経済産業委員会 第5号
- 発言数
- 93 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2009/04/07
会議録
○委員長(櫻井充君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 不正競争防止法の一部を改正する法律案及び外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、法務大臣官房審議官團藤丈士君外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(櫻井充君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(櫻井充君) 不正競争防止法の一部を改正する法律案及び外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○藤原正司君 おはようございます。 知財の保護の問題につきましては、私は平成十三年に当委員会の委員に初めて委員として任命いただいてから、ちょうどその一年前の平成十二年にこの知財憲法とも言える知財基本法が成立をし、その後、個別法が整備されてきたんですけれども、正直言うと、ちまちまやり過ぎて、その割に遅いなと。結局、国際社会といいますか、国際化の流れの中で、我が国の法体系との調整にちょっと時間掛かり過ぎてきたんじゃないかなという思いがしないでもありません。 しかし、この知財というのは、特にアメリカを始めとして知財で生きてきた国もあるわけですし、知的財産というものをこれから我が国の産業の大きな柱に据えていくというのは極めて大事。特に、国際化社会の中で我が国が生きていこうとすると本当に大事な問題であり、これを育成、保護していくのは国の大きな務めだというふうに思うわけですが、今回、不正競争防止法が改正されるに当たり、この知的財産に関して大臣としてどういう思いをお持ちなのか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(二階俊博君) ただいま先生が御指摘のように、知的財産の保護、そしてその活用の重要性につきましては、実は私も昨日、総理主宰で知的財産戦略本部会合というのがございました。これに出席してまいりましたが、今後五年間の基本方針の議論の際にも、私から特に発言を求めて、今先生から御指摘がありました知的財産の保護とその活用の重要性、これを政策として大いに取り上げていかなくてはならない。しかも、特許法が公布されてちょうど今年は御案内のとおり五十年の節目を迎えるわけでありますから、イノベーションをより促進する特許制度とすべく検討を開始し始めたところでございますが、これらについてもいい結論を見出すようにいたしたいと思いますし、国際協力の枠組みということに対して最近はあちらこちらで大変御意見が言われております。私どもとしては、当然、一度に複数の国に特許を出願する方々が多く出てまいりましたので、各国が審査結果を活用し合う、そういう国際協力の在り方、これを日本がリードしていくべきだというふうに考えております。 また同時に、地域や中小企業、特に大学等によって知財の活用を収益源としようとする動きがありますが、これらに対して経産省としてはきめ細かい支援を行ってまいりたいと、このように考えております。
○藤原正司君 我が国の場合はいろんな要因があって、この知的財産というものの保護、育成ということに少し立ち遅れてきた感がある。何か情報というと産業スパイぐらいしか頭に描かれない。 あるいは、日本は長い間定年制を中心とした長期雇用でまいりました。この長期雇用制度というのは、私は極めて意義があるというふうに思っております。単に労働というものを契約関係で見るだけではなくて、長期雇用の間に出てくるいろんな問題、いろんな成果というものがあったと。例えば定年制の間で、従業員と企業の間に高いロイヤリティーが発生していく。そうすると、企業の持つ情報、営業秘密などはそう簡単に外へ出していこうという気にならない、従業員そのものが。ところが、短期契約の中の契約主義ということになってくると、要は働いた間だけの契約なんであって、それ以外は全くフリーなんだというようなことで、長期雇用制度か短期雇用かによってもこのロイヤリティーからくる契約意識というものが大きく変わってきている。 そして、もう一つは、先ほど言いましたように、何か日本の場合ですと、情報イコール産業スパイが何かやるみたいにかつて思われてきたという中でその対策が立ち遅れてきたんではないかなという思いがするわけでありまして、是非経済産業省としても本腰を入れてやっていただきたいというふうに思います。 二つ目の質問ですが、この委員会でいつぞやある自動二輪のメーカーを視察をしたことがございました。そのメーカーがおっしゃるのには、そのメーカーは東北アジアの大国に今進出しているわけですけれども、例えば、ああいうところは、もう二輪であろうが四輪であろうが、ほんのアルファベット一字だけ取り替えただけで、何かよく似たような、聞いたような聞かぬような名前の自動車だとか二輪ができたり、あるいはモデルがそっくりのものができたり、そういうことで、本来は裁判にかけなければならぬのですが、なかなか裁判まで行かない、裁判に行っても判決がなかなか出ない、判決が出てもそれをきちっと是正するところまで行かないということで、大変お悩みでございました。だからといって、それを放置してしまうと当たり前じゃないかというふうに思われます。 これ、経済産業省の資料を見ておりますと、そういうふうにしてやる国にしては結構保護制度はきついなと、自分のところの営業秘密を守るのは一生懸命やけど、人のを侵害するのは平気なのかなというふうに思いながら法制度を見ておったわけでありますけれども。 こういう国際社会の中で知的財産をどのように守っていくのかということについて、一つの国だけではなく、国際的な仕組みの中でこれを守っていく必要があるというふうに思うわけでありますが、その整備状況についてお尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(立岡恒良君) お答えいたします。 ただいま模倣品の被害に関する国際的な取組の状況についてお尋ねいただきましたけれども、その被害の状況につきましては、今委員から二輪のケースを挙げて御指摘ございましたけれども、私どもも、特許庁の方で行ったアンケート調査によりますと、回答のあった日本企業のうち四、五社に一社が何らかの被害を途上国を中心にいろんな形で受けているという実態がございます。 それで、それに対しましてでございますけれども、まず二国間の取組といたしましては、例えば中国とか東南アジア、中東、こういった国・地域に対しまして、官民の合同ミッションを派遣をしたり、あるいは政府間で協議をしたりといったことを行っております。こうした機会を通じまして、知財の保護をするということは、単に取締りをするだけじゃなくて、その国が経済発展をするためにも大事なんだということを理解を促しながら、制度改善あるいは執行の強化ということを求めると同時に、相手国の取調べ機関への研修といったような協力も行ってございます。 それから、国際的な枠組みということの重要性は御指摘のとおりでございますけれども、これは二〇〇五年のG8サミットで、模倣品、海賊版の拡散防止のための法的枠組みということを設けようという構想を日本から提案したわけでございますけれども、これはある意味では国際的に高い水準の規律を枠組みとして決めようというものでございますけれども、二〇〇八年の六月に交渉を開始いたしまして、四回にわたって会合が開かれているところでございます。 ただ、御案内のとおり、途上国を取り込んでいくというのはなかなか難しいわけでございますけれども、私どもといたしましては、引き続き早期実現に向けて関係各国との調整、交渉を進めてまいりたいというふうに思ってございます。
○藤原正司君 今も申し上げましたが、模倣品を始めとして、営業秘密というものを守っていこうとしますと、二国間だけではなくて国際的な枠組みの中できちっとやっていかないとなかなか成果が上がらないというふうに思いますし、そこのところ、もっと引き続き努力をいただきたいというふうに思うわけであります。 次に、先ほどもちょっとお話ししましたが、それぞれの国々によって知的財産をどのように保護するかという仕組みが違うというふうに思いますが、それぞれの主要国は一体どういう形でこの知的財産、営業秘密を保護しているんでしょうか。
○政府参考人(森川正之君) お答えいたします。 営業秘密ということに限ってお答えいたしますけれども、営業秘密という情報への侵害行為のとらえ方につきましては、各国によってその表現の仕方は異なりますけれども、例えばアメリカ、ドイツ、中国の営業秘密侵害罪につきましては、営業秘密の領得的行為に対して刑事罰をもって対応しております。これに対して、現行の我が国の営業秘密侵害罪は、使用、開示という行為を中心的な処罰対象行為としてとらえておりまして、諸外国に比べて処罰の介入時期が遅れているという状況でございます。 また、主観的要件でございます営業秘密侵害行為の目的につきましても、こういった海外では、一般に不正の利益を図るような目的や保有者に損害を加える目的による行為を処罰の対象にしております。要すれば、諸外国の方が日本に比べてかなりこの営業秘密の保護の範囲が広いと、こういうことでございます。
○藤原正司君 ということは、総じて言えば、主要先進国の中の多くは我が国よりもう少し営業秘密を守るための保護制度が厳しいと、こういうふうに理解してよろしいんでしょうか。
○政府参考人(森川正之君) 御指摘のとおりでございます。
○藤原正司君 私は、こういうふうにして、諸外国の営業秘密を守るルールの方が厳しくて我が国の方が緩いということになってきますと、これは、単に我が国の営業秘密が守られているかどうかだけではなくて、外国から見れば、営業秘密も守れぬような国に我が国の営業秘密を貸し与えたり提供したりすることができるんかと、こういうことになりはしないかというふうに思うわけであります。 これはちょっと違うかも分かりませんが、かつて防衛省がSFXを購入するとき、ステルスのファイターを買うというときに、我が国は情報が漏れやすいから、そんな国に最新鋭の技術的に最も進んだファイターを輸出したりすると、どこで情報が抜けてしまうか分からぬみたいなことを言われたか、ような報道がかつてあったというふうに記憶をしております。 このことと同義語ではありませんけれども、我が国がきちっと、我が国の営業秘密も、それから外国の営業秘密もきちっと守るというものがなければ、我が国は何かセキュリティーホールになってしまって、あそこはしり抜けやでということになると、我が国の信用、ひいては我が国の経済活動にも影響を及ぼすと思うんですが、その点はいかがでしょう。
○大臣政務官(谷合正明君) 委員御指摘の点はごもっともな点でございまして、まず、そもそも諸外国あるいは国際市場から有益な情報を受け入れたり共有を促進するためには、日本においてそうした情報が適切に保護されるという環境整備がなされているということが前提であります。しかしながら、議員御指摘のとおり、その前提が十分に達成されてない、仮に十分な保護が確保されなければ我が国がセキュリティーホールということになりますので、その結果、外国の企業が日本における事業活動を行ったり、我が国企業との共同研究のパートナーとすることを差し控えるといった懸念、指摘も実際あるわけでございまして、そうした意味で、今後、日本が諸外国あるいは国際市場の情報を、有用な情報を受け入れて共有していくと、そしてこれを糧として発展していくためにも、情報保護体制の構築というものは国益の確保の観点から非常に喫緊な課題であると考えております。
○藤原正司君 国際化というのは、我々が外部の国々をどう見るかということも国際化の一つかもしれませんが、外国が我々をどう見ているかということも極めて重要な国際化の視点であります。 だから、これはしっかりやっておいてもらわぬと、日本というそんな頼りない国を当てにできへんでと、そんなことになってしもうたら、一生懸命苦労して、民間企業を中心にして一生懸命ノウハウを築き上げてきたもの、そういう発展してきた企業が信頼されなくなってしまう、これはえらいこっちゃと、是非痛感した上で対応してもらう必要があるというふうに思うわけであります。 その上で、我が国の場合、下請企業が九九%あるわけでありますが、この下請企業がせっかく築いたノウハウ、営業秘密を元請がその優越的地位を濫用と言えば優越的地位の濫用罪なんでしょうけれども、言わずもがなの関係においてそのノウハウを奪ってしまう。 特に最近、昨年のリーマン・ショック以来、不況が続いてくる。大企業といえども、ずっと外部化して下請企業に仕事を回していくというより、むしろ仕事を内部化して自分の企業だけでも業容を確保したい、業容の大きさを確保したいと、こういう動きがあるわけでして、その動きの中でついでに下請のノウハウまで連れ持って帰ってしまうという、帰るならまだいいんですが、持っていってしまうという動きもあるやに聞いております。これらに対してきちっと今手が打てているのかどうか、お尋ねしたいと思います。
○大臣政務官(谷合正明君) 委員御指摘の点でございますけれども、実際に中小企業の関係者の皆様から多くの声をちょうだいしております。それはまさに下請企業と元請企業との関係におきまして、取引先企業から業務提携を前提として試作品を提供してほしい旨の申出を受けたと。その試作品とその設計図面を提供したところ、取引先企業がその複製を作成し、勝手に自社の製品として製品化してしまうという声が寄せられておりまして、今回の法改正におきましては、取引先との間で契約に基づいて示された営業秘密につきまして、管理任務に背いて無断でコピーする等の行為は処罰の対象となることから、取引先による営業秘密の不正な取上げに対しまして相応の抑止効果が働くものと考えております。 また、下請と元請との関係におきましても、下請対策につきまして様々な取組をしておりますけれども、二つ紹介させていただくと、まず、下請代金法に基づく調査企業数を、一昨年度は約十三万件でありましたが、昨年度は約二十万件に増やす、問題のありそうな親企業をしっかりその発見に努めていると。もう一つは、下請代金法違反を未然に防止するための営業者を対象としたトップセミナーを全国百か所、また調達担当者を対象とした下請代金法講習会を全国九十か所で実施していくと。 そういった取組を一般論としてさせていただいておりますが、その中で、とりわけ元請企業と下請企業との関係ということで、元請企業による営業秘密侵害に関しては、平成二十年の十二月に改訂されました下請適正取引等の推進のためのガイドラインにおきましても、委員御指摘の優越的な地位を利用した下請企業の図面、ノウハウ等の取得が下請代金法上の禁止行為に該当するおそれがある旨が明記されております。 経済産業省としても、こうしたガイドラインを周知徹底を図っていきたい、本年度も下請代金法を厳格に運用してこの下請取引の適正化をしっかりと推進してまいりたいと思っています。
○藤原正司君 現行法でも独禁法の優越的地位の濫用と、先ほど政務官がおっしゃったように、下請代金支払遅延防止法ですか、まあいっぱいあるといえばあるんですが、なかなか元請と下請との関係で、しかもこれは申告ですから、正式の申告がなければ動けないというようなこともあって、非公式にぐちゅぐちゅっとしゃべるのはしゃべってくれるんだけど、なかなかというのも現実ではないか。それはよく分かるんです。 ただ、この面について国は絶えず見張っているぞと、目を付けているぞという意識を絶えず持たすことが大変大事なことではないかというふうに思っておりますので、是非御努力をいただきたいというふうに思います。 これまでのところは、私は、この不正競争防止法の改正の大意については本当に賛成であります。その上で申し上げたいことは、今回、この営業秘密を守るために目的条項であるとか、あるいは、今までですと営業秘密を主として使用することをもって犯罪要件を構成しておったものを、もう営業秘密を領得するだけで対象になり得るという、範囲を拡大をしてきているわけであります。 ところが、現実に、会社の中では従業員はそういう秘密に絶えず日常的に接しているわけでして、ある意味では日常業務と刑事罰との関係が非常に接近してきたと、こういうことが言えるわけでして、そのことでひょっとしたらおれ捕まるんじゃないかと、刑事罰を受けるんじゃないかという萎縮が起きたり。 それから、労働組合でいいますと、日本の場合はほとんどが企業内労働組合です。企業内労働組合にとって、もちろんボーナスや賃金を上げることも大事ですけれども、日常の業務運営がどうなされるか、あるいは変更されるのかされないのかというようなことがある意味では広い意味での労働条件になるわけでして、極めて細かいところまで業務運営について労使間で話し合っているわけですが、この中に例えば営業秘密が含まれるというようなこともあるわけでして、その意味では、先ほど言いましたように、日常的にあるいは通常の労働組合の活動の範囲に対して刑事罰がだんだんだんだん近寄ってきたということに対して活動が制約を受けたり、あるいは従業員の仕事が萎縮したりしないか、この点についてお考えをお聞きしたいと思います。
○政府参考人(松永和夫君) お答え申し上げます。 今回の不正競争防止法の改正でございますけれども、現場の企業の従業者の経験や知恵の結集でございます営業秘密を保護いたしますことによりまして企業の国際競争力の強化に資するということを目指しているわけでございます。したがいまして、今回の改正がこうした目的に反しまして、ただいま藤原先生がおっしゃられましたように、いたずらに従業者を萎縮をさせたり、あるいは労働組合の活動を制約することにならないよう十分な配慮を行うことが必要であるというふうに考えております。 今回の改正でございますけれども、従業者が営業秘密の保有者の許可に基づいて書類やUSBメモリー等を持ち帰ったり、あるいはコピーをしたりする行為は不正競争防止法の二十一条第一項三号の営業秘密の管理に係る任務に違反する行為ではないということでございますので、処罰の対象とはされないと考えております。 また、従業員が保有者の許可に基づかずに書類あるいはUSBメモリー等を持ち帰ったりコピーをしたりする行為でございましても、残業のためになされた場合には不正の利益を得たり保有者に損害を加える目的をもってなされたと言うことはできないというふうに考えておりますので、これも処罰の対象にはならないと考えております。 それからもう一点、藤原先生御指摘の労働組合との関係でございますけれども、労使協議に際しまして、使用者側から労働組合側に対しまして、例えば公表前の事業計画に関する営業秘密を開示することがあるというふうに承知をしております。この場合におきましても、使用者側が労働組合側に対しまして営業秘密を開示する行為は、言わば組合活動のために業務の一環として行われるものでございますので、営業秘密の管理に係る任務に違反する行為ということではなくて、また不正の利益を得たり保有者に損害を加える目的も持ってなされる行為でもございませんので、処罰の対象にはならないというふうに考えております。 さらに、組合活動に必要な情報の共有といたしまして、労働組合内部又は上部団体にこうした営業秘密を開示する行為も同様の理由から処罰の対象とはされておりません。 このように、今回の改正では、不当に従業者を萎縮させたりあるいは組合活動を制約したりすることがないことは法文上明確になっているものというふうに理解しておりますけれども、政府といたしましては、万が一にも誤解の生じることのないよう、現在、既に公表させていただいております営業秘密管理指針の改訂等を行いまして、今回の改正の趣旨の普及啓発活動を強力に推進してまいりたいと考えております。
○藤原正司君 営業秘密といいましても、昔私らが職場におったころ、極秘とか厳秘とかいってばあんと判をついたのが机の上にぼおん、ほったらかしてある、これは営業秘密ではないですよね。要は、秘密なんだけれども秘密の扱いを受けていない、管理を受けていないということですから、これはこの不正競争防止法に言う営業秘密でもないというふうに理解してよろしいですね、まず。
○政府参考人(森川正之君) 御指摘のようなケースは、営業秘密の要件でございます秘密管理性という要件を満たしておりませんので、営業秘密には当たらないというふうに考えられるかと思います。
○藤原正司君 もう一つ、今局長が例示で出された中で、法的にはいいかしらぬけれども労働基準法上はおかしいなと思うのもあったんですが、例えば、今フロッピーにコピーして持って帰って仕事をすると。よく自分のパソコンを使って仕事をしたためにどこかウィニーか何かで感染して情報が漏れまくったというのがあったが、その中には恐らくあれ、今で見ると営業秘密に相当するものもあったのではないかというようなものがあったと思います。 そうすると、これからは営業秘密として扱う以上は、勝手にフロッピー持って帰ったりしてはいけませんし、フロッピーで持って帰って仕事をしてくださいと言う以上は業務命令が必ず存在しなければならない、勝手にやってサービス労働するのはこれはもう論外ですし、当然それは指示の下に持ち帰りの場合はあるという、それも、これどうなんでしょう、口で言った、言ったとか言わぬとかみたいな話になる、これは指示命令書みたいなものが出るんでしょうか。そういうことをきちっとした指針の中に明らかにして、指針で担保するんでしょうか。
○政府参考人(森川正之君) 恐らく今御指摘のようなケースというのは、秘密管理の規程を企業の中できちんと整備するということが重要かと思います。この点につきましては、現行の営業秘密管理指針の中でも言及されておりますけれども、今回の法改正が仮に実現しましたら、それを踏まえましてこの指針を改訂して、その点について誤解のないように徹底してまいりたいというふうに考えております。
○藤原正司君 それで、その指針で具体的なものについては明示しましょうと。それを個別の企業の中に置き換えていく場合に、労働組合がある場合もない場合もあるんですが、労働組合がある場合、労使間で更に細かい問題について取り決めたものは指針の代わりになるものとして、効力を持つものとして理解していいんでしょうか。
○政府参考人(森川正之君) 指針といいますのは、私ども経済産業省で一般的なこれまでの判例ですとか解釈を基にガイドラインとして作っているものでございまして、今委員御指摘のような個々の企業での労働組合と企業との間の一種の契約といいますか、そういう合意につきましてはやや性格が異なるかと思いますけれども、当然、当該労働者の保護という意味でいいますと、一定の解釈の、その当該企業の中での扱いという意味では基準になるのではないかというふうに考えております。
○藤原正司君 これは告発罪ですから、要は、労使間で取り決めたことを正しく遵守している限りにおいて、経営側としてはこれを告発する権利を持たないというふうに理解しておけばいいんでしょうか。
○政府参考人(森川正之君) 告発する権利を持つ持たないというふうにちょっとストレートにつながるかどうかというと、やや自信ございませんけれども、労使間できちんと協議をして取り決めたものということでございますので、信義則上は通常そういった告発ということにはつながらないというふうに考えられるかと思います。
○藤原正司君 もう一つは、公益通報保護制度との関係についてでございます。 これは、企業内で不正があったときに、正義感に基づいて従業員の方が告発すると。告発をするためにはそれなりの情報を必要とすると。その情−報が不正情報と営業秘密が混在している場合、あるいは不正情報を取ろうとしたんだけど間違って営業秘密が出てしまったような場合、こういういろんなケースが考えられるわけでありますが、この点について、先ほど言いました公益通報保護制度との関係を御説明いただきたい。
○政府参考人(松永和夫君) お答え申し上げます。 今回の法改正で、営業秘密侵害罪を構成する要素といたしましては、図利加害目的ということで事業者に対して害を与える目的ということが対象になって規定されておりますので、今、藤原先生御指摘の公益通報者保護制度で言わば不正情報というものについて、そういうものを言わば社会に対して告発すると、こういう目的を持った行為でございますので、そうした場合には今回の営業秘密侵害罪というものは構成をしないというふうに考えております。 御指摘のように、不正情報として告発するその情報の中に、言わばそういうものと外観として営業秘密を構成するような情報が混在をするというようなケースも実態問題としてはあり得るかと思いますけれども、この場合も言わば図利加害目的というものが構成をされないということでございますので、そうした場合でも営業秘密侵害罪には該当することはないというふうに考えております。
○藤原正司君 くどいようですが確認させていただきますと、この公益通報保護制度の目的に従って情報入手をしようとした場合、不正情報を含む営業秘密は、いわゆる営業秘密として保護されませんということですね。 それからもう一つは、企業の不正告発のための情報収集は、たとえそれが営業秘密を含んでいても、また過って営業秘密を取得した場合でも、図利加害目的に該当せず、営業秘密侵害罪に該当しないと、こういうことで確認させてもらってよろしいでしょうか。
○政府参考人(松永和夫君) お答え申し上げます。 そのとおりでございます。御指摘のとおりでございます。
○藤原正司君 駄弁ですが、図利加害目的というのは字引引いても載っていないんです。こんな分厚いやつ、広辞苑引いても載っていません。これ、どこから出てきた言葉かなと、後からゆっくり聞きたいと思っております。 そこで、不正競争防止法と既存の刑法との関係についてお尋ねしたいんです。すなわち、不正競争防止法で刑事罰を付与しなければならないのか、既存の刑法でも間に合うのかどうかと。例えば、領得行為に関しては窃盗罪というのがあるんではないか。あるいは、嫌がらせの関係で入手した営業秘密をインターネットなんかでオープンにしてしまうと、こういう開示行為については業務妨害罪に当たるんではないか。あるいは、不正に入手した情報をライバル企業に売ると、こういうのは背任罪に当たるんではないか。それぞれの刑法があるわけですけれども、この刑法を適用するということでは駄目なんでしょうか。
○政府参考人(森川正之君) お答え申し上げます。 今委員例示されました、まず刑法の窃盗罪でございますけれども、これは対象が財物ということでございますので、営業秘密のような情報自体は財物には含まれないというふうにされているところでございます。それから、刑法の業務妨害罪でございますけれども、これは虚偽のうわさを流したり偽計、威力を手段として業務を妨害する場合ということでございまして、この要件、偽計とか威力ということでない場合には営業秘密の領得、使用、開示があったとしても十分にそれを捕捉することはできないということでございます。 それから、刑法の背任罪でございますが、これは他人のためにその事務を処理する者が行為主体というふうにされておりまして、第三者は処罰対象にはなりません。また、就業規則上の秘密保持義務を負うだけの従業員などの行為についても捕捉できないというふうにされております。 もちろん、事件の態様によりましては今まで申し上げましたような既存の刑法の条項での処罰が可能という場合ももちろんございます。しかしながら、既存の刑法では無形の財産的情報でございます営業秘密の保護にはいろいろな限界があるということも事実でございまして、これを適切に保護できないということでございます。 したがいまして、不正競争防止法の営業秘密侵害罪は情報の価値を正面から評価するというものとして独自の重要な意義があり、また刑法で捕捉できないようなケースをカバーできると、こういうふうに考えております。
○藤原正司君 窃盗罪には財物を窃取したもの以外は問えないと、こういうことでありますけれども、それは、昔々は財物しか価値がないと。有価の物を取ったからこれは窃盗罪だと。しかし、今情報というのは非常に高い価値を持つ。それであったとしても窃盗罪の対象外と、こういう理解なんでしょうか。
○政府参考人(森川正之君) 財物ということでございますので、情報そのものは窃盗罪の対象にはなりません。もちろん、例えばパーソナルコンピューターに情報が入っているという場合にそれをそのまま持っていくということになりますと、これはパーソナルコンピューターが物でございますので、これは窃盗罪に当たるというケースになりますけれども、情報自体を取った場合にはこれは窃盗には当たらないということでございます。
○藤原正司君 ということは、やっぱり刑法を変えないと駄目ですね。パソコンよりはるかに高い情報が入っているのにパソコンの値段しか問えないと。それで中古やったらどうなるんですかね、本当に。結局そういうことではないか。要は、時代の変化の中に法律が対応できているかどうかということではないかなというふうに思うわけでございます。 次に、お尋ねいたしますが、飛んでいきますんで気を付けておいてくださいよ。今回、領得の段階で刑事罰を問うことができるように変わりました。平成十五年の改正では、特に悪質な行為の準備行為に限定してその行為を処罰しておりました。今回は、特に悪質な行為じゃなくて、要は処罰のすき間をなくすと、こういう目的で犯罪予備行為そのものを新たな犯罪類型にしているんではないか。予備行為ではなくて、もう既に領得行為そのものが何かをやるための予備行為というよりも、領得行為そのものを犯罪として刑事罰の対象にしていると。これはどういう考え方によるものでしょうか。
○政府参考人(森川正之君) お答え申し上げます。 営業秘密は、そこから生み出される財物よりも高い財産的な価値を持つ一方で、侵害に対して予防措置の限界がある、侵害後、原状回復がいったん出てしまったら困難であると、こういう性質を持っているわけでございます。また、近年、企業など営業秘密の保有者の努力によりまして、現場での営業秘密の管理体制の整備というのも一段と進められているところでございます。 こういう企業の努力にもかかわらず、企業から営業秘密を示された従業者等がその任務に反して横領等の方法等により営業秘密の管理体制を侵害し、その営業秘密を管理体制の外に持ち出してほしいままに用いることができる状態に置くこと、すなわち営業秘密を領得することは、営業秘密が秘密であるということであります財産的な価値を喪失させるおそれが高いというふうに考えます。 こういう営業秘密を領得する行為は、営業秘密を保有者の管理体制の外に持ち出しているという点で行為者の内部にとどまる単なる準備行為とは異なりまして、営業秘密の財産的価値の高さ、情報としての特性ということをかんがみましても、それ自体に高い違法性があるというふうに考えられます。要すれば、営業秘密の領得は、予備というよりは、それ自体が法益を侵害する犯罪類型になるというふうに考えております。
○藤原正司君 次に、法務省の方、お待たせいたしました。 今回、この法案を作るに当たっての検討委員会の中の論議にもなっているわけでありますが、憲法第八十二条、これ裁判の公開を規定しているわけでございます。裁判の公開の原則は、秘密裁判による作為的な審理、判断を排除して、裁判の公正と客観性を確保するための原則というふうに考えるわけですが、法務省はこの八十二条についてどのような認識をお持ちでしょうか。
○政府参考人(甲斐行夫君) 憲法の解釈でございますので、法務当局から御説明するのもいかがかと思いますが、お尋ねでございますのであえてお答えいたしますと、憲法におきましては、裁判を国民の監視の下に置き、裁判の公正な運用を確保するために、八十二条において、今御指摘ありましたように、裁判手続の一般的な原則として、裁判手続の中核であります対審及び判決を公開の法廷で行うものとしているというふうに承知しております。
○委員長(櫻井充君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(櫻井充君) 速記を起こしてください。
○藤原正司君 私は、憲法の解釈を聞いたわけではない。憲法の認識、八十二条に対する認識をお尋ねした。 といいますのは、この不正競争防止法の改正が本当に機能するのかどうかということについては、この憲法の公開の原則との間をどう調整するかというのが極めて極めて重要であり、そのことに関して法務省と経済産業省は調整をしなさいというのが委員会の報告であります。調整するに当たって法務省として八十二条をどのように認識するかというのをお尋ねして、これは私の所管ではありませんと言われたら、どこと調整するんですか。
○委員長(櫻井充君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(櫻井充君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(甲斐行夫君) 不十分な表現でございましたら申し訳ありませんが、法務当局といたしましては、先ほど申し上げましたように裁判の公開というのは非常に重要な原則であろうというふうに認識しております。 営業秘密の保護につきまして、裁判手続においてどのように保護すべきかということは裁判の公開原則との関係で十分に慎重な検討を必要とするものというふうに考えておりますが、その中身については、どういう立法事実があるのか、必要性があるのか、あるいはどういう方策があり得るのかということをよく考えていきたいというふうに考えております。
○藤原正司君 私が聞いている範囲では、営業秘密というのは今後守っていかなければ、我が国として、産業立国の我が国として立ち行かない、これは国際化の中でちゃんと保護していかなければならないんだというのが我々の考え。 それに対して、いや、憲法は裁判で公開することを言っていると、だから公開しなければならない。ところが、営業秘密そのものが裁判の対象になった場合に、これ公開してしまえば裁判の結論がどっちであろうともう裁判負けなんです。情報を公開した途端にもう終わりなんです。そうでしょう。だから、公開しないでもいいような裁判の仕方ってないんですかと、それなんです。 民事訴訟法はそれを認めているんです。ところが、刑事は駄目だと言っているわけです。そうしたら、何のために苦労してこの法案を作るんですか。企業なんかこの法案をよりどころに裁判なんかかけませんよ。出したらオープンになっちまうんですから。そのオープンにならないという保証がない限り、どこの企業がそんな裁判にかけるんですか。 この点についてもう一度法務省のお考えをお聞きしたいと思います。
○政府参考人(甲斐行夫君) お答え申し上げます。 先ほども申し上げましたように、一般に憲法八十二条が規定する裁判の公開の原則は、裁判の公正と裁判に対する国民の信頼を確保するための基本的な原則であると考えられております。また、これ以外にも、憲法三十七条第一項という規定がございまして、こちらは刑事事件のみを対象としている規定でございますが、「すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。」というふうに規定しておりまして、被告人の権利として規定がされているところでございます。これは、刑事裁判は刑罰を科すというための手続でございまして、被告人の人権保障の観点から裁判の公正が求められているというふうに考えられます。 御指摘がございましたように、民事訴訟では不正競争防止法におきまして公開停止に関する規定がございますが、刑事訴訟における措置という点につきましては、ただいま申し上げましたように刑事裁判が刑罰を科すための手続であって、被告人の人権保障の観点ということも十分に踏まえた上で、いかなる訴訟行為を対象として、いかなる要件の下で秘密を守るような措置を講じていくのかということを検討していく必要があろうかというふうに思っております。
○藤原正司君 私は法曹界に身を置いたこともないので詳しいことはよく分からないんですが、今のお話をお聞きしておりますと、この不正競争防止法の改正によって営業秘密を守っていこうというのが趣旨ですね、あるいは、もちろんそのことの弊害も除去せにゃいけませんが、営業秘密を守ると、保護するというのが一番のねらい。この今回の刑事罰を含めて営業秘密を守っていこうという法律そのものについて、えらい申し訳ないけれども、法務省は、どうなんでしょう、異論があるんでしょうか。
○政府参考人(甲斐行夫君) 今回の法改正につきまして法務省として異論があるということでは特にございません。
○藤原正司君 異論はない、民事はいいけど刑事駄目ということになると、私の頭の中でよく分からぬのです。そんな、言わば法律を、いやいや損害賠償請求にしときゃよかったのにというふうに言っておられるのか、何かよう分からぬのです。そのすき間を探す努力を、裁判の公開の原則と、片側で営業秘密を守るという、この両点の折り合うすき間を探す努力をしてくださいというのが委員会の報告だったと思いますし、そのすき間をうずめる努力というのはそれでは全然ならぬのじゃないですか。どうなんですか。
○政府参考人(甲斐行夫君) 営業秘密侵害罪に係ります刑事訴訟手続において営業秘密の内容を保護するための法的な措置の在り方につきましては経済産業省とも検討を行っているところでございますので、その点は十分留意したいと思っております。
○藤原正司君 今一方的に法務省の見解ばかり聞いてきたんですけれども、しかし、経済産業省としてはせっかく立法作業をされてきて、この法律がちゃんと企業の営業秘密を保護する方に機能するのかどうかが極めて大事なポイントなんですね。この点について経済産業省としてはどういうふうにお考えでしょうか。
○政府参考人(松永和夫君) お答え申し上げます。 今回の不正競争防止法の改正でございますけれども、昨年来、産業構造審議会に中小企業を含めます企業関係者、それから刑法、刑事訴訟法の専門家の学者の先生方、それにオブザーバーといたしまして法務省の代表の方にも御参画をいただきまして、相当インテンシブに審議を進めさせていただきました。結果といたしまして、現行の不正競争防止法の改正内容に対しまして、目的の部分につきまして不正競争の目的からより幅広い目的でとらえるということ、それから、行為形態につきましてもいわゆる使用、開示という段階から領得というところまで含めるということによりまして貴重な営業秘密の保護についてかなり大きな前進を見たということでございまして、その旨、企業関係者あるいは経済団体からも非常に評価をされているところでございます。また、その審議の過程におきまして、法務省とも密接に協議をいたしまして今回の成案に至ったということでございます。 藤原先生御指摘の刑事訴訟の手続の問題でございます。 御指摘のとおり、営業秘密が、言わば告発をされまして裁判の過程でそれが更に公開をされてしまって、言わば何のために告発をしたのか分からないということになっては困るわけでございまして、この部分も非常に大きな課題ではあろうかと思います。 ただ、ただいま法務省から御答弁がございましたように、一方で、憲法で守られております裁判公開の原則あるいは被告人の権利の重要性ということも、同時に非常に重要な問題であるというふうに私どもも考えております。 したがいまして、今後、訴訟手続におきましても営業秘密が可及的に保護されるような制度的な措置を講ずるための検討ということが非常に重要であるというふうに考えておりまして、法務省と密接に協議、共同いたしまして、可及的速やかにこの方面につきましても具体的な成案が得られるように努力をしていきたいというふうに考えております。
○藤原正司君 頭のいい人が調整、論議をされているわけですから、それほど時間が掛かる、理論的構築にそれほど時間が掛かるとは思えない。例えば、いやいやそう言うけれども、そんなに判例ないで、そない告発の裁判例もないでというんであれば、それは今の制度のままではだれも裁判したくないですよ。今の制度、保護してくれない、営業秘密を保護してくれないのに、営業秘密そのものを裁判にのせようなんて経営者はだれもいませんよ。 ですから、これは事例がどうあるかないかといことよりも、これは一方的に私がおもんぱかっているかもしれませんけれども、そういうことではなくて、何とかこの八十二条と不正競争防止法の間のすき間を埋めて、せっかく作った法律が機能するように双方で努力するというものがないと、それも近いうちにきちっと成案を得るという努力が、するという約束がないと、こんなんせっかく論議しても意味ないですよ。そこだけ、まず両方から決意をお聞きしたい。
○政府参考人(甲斐行夫君) 営業秘密の保護の重要性ということについては、経済産業省とも認識を共通にしております。私どもとしては、経済産業省とも共同してよく検討してまいりたいというふうに考えております。
○国務大臣(二階俊博君) ただいませっかく御審議をいただいている経過の中で、我が省と法務省との間でもう少しきっちりとした詰めをしておく必要があるなという感じで事務当局の意見を聞いておりましたが、後ほどよく調整をして、また委員長に御報告をしたいと思います。
○藤原正司君 私は、何も一方的に法務省をというつもりはございません。せっかく不正競争防止法の改正をしようと、我が国の知的財産を今以上に保護していこうという法律を作ろうとしているわけですから、その支えとなる、その裏付けとなる憲法との関係を調整しておかないと、これは意味ないですよ。 ですから、双方が本当に努力していただいて、きちっと原告が安心してというのは変かもしれませんが、とにかく、営業秘密が保たれるという確信の上で訴訟ができるように是非御努力をいただきたいということを心からお願い申し上げまして、次、県の上空をロケットが飛んだ鈴木さんに替わります。
○鈴木陽悦君 藤原委員からお時間をちょうだいいたしまして、ありがとうございます。 上空を通過した秋田県出身の鈴木でございます。先週の土日は、この土日は本当に私も緊張感いっぱいで地元でその発射の瞬間を待っておりました。世界的な発射中止要請、これを全く無視しての今回の北朝鮮の飛翔体の発射、全く強い憤りを感じるものでございます。 最初は、ちょっとこの北朝鮮の飛翔体、ミサイル、人工衛星の、人工衛星は、アメリカ、日本も人工衛星じゃないというふうに正式に発表いたしましたけれども、この問題について若干お時間をいただいてお話をさせていただきたいと思います。 先日の参議院の本会議でも、衆議院に続いて、北朝鮮による飛翔体発射に対して自制を求める決議案、これ全会一致で採択をさせていただきました。国連の決議を、規定を無視して、さらには、我が国のみならず北東アジア地域の平和と安定を損なう行為として、断じて容認できない、この発射予告に対して、断固たる抗議の意思を表明する。様々な形で私たちも意思を統一して全会一致で採択をした、これを全く無視をした。 取りも直さず我が国を含めたアジアの諸国は、過去の戦争によって大きな犠牲を強いたり強いられたりしてまいりました。殊更平和に対する意識が強くなければならないわけですが、今もって戦争を口にする国家が存在することが大変残念でなりません。 それから、人工衛星を外交の手段にしたり国揚の手段とする。その国の事情はいろいろあるでしょうけれども、信頼関係がない国家の説明や言い訳をそのまま私たちはうのみにするわけにはいかないのであります。こうした強い意思というのは、多分ここに御賛同の委員の皆さんも一緒の気持ちをお持ちだと思うんでございますが、こういう気持ちを一つにしたということを確認しながら、もう一つ、実は大きな問題がございまして、お手元にちょっと資料配付をさせていただきましたけれども、これをちょっと御覧いただければ分かると思います。 四日の誤探知でございます。身近にいた、地元にいた私にとっては、ある意味これほどの驚きというのはありませんでした。発射する当事国の情報ならいざ知れずなんですけれども、我が国の官邸からの全国発信、全くの誤探知でした。これでは、地元の担当者もそうですが、地元住民もたまったものじゃありません。随分いろんな報道されましたので皆さんも御覧になったと思うんですが、白神山地を抱く八峰町という町があります。ここの職員が、この八峰町は二回誤探知の情報を流してしまいました。町内の無線で、ただいまの情報は間違いでした、二回流れてしまって、担当職員が、いや、これじゃ、おれはオオカミ少年になっちゃうな、そういうつぶやきも聞こえました。まさに誤探知でしたでは済まされない、そういった状況があったわけでございます。 一部の声として、地元が騒ぎ過ぎだとか、はしゃぎ過ぎだとか、いろんな声が上がりましたが、皆様方のお手元に配ったこの新聞、これ地元の魁新報でございますが、「緊張一転憤り」、さらには「行政、住民に徒労感」、まさにこの四日、五日、特に四日というのはこの徒労感に終始したと、そういう印象が残るわけでございます。 騒ぎ過ぎ、はしゃぎ過ぎというさっき話をしましたけれども、それから一部の知事発言で、近くに落ちた方が日本の緊張感高まる、とんでもない発言もありましたけれども、地元感情をまさに逆なでするような、そういった表現じゃないかというふうに私も秋田県の一員として、秋田県もそうです、岩手県もそうです、それから白神抱く青森県の皆さんもそうです、真下にいる人間にとっては本当にたまったものではない。仮にも一度来るぞと歯を食いしばったわけなんですけれども、この緊張、不安というのはもう取り返しが付かない、そんな強い気持ちを抱いたわけでございます。 テレビの説明では、国内にある防衛省の感知網の一つが誤探知したということでございました、ガメラレーダーですか。それが結果的にチェックをかいくぐって最終決断に至ったということは、やはり何回も言いますが身震いをさせられました。小さいころ、SF映画というか空想科学映画でいろんな誤探知がつながっていって、核ミサイルの発射ボタン一歩手前まで行った、そういう映画もふっと思い出しまして、空恐ろしい感じもしたわけでございます。 私もマスコミ、テレビの出身でございます。ニュース報道もいろいろやらせていただきましたけれども、情報はより早くというふうにたたき込まれました。そして、そのもう一つには、より正確に、これが私たちずっとたたき込まれてきた一つのセオリーでございますけれども、これが大前提でございます。これは言わずもがなで身にしみております。 まして、テレビが字を間違えた、訂正したというのと訳が違いまして、何重ものチェックをかいくぐっての誤った情報が全国に伝えられた、これは本当に大きな不安を残したと言わざるを得ないと思います。技術的な問題として簡単に片付けられることではなくて、不安感だけじゃなくて安心感を与えることも必要と思いますので、ここは政治の、政府の大きな力が必要であると思います。しっかりとした検証というのが求められるのではないかと思います。 今まさにこの飛翔体の発射、これを経験したことによって、不正や迂回輸出が日本の脅威として跳ね返ってくる、これを物語っているんではないかと思います。いつ打ち上げられるか、万一の場合は何をしてどのように身を守るか、自衛隊の車両が慌ただしく生活道路を動くたびに心が、不安が非常に深くなっていったわけでございます。私の身としては非常に近い現場にいたものですから、住民の心境を切実に感じました。二度とこうした不安それから心配を住民の皆さん、国民の皆さんに味わわせてはならない、そういう強い気持ちでこの度の外為法の改正案について質問をさせていただきたいと思いますが。 まず大臣に、この度のこの北朝鮮による飛翔体発射について、一連のその日本の対応、これも踏まえまして、経済産業大臣としてのお立場から御感想、お気持ちを聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(二階俊博君) 今、お地元で実際に体験された鈴木先生の切実なお話を伺いましたが、全くそのとおりでありまして、私どもも、私自身も安全保障会議のメンバーでございますので、四日の日も五日の日も発射をされるであろうという時間からずっと役所に出まして、関係局長とあらゆることを想定しながら協議をすると同時に、北海道、東北、関東の出先の各局が出勤して非常事態に対しての対応ということに備えておりましたので、そことも十分連絡を取り、つまり官邸と経済産業省、経済産業省と出先の経済産業局との間の連携、これができていなければ、みんな出勤してきただけでは何にもなりませんので、そうした点に意を用いたところでありますが、今、鈴木先生から御指摘のありましたような点でどこに問題点があったのかということを再点検してみる必要があると思っております。 そこで、特に、これも鈴木先生及びこの御出席の委員の皆さんが既にお気付きのとおり、経済産業省は原子力事業そして電気、ガス等のライフラインを担当する立場として、何か事があるときの対応ということに対しては真剣な取組をしなければならないわけでありますが、私はそれらの点につきまして、取りあえず先ほど申し上げた北海道、東北、関東各局を点検しまして、現在のところ被害はないということなども安全保障会議で御報告をしたところでありますが、我が国として北朝鮮に対しいかなる措置をとるべきかについて、国連安保理を始めとする国際社会の動向ということを踏まえていかなくてはならぬことは当然のことでありますが、同時に我が国自身としてどうするかということを、私はやはりこういうときに真剣な検討が必要だと思っております。 特に、今回の場合は、四月十三日に期限が来ることになっております輸入禁止措置及び入港禁止の措置がありますが、これを一年間延長するという方向で最終的な調整に入っているところでありますが、厳格の上にも厳格にこうしたことに対してしっかりした対応をして国民の皆さんに、県民の皆さんに安心感を与えるということが大事ではないかというふうに思っておる次第であります。
○鈴木陽悦君 大臣の強い決意、ありがとうございました。 四日の日からスタンバイしている、いろんな大臣の閣僚としての対応も私伺っておりますので、是非いろんな形で検証も深めていって、北朝鮮に対する制裁もいろんな形で加えていかなきゃいけない、そんな思いでございます。 それから、私、実は災害対策の特別委員長も仰せつかっておりまして、今月の一日、この一斉通報システムに関してもいろいろと委員の間から質問が出まして、Jアラート、それからこの今回のエムネット、国民の安心、安全を守っていくためには様々な形でこのネットワークシステムというのは、今回はエムネットが活躍しましたけれども、そういった検証というのを加えていかなきゃいけないし、やっぱり国民の安全、安心、それから情報の早さ、正確さ、これが繰り返しますが第一だと思っておりますので、是非ともよろしくお願いしたいと思います。 それでは、外為法の改正の質問に入らせていただきたいと思います。 この度の改正もそうなんですけれども、これまでも不正な事案とか事件が後を絶たないこと、それから状況の変化に対応するため、さらには国際社会との連携などの点が背景にあろうかと思います。悪質な事例では、手を替え品を替えたイタチごっこ的なものもあれば、うっかりミスが重大な事案につながった例も決して少なくない。それから、調査室からの資料によりますと、二〇〇五年から二〇〇七年までの違反事例の原因分析では、法令規定されているものかどうかの判定をしていないケースが六割近く、次いで法令や通達の解釈の誤り、そして適用の誤りなどとなっていまして、これらを合わせますと九割近い割合になっている。こうした傾向というのは、まず最初に、最近でも変化はないのかどうか、そうした最近の傾向とその原因の分析、分かっていましたら伺いたいと思います。
○政府参考人(上田英志君) お答え申し上げます。 これまでの外為法違反の不正輸出事案につきまして、その傾向と原因を一概に申し上げることはなかなか難しゅうございますが、平成十二年以降で刑事事件として有罪が確定しました七件について見ますと、例えば以下のような事案が複数認められます。 まず、国際的に規制すべきものとして合意された機微な貨物につきまして、検査データ等を偽って無許可で輸出した事案が三件あります。また、第三国を経由して懸念国に輸出されたと認められる事案も三件発生しております。こうした不正輸出事案の背景としましては、懸念国による機微な貨物の調達活動や輸出者が不正による利益を得ようとしたことなどが考えられます。 このような違反事案が認められることを踏まえまして、適切な対応を図り、厳格な制度運用に努めることが重要であると考えております。
○鈴木陽悦君 ちょっと大くくりで、もうちょっと細かく伺いたかったなという部分はあるんですけれども。 事例等については私も資料等を拝見させていただいて傾向等も若干関知しているところもあるんでございますが、最近の事例の中で最も新しいやつは、結構大きくニュースになりました、今年二月、大量破壊兵器の開発に転用可能な磁気測定装置、これを無許可で輸出しようとした商社、家宅捜索を受けました。この商社というのは東南アジアなどを経由して北朝鮮への輸出を図ったと見られている。この磁気測定装置はキャッチオール規制の対象でありまして、経産省では許可申請を求める通知を出したものの、この商社は従わなかったということですよね。 このほかの事例としては、二〇〇七年にも国際原子力機関のIAEA、これが北朝鮮査察のときに、これも結構大きなニュースになりましたが、核兵器製造に転用可能な真空ポンプを発見。それから、日本の貿易代行会社、これは家宅捜索を受けましたが、このほかにも二〇〇六年に生物兵器製造に使用できる凍結乾燥機、それから二〇〇四年にはウラン濃縮に使える業務用洗濯機インバーターの不正輸出、これが東南アジアを迂回してのケースが目立っているということなんですが。 これに網を掛けるのがいわゆるキャッチオール規制ということで、二〇〇二年、我が国でも国際輸出管理レジームの大量破壊兵器キャッチオール規制を導入して、さらに去年の十一月には、通常兵器のキャッチオール規制、これは補完的輸出規制と呼ばれていますが、これが導入された。 さきに挙げた事案を見て、この改正内容と効果というのは、去年十一月からの通常兵器のキャッチオール規制はまだデータは出ていないと思いますが、この二〇〇二年からの部分を含めて、改正内容とこの効果、どのように評価をしているのか、その辺を聞かせてください。
○政府参考人(上田英志君) お答え申し上げます。 御指摘のキャッチオール制度は、輸出する貨物が大量破壊兵器又は通常兵器に用いられるおそれがある場合には、今お話がありましたように、経産大臣が当該輸出者に対し許可なくしては輸出できない旨の通知を行うことによりまして、当該輸出者に許可を受ける義務を生じさせるものであります。 平成十四年に大量破壊兵器キャッチオール制度が導入されて以来、例えば、これまで北朝鮮向け又はその迂回懸念がある七十四件の輸出案件について許可を受けるべき旨の通知を行い、懸念ある輸出の未然防止に努めてまいりました。また、これまで第三国を経由して北朝鮮に輸出しようとした事案など三件がキャッチオール規制違反で刑事事件となり、有罪が確定しています。 こうした制度の運用につきましては、懸念情報の把握や事案に対応した適切な法執行が必要であり、引き続き、こうした観点から、関係機関との連携等を通じた厳格な管理に努めてまいります。
○鈴木陽悦君 今事例を挙げていただきましたが、効果が出ているという評価でよろしいんでしょうか。それもちょっと確認したいんですが。
○政府参考人(上田英志君) 今の御指摘のとおりで、効果が着実に上がってきていると思いますが、引き続き厳格に運用に努めていきたいと思っております。
○鈴木陽悦君 それから、二〇〇六年から開かれてきました産業構造審議会貿易経済協力分科会安全保障貿易管理小委員会、ちょっと長いんですが、この制度改正ワーキンググループの「中間とりまとめ」を見ました。これ通常キャッチオール規制に関しての部分なんですけれども、それちょっと文章を見ますと、輸出貨物の用途に着目した規制を本質としつつも、用途の確認がかえって輸出ビジネスの阻害にならない制度が求められるというふうに提言もされているんですが、どのような対象範囲にするのか、改正に当たって相当バランス面で検討が加えられたと思いますが、その辺の取りまとめについてはどうなんでしょうか、伺います。
○政府参考人(藤田昌宏君) お答え申し上げます。 安全保障貿易管理につきましては、国際合意あるいは国連の安保理の決議、あるいは我が国独自の措置というものもございますけれども、例えば北朝鮮につきましては、安保理決議に基づきまして大量破壊兵器等に関連する貨物の輸出を禁止をしているということでございます。 他方、先生御指摘のとおり、輸出者に不合理な負担を掛けるようなことがあってはならない、そういうことは避けたいということもございまして、輸出者自身による厳格な管理を前提といたしまして、例えば貨物の種類あるいは仕向地から判断をして比較的懸念の少ない場合には、一定の範囲について一括して許可を付与するという、いわゆる包括許可制度と申しておりますけれども、こうした制度を実施するなどしておりまして、輸出者にとって過大な負担にならないように、できるだけ合理的な規制となるように努力をしているところでございますし、今後もそういう対応を図ってまいりたいと思っております。
○鈴木陽悦君 この輸出ビジネスの阻害にならない制度の部分が多分に、多分この制度がなかなか運用しにくい中小企業関係の皆さんに対しての部分も、考慮もあるんじゃないかと思います。中小企業に関しては後ほどまた時間があれば伺いたいと思いますので、その辺も加味しながらお答えいただければと思います。 現在は、民生技術が軍事技術を上回る早さで進展しているために民生技術の転用が大きな問題になっているわけなんですが、管理上は非常に厄介な点が多々ありますが、ほっておけないのも現状というところだと思います。 日本には、先端材料とか電子部品、それから工作機械、検査・計測機械などなど、重要な技術を持つ企業が数多く、輸出管理の難しさが懸念されるところでございます。特に、この度の改正で挙げられた技術取引規制の強化では取引すべてを対象とするとしておりますけれども、一方で、法案説明でも指摘しているように、メールデータとかUSBメモリーなどの持ち出し規制と、情報の流出というのは容易になっているのもこれ現状でありまして、これを考えると何か困難さがかなり増幅しているんじゃないか、そういうふうにも感じられます。 水際の危うさというのをちょっと感じるわけなんですが、実際にどのようにしてこうした流出をとらえていくのか、防いでいくのか、事例を踏まえて今後の取組とか体制の整備計画、これもありましたらお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(藤田昌宏君) お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、現下の技術の進歩を踏まえますと、技術の移転の規制というのは現実問題としては容易ではないということは事実でございます。企業等に対しまして輸出管理の徹底を求めるとともに、税関あるいは警察当局あるいは外国の関係機関等とも連携を図りまして、安全保障上機微な技術の違法な対外取引の防止に努めたいと、こう考えてございます。 今般、USBメモリーに機微技術が入っておりますと、それを持ち出すことは事前に許可がなければ認められないということになるわけでございますけれども、かといって空港や港でUSBメモリーを持っている方を全数検査するということも現実的な対応ではないわけでございまして、そういう意味では困難は多々あるわけでございますが、仮にその機微な技術が持ち出される懸念が強いというような情報が関係の機関から寄せられたような場合には、私ども厳格にその規制を、止めるような手だてを講じたいというようなことで、規制をできるだけ効果的にできるように努力をしてまいりたいと思います。
○鈴木陽悦君 多分、網の目をくぐるにはいろんな網の種類を用意しなきゃいけないと思いますので、その辺の工夫も必要かなと思っております。 それから、次に聞きたいのは、技術流出は企業だけじゃなくて大学とか研究機関も懸念されるわけでございますけれども、大学などの研究機関では輸出管理に関する意識が比較的低い、制度の構築に至っていないというふうにも言われております。 二〇〇六年に二階経済産業大臣名で文部大臣に、輸出管理の強化を求める文書を提示しています。これは、海外への技術資料の持ち出しや出張などによる技術提供、そして留学生や海外研究者への技術提供や共同研究など、場合によっては大臣許可が必要、こういう文言になっておりますが、これなかなか進んでいないような難しさを含んでいるように見られるわけでございますが、今回の改正も含めまして、学術研究という本来の目的を損なわないよう法改正をどのように徹底させるか、問題点も多いと思うんですが、この辺も踏まえて伺いたいと思います。どうでしょうか。
○大臣政務官(谷合正明君) まず、大学におきます一般的に行われる学術研究、また授業というのは、通常、安全保障貿易管理にかかわります国際合意によりまして規制対象としないということとされております。したがいまして、我が国におきましても従来から同様の取扱いを行っています。 しかし、一方で、委員御指摘のとおり、大学等の研究機関でありましても、例えば外国の企業との共同研究によります製品開発等において安全保障上機微な技術を提供する取引を行うような場合に、適切な安全保障貿易管理を行うということが必要でありまして、ここは従来から外為法の規制の対象としております。 この部分につきましては、今回、特に法改正をするという話ではありませんが、その安全保障貿易管理を徹底するという意味で、大学等研究機関におきます貿易管理の徹底を図るために、平成十八年以降、全国の大学等研究機関におきましてそうした説明会を開催してきております。 また、平成二十年の一月には、安全保障貿易管理の観点から留意すべき事項を分かりやすく解説しました安全保障貿易に係る機微技術管理ガイダンスをまとめました。これを全国の大学、高専等に送付をしております。 今後とも、こうした説明会等を通じまして制度の周知に徹底をいたします。周知するだけじゃなくて、しっかりそれが守られるように徹底をしてまいりまして、厳格な安全保障貿易管理が大学等研究機関におきまして行われるよう促してまいりたいと思っております。
○鈴木陽悦君 周知徹底、是非ともよろしくお願いしたいと思います。 次は、企業の法令遵守というところですが、まず、今回の改正も含めて輸出管理の指導徹底をどう図るかというところを伺いたい。 実は最も難しいということは認識しております。管理体制、管理方法、指導、啓蒙、こうしたことを社内で構築して徹底を図る。実際、政府としては企業の自主管理に依拠する政策を取ってきているようなんですけれども、信頼関係をどのようにして醸成していくのか。リスクが大きい企業サイドに対するインセンティブはそれほど大きくないようにも思えるんですけれども、指導の徹底について伺いたい。 それから、二〇〇六年には百社を対象に、その以降もやっているそうなんですが、抜き打ち調査をやったというふうに報道されておりますが、その結果と評価、これどのようなものだったか、その辺も併せて伺いたいと思います。どうだったんでしょうか。
○政府参考人(上田英志君) これまでの企業などの輸出者に対しましては、昭和六十二年以来、安全保障貿易管理の確実な実施を求めるため、輸出管理社内規程の策定など、輸出管理法規の遵守徹底のための自主的な取組を促してきたところであります。 他方、こうした輸出管理社内規程を整備するとともに、その確実な実施を行っている企業等に対しましては、先ほども答弁にありましたように、機微な貨物を輸出する場合であっても貨物や仕向地から判断して比較的懸念の少ない場合には、一定の範囲について一括して許可を付与する包括許可制度を実施しております。 また、お尋ねのありました調査結果でございますが、企業等の外為法の遵守状況を確認するため、平成十八年度以降、毎年百社程度に立入検査を実施しておりますが、最終需要者や最終用途の確認等を行う取引審査などの社内管理について改善の余地が見受けられる場合があります。 引き続き、企業等に対しては、立入検査や説明会等を通じまして、安全保障貿易管理制度の周知徹底に努めたいと思っております。
○鈴木陽悦君 今の質問とやや重複いたしますけれども、政令、省令、通達など、対象貨物の規制内容が複雑で、実際にどのように判断すべきか、企業やそれから取り締まる側も多くの難しさを含んでいると思います。 実際の違反事例でも多くの点がその該非判断、解釈、適用の認識の差だったりするわけなんですが、こうしたことが今回の罰則強化でなくなるのか。特に、ほかに有効な策がないのかどうか、この辺はどうなんでしょうか、伺いたいと思います。
○大臣政務官(松村祥史君) お答え申し上げます。 まず、罰則の強化を図ることによりましてその抑止力が高まることは大いに期待をしております。また、今回、未然に防止するために、輸出者等が該非判断、先生が御指摘の点でございますけれども、この確認を適切に行うことなどが、やはり自ら輸出管理を行うことが重要であると考えております。 このため、今回の本法案におきましては遵守すべき基準を定めることとしておりまして、具体的には、該非判定の責任者を明確にすること、需要者、用途確認の責任者も明確にすること、輸出管理制度の社内周知に努めることなどを定める予定でございます。こうした、輸出者に対しましてこの基準に従って輸出等をすることを求める枠組みを導入することによりましてその抑止力を高めてまいりたいと、このように思っております。 より効果的に不正輸出の未然防止を図ることに努めてまいりたいと思います。
○鈴木陽悦君 それから、さっきちょっと中小企業の話は後でしたいという話をしましたけれども、企業によってはその転用防止装置を開発して防止策をつくり出しているところもあるんですけれども、多くの企業はコストの問題などでできていない、これが現状だと思います。特に中小それから小規模関係、一般に輸出管理に理解が低い、これ、そうならざるを得ない状況もあると思いますが、重要性は分かっていても、そのコスト負担から対応ができない場合というのがあるんですが、こうした企業への対策というのはどのようなものが考えられているか、実際にどのようなことが行われているか。それから、いろいろな相談もあると思うんですが、その辺を実情を踏まえてお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(藤田昌宏君) お尋ねの、特に中小企業に対する対応でございますけれども、安全保障貿易管理を実施するに当たっては、原則としては、大企業であれ中小企業であれ、きちんと定められたルールは守って貿易をしていただきたいということがあるわけでございますが、一方、委員御指摘のように、中小企業、なかなか、例えば専任の専門家を置けと言っても置くことが難しいというような場合もあるかと思います。 中小企業にも安全保障貿易管理制度をよく理解していただく、そして適切にそれを実行していただくために、私ども、例えばホームページによりまして情報提供を図っております。これは、先ほども委員おっしゃいましたけれども、政令、省令、告示あるいは通達、いろいろな規制が掛かっておりまして、なかなか複雑なところもございますけれども、このホームページで御覧いただくと、一つの貨物の種類ごとにそれに関連する規定というのはもう一遍でだあっと出てくる、分かるというようなことにもなってございまして、こうした仕組みも大いに活用をしていただきたいと。 ただ、知らないとお使いいただくこともできませんので、そうした周知も図ってまいりたいと思います。商工会議所の協力なども得ながら制度説明会というのも実施をしておりまして、大体毎年百回前後、一万人ぐらいの参加者を得てそういう制度の周知も図ってございます。 それから、これは政府そのものではございませんけれども、中小企業の適切な輸出管理の促進のために財団法人安全保障貿易情報センターというのがございまして、ここで、中小企業など体制が十分ではない輸出者のためのモデルとなるような輸出管理社内規程、ひな形のようなものを、これも企業の規模別あるいは業種別にきめ細かく定めて、これも公表しておりまして、こうしたものも参考に供していただければというふうに考えております。
○鈴木陽悦君 今、ホームページの話とか商工会議所、あとはジェトロ関係とか、様々な形で周知徹底、やっぱり皆さんによく知っていただいて、間違いのないようにということがやっぱり基本だと思いますので、是非ともその辺は力を入れていただきたいと思います。 それから、ちょっとこれ、今の時期だからちょっとこの質問をするというわけじゃないんですが、過去の事例も見ても不況のときに違反が多いということが往々にして出ているわけですが、今般の経済不況でも、過去からの事例を見ると違反の多発が非常に懸念される部分があるんですが、この辺について、特に対応策というか、それ講じなくていいのかなという、ちょっと余計なお世話かもしれません。 今、逆に、今までの不況とまた今回の不況というのはかなりケースが違って、企業も相当力を落としている部分もあるんですが、この辺についての違反の対処、不況時の違反の対処というのはどうなのか、その辺ちょっと聞かせてください。
○政府参考人(藤田昌宏君) お答え申し上げます。 委員御案内のとおり、景気が良くても悪くても私どもは同じように輸出管理をしていかなければいけないわけですけれども、確かに、最近の事案を見ますと、例えば工作機械の性能を偽って、低く偽りまして、それで不正輸出をするケースなどもありまして、そうしたものは今般のこの経済状況の中で受注が大幅に、例えば工作機械業界は落ちておりますので、今までまじめにやっていた人がそういう誘惑に駆られるというようなことがあるいは考えられるということかと存じます。 工作機械につきましては、工業会等に私ども出向きまして、よく会員の方々に制度を周知をしておりますし、一度こういう事件を起こせば、それが新聞等で大きく報道されて、会社の存続にもかかわるような事態にもなり得るわけでございますので、そういう意味で制度の周知を図っているところでございます。 それから、今般の改正法によりまして罰則が強化をされますので、こうした罰則の強化も抑止力の向上につながっていくというふうに考えております。 それから、先ほど政務官から御答弁申し上げましたけれども、輸出者に対して輸出管理の体制の整備を求める、そういう仕組みも今回の法律で導入させていただきたいと思っておりまして、こうしたものも含めて、現下の厳しい経済状況ではございますけれども、産業界の方々にはルールをきちんと守った上で貿易をしていただきたいと、こう考えているところでございます。
○鈴木陽悦君 分かりました。 先ほどの私が申し上げた今年の二月のケースの迂回の件とかそれから仲介の件、手の込んだ取引で擦り抜けるケースが非常に目立ってきているということなんですが、こうした情勢をいかに企業に伝えていくのかも防止策の重要な点ではないかと思っております。 そのためには、現地の企業情報でありますとか軍事や国家との関連などの分析に力を入れる必要があると思うんですが、特命機関というか諜報機関というか、そういった機関を持たない我が国としての対応策というのはこれは十分なのかどうか、この辺だけ確認をさせていただきたい。
○政府参考人(藤田昌宏君) 委員御指摘のように、日本はいわゆる、例えばアメリカのCIAに当たるようなそういう情報機関はないわけでございますけれども、一方で、関係の行政機関、例えば警察当局あるいは公安の関係あるいは税関等々、政府部内で情報を共有して十分に連携を図っていきたいということで、いろいろな連絡会議などの場も活用をさせていただいているところでございます。 それから、海外のいわゆる情報機関との情報交換も頻繁に行っておりまして、これは私どもも、私どもの持つ、私どもでなければ持っていない情報もあるわけでございますので、そういう意味で、内外の関係機関と密接に連携をして、いわゆる日本の情報機関はございませんけれども、それが余り不利な影響がないように努力をしてまいりたいと思います。
○鈴木陽悦君 実はこの外為法、法案の内容をいろいろと調べれば調べるほど非常に奥が深いんでございますけれども、今回は、私の質問はかなり、しょっぱなということだったので大くくりな部分から質問をさせていただきました。きめ細かい部分についてはこの後、委員の皆さん質問されると思いますので、その辺についても是非お答えをきちっとしていただきたい。 最後に、様々な問題点を挙げてきたとおり、違反事件、どうしてもなくならないような懸念があるわけでございます。特に、不況時における企業活動としては、一件でも多くの売上げを頼りにしているわけですので、ひょっとしたら罰則の強化だけでは改善に本当に果たしてつながるのかなという部分をちょっと、クエスチョンマークとして浮かび上がるわけでございます。企業によってはいろんな防止の取組もございますが、さきに指摘したように、中小企業に関してはやりたくてもできない、これが中小に多いと思います。 ここは包括的な不正防止策のルール作り、それこそが官民の合意でいろんな形で作り上げていく必要があるんではないかと思いますが、最後に、大臣のこうしたルール作りの必要性等も踏まえましたお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(二階俊博君) 鈴木議員からるる各般にわたる御質問をちょうだいしました。我々は、これからこの本法を推進していく上におきまして十分参考にさせていただきたいと思います。 安全保障貿易管理の徹底のためには、許可申請の際の判断として、規制の正確な理解に基づいて企業等が自ら輸出管理をしっかり行うことが大前提だと思います。このため、説明会の開催等を始め、中小企業等の輸出管理の促進を図りながらも、政府としてこのような意識の向上、徹底を図っていきたいと思っております。一方、経済産業省としましても、悪質な事業については、警察や税関などの関係機関ともよく連携し、しっかりと取り組んでいきたいと思っております。 今回の改正法案の策定に当たっては、約三年にわたり、産業界の代表にも御参加をいただいて、今議員からも御指摘のありましたルール作りに向けた審議会での議論を重ねてきたところでありますが、今後ともこうした面については不断の努力が必要だと思います。法案を成立させていただいた上には、産業界などの関係者の意見も十分聴取しながら、当委員会での御議論の点を十分参考にさせていただきながら、法の施行に向けた準備を進めていきたいと、このように考えておる次第であります。
○鈴木陽悦君 ありがとうございました。 今日は北朝鮮の飛翔体発射からいろいろとお話しさせていただきましたが、冒頭にも言ったように、迂回そしてまた不正輸出によって北朝鮮に渡ってそれが様々な形で被害につながるようなことがない、そうした企業の、意識の向上と大臣おっしゃいましたが、そのモラルの面の浸透も是非図っていかなきゃいけない、そんな思いを強く抱いている次第でございます。 どうもありがとうございました。 これで質問を終わります。
○田中直紀君 無所属の田中直紀でございます。 不正競争防止法の一部を改正する法律案について伺います。 さきの大臣の提案理由によりますと、昨今のグローバル化や情報化の進展により営業秘密の侵害行為が格段に容易になり、企業は瞬時にして致命的な損害を被る可能性に直面している、その結果、営利や企業への嫌がらせを目的とした営業秘密の開示行為や従業員による機密情報の不正な持ち出しなどが現行法では取り締まれない、こういうことで営業秘密の流出を今回防止しようと、こういう改正案と理解をいたしております。 六問ほどちょっと用意していましたが、前後しまして恐縮でありますが、多発する企業の営業秘密の流出防止対策ということなんでありますが、二点お伺いをしたいと思います。 まず第一点は、数年前に不正競争防止法が施行されて以来、現在までに、営業秘密侵害罪ということになるんでしょうか、で立件した具体的な犯罪について簡単に分かりやすく御説明をいただければこの法案の理解が進むんではないかということで、まずお伺いをいたします。 それから、藤原先生も御指摘でありましたけれども、中小企業のノウハウあるいは営業秘密が大企業や発注元の企業にいわゆる活用されるというか利用されることがあるわけで、その対策ですね。例えば中小企業でいうと金型産業だと思いますが、いわゆる大企業が海外に進出する、そうすると今まで提供していた中小企業の金型で作った図面だとかあるいは加工データが活用される、利用されると、こういう状況が指摘されたわけですね。今のような状況も非常に厳しい経済環境であるわけでありますので、金型産業等はやはり対処していかなきゃいかぬと、こういう状況であります。 今回の法案ですと、これ先ほど言ったように、企業もそうでありますが、従業員に対してと、こういうふうな状況でありますが、私は、事犯からいって、企業ぐるみといいますか企業がやむを得ずといいますか、手っ取り早く海外に工場を造るとなれば、今まで使った下請の方々の金型のデータを活用して工場を運営をしていくというような、そういう状況も見られるわけでありますし、産業の空洞化もそれによってどんどん進んでしまう、自国の産業というものがそういう面では痛手を被ると、こういう状況になると思います。 私は、経済に関する犯罪ということからとらえれば、そういう面では独占禁止法の違反だとか証券法の違反だとかという経済的なものですから、刑罰のみならず課徴金を課して、そういう経済犯罪のようなもの、不正についてはしっかりと正していきながらも、その知的財産に見合ったようなもので課徴金を課して、そしてまた経済の運営を正していくと。経済産業省も予算が少ないと、こう言っていますから、課徴金取って足りないところへちょっと活用していくということもまあできないわけではないんじゃないかと思いますけれども。 その二点、まず伺いたいと思います。
○大臣政務官(谷合正明君) まず最初に、流出の事例についてでありますけれども、営業秘密侵害罪で立件したものはあるかということでありますが、これは、平成十五年に営業秘密の侵害に係る刑事罰につきましては、不正競争防止法の改正によりまして違法性が高いと考えられる行為に限定して導入が図られました。しかしながら、立件したものはこれまではございません。ゼロでございます。 しかし、その現行の営業秘密侵害罪では捕捉できない流出事例が多数顕在化しているということはこれまた事実でございまして、どうしてもこの不正の競争の目的が認められなかった事例でありますとか、外部へのこの開示行為について証拠を得ることができなかったというような事件があるということでございますので、今回の法改正をしたところでございます。 最初の点、私の方から答えさせていただきました。
○政府参考人(森川正之君) お答え申し上げます。課徴金の件についてお答えいたします。 不正競争防止法は、企業の従業者等が営業秘密の不正取得等の違反行為をしたときに、行為者を罰するほか、その企業に対しても三億円以下の罰金刑を科すという規定になっております。また、今回の改正におきまして、営業秘密を不正取得する行為、領得する行為を原則として処罰対象というふうにいたしましたので、被害事実を特定するのに必要な証拠の収集というものが容易になるというふうに考えられます。 したがいまして、今回の改正で、企業の営業秘密の侵害行為に対しまして実効性のある抑止がなされるというふうに期待しているところでございます。 それで、課徴金の導入という御提案につきましては、不正競争防止法の現在の法体系あるいは執行体制ということを前提にいたしますと、この法律の中に直ちにこれを位置付けるのはなじまないかなというふうに思います。 経済産業省といたしましては、不正競争防止法の今般の改正と併せて、引き続き、下請代金法の厳格な運用、あるいは公正取引委員会との協力、連携といったことを通じまして、この下請取引の適正化ということを推進していきたいというふうに考えております。
○田中直紀君 金型の産業につきましては、平成十四年でしょうか、金型図面や金型加工データの意図せざる流出の防止に関する指針と、こういうことで御指導いただいているように伺っておりますが、顕在化しておるということだとは思います。 したがいまして、私は当然経済犯罪に準ずるものになっていくのではないかと、知的財産というのは大変その評価が高くなってきておるわけでありますから、そしてまた我が国で当然守らなければいけない問題でありますので。大前提で、この法案になじむかなじまないかということはあるかもしれませんが、私は、ほかの法律と見合った形で、大変な莫大な損害が経済的に生じた場合には、課徴金制度を導入をしてそして対処していくということが妥当ではないかと。従業員の皆さん方は、やはり一生懸命企業のためにやっていこうということが萎縮されては非常に困るわけでありますから、そういう面では企業を対象にして私は物事を進めていく。そしてまた、被害額がどの程度大きいものになるかということによってこの法案が活用され、立件も可能になっていくのではないかと思っています。 一つだけ付け加えますと、この十四年の金型の問題についてはどういうふうな形になりますか、この法案との兼ね合いは。
○政府参考人(松永和夫君) お答え申し上げます。 ただいま森川審議官からお答え申し上げましたように、今回の改正によりまして、言わば、今、田中委員御指摘の金型のケースで、いわゆる大企業による中小企業の営業秘密、ノウハウの取上げといったような事案に対しましては、営業秘密侵害罪という形で言わば処罰をすると、経済犯罪として処罰をするということがより容易になるというふうに考えられます。 ポイントを先ほども御答弁申し上げましたように、一つは、使用、開示をした場合にこれまで営業秘密侵害罪を構成するとされていたわけでございますけれども、この場合ですと、実際上、例えばその持っている金型のノウハウについて大企業がその部分を使用、開示したかどうかと。ましてや海外立地の場合そういうものを特定することは容易でなかったわけでございますけれども、今回の場合は、営業秘密の使用、開示についての証拠が得られない場合におきましても、言わば領得の段階で犯罪を構成するという形になっておりますので、領得を立証することは可能な場合というものが増えてくると。そういう意味で、この今回の法改正によって抑止力が高くなるというふうになることが期待をされるわけでございます。 更に申し上げますと、大企業、中小企業の場合で秘密保持契約ということを結ぶ場合が多いと思いますが、結んだにもかかわらず、その営業秘密の複製を許可をしている場合でも、例えばプロジェクトが終了した場合でもその複製をした営業秘密を消去するよう義務付ける、こういう場合でも実際上その消去をしないといった場合、現行法では対象になりませんけれども、今回の改正ではこうした事態にも対処できるようになると。そういう意味で、今回の改正によりまして抑止力は格段に強化をされたというふうに考えております。
○田中直紀君 各産業いろいろ大変な厳しい状況でありますので、運用については配慮をお願いいたしたいと思います。 日本政策投資銀行の危機対策業務の大企業・中堅企業向けのその後の融資について伺います。 一兆円の枠がもう既に使われたと、こういうふうなことが報道をされておりまして、今日は財務省ですか、お出かけいただいているようでありますが、新聞報道によりますと、今年の三月までのわずか四か月で一兆円を使い切ったというようなことなんですが、融資枠を活用しているのが日産自動車だとか三菱自動車、こういう企業の申請が相次いでいると、こういう状況なのでありますが、私は、中堅企業が非常に今厳しい状況にあるということでありますし、大企業が派遣切りをするとかあるいはその他の人員整理をしておるというような状況下にあって、確かに厳しい状況でありますが、一つそういう方向も出ているわけでありますから、私は資金調達をもっともっと必要なところに、銀行がなかなか貸せないところの中堅企業に手を回していただくということが大事だと思いますし、内容について業種別に、この一兆円の中身が業種別にあるいは規模別にどの程度のところに枠を使われたかということをちょっと伺いたいと思います。
○大臣政務官(三ッ矢憲生君) お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、この大企業・中堅企業向けの危機対応業務を活用して、二十年度一兆円の枠を用意しておったわけでございますが、その後、実は私どもヒアリングを行いまして、資金需要の精査を行いまして、これを超える実は一千三百億円程度、超えるニーズがあるということで、この部分について財政融資資金等の弾力条項を発動いたしまして、この結果、政投銀の長期資金貸付けについては三月末時点で一兆六百億円、三百一件、あと商工中金の方も七百億円の融資の実績が出てきておりまして、都合合わせまして一兆一千三百億円程度の実績になっておるところでございます。 これは、ちょっと個別の企業等について貸出実績は、我々としても実は承知しておりません。政投銀も一般銀行と同じように守秘義務が掛かっておりますので、個別の企業について幾ら貸しているかということについては、申し訳ございませんがここで明らかにすることはできません。業種別にざくっとした話で恐縮でございますが、製造業、サービス業、それから運輸・通信業、不動産業等に貸付けが行われたというふうに聞いておるところでございます。なお、二十一年度の貸付枠については二十年度と同様の一兆円の枠を当初予算で設けておりますけれども、現在取りまとめ中の経済対策において貸付枠を更に拡大することを検討しておるところでございます。 また、この制度は、もう委員もよく御承知だと思いますが、取引実績の有無等の限定を行っておる制度ではございませんで、我々としても、財務省等の主務省あるいは公庫、政投銀等のホームページ等でも危機対応業務についての周知を行っておるところでございまして、また政投銀の各支店に相談窓口も設けさせていただいておりまして、新規の相談にも積極的に取り組んでおるところでございまして、中堅・大企業向けの資金繰り対策に今後とも万全を期してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○田中直紀君 危機対応業務ということで、低利の長期融資でありますし、国のいわゆる政策ということでございますから、国の財政投融資の資金や政府保証債で賄っていると、こういうことなんで、できましたら業種別に、あるいは規模別に、企業の、できれば個別の企業と、こういうことも御提示をいただきたいと思いますし、委員長に理事会で諮っていただければと思います。
○委員長(櫻井充君) 後刻、理事会で協議させていただきたいと思います。
○田中直紀君 以上です。
○委員長(櫻井充君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。 午前十一時五十七分散会