決算委員会 第4号
- 発言数
- 235 件
- 登壇者
- 30 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2009/04/20
会議録
○委員長(家西悟君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る十七日までに、西田昌司君、芝博一君、近藤正道君、大門実紀史君、金子恵美君及び大久保潔重君が委員を辞任され、その補欠として衛藤晟一君、柳澤光美君、又市征治君、仁比聡平君、大島九州男君及び川崎稔君が選任されました。 ─────────────
○委員長(家西悟君) 平成十九年度決算外二件を議題といたします。 本日は、厚生労働省の決算について審査を行います。 ─────────────
○委員長(家西悟君) この際、お諮りいたします。 議事の都合により、決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれも省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(家西悟君) 御異議ないものと認め、さよう取り計らいます。 ─────────────
○委員長(家西悟君) これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○行田邦子君 民主党・新緑風会・国民新・日本の行田邦子です。 今日、厚生労働省所管の審議ということで、私は、子育て支援、仕事と家庭の両立支援、そしてワーク・ライフ・バランスなどについて中心に質問させていただきます。最後の時間少し使いまして、電子政府、行政手続のオンライン化について質問をいたします。 まず初めに、舛添大臣の御所見、お考えをお聞きしたいことがございます。妊婦健診の無料化についてです。 平成二十年度の第二次補正予算に妊婦健診十四回の無料化が盛り込まれています。平成二十一年度とそれから平成二十二年度、二年度限りということで始まっています。 一月二十八日の麻生総理大臣の施政方針演説で総理はこのように述べられています。少子化対策につきましては、妊婦健診を十四回分すべて無料にしますとおっしゃっています。そして、翌二日後の一月三十日の衆議院の本会議でやはり、子育て支援では、出産育児一時金の拡充とともに、妊婦健診は十四回すべて無料化しますと本会議でおっしゃられています。舛添厚生労働大臣も同じような発言を委員会でされていまして、一月十九日の予算委員会では、妊婦健診、これ今まで五回まで無料でしたけれども、十四回全部を無料にするというような発言をされています。 これを聞けば、国民の皆さんは、妊婦健診が平成二十一年四月から全部、日本全国津々浦々、十四回分無料になるんだというふうに思ったかと思います。私自身も実はそのように思っていました。ところが、この制度の中身を調べてみますと、決して十四回分すべて無料、無料化と言ってはいけないような制度の仕組みになっているということが分かってまいりました。 この件については、私も先月、三月十九日の総務委員会で指摘をさせていただいたわけですけれども、今日改めて大臣に伺いたいと思っております。 妊婦健診というのは、十四回受診が望ましいとされています。この妊婦健診の公費負担の拡充について、お手元に資料をお配りしておりますので、一枚目を御覧いただければと思います。 今までは、十四回のうち五回分が地方交付税措置されていました。それが、平成二十一年度と二十二年度については、残りの九回分、六回目から十四回目までについては、国が補助金ということで半分負担して、余りの半分は地方交付税措置と、このような制度になっています。 ただ、地方交付税というのは、これはあくまでも地方の自主財源であって、使い道が制限されないものになっています。地方交付税措置されたからといってこれは地方公共団体がそのまま予算に組み入れる必要はないわけですし、言われたとおりに使う義務も地方公共団体にとってはないわけなんです。 それで、大臣にまずお聞きしたいのが、四月以降、この制度スタートしていますけれども、各々の市区町村での対応、どのような状況になっていますでしょうか。
○政府参考人(村木厚子君) 今般、平成二十年度の第二次補正予算におきまして、標準的な健診項目について必要な改正、これは十四回程度ということでございますが、妊婦健診が受けられるように国庫補助等の財政措置を行うとともに、市町村に対しまして標準的な健康診査の実施時期、内容を提示をしたところでございます。これを受けて市町村において、その回数や内容につきまして各々適切に設定をしていただけるものというふうに考えております。 市町村の実施状況につきましては、四月一日現在の状況につきまして現在調査を掛けているところでございます。回数でございますとか公費負担の内容でございますとか、そういったものについて現在調査を掛けてございますので、その結果をできるだけ早く整理をいたしまして、十分でない、回数が少ないとか内容が十分でないというところに対してしっかりと働きかけをしてまいりたいと考えているところでございます。
○行田邦子君 これ、早く調べられた方がいいかと思います。というのは、朝日新聞にも出ていましたけれども、私自身も調べたところ、四月以降、まだ十四回無料化になっていない市町村というのがあります。例えば大阪府の枚方市は、これは市の判断で十三回までにしています。十四回ではなくて十三回まで無料と、全額ではありません。それから大阪府の守口市も、今まで二回だったものを五回に拡充しています。十四回のところを五回という拡充をしています。ですから、残りの九回というのはこの措置になっていないということですね。福岡県については、福岡県の市町村のうち二市がいまだに五回のままと変わっていません。それから五市については、これは近隣の市で話し合ったということですけれども、十回までが無料というふうにあえてしています。 あくまでもこれは市町村の判断ですから、法定受託事務でもありませんし、自治事務として行うものですから、市町村が判断をして、やらなくてもいい、できないということであればそれはもう強制力ないと思うんですね。ですから、こういう結果が出て当然だというふうに私は思っております。中には、超音波検診は除外している市とか、それからやはり自己負担がどうしても出てしまう市というのも出てきているようです。ですから、この状況を早く調べられた方がいいと思います。 そこで、大臣に伺いたいんですけれども、麻生総理が本会議で国民に対して十四回分すべて無料にしますと言い切ったわけなんですけれども、ということは、これはもう国が責任を持って国策として行う、全国津々浦々、十四回すべて無料にすると言い切ったわけです。ところが、そのようになっていない、地方によってばらつきがあると。 総理が明言した十四回分すべて無料にしますということが約束どおりになっていないということについて、大臣はどのようにお考えになりますでしょうか。
○国務大臣(舛添要一君) ちょっと時間をいただきまして、なるべく簡潔にお話しいたしますけれども。 私は、妊婦さんのたらい回しの件や何か非常に不幸な件がありましたから、とにかくもう必要な十四回、何とか早く健診皆さん受けていただけば、そういうことも含めて母体を守っていくことにもなると。五回の無料券を配るということになっていたら、平均二・八回しかなっていなかった。秋田県なんか十回全部無料にしている。地域によって違うんです。 そこで、とにかく一刻も早くやりたい。最終的にはそれは恒久的な財源があればいいので、そこで、半分は国庫負担、半分は地方財政措置によってやるという形で早くやることができた。これは、それは財務省も総務省も猛反対です、そういうこと、お金が出ていきますから。いやしかし、とにかく国民の命を守るんだということでやりました。 そこで、先ほど村木局長がお答えいたしましたように、標準的なパターンでやっていけば、今の地財措置等、国の補助が半分出ているということは地方も忘れてもらっちゃいけないので、二回を五回にしかしないというのはこれはとんでもない話であって、それはちゃんとやってもらわないと駄目なんです。 ただ、エコーの検査をやるとか非常に付加的なことをやるとそれは自己負担になったりしますけれども、しかし、これだけやればいいという標準的なことについては、基本的に今まで五回無料だったのが十四回無料。ただ、今委員がおっしゃるような問題点、私も把握していますので、公費負担の拡充という形で言った方がより正確なんですが、標準パターンでは基本的に無料であるはずなんです。 ですから、これは委員がおっしゃったように、一刻も早く、今、枚方の例とか守口の例も挙げられましたので、そういうことをちょっと調査いたしまして、これはきちんと指導していく方向で皆さん必要な十四回受けられるように全力を挙げたいと思っております。
○行田邦子君 私、先ほど申し上げたのは、地方交付税措置というのは国が地方に対してこうしなさいという義務ではないわけなので、それが、大臣が地方に対して指導するというのはちょっと適切ではないかと思うんですね。お願いをするということであれば適切かとは思うんですけれども、あくまでもこの交付税というのは地方の自主財源なわけなんです。総務省の方で交付税をこのように使うといいのではないですかというような一つのモデルというふうに考えていいかと思うんですけれども、それをそのとおりに地方が使う必要はないんですね。 ですから、私が申し上げたいのは、国として責任を持って十四回無料化するということを決めたのであれば、交付税措置というものを使うのではなくて、きちんと責任を持って国費で負担するということをやるべきだったんだろうということを申し上げたいわけです。 では、次に行きたいと思います。 ここからは、ワーク・ライフ・バランス、とりわけその中でも女性の仕事と家庭の両立支援について厚生労働省が行っている、政府が行っている事業内容について確認をしていきたいと思っております。 その前に、女性の仕事と家庭の両立の実態がどのようになっているのか、ここで一つの数値を取り上げたいと思います。 平成十九年十二月に、政労使の合意の下、仕事と生活の調和、ワーク・ライフ・バランス憲章とそれから行動指針が決定されました。その行動指針の中で幾つか数値目標が設定されていますけれども、そのうちの一つに第一子出産前後の女性の継続就業率というのがあります。 これは、子供が初めてできた働く女性がその後もどれだけ継続して就業しているか、働いているかという数値ですけれども、現状は三八%ということになっています。約六二%の方が、働いている女性が初めてお子さんができるとそこで断念して仕事を辞めてしまうということです。この低い割合というのは二十年前からほぼずっと変わっていないわけなんです。 大臣にここでお伺いしたいんですけれども、この行動指針が定めている目標では、三八%という現状の数字を五年後には四五%、そして十年後には五五%に上げていくというふうになっていますけれども、どのように達成するおつもりでしょうか。
○国務大臣(舛添要一君) 基本的に、ワーク・ライフ・バランス、これはもう国全体としての施策でやっていくことが必要ですから、仕事を持ちながらそして子供を育てていく、そのために例えば育休制度、これをきちんと活用していただく。それで、今度、新しい更に改正案を出そうとしているのは、更に育児休業について、ワーク・ライフ・バランスという観点から家庭と仕事の両立、こういうことがやれるように一歩一歩取り組んでいきたいと思っております。
○行田邦子君 今、育児・介護休業法の改正と、労働者がより働きやすいような改正を今政府の中でも考えていらっしゃるかと思います。それは是非進めていただきたいと思っているんですけれども、私が思うには、女性の仕事と家庭の両立支援ということで、法律から見るとかなり法律そのものは整備されているというふうに思っております。 一九八六年に男女雇用機会均等法が施行されて、その後何度か改正をされてきました。そして、育児・介護休業法もできて、少子化対策基本法もできて、次世代育成支援対策基本法もできた。そして、一昨年、ワーク・ライフ・バランス憲章もできました。 このように、法律面、憲章は法律ではありませんけれども、かなり女性の継続就業ということでは法律は整備されているというふうに思っております。にもかかわらず、なぜ二十年近くも出産後の継続就業が伸びないのかと。これは、私が実際に民間企業で働いておりましたその経験からも思うんですけれども、働く現場からすれば、法律というのは非常に立派過ぎると、立派な宮殿のようなものなんですね。それが現実の労働現場にマッチしていないというか、現実の労働現場が法律に追い付いていないような状況だと思うんです。この乖離を埋めていかなければいけないというふうに思っております。そのためには、労働現場のレベルアップ、それから両立支援ということへの理解促進のために、事業主に対しても何かインセンティブになるようなものを与えていかなければいけないというふうに思っております。 労働者の立場を考えた法律改正というのは、言ってみれば事業主にとってはこれはディスインセンティブだと思うんですね。それはそれで必要だと思います。やっていただきたいと思います。ただ一方、事業主に対して、仕事と家庭の両立支援をするといいことがあるんだよというインセンティブも十分に与えていかなければいけないというふうに私は考えております。働く現場でもずっとそのようなことを考えていたんですけれども、調べてみたところ、仕事と家庭の両立支援に対して、事業主に対して助成金を与える、インセンティブに当たるようなもの、結構ありました。 二枚目の資料を、お手元の資料二枚目を御覧いただけたらと思うんですけれども、私が把握した中でも、「仕事と家庭の両立支援」事業主向け助成金という表をお配りしていますけれども、結構いろんなメニューがあります。ここに記しているのは全部、仕事と家庭の両立支援を行おうとしている、あるいは行った事業主向けの補助金というか助成金になっています。いろんなものがあります。 御覧いただくとお気付きになるかと思うんですけれども、この申請・受付の窓口、それから支給の窓口というのがばらばらなんですね。二十一世紀職業財団であったり、あるいは都道府県の労働局であったり、ハローワークであったり、こども未来財団であったりというふうにばらばらになっています。何でこればらばらになっているのかなというふうに不思議でしようがないんですけれども。 例えば、ある中小企業の事業主が、その会社の中で初めて育児休業を取る方が出ましたと、そのときに助成金が出る制度があります。それがこの一番の中小企業子育て支援助成金です。これは申請の窓口が二十一世紀職業財団、支給が、これが今度は都道府県労働局になります。同じこの会社で、育児休業を取る方が出ると職場に欠員が出ます。その補充をする代替要員を確保するための人件費を助成しますよという制度が五番の代替要員確保コースです。これは、申請も支給も二十一世紀職業財団です。今度、同じ育児休業を取っている方に対して、雇用保険の育児休業支給だけではなくて、企業が独自に上乗せして、例えば月額幾らとか何割とかという形で経済支援をするという、そういう企業結構あると思うんですけれども、そういうことを行った場合の助成金については、これが四番の育児休業取得促進措置なんですけれども、これは窓口も支給もハローワークになっているんですね。 というふうに、窓口がばらばらなんです。これ、なぜ窓口ばらばらにしているのか、お教えいただけますか。
○政府参考人(村木厚子君) 様々な助成金がございます。それぞれの助成金の目的に沿いまして、それぞれ最もそういった分野を得意とするところで支給をしていただこうということで、これまでこのような形で助成金の業務を実施する機関を決めてまいりました。 例えば、先ほど先生が御指摘をくださいました二番目の子育て期の短時間勤務支援コースですとか五番目の代替要員コースですとか、そういったものにつきましては、事業主が従業員の仕事と家庭を両立するための様々な雇用管理制度を改革をする、新しい制度をつくっていく、それに対して助言、指導をする、そういう雇用管理のノウハウを持った二十一世紀職業財団が、いろんなメニューがあるので、その中でどれがあなたの企業に一番合ったものか、あなたの企業でその制度をつくるときにどういうふうに就業規則を改正すればいいかというようなことを指導をしながら、あわせて、この制度をつくれば助成金が出ますよということで、助成金を差し上げるというようなことで、特に雇用管理のノウハウが必要なものについては二十一世紀職業財団にお願いをする。 それから、この一番の中小企業子育て支援助成金、これはさっき先生がおっしゃいましたこととも関連をしておりますが、中小企業ではなかなか制度の導入までは至らないと、実行上、運用上でも何とか休業を取らせてあげたいというようなことで、実際に休業者が出るとお金を差し上げるということでございますので、二十一世紀職業財団に具体的な雇用管理改善、制度の見直しまで指導いただかなくてもいいということで労働局の方で担当しております。これ、大変申し訳ございません、申請の受付は二十一世紀職業財団でも窓口をやりますし、労働局でも当然窓口をやっております。 また、三番目、四番目、これは実際にもう制度があって、休業者が出たようなときでございます。休業者が出ますと、雇用保険からも休業給付が支給されます。それに併せて企業が上積みをするときに出るお金でございますので、休業給付の手続などをするハローワークと同じところでやった形がいいかということで、こういう制度になっております。 確かに分かりにくさありますが、それぞれに最も得意とするところでやっていただくということで、こういう形を取ってございます。
○行田邦子君 今の御答弁だと、なぜ窓口一本化にしているのかというか、した方がいいのかということを、私は納得しないんですけれども。 窓口をばらばらにすることによって、私こういった助成金非常にいいと思うんですね、こういう助成金制度があるということの周知がなされないと思うんですね。それから、その申請を、これ同じ事業主が受け取るんですよ、同じ事業主が受け取る助成金にもかかわらず窓口がばらばらというのは、本当に手間ばっかり増えて、だから利用も進まないんではないかなというふうに思っております。 私は、これはもうハローワークに一本化すべきだというふうに思います。できるものだと思います。二十一世紀職業財団でなければいけないという御説明を私も何度か聞いているんですけれども、それが私にはどうも理解ができないんですね。現にこの三番と四番については、ハローワークでやっているし、できているわけなんです。しかも、一番については、窓口は都道府県労働局もできているわけなんですよ。ハローワークにできないわけはないと思うんですね。 今、ハローワークも失業者が増えて大変な状況になっていることは分かっていますので、今すぐにということではありませんけれども、とにかくこの雇用の助成金、事業主向けの助成金については、シンプルに窓口を一本化するべきだというふうに考えておりますけれども。 大臣にお聞きしたいんですけれども、大臣はこの国会でずっと雇用の問題取り上げてきました。そのときに、仕事だけではなくて住居までも同時に失ってしまう方への緊急支援として窓口をワンストップ化しましょうと、ワンストップ化しますということをずっとおっしゃっていました。私が思うには、仕事を探すということと、それから家を探すということの窓口の一本化よりも、今申し上げた事業主向けの助成金の窓口を一本化することの方がよっぽど障壁低いと思っているんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(舛添要一君) 年末の日比谷の派遣村のときにそういうニーズがたくさんありまして、あのときはあの近くの場所に皆さん来ていただいて、生活保護の窓口もそこに置いてもらう、今おっしゃったように住宅の窓口もそうする。それから、これはやっぱり自治体に行ってもらわないといけないという方には、自治体へどう行けば行けるんですかというようなことをやって、事実上臨時的にですけれども、ワンストップサービス的なものをあそこに盛り込みました。 今も、今おっしゃるように、もうハローワーク、ぱんぱんな状況で皆さん仕事をしているんですけれども、考え方としては、ハローワークであれ何であれ、一番数の多いところに駆け込み寺的に駆け込んでいって、そこから先の手続は、とてもハローワークの今の状況じゃスペースもないですから、二十一世紀職業財団へ行ってください、こちらに行ってくださいという振り分けはできるかと思いますので、これはひとつ検討させていただきたいと思います。
○行田邦子君 ハローワークを窓口にして、そして二十一世紀職業財団が行っている助成金については今度二十一世紀職業財団に行くというのだと、二度手間になってしまうわけなんですよ。ですから、ワンストップというのは一か所で全部完了するという意味ですので、これは是非とも、ハローワークで完結するように私はできると思います、人員の問題ありますけれども、仕組み的にはできると思いますので、是非そういう方向で検討していただきたいと思います。 二十一世紀職業財団がこういった助成金の窓口を行っていることによって、都道府県それぞれ一か所、全国四十七か所事務所を持っているわけなんですね。これが非常に私、事務経費的に無駄だと思います。助成金の窓口をやることによって、それぞれ事務所を持っていると。百歩譲って、あるいは一万歩譲って、どうしても二十一世紀職業財団を残さなければいけない理由があるんだったら、それはハローワークの中に机を一つか二つか設けて二十一世紀職業財団コーナーというのを設ければいいんではないかと、もうそれで十分事足りるというふうに私は思っておりますので、是非これは検討していただきたいと思います。 次に、同じ表を見ていただきたいと思うんですけれども、二枚目の表ですけれども、今度はダブりというか、似たような事業について質問いたします。 まず、黄色い枠で囲ってあるもの、七番と八番ですけれども、事業所内託児施設設置・運営コースと、それから事業所内保育施設環境づくり支援事業という似たようなものです。 七番の方は、事業所内の託児施設を設置するとき、運営するとき、それから増築するときの助成金、それから保育遊具を購入するとき、こういったときの助成金になっていまして、二十一世紀職業財団が窓口です。どうも平成二十一年度からは、これは支給は都道府県労働局になっているようです。それから、八番については、これは事業所内の保育施設で保育遊具とかいろんな備品を買うときの購入費用の助成金、あるいは地域行事に参加するときの助成金になっています。これは、こども未来財団がやっています。 これ、違うのはもちろん分かりますけれども、こういったものを何で一本化できないのか、整理統合できないのかなと本当に不思議なんですけれども、政府参考人に伺います。これはなぜ整理統合しないんでしょうか。こういう二つのものがあることを知っているんでしょうか。
○政府参考人(村木厚子君) それぞれ目的や名称、非常に似ている部分があろうかと思います。 例えば、ベビーシッターの例を取りますと、二十一世紀職業財団の方で実施をしておりますベビーシッター等補助コースでございます。これは、企業が自分のところの社員に対して仕事と育児を両立できるという施策をいろいろ導入をしていただければ助成をしますよという考え方に基づいております。例えば短時間勤務制度、例えば事業所内託児制度、例えば介護の場合はヘルパーさんに対する費用助成、いろんな制度がある中で是非どれか幾つかやってほしいということで、そういう企業が努力をするときにお金が掛かる、その企業の掛かるコストに対して助成をするものでございます。そういう意味では、事業所内託児施設を選択をすればそれを建設をするための費用の一部を助成をする。それから、ベビーシッターを雇うお金を企業が出してくださればそのお金の一部を助成する。企業の雇用管理改善のためのお金でございます。 一方、こども未来財団のベビーシッターに関する助成の方は、これは企業の雇用管理改善というよりは、お子さんを持って働いていらっしゃる方々で一般的な保育所ではとても間に合わない、夜間があるとか休日があるとかという方々に対して、そういう方々がベビーシッターを雇えば非常にお金が掛かりますので、そのお父さん、お母さん方に対する助成と、こういうことでやっているわけでございます。 確かに、どちらかに統一をしていくということは広報をしていく上等では非常にメリットがあるわけですが、例えばベビーシッターについて一番詳しいこども未来に全部寄せてしまいますと、二十一世紀でどの制度をしますか、この制度とこの制度はうちで出せますが、ベビーシッターの制度はじゃこども未来へ行ってくださいと、こういうような問題がまた起こるというようなこともございまして、なかなかうまく制度の整理がしにくいということで、大変私どもも正直申し上げて悩ましい思いもあるんでございますが、いろいろな制度を工夫する中で最も適切なところに実施をしていただくということで今このような形になっているところでございます。
○行田邦子君 悩ましいんであれば、悩んでいないで解決していただきたいと思うんですけれども。 今の御説明聞いていても、この二つ、二十一世紀職業財団とこども未来財団がやっているもの、もちろん全く同じじゃないですけれども、ほとんど同じだと思うんですね。何ですか、ラーメンとつけめんの違いみたいなもんだと思うんですよ。食べ方がちょっと違うぐらいのものなので、何でラーメン屋さんに統一できないのかなというふうに私は思っていまして、これこそ、二十一世紀職業財団でやる必要もなく、こども未来財団でやる必要もなく、ハローワークで窓口一本化すべきだというふうに私は考えております。 それで、このベビーシッター育児支援事業、十番のこども未来財団がやっていることなんですけれども、これ、じゃこの事業、こども未来財団は実際どういう業務を行っているかというと、社団法人ベビーシッター協会から振り込み依頼を受けた割引精算金額を言われたとおりそのまま各ベビーシッター事業団に振り込むという作業を行っているんです。これがこども未来財団の事業なんですね。実際の関係書類の送付とか、あとは割引金額の確認といったような事務については社団法人ベビーシッター協会が行っています。平成二十年度まではそうでした。 ところが、昨日ホームページ見たら、平成二十一年度からは社団法人を外してこども未来財団を残すような形で存続させています。でも、私が思うには、これ、こども未来財団をこの制度にかませる必要というのはほとんどないんじゃないかなというふうに、意味が見出せないというふうに私は思います。ちょっと時間がありませんので、指摘だけにさせていただきます。 そして、本当にしつこいようで申し訳ないんですが、三つ目の今度赤い囲み、御覧いただけたらと思います。二枚目の資料です。 今度は、これ、同じ労働保険特別会計の中で雇用安定事業から出ているのか、労災勘定から出ているのかの違いなんですけれども、同じ労働保険特別会計を原資としていてほとんど同じような助成金の制度があります。 十一番が職場風土改革コース、これは二十一世紀職業財団がやっていまして、雇用安定事業です。十二番は職場意識改善助成金と、これは都道府県労働局、窓口になっていて、労災勘定から出ています。入口は同じなんですけれども、違う入口から入ったら同じ部屋に入ったようなもので、ほとんど同じなんですね。助成金の金額も同じですし、二年の計画を立てるというところも同じですし、ポイント制、採点制というか、ポイント制というのも同じですし、より高いポイントをもらうと更に助成金が増えるということも同じですし、支給の月も二月と同じと。 若干違うのは、計画の内容、ポイントがやや異なるというところです。ただ、この二つともその計画の内容の寄って立つところというのは、ワーク・ライフ・バランス憲章なわけなんですね。ですから、これは是非、一本化すぐにできると思いますので、検討していただきたいと思っておりますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(舛添要一君) 幾つかの点を申し上げますと、あるいいことをやりたいと、どこから予算を取ってくるかで大変苦労するわけですけれども。例えば、先ほどのベビーシッターだと、じゃ年金特別会計からこれだけ取ってこようと、それから労働特別会計からこれだけ取ってこようと、労働特会でも労災から取ってこようと、雇用安定事業から取ってこよう、要するに、いろんなところから財源持って、それは少しでも多い方がいいはず、いいんで、そういう面が予算策定過程においてありますというのが一つ。 それからもう一つは、今度は利用者の立場から見たときに、いろんなメニューがあるのは、つけめんとラーメンの違いをおっしゃいましたけれども、それもいい面もあると。ただもう一つは、当然のことですけれども、こういうある意味で天下りですね、天下り的な団体をたくさんつくっていっているという今までの行政の在り方ということをどう見直すかという問題もまたあります。 ですから、そういうことを総合的に考えて、これは行田委員の問題意識は私も共有をしておりますが、あえて申し上げたのは、大臣としてお金をいかにして取ってきて、それはいろんな医療分野でも介護分野でもそうなんですけれども、なるべく予算を付けたいなというとこういう感じになるという側面もありますということを申し上げた上で、これは国家全体、霞が関全体、どう変えていくかと、大きな課題の一つだと思っております。
○行田邦子君 確かに、厚労省以外にもこういったこと、恐らくたくさんあると思うんですけれども、でも今私が指摘しているこの労災勘定と雇用安定事業から同じようなことをやっているというのは、これは厚労省だけの問題ですから、しかもこれ労働保険特別会計、同じ会計から出ているわけですから、先ほど大臣がおっしゃった労災勘定から持ってくる、雇用安定事業から持ってくるというのは、これはもう内部の事情なわけで、国民にとっては関係ないわけなんですよ。それを二つに分けること、入口が二つになって似たようなものを二つつくってしまうということによって使い勝手が悪い、国民目線で考えていないのではないかというふうに私は思えてなりません。 今回、仕事と家庭の両立支援ということで、どんなことを国がやっているんだろうかということで、事業を見させていただきましたけれども、恐らく、厚生労働省さんの中で、これだけじゃなくていろんな分野で、医療、年金、いろんな分野でこういった細かいダブり、たくさんあると思うんですよ。これ、細かいからいいということではなくて、私のしごと館みたいな大きな人目に付くものだけなくせばいいというものではなくて、一見見えないようなこういう小さい事業、小さいといっても億単位なわけですから、一つ一つダブりとか無駄というのをチェックしていくと相当な金額になると思うんですね。ちりも積もれば山となると言ったら失礼ですけれども、それで、この山となったようなこの金額を削減するのではなくて、その分もっと生きた事業、政策に使っていくということを今すぐにやらなければいけないというふうに私は思っておりますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(舛添要一君) これはもっと専門的なことを言うと、一般会計でも特別会計でも勘定項目をどう設定するかということにかかわってきます。ですから、これは、私が国全体の在り方ということを申し上げたのは、例えば失業の分野についてはこれは事業主と労働者は折半していますけれども、雇用の保険で二事業はこれは事業主だけが出していますから、そういうやっぱりいろんな性格の違うものがある。そういう中で勘定項目を挙げていて、先ほど申し上げましたように、少しでも多くの予算を国民のために取ってこようとすると、苦労して取っているということがあるので、これは勘定項目の分け方から考え直さないといけないので、委員のおっしゃることはよく分かりますが、そういうことも念頭に置きながら、やはり全体の会計制度の改革にまで行き着く話かなと思いながら、できることからやっていきたいと思っております。
○行田邦子君 舛添大臣は、麻生内閣の中で最も期待されている大臣の中のお一人と、有力候補というふうに多くの方が思っていると思いますので、厚労省だけの問題じゃないからといって逃げないで、是非内閣の中でそういった提案をしていただきたいと期待をしております。 次に、内閣府政務官、ちょっと予定を変更しまして、お聞きしたいと思うんですけれども、今こういったダブり、無駄というのは厚労省の中だけではなくて省庁またいでという、省庁またいだ中でのダブりや無駄というのはたくさんあると思うんですね。特に少子化対策というのはいろんな省をまたいでいます。内閣府としてはこういった無駄とかダブりというのをチェックをされているのでしょうか。
○大臣政務官(並木正芳君) 御存じのとおりで、これは恒常的には毎年八月概算要求あるいは年末予算編成時と、こういったところで、一つのくくりを付けて、少子化関係予算とか、そういうふうな取りまとめの中で全体的、透明性、整合性、こういうふうなところに、確保するために努めて分かりやすくするようにということにしているわけですけれども。 先生も御認識でございますけれども、例えば認定こども園というのは、こういうようなものは長年の間、幼児教育としては文部省、あるいは親が保育に欠けるという点では保護的な観点から厚生行政と、こういうような中で行われてきたんですけれども、今、消費者目線というふうなお話もありましたけれども、まさにニーズが異なって、社会の変化が、ニーズが異なってきたというところで、一つの一元化をしていこうじゃないかというようなところでこのチェックが行われて、御案内のとおり、そうした方向性で、資金についてもその方向性でこども交付金の制度化とかそういったところを行っているところであります。 また、当然、専門性とか目的、そういうふうなところで、その解決のためにはそういう専門的分野というのも必要なんですけれども、より専門的になればなるほど国民からは分かりにくくなってしまうと、今いろいろな御議論があったところでありますけれども。そういったところも考えて、まさに消費者庁が消費者目線から根本的なところで方向性を変えようと、そういうようなところも内閣府が担当して今回、修正可決、衆議院の方ではいたしたわけですけれども。 そういった個別な事業についても、省庁内のダブりもあるわけですけれども、省庁間のこれはもうかなりの分野にわたってダブりがあるようなものについては、時代の要請にこたえながら一元化していこうと、そういうふうな省庁間の政策の整合性が図られるようにと。これは当然、内閣府は企画調整を、その施策等のですね、仕事としておりますので、常にそうした観点から省庁横断的に物を見ているというようなところであります。
○行田邦子君 省庁をまたいだ企画調整、特に少子化対策については国の重要課題ということで特命大臣も置かれています。内閣府がこれこそやるべきだと思うのは、こういった省庁間のダブり、あるいは省内でもこれだけダブりがあるわけですから、こういったものを少子化対策という分野においてしっかりと厳しい目でチェックをする、徹底的にチェックをすると、それが内閣府の役割だと私は思っているんですけれども、現状、残念ながら役割が果たされていないんじゃないかなというふうに思わざるを得ないわけです。 それで、もう一点お聞きしたいんですけれども、小渕大臣が、消費税率を上げるときには消費税の一%分を少子化対策に使わせてもらいたいというふうに訴えています。確かに日本の少子化対策、子供支援に、子供に充てるお金というのは大変諸外国と比べて少ないという認識はしていますし、私も子供にもっとお金を使ってほしいというふうに思っておりますけれども、消費税を上げるときに消費税の一%分を少子化対策に充ててほしいということを訴える前に、もっとほかにやることあるんじゃないかと思うんですね。 今私が指摘をしたような、本当に氷山の一角だと思います、こういった無駄やダブりがたくさんあると思いますので、それをまず徹底的に見直して、それでどれだけの無駄が出てくるのか、浮いたお金はどれだけになるのかということをきちんとやってから、それでも足りないんであれば消費税一%分を下さいと言うべきだと思うんです。順序が逆だというふうに思うんですけれども、政務官は大臣を補佐する立場だと思いますので、どのようにお考えでしょうか。
○大臣政務官(並木正芳君) おっしゃるとおりで、内閣府が、今御議論があったところで、二元的な行政を排して、できるだけ国民目線に立った、そうした無理、無駄、そういったものを省いていくと。これは当然のことでございまして、これはまさに不断の努力が必要だというふうに思っています。 ただ、小渕大臣の発言したところは、今先生もお話あったとおりで、ヨーロッパ諸国に比べてGDP比でも三分の一、四分の一という少子化関係予算しか使われていないと。こういうような現状認識から、国民負担率もそういった面では当然そういったヨーロッパ諸国に比べて低いわけですけれども。 今、昨年度、今年度の予算で大体、少子化ということでは一・六兆円前後ということになるんですが、消費税一%は二・三兆円ぐらいになるんですね。社会保障国民会議でも、更にその消費税という点では〇・四%から〇・六%上乗せする必要があるというような、そういった御意見もいただいておりまして、大臣はまさにそうしたところから、まずは一・六兆円から二兆を超える消費税一%ぐらいのそういったところを是非増額をしていただきたいというそちらの方が主眼でありまして、もちろん単に増税だけしてお金を増やせばいいということではありませんので、無理、無駄、そうしたものは省いていくというのはこれは当然のことで、これからもそういう方向で努力していくということだと思いますが。
○行田邦子君 私は、年間一・六兆円を更に消費税分上乗せ一%ということを言う前に、その一・六兆円の中身、どのように使われているのかをきちんとチェックすべきだということを申し上げているわけです。 内閣府政務官への質問は終わりましたので、御退席いただいて結構です。
○委員長(家西悟君) では、並木内閣府大臣政務官、御退席いただいて結構です。
○行田邦子君 次に、お手元の資料の三枚目を御覧いただきたいと思うんですけれども、先ほどから名前が挙がっています二十一世紀職業財団とこども未来財団、それに加えて女性労働協会、財団法人女性労働協会と、この三つの概要について一表にまとめさせていただきました。この三つの財団法人は、過去のいろんな行革関連の資料を見ていますといろんなところで名前が挙がってきていますけれども、今に至るまで延命しています。 まず、この三つの財団法人とも、平成十四年三月に行政改革推進本部が決定した公益法人に対する行政の関与の在り方の改革実施計画というのがありまして、ここでは何と補助金依存型公益法人と名付けられて指摘されています。これは、補助金依存型公益法人というのはどういうことかというと、国からの補助金等が年間収入の三分の二以上を占める公益法人、国庫依存率が高いという意味です。補助金依存型公益法人と三つの財団法人とも指摘をされています。 こういった財団法人については、補助金の廃止をするとか、あるいは改善計画を立てて直していくということが指摘されているんですけれども、ところが、このときに二十一世紀職業財団と女性労働協会はうまく逃げ延びているわけです。どういうふうにしているかというと、特段の理由がある公益法人なので、国庫依存率が高い特段の理由がある公益法人なので国庫依存率を下げるのは困難ですという言い訳というか、理由で逃げ延びています。 今現在というか、平成十九年現在では、二十一世紀職業財団の補助金依存率は八二・八%、それから女性労働協会は七〇・五%となっています。残りの三つ目のこども未来財団はどうかといいますと、これは三分の二未満にしなさいと言われたときに、それ以降、補助金を一部廃止しています。それによって今は、平成十九年現在は六〇・五%の依存率と、ぎりぎりオーケーというところになっています。 ところが、こども未来財団の方が私もっと問題があると思うんですけれども、こども未来財団には、この表にも書いてありますけれども、こども未来基金という三百億円の基金があります。この基金、何なんでしょうか、御説明お願いします。
○政府参考人(村木厚子君) こども未来基金でございますが、これは平成六年に児童手当制度において児童育成事業を創設をした際に、事業主の方々からの拠出金を原資として造成をしたものでございます。そのときの考え方としては、この運用益を元に子育てに対する意識の啓発、子育てに優しい環境づくりの推進などの事業を行っていこうということで基金が創設をされました。 具体的に基金でやっている事業でございますが、例えばスーパーやデパートにおける授乳、キッズコーナーの整備に対する助成でございますとか、コンサート等で臨時の託児室を運営したりいたしますが、そういったものへの助成など、いわゆる子供に優しい環境づくりを企業のお力も借りながら地域で推進をしていただく事業に対して助成をしている基金でございます。
○行田邦子君 今一部御説明いただきましたけれども、次の四枚目の資料を御覧いただけたらと思うんですけれども、四枚目の資料の真ん中、財団法人こども未来財団の事業内容、いただいたパンフレット等からずらっと羅列しました。そのうちの赤で囲んである赤字の部分が、これがこども未来基金による事業なんですね。 ざっと項目だけ見ると、ああ、いいことじゃないかと、子供のためにいいことじゃないかということばっかりのようなんですけれども、これ、一個一個内容を是非見ていただきたいと思うんですよ。一体何をやっているのかということを見ていただきたいというふうに思っているんですね。本当にこれが今この基金を使ってその運用益でやらなければいけないことなのかと。 このこども未来基金の財源というのは年金の事業主拠出金を原資としています。事業主が払った年金保険料を原資としてその運用益でこういうことをやっていいのかと。項目だけ見るといいことのように見えるんですけれども、実際は何か小さなステッカーを作ってみたり、それからポスター作ったりとか、DVD作ったりとか、いろんなシンポジウムやったりとか、ラジオ番組を流してみたりとか、エッセーを募集してみたりというような、どうしても基金でやらなければいけないような事業なのかということを是非精査をしていただきたいと思っています。 私は、このこども未来基金、三百億円もあるわけなんですよ、これは廃止すべきだというふうに思っているんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(舛添要一君) こういうのも要するに補助金率を三分の二以下に下げるためにどうすればいいかといろんな知恵を働かせる、今三百億ですから運用益は五億ぐらいしか上がってないと思います。 これも、行革の方からこういうものは廃止をするということなんで、大体廃止の方向で今経費の削減をやらしているところなんで、何年度と言うことはできませんけれども、その方向で今検討を進めさせております。
○行田邦子君 私がいただいた資料では、平成二十七年度というふうに聞いています。二十七年度といったらもう六年先なわけなんですよ。何でもっと急げないのかなと思うんですね。もっとどうして早くこの基金を廃止することできないんでしょうか。どうしてもこの基金がなくなってしまうとこれらの事業、もうやらなきゃ本当に子育て支援が困ってしまう、立ち行かなくなってしまうというんであれば分かりますけれども、何で二十七年度って決めたんでしょうか。御説明できますでしょうか。
○政府参考人(村木厚子君) これは、この基金だけでなく、政府全体で各方面に置かれている基金制度については二十七年までに検討をするということが決められているところでございます。 先ほど申し上げた幾つかの事業、この日本の非常に子育てがしにくい環境と言われている中で、ある意味では非常に大事な事業ではないかというふうに思っております。税金で直接に、例えば企業が授乳室をつくるとか、キッズコーナーをつくるということに補助をできるかというとなかなか今の財政状況ではやりにくいということがございます。あるいは、一方で、じゃ、スーパーマーケットやデパートは自分のお金でもうそういうものはしっかりつくりなさいということで一切助成が出ないということになると、環境整備のスピードが止まるかというふうにも思うわけでございます。もちろん事業内容については不断に見直しをする必要はございますが、今の少子化の状況を考えますと、こういった基金、できるだけ活用をして、早期に足下で早くこういった環境整備が進むように活用をするというのが一つの考え方かというふうに考えているところでございます。
○行田邦子君 どうしてもやらなければいけないことであれば、基金の運用益ではなくてその都度その都度国が補助金を出す、あるいは委託をするということでいいと思うんですね。なぜこの基金、三百億円もあるわけなんですよ、三百億円の基金をどうしてここに眠らせておくのかと。しかも、その運用益でやっていること、これ中身、本当に是非すぐにでも見ていただきたいと大臣にお願いをしたいと思います。 ちょっと時間が限られてきましたけれども、女性労働協会についてなんですが、女性労働協会は、ここは五億六千九百万円の年間収入のうち、国からの委託費が四億百万円と。委託費、補助金等ですね。そのうちの八割強が東京の三田にある女性と仕事の未来館の事業の委託費になっています、三億四千万円になっています。 私もここ行ってまいりました。確かに、こんなもの要らないというものではないんですよ、やっていることは。あればあって有り難いと思うんですよ、近隣の人も。ですけれども、本当に、これは労災勘定とそれから雇用安定事業なんですけれども、財源が、事業主や労働者が出している雇用保険料を原資にどうしてこれを存続させなければいけないのかと思ってしまうようなものなんです。 例えば、いろんなセミナーやっていまして、健康セミナーというのをやっています。これ、聞いてみたら、女性に特化した健康セミナーではあるんですけれども、ただ、別に働く女性に限ったことではなくて、恐らく御近所の女性の方が健康セミナーを受けているというような状況で、これは無料です。 それから、相談事業もやっています。いろんな働く女性の悩みを聞いたりする相談事業をやっているんですけれども、これももちろん必要なことだと思いますよ、特に今こういう時期、必要だとは思いますけれども、何でマザーズハローワークと同じことをやるんだろうかという疑問があるわけなんです。しかも、二十一世紀職業財団も四十七か所の都道府県の事務所でやはり相談事業をやっているんですね。多分、なぜですかと聞くとちょっとずつ違うという答えになると思うんですけれども、みんなやっているわけなんですよ。どうしてここを必ず存続させなければいけないという意味合いが私には見えないんですね。 あとはホールの貸出しで、二百五十人ぐらい収容できるホールがありまして、本当にきれいなホールで利用料も安いんですね。近隣の方、あればあったで便利だと思うんですけれども、貸ホールをやっているわけですよ。女性と仕事に関係ないことでも使えるわけです。どうしてここが雇用安定事業と労災勘定を原資にこういう事業をやらなければいけないのかということをしっかりと見直しをしていただきたいと思っております。 今こうやって四枚目の資料を見ていても、全部、項目だけ見ると本当にああいいことじゃないかと、是非これはもう国が推し進めていかなきゃいけないことじゃないかと、子育て支援とか、働く女性の支援とか、ワーク・ライフ・バランスとかというふうに思うかと思うんですけれども、それぞれが微妙にダブっていたりとか、中身を見ると今本当に国民の皆様のお金を使ってやるべきことなのかと疑わしいものが非常に多いわけなんです。一個一個は細かいんですけれども、細かいからいいということではなくて、一つ一つやっぱりチェックをしていくことが必要だというふうに思っております。 次、最後になりますけれども、テーマを変えまして、電子政府、行政手続のオンライン化について伺いたいと思っております。 二〇〇一年、平成十三年に当時の森内閣が二〇〇五年までに世界最先端のIT国家を実現するという目標を掲げて、e―Japan戦略がスタートをしました。平成十五年ころから順次各省で行政手続のオンライン化が行われてきて、厚生労働省では七十四の手続を利用促進対象と定めています。 ところが、今そのオンラインの利用率、一番最後のA3、御覧いただきたいんですけれども、惨たんたるものです。このオンライン利用率の数字見ていただきたいんですけれども、〇・〇〇〇〇〇四%とか〇・〇〇〇〇〇三%とか〇%、全くゼロ件というものが並んでいます。これ、いろんな問題があるかと思うんですけれども、恐らくこれまでに何百億円という設備投資なされていると思います。 今朝、厚労省の方からいただいた数字計算してみますと、平成十五年から平成十九年までの間に、一件当たりの電子政府・オンラインの申請コスト、一件当たりが十五万四千四百円となっているんですね。このまま利用率が上がらないと、一回オンラインで申請をするたびに十五万四千四百円掛かってしまうわけなんです。 この状況、舛添大臣、どうとらえていますでしょうか。
○国務大臣(舛添要一君) e―Japan、私もこの計画のときに相当深くかかわって、これ我が党でやったときに党の中で相当やりましたけれども、一刻も早くそれはオンラインを利用してもっと先に効率化ということが進められればというふうに思います。 ただ、レセプトのオンライン化といって、またそれはそれで問題が起こってきて、いろいろ補助金の問題も、さっきの基金の問題も、財務省とやるときは、それはもう今年限りでならいいよと、ただ、長期的に駄目よというと、この基金という逃げ道をつくるわけですね。だから、しかもいったんやったものをやめるのは非常に難しい。しかし、委員の指摘は非常に重要な指摘ですから、更に前に進めたいとオンライン化については思っております。
○行田邦子君 今の状況は余りにもひど過ぎますので、これ、いろいろお聞きしていると、厚労省の問題もありますけれども政府全体の問題というのも多々ありますので、また別の機会にお聞きしたいとは思っていますけれども。 今日、一時間のお時間をいただきまして、厚生労働省の主に仕事と家庭の両立支援、ワーク・ライフ・バランスについてどのような事業を行っているのかということを見させていただきました。本当に恐ろしいほどのダブりや無駄があるというふうに認識をしております。厚生労働省全体を見ると、年金や医療なんかもっとひどいんじゃないだろうかというふうなことを感じております。是非、国民の皆様の税金や保険料を使っているわけですので、舛添大臣はこれ、厳しくチェックをするようにすぐにでも皆さんに周知徹底させていただきたいと思っております。 私の質問を終わります。 ─────────────
○委員長(家西悟君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、又市征治君が委員を辞任され、その補欠として福島みずほ君が選任されました。 ─────────────
○吉川沙織君 民主党の吉川沙織です。 私、国会の初質問では、若年者雇用問題について舛添大臣と議論をさせていただきました。今日はそのことについて大臣とまた質疑をさせていただければと思います。 私自身、就職活動をいたしましたのは今から十一年前、超就職氷河期と言われた世代です。今から十年前に私自身は会社員として社会人のスタートラインに立たせていただくことができましたけれども、しかしながら、どんなに働きたいと願ってどんなに働く意欲を持っていたとしても、同世代の多くが、正社員の口が余りにも少なかったものですから、望まずして非正規雇用という働き方を余儀なくされたまま今三十歳前後を迎えているような状況にあります。今の時代、新卒で正社員になれなければ、企業は職業能力や経験がないとみなし、正社員としての雇用を控える傾向は顕著であるため、非正規というスパイラルから抜け出せないのが我が国の現状ではないかと思います。同世代の多くが正社員になれないまま三十歳前後を迎え、明日に夢や希望を持てなくなっています。 一方、正社員になったとしても、この世代の採用抑制が余りにも大きかったものですから、恒常的な超長時間労働に追いやられて、心身共に疲れ切ってしまっているというような状況があります。実際、二十代、三十代の我が国の死因の第一位は自殺となっています。それも、ほかの死因を大きく引き離しての一位であり、ほかの先進諸国にはない現実であります。若い世代が明日に夢や希望を持てない国となっている悲しい側面の一つであると思います。 政府においては、平成十五年の若者自立・挑戦プランの策定を契機として若年者雇用対策に取り組んでいるということは承知しておりますが、その事業内容や効果についてお伺いをしてまいりたいと思います。 まず最初に、平成二十一年度見込みを含めた平成十四年度からこれまでの若年者雇用対策に係る総事業費、厚生労働省分についてお伺いいたします。
○政府参考人(太田俊明君) 若年者雇用対策関係予算につきまして、平成十四年度から二十一年度までの予算額についてお答え申し上げます。 〔委員長退席、理事神本美恵子君着席〕 まず、十四年度当初予算額は約百六十二億円でございます。その当該年度の補正予算の追加額が約三・六億円でございます。十五年度が二百五十二億円、十六年度が約三百一億円、十七年度が約三百七十四億円、十八年度約三百六十三億円、十九年度予算額は約三百五十三億円でございます。二十年度は当初予算額が約三百三十三億円で、一次補正が約十一億円、二次補正が約〇・五億円の追加額でございます。平成二十一年度予算額は約五百五十一億円となっているところでございます。
○吉川沙織君 今お答えいただいたのを総計すると、大体三千億近くという膨大な額になります。今回は、厚生労働省の分だけお伺いいたしましたが、若年者雇用対策においては、厚生労働省のほかに内閣府、経済産業省、文部科学省に関連予算があるため、関連省庁の総枠にすると更に大きな額となると言えます。 そこで、厚生労働省における若年者雇用対策に係る事業数についてお伺いしたいと思います。 様々な事業が展開されているということは理解をしておりますが、平成十五年、十七年、十九年、二十一年度分についてすべての事業数をお答えください。
○政府参考人(太田俊明君) 若年者雇用対策につきましてはそれぞれのニーズに対応して事業を講じているところでございまして、関係の事業の数でございますけれども、十五年度が二十事業、十七年度が二十四事業、十九年度が三十六事業、二十一年度が四十三事業となっているところでございます。
○吉川沙織君 なぜこのお伺いをさせていただいたかといいますと、先ほどの行田委員からもいろんな質問ありましたが、同じような事業が同じように展開をされていて、数を数えようと思ったら、何が一体どうなっているのかさっぱり分からないということで今お伺いをさせていただきました。 今御答弁いただいたものと私が調べたもの、ほとんど同数のものと年度によって若干差があるものがございましたが、機能が重複していると考えられる事業や名称が非常に似通っていて何がどう違うのか分かりづらいものが多いと考えます。 例えばジョブと名が付く事業ですね。ジョブカフェ、ジョブ・カード、ジョブサポーター、ジョブパスポート、ジョブクラブ、ジョブミーティング、ヤングジョブスポット、ジョブトレ、ジョブパーク、このほかにもいろんな事業を挙げれば枚挙にいとまがないぐらい打ち出されております。 大臣、これ事業数余りに多いと思われませんでしょうか。多いか少ないかだけで結構でございます。
○国務大臣(舛添要一君) 一概に申し上げられませんが、行田さんに先ほどお話ししましたように、とにかく予算を付けるためにいろんな事業をつくるという面もあるということを御理解いただければと思います。
○吉川沙織君 就職氷河期にどうやっても正社員になれなかった若者がいるのに、予算を付けるためだけに何か新しい事業をそれまでの事業の効果を厳密に評価をせずに展開をしていって、それがひいては税金の無駄遣いになってしまうというのは私はどうも納得がいきません。 これ、また求職、求人側双方から見ても同じような事業が中途半端に実施されている状況が存在して、非常に分かりづらいという事業、企業に強い働きかけをしない限り実効性が伴わないというような事業も散見されます。 ですから、事業を継続するにせよ、新規に予算を付けるためかどうか分かりませんけれども、立ち上げるにせよ、この間の取組について客観的な評価と検証が必要であり、真に必要な若年者雇用対策事業とそうでないものの見極めが必要でないかと考えます。 そこで、フリーター常用雇用化プランについてお伺いいたします。 このフリーター常用雇用化プランなどの形で常用雇用化に厚労省は取り組んでおられます。確かにフリーターの数だけ見れば、平成十五年度の二百十七万人から平成十九年度には百八十一万人へと減少はしています。しかし、この間、その対象となる若年者そのものの人口が減少しており、更に昨年のリーマンショックの直前までは新卒採用が、私、就職氷河期だったんですけど、最近の学生いいなと思っていたぐらい、今またひどい状況になりつつありますが、新卒採用の改善という状況もありました。 その政策効果は極めて限定的であったと思いますが、厚生労働省、いかがですか。
○政府参考人(太田俊明君) まずフリーター常用雇用化プランによる常用雇用の実現した実績について申し上げますけれども、十七年度が約二十三万二千人、十八年度が約三十六万二千人、十九年度は約二十七万五千人でございます。二十年度は、まだ途中でございますが、二月末現在で約二十四万二千人でございます。それぞれの定義は、特に平成十九年度からは雇用期間の定めのない就職に限定した集計にしているところでございます。 今お話ございましたとおり、フリーター数は平成十五年の二百十七万人をピークに五年連続で減少しているところでございまして、平成二十年には百七十万人になっているところでございまして、これはお話ございましたとおり、景気の回復等によって企業が若年層の採用を増やしてきたことの影響もございますけれども、先ほど申し上げたフリーター常用雇用化プランによる取組の効果も一定程度あったものと認識しているところでございます。
○吉川沙織君 答弁では今成果を強調なさいましたが、平成十五年から平成十九年度の推移見ましたら、フリーター数確かに減っています。失業率も物すごい下がっています。一方でニートの数はほとんど下がっていないという状況がありますので、昨年九月までの景気回復によるところが大きく、政策効果はやっぱり限定的ではないかと思います。 今、御答弁の中でもおっしゃいましたけれども、平成十八年度まではフリーター常用雇用化プランで常用雇用されたという常用雇用の中に、四か月以上の期間の定めのある雇用というものが含まれていたため、実際の雇用の中身が正社員か契約社員かあるいはアルバイトか派遣社員か全く分からない状況です。 今御答弁いただいたとおり、十九年度からようやく常用雇用者の定義が期間の定めのないものに限定されたところですので、これ十八年度までの効果というものはやっぱり限定的ではないかと思いますが、厚生労働省、いかがですか。
○政府参考人(太田俊明君) 十八年度の場合には、先ほど申し上げたとおり、約三十六万二千人となっております。このときには、今お話ございましたように、期間の定めのない雇用だけでなくて、四か月以上の雇用期間の就職が含まれ得るものでございました。私ども、この十八年度は、サンプル調査をやりますと、この三十六万二千人のうちの約九四%が期間の定めのない雇用への就職でございまして、そのうち残りの約六%が四か月以上の雇用期間での就職でございますので、大多数は期間の定めのない雇用への就職であったというふうに考えているところでございます。 〔理事神本美恵子君退席、委員長着席〕
○吉川沙織君 常用雇用化プランに関しては、十九年度から一応期間の定めのないものにされましたが、同じような事業がたくさんあって、若干意味合いは違うんですけれども、ほかの事業、例えば若者自立塾ですとかジョブカフェだとか地域若者サポートステーションですとか日本版デュアルシステムは、これ、就職者数というふうに書いてあって、正社員、非正社員、若しくは進学か、どういう形態で就職に至ったのか、若しくは進学に至ったのかという、分からないような状況がございますので、常用雇用化プランに関しては今おっしゃったとおりのことなんでしょうけれども、それ以外の事業についてもしっかり見ていただきたいと思います。 そこで、若年者雇用対策事業を行うに当たって、その成果を測る際に、どれだけ正社員として就職できたかを見ることが重要ではないかと考えています。現下の厳しい雇用情勢にかんがみても、正社員として雇用をされなければ、安心して結婚し、子を産み育てられないような状況にあります。しかし、その前提となる雇用の数を測る指標として、厚生労働省では常用雇用や常時雇用などの言葉を用いて定義がばらばらというような状況にあります。 今年一月二十三日の大臣の記者会見で、「常用とか常用型雇用という言い方にしても基本は期間の定めのない契約をした雇用ということですので、今細かい点のたくさん定義・使い方がありますので、整理をさせております。」とされていましたが、その後の進捗状況について大臣にお伺いをいたします。
○国務大臣(舛添要一君) これ、いろいろ調べてみて、例えば統計上の用語だと、四か月以上も入っちゃうんですね。だから、私は、もうこれは労働派遣法上は常時雇用という言葉になっています。私たちが普通言うときは常用雇用化プランというようなことで、今のフリーターじゃない、常用雇用と。だから、基本はもう期間の定めない契約をした雇用だということで、政策として言うときは一本化をしたいというふうに思っております。
○吉川沙織君 政策として一本化をするということは、やっぱり派遣法で言えば常時雇用という使い方をずっと続けて、それは有期雇用も含まれることになるんですけれども、そういう解釈でよろしいんでしょうか。
○政府参考人(太田俊明君) 労働者派遣法上は、御指摘の常時雇用されるというのは、これは雇用契約の形式のいかんを問わず、事実上期間の定めがなく雇用されている労働者のことをいうわけでございます。この場合、常時雇用されるにつきましては、今、期間の定めなく雇用されている者に加えて、例えば一定の期間定めて雇用されている者であって、その雇用期間が反復継続されて事実上期間の定めなく雇用されている者と同等と認められる者などが入っているところでございますので、期間の定めなく雇用されている者にプラスして今申し上げたものがあるわけでございます。 ただ、この常時雇用される労働者につきましては、一般労働者派遣事業と特定労働者派遣事業を区別するために規定されているものでございまして、これは許可か届出かということでございますので、派遣法上の派遣労働者の保護の取扱いについては差異がないというものでございます。
○吉川沙織君 常時雇用の中では、期間の定めのないものに加えてほかに二つあるとおっしゃいましたけれども、それはつまり有期雇用であるということが含まれますので、今大臣御答弁いただきましたとおり、政策の上で使うのを一本化したいとおっしゃるのであれば、そういう概念でほかのものも整えていかなければ、私、一生懸命調べて分かりましたけれども、普通に新聞、ニュースを御覧になっている方からすれば常用雇用と常時雇用の違いというのは多分分からないと思いますので、是非お願いしたいと思います。 若年者雇用対策においても、多額の予算が組まれたこの間の政策を問うときに、実績を示す、これに関しても常用雇用者ですとか就職決定者などの定義があいまいで、どのような雇用形態で就職できたのか分からない例が数多くあるのはやはり問題ではないかと思います。現下の厳しい雇用情勢だからこそ、国として政策を推し進める以上、雇用の質をしっかりチェックしなければならないと思います。 つまり、正社員として雇用されなければ、これは正社員になっても今は大変なんですけれども、正社員として雇用されなければ若年者の生活は安定せず、将来の社会保障費の増大にもつながりかねない上、高額の事業費を投入して政策を推進する意味が大幅に薄れてしまうことになると考えるんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(舛添要一君) 私はやっぱり、期間の定めのない雇用、これが基本であるというふうに思っておりますが、労働者派遣法という法律があって、その下で一定の条件を満たす形で労働者派遣というのは許されております。そして、これを今すぐやめるということに対しては、それは、何十万人の方々がそこで働いている、その雇用を奪ってしまうのかという声もありますから、一歩ずつ派遣法を更に労働者を保護する方向で改正していきながら、国民的な議論を経て、一方的にやると今のような話になりますから、雇用を守りながら、しかし派遣のこの実態で問題があるところは直していきたいと、そういうふうに今思っております。
○吉川沙織君 今いろいろ御答弁いただきましたけれども、若年者雇用においても常用雇用の数が出ていたり、あとは就職率、就職決定者というのが分かれていて、これは政策の効果が非常に測りにくいというような状況がありますので、大臣、せめて若年者雇用事業に係る政策を測る目標として、正社員になった、常用雇用になったかどうかで目標の達成率を測るということは検討に値すると思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(舛添要一君) それはもう一定の検討に値することだと思います。ただ、例えばフリーターの常用化プランとかいろんなのをやっていますけれども、若い人によっては、おれはやっぱり常用よりもこういう形の方がいいという方は一定おられるんです。それで、その人にまで、絶対にあなたは期間の定めない正社員になりなさいということをどこまで言えるか。ただ、これが何%ぐらいなのか、そして、私自身はやっぱり正社員ということが大きな政策目標だと思いますから、それ一つのデータとして取ることは意味があると思っております。
○吉川沙織君 今、大臣御答弁の中で、フリーターを好きこのんで、好きこのんでというか、そういう働き方がいいからという若者がいるというお話ありました。私、この点非常に疑問を持っておりまして、なぜかといいますと、この若年者雇用対策、フリーター、ニートという言葉がたくさん使われますが、この政策が立ち上げられる際の前提認識そのものに看過し得ない偏向があるのではないかと思っています。 フリーターという言葉やニートという言葉から連想されるのは、夢追い型や引きこもりといったイメージではないでしょうか。フリーアルバイター、これは私まだ幼かったものですから余り耳にしたことないんですけど、フリーアルバイターという言葉が誕生したころは、確かに自らその働き方を選んだ若者が大勢いたと考えられますが、今は、どんなに働きたいと願っても企業がその門戸を大幅に閉ざしているような、そういう状況にあり、学校を卒業するときにたまたま経済状況が悪かったからフリーターや非正規という働き方を余儀なくされた同世代が大勢いるのが現状であると思います。 実際、フリーターという働き方をしている人の、これ厚生労働省の調査ですが、七割以上の方が正社員になれればなりたいという、厚生労働省の統計で出ています。それにもかかわらず、今日の若年者雇用問題を生み出した労働力の需要側での構造的要因にはほとんど手を付けずに、若者たちの意識や能力のてこ入れを図って、ジョブマッチングの仕組みを整備することで深刻化する若年者の雇用状況に対処しようとしている傾向が強いのではないかと思います。実際これ、厚生労働省の様々な文書からも見て取れます。 例えば、平成二十年八月の事業評価書を拝見すると、問題点として、「若年者については、十分な職業理解、自己の能力・適性の把握がされておらず、職業意識が不十分である。」、雇用政策研究会が二〇〇二年七月十八日に発表した「雇用政策の課題と当面の展開」の中で、主な原因は、「職業意識が希薄なことによるフリーターが増加している現状における若年者への具体的な対応としては、職業意識の涵養が最重要課題」としている。これは若者の側に問題があるとの認識に立っている証左であり、現在の若年者雇用対策も、構造的問題ではなくて若者側に問題があるという観点に基づいて展開されていると言わざるを得ない側面があると思いますが、厚生労働省、いかがですか。
○政府参考人(太田俊明君) フリーター、ニートにつきましては、自らそのような状態を選択した方もおるわけでございますけれども、お話ございましたように、やむを得ずフリーターとなりあるいはニート状態に陥ってしまった方も多くおられるわけでございまして、様々な要因でそのような状態に陥っていると考えているところでございます。 具体的に申し上げますと、例えばフリーターにつきましてその要因につきましては、やはり新規学卒者の採用を重視する企業が多く、いわゆる就職氷河期に正社員として就職できなかった者がその後正社員となる機会に恵まれないことというのが大変大きくあるわけでございますし、また、新規学卒者で就職したとしましても、比較的早期に離職する者の割合が依然として高い水準にあること、さらには、企業の求める人材と若者の能力や希望する仕事の内容との間でミスマッチが存在していること等があるわけでございます。 したがいまして、今お話ございましたように、フリーターあるいはニート含めましても、いずれにいたしましても、若者自身の責任だけに帰結することはできないと考えておりまして、そういう様々な要因を踏まえた上での対策が必要ではないかというふうに考えているところでございます。
○吉川沙織君 今若者の側にだけはないというふうにおっしゃいましたが、事実、厚生労働省関係で出しているいろんな文書を拝見しますと、もちろん企業の側にもあると書いていますが、ほとんど若者の職業意識の涵養が最重要課題としているような状況にあります。ただ、この若者の職業意識がこの間急速に劣化をしたとは言い難いことを示すデータも存在いたします。 昨年発表された論文によりますと、厚生労働省就業構造基本調査の一九九二、一九九七、二〇〇二年を再集計して、十五歳から三十五歳未満の無業者のうち、求職型、非求職型、非希望型、それぞれに当てはまる者はどれぐらいいるかを推計した結果が発表されています。求職型は就業希望を表明して求職活動をしている個人、非求職型は就業希望を表明しながら求職活動はしていない個人、非希望型は就業希望を表明していない個人となっています。就業意識が希薄と言われるのはこの非希望型に当てはまるということになりますが、この非希望型は九二年、九七年、二〇〇二年、どの時点でもほとんど変化がありません。 雇用機会を与えられなかったこと、つまり労働力の需要側での構造的要因によるフリーター等の増加であるにもかかわらず、政策の重点を個人還元主義的な問題解決、いわゆる若年者の就業意識の涵養とするのにはやはり疑問を感じざるを得ませんので、企業側の構造的な問題、社会のこの間の経済状況を加味した形での政策展開を希望したいと思います。 そこで、就職氷河期世代に光を当てるということで平成十九年度予算を編成されたのは安倍内閣です。その目玉政策の一つが再チャレンジの支援策でありました。担当大臣まで置いて鳴り物入りで始められたものであり、十九年度予算では何と千七百二十億円、二十年度予算では千八百九十八億円も計上されていました。しかし、安倍総理が政権を投げ出した後、政権を引き継いだ福田内閣では全く見向きもされなくなり、内閣官房に設置した再チャレンジ担当室もわずか二年で廃止され、再チャレンジはほとんど死語になってしまいました。 再チャレンジ支援の柱が若年者就労支援とされていましたが、この間の評価をする必要があるのではないかと思いますが、担当にお伺いします。評価する必要があるかないかだけで結構です。
○政府参考人(井内正敏君) 再チャレンジ支援策については、再チャレンジ支援総合プランにおいて示された各種施策に関して今取組が進められているところでございます。これにつきましては、具体的な施策の実施が軌道に乗ったことから、御指摘のように推進会議については昨年九月に廃止したところでありますけれども、引き続きこの総合プランに基づいて関係省庁において施策を推進していくことが重要と考えております。
○吉川沙織君 この間、担当として、内閣官房と内閣府だと思いますが、そこを所管していた担当として、それまでの評価、二年で終わったけれどもそれを評価する必要があるのかないのかということをお伺いしたので、それについてお答えいただきたかったんですが、時間がないので次に行きます。 二〇〇六年十二月の今おっしゃった再チャレンジ支援総合プラン、関係省庁から持ち寄られた既存の政策が基本となっていますが、政策の中心となったのは今申し上げた若年者の雇用対策でした。目玉としてジョブカフェが挙げられていましたが、そもそも始まりは再チャレンジとは関係なく始められたものでした。 厚労省、経産省のスタート当初三年間の予算は合計二百五十億円を超える大きなものでした。経済産業省においては〇四年度から〇六年度までモデル事業として展開されましたが、再委託に係る人件費の高さが問題となり、平成十九年十二月の参議院厚生労働委員会でも取り上げられた経緯があります。これ日給が、プロジェクトマネジャー十二万円、コーディネーター九万円、キャリアカウンセラー七万五千円、事務スタッフ五万円というものですが、リクルートが〇四年度から〇六年度に計上した人件費総額は約二十億円です。関係者によると、給与や賞与、通勤費、法定福利費など直接人件費として支払われた費用は九億四千万円で、間接人件費が一億四千万円。残りは、開発ノウハウ導入費、労働関連研究開発費、専門技術開発費とされています。計上した人件費のおよそ半額に当たる約九億円を間接コストとして得ていた計算となります。 二〇〇六年度に財務大臣から公共調達の適正化についてという文書が各省庁に出され、入札、契約の手続の見直しを求められたため、ジョブカフェ事業の人件費は法定福利費を合わせた金額プラス三割をめどとするルールが策定されました。リクルートの超過分は三割をはるかに超えていますが、ルールの適用はモデル事業が終わった〇七年度からです。二〇〇四年度から二〇〇六年度にかけての高額な人件費というものは本当に妥当なものであったのかどうか、経済産業省にお伺いします。
○政府参考人(石黒憲彦君) 御指摘がございましたとおり、経済産業省のジョブカフェモデル事業における人件費単価につきましては、これはこのまま御当人に支払われているわけではございません。先生が御指摘のとおり、採用等ノウハウの開発費用でございますとか、当然チームでやっておりますので、チームとしての全体の福利厚生費とか、そういったような必要経費がそのままその中に計上されておるということでございます。そういったものを込みとして単価を設定をさせていただいたというのが実態でございます。 私ども、ほかにも、シンクタンク等につきましてこういった調査研究事業を委託するというようなケースがございますが、そういったような場合にも、当時の執行マニュアルといたしましては、一応適正な形でほぼこういった必要経費の計上の仕方をしております。それとの比較におきましても余り大きな違いはないという状況にございます。 なお、ジョブカフェモデル事業につきましては、十六年度から十八年度までの三年間で十五・七万人が就職をするといったようなことで成果を上げておるところでございます。 今後とも適正な執行に努めてまいりたいというふうに考えております。
○吉川沙織君 結局、〇六年度に財務大臣から文書が出されて是正をしているというような状況ありますし、もう終わった事業ですのでこれ以上申し上げませんが、本来若者に行かなければならないはずのお金が、委託先が、再委託先が潤うというような構図はやはり看過できない事実であると思います。 若年者雇用対策は、今後の日本社会、経済を展望したときに非常に重要な政策分野であることに相違はありません。しかしながら、今まで申し上げましたとおり、その事業数の多さや類似性など、これら事業を本当に必要としている若者に対して政治の光が当たっているのか、手を差し伸べられているのかという点で疑問を抱かざるを得ません。若年者雇用対策事業をある程度分かりやすく一元化する必要性、そして今申し上げましたとおり、委託先のみが潤うような構図の撤回、企業を含めた社会構造全体の変革を促す必要性があると思います。 私、初めて国会で質問に立たせていただいたとき、舛添厚生労働大臣と若年者雇用対策でこんなやり取りをさせていただきました。大臣は御答弁で、「例えば別の例ですけれども、心身障害者の雇用の比率をきちんとやりなさい、クオータ制ですね、例えば女性の雇用比率をきちんとやりなさい、そういう中で、例えば目標として、何人以上の従業員がいる会社は非正規雇用を正規雇用にする率を何%にしろと、そういうことが検討できるかもしれません。これも真摯に検討して、できることがあれば実現したいと思います。」と答弁なさいましたが、このことについて検討されたかどうかだけで構いませんので、お願いします。
○国務大臣(舛添要一君) 検討はしましたけども、受ける側からすると、義務よりもインセンティブ、つまり氷河期の方を一人採用したら百万とか五十万、こちらの方がはるかに、むちよりもあめというんですかね、そういうインセンティブの方へ、規制よりはいいということでございましたので、そういう方向で今進めております。
○吉川沙織君 今、非正規の若い世代を中小企業で百万円、大企業で五十万円ということをおっしゃったんだと思いますが、結局、今の企業というのは職業能力が形成されていない非正規の若い人を正規の社員として雇い入れることに非常に憶病になっていると思います。それは、やっぱり百万、五十万もらったからといって一生の生涯賃金を払うだけのリスクを負わなければならないということに起因するものだと思いますが、やっぱり企業にある程度の義務付けを行うなど実効ある政策を打たなければ、いつまでたっても根本的な状況の改善は難しいと思います。 若い世代が明日に夢や希望を持てる社会をつくるのは政治の役割だと、私強く思っています。だからこそ大臣が先頭に立って、与野党関係なくこの問題を真正面からとらえて、真に有効な若年者雇用対策を推進しなければなりません。若い人だけに原因を押し付けるのではなく、このような社会をつくってきたのは新自由主義に基づくこれまでの、今までの動向が根本にあるはずですから、若い人に光が当たるようなそういう政治を大臣、先頭になってやっていただきたいということを心より申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○舟山康江君 同じく民主党の舟山康江でございます。 私からは、EPAに基づく外国人介護士の受入れ問題について質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 今、吉川議員から、特に若年者雇用、雇用の中でも若年者雇用が非常に厳しいというお話がありました。それに加えまして、今景気の低迷、経済の低迷の中で非常に雇用全体が厳しい状況にあると。そういう中におきましても、介護労働の現場におきましては慢性的に人手不足ということが随分と言われております。 何となく漠然と人手不足だ人手不足だといろんなところで聞くんですけれども、実際、現状としてどのぐらい足りないのか、その現状認識をまずお伺いしたいと思います。
○政府参考人(阿曽沼慎司君) お答えを申し上げます。 介護分野における労働者の問題ですけれども、結論から申し上げますと、介護従事者が足りているかどうかという点につきましては、客観的にどこまでだったら不足するのか、どこまでだったら足りているのかという基準がはっきりしないという問題がございますので、実際には何名不足しているかということをお答えするというのは大変困難でございます。 ただ、現場の介護事業者から私どもいろいろ聞いておりますと、一つは、地域によってもなかなか募集しても人が集まらないという現実がございます。また、いったん就職しても定着されないというケースもございます。そういういろんな現場の声がございますので、我々としても、今後とも介護従事者の確保あるいは処遇の改善について十分努力をしてまいりたいと思っております。
○舟山康江君 地域性もあるというお答えでしたけれども、これは、一昨年末の日経新聞の調査によりますと、介護事業者の大体六割が人手不足ということを訴えておりまして、八割がヘルパーも足りないということを訴えているようであります。一時期は、介護関係の専門学校なんかも非常に応募人員が多かったりとか、非常にこの介護という職業に対して若者も大きな期待を持っていたようでありますけれども、現状は非常に厳しいと。三年以内の離職率が七五%ということは、非常に、介護の職業に就きたくても就けないような様々な問題点があるのではないかと思っています。 そういった中で、人材不足の原因の一つとして、介護福祉士の資格を持ちながらも、その分野で、福祉や介護の分野で働いていない、いわゆる潜在介護福祉士というんでしょうかね、潜在介護福祉士が非常に多いという指摘もありまして、これに関して、昨年末に介護福祉士等現況把握調査というものを行っております。 この中で、介護福祉士の資格を持ちながらなぜ今介護の現場で働いていないのかというアンケートを取ったところ、まず第一位が給与等の労働条件が悪い、これが三二%であります。いわゆる低賃金、やる気はあるけれども、とてもじゃないけれどもこれでは働けないということだと思います。もう一つは、仕事の内容がきつい、これが二五%。そして三番目が体調を崩した、二〇%。つまりは、仕事がきついといっても、やはりそのきつさに見合う賃金が、報酬が得られれば頑張れるけれども、やはり今の現状では頑張れない。それは、そういったことを考えると、一番も二番もとにかく低賃金ということに起因していると思います。 これを足すともう半数以上、やはり賃金が低いからもうとてもじゃないけれどもやっていけないということになっておりまして、これを裏付けるもう一つのアンケートといたしまして、潜在介護福祉士、大体六十四万のうち二十万人ぐらいが資格を持っているけれどもやっていないという方がいるみたいですけれども、このうち、是非戻りたい、条件が合えば戻りたい、それが合わせて半数以上おります。 そういう中で、やはり私は、すぐ辞めてしまうとか、なかなかそこの職に就かないというのは、あんた根性が足りないんだよというレベルでは、もうそんなレベルではないと思います。 ということは、やはりこれ、低賃金ということが非常に大きな要因となっているという意味では、これは、政府全体として社会保障費抑制の方針を取ってまいりました。この一環としてこの介護報酬についても、平成十二年に介護保険制度が始まったんですけれども、三年ごとの介護報酬のたびごとにずっと、十五年でマイナス二・三%、十八年でマイナス二・四%と、結局ずっと下げ続けた結果、人材難に陥ってしまった。今の介護現場の人材不足というのは、やはり私は、この政府の方針が間違っていたんじゃないかということの現れではないかと思うんですけれども、舛添大臣は、この社会保障費抑制というその方針が間違っていた、だから介護でも人材不足が起きてしまった、私はそう思うんですけれども、舛添大臣はどうお考えでしょうか。
○国務大臣(舛添要一君) 長いこと自民党政権が続いた中で、自民党の私が間違っていたと、こう大見えを切ってなかなか言いにくいところでございますけれども、現実を見たときに、処遇が良くない、待遇が悪いということはもう事実です。ですから、離職率が高い。それともう一つは、キャリアアップのモデルがない。つまり、どの職業に就こうと、係長、課長、部長と上がっていく、その上がっていく先が見えないんですね。ですから、辞めていく。 ですから、私はやはり、二回に分ける抑制、それはもう社会保障全体を抑制しよう抑制しようという大きな方針があって、それはそれで一理あるのは、だれがじゃコストを負担するんですかということになると、税であれ保険料であれ、国民が負担することになりますから、そこは御納得をいただかないといけない。だけれども、私はやはり方針転換をすべきだと思っていますから、少なくともそういう努力をやってきました。社会保障、医療であれ介護であれ、そういうものに対する、そこにお金を注ぎ込むというのは、無駄遣いをしているんではなくて、将来希望が持てる日本にするための一つの投資でありますから、必ず倍になって戻ってくるというふうに思っています。 そういうことで、党派を超えてコンセンサスができ、そのことに国民の皆さんが一致していただけば、それは保険料を上げるとか、これは半分は介護保険料ですから、保険料が上がる、ないしは税金が上がる。しかし、私は、それであってもきちんとした施策をやればより明るい社会になると思いますので、そういう方向で御負担をお願いすることについては、今のようなことで説得を続けていきたいというふうに思っておりますので、是非御一緒に闘っていただければと思います。
○舟山康江君 はっきりなかなか自分たちの政策を否定することも難しいというお話でしたけれども、やはり反省する勇気というのも必要ではないかと思います。 そういう中で、今回介護報酬を三%引き上げるということになりました。私はこの三%引上げに関しては、引上げそのものが悪かったという、やっぱりマイナス改定を続けてきた中でプラスになったということに対しては全く否定をするつもりはありませんけれども、まず一点は、三%引上げによって平均二万円介護労働者の報酬が上がりますよということを宣伝してまいりました。 しかし、今、現場の話を聞いてみますと、とても今のその三%の引上げでは二万円の報酬アップにはつながっていない。実際その事業所の運営費に回ってしまうとか、そういったことで賃金には結び付いていないという批判が一つと、もう一つは、そもそも三%ではとてもではないけれども足りない。二万円きちんと上がるにしてもまだまだ足りないといった、そういう批判もあります。 そういう中で、ある意味では二万円必ず上がりますという誇大広告があったんではないか。そして、その三%という率の引上げに関しても不十分だったんじゃないか。いろいろあると思いますけれども、そこは厚生労働省、どうお考えでしょうか。
○政府参考人(宮島俊彦君) お答えいたします。 三%の改定ですが、介護従事者の給与というのは事業者と介護従事者との個々の雇用契約で決められるということですので、三%を、これ必ずしも一律に介護従事者の賃金引上げに結び付くというのは、限らないというふうに思っております。 ただ、先ほど来いろいろ御指摘ございますように、賃金の水準が低いことと併せまして、離職率が高いでありますとか、あるいは仕事がきついでありますとかいうことがある。そういうことについては、例えば夜勤の負担などについては手厚く介護報酬で評価するとか、キャリアに着目してスキルアップを評価するですとか、あるいは地域差を評価するとか、そういった個々の介護の現場での定着が促されるような形での介護報酬の引上げということを今回はやらせていただいたということでございます。 私どもは、こういったような取組を通じて、更に介護従事者の働きがいのある職場となるようにしてまいりたいと思っておりますが、これに加えて、今回の経済危機対策で更に介護の処遇改善を行う、あるいはスキルアップを行う事業者に対しては、月額一万五千円相当の給与引上げに見合う、これは個別の補助金でございますが、それが盛り込まれているということでございます。
○舟山康江君 緊急経済対策で新たな措置を講じる予定だというお話ですけれども、これは単年度の措置なんでしょうか。
○政府参考人(宮島俊彦君) 緊急経済対策の措置は今年の十月からでございますが、初年度は十月からです。二年度、三年度ということで三か年の対策として盛り込まれる予定でございます。
○舟山康江君 いずれにしても、やはり給料をただ上げればいいということではなく、先ほど舛添大臣も、そういった非常にこれからニーズも高まってくるこの介護現場でしっかりと優秀な人材を確保するためには、やはりある程度の給与面、待遇向上に向けてしっかりと努力しなければいけないと、そういう御認識だったと思いますけれども、是非これはやはりしっかりと検討しなければいけないと思っています。 私たち民主党は、やはりその三%ではなく、一〇%程度引き上げてしっかりと優秀な人材を確保しなければいけないと、そういう認識で法案も提出しているところでありますけれども、是非こちらに関しても前向きに、一緒に検討いただければと思っています。 ところで、平成十九年に総務省が行政苦情救済推進会議の意見を踏まえまして、介護福祉士国家試験の受験機会の拡大について、厚生労働省に対してあっせん、言わば要請ですね、介護福祉士国家試験の会場数が非常に少なくて、試験を受けたくても受けられない、それから年一回という受験回数が少ないのではないか、そういった苦情を受けて検討した結果、やはり総務省としてはこれはしっかりと要請すべき事項だということで厚生労働省に要請を行っています。 このあっせん、要請を受けてどのような改善がされたでしょうか。
○政府参考人(阿曽沼慎司君) お答えを申し上げます。 御指摘のとおり、平成十九年の八月に総務省の行政評価局の方からあっせんという形で行われました。内容でございますが、試験の実施に係るコストの増に伴う受験料への影響や試験の質の確保についても十分勘案した上で、試験の実施回数や試験実施都道府県数を増やすなど受験機会の拡大について検討することが必要だという旨のあっせんでございました。 私ども、この御指摘を受けまして、厚生労働省におきまして、介護福祉士の国家試験の受験を希望する方々に受験機会をできるだけ拡大をするという観点から、まず平成二十年度におきましては、国家試験を受験することができる都道府県の数を十九県から二十三県に拡大をいたしました。それから、二十一年度から国家試験の手数料も一万二千五百円に引き下げるというふうにしております。 そんなことで、今後とも、費用の問題あるいは試験の質にも十分配慮いたしまして、介護福祉士の国家試験の受験機会の拡大に努めていきたいというふうに考えております。
○舟山康江君 このあっせんの中には受験の回数も増やすべきではないかという要請があったかと思います。これに関してはコストが掛かるというようなことでまだまだ対応は進んでいないようでありますけれども、これ、このあっせんというのは法的な拘束力はありませんけれども、やはりこれは国民のニーズに応じた対応を鋭意していかなければいけないものだというふうに思っておりますし、まさに介護福祉士、これから増やしていかないと、この非常に増大する介護のニーズにこたえていけないと思っています。 そういった意味で、是非もっともっと前向きに、確かに多少受験料が安くなった、実施会場数が増えたということはあるでしょうけれども、まだまだ不十分だと思います。この国家試験については、全国家試験の中でも断トツで受験者数が多い国家試験でありますので、やはりもっと利便性を向上するような努力をこれからも続けていただきたいと思います。 ところで、今、やはりただでさえ介護については外部化が時代の流れとして進んでいくと思います。それに加えて、高齢化の進展によって介護労働者の必要数がもうこれは絶対的に増加するものです。一方で労働力人口はこれから減少の一途をたどっていきます。こう考えますと、今後の人材確保はどうなっていくんだろう。推計によりますと、平成二十六年には、いろんな前提を置く中で、四十万人から五、六十万人、介護労働者の数が不足するのではないかという推計を厚生労働省の方で出されておりますけれども、今後の人材確保をどう考えているんでしょうか。処遇改善だけで何とかなるものなのか、ほかの手だてが必要なのか、大臣のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(舛添要一君) まず、処遇改善、これ三%アップも話題になっていなかったんです。それで、とにかくもう一気にやると。ただ、こういう経済状況ですから、保険料が上がると国民の皆さん困りますから補正でやった。今度のも、更に一万五千円ぐらい何とか上がらないか、これも補正でやります。しかし、最終的には恒常的な財源を充てないといけないので、そこがどうするかが非常に問題ですけれども、とにかく第一歩は踏み出したと思っております。 それからもう一つ、先ほど申し上げたキャリアアップのモデルをつくらないと、よく御承知のように、男性の介護職員、寿退社、なぜかと。結婚したら家庭生活を持つだけの給料がないから男が寿退社、これじゃ話にならないので、四十になる、五十になる、自分はこの給料で子供たちの教育費も賄えるというところまでやらないといけないので、そこまでをこのスコープに入れたいというふうに思っておりますので。その他様々な政策を総動員して、私はそもそもこの政治の道に入ったのは母親の介護がきっかけで入ったので、これはライフワークだと思っていますので、今後とも全力を挙げたいと思っております。
○舟山康江君 再度一点だけ確認しますけれども、そういった処遇改善、キャリアアップのシステムづくりによって介護人材、相当数このままでいくと不足するんではないかと思われている介護人材が確保できるとお考えでしょうか。それこそ国内だけで確保できるとお考えでしょうか。
○国務大臣(舛添要一君) 今は景気が悪いですからたくさん行っていただく。ところが、景気良くなると、相当待遇が良くないと、同じ待遇でも相当きつい仕事ですから去っていかれる。もう一つ大事なのは社会的な評価です。こんな大変なお仕事、職業に貴賤の差はありませんけど、こんな仕事、よく頑張ってくださっているねというみんなの温かいまなざしが必要だと思う。しかし、それでも足りないときは、今フィリピンやインドネシア、こういうところでEPAという話をやっています。ベトナムもいずれ、そういう話をしていますけれども、やっぱり外の力に頼るということも必要になってくるのではないかなと思っています。
○舟山康江君 今、そういった不足する介護の人材を確保するためには海外からの労働者に頼らざるを得ないときが来るかもしれないという御認識でした。 それに関連しまして、次に、現在の外国人介護士の受入れについて、まずは目的をお聞かせください。大臣、お願いします。
○国務大臣(舛添要一君) 私は、人、物、金、これは国境を越えて自由に動くべきだというふうに思っております。日本国憲法も国籍離脱の権利までは認めておりますから。 そういう中で、アジアの近隣諸国との間で、今申し上げたような人の交流がある。そして、私たちも、例えばインドネシアから来る介護士の皆さん方はイスラム教徒の方が多い。こういう方が、例えばお祈りの時間がどうしても必要だと、そういう時間を取るということが働き方の中で必要だと。こういう文化交流ということも必要ですから、ただ単に人が足りないから労働力として持ってくるということよりも、もっとポジティブに、将来の日本をより異質な要素を入れてもそれを寛容で受け入れられることができる、そういういい日本にしたいということももう一つの目的だと思います。
○舟山康江君 人材不足解消というのも目的の一つなんでしょうか。
○国務大臣(舛添要一君) 労働力不足への対応という面もあると思います。
○舟山康江君 今まで厚生労働省の職員の方から、担当者の方からは、人材不足解消ではないという説明を受けておりましたので、立ち位置は、日本の受入れの目的としてはそれもあるという大臣の御認識ということで、新しいスタンスなのかなと感じておりますけど、それでよろしいんですね。
○国務大臣(舛添要一君) 質問が、どういうことですかというのは、いろんな要素はありますよと。例えば、もう日本に潤沢な労働力があって全く何の必要もないというならば、こういうことでもない。しかし、EPAが何ですかということになると、それは要するに経済の連携協定の中ですから、その枠組みの中では労働力不足というのは入らないんですよ、経済協定の中で。しかし、今ずっと介護の現場がどうですかと、そしてこれで人が足りると思いますかと言うから、それは外の人の力も要るようになりますよと、そういうコンテクストで申し上げたんで、EPAが何ですかというと、それは定義からいうと私が言ったこととは違いますと、それは正確に申し上げておきたいと思います。
○舟山康江君 EPAによる外国人介護士の受入れということではありますけれども、その中でも人材不足解消という目的もあるという、いろんな目的、先ほど人の交流、いろんな交流ということもお話ありましたけれども、その中の一つとして、やはり今現状として国内の介護現場では非常に人手が不足していると。それは、待遇改善とかいろんな仕組みを変えていって介護の人材確保に努めながらも、それでもまだ足りないという認識の中で、やはり大臣としては、人材不足の解消の一つとしても、こういった外国人介護士を受け入れていきたいという御認識のようでありまして、そうであれば、多分これからこの枠組みでの受入れがどんどん増えていくということにもなっていくのかなと思っていますけど、それでよろしいですか。
○国務大臣(舛添要一君) どんどん増えていくのではなくて、要するに、先ほど申し上げたように、全体的に足りなくなって、日本人でも間に合わない状況が起きますかと言うから、それはそういうことが起こる可能性がありますということを申し上げたので、逆に言うと、EPAがあって特例的に今受け入れているんですけれども、それをやめるということだって、状況によっては受け入れなくなるということだってあり得ると思いますので、必ず受け入れるためにやっていると、そういうことではないと。
○舟山康江君 このEPAによる外国人介護士の受入れについてのそのスタンスをどう、スタンス、日本の立ち位置はどこにあるのかということは非常にこれから大きな問題になっていくと思います。そこは非常に重要だと思います。 今までは、専門職以外は、受入れは外国人労働者は入れないという方針がありました。今回、こういった特例の枠とはいえ外国人介護士を受け入れたと。その研修とか資格取得を目的ということを言われてきましたけれども、そこに人材不足解消、労働力不足の一環としての位置付けがなされるのであれば、まさにこれは外国人労働者への市場開放の第一歩とも取れる大きな政策転換ではないかとも思うわけです。ですから、何度も大臣の御認識をお聞きしたわけなんですけれども、そういうことでよろしいですね。
○国務大臣(舛添要一君) そういうことでよろしくないのは、単純労働力を入れると言っているんではないんですよ。ただ、特例枠であって、それでちゃんと日本語の資格であるとか、いろいろ介護福祉士の資格がなければ帰らないといけないですから、そういう若者に日本の介護福祉士のこの介護のノウハウを与えるという、そういう意味でのプラスもたくさんあるわけです。 ただ、バックグラウンドとして、なぜこういうのが出てきたかというと、この分野における労働力不足という状況があるんだということを申し上げた。それは間違っていないと思いますよ。それは、潤沢にあって、一切外国人も入れなくて、もうあり余るほど介護の現場に人がいればこういうことにならないと思いますよ。そのバックグラウンドの状況を一つ申し上げたと。ただ、一気にそれは単純労働者を入れるところまでの政策には変わらないと思います。
○舟山康江君 そこは、大臣、政府の一員として、この日本国としての外国人労働者、こういったEPAの枠内における看護師、介護士の受入れについてのスタンスを本当にしっかりとその都度御確認いただきたいと思います。 場合によっては、本当に人の交流とか研修ということであれば、国内の現状がどうであろうが、交流が必要なものは必要だということで、ひとつお互いに勉強し合いましょうということで受け入れることはあると思います。だから、それと、今の現状として人材が不足しているから受け入れるということとはまた別だと思いますので、是非整理いただかないと、これから次また、今インドネシアが始まっていてフィリピンがもうすぐ始まりますし、ほかの国でもそういったEPAの枠内で入ってくることが考えられると思います。 そういったところでこれからどういうスタンスで向かっていくのか、対処していくのかということは本当に重要な問題だと思います。ほかの業種にも広がっていくような問題だと思いますので、本当、政府としてしっかりと考えていただかなきゃいけないと思っています。 ちょっと、時間が随分過ぎてしまいましたけれども、一つ、そういう中でもなかなか思うように外国人介護士の受入れが進んでいないという現状もまたあるようであります。それはなぜかというと、受入れ施設の負担が非常に大きいという指摘があります。 まず一つは、半年間研修を受けてそれからそれぞれの施設に配属されているわけですけれども、その間、日本人と同等の給料を払いながら日本語教育とか試験勉強の時間を確保するとか、場合によってはそれこそイスラム教の文化に応じたような施設を改造するとか、そういったこともあると思います。そういった意味で、非常に金銭的にも負担が大きい。 もう一つは、四年以内に国家試験に合格できなければ帰国してしまうということ。それこそ、ずっとできれば資格を取って残りたい、それであれば先行投資をするというインセンティブが働くんでしょうけれども、せっかくお金を掛けて育てた人が試験に合格できなかったということで帰ってしまうというのは非常にリスクが大きい。しかも、この介護福祉士の国家試験というのは日本人でも合格率が五〇%以下という非常に難しい試験でありますし、ちらちらと問題集を見たら、漢字もすごく難しくて、これ本当に三年間日本で研修するだけで試験に合格できるのかなという気がいたします。例えば、看護師国家試験というのは日本人の平均合格率が九割近くあるんですけれども、それでもEPAによるインドネシア人は、今年の二月ですか、八十二人受験したうち合格者ゼロと、比較的日本人の合格率の高い看護師でさえインドネシア人は合格者ゼロということ、ということを考えると、非常にこの介護士に関しては高きハードルだなという気がいたします。 さらには、施設受入れ前の研修段階でも物すごく多くの負担金を強いられます。六か月間の研修費に三十六万円、管理費、手数料などで六十万円近く、このうち、ちょっと時間がないんで紹介だけにとどめますけれども、お配りした資料で、これがその手数料なんです。例えば、フィリピン人についての負担金、この上の星二つ、これが国際厚生事業団というところに支払う金額なんですね。これが求人申込手数料三万一千五百円、あっせん手数料十三万八千円、かなりの高額でして、この国際厚生事業団というのは、役員が十一人、うち常勤は一人だけ、職員が十六人しかいません。すごく小さい団体です。この一人の常勤役員も、多分昭和六十三年から平成十七年ぐらいまでは空席だったんです。ということは、常勤の理事はゼロという状況の中で仕事をしてきた団体なんです。ここにこれだけの金額を払っていろんなことをやってもらうという仕組みになっているんですけれども、このお金がどうやって使われているのかということも非常に疑問でありますし、なぜ厚生事業団だけがこういったあっせんの事業をするのかということ、本当に疑問は尽きないわけでありますけれども。 先ほど来いろんな、組織があって中身が伴わないような、そんな組織もいっぱいあるような中で、やはりここがきちんと受入れのための仕事をしているのか、なぜここでなければいけないのかという説明責任は必ず付きまとってくると思います。この金額についてまたの機会に、どうやって使われているのか、お聞きしたいと思いますので、是非、受入れの基本スタンスも含めて、これから外国人介護士の問題、しっかりと詰めていただきたいということを申し上げまして、質問を終わりにしたいと思います。 ─────────────
○委員長(家西悟君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、大島九州男君が委員を辞任され、その補欠として金子恵美君が選任されました。 ─────────────
○西島英利君 自由民主党の西島でございます。 本日は、医療の問題とそれから年金の問題に特化して御質問をさせていただきたいと思います。 今、まさにこの医療の危機という言葉が毎日のように聞かされるわけでございます。今朝の朝のテレビを見ていますと、また救急車のたらい回しという問題が、これはどうも宮崎で、私のふるさとでございますけれども、そこでも起きたようでございますけれども、そういう小さなところだけを見て何か物事が考えられているのではないかなと。もっと根本的なところからやはり物事を考え、そして解決の方策をつくっていかなければなかなかこの医療の問題は解決しないのかなというふうに思いますので、その点も含めて、今日は決算でございますから、当然決算の問題もございますけれども、歴史的な経過の中で少し質問をさせていただきたいというふうに思います。 この医療の危機の一つの流れというのは、私は平成十三年から始まってきたんだろうというふうに思っています。ちょうど二〇〇一年でございますけれども、経済財政諮問会議の一つの方針がここで出されました。今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針ということでございまして、医療制度の改革ということがここに書き込まれております。 一つには、医療サービス効率化プログラムの策定ということでございます。この効率化という言葉が盛んに使われるようになってきたんですが、本当に医療に効率化というものがなじむのかなと、ずっと私は日本医師会の常任理事のころから感じておりました。 そして、この中でどういうことが書かれているかといいますと、医療サービスの標準化と診療報酬体系の見直し、特に支払方式の見直しで包括払い、定額払いの拡大をやっていくんだと。それから、患者本位の医療サービスの実現、これはもう私は当たり前のことだと思うんですが、本当にそれからの流れの中で患者本位の医療サービスの実現というのがなされてきたのかなとちょっと思っているところでもございます。医療提供体制の見直し、そして医療機関経営の近代化、またここで効率化という言葉が出てきておりますけれども、この中に、株式会社方式による経営などを含めた経営に関する規制の見直しということも書き込まれております。さらには、これが非常に重要だと思うんですが、公民ミックスによる医療サービスの提供など公的医療保険の守備範囲の見直し。公的保険による診療と保険によらない診療との併用に関する規制を緩和する、つまり混合診療を容認をしていくんだということでございます。また、負担の適正化と。適正化というのはやはり患者さんのことを考えての適正化だろうと思うんですが、ここから自己負担が次から次に実は増えてきたという歴史的な経緯がございます。 これは平成十三年ですけれども、平成十四年に行われました健康保険法の改正で政管健保が二割から三割になったというのは、これは負担の適正化というこの言葉が大きく左右したのではないかと。 そして、これが最も大きかったんですが、医療費総額の伸びの抑制ということでございました。医療費伸び率管理制度でございますけれども、これはもう大臣御存じのように、イギリスがこの制度を採用しておりまして、イギリスの医療が本当に崩壊の状況になってきたという歴史的な教えがあるわけでございます。それから毎年毎年、様々な考え方が経済財政諮問会議で出てきたということでございます。 さらには、このころから医療費の抑制が行われまして、そして二〇〇一年から二〇〇六年までの五年間で一兆一千億円が削減をされたと。これは医療費だけではございませんけれども、社会保障費全体ということでございますが、そこで、更に二〇〇六年から、経済財政諮問会議の基本方針二〇〇六が、今後五年間においても改革努力を継続するとしたと。そして、この一兆一千億円を、これを五で割りまして、そして改革努力を継続するという考えでございましたけれども、これも、私が自民党でいるころにたくさんの国会議員の方々から、そういうことではもう医療は崩壊していくんじゃないかという大きな意見の波であったわけでございます。そこで書き加えられたのが、基本方針二〇〇六には、機械的に五年間均等に歳出削減を行うことを想定したものではないというふうに明記されたんですね。 ところが、それからの数年間は実態はいかがだったでしょうか。毎年毎年、二千二百億円削減の財源をどちらから持ってくるのか、どういう形で二千二百億円を削減するのか、その議論だけがこの数年間続いていたような気がするわけでございます。 そこで、ここで御質問でございますけれども、社会保障費の抑制、自然増に対する二千二百億円を続けた結果何が起こったと厚生労働省は認識をされているのか、御質問いたします。大臣でもどちらでも結構です。
○国務大臣(舛添要一君) 医師不足、先ほど舟山さんと議論しましたけど、介護の現場の、非常にそこで働く人たちの待遇が悪い、そういうことで様々なしわ寄せが来ているというふうに思っておりますんで、一つ一つこれを今改善しているところでございます。
○西島英利君 いろんなことがこの二千二百億の抑制を行うために仕掛けられてきたんですね。 二〇〇二年は、これは診療報酬が初めてのマイナス改定というふうになりました。これは、このときは経済状況も非常に悪い状況でございましたし、国家公務員の給料もたしかカットした時代ではなかったかなというふうに思います。そういう意味では、この年の二・七%のマイナス改定というのはそれなりに理解ができるわけでございますが、そこから経済状況が回復してまいりましたので、二〇〇四年には、これは基本的にはゼロ改定でございましたけれども、実質的にはマイナス一・〇五%の改定になりました。 ところが、さらに、経済状況が回復基調にあった二〇〇六年には、マイナス三・一六%というとんでもない実は改定が行われたわけでございます。そして、この改定の流れの中を、どんな内容でマイナス三・一六を達成したのかということですが、ここにも様々な実は仕掛けをしておりました。 一つには、平均在院日数を短縮化していくということがございました。しかし、この平均在院日数を短縮するということは、需要がそれだけにたくさんある地域と、それから地方に行きますとそれだけの多くの需要がないという流れの中で、しかし一方では、収入を確保するためにはこの平均在院日数を何とか達成しなければいけないという非常に厳しい状況の中で実は病院経営が行われてきたのではないかなという気がいたします。そして、結果的には、病院経営が非常に厳しい状況の中で病床数を削減して、何とか経営的な数字的に合わせをしていこうということも地方では強く行われてきたのではないかなというふうに思っております。 もう一つ、これも非常に大きかったんですが、ベッド数を減らせば医療費が抑制できるという考え方の中で、これも医療制度改革の中で、介護療養病床の廃止と、さらには医療療養病床も十五万床まで少なくする、削減をするということも実はこのときに行われたわけでございます。そして、当然、廃止でございますから、介護療養病床の医療費は本当に必要な料金、料金といいますか点数が付けられなかった。 さらには、この医療療養病床に対して医療区分という制度がここに導入されたんですね。この医療区分という制度を導入してどうなったのかといいますと、医療療養病床の区分、一、二、三になったんですけれども、区分の一は、これは保険局としては介護療養病床の方へ移ってもらいたいという、実はそういう思惑の中で医療区分一、二、三が作られた経緯がございます。これは保険局でございます。 ところが、一方では、そういうずっと準備をしていた中で介護療養病床の廃止が突然行われてきたわけでございますので、その医療区分の一の点数というのは非常に低く設定された中で医療療養病床の経営が苦しくなってきたという、そういう歴史的な経過が私はあるだろうと。これは老健局と保険局との全く縦割りの中で決められた内容ではないかなというふうに思っております。 さらには、平成十八年の診療報酬改定では、七対一看護というのが実は導入されました。これもほとんど実は大きな議論がなされないまま突然七対一看護が導入をされ、その結果、看護師買いといいますか、全国に募集を掛けて、そして看護師不足というのが全国的に巻き起こってしまった。また、無理をして看護師を確保しなきゃいけないというところで、看護師の給料等を上げ、それが経営的に非常に危機的な状況に陥ってしまったという、そういう歴史的な経過も私はあったのではないかなというふうに思います。 そういうような歴史的な経過の中で、一方では救急医療についての、本来であれば一般病床が少々の救急医療の患者さんたちは診れたわけでございますけれども、これが一般病床から療養病床の方へ転換をし、その結果救急の患者さんを診れないと、そういうような、医師が確保できないというような状況も私は起きたのではないかなというふうに思っているところでもございます。そして、こういう形で診療報酬の改定幅がどんどんどんどん引き下げられた中で、実はまさしく医療の中にも勝ち組、負け組という状況が私は起きてきたんだというふうに思っております。 TKCという全国の税理士さん、公認会計士さんがグループを作っているところがございまして、これが全国の医療機関の決算等々を作っているわけでございますが、ここの資料を見てみますと、やはり損益分岐点がどんどんどんどん悪化をしてきていると。そして、赤字の民間の医療機関も実は四分の一、診療所は三分の一になってきたというような推計値も実は出てきているわけでございます。 そういうようなことで、医療費がただただ抑制をされたからということではなくて、しっかりとした検証の中でいろんな診療報酬の改正等々も行われてこなかった結果が今の危機的な状況になっているのではないかなというふうに私自身思うわけでございます。このような事態を受けて、じゃ、これから厚生労働省としてはこの医療の危機の状態をどうお考えになっているのか、お教えいただきたいと思います。
○政府参考人(外口崇君) 現在の医療の状況でございますけれども、医師不足の問題、あるいは今、西島先生御指摘のような医療の収支の問題等、いろいろなことが指摘を受けているところでございます。特に、公立病院も含めて不採算医療と言われる救急医療あるいは周産期医療など、こういったところについて今その充実を支援することが喫緊の課題となっております。このために、平成二十一年度予算におきましても、病状に応じて適切な救急医療が行えるよう、管制塔機能を担う医療機関に対する支援、あるいは救急医療や産科などの現場で働く医師への手当に対する支援、医師派遣においてその派遣元となる医療機関の逸失利益に対する支援等を盛り込んでいるところであります。さらに、先般の政府・与党による経済危機対策においても、都道府県の策定する地域医療再生計画に基づく医療機能の強化、連携を支援する旨を盛り込んでいるところであります。 今の状況、かなり複合的な要因によって起きているという指摘もございます。短期、中期、長期の施策を組み合わせて対応を進めてまいりたいと考えております。
○西島英利君 診療報酬上で誘導されてきたことは間違いないんですね。そして、特に急性期のところには、特に短期の入院についてはかなり高い点数が付くようになっておるんですけれども、長期の入院の患者さんたちにはそれほどの高い実は点数が付けられていないという状況の中で、まさしく行政が使われる効率化というこの言葉を使えば、経営という観点からはどういう行動が起きるだろうかといいますと、要するに次から次に新規の重症の患者さんを診ていかざるを得ないと。 ですから、この前から何回も、私もこの場若しくは厚生労働委員会の場で申し上げておりますけれども、私も二日、三日と徹夜をして患者さんを診た経験がございますけれども、そのときには回復期の患者さんもいたんですね。ところが、今は本当に重症の患者さんたちだけが入ってきている。これで回転をしていっている。本当に気の抜ける暇がないというような状況の中で、やっぱり勤務医の疲弊というのは私は起きてきているのではないかなというふうに思うところでもございます。そういう意味で、この医療の効率化というのは一体何なんだろうかなということをつくづく感じるところでございます。 実は、全国の主要新聞に医療崩壊の記事がどういう経緯で載ってきたのかといいますと、二〇〇五年はたった二件でございました。これが二〇〇六年は二十二件、二〇〇七年は百三十三件、二〇〇八年は三百十四件、医療崩壊の記事でございます。それから、医師不足、二〇〇五年は六百八十二件、二〇〇六年は千四百五十一件、二〇〇七年は三千三十九件、二〇〇八年は三千三百八件という形で年を追って記事が増えてきている。ですから、やはり病院、医療の危機的な状況というのはこの記事も私は表しているのではないかなと。この医師不足というのが新臨床研修制度によって引き起こされたということはよく言われるんですが、それだけではないんだと。やはりこういうような経済的な誘導の中で引き起こされてきたことの方が私は一番大きな原因なのではないかなというふうに思っています。 そこで、今局長がおっしゃいましたように、新しい様々なことを展開をされようとしていますけれども、それはそれとして非常に重要なことではありますけれども、やはり民間病院が中心の日本の医療提供体制でございます。民間医療機関というのは、赤字になればこれは倒産でございますから、そういう視点からの、倒産を防ぐようなそういうようなやっぱり診療報酬体系にならなければいけないのではないかなというふうに思います。 もう一つの問題は、今度の平成二十一年度の予算概算要求に当たっての基本的な方針、これは昨年の七月に閣議決定をされたわけでございますが、このときにも、これは与野党限らず厚生労働委員会の場で、もう医療は危機的な状況だと、何とかしろという大きな声だったろうというふうに思いますが、そのときの閣議了解の中に、この二千二百億円の自然増の抑制に関係をして、年金・医療等に係る経費等特定の経費に関して、新たな安定的財源、税制措置と書かれていますが、が確保された場合の取扱いについて予算編成過程で検討するというこの言葉が入りました。 また、舛添厚生労働大臣は、三月十二日の参議院予算委員会で、この二千二百億の伸びの削減についてはやはり少し限界に来ているよということも強調したいと思いますし、そういう方向で新たなかじ取りができればなと思っておりますということを発言をされております。与謝野財務大臣は三月二十六日のやはり同委員会でこの二千二百億の問題に関しまして、自民党も恐らく民主党もあるいは他の政党も、この点についてほぼ一致されているのではないかと。各党が一致をしていれば、政策の方向はおのずとそういう方向に行くのではないかなと思いますと答えていらっしゃいます。また、昨年の十月の三十日の麻生総理の記者会見で、もう二千二百億、これは限界に来ていると、そこで消費税のお話をされたわけでございますけれども、先日の日本記者クラブでの質問に対しても、この二千二百億の旗は残すけれどもと、ぼろぼろになっているがというお言葉を言っておられましたが、残すけれども、もうこれは限界に来ているということも言っておられます。 そこで、昨年の七月に出された年金・医療等に係る経費等特定の経費に関してはと、ここの部分について、是非この見解を財務省に教えていただきたいんですが。私は、社会保障というのは非常に幅が広い、しかし一方では、年金とか介護はもう危機的な状態にある。だから、これは幅の広い中での社会保障の二千二百億のこの旗は残すけれども、年金、医療等については、これはとても無理な状態だということを私は意味した内容ではないかなというふうに思うんですが、財務省の見解をお教えいただきたい。
○政府参考人(真砂靖君) お答えをいたします。 昨年の平成二十一年度予算編成に当たりましては、まず昨年の六月にいわゆる骨太二〇〇八というのを閣議決定をさしていただいたところでございます。その中では、骨太二〇〇六あるいは二〇〇七にのっとりまして引き続き最大限の削減を行うんだという記述と、それから、歳出改革の取組を行ってもなお対応し切れない社会保障や少子化などに伴う負担増に対しては、安定的な財源を確保し、将来世代への先送りは行わないという、こういう記述があるわけでございまして、まさにこの二つの、最大限の削減を行うということと、それから、それで対応し切れない場合には安定的な財源を確保する、いずれの方法かで将来世代への負担の先送りは行わないと、こういう考え方を先生が今御指摘になったシーリングの閣議了解の文書の中にも織り込んだということでございます。
○西島英利君 これ、大臣に対しては通告をしていませんけれども、今私が申し上げたこういう解釈が成り立つのかどうか、もし、お教えいただければと思います。
○国務大臣(舛添要一君) 二千二百億円について、昨年様々な文書によって言及なされたところですけれども、もし私の答えが完全に西島委員の御質問と、的確でなければもう一度御質問をしていただきたいと思いますけれども、少なくとも主要財源として消費税というものを念頭に置く、そしてそれが税制改正によって実現するということが安定財源という意味での一番大きな柱であると、こういう認識において政府は一致しているというふうに思っております。
○西島英利君 しかし一方では、今年度末にはやはりもう診療報酬の改定というのが来ているわけでございますね。そのときにまた同じことを繰り返していくのかという、その問題があるので実は今私は大臣に御質問をしたわけでございまして、もう一度、もしよろしければお答えいただければと思います。
○国務大臣(舛添要一君) そこは、これはこれから先の話というか年末までの話、予算編成過程の話ですけれども、二千二百億円という、るる冒頭に、なぜこれが作成されたかという経緯は委員がおっしゃいましたけれども、この方針を完全に廃止して全く違う方針をすぐ出せるのかどうなのか、出すのかどうなのか。これは、私自身はもう限界に来ているという認識ですから、そういう方向で新しい政策の旗を掲げた方がいいんではないかと考えておりますが、これは閣内におります立場から申し上げると、これは内閣の中でよく議論をして、新たな方針を策定するなら策定しないといけない。そういう過程において、私は必要なことは申し上げようと思っております。
○西島英利君 私が先ほど申し上げたのは、社会保障というのは非常に幅広い範囲の中で、その中に医療があり介護があり年金があると。そういう観点から、こういう言葉が閣議了解されたということはそれなりのやはり意味を持った言葉であろうということで、ちょっとしつこくこの視点を質問をさせていただいているところでございます。 さあ、ところで、医療の崩壊の危機という中で、いろんな経営データが次から次に出されておりまして、これは福祉医療機構の調査の結果でございます。収益性が漸減をしているということでございまして、収益率をずっと年を追って見てみますと、平成十七年が九九・四%。つまり、これは総費用を純収益で割っておりますので、九九・四%というのはまだ〇・六%の実は余裕がある状態だと。しかし、平成十八年は九九・九%、平成十九年は一〇〇・三%と。つまり、赤字の基調になってしまったということが、これは福祉医療機構の調査で明らかになっています。 福祉医療機構の調査というのは何を根拠にしているかといいますと、福祉医療機構から要するに借金をしている医療機関は毎年毎年こういう形で報告をしなきゃいけないんですね。ですから、経営的な数字としては非常に信用のできる数字でございます。さらには、先ほど申し上げましたように、損益分岐点の比率というのが昨年よりも今年はもっと悪くなっているというような状況の中で、病院そのものが経営的な、病院だけじゃなくて診療所も含めてでございますけれども、経営的に危機的な状況に陥っているわけでございます。 そういう中で、医療費の総額の伸び率を見てみますと、一つには、外来を見ていきますと、外来の伸び率といいますか、医療費が特にこの十一月はかなり落ちてきております。これは外来ですから、もちろん入院というのは全体を見なきゃいけないわけでございますが、そういう状況の中で、ボーナスも出せない状況が今病院に起きていると、診療所にも起きているということでございます。 そこで、今日は中小企業庁においでいただいておりますので、中小企業庁が緊急融資の制度を今されております。ただ、この業種の中に医療機関が実は入っておりません。中小企業庁がなされているこの制度というのは、これは銀行からお金を借りた場合に信用保証を行うということでございますから、地域の医療機関にとりましては、一番身近な銀行からお金を借りやすい状況がこれでできるということでございまして、是非、医療機関をこの対象の業種に入れていただけないだろうかというふうに思います。 水面下でいろいろと交渉をした流れの中で、医療は全体的には三%対前年度比で低くなっていないからというようなお話もございましたけれども、しかし、医療というのはいろんな科がございまして、科によってはもう三%以上対前年度比で収入が減少しているということがあります。特に内科、外科。外科は、今内科的な患者さんたちを診ている医院、診療所等々が非常に多いわけでございますので、その辺りでの緊急保証制度への医療機関の組入れを業種として指定を検討していただけないかなと思います。 よろしくお願いいたします。
○政府参考人(横尾英博君) 緊急保証制度につきましては、現下の経済環境の大変悪化する中で、特に業況が厳しい業種に対する上乗せの支援措置でございまして、限られた財源を有効に活用するためにも所定の売上げ減少等の要件を業種ごとに確認をした上で指定をしてございます。 現在、七百六十業種を指定をしてございますが、御指摘の医業関係の業種につきましては、業所管当局にも確認をしておりますが、現時点で売上げ減少等に関するデータが十分に確認できておらないのが現状でございます。 また、医業関係業種は公的な保険制度もございまして、経済環境の悪化の影響を直接被る、例えば物づくりなり商店といった一般の中小企業とは異なる面があるということも考え方を整理する必要があると思っております。 なお、医業関係業種には、今委員も御指摘になりました福祉医療機構による業種特有の支援制度がありまして、これは今回の対策で強化されるというふうに承知をしておりますし、今回の対策では、私どもの商工中金を活用した政策金融であります危機対応業務につきまして規模の拡大を盛り込んでおりますが、こちらの方は医業の関係業種も利用可能でございます。 いずれにしましても、医業の経営安定に向けた資金繰りにつきまして、厚生労働省とも協力をしながらできる限りの取組はしてまいりたいと考えてございます。
○西島英利君 是非、前向きの御検討をお願いを申し上げたいというふうに思います。 そして、今答弁の中で出ましたけれども、福祉医療機構の緊急融資の枠がかなり今までは条件が厳しかったわけですね。金額もそれほど多くない金額の中で、大きな病院というのはなかなかこれでは対応できないという部分もございました。それについて、是非、この緊急状態の中で、厚生労働省としての福祉医療機構のこの緊急融資の枠についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(外口崇君) 経済情勢の悪化に伴い資金繰りに困難を生じている医療機関に対応するため、独立行政法人福祉医療機構においては、経営安定化資金の融資条件について、本年一月から貸付金利を通常の場合から〇・五%優遇する、償還期間を原則五年以内から七年以内に延長する、不動産担保がない場合は診療報酬債権のみの担保でも可能とするなどの措置を講じてきたところであります。 さらに、今般、経済危機対策の一環として、病院の融資限度額を一施設当たり一億円から七・二億円までに拡大、保証人について二名以上から一名以上に緩和、返済期間を七年以内から十年以内に延長することとしており、これを早急に実施できるよう準備を急いでいるところでございます。
○西島英利君 非常に有り難い対応をしていただいたなというふうに思っております。 ただ、いつ実施するかということで今速やかなというお話でございましたけれども、是非、大臣、大臣が決裁をされるんだろうというふうに思いますので、できましたら今日、明日中にでも決裁をしていただき、即実施できるようにお願いを申し上げたいと思います。これは要望でございます。よろしくお願いをいたします。 それでは、時間も押してまいりましたけれども、年金の問題について若干御質問をさせていただきたいというふうに思います。 年金記録問題に対する第三者委員会というのができました。これは改ざんの問題でもございますし、また標準報酬月額のこの標準報酬遡及訂正事案等に関する調査委員会というのもできました。これの報告を通じて、この第三者委員会の認識それから処理状況等について、総務省の方からお教えいただければというふうに思います。
○政府参考人(関有一君) 第三者委員会におけます現在の処理状況でございますけれども、社会保険事務所等で受け付けました申立ての件数でございます。現在、ちょうど十万件程度となっております。これらにつきまして、第三者委員会において年金記録の訂正が必要であるということであっせんをいたしましたものが約二万三千件ございます。それから、年金記録の訂正が不要であるという決定を行ったものが約三万五千件ございます。これらに加えまして、申立ての取下げがあったもの、あるいは社会保険庁段階で処理されたもの、これらを加えますと約六万三千件につきまして処理を終えたというところでございます。 この第三者委員会では、十九年の六月の委員会発足以来、委員や事務局職員を大幅に増強いたしまして、審議チーム、これは委員会の部会というふうにお考えいただければよろしいと思いますけれども、このチームを五十四チームから約二百四十チームに増やしたという体制強化を行ってまいりました。こうした取組によりまして、平成十九年度に申し立てられた事案、これは約五万件ございましたけれども、これらについてはおおむね一年を目途に処理を終えるという目標がございました。私ども、これ非常に高いハードルだなというふうに思っておりましたけれども、鋭意処理を進めました結果、先般この政府目標を何とか達成をしたということでございまして、三月三十一日、関係閣僚会議がございましたけれども、総務大臣から報告をさせていただいたところでございます。 それから、二十年度以降に受け付けられた事案でございますけれども、今後の処理の方針といたしまして御高齢の方の申立てを優先的に処理していこうということで、二十年度に年金受給者から申し立てられたものにつきましては、遅くとも本年内、二十一年中を目途に処理を終えることとするということが先般の閣僚会議で了承されたところでございます。この方針に沿いまして鋭意処理を進めていきたいというふうに思っております。 それから、一年前五万件件数がございまして、そのときに処理を終えておりましたのが五千件程度でございました。一〇%しか処理が進んでいないということで関係の皆様に大変御心配もお掛けしたと思いますけれども、先ほど申しましたように体制も強化して、また事務局の職員の方も徐々に習熟をしてまいりましたので、ペースは上がってきたなというふうに思っております。今後とも審議を促進してまいりたいと思います。まだ三万七千件ほど残っておりますし、それから毎週千件ほど申立ても出ておりますので、更にペースを上げて処理をしていきたいというふうに思っております。 それから、先ほど、先生、改ざんというお話がございましたけれども、第三者委員会の方で個々の案件を処理してまいりますときに、社会保険庁の記録を見ていきますと、どうも不自然な処理がなされているというものが時々見付かるわけでございまして、これまでも恐らく百件は超えていたというふうに記憶しておりますけれども、こういうものも個別にあっせんをしてまいります。それで、その状況というのは社会保険庁の方にもすべて伝わるということになっておりますので、また事態の解明ということに役立てていただければというふうに思っているところでございます。
○西島英利君 この問題は犯人捜しが中心ではないだろうというふうに思いますけれども、こういうことを促した職員さんもいらっしゃると。その結果、正規に、正しい年金が受けられない被害者の方々がたくさん増えてきたことも、これは間違いのないことだというふうに思うんですね。 これ、以前に舛添大臣が報告をされましたが、そういう職員がたしか一名か二名いたけれどもということで、それ以降、この報告を私自身だけが聞いてないのかもしれませんが、余り報告聞いてないんですけれども、しかしこういう職員さんたちをしっかりとやっぱり処分をするということが再発防止につながるのじゃないかなというふうに思っておりますので、今後ともしっかりとこの対応をお願い申し上げたいと思います。 それから、第三者委員会が本当に大変な作業をされているということは、インターネット上で今回情報を取りましたら、わあ、こんな仕事されているのかというふうに思ったところでもございます。時間の掛かる本当に大変な仕事だと思いますけれども、しかし、被害者のことを考えたときには、この一つ一つを解決していかないことには被害者減らないわけでございますから、是非その辺りの御苦労を更によろしくお願いを申し上げたいというふうに思います。 そして、もう一点だけ、国民年金保険料納付率でございます。 一方では、やっぱりその財源がないことにはこれは給付ができないと。この給付を、二分の一を税金が賄うというような法案も今度衆議院から参議院に参りますけれども、それも含めてですけれども、財源というのは非常に重要でございまして、お一人お一人がしっかりと支払っていただくことが大事だろうというふうに思いますが、国民年金保険料率の納付率が、八〇%という目標率がなかなかこれ達成されていないという状況がございます。 この納付率の目標に向けての達成等々について今のお考えをお教えいただければというふうに思います。
○政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。 委員御案内のように、国民年金保険料の目標納付率八〇%、これは平成十五年度に厚生労働省に設置されました国民年金特別対策本部、ここで平成十九年度に達成すべきものとして決めたという経緯がございまして、これはその後、現在においても引き継がれているわけでございます。平成九年度の納付率、これが七九・六%ということであったことを踏まえてのものということでございます。 この目標納付率に向けての取組でございますけれども、なかなか厳しい環境の中ではございますけれども、幾つか方策があろうかと思っておりまして、一つは保険料を納めやすい環境というのをきちんとつくるというようなことで、口座振替の推進ですとかコンビニエンスストアの納付、クレジットカードの納付の導入、こういったことを掲げております。 それからもう一つ、市町村からの所得情報を御提供いただける体制になっておりますので、これをフルに活用させていただくということで、一つは、十分な負担能力がありながらお支払いいただいていない方々に対しては、丁寧な、しかし毅然とした働きかけをしつつ、最終的には強制徴収という形でやはりお願いをしていくと。他方、負担能力がない方については、免除でありますとか、あるいは学生さんなどもそうですけれども、特例納付の猶予制度というのもございますので、こうしたものを丁寧に御案内申し上げながら受給権の確保ということに結び付けていくというような、きめ細かな対策というのをきちんと打っていくというのが一つ大事かと思っています。 それからあと、これとややディメンションが違うわけでございますけれども、現在御審議いただいております国民年金法改正法案、二分の一法案でございますが、これが成立いたしますと、今後の免除期間にかかわる保障、これなども一段と手厚い形になってまいりますので、そういう状況になりましたならば、免除制度の周知徹底の中でこのことも強調していきたいというふうに思っております。 全体として、私どもの今の基本観でございますけれども、苦戦が続いているわけではございますけれども、記録問題を着実に解決していく、それから今申し上げた様々な取組というものをきちんとやっていくというようなことを通じて年金制度への信頼を何しろ回復させていただいて、そしてその暁にはこの目標納付率八〇%というものも決して達成不可能なものではなかろうと、かように考えているわけでございます。
○西島英利君 時間が参りましたので、これで終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○衛藤晟一君 自由民主党の衛藤晟一でございます。引き続き質問させていただきたいと思います。 私どもがこうした自由と繁栄を享受できますのも、我が国の独立と自由のために尊い命をささげられた先人の皆様のおかげだというように思っています。ですから、国のために殉じられた戦没者に対して心からなる追悼と感謝の思いをささげるべきだと思いますが、残念ながら戦後六十年以上たった今日になっても戦没者の問題について未解決のまま残されている課題がございますので、この戦没者の問題に絞って本日は質問をさせていただきたいと思います。 まず最初に、海外の戦没者の遺骨収集についてであります。 先日、富士山の清掃登山などをしているアルピニストの野口健さんから、ちょっとびっくりするお話をお伺いしました。さきの大戦において海外で亡くなった方は二百四十万人に上るということでございます。その約半数の御遺骨が戦後六十四年たった今日でもまだこの日本に帰ってきていないというのだそうです。 私も、日本青年遺骨収集団、現在のJYMAに若干関係しておりますので、海外の遺骨を収集するためには、言葉の障壁やあるいは遺骨に対する文化、慣習の違い、国民感情、そして現地の過酷な気候など、多くの困難を乗り越えなければならないということを多少は知っているつもりであります。ですから、厚生労働省が外務省の協力も得ながら、とりわけ日本遺族会や戦友会の皆さんとともに関係政府を粘り強く説得しながら、一柱一柱懸命に遺骨を収集されてこられたことに対し心から敬意を表する次第でもあります。 と同時に、野口さんからもお話をお伺いして、これまでのように厚生労働省の担当部局の奮闘に任せたままでいいのかと。これまで遺骨収集を担ってこられた戦友会や遺族会の皆さん方も大変高齢化してきておりますし、この際、これまでの遺骨収集の在り方を踏まえ、より一層遺骨収集体制を強化すべきではないかという具合に思っております。 そこで、質問を申し上げたいと思います。遺骨収集を進めるためにどうしたらいいのか。 まず、海外での戦没者遺骨収集はいつごろから始まって、これまでの実績はどうなっているのか、始めた当初からの担当部署と、それから遺骨収集数等の概要を説明していただきたいと思います。
○政府参考人(及川桂君) お答え申し上げます。 海外での戦没者の御遺骨の収集についての経緯でございますが、昭和二十七年に当時の厚生省の外局でありました引揚援護庁によって始められて、その後、組織としましては、担当する部署の名称が厚生省の引揚援護局、援護局と名称が変更されましたけれども、現在の社会・援護局において実施しているという経緯でございます。 また、これまでの実績でございますが、国におきまして、海外戦没者約二百四十万人のうち、これまでに約三十一万柱の御遺骨を収集して本邦に送還しているわけでございます。 このほかに、陸海軍の部隊ですとか一般の邦人の方々が引揚げに際して本邦に送還したものを含めますと、約百二十五万柱の御遺骨が本邦に送還されていると、そういう現状でございます。
○衛藤晟一君 そうすると、単純計算いたしますと、二百四十万引く百二十五万となるわけでありますから、残り百十五万柱ということになるわけですが、海外で収集可能な御遺骨はあと何柱ほど残っているという具合に把握しているんでしょうか。
○政府参考人(及川桂君) 海外で収集可能な御遺骨についてのお尋ねでございますが、未送還の御遺骨約百十五万柱のうち、内訳を若干御説明させていただきますと、約三十万柱の御遺骨につきましては、艦艇あるいは飛行機ごと海に沈んでいるということで、海で亡くなられて眠られている御遺骨、海没遺骨ということでございます。また、そのほかに約二十六万柱につきましては、中国ですとかあるいは北朝鮮など、相手国との関係、相手国の事情によりまして御遺骨の収集が困難な事情にあるという状況でございます。 こういったことから、現状におきまして、当面の遺骨収集の対象として鋭意取り組んでいくべき対象となる御遺骨の最大数は約五十九万柱というように見込んでいるところでございます。
○衛藤晟一君 遺骨収集の年度別実績を見ますと、最近は平成十七年、十八年は年六百柱ほど、平成二十年は二千柱くらいというようになっていますね。そうなりますと、あくまでも単純計算ですが、収集可能と思われる御遺骨五十九万柱すべてを日本に帰還させるためには、年六百柱なら約千年、年二千柱なら約三百年掛かるという計算になります。海外での遺骨収集に多くの困難があることは十分に理解をしておりますけれども、やはりこれでは、海外の御遺骨をすべて収集するつもりなのかと、本当に収集するつもりなのかと批判されても仕方がないんではないかという具合に思います。 海外の実績を調べても、例えばアメリカは、国のために命を懸けて戦った戦没者に対して国を挙げて懸命に遺骨収集をされているそうであります。アルピニストの野口さんもおっしゃっていましたけれども、国のために亡くなった人に対してちゃんとフォローしなければならないというように思います。さきの大戦におきましてアメリカは、激戦地の一つでありました硫黄島、この硫黄島で戦死した約五千名のアメリカ兵のうち、ただ一人だけ遺骨を収集できないということで、アメリカ政府は一昨年六月、その一人のためだけに調査隊を派遣してきたそうです。キープ・ザ・プロミス、戦没者との約束は絶対に守るというのがアメリカ政府の断固たる姿勢だそうでありまして、その姿勢が伝わってくるような気がします。 そこでお伺いしたいのですが、そもそも遺骨収集に対して政府はどのような方針で臨んできたのか、大臣にお伺いします。
○国務大臣(舛添要一君) これは、昭和二十七年以降、国の責任として遺骨を収集すると、これを一貫してやってきております。今後ともその方針が揺らぐことはございません。一日も早く、一柱でも多く遺骨を収集してまいりたいと思っております。
○衛藤晟一君 遺骨収集は国の責任だという具合に大臣から答弁をいただきました。全くそのとおりであります。国のため亡くなった戦没者の御遺骨を日本に帰還させるのは、まさに国の責務だと思います。 しかし、実際は収集可能な御遺骨だけでも五十九万柱が異国の地で我々が来るのを待っているわけです。現在のペースなら最低でも三百年、長ければ千年掛かるわけです。これは、戦後懸命に遺骨収集に協力してくださった遺族会や戦友会の皆様に申し訳ないという気がします。何よりも、国のために亡くなった戦没者の皆さんの御遺骨を異国の地で放置することになるわけですから、許されることではないというふうに思います。 これは国としての責任です。ですから、現状のペースで進めることは無責任のそしりを免れないと思うのでありますが、厚生労働省としてはどのような新たな対策を取る計画なのか、お尋ねいたします。
○政府参考人(及川桂君) 遺骨収集につきましての今後の方針についてのお尋ねでございますが、現状認識といたしまして、現在なお広範な地域に多くの御遺骨が存在しているという状況でございますが、戦後六十四年が経過するという状況の中で情報収集等の面で課題があるというように認識しております。こういった状況の中で国として今後の遺骨収集を進めていくに当たりましては、まず第一に、民間団体などの方々と協力しまして幅広い情報収集を行うなど、多くの方々の力を結集して取り組んで成果を上げることができるような仕組みをつくっていくということが重要であるというように考えております。このため国としまして取り組んできているわけでございますが、民間団体の方々とも更によく話合いを行って、より良い協力ができるように努力してまいりたいというように考えております。 同時にまた、遺骨収集、海外において実施するわけでございます。この取組を円滑に進めていきます上におきましては、関係する国の政府はもとより、現地の方々の理解と協力を得ながら実施していくということが不可欠でございます。したがいまして、国として相手国政府との協議など、国の責任において実施しなければならない環境整備につきまして、外務省とも連携して特にしっかりと対応してまいりたいというように考えておりまして、こういった取組を通じまして残された御遺骨を我が国に送還するために可能な手だてを尽くしてまいりたいと考えております。
○衛藤晟一君 年度別の遺骨収集実績によれば、平成十九年は収集数は七百六十柱だったわけでありますが、平成二十年には二千三十八柱という具合に三倍増となっているわけであります。 このうち千百六十柱は、フィリピンで情報収集活動をしていた野口健さんたちのNPO、空援隊の情報のおかげだという具合に聞いています。それだけ実績を出している野口さんたちによれば、遺骨収集にとって一番重要なのは、当時の日本兵の行動を知っている現地の方々との連携だそうです。特にフィリピンの場合、戦争末期にはフィリピンのゲリラと日本軍との戦いだったそうで、どこでどのぐらいの日本兵が戦い、玉砕したのか、現地の方々から聞くのが一番確かだというように思います。 しかし、戦後もう六十四年がたちました。当時のことを知っておられる現地の方々もどんどんお亡くなりになっておられます。あと五年が勝負だと思いますので、現地事務所を置くなど現地情報提供者対策を重視する方針を確立すべきだと思いますが、どうでしょうか。
○政府参考人(及川桂君) お答え申し上げます。 私たちも野口さんの空援隊といった団体とよく最近話合いを深めて連携を深めているわけでございます。そういった中で、御指摘のとおり、遺骨の収集に当たって現地の情報が大変重要であるという認識を持っております。 そういった中で、具体的な取組としましては、私ども、平成十八年度から、当初は三年間の計画ということでしたけれども、民間団体の協力を得て、フィリピン、東部ニューギニア、ビスマーク・ソロモン諸島といった地域において海外未送還遺骨の情報収集を集中的、重点的に実施してきたところでございます。これまで三年間の事業の実施状況について分析しまして、改めて現地での調査体制の強化が必要であるというふうに考えておりまして、遺骨収集の促進につながる有用な情報を数多く得るための見直しを今回図ったところでございます。 見直しの内容といたしましては、今、衛藤先生からも御指摘ございましたけれども、現地情報を重視するという観点から、現地の邦人や住民の方々の中からコンタクトパーソンとなる方を調査員として一定期間雇い上げて恒常的に情報収集に当たらせるといった取組、あるいは情報収集チームの派遣期間を長期間として、現地調査員と有効な連携を図るといったことができるような見直しを行って現地調査の強化に取り組んでいくことにしているところでございます。 また、もちろん政府といたしましても、在外公館を通じて得た現地情報の把握、あるいは必要な際に政府が直接行う現地調査といったことも含めて情報の収集ということに特に重点を入れて取り組んでいきたいと考えております。
○衛藤晟一君 国の責任でということでございます。しかし、民間の方々もそれだけ努力をしておりますけれども、今は国の方もいろんな形で配慮を情報を集めるためにされているということは認めるわけでありますけれども、さらに、民間の方々がこれだけ努力していることに対してやっぱり応分の負担というか、国の責任において本来やることを肩代わりしてやっていただいているという観点から、国費についての支援をもっと私はやらなければいけないという具合に思います。でなければやっぱり進まないという具合に思っておりますので、これについて是非大臣に配慮をしていただきたいというように心からお願いを申し上げる次第でございます。 お話をお聞きいたしておりましても、やっぱり戦後間もなくのころというか、占領後、二十七年からですから、日本が主権を回復して後というのは、遺族会の方々にお聞きしますと、大変な逆風の中というか、戦争のために亡くなった遺族だという形じゃなくて、悪いことをした人の子孫でしょうというような形でもって見られて非常に苦労されてきたということでございます。 また、今は大変な時間がたってしまいました。だから、それだけにやっぱり国の責任においてやるんだという決意をもっと明らかにしていただいて、そして費用の方ももっとちゃんと負担していただくということが必要ではないかと思うんですね。民間民間ということで、実はほとんど民間のボランティアの上にまだ全部お願いしているというのが実情でございますので、そこのところの配慮を是非よろしくお願いしたいというように思うわけであります。ですから、国の責任で収集するという以上は、その辺の体制と予算を更にちゃんと見ていただきたいという具合に思う次第でございます。 アメリカ等は、やっぱり海外の現地事務所等もちゃんと出しています。戦争捕虜行方不明者捜索統合司令部という専門の司令部をつくり、タイのバンコクやラオスのビエンチャン、ベトナムのハノイとかそういうところに現地の事務所を開設しているんだそうでございます。そしてまた、法医学の専門家も集めて身元確認研究所というものも設立をして徹底的な鑑定をやっているということでございます。アメリカはそういうことでは当然お金も掛かっているわけでありまして、アメリカの現在の予算は約、年間で五十億、そして四百人以上の専門チームを抱えているそうであります。 日本では、担当部署の予算は幾らぐらいで、担当人員は何人ぐらいなのか、ひとつ、簡単でありますけれども、数字だけでも明らかにしていただきたいと思います。
○政府参考人(及川桂君) 平成二十一年度におきます遺骨収集関係の予算でございますが、これはDNA鑑定に要する費用ですとかを除きました遺骨収集に直接要する経費ということで三億二千百万円ということでございますが、これは前年予算に比べて約八千万円ほど増額を認めていただいたという状況でございます。 また、所管する援護担当部局の職員数につきましては、非常勤の職員を含めて百五十一人でございまして、このうち遺骨収集を直接所管しております外事室という組織の職員は二十九名でありますが、遺骨収集のための海外派遣に当たりましては援護担当部局全体の職員が対応するという体制でやっているところでございます。
○衛藤晟一君 もちろんアメリカと日本では戦後の歩みも違いますし、単純に比較することはできませんけれども、予算でいえばアメリカは日本の十六倍、それからスタッフの数も、外事室の二十九人ということで考えれば十五倍ということになります。もちろん予算の額やスタッフの数ではないという意見もあるかもしれませんけれども、予算やスタッフが増枠されればやっぱり遺骨収集が進むことは間違いありません。 現に、昭和四十七年当時、予算が千三百万円で九千柱収集していたんですが、昭和五十年に予算四億七千三百万円と増額したところ、収集数も三万六千二百四十柱へと四倍に増えています。ですから、やっぱり国の責任で遺骨収集を強力に進めていくためには、現状の体制にプラスして、現地事務所を開設したり、専門の遺骨、遺品鑑定機関を設置する必要があったり、どうしてもそういうような予算面の増加と、それからスタッフの増員が必要になってくるという具合に思います。 最後に、大臣の決意のほどをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(舛添要一君) 先般も、先ほども申し上げましたように、国の責任においてこれは遺骨を収集するということで、私も遺骨収集なさっているNPOの方々にもお会いしました。大変頑張っていただいていて、彼らの参画によって一気に数が増えておりますので、この支援もやりたいというふうに思っています。 やはりこういうことをきちんとやるということが国家としての責務であろうというふうに思いますし、委員が冒頭におっしゃったように、今の平和と繁栄を築いた私たちの先輩に対する、そして、まだ外地で眠られている方々に対する責任であろうと思っております。
○衛藤晟一君 是非、大臣のお言葉のとおりだと私も思いますので、そのような基本方針に沿って体制を整備していただきますよう、重ねてお願いを申し上げます。 もう一点、国内の軍人墓地についての管理についてお伺いをさせていただきたいと思います。 戦没者の御遺骨がまだ百十五万柱も日本に戻ってきていないという話をさせていただきましたけれども、しかし、日本に戻ってきた戦没者の皆さんは心安らかに眠っていただいているのかといえば、まだまだそうなっていないようでございます。今日、私は別に靖国神社の問題を話そうとしているわけではございません。各地に、実は国内には、この靖国神社のことだけではなくて、軍人墓地というものがあります。その管理について今日は質問をさせていただきたいと思います。 〔委員長退席、理事神本美恵子君着席〕 昭和三十七年から三十八年にかけて厚生労働省が行った内部調査によりますと、全国各地に陸軍墓地が七十五か所、海軍墓地が七か所で、計八十二か所の軍人墓地があるという具合になっております。これらの軍人墓地は明治以降、順次、全国各地に建設をされまして、日清、日露、満州、支那、それから第二次大戦、大東亜戦争で亡くなった陸海の軍人の御遺骨が納められています。 戦前まではそれぞれが法令に基づいて管理をしていたようでございます。ところが、第二次大戦後、さきの大戦に負けて、昭和二十年十二月に陸軍省、海軍省が解体をされました。それで、軍人墓地を管理していました規則も連合国によって、GHQによって廃止をするということになりました。それで、やむなく軍人墓地の所有権は当時の大蔵省に移されました。その後、大蔵省は昭和二十一年六月に事務次官通達を出して、墓地及び公園として使用することを条件に地方自治体に無償貸与又は譲与するという具合になりました。 そこで、ちょっと質問をさせていただくわけでありますが、以後、無償で貸与された地方自治体はしっかりとその墓地を管理していると思っていたら、必ずしもそうではなかったようであります。 私は、昨年の八月に福岡市に所在する谷陸軍墓地を訪れ、お参りをさせていただきました。この墓地には、明治維新、日清、日露、支那事変、そして第二次大戦という具合に、にかかわる高さ約七メートルぐらい、幅が四メートル、奥行きが四メートルという大変大きな立派な石碑が幾つも立っていました。 ところが、平成十七年三月二十日に起こった福岡県西方沖地震でこの石碑の土台がずれてしまったということでございました。心配した地元の皆さんが他の箇所にも壊れているところはないかとこれらの石碑を詳しく調べたところ、土台のずれだけではなく、その土台の下に石室があって、それぞれ数百もの御遺骨が木の箱やつぼに納められ棚に収容されていたのですが、中を調べたらこの棚が腐っている、あるいは棚が地震によって壊れて御遺骨が散乱していたということでございました。私も、良くなった後でございますけれども、それを見させていただきましたけれども、中には雨水がしみ込んでつぼが水没しているとか、あるいは、木の箱に所属部隊名だとかお名前だとか戦没の年月日が墨で書かれていたのですが、消えてしまうというようなことにもなっていたようであります。 この石碑のずれなどを放置しておくと危険ですから、そしてまた、御遺骨が散乱したままでは何よりも英霊に申し訳ないというように思って、遺族会や戦友会の皆さんが懸命に修理するように管理者のはずである福岡市に陳情したそうですが、予算が掛かることもあって全く対応してくれなかったということでございました。 それで、民間の方々が仕方なく皆さんで寄附を集めたそうです。約一千百万円の寄附を集めて石碑のずれを直して、それから石室の中に腐らないようにクスノキの棚を作って、御遺骨の箱も新調して棚に安置し直したそうでございます。水没していた石室にも新たに排水設備も造ったりという具合に大変な作業だったようでございます。聞けば、福岡市に所在する陸軍墓地の場合、日常的な掃除もすべて民間のボランティアに任せっきりだということでございまして、管理者たる福岡市は年に一回、除草や木の伐採をしているだけだったそうでございます。 しかしながら、これらの今ボランティアで管理しておられる方々も大変な御高齢になって、今回のような大修理はもとより、日常的な管理もこのまま民間に依存するというのは大変な限界が来ているような感じがいたします。 そこで質問をいたしますけれども、恐らく福岡市に所在する軍人墓地と同じような問題は全国にもあるんではなかろうかと思われます。全国八十二か所の軍人墓地の管理は現在どうなっているのか、お尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(中村明雄君) お答え申し上げます。 先生がおっしゃられました全国八十二か所の軍人墓地につきまして調査いたしましたところ、譲与等の処分済みの財産が二十九か所、それから国有財産として無償貸付けしている財産が三十二か所、その他国有財産として管理している財産が六か所、不明のものが十五か所でございます。
○衛藤晟一君 戦後もう六十四年たっているわけですし、調査に時間も掛かると思いますが、例えば現況が不明な十五か所については引き続き是非調査をお願いしたいというふうに思います。 それでは、福岡市に所在する、先ほど申し上げました谷陸軍墓地の所有者はだれで、まただれが管理の責任者なのか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(中村明雄君) 先生がおっしゃっておられます福岡市に所在します谷陸軍墓地の土地につきましては、国の所有となっておりますが、福岡市に対して国有財産法の規定に基づいて無償貸付けしているところでございます。この施設の維持管理につきましては、貸付相手方であります福岡市が行っているものと理解しております。
○衛藤晟一君 つまり、福岡市の谷陸軍墓地については、所有者は財務省で、その維持管理は福岡市がしているというわけですね。 この谷陸軍墓地について、隣接地を公園として使えるように一括して無償で貸与しています。国としては、この軍人墓地とともに公園用として国有地も無償で貸し付けているので、恐らく軍人墓地の管理はしっかりとしてほしいということであろうかという具合に思います。 この陸軍墓地及び隣接の公園の無償貸付けについては、貸付けに際しまして財務省と福岡市との間で五年ごとに国有財産無償貸与契約書を交わしているということでございますけれども、この契約書では管理についてどのような規定となっているのかお尋ねします。
○政府参考人(中村明雄君) 福岡市との無償貸付契約の中の契約書がございまして、そこの第十一条第一項の規定におきまして、福岡市は、善良な管理者としての注意をもって貸付財産の維持保全に努めなければならないとされているところでございます。
○衛藤晟一君 それでは、福岡市に所在する谷陸軍墓地に係る契約書の第十一条には、福岡市は、善良な管理者としての注意をもって、今お話のありました貸付物件の維持保全に努めなければならないと。そして、その次には、支出する費用はすべて福岡市の負担とし、甲に対しですから、財務省に対しその償還等の請求をすることはできないとありますが、この意味についてお尋ねします。 そしてまた、日常的な管理や地震等で軍人墓地の工作物が倒れた場合、その修繕を行うことも含まれているのかどうか、それについてもお尋ねします。
○政府参考人(中村明雄君) 国有財産の無償貸付けは民法上はいわゆる使用貸借に当たるものでございまして、民法上、使用貸借の場合につきましては、貸し付けた財産に係る善良な管理者としての注意義務をもって借受け者は貸付物件の維持保全に努めなければならないというふうにされているところでございます。契約書の十一条の規定は、言わばそれを確認的に規定しただけのことでございます。 〔理事神本美恵子君退席、委員長着席〕 なお、具体的にどういう形で維持修繕を行うかにつきましては、借受け人である福岡市が民法の規定における善管注意義務の範囲内において検討されるべき事項と理解しております。
○衛藤晟一君 そうすると、この軍人墓地の管理に責任を持つ地方自治体は、この善管注意義務の範囲内で軍人墓地の管理や修繕をしなければならないということだと思いますので、この解釈についてですけれども、ほかの軍人墓地の管理について私が一部調べたところ、例えば宮城県や愛媛県は、同じ国有財産貸付契約書の同じ善管注意義務条項に基づいて、軍人墓地の日常的な維持管理及び工作物の修復費用も県が負担しているようであります。 同じ契約書の文面なのに、どうしてこのように対応が分かれているのか。財務省として、契約に際してその解釈を統一すべきではないかと思いますが、お尋ねします。
○政府参考人(中村明雄君) 無償貸付中の財産につきましては、それぞれの財産の事情を踏まえ、貸付相手方である地方公共団体におきまして公園や墓地という貸付けの目的、利用目的に沿った施設の維持管理を行っていただいていると理解をしております。
○衛藤晟一君 無償で国有財産を墓地及び公園として貸与されているわけでありますから、宮城県や愛媛県のように日常的な維持管理及び修復費用も地方自治体が負担するという解釈が普通であろうというように思います。 ですから、福岡市は当然陸軍墓地の維持保全に努めることが期待されているわけだというように思いますが、ちなみに今回のようなこの石碑の土台のずれといったような問題について、貸与された地方自治体が修繕を拒んだ場合、所有者たる財務省としてはどのように考えられているのか、お尋ねいたします。
○政府参考人(中村明雄君) 一般論として申し上げますと、それぞれ借受け、無償貸付けの相手方である地方公共団体は、先ほど申し上げましたように、法律上、民法上、善良な管理者としてのいわゆる善管注意義務を負っているわけでございまして、その範囲内で具体的な維持管理の方法を行っているものと理解しております。
○衛藤晟一君 それでは、国有財産は無償で公園としてあるいは墓地として貸し付けているわけですから、日常的な管理や工作物の修理は管理者たる地方自治体の責任であるということを、五年ごとに是非、国有財産無償貸付契約書を交わす際に地方自治体にも徹底をしていただきたいと思います。 今までであればいろんなボランティアの方々がずっとやっていたんでしょうけど、もうそういう方々も大変高齢になって、とてもできないんじゃないかと思うんですね。だから、そうしますと放置された状況になりますので、是非ともこういうことをやっていただきたいと思います。 それからまた、関連して、この福岡市と福岡財務支局との間に結ばれました契約書の中には、用途指定の履行状況を確認するために、甲ですから財務省ですね、財務省は実地調査又は実地監査を行うことができるという具合に書いてありますけれども、是非、これらの管理をめぐって問題が起こった場合にこの条文を援用して実地調査をすべきだと思いますが、そのことについてお尋ねします。
○政府参考人(中村明雄君) 先生がおっしゃっておられました契約の十三条の規定は、無償貸付中の財産につきまして、使用目的や使用上の制限等、用途指定の履行状況を確認する必要がある場合に監査ができるという規定でございます。 我々としても、そういう必要があると認めるときには実地監査等を行うこととしていきたいと思っております。
○衛藤晟一君 契約書に明記されているわけですから、この管理をめぐって大きな問題が起こった場合は、是非、やっぱり財務省としてもその所有者としての責任があるんだということをはっきりしておかなければいけないと思いますので、どうぞよろしくお願いします。 といいますのは、先ほど申し上げましたけれども、残念ながら、無償貸与された地方自治体の中には、予算を組んでしっかりと管理している地方自治体もあれば、軍人墓地としての尊厳を保つという発想もなくて日常的な管理も放棄しているところもございます。 現に、民間の財団法人偕行社が全国に残っているこの墓地の管理状況について調査したところ、その多くは民間のボランティアによって草取りや清掃といった管理が行われており、全く管理されず荒廃した墓地も数か所あったということでございます。 しかし、先ほども申し上げましたように、このボランティアをしてくださっている方の多くはもう高齢化してきておりまして、もう限界であろうかという具合に思います。この数年、やっぱりこの際、国のために亡くなった戦没者の墓地なのだから国でしっかりと管理してほしいという声を私もよく各地で聞きますので、よろしくお願いしたいと思います。 しかし、そうはいうものの、確かに、全国の軍人墓地の管理が地方自治体に任された戦後の歴史を振り返れば、多額の経費が必要とされる石碑の修繕などというものは、地方自治体だけに任せっきりでいいのかという気も私もいたしております。国のために亡くなった戦没者の御遺骨を納めた軍人墓地の管理を現状のまま地方自治体にゆだね続けてもいいのかなということは、私はよくよく考えますと、こういう問題が起こるというのは、本来でしたら、やっぱり日本が主権を取り戻した昭和二十七年四月二十八日に整理すべきではなかったのかなという感じがいたします。 日本がさきの大戦で敗北しまして、全国の軍人墓地を管理している陸軍省、海軍省が解体されるということになりました。それで、昭和二十年十月二十五日に陸軍省副官は「陸軍墓地ノ移管、忠霊塔ノ処理、及ビ日本忠霊顕彰会ノ監督ニ関スル件」という通牒を出しまして、その通牒におきまして、陸軍墓地は厚生省軍事保護院に移管するという具合に指示を一度しているようであります。厚生省軍事保護院とは、明治三十九年に傷痍軍人への医療や職業訓練のために設置された厚生省の一部局だそうでございます。軍事保護院という名前になったのは、昭和十四年になっています。 ですから、昭和二十年の十月二十五日付けでは、厚生省に全国の軍人墓地を管理せよという具合に指示が出たわけでありますけれども、ところが、それからすぐして、一か月半もしない間に今度は陸海軍省が解体されまして、昭和二十年十二月二日に解体されて、同時に厚生省の軍事保護院も解体されて、そして旧陸海軍病院を管理する保護院と医療局という具合に改組されてしまいました。そして、このときに傷痍軍人を特別扱いしてはならないという連合軍、GHQの指示により、そういう状況の中で一緒にこの軍人墓地を管理する予定であった厚生省軍事保護院はなくなってしまった。それで、結局当時の大蔵省に一般財産として所管替えをされたというのが実情のようでございます。私も若干調べてみたんですが、そういう歴史が出てきました。 当時のGHQも、とにかく日本軍を全面否定するんだということでやっていましたので、全国の軍人墓地をたとえ厚生省が所管するかというところになったときに、やっぱり中央官庁が管理することを大変嫌がったようでございまして、それで日本政府も一般財産として大蔵省、そして大蔵省も即そのまま地方に管理を委任という具合にしたのが歴史だったようでございます。 ですから、同じように、陸海軍病院もいったんは厚生省の軍事保護院に所管を移すということを決定したけれども、軍事保護院がなくなって、同じように、全国の陸海軍病院も軍人墓地と同じような経路をたどるわけでありますけれども、しかしこの医療施設というのは当時でも大変な問題でございましたから、日本政府はGHQとも交渉して、これらの施設において行う入院医療は傷痍軍人及びその家族に限定しないということを条件にして厚生省への移管を認めるということをGHQはやったようでございます。 その結果、今国立病院そして独法として至っているわけでございますけれども、このような経過を踏まえましても、やっぱり軍人墓地の管理を厚生省に移管しようとしながらも、GHQの指示の下で大蔵省所管のまま地方自治体に管理を任せざるを得なかったというのがどうも事の真相のようでございます。 ですから、そういう状況の中で、私も国会議事録を調べてみましたら、占領下の昭和二十三年の五月二十七日に、後に厚生大臣になった草葉隆圓さんという衆議院議員が、陸軍墓地の所管を厚生省に移すべきではないかという具合に問題提起をされております。ですから、どこで本当にどうすべきなのかということについて、私は改めて、やはり厚生労働省また財務省は一回検討しなければいけないのではないのかという具合に思っている次第でございます。 戦後のいろんな歴史的な経過もあるでしょうけれども、厚生労働大臣はそこのところを是非考慮していただいて、将来どうすべきかということも入れて検討いただきたいというように思います。大臣にこのことだけはお聞きしたいと思うんですが、どうでしょうか。
○国務大臣(舛添要一君) 大きな意味での戦後処理の一環ですから、これは関係省庁と連携を取りながら、国の責任としてきちんと管理をしていきたいと思っております。
○衛藤晟一君 是非、いろんな問題を引きずってきたところだと思いますけれども、やっぱり、何か地方に任せっきりでやっているというのは、ちゃんとしてもらえないというところもありますし、本来やっぱりこれは国の責任でやるべきことだと思いますので、今大臣からもお話ございましたように、是非ちゃんと話をして整理をしていただきたいという具合に思っている次第です。どうぞよろしくお願いします。 以上で終わります。
○浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。 本日は厚生労働省の十九年度決算についての会計検査でございますが、私、今回の会計検査の結果は深刻だと思っているんですね。お手元に資料もお配りさせていただきましたが、二年前に十七年度決算で都道府県労働局の不正経理の問題がありました。この表でいうと左側にありますように、不適正経理で七十八億四千四百六十九万というのが指摘されました。⑨の不適正比率、予算の一・七%が不正だった。四十七労働局の四十七という、まさに機関としてどこもやっていた、一〇〇%。いわゆる空出張、空残業そして架空請求、こういうことがあったわけですね。これについて、今回これが波及している、悪貨は良貨を駆逐すると言いますけれども、この汚染が広がっていることが分かったわけですね。一つは、都道府県に広がっている。これは十二月十五日の決算委員会でも取り上げましたが、十二道府県の国交省また農水省の補助金で、同じような不適正経理が十一億三千七百万発見された、国庫補助で五億五千六百万分と。 こういうことを受けて、法律上は補助金適化法で目的外使用を罰するとか、また検査院が懲戒処分を要求するとか、また告発するとか、いろんな条項があるんだけれども使われていないと。そういうことから、これは不正経理防止法というものが必要じゃないかというのを与党としても議論しておりまして、つまり、こういうプロセスで共通しているのは、虚偽の請求書、領収書の提出の要求又は受領ということなんですよ。これ自体を罪にする、懲罰にするということをしなければこれは収まらないということで、これを与党としても既に出すことを決定しているわけですが、それで済むと思ったら済まないことが今回分かったんですね。つまり、なぜかというと、お手元の資料にありますように、一番左の都道府県労働局だけじゃなくて、右の四つの事業は、これはいわゆる厚生労働省又は厚生労働省の所管独法からの委託先で同じようないわゆる空出張、空残業また架空請求というのがあると。これは公務員じゃないんで、国家公務員、地方公務員を対象とする不正経理防止法じゃ、これ防げないんですよ。 これをどうするのかという問題で、これ見ると本当に深刻なのは、地域労使就職支援事業というやつは三千八百一万で、これも不適正比率⑨は一・四%、二十五機構分の二十三、九二%がやっていた。真ん中の地域求職活動援助事業というのも、これ不適正比率が何と四・四%と、こういう高い不適正をやっていて、その二十三労働局を調べたら全部がやっていた、一〇〇%。生涯職業能力開発事業というのも、これは〇・二%ですが、不適正機関比率は入った八都道府県全部やっていたと、一〇〇%。右の雇用安定事業も二十九分の二十九、一〇〇%、どこもやっているという。これをどうやって防ぐのかと。 これは、いわゆる懲罰的にこういうことがあった場合には返還金を、ただ不適正な経理だけじゃなくて、それを二倍、三倍求めていく、そういうことを考えないとこれ収まらないんじゃないかと思うんですね。また、人事的にも処分を厳格化しなきゃいけないと。そういうことをひとつ考えなきゃいけないなというのが一点と、もう一つは構造的なやっぱり要因があるんだろうと。この表にも付けていますが、天下りというのはやっぱり多いんですよね。つまり、昔、この不適正経理をやっていた先輩たちが団体に行って同じことをやっている、その部下の人たちはそれを正せないという状況があると。また、契約方式も見たように随契とか企画競争やっていますが一社だけという、こういうことを変えない限り、こういうものは直っていかないんだと思うんですね。 それで、まず、そもそもこの労働局の不適正経理について十分な措置がなされたのかという問題について入りたいと思うんですが、この表を見ていただくと、④のときに不適正経理は七十八億四千四百六十九万なのに、国に返還されているのはその七分の一ぐらいですね、十一億四千百八十四万しか返されていないんですよ。いわゆる預り金というんですかね、そういう架空請求によって預け金にしておいて、物品購入を翌年度にやったというのは返還されていないと。こういうものは、これ認めていると不正経理のやり得になるんじゃないかと思いますが、大臣の御見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(舛添要一君) まず、こういうことはやっちゃいかぬことでありますから、厳しくこの法令遵守を徹底させたいと思います。 ただ、その金額について、十一億四千百八十四万円、これはまさに不正経理で、例えば空出張とか空雇用というようなことですから、これは国庫への損害を生じさせていますからきちんと返還させる。いわゆる今の残りの六十七億円ぐらいの、約六十七億円のこの預け金というのは、最終的に物品の形で納入されておりますので国家に対して損害ということは金額上生じたわけではありません。したがって、返還ということではありません。しかしながら、先ほど冒頭申し上げましたように、こういうことはやっていいことではございませんので、法令遵守を徹底させたいと思っております。
○浜田昌良君 国に損害を与えていないからこれ返さなくていいんだということをやっちゃうと、結局そういう不適正経理はなくならないと思うんですよね。むしろ、そのやったものの二倍、三倍求めるぐらいでないと摘発されないと思うんですが。 ここで検査院に今日お聞きしたいんですが、不適正経理という言葉と不正経理と、どういう訳か労働局のときに二つの言葉を使われたんですね。結果的には不正経理部分は十一億四千百八十四万は返されたんですが、全体の不適正経理の部分は国に返還されなかった。結果的には、そういう言葉を使い分けたがゆえに厚生労働省側が国損を狭い概念にしてしまったということになってしまったと思うんですが、どういう認識だったのか会計検査院にお聞きしたいと思います。
○会計検査院長(西村正紀君) 会計検査院の結果では、物品の購入に係る庁費、謝金、旅費等を不正に支出し、これを別途の経理として業務の目的外の用途に使用するとか、それから職員が国庫金を領得したりすると、こういう事態を不正経理として掲記をしております。そして不適正経理としては、支出等の会計事務手続が会計法令等に基づき適切に行われていないものを不適正経理として掲記しております。
○浜田昌良君 何かその概念が分かれているように言われるんですけど、この不正経理、不適正経理と分けられた、今まで会計検査院ずっと何年かやっていますけど、分けたときは今までこの労働局以外あるんですか。
○会計検査院長(西村正紀君) ちょっと今、急にほかであるかということでございますけれども、事案自体に応じてそういう使い分けをしておるところです。
○浜田昌良君 私が事務的に聞いた案件では、NHKの案件とこの二件しかないんですよ、過去。そういう言葉を使い分けるがゆえに役所のそういう返さなくていいんだということを助長したんだということは、厳に戒めてほしいと思います。 国自体がそういう預け金とか国損がなかったから返さなくていいんだと言うものだから、この委託先についても実は返さないところが出始めているんですね。よく見ていただくと、左から三番目の地域労使就職支援事業等についてはこれは全額三千八百一万円返している。次も一億七千十七万全額返している。生涯能力も二千五百四十五万全額返していますが、一番右の雇用安定事業等については一億一千百二十九万のうち約一千万は返していないんですよ。これ十九年度分だけで、十八年度も調べると、十八年度も約五千万返していない。この独法は、約六千九十五万円については不適正経理でありながらも国に返していないんですよ。こういうことは独法の不適正経理のやり得となるんじゃないでしょうか。大臣の御見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(舛添要一君) これ、私のところに報告が上がっておりますのは、印刷物やコピー用紙などであって、年度を超えて納品があったものや翌年度に持ち越した郵券、郵便ですね、にかかわる支出等であり、単年度契約の原則等からすると適切ではなかったものの、既に当該物品が翌年度以降の機構からの委託業務の用に供されている、先ほどの最初の例と同じですね、また、その返還に代えて翌年度以降の委託費は減額されているということから考えて、この返還に一部差が生じているということは今のが理由であるということで、こういうのが決して好ましいことではありませんので、今後は適正に執行するようにきちんと指導してまいりたいと思います。
○浜田昌良君 翌年度に印刷物、コピーとして使ったからいいんだというのは言えるんでしょうか。内容はこう書いてあるんですよね。委託費の残額を消化するため、年度末に業者に架空請求を行わせて、これに係る代金を委託費から支払い、当該支払金を業者に預け金として保有させて、翌年度にこれを利用して、契約した物品とは異なる物品を納入させるなどしていたものと。これは返さなくていいんですか、架空請求ですよ。それでモラルが保てるんでしょうか。もう一度答弁お願いします。
○国務大臣(舛添要一君) いや、こういうことがあってはならないと思いますから、厳に二度とやらないように指導していきたいと思います。
○浜田昌良君 二度とやらないだけじゃなくて、まずこれは全額返せというのが最初でしょう。もう一度お願いします。
○国務大臣(舛添要一君) そういうふうにして使ったお金というのは、これは当初の目的とは違うわけですから、ある意味で戻す、戻した上でどういう経理処置をするかということがそれは必要だと思いますが、少しこれは精査をしてみたいと思います。
○浜田昌良君 しっかりと精査をお願いしたいと思います。 それで、国の予算には補助金等適化法という法律があるんですね。これには、三十条で、他用途への補助金の使用については三年以下の懲役、五十万円以下の罰金という、こういう規定があるんですが、ここで書いたような委託費にはこういう規定がないんですよ、こういう罰則規定がない。これは国の会計をつかさどる観点からの不備とは考えないのか。そのような罰則規定がない中で、じゃ契約なんだから、どういう形で他用途規制をこの委託契約の中に入れるのか。例えば違約金条項を入れるとか加算金を入れるとか、これについては財務副大臣また会計検査院長から見解を聞きたいと思います。
○副大臣(竹下亘君) 補助金との違いというものがまず第一点にございます。委託契約というのは契約に基づいて行われるものでございまして、契約をする相手方は民法上の義務を負うという仕組みになるわけでございます。そして、その契約の履行状況につきましては、会計法第二十九条の十一に基づきまして、各省庁において契約の適正な履行を確保するため必要な監督や、また給付の完了の確認をするために必要な検査を実施しなければならないとされているところでございまして、こうした現行の会計法令の適切な運用を通じて契約の適正な履行を図っていくことが重要であると、このように考えておるところでございます。
○会計検査院長(西村正紀君) 罰則規定を設けるかということは立法政策の問題でございますが、国が行う委託契約につきましては、当然、契約の目的、履行内容等につきまして契約書に規定されておりますので、もし他用途に使用するというようなことについては許されないことでございます。他用途使用について、契約書の規定に基づいて履行の確認等を厳格に行うということで抑制すべきものと考えております。
○浜田昌良君 今検査院長から他用途については許されるものではないという話がございましたが、それでは、十九年度の左の四つの委託事業の契約の文書の中に違約条項、加算条項はどう規定したのか。また、この事業によって、今まで違約条項、加算条項を適用して委託費の悪質な他用途使用に対して返還金を求めた例はどれぐらいあるのか、厚生労働省からお聞きしたいと思います。
○政府参考人(太田俊明君) お答え申し上げます。 今の御指摘の四つの事業の委託契約に当たりまして、委託先が委託費を不適切に使用し、故意に不正行為を行った場合等におきましては加算金の支払、それから、契約に当たって談合等の不正行為を行った場合等における違約金の支払等を求めることを内容とします加算条項及び違約条項を契約書に規定しているところでございます。 また、不当事項として指摘を受けたこれらの事業につきましては、指摘を受けた事業数のうち約七九%の事業につきましては、指摘金額のほか加算金を含めた返還措置を講じているところでございまして、今後とも厳正な対応を行ってまいりたいと考えているところでございます。
○浜田昌良君 七九%が加算措置をとっているということですが、どれぐらいの加算をしているんでしょうか。二、三の例で結構ですから言ってください。
○政府参考人(太田俊明君) 延滞金加算金は、これ民法の原則にのっとり年五%でございます。それから、不正行為に係る違約金は一〇%でございます。
○浜田昌良君 高くてせいぜい一〇%というので、本当に加算金になっているのかということなんですよ。 逆に、お手元の資料で一番最後の紙を見ていただきたいんですが、これは何かというと、いわゆる労働者の失業給付ですね。これ、不正請求した場合にどれぐらい返さなきゃいけないのかという、労働者に厚生労働省が課している制度なんですね。 これ見ていただくと、上は平成十四年度で、一年間に、件数のところに一万二百七十七件の失業給付の不正給付がありました。これに対して、不正した金額だけを返してもらっているというのが四千三百二十五件、たったの四二・一%、半分以下なんですよ。それ以上についてはもっと高い懲罰的なものを厚生労働省は要求しているわけですね。ゼロ倍から一倍未満、つまり全部含めて二倍返し未満が五三・九。一倍、つまりちょうど二倍返しが四%もある。しかも、これがあってから平成十五年に法改正されて更に厳しくなって、下を見ると、平成十五年から十九年は合計で三万七千三百九十件の不正請求があって、ただ加算金なしは四三・八ですよ、半分以下。二倍返しをしているのは五・二%。三倍返しは一・三%、何と五百一人の方には三倍返しを厚労省は求めていると。 なのに、なぜ自分たちの委託先には二倍返し、三倍返しを求めないんですか。もう一度答弁、お願いします。
○政府参考人(太田俊明君) 今答えましたとおり、委託事業の契約の締結に当たりましては、委託先が委託費を不適切に使用し、故意に不正行為を行った場合等における加算金の支払、あるいは談合等の不正行為を行った場合における違約金の支払等を求める懲罰的な意味合いの加算条項及び違約条項を盛り込んで、これに基づき厳正な対応を行っているところでございます。 御指摘のございました雇用保険の不正受給の対応としまして、この二倍に相当する額までの納付を命ずることというのは、これは特に悪質な行為の例としまして、例えば不正の行為を他者と共謀して行った場合とか、不正の行為を繰り返し行った場合、あるいは架空事業所の設置等を行った場合ということで、特に悪質な場合にそういう二倍の納付を求めているものでございます。
○浜田昌良君 特に悪質と言いましたね。この資料の下に書いてあるんですよ、①、②、③。③に架空事務所の設置で、もう一つあなた言わなかったですよ。何かと言うと、文書偽造を行った場合なんですよ。つまり、今回、架空請求を行った人は文書偽造を行ったんだから雇用保険の世界では三倍返しになるんですよ。 大臣、これバランス欠いていると思いませんか。答弁お願いします。
○国務大臣(舛添要一君) この求職者給付にかかわるものと委託事業に関するもの、これはそれぞれ同列にすぐ論じられるとは言えないと思いますけれども、いずれにしても、契約をするときにどういう形の契約書を交わすかということでありますので、今、別添のこの三ページ目のやつと直接直ちに単純に比較はできないにしろ、委員がおっしゃるように、確かにこちら側の求職者給付の文書偽造の場合と委託の場合の例えば五%という加算金は、それは大きな差があるということは確かだと思います。
○浜田昌良君 是非、大きな差があると御認識いただけるんであれば、今後、確かに事業は違うかもしれません、しかし文書偽造を行ったと、しかも両方ともなかなか判明しにくい、見付けにくいということがあるから懲罰的になっているわけですよ。今回の不正経理防止法というのは公務員しか縛れないんだから、そういう意味では、公務員じゃない方々については、いったんやると三倍取られるというようなことをやっていかないと防げないという意味ですから、是非御検討をお願いしたいと思います。 次に、この返還金以外には人事処分を厳格化するというのも重要と思っているんですが、そういう意味では、一番最初の資料の左上の労働局のときは、刑事罰六名、懲戒処分が二百七十八名で、うち懲戒免職が十四名、矯正措置という、これは懲戒処分以下なんですが、二千四百九十二名、この中で本省で懲戒処分を受けたのはたった課長補佐が一名しかいないんですよ。しかも、一番軽い戒告処分。戒告処分ってどういう処分かといいますと、大体、給料、本給三十万の人だと年間百五十万ぐらいボーナスがあるんですけれども、これはたった五万円しか引かれないんですよ。 こういう軽い処分をやっているからこういう委託先でも僕は直らないんだと思うんですけれども、大臣はこの処分は適切と思われるでしょうか。
○国務大臣(舛添要一君) これは、例えば社会保険庁の場合も年金の改ざん、それからやみ専従、こういうことを含めて徹底的に洗ってきておりますけれども、どういう処罰を下すかと、これは私が自分の気分でこうだこうだと言うことはできなくて、やっぱり人事院が定める懲戒処分の公務員に対する方針がありますから、それにのっとっているかどうか。そうじゃないと、処分というのはやっぱりポピュリズムに走ってもいけません。そこは法令に基づいて、人事院の規則に基づいてということでございますので、人事院の規則に従いたいと思っております。
○浜田昌良君 今大臣が人事院の規則に基づいてとおっしゃいましたので人事院にお聞きしたいんですが、現行の「懲戒処分の指針について」というのは平成十二年三月三十一日付けで出ているんですね。ここにおいては、公金取扱いに関係して懲戒免職となる事例の案は、横領、窃取、詐取だけでありまして、自己保管金の公金の流用等公金の不適正な処理をした職員は減給又は戒告止まりになっているんですよ。これは軽過ぎるんじゃないかと。 しかも、先ほど言いましたように、今、与党においては不正経理防止法という法律を準備していまして、これによりますと、不適正経理に共通する行為である虚偽の請求書、領収書の提出の要求又は受領というものに対して懲罰刑を科すると。これがもしできれば、この懲罰刑を科せられた職員は当然として懲戒免職となると考えますが、御意見いかがでしょうか。総裁にお聞きしたいと思います。
○政府特別補佐人(谷公士君) この懲戒処分の指針でございますけれども、これは任命権者が懲戒処分に付すべきと判断されました事案について処分量定を決定するに当たっての参考に供するということを目的といたしまして、各省における過去の処分例も踏まえて、代表的な事例とそれに対する標準的な処分量定を示したものでございます。 個別事案の内容によりましては標準例に掲げる処分の種類以外とすることもあり得るということでございまして、その旨はこの指針にもはっきり書いてございます。この指針は、しかし参考としていただきまして、各任命権者において適切に判断されるべきものであると考えております。 それから、現行の指針によりましても、自己保管中の公金の流用等公金又は官物の不適正な処理のみならず私的な流用という行為がこれに加わりますれば、内容によりましては当然これ以外の横領等の事例にも該当することとなるものと考えます。 人事院は、これまでも、処分の例でございますとか社会情勢の変化を踏まえまして必要に応じて指針の見直しを行ってきておりますが、ただいま御指摘のありましたようなそういう法律が成立をいたしまして、従来、確かに御指摘のように内部の行事等に流用した場合に厳しい処分が行われていたかどうかという点は確かにございます。今後そのような法改正が行われまして、それらの評価が明らかになるということであれば、指針につきましてもより適切な表現があるかどうか、検討していくこととなると考えます。
○浜田昌良君 是非この不正経理防止法ができて、そういう不適正経理を行った職員が懲戒免職になるように、人事院規則のルールをもう一度見直していただきたいと思っています。 また、厚生労働省におかれましては、この不正経理事件を受けて、平成十七年七月八日付けで厚生労働省大臣官房地方課長名で都道府県労働局に通達が出ています。どういう内容かというと、不正経理事案の再発防止等についてという題名でありまして、内容としては、不正経理を実行し又は指示したような者については懲戒免職を原則として厳正に処分すると、こうありますが、この場合の不正経理はいわゆる預け金等の国への返還がなされなかった不適正経理を含んでいるという理解でよいか、またこの通達以降、その適用になった者はいるのか、厚労省から答弁願います。
○政府参考人(森山寛君) お答え申し上げます。 御指摘の通達でございますけれども、労働局における多額の不正事案が生じた反省に立って、不正経理の再発防止を徹底することを目的としまして発出したものでございまして、今先生御指摘されましたように、不正な金銭の作出が行われた場合に、不正経理を実行又は指示した者について、懲戒免職を原則とした処分にすることを示したものでございます。 この通達の具体的な当てはめにつきましては、個別事案ごとの調査結果によるものでございますけれども、例えば御指摘のような業者への預け金が発覚した場合には、厳正に調査を行いまして、不正な金銭の作出が行われたと認められる場合にはこの通達により懲戒免職を原則とするものと考えております。 なお、この通達を発出して以降、不正な金銭の作出はなく、懲戒免職とした者はいないところでございますけれども、引き続き、会計法令に違反することのないよう法令遵守を徹底してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○浜田昌良君 四年たっていて一例もないというのはおかしいんじゃないですか。今答弁で、不正な窃取がなければ不正経理じゃないという答弁されましたね。じゃ、普通の預け金は不正経理にならないんですか。そんな適用でこれが防げるんでしょうか。もう一度これについては、不適正経理をやった者についてはすべて、つまり自分自身が領得しなくてもみんなで飯食ったらオーケーなんですかということなんですよ、職員全体でプールして。そういう人間も本来懲戒免職の対応じゃないんですか。もう一度答弁お願いします。
○政府参考人(森山寛君) 具体的な当てはめにつきましては、先ほど申し上げましたように個別事案ごとの調査結果によるのでございますけれども、この通達は、そもそも多額の不正事案が生じたこと、そういう反省に立って不正経理の再発防止を徹底することを目的とするものでございます。 今のお話でございますけれども、この預け金が発覚した場合には厳正に調査をいたしまして、これやはり不正な金銭の作出が行われた場合には懲戒免職を原則とするという形で対応していきたいというふうに考えているところでございます。
○浜田昌良君 通達の文章は窃取等の言葉が入っていないんですよ。不正経理を実行し又は指示したような者については懲戒免職を原則として厳正に処分するでしょう。どこにこれ窃取という言葉が入っているんですか。不正経理したら即免職なんですよ。そういう適用じゃないんですか。もう一度お願いします。
○政府参考人(森山寛君) 通達の中にも、この不正経理が行われた事実が確認をされたと、こういう者に対処して厳正な処分を行うという形で通達の中にも書いているところでございます。
○浜田昌良君 通達出しても、大臣、全然適正に運用されてないんですよ。言葉だけ。言葉出して一件も使わない、これが実態なんですよ。 その実態があるから委託先にも甘くなって、この表を見ていただくと、一番下に処分とありますが、処分をほとんどしていない、みんな、委託先も。一番右の雇用安定事業については三十三協会で百十五名が処分されています。しかし、その左側なし、生涯能力はなしですね。その次もなし。何でこれだけ架空請求をしているのに、委託先で処分がされていないんでしょうか。処分することをこの通達を出しているなら、同じ通達の内容ですべきと、そういう要求をすべきと思いますが、大臣の見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(舛添要一君) 平成十七年七月八日の通達、これは先ほど委員も引用なさいましたし、答弁をした方からも、総括審議官からも同じような引用がありました。具体的に、ですからこれをどういうふうに運用、適用するのか、そして場合によっては、こういう通達では意図が十分に伝わっていないということがあれば通達自体を見直す、さらに実際にこの運用の面で厳しく適用するということを検討したいと思います。
○浜田昌良君 是非、通達の文章を私悪いと言っているわけじゃなくて、文章はすばらしい内容だと思うんだけど十分適用されていないんで、その適用状況を是非チェックして厳正な適用、そして労働局だけじゃなくて委託先にも同じものを求めてほしいんですよ、委託契約で書けるんだから。条文で書いて、加算金とともにこういう者は懲戒処分とするんだということを明確に書くことによって抑止すると、これをお願いしたいと思います。 次の問題で、天下り規制の問題なんですが、この表で見ますと、十二番の表のところにありますが、都道府県労働局から、真ん中ですね、地域求職活動援助事業というやつを見ると、労基局関連だけで役員七十五名、職員八十七名、共に厚労省から天下り。右端のところも役員三名、二百六十六名、職員四百六十名の中で二百六十六って半分以上ですね。 これ、別添一を見ていただくと、別添一がその労働基準局関係で右側が天下りの人数なんですよ。役員というところを見ると全部で七十五名、つまり、役員は非常勤が多いですから、常勤以外は全部天下りですね、これ。これだけ問題を起こしている。問題を起こしているんですが、この太書き部分を読んでほしいんですよ、下の、一番下の太書き。これ私書いたんじゃないですよ、厚労省の事務方が書いてきた。会計検査院から指摘ありと、指摘内容に、個人的な着服でなく、経理の扱いに誤りがあった等と。架空請求をしても経理に誤りがあった等しか職員は認識していないんですよ、大臣。こういう意識だからなくならないんですよ。 次のページ見ていただくと、これはもう一つの団体の方ですね。これは雇用開発協会というんですか、一番上の北海道雇用開発協会職員十四名中十二名、ほとんど天下り。で、一・三五%、委託費の一%以上も不正にやっている。こんな団体があっていいんでしょうか。 これでちょっと人事院総裁にお聞きしたいんですけれども、天下り、わたりという問題については、基本的にこれはなくしていかなきゃいけないと。特にこういう、どういう事態が招来すれば憲法十五条のいわゆる全体の奉仕者というものが崩されたりとか公務員法の精神に反すると考えられるのかと。このように、元上司であるがゆえに会計監査が緩くなり、委託先の不正に厳正に対処できないというのは問題だと思いますが、人事院総裁の御見解をお聞きしたいと思います。
○政府特別補佐人(谷公士君) 職員の再就職をめぐりましては、これまで私どもが過去に所管しておりました営利企業への就職だけではなくて公益法人等への再就職も含めまして批判や問題の御指摘がありまして、その結果、平成十九年の国家公務員法改正によりまして予算と権限を背景とした押し付け的なあっせんが禁止されますとともに、離職後の就職に関する規制の導入、再就職等監視委員会の設置、官民人材交流センターの設置等が行われ、現行法におきましては、職員の退職については内閣において管理される仕組みとなっております。 そこでその上で、それでは現職職員の職務執行との関係ということでございますけれども、これにつきましては、元職員、上司であれそうでなかれ、再就職をした企業等との関係であるか否かということにかかわりなく、行政権限の対象や契約の相手方であります企業等に対して現職の職員が不適切、不公正な業務の処理を行いますと、憲法十五条二項の精神、それから国家公務員法九十六条の服務の根本基準に反するということはもちろんでございますが、内容によりましては、そのほかに国家公務員法その他の規定や個別の行政法規にかかわる職務上の義務にも違反することとなるものと考えております。
○浜田昌良君 谷総裁のいろんな言動については今回の公務員法改正で注目もされているんですよね。そういう注目の中で、谷総裁はマスコミからはミスター天下り、ミスターわたりと言われているわけですから、これは余計厳しくやってほしいんですよ。そう言わせちゃいけない。人事院はこれは厳しくやっているというような形でやってくれないと、人事院は、懲戒処分というのは、本来処分権者は各大臣なんだけど、大臣がしない場合はできるんですよ、国家公務員法で、人事院自身が調査をして懲戒処分を求めることができるんですから、天下りに対しても厳しく対応していただきたいですが、もう余り時間がないんですけれども、厚労省にデータを聞きたいんですが、ここに載っています別添一、別添二のOBの中に、天下りの中に、不正経理で現職時代に懲戒処分なり矯正措置を受けた者は何名いました。
○政府参考人(森山寛君) 平成十六年度から十九年度に公表されました決算検査報告に係る都道府県労働局の不正経理に関して懲戒処分を受けた者で労働基準協会及び雇用開発協会に再就職している者は、労働基準協会におきましては、平成二十年十二月一日時点で役員が二名、職員が一名、雇用開発協会におきましては、平成二十年七月一日時点で役員はゼロで職員は十八名でございます。
○浜田昌良君 今のは不正経理の拡大再生産になっちゃうんですよ。やった人間は天下りさせちゃ駄目なんですよ。そういう人は辞めさせる。天下り全廃が前提なんですけど、まずやることは、やった人は行けないということを是非大臣、今後してほしいんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(舛添要一君) 委員の御提案は検討させていただきます。
○浜田昌良君 時間も余りなくなってきましたんで、最後に契約の在り方なんです。 これ、最初の表を見ていただくと、十三番目が十八年度までほとんど随契だった。十九年度から公募になっていますけど、一社しか公募してない。形だけの隠れ随契ですね、これ。やっと二十二年度から変えようというのは一番右端ですね。契約形態も全国一本でしかやってなかったというのも結構あるわけですよ。こういう契約形態を変えない限り、私は、こういう問題はなくならない。 また、あわせて、時間がなくて言えませんでしたけれども、人事の問題もあるんですよ。労働局の人事というのは、基本的に県の中に閉じているんですよ。だから、OBが自分たちの後輩のことを甘く見ている、先輩に言えない。人事自身をもっとブロック化して広くしないと、これ駄目なんですよ。そういう意味で、人事面、契約面で今後改善することを是非大臣から御決意をいただきたいと思います。
○国務大臣(舛添要一君) 昨年の十月以降、労働局の新規採用職員はブロックごとということに変えました。それから、例えばハローワークの所長にも民間企業出身者を充てるということも十九年の四月から行っております。 それから、やはり基本は、随意ではなくて、一社入札だけではなくて、やっぱり競争入札をきちんとやるということですから、そのために工事期間が短くて一社しか入れないならそれを少し長くするとか様々な工夫を行いたいと思っていますので、やはりこういう今委員が指摘しました実態を見ていると、抜本的な構造改革が必要だというふうに思っております。
○浜田昌良君 今御答弁で、十九年度採用からブロックにされました、これすばらしいことです。しかし、問題なのは、その前の年はずっと県のままなんですよ。つまり、十九年度以降の採用の人はブロックにするけど、それまでの人はそのまま県になっていると、これ駄目なんですよ。十九年度以降すべての人間をブロックにするということを目指していただきたい。もう一度お願いします。
○国務大臣(舛添要一君) 新規採用以外、今度、人事異動でそういう方向を目指したいと思います。
○浜田昌良君 ありがとうございました。 こういうのは是非なくしていくということが大前提でありますので、若干やっぱり懲罰的な加算金の問題また人事にしても厳しいようでありますけど、それをやらない限り国民の信頼は得られないということで、またなかなか隠れて出てこない、抑止力が持たないということでありますので、是非お願いしまして、私の質問を終わらせていただきます。
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。 大臣、御苦労さまです。まず偽装請負で働かされ続けてきた労働者の失業給付の期間についてお尋ねをしたいと思うんですけれども、この質疑をインターネット中継で当事者や関係者は見守っておりますので、お疲れのところだと思いますけれども、どうぞよろしくお願いしたいと思います。 今、お手元に資料を配らせていただいております。今回に限っては企業名を伏せてお配りをしておりますが、愛媛県のある電機メーカーで働いてきた労働者がこの間の雇用情勢の下で非正規切りに遭っております。ここにありますように、最終の派遣会社での勤続年数が二年間だったということをもって失業給付の日数が九十日とされているわけですね。ですけれども、この一行目のところにありますように、計四社の派遣会社でその最終の派遣会社の前に働いているということがこの通知の上からも明らかです。 この四社というのがどんな会社なのかと。大臣、これは御存じかと思いますけれども、クリスタルグループの業者なんですね。ダイテックあるいはクリスタルコントラクト、コラボレート、当時やみ夜のカラスというふうに呼ばれましたけれども、偽装請負を始めとして違法を繰り返して、これが発覚しそうになると名前だけ、会社の名前を変えて違法行為を続けて、極端に低い労働条件で派遣労働者を食い物にし、業務改善命令、停止命令、繰り返してまいりました。 この伏せてあります最終の派遣会社というのは、実は派遣先であります大企業派遣先の一〇〇%出資の子会社なんです。この労働者に聞きますと、クリスタルグループの中で企業名が変わるときも名札と作業着が変わるだけで、ずっと同じラインで仕事をしてきた。そして、この一〇〇%出資の子会社に移る直前はコラボレートだったんですが、このマネジャーがこの一〇〇%子会社のマネジャーをそのままやっていたので、業務が丸ごと引き継がれたんだと、そういうふうに理解してこの先ごろの十二月まで来たというわけですね。結局、工場に必要な労働力を確保するために、偽装請負を繰り返したグループから派遣先大企業の一〇〇%出資の子会社が労働者を引き継いで工場に派遣してきたというのが実態だと私は思うわけです。 大臣もこれまで何度か御答弁をいただいてきましたけれども、失業等給付の日数の要件になります特定受給資格者のこの考え方はこれは実態に照らして行うべきだと、この認定はですね。この件で問題になるのは、同一事業所での引き続く三年以上の雇用が認められるか否かということになるかと思うんですけれども、私、こういう、先行してひどい偽装請負の実態があって、それを引き継いで派遣先の一〇〇%出資の子会社がやっているというような場合には、これは同一事業所と見るのが実態に照らして当然なのではないかなと思うんです。そうでなければ、偽装請負の実態と違法を事実上追認しかねないということになると思いますが、いかがですか。
○国務大臣(舛添要一君) 個々の具体的なケース云々はちょっとコメントを差し控えますけれども、今、仁比さんがおっしゃったのは、そのとおりであれば大変気の毒なケースです。ただ、特定のこの受給資格者になるためには、法律にきちんと書いてあることは、法の精神は、派遣元が同一事業者で、先ほどおっしゃったように、派遣元が変わらなくて三年間やっていればなるんです。ところが、これは派遣先は変わらないんだけど派遣元がころころころころ変わって、通算すれば三年になるんですけど、そういうケースを想定していないんですね、残念ながら。だから、今のルールでいうとこれは特定受給資格者に当たらないことになります。しかし、こういう方は、とにかく再就職支援ということ、その他様々な生活や住居を含めての支援を我々は全力を挙げてやっていきたいというふうに思っていますので。 今の、事実上は大きな派遣先の会社の子会社でこうだというのは、それは仁比さんがおっしゃることは全部一〇〇%正しいとして、そういう実態があっても法律の上では派遣元が同一でないと三年が通用しないんで、そこはそういう規定になっているとしか申し上げようがない。ただ、再就職支援は全力を挙げてやりたいと思っております。
○仁比聡平君 これまでの特定受給資格者の要件が大臣の今御答弁にあったような考え方でされてきたのかもしれないんだけれども、その考え方というのは、今私が申し上げているような事態を想定してそういうふうに決めているわけでは私はなかろうと思うんですよ。 つまり、この派遣元が実態としてこうした違法を繰り返すことを前提として、最後この二年間しか派遣業者、派遣会社ですね、ここの期間がないからということで、労働者の実際の労働の実態を無視して認定するというような考え方をそもそも取っているわけではないのではないかと思うんです。そもそも特定受給資格者を失業等給付の日数の上で長期に扱いましょうというのは、これは予期しない離職、解雇によって生活の基盤が失われるからだと思うんですね。 この労働者は、実は派遣先に派遣され始めてから考えましても六年四か月同じラインでずっと働き続けているんですよ。大臣うなずかれているように、これは派遣が製造業に解禁される前からのことなんです。元々安上がりの労働力として偽装請負として働かされ始めて、派遣解禁後、例えば上限期間が一年、あるいはその後三年というふうになりましたが、それらも完全に無視された形で六年四か月同じように働き続けているんですね。これはとっくに正社員になっていておかしくない労働者であって、それが突然の雇い止めという形になっているわけですね。派遣元からの離職票も会社都合というふうになっているとおり、実質的に解雇にほかならないわけです。こうした方に失業等給付を十分に受けられるようにしなければ、たちまち路頭に迷ってしまうことになります。この方は五十歳ですが、介護施設に入っておられるお母さんを支えなければならないのに、九十日でもう間近に失業給付が切られようとしていて、一体その後どうしたらいいのかと、もう展望が見えないわけです。 しかも、こうしたケースは、仮に離職が三月三十一日以降であれば、せんだって改正されました雇用保険法によりまして、雇い止めという認定でも三年間の暫定措置によって四十五歳以上なら二百四十日、八か月間失業等給付が受けられるわけです。こうしたことを考えても、私は余りにもバランスを失するのではないかと思うんですね。 先ほどの御答弁の上に重ねて申し上げることにはなりますが、大臣、是非実態をよく改めて調査することを御検討いただいて、この安定所長の通知に対して審査請求が出されているかと思いますので、よく検討して、実態に見合った失業給付等の日数が認定をされるように御検討をいただきたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(舛添要一君) まず、偽装請負その他労働関係諸法令に違反している事業所に対しては、これは徹底的に厳罰で臨みたいと。したがいまして、実態、実際そういうところに踏み込んで調査をさせます。 ただ、同一の雇用主の下で三年間というルールがあるものですから、ころころ変えちゃっているわけですね。まさに、どういう意図か知りません、今の例だと、三年いかないうちに派遣元の会社を変えているわけで、非常に気の毒で、本当は今そうじゃなければ二百四十日までいくのが、九十日しかない。 ただ、私が先ほど申し上げているのは、雇用保険はあくまで次の再就職先が見付かるまでのつなぎですから、それは長いにこしたことはないですけど、最適なのは、今日職を失って、もうすぐ例えば一月後には職を得ている。なるべく早く再就職するということが必要なので、我々はその労働者の方に再就職支援、これは全力を挙げてやりますけれども、残念ながら、今いろんな角度からこの法律を見ても、今のケースだと適用できないんです。 だから、今のように、調査はいたし、それからその労働者の再就職支援は全力を挙げますけれども、今のシステムはそういうふうになっているということであります。
○仁比聡平君 今のシステムが今申し上げているような事態を想定してつくられたものではないということは、私は間違いないと思うんですよね。その点、大臣どうですか。
○国務大臣(舛添要一君) 基本的に、もう何度もこの委員会で申し上げていますけれども、労働者と事業主との契約は、派遣元企業に雇われているわけですから、派遣元企業とその労働者の間の契約であって、派遣先は、派遣先企業と派遣元企業の民間の二つの企業の間の私契約であるわけです。したがって、何といっても、あなたはどこに雇われていますか、これ偽装とかいうことでない限りは私は派遣元のこの企業の従業員ですということになりますから、個々で処理をしてもらわないといけない。これは、ですから、三年以上やればちゃんと見ますよということを申し上げている。 今、逆に派遣先の責任はどうなのかという話をしているんですけど、今回全く違うベクトルの話があるんで、そういうことは基本的には想定してありません。つまり、仁比さんがおっしゃることが、全く報告なさったことがそのとおりであるとしたときに、まさに三年いかないために次から次と派遣元企業をつくっていって労働者を転がしていくということをおっしゃったわけですね。だから、そこまで悪質にやるということを想定をしてつくったものではありません。何度も申し上げますけれども、派遣元と労働者の関係、これが法律のカバーする範囲だということなんです。
○仁比聡平君 今そこまで悪質なことを想定してつくったものではないとおっしゃっていて、実際にその偽装請負で六年四か月も苦しみ続けている人が、本当はもっと早くに正社員になっていておかしくない人がこうした事態になっているんですから、私はこれは是非検討を求めておきたいと思います。 この労働者やその仲間は、労働局に対しても偽装請負、上限違反の違法を調査し、直接雇用を指導すべきだというふうに申告をしていまして、私は当然の要求だと思うんです。 局長、この偽装請負や上限期間違反の実態は認められたんでしょうか。
○政府参考人(太田俊明君) 個別具体的なものについてはお答えできませんが、一般的には、派遣法違反があれば、それは調査した上で厳正な指導をしていくということでございます。
○仁比聡平君 一般論として、そうした場合、直接雇用を推奨する方向で秋以降、通達をされてきているわけですよね。ところが、会社は団体交渉の場で、労働局からの調査はあったが、直接雇用せよとは言われていないというふうに労働組合に対して述べているんです。これ、おかしいんじゃないかと思うんですよね。 会社の言うとおり、労働局が推奨という立場で発言をしていないならそれはもってのほかだと思いますし、そうでなくて、労働局が直接雇用をしてほしい、推奨すると言ったのに、それが是正指導でないのをいいことに団交の場ではそんなことは言われていないと仮にうそをついているんだとしたら、これほど社会的責任を踏みにじる態度はないと思うんですが、これこのままにするのなら労働行政の意味がなくなってしまうと思いますし、通達も意味を失うと思うんです。 そんな大企業には、大臣、強い姿勢で臨むべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(舛添要一君) 個別の企業についてはコメントしませんけれども、一般的に言えば、法律違反に対しては厳正に対処したいと思います。
○仁比聡平君 次に、大企業が進出、立地した工場の閉鎖が全国で次々に発表されております。この中で、地域経済、とりわけ雇用と中小企業の崩壊をどう食い止めるのかについてお尋ねをしたいと思うんです。 資料二枚目を御覧いただきたいと思うんですけれども。(資料提示)少し同じものをパネルにもいたしましたが、パナソニックグループのこの状況について申し上げたいと思うんですけれども、構造改革だということで、海外を含む多数の事業所の廃止と一万五千人の人員削減計画を発表しております。その下で、佐賀にあります鳥栖市のパナソニックファクトリーソリューションズというこの工場、ここを廃止して、八百人を山梨県の甲府へ、百人は大阪の門真へ、これ広域の配転をするという話になっているわけですね。 しかし、労働者には家族も家もありますし、その家のローンだってあります。子供の学校もあります。おじいちゃんやおばあちゃんの介護だってあるわけで、こういう遠距離配転というのは実際には首切り通告にほかならないという実情が大変な衝撃を持って地域で広がっているわけです。 工場閉鎖に際して、家族的責任を脅かすほとんど不可能な配転に応ずるのか、それともこの深刻な失業情勢の下で会社を辞めるのかというこの二者択一を迫るのは、私は理不尽な実質的な解雇にほかならないと思うんですが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(舛添要一君) 何度も申し上げます。個々の企業についてはコメントをいたしませんし、それから、会社がどういう形で工場の閉鎖とか再配置をやるというのは、それは、日本国憲法体制の下においてはそれは会社の自由であるわけですけど、ただ、その際にも我々は常に申し上げているのは、雇用の維持を最大限これは大きな目的としてくださいよと。それから、今様々な御家族のこととか介護のこととか子供の学校のことをおっしゃいましたけど、そういうことにもやはり企業としてはきちんと配慮をすべきであるというふうに思います。
○仁比聡平君 今大臣がおっしゃったような要素を挙げて、配転が合理的な範囲を超えて権利濫用である、無効であるという判決も出ている例はあるわけですから、そうした指導は私は厳しくされるということが重要だと思うんですね。 もう一つ申し上げたいのは、この図にありますように、鳥栖市にはもう一つパナソニックコミュニケーションズというグループ企業の工場がございます。ここには、栃木県の宇都宮市、それから新潟の小千谷市にあるパナソニックコミュニケーションズの工場を廃止して、そこから六百人、二百五十人、合わせて八百五十人を鳥栖に広域配転するという、そういう計画になっているんですね。この宇都宮や小千谷で大変な衝撃が広がっているのはもちろんのことでございます。熊本の八代市にもこのグループのセミコンダクターディスクリートデバイスという工場がありまして、ここを廃止して、計二百五十人を新潟県と富山に広域で配転するという、そういう計画なんですね。 どうしてこの同じグループの中でこんな無理な広域配転をあっちこっちに行ったり取ったりしなきゃいけないのかという声が労働者から上がっています。同じパナソニックグループなんだから、広域ではなくて近くの工場で働き続けられるように雇用の確保が図られれば、圧倒的な労働者も雇用継続が可能になる、仕事の中身は少し訓練すれば対応できるという、そういう声が出るのは私当然だと思うんです。 派遣の問題では、派遣先の講ずべき措置として関連企業内での雇用の確保を図りましょうという指導をしておられるわけですよね。正社員だってもちろん同じでございまして、関連企業内での雇用確保を図る、できる限り、解雇に至るそういう事態を回避するという努力をするのは当然だと思いますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(舛添要一君) 我々は、雇用の維持に全力を尽くしてくださいと、これはもう経団連に対しても申し上げて、政労使の合意の中でも、労働組合に対しても申し上げている。 恐らく、この個々の企業についてのことは言及を避けますけれども、基本的には経営者と労働者、例えばその代表である労働組合との間できちんと話をして、大きな配置転換をやるようなときには当然配慮すべきことであるというふうに思いますが、第一義的にはその企業とそこに働いている人たち、事業主と労働組合、その間での話が第一義だと思っております。
○仁比聡平君 私、昨日、熊本の八代で対象になっている御家族の声を直接聞いたんですが、やり方が首切りと一緒だと、転勤ということになれば八代にある家のローンもあるわけで、これを払うと行った先から八代にお父さんが帰ってくるそのお金もない、永遠の別れになるんじゃないかと思う、こんな残酷な話はない、そういうふうにお話がございました。 企業の雇用あるいは地域経済に対する社会的責任ということを考えたときに、もちろん民間同士の議論というのがよくされなきゃいけないというのは当然のことですけれども、だけれども、やっぱり政治がこうした雇用破壊、地域経済の破壊に至りかねない事態を回避するために頑張るというのが、私、当然のことだと思うわけです。 私、こういうやり方を全体として見ますと、広域配転を強行しようとしているのは、外向きには配置転換によって正社員の雇用は確保すると、こういうふうに言いながら、実際には労働者の側がそうした無理な配転には応じられないということを見越して、一万五千人の人員削減をていよく進めようとねらっているんじゃないのかと、そう思わざるを得ないわけです。 といいますのは、鳥栖のある工場から内部告発がございました。それは、その工場で選別リストが作られているというんですね。必要な人材と余力、つまり余剰人員に分けて、残す対象にならない労働者に対しては極めて執拗な退職勧奨が行われているわけです。極めてひどい実態なんですが、五十歳以上の個々の面接を行って、もうあなたの仕事はない、代わりに優秀な人がいっぱい来る、前回あなたに対しては辞めてくれと言ったじゃないか、まだ分からぬのか。女性に対しても、あなたが残ったとしてもずっと海外だと、こういう暴言を行っているという告発なんですね。拷問のような面談を三回、四回と受けている。四十年間、パナソニックに誇りを持って働いてきたけれども、人格を否定されたようで悲しくて、憎しみさえ続くようになった、これまでパナソニックが世界の企業になったのは全従業員と下請の人たちが頑張ってきたからじゃないかと。 私は、こういう声を政治がしっかり受け止めて雇用と地域経済を守るということが求められていると思います。これは雇用、地域経済の問題で、地元自治体はもちろん頑張っているわけですけれども、物を言おうという姿もあるわけですけれども、厚生労働省もこうした工場閉鎖に伴う深刻な事情について実態をつかむという努力をすべきではないでしょうか、大臣。
○国務大臣(舛添要一君) 各地で働いている人の声はこれは労働局を通じて聞いておりますし、何度も言いますけれども、個別の企業についてのコメントは差し控えますが、やはり雇用を守るんだ、そしてこういう厳しい経済、雇用環境の中でしっかりとした労働者の権利を守っていく、そしてそれが企業の社会的責任であると、そういう思いで労働行政を進めていきたいと思っております。
○仁比聡平君 更に踏み込んで、出ていって実態をつかむということを是非やっていただきたいと思うんですね。 今日、経済産業省にもおいでいただきました。これまで誘致企業をインフラの整備でも固定資産税の優遇の取扱いなどでも行き過ぎたと言ってもいい優遇を続けてきて、少し景気の見通しが見えなくなったら工場閉鎖で事実上の解雇と、こんな身勝手はないという声が大変広がっております。この今御紹介をしたケースでも、補助金や税の優遇を受けながら首長にもまともな説明すらせず、雇用破壊に走っているわけですね。こうした実態を経済産業省としてもしっかりつかむ必要があるのではないかと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(大塚洋一郎君) 経済産業省では、年に四回ほどでございますが、全国の事業者から各業種の景況感、それから事業主の業況について聴取いたしまして、四回ほど拡大経済産業局長会議で発表してございます。また、これも年二回ほどでございますが、工場立地動向調査をいたしておりまして、一年間の全国の工場立地件数を把握しているところでございます。 今後とも、経済産業局を通じまして、地方公共団体とも密接に情報交換いたしまして、地域中小企業の状況把握に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○仁比聡平君 立地は調べるけれども、廃止や撤退は調べないという、そういう話では、私は絶対もう国民的な納得は得られないということを申し上げておきたいと思います。国がそうした実態をしっかりつかんで、地元自治体とともに雇用破壊を食い止める、地域経済を守るという立場で臨んでいただくことを強くお願いを申し上げまして、時間も参りましたので、質問を終わります。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。決算委員会で質問できて、非常にうれしいです。 二千二百億円の社会保障費のカットについてずっと国会で取り組んできました。これを批判的にまず質問をしたのは私です。 お手元に社会保障関係費削減一覧がありますが、見事にセーフティーネットをずたずたにしてきたのが今までの政治です。 〔委員長退席、理事神本美恵子君着席〕 財務省、お聞きいたします。社会保障費を毎年二千二百億円一律に削減したことについての財務省の御意見をお聞かせください。 例えば、非正規雇用労働者の雇用保険は目まぐるしく制度を変えてきました。二〇〇三年には五百億円カット、二〇〇七年には雇用保険の国庫負担見直しで千八百十億円カットしてきたと。 財務省が、二千二百億円社会保障費カットせよと、予算編成をしてきたことの反省はありますか。
○副大臣(竹下亘君) 社会保障費の見直しという問題、政治にとっても非常に重い問題でございまして、一つは日本国の置かれております財政の状況、そして、内閣として社会保障費をどうするかという、いわゆる骨太の方針と言われるものの中で様々な政治的な方針が決まっていくと。それを受けて、財務省というのは予算を査定をする役所でございますので、基本的にその範囲を非常に大切にしながらやらなければならないと。 しかし、現実に給付が拡大するということが見込まれている中で、社会保障費の見直しそのものというものは、制度の持続可能性を確保する観点からも、また、先ほど申し上げましたように、財政の健全化ということを図る観点からも重要な取組であると考えておるところでございます。 しかし、全く反省がないわけではございません。社会保障の現状を見ますと、例えば医師不足、介護人材の不足などがもう既に指摘をされております。中期プログラムにおきましても、こうした社会保障制度の諸問題や中福祉のほころびに適切に対応して、その機能強化と効率化を図るとされているところでございます。 財務省といたしましては、こうした指摘も踏まえながら、持続可能で信頼できる社会保障制度の確立に向けまして医師確保対策等必要な対応は行いつつ、制度改革や安定財源の確保に取り組んでいく必要があると、このように考えております。
○福島みずほ君 反省があることはあるというふうに言っていただいたことは有り難いんですが、根本的に反省をしていただきたい。 派遣村で人に会いました。春の派遣村で人にも会いました。キヤノンで、大分で派遣切りに遭った若者にも会いました。皆さん言っているのは、例えば、自分は八か月雇用保険を納めてきたけれども、一年に足りないから雇用保険がもらえないと。これは今国会で三月三十日付けで新たに雇用保険法が変えました。 しかし、御存じ二〇〇七年、平成十九年度に雇用保険の改悪を政府・与党がやって、一年間雇用保険に入らなければ雇用保険そもそももらえないというふうに改悪をしました。この被害者が今死屍累々といるわけです。反省していただけませんか。
○副大臣(竹下亘君) また反省ですか。雇用保険制度につきましては、行政改革推進法及び基本方針二〇〇六等におきまして、失業等給付の国庫負担の在り方については、昨今の雇用保険財政の状況、積立金が二・五兆円、その当時はそうでございましたが、ということにかんがみまして、廃止を含む見直しを行うとされたことを踏まえまして、平成十九年に改正を行い、失業給付等にかかわる国庫負担の削減が行われたところでございます。 ただし、現在のところは積立金は約五兆円に上るなど、国庫負担の削減後も雇用保険制度の安定的な運営が確保できる状況にあるというふうに認識をいたしております。 さらに、二十一年度予算においては、社会保障費の見直しは行いつつも、非正規労働者に対するセーフティーネットの機能の強化等を図る雇用保険法の改正をこれは行ったところでございます。 今後とも、社会情勢しっかり見た上で必要な対応は適時適切に行いつつも、持続可能な、そして信頼できる社会保障制度の確立に向けて取り組んでいく必要があると、こう思っております。
○福島みずほ君 これだけセーフティーネットがずたずたになって、二千二百億円社会保障費をカットしてきた国の責任は重いです。もういいかげんこの一・一兆円の削減策、二〇一一年まで、これは削減を廃止するということでよろしいですか。
○副大臣(竹下亘君) 総理大臣の答弁を代弁をさせていただきます。あっ、これは財務大臣答弁。財務大臣答弁を、これまで述べておられるところは、二千二百億という数字は象徴的な数字として議論されているんですけれども、誤解していただきたくないのは、今ある社会保障費から二千二百億切るという話ではございません。元々一兆円ぐらい伸びるのを……
○福島みずほ君 もちろんそれは分かっています。
○副大臣(竹下亘君) 分かっていますよね。 その中で、本当に歳出が必要なところはきちんと予算上の措置をしておるということもまた事実でございます。 〔理事神本美恵子君退席、委員長着席〕 ちょっと踏み込んだ答弁を与謝野大臣がしておりますのは、二千二百億見直してくれという要求に対しまして、自民党も恐らく民主党もあるいは他の政党も、この件についてはほぼ一致されているんではないかと。各党が一致していれば、政策方向はおのずとそういう方向に行くんではないかと思いますということを答弁をされておりますが、これが老練な政治家与謝野さんの答弁でありまして、方向としてそういう空気になっていますねということははっきり認めておられます。しかし、麻生総理も言っていらっしゃるように、ぼろ旗になってもまだ旗はなかなか降ろせないというのが正直なところでございます。
○福島みずほ君 決算委員会ですので、国民の税金は国民のために使われるべきだと、二千二百億円ということの削減の旗を降ろせないという政治は間違っているということを強く申し上げたいと思います。 追加経済対策として赤字国債を発行することについてお聞きをします。 一般会計予算で三十三兆円、今回の十五兆円の補正予算で十兆円赤字国債を出すというふうにも言われています。四百六十万の年収の人が一千万円の暮らしをするというもので、赤字国債に大きく偏っております。財務省、二千二百億円カットをそれだけ言うんであれば、赤字国債の方のカットを考えるべきじゃないですか。
○副大臣(竹下亘君) 私どもは、景気の底は絶対抜けない、景気が底を抜けてしまったら経済の復興も財政再建もないんだと。今回は完全に腹を決めまして、十五兆円という財政出動を伴う補正予算を今編成作業を進めておるところでございます。 確かにおっしゃるように、赤字国債に頼らない、あるいは建設国債も含めてでございますが、国債に頼らなければならない部分というのは決して少なくないと。このことは将来の子供たちや孫たちの世代に対して申し訳ないなという思いが正直言ってあります。しかし、今ここで景気の底は絶対抜かせないんだと、その上、世界で一番早く景気回復させるのは日本だと、この二つのことをしっかりとにらんで対応していこうと思っております。
○福島みずほ君 持続可能な社会保障構築とその安定財源確保に向けた中期プログラムで消費税について踏み込んで書かれていますが、消費税の値上げを財務省は意図していらっしゃるんでしょうか。
○副大臣(竹下亘君) 決めているわけでも何でもございません。 御承知のとおり、中期目標の中の附則の中に様々なことを書かせていただいておることは事実でございますし、景気が回復局面、しっかりしてきたらいろんなこと考えさせてくださいと。まずは景気だ、そして景気がしっかりしてきたら財政の再建だと、そして将来は成長戦略だというのが麻生内閣が目指しているプロセスでありますので、まずは景気だと、今はこの局面だと思っております。
○福島みずほ君 第二次補正予算、一月二十七日に成立したものに子育て応援手当の支給、六百五十一億円というものがあります。三歳、四歳、五歳、第二子の子供に関して払うと。今回の補正予算案で考えられているのが、三歳、四歳、五歳の子供に同じく三万六千円、一年間、一回こっきり払うというものです。なぜこんなに近接をしてちょっと変えて、三歳、四歳、五歳のところに三万六千円、しかも一年だけ、一回だけ払うという、これはばらまきでしかないと考えますが、いかがですか。
○政府参考人(村木厚子君) 子育て応援特別手当でございます。 平成二十年度第二次補正予算に基づくこの手当は、厳しい経済情勢において多子世帯の幼児教育期の負担に対し配慮をするという観点から、平成二十年度の緊急措置として実施をされているものでございます。臨時異例の措置として二十年度限りとされたというふうに承知をしております。 しかしながら、昨今の状況を見ますと、全体の個人所得が減少しつつあるなど、現下の社会経済情勢が大変厳しい状況が続いているということにかんがみ、今回、二十一年度に限り対象者を第一子まで拡大をして再度実施することとされたというふうに考えております。
○福島みずほ君 これは子供定額給付金というようなもので、一部のところにだけお金をばらまく。しかも、前回の一月のときは子供の多い家庭に対して第二子以降と言いながら、今回、第一子にも拡大をする。しかも、なぜか三万六千円を三歳、四歳、五歳の子供がいるところだけする。子供は、一歳、二歳もお金が掛かりますし、一年だけで育つのでもありません。子育てで苦労している人たちはいろいろいるのに、たまたまこの年、三歳の子供がいたところだけ配ると。しかも、子供定額給付金と言ったのは、所得制限もありません。これはばらまき以外の何物でもなく、これは多額に、第二次補正予算でも六百五十一億円、事務費も掛かると。もっと子育て支援であれば違う方策、長期的に、例えば保育園の支援をするなど、真っ当な子育て支援をすべきではないですか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(舛添要一君) いろんなことをやっておりますので、例えば第二次補正予算、これは安心こども基金一千億円積んでおりますし、それで保育所をやる。それから、午前中の審議にもありました妊婦健診費用の公費負担を拡大する。それから、今回の経済危機対策で安心こども基金一千億を今度は二千五百億円規模に拡大するということで、様々なことをやっております。 今の三歳―五歳というのは、結局、いろんな意味で公費の注ぎ込まれているのは比較的薄いところで、小学校へ入るとこれはまた別です。そこはいわゆる保育園とか幼稚園、ここにやっぱり相当金掛かっているんですね。保育料が平均すると月に六千円ですから、その半分の三千円を毎月補てんするということで三万六千円ということで、第二子以降といったら、一人しかいない第一子はどうするんだというから、それならもうこういう厳しい状況ですから皆さんに御支援申し上げようと、そういう政策でございます。
○福島みずほ君 この子供支援も一年きりなんですが、妊婦健診、先ほども質問がありましたが、妊婦健診を無料化すべきだと実は社民党は取り組んできました。取り入れていただいて有り難いんですが、この無料化健診も平成二十二年、二〇一〇年度末までということで期間が決まっています。どうも今の政府は、この期間だけ大当たりサービス、後知らぬよみたいな、一回こっきりというのは一体何なのかが理解できないんですね。 しかも、首長さんたちと話すと、二分の一自分たちも負担しなくちゃいけなくて、とても払えないよという声を聞きます。それから、一般財源化ですから、各自治体でばらばらになっていて、十四回無料のはずがという問い合わせも市にたくさん来ている。 結局、先ほどもありました、これ、一年限りというのはまず問題ではないか。それから、国が持つんだったら全部持てと。いかがですか。
○国務大臣(舛添要一君) 是非、福島さん、政権を取られて、厚生労働大臣になられて予算編成の御苦労をなさってみると分かりますけれども、ここにいる人たちと物すごい闘いですから。とにかく全然出さないんだから。総務省も出さない、財務省も出さない。 妊婦健診もそうだし、それからほかのやつにしても、文句はいろいろありますよ、介護報酬の問題にしても。何だ、恒常的にやれと。それだってそうなんだけど。一刻も早くやることが大事なので、一刻も早くやるために知恵を働かせて、総務省を呼び、財務省を呼び、もう出さなきゃただじゃおかないぞぐらいのことをやって、知恵を絞って、縛り付けて、絞り出させたらこれしかないんです。だけれども、これをやる。それで、それは様々ありますよ、知事、自治体によって違う。 私は自治体の首長さんに申し上げたいのは、国も子育てやるけれども、あなたの地域だって子育てやらないといけないでしょうと。そんな地財措置、色が付いているわけではないにしろ、これを入れたから地財措置の七百億円ぐらい出したわけだから、あなたのところの町は子育てしないでいいのか、ほかのことをやるのかと。要らない道路を造ることに金使うのか、子供を育てることの方が大事じゃないか、何考えているんだと。もう少し地方自治体の人も子育て考えてほしいですよ。だから、国のお金を半分付けて地財措置でやって、やることに意義がある。 介護保険の、あなた、三%はだれもやっていない。だけれども、これやると保険料が上がるんですよ。一〇%上げてもいいけれども、どこから財源を持ってくるんですか。保険料を一〇%上げさせるんですか。保険料を上げさせないで、とにかくこれを一歩を進める。そして、二年間やって検証して、国民がいいというものを、あなたが政権取ったって、あなた、やめるわけにいかぬでしょう。 だから、まず一歩をやって、恒常的なものをやる。そういう一歩の踏み方、私のそれは能力不足かもしれません、私の政治的なやり方。とにかく、財務大臣横にいないですけれども、まず一歩を踏ませる。そして、後は力ずくででもいい制度をつくる。能力不足を反省しながら、申し上げておきたいと思います。
○福島みずほ君 厚生労働大臣の頑張りはよく分かりますが、政官業癒着を断ち切るなど、無駄なところの公共事業を削ることでもっと国民のための財政は十分可能だと思います。地方財政だって三位ばらばら改悪で六兆円削ったので、疲弊していることは当然なんですよ。だから、これは根本的に政府自身が総括をして反省をしなければならないことだと思います。 林業に従事する労働者支援策について、厚生労働大臣にお聞きをいたします。 具体政策の早急な展開が必要だと思います。厚生労働省は、各都道府県に設置されている林業雇用改善推進会議、これは有効に機能しているのかという疑問があります。具体的な数値を示していただきたいと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(金子順一君) 開催の実績につきまして、私の方から御報告させていただきます。 林業雇用改善推進会議につきましては、平成二十年度におきまして数局で実施をしていないということがございます。未実施局が八局ということでございます。これは、雇用情勢の急速な悪化ということで、やむを得ず日程調整ができずに見送らざるを得なかったということでございまして、二十一年度のできるだけ早いうちに開催するということで取り組んでいきたいということでございます。
○福島みずほ君 雇用が限りなく破壊されている中で、最低限の労働規制を遵守させるためにも対策を講ずるべきであると。 請負と派遣の関係など今非常に問題になっておりますが、ILO条約九十四号、八十四号を批准して公正労働基準の確保、労働関係法の遵守、つまり公契約法をきちっと作るべきではないか。公共事業において、国、自治体が労働者の労働条件を保障して、発注者たる公的機関が責任を果たすようにすべきであると考えますが、いかがですか。
○国務大臣(舛添要一君) 御承知のように、ILO九十四号条約というのは、これは戦後すぐの混乱のときに、公共事業についての一定の基準を設けようとしています。 しかし、我が国の労働法制は、基本的に事業主と労働者、雇う者と雇われる者、契約する者と受ける者、それとの間の契約ですから、契約の片一方が私企業であれ、要するに自治体や国であれ、それは全く同じですから、そういう形での整理の方が私はいいというふうに思っております。
○福島みずほ君 ただ、派遣法の抜本改正を社民党はしたいと思いますが、請負において、どうやって請負の人たちを守っていくのか。今、孫請、下請の中での労災なども多いことは御存じのとおりです。そのためにも、公契約法、自治体であれば公契約条例を作って、労働条件をきちっと守る、そういうところでなければ公共事業は受注できない、こういうふうにして下請などを守るべきではないかと思いますが、どうですか。
○国務大臣(舛添要一君) 様々な労働法令がありますから、例えば偽装請負をする、様々な形での法令違反があれば、これはきちんと法に基づいて厳正に対処しますから、取り立てて今おっしゃったような公共事業に関する特定の法律がなければ動かないものではないというふうに思っていますので、現行法令で十分に対応したいと思います。
○福島みずほ君 私は、厚生労働省は請負の人たちの孫請、下請も含めた労働条件をきちっと守れるように足を踏み出すべきだと思っています。ダンピングが今、今も経済状況が悪いですからひどくなっていますし、その中での労災も起きるわけですよね。このためには、私は一つ公契約法をきちっと作って、きちっとその労働条件を守らなければ事業ができないんだということをやることで、これはほかにも広がっていくだろうと。これは派遣もきちっとしなくちゃいけないが、こういう下請、公共事業もちゃんとやらなければ、地方の働く人たちは給料物すごい低いです。 こういう点について、是非舛添さんが大臣のときに足を踏み出してください。どうですか。
○国務大臣(舛添要一君) 検討はさせていただきますけれども、しかし、今持っている武器で、つまり様々な労働法制でもって厳格に、そして法律違反に対しては決して許さないと、そういう立場で臨みたいと思います。
○福島みずほ君 そう言いながら、戦後、その下請や公共事業のダンピング、労働条件の悪化は全然改善をしていません。公契約法に是非厚生労働省が着手してくれるよう、強く要請します。 舛添大臣は、森林・林業及び林業労働の抱える課題を政府を挙げて取り組むべき国民的課題としていることから、農林水産省との間で早急に立ち上げていただきたいと。農林漁業の雇用拡大連絡会議が、今年の二月から農水省と厚労省との連絡会議が立ち上がったというふうに聞いておりますが、社民党もグリーンニューディール、第一次産業で雇用をつくると言っておりますので、優秀な林業技術者の育成、確保を取り組んでいただきたい。その点についていかがですか。
○国務大臣(舛添要一君) これは、私は林業の現場に、今はちょっとおりませんけれども、岐阜の森林愛護隊というボランティアの隊長をずっとやってきて、枝打ちから下刈りから間伐から全部やれますんで、現場よく知っています。 そういう中で、いかにこの問題に対処するかというのは非常に難しい問題で、現場の森林組合の皆さん方の御協力もいただいていかないといけない。非常に過酷な労働です。しかし、これは一石二鳥にも三鳥にもなって、緑を守っていく、そしてそこの場で雇用の場もつくっていく、そして緑を守るということは水を守ることにもなりますし、それからもう漁業を守ることにも実はつながっていっているんで、様々なメリットがあるんで、是非、森林を守ることの意義。 しかし、ここでまた問題は、こういう人たちの賃金、これが低い状況にある。そして、国産材を使いたいというとWTOとの関係があって、保護貿易主義的になってはいけません。しかし、今例えば杉なんというのは、私が一生懸命切ったって一本千円でしか売れない。これはもう労賃も出ないというような状況なんで、そういうことを含めて、少し、日本の国土を守るということで全国民的な議論が必要でありまして、是非皆さん方もこの緑の羽根の募金にも協力いただきたいと思います。
○福島みずほ君 農林漁業の人たちの労働条件、介護福祉士の人の労働条件など、ずっと国会で質問してきましたが、林業ってこれだけ言われながら全然労働条件が改善をしない、雇用がつくれていないという問題があります。是非、農水省、厚労省との連絡会議で具体的な改善策出していただいて、雇用の創出をするよう強く求め、私の質問を終わります。
○委員長(家西悟君) 他に御発言もないようですから、厚生労働省の決算についての審査はこの程度といたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時一分散会