国土交通委員会 第8号
- 発言数
- 106 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2009/03/27
会議録
○望月委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、道路整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。 本日は、本案審査のため、参考人として、早稲田大学商学学術院教授杉山雅洋君、シンクタンク山崎養世事務所代表山崎養世君、高知県梼原町長中越武義君及び道路公害反対運動全国連絡会事務局長橋本良仁君、以上四名の方々に御出席をいただいております。 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。本案につきまして、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。 次に、議事の順序について申し上げます。 まず、杉山参考人、山崎参考人、中越参考人、橋本参考人の順で、それぞれ十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。 なお、念のため参考人の方々に申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださるようお願い申し上げます。また、参考人は委員に対し質疑をすることができないこととなっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。 なお、参考人及び質疑者におかれましては、御発言の際には着席のままで結構でございます。 それでは、まず杉山参考人にお願いいたします。
○杉山参考人 早稲田大学の杉山と申します。 お手元に、雑駁なメモで恐縮でございますが、二枚紙を差し上げてありますので、それに沿いまして意見を述べさせていただきたいと存じます。 まず第一点は、現在、我が国の道路整備がどのような水準にあるのか。よく言われておりますのは、道路整備はもう既に十分な段階に達したんだということですけれども、私の認識では、まだ十分な段階に達しているというように判断しかねるわけでございます。 具体的なことを申し上げますと、大都市圏の環状道路、まだ未完成でございます。また、幹線道路、渋滞が大変激しくて、国際競争力の点で我が国の立場を弱めている、そういう存在になっております。また、歩道やガードレールがまだ十分整備されておりませんので、悲惨な事故、特に幼児の通学路にトラックが飛び込むというような悲惨な事故も決して少なくございません。また、踏切事故も相変わらず続出しております。もし、鉄道の連続立体交差が進んでいれば、これらのことは防げるのではなかろうか。また、地震災害による地方道路の崩壊、これは場合によりますと、村落の分断というところまで進む、そういう懸念があるわけでございます。 道路整備が十分か十分でないかということは、実は、綿密なデータに基づいて検証する必要がございます。私の立場ではそのようなデータがございませんので、身近なところを探ってみますと、平成十九年の十一月に出されました道路の中期計画の案、また二十年十二月に出されました新たな中期計画、これがよりどころになるのではなかろうかと思います。見方はいろいろあろうかと思いますけれども、それらの資料を目にする限り、私は、客観的にもまだ道路整備が十分ではないというように思っております。 メモの最初に書いてございますように、一つの例として高規格幹線道路、これをとってみました。総延長が一万四千でございますが、平成二十年度末の供用延長が、およそ三分の二の九千四百六十八キロでございます。若干数字が違うかもしれません。このようなことから考えましても、まだ十分な段階に達していない。 実は、一万四千キロというのはどういう数字かということを申し上げますと、旧国鉄の幹線、これが約一万三千キロでございました。一万四千キロというのは、全国どこに住んでいても、最寄りのインターチェンジまで十五分でアクセスできるという公平性の原則に基づくものでございます。したがって、一万四千キロを達成するということは、我が国の国民にとりまして、機会の平等を与えることになるのではなかろうか。それがまだ三分の二の段階だということは、その必要性が強いというように言わざるを得ないと思います。 それから、道路整備事業の内容でございます。 道路整備といいますと、多くの方々は新設をイメージされますけれども、新設と同時に改築、維持及び管理、これが必要でございます。特に、維持管理を怠りますと大変な事故につながるというのは、アメリカの例でも決して珍しくはございません。今回の改正案の中で、道路整備ということに対しまして、新設、改築、維持及び管理、こういう文言が修正事項として盛り込まれておりますので、ここは明確な対応ではなかろうかなというように思います。 今後、道路整備のあり方、実はこれは結論につながるものですからここでは簡単に申し上げますけれども、長期的な視点と、それから直近の問題に対する対応、この二つがあるのではなかろうかと思います。 長期的な視点、アッピウス・クラウディウスというローマ人の名前を挙げましたけれども、これは後ほど説明させていただきます。また、直近の例といたしまして、一九七〇年代にアメリカが道路の維持補修を怠ったということで、「荒廃するアメリカ」、「アメリカ・イン・ルーインズ」という本が出されました。これは大変悲惨な状況をもたらしたものですから、アメリカはこの状況に対応するような形で道路の維持管理にまた戻ったということでございます。 次に、我が国道路政策の二本柱ということで私どもが整理しておりますのは、道路特定財源制度及び有料道路制度、この二つでございます。ただ、この二つも、特定財源に関しましては、今回の一般財源化ということで大きな変化があります。また、有料道路制度、かつて道路関係四公団が中心になって建設及び管理運用をやっておりましたが、道路関係四公団改革によりまして、民営化、かつてのJHは地域分割というようになったものですから、ここも大きく変化が生じました。 そこで、二本柱は既に使命を終わったのかというように問いかけられますけれども、この二つは、ともに受益者負担原則を基本としております。受益者負担原則というのは、市場における価格の機能、これを活用するのがメーンでございます。したがいまして、市場化、民営化を実践する、そのためのものでございます。私自身は、この基本的な考え方は変わっていないというように思っております。 ただ、今回の一般財源化、その一般財源を効率的に運用するには政府が賢明でなければならない、ワイズガバメントの原則が要求されるわけですけれども、私はここに強く期待をしたいというように思います。価格の機能を政府が代行するような、そういう役割を期待したいという点でございます。 それから、二枚目に移っていただきますと、近時の道路政策の変遷ということで、実は平成十七年から政府の閣議決定等々が出されていたわけですけれども、大きな点として注目されますのは、昨年五月十三日の道路特定財源等に関する基本方針の閣議決定、また同日の道路整備費の財源等の特例に関する法律の一部を改正する法律が公布されたということで、これを受けて昨年、平成二十年の十二月八日でございますが、道路特定財源の一般財源化という方針が示されました。 あえてここに出しましたのは、私はこの席でぜひお願いしたいのは、五月十三日の基本方針と、それから一部を改正する法律、この関係が非常にわかりにくいという点でございます。昨年の議論を踏まえている人間にとりましては何とか理解可能でございますけれども、これを後世の人間が読んだときに果たしてどう理解できるのか。ここはやはり、国の責任として説明しておくということをお願いしたいということで、あえて書かせていただきました。 十二月八日の一般財源化、これは、基本的には揮発油税の目的拘束を廃止したということと、地方道路整備臨時交付金、これも廃止したということでございますので、まさに一般財源化ではなかろうかと思います。このような中で先ほど申し上げましたような、賢明な政府によりまして必要な道路の整備、整備は新設だけではなくして維持管理を含めた形で行っていくということが必要ではなかろうかと思います。 また、新たに出されました案といたしまして、地域活力基盤創造交付金がございます。私のとらえ方は、この創設の方は臨時交付金のかわりだというようには解釈しておりません。ここは地方の裁量を認める、地方の創意に基づいてこれを活用するんだということですので、私自身の解釈は、これは別物だというように考えております。 そして、最後の一般財源下での道路整備のあり方ということで、何点か申し上げさせていただきたいと思います。 まず、我が国経済社会にとって道路の位置づけというのはどういうものなのか。申し上げるまでもなく、今日は開放経済、オープンエコノミーの時代でございます。そういたしますと、物の移動、人の移動というのは、経済システムを維持する上で不可欠のものでございます。しかも、それがドア・ツー・ドアで実現しなければならない。その実現し得る唯一のインフラが道路である。これは、将来どのような技術革新が進もうとも変わるものではないということでございます。このような認識の中で道路をお考えいただくというのが最も好ましいものではなかろうかなと思います。 それから、先ほど申し上げましたように、一般財源化になりましたので、従来の特定財源の機能というものは失われたわけでございます。ただ、道路特定財源制度、これは批判もございますけれども、大変いい面もございました。そのいい面を活用して、そして批判された面を直すという点で、政府の役割が大きいのではないだろうかというように思います。 それから、三点目に挙げましたのは、道路資本ストックの計測ということで、道路の必要性、あるいは必要ではないということの議論のための客観的指標といたしまして、国だけではなくして私ども研究者も、道路資本ストックを厳密に計測する、こういう作業をしなければいけないのではなかろうかというように思います。これは私自身、自戒の意味を含めてそこに書かせていただきました。 そして、四点目が財源調達でございます。財源調達に当たりましては、やはり大切なのは納税者の理解が得られるということでございます。したがいまして、道路関係諸税、この抜本改革を行うんだということは閣議決定でも述べられておりますので、ぜひ抜本的な検討を行っていただきたい。その際の基本認識は、納税者の理解だということだと思います。暫定税率の話が出てくると思いますけれども、暫定税率は、その抜本改革、ここまでの期間という意味の暫定と考えるべきではないだろうかというのが私の主張でございます。 そして最後は、長期的な視点での政策ということでございますが、先ほど申し上げましたアッピウス・クラウディウスの例でございます。 これは作家の塩野七生さんが「ローマ人の物語」、その第十巻にインフラストラクチャーのことを書かれております。その中で、イタリアのアッピア街道で有名なアッピウス・クラウディウスのことが記述されております。紀元前の話でございます。まだ、自動車時代、自動車そのもののイメージさえなかった、そういう時代にアッピア街道をつくられた、これは大変な先見の明があったのではなかろうか。塩野さんの言葉をかりますと、国家百年の計ではなくして国家千年の計を見ていた、こういうことでございます。 道路整備は一長一短で済むものではございませんので、そのような形での長期的な視点というものを据えて、そして近時の問題に対応していくということが必要ではなかろうかというように思います。 私の意見陳述は以上でございます。(拍手)
○望月委員長 ありがとうございました。 次に、山崎参考人にお願いいたします。
○山崎参考人 先ほどの杉山先生の最後におっしゃられた、古代ローマ帝国、ローマは一日にして成らず、ローマ帝国は八万キロの古代の高速道路をつくったがために四百年パクス・ロマーナが続いた。これを近代社会で最初に応用したのが、実はヒトラーのナチスでございます。今、日本は百年に一度の経済危機と言われている。実は、戦前の大恐慌を最初に抜け出したのがドイツでございます。なぜか。無料の高速道路、アウトバーンを走らせ、失業者は六百万人から三十万人に減ったわけでございます。この無料の高速道路が絶大な経済効果を発揮したことが、ここでまず第一に証明された。このヒトラーを破ったアイゼンハワーが、戦後に無料の高速道路、インターステート網をアメリカにつくった。ここまでは外国のお話。 そのときに、同時に、同盟国日本に対して、日本も無料の高速道路網をつくりなさいよ、全く同じ一九五六年、昭和三十一年に、アメリカと日本は同じときに高速道路制度をスタートしているわけです。 ところが、アメリカ、ドイツは無料、日本は世界一高い料金、一キロ二十五円、これだけの料金。このごろ大変、週末だけとかいう値下げは始まっておりますが、アクアラインは三千円、ついこの間まで本四架橋は六千円、片道これだけ取れば、だれも使えない道路にしてしまっている。これを変えるということが、今まさに、百年に一度の経済危機、これをどうやって脱するのか、特に、地方経済がこれだけ弱まっているじゃないか、何とかしなきゃいけないんじゃないか、そこと結びつけて、ぜひ先生方にお考えいただきたいと思っております。 歴史を振り返りますと、当時、昭和三十一年、道路財源が二百億円しかございません。そこで、名神、東名、四千七百五十三億円の予算をとれない。だから、アメリカ、世界銀行からも四分の一を借金し、国民の郵貯、簡保からもお金を借りて、名神、東名を何とかつくった。最初は、この借金を返すために料金を一個一個、路線ごとに設定して、名神、東名の借金は名神、東名の料金で返しますよと。これをそのまま愚直に守っておったら、日本の高速道路は今、全部ただになっております。 ところが、一九七二年、逆に道路財源が年間二兆円にもなったときに、何と、このプール制というのが導入されて、名神、東名で取ったような料金を全国でほかの高速道路整備に使えるようになった。これは天才田中角栄さんが、当時はそれが道路整備を促進するのに一番いい方法だったんでしょう。 ただし、今、そうなってしまうと、この高速料金は、借金があるから高速料金を取っておるんです。ばかばかしいのは、建設費じゃなくて金利の方が大きい。しかも、今回決まっておる民営化、これは二〇五〇年に借金を返す、何も無料にしないと言っているんじゃないんですね、民営化法案が決まったのは。二〇五〇年まで借金をする。それだったら、借金を前倒ししたらどうですか、借金処理をしたらどうですか。つまり、高速道路無料化とは借金処理の前倒しであるということでございます。 特に、道路公団民営化と比較されます国鉄の民営化、ただ、これは中身は全く違います。なぜか。国鉄民営化では、二十八兆円の借金を見事に日本は処理をしたわけでございます。JRが十一兆円、汐留とかの土地を六兆円ほど売った、そしてあとは国庫が引き受けたからこそ国鉄民営化は成功した。 道路公団民営化、この四十兆円の借金の処理をこの国はまだ全く終わっておらないわけです。このままでいいのか。これからも二十兆円も借金して、しかも地方路線を借金してつくれば、何が起きるか。かつての国鉄の赤字路線と同じでございます。赤字が赤字を生み、借金が金利を生んで、ついに返せなくなる。そうすると、国民はその間使えなくて、借金だけが残る。最後は、独法、道路機構というところが持っておるような借金は、どうせこれは国民が負担しなくてはいけない。 それであれば、今これを、国鉄民営化と同じように、前倒しをして処理をしてはいかがか。そうすることによって、この百年に一度の経済危機の克服、特に今、日本が弱まっている地方経済、これの克服、そして、今、杉山先生もおっしゃられた、一日も早い、高速道路ネットワークを全国で完成する最も早い道は、私は高速道路の無料化にあるというふうに思っております。 財源は十分あると申し上げてよろしいと思います。先ほどの国鉄民営化の比較でいいますと、資産がございます。サービスエリア、パーキングエリアで一兆四千億、土地資産がある。これを不動産活用しまして、ショッピングセンターや住宅や学校やそのほかいろいろな設備にして、これを売却することによって、恐らく五兆円か十兆円ぐらい資産が生まれるのではないか。それから、霞が関の埋蔵金と言われるものの一部も入れてよろしいのではないか。 さらに大きいのは、高速道路を利用しておられる方々は二重取りをされております。ガソリン税そのほかの税金も払っている。料金も払っているわけですね。取られた税金はほとんど一般道路整備に回っておるわけでございまして、何も、アメリカもドイツもただで高速道路ができるわけではございません。大体、高速道路を使った人の税金で高速道路の建設費に充てている。そういう、いわば普通の財政のあり方にこの際変更していくということが大きいことかと思います。 次のポイントは、実は、高速道路の無料化が、ずっと今まで問題にされていた、無駄な道路づくりを減らす最もいい手段であるということです。 これはどういうことか。国土交通省の道路の中期計画にもありました。日本の高速道路の六五%、五千キロは、横を走る一般道路は混雑しているにもかかわらず、がらがらであると。料金が高いから使ってくれないんだ。そうすると、一般道路が込む。そうすると、一般道路の渋滞対策として、また予算が計上される。大体四分の一減らせます。五千億、これだけで減ります。それから、高速道路料金対策、引き下げそのほか、これを全部入れますと、実は、私の計算では、今後、高速道路の建設費、維持費を国庫から支出しても、道路予算全体はむしろ余裕が出てくる。つまり、一般道路の無駄な建設が減っていく。そして、高速道路自体のネットワークの完成にも大きな効果があるということです。 そして三番目。去年から私にも御相談があって、高速道路の無料化、政府・自民党でも検討したいということで、現在、その一部として、ETCを使えば、一般車両であれば、土日、休日であればと三重の条件がついて、およそ三割引きと言っていいと思いますが、高速料金の引き下げというのが行われて、かなり使われるようになっております。ただ、これでは足りません。特に地方では足らないです。トラックもバスもこれは適用されない。平日の利用も関係ないわけですね。 最終的に高速道路の全面無料化が成ったときの経済効果は幾らか。さまざまな試算があります。二兆七千億という数字もありますし、一番大きい消費効果では七兆八千億円という数字があるわけですね。定額給付金は幾らでしょうか。二兆円。そのうち消費に回るのは、全部じゃなきゃ二兆円以下なんですね。その四倍近い金額が高速道路の無料化で毎年生まれるわけですね。これの租税、税収効果がどれだけあるのか。 つまり、高速道路無料化は、財政再建に結びつく、財政の向上策、改善策にもなるというこのポイント、これは当たり前です。戦前のナチス・ドイツ、戦後のアメリカの高度成長、三分の一が無料の高速道路から生まれているわけですから、それによって初めて地方の経済が豊かになった。これはアメリカでもドイツでも証明されたことですから、その意味では、日本でも同じような効果が生まれるのではないかと思います。 特に、やはり日本の場合の問題は、今の経済の困難な問題は、かつての、大都市に集中して、そしてお金を配っていくということがもう難しくなっている。大企業はどんどん中国なんかに出ていく。そうすると、地方の経済が非常に弱っております。東京におりますと、多くの人は高速道路のことに余り関心がないです。これはなぜか。交通の中で、東京の人は三割ぐらいしか車は使っておりません。ところが、全国の三十五の道と県は、自動車交通への依存度が九割を超えています。 ですから、日本の地方は自動車社会でございます。自動車社会であるにもかかわらず、自動車を使うときに、高速道路を使うときに、一キロ二十五円という非常に高いコストがかかってきている。これがやはり、日本の地方経済が余り活性化をしていかない一つの大きな原因になっているというふうに私は思います。 ただ、ここまでは、ある意味では、高速道路を無料化するというのは後追いの政策でございます。アメリカやドイツがやってきたことをやっと今ごろ実現しようと。 かつて、田中角栄さんも、青年時代に、道路三法もつくられて、そして、ガソリン税をアメリカより先につくって、この高速道路整備のやり方もつくって、まさに国土づくりの天才であったと思いますが、その当時は、とにかく、こういう二重取りをしてでもどんどんどんどんつくっていこう、お金をどんどん使おうと。しかし、今は、できた道路を使うことというのがやはりまず第一歩になってくると思います。このでき上がった本四架橋であれ、アクアラインであれ、すばらしい技術の結晶でございます。それを使えるようにすること。今の高速道路のあり方は非常にもったいないわけでございます。資源のことからいっても非常にもったいない。 ただ、これだけでは、私は二十一世紀の政策としては足りないと思います。やはり、これからの自動車社会が、まず、ガソリンに依存していいのかということ、そして交通事故、これは毎年まだ何千人の方が亡くなっているわけです。ずっとそういう自動車社会でいいんですかということなんですね。 ですので、一つの方向は、まず、これはエネルギー政策全体もそうですけれども、やはり、電気自動車が使える、ガソリンが要らない、これは高速道路だけではないです、自動車社会全体として、ガソリンが要らない電気自動車、ハイブリッドから電気自動車へ、それに適合した高速道路にするような環境対策というものを、高速道路の今後の政策の中には一番取り入れていく。 そして、この高速道路の上でも、太陽光発電そのほかをやって、特に今の電気自動車の問題は、航続距離がまだ短いです。百キロ程度なんですね。高速に乗ると、一時間ですぐまたおりなきゃいけない。そこですぐに充電してあげられるかどうかが、やはり非常に大きな問題になってきます。これは、町の中もそうですけれども、高速道路の上にも急速充電器を十分に整備してあげるということが、やはり、ガソリンが要らない、石油を輸入しなくてもやっていける、少なく輸入してやっていけるような社会、日本がそこに行くのが第一歩。 それから、もう一つは、やはりこれも自動車技術全体の中に言えることなんですが、このごろの安全技術、衝突回避技術ということでも、日本は世界の中で最も進んでいると思います。ですから、これは、実は、技術としてはもう衝突回避、自動運転、すべてあるんですね。ただ、これは先ほどの電気自動車の問題も同じです。道路の方にその設備がないと、幾らいい車があって、技術があっても実現しないわけですね。道路というインフラと自動車という使うもの両方が安全、衝突回避技術を持っていなきゃいけない。 ですから、日本が世界で最初に、石油が一滴も要らない、そして交通事故で一人も死なない社会、それは何年かかるかわかりません。でも、世界はその競争に向かっています。この両方ができたときに、日本は、自動車会社、世界一です。この世界一の自動車会社の国があと百年、二百年続くためには、社会自体が自動車会社のそういう方向を支援してあげないと、そこに行かない。 これは、太陽光発電なんかに見られます。政府の助成がなくなった途端にドイツに抜かれる、中国に抜かれるということが起きたわけですね。今度自動車で抜かれるわけにはいかないわけですね。プリウス、インサイトで、真っ先に日本は、世界の中でこういう電気自動車の中では進んでいるわけですから、次に、完全電気自動車も日本が真っ先にやるべきだ。そして、次に、交通事故が一件も起きない自動車社会も日本が真っ先にやることで、これ自体、全体のシステムを外国に売ることができるわけですね。 そうすると、日本がこの新しい二十一世紀型の環境と安全の自動車社会で世界をリードしていく。これが新しい日本経済の世界での需要を生んでいくわけですから、やはり、日本の高速道路あるいは道路一般を含めて、そういったガソリンが要らない高速道路、そして交通事故が起きない高速道路という次の政策にも、今後の予算そして政策をぜひ取り入れていただきたい、私はそのように思っております。 ありがとうございました。(拍手)
○望月委員長 ありがとうございました。 次に、中越参考人にお願いいたします。
○中越参考人 私は、地方の自治体を預かっておる者として、地域の実情から少し話させていただきたいと思います。 まず、私は、高知県、四国の西の中心地と言われる愛媛県境に値する町であります。私の町は、坂本竜馬が脱藩をした地でもありますし、最後の清流と言われる四万十川の源流域にも値する町であります。 そうした中で、高知県の、今道路の整備のことについて山崎先生からお話がありましたけれども、我々の町は、まだまだ8の字ルートすら整備ができていない。一方、県の状況を見てみても、四国全体で高速道路の延長というのは約八百十キロある。現在まで供用延長されているのは四百九十二キロ、六一%ということになりますが、これを高知県に置きかえてみますと、高知県では約二百六十キロあります。その中で、供用された延長というのは九十七キロしかありません。三七%であります。そのことが、ひいては地域の雇用の場や、あるいは企業の誘致といったところに大きな影響を及ぼしています。 高規格道路をその下で見てみましても、全国で一万四千キロありますし、四国全体では七百八十二キロあります。高知県ではその中の二百八キロありまして、九十三キロが供用を開始されている。ここでも四五%しか改良が進んでいないという現状であります。 そのことを踏まえて、四国全体の道路の整備状況を見ますと、今申し上げましたように、高知県は三七%しかできていない。一般国道を見ても、高知県では八一%ですけれども、全国の九一%から考えると相当低い。都道府県道においては三七%。市町村道では、全国五六%でありながら、高知県では四一%といったように、まだまだ子供たちの、歩行者用の歩道すらないという地域がたくさんあります。そんな中で、四国の整備水準は全国でも最下位。特に高知県が、そういった意味では非常に厳しい状況に置かれています。 一般国道の未改良区間ですが、一番進んでいないというのが徳島です、二九・八。そして、次には高知県が一八・八。愛媛県が一四・八。幸い香川県は二・六%ということで、全国でいっても四六%。比較的進み、よくできた地域だと言われています。が、県道の改良率を見ても高知県が最も低く、六三・九。先ほど少し述べましたけれども、ワースト一位だ。そして、徳島がやはりワースト三位。愛媛県が五三・一ということから、大変厳しい状況に置かれている。一方、県道以上の道路にしても、また同じようなことが述べられることになります。 そのことを考えたときに、今何で道路の整備が必要なのかということは、我々の町でも救急の医療の現場に到達することができない。きょうの資料の後ろにも少し救急車の到達時間といったことを載せておりますけれども、全国では大体二十六・四分で搬送することができると言われていますが、高知県ではとてもそういうことはない。県平均をいっても三十一分かかる。中山間地域、私たちの町では四十四分以上かかるということです。 ことし一年の我々の町の救急車の出動回数を見てみましても、二百四十五件搬送があって、人員を運んだというのは二百三十四人運んでいます。が、すべてが四十分から一時間かかるというように大変時間がかかっている。それは、道路が救急車と一般車両が離合できないという厳しい状況に置かれているということでもあります。特に高知県では、患者を助けたくても助けられない、西も東も同じような状況に置かれています。 高知から安芸に至る、あるいは南国に至るという最も比較的近い地域ですけれども、そのうちでも、救急車の出動回数が二千九百六十五件のうちの三割、九百八十七件が高知に運ばなければならない、多くの時間を要するということでもあります。そういったように、救急の状況からいってもそのような非常に厳しい状況に置かれている。 また、厳しい自然条件のもとで地域の整備を行っていますが、その中でも高知県側は、押しなべて太平洋側に一本の国道しかないという厳しい現状があります。その中でも特に雨量が多い、毎年台風が上陸する。一方では、今の局地的な豪雨に間に合わずということから、県内の国道を合わせた総延長は三千百五十七キロありますが、異常気象の中で通行が規制をされるキロは八百十五キロもございます。考えても、全国でもワースト四位に、非常に厳しい状況に置かれている。 通行どめの実績を見ても、平成十七年度で、五十四路線で百三十三回、一万二千七百三十九時間、事前通行規制外を合わせると一万四千九百八十二時間という大変厳しい状況に置かれている。 我が町だけで見てみましても、国道が三路線、県道が六路線ございますが、その中でも十五回も通行どめの規制を受ける、三千八百二十八時間の通行規制を受けています。 我が町は山間地域で急峻なために、時間雨量五十ミリで通行どめになる。連続雨量も二百ミリでなる。二百五十ミリから三百ミリというところもありますけれども、一方、このことは、私たちの町はそういったように大変厳しい状況に置かれているということであります。 また、地域の皆さん方で自動車を保有している状況は、六千四百五十六台、現在の時点で町民の方が持たれています。運転免許所持者は二千五百五十二名です。男が千四百四十九名、女性が千百三名。自動車保有台数からいうと二・五倍の車を持たないと移動手段がないという、公共交通のない地域であるということでもあります。 そんなことを考えてみましたときに、道路整備の状況、「所感雑感」のところでも少し新聞の切り抜きを載せてございますが、救急医療で行っても、本当の目的地に着くのに道路の整備状況が悪い、あるいは患者を乗せても、その中で十分その方法で対応できるのかという心配をしてその地域に行かなければならないという現状。そして、我が町の隣の町に最も近いところではありますけれども、四百人の方々が生活しておる中に、沖縄から来られた先生が、その地域に居を構えて生活をしていただいています。高齢者率約五〇%です。が、その方々が町の中心部まで来るのに、二十六キロも距離がある。そのほとんどが改修をされていない。四十分も五十分もかかるような中で、その皆さんを守らなければならない。 一方、そこから町の中心部に子供たちの通学路がある。が、先ほどの、雨量が五十ミリ降れば通行どめになる、あるいは二百ミリ以上になれば、その中心部に、子供すら、その日のうちに家庭に帰ることすらできないという厳しい現状に置かれている状況であります。そのことは、私たちの町だけでなしに、全国でも山間地域と言われるところは押しなべてそういうふうな状況にあるということであります。 一方、求人倍率にしても企業の誘致にしてもですけれども、一番の主要な項目は、やはりインフラの整備と同じような求人倍率になるということです。現在、県の調べの中でも、十九年度では、総体的な項目を五項目、六項目の中でやれば高知県は二十三位ですけれども、道路や港湾、空港、用水路、インフラ整備の取り組みでいくと四十一位だ。二十年度を見てみましても、全国で見ても、インフラの整備というのは四十六位に、ますます厳しくなっている。全体で見て十五位であっても、そういったように、インフラ整備とあわせて、企業や地域の雇用、定住というところに大きな影響を及ぼしているということであります。 そのことを考えた場合に、私は、地方の道路、押しなべて日常生活をするために私たちが最も気をつけなければならないのは、やはり地域の皆さんの生命と財産をしっかりと守るという大きな役割を担っています。そのことから考えると、やはり、全国一律とは言わなくても、ある程度、一・五車線であっても、あるいは双方が離合できるような道路であっても、地域の実情に合った道路整備をしっかりとしてもらいたい。そして、財源もしっかり確保していただいた上でそのことを行っていただきたいという強い思いがあります。 今まで地域の臨時交付金制度がありました。これは、高知県のように財政力の弱い地域と整備がおくれている地域に対する手当てでもありました。 それの代替として、現在、地域活力基盤創造交付金という制度をつくっていただいて、このことについては、道路整備はもちろんですけれども、地方の判断で道路以外の分野にも使える、非常に有効的に活用できる制度だと言われております。我々の町のように非常に厳しい状況に置かれている中では、高齢者や子供たちの通学、通勤、通院といったところに対応するバスでも、それから、我が町は環境モデル都市の指定を受けていますが、道路の標識や地域のまちづくりの中の一つとしての大きな役割を担わせてもらいたい。 一方では、やはりおくれている中でこの交付金を有効に使うということを考えた場合に、毎年毎年予算の要求をすることなしに、しっかりとした裏づけ的なものがあって、これに優先順位をつけながら整備ができるというようなことをつくってほしいという強い思いがありますので、将来にわたってぜひそういったことを考えていただきたいと思います。 以上です。(拍手)
○望月委員長 ありがとうございました。 次に、橋本参考人にお願いいたします。
○橋本参考人 私は、道路公害反対運動全国連絡会、通称道路全国連と言うんですけれども、事務局長をしております橋本と申します。 かつて、道路公団民営化のときに仙台で行われた地方公聴会でも、私、参考人に呼ばれたことがあります。とりわけ、今度の一般財源化ということは、私、資料を皆さんにお配りしていますが、特定財源、道路しか特定目的を持たない財源ということは、長い間日本でずっとやられてきましたけれども、現在においては、財政は逼迫化しているし、そして地方の財政なども大変な中で、もちろん国家財政もそうですけれども、そういう中で一般財源化するということは、私たちも、国民も大変望んできたことでありますので、これについては、私も大変賛成ですし、我々全国連としても、この声明に出したように、これを求めていたという経緯がございます。 そして、きょう私が申し上げたいのは、やはり現場で、実際に道路建設が行われている、そういう沿線住民が、自分の望む望まないにかかわらず、建設問題が頭から急に降ってきて発表されるという中で、特に都市部の住民が大変困っているという状況がある、このことを私はちょっと申し上げたいと思います。 そして、この全国連ですけれども、何でこんな、道路公害反対運動なんて、何か非常に化石のような名前がついているというふうに思われるんですが、実は、この連絡会は、一九七五年に名古屋で第一回の交流集会をやったときから活動しているんです。我々の先輩たちがこういうことをやられた時期というのが、やはり日本の中に大変大きな、いろいろな公害問題が発生し、車であれば、排気ガスからの大気汚染や振動等について悩まされた時期にあったということで、こういう名前をつけて運動をしたんだなということで、あだやおろそかにこの名前を簡単に変えるということもできない、私もそういう思いでおります。 そして、皆さんも御存じかもしれませんけれども、都心からわずか四十キロ足らずで、電車で一時間足らずで行くことのできる国定公園高尾山というところに、今、首都圏中央連絡自動車道という道路建設が進んでいます。ほぼ高速道路ですね。 何とかこの貴重な自然、これは一昨年に、よくレストランなんかに星をつけて紹介するということで有名なフランスのタイヤメーカーのミシュラン社が日本ガイドをつくりまして、その中で、この高尾山が、大都市に至近な距離にあって、フランスのパリなんかでは考えられないすばらしい自然を持っている、特に日本の植物種のおよそ四分の一、千三百二十種といいますけれども、これが日本一小さな国定公園の中に存在しているという植生の豊かさ、生物多様性の最も豊かな山として大変評価したということで、私ども、大変うれしく思っています。 そういう山にトンネルを掘るということが現在もう既に進められているわけで、何とかこういう計画は、たとえ圏央道の是非はともかくとしても、高尾山だけは何とか避けてもらえないんだろうかということで、実は、私ごとですけれども、昨年一月にあった八王子の市長選挙にも、私、じくじたる思いで立候補して、つらい思いをしたということもございます。 道路問題というのは、そういうふうに実際にいろいろなところで人の人生を大きく左右するような問題が実に起こるわけでして、私たちの先輩たちも、もう既に、長い人では、東京外郭環状道路の運動をされている方なんかは、実に大学院生ぐらいの二十そこそこでこの運動に引き込まれて、あえて私が引き込まれてと言うことは、自分で好んでやったのではなくてやって、四十年もたっちゃって、まだその運動から手が抜けないということでして、住民は大変つらい思いをしているというわけです。 それで、私は、もう一つここではっきり申し上げたいのは、地域活力基盤創造交付金のことですけれども、これは、やはり今度の道路特定財源の一般財源化ということ、名を捨てて、そして実を、実際には道路予算に使えるそういう予算をきちっとつけたのではないかというふうに、私はちょっとこれについては疑問視しています。 そういう点では、先ほど高知の町長さんがおっしゃっていましたが、私も国が北海道なんです。実に、旭川というところで生まれましたから、大学時代まで北海道で過ごしまして、東京に出てきました。こういう首都圏に、都心に住んでいると、車の利便性よりも、非常に公共交通網が発達していますから我々は余り感じないんですけれども、地方の疲弊というのは大変なものでして、私も、父親がまだ九十四で頑張っていますから、心配で毎年何回か戻るんですけれども、いろいろなところの小さな町に講演で呼ばれたりすると、そこの実情に本当につらい思いをします。 やはり、道路を考えるときは、大都市部や中核都市の道路と、都市と都市を結ぶ道路と、それから地方の中山間部での、特にそういうところの道路づくりというのは、これは明らかに違いがあるわけでして、そこはまずきちっと分けてやる必要があるということを私は申し上げたいと思います。 そして、どうしてもこれは申し上げなきゃいけないんですけれども、今の道路づくり、行政の手続の中で、例えばパブリックインボルブメントというものがあります。これは、住民との合意を求めるということで進められるということで、国土交通省も大変このことを重視しているわけですけれども、例えば、四十年間ぐらい凍結されていた東京外郭環状道路の東京都内区間十六キロ部分を、都市計画を外してもう一回やり直す、そして住民との合意形成のもとにこれを進める、そして、その前提としては道路をつくらないということも前提の中の一つにあったんですね。 ただし、私、そういう中で、どうしても行政のやり方、東京都も国土交通省もそうですが、大前提としてまず道路建設ありきというのを先に置いちゃうものですから、これは、PI協議会というところで、住民が、沿線の住民の方もいろいろ勉強されて、どんなに一生懸命になって発言をされても、それが生かされない。結果的には、今度の国幹会議にももうかかるのではないかというふうな心配を地元の人がしているわけですね。 そして、そういう中で私たちは、私は先ほど申し上げた高尾山のトンネルをどうしてもやらないでほしいという思いがありましたので、二〇〇〇年の十月に、略称、高尾山天狗裁判という裁判を起こしました。実は、現在二千人に及ぶ原告で、私は原告団の事務局長も兼ねております。 これの中で、道路の必要性ということに関しては、これは公益性ということがあるわけですから、それをきちっと吟味するということが必要になってくるわけです。ということになると、最近国会の中でもいろいろ審議されていますけれども、需要予測であるとか、それから道路をつくった場合の費用便益ということが大変問題になってきます。 裁判の中でも、たびたび私たちが、例えば二・六とか二・九とかという高いBバイC比が出てきたときに、このBバイC比が出るに当たってのバックデータというのがあるわけですね。何も、コンピューターでぱっとやってすぐ結果が出るものじゃ決してございません。私も、もともと電子工学をやっていた技術屋ですから、その程度のことは知っているつもりです。そして、そのバックデータの要求に対して、一切それに対してこたえないという状況が裁判の中でもありました。現在でもその状況が続いております。 ですから、費用便益分析マニュアルだけを見ても、どういうような前提条件で、整備あり、なしの便益を出しているのかということがわからないような状況になっています。 これは、私は海外の事例が必ずしも全部それがいいとは思いませんが、イギリスとかオランダなんかでやられている、情報をすべて開示して住民とのコンセンサスを得るということをきちっとやっている国、そういうやり方がやられている国では、私が今から申し上げるような、日本全国でもう数限りない裁判に今なっているんです。東京都内でも、きょう傍聴席にたくさんの方が来られていますけれども、そういう当事者の方がきょうは多いんです。 そういうような道路建設というときに、本当にやはり大事になるのは、コンセンサスを得るということなんです。そのコンセンサスを得れば、裁判なんということのそういう修羅場にならないというふうに私は思います。何と、国土交通省のやり方、行政の手続というのは、余りにもまだ強引だ。 例えば、去年も国交委員会のところで、私たちの仲間である小井修一さんというのが参考人として出られたと思うんです。そのときに、奈良の平城宮という、日本にも世界にも誇るような大変すばらしい木簡がある、そういうところを地下でもって通すという京奈和道路という道路が進められていると。これは高尾山も同じなんです。そういうところもパブリックインボルブメントというのでやっているけれども、ここは、私が聞く範囲では、東京外郭環状道路のパブリックインボルブメントよりももっと形骸化しているというふうに聞いております。 私は、アセスメントのやり方、説明会のやり方、そして公聴会の持ち方等々もすべてそうですが、全部そういう点では、これはやりさえすればいいという今の国土交通省の体質をやはりきちっと変えてもらいたいというふうに思います。そういうことさえきちっとやれば、私たちのようなこういうある意味では不幸な裁判ということにはならないというふうに僕は思います。 そして、海外の事例をあえて言うわけじゃありませんけれども、それは結果的には、一度決定して、みんなで合意したら、建設までの期間がもう本当に早いんです。ですから、アクアラインみたいに一メートル一億円もかかるなんということをやらなくても、M25をつくったあのロンドン、片側四車線のああいう高速道路でさえも、わずか五千億もかからないでできている。圏央道は、一メートルで六千万、七千万のお金がかかるという、それも期間が二十年も三十年もかかる。計画をしたのがもう三十年前、それで今でもまだ計画も終わらないし、ものの二〇%程度しか開通しないということでは、私はこういう基盤整備ではやはりまずいだろうというふうに思います。 最後に申し上げたいのは、いろいろあるんですけれども、もともとやはりこういうことを進めていくためには、将来の日本のグランドデザインという、日本の国に国民が安心して生活ができて、平和な日本ということをみんなだれもが望んでいる。そして、都会の人間だけじゃなくて、北海道にいる人も高知の人も沖縄の人も、みんな安心できるということ。 そして、それは、やはり大事なことは、めり張りをつけて、きちっと、道路づくりであれば道路をつくる、都市部であれば公共交通網というものがやはり発達しているんですから、これ以上、渋滞緩和をするという目的のために、本当に三つの環状道路が必要なんだろうかということを、もうちょっと立ちどまって考え直すことも必要なんじゃないだろうかというふうに思うわけです。 そして、そういうことを議論するときに、私は、ある先輩の、尊敬するジャーナリストの方の言葉をちょっと最後に引用させてもらいますけれども、その方は圏央道の公聴会のときにこういうふうにおっしゃいました。これは、ジャーナリストはジャーナリスト、医者は医者、弁護士は弁護士、裁判官は裁判官、政治家は政治家として、国家公務員は国家公務員として、自分の良心に従ってきちっと仕事をするということが最も大切なことなんだと。 私の今申し上げたことを、私も自戒の念を込めて申し上げましたけれども、ぜひともこれからの道路づくりや法案のつくり方に生かしていただけないかというふうに思いまして、そういうことで私の意見の公述を終わらせていただきます。 ありがとうございました。(拍手)
○望月委員長 ありがとうございました。 以上で参考人の意見の開陳は終わりました。 —————————————
○望月委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。赤池誠章君。
○赤池委員 自由民主党の赤池誠章でございます。 本日は、道路整備事業に係る国の財政上の特別措置法の改正案につきまして、それぞれ参考人の方々から貴重なお話を賜りました。きょうは、以下、質問をさせていただきたいと思います。 今回の法改正は、御承知のとおり、日本の道路整備の財源の裏づけとなっている、長年、道路整備を進めることができました道路特定財源を一般財源化するための必要な措置ということであります。 先ほども杉山参考人の方からもお話がありました。まさに道路というのは、洋の東西を問わず、古代から、人間と物の移動、そして情報の伝達という面で大変大きな役割を果たしてきたということではないかと思っております。また、国家国民を守る、まさに防衛面、国防面においても大変重要な社会基盤でありました。 日本は、戦前は鉄道中心、戦後は道路、自動車中心ということで、道路整備、当然それ以外の社会基盤も含めて、それによって世界第二位の経済大国になったわけであります。その道路整備には、道路特定財源という大変な制度が貢献をしたということであります。 しかし、その一方でいろいろな批判もあったということで、今回の法改正につながってくるわけでありますが、その前提にあるのは、本当に日本の道路整備は既に十分であるのかどうかということが大前提、問われてきているのではないかというふうに思っております。きょうはそれぞれのお立場を聞かせていただいて、十分ではないという立場と、もう十分じゃないのかという部分もあるのかなということを聞かせていただいておりまして、私自身は、杉山参考人、また中越参考人のように、国土は狭いといいながらも、中山間地域を含めて複雑な自然環境の中で、まだまだ日本の道路整備は不十分ではないかというふうに感じております。 そういう面では、もう一歩突っ込んで、これは杉山参考人にお伺いしたいと思うんですが、財源措置もあった、それなりにお金もあった、しかし、国際的に比べるとまだまだ日本の道路整備は不十分だ。なぜ不十分なのか、その辺の御見解を杉山参考人からお伺いしたいと思います。
○杉山参考人 私が不十分だというふうに申し上げましたのは、実は我が国の国土構造の問題がかなり大きいと思います。 御承知のように、地震国です。ヨーロッパ等々では、地震というのはほとんどありません。そしてまた、山岳それから河川等々が非常に多いものですから、トンネルとか橋梁、これをつくらなければいけない。ですから、平地で道路をつくるよりも、そのような急峻な国土、この中で道路をつくるということに対してはやはり時間がかかったのではないかというのが、私が考えている不十分な原因の一つでございます。
○赤池委員 ありがとうございます。 その中で、きょうは中越参考人から、地域の実情、まさに地域の方々、住民の生命財産を預かる責任者として、本当に実感のこもった貴重な御意見を聞かせていただきました。やはり都市に暮らしていると、道路が単なる物にしか感じられない。しかし、実際は、そこで暮らしている方々にとっては、まさに命、命にもかかわる、命の道だということが、本当に現場の声として痛感をさせていただいたところであります。 そうなると、当然、今具体的なデータなり実感からお話を聞かせていただきましたが、道路整備はまだまだ十分ではない。特に、昨年来の議論の中で、いわゆる高速道路一万四千キロは要らないということの声が、相当批判が大きかったわけなんですが、きょう聞かせていただくと、一万四千キロがなければ、高知県のまさに中山間地域、西部も東部も、中越参考人の梼原町の近くも、高速道路が通らないということに当然帰結としてなるということでよろしいでしょうか。
○中越参考人 まさしくそのとおりでありまして、我々の地域は、やはり時間的な距離をいかに短くするかということが地域に求められています。そのことを考えた場合に、どうしてもこの8の字ルート、特に四国の高速道路のネットワーク化というのは、早急に対応してもらわなければならない重要な項目です。
○赤池委員 ありがとうございました。 これは、まさに先ほど中越参考人の中にもありましたとおり、高知のみならず、中山間地域を抱えている、私は地元が山梨でもありますけれども、大都市部に百キロ圏、二百キロ圏でも同じような状況があると思います。また、山陰地方のように一部開通しても、また九州東部もそうですが、道というのはつながっていなければ役をしない。そういう面では、つながっていない地域にとって、一万四千キロ、高速道路また地域高規格道路を含めて、まだまだ道路整備は十分ではないということの具体的な証明ではないかなということを感じました。 きょうはちょっと触れられていなかったので、杉山参考人にお伺いしたいんです。経済活動にとって道路は大事だ、人、物、そして中越参考人のように、命の道、防災面、これも大事だと思うんですが、その一方で、戦後、国防面、防衛面という問題が、日本戦後体制の中で、憲法の中でほとんどうたわれなくなってしまって、余りその辺が言われなくなってしまったんです。 やはり、戦前を考えてみると、内陸部というのは、鉄道も含めて、私の地元山梨なんかの中央線の開通ルートを考えても、防衛上の効果が大きかった。また、諸外国というのは当然そういう発想の中で整備されていると思うんですが、国際的に見た面でのその辺、道路整備と防衛面の御意見がございましたら、お聞かせ願いたいと思います。
○杉山参考人 非常時がないことを私は切に願うわけですけれども、諸外国のケースを見ますと、例えば、アメリカのインターステートハイウエー、これはインターステート・アンド・ディフェンス・ハイウエーということで、国防面も入れられておりました。また、韓国の高速道路では、中央分離帯に航空機が離発着できるような、そういう装置もしております。 したがって、海外におきましては、国防面に対する対応はかなり進んでいるのではなかろうかな。その点、我が国においては、現状では、国防面のことが配慮されているかというと、そうではないというふうに私は判断しております。
○赤池委員 ありがとうございました。 そういう面では、国土形成計画も防災面は入っていても防衛面というのは、国民保護法制を初めさまざまな有事法制の中でも、残念ながら、戦後の憲法体制を含めてまだまだそういった視点が欠けている。これは、当然我々の責任にもなってくると思いますので、十分その辺も参考に今後議論を進めさせていただきたいと思っております。 それで、先ほど杉山参考人から聞かせていただいた、なぜ日本の道路整備が進まないのか。その中に、日本の道路整備、建設コストが莫大な理由というのは、自然、地形の面からというふうに言われているわけですが、その一方で、昨年来の議論の中で、国がやるから無駄が多いんだ、地方に任せれば、結構地域の実情に合わせて建設コストが下がるなんというような意見もあったわけであります。 そういう面では、中越参考人にお伺いしたいと思うんですが、地域に任せれば、本当に国に比べて無駄がなく同じように道路整備ができるのかという問題がございます。当然、高規格から県道、市道という身近な生活道路を含めると規格も全然違うわけでありますが、一律的に地域に任せればそれでいいという単純な議論が横行しておりましたので、ぜひ実情を含めて中越参考人から御意見を聞かせていただきたいと思います。
○中越参考人 実は、私の町では、補助国道と国の直轄事業とを同じ路線で整備していただいています。 ところが、直轄事業、国が整備をする事業というのは、県境を通過する道路であります。その道路が、青函トンネルにも匹敵するような、非常に条件の厳しい、湧水が多い道路を整備している。それが地方に任されると、技術的な要素から考えても、投入する金額から考えても、とてもできるような状況にないということが一つあります。 一方、地域の中で行うためには、私の町の補助国道は、先ほどの話もありましたけれども、地域の皆さん方がつくって、この道路を将来その地域の活力にどう生かすかということでつくっていただいたグループがありまして、その皆さんがしっかりそれを訴えて、そのことのよしあしをしっかりと国の方が判断していただいて、それができるということができた場合に、地域の皆さん方に非常な自信を与える。そのことによって、将来につながるその道路の整備まで、自分たちで管理までやっていこうという芽ができるということもあります。 そういうことを考えたら、地域では、順番もつけて重要な路線から順次行うという方法を我が町も高知県もとっています。が、どうしてもその中でできないというところがたくさんございます。高知県は特に海岸沿いが、徳島、高知というのは非常に多くて、先ほどの話もいたしましたけれども、梅雨季は交通どめのところが多いということを考えたときに、ただ単に一自治体に任せてもらっただけでそのことができる状況にないという現状があるということでございます。
○赤池委員 現場の声を聞かせていただいて、国の責任というものをしっかり踏まえた中でやるべきことはやっていくということではないのかなということも、改めて感じさせていただきました。 その中で、中越参考人の中に、地方道路整備臨時交付金が廃止をされて、新しい、地方活力基盤創造交付金が創設をされるということで、具体的に予算づけ、裏づけですね、毎年毎年の予算編成の中で変動があるような形では困るというような要望もいただいております。この新交付金の創設によって、現場を任された参考人として、地方の道路整備は大丈夫かというところも、改めて聞かせていただきたいというふうに思っております。
○中越参考人 今回の地域活力基盤創造交付金というのは、今の方策の臨時交付金から変わった中で、地方の判断にゆだねられる、地域にとってはそのことによってあわせて行うことができて、しっかりとした社会基盤の整備ができるというよさがここに盛られていると私は思っています。 それと、その地域の実情に合ったように、先ほども申し上げましたけれども、我が町でいえば、環境モデル都市の指定を受けた、そうなると、それとあわせて道路標識を、その状況に応じた標識ができるということ。一方では、高齢者や通学をする子供たちが安心をして通勤通学ができるような方途の一面にも使用することが可能ということであります。 そういうことからいえば、地域の配慮ができる交付金と考えていまして、これはぜひ、将来にわたってそういうふうな法的に認められるような方途を私はつくってもらいたいという強い思いがあります。
○赤池委員 そういう面では、大幅な制度変更の中でも、地方に使い勝手のいい、そして裏づけのあるものを、我々、今後しっかり議論をする中でしていきたいなということを改めて感じさせていただいたところであります。 それで、杉山参考人にお伺いしたいんですが、今回の法改正で一般財源化した、しかし結局、来年度、道路関係予算はほとんど変わっていないじゃないか、何のために一般財源化したのかわからない、こういう御批判もいただいているところなんですが、それに対して杉山参考人の御見解をお伺いしたいと思います。
○杉山参考人 これまで、特定財源制度の時代では特定財源が全部使えたかというと、そうではなくて、シーリングがかかっておりました。ですから、必要である道路もつくれないという制度的な枠がありました。それが、一般財源になったということでその枠が外れたということも、変わらないではないかという印象の一端ではないだろうかなと思います。 それと、私自身は、やはり道路整備の必要性というのは、特定財源であれ一般財源であれ基本的に変わるものではない、特定財源であったからこうだ、一般財源になったから半減だというのでは、今までの政策が余りにも説明力がないのではないか、こういうふうに思います。
○赤池委員 参考人御指摘のように、道路というのは一年、二年でできるものではなく、まさに十年、二十年、百年、大きな長い時間の中で一つ一つ積み上げていくということでありますから、そういう面では、一般財源化しても真に必要な道路はつくるし、そして、今までのことが、今、特定財源であろうが一般財源であろうが、それは必要だからつくっているということの証左だという御意見をちょうだいいたしました。 その中で、杉山参考人の中でも、どうしても、道路というとつくるということに目を奪われて、改築と、それから一番大事なのは維持管理という側面の御指摘をいただきました。特にアメリカの教訓というのを引かれておりまして、私も先日ちょっと雑誌を読んでおりましたら、これはその方の体験談ですが、本当かどうかわからないんですが、アメリカでは夜遅くなると高速道路を走れない、なぜかといえば、ところどころに大きな穴があいていて、それによって交通事故が起きる可能性がある、ライトだけではわからなくて、それほど維持管理が不十分だというような一つのエピソードが紹介をされておりました。 実際、日本でも、これは最近いわゆる道路の空洞化ということで、アメリカだけではなくて、年間四、五千カ所、下水道のいわゆる老朽化から含めて、空洞ができるなんということも含めて、本当に生活道路なんかではゆがみや穴ということも、これまた実際のところかなということも感じております。 アメリカほどひどいことはないにしても、今後、橋梁一つとっても、また高速道路一つとっても、ちょうどこれからが維持管理費に非常にお金のかかる時期を迎えるのかなということを感じておりますので、改めて、その辺の維持管理の面に関して杉山参考人の御意見を聞かせていただきたいと思います。
○杉山参考人 維持管理は非常に重要だというように思っております。 特に、先ほどの意見の繰り返しになりますけれども、我が国はトンネルとか橋梁が非常に多い。そこでもし事故が起きたならばということで、事故が起きたからこうだというのでは遅いわけですね。ですから、そこの維持管理をきちっとやって事故を未然に防ぐということが非常に重要ではないかなというように思います。
○赤池委員 中越参考人に、同じような質問なんですが、当然、町の中にも維持管理という形が、新しく、整備や改良と同時に、相当維持管理費もかかっているんじゃないかなというふうに思いますので、現場の声を聞かせていただきたいと思います。
○中越参考人 我が町でも、うちは、県から国道と県道の維持管理、借り上げ等を町が受けて、地域の皆さんとともにその管理をしてございますが、その中で、どうしても崩土や路面の損傷についてもお金はかかります。が、そのことについては、やはり国であり県であり、そういったことにしっかりとした方向性を見出していただいています。 しかし、我々が日ごろ使わせていただく道路を我々で管理するという意識が我が町には多くありまして、そういった意味では、雇用の場の確保にもなっています。全体的にことしは十二名の方が、四月以降、国、県の道路の管理を委託した中で、我が町で雇用の場になっています。 どうしても必要な資材についての提供はしてもらわなければなりませんが、その管理をさすことによって地域の雇用の場になっているという非常によい方向性が出ていますので、そういう意味では非常にありがたい項目でもあると思います。
○赤池委員 そういう面では、単に道路の維持補修が地域の雇用にもつながっているという、大変貴重な御意見をちょうだいいたしました。 今回、一般財源化に伴って、関係税制、いわゆる暫定税率も含めて、税率のあり方に関しては、今後の税制抜本改革時に改めて検討するということになっております。そういう面では、杉山参考人御指摘いただきましたように、今後、どう理想的な自動車関係税制をつくっていくのかということも大変難しい問題でもあり、これは絶対やらなければいけない課題でもございますが、杉山参考人から、詳細にわたると時間もございませんので、基本的な改革の方向性だけ、御示唆、御意見をいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
○杉山参考人 今の自動車税制は非常に複雑でございます。納税者がどこまで理解しているかといいますと、理解していない人の方がむしろ多いのではなかろうか。そういう点では、まず簡素化をすることが必要ではないかなというように思います。 そして、その簡素化をした上で、納税者が納得をする、納得をするということは国家に対する信頼を置くということになりますから、納税者が納得できるというようなことを基本に考えるべきではないかなと思います。
○赤池委員 もう少し突っ込ませていただくと、いわゆる取得、保有、使用という三つの中からそれぞれ取っているわけなんですが、先生、理想論としてこれがいいという何か御意見がございましたら、お聞かせ願いたいと思います。
○杉山参考人 その三段階、私は、おのおのの段階で一本化していいんじゃないか。ですから、究極的には三つぐらいの税体系にした方が、むしろ納税者にとってもわかりやすいし、簡素化が図れるのではないかな、このように考えております。
○赤池委員 ありがとうございました。 同じような質問を中越参考人にしたいんですが、地方自治体の長として、今後、自動車関係税制はこうあるべきだという御意見がございましたら、お聞かせ願いたいと思います。
○中越参考人 その税制は、私はやはり皆さんが考えてもらいたい。我々にとっては、真に必要な道路の整備をするための財源をしっかり確保してもらいたい。 私らの思いは、やはり命の道であり福祉の道であるという、真に必要な道路が整備できるような財源を確保する方策を考えてもらいたいというほかに、ここでこうだと述べる意見を持ち合わせていません。
○赤池委員 ありがとうございました。 次に移りたいと思うんですが、民主党は政権公約で、高速道路を一部大都市を除いて無料化ということを打ち出しておりまして、そういう面では山崎参考人が理論的バックボーンということをお伺いしているわけなんです。 山崎参考人の話を聞いていてちょっとわからなかったのは、一万四千キロも含めて、必要な全国ネットワーク、今工事中も含めて、高速道路を無料化しても必要な高速道路は今後も、きょうも御意見がありました、高知県の例もございましたけれども、全部つくる、つくれるということでよろしいんでしょうか。
○山崎参考人 はい。まず、高速道路のネットワークの完成、これはアメリカでもドイツでも、ドイツでは大体五年でほぼ計画の七、八割、アメリカでも大体十年で七、八割ぐらい、中国のように非常に速い速度で進んでいる。 日本で高速道路ネットワークが完成しない最大の理由は、料金が高過ぎる。料金が高いのを原価計算すると、実は、百年借金しているんですね。一九五六年からもう五十二年たっています。二〇五〇年まで百年借金して道路をつくっていくと何が起きるか。住宅ローンで考えて、圧倒的に金利の支払いの方が多くなる。 建設費がよく批判されるんです。金利は払ってしまっている。そうすると料金が高い、そうするとだれも乗らない、そうするとその地方は住めない、都市に集中する、ますます収支が悪くなる、借金が返せない。つまり、非常に多重債務者、サラ金地獄状態に実は日本の高速道路全体がなっているがゆえに、整備が進まないわけでございます。 国鉄民営化の場合のときも、借金を処理したから、やっとJRは健全経営に変わることができた。 ですから、もともと借金をつくったのは、道路整備特別措置法で、道路財源がなかった、二百億円しかない中で名神、東名をつくれないから、借金を世界銀行や郵貯、簡保からしたのであって、十分に道路財源ができる世界一の債権大国になった時点では、先進国型の、道路財源の中から高速道路も整備する、特に高速道路のユーザーが払った税金で高速道路を整備するというごく当たり前の普通の道路整備の国になれば、ネットワークはとっくに完成をしていたであろう。 もう一つ大きいのは、今回、一部ETC三割引きといいますか、土日、休日だけ。これだと、まだ大都市に行って買い物して帰るだけ。ところが、完全に無料になれば何が起きるか。土地が安い方に人も企業も移るということですね。そうなると、地方に初めて人口がふえていくということが起きますから、そうなってきて初めて全体の道路整備も進むというふうに私は考えます。
○赤池委員 今、道路としては不十分だし、つなげるし、つなぐ手法としての無料化論という御意見ではなかったのかと思うんですが、杉山参考人に、高速道路無料で本当に全国に道路がつくれるんですか、お聞かせください。
○杉山参考人 私は、無料化を考えるときに、もう少し慎重に対処すべきではないかなというように思います。 確かに、利用者にとりましては、無料化は大変好ましいことだということは間違いないと思いますけれども、実は、受益と負担の関係が乖離してしまう。料金以外のものは税金に求めなきゃいけない。そういたしますと、利用していない人までそれを負担する、こういうことになります。 それからまた、理論的には、高速道路を無料にしますと、一般道と高速道路の交通量が均衡するまで高速道路に流れます。そういたしますと、従来の一般道と高速道路が実質的に変わらなくなってくるということで、利用者にとって選択肢を狭めてしまう。料金は払うけれども早く行きたい、こういう人のための選択肢を狭めてしまうのではないだろうかなということを考えますと、私は、料金を無料化したところでそんなにスムーズにいくものではないというように考えます。
○赤池委員 わかりました。 時間がそろそろなくなってきましたので、ちょっと最後の質問に移らせていただきたいと思うんです。 昨年からの意見の中で、道路特定財源というのが、道路だけを聖域化して、国交省それから族議員の既得権益であるとか、資源の適正配分をねじ曲げるとか、道路こそが政治だと言われる古い政治のシンボル、はたまた巨大利権だ、税金の無駄遣いの温床だ、政官業の癒着だということで、批判の大合唱がございました。マスコミにも結構それが取り上げられて、こんな道路が必要かどうかということで大変たたかれたわけでありまして、国民も相当惑わされたなというふうな思いを持っております。 きょうも、中越参考人のように、地域の実情を踏まえて道路が必要だ、命の道だと言ったところで、結局、我々政治家は、裏で何か業界と癒着をしてお金をもらっているんじゃないかというような、そういうやゆ、批判をされてしまうということであります。 そういう面では、不幸なことなんですが、道路整備そのものが国民の不信を買って、信頼のないところでは、やはり公共事業、道路整備が進まないということにも回り回ってつながってくるのかなということを感じております。最近も、民主党の小沢一郎代表の秘書の逮捕や起訴がございました。これは、野党のみならず与党でもそういった問題を指摘されてしまっている。 本当に必要な道路をつくるときに、やはり国民の信頼をいただけないということは本当に不幸なことだなというふうに思っておりまして、改めて、国民の信頼回復をこの道路行政、道路整備においてどうつなげていくかということを、それぞれの参考人から一言ずつ聞かせていただきたいと思います。 杉山参考人、いかがでしょうか。
○杉山参考人 基本的には、納税者の理解を得て、そして制度そのものの疲労、制度疲労を一日も早く取り除くということが必要ではないかなと思います。私は、基本的には、受益者負担の考え方、これを形が変わっても貫いていくべきではないかな、このように思っております。
○赤池委員 ありがとうございます。 では、山崎参考人に、国民の信頼回復策を一言でお願いしたいと思います。
○山崎参考人 日本が発展するためには、まず、道路ネットワークが基本的に原則すべて早く完成すべきだ、この大原則に沿うものだ。そして、地方ほど特に必要なものはつくってあげることが必要だ。そのためには、最も予算を効率よく使うためには、まさに借金を今返済して、処理をして、無料化することこそがその最大の経済効果、そして財政改善効果があるというふうに思っております。
○赤池委員 ありがとうございます。 では、中越参考人。
○中越参考人 私たちは、現場を預かる者として、ぜひ、マスコミも皆さん方も、やはり地域の現状を見ていただきたい。それによって、何が必要なのか、国土保全で地域の住民を守るということが必要なのかということから考えて、ぜひ、そういうことをしてもらいたいし、そのネットワーク化を早く図っていただきたい。
○赤池委員 ありがとうございます。 橋本参考人、最後に。
○橋本参考人 先ほども申し上げましたけれども、私は、車に依存する社会というものが本当にいいのかどうかということは考えなきゃいけないと、大前提にあります。 それと、地方が大変だというのは、都市とはこれは明らかに違う。だから、本当に地方の人たちが、自治体も含めて必要だと思っている、そういう道路をやはり優先さすということは大事なことだと思います。必ずしもお金がかかるからやらないということは言うべきではない、私はそういうふうには思っています。
○赤池委員 きょうは貴重な御意見を本当にありがとうございました。まだまだ日本の道路整備は不十分であるということの中で、地域の実情を踏まえて、今回の法改正の中でもしっかり必要な道路をつくっていくために一生懸命頑張らせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○望月委員長 次に、後藤斎君。
○後藤(斎)委員 参考人の皆さん、大変お忙しいところ、ありがとうございます。着席して、失礼ですが発言をお許しください。 昨年の今の時期にはまさに逆の議論をしておりまして、私たちは民主党として一般財源にすべきだという発言を繰り返し、政府・与党はいや絶対できないんだというのは、先ほど来お話がありましたように、道路には長期間、計画から完成まで時間がかかる、さらには、まだまだ必要な道路は、高速ネットワーク、地方道を含めたくさんあるという繰り返しの発言の中で、ある意味では、再議決という、衆参の意見が違う中で余り多用してはいけないものではあったかもしれませんが、五月十三日に結論が出たということであります。 いろいろな資料を参考人の御発言の部分で見せていただきましたが、まず杉山参考人の方にお尋ねをします。 杉山参考人は、先ほども、ある意味では課税の体系も含めて、これから必要なものはつくれる仕組みにしていくべきだという趣旨の御発言をなさっております。さらに言えば、一年前までは、杉山参考人は特定財源を維持しなければ必要な道路はできないという論点に立っていたというふうに承知しています。 そういう中で、今回の法律案は、今議論を私どもがさせていただいているのは、一般財源化をするということを決定する法律でございます。それを、過去のいろいろな杉山参考人の御発言や今の思いも含めて、どんなお気持ちでこの法案と向き合って、そしてこれからどんな形の仕組みというものが杉山参考人のお立場から正しいのかということを教えていただきたいと思います。
○杉山参考人 私は、道路特定財源制度というのは、効率性、合理性、それから安定性ということで大変いい制度だったというように思っております。仮に道路特定財源がなければ今日までの道路ネットワークというものはできなかった、不十分であるとはいえ、できなかったというように思います。 ですから、そこの根本にあります受益者負担原則、これに関しましては、私は今もって変わるものではございません。 ただ、一般財源化になってしまったということで、時計の針は戻せない。時計の針を戻しますと、実はまた国家不信につながるのではないだろうかということを考えまして、ならば、一般財源のもとでも、これまでのノウハウを活用して、受益者負担原則を生かすような形で道路整備を行っていくべきだ、こういう趣旨できょうは参りました。
○後藤(斎)委員 杉山参考人に再度お尋ねをしたいと思います。 政府はこの間、今の課税の根拠という中で、実は先ほども杉山参考人がお触れになりましたように、昨年の五月十三日に再議決をし、そしてその日に閣議決定をした部分を先ほどお話しされました。その五月十三日の際には、ことしの税制抜本改革時に検討するということを閣議決定し、年末には、今後の税制抜本改革時に検討するという、目的はある意味では同一でありますが、実に、かなりおくれおくれになっています。 そういう意味では、環境問題への国際的取り組み、地方の道路整備の必要性、国、地方の厳しい財政状況等を踏まえて、暫定税率は維持しなきゃいけないんだということでありますが、過去の御発言の中で杉山参考人は、もし一般財源化をするのであればガソリン税を引き下げろ、要するに、暫定税率は引き下げなければいけないんだ、そうすれば、裏返して言えば、課税の根拠はなくなるんだという御発言をなさっておりました。 その点について、今回のこの審議が進み、この法案のまま可決をされれば、杉山先生がおっしゃった部分はどのように変化をしてしまうんでしょうか。教えてください。
○杉山参考人 一般財源化するという根拠が、道路整備が既に十分だ、これを理由とするのであれば暫定税率の根拠がない、こういうことを私はずっと主張してまいりましたし、今もその主張は変わるものではありません。 ただ、その一方で、道路整備が十分ではないということと、もう一つの理由といたしまして、環境対策あるいは国際協調等々のことが挙げられております。その理由を評価するのであれば、暫定税率はやむを得ないのではないか。ただし、暫定ということはしばらくという意味ですから、税制の抜本改革まで。 私自身は、税制の抜本改革はできるだけ早くやってほしい、そして、その抜本改革の中で議論されたその姿というものをぜひ期待したいな、こう思っております。
○後藤(斎)委員 杉山先生にもう一点だけお尋ねをしたいと思います。 杉山先生はさらに、財政面という国の事情はよくわかる、今の御趣旨も暫定だということなんですが、その際には、先ほども意見陳述の中でお触れになっていましたように、今、自動車関連税制というのが非常に複雑で、基本的には三段階それぞれ一本にまとめた方がよろしいのではないかという趣旨の御発言がありました。 究極は、先生のいろいろな御発言を見せていただきましたら、いや、それよりも消費税の方が正しいんだ、より今の状況には合った税制である、むしろ自動車税制を見直す中で消費税を引き上げるべきだという趣旨の御発言をなさっています。その点については、今回の一般財源化とあわせてどのような御意見をお持ちなのか、お尋ねをしたいと思います。
○杉山参考人 国家財政が厳しい状況にあるということの中で、その補てんのために、なぜ自動車利用者だけが負担しなければいけないのか。先ほどの中越さんの言われたように、地方に行きますと自動車は必需品です。一家に三台、四台あるといっても、これはぜいたくではなくして、それがなければ生活ができないから。ところが、そこに過剰な負担をいたしますと、私は、地方に対する大変な圧迫になるのではなかろうかなと。 そういたしますと、より広く負担をするという点ではむしろ消費税の方が公平である。だから、国家の危機に対しましては我が国全員がそれに対応するんだということで、特定の階層にとらわれるべきではない、こういう趣旨で私は今まで発言をしてまいりました。
○後藤(斎)委員 ありがとうございます。 山崎参考人には後ほど時間をとりますので。済みません。 中越参考人にお尋ねをしたいと思います。 中越参考人も、やはり地方の首長というお立場の中で非常に御苦労があるということは私も承知しておりますし、先ほどの御発言の中でさらに理解をした部分もございます。 ただ、今回の制度改正という部分で、これは杉山先生と同じようなお立場の中で、道路整備には、特に地方道の整備には特定財源が必要だし、さらには、地方自治をつかさどっているというお立場の中で、地方道路整備臨時交付金というものを堅持しなければいけないというお立場でありました。 この二つの、今までの現行の法体系でいえば、非常に大きな部分が一般財源化になり、そして臨時交付金は廃止をされということについて、私は、先ほどの地方のお話を聞いていれば、首長、町長の皆さん方も含めて、これじゃやはりおかしいよなというふうにもっと声を上げなければいけないのかなと思うものの、いろいろな国、地方の今の役割分担の中で御発言しにくい部分もあるのかもしれませんが、この臨時交付金の廃止も含めて、今回の制度改正について、先ほどもお伺いしましたが、法律という部分に焦点を当てて御意見をちょうだいしたいと思います。
○中越参考人 今まで道路特定財源が果たしてきた役割というのは非常に大きなものがあると私は考えていますが、今回改正をされるということについては、地方にとっては、真に必要な道路整備というのはしっかりしていただいて、どちらからなっても、その財源をしっかり確保していただいて、その整備をしていただきたいということが、一つあります。 一方、臨時交付金制度については、これは地方の財政力が弱い、あるいは整備がおくれているという地域に重点的な配分をしていただいてその方向性を見出していく、これも今回は廃止をされて、地域活力の創造交付金という、法を変えて行うということになりました。そのことについては、地方にとっては、使い勝手のよい方向性が見出せているということであります。 ということは、地方で、それなりの社会基盤を有効に活用して、将来につながるまちづくりに生かすという方向性をそこで見出すことができる、そういう使い方ができるということになります。が、それは、今回、法で決められているということではない。毎年その予算の要求をしていかなければならないという中にあります。 ですので、そのことを考えた場合には、今までと同じような、臨時交付金と同じような、今回の地域活力創造交付金についても法を整備して、その地域の整備がしっかりできるような、使い勝手のよい、あるいは利便性の高い整備ができるような方途にしてもらいたいという強い思いが私はあります。
○後藤(斎)委員 今、中越参考人がお話をしていただいたように、ある意味では、臨時交付金は、法律の中身できちっと明定をしながら、制度の仕組みが明確になっておりました。私ども、今、質疑の中で政府側に問題点を指摘しているのは、まさに今、中越参考人がおっしゃっていただいたように、もし、その使い勝手がよく、これからも地方道の整備が必要ということであれば、制度体系として、地域基盤創造交付金を明定すべきだという議論もございます。 ただし、政府側の方からは、今、要綱、要領をまとめながら、それの手続に従って毎年の予算をきちっと確保しながらという、どちらが主従かよくわかりませんが、という答弁を繰り返しています。 さらには、今までの道路整備を中心としたハード事業から、ソフト事業を含めてできるという仕組みが、この基盤創造交付金の要綱には書き込みがなされるようであります。 中越参考人御承知のとおり、来週の火曜日が年度内なので火曜日には出てくるというふうに私は思っていますが、まだそこが明定をされていないので、やはりこれも、臨時交付金という仕組みは、ある意味では、二十年以上続いた仕組みでありましたから少しずれても構わないということであったかもしれませんが、創造交付金は今回新たな仕組みでありますから、これは市長会や町村会、知事会も含めて、そこがもっときちっと政府側に要望し、その部分を混乱がないようにするためには、やはり一日も早くということは、今までにも言ってきたと思うんですが、私は、ぜひそういう主張もこれからもしていただきたいというふうに思っています。 あわせて、今、国の事業の、いわゆる直轄事業の地域の負担金という問題が、負担部分をどうするかという課題がございます。 これについては諸説あって、私どもが、民主党として、昨年の今ぐらいの時期に、暫定税率の廃止、国直轄事業の地方負担部分の廃止、一般財源化という三つをあわせた法律を実は固めまして、公表しているのです、なかなか国民の皆さんには届いていないようなんですが。この地方負担部分をどうするかという部分は、廃止をすると、ある意味では、また陳情行政がさらに加速をするという説もありますし、やはり受益の部分をある一定度合い残してからやった方がいいんだという、いろいろな意見が首長の皆さんの中でも分かれているというお話を聞きます。 中越参考人のお立場から見て、この直轄事業の負担金、地方、国のあり方というものはどのような仕組みが最も望ましいのか、お尋ねをしたいと思います。 〔委員長退席、中山(泰)委員長代理着席〕
○中越参考人 実は、高知県知事は、本当に、地域の8の字ルートも、それから県道であれ、地方道であれ、非常におくれている中で、国が対応していただく基盤整備を早くしてもらいたい、そういった意味から、ある程度の負担はやむなしというスタンスをとってございます。 私も、それなりのこちらの意見も申し上げて、それが少しでも早く開設できるような方向性を見出すためには、少し負担をさせていただいてでも、やはり道路ネットワークの整備を早くしてほしいという思いであります。
○後藤(斎)委員 ありがとうございました。 橋本参考人にお尋ねをしたいと思います。 いろいろな市民運動のお立場から、特に公害対策という部分がスタートだったというふうに承知をしていますが、橋本参考人、先ほども意見陳述の中でお触れになっていただきましたように、ある意味では、圏央道につきましては反対のお立場をとっているというふうに承知をしております。例えば、圏央道、外環状線も含めて、国や東京都はそれを熱心に、それもできるだけオリンピックに合わせてというふうな発言をし、そうではないものを模索しているのが橋本参考人のお立場だというふうに思います。 その部分で、絶対的にこれは対立するものなのか、それとも、先ほどの情報公開も含めて、合意形成がきちっとこれから何らかの条件の変更があればできていくものなのか、教えていただきたい。あわせて、橋本参考人も先ほどお触れになっていただいたように、一般財源化ということをメーンに過去繰り返し御発言をされたお立場から、今回の法律改正というものはどのような思いなのか。後者は端的で結構ですから、教えていただきたいと思います。
○橋本参考人 先ほど、最後に私申し上げましたけれども、大都市部の、とりわけ圏央道や中央環状、それから東京外郭環状の考え方の最も大きな主張は、これは国の主張ですけれども、それは、都心をただ通過するだけの、都心に用事のない車の通過交通を排除する、分散させる、このことによって都心の渋滞を緩和するのだ、このように言っております。 それは、例えば、私は先ほど一例を挙げましたけれども、ロンドンなんかの場合でもそうなんですが、M25の、あれだけの大きな環状道路をロンドンの都市から二十キロ圏につくったわけですけれども、現実にはほとんど機能しなかった。むしろM25の方が込んで、そしてロンドンの渋滞も緩和されないという大変な失敗の例があるんです。ロンドンはそれで困りまして何をやったかというと、東京でいえば千代田、港区などの三区に相当するところに進入する車に対して、渋滞課金をかける。これは八ポンドかけているんですけれども、それによってこの間に減った車を検証すると、入ってくる車は一八%減じて、渋滞が三〇%なくなったという結果が出ております。 私は、やはり都市の物の考え方というのは、車が混雑するから道路をつくるんだというハードの考え方よりも、もっと、東京であれば公共交通が大変発達しているわけで、そういうようなところ。そして、あとは簡単にまとめますが、特に、人が住んでいるところに無理やり道路を通したり、自然がとても豊かなところにやるということに、大変大きな、そこに住んでいる方たちやそれを思う人たちの思いがあるわけですね。 ですから、私はもともと、圏央道反対ということでやったわけではございません。圏央道が本当に、先ほど委員がおっしゃられたように、きちっとした情報開示のもとにテーブルに着いて話し合いが行われるという条件があれば、これほど大きな混乱にはならなかったのではないか。 最後に申し上げたいのは、やはり今、東京外郭環状にしてもそうですけれども、やればいいというPIのやり方とか、説明しさえすればいいというやり方を改めないと、こういった問題というのは日本全国至るところで今起こっています。そして、裁判ももっとふえるのではないかと私は危惧しております。 それからもう一点、一般財源化の問題ですけれども、私は、これは私たちの要望でしたから、大いに結構だと。 そしてもう一つは、一般財源化というのであれば、今、本当にどこにそのお金を使うべきなのか。やはり、税金の公平さ、平等さから考えても、医療や福祉や教育やそういうところにも使えるお金なんですから、本当に、そこから、やはりそういうところに目配りをしてやるべきじゃないか。 自動車一台当たりの社会的費用というのは、私の尊敬する先生である東大名誉教授の宇沢弘文さんが三十年前に書いていますけれども、当時でも二百万円の社会的費用があるというふうに宇沢さんはおっしゃられているんですね。これは、現在であればもっと過大な費用になると思います。道路をつくる、また車に依存するというのは大変大きな負担を社会にも強いていることだということも、一方では考えなきゃいけないと思います。 以上です。
○後藤(斎)委員 山崎参考人にお尋ねをしたいと思います。 先ほども、百年に一度の経済不況という状況であれば、もっと大胆かつ積極的な、高速道路無料化も含めた施策を講ずるべきだというお話がございました。 私も、特に先ほど中越参考人の御発言もあったように、今、地方も都市部以上にある意味では疲弊をし、その中で、今政府もお考えになっているのかどうかわかりませんが、やはり、高速道路というのが、まだ千数百キロがネットワークされていない中で、少なくとも整備計画というものを前提にすればそういう状況にあります。 今、地方の経済、特に建設業を中心とした部分に依存をしている地域もまだたくさんございます。そこには、雇用情勢も非常に、本当に限界水域に達しながら、いつ倒産、破産をするかわからないという方々もたくさんいらっしゃり、あわせて、経済効果が少なくなったとはいえ、乗数効果もまだ公共事業はあるという中で、もし必要な道路をネットワーク整備するということであれば、やはり、例えば五年、十年かかるものを、その二分の一とか三分の一、先ほど山崎参考人の御発言にあるように、ドイツは五年でアウトバーンをつくり、アメリカも戦後七年から八年でほぼ高速ネットワークを完成したということから考えて、必要な高速道ネットワークを前倒し実施をしながら対応すべきだということを私自身は考えていますが、山崎参考人の御意見をお伺いしたいと思います。
○山崎参考人 まず、経済効果ということから申し上げれば、一番大きな高速道路無料化の経済効果は、今ある高速道路が使えるようになる経済効果なわけでして、これは新しい建設が要らない部分ですね。これはもちろん、アクアラインとか四国の三本の橋とか全国の高速道路。これは無料化をすれば、建設費ゼロで非常に大きな経済効果が出てくる。これは、先日の国土交通委員会の質疑の中でも、消費者余剰という考え方であれば、七兆八千億円も今すぐに効果が出てくるということでございます。 それともう一つは、今、地方と大都市の間で格差が大きいのは、土地の価格の格差です。例えば、木更津は一坪三万円から五万円しかしない。羽田から十五分で行くわけですね。ところが、このあたりだと坪五千万円とかする。ですから、向こうが使えるようになれば、これは今後、企業だけではなくてリタイアした方の施設、これから首都圏で爆発的に足りなくなります。そういうものをつくっていくという効果も出てくるというふうに思います。 今後のネットワーク整備についてのポイントは、これからつくるのはさらに地方につくるわけですから、借金でつくっては返せない、これが大きなポイントでございます。 ですので、これは、借金ではない方式で、今の借金も処理するし、今後の高速道路は借金ではなくて国費でつくっていく。無料であるがゆえに、みんなが使いやすくて、土地が安いところに移りますから、仕事ができて、人が住んで、結果として利用がふえて、経済効果もふえていく。両方の効果があると思っております。 〔中山(泰)委員長代理退席、委員長着席〕
○後藤(斎)委員 山崎参考人、さらにお尋ねをします。 今後の道路整備、高速ネットワークも含めてなんですが、やはり、今まで以上に、単位当たり、一メートル、アクアラインでは一億円、圏央道でも五千万から六千万かかるということでは、なかなか合意形成が難しい点も、財源論からいってあるのかもしれません。そんな中で、山崎参考人の今までのいろいろな御発言の中で、やはり道路整備のコスト削減を、単位当たりの、下げていくことが大きなネットワーク整備の促進につながっていくという発言がございます。 その点につきまして、コスト削減とこれからの道路整備というものをどうバランスをとっていくのかということについて、コスト削減をしていけば、限られた財源であれば、より長い距離が当然整備できるわけですけれども、そのコスト削減についてお考えをお聞かせいただければというふうに思います。
○山崎参考人 まず、マクロ的に言いますと、日本の道路で使われているお金というのは、一般道路と高速道路の整備費、合計で八兆円超でございまして、これは、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア四カ国の合計の二倍でございます。一方で、日本のいわゆる道路密度は、OECD各国の中でもう既にトップになっている、これだけ山地が多いところで。距離だけを見ればいっぱいあるし、予算はいっぱい使われている。ところが、現実には、道路整備はいろいろ不備なところが非常に多い。 要するに、全体として見れば、お金もかけて距離もあるのに効率が非常に悪い。特に、高速道路の場合は、非常に無駄なのは、金利の支払いに非常に多くが充てられてしまっているということですから、借金はここで処理をするし、将来は借金でつくらないという方式をとっていくということ。 または、地方での道路整備につきましては、やはりこれからは、地方に主権を持たせると同時に、道路予算が余ればその地域がほかの目的にも使える。今までは、使えば使うほど予算をとらないといけない。ところが、これから、節約することでほかの財源にも充てられるというインセンティブがつくような方式を財政の中で入れていけば、各地域が、あるいは事業執行においてさらに効率化が進むのではないかと思っております。
○後藤(斎)委員 もう時間がなくなってきました。最後に、山崎参考人、もう一点、角度を変えてお尋ねをしたいと思います。 今いろいろな経済対策を政府も打ち出しておりますが、なかなかそれが実体経済に、もちろん時間もかかるものもたくさんありますが、回復の途上というその見通しさえつかないのが現状だというふうに思っています。やはり、地方で仕事をつくり、そして事業を創出し、そこで雇用や実際の所得を得ていくというものが当然必要でありますが、この無料化、さらには地方道の整備も含めて、地方の再生と暮らしの再生を図るという観点から、山崎参考人の御見解を最後にお尋ねしたいと思います。
○山崎参考人 現在の経済危機の一番大きな原因は、もはや日本が世界の工場ではない、太平洋ベルト地帯が引っ張っていける時代は終わっております。そうすると、これからは、地方の、特に農林水産業あるいは観光、医療、教育という人と土地を使うところ、これを促進するためには、やはり道路交通、特に高速道路のコストが大きく減っていくこと。 例えば、北海道—東京を往復すると、五万円高速道路代がかかって、それにガソリンが二万円。高速道路無料化になって、実際にこれは三菱自動車のミーブという車で、実験的に東京から洞爺湖まで行っております。往復三千四百円です。七万円が三千四百円に変わる。これが劇的に地方の経済を元気にすると思っております。
○後藤(斎)委員 どうもありがとうございました。
○望月委員長 次に、上田勇君。
○上田委員 公明党の上田勇でございます。 きょうは、四名の参考人の先生方には当委員会の方に御出席をいただき、また、大変貴重な御意見をいただきましたこと、まずもちまして厚く御礼を申し上げます。 四名の参考人の方々の御意見から、道路が経済社会にとって極めて重要なインフラであるということは共通した御意見ではなかったかというふうに思っております。四名の参考人の方々、その点では御意見が一致をしていたのではないか。しかし、どういう道路がどの程度必要なのか、これからの整備のあり方とか方法、それについてはかなり見解に隔たりがあったのではないかというふうに受けとめさせていただきました。 そこで、最初に杉山先生にお伺いしたいというふうに思うんですが、今、先生の御意見の中で、生活道路の整備、それから安全性向上の必要性、そのためにも道路の整備が今後とも重要であるという御意見を伺いました。私も、地元は横浜で、都市部でありますけれども、まだまだ改善をしなければいけない課題がたくさんございます。通学路の問題、あかずの踏切の問題、都市機能を向上していく上では対応しなければいけない課題がたくさんございます。 また、中越町長それからまた橋本さんも、それぞれ、若干お立場は違いましたけれども、そうした生活道路の必要性については共通の御意見ではなかったかというふうに思っております。ただ、ここで、今の中越町長それから橋本さんでは、そういう生活道路については大体必要であるというような御意見であったと思うんですけれども、高規格道路の必要性については、若干というか、かなり御意見が異なっていたのではないかというふうに受けとめました。 町長は、行政の立場から、地域の経済的な発展や生活の安心のためには高規格道路の整備促進が今後とも必要であるという立場でありましたし、また、橋本さんの発言では、発言の中では必ずしもそういう言い方ではなかったかもしれませんが、配付資料の中では、地方の高規格道路は交通量も少ないとか、また、不良資産となるというようなことから考えますと今後の整備は不要というお立場だというふうに受けとめております。 もちろん、お立場やこれまでの経歴、それから生活環境が異なるわけでありますので、意見が食い違うのはある意味当然かもしれません。そこで、学識経験者でもあります杉山先生に、こういう双方の立場があって、それぞれの意見だというふうに思うんですけれども、高規格道路の必要性について、先生の御意見をまず伺えればというふうに思っております。
○杉山参考人 冒頭にも申し上げましたけれども、今日は開放経済の社会でございますから、地域間交流というのは、社会経済生活上、必須の条件になっております。 そこで、例えば、高規格幹線道路がスムーズに整備されれば、ある集落で本来は総合病院をつくらなければならなかった、別の集落でもその必要があった、しかし、おのおのの集落がそのような施設をつくりますと、大変な費用負担になります。そこで、高規格幹線道路を使って各集落の方々が総合病院にアクセスできる、こういう条件をつくっておけば、国としての支出等々も減りますし、また、地域の人たちに対しましても安心した生活が保障できるのではないかなというような意味で、私は、全国どこに住んでいても、最寄りのインターチェンジまで一時間という公平性に立った高規格幹線道路一万四千キロというのは必要ではないか、このように考えております。
○上田委員 ありがとうございます。 次に、中越町長にお伺いをしたいと思います。 先ほどもちょっと御意見を伺ったところでありますけれども、今回の法案のまさに改革の本旨というのが、道路特定財源の一般財源化でございます。その中で、先ほどもお話が出ましたけれども、従来の地方道路整備臨時交付金、二十年度では六千八百二十五億円のこの制度が廃止されて、今回、新たに地域活力基盤創造交付金九千四百億円が創設されることとなりました。 従来の地方道路整備臨時交付金も、必ずしも道路の建設ということではなくて、比較的弾力的な予算の執行が可能であったわけでありますけれども、今回、この活力基盤創造交付金になりまして、さらに、道路を中心とはするものの、道路に限らず、その他のインフラ整備やソフト事業も含めて地域の実情に応じて使用できる、さらに弾力化された制度となったわけでございます。 町長というお立場ですと、そういう道路行政だけではなくて、社会福祉も教育も、あらゆる地域の行政に責任を持っているお立場でありますので、今回、このように使途が弾力化されたことについて、これは町の行政の運営に当たってどういう影響があるのか、また、どのように評価をされているのか、御意見を伺えればというふうに考えております。
○中越参考人 今の臨時交付金制度というのは、バイパス整備や大規模な事業から舗装、修繕という小規模なものまで、本当に地域の思いにかなって自由に活用できる地方道路整備臨時交付金でありました。そういう意味では、地方の道路整備に大きな役割を果たしてきた。今回、それにかわって地域活力基盤創造交付金ということになりましても、道路を中心とした関連するインフラやソフトの整備まで使える自由度の高い交付金となったことは、私は非常に評価をすべきだという思いがあります。 その上でも、さらに、公共交通の支援やあるいは町のまちづくり、将来につながるような方向性と、住民に安全、安心を与える、行政として住民をしっかりと守るという立場から、そういったことに活用できるという方向が示されておるということについて、私は非常に有意義なものではないかという思いがあります。 その思いを実現するために、ぜひこれも、法整備等々ができて、将来にわたって使えるような方途をまずぜひつくってもらいたいという思いがあります。
○上田委員 ありがとうございます。 そこで、町長にまたお伺いをしたいんですけれども、今おっしゃったように、自由度が高まったということでありますが、これによって、町の予算の配分や事業のめり張りというんですかに変化、まあ、ことしどうなるかというのは、なかなか、継続性もありますからそう違うことはないかもしれませんが、中長期的に見たときに、それが変わるというようなことというのは想定はされているんでしょうか。
○中越参考人 やはり皆さん方の安全、安心を保つために、整備の順位をつけて物事を行うことに我が町ではしています。ということから考えると、インフラの整備とあわせて補助的に対応ができることができれば、町のこれからの執行に当たっては大きな役割を果たすことができるという思いを持っていまして、期待をしているところであります。
○上田委員 ありがとうございます。 それでは、山崎参考人にお伺いしたいと思います。 山崎さんの方からは、先ほどから、高速道路料金の無料化ということを御提案いただきました。今般、政府におきましては、高速道路料金の引き下げ、割引を決定いたしました。もちろん、全部が無料になるというのに比べれば、一定割合の割引でありますから全然比較にならないものなのかというふうには思います。 ただ、ここでちょっと御意見を伺いたいのは、今回の割引の中では、大都市圏の高速道路の休日割引というのも導入されております。もう御承知のこととは思いますけれども、大都市圏の高速道路でも休日の全時間帯の料金を五百円とする、これは首都高速や阪神高速でありますし、また、大都市近郊の高速自動車道についても土日祝日の昼間の時間帯三割引きということとしております。また、既に実施をしている夜間等の割引もございます。 これまで山崎さんの方からいただきました御提案の中で、大都市圏の部分の取り扱いというのが、ロードプライシングというような言い方は伺っておりましたけれども、必ずしも明確ではなかったのではないかと思うんですが、ある程度の負担はしていただくというところはそうなんだというふうに思います。 今回、こういう割引を導入しているわけでありますけれども、大都市圏のユーザーも多いわけでございます。負担をしている割合も非常に高いわけでありますので、その理解を得ていくためには、ある程度大都市部のユーザーに対してもメリットを及ぼすような施策が必要なのではないかと私なんかは考えているんです。また、地方から大都市に来る交通網、結局、東京に入った後は、首都高速を通ったり大都市圏の高速道路を通らなければいけないわけでありますから、そういう意味では、そういう高速道路も利用する。 今回、こうした大都市圏における利用料金の割引措置について、そういう方向性、また今回の内容をどの程度評価するのか、お考えを伺えればというふうに思っております。
○山崎参考人 今回は、かつて道路公団民営化といったときには、高速道路を割引するとか無料なんてあり得ないことだというスタンスが語られていたのから比べれば、非常に大きな政府からの施策が初めて提示されたという意義は大きいと私は思っております。 ただ、これはあくまで二年間の時限です。二年終わったら、また世界一高い料金に戻すのか。そういうことになりますと、本当にそんなことが実行できるんでしょうかということが第一点。 第二点。実は、かつては六公団ございました。借金も六つに分かれておった。ところが、民営化に伴いまして、借金は実は一本化されておるわけでございます。ということは、一本の借金なんですから、本当は一キロ二十五円はどこでも同じでなきゃいけないはずなんですね。ところが、それを、アクアライン三千円とか本四架橋五千円と、そのまま料金を取っているわけなんですね。 私は、今の制度であっても、例えばアクアラインを首都高に入れてあげれば、事実上、木更津から乗って七百円にしてしまえばいいんじゃないか。あるいは、本四架橋だって一キロ二十五円で、今だって毎日それでいいんじゃないか。それは、今の財政制度、私は金融マンでございますから、借金が一本化されたらすべて同じ料金にしなきゃいけないんじゃないかというふうに、現行制度においても思います。 それから、やはりもう一つは、借金の根本的処理には踏み込んでおられない。国鉄のときには踏み込まれてやられたから実現したわけでございますので、これは立場を超えて、一日も早く処理をするということが無料化に行くだろう。 ユーザーにとっても、割引はうれしいんですが、非常に今の制度は複雑化しております。この区間、この時間に通ったらどうだとかいうことになっていますから、これだと本当にうれしくはないだろう。さらに、もう一段わかりやすく、シンプルにしていただく。 それで、今先生から御質問いただいた大都市圏の問題、休日においてはそのような対応は十分に理解できるかと思いますが、私は、首都高速あるいは阪神高速といった、平日は今でも込んでおります、無料にしてしまうと恐らく駐車場になっちゃうだろう、車は進まなくなるのかなと。それから環境の観点から見ても、やはり首都高と阪神高速というのは、むしろ平日は有料を維持した方が財政的にも、先ほどロンドンのケースでもありましたが、環境対策上も、あるいは道路として機能させるためにも、当面は有料の維持はいたし方のないところかなと思っております。
○上田委員 ありがとうございます。 確かに今、首都高速、阪神高速、平日は、あれだけ高い料金を払っても利用者がたくさんあるわけでありますので、当然それは有料であるべきだろうというふうに思っておりますし、そこが多分先生が御提案しているロードプライシングの考え方なんだろうというふうには思っております。 そこで、一点ちょっとお伺いをしたいんですけれども、先ほど山崎さん、高速道路が無料化になると、人口や生産活動が地方に、より安価な土地や労働力もそうなのかもしれませんが、それを求めて地方に行って、どっちかというと地方の活性化につながるというお話がございました。 そこが果たしてそういうふうになるのかどうかということでありますけれども、これは必ずしも有料道路ということではありませんが、今地方都市で、山間部なんかの道路が一定整備されると、むしろ県庁所在地に人口が逆に集まってきてしまって、過疎化が進行してしまうというような現象も見られています。 道路が整備をされたということと有料が無料になったこととは若干違うのかもしれませんけれども、アクセスが改善されたという意味では同じことなのではないかというふうに思います。 今は、どっちかというと、産業というか経済というのは、土地を利用したり大量の労働力を利用するというよりも、むしろ、都市型のところに多くの価値が生み出される集約的な産業が多くの生産性を上げているという面もあって、逆に、アクセスが改善をすることによって、大都市集中がさらに加速をしてしまうんじゃないかというような懸念はないんでしょうか。その辺はお考えになったことというのはございますでしょうか。
○山崎参考人 今の先生の御指摘は、非常にもっともな点でございます。 ただ、第一段階で、いわゆるストロー現象、都会が魅力があるからそっちに買い物に行かれてしまう、これは最初に起きます。 ただ、着目をしていただきたいのは、土地のコストの違いです。過去日本は、いわゆる改革で、人件費ばかり下げてきて国民を追い詰めてしまった。安い土地が片方で放置されておるんですね。木更津一坪三万円、五万円ですから、百億円持っていて、銀座でホテルをつくろう、土地を百坪買って終わり、木更津だったら三億円で一万坪買えるわけですね。そこにホテルをすばらしいものをつくったって、お金は余って、しかも一万円ぐらいで、中国から着いた人たち、あるいはヨーロッパから羽田へ着いたら、どっちのホテルに泊まりますか。つまり、その道路の先は、道路を使う産業に。 そして、これから日本は食料自給をする。つまり、ヨーロッパもそうです、これから伸ばさなきゃ、農林水産業。そして、海外からようこそジャパンで来ていただく観光業。そして、高齢化に備える病院、医療、介護、さらに教育、これすべて土地と人を必要とする産業。工場が出ていっても豊かになる日本は、土地と人を必要とする産業。その土地が、はるかに地方が安い。ここが日本の経済爆発力。 実際に、アメリカでもインターステートをつくった五〇年代、六〇年代、それまでニューヨークのシカゴにしかなかった企業が地方に行って大発展をした。その前のドイツも全く同じ現象で、今まで土地が安い、放置されているところが使われ出して、そして、これだけカリフォルニア州の九割の国土しかない狭い日本なのに、この極端な格差、三%の国土に六五%の人間が住んで、田舎には仕事も希望もない、都会に出ていかないと若者に仕事がないというのは、逆転させないといけないんじゃないか。 道路はその一つの入り口で、その先に、特にサービスエリア、パーキングエリアを中心とした地域開発ができるわけですね。高速道路からゼロ分の地域開発をやって、この一兆四千億円の土地を使って、大不動産会社が三つか四つできるじゃないですか。それを上場して、十兆円ぐらい、これを上場に上げて、借金返済の一部にも充てましょうよ、これが本当の民営化ではないかと私は思っております。
○上田委員 ありがとうございます。 私は、若干その辺は考えが異なっている部分もございます。 今、アメリカの事例を出されたんですが、確かに、当時の産業構造からいえば、多くの企業が地方都市に生産拠点を分散していったわけでありますけれども、その後、今どっちかというと、産業構造、知識集約型の金融であるとか研究開発といったものになったときに、やはりまた集中が起きているという現象も起きているんじゃないか。 確かに、東京の近郊、今先生は木更津という事例を出されました。そういったところに対するいろいろな分散というのが起きるのかもしれませんが、果たして本当に国土全体にそれが、均衡ある発展というか、産業が分散をしていくのかといった点、またこれはもうちょっとよく研究していかなければいけない点ではないのかなというふうには思っております。 それで、申しわけありませんが、杉山先生それから山崎先生にお伺いをしたいと思うんですが、いわゆる揮発油税等の自動車関係諸税についての考え方でございます。 従来の暫定税率も含めた税率の水準を原則維持することといたしました。それは、地球温暖化問題への国際的な取り組み、地方道路整備の必要性や、また国、地方の厳しい財政状況等を踏まえて、そういう形といたしました。 杉山先生は、これからも道路の整備が必要であるというお立場でありますし、今回、一般財源化でありますので、直接この税収が道路に使われるというリンクはなくなりましたけれども、財政の裏づけが必要であるという点からすれば、税収確保が必要だろうということかもしれません。 また、山崎先生におかれても、高速道路を無料化するという意味においては、道路に使う、今度は、これもまた一般財源化されましたので、直接色がついているわけではありませんが、その税収をもって充てるということが必要というお立場ではないかというふうに思います。 改めて、従来の暫定税率も含めた税率を原則維持するということについての賛否、それからまたその理由も含めて、お考えを両先生からお伺いしたいと思います。
○杉山参考人 先ほども申し上げましたように、道路整備が十分であるからということで一般財源ということであれば、私は暫定税率の根拠はないというように解釈しております。しかし、今回の改正案が、まだ道路整備が必要である、そのための暫定税率だということであれば、私はそれなりの意味があるというように思います。 ただ、暫定というのはあくまでもしばらくの間ということでございますので、これが何十年というように続きますと、恐らく納税者の理解は得られない。したがって、税制の抜本改革論議、これをぜひ早くやっていただいて、そこまでを暫定というように位置づけるべきではないかな、このように考えております。
○山崎参考人 私は、この自動車関連税制は、先ほど自動車の社会的費用ということをおっしゃられた方もおられましたが、もう一つは、最大の環境税という意味で、私は、暫定税率を含め維持すべきであるというふうに以前より思っております。 これは、ドイツのように、それから三分の二をほかの目的に、道路整備以外に使うようなこともありますが、先ほど申し上げましたように、これからやはり環境対策、安全対策をしていかなくてはいけない。 もう一つは、無料化の財源につきましても、基本、大きな部分は、民営化会社を先ほどのように不動産会社に転換して上場益で借金を返し、二番目は、埋蔵金の中に、特に、財政投融資の金利変動準備金というまさに適合した埋蔵金を充て、さらに、高速道路のユーザーが払っている税金、これは試算では、総額ですべて割り振ると二兆円近いはずですよ、これがほとんど使われていないんですから、それを高速道路の借金返済等々に充てる。 そういうさまざまな観点からいっても、暫定税率は私は一貫して維持すべきだと思いますし、今回の法改正、その点につきましては、私は、使途等は別にはいたしましても、維持をし、それを活用するということはよろしいのではないかと思っております。
○上田委員 ありがとうございます。 もちろん、今、山崎さんからお話しいただいたとおり、自動車の所有や運行によります社会的な負担というのもございます。また、今、国も地方も厳しい財政事情でありますので、そういった中での今回の税率設定だというふうに私も考えております。 その上で、昨年はこの税率をめぐりまして非常に紛糾をいたしました。昨年の当時は、原油が非常に高騰したという特殊事情が背景にあったわけでありますけれども、やはりこれからの財政事情や、またインフラ整備の必要性などを考えたときには、自動車ユーザーにも一定の負担を求めていかなければいけないのではないのかなというように私は個人的には思っております。 もちろん、杉山先生がおっしゃっていただいたように、これから税制の抜本改革の論議が始まりますので、これはここの部分だけではなくて、税のあり方そのものに対する議論でありますので、その中で論議がされていくものだというふうには思っております。 それで、済みません、もう時間もなくなりましたが、最後に、全員の方々にお伺いをしたいと思っております。 今回の改正の最大のポイントというのは、一般財源化でございます。道路の整備以外のあらゆる分野に、制度的には支出が可能になったということであります。その時々の優先すべき政策にこの財源が使えるということになったわけであります。 一方では、いろいろマスコミ等では、本年度の予算案では従来と余り変わっていないんじゃないかというような批判もあるんですが、これは、事業の継続性もあるわけでありますし、いきなりそれが大きく変わるなんということになったら大混乱でありますので、ある意味当然のことでありますし、きょうお話を伺った中でも、道路整備のニーズ、必要性というのは依然として高いことを考えれば、むしろ当然のことなんだというふうに思っております。 ただ、将来、中長期的なところになりますと、いろいろな考え方があるのではないかというふうに思います。道路等を引き続き整備を促進するというのも一つの選択肢でありますし、特にこれからの高齢社会の中にあっては、いろいろなニーズ、いろいろな財政需要が出てきます。他の使い道に回すというのも選択肢ではないかというふうに思います。 それぞれの先生方に、中長期的な観点で、これからの道路事業の予算のあり方について、どういう方向性であるべきか、お考えを伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。
○杉山参考人 私は、一般財源化ということの本質は、国民のニーズを正しく把握し、それを政策に反映することだというように思います。ですから、政府には、国民のニーズをいかに吸収するか、そしてそれにいかにこたえるかということに留意をしていただきたいと思います。 そしてさらに、中長期的には脱ガソリン時代というのが必ずやってまいります。ですから、そのことを視野に入れて、そして、先ほど来話をしております、維持管理費をどう確保するのか。事故が起こってからでは遅い、事故を未然に防ぐための維持管理、これを脱ガソリン時代に向けて今からぜひ慎重に議論していただきたい、このように思っております。
○山崎参考人 小泉改革で二大改革と言われたのが、郵政民営化と道路公団民営化であったというふうに思います。 ところが、この道路公団民営化は、実際はほとんど借金も何も処理せずに終わった。やはり日本のこれからの、今後の二十一世紀の経済を考えますと、繰り返しますように、無料の高速道路を一日も早く実現するのが道路の行政、予算の中で最大のポイントだというふうに思っておりますので、それの完全実現に向けて、これからの予算のあり方、法律のあり方を大きくさらに変革してほしいというふうに思っております。
○中越参考人 まだ我々の地域は、中長期にわたっても社会基盤の整備ということができていないということです。 そのことを考えると、福祉の対策上からも、地域の経済の対策上からも、まだ社会のインフラの整備をする、そのことによって地域の経済もやはり発展をさせるという大きな役割を担っておりますので、そうしてほしい。
○橋本参考人 税金というものは、どこから集めてどのような集め方をしてどういうところに使うのかということが、その透明性が本当に私は大事だと思います。ですから、今回のように一般財源化するということは、私は、個人、立場からも賛成なんですけれども、道路予算のそれを、予算の配分の段階で、そこに道路をつくることによる配分をしてつじつまを合わせたというのが、私の率直な思いです。 そして、もう一言申し上げたいのは、その道路も本当に、地方の人が本当に高速道路を望んでいるのかどうか。私は、そういうことも含めて高規格幹線道路に余りにも偏り過ぎていないかということで、本当に毎日使うような道路や子供さんが心配な道路、自転車の通学道路とか、もっとやはりそういうところにお金を使うべきではないかというふうに考えております。
○上田委員 以上で終わります。
○望月委員長 次に、穀田恵二君。
○穀田委員 日本共産党の穀田恵二です。 きょうは、四人の参考人の皆さん、本当に貴重な御意見をありがとうございました。それでは、座って質問をさせていただきます。 まず、中越参考人にお聞きします。 中越さんは、町の中で、特に森と水ですか、風と光ということで、生かすまちづくりということでは有名でございます。私はいただいた資料を見まして、改良率、舗装率、いずれも一般県道それから町道が低いということが明らかであります。 そこで、私は二月の予算委員会でも総務大臣と質疑を行ったのですが、やはり維持補修の費用が市町村の単独事業となっている、さらには、その補助の場合の採択基準の引き上げが国の方針となっていることによって、現実の問題としては、道路やその他をつくる場合でも非常に大変になっているというのがあるんだと思うんです。その辺の改善が私は必要だということを申し述べたのですが、その点についての御意見をまずお伺いしたいと思います。
○中越参考人 町の大きな基本的なことは、環境と健康と教育ということを大きな柱として進めています。その中に、森を使い、水をつくり、風を生かし、光を生かすという中で取り組んでいる。が、そうした中で、まだまだ社会基盤の整備ができていない。その中では、維持補修、我が町には実は雪も降ります。除雪も四国でありながらしなければならない地域でもあります。 しかし、このことについては我が町では、地域の皆さん方がつくっていただいた、あるいは日ごろ利用させていただいている道というのは、自分たちの責任でその方向性を見出してしっかり守っていかにゃいかぬという強い力がその地域にあるということから、我が町では、今おっしゃられたような極端なその方向性ということに不便を感じているという状況にない。地域の皆さんと一緒に社会基盤を有効に活用する手だてをとっているということであって、そんな町でありますので、そんな思いをしているところであります。
○穀田委員 私は、地方自治体の長としての中越さんに改めてお聞きしたいのですが、今の地方自治体の道路関係経費ということの現実を見ますと、そういう大きな角度で少し御意見を承りたいんです。 地方自治体の道路関係費の推移を見ますと、ピークの九八年から十年間で地方単独事業や補助事業が半減しています。その一方で、借金返済に充てる公債費が一・七倍に増加しているわけであります。九〇年代につぎ込んだ道路事業のツケが重くのしかかってきていることは、これは総務大臣も認めているところであります。 そこで、住民の暮らしなどに身近な生活道路への投資が困難になっているということのあかしではないかと私は見ています。そこで、高速道路など大型事業を続けるほど、直轄事業負担金を初め、地方自治体には借金返済とともに負担が膨らむという構図があるというのも現実ではないかと思っています。 したがって、これらの問題について、地方財政と道路のそういう投資という問題についての大きな視点から、今何が改善が必要かという点をお聞きしたいんです。
○中越参考人 高速道路や直轄事業という大きな予算と、我々の市町村に補助事業あるいは単独事業で行う事業というのは、おのずと違っています。そういうことから考えると、我々の整備をしなければ、地域の皆さん方の日常の生活を守らにゃいかぬ立場とすると、やはり優先順位をつけてその整備を図るというのが基本になっています。そこに対する財源手当てというものをしっかりとってほしいという願い。 もともと、その整備をするに当たっても、あるいは経済対策上からも地域を守る上からも、ある程度投資をした時期と、その投資が少なくなって、今基本的にやらなければならない整備ということとの区別が今できてきた。そのことから考えると、しっかりやらなければならない総花的な整備というよりも、やはり基本的に優先順位をつけた整備推進を図るということが地方に求められているというふうに思っています。
○穀田委員 私も、無駄か無駄でないかというだけではなくて、優先順位だと思うんですね、やり方というのは。そういうふうに私もその点は思うんです。 次に、橋本参考人にお聞きしたいと思います。 道路建設について反対だというのは、一般的にはなかなかわかりにくいことなんです。ただ、私は、私自身が京都に住んでいまして、京都でも京都のど真ん中に、これは実は昔、山崎参考人ともいろいろ議論したことがありまして、京都の市内のど真ん中に高速道路を持ち込むなどという、はっきり言わせてもらえば、ばかげたことがやられようとしているということについて議論しました。 それで、この国土交通省のやり方というのは、先ほど意見の陳述でもございましたように、まず建設ありきというのが来るわけですね。 高尾山のトンネルの例についてお話しいただければありがたいのですが、ダム建設の場合でも、しょっちゅうこの目的が変わるわけですよね、いつの間にか。そういうものが極端な形であらわれているのではないか、道路建設の事業目的の変化が時としてあるんじゃないかと私は思うんですね。そういう例として皆さんが取り組んだ例があるんじゃないかと私は推察するんですけれども、それを少しわかりやすく言っていただければありがたいんですが。
○橋本参考人 私が直接取り組んでおります首都圏中央連絡自動車道、圏央道については、全線が三百キロありますから、例えば神奈川の人、それから埼玉、千葉、茨城、そして東京と、それぞれ事情が異なってくるわけですね。ですから、必ずしも全部の沿線の人たちが反対をしているというわけでは決してないわけです。 ただ、それにはやはり、もともとの圏央道をつくる目的が、先ほど私が申し上げたように、都心の渋滞を緩和するということと、もう一つが、並行する十六号の渋滞を緩和する、国道の幹線道路の、この二つがありました。もちろん、中核都市を育成して都心にあった機能を分散化させるという機能も最初はあったんですけれども、最近はその機能は実際にはもうほとんど、四、五十キロ圏の計画が頓挫していまして、さらにこの経済状況ですから、大変事情が変わってきています。 そういう点では、裁判なんかをやったりいろいろなことの中で国が主張していることは、変わるということはもちろんありますし、よくあるんですけれども、これはやはり、三十年も前に計画されたものが、大体人間でもそうじゃありませんか、十年たつと世の中というのは変わるんじゃないですか。それが三十年前のものをそのまま押し通すということにやはり無理がありますよ。 ですから、そこはきちっと、こういうふうに事情が変わったのでこのようなことで御理解いただけないだろうかと、こういうことは話し合いにはなるわけですよね。 それから、先ほど申し上げましたように、絶対反対という立場は私はとっていません、初めからとっていません。それはなぜかというと、圏央道の本当に必要かどうかという必要性についてきちっと説明してほしいということを私は何度も言っております。 それともう一つ、高尾山のようなところというのは、何でミシュランが三つ星ですか。僕は、外国の方が評価したからといって喜んでいるわけでは決してございません。だけれども、富士山と並んで、何でそんなにミシュランの三つ星になるんだと。これはやはり理由があるんですね。それはいろいろな植物学者や何かにも聞いても、これだけの照葉樹林を持ったすばらしい山が、そして里山的な山が都心からわずか一時間で行けるというところで、この至便性。今、ミシュランの三つ星になってからはまた人がふえまして、現在ではオーバーユースかと思われるぐらい、年間三百万人を超えているんですよ。こんな山ありませんよ、富士山が二十万人ですからね。だから、そういう意味では、やはり使い勝手のいい山、そして、そういうことがあった。 それで、これは外国のあれで本当に申しわけないんですけれども、やはり、イギリスとかフランスとか、スウェーデンとかデンマークでも、建設計画はどんどんあるんですね。ところが、そういうところは初めから計画をしないというのが前提なんですよ。ですから、そういう、本当に貴重な自然があったり、それから平城宮のような本当に貴重な史跡があるようなところは、初めから計画をしないということがやはり前提。 それからもう一つは、人が本当に住んでいて、ついの住みかとしているようなところを、強引にそこに道路を通すということは、やはりもともと合意形成は難しいですよ。だから、そういうところは初めから前提で考えなきゃいけないというふうに考えております。
○穀田委員 次に、では全参考人に一つお聞きしたいと思います。 昨年の道路国会と言われた、道路特定財源問題をめぐっての議論がずっとやられてきました。その中で、結果として何が起こったかというと、私は、交通量予測データの見直し、それから費用便益や評価の見直し、そして計画決定、事業の着手の手続などについて見直す、これだけは確かに決まって、どういう評価はあったとしても、それは変化したことなんです。 そこで、私は、まず第一に、高速道路計画そのものを見直すべきではないかと思っています。 先ほども杉山参考人からありましたが、一万四千キロのネットワークを全部つなぐ必要があるんだという話がありました。でも、政府は、九千三百四十二キロを超える部分については白紙と明言しました。それが今また事実上復活しているんだと思うんですけれども。 これは、確かに、参考人の御意見もございましたけれども、当時バブルの時代のこの一万四千キロ、全総で倍にはね上がったという経過があって、それをつくった方々は鉛筆なめなめこれをやったんだなんという証言まで出るぐらい、私はそういう経過があったのだと思うんです。 しかも、その中で、単に高規格幹線道路というだけではなくて、地域高規格道路、これが大体六千九百五十キロあります。しかも、それは、東京湾口、伊勢湾口、それから紀淡海峡、豊後伊予というふうな、私は六長大橋と言ったんですけれども、そういうものまで含まれている。そういうものが果たして今日本の経済状況の中で必要か、この見直しが求められているんじゃないかということについて、四人の方に一言ずつでも結構ですからお願いします。
○杉山参考人 高規格幹線道路一万四千キロというのは、実は、効率性の基準ではなくして公平性の基準ですね。ですから、かつての七千六百キロは全国どこに住んでいても二時間でアクセス、二時間のアクセスが厳しいので、じゃ一時間にしようということから出てきたのが、一万四千キロ。 ですから、国民の公平性を担保する、交流の機会あるいは市場への接近機会、こういうものを確保する上で、私は、今もって一万四千キロは必要である、このように判断しております。
○山崎参考人 私は、道路は人のためにあるんだ、そのためにつくるものだと思っております。 まず、全体的に言えば、ネットワークというのはつながらないと意味がないということが第一です。 ただ、ドイツに行けば、高速道路の横に人が歩く歩道、そして自転車が通る道が同時に必ず整備されております。そして、ミュンヘンのような古い町には、高速道路どころか、そもそも自動車を入れない。だから、観光客が世界から来るわけですね。高速道路は町の外れまで来て、そこから人は歩いたり電車に乗って古い町を歩くからこそ、世界じゅうから人気が出る。 だから、日本は、工場は出ていった、そうしたら世界じゅうから人が来て、日本はすばらしいなと。ここからこれが、食べることは農業だったり観光だったり、そういう次の産業。ヨーロッパはこれで大成功しているんですから、それをまねしてはどうかというふうに思います。
○中越参考人 私は、道路はやはりネットワーク化されて初めて、地域の皆さん方も、先ほども申し上げましたけれども、企業一つ誘致をするにしても、道路の整備率によって企業の誘致が決まる。また一方では、救急車や地域の皆さん方、生活する方々を守るためにも、まさしく命の道であったり福祉の道であったりということを考えて、本当にまだ特に山間地域は必要だというふうに思います。
○橋本参考人 先ほど公平性ということがございましたけれども、私は、先ほどもう一回言ったのは、三十年前の計画が今本当に、バブルの時期の計画をそのままやっていいのかどうかということは、これはやる、やらないを含めた見直しということは当然なんじゃないかとまず考えます。 と同時に、もう大都市部では、私は、京都ももちろんそうですけれども、その町の景観を壊したり、自然または、高尾のようなところもそうですけれども、本当に大事なところ、それから人がまだ住んでいて、そうした生身の人間がいるところに道路計画の線を引く、これは僕は乱暴と言うほかない。だから、そういうところは、やはりきちっととめて、もう一度見直す。これは、BバイCが一・二以上だったらみんないいなんという、そんな単純なことではないと思いますね。 そして、やはり本当に地方の人が欲しいといって望むのであれば、その公平性からいっても、東京だけがいい思いをしているということは、これはやはり僕は間違いだと思います。 そして、最後に申し上げたいのは、外郭環状道路や圏央道をつくらなかったら、地方は幾らでも道路ができますよ。私は、そんなところに十兆円、二十兆円という、外環だって一メートル一億円ですからね。それのお金があったら、ストレートとはいかないでも、地方は一メートル五百円もあればできるんですから、そういう点でもやはり考え直すべきだと思いますね。
○穀田委員 それで、見直しという問題で出ている点について私の意見を言いますと、先ほど皆さんからありました、道路の評価と手続における住民参加について若干質問をしたいと思うんです。 この間、新聞を見ていますと、公共事業改革ということで、道路計画でも住民参加が必要じゃないかという意見が載っていました。 先ほど、パブリックインボルブメント、難しい言葉で、PIと略しているそうですが、道路の計画策定における住民参加は、一定これになり出しました。これについて、全員の皆さんから御意見をお伺いしたいと思います。 一つは、私は先日も質問したんですけれども、六長大橋、この国家的プロジェクトみたいなものが、実は、だれが認定し、決めるのかという問題なんですね。これは、地域高規格道路といって、実際上、道路局長が決めるというものになっています。私は、少なくともこういうやり方というのは間違いじゃないかというふうに思っているわけであります。 したがって、そういう計画と、その実行過程における、だれが決定するのかという問題でいいますと、大きな道路は御承知のとおり国幹会議で決めます。一応、国民的な議論をするという形式にはなっています。ところが、今述べた地域高規格道路の六長大橋などは、そういうものとは無関係に道路局長の決定で進行できるというやり方がいいのか、私はあかんのと違うかと思っているんですけれども、その辺の御意見をひとつお伺いしたい。 二つ目に、もう一つお伺いしたいのは、私が今言いました住民参加という問題でいいますと、同じ公共事業でも、九七年に河川法が改正されました。私は、いろいろな不十分さがあるということは承知の上ですが、少なくとも法律の中では、地域住民等の意見を反映して定める、地方公共団体の長の意見も聞くということになっています。したがって、計画の決定段階において、学識経験者や地域住民の意見を聞く場を設けるということを法律で規定しているわけであります。その意味でいいますと、私は、道路法を改正するなどしてそのような、同じ公共事業なわけだから、せめてそういう仕組みをつくるべきではないかと思っています。 その二点について、それぞれ参考人から御意見を伺えれば幸いであります。
○杉山参考人 二点、共通しているのは、住民参加、パブリックインボルブメントですけれども、私は、これは実行すべきではないかというように思います。 六長大橋に関しましては、私自身の考え方は、国と地方が相談してそこで決めるべき、そういう対象ではないかなというように思います。その際に、今後、仮に山崎先生の無料化論が通らなかったとした場合、有料でやらなきゃいけない。そうした場合、ちゃんと償還できるのか。そういうことをきちんとやるべきではないか。そういう情報を示して、そして地域住民の判断、そして国、地方公共団体が検討すべき、そういう対象ではないのかなと思います。 それから二点目も、私は、大いに結構だというように判断しております。
○山崎参考人 非常に難しい御質問で、一つのいい答えはないというふうに私は思います。というのは、全国の計画には統一性がなきゃいけませんから、衆議でみんなが参加してやると、結局何も決まらないという現象が片方で起きがちということですから、いい計画というのは、しばしば独裁の中で起きる。ですから、その独裁者が、見識ですね、民主制か独裁制かではなくて、要は、見識の質をいかに民主主義の中でも高めるか、それには、次善の策として情報公開と衆議ということになると思います。 六長大橋ができるかどうかは高速道路無料化が実現するにかかっているとおっしゃったのは、某ゼネコンのトップの方です。アクアラインがただにならないと第二アクアラインができるはずもないし、四国の三本の橋がただになって四国の人口が一千万にならないと、紀淡海峡や九州の橋をつくるだけの需要は起きない。 アメリカ、ヨーロッパ、中国の考え方でいえば、あの六大橋ぐらいとっくにできているということでありますから、長い五十年、百年で見れば、私はつくるべきだろう、ただし、そのときには、ガソリンも要らない、交通事故も起きないような自動車社会になり、かつ、地方が豊かになって、ますますどの地方にいても道路が便利だという時代は、無料化がないと実質そこまではいかないだろう。 ただ、住民参加のときは、先ほど申し上げました、道路はだれのためにということになると、やはり人のため。特に文化的価値が高いところ、京都であるとか高尾山、こんなところにど真ん中に通せば、これから日本は経済的にも文化国家で生きていくしかないわけですね、その文化国家で一番大切なものを真ん中でぶっ壊すということは、外から見ても変ですし、やはりその地域の方がそんなことはやめてくれと言うときには少なくとも避けるべきではないか。そういう意味での住民参加というのは大いにやるべきではないかと思います。
○中越参考人 実は、先ほどの最初の話でも申し上げましたが、我が町では、道路の整備をするために、地域の皆さん方が、それをどのように生かし、将来にどうつなげるかという組織をつくっていただいて、実は用地買収まで住民の方々が行っていただいていますので、そのことを考えると、そのことによって、皆さんが思ったことが実現をすることができるのか、あるいは実現できないものはどういうことがあるのか、そこが選別をされる。官公民、まさしく一体的に取り組むという中から、住民の声をしっかりと吸い上げて行うということが必要だ。 町の中を、我が町が、国道四百四十号ですけれども、七百メーターやりました。五十八戸の一般の家庭がかかりました。用地買収も工事の施工も、二年間ですべて終わりました。といったように、それは、地域の住民の皆さんが主体的になって、将来につながる、公共事業がまちづくりの将来につながるという思いと、自分たちが発案をしたことがしっかりと実現できたという強い思いがありました。 今後進めていく事業についても、我が町では、そういったように、地域の住民の方々と、何でここが必要なのか、よって、その将来をどう生かすかということをともに考えてやるということですので、先ほどお話にあったように、住民参加というのは、一方で非常に大切な、必要な項目だと思います。
○橋本参考人 だれが道路の建設を決めるのか。率直に言いますと、今は、国土交通大臣が内部で審議してよしと決まれば、あとは財政上の問題。私がはたから見ていますと、国会での審議にほとんどなじんでいない、やられていない。個別の道路についても、やはりきちっとやるべきだろう。 それは、国幹会議が形だけのものになっているということも一つありますし、委員の選定もかなり偏っていると私は感じております。率直に言って、審議会等の委員が、例えばトンネルを掘って大丈夫かといったら、トンネル技術検討委員会等もあります。しかし、どこの委員会でも、どれでもどれでも全国一律で同じ人がやっています。ということは、もう結論が最初に出ているというふうに私は見ています。 それともう一つは、確かに衆愚ということを心配される向きはあろうかと思います。ただ、私は、今の日本の国民は愚かではないと思います。そして、自分のところは、そこの住民が一番歴史も何も知っているんです。ですから、中越町長さんがおっしゃられたように、そこの住民のことを本当に把握してやられているそこの自治体が積極的に関与して、一方的に上からおろすことはやはり間違いだろうというふうに考えております。 そういう点で、住民手続は大変重要だし、形だけのものであってはならないし、そこにきちっと形があるのなら魂を入れないといけないというふうに思います。
○穀田委員 では、最後に一点だけ、橋本参考人にお聞きします。 この間、私は、公共事業のあり方という問題についていろいろ考えまして、議論をしているところであります。特に、道をつないでいる橋など、十五メートル以上の橋が、市町村などでいいますと、多くの橋が点検されていない実態があったり、それから河川の堤防の点検がおくれていたり、さらには下水道が壊れていたりする今日、社会資本、つまりインフラの維持管理の問題が非常に大きな焦点として浮かび上がってくるんじゃないかと私は考えています。 そこで、大型公共事業、大規模公共事業から小規模へ、それから二つ目に、今私が述べた、高速自動車道という新規の開設から維持補修へ、そして地域循環型へというのを、私自身は今提起しているところであります。そういうふうな転換が必要な時期に来ているのと違うかと私は思っているんですが、参考人の御意見をいただければ幸いです。
○橋本参考人 先ほども答弁の中で申し上げたんですけれども、余りにも大型の道路建設に偏り過ぎている。そのために、予算も何もそちらに引っ張られてしまって、実際やりたい道の補修だとか、でこぼこ道とか、それから災害があったときに補修をするとか、本当に地方の方たちが困っているというふうに思います。 それと、余りにも都市部に集中し過ぎていると私は思います。お金の使い方も、東京がひとり勝ちのような状況です。決してこういう状況は好ましくない。だから、先ほどちょっと言ったように、三つの環状道路をつくるお金があったら幾らでもできるでしょうということをさっき申し上げた。 それから、維持管理。これは、この間も新潟県の知事さんも大変反発されているように、やり方の透明性も説明責任も十分果たさないままに、一方的にお金だけ請求される、こういうことで新潟県知事が怒っていましたね。私は当然だと思います。だから、そういう面からいっても、彼もそうですけれども、もう日本は量的ストックはかなりありますので、これからはどうしたって壊れてきますから、維持管理をして、そして、人に優しい道路、お年寄りや子供さんや赤ちゃんたちが安心して町で暮らせたり田舎も暮らせる、そういう道づくりが必要なんじゃないかなというふうに私は思います。
○穀田委員 どうもありがとうございました。終わります。
○望月委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。 この際、参考人の方々に一言申し上げます。 本日は、貴重な御意見を賜りまして、まことにありがとうございました。委員会を代表して厚く御礼を申し上げます。(拍手) 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時二分散会