほど来出ておりますけれども、魚道の構造改善が求められております。上流の長野県、これ戦前は松本市までサケが遡上いたしました。国内有数の長野県はサケ漁業県だったんです。この点については先日衆議院で民主党の篠原議員がいろいろ質問をされております。ところが、この宮中ダムができたために全部サケがそこでもう遡上それ以上できなくなった。有数のサケ漁獲県がもうほとんど見る影もない。それに対して、今様々な市民運動の人たちが長野県まで、松本までサケを遡上させようという、こういう運動をやっているわけでございます。 是非、そういうものを生み出したJR東が今回そのでたらめが明らかになったわけでございますが、再申請の際にはここのところをしっかりとやっぱりチェックをする、そして、魚道を改善をして、魚の遡上期には放水量を増量するなど、水をとにかく増やす、常にも増して増やす、そういう工夫なども是非していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(甲村謙友君) 委員おっしゃるように、三月二十三日の協議会で取りまとめた提言におきましては、流量の話と併せまして、サケ等の魚類の遡上、降下が円滑に行われるために魚道の改善を求めているとともに、より望ましい河川環境のための調査を継続することも盛り込まれております。 長野県にサケが上がるためには、一つは宮中堰堤が障害になっておりますし、さらに、その上に東京電力の西大滝ダム、この二つのダムの魚道がいい魚道ではないということで、サケの遡上が阻害されている部分がございます。 国土交通省といたしましては、御指摘の点も踏まえまして、関係者と協力いたしまして提言の実現に向けていく所存でございます。
○近藤正道君 ありがとうございます。 四月から九月まで農業用のかんがい用水のためにJR東に暫定的に、今回、違法取水で水利権が奪われたんだけれども、暫定的に従来の一割の量の取水、そして発電、これが認められました。まさにJR東にとってみれば棚ぼた式の発電という形になるわけでございますが、これによって、JR東には十億円を超える発電収益が発生したと、こういうふうに報じられております。 本来であれば、水利権停止になったわけですから、一切発電できない。ところが、棚ぼた式に発電が認められたので、十億円の収益があった。私は、この棚ぼた発電の収益、これはやっぱり信濃川の環境改善あるいは生態系の回復のために使われるべきではないかと。あるいは、これこそ大変地元に迷惑を掛けた、信濃川の、とりわけ十日町市内の環境をめちゃくちゃにした、その回復のために、JRは自主的にやっぱりこの金を使って、せめて何分の一でも償いを私はすべきではないかというふうに思います。 そしてまた、国交省の責任。先ほど、国交省には責任がない、悪いのはみんなJR東だと、こういうふうにお話があったけれども、しかし、やっぱりそうでないだろうと。長い間それを見過ごしてきた。もう多分、この背景は、JR東が昔国鉄と言われた時代、まさに皆さんとは同じ一家だったわけで、そういうころのやっぱりなれ合いだってきっとあったんではないかと。そういう意味では、国交省にもこういうものをチェックできない、そういう責任があったんではないか、あるというふうに私は思います。 そういう意味では、JR東と国交省は、今こそ力を合わせて信濃川の豊かな環境を取り戻す、そのために一緒になって努力する、それが今こそやっぱり必要ではないかというふうに思うんですが、大臣のまさに大所高所からの御所見をお伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(金子一義君) 地元十日町市などからの要望を受けまして、今回、宮中取水ダム、これ、共用しております取水するかんがい用水の水利権許可を行ったところでありまして、この取水のためには、発電所の導水管等に一定の水位を確保する水位維持用水が必要となってまいります。JR東日本は、これを発電用水車を通して下流に流す必要がありますものですから、発電をもう行われちゃうと、あるいは行わざるを得ない状況になってまいります。 これ、委員、このことを棚ぼた発電と御指摘されたわけでありますが、いずれにしましても、そういう利便をJR東日本は受けるわけであります。そういうことも踏まえて、先ほど来、信頼回復、地元の皆様方の意見を聞いて、要望を受けながら、きちんと信頼回復を図ってほしいということを私も申し上げてまいりましたけれども、その過程で、要望を受ける過程で今の棚ぼた発電の問題もきちんと対応してもらいたいと思っております。
○近藤正道君 もうこれ以上付け加えることございませんけれども、大変前向きな御答弁をいただきました。 今ほどは棚ぼた発電の収益の使い方の話をさせていただきましたし、今ほどの御答弁だと、大体、これを生かす、地元の言わば環境回復のために生かす方向で使うようにJRに働きかけていただくというふうに理解をさせていただきましたが、それでよろしいでしょうか。
○国務大臣(金子一義君) そういうことで進めさせていただきます。
○近藤正道君 ありがとうございます。 終わります。
○委員長(家西悟君) 他に御発言もないようですから、経済産業省、国土交通省及び中小企業金融公庫の決算についての審査はこの程度といたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時五分散会