経済産業委員会 第1号
- 発言数
- 9 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 2009/03/11
会議録
○東委員長 これより会議を開きます。 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 経済産業の基本施策に関する事項 資源エネルギー及び原子力安全・保安に関する事項 特許に関する事項 中小企業に関する事項 私的独占の禁止及び公正取引に関する事項 鉱業と一般公益との調整等に関する事項 以上の各事項につきまして、議長に対し、国政調査の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○東委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————◇—————
○東委員長 経済産業の基本施策に関する件、私的独占の禁止及び公正取引に関する件並びに鉱業と一般公益との調整等に関する件について調査を進めます。 この際、経済産業大臣から、経済産業の基本施策について所信を聴取いたします。二階経済産業大臣。
○二階国務大臣 第百七十一回国会における経済産業委員会の御審議に先立ち、経済産業行政についての私の所信を申し上げます。 世界の金融資本市場がかつて経験したことのないような危機的な状況に陥り、世界経済が混迷する今日、我が国においても、欧米向けを中心とした輸出の大幅な減少、自動車、電子部品等の急速な生産調整に伴う雇用・所得環境の悪化、家計消費の減少など、景気は急速な悪化が続いており、厳しい状況にあります。 こうした中、まずは、雇用環境にお困りの方々、そして資金繰りに不安を抱えておられる中小・小規模企業を初めとする経済界の皆さんが今日のこの苦境を乗り切れるように、十分な支援策を講じることが重要であります。我が国の企業は、人を大事にすることで企業価値を高めてきました。現下の厳しい経済状況にあっても、各企業が雇用の確保に最大限努力されることを期待します。そうした懸命の努力を支えるためにも、経済の血液とも言える金融の円滑化を中心に、政府一体となって全力で取り組みます。 中小・小規模企業への支援については、昨年十月末に開始しました緊急保証制度の実績が既に七兆円を超えました。第二次補正予算の成立を受け、緊急保証は二十兆円、セーフティーネット貸し付けは十兆円、合計三十兆円規模の対策に拡充するとともに、セーフティーネット貸し付けの金利引き下げを行っています。また、資金繰りが第二の山を迎える年度末に向けて、保証・融資を一層活用しやすくするため、二月末から緊急保証の対象業種を七百六十業種に拡大するとともに、既往債務の借りかえ、一本化などの取り組みを進めています。さらに、在庫や売り掛け債権、手形を担保とした貸し付けや保証の推進、長期安定的な劣後ローン貸し付けの拡大など、中小・小規模企業の再建支援を強化しています。 中堅・大企業に対しましては、日本政策投資銀行や商工中金による一兆円規模の低利融資と二兆円規模のCP買い取りを行うこととしました。また、融資では対応し切れない企業への民間金融機関による出資を円滑化する措置の導入も図ってまいります。輸出や海外事業を行っている企業に対しては、国際協力銀行、いわゆるJBICの貸し付け等の拡充、日本貿易保険による新たな一兆円の支援枠設置など、国内の親会社や取引先の中小企業の雇用確保にもつながる支援も実施しています。また、我が国産業を支える下請企業に不利益を与える下請法違反行為に対して厳正に対処し、相談窓口も拡充してまいります。 こうしたさまざまな対策によって世界で最初に不況から脱出することを目指すとともに、その先を見据えた新経済成長戦略改訂版に掲げました政策課題を強力に実行します。 新興国の急成長による市場拡大、資源の需給逼迫、環境制約の高まりや少子高齢化など、近年の経済構造の変化は劇的であります。こうした課題を克服し、我が国経済の成長活力を取り戻すため、資源生産性の抜本的向上、産業革新機構を通じた資金供給等による成長支援、中小企業の事業再生支援の強化、そして研究開発やその実用化の促進を目指し、産業活力再生特別措置法等の改正法案を提出いたしました。この法案には、金融危機を乗り切るための時限的措置として、企業への出資を円滑化する制度も盛り込んでいます。 あわせて、特許制度がイノベーションをより促進するものとなるよう検討に着手するとともに、成長を支える基盤としてのITの活用拡大に向けた戦略を策定します。また、営業秘密の保護強化や我が国の安全保障にかかわる高度な技術の海外流出の防止に向け、不正競争防止法の改正法案及び外為法の改正法案を提出いたしました。 資源の少ない我が国にとって、その安定供給の確保は極めて重要であります。我が国のエネルギー供給構造の高度化に向け、太陽光や風力などの再生可能エネルギーの導入拡大や、石油、天然ガス、石炭の有効利用を促進するための二法案を提出いたしました。この中で、太陽光発電の普及促進に向けた新たな買い取り制度も創設いたします。原子力発電は、安全の確保を大前提に推進してまいります。産業部門の省エネを一層進めるとともに、グリーンIT等により業務・家庭部門等の省エネを推進します。 海外からの資源供給を確固たるものとするため、積極的な資源外交を展開します。本年四月に我が国がカタールと共催しますアジアエネルギー産消国閣僚会合は、その絶好の機会であります。教育や環境、インフラ整備など、多岐にわたる資源国のニーズにこたえるため、関係省庁と連携しながら、ODAや貿易保険を活用し、資源国との戦略的・互恵的関係を深めてまいります。国内の資源確保のため、近海の海底資源の探査や、メタンハイドレートの商業化に向けた技術開発を着実に進めるとともに、レアメタルのリサイクルや代替材料の開発を推進してまいります。 地球温暖化問題の克服なくして、我が国の持続的な成長はありません。まずは、京都議定書の削減約束の達成に向け全力を挙げます。中小・小規模企業等幅広い分野の実効ある排出削減を促す国内クレジット制度を活用し、排出量取引の試行の適切な運営を図ってまいります。本年六月までに公表することとしている我が国の温室効果ガス削減の中期目標については、経済面でも実行可能なものとし、すべての主要経済国が参加する国際枠組みづくりにつなげることが不可欠であります。各国との公平性の確保や国民生活、経済への影響を含め、地に足のついた総合的分析を行うことが重要であり、目標策定に向けた議論に積極的に貢献してまいります。経済成長と両立するセクター別アプローチを浸透させ、二〇一三年以降の実効ある枠組み構築に向けて、本年末のCOP15で大詰めを迎える国際交渉を積極的にリードしてまいります。 対外政策については、今こそ世界の経済成長センターである、三十一億人、十一兆ドルの東アジア経済圏の活力を我が国の成長に生かす重要なチャンスだと考えております。今から三年前、私の提案によりアジア各国に働きかけ、ようやく昨年六月に設立されました東アジア・アセアン経済研究センター、いわゆるERIAは、インドネシアのジャカルタに本部を設置し、OECDやASEANの事務総長等の全面的なバックアップを受けながら動き始めました。このERIAを積極的に活用しつつ、当然、各国の協力を得ながら、インフラの整備やIT化によるアジアの知識経済化を促進するなど、アジアの成長力強化と内需拡大のための戦略を進めます。 もとより、保護主義は断固防がなければなりません。WTOと連携し、貿易措置を監視してまいります。先般来日したラミーWTO事務局長も、この点での我が国の協力を大変高く評価しておりました。WTO交渉は、早期妥結に向け着実に推進いたします。ダボスでのWTO閣僚会合でも、これらの方針について主要国の賛同を得ました。 しかし、同時に、農業関係者の理解と安心をいただくことも重要です。EPAや投資協定については、アジアや新興国等との取り組みを強化します。新たに締結されるEPAを的確に実施するため、原産地証明方法を追加する法案を提出いたしました。 また、先般我が国も署名しましたクラスター弾に関する条約の国内における的確な実施を確保するための法案を提出いたしました。 米国のオバマ新政権とは、環境・エネルギー技術を中心にあらゆる分野で協力し、課題の解決を目指してまいります。私は、米国のチュー・エネルギー長官と電話会談を行い、原子力、低炭素技術、省エネルギー、新エネルギー分野で協力していくことに合意しました。私どもは直ちに首脳にこのことを御報告し、日米首脳会談において今後具体的な協力案件を進めていくことが合意されました。 我が国経済に活力を取り戻すためには、地域の力が不可欠であります。農商工連携の促進によって、異なる業種間で知恵やノウハウを結集し、魅力ある地域の潜在力を引き出します。また、地域コミュニティーの担い手として、住民のニーズに応じた新たな事業に取り組む、意欲のある商店街を支援する法案を提出いたしました。サービス産業の生産性向上や、地域の中小・小規模企業とIT企業の連携強化も進めてまいります。 国民の安全、安心の確保にも万全を期します。商品先物取引制度を見直し、利用者に使いやすく、透明でトラブルのない商品先物市場を構築するための法案を提出いたしました。 また、化学物質に対する国内外の関心の高まりを踏まえ、化学物質に関する製造、使用の規制等を強化するための法案を提出いたしました。 さらに、新経済成長戦略改訂版を基礎としつつ、新たな市場と雇用を創出するため、戦略分野について目指すべき将来像を示し、その実現に向けて官民が今なすべき行動を明らかにするプランを各省庁の協力を得て取りまとめます。 具体的には、まず、我が国が誇る世界最高水準の環境・エネルギー技術を最大限に活用し、国内の至るところへの太陽光発電の導入や、電気自動車等の世界最速の開発普及を実現することによって、環境と成長の両立を目指す低炭素革命。次に、生活支援ロボットの開発普及を促進し、優しく、効率的な医療・介護・健康サービスを実現する健康長寿。また、おいしく安全な食を効率的に提供できる植物工場など未来型農業を創出するとともに、戦略的なITの活用や、アカデミー賞のダブル受賞でその実力が認められている映画などの魅力的なコンテンツ、さらにはファッションといった我が国自慢のソフトパワーを戦略的に世界へ発信し、海外市場の獲得を目指す底力発揮。この三つの柱を軸に、個人、企業の仕事、消費、投資など実際の生活をイメージしやすいように、目指すべき将来像を大胆に描きます。 これらの政策を一つ一つスピーディーに実行に移していかなければなりません。現下の苦境は、我が国の新たな成長を生み出す種でもあります。今こそ、官民総力を挙げてこのピンチをチャンスに変え、日本の元気を取り戻し、明るい未来を切り開いてまいります。 以上、私の所信を申し上げました。国民の皆様に自信と安心をもたらすために、経済産業行政の推進に全身全霊を傾ける決意であります。委員各位の御理解と御協力を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。 ありがとうございました。(拍手)
○東委員長 以上で大臣の所信表明は終わりました。 次に、平成二十年における公正取引委員会の業務の概略について説明を聴取いたします。竹島公正取引委員会委員長。
○竹島政府特別補佐人 平成二十年における公正取引委員会の業務についてその概略を御説明申し上げます。 公正取引委員会は、以下に申し述べる施策に重点を置いて、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、いわゆる独占禁止法等の厳正な執行及び競争政策の積極的な推進に取り組んでまいりました。 重点施策の第一は、厳正かつ実効性のある独占禁止法の運用であります。 平成十八年一月から施行された独占禁止法改正法により導入された課徴金減免制度などを活用しつつ、独占禁止法違反行為に対して引き続き厳正に対処し、価格カルテル事件、入札談合事件及び不公正な取引方法に係る事件二十一件について法的措置をとりました。課徴金については、二十四件のカルテル・入札談合事件について、延べ六十三事業者に対して総額九十六億三千八百八十四万円の納付を命じました。 また、溶融亜鉛メッキ鋼板製造販売業者による価格カルテル事件において、三事業者等を検事総長に告発しました。 さらに、合併などの企業結合事案につきましては、事案処理の一層の迅速化及び透明性の向上に努めているところであり、平成二十年においては、引き続き企業結合審査に関する独占禁止法の運用指針や企業結合計画に関する事前相談に対する対応方針に基づき企業結合審査を的確に実施し、事前相談への適切な回答及びその公表内容の一層の充実に努めました。 第二は、中小企業に不当な不利益を与える行為の取り締まり強化であります。 市場における公正な競争を確保するため、大規模小売業者による納入業者に対する優越的地位の濫用に対し排除措置命令を行うなど、中小事業者に不当な不利益を及ぼす不当廉売、優越的地位の濫用といった不公正な取引方法に該当する行為に対し、迅速かつ厳正に対処いたしました。 下請代金支払遅延等防止法、いわゆる下請法に関する業務については、下請代金の減額、支払い遅延、買いたたきといった違反行為に対処し、十六件の勧告、公表を行ったほか、二千九百六十七件の警告を行いました。また、下請事業者を対象とした草の根下請懇談会の開催や下請保護情報ネットワークの新設など、下請法の普及啓発等にも取り組みました。 不当景品類及び不当表示防止法、いわゆる景品表示法に関する業務については、過大な景品類の提供及び不当表示の排除に努め、五十四件の排除命令及び十一件の警告、公表を行いました。 第三は、競争環境の積極的な創造への取り組みであります。 公正取引委員会は、市場における公正かつ自由な競争が確保されるよう、規制制度等についてさまざまな調査、提言を行うとともに、競争政策及び独占禁止法上の考え方を明らかにしてきております。 平成二十年におきましては、企業の法令遵守、いわゆるコンプライアンスの取り組みを促す観点から、外資系企業等におけるコンプライアンスの整備状況と弁護士の立場から見たコンプライアンスの整備状況について調査を行い、報告書を取りまとめ、公表いたしました。 第四は、国際的連携に関する取り組みであります。 経済活動のグローバル化が進展する中、公正取引委員会は、さまざまな枠組みにおいて海外の競争当局との連携強化に努めております。 平成二十年におきましては、世界各国の百を超える競争当局が参加している国際競争ネットワーク(ICN)の年次総会を京都で主催しました。 第五は、課徴金制度の見直し等、独占禁止法の見直しについてであります。 平成十七年独占禁止法改正法の附則における見直し規定に基づき、内閣官房長官のもとで独占禁止法基本問題懇談会が開催され、平成十九年六月に報告書が取りまとめられました。公正取引委員会は、同報告書における提言を踏まえつつ、我が国経済における公正かつ自由な競争の促進を図る観点から必要と考えられる事項についても検討し、平成十九年十月十六日、「独占禁止法の改正等の基本的考え方」を取りまとめ、公表しました。 これを受け、課徴金の対象範囲の拡大等を内容とする独占禁止法等の一部改正法案を第百六十九回国会に提出しましたが、本改正法案は継続審査とされ、第百七十回国会において審議未了、廃案となりました。その後、各方面からの意見も踏まえてさらに検討を進め、所要の修正を加えて、改めて改正法案を今通常国会に提出させていただいたところであります。本法案は、我が国において公正かつ自由な経済社会を実現するために不可欠な法案でありますので、早期の成立をよろしくお願い申し上げます。 以上、簡単ではありますが、業務の概略について御説明申し上げました。 今後ともよろしく御指導のほどお願い申し上げます。(拍手)
○東委員長 次に、平成二十年における鉱業等に係る土地利用の調整に関する事務の概要について説明を聴取いたします。大内公害等調整委員会委員長。
○大内政府特別補佐人 公害等調整委員会が平成二十年中に行った鉱業等に係る土地利用の調整に関する事務について御説明申し上げます。 第一に、鉱区禁止地域の指定に関する事務について申し上げます。 当委員会は、主務大臣または都道府県知事の請求に基づき、鉱物を掘採することが一般公益または農業、林業その他の産業と対比して適当でないと認める地域を鉱区禁止地域として指定するものとされております。 平成二十年に当委員会に係属した事件は、亀山市西部森林地域及び関宿周辺地域関係鉱区禁止地域指定請求事件一件であります。 第二に、鉱業等に係る行政処分に対する不服の裁定に関する事務について申し上げます。 鉱物の掘採、岩石、砂利の採取の許認可処分等については、鉱業、採石業または砂利採取業と一般公益または農業、林業その他の産業との調整を図るため、当委員会に対して不服の裁定を申請することができるものとされております。 平成二十年に当委員会に係属した事件は、山口県周南市地内の採石権存続期間の更新決定申請棄却処分に対する取り消し裁定申請事件の一件であり、本件は同年中に終結いたしました。 第三に、土地収用法に基づく意見の申し出等に関する事務について申し上げます。 当委員会は、土地収用法、鉱業法、採石法等に基づき主務大臣が裁決等を行う場合には、意見の申し出、承認等を行うものとされております。 平成二十年に当委員会に係属した事案は、土地収用法に基づく意見の申し出が二十一件、採石法に基づく承認が一件であり、これらのうち、同年中に処理した事案は十六件であります。 以上が平成二十年における鉱業等に係る土地利用の調整に関する事務の概要であります。 公害等調整委員会といたしましては、今後とも、これらの事務を迅速かつ適正に処理するため、鋭意努力してまいる所存であります。何とぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)
○東委員長 以上で両委員長の説明は終わりました。 次回は、来る十三日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時三十六分散会