農林水産委員会 第6号
- 発言数
- 117 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2009/04/02
会議録
○遠藤委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、漁業災害補償法の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として農林水産省総合食料局長町田勝弘君、農村振興局長吉村馨君、水産庁長官山田修路君、財務省主計局次長香川俊介君、国土交通省大臣官房審議官又野己知君及び海上保安庁警備救難部長向田昌幸君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○遠藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○遠藤委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。赤羽一嘉君。
○赤羽委員 おはようございます。公明党の赤羽一嘉でございます。 本日は漁業災害補償法の改正が議題でございますが、実は先日、予算委員会の分科会で質問に立たせていただきまして、そのときのやりとりを若干残しておりますので、まず、本題に入る前に、小麦の件について最初にちょっと何点か質問をさせていただきたいと思います。 昨年十月三十日に政府・与党で決定いたしましたいわゆる生活対策という中で、「輸入小麦の政府売渡価格の改定ルール等については、国際相場の動向をより迅速に反映できるようにする方向で早急に見直しを行う。」という文言が取り決めをされました。 私がその質問をした直後に、いわゆる四月渡しというんですか、売り渡しの価格を決定するという、そういったときだったので、小麦の相場は昨年大変高騰したわけですけれども、一転下げ基調になりまして、その下げ相場というのが相当続いているという認識の中で、国際相場を小麦価格に反映するようなことが必要だ、そういった趣旨の質問をいたしたわけでございます。 二月末に、私の質問の直後に、四月渡しの価格、四月渡しという言葉が正しいかどうかはわかりませんが、四月と十月に値決めをしている四月分の売り渡し価格が決定したということになっているはずですが、その価格は現在の小麦相場から見てもまだ高いのではないか、こういった指摘もあるんですけれども、その点についてどう評価をしているのかというのが一点と、私が質問したときに、この改定ルールについて早急に見直しを行うと昨年十月三十日にあったのだが、その検討会は七回開いているという御答弁がありましたが、まだ決着がついていない、こういったことでございました。この改定ルールの見直しをいつまでにやるということになっているのか。この二点についてお伺いしたいと思います。
○町田政府参考人 お答え申し上げます。 御指摘をいただきましたとおり、小麦の国際相場でございますが、一昨年から上昇基調で推移しておりまして、昨年春には一ブッシェル当たり十ドルを超えたところでございます。現在は、小麦の豊作に加えまして、世界的金融危機による商品市場からの投機資金の流出等もございまして大幅に低下いたしておりまして、一ブッシェル当たり五ドルから六ドル程度の水準でございます。 現行の輸入麦の政府売り渡し価格の改定ルールは、こうした国際相場の急激な上げ下げが消費者に大きな影響を及ぼさないようにという観点から、年二回、四月と十月に改定するとともに、その水準は、過去八カ月間の政府買い付け価格の平均値をもとに算定しております。二十一年四月期、この現行ルールのもとで改定を行いまして、国際相場の状況を反映しつつも、主要五銘柄平均で一四・八%の引き下げにとどまっているということでございます。 こうした点を踏まえまして、今御指摘をいただきました、国際相場の動向をより迅速に売り渡し価格に反映できるようにということで、輸入麦の政府売渡ルール検討会において今精力的に検討をいただいております。前回御質問をいただいたとき七回まででございましたが、その後も検討を進めております。現在まで十回開催しているところでございます。引き続き、関係業界等の意見交換、またヒアリングを行いながら検討を進めまして、本年の夏ぐらいを目途に成案が得られるようにしたいというふうに考えているところでございます。
○赤羽委員 今、本年夏を目途にということでございましたので、政府・与党で決めたことでありますから、早急にしっかりとした結論を出していただきたい、こう考えるわけでございます。 また、今御答弁にもありました、輸入相場は約半分になっていると。ピーク時に比べて約半分になって下げどまりしているはずでございますが、この売り渡し価格、単純ではないと思いますけれども、一五%弱の引き下げということは、やはり下げ切れていないという、そういった指摘というのは正しいのかなと思いますので、その辺の仕組みを消費者の立場に立った形でわかりやすくしていただきたいというのが第一点でございます。 次に、これは前回のときに石破大臣からも、麦政策をどうするかということに帰着すると。麦は輪作の間の非常に重要なものなんだ、まさにそういう結論なんだというふうに思いますが、その前段として、まず、今、日本の小麦の大宗を占めている輸入麦の輸入の仕方について、これは前回もちょっと質問をしたことなんですけれども、やはり米と違って、同じ主食とはいいながら、米は国内に生産農家が大変な数あるわけですね。ですから、それは守らなければいけないし、それは非常によくわかるんですが、麦の場合は、生産農家というのは大変限られているわけであります。その目的も、大臣の御答弁にもありました、ローテーションのはざまを埋めるという、それはそれなりに重要なことでありますが、主食としての役割を果たしているわけじゃないわけですね。 ここのことについて、前回、なぜ日本は、我が国は輸入小麦を国家貿易でやっているのかと。そのときの答弁は、主食だから、こういう話なんですが、私は、それはなかなか理屈に合わないのではないかと。小麦を主食にしている国というのはたくさんあるわけなんですよ。世界じゅうで小麦を国家貿易で輸入している国があったら御教示いただきたいというのが第一点。なぜ我が国が国家貿易に固執しているのか、このことについてあわせて御答弁いただきたい、こう思います。
○町田政府参考人 小麦につきましては、御指摘をいただきましたが、米に次ぐ主要な食糧ということで、その安定供給を図る必要から、食糧法に基づき、国家貿易による輸入を行っております。年間一人当たりの消費量で見ますと、米は六十一キロでございますが、小麦は三十二キロということでございまして、米に次ぐ主食というふうに位置づけているところでございます。 こうした国家貿易をとっている国が我が国以外にどのぐらいあるのかというのが一点目の御質問でございます。我が国以外で農産品の国家貿易を採用している国というのは多くあるわけでございますが、その中で、御質問いただきました小麦の輸入国家貿易を実施している国につきましては、WTOの通報によりますと、中国、インド、キプロス、スロバキア、チュニジア、トリニダードトバゴ、ナミビア、ポーランド、この八カ国となっております。 国家貿易により輸入を行っているのはなぜかということでございますが、国家貿易によりまして国が一元的に輸入するということによりまして、輸出国サイドとの交渉力を高めますとともに、確実な輸入代金の支払いを行うといったことで、小麦の安定的な輸入に貢献をしてきているというふうに考えているところでございます。
○赤羽委員 一つは、今言われた中国を初めとする八カ国しか行われていないという事実がどうなのかという判断はもう農林水産省に任せます。だからといって日本が国家貿易をやるという根拠にはならないのではないかということが一つと、今、国家貿易をやっているということで、ロットがまとまるということと、支払い代金が確実に支払われると。これはどこの国の話をしているんですかと言いたいのですね、私に言わせると。 小麦以外の輸入というのは、食料品だけじゃなくて、さまざまなことを日本でやっているわけですよ。日本における民間企業が、貿易の中で、こんな大宗商品を不払いをしてなどという事案なんてあるんですか。私は、だから子供だましの言いわけだというふうに前回言ったわけです。要するに、小麦が国家貿易じゃなきゃいけないという、今言った、ロットがまとまらないとか代金の不払いが生じるリスクがあるというのは、全く理屈が通らない。 それよりも、私が聞いているのは、相場の上げ下げのときに、国が予算を決めてまとめて買うことによって安い時期に買えない、そういう不利益の方が大きいはずなんですよ。ここは、別に私、何かの立場に立って物を言っているのじゃなくて、もう少しグローバルスタンダードでやるべきじゃないですかね。 これまでの歴史的な経過があったということは踏まえておりますが、私は、まさに聖域なき農政改革という中で石破大臣はやろうとされているんだと思うんですが、ぜひこの小麦について対象としていただきたいというお願いが一つ。 それから、これまでの審議会等々で、やはり少し改めなきゃいけないのじゃないかということで、一部の銘柄についてSBS方式ということも取り入れているんです。このSBS方式、平成十九年の四月から試行的に導入されているわけですけれども、これについてどういう評価がされ、去年の実績では全輸入量の何%ぐらいをSBS方式でやっているのかということをちょっとお教えいただけますか。
○町田政府参考人 SBS方式でございますが、売買同時入札方式ということでございまして、十九年四月から、小麦の一部銘柄、また大・裸麦の全銘柄について導入をしております。やはり、需要者の多様なニーズにきめ細かく対応するといったことにつきましては、この方式が、国家貿易の一形態でございますが、より民間貿易に近いという形で、望ましいといいましょうか、メリットがあるというふうに考えております。 実績でございますが、平成二十年度で、大・裸麦につきましては輸入全量約二十六万トン、小麦につきましては、輸入量は同じく約二十六万トンでございますが、その約六%がSBS方式となっているところでございます。
○赤羽委員 SBS方式の導入目標量というのは多分もっと高かったはずなんですね。それは相場がこれだけ動きましたのでやりにくかったということもありますが、ぜひ聖域として設けずに、一歩切り込んでいただきたい。 私は何が言いたいかといいますと、今まさに食料自給力の向上とか自給率の向上ということを掲げているわけでして、その中で国内産の小麦をどうするかというのは、私はもっと堂々と構えた方がいいと。要するに、輸入小麦とリンクさせて輸入小麦の中でマークアップで乗せて云々という小手先の対策ではなくて、それとはリンクしないで、輸入貿易は輸入貿易で自由に安いもの、いいものを輸入させて、それとは別に国内小麦というものをちゃんと育成するという、今までの発想とはまた別の考え方、堂々と位置づけをするということこそ日本の農政改革につながるのではないか、私はこう考えるわけです。一品目の中で何かやりくりしようとすること自体にしょせん無理があるというふうに思うのでございます。 これは結論なので、私のこの主張と、農政改革の中で減反云々ということはよく出ているんだけれども、それだけじゃなくて、ぜひこの小麦についても改革の対象に、もうされているかもしれませんが、そういう認識で取り組んでいただきたいということについて、大臣から御答弁いただきたいと思います。
○石破国務大臣 委員はずっと実務に携わっておられましたから、実は私どもよりも実態をよく御存じなのだと思っております。 御指摘のように、これは麦だけ議論をするのではなくて、日本の穀物政策、もっと言えば米政策との関連においてどう考えるんだということになります。先回分科会でも答弁申し上げましたが、北海道などの場合には、ローテーションで回していって、麦というのは絶対に必要なものである。では、内地ではどうなんですかということになってくるわけでございますね。 そこで、実需に合わないものを無理やりつくるなどということがあってはならないことであって、そこの努力も一生懸命やっておるわけですが、一時期、委員御案内のとおり、麦は安楽死路線をとってきたんです。そこをもう一度、麦は必要だねということでいろいろな政策を打ってきておるわけですが、実は主眼は、米との関係をどうするんだということに尽きるんだろうと私は思っております。そこで、米は米、麦は麦みたいな議論をしてもしようがないのであって、これは、総合的な穀物政策としてどう考えるか、そして食料安全保障という概念をどのように整理するかということになるんだろうと思っております。 このような政策をとっておることがどのように消費者の利益になっておるのかという視点、ここはもっと私どもは強く持つべきだというふうに考えております。 消費者の視点ということ、それから安全保障政策の中でどうするかということ、米との連関性をどうするかという、委員のおっしゃっていることはまさしく本質でございますので、農政改革の中においてこの麦の問題というものをあわせてきちんと議論をして、また委員の皆様方の御議論に付したい、このように考えておる次第でございます。
○赤羽委員 ぜひ、今大臣の御答弁にありましたように、消費者の視点に立ったということも極めて濃く入れて農政改革を進めていただきたい、こう思うわけでございます。 それでは、漁業災害補償法の改正の方に移らせていただきたいと思います。 このことにつきましても、実は、私の地元でもあります明石海峡でちょうど一年前の三月に船が三隻衝突をいたしまして、その沈没による油の流出事故が起こりました。特に、ノリ養殖事業者、またイカナゴの時期にも当たりましたので、ノリ養殖事業者だけでも四十億円以上の被害が出た、こういったことでございます。 このとき、委員会でそれぞれ関係議員が質問に立たれて、農林水産省からは、漁業被害の補償については加害者と被害者の間で解決されることが基本であるが、漁業者の方々が一刻も早く今回の被害から立ち直って元気に地域の漁業の振興に携わっていただけるように、水産庁としても、漁業共済金の早期支払いあるいは資金の円滑な融通について関係機関に指導し、とりあえず三月末に二億四千万円の仮払いを実施した、こういったこととか、また、当時、燃油が高くなっていましたので、燃油対策を活用するということを、現地の方に入り説明会を実施して意見交換をして、どう進めていくのかを調整していく、こういった御答弁もございました。 ただ、結局、昨年の事故をきっかけに、現地のノリ養殖事業者は千二百名いましたけれども、二百名ほどやめられている、千名に減少したということでございます。やはり、約四十億円以上の被害ということで裁判もされておりまして、こういった状況の中で、結局、漁業共済制度というのはどの程度役に立ったのか、こういったことをどう評価、総括されているのか、お答えをいただきたいと思います。
○山田政府参考人 お答えいたします。 昨年三月の明石海峡沖の油流出事故の関係でございますが、被害を受けた漁業者の多くは、漁業共済の関係では補償額の低い契約方式に加入をしておりました。こういったことから、被害者に対して四億八千万円の共済支払い金が支払われたところでありますが、共済支払い金では十分に被害をカバーできなかったということでございます。 こうした状況を踏まえまして、被害が生じた場合に十分な補償が受けられるように、補償額の高い契約方式の加入に移行するように漁業団体においても積極的に周知徹底を行いました。また、兵庫県におきましても、共済掛金の上乗せ助成を行う措置を講じました。現在では、多くの漁業者の方々がこうした補償額の高い契約方式の漁業共済に加入されているところでございます。
○赤羽委員 恐らく、補償額が高いものに入らなかったという背景があると思うんです。その背景があったからこそ、今回のこの漁業災害補償法の改正法案の提出にもつながったんだと思います。そのことは二、三問後でまた質問を続けますが。 それ以前に、現地で今抱えている問題がございまして、ゴールドリーダー号という船が沈没をしております。その中に油が満載されているものですから、ROLSという、世界に二台しかないという油の抜き取り機器を使ってことしの十一月に実施するということが国や県の支援のもとで決定をしているんですが、ROLSというこの機械が、当初、七月に韓国で作業をするという予定になっていて、その後に来るということだったんですが、韓国の作業が前倒しになっている。四月に台湾、七月に韓国、秋に明石海峡という話だったらしいんですが、台湾が中止になって、この春に韓国での作業が前倒しになったというような情報が入っております。 地元の皆さんは、秋口はノリ養殖の種つけの時期でもあって、台風も多いですから、そのときにできないとか、いろいろなアクシデントがあることを非常に心配しておりまして、漁業連としても、県にも、また国にも、ぜひことしの夏に前倒しで実施するよう応援をしていただきたい、こういう要請がもう徐々に来ていると思います。私も直接伺っております。 その点について、どのような見通しをしながらどう支援をしていただくのか、御答弁をいただきたいと思います。
○向田政府参考人 お答えさせていただきます。 昨年沈没いたしましたゴールドリーダー号、いわゆるG号からの油の抜き取りにつきましては、地元で開催されました技術検討委員会におきまして、沈没船に油が残っていること、そして油の抜き取りは技術的に可能であることが確認されておりまして、現在、兵庫県などの地元自治体により、ノリ等の漁業の端境期で、しかも、油抜き取り装置、いわゆるROLSの手配が可能とされることしの十月から十一月を中心に実施するよう検討が進められているというふうに聞いております。 海上保安庁といたしましても、できるだけ早期に油抜き取り作業が実施されることが望ましいと考えておりますが、この油抜き取り装置、ROLSの手配につきましては、海外での使用状況等に左右されるところがあると承知しておりますので、今後とも、関連情報の収集等に努めるとともに、地元自治体や漁業関係者などとも緊密に連絡をとり合いながら、油の抜き取り作業の早期実施に向けて関係者に働きかけを行ってまいりたいというふうに考えております。
○赤羽委員 今の答弁でいいんですが、四月の台湾の部分がキャンセルになったという情報がある。民間の漁業組合あたりではこういった国際的な情報というのはなかなか確認できるすべがないので、そういったサポートをぜひお願いしたいと強く要望しておきたいと思います。 次に、衝突事故で、タンカーの場合は国際条約で国際油濁補償基金なんかが積まれていて、船主責任の制限を超える被害があっても補償されるという仕組みがあります。ただこれは、タンカーじゃないと、結局、そういう船主責任を超える部分の補償というのは漁業者が泣き寝入りしている、こういった状況が多々あるわけですね。 このことについて、昨年の明石の事故が起こった後の委員会で何度となく、こういった漁業者を守れるような基金の創設等々を考えるべきではないか、このような提案をされた同僚の議員も何名かいらっしゃったわけであります。そのとき、国交省の海事局は、これは国際社会にまたがるものなので一つの検討課題として承っておきたいということだったのでありますが、一年たってこの件についてどう検討が進んでいるのか、何もやっていないのか、御答弁をいただきたいと思います。
○又野政府参考人 お答えいたします。 ただいま御指摘の件につきましては、昨年の六月、事故の直後の国土交通委員会でも赤羽委員から御指摘いただきました。 今お話ありましたように、船舶は世界の海域を対象に航行活動をいたしておりますので、その活動に伴って起きた事故の補償問題については、基本的には国際的な取り組みが必要だということになっております。 昨年十月に国際海事機関、IMOの定例の会議がございまして、私自身も出席いたしましたが、その場で、今の御指摘の点について、基金の創設をすべきだという提案を我が国としていたしたところであります。具体的には、船主責任に関する条約に定められた責任限度額を超えた補償については現実に不十分な事態となっておりますので、まさにその問題が昨年の明石海峡の事故で露呈したわけでありますから、そういう問題についてどう国際的に対応すべきかということについて、まずは調査から始めて制度設計をしていこうという提案をいたしたところであります。 IMOの中で我が国の海事行政のステータスというのは比較的高いと自負しておりますので、引き続きこの提案をリードして、我が国としてこの制度設計を積極的に推進してまいりたいと思っております。 いずれにいたしましても、地元の県、市でこの事故の対応について非常に熱心に取り組んできておられますので、国としても、きちんとサポートして、必要な財政措置も含めて対応してまいりたいと考えております。
○赤羽委員 どうもありがとうございます。 ぜひ国際社会の仕組みの中で働きかけをお願いしたいということでありますが、同時に、国際社会の足並みがそろうまでにはなかなか時間もかかることが当然予想されるわけであって、その間にも、やはり相当危ない航路とかがありますので、漁船の衝突事故というのをゼロにするということは結構難しいのではないか。 もちろん、安全をどうするかという、多分、海上保安庁なんかの法改正も用意されているというふうに聞いておるんですが、現場の漁業組合の皆さんの声は、いざというときにいつもいつも、共済といっても、本来はこうなんだけれども、漁業者も少なくなっているし、加入率も低いし、補償額も高くないからなかなか入りにくい、こういった状況を抱える中で、やはり難しい背景がある中で、しかし、さはさりながら、衝突が起きたときに一番被害をこうむるのは地元の漁業者だ、そういったことを守ってもらえるような基金をぜひつくっていただきたいというのは、これは明石海峡の漁業関係者だけじゃなくて、同じようなお願いというのはもうずっと出てきていると思うんですね。 よくあるのは、国の世界ではなかなか難しいかもしれないけれども、去年、燃油対策として相当大きな予算を用意して省燃油操業実証事業をやられたわけですが、幸か不幸か油の値段は相当下がったので、余り予算が消化されていないのではないか、私つまびらかじゃありませんけれども。そういったものを転用するというのはなかなか難しいんだけれども、漁民のそういう安全保障のための基金創設みたいなアイデアをぜひ考えていただきたいというのがやはり一番切実な声なんですね。 こういった声について、やはり日本の水産業を健全なものに発展させていくというのは水産法にも定められていることでありますし、すぐこの場で大臣の御答弁をいただいて、簡単にはいかないというのはよくわかるんだけれども、切実な思いとして、使っていない予算があるんだったらこちらに回してくれというような思いというのは強い。それだけ切実感があるということを踏まえていただいて、漁民に対する何らかの安全保障的なものをぜひ検討というか勉強していただきたいと思うんですが、大臣、どうですか。
○石破国務大臣 保険の理論からいえば母集団をいかにしてふやすかということであり、今回の法改正もその辺を主眼としておるわけでございます。 ただ、保険の理論の中でどこまでカバーできるお話なのか。保険という形と組み合わせるのかどうかは別にして、基金みたいなものを積むかどうか。去年のイージス艦の事故のときも、どうやってこの金を出すんだということで、政府の中でも相当の議論は行いました。私自身その記憶は非常に新しいところでございます。 これは本当に、委員の問題提起として、とにかく被害額が物すごく大きいわけですよね。そうすると、どこまでだれが負担すべきなのかというお話、どこからそのお金を出すべきなのかということは、けさも議論をしたところなのですけれども、もう一回ここは、保険の理論を、そしてそれを超えるものがあるかどうか、お金はだれが出すべきなのか、蓋然性をどう考えるか、あるいは委員御指摘のように、ほかの国であった場合にはどうなのかみたいなことをあわせて考えていかなければいけないものなのだと思っております。 また、議員のいろいろな御見解、御見識を承りながら、制度設計というものを考える、そういうような価値は十分にあるだろうと思って御意見を拝聴させていただきました。
○赤羽委員 もちろん被害者と加害者の間でという原則はよくわかるんですが、そうしていくと、日本の水産業というのはやはり将来的に相当先細りしていってしまう。国において水産業というものを守っていこう、大事に育てていこうということであるならばということを勘案して、難しい大がかりな制度をつくるということになると大変時間もかかりますので、国内における漁民の皆さんの不可抗力的な事故での被害補償について国の全面的な支援ができるように、そういった制度設計をぜひつくっていただきたいということを強く申し上げまして、私の質問とさせていただきます。 どうもありがとうございました。
○遠藤委員長 次に、大串博志君。
○大串委員 ありがとうございます。民主党の大串博志です。 きょうは漁災法に関する改正案の議論の時間をいただきました。本件について議論を進めさせていただきたいと思います。大臣、またよろしくお願いいたします。 まず冒頭、漁業に関係する問題で、諫早湾干拓問題で先般議論させていただいたところをフォローアップさせていただきたいと思います。 この諫早湾干拓問題、先般、私、半年以上前の佐賀地裁での判決、これに対する国の控訴という中で、当時の法務担当大臣であった鳩山大臣が「地球船」という冊子に、開門するんだという若林農林水産大臣の決意を得て自分は控訴にサインをしたんだということ、こういうふうなことが書かれていますということを申し上げ、大臣の御所見をお尋ねし、閣内でも意見の不一致があるんじゃないですかということをお尋ねしました。 その後、三月に入って、参議院の予算委員会において、自民党の議員の方からこの件について質問がなされています。それを見ると、「環境アセスをする、それは開門調査をするという前提で環境アセスの話だったことを大臣」、これは鳩山総務大臣ですね、当時の法務大臣。「大臣も覚えておられると思いますが、あのときの前提は開門調査をするということの前提だったということを私は理解しています」、当時この方は農林水産省の副大臣でいらっしゃいましたから、こういうふうにおっしゃった。「大臣の見解をまずお聞きをしておきたいと思います。」ということで、鳩山現総務大臣、当時の法務大臣に質問されたところ、鳩山現総務大臣は、「全くおっしゃるとおりで、開門調査をするんだ、できるだけ早くするんだ、そのためにアセスやるというふうに当時の若林農水大臣も理解をしていただいたと、」こういうふうに明らかにおっしゃっています。 これに関して石破農水大臣の御所見をお尋ねしたいと思います。
○石破国務大臣 私は閣内不一致があるという認識はいたしておりません。政府としての考えは、鳩山大臣そして若林大臣がお話し合いをなさって、そして出ております昨年七月十日の農林水産大臣談話、これが政府の考え方でございます。このことには何ら変更もございませんし、閣内不一致があるというようなことは私は認識をいたしておりません。 この談話にございますとおり、開門調査を含めました今後の方策については環境アセスメントの結果を踏まえ関係の皆様方の御同意をいただきながら検討を進めるということになっておるわけでございまして、関係者の御同意を得ておりませんから、結果を踏まえて関係者の御同意をいただきます前に開門調査を実施するか否かということは、それは申し上げることは論理的にできないお話でございます。 では今後どうするんだということで、岩永委員からも何度も御指摘をいただきました。そのことは私も首肯するところが大変多いわけでございます。したがいまして、さまざまな関係の皆様方の御同意をいただくべく努力をしていかなければなりませんし、御意見を十分踏まえて、環境アセス、これは何年もかかっている、どうするんだということでございます。環境アセスをいかに急いでいくか。それも拙速にやるという意味ではございませんが、科学的な知見というものを十分に活用しながら、かつ、この環境アセスをいかにスピーディーに行っていくかということが肝要であるというのが私の認識でございます。
○大串委員 大臣は閣内不一致はないんだというふうにおっしゃいます。そして、今おっしゃったように、関係者の同意を得て開門調査をするかどうかは決定する、よって、今は関係者の同意を得られていないからその前に開門調査をするという決断をすることはあり得ないという論理構成ですね。 それは一つの論理構成として私もわかりますが、鳩山大臣がおっしゃっていることは、岩永参議院議員の「環境アセスをする、それは開門調査をするという前提で環境アセスの話だったことを大臣も覚えておられると思いますが、」という質問に対して、「全くおっしゃるとおりで、開門調査をするんだ、できるだけ早くするんだ、」こういうふうにおっしゃっている。 先般、私は、まだ「地球船」という冊子に鳩山大臣が所見を書かれている段階だったので、ある意味あそこの議論でとどまりましたが、国会での答弁で一国務大臣が、しかも当時の法務大臣、決裁権限者がそういうふうにおっしゃっている。これは非常に大きなことだと私は思うんです。国会の答弁ですから非常に重い。もし私がその予算委員会の場で質問していたら、もっともっと突っ込んでどういうことなんですかと言っていたようなたぐいの話だと私は思います。 これは閣内不一致じゃないかと私は今でも思っていますし、それに対して何度も答弁を求めるつもりはありませんが、これぐらい大きな議論の口がぱっくりあいているんだ、それだけ大きな課題を抱えている問題というか、開門に向けたうねり、声、思いも大きい。そういう中での議論だろうというふうに私は思うんですね。ですから、それはしっかり受けとめていただきたいというふうに思います。 そして、今おっしゃいました開門アセスにどの程度の時間がかかるのかということですけれども、先般、農水省の方々と勉強会をさせていただいて、これまで私たちも開門アセスはどのくらい時間がかかるんですかということをお尋ねしていたところ、その勉強会で初めて、ペーパーで、開門アセスにはこのくらい時間がかかりますという模式図をいただきました。指針が作成、公表されているのが去年の秋の段階で、これから一年、二年、三年かけてアセスメントの結果が確定するんだというペーパーでございます。 開門アセスは一体どれだけ時間がかかるんでしょうか。三年という理解でいいんでしょうか。 〔委員長退席、宮腰委員長代理着席〕
○吉村政府参考人 お答え申し上げます。 本件環境アセスメントにつきましては、開門方法や農業生産、漁業生産、背後地の防災など、これまで前例のない項目について検討を行う必要があるということで、一定程度の期間を要するものと考えておりますけれども、できる限り既存の資料などを活用する、それから、事前の説明を実施して県知事などからの意見提出期間を実質的に短縮することなどをしてまいりまして、早急に本件環境アセスメントを了するように努めてまいりたいというふうに考えております。 なお、他の事業の一般的な期間といたしましては、方法書の縦覧開始から評価書の縦覧終了までの平均的な期間は三年半程度となっております。繰り返しになりますけれども、本件アセスメントについては先ほど申しましたような考え方で進めていきたいというふうに考えております。
○大串委員 先般の参議院予算委員会においても、この問題は今申し上げたように数度にわたって取り上げられ、その中で大臣も、環境アセスメントは早期に終わらなければならないというふうにおっしゃっていて、かつ、総理大臣も、早期にやっていく、これが重要なんだということをおっしゃっています。 今、答弁もありましたけれども、私たちは三年かかるという紙をいただいたわけですけれども、早期にやるとおっしゃいました。一体これはどのくらい短くなり得る、本当に私たちはどのくらい待てば、この環境アセスが終わるというところまで到達するんでしょうか。早期とおっしゃるけれども、本当に一体どのくらい短くすることができるものなのか、大臣の御決意をいただきたいと思います。
○石破国務大臣 今局長が答弁いたしましたように、短くできるものはできるだけ短くする。ただ、形式的にやっただけで広く御意見を求めるプロセスを省略するとか、そういうことをやることはできません。また、数年かけないときちんとした科学的知見が得られないものがあるというのは委員よく御案内のとおりでございまして、広く意見を求めるということ、そして手続が公正であること、科学的な知見を得るに必要な最小限の期間を確保するということを考えますと、やはり三年がめどということではないかと私は思っております。 今後、これは私も科学者ではございませんので、どこまで縮められるかということについて完全に得心をしたわけではございません。三年がめどということは申し上げられますが、本当に広く公開性、公正性、そして科学的な客観性、これを損なわない範囲でどこまで短くできるかということはきちんと詰めまして、また委員にも御説明を申し上げたいと思います。
○大串委員 三年がめどというふうにおっしゃいますが、三年がめどということは、実は私たちはもっと前から聞いていました。どういう意味で三年がめどというふうに聞いていたかというと、他の類似の干拓事業等々で環境省さんの方で行われていた、これまでのいわゆる環境アセス法に基づく環境アセスメントだと大体三年かかっていますということだったんです。それをベースに三年がめどというふうに言われるのであれば、今回のケースは明らかに違うんじゃないかというふうに私は思います。 なぜかというと、一つは、環境アセス法そのものに基づくアセスではないということと、それともう一つが、この諫早湾干拓事業におけるいろいろな調査研究、これはこれまでもたくさん実は行われていて、ノリ不作等第三者検討委員会における検討や、あるいはそれに基づいて実際に短期開門調査なども行われています。その知見もたくさんありますし、かつ、これまで農水省におかれても調査研究予算をたくさんかけられて、この事案に関しての調査研究は行われています。 ですから、おのずと、これまでの環境省における類似新規事案における環境アセスメントが三年かかっていたから三年がめどということとは明らかに事案が違うし、かつ、それを踏まえて、大臣も総理も三年とは言わずにできるだけ早期に行いたいというふうに言われたということだと私は思います。 大臣、三年という数字は、大臣もよくよく役所の方に聞いていただけばわかりますけれども、もともとは環境アセスメント法の類似新規事案で三年と言われただけの話なので、ぜひここはそれにとらわれずに、これはもともとあった事案ですからということを踏まえてやっていただきたい。とても漁民の方々が三年待てる性質の事案ではありません。 そして、大臣、この間の参議院の予算委員会においても、このアセスの内容について大臣から御答弁いただいていますのは、このアセスの指針の中でどういう項目をずっとアセスしていくか。これは類似干拓事業等々のアセスの指針を参考にしてつくられているわけですが、その中で新たな項目として、特別の項目として、地域の農業あるいは漁業あるいは防災にどういう影響を与えるのか、これも検証するということが一項入っています。これはしかるべきことだと私は思いますけれども、それに関して、大臣、御答弁の中で、さきの参議院の予算委員会で、「その影響」、影響というのは農業や漁業に対する影響ですね、「その影響を極力回避、低減する措置についても併せて検討するということにしておるわけでございます。」こういうふうに答弁されています。 私、お尋ねしたいと思います。この間も申し上げましたけれども、環境アセスメントというのは、通常考えれば、ある一つの固まった事業に対して、これを行った場合にどういう影響が生じるかということを単体で評価するものではありますけれども、大臣がこういうふうにお答えになっていらっしゃること、そして指針の中に、先ほど申し上げたように、農業、漁業、そして防災に関する影響も検討するということも書かれていることを読み合わせると、アセスの中で、例えば農業への影響ということはつまり代替水源ということになります。あるいは防災、これらの問題について影響を極力回避、低減するというと、例えば代替水源としてはこういうものがありますよ、それも検討してみるとこうこうこういうプラスマイナス、できることとできないことがありますよ、防災についてもこうこうこういう開門方法であればこうこうこういう防災に関する影響の違いがありますよ、あるいは防災に関してこういうふうな思いがあるということであれば例えば防潮堤をつくるなどのこともあり得ますよというような、私たち、弁護団の方々も含めて、これまで代替水源やあるいは防災に対する策に関してもいろいろな提言をもう既にやっております。それは既に知見としてこの世の中にあります。 これを踏まえて、アセスの中で、単純に開門をしたときに農業や防災に対してどうなるかということのみならず、その影響、まさに大臣がこの答弁でおっしゃっているように影響を低減する。つまり、代替水源のこういうものをとったら、こういうふうな影響を回避、低減することができる、あるいは防災についても、こういうふうな手段をとったら、開門の方法をこうしたら、あるいは追加的なこういう防災策をとったら、防災面でもこのように影響を回避もしくは低減できるという形で、開門をするとするならば、できる限りこういうふうに影響を低減してやることによってこういう答えが出るんですというところまで議論を進めた上でのアセスを、しかも早期にやっていただくという理解でいいのかどうか。私はぜひそうしてほしいと思います。 アセスを単にぽんとやって、農業や防災にこういう影響があります、それは後日の検討ですと言われると、また相当な時間がかかりますので、そうではなくて、せっかくアセスをやるんだったら、アセスの中で代替水源や防災に関する低減措置も含めて検討して、こうすればこういうふうに低減できるんだということも含めて、ぎりぎりのところまで検討してやっていただきたいというふうに、しかもそれを早期にやっていただきたいと思うんですが、大臣の御所見をいただきたいと思います。
○石破国務大臣 その考え方で結構だと私は思っております。開門方式は三つあるというのは委員も百も万も御案内のことでございまして、この三つの方式に応じまして、水質や底質等の環境の自然的構成要素、生物の多様性の確保及び自然環境、漁業生産、農業生産、後背地の防災、それぞれの項目について影響を予測しますが、それとともに、これらの影響を極力回避、低減する措置についてもあわせて検討しなければなりません。 委員御指摘のように、そういうのをあわせて並行的な形で検討しなければ、これは期間が延びるということでございますから、こういうことについてもあわせて検討したい。それがアセスの期間を長引かせないための一つの方策であるということはよく認識をいたしておるところでございます。
○大串委員 今の大臣の答弁は受けとめさせていただきたいというふうに思います。 先ほど申しましたように、弁護団の方々を初めとして私たちも、影響を低減する措置、代替水源にしても防災面についても、いろいろなものを既に提言しております。さらに言うなれば、アセスの方法に関するパブリックコメント、あるいはいろいろな意見聴取をしていただけるということでございますので、意見聴取をしていただく中でまた私たちもいろいろな弾込めをさせていただきたいというふうに思いますが、その中で、そのような影響を低減する措置も含めて早期に検討していただくというその考えで結構ということですので、ぜひ大臣、そのことで進めていただきたいというふうに思います。 繰り返しますが、決して三年待てるものではありませんので、ぜひよろしくお願いします。 さて、漁業共済、漁災法の問題に入りたいというふうに思います。この漁災法、漁災制度でございますけれども、まず冒頭、いろいろな制度の事実確認をさせていただきたいと思います。 今回、改正の内容について、私たちはおおむね大きく異を唱えるものではございませんけれども、漁災制度全般というものをとらえたときに、本当にこれでいいんだろうかという思いはぬぐい去ることができません。この点も含めて、事実確認もまずしていき、そして、大枠のところで大臣の御所見をいただきたいと思いますので、ぜひよく聞いていただければというふうに思います。 まず、漁業をめぐる状況でございますけれども、現在、漁業生産あるいは漁業就業者は全体的に低下傾向、低減傾向ということが盛んに言われています。まず、この全体的傾向がどういうものであるか、御所見をいただきたいと思います。
○山田政府参考人 漁業生産あるいは漁業就業者、そういったものの全体的な傾向でございます。 まず漁業生産量でございます。これは、ピーク時は昭和五十九年でございますが、千二百八十二万トンでございました。徐々に低下をしてきておりまして、平成十九年には五百七十二万トンと、おおむね半分ということになっております。 それから、漁業就業者についてでございますが、平成九年には二十七万八千人でありましたけれども、平成十九年には二十万四千人ということになっております。 以上です。
○大串委員 今長官から御答弁ありましたように、生産そして就業者ともに、長い時間をかけて大きく低下をしてきているわけですね。 このような全体的な傾向はなぜ生じているのだろうかということは問わなきゃならぬと思います。いわゆる資源の枯渇化が要因なのか、あるいは需要も減ってきているということなのか。この背景に関してはどのようなことが考えられるのか、答弁をいただきます。
○山田政府参考人 このような状況になりました理由でございます。 一つは、まず生産面でございます。委員からお話がありましたように、資源の問題もございます。例えば、二百海里体制が定着をしてきまして、海外漁場から撤退をするということで、我が国漁船が入れない地域がふえている。あるいは、我が国周辺水域におきまして特にマイワシ資源が急激に減ったということもございます。その他、資源は低迷している状況にありまして、生産面で非常に難しい問題に直面をしております。 また、そのような中で、資材価格を見ますと、全体としては上昇傾向で推移をしております。一方、消費が減退をしているということもありまして、あるいは消費者の低価格志向というようなこともありまして、産地がなかなか自分の思うような値段で物を売れない、販売力が低下しているというようなことがございます。こういった状況のもとで、漁業者の経営は非常に厳しい状況に置かれているというふうに考えております。
○大串委員 今長官が答弁したような内容を聞くと、極めて構造的な要因であることは間違いないですね。 極めて構造的な要因で生産高そして就業者も減ってきている中で、今、農水省として、政府として、漁業者を支援していくいろいろな施策があると思います。その施策の全体はどういうふうな施策になっていて、そして、この漁業災害補償制度というものはその中でどういうふうに位置づけられるのか、これに関して答弁をいただきたいというふうに思います。
○山田政府参考人 漁業者に対する支援策でございます。 委員がおっしゃいましたように、いろいろな対策を講じているわけでございますが、特に、先ほど申しました資源の面でございますが、これは、やはり資源が非常に低位水準にあるということで、資源の回復を図る、あるいは管理を推進するような、いろいろな資源回復計画などの策定等を通じまして、資源の管理、回復を図っているところでございます。 それから、産地がなかなか思うように販売ができないというようなことがございますので、産地の販売力を強化していくというのが二つ目に重要な事項でございます。新商品の開発ですとか新たな販路の開拓、あるいは直接取引などによって流通コストの低減を図っていくというような対策を講じております。 それから、コストの低減を図っていくというような対策がさらにございます。省エネ機器の導入等を進めまして、収益性を重視した漁業経営への転換を図っていくということがございます。 それから四番目に、経営の安定を図るということがございます。漁業共済制度もそうですし、それから、新たに経営安定対策を措置いたしましたが、そういった各般の施策を実施しているところでございます。
○大串委員 今お話がありました、まず資源の回復、それに続いて販売力の強化、そしてコスト低減。多分、販売力の強化とコスト低減というものは、いかに利益を上げていくかにつながることだろうと思います。経営の安定として共済制度あるいは経営安定対策ということで、いろいろな事情による所得、収入の振れに対して、それをどういうふうに抑制していくかということなんじゃないかというふうに思います。 こういう中で、漁業共済制度は、ある意味、今申し上げましたように、漁業者の方々の収入が大きく振れる、これを安定させようというところにその趣旨があるわけでございます。現在の漁業災害補償制度、これは基本的に財政が大きな下支えになっているわけでありますけれども、これに対して国は財政面からどのようなかかわり方をしているのか、御答弁いただきたいと思います。
○山田政府参考人 漁業共済制度についての国の財政的なかかわりでございます。 漁業共済事業は、御案内のとおり、小規模な漁業者の負担を軽減し、あわせて加入の奨励を図るという観点から、共済掛金について補助をしております。それから、漁業共済団体の事業の円滑な運営に資するため、共済団体の事務費の助成を行っております。 それから、そういった共済事業そのものではなくて、それに関連する事業といたしまして、共済制度の収支の健全化を図るという観点も含めまして、こういったことに効果のある契約方式、例えば少額免責の増額を選択したような漁業者に対して共済掛金の上乗せ助成を行うという事業がございます。 漁業共済基盤強化事業と言ったり、あるいは、二十一年度からは漁業共済環境変化特別対策事業と言っております。こういった事業もございます。こういったことで漁業共済に対する支援を行っているということでございます。
○大串委員 今お尋ねさせていただいたところ、共済に加入される方に関して、共済の掛金の助成が行われている。これに関しての予算額は、お尋ねすると時間がかかりますので私の方で申し上げますと、約八十億程度行われていますね。そして、人件費の補助なんかも数億円レベルで行われています。そしてさらに、先ほどおっしゃった収支健全化も含めて、これに資するような加入を促進するという観点から、基盤強化事業費、現在は経営環境変化特別対策事業費というようなことも行われている。これが予算額でいって十二、三億というようなオーダーでしょうか、このようなことを行われているというふうに聞いています。 これに関してかなりの予算額を投入されているわけであります。この予算額を投入した、これはいわゆる財政の支援による保険制度ですから、こういうことはあり得べしことだというふうに思いますが、こういうふうな財政的支援を得た上で、現在の漁業災害補償制度の収支の状況はどういうふうになっているのか、御答弁いただきたいと思います。
○山田政府参考人 漁業共済事業につきましては、台風等の災害あるいは不漁、それから魚価安というような要因によりまして、単年度収支で見ますと赤字基調で推移をしております。十六年度末には、制度全体で四百五十三億円の累積赤字ということになりました。 このような状況を踏まえて、平成二十年度までに単年度収支の均衡を図るということを目標にしまして、十七年度から改善措置を講じております。この結果、十九年度末には制度全体で三百二十七億円ということで、まだ大きな累積赤字ですが、減ってきているという状況にございます。
○大串委員 この今の巨額の累積赤字、一時期は四百数十億まで膨れ上がったものが今は三百数十億とおっしゃいました。ただ、非常に大きな額で、今減ってきているとおっしゃいましたけれども、数字の推移を見ると構造的にまだかなりあるというのが現状ではないかというふうに私は見ています。 その中で、事業別に見て累積赤字がどういう状況かというのを事実確認させていただきたいと思います。
○山田政府参考人 漁業共済には四つの事業がございます。 漁獲共済、これは漁船についての共済でございますが約三百二十億円の赤字、それから養殖共済が約七十三億円の黒字、それから養殖のうちでも一部のものを特定養殖共済というグループで事業を実施しておりますがこれが五十億円の黒字、それから漁業施設共済については約十億円の赤字ということで、事業ごとに相当異なっている状況にあります。
○大串委員 今お話がありました三百二十数億円の累積赤字。大宗は漁獲共済で三百二十億円程度、そして養殖共済と特定養殖共済は黒字、施設共済は少額の赤字、こういうふうな状況だということですね。 この累積赤字は事業の段階ごとにはどういうふうな状況になっているでしょうか。すなわち、この保険事業というのは、共済事業は、組合そして組合の連合会、そして特会による再保険というような三段階構造になっていますね。この三段階構造のそれぞれの段階における赤字の構造というのはどういうふうになっているでしょうか。
○山田政府参考人 段階別の赤字の状況でございますが、十九年度末の約三百二十七億円の赤字を段階別に見ますと、元受け組合、これは漁業共済組合段階でございますが約六億円の赤字でございます。それから全国団体、これは連合会でございますが約二十五億円の赤字。それから国の段階、これは特別会計でございますが約二百九十五億円の赤字ということになっております。
○大串委員 今話のありました三百二十七億円の累積赤字があるわけですけれども、では累積赤字が一体どういうふうに処理、対応されているのか、これについて御答弁ください。
○山田政府参考人 特別会計の累積赤字、これは現在約二百九十五億円でございますが、これにつきましては、一般会計からの繰り入れが二百二十億円ございます。それから、残り約七十五億円につきましては、漁業共済組合連合会が農林漁業信用基金から借り入れて、それについて利子相当額を国が補助するという形で事業を運営しているという状況にございます。
○大串委員 ちょっと確認しますけれども、全体で二百九十五億円の特会の赤字のうち、二百二十億円に関しては一般会計から繰り入れ、繰り入れという言葉でしたけれども、その繰り入れの根拠を見せていただくと、特別の繰り入れ法をつくって二百二十億円、一般会計から特別会計に繰り入れを受けて、そして資金余剰ができたときにはこれを一般会計に返していくという形になっておりますから、実際は一般会計からの借り入れみたいな形になっていますね。 一つお尋ねしたいんですが、連合会、すなわち第二番目の段階、漁業共済組合連合会に対するこの七十五億円、今おっしゃいました、信用基金から借り入れて、その借り入れコスト分を国が財政補てんしているということでしたけれども、これはすなわち、本当は国が連合会に支払わなければならないお金を連合会に払っていない状態という理解でいいでしょうか。
○山田政府参考人 お答えいたします。 これにつきましては、漁業災害補償法、先生御案内のとおり、この事業の根拠法でございますが、この法律の条項の中に、信用基金が漁業共済団体に対して再共済金の支払いについて必要な資金の貸し付けを行うという規定がありますので、この法律自体が想定をしている仕組みというふうに判断をしております。
○大串委員 今の答弁、どうでしょうか。災害補償法の中で必要な資金の貸し付けができるという答弁でしたけれども、この条項を見てみると、要するに保険ですから、共済掛金が入ってくる時期と共済金の支払いの時期にはどうしてもずれがある。そのミスマッチが生じるときのいわば資金のある意味で少額なずれに関しては、こういう形の貸し付けを通じてならしていいですよというのがもともとの制度趣旨だったんじゃないかと思うんですね。 この七十五億円、少なくとも過去の経緯を見ると、かなり長い間にかけて存在していますし、特会のバランスシートを見ると、漁業共済保険勘定の中で、いわゆる支払備金という形で、何十億という形で過去何年もずっと借りっ放しになっているという状況ですね。これは明らかに、掛金が入ってくるのと共済金の支払いとの間のミスマッチをならすために必要な資金を貸し付けているというようなもともとの制度趣旨とはかなり異なって、連合会に本当はもっと早く返しておかなければならないお金を返し切れないでいる。一般会計からの繰り入れ二百二十億をもらってはいるんだけれども、それでも足りずにここにツケが回っているということではないかというふうに思うんですが、どうですか。
○山田政府参考人 法律の規定を見ますと、特にそういう限定的なことで貸し付けを行うという規定にはなっておりませんので、この規定に沿って貸し付けが行われているということでございます。
○大串委員 法律の規定を見ると、確かに限定的な記述はありません。ただし、先ほどの規定は、いろいろな保険制度の中に大体ある規定なんですね。すなわち、資金のミスマッチをならすために、保険制度においては大体入っている条項なんだと私は思っていました。 ですから、それをベースに、何年もの間、数十億のお金を連合会に借りたままになっているというのは明らかに異常なことであって、かつ一般会計から特別の立法をもってして、繰り入れ二百二十億をもってして今成り立っている、そして、この繰り入れは、将来、利益が上がったときには返しますよという形になっているというのは、明らかにこれは隠れ借金状態になっているんではないかというふうに私は思いますが、大臣、これは異常な状況だとは思われませんか。
○石破国務大臣 先ほど来長官からお答えをしておりますように、これは法律に基づいて行っているものでございます。ミスマッチというのかタイムラグというのか、そういうものは恒常的に発生をするものでございますので、そこにおいてお金の融通というものは必要になります。 そうすると、これを隠れ借金という言葉、つまり、法律に基づいてやっていることでございますからこれは別に隠れておるわけでもございませんので、隠れ借金という、委員もそういうことの専門家でいらっしゃいますから、あるいはこれは私の判断が間違っているのかもしれませんが、これをいわゆる世の中で言うがところの隠れ借金という表現でおっしゃいますのは、やや私としては違和感を感じるところでございます。
○大串委員 大臣の御所見を今伺いました。 今、非常に異例な状況になってきている。共済制度というのは非常に大切なので私申し上げているんです、非常に大切な制度。だからこれをしっかりしていくことが物すごく大切だ、こういう観点から申し上げている。 今回、この改正案が出されています。現在の漁災制度の改正、これは、このような現在の漁災制度が抱える累積赤字も含めた大きな問題状況に関して、どのような効果を、改善の結果をもたらすようなことになっているのかどうか。それぞれ今回改正の内容がありますけれども、それぞれが今の漁業共済制度の今私申し上げたような問題に対して対応策となっているのかどうか、これについてはどうでしょうか。
○山田政府参考人 今回の法律改正の内容はいろいろございますが、特に施設共済につきましては、掛金の安い商品を導入していくということが主眼でございます。これによりまして、これまで加入を見合わせておられました漁業者の方々が加入をしていくということで、母集団が広くなっていくというようなことで、共済事業全体の安定につながると考えております。 それぞれの事業につきましては、この改正によりまして、かなりの程度、加入率が伸びるというふうに見ております。
○大串委員 今回の改正は、先ほど申し上げたように私たちは大きく異を唱えるものではありません。一つ一つの改正案によって加入率が高まる、そしてそれが安定につながるのであれば、私たちは非常にいいことだと思います。しかし、本当に問題の抜本解決になっているのかなというのは非常に疑問なんです。 例えば、先ほど御答弁もありましたように、累積赤字の中で一番大きいのは漁獲共済です。三百二十億。養殖共済と特定養殖共済は黒字なんです。今回対応策がとられているのは、養殖共済を主にしています。つまり、黒字の共済に対しての加入率を上げることを主としているんです。漁獲共済に関しては、今回法律案の中には、改正案つまり抜本的な改革案は入っていません。 本当に抜本的な改革をしようとされているのかというところに私は疑念を差し挟んでいるわけでありまして、ここはよくよく考えていただきたいというふうに思います。 あと、いろいろな施策をとられています。先ほどおっしゃったように、経営環境変化特別対策とか、あるいは、積立ぷらす等のいろいろな施策もとられています。それぞれに例えば数十億オーダーのお金が使われているんですね。 私は、これも策としては悪いことじゃない、意味のあることだと思いますけれども、大臣、どうでしょうか。これだけ累積赤字があって、今回、改正内容は一つそれとして受けとめます。しかし、いろいろな面で、個別個別に財政資金を使った策をやっている。何か私は非常にパッチワーク的に対応されているような気がして、制度そのものの抜本的な改革に至ってはいないような感じがするんです。 この漁災制度全体の抜本的な改革が今必要なときに来ているんじゃないでしょうか。いかがでしょうか、大臣。 〔宮腰委員長代理退席、委員長着席〕
○石破国務大臣 保険の設計というのは物すごく難しくて、リスクをどれだけ見込むか、母集団をどれだけ上げるか、また、経営のいい人ほど入らないとか、別に漁災に限ったことではございませんが、どういうふうに仕組んでいくのが一番安定的になるのかというふうに私思っておるところでございます。 長官からもお答えをしましたが、とにかく母集団を上げていかねばならない。養殖共済、漁業施設共済の見直しも行いますが、あわせまして漁獲共済におきましても、省令を改正し、大災害に補償対象を限定した特約商品というものを入れていくということも考えておるわけでございます。 パッチワーク的、こういう御指摘をいただくわけでございますが、いろいろな事業がございまして、これらを相互に補完させながら、漁業者の経営の安定や改善に効果を上げたいと思っております。抜本的に直せという御指摘なんですが、どこをどう直すのか。つまり、商品をもっと魅力的にするために国庫の負担を上げていくのかどうしていくのか。ここは私は、もっと長期的に考えなければいけないことだと思っております。 そうすると、どこまでが保険の理論でカバーできて、どこまでが補償みたいな話になってくるのかしらというのがございまして、ぜひとも魚価の、収入の安定に寄与しなければいけないわけですから、今回、この法案を何とかお認めいただきまして、さらに長期的にどうすればいいのか、抜本的な改正、抜本的な考え方の転換というのかもしれませんが、そこにおいて委員の御見識があれば、ぜひ御教示をいただきたいと思うところでございます。
○大串委員 今、大臣、御自分でもおっしゃいました。恐らく大臣は、本当は気づいていらっしゃるんだろうと思う。つまり、漁獲高、あるいは漁業就業者という母数が減る、構造的、趨勢的に減る中で、保険というものが実は非常に成り立ちがたいということは、大臣、もう気づいていらっしゃっておっしゃっているんだと思います。だからゆえに、これは非常に構造的に厳しい問題を抱えている。 であれば、いわゆる水産庁予算の中で、あるいは農林水産省予算の中で、あるいは政府全体の予算の中で、本当にこの保険というものに財政をどれだけどういうふうに突っ込んでいくのかということを考え直さなきゃならぬし、一方、保険だけで立ち行くのか、あるいは所得補償みたいなものも考えなきゃならぬのではないのか、こういうふうなことも含めて考えていただきたいという心なんです。それが私たちの一つの考えるべき方向ではないかというふうに思います。 それもひとえにやはり財政の面にかかるところがありますので、いろいろな御苦労もあられようと思いますが、最後にちょっとだけ、財政の話も含めてお話しさせていただきます。 魚価安定基金という問題に関して、一年半前に取り上げました。魚価安定基金という、魚価の安いときに買い上げを行って魚価を安定させて、高いときに売り払うというようなことを助けるための公益法人であります。ここにこれまで補助金が十数億あるいは二十億程度、毎年投入されていたんですが、これが使われないまま、総務省の指摘も受けているという状況。 そういう中で、一年半前に私が指摘したのは、補助金が使われていないことも背景に、ここに流動資産が百億円程度たまっているじゃないですか、預金、有価証券、こういう形で百億円程度も流動資産がたまっている、なぜこういうふうにお金を寝かせているんですかというようなことを質問しました。 それに対して、当時の大臣からは、いやいや、これはいざというときのために必要なんですという答弁しか返ってこなかったんですが、その後、この百億円にわたる流動資産に関してはどのような対応がとられたんでしょうか。
○山田政府参考人 魚価安定基金の貸付資金でございますが、昨年、燃油価格が高騰いたしました。これの対策の一環としまして、養殖漁業者の経営安定を図るために、緊急に養殖用のえさの安定供給を確保していくことが必要であるということから、養殖用のえさの直接取引を支援するための事業を創設いたしまして、この基金を活用したところでございます。
○大串委員 私、今御答弁いただいたようなことを水産庁の方から聞いて、驚きました。というのは、約百億円近い流動資産がある、公益法人の埋蔵金があるじゃないですかと指摘したときに、農水省及び大臣から返ってきた答えは、いやいや、これは将来的に必要になるから埋蔵金ではありません、必要なんです、こういうふうな答えでしたが、いみじくも先ほどおっしゃったように、結局、農水省の方では、養殖餌料流通促進事業に形を変えて、三十億円程度の予算として、この流動資産百億円の中から切り出して使おうとされている。 すなわち、使えたんじゃないですかということを申し上げたい。しかも、これは公益法人の中の組み替えですから、国会で審議する必要はありません。公益法人の中でできることです。もともとの予算項目とは違った形に使われているのにもかかわらず、国会の目も通らずにできる。 大臣、先ほどの漁災制度の問題もあります。あるいは所得補償という問題もあります。いろいろな財政ニーズがあります。このような問題が生じたときに、ぜひ、大臣、農水省予算全体の中で、白地から見ていただきたい。どういう予算があるんですか、予算の余りはありませんかと聞くと、必ず役所の皆さんは、ありません、必要です、こうおっしゃいます。しかし、よくよく見ていくと、こういうことがあるんですね。 ですから、大臣、ぜひ、このような場合に大臣御自身の目でしっかり見ていただいて、いわゆる役所の中の縦割りにとらわれずに、大臣のお立場からすると農林水産省予算の中で、縦横無尽に、本当にどこにどういう予算が必要なのかということは考えていただきたいというふうに思いますが、大臣の御見解はどうですか。
○石破国務大臣 縦横無尽にというのはいいお言葉であります。そうできればいいな、こう思うし、そのお金がどこにあるんだろう。恐らく当時の大臣からお答えをいたしましたように、また必要に備えて持っていなきゃいかぬのだということになってくるわけで、今の給餌のお話なぞというような、寄附行為を改めまして、それにふさわしいように適法にやっておるものでございます。 私は、ああなるほど、そういうことなのかと思ったんですが、例えば条件不利地域直接支払いみたいなものが農業の世界にはございますよね。これが漁業に適用できないのかという議論は、実は自民党の中でも十数年前からあるお話なんでございます。では、どういうところにどういうような補償をするのだろうかということ、そして農業と漁業の特性の相違点というものをどのように把握すべきか、ほかの国にそんな制度があるのか、それが環境に着目するのか防災に着目するのか、あるいはいわゆる安全保障的なものに着目するのか、どうすればいいんだという議論がまだ十分煮詰まっておりません。ほかの国においてもどうなんだろうかということを今後よく考えてみたいと思っています。 それから、保険の理論でカバーし切れない部分をどうするか。TACをどうするか、ABCをどうするか、こういう資源管理の手法ももっと精緻に詰めていかねばならないところでございますが、漁業において本当に直接補償みたいな概念が入ってくる可能性があるかどうか、縦横無尽というお言葉を聞きながら私はそのように思ったところでございます。 そこに一体どれぐらいのお金が必要になるのという話もしていかねばなりません。委員冒頭御指摘のように、日本にとって水産業というのは極めて重要なものでございます。そして、小さな小さな漁家が安定してやっていけるための抜本的な施策というものは考えていかねばならないことだと思っておりまして、そのために農林水産省の中で、予算の使い方というものについてはさらに緻密に議論をしてまいりたいと思ったところでございました。
○大串委員 漁業における直接補償の必要性、これは、大臣先ほど私の前の質問に対して御答弁いただいていた、保険でどれだけやるのかということをおっしゃっていたときに、多分頭の中にはあられたことだろうなと私は見受けました。ぜひ大臣、私はあえて縦横無尽にというふうに言わせていただきますけれども、御検討いただきたいというふうに思います。 終わります。
○遠藤委員長 次に、高井美穂君。
○高井委員 民主党の高井美穂です。引き続き、漁業災害補償法について質問をさせていただきたいと思います。 私も、先ほどの大串委員と全く同じ気持ちでございまして、この共済制度、すごく大事だと思っています。とりわけ、今回質問するに当たって一生懸命勉強したんですが、ある種独特な保険制度というか共済制度になっていて、いろいろな機能が組み込まれております。もちろん、今度の法改正についても必要な改正であるというふうに思いますし、より一層漁業災害補償という制度が充実するためにも今後とも頑張っていただかなくてはならないですし、漁業そのものが大切なものですので、いろいろな意味でいろいろな施策を打っていかなくてはならないというふうに考える立場から、質問をさせていただきたいと思っています。 先ほど、大串委員から大変大事な点について質問がございました。通告と順序はかわるんですが、せっかく先ほど来、共済制度自体の累積赤字の問題、財政的な問題等が出ましたので、ちょっと先にこの点だけお聞きをしたいと思っています。 通告でいうと七番になるんですが、国が掛金の約四五%を補助として投入しているわけでありまして、先ほど大串議員の質問の中にあったとおり、共済金が累積で、今まで平成十九年度契約までで約五千二百億支払われています。共済制度全体の累積赤字が約三百二十七億。先ほど来お話あったとおり、段階別の赤字というのは、漁業共済組合六億、全国漁業共済組合連合会約二十五億、政府の特会から二百九十五億というふうになっています。 もう一回確認をさせていただきたいと思いますが、この漁業災害補償制度の事業運営のお金は、国庫負担ももちろん入った共済掛金から出されていると思いますが、この運営自体は健全になされているというふうにお考えになっておられるのか、また今後の取り組み方針を教えていただきたいと思います。
○山田政府参考人 先ほど来議論がありますけれども、制度全体で約三百二十七億円の累積赤字があるというのは事実でございます。 このような累積赤字につきましては、先ほども言いましたけれども、平成二十年度までに単年度収支の均衡を図るということを目標に収支改善に取り組んでおります。 具体的には、十七年度において、特に、先ほど議論がありました漁獲共済のうち、連続的に赤字を計上しております漁業種類についての補償水準を引き下げるというような見直し、あるいは、十八年度においては共済掛金率の引き上げ、また優良漁業者の加入を促進する漁業共済基盤強化事業の導入、こういったことをやっておりまして、こういった形で健全な事業運営に向けて努力をしているというような状況でございます。
○高井委員 お話あったとおり、テクニカルな部分ではそういうふうな努力もなされていると思いますが、もう少し踏み込んで、健全になされるための運営を考える必要があるんではないかと思います。 先にこの質問をさせていただきましたが、後からその理由も申し上げたいと思いますが、では、そもそも論からまた入りたいと思っています。 そもそも、漁業の今の現状に対して、これから先どういうふうにしていきたいか、していくおつもりなのか、まず政府としての方針というかお考えを聞かせていただきたいと思います。
○石破国務大臣 所信においても申し上げたことでございますが、生産量のピークは五十九年でした。平成十九年までの間に半分になった。資源水準は恐ろしく低迷をしておる。では、人ではどうかというと、就業者の方々が十年間で三割減りました、そのうち六十五歳以上の方々の割合は一割ふえましたという漁業者の減少、高齢化。そして、現場では漁船が物すごく古くなっておるわけでございまして、そのような生産構造が脆弱化してしまったということ、そして近年の燃油価格の高騰、資材価格の高騰ということで、極めて厳しい状況だというのが基本的な認識でございます。 そうするとどうなるのかというと、資源の回復、管理の推進をしなければならない、漁業経営の体質強化を図らねばならない、産地販売力の強化を行わねばならないということなんであります。それは、本当に一つ一つ、細かく細かくやっていかなければいけないことだと思っておりまして、私は、特に手取りをふやしていかなければいけないのだと。そうすると、燃油高騰対策、資材対策もしなければいけませんが、やはり流通経路をどうやって多様化していくかということも必要なんだろうと思います。 トレーサビリティーの問題もございますが、委員もスーパーにおいでになると、どこの何の魚なんだかよくわからぬ。みんな切り身になっちゃっていますから、これは一体どこのお魚でだれがとったものなんだかよくわからないということになるわけです。それで結構なお値段がついているわけです。 そうすると、やはり生産者の手取りを上げるために、そして、それが消費者の利益にもつながり、トレーサビリティーがきちんと確保されというような多様な流通体系というものを確保するということが、なかなかそう一朝一夕に資源は回復するものでもございませんし、高齢化に対してどうやって後継者を確保するかということは、雇用対策とあわせて、水産庁としてもいろいろな方策を講じているところでございます。 ですから、短期的に効果が発現するもの、中期的なもの、長期的なもの、そういうものを複合してやっていきませんと、この漁業の今の状況を打開することはできない、私はそのような認識でおります。
○高井委員 なぜこのような質問を冒頭申し上げたかと申しますと、確かに大臣おっしゃるように、体質強化、手取りをふやすことというのは我々もとても必要だと思っていますし、賛成です。体質強化も、もちろん大事です。 ただ、これが、農業のときにもとられたように、小規模零細の方にはだんだんやめていってもらうというか、大きく大きく合併してやっていってもらおう、大規模でなければ残らなくていいんだ、強い農家、強い漁家でなければ残らなくていいんだということにつながっていくということであれば、多様性豊かな日本社会の中でいろいろな漁業家もいますので、そういうふうな選別的な方向に行くというのはやはり問題があるんじゃないかというふうに思っております。 大臣も、直接にはそういう御認識ではないということなので、また後段部分でいろいろな提案もしていきたいと思うんですが、雇用対策というふうにもおっしゃいました。担い手が毎年一万人ずつ減っていっているというふうなお話でございましたし、十年で約三割減っているという大臣の御答弁もございましたので、担い手を減らさないための何らかの政策、もしくは、新規に入ってきてもらうだけでなくて、現状やっている方に対する維持というか手当てについて何らかの方策を考えているのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○石田(祝)副大臣 漁業従事者の減少については大臣がお答えしたとおりでございまして、これから新規漁業従事者の確保、養成、こういうことが大事だというふうに私は思っております。 このために、一つは資源の回復、管理の推進、二つ目には漁業経営の体質強化、そして三つ目には産地販売力の強化、こういうものを通して水産物を安定的に生産、供給できる経営体の確保、こういうことを図っていきたいと思っております。 さらに、どうしてもこれは高齢化をしてやめていく方も出てまいりますから、新規に就業していただく方をどのようにしてふやしていくのか、こういうことも大事だろうと思っております。 そういう観点からいろいろと考えておりますけれども、特に、漁業現場において長期研修の実施、これについては一カ月二十九万四千円、こういう研修のお金も手当てをして、こういう施策をとにかく続けていくことによりまして、漁業従事者の確保に努めていく、こういうことが大事ではないかと私は思っております。
○高井委員 漁業従事者の確保のためにも、さっき大臣がおっしゃった、手取りをふやすというか、要するに家族型経営漁船漁家というタイプの漁業所得、収入自体は、まさに政府からもらった資料の中にも入っていましたけれども、魚価の低迷とか漁獲高の減少などで収入が減少傾向にあるというふうなことでございます。それに加えて、この間の燃料価格高騰などの環境要因等で、収入は減っている。ただでさえ不安定になりがちな漁業家の収入に対して、いろいろなまた環境要因が重なって、不利な状況がこの間続いているということだろうと思います。 若い人に安定してやってもらうためにも、そうした長期的な研修の実施も含めて、やはり経営安定のための、手取り安定のための施策というのはさまざまに打っていかなくてはならないというふうに私どもも考えております。 そこで、昭和五十七年より減少を続けているという漁業就業者数の中で、そういう減り続けている中でも、この水産庁の資料を見ると今回の漁業共済については、加入実績、共済掛金も額としては少しずつふえているというふうにありました。そもそも漁業従事者が減少する中で加入率を上げていくというのはなかなか至難のわざとも思いますけれども、現在の各共済の加入率と、このたびの改定によりどれほど加入率が上がっていくと見込んでいらっしゃるのか、上げようと思っていらっしゃるのか、御回答いただければと思います。
○山田政府参考人 漁業共済の加入率でございますが、高いのは特定養殖共済、これが約八〇%でございますが、漁獲共済あるいは養殖共済は約五〇%、それから漁業施設共済に至っては約一〇%と、非常に低いレベルになっております。 今回の制度改正につきましては、より掛金の安い商品を提供するということで、経営がなかなか苦しい漁業者の方々にも入りやすい、そういう対応をしていこうということでございます。 今回の法律改正の部分に限りますと、養殖共済、現在約五〇%の加入率を六〇%ぐらいまで引き上げることができるのではないかと見ております。それから漁業施設共済につきましては、約一〇%の加入率、これを二〇%以上に上げていくというような対応ができるというふうに考えております。
○高井委員 もくろみがそのとおりいくかどうかは、また施行後の検証をまたなければならないと思いますが、万全の努力をしていただきたいと思います。何せ、共済の制度は加入者がふえないと制度として厳しくなっていくというのは事実でございますので、ぜひ今後とも御努力をいただければと思います。 そして、この法律の目的である、中小漁業者や養殖業者の天災とか事故など不慮の出来事に対して損失を補てんするということや、収入の減少を補うということは、漁業経営の安定のためとても大事なものであるというふうに思います。それが漁業の発展、水産業の発展、そして自給率の向上、国益にも資するということになるんだろうと思いますけれども、今回、料率改定をして制度を少し変えたことに加えて、供給過剰とか消費減退などによる魚価の低迷などの収入の減少にも共済金が支払われているということにこの法律上なっておりますが、掛金負担に対して受取金額というのは妥当なものというふうに考えておられるのか、今後の方針等も含めてお聞かせをいただきたいと思います。
○山田政府参考人 ただいま掛金と共済金の関係についての御質問がございました。 もう委員も御案内のとおりでございますが、共済あるいは保険設計につきましては、基本的に収支が相償うということで設計をされております。漁業につきましては、やはり共済事故が非常に多い、自然を相手にするということで非常に多いということもありまして、ほかの保険に比べると共済掛金率が高いというような感じを持たれる方が多いと思いますけれども、今お話をしましたように、これは掛金と共済金の収支のバランスを見ながら設定をしているということでございまして、漁業の特色からやむを得ないレベルというふうに考えております。
○高井委員 今私が申し上げたように、この漁業共済というのはちょっと特別なもの、漁業災害補償法という法律なので、災害だけに特化されているのかなと私は当初法律の名前だけ見たら思ったんですが、よくよく読んでみると、供給過剰の場合の魚価の低迷や、消費減退などによって消費が減っている部分の、全部が魚価の低迷につながっていく、その部分も補って支払うというふうな制度となっているというふうに思いました。これはある種、収入減を補うための、所得を補う機能、所得補償的な機能をも果たしているというふうに私は感じたんですけれども、こういう認識でよろしいでしょうか。
○山田政府参考人 漁業災害補償制度、四種類の事業がございまして、その中で漁獲共済、それから特定養殖共済につきましては、PQ方式と言っておりますが、プライスと量、これを掛けたものを基準としているということで、魚価が下がったりした場合にも対応できるようなものになっております。
○高井委員 所得補償機能を果たしているということに対しては明確なお答えはなかったわけですけれども、そういうものに近い機能は入っているというふうに私は認識をいたしました。 としますと、大臣も先ほど大串議員に対する答弁の中で、ある種踏み込んでおっしゃっていましたけれども、条件不利地域に対する農業の直接支払い的なものが漁業にも取り入れられないかということも考えたことがあるというふうなお話もございました。ちょうど私どもも民主党として、農山漁村六次産業化ビジョンということでビジョンを出し、法律を提出しているわけでありますが、その中に取り入れている考えとして、漁業に対する所得補償制度というのもある種これから考えていくべきではないかということを提案させていただいております。 つまり、先ほど大臣がおっしゃった、漁村集落に対する直接支払い制度も検討していくべきであると思いますし、さまざまな多面的機能、これは農業の方も同じでありますけれども、漁村においてもさまざまな多面的機能を果たしていて、町を維持するのにすごく大事な機能を果たしているので、こうした集落への直接支払い等も検討していけないかということをぜひお願い申し上げたいと思っています。 我々の案は生産に要する費用と漁業収入との差額を交付するという仕組みになっておりまして、この法案は直接所得補償という形ではないですけれども、でも、同じような考え方で、ある種、漁業者の収入減に対する補てんをしているのではないかと思います。むしろ法案の考え方さえ整理していけば矛盾しないのではないかというふうに考えますが、いかがでしょうか、大臣。
○石破国務大臣 それが矛盾するかしないかは、整理の仕方にもよります。 実はこれは、対象者をどこにするのか。農業と漁業との違いは、兼業農家という言葉はよくあるんですけれども、兼業漁家、これはほとんどないんですね。専業的な体質がございます。そこは一体どれだけの補てんをするのだろうかということ、そして消費者の意向をどのように反映させていったらいいだろうか、そして水準の決め方をどのようにしたらいいだろうかというのは、これは先ほど大串議員にもお答えしましたが、この漁業者に対する直接補償というのは、農業者は世界じゅうあちこちでやっているんですけれども、漁業者においてはそういうのがないんです。ないにはないなりの理由がございまして、ここをどう考えるか、私は議論の価値は相当にあるだろうと思っております。 今すぐ、はあ、そうですか、直接所得補償を入れますということはとても申し上げられませんが、これは本当に党派を超えてきちんと議論をし、研究するべきものではあるなと思ってはおります。
○高井委員 ありがとうございます。極めて前向きな大臣からの御答弁をいただいたと思っていまして、もちろん、緻密な議論と制度設計が必要だと思いますし、少しやはりいろいろな知恵を絞ってやっていくべきではないかと思っていますので、ぜひ御指導いただければと思っております。 質問時間があと五分になってまいりましたけれども、赤羽議員も質問されておりましたが、今回、省燃油操業実証事業ということで、原油高に対して、昨年度、燃油費の増加分の最大九割を国が補償するという事業を取り入れられまして、これは二十年度の七月の対策では八十億、一次補正でも五百五十億という予算をとって、つけられました。けさほど、実績の方はどうであったかということの資料がやっと来まして、それによると、三月三十一日現在で一千百四十五グループに対して七百七十七億六百万、事業費として支払われたということになっております。 これはかなり大きな額ですし、予定された予算よりも大きな額が支払われたということなんだろうと思います。それだけ、原油高に対して困っていて、対策が打たれて要求された漁業グループの方も多かったということだと思うんですが、これは一応、原油高対策としての予算措置で、単年度措置であるんだろうと思います。今回の漁業共済の中には、こうした原油高に対する何らかの支援措置というのは残念なことに含まれておりません。だからこそ特別に別途の省燃油操業実証事業としてつくられたんだと思うんですけれども、こうしたこれからも起こり得ることに対して、もう少し組み入れるなり、何らかの法制度なりを検討するべきときが来ているのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○山田政府参考人 お答えいたします。 昨年、燃油高騰がありましたときに、その対策を講じまして当面の経営安定を図るということで、最大で九割、上昇分の九割を補てんする事業をやったわけでございます。そういった事業がありますし、それから共済も、先ほどお話がありましたようにPQ方式でやっておりまして、そういう意味で経営の安定を図る役割もしております。それから別途、経営安定対策というのも講じておりまして、そういう総合的な対策の中で漁業者の経営の安定なりを図っていくということが大事ではないかと思っております。
○高井委員 いろいろな意味で危機感を持って、経営安定のために努力をしていきたいと私どもも思っております。 最後の質問というか、お願いにもなるんですが、またまた私は学校給食のことを一言申し上げたいと思っております。 大臣、味覚異常とか聞いたことありますか。生後約三カ月から九カ月で、舌の上に感じる味蕾という細胞ができるらしいんです。生後恐らく三カ月から九カ月で味が何となくわかるようになってくる、赤ちゃんはそういうものらしいんですが、幼いころからいわゆるジャンクフード、カップめんとか塩分の多いもの、刺激の辛いものとかを食べ続けていると、味覚細胞が麻痺してきて、ふだん食べている辛いものとか塩分の多いもの、そういうものしか舌がなれなくなって、あとのものは味を感じなくなってくるというような事例があるらしいんです。 これはある取材をしていた新聞記者の方からお聞きした話なんですが、足立区の都立高校なんですが、始業式の日にも学校の裏にはスナック菓子からジュースが散らばっていて、何と高校生なのに虫歯率は七割という大変な事態。しかも、修学旅行でおいしいもの、例えば中華料理のバイキングなどに連れていっても食べられなくて、夜、カップめんを買ってきて食べるという子供たちまでいる、これは養護教諭から直接お話を聞いたそうなんですが、そういうことがあると。実際に私もそういう感じがいたします、現場をいろいろ回っている中で。 そこで、やはり学校給食が大事だなと思っていまして、とりわけ、魚というのは扱いづらかったりすることもあるので給食には取り入れにくい部分もあったのかもしれませんけれども、将来的なことを考えれば、この分野には、まさに税金を投入しても将来の消費者を育てる、子供に対していいものを与えるという観点からも取り組みを進めていただきたいと思います。 魚でも野菜でも、お米にしても、国産のいいものを取り入れるに当たって、その分、給食費にはね返って高くなるというふうな懸念があるのであれば、今度はそっち側から、子供に対する支援だから、給食、食育に対する支援だからということで何らかの特別の手当てみたいなものができないか。これも、議論と政策のすり合わせというか、いろいろなことが必要だと思うんですけれども、ぜひ前向きに検討していただければと思うんですが、最後に御答弁をいただければありがたいと思います。
○石破国務大臣 これは委員から御教示いただいたものでしょうか、何が一番好きですかと小学生に聞くと、十年前と今とではなかなか変化がございまして、私はびっくりしたんですが、二〇〇四年、五年も前ですが、一年生から六年生まで、一番好きなものは何ですかというと、おすしですと。今のお子様はいろいろな、ぜいたくとは言いませんが。十年前はラーメンとかステーキとかそういうのが好きだという子供が多かったんですが、少しは、少しはというんですかね、日本食に回帰しつつあるのかなという気はしますが、委員おっしゃったようなお話は私も、きょうかきのう、何か新聞で読んだような気もいたします。 子供のころからそういうふうにしていかねばだめなのでありまして、これは精神論を幾ら言っても仕方がございません。御指摘のように、じゃ一体どうするんだということになるわけでございます。 私どもとして、二十一年度予算額で十一億円ほど組みまして、例えて言えば、学校給食独自のニーズに適合する加工製品の開発の実証試験、要するに、どんなものなら食べてくれるんですかと。大体、子供たちというのは、魚を出すと食べたくないとかいって泣くのが多いもので、ハンバーグにするとか、あるいはいろいろな形を変える、そういうようなやり方があるのかもしれない。そういうような実証試験を実施するために十一億円ほど組んでおります。また、十二億円ほど組みまして、国産水産物安定供給推進事業というのをやっているんですが、これは何かといえば、学校給食向け製品の原料を買い取りまして、保管、簡単な加工を施し、供給するというものでございます。 これは委員もお子様をお持ちでいらっしゃいますので、どういうものなら食べてくれるんだということ、それに対してどのような支援をすれば最も効果的なのかということ、そして、これは北海道から九州、沖縄まで、それぞれの地区で取り組んでいただかなければなりません。どこか特定のところだけ一生懸命取り組んだってだめなんでありまして、オール・ジャパンで取り組んでいくためには、この事業の周知徹底も必要なんだろうと思います。 使いやすいねというふうに、例えて言えば漁協の女性部の方々に言っていただかなければ、これは政策としての意味がございませんので、どういう形であれば最も受け入れられやすいか、そしてどういう形であれば子供たちが喜んでくれるか、そういうことについてまた御教授をいただければ幸いでございます。
○高井委員 私も最初、おすしと聞いて、ぜいたくかとすごいびっくりしたんですが、やはり、くるくるずしなんですって。卵巻きとかかっぱ巻きとかツナマヨネーズとか。でも、これはお魚と言えるのかなと思ったりしたんですが。いろいろな意味で、私たちも努力したいと思います。 ありがとうございました。
○遠藤委員長 次に、横山北斗君。
○横山委員 民主党の横山北斗です。 私の地元、青森県では、この四月から、ホタテガイについて適正養殖可能数量制度が開始されました。ホタテガイがとれるところは主に陸奥湾ということで、陸奥湾というのは、大きな半島に囲まれているという点で閉鎖的な海です。こういうところで養殖が過密になれば、個々の貝の重量が低下するおそれが高まるばかりでなく、また、へい死の危険性も出てくる。へい死があれば、翌年の養殖に必要となる稚貝も不足する。そういう状況の中で、関係者がアイデアを出し合いまして、陸奥湾の環境に適したホタテの生産数量を算出し、生産者ごとに割り当てられた数量を守って生産する。これによって、資源管理と持続的で安定的な生産との両立に取り組もうという試みが始まりました。 この試み、初めての試みですから、実施に当たってのセーフティーネットが重要になってくる。その際、今回のこの制度、漁業共済と、またそれに上乗せする形での新しい経営安定対策としての積立ぷらすに関係者の関心が集まっております。しかし、漁業共済にはさまざまに懸念されるところがあって、そういう漁業者の不安にこたえるような形で総合的な質問をしていきますので、お答え願えればと思います。 まず、事故率の高さと掛金の高さについてなんですけれども、加入者、漁業者の一番の不満は、やはり何といっても掛金が高いということ。それは事故率が高いということに関係しているわけですけれども、掛金が高いから加入をためらう。とりわけ、ここ最近の景気の悪化の中で、食費を削るとかあるいは保険に入っていたのをやめるとか、そういう部分から削っていく人が多い中で、しかし、経営安定のための制度に対して加入をあきらめざるを得ない現状がある中で、漁業共済は漁業の振興という国の政策を推進する手段という位置づけにあるわけですが、この掛金の高さについて、またその原因となっている事故率の高さについて何らかの改善策というのは持っているのか、まずはお聞かせ願いたいと思います。
○山田政府参考人 漁業共済の掛金の高さあるいは事故率の御質問でございます。 委員も御案内のとおり、漁業は、自然環境の中で水産動植物を採捕する、あるいは養殖をするということでございまして、自然の影響を受けることが多いわけでございます。気象、海況の変化、あるいは漁業資源の変動等によって不安定な状況に常に置かれております。こういうことで、漁業共済につきましては、やはり本来的に幅広いリスクを抱えており、したがって事故の発生件数も多いという状況でございます。 火災保険などの保険料率などと比較をしますと、漁業共済の掛金率は相当高い状況でございますが、これは、今申しましたような、事故の発生しやすいものと、そうでないもの、あるいは人的な要素が強いものとそうでないもの、あるいは被害の要素が、例えば火災のように特定されているというようなこと、そういったことが影響しております。 この事故率を引き下げるということは、これはやはり重要な問題、課題でございます。資源の減少が事故の一つの大きな原因になりますので、資源管理をしっかりやる。それから産地販売力を強化しまして漁獲金額あるいは所得をふやしていくというようなこと。それから、特に委員のお話がありました養殖につきましては、台風が通らないような養殖の適地を選定していくというようなことで、こういったことは漁業者みずからの努力ということも非常に重要でありますけれども、こういった取り組みについて水産庁としても所要の支援をしていきたいと思っております。 共済の仕組みにつきましても、事故の発生の程度に応じて共済掛金率に差をつけるとか、あるいは、補償するリスクにつきまして一律ではなくて漁業者が選択できるようにする、今回の改正にも含まれておりますけれども、そういった手法によりまして制度が改善され、あるいは運営が改善されていくようにしていきたいと考えております。 〔委員長退席、七条委員長代理着席〕
○横山委員 先ほどより多くの委員から、この漁業共済の累積赤字が問題視されておりましたが、そのための収支改善として、掛金の料率が上がる。養殖共済だけが一・一%引き下げる、これは補償の内容を落としてという形になっているわけですが、ホタテなんかの場合には、特定養殖共済ということで二・一%引き上げ、全体として四共済で五・四%の引き上げですか。 これらの料率改定に合わせる形で、事業としての掛金の助成が始まりました。加入の促進という意味でも重要な事業として始まっているわけですけれども、これが事業として行われているということで、何年かたったら終わりになる、そうなれば掛金が上がったということだけが残るんじゃないかという点での不安が漁業者にあるわけです。 料金改定、三年ごとに行われるということで、次回、平成二十一年度を予定されているようです。漁業共済制度の収支改善も制度の安定上大事なことなんですが、掛金の高さということが漁業者の加入を左右する上でより重要な問題ではないかと思いますが、次回の料金改定はどのようになると見込んでおられるのか、また、収支の改善と加入率の向上を両立させるためにどういう方法があるとお考えなのか、お聞かせ願えればと思います。
○山田政府参考人 委員御案内のとおり、共済掛金の見直しにつきましては、過去、直近十年の引き受け、支払い状況等をもとにしながら、収支の状況も勘案して、まさに収支が相償うように、均衡するようにということで掛金率を設定しております。 ことしの十月に料率改定を行うという予定になっておりますが、今後さらに詳細を詰めていく必要がございますけれども、現在の見込みとしましては、四つの共済全体の平均で〇・三%の上昇という見込みになっております。 委員からお話がありましたように、前回、平成十八年度に共済掛金率の改定をいたしました際、これは五・四%の引き上げになっておりますけれども、先ほど御紹介がありましたようなさまざまな措置を講じまして、掛金負担を軽減できるというようなこともやってきたわけでございます。 今回の掛金率の改定に当たりましても、さまざまな措置、例えば、今回制度見直しをしまして、漁業者のニーズに即した特約をつける商品を提供していく、あるいは事故の少ない方に対しては掛金の割引制度、これを活用していくといったさまざまな対策を講じまして、漁業者の掛金負担を軽減して、収支の改善それから加入の向上を図っていきたいと考えております。
○横山委員 それに関連してもう一つ気になりますのは、共済の補償水準が低下しているということです。 漁業共済のうち、漁獲共済と特定養殖共済、先ほど所得補償という意味合いもあるのではという質問もございましたけれども、過去五年間の最高と最低を除いた三年間で見ていく。それが、この平均をとる形ですと、漁獲量と魚価との関係がかつてのように、例えばサバがことしはとれなかった、サンマがとれなかった、だから値段が上がったという時代であればよかったんですけれども、今は漁獲量が減ったからといって魚の値段が上がるという状況にありません。そういった中でこの制度を続けていれば、補償水準は右肩下がりを続けるということになろうかと思います。そういう状況の中で漁獲共済、とりわけホタテ業者が入っている特定養殖共済、所得の確保という観点からは、現在十分機能しているとはとても言えない状況にあると私は思います。 果たして、こういう魚価低迷の中にあって補償水準が低下しつつある漁業共済は、中小漁業者の漁業再生産の阻害の防止という漁業災害補償法の目的を今後も担っていけるのかどうか。その点についての見解をお聞かせ願えればと思います。
○山田政府参考人 最近の漁業の生産額等の状況を見ますと、平成十五年以降は横ばいで推移をしておりまして、例えば十九年などは少し上がるというようなことも見られております。それから、漁業共済に加入している方の補償水準を見ましても、横ばいないし、ここ近年では若干上昇しているというような状況がございます。 漁業者の減少があったりということもあって、傾向的には下がっていく可能性が非常にあると思いますけれども、直ちにこれが、そういった生産額あるいは補償水準が下がっていくというふうには現在の状況では見ておらないところでございます。 そういう意味で、漁業の再生産の確保という観点から、漁業共済制度は今後も相当な役割を果たしていくというふうに考えております。
○横山委員 それでは、今回の改正のうち漁業施設共済についてお尋ねいたします。 これは、この制度の前身として漁具共済というのがあったそうですが、この段階で加入率が五%、今現在も、平成十八年段階ですか、一一・二%という状況です。漁業施設共済の加入率がこれほど低迷している理由はどこにあるのか。もちろん、現行では掛金が高くて漁業者のニーズに合った共済の商品がないと言ってしまえばそれまでなんでしょうが、では、そういうニーズというのはどうやって酌み取っていったらいいのか。 それから、今回の改正で、柔軟な商品設計が可能となるように特約を設定できる仕組みを導入するとしているんですが、どんな特約を考えているのか、そしてそれによって加入率がどれだけ上がると見込んでいるのか、質問をいたします。
○山田政府参考人 委員からお話がありましたように、漁業施設共済につきましては加入率が低いわけでございます。これは、定置網等の資材が非常に高価でありますので、やはりその掛金率も高い水準になるということで、加入率が低水準になっているということがあろうかと思います。また、資材も最近丈夫なものができてきているということも影響しているというふうに思っております。 現在の施設共済の制度は、施設災害のすべてをきちんと補てんしていくということで、特約制度がなかったわけでございます。そういったことが漁業者が望んでいることというふうに考えて制度が仕組まれていたわけでございますが、委員がおっしゃいますように、最近におきましては漁業経営は非常に厳しい状況にございます。したがいまして、今回の改正で安い掛金の商品を導入するということとしたわけでございます。 これによりまして、現在約一〇%ぐらいの加入率が五年後には二〇%を超えるような水準になるものということを考えております。
○横山委員 四十二分まで質問時間ということですので、では最後、大臣にお尋ねしたいと思います。 私ども民主党は、冒頭申しましたホタテガイの適正養殖可能数量制度、こういった資源管理を前提に生産を行う漁業者に対し個別所得補償政策を実施する、それは、値段をみずから決められない漁業者に対して、市場での価格を維持するためということに重点を置くのではなくて、漁業者の収入を直接補償することに重点を置くという政策への大転換を考えているわけですけれども、民主党の政策に対する評価は結構でございますので、大臣のお考えとして、青森県が始めようとしていますホタテガイの適正養殖可能数量制度、この制度に対する評価、そして、今回の改正がそれに報いるものになっているのかなどを含めまして、御所見を論じていただければと思います。
○石破国務大臣 青森県が開始されますホタテガイ適正養殖可能数量制度、これが、さて所得補償とどれだけ結びついているのか、私つまびらかには存じません。 ただ、委員が冒頭お話しになりましたように、養殖密度が高まっちゃいましたので、品質が落ちる、死亡が頻発している。これではならじということで、過密養殖は解消をしなければならぬ。よって、関係漁協と青森県漁連ですか、これが協定を結び、最大養殖可能量を決めるという仕組みを二十二年度から導入されるというふうに調整が行われているように承知をいたしておるところでございます。これは極めて大事なことなのであって、どうしても養殖の場合にはこういうことが必要になってくるんだろうと思いますね。 ただ、問題は、養殖ではない、そうではない漁業に対して似たような仕組みが導入できるかというのはまた別の議論なんだと思っておりますが、このように青森県においてきちんと資源管理という考え方に基づいて取り組みが行われているということは、大変に、言い方はごめんなさい、評価すべきというような高い立場から物を言うつもりはありませんが、立派なことだというふうに考えておるわけでございます。 これがどのような成果を上げるかということを私ども注視してまいりたいと思いますし、それが消費者にどのようにきちんとした利益をもたらすか、そして生産者にどのような利益をもたらすか、この二つの観点から、この取り組みに私自身として極めて注目をさせていただいておるところでございます。
○横山委員 以上で私の質問を終わります。
○七条委員長代理 次に、菅野哲雄君。
○菅野委員 社会民主党の菅野哲雄です。 この漁業災害補償法の改正案についてですが、制度の趣旨は理解しておりますから、基本的には賛成いたします。しかし、共済の将来展望となるとやはり危惧する点もありますので、何点かについてお伺いします。 指摘するまでもなく、漁業就業者数は低下の一途をたどっております。また、漁獲、養殖、特定養殖の三共済平均で加入率は五二%という水準で、赤字も抱えています。加入をためらっている方の中には、掛金の高さに加えて、補償水準が低いという声も聞こえてきます。共済の分母になる漁業就業者が減り、さらに共済加入者がふえない現状で、将来的に保険が成立しなくなるということも危惧いたします。 今も多くの議論がなされましたが、漁業の振興とセットでないと共済制度の未来もないというふうに思うのですが、今回の改正とあわせて、将来の漁業災害補償法あるいは漁業共済の展望をお聞かせ願いたいというふうに思います。
○山田政府参考人 漁業共済への加入件数の推移を見ますと、十五年度では約五万七千件ですし、その後、十九年度におきましても六万一千件ということで、現在のところは横ばいということで推移をいたしております。 委員からお話がありましたように、共済の健全な発展のためには、母集団の維持確保、これが極めて重要でございます。漁業経営体数の減少が見込まれている中で、母集団の維持確保を図るために我々も努力をしていかなくてはいけないと思っております。 これまでも、累次の制度改正あるいは積極的な加入推進運動を行っておりまして、加入促進を図っております。今回の改正につきましても、漁業者のニーズに即した商品の提供が可能になるということでございまして、これを契機にしまして一層の加入促進を図っていきたいと思っております。 また、お話がありましたように、漁業振興の措置もしっかりやっていく必要があるというふうに考えております。
○菅野委員 漁業への就業者が減少しているのは、漁業を取り巻く環境が悪化し、収入が不安定なことが大きな要因だと考えています。ですから、本委員会においても再三にわたって所得補償制度の導入を求めてきたわけでありますが、昨年度から漁業経営安定対策事業が実施されて、共済に上乗せした積立金で基準収入の中間部分まで減収補償がされ、同額分を国費負担する制度が始まりました。この導入の目的はどこにあるのか、お聞かせ願いたいと思います。 もう一つ、この新しい経営安定対策はある意味では所得補償に似たシステムなのですが、所得や年齢などで加入要件が厳しいという指摘もあります。できればすべての漁業者が対象となるような収入減対策が必要だと考えるわけですが、当面、この経営安定対策に加入できるハードルを引き下げ、将来的な所得補償政策の導入につなげていくことも問われているのではないかと思いますが、これについての考えもあわせてお聞かせ願いたいと思います。
○山田政府参考人 漁業経営安定対策を導入した目的でございます。 これにつきましては、国民に対して水産物を将来にわたって安定的に供給していくためには、漁業者の経営改善の取り組みを促進することによりまして、水産物の安定供給を担ういわゆる担い手、ちょっと専門的な言葉で言いますと、効率的かつ安定的な漁業経営と言ったりしておりますが、これを育成することが重要でございます。 しかしながら、漁業経営は、漁獲の変動等がありまして非常に不安定でございます。収入面での不安定さが経営改善に取り組む際の大きな障害になっているということでございます。 こういうこともありまして、漁業者が経営改善に積極的に取り組めるように、漁業共済に上乗せした形で収入変動による漁業経営への影響を緩和するということで、漁業経営安定対策を二十年度から導入したところでございます。 それから次に、この漁業経営安定対策の要件等についての御質問がございました。 この事業につきましては一定の要件が必要でございますが、昨年末に、特に燃油高騰ということで、漁業者の経営努力では解決できないような問題が発生をいたしまして、対象となり得る漁業者の所得が減少するということで、特に所得要件を満たせないというような経営体が急増しておりました。 そこで、その見直しを昨年末に行ったところでございまして、具体的には、所得金額を補正する方法、地域特例を認める方法、それから担い手の特例を認める方法、こういった形でその要件の緩和を行ったところでございます。 今後とも、この漁業経営安定対策は非常に重要であるというふうに考えておりまして、この事業への加入促進を図っていきたいと考えております。
○菅野委員 漁業共済も含めてずっと根底にあるのは、どうしたら日本の水産業を発展させていくのかという基本ベース、先ほどからも議論になっていますけれども、これを、やはり大臣の答弁ではなくて、各政党間で議論してほしい、超党派で議論ということじゃなくて、私は、現状をしっかり認識して、政府としてもしっかりとした対応をしていく必要があるということを申し上げておきたいというふうに思っています。これからもしっかりと議論していきたいというふうに思っています。 次に、マグロはえ縄船の国際減船についてお伺いいたします。 全国で八十七隻、私の地元の気仙沼港では、そのうち遠洋船十四隻、近海六隻の計二十隻が対象になります。全体の四分の一近くを占めるわけで、減船が地域経済に与える影響は実に大きなものがあるわけです。 そして、十年前の一九九九年には二割減船が実施されました。このとき、減船が実現すればマグロ漁業の経営が安定に向かうと説明され、やむなく応じてきた歴史があります。ところが、実際はどうかというと、十年後に再び減船実施となり、このままでは本当に気仙沼から漁業の灯が消えてしまうのではないかという懸念さえいたします。 十年前に二割減船しても環境が改善されなかった原因はどこにあると水産庁は考えているのか、端的にお答え願いたいと思います。
○山田政府参考人 今委員からお話がありましたように、平成十年の十月にFAOの場で政府間協議が行われまして、マグロはえ縄漁船について二〇%から三〇%の削減をすることが必要だということで、我が国も、遠洋マグロはえ縄漁船の二割に相当する隻数を、十一年三月末までに廃業届を出していただくということで減船を実施したところでございます。 しかしながら、その後、状況がかなり変わったということがございます。マグロ類の輸入量が十一年の二十六万トンから十四年には三十三万トンとふえておりますし、それから冷凍メバチの価格の低下、これも十一年から十四年にかけて三割ぐらい低下をする、それから東大西洋クロマグロにつきまして資源の状況が悪化をする、あるいはミナミマグロについての漁獲枠が半減するというようなこともありました。また、燃油価格の高騰もあったということで、当時考えていたような状況をさらに上回るような厳しい経営環境に立ち至ったというふうに考えております。
○菅野委員 今の長官の答弁で、過去、十年前を見たときと今というのは、本当に変わっていないんですね。今回の措置は国際的なマグロ漁獲枠によるものですが、漁獲量が減っても続く魚価安、あるいは国内供給量の多くを占める輸入マグロ、そして、下がり始めたといっても高水準にある燃料価格、これらを考えると、今回の減船措置を講じたからといってマグロ経営が劇的に好転するとは思えないんです。 そこで、今回の減船がマグロ漁業経営に与える影響とともに、マグロ漁業の将来像をどのように描いているのか、ここが問題なんですね。 先ほどから言っているように、沿岸養殖漁業等も含めて厳しい状況になっている。それに加えて、近海カツオ・マグロ漁業あるいは遠洋カツオ・マグロ漁業というのが厳しい状況に追い込まれているというのは、十年前も今も変わっていないんだ。そうしたときに、今回、減船に応じたといっても、去るも地獄残るも地獄という言葉があるんですが、これから経営していく人たちも大変な状況にまた直面していくんではないか、こういう思いがあるわけです。 水産庁として、やはり国を挙げて漁船漁業を守っていくんだ、将来発展させていくんだという強いメッセージを発しないと、今後も同じ轍を踏むんじゃないのかなというふうに私は思うんですけれども、考え方をお聞かせ願いたいと思います。 〔七条委員長代理退席、委員長着席〕
○山田政府参考人 委員御案内のとおり、今回の措置は、ICCATあるいはWCPFCにおけます規制強化に対応したものでございます。委員から、やめる漁業者も厳しいし、残る方々も大変心配だというようなお話がございました。私どもとしては、今回の減船措置はまさに国際規制に対応したものでございますが、残存される漁業者の方々が引き続き操業が継続できるように、いろいろな対策を講じていきたいというふうに考えております。 例えば、今も行っておりますが、共同燃油補給船の導入ですとか、あるいは新たな漁場の調査、それからグループ操業の取り組みに対して支援をするというようなことをやっておりますけれども、こういった取り組みをさらに実施する等によりまして、マグロはえ縄漁業が持続的に操業できるように努めてまいりたいというふうに考えております。
○菅野委員 私は、先ほども申し上げたんですけれども、今後、漁業経営を続けていくためには、ある程度所得補償的な考えというものを漁業経営にも導入しないといけないというふうに思います。 というのは、国際的な資源の枯渇という状況、それからもう一つは、流通が問題だというふうに言われていますけれども、長引く魚価の低迷、これは本当に克服し切れない課題だというふうに私は思うんですね。そのことを見据えたときに、やはり永続的、継続的に漁業経営ができるような国としての支援策というものを打ち出すべきだというふうに思っております。この議論というのは大変難しい議論になるというふうに思いますけれども、大臣、やはりこの議論をしっかりと始めていかなきゃならないというふうに私は思っています。 減船、減船で、後でも触れますけれども、日本の漁労技術や漁労文化が継承されていかないということになったら大変なことになるというふうに私は思っていますので、今回の減船を契機として、残った人たちがどう漁業経営を生き生きと継続できるのかという点を議論していただきたいというふうに思っています。 それで、不要漁船の処理費用の交付金の関係なんですが、これについて少しお聞きしておきたいと思います。 減船に応じる漁業者には処理費用の交付金が支給されるわけですが、処理費用の三分の二を交付するという、この三分の二条項というのはどういう意味を持っているんですか。これをまずお聞きしたいというふうに思っています。 そして、三分の一は当該する都道府県が負担するというふうな方向になっていますが、そうすると、気仙沼を初め宮城県で二十七隻が減船ということですから、財政難の中、県の負担は大変重いわけです。国際的な取り決め、ある意味では国策の中での減船なのですから、国が全額負担すべきという考えもあるわけですが、この点について、なぜ三分の一が都道府県負担なのか、これについても説明願いたいというふうに思います。
○山田政府参考人 不要漁船処理費交付金でございますが、これは、減船の結果不要となる漁船をスクラップ処理する場合に、減船漁業者等に対して一定額を国が交付するというものでございます。特別交付金というのが別途ありますけれども、この特別交付金の支給と相まって、廃業することに対する一種の補償的な性格を有しているというふうに思っております。 この不要漁船処理費交付金でございますが、地方公共団体の拠出があるかないかを問わず、国が定額を交付するというものでございます。地方公共団体の負担に関しましては、これまで行われてきましたように、地方経済への影響を緩和する観点から地方公共団体に協力をお願いしているということですが、義務ということではありません。地方公共団体に判断をしていただくということでございます。 なお、地方公共団体が負担を行った場合には、当該経費について特別交付税の算定基礎になるように総務省に対して要請をしているところでございます。
○菅野委員 減船に応じるということは、先ほど冒頭申し上げたんですけれども、地域経済に与える影響というのが物すごく大きいわけですね。 それで、都道府県がそのことを勘案して三分の一に見合うような負担というものを考えてきたというのが、一九九九年のときの減船に対する、都道府県が負担してきた経過だというふうに思っています。それが十年後にまた起こっているわけです。 このことは、なぜ三分の二かというところが説明されないんですけれども、やはり地域から見れば、減船に応じた人たちに対する補償ということとあわせて、地域経済が衰退していくということに対する国としての大きな配慮というものが必要なんじゃないのかなというふうに思っています。今後の推移を見守っていきたいというふうに思っています。 それで、最後になりますが、気仙沼における船員の離職者は全国の三割以上を占めると言われています。これらの方々の雇用を初め、十億円を上回ると言われる水揚げ高の減少、あるいは船舶の補修から漁具に至るまで、関連産業に与える影響ははかり知れないものがあります。さらに、不安定な収入とあわせて、漁船そのものの減少は将来の担い手をますます先細りさせ、先ほど言ったんですが、日本の漁労技術、漁労文化の継承にさえ支障を与えることは間違いありません。実際に、水産高校を卒業しても、漁船に乗る若い人たちが大変に少なくなっていることにその兆候があらわれています。 減船が地元経済に与える影響を最小限にとどめ、ひいては、漁業を暮らしていける産業として確立していくために、減船処理以外の迅速な支援策が必要だと考えているんですが、水産庁としての、政府としての考え方をお聞きしておきたいと思います。
○山田政府参考人 委員からお話がありましたように、漁業の盛んな地域におきまして減船が発生しますと、地元の経済に大変大きな影響を与えるというふうに理解をしております。 今回の減船につきましては、先ほど申しましたように、国際的な規制強化ということに伴うものでございます。資源の状況に応じながら持続的な漁業を実施するという観点から、減船は必要不可欠なものであったというふうに思っております。 私どもとしては、もちろん地域に与える影響は非常に重大なものと思っておりますが、特に、残存するマグロはえ縄漁業の方々が今後引き続き継続して操業ができるように、我々としてもできるだけの努力をしていきたいというふうに考えております。
○菅野委員 ありがとうございました。以上で終わります。
○遠藤委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○遠藤委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 内閣提出、漁業災害補償法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○遠藤委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○遠藤委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、宮腰光寛君外三名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党及び社会民主党・市民連合の四派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。大串博志君。
○大串委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 漁業災害補償法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 漁業災害補償制度は、これまで漁業経営の安定を図る上で重要な役割を果たしてきた。こうした中、漁獲量の減少と魚価の低迷の結果、漁業生産額は構造的に減少傾向を示す一方で、共済制度の事業収支が悪化し、平成十九年度には三百二十七億円の累積赤字となっているなど、制度運営の健全性や安定性が懸念される状況にある。 よって、政府は、漁業経営の安定のため本制度が本来果たすべき役割が十全に発揮し得るよう、本法の施行に当たっては、財政基盤の強化と漁業者にとって魅力ある共済制度の実現に向け、引き続き共済制度の在り方を検討し、所要の措置を講ずるべきである。 右決議する。 以上の附帯決議案の内容につきましては、質疑の過程等を通じて御承知のところと存じますので、説明は省略させていただきます。 何とぞ委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
○遠藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○遠藤委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。 この際、ただいま議決いたしました附帯決議につきまして、政府から発言を求められておりますので、これを許します。農林水産大臣石破茂君。
○石破国務大臣 ただいまは本案を御可決いただき、まことにありがとうございました。附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重し、今後最善の努力をいたしてまいります。 —————————————
○遠藤委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○遠藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○遠藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時四分散会