経済産業委員会 第17号
- 発言数
- 82 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2009/06/11
会議録
○委員長(櫻井充君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、轟木利治君、前田武志君及び丸川珠代君が委員を辞任され、その補欠として津田弥太郎君、徳永久志君及び神取忍君が選任されました。 ─────────────
○委員長(櫻井充君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 中小企業者及び中堅事業者等に対する資金供給の円滑化を図るための株式会社商工組合中央金庫法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官西川正郎君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(櫻井充君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(櫻井充君) 中小企業者及び中堅事業者等に対する資金供給の円滑化を図るための株式会社商工組合中央金庫法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山根隆治君 おはようございます。 通告外といいましょうか、今朝御通告して恐縮でございましたけれども、昨日の夜のテレビそして今朝一斉、各紙が一面で昨日の総理の発表を報道されております。温室効果ガス一五%減で決着、こうした見出しが躍っております。このことにつきまして、いろいろな見方、評価もございますけれども、経済産業大臣として、経済を担当する直接の大臣として、このことについてどのような評価をなされるのか、御見解をお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(二階俊博君) ただいま山根議員から御指摘のとおり、中期目標について政府としての考え方、総理の御決断を昨日発表されたわけでありますが、我が国の二〇二〇年の温室効果ガスの排出量について二〇〇五年に比べて一五%削減するという方針を発表したわけでありますが、御承知のとおりであります。 今回の総理の御決断は、世界のトップを行く省エネ国家として率先して低炭素革命を実現していくという強い決意を内外に表明されたものと理解をしております。その実現は、国民の負担の増加などを伴い、容易なことではありません。特に私どもは、中小企業に対してどのように対応していくか、大企業といえども今日の経済情勢の中にあって、今ようやく上向きかけようとしておる今日の情勢の中で、新たな大幅な負担をお願いするということになるわけでありますから、この点を私どもも十分留意して今後に対応していかなきゃならないと思っております。 特に、原子力発電の推進や技術の開発等を前提とした考え方でありますから、中小企業への支援や地域における、昨日は他の委員会でも御議論があったわけでありますが、小水力の発電等についても考えろと、農業の問題についてもこれは十分考えていかなきゃならないということでありましたが、これは当然、前々から我々が挑戦をしております未来開拓戦略に基づく太陽光発電の導入の更に加速化していく、あるいは関係、他の省庁とも十分連携をしていく、強い決意で取り組んでまいりたいと思っております。 日本の努力で世界全体の排出削減につながるように、今後の国際交渉の中では、アメリカ、中国、インドのこの超大国が、主要経済国が今まで参加していないわけでありまして、先般も中国との間で日本・中国ハイレベル対話というのがございましたが、私はその中でも中国等は、日本に対しても相当強い要請があったわけでありますが、中国そのものが、中国その人が京都議定書ではどこかへいなくなってしまったではないかということを申し上げておいたわけでありますが、必ずこの三国がこれに参加するということを前提に我々は最終的な努力をしてまいりたいと思っております。
○山根隆治君 ありがとうございました。 それでは早速、本法案につきまして具体的にお尋ねをしていきたいと思います。 まず、提案者への質問をさせていただきます。 私たち国会議員は、それぞれ週末は大体地域でいろいろな方々と情報交換をしたりするというものでございますけれども、私自身埼玉県の選出でありますけれども、中小企業の皆さん、あるいはまた中小企業のお世話をしているといいましょうか税理士の先生方にもいろんなお話を聞かせていただきますと、本当にかなり深刻な事態だということをお聞きをいたします。 製造業においては、もう売上高が三分の一ぐらいになってきているというところが珍しくないというよりも多い、こんなふうなお話もよく聞くところでございまして、本当にこれはもう深刻な状況で、いろいろな公的な資金等でようやく今回転しているというような状況を聞くわけでございますけれども、これらの中小企業の現状の認識につきまして、大島委員の方からお答えをいただければ有り難いと思います。
○衆議院議員(大島敦君) 今回の改正案の中で、修正部分についての提案者として、中小企業そして小規模企業の見方について答弁をさせていただきます。 昨日、地元の物づくりの、これはメッキとか塗装をしている会社の経営者の方とお話をさせていただきました。扱っている業種が食品、薬品、化粧品そして自動車関連の部品の塗装をされている会社なんです。どうですかと聞いたところ、食品とか薬品とかあるいは化粧品についてはそれほど大きくは落ちてない、自動車関係が本当に落ちているというお話をされておりました。昨年の十月までは順調に来ていたんですけれども、十一月、十二月以降、もう本当に危機的に自動車関連については受注量が落ちてまいりまして、今年冒頭の予算委員会でも、本当に危機対応について各政党から政府にお願いあるいは要望をさせていただきました。当時の落ち方としては、十月、十一月以降はこれまでの半分から三分の一、場合によってはもう二割ぐらいしか受注量がないというメーカー、製造業が非常に多かったと思います。 現状はどうかと申しますと、決して中小・小規模企業は回復をしておりません。これは、まず在庫調整が終わったとしても、大企業の方で在庫調整が終わったとしても、それが中堅企業から小規模企業に受注が回ってくるには相当のタイムラグがありますので、まだ危機的な状況が続いていると思います。 これからなんですけれども、二〇〇二年が景気が一番悪かったと思います。当時の、例えば鉱工業指数を一〇〇と置いてみると、二〇〇七年末から二〇〇八年の頭というのは二〇ポイント上がっているわけですね。一二〇ぐらいだったわけ。これが去年の末から今年一月には、一二〇まで上がったのが八〇。四〇ポイント下がって、ようやく底を打って若干上がっているのが今の状況でございまして、例えば雇用調整助成金、二百四十万人の方がこれから雇用調整助成金を受け取りたいということで各企業が申告をしております。六十五万人が完全失業率の一%ですから、三・五%強が潜在的に失業されているという見方もできるかもしれません。そうすると、今五%足す三・五%で八・五%。これまでに考えられない景気の後退あるいは消費の後退が想定されていると思いますので、商工中金始め政府系金融機関のバックアップがまだまだ必要だと考えております。 以上です。
○山根隆治君 ありがとうございました。 次に、衆議院では三項目の附帯決議がございます。これらについて、具体的な項目がございますけれども、どのような感想を持たれたか、ちょっとお聞かせください。
○衆議院議員(大島敦君) ありがとうございました。 今回の公的金融機関につきましては、様々な議論が与党の中にも存在していたのは事実だったと考えております。今年の参議院の予算委員会で、与謝野大臣が、今回来たような不況は来ないということを前提とした制度論であり経済学であり、これは間違いであったという答弁をされております。 中小企業にとって金融は好不況にかかわらず経営の生命線であることは、これは申すまでもなく、中小企業者に対する資金繰りに万全を期すことは何よりも重要であると考えますと。特に、辛うじて残された危機対応業務、本来であれば民間金融機関がやる予定をされているんですけれども、全く参加をしていないわけです。したがいまして、商工中金など政府系金融機関が中小企業への融資に積極的に取り組むことが不可欠であります。多くの中小企業においては、かつて、度々不況の際には商工中金の融資を受けて助かったということをよく伺っておりまして、非常に感謝をしています。 しかしながら、商工中金を完全に民営化した場合には、場合によっては商工中金の自己資本比率が低下をして市場の信用をなくすというおそれも出てくると考えます。そのときには、やっぱり民間企業、一〇〇%民営化した場合には経営がありますから、即応して商工中金がその役目を果たしていくことは困難になると予想をしております。 そのため、かつては私どもも政府の公的金融改革方針に賛成したわけでありますが、今回のような事態は全く想定しておりませんでしたので、中小企業向け融資に国が引き続き責任を果たすよう、商工中金の完全民営化について凍結をして、商工中金に対する国の関与の在り方を明確に残すか否か、状況を踏まえじっくりと議論をして結論を出していこうということで修正を加えさせていただき、附帯決議を付けさせていただきました。 もう一つ、産業革新機構の項目について、一番最初にはオープンイノベーション推進のためのベンチャーへの推進というのが趣旨であったかと思います。今回の改正案では事業再構築への支援ということまで拡大をしておりまして、ここの、この部分についてはなかなか議論が分かれるところなんです。その産業競争力の維持のために技術、ノウハウなど経営資源の散逸を避けるべきであり、政府が積極的に関与していくべきであるという見解とか、あるいはこうした対応は原則として市場にゆだねるべきであるなどの意見もあります。少なくとも事業の再構築を余儀なくされた経営者については、モラルハザードを排除するためにもその経営責任を明確にすべきということで附帯決議をまとめさせていただきました。 以上でございます。
○山根隆治君 それでは、法律案の要綱に沿いまして、逐条的に質疑をさせていただきたいと思うわけでございます。 政府が保有する株式の処分すべき時期についてでありますけれども、その起算をするのが平成二十年十月一日だったものを二十四年の四月一日からとされたわけでありますけれども、この背景にある理由は何なのか、そしてまた、これらの措置というのは、将来的には民営化を断念するというふうなところを視野に入れたものなのかどうか、これらの点についてお尋ねをいたしたいと思います。
○衆議院議員(寺田稔君) お答えをさせていただきます。 今回の大変大規模なこの経済金融危機、特にリーマン・ショック、AIGショック、あるいはまたサブプライムといった大変複合的なこの世界的な金融不安、そしてまた大幅な景況悪化を受けまして、完全民営化の時期を決めた時点から現下の経済金融情勢は大きく変化をいたしております。かかる大幅な環境変化の下で、危機対応業務の拡充によるいわゆるハイリスク貸出しが急増をしてくる。そうしますと、この商工中金の収益性が大幅に低下をいたすわけでございます。 そうした中で、政府が持っている政府保有株式の売却を同時並行で進めることは、これは誠に困難であります。特に、売却先となります民間株主は、山根委員御高承のとおり、中小企業団体及びその構成員に限定をされているところ、中小企業がより一層厳しい業況にさらされている現況を踏まえれば、株式を引き受けることは誠に困難であるという状況であります。 したがって、当面、この危機が過ぎ去るまでの間、完全民営化のプロセスを延期をすることが適切との判断の下、平成二十年十月というこの起算点を平成二十四年四月一日からというふうに改めさせていただいたところでございます。
○衆議院議員(中野正志君) 後段の質問にお答えをさせていただきたいと存じます。 御存じのとおり、政策金融改革の中で中小企業金融については、専ら政策金融を担う日本政策金融公庫と民間並みのフルバンク機能を担う商工中金が役割分担をして、全体として中小企業金融の充実強化を図ることといたしました。商工中金が民営化をして民間金融機関並みの総合的なフルバンク機能を充実強化するということは、中小企業金融の円滑化に資するものと考えます。また、今回のような経済危機等の事態に対しましては、危機対応業務を担う機関として法律で位置付けられたところであります。 一方、今回商工中金が、ただいままでの議論にありましたように、当時の想定を超えた規模の危機に対応することにかんがみまして、危機対応業務の在り方や商工中金の完全民営化の進め方についても議論すべきだといういろいろな御意見があることも承知しておりまして、当初、改正案で附則三条を設けましたのはこうした趣旨であります。 衆議院では、民営化の道は否定しないが、当面は株式処分を凍結し、三年後にしっかりと見直しを行う必要性を確認をいたしました。この結果、修正後の附則三条では、危機対応業務の実施が商工中金の経営に与える影響でありますとか株主となります中小企業関係者の資金状況なども踏んまえて、三年後までに危機対応業務の在り方あるいは株式の処分の在り方、商工中金に対する国の関与の在り方について検討を加えて必要な措置を講ずることといたしておるところであります。
○山根隆治君 第二の一でございますけれども、株式会社産業革新機構は毎事業年度の予算を経済産業大臣に提出してその認可を受けなければならないと、こうあるわけでございますけれども、機構の予算編成は事実上これはもう政府が行うということに近しいものがあろうかと思うんですけれども、そういった中で不認可ということはあり得るのかどうか、この点について加藤議員の方からお答えいただければと思います。
○衆議院議員(加藤勝信君) お答えをいたします。 今御指摘のありますように、この産業革新機構、先般の産業活力再生特別措置法の改正に基づいて設置をされたところでございます。そのときも議論がございましたように、これだけの規模でいいのかどうかと、こういうような議論も含めまして、今回追加の出資が補正予算に盛り込まれますとともに政府保証も今回補正の中に設けられたと。それを踏まえて、従前は収支予算、これは届出をするというものを今回認可という形にさせていただいたわけでございまして、当然、経済産業大臣におかれましては、機構から提出された予算につきまして十分吟味をした上で、これが不適切であると、このような判断をした場合にはそれが是正されるように様々な指導をして修正し、適切なものとした上で認可をしていく、こういう段取りになろうかと思います。
○山根隆治君 今回は非常に経済の危機という中でのこうした法対応というふうなことになっているわけでありますけれども、やはり平成二十年九月現在では不良債権が三・七%というふうに、商工中金、承知をいたしているわけでございますけれども、中小企業の悪影響を避けつつ今後とも不良債権の処理についてはどのように進めていくというふうな理解をしていいのかどうか、この点について谷口議員さんからお答えいただければと思います。
○衆議院議員(谷口隆義君) 山根議員のお尋ねでございますが、おっしゃるように昨年の九月以降、リーマン・ショック以降垂直落下状態で、大変な中小零細企業は金融経済が混乱をいたしております。そんな状況の中で、やはり一番重要なのは資金繰り対策を、万全な体制を講じていくということであります。 このような中で、今般、経済危機対策ということで保証を三十兆円、また貸付けを十七兆円、合計四十七兆円でありますけれども、この規模での中小企業の金融対策を決定したところでございます。商工中金の今般の危機対応業務はこの中の重要な柱の一つであります。 この法案を速やかに成立をさせていただきまして、危機対応業務の枠を拡大するということが大変重要でございますので、よろしくお願いを申し上げたいと思いますし、後半の山根先生おっしゃった不良債権をいかにして抑えていくのかということでありますけれども、やはりこんな状況でありますので売上げも受注も大変急激に減少していると。こういう中で、新規の融資だけではなくて、既往の融資の返済負担を軽減していくということが非常に重要なんだろうと思います。また、日ごろから財務上のアドバイスを行っていくということが金融機関の大変重要な任務だと思っておるわけであります。 金融機関においては、融資の相談のときのみならず、融資の実行後も事業、経営の状況をよく見ていただいて、借り手の立場に立って親身に相談に乗り、継続的に支援をしていくという姿勢がひいては不良債権の発生を抑えていくということになるんだろうと思っております。
○山根隆治君 今回の法案が通ってまいりますと、私は、限りなく非民営化に近づいていくことになるんだろうというふうに私自身は感じているところでございますけれども。 もう一つの問題として、杞憂に終わればいいわけでありますけれども、商工中金の経営の自主性あるいは独立性、こういうものもしっかりと保っていかなくてはいけないというのがございます。政府の関与のありようということと絡めまして、この点についてどのような御見解を持っていらっしゃるか、お尋ねいたしたいと思います。
○衆議院議員(梶山弘志君) まず、今回の危機対応業務の拡大のための措置は、国の関与を縮小して経営の自主性、独立性を維持し、そして商工中金が民間金融並みのフルバンキング機能を提供するということを目指すという従来の方向性と矛盾するものではございません。また、商工中金は会社法上の株式会社でありまして、会社法に基づくガバナンスの下で中小企業向け金融を使命として経営の自主性、独立性を確保していくことが重要であると認識をしております。既に商工中金は、員外貸付先の拡充、そして子会社保有の解禁などの規制緩和を生かして、中小企業に対する事業承継支援、そしてコンサルティングなどのサービスの拡充や新たな貸付けメニューの創設に既に取り組みつつありまして、顧客拡大にも力を入れております。 商工中金を主要取引金融機関としている中小企業等の数は今二万一千社を超えたところでありまして、足下の危機に迅速に対処するとともに、中小企業向けフルバンキングサービスを充実させていくことが中小企業への資金供給の円滑化につながるものと考えており、三年後の見直しにおきましても、仮に国の関与を強めた結果、逆に中小企業向けサービスが低下してしまうということはあってはならないことであると思っております。
○山根隆治君 お話の趣旨よく分かったわけでありますけれども、実は参議院の予算委員会におきまして与謝野大臣が、結局、商工中金の民営化ということについては失敗だったんではないかというような趣旨、反省等の答弁が議会でもなされているわけでございます。つまり、私は、小泉改革は失敗だったんだというふうに私自身には聞こえてくるわけでありますけれども、こうした与謝野発言につきまして二階大臣はどう考えておられるのか、お尋ねをさせていただきたいと思います。
○国務大臣(二階俊博君) 与謝野経済財政担当大臣が、今、山根議員から御披露のありましたような御答弁を委員会でなされたということは承知をいたしておりますが、私は、この商工中金の完全民営化という問題が議題に上ったころに小泉内閣で経済産業大臣を担当させていただいておりました。そういう立場から、この民営化ということは極めて時代の潮流でもありますし、これを実現していくということは大変大事なことでありますが、この金融機関を頼りにしておる、今御答弁でも御説明のありましたとおり二万一千社に及ぶ中小企業の、しかも地方では大きな役割を果たしておられるような企業がここを頼りに、つまり商工中金を頼りにして頑張っておられるわけですから、いざというときに、何か予測せざる事態が発生した場合にどう対応するかというときに、私は商工中金というのはしっかりした存在でなくてはならないと思っておりましたから、商工中金ということに関しましては、危機対応業務等を含めて中小企業の柱になる、中小企業の皆さんが頼りにしていただける金融機関として存在すべきだということを思って、かなり真剣な対応をしてまいりました。その結果、私は、今日のような状況になったときに危機対応業務を備えた商工中金の存在は、極めて関係者の皆さんからこの存在に対して新たな評価をいただいているような昨今でございます。 今、私の立場から与謝野大臣の言及に対して論評することは適当ではないと思いますが、私は私の信念でやっておるわけでありますから、この方針を変えるつもりはありません。
○山根隆治君 次に、このところ、経済財政諮問会議に新たな財政再建目標などを盛り込んだいわゆる骨太の方針というのが新聞報道されているわけでございます。これによりますと、平成二十三年度にプライマリーバランスを黒字化すると、こういうふうな約束をしてきたこと、これをここに来て事実上方針転換されるのではないかというふうに思える新聞報道等でございます。 いわゆる国と地方の借金の残高が国内総生産に占める割合を二〇年代初めに引き下げると、こういう新しい物差しを私は出してきたように思うわけでありますけれども、なぜここに来てそうした物差しを変更するのか、そういう方針になっているのかについてお尋ねをいたしたいと思います。
○国務大臣(二階俊博君) ただいまのお尋ねの件でありますが、財政健全化目標について、六月三日及び九日に開催されました経済財政諮問会議において議論が行われたことは事実であります。 私は、成長力強化と財政健全化は車の両輪であるとの認識の下に政府として思い切って財政健全化に取り組む姿勢を示すことがまず重要であること、そして、景気の動向には十分注意を払いながら柔軟性を持って対応すべきこと、歳出面では一律削減ではなくてめり張りの利いた対応が必要であることなどを申し上げました。 新たな目標については、骨太方針二〇〇九の取りまとめに向け現在政府内で検討を進めているところですが、いずれにせよ、経済産業省としては、景気や経済成長と財政健全化の両立を図っていくということを最重要な課題と考え、今後においてもその点に留意しながら対応してまいりたいと思っております。
○山根隆治君 レトリックということなのかも分かりませんけれども、プライマリーバランスのことを財政健全化目標の中で位置付けて国の内外に明らかに今日までしてきたわけでございますけれども、財政健全化そのものは、もちろんいつの時代、だれの内閣でも当然負うべきものでありますけれども、象徴的な一つの表現というものについては一体何のために、だれのために掲げているものなのかについてお尋ねいたします。
○政府参考人(西川正郎君) お答え申し上げます。 財政健全化を進めていくということは、財政の持続可能性、社会保障の持続可能性ということを確保するためには重要であると思いますが、同時に、財政の健全化の目標を明確に掲げることによって市場の信認を得て経済の成長を確実にするという、そういう目的もあるというふうに考えております。
○山根隆治君 それでは視点を変えて、外国で財政健全化目標をどのように掲げているか、先進国の事例、分かれば御答弁いただけますか。
○政府参考人(西川正郎君) 先進各国どの国におきましても、今回の異常な経済状況の下で大胆な経済対策を取ってまず景気を回復するということを優先して作業を行っておりますが、同時に、その中で中期的な財政の姿についてのコミットメント、これをしっかりしていくことが経済財政運営のかなめにあるという認識で行われているというふうに理解しております。 お尋ねの件でございますが、例えば米国におきましては、オバマ大統領が今年の予算教書を御発表されたときに、前政権から継承した連邦政府の赤字について任期一年目の終わりまでに半減するということを目指すということを話しているほか、ドイツ、イギリス等の各国においても、中期的な財政健全化の目標について政府、議会等で議論が行われているというふうに承知しております。
○山根隆治君 主要先進国ではプライマリーバランスに利払い費を加えた財政収支の均衡というものを目標に掲げているんだろうと思うんですね。これ、今お話あったドイツでもそうですし、アメリカでもそうでありますし、そのほかのEUの各国でも共通したものであります。つまり、日本の掲げる目標というのは非常に低くなっているということを私は言えるかと思うんですが、この点についてどのような御見解を持ちますか。
○政府参考人(西川正郎君) 先般、六月九日の諮問会議で有識者議員から提案されました際には、ストックとしての国、地方の債務残高GDP比が基本目標であるということ、それからその引き下げに至る道筋を制御するフローの目標として、国、地方のプライマリーバランス黒字化の今後十年以内の確実な達成という目標を述べるとともに、あわせて、我が国の債務残高が他国に類例を見ないほど高い水準にあるということから、利払い費を含む財政収支の均衡を視野に入れて収支改善努力を続けるということが必要ではないかと、そういう御指摘を受けております。
○山根隆治君 私は、外国先進国と我が国との違いの一つに、政治レベルで見ると、やはり内閣の短命というのがあるんだろうと思うんですね。ですから、その内閣が、例えば橋本内閣であれば財政構造改革法による歳出の抑制というふうなことを言われて、GDP比で二〇〇三年に三%以下に赤字を抑えますよと、こういうことを言われ、そしてそれに替わって、翌年小渕内閣のときには財政構造改革法はこれは凍結するということになっております。そして、森内閣、小泉内閣というふうに来て、小泉内閣では、これ十四年度でございますけれども、いわゆるプライマリーバランスというものを打ち出してきたと、こういうことでございます。そしてまた、安倍内閣、麻生内閣でもそれぞれ目標というものを掲げるのに表現が随分変わってきて、内容も変わってきているわけであります。 私は、財政健全化ということを果たすのには、これはやはり国民の理解と協力ということが不可欠だと思うんですね。そうしたときに、しょっちゅうその目標が変わるようでは、一体その目標は何のためにあるのかということをやはり言わざるを得ないと思うんですね。やはり我が国は今財政的にも非常に厳しい状況で、欧米先進国に比べて厳しいのでというふうなお話はありますけれども、しかし、目標として掲げるものは長期間にわたった私は目標でなくてはいけないというふうに思うわけでございます。 そういった意味では、非常にふらふら、しょっちゅう変わるということでは、何のための目標を掲げるものなのかということがなかなか国民の理解を得にくいというふうに思うのですが、この点についてもう一度見解を聞かせてください。どうしたらいいと思いますか。お役人の立場からなかなか言いにくいかも分かりませんけれども、長期的に見る視点、そしてそれが内外からどう評価されているか、国民がどういう理解をすると思うのか、この点についてお聞かせください。
○政府参考人(西川正郎君) お答えいたします。 この場で御質問いただきましたので、ややこれまでの経緯につきましては大まかに述べさせていただきますが、諮問会議で財政の持続可能性の議論を二〇〇〇年代初頭から始めましているときには、二〇一〇年代の初めに財政の黒字化ができないかということでございましたが、やはり二〇一〇年代、経済の状況、足下が良くなかったのでなかなか明確にいつということはございませんでしたが、特に骨太二〇〇六、経済財政運営の基本方針の二〇〇六を作りましたときに、二〇一一年にプライマリーバランスの黒字化を達成すべきと。ただ、その先にやはりストックの目標があって、ストックの目標を二〇一〇年代半ばから引き下げるべきだと、こういう目標を掲げていたわけでございます。 今般の経済危機に当たって、やはりこうした目標を達成することが、事実上達成することが難しいということを、先般、与謝野大臣の方からも国会で答弁しておりますが、そうした状況を踏まえまして、新しい目標をやはり中期的なストックの基本目標とそれから制御するフローの目標の組合せ、それから更にもっと手元の当面の五年ぐらいの目標で考えていた方がいいんじゃないかという、そういう複数の視点を持って目標を考えるべきだというふうに議論をいただいております。 いずれにしましても、そうした財政健全化目標をきちっと持って市場の信認を確保していくということが運営上大変重要だと思っております。
○山根隆治君 霞が関や永田町が理解する目標を掲げる、事情で掲げるということではなくて、我が国はやっぱり経済的にはGDPが世界第二位の国家でもあるし、世界への影響も非常に大きいわけでありますから、世界に通用する目標を掲げるというのは非常に大事であると思いますね。それはやはり国際経済の中でいろいろな各国と競争しなくちゃいけない場面もたくさんあるわけでありますから、そのときに日本の財政どうなっているのかと、どこへ向かっていくのかということを明確にするためにもやはり象徴的な言葉、長期的に目標を変えないでいく、そういうことがすごく大事だと思いますが、この点については要望いたしておきます。政権が代われば、我が民主党政権下であればこうしたことはしっかり取り組んでいくという決意だということもお伝えをこの際させていただきたいと思います。 それでは、次に移らせていただきたいと思うわけでありますけれども、この今回の法案の中で文言としてございます中で、中堅企業、この定義というものはどういうふうになっているのか、お尋ねをいたします。
○政府参考人(石黒憲彦君) お答えを申し上げます。 今回の危機対応業務に関連する告示といたしまして国際的な金融秩序の混乱に関する事案に係る告示というのがございます。 この中におきまして、中堅企業をいわゆる中小企業基本法なんかに基づきます法定中小企業、例えば資本金三億とかそういったもので定められておりますが、そういった法定中小企業を除く資本金十億円未満の法人等と定義をいたしております。具体的には中小企業と上場企業のはざまにある地域の中核企業というのをイメージをいたしておるわけでございます。
○山根隆治君 明確な定義はなかなか私も探しましたがないわけでありますけれども、一つ破綻金融機関等の融資先である中堅事業者に係る信用保険の特例に関する臨時措置法というのが実はありまして、この中では一つの定義として、資本金の額又は出資の総額が五億円未満の会社という、そういうふうな定義をこの特別措置法の中ではいたしているわけでありますけれども、今の御答弁では十億以下というふうなことだと思うんですけれども、この辺のアバウトな定義というふうなことで理解していいんでしょうか。
○政府参考人(石黒憲彦君) 山根委員御指摘のとおり、中堅企業という言葉には幾つかの幅があろうかと思います。そういう意味ではその都度その制度に応じて定義をさせていただいているということでございまして、先ほど私が申しましたとおり、危機対応業務におきましては資本金十億円未満ということで中堅企業を定義をさせていただいているということでございます。
○山根隆治君 一応分かりました。 そこで、産業革新機構の問題でありますけれども、この機構の設立の見通しについてお尋ねをさせていただきたいと思うんですけれども、新聞報道等で既に人事等が報じられているわけでありますけれども、この全体についてどのような今状況になっているのか、進んでいるのかについてお尋ねをいたしたいと思います。規模、スタッフの数等々について分かっている範囲でお答えください。
○政府参考人(石黒憲彦君) 産業革新機構の設立に向けまして、当省といたしましては所要の政令を整備いたしまして、政令については一昨日閣議決定をしていただいたところでございます。 機構が支援対象事業者等を決定する際に従うべき支援基準を始め、支援基準を策定する上で必要となる基本指針、その他所要の省令、告示の今整備に努めているところでございまして、これらにつきましては、現在パブリックコメントに付している状況でございます。 それから、委員御指摘のとおり、機構の中核を担う幹部人材につきましては、実績ある民間人材になっていただくことについて関係者から内諾をいただきまして、先般、大臣より発表をさせていただきました。 今後、枢要なる幹部につきましては発表させていただきましたが、実際に投資の第一線に当たります実務者の方々の採用というのをやってまいります。経済産業省といたしましては七、八月の設立を目指して現在努力をしているところでございます。人員の規模といたしましては、当面五十人程度の規模を想定をいたしておるところでございます。
○山根隆治君 恐縮でありますが、もう一度質問を戻させていただきます。 中堅企業の定義について私はお尋ねをいたしました。二度御答弁をいただいたわけでありますけれども、アバウトなところでの定義ということで、しかし法律にはしっかりと中堅企業というふうに書いてあるわけでありますから、もう少し詰めて見解というものをまとめていただいてお示しをいただくことはできないでしょうか。
○政府参考人(石黒憲彦君) お答えを申し上げます。 危機対応業務におきまして、先ほど申し上げましたが、これに関連する告示といたしまして、国際的な金融秩序の混乱に関する事案に係る告示というのがございまして、これは平成二十一年に告示で具体的な定義をさせていただいております。 その中で第六条というのがございますが、その第四号におきまして、中堅企業、資本金十億円未満の法人ということで定めさせていただいております。これが今回の危機対応業務におきまして法律に基づく告示によって定義をされている中堅企業ということになっております。
○山根隆治君 そうしますと、今後いろいろな法案、法律案が作られたり、あるいは改正されてきたときに中堅企業というものが言葉として出たときには、法律名として出てきたときにはやはりその都度いろいろな解釈が変わってくるということになるんでしょうか。あらかじめ中堅企業というのはこうだというふうな定義付けする必要はないと、こういうお考えでしょうか。
○政府参考人(石黒憲彦君) 基本的にはこういった資本金十億円未満というのがもう一つのメルクマールだというふうに私どもも理解をいたしております。
○山根隆治君 それでは、質問をまた戻します。 機構の設立の見通しについて先ほど御答弁をいただきまして、大体理解をしたところでございます。 そして、その人事について伝えられるところでは、いわゆる代表取締役社長については能見先生が当たられるということでございますけれども、御年は六十三歳になられます。そして、業務執行責任者では朝倉さんという方が四十八歳だというふうに伝えられております。そして、産業革新委員会の委員長に名前が出ておられます吉川先生につきましては七十五歳ということで承知をいたしているわけでありますけれども、この産業革新機構は十五年間の時限があるわけでございます。そういうことを考えますと、今私が申し上げた年齢プラス十五ということを加算いたしますとどうなんだろうかなという思いが率直なところするんですけれども。 つまり、スタートはそういう形で取られるけれども、やはりある一定の時期に来たらまた人事については見直しをされるということなのか。それだけの人材を確保するのは、なかなかこれだけの先生方に働いていただく、集まっていただくのは大変なことでありますけれども、この辺の見通しについてはどんなふうにお考えになっているのか、お尋ねをいたします。
○政府参考人(松永和夫君) お答え申し上げます。 政府提案の法案の審議の際にも御答弁申し上げましたけれども、特に今お名前を出していただきましたCOO、あるいはCEO、第一線で最終的な出資案件の御判断をいただく、具体的には能見CEOと朝倉COO、御両者につきましては、この十五年間、可能な限り長く、具体的な出資案件がきちっと実を結んで日本経済の成長にきちっとした貢献をするような案件に育っていくことを見定めていただくと、こういう思いで大臣の方から内定の発表をさせていただいたところでございます。
○山根隆治君 人事ですから余り深追いをすることは避けたいと思いますけれども、先ほどの御答弁の中で、全部でスタッフ合わせて五十名ほどだというふうな御答弁がございました。私のような素人を集めるのは、これは五十人なんかあっという間でございますけれども、本当に有能で専門性を持った人、そして意欲を持った人、誠実に仕事をこなしていく人、しかも十五年間の時限ということでは、私はそのスタッフを本当に集めるのは大変なことだろうというふうに思うわけでありますけれども、具体的にはどのようにそうした有能なスタッフを集めていくのか、お尋ねいたします。
○政府参考人(石黒憲彦君) お答えを申し上げます。 大臣が先般、中枢幹部につきまして発表させていただきました。今後、公募を含めまして第一線で投資実務に携わっていただく方の採用を始めさせていただきます。そういう中で、現実には、この委員会の席でも御説明を申し上げましたが、これまでにどういった御実績をお持ちなのかどうかと、そういった点を含めましてチェックをさせていただいて、採用させていただくということでございます。 現在のところ、問い合わせ等も結構ございますので、私どもといたしましては、公募等のリクルートを始めますとそれなりの応募者があるというふうに考えております。
○山根隆治君 大臣、この機構がどのようなスタートを切られるかということが非常に成功するか否かの点で大事なポイントだと思うんですけれども、御自信はございますか、自信はおありですか。
○国務大臣(二階俊博君) 今議員がお尋ねのとおり、どういう人材を集めてスタートを切るかということがこの産業革新機構の将来を占う意味で極めて重要な要素であるということは承知をいたしております。 我が国には環境、エネルギーを始めとする将来の成長分野を支える優れた技術が存在していることは、これはだれもが承知をしていることであります。しかし、それらがある部分は大企業に、ある部分は中小・小規模企業と別々に組織が分散しておりますので、その実力を必ずしも十分に発揮しているとは言い切れないわけであります。こうした経営資源を業種や組織の枠を超えて組み合わせる新たな事業に産業革新機構が支援することで将来の成長の芽をつくっていく、そういう事業を育てていくことなどを考えておるわけであります。 こうした技術等を集約した新事業に効果的に投資していくために、実績、経験を有する民間人材を幅広く集めて、この機構に登用することにしたいと考えております。特に、機構の中枢を担う幹部の人材には直接お目にかかり、機構の運営に全力を発揮していただけるようにお願いをしております。 経済産業省といたしましては、各省とも連携を強化しながら、省を挙げて機構を応援し、我が国経済の将来の成長を担う産業の育成につなげていきたいと、自信を持って対応していきたいと思っております。
○山根隆治君 次の質問に移ります。 商工中金は政府系金融機関というふうな範疇に入るんだろうというふうに思うわけでございますけれども、既に株式会社化されているわけでございますけれども、依然として政府系金融機関というふうに言っていいものでありましょうか。
○政府参考人(長谷川榮一君) お答え申し上げます。 政府系金融機関ということでございますが、これまで国会で作っていただきました法律で一例ほどございます。したがいまして、これを基本にどう考えるかという、そういうアプローチがあろうかと思います。具体的には、民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律第十三条第二項というところに、株式会社日本政策投資銀行又は沖縄振興開発金融公庫その他の政府系金融機関と、こういう法律が日本国には存在しております。 恐らく、これまでの私どもが国会の審議等々で公式の場で申し上げているものは、こういった用例を基本に、一つは政府の関与、出資というのが一番そういう意味では経営に直接関与していると、責任を持つという意味、そしてやっております仕事が政策的に好ましいという方向に金融を提供する、この機能とそれからそういう意味での会社のガバナンス、二つの点だと思っております。 そういう意味では、完全民営化するまでの間は商工中金というものは政府系の金融機関というふうに考えてよかろうというのが私どもの理解でございます。
○山根隆治君 株式会社化されたということで、世間で見る目、そして職員の方々の思い、様々なものがございます。今はっきり明確に政府系だというふうに言っていただいたので、これは一つの大きな前進といいましょうか、一つの形が明らかになったと思うんですが、私は、やはり職員のモチベーションの問題とか社会の見方というものがございますので、その辺のところは、今答弁にありましたけれども、政府系だというふうにはっきり位置付けを明確にしていただくことが非常に大切だというふうに思いますので、今の答弁は私は了とさせていただきたいというふうに思います。 言葉を換えますと、今、全部株を売却するまではというふうなことがございましたけれども、逆に言いますと、商工組合中央金庫法、この一つ法律があれば私は政府系というふうな見方も一つされるかと思うんですけれども、この法律の存在とのかかわりの中ではどう考えますか。
○政府参考人(長谷川榮一君) 政府系金融公庫というものをどういうふうに理解するかという、そのものの定義というのは公式の文書といいますかそういうものではないと。したがいまして、先ほど申し上げました幾つかの点で判断をすべきだと思っております。 国会という日本国の最高の機関が法律を作って、その機関の特色あるいは機能、そういったものを書いているという重みは十分にあるわけでございますけれども、それが政府系金融機関かどうかということにつきましては、そういう定義がされているわけではございませんので、それはそれとして十分な重みがあるというものだと思いますけれども、私どもが使っております政府系金融機関というものと直ちに同一である場合と同一でない場合と、両方があり得ると思っています。
○山根隆治君 終わります。
○北川イッセイ君 自由民主党の北川イッセイでございます。今日は提案者、修正者の先生方、大変御苦労さまでございます。私は、与党ということでありますが、せっかく二十分という大変貴重な時間をいただきましたので、それなりに若干質問をさせていただきたいと、こういうふうに思います。 リーマン・ショック以来、世界的な金融不況が襲ってきました。それによって日本の場合は、円高、株安、こういうような形で大変な不況が襲っておるわけであります。それによって、もう皆さん方御承知のとおり、力のない関連の中小企業が大変大きな打撃を受けたと、こういうことであります。 今回の場合は、懸命に三次にわたる補正予算、また二十一年度の予算、そういう中で三十兆円に及ぶ保証枠をつくって、そして中小企業の資金繰りのお手伝いをしたと、こういうことで、非常に今現在それでしのいでおると、こういうようなことであると、こういうように思うんです。 バブルが崩壊して以来、中小零細企業に対する融資、金融、こういうものを考えてみますと、金融機関の基準として自己資本比率、これ一辺倒の指導というものが非常に影響したんだというふうに思いますけれども、中小企業に対して民間金融機関が融資をする競争をするんじゃなしに、自己資本比率を上げるために貸しはがし、貸し渋りをする競争に変わってしまったと、私はそういうように思ってならないわけです。それで、民間金融機関が中小零細企業に対する融資を本当に忠実というかまじめというか、そういう形で行ってこなかった、行うことができなかった、そういうことは、これはもう明々白々の事実だと、私はそういうふうに思ってならないわけですね。 これは、私が先ほど申し上げましたように、政府としては、これは民間金融機関のことですから、当然いろいろな競争をやっていく、当たり前のことです。しかし、政府としてはやはり、競争して中小零細企業に対して融資をする、資金繰りのお手伝いをする、そういう競争をすることがその金融機関のステータスになり、その金融機関の価値を上げていく、そういう仕組みをやはりつくっていかなければいけない、そういうことだったのだと、私はそういうふうに思っています。そういう状況の中で果たしてこの商工中金が完全民営化をしていいのだろうかという、私はそういう疑問を持って仕方がないわけですよね。 それで、私は民営化そのものに反対しているのではありません。これは、商工中金が民営化して、ほかの金融機関と一緒に中小零細企業に対してお金を貸す競争をする、融資をする競争をする、そういう形になれば、もうそれは一番いいことだと。民間でやれることは民間でやればいいんですよ。 しかし、果たして今の状況がそうなのだろうかという状況の中で、株式の売却を二十年から二十四年まで繰延べされたという、そういうことは非常に私は良かったんじゃなかったかなというような思いがしています。その間にやはりいろんなことを点検し、そして本当に中小零細企業にお金が回るシステム、そういうようなものをしっかり考えて、その上でこの商工中金を完全民営化を果たしていかなければいけない、そういうように思ってならないわけですね。 そういうところについて提案者の方々の御意見をひとつお伺いしたいと、こういうように思います。よろしくお願いします。
○衆議院議員(中野正志君) 北川委員の御質問に共感をするところが当然あるわけでありますけれども、私たちは、今回、議員立法の提案者側の意見を求められました。 恐らく、完全民営化後も商工中金が中小企業の金融円滑化を第一の使命としてしっかり使命、責任を果たせと、こういうことであろうかと思いますし、また重要なセーフティーネットとしてしっかり機能させろと、こういうことの御意見ではないかと思います。 商工中金法の第一条にもありますように、商工中金の使命は、申し上げましたように、中小企業等金融の円滑化であります。政策金融改革においても、商工中金は完全民営化を通じて民間の銀行並みのフルバンキングサービスを提供すると、こういうことで中小企業の多様な金融ニーズにより的確にこたえる金融機関となることを目的といたしております。同時に、国際金融秩序の混乱等に際しては、危機対応業務を担う機関として法的に位置付けられております。 ちなみに、櫻井委員長も私も仙台市でありますけれども、支店がありまして、商工中金の会という取引先企業の会議がございます。しょっちゅう情報交換されておられるようでありまして、そういった企業の方々に聞きますと、今までメガバンクあるいは地銀がメーンバンクだったと、もうこれからは商工中金に替えるという考え方を示される人もたくさんおりますし、分析力、解析力に優れた銀行だ、またしっかりと企業の将来、また企業の理念に対する融資ということで、とりわけ今日のような危機対応のときにはしっかりと雨の日の傘としての役割も果たしていただいている、そういう大きな評価をいただいているというのは私は大変幸いだと、そう思っております。 こうした商工中金の使命を今後ともしっかり確保していくために、商工中金の株主は原則として中小企業団体若しくは中小企業に法律上限定をされておるところであります。この株主資格制限につきましては、完全民営化後も確保されるべきことが商工中金法附則第二条第二項に明確に規定されております。また、商工中金が完全民営化後も中小企業の中小企業による中小企業のための金融、そういうことで、セーフティーネット機能も含めて、その役割、機能を十分に発揮できるよう、今後とも財政基盤の強化あるいは必要な法的枠組みの整備等に取り組むと、これが行政も政治も大変重要だと、そう思っておるところであります。
○北川イッセイ君 中小企業金融というのは、本当に私は大事だと思うんですね。これは、中小企業にとっては血液の循環とよく言われますけれども、まさしくそのとおりだというように思います。しかし、現状のような状態では、これ、いつまでも保証協会の保証頼り、保証が付いたら金貸すけれども、付かなかったら金貸さぬという、こういうような状況にいつまでも続くと、こういうふうに思うんです。私は、むしろこの商工中金を完全民営化して、そして一般金融機関とも競争すると、そういうような構想があるのならば、それを機会にもっと全部の金融機関がそういう中小零細企業に対してちゃんとした融資ができる、そういうシステムを是非とも考えていただいて前向きに検討していただきたいな、こういうふうに思っておりますので、ひとつよろしくお願い申し上げたいと、こういうように思います。 次に、産業革新機構についてでありますけれども、これは産業活力再生法を改正して、複数の企業、組織、団体などが共同のテーマを担って技術、人材、ノウハウ、そういうものを結集して、そして新しい技術とか新しい製品とか、そういうようなものを画期的なものをつくっていこう、こういうオープンイノベーションを支援する組織であると、こういうふうに理解しております。 私は、将来の日本を考えたときに非常に大事なこれはプロジェクトであると、こういうふうに思ってならないわけですね。日本の将来の産業、経済、そういうものを担うものに是非とも育てていただきたい、そういうふうに思ってなりません。その資金規模が四百億ということで、その四百億でやっていけるのかという議論が実はこの経済産業委員会でもありました。それをもっとやはり充実させにゃいかぬ、こういうことで今度の補正で四百二十億の追加出資と、こういうことにしていただいた、大変賢明な策であったと、こういうように思うんですね。 今回の法案では、それに付け加えて、機構が資金調達をするときに政府が保証するという、そういう保証制度、限度が八千億円と、こういうことでありますが、その保証制度までつくっていただいたと、こういうことであります。この背景ですね、この保証制度をつくったという背景、それからその理由、そういうようなものの考え方をひとつ示していただきたいと思います。
○衆議院議員(梶山弘志君) 産業革新機構は、政府や民間からの出資金を元手に、委員御指摘のように、オープンイノベーションを促進するための投資事業を行うものとして先般の産活法の改正で創設をされました。 この投資対象でありますけれども、すべての事例に当てはまるわけではありませんけれども、一番目が事業化の初期段階、二番目が事業の成長段階、三番目が事業の再編段階ということで、この三つの類型に対して投資をするものと想定をして審議をされてまいりました。今回は、このうち第三類型の前向きな事業再編型の大型の案件が出てくる可能性が増大をしているということに対応をしたものであります。 また、委員御指摘のとおり、先般の国会審議におきましても、機構への政府出資額を増額すべきであるという指摘がございました。 これらを踏まえまして、機構の出資枠を拡充するために平成二十一年度の補正予算で四百二十億円を追加計上して計八百二十億円を政府出資とするとともに、具体的案件に応じ、更に機構は機動的に資金調達を行うことで出資ニーズに適切にこたえられるように今回の政府保証制度を創設することとしたものであります。
○北川イッセイ君 ありがとうございます。 これ、是非とも円滑に、また前向きに、機構はつくったけれどもなかなか不振で申込みがないというようなことのないようにひとつ是非とも積極的に進めていただきたい、そういうふうに思います。 この産業革新機構によって、例えば医療ですとか環境ですとか、あるいは半導体、資源開発、いろんな技術革新などが期待できるわけです。私は、本当にそういう新しい可能性というものに大変期待をしておるわけです。 我々の地元大阪でも中小企業の方大変多いんですけれども、異業種交流とかいろんなことを通じて、いろんな夢をつくろう、あるいはつくっておられる、そういう業者の方も随分たくさんおられます。我々が話聞いて、えっ、なるほどというような、そういうようなものも実はあるわけですけれども、今現在、どういうような具体的な案件があるのか。もし披露できるものがあれば、その夢、ビジョン、そういうようなものもひとつ御披露いただけないかなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(石黒憲彦君) お答えを申し上げます。 梶山議員の方から御説明申し上げましたとおり、大きく三つのカテゴリーで今回この産業革新機構は投資活動をしていこうというふうに思っております。これはこの委員会でも三つのカテゴリーにつきましては御説明申し上げたところでございます。 事業化の初期段階で、例えば大学等に分散する、山中先生で有名なiPS細胞なんかがございますけれども、ああいったようなものを事業化するといった場合にはライセンスを束ねて付与するということが必要になってまいりますので、そういったライセンスを束ねるような、そういった出資案件といったようなものに対して数億円程度の規模になりますが出資をしていくと。 それからまた、事業の成長段階ということを先ほど梶山議員からも御説明申し上げましたが、バイオベンチャーといったようなものが例えばそろそろ治験をして薬の方に行こうと。これも治験の段階になりますと百億、二百億単位掛かってまいりますので、そういったものに対して製薬会社と一緒になって出資をしていくといったようなことが二つ目の類型、典型的な類型でございます。 それから、三つ目の段階は事業の再編段階ということで先ほど梶山議員から御説明申し上げましたが、水などにおきまして、膜の技術、それからプラントの技術、それからさらには事業運営のノウハウを持った会社といったようなものが組み合わさって進めていくということでございます。 それから、委員御指摘のとおり、今お触れになりましたとおり、エレクトロニクスの世界ではかなり今後再編の動きが出てこようかと思っております。半導体製造装置でございますとか、そういったような分野におきましてはかなり細かくいろんな事業会社に分かれているという部分がございます。今後、そういったものが糾合しながら、新しい技術をもって次の設備投資をしていこうとか、そういった動きが当然出てまいります。そういった意味で、今般、経済対策の中ではある意味では中長期をにらんで、本当に名前のとおり、中長期の産業構造を改革していくような、そういった案件につきましてこの機構が役割を果たしてまいりたいというふうに思っております。 個別の案件はまさにこれから、何といいますか、店開きをしました後に入ってまいります。ただ、問い合わせ等は実は既にいただいておりまして、そういったものが立ち上がりますと直ちに具体的な投資案件につなげてまいりたいというふうに思っております。
○北川イッセイ君 終わります。
○松あきら君 公明党の松あきらでございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。 六月の月例経済報告によりますと、景気の悪化の悪化という文言が削除されるわけであります。実質的な底打ち宣言かと、こう言われておりますけれども、今朝の株価を見て私は喜んだんですね、一万十二円七十三銭。今現在は九千九百八十八円十四銭ということでちょっと気持ち下がったようでございますが、できればこのまま一万円を突破して良くなってもらいたいと願うわけでございます。しかし、先ほど来お話が出ておりますように、特に中小企業あるいは小規模企業の危機というものはまだまだ去ったわけではないわけであります。 私は、今回、中堅企業が入りました。これ非常に評価しています。なぜならば、中堅企業がばたばたつぶれたんですね。中堅企業というのは雇用数がすごく多いんです。そうすると、解雇された方たちの数がもう本当に増えました。こういうことで、大変心を痛めておりました。今般、こうしたいろいろな、百年に一度と言われた世界の経済危機、これに対応するために、先般成立をいたしました二十一年度補正予算、今審議をしております商工中金法の改正によりまして、この商工中金による危機対応業務の事業規模、中小企業向けで二・四兆、中堅企業向けで〇・六兆拡大、そのための自己資本強化策として危機対応準備金千五百億出資する、本当に私自身はこれは大いに歓迎をしております。 しかし、こうした改正にもし取り組まなかった場合と改正した場合と比べてどれだけの効果が見込まれるかということは、やはり国民は自分たちの大事な血税がどういうふうに使われるか、どういう効果があるかという国民の目線から見れば、そうした国から出されるお金がどのように有効に使われるかということは大変に、もちろん関心があるわけでございます。ですから、例えば中小企業やあるいは中堅企業や小規模企業、どれぐらい、何社ぐらい救えるのか、あるいは、もちろん一〇〇%回収というのは無理なわけです。そうした事故率、リスクについてはどの程度見込んでいるのか、その具体的な数字までは分からないにしても、ある程度のことはつかんでいらっしゃると思います。それを伺いたい、数字を伺いたい、大体の数字でいいですから伺いたいということと、せっかくこうした危機対応業務、拡大したわけですから、全国隅々まで普及が図られなければ私はせっかくの効果が上がらないと思います。 これまでのこうした危機対応業務についての広報周知活動、これまでの取組と今後の取組をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(長谷川榮一君) お答え申し上げます。 前段のまず御質問の方でございますけれども、この危機対応業務、本格的に動き出し始めましたのは一月の三十日でございまして、その後、大変、何といいますか、急速にといいますか、かなり旺盛な要請がございまして、これまで融資の実績が増加しております。 これまでの、五月までの実績ということで考えてみますと、中小企業の方々が使う場合には大体一件五千六百万円の融資になります。それから、中堅企業の方の場合にはこれが三億をちょっと超えるぐらいになります。そういったこれまでの実績を基にした推算ということでお許しいただければ、今回、この予算措置をお許しいただきまして、拡大いたしました中堅、中小合わせまして三兆の追加、合計で四兆二千億という規模を推算いたしますと、中小企業で五万九千社、中堅企業で約三千社、こういった利用が見込まれるのではないかというふうに思っております。 それから、事故率というお話でございまして、これは全般の景況によりましていろいろ動きますので上下はあるとは思いますが、一応私どもが現在予算等々で御承認いただく前提として見込んでおりますのは、中小企業向けの場合の事故率は年間で二・五%、それから中堅企業向けの場合はこれが一・五%ということでございます。 後段の御指摘の広報、周知、これは、本当にこの措置を少しでも多くの方がお使いいただきまして、従来商工中金に御縁がない方も含めてお使いいただきまして倒産を一件でも防ぐというようなこと、私どもに課された大変重要な使命だと思っております。 具体的に申し上げますと、政府、商工中金はもとよりでございますけれども、中小企業につきまして全国的な組織を持ちます団体の協力も得まして、手法につきましても、直接の説明会、それからチラシ、新聞広告、さらには、昨年度になりますけれども、年度末、年末を控えましてテレビスポットのコマーシャル等々で予算を活用させていただきました。商工中金自身が全国で百九十八回に及びます説明会、先ほど申しましたチラシは約四百四十万枚、もちろん地方公共団体の窓口等も使わせていただいております。 今後でございますけれども、この広報、周知には、切れ目がない仕事でございますので、更に強化すると。特に、商工組合の場合は、組合金融ということで、全国の中小企業の組合に入っておられます中小企業の方は約三百万に達しますので、こういった中小企業の方全員に届くようにしっかりと努力をしてまいるつもりでございます。
○松あきら君 ありがとうございます。 中小企業で約五万九千社、中堅企業で三千社は救えるんじゃないかというお話でございます。大変な数でございます。しっかりと広報していただきたいと思います。 私は、先ほど北川先生が民間の金融機関の実態をお話しくださいました、まさにあのとおりだと思います。なぜならば、やっぱり自分の金融機関が大事でございますから、そんなもの、自分のところが危うくなるようなことはしないわけで、まさに雨の日の傘の話は、私が実は安倍内閣のときにテレビ質疑で、今の民間の金融機関、メガバンクなんかは特にもう中小企業なんかに何にも貸さない、雨の降っている日に傘を貸さないと申し上げましたら、安倍当時の総理が、いや、それよりも、貸している雨の日に差している傘を返せ、取りに来ると、こういうふうにおっしゃったんですけれども、まさにそういう実態があると。 そういう中で、私は、まさに商工中金、今回のこの措置、最後のとりでだというふうに思っているわけでございます。ですから、私自身も、民営化とはいうものの、しっかりとそうした国が関与をして、やはり大事な最後のとりでというところは守っていただきたい、こういうふうに個人的には思っている次第でございます。 そういったことで、今般の改正は、経済危機を踏まえて商工中金による危機対応業務を一層拡充するために資本増強を図るものであります。私は、商工中金の自己資本比率八・九%でありまして、これはBIS規制で一応八%以上と定められておりますので、そこはそうなんですけれども、しかし低いなと。地銀でも一〇から一五はありますし、海外支店もあるのにちょっと低いなと感じておりました。ですから、今回の資本増強を歓迎したいと思っております。そして、中小・小規模企業、そしてまた中堅企業のための金融機関としてその役割をしっかりと果たしていただきたいというふうに思います。 しかし、今お話ししましたように、まだ危機が去っていない。そういうことを考えますと、もしかしたら状況によっては追加の出資も必要があるかもしれない、このようなことも提案者の方はお考えになっていらっしゃるのかどうか。また、このような危機対応準備金の自己資本としての質についてどのようにお考えか、お伺いをさせていただきます。
○衆議院議員(谷口隆義君) 今の松委員のお尋ねでございますが、おっしゃるように、この危機対応貸付けというのは非常にリスクの高い貸付けでございます。ですから、自己資本を拡大、充実をさせないとやはり円滑に融資ができないということがございます。 それで、今般、経済危機対策で、商工中金が担う中小・中堅企業向けの貸付け、今回三兆円がプラスされまして四・二兆円ということになったわけでありますが、この追加的な三兆円に対して、自己資本比率をリスクアセットで、バーゼル2といいますか、BIS基準で割り返して、ちょうど千五百億が八%だということで、今回千五百億円出資をするということになったわけでございます。 それで、二点目の追加出資を考えるかということでありますが、今後の経済情勢によっては更なる対応が必要であるということでございますので、本法案におきましては、平成二十四年三月末までの間、商工中金に政府が出資を行い、危機対応準備金を積み増すことを可能といたしております。 それで、最後の、この危機対応準備金、そもそも出資しないのかという議論もあるわけですが、御存じのとおり、五三・五%が民間出資でございますので、ここに出資しますと、ダイリューションといいますか、相対的に希薄化が起こりますものですから、今回、危機対応準備金ということでさせていただいておるわけでございます。 そもそもこの危機対応準備金がBIS規制上の中核的な自己資本、ティア1に該当するのかどうかということがあるわけで、松委員は質の観点ということはそのことをおっしゃったんだろうと思いますが、このティア1になるかどうかというのは、一つは永続性ということと、あとは、一般の損失にも十分てん補でき得るかどうかという、この二点が一つのその条件になっておるわけでありますが、今回、この法案におきましては、危機対応準備金を国庫納付いたしますが、この商工中金自身の判断によってこれは任意に行い得るということ、また、一般の損失にも十分補てんがし得るというその観点で、中核的自己資本と申しますが、ティア1に該当する要件を備えたものということでさせていただいておるわけであります。
○松あきら君 ティア1に入るということで、私も安心いたしました。やはりティア2でありますと優先株とか劣後ローンとか返さなきゃならないわけでありますので、これは私は喜ばしいことでありますし、また、その追加出資も可能ということでありますので、これは国民の皆様にも更にこういうことも含めて分かっていただくことが大事であるというふうに思っております。 実はもう時間が全然なくなっちゃいまして、飛ばさせていただきます。十五分しかありません。済みません。最後にぽんと飛びます。一つだけ、産業革新機構について最後に質問をさせていただきます。 我が国経済の成長を牽引して、雇用を生み出す新たな産業を創出していくということは極めて重要なわけであります。そうした産業革新機構は、イノベーションを支援することで新たな産業を生み出すという重要な役割を担っているわけであります。今後、オープンイノベーションが活発化をして、様々な分野で日本の将来を担う可能性のある案件が出てくることを期待をするわけであります。 そうしたせっかくのいい案件なのに、この機構が今まで資金制約から出資できないということは適切でなかった。今回の法案では政府保証制度を創設することでその機構の借入れ等について政府保証することができるようにするものでありまして、産業革新機構の活動を充実するものとして私は評価をしたいと思っております。 しかし、産業革新機構の成功には、資金面での裏付けを充実するだけでは、それだけじゃ駄目なんです。いい案件をどれだけ発掘して育てていけるか、これが重要でありまして、そのためには、民間から多くのアイデアが積極的に提案され、この機構が真に将来性のある案件を見極め、自らが、単にリスクマネーを供給するにとどまらず、投資対象案件を育てていくプラットホームの役割を果たすことが必要だと考えるんです。 しかし、この目利きというのはある意味ではとっても、すごく難しいんですね。なぜならば、ある事業についてどのような問題点があり、どうすれば発展するのか、そうした、何というんですか、事業に内在する問題点や方向性を見極めてそれを指導するというのは非常に難しい。けれども、今回それをしていかなければ、まさにプラットホームの役割を果たすことができない。この点についてどういうふうにお考えなのか最後に伺って、質問を終わります。
○政府参考人(石黒憲彦君) 松委員御指摘のとおり、産業革新機構を成功させるためには目利き能力というのが非常に重要だというふうに思っております。シリコンバレー等におきましても、外部の目利き能力を持つ専門家をうまくネットワーク化しているというのが特徴でございまして、その中からベンチャービジネスが輩出されているということかと思います。 日本には残念ながらそういった意味での目利きのネットワークというのが幾分弱いところございますが、最近では様々な動きがございます。例えば創業支援推進機構というものがございまして、そちらでは、大企業や大学等で第一線で活躍している専門家を評価委員ということで千人程度登録をして技術や事業性の評価を実施しているというふうに承知をいたしております。 機構におきましては、こういった動きのございます目利き集団とよく連携をいたしまして実際の事業評価に当たってまいりたいというふうに思っております。 それからまた、委員御指摘のとおり、うまくこの機構が機能いたしますと、ここが様々な有望な案件のある意味ではポータルサイト、玄関口として機能いたしまして、ここがある意味では情報のネットワークになっていくということが考えられます。 そういった意味で、この機構が機能するように努めてまいりたいというふうに思っております。
○松あきら君 ありがとうございました。 ─────────────
○委員長(櫻井充君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、神取忍君が委員を辞任され、その補欠として丸川珠代君が選任されました。 ─────────────
○松下新平君 改革クラブの松下新平です。 本日の議題に入ります前に、二階経済産業大臣に二点ほどお伺いしたいと思います。 一点は、山根理事からもありましたけれども、重要な問題ですので、昨日、日本の温室効果ガス、この中期削減目標が発表されましたけれども、これに対する経済産業省の御見解をお伺いするのと、六月初めに、アメリカの繁栄の象徴であった百年の歴史を持つGMが事実上破綻したと、この日本経済に与える影響、そして産業界、大変心配しておりますので、その状況。大臣は、この破綻からこの委員会、初めて開かれる委員会に出席していただきましたので、その二点についてお伺いしたいと思っております。 まず一点目ですけれども、温室効果ガス削減目標、二〇〇五年比一五%減ということに発表されましたけれども、これに対して産業界から様々な意見がなされております。毎日新聞がよくまとまっておりますのでちょっと引用させていただきますと、製造過程での二酸化炭素などの排出量の一〇%以上の削減が迫られている産業界は一様に大変に厳しい水準だと受け止められております。 日本自動車工業会の青木会長も、この中期目標に対して、大変厳しい目標であるとコメントをされております。自動車業界は従来、京都議定書の削減目標に合わせ、国内の製造過程で排出するCO2排出量を一〇年度までに九〇年度比二二%減を公約し、目標を〇八年度時点で前倒しで達成する見込みだ、ただ、更に一〇%以上削減しようとすれば、工場の海外移転を進める必要が出てくる可能性があり、空洞化に拍車が掛かって雇用に影響を与えかねないという懸念も出されています。 電機業界も危機感は強いというふうに書かれております。製造過程でのCO2排出量の大幅削減には工場設備の刷新が必要ですけれども、世界不況で業績不振の中、多額の環境対応投資は経営の重荷となりかねない。このため、省エネ製品の普及による削減効果と製造過程での排出を相殺するトータルな評価をしてほしいという本音もありました。 製造過程での排出量が多い鉄鋼業界は、アメリカ、ヨーロッパ、中国などと平等な競争条件を確保してほしいと指摘され、日本だけが環境対応で過度に負担を強いられる事態を懸念されております。 これにつきまして、二階経済大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(二階俊博君) ただいま大変重要な視点で御質問をちょうだいしましたが、私は、最終的に総理の御決断で、世界の今日現在はトップを行く省エネ国家として率先して低炭素革命というものを実現していくという強い意思を内外に表明されたものであり、我々もこのことに対しては、今お話をいただきましたような事例は十分承知をいたしておりますが、それでも内外の状況を判断して総理があのような御決断をされたことに対し、我々はこれを支持してまいりたいと思っております。 しかし、一番我々が気に掛かるところは、国民負担という点であります。そして、続いて、今お話にありましたような業種はほとんど中小企業に分類される業者が多いわけでありますから、これらの皆さんの事業につきまして十分対応していかなくてはならない。先ほども御答弁で申し上げましたが、一世帯当たりの可処分所得で年四万三千円減少し、光熱費で年三万三千円ぐらい増えることになる。これらを合わせますと合計で七万六千円の負担増が生ずるわけであります。 ですから、環境、環境と、環境問題が大事だ、グリーン何とかが大事だということをおっしゃる人は多いわけでありますが、これだけの負担が掛かってくるんですよということ、これはやっぱり十分御理解をいただいて、負担が掛かるという部分についても逃げないで御一緒になってこれを国民の皆さんに説得していくという努力が私はなければ、環境問題だといって世界のトップを行くなんて言ったって、国内が足下乱れたんではどうにもなりません。ここはお互いに力を合わせてやっていかなきゃいけない。 同時に、昨日、総理の記者会見で御覧になった方もいらっしゃると思いますが、キリバスのお話をされております。キリバスのみならず、このまま放置しておきますとやはり沈んでいく島、沈んでいく領地、沈んでいく国がこの世界、この地球上に存在している、このことに見て見ぬふりをするわけにいかない。いわんや我々は先進国だと自称しているわけでしょう。同時に、環境先進国だということを自負しているわけでありますから、このことにも配慮しなきゃいけない。 私は、経済界の皆さんとも十分話合いをしながら、これらの問題を軟着陸していくための対応ということに対して配慮をしていかなきゃならぬ、そして金融の面等においても、今、松下議員からお話がありました各業界がこの環境問題に取り組んでいく上においての御負担に対しどう対応していくかということは十分念頭に入れて御相談していかなきゃいけないと思っております。 昨日も衆議院の委員会におきましてもいろんな御質問がありましたが、もっと水力発電なんかの場合に小さい言わば見過ごされておるような土地改良の、早く言うと田んぼの水、水源ですね、こういうものを活用して、いわゆる農業の皆さんにも御参加をいただいてこの新たな水力発電というものに対してもっと力を入れたらどうかという御提案がありましたが、私は昨日も最後の閣僚の会議におきましてもその話を申し上げておきました。 あらゆる国民の皆さん、あらゆる業界の皆さん等の御協力をいただいてオール日本でこの重大な課題に対してこたえていかなくてはならないと思っております。どうぞ御協力をお願い申し上げます。
○松下新平君 ありがとうございました。 大臣は、昨日のコメントでも、不可能な数字ではないということを発言されていらっしゃいます。経済界を代表して、先ほど原子力の推進、あるいは日中間のハイレベルな対話の話もありましたけれども、技術革新もしっかり進めていくというメッセージでもあろうかと思いますので、その点もよろしくお願いいたしたいと思います。 もう一点、GMの破綻に対して、世界経済にも大変影響を与えているわけですけれども、日本経済、とりわけこの関連の企業の影響が心配されておりますけれども、その点について簡潔に御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(二階俊博君) GMの問題は、御指摘のとおりでございまして、我が国経済に少なからぬ影響を与えていることは事実でありますし、我が国のみならず、世界の経済に大きな影響を与えていることは議員御承知のとおりであります。 したがいまして、我が国としては、自動車・部品メーカーに特に混乱を生じないように十分観察をいたしておるところでありますが、今のところ大きな混乱が生ずるということは避けられるのではないかという見通しでありますが、これは、あらかじめこういう事態を想定して各企業が十分この状態に対して正確な情報を把握しながらあらゆるシフトをしてきたということが今日の結果をもたらしていると思いますが、さらに、この状況がどのような厳しい事態に直面するかということなどもやはり考えておかなくてはなりませんから、その場合には、的確な対応をして、日本の企業、あるいは自動車業界あるいは部品メーカー、こういう皆さんに大きな影響を与えることのないような対応というのは、業界の皆さんとともに経済産業省も真剣な対応をしてまいりたいというふうに思っております。 ただ、アメリカなんかにも先般参りましたときに、日本の自動車メーカーのおかげでアメリカの企業がこういう状況になっておるということも、少しジョークを交えてでありますが、御承知をいただきたいというようなやんわりしたお話がありましたが、これも事実だと思います。ですから、私は切り返しに、日本の企業も、これ、中古自動車を新しくしてやっていこうということも我々も考えているんだが、日本は技術が大変進んでおるからなかなか日本の自動車は壊れないので経済産業省も頭を悩ませているんですよと、こういうジョークで切り返してやりましたら、向こうも、それには参りましたと。やっぱり技術革新ということに力を入れることを怠ったというツケが今来ておるということは彼らも知っておるわけですから、環境問題においても我々はこのことをやはり他山の石として考えていかなきゃいけない、こう思っております。
○松下新平君 ありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。 残りの時間で本日の法案について質問いたしますけれども、一点に絞ってお伺いしたいと思います。 今日は発議者の皆さん、そして修正案提出者の皆さんお越しですけれども、御労苦に敬意を表したいと思います。何事も現状の認識、共有が大事ですけれども、私も、改革クラブとしても、この法案は全面的に、附帯決議もありますけれども、賛成の立場でありますけれども、この法案提出の背景につきまして、再度、確認の意味で御答弁をいただきたいと思っております。
○衆議院議員(中野正志君) もう商工中金はこの一月から危機対応貸付けを本格化いたしております。五月末までの四か月間で、中小・中堅合わせて約六千七百億円もの実績であります。今回のこの経済危機対策では、貸付枠を中小企業向け三・三兆円、中堅企業向け〇・九兆円と、四・二兆円に拡大することを決定しております。 一方、何ら措置することなくこれを実施した場合、商工中金の自己資本比率、昨年十月時点で八・九%でありますけれども、それが低下をして、調達金利の上昇でありますとか商工中金の業務にどうしたって影響が出てまいります。これを避けるために、政府が追加の出資をいたしまして商工中金の財務基盤を強化することが必要だと。このための予算、一千五百億円を補正予算で手当てをいたしております。 この法案は、政府の出資規定を創設することで、商工中金の自己資本を千五百億円積み増すことを可能とするとともに、現在五三・五%を占めます民間株主の権利を損なわないようにということで、普通株式による出資ではなくて新たに危機対応準備金を設けるということになるわけであります。 よろしく御理解ください。
○松下新平君 ありがとうございました。 まとめますけれども、与謝野財務大臣のこの発言が先ほど取り上げられました。政府所管に戻す、戻さないという議論は、この三年間の見直しの中でしっかり点検をして、また議論を深めていきたいと思います。 いずれにしましても、中小企業のためにセーフティーネットとしてこの商工中金がしっかり役割を果たすように注視してまいりたいと思います。 以上で質問を終わります。
○委員長(櫻井充君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 中小企業者及び中堅事業者等に対する資金供給の円滑化を図るための株式会社商工組合中央金庫法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(櫻井充君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、中谷智司君から発言を求められておりますので、これを許します。中谷智司君。
○中谷智司君 私は、ただいま可決されました中小企業者及び中堅事業者等に対する資金供給の円滑化を図るための株式会社商工組合中央金庫法等の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会・国民新・日本、自由民主党、公明党及び改革クラブの各派並びに各派に属しない議員田中直紀君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 中小企業者及び中堅事業者等に対する資金供給の円滑化を図るための株式会社商工組合中央金庫法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 中小企業者及び中堅事業者等(以下「中小企業者等」という。)の大幅に悪化している資金繰りを改善し、経営の安定化や活性化を図るとともに、中小企業者等に対する資金供給を長期にわたって確保することが喫緊の課題であることにかんがみ、政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。 一 株式会社商工組合中央金庫(以下「商工中金」という。)の危機対応準備金が創設された趣旨にかんがみ、不況時の中小企業の資金需要に的確かつ十分に対応するため、危機対応業務の一層円滑な実施が図られるよう、財源の確保や借り手の立場に立った対応の徹底など万全の措置を講ずること。 二 本法施行後の検討に当たっては、商工中金に対する政府出資が中小企業向け資金供給に十分つながっているかどうかを定期的に検証するとともに、国が中小企業金融の円滑化に責任を果たすべきとの観点から、国の中小企業政策との連携の確保及び商工中金の財政基盤の更なる強化等について結論を得ること。 また、政府系金融機関の在り方について規定した「簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律」第六条における商工中金の位置づけについて、見直しの検討対象とすること。 三 資金調達のための政府保証制度の創設により、株式会社産業革新機構が多額の資金を調達し、それらをリスクマネーとして供給することが可能となることにかんがみ、支援基準の明確化や民間の優秀な目利き人材の確保と活用等により、出資対象の審査及び出資後の監理を厳格に実施する等その運営において公正性かつ透明性が確保され、また、財政資金の保全・回収が図られるよう体制の整備に努めること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(櫻井充君) ただいま中谷智司君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(櫻井充君) 全会一致と認めます。よって、中谷智司君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、二階経済産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。二階経済産業大臣。
○国務大臣(二階俊博君) ただいま御決議をいただきました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、本法律案の実施に努めてまいりたいと考えております。
○委員長(櫻井充君) ありがとうございました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(櫻井充君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時五十分散会