財務金融委員会 第13号
- 発言数
- 228 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 2009/03/25
会議録
○田中委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。財務大臣与謝野馨君。 ————————————— 国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○与謝野国務大臣 ただいま議題となりました国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 今回の国際通貨基金に対する増資は、加盟国の世界経済における相対的地位を、国際通貨基金における各加盟国の出資割合によりよく反映させるという目的で、平成二十年四月に加盟国間で合意された増資を実現するためのものであります。政府としては、本増資の趣旨にかんがみ、本増資に係る我が国の出資額の増加を行うため、本法律案を提出した次第であります。この出資額の増加に伴い、我が国の投票権割合は、現在の六・〇〇%から六・二三%に上昇いたします。本増資は、国際通貨基金が果たす役割がより一層重要となっている中、その資金基盤の充実にも資するものであります。 本法律案の内容は、我が国から国際通貨基金への出資額を定めている規定について、現行の百三十三億千二百八十万特別引き出し権に相当する金額を、百五十六億二千八百五十万特別引き出し権に相当する金額に改めるものであります。 以上が、本法律案の提案の理由及びその内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○田中委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 ————◇—————
○田中委員長 次に、財政及び金融に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 両件調査のため、本日、参考人として日本銀行総裁白川方明君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として内閣府大臣官房審議官梅溪健児君、大臣官房審議官湯元健治君、金融庁監督局長三國谷勝範君、財務省主計局次長木下康司君、主税局長加藤治彦君、国際局長玉木林太郎君、厚生労働省大臣官房審議官北村彰君、農林水産省大臣官房政策評価審議官今井敏君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○田中委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。原田憲治君。
○原田(憲)委員 おはようございます。自由民主党の原田憲治でございます。質問の機会をいただきまして、何点か質問させていただきたいと思います。 まず第一に、ガソリン税、揮発油税、このことにつきましてお尋ねをいたしたいと思います。 地元を回っておりますと、今まであったガソリンスタンドがどんどん店を閉めておるというような状況が見受けられます。そんな中で、スタンドのおじさんたちとお話をしておりますと、いわゆる売掛金ですね、掛け売りをしているところで問題が出てきているというような話を聞きます。 ちょっと詳しく話を聞いてみますと、ガソリン税、揮発油税というのは蔵出しの段階で課税されている。それに、元売が原価に上乗せしてガソリンスタンドへ卸して、それからまたガソリンスタンドが一般のお客さんに、原価に上乗せして販売しておる。最終的には、消費者というのでしょうか、車を利用している皆さんが負担しておられるので、最終的な納税者というのは、車の使用者というのでしょうか、利用者になっているんですね。今申し上げましたように、いわゆる掛け売りで販売した取引先が倒産した場合には、結局、ガソリンスタンドが揮発油税を負担している現実がここにあるわけです。 消費税の場合は、消費税法で控除が受けられるということになっておりますね。それから、ディーゼル車等が利用しています軽油、これは軽油引取税で税がかけられているんですけれども、これは地方税でありますから、地方税法で、徴収不能の場合、いわゆる最終の消費者が倒産しちゃったり何かして税を徴収できない場合には、還付あるいは納入義務の免除が認められています。ところが、今申し上げた揮発油税、ガソリン税については、その規定がないわけです。税法の違いといえばそのとおりなんでありますけれども、どうも不公平だ、ガソリン税においても控除の仕組みを考える必要があるのではないか、私はこう思うんです。 今、景気が大変なときで、さまざまなリスクを背負って商売をしておられる方も多いわけでありますから、そのリスクを少しでも取り除くためにこのような方法がとれないかと思うのでありますが、この点についてお尋ねをいたしたいと思います。
○加藤政府参考人 お答え申し上げます。 今御指摘の、揮発油税相当額の貸し倒れ時の控除ないし還付のお話でございます。 この問題につきましては、かねてから関係者の方々、いろいろと御指摘をいただいておりまして、私どもといたしましては、その御指摘の背景にある状況については十分理解できるところでございますが、この問題については、実は、税の構造的な問題とそれから商取引の問題とが複合しておりまして、税制の問題として解決するということがなかなか難しい。これが、正直申し上げてこれまでの検討の結果でございます。 と申しますのは、今先生御指摘のように、ガソリン税の場合は庫出税でございまして、製油所を出るときに既に課税関係は終了して、税の問題というのはそこで完結しておるわけです。その後は、すべていわゆる商取引の形で価格で末端に行くということでございますので、ガソリンスタンドの貸し倒れも、まさにこれは商取引上の貸し倒れになります。 ただ、実質的な税負担は当然そこに含まれておるという意味では、税が最終消費者に転嫁されていく過程でガソリンスタンドも通っていくということは事実でございますが、もうこの段階においては、もはやガソリン税の問題というよりは価格の転嫁の問題になっている。かつ、揮発油税の場合は、いわゆる物の消費、特定物産の消費に課税が行くわけで、当然、貸し倒れになりましても、その揮発油、ガソリン自体は既に消費者の段階で消費されておるということでございますので、税の体系からはなかなか、還付とか控除ということにはなじみがたいというふうに思っております。 いずれにいたしましても、先ほど御指摘のありました消費税とか軽油引取税の場合との違いというのも、これもまた技術的ではございますが、税制の構造的な違いによりまして、法律が違うというよりはもう税の構造が違う。消費税の場合は売り上げを課税標準にしている、納税義務者イコール貸し倒れの控除を受ける人。それから軽油引取税は、特別徴収という形でガソリンスタンドが直接、本来の納税者は引き取る人、消費者なんですが、かわって徴収するということなので、徴収できない場合は一種の滞納、本来の納税者が滞納しているということになりますので徴収を免除するということで、この違いが今なかなか乗り越えられない状況をつくり出しているということでございます。
○原田(憲)委員 御答弁をいただきましたけれども、なかなか理解できない。特に一般の人はなおさら理解ができないんじゃないかと思います。 一時期、ガソリンそれから軽油引取税、これの暫定税率が打ち切られて、ガソリンあるいは軽油の価格が下がったというときがありましたけれども、軽油の場合はすぐに値段が下がりましたよね。ところが、ガソリンの方は庫出税だから、課税されたものをそのまま売っているから下げられないというような理屈でなかなか下がらなかった場面もあったわけですね。本当にわかりにくかった。 私は、これは極論かもしれませんけれども、税法上の云々ということであれば、この際、地方の時代と言われるわけですから、ガソリン税、揮発油税も財源として地方へ渡したらどうか。それなら地方税法でどっちもできるわけですから、そういうことも視野に入れて税の改正のときにぜひ検討していただけたらな、これは個人的な思いでありますけれども、そう思うところがありますので、ぜひ検討していただきますようにお願いを申し上げます。 それから次に、今もお話を申し上げましたけれども、消費税、これには前から議論があります。軽油引取税あるいは揮発油税、ガソリン税ですね、これに、税金がかけられているところへその価格に消費税をかける、いわゆるタックス・オン・タックスになっておるということでありまして、この辺を、消費税の議論が高まってきたときに、税率の問題も出てくるでしょう、そういったときに考え直すべきときが来ているのではないかなと思いますので、この点についてお尋ねをいたしたいと思います。
○加藤政府参考人 タックス・オン・タックスという御指摘、これもかねてから御議論のあるところでございます。 ただ、私ども、税の実務的な性格から申し上げますと、この税制というのは消費の大きさに比例して負担をお願いする。まさに小売の価格の中に税額相当分が含まれている。これは揮発油税に限らずいろいろな税負担、印紙税とか固定資産税も含めて、あらゆる税制が間接的な経費として含まれる。それを総合して最終的な小売価格が原価を勘案して決められる。そこに消費税がかかる。この構造自体は、すべての付加価値税、世の中、諸外国にある付加価値税も同じ構造でございますので、これはいわゆる消費税の性格上やむを得ないものだと思っております。 ただ、先生おっしゃるようにタックス・オン・タックスということではなくて、税負担のあり方、負担水準のあり方としてこの軽重を論ずる、これはまた別の問題でございますので、そういう見地からこの問題というのは今後とも御議論をいただく必要はあるかと思います。タックス・オン・タックスという技術的な問題としてこの問題を論ずるということは、これもまた、恐縮ですが、税の構造的性格からいって難しい問題だと思っております。
○原田(憲)委員 消費税が一番最初に導入をされたときにもこの問題があったように聞いています。この問題をどうクリアしていくのかというようなことがはっきりしないうちに、まあ、そうはいうもののという形で導入をされて今日まで来ておるのではないかな、こんなふうに思います。次の見直しの時期にははっきりとその辺のところも踏まえて議論をしなければならないと私は思いますので、きょうはわずか二十分ということでありますので踏み込んだ議論はできないんですけれども、ぜひそのことをお願い申し上げたいと思います。よろしくお願いを申し上げます。 それから、ここからは大阪の問題、関西国際空港の問題でありまして、このことについてお尋ねをしたいと思います。大阪のことでありますので、時々大阪弁が出てくるかもしれませんけれども、お許しをいただきたいと思います。 関西国際空港、そもそも論をしても始まりませんので、今、二期工事も一応、第二滑走路が完成をして、滑走路二本で進められておるところでございますけれども、例えば痛ましい事故が成田でありましたよね、死亡者二名が出てしまったというあの事故がありました。滑走路が二本ありますけれども、一本の滑走路が短いために、A滑走路というんでしょうか、あそこが閉鎖されたので、成田へ着くべき便が羽田へ着いたり、あるいは関空や中部、それから千歳まで分散をして、到着地を変更して運航されたということもあります。これがもし関西空港で起こっておれば、ああいった事故があって一本が閉鎖されたとしても、関西国際空港であれば目的地を変更しないでも、多少の時間のずれはあるかもしれませんけれども、同じ目的地へ着けたのではないかな、こんなふうに思っておるんです。 今、羽田それから成田、この整備が相当進んでいまして、資金を国の方からも応援をしていただいているということであります。一方、関空、関西国際空港の方はなかなか、一兆円を超える有利子負債、こういったことがありまして、財政的にもしんどいというような面があるわけでありますので、何とか国の方で、いろいろな面で応援はしていただいています、連絡橋の買い上げでありますとか、こういった面でもいろいろと御配慮はいただいておるんですけれども、一兆円の有利子負債というものがあってなかなか前へ進んでいかないということもあります。 今の経済状況で航空機の利用も減っておるという中で、貨物も旅客も伸び悩んでいる。かつて、財務大臣と国土交通大臣の間に、離発着の便数をここまで持ってこないとだめだよというような数字も設定されて、その数字をクリアしないと財政支援はしないよ、予算もつけないよというようなことを言われたこともありまして、そんな殺生なことあるかいなというような思いで、今大阪府の知事は盛んに国交省をいろいろなことで詐欺集団だとか、こんなこと言っていいのかと思うような話で言っていますけれども、本来は、大もとの財務省の方へ向かってもうちょっと応援してよというような話をしてもらった方がいいのではないかな、私はこんなふうに思っておるんです。 これは政治的な応援をいただくということでもありますので、何とか私も、関西出身の代議士の一人として、関空の応援をしていきたい。できるだけ、機会あるごとに国の機関に対して応援をしてくれというお話を申し上げたいと思っておりますので、このことについて、竹下副大臣、きょうお見えですので、お答えをいただけたらと思います。よろしくお願いします。
○竹下副大臣 私も地方の出身でございまして、その地方が抱えるさまざまな地方独自の強い強い、あるいは悲願とでも言えるような要望がそれぞれあって、地方の立場に立つと、財務省のやつ冷たいなと思うこと、何回も今まで経験をしてきた一人でございます。その意味で、原田委員が今おっしゃいました関空に関する対応について、いろいろな思いを持っていらっしゃること、重々理解をした上でお話をさせていただきます。 先ほどお話しいただきましたように、国交大臣と財務大臣との申し合わせ、これは今まで二回やっておりまして、お金の問題、有利子負債の問題、あるいは発着回数の問題、あるいは九十億円、毎年財政的に支援する問題等々、議論の積み重ねあるいは合意の積み重ねの中で今関空の位置づけというのはあるわけでありまして、今ここで、これだけ厳しい財政状況の中で、ぼんと積みますということが言えないのはまことに残念ではございますが、引き続きいろいろなことをやっていかなきゃならぬ。 特に、関空会社自体ももっと努力してもらわなきゃなりませんし、地元自治体、経済界を中心として、需要拡大策、これが乗り切るための一番の、十三万何千回という目標をクリアすることが経営もよくなるということにつながっていきますので、そうした面でさらに努力をしていただくことが重要であると考えております。 そうした経営努力を積み重ねて、本来、これはきれいごとに聞こえるかもしれませんが、財政支援がない中で一兆円を超すという借入残高を減らしてひとり立ちができるという状況をつくっていただきたい、一日も早く安定的な経営基盤を確立していただきたいと願わざるを得ない。残念ながら、ここまでしか申し上げられません。
○原田(憲)委員 ありがとうございます。 ともかく、羽田が今度は国際線が充実してきます。成田も全体構想ができてきます。そうしますと、やはり関空から飛んでいたお客さんがどんどん羽田へ持っていかれるんじゃないか、この心配をしているんです。 関空会社も一生懸命努力をしておりますし、地域の関西圏の皆さんも、経済界の皆さんも一生懸命になっているんですね。だから、この辺を私は地元の方で見ておりまして、努力だけではなかなかクリアできない問題でもありますし、ぜひ首都圏と関西圏、中部圏もそうでありますけれども、これをやはり、採算を度外視してとまでは言いませんけれども、地域に必要な、経済の拠点と言ってもいいような施設でありますので、しっかりとそのことを御理解いただいて、この便数だけ飛んでいないからもう関空は要らぬぞというようなことにならないようにしっかりとサポートをしていただくことをお願い申し上げまして、時間が参りましたので、質問を終えさせていただきます。 どうもありがとうございました。
○田中委員長 次に、小沢鋭仁君。
○小沢(鋭)委員 民主党の小沢鋭仁でございます。 景気が大変厳しい、こういう状況の中で、マクロ経済政策の質問をさせていただきます。 最初に、与謝野大臣、三大臣兼務ということで大変だと思います。今も見ておりましたら、何か大変つらそうにはなをかんでいらっしゃっていたわけであります。お察しを申し上げますが、ちょっときょうは厳しいことを申し上げるかもしれません。 何といっても、経済財政担当、財務、金融、この三大臣を兼務しているというのは、基本的には、お隣の日銀総裁も含めて、マクロ政策はすべてここで片がつく、こういうポジションだと私は思っているんですね。今は、現下の経済情勢は大変厳しい。我々議員はみんな、地元へ帰れば、何とかしてくれ、こう言われている。そういう中にあって、まさに、与謝野大臣あるいは白川総裁がどこまでやってくれるか、何をやるか、それが決定的な状況だ、こう思うものですから、質問を幾つかさせていただきたいと思います。 冒頭、大臣には甚だ申しわけありませんが、私は、大臣の御就任に当たって実は二つ心配をしております。 一つはまず、さきの総裁選を見せていただいておりましたときに、片や麻生さんは景気重視派、片や与謝野さんは財政規律重視派、何となくこういうふうな構図があるのかなと思いながら見ていました。そして、いろいろな発言の中でも、やはり財政再建というのは重要なんだ、こうおっしゃっていて、さらにはまた、消費税の増税もある程度は考えなければいけないと思う、こういう発言もされていました。経済状況的には全く私はとんちんかんな話だと思って聞いておりました。最近は若干軌道修正をされたようでありますけれども、まずそのことが心配でありました。 それからもう一点は、いわゆる埋蔵金論争という話の中で、そんなものはないんだ、こういうお立場でありました。今回政府の出されている予算の中は、かなりそういった、いわゆる埋蔵金と言われているものを活用しているところがあるわけであります。 そういった意味では、この二つの論点は大変重要で、なおかつ、私は、与謝野大臣が誤った判断をしてきていた、こう思っておるものですから、大変実は心配をしているわけであります。やや論調もお変わりになったと思いますので、質問でそこを明らかにさせていただきながら、これから、日本の経済政策に何が必要かという議論をさせていただきたいなというふうに思います。 まず、基本的な数字を確認だけさせていただきたいと思います。きょうの前提といいますか道具といいますかになりますので、政府、日銀から、まず政府の〇九の成長率の見通し、GDPギャップ、それから、昨日ですか一昨日ですか、出されました地価公示価格の下落の状況、それから日銀から、日銀の成長率の見通し、現下の物価の推移、この数字を、ざっとでいいですから、時間がありませんので、一応共通認識ということでお聞かせいただきたいと思います。
○湯元政府参考人 お答え申し上げます。 〇九年度の経済成長率につきましては、政府経済見通しでは実質GDP成長率を〇・〇%と見込んでおります。 GDPギャップにつきましては、内閣府の試算で二〇〇八年十—十二月期、名目年率で約マイナス二十兆円と見ております。 公示地価につきましては、国土交通省が三月二十三日に公表しました平成二十一年度地価公示、本年一月一日現在でございますが、全国平均で前年比、住宅地がマイナス三・二%、商業地がマイナス四・七%となっております。 それから物価の動向につきましては、石油製品を中心に輸入品の価格下落、これを反映しまして、消費者物価指数、コアの前年比伸び率が急速に鈍化してきておりまして、一月では前年比〇・〇%ということでございます。
○白川参考人 お答え申し上げます。 まず、実質GDPの成長率の見通しでございます。本年一月に集計しました政策委員の見通しの中央値で申し上げますと、二〇〇九年度はマイナス二・〇%、二〇一〇年度はプラス一・五%となっております。 消費者物価、除く生鮮食品でございますけれども、二〇〇九年度がマイナス一・一%、二〇一〇年度がマイナス〇・四%となっております。 ただ、こうした見通しをめぐる不確実性は極めて高いというふうに認識しておりまして、その後発表されました、例えば昨年十—十二月の実質GDPやあるいは生産、輸出の数字は、大変厳しいものでございます。こうしたことを踏まえますと、下振れるリスクに注意する必要があるというふうに考えております。
○小沢(鋭)委員 まず、政府の成長率の見通しなんですけれども、今お話のありましたように、二〇〇九年ゼロ%。先般、麻生さんが郵政見直し、本当は賛成じゃなかったと言ったときに、小泉さんがそれを引き合いに出して、笑っちゃうんだよね、こう言いましたけれども、この政府の〇・〇%、この成長率見通しも笑っちゃうんですよね。 これは本当にそういう数字なんですけれども、大臣、変えた方がいいと思うんですけれども、大臣はこのゼロ%、今でも達成可能だと思っていらっしゃるんですか。
○与謝野国務大臣 政府の経済見通しは、昨年の十二月の時点で行ったわけでございます。そのときの最善のデータ、最善の方法でやっておりまして、経済の見通しに我々が手を加えたということはございません。 しかしながら、その後、世界的な金融危機、経済危機が一層続いておりまして、また、株式市場の変動の影響など、景気を下振れさせるリスクがたくさん出てきておりまして、現時点では、予算を審議していただいておりますので、政府見通しを変えるという考えはありませんけれども、四月に入りますと一—三月の数字もある程度見きわめがつきますので、二十一年度の政府経済見通しの見直しについて作業を始めることとしております。
○小沢(鋭)委員 確かに、予算のこの時期の中でそこを変えるというのは、予算全体のある意味ではあり方そのものにもなりますから、政府としてのお立場はわかりますが、大臣、大事な話は、十二月の時点での最善の方法、最適なデータとたしかおっしゃったと思いますが、それが本当に最善、最適なのかという話をお考えになった方がいいと思います。 民間のいろいろな諸団体も、それぞれの手法で成長率の見通しを出しておりますが、いずれにしてもかなりのマイナスです。IMFがこの間出したのは、日本はマイナス五・八%ですよ。 ですから、政府が最善、最適と言っているのは独善ではないんですかということをやはり考えていただかないと、経済政策にとって大事な話は、いわゆる信頼性の問題だと思うんですね。笑っちゃわれるような数字を出して、そしてこれが政府の政策ですと言っても、やはりそれはなかなか説得力がないんじゃないでしょうか。 ですから、もう一回、最善、最適な方法も含めて、四月以降見直していただくことをお約束いただきたいと思います。
○与謝野国務大臣 経済見通しというのは毎年同じ手法でやっておりますし、十二月の時点で入手することのできる最も新しいデータと知識に基づいてやっておりまして、何か人工的にこの数字をいじったわけではありません。 しかしながら、その後の経済情勢の変化、世界の金融情勢、また新しく出てきたいろいろな数字を見ますと、これは改定せざるを得ないということは我々感じておりまして、国会での御質問で、三月に入りましたらいろいろなデータが集まりますので、四月には見通しの改定の作業に着手をするということでございます。 何か十二月にふざけた経済見通しを出したものではなくて、まじめに出したものだということは、ぜひおわかりいただきたいと思っています。
○小沢(鋭)委員 二つあるんですよ、大臣。 データが変わってきたから、そのデータを入れかえて見通しをもう一回算出するということを大臣はおっしゃいましたが、それはそれで必要だと思いますよ。 そうではなくて、私は、算出方法そのものが間違っているんじゃないですかと。一般的ないわゆる諸団体や、さっきのIMFや何かの数字と違うんですから。だから、方法そのものを変えていただかないと、間違ったことをいつまでもやって、そしてそれが最善の方法だと言い張らなきゃいけなくなるんですよということを申し上げておきたいと思います。 ですから、方法そのものもやはり考え直していただきたい。時間がありませんので先に行きますけれども、お願いを申し上げておきたいと思います。 GDPギャップ、年率で二十兆円、こういう話でありますが、これでこれもいけるとお思いですか。
○梅溪政府参考人 お答え申し上げます。 先ほど委員も御指摘されましたが、世界経済につきましてはマイナス成長が本年見込まれております。こうした中、我が国の景気も急速な悪化が続いておりまして、先行きについても当面悪化が続くと見込んでおります。 先ほど答弁いたしましたが、昨年十—十二月期のGDPギャップは、内閣府において、名目年率で約マイナス二十兆円と試算いたしておりますが、現下の景気動向を踏まえますと、このマイナス幅というものは当面拡大傾向で推移することが懸念されております。
○小沢(鋭)委員 後ほど、このギャップをどうやって埋めるかという議論をさせていただきたいと思っておりますが、やはりここも、今の答弁にもありますように、さらにギャップは広がっていくのではないかということが予想される、こういうお話でございます。 ついでにお尋ねしておきますが、GDPギャップを算出するときに、予想失業率というようなものを使って算出するんだろう、こう思います。いわゆるオークンの法則という話がありますけれども、二十兆円だと予想失業率は何%になりますか。 ついでに、時間がないので聞いておきますが、その倍の四十兆円にGDPギャップがもし拡大したら、何%の失業率がその中では予想されますか。
○湯元政府参考人 お答えいたします。 GDPギャップと失業率の関係でございますけれども、これはさまざまな先行研究等がございます。結論としては、この両者の間には負の相関関係があるということでございますけれども、GDPギャップが拡大をいたしますと、一定の時間的タイムラグを持ちまして失業率の上昇につながると。 今委員が御指摘いただきましたのは、二十兆円のギャップで失業率がどれくらいまで上がるかということなのでございますが、いろいろ先行研究の分析の、ギャップが何%拡大をすると、一定の時間的ラグを持って失業率が何%上昇するというような、オークンの法則のことを御指摘いただいたかと思います。 ただ、この推計につきましては、さまざまなデータ、どういったデータをとるべきかとかどういった期間で推計をすべきであるとか、推計の方法によりまして、先行研究の中でもかなりいろいろと幅のある数字が出ておりまして、一概に、何%あるいは何兆円の需給ギャップで失業率が幾らくらいになるということを明確に申し上げることが非常に難しい状況にあるかと思っております。 ただ、時間的なおくれというのは、いろいろな先行研究がございますが、大体一四半期から三四半期ぐらいのおくれを持って、GDPギャップが拡大すると失業率の上昇につながる、そういった結果が出ております。
○小沢(鋭)委員 余り細かいことを言うつもりはないんですけれども、やはり、今目の前で一番心配な話は雇用の問題でありまして、その雇用の問題についてある程度の見通しというのを持つことは必要なんじゃないかな、こう思うわけであります。 GDPギャップを出しているわけですから、そこから見ると大体どのくらいからどのくらいという範囲でも結構です、オークンの法則でもし算出するとすればですね。それくらいはちょっと言っていただけないでしょうか。
○湯元政府参考人 これは、さまざまな研究の中の一つの数値というのが、本年二月十一日の日本経済新聞の「経済教室」欄で小峰隆夫法政大学教授が、これは教授御自身の試算ではなくて、別途、村田啓子首都大学東京教授の試算を御紹介するという形で出ております。 一応、その結論を見ますと、マイナス二%程度の成長率が二年続くと失業率が約二・二%上がるというような試算結果になっているという説明が示されております。
○小沢(鋭)委員 二十兆円で二・二%大体上がる、こういう話でいいんですか、その試算だと。
○湯元政府参考人 この試算は、そもそも二十兆円というのを前提として計算をしていませんので、必ずしも二十兆円で二・二上がるとか、そういう計算ではございません。成長率に一定の前提を置いて計算をしたと。
○小沢(鋭)委員 内閣府にお願い申し上げておきますが、とりあえず、きょうは別に内閣府をぎゅうぎゅう言わせることを目的で言っていませんので、ただ、その試算でいえば大体どのくらいですよとか、そういう数字をまた後ほど私のところにお届けいただければ勉強させていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 いずれにしても、これだけのGDPギャップがあると相当失業率は上がるんですよ。ですから、ここを何とかしなきゃいかぬ、こういう話になるわけで、そういった意味では、ぜひ後ほどそこの御意見を賜りたいと思います。 もう一つついでに、現状認識ということで確認をしておきたいんですが、さっき申し上げたIMFの日本の成長率マイナス五・八%という話は、諸外国に比べて多いんですね。大きいんですね、マイナスの率が。昨年の十—十二月の成長率の落ち率も、日本の場合、年率で一二・七%だったですか。これは圧倒的に主要国より高いんですよね、高いというか大きいというか。 なぜなんだろう、こういう話がここの最大のポイントなんだと思うんです。新聞は簡単に、輸出依存型の日本経済に特に大きなダメージを与えていることが浮き彫りになったと書いてあるんですね。ここは、本当にそうかということをちゃんと吟味しないといけないんだろうと思います。 なぜかといえば、今回の大不況というのは、まさにアメリカ発の金融危機から始まっているんですね。日本は、御案内のとおり、まだ金融機関にそんな大きなシステミックリスクがあるわけではないんです。アメリカの金融機関というのは、ほとんど公的資金が入っている、そういう状態ですよ。にもかかわらず、日本がこれだけ落ち込みが大きい、日本だけが。というのはなぜなんだろうという話を、これは真剣に考えないといけなくて、私は、本当にそうかと思って、日本の輸出依存度という数字を見てみました。 主要国の輸出依存度という、私の手元にあるIMFの数字ですが、二〇〇六年でいいますと、シンガポールは二〇五%ですよ。タイは六三%、チリは三九%、ドイツ三八%、韓国三七%、中国三六%、ロシア二九%、フランス二一%。日本は一四・三%ですよ、輸出依存度は。これで、新聞が書くように、輸出依存度が高いからマイナスが大きい、こう簡単に結論づけちゃっていいんだろうか、こういう話でありますが、大臣、御所見をお願いします。
○湯元政府参考人 お答えいたします。 日本の輸出依存度が相対的に高くないのに、どうしてこれだけ大きなマイナスになるかという御質問かと思います。 今回の十—十二月期のGDPの数字で、内需と外需の成長寄与度の内訳を見ますと、内需がマイナス〇・五%に対しまして外需がマイナス一一・八%でございます。これは海外で見ますと、アメリカは内需がマイナス五・七に対しまして外需はマイナス〇・五、それからユーロ圏では内需がマイナス二・三%に対しまして外需がマイナス三・五%ということで、日本の場合、やはり外需が諸外国と比べても大きい。この外需と申しますのは、輸出から輸入を引いたものということでございます。 この原因でございますが、まず輸出面を見ますと、議員御指摘のとおり、GDPに対する比率というのはそれほど高くない。もちろん、過去と比べれば相当上がってきておりますが、諸外国比でそれほど高くないという御指摘があります。その原因は、輸出の減少率の幅自体が先進国の中で突出して大きいということがございます。 その幅がなぜ突出して大きいのかということでございますが、今回の世界的な金融危機の中で直撃を受けた産業、これは主として自動車産業でございます。それから、関連する電機産業、機械産業等々がございまして、ここの輸出が大幅に落ちている。この比率が実は諸外国と比べると日本はかなりウエートが高い、三分の二以上占めているというところが一つ大きな要因としてあろうかと思います。 それから輸入面の方、ここも差が相当大きく出ておる部分でございまして、日本は輸入が実は増加をしておりまして、外需寄与度を押し下げる要因となっておりますが、他の諸国は輸出と同等の幅で減少しておりまして、むしろ外需依存度を下げる働きをしております。ここのところの違いというのは、日本の輸入構造の違いによるものでございまして、日本は、原燃料とか食料品といった、かなり必需的に輸入しないといけないもののウエートが高いということがございます。 他方で、日本の内需の減少幅が、先ほど申しましたとおり小さいということで、輸入もなかなか大きくは減少しない構造になっている。一言で申しますと、産業構造が非常に付加価値の高い産業構造になっておりますので、なるべく付加価値の高い部品や素材や資本財、それから、それを組み立てて最終製品にするとか、全部国内でつくって外に輸出をしているという構造になっておりますので、逆に、海外の需要が落ちますと、輸入は余り減りにくいんですが、輸出が大きく減るというふうな構造になって、成長率に大きな打撃が生じたということでございます。
○小沢(鋭)委員 この議論もなかなかおもしろい議論でして、例えば自動車産業一つとってみると、自動車の売れ行きが減っている、こういう話がありますね。ただ、今答弁の中にもありましたように、自動車の部品は海外で組み立てているとしても、どこから買っているかというと、日本から買っているんですよ。現地で自動車をつくっているけれども、その部品は日本から買っているんです。そうすると、現地で自動車が売れなくなる、だから輸出が減るという話と同時に、部品がだめになるんですよ。 ですから、そういう構造が依然としてあるんです、日本の産業構造は。現地で、海外でつくっている、こういう話があるんですけれども、部品そのものはこっちの中にまだあるんですとか、これは調べていきますとおもしろいといいますか、やはりいろいろ重要なことが隠されています。 ですから、なぜ日本だけが落ち込むのかという話は、政府としては徹底的に議論をしていただきたいなと思いますし、ぜひまた、私もいろいろな意見を申し上げたいと思います。 それでは、今度は、必要な政策は何かという話で聞かせていただきたいと思います。先ほどのGDPギャップの話、これをどうやって埋めていくのかということであります。 けさ、たまたまテレビを見ておりましたらば、準備をしながらだったのでちゃんと見られていないんですが、NHKの報道だったと思いますが、経済財政諮問会議の報道がされていました。朝、出てきて新聞を見たんですが、新聞には何にも出ていなかったんですけれども、そこでは、いわゆるGDPギャップ二十兆のうち、財政ですべて埋めるのは好ましくない、こういう議論が昨日あったというふうに報道されていましたが、そういうことでしょうか。あるいはまた、財政的にGDPギャップを埋めるということは必要ではないんでしょうか。 ついでに、時間がないので申し上げておくと、例えば二十兆を財政的にすべて埋めていくというような話になりますと、相当財政資金が必要になりますし、私などの見通しだと、GDPギャップが二十兆ではとても済まないと思っておりますから、さらにふえる。そういう話になると、政府の二〇一一年のいわゆる基礎的収支の黒字化、この中期目標、大臣に一番最初にさっき申し上げた財政規律派としての大臣の話でありますが、これはさらに、前倒しの裏返し、後ろ倒しというのかどうかよくわかりませんが、しないと、これも絵にかいたもちになるんだろうと思うんですね。 いわゆるGDPギャップをどう埋めようとされているのか、さらにはまた、その財政再建目標を見直す気持ちはないか、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○与謝野国務大臣 二つの質問だと思って、お答えを申し上げたいと思います。 一つは、二〇一一年のプライマリーバランスの到達というのは、極めて到達が難しい目標になっていることは明らかでございます。これはもうやめた方がいいという議論もありました。しかしながら、一方では、財政規律の旗としてとっておく必要があるんだろうという議論もありました。したがいまして、我々は到達が大変難しい目標だと思っておりますし、旗も相当破れかげんでございますけれども、一応旗は立てておいて、財政規律は忘れないということの象徴として立っているわけでございます。 もう一方では、今、経済財政諮問会議のお話がございましたけれども、今先生が御質問になった内容は、きょうの夕方の諮問会議で議論される内容でございます。 これは、経済がどんどんどんどん落ち込んできた、先生の言われるGDPギャップが生じた、これは二十兆になるかもっとになるかということはこれからですけれども、それを政策でどこまで埋めたらいいのかという理論上の問題があります。ゼロのところまで埋めるのか、いや、半分ぐらいのところまで埋めるのがいいんじゃないかとか、それはこれからのいろいろな議論の問題ですし、一遍に薬を使えと言う人もいますし、一遍に薬を使うと中毒を起こすと言う人もいます。 GDPギャップをどこまで埋めることが国民にとって必要なのか、あるいは国民経済を底抜けさせないために必要なのかというのは、まだ学問的な段階ですけれども、諮問会議でも、きょうの夕方から議論が始まる予定でございます。
○小沢(鋭)委員 まず、GDPギャップをどの程度埋めたらいいかということに関しては、いろいろな考え方があるというのはそのとおりだと思います。 ただ、ぜひお願いしておきたいのは、GDPギャップが二十兆だとしたらば、百年に一度の危機、こういう事態ですから、私は、すべて財政が面倒を見るというくらいの気持ちでやってもらいたいと思っておりますが、それがそうでないとしたら、例えば半分は政府支出でいくんだ、半分は民間でいくんだ、七割は政府支出でいくんだ、三割は民間にやってもらうんだとか、ある程度の数字的な話も言っていただかないと、こういう話を積み上げていきませんと、何となくやっているみたいな話ですと次に蓄積にならないんですね。 ですから、私の気持ちは、すべて政府が埋めるという方が好ましいと思っておりますが、そうでないにしても、ある程度の数値的な話はぜひ明快に発表していただいて、今後の政策議論のベースになりますように、ぜひお願いをしておきたいと思います。御発言ありますか。
○与謝野国務大臣 ヤマカンで物をやるのではなくて、やはり先生言われるように、こういう思想で物事をやるというものがないと建設的な論議に発展しない、そういう御指摘であれば、まさにそのとおりだと思っております。
○小沢(鋭)委員 ありがとうございます。 経済と教育の話はすべての人が意見を持っている、こうよく言われます。それぞれの立場からそれぞれの思いで発言するわけですが、政策でありますので、できるだけ客観性が担保されるような話をして、それが実際にうまくいくかどうかはわからないわけですが、検証することによって、次なる政策のやはりまた参考にしていくという繰り返しが重要なんだろう、こう思っておりますので、お願いしたいと思います。 それから、財政再建スケジュールの話ですが、ぼろ旗でも立てておいた方がいいのではないかという意見もあった、こういうお話であります。 私は少なくとも、先ほども申し上げましたけれども、成長率の見通しもそうでありますが、あらゆる話は、我々はこうしたいと思う、目標はこうですという話を国民にしっかりと明示した方がいいと思っています。ですから、私は、この財政再建目標は、もし困難だというのであれば、新たな財政再建の中長期目標をつくるという話に着手していただきたいなと思います。いかがでしょうか。
○与謝野国務大臣 少なくとも、衆議院の財金委員会で御承認いただいた、今参議院で御審議をいただいている税法の附則は、そういうことを書いたつもりでございます。 これはやはり、財政規律、財政再建を果たすためには、歳出削減も必要ですし、一方では歳入改革も必要ですし、また経済成長も必要だ、そういう中で、中期プログラムは、やはり税制の抜本改革ということをどうしてもやらないと日本の財政は再建できないということで、あの中には、必要最小限のことをお願いした附則として、閣議決定された中期プログラムを書かせていただいたわけでございます。これなしに何か大きな財政出動をやっていくということは、それは後の世代に対して責任を果たすことにならないというふうに考えてお願いしたことでございます。
○小沢(鋭)委員 ちょっと論点がずれて、まさに歳入改革のお話、大臣は生まじめでいらっしゃるのでおっしゃったのかもしれませんが、それは正直言って、今のこの景気の状況のときに、世界じゅうが財政出動、減税の話をしているときに、増税の話をするというのはなかなかおかしな話になりますので。 私が申し上げたのは、中長期のいわゆるプログラムそのものを見直していくという話が必要ではないんですか、その中の一環として、歳入改革も当然やらなきゃいけないんだよというお話なんだと思いますが、余りそこに力点が行きますと、景気対策をまさに減殺する話になっちゃいますので、ということを私の意見として申し上げておきたいと思います。 次に行きます。 日銀の白川総裁に御質問をします。 先ほどお聞きしましたように、CPIあるいは地価の公示価格ともに下落であります。デフレの局面に入った、こういう認識でよろしいんでしょうか。
○白川参考人 この席でもたびたび申し上げていることで恐縮でございますけれども、デフレという言葉がいろいろな意味で使われております。 そういう意味で、私どもは、先ほどの答弁でも御説明しましたとおり、経済の先行き、成長率という面について大変厳しいというふうに見ております。それから、消費者物価でございますけれども、これについても、足元は今、前年比ゼロでございますけれども、これからマイナスの領域に入っていくというふうに見ております。 その上で、デフレということで申し上げますと、過去の内外の経済を見ましても、物価の下落それ自体が起こるということは少なからず起きております。問題は、この物価の下落がいわゆるデフレスパイラルになっていって、つまり、物価の下落が経済のさらなる後退をもたらし、それがまた物価の下落をもたらす、これがデフレスパイラル、そうした事態は決して起こしてはいけないと強く私どもも思っております。 現状、そうした意味でのデフレスパイラルに今直面しているということではございません。いずれにせよ、物価の動向それから経済の動向はしっかり見ていきたいというふうに見ております。
○小沢(鋭)委員 デフレという言葉を使うと日銀は過剰反応するように思うんですが、私が言っているデフレというのは単純な話で、いわゆる価格の下落です。消費者物価にしても地価にしても、価格の下落を単純に私はそう思っております。 そうすると、デフレスパイラルの危険がなければ、物価の下落、地価の下落、これはそのままでいいんですか。
○白川参考人 今、地価の下落とそれから物価の下落、両方の下落について言及がございましたけれども、もちろん、これは両方とも経済の動向に大きな影響を与える計数でございますから、注意深く見ております。 過去の経験を見てみますと、例えばこの数年間のアメリカがそうでございますけれども、物価自体はマイナスではなかった、しかし、資産価格が大きく下落する、住宅価格が下落する、そういう中で、過去の膨張した信用のおもしが大きく経済に悪影響を与えたわけでございます。要するに、これは資産デフレの悪影響ということでございました。 一方、アメリカは、今、これから先の物価の下落がデフレスパイラルになっていくかどうか、これを非常に注意深く見ております。 私どもの方も、そういう意味で、物価の下落あるいは資産の下落、こうしたものは注意深く見ております。ただ、一つの指数だけではなかなか判断できないということでございますので、決して、物価の下落なり資産の下落は見ていないということではございません。
○小沢(鋭)委員 FRBが、先般国際会議で、二十九兆円ですか、発表しました。それから、日銀が国債購入一・八兆円、これを発表しましたね。これは、いわゆる二〇〇一年から導入、こういう話になっておりました量的緩和政策に戻ったというふうに考えていいんですか、日銀の政策として。
○白川参考人 量的緩和政策という言葉についてもこれまたいろいろな御議論がありますので、日本銀行自身がこの政策をどういうふうに説明しているかということで申し上げたいと思います。 今言及のございました二〇〇一年からの日本銀行の量的緩和政策でございますけれども、これは、当座預金の残高に目標を設定しまして、当座預金の量をふやすことによって最終的に経済に刺激を与えていく、そうした意味での政策でございました。 今回、日本銀行が行っています政策は、今の長期国債で申し上げますと、金融市場の安定を確保するために金融市場に対して流動性を供給する、その際の手段として長期国債オペを使っていくということであります。 そういう意味で、かつての量的緩和の思想、つまり、当座預金に残高目標を設定して、これを通じて直接的に経済を刺激することをねらった政策ではないという意味においては、かつての量的緩和政策ではございません。 ただ、目的とするところ、つまり、前回の量的緩和も結局は金融システムの安定に効果があったという評価でございますけれども、そういう意味において、金融市場の安定が大事であるという点においては、これは当時も現在も変わりません。
○小沢(鋭)委員 当座預金の話をされましたけれども、それだけが本当に量的緩和なのかどうか、国債の買い入れもしていただいたわけでありますから、含めて、ここは本当に、日銀、いつも申し上げていることで恐縮でありますが、私は、まさに物価の安定が日銀の政策目標なんですから、日銀の存在意義なんですから、それをちゃんとやってくださいよということを申し上げておきたいと思うんですね。 ですから、私の思いは、政府はGDPギャップを財政資金で全部埋めてくれ、物価の下落は日銀が全部埋めてくれ、これをまずやってもらいたい。まず、これが基本的なスタートラインだと私は思っておりまして、それを申し上げておきたいと思います。 ついでに、もう一つ申し上げておきます。 CPの買い入れみたいな話が出ておりますが、このCPというのをいろいろ調べたんですけれども、アメリカと日本で、同じCPといってもかなり受けとめ方が違いますね。アメリカのCPというのはある意味では約束手形、日本の場合は、金融機関が仲介をするような形でないとCPという形では認めない、こういうような話があって、ただ、約束手形という話になりますと、大臣、日常的に企業が、特に中小企業が出しているのは約束手形ですよ。その買い入れをアメリカは考えているし、やってくる、こういう話ですよ。 日本もぐずぐず言わないでやったらどうですか。中小企業の約束手形を日銀が買い取ります、そのリスクは政府が保証しますと言ったら、相当中小企業は楽になりますよ。いかがですか。
○与謝野国務大臣 手形というのは、例えば最後に日本が割り引いたとしても、それまでに何人が裏書きをしているかという問題があります。 先生が言われましたような手形の割引というのは、関東大震災の後、震災地手形ということで、震災地で売り出された手形は銀行が割り引いて、それをまた日本銀行が再割引するという形で、結果は日本銀行に不良債権が膨大にたまった。これを政府が補てんするという議案を国会に出した。その答弁のやりとりの中から金融恐慌が発生したわけですけれども、条件の整わない手形を無条件で日銀に割り引いていただくということが、果たして信用秩序全体からいって正しいのかどうかということは、やはり議論をしないといけないと思っております。
○小沢(鋭)委員 もちろん、かなり過激な提案をしたつもりではいるわけですけれども、さっきの大震災の話ではありませんが、日本のGDPの落ち率はあれ以来の落ち率ですよ。ですから、政府が百年に一度の危機という話で言うのであれば、それくらいのことも含めて検討をしていただきたい、こういうふうに申し上げておきたいなと思います。 それから、時間がないので一つ飛ばして、もう一つだけ、大事な話だと思う点を申し上げておきたいと思いますが、アメリカで時価会計の見直しの議論が進んでいます。 これは本当に、私はいつも不思議でしようがないんですが、日本の場合あるいはアメリカの場合、会計制度というのは一体どこがまずつくるのか。いわゆる公的機関が、あるいは政府含めて、しっかりとそういうものをつくるんじゃないんですね。なおかつ、やはり世界的なきちっとした標準というか基準というか、それは統一してもらわないと困るということだと思うんですね。 この時価会計の導入のときに、これはある意味では、アメリカ初め諸外国からの要請で日本も導入しましたけれども、これを導入したから、今、株価が下がる、株価が下がると銀行が持っている保有株の価値が下がる、そうするといわゆる自己資本比率が下がる、自己資本比率が下がると貸し出し抑制になる、こういう話になっているんでしょう。それをアメリカは、今度はまた見直すと言っているんですよ。日本はどうするんですか。 それともう一つは、やはり国際的な統一基準というものをつくるべきだし、なおかつ、少なくとも資産価格の評価というのは、もうちょっと中長期的にそれを評価ができる尺度を考えないと、いつまでたったってこんな話になって、銀行の株の買い入れ制度だ何だという話になる。会計制度が実体経済を動かしちゃっているんですよ。よく犬の話で、しっぽが何とかを動かすという話がありますが、会計がこんなのじゃなければこんなことは起こらない。 そんな話をまたアメリカは見直すと言っている。しっかり、ここは日本としてもやってもらわないといかぬし、言うべきことも言ってもらわなきゃいけないんじゃないでしょうか。いかがですか。
○与謝野国務大臣 時価会計は、金融商品等の現時点での価値を適正に評価するということにより、財務情報の透明性を確保する観点から国内外で導入されているものであり、国際的にもその意義は失われていないと考えております。 現下の金融危機を受けた会計上の対応としては、米国や我が国を含め、時価会計、公正価値会計を前提としつつ、証券化商品等を念頭に、市場の流動性が枯渇した場合の時価、公正価値の測定方法の明確化等の課題に取り組んでいるところでございます。 また、時価の変動が激しいときの有価証券の評価はどうするんだという御質問がございました。 株式等については、我が国でも、例えば期末日前一カ月の平均値で行うことが容認されておりますけれども、国際的に見ても、過去数年の平均値で時価評価を行うとの議論は、現時点では行われていないというふうに思っております。
○小沢(鋭)委員 時間が来てしまいましたので、残念ながらこれで終わるのでありますが、ぜひその時価会計の、会計制度のあり方も御検討いただきたい。 もう一度、最後に一言だけ私のまとめを言わせていただきますと、GDPギャップは政府がすべて埋める、デフレはすべて日銀が埋める、時価会計もしっかりと世界標準で中長期的な判定ができる話に改革する。まず、それをベースにやってもらった上であといろいろなことをやっていかないと、出発点にも立てないんじゃないか、こう思っておりまして、そのことをお願い申し上げて、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○田中委員長 次に、下条みつ君。
○下条委員 おはようございます。大臣、法案ではなく一般質疑ということなものですから、私の持論と大臣の持論のうまいかみ合わせになればなというふうに思っておりますので、何とぞよろしくお願いいたします。 まず、私は今、財務省のお立場になって考えると、要するに、大変な財政出動があるし、未曾有の不景気があっていろいろな処方せんの注射をあらゆるところで打っているんだけれども、どうもなかなか結果が、オロナミンCとまではいかないまでも出ないし、オロナミンCが悪いというわけじゃなくて出ればいいと思うという意味で言っているんですけれども、そうなってくると、これはお金が幾らあっても財務省としては足りないんじゃないかと思うんですよね。 一方で、税収の方はいきなりどかんとふえていくのかというと、そうじゃない。となってくると、一体何に目をつけなくちゃいけないか。財務省は、日本国のお財布の番人ですよ、最も重要な省庁であると思います。そうしますと、今日本がそういう、お財布が一個しかなくて入る方がそんなに入らなかったら、お財布の中に入っているものをどうやって、では、そこを選別して使えるものか使えないものかを見ていくしかないと私は思うんですね。 そういう意味では、きょうは二、三、時間の範囲内で質問させていただきたいと思いますが、大臣、まず外貨準備金の話であります。 これは、申すまでもなく、今ドルベースで、二月末、先月末で一兆九十三億五千四百万ドルにも膨れています。これは円ベースに直した方がわかりやすいので、何ドル、一兆ドルと打って、為替のきょうの午前中はあと十分で一回閉まりますけれども、そんなことをやっているとあれなんで、ともかく九十六円ぐらいで切っておいてやると、九十七兆円のお金を日本国というのは外貨準備として持っている、こういうことですよ。これは客観的な数字であると思うんです。 そこで、これを諸外国でどのぐらい持っているんだいという話になったときに、近隣の中国は物すごく突出して持っていまして、百八十七兆円ぐらい持っているんですね。ドイツが四兆一千億、フランスが三兆二千億円、イギリスが四兆三千億円、ロシアが三十九兆六千億円、また隣国の韓国は十九兆三千億、例の進歩著しいインドでさえ二十三兆八千億。中国というのは、アメリカに対する政治的、軍事的カードということも僕はあるんじゃないかと思っていますし、そこの部分も言われています。ですから、単純に中国の部分とは比較できないのかなという感じはちょっといたしておりますけれどもね。 そこで、これは何でたまっていっちゃったかというと、簡単に言えばドル高・円安誘導ですよね。ドルを買って円を売るわけですが、円の価値をどんどん下げさせて、ドルの価値を高めるために介入をしていったということであると思うんですね。私もたまたまディーラーを何年間かやっていましたので、アメリカでもやっていましたけれども、要するに物すごくリスクがあるわけです。 そこで、例えば一番ぼかんと買ったのは、時の小泉総理がやられたときの平成十五年、十六年。これは財務省も大変だったと思うんですけれども、三十五兆二千五百六十四億円も買っているわけですよ。一年間で諸外国の、ドイツか何かの何倍も買っちゃっているわけですね。行け行けどんどん、どんどんドル買いをしろということで、それによってアメリカの方はそれを元手にして金利を安定させて、日本からも輸出主導はできますけれども、それによってアメリカが支えられた結果が、先ほど同僚議員のいろいろな話もありましたけれども、いろいろなものがどかんと来てしまったんじゃないかと私は見ております。 そこで、私のつたない知識の中で、この十五年、十六年に日本国の皆さんが出した税金で買ったドルというのは今どのぐらいの評価損になっているか計算してみました。 これは、早稲田大学の谷内満教授というのが、開発金融研究所報二〇〇八年三月号に論文で出しているので、谷内さんというのは与謝野大臣も御存じだと思いますけれども、経済企画庁の審議官をやったり内閣府政策統括官をやった方ですけれども、この方がやったものと、それから御省が公表している外国為替平衡操作の実施状況、これをひもといていって電卓をたたくと、ある程度の誤差はあると思いますけれども、この十五年、十六年に三十五兆数千億円買った一ドルは百十円と二十銭となる。現在価値と引き直してみますと、既にもう十四円ちょっとの円高になっているわけですね。ですから、私は、この小泉さんがおやりになった三十五兆のドル買いだけでも、既に四兆五千億の評価損が出ていると。四兆五千億出ているわけですね。 そこで、これは僕がそこの部分だけひょいと持ってきて電卓をたたいたわけですけれども、全体に引き合わせると、約九十七兆円になるわけですよ。これは自分で計算してもよかったんですが、きのうレクのときに財務省の方々に申し上げたんですが、これは今大体どんなものか。評価損ですね。持っているから、まだ損を出していないわけです。評価損は一体どの程度なのか、ちょっと教えていただきたいと思います。
○玉木政府参考人 お尋ねの外為特会における外国為替等の繰り越し評価損益でございますけれども、これは当該年度の基準相場の変動に伴って生じる評価損益を実現させずに、特別会計内で累次これを繰り越していって計算しております。 外為特会が現在保有しております外貨資産について、このような過去からの繰り越しも含めて、二月末時点、きょうもそうでございますけれども、為替レートを一ドル約九十八円として評価損を計算いたしますと、約二十一兆二千億円となります。
○下条委員 大臣、要は、どこかの高齢者から年金、保険料を差っ引いたり、医療予算を毎年二千億削るだほうだとやっています。今回、一万二千円とか二万円、お配りになることになった。それで、どこかで手当てしているとかありますけれども、今、本当に正直に数字を言っていただいたと思いますけれども、この程度出ているわけですね。ですから、私は、為替というのがどれだけ怖いものかということだと思うんですよ。 私がいつも申し上げたいのは、委員会の意味というのは、非難をするのではなくて、あったことをどうやって直していくかに注力すべきだと僕は思うんですね。我々は今野党なので、それをすぐ行政の方にこうしろと指示できないのであります。ですから、あくまでも提案なんですよ。 だけれども、私は、論客で話をしていただくより、むしろ本音でやっていただきたいと思うんですね。本当に片っ方で一生懸命節約して、今、もう言うまでもない状態になっているじゃないですか、経済状況は。その一方で、膨大な外為の準備金を、九十八円なら九十八兆ぐらいになるわけですよね、一兆ぐらいすぐ狂っちゃいますから。そういう損が二十兆どうのこうの出ている。こういう状態が続いていることが現実に今わかったわけであります。 そこで、先ほど申し上げたように、諸外国というのは、ある意味で国家の、存亡までいかないけれども相当なマイナスをこうむる為替というものについては、極力抑えるようにしてきたわけでありますよ。それはなぜかというと、それに左右されて国がおかしくなることだってあります。きょうの話も、もしこれが例えば日経でも読売でもトップに出れば、小泉さんのやったことはこれだけ損しているということになるんですよ。国がやってきたことはこれだけ損しているということになる。だけれども税金を取ろうとするという話になれば、自民党さんと行政府は何をやってきたという話になっちゃうんですね。私はその心配をしているわけであります。 そこで、ヨーロッパがパーセンテージでどのぐらい持っているか先ほど言いましたけれども、大体外貨準備は、例えばユーロ圏でGDPの二パーとか三パーとか、イギリスでも二%程度ですよ、要するに外貨準備を持っている金額は。 そこで、圧倒的に多いことに対して、さらに、私も御省のOBである行天豊雄さんの言ったことを言いますと、為替介入は市場をゆがめる、そうおっしゃっていました。ただし、買ったドルが米国の国債に投資されて、金利を抑えて、輸入と日本の輸出を支えている、これは確かに事実だと思うんですね。ドルの急落時にはドル債の保有が不安定になるので、介入のあり方を再考すべきだというふうに、行天さんもおっしゃっています。 それから、横浜国大の井手英策助教授も、アメリカ財政へのファイナンスや一般会計のつじつま合わせが財務省の独断で行われていると言っている。金利上昇時にトレジャリービル、政府短期証券の消化と長期国債の保有が危うくなる、こういう話もしています。ですから、この九割ある外貨証券ですけれども、これはやはり円に向かって順次消化していくべきじゃないかと僕は持論を持っています。 そこで、そのうちの一部をIMFに、この間、十兆円ですか、やるという話もありますけれども、まだまだもっと残っているわけですから、それが為替のリスクに今なっているし、アメリカがこういう状況です。こういう中で一体、このまま為替準備をお持ちになっていくことなのか、それとも、今こうやってお財布の中が入りが少なくなって、こっちにきちっとあるわけです、これだけのものが。かつ、それはリスクにさらされている。ですから、大臣にお聞きしたいのは、この為替リスクにさらされている外貨準備はこのままでいいんでしょうかという質問をまず一つ目に大臣に申し上げたいと思っております。
○与謝野国務大臣 どの程度の外貨準備を持っているのが適正かという御質問の趣旨だと思います。 今、外貨準備は規模は過大であるのか、過大であれば売却すべきだ、こういうことで、そうすればリスクも少なくなるという御議論も当然私は成り立つと思っていますが、我々としては、外為特会の保有する外貨準備は為替介入に備えて保有しているものであるという立場でございます。外為特会の保有する外貨準備を市中売却することについては、現在の状況のもとでは為替市場に不測の影響を及ぼすおそれがあるため、これは適当でないというふうに判断をしております。
○下条委員 大臣、それはまさに財務省の方の意見であって、我々と同じ民間から選ばれて、行政の長として、私が今申し上げたのは、諸外国は同じように為替のリスクをしょっているわけですよ。それはイギリスもフランスもドイツもそうです。ヨーロッパ圏もそうなんですけれども、アジア圏のところもそうだ。中国は、先ほど言いましたように軍事的、またアジア太平洋圏、きょうは防衛省の話はしませんが、その件もあって非常に多く持っていることは僕も大臣も理解していると思いますけれども。 そこで、日本というのは、もう一度申し上げますと、お財布が一つなんですから。その中で大きく為替リスクを持っているものを持っています。諸外国と比べて膨大な数を持っているわけですよ。かつ、皆さんこれだけ困っているわけじゃないですか、いろいろ。あっちこっち削って、控除も削り、医療費も削りということで、こういうふうになっちゃっている。僕は、その方に一部使ったらいいじゃないかと。 例えば、株価が落ちているのだって、今株価の論議をしたくないが、あれは外資系が引き揚げているだけですよ。引き揚げていると同時に、私もディーラーというか、証券会社の事務所を五年以上やりましたけれども、空売りもあるでしょうし、それに追随売りもあると思いますね、今はちょっと戻ってきていますけれども。 為替というのはそんなには、例えば九十七兆、八兆あるものを二十兆いきなり売ると言えば、それは追随している方だって、いきなり円高にがくっとなると思いますよ。だけれども、ある程度の数だけ、まあアメリカとの握りも、橋本さんが言っていきなりどんと飛んじゃったことがありました、前。ああいうふうに言わないで、ある程度の握りを外務省のトップと向こうの財務長官、国務長官を含めてやって、少しずつ日本は大変なんだというふうにやっておかないと、国民の財産ですからね、これは与謝野さんのものとか財務省のものじゃないわけですよ、日本国民の財産が常にリスクに引かれている。 例えば、与謝野大臣が、あと三カ月してボーナスが出ますよね、大臣ボーナスが。では、そのボーナスでドルを買うかどうかですね。財務省の方にもきのうも私のところにレクに来たときに言ったんですけれども、皆さん、じゃドルを今買いますか、どうなるかわからないから買わないじゃないですか、僕はそう思うんですよ。やはり円で持っていて、低い定期金利でやったり積み立てをやる。円で持っていたいという気持ちがやはり普通だと思うんですよ。 ところが、この外貨準備というのは国民の金です。声を出せない国民の金を我々がお預かりして、それが諸外国と比べて何十倍も膨大に膨れている。これに、為替の安定を保たなきゃいけないから、またこれを準備しなきゃいけないからの一言で切られたのでは、大臣、私は納得できないんです。大臣の言葉をもう一度いただきたいと思います。いかがでございますか。
○与謝野国務大臣 外貨準備がどの水準が適正かというのはいろいろな説があって、一概には私は申し上げることはできないわけでございます。いずれにしましても、今の外貨準備の総額というのは、過去、その都度いろいろな事情があって、介入をしたり外貨準備をふやしたりという過去の政策の積み重ねであって、そのことはぜひお認めいただきたいと思っております。 例えば外貨準備を、日本が必要とする輸入に係る外貨、これの何カ月分にしたらいいとか、あるいは短期対外債務残高に対する比率で論ずるとか、今いろいろな論じ方をされている方があるんですが、これが絶対的な適正水準だというものはないというふうに私は理解をしております。
○下条委員 今おっしゃったのは、谷内教授の理論なんですよ。輸入額の三カ月分、短期対外債務残高の一年分、そうしたら二十七、八兆円ですよ。三分の一でいいということですよね。ただ、それでは言い切れないよと大臣はおっしゃっているし、ここで押し問答してもどんどん時間が行っちゃいますから、私は議事録に残したいというのは、ちょっと多過ぎるなと。 それで、もう一つ、僕がなぜこれを話すかというと、大臣、オバマ大統領は必ずトレジャリービル、政府短期証券を押しつけてきますよ、これから。私は、たまたまいろいろちょっとアメリカにも、皆さんのルートの千分の一ぐらいかもしれないけれどもありますけれども、アメリカは今、非常に財政出動を必要としています。そうしましたら、アメリカ自身が、オバマが、与謝野さん、麻生さん、また米国債をやってくれよと。決まっているじゃないですか、そんなの。ですよね。 ですから、それはそうじゃないかもしれないし、そうかもしれないと言うかもしれない。私はそう見ていますよ。アメリカが何にも、このアメリカの状態で日本国に、まあIMFでやらせましたけれどもね、中川さんが調印しちゃいましたけれども。IMFのことは一つ終わってしまったのでしようがない。でも、次に来るのは、アメリカのトレジャリービルをまたちょっとやってくれよ、アメリカは大変だと。そうすればアメリカに関しては日本もいいじゃないか、また日本国の皆さんの税金で買ってくれ、はい、わかりましたということになるんじゃないかと言っているので、その枠を最初に少し下げておくべきじゃないかというので実を言うと僕は言っているんですよ、大臣。 そこで、私は、アメリカが大増発すると言われているトレジャリービル、これをうまく交渉してできるだけ少なく引き受けてもらいたいと思っているんですよ。というのは、本会議でも私は麻生さんに申し上げたんですけれども、GDPに対し日本国の債務残高は一七一%ですよ。イギリス五〇、ドイツ六四、フランス七〇。アメリカは、今六五、六ですけれども、これは一〇〇近く行っちゃうでしょう。その中で、これは仮定になっちゃうので、仮定には答えられないという話になっちゃうと何だか質疑にならないんですけれども、あくまで私は提案ですよ、これから起こり得るだろうという中で、さらにまたこういうものを引き受けることによって日本国民の財産をさらに危険にさらす可能性があるとしたら、前もって少しだけ枠を落とすべきだ、そういう話ですよ、外貨準備を減らせというのは。 絶対、恐らくですけれども、そのうち新聞に載るようなことになるんじゃないか。やってくれと言ってくると思うんですね。そのときに、仮定でしょうけれども、もしやるとしたらどのぐらいお引き受けになるのか、それと、その根拠は何かを私は大臣にお聞きしたいと思います。
○与謝野国務大臣 米国債が長期資本市場で消化されるためには、それなりの、市場がそれを受け入れるだけの水準の魅力ある債券、すなわち一定の利息の水準があると私は思っております。 これは、日本の民間部門で米国債が売りに出されたときにそれを買うかどうかという判断は、まさにその米国債に付与された条件によるものだろうと思います。私どもとしては、引き受けるかどうかという民間の判断というのは、投資家の判断であり、また米国債の市場環境によって決まるものであって、こうした点で、日本政府として特段の対応をとる余地はないと思っております。
○下条委員 大臣、私が言っているのは、オバマが日本国に、日本国ですよ、どうだいと。IMFでもうちらの国が出せなかったらおたくが出して、きょう午後にIMFがありますけれども、中身は一年で返して延長はIMFの御自由にできるし、私はあれもちょっとやりたいなと思ったけれども、ちょっときょうは時間がないのでやりませんが、そういうふうにいろいろやらされているわけですよ。それで、さらに日本国に向かって、日本国ですよ、財務省さん、麻生さんに向かって、お引き受けどうなんですかと。 私ははっきり言って、大臣、断ってもらいたいんですよ。我々はあなたの国の為替リスクを何十兆も、さっき正直におっしゃっていた二十兆、三十兆しょいながら、これだけ引き受けたらもうおたくのは買えないよ、買う前にまず日本国の中の医療だとか景気とか、そっちに使わせてくれよ、じゃないと政府がかわっちゃうよ、そのぐらい言うべきだと思うんですよ、僕は。私は、こう言うということは、やはり断ってもらいたいんですよ。これだけ買っているんだからもういいじゃないか、日本の方がもっと大変だぞ、GDPに対して百七十何%も債務残高があるんだよ、あなたのところよりずっと自殺者も多いぞということをどんと言ってもらって、けっ飛ばしてもらいたいんですよ。そういう意味なんです、大臣。
○与謝野国務大臣 そんなことをするつもりは全くございません。 我が国の政府は、外貨準備の運用においては、米国債への投資を行っております。外貨準備については、今後とも米国債を中心に運用するという運用のあり方を変更する考え方はございませんし、仮に米国債が出された場合は、政府は十分に市場環境を考えながらお出しになるということは当然のことだろうと思っております。
○下条委員 ありがとうございます。 政治ですから、アメリカと日本の関係もありますし、そこに防衛も入ってきます。ただ、次の課題に出てくるんですけれども、日本が相当しりぬぐいしているんですよ、私に言わせてもらうと。だから、大臣も相当海外経験もおありなので思いますけれども、やはり日本という国は、そろそろこのお人よしシリーズをもうちょっとノーと言えるような日本政府にしないと、それには実を言うと政権の安定ということも必要だと思うんですけれども、そういう意味では早いところ解散して、どういう内閣になるか知りませんが、私は民主党がそんなに大勝ちするとも思えないし、自民党が大負けするとも思えないし、わからないです、拮抗するかもしれないですから。そういうせいでもって、安定した内閣にすべきじゃないかなという持論を持っています。 ただ、今、大臣おっしゃっていただいたのでそういう決意でぜひ、恐らくですが、IMFのときと同じでちょっとやれと。だって大臣、IMFも日本だけですよ、金を出したのは。ほかの国は、中国なんて交渉にしか使いませんから、金を出すのは。一元も出さない。日本だけは中川さんが調印しちゃいましたけれどもね、あの件で少し陰に隠れちゃっていますけれども。そういうことがあって、非常に私は、もうちょっと延ばしていいんじゃないかなという感じがしたし、もうちょっと交渉の中ではいと言ってもいいのかなという気もしましたけれども、これは政府がおやりですから、もうこれ以上申し上げません。 ぜひ今言ったように、来ても、いや、うちはこれだけあるんだ、これだけ国の、国民の財産が失われているんだぞ、もうこれは勘弁してくれというふうに断っていただく方が、私は、アメリカのトレジャリービル引き受けについては安定した日本の対応ができるんじゃないかというふうに提言しておきます。 次は、農林中金の問題であります。 これは私も昨年いろいろお話しさせていただいた中で、これも非常に評価損が多く来ている。例えば、外債等を含めて物すごく大きな部分を運用に回している。八十兆のうち六十兆を運用に回して、そのうちの半分近くが外債物、外国物でやっている。そこにいろいろな部分のミスが生じているということだと思うんですね。 例えば、東洋経済の三月七日号のスペシャルレポートに、農協さんと漁協さんから総額一兆九千億の増資を農中さんが集めていると。昨年の九月末で一兆六千億の含み損を抱えた農林中金さんは、増資でこの決算を乗り切るんじゃないかということに対して、身内増資で損穴埋め、やめられない国際運用というふうに出ていました。それから、決算書上の証券化商品の区分、決算バランスシートの区分を満期保有目的の債券に変更してしまう。満期保有目的の債券に変更して評価損の計上を回避するというふうに書かれておりました。これは、実を言うと、会計法上も許されるところではある、要するに隠してしまうということだと思うんですね。 そこで、私は海外が農中についてどういうふうに見ているかをちょっと調べてみました。 例えば、大臣御存じのスタンダード・アンド・プアーズがありますね、格付で有名な。たとえ一兆九千億の増資があっても、農協などの身内からの増資では、系統グループ内の全体で見れば資本のつけかえにすぎないというふうにスタンダード・アンド・プアーズは指摘しています。 それから、大臣も御存じの金融情報配信会社のブルームバーグ、これは物すごい、今こんな感じで伸びているところですけれども、そこには「揺らぐ「農林系金融」システム、アジア最大の巨額損失、農家に影響も」という記事になっている。そこにはもう一つさらに、百年に一度と言われる大不況なのにもかかわらず、アジア最大の損失を出していて、日本で農業や漁業に携わる人からお金を預かる農林中金が八千二百億円の巨額損失をしている、第一次産業を支える農林系統金融システムが今大きく揺らいじゃっている、こういうふうにブルームバーグで配信されちゃっているんですよ、全世界に。 私は、何を言いたいかというと、要は、いろいろな農林漁業に一生懸命携わっている方がいて、農協と県信、そこの余剰資金を農中さんに集めて運用する。その金額が、一億とか百億じゃなくて何十兆、六十兆ぐらいですね。約四分の一ぐらいが貸し金に使っているわけですから、残りの六十兆は運用にしている。私は、去年もこの委員会で申し上げたのは、余りにも運用に関して、失礼な言い方ですけれども、やはりちょっと素人の方も多くいらっしゃるような感じがしています。そんなことを言うと、失礼だなと言うかもしれないけれども、現実は結果ですから。 この体質を直すには、一つは、その運用部分のプロ集団を農中さんへやはり金融庁とか農林省の方から指示すべきだと僕は思うんですけれども、もう一つは、やはり体質的な問題があるんだと思うんですね。大臣御存じだと思いますけれども、県信さんとか農協さんが農家から集めた預金を運用できないわけですよ、貸し金がないから。例えば百万円入れたら、それに〇・一パーつけるんだったら、人件費入れて〇・三とか〇・五とか一パーで貸さなければプラマイ・マイナスになるじゃないですか。その部分のマイナス部分を農中さんが〇・八%報奨金で補って、それで維持しているというのが現状です。 ところが、問題はそこだと思うんです。それはいいけれども、〇・八%をキープするために農中さんで高い運用をしなきゃいけなくなっちゃったわけですよ。そこに僕は問題があると思うんです。問題というのは、高い運用をするためには、金利がよくてみんなが食らいついているところにどんどん行っちゃう。したがって、まだ表に出ていませんけれどもどかんという損失が、こうやってうたわれちゃっているわけです、世界配信の中に。農中の、アジア最大の損失になっちゃっている。 そこで、まず一つは、体質的な問題なんですが、その報奨金、奨励金というんですか、今〇・八パーですけれども、これを今のままの中で〇・八パーというものを引き続き奨励金として四年間維持するという話が私のところに来ていますが、ここはどうなのか、まずお話をいただきたいと思います。農林省の方ですね、お願いします。
○今井政府参考人 先生御指摘の農林中金の奨励金の問題でございますけれども、先生からの御指摘にもありましたように、信連等の会員から農林中金が預け金を受け入れているわけですけれども、それに支払われているものが奨励金というふうに呼ばれております。 先生から御指摘がありましたように、今回、一兆九千億円の会員からの資本調達をすることにしたわけですけれども、その際に中金の方からは、農協等の会員にも会員の経営も大変厳しい中でそういう負担をしてもらうことになったので、今まで払っている奨励金についてもなるべく維持できるように努力していきたいという決意表明がなされたと承知しております。
○下条委員 そうですね、そこです。 そこで、もう一つお伺いしたいんですが、これは農林省にお伺いしますけれども、私は、農林漁業は物すごく一生懸命、農林省を含めて汗を流していらっしゃって、これはもう本当に、私も一反五畝ぐらいしか田畑借りてやっていないですけれども、本当にすばらしい知識を皆さんお持ちだと思いますが、運用に関しては、失礼な言い方ですけれども、私はやはりプロの意見が必要だなと。 それも、農林省さん、こういうふうにやったらどうですかとほかから来る人たちは営業ですからね。例えば外資系投資家の顧問会社がぼっと近づいてきたりするのは営業ですよ、簡単に言えば。それで金をもらって、そこでマージン抜いて、あそこは全然わかっていないからこっち側へ回しちゃえ、八年後か十年後に債券の結果が出ればいいんだというふうなやり方をされるわけですよ。それに対して農中さんの中で、いや、待てよと。農中さんから給料をもらって、いや、ここはちょっとまずいですよ、これはきっとマージンをこれぐらい抜いていますよということを言える人を置かないと、これは六十兆、何十兆という話ですからね。それも、これが表に出たら、前にも私申し上げたけれども、農家の方は吹っ飛んじゃいますよ。私たちに預けた方が、失礼な言い方だけれども、その細かいところは一般の方もよくわからないじゃないですか。 ですから、私は、農林省さんの方が農中さんにそういう指導をすべきだということを昨年申し上げたんですが、やはりそういう給料をもらったファンドマネジャーがいる、これだけの何十兆というお金を運用しているんですから。今のままだと必ずまた出ますよ、ほかに手を出しますよ。どうですか、その辺、プロの集団を入れるというのは。
○今井政府参考人 お答え申し上げます。 農林中金は、これも先生からの御指摘がありましたように、系統金融機関の中央機関といたしまして、傘下の信連ですとか農協等の経営基盤を強化する重要な役割を担っております。そういうことでございますので、中金の運用というのは非常に重要なわけでございます。 その点、農林水産省といたしましても、これまでも系統金融機関向けの総合的な監督指針という中におきまして、最近非常に複雑になっておりますそういう金融商品等のリスク管理において、経営陣が十分な資質、能力を備えて、各事業部門が抱えるリスクについて適宜適切な報告が受けられるような、そういう統合リスク管理の態勢を構築する必要があるですとか、あとは、経営戦略ですとかリスク特性等に応じた適切なリスク管理を組織的、統合的に行う必要があるだとか、そういうことは監督指針の中で求めてきたわけでございます。 それに加えまして、昨年十二月にその監督指針を改正いたしました。その中におきましては、有価証券等、そういう投資に関する専門的な知識経験を有する人の確保というのが一層重要になっているという観点から、証券化商品等への投資においては、原資産のポートフォリオの運用管理を外部の関係者に依存していることから、関係者の能力、資質、体制等の把握、監視に努めているかどうかというのを監督の視点に新たに加えたところでございます。 御指摘のように、中金に対しましては、農林水産省といたしましても、より一層、投資の方針ですとか利益目標に見合ったリスク管理体制の高度化が図られるように、きちっと指導をしていきたいというふうに考えております。
○下条委員 今井さん、指導は大変よくわかりました。ちょっと時間の関係があってもう一個だけですが、それは私の言っている、少し給料は高いかもしれないけれどもファンドマネジャーみたいなのを農中さんが給料を払って置くように指導するということか、それとも体制的なものをきちっとチェックするように指導してという意味ですか。どっちですか、人間ですか。
○今井政府参考人 人間の資質を向上させるという面と、もう一つは組織としてしっかりとしたリスク管理等ができるようにするという二面でございます。
○下条委員 大臣、先ほどから私が申し上げているのは、要するに、簡単に言えば車の教習所みたいなものですよね。外債を農中さんに売ってくる連中はF1ドライバーですよ。ところが、そのF1ドライバーとこういう斜めになった練習場でやろうとしている農中さんの方々は、指導ですから、仮免か、本免受かったぐらいの感じだと思うんですよ。 私は、去年もこれは言ったんですけれども、そのうちファニーメイとかフレディーマックの結果の数字が出てくると思うんですね。そのときに何兆損したといったんじゃ遅いので、かつ、それは起きてしまったことは確かに僕はしようがないと思うんだけれども、今後の話として、金を出しても絶対置いた方がいいと思うんですよ。それは農中さんが自分の農中のため、そして、農業者から集めた何十兆の運用を任せるのに外部の人に任せるというのは、大臣、外部は営業なんですよ。私もさんざんやりました。その会社のためと言いながら、自分の懐に決まっているわけですよ。投資顧問会社というのは、私は余り言うとこれはちょっともといた仲間を非難することになっちゃうが、要するに営業ですから、営業マンに対抗できる知識を持った人を農中の中にファンドマネジャーとかにして、高い給料かもしれないけれども置く必要が、農家から集めている六十兆、八十兆の金の中に必要だよという話を私はしているんです。 それに対して今のお答えは、指導をする。そういう人の育成をするという話だと思うんですが、それじゃ遅いという話なんですよ。もう既にブルームバーグとか等々で全世界に向けて、アジア最大の損を出すと言われているんですよ、農中さんは。今は余り表に出ていません。ほかのことでいっぱいになっちゃって、日本国内余り新聞にも出ていないと思うんですけれども、ただ、それだけのマイナスをこうむっているのに、そこにやはり、農林さんとしてはいっぱいだと思いますけれども、今度は逆に金融庁の、監督庁の責任者として果たしてこのままでいいのか。 というのは、この間の委員会でたしか大臣が、私のところの選挙区には農家はないとおっしゃっていましたよね。嫌な言い方ですけれども、御地元には余り関係ないかもしれませんけれども、ここの委員会の委員にはほとんど関係している話で、自分の地元の一生懸命納めたものを、共済とか納めたものを、運用をやっているところのマネジャーが、こうやってマイナスでもう結果は出ちゃっているんですから、もうちょっとプロ集団を雇うようにやはり指導すべきじゃないかというのが僕の意見なんですよ。いかがだと思いますか。
○与謝野国務大臣 農家はありませんけれども、全農が私を推薦しておりますので。 個別の金融機関の中身について私が担当大臣として言うことはできないんですけれども、一般論として申し上げれば、先生のおっしゃっていることは、リスク管理がちゃんとできる、あるいは、世界じゅうの投資環境をちゃんと知っている人に、多少給料が高くてもそういうきちんと有能な人を雇って大事な農家の方々の預金を守れ、うまく運用しろ、そういう御趣旨でしたら、一般論として、それぞれの金融機関がリスク管理体制の維持、高度化ということを図ることは、経営の健全性の確保の観点からも大事な御指摘だと私は思います。
○下条委員 私のことを褒めていただくのもありがたいんですが、大臣、ぜひ金融庁の頭として、これはしばらくすると結果が出ますよ。今、住宅公社のを何兆も、五兆も六兆も持っているんですよ、農中さんが。まだ評価損の段階ですけれども、それは損に出ますよ。そうすると、この三月末の増資一兆九千億ぐらいじゃ間に合わなくなります。そのときに何が起きるかわかりますよね、大臣。公的資金を注入するんですよ。 だから、これは議事録に残りますから、そのときに十分に委員会で審議をして、その監督庁としてそれに対して対応をとったのであれば、私は、ああ自民党もさすがやる手はいいなと。でも、言われても結果的に、いや、それはしようがないな、選挙が終わってから公的資金を入れるしかないなというんだったら、じゃなきゃ農家の納めた金が吹っ飛んじゃうわけですから。大臣、それを僕は心配しているんですよ、実を言うと。 だから、その指摘はすばらしいなんて言われても、僕は何にもうれしくも何ともないんです。これは今この場で言いにくいかもしれない、だから僕は政権とりたいんですけれども、金融庁の長として、これは本当に大きな話になって、皆さんから農家が離れるんですよ。だけれども、それはこういう手を打っている、そしてこれからこうするということをきちっと明言するようにしていただきたい。もう一度、お答えいただけませんか。
○与謝野国務大臣 それは、リスク管理もあるいは運用もきちんとやるように、常に金融庁もすべての金融機関に対してそういう態度で臨んでおります。 個別金融機関について云々するということはできませんけれども、やはり、こういう危機の時代を迎えて、なお一層、金融行政もしっかりとした心構えですべてのことに当たっていく、これはもう当然のことであると思っております。
○下条委員 残念ながらお答えを余りいただけないですけれども、こういう指摘をさせていただいて、それは最終的には国民の税金を、資本の増資だけでは間に合わなくなったときに、明確に損失が出たときに補てんしなくて済むように、保険を掛ける意味で私は提言させていただいたということを議事録に残させていただきましたけれども、ぜひ頭の隅にとめながら、本当に雇った方がいいですよ、農中さんは。やった方がいい。 はっきり言って、彼らはハゲタカですよ。だから、嫌な言い方ですけれども、郵政民営化もそうですよ。私がアメリカにいたときに、クリントンのあれに入ったときに、外資系ファンドがしょっちゅうクリントン大統領のところに来ていましたもの。目の前で日本の郵政は民営化しろと言っていました。私はそのときは、そんなことあるわけない、あり得ないと。なっているじゃないですか。ですから、私が言いたいのは、絶対に農家の宝を守るためには監督官庁の指導が必要だということを明記させていただきたいと思っています。 ちょっと時間がないので、あと一個だけ最後に聞きたいと思いますけれども、私もきのう財務省の方とお話をさせていただいた中で、財政出動、これはもう本当に大変だと思います。どんどんどんどん金が出ていく。それに対して、裏支えは赤字国債とかいろいろなことをやらなきゃいけない。その中で、最初に言ったのは、外貨準備を少し減らして、それを円にしてそっちに回すべきだという話をしましたけれども、大臣、何でこの日本は個人の方を含めて消費がいつまでたっても上がってこないと思いますか。ちょっとお答えいただきたいんです。何で上がってこないのか、ちょっとざっくりした質問ですけれども。
○与謝野国務大臣 一つは、需要が一巡していること、将来に対する経済の見通しが立たないから消費を手控えている、この二点だと思います。
○下条委員 論客の大臣に大変失礼な質問かもしれませんが、全くそのとおりなんですが、もう一つは、私のつたない経験でいきますと、非常に所得が低い方はもともと、実を言うと、失礼な言い方ですけれども、日本の商業上、経済上に、言いにくいんですけれども、余りそれほどプラスマイナスがないんですよ。問題は、所得がある程度あってそれが預金におさまっていて、もしくは高い人、低い人、中ぐらいの人、その人たちが、預金を持っている人たちが実を言うと一番景気に影響してくると私は見ています。要するに、失礼な言い方ですけれども、所得が低い方々は景気に対してほとんどない。上、中、下、そして高い人が景気にすごく影響を持っていると思うんです、消費に対して。 その消費の原点は、私は預金金利だと思っているんですよ。要は、どの人も、今大臣がおっしゃったように、将来不安があるわけです。将来に不安がある。将来の不安の原点は、自分の手持ち資金がふえないからです。今、日本の中におよそ五百兆預金があります。この五百兆の預金、今ほとんどゼロじゃないですか。幾らためていても、政治のテレビを見ながら、ああ、だれが何したかにしたと見ていて、これは不安だ。息子も何か派遣がリストラになっちゃった。子供も何か、とてもじゃないけれども、二人目、孫と言えない、産ませると言えなくなっちゃう。その中で、何かというと、やはり本当に預金を持っている人たちが使わない限り、消費は上がらないと僕は思うんですよ。消費を上げるための原点は、僕は預金だと思っているんですね。 例えば、これはざっくりと僕の大胆提案です。もう時間が来ちゃったので最後になっちゃうんですけれども、例えば五百兆の預金に〇・五%の金利をつけると、負担が年間で約二兆五千億ですよ。二兆五千億あると、例えば百万円、年金でやったおばあちゃんたちはそれに幾らかお金がつく、税金はもちろん引かれますけれども。それで物を買いに行ったりするということも僕はあると思うんですね。 もう時間がないので、ちょっと大ざっぱな話になってしまったんですけれども、財務省がもしこれからいろいろな財政出動をするんだったら、私は、最も効果的なのは実際のお財布の中のお金をふやしてあげることであるというふうに思っているんですよ。お財布というのは預金ですね。預金、五百兆ありますから、たんすはちょっと除きまして。これに少しだけ金利をつけてあげる初動動作をやるだけ、一年間で二兆五千億ですよ。 お金を持っている人たちがお金を使わないから不景気だと僕は思っています。ですから、ここに僕は金利をつけるべきだと。五百兆に、〇・五でも〇・三でもいいですよ。そのお金は、さっき言った、いろいろなものがありますからそっちから、きょうはちょっと時間が五十分しかないので、申しわけないです、もう時間が来ちゃったんですが、こういう発想があるとは思うんですが、その辺、意見だけ聞いて終わりにしたいと思います。いかがでございますか。
○与謝野国務大臣 国が補助金を出すかどうかという話ではなくて、今の預金金利が所得配分として正しい水準か、今の利子の水準が資源の適正配分からいって適正かという問題があって、私は、今の状況ですから、預金金利を上げた方がいいなんということは申し上げられる状況ではありませんけれども、通常であれば、やはり自分の得た所得を預けられた方には、日本全体の付加価値のある部分がきちんと行かなければならない。これは、今の預金、定期預金の〇・一%という水準は低過ぎるんだろうと思っております。
○下条委員 ありがとうございます。 時間が来てしまっていましてあれですけれども、今後の課題としてちょっと提案をさせていただきたい。それの方が本当に手が届くところに、要するに自分で持っている金につくわけですから、それは三カ月でも半年でも、ついてくるわけですよ。この方がよっぽど出す金が少なくて効果があると僕は思いますし、一つの提案をさせていただきます。今後またお話しさせていただきたいと思いますけれども、時間が参りましたので以上にいたします。 どうもありがとうございました。
○田中委員長 次に、佐々木憲昭君。
○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。 与謝野大臣は折に触れて、宮本太郎さんの「福祉政治」という本をこの委員会でも御紹介され、ぜひ読むようにということも言われまして、私も読ませていただいたんですが、日本において、生活保障を支えるものとして、福祉レジームと雇用レジームと二つの柱がある、そういう角度から分析をされております。 この中で、こういうふうに書かれているんです。 二十一世紀に入ってからの数年間、小泉首相のイニシアティブの下で日本は改革ブームに沸いていた。市場原理を打ち出す改革によって、長い間社会に絡み付いていた利権が払拭され、日本に活力が蘇ることを期待した人は多かった。ところが、小泉、安倍両政権による改革を経て、人々はしだいに格差の拡大や生活不安に気がつき始めた。もはや改革を叫ぶだけで人々の期待を集めることは難しくなった。だからといって、かつての利益誘導政治の復活も決して人々の望むところではない。 こうして日本の政治は、長期的なビジョンを欠いたまま、当面の支持拡大が見込まれることに次々に手を出す、その場しのぎの政治となりつつある。 こういうふうに書かれていまして、なかなか的確な指摘だなと思いますが、与謝野大臣、どのように受けとめておられますか。
○与謝野国務大臣 宮本太郎先生の本は、我々が見落としていた点を見事に指摘されておられて、大変立派な著作だと私は思っております。 その中で、我々が気がつかなかった点だけ申し上げますと、やはり日本の社会の中には、家族が提供していた社会保障というか、そういうものがあった。それから、終身雇用という制度を通じて、やはり会社、社会が一定の社会保障制度というもの、安心感というものを提供していた。そういうものが次々に壊れてきた。 こういう御指摘をされて、私らは少なからぬ衝撃を受けたというのが、その本のまず第一の印象でございます。
○佐々木(憲)委員 まさにそういうことだと私も思うんですね。問題は、そういう場合に、政府として、政治として、一体何をすべきなのかということだと思います。 この本が指摘しているように、小泉改革というものは、そういう日本の生活保障を支えてきたレジームそれ自体を壊す方向に行ったのではないかと。小泉内閣以来を振り返りますと、例えば社会保障について、自然増を毎年二千二百億カットする、その枠組みをつくり、それを推進して、そしてかなりぎりぎりのところまで来て、今にっちもさっちもいかないというような事態になっております。 生活保護制度では、老齢加算ですとか母子加算、こういうものを廃止するとか、あるいは児童扶養手当のカット、こういう形で、国としての福祉を支える仕組みを後退させてきた。例えば、母子家庭に対する児童扶養手当の場合は、もともとは国が一〇〇%出していたわけですけれども、今では三分の一。そういうふうに、貧困と格差を拡大する要因を政府みずからが加速させてきたんじゃないか、こういうことがあると私は思うんです。 きょうは時間が余りありませんので、一つの問題に絞って議論をしたいんですが、一人親世帯、お父さんかお母さんどちらかが欠けている世帯、お父さんと子供の世帯あるいはお母さんと子供の世帯、これは、今こういう経済情勢のもとで大変深刻な生活の実態になっております。最近は、請負とか派遣などが真っ先に切られるということで、こういう世帯が大変な生活難に陥っているわけです。 父子世帯の場合をきょうは特に取り上げたいんですけれども、一般の世帯と比べると、収入は六割程度であります。母子世帯はもっと低いわけです。こういうところに児童扶養手当というのが支給されていますけれども、今は母子世帯だけなんですね。父子世帯は一律に除外されております。 きょう厚生労働省に来てもらっていますが、確認したいのは、父子世帯の数というのは現在どうなっているか。平成十二年の調査と十七年の国勢調査、それぞれの世帯数を示していただきたい。いかがでしょうか。
○北村政府参考人 お答えを申し上げます。 父子世帯の数でございますけれども、平成十七年の国勢調査によりますと、父と子のみで構成する世帯の数は、平成十七年十月一日現在におきまして約九万二千世帯でございます。なお、平成十二年の調査では八万七千三百七十三世帯ということで、約八万七千世帯というふうになっております。
○佐々木(憲)委員 この数字は、独立して父親と子供のみで構成している世帯であります。しかし、おじいちゃん、おばあちゃんのところに一緒に住んでいながら父子世帯である、こういう数字はこの中には入っていますか。
○北村政府参考人 お答えを申し上げます。 この国勢調査の数字でございますけれども、委員御指摘のとおり、父と子のみで構成する世帯の数でございます。
○佐々木(憲)委員 したがって、父子世帯という場合の数が、今、九万何世帯というふうに言われましたが、実態はもっと多いわけです。 私は、昨年六月に、一人親世帯への支援に関する質問主意書というのを出しました。児童扶養手当が母子世帯だけに支給されて、父子世帯に対しては一律に排除されているというのはおかしいということで指摘をしたわけです。 今、父子世帯というのは大変な、もちろん母子世帯の方が困難かもしれません、しかし、父子世帯も大変な困難を背負っておりまして、私のところに寄せられたメールがあります。こういうふうに訴えているわけです。 私は、小学校三年生、それから小学校二年生の子供二人を抱える父子家庭です。私の母親と同居していますが、母親の年金プラス私の収入だけではとても生活していけません。娘が入院すると、私の母親が娘に付き添うため、息子が風邪を引いたりすると、私が仕事を休んで面倒を見ている状態です。こういうふうに訴えているわけですね。 それから、次のような例もあります。 例えば、以前勤めていた会社、月に四十時間から六十時間の残業があった。保育園の迎えに支障がないようにということで、父子世帯になって退職した。その後の転職先も、私は子供がいるので残業はできませんと言いますと、それじゃ仕事を任せられないということで、三カ月でやめざるを得なかった。職探しを続けたけれども、残業なしでというふうに言えば、もう鼻でせせら笑われて面接も受けられない、こういう事態になる。現在、この人は派遣社員で働いているけれども、月収は正社員時代よりも五万から七万減って、二十万円を下回った。子供の病気で休めば、派遣社員ですから、休んだらもうその分給料はない。こういう形で非常に深刻な事態になっているということなんですね。 与謝野大臣にここで感想を聞きたいんですが、こういう父子世帯の実態ということについてどのように思われますか。
○与謝野国務大臣 以前は、女性と男性というのは多分役割が違っていると私は思っていたんですけれども、例えば子供が生まれたときに父親が休暇をとれるとか、新しい制度がどんどん導入されるにつれて、今先生が言っておられたような父と子の家庭というものをどう取り扱うことが正しいのか、例えば子供の養育という観点からどういう考え方をすれば正しいのかということは、やはり真正面からちゃんと議論して取り扱わなきゃいけない問題になってきたんじゃないかなと。 これは、私どもの役所の担当というよりは厚生労働省の仕事なんですが、まずは厚生労働省できちんとこの問題を議論していただきたい、考えていただきたいと思っております。
○佐々木(憲)委員 数字を確認しますと、父子世帯で年収二百万に達しない世帯は一六・一%、それから、三百万に達しない世帯は三七・二%なんですね。この統計は厚労省の調査だと思いますけれども、何世帯を調べてこういう統計になったんでしょうか。
○北村政府参考人 お答えを申し上げます。 委員御指摘の数字でございます。これは全国母子世帯等調査結果報告に基づくものでございますが、この集計客体総数でございます、母子世帯は一千五百十七世帯、父子世帯は百九十九世帯ということでございます。
○佐々木(憲)委員 これは百九十九世帯の調査なんですよ。サンプルとしては非常に小さいんですね。 もう一つお聞きしますけれども、児童扶養手当が一部でも支給される対象というのは、母子世帯の場合、年収幾ら以下の場合でしょうか。
○北村政府参考人 お答えを申し上げます。 児童扶養手当につきましては、子供の数によりまして所得制限が変わってくるわけでございますけれども、扶養親族の数が一人の場合でいいますと、本人全部支給の場合、収入額でいいますと百三十万円、所得額でいいますと五十七万円、一部支給の場合は、収入額三百六十五万円、所得額でいいますと二百三十万円などとなっております。
○佐々木(憲)委員 今御紹介いただきましたように、一部支給、一部でも支給される場合は、年収が三百六十五万円以下の場合には支給対象になるわけです。今、父子世帯の年収が三百万円以下、三七・二%あるわけですよ。本来なら、こういう方々は支給対象になって当たり前だと私は思うわけです。 三百六十五万円以下の父子世帯は何世帯あるのか、そういう調査はどうかということで厚労省に聞いたら、やっていないと言うんですね。ですから、これはまことに実態把握がずさんというのか、正確に把握されていない。 ですから、私は、ここで非常に問題だと思うのは、母親なら受けられるけれども父親だから受けられないという、条件は全く同じ、あるいは基準に達しているにもかかわらず、男だという理由だけで排除される、これは余りにもおかしいのではないか。余りにもおかしいものですから、私は質問主意書で質問したんですけれども、法律の建前が母子世帯となっているから男は入らないんだ、こういう話なんですね。それなら法律の方を変えなければならぬと私は思うわけです。 例えば、つい最近、国会の衆議院の内閣委員会での三月十三日の議論がありまして、ここで小渕少子化担当大臣が次のように答えているわけです。 これまで、父子家庭の平均年収が母子家庭の二倍となっていることを理由に、一律に父子家庭を排除しているということでありますけれども、父子家庭の中には、今お話がありましたように、低収入の中でぎりぎりの生活をさせられている方もおられますし、また、女性に比べると家事や育児になれない中で大変な思いで子供を育てている方々も大変おられるのではないかというふうに思います。 最近では、父親の子育てを支援するNGO法人が、低所得の父子家庭を支援するための基金を設置するなどという動きも出てきておるわけであります。こうした動向を踏まえつつ、児童扶養手当の父子家庭への一律適用除外について、私自身、見直す必要があるのではないかと考えておりますので、厚生労働大臣にもそのように訴えてまいりたいと考えております。 このように、民主党の泉議員にお答えになっているわけです。 私は、この答弁は前向きのいい答弁だと思うんです。当然、これは検討する。厚労省としては、この小渕大臣の答弁に対応して、一体どういうことをされる、どういう検討をされるんでしょうか。
○北村政府参考人 お答えを申し上げます。 先ほどお話のありました母子家庭の母でございますが、そもそも、働いた経験も少ない、あるいは、結婚とか出産とかによりまして働くことを中断されていたといったようなこと、さらには、事業主の母子家庭に対する理解が実際には不足しているといったようなさまざまな事情にございまして、母子家庭の就職あるいは再就職に困難を伴うことが非常に多い、あるいは就業しても不安定な雇用条件にあることが多いということから、児童扶養手当は、このような母子家庭という特に社会的に厳しい状況に置かれている世帯に着目して支給されているものでございます。 他方、父子家庭について母子家庭と同様に児童扶養手当を支給することにつきましては、この制度を創設したときの経緯、父子家庭の就業をめぐる状況、収入の実態、あるいは一般のほかの低所得世帯との均衡、そういったものを十分に考慮しながら、慎重に検討すべき課題であるというふうに考えているところでございます。
○佐々木(憲)委員 何というか、慎重に検討するというのは何もしないということと非常に近いのでありまして、本来、内閣を構成している大臣、小渕大臣が、これは私は問題だと思うので再検討すべきだ、こう考えているわけですから。厚労大臣にもこのことを訴えたいと言っているわけですね。当然、厚労省は、前向きに検討いたしますと言うのが当たり前なんですよ。大臣ではないので答えにくいという面も確かにあるかもしれない。 しかし、先ほど私が御紹介したような実態を考えると、男だから一切必要ないなんという話はもう通用しない。母子世帯自体も深刻だからもっと改善しなきゃならぬし、国がカットするようなことも、絶対これはもとに戻すべきだと私は思いますし、同時に、父子世帯に一切やらないというのは間違っていると私は思うんです。 そういう意味で、当然これは、男女差別といいますか性による差別、そういうものにもつながってくるような問題でありますし、実態を全く反映していない、あるいは理屈が通らないというふうに思うんです。 最後に、与謝野大臣、こういう問題を一つ一つ解決することが、まさに福祉政治という方向に向かう一つになるんじゃないかと私は思うんですけれども、大臣のお考えはいかがでしょうか。
○与謝野国務大臣 小渕大臣をちゃんと激励いたしたいと思っております。
○佐々木(憲)委員 激励して、督促し、内閣としてそういう方向に進むように、与謝野大臣は財政の担当大臣ですから、ばんとお金を出しますということでぜひやっていただきたい、最後にそのことを申し上げまして、終わります。
○田中委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時三分休憩 ————◇————— 午後一時六分開議
○田中委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 内閣提出、国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、参考人として日本銀行総裁白川方明君、副総裁西村清彦君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として内閣府大臣官房審議官梅溪健児君、法務省大臣官房審議官甲斐行夫君、財務省主計局次長真砂靖君、主計局次長木下康司君、国際局長玉木林太郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○田中委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鈴木馨祐君。
○鈴木(馨)委員 自由民主党の鈴木馨祐であります。 きょうは質疑の時間をいただきまして、まことにありがとうございます。ちょっと花粉症と風邪を併発いたしまして、多少聞き苦しいところがあるかと思いますが、御容赦いただければと思います。 きょうは、国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案についての審議ということでございます。非常に今厳しい経済状況の中で、日本国内も非常に厳しい中で、こうした国際機関への拠出増資、こういった点についてはいろいろな議論が国内でもあるところであります。そういった中で、今、こうした増資あるいはいろいろな形での出資ということ、貸し付けということ、こういったことをやっていく意義というものを一つ一つ明らかにしていけるような質疑をさせていただきたいと思います。 では、まず最初に、まさにこの法案の中のメーンの部分でありますけれども、今回の増資の意義というものについて、副大臣よりお答えいただければと思います。
○竹下副大臣 鈴木委員御承知のとおり、国際的な信用不安の中で、IMFあるいは国際的なさまざまな機関の果たしていく役割というのは増大をしておるわけでございます。 今回の増資そのものは、実は、アジア通貨危機を受けた後、世界経済の実態をIMFにおける出資割合により正確に、よりよく反映させるために、特にアジア諸国の発言権を拡大するためということもねらいとして、我が国が主導をいたしまして、二〇〇八年四月に加盟国間で合意が得られたものでございまして、それを今、委員会の方にお願いをさせていただいておるところでございます。 ただ、その後、去年の九月十五日以降、国際的な金融あるいは経済危機が深刻化をいたしまして、IMFがやらなければならない仕事というのが物すごくふえてきております。現実に、今もう既にウクライナとかハンガリー、アイスランド、パキスタン等々、多くの国に支援をしなければならない状況が起きてきております。こうした状況のもと、四月二日、来月二日でございますが、ロンドン・サミットでも、IMFのさらなる資金基盤の充実が議論される予定でもありますし、今回の増資はまさにその前段となるべきものでございます。 与謝野大臣が出席をいただきましたロンドン・サミットの準備会合でもございます三月十四日のG20の財務大臣・中央銀行総裁会議の声明においても、この二〇〇八年四月に決定されたクオータ、割り当てと発言権の措置は、迅速に実施されるべきである、こうされておるところでございます。
○鈴木(馨)委員 ありがとうございます。まさに今おっしゃったように、今回の法律案は非常に大きな意味があるんだというふうに思っております。 IMFの場合は御存じのように、出資の額と、そしてクオータと言われるように、実際に投票権、これが今リンクしている状況になっているわけであります。それが国連などとは大きく異なる仕組みとなっているわけでございます。 そういった中で、ただ、私は外の目から、国連への出資と例えば世銀、IMFへの出資、これを比べた場合に、実はこれはどちらも、どうやってその比率を決めているかと言われれば、世界経済の中に占める日本の経済の相対的なシェアによるんだというふうなことをいろいろ聞くわけです。しかし、実際にどうなっているかといえば、例えば国連においては日本の分担金の比率は一六・六%です。それに比べてIMFでは、今回この法案が通過した後の増資後のクオータのシェアでも六・二三%。逆に、国連においては、例えば日本が一六・六に比べてドイツ、フランス、イギリス、こういったところは八%、六%といった分担金です。その一方で、世銀、IMFといったこうした機関においては、日本とほぼ同じような投票権のシェアを持っているという状況になるわけであります。 これをちょっと横目で斜めに見てみれば、言ってみれば、国際社会の中で、一国一票、幾らお金を出しても発言権が変わらないという国連においてはより多くのお金を出していて、そして発言権と出資のお金というものが密接にリンクをしている、こういった国際機関においてはなかなか拠出を許されていない、そういった実情もあるのかなという気がしてならないわけであります。 そういった中にあって、私は、こうしたずれというか、それぞれの国際機関の性質ごとで国際社会の要請で我が国の国益というものがなかなかストレートに出せていない今の状況というものについては、これは政府一体となってどうにかしてこの状況を変えていくという努力がやはり必要なんじゃないかなというふうに考えているところでございます。そういった中にあって、今回の増資というもの、これは日本を含めたアジア諸国の発言権の増大、かつて、かなり昔の世界経済の状況の中で決められていたこれまでのボートのクオータシェアというもの、それを拡大するという方向ですので、私はこれは一つの大きな一歩ではないかなというふうに評価をさせていただきたいと思います。 先ほど、与謝野大臣が御出席をされたロンドンでのG20の話がございました。そのコミュニケの中で、次に、今回の増資が終わった後二〇一一年に向けてIMFのクオータの見直し、これをまた求めていくんだといったようなことが含まれていたかと思います。そうした交渉において、日本としてこれからどういった立ち位置で、どういった方向性でお考えなのか、お答えをいただければと思います。
○与謝野国務大臣 先般ロンドンで開催されましたG20財務大臣・中央銀行総裁会議において、新興国、途上国は、最貧国を含め、より大きな発言権と代表を有するべきであり、次回のIMFクオータの見直しは、二〇一一年一月までに結論を得なければならない旨合意されたところでございます。 今後、こうした方針のもと、IMF等の出資シェア及び投票権シェアの見直しを含む増資のあり方について、加盟国間の出資割合が世界経済における相対的地位をよりよく反映したものとなるよう、加盟国間で議論が行われることになると考えております。 日本としても、昨年合意された増資においても主導的な役割を果たしてきたところであり、引き続き積極的に議論に参画してまいります。
○鈴木(馨)委員 ありがとうございます。 まさに、国際機関あるいは国際政治というものは、言ってみればそれぞれの国の国益というものがまずあって、ある意味でその後づけとしてルールがあるような面がなくもないわけであります。 実際、このIMFのクオータにしても、今現在アメリカの比率が一六・七三%。実は、IMFにおいては、理事会において幾つかのテーマにおける投票においては八五%の承認が必要だという事項がかなりあります。アメリカは一六・七三%を持っているということで、事実上そういった事項に関する拒否権を持っている状況にあるわけであります。恐らくそうしたことをアメリカとしては守っていきたい。あるいは欧米諸国についても、かつて自分たちの経済力が強かったころ、そのころの比率ということで今のシェアが維持をされているわけですから、そういったものを守っていきたい。そういったそれぞれの国の思惑があるんだと存じます。だからこそ、日本としても、そしてアジア諸国の一員という意味でも、これからぜひともそういった方向で鋭意交渉に当たっていただければというふうに存じております。 次に、またIMFの関係のガバナンスの議論になりますが、IMF、世銀、このトップの人事ということをこれまでつぶさに見てまいりますと、どうも、IMFにおいてはヨーロッパから、そして世銀においてはアングロサクソン系の国から出てきている、そういったこれまでの流れがあるように存じます。 かつてアジアからもIMFの専務理事、こういったものを出そうという動きもあったかに思いますけれども、そういった意味で、これからますますこうしたガバナンスの透明性ということ、これを、クオータの議論も含めて高めていく必要があると思うんですけれども、そういったことについて、御所感があれば伺えればと思います。
○玉木政府参考人 IMFあるいは世銀といった国際金融機関の正当性、レジティマシーや有効性を向上させるという観点からは、これらの機関が、先ほど御説明申し上げましたように、世界経済における加盟国の相対的地位の変化を十分に反映するとともに、それとあわせて、御指摘のとおり、ガバナンスにおける透明性の向上、なかんずくそれらの機関のトップの選出ということは非常に重要なテーマだと思っております。 先般のG20におきましても、国際金融機関の長、これはIMFに限りませんが、国際金融機関の長は、開かれた実力本位の選任プロセスで選ばれなければならない旨合意され、明記されております。こうした合意を踏まえて、IMF専務理事の選出方法も含め、IMFや世銀のガバナンスにおける透明性の向上に取り組んでいく必要があると考えております。
○鈴木(馨)委員 ありがとうございます。引き続き、そういった方向でしっかりと取り組んでいただければと存じます。 次に、多少話題をかえますが、麻生総理が昨年表明をされたIMFへの一千億ドルの拠出の話でございます。 よく今回の法案の中身と混同のしがちな件ですので、この拠出の位置づけ、あるいは、これまでの出資といったものとどう異なるのか、どういった使われ方をするのか、そういった点について、そして加えて、先ほど大臣もおっしゃっていましたけれども、IMFの資金基盤は今非常に揺らいでいる、厳しい状況であります。そういった中で、昨年の日本の取り組みを含めまして、これからさらなる資金基盤の増強ということが求められるんだというふうに思いますが、そういったところについて日本政府としてこれからどういったスタンスで臨まれるのか、お答えをいただければと思います。
○与謝野国務大臣 昨年十一月に、金融・世界経済サミットにおいて麻生総理は、危機に対応してIMFが必要な支援を行うために、IMFに対する加盟国の出資総額を例えば倍増することを提案し、増資が実現するまでの当面の対応として、IMFへの最大一千億ドルの融資を行う用意があることを率先して表明したところでございます。 その後、米国は、IMFの多国間借り入れ取り決めである新規借り入れ取り決めを五千億ドルまで増額することを提案し、またEUは、EU各国からIMFに対する総額七百五十億ユーロの融資供与を表明するなど、緊急の必要性にかんがみ、加盟国からIMFへの融資という手法でIMFの資金基盤増強を行うことが国際的な議論の流れとなってきております。 IMFは加盟国による出資を資金基盤とする機関であり、先般のG20財務大臣・中銀総裁会議の声明においても、次回の増資の検討期限を二〇一一年一月に前倒しすることが合意をされております。日本としては、IMFのさらなる増資の検討も含め、資金基盤の強化に関する議論に積極的に参加してまいりたいと考えております。
○鈴木(馨)委員 ありがとうございます。 今まさに金融危機のさなかでございまして、IMFのこれから先の役割というものもますます求められていくんだというふうに考えております。そういった中で、まさにIMFはそれぞれの国の拠出、出資によって今その運営が成り立っているわけですから、こういった点についても、日本の国益ということも含めて、厳しい議論をこれから先ぜひとも続けていただきたい、そう思っております。 次に、先ほど、今回の法案の背景にあるのが、一九九七年から八年のアジア経済危機における、そのときのIMFの教訓というか、そのときから来るアジアの各国の発言権の増大の必要性といったところにあるというふうに伺いました。 そういった中で、前回の東アジア金融危機と今回の金融危機、経済危機、これの構造的な、性質的な違いということなんですけれども、これは、私もはっきりとしたことは当然言えませんし、素人でございますのではっきりとしたことは言いかねますけれども、ただ、恐らく前回は、世界経済の輪っかの中の非常に弱い部分に急激にしわ寄せが行って、まず為替の、たしかタイ・バーツから始まったと思いますけれども、そこから、危機の連鎖というものが途上国から始まっていった、そういった状況になっていたんだと思います。その一方で、今回は、アメリカのサブプライム、欧米を中心として金融が一気に機能不全に陥って、それから実体経済、だんだんと世界同時に影響が出てきている。 そういった意味で、いろいろな意味の違いというものがあるのかと思いますけれども、そういった点について大臣の御所見というか、前回の東アジア金融危機と今回の金融危機、経済危機、その性格の違いというものをどういった形で認識をされているのか、財務省の方から御答弁いただければと思います。
○竹下副大臣 鈴木委員御指摘のとおり、前回のアジア金融危機の場合はタイ・バーツが確かにスタートでございました。あのときは、いわば通貨危機、ドルペッグであった国々に欧米からお金が流れ込んでいたのが急速に引き揚げる、そして通貨が大幅に下落するという通貨危機というのが非常に大きな側面であった。今回のきっかけは、証券化商品ですとかデリバティブといったものも含めまして、いわば金融セクター全体の危機であるという、まず基本的な違いがそこにありますし、お話がありましたように、基本的には、アジアに限定された危機と、今回はアメリカがいわば発信源になって、端的に言うとあっという間に世界じゅうに広がっていった、なおかつ深まっていった、そしてあっという間に実体経済に大きな影響を及ぼしたという点は大きな違いであろう、こう認識をいたしております。
○鈴木(馨)委員 ありがとうございます。まさにそのとおりだと思うんですね。 前回のような東アジアというかアジア金融危機のような状況であれば、これは、例えばヘッジファンドの規制という意味で貸し手の側のそういった監督をしていくとか、あるいは弱い通貨、そういったところについていろいろな形の対処をしていく、言ってみればIMFが、国際通貨基金という通貨の部分ですから、まさに対処をすることが求められる、まさにストライクゾーンの問題だったのかなというふうに思います。しかし、今回のような危機だと、各国のそれぞれ国内の金融システムあるいは金融の状況、こういったところに何らかの処方せんを出していかなくてはいけない。そして、処方せんに加えて、実行という意味でもいろいろなものが求められるんだと思います。 そういった意味で、これは本当にIMFで対処できるのか、どういったやり方があるのか。そして、実際のところ、これは内政干渉と言われる可能性もあるのかもしれませんが、それぞれの国の国内の金融システムのサーベイランス、そういったことをきちんとできるのか。こういった点について御答弁をお願いできますでしょうか。
○竹下副大臣 アジアの通貨危機のときにIMFが結果として支援に乗り出した。ただし、本音で言いまして、それを受けた各国の中には、IMFの課したコンディショナリティー、条件が余りにきつ過ぎるんじゃないかという不満が残って、本当にIMFによる解決が一番の正解だったのかねという思いがアジアの国々の中にはまだ残っていることは紛れもない事実でございます。しかし、だからといってIMFにかわってこういった金融危機、こうした経済の極めて国家レベルの不振の状況を支える組織というのは、やはりIMFというのは非常に有力な組織であろう、こう認識をいたしております。 そして、このIMFが危機の再発防止に有効な機能を果たしていくためには、金融市場を監視して分析する能力を向上させること、金融市場とマクロ経済の相互連関に一層の注意を払うこと、危機に直面している国々に対して有効な支援を提供すること、この三つが重要であります。そのために、IMFが金融安定化フォーラム、FSFと呼んでおりますが、そことも協力をしながら、早期警戒の実施に向けた取り組みを進めるなど、今後、各国の国内金融システムに関するサーベイランス機能を一層強化していく必要がまだまだある、このように認識をいたしております。
○鈴木(馨)委員 ありがとうございます。 通告の順番を一つ入れかえまして、今お話がございましたFSF、金融安定化フォーラムの同じく一つの参加者でもありますBISの関係の質問をさせていただきたいと思います。 今回、金融危機の中で、世界的に今各国の銀行に課されています自己資本比率の規制について、これを見直しをするべきじゃないかといったような議論も出ているというふうに聞いています。それに対して、我が国のスタンスとしては、今の規制というものをさらに厳しくするということはいろいろな副作用もありますので、それはどうか、恐らくそういった方針でおられると思うんです。 そういった中で、今、世界の各国の雰囲気というか、実際この前のG20でもそういった議論も出ていたのかと存じますけれども、各国が今どの程度この見直しというものに対して前のめりになっているのか、そういったG20の場の雰囲気などについて御答弁をいただけますでしょうか。
○与謝野国務大臣 バーゼル委員会は、今般の市場の混乱を踏まえまして、現在、景気循環の増幅効果の抑制やリスク捕捉の強化等の観点から、バーゼル2の枠組みの一部見直しを進めているものと承知をしております。他方、同委員会は、現在の経済及び金融のストレスが継続している間は世界的な最低所要自己資本の引き上げは行わないこともあわせて明らかにしております。 こうした点について、さきのG20においてもほぼ同じような内容のコミュニケが採択されており、景気回復が確実になるまで所要自己資本を変更しないことの死活的な重要性について認識が共有されております。 金融庁としては、我が国金融機関の現状も踏まえ、国際的な議論に引き続き積極的に参加してまいりたいと思います。
○鈴木(馨)委員 ありがとうございます。 今、金融発の経済危機が実体経済にどんどんと広がっていこうとしているまさにそのときですから、今よりも規制を強化していくというのは大きな副作用があり得ますので、ぜひとも今の方向で進めていただきたい、そう考えているところでございます。 次に、同じくさきのG20のときの話になるかと思うんですけれども、その中で、報道によれば、ガイトナー財務長官との話の中で、GDPの二%規模の財政出動をそれぞれの国でやっていく、そういった話があったかに聞いております。しかし、その一方で我が国は、今法人税収もどんどんと減っていますし、税収減という意味でも、そしてこれまでの累積債務という意味でも、財政の幅というか、そういったものが非常に厳しく制約をされている状況にあるのもまた事実かと思います。 そういった中で、今後、今需要がまさに収縮をしてしまっている状況の中にあって、財政出動、これはどのぐらいの規模をこれからできるのか、あるいはするお考えなのか。あるいは、この二%というものが、たしかこの前どこかの記者会見でも、これまでのもので一・八%程度の出動をしているということもおっしゃっていましたが、この合わせた形で二%というのが一つのめどとなるのか、そういった点について、今の時点での大臣のお考えを伺えますでしょうか。
○与謝野国務大臣 これは国会での議論、各党の中での議論に現在のところゆだねているわけでございますけれども、ことしの経済の落ち込みの幅がどのぐらいになるのかという問題、これを財政としてどれほど取り戻すことが正しいのかという議論、これをやっていただかなければならないと思っております。 落ち込みと申しましても、二〇〇九年、暦年をとっても年度をとっても相当の落ち込みになる予定でございますから、それに対して、政策として、あるいは財政として、どの程度の回復を見込んで政策を立案していくかというのはこれからの議論であると思いますけれども、相当のことをやらないと対処できないほどの落ち込みであるということはだれしも知っていることだと思っております。
○鈴木(馨)委員 ありがとうございます。 まさに今、世界じゅうが金融危機から端を発しました経済危機の中にいるところであります。財政の規律ということも完全に忘れるわけにはいかない、しかしその一方で、そもそも景気が回復してこなければ財政の規律すら取り戻すことは難しい、そういった非常に難しいかじ取りを迫られているところだと存じますが、ぜひともこれから先もこれまでどおりすばらしい与謝野大臣の手腕で運営をしていただきたい、そう思っております。 最後に、これは簡単に一言いただければと思いますけれども、今度、来週、金融・世界経済サミットがロンドンで首脳間で行われます。与謝野大臣も、先日のロンドンでのG20に続きまして、今度は随行されていくということでございます。この二週間、三週間、さきのロンドンでのG20からさらに議論というものを積み上げた形で臨まれるんだというふうに存じますけれども、何らかの意気込みというか決意というものがもしございましたら、伺えますでしょうか。
○与謝野国務大臣 やはり日本としても、世界経済の安定、世界金融危機の国際協調による回避、こういう両方に貢献をしていかなければならないと思っております。そういう観点から総理に随行してロンドンに行ってまいりたいと考えております。
○鈴木(馨)委員 ありがとうございます。 本当に非常に大事な会議でございますし、今世界じゅうが不況の真っただ中にある状況でございますので、ぜひともリーダーシップを発揮していただいて、すばらしい成果を上げられることを心より御祈念申し上げます。 そして、最後に、今回のIMFの増資に関する法律、世論的にもあるいは党内からもいろいろな議論があるのは事実でございます。しかし、今質疑でもいろいろと御説明をいただきましたように、私自身も、これは日本の国益という意味でも、そして世界経済の今の状況に対する対処という意味でも非常に大事な法律であるというふうに確信をしているところでございます。一刻も早い成立を国会の場でしてまいることをお誓い申し上げまして、私、鈴木馨祐の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○田中委員長 次に、階猛君。
○階委員 民主党の階猛でございます。 本日は、IMF加盟措置法の改正案、これがテーマでございますけれども、本題に入ります前に、ちょっと二、三聞かせていただきたいことがあります。 まず一つ目なんですが、三月二十一日の朝日新聞に与謝野財務大臣のコメントが載っておりました。TBSの番組収録において、民主党の小沢代表が秘書逮捕を異常な手法と批判していることについてこのように言われたと。日本の刑事訴訟手続は世界で一番民主的で透明性が高い、日本の刑事司法の信頼性にもう少し理解を進められたらいいのではないか、このような発言をしたとされております。この発言を前提にしてお聞きいたします。 まず、この発言の中で、日本の刑事訴訟手続は世界で一番民主的だというふうにおっしゃっております。その根拠をお伺いしたいと思います。 ちなみに、主要国では古くから陪審制度や参審制度が導入されております。それは、お配りしている資料の二枚目につけさせていただいております。ここで挙がっているのはアメリカ、イギリス、フランス、ドイツの例でございますけれども、日本はようやくことしの五月から裁判員制度が始まりますけれども、先進国では、この四カ国を初め、OECDの中でも大体三十カ国中二十二カ国が導入されているというふうに法務省の方からは聞いております。 こういった中で、与謝野大臣は、世界で一番民主的というふうに日本の刑事訴訟手続を評された、その理由が何かを教えていただけますか。
○与謝野国務大臣 憲法をお読みいただき、また日本の刑事訴訟法をお読みいただいて、なおかつ、英国、米国、フランス等の刑事訴訟手続と比べていただくと一目瞭然でございます。 〔委員長退席、山本(明)委員長代理着席〕
○階委員 私も弁護士でございますから、司法の民主化がどういうことかといいますと、今現行の憲法上、国民の意見が裁判所、司法に反映される手段としては、最高裁判所の国民審査というものがあります。あと、検察審査会制度も同じようなものだと思います。 ただ、個々の刑事裁判、刑事裁判手続において民主的な意見を導入するのは、今回の裁判員制度が初めてだと思います。そういう意味では、先進各国と比べて日本は民主化が進んでいるとは言えないのではないかと思うんですけれども、今の御説明だとわかりませんので、もう一回お願いできますか。
○与謝野国務大臣 民主的というのは、国民の意見を取り入れるということではありません。刑事訴訟手続の対象になった方の人権が、憲法や刑事訴訟法に規定されている手続規定によって守られていくということであります。
○階委員 それは、民主的というよりも自由主義的ということだと思います。人権が守られているのは、民主主義ではなくて自由主義という観点から説明できると思うんです。民主主義というのはちょっと違うと思いますけれども、それは自由主義ではないんですか。
○与謝野国務大臣 議会制民主主義とかそういうことを論じているわけではありません。
○階委員 ちょっとそこがわからないんですが、まず、人権を大事にされていることが世界で一番民主的だというふうに考えられる根拠だというふうに承りますが、それで問題ないですね。
○与謝野国務大臣 ですから、比較法制的に一番いいのじゃないかという私の考え方を申し述べたわけでございます。
○階委員 多分、法律家にはそういう見方をされている方は少ないと思います。法律の専門家は、日本の制度は民主的だというふうには必ずしもとらえていないと思います。 それはそれとして、もう一点この発言の中で気になるのは、民主的だということとともに、世界で一番透明性が高いというふうにも言われております。 ちなみに、資料の三枚目をごらんになっていただきますと、普通、透明化という場合、被疑者の取り調べの可視化、すなわち、取り調べの模様を録画とか録音するというのを可視化といいますけれども、そういった可視化の制度であるとか、取り調べに弁護人が立ち会いをすることが可能であったり、そういったことが透明な手続だということだと思うんですが、日本では一部、しかも検察の裁量によって可視化は認められつつありますけれども、これも資料三の各国と比べると、可視化はおくれておりますし、透明化は進んでいるとは言えないということだと思います。 なぜ世界で一番透明性が高いと言えるのか、その根拠を教えてください。
○与謝野国務大臣 一番透明なのは、令状主義であるということであります。
○階委員 令状主義は、先進国であれば普通に要求されておると思うんですけれども、それは日本が一番という根拠にはならないのじゃないかと思いますが、日本が一番という根拠になる理由を教えてください。
○与謝野国務大臣 それは先生の大誤解でございまして、イギリスは令状主義ではありません。また、アメリカも、九・一一以降は事実上令状主義ではなくなっているということです。それから、勾留期限につきましても、例えばフランスの予審判事の勾留は二年に及ぶということが合法とされている。 そういう意味では、日本の令状主義による刑事訴訟手続というのは極めて透明性が高い、そのように判断すべきであると思っております。
○階委員 きょうは法務省の方にも来ていただいていると思うんですが、民主化とか透明化といった場合に、どういうことを通常は意味するのかということをちょっと教えていただけますか。
○甲斐政府参考人 刑事訴訟手続における民主化とか透明化というのは、法令上そういう用語が特にあるわけではございませんので、法務当局から申し上げることはちょっと御配慮いただきたいと思います。
○階委員 きょう与謝野大臣の見解を伺って、民主化とか透明化ということに対して、普通の法律家が抱いているイメージとかなり違うような気がしました。そういうお考えのもとに言われているんだったら、それは見解の相違なのでこれ以上は立ち入りませんけれども、ただ、御案内のとおり、きのう小沢代表の公設秘書の大久保さんという方が起訴されました。そういった中で、日本の刑事訴訟手続は、そのように民主的であるとか透明化が進んでいると言えるのかどうかというのは、私は疑問に思っています。 与謝野大臣にこのようなことを申し上げたのは、いつかこの話はしたいと思っていたんですけれども、十年前の金融危機のときに、与謝野大臣もよく御存じである、我々の東大野球部の先輩である、かつ、私にとっては長銀の大先輩である上原さんという方が、東京地検特捜部の参考人聴取の後に自殺されたということがございました。 当時、上原さんだけじゃないんです。資料の四枚目をごらんになっていただきたいのですけれども、この当時、東京地検特捜部が大型経済汚職事件の捜査を積極的に行っていて、その過程で、二年間で八人もの方が自殺されたということでございます。 その自殺が多数出ている中でこの上原さんのこともあったわけですけれども、このことに対して検察はどういうふうにコメントしているか。新聞記事の一番右の下の方をごらんになっていただきたいのですが、「報道陣の要請で会見した斉田次席検事は、ぶぜんとした表情で「ノーコメント」を繰り返した。「事情聴取したかはノーコメント」「捜査対象としたかはコメントできない」「捜査への影響はノーコメントです」「関係あるかないかについてはコメントしない」「コメントできない理由についてコメントすることはありません」」このような言い方で切り上げているわけです。 人一人の命が失われたときに、検察はこのような、本当に、全く自分は関係ないというようなことを言って逃れている。我々は、こういう検察の態度、説明責任を果たそうとしない態度が、非常に検察の横暴を招いているのじゃないかというふうに思うわけです。 東京地検特捜部は刑事司法の一翼を担っているわけですけれども、与謝野大臣は、日本の刑事司法の信頼性にもう少し理解を進められたらいいのではないかというふうに先ほどのコメントでも最後に結んでおられますけれども、刑事司法の信頼性、本当にあると言えるのかどうかというふうに私は思います。 過去の上原さんの痛ましい事件も引かせていただきましたけれども、そういうことも踏まえて、今の刑事司法、信頼に足るのかどうかということについて、お願いできますか。
○与謝野国務大臣 個々の問題については触れるべきではないわけですけれども、日本では、刑事訴訟法に定められた手続で捜査も行われ、公判請求も行われ、裁判も行われる。私は、極めて民主的な制度がここに用意されていると思っております。 適正手続規定に関しては、恐らく諸外国なんかは、例えば民主党が出されました可視化法案というのは、辻先生という方が大分前に出されたんですけれども、これはイギリスの法制を参考にしたと言われたんですけれども、実は令状主義でないということを前提にしておられなかったというようなことがあった。 可視化というのは、令状主義かどうかということのほかに、やはり司法取引というものがあるかないかとか、それから、例えば共犯について自供するとき、可視化というものを実現して調べが行えるかどうか、あるいは弁護士が同席をするというときには、実体的な真実を発見するためというのであれば、立ち会いの弁護人は真実を自供するように慫慂するのか、一切黙秘しろといって慫慂するのかというさまざまな問題があって、そんなに弁護士会の方々が言われるほど可視化の議論は簡単ではないと私は思っておりますが、今我々に与えられた日本の刑事訴訟法は極めて明快であり、適正な手続が用意されていると思っております。
○階委員 今、可視化のことよりも、先ほど例を挙げて引かせていただいた東京地検特捜部のコメントですね、ああいうコメントの仕方というのは、本当に何も語ろうとしない。人一人の命が失われているわけですよ。二年間で八人ですよ。このコメントで説明責任を果たしていると言えるのかどうか。この姿勢が今の検察の横暴を許しているんじゃないか、そういうふうに思うんです。 その検察の説明責任について、こういうあり方で十分なのかどうか、御見解をお聞かせ願えますか。
○与謝野国務大臣 これは、法務大臣に御質問をしていただきたいと思っております。
○階委員 本来、所管は法務大臣ですから、それは法務大臣に聞くべきだ、それはおっしゃるとおりです。 であれば、そもそも、なぜ小沢代表のことを批判するのに、こういう法務大臣が言うべきようなことを言ったんでしょうか。こういうことはそもそも言わなければいいんじゃないでしょうか。撤回するのであれば、この場でしてください。
○与謝野国務大臣 私は刑事訴訟手続について一般的なコメントをしただけであって、特定の事件を前提にしてのコメントではございません。
○階委員 一般論であればお答えしていただけるということであれば、検察の説明責任についてもお聞かせ願えますか。
○与謝野国務大臣 人権に配慮し、公判維持に支障のない範囲において、コメントすべきはコメントしても許されることであると思っておりますが、人権に対する配慮ということもまた大事なことだと思っております。
○階委員 私は、さっきのコメントは人権に対する配慮が全くかけらもないと思っております。この問題はこれ以上しませんけれども、そういうことをこの当時も感じましたし、今回もまた感じているということだけお伝え申し上げます。 それと、もう一つ。今度は金融、財政に絡んでくる話でございます。 資料の五枚目。これは日経新聞。これは参議院でも取り上げられたというふうに承知しておりますけれども、与謝野大臣は多分そのときは御発言されていなかったと思うんですが、改めてちょっと見てみたいんです。 ミシュキンという元FRB理事の方なんですが、金融政策に関するセミナーという公の場所で、二〇〇〇年にゼロ金利政策を解除した日銀の政策を尚早である、あるいは日本の財政政策は小出しだったなどと指摘して、財政政策も金融政策もちゃんと仕事をしなかった、日本は大ばかやろうだというふうに批判したということだそうです。 この批判は当たっていると思うのかどうか、与謝野大臣の見解をお聞かせ願えますか。
○与謝野国務大臣 この方がどんな方か知りませんし、発言がどれほど影響力があるかもわかりません。一々コメントするに値しないと思っております。日本のことを褒めている方もたくさんおられます。
○階委員 日銀副総裁、来られていますが、御見解を伺わせていただきます。
○西村参考人 お答えさせていただきます。 ミシュキン前FRB理事の批判については、詳細を承知していませんので、コメントは差し控えたいと思っています。 この時期のことですが、私としましては、ゼロ金利政策の解除を行った二〇〇〇年八月には、我が国経済は回復基調にあり、緩やかながらも回復が続く蓋然性は十分に高かったというふうに考えています。こうしたもとで、日本銀行はゼロ金利の解除を行ったというふうに考えています。 この当時、海外、特に米国においてもFRBは、二〇〇〇年の十一月まではインフレを重視するという判断を示していました。その後、予想外の規模で世界的なIT関連の分野の調整が生じたことから、我が国の景気も急速に後退し、物価の下落幅も、下落したという形になったわけです。この点が、ゼロ金利解除への批判の背景にあると思います。 しかし、IT関連分野の調整から景気、物価情勢が急速に変化し、見通しを大きく下方修正したという点では、海外の中央銀行も同様でありましたし、金融政策を考えますと、その基本はあくまでも、その時々に入手可能な情報に基づいて経済、物価情勢を点検して、機動的に実施していくというものだというふうに考えています。先ほど申し上げましたような当時の状況から考えますと、適切な対処法であったというふうに考えております。 ただ、この二〇〇〇年のゼロ金利解除についてはさまざまな批判があるということも承知しています。日本銀行としましては、今後とも、経済、物価情勢の判断や政策運営の考え方について内外から十分な理解を得られるように、適切な情報発信に努めてまいりたいと思います。 この半年間で、欧米の金融危機が深刻化する中で、九〇年代の日本の政策の見方についても変化が見られるということも事実であります。必ずしも、批判的な見解ばかりではないということも付加させていただきたいと思います。
○階委員 日本が大ばかやろうと言われても、与謝野大臣は別に黙っているということなんですけれども、一方で、今回アメリカ政府は、AIGという保険会社に公的資金を日本円で十七兆円ぐらい投入した。それであるにもかかわらず、AIGの経営者にはトータルで、日本円で二百十億円の巨額ボーナスの支払い、これをアメリカ政府は見逃していた。 私は、アメリカ政府の方が大ばかやろうだと思うんですけれども、この一連のAIGの問題について、与謝野大臣はどのようにお考えになりますか。
○与謝野国務大臣 実は、AIGの問題の本質は、十数兆に及ぶ公的資金の問題がその本質です。ボーナスを山分けしたという話は、これは我々の常識ではわからない話ですけれども、これはアメリカの社会自体が御自分で解決する問題だと思っております。
○階委員 日本では、公的資金を注入された場合にどういうことが起きてきたかというと、今までは、ボーナスなんか当然もらえませんし、むしろ、過去にさかのぼって払われた退職金なども返還させられたり、こういうことであったわけですよ。 そういうのが日本の常識であったという中で、やはり契約だからといってボーナスを払ってもらえるんだとしたら、政府だってそんな公的資金を注入する契約はないわけでして、その契約を盾にとって、公的資金を入れられているにもかかわらずボーナスをもらってしまっている、またそれを容認しているというのは、ちょっと我々の感覚からすると常軌を逸しているというふうに思わざるを得ないわけですよ。 もし、アメリカのようなやり方もそれはそれでいいんだということであれば、今後日本でも、公的資金を注入した金融機関については経営責任は同じように扱っていく、そういう方向になるかと思うんですけれども、今のアメリカのやり方というのは、それはそれでいいんだというふうにお考えなのでしょうか。
○与謝野国務大臣 どの部分がいいか悪いかという話、先生のお話を聞いていると、どの部分について申し上げたらいいかわからないんですが、まず、公的資金を注入したというのは、政策としてアメリカ全体の政策判断ですから、それはそれで判断として、政府、連邦準備が責任を持ってやっていることですから、それはアメリカの判断です。 アメリカで起きたことを、舞台を日本に移しかえて議論するというのもかなり難しい話でございますから、多分、日本ではどういう状況であってもああいう山分け的なことは起きないんだろうと私は確信をしております。
○階委員 私もそうあってほしいと思います。 ただ、こういうことについて日本政府として、やはりおかしいことはおかしいと言うような矜持というか、まさに今回のAIGのボーナスの問題こそさもしいという話であって、定額給付金をさもしいと言うぐらいだったら、今回の問題についてもさもしいぞと言うのが当たり前の話じゃないかなと思います。 言うべきことは言うというのが日本の財政当局、まさに今IMFでも、日本円で十兆円も融資して世界経済を支えようとしているわけですから、もっと言うべきことは言っていいんじゃないかと思うんですけれども、どうでしょうか。
○与謝野国務大臣 国内でそういうことが起きれば堂々と言いますが、これはお隣様の話なんで、外交儀礼上もこういうことはコメントしないというのが当然のことだと思っています。
○階委員 そうであれば、今回のFRB元理事の発言、大ばかやろうなんというのは、まさにお隣のことを、失礼なことを言っているわけで、それはおかしいということを言うべきではないですか。この発言はおかしい、大ばかやろうはおかしいと言うべきではないですか。
○与謝野国務大臣 どんな人だかわからない人が発言したことに、一々反論はできないということでございます。
○階委員 わかりました。それ以上お話しになりたくないというのであれば、それはそれで結構です。 金を出すなら口も出すのが普通なのでありまして、日本という国は、金だけ出してお人よしだなというふうに世界から見られていますよ。大ばかやろうと言ってもだれも何も文句を言ってこない、本当にいい国だな、金だけ黙って出してくれるというふうに思われていると思います。それはそれで、今の政府はそれでいいんだというのであればこれ以上申し上げませんけれども、民主党はその辺は、やはり金を出すなら言うべきことは言うというスタンスですね。そこはちょっと違うなと思いました。 済みません、長くなりましたけれども、本題に入らせていただきます。 IMF加盟措置法の改正案でございますけれども、今回は、出資を日本が三千億ぐらい追加で行うということだったと思います。一方で、先ほど来鈴木先生もおっしゃっていましたけれども、日本円で約十兆円の融資も行う。 今回の三千億の増資については法的手当てが必要。一方で、融資については法的手当てが必要ないということなんですけれども、よくよく聞きますと、今回の出資も、論理必然的に法的手当てが必要だという話でもないようなんですね。同じような国際機関への出資でも、法的手当てを講じずに、予算だけでやっているものがある。フレキシブルに、法律でやるのかやらないのかというのを決められるそうなんですよ。 ということであれば、この十兆円という金額の大きさにかんがみるならば、その十兆円の方こそ立法措置を講ずべきではないかなと思うわけです。国会でちゃんと議論すべきではないかなと思うわけです。この辺についてお考えをお聞かせください。
○与謝野国務大臣 今回のIMFへの融資は、IMF協定に定める、加盟国からIMFに対する貸し付けであります。IMF協定第七条第一項でございます。 IMF加盟措置法は、第十一条第一項において、IMF協定に基づく取引の実施を認めていることから、今回の融資は、IMF加盟措置法において既に認められた取引でございます。(階委員「今回の出資です、融資ではなく出資」と呼ぶ)我が国は……。出資についてですか。(階委員「今融資とおっしゃいました。済みません、続けてください」と呼ぶ)今融資のお話をしているので、出資は法律改正を皆様方にお願いしているところでございます。
○階委員 どうも失礼しました。 混乱してしまいましたので、もう一度、融資についてはなぜ法的手当てを必要としないのか、法的手当てをすべきではないかということに対してお答え願えますか。
○与謝野国務大臣 先ほど申し上げましたように、今回の融資は、IMF加盟措置法において既に認められた取引であるということ、それから、日本はこれまでも、一九八六年に今回と同様の枠組みによるIMFへの融資を行っており、また一般借り入れ取り決めや新規借り入れ取り決めという多国間の借り入れ取り決めの発動による融資も実施してきておりますけれども、こうした措置も同様の根拠によるものでございます。
○階委員 既に取り決めがあるということなんですが、それは昨年の秋、麻生総理が金融サミットで、何か麻生ペーパーをもとにして十兆円の融資を行うんだということを約束したかと思うんですが、そのことをおっしゃっているんでしょうか。
○玉木政府参考人 今申し上げましたのは、これまでの、我が国からIMFへの融資の例でございます。 一つは、全く今回と同じように、二国間の貸し付け取り決めというのを一九八六年に実施しております。 それとは別に、GABあるいはNABという形で、先ほどもちょっと話に出てまいりましたが、多国間で、すなわち一カ国ではなく数多くの国が集団でIMFに貸し付ける取り決めというのが現実に存在しております。これは、例えばNABを例にとりますと、現在、総額で約五百億ドルの貸し付け取り決めがありますが、これも同様の根拠規定、IMFの加盟措置法において既に認められた取り決めであるということを申し上げたわけです。
○階委員 今回の三千億の出資の方も、昨年の加盟国との取り決めで、法律で手当てをして行うんだというふうに理解しておりますけれども、今回の融資の方は、法律の手当ては必要ないんですか。
○玉木政府参考人 昨年四月に合意いたしましたのは、今回IMF加盟措置法の改正としてお願いしております出資の方でございます。 これに対して、昨年十一月、総理が表明いたしました最大一千億ドルの融資の方は、これはもう既に、そうしたことを想定したIMF加盟措置法上の規定があるということを御説明したわけでございます。
○階委員 金額について、現行法に定めがあるものはそれを変えなくちゃいけないけれども、そもそも、包括的に融資ができるという規定があるから必要ないんだ、そういう理解でよろしいですか。
○玉木政府参考人 出資について申し上げれば、IMFと世界銀行に対する出資は、増資の都度法改正をお願いしております。 それ以外に、当初出資に加えて、予算の範囲内で増資をすることができるという授権をいただいているものもございます。 そして、今回の融資取り決めのように、IMF協定に定める取引として、金額の定めなく、IMF加盟措置法上の根拠をいただいているものもございます。
○階委員 出資の話の中で、今回この法案をちょっと勉強させていただきますと、出資というと、普通の会社への出資だと、現金を払い込むというのが普通だと思います。ところが、このIMFの出資というのは、実は現金部分というのは、一〇〇出資するとすればわずか二五ぐらいで足りる。一〇〇のうち七五は、通貨基金代用証券といういわば小切手のようなもの。しかも、普通の小切手であれば、満期が来ればちゃんと支払い資金を用意して決済しなくちゃいけないんですけれども、この代用証券というものは、お金が手元になくても、日銀に頼めば、それを日銀が買い取って、それで日銀から資金を調達して払うことができるというような、支払いを日銀に回せるような、非常に便利な仕組みになっております。 これは非常におもしろい制度だなと。余りこういう仕組みは知らなかったんですけれども、こういう仕組みをほかのことに応用できないか。例えば特別会計の積立金なども、常に実際の現金なり有価証券なりという資産を用意していなくとも、いざというときには、お金をどこからか引っ張ってきてお支払いしますよというような仕組みを導入しておけば、一々積立金なんというものを用意しておく必要はないということで、こういうものを応用できるんじゃないかなと思うんですけれども、積立金にかえて通貨基金代用証券みたいなものを導入するということについて、お考えを聞かせていただけますか。
○与謝野国務大臣 御提言の仕組みというのは、特会に積立金を置かず、実際に支出の必要が生じるたびに一般会計から繰り入れを行うことを意味するものと理解をいたします。 こうした仕組みについては、本来保険料等を積み立てるべき特会について、積み立てを行わず、一般会計からの繰り入れで代替する場合、受益と負担の関係が不明確となり、そもそも、特会により区分経理を行う意味が失われるという点、また、特会における支出の必要が生じるたびに、一般会計において新たな財源を措置することとなり、財政規律が失われるほか、一般会計の歳出が不安定となるといった問題があると考えられます。
○階委員 通貨基金代用証券というのは小切手と同じように無利子なんですけれども、これは、決済をしてくれと言われると、政府が日銀に買い取ってもらって、日銀が買い取りの代金を政府に払って、それで政府が決済する、こういうことらしいんです。 買い取った日銀については、そもそも無利子だった通貨基金代用証券、買い取るとなぜか利子が発生するということらしいんですね。何かそれも非常に、我々の常識からすると、買い取ると今まで無利子だったものが利子がつくということで、なかなか理解しがたいんですけれども、なぜ利子がつくのか。それと、利息はどのように決められるのかということをちょっとお聞かせ願えますか。
○玉木政府参考人 御指摘の基金通貨代用証券でございますが、これは小切手のようなものということではなくて、IMFから償還の請求を受けた場合に、他の加盟国の借り入れのために円現金が必要だから償還してくれと言われた場合に円現金を供給し、この貸し付けが終わってIMF側に余裕円現金が生ずると、またもとに戻って、再び基金通貨代用証券を発行して円現金を回収するという、資金が出たり入ったりすることに対応して、IMFに一時的な円現金の供給を行うことを約する証書、こういう性格のものでございます。 こうした仕組みのもとで、IMFから償還の請求を私どもが受けた場合には、基本的には、外為特会は、円資金の調達のため、政府短期証券を発行して得た円現金をIMFに供給することになります。この場合は、外為特会から政府短期証券の購入者に利払いが行われます。これを日銀に買い取ってもらった場合には、日銀が政府短期証券の購入者にかわってIMFに供給する円現金の出し手になるということで、この場合、外為特会から日銀に対して同じように利払いを行うわけでございます。 この場合の利率あるいは償還期限でございますが、日銀によります当該買い取りが行われた日の現況による他の国債の発行条件に準じて財務大臣が定めることができるという規定が置かれております。これらの規定に基づきまして、償還期限については、日本銀行の基金通貨代用証券の保有期間を考慮しておおむね二年、利率については、直近の日本国債二年物の平均利回りという規定にしております。
○階委員 やや細かい話なんですけれども、今の通貨基金代用証券、日銀に買い取らせる場合については、これは買い取りというよりも、実質的には、この代用証券を担保にして政府がお金を調達する、政府がお金を借り入れるということなので、買い取りという表現はミスリーディングのような感じがします。 法文には買い取りと書いているんですけれども、これは借り入れというふうな意味なのであれば、法律の文言は借り入れにすべきではないかと思うんですけれども、与謝野大臣、この辺は問題ないとお考えですか。
○与謝野国務大臣 IMFから一定以上の円資金の引き出しの要請がある場合には、加盟措置法七条の規定に基づき、財務大臣は、円貨の供給主体たる日銀に通貨基金代用証券の買い取りを命ずることができるとされております。この場合、加盟措置法第七条第一項において、日銀はIMFに対して円現金を直接供給することとなっております。 このような、政府、中央銀行が連携して国際金融協力を行うという仕組みは、IMF協定上も認められており、適切なものと考えております。
○階委員 買い取りという言葉がちょっとひっかかったものでお聞きしたんですけれども、それはそれとして。 日銀副総裁、このように、政府から買い取りを命じられる、利息とか期間は割と政府がフレキシブルに決められるようなんです。このような買い取りの制度というのは、IMFの協定で認められているということなんですけれども、日銀の資産のリスク要因として問題があるような気もするんですけれども、これは全く問題ないんですか、日銀としては。
○西村参考人 お答え申し上げます。 通貨代用証券の買い取りというのは、これはIMF協定に基づいてなされているということで、先ほどの御説明にもありましたけれども、日本以外のIMFの加盟国が円貨を引き出す場合に、円滑な取引の執行の観点ということから行われるものだというふうに考えております。したがって、国際協力という観点から、これに応じるのは適当だというふうに考えております。 基本的には、これはIMFのクレディビリティーに対応するものに対応するというふうに考えております。
○階委員 それから、先ほどの十兆円の話にちょっと戻るんですけれども、麻生総理が昨年の十一月の金融サミットにおいて、十兆円の融資というのは増資が実現するまでの対応ということを述べられています。 増資が実現するまでという限定的な、期間を区切ったようなことをおっしゃっているわけですけれども、先ほど、今後増資を予定されているということでございましたけれども、具体的に、いつごろまでに回収のめどを立てられているのか、お考えはありますでしょうか。
○与謝野国務大臣 先生御指摘のように、昨年十一月の金融・世界経済サミットにおいて、麻生総理は、危機に対応してIMFが必要な支援を行うために、IMFに対する加盟国の出資総額を例えば倍増することを提案し、増資が実現するまでの当面の対応として、IMFへの最大一千億ドルの融資を行うことを率先して表明したところでございます。 IMFは、加盟国の出資等を財源として資金支援を行う機関であり、資金基盤の拡充が必要となった場合には増資を検討するのが一般的な対応でございます。 他方で、資金に不足が生じた場合に、加盟国からの借り入れを可能とする規定がIMF協定に置かれており、これまでも二国間及び多国間の取り決めに基づくIMFへの融資が行われてまいりました。 麻生総理の御発言は、加盟国の出資増額を大幅に拡大することを提案しつつも、その実現には、増資規模や加盟国間のシェア変更などについて、加盟国間の合意形成に時間がかかることが見込まれるため、危機に直面した現下の状況における当面の対応として、日本からの融資を表明したものでございます。 なお、先般のG20財務大臣・中銀総裁会議において、次回増資に向けた作業の期限を二〇一一年一月まで二年間前倒しすることが合意されたところでございます。
○階委員 出資が原則であるということをおっしゃられました。 資料の一番最後を見ていただきたいんですけれども、三列にわたって、増資前、増資後、計算上のシェアということで、国ごとのIMF出資額のシェアの数字が載っております。 今回の増資をすることによって日本は、国別ランキングが二位というのは変わらないですけれども、シェアが六・一二から六・五六まで上がるということで、これだけ見るとシェアが上がっていいのかなと思うんですけれども、計算上のシェアという右側の数字がございます。この計算上のシェアというのは、IMFの、その国の経済力とかに応じた、計算式に当てはめた場合の本来あり得べきシェアというものだそうです。この計算上のシェアで見ますと、日本は、ちょっと見づらくて恐縮ですが、八・〇三というふうになっております。八・〇三、本来は出資のシェアがなくてはいけない。ところが、今回増資をしたとはいえ、まだ六・五六にとどまるわけです。 そういった中で、今回も、出資という形ではなくて融資ということで、出資額のシェアには、その部分については変動が及ばない。つまり、日本は引き続き、計算上のシェアよりも低いシェアに甘んじているということでございます。このシェアによって投票権、発言権が変わってくるということでございますから、せっかくお金を出すのであればこのシェアを上げるように、つまり、一部でも出資という形でこの十兆円を使えなかったのかなというふうに思うわけです。なぜ発言権が向上する出資という方法をとり得なかったのかということを思うわけです。 先ほどもちょっとおっしゃられていたかと思いますけれども、これは日本の外交交渉として、強くそこを求めていくべきではなかったのかなと思いますが、その辺について、なぜ出資ではできなかったのかということをお答え願えますか。 〔山本(明)委員長代理退席、委員長着席〕
○与謝野国務大臣 これは、たくさんの国が関係しておりますから、出資をきれいに決めるというのは相当時間がかかる。前倒しをして決めても二〇一一年だということですが、やはり、外貨で困窮をきわめている国を援助しなきゃいけないという実際上のIMFの資金需要というのはあるわけでして、それは、世界経済に貢献する意味でも一千億ドル融資をするということで、我々は日本の発言権を高めるためにいろいろなことをやっているのではなくて、いいことをしようという善意の気持ちでやっているという部分もあるわけです。
○階委員 日本の発言権を高めるというよりは、今しかるべき発言権をいただいていないわけですよ。計算上のシェアが八・〇三だったら八・〇三の発言権がなくちゃいけないのに、計算上のシェアに満たない六・幾らという発言権しか与えられていない。そこを本来あるべき姿に戻せばいいんじゃないかと。だから、別にそれは、日本の発言権を高めるということではありません。 そこをぜひやるべきではなかったのかなと思うんですけれども、その八・〇三までの本来あり得べきところまでも戻せないという日本の外交スタンスといいますか、交渉力の弱さというのが気になるんですけれども、八・〇三まで上げるということもなぜ強く主張されなかったかということをお聞かせ願えますか。
○玉木政府参考人 計算上のクオータと現実のクオータは、往々にしてというよりも、日本の場合には常に乖離しておりました。戦後、昭和二十七年、日本がIMFに加盟して以来、日本の計算クオータ、かつて計算されていた計算クオータに対して日本は常に過小代表という形になっていて、それを是正するために長年努力を重ねてきた結果が現在の姿でございます。 今回は、特に過小代表となっている新興国の出資額を大幅に増加させる一方で、米国を含めた、過小代表である先進国が増資の一定割合を放棄することで、加盟国間の合意が形成されたところでございます。 今回の増資は、増資規模が一〇%弱と比較的小規模であること、それから、過大代表となっている国の減資というのは、当然のことながら減資は非常に難しいことから、加盟国の計算クオータと現実の出資額の乖離の是正には一定の限界がございました。ただし、これが、アジアを含む新興市場国等の経済実態をよりよく反映させることについては、一定の成果があったと考えております。 次回、二〇一一年一月に向けた次回のIMF増資の検討においては、我が国としても引き続き、世界経済の実態をIMFにおける出資割合にさらによりよく反映させるべく、積極的に議論を進めてまいりたいと考えております。
○階委員 これで終わりますけれども、いいことをするのも大事なんですが、やはり世界に対して言うべきことは言い、また、世界からの不当な批判に対しては、ちゃんと反論すべきことはするということをぜひお願い申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。 どうもありがとうございました。
○田中委員長 次に、鈴木克昌君。
○鈴木(克)委員 大事な法案の審議にもかかわらず、かなり空席が目立っておるようでありまして、やはり定足を満たすまでちょっと質問をとめさせていただきたいというふうに思いますが、委員長、いかがでしょうか。
○田中委員長 定足はございますので、鈴木議員、どうぞ御質問をお願いいたします。
○鈴木(克)委員 それでは、元気を出して質問させていただきます。民主党の鈴木克昌でございます。 大臣も本当にお疲れだと思いますが、朝からの質疑を拝聴いたしておりまして、やはり経済も大変です。しかし、本当に今、先行きが非常に不透明な中で、きちっと先の展望とかそれから対策とかそういったものが示されて、国を挙げて、国民を挙げて一つの方向性に向かっていこうというような状況になっていないんじゃないのかな、本当にそんな気がして、私はこの委員会の質問を伺っておりました。そういう状況を前提として、私ももう一度大臣を初め皆さんに確認をしながら御質問させていただきたい、このように思っております。 今さら言うまでもありませんけれども、昨年の九月、本当に大変な、世界を揺るがす金融状況、景気状況に陥ったわけでありますが、果たしてこんな状況がいつまで続くんだろうか、これが恐らく、我が国民ももちろんでありますけれども、本当に世界を挙げて、みんなかたずをのんでおるような状況ではないのかな、こんなように思うわけであります。 そこで、まず世界の金融、経済をきちっと立て直していくということがやはり何といったって必要だというふうに思います。幸いにして、我が国はまだ、金融機関が次から次へと破綻をするというような状況にはなっていないわけでありますけれども、世界は本当に、そういう状況も踏まえて、今非常に厳しい状況だというふうに思っております。 そこで、アメリカ、EU、そしてアジア諸国の金融の状況、この現状というのを、大臣を初め当局の皆さんは今どのようにごらんになってみえるのか、考えてみえるのか。本当にある意味でうみを出し尽くした状況にあるのかどうか。まず冒頭、その辺から伺ってまいりたいというふうに思います。
○与謝野国務大臣 まず、我が国の金融機関あるいは生保の状況というのを調べてみますと、それぞれ非常にストレスに強いということがわかっております。例えば、株価がこれだけ下がったらどうなるか、これだけ下がったらどうなるかということで、各金融機関の健全性がそういう悪い条件でも維持できるのかどうかというテストを実はやっておりますが、日本の金融機関は、銀行、生保とも非常に耐久力があるということがわかっています。耐久力があるんだけれども、実際お金を貸してくれるかどうかというのはまた別の話で、ただ、金融機関自体の健全性は維持されている。 アメリカも、やはり大きな金融機関は倒さない。今のアメリカを見てみますと、シティもバンク・オブ・アメリカも、事実上国有化しているわけです。イギリスも、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドとかロイズ銀行とかというのを見ていましても、これも事実上の国有で、そういう意味では、金融システムが本当に壊れるとか溶けて消えてしまうとか、そういうことはないと思うわけですけれども、いつまでもこんなことをやっていてはだめだと。それで、最近、アメリカもようやく、不良債権を早く処理しようということで、ガイトナー財務長官が一兆ドルになんなんとするプランを発表されました。 こういうことでどんどん処理が進みますと、今は暗い状況ですけれども、やはりいずれは明るさが見えてくる。それぞれの国が、持っている政策手段を全部出し切ろう、こういう決意でやっておりますから、私は、日本の将来、世界の将来に対して、いささかも不安とか悲観的なことは考えておりません。ただ、抜け出すまでは各国とも相当努力をしなきゃいけないことは間違いないと思っております。
○鈴木(克)委員 本当に各国が協調して一つの方向に向かって、この世界同時不況を脱出していく、これは最も大切なことだというように思うんですが、そういう中で、午前中もいろいろ議論がありましたけれども、景気予測や出されてくるいろいろな指標が本当にばらばらで、その中で、残念ながら一番甘い見通しが政府の出しておる景気見通しだ。これは、本当に口で言われておるほど実情を厳しく把握されておるのかなというような気がしてならないわけであります。 そこで、先日の報道によりますと、IMFが世界経済の見通しを再び下方修正した、こういうことであります。これは御案内のように、日本に対して、IMFが見ている日本の見通しについても、一月時点はマイナス二・六%であったわけでありますが、今さらに悪化をしてマイナス五・八%に落ち込むのではないか、こういうことをIMFは見ているわけですね。 これは、先ほど申し上げたアメリカはマイナス二・六、そしてユーロ圏がマイナス三・二、これより我が国日本に対する見方というのははるかに厳しいわけですよね。アメリカからこの経済問題、金融問題が発生したにもかかわらず、そのアメリカよりもさらに日本の方が厳しいということをIMFは見ている。こういう状況では、私たちは本当に暗たんたる気持ちになるわけであります。午前中の議論にもありましたけれども、私は、やはり政府として見通しをもう一遍きちっとここで修正すべきだというふうに思うんです。 現に大臣は、二十二日のテレビで、後半によほど改善をしなければ、前年比マイナス六%でもおさまらないんじゃないか、こういうことをおっしゃっているわけですよ。大臣は、テレビでそういうことをおっしゃるんだけれども、国会でそういうことは正式におっしゃったことはないわけですよね。私は、やはりそれは順番が逆だと思うんです。国会できちっとそういう見通しを述べられて、そしてテレビでおっしゃるのは、それはいいですよ。だけれども、テレビの方が先で、我々、テレビを見て、ああそうか、与謝野大臣はマイナス六%というふうに見てみえるんだなと。これでは、私は物の発想、話が逆だというふうに思うんです。 今ここで、大臣が率直に我が国の状況をどのように見てみえるのか、数値ではどんなふうに感じてみえるのか、テレビではありませんけれども、ぜひ国会の場でお示しをいただきたいと思います。
○与謝野国務大臣 一番衝撃的な数字というのは、去年の二月とことしの二月を比べますと輸出が四九%減っちゃっている、これは実に衝撃的な数字で、輸出が半分なくなっちゃったという、これが一番衝撃的な数字。もう一つ衝撃的な数字は、貿易で稼いでいるのかと思ったら、貿易で赤字を出している。利子とか配当の仕送りがあるからそれで穴が埋まるのかなと思ったら、それを足し合わせても月に千五百億ドルぐらいの赤字。これは、我が国の経済が成り立っていくのかどうかという問題が根本の問題として、心配なこととして浮き上がってきます。 そこで、どのぐらいマイナスかというのはわからないんですが、例えば去年の一月から去年の暮れまでというものをとりますと、比較的いい数字が出てきちゃうわけです。なぜかというと、去年の一—三月、四—六、七—九、まあ、そこそこのパフォーマンスで、十—十二というのをとると、ここの部分だけは非常にひどい。だけれども、よく見ると、政府の見通しというのは、暦年でやっているのではなくて会計年度で見通しをやっておりますので、多分、去年の十—十二月、改定値でマイナス一二・一ですよ、恐らく一—三月も鉱工業生産とか貿易統計を見ると同じぐらいひどくなっている可能性があるので、これはかなり深刻な数字になると思います。 IMFが言っているマイナス五・八というのはかなり勉強しての数字なので、そんなに大きなマイナスになったら国民生活に多大な影響を与えるということで、やはり経済対策を国会でも各党でもそろそろお考えをいただかなければならない時期が近づいているんじゃないかな、私はそう思っております。
○鈴木(克)委員 ですから、冒頭申し上げたように、やはり現状をきちっと把握して、お互いに確認をし合って、そして新たな目標を設定して進んでいく、これが本来だと思うんですよね。 確かに今大臣がおっしゃったように、政府は今、公式見解ではゼロ%なんですよ。日銀はさらに厳しい、IMFもさらに厳しい。それから、民間会社十八社の平均の見通しを見ても、これはマイナス四・三%ですよね。だから、みんな悪いんです。そういう中で、現在の政府の公式見解はといったら、いや、ゼロ%でございますということになるわけですよ。 大臣はおっしゃっているんですよ、テレビの前なら。マイナス六%でもおさまらないかもしれない、こうおっしゃっているわけですよ。だから、はっきりとここで、共通の認識として、マイナス六%なのか六・五なのか私はわかりませんけれども、やはりきちっと国会で発表されて、それに向けて今おっしゃったように補正なりなんなり真剣に考えましょうやということを言われるべきではないんですかということを、私は繰り返して申し上げておるわけです。
○与謝野国務大臣 我々ベストを尽くして昨年の十二月、経済見通しをつくったわけですけれども、現状を直視すれば、こんな数字は通用しなくなっているというのは先生の御指摘のとおりで、三月末にかけていろいろな統計も集まってまいりますから、四月からは経済見通しはきちんと見直すということは我々に与えられた責任であると思っております。
○鈴木(克)委員 ぜひひとつ、そういうふうにきちっとした方向性ですよね、指標、数値を出していただきたい。 私は、午前中、大臣の答弁で本当に気になったのは、現在予算審議中なので申し上げることはできないけれども、まあ四月中には着手をしますというようなことをおっしゃったんですよ、議事録を見ていただくとわかるんだけれども。そこに私は非常にひっかかりを感じておったわけですが、これ以上同じことを申し上げても仕方がありません。本当に現実をきちっと見据えて誤りなき対策を立てていく、これがやはり国民の今望んでいることでありますので、強調をさせていただきたいというふうに思います。 お忙しいところ、日銀総裁にお越しいただいていますので、何点かお伺いをして、またお戻りをいただいてもと思っておりますので、まず伺ってまいります。 日銀は、国債の購入金額を、一兆二千億、一兆四千億で、今現在一兆八千億まで増額をされたということであります。それからもう一つは、一兆円の銀行向けの劣後ローンの供与もお決めになったということであります。一部の情報というか報道によると、市場には若干悪化に歯どめがかかったというようなことも言われてはおりますけれども、しかし、先ほどの大臣と私の議論のように、本当にまだまだ厳しい状況が続いておるということでございます。 そこで、いわゆる日銀の国債買い入れの増額それから銀行向け劣後ローンの供与等々のねらいですね、それと効果をどのように総裁が今考えておみえになるのか、まずお聞きをしたいと思います。
○白川参考人 お答えをいたします。 まず経済、金融の現状ですけれども、一言で言いますと大変厳しい状況であるというふうに認識しています。その中で、長期国債の買い入れでございますけれども、先生御指摘のとおり、先週の決定会合で長期国債の買い入れ額を年間二十一・六兆円に増額するということを決定いたしました。 年度明けの金融市場の状況を見てみますと、足元は年度末少し落ちつき、おおむねめどがついているということではございますけれども、年度が明けましても金融市場の緊張が続く可能性が高いというふうに判断をしております。したがいまして、金融市場の安定を確保するということが非常に大事だというふうに思っておりまして、引き続き積極的な資金供給を行っていくということでございます。そうした資金供給を行う上で、長期のオペレーションである長期国債の買い入れも、これを活用して円滑な金融調節をやっていこうというものでございます。 二つ目の、劣後ローンの供与の方でございますけれども、こちらの方も広い意味では現在の厳しい状況に対応したものでございますけれども、少しこれに即して申し上げます。 足元、株価は少し戻してはおりますけれども、しかし、米欧の金融システムは依然として不安定な状況を続けるというふうに思っております。今後、国内外の金融市場において緊張がさらに強まって株価が下落するという事態を想定してみますと、個々の金融機関が、そうした先行きの株価の下落に対する懸念から、みずからの自己資本についての制約を強く意識するということがありますと、各金融機関がそうした行動をとり始めますと、結果として経済全体に収縮的な作用が働いてくるということになります。いわば合成の誤謬が働いて、当初意図した以上に、みんなが想定した以上に経済が悪化する、そういう危険性があるということだと思います。 そうしますと、日本銀行としましては、こうした厳しい金融経済情勢の中でも、我が国の金融機関が十分な自己資本の基盤を維持し得る、そうした手段を整えることによって円滑な金融の仲介機能が維持できるというふうにしたいということでございます。そうしたことから、金融機関に対して、異例ではございますけれども、劣後ローンを供与するということについて具体的な検討を始めました。 ただ、急いで申し上げないといけませんのは、金融機関の劣後ローンは、これは一つの手段でありまして、まず何よりも金融機関がみずから市場で自己資本を調達する、それから先般政府が決めました金融機能強化法、これに基づいて自己資本を調達する、そうした手段と並行して我々の手段もあるということでございます。 いずれにせよ、こうした安全弁を用意することによって、さらに経済、金融が突っ込んで悪くなることを防ぎたいということでございます。
○鈴木(克)委員 そこで、総裁に二点実は申し上げておきたいんです。 一つは、この国債買い入れについても、今、月一・八兆円ですから年間二十一兆円強ということになるわけですが、これは、たしか銀行券、お札の発行高を超えるわけにはいかないというルールがありますよね。現在、四十四兆円ですか。そうすると、その枠というのはあと三十兆ぐらいではないのかなと私は考えております。その辺のところも当然十分御勘案のもとでこういう政策をおとりになっているというふうに思います。御答弁は結構ですけれども、そういうことが一つあるのではないかということなんです。 それから、もう一つ私があえて申し上げると、今後いろいろな意味で政府が財政出動をしていきますよね。そうすると、当然赤字国債を発行していくということになっていくと思います、これはわかりませんけれども。そうなってくると、日銀が財政赤字を穴埋めしていくということを前提として今回こういうような措置をおとりになったのではないかというような、これはちょっとうがった考え方かもしれませんけれども、そういうことも一部には言われております。御答弁は結構ですけれども、そういう二つのことを我々は今注目しながら、日銀さんのおやりになっておる政策を拝見させていただいておるということを申し上げておきたいと思います。 それで、続いて総裁にお伺いします。次は、ゼロ金利政策それから量的緩和政策の復活ということについてお伺いをしたいんですが、御案内のように、諸外国ではゼロ金利政策や量的緩和に入っているところもあるわけですね。イギリスでは三月五日に量的緩和に踏み切ったというような報道もされておるわけであります。そしてまた、欧州の中銀でも非伝統的な手段による金融政策が検討されているというふうに言われておるわけであります。 そこで、こうした海外でゼロ金利政策や量的緩和の状況が今出されてきておるということに対して、どのように把握をし、そして日銀としてはどのような評価というか見方を今されておるのか、その辺のところをお聞かせいただきたいと思います。
○白川参考人 まず、量的緩和政策についてでございますけれども、イギリスは量的緩和政策を採用しているというふうに、もちろん新聞等でそうした報道があることは承知しておりますけれども、イギリスも含めて、それからアメリカもそうですけれども、みずからの金融政策について、我々は量的緩和政策を採用しているというふうに言っている中央銀行は現在のところはございません。これはもちろんいろいろな解釈ですから、そうしたエコノミストの解釈があること自体は、これはもちろん自由な言論ですけれども、ただ、当事者は量的緩和政策を採用しているというふうには認識していないというふうに私は考えています。 以上を申し上げました上で、実は各国の中央銀行がとっている政策は、私の感じですと、それぞれ言い方は違っておりますけれども、驚くほど実は似ているなという感じでございます、これは日本銀行も含めてでございますけれども。今各国の中央銀行がとっています政策は、大きく言って三つの視点で整理ができるかなというふうに思います。 一つは、政策金利の引き下げでございます。 各国とも政策金利を引き下げました結果、非常に低い金利になっております。日本銀行は今〇・一、FRBはゼロから〇・二五、欧州中央銀行は一・五、バンク・オブ・イングランドは〇・五でございます。いずれも低い金利でございます。ただ、正確にオーバーナイトの金利水準を比較しますと、日本は〇・一、アメリカは〇・二ぐらいでございまして、実は、アメリカについてはよくゼロ金利政策と文学的には表現されますけれども、実態的には日本銀行の方がよりゼロに近い。だからどうだということではございませんけれども、実は日本銀行の金利水準が非常に低い、アメリカよりも低いということでございます。 それから二つ目の柱は、これは金融市場の安定維持でございます。 これは必ずしも狭い意味での金融政策だけではなくて、いわゆる最後の貸し手として個別の金融機関に対して資金を供給することも含めた意味合いでございますけれども、金融市場に潤沢に資金を供給するということでございます。この点、FRB、BOEもそうでございますし、日本銀行も潤沢に資金を供給しているということでございます。 三つ目の柱は、金融市場の機能が低下した場合に、その市場に直接働きかけて何とか企業金融の機能を少しでも回復させようということでございます。 アメリカは、CPあるいはABS等の金融商品を買い入れているわけでございます。そういうふうに考えますと、実は日本銀行もコマーシャルペーパーを買う、それから社債を買うということでございます。 そういう意味で、金利、市場の安定、それから個別市場への働きかけという点で、実は世界の中銀、日本銀行も含めて、非常に似ているなという感じがします。違いはどこにあるかといいますと、それぞれの国の置かれた金融構造の違いだろうと思います。アメリカの場合は、先生御案内のとおり、圧倒的に資本市場のウエートが高い。それに対し、日本あるいは欧州は銀行の貸し出しが大きいということでございますから、働きかける市場が少し異なるということはございますけれども、しかし、定性的には非常に似ているなということでございます。 そして何よりも、金融システムの安定を通じて経済の回復に努力をしていくという点においては、これは各国同じだろうというふうに思っておりますので、これからも、そうした意味で日本の状況をつぶさに点検しながら、適切に政策を運営したいと思っております。
○鈴木(克)委員 そうすると、続いて総裁にお伺いをしたいと思うんですが、我が国でいわゆるゼロ金利政策そして量的緩和を復活させることについての是非というか、そういうお考えがあるかどうかということをお伺いしたいんです。 平成十一年にゼロ金利政策をやり、そして十二年に一たん解除し、十三年には量的緩和政策というのに入っていったわけですよね、過去の動きを見ますと。そういう状況ですが、当時の、平成十一年のころよりもはるかに今回の方が厳しい状況にあるというふうに私は思うわけです。 そうすると、当然、当時とった最も厳しい政策を日銀はやはりやっていく必要があるんじゃないのかなというふうに思うんですが、くどくなりますけれども、ゼロ金利や量的緩和の復活というものに対して今総裁はどういうふうにお考えになっているのか、お聞かせください。
○白川参考人 まず、政策に対する構えということで申し上げますと、私は、経済の先行きについては決して予断を持つことなく状況を点検し、政策を運営したいというふうに思っております。したがいまして、将来こういう政策は絶対にないとかあるいは絶対にあるとか、そういうことはやはり言えないというふうに私は思っています。そのことを申し上げた上で、今の御質問にお答えしたいというふうに思います。 ゼロ金利政策、文学的にゼロ金利政策というふうに言われるアメリカについても、実はこれはゼロ金利をしているわけではございません。同じことはイギリスも言えまして、イギリスはせんだって金利を〇・五%に引き下げました。そのときの議事要旨というのが既に公表されておりますけれども、景気を刺激するために金利を引き下げた方がいい、しかし金利を下げ過ぎますと、今度は逆に金融市場の機能が低下していく、あるいは銀行の仲介機能にかえって悪影響があって、結果的には金融緩和効果に対してむしろマイナスの影響が出てくる、したがってどこかで最適点があるはずだ、自分たちは最適点が〇・五だというふうに、明確に言っているわけではございませんけれども、そういうふうな言い方をしております。 アメリカは、先ほど申し上げたように、ゼロから〇・二五というふうに判断をしているわけでございます。そういう意味で、どこまで金利を下げることがいいのかということについての議論はもちろんございます。日本銀行は、現状、〇・一という水準が適切だろうというふうに判断しています。 それで、量的緩和でございますけれども、午前中も若干答弁いたしましたけれども、量的緩和政策を今時点で評価してみますと、この政策で一番意味があったのは、金融市場、金融システムの安定という面でこれは意味があったというふうに評価をしております。この点は現在も、金融市場、金融システムの安定が最も大事である、多分当時よりももっとこれが大事だろうというふうに私は認識しております。 そうした目的を実現する上で、今のこの金融の状況の中で何が一番適切であるかというふうに考えたところ、先ほど申し上げましたようなもろもろの措置、これは、CP、社債の買い入れ、あるいは、金融政策ではございませんけれども金融機関保有株式の買い入れ、先般の劣後ローンの提供等でございます。 申し上げたいことは、現在の日本の直面している金融市場の状況に即して、何が一番効果的にその目的を達成し得るかということでございます。その思いにおいては、当時と現在もこれは全く変わりはございません。
○鈴木(克)委員 状況はよくわかりました。 それで、あと二点ほど総裁にお伺いをしてお戻りいただきたいと思っていますが、政府紙幣それから無利子国債、政府紙幣と言うとまたかというふうにお思いになるかもしれませんけれども、与党の中で政府紙幣の発行、それから相続税を免除する無利子国債の発行が検討されているというふうに聞いております。 麻生総理が、これはわかりませんけれども、何か無利子国債については導入を決断したというような話も聞いておるわけでありますが、財務大臣にまず先に、総裁にお答えいただく前にお聞きしたいんですが、政府紙幣と無利子国債のいわゆるメリット、デメリットをもう一度お聞かせいただきたいと思います。そして、後、総裁にも同じようにお伺いしたいと思います。
○与謝野国務大臣 政府紙幣は論ずるに値しないと思うんですけれども、先生が問題点はどういうことかということを質問されましたので、あえて幾つか問題点を申し上げておきます。 市中で日銀券と並行して政府紙幣が流通される場合、取引で必要な量を超える等により政府紙幣が金融機関を経て日銀に還流するため、そのときには引き取るための財源が必要であること。また、政府紙幣を日銀に資産として保有させることは、無利子、無期限の国債の日銀引き受けと同じであり、インフレに対する反省に基づいて規定された財政法第五条の趣旨に反すること。さらに、中央銀行と並行して政府が紙幣を発行するのは世界的に見て異例であり、混乱を招きかねないこと。安易な発行に流れ、財政規律を失うことがある。これは論外である。 他方、無利子非課税国債については、麻生総理が決断したとかそういうことは全くありませんから。無利子非課税国債については、国と購入者が両方メリットを受けられるような、そういう仕組みになり得るのかという問題があります。それから、一部の富裕層に相続税負担を軽減する手段を与えることは公平なのかどうかという議論が出てまいります。それから、マネーロンダリングをやる可能性がある。税体系全体の改革をやろうとしているときに、税制の抜本改革との整合性がとれるのかという問題があります。 という観点からいろいろやっておりますが、無利子非課税国債の方は、まだ結論は出ていませんけれども、あらゆる問題点、論点はどこにあるのかというものを今摘出しているところでございます。
○白川参考人 政府紙幣の問題点につきましては、ただいま与謝野大臣が御答弁なさったことと全く同じように私は認識しております。 一点、中央銀行という立場で申し上げたいということでございますけれども、日本銀行は日本銀行券という形で紙幣を発行しております。日本銀行で仕事をやっていますと、実は、銀行券を出す、あるいは銀行券を国民の皆さんに使っていただくためにどういうことをしているかということが私自身の仕事として認識できるわけですけれども、お金は出せば流通するというものではございません。我々が一番苦労していますのは、どうやって偽造券に対抗できるか、要するに偽造を防ぐかということでございます。もし偽造券があった場合には、それを速やかに発見するということでございます。そうでないと、国民がこれは一々偽造券かどうかということを丹念に調べないといけないということになります。あるいは、券売機あるいはATM等でお札が使えるというふうにしないと、結局お金は不便なものとなってまいります。 したがって、今申し上げたような広い意味での銀行券流通のインフラが整備されていませんと、実は紙幣を出しても直ちに日本銀行の窓口に戻ってくるということになります。つまり、財源が不要ということではなくて、比較的速やかにお札が戻ってしまうということがございます。申し上げたかったことは、お金を出すということは、それだけ資源を投入してインフラをしっかり整備しないと、そもそもそうした目的すら達成できない。そのこと自体のよしあしは別にしまして、そうしたインフラ整備が必要な、そういう地道な作業であるということでございます。
○鈴木(克)委員 それでは、総裁、最後の質問になるわけでありますが、先ほどちょっと私、三番のときに、日銀が財政赤字を穴埋めするために国債を買わなきゃならないということは非常に問題だということを申し上げたんですが、改めてそのことについて、日銀による国債の直接引き受けについてちょっとお伺いをしたいというふうに思います。 政府が需要不足を埋めるために、その財源として国債を追加発行しなければならない、これは当然そういうことはあると思うんですね。例えば相当多額の、二十兆とか二十五兆とかいうような国債を出すといったときに、私は市場に与える影響は非常に大きいと思うんですが、したがって、そういう状況を回避するために日銀に国債を直接引き受けてもらうというようなことも、今後絶対ないということは言い切れないというふうに思うんです。 もちろん仮定の話でありますけれども、日銀による国債引き受けというのはよく劇薬だというふうに言われておるのは御存じのとおりですよね。私もそうは思うんですけれども、あえて、そういう状況に至ったとき、そういう状況に陥ったときに日銀としてどういうような御見解を示されるおつもりか、まず御答弁いただきたいと思います。
○白川参考人 お答えいたします。 日銀によります国債の直接引き受けにつきましては、財政法第五条におきまして、公債の発行については、日本銀行にこれを引き受けさせてはならないこと、ただし、特別の事由がある場合において、国会の議決を経た金額の範囲内では、この限りではないというふうに定められております。これは法律上の扱いでございます。 中央銀行が一たん国債の直接引き受けを始めてしまいますと、過去の多くの経験が示しますように、財政支出の拡大と通貨の増発に歯どめがきかなくなりまして、悪性のインフレを招くおそれが出てまいります。そうなりますと、その国の通貨や経済運営そのものに対する内外からの信認が失われ、結局、経済の持続的な成長の基盤あるいは物価の安定の基盤それ自体が損なわれるということでございます。これは、我が国を含め多くの国の歴史から得られる貴重な教訓でございまして、こうした教訓を踏まえて財政法の規定が定められているというふうに理解しています。 それから、現在では、例えばIMFがいろいろな、新興国に対して資金援助を行うとか制度の設計について助言を行うというのにまず言っていることは、中央銀行の国債引き受け、これはやってはならないということでございます。したがって、これは、今や先進国だけでなくてほとんど多くの国において実は大事にされている原理原則だというふうに思います。 日本銀行としまして、新規の国債を直接引き受けるという考えは、これは全く持っておりません。
○鈴木(克)委員 総裁のお考え、日銀の考えというのはよくわかったわけであります。では、総裁はこれでどうぞお引き取りください。ありがとうございました。 そこで、大臣にちょっとお伺いするんですが、今そういうお話でありました。特別の事由があったとき、そして国会の同意を得られたら、日銀にそういうことを受けてもらうことも全然ゼロではないというような含みがあるわけですよね。大臣はそれについては、もしどうしても引き受けてもらわなきゃならないような状況が生まれたときにそういう要請をされるおつもりですか。その辺はどうですか。
○与謝野国務大臣 日銀に直接国債を引き受けていただくということは、政府としては、断固としてそういう事態は避けるべきだと考えております。 財政法第五条の例外規定も、異常な事態を想定した例外中の例外、しかも国会の御同意をいただくという例外の規定でございまして、私は、財政法第五条の本則に基づいて財政は運営されるべきだと考えております。
○鈴木(克)委員 総裁のお考え、大臣のお考え、よくわかりました。 そこで、ちょっと視点を変えまして、今度、財政再建路線ということに対して、また新聞記事で大変申しわけないんですけれども、三月十一日の新聞によりますと、財政再建路線を一時公演中止します、こういうことをおっしゃったわけですよね、御記憶にあると思うんですけれども。これは、しばらくの間財政再建路線を棚上げするということを大臣はおっしゃったのかなというふうに私は理解をしたわけでありますが、まず、この点について大臣のお考えをただしていきたいと思います。
○与謝野国務大臣 私の本籍地はやはり財政再建派でございまして、それは揺るぎないものでございます。ただし、こういう異常な事態でございますから、国民生活、国民経済に必要な政策は国会に諮って実現、断行していくというのがやはり政治の責任でもある。財政再建路線を掲げてまっしぐらというのではなくて、状況に対応した政策をやっていくというのが責任であると思っております。
○鈴木(克)委員 くどいようですが、十日の夜、東京都内のパーティーであいさつし、与謝野財務・金融相は、財政規律派の仕事は一時公演中止、こういうふうに述べられたというふうに載っておりますので、よく御記憶だと思いますけれども、念のために申し上げておきます。 次に、やはり大臣にお伺いしたいんですが、いずれにしても、今本当に大変な状況である、もう繰り返し言ってきましたし、十分御認識は共通だと思うんです。したがって、ありとあらゆることを考えていかなきゃならない、手を打っていかなきゃならない。その中で、埋蔵金なんですね。自民党はこうした財源のためにいわゆる埋蔵金を使っていくんだということを御検討されておるというふうに聞いておるわけでありますが、いわゆる埋蔵金を財源として利用するということについて財務大臣はどのようにお考えになっておるのか、お示しをいただきたいと思います。
○与謝野国務大臣 埋蔵金という概念は、埋めて隠されている、だれも知らない、自分だけ知っている、そういう特別な概念です。 日本国の政府の持っております特別会計は全部オープンでございまして、むしろそこにある金を、使っていいお金なのか、使ってはいけないお金なのかということを国会の皆様方に峻別していただくということが必要なので、中には絶対に手をつけてはいけないというお金があるわけです。手を打つ、場合によっては手をつけても許されるかな、そういうことで、これはすぐれて国会の皆様方の御判断だと思うんですが、おおよそ特別会計のお金は手をつけてはいけないものがほとんどであると私は思っております。
○鈴木(克)委員 時間も参りましたので、最後の御質問にさせていただきたいと思うんですが、予備費のことをちょっとお伺いしたいと思うんです。 今、一兆円ですか、予備費を計上されていますよね。これを、一方では予備費というのは国会開会中は使わないという考え方がありますね。ところが、今そんなことを言っておれない、大変な状況なんだから、それにも手をつけていくべきだという考え方もあるというふうに聞いておるんですが、このことについては大臣はどんなふうな御見解ですか。
○与謝野国務大臣 そもそも今回予備費を一兆円にするときに我々がやった議論は、一兆円も予備費を積むと国会の予算審議権を侵すことになるのではないか、そういう議論を実はしていたわけです。一方では、そうはいっても、ことしは何が起きるかわからないよ、何か起きたときに予算措置をするまでに予算書をつくったり御審議をいただいたり、そういう緊急の支出はことしは異常な年だからあり得るというので、あえて一兆円そこに積んだわけでございます。これは、積んだからといって何に使ってもいいわけではなくて、使途が限定されております。 それから、国会開会中そういう予備費を使ってはいけないということはないわけでして、緊急事態に対応して使うということはあり得るわけですけれども、国会開会中であれば、そのような事態については当然国会から説明を要求されるわけですから、それはきちんと政府が国会の皆様方に説明責任を有することになる、そのように思っております。
○鈴木(克)委員 時間が参りました。最後にさせていただきますが、予備費は国会開会中は使わない、本来なら補正を出すべきだと思う、これは小渕内閣のときの宮沢大臣がおっしゃっているんですね。それから、国会開会中に予備費を使う場合は、人件費などの義務的経費や災害復旧など補正予算が間に合わない場合に限られる、こういうことになっておるわけであります。どうぞひとつそういうことを前提に、予備費については執行をしていただくようにお願いをしておきます。 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。
○田中委員長 次に、佐々木憲昭君。
○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。 今回提案されておりますIMFへの日本の増資は、日本円で三千百億円、大変巨額でございます。国民の生活が大変苦しい、そういう時期であり、また財政的にも非常に深刻な状況にある、そういう中でこれだけのお金を出すわけですから、それにふさわしいIMFの改革というものが伴わなければならない、私はそう思っております。果たして、前提が整っているのかどうかというのがきょうの問題提起でございます。 一つは、IMFの融資政策の改革であります。それからもう一つは、途上国の意向が適切に反映するような改革、これが行われなければならないと思うわけですね。 そこで、まず政策内容についてでありますが、そのポイントは、融資を受けた国の経済主権とIMFの政策介入、これをどう考えるか、この問題であります。融資を受ける側の経済政策の自主性と、それからIMFが融資をした側として経済政策に対して物を言う、この関係をどう考えるか。与謝野大臣、まずその基本的な見地をお聞きしたいと思います。
○与謝野国務大臣 うまくお答えできるかどうかわかりませんけれども、IMFがかつて東南アジアあるいは他の国に十数年の間でいろいろやったときには、やはり各国の自主的な政策とIMFの方針がぶつかったわけでございます。これは決していい結果を生まないということで、国際局長に答弁させますが、IMFもその辺は、最近は十分わかり始めたと思っております。
○玉木政府参考人 一九九七年以降のアジア通貨危機における批判、それに基づく反省というものが、長年にわたってIMFを中心に行われてまいりました。 こうした議論を踏まえて、IMFは二〇〇二年、今から六、七年前ですが、コンディショナリティー、融資条件に関するガイドラインというのを策定いたしましたが、その際、融資条件の策定に際しては、支援対象国自身の自主性を重視することや、融資条件を必要最小限に限定すること等を明確にしております。これは、例えば国営企業の民営化等、マクロ経済の安定に必要不可欠とは言えないような構造政策を、余りにも過度に課してきてしまったのではないかという議論にこたえたものでございます。 最近、またIMFの資金支援が活発に行われておりますが、ここにおいては、こうしたガイドラインにのっとりまして、特に構造政策にかかわる融資条件を制限的にしたり、あるいは財政再建目標について、支援対象国の自主性を尊重しある程度の柔軟性を持たせるものにするなど、全般的に支援対象国自身の自主性が重視されるようになってきていると考えております。
○佐々木(憲)委員 一九九七年のアジア通貨危機のときは、大変な批判がIMFに対しても起こったわけであります。例えば、あの当時、マレーシアと韓国の対応というのは随分違っていたと思います、それぞれの国のIMFに対する対応です。 私は当時、あの危機の直後に東南アジアを日本共産党の代表団、団長は不破哲三さんだったんですが、その一員として参加したことがありまして、九九年の九月にマレーシアに行ったときのことを大変印象深く覚えているんですが、その内容は、「日本共産党の東南アジア訪問」という本にもまとめてありますけれども、その中で、当時、マレーシアの経済計画庁で説明を受けました。 そのときに、IMFの介入、干渉に対して、その押しつけを排除したとマレーシアの側は言っておりました。独自の経済政策を実行したんだということで、IMFの政策とマレーシアの経済政策を並べて表にしまして、これだけの違いがあるんだ、こういう説明を受けたわけであります。 特に、九七年以来の国際通貨危機で投機的な資本がマレーシアに大量に流入して、ざっと引き揚げようとした。そのときにIMFは、アメリカもそうだったんですけれども、市場経済なんだから規制するな、経済は自由である、こういうことで、そういうことをやらせないような圧力があった。これに対してマレーシアは、いやいや、そうではないということで、独自の政策、規制政策、管理政策を対置して、実際はそれでうまくいったわけです。その後、IMFはそのことを評価して、マレーシアの資本管理の状態を、これは有効である、こういうふうに認めて再評価をしたわけです。 それがマレーシアの例ですけれども、例えば韓国の場合はこれとは全く違いまして、当時IMFは、市場開放それから規制緩和、こういうことを要請しました。韓国はこれに十分に従って、市場開放、規制緩和、構造調整に努めた。その結果、外資にとって資金の流入、流出が自由な、活動しやすいオープンな資本市場になった。そのことが、その後の韓国にとっての通貨管理というのが非常にやりにくくなった。 例えば、今回の危機に対応して、資本の流入、流出の自由化ということが韓国ではずっと行われてきたために、九月の段階で韓国に貸し付けていた短期の外資の流入がなくなるんじゃないかということで、韓国の経済危機というものが非常に深刻なものであるというふうに評価をされる、こういう事態になったわけであります。 したがって、先ほど少し説明がありましたが、IMFの各国の経済政策に対する介入というものは、一体どこまでどうあるべきか。私は、アジア通貨危機の反省というのは、すべて自由化するということに対してやはり慎重でなければならなかった、こういう反省だというふうに先ほどの説明も伺いました。果たして、それが今回のIMFの改革と言われる中で十分に行われているのかどうか、その反省を十分踏まえて改革が行われているかどうかであります。 先ほどの説明によりますと、コンディショナリティーに対するガイドラインというのが発表されて、自主性の尊重、融資条件の合理化というようなことがやられたというんですけれども、まだ短期の緊縮的な財政金融指標を押しつけるとか、融資の条件の設定目標を削減することがまだ不十分であると。世界銀行の方は大幅に削減をした、しかし、IMFの方はまだそういうふうになっていないのではないかという評価があります。与謝野大臣は、その辺はどのようにお感じですか。
○玉木政府参考人 先ほど申し上げましたようなコンディショナリティーのガイドラインに沿って、今回、例えば中東欧の国々のプログラムなどにおいては、やはり九七年、九八年当時のコンディショナリティーとかなり大きな違いがあると見ております。 支援対象国自身が自主的に選択した、すなわちオーナーシップの尊重であるとか、それから構造コンディショナリティーの対象を、今般特に問題になった金融部門に限定するとか、あるいは他の国際金融機関やバイ支援国を含めた、全体的な国際的な協調のもとの支援とかといったような考え方が盛り込まれていると考えています。 世界銀行との比較でいえば、世界銀行の方がより長期的な視野、貧困削減のために有効なコンディショナリティーという考え方に立っているのに対して、IMFの場合には短期的に、今生じている危機を安定させなければいけない、一定の強度を持ったコンディショナリティーを導入しなければその目的が達成できないという意味で、コンディショナリティーの目的に差があることは否めないと思います。
○佐々木(憲)委員 そこが評価が若干違うわけでございまして、もう少しこれは、途上国の側からいうとまだ足りないということで、今議論が行われているんだと思います。 さて次に、問題は、だれがこれを決定するのか、つまり意思決定の問題であります。人事もそれに含まれるわけですけれども、いわゆるガバナンスでございます。 この点については従来から、先進国中心ではないか、大国中心ではないかというような批判がありまして、例えば投票権のシェアについては、先ほども少し説明があったように、投票権の配分の仕方についても、発展途上国、とりわけ低所得国の比重を底上げする、そういう調整も行われているというふうに聞きました。 しかし、重要事項を決定する場合に、総投票数の八五%以上で決めるわけです。そうすると、アメリカは一六・何%ですよね。重要事項は、アメリカがノーと言ったら決まらないわけです。つまり、拒否権があるということであります。これは変わるんでしょうか。
○玉木政府参考人 IMFにおいては、IMF協定の改正あるいは増資の決定といった限定された重要事項については、特別多数決として八五%の多数を要求しております。 今般、米国の投票権シェアは増資前と同じ一六・七三%となっておりますので、特別多数決の成立のためにはアメリカの賛成が必要だという構図には変わりありません。
○佐々木(憲)委員 その点では、これは変わらないということでございます。 では、ほかの国際機関、例えば国連は、各国の投票権というのは、こういうお金の出す比重あるいは経済力によって投票権に差をつけるというような機関はほかにあるんでしょうか。
○玉木政府参考人 IMF、世銀も国連の専門機関でございますが、こうした出資額比例、経済力に比例した発言権という構図を持っているのは、基本的にIMFと国際開発金融機関に限られると思います。
○佐々木(憲)委員 つまり、各国の平等ということを考えますと、もちろん経済的な力関係というのはありますから、それは一定の反映というのは必要だと思いますが、平等、各国の主権ということを考えますと、大きな国は経済力があるんだからすべて決定権があるんだ、とりわけアメリカは拒否権まであるんだ、こういう仕掛けを直そうというのが今の大きな流れでありまして、私は、今回まだこういうところが改革の対象になっていないというところに、非常に大きな問題点を感じているところであります。 それから人事ですけれども、二十四カ国の理事会の人事は、出資額上位五カ国は選挙なしで選出される任命理事である、こういうことですね。したがって、先進国が独占をしておりますし、IMFを代表して活動する専務理事、第一副専務理事、これは前者がヨーロッパ人、後者はアメリカ人と、最初から何か指定席のようになっているわけですけれども、これは変わりましたか。
○玉木政府参考人 IMFの加盟国は百八十五カ国に及んでおりまして、これが二十四の理事を出すに際しては、一定のグルーピングが行われるのが常でございます。その場合、大出資国は発言権も高いので、自動的に理事のシートを与えられるという構造は変わっておりません。 IMFの専務理事、第一副専務理事に、例えば専務理事はヨーロッパ人、第一副専務理事はアメリカ人という任命が続いていることは事実でございますが、先ほども御説明いたしましたように、IMFのトップである専務理事の選任においては実力本位の選考をすべきであるということが、先般のG20の財務大臣会合でもうたわれておりますし、副専務理事、三人おります中の一つのシートは、現在ブラジル、その前はメキシコというように途上国からの参加になっております。
○佐々木(憲)委員 例えば、数年前にロシアが手を挙げて立候補したという話も聞いたことがありますが、そういうことがあっても、なかなかこれはそういうふうにはならぬわけでありまして、今、若干緩和したような話がありましたけれども、こういう点でも、出資上位五カ国は選挙なしというようなことも、これは果たして公正なのか、平等なのか。途上国から言わせると、ちょっとこれは大国の、横暴とまでは言わないけれども、余りにも発言権が強過ぎるんじゃないか、こういうふうに受け取られるわけであります。今回も、アメリカの拒否権の廃止ですとか先進国中心の運営の是正というのは非常に不十分であり、ほとんど行われていないというふうに私は思います。 この点の改革なしに、増資だけが先行して、日本はどんどんお金を出せばいいんだと、何かATMみたいに、自動的な引き出しみたいな、そういう国にされてはたまらないわけでございまして、一定の改革に向けての平等な仕掛けですとかあるいは各国の主権の尊重ですとか、そういう方向で日本がイニシアチブを発揮するというのが大変大事なことであります。ただ日本が、お金を出すんだから発言権もよこせ、あれもよこせと言うのは果たしていいのかどうか、これも私はよろしくないと思っております。 そういう意味で、今回の法案は、従来のアメリカ中心の運営、あるいは緊縮財政、規制緩和、資本自由化、こういう新自由主義的な経済運営、政策運営の根本的な是正にはつながっていないというふうに私は思います。それから、決定権、ガバナンスの問題についても十分な改革が行われたとは言いがたい、そういうふうに思いますので、今回出されている増資法案については、以上の立場から、我々は反対という態度を表明しておきたいというふうに思います。 以上で私の質問を終わります。
○田中委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○田中委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○田中委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○田中委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、山本明彦君外二名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ及び公明党の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。山本明彦君。
○山本(明)委員 自由民主党の山本明彦です。 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、案文を朗読し、趣旨の説明とさせていただきます。 国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。 一 金融・世界経済危機の深刻化に伴い、危機に直面する国に対する国際通貨基金による資金支援の役割が飛躍的に高まっていることから、その資金基盤の充実強化が喫緊の課題となっている。このような状況にかんがみ、今後の増資交渉に当たっては、増資規模等について十分検討するとともに、加盟国の世界経済における相対的地位が、より反映されたものとなるよう努めること。 一 我が国が行う国際通貨基金への出資及び融資については、厳しい財政状況の下、国民の税金が使用されることにかんがみ、将来の基金の在り方も展望しながら国益に資するか否か等について不断に検証・評価を行い、国際通貨基金が加盟国に対して行う融資等が適切なものとなるよう、適宜、意見を述べ、我が国の意見が十分反映されるよう努めること。 また、円の国際通貨としての利用の拡大による国際通貨体制のより一層の安定、国際貿易・投資の促進等、円の国際化を進めるような運用となるよう配意すること。 一 国際金融システムの安定化に向けこれまで以上に国際通貨基金の役割が期待されるなか、今後も国際通貨基金の改革が継続され着実に実行されるよう我が国としても国際通貨基金と連携しながら、主要出資国にふさわしい指導力を発揮するとともに、人材面等での協力を進め、出資第二位に見合う枢要なポストを確保し積極的な役割を果たすこと。 以上であります。 何とぞ御賛同賜りますようよろしくお願いいたします。
○田中委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○田中委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付すことに決しました。 この際、本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。財務大臣与謝野馨君。
○与謝野国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨を踏まえまして配意してまいりたいと存じます。 —————————————
○田中委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました本法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○田中委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時四十二分散会