厚生労働委員会 第3号
- 発言数
- 283 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2009/03/13
会議録
○田村委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、雇用保険法等の一部を改正する法律案、細川律夫君外六名提出、雇用保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案、大島敦君外七名提出、求職者等に対する能力開発の支援及び解雇等による離職者の医療保険に係る経済的負担の軽減のための緊急措置に関する法律案及び細川律夫君外七名提出、内定取消しの規制等のための労働契約法の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 各案審査のため、本日、政府参考人として総務省大臣官房審議官細田隆君、厚生労働省医政局長外口崇君、労働基準局長金子順一君、職業安定局長太田俊明君、職業能力開発局長草野隆彦君、保険局長水田邦雄君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○田村委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。井上信治君。
○井上(信)委員 おはようございます。自由民主党の井上信治です。 きょうは、私はトップバッターとして、政府に対しまして、政府案の内容や、あるいは野党案に対する評価などを伺いたいと思いますけれども、まずは、法案の審議に入る前に、現下の大変厳しい雇用情勢及び雇用対策全般についてお伺いをしたいと思います。 世界的な金融危機ということで、これは我が国の実体経済、また雇用情勢に対しても深刻な影響を及ぼしております。平成二十年の第四・四半期の実質GDP、前期比率でマイナス一二・一%。また、一月の完全失業率は四・一%、有効求人倍率は〇・六七倍と大変な状況になっております。特に派遣労働者を初めとした非正規労働者に対する雇いどめや労働契約の途中解約などによりまして、平成二十年十月から二十一年三月の間に失業を余儀なくされる労働者は、二月の速報値で十五万七千八百六人に達し、一月よりも約三万三千人もふえている。これから年度末を迎えるに当たってさらに増加していくことが予想されると考えております。 私は、自民党の中で中小企業労働者問題プロジェクトチーム、これは座長はそこにいらっしゃる三ッ林先生が務めていただいておりますけれども、事務局長という職を務めておりまして、企業の現場を訪れたり、あるいは関係者からさまざまな話を伺う中で、特に昨年の春ごろから、中小企業の労働者の方々は非常に深刻な状況にある、これを何とかしなければいけないということで、強い危機感を感じておりました。自民党の中にはホームページを立ち上げて、中小企業に働いている方々、あるいは経営者の皆様方からメールをいただきまして、その切実な声というのを伺っております。 このように、現在の経済雇用情勢は大変厳しさを増しておりますけれども、この雇用情勢、失業情勢について、雇用問題を所管する舛添厚生労働大臣としての認識を伺いたい。あわせて、今後の見通しと対策に対する大臣の意気込みも伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。
○舛添国務大臣 雇用情勢が非常に厳しいというのは、今委員が数字をお挙げになったとおりですけれども、例えば一月の有効求人倍率の〇・六七倍というのは、これは前の月に比べて〇・〇六ポイント下がっています。これだけ低下するというのは、平成四年一月以来実に十七年ぶりでありますので、これを一つとってみても厳しい。 それから、非正規労働者が昨年十月から三月までに十五万八千人、これはもう数字もお挙げになりましたけれども、これも厳しい状況であります。 鉱工業生産指数などを見てみますと、暗い材料が多いということで、雇用の指数というのは遅行指数で後から来ますけれども、これについても厳しい見通しを持たないといけないというふうに思っております。 そういう中で、二次補正それから本年予算において、労働者の首を切らないで休業したり職業訓練につかせるというような方々、つまり雇用を維持する企業に対して助成措置を行う、これをさらに拡充する。それから、雇用創出のための都道府県の基金など四千億円を創設する。それから、長期訓練の拡充など、離職者の職業訓練を強化する。それから、派遣先が派遣労働者を雇い入れた場合に助成金を与える。こういうことをやるとともに、片一方では、職とともに住宅を失う方がおられますから、雇用促進住宅への入居、それから民間アパートなんかに入るときの資金の貸し付け、そういうことも行ってまいりたいと思います。 厚生労働省としては、各県の労働局、ハローワーク、その他、持てる組織をフル稼働して、この厳しい状況に対応してまいりたいと思っております。
○井上(信)委員 今大臣御答弁いただいたように、ぜひ全力で取り組んでいただきたいというふうに思っております。 そういう意味では、政府・与党は、八月の二十九日には安心実現のための緊急総合対策、十月三十日に生活対策、十二月十九日に生活防衛のための緊急対策というものを次々に出して、雇用問題に対して機動的な対応を矢継ぎ早に示しております。また、与党といたしましては、さらなる緊急雇用対策も準備中であります。 そして、失業率の推移を見ますと、完全失業率、一月は四・一%ということで、依然として高い数字ではありますけれども、前月よりは〇・二%と若干の改善は見られております。これは私が思いますに、今大臣が御答弁いただいたようなさまざまな対策、これが一定の効果を発揮している、そのように考えておりますけれども、この点について御見解をいただきたいと思います。
○舛添国務大臣 若干の改善の中身というのは、これはその理由についてはもっと詳細に分析しないといけないですが、一つは、職を求めている人という数字ですから、もう求職活動したってどうせ職はないよという方で、あきらめた方がおられれば数字が減ります。 それから、雇用調整助成金。一月で八十八万という大量のお申し出があっているということは、八十八万の方が首を切られずにそのまま職に残っているということなので、私はそれはそれなりの効果を上げてそういう数字に反映しているというふうに思っております。
○井上(信)委員 一月には若干の改善が見られましたけれども、しかし年度末に向けて雇用情勢はさらに厳しさを増すということが予想されますので、引き続き対策の一層の充実を望みたいと思っております。 そして、先ほど来お話があります雇用調整助成金であります。平成二十年四月から二十一年一月まで、計画届を受理した件数は一万五千三百二十三カ所、対象となった労働者数は百四万四千六百五十五人に及び、制度としては非常によく活用されていると考えております。特に申請数、昨年十一月に百九十九事業所で、対象となる従業員は八千八百七十三人だったのに対して、一月にはこれが一万二千六百四十事業所、八十七万九千六百十四人と、約百倍に増加しているということであります。 しかし他方で、雇用調整助成金につきましては、申請から支給までに時間がかかり過ぎる、こういった批判をよく耳にしております。支給を受けようとする事業所の方々は、まさにぎりぎりのところで経営をしておりまして、雇用を守るために必死の努力をされております。その結果として申請をしているということ、これを忘れてはならないと思います。 申請から支給まで平均四、五カ月間もかかり、昨年十月に計画を提出した事業所のうち、二月末までに支給を受けたものは八〇%にとどまっているということでありますから、その間に残念ながら倒産してしまう、そんな企業が出てくるかもしれないということ、これを私は憂慮いたしております。労働者の雇用を守るためには、ぜひとも雇用調整助成金の支給がより一層迅速に行われるようにお願いをしたいと思っております。 あわせて、手続が煩雑だという批判もよく耳にいたします。不正受給を防ぐということは当然のことでありますけれども、提出書類が十二書類も必要だということは、特に中小企業にとりましては大きな負担となっております。より使い勝手のよい制度にしていただきたいと考えておりますけれども、御見解をお願いいたします。
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 雇用調整助成金につきましては、利用が急増する中で、今御指摘いただきましたように、助成金が支給されるまでに時間がかかるという御意見でございますとか、手続をもっと簡素化できないかというような御要望もいただいているところでございます。 こういった御要望を受けまして、また与党の提言も受けまして、厚生労働省としましても、部門を超えた応援体制の確立や助成金の支給申請アドバイザーの配置など、労働局やハローワークの体制整備、また、支給申請書の記入箇所の削減等を行いまして、迅速な助成金の支給と支給申請手続の簡素化に取り組んでいるところでございます。また、さまざまな要望を踏まえて、利用しやすいように支給要件の緩和を行ったところでございます。 今後とも、助成金の支給申請が増加する中で、迅速な助成金の支給あるいはより使い勝手のよいものとなりますように、一層の改善を図ってまいりたいと考えているところでございます。
○井上(信)委員 今局長が答弁されたように、申請から給付の間、少なくとも一、二カ月ぐらいで給付をしていただきたいと思っております。そしてまた、答弁の中にありましたハローワークの業務が激増しておりますので、これに対して対応をしていかなければならないと思っております。 例えば、これは新聞の報道ですけれども、約三十一万六千社の中小企業が集中する大阪府、雇用調整助成金に加えて、従業員の一時的な休業補償を支援する中小企業緊急雇用安定助成金、これらに相談が殺到している、窓口では五時間待ちの日もざらであるということであります。 政府が行っている雇用対策というのは一定の効果を生んでいると私は信じておりますけれども、反面、だからこそ、現場には相談、申請が増加するなど、大変な状況になっております。労働者のために必死になって働いておられるハローワークの職員の皆様には敬意を表しますけれども、しかし、頑張っていこう、それだけの精神論ではとても長続きいたしません。 今後、さらに雇用情勢が厳しさを増すことが予想される中、国の行う雇用対策はさらに重要性を増すとともに、質量ともにふえていくと考えております。 特にこの雇用保険法の改正案が成立すれば、さらなる雇用対策を充実させていくわけですから、業務がふえるということに対して、今後、ハローワークに対する人員と予算の増強をしていく必要があると考えておりますけれども、いかがお考えでしょうか。
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 現下の厳しい雇用失業情勢を踏まえまして、お話ございましたように、雇用調整助成金の申請の大幅な増加あるいは求職者の方々の大幅な増加に対応できるように、体制強化を図ることが極めて重要であると考えているところでございます。 このため、ハローワークにおきまして、職業相談、職業紹介等を実施する相談員につきましては、平成二十年度補正予算で約千三百人の増員を図ったところでございますけれども、さらに平成二十一年度予算案におきましても、相談員の増員を盛り込んでいるところでございます。 また、ハローワークの職員数は、これは国の行財政改革等に基づきまして長期的には減少しているところでございますけれども、今御指摘いただきましたように、雇用調整助成金の申請が大幅にふえておりますし、また、職業紹介、職業相談もふえております。さらには、今回の法改正等に伴って雇用保険関係の業務なども大幅に増加することが予想されるところでございまして、国民サービスの低下を招かないように、ハローワークの全体の定員の確保あるいは予算の確保に全力を挙げてまいりたいと考えているところでございます。
○井上(信)委員 今お答えいただきましたように、せっかく雇用対策をたくさん打ち出しても、やはりハローワークが充実していないと、なかなか国民の手に届かないということでありますから、これは与党としても、しっかり人員や予算の確保ということをやっていかなければいかぬと私は思っております。 さて次に、法案に関する質疑に移りたいと思います。 まず、政府提出の雇用保険法の改正でありますけれども、この雇用保険法の改正、日本の国の社会構造の変化に対応した改正であるというふうに考えております。雇用情勢の悪化に加えまして、労働者の三分の一が今や非正規労働者であるという、労働環境の変化という時代の要請によるものであります。労働者派遣制度の改正などについてもさまざまな検討がなされておりますけれども、特に非正規労働者は、今般の経済雇用情勢の悪化によりまして、倒産、解雇などによる離職に限られず、雇いどめや派遣切りという形で一番厳しい影響を受けていると思います。 セーフティーネットを整えていかなければいけないということは大変大事なことであり、今回の雇用保険法の改正案については高く評価をいたしますけれども、しかし他方、そもそも非正規労働者が全労働者の三分の一を占めるという現状自体が適切なのかどうかということ、これも考えていかなければならないと思っております。 そもそも、現在の社会構造の変化に対して大臣はいかがお考えなのか、またあわせて、今後の見通しや対策についてもお考えをいただきたいと思います。
○舛添国務大臣 基本的には、国際社会の変化、グローバル化へ各企業がどういうふうにして対応していくかという中で、それまでのいわゆる日本的経営の大きな柱であった終身雇用制、年功序列賃金というような、ある意味でのセーフティーネットの役割も果たしていたシステム、さらに、これに加えて、企業が福利厚生を行うというフリンジベネフィット、こういうものがなくなっていって、グローバル化の中で世界競争に勝ち抜くということで、企業の体質も変えていかないといけない。一方で、やはり価値観の多様化ということがあって、一つの会社にずっと勤めるのは嫌だ、むしろ自由にいろいろなところに行きたい、こういう考え方の方もおられるというようなさまざまな要因で、今のような形の非正規、とりわけ派遣がふえてきた。 もう一つの要因が、もちろんこの失業情勢の悪化ということが雇用保険法のシステムの改正のきっかけであったわけですけれども、ただ、そういう要因について今後どうするか。 これは、社会全体の大きな国家百年の大計の中で、日本の経済力を、国際社会の中でさらに経済成長を高めていくという要因とセーフティーネットを張りめぐらすという要因、その中における企業の役割、そしてまた企業ができないところを政府がどうやるか、そういう大きな議論を含んだ問題だというふうにまず申し上げた上で、ただ、現実に非正規の労働者がふえていることにつきましては、例えば二十年度の補正予算で、年長フリーターや派遣労働者を正規雇用した事業主に対しては、中小企業の場合、百万円という奨励金を支給する、それから、ジョブカード制度を入れて雇用型訓練を実施するそういう企業への助成制度を拡充する、それから、キャリアアップハローワークというのを東京それから愛知、大阪、福岡でつくっておりますけれども、こういうところで正規雇用化ということを進めていく、こういう取り組みを行いながら、現状には対応しております。 ただ、前者の方の問題は、これは国民全体で、国家戦略、企業戦略、成長戦略、そういう中で考えるべき課題だと思っております。
○井上(信)委員 この非正規雇用の問題については、今大臣がお答えいただいたように、この日本の国の国のあり方ということにかかわるような本当に大きな問題でありますので、引き続きぜひ御検討をいただきたい。しかし、非正規雇用、大変困っているという現下の厳しい状況も踏まえて、ぜひスピード感を持ってお願いをしたいと思います。 続きまして、雇用保険の適用範囲、また受給資格要件の緩和についてであります。 非正規労働者に対して雇用保険がセーフティーネットとして機能しておりまして、これをさらに強化して、非正規労働者が雇用保険を受給しやすくするということは大変重要だと考えております。 しかし他方で、確かに雇用情勢が悪化している今でありますから、失業者の生活の安定は重要であり、セーフティーネットの拡充の必要性が高いということはそのとおりなんですけれども、余りにも拡充をしてしまうと、逆にモラルハザードを引き起こしてしまう、こういった危険性があると思っております。 雇用保険制度につきましては、この生活の安定とモラル維持、これとのバランスをどのように保っていくか、これが問われているのだと考えております。 そういう意味で、政府案では、失業者の生活の安定のために、適用基準である一年以上の雇用見込みを六カ月以上に緩和する、極めて妥当な措置だと考えております。 それに対しまして、野党案に関しては、三十一日以上の雇用見込みがある者は原則被保険者とされております。こうなると、一時的、臨時的な労働者にも適用され、保険料だけ払っても給付を受けられない、そんな労働者が生じる可能性もあります。 さらに、野党案におきましては、受給資格を、正当な理由なく自己の都合で離職した者も含めて六月にするとしておりますけれども、これも、定期的に受給を繰り返すこと、また安易な離職が起き得るなど、モラルハザードが起きる可能性があると思っておりますけれども、政府の方でこれらに対する見解を伺いたいと思います。
○渡辺副大臣 委員御指摘のように、仮に雇用保険の適用基準を三十日以上雇用見込みとした場合に、一時的、臨時的に雇用される者までも適用されることになりまして、保険料だけ負担をして給付が受けられない、そのようなケースが多数発生する可能性もあり、問題を含んでいるもの、そのように考えております。 また、受給資格要件について、自己都合離職者も含めて六カ月に緩和するとなりますと、安易な離職者を生む、あるいは循環受給につながっていく、そのようなモラルハザードを引き起こす可能性も高くなってまいりまして、問題があるものと考えております。 このような点を踏まえまして、政府の雇用保険制度の見直し案におきましては、適用基準を一年以上の雇用見込みから六カ月以上の雇用見込みに緩和する、それとともに、受給資格要件についても、雇いどめ等の離職者については六カ月以上の被保険者期間に緩和をしているところでありまして、そのようなモラルハザードが起こらないような対応をしているところでございます。
○井上(信)委員 そういう意味では、私も副大臣が御答弁されたような懸念を持っていることを申し添えたいと思います。 そして、雇用保険料率の引き下げであります。 今回の改正案で、雇用保険料率を平成二十一年度に限り一・二%から〇・八%へ引き下げることと定められております。これは実際には、昨年十二月十九日の生活防衛のための緊急対策、この中に盛り込んでいる項目であります。 しかし、考えますと、その時点では現在ほど雇用情勢はここまでは悪化をしていなかった。むしろ景気対策最優先で、企業と家計の負担を軽減することに重点を置いた、そんな対策であったと思います。 先ほど大臣がお答えいただいたように、雇用の指数というものは後から来る、そういった特性もありますので、現状のように雇用情勢が悪化をしてしまいますと、雇用保険の給付が増加し、雇用保険財政がさらに悪化していくということが予想をされます。ですから、そのため、引き下げを撤回すべきだという意見も出ております。しかし私は、先日大臣が本会議で御答弁をされたように、雇用創出とセーフティーネットを両立させていくための必要な対策であると考えてはおります。 ただ、気をつけなければならないのは、雇用保険料率を決めるには、まず雇用保険財政の安定的な運営の確保、これが大前提ということであります。今回の雇用保険料率引き下げによりまして、この雇用保険財政が六千四百億円の減になるということでありますけれども、労働保険の特別会計には約五兆円の積立金があり、平成十九年度単年度で決算を見ますと、七千二百九十七億円の余剰とはなっております。 この状況を考えると、一年限りの措置としては十分対応可能だと私は思いますけれども、どのようにお考えか、御見解をお願いいたします。
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 お話ございましたように、雇用情勢が悪化する中では、何よりも雇用のセーフティーネットの強化が必要でございますけれども、あわせて、家計や企業の負担を軽減して景気を回復させ、雇用創出につなげていくことも重要でございます。 このため、雇用保険料につきましても、雇用保険財政の安定的な運営が確保できることを前提とした上で、特例的に二十一年度の一年間に限って保険料率を千分の八まで引き下げることとしたものでございます。 なお、一年間に限っての措置ではございますけれども、確実に家計の負担の軽減を図り、可処分所得をふやすとともに、企業負担の軽減につながるものでございまして、一定の効果があるものと考えているところでございます。
○井上(信)委員 いずれにいたしましても、この雇用保険給付における負担と給付の関係、雇用保険財政の状況を見ながら、随時見直していかなければならないと思っております。 今後とも、雇用情勢や景況感を見きわめて、また労使の意見などをよく踏まえて、弾力的、機動的に対応をしていっていただきたいと思っております。 続きまして、育児休業給付について御質問したいと思います。 現在、出生率は二〇〇七年に一・三四を記録するなど、少子高齢化が大変な勢いで進行しております。働く女性が安心して出産、育児ができるような社会をつくっていくことが、出生率を回復するためにも大変重要であると思います。 政府のさまざまな取り組みもありまして、平成十一年に女性の育児休暇取得率は五六・四%でありましたけれども、十九年には八九・七%と、三〇%以上大幅に上昇しております。これはいいんですけれども、それにもかかわらず、出産後の継続就業率三八%ということで、過去二十年間で余り変化がないということ、これを憂慮しております。 もちろん、働く女性たちが出産、育児のために退職することを防止するためには、育児休業給付を充実するだけではなくて、育児休暇を取得しやすい職場の環境づくりなど、さまざまな子育て支援対策が相まって効果を生じると思います。 また、現在大変憂慮しているのは、育休切りなどという言葉が出てきておりまして、その結果、育児休暇をとれない、こんなことも言われております。これが本当であるとすれば、論外である、直ちに対策を打たなければならない、こんなことも考えております。 さて、今回の改正で、平成二十二年三月三十一日に期限が切れる給付率引き上げの暫定措置を当分の間延長して、育児休業給付の基本給付金と職場復帰給付金を統合することにより、休業開始時賃金の五〇%を育児休業期間中に受け取ることができるようになり、働く女性にとっては大変有用だと考えております。 しかし、この対策によって、実際には出産を契機とした女性退職者をどこまで本当に減らすことができるとお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 出産した女性の継続就業率を高めるためには、今御指摘ございましたように、今後とも育児休業制度などの環境整備を進めることによりまして、仕事と育児を両立できるような働き方を進めていくことが何よりも重要でございます。 今般の改正でございますけれども、育児休業給付につきましては、給付率を引き上げている暫定措置、これは四〇%から五〇%に引き上げておりますけれども、この措置の延長でございますことと、もう一つは、休業中と復帰後に分けて支給している給付を全額まとめて休業中に支給するということで、その充実を図ることとしているところでございまして、育児休業の取得促進を通じた就業継続支援に一定の効果があるものと考えているところでございます。
○井上(信)委員 出産後の継続就業率につきましては、そういう意味で制度の改正も大切なんですけれども、やはり実際の運用、政府による周知徹底でありますとか企業に対する指導、こういったことが現実的にはより重要だと思いますので、こちらの方もあわせてお願いをしたいと思っております。 続きまして、野党案の、求職者等に対する能力開発の支援及び解雇等による離職者の医療保険に係る経済的負担の軽減のための緊急措置に関する法律案に関して、政府の方に伺いたいと思っております。 現在、政府が行っている訓練期間中の生活保障給付金制度は、所得が二百万円以下で、ジョブカード制度の委託型訓練受講者、あるいは派遣労働者等の雇いどめ、解雇等の離職者であって公共職業訓練の受講者等のいずれかの要件を満たす人が対象であります。 求職者支援につきましては、雇用保険制度と生活保護制度のいわばすき間を埋めるものとして必要だと考えております。ただし、先ほど雇用保険法の対象範囲の問題のときに申しましたように、求職者に対する支援の必要性と、他方のモラルハザードの防止、これとのバランスが重要だと考えております。求職者に対する支援はもちろん必要だと思いますけれども、対象を無制限に拡大してしまいますとモラルハザードを引き起こす、こんな危険性があると考えております。 現在、政府の生活保障給付金制度については、相談件数が約七百件、そして貸付決定件数はわずか十件との報告をいただいております。これは利用率が極めて低いのではないかなと思っておりまして、今後どのようにしてこの制度の利用率を引き上げるつもりか。 また、平成二十年度補正予算では五億円を計上、平成二十一年度予算では対象者約二千八百人余りを見込んで十三億円が計上されております。仮に利用率を引き上げることが可能になったとしても、これらの対象人数及び予算では私はまだまだ不十分だと考えておりまして、さらなる拡充が必要だと考えております。 しかし、先ほど申し上げたように、野党案では所得や資産状況は勘案しないというふうにされておりまして、例えば親元で暮らす若者たちや親の住宅に住んでいる人たちなど、本当に困っているとは言えないような、そんな人たちも対象にしてしまえば、モラルハザードを起こして、かえって再就職の妨げになる可能性もあると考えております。 これについての御見解もあわせてお願いをいたします。
○渡辺副大臣 答弁に先立ちまして、一つ訂正をさせていただきたいと思います。 先ほど答弁をしたところでございますけれども、野党提案の雇用保険の適用基準でありますけれども、私、三十日と間違ってお答えをしてしまいました。三十一日が野党提案のものでございますので、訂正をさせていただきたいと思います。 さて、委員の質問でございますけれども、雇用失業情勢がますます厳しくなる中で、仕事を失った方々が生活を維持しながら新たな知識、技能を身につけて、早期に再就職できるようにバックアップをするということは大変重要な課題である、そのように認識をしているところでございます。 先ほど委員も御指摘ございましたように、このために、本年度の補正予算におきまして、訓練期間中の生活保障給付の創設、拡充を行っておるところでありまして、また、訓練期間中の生活費の貸し付けを、一定の要件のもとではありますけれども、返還を免除することができるような形で推進をしているわけであります。 先ほど委員の方から、まだまだ利用率が少ないというような御指摘をいただきましたが、二月二十三日でございますけれども、さらに年収要件とそれからアルバイト禁止要件の見直しを行いまして、利用率が高まるように努力をしているところでございます。 野党から提出された求職者支援法案については、御指摘のように、所得や資産状況を勘案しないこととされておることなど、モラルハザードの問題を初め、種々の課題があるものと考えておるところでございます。 雇用保険を受給していない方々の訓練中の生活保障のあり方につきましては、野党からの提案のほかに、労使からは直接、就労支援給付制度の創設の御提案をいただいておるところでございます。また、与党からも新たな制度の創設について御提案をいただいているところでありますので、今後、これらも勘案をしながら、また与党とも議論を深めながら、真剣に議論をしていきたいと考えております。
○井上(信)委員 いろいろ提案も来ているということでありますから、そういう意味では、この制度の改善に向けてさらなる努力をしていただきたいと思います。 続きまして、内定の取り消しへの対応について伺いたいと思います。 この雇用情勢の悪化で、学生の採用内定取り消しがふえているということを大変憂慮いたしております。平成二十一年二月現在、高校生に対する内定取り消しが百八事業所、二百九十四人、大学生などに対するものが三百事業所、千二百八十人に及んでおります。 学生の皆さんが内定を取り消されるということは、社会にこれから出るという人生のスタートでつまずくことになってしまい、まるで自己否定をされたというふうに感じるような、そんな学生たちも多くいます。新たに就職先を探すことも難しく、大変深刻な問題だと思います。それに対しては、政府がやはり責任を持って防いでいかなければなりません。 学生の場合は、内定取り消しということでも、これは労働契約法第十六条の「解雇」に当たり、客観的、合理的理由がない場合は同条により無効になります。最高裁の判例でも、客観的、合理的理由がない内定取り消しは無効であるともしております。 また、政府では、この内定取り消しの問題について、企業名の公表を含めた企業への指導強化を図るとともに、内定取り消しを行わずに、新規学卒者を採用後直ちに休業、教育訓練あるいは出向させて雇用維持などを図る場合にも雇用調整助成金の対象とする特例制度、また、内定を取り消された就職未決定者を正規雇用した事業主への若年者等正規雇用化特別奨励金を支給するなど、さまざまな支援を行ってもらっております。 しかし、企業の大変厳しい経営情勢の中で、これだけ多くの内定取り消しが行われているというのが現状でありますので、これらの今申し上げた政府の打った対策だけで本当にこの状況を打開することができるのかどうか、伺いたいと思います。
○舛添国務大臣 委員が冒頭おっしゃったように、若者の就職が決まる、それが取り消される、こういうことはあってはならないことであって、本人、御家族にとってもそうですし、社会全体にとっても大きな不安定要因になるというふうに思っております。 したがいまして、これまでハローワークにおいて特別相談窓口も設置しましたし、私から経営者団体に対して絶対やるなということは要請をしておりますし、それから、今御引用なさった最高裁の判例を含めて、労働契約法の中身を徹底させるということでありますけれども、今委員がおっしゃいましたように、特例措置を設けたり、企業名の公表、これも悪質なところは公表するということ。それから、内定取り消しにもいろいろあって、企業自体が倒産してしまったらもう職はなくなるわけですから、例えば、そういう方を含めて内定を取り消された方を正規雇用した事業主へ、一人につき百万円、こういう奨励金を支給するということで、さまざまな施策をやっております。 今後とも、内定取り消しのないように、これは文部科学省を含め、関係省庁とも連携してきちんと対応してまいりたいと思っております。
○井上(信)委員 他方で、野党案でありますけれども、野党の方々は、立法によって内定取り消しを抑制しようとされておりますけれども、逆に、このような立法をすることによって多くの問題点を生じて逆効果となることが、就職、採用の実際の現場では懸念されていると思います。 内定通知発送時に労働契約が締結されたと推定するということですが、労働者が合意しない場合でも労働契約が成立したと推定することは、合意の原則を定めた労働契約法の基本原則に反すると感じております。 また、内定通知発送時に労働契約が締結されたと推定するとすれば、これは不況時には企業が内定を手控えると想定され、学生にとってかえって就職することが難しくなるのではないでしょうか。また好況時には、逆に、企業が優秀な学生を確保するため内定を乱発するということも予想され、学生から取り消すことが本当にできるのかどうか、こういったような問題点が生じると考えておりますけれども、この野党案についても政府の御見解を伺いたいと思います。
○渡辺副大臣 委員御指摘がありましたけれども、使用者の一方的な採用内定通知で労働契約が成立するということは、労働契約の成立についての基本原則であります合意の原則に反することにならないかということが懸念される問題であると考えております。 また、内定通知をもって一律に労働契約が成立したと推定することとした場合には、例えば、企業によって内定を出す旨の予告にとどめ、内定通知を出すことに慎重になるのではないかという御意見もあり得るものと考えておりまして、結果的に学生等の不利益等が生じないようにしていくことが大事であろう、そのように考えております。
○井上(信)委員 そういう意味では、この内定取り消しの問題は本当に深刻でありますから、引き続き取り組んでいただきたいと思います。 いろいろと質疑をさせていただきました。そして、さまざまな論点がありますけれども、私は、そういう意味では、今回政府が提出したこの雇用保険法等の一部を改正する法律案を高く評価しております。 他方で、野党提出の法律案に対しましては余り質疑をする時間もなかったですけれども、しかしこれまで指摘してきたように、幾つかの点については疑問もございます。これは私は、野党案については、とりあえず与党のトップバッターでありますから、政府の方にその御見解、評価を伺わせていただきました。これから国会審議の中で与党の同僚がいろいろ野党さんにも直接伺うと思います。 この国会審議を通して私が思いますのは、雇用情勢は本当に厳しく、そして、この対策を打っていかなければいけないということは与野党共通の大きな課題だというふうに思っております。論点以外の部分ではたくさん共通する部分もございますから、そういう意味では、この国会審議を通じて協力できるところは協力をしていく、そして、政府をともに支えながらこの対策に取り組んでいくということが大切だというふうに思っております。 最後に、舛添大臣あるいは政府の皆さんにも、これは本当にスピード感が最も大切だと思いますから、そういう意味で、一刻も早い対策の充実をどうぞよろしくお願いしたいと思います。 ありがとうございました。
○田村委員長 次に、桝屋敬悟君。
○桝屋委員 公明党の桝屋敬悟でございます。 本題に入ります前に、ひとり言をちょっとしゃべりたいのでありますが、大臣、私は公明党の定額給付金実施推進本部の本部長をいたしております。 この二月、三月、雇用も大変な状況でありますが、定額給付金、民主党の皆さんからは天下の愚策とか、随分御批判もおしかりもいただいたわけでありますが、どうも、千八百四の自治体、今地方議会の真っ最中でありまして、お礼を申し上げたいんですが、共産党も民主党の皆さんも随分賛成していただいたところも多くて、それぞれプレミアムつきの商品券等の運動も出ておりまして、かくなる上は、少しでも大きな成果を上げていただきたいな、こう思っている次第であります。 以上、ひとり言でありますが、大臣も、いつになるか、多分四月になるんじゃないかと思うんですが、いただいて、ぜひ消費に使っていただきますようにお願いを申し上げておきたいと思います。 さて、雇用問題でありますが、この場に立ちますと、昨年十二月の二十二日か二十三日、野党の提案者をこの場に迎えて私も議論いたしました。あのときは、大変な雇用の悪化が想定される中で、政府・与党挙げて取り組みを検討している中での議論でありましたから、さすがに私も野党提案に対してかなり激しい議論をしたことを覚えておりますが、本日は心を入れかえまして、合意形成に向けて、先ほどの同僚井上委員の最後の言葉ではありませんけれども、一日も早く実現をするということが、雇用のセーフティーネットの機能を拡充するということが本当に何よりも求められている、私はこう思っているわけであります。 そういう意味では、この委員会でも雇用保険法の改正、今、井上委員から論点について本当にきちっと整理をしていただいたな、こう思っておりますが、重ねて私も議論をさせていただきたいと思っている次第であります。 一点目は、先ほども話がありましたが、現下の雇用情勢であります。 大変厳しい状況が続いておりまして、二月、三月に向けて、さらにこれから一段と厳しくなっていくのではないか。完全失業率が、四・三が四・一というような状況、先ほどこの話もありましたけれども、何とか下支えを懸命にしているわけでありますが、さらに今後の雇用情勢は厳しさを増していくだろうと思っております。 最初に、政府側の見通しについて、見解について局長から伺いたいと思います。
○太田政府参考人 現下の雇用失業情勢でございますけれども、何よりもやはり、有効求人倍率が〇・六七倍ということで前月よりも大幅に低下、〇・〇六ポイントの低下ということでございますし、全都道府県で一倍以下となるなど、厳しさを増しているというふうに認識しているところでございます。 また、都道府県労働局あるいはハローワークを通じまして、昨年十月から本年三月までに職場を離れる非正規労働者が十五万八千人に上るということが見込まれているわけでございます。さらに、最近は正規労働者の離職者も増加してきているというふうな状況がございます。 そういう中で、実体経済、特に鉱工業生産指数などの経済指標が大幅に低下する中で、今後、雇用失業情勢が引き続き、さらに悪化することが懸念されている、そんな状況でございます。
○桝屋委員 そうした中で、先ほども井上委員からもお話がありましたが、当面、今必死になって下支えをしている、努力をしている、こういう状況だろうと思いますが、政府・与党でつくりました三段ロケットといいましょうか、一段、二段、三段と取り組みを進めているわけであります。 当初予算も何とか成立して、関連法案の一日も早い成立、これをしなきゃならぬわけでありますが、私は、やはり今何とか現場で支えているのは、一つは、先ほどお話がありました雇用調整助成金の拡充、活用。これは、内容についても逐次改正をしてきておりますし、雇用期間六カ月未満の非正規の皆さん方も対象に取り組みを進めてきておりまして、先ほど数字の御紹介もありましたけれども、相当の規模の下支えができている、こう思っております。 あるいは緊急保証制度、これも、それこそ六兆円から三十兆円規模にふやしまして、厚生労働省の所管ではありませんけれども、緊急保証の希望に、実際に適用されているケースが三十三万一千六百七十六件、金額にして七兆円を超える規模で今活用されている。三十万を超える事業所が何とかこれで倒産を免れているといいましょうか、頑張っているわけでありまして、これについても相当の雇用の下支えになっている、私はこう思っているわけであります。 この点はもう政府の見解は伺いませんが、そうした懸命な作業が続いている中で、さらに二月、三月、先ほど局長のお話しのような大変な事態が想定されるわけでありまして、そういう意味でも、私は、今回の雇用保険制度の改正、一日も早く仕上げたい、一日も早く成立をさせることが必要だというふうに思っております。私は、とりわけ、やはり三月の末ということが大きな大事な時期だろう。年度末である三月には、派遣労働者の解雇等、多数発生することが見込まれるわけでありまして、一日も早く今回の改正案について施行できるように、与野党ともにこれは知恵を出さなきゃならぬ、こう思っているわけであります。 ただ、もう一点、雇用失業情勢が厳しい中で、国民の雇用に対する不安を解消するためには、今回の改正による雇用保険の機能強化、私は、改正すると同時に、現場の皆さんにもしっかりアナウンスをしてお届けしなきゃならぬだろう。そういう意味では、この国会、厚生労働委員会の質疑というものは大変多くの方々に関心を持たれているのではなかろうか、こういうふうに思っておりまして、そういう観点でも、どれぐらい時間がとれるかわかりませんが、審議とともに、結論を急ぐという姿勢も必要だなと。とりわけ三月三十一日、月末、年度末に向けて与野党ともに協力をしなきゃならぬな、こういう思いをまず開陳させていただきたいと思っております。 そこで、中身なんですけれども、適用範囲の問題です。 ここは正直言って、我が党、ずっと悩んでおります。先ほどの議論もありましたけれども、非正規労働者の大変な増加と雇用情勢の悪化を踏まえれば、雇用保険の適用範囲を見直す、カバーする今回の改正というのは時宜を得たものだ、必要だと私は思っているんですが、どこまで、どうするかということであります。 今回は、政府案は、通達の改正によりまして、一年以上の雇用見込みを六カ月以上に緩和するということでありますが、これでどの程度の労働者に影響があるのか、太田局長からちょっとお示しをいただきたいと思います。
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 雇用保険被保険者の適用基準を一年以上の雇用見込みから六カ月以上の雇用見込みに拡大することによりまして、適用対象者の増は百四十八万人と推計しているところでございます。
○桝屋委員 局長、六月未満ということになりますとどれぐらいの規模になるのか、あわせてお示しをいただきたいと思います。
○太田政府参考人 週二十時間以上で四十時間未満の雇用者でございますと四百九十二万人ございますけれども、今、適用拡大が百四十八万人でございまして、雇用期間六月未満が三百四十四万人ということでございます。
○桝屋委員 そういう数字を伺いますと、我が党としても、本当にこの適用範囲については頭を痛めるわけであります。 野党案、適用範囲を拡大する、三十一日ということでありますが、これは先ほども議論がありました、雇用見込みが六カ月未満の非正規労働者も雇用保険制度の適用対象とすべき、それから三十一日、あるいは六カ月、こういう線になるわけでありますが、六カ月未満にすると、これは十二月にも議論しましたけれども、そこはさっきも議論が出たとおりのことになるわけでありまして、ここをどうするのか。当然ながら、受給資格との関連になるわけでありまして、ここは先ほど、循環的な受給あるいは安易な受給ということのバランスをどうするのか、こういう議論もあったわけであります。野党の皆さんはそこは変更されるというお考えではないようでありまして、そこはどうしても我々も悩むわけであります。 もう一度、きょうは議論の開始でありますから、太田局長、六カ月未満にする、適用範囲を広げるということになると、受給資格との関連でどういう整理になるのか、改めてお示しをいただきたい、はっきりさせていただきたいと思います。
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 まず、雇用保険制度の趣旨から申し上げますけれども、この制度は、みずからの労働によりまして賃金を得て生計を立てている労働者につきまして、失業時に必要な給付を行うことによりまして、生活の安定を図りつつ求職活動を支援するための制度でございます。 こうした観点から、現在の雇用保険被保険者の適用は、週所定労働時間二十時間以上、かつ一年以上の雇用見込み、こういった一定の適用基準を設けておるところでございますけれども、今般の見直しにおきまして、この一年以上の雇用見込みを六カ月以上の雇用見込みに拡大することとするものでございます。これは、ある意味では受給資格の六カ月以上とセットとなったような考え方で整理したものでございます。 これを、雇用見込みが六カ月未満の非正規労働者も雇用保険制度の適用対象とした場合、受給資格が六カ月以上でございますので、この場合ですと、一時的、臨時的な労働者も含めて適用される可能性がございまして、保険料だけ払って給付を受けられない方がかなり多数出てくるのではないかということがございます。 それからもう一つは、短期間の離転職を繰り返す不安定就労を助長するおそれがある、こういう問題点もあるのではないかというふうに考えているところでございます。 〔委員長退席、西川(京)委員長代理着席〕
○桝屋委員 そのとおりなので、その論点をどう乗り越えるかということは、実は我が党内でも本当に悩んでいる点であります。諸外国の中には、ともかく全部に適用は広げる、保険という考え方でそういう整理もできるではないかということもあるのでありますが、何よりも、労働者の皆さん方の御理解が得られるのかという点。それから、やはり政労使で十分協議をして合意がなければここは簡単にできないな、こういう思いで我が党もいまだ悩んでいるわけであります。 いずれにしても、今回の適用拡大、これはこれでセーフティーネット機能の強化として大きな前進だと思っておりまして、ここは一日も早く成立をさせなきゃならぬと思っております。 一点、厚生労働省にお願いしておきたいと思います。 昨年の十二月九日、あるいは年が明けて、さまざまな制度の拡大に取り組んでまいりましたが、実際のハローワークや現場においては、制度がどんどん変わるものですから、あるいは細切れにさまざまなことがあるものですから、現場の対応が、希望される事業主の皆さん、あるいは労働者の皆さんも含めてそうでありますが、なかなか適切に現場で制度が運用されていない、適用されていないという実態をたくさん聞いております。 制度そのものが動いているということもあるのでありますが、先ほどのハローワークの体制の整備ということもあるのでありますが、現場への周知、指導ということに十分取り組んでいただきたい。制度が動いているということを前提に、雇用もどんどん悪化しているということを前提に、そういう対応をお願いしておきたいと思いますが、局長、いかがでしょうか。
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 さまざまな対策を昨年末から実施しておりますので、現場にも相当な負担がかかっているということは事実でございます。 その中で、すべての対策の周知徹底が必ずしも十分でないということを我々もいろいろ聞いておりますので、体制整備を図るとともに、そういうさまざまな対策につきまして現場に周知徹底をいたしまして、利用される労働者の方々あるいは事業主の方々に御迷惑のかからないように、よりよいサービスを提供できるように、あらゆる措置を通じて現場に周知徹底を図っていきたいと考えているところでございます。
○桝屋委員 制度の運用でありますから、厳格な運用ももちろん大事でありますけれども、できるだけ柔軟な対応、とりわけ制度が動いている中で、そういう対応をお願いしたい。 実際に我が事務所に入ってきているケースでも、派遣労働者を雇っておられる事業主の方が、制度の改正を見て、よし、ではこれから、二月の六日からやるんだとか、いろいろな計画をお立てになっているのでありますが、実際に現場に行きますと、さまざまな理由から利用できないというようなことがあったり、そうしたケースで、現場のハローワークの皆さん方の御指導が非常に的確であるケースとそうでないケースとあるわけでありまして、重ねてその点も対応方についてお願いをしておきたいと思っております。 それからもう一点、先ほども同僚委員から話がありましたが、就労・生活支援の問題であります。 ここも今回、野党の皆さんは新たな法案を御用意されたわけでありまして、その御努力に敬意を表したいと思っておりますが、昨年からの景気の悪化によって、年度末までに、雇いどめ等により離職する者として把握されている人数がどんどんふえてくるんだろうと思っております。こうした離職者のうち、雇用保険の給付が受けられない者の実態、あるいは求職中でありながら雇用保険の期限が切れたというような方々、そうした方々の実態について厚労省としてどのように把握されておられるのか、確認をさせていただきたいと思います。
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 全国の労働局あるいはハローワークを通じまして把握しました二月時点の調査によりますと、昨年十月から本年三月までに雇いどめ等を実施済み、または実施予定として把握できたものにつきましては、約十五万八千人となっております。 この雇用保険の適用につきましては、大体、九九%以上の方が適用になっているわけでございますけれども、問題は、適用された上でさらに受給資格があるかどうかということでございますけれども、この点につきましても新たに調査いたしまして、雇用保険の受給状況を把握できた四万人、サンプル調査ではございますけれども、四万人につきまして見ますと、離職された方が三万六千人でございます。うち、受給資格決定者数が約二万四千人ということでございます。また、就職された方もいるということでございます。 全体、被保険者であった期間等から受給資格があるかどうかという有無について確認したところ、離職者のうち約九割が受給資格ありというふうに推定されているところでございます。 こういったことから、雇用保険制度が雇用のセーフティーネットとして相当程度機能しているものと考えているところでございますけれども、さらに、今回の改正法案におきましては、雇いどめ等に遭った非正規労働者につきまして受給資格要件を六カ月に緩和するということによりまして、さらに非正規労働者に対するセーフティーネットの範囲を広げ、その機能の強化を図ることとしているところでございます。
○桝屋委員 ありがとうございます。 そうした制度の拡充を図ったとしても、最初に御報告があったように、どうしても離職者のうち雇用保険の適用が受けられない、なおかつ雇用保険が切れたようなケース、そして新たな職を得られないという方が出てくる可能性もあるわけでありまして、先ほどの井上委員の議論ではありませんが、公的扶助と雇用保険制度とのはざまでお悩みになっているケースがあるだろう、ここに対する対応が必要ではないか、こういう議論でありました。 ヨーロッパ等の諸外国では、失業保険給付終了者等を対象に、離職者に対して失業扶助の制度があるというふうには聞いているわけでありますが、こうした諸外国の制度を厚労省としてはどういうように評価をされ、また、実際に我が国で導入しようとすればどういう懸念が持たれるのか、そんな議論をさせていただきたいと思います。
○舛添国務大臣 大変厳しい雇用状況ですので、そういう諸外国の例も含めて参考になればということなんですが、ただ、一番の原則に戻ると、一日も早く職を見つけて再就職していただきたいということがあるわけです。これは、今のような緊急の状態でなくても、基本はそうなんですね。したがって、求職活動をハローワークを通じてなさる、そして一日も早く職についていただく方には、そのためのインセンティブを与えている、これは悪くないというふうに私は思います。 そういう中で、一生懸命やったけれども、どこも職がない、それまでの勤めていた期間なんかに比べて九十日から三百三十日まで出ますから、仮に一年間一生懸命やって切れた、その後どうするかということは、それは今、さまざまな手を既に打っておりますし、三月三日にも労使双方が来られて、新しい制度を設けてはどうかというのもあります。 ドイツやフランスやイギリスを見てみますと、一番ドイツが徹底しているんですけれども、財源をどうするか。今言った三つの国は、全部これは一般財源でやっております。ドイツに至っては恐らく四兆円を超えているということがありますので、ドイツは給付期間というのが無制限なんです。だけれども、フランスは六カ月ごとに更新する。 それぞれの国の事情によって違っておりますが、財源の問題と、逆に、先ほど私が再就職へのインセンティブということを申し上げて、これはまさにモラルハザードの問題ですけれども、こういう問題をどう解決するのかという問題が残ると思いますけれども、非常に厳しい状況ですので、これは党派を超えて知恵を出し、我々も、さらに何らかのセーフティーネットの拡充ということができればと考えております。
○桝屋委員 大臣のお気持ちもわかりました。我々も同じ思いなんですが、昨年十二月の、暮れのあの出来事、三月三十一日に同じようなことが起きないように、これはしっかり対策を講じなきゃいかぬな、こう思っております。また厚生労働省の講堂にというようなことにならないように、我々も努力をしたいと思っている次第であります。 もう一点、生活保護に簡単に陥るようなことがあってはならないという声も我が党内の議論で多いのでありますけれども、現に生活保護はどんどんふえておりまして、公的扶助の受給になった方の中で、何とか自立へ向けての努力、これもあわせてぜひ必要なんだろう。そういう意味では、労働政策と福祉の政策、しっかりマッチングをさせなきゃならぬだろうというように思っておりまして、そうしたこともお願いをしておきたいと思います。 もう一点、これも我が党に随分寄せられている声なんですが、労働法制をしっかり守っていただきたいということなんですね。 それで、この状況の中で、現場からさまざまな声をいただいているのでありますが、例えば解雇予告、当然三十日前に解雇予告をしていただくわけでありますが、既に三十日前に解雇予告をしたということで、予告手当も払わずに、やらせる仕事もないといって解雇日までの賃金も支払われないケースなんかも聞いておりますし、あるいは解雇予告と同時に事業活動を停止して、使用者が所在不明になってしまうケースもあるということです。 きのうの与党の会合でも、十二月九日から三月六日の間に、二千二百五十事業所に対して指導していただいているという状況も聞かせていただきました。ぜひとも労働法制を、しっかり基準を守っていただくような御指導も、悪用するようなケース、悪用といいましょうか、事業主もやむにやまれない状況もあるんだろうと思いますが、最低限のことはきちっと守っていただくという御指導をしっかりやっていただきたい。 そして、最悪、解雇予告と同時に事業活動も停止されて、使用者が所在不明になっている、実際に働いている人は救われようがない、こういう事態もあるわけでありますが、こうした事態に対してどのような労働者保護の制度があるのか、最後に確認をさせていただきたいと思います。
○金子政府参考人 お答え申し上げます。 ただいま委員から、解雇予告の後の賃金等の支払いでありますとか労働者保護の問題についてお尋ねがございました。 二つほどケースの御指摘があったわけでございますが、第一のケースのように、三十日前に予告はしたけれども予告手当は払っていない、その後、やらせる仕事もないということで賃金も払われていないというようなケースにつきましては、賃金か休業手当のいずれかが払われなければならないわけでございますので、これは労働基準法違反ということになるわけでございます。 それから二つ目の、使用者の方が、解雇予告をしたと同時にいなくなってしまったというようなケースでございますけれども、この場合にも、実際に解雇予告を行って三十日後が解雇日になりますので、その間は休業手当の支払いが必要になる。ただし、使用者が行方不明になっているわけですので、支払いがなされないケースがほとんどだろうと思います。こうした場合には、政府の方で未払い賃金の立てかえ払い事業というのをやっておりまして、こうした休業手当につきましても未払い賃金立てかえ払い事業の対象にしているところでございます。 労働基準監督機関におきましても、今委員から御指摘がございましたように、大変厳しい状況の中で、賃金や休業手当の支払いの確保のために、労働基準法違反があれば厳格な是正指導をさせますとともに、今申し上げましたような未払い賃金の立てかえ払い制度、これらを迅速かつ適正に運用いたしましてその救済を図ってまいりたい、このように考えております。
○桝屋委員 ありがとうございます。 局長、労働基準法違反であれば基準局は御指導できると思いますが、まさに、労働基準法の精神を違反すれすれのところで損なうようなケースもあるように聞いておりまして、きょう具体的には申し上げませんが、ぜひとも、違反のケースのみならず、労働基準法、労働者保護という観点でしっかり御指導賜りますようにお願いを申し上げておきたいと思います。 以上でとりあえずの質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○西川(京)委員長代理 次に、井澤京子君。
○井澤委員 自由民主党の井澤京子でございます。 きょうは、質問の機会をいただきましてありがとうございます。三人目の質問者ということでありまして、重なることもあるかと思いますが、今回の法案は大変重要なことでございますので、幾つか審議を重ねてまいりたいと思います。 先日の本会議でも舛添大臣は、今回の雇用につきまして、厳しい状況は特に非正規労働者の雇用調整の急速な拡大に見られると話され、また野党の議員からも、年度末と重なる今月、この三月末、さらに深刻さが懸念されると述べられ、雇用悪化への危機感、ひいては雇用の緊急対策の必要性については共通認識があるのではないかと思います。 このような国民の雇用不安が高まっていく中でいかに安心を与えていくことができるか、それが私たち政治家の仕事であり、政治の役割であると思います。現在、与野党での修正協議が始まっていると聞いておりますが、よりよい法案がきょうの審議も通じまして一日も早く成立することを私も祈っております。 実は私、先週末、地元を歩いておりまして、こんな声が聞こえてまいりました。三十代前半の男性から、あすは土曜日、仕事なんです、会社が認めてくれたトラック運転のバイトをして稼がなきゃいけないと。あるいは、商店街のお肉屋さんからは、最近、店の前を通る保育園の送り迎えが、お母さんじゃなくてお父さんが迎えに行くんだよねと。お母さんはパートをして仕事をしているからお父さんが送り迎えをしている。これが今の現実ではないかと、改めてその話を聞いて思いました。 実は、先ほど私、九時から文部科学委員会で、親の失業などにより学費滞納者がふえているという問題について触れてまいりました。国からの支援として、授業料の減免や奨学金制度の充実について質問をいたしました。 今回の雇用、経済の問題というのは、子供の教育にまで影響をしております。リストラで親の収入がゼロになり、学費を生活費に回してしまい、授業料を滞納している私立高校生は、昨年十二月末時点で二万四千五百人にも上るというある調査が発表をされております。 きのうの朝日新聞の紙面でも、「派遣切りが奪う学びの場」というタイトルで、派遣切りが子供たちの生活を脅かしている、経済の危機で親が派遣先の職を失い、教育機会を奪われてしまっている、親から子へ貧困が引き継がれていくという内容の記事でした。親が派遣労働者で、解雇により数カ月で次から次へと転校を繰り返す子供たち、教育も落ちついて受けられず、子供には友達もできない、派遣切りに遭った母子家庭の子供は十分な教育を受けられなくなる可能性が高いと書かれていました。 この春の進級、入学式を目前にして、子供たちはいっぱい不安を抱えていると思います。このように、今の雇用、経済状況が学校教育の現場にも影響を及ぼしております。 そこで、今お話ししました情勢に対して、実は子供たちが一番被害を受けているということにつきまして、大臣のお受けとめ方をお聞かせいただければと思います。
○舛添国務大臣 親の経済状況によって子供の将来が左右される、これは絶対にあってはならないことだというふうに考えております。 私が失業の問題や医療の問題に全力を挙げて取り組んでいる一つの政治的な私の哲学は、今申し上げたように、教育の分野や健康の分野で貧富の格差が絶対にあってはならないということでありますから、そういう意味で、うちに病に倒れている人がいて、お金がないためにきちんと手当てを受けられない、職がなくて非常に困っていて子供が学校に行けなくなる、こういうことに対するきちんとした対処ができないのは私は近代国家とは言えないと思っていますから、政府がきちんとこれは面倒を見るべきであるというふうに思っております。
○井澤委員 心強い御答弁で、大臣の哲学を守り通していただきたいと思っております。 次に、早速法案について質問をさせていただきます。雇用保険の適用基準の緩和についてです。先ほど各委員からも既に質問されていることかと思いますが、やはり論点になりますので、改めて質問をいたします。 雇用保険の適用基準の緩和について政府にお伺いいたします。 今回の政府案、野党案とも、適用基準の緩和がそれぞれ大きな論点で、連日報道もされております。私は、非正規労働者にも必要な支援が行き渡ることは大変重要なことと考えております。 厚生労働省の推計では、二〇〇七年時点で雇用保険に加入していない労働者は全国で約千六万人に上りますが、政府案では、見込み期間を現行の一年以上から六カ月以上に緩和した場合に新たに適用者になるのは、このうち約百四十八万人となります。一方、野党案では、政府案では約一五%しか救済対象にならないのではないか、すべての労働者を雇用保険でカバーする、具体的には三十一日雇用見込みですべて適用するとしています。それでは、例えば大学生が短期間のアルバイトをする場合にも保険料を負担していただくことになってしまうのではないか。野党案もそこまではお考えではないとしても、保険料を払うのであれば、やはりすべての人に給付も受けさせてもらいたいというのが人情ではないかとも考えております。 政府案では、この受給資格が得られる最短の六月を考慮して適用基準を設定するとのことですが、この基準の考え、また、実態として適用漏れがふえることになれば、今回の政策目的であります非正規労働者のセーフティーネット機能の強化が達成されていかなくなります。雇用の現場へしっかりとした周知と適用漏れがないような適用指導が必要かと思いますが、どのように進めていただけるのか、具体的に大臣にお伺いいたします。
○舛添国務大臣 まさに委員御指摘のように、新しい仕組みを入れたら周知徹底する必要があると思いますので、事業主に対して直接リーフレットを配付したり、事業主への説明会を開く。それから、直接訪問してこの点について周知徹底する。それから、厚生労働省のホームページへの掲載もやります。それから、労働者本人がハローワークに来られたときに、きちんと被保険者資格の確認請求を行いまして、実は遡及してあなたは被保険者となることができますよというようなことも含めて、徹底して周知を図り、せっかく拡大するわけですから、適用拡大をあまねく受けられる方々に均てんしたいと思っております。
○井澤委員 ありがとうございました。まずは、事業主そして労働者に対して周知徹底をしていただいて、適用漏れがないようにしていただきたいと思います。 では、次の質問に入ります。 今回の雇用保険の受給資格要件の緩和の内容及びその考え方について、確認をさせていただきたいと思います。政府にも、受給資格要件の緩和について、さらに説明をしていただきたいと思っております。 雇いどめになる非正規労働者であっても、雇用保険の適用状況、受給状況を見ると、ある程度はカバーされているのではないかと思います。厚生労働省の雇いどめの調査では、雇用保険の加入状況が判明した方、加入割合は九割を超えております。既に離職された方で確認がとれた方でも、雇用保険を受給されたり、またこれから受給が可能であろうという方も多くなっているというのが結果として報告をされています。 これだけ労働市場が急速に悪化をして変わっていく中で、現在進行形でいろいろな対応を迫られているのが現実です。雇用失業情勢もますます厳しさを増す中で、さらにこれを強化して、雇いどめされる非正規労働者が雇用保険を受給しやすくすることは大変重要であると考えられます。 そこで、質問です。 今回の改正法案の雇用保険を受けるための受給資格要件を緩和することでありますが、その具体的な内容について、大臣にお伺いいたします。
○舛添国務大臣 まず、その問いにお答えする前に、前提として、平成十九年の改正がございましたけれども、このときは、先ほど来議論に出ていますように、循環的な給付とか安易な離職を防ぐことが重要であるというポイントが一つ。それから、解雇、倒産などの場合は労働者が予見できないわけですから、このときは配慮せぬといかぬだろうということで、自己都合のときは被保険者期間が十二カ月以上ですが、今申し上げたような解雇、倒産のときは六カ月以上という資格要件とする見直しを行いました。 しかし、今御指摘がありましたように、本人が更新を希望した場合の雇いどめについては、離職理由から考えても循環離職者となる可能性は少ないので、十二カ月を求める必要性が本当にあるのかなということでございまして、そこで、この急速な雇用情勢の悪化に対応して、六カ月でも受給資格要件を得られるように特定理由離職者という区分を創設する。それが今の進んでいこうとしている方向でございます。
○井澤委員 ありがとうございます。 次に、雇用保険料率の引き下げについて、政府の方にお伺いいたします。 この雇用保険料引き下げについては、さきに各委員からも質問があったかと思います。ここも大きな論点となりますので、改めてお伺いをさせていただきたいと思います。 失業給付などを行う雇用保険の原資というものは雇い主と労働者が折半する保険料と国庫負担で補っていることは皆様もよく御存じで、私が改めて申し上げるまでもありません。政府は、昨年の十月三十日になりますが、生活対策において、国民の負担軽減の観点から、セーフティーネット機能の強化とあわせて、雇用保険料の引き下げに関する検討をされております。 これを受けて今回の改正案では、国民負担の軽減策として、保険料率を〇・四ポイント引き下げて〇・八%とするというような取り組みになります。政府案の引き下げにより、モデル世帯、例えば月給二十万円の人が月四百円安くなるだけで、景気拡大効果があるのかというような疑問も聞こえてはまいります。これも事実かと思います。 そこで改めて、今回の法改正で雇用保険料率を引き下げる目的とその具体的な効果について、お聞かせをいただきたいと思います。 また、国民負担を軽減することは特に景気が悪化している状況の中では必要かとも思いますが、一方で、雇用に対する緊急支援、セーフティーネットである雇用保険財政が立ち行かなくなってしまうのではということも問題になるかと思います。雇用保険料の引き下げにより雇用保険財政の健全運営に支障があってはならないとは思いますので、それについても政府にお伺いいたします。 〔西川(京)委員長代理退席、委員長着席〕
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 雇用情勢が悪化する中で、雇用のセーフティーネットの強化というのが何よりも重要でございますけれども、あわせて、家計や企業の負担を軽減して景気を回復させて、雇用創出につなげていくことも重要でございます。 こういった観点から、今回、雇用保険料につきましても、雇用保険財政の安定的な運営が確保できることを前提といたしまして、特例的に、二十一年度の一年間に限って保険料率を千分の八まで引き下げることとしたものでございます。 一年間に限っての措置ではございますけれども、確実に家計の負担軽減を図り可処分所得をふやすとともに、企業負担の軽減にもつながるものでありまして、一定の効果があるものと考えているところでございます。例えば、月収四十万円の場合には、労使合計で年間約二万円の負担軽減になるものでございます。 一方で、一年間という限定でございますので、雇用保険財政に与える影響、支障もないものと考えて、このような措置をとらせていただいたものでございます。
○井澤委員 ありがとうございました。 一年間の限定ということではございますが、今回の効果も測定していただいて、来年度はどうしていくのか、政府としてもしっかりとまた御対応をしていただきたいと思います。 次に、雇用調整助成金についてお伺いいたします。 先ほども井上委員から質問があったかと思いますが、今、景気悪化の中で失業者はふえていく一方で、それとともに考えていかなければならないのが、企業が解雇せずに雇用を維持していくことも同時に大変重要ではないかと思います。企業責任がそこにはあるのではないかと思います。国が企業に従業員の休業手当を助成するという雇用調整助成金は、これは企業にとって一番まず取り組まなければならないことだといろいろな方からも聞いております。 昨年末の経済対策発表後、急激な、本当に急速な雇用悪化で、各地のハローワークなどでは助成制度の申請が殺到し、対象となる労働者は、ことしの一月の申請だけで八十八万人とも言われ、去年の十一月からこの一月二カ月間で約百倍に急増しているということです。経済界のコメントでも、今は賃上げよりも雇用を確保、維持していくことが重要で、雇用保険の引き下げ分を賃上げの原資とするというようなことは必要がない、とにかく雇用の確保、維持であるという声が経済界からも多く聞こえており、雇用調整助成金の拡充と強化を経済界からも強く要請されています。 私の地元、宇治のハローワークにもヒアリングに行きました。ここは四市町村を管轄しておりますが、先日もお話を伺いましたように、ほかの地域と同じように、不況による厳しい雇用情勢の影響で、新規の求職者は十二月の時点よりも五百五十人以上ふえ千五百九十二人となり、その中でも、四十五歳以上の方が五百七十八人もいるそうです。有効求人倍率は〇・六二倍と低下の一途をたどっているそうです。四十五歳以上、ちょうど私も今四十六歳で、いろいろと新聞記事を見ておりますと、この世代が一番必要な雇用対策の対象になっているのではないかと、私も個人的には危惧をしております。 そのほかにも、ハローワークで聞きますところ、特に中小零細企業の経営が悪化する中で、中小企業の雇用維持に向けた緊急雇用安定助成金制度の申請相談は連日利用者で混雑をしており、私も伺った週明けの月曜日には、窓口の中で順番を待つというような状況が本当に早朝から繰り広げられているのが実感としてわかりました。一日に二十件から三十件の利用があり、窓口での待ち時間が一、二時間以上というのはざらで、三月からは担当者をふやして対応しても追いつかないのではないかというような状況のようです。 そのような中、きのうもニュース報道でありましたが、厚生労働省では雇用調整助成金について東京都内で大規模な説明会を行い、自動車部品メーカーや小売業者の担当者がおおよそ六百人参加をしたと聞いております。大企業向けの雇用調整助成金に始まり、中小企業向けの中小企業緊急雇用安定助成金の二つの制度の説明や取り組みについて説明をされて、そして、最近では、政府・与党は、国が企業の休業手当の一部を支援する雇用調整助成金に対して四千億円以上の上積みをする方向で調整に入ったというような記事も私は読みました。 雇用を維持するための対策も今回の法案とともに同時に考えていかなければならない緊急の課題であり、実際、これは目に見えて利用をされているわけです。それだけに、重要な課題、緊急の課題であり、即効性が必要かと思います。 そこで、政府にお伺いいたします。 このような助成金制度をできるだけ使い勝手のよいものにし、今後、さらに拡充、さらなる強化をするべきだと考えますが、現状及び今後に向けての取り組みについてお考えをいただきたいと思います。
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 今お話ございましたように、雇用調整助成金につきましては、利用が急増しておりまして、昨年の十一月と一月を比べますと百倍というような支給対象人員になっているところでございます。 そういう中で、できる限り迅速に支給するということ、あるいは手続をもっと簡素化できないかという御要望もいただいておりますので、体制整備を図るということ、あるいは支給申請書の記入箇所の削減とか、あるいは要件緩和ということで、迅速な助成金の支給と支給手続の簡素化に取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。そういう中で、さらに利用者にとってより使いやすいものになるようにしていきたいと思っております。 また、制度の拡充につきましても、労使からも提言をいただいているところでございますし、与党におきましても御検討いただいているところでございますので、できる限り働く人が失業しないで雇用維持ができるように、これらの提言も踏まえて制度の拡充についても検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○井澤委員 ぜひ、この雇用調整助成金制度については、さらなる拡充、そして強化について早急に取り組んでいただきたいことを一言申し上げたいと思います。 今、この件につきまして、雇用、住居を失った人たちに対する緊急支援についても少し広げて質問をさせていただきたいと思っております。 私たち自民党内でも、今の緊急雇用情勢に対し、国としてどのような支援をできるのか、すぐしなければならないのか、いろいろな場で真剣に取り組みをことし初めからさせていただいております。そして、その中でも、ことしに入りまして、若手議員有志により、危機と戦う!セーフティーネット政策議員連盟というものを有志で組織をして、特に一年生議員が多いんですけれども、年越し派遣村の関係者へのヒアリングや、あるいは現場の視察などに伺い、また、勉強会を繰り返しまして、いろいろと政策提言をまとめて、きょうまとめ上げたところでございます。きょう、ちょうどこの時間帯は自民党の幹事長、そしてこれからは官邸、河村官房長官のところにも、提言書を取りまとめ、そして、近々舛添大臣のもとにも提言を提出させていただきたいと思っております。 実際、私も、実は年末年始のニュース報道を見ており、年越し派遣村の状況、映像を見るたびに、自分も一人の国会議員として何をしなければならないのか、すぐできることは何なのかということで、ことし初め、個人的に年越し派遣村を視察し、その村長を務めたNPO法人自立サポートセンターもやいの湯浅誠事務局長とも意見交換をしたり、また、実際にそのもやいに議員連盟のメンバーと一緒に出向き、視察をしたり、あるいは、その場で皆様方と意見交換もさせていただきました。 ちょうど相談に来られていらっしゃいました二人の方、一人の方は私と同じ四十六歳、一人の方は六十歳でいらっしゃいました。隅田公園でずっと暮らしていた、十カ月、あるいは十年暮らしていたということでした。まだまだ隅田公園には三百人の仲間がいる、きょう新宿区の飯田橋まで来るのに二時間朝かけて歩いてきた、お金がないから歩いてきたんだというような方でした。仕事はもちろんなく、家ももちろんない、隅田公園に暮らしています。お金もない。お金も寝ている間に公園でとられてしまった、持っているのはプリペイドカードの三百円ぐらいしかないというようなお二人の方の相談を私もその場で聞き、本来ですと視察で終えるところでしたが、私はしっかりとこの方々を見届けていきたいという思いで、生活保護の申請を、墨田区役所の福祉課のところまで一緒に行きまして、どういう形で申請から受け取られていくのかということも見届けて、一緒に時間を過ごしてまいりました。 その区役所の方が最初に言った言葉が、あんたホームレスを何年やっているんだ、そのような対応でした。私は、今何が起きているのかということを改めて実感して、これからどうしなければならないか、どうしたらいいのかということで、その方々は、その日もらったお金が五千円であり、一食五百円の食事、そして、一泊千九百円以内で滞在先を五時までに見つけないときょうも宿がないというお二人は慌てて区役所を後にされ、そのお二人の後ろ姿を見て涙が出てきたのが私の取り組んだことでございます。 今回の質問に当たりまして、そのNPO法人もやいの事務局長湯浅さんともいろいろと打ち合わせをさせていただきました。また後ほど御報告をさせていただきますが、最近、厚生労働省で二つの調査結果が発表をされております。 非正規労働者の調査では、昨年の十月からことし三月までに失職したか失職する見通しの非正規労働者は十二万四千人を超え、派遣村で対応した五百人では到底終わらない数であります。 そして、先日のホームレスの調査結果では、二〇〇九年一月時点で公園や河川敷などで生活をするホームレスが一万五千七百五十九人いるそうで、二〇〇三年に始まった調査では減少していたのに、景気悪化の影響を受けて今後全体数が増加に転じる懸念があると厚生労働省から発表がありました。 本来、政府がすぐにこのような緊急事態に、調査結果を受けてコメントをするのではなく、すぐに対応しなければならないところ、民間のNPOや支援団体、多くのボランティアの方々が、本当に無休で、自分がやらなければならないという志を持ってやられているあの現場の状況を見ていると、相談の電話がひっきりなしにかかってくる、その対応に追われている、片や相談者がひっきりなしにその施設に来るという状況を見ていると、私たちは手をこまねいている間はないのではないかと思っております。 このように、多くのボランティアの活動が実際困っている方々に即効性としてすぐに役に立つことは、私も、その場で相談を受けてから一緒に区役所に行く、この仕事だけでも私ができた、できることなんだということを実感しております。しかし、その施設の運営はカンパやボランティアで成り立っているというのが現状で、既に限界に達していると聞いております。 まずそこで、大臣に伺います。幾つか要望も含めて、大臣にお伺いをしたいと思っております。 まず最初に、このような民間団体への支援も含めて、政府一体となって総合的な支援をさらに強化する必要があるかと思いますが、このような緊急の課題に向けて、具体的な取り組み、国が民間団体に支援をする必要があるのではないか、あるいは連携していかなければならない、この緊急の必要性についてお答えをいただきたいと思います。 そして次に、いろいろな各種団体、あるいはNPOの事務局長であります湯浅誠さんからも要望を伺っております。 まず、国として三つ取り組んでほしい。一つ目は、生活保護申請中の方で、住居がないままで生活費に困っている方をどうするのか。二つ目、企業側にも、有期雇用、派遣契約の期間内解除は原則認められないことを労働法上で徹底すべきである。その場合にも、一カ月の給与確保や住居撤退の猶予を周知徹底させることが重要ではないか。そして最後に、突然雇用や住居を失った人たちに対する臨時宿泊施設のようなシェルターの設置。生活支援と就業支援の総合的な相談窓口を緊急に各地に設置させることが重要ではないかということを聞いております。 実は、私、ハローワークに伺いましてこのようなことを聞きましたところ、生活支援という福祉と就業という仕事を探すということは全く別のことであるからハローワークでは受けられないというようなことをハローワークの担当者がおっしゃっていました。でも、今はそんな受けられないというような事態ではないと思います。 個人的な見解も今述べさせていただきましたが、幾つか大臣の率直な御意見、そして取り組みに対するお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○舛添国務大臣 年末年始の日比谷の派遣村については、今御引用なさった湯浅さんとも毎日のように連絡をとりながら連携してやったところでありますので、こういう緊急事態に、自助、共助、公助、こういう日本の社会福祉の原則に基づいて、さまざまな人たちと手をとり合って対応していくということを今後ともやっていきたいというふうに思います。 そのときも問題になりましたけれども、職を失う、住居を失う、ではどうして生活するんだ。この前の派遣村も、職安までの電車賃をどうするか、わずか二、三百円の話なんですが、そういう問題もありました。そこで、今一つ、これは連合の会長さんにもお願いして、労働金庫を通じて住宅の入居初期費用などを融資する就職安定資金融資というのを昨年末よりやっていまして、これは、敷金とか生活資金とか、総額百八十万以上融資できます。しかも、返還免除、たしか六カ月以内にちゃんと就職して雇用保険にも入ると免除要件もありますので、これを今活用したいということでありますし、そのためにさまざまな手続は必要ですけれども、これもハローワークで一生懸命やりたい。 それから、どこのハローワークの職員が委員にそういうことを言ったのかわかりませんが、今、昨年末から、ハローワークはもう本当に、住宅の支援、生活支援も一緒にやっておりますし、特別相談窓口を十二月からつくっておりますので、飛び込んでいただけば、雇用促進住宅への入居のあっせんなんかも含めてやっております。 それから、各自治体との連携も強めておりますので、そちらの方から先に申し上げますと、今言ったようなこととともに、住み込みの求職票というのもあります。日比谷の派遣村は、五百人ぐらいおられた方に対して四千人分の求職票を持っていって、職業の選択は自由ですけれども、えり好みをしなければ四千人分の職があり、即そのときから寮に入れるということもやりました。そういうこともやっています。 それから、今度、緊急雇用創出事業によって千五百億円で新たな基金ができましたけれども、そこで、求職者総合支援センターというのは各都道府県で設置できることになっております。そこにハローワークから人を常駐させるということをやっていますので、実質的なワンストップサービスがそこでできようかというふうに思っています。 それから、労働契約の問題ですけれども、これはもう一カ月前にきちんと言わないといけないので、できないときには三十日分の賃金相当額を払いなさいということを言っているわけでありますので、労働契約に基づいてきちんとなされるように、各地の労働基準監督署を含め、我々の持てる組織をフル稼働してこういう問題に対応したいと思っております。
○井澤委員 今質問しておりました、一つだけお答えいただきたいのは、そういう民間団体との連携とか支援とか、取り組みについてお答えいただきたいと思います。
○舛添国務大臣 具体的にどういう形で連携をするか、個々のケースによって違うと思います。そして、例えば、補助金という形でやれる制度もあれば、派遣村の場合は、いよいよ行くところがなくて厚生労働省の講堂を開放したというようなこともありますので。そういう形の連携を進めていく。ただ、すべて行政がやるだけではなくて、やはりNPOの人たちの力もいろいろお助けをいただきたい、そういうように思っていますので、今後とも連携は強めていきたいと思っております。
○井澤委員 時間も限られておりますので、最後の質問に入りたいと思います。 今の雇用政策について、いろいろと、これはもう審議しても審議し尽くされない部分があるかと思います。私たち、昨年の十二月に、与党の新雇用対策プロジェクトチームは、雇用状況の悪化の中で、派遣労働者等の雇いどめ、解雇、新卒の内定取り消しなど深刻な問題に対処するため、今後三年間で百四十万人の雇用の下支えを図るための提言を取りまとめ、その実現を求めてまいりました。政府は、この提言を踏まえてどのような雇用対策を講じていくのか。 国民は、今、本当にあすの雇用、自分も職をいつかは失うのではないかと、たくさんの不安を抱えながら毎日生活をしているのが現状だと思います。あすは我が身かではありませんが、これは、一人だけ、我が身だけのことではなく、最初に質問させていただいたように、子供を含めて大きな影響を及ぼすかと思います。突然仕事を失い、住むところもなくなり、家族とさえ離れ離れになり、家族とも連絡もとりづらくなり、一人孤立してしまう。そして、子供にさえも影響を及ぼしてしまう。将来を担う子供たちには絶対影響を及ぼしてはならないことかと思います。 今、このような状況の中で生きている、生きざるを得ない人たちに対して、大臣からの、今後の取り組み、そして御決意なり、お伺いできればと思います。
○舛添国務大臣 その前に、四千人の求人票を持っていったというのを、私は求職と言ったということなので、求人でございますので、これはもしそう言っていたら訂正させていただきます。意味は通じていたと思います。 それで、今、これは我々は三年間で百六十万人の雇用を生み出すということで一生懸命やっているわけではありますし、先ほど来の井澤議員との議論でもさまざまな施策について既に申し上げました。 職を失って困っている、住居もそうだという方は、全国各地にありますハローワークにぜひいらしていただきたい。それで、それぞれの方々の事情に応じて懇切丁寧にこれは対応させていただき、ハローワークで対応できないときは市町村との連携ということもあります。住居も職業も、そしてさまざまな貸し付けの資金ということもございますので、我々は、全国の労働局、ハローワーク、そして労働基準監督署における事業所の指導、あらゆる手段を使って厳しい雇用情勢に対応していきたいというふうに思っていますので、ぜひ、何か少しでも問題があれば、ハローワークにいらしていただきたいと思います。
○井澤委員 以上で質問を終わりたいと思いますが、きょうはこれだけいろいろな形で修正の審議が繰り広げられております。よりよい法案が一日も早く成立することを私からもお願い申し上げ、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○田村委員長 次に、萩原誠司君。
○萩原委員 皆さん御苦労さんでございます。特に厚労省の方々は、雇用の悪化の中で、先日もレクを受けたときに、昼飯も食えないような状況の中で与野党のさまざまな質問や現場の状況の収集とか、まことにお疲れのようでありますが、ここは一つ踏ん張って、雇用のために、国民の生活安定のために御尽力賜りますように、心からお願いしたいと思います。 私は岡山から来ていますが、自民党の岡山県連で、十一月に中小企業、零細企業の金融対策本部をつくり、一月には雇用そして労働問題の対策本部をつくったんですが、なぜかというと、とにかく回るたびに悪くなっているんですね。 後からわかったんですけれども、十二月ごろ行ったらえらく調子が悪くなっている。これは大変だなと思っておりましたら、有効求人倍率の発表があって、岡山は結構よかったんですが、十一月まで一を超えていて、十二月に一を切るんですが、落ち幅が〇・一二で、そのときの落ち幅で言いますと、群馬県が特殊要因で〇・四八落ちていましたが、次が愛知県で〇・一八で、第三位、名誉ある銅メダルをとったことがわかったんですが、それぐらい日々悪くなっている。こういうことであります。 まず政府サイドにお尋ねしたいんですが、雇用というのは今現在進行形で悪化しているという認識を持つべきだと思いますが、いかがでございますか。
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 雇用情勢でございますけれども、今、求人倍率の話がございましたけれども、全国の求人倍率も、一月の求人倍率〇・六七倍ということで、前月より大幅に低下、〇・〇六ポイント低下ということでございまして、これは平成四年一月以来十七年ぶり、バブル崩壊直後ぐらいの時期から十七年ぶりの落ち込み方でございます。そういうわけで、本当に現在進行形で雇用情勢は悪化しているということでございます。 非正規労働者の方々は三月末まででは約十五万八千人の方が離職される、正規も増加しているということで、今御指摘のとおり、日々雇用情勢が悪くなってきているという状況でございます。
○萩原委員 ということが非常に重要なポイントでして、十二月にこういう対策が必要だとか、十二月にこんなお金が要るだろうと思っていたことが通じない可能性があるということを今お認めになったわけでありますね。 若干その確認をしておきたいわけですが、今、私が議論させていただきたいのは、政府提出の雇用保険法等の一部を改正する法律案、そして野党の方々がお出しになっておられる雇用保険法及び船員保険法の一部改正法案、加えて求職者支援法、この三つに限っているんですが、このそれぞれの法律案ができた過程、いつ、どうやってできたんですか。いつごろこれはお決めになったんですか。単なるタイミングだけの話なんですけれども、確認のために教えていただきたいと思うんです。よろしくお願いいたします。
○渡辺副大臣 政府提案の雇用保険法の一部を改正する法律案についてでございますけれども、昨年十月三十日に政府として決定しました生活対策において、セーフティーネット機能の強化等とあわせて、家計緊急支援対策の一環として、国民の負担軽減の観点から、平成二十一年度限りの雇用保険料率の引き下げについて、関係審議会において労使と十分協議した上で検討、そして結論を得ることとされたことを受けまして、昨年十一月から労働政策審議会において公労使三者による議論を開始しました。 その後、雇用保険制度の機能強化を盛り込んだ、昨年十二月九日にまとめられました新たな雇用対策に関する関係閣僚会議での「新たな雇用対策について」、それからさらに、昨年十二月十九日に経済対策閣僚会議で取りまとめられました「生活防衛のための緊急対策」を経まして、十二月二十五日に雇用保険部会報告が取りまとめられたところであります。 これを踏まえまして、非正規労働者に対するセーフティーネット機能の強化や、再就職が困難な方々に対する支援の強化などを含めまして、当面の緊急対策を中心とした本法案を一月の二十日に国会に提出したところでございます。
○阿部(知)議員 お答えいたします。 野党提出の雇用保険法案について、私の方から御答弁をいたします。 私ども野党三党は、昨年の十二月十六日に、雇用保険法の改正案を含めた緊急雇用対策関連四法案を参議院にまず提出いたしております。年の瀬を前にいたしまして、急激に悪化する経済雇用情勢に素早く対応することが重要であると当時考えましてまとめた法案で、参議院では可決されましたが、この衆議院におきましては、与野党おのおの御努力いただきましたが、残念ながら成案を見ることができませんでした。 そもそも、現状でも雇用保険の失業給付というのは五人に一人という状況で、そして、年が明けましてからさらに雇用失業情勢の悪化が加速しておりますし、現行の雇用保険法制度ではとてもセーフティーネットとしては不十分だと認識しておりまして、本年一月に取りまとめられました労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会報告に沿って政府案の方が国会に提出されたところでありますが、再就職困難者に対する給付期間の延長や、雇用どめされた非正規労働者を暫定的でありますが特定受給資格者として取り扱うなどの規定も、既に私どもの案で指摘した部分が盛り込まれてはおりますが、ここでまだ幾つかの問題があります。 とりわけ、政府案では、加入要件につきましては六カ月未満で、これでは実際にはまだまだ三〇%しか救済されない短期の、六カ月未満の雇用労働者がおり、この点について特に現場からもセーフティーネットの充実を求められておりますので、三十一日というところで雇用保険の適用という案を提出いたしました。
○萩原委員 阿部先生のはお答えになっていませんので、私が補足いたしますと、要するに、三月六日に出されたんですよね、これ。 言いたかったことは、野党案の方が最新の状況を踏まえる時間的余裕があった。政府案の方は、御案内のように十二月の十九日の閣僚会議というものが大まかな方針を決めて、そのときの経済的認識あるいは雇用上の認識をベースにしてちまいものになっていて、その後さらに雇用というものがえらい調子で悪くなっているような状況も踏まえながら追加的な検討がされたというふうに思っています。特に求職者支援法の方は、我々党内でも同じような問題意識を持って、その後やはりこれは足りぬなというようなことで議論が進んでいる、そういうふうにお答えをいただきたかったんですが、結構でございますので、次に行きますが……(発言する者あり)答弁の機会はちゃんとありますから御安心をいただきたいんですが、そういうようなことなんです。 やはり重要なことというのは、今現在進行形でいっているときに、ある時点の判断が、これがもうベストだとはなかなか言えない。常にある種の柔軟性を持ちながら拡大をしていく必要がある、あるいは拡大できるような余地を残して議論していかないと、これは本当の意味での正解に結びつかない。そういう状況が今あるんだということだけは、ぜひまずスタートラインとして認識を共通化しておかなければいけないというふうに思っています。 次に、今阿部先生の話にも若干ありました、政府のものも参考にしたということがあったんですが、政府の方にもお聞きしたいのは、今申し上げた二つの法案があって、私が申し上げましたように、それなりに、後で問題点は言いますけれども、新しい状況に対応している部分があると私は思います。そういう観点から、野党の方々がお出しになった法案についての、好きか嫌いかじゃなくて、ある種の評価をできればいただきたいし、それから、野党の方々にも政府案についての評価をいただきたい。 特に、私が見るところ、昨年末の案と今の案を拝見しますと、政府で議論をその間していたことについて非常に素直に賛同いただいている部分も私はあるように思えてならない。双方が参考にしながら、今までのところいい議論に向かっているように私は思っているので、野党の方々におかれても、政府の今の検討とか、あるいは政府の案についての御評価をそれぞれいただいておければというふうに思いますので、よろしくお願いをいたします。
○舛添国務大臣 まず野党提出の雇用保険法改正案についてですが、セーフティーネットの機能を強化しようと。その強化の度合い、今委員がおっしゃったように、我々は去年の十月ぐらいからやってきたわけで、状況対応ということから若干弱過ぎるんじゃないかという懸念をおっしゃいました。 ただ、私が先ほど申し上げましたように、再就職を早く促すというインセンティブという要因から考えてみたときに、六カ月という要件をさらに緩和すること、つまり三十一日以上にする、それから例えば賃金日額も、四千二百十円以下は今現行八〇%というのを一〇〇%にするということは、新たな仕事を探すインセンティブをそぐのではないか、これをどうするか。これは経済情勢がどうであれ原則として考えないといけない。 それから、同じようなことでございますけれども、求職者支援法案についても、いわゆるモラルハザード、そういうこと。それから、四月一日から実施だと事務的に可能かというような問題もございます。 それで、医療保険の保険料負担なんかについては、これはほかの被保険者との公平性の問題も出てくるだろう。 それから、採用内定取り消しは、今、労働契約法第十六条の解雇権濫用についての規定で十分取り締まることができているというふうに思っていますので、そういう問題点はありますよ。ただ、セーフティーネット機能を強化しようという方向については我々は認識を共通しているというふうに思っております。
○郡議員 御質問ありがとうございます。 まず、政府の雇用保険法改正案につきましては、昨年末、私どもが参議院に出させていただきました改正案の一部を取り入れていただいていることに評価はいたしますけれども、保険料率の引き下げ、それから対象範囲が野党案よりも狭いということについては、これは国民の皆様方の求める改正案になっていないというふうに考えております。 それから、住まいと仕事の確保に関する施策についても、政府は野党案と同じようなことをされているわけですけれども、これを雇用安定事業として実施されているわけですが、私どもは、やはりこの事業の趣旨や内容を明確化するためにも法制化することが重要であると考えまして、今回も重ねてこれを雇用保険法改正案の中に盛り込ませていただいたところです。 また、求職者支援法につきましては、百年に一度と言われる経済危機にあって、実にまことに時宜を得た法律であると自負をいたしております。この経済危機の中で雇用不安を払拭していくには、これまである制度の中で小出しにした対応ではやはり難しいのではないか、法律で定めてしっかりと担保することが重要であるというふうに考えているところです。 日本の雇用のセーフティーネットというのは、雇用保険を外れた後、生活保護の間まで何もない。つまり、雇用保険の求職者給付が終了した後なお再就職がかなわない失業者の方、それからまた自営業で廃業を余儀なくされた皆さんたちは、セーフティーネットとして生活保護を受けない場合に何もないということがかねてから指摘されてきたわけでして、この際にぜひとも法案として出させていただき、法制度としてしっかり整備することが重要だというふうに考えているところでございます。 また、採用内定の取り消し規制法案につきましても、やはりこれも法律で規制することが重要であると考えております。政府の案に対しましては、企業名を公表するということがされているわけですけれども、これでは内定を取り消された本人の解決には結びついておりません。(萩原委員「聞いていない、その法案は聞いていないから」と呼ぶ) 三法案についての評価ということで申し上げましたけれども、やはり現下、内定の取り消しの皆さんたちがふえるに当たって、ぜひとも、最高裁での判例において確立している、内定者の内定取り消しについて客観的、合理的と認められる社会通念上相当として是認するものである場合のみ許されるということを労働契約法の中に盛り込ませていただきたい、それが一番よいというふうに考えているところでございます。
○田村委員長 質疑者の趣旨は、お互いに評価できるところをという話でございましたので、ちょっと趣旨が違っておったと思いますので、気をつけていただきますように。
○萩原委員 限られた時間ですので、聞いていることにはお答えいただきたいし、聞いていないことをいろいろずっとおっしゃるのだけはちょっと御勘弁を賜りますように心からお願いを申し上げさせていただきたいと思います。 言いたかったことは、それぞれ実はこの数カ月の間に学び合ってきているプロセスが間違いなくあるんです。我々もそう思います。実感として、日々状況が悪化する中で、いろいろな人がそれぞれの現場に行って、これがいい、あれがいいというようなことを聞いてくる。そして、それがさまざまな形で議論として消化をされながら今ここにあるわけでありまして、日本には衆議院の厚生労働委員会というのはこれしかありません、当たり前ですけれども。ここできちっとした議論をしなければ国民がやはり見放すということを思いながらも、先ほど申し上げたように、これは寄れるというか、丸めるということができる流れを予感しながらお互いに議論をしていきたいので、郡さん、ひとつその辺もぜひ頭の中のどこか隅に置いていただいて、まとめるべきはまとめる議論だというラインで御答弁を賜った方がええんじゃないかなと思いますので、よろしくお願いいたします。 今、郡さんの発言の中にありました政府案についての御評価で、例の保険料率の引き下げの問題があったけれども、大臣もいろいろな委員会でもう言いたくもない答弁を何度もされておられるので、大臣には聞きませんが、これは生活対策においてどういう趣旨だったかというのを、念のためもう一度簡単に復習をさせていただきたいんですけれども、よろしくお願いします。
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 生活対策、昨年十月三十日でございますけれども、家計緊急支援対策の一環として、国民の負担の軽減の観点から、平成二十一年度の一年間に限って雇用保険料率を〇・四%の範囲内の幅で引き下げるということにつきまして、セーフティーネット機能の強化とあわせて、関係審議会において検討し、結論を得るというふうにされたものでございます。
○萩原委員 そうなんですけれども、この生活対策の前の議論もたしかありましたね。これは、政府の負担の軽減の観点から二千二百億円をどうするかというところからたしか出発をしていたような気もしないわけじゃない。それが生活対策ではそういう表現になった。 生活対策のおもしろいところは、賃上げ交渉を促進しようじゃないかという議論があって、賃上げするんだったら、負担もふえるから安くしてもいいんじゃないかという議論があった。その議論というのはある種の恒常性というか永続性がある話として議論をされていたはずなんだけれども、ただ、そんなことをされると本当に雇用保険が大丈夫かということを多くの、大臣は知りませんけれども、多くの厚生労働関係者が危惧を持ってこの議論の進展を見ていたはずでありますし、私の知っている限りでは、当時選挙が近いというので岡山にいたのでよく聞こえなかったんですが、政府部内で厚生労働省の方がこの引き下げに対して一番慎重な議論を展開したけれども、何となく押し切られたのかなというような思いで私は拝見をしたわけでありますし、私のような思いで見られた方々が多分多いと思います。 先ほど我が党のお二方が質問をされました。何となくちょっと言いにくそうにしておりましたけれども、間違いなく同じ感想を持って議論をされたんじゃないかなというふうに思うわけであります。 そして、この点についても、間違いなく現在進行形の問題というのが出てこざるを得ないわけでありますが、その前に、一年限りの措置ということになっていますが、これはなぜか。つまり、もともとの立論からいうと、賃上げをするので全体の額が上がるから下げてもいいという論理があったんだけれども、それを何とか押しとどめて、押しとどめてだったかどうかは別として、一年になっちゃいました。これはなぜこうなったのか、ここも念のため教えてください。
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 一年限りの措置とした理由でございますけれども、やはり雇用失業情勢が悪化する中で、制度の安定的な運営、特に財政に関して安定的な運営が確保できるという観点から、一年限りの措置にしたものでございます。
○萩原委員 その議論というのは、十月でしたね。一年限りだということでしたのは十月でしたね。
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 生活対策は十月三十日でございますけれども、労働政策審議会で議論したのは十一月、十二月という段階で、政府案を提出させていただきましたのは一月の二十日でございます。
○萩原委員 いずれにしても、十月、十一月、一月というところで考えて、そのときに影響というものを最低限に食いとめるために一年限りとした。その後さらに雇用情勢が悪化したら、引き下げ期間を六カ月にしますかね、三カ月にしますかねというような議論に、あほうな議論ですけれども、なり得る可能性がありました。そして、今後への影響については政府の方で御試算をされていて、たしか最悪ケースというのが平成十一年ですかね、失業給付が過去最高になっていたので、それでも耐え得るんだということで議論の整理をしていたというふうに思うんです。 ところで、平成十一年の経済状況というのはどうだったかというと、雇用は遅行性がありますので、たしか平成十年が、これも理由はちょっと言いませんけれども、かなり激しい景気の落ち込みがあって、たしかマイナス成長、マイナス一・五だったんですね。平成十一年はマイナスから回復をして、実質で〇・六とか七とか、〇・七だったかな、それぐらいの水準に戻っていた。マクロ的にはそういう景気状況でありました。 今はどうなんですか、これは。わかりません。今はどうなのかはわからないんだけれども、少なくとも、このところ出ている民間経済調査機関の見通しというのを見ると、平成二十年度で多分マイナスになるだろうと。平成二十年度はマイナス二を超えるじゃないかというのが中心見通しになりつつある。この見通しが出始めたのが三週間ぐらい前からなんですよ。三週間ぐらい前からみんなが、ちょっとこれはおかしいぞということで再計算を始めて、いろいろな見通しが出つつありますけれども、平成二十年度がマイナス二を超えるかもしれない。ということは、平成十年度よりもさらに悪い状況に既になっているかもしれません。 そして、平成二十一年度について言えば、これはさまざまな見通しがあってもうわかりません。急にぐわっと回復するかもしれないし、いろいろあるんだけれども、今中心的な数字を言うと恐らくマイナス四でしょう。マイナス四。だから二十兆円と我々は言っているわけで、二十兆円の需要不足があるから二十兆円の追加経済対策が必要というようなことでみんな議論を始めているんですね。 それで、今のようなことを言った上で、もう一度、一年限りなのか、一週間にするのか、どうなんですか、お答え願います。
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 雇用保険料の引き下げにつきましては、いろいろな御議論があることは承知しておりますけれども、やはり雇用失業情勢が悪化する中で、雇用創出とセーフティーネットを両立させていくために必要な対策というふうに考えているところでございます。 そういう中での考え方としまして、雇用保険制度の安定的な運営が確保できるという観点から考えますと、一年限りの措置にするのが適当であるというふうに考えて、法案の審議をお願いしているところでございます。
○萩原委員 余り深く聞くと大変ですから、この辺でやめますけれども、少なくとも、雇用保険の設計を含めてセーフティーネットの制度設計のときには、どちらかというと安全サイドに立った判断をしなければならない。これはもう常識中の常識であります。その中で、平成十一年というものが安全サイドの限度なんだという考え方がもうずれているんじゃないかということだけは明確に御指摘を申し上げておかなきゃいけないと思うんですよ。 平成十一年というのは確かに大変な年だったかもしれないけれども、百年に一度とは言っていなかった、あのときは。あのときは百年に一度とは言っていなかったし、今申し上げたように、実際の経済指標が、例えばIIPにしても、対前年同期比でマイナス三〇とか、今は四〇、恐らく二月は四〇になると思います。そういうことの中での雇用、遅行指標はまたそれに伴ってくるわけですね。そして、それは当然ですが給付に結びついていかざるを得ないということを考えたときに、あの試算で安全ですよというふうに余り長い間言い続けることはない。 あの試算はいいんですよ、現在進行形だから。あのときのベストの判断はああだった、けれども、今の判断はちょっとベストの判断としては違うかもしれない。そういうある種の謙虚さをお持ちになって、これからも日夜精励をされることを心から望んでおる次第であります。 もう一点お話をしなきゃならないのは、そういうことの延長線上に、一年限りだけれども、この景気状況の中でききますよと言ってしまった。これは効果があるんだと。いろいろな意味で、消費や雇用や何やかんやでこの料金引き下げは効果があるよと言った。言いましたね、先ほど。言いましたね。じゃ、今の景気状況が来年も続いていたら延長せざるを得ないんじゃないですか。これはやばい話なんです、物すごく。物すごくやばい話。 改めて聞きますけれども、一たん下がった保険料について一年後もとに戻せる環境にあると信じておられますか。
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 先ほど申し上げたとおり、雇用創出という観点とセーフティーネット機能の両立ということで、一年間に限って雇用保険料率を引き下げるということにしたものでございます。 ただ、料率を引き下げたままにすれば、これは、保険制度から考えますと、安定的な財政運営に支障を来し、必要なセーフティーネットとして機能しなくなるおそれがあるために一年限りの措置としたところでございまして、一年限りの措置ということについては御理解をいただけるものと考えているところでございます。
○萩原委員 御苦労さまでございます。大変難しい御答弁をちょうだいしたことに対して、心から敬意を申し上げておきたいと思います。 今、与党案についての問題指摘がありましたので、その点について少し議論をさせていただいて今後の御参考にと思った次第ですが、野党案に対してもやはりそれなりの問題点を御指摘するのが公平だと思っております。 基本手当のところで、四千二百十円。これは大臣からも若干の御指摘がありましたけれども、この四千二百十円というのは何でしたっけ。教えてください。お願いします。
○太田政府参考人 賃金日額の四千二百十円でございますけれども、これは、基本的な考え方は、雇用保険法制定時の下限額に相当するものでございまして、これにつきましては、昭和四十九年の雇用保険法制定のときに、その当時の地域別最低賃金の平均値等を参考に設定いたしまして、その後の賃金水準の上昇に応じまして自動スライド、これは毎月勤労統計の当該年度の平均定期給与額の対前年度上昇率ということで、自動スライドによりまして変更を繰り返してきたということでございます。 適時、法改正の際にスライドした額に改正されて、現在の額は四千二百十円でございますけれども、これにつきましては告示で毎年度自動スライドすることになっておりまして、現在の額としましては告示で四千六十円となっているものでございます。
○萩原委員 今お話がありましたように、四千二百十円というのは、論理的に、非常に密接に最低賃金とリンクをしています。そのことを一応申し上げた上で、今度は野党法案提出者の方々に伺いたいんです。四千二百十円以下で給付率一〇〇%というのはなぜかと。 いろいろな問題点があるんです。四千二百十円以下ということをいいますと、例えば三千円みたいなもので一〇〇%、いいんですけれども、それを認めることになると、今度は最低賃金以下の就労というのを前提にするという嫌みがあるんです。 そこはさておきまして、その四千二百十円だけでもいいんですけれども、これは一〇〇%出すんだということの趣旨、ねらい、そして反省、もしありましたらお聞かせをいただきたいと思います。
○山井議員 萩原議員、御質問ありがとうございます。 先ほどの質疑を聞いておりまして、ぜひ、雇用保険料の引き下げは修正協議ででもストップさせた方がいいのではないかということを感じました。 今の御質問でありますが、なぜ野党案では四千二百十円以下は給付率一〇〇%なのかということで、昨日萩原議員からお聞きしたときにも、こういうことをすると、逆に、失業していても給付率が一〇〇%なら、やめた方が得ではないか、そういう御趣旨かと存じます。 私どもといたしましては、この雇用失業情勢下において再就職が非常に厳しい中で、給付率が一〇〇%だからといってモラルハザードが生じるとか、やめた方が得だという方が本当にいるとは私たちは想定しておりません。 雇用保険の受給に際しましては、自己都合で退職した場合には、まず、被保険者期間に応じて給付日数が短くなっており、また、特定期間経過後一カ月以上三カ月以内の間で、ハローワーク、公共職業安定所長が定める期間は基本手当を支給しないことになっております。しかも、受給に際して、求職活動をしていることが前提となっております。 また、現在の最賃は全国平均で七百三円となっておりますが、一日八時間労働の場合、五千六百二十四円となります。四千二百十円という基本手当日額はこれよりも少ない額でありますから、モラルハザードという指摘は当たらないと私たちは考えております。 何よりも、求職活動をしていくに当たり、四千二百十円の八〇%という基本手当日額では生活を支えるセーフティーネットとして不十分であり、再就職を試みることにおいても不十分であるということを考えて、私たちは、今回、給付率を一〇〇%に引き上げようと考えております。 以上です。
○萩原委員 きのうは御理解していただいたようですが、きょうは違うお話になっていましたので、念のため申し上げますと、基本的には七百三円というのを基準にして考える、これは一つの共通のポイントですね。一週間の労働時間を三十五で積算するはずです。そうすると、約二万四千六百五円という数字が出てきて、日額ですから、これを七で割ると三千五百十五円というのが出てくる。これが最低賃金における日額計算ですね。日額三千五百十五円で考える。 これよりもらえる額が多いと、やめた方が得になっちゃうんです。やめたら毎日四千二百円もらえる、働いていると日額計算でいうと三千五百十五円もらえるというところが基本的にはモラルハザードの原因というか、だから離職促進型になる可能性があるというところが恐らく一般的な、今までの制度設計の中にある考え方だというふうに思われます。そこで〇・八を掛けることによってこれが三千三百六十八円になるというふうに、一般的には思われているんだと思いますが、いかがでございましょうか。政府の方にもちょっとこれは聞いてみたいんですが。
○山井議員 萩原議員にお答えいたしますが、八時間労働で五千六百二十四円、一番低い最賃が六百二十七円ですから、それで掛けても五千十六円になりますので、私たちは、最賃よりも高くなるというふうにはこれは想定しておりません。
○太田政府参考人 賃金日額でございますけれども、先ほど申し上げたとおり、地域別最低賃金の平均値を参考にもともと設定されたものでございます。 したがいまして、地域別最低賃金の全国加重平均額、現在の額七百三円で三十五時間ということで計算いたしまして、七で割ると三千五百十五円になるということがその賃金日額でございます。
○萩原委員 今までのやり方について、私は同じ意見を持っていましたけれども、どうも野党側の方々については若干認識が違う。これは非常に重要なポイントですから、今後きちっと議論をして、少なくとも、モラルハザードが現に発生して失業がふえるようなことにはならないような制度設計を議論するべきだというふうに申し上げて、この項は終わります。 次に、質問時間の関係で、意見だけですっ飛ばすつもりですけれども、遡及の条項が入っていましたね。 これは、先ほどからいろいろな先生方がお尋ねになっているように、今現場は大変です。とにかく人がふえ、千客万来になっていまして、この状況は、私もかつて地域振興券を配るときの岡山市長で苦労したんですが、ああいう事務作業の増大というのは物すごい負荷がかかってくるんです。特に遡及になってきますと、普通の一件当たりの処理の一・五倍から二倍はややこしくなってくるものですから、これをやっちゃいますと、それこそいろいろな手当が配れない。あした、おれ飯食えないという人にお金が行かない。何でですかといったら、去年の話を今一生懸命調べているんですということになるので、これは、僕は、国民的観点からいって、この際、この緊急事態に遡及ということにするよりはフォワードで考えてほしい。心からお願いをしておきたいと思います。 それから次に、離職者支援法の観点であります。 これは簡単にお答えいただきたいんですけれども、大臣からもあったように、モラルハザードというものがどう防げるかということが焦点だ。これについて、モラルハザードを防止するための仕組みの検討がさらに必要かどうかについて、認識を伺いたいと思います。
○大島(敦)議員 萩原委員からの御質問、まことにありがとうございます。 モラルハザードについても、我が党内でも大分議論になりました。これは、一日職業訓練を受けていただくと五千円を給付することになりますから、その職業訓練の内容だと思うんです。ですから、職業訓練の内容として、やはり六時間、目標的には八時間はしっかり訓練をいただくという条件が必要かなと思っています。 もう一つは、月に一回、四週間に一回になるかとは思うんですけれども、職安の方に行っていただいて、そこでのコンサルテーション、要は、しっかり面接を受けていただいて、職業訓練の個別就業支援計画というのを立てて、それにのっとって職業訓練を受けているかどうかをしっかり確認させていただいてモラルハザードについては防止しようと考えておるんですけれども、萩原委員でも、ほかにもいろいろと御意見がございましたら、いただければ検討していきたいなと考えております。
○萩原委員 政府の方が今やってきた貸し付け型のものについては、実はモラルハザードをうまく防止できるすごくいいスキームである、そういう側面があります。この点もぜひ踏まえていただきながら、私も意見がありますけれども、モラルハザードの防止の仕方について綿密な議論をしていただきたい。 一方で、離職者支援問題については、政府・与党の方はまだ法案が準備できていない。だから協議がなかなか難しいので、これについてはちょっと時間を置きながら、当委員会でもしっかりまとめの議論ができるような運営を、これは委員長にもぜひお願いしておきたいと思います。 最後に一点だけ大臣にお伺いしたいんですが、我々としては、今ある日本の雇用の状況を考えて、この委員会もそうですけれども、とにかく党派を超え、メンツを捨てて議論が進展することを望むわけでありますけれども、社会保障施策の立案についてのあり方、あるいはマクロの視点についての雇用施策のあり方をちょっとお伺いしたい。 その前に一点だけ申し上げますけれども、マクロということで事務方にお話をしたら、なかなか理解されませんでしたね。アメリカでは、雇用はマクロです。マクロ経済政策、ロバート・ライシュなんかがやっているときに、間違いなくマクロとしてやっていた。今、八十数万人の方々の雇調金の問題があり、既に十数万人が失業している。約百万人の雇用を支えようとすると、少なくとも実額で十兆円要るんです。雇用の今傷んでいる部分だけで十兆円要る。だから、経済対策は雇用分だけで少なくとも十兆円積んでくれというぐらいの物言いを、政府部内であるいは外に対して、厚生労働省はしっかり勉強した上で言わなきゃならないし、我々の委員会も、どちらかというとマクロのセンスを持ってこれからも議論をしなきゃいけない、そう申し上げた上で、一言御答弁を願います。
○舛添国務大臣 先般、三月三日に、連合、経団連、両者の代表が来られて、提言を出されました。今月いっぱいに政労使の合意をとりつけ、例えば非常に難しいワークシェアリングの問題なんかについても何らかの合意ができないかということをやっておりますので、これはまさにオール・ジャパンでやらないといけないというふうに思っております。 それから、マクロ経済的にどうかという大きな視点というのは、やはり私は必要だというふうに思いますし、自分の反省も含めて言うと、やはり我々政治家、国民の代表というのは、省庁的に言うと、経済産業省的な発想だけではなくて、労働省的な発想を必ず入れるということが必要なんですね。ですから、先ほど来の雇用保険料率の引き下げ云々の話も、経済産業省的な発想が先に来るのか、労働省的な発想が先に来るのか。法律学的に言うと、憲法や民法や商法はわかっておるが労働法について全く無知であるという人が政治のリーダーシップをとっていいのかというような問題もあります。 ですから、政治家の素養として、私たちは、この厚生労働委員会に属する皆さん方も含めて、やはり広くマクロ経済を構成している要因についてあまねくよく勉強をして、そしてきちんとした答えを国民に出すべきであろうというのが私の感想でございます。
○萩原委員 ありがとうございました。終わります。
○田村委員長 次に、菊田真紀子君。
○菊田委員 民主党の菊田真紀子でございます。 きょうは、大変重要な雇用の問題について、この委員会で議論がなされているわけでありますけれども、大変貴重なお時間ではありますが、私は、地方の自治体病院の問題、公立病院の問題につきまして、ぜひこの機会をいただきまして幾つか御質問させていただきたいと思っております。 そこで、きょうは総務省さんからも来ていただいておりまして、ありがとうございます。不採算地区病院への特別交付税措置の要件改正についてでございます。 昨年十二月の二十六日、総務省は、公立病院に関する財政措置の改正要綱を公表いたしました。二十一年度以降の地方交付税措置額を、過疎地、産科、小児科、救急医療等への充実を通じて七百億円程度増額するということでございます。同時に、市町村合併の進展を踏まえ、不採算地区病院に係る特別交付税措置の適用要件、措置額の算定方法等について改正しました。 これまで、不採算地区病院への特別交付税措置の適用要件は、百床未満かつ一日外来患者数二百人未満で、当該市町村内にほかに一般病院が所在していないこととしておりました。今度の改正では、病床数百五十床未満に上限が緩和され、より多くの病院が適用要件に入ることになります。全体としては、対象となる病院が二百三十二病院から三百二十程度にふえます。 地域要件についても変更がなされました。これまでは、当該市町村内にほかに一般病院が所在しないこととしていたものが、第一種の要件が、直近の一般病院までの移動距離が十五キロ以上となる位置に所在することに変わります。 この要件変更によりまして、不採算地区病院から除外され、特別交付税を受けることができなくなる見込みの病院が全国で八つございます。私の地元、見附市立病院もそのうちの一つでございます。これまでは、不採算地区病院として、平成十九年度は約六千七百万円の特別交付税を受けることができましたが、この地域要件の変更によって、不採算地区病院として特別交付税を受ける対象から除外される見込みでございます。今、市民にも大変大きな不安を与えているわけでございます。 そこでお伺いいたしますが、そもそも、今度の制度改正は、公立病院の財政支援をさらに充実させるためのものだと私は理解しておりますが、それでよろしいですか。
○細田政府参考人 お答えいたします。 今先生の御指摘のとおり、今回の財政措置の改正は、基本的には公立病院に対する交付税措置の総額をふやそうというものでございまして、全体では二千九百三十億から七百億円程度の増額を図るというものでございます。
○菊田委員 趣旨でございます。制度改正の趣旨でございますけれども。
○細田政府参考人 公立病院に対する交付税措置の増額を図ろう、支援を強めていこうということでございます。
○菊田委員 そしてその結果、私の地元の病院問題だけではありませんで、きょうお手元にお配りさせていただきましたように、例えば北海道なんかは四つの病院ですね。あるいは岩手、福島、鳥取でも病院が対象から外されてしまうということでございます。 対象から外さないで、これまでどおり国の財政支援を受けながら地域医療を担っていけるようにするべきだと考えますけれども、総務省の見解をお伺いします。
○細田政府参考人 不採算地区病院と申しますのは、基本的には過疎地の小規模病院には構造的な不採算性という問題がありますことから、従来から、設立者であります自治体に対しまして特別交付税措置を講じていたわけでございます。 そして、従来の基準につきましては、市町村内という一つの行政区域を前提とした地区の唯一の病院というふうに考えておったわけですが、市町村合併等進展をする中で、そうした行政区域を基準とする方式はいかがかという声も強まってまいりまして、今回、実質的な面、実質的な意味での生活圏や立地地域の人口集積に着目して構造的な不採算性ということを判定するものにしたわけでございます。 こうした変更を行いました結果、要件の改正前後では、要件に該当する病院の範囲に若干の変動を生じることは避けられないと考えております。 ただ、この要件の変更は、先生御指摘のとおり、基本的には全体の数が二百三十二程度から三百二十程度にふえるということで拡充を行ってきたわけでございますけれども、中には該当しなくなるものが幾つかあるということでございます。こうしたことはやむを得ないことかなというふうに考えているわけでございます。
○菊田委員 今皆さんから激励をいただきましたけれども、この八つの病院というのは本当にその地域の、私の地元でいえば、もともと市の中にたった一つの地域医療ということで、もうぎりぎりのところでやっているところなんですね。それがもう本当に、ここに来て、この一月ぐらいに自治体にそういう話が出て、予算編成、今三月議会で議論されている最中ですけれども、突然、特別交付税が打ち切られるということを通告された自治体からすれば、一体どうすればいいのかということであります。 国は、地方の病院、地域医療を守っていくと口では言いながら、しかし今のお話でありますと、結局、こういった財政支援が打ち切られてしまう病院はもうそのまま放置されてしまうということではないか。たった八つなんです、全体としてはふやすわけですから、たった八つの病院を切り捨ててしまうことがないように、私はぜひもう一回見直していただきたいというふうに思いますが、いかがですか。
○細田政府参考人 今回の見直しに伴いまして、不採算地区に該当しないこととなると見込まれる病院の関係の公共団体あるいは公立病院の関係団体から、経過的な措置ができないかということが寄せられているわけでございます。 したがいまして、今後、これは二十一年度の特別交付税ということになるわけでございまして、実際の交付は十二月ということでございます。したがいまして、これに向けまして、各病院が新たな要件に該当するか否かにつきまして精査するということになっておりますので、そうした作業の中で経過的な財政措置の要否につきましても検討したいというふうに考えております。
○菊田委員 今回の要件変更で、直近の一般病院までの移動距離が十五キロメートル以上ということになったんですね。なぜ十五キロなのかとか、どこに根拠があるのかとか、そこまで私はきょうはお聞きしませんけれども、例えば冬期間は、雪や凍結した道を移動しなければならない、倍の時間を要するんですね。今回外されてしまった八つの病院、北海道も岩手も福島もそして私の新潟も雪国でありまして、こうした地域の特殊性というのは加味されたんでしょうか。
○細田政府参考人 移動距離十五キロメートルというのは、一般的に車で三十分程度ということで考えたものでございます。そういうものが一つのケース。 それからもう一つ、人口集中地区以外の区域に所在するというような要件もまた別途設けておりまして、移動距離十五キロ以内に別の病院があります場合でも、人口集中地区以外の区域に所在するというものに該当すれば、不採算地区病院としての取り扱いを行うということにしてございます。
○菊田委員 ですから、雪道は車で三十分で行かないんですよ。そういう厳しい自然環境の中で地域医療を守っているんです、支えているんです。私は、総務省は非常に冷たいと思いますね。 厚生労働省は今回の改正について知っておられたかどうか、お伺いしたいと思います。厚生労働省としてはこういうことを手当てしないんでしょうか。
○外口政府参考人 不採算地区病院への特別交付税措置につきましては、先ほど総務省からも答弁されましたけれども、実質的な生活圏等を踏まえた要件の見直しが行われ、その結果、対象病院は増加するが、中には要件に該当しなくなる病院があると見込まれていると承知をしております。 御指摘の見附市立病院につきましては、これは、九十九床の病院で、一般の病院でございますけれども、常勤医七人、非常勤医六人、内科が四名、外科が二名、放射線科一名、整形外科はみんな非常勤だったと思いますけれども、こういった病院でございます。 厚生労働省としては、地域における医療の確保は国民が安心して暮らしていく上で欠かすことのできないものであり、地域の実情に応じて公立病院を初めとした地域の医療機関が役割分担や連携を進め、地域全体で必要な医療を確保することが重要であると考えております。 このため、各医療機関が地域で果たす役割に応じて、今まで財源移譲等で補助金の項目は大分減っておりますけれども、平成二十一年度予算案におきましても、救急医療において管制塔機能を担う医療機関に対する支援、小児救急や産科を担う医療機関に対する支援、救急医療や産科などの現場で働く医師への手当に対する支援等を盛り込んでいるところであります。 引き続き、総務省とよく連携しながら、地域の実情に応じた必要な医療の確保に努めてまいりたいと考えております。
○菊田委員 済みません、時間がありませんので、今回の件についてだけお答えしていただきたいんですけれども。 厚生労働省は、この検討会にオブザーバーとして参加していたと聞いております。この八つの病院が外されてしまうことについて、総務省と、それは困る、地域医療を守るという意味においても、このわずか八つの病院を外さないでもらいたい、あるいは外さないためにはどうしたらいいのかというような協議をされましたか。
○外口政府参考人 地域医療の確保という観点で、今回、こういった公立病院への支援を総合的にはふやしていただいたと考えておりますけれども、こういった個別の問題については、今後よく実情を踏まえて、地域医療の確保という観点でよく協議したいと思います。
○菊田委員 医療を守っていくためには、もちろん厚生労働省から頑張っていただかなければなりませんし、総務省の中でどういうことが起こっているのか、これは縦割りだから関係ないとか知らなかったとか協議していないということでは済まされないと私は思っています。 まず、総務省は、今回の要件変更の趣旨からすれば、私はこの八つの病院が外されることはとても納得できるものではございませんし、見直していただかなければなりませんし、それにかわる財政的支援も担保した上でなければ、この自治体病院、皆さんが決めたといっても、それに従うことはできないということでありますので、今後、また機会をとらえてさせていただきたいと思いますが、ぜひ大臣も、こういう問題について、実情について御理解をいただいて御指導いただきたいと思います。 続きまして、妊婦健診の無料化について質問させていただきたいと思います。 平成二十年度の第二次補正予算の中で、政府は、少子化対策として妊婦の定期健康診査について十四回を無料化するということを決めました。ですが、これは生活対策ということを前面に掲げておられるわけですけれども、私はどうもこれはちょっとぴんときませんで、なぜ妊婦健診の無料化が生活対策として行われるのか、そして、なぜ平成二十二年度までの二年間限定の補助事業なのか、教えてください。
○舛添国務大臣 これはもう私がずっとかねてから、妊娠、出産、子育て、これは国が責任を持ってやる体制を整えたいということで努力をしてまいりました。そういう中で、どういうふうにして、どういう関連で予算をつけていくか、これは財務省とのある意味で闘いということもありますし、総務省との間の話も詰めないといけない。 そういう中で、タイトルがどうであれ、とにかく生活対策全体の中で、これは生活を御支援するという意味では、健診の無料化ということも一つの大きな柱になるわけですから、それを盛り込みました。 そして、期間限定だというよりも、これは実を言いますと、財政的な手当て、これは理想を言えば、もう恒常的にきちんと国費で出るというのが私は理想だと思いますけれども、予算獲得過程でなかなか一気に行かずに、とりあえず第一歩を踏みたいということでこういうことになったというので、今後、委員の、他の委員の問題意識もよくわかりますので、さらに前に進めるように努力をしてまいりたいと思います。
○菊田委員 この事業自体は私も大変すばらしいことだと思っておりますし、多くの議員が同じ思いだと思っておりますけれども、しかし与党の先生からもこの間たくさんの御質問があったわけでありまして、要するに今大臣がおっしゃったとおり、この後の財源をどうするのか、先々が見えなければ自治体が困るではないかということだろうというふうに思います。 この事業が自治体からどういうふうに受けとめられているか、大臣、御意見を聞いておりますか。全国市長会等でも話題になっておりますけれども、どんな評価で受けとめられているか、お聞かせください。
○舛添国務大臣 それは、だれが金を出すかというときに、地方からの支出が少なくて国が全部出してくれるにこしたことはありません。しかし、今回は、半分ずつで、国庫補助と地財措置になっているので、この大変厳しい経済事情の中で、こういうことは困るという声はそれは聞いております。 しかしながら、例えば秋田県のように、五回まで無料というところを最初から十回以上無料にしているところもあれば、たしか私がこの問題に取り組んだときは、五回までなんですけれども平均二・八回でしたから、そういうこともありまして、例えば都道府県知事と私との直接の協議を定期的に設ける、そして、そういういろいろな御不満をいただいて、改善できるものは改善するということでありますので、やはりこれは、国、地方を問わず、今の財政状態、これをいかによくするかという大きな問題に突き当たると思いますが、委員がおっしゃったようないろいろな不満の声は率直に受けとめて、きちんと聞いております。
○菊田委員 妊婦さんにとっては、そして多くの女性にとっては大変ありがたい事業ではありますけれども、その一方で、自治体からは、言葉は悪いかもしれませんけれどもありがた迷惑というか、余り評価されていないんですね。逆に、この先のことを考えると、本当にいいのかどうかということであります。 それは、今大臣がおっしゃったように、国庫補助事業終了後の財政措置について明示されていないわけですから、例えば今回、十四回で一度始めたものを、補助金が切れたからといって、もとに戻せるわけがないんですね。そうすると、あとは全額を市町村の負担として継続していかざるを得ないということであります。 地方財政は非常に厳しいわけでありまして、やらなければならないいろいろな事業に優先順位をつけてやっているというのが実情でありまして、私は、本来、国の施策として事業を起こすのであれば、事業を始めるのであれば、最後まで国が責任を持ちます、だから自治体も自信を持ってこの事業を続けてくださいというふうにするのが本来ではないかというふうに思っております。 大臣は、一月の参議院の予算委員会で、妊娠して健診もきちんとやる、これは国の責任できちんとやる方向だと、何回もきちんときちんととおっしゃっているんですけれども、平成二十二年度以降は本当にどうするのか、具体的に明言していただきたいと思います。
○舛添国務大臣 平成二十二年度までは手当てがつきましたので、二十三年以降について、これは実施状況を見て、さまざまな意見をいただきながらきちんと予算措置をやっていきますが、総務省があり、財務省があり、そういう中でどういうふうにやっていくかということなので、これは政府全体の問題でありますし、例えば二千二百億円という社会保障費の伸びの抑制ないしは削減という話もあります。そういう中での大きなかじ取りの問題だと思います。 私自身は、今申し上げましたように、基本的には、子供を妊娠し、出産し、育てていく、これは未来への投資ですから、国が責任を持ってやる。そして、しかし地域でその子供たちが育っていくわけですから、地域もまた責任を持たないといけない。お互いに、財政状況が悪いからお前がやれ、これをやれとなすりつけるのではなくて、国と自治体が協力しながら、国民のためにいかにいい仕事をするかということが必要だと思いますので、これは総務大臣ともよく相談をしながら、さらに前に進めていきたいと思っております。
○菊田委員 全国平均で五・五回しか今やられていないというのが現状であります。交付税という形で算入しているからやってくれと言われても、自治体とすれば、交付税というのはなかなか中身が見えないわけでありますから、本当に算入されているのかどうかもわからないということであります。 今、自治体は、交付税が減らされて、その一方で民生費がどんどん膨らんでいるわけでありまして、ほかの事業を先送りしてもこの妊婦健診を最優先でやろうという自治体あるいは首長さんと、そう思ってもなかなかやれない自治体というのがあります。そういう格差が埋まらないという中で、私はいつまでも、これからも交付税に転嫁するやり方でこういう政策が行われていくのが果たしていいのかどうかという思いを持っておりますが、いかがでしょうか。
○舛添国務大臣 これは今、妊婦健診という問題ですけれども、今委員が御提起なさった問題というのは、地方自治のあり方をどうするのか、そこにおける国と地方の財源の配分をどうするのか。 かつて三位一体の改革ということで、交付税のあり方も議論し、補助金のあり方も議論をする。金を出せば口も出す。じゃ、金を出さなければ口は出さないでいいのかというようなことがあるとともに、ナショナルミニマム的な発想を入れると、過疎であり財源がないところに、最低、日本国民としてはこれだけの水準は確保しないといけないということになったときに、それをどういう形で国として税源を配分するのかという問題になると思いますので、これは、この国のあり方、そして中央と地方のあり方、そして交付税自身、補助金自身のあり方、例えば、では補助金でいけばいいのかというときに、今非常に補助金に対して人気がない。むしろ、十億分の補助金をつけてくれるぐらいなら、ひもつきじゃない、色のついていない一億円をもらった方がはるかにありがたい、そういう首長さんもおられます。 ですから、ちょっと問題が大きくなり過ぎたかもしれませんけれども、地財措置、交付税措置、そういうことを含めて、国と地方の役割分担、それから権限の分担、そして財源の分担、こういうものを大きく考えたいと思いますけれども、そのこととともに、どういう政策についてプライオリティーを与えるのか。そしてまた、コストという観点からだけではなくて、ある地域、ある国、日本国ですが、日本国の中のある地域が非常に子育てに優先的に資源を配分するということは、必ず未来への投資としてはね返ってくる。 医療についてもそうでありますから、今まで、とにかくお医者さんをふやせば金がかかってどうしようもないんだ、そういう意見を退けて、お医者さんをきちんと育てることは生活の安全と安定のために必要な投資であって、必ず大きな果実を生み出す、そういう思いでやっておりますので、これは、今委員のいい意見もちょうだいしましたので、そういうことも参考にしながら、大きな国のかじ取りの方向として皆さんと一緒に議論を重ねながら、より多くの国民に理解できる政策にまとめていきたいと思っております。
○菊田委員 私は、やはり少子化対策というのは国が責任を持ってやるべきだと思っておりますし、国を挙げて取り組まなければならないし、また、一つのこの政策をやったから効果が上がりましたというようなものでもないと思っております。本当に政策総動員で、あらゆるできることをやっていく。 しかし、例えば夕張みたいな、財政破綻して本当に大変なところが、では少子化対策を最優先でやれるかといったら、現実にはやれないわけでありまして、そこに生まれ来る子供たち、そこで育っていく子供たちと、またほかの自治体で育っていく子供たちとの間に格差が生まれていくことがないように、やはり税金の使い方、あるいは税制、交付税のあり方、国と地方の役割、本当に大きく見直していかなければならないし、また、総務省とも連携をしながら、また時に議論をしながら、財務省とも闘いながら、こういったことを前に進めていっていただきたいというふうに思っております。 それでは、きょうの本題でありますけれども、雇用の問題について質問させていただきたいと思います。 現下の厳しい経済情勢そして雇用情勢については、もうたびたび話がございますので繰り返しませんけれども、私はやはり、麻生総理が、経済情勢が大変厳しい中で、他国に比べて日本の不況は大騒ぎするほどのものではない、傷は浅いとおっしゃった、あの危機意識の欠如、認識の甘さというのが、本当に、あらゆる政策のおくれ、そして、何か政策を小出しにするといいますか、少しだけやったふりをするような形でしかなかなか出てこない。そして、今国民の皆さんは政治は何をしているんだという怒りの思いでこの国会を見ておられるということを、本当に肝に銘じていかなければならないというふうに思っております。 きょうは、せっかくの機会でありますので、ぜひ多くの国民の皆さんに、野党がなぜ、どういう思いで今回立法をされて、そしてその中身はどういうものなのか理解をしていただくよい機会だと思っておりますので、民主党及び社民党にも質問させていただきたいと思っております。 民主党は、求職者支援法案でございますけれども、なぜこの時期にこのような制度をつくるのか、この制度によって日本の世の中がどういうふうに変わっていくのか、説明をいただきたいと思います。
○大島(敦)議員 御質問いただきまして、まことにありがとうございます。 先ほど与党の委員からも御指摘がありましたとおり、経済をどういうふうに見るかというのがイコール雇用対策だと考えております。最大の雇用対策は景気浮揚です。ですから、経済をどう危機感を持つのかという観点において打つべき政策が変わってくると思っています。 今回の私どもの求職者支援法は、実は二〇〇一年と二〇〇三年に一回あらあらのものは提出をさせていただいております。当時は、先ほど御指摘がありましたとおり、失業等給付の積立金の残高がそろそろ枯渇しそうなとき、相当厳しい時期に出させていただきました。しかしながら、当時はそれほど国民の関心は持たれておりません。 今回は、よく百年に一度と皆さん言うんですけれども、私はこの間、識者の方といろいろと議論をさせていただいて、いや、大島さん、百年に一度じゃないんだ、今回は有史以来相当の覚悟を持たなければいけないなという話を聞かせていただいております。景気後退、一昨年の暮れに一回私も景気後退かなと大分思いまして、今回の法律についても、昨年の中盤以降いろいろと考えさせていただいて、臨時国会から党内で議論をさせていただきまして、今はこう考えてください。 これは藤村先生の御意見なんですが、かつては終身雇用だった、終身雇用というセーフティーネットがあって、雇用保険というセーフティーネットがあって、一番下に支えるものとしてはこれは生活保護という制度がありました。今、終身雇用という制度が大分揺らいでいるわけです。第一のセーフティーネットがそうすると雇用保険になってくるわけです。そうすると、雇用保険でこぼれた人がすぐに生活保護の対象になってしまうのは、なかなかこれは厳しいなと。 今後どのくらいの人たちが職を失うかという、先ほどの鉱工業統計のお話もございましたけれども、大体二百万から二百七十万人ぐらいの方の職場の数が減るという推計を多くの方がされております。今の四%を超えてきた失業率も五・五を超えるというおそれを多分に持っております。 したがいまして、今回は、失業して、かつ、求職者給付の受給期間のうちに職が決まればいいんですけれども、そう決まらない方も多いかもしれない。その方のために、私たちとしては、求職者支援法という制度、一つは、職業能力開発の訓練をしていただければ一日五千円を出させていただく、それに対する通学通勤あるいはその交通費も出させていただくような、そういう制度を設けさせていただきました。そのことによって、大体財政規模としてはトータル含めて五千億円ぐらいかかるのかなと。 そして、大体二十万人ぐらいの受給者の数を想定しておりまして、今の政府の公共職業訓練は大体三万から五万ぐらいだと思います。十五万人の座席数はしっかり用意させていただく。そのプラットホームの上に、例えば厚労省さんが、国がやられている公共職業訓練もあるでしょうし、これから農業とかあるいは介護、福祉の各それぞれの教育訓練が乗ってくるかと思います。 したがいまして、まず、失業された方、就職が決まらない方に対してしっかりと下支えをして、社会の底が抜けないようにするのが一つのポイントでございまして、もう一つは、職業能力をしっかりつけていただくということをポイントとしておりまして、そのことによって多くの方が、これから厳しさが予想される三年間から五年間、生活の支えになり、職業能力をつけていただければなと考えております。 以上でございます。
○菊田委員 この法案で、医療保険についても特例措置を行うという理由、これをお聞かせいただきたいと思います。
○大島(敦)議員 私もサラリーマンをしておりまして、サラリーマンが失業したときの一番おそれがさまざまあると思うんです。一つには収入が途絶えてしまう。それは、雇用保険に入っていれば失業等給付を受給できます、基本手当を受給できますから、どうにか補える。もう一つは医療に対する不安なんです。 サラリーマンが職を失うと、前に入っていた健康保険組合の任意継続被保険者ということになれます、二年間について。ただ、任意継続被保険者になりますと、今まで負担していなかった事業主部分も負担しなくちゃいけない。そうすると、その部分がふえてしまうんです。失業して収入がないのに保険料の負担がふえてしまう。 もう一つは、任意継続被保険者にならなかった場合、その場合には国民健康保険になります。国民健康保険は、皆さん御承知のとおり、前年度の所得に応じて保険料が決まってくるわけですから、そうすると、失業して所得がなくなってしまった、しかしながら保険料は前の年の所得の保険料ですから、今までお支払いしていただいておりました組合健康保険の保険料よりも上がってしまうということ。 そのことについては、やはり、任意継続被保険者は二年間、そして国民健康保険は前年度ですから一年間について、私たちの法案の中では、これまでお支払いしていただいた保険料並みに財政措置をして抑えるという仕組みをつくらせていただいております。 以上です。
○菊田委員 今回、労働契約法の一部を改正して内定取り消しを規制していこうという法案も野党三党で出されているわけですけれども、既に職業安定法施行規則が改正されて、新規学卒者の採用内定を取り消した企業名を公表するという制度が施行されているのに、なぜ野党三党は今この法案が必要だと考えているのか。 そして、先ほど与党の議員から指摘がありましたけれども、野党三党の法案は企業をますます消極的にさせて、学生は就職内定がもらえず、かえって混乱が生じるのではないかという御批判があったわけですが、これに対してどう考えているか、お聞かせください。
○階議員 質問をありがとうございます。今、二点質問をいただきました。 まず一点目、なぜこの法案が必要なのかということでございますけれども、採用内定を取り消した企業名を公表するだけですと、そもそもどういう内定の法律的な効果があるのか、また内定がどういう場合に取り消されるか、これは条文上、明らかになっておりません。 最高裁の有名な判例で、大日本印刷事件というものがあります。これをちょっと模範六法というところから引用して読ませていただきます。「採用内定を解雇権留保付労働契約の成立と解し、内定取消事由は内定当時知ることができず、また知ることが期待できない事実であって、客観的に合理的で社会通念上相当として是認することができるものに限られるとした事例。」というふうに書かれておりますけれども、この旨を法律上明確にして、そして内定関係というものをちゃんと法律上規定したということでございます。 それから、与党の皆さんからの批判に対してどう答えるかということでございます。 すなわち、民主党の法案が成立しますと、企業をますます消極的にさせて、学生は就職内定がもらえず、かえって混乱が生じるというような御批判だと思いますけれども、この点については、かえって、法律関係が明確になることによって、むしろ企業の側としてもどういう場合に内定取り消しが許されるのか、これが明らかになります。また、学生としても安易に内定取り消しを受けることが避けられるということで、学生にとってはこれは非常に必要な措置であるということでして、企業をますます消極的にさせるという御批判は当たらないのではないかというふうに考えております。
○菊田委員 ありがとうございました。 私たち民主党は、国民の生活が第一を掲げております。今回、野党案は、雇用に対する国の責任を前面に出して大胆な制度を創設することで、すべての働く人たちの暮らしを守ることを提案していると思います。ぜひ与党の皆さんにも御賛同いただきますように私からも呼びかけさせていただきまして、時間が参りましたので質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○田村委員長 この際、休憩いたします。 午後零時十二分休憩 ————◇————— 午後一時四十二分開議
○田村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。山井和則君。
○山井委員 これから三十五分間、質問をさせていただきます。 早速ですが、きょう十一枚の私の配付資料を配らせていただいております。その中で、まず、雇用保険法の一部を改正する法律案要綱。 この法案に関して、第一の二で特定受給者とみなすというところで、四月一日からではなく三月三十一日とした場合、支障は生じるのか。これは二〇〇九年問題で、御存じのように、三月三十一日に解雇される方は非常に多いというふうに予想されております。一日前倒しをするだけで数万人の失業者となる方が救われ、法改正の恩恵を受けるのではないかというふうに思いますが、舛添大臣の御見解、いかがでしょうか。
○舛添国務大臣 まず法律技術的なことを申し上げれば、迅速に審議が進み、三月三十一日より前にこの法律が確定するならば、遡及効果を持ちませんから、それは法技術的には、例えば十二月までさかのぼるというようなことに比べれば、三月三十一日という日にちは、その前に法律が成立するならば一つの利点であろう。これは法律技術的な問題です。 それからもう一つは、今のところ四月一日ということで、こちらは準備態勢もいろいろ整えておりますので、できればそういう形でやっていただきたいというように思いますが、委員が御指摘なさっていることは、これは昨日でしたか一昨日でしたか、前にお答えいたしましたように、年度制ですから、三月末日に解雇、離職というケースが非常に多いんですね。大体、一年間のうちの、昨年の例だと一二%の人がそこになっていますから、そういう意味では、そういう方たちを救うという意義はあろうかというふうに思います。
○山井委員 前向きな答弁、ありがとうございます。 私たち野党の法案では、十二月九日まで遡及するということにしております。 先ほど萩原議員から質問いただきまして、私、答弁しようと思ったら答弁をさせてもらえなかったので申し上げますが、これは十二月九日まで遡及することによって、やはりこの法改正の恩恵を受ける人が非常にふえるわけでありまして、もちろん窓口の業務は大変になる部分もあるわけですけれども、今まで狭いセーフティーネットでこぼれていた人が、四月一日以降、その法改正の恩恵を受けることができるわけですから、この遡及も含めて、ぜひこのことは検討をして、また修正協議をやっていただきたいと思っております。 では、次の質問ですが、正直言いまして、この雇用関係におきましては対立するものではなくて、ぜひ、よりいいものをつくり上げていければという視点から質問をさせていただきたいと思っております。 まず、生活保障費を給付しながら職業訓練を受けてもらうという第二のセーフティーネットですね。これは非常にこれから必要だと思いますし、この間、きょうもさまざまな議論が出ておりました。 それで、今、政府が対策を行っているんですね。実は、この求職者支援法を私たち民主党が提出するということを言いましたところ、厚生労働省は、いや、既にその制度はやっているんですと言ってペーパーをいただきました。それがこの三枚目のペーパーなんですね、「「訓練期間中の生活保障のための給付ができる制度」の創設及び拡大」。 これがあるから、民主党の言っていることはもうやっているんですというふうに私は説明を受けたんですが、舛添大臣、次のページを見ていただきたいんですが、実績は二月二十四日現在で八件。これは全国ですよ、全国で八件。それで、最新では十件にふえましたという報告をいただいたんですけれども、これは余りにもお話にならない。 私たち野党の求職者支援法との違いは、まず、私たちは二十万人を対象としております。そして、先ほど大島議員から答弁がありましたように、予算は五千億円規模。そして、今政府がやっているような貸与ではなくて給付。そして自営業の廃業した人にも対象を拡大する。そして、こういうちょろっとした予算でやるのではなくて、法律をつくって、しっかりと第二のセーフティーネットというものをつくっていきたいと思っております。 具体的には、第二のセーフティーネットのイメージとして、二ページ。こちらにフリップもつくりました。私も二年間スウェーデンに留学をしておりましたが、スウェーデンを初めとしてヨーロッパの国では、雇用保険が切れてからも、生活保護にならないように、生活保障をある程度受けながら職業訓練をするということがもう一般化しております。その制度がないわけですね。 この質問は多くの議員からも出ておりますが、あえて、改めて舛添大臣にお伺いしますが、こういう趣旨の制度をつくるということ、この私たち民主党の求職者支援法の考え方、こういうものについて、大臣、いかが思われますか。
○舛添国務大臣 ちょっとその前に、簡単に第一問についての補足を。 十二月ということを私が申し上げたのは、さっきの答弁のように十二月九日ではなくて、例えば十二月一日だったらどうなのか、十二月八日だったらどうなのか、そこの合理性がないわけですね、どこかで日にちを決めるというので、あらゆることについて。そういう点から比べれば、三月三十一日の方が十二月九日より、八日より、説得の論理はありますということを申し上げたかったわけであります。 二番目の点でございますけれども、これは、我々は予算措置でやろうということを考えております。そして確かに御指摘のように、実際に手を挙げてこられて、決めた方が少ないのは、理由が年収二百万円までということであって、そうすると、職を失うまではもっと稼いでいれば、過去の実績で二百万と言われても、今金ないんだよということになりますから、これは緩和するということです。要するに、例えば今アルバイトをしている、ことしあなた二百万ありますか、到底ありませんということも可能でありますし、だから、離職後の収入見込みが二百万以下だったらいいですとこれは緩和したので、これからはふえていくと思います。 それからもう一つは、二百万までは今までアルバイトしちゃいけないということだったんですね、この訓練のときは。これはアルバイトも可能だとしたので、そういう形で拡大をしていきたいというように思いますので、法でやるかこういう予算でやるか、実効性のある形にかじを切ったというふうに思っております。 スウェーデンの御経験をおっしゃって、確かにさまざまなセーフティーネットは重層的に、より多く張りめぐらせばいいわけですけれども、財源の問題をどうするかということがありますので、消費税を二五%にすれば簡単ですけれども、なかなかそうもいかないので、雇用保険の二事業を活用しながらやっている。 それで、この三月三日に労使から御提言があった基金も、実は一般会計なんですね。ですから、一般会計について、財務省との間で折衝することを含めて国民に御理解いただく、これが一つの問題であろうかと思っております。
○山井委員 日本が今までのような終身雇用制に戻っていって、それで、企業が再就職というか職業訓練もきっちりやってくれるという時代に完全に戻るということは、残念ながら、これは難しいと思うんです。 ですから、私たち野党が求職者支援法を恒久法にしている、時限立法ではないという意味は、大なり小なり、ここは一般財源を入れてきっちり法律をつくって、セーフティーネットですから、セーフティーネットが予算措置で、はい、二年でセーフティーネットがなくなりますとか、そういうことでは本当のセーフティーネットではないと私たちは思っているんです。 今、舛添大臣が、これから年収要件を緩和するとか、アルバイトもできるようにするとかおっしゃいましたが、それでも来年度予算では十三億円で、対象がたった二千八百人。私たちの二十万人ということから比べると、対象人数が七十倍違うわけです。百年に一度の不況を乗り越える上では、けたが二けた違うということになると思います。 そんな危機意識は、私たち野党だけではなくて、自民党、公明党も共有しておられまして、昨日の自民党、公明党が発表されました資料を見ますと、公明党の資料の中にも、セーフティーネットのさらなる強化として、就労・生活支援給付を創設するというのが書き込まれておりますし、自民党のペーパーの中にも、緊急人材育成・就職支援基金を造成し、職業訓練、再就職、生活への支援を総合的に推進すると。私たちの求職者支援法の理念と非常に近しいものを、自民党も公明党も、同様に今主張をされ始めております。 そこでなんですが、これからどうするか。私たち民主党は、法律をつくって、そして求職者支援ということで一般財源でやっていくべきだ、職業訓練手当に関しては二事業から出していくというスキームでありますが、これを読む限り、自民党、公明党は基金でやるということが書かれてあるんですね。 そこで、一般論として舛添大臣にお伺いしたいんですが、こういう基金として積んでいくという形の場合は、自民党、公明党のプランは数千億規模と聞いておりますが、これは法案とかは必要ないんですか、予算だけでできることなんですか、舛添大臣。
○舛添国務大臣 与党の皆さんの案が具体的にどういうものか、まだつまびらかになっていないと私は了解しておりますので、正確なことをお答えできないと思いますが、予算か基金かということになると、それは法的措置がなくて基金はできます。 ただ、問題は、基金の場合というのは、これはファンドを積んで安定的に数年間やることが可能です。単年度予算主義でいきますと、これは単年しかできませんから、一般的にですけれども、そういうメリット、デメリットはあると思います。
○山井委員 そういうメリット、デメリットがあって私たち民主党は、一般財源でありながら、今申し上げましたように、これはやはりセーフティーネットですから将来への安心感がないと、セーフティーネットが三年でなくなりますよということでは、これからの時代、雇用の流動化と言われる時代に対応できないと思いますので、しっかりと法律をつくるべきだと思っております。 そこで、似たような考え方が、民主党が法案を既に提出し、きのう与党からも出てきているということで、ここで舛添大臣の御見解を改めてお伺いしたいと思うんですが、こういうのを一本化させてやっていくべきではないかということを私は正直思っております。やはりこれは非常に急ぐわけですから、与野党、多少の方法論の違いはありますが、私は、目指すべきもの、そしてスピード感が何よりもこの不況において国民から求められているということは一緒だと思っております。 舛添大臣、野党からこういう求職者支援法が出ている、そして自民党、公明党からも昨日、こういう似たようなプランが出つつあるということについて、大臣の御見解をお伺いします。
○舛添国務大臣 この厳しい雇用情勢、党派を超えて、今委員がおっしゃったように、迅速にスピード感を持って行う必要があると思いますから、そういう形で皆で協力できて、いいものができ上がれば大変幸せに存じます。
○山井委員 先ほど、午前中に萩原議員も質問をしてくださっておりましたが、これは上層部が決めるというのではなくて、まさにそのためにこの衆議院の厚生労働委員会が存在するわけですから、この審議を通じて、ぜひとも修正協議等で、求職者支援、そしてこういう再就職支援のセーフティーネット、第二のセーフティーネットをこの衆議院厚生労働委員会においてしっかりと張っていくようにしていきたいと思っております。 もう少し雇用についてお伺いをいたします。 きょうの新聞にも出ておりましたが、配付資料の次の五ページですね。非常にショックを受けました。中途解除された派遣労働者のうち、八割以上が解雇をされているということなんですね。 これは労働契約法十七条の一項において、合理的な理由がない限り解雇はできないということになっているわけですし、直嶋参議院議員の質問、契約期間中の派遣労働者はむやみに、原則的には解雇できないという質問に対して、麻生太郎総理大臣も一月二十日の参議院予算委員会で、先生のおっしゃるとおりであります、契約が途中で打ち切られるというようなことは明らかに違反というふうに、予算委員会でテレビ中継のもと、麻生総理も明言をされています。にもかかわらず、このように契約途中で派遣元から八割以上の方が解雇されていて、きょうの朝刊によりますと、千数百件の指導を派遣元に対して行っているということなんです。 そこで、舛添大臣、この労働契約法、事実上これはざる法になっているんじゃないですか。啓発指導するのはいいんですが、八割以上の派遣労働者の方が契約期間の途中で派遣元から解雇されて、指導するだけじゃなくて、舛添大臣、これは一回、本当に合理的な理由があって首を切られているのかどうか、ここをきっちり、今こそ労働者を守る厚生労働省がこの調査をしないと、非正規労働者は首を切られてもほったらかし、放置するということになってしまいかねないと私は思っております。 そこで、大臣、お伺いしたいんですが、こういう契約途中で解雇されている非正規労働者の方々の何割ぐらいがちゃんと労働契約法で守られているのか。逆に、違反されているのはどれぐらいだと大臣は、個人的な見解でも結構ですが、思っておられるのか。そして実態調査をすべきだと思いますが、大臣、いかがですか。
○舛添国務大臣 今のデータにありますように、常用型の派遣労働者でも八割は職を失っている。まさに、そこまでひどい雇用状況であるということの反映であるというふうに思っております。そういう意味では、まさに百年に一遍というような状況だと思います。 労働法の体系、労働指導の体系というのは、申告がある、いろいろな疑いがある、まずそこに行って、きちんと指導をしてそれをとめる、そういうことにならないようにとめる。そして段階を踏んで、それでも言うことを聞かない、これは法律に基づいて厳正な処分をやっていくということでありますから、昨年十二月から三月六日までの間に二千二百五十事業所を啓発指導して、指導することによってやめさせる、抑止をするという方向でまずはやっていくということでございます。 調査のためだけに入るよりも、それは人手もありますから、とにかく問題がありそうな、疑いがあるところへ片っ端から入っていって指導して、そういう首切りにならないように食いとめる、まずこれが第一だろうと思っております。あとはもう、法律に基づいて厳正なる措置をしていく、それだけだと思っております。
○山井委員 大臣、それは甘過ぎますよ。指導に従っていて八割以上が解雇になりますか。そういう認識を持っておられるんですか。今の話だったら、ちゃんと指導したというので終わっているじゃないですか。ちゃんと指導しても、八割の非正規労働者が契約途中で切られているわけですよ。 そうしたら、大臣、労働契約法の第十七条一項をみんな守っているという認識を大臣は持っているということですか。答弁してください。
○舛添国務大臣 派遣先と派遣元、それぞれの法律的な体系での枠組みがあります。派遣元事業者がこの法律に背反して労働者を解雇したときには、それはきちんと法律の処罰の対象になる。しかし、派遣先と派遣元の間の関係は、二つの民間団体の間の民事の契約関係ですから、そこにおいては、まさに派遣先が契約を解除したときに、派遣元に雇われている労働者に実質的に不利がないように、例えば三十日分ちゃんと払いなさい、新たな就職先をあっせんしなさいと。 ただ、まさに、新たな就職先があっせんできないように厳しい状況であるわけであります。そういうことから、さらに行政指導の権限を与えていただくというための労働者派遣法の改正案を、継続審議中となっておりますけれども出しておりますので、ぜひ、一日も早く御審議をお願いしたいと思っております。
○山井委員 大臣、そこの大事な点を逃げないでいただきたいんです。 ですから、これは、最後に白黒はっきりつけるのは裁判だということはわかっていますよ、労働契約法は。問題は、その実態を厚生労働省は把握する必要があるんじゃないですかということなんです。今の三十日前の通告とか、あるいはどういう合理的な理由だったのかということを一回調査していただけませんか。やはりこの実態、ゆゆしき実態だと思われませんか。八割の非正規労働者が契約途中で解雇されている。正直言いまして、私は、すべてが合理的な理由があるとはどう考えても思えません。どう考えても思えない。 そういう意味では、どういう事情で、どう労働契約法に違反しないような配慮をしてやったのかということをぜひ調査していただきたいんです。実態を知らないとだめじゃないですか。逆に無法地帯になりますよ、ざる法になりますよ、ここで調査も何もしなかったら。そういう認識なんですか。ここで何も調査もしなくて、今おっしゃったような、最後は裁判所が決めますよ、厚生労働省は指導するだけですよ、こう言っていたら、これからも、立場の弱い非正規労働者は契約途中で首を切られ放題じゃないですか。そこを食いとめるのが厚生労働大臣の仕事じゃないんですか。 大臣、調査をお願いします。
○舛添国務大臣 何度も申し上げておりますように、労働契約に行政が介入できないんです。それが今の日本の法体系の仕組みであって、しかしながら問題がある事例が上がってきますから、それをまさに指導監督するということ。これは法の権限をもって報告を求めることはできません。しかし、そこで指導することによって状況を是正するということですから、ただ単に、一般にどういう状況かという調査のための調査はいたしません。 きちんと是正をし、いい方向に持っていくため、これは我々の持っている人的資源も限られていますので、物すごく、やらぬといかぬことは山ほどある。問題が起こり、申告はある、内部密告はある、こういうことに対してきちんと対応していく。そういう形で抑止をし、いい方向に持っていきたいというふうに思っております。
○山井委員 ぜひ実態調査をしていただきたいと思います。現実を知らずして対策というのは立てられません。 次に、肝炎の話に移りたいと思います。 一昨日も、藤村議員が、肝炎のインターフェロンの医療費助成が進んでいないということを質問されました。その続きの質問をさせていただきたいと思います。 六ページを見てください。今回、私たち、この衆議院厚生労働委員会に、肝炎医療費助成法案を提出しました。与党からも肝炎対策基本法が継続審議になっておりまして、ぜひこれは修正協議をして成立させたいというふうに思っております。 なぜ私たちがこの医療費助成法案を出したのかといいますと、ここのグラフを見てもらったらわかりますように、十万人、インターフェロンの医療費助成をするということで、百二十六億予算をとった。ところが、半年たって、まだ二万五千人分しか九月までの上半期で医療費助成が受けられていないんです。おまけに、このグラフを見てもらったらわかりますが、利用者数は減っていっているんですよ。このグラフを延ばしていったら、何と、前年の五万人よりも下回るか、五万人と変わらなくなってしまうんですよ。 ということは、舛添大臣、肝炎の患者の方々が必死になって運動して、首相官邸で福田総理にまで会って、医療費助成と一般対策をお願いしますと必死になって訴えて、やっとのことで獲得した百二十六億円が、このままいけば、舛添大臣、半分ぐらい余りますよ。厚生労働省の担当の方に聞いたら、余ったら国庫に返すそうですよ、来年度に繰り越すんじゃなくて。 舛添大臣にお聞きしますが、このペースでいけば半額余るというふうに推定されますが、五万人の方が受けられるはずだったインターフェロン治療を受けられなくなる。そうしたら、何人ぐらいの救える命が救われないことになると想定されますか、五万人が受けられなくなると。これは数値がありますからね、治癒率が何%というのは。大臣、いかがですか。
○舛添国務大臣 それは、現実にどうかというのは肝炎で悩む方々の個々の状況にもよりけりだと思いますが、なぜ、どういう理由でインターフェロン治療を受けないのかということをまずきちんと調べ、それに対する対策をやる。 それから、残念ながら、日本の予算制度は単年度制度ですから、見積もりを上げる、だけれどもそれは単年度で処理しないといけないということであるので、今後、もっともっと多くの方にインターフェロン治療を行っていけるように、これは周知徹底、PRも含めてやらぬといかぬなというふうに思っております。
○山井委員 舛添大臣は、所得に応じて一万、三万、五万円という自己負担を決められたときに、経済的理由でインターフェロン治療を受けられなくなる人はこれでなくなるということをおっしゃったじゃないですか。にもかかわらず、ふたをあけてみたら半分の予算が余っている。 そして、この七ページを見てみると、私は正直言ってびっくりしました。その上半期の交付数を発表する同じ日に厚生労働省が発表したのは、何と、この調査、舛添大臣も御存じだと思いますが、なぜインターフェロン治療が受けられないのか。トップが、忙しくて入院や通院ができない。二位が、副作用が心配。お金がかかるというのはたった五人で、五%だ。さも、医療費助成が不十分だから利用者が少ないんじゃありませんよと言わんばかりじゃないですか。 でも、舛添大臣は御存じだと思いますが、昨年の九月の薬害肝炎についての検討会で、薬害肝炎原告の調査結果が、大臣も同席されていたと思いますが、その検討会で発表されているわけです。 ここの八ページにありますが、その中に、厚生労働省が一部の偏った国立病院機構の調査をするまでもなく、肝炎患者の方の実態調査、九月の検討会で出ているじゃないですか。残念ながら、これは厚生労働省がやった調査と結果が違いますよ。 ここにありますように、「治療していない理由」、二番目に多いのが治療費の負担が大だ、お金の問題だというのが百二十一人も。二番目に大きな理由になっていますよね、大臣。そしてさらに、インターフェロン治療について「治療費いくらなら」。一万円以内というのが八十二人で一番多いんですよ。去年の九月の検討会で、厚生労働省がやっている検討会で、患者の方々のこういう実態調査が発表されているじゃないですか。 おまけに、この調査結果を、本来ならばすべて検討会の資料はホームページにアップするんですよ。にもかかわらず、なぜかこの資料だけはホームページにアップされていないんです。 経済的理由、経済的にもっと安くしてほしいという、患者がやった切なる実態調査はホームページに載せずに、ごく一部の偏った調査をやって、そして経済的理由は関係ないという、これは余りにも患者の方々に対して失礼で、冷た過ぎるんじゃないかと私は思うんです。 舛添大臣、なぜ、こんな大事な調査結果がホームページに載っていなかったんですか。
○舛添国務大臣 まず、ホームページに掲載されていなかった、これは大変申しわけないし、こういうミスがあってはいかぬと思います。何が理由かはわかりません。それは、私が問いただしたら事務的なミスだということで、それにつきましても、三月十日の午後に山井先生が気づいていただいたということに本当に感謝申し上げます。翌日にすぐ掲げさせました。 もちろん、薬害肝炎の検証検討委員会というのは私のもとにあって、肝炎の被害者の方にも入っていただいて、毎回いろいろな資料を公表しておりますから、まず、こういうことが二度とないようにいたしたいと思っています。 したがって、今引用してくださった山井さんの資料の八ページ以下、これも当然私は見ております。だから、そちらのアンケートもアンケートである、それで、七ページに載っているアンケートもアンケートである。 どちらが正確で、どちらがというようなことは一概に申し上げられませんが、ただ、両方、やはり時間がないというのが多くて、これは治療を予備的なことから始めると一月とかかかるので、この点については経団連に対して、とにかく仕事を休んで入院、通院できるようにしてくださいと、これは何度もお願いをしております。 それから副作用の点については、これは二つの調査で違いますけれども、一番が「副作用強い」、百四十五。それから「働けなくなるから」が四番目。いずれにしましても、かなりの数で今言った三つの要因、治療費の負担増、働けなくなるから、副作用が強いというのが二番目の資料、こちらの資料では、忙しい、副作用云々というのがありますけれども、副作用については、副作用のないような治療法を今鋭意研究させておりますので、こういう点で対応したいと思っています。 それで、お金の問題は、お金の問題がないということではなくて、ここにあるように、少しでも安ければいいということは当然、一万円以内というのは出ていますから、そういうことを踏まえて今後どうするかということは、例えばB型肝炎の増殖抑制との絡みとか、ほかの医療費との絡みとかいろいろありますので、それを総合的に判断し、また、ここにおられます与野党を含めての厚労委の先生方とも御議論をして、これはさらに検討を進めていきたいと思っております。
○山井委員 私がなぜこのことにこだわるかというと、実は、これは一年半前から言っているんですよ、一万、三万、五万では高過ぎて予算が消化できないんじゃないかと。私、この質問は舛添さんに一年前からやっているわけですよ。それで、とにかくやらせてくれ、今の一万、三万、五万で十万人いけるから、とにかくやらせてくれということで突っ込まれたわけですよね。そうしたら、言ったらなんですけれども、案の定、半額ぐらい余る。おまけに、このままいったら来年度予算も余りますよ。 私がなぜこんなことを言っているかというと、ここに一冊のファイルがありますが、これは日本肝臓病患者協議会の事務局長の天野さんからお借りした。ずっと私、いろいろなことで肝炎問題を教えてもらっていました。これは平成十二年のファイルですけれども、八年前から有識者会議が行われて、最初のときから医療費助成、医療費助成ということをずっとおっしゃり続けたわけですよ。 それで、近々また患者の方々が二十万人の請願の署名、肝炎患者支援法をつくってくれという請願の署名も提出されると聞いております。それも肝臓病で苦しんでいる方々が、寒い中を患者の方々が署名を集めてこられているんです。つまり、この百二十六億円の医療費助成のお金というのは、命を削りながら患者の方々がやっと獲得されたんですよ、命を削りながら。 残念ながら、この天野事務局長も昨年お亡くなりになられましたよ。先頭を切って運動をされていた高畠日肝協会長もお亡くなりになりましたよ。みんなそうやって命を削りながら、医療費助成、医療費助成と言って百二十六億円を獲得したとき、みんな喜んだんですよ、やっと百二十六億円も医療費助成がついたと。それを半額余らせる。あんまりじゃないですか。半額、五万人分あったら、インターフェロン治療の治癒率七割、三万五千人の人の命が救えていた額じゃないですか。それを国庫に返すんですか。 御存じのように、インターフェロン治療というのは、ことし受けられなかったら来年というわけにいかないんですよ。受けられる時期というのが限られているんですよ。これは下手をしたら、いろいろなミスで、三万五千人の患者の方々の救える命が救えなかったという、三十五人じゃないですよ、三万五千人ですよ、ただで済む問題じゃないと思うんです。そしてこのまま、また来年やっても、また予算が余るんじゃないかと思うんです。 このことについて、もう時間ですので、最後に舛添大臣から、こういうことに来年は絶対ならないようにするという決意をぜひとも言っていただきたいと思います。
○舛添国務大臣 先ほど申し上げましたように、インターフェロン治療が進んでいないさまざまな理由がありますから、その一つ一つにきちんと対応していかないといけないということを今申し上げた次第であります。 それから、こういう形で肝炎の問題についての一定の進歩があったのは、山井議員初め厚生労働委員会の与野党の皆さんのお力で、みんなの力でここまで行ったわけでありますので、これはぜひ、与党の皆さんのお力も、また野党の皆さんのお力もおかりして、肝炎全体に対してどういう総合対策をやるのか、私は、政府が皆さん方の意見を聞かないでやったわけではなくて、全体の意見を徴しながらこういう形で落ちついたわけでありますから、さらにこの委員会でもよく議論をしていただいて、与野党超えて、さらに前に進める努力をしたいと思います。
○山井委員 最後に一言だけ発言させていただきます。 私が最も尊敬する政治家の一人である山本孝史参議院議員、がん対策法をおつくりになられましたが、あの方がいつも、政治の仕事というのは救える命を救うこと、これが政治の最大の使命だということをおっしゃっていました。今、与野党で修正協議も行っておりますが、この医療費助成、ぜひもっと安くするということと、B型に効く抗ウイルス剤、こういうものをしっかりと、ぜひとも医療費助成に加えていただきたいということを最後につけ加えまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○田村委員長 次に、内山晃君。
○内山委員 民主党の内山晃でございます。 雇用保険法の一部を改正する法律案につきまして、質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。逐条解説的に質問をさせていただきたいと思います。 雇用保険法改正案の第一条、第三項の「特定理由離職者とは、離職した者のうち、第二十三条第二項各号のいずれかに該当する者以外の者であつて、期間の定めのある労働契約の期間が満了し、かつ、当該労働契約の更新がないこと(その者が当該更新を希望したにもかかわらず、当該更新についての合意が成立するに至らなかつた場合に限る。)その他のやむを得ない理由により離職したものとして厚生労働省令で定める者をいう。」 長たらしく条文を読みましたけれども、特定理由離職者の定義というのがよくわからない。わかりやすく御説明をいただけないかと思います。よろしくお願いいたします。
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 特定理由離職者の定義でございますけれども、今回の改正案におきましては、倒産、解雇等以外のやむを得ない理由により離職したものとして厚生労働省で定める者を特定理由離職者といたしまして、今回は、被保険者期間が六カ月以上で受給資格を得られるようにすることとしております。 具体的には、期間の定めのある労働契約を締結していた労働者であって、更新を希望したにもかかわらず契約更新がなされなかった離職者、そのほか、配偶者の転勤等の正当な理由があって自己の都合により離職した者を定めることを想定しているものでございます。 これは、本人が更新を希望した場合の雇いどめ、それと、正当理由のある自己都合離職者につきましては、離職理由から考えて循環離職者となる可能性は少なく、受給資格要件としまして十二月を求める必要性に乏しいものであるため、当該理由による離職者につきまして、六カ月でも受給資格を得られるように特定理由離職者という区分を創設するものでございます。
○内山委員 労働契約の更新が明示されないで、更新を希望したにもかかわらず当該更新について合意が成立するに至らなかったとは、具体的にどのようなケースを指しますか。
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 更新が明示されない場合でございますけれども、これは、事業主と労働者の間におきまして、労働契約を更新することについて共通認識が形成されていない状態でございまして、例えば、雇い入れ通知書等におきまして、条件つきでの更新明示の場合でございますとか、更新する場合がある旨だけ明示されている場合、こういうことがこれに該当することになるわけでございます。 それからまた、労働者が契約更新を希望したにもかかわらず更新されないこととなった者としましては、労働者から契約更新を希望する旨の申し出があったが、事業主が契約を更新しなかったために離職した者を想定しているものでございます。
○内山委員 特定理由離職者の受給資格要件を被保険者期間が十二カ月以上から六カ月以上に緩和したらどのような効果が発生するのか、お尋ねをします。
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 先ほど申し上げたとおりの理由でございまして、六カ月でも受給資格要件を得られるように特定理由離職者という区分を創設したわけでございますが、これによりまして、雇用失業情勢が厳しい中で、雇いどめという形で離職を余儀なくされる労働者に対しまして必要な支援を行うことができるようになりまして、再就職につなげていけるものと考えているものでございます。
○内山委員 特定理由離職者に正当な理由がある自己都合離職者を含むこととなった理由は何でしょうか。ちょっと間に合いませんで、通告をしておりませんけれども、わかる範囲でお答えいただけますか。
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 正当な理由がある自己都合を加えた理由でございますけれども、これも更新が明示されないで、労働者が契約更新を希望したにもかかわらず更新されないこととなった者と同様に、こういう形のものにつきましては、十二月ではなく六月という受給資格要件によって必要な支援を行う必要がある、そういう方としまして、自己都合の正当理由のある者につきましても特定理由離職者としたものでございます。
○内山委員 受給者が雇用契約の更新を希望したかどうか、どのように国は確認をするんでしょうか、お尋ねをします。
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 特定理由離職者の確認でございますけれども、これにつきましては、労働契約の更新の明示があったか否か、あるいは、更新を希望したにもかかわらず契約が更新されなかった事実があったか否か、こういうことを確認する必要がございます。これにつきましては、事業主の方に離職証明書にこれらの事項の有無を記入していただきまして、ハローワークに提出していただくことによりまして確認することを考えているところでございます。 ただ、これらの事項につきまして、労使双方の主張に食い違いが見られる場合には、ハローワークにおきまして離職者本人から改めて事実確認を行うことによりまして、実態に即して判断をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○内山委員 これは、厚生労働委員会、平成十九年のときに、雇用保険法の改正で受給資格を六カ月から十二カ月というふうに変更をした経緯を私は今でもよく覚えておりまして、前回、自己都合離職者について受給資格要件を被保険者期間十二カ月以上と設定したことはやはり間違っていると私は思っていまして、今回の特定理由離職者の受給資格要件を被保険者期間六カ月で得られるように改正するならば、十九年のときに戻って、自己都合離職者も受給資格要件を六カ月に再度見直すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 前回の国会の御議論でございますけれども、正当理由のある自己都合離職者につきましては、平成十九年改正によりまして、特定受給資格者以外につきましては受給資格要件が十二月必要になったことに伴いまして、十二カ月未満で離職する場合につきまして、受給資格が得られなくなるという大きな不利益が生ずることとなったわけでございまして、御指摘ございましたように、国会での御議論を踏まえまして、暫定的に特定受給資格者として扱いまして、六月以上十二月未満で受給資格を得られることとしたものでございます。 しかしながら、今回の改正におきましては、六カ月で受給資格が得られるという特定理由離職者の枠組みを設けまして、正当理由のある自己都合離職者につきましてもこの枠組みの中で整理をすることとしたところでございます。 さらに、これまで特定受給資格者として扱われておりました被保険者期間六月以上十二月未満の正当理由のある自己都合離職者につきましては、雇用失業情勢が厳しい中で、激変緩和の観点から、暫定的に三年間、特定受給資格者としまして給付につきましては手厚い扱いを行うということでございます。
○内山委員 今の答弁、もう一度確認しますけれども、自己都合で離職した人の受給資格は何カ月ですか。
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 今申し上げましたのは正当理由のある自己都合離職者でございますけれども、自己都合全般につきまして十二月未満にすることにつきましては、やはりこれは循環的な離職を招くということで、自己都合全体を六月以上にするということにつきましては、私どもとしては適当ではないと判断したところでございます。
○内山委員 正当な理由がある自己都合離職ではなく、やめなきゃならない形でやめさせられる、逆に言うと、中小零細企業なんか、助成金や何かをもらうときに、解雇や何かにしなくて、みずから自己都合でやめたという形をとらされるケースが多いんですよ。そういうケースの人たちが、ここで不利益が生じるわけですよ。 だったら、十九年のときに十二カ月にするなんということをしなくて、今回いろいろとこうやって直すんだったら、循環的離職云々って、十九年のときもさんざんやりましたよ。雇用保険法の三十三条の給付制限があるじゃないですか。そこをもっとよく運用して、六カ月に直すべきだと私は思います。こういう離職者がいっぱい出てくるときにおいて、そもそも六カ月から十二カ月に不利益に変更したこと自体が私は間違っていると思うんです。大臣、いかがですか。
○舛添国務大臣 これは、十九年の改正のときに、今さんざん議論がありましたように、どういう理由で解雇になるのか、ないし離職するのかということで、前提としてハローワークにおいてきちんと、書類がどうなっていようと、事業主と労働者両方に聞いて、本当は解雇なのに自己都合と書かれるというようなことはきちんと是正をする、そういうことを担保した上でこれをやるということなので、一つの論理ではあろうというふうに思っております。
○内山委員 ここだけやっていますと終わりませんので次に行きますけれども、特定理由離職者を特定受給資格者とみなして所定給付日数を支給する対象期間を平成二十一年四月一日から平成二十四年三月三十一日までの三年間の暫定措置とした理由は何ですか。
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 三年間の暫定措置とした理由でございますけれども、暫定的に特定受給資格者としまして手厚い給付をするわけでありますけれども、現下の厳しい雇用失業情勢にかんがみ、この状況が三年は続くのではないかということを判断した上で、三年間という暫定措置にしたわけでございます。
○内山委員 お尋ねしますけれども、この厳しい状況は三年で終わるんでしょうか。
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 三年間という暫定措置でございますけれども、やはり、経済情勢、雇用情勢、大変厳しいわけでありますので、この三年の中で回復を図る努力をするという中で、三年という暫定の期間を定めたわけでございます。
○内山委員 一省庁の御努力だけでは、麻生総理も全治三年と言っているから、その三年を持ってきたんでしょうかね。やはり、先ほども菊田議員が言っていましたけれども、総理大臣としての見通しの甘さというのを私は非常に強く危惧しますね。 これで三年が経過したとき、その段階でさらに厳しい状況だったら、再度延長はするんですか。
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 三年という暫定措置でございますので、その時点での雇用失業情勢等あるいは再就職の状況全体を勘案しまして御議論いただいた上で、その時点で判断をするということになると思います。
○内山委員 延長もあり得る、こういうことだと思います。 次に、給付日数の延長に関する暫定についてお尋ねをしたいと思います。 受給資格に係る離職の日において、四十五歳未満で、雇用機会が不足をしていると認められる地域に居住している者に対し、一定の基準で公共職業安定所が就職が困難と認める場合は、所定給付日数を超えて基本手当を支給することができる、こうありますけれども、当該年齢を四十五歳未満とした理由についてお尋ねをします。
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 雇用保険の支給日数につきましては、年齢でございますとか、あるいは被保険者期間で異なっているところでございますけれども、特に四十五歳未満の方につきましては、日数が非常に短い、支給日数九十日の方が多いということでございまして、そういう方たちが特に雇いどめ等におきましてしわ寄せを受けているという状況もございますので、その九十日という短い支給期間ではなかなか再就職が困難であるということで、六十日間延長して、再就職の支援をしっかりとやっていきたいということでございます。
○内山委員 雇用機会が不足していると認める基準というのはどういう基準でしょうか。
○太田政府参考人 具体的には改正法が成立後に関係審議会において御議論いただきたいというふうに考えているところでございますけれども、例えば有効求人倍率でございますとか、あるいは有効求職者の数の問題、あるいは雇用保険の基本受給率、こういった要素がその地域の算定に当たっての基準になるのではないかというふうに考えているところでございます。
○内山委員 特定受給資格者以外の一般離職者に対して年齢が所定給付日数に考慮をされていない、そういう区分になっていると思いますけれども、それはなぜでしょうか。これも通告ができませんでしたが。
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 今回、給付延長について要件といたしましたのは、年齢要件、四十五歳未満、あるいは地域要件でございますけれども、一般的には一律に延長給付が必要であるというふうに判断しておりませんけれども、個別個別の事情によりまして受給資格者を個別に判断いたしまして、公共職業安定所長が給付日数を延長すると認めた者という基準もございますので、一般的には一律には延長いたしませんけれども、個別具体的な判断の中で延長ができるような制度も設けたところでございます。
○内山委員 公共職業安定所長は、当該受給資格者の知識、技能、職業経験その他を勘案して再就職のための支援を計画的に行う必要があるとは、どのような基準で判断をするんでしょうか。
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 具体的な基準につきましては、これも改正法成立後に関係審議会において御議論いただいた上で決定することとしておりますが、現在考えておりますことは、例えば、安定した職業についた経験が少なくて、離職または転職を繰り返していることでございますとか、あるいは、労働市場等の状況から見て、職種転換が必要であって職業につくことに時間を要すると認められるような場合、あるいは今御指摘のありましたような、知識、技能、経験等にかんがみ就職することが困難と認められることというようなことを考えておりまして、再就職がなかなか困難な方につきまして、個別具体的に判断して給付日数を延長して、再就職支援を図っていきたいという趣旨でございます。
○内山委員 これは、それぞれの全国の職業安定所長が判断をするんだろうと思います。一つの統一した基準というものがないと、地域によって格差がばらばらになってしまいますけれども、その基準というのがあるんでしょうか。それとも、安定所長の裁量に任されているんでしょうか。
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 雇用保険制度の運用につきましては、やはり全国統一的な運用が必要でございますので、基本的には、運用の基準を定めて実施してまいりたいと思っております。 今お話のございましたような給付日数の延長、個別具体的な判断につきましても、先ほど申し上げたような基準を改正法成立後に関係審議会で御議論いただきまして、基準を決めた上で省令改正等も行いまして、統一的な基準で運用を行ってまいりたいと考えているところでございます。
○内山委員 今回、改正案にある所定給付日数を超えて基本手当を支給する日数を延長すると、平成十二年に一たん廃止されました個別延長給付のようにならないだろうかと心配をしています。一時的な支給日数の延長効果が失業者の生活安定にどれだけ寄与するのか、非常に疑問を感じておりまして、再就職にどれだけ効果が出ると皆さんは予想されていますでしょうか。
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 今回の改正案におきましては、今御議論ございましたように、年齢、地域等を踏まえて、特に倒産、解雇や雇いどめによって離職をし、重点的に再就職の支援が必要な方に対しまして、個別に給付日数を六十日分延長することとしているところでございます。 一方で、先ほど御指摘のございました過去の個別延長給付につきましては、これは石炭鉱業等の事業規模縮小によって離職を余儀なくされました特定不況業種離職者等につきまして延長したものでございますけれども、平成十三年三月に廃止されたものでございます。 過去の個別延長給付は、限られた離職者を対象としていたものでございますけれども、今回の個別延長給付におきましては、雇いどめや倒産、解雇等による離職者でありまして、先ほど来御指摘のございます、四十五歳未満の者あるいは雇用機会が不足していると認められる地域に居住する者等のうち再就職が困難と認められるものについて、その対象としているところでございます。 一般的に、雇用保険の給付が切れた後二カ月ぐらいで半数ぐらいの方が再就職しておりますので、私どもとしましては、やはり六十日分ぐらいの延長をすることによって再就職支援が強化できるのではないかと判断しているところでございまして、一定の効果も見込めると考えているところでございます。
○内山委員 数値で、どのくらい救済されるとか効果があるとかというのは、おはかりになっていないのでしょうか。
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 具体的な数値で何%救済されるということでは試算はしておりませんけれども、先ほど申し上げたとおり、一般的に雇用保険の受給が終わった後に二月以内で再就職される方が半数ぐらいおられるという観点から、六十日分ぐらいの延長が必要ではないか。特に、先ほど来、四十五歳未満の若い方は九十日しか支給期間がございませんので、なかなか九十日では再就職ができない方もおりますので、六十日間延長することによって、かなりの効果が期待できるのではないかという判断の上で、六十日分の延長をお願いしているところでございます。
○内山委員 特定受給資格者だけが今回延長の対象となりまして、一般離職者は対象としていない。その点はなぜでしょうか。
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 今回、給付の延長の対象としている者は、いわゆる特定受給資格者と、先ほど御議論ございました特定理由離職者でございます。 一般の方につきましては給付日数を延長していないところでございますけれども、一般の方は、やはり基本的には自己都合によって離職された方でございますので、自己都合で離職された方と、倒産、解雇等によって離職された方とでは、やはり再就職の事情が違う、あるいは予見可能性も違うということで、特定受給資格者等につきまして給付日数の延長を図ったところでございます。
○内山委員 そんなにやはり自己都合でやめると不利益になるのかなと。先ほどからも言っていますけれども、やめたくなくてもやめざるを得ないというケースがあって、ここはやはり一般の方も、こういう厳しい状況であれば、自己都合でやめたとしても延長給付や何かの対象として考えてもいいんじゃないですか。厳しい状況ですよ、今。 そこはどう思いますか。もう一回、ちょっと考え方、少し直した方がいいんじゃないかなと思うんですけれども。
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 自己都合であるかどうかの判断につきましては、これは離職証明書の事業主の判断だけではなく、離職者本人からもしっかりと事実確認を行った上で、実態に即して判断をしっかりと行ってまいりたいと考えているところでございます。
○内山委員 次に、雇用保険料を引き下げる理由について大臣にお尋ねしたいと思うんです。 ことし一月の完全失業率は四・一〇%、有効求人倍率は〇・六七倍と、十四カ月連続して一を割り込んでいます。失業等給付関係収支状況は、一九九九年度の支出額約二兆七千八百億円に対して、二〇〇七年度の支出は約一兆四千九百億円で、不況と好況では二倍の差が生じています。 今、これから大変な状況を迎えようとしているわけですね、経済的にも。そんな中において、二〇〇九年度限りといえども、安易に保険料を引き下げている状況ではないと思うんですけれども。 さらに、厚生労働大臣は、衆議院の予算委員会におきまして、保険料を下げればそれだけ手取りがふえて景気回復に資する、そう答弁されているようでありますけれども、どうやって景気回復に資するのか、その辺をお尋ねしたいと思います。
○舛添国務大臣 雇用をしっかり守っていくという要請があるとともに、新しい雇用を創出することが必要であります。 そのためには、一定の経済成長をやっていかないといけません。日本国のGDPが五百兆円です。そのうち個人消費が約六割の三百兆円を占めます。ですから、企業の設備投資その他の経済活動はあるにしろ、最終的には、この六割を占める個人消費を伸ばすということから見れば、定額給付金などの制度というのが、この個人消費の刺激策としてある。 そういう意味では、公租公課、租税それから保険料について、これを減額するということは可処分所得がふえますから、それが消費に回れば、そこから景気の刺激を行い、それが新たな雇用を生む。こういうことの一つの要請に対して、〇・四%の引き下げ、しかし一年限りであると。 ただ、委員がおっしゃったような非常に厳しい雇用状況であるわけですから、そこは勘案した上で、しかし、過去の例を使って推定すれば、今のところはまだ潤沢にプールしているお金があるということで、雇用の創出、そして雇用を守る、この二つの要請をミックスした形の答えとして、政府の中でいろいろ議論をし、こういう形での決定となったわけであります。
○内山委員 雇用の創出とおっしゃられても、保険料率を千分の四引き下げて、月収三十六万円で計算すると、一カ月七百円程度、年に直せば一万円足らず、これで本当に効果があるんだろうか、こう思うわけでありまして、こういう引き下げることをするのであれば、より給付を手厚くした方がいいんじゃないですか。ここで一たん下げたら、次、一〇年度、上げられますか。ここは厳しいと思いますよ。どうですか、大臣。
○舛添国務大臣 雇用保険料を下げるということは、雇用保険を払っている人全体に均てんをいたします。給付の増大ということは、給付を受けている方々だけになりますから、その点が一つあると思います。 委員がおっしゃるように、一たん下げたものを上げるというのは極めて難しいと思いますが、そういうことの議論も、こういう問題点もありますということも、すべて政府の中で議論のときには、私は今のような点はきちんと申し上げ、最終的には麻生総理を初め、さまざまな閣僚がさまざまな見解を持っている中で、麻生内閣としての一つの政策のパッケージとして、こう決めるということでありました。
○内山委員 私でしたら、雇用保険なんかは下げずに社会保険を下げる、そう提案したいですね。健康保険や厚生年金、けたが違いますよ。こういうことを下げてくれれば、事業者だって相当助かりますよ。それに、被保険者、従業員だって減税効果がありますよ。さらには、消費税を下げる。対策はいっぱいあるはずだと思いますけれども、なぜこんな一番金額の低いところを下げて、下げましたとPRする意味がないような気がします。我々が政権をとったら本当に社会保険を下げたいな、そんなふうに思いますね。 それでは次に、育児休業給付の改正について質問をしたいと思います。 育児休業者職場復帰給付金を廃止して、育児休業給付を統合し、これを育児休業給付金とするとあります。育児休業給付金を休業期間中に今度は全額を支給するということにしましたけれども、その理由は一体なんですか。
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 育児休業給付は、労働者が育児休業を取得しやすくし、失業を予防するとともに、雇用の継続を援助、促進することによりまして雇用の安定を図るものでございます。 最近、育児休業取得率は上昇しているものの、出産を契機に育児休業を取得せずに退職する女性労働者はいまだに多いわけでございまして、雇用の継続の観点から、育児休業を取得しやすくすることが必要でございます。 こういうことを踏まえて、できるだけ収入の不安がない形で育児休業を開始できるようにするためには、既に一定の収入がある職場復帰後に給付を支給するよりも、全額を収入のない育児休業中に支給する方が効率的であると考えられることから、今回、給付を統合いたしまして、育児休業期間中に支給することができるようにしたわけでございます。
○内山委員 それでは、お尋ねしますけれども、職場復帰率というのはどのくらいでしょうか。
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 平成十八年度の数字がございますが、職場復帰率が八三・四%でございます。
○内山委員 休業後、職場に復帰しなかったら、もう全額払っちゃっているわけですから、育児休業給付金の一部を本人に返還させたりすることになるんでしょうか。
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 基本的には、育児休業期間中の収入を保障して不安のないようにするという形でございますので、仮に職場復帰がない場合、割合としてはかなり少ないとは思いますけれども、そういう方に対しまして返還を求めることは考えておらないところでございます。
○内山委員 先ほど、十八年度の数字で復帰率は八三・四%、だから一〇〇%じゃないわけですから、こういう人たち、五〇%として給付金をいただいてしまって、うまく考えればもらい得ということになってしまう人も出てくるんじゃなかろうかと危惧はしますけれども、大丈夫ですか。
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 先ほど申し上げたとおり、大半の受給者が職場復帰しているという状況、また、仮に復帰しなかった場合もやむを得ない理由によるものが多いと思われることを踏まえれば、必ずしも、給付が統合されて休業期間中に給付するからといって、給付を受けてすぐに離職する者が増加するとは考えていないところでございまして、むしろ、給付をすることによって収入を安定させて、育児休業中の生活保障をする方が適当であるというふうに考えたところでございます。
○内山委員 では、しっかりとその辺は推移を見守っていきたい、こう思います。 育児休業給付の額について、「当分の間、」こうありますけれども、なぜ当分の間なのか、お答えをいただけませんでしょうか。そして、五〇%というのはいつまで続くのか。
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 当分の間という形での暫定措置にしていることにつきましては、審議会の議論の中で、雇用保険の中で育児休業給付についてやるのが適当であるのかどうかというような議論、さまざまな議論がございまして、恒久的な制度にするよりも、暫定的な措置として当分の間にするのが適当であるというふうな議論になったところでございます。 当分の間につきましては、一定の期間ということについては定めておりませんので、さまざまな状況を勘案しながら判断をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○内山委員 そうすると、これはすぐやめるということもあるんですか。
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 この育児休業給付につきましての五〇%というのは、やはり生活保障の観点から大変重要なものであると考えておりますので、当分の間ということでございますので、少なくともすぐやめるというようなことは考えておらないところでございます。
○内山委員 安心しました。やはり審議会でもあったようでありますけれども、雇用保険の枠でこういったことをやっていていいのか。やはり抜本的に少子化対策として国がしかるべき力を入れてやるべきだな、こう私も強く思います。 続きまして、再就職手当金を計算する日額はなぜ基本手当日額を用いないのかということについてお尋ねをしたいと思うんです。 六十歳以上六十四歳未満の者は四千七百三十八円、それ以外の者は五千八百七十五円の単価で再就職手当金を計算しています。上限を設けて、それ以上の金額はカットされています。賃金日額から基本手当日額を計算する際においても上限をカットされているわけで、さらに再就職手当を支給する単価の上限をカットする、その理由は一体何ですか。
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 お尋ねの再就職手当金を計算する際の日額の上限でございますけれども、平成十五年の法改正において設定されたものでございます。 再就職手当につきましては、これは、失業中に一時的な生活保障をするものではないということで、あくまでも早期再就職のインセンティブを図るための奨励金としての性質を持った手当であることから、再就職へのインセンティブとしての効果を維持しつつも、過度に有利な給付とならないように上限を設けているところでございます。失業中の一時的な生活保障ではないという観点から上限を設けたということでございます。
○内山委員 これの根拠は何ですか。どの法律でそういう形になっているんですか。
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 雇用保険法の五十六条の二、「就業促進手当」で定められているものでございます。
○内山委員 社会保険適用事業所と雇用保険適用事業所数の乖離、数字を確認したいんですけれども。
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 社会保険適用事業所数が、平成十九年度末現在で百七十一万五千五百九十所でございます。一方、雇用保険適用事業所数が、これも平成十九年度末現在で二百二万四千七百二十二所でございます。
○内山委員 何で社会保険と雇用保険の適用事業所の乖離を聞いたかといいますと、今、公共職業安定所に求人の申し込みをするときに、社会保険の加入がないと、一時的な扱いで後は受け付けできない、こういう状況を聞いています。完全失業率が四・一〇、有効求人倍率が〇・六七、こういう時代において、安定所が、社会保険に加入していないと求人票の受け付けがうまくいっていない、ここを何とか緩和して、一時的にでも社会保険の加入がなくても受けるべきだと思うんですけれども、そこはいかがですか。
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 職業安定法の第五条の五のただし書きで、その申し込みの内容が法令に違反するときには、その申し込みを受理しないことができるというふうになっているところでございます。したがいまして、法令上、社会保険の加入義務があるにもかかわらず、社会保険の加入意思がないことが明確な事業主の求人申し込みにつきましては、今の規定に基づきまして、その事業主の求人申し込みを受理しないという取り扱いを行っているところでございます。 しかしながら、ハローワークにおいて、厚生年金などの社会保険に未加入の事業所から求人申し込みがあった場合、社会保険事務所に相談するように指導いたしまして、社会保険の加入を真摯に検討している場合には、受理しているところでございます。
○内山委員 大臣に最後にちょっと今の件でお尋ねしたいんですけれども、御意見でも結構ですけれども、社会保険に加入していないと実際には法令違反で、安定所で求人票を受け付けない、しかし、一回は受け付けるけれども更新はしない、そういう扱いをぜひ少し今とめてもらえませんか。有効求人倍率が〇・六七なんという数字なんですから。求人を出したくたって使えないという事業所があるわけですよ。何とか、今、内部でできることですから、やっていただきたいんですけれども。
○田村委員長 舛添厚生労働大臣、簡便にお願いいたします。
○舛添国務大臣 ただ、社会保険というのはきちんと全事業所が入ってもらわないといけないので、入らないことのインセンティブになってもまただめだと思いますので、そのことをしっかり原則にしながら、委員の御意見も念頭に置いて、何かできることがあるかどうか検討させていただきます。
○内山委員 ありがとうございました。終わります。
○田村委員長 次に、郡和子君。
○郡委員 民主党の郡和子でございます。 三十五分という時間ですので、早速質問に入らせていただきます。 午前中からいろいろな議論が行われてきたわけですけれども、私は、失業者に対する受給者実員数の推移からお話を始めさせていただきたいと思っています。 今皆様方のお手元に資料を配付させていただきますけれども、完全失業者の方々で雇用保険の基本手当を受給している人がどれだけいるのか、受給者の実人員ですけれども、この割合が、七〇年代の後半から八〇年代の後半までは五〇%ぐらいで推移していたんですね。それが九〇年代の半ばぐらいからは徐々に下がってまいりまして、二〇〇二年ぐらいから、ごらんいただきましょう、二割でございます。つまり、捕捉している人が二割しかないという状況。二〇〇二年以降特にそれが顕著になっておりますし、また、実際受給した人の数は、二〇〇一年のあの厳しい状況の折に百十一万人受給したというのを最高に、その後ずっと減っております。 失業者に対する基本手当というのは雇用保険の本当に基本的なセーフティーネットだと思うのですけれども、全失業者に対してたった二割しかこの手当が行き届いていない状況、これをどういうふうにとらえていらっしゃるのでしょうか。それからまた、その背景にある構造的な原因というのはどういうふうに見ているのか、まずお尋ねします。 〔委員長退席、西川(京)委員長代理着席〕
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 御指摘のとおり、完全失業者数に占める雇用保険受給者実人員の割合は低下して、二割台となっているところでございます。 この完全失業者、例えば平成二十年ですと二百六十五万人でございますけれども、その中には、雇用されていた労働者が失業した場合というのが百八十九万人ございますけれども、働いていなかった者が新たに仕事を探し始めたとか、あるいは自営業で廃業した方が働きに出る、あるいは学卒未就職者の方がおられるということで、働いていなかった方、あるいは自営業で廃業したという方が七十二万人ぐらい含まれているところでございます。 一方で、雇用保険の受給者実人員は、雇用され被保険者であった労働者が失業し、失業給付を受給している人の人数でありまして、必ずしも一致した形での比較ができるわけではないと考えております。 一方で、雇用者数に占める被保険者数の割合は七〇%台で推移しているところでございまして、雇用保険が、労働者が失業した場合の一定期間の生活を保障し、求職活動を支援するためのセーフティーネットとしては機能を果たしているのではないかと考えているところでございます。 ただ、御指摘ございましたように、ずっと時系列的に低下してきているという背景には、大きく二つありまして、一つは、昭和五十九年の制度改正によりまして、高年齢者の失業者で雇用保険を受給した者は受給者実人員から統計上除かれるようになったということ、もう一つは、労働市場における就業形態の多様化、非正規の方々がふえている、こういった要因が考えられるのではないかというところでございます。
○郡委員 さまざまな分析をしていただいて、雇用の状況が大分変わってきているからだ、非正規がふえてきているからだというようなことも言及をされたわけです。この中には、先ほどちょっと局長の説明にもありましたけれども、もともと仕事をしていない人が仕事を始めるというようなこともあったり、あるいはまた失業が長引いているというふうなこともありましたが。 次に、資料二は、失業期間別失業者数の推移というふうにまとめられたものです。総務省の労働力調査から持ってまいりました。これは二〇〇六年までの数字なんですけれども、実に二年以上の方々も、かなりの割合ふえているというのがおわかりいただけると思います。一年以上の失業者の割合が二〇〇〇年ぐらいから徐々に上昇いたしまして、二〇〇六年でいいますと、二年以上の比率が三二・七%、九十万人が一年から二年以上ということになっています。 失業者の失業前一年間の就業形態というのを見てみますと、これは、正規であった人が失業したという割合は減っておりまして、かわって何がふえているかといえば、それこそ職がなかった者、それから非正規雇用からの失業、この割合がふえているということなんですね。 そして、受給者の実人員の推移というのが、これは当たり前といえば当たり前なのかもしれませんけれども、正規雇用からの失業者数の増減とまさしく一致をしているということです。つまり、今申し上げましたように、雇用保険の受給の恩恵にあずかっている人たちは正規雇用の人たちがほとんどを占めているということになりまして、この形骸化、受給率が下がっているということは、就業形態の変化が大きいということだと思います。 厚労省の平成十九年の就業形態の多様化に関する総合実態調査によりますと、契約、嘱託、出向、派遣、臨時雇、パートなどのいわゆる非正規の雇用保険の加入率は六〇%でありました。そのうち、派遣は八二・四%、契約が八一・九%、パートは四八・一%、臨時雇が三〇・七%であります。 舛添大臣の、昨年十一月十四日のこの委員会の答弁だったかと思いますけれども、非正規労働者千七百三十二万人のうち、雇用保険の被保険者と推定される者の数を七百二十六万人、四二%というふうにお答えになっていらっしゃったかと思います。資料の三でもつけましたけれども、これを見ていただいてもおわかりいただけることだと思います。 こうしたことを見てみますと、つまり、雇用保険制度の失業者への生活保障機能の低下の構造的な要因の一つは、まさしく雇用形態の多様化でありまして、非正規労働の増加が、この雇用保険の被保険者になる資格に欠ける人、あるいはまた受給資格に欠ける人、それから未加入の人の増加であるというふうに言えると思うんですが、いかがでしょうか。そして、それが雇用者に占める被保険者全体の比率の低下、そしてまた失業者に対する保険の受給率の低下にもつながっているというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○舛添国務大臣 完全失業者に占める受給者人員の割合の問題ですけれども、先ほどの統計上の、五十九年の改正もあります。ただ、今委員がおっしゃったような就業形態の多様化、非正規という働き方、これもやはり大きいというふうに思っております。 そういうことで、今後の対策としては、セーフティーネットをそういう方々にも拡大していくということが必要だというふうに思っております。
○郡委員 非正規の方々がふえたということが一つの原因だということはお認めになった上で、そこのところに対応するために枠を広げるというふうなことをお話しなさったのだと思いますけれども、今回の政府案の対象枠の拡大ではまだまだ不十分であると申し上げなくちゃいけないんだろうというふうに思っています。 厚労省の資料によりますと、これは資料の四番目につけさせていただきましたけれども、午前中だったでしょうか、議論にもなっておりました。二〇〇七年度の雇用者五千五百六十一万人のうち、雇用保険の適用除外であります会社の役員でありますとか、六十五歳以上の方ですとか、公務員を除いた雇用者というのは四千六百九十一万人。このうち、雇用保険の被保険者の数が三千六百八十五万人で七八・六%。そして残りは、雇用保険に加入していないその他の雇用者、千六万人でございます。 この千六万人のうち、今回、枠を広げようということになったのがここに掲げられている百四十八万人、網かけで表示されているところですけれども、百四十八万人。雇用期間六カ月未満の三百四十四万人は、依然としてこの枠外に置かれてしまうわけです。ここが大きな議論になっておりました。私ども野党案との大きな違いがここでございます。 週の所定労働時間二十時間以上の雇用者で、雇用期間六カ月未満の労働者、三百四十四万人というふうに発表されたわけですが、さらにこの中に、厚労省は「労働者派遣契約の中途解除に係る対象労働者の雇用状況について」という資料も発表されていますけれども、その中では、契約期間が三カ月以内が何%を占めていましたでしょうか。四一%だったはずです。さらに、NPOの派遣労働ネットワークのアンケート調査によりますと、契約期間三カ月が四〇・三一%、六カ月未満が五三・〇八%と過半数に上っているわけですね。 私どもは、原則として、やはりすべての雇用される者を雇用保険の対象としてセーフティーネットを張るべきだというふうに考えております。適用要件と失業給付の受給要件というのは切り離して、原則として、すべての働いている人たちを雇用保険の適用対象者にすること、もっと政府の案を緩和すべきではないかと思いますが、重ねていかがでしょうか。 〔西川(京)委員長代理退席、委員長着席〕
○舛添国務大臣 一年を六カ月まで緩和する、さらに三十一日以上をどうかということで、政府の案と野党の皆さん方の案が違っているわけでありますけれども、何度も申し上げていますように、どれが一番いいバランスかというのは、モラルハザードがあったり、保険金を払っただけで掛け捨てになる方がおられたり、それから循環的な形での離職、就職を繰り返す方がおられたりということなので、私たちは六月ということかなというふうな形で御提言申し上げている次第であります。
○郡委員 掛け捨てになるという指摘は必ずしも正しくはございません。私どもの提案させていただきました法律案では、履歴が残ることになりまして、通算して換算することができるわけであります。たとえ三カ月でやめることになったとしても、その後雇用がかなって、そしてその後三カ月勤めれば、その方は受給資格を得るということになるわけです。ですから、必ずしも掛け捨てだというふうなことではございません。 政府案の場合ですと、そもそも、六カ月の雇用期間が見込まれたという前提で雇用されて適用対象になったとしても、途中でやめた方は払われないわけですね。この方も、結局は、政府の案こそ掛け捨てになるというふうなことが言えるんじゃないでしょうか。 午前中の議論の中でも欧米諸国の話がちょっと出ておりました。では、欧米諸国はどうなっているのかというのを資料の五で、国際比較ということでお示しをさせていただいたものがございます。 失業保険制度におきまして短時間の労働者を適用除外としている国というのは、この中で、週十五時間未満の労働者は適用除外としているドイツぐらいなものなんですね。失業給付の受給要件に月間労働時間の制限を設けているスウェーデンを含めて、適用除外としている国はほとんどないわけです。こういう状況をごらんになって、いかが思われますでしょうか、舛添大臣。
○舛添国務大臣 これは諸外国の例で、そこにありますようにアメリカだと、例えば賃金支払い総額が千五百ドル以上、または一人以上の労働者を暦年で二十週以上雇用する事業主に雇用される労働者のみに適用という、そこに書いてあるほかの対象条件が一応ありますし、スウェーデンは任意加入ということになっておりますので、それぞれの国がそれぞれの状況に応じてということでありますので、参考にはしたいと思いますけれども、必ずしもすべてが日本の状況に当てはまるわけではないというふうに思っております。
○郡委員 しかし、やはりこの際、先進各国がどのように雇用保険をとらえているのかということをまた改めてしっかりととらえ直すべきではないかというふうに私は思っております。後々この話はさせていただきます。 次に、先ほどお示しをさせていただきましたその他の雇用者、千六万人ですね。このうち、今回、短時間労働者の適用基準の見直しで新たな対象になられる百四十八万人ですけれども……(発言する者あり)本当にそうですね、今、少ないという声が上がりましたが、大変少のうございます。残る七割が対象外なわけです。この六カ月未満のいわゆる短時間労働者もやはり被保険者資格に含めるべきだということを、これは改めて申し上げるだけにとどめさせていただきたいと思います。 なぜ、こういうふうに短時間労働者のところで雇用保険に入れないくくりが出てきたのかということをいろいろと考えさせていただきました。 この間いろいろ議論にもなっておりましたけれども、日本の雇用保険のあり方というのが、みずからの労働によって賃金を得て主たる生計を立てている労働者が失業した場合の生活の安定等を図る制度ということで、主たる生計者が失業した場合のリスク分散制度、保険制度であるということなのだと思います。ですから、これまで日本がとってきた終身雇用制度、生活給的な年功賃金制といった、いわば日本の慣行的な、働く男性、正社員、そういうものを前提とした制度だったのだろうというふうに思います。 労働者は、その収入で世帯の主たる生計を賄っていることが大前提だったわけですから、当時の非正規労働、主婦パートですとか学生アルバイトというのは主たる生計を担うものではないということで、いわば同種類の偶発的な事故による危険の分散を図るためのこの制度にはふさわしくないということで、これは外されていたというふうに考えます。 ところで、今、雇用者の三四・一%が非正規の雇用者であります。この制度からもともと除かれてきた制度の賃金体系におられる方なわけですね。その方々ですけれども、では、本当に生活を賄っていらっしゃらないのでしょうか。 平成十九年の就業形態の多様化に関する総合実態調査によりますと、非正規社員の四五・四%が、自分自身の収入を生活を賄う主な収入源であるというふうに答えられております。また、非正規社員のうち、男性の七七・二%は自分自身の収入であるというふうに答えています。また女性も、二六・七%が自分自身の収入で、六三・二%が配偶者の収入となっています。就業形態別では、派遣社員七〇・五%、契約社員六八・六%、この方々が生活費の主な収入源に御自身の収入を充てておられるわけですね。これをどういうふうにごらんになりますでしょうか。 また、ちょっと違う見方をしてみたいと思います。みずからの収入が家計の生計費を賄う主たる収入でなければ、つまり、従たる収入、家計補助的な収入である労働者というのは雇用保険で保護されなくてよいものなのでしょうか。 今、保育園では待機児童が急増しておりますね。この不況下で、主たる収入が減ったりその稼ぎ手が失業したりして、配偶者や被扶養者が生活防衛のために就労する必要に迫られているというふうな背景も十分に考えられるわけです。幾ら家計補助的な収入であっても、その世帯にとってはやはり欠くべからざる必要な、死活的な収入であって、労働になっているわけです。まして高度成長が見込まれない今、夫婦共働きで世帯の生活を支えていかなくちゃなりません。 この日本型雇用慣行を前提とした雇用保険制度の設計図というもの、とりわけ適用対象というものの見直しがやはり必要なんだと思うのですが、いかがでしょうか。
○舛添国務大臣 男性でも女性でも働いているのが、家計にとって主たるものか従たるものかは、雇用保険制度とは全く関係ないというふうに私は思っておりますし、日本型の雇用慣行のいいこともありますが、ある段階からさまざまな、もうさんざん議論しましたのでそこは申し上げませんが、さまざまな非正規の、特に派遣のような働き方が出てきました。 そういう中で、例えば個々の働いている方について言ってみますと、パートをやっているお母さんがおられる、いや、それはパートもすべてみんな救うんですよということで雇用保険適用ということになりますと、時間給八百円とか八百五十円で働いている、その中から雇用保険料を取られるので、それじゃなくて、私は入らなくていいから、保険料を引かれない方がいいという答えもあり、それは学生のアルバイトの場合もそういうこともあると思います。 そこは主たるか従たるかということではなくて、一応、その六カ月というのは、やはり私は基本的に、恒産なければ恒心なしと常に申し上げているように、常用型で期間の定めのない働き方を基本とすべきである。しかし、今言ったように、家計の事情や何かで、さまざまな多様な働き方もこれはまた許容していいだろう。そういう中で、どこまで雇用保険でカバーするのか。個人の立場から見ると、どこまで雇用保険を払う義務があるのか。諸外国によっては、それこそ労働者の負担を、今の日本のようにフィフティー・フィフティーじゃなくて、労働者分を二割にして事業者分を八割、こういうのも一つの制度設計であり得ると思います。 さまざまな議論はあると思いますけれども、私は、感想を求められれば、そういうように思っております。
○郡委員 この議論、日本型の年功序列型の生活給的な賃金体系がどうなるのかですとか、それから雇用形態のあり方としてどういうふうにあるべきなのか、こういうふうな大変幅広い議論になろうかと思うんです。 次に、資料六、七、八とちょっとお目通しをいただきたいと思います。 まず、日本は、初等教育にしても中等教育にしても高等教育にしても、あらゆる教育段階で公的な支出が大変少ないということをあらわした資料六のグラフです。それから資料七は、住居、水光熱費の支出というのも日本はほかに比べて突出して高いんだ、全消費の四分の一も占めているんだということをお示ししたものです。資料の八番目は、失業給付のみならず社会扶助制度、そして社会保障のあり方として、住宅にも対応しているのだよということをあらわした表もつけさせていただきました。 今申し上げましたように、日本は、教育費も住居費も高くなっているのを年功型賃金制度で賄ってきたというふうなことが言えるんだろうと思います。欧州の諸国では、拠出制の失業給付と社会扶助、日本で言う生活保護だろうと思いますけれども、この間に一般財源で失業扶助制度を設けていて、さらに全体をカバーしている住宅の扶助制度、ここには光熱費、暖房費等も含まれているところもあるようなんですけれども、こういうものもカバーをしているんですね。 失業扶助の制度の中では、失業給付の期限が終了した者、それから若年者などの受給資格がない方もカバーをしている国が多いということがわかると思います。就労可能な人たちには、現金給付とリンクをさせて、就業訓練などによって就職を促進して、できるだけ労働市場に参入させていくという考え方でこれら全体が運用されているわけです。 私たちは、こうした新しい雇用、社会政策への転換ということを目指しまして、このたび、住宅と仕事の確保法案、それから求職者支援法案、こういうものを提案させていただいているわけです。政府も、この経済危機にあって、日本の失業保険のあり方、社会保障をどういうふうに考えていくのかということもぜひ考えるべきであると思うのですが、これについては、大臣、いかがでしょうか。
○舛添国務大臣 私は、若いときに複数のヨーロッパ諸国で生活をして仕事をしておりましたので、生活体験として、非常に社会保障が進んでいるなと、特に北欧諸国などにおいて感じております。 ただ片一方で、問題は給付と負担のバランスで、負担もやはり重くなります。これをどう見るのか。例えば、消費税が二五%になってもそれだけの社会保障のネットワークはある、これを国民が認めれば、それはスウェーデンのようなことできちんとやれると思いますけれども、そこをもう少し国民的な議論をやる必要があるんだろうというふうに思っております。 それからもう一つ言えば、例えばドイツのような、これは西ドイツの時代ですけれども、政権交代というのがあって、CDU・CSUからSPD、社会民主党の政権に入る。そういう中で、ミットベシュティムング、つまり共同決定法のようなことはそういう政権のもとで行われる、そのことが非常に社会政策を進めることもありました。 ですから、ヨーロッパのこの経験からいろいろ学ぶべきことも確かに今おっしゃるようにあると思いますので、そういうことを総合的に、最後は、給付と負担のバランスについての国民の御理解をどう得ていくのか、コンセンサスをどう形成していくのか、そこに尽きるんだろうと思っております。
○郡委員 私は、今すぐ教育の補助をしろだとか、住宅の補助をしろというふうには言っておりません。将来の国の形としてどうあるべきかという議論をやはりしていくべきなんだろうというふうに思っております。 民主党といたしましても、教育に関しては、高等教育に関して、公立の高校の無償化ということも申し上げております。ほかの国に比べて、家族政策費がGDPに対する割合で大変低いことについても、家族政策費としてしっかりと充てるべきだということも盛り込ませていただいた上で、喫緊の課題としては、今回せっかく雇用保険法の改正に当たって、この入り口のところで規制をしていくということが本当にいいのですかということを改めて申し上げたくて、今のようなことをお話しさせていただいているということを御理解いただきたいと思います。 もう一つ、マルチジョブホルダーについて、今回、政府案には全く一言も触れられていないというのが大変残念でございます。 きょう私はまた資料を入れさせていただきましたけれども、マルチジョブホルダーの推移というのをごらんいただきましょう。 私も大変びっくりいたしました。二〇〇二年から二〇〇七年にかけて何と急増していることでしょうか。百二万九千人の方々が二つ以上の職についているということです。週の所定労働時間二十時間以上の短時間就労者以外に、二十時間未満の中にこのマルチジョブホルダーの皆さんたちが含まれているわけですね。五年間で二十一万四千人ふえています。 その次の円グラフですけれども、これは母子家庭の皆さんたちが調査したものですけれども、特に母子家庭の母親のマルチジョブホルダーというのはすごく多いんです。一八・五%です。短時間就労の一つ一つが、家計補助的どころか、まさに生活を支えている命綱になっているということが大臣にもおわかりいただけるだろうというふうに思います。一事業所においての週労働時間が二十時間未満であっても、複数の事業所で仕事をかけ持ちしているいわゆるマルチジョブホルダーの中には、複数の労働時間を合わせれば適用要件を満たしていて、雇用保険制度のセーフティーネットを必要としている労働者がいるということであります。 私どもの法案につきましては、マルチジョブホルダーについて早急に検討をしていくということをしっかりと書き込ませていただきました。政府部内でも、いろいろ審議会で議論にはなっているようですけれども、今回、なぜ雇用保険改正法の中にこれを盛り込まなかったのでしょうか。やはり早急に検討すべきだと考えますが、いかがでしょう。
○舛添国務大臣 今、委員御承知のように、主たる職について雇用関係ということをやっておりますけれども、通算してどうするか、さまざまな問題点があると思います。しかし、これはやはり検討していかないといけない課題だと思っておりますので、早急に検討したいと思います。
○郡委員 それから、まだちょっと時間があるようなのでもう一問。 途中飛ばさせていただきましたけれども、小規模事業所の皆さんたちが雇用保険に入っていないケースが多いというものを、資料十として挙げさせていただきました。実際に加入申請している適用事業所の割合というのは七割なんですけれども、小規模事業所ほど極端にその割合が低くなっているというふうな推計がございます。雇用保険の資格申請は雇用主にゆだねられているわけですけれども、事業規模による加入についての特例がないので、こうした傾向があるのは、事業主が雇用保険料の負担というのを回避しようとされている結果ではないかというふうに指摘する声も上がっているぐらいです。 雇用保険の加入率を上げるために、労災保険と雇用保険の徴収業務を行っている労基署と、そしてまた雇用者の資格申請を受けているハローワークとの連携強化が必要であって、ハローワークの体制拡充、これも本当に重要なのだろうというふうに思いますが、いかがでしょう。
○舛添国務大臣 公務員については、全体の公務員削減という大きな政府の決定のもとに、毎年減らしていかないといけない、そういう状況でありますが、その中で、相談員というような形で人数をふやすということでやっておりますので、今後需要がますます増すと思いますので、体制拡充、全力を挙げてまいりたいと思います。
○郡委員 その公務員削減の影響を受けてしまう一般の国民の皆様方にも大変申しわけないという、何とも私も奥歯に物が詰まったような言い方になりますけれども、ぜひここは大臣に頑張っていただいて、拡充に努めていただきたいというふうに思います。 そしてまた、百年に一度の大変な危機ということですけれども、逆に言えば、この危機だからこそ新たな形に転換できるよいチャンスでもあるというふうにとらえております。そういう観点で議論をさせていただきたいと考えております。 ありがとうございました。
○田村委員長 次に、高橋千鶴子君。
○高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。 一月の予算委員会のときに、私は、三月までに解雇、雇いどめを予定されている非正規労働者のうち、厚労省の調査では九九%が雇用保険加入要件を満たしているけれども、実際に受給できるのはどのくらいかという質問をいたしました。それで、二月度の報告の中でこの調査がされたようで、把握できた離職者三万六千百四十六人のうち、受給資格ありと推定できるのが三万一千六百八十人、八七・六%というものでありました。 これは、先ほど山井委員が示した資料にもあったように、いわゆる解雇が圧倒的であったことなどが率を上げたということもあるかなということや、あるいは、この一〇%の差は何なんだろう。年末に契約をされて二月に切られたという人もたくさんいます。そうしたこと、さまざまあると思いますが、どのように分析をされているでしょうか。
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 今お話ございましたように、今回は、雇用保険の適用だけでなくて、受給状況についても調査をしたものでございます。四万人のうちの離職者が三万六千百四十六人ということでございまして、それで、受給資格決定している者、あるいは就職している者等々ございますけれども、被保険者であった期間等から受給資格ありと推定した者が八七・六%でございます。 残りの一二、三%につきましては、やはり受給資格の被保険者期間、自己都合の者につきましては離職前二年に十二月、それから会社都合で離職した者につきましては原則離職前一年に六カ月以上、これを満たさない方がおられるのではないかと考えております。 特に今回は、期間満了で更新を希望した者につきましては受給資格の要件緩和をしておりますので、こういう今回の法改正で、さらにカバー率を上げることができるのではないかというふうに考えているところでございます。
○高橋委員 カバー率が上がるであろうということは間違いなくあると思うんです。ただ同時に、今お話があったように、短い期間で雇用されている方たちが対象にならないということが先ほど来議論されてきた。さらに、今資格があるだろうと、実はこれは想定の話でございますので、実際に給付に結びついたかどうかはその後の検証が少し必要ではないかという点で、もっともっとこれは議論を深めていく必要があるだろうということを指摘しておきたいと思います。 次に、本会議でも質問した自己都合離職について少し伺いたいと思うんです。 先ほど内山委員からの指摘もございました。再就職の準備期間がない解雇などと、あらかじめ想定できる自己都合とは区別が必要だ、これが区別している趣旨なんだというのが答弁の内容ではなかったかなと思うんです。私は、理論上は自己都合に当たるけれども、区別する必要がないと思う事例が実は多いのではないか、ここをどうするかということを考えたいと思います。 同じ答弁はしなくていいですから。要するに、会社が離職の理由を書いたときに、本人が納得するかしないかというのを書くところがあります。それをハローワークがちゃんと見るということを皆さんは今までおっしゃいました。しかし、問題は、確かに自分で書いた、でもそれがどういう中身なのかということ。 例えば、福島県労連などが二月にハローワーク前で行った調査では、三割、自己都合の方がいました。出社が嫌で嫌で精神も壊れてしまった、有休もなく給料も上がらず、ボーナスもなくなり、休日出勤、時間外もただ働き、やりがいがなくなり、思い出すのも嫌だと。嫌だからやめたかもしれません、しかし、その背景があるというお話。 本当はやめたくなかったが、結婚したらやめなきゃいけないという無言の圧力があった。上司がかわり、能力以上の仕事を命じられ、精神的に追い詰められ、やめざるを得なかった。あるいは、北海道ではこんな話がありました。企業から自己都合の方が再就職のときに有利だよ、こう言われたので、そうかなと思って書いてしまった。後で後悔している。こういう話もたくさんあるんです。わかっているはずです。 みずから決意してやめたといっても、背景にさまざまな要因があり、みずからというだけで要件も給付も差をつけられるのはひど過ぎるのではないでしょうか。
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 一般的には、正当な理由のない自己都合離職につきましては、いわば自発的な失業でございまして、安易な離職により循環的に基本手当を受給することを防止し、再就職促進を図る観点から給付制限を設けているところでございまして、雇用保険制度の趣旨にかんがみれば、今後ともこういう仕組みは必要なものと考えているところでございます。 ただ一方で、こうした給付制限や受給資格など雇用保険に係る取り扱いにつきましては、離職理由によって異なることとなるために、この離職理由の判定を的確に行うことが非常に重要であると認識しているところでございます。 このため、事業主がハローワークに提出する離職証明書につきましては、離職者本人が記載内容について確認し、署名または捺印することになっているとともに、事後に離職者が離職理由等に異議を唱えた場合には、ハローワークにおきまして、離職者と事業主の双方の主張を十分聴取した上で、実態に即して判断しているところでありまして、今後とも、御指摘いただきましたように、離職理由につきましては的確に判断するべく取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
○高橋委員 今の的確な判断ということを、今私がお話ししたような事例にかんがみて、逆に、的確というよりも柔軟に対応、そういう立場で指導を徹底していただけますか。
○太田政府参考人 離職者の方の主張を十分聴取した上で、的確かつ柔軟に判断をしていきたいというふうに考えているところでございます。
○高橋委員 どうしても的確というのが出てきて、的確というと、どうしても渋る方向に行かざるを得ないような響きがあるんですね。ここをちょっと言っておきたいと思うんです。 私は、入り口のところでぎりぎりと絞らなくても、その後のところで十分給付制限ということがございますので、意図的に離職をして循環的にとか、そういう方たちはおのずと排除されていくのだ、だからそこで間口を狭くしなくてもいいのだということを重ねて指摘をしたいと思います。 病気になってやめる人も大変多いんです。特に、派遣先を転々とさせられた若い人が心を病んで働けなくなってしまう、そういう相談も多いです。そうしたときも、やはり自己都合だということで待期をさせられます。それどころか、働けなければ失業者にもなれません。今日のとりわけ非正規労働者の置かれている状態から見れば、これも厳し過ぎるのではありませんか。
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 今お話ししたように、例えば病気で働けないような場合には失業者でございますので、その点につきましては、雇用保険の受給資格等も判断しまして必要な給付を行うとともに、再就職の支援を的確にやっていきたいというふうに考えているところでございます。
○高橋委員 そんなことを言わないでくださいよ。受給資格者のしおりを見ながら聞いているんですよ。「「積極的に就職しようとする気持ち」と「いつでも就職できる能力(環境・健康状態)」があり、「積極的に就職活動を行っているにもかかわらず、職業に就くことができない状態」」これが失業の状態なんだと。つまり、失業だと認定されるまでに大変なハードルがあるんです。 そして、「次のような状態であるときは、失業給付を受けることはできません。」その一番目が、「病気やけがのため、すぐには就職できないとき。」と書いてある。 心を病んで仕事をやめざるを得なくなって、そして入院やあるいは治療に専念したいというときに失業給付を出せないという、それが実態じゃないですか。そこを指摘しているんです。 ちょっと時間がないので続けますよ。 そこで、私、少し提案をさせていただきたいんです。例えば三野党の提案では、任意継続被保険者の保険料減免を提案されています。ただ、保険料を減免されただけでも、治療生活に専念できるかというとやはりなかなか難しい。そこで、〇六年の医療制度改革のときに、任意継続の被保険者の中で傷病手当が受けられていたのに、これが除外されました。これを前に戻して、減免制度とあわせて、やはり安心して治療できる、これを考えるべきではありませんか。
○水田政府参考人 傷病手当金についてのお尋ねでございますけれども、この給付は、健康保険の被保険者が傷病によりまして労務に服さなかったことによる所得の喪失または減少を補いまして、生活の保障を行うことを目的としたものでございます。 御指摘の平成十八年の健康保険法の改正におきましては、傷病手当金の支給水準につきまして、賃金の六割相当額から三分の二相当額へ充実を図ったわけでございますが、その際、その本来の目的に照らしまして、そもそも労務に服していない任意継続被保険者に対する支給についてはこれを廃止したものでございまして、御指摘のようにこれを復活させるということは、考えてございません。 なお、一年以上被保険者であった方でありまして、在職中に傷病手当金を受けていた方が退職した場合につきましては、任意継続被保険者となるかどうかを問わず、退職後も継続して、支給開始から最大一年半の間、傷病手当金を受給できることとされております。
○高橋委員 一度やめたものを復活せよといって、一回でいい答弁が来るはずはありませんので、これはぜひ検討していただきたい。 そして、大臣にこの点で少し御感想をいただきたいんですね。 病気になってやめたら失業給付が受けられない。これは、病気であって無理やり求職活動をしていれば一定の手当が出ますけれども、しかし、入院したりとかすれば当面は出ないわけですよね。こういう状態の中で、今言ったような任意継続も切られた。しかし、今は、首切りされ、住まいの確保もできないような方たちが国保にすぐ加入して保険料を払って、そういうことは考えにくいわけですよね。大量に無保険者が出るだろう。何らかの形で医療制度についても手当てが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
○舛添国務大臣 基本的に、雇用保険ということがどこまでセーフティーネットとしてカバーするかという問題に尽きるというふうに思いますので、一定の制限はある、しかしそれ以外でさまざまなセーフティーネットがあるわけですから、そういうものを重層的に張りめぐらして、困っている人を救うということが必要だというふうに思っております。
○高橋委員 一定の期間休んだらちゃんと仕事をしたい、そう思っている人たちにもやはりチャンスを与えるべきだと思います。再就職が雇用保険の目的である、その観点に立って、早く再就職するんだと非常に追い立てられてきた、そうした中で、なかなかそういう気持ちも受け入れていただけないことがあるのではないでしょうか。 やっと失業給付の資格があると認めてもらってからも、さらに認定というハードルがございます。月一回認定日があるわけですけれども、月二回以上求職活動をしていることを証明することや、アルバイトなど仕事をすれば手当を受けられません。 この資料を見ていただきたいと思います。これは、九五年から二〇〇七年までの完全失業者の数が、二百十万人から二百五十七万人と四十七万人もふえているのに、失業保険の受給者は八十二万五千人から五十六万七千人と減っており、率にすると一七%も受給率が落ち込んでいます。 その大きな節目となったのが、二〇〇二年の九月二日、失業認定のあり方の見直し及び雇用保険受給資格者の早期再就職の支援の促進などについてと題する職安局長の通達であります。 例えば、法三十二条の給付制限の一層的確な運用について。受給資格者が基本手当の受給のみに依存することを防止する、そう言って、例えば職業紹介を拒めば給付制限だ、求職活動計画は所定給付日数の半分で終了するのを目標にせよなどということを強く求められている。 そのころは大失業時代だったと思います。それなのに、「倒産・解雇等の非自発的理由による離職者が増加傾向にある中では、雇用のセーフティ・ネットとしての雇用保険制度の安定的運営を確保しつつ、その十分な機能発揮を図ることが極めて重要」ということを言って、要するに、大量失業者が出るから雇用保険の給付も短期にして、早く保険の外に出せと。結局、非正規雇用への置きかえと同時進行でこうした給付制限がやられてきたからこそ、雇用保険会計が六兆円もたまったのではないですか。 伺いますが、そこまでして再就職促進を命題にしてやってきて、ハローワークの紹介で就職できた雇用保険受給者はどのくらいですか。
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 雇用保険受給資格者のうち、ハローワークの紹介により就職した者は、平成十九年度実績で三十七万六千九百四十四人でございます。
○高橋委員 そうやって数字だけ言って、みんながどういうことかわからないじゃないですか。これ、就職率が二割いかないわけですよね、再就職しろ、しろと言っておきながら。残り八割はどうなったんですか。
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 今申し上げたとおり、三十七万六千九百四十四人でございまして、受給資格者に占める割合が一九・九%、約二割でございます。 残り八割でございますけれども、ハローワークの紹介だけでなく、いろいろな形での求人、民間の求人あるいは広告等、あるいは知人の紹介等によって就職された方もかなりおるというふうに考えているところでございます。
○高橋委員 そうした追跡調査が明確にされていないんですよ。実際には、給付期限切れでまだ未就職の方、あるいは再就職に一年以上かかっている方、それが半分以上じゃないですか。そういう実態はわかっていますよね。そうであれば、単に再就職だと言いながら、まともな仕事も紹介できないのに給付だけ制限する、こんなことができますか。
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 雇用保険の基本手当は、被保険者が離職して、労働の意思及び能力を有するにもかかわらず、職業につくことができない失業状態にある場合に支給されるものでございます。このため、意思、能力の確認は離職理由にかかわらず適正に行うことが必要でございまして、失業認定のために四週間に一度出頭していただくということをお願いしているところでございます。 そういう中で、職業紹介、職業相談を行いまして、再就職の支援に最大限努力をしてまいりたいということでございます。
○高橋委員 今回、再就職が困難な方に、最大で六十日延長するわけですね。ただ、そうはいっても、大体平均九十日くらいですから、百五十日で本当に再就職に結びつくのか。しかも、その間もし安定所の紹介を断れば、それがまた給付制限にもつながるわけですよね。それだったら、なかなかはい上がれないじゃないですか。 ここはやはり、給付の期間をもっと延長することを考えなきゃいけない。制限のあり方を見直さなきゃいけない。あるいは基準を引き下げて、全国延長給付の発動も考えるべきだと思います。この提案をさせていただきます。この答えについては、次の質問にあわせて答えていただきたいと思います。 先ほども議論がありましたけれども、ハローワークの体制の問題なんですね。まさに今の事態はハローワークの存在がかかっている問題だと思うんです。一次、二次の補正で相談員を千三百二十二人ふやしました。しかし、本当に頑張って求職活動している人が、年齢制限で面接までもたどり着けない実態なんです。そういうときに、ただ求人票を受け付けるのではなくて、企業といろいろ交渉をしたり、あるいは本当にこれが自己都合なんだろうかということをちゃんと見てあげたり、先ほど来言っている、百倍にもなった雇用調整助成金の給付に至るまで、非常勤にできる業務には限界があるはずです。ハローワークの職員はこの五年間で二百三十四人削減されてきました。特別な情勢にかんがみ、定員増を求めるつもりはないか、大臣に伺います。
○舛添国務大臣 すべての日本国民は勤労の義務があります。そして、働くことのインセンティブをきちんとやることも政府の重要な仕事だと考えております。 そして、ハローワークは大変今、仕事が本当に満杯で、人手不足という状況であります。こういう状況について、相談員をふやしましたけれども、先ほど申し上げましたように行革という大きな枠があります。そういう中で、体制をさらに拡充するように今後とも努力をしていきたいと思っております。
○高橋委員 ここは、思い切って打ち破っていただきたいということを重ねて指摘して、終わります。
○田村委員長 次に、阿部知子君。
○阿部(知)委員 社会民主党の阿部知子です。 本日は、雇用のセーフティーネットということをめぐって、ここが決壊すると、社会そのものが極めて不穏にもなり、憲法二十七条、労働は権利であり義務であるという大事な一項も全く形骸化するということで、大臣も必死に御答弁をいただいているものと思います。 私は、一問目は、雇用保険の保険料率の引き下げ問題をお尋ねさせていただきます。 大臣のお手元に、「雇用保険の国庫負担の廃止・削減の問題点」というタイトルで厚生労働省がお出しになった資料がございます。この資料は、経緯を申しますれば、昨年の六月の三日、財政制度等審議会で、雇用保険制度に関する国庫負担については廃止を含めた検討をすべしとする建議をまとめて、また十一月二十六日の同審議会でも、廃止を含め、そのあり方にまでさかのぼった抜本的な改革を行うべきであるとされたときに、大臣が必死に抵抗されて、こういう国庫負担を廃止するということはこの制度自身の魂にかかわることだということで、そうした背景でおまとめになったものと認識しております。 これは、読めば読むほど御指摘のとおりで、例えば、三に「国庫負担の廃止・削減に係る労使の認識」というところがございますが、御承知おきのように、この十九年度の制度改正は、やむを得ない措置として暫定的に国庫負担を現状の四分の一のさらに百分の五十五に引き下げたときでありますが、このときに同時に論じられたことは、この三の一の下に書いてございますが、平成十二、十五年の改正前の保険料率引き下げ並びに国庫負担削減が、結果として大幅な保険料負担増、給付カットを招いたと。要するに、一度過ちとして経験したことは二度目はやってはならない。一度目は悲劇、二度目は喜劇と申しますから。厚生労働省にあっては、こういう認識をきちんとお持ちの上で、この間、例えば政府内での論議にも臨んでこられたんだと思いますが、大臣、そういう認識で、まず一点、よろしゅうございますか。 〔委員長退席、上川委員長代理着席〕
○舛添国務大臣 特にこれは労使の皆さん方の意見もきちんと聞いた上で、そういう認識で、政府部内で発言をしてきたものでございます。
○阿部(知)委員 これをきのう役所の方に聞きましたら、これは労使の認識で、厚労省の認識は多少異なるかのような言い逃れをなさいましたが、これは明確に厚労省、働く者の権利を守る厚労省の認識として、今大臣が、あわせて労使側の意見も聞いた上でまとめられたというふうにお答えであったと思います。 と申しますのは、ここで国庫負担のみならず保険料についても言及がございまして、これはもう経験上、下げたら次の大幅引き上げがもう避けられなくなると。 お手元の資料二枚目をおあけいただけますでしょうか。これは実は、平成四年、五年と二度に引き続いて保険料の引き下げがございまして、その後五年ほどで大幅に、今度は特別会計の余剰金というか、そこに保留されている金額が減ってきて、そして、逆に十二年、十五年と大幅な保険料率の引き上げに向かっていったときのグラフでございます。 今、言うまでもなくこの当時の失業状況よりもまた格段に失業者数もふえ、幾ら給付を絞ったとしても、私はやはりここは十分でなければセーフティーネットとして機能しないであろうと思いますので、大臣には一つお願いがございます。大臣が基本認識をそうお持ちであっても、政府内では、財務省の御意見あるいは麻生総理の御意見、いろいろある中で、大臣のお立場もあるというのも認識いたします。私は、しかしながら、さはさりながら、保険料率を下げるというふうなことは、例えばドイツ等々では、雇用のセーフティーネットあるいは社会保障制度を守るために、他の財源、環境税とかをここに用いてでも守っている。雇用を守る、社会保障を守るという政治の意思なんだと思うんですね。 もし、政府部局の中でいまだそういう御論議がなければ、私はもちろん消費税とは思っておりませんが、やはりここをきちんと他のもので補てんしていってでも、例えばよく例に挙がるのは、中小企業者が苦しいから、でも、雇用保険は、先ほど内山委員もおっしゃいましたが、ボリュームにおいてそうそう使側を圧迫しているものではございませんので、そこはいかがかと私は思いますが、こうした保険料率引き下げということが安易に行われるとすれば、その前に政府として論ずるべきことがあるということで、とりわけドイツのあり方等々も含めて政府の中での御検討をいただきたいが、いかがでしょうか。大臣にお願いします。
○舛添国務大臣 これは、一つの企業を見たときに、経済界全体でいいんですけれども、富を生み出すプロセスにおいて、片一方でこういう雇用保険のようなことをやらないといけない。先ほどもちょっと申し上げましたけれども、今、日本は、フィフティー・フィフティー、事業主と労働者が半分ずつ出しております。雇用保険二事業は別ですけれども、いわゆる失業給付についてはそういう仕組みになっております。この比率を例えば、働いている人たちが二、それで経営者が八というふうな形の変更というのも一つあり得るというふうに思います。 ただ、その議論をするときに必ず出てくるのは、グローバル経済の中において日本企業の競争力をどう保つか。そういうことで、人件費やこういう公租公課についての負担というのが、例えばアジアの企業と比べたときに余りに高ければ、結局、産業の空洞化という形をもたらす。そういうさまざまな総合的な議論の中で出てきたというふうに思いますけれども、こういう今厳しい雇用状況になって初めて議論するのではなくて、平時からこういう雇用問題の重要性ということをきちんと議論する必要があるんだろうというふうに思っております。 したがって、例えば霞が関の省庁の間の力関係からいっても、そういうことにももう少し配慮をせぬといかぬのかなというふうに思っていますけれども、その一つの大きな背景は、私は、我が国に政権交代がなかったことであるというふうに思っております。つまり、先ほど申し上げたようなドイツのようにSPDが政権をとる、そのことにおいてそういうインセンティブが働くわけですから。 ただ、なぜ政権交代がなかったか。それは与党が悪いのか、野党が悪いのか、そういうことの理由までせんさくすることは思っておりませんが、いずれにしても、さまざまな要因が背景にある。そういう中で、今きちんと議論をすべき時期だというふうに思っております。
○阿部(知)委員 政権交代をお勧めいただいた御発言かともとれますが、まあ、頑張りたいと思います。 そして、このような景気の下降局面でこうしたことは、もう本当にこれは愚策。私は木を見て森を見ずと申しましたが、これによって勤労者の可処分所得を上げようなんということは、実際に賃上げにもなりませんでしたし、この間の春闘を見ておりますと、いかにもこれはセーフティーネットを壊しただけ、そして次には保険料率が高くなる、そういう誘導をしてしまっただけに思いますので、大臣にはさらに頑張っていただいて凍結をもしていただきたい。ここを迫るとお答えしづらいと思いますから、強く申し述べておきたいと思います。 次の質問に参らせていただきますが、私は、次には、いわゆる最後のセーフティーネットと言われる、日本は失業保険の次には生活保護しかございませんので、生活保護問題を取り上げさせていただこうと思います。 資料の三ページ目をおめくりいただきますと、ここには、平成七年から、そして速報値のございます二十年十二月までの生活保護受給家庭の世帯数の集計がございます。簡単に申しますれば、七年から十九年は年度でございますし、二十年十二月は速報値と、ちょっとの差はございますが、なべて百十五万世帯と、これまでに例のないほど生活保護世帯がふえておる。 生活保護世帯は類型がございまして、今、政府の方で分けておられるのは、高齢者、母子家庭、傷病・障害、その他となってございます。簡単に言えばどの世帯でもふえているのですが、ふえている比率的に申しますと、母子世帯とその他の世帯というところが母集団に対しての占める比率が高い。例えば、母子世帯は全体九万世帯余り、それが今度は九万四千五百三十五。ごめんなさい、母子世帯はそう高くはございませんでした。その他の世帯が一番高かろうと思いますが、十二万三千五百十六となって、前回が十一万一千二百八十二ですので、約一・二万余りがここでふえてございます。もちろん高齢者世帯が一番ふえましたが、これは母数が多いのでということで、あくまでも比率的にはその他が多い。 下段は、各類型別に、一体働いておられるか、稼働か非稼働かということを分けたデータでございますが、御承知のように、母子世帯では、生活保護をお受けでも半数は働いておられる、稼働世帯が半分。また、その他世帯も同じように、稼働世帯四割、非稼働世帯六割となってございまして、簡単に言えば、高齢者でも障害でもなく、ここは一番就労に向けた取り組みが効果をあらわすと期待される分野でございます。 ところが、平成十七年の生活保護の改正から十八、十九と経過してまいりましたが、就労支援ということの実績においては甚だちょっとまだまだ残念な結果でございます。全体、毎年一万人くらいそうした就労支援的なコースをやりますが、実績値においては五千五百三十五とか。これは母子家庭も含めたものですから、大体、母子家庭とその他の世帯で五十万世帯と見ると、そのうちの五千五百三十五というと一%しか、結果、就労に向かっておらない。 こういう実態を踏まえて、私は、もう少しやはり、相手がどういうプロフィールをお持ちで、どこをどうサポートすれば就労に向かうのか、そうした分析が必要と思いますが、これは現場の部署からの御答弁をお願いします。 〔上川委員長代理退席、委員長着席〕
○舛添国務大臣 政府委員が登録されておりませんので、そういうことについて実態がわかるような調査ができればやってみたいと思っております。
○阿部(知)委員 政府委員を登録しなかったのは私の側の理由で、申しわけありませんでした。余りにずさんなお答えだったので。でも、この生活保護関係の政府委員についての私の怒りではありませんので、ちょっと私の手違いでありました。 私はこの間、野党の提案のいわゆる就労・生活支援金というもう一つのセーフティーネット、いわゆる生活保護にまで至ってしまうとそこからなかなか就労に向かわないであろうということで、就労・生活支援金というもう一段のセーフティーネットを提案しておるわけであります。時間の関係で、この中身は既に私どもで申し述べさせていただきましたので、大臣にあっては、私どもの思いはやはり、政府・与党は基金を用いて柔軟に使えるようにというお考えですが、これは、生活保護と失業保険の間にある、しっかりした中間のセーフティーネットという位置づけで法定化していきたいという思いでございますので、大臣にはおわかりいただけたと思いますが、なお御検討をよろしくお願いしたい。 ちなみに、大臣の担当部署である厚生労働省のおまとめになった資料の一枚目を見ましても、四の「国庫負担を削減した場合の影響」のところの一に、ドイツでは失業保険とは別に一般財源で約四兆二千億円の失業扶助を実施とわざわざ明記してございます。ということは、ここは注目しなさいということだと思いますので、私ども野党の掲げました第二のセーフティーネット、雇用保険と生活保護の間ということについても御理解を賜りたいと思います。 引き続いて、母子家庭の支援についてお伺いをいたします。 先ほど郡さんの御質疑にもございましたが、我が国の母子家庭と申しますのは非常に就労率が高うございます。二つも三つも仕事を持って、体を壊しながら働いているお母さんも少なくない。 しかしながら、お手元の資料の四枚目をお開きいただきますと、本当に残念なことに、我が国においては、私がこの間ずっと問題にしている児童の貧困率とともに、一人親でなおかつ就労しておられる世帯の貧困率が相対的に高いんですね。働いても貧しいんですね。これは我が国の特徴的な図で、一人親で非就労、仕事をしていなければ貧困であってもいいんだと思いますが、仕事をしていてなおほとんど貧困率が変わらないんですね。 なぜかと申しますと、もう一枚おめくりいただきますと、ここには、母子家庭で平均年収が一体幾らかという、全世帯と比較した母子家庭の数値が二〇〇二年と二〇〇五年と挙がっておりますが、二百十二万とか二百十三万で、一般世帯を一〇〇としたら三六%とか三七%。ここには出ておりませんが、実は、有子世帯、子供さんがある世帯と比べると、もっと下がって三割、二〇〇二年は三〇・二%、二〇〇六年で二九・七%なんですね。この間、母子家庭の所得保障、就労支援のための所得保障ということをやってきたけれども、私は、これもまた画竜点睛、大事なものを欠いていると思うんです。 大臣にはまとめて二つお願いいたします。 母子家庭のお母さんたちがどういう支援を望まれるかということで五点あるわけですが、経済的自立を支える福祉の充実として五つ。児童扶養手当や児童手当の充実。二番目が、教育支援の充実。これは何かというと、お母さん自身への教育支援の充実なのですね。もちろん、子供さんが生保の御家庭であるいは母子家庭で育っても高校教育まで、そういう流れはありますが、そうではなくて、ここでは、親御さん自身が教育支援を充実してほしい、いわゆるキャリアアップしてほしいということなんです。三点目が、生活保護の母子加算の復活。それから、公立保育所及び各種保育サービスの充実。五点目が、住宅支援の充実。 私は、この教育支援というところをもっとしっかりやらないと、母子世帯は、働けど働けど所得は上がらず、あげくに体を壊して生活保護受給もやむなしとなっていくと思うので、大臣に二つお願いがございます。 まず、こうしたお母さんのキャリアアップは、例えば看護師さんになるとか保育士さんになるとか、こういう部分について、こういう専門学校等々に行くときの支援があるんですが、これは、その課程の半分を過ぎないと支援がないんですね、今度の改正でも。最初はないんです。例えば三年なら三年の一年半やれた人はあともやれるだろうからといってあとを出すんですが、やはりそんな程度じゃ間に合わない。最初から積極的に、保育士さんになっていただく、看護師さんになっていただくような支援をやはり最初からやるべきだ。 もう一つは、これが私が昨日、児童家庭局に切れた理由ですが、いわゆるお母さんたちが中学校卒業や高校中退というケースも少なからずあるんです。どれくらいあるか御存じか伺ったんですが、全くデータをとっておられないわけです。 ちなみに、千葉県のデータで申しますと、例えばお母さんの世代が二十歳から二十四歳であると、中学卒業の方の比率は二二・二%、中退の場合、高校は一六・七%。もちろん、母数は三十代、四十代のお母さんが多いとしても、二十代の前半で、中学を卒業して、そしていろいろな仕事を探すそうです、キャリアアップしたいから。しかし、ほとんどの要件にはじかれてしまう。 そうであれば、このお母さんたちが、せめて高校に、それは定時制でも構いません、高校に行けるだけの支援を。私は、財源はというか区切りはどこでもいいです、生活保護でも母子加算何とかでも。とにかく、国としてあなたをキャリアアップしますよということを支える仕組みを大臣にはぜひ最後にひとつ御答弁いただきたい。
○舛添国務大臣 最初に、看護師や福祉士や保育士、こういういわゆる高等技能訓練促進費というのを、先般、三分の一から二分の一に上げたところですけれども、これを今後どう拡大するか、一つの検討課題にさせていただきたいと思います。 もう一つは、今、母子寡婦福祉貸付金で、技能習得をしている間の生活資金の貸し付けも行っておりますので、これも御活用いただければと思います。先ほどのような介護士とか看護師、福祉士、こういうことになるためには最低高等学校以上という資格が必要なので、そういう御質問であると思いますので、これは、定時制高校、通信制高校なんかに通われる、そういうときにも生活資金の貸し付けを行っておりますので、これも御活用していただきたいと思います。 実態がどういう形でわかるか、ちょっと検討させていただきたいと思います。
○阿部(知)委員 ぜひよろしくお願いいたします。 終わらせていただきます。
○田村委員長 次に、糸川正晃君。
○糸川委員 国民新党の糸川正晃でございます。 きょうは、株価も急騰しておりまして、少し一段落できているのかなというところもありますけれども、今の日本の経済情勢というのは非常に危機的状態にあることには変わりはないわけです。 そういう中で、内閣府が、平成二十年十月から十二月のGDP改定値、これは実質成長率、前期比三・二%減で、年率換算一二・一%減だったということで、速報値よりは上方修正をされたということもございます。ただ、依然厳しい状態には変わりがないということも現実としてあるわけでございます。 一方では、今後もさらに一層景気が悪化していくのではないかということも言われているわけでございまして、完全失業率も来年度は五%を突破するんじゃないかということも懸念をされております。 そこで、厚生労働省として、まず来年度の雇用情勢の悪化の程度、こういうものをどのように見込んでいるのか、お答えいただきたいと思います。
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 現下の雇用失業情勢でございますけれども、有効求人倍率が急速に落ち込んできておりまして、直近の数字では〇・六七倍ということで、前月よりも〇・〇六ポイントの大幅低下ということで、雇用情勢は厳しさを増していると認識しているところでございます。 来年度の雇用情勢につきましては、政府経済見通しでは、完全失業率四・七%と見込んでいるところでございます。ただ、実体経済、鉱工業生産指数などの経済指標が大幅に低下しておりますので、今後、引き続き雇用情勢は悪化することが懸念されているところでございます。
○糸川委員 一月の指標では、有効求人倍率が〇・六七倍ということで、これは五年四カ月ぶりに厳しい水準だったということでございます。 ただ、完全失業率は四・一%ということでしょうか。これは、民間の調査機関の予測というのは四・六%ぐらいだったわけですから、大分低い数字なのかなということで、厚生労働省として、今の有効求人倍率は〇・六七倍ということで非常に悪いにもかかわらず、なぜ完全失業率が四・一%とだんだん下落してきているのか、こういう状態についてどのように解釈をされているのか。両者の動きにちょっと今までと違うように感じるところもあるんですけれども、データのとり方なんかも正しいのか、そういうこともちょっとお聞きしたいと思うんです。
○太田政府参考人 お答え申し上げます。 有効求人倍率と完全失業率の動きの関係でございますけれども、有効求人倍率は大幅な低下となっているわけでございます。一方、完全失業率の動きでございますけれども、月々少し動きのばらつきはありますけれども、基本的な水準で見ますと、平成十九年七月が三・六%でございまして、直近の数字が四・一%ということで、上昇傾向で推移しているところでございまして、基本的には、負の相関関係、逆の相関関係にあるものと考えております。 ただ、有効求人倍率は景気の一致指標でございますので急激に落ちてきておりますけれども、完全失業率の方は、それよりも半年ないし一年おくれる遅行指標でございますので、これからさらに上昇することが懸念されているところでございます。 また、直近の完全失業率の動きを見ますと、平成二十年十二月の四・三%から、一月は四・一%ということで低下しているわけでございますけれども、その中身を見ますと、休業者が前年同月よりも二十一万人の増加ということで、これが〇・三%相当、短時間就業者が三十一万人の増加ということでございますので、これは〇・四%相当の数字ということでございまして、休業者とか短時間就業者が大きく増加したことから完全失業者の増加が抑えられたものと考えておるわけでございまして、低下したことの中身そのものはそんなにいい状況ではないということでございます。
○糸川委員 そういう実態のところを、わかりにくい、例えば、少しでも景気がよくなっているのかなというふうに判断されるような内容のデータを公表するぐらいだったら、しっかりと、今おっしゃっているように、実態はもう少し悪いんだというところをデータの中に入れられるように工夫をされるというのも一つの考え方じゃないかなというふうに思います。 大臣に、ちょっと今回の雇用対策の財源についてお尋ねをしたいと思うんですけれども、今回の急激な雇用情勢の悪化、こういうものを受けて、大臣が筆頭になっていろいろ対策を出されているわけでございますが、この財源というのは、恐らくほとんどが雇用保険の二事業からだというふうに思っております。平成二十一年度の雇用対策予算について見てみますと、二事業の予算というのが約五千五百億円、これに対して一般会計は、雇用保険国庫負担分を除いてしまうと約三百億円というような内容でございます。 つまり、雇用対策の九五%、これは事業主負担で行われていることになるわけでございますが、実際これが健全な形なのかなと。そして、この二事業でできる範囲の対策しか出せないという状態になっているんではないかなというふうに思いますけれども、大臣、どのように御見解をお持ちでしょうか。
○舛添国務大臣 もともと雇用保険の二事業は、事業主が全体の雇用政策に資するということでやるわけですから、例えば、職業訓練なんか中小企業の一経営者でやれませんから、これをみんなでプールしてやっていくということであるので、これはこれで一つの大きな社会保障の意味を持っているというふうに思います。 ただ、例えば、四千億円の基金を今度積みましたけれども、ふるさとの交付の方の二千五百億円、これはまさに二事業から来ております。しかし、緊急雇用の方の基金千五百億円、これは一般財源から調達をしております。 こういう形で、めり張りをきかした形でやっていくということでありますが、一義的には雇用ということで、事業主の共同責任、社会に対する貢献である、そういう位置づけでこの予算を活用しているところでありますし、もう一つの利点は、一般財源化すると、ある意味で使い勝手が悪いというか、弾力性がないんですね。しかし、この二事業からですと、急速にこのニーズが高まったときに機動的にそれを動かすことができる、そういうメリットもあるということもまたつけ加えておきたいと思います。
○糸川委員 今のこの現状を見ますと、雇用対策というのは原則的にはこの二事業で行うように見えるわけでございますけれども、現在のように二事業に財源を依存してしまう状態では、雇用情勢のこれからの一層の悪化、そういうことが懸念されるわけですけれども、その積立金というものが急激に減少してしまうんではないか、そして、保険料率というのも引き上げざるを得なくなってくる、そういうおそれもあるというふうに思います。また、その対策の内容というのも、二事業の範囲でできる施策というのは限られて、真に必要な施策であっても思い切った形でできないおそれがあるんではないか。 確かに、一般会計では厳しい状況にあって、二事業に依存するということはやむを得ない面もありますけれども、この二事業と一般会計の役割分担、これを明確にして、必要な施策については一般会計を使って積極的に実施していくということに対して、大臣はどういう御見解をお持ちですか。
○舛添国務大臣 二事業の使い道、これは事業主が出しているわけですから、一つは失業給付を抑制する、つまり失業者を出さない、そのためにどうすればいいかということ。それから、先ほどちょっと申し上げましたように、さまざまな雇用政策のうちで、自分一人でやれないのを共同で出資してやるというような形でやっている事業であります。 一般会計で雇用政策をどうするかということでありますけれども、まさにマクロ的に見たときに、新たな雇用の創出ということになると、これは産業政策とも大きくかかわってきます。ですから、そういう意味で、雇用政策というものを一般財源の中に大きくあてがうということ、これはある意味で今後の大きな課題として、こういう状況ですから、やっていかないといけないというふうに思いますけれども、もともとの、労働省が設立され、労働省がどういう財源でやるかというところから振り返ってみて、特別会計の問題もこれあり、これはさまざまな検討を要する事案だというように思っていますので、今後、あらゆる確度から皆さんと議論を重ねていきたいと思っております。
○糸川委員 今スピード感ということを言われているわけですから、財源も限られておりますし、できる限りの対策をするようにするためには、例えば今お話しした二事業と一般会計の役割分担ということを、大臣、またよく考えていただいて、ぜひ取り組んでいただきたいなというふうに思っております。 ちょっと中身の雇用保険法の改正案について質問させていただきますが、今多くの労働者の方が、これからどうなっていくんだろうか、自分の雇用は大丈夫なんだろうか、労働環境は守られるんだろうかということで不安を抱えていらっしゃると思いますけれども、万が一失業された場合でも、次の仕事が見つかるまでの生活が保障されるという安心感を与えていくということが重要であるわけでございます。そして、そこでセーフティーネット機能の役割というものがだんだん重要になってきているなということも考えております。 ただ、雇用保険のセーフティーネット機能、これを示す一つの指標として、失業者の数に対する雇用保険の受給者数の割合について、この推移を見ておりますと、大きく低下をしているわけでございます。従前は四割程度あったものが近年は二割程度ということになっておりまして、雇用保険のセーフティーネットの機能が低下しているという批判もあるわけでございますが、この割合の低下、これは、失業者のうち長期失業者が増大するという構造的要因もございます。それで、一人当たりの受給日数が、例えば平成十二年ぐらいであれば百五十日程度だったものが、最近では百十日程度ということで減少しているわけでございます。この受給者のうち約七割から八割の方が、所定給付日数、これを全額受給されております。ただ、先ほどの高橋議員の質問にもございましたけれども、逆に言えば、受給中に就職している者というのは二、三割程度であるという実態もあるわけですね。このことから、直ちにセーフティーネットの機能が果たされているとは言えないのではないかなと。 厚生労働省として、現行制度、この機能がしっかりと果たせているというふうにお考えなのか、もし果たせているんだというふうにおっしゃるのだったら、どういう根拠なのか、大臣、お答えできますでしょうか。
○舛添国務大臣 雇用保険のセーフティーネットでカバーできるもの、それで、最後のセーフティーネットとして生活保護があるわけですけれども、先ほど来から議論がありますように、非正規労働者の増大というようなこと、それから、今急速に雇用情勢が悪化している、こういうことが相まって今のような状況になっているというふうに思います。 ですから、例えば今おっしゃった給付期限が過ぎた人たちをどうするか。このときに、今のような状況をちょっと横に置いておいても、再就職へのインセンティブというものをそぐような形での給付というのはやはり考えないといけない。私は、先ほど言ったように、ヨーロッパで長く生活していましたけれども、余り深刻な意識を持っていなくて、いや、雇用保険があるからのんびりやっていますよということが若干ありました。そういうことであってはいけないので、みんな懸命にやはり職を探すということが必要ですから、まさにそれはバランス、兼ね合いの問題だというふうに思っております。
○糸川委員 大臣、もちろん皆さん勤労意欲があって、失業したくてされるわけではないと思いますし、給付を受けたくて受けているわけではない。 ただ、例えば、先ほどの質問にもございましたけれども、アルバイトをしていると給付が受けられないとか、ある程度の所得があった場合受けられないとか。ただ雇用保険を受けるということよりも、やはりアルバイトをしてでも、そして、アルバイトでも、今は、いろいろ見ていますと、アルバイトからの正社員の登用とか、そういうこともあるわけですよね。ですから、そういう方が、雇用保険を今は受けなくても、自分で努力をして求職をしていく、最終的にもし正社員に登用されなかった、残念だったというケースの場合に、ではまた雇用保険を受給できるような資格をつけていくとか、今の雇用保険ではそういうことに対応できませんけれども、勤労意欲を持つべきだということを今御発言されるのであれば、やはりそういう実態に合う法律に変えていくという努力は、私は必要じゃないかなと。 今のままですと、雇用保険の受給者になるためには一年間とか、最大でも一年三十日ぐらいですか、そういう資格があるわけですから、それ以降というのはもらう資格がないわけですよね。ということは、その間、アルバイトをして、努力をして働いてきてしまうと、その後ハローワークに行っても、残念ながら雇用保険の対応はできませんということを言われてしまう。 だったら、そういうところにもぜひ目を向けていただきたいなと思いますけれども、大臣、どうでしょうか。これはちょっと通告していませんけれども。
○舛添国務大臣 すべては再就職へのインセンティブとモラルハザードを防ぐということに尽きるんだろうと思います。 ですから、さまざまな、雇用保険が切れた後の生活給付その他の支援をやっておりますけれども、例えば、就職支援をやるときに、ただお金をもらってということでなくて、きちんと決められたコースに八割以上出ていますよ、そしていい成績もちゃんとおさめていますよという条件があれば、払ったお金の返還を免除する、こういうシステムを入れていますから、さまざまなインセンティブをどう組み合わせるかということでありますので、これはみんなで知恵を働かせて、今おっしゃったような問題についても十分対応できる仕組みができるのではないかと思っております。
○糸川委員 ぜひそういう不安を取り除けるような法律にまた変えていただければと思います。 もう時間が余りありませんので、最後、大臣に。 では、雇用保険受給者以外の方への対応ということで、失業中の生活保障をする制度として生活保護制度というのも考えられるわけですが、実際に、昨年末の非正規労働者の方たちの雇いどめの増加、こういうものを受けて、稼得能力のある受給者というのが急増しているということを聞いております。 しかし、生活保護制度というのは、これはあくまでも貧困の救済を目的とした制度であるわけでして、失業者の再就職を第一義とした制度ではないわけですね。ですから、入りにくくて出にくい制度というふうにも言われているわけですから、失業対策としてはなじまない。一回そういうところに入ってしまうとなかなか抜けられなくなってしまうということもあります。 今後、失業者の方が急激に増加する可能性が高いというデータを最初にいただきました。それらの方の多くが生活保護制度に滞留してしまって、生活保護費の経費というのも相当なものになってしまう恐れもあるわけです。 そこで、生活保護のような無期限の制度ではなくて、有期で、積極的に求職活動を行うことを条件として生活保障に必要な給付を行うような制度を設けることというのはあってもいいのではないかなというふうに思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○舛添国務大臣 我々も、訓練期間中の生活保障給付制度を入れて、先ほど申し上げましたように、一定の要件のもとでは返還免除があると。ただ、雇用保険と生活保護のまさに間に就労支援給付制度のようなものを設けるということについては、今委員からもおっしゃいましたし、それから三月三日に労使の代表の方からも御提言をいただいておりますので、そういう提言をきちっと受けて、これは党派を超えて議論をし、そしてまた、政労使の合意をこの三月いっぱいに何とか取りまとめたいと思っております。
○糸川委員 ぜひ御検討いただいて、スピード感のある対策を打っていただければと思います。 終わります。
○田村委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時三十八分散会