文教科学委員会 第2号
- 発言数
- 242 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 2008/11/13
会議録
○委員長(中川雅治君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、警察庁長官官房審議官井上美昭君外十六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中川雅治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(中川雅治君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○木俣佳丈君 おはようございます。民主党・新緑風会・国民新・日本の木俣佳丈でございます。 まず初めに、塩谷大臣様、また副大臣、政務官の皆さん、御就任おめでとうございます。また、さきの土曜ですか、慶応の百五十周年ということで、三田の御出身の大臣、重ねておめでとうございます。また、私の故郷の隣の選挙区でありますので、大変親しく思っている方であります。しばらく、三十分でありますが、いろいろ問題点をあぶり出したいなと思っておりますので、よろしくお願いします。 まず、早速質問でありますけれども、今、十月の一日に大学の、さっきもお話ありましたが、大学就職の内定取消しが相次いでいるという報道がありましたので、ちょっとこれからしばらくお願いしたいと思うんですが、新聞報道等々、また私もこの間、大学の方にも電話させていただいて、ちらほら、ちらほらというか、もうその方にとっては大変な思いだと思うんですね。 三年生に入るともうすぐに就職のいろいろガイダンスが始まって、三年の秋にはもう内定、内々定が出ていると。四年生の十月一日に正式内定の式があって、言ってみればもう雇用契約がそこから発生しているというようなことだと思うんですね。それが結局、ふっと気が付いたら景気が悪いだ云々かんぬんで、簡単に言うと、要は一方的な通告解雇なんですね、これ。解雇は、雇用契約法上、これ日本にはないんですね、基本的には。まかりならぬということになっていて、それがもう弱い立場の学生が要は一方的に解雇をされているという現状があるということで、報道等々、また私もさっき言いましたようにヒアリングいたしました。これは何とかしなければいけないと、このように思っておりますが、まず現状認識どのようにお考えになっているか、厚生労働の副大臣からちょっと一言。
○副大臣(渡辺孝男君) ただいまの内定取消しの件でありますけれども、事業主が新規学卒者の採用内定の取消しを行おうとする場合には、職業安定法施行規則に基づきまして、あらかじめハローワーク又は学校長に通知をすることにしておるわけでありますけれども、今のように内定取消しのことが巷間言われているということでありまして、厚生労働省としましてもしっかりその情報把握をしながら、若い学生の方々が将来に対して、しっかり就職をしてきちんと対応できるように把握をしながら、またそういうことができるだけ起こらないように頑張っていきたい、そのように思っております。
○木俣佳丈君 できるだけ。もちろんそれはもうできる限りやらなきゃいけないのは当たり前なんでございますけれど、今ハローワークに通知というお話がありましたけれど、ところがこれ相談窓口にハローワークなっていないんですよね。基本的には、要は県に一つだけ窓口を設けて学生就職センターというところで受け付けるだけなんですよ。とても足りないと私は思うんですね。今ハローワークに言うというのは、県に一つのハローワークに言うのかどうか、それも含めて各ハローワークできちっと受け取れるように、学生さんが行ってね、いろいろ相談ができるように是非これは指導をいただきたいと思うんですが、いかがですか、まずは。
○副大臣(渡辺孝男君) ただいまお話ありましたとおり、都道府県の学生職業センター等で学生の相談を受け付けているわけでありますけれども、そこだけでなくて、各地にあるハローワークを通じて真剣にその対応をしていきたいと思っております。 内定取消しは解雇と同様の扱いであるということを事業者の方には指針を通じまして徹底しておりますので、そういう認識をしっかり事業者の方々にも認識をいただいて、就職先の確保、あるいは万一の場合はそういう補償等をしっかりするように指導していきたい、そのように思っております。
○木俣佳丈君 今のお答えは、今県に一つの学生就職センターだけではなくて、各ハローワークで受入れできるようにしたいという、そういうことでいいですね。それだけ。
○副大臣(渡辺孝男君) はい。
○木俣佳丈君 ありがとうございます。一歩進んだ気持ちがいたします。 さらに、今副大臣おっしゃった平成五年の新規学校卒業者の採用に関する指針というのがそれだと思いますけれども、毎年今の時期調査をしていて、大体十数件、本省に内定取消しの、何というんでしょう、和解というか、があったという報告がされているけれども、これは公表されていないということになっているんですね。 私、これがおかしいと思うのは、当然これは公表されて、そういう問題がある企業であるということを学生が知らなきゃいけないと思うのは当然だと思うんですね。副大臣もそうやって思われると思うんですが、その辺いかがでしょうか。
○政府参考人(大槻勝啓君) 先ほど来副大臣から答弁申し上げていますように、内定取消しを行おうとする場合には所轄ハローワーク等に御連絡をいただくと。それに対しまして私どもはできるだけその採用内定取消しに至りませんように様々な指導等を申し上げているところでございます。不幸にして内定取消しに至るという場合につきましては、別途のまた就職先の確保につきまして鋭意努力しているという現状でございます。 今の委員の御指摘は取消しをされた企業の名前を公表してはどうかということだと思うんでございますけれども、現状では指導は厳格に行っているところでございますが、内定取消しの企業の名前を公表することはいたしておらないところでございます。今後そういうことがないように厳しく指導はさせていただいているところでございます。
○副大臣(渡辺孝男君) 今お話あったとおりなんですが、企業名の公表というのはやはりいろいろな企業の、何といいますか、利益にも反するところもありますので、そこまでは今のところしておらないということであります。
○木俣佳丈君 渡辺副大臣は恐らく公表してもいいんじゃないかと多分思っていらっしゃるはずなんですよ、私よく存じ上げていますから。だけれども、お立場上、今役人の方が言ったようなことを言わなきゃならないから、それは気の毒だなと思って僕は聞いているんですよ。 なぜならば、これ、だって非対称でしょう。学生がすごく弱いじゃないですか、立場として。そうでしょう。企業の方が圧倒的に強いわけですよ。簡単に言えば、不当解雇をした企業というのは当然ながらそんな明るみに出て当たり前なんですよね。それができないなんてことを副大臣絶対思っていないに決まっているんですよ。そうでしょう。違いますか。そうでしょう。 ちょっと大臣、これは学生のことなものですから、それはあれかもしれませんけれども、ある意味越権行為かもしれません、越権行為というか、またがった話かもしれませんけれども、どうでしょうかね。ちょっとお答え、これについてどう思います。公表すべきじゃないかと。
○国務大臣(塩谷立君) 今の公表の問題でありますが、いずれにしても学生の立場に立ったら大変遺憾なことでありますから、大学としてどういうふうに対応するかということ、これも重要なことであり、できるだけ我々としては、今のそういったいわゆる内定取消しあるいは撤回等を、どういう状況にあるかをしっかり把握しながら、まあ企業との話合いもしていかなきゃならぬと思っておりますが、即に公表するというのは、学生の立場からは、そういうところをしっかり把握して今後の就職活動にもいろいろ学生の立場に立ってやっていただくためにはそういうことも考えていいのかなとは思っておりますが、これも私どもが判断するのだけではなくて、やっぱり企業の判断もあるので、話合いはしたいと思っております。
○木俣佳丈君 要するに公表してもいいと思うという、そういうことですね、基本的には、大臣は。 そうですね。だから、それだけはちょっと明確に議事録に残したいと思いますね。だから、大臣もそういうふうに思われる。それはなぜかといえば、強い立場と弱い立場で情報に非対称があるからなんです。学生さんが、学生さんというか学生が調べようと思ったってこれ調べようがないですよね、内定取消しした企業なんというのは。だから、これはやっぱり大臣、そのように言っていただいたわけですから、積極的に指導をしてください。 それから、この例えばガイドラインを見て、取消しを受けた方と補償等の要求には誠意を持って対応するものということを書いてあるんですが、僕が聞いたところだと、要するに辞職の和解ができると、大体一か月前でこれいいわけなもんですから、一か月分の初任給を払ってこれが補償だと、こういう企業があるということを聞きました。それはもうとんでもない話でして、三年生の今ごろからずっともう確保されて、払うなら一年半、私は少なくともだから払うべきじゃないのかという気がするんです。 それ何で言いたいかというと、つまり雇用契約の破棄でどのぐらいの義務、責任というのがあるのかというものが、指針がないんですよ。ないから、あるところは一か月分なんていってやったり、あるところはなし、うちだって結局倒れちゃうんだから払えませんなんて、払えないものは払えませんなんていうところの方が私は多いと思うんですよ。 これでは本当に問題があると思うんで、これは渡辺副大臣、是非体系的に、この平成五年のガイドラインに合わせて、どの程度の補償というのかいうものを考えて是非いただきたい。後ろからそんなこと言わなくていいわけですよ、渡辺先生ちゃんと判断されますから。是非体系的に、ガイドラインのまたそのガイドラインというのかな、いうものを是非お作りいただきたいと思うんですが、いかがですか。
○副大臣(渡辺孝男君) 内定の取消しの対象となった学生に対しては、当然ながら事業者としては就職先の確保に最大限努力してもらう。当然ながらそのまま雇っていただければ一番いいわけでありますけれども、どうしても様々な事情で無理だということになれば、就職先をしっかり確保するように責任を持ちながらやっていただくと。 そのほかに、やはり補償等の要求に対しては誠意を持って対応してもらうと、そのように指導しているわけでありますけれども、今のガイドラインのガイドラインというようなお話もありましたけれども、それはいろいろまた厚生労働省としても検討させていただきます。
○木俣佳丈君 この紙だけでは全然、だから要するに何度も言いますように、どういう補償があるのかとかいうことが全然体系的になってないんですよね。これ以外もないと思うんですよ。だから、例えば裁判に持っていく以外はやりようがないんですね、基本的に。それじゃ、学生さんが裁判に持っていくかといったら、それはなかなかできませんのでね。 やはりこれは、是非早急にやっていただきたいのは、十月一日の内定式というのはもうほぼ終わっておりますものですから、これは文科大臣とやっぱり厚労大臣の名前で、内定取消しについては極めて慎重にというか、将来の大変宝を、しかも一年半も拘束しているのをかんがみ、まかりならぬというような通達を出していただきたいと思うんですが、文科大臣、いかがですか。
○国務大臣(塩谷立君) その件については十分に検討してまいりたいと思っておりますが、今お話あった内定取消し等については、就職活動全般の在り方も検討していかないと、かなり今の、最近ではもう一年以上前からといいますか、内定の一年以上前、つまり四年生の前、三年生ぐらいから、もう今の時期から再来年の卒業生に対して就職活動が始まっている。いわゆる我々教育機関を管轄する者としてはそういったところから考えていかないといけないと思っておりますので、そういう点ではまた十分に企業側とも話し合っていかなければならない、そういう感じを持っております。
○木俣佳丈君 要するに、いつでも採用できるような、要するに就職協定が平成九年ぐらいから消えておるんですよね。だから、我々が、我々といってももう随分昔になりますが、やったころは、四年生のときのたしか夏前ぐらいにオープンになって、そこから一、二の三で企業訪問が始まったと。これは経団連側と大学とですかね、就職協定を結んでいたと思うんですが。 今の御発言を伺っていて、やはり本当にそれやらないと、三年生から就職活動なんていったら、三年生といえば専門に入るときなんですよね。もっと言いますと、大学院どうなっているか知っています。大学院は大学院に入った途端から就職活動なんですよ、実は。じゃ、何しに行っているかというと、四年生で就職できない人が大学院に行ってということになっていて、高学歴になればなるほど日本は実は就職できない人となっているんです、ある意味で、ある意味でですよ。 だから、これは文科大臣、大臣でいらっしゃる間というか、ここ数か月、いやいや失礼しました。とにかくこの一か月ぐらいで結論を是非出していただきたいと思いますので、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩谷立君) 就職活動全般については大変問題であると感じております。 これも当然、我々大学あるいは学生の立場に立てば改善をしていただくのが我々の望みでありますが、企業側の考え方もあるし、今そういうことで大分いわゆる人材確保のためにどんどんどんどん早く就職の活動が展開されるという状況になっておりますので、そこら辺の兼ね合いというのはなかなか大学だけでは考えられないところもありますから、社会全体でとらえていかないと、それで企業もいろんな形でいろんな人材確保を考えているわけですから、そこら辺を十分に話合いをしないと解決できない。しかしながら、我々としては何とかもう少し正常な形といいますか、そういう方向へ持っていきたいと思っております。
○木俣佳丈君 要は、今大臣が不正常であると、今がということをお認めになったと思うんですよ。だから、やはり正常に直していただきたいと思います。 次に、さらにちょっと私としては大変残念なあれなんですが、大学院大学で法科大学院の話です。 今年も不適合という烙印を、法科大学院で不適合という大学が今年も何校か今出ておりますし、実は先般、十一月に私も我が大学の、一橋大学なんですが、学園祭に呼んでいただいて行ってきて、法学部の方々とも話をしたところなんです。 今年の三月、一橋など四校不適合という、こういう要は新聞が出てきているんですね。じゃ、何か私不適合な大学へ行ったのかななんというようなそういう感じで、何だろうと思って問い合わせしてみました。そうしたら、全く不適合どころか、今年は要するに合格率が日本で一番なんです。一応言っておきますが、一橋大学が一番、六一%合格しています。平均は三三%です。 この大学は何だろうということを追及したら、どうも独法の大学評価・学位授与機構が三月に不適合を出した理由が、要するに一クラスが非常にたくさんだと、人数がということで不適合となったと。ほうと、それはどういうことだろうと思ったら、これダブルスタンダードがあるんですね。評価基準というのとそれから解釈指針というのがあって、同じ機構が出しているんですよね。 要は、評価基準では、一つの同時に授業を行う学生数は五十人。さらに、解釈指針に、法律基本科目について同時に授業を行う学生数が原則として八十人を超えないこと、しかし超えた場合は、その相当な理由があることと、こういうふうなスタンダードが併記されて書いてあるんですよ。 学部長に僕も聞きました。何やっているんですかと言ったら、いやいや、これはとんでもない話なんだよということだったんですね。まず大学が書面で出した。訪問の調査が今の時期にあるそうですね、十一月に。そのときには来た人は何も言わなかった。問題ないですねと。そうしたら、年始に要は評価原案が出てきた。評価原案に、いや、一橋大学、一つのクラスが八十人を超えていて不適合と出てきたと。何だ、訪問したのに何にも言わず、結局原案が出てきてそんなこと言うのかと。で、すぐに意見書を出して、そして、そこで改善すぐしたんです。改善したんですよ。改善して五十人以下にクラスをした。 しかし、原案のとおり三月に確定させて公表したんです。改善したのにもかかわらず、もっと言うと、調査に来て訪問したのにもかかわらず何も言わないでおいて、それで後で、要は年明けに原案が出てきて、いやいや、こんな問題がありますよと。しかも、人数なんですよね。 これ先生のやっぱり力量にもよると思うんですよ、ある意味で。千人集めてばっちり聴かせる、まあ専門家がいらっしゃいますから、大学経営者がいらっしゃいますから、千人集めたって、何時間話したって、一言も言わない、それからうとうとする人もないという方もあれば、一対一でやっていてもうとうとしちゃうような、そういう方だってあるんですよ、実際ね。 だから、人数というのは何だろうかと私は思ったのが一つと、それから評価機構が、これ大学の自治にかんがみたら、しかも評価機構は三つもあるんですね。三つもあるんですよ。要は、スタンダード、これ、いい悪いという機構が三つもあって、大体大学の自治にかんがみたときに、私、そんなところに言われる筋じゃないと。そんなことしなくたって、今、大学はどうやったら生き残れるかということをもう必死になって考えていますよね。定員割れしないようにできるようにと。だから、二重、三重に私これはおかしいと。 しかも、直したのにもかかわらず、そのまま原案をぽんと出して不適合と。見たら、千葉大とか北海道大学とか、一番頑張っている、要は新しいやり方をしようと思っている大学ばかりなんですよ、結局。言っちゃ悪いんですが、帝国大学、幾つか聞きました。要は、待っているんですよ。評価されるのを待っていて、それで今年から出しているらしいですね。 こんなとんでもないダブルスタンダードと評価の在り方について、これは直していただきたいと思うんですが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(塩谷立君) 大学評価については学校教育法の第百九条で規定をされておりまして、今木俣委員おっしゃったように、評価機関が三つあるということでありまして、それぞれ評価基準を明記してそれに従って評価されるということになっております。 したがって、評価基準があって、まあ解釈指針というのは、ダブルスタンダードというより、その評価基準の細則をうたったものということで、五十名が八十名と書いてある、いろんな理由があれば八十名というようなことも書いてあるわけですが。 今、一橋大学のことについては、私が把握しているのとちょっと違っていまして、いわゆる平成十七年に評価で書類を出してもらったときには何もなかったんですね、五十人の超える、だから何も言わなかった。そして、平成十九年、本格的な審査の段階では新たに人数オーバーのところが出てきたんで改善を指示した。ところが、改善指示した三つの中で一つだけ改善して二つはそのままだったということで、やはりこの評価基準をうたって、これが一つでも認められなかった場合は認定できないということになっておりますので、そのいわゆる基準に従ってやっているということで、この評価の在り方とかそういうことが問題だということはまた今後検討しなければならないわけですが、今現在の評価機関における評価基準においての評価については適切に行われていると私どもは認識しておりまして、今後、木俣委員おっしゃったようないろんな課題はもちろんあると思っておりますが、それはまた今後の検討をしていく。 それぞれ三つの評価機関、これもいわゆる法律といいますか、一つではなくていろんな、幾つかあって、それが、それぞれが評価するということで決めてやっていることでございますので、ここら辺もお互いに、いわゆる協議機関もつくりながら、これ連携しながら、また今後そういった問題点を解決していく必要があると思っております。
○木俣佳丈君 だから、大臣、全然違うんです、それ、残念だけれども。 それは、だって文書で五十人を標準とすると書いてあって、その次に八十人を超えてはいけないこと、八十人を超えた場合にはそれなりの理由があることと、こういうふうに併記されているんですよ。八十人なら八十人、五十人なら五十人とすれば、それはだから、まあそんなこと言われる筋じゃ僕はないと思うんですけれども、だとしても、これは日本にありますから、アメリカにあるわけではありませんから。 うちの大学、昔から文部行政というのは何だろうということで闘ってきた大学なんですが、一応国立大学ではありますけれども。だけれども、こんなことを言われて、だから、要するに合格こんなにして大成功しているわけなんですよ。 さっきから言いますように、そんなことを大体言われることがおかしいんだけど、しかし、まあそういうふうに言われるなら言われるで、それじゃ守りましょうということで、国からお金をいただいているから。それでやって、そして、しかも去年の話で、訪問のときには何も、去年の今ごろは何も言わないでおいて、年明け、原案でぽんと出てきたと。それで、原案を見て、いやいや、これは困ったなということで、意見書を出してすぐ改善したと。改善したけれども三月に出てきたというのは、これはだけど事実だと思うよ。これは追跡して、いやいや、是非調査いただきたいと思いますし、今年はもう、それはもうおとなしくして、とにかく全部基準に、絶対に言われないように学部挙げてやっているんですよ。 私、どうしても言いたくて収まらないのは、うちの大学というのは小さいんですね。小さい大学で定員も小さいんですけれど、さらに法学部においては、大学院に先生を回すために人数を減らしたんですよ、そのために。大学院大学に回すために減らしたんですよ。我が大学の法学部は実は守備範囲が広いので有名でして、それをあえて減らしてまでして法科大学院に懸けようということをやって、実際成果も上がっているのを、それをそんな第三者のどうでもいいような機関に言われたくは私はないです、実際、これは。そう思いませんか。 今、大学というのは独立行政法人になって、とにかく必死になって何とかやっていこうと。我々もスタンフォードとハーバードと提携して、とにかく沈まないようにしようというふうにやっているんで、是非これ大臣、今日もう時間ありませんので、それから、やはり三千人という法曹、毎年の合格者ですか、年間三千人ということを平成二十二年に目標としていますが、今年でも二千人なんですよね、実際に合格したのは。全く三分の二だから届いていない、六六%でということなんです。 合格させられないシステムを持っている、まあ言い方は悪いけれども、そういう機関は、大学は、それは何かおかしいぞと、これは指導が入るというのもあるかもしれませんが、最高に合格を出しているところにああだこうだ横から文句を言うというのは、やはり金輪際おやめいただきたいと思います。 やはりこの三千人というのはこれは閣議決定の数字でございますから、閣議決定の。今法務省なんかは、要はこれを若干見直そうなんというところまであるわけですよ。現職大臣が、もっと慎重になんという話もあるんです。 だから、この辺をどういうふうにお考えなのか最後に伺って、文科大臣と法務副大臣に伺って、質問を終わりたいと思いますが。
○国務大臣(塩谷立君) 大学評価につきましては、この評価機関をつくる段階等でかなりやはりそれが必要だという声の中でできたわけでございまして、もちろん法科大学院の場合は何人合格したかというのは非常に大きな成果が出ている結果だと思いますが、一応この評価機関については、その時代の流れでやっぱり評価をすべきだと。 先ほど申し上げましたように、評価の課題もたくさん挙がっていることは事実でございますが、例えば人数の問題のこの事実関係はもう一度把握したいと思いますが、一般的に、五十名以上あるいは八十名以上というのはかなり多いよという大変な大きな合唱があって、人数的な制限も設けようという結果なんですね。多分、やっぱり何十人もいて、それが全員ちゃんと聴いている、さっき聴いている、聴いていないの話がありましたが。 だから、そういうことで、できればそういう例えば評価が出たときに、まあ八十人を五十人にするとか、そこら辺の改善は大学としてはやれるはずだと思うんですね。ですから、そういう対応もしてもらいたいということの評価の一つですから、そういうことは是非お願いしたいと思っております。 法科大学院の人数については三千人、閣議決定をされたわけですが、法務大臣が最近では見直すかもしれないような発言もしておりますが、そこら辺が、私どももこの法科大学院をつくるときに、私個人的にはかなり多くつくり過ぎたのではないか。ただ、流れとして、たくさんもう認可して競争をさせるというような雰囲気がその当時あって、それは、いいようで、やっぱり学生さんが本当にそこへ行ったら八〇%合格するんだという前提でみんな頑張って行っているような、ところが結果は三十何%でありますから、もう一度そういう在り方を見直しをする必要はあると感じておりますので、その法曹界の三千人の考え方、そういうことに併せて、また大学等も質の高いやっぱり教育をやっていくためにどうあるべきかというのはまた検討してまいりたいと思います。
○副大臣(佐藤剛男君) 法務副大臣でございます。 ただいま先生が御指摘せられましたとおり、閣議決定ででき上がっているわけでございます。司法制度改革推進計画では、法科大学院を含む新たな法曹養成制度の整備の状況等を見定めながら、平成二十二年ころに司法試験合格者数を年間三千人程度とすることを目指すというくだりでございます。 法務省としましては、関係機関と協力いたしまして、閣議決定であるこの司法制度改革推進計画の実現、これに大精力を集中いたしたいと思っているわけでございまして、それにはいろいろな質の向上の問題等がございます。入学者の質といろいろな人の多様性の確保の問題とか、それから修了者の質の確保の問題とか教育体制の充実の問題とか質を重視した評価システムの構築とか、そういう点について先生御指摘のとおり鋭意努力して取り組んでまいりたいと思っております。
○木俣佳丈君 終わります。
○林久美子君 おはようございます。民主党の林久美子でございます。 この度は塩谷大臣、そして副大臣、政務官の皆様、御就任おめでとうございます。 先日、大臣の方から早速所信的ごあいさつを賜りまして、本日はそのごあいさつの中にもありました、主に認定こども園について、早速ではございますけれども、お話を伺ってまいりたいというふうに思っております。よろしくお願いいたします。 まず、先日のごあいさつの中で、大臣このようにおっしゃいました。「こども交付金の創設による認定こども園の緊急整備など幼児教育の振興を図ります。」というお話がございました。ちょうど二年前、この本委員会で認定こども園法案というものを審議をいたしました。これは今更申し上げるまでもなく、保育所は厚労省、幼稚園は文科省という縦割り行政の中で、待機児童がいつまでたっても解消しない、一方で幼稚園では空き教室が目立ってきている、そして、何よりも就学前の子供たちに質の良い教育、保育を提供していくべきであるというようなことから、こうした法案の審議が行われたわけでございます。 私にも今現在、私的なことで恐縮なんですが、六歳になる息子がおりまして、朝お弁当を作って子供を起こして幼稚園まで送っていって仕事をするという生活をしておりますけれども、女性が仕事を続けながらなおかつ子供を産み育てる、できるだけ安心してそうしたことに向き合っていくというのは非常に大切なことでもあるし、一方で難しいことでもあるなというのを実感しているところでございます。 働く女性の育児休業の取得率が七〇%を超えたというふうに言われています。これだけ聞くと、随分仕事と家庭の両立が女性にとってもしやすくなったんだなというような感じがするかと思いますが、実態は、釈迦に説法で恐縮ですが、第一子の妊娠出産に伴って六割強の女性が退職をしておりまして、残った三割の女性社員のうちの七割が育児休業を取得していると。ですから、結婚や妊娠をする前の女性社員の総数から考えると、いまだまだ二割の方が育児休業を取得しているにすぎないという状況にございます。 働き続けるにも、これは私自身も実感したことでございますが、保育所が何せ足りない、待機児童になってしまうと。今も全国で二万人の待機児童がいるというふうに言われています。潜在的なニーズというのを考えれば、実数というのはもっと多いのではないかなというふうに思っておりますが。一方で、先ほども申し上げましたように、幼稚園では空き教室が目立ってきていると。およそ三割の幼稚園ではもう定員割れが起きているというお話もございます。 ふと原点に立ち返って考えてみますと、幼稚園と保育所の違いは何だろうかと。これは保護者が、簡単にいえば共働きかそうでないかということによって居場所が分けられていると。ということは、女性がいったん仕事を辞めた場合は子供を幼稚園に入れる。子供が年中さん、年長さんになってちょっとしっかりしてきたからまた仕事に復帰をする。そうしたら今度は保育所に入れ替えなきゃいけない。子供の居場所が保護者の就労形態によってころころ変わってしまう。あるいは所管省庁で申し上げれば、厚労省と文科省で違うと。その内容も、保育所は児童福祉法に基づく児童福祉施設、幼稚園は教育施設であるというふうにされているわけです。 実際にそこで行われている教育と保育に幼稚園と保育所で違いがあるのかというと、幼稚園の指導要領とか保育所保育指針は内容をきちっとすり合わせて行われていますので、基本的には非常に類似したことが行われている。保育時間で見ると、幼稚園は四時間、保育所は八時間が原則ですが、幼稚園でも実態は預かり保育をしていて、かなりその実態というのは近づいてきているというのが現状です。ですから、いわゆる文科省と厚労省の二元行政というのは私はもう限界に来ていて、これはそろそろ見直さなきゃいけないんじゃないかなというふうに思っているわけでございます。 実は、私たち民主党は、かねてからこの幼保一本化というのを主張してきているんですが、この議論というのは実は帝国議会の時代から行われてきました。昭和二十一年八月十日の帝国議会、衆議院の予算委員会での議論をちょっと御紹介させていただきたいと思います。 ある委員の方がこう指摘されています。「この際、私はもっと大きな面から、幼稚園も託児所も保育の面で内容は本当に同じことをしているのでありますから、これを一つにして子供を育てていただきたい」ということをもう当時からおっしゃっているわけです。今から六十年以上も前からの議論です。こうした議論については与党の中にも、幼稚園と保育所を一元化したらどうだと、以前文科大臣をなさった方もおっしゃっているという発言は聞いたことはございますけれども、非常に昔からこういう議論が行われてきていると。そういう中で二年前に認定こども園というのができたわけです。 当時の初等中等教育局長は、およそ千の施設がこども園として認定されるのではないかと法案審議のときに御答弁をされています。そこで二年がたった今、子供たちにとって質の良い就学前の居場所となるように、また保護者の子育て支援の拠点ともなり子育てを全面的に応援していく施設として、じゃ一体どれだけの施設が認定こども園になっているのかと、まず現状を教えていただきたいと思います。
○政府参考人(金森越哉君) 認定こども園の認定件数でございますが、平成二十年四月一日現在、全国で二百二十九件でございまして、十九年の九十四件から百三十五件増加しているところでございます。 また、その類型ごとの内訳を申しますと、いわゆる幼保連携型が百四件、幼稚園型が七十六件、保育所型が三十五件、地方裁量型が十四件となっているところでございます。
○林久美子君 非常に増えているとおっしゃれば増えているようにも聞こえるんですが、何が申し上げたいかというと、当時千と言っていた目標の、今二百二十九件ですよね、四分の一にも達していないわけですね。ということは、当初思っていたほど認定こども園に手を挙げる施設がないということなわけです。この理由を一体どのように文科省はとらえていらっしゃるのか、大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(塩谷立君) 認定こども園の認定件数が目標より少ないというお話でございます。我々もその点は十分に把握しながらできるだけ目標に向かって努力をしてまいらなきゃならぬと思っておりますが、今局長の方から御報告がありましたが、昨年、今年と、少しずつ増えておりまして、一応こども園の制度については高い評価を得ておりますが、一方で、施設や地方公共団体からは、財政的支援が十分ではない、同時に、会計事務処理の簡素化が求められるなど、様々な課題や要望が持ち上がっておりますので、それに対して我々としては、基本方針二〇〇八と五つの安心プラン、あるいはこども交付金の導入などを盛り込んで、今後、文部科学省及び厚生労働省と二十一年度概算要求において緊急整備のための経費を要求しているところであります。
○林久美子君 現場の方からは財政的な支援が十分でない、事務手続が非常に、まあ簡単に言うと面倒くさいというんですかね、複雑で煩雑だというような御指摘が挙がっているということでございまして、実は二年前の審議のときからこれはずっと指摘してきたことなわけです。 要はどういうことかというと、この認定こども園というのは、先ほど御答弁いただきましたが四類型ありました。幼保連携型、幼稚園の認可を取っている、そして保育所の認可も取っていると、それが一緒になってやっていく幼保連携型こども園。二つ目が、幼稚園の認可は持っていると、保育所の認可は取れていないけれども、機能としては兼ね備える幼稚園型こども園。そして三つ目が、保育所の認可はもらっている、でも幼稚園の認可は取れていないけれども、幼稚園の機能は持っているという保育所型こども園。そして最後に、地方裁量型こども園、これはいずれの認可も受けていないという認定こども園。この四類型に分かれていたわけです。 当時の最大の問題は、その認可を受けた部分しか財政的な支援が受けられないということでございました。こうしたことからどういうことが懸念をされるかというと、やはり利用者の費用負担が高くなって跳ね返ってくるという問題。あるいは施設が回っていかなくなるという問題。お財布の出口が文科省と厚労省とそれぞれ二つあるので、当然書類は二種類書かなくちゃいけないと。子供たちに質のいい教育、保育を提供しなくてはならないという大前提の中で、この二重の事務手続、監査もそうですけれども、やり方が違うわけですね。どうやって対応していくんですかということは、これは重ねて何度も質問をしてきた問題なんですね。それがいまだ未解決のままここまで来たと。 そうした中で、今お話しいただきましたこども交付金というのを今回概算要求に上げていらっしゃるわけでございますけれども、じゃ、このこども交付金制度をつくることで、これらのいわゆる現場にとっての大きな課題となっているものについて、これはすべて解決されるのかどうか、この点を教えていただきたいと思います。
○国務大臣(塩谷立君) 今御指摘のとおり、予算についても十分な支援が行われてなかったということで、今お話があった認可外の部分にも支援をするということを盛り込んだ二十一年度要求になっておりまして、この財政支援によってその設置が促進されるものと思っております。 そして、この支援策のうち施設整備補助金の一部が今回の一次補正において前倒しで措置されるということで、また、新たな生活対策においても安心こども基金による子育て支援サービスの緊急整備の一環としてこのこども園の充実を図ってまいりたいと考えております。
○林久美子君 私は、その課題がすべて解決できるのですかということを伺ったわけでございます。一次補正に文科省さんの方では四億円、厚労省さんの方は十七億円でしたっけ、こども交付金、一次で付いているというのは伺っております。こども基金のことも後ほど伺います。 しかしながら、その二重行政が現場の混乱を招いているわけです。機能部分に付くというのは私は非常にいいことだと思うわけです、財政的な支援のウイングが広がるわけだから。いいことだとは思うんだけれども、じゃ、果たして本当にそれで事務手続の煩雑なものが一つにきちっとなるのかとか、機能部分にしっかりとした本当に十分な補助が出されるのかということは、これは順次ちょっと伺っていきたいというふうに思います。 今お話しいただきましたこのこども交付金というのはあくまでも総称だそうですね。この中で、今回の今お話しいただいた機能部分にお金を出すという部分は新規の補助金であるというふうに伺っています。認定こども園施設整備等補助金というのが一つ、そしてもう一つは認定こども園事業費補助金というものに分類されて、それが文科省と厚労省の幼保連携室、これは場所は別々にあるんですよね。場所は別々にあるけれども、同じ名前の幼保連携室のもので一元的に支給されるというのが多分最大のメリットだと、機能部分に付けられるのがいいんだとおっしゃりたいんだと思うんですが、では伺います。この二種類の補助金は具体的に何にどのように使うことができるんでしょうか、教えてください。
○政府参考人(金森越哉君) 二十一年度概算要求におきましては二つの補助金創設を要求しているところでございます。 一つは認定こども園施設整備費補助金でございます。これは幼保連携型となるための幼稚園又は保育所の施設整備費を幼保の枠組みを超えて創設いたしますほか、新たに、これまで補助対象となっていない幼稚園型となるための調理室や乳児室の整備や、保育所型となるための教室整備等を支援することを考えております。 二つ目は認定こども園事業費補助金でございます。これは、これまで補助対象となっていない幼稚園型認定こども園の保育所機能、保育所型認定こども園の幼稚園機能への事業費、すなわち人件費や保育、教育に係る事業費等の支援などを行うことを予定いたしているところでございます。
○林久美子君 前段の施設整備補助金はどちらかというとハードの支援、二つ目の事業費補助金については人件費も含んでの機能的な部分についてのいわゆる補助と、これは幼保連携型に限らずということかというふうに思います。 それでは、先ほどの、冒頭の御答弁でもいただきましたが、まだまだ幼保連携型が少ないという中で、じゃ、実際にこの補助金を受けて、例えば施設整備補助金を受けて幼保連携型にならなきゃいけないわけですね、それを目指していくわけですから。それを実現するまでの移行期間をどれぐらい考えていらっしゃるのかと。例えば、うちもやりたい、うちも欲しいとたくさん手が挙がってくることというのは考えられるわけです。そうしたら、優先順位として、みんなにはいどうぞというわけにはなかなかいかないと思うんですけれども、何をもって優先順位を付けていかれるのか教えてください。
○政府参考人(金森越哉君) 二十一年度概算要求におけますこの新規の補助金につきましては、将来的には幼保連携型への移行を促進することを想定して要求しているところでございますけれども、移行期間をどのように設定するか、またどういったものを優先するのかという御質問でございますけれども、そういった新たな補助金の補助条件につきましては、今後、関係省庁とも調整しながら検討してまいりたいと考えているところでございます。
○林久美子君 補助の条件がまだ決まっていないということでございました。 私はいつも思うんですね。文科省さんも一生懸命頑張ろうとされていると、子供たちにとってより良い教育、保育を提供するためにどういったことが今現場で求められているのか、そのためにはどのように対応していったらいいのかと、多分同じような気持ちで考えていらっしゃるんだと思うんです。ただ、いつもなかなかその思いがかなわないと。そのきちっとしたいわゆる制度設計が見えてこないわけです、概算要求に関してもね。今だって、補助要件はこれからですという話でした。 でも、本来であれば、こういう政策目的を実現をするためにこれとこれとこれとこういうメニューが必要です、ついてはこれだけの人手も必要です、単価はこれぐらい掛かります、それを積算していくとこういうふうになります、移行期間はこれぐらいです、これぐらいの要件を満たしているところにはこういう支援をしていきたいと、だから総額でこれだけ必要なんだというふうに示して初めて財政当局を納得させることが私はできると思うんですけれども、いまだにこうやって、補助要件はこれからです、移行期間これからです、具体的な話はこれからですという状況できちっとその話ができるのかどうか。この辺り、大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(塩谷立君) 今御指摘の点については、私どもも鋭意検討している中で、いろんな時間的な制約もあってすべて細かいところまで決め切れない部分もあるのは確かでございますが、目標としてある程度、例えば二千の認定をしようとか千の認定をしようとかという目標を持っている中で、概算、まさに概算というかある程度の予算を確保しなければならないのも現実でございますので、そういった点で私どもはこの幼保の連携でこども園を認定したいという方向性を持ってしっかりと予算を獲得する。 これについては、今課題がそれぞれ挙げられましたが、少しでも今までの予算措置に不足な面、あるいは不備な点を一つ一つクリアにしていく方向の中で今検討しているわけでございますので、そこら辺のところは御理解いただくと同時に、基本的にいわゆる幼保の問題は、先ほどお話ございましたように、戦後すぐからの話があって、これはなかなか大変なことでございますので、またいろいろな先生方の御協力を是非いただきたい。今までの歴史的な経緯の中でやっとこども園の創設ということがここで実現したわけでございますから、それにまた努力をしてまいりたいと思っております。
○林久美子君 六十年掛かってようやくここに至っているということかというふうに思いますけれども、要は、決意だけでは物事進まないと思うんですね。やっぱり積み上げていくことが非常に大事であると。それは、国民の皆さんもそうですし、あらゆるところがきちっと納得できる積み上げでなくてはならないと。それが明らかにされないままで、こういうことをやりたいからこれぐらい下さいとか、子供がおやつ買いたいからママお小遣いちょうだいよみたいな話では困るわけです。子供たちの未来が懸かっている話なので、そこら辺はもっと緻密に制度設計をしていただきたいと。 人件費についても、大体一人当たり幾らぐらい出すのか、あるいは施設の、これは大体決まっているというふうに伺っていますけれども、大体一件当たりどれぐらいの補助を出していくのかということもちょっと今お話しできるところがあればお話しいただきたいというふうに思いますのと、あとそれから、先ほど申し上げましたように、認定こども園が進んでいかない最大の理由は二元行政にあるわけです、二元行政に。このこども交付金をつくりました、保育所型が幼稚園の認可の取得を目指して頑張っていますというときは、いわゆる厚労省からの補助金とこのこども交付金からと二つ受けるわけです。二つのお財布は変わらないわけです。これは逆に、幼稚園型こども園が保育所認可を取ろうと思っているときにも、文科省からの補助金とこども交付金からお金をもらうと。二つのお財布ということは変わらないわけです。 だから、私、先ほど大臣に伺ったように、このこども交付金をつくることで機能部分にお金が出せるというのはいいことでしょうけれども、二つのお財布ということに変わりはないわけですから、この点についてはしっかりとどのように取り組んでいかれるのかというのはちょっとお伺いしておきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩谷立君) 今回新設する認定こども園の施設整備費及び事業費補助については、幼稚園、保育所の枠組みを超えた補助金制度として新たに一本化するという方向で、今補助金の申請、支給窓口もそのように考えているところでございますが、一方で、認定こども園を構成する幼稚園や保育園への運営費あるいは従来の私学助成や保育所運営費負担金による支援は今までどおり行うことなものですから、新しい補助金については一本化することになっております。 まだそういう点では問題は残っておりますが、そこら辺は今後また検討していかなきゃならぬと思っておりますので、是非また御理解をいただきたいと思います。
○林久美子君 ですから、結局その二つは二つのままで変わっていないということなわけですね。二つの窓口に申請しなきゃいけないことも変わらないし、だから……(発言する者あり)でも、幼稚園の認可を受けているところは文科省からももらうわけでしょう。
○国務大臣(塩谷立君) 今までの運営費とか私学助成。だから、新しい補助金については一本化という。
○林久美子君 それは分かっています。だから、新しく機能部分から認可を取ろうとしている部分は一つから出てくるけれども、旧来のところで認可を持っているのは、そこのラインはそのまま残るわけだから、結果的には二本ですよねということを申し上げているわけです。結局二本のままなわけですよ、そういう意味では。で、これめでたく幼保連携型になりましたといったらまた文科省さんと厚労省さんから、二本のラインは変わらないわけで、だから本当にこれで変わるのですかということを私は問うているわけです。 今、大臣からちょっと具体的な御答弁いただけなかったので、私の方からちょっと伺うというか、ちょっと議事録に残しておきたいので確認をしたいんですけれども、今伺っている施設整備等補助金の経費単価ですけれども、幼保連携型が大体一件当たり四千万円、幼稚園型が一件当たり一千万円、保育所型が一件当たり三千万円で、人件費については非常勤の職員さんを週に三回雇える程度は見込んでいるというような話を伺っているけれども、これは間違いないですね。
○政府参考人(金森越哉君) 認定こども園施設整備費補助金の二十一年度概算要求の予算積算上の単価につきましては、今御指摘のあったとおりでございます。
○林久美子君 分かりました。何せその二元行政は変わらないということで、私としては、そこの根本的なところを正さないとなかなか思うように進んでいかないんじゃないかなという懸念は依然として残っているんですけれども。 もう一つ、二つお財布が残るということと、地方裁量型こども園に何にも手が着いていないと。この問題も非常に大きいと思っていますので、まずちょっとその問題意識だけは提起をさせておいていただきたいというふうに思います。 あわせまして、文科省と厚労省による認定こども園制度の普及促進等に関する検討会というのが設置されているかと思います。七月二十九日付けの資料で、「運用改善等」という項目でこんな記述があるんですね。「認定こども園を構成する認可外保育施設の児童に対する災害共済給付適用について、認定こども園の制度改善・制度改正とあわせて検討」という記述がございます。 この認定こども園の審議をしたときに、二元行政だという課題と、もう一つ大きなテーマになったのが、いわゆる子供たちの命をどうやってきちっとひとしく守っていくのかということでございました。御存じのように、日本スポーツ振興センターの災害共済給付というものの適用の対象は認可のある幼稚園と認可を受けている保育所ということで、認可外の保育施設の子供たちは対象になっていなかったわけですね。だけれども、国が認定こども園という制度をつくったわけだから、地方裁量型こども園も含めて、認可を受けていない施設に通う子供たちも認定こども園に通う限りはちゃんとこの災害共済給付の適用を受けられるようにしようではないかということで、当時参議院では十二項目附帯決議を付けたんですけれども、この災害共済給付業務についても附帯決議に入れました。どんなふうに入れたかといいますと、「すべての認定こども園において事故等の際の補償が円滑に行われるよう、その支援に努めること。」というふうに文言を盛り込みました。 では、果たして二年たってもいまだに検討会でこういうことが議論に乗っていると、要するに実現していないわけです、附帯決議に入れても全く動いていないと。しかし、やっぱりこれ子供の命にかかわることですので、しっかりとこの部分については手を打っていかなくちゃいけないというふうに思っております。これ、いつまでもずるずるとやる話でもないので、これは大臣の是非リーダーシップで早期に結論を出していただきたいと。 いつぐらいまでにこの災害共済給付の業務について結論を出すつもりでいらっしゃるのか、これ、その文書にも検討すると書かれているわけですから、しっかりとそこの部分について、大体これぐらいをめどに結論を出していきたいということを含めてお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(塩谷立君) 今御指摘の件につきましては、その趣旨を踏まえて現在認定こども園制度の普及促進等に関する検討委員会で検討を進めているところであり、またこれについては、認定こども園普及促進のための制度改正の検討と併せてということになっておりまして、この制度改正をどういうふうにするかという、ある面では根本的な議論と併せて行っておりまして、期限としましては今年度中に結論を得るということになっております。
○林久美子君 では、今年度中にという明確なお答えをいただきましたので、これは附帯決議にもきちっと入れていることでございますから、是非実現に向けて、同じ認定こども園に通っているのに、保護者からしても子供からしてもですけれども、何かあったときにちゃんと補償が受けられないというのはやっぱりおかしいと思うんですね。だから、きちっとその部分はひとしく命が守られるように、是非、災害共済給付の適用対象に入れていただきたいということをお願いを申し上げます。 それから、もう一点なんですが、経済財政諮問会議がございます。この経済財政諮問会議の五月の会議の中で認定こども園について議論がされているわけでございます。文科省と厚労省の二重行政の問題ということで、手続、監査の重複というのが指摘されています。 この点についても、先ほど申し上げましたように、この委員会でも十分に議論し、結局解決を見なかったので、今後の課題の積み残しという形で附帯決議に挙げたわけですね。その附帯決議の五として、「幼稚園と保育所の連携を一層強化するとともに、認定こども園に関する国、都道府県、市町村における事務の手続を一元化するよう適切な措置を講ずること。」というふうに盛り込んでおります。これももう二年前にやっているわけです。いまだに書類も一つになっていない、窓口もごちゃごちゃになっていると。しかも、お金の会計監査についても非常にやり方が違って混乱をしているということも伺っております。 この二年間、認定こども園はもう走っているわけです。じゃこの間、文科省は一体何をしてきたんだろうかというのを私は率直に思うわけです。こうした事務手続的なものも含めた一元化、これはもう現場からも要望として上がってきていることですが、これについてはどういうふうに取り組んでいかれるおつもりなのか、大臣、御所見を伺わせてください。
○国務大臣(塩谷立君) 認定こども園制度の運用改善につきましては、先ほどお話ございましたように、本年七月末に文部科学省と厚生労働省の局長検討会において具体的な改善方策を取りまとめたところでございます。その内容については、会計処理の改善、財産処分手続の簡素化、制度の普及啓発等、申請手続等の簡素化、監査事務の簡素化等が織り込まれており、既に財産処分の手続の簡素化については措置したところでございます。 また、先ほどお話を申し上げましたが、概算要求を行っているこども園の新たな補助金については、文科省あるいは厚生労働省の補助制度一本化を図って一体的運用を行うこととしておりますが、会計処理の簡素化その他の改善方策についても現在検討を進めているところであり、速やかに実施できるものから順次進めてまいりたいと思っているところでございます。
○林久美子君 検討中という言葉ばかりがやっぱりどうしても並んでしまっていると。だから、事務手続の簡素化、監査事務の簡素化、事務手続の簡素化なんといったらもう簡単なわけです。やる気になれば、文科省の担当者の方と厚労省の担当者の方が同じ書類を作ればいいわけですよ、一つのフォーマットでまとめればいいわけです。もっと言えば、幼保連携推進室だって一つのところでやればいいわけです。これ二年前にも同じことを言っているわけです。検討します、検討します、検討しますでずっと来て、まだ検討していると。一体いつになったら結論が出るんですか。 大臣、いかがですか。これ子供たちの教育の根幹にかかわる問題なんです。子供たちに接する人たち、設置者の人たちが混乱するような、こんな状況が続いていいわけがないんです。大臣、これいつまでに結論を出されますか。いかがでしょうか。
○国務大臣(塩谷立君) そのとおりだと思っておりまして、私もしっかりと進めてまいりたいと思いますので、努力してまいります。よろしくお願いします。
○林久美子君 進めてまいる。いつまでにですかということを伺っているんですが、多分、そのお答えがいただけないということは、いつまでにと言えないということなんだと思います。ということは五年先かもしれない。それこそまた六十年ぐらい先かもしれない。でも、これは子供を置き去りにした議論なんです、やっぱり。これは、あくまでも文科省さんと厚労省さんのそれぞれのプライドがあったりいろんな権限があったりという中で相入れないものがあるのかもしれない。だからこそ私たちは一本化をすべきだと、一元化をすべきだということを申し上げているわけです。 話は多少ちょっと前後しますけれども、もう私たちは正直言って、子供政策にかかわるところは一つの省庁でやるべきだと思っています。ノルウェーなんかでは子ども・平等省ってやっていますけれども、要するに、女性の働き方みたいなものを含めてかかわってきますが、今は教育は文科省、保育は厚労省、通学路の安全は国土交通省、塾は経産省、何か事件があったら警察みたいな縦割り行政の中で子供たちが非常に被害に遭っていると私は思っています。 ですから、いきなり省をつくる、なかなか難しいと思います。ただ、少なくとも認定こども園に関しては、せっかく同じ土俵にのってやろうとしているわけですから、取りあえずいったん内閣府に移管をして、そこでやっぱりやっていった方が私はいいんじゃないかと思うんですけれども、大臣、非常にお答えにくい立場かとは思いますけれども、これ本当に子供たちのためを思って、どのように考えていらっしゃいますか。
○国務大臣(塩谷立君) 私自身も一元化してやるべきだということは当然考えておりまして、特にいわゆる幼稚園、保育園については、やはり年齢別のいろんな指導、保育のことは決めて、あるいは財政的な措置も決めて、いわゆる幼稚園と保育園ではなくて、やっぱり年齢に応じてこうやるべきだということを基本的に決めてやることが大事だと思っておりまして、そのようにこの幼保の一元化に向けたこども園だということを認識しながら今努力をしておりますので、まだまだ追い付かない点がありますが、私もこういった事務的なことも含めて、しっかりと今後できるだけ速やかに実現できるように努力をしてまいりたいと思います。
○林久美子君 速やかに実現という御答弁を何度も何度もいただいたような気がするんですけれども。 結局、さっきも申し上げました幼保連携型になっても二つのお財布から補助金が出てくるのは変わりませんねと。こども交付金をつくりました、機能の部分にお金が出せるようになりました。でも、認可をもらっている部分と機能をいただいている部分と、やっぱり補助金の出口は二つなわけです。二つであるということは書類も二つなわけです。だから、やっぱり一つのお財布できちっと現場のニーズにこたえられるように。あるいは、まだあるんですよ。認定こども園でも就園奨励費をもらえる親がいたりもらえない親がいたりするわけですよ、類型によって違っていたりとか。これだけ差があるのはやっぱりおかしいわけで、それを解消するためには、一元化以外、私はもう道はないと思っておりますので、これはやっぱり非常に大局的な大きな視点に立って、是非これについて前向きに政府の皆さんにも取り組んでいただきたいというふうに思うわけでございます。 今、大臣図らずもおっしゃいました、その年齢に応じた教育、保育だというお話がございました。 私、以前から申し上げているんですが、就学前の子供たちは、特に四歳、五歳児、六歳児は、保護者の就労形態によって幼稚園か保育所か変わっていると。幼稚園は教育ですよ、保育所は保育だと言われる。だけれども、小学校で考えてみてください。小学校一年生、小学校二年生、保護者が共働きかそうでないかによって学ぶ教室が違いますかと、学ぶ学習内容が違いますかといえば違わないわけです、同じなわけです。年齢に応じた適切な教育と保育を受ける権利が子供にはあるんです。だから、そっちに軸足を置いて、是非前向きに取り組んでいただきたいと思います。 ちょっと今日は時間もありませんので、本当はこども基金についても伺いたかったんです。この基金の内容は、私が伺っているところによると、こども交付金について使えるのと全く同じ使い方だというふうに伺っておりますけれども、それでよろしいんですよね、文科省の方。よろしいんですよね。一言だけお願いします。
○政府参考人(金森越哉君) 先般取りまとめられました生活対策における安心こども基金、仮称でございますが、この設置による子育て支援サービスの緊急整備には認定こども園の拡充が含まれてございます。
○林久美子君 この認定こども園の拡充というのは、いわゆる機能部分にも支給ができると、施設整備に関してというふうに伺っていますし、人件費にも使えるんだということでよろしいんですね。
○政府参考人(金森越哉君) 御指摘のとおりでございます。
○林久美子君 ありがとうございました。 では、もうちょっと時間もございませんので、最後にちょっとどうしても伺っておきたかったので、認定こども園についてはこの辺りにして、とにかくきちっと一元化を進めてくださいと、お財布は一つにしてくださいと重ねて申し上げまして、次のテーマに移りたいというふうに思います。 発達障害者の就労支援についてでございます。 発達障害という障害についての認識が少しずつ広がってきたのはつい数年前のことだと思います。でも、本当にそういうお子さんはたくさんいらっしゃるし、そういうお子さんもすごく上手に適切なかかわり方をしていけば能力が発揮できるんだということもよく分かってきている。そうした中で、私の周りにもこういうお子さんを抱えた方というのは実はたくさんいらっしゃるんですね。 皆さんおっしゃるのが、教育課程は、大分学校教育法も改正されて特別支援教育というのも始まりましたね。まあ十分だとは言えません、当然言えない、いっぱい課題はある。だけれども、学校を卒業してからの進路がとっても心配だということを皆さんおっしゃいます。知的障害をお持ちの方、あるいは身体的に障害をお持ちの方は、いわゆるその、何というのかな、きちっと就労がある程度法的に守られるところもあるんですけれども、この発達障害に関してはまだそこが手が付いていないわけです。やっぱり親として一番心配なのは、この子が自分たちがいなくなった後も自立してちゃんと生きていけるだろうかと、これがすごくやっぱり心配されるわけですね。 そうした中で、これは厚生労働省の方にお伺いしたいんですが、平成二十一年度の概算要求の中で、障害者の雇用を促進するため、大企業は一人当たり年間五十万円、これは発達障害ですね、中小企業は一年半で九十万円を助成して新規雇用の実現を目指していくというお話を伺いましたけれども、これはちょっと正式なお話としてまだ伺っていないので、これは事実としてこれでよろしいんでしょうか。
○政府参考人(岡崎淳一君) 二十一年度概算要求の中身でございますけれども、今先生がおっしゃいましたように、発達障害の方々につきましての就労支援はそれなりにやってきておりますが、やはり企業におきまして雇用管理につきましてどういう配慮が必要か、そういったところをきちっとやっていかないとなかなか御指摘のような形での雇用率への算入その他、難しい部分があります。その環境整備も含めまして、まず企業におきます雇用管理をきちっとやっていくと。そのモデル事業という形で、今御指摘がありましたような形で発達障害者を受け入れて雇用管理について様々な取組をしていただく企業に助成金を出すと、こういうことを考えているところでございます。
○林久美子君 先取りでお答えをいただいてありがとうございます。 そうなんです。要は、法定雇用率一・八%というのがございます。この発達障害者というのが義務化の対象とされていないわけですね。今は身体障害者、知的障害者の方が義務化の対象となっていらっしゃいますけれども、また、そういう意味では精神障害の方もなっていないという中ではございますけれども、やっぱり私はこれ将来的には発達障害者の方もちゃんとこの法定雇用率の中に入れるべきだというふうに思っているわけです。 今回、二十一年度概算要求でのせられました。大体何人ぐらいを想定していらっしゃるのか。将来的に今回このモデル事業としてやっていただくんだというお話がありました。その先にはちゃんとこの法定雇用率の中にも含めるんだというのは選択肢として当然あるんだと考えていますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(岡崎淳一君) まず、二十一年度概算要求の人数でございますが、現在ハローワークを通じて発達障害をお持ちの方の就職というのは、まだ百数十名でございます。予算要求は、これは少しは増えるだろうということで一応二百名を想定して予算要求をしているところでございます。 いずれにしましても、雇用率の対象にするかどうかということにつきましては、ある程度、企業の方でこういう職域でありますとかあるいはこういう雇用管理をすれば雇えるというような方向性を私どもも示していかないと企業の方へなかなか義務付けられないという問題が一つと。それからもう一つは、雇用率の対象とする場合にはやはり対象者をきちっと確定しなきゃいかぬという部分があります。 発達障害については、先ほど先生もおっしゃいましたようにまだ新しいというか分かり始めたところで、その辺の状況もなかなか難しい面があります。発達障害者支援法も三年前にできてまた見直しの議論等もあるというふうに思いますが、そういう状況も見ながら雇用の分野でどういうことをしていく必要があるのか、あるいはその雇用率の問題も含めまして、将来的に検討させていただきたいというふうに考えております。
○林久美子君 そうなんです。専門の医師の方もまだまだ少ないという状況にございます。先ほど百数十人、現在というお話ありました。発達障害というのは今六%ぐらいの方がそうではないかというふうに言われているんです。ということは、いかにほとんどの方が就業に恵まれていないか、きちっと就業されている方も、当然分からないだけでいらっしゃると思います。だけれども、まだまだ私はやっぱり絶対数として少ないんだと思うんですね。だけれども、きちっと自立できるわけだから、そういう道をやっぱり付けていくというのは非常に政治にとって大きな役割であるというふうに思っておりますので、モデル事業をやっていただいて専門家の育成をし、企業にもいろんなノウハウを身に付けていただくことを進めながら、ちゃんと法定雇用率にも将来的には入れていくんだという方向で進めていただきたいと思います。 最後に一点、文科省さんに伺います。これ、是非大臣にお答えいただきたいというふうに思います。 ちょっと通告してなくて恐縮なんですが、学校教育法の改正のときに特別支援教育というのをつくりました。就学前の教育、幼稚園とか含めて、あと学校の連携、特別支援学校との連携、大学との連携、その先に絵に描かれていたのは社会という輪があったわけです。 じゃ、文科省として、厚労省さんもそうやって企業の方の努力なんかもしていただけるということなんですが、どうやって社会にこういう発達障害の子供たちをつないでいくべきなのかと、これ教育の立場から考えてどのようにお考えか、決意も含めてお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(塩谷立君) 今の点は大変大事な点だと思っております。私どもとしましても、いわゆる特別支援教育を推進する中で、やはりそれぞれの子供たちがしっかりと就労できるようなことを支援し、またそういった教育もしていく必要があると考えておりまして、これについては進路指導の充実とか、あるいは労働者関係の機関と連携しながら、そういう点をしっかりとこれから取り組んでまいりたいと考えております。本当に大事なところで、私自身もまた勉強をし、頑張ってまいりたいと思います。
○林久美子君 ありがとうございました。 本当に是非、子供たちというのは、私もそばで見ていて思うんですけれども、本当に、本当に無限の可能性を秘めているんだと思うんですね。もう今更申し上げるまでもございませんが、やっぱりこの国の、日本の未来をつくるのは間違いなく子供たちなわけですから、そういう意味では、認定こども園の問題もこの発達障害者の支援の問題も非常に重要なことであると思いますので、どうか全力で引き続きお取り組みをお願いしたいと思います。お願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○谷岡郁子君 民主党の谷岡郁子でございます。よろしくお願いいたします。 この度、塩谷大臣の御就任に当たられましては、本当に御苦労さまでございます。また、先ほどは同僚の木俣議員の質問に対して、特に、学生たちが今内定を取り消されている問題に対して大変積極的な御答弁をいただきまして、ありがとうございます。 〔委員長退席、理事関口昌一君着席〕 また、私の方からもお願いをしておきたいのは、やはり奨学金を借りているような形の学生たちが、このままでいきますと実ははしごを外されて返すことが開始できないというような状況もあります。そういう学生たちに対しましては、猶予していただくというような形ですとか、あるいは取り消した企業にその奨学金の肩代わりをさせるとか、そういうことを含めて是非御検討を今後お願いしたいということを付け加えさせていただきたいと思います。 今日私が質問したいことは、御就任に当たられまして、この間、中山元大臣を始めとしまして、文教族でつくられた内閣とまで言われているこの麻生内閣、この内閣においていろいろな発言等、また過去の経緯含めてございます。また、田母神さんの問題も出てまいりました。そういう中で、大臣の教育観、どういう人間観を持って今後教育の元締として、大臣、していただけるかということ、この間のごあいさつを読ませていただきまして、また聞かせていただきまして、私、基本的に安心はしておりますが、是非確認をさせていただきたいというふうに思っております。 〔理事関口昌一君退席、委員長着席〕 さて、米国におきましては、初の黒人、つまり有色人種の血を持ったオバマ次期大統領が誕生するということでございますが、文科大臣として、これは民主主義教育のある種の成果、米国の教育の成果というふうに御理解いただいているのでしょうか、それとも、あるいは問題だというふうに御理解いただいているのでしょうか。それはワスプという、ずっとホワイトハウスはホワイトが住人であったと、それがノーモア・ホワイトハウスにある意味ではなるというようなことにおいて、この伝統が切れるというふうにお考えになっておりますでしょうか。その点をまずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(塩谷立君) この度、文部科学大臣に就任をして、改めて私の教育観というか、そういう点においては先日の所信においてはなかなか申し上げられなかった点もあると思いますが、私も、実は青少年育成をやってきた中で、やはり子供たちが自分の世界を広げてほしいと。というのは、積極的に自立していろんな体験をする中で知識や技能や経験を積んで、そして海外へ行くなり、そういった体験をどんどんする中で人格形成を図ってほしい、そういった教育ができればと。そしてそういう中で、できれば世界のトップレベルの学力、人格等も兼ね備えてほしいなというのが私の思いでございまして、理想的には、知徳体をしっかりと兼ね備えた人格形成をしてまいりたいというのが理想の姿でございますので、それに向かって努力をしてまいりたいと思っているところでございます。 今、アメリカ大統領の今回の結果、どう受け止めるかということでございますが、当然ながら、アメリカのダイナミズムといいますか、そういったものを改めて感じたわけでございまして、オバマさんという人がよく黒人候補者と言われますが、それ以上に、あらゆる世界のルーツを持っているということの方が私は今の時代を反映した結果だと思っておりますので、大いにこの結果を受け入れて、我が国として、我が国も今まで努力してこういう日本の発展をそれぞれが担ってきたと思いますので、やっぱり日本人のまたすばらしいものを引き出していく、これも教育だと思っておりますので、今後とも、そういう点においてしっかりと大臣として努力をしてまいりたいと思います。
○谷岡郁子君 ありがとうございました。大変私も期待が持てる答弁であったというふうに考えます。 それで、先ほど世界一流の学力であると同時に世界一流の人格を持った子供たち、また青年たちということでもあろうかと思いますが、育てたいという抱負を語られまして、もちろん私どももそのために微力ながら全力を尽くしたいと思っているわけでございますが、その結果として、一流の中でも一流でなければならないはずの国家のエリートたちと言われているような人たちの中でこの間大変な不祥事がたくさん起こってきているのではないかなということを私どもは感じております。 昨年から考えてみましても、C型肝炎の被害を生み出した厚生官僚の不作為、厚生労働ですけれども、年金問題を認めようとしないでずっと隠ぺいし続けて、そしてそれを浄化することができなかった社会保険庁の幹部、マッサージチェア等、いろんな形で税金をほかの必要ではないと思われる用途に使った国土官僚の無駄遣い、また、防衛省における不祥事というようなこと、これは不祥事という点では、汚職という問題で考えるならば、文科省の施設部の方でもございました。また、財政を一番見なければならないで緊縮しているために、いつもほかの省庁に対しては厳しい態度を取っている財務省の官僚が、居酒屋タクシーを使いまくるというようなこともございましたし、国民の命の安全を守るべき、また農業を守るべき農水省の幹部たち、そして各地方の事業所の方々が汚染米を流通させたというようなこともございました。 多くの国民が今、一体この国はどうなってしまうのだろう。もちろん、いつも様々な、この委員会でも指摘されておりますように、子供たちの倫理性、道徳教育、人格をどうつくり上げるかということは大変大事でございます。しかし、一般国民以上に、やはりエリートと言われる人、大きな権限を持って国民の生活を左右する状況にある人々、この人たちが一流の中の一流として一般国民以上の人格、倫理性ということを示すということが当然必須の問題であるというふうに私どもは考えますが、その点について、大臣、どういうふうにお考えでございましょうか。
○国務大臣(塩谷立君) 今お話しありましたいろいろな不祥事については大変遺憾に思っておりますので、私どもそういった事件等にかんがみて、やっぱり改めて自ら襟を正していかなければならないと思っております。 特に、官僚のそういったことについては、公務員制度改革等、しっかり我々政治が主導していかなければならないと思っておりますし、制度的にどうかということもあったり、あるいは社会全体で取り上げていかなければならない。その根源はまた教育だということに返ってきますので、特に改正教育基本法においては道徳とかあるいは公共の精神とか、そういった我々が生きていくための基本となるところをもう一度教育の中でしっかりと反映させていかなければならないということをうたっておりますので、特に道徳教育については、来年度以降、その指導のやり方、あるいは参考の書籍の在り方、教師の在り方、様々検討して、これは学校教育だけではなくて社会全体で私は取り組む必要があると思っておりますので、できればそういう手法といいますか、そういうところを考えながら社会全体で取り組む方向を目指してまいりたいと思っております。
○谷岡郁子君 私が申し上げたのとはちょっと違うような気がするんですね。小学校、中学生と、義務教育等において、非常に愛国心を始めとする道徳なるものが一方で大変強調されております。私は道徳心というのは元々教科で教えるようなものではなくて培うものだと、そして生活の中で、また大人たちの行動というようなものを参考にする上で培われるものだというふうに思っております。 ですから、大人たちの中でも一流であるべきはずの例えば官僚を中心とした国家のエリートたちのことを問題にしておるわけです。そして、このエリートたちというのは、実は国立大学を中心としました一流大学の卒業者であるということが大半ではないかと思われます。 そうしますと、問題なのは、幼少時における道徳云々ということよりも、むしろ高等教育以降における人格形成、人間形成ということが実際には問題になっているのか。学力ばかりが受験戦争の中で強調されて、その中でただ偏差値の高い子が国立大学へ選抜されていき、そして公務員試験などに通っていくという、ここに実は、自分が勉強さえできれば大きな権力を持ってしまって当然と考える、むしろ権力を持つことへのおそれ、あるいは公徳心、公正さ、そういうものについてちゃんと身に付けていない子たちが実は育ってしまっていて、この国のエリートになっていっているのではないだろうか。 そして、例えば隠ぺい体質に見ても、当事者意識、責任感、例えば自分がその出世を妨げるのであるならば黙って見過ごすというような、勇気を持てないような官僚エリートというものを育ててきたのではないんだろうか。それに対する判断力、あるいは決然として闘う勇気、そういうものがない、そういう人間たちを育ててきてしまったのではないか。 とりわけ、もちろん江戸時代、御案内だと思いますが、士農工商の中でも士という階級のレベルに対しては徹底的に四書五経をたたき込むというような形で、刀を持っている人たちであるからこそ徹底して公徳心、そして倫理性を養うということが必須としてされていたわけです。 それに対して、一般国民に対する道徳ということは云々されても、エリートたちに対しては高い倫理性、人間性を求めるということで、高等教育以降について人間教育あるいは人格教育というものが余りに欠いているのではないかということを私は感じておるのですが、その点についていかがでございましょうか。
○国務大臣(塩谷立君) 確かに、今お話があったように、基本的な倫理観あるいはいわゆる社会的責任の欠如等々、大変問題になる行動があるわけでございますが、高等教育以降の人間形成の教育というのはどうあるべきかというのは改めて検討してみなければならないかなと思っている一方で、やっぱりその時点で何ができるかというと、なかなか難しいことだと思うんです。 したがって、私どものいわゆる教育機関を所管する者としては、やっぱり子供の時代から積み上げていくものがいわゆる人間形成に一番影響があるんだと思いますし、社会へ出てからのいろいろな、いわゆる利害が絡んだとか出世とかいろんなものがあったり、そういうことに対する考え方というのは、その時点で果たしてできるのかどうかというのはちょっと私も甚だ疑問があるんですが、それを、社会に出てからのそういった社会的責任なり倫理観なりをしっかりと行動に表していけるのはやはり幼少からの教育であると思っておりまして、それじゃ大人になった者にどういう教育をすればいいのかというのは、具体的な提言があったらまた御提言いただきたいと思います。
○谷岡郁子君 お考えは分かりました。 ただ私は、ただ全般的に倫理教育というものをこうであるのだと教えるのではなくて、疑いを持つ心、そして自発的になぜそうなるのかということを検証していく力、そして同時に様々な体験というようなものを通じて、自ら迷い、悩み、またその中で形成されていく自己、自由であるということは、自分に理由があるということにおいて、未熟であっても自分の意見を表明するというようなことをきちんとする力、そういうようなものも一方では必要でありましょうし、また、全体がある方向を向いているときに、それに対して異論を唱える力も必要でございますし、そういうものの欠如の中で様々な省庁における不祥事などが出てきているというふうに思いますので、これが正しいというようなことを余り教え込み過ぎる道徳教育なるものというのは避けた方がいいというふうに思っております。 同時にやはり重要なことは、私は、科学的な態度、科学的な精神というもの、あるいはその普遍性、真理というものに対する敬意というものをどのくらい持たせるかということが大変重要だと思っております。 今年はノーベル賞、日本人のたくさんの方々が受賞された、それは大変喜ばしいことだと思います。その一方で、でも科学的な態度というものは理科系にのみ通ずるものではなくて、やはり客観的であり、そして事実を自らの都合によってねじ曲げるのではなく、客観的、理性的に、冷静的に判断する態度、また同時に真理そして普遍性というものに対する限りない敬意、こういう態度を育てることだというふうに思っておるわけですけれども、そういう態度を日本人の中に育てていくということについて、塩谷大臣、大切だと思われておりますでしょうか。
○国務大臣(塩谷立君) もちろん今お話あった科学的ないわゆる考え方に基づいた教育というのは必要だと思っております。 大変、谷岡委員についてはもう教育の専門家でございますから、いろいろとまた御指導賜りたいと思いますが、例えば道徳教育については、おっしゃっている、いろんな悩みながら、あるいは考えながらということと同時に、私は、一番今欠落しているのは、やはりある程度基本的なところで、やってはいけないとか、こうするべきだというところが欠如している。家庭なり社会でそれは十分に培われるものだと思っておりますが、現在それがないから、だれかが言わなきゃならぬ。そういう意味で、道徳教育が必要だという点もあると思っております。 ある面では強制力も必要だと、もう、いわゆる理屈じゃないんだというところもある程度必要なんで、そういうところも含めて、どういうふうにうまく教えるといいますか、そういうところも考えると、大変道徳教育というのは指導としては難しいと思っておりますが、しかし、今申し上げましたように、残念ながら家庭なり地域社会でそういうことが現状ではなされていないという認識が多いと思いますので、そういったところをしっかり教える中で、また一方で、当然科学的な考え方に基づいた判断ができる、そういうことも当然ながら必要でありますので、いろんな教科を学ぶ中で、やはりそういったところを重要視していかなければならない。 例えば数学とかあるいは物理とか、そういった非常に我が国の得意とする分野の論理的な構成といいますか、そういうところは大変重要だと思っておりますので、そこら辺もしっかりと教育の中で重要視してまいりたいと思います。
○谷岡郁子君 形から入る、ある意味で問答無用に近い形でも、やはりこれはこういうことをしなければならない、正しいという部分も必要なのだということを今大臣おっしゃったわけです。 そういうことが一番この国でできている公的なシステムというのは実は自衛隊ではないかというふうに私は感じております。そして、こうあらねばならないということが最もうまくできているはずの自衛隊において、田母神さんのような方が出てきてしまっているということを私は今非常にびっくりしておるわけです。 田母神論文というものを読んでおりまして、憲法や政府の見解ということを素直に受け止めることがおできにならないと。また、三十冊あれば二十九冊は別のことを言っているのに、自分の好みに合う一冊だけをつかまえてそれが真実だということを言われる冷静さを欠いた、客観性を欠いた非常に御都合主義の非科学的な態度というようなものがここで来てしまっているんですね。 そういうことに対して、なぜそういうことが出てきてしまうのか。これは、防衛省の方なのかもしれませんので防衛省の関係者にもお聞きしたいと思っているんですけれども、こういう形で出てきてしまっているんですけれども、防衛大学であり、この方、防衛大学の卒業生だと思うんですけれども、幕僚学校であり、どうしてこう田母神さんのような、もう少し科学的なエリートにふさわしい客観的な判断力というようなものを鍛えるということをお考えにならなかったんでしょうか。
○政府参考人(羽深成樹君) この度の田母神前幕僚長の案件につきましては、政府見解とは明らかに異なる見解を幕僚長として発言したということは誠にふさわしくない行為として極めて遺憾であるというふうに考えております。 それで、今の教育の中での在り方ということにつきましては、我々も今回のようなことが起こった背景に、教育の内容ですとかそれからプロセス等々について問題がないかどうかよく点検、検討をまず行って、必要な見直しをしていきたいというふうに考えています。
○谷岡郁子君 昨日、防衛省の方も質問取りに来ていただきましていろいろお聞きして私びっくりしたんですけれども、自衛隊、防衛省管轄の中に一体幾つぐらいの学校があるのかとお聞きしたら、すぐには分からないということでありました。そして、幕僚関係を中心とした制服組に、言わば学校づくりも、そしてその学校のカリキュラムの内容も、そして講師もすべて任されているというようなことを聞いて非常にびっくりしたんですね。それでそのシビリアンコントロールが利くわけもない。 また、科学的な態度であったり国際的に広い見地から物を見てみるというような視野も本当にちゃんとバランスが取れてつくれるのか。例えで言いますと、今回の問題は日本の問題、国内問題だけではないと思います。日本の軍隊たる自衛隊は果たしてシビリアンコントロールが利いているのか、そういう意味での近代的な標準、二十一世紀の標準に達しているのか、これ、多くの国が危惧を持っていると思います。実際、私も先週アメリカにおりまして、政府の高官でありますとか、また議会関係者などから非常に強い懸念というものをたくさん聞いてまいりました。 そういう中におきまして、どうして自衛隊の幹部、例えば幕僚学校というのもおありになるそうなんですけれども、幹部の養成においてその辺の一番基本的に現代の軍隊においては一番守らなければいけない安全弁であるはずの最低限のものがこんな高い高位まで達した人にできていなかったこの問題というのはどういうところにお考えがあるのかということを、また今後どういうふうに善処されたいかということをお聞きしたいと思います。 また、文科大臣におかれましては、やはり科学性ですとか冷静さですとか、そういう普遍性と、言わば科学、真理というものをずっと学問として追い続けてきた、こういう部分に関しては、やはり専門的な学問が中心である自衛隊ということについてなかなか一般教育的な部分というもの及びが付かない部分がある、人間形成の普遍性というようなものについてはその及びが付かない部分がある。この辺についてもやはり文科省としても、自衛隊傘下、そして防衛省傘下の学校に対して一定程度チェックをしたりお力をお貸しになったりするような、そんなお考えはございませんでしょうか。 以上、二つお聞きいたします。
○政府参考人(羽深成樹君) 今先生から御指摘ありましたように、自衛隊員が偏向した歴史認識を有することなく、史実を客観的に理解をしていくということは非常に重要なことだと思いますし、我々としてはまず今回のような背景に、田母神氏と同じような歴史観というものが……(発言する者あり)いろいろ見直しをしていきたいと思っております。検討して……
○谷岡郁子君 今聞こえなかった。もう一度。
○政府参考人(羽深成樹君) 田母神氏と同じような歴史観というものが、何でこういうことが起こったのかということについてよく、先ほど申し上げた、プロセスを点検したり内容を点検をして、客観的な歴史認識というような教育が行われるように、そこは改善すべきところは改善したいというふうに思っております。
○谷岡郁子君 それで、この間、外交防衛委員会に田母神氏が参考人としてお出ましいただいたときの質問に対する答弁の中身ですね、あなたがその懸賞論文について応募するようにということを指示を出したのかということについて、そんなことはないと、私が指示を出したら一千人は応募するであろうと、そのくらい自分自身については内部に信奉者がいるわけだし、また自分と同じような考えを持っている人間がいらっしゃるんだということを豪語なさったんですけれども、私はそれを聞いて大変危惧いたしました。 自衛隊の中には、それほどそういう、言わば歴史観なり何なりを、あるいはそういう物の見方というのか、ある種バランスを欠いた物の見方をする人たちがたくさんいらっしゃるのでしょうか。
○政府参考人(羽深成樹君) どれぐらいいるかということは、これはちょっと今我々もお答えできませんけれども、ただ、いずれにしましても、史実を客観的に把握して偏った歴史認識を持たないようにするということは大事なことですので、そういう教育にきちんと努めてまいりたいと思います。
○谷岡郁子君 ありがとうございました。 それでは、塩谷文科大臣、大臣自身としての歴史認識ということでいきますと、村山談話というものを継承した形の今の政府の見解ということが、今後、日本の教育を進めていく上での大臣の歴史観だと。あの第二次世界大戦、侵略であり、そして多くの東南アジアの方々を始めとして迷惑を掛けたという通常の、そしてそれは日本に、謝罪するべきだし謝罪したというような形の現在の考え方、これを大臣自身の教育観また歴史観というふうに受け止めてよろしいんでしょうか。
○国務大臣(塩谷立君) 政府としては、平成七年に村山内閣総理大臣の談話、十七年に小泉総理大臣の談話ということで、私自身もそのような談話、考え方を踏まえて、我が国が過去の一時期、植民地支配と侵略によって国内外に被害を与えたという事実、とりわけアジアの諸外国の人々に対して多大な損害を、苦痛を与えた事実を受け止めて、これらに対する深い反省またおわびの気持ちに立って、世界平和と繁栄に向かって力を尽くしていきたいということを考えております。
○谷岡郁子君 ありがとうございます。 それで、実は先ごろ、大江健三郎氏の著書に関する裁判、高裁で結果が出まして、そして訴えを棄却するという結論が第二審で出ております。 去年、教科書問題の検定に関しまして、私は秋に教科書検定問題について幾つかの質問をさせていただきました。渡海前文部大臣、私が指摘しました幾つかの問題に対しても、きちんと今後ちゃんと検討して善処していく、対処していくということをお約束いただきました。 そこで、去年私が指摘しました点につきまして、幾つかございましたけれども、現在どのような形で検討が進んでいるのか、また善処がなされたのか、今後の予定がどうであるのかというようなことを是非お聞きいたしたいと思います。 私が指摘しましたのは、審議会のメンバーの構成はどうなんだということであり、そしてその審議の透明性という問題はどうなんだと、時間的に見て、一項目一分足らずというようなその審議時間という状況の中で、どうしても教科書調査官の判断というものに非常に大きくゆだねられてしまうと。 また、教科書調査官に関しましては、今日皆様のところへ行っているかと思いますけれども、参考資料の中に出させていただいておりますように、教科書調査官四人いらっしゃる、歴史教科書ということでいいますと四人いらっしゃる中で、すべて同じ大学を修了なさって、三つの同じ大学院を修了なさっている方、同じスクールの方がなさっているという偏りを去年指摘いたしました。そして、公募もなされていない、また試験もなされていない、そして客観的な任用に対する基準というものも文書化も何もないという状況の中で、恣意的な言わば採用が可能である旨指摘しました。 それに対して、この中でこの方々の履歴については書いてございますし、一方で、日本の中には、三ページ以降、これほどたくさんの学校が博士課程、修士課程というものを日本史で出すことができるという中で、できるだけ客観的で公正であるならば、多様な人たちの目でこういう案を作るというような状況が必要であるということも指摘を申し上げました。 こういう偏りの是正というものが今どこまでなされているのか、今後どういう形でなされるのか、そのことについてまず御質問申し上げたいと思います。
○大臣政務官(萩生田光一君) 教科書検定の改善につきましては、今、谷岡先生からもお話がありました昨年のこの委員会での質疑を踏まえて、また御指摘のあった事項も踏まえて、本年二月から教科用の図書検定調査審議会が設置をされ、そこで教科書の検定の信頼性を一層高めるための検定手続の透明性の向上や専門的見地からのきめ細かな審議の確保など、検定手続の改善等について検討を行っている途中でございます。 具体的には、公正中立で慎重な審議という点につきましては、特に慎重な判断を要する事項については既に外部専門員を委託をして、そういった外部の方たちの意見も聴取をしながら、より専門的できめ細かな審議を行うことができるよう審査における運用の改善、審議会委員や教科書の調査官の選考につきましては、専門的な学識を有する適材を幅広く確保していくための方策などについてまさに議論がなされております。 先生の問題意識がございました、例えば公募や何かはできないのかという点ももちろん一つの考え方としては重要だというふうに認識をしておりますけれども、教科書の調査官は、高度な学術的な知識や能力も必要であり、総合的に人物を見極める必要があるために慎重な対応が必要というふうに考えておりまして、果たして公募によって高度な学術的な知識を有する適材が応じていただけるかどうか、こんなことも今検討中でございます。 あわせて、教科書の調査官の氏名や職歴などについての情報を公表することにつきましても、教科書検定の信頼確保の観点から、教科書検定審議会で御議論をいただいているところでございまして、昨年委員会で御指摘いただきました様々なことは、今現在、先生の御指摘に沿って可能なことと、またなじまないこととあるかもしれませんので、まさに審議会の方で慎重な審議をしていただいている途中でございまして、結論が出次第、速やかにそれを踏まえて文科省としても対応を考えていきたい、こう思っておるところでございます。
○谷岡郁子君 ありがとうございます。 真摯にそういう形で対応していただいていることを大変心強く思います。 その一方で、今公募ということについて、これでちゃんとした人が得られるのかと。今オーバードクターも含めて、本当に、大学院を卒業して職のない人、たくさんおります。私どもの大学でも、空きのポストを一つ募集すればすぐに、学情などに情報を出せば二百、三百のドクターを持ったような人たちが応募してくるというような状況がございます。 かつては、いろいろ人物等総合的な判断をするということのために、私どもの大学でも教員人事について公募をしないという時代がございました。それを公募に切り替えましてから、やはり格段に教員の質が良くなったなということを実感しております。ですから、その辺のところにつきましては、私はむしろ質は、そういう意味におきまして、公募という中から、広い中から選んだ方がずっと高い質を確保できるんだということを信じておるということだけ指摘させていただきます。 さて、その中で、もう一つ指摘申し上げた点は、これは沖縄の、教科書の記述について、集団自決の問題についてやるためにいろいろ一連の問題を説明させていただいた中で、今日の資料にもお出しをいたしましたけれども、たまたま新しい歴史教科書の記述の問題という形で、これなぜこういう問題をそのときに指摘させていただいたかといえば、一方で高校生に誤解を与える懸念ということから、非常に厳密に沖縄の集団自決の問題に対しては検閲に近いような形で教科書の採択がなされた。 その一方で、新しい歴史教科書という中学校向け、つまり、幼いからもっとうのみにしやすい、批判精神が育っていない、そのレベルの子たちに、扶桑社の新しい歴史教科書というものの二百六ページ、二百七ページ、今日お付けいたしましたけど、そこを見ていただきますと、「アジアに広がる独立への希望」ということで、これ第二次世界大戦当時の、また前からのことを書かれているわけですけれども、日本の緒戦の勝利は、東南アジアやインドの人々に独立への夢と勇気をはぐくんだというようなことが書かれていまして、そして、その見開きページの右側のところでは、「アジアの人々を奮い立たせた日本の行動」ということで、日本を長い間待っていたに近い、日本の人たちは自分たちを救う英雄だというような受け止められ方がされたんだということで、そういう引用が一つだけなされているわけですね。そして、日本を解放軍としてたたえたインドネシアの人々がというような形の文章がまたそのページの中ほどに出てくると。 これは先ほど大臣がおっしゃいました教育観、歴史観というものに合っているのかということを考えますと、かなり問題がある記述だろうというふうに思っております。 この記述に関して、私は去年指摘をいたしましたが、この問題に関して、この検定、次の中学校の検定ではこれも含めて今後検討していただけるということなんでしょうか。
○大臣政務官(萩生田光一君) 教科書検定につきましては、学習指導要領や検定基準に基づいて教科用図書検定調査審議会の専門的な審議を経て実施しているところでございます。 歴史教科書の検定は、国が特定の歴史認識、歴史事実を確定するという立場に立って行うものではなくて、法令に基づいて、検定の時点における客観的な学問的成果や適切な資料等に照らして記述の欠陥を指摘をするということを基本として、教科用図書検定審議会の専門的な調査審議に基づいて行われているものと理解をしております。 こうしたことから、歴史教科書における具体的な記述内容については、教科書ごとに相違が生じることも当然あるんだろうというふうに思っております。 また、教科書検定の改善につきましては、現在、教科用図書検定審議会において議論がなされているところでございますから、この審議会の決定を、結論を待ちたいというふうに思っています。 審議の中では、教科書の具体的な改善方策として、児童生徒が特定の事項、事象、分野に偏ることなく、バランス良く客観的な見方や考え方を身に付けることができるよう、公正性、中立性をより一層確保するといった検定基準の見直しの視点が示されているところでございまして、文部科学省としては、検定基準等の見直しを行い、来年度以降の教科書検定においても、検定基準に基づいて公正中立な教科書検定の実施に努めてまいりたいと思っております。
○谷岡郁子君 考え方というものは特に問わないというのであるならば、なぜあれほど沖縄の集団自決問題に対しては強い検定が各社の教科書に対してなされたのだということがもう一度問題として浮上せざるを得ないということになるんだと私は思います。あれほど沖縄の方々が怒りを持って抗議をなさったような、そういう考え方が言わば検定という形でなされたということが一方にあるんですね。今の政務官のお答えということであれば、それだったらそんな検定は必要なかったではないかということが言えるわけですよ。 そして、問題はあるんです。なぜ新しい歴史教科書、問題があるかというと、先ほどから皆さんが私の質問の中でずっとお答えになってきた、非常に田母神さんの考え方の欠陥、問題点、そしてそういう田母神さんもかつては小学生であった、かつては中学生であった、防衛大学校に行かれたということの中で歴史を多分学んでこられたでしょうし、任官されてから歴史を学ばれた点というものも多かったんではないかと思いますけれども、今の小学生もいずれは自衛官になります、今の小学生たちも大学を出れば皆さんのようなお立場になる、あるいは私たちのような立場になるということであって、そのときに、やはり一定の人類社会の普遍的な、あるいは真理な、確定された客観的な事実とみなされるものから大きく逸脱されたような考え方を持つというのはとても困るわけです。 そして、次にお付けいたしましたけれども、「鵬友」という、田母神さんがかつてずっと書いていらっしゃった航空自衛隊の部内誌というのがあるそうですけれども、この「鵬友」の平成十五年七月号、二十九巻二号ということの二十四ページに、田母神さんは次のように書いておられるんです。 この「十 国民の国防意識の高揚」ということでございますが、近年我が国の歴史教科書が極めて自虐的に書かれていることが産経新聞等によって明らかにされ、扶桑社の新しい歴史教科書が作られることになった。多くの日本国民はこのことを歓迎し、本教科書は市販本として売行きを示し云々が書いてある、残念ながら学校の教科書採択においては余り採用されなかったがと書いてあるんですけれども。この言わば田母神氏の歴史観そして見解、こういうものから御推奨の、お墨付きのある教科書が今現在検定教科書として採択されているという事実について私は疑問を持たざるを得ないんですが、そこはいかがなんですか。
○大臣政務官(萩生田光一君) 検定基準は中立性、公平性を持って行っておりますし、文部科学省としてこういう記述がふさわしいとか、こういう記述は望ましくないというようなことをコメントを付ける性格のものじゃないと思っています。言うなら、出版社が出してきたものについて公正中立に判断をして、それに著しく欠陥があればそれを指摘をするというのが教科書検定制度でありますから。 私、谷岡先生が資料で出された扶桑社の教科書のおっしゃった引用文のところが、これが本文であるとすれば、マレーシアの方の言葉がそのまま教科書の本文であるとすれば、これは偏りがあるなと思いますけれども、本文の中では、戦場となったアジアの諸地域の人々に大きな損害と苦しみを与えたというのが本文でありますし、特に中国の兵士や民衆には、日本軍の侵攻により多数の犠牲者が出た、日本は、占領した東南アジアの各地では軍政をしいた、そして、そのことによって日本語教育や神社参拝などを強いたことに対して地元からの反発もあったという、極めて客観的な当時の実情は書いた上で、中には外国でこういう考えを持っている人もいましたということが、言うならば資料として添付をされているので、おっしゃっているような非常に一方的に偏った教科書だというふうには私は感じておりません。
○谷岡郁子君 じゃ、ここは、そのお考え、それは大学を卒業して、引用文と、そしてそうでない本文というものが明らかに実態として違っていることが分かっている人間のレベルでとらえられることであって、中学生というレベルにあっては、私も中学時代そうでしたけれども、教科書に載っているものは皆同じように文章として感じておりました。これは引用文だから一例にすぎないのであって、これは本文ということで、重要とみなさなくてもいいというふうに思うのではなくて、私も、中学時代にはその判断はできずに、教科書に書いてあることを丸のままうのみにするということをやってまいりました。ですから、そういう中学生の状況に対する危険性というものをやはり私はあると言わざるを得ないという点を指摘したいと思います。 同時に、次のページになりますが、資料の同じく「鵬友」、平成十六年三月号、二十九巻六号、ここの右側のページ、「国家観、歴史観の確立」というところに、この方はこういうことをいろいろいっぱい何度も書いておられますけれども、田母神さんは、小学校に入ったときから日本を個人に敵対するものと教えられてきたことの結果だろうと。 これはどんなふうに書かれているかというと、その前から見ますと、欧米のマスコミ人は、それぞれの国家に対する愛国心を持っており、国益を損なうと考えるものに関してそれなりの考えた対応をすると聞いたことがある、翻って我が国の状況を見ると、一部を除きそのようなマスコミ人は存在しない、我が国をおとしめてもとにかく日本の暗部を暴こうとする、小学校に入ったときから日本国を個人に敵対するものと教えられてきた結果なのだろうと。そして、彼らにとっては日本国は個人の幸福を邪魔する忌み嫌うべき対象なのだと、そういうことが書かれているんですね。 こんな教育、今の日本の社会科の歴史の教育でやっているとお思いですか、大臣。
○国務大臣(塩谷立君) 日本の教育において、いろんな今教科書の問題等が指摘されましたが、先ほど申し上げましたように日本の教育、歴史教科書の中身については、文部科学省としては、その中身について指摘するのではなくて、間違いがあるかどうかという判断において指摘するということでございますので、そういう教科書においてこういった教育がなされてきたとは思っておりません。 田母神さんのことについては、当然立場としてこのような考え方は問題だと思います。したがって、そういう点においては大変遺憾に思っておりますが、むしろ、史実というのは、客観的に見ると立場によって、それぞれの国の立場によっていろんなことが言われております。したがって、そういう意味では、歴史が本当にどうかという問題は、これまた別な問題として取り上げる必要があると思っておりますので、そういうことを踏まえて、我々教育の場としては、しっかりと子供たちに日本の立場あるいは世界の状況を教えていくことが必要だと考えております。
○谷岡郁子君 大臣のおっしゃることに私も全面的に賛成いたしますし、それを了解いたします。 同時に思いますのは、やはり歴史教科書にどういう記述がなされているかという問題以上に大切なのは、先ほど来申し上げておりますように、やはり科学的に、冷静に、そして客観的に見る態度というようなものがいかに養われていくのかということが大事なんだろうと思うんです。 その観点からいきますと、私は、今の教科書の作り方の問題というものはもう大きく変えていく時期に来ているのではないかと。これは、私も仄聞するところでは、今教科書の内容ということについてもっと厚さを増したような形で、豊富な事例等を中に盛り込んで教科書をもっと厚くすると。これまで、ともすると価格ということで、単価を抑えるためにページ数が薄く薄くなってきたものを変える方向性が出てくるというふうに聞いておりますけれども、それは本当にどのくらい期待していいのかなということで御質問申し上げたいと思います。 同時に、私自身は、高校のころ一年間AFSというシステムを通じて高校で留学したことがございました。このときに、アメリカの、たった植民が入ってから四百年に満たない、そして独立してからはもう二百年ほどのこの短い歴史というものが厚さ三・五センチから四センチの歴史教科書という中で、それも個人の、様々な人々の個人的な体験とか、そういうものの人間の物語というようなことを通じて非常に分かりやすく解説されている。 翻って、我が国の日本の歴史教科書というのは、二千年余りの歴史について非常に薄いものであって、たくさんの年号、たくさんの事件、たくさんの人の名前、こういうものを覚えなければならないがゆえに、まるですべてのおいしいコース料理が全部粉末になって、そして溶かされて出てきてそれを飲めと、立派な栄養がそこで付くんだからみたいな、非常に味気ない、そっけない。学ぶ側からすれば、ただただ、単に記憶だけを続けなければいけない記憶のリストのようなものになってしまっていると。これは根本的に教科書の厚さを変え、本来そうであるように、例えば歴史が人間のドラマであり、社会のドラマであるという、そしてそれは今の私たちに通じるものだというリアリティーを持たせるようなことが必要じゃないか。 また、ガバメントと呼ばれる形で政治、政府、公民に近いものかと思いますけれども、その教科書もまた一年間掛けて使われるものは、やはり三・五センチぐらいの厚さの中で、例えばアメリカ憲法の改定条項等などが一つの小さな事件、一人の人に起こったこういう問題からどういう形で広がり、どういう形でできたか、その中に主権者としての当事者意識というようなものが姿勢として培えるようなものというものが非常に工夫されて教えられていたということを記憶いたします。 私は本当に今の、各科目を通じてという先ほどの大臣のお答えではないですけれども、やはり科学的な態度、冷静な態度、それでいてしっかりしたこの国を担っていくための主権者としての当事者意識というものを育てていくためには、やはり教科書作りということにおいて、これは単価を削るというようなこれまでの姿勢から大幅に変えて、分厚い、そして豊富な、また一人一人の学ぶ子供たちや生徒たちにとってリアリティーのある、言ってみれば演繹的であるよりは帰納的であるような形で学べるような教科書作りというふうに変えていくべきだというふうに思っているんですが、大臣のお考えはいかがでございましょうか。
○国務大臣(塩谷立君) 教科書につきましては、当然教育の中で大変重要な位置付けをすべきであると思っております。最近といいますか、前々から我が国の教科書が諸外国の教科書と比べて薄いとか量が少ないとか、あるいは特にゆとり教育の状況の中では大分現実的に薄くなったということが問われて、今後は量も増やしていこうという考え方に立っているわけでございますが、おっしゃるように、いろんな多面的な、あるいはいろんな考え方も含めて、しっかりとそれを記述として載せて、そういう中からまた教育の面で公正、公平に教えるということが大事かなと思っておるわけでございます。読みごたえのある教科書を作っていくということが大事であり、今後検討をしていかなきゃならないと思っております。 御存じかもしれませんが、世田谷区の教育委員会で日本語という教科、特区で始めたわけですが、そこではその教科書を、とにかく一生持てる教科書を作ろうということで大変立派な教科書を小学校一年から中学三年まで作っておりまして、日本語という教科で行っておりますが、内容的にも大変すばらしいものだと思っておりますし、ああいったことを参考にしながら、今後教科書の内容的な在り方というものを検討していく必要があると思います。
○谷岡郁子君 加えて、教科書作りについてはいま一つ。 中央教育審議会などでは本当にずっと何をどの学年で盛り込むべきかというようなことがこれまでの慣習にのっとったような形で行われていると思います。しかし、二十世紀の後半から二十一世紀の初めにかけて認知科学という分野というのは大変すさまじく進歩したものだというふうに思っております。人間のラーニング、どういう形で人間はどういうふうに自分以外の他者をどう認識、自他を区別しということから始まって、どのような時期にどのようなことが学べていて、それはどういうことからなのだということが随分出てきております。そして、その年齢その年齢にとって、その段階段階にとって学びやすい形というものがどうなのかということがずっと出てきております。 しかしながら、教科書の構成というのは、ともすれば認知科学の専門家ではなくて、まず各科目の内容の専門家たちが集まって、これだけのことを教えなきゃいけないという形でできてしまうんですね。一度認知科学の専門家たちに本当にグループとして、例えばどういうふうな形の構成の教え方がその年齢に適してい、そしてそれをブレークダウンすると一つ一つの項目でどういう構造のどういう教科書が必要かというような形で、やはり教科書を年齢構成に合わせた形でどういう構造で作るのかということを本当に根本から問い直す時期に来ているのではないかと思うんですけれども、その点につきましては、大臣、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(塩谷立君) 今お話しの認知科学については余り私も詳しくありませんので、一度また御教示をいただいて勉強をさせていただきたいと思います。
○谷岡郁子君 ありがとうございます。 済みません。この問題につきましては、あらかじめ認知科学というような言葉の形の中で一応事前通告の中では少し触れたつもりだったんですけれども、大変失礼をいたしました。 さて、先ほど来、ずっとこの間議論させていただいてきたように、私は、一つは語学教育というものも大変大切なのかなというふうに思っております。国語教育という今点が出ました。それもとても大事だと思うんです。そして、英語の教育も、これ通告していないんで申し訳ないんですけれども、ここへ出てまいりましたので、改めてちょっと今大臣にお伺いしたいんですけれども。 今回、私は、幼少レベル、特に初等中等教育というものも大事なんだけれども、人間を完成させるという意味において、高等教育、大学における教育、特に一流大学、国立大学と言われるような社会のエリートを育てるようなところにおける学士力なんだというようなことを今いろいろ言われていますが、それが学士力であろうと修士力であろうと構いませんが、やはりエリート力に近いような人間の完成を見た場合に、一つ特に日本人の陥りがちで視野が狭くなって内向きになっていくことの中には、語学力ということに対して、日本語というどちらかというとあいまいもことした、私に言わせれば、論理的な展開で接続詞が作られているような英語などに比べると、構造的にも少しあいまいになりがちな日本語の中で考えているということの嫌いというものがあるのかなというふうに思っておりまして、そういう意味におきまして、官僚を含めてのエリート養成ということについては、やはり自分で一つの文化としての英語を使うことができるような能力というものを培っていくということがとても大事かなと。 来年度の予算の今の概算要求の中でいろいろ留学生を日本からもっと送りたいということの中にはそういう意味がおありになるのかなというふうに推測するんですけれども、それはそういうことでよろしいんでしょうか。
○政府参考人(徳永保君) 来年度も、私どもの方では日本人学生を海外に留学させるというような観点からの予算要求をしております。そういった中には、もちろん言わば国際的なコミュニケーション能力を育成をするという観点もございます。また同時に、それぞれの学生が幅広い視野を持つというような様々な観点からの留学生施策でございます。
○谷岡郁子君 なぜこのようなことを申し上げるかといいますと、今日大臣の教育観をお聞きする中で、やはり一つには、一般的な教育をするということも大事ですけれども、ほかの他者に大きな影響を与える、とりわけエリートと言われるような方々、これはもちろん官僚の世界に限らずに企業でもそうだと思います。多くの企業の、食品の被害などが出ている、あるいは薬害などが出ているというのはどうしてかといえば、トップマネジメントにいる人たちの倫理性というものがかなり疑わしいからだというふうに思うんです。そういう社会的なエリートたちが本当に、じゃしっかりした人間性を持つという形で教育されるということが実はすごく大きな影響を、大事であって、また、言わば戦後の日本はその部分において少し失敗をしてきたのではないかなというふうに感じるからでございます。 先週、私は、先ほど申し上げましたように、アメリカの議会関係者ですとか政府筋の方々と話を、そんなに長い間ではありませんけれども、二十人、三十人というレベルではしてまいりました。その方々が異口同音に指摘されてきたのが、日本人の方々、まあワシントンにいらっしゃる方って大体エリート筋だと思いますけれども、その方々と話をしていると、人間関係や情報、コミュニケーションのありようというものを意図的に操作する傾向が非常に強いと。それを我々は非常に不誠実なものとして、そしてはぐらかされているという感じがするし、率直でないものというふうに感じているというようなことを言われたんですね。そのような日本というものに対しての信頼というものが、やはり我々をもって、国連の安全保障理事国として日本を信頼できるかどうかといったときにちゅうちょを抱かせるんだというような話が実は出てきたことがございました。 先ほど世界的に一流である、知識、知力もそうであるけれども、人格においても一流である日本人の教育を目指していくと大臣がおっしゃったということの中には、やはり信頼される、評価される、私たちの目で一流だというふうに言うだけではなくて、海外、外の方々から一流だとやっぱり評価されるような日本人像というものが必要だというふうに思います。 また、同時に私、オバマの選挙を三月以来、ずっと定点的に観測をしてまいりました。私は、何も中央を見ていたり新聞で読めば分かることを見ていたのではなくて、現場へ入って自分も一緒にボランティアなどをやりながら、実はヒラリーの方へもやりましたけれども、何を見ていたかと。 それは、百人以上の人々にインタビューをして、そして本当に二十代、十代の若いボランティアから七十代、八十代の黒人の方々までいろんな方々とお話をしてきた。その中で本当に圧倒的な印象を持ちましたのは、知識は日本人よりも少ないかもしれない、そして世界地図を見せれば日本人の方が多分どの場所に何があるということについて正しいことをたくさん言えるだろうと。しかしながら、主権者としての意識、そして当事者として動く能力、道なき道を一緒に、新たなリーダーを採掘して、自ら一緒に社会を共に変動していこうという、そういう大きな爆発的な、先ほど大臣はダイナミックなというふうにおっしゃいましたけれども、まさにそのダイナミズムというものを大変強く感じたわけです。 ところが、翻って日本の状況を見てまいりますと、かなり本当にお勉強はよくできる若者たちが、ただ将来に対して絶望感、無力感ばかりを感じているような状況がございます。また、同時に、主体者として、主権者として、当事者として行動する、この国をもっと良くしていくということ、そこへ向かう国民よりも、評論家として、傍観者として、言わば批判をずっとし続けていると。自分の国の問題であって自分たちにしか変えられない問題に対して、評論家意識や傍観者意識ばかりがずっと蔓延しているというような状況があると思います。 私の願いというのは、今後、大臣がそういう日本の国民の主権者意識、当事者意識、行動力、あるいは自己形成力というようなものに向かって教育が促進していくような、そんな状況を是非つくっていただきたいということでございます。最後に、そのことに関しましての大臣の思いを聞かせていただいて、私の質問としたいと思います。
○国務大臣(塩谷立君) アメリカのいいところ、日本もいいところがたくさんあると思っております。 したがって、当然、批判するだけではなくて、やはり世界に信頼される人間、あるいは国をつくるためにその根本となる教育があるんだと思っておりますし、エリートの話が最初からいろいろ出ておりますが、私はやっぱりベースとしての倫理観とか道徳観ということがない中でトップがそういうふうに現れているんだと思っている。だから、エリートだけがないわけじゃなくて、社会全体が今欠如しているんではないかなという、そういう中で、ああいうエリートのいろんな行動においていろんな問題が出てきたととらえた方がいいんだろうと思いますので、そこは社会全体の道徳、倫理観、公共の精神というものをしっかり植え付けるべく教育の面で努力してまいりたいと思います。
○谷岡郁子君 ありがとうございました。 そして同時に、私はそういうのは段階的なものだと思いますので、やはり初等中等教育でやめるのではなくて、大学、大学院等についても人間の完成、人格の完成ということを目指して、やはりその視点からも、専門性だけではなくて高等教育というものをお考えいただくようにお願い申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(中川雅治君) 午後一時十五分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時二十一分休憩 ─────・───── 午後一時十五分開会
○委員長(中川雅治君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○水岡俊一君 民主党・新緑風会・国民新・日本の水岡でございます。午前に引き続いて質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 さて、大臣、塩谷大臣は文教政策に非常に明るい政治家、そして文科の副大臣も経験をされた大臣として私たちも大変期待をしているところでありますが、先日ごあいさつをいただきました、大臣としての所信的ごあいさつ、この中に、大臣らしいといいますか、塩谷さんらしい教育ビジョンとか具体案というものがもっとあってほしかったなと、こういうふうに思っているところであります。そういったことを十分に聞く時間があればいいんですが、今日はテーマを絞って、一つだけお聞きをしたいと思っております。 ごあいさつの中で、一文を読みますと、「自然体験活動、職場体験活動など体験の機会の確保や読書活動の推進、キャリア教育、職業教育の充実、環境教育、人権教育の推進などに取り組みます。」と、こういうふうにごあいさつをされました。また、塩谷大臣のインターネット上のウエブページに、教育改革においては人間向上のための体験学習の推進をやるんだと、こういうような記述もありまして、そういった方面に懸ける思いがおありだろうと思いますが、どのような具体案をお持ちなのか、是非御紹介をいただきたいと思います。
○国務大臣(塩谷立君) 子供たちが思いやりや心の基本的ないわゆる道徳、あるいは社会性等をはぐくむためには体験活動が非常に重要だと思っておりまして、私自身も青少年の団体等の活動の中でそういったことをやってまいりましたので、先ほども、午前中にもちょっとお答えしましたが、大いに体験を通じて自分の世界を広げ、そういう中でコミュニケーション能力や、そして問題解決能力をしっかり身に付けていくことが大事だと思っておりまして、そんな思いをホームページにも載せているわけでございますが。 文部科学省としても、自然体験を始め社会奉仕体験あるいは文化芸術体験など、体験活動をしていくことが必要であるということで、具体的には、特に農山漁村における生活体験、あるいは自然の中での長期宿泊活動、さらには人間性や社会性をはぐくむ様々な体験活動の実施、そのための必要な指導者の養成プログラムの開発をしてまいりたい。そして、児童生徒に、学ぶこと、働くことの貴さを身に付けるために職場体験やキャリア教育あるいは奉仕活動も重要だと思っております。 また、文化体験においては、学校や文化施設等において優れた舞台芸術に触れる機会や、伝統文化に関する活動を計画的に、継続的に体験することを考えておるわけでございまして、モデル事業としてそういう形で自然宿泊体験とかあるいは職場体験、そういったことをずっと続けてまいりましたが、予算の取れるだけ、しっかりとこの体験活動を学校教育の中で実施をしてまいりたいと考えております。
○水岡俊一君 最後のところですね、予算が取れるだけ。取れるだけというと、じゃこれまでと同じなのかということになってしまうし、塩谷大臣が就任をされたということで特に体験活動を重視されるならば、予算を取ってくるんだという意欲、そういった覚悟をお示しをいただきたいと、こういうふうに思っておりますので、どうぞこれから取り組んでいただきたいと、こういうふうに思っております。 ところで、大臣は就任に当たっての動画のごあいさつを文科のホームページにも載せられているし、ユーチューブにもその動画が紹介をされているというところを見ておりました。 私、大臣のことを勉強したいと思って、「ryu48net」ですか、大臣のウエブサイトを見ておりました。このウエブサイトは、大臣としてはオフィシャルウエブサイト、衆議院議員塩谷立さんとしてのウエブサイトだというふうに思いますが、これはもう大臣が責任を持ってお作りになっているウエブサイトと思っていいんでしょうか。
○国務大臣(塩谷立君) そのとおりでございます。すべて、私が全部書いているわけではありませんが、公式な私の議員としてのウエブサイトでございます。
○水岡俊一君 現在の社会の中でインターネットというのはもう欠かすことのできないツールになっているわけで、多くの国民あるいは全世界で多くの人類が利用しているという、そういったものでありますが、それだけに物すごい影響力があって、非常にこれは重視をしながらも気を付けていかなきゃいけない、そういう部分があろうかというふうに思っております。 余談ですが、この大臣の「ryu48net」をずっと見ておりましたら、あることに気が付きました。このネット上には次々に、ここをクリックすると次のページに行きますよというふうに組み立てられているんですが、そういった組立ての中に、非常にリンクがたくさん組み込まれているホームページだなというふうに思いましたが、そういった中に「しおのや立ブログ活動日誌」というのがありました。これも私、読んでみました。 ところが、大臣、これ二種類あるのを御存じですか。しおのや立ブログというページが出てくる場合と、しおのや立ブログをクリックしたら全然違うものが出てくるというのは御存じでしょうか。
○国務大臣(塩谷立君) いや、ちょっと知りません。
○水岡俊一君 私は、大臣として悪意があるわけではないと、それはもう信じているところですが、実はこのリンクをずっと見ておりますと、しおのや立ブログ活動日誌に確かに活動日誌の部分があるんですが、違う方面からそのブログに入っていきますとリンク集にぶち当たるんですね、リンク集。様々リンクが並んでいるというリンク集にぶち当たるんです。そのリンク集を見ると、何ととんでもないものがいっぱい紹介されているんですね。「Welcome to ryu48net」としてここにあるのは、例えば、出会えた、あるいは恋愛チャット、月収百万円の現金収入というようなものから、保険の紹介であったりキャッシングの紹介であったり、あるいはデートの紹介、そういったものがどんどんとこうつながっていくんですよ。 こういったことが私は、インターネットが今、世の中に本当に拡充している中において大変問題だと思いますが、大臣はどういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(塩谷立君) 私はそのことをちょっと把握していませんので、あるとしたら問題だと思います。
○水岡俊一君 私は現実に確認をしましたので、是非委員会が終わったら大臣御自身の目で確認をしていただきたいと思います。学生ブログというのとしおのや立ブログというブログが二つあって、学生ブログは途中でやめましたよというような紹介が書いてありましたが、ある画面ではそれはなくなっていますが、ある画面を見るとそれは残っております。学生ブログとそれからしおのや立ブログ。そのブログをクリックするととんでもないリンク集にぶち当たっていくということなんですね。 ですから、私は何も攻撃をするために言っているわけじゃなくて、本当にそういう中から、例えば今度の文科大臣がどんなお考えを持っているのかということを国民がこれを見たいと思って見ている中で出会い系のページに行ったんじゃ、本当にこれはお笑いにならないというか、日本の文部行政の中で本当に汚点になりそうな話だと思うんですね。 これは私が今言っているだけかもしれないから、これは是非大臣が御自身で確認をされて、それがもし本当であればしかるべき責任をはっきりしてほしいと、こういうふうに思っています。これは余談ですので、この程度で終わりたいと思います。 さて、次に全国学力・学習調査のことについてお伺いをしたいというふうに思っております。 全国学力・学習調査については様々な論議がされてきておりますし、大変話題が巻き起こっております。そんな中で、私は、自民党内でこの事業が不要だと、無駄だという結論を出された、そういうプロジェクトチームがあるというふうにお聞きをしましたが、そのことについて大臣はどういうふうにお考えになっているのか、これは是非御感想をお聞かせをいただきたいと思いますが。
○国務大臣(塩谷立君) 今の自民党内でのプロジェクトチームで学力・学習状況調査が不要だという結論を出したところがあるというのは全く私は存じ上げていませんので、もしあるとしたらやはり問題であると思いますし、私どもは、この調査については、やはり国際的な学力調査での低下あるいはそれぞれの学力の程度を知るために、国あるいは都道府県、そういったところでしっかり学習状況を把握して、それを踏まえてまた教育の改善を図るという観点でやっておりますので、私は必要だと思って、毎年実行するつもりでございます。
○水岡俊一君 いや、大臣、御存じないですか。自民党の無駄遣い撲滅プロジェクトチームが八月の四日、五日、文部科学省に対しヒアリングを実施し、政策の必要性について判定する政策棚卸しをした。その中で、全国学力調査は全員を対象に毎年実施する必要がない、今のままなら不要とされた、計百六十億円に相当する中の六十二億円と、こういうふうな記述が新聞でされておりますが、本当に御存じないですか、大臣。
○国務大臣(塩谷立君) 無駄撲滅プロジェクトチームということで、これはたしか、いつでしたかね、まだ福田政権の下で行われたことだと思いますが、毎年実施する必要があるのかということで、この意図はちょっと余り詳しく把握をしておりませんが、私はむしろ毎年、毎学年ぐらいやって、子供たちが自分の学力をしっかり把握することが一番の目的だと思っておりまして、ただ単にいわゆる全体の当然学力調査も、それも必要だし、そしてそういう中で子供たちのために私はやる必要があると感じておりますので、そういう意味では、本当は毎学年もやってもいいと、そのぐらいに感じております。 したがって、サンプル調査でいいという意見もありますが、それは、そこへ参加しなかった子供たちは全く自分の評価はできませんし、私は何のために学力調査をやるかというのは、国全体の学力状況もそうですが、子供たち個人のやっぱり自らの立つ位置がどうなんだということが、私は一番それが大事だと私個人は思っていますので、そういう意味では一年後どうなのかって毎年ぐらいやってもいいんではないかという考え方も持っておりますので、そういった意味で、サンプルでいいんではないか、あるいは毎年やらなくてもいいんではないかというのは、それじゃ何のためにやるかという私は疑問を持つわけでございます。
○水岡俊一君 私は、もしかすると大臣はもうやめたいんじゃないかなと、大臣あるいは文科省として言いにくいから、自民党の中でプロジェクトチームに言わせているんじゃないかなと、こういうふうに思ったりもするところですが、そうではないんだとおっしゃるんであれば、お聞きをしたいと思います。 じゃ、昨年五十数億円、今年は六十億円ですか、多くの税金をつぎ込んでこの調査をやりました。何が分かったんですか、大臣。
○国務大臣(塩谷立君) 結果において、日本の子供たちの能力、知識とかそういう点においては非常に高い結果が出ておりますが、それを応用する力とかそういうことがやはり不足しているということが出ている。それから、学習状況調査なんかでは、特に勉強の時間とかあるいは生活習慣についても、そういったものが学力とどうリンクするのかというようないろんな考え方がこういうことで示されてきておりますので、私はそういうことを基に教育の改善とか今後の教育施策の在り方を考えていく大変大きな参考になると思っております。
○水岡俊一君 大臣はPISAの学力調査というのを御存じですか。そのPISAの学力調査の結果とどこがどういうふうに違っていたんでしょうか。というのは、つまり、今大臣がおっしゃられたようなことはPISAの調査からももう分かっていることだし、日本で文科省が毎年六十億円も使ってやるだけの調査の結果としては余りにも得るものが少ないんじゃないですか、どうでしょう。
○国務大臣(塩谷立君) もちろんPISAの国際的な調査も知っておりますが、やはり我が国が自らそういうことをしっかり調査することの大事さというのは私は必要だと思っておりますし、先ほど申し上げましたように、個々の子供たちがやはり自分で挑戦をして、本当は、先ほども申し上げましたように、来年、再来年と向上心を持っていくことが私は大事だと思っております。 したがって、六十億とかと金額に見合うようなというか、私はそれ以上の調査をしっかりやっていると思っておりますので、その何をして無駄かというのはちょっと私は理解できないんでございます。
○水岡俊一君 学力調査をやったらどういうことが分かるのかというのはこれは非常に難しい問題でありますが、今大臣が言われたように、子供自身が自分の状況はどうだということを知って、そして向上心を持てるような、来年に向かって向上心を持てるようなというふうに考えられたという点については、僕は、実際に子供たちに聞いてみるといいと思いますが、そんなふうに思える調査ではありませんよ、中身的には。 やはり国のお金を使ってこういう調査を行ってきちっと文部行政に携わる者が把握をしなきゃいけないことは、単に出てきた数値ではなくて、その数値の背景にどういう状態があるのかということをちゃんと酌み取らないと意味がないというふうに思うんですよ。 だから、例えば、OECDの事務総長グリアさんという方が日本にいらして、学習調査のことについてちょっとおっしゃっていることがありますね。日本の生徒は様々な科学分野にわたりすばらしい知識基盤を備えているが、初めて出会う状況で知っていることから類推し、知識を応用する必要がある場合は成績が下がるということである。これは今回の調査で明らかになった重要な点であり、なぜなら、生徒が単に科学的知識を記憶し、その知識とスキルを再現することだけを学習しているのだとすれば、多くの国の労働市場から既に消えつつある種類の仕事に適した人材育成を主に行っているというリスクを冒していることにほかならないと、こういうふうに言っているんです。 非常にこれは的確に今の日本の子供たちの状況、学習状況、そしてその成果としてどういう状態があるのかということをつかんでいると思いますが、大臣はどういう御感想をお持ちなのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(塩谷立君) 今のOECDの事務局長さんですか、その話はそれとして大事なところを、視点をついていると思うわけでございますが、私はやはり、我々日本人が、やっぱり日本の国の子供たちですから、我々がやることが私は大事であって、そういった結論も当然同じような内容の今回の結果からは出ていることもありますし、そういったことをしっかり精査して出せるような調査にしたいと思っておりますので、これは決して外国に任せるようなことではないと私は思います。
○水岡俊一君 私の問い掛けに対しての答えではないというふうに私は思っております。 例えば、じゃ、その結果が出たら外の、外国の調査に任せることなく、自分たちがやった調査を重要視して、それから得られた結果をきちっと行政に反映していくというならば、じゃ、このことについてお尋ねしましょう。 これは平成二十年度、全国学力・学習状況調査の調査結果概要です。今年の八月に文部科学省と国立教育政策研究所が出された報告ですね。この中にこういうふうに書いてあります。就学援助を受けている生徒の割合が高い学校の方が、その割合が低い学校よりも平均正答率が低い傾向が見られると、こう書いてあります。つまり、就学援助をたくさん受けている地域、それは比較的収入が少ないというふうに見られるわけですが、そういった家庭が多い学校は平均正答率が低い、つまり成績が悪いということが分かっている、だから何をするかですよね。そのことをテストでもって、毎年毎年これでもかこれでもかといって調査をし続けることが調査の目的ではないんでしょう。だったら、こういった調査が去年も今年も出ている、それについてどういう対策を練るんですか、文科省は。どうぞ。
○国務大臣(塩谷立君) 今の調査結果が当然出ているわけですから、それを当然生かしていくために、我々、今後検討していかなければならないと思っております。 今のそういった調査結果が、委員はやっぱり重要な結果だと認めていらっしゃると思うんですが、それを生かしていくよう、我々検討してまいりたいと思います。
○水岡俊一君 私は、塩谷大臣が何の施策も打てないまま大臣をお辞めになるとは思っていません。しかし、今の日本のこの政治状況の中からいえば、大臣の在任期間非常に短い、ここのところ数年見ていても。そういったことから考えると、検討していくとか考えているとかじゃなくて、せめて大臣に就任をされたそのときに、せめてこれだけはやるんだという、そういう意欲、そういう覚悟を是非見せてほしい。それが国民の期待だと思うんですが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(塩谷立君) もちろん、私がやりたいことはしっかり訴えておりますし、このことについて、今すぐということでは申し訳ない答弁になりますが、すべてに全部やれればいいんですが、このことについては今後検討します。 しかしながら、例えば今後の体験教育とかあるいは道徳教育とか、そういうことについてはしっかり明言して実行していくつもりでございます。
○水岡俊一君 大阪でこの結果をとらえて、知事が、何だこのざまはと言った。何だこのざまはと知事に言わせたその結果というのは、教育委員会や学校現場を攻撃するための材料ではないんですよ。 今私が申し上げたように、大変就学援助率の高い地域が多くて、その結果として平均的な正答率が下がっているという現実があって、そこには大変な暮らしをしている人たちがいるんだということを調査の結果は表している。それをきちっととらえるということが文科省は大事だというふうに考えたわけでしょう。 そして、学校別にとか市町村別に発表するようなことになったらもっと、それはどこだと、どこの地域でどんな人たちがいるところだ。例えば、外国人の子供たちが一〇%も一五%もいる学校なのかどうなのかとかいうような攻撃をされるということを防ぐためにも、絶対に学校別の成績を公表するなんということはあり得ないと文科省は言ったんでしょう。大臣、そうじゃないですか。そうですよね。 当委員会でも再三再四その話はしました。そして、今までに小坂大臣、伊吹大臣、渡海大臣、総理は安倍総理も予算委員会やいろんな場で、あるいは衆議院でも再三再四その問題は大丈夫だと、都道府県とそういう約束をしているというふうに言ってきたわけですよ。私たちはだまされましたね。文科省は当参議院の文科委員会や国会をだましたんですか、大臣。
○国務大臣(塩谷立君) 実施に当たって、この公表について歴代大臣等担当者がそういうことはあり得ないということを申し上げたのは当然その方向で考えていたわけで、実施要領としてもそういうことを明確にうたってやったわけでございまして、公表について現実いろんな問題が出ているのも承知しておりますが、いずれにしましても、うそをついた、うそをつかないということの問題よりも、私は教育的に公表がいいのかどうなのかという議論をしっかりする必要がある。 いろんな情報開示の問題と教育的観点とは全く別問題であるととらえていかないといけないと思っておりますので、自治体での条例におけるそういった情報開示の問題と、それではそれが本当に教育的にいいのかという議論をして行われるかどうかというのは今後しっかり議論をして、来年の実施要綱も今作成中でございますので、是非その点を明記してまいりたい。特に、私どもは公表しないという実施要領に基づいて参加を求めてきたわけでございますから、そこはしっかり守っていただくのが筋だと思っております。
○水岡俊一君 はっきりさせておきましょう。じゃ、文科省は我々をだましたわけでもないけれども、言ったことと全く違った現実となったというふうに思っていらっしゃるんですか。それはどうなんでしょう。
○国務大臣(塩谷立君) だましたわけではありません。ただ、我々が実施した中で意図に沿わなかったところが出てきたわけで、これも全国的から見れば、市町村の数も考えてみれば、そんなに多くのところではないと思っておりますので、大方はこの実施要領に基づいて行っていただいていると思っております。 もちろん、あってはならないと思っておりますが、現実にあった以上、今後そのことも踏まえて実施要綱等を検討していかなければならないと考えております。
○水岡俊一君 大臣、おかしいですよ。だましたわけじゃない、でもそのとおりにならなかったけれども、その実態は全国的に言えばわずかだったからそれほどでもないんだというお話はおかしいです、それはおかしい。 なぜかというと、大きなほかの事業のように、全国にまばらにお金を事業として落としていくという事業もいろいろありますけれども、この問題については、影響を受けるのは子供たちであり、学校なわけですよ。全国の中でごく一部であってもそれは大変なことなんですよ、その学校やその子供たちにとっては。そういう考えを文科大臣は持ってもらわないとおかしいですね。だから、わずかだったからいいなんて、そんなことおかしいですよ。それは認識がおかしい。 まだ続きます。今年も、全国学力・学習状況調査の結果の取扱いについての通知というのが文科省の初等中等局から第六五四号として八月二十二日に出ております。それには、確かに文科省は公表しないんだというお約束ですよということが書いてある。そして、その中には、これまでの国会論議の資料も別添二、別添三の資料が参考になると考えられるからこれをよく読んでくださいというふうに書いてある。その別添二の資料を見ると、確かに、例えば平成十九年四月二十六日、当文科の委員会の中で私が伊吹大臣とやり取りをした内容もそこに記されているわけですよ。 私はここで何と言ったかというと、つまり、今教育界で心配をされていることは、ある議会でこの情報について公開をするようにという請求がなされたり、あるいは情報公開制度によって請求がなされたり、あるいは公開をするように訴訟が起こされたりとか、こういうことが今起こっているわけだから、このテストが行われた際には、こういう公開請求に堪え得ることができるのかということを私は心配しているんだと言った。 それに対して伊吹大臣は、仮にそういう請求が行われたとしても、まず私たちとしては、情報公開法五条の六号ですか、の規定にこれはお断りをするというのが当然の筋であって、もちろん司法の場で争われるかも分からぬけれども、都道府県の教育委員会にその合意の内容、それを実施するに当たっての公判の有力な資料になるというふうに答えている。 伊吹大臣、小坂大臣、渡海大臣、安倍総理、みんなこういうふうに答えたにもかかわらず、約束と違うことが起こった。そのことを一部のところで起こったことだからいいというふうに言うのは、大臣、おかしくありませんか。
○国務大臣(塩谷立君) ちょっと誤解というか、言葉が足りなかったかもしれない。 一部のところだからいいということは言ったつもりはなくて、まだ全体的に守られている方もたくさんいて、したがって、その一部起こったことに対しては問題があるから検討しますというふうに申し上げたつもりでございますので、一部だからいいと言ったというなら、それは訂正いたします。
○水岡俊一君 それでは、大臣、来年度から公開をさせないとお約束いただけますか。
○国務大臣(塩谷立君) 過去においてもそれぞれの大臣がそのお約束をしてきたと思うんですね。今回も私も約束は是非したいと思っております。 そういう意味では、今その実施要領も検討しておりますし、この公開のことについてはもう一度検討する必要があるのかなと、これは、公表がいいのかどうなのかということを、いろんな情報公開の請求とこの教育的な問題と併せてもっと詰めていかないと、これ幾らやってもこういうことが起こってしまうと思うんですね。ですから、それを実行して、私どもはちゃんと約束して公表しないということをやったつもりでございますが、現実起こったということで、改めて検討しなきゃならぬと思っております。 ただ、公表するのが本当にいいのかどうなのかということも、やはりこれも懸念がありますが、議論をする時期は来るんではないかなという感じはしておりますので、取りあえず私どもとしては、来年度に向かって実施要領を今検討しているところでありますし、今回、来年が三年目でありますから、この学力それから学習状況調査のやり方について、そういった問題も含めて改めて検討してまいる必要があると感じております。
○水岡俊一君 大臣、問題のすり替えは駄目ですよ。 どういうことか分かりますか。当委員会では、公表することがいいのか悪いのかという判断は別として、公表させないという約束の下にこれはやろうということになったわけです。いいですか。だから、その約束が守れなかったからといって、そもそも公表することがいいことだったか悪いことだったかもう一回論議をしようと、おかしいでしょう、こんな話は。何なんですか、ここの論議は、じゃ。問題のすり替えは駄目ですよ。 それから、もう一度申し上げますが、小坂大臣、伊吹大臣、渡海大臣、安倍総理、そして今度は塩谷大臣が加わろうとしている。言っても約束が守れない、これが日本の道徳ですか。大臣、どうですか。子供たちにこの現実をどうやって教えます。子供たちは約束をすることがあって、約束が守れなかったら、申し訳ありません、約束が守れませんでした、ごめんなさいと言うんですよ。何で大臣、言わないんですか。
○国務大臣(塩谷立君) 公表の問題については、させないという今お話があって、させないような方策が過去二回においてはうまく取られなかったのかなという感じもありますし、こうやって現実的にあった以上、公表の問題については私どもももちろん公表しないという姿勢でやっていますから、公表しない方法がどうあるべきかということはまた検討しなきゃならぬということだと思いますし、現実起こったことに対して今後検討していくことが当然だと思っておりますし、あってはならないことだと思っております。(発言する者あり)いや、そうじゃない。だから、私が申し上げているのは、公表するべきだという意見があれだけ現実出てきたから、ちゃんとそこら辺を議論して結論を出さないと、あってはならぬことが起こっていますから、そういう意味で議論をするという意味ですよ。
○水岡俊一君 大臣、だから、そういう話は当然起こるからやめましょうと言ったのに、大丈夫だからやりましょうと言ってやったのが文科省じゃないですか。何を言っているんですか。余りにも稚拙な論理でしょう、それは。 今、今ここで、じゃ大臣として、それは今までの総理始め文科の各大臣が言ってきたことは、とことん守るために私は命を懸けてでもここで頑張るから、学習・学力調査は続けたいと思っていると言われるのなら私はまだ分かる。それも言わない。どうですか。
○国務大臣(塩谷立君) 私は、最初に申し上げましたように、この学力・学習状況調査についてはやるべきだと思っておりますので、これからも続けてまいりたいと思っております。 公表の問題は、当然あってはならないことが起こりましたので、私どもとしてはその方法に対してしっかりともう一度検討してまいりたいと思っております。 約束をして、それでいわゆる、今の委員会でありましたけど、その点については現実起こりましたので、それじゃそのことについて検討しなければならないということでございます。
○委員長(中川雅治君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(中川雅治君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(塩谷立君) 私どもとしては、あくまでこの実施につきましては、実施要領をしっかりと認識してもらって各教育委員会に参加をしてもらうということを徹底して実行してまいりたいと思っております。
○水岡俊一君 来年からは公表させないと約束いただけますか。
○国務大臣(塩谷立君) 今申し上げましたように、実施要領にそういうことを書いて、それを徹底していくことを我々としては努力する。そして、そういう約束をしますということを私も申し上げたいと思いますが、それが現実にどうなるかということは別の方法が考えられるのかなという気もしますので、実施要領を今検討しておりますので、そこら辺の中である程度その担保ができればそういうふうにしたいと思っておりますが、いずれにしましても、公表しないという基本的な考え方を徹底していくことを考えてまいりたいと思います。
○水岡俊一君 私の理解としては、約束をしたいところだけれども自信がございませんということだと思うんですが、それでよろしいですか。
○国務大臣(塩谷立君) 今までの大臣も答弁というか、してきたと思いますが、私どもの考え方は、やはり公表しないということを実施要領に明記して、それに基づいて各教育委員会に参加をしてもらっていますので、それを守るという前提でやっています。それが守られなかった中で果たしてどうあるべきかということは、このままでいいかというのを検討していかなきゃならぬということを私は先ほど来申し上げているんで、そういう意味では、私は約束をしたいし、自信があるかどうかというのはまた別としまして、我々としてはそのつもりで努力をしていくということでございます。
○水岡俊一君 人と人の約束というのは、自信があるかないかは別としてじゃないんですよ。やっぱり自分は誠心誠意それを守ろうと努力しますというのが約束なんです。でも、それはそのとおりになるかどうかは、それは現実の問題だからそうならないこともあるけれども、ならなかったらごめんなさいとやっぱり人は謝らなきゃいけない。文科省としてそれはおわびをしなきゃいけない。当委員会に対しても、うそをつきましたというふうに言わなきゃいけない。 大臣、大臣、それでは、一つの……(発言する者あり)静かにしてください。大臣、そこで私は思うんですよ。文科省はこれまでどういうことをおっしゃっていたか。この学力調査、学習調査について支障のないようにという言葉がこの中に何回も出てきますね。つまり、例えば公開をした都道府県についてはそこから外れていただく、そこの調査をしない、そうしたら支障出ないじゃないですか。そうでしょう。そういうことも含めて検討するということでよろしいですね。
○国務大臣(塩谷立君) そういうことも当然意見も出ておりますし、そういうことも含めて検討していきたいということで結構でございます。
○水岡俊一君 私は、本来的に言えば、もうそんな約束のできないものは中止すると言っていただきたいなと思います。そうしたら六十億円も大切な税金を使わなくて済むから。そういうふうに思っていますが、それは我々の要望だというふうにお聞きをいただいておいたらというふうに思います。 次の問題に行きます。 教員免許更新制度が来年から実施をされるということで、今年は試行がされました。その結果の取りまとめ、もうほぼ終わったというふうにお聞きをしておりますが、どのような評価をされているのか、どんなところにどんな問題点があって、どんな改善をしなきゃいけないのか、簡潔に、是非大臣、お答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(塩谷立君) 来年から教員免許更新制の円滑な実施に向けて、今年九月末までに百四大学等がこの更新の講習の試行を行ったわけでございます。 そういう中で、行った大学等から、講習の広報体制の問題、あるいは講習の内容、方法など質の確保の方策、あるいは修了認定の在り方等について課題あるいは解決方法が報告されております。これによりまして、本実施に向けて課題が明らかになったと評価をしておりますので、これらの試行の成果と今後の取組が望まれる事柄を各大学に指導をして情報提供を行っていきたいと思っております。 全国各地域において、多様で質の高い講習が十分に開設するように取り組んでまいりたいと思います。
○水岡俊一君 大臣、恐縮ですが、大臣はこの関係法律が制定をされたときの附帯決議、実はこれは二十二項目もあった附帯決議ですが、これはお読みになられたでしょうか、大臣。
○国務大臣(塩谷立君) 全部つぶさに読んではおりません。今ここに手元にありますので、しっかりとまたこれを踏まえていきたいと思います。
○水岡俊一君 御就任間もないということで、それはある程度仕方のないことかもしれませんが、現在非常に大きな問題としてとらえられており、来年度から本格実施をするという問題であるわけですから、その附帯決議はつぶさにそれはよく読んでいただいて、その実現を図るということのお約束をいただきたいと思いますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(塩谷立君) この附帯決議をしっかり踏まえて、この実行に向けて努力をしてまいります。
○水岡俊一君 ありがとうございます。 それでは、大臣、その中の十二という項をもしお手元にあるんでしたら見ていただきたいと思いますが、「国公私立のすべての教員の免許状更新講習の受講に伴う費用負担を軽減するため、受講者の講習受講の費用負担も含めて、国による支援策を検討すること。」というふうに書いてございますが、来年の春までにこの支援策は出てまいりますか、どうでしょう。事務方でもいいですよ。
○政府参考人(金森越哉君) 附帯決議におきましては、受講負担を軽減するための支援策を検討することというのがございますけれども、これに対しましては、平成二十一年度概算要求で講習開設補助経費を要求しているところでございます。このことが受講者の負担軽減につながるものと考えております。
○水岡俊一君 せっかく局長にもお答えいただけるチャンスをつくったのに、そういうお答えであればもうしていただかなくて結構ですよ。実際この附帯決議でそういったことを考えていくということで、具体的に示していただかないともう時間ないじゃないですか。このことは別に昨日今日言った話じゃないじゃないですか。 大臣、一つお聞きをいただきたいのは、少し実際に今年講習を受けた方々、そしてそういった機関からのいろんな御意見を私たちが聴き取りをしております。その中で、一つこういう意見があったので、御紹介をしたいと思います。鹿児島大学の話です。 鹿児島大学では、来年の本実施に近い形で六学部すべての多様な免許種に応じた多数の科目を実施をした、試行をしたと。本県の地域特性を考えて、離島、奄美大島とか種子島会場でも出張講習が行われたと、こういうことですね。しかし、この出張講習に外れた人は鹿児島大学で受講しなきゃいけないから、船で行くと夜の九時半の船に乗り、翌朝八時ごろ船が着く。一講座受講するのに行き帰り二泊は船の中。三日掛かりになって、往復運賃だけで二万三千円掛かる。また、飛行機を使うと往復運賃が四万を超える。前泊後泊のホテル代を含めると六万円ぐらいになる。それから、講座の期日が連続であればいいが、ほとんど連続ではない。いったん島に帰って再度の受講となる。その場合は倍の費用になる。奄美大島より鹿児島に近い位置にある種子島の教員は、必修と選択のすべて三十時間を受講し、七回の往復運賃と宿泊費で七万円の出費と報告をしていると、こういうようなお話もありました。 日本全国には離島あるいはへき地、そういったところから受講をしている人たちがたくさんあるし、これは今年は試行ですからごく一部ですよ。来年から一年間に十万人でしたか、の教員が免許更新を行うわけでありますが、こういった状況、あえて離島とかへき地、大変なのに子供たちのためを思って赴任をしている教員がこういった負担を、自己負担をしなきゃいけない。あるいは大学にとっても、今も御紹介したように鹿児島大学は種子島と奄美大島で出張講習をやっている。大変な経費ですよ。これを来年からどういうふうに助けていくのか。これは受講者とそして実施体の二方向に対しての援助が要ると思いますが、大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(塩谷立君) 確かに鹿児島の方は離島とかいろいろあるわけでございますし、また、私の地元、離島の話じゃないんですが、静岡県においてもやはり交通費とか、できれば近くでという要望はありますので、そういうことも含めて今我々考えているのは、特に離島、へき地でその講座を開設するための補助をしようということで、その点を今、来年度予算で確保しているところでございまして、受講する側の方の負担というのは自己負担になっておりまして、ここら辺の補助がどうできるかということは大変難しいんで、講座を開設するのをできるだけ離島なりその生徒さんがいる近くで行おうという点においては補助を行っていこうということで、来年の予算に今盛り込んでいるところでございます。
○水岡俊一君 大臣は、今それぞれの離島であるとかへき地であるとかの方々がどのような経費、どのような時間を費やしてその講習を受けることになるのか詳細には今御存じないかもしれない。でも、来年からもう本格実施なんですよ。それで、私は今、来年の春までにこの附帯決議が完全に実行されるように頑張っていただきたいという話は今したところですね。ですから、その覚悟はしっかりと持っていただかなきゃいけないんですよ。お金で済むことはやってくださいよ。 というのは、この附帯決議にはこういう附帯決議もあるんですよ。「十三、教員の資質能力の向上という免許状更新制度の趣旨を踏まえ、任命権者は、学校現場の実態に即し、各教員の受講期間を的確に把握し、教員の安全と健康に配慮しながら受講機会の確保とともに受講時の服務の取扱いについても必要な配慮を行う」と。これどんな配慮が行われているのか、私は物すごく不満ですね。 この試行においては大変な問題がいっぱい起きている。例えば、ある受講者の話。土日の受講で休日がなくなってしまったことで仕事が滞り、教材研究も十分できないまま学校に行かざるを得ず、思っていた以上に負担で体調を壊してしまった。またある人は、この夏季休業中は部活動、講習、三者面談のほか、この講習受講で時間を取られ過ぎて精神的な疲労が大きかった。さらには十年研にも該当していて、通常勤務以上に多忙を極めた。そのため休日も常に不安で、考えなければならない状態でゆっくり休めなかった。また、あるいは中学校、高校の教員は部活動をたくさんしておりまして、かなりの負担だと。講習で部活動ができない分できる日は丸一日部活動、そのほか講習と、休みが全くなくなり、かなり疲れて体調を壊したという報告を今申し上げたんですが、大臣はお聞きいただけました。今後ろでお話をされていましたが、どうです。
○国務大臣(塩谷立君) そういった具体的な話が出ているということは少しずつ今聞いているところでございまして、今委員がおっしゃったようなこと、大変問題だと思っておりますので、勤務等に対しての配慮、それから特に十年研修等の重なっている部分、こういったものをまた、特に十年研修の五日間の短縮とか、そういったことも含めて今検討しているところでございます。来年三月でありますので、早急にそういったことの配慮をしてまいりたいと思います。
○水岡俊一君 是非、大臣、附帯決議の完全な実現を図っていただきたいし、そのことで私は塩谷大臣の力が試されていると私は思っております。ひとつよろしくお願いいたしたいと思います。 さて、次の問題でありますが、時間がもうありませんので簡潔に申し上げたいと思います。 大臣は所信の中で外国人児童生徒の就学支援や日本語指導の充実などを推進しますというふうにおっしゃっていただきました。これまで、当委員会で外国籍の子供の教育を保障するべきだという考え方は文科省そしてこの当委員会も共有をしてきたと、こういうことだろうというふうに思いますが、特にこのニューカマーと呼ばれる方々の子供の数が大変多くなっておって、この子たちの義務教育段階の教育をどうやって保障するのかというのが大きな課題となってきたわけです。 そこで、そういう子供たちがどんな状況にあるのか、簡単に分けますと、一つは日本の小中学校に通っている子供たち、二つ目にはブラジル人学校など外国人学校に通っている子供たち、三つ目はどの学校にも通っていないという、いわゆる不就学の子供たち。これが、不就学の子供たちが物すごく増えているんですよ。こういった問題については、是非、別の機会を取って論議をさせていただきたいし、お取り組みをいただきたいというふうに思いますが。 そんな中で、特に大臣は静岡県御出身だということで大変これは身近な問題だというふうに私は思っております。そういった中で、多くの子供たちを救う手だてとして、一つは、ブラジル人学校であるとかそういう外国人学校の子供たちの支援が何とかできないかという中に、本当は文科省が学校に対して支援を、金銭的な支援を是非するべきだとは思いますが、その問題はこれからまた考えていくとして、例えば子供たちがどんな影響を受けているかというと、ブラジル人学校とかそういう外国人学校に通っている子供たちは遠くに通っているんですよ、数が少ないから、学校の数が少ないから。電車で一時間掛けたり二時間掛けたりして通っている。その通学費が大変なんですよ。つまりは、通学定期が買えたらもっと助かるのにという人たちがたくさんいるんですよ。 今、外国人学校に通っている子供たちの通学定期というのはどういうふうになっているのか、このことについて短くちょっと答えてください。
○国務大臣(塩谷立君) 通学定期乗車券については、基本的にはJRや各鉄道会社の制度でありますのでその会社の規則によって決められて、対象の学校としては、まあ一条校ですね、これとあと専修学校、各種学校になっているところだというふうに今把握しております。 今御指摘の問題については、私も在日ブラジル人が一番多くいる浜松市でありますので、非常に問題となっております。我が国が今外国人の子供たちあるいは学校に対する支援というのが大変取組が遅れていることは感じておりますので、今そういった面についてできることをしっかりやらなきゃならぬ、まあできることをという言い方はおかしいですが、何ができるかということを検討しながらこの対応を考えてまいりたい。特に、私の地元でも独自にやっていることがたくさんありますので、それを国レベルにどうできるかということを検討してまいりたいと思います。
○水岡俊一君 最後に、静岡県であればエスコーラ・アレグリア・デ・サベールという浜松校の学校がありますし、また愛知県にはエスコーラ・サンパウロ・安城、あるいはサンパウロ・岡崎とかという、そういうブラジル人学校もたくさんございます。 こういった学校はどういう学校かというと、各種学校には認定されていない。しかし、文科省は大学受験資格があると認めている。つまり、大学受験資格がある学校と認めているんだったら、この子たちに各種学校と同じようなJRの定期券あるいは各私鉄の通学定期券が取得できるように文科省が認定するという方向で考えてもらえませんか、どうですか。
○国務大臣(塩谷立君) おっしゃったことは私もこれから検討していかなきゃならない。大学のいわゆる進学資格があるということはそれなりの学校であるということを認めておりますので、それを我が国としてどうとらえるかということは今後検討してまいりたいと思います。
○水岡俊一君 是非前向きに検討して早急に実現をしていただきたいと思います。 これで質問を終わります。
○西田昌司君 自民党の西田でございます。 それではまず最初に、いわゆる大分事件についてお聞きをしたいと思うんです。 この問題は、教員の採用、それから校長、教頭等の選考過程におきまして、その選考の結果を改ざんされたり、それが金銭の授受をもって行われたりと、こういうことが明らかになりまして、非常に教育の信頼性を著しくおとしめる非常に大きな私も衝撃を受けた事件であったんです。そのことを受けて、大分県の教育委員会調査結果報告書なるものを出しているわけですけれども、まずこの問題につきまして、大臣といたしましての御所見、また何が原因だったのかというふうに考えておられるか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(塩谷立君) 今回の大分県の教員採用試験についての問題については大変遺憾に感じているところでございまして、著しく教育への信頼を失ったことだと思っております。 特に今回の課題、問題といいますか、そういう点においては、教員の日ごろの人間関係といいますか、ある面では教職員組合のこともありますし、そういった従来からの習慣的なことが長年続いてきたように思われますので、そういったことに対してしっかりと今後改善を図っていかなければならないと思っております。
○西田昌司君 今大臣が日ごろからの教職員の人間関係、その中には教員組合のこともあると、こういうことをおっしゃったんですけれども、私もそのとおりだと思うんです。 ところが、この報告書を見ていますと、その一番肝心の教職員組合、そのことについてほとんど何も触れられていないんですよ。ところが、現実には別添の資料で聴き取り調査、それぞれ個別にどういうことを聴かれたかということを見ていきますと、かなりこれは具体的なことが書いてあるんですね。 私は、時間がありませんが、せっかくですからこれはやっぱり国民にしっかり聞いておいていただきたいので、その中の一部を紹介しますと、この聴き取り調査及び文書調査等の結果というところで、教員採用選考試験についてもあるんですが、まずその中で働きかけ等の状況につきまして、組合の幹部から封書で名簿(三名から四名、中学校教員受験者)をもらい、合否の連絡をしてもらいたいと依頼があり、これに対応したことがある。また、組合幹部に対し、採用試験の結果や人事異動について事前通知を行っていたと、こういうことが出ております。 またさらに、教頭登用試験において、校長の推薦は組合に協力的であったかどうかも判断の基準になっていたとも、これは明確に組合が人事について関与していたと、そう疑わされる、そういうことがはっきり書いてあります。さらに、管理職の登用に関しては組合の役員経験者が早く登用されていたように思う。 それからさらに、組合からの人事に対する要望と地教委からの人事の内申がぴったり一致していたり、県教委の人事情報がすぐに組合に漏れたりすることもあった。そして、指導主事の登用試験を受けるためには組合の推薦が必要と言われ、仕方がないので一年間だけ組合に加入したことがあった。そして、指導主事の登用試験を受験したころ、校長会、教頭会、教育長会、組合の四者からの推薦が行われていたと記憶している。地教委が行う指導主事の推薦にも組合の意向が反映されていたと思う。組合の推薦は、組合の存在意義を示すために行われているのではないか。指導主事を一本釣りで登用すると、組合から抗議がある。 これはたくさんありますが、全部私は読み上げたいと思うんです。といいますのは、こういうことを国民が知らないんですね。知らなくて、報告書にも上がってきてないということですから、もうしばらくお付き合いいただきたいと思うんです。 そして、組合へばかり向いて仕事をしている職員、特に教員の体質に問題があるんではないか。組合交渉で、そんなことをしたら現場に帰ってきたら許さぬぞというようなやじを聞いたことがある。組合にとっては、校長、教頭の登用試験や指導主事の選考試験等に推薦したという形が大切であり、それによって組合の内部組織を引き締める効果があるのではないか。また、組合は特に何でも反対する。さっきから話になっていました、学力テスト等というふうに書いてありますが、組合はとにかく何でも反対する(学力テスト等)。組合員全員を守るのが組合の意義なので、意欲のあるものにはジレンマが生じていると思う。小規模な市町村では、組合の支部執行委員長出身者が教育長になっているところもある。組合の幹部は、自分たちが組合の仕事をしやすい大規模校へ異動することが多い。校長でありながら組合員のような意識の人もいて、校長協議会などで組合員のような質問をする人がある。 さらに、これ一番ひどいのは、あなたは組合も辞めているし、教育委員会からの受けも悪いので、転勤も昇進も難しいと校長から言われたことがある。八割を超える組織率の県教組に代表されるように、教員は身内意識が強く、問題があっても内部で処理してしまう体質があるのではないか。小学校の校長、教頭や指導主事などの多くは組合など身内の推薦で登用されており、表向きはどうあれ、意識の根底には隠ぺい体質から抜け切れていないのではないか。 こういうふうに本当にこの報告書の中でも組合に関する記述というのが非常に多いわけなんですね。これほど組合のことについて、これ聴き取り調査をして、一般の教員がお話になっているわけなんですよ。それを、じゃどうやって教育に、人事も採用も含めて公正な仕組みが担保されるかということについて議論されてきたその結果の中にこの事実がきっちり反映されていないと、それ表面上で人間関係がどうだと、そんな程度の問題じゃないんですよ、これは。 ですから、もう一度お聞きしたいんですけれども、これが反映されていないということが非常に大きな問題だと思うんです。大臣は先ほどの答弁の中で組合等ということもおっしゃいましたけれども、等ということぐらいじゃなくて、やっぱりこれかなりの大きな問題の核心にこの組合問題があったと思うんですが、もう一度御認識をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(金森越哉君) 大分県教育委員会が八月二十九日に取りまとめました報告書の別添資料には、ただいま詳細に御紹介いただきましたような事柄が、聴き取り調査及び文書調査等の結果として言及されているわけでございますけれども、報告書本体におきましても、例えば平成十三年度までは採用選考に当たり教職員組合の役員等から依頼があったこととか、校長、教頭選考に当たり教職員組合の各支部役員等が推薦リストを持参していたこと、また指導主事登用に当たり、指導主事試験を受けるには組合推薦が必要との意見があったこと、また不正の原因、背景の一部として、大分県教職員組合は全国的に見ても高い組織率であり、色濃い仲間意識、身内意識があることが記述されているところでございます。 ただ、この報告書ではこのような状況についての今後の対応策が示されていないことから、文部科学省といたしましては、大分県教育委員会に対しまして、教職員組合の教員人事への関与を根絶するよう厳しく指導しているところでございます。
○西田昌司君 じゃ、しっかりそれは文科省として、今までのこの事実があるわけですから、ここには載っていないけれども、教育委員会とそして教員組合との関係を毅然としたものにすると、これはもう保証していただけるわけですね。それだけはっきりさせてください。
○国務大臣(塩谷立君) この報告書はそういったところまで書かれておりませんが、あくまで我々文部科学省としてはその問題を重視して、例えば採用に当たっての推薦を廃止するとか、そういったことをしっかりと指導してまいりたいと思っております。
○西田昌司君 これは大分県教育委員会だけじゃなくて、全国同じようなことが当然行われていた可能性もないとは言えないと思うんですよね。特にこの組合とのかかわりについて非常に危惧をするわけですから、これは大分県だけじゃなくて全国の教育委員会についても是非同じように指導していただきたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(塩谷立君) 全国でどういう状況かということにおいては調査の中では具体的には出てこなかったわけですが、いずれにしましても、今回の問題を受けて、教育委員会が責任を持って、その権限においていわゆる人事等の管理をしていくということを指導してまいりたいと思っております。
○西田昌司君 それで、これは教育委員会それぞれの問題もあるんですが、私は、そもそも文科省と日教組、こことのかかわりもちょっと疑問に感ずるところがあるんですね。そもそも日教組といいますのは、これはいわゆる労働組合ではなくて職員組合ということでありますよね。ですから、職員の仕事の待遇とか、そういうことに対しては当然話をする権限も能力も対象となっているわけですけれども、当然、教育の中身につきまして責任を持っているのは日教組ではなくて、当たり前の話でありますが、文科省であると思うんです。 ところが、それがそうであるにもかかわらず、日教組の出身の方がいわゆる中教審の委員になっておられますよね。これは一体いかなることで日教組の出身者が中教審の委員に任命されているのか、それをお聞きしたいと思います。
○政府参考人(清水潔君) 中央教育審議会については、教育における様々な課題、要請に対応して教育改革を進めていくため、広く各界における幅広い識見を有する方々に委員をお願いすることとしております。 現在、中央教育審議会として意思決定を行うのは総会でございますが、三十名の委員で構成をされております。この中には日教組出身の委員は含まれておりません。ただ、分科会等において特定の事項について調査、審議をお願いするに当たって臨時委員というようなものがございまして、これは九十名お願いしております。そのほか、専門委員等約四百名から五百名弱の方もお願いしているわけでございますが、この臨時委員の中に日教組出身の方にお願いをし、初等中等教育分科会に所属しているということでございます。 中央教育審議会の審議でございますけれども、様々な知識、経験を有する方々の合議によって行われるということでありますし、また議事自体は報道機関に公開され、会議終了後には議事録を広く一般に公表しており、審議の中立性という観点から特段の問題があるとは考えていないところでございます。
○西田昌司君 それは型どおりの答弁なんですよ。現に今まで、昔は日教組の委員が入っていなかったんです、出身者が。いわゆる、あの村山内閣ができまして、歴史的和解と言われておりますが、その時期から入ってこられているわけですよ。 現場の教員の先生方の意見を聴かせていただく、それはそれで私何も否定するものではないんです。また、日教組の方がそれぞれの政治信条を持って活動されたり意見を言われたりする、それはそれでいいんです、そのことを何も否定していないんですよ。 問題は、教育の根幹を預かっているのはこれは行政の責任者、文科省でありますしね、そして我々政治家が結局は主権者である国民に選ばれて責任を担っているわけなんですよ。ところが、この日教組の方々といいますのは、先ほどホームページの話もおっしゃいましたけれども、私も日教組のホームページを開いてみますと、非常にいろんなことが書いてありますけれども、要するに教職員の待遇改善ということが目的じゃない、それももちろんあるでしょうけれども、要するに非常に政治的な思想信条をはっきり明確に示されているわけです。そして、その方の出身者が中教審の委員になられて、そのなったことによって日教組の中に教育政策調整室というのをつくって、これはそれをサポートするためにやっているんですとおっしゃっているわけですよ。まさに日教組の意見を代弁するために入っておられるんですよ。自ら認めておられるわけですね。 その方々を入れてやるには余りにも、私は教育の公平性を考えたときに、現場の教師の意見聴くのなら、ほかの代表の方もあるわけですよ、いろんな団体あるわけですから。なぜ日教組だけ入っているのか。そこは一体どういうことなんですか。
○政府参考人(清水潔君) 委員について先ほどちょっと御説明させていただきましたように、広く様々な課題要請、教育に対する課題要請にこたえるために、そのために広く各界における広い識見を有する方にお願いしているわけでございます。
○西田昌司君 広い識見を有しておられると言うんだけれども、日教組が言っておられる、それじゃ、運動方針と文科省と目指しているものがまさに一致していますと、表裏一体になっていますというようなことを自ら証明するような話になっているんですよ。 かつては対立していた、それが歴史的和解になったと。もちろん、対立ばかりじゃなくて話をすることは別にいいですよ。しかし、問題は、そのことによって文科省自体が日教組に対して遠慮して物が言えなくなっているんじゃないのかと。また、日教組とのその結び付き、それはまさに先ほどの大分県の教育委員会と組合との関係に非常に近いんじゃないかと。幾ら今回の問題が、教育委員会と教員組合との間の、まあ癒着とも言えるようなそういうことがあったということを大臣が言われて、正していくんだとおっしゃっても、肝心の文科省自体がそういう体質を引きずっておったら、それは、あんた方言うけど、そもそも上の方で教育方針決めるときに日教組とやっているじゃないですかと。同じ立場で言うわけですよ、これは。そういうことになりゃしませんか。 だから、ここはもう一度しっかりとそういうことは考え直していただきたいと思いますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(塩谷立君) 日教組との関係につきましては、平成七年度に従来の国の教育政策、一貫して反対してきた運動方針を日教組が転換したときから大分、日教組との話合いも具体的にはあったことは事実でございますが、これはあくまでも公教育への信頼回復がなされるように日教組にも努力をしていただきたいということを言っているわけでして、私どもが歩み寄ったというような感覚ではないと思っております。 したがって、今後の日教組との関係においても、具体的な教育委員会あるいは地方の組織においては、例えば実際にストライキを行っているところもありますので、そういったことに対しては、やはりしっかりと我々としては指導してまいりたいと思います。
○西田昌司君 時間がないので次に移りますが、いずれにいたしましても、この問題はやはり行政側が毅然たる態度を取っていないということがすべての原因なんですね。日教組攻撃を私しているわけじゃないんですよ。彼らは彼らの立場として、自分たちの信念、訴えたりするのはいいんですよ。それを責任者である行政側が無条件に受け入れたり、なれ合いになったりしてはいけないと、このことだけは、しっかりとこれは肝に銘じて行政は当たっていただきたいと思います。 続きまして、留学生三十万人計画についてお伺いします。 これは、今回の大臣のこの就任のごあいさつのところの中にでも書いておられるわけですけれども、さきの福田内閣のときに留学生三十万人構想ということで言われてきたんですが、私は、はっきり言いまして、非常にちょっと唐突な気がするんです。 一体、そもそもこれは何のためにされてきているのかということなんですけれども、まずそこをお聞きしたいんですが、留学生三十万人構想というのは一体どういうことなのかと。その目的をお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(徳永保君) 留学生三十万人計画は、先生が御指摘いただきましたように福田前総理が提唱されたものでございますが、その目的といたしましては、日本を世界に開かれた国とし、アジア、世界との間に人、物、金、情報の流れを拡大するグローバル戦略を展開する一環として、二〇二〇年を目途に留学生受入れ三十万人を目指すものでございます。 同時に、我が国の大学の国際化、あるいはまた国際競争力の強化を図るということが目的でございますし、また、あわせて諸外国との相互理解や我が国が安定した国際関係を築く上での基礎となる人的ネットワークを形成することにも大いに意義があると考えております。
○西田昌司君 一般的にはそういう感じなんだろうと思うんですね。ところが、それが果たしてもろ手を挙げていいことばかりかというと、やっぱりちょっと現実問題、考えていかなければならない問題がたくさんあるなという気がするんです。 といいますのは、まず、三十万人の留学生ということですが、今十二万人余りぐらいですかね、それを二〇二〇年までに三十万人ということなんです。それを受け入れるためにはたくさんの、当然ながらその予算的な措置もお考えになっていると思うんですよね。 聞いておりますと、留学生の方々には無償供与で奨学金をお与えになると。ところが、今の日本では、我が国の大学生に対しては、まあ海外に行くときには多少あるのか知りませんが、少なくとも私たち、この日本で大学生はこれは貸与ですよね。で、向こうにはたくさんあるんです。 じゃ、実際、どれぐらいのお金がその貸与で使われていて、今度三十万人にしたときにどれぐらいの無償供与を考えておられるのか、そこをお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(徳永保君) 現在、日本人学生に対する奨学金、もちろん御指摘の貸与でございます。例えば、学部で月額六万四千円貸与をしております。これに対しまして、国費留学生につきましては、学部段階で月額十三万四千円、そして私費留学生につきましても月額五万円という形でこの給付を行っているわけでございます。 今後、私どもはこの留学生三十万人計画に当たりましては、全体として留学生を増やしていくということを目指しております。その中で、当然、現在のような割合で国費留学生につきましても一定増額させていきたいと思っております。現在、外国人の国費留学生に対する金額は二百二十三億円でございます。こういったものについても、今後、拡大をしていきたいと思っております。 また、特に今回の留学生三十万人計画の中では、そういった留学生に対する奨学金だけではございませんで、そのほか、我が国の大学の国際化を進めるための経費でございますとか、様々なワンストップサービス、言わば、これまで我が国に入ってくる手続がばらばらであったものを統一的に行うもの、あるいは海外における日本語教育、こういったものを充実をする、そういったことを全体として、二十一年度では六百四十七億円を要求しているところでございます。 ただ、今後、全体として幾ら掛かるのかといったことについては、私ども、そこはきちっとまだ詰めておりませんが、今後、毎年の予算編成を通じて、様々具体化していきたいと思っております。
○西田昌司君 ですから、今のお話にありましたように、いわゆる日本人の大学生に対する援助と外国から来られるに対するにはけたが違うわけですね。これは少しいかがなバランスなのかなという気がするんです。 それだけじゃなくて、もう一つ、私が一番懸念していますのは、そもそもこの外国人、たくさん今日本に来られていますけれども、実は来日外国人の犯罪というのは非常に増えてきているわけです。留学生自体が私犯罪者予備軍だとか、そういう言い方するんじゃないんですが、結果として、警察庁のこれを見ておると、そういう傾向があると。 在留資格別検挙状況の推移というのがあるんですけれども、要するに正規滞在者、特に研修、定住の在留資格者の方が犯罪を犯している割合が非常に増えているということを聞いているんですが、最近のこの外国人犯罪についての傾向について、今日は警察の方にも来ていただいていると思いますので、簡潔にちょっと述べていただきたいと思います。
○政府参考人(宮本和夫君) 来日外国人の犯罪についてでございますけれども、非常に高い水準で発生をしておるということで、検挙人員、検挙件数ともに十年前に比べて相当に高い数値を出しておりますが、ここ二、三年におきましては少し安定的でございまして、検挙件数でございますけれども、平成十七年がここ数年で最高ですけれども、四万七千八百件余り。平成十九年は三万五千七百八十二件。検挙人員で申しますと、平成十六年、これがここ数年では最高でございますが、二万一千八百四十二人。平成十九年が一万五千九百十四人と、このような状況になっております。
○西田昌司君 今ちょっとお話になりましたように、要するに、これは資料によりましても、十年前と比べて不法滞在者については二割減っているが、一方で正規滞在者は八割近く増加して、正規滞在者の検挙人員が増えているんですね。その中で、正規滞在の中でも研修及び定住者のそういう在留資格を持っている方が十年前と比べて二倍の検挙人員になっているという、明らかに非常に相関関係があるわけです。 それを今度三十万人にするわけですよ。そうしますと、当然のことながら、いい留学生にもちろん来ていただいたらいいんですが、不良学生は入らないように、徹底してやっぱり水際のそれが必要だと思うんですが、この三十万人計画を見ていると、ウエルカム、ウエルカムばっかりで、その一番肝心の水際をどこでやるのかというのは、これを見ていますと、大学等の在籍管理の徹底ということなんですよね。あとは、それはもう大学側でやってくださいと、原則的には、そういう形に書いてあって、これで果たしてできるんでしょうかね。 法務省の方にも入国管理局の方から来ていただいていると思いますけれども、今こういうような体制で果たしてちゃんとした不良外国人を阻止する仕組みが担保できるんでしょうか。三十万人と言われているんですが、いかがでしょう。
○政府参考人(高宅茂君) 外国人留学生の受入れにつきましては、従来から可能な限り円滑に受け入れるということで努めてきておりますが、一方で、この制度を悪用いたしまして、委員御指摘のとおり、不法滞在をしたり、あるいは中には犯罪に走るという者が見られるのも事実でございます。そこで、入国管理局といたしましては、真に勉学を志す者であるのかどうかという観点から、経費支弁能力等、厳格な審査を行ってきたところです。 今後につきましては、今御指摘のありました入学者の適正な選抜あるいは在籍管理の徹底、こういったことを外国人留学生の入学する教育機関に求め、またそれに応じたような審査をしていくということを考えております。 また、そのほか、関係機関との連携も密にしながら在留状況の正確な把握ということに努めまして、入国審査におきましてもあるいは入国後の在留審査におきましても、適正な外国人留学生の受入れ、それから不適正な在留の防止に努めてまいりたいと考えております。
○西田昌司君 今お話にありましたように、結局、まず入口は、じゃ入学ができる、ちゃんと学力があって、その資格者が、あるのかというのは大学にやってもらわにゃ困るという話なんですよね。そのほかの滞留資格を逸脱して超えた人が、それはまたもちろん入国管理局の対象になるんですけれども、初め、特に入口の段階では、これは大学といいましょうか、受入れ側の責任ですよ。 ところが、私が一番懸念しますのは、今でさえそういう外国人犯罪が増えてきているのに、今度三十万人増やすというんですよ、二・五倍。量を増やして質を担保すると、二律背反なんですよ、これは。しかも、それをやるために物すごく大きな予算を使っていくというけれども、これは常識的に考えて、かなりちょっと無理なところがあるんじゃないでしょうか。それを無理じゃないというのなら、どういう形で担保できるんですか。
○政府参考人(徳永保君) 今回の留学生三十万人計画におきましては、単に留学生の数の増大だけを目指すものではございませんで、できるだけ優秀な方、特に様々な国、地域、分野などにも留意しつつ、優秀な留学生を確保していくということに重点を置いております。 このため、特に留学生の受入れ実績だけではなく、教育研究水準といったものを十分に考慮をいたしまして、特に優れた水準にある大学を三十選定をし、これらに対して重点的に支援をしていく。そういった大学では、もちろん英語による授業、英語による学位授与といったことも行いますが、一方では厳格な在籍管理、学生生活の管理ということを行っていただく。そういった大学を中心に、およそ今後その三分の一の十万人ぐらいをそういった大学でお引き受けいただくといったことを中心に私ども留学生三十万人計画を達成し、その結果として優秀な留学生を確保していきたいと考えております。
○西田昌司君 いや、優秀な学生を受け入れるんだとおっしゃるんだけれども、優秀な学生が、それを、三十万人という数を、行政はすぐそういう数を決めたがるんですよね、目標を決めるとその予算をやっていくと。一番大事なのは、優秀な学生を入れるわけでしょう。そうすると、やっぱり優秀な人は振り落とさな入ってこれないわけですよ、これは。 なのに、そういうふうにやってくるということを考えてみると、これはうがった見方をして恐縮ですが、要するに、日本国内では少子化なんです。どんどんどんどん大学生の数少なくなるんですよ。しかし、たくさんの大学があると。この経営を守るためにある程度の学生を海外からも引き受けてやっていこうと、そういうこととリンクになっている気がして私はならないんですよ。確かに優秀な学生、来ていただいたらいいんですよ。しかし、結果的に、数の話をしたためにそういう方向になってしまうということを非常に私は危惧します。 そして、一番問題は、いわゆる、海外から優秀な人材交流して、人、金、物をもう国際的に交流していきましょうと、こういうような答弁を冒頭おっしゃいましたけれども、私それ自体に反対です。なぜかというと、これはまさにグローバリズムそのものなんですよ。つまり、今までずっと、人、金、物を世界中循環、交流させていけば人類幸せになると、情報もそうだし、お金もそうだでやった。やった結果何が出たかというと、サブプライムローン問題出ているんです。そして、しかもそれは価値観が、もう一つの国の言わば考え方が徹底してこれ世界標準だという形でやられて、日本も大変な被害がこれから出てくると思いますよ。 そういうところから反省すると、今日本がしなくちゃならないのは、もちろん世界の国とお付き合いすることもいいですし、優秀な外国人、日本から行くのもいいでしょう。しかし、もう片っ方として、日本人としての大切な価値観や、自分たちの考えや物があって初めてグローバル化にも対応できると思うんです。 ここから先は、そういうことで、特に三十万にされるということは、私自身はもう少し慎重にやっていただきたいということをこれ申し添えていただいて、次の方に行きたいと思うんです。 といいますのは、今言いましたように、そういうことも含めて今一番何が問題かというと、教育の方では、予算何ぼ使ったとか学力がどうだ、もちろん大事ですよ。しかし、もっと肝心なことがあるじゃないですか。それは何かといえば、日本人を日本人たらしめるものなんですよ。それは何かといえば、まさに日本人の心である道徳なんですよ。日本人としての価値観や日本人としての考え方、これが教育できて初めて日本人としてこれ国際舞台でも活躍できるんです。英語ができるとか数学ができるかというのは、それは単に自分の表現する道具であって、中身の方はこちらの方なんですよ。 ところが、それが日本の中でできているのかと。大臣も道徳教育をこれ充実させていくんだと、こういうことを述べておられるんです。非常に期待をしたいと思うんですが、しかし、残念ながら今の日本の教育の現場を見ると、道徳には教科書がないわけです。教科にもなっていないわけですね。ですから、正式な科目がない。 私は、どういう教科書を使っているのか、まあ教科書はないんですけど副読本という形でこういうものがあると。(資料提示)それから、心のノートというものを文科省が作っておられるんです。見ました。別に悪いことは書いていないですよ。悪いことは書いていないけれども、正直言いまして隔靴掻痒ですよ。何かエッセイを読んでいるんじゃないんですから、そもそも。人間にとって大事なのは何なのかということ、規範をばしっと示していないんです。というよりも、わざと示していない。示されないから教科書になっていない。 そんな気がしてならないんですが、大臣はこの道徳教育の今のこの現実についてどのようなお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(塩谷立君) 一昨年の改正教育基本法について、道徳心をしっかりと今後教育の中で教えていくということで、今回学習指導要領の改訂も行ったわけでございます。 教科にするのがいいのかどうなのかということもありますが、私は、やはり教科というとその評価もしなければならない、それは点数で評価するものではないだろうと。また、教科以上に学校全体で取り組んでいただく。それと、学校だけではなくて家庭あるいは地域社会にもしっかりと認識していただくためには、やはり教科というよりそれ以上のものといいますか、そういう位置付けで地域全体、また家庭と学校と連携して全体的に道徳教育を行っていく必要があると思っておりますので、今後、この道徳教育につきましては、その道徳推進教師という形で指導者の養成、それから教材等の新たな補助制度を創設して今検討しているところであり、また心のノートも今改訂を行っているところでありますので、そういった心のノートあるいは新しい教材、さらには教師も含めて全体的に今道徳教育の準備をしておりますので、地域、家庭と一体になって学校教育がこの道徳教育を進められればという体制を今整備しているところでございます。
○西田昌司君 今おっしゃったんですけれども、評価するのが、点数付けるのがなかなか難しいじゃないかと、確かにそういう一面はあろうかと思うんです。あろうかと思うんですが、それも含めて、僕は点数付けるかどうかは別にしまして、一番肝心なのは、やっぱりこれ大人が、もっと言えば親が子供に対してこうあるべきなんだと規範意識、その中で一番何が大事かと。 例えば、親孝行なんというものは一番のまず根本ですよ、これは。親を大切にする。だって、親がいなければ子供がいないんですから。子供のいない人はいても親のいない人は存在し得ないわけで、そのことから考えましても、まさにそういう親孝行とか命の上から下へのこのつながりですよね、こういう伝統意識ですね、それが。結局、親孝行から始まって伝統意識とかが出てくるわけです。また、国の歴史観も出てくるわけです。 その中で、親のことを、皆さん方もそうですけれどもね、是非考えていただきたいんです。自分の親を想像したときに、やっぱりいろんな親子同士の感情のあつれき、この葛藤というのはあるんですけれども、やっぱり自分の親を考えると目頭が熱くなるところがある。なぜあるのかと。それは、親が子供に対して自分の身を挺して命懸けでやっぱり当たってきてくれたということを感じているからなんですよ。そうじゃないですか。それがまず道徳の一番基本なんです。親子で、家庭の中でそういうことをちゃんとできれば問題ないわけですよ。ところが、残念ながらそれがきっちり教え切れていない家庭が存在しているわけですね。だから、そのことを補完するためにも学校が公教育の場でそういうことを教えなきゃ駄目なわけですよ、これは。 だから、親子関係に類するものというのは一体何なのかと、公教育の場で道徳で教えることは。それはもう一番の私、大事なのは、つまり親が子供にしたような自己犠牲の精神なんですよ、これは。親は自分の子供を守るためには命を捨ててもやると、そうでしょう。それを子供が分かって初めて親の有り難さ、それをもっと言えば命の大切さ、自分の命の使いどころ、使命感、まさに日本人としてのそういうものができてくるんじゃないですか。 ところが、僕は本当に非常に残念だったのは、これ読ませていただいたんですね。まあもちろん熟読はしておりません。しておりませんが、ずっと見ましてもこういうことに関しては一切触れていません。命が大事だとは書いているんですよ。命は大事だけれども、他人の命も大事なんです、当たり前なんですよ。しかし、自分の命を懸けても、捨てても他人のためにする、それは親が子供にしてくれたように、仲間のためにもしなければならないし、そういうことの延長線上に我が国の歴史は、社会はあったんじゃないのかと。これは日本だけじゃないですよ。どの国でも共通の話なんですよ。この一番肝心なところを何か履き違えて、今現在のことだけの命に終始して、肝心のそういう自己犠牲の精神に代表されます一番大事な価値観ですね、これは先ほど言いました親が子供を思っていく、子が親を思う、この親孝行と当然通じる話なんです。一番肝心のそのことが書かれていない、それが一番私は残念に思うわけなんです。 もう時間がなくなってきまして、あと二分ほどですが、大臣、こう私は思うんですけれども、いかがお考えでしょう。是非こういうことを反映させていただきたいんですが、そういうこともできないんでしょうか。
○国務大臣(塩谷立君) 今、西田委員がお話あった親子の関係、本当に基本的なところでありますので、心のノートの中に、今改訂をしておりますので、どこまでその中に反映できるかちょっと私は把握しておりませんが、副読本と教材等の中で、やっぱり親と子の関係というのは本当に一番基本的なところで、何らかの形でそういったことが指導できるような教材等も考えていかなければならないと思っております。
○西田昌司君 時間が来たので終わりますが、これは本当に戦後の教育の中で一番肝心なことを全くタブー視して議論してこなかったという、私は、私自身も政治家の端くれとして非常にじくじたるものを持っております。ですから、これからも機会あるたびにこのことを訴えさせていただきたいと思いますので、是非ともよろしくお願いします。 ありがとうございました。
○義家弘介君 自由民主党義家弘介です。 まず、塩谷大臣、いつも部会等で大臣から様々なことを学ばせていただきました。この度大臣という形で、本当に心より期待しています。まず、おめでとうございます。 その上で、冒頭に大臣にお聞かせ願いたいと思います。 大臣は、学校、家庭、地域、行政が一体となって知徳体のバランスをよくはぐくんでいくということをあいさつの中でも明言されていますが、このことを中心に今回は質問をさせていただきます。 まず、この知についてですけれども、先ほど水岡委員の質問でも出た問題なんですけれども、全国学力・学習状況調査、この目的についてまずお聞かせください。
○国務大臣(塩谷立君) 全国学力・学習状況調査につきましては、私ども国として、あるいは都道府県として、あるいは地域の教育委員会として、我が国の国全体、あるいはその地域の学力がどのような状況かということをまず把握することが一つ。そして、その出た結果によって、それぞれの状況からいわゆる教育の改善あるいは今後の政策の方向性を見出していくことが大事である。 また、先ほど来申し上げましたように、子供個々について、やはり自分がどういう今位置にいるのかということも自ら把握していただく、これも大事であると思っておりますので、特に国際調査等で我が国の学力低下が顕著になってきている状況がこの十年ぐらい続いておりましたので、そういった議論の中で、やはり本当の実態調査を我が国独自にやることが必要だと思っておりまして、今申し上げました目的に沿って実行してまいりたいと思っております。
○義家弘介君 往々にして様々な議論というのは、目的と手段を混同しながら議論されていると思うんですけれども、例えば今おっしゃった、現状の学力を正確に把握して、そしてそれが把握したならばそのための改善の施策を様々打っていく、要するに改善していく。その中で、例えば手段の一つとして成績の開示というのは私はあり得る話だと思います。なぜなら、どこが問題だったのかということを教育関係者が理解していても、これは改善にはなりません。地域全体がまさに、ああ、この地域のこういう問題があったんだという認識を持って初めて、その学校の学力のみならず様々なことが向上していくと思うんですね。 だから、先ほどの質問の中ではその手段について、様々な手段があるわけです。その中では賛成も反対も当然あるわけですけれども、この手段が、当時想定していた手段と、それから現在行われている手段、あるいは手段に対する意見というものをぶつけ合わせていくことがまさに今大事だと思うわけですね。それをうそをついたとか、そういった状態で議論をしていくと、目的自身が一体何だったのかということがぶれて、本当の意味でこの学力調査、目的って一体何だったんだっけという話にまさにつながっていくと思います。この辺をぶれずに今我々は考えていく必要があるのではないかと思います。 その上でもう一つ質問させてください。この二年間続いた学力調査の結果、ゆとり教育と言われた教育の弊害として学力の低下が指摘されましたけれども、この学力調査の結果として、大臣はどのようにこの学力低下等の議論について受け止めていらっしゃるでしょうか。
○国務大臣(塩谷立君) 過去二年間の結果の中から明らかになったことは、多分全般的には我が国の子供たちが知識とか情報とかそういったことについては非常に豊富に把握していますが、具体的にそれを活用する、応用とかそういった点ではやはり非常に低い評価が出ているということで、これはPISAの調査でも言われてきたことでありますが、実際に今回の、あるいは昨年、今年の学力調査においてはそういった面が出ている。 それから、やはり学習状況調査が、個々のいわゆる日常生活あるいは勉強時間とかそういったことの調査において、ほかの諸外国と比べて例えば家庭で行われる勉強の時間が少ないとか、一方でテレビが諸外国よりかなり多く見られているというような、そういった実態が明らかになってきておりますので、そういったことも今後の子供たちの改善していく大きなポイントがあると考えております。
○義家弘介君 私自身、二年分の問題も解きながら自分なりに分析をしましたが、まず、一年目の試験を見たときに、私は実はあの学力試験に唖然としました。これは、意図的に差の付かないテストを文部科学省が作ったなと実は思ったんです。都道府県によって大きな差が出たらまた大問題になるからという配慮の中でそういう問題を作った、これ自民党の部会の中でも、私、去年のちょうど今ごろ指摘させていただいたわけですけれども。しかし、その辺は改善されまして、今年のテストは随分考えて作られたな、しかし、とは言っても、本当に求める学力というものの高さにはほど遠いようなものであるというのは皆さんお感じになっていることだと思います。 その上で、新しくなった学習指導要領では、授業時間数の増も含めながら様々な検討がなされていますが、まず大臣にもう一つお伺いしたいんですけれども、歴代大臣にとっても意見が分かれてきた小学校英語についてです。二〇一一年から必修化される小学校英語について、大臣はこれは賛成、反対とは言えないでしょうけれども、どのようなお考えをお持ちか、是非お聞かせください。
○国務大臣(塩谷立君) 英語教育につきましては様々な議論があったところでございますが、やはり今の世界の現状、時代の変化の中で、このグローバル化された状況においてはある程度早い時期から外国語教育をやっていくことが必要だろうと思っております。 しかしながら、私は、問題はやり方だと思っておりまして、今までも我が国の英語教育は、中学校からいわゆる大学まで数えると少なくとも十年間ぐらい学んでいるわけで、それがどういう結果が出ているかというのはだれもが承知のとおりでございますから、それを単に小学校に移したとしても余り成果はないのかなと考えておりますので、そこら辺の指導の仕方をしっかり考えていく。その上で、新たな英語ノート等も今我々文科省では教科書としてそろえているところでございますが、そこら辺をしっかりと考えていかないとなかなか成果が出ないのかなという、ちょっと疑問を持っておりますが、そのようにならないように努力をしてまいりたいと思います。
○義家弘介君 この小学校英語については意外と意見が分かれるんですけれども、実は実態を知らずに意見が分かれているという現状があるような気がするんですね。 現在、小学校の九六%が英語学習という形で既に英語の教育はしているという現状の上で、ただ、教科ではないから物差しがなかったわけです。これ道徳と全く同じです。物差しがないので、英語に全く後ろ向きな先生と、あるいは英語がもうすらすらとしゃべれるような先生、同じ公教育の場でありながらクオリティー格差がかなり出てきているという実態の中で、一応物差しとして英語の教科化をしたということ、私自身はそうあるべきだと実は思っています。 しかし、先ほど先生方の、本当に英語から何十年も離れていて突然教えろと言われた英語の先生にとっては、これは非常に大きな負担でもあるわけですね。だからこそ、しっかりとしたフォローアップ体制を文部科学省が、そして各都道府県、市町村の教育委員会が取っていかねばならないんですが、また、私の十二年間過ごした愛する北海道で大変なことが起こっています。 北海道教職員組合は、この英語教育に対してはまだ十分な議論を尽くしていないという理由で何と組合の中で教育委員会が主催する英語の研修会には参加するなという通達を出し、現状、今現在で行われているのが留萌の教育局で行われたところなんですけれども、全二十八校中十八校が参加しましたが、十校は不参加というような状態に今なっております。 この北教組に関しては、いじめの教育委員会からの調査を拒否と。さらには、一月三十日には時限ストライキ、さらにこういう英語教育の研修会、これも予算も付いて少しでも教師たちのプラスになろうとするような、力にならなければならないというような中で行われているものも参加しないように組合員に通知を出しているという、この日教組系列の北教組の現状について大臣はいかがお感じになっているか、是非聞かせてください。
○政府参考人(金森越哉君) 御指摘の北海道教職員組合が小学校外国語活動への不参加を呼びかけているということにつきまして、必ずしもその詳細を承知しているわけではございませんが、事実であるとすれば極めて不適切であると考えております。 北海道教育委員会によりますと、今回報道にございました小学校外国語活動に関する中核教員研修につきましては、平成二十年度と二十一年度の二か年で計画的に実施することといたしておりまして、今年度はその半数の学校からの参加を見込んでいたところでございます。 留萌支庁管内で行われました中核教員研修では、御紹介がございましたように、管内全二十八小学校のうち十八小学校から代表教員が参加しているところでございまして、この留萌管内における参加校数は当初の想定でございます半数を上回っておりまして、北海道教職員組合が出したとされる通知の影響が必ずしも出ているというわけではないようにも思うわけでございますが、いずれにいたしましても、こういった研修の不参加ということの呼びかけというのは極めて不適切でございますので、私ども北海道教育委員会とも緊密な連携を図りながら、この研修が適切に実施されるように努めてまいりたいと思っております。
○義家弘介君 まさに道教委は今変わろうとしていると。その中でどういう支援、援助をしていくのかということがこれは重要な分岐点に今あるような気がします。 例えば一月三十日の時限ストライキに関しては、これは明らかな違法行為であるにもかかわらず教職員の三人に一人が参加しているという現状なわけですね。さらに、去年の今ごろの質問の中でもしましたけれども、政令市である札幌市と道教委の処分がまた異なるというような非常にひずんだ状態。 例えば中山前国交大臣の発言の中で、日教組が強いところは学力が低いという中で、いろんな賛否両論入り乱れながら大騒ぎになっていますけれども、例えばこの英語教育応援していこうというものに対しても反対というような状態の北海道は、実は小学校学力テスト四十六位、そして中学校四十四位。まさにそういったこと、先生方の非協力的なことと学力が低いところの因果関係はあるかないか、どのようにお考えになっているか、是非、大臣、お聞かせください。
○国務大臣(塩谷立君) 今の日教組の強いところと学力調査の結果、これ因果関係があるかどうかというのはまだ精査したところではありませんが、強いという言い方とは違うんですが、組織率……
○義家弘介君 影響力です。組織率じゃなくて、影響力です。
○国務大臣(塩谷立君) 影響力、この影響力の強さというのはどう測るかというと、それはなかなか数字では表せないんで分かりませんが、仮に組織力の観点で、これは明確に数字で表されていますんで、組織力が強いところがいわゆる学力が低いかということは必ずしもそうではないということになっております。 影響力が強いという観点では、そういう結果も出ているところもあり、また出ていないところもあると思っておりますので一概には言えないと思っておりますが、今回のそういった北海道教組の英語研修に対する通達については大変問題であると思っております。
○義家弘介君 いじめの再調査拒否、さらには三人に一人が時限ストライキに参加、さらにはこういう英語についての研修会も出ないようにと通達と。例えば北海道で、例えばこの先で英語力が低くなるのは、これは自明のこと、だれが見たってこれ自明なことですよね。もし高くなっているとしたら、子供たちが必死になって頑張っているか、塾が一生懸命やっているか。 実は、北海道の通塾率がどれほど高いか、皆さんどのぐらい御存じなのか、是非考えてほしいんですけれども。塾に行かなきゃ高校行けないと言われているんですよ。そのぐらい、公立高校の普通科の選択の幅が少ないというのも、そういう事情もありながらですけれども、かなりの数の通塾率あるいは北海道塾戦争なんて言われているぐらい今塾業界が盛り上がっている状態でもあるんですね。その中で公教育は一体どうしていくか、非常に重要だと思いますので、まさにこの辺しっかりと北海道の道教委の援護、援助を、支援をしっかりとしていっていただきたいなと思います。 続いて、体についてですけれども、子供たちの体力について、体力・運動能力調査等を踏まえた上で、現状の子供たちの体力についての御認識を文部科学省にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(山中伸一君) 先生のお尋ねの体力・運動能力調査でございますけれども、平成十九年度の運動能力調査の結果によりますと、戦後体力水準が一番高かった昭和六十年度、これと比較しますと、走る、跳ぶ、投げる、こういう基礎的な運動能力というのが依然低い水準にあります。例えば十一歳、小学校五年生で五十メートル、男の子の走りますのが六十年のときは八・七五で走っていたのが今は八・九一という感じでございます。 ただ、十年前の平成十年度、これに比較しますと、小学校はそんなに大きな変化は見られませんですけれども、中学校では走る、投げる、跳ぶ、こういうところの合計点で見ますと、若干ですけれども向上しているという傾向がありまして、中学生以上の年代では非常に穏やかではありますけれども、横ばいないし向上しているという傾向が見られるというところでございます。
○義家弘介君 数字については私もそのように受け止めていますけれども、しかし一方で、小学校なんかに行くと、随分胸板の薄いというか、非常にスリムな子供たちが随分増えているなと。そして驚くのは、ひざ小僧の擦り傷がない子供たちが非常に多いなというのは、これ率直に感じるわけですけれども。単純に走る速さとか、あるいは反復横跳びの云々というのもあれでしょうけれども、非常に中身がやっぱり落ちてきているだろうなという思いがあります。 例えば、学校の先生なんかに聞くと、今本当に気を付けなきゃいけないのは、すぐ骨折っちゃうような子供も出てくるんですと、あるいはぶつかって歯が折れちゃうようなこともしょっちゅうなんですと、そういう中で慎重にならざるを得ないというものなんですけれども。 この中身、つまり単純な運動能力以外のこの中身の基礎体力というものを培っていくために、まず今学校教育にできることって何だとお考えになっていますか。
○国務大臣(塩谷立君) 体力については今答弁がありましたように、大変低下傾向にある中で少しずつここ一年は回復したと思っておりますが、しかしながら、六十年度ピークの時期に比べると大変まだ低いような状況でございますので、何とか学校教育、あるいは私はふだんの生活も含めて、例えばぞうきん掛けをするとか体を動かしてやることが著しく少なくなって、ボタン一つで何でもできるような時代になりましたので、あえて体力向上の教育、あるいは生活をしっかりと行っていかないと、生半可なことでは回復できないんじゃないかなというふうに思っておりまして、学校教育の中では、特に体育の授業あるいは部活を充実させる。そのためには外部の指導者とか、具体的には体育の時間も一こまプラスする。 そして、私は校庭の芝生化を是非進めていきたい。これは、子供たちがやはり野外で大変伸び伸びとあの上で寝転がった気持ち良さというか、そういったことを体験することが、やはり体を動かしていく。IT社会の中で、そちらのコンピューターとか携帯電話だけにしがみついているような、引きこもらないような子供たちをつくるためにも、ある面ではぜいたくかもしれませんけれども、校庭の芝生化というのは毎日もう休み時間になったら外へ出る、体を動かすというようなことを進めていきたいと思っております。そういう点でも、この予算もしっかり確保をしてまいりたいと思っております。
○義家弘介君 具体的な御答弁、本当にありがとうございます。やはり体あってのすべてですから、その辺についてどのような支援をどんどんしていくのかということが何より重要なことだと思います。 また、悪平等の中でこの体力というものがちょっと心配なことになっているなと思うことが一点あるんですけれども、例えば、以前ちまたで話題になった運動会では順位を付けないとか、みんなで一緒にゴールをするとか、そんな話の中で、みんなで一緒にゴールするというのは私、実は見たことないんですけれども、順位を付けないということはよくある話。さらに、その中で、それもまたおかしいだろうという中で、今度はストップウオッチで事前にその人のタイム数を計っておいて差が付かないように走るという、中学校の陸上なんかだったらありますけれども、それが小学校時代から行われていると。 私なんか、実は子供のころ物すごく背がちっちゃくて、本当に虚弱だったんですね。その中で断トツびりになって、そこで悔しくて悔しくて、一生懸命体鍛えて、一生懸命走って、そうしてやがてリレーの選手に選ばれるまで成長していった。別に劣等感というものを、あるいは全部平等じゃなくてもいいと思うんですね。そのときの劣等感にどうフォローしていくか。 あるいは道徳の問題で、負けた人間に対して、もう東郷平八郎じゃないですけれども、しっかりと、それをばかにするんじゃないという当たり前の教育をしていく方が私はよっぽど大事だと思うし、そうじゃないと平均的な体力しか見れないで全体の底上げはできないような気がします。 さて次に、この徳の問題ですけれども、知徳体の中で知はどうするか。いろんな政策が行われています。それから、体はどうするか。今御答弁にもあったように、様々な政策が行われている。しかし、一番欠けているのはこの徳、心の問題であると私自身は思いますが。 今月十日、千葉県で会社員の十九歳の少年が歩行中の男性を車ではねた事件で、取調べでこう言っている。父親にしかられていらいらしていて、だれでもよかった、だれでもいいから殺そうと思ったと供述している。さらに、近年の青少年事件でも同じように、だれでもいいから殺したかったというような発言。さらに、無免許、免許を持っていないにもかかわらず運転して人をはね、そのまま三キロも引きずるという信じられない事件も大阪で起こっていますが、これらの、まさに心、ちょっと想像だに絶する心の問題が今事件として次々に表出してきているわけですけれども、これについて大臣はいかがお考えか、御所見をお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(塩谷立君) まさに、最近のいろんな事件の状況を見ると、今までには考えられなかったようなことが頻発しているわけでございまして、人間として基本的な規範意識が欠落しているような状況があるわけでして、誠に遺憾に思うわけでございます。 特に、経済的に豊かになっている中で、例えば他人を傷つける行為に対する意識が希薄になっているとか、あるいは社会性、対人関係の能力の低下、さらにはこの社会全体のストレスといいますか、そういったことが積み重なっているような状況が問題になっていると思いますが、いずれにしても、道徳教育といいますか、そういったことを、こういう状況だからこそ、しっかりと家庭、社会あるいは学校を通じてやっていかなければならないわけでございまして、そういう意味で、徳という問題に対して、この新しい学習指導要領を含めてしっかりと今後対応してまいりたいと考えております。
○義家弘介君 次に、多くの大学生が大麻で摘発されるということが起こっています。先日の発表では、一般的に、東大なんかも含めて、一流、知の部分では一流と言われている大学からも、さらには、あるラグビー部の寮で大麻の栽培も行われた。体の部分でも、しっかりとした中でも、この大麻の問題が出てきているわけですけれども。 これは是非お聞きしたいんですけれども、まず、この大麻の問題は、私が高校の教師のときに目の前で事件として起こったことなんですけれども、まあこれ、一人捕まったらそのほかにたくさんのそれとかかわった人間がいるという現状もあるわけですけれども、ちょっと警察庁にお伺いしたいんですけれども、この法解釈の問題は厚生労働省の方がいいかな、厚生労働省にお伺いしたいんですけれども。 大麻に対して使用だけでは罰することができない、さらに種の取引あるいは種を持っているだけでは罰することができない、これが今の大麻取締法の現実だと思うんですけれども、その解釈の根拠、そして今後それでいいのかということについてもちょっとお聞かせ願えればと思います。
○政府参考人(岸田修一君) 今、大麻取締法の使用罪がない理由についてというまず第一点の御質問がございましたけれども、この大麻取締法においては、確かに使用罪についての処罰規定はございませんけれども、免許を受けた者以外が大麻を所持あるいは栽培、譲渡譲受、そういうことをすることを禁止しておりまして、違反した者に対しての処罰という規定が設けられてございます。 使用罪がないことの理由でございますが、この薬物を統制する国際条約というものがございますけれども、これにおきましては、大麻の吸引等の使用については締約国に対して罰則の制定を求めておりません。また、多くの先進諸国におきましても使用罪というものを制定しておりません。本人が大麻を能動的に吸引していないにもかかわらず、例えば密室で、人込みで第三者が吸引した大麻を間接的に吸引する場合、こういうものもございますし、また大麻の栽培農家が大麻を刈り取る際にその成分が空気中に揮散してそれを吸い込んで麻酔いと、こういったような症状を来すと、こういったようなこともあって、刑罰をもって臨むということは不適切な場合があるといった事情がある、そういったふうに考えているわけでございます。 しかしながら、大麻を不正に使用するとした場合に、その前段階として大麻の譲受、つまり譲受け、それから所持と、こういったものがあるわけでございますので、その譲受・所持罪と、こういったもので処罰をするということは可能になるわけでございますし、また大麻の回しのみという場合がありますけれども、これにつきましても所持罪の共犯という形で処罰し得る場合があるのではなかろうかと、こう思っております。 また、種子についての御質問でございますが、この種子自体には有害な成分が含まれていない、またこの種子自体が七味唐辛子あるいは小鳥のえさに使われる、こういった国民生活に深い存在になっていると。それから、先ほど申し上げました国際条約におきましても、大麻の種子については取締りの対象にしていない、多くの先進諸国においても種子の取締りをしていないと、こういった事情があるわけでございます。 しかしながら、大麻の種子について全く規制をしないというわけではなくて、相手方が栽培することなどを知って種子を提供しまた運搬するような行為については罰則をもって規制をしております。特に、インターネットにおきましても実際に販売した者に対する取締り、こういうことを行っているわけでございます。
○義家弘介君 という話ですけれども、インターネットのサイトなんかを見ていると、元気のいい種だけを厳選なんて書いてあるわけですね。何で種子だけで元気のいい必要があるのかないのか、ちょっといろいろ不思議な部分がある。 要するに、我々の認識自体が、例えば子供たちはそれ全部知っているわけですよ、種を持っていること自体は違法じゃないと。それをたまたま山に捨てておいたら生えてきたということもあり得るとか、様々なことを掲示板なんかで語られているわけですね。さらに、クラブで吸ってきても使用だけでは罪に罰せられないとか、そういう状態が、前の質問でも言いましたが、現在、三割以上の小学生、六割以上の中学生、ほとんどの高校生が携帯電話を持っている中で、大人を介することなく自由に社会情報にアクセスできる、有害情報にアクセスできる現状の中で逆に有害情報の渦にはまって問題を起こしてしまう、そういうことが多々出てきていると思うんですけれども。 次、警察庁に簡潔にお聞きしたいんですけれども、現在の青少年の薬物の問題、あるいはもう一つ、出会い系サイトの問題あるいは裏サイトの問題、様々な問題で教育と連携していかなきゃならないところがたくさんあると思いますけれども、学校、教育現場との連携という意味でうまくできていると思うか、それとも課題があるとしたらどんなところか、簡潔に是非お聞かせ願いたいと思います。
○政府参考人(井上美昭君) お答えをいたします。 少年の非行防止、健全に育成するためには、警察と学校が緊密に連携をして取り組んでいくことが極めて重要であるというふうに認識しておるところでございます。このため、警察学校連絡協議会の開催、あるいは警察職員を学校に派遣した非行防止教室の開催、あるいは少年サポートチームの結成による立ち直り支援の実施、あるいは子供の携帯電話におけるフィルタリングの普及促進等につきまして、警察と学校が連携をして推進をしておるところでございます。 しかし、現在の連携が少年の健全な育成を図る上で万全であるというふうには認識しておるわけではございません。先ほど申し上げましたとおり、今後とも、スクールサポーター制度の拡充でありますとか、あるいは学校警察連絡協議会の更なる活性化等、学校との連携の充実強化を図ってまいりたい、かように考えておるところでございます。
○義家弘介君 実際、薬物教室で警察の方が来ていただいても、その内容についてのすり合わせとかが、なかなか実は学校現場と、していただける警察との、どういう内容でどういうお話をするかということに対してのすり合わせの時間もなかなかないという中で難しいので、スクールサポーター等を含めながら今後一層の強化が必要なんですが、一方、学校では警察を入れるのは教育の敗北だみたいな一部古い考え方を持っている人たちも実際にいるんですね、犯罪が起こっているにもかかわらず。そういうところも内部から浄化していかなければならないことだと思いますが。 ここで大臣にちょっとお聞きしたいんですが、これ実は薬物に対しての意識調査の問題なんですが、平成十八年の調査で、一回ぐらいなら心や体への害がないので使っても構わない、あるいは他人に迷惑を掛けていないので使うかどうか個人の自由であるという薬物乱用に対する考え方において、高校三年生のおよそ一〇%が構わない、あるいは自由であると答えているという調査結果が明らかになっている。つまり、十人に一人は、例えば大麻なんかは、青少年のファッション雑誌なんかを見ていると、依存性は低いだとかアルコールより依存性は低いだとかたばこより低いだとか、そういうことが云々書かれているわけですね。そういう中で、何と十人に一人がこのような感覚を持っているということに対して大臣の御感想を是非お聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(塩谷立君) 大変今のお話を聞いて、正直びっくりしているところでございます。 こういうことを踏まえて文部科学省としても、薬物乱用防止教室等の開催とか薬物乱用に対してのパンフレット等を作って、しっかりとこの周知徹底をしてまいりたいと思っております。もちろん、それ以前の規範意識とかあるいは道徳教育も含めて併せてやっていかなければなりませんし、また昨今の大学であれだけの数の大麻の問題が出ているということは、今まで大学にはなかなかそういった、例えば高校生までの、パンフレット等を作っておりませんでした。したがって、少なくとも来年度に向けては大学にも配付できるように準備をしたいと思っております。
○義家弘介君 私も教師のときたくさんのカラーパンフレットが来たわけですけれども、そのパンフレットを渡したところで子供たちの心というのは実は動かないし、問題はどういう教育をしていくかというところだと思うんですね。 私自身、だからこそ道徳の教科化を強く主張している。これはいろんな反対があっていい、しかし私は一貫してそれを主張してきたわけですけれども、まず、例えば道徳なき性教育は一体どうなるか。単なる性行為を教えることにつながっていくわけです。道徳なき情報教育は一体どうなっていくか。これは有害情報に触れながら、それに振り回されている結果になるわけですよね。道徳なき経済教育はどうなるか。金持ちになればいい、手段は選ばないというような人間を当然つくっていくわけですよね。道徳なき薬物教育は、結局、薬物に安易に手を出してしまうことになる。 つまり、午前中の谷岡委員のお話の中では、道徳観というのはいろんな経験をして醸成されていく旨の趣旨がありましたけれども、私は本来、守るべき道徳観というのは当然スタートにあるべきだと思っています。道徳教育をしっかりしていない上で性教育をしていこうなんて、これとんでもないことなんですよね。道徳教育をしっかりとしておかないで経済教育をしていこう、これだってどれほど危険なことになっていくか。だからこそ、まず私なんかは、零歳から十歳までに大人を介することなく自由に社会情報にアクセスできるツールを手にする前に、人間としてあるいは大切なものを持つ存在として守っていかなければならない倫理観、道徳心をしっかりと教えていく責任が今こそ公教育に問われていると思います。 というのは、核家族化が進んで、親たちも非常に多様化している、そして道徳教育イコール価値観の押し付けでタブーとされてきた、その中で育った戦後世代が今親になっているわけですから、道徳とは何たるか、倫理とは何たるかというものが非常に希薄な親の状態なわけですね。だからこそ、学校の教育の中で、特に小学校の中でどれだけ充実していくかということは今重要だと思うんですが。 先ほど、西田委員の話の中でもありましたが、心のノート、道徳というのは本来私は価値観の押し付け、もっと正確に言えば、愛情に基づく価値観の押し付けであると私は思います。その中で、あの心のノートは考える授業ですよ、この問題について皆さんはどう考えますかという。でも本来、愛する者としてこれは絶対に許されないんだ、例えば性教育であったならば貞操の観念等も含めてしっかりと伝えた上での性教育であるべき、薬物の教育も全くそうなわけですね。 それで、心のノートの改訂、さらには現実には今心のノート配っていますけれども、学校現場で私も道徳の授業、幾つも見に行きました。しかし、現状には心のノートなんか使っていないなんという実態が、文科省の届けでは九十何%使っているという数字が上がってきていますが、現場から上がってくる数字というのがいかにいいかげんなものなのかはもう既にお分かりになっていることと思います。現実に抜き打ちで道徳の授業を見に行ってもらったら、その実態は分かると思います。それから、見せてもらったらまるっきり新品だった子供もいましたよ。 そういう中で、道徳教育は駄目だという戦後の一部の流れの中で現在もそれは引きずっているわけですね。だからこそ、先ほどの英語教育と同じようにしっかりとした基準を示していかないと、家庭が、地域が、社会がと言うけれども、じゃ果たして社会は本当にそれ教えられるのか、家庭は本当に教えられるのか。そもそも道徳観というのはもっともっと宗教的なもの、本当に倫理的、宗教的なもの、普遍のものとして伝えていく、もちろんそれを伝えたからって子供たちは言うことなんて聞きませんよ。必ずいろんな問題起こっていく。でも、問題が起こったとき、だからこの問題についてもう一回考える、そこで初めて教育が生まれるわけですね。いいも悪いも示さずに、さあみんなで考えようといっておいて、具体的な深刻な問題が起こったときだけさあ大変だというのは、私はやっぱり無責任であろうと思います。 だから、知と体、これについて様々な施策をしているのと同じように、この徳の問題はいいかげんな議論だけではもう済まない、凶悪事件、信じられない事件が起こっているわけですね。私なんかは、じゃ今度どうするんだという人がいます。例えば教科にしたら教科書も必要で、教える人がどうか、あるいは評価はどうするのかという話が必ず出てきますが、じゃ総合学習はどうですか、総合的学習の時間、導入されていますけれども、別に専任はいませんよ、教科資格もありませんよ、教員免許の資格もありませんよ、さらに評価も付けませんよ、さらに教科書もありませんよ。大切なものであるならば、我々はそれほどどうしてちゅうちょするのか、当たり前のこと、弱い者は守りなさいとか、例えば先人たちの記録、これをしっかりと読んでいく。 私、今大学で授業を持っていますが、先日二宮尊徳について生徒に質問したときに、どういう人か知らない人が圧倒的、学生が圧倒的なんですよ。戦後のあの勤勉さが日本の国体の中心になったみたいな形でどんどん壊されていったのかもしれませんけれども。先生からこの二宮尊徳像があったという学生に何だって教えられたと言ったら、これ笑いましたけれども、学校の七不思議の一つとして教えられたと。四時以降に学校に残っていたら尊徳像が歩き出すって先生に教えられたと、追いかけてくるというんですよ。本来、我々が習ってきた二宮金次郎、二宮尊徳、それがもう伝わっていないわけですよね。 そういうことを、歴史の教科書からも消えたからこそ道徳の中でしっかりと伝えていく責任が私はあるんじゃないかと思うし、もし心のノート云々というんならそういうものを入れてほしい。例えば、中学校の心のノートの中には伊能忠敬ぐらいしか出ていないんですかね、やり直すには遅いものはないという。残りはほとんど出ていないような現状なわけですよ。 だからこそ、心のノートに歴史的な偉人とか、そういった大切にしてきた道徳心とかをきっちりと書き込む。それはいかがお感じになっているか。もう時間ですので、是非、最後に大臣、お聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(塩谷立君) 改めて道徳の重要性をお伺いしたわけでございますが、私どもとしても、今、義家委員がお話しあったような大事な道徳教育について、心のノートを改善し、そして今、副読本を特に、例えば二宮尊徳の話とか、そういうのを十分に活用していくことが重要だと思っておりまして、そういう準備をしておりますので、また、私も、具体的なそういう話をどうなっているかということをチェックしながら万全を期してまいりたいと思います。
○義家弘介君 ありがとうございました。
○山下栄一君 大分時間も経過しましてお疲れですけれども、しばらくお付き合い願いたいと思います。 塩谷大臣の下でお二人の副大臣、またお二人の政務官、新体制、いろいろ難問たくさんありますけれども、頑張っていただきたいと思っております。 最初に、職業能力開発という言葉をあえて使いますが、このことにつきまして確認したいと思います。 厚労省副大臣、渡辺副大臣、また経産省谷合政務官も来ていただいておりますけれども、この三省の連携が非常に大事だなというふうに思います。雇用対策は今非常に経済的な観点からも大分重たくなってきておるわけですけど、この雇用と教育がすっと結び付いていないというふうに感じております。そういう観点から、現在、厚労、文科、産業省、ほかにもこういう観点で農水省と、あと国交省もそうかも分かりませんけれども、あると思いますが、三省に限って今日は、まず最初に厚労省、経産省それぞれから。 現在、職業能力開発といいますか、キャリア教育とか、職業教育とか、産業教育とかいろんな言葉が使われておりますけれども、取組を、特に現役の小中高、それから場合によっては大学、専修学校も含めまして、現役の児童生徒、学生に対してどういう取組をされておるかと、まず最初に厚労渡辺副大臣からお願いしたいと思います。
○副大臣(渡辺孝男君) 厚生労働省の取組を御説明したいと思います。 生徒、学生に対しまして、在学中の早い段階から職業意識の形成を支援することは、本人の適性に応じた職業の選択、あるいは円滑な就職を促進するということとともに、早期離職、今若い方々に多いと言われておりますけれども、早期離職や安易なフリーター等を防止する観点から重要であろうと、そのように考えております。 このため、厚生労働省としましては、学校との連携を図りながら、一つには、企業人等が学校に講師として中学校、高校等に出向き、職業や産業の実態、働くことの意義等について職業の講話を行う、そういうキャリア探索プログラム、こういうものを実施しております。もう一つ、中高生を対象に職場体験を行うジュニアインターンシップ、こういうものを行いまして、積極的に取り組んでいるところであります。 今後とも、関係省庁と連携をしながら、若者が望ましい勤労観や職業に関する知識等を身に付けていただけるように取り組んでまいりたい、そのように思っております。
○山下栄一君 ありがとうございます。 続いて、経産省の取組を谷合政務官からお願いしたいと思います。
○大臣政務官(谷合正明君) 小学校、中学校、高校における職業教育の取組でございますが、経済産業省では我が国の、将来の我が国の産業を担う人材を育成するために、学校教育の早期の段階から職業への関心あるいは働くことへの理解を高めることは非常に重要なことであると考えております。 このため、経済産業省として二点御紹介させていただきたいと思いますが、まず平成十七年度から、小学校、中学校、高校生を対象に、地域企業やボランティアの協力の下、民間の経験やアイデアを生かして体系的に職業体験学習を行うキャリア教育を推進しております。また、昨年度からは、地域ごとに産業界と工業高校等が連携し、工業高校への企業の技術者の講師派遣、また生徒や教員の現場研修、工業高校に実践的教育を導入する事業を文部科学省とともに実施しているところでございます。 ちなみに、先生の御地元の大阪府におきましても工業高校、今宮工科高校、城東工科高校、布施工科高校、堺工科高校というところでこの事業を実施しているところでございます。 経済産業省としましても、関係省庁と連携を図りつつ、地域と一体となりまして、若者が働くことへの関心を高める取組を引き続き推進してまいります。
○山下栄一君 もうちょっと経産、厚労、お付き合い願いたいと思うんですけれども、このテーマ終わるまでですね。 今お聞きして、それから、済みません、文科省ですね、肝心の文科省の取組を、これは特に小中高で結構ですので、職業教育、キャリア教育、使い分けをされて取り組んでおられる、それを簡潔にお答え願いたいと思います。
○政府参考人(金森越哉君) 職業教育とキャリア教育の違いでございますけれども、平成十六年一月に提言されましたキャリア教育の推進に関する総合的調査研究協力者会議の報告書におきましては、職業教育は、職業に従事する上で必要とされる知識、技能、態度を習得させることを目的として実施される教育とされているところでございます。 一方、キャリア教育は、この報告書などにおきましては、児童生徒一人一人のキャリア発達を支援し、それぞれにふさわしいキャリアを形成していくために必要な意欲、態度や能力を育てる教育ととらえ、端的には児童生徒一人一人の勤労観、職業観を育てる教育としているところでございます。 このキャリア教育、職業教育の概念につきましても様々な解釈や受け止め方があろうと存じますが、平成十六年のこの報告書ではこういった形で、キャリア教育の方が職業教育に比べてより広い内容を包含するものととらえているところでございます。
○山下栄一君 ありがとうございました。 私はこれ、今回、経産省、厚労省の予算も含めて取組をお聞きして、現役の小中高、まあ大学は産学連携はやっておられるんでしょうけれども、厚労省、経産省が現役の小学生、中学生、高校生を対象に予算を組んで、それもそんなに少ないお金じゃございません。現場の学校に入っていったり、高校生に対して、小学生に対してかかわっておられるというようなことは認識を新たにしました。 新たにしたんですけれども、何かこう、もちろんフリーターとか問題があって、そういう何とかせにゃいかぬということがあるんだろうと思いますけど、もちろん連携を取って、場合によっては農水、国交も含めてやっておられる部分も、地域産業の担い手育成プロジェクト等、お聞きしておりますけど、何か雑然とやっているなという印象でございます。何か理念とかそういう考え方がもうちょっとちゃんとしてやるべきではないのかと。それほど日本のこの学校教育というか、経産省も厚労省もハローワークも現場に乗り込み始めたみたいなことは、悪いとは言いませんけれども、課題がどんどん深刻になっているからそうなっていくんでしょうけど、そうだったらやっぱりきちっと理念を持ってやった方がいいんじゃないのかと思うわけです。 そこで、この職業能力開発なんですけど、この言葉は何となく労働省の言葉、法律もそういう名前ありますし、局もそういう名前があります。だけれども、私が考えましたのは、能力開発というのはこれは教育でしょうと、能力開発は教育というふうに私は考えるわけですね。知的能力の開発は非常に力が入れられてきて、学校体験もそういうふうになっていると思います。だけど、この職業的な観点からの能力開発という視点で余り一貫性のある取組をやってきていないのではないかという、あと、最後、大臣にお聞きしますけど、そういう意味で、日本の国はもう企業が、地域の親方も含めて、基本的に終身雇用が前提なので、企業が次代の社会人なり職業人を育成してきたと。 余り今までの学校とかそういうことを信用するというか、そんなことを抜きにしても、自分の会社で育てるんだということが地域のちっちゃい工場であったとしても、自分の家に住まわせてでも集団就職でやってきたと。だから、日本の国は企業とか商店も含めて、それが職業能力を開発してきたと、だから行政は余りタッチしてこなかったのではないかと勝手に思っております。労働省は能力開発大学校とかいろいろ造っている、だけど私はそれは本流ではないのではないのかと、専売特許のように労働省の言葉としてあるわけですけど。 だから、もうちょっと、行政の役割が余りにも弱かったと、雇用と教育が分断されてすっと結び付かぬから、もう目的意識がなくて、何となく学校の進路指導も人生の進路指導ではなくて上の学校の進路指導ということで成り立ってきたから、よう分からぬままにとにかく高校に行き、大学に行き、大学の工学部を出ても、専修学校に行ってもう一遍何か資格取るかみたいなことになっているというふうな印象を強く持つわけです。 その意味で、行政の側のやっぱり雇用の問題というのは極めて今、国の課題でございますので、日本の担い手をいかに育成していくかということですから、連携をすることをしっかりやってもらいたいなと。その司令塔は、能力開発は労働省というのかも分かりませんけど、私はもうちょっと文科省の取組が今まで余りにも弱過ぎたのではないかというふうに感じております。 インターンシップもありますけれども、時間の関係で、障害児、午前中にもそういう質問がございました。障害児の職業能力開発、これも余り力入ってこなかったのではないかと。 特別支援学校の小学部、中学部、高等部、高等部出たらもう社会に出るのになかなか仕事が見付からない、法律で何か作らないと雇ってくれないみたいな。特別支援学校は特別支援学校で職業能力を開発して、社会に通用する、社会に出ていけるような能力を育成するということを特別支援学校、地域の様々な支援、ハローワークもそうでしょうし、地域の企業もそうかも分かりません、そういう視点が弱いので、大阪なんというのはもう、支援学校の高校出ても、高等部出ても、極めて就職率が低くて、お金を払って作業所に行って仕事をしているという切実な訴えがあるわけでございます。 それで、大臣にお聞きしたいと思いますけれども、この職業能力開発を文科省の学校体系の中できちっと位置付けて、そして、もちろん基礎的な、それは職業観ということもあるかも分かりませんけれども、具体的な技術ということまで言いませんけれども、やっぱり職業能力開発を担うのも文科省の学校体系の役割だと、余りにも知的能力開発に偏り過ぎているのではないかという、そういう視点での、この職業能力開発の政策の柱に、ど真ん中にするかはどうか分かりません、今はもう専修学校と高専、そこがやっているような気がしますけど、本体の本流の学校体系が余りにもこれ弱過ぎるのではないかと。そういう政策の転換を真剣に考えるべきではないかということを考えるわけですけど、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(塩谷立君) 小中学校あるいは高校、大学と職業教育あるいはキャリア教育という点で、我が国も今その力を入れて職業観、勤労観をしっかりと学んでもらうようにしているわけでございますが、特に今、山下委員御指摘の、職業能力開発の部分を教育の中心にというようなお話でございますが、特に現在は、高校、専門高校あるいは高等専門学校、さらには専修学校、そして短大等もそういった分野で今大変頑張っていただいております。 その上に、最近では専門職大学院という形で、そういったやはり職業を特定とした高等教育というものが必要になってきている時代、特に我が国は、今職業能力開発においては、例えばものづくりとかそういったものが中心に今日の社会がつくられてきたことも事実でありますし、私自身は、やはり高等教育の中での職業教育の位置付けを明確にすることがそれまでの義務教育あるいは高校教育に非常に影響があると思っておりますので、今いろいろと職業教育については、専門学校の立場、高専の立場あるいは短大、専修学校の立場も含めて新しい職業教育の在り方ということで検討しているところでありまして、近々その問題に対して中教審にも諮問をしてまいりたいと思っております。 したがって、今までの教育体系の中に職業教育という一つの大きな柱を立ててやるべきだということは私自身も前々から考えてきたところでございますので、そういった点で具体的に答えを出してまいりたいと思っております。
○山下栄一君 三省また五省連携しての担い手育成プロジェクトも始まりましたし、非常に積極的取組が始まっているなと、ちょっと遅きに失したかなと思いますけど。 今日は特に経産省、厚労省も来ていただいておりますので、現場の児童生徒に対して各省それぞれが予算組んでやっているみたいなことが何かもうちょっとうまく連携取りながら、特に地域の産業、商工会議所、その他いろいろあると思いますけど、何か同じことを予算組んでやっているような気がしまして、連携取ってやっていただいているプロジェクトもあるんですけど、全体的に、予算の効率性も含めましてきちっと連携を取りながら、言葉も混乱していると。キャリア教育、職業教育、産業教育、それぞれ役所で使っているんですけど、意味合いを違って使っているみたいな感じもしますので、その辺の連携もよく取っていただきまして、雇用と教育をやっぱり学校、特に教育の真ん中に据えるような取組を是非お願いしたいと思います。 以上でこの質問を終わりたいと思います。厚労副大臣、また経産政務官、本当にありがとうございました。結構でございます。 次に、教員の労働時間の件、給与もですけれども、今日は特に絞りまして、労働時間の考え方だけ確認したいというふうに思います。 特に、時間外勤務の考え方がちょっと見直しが始まっているのかなと。手当、給与の在り方もそうでしょうけれども、人材確保法の見直しとか教職調整手当の見直しとかもあるんですけれども、教員の職業というのは一体どんな仕事なのかと、学校というのはどんな役割なのかというようなことが、そういうことから問い始めて、そして教員の労働時間の在り方を考えていこうという、そういう取組が始まっているようにと思うわけですけれども。 時間の関係で大臣にお伺いしたいんですけれども、大学とそれ以下、大学は研究も、大学の先生、研究も入っておりますけれども、大学の教員の労働の在り方、それと高校以下とちょっと違う扱いになっていると。私は本体一緒じゃないのかなと。大学の方は私学も国立も同じ考え方で労働基準法は考えているように、法律によってですけれども、そういうふうに思うんです。だけど、私はそうかなと思うんですね。教員の専門性、それは大学の専門とどう違うんだと、やっぱり小中高の教員とちょっと専門性、教師、そういう観点からこの労働時間というのを考えなきゃならぬ、給料もそうだと思うんですけれども、それが何となく違って扱われていると。 それともう一つは、私学と公立の、特に高校以下の考え方が違うと。大学は同じ考え方で労働基準監督署は考えているのに、私学であろうと国立であろうと。ところが、高校以下は、私学の場合はもう民間企業と一緒だと。だから、労働時間も、残業とかいう考え方もそういう観点で指導をしているし、今も大阪なんかは激しくなっているんですけれども、ちょっとそれはどうかなというふうに思うわけです。 そういうことも含めて、教員の、教員というのは大学も含めてですよ、私が申し上げるのは。私学と公立、そんなに変わらない、同じ考え方でやるべきではないかと。それも含めて、教員の、小中高大、極めて重要な今期待が、期待がある割にはたたかれている面もあるわけですけれども、その労働時間の在り方、また教員という職種の在り方についての大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(塩谷立君) 教員については、本来、小学校から大学に至るまで、同じ教員としての役割があると思っておりますので、基本的には同じような給与体系なり、時間外のそういったものに対しても対応がされるべきだと思っておりますが、実態としては、特に私学の場合、あるいは大学も、大学法人になってから非公務員ということで、私学の場合は当初から労働基準法に基づいてやっておりますし、一方で公立の場合は公務員という中での給与体系になっておりますので、そこら辺が今、現実としては食い違いがあるわけでございまして、今後、特に教職調整額等の支給については今議論をしているところでありますが。 私は、最初に申し上げましたように、教員は一律であるべきだと思っておりますが、私学、国立、公立と具体的に今違っているのをどうしたらいいかということで、個人的には教員の皆さん方の意見をもう少ししっかり私は聞いてみたい。実際には当然ながら基本が高くて四%アップする方がいいんだろうと思いますが、果たしてそれが公平かというと、そうでもないという意見もかなりたくさんありますし、その実態をしっかり把握しながら、教員として一番頑張っていただけるような、どちらかというとめり張りがある給与体系を考えていく必要があると考えておりますので、この点も今検討中でありますので、本来の在り方と現実とをどう整合性を持って、しかも今後教員の先生方が頑張っていけるような状況をつくってまいりたいと思っております。
○山下栄一君 済みません、ちょっと若干ずれもあったのですけれども、給与の前に労働時間、教員の労働時間の在り方ということはきちっと考え方を整理する必要があろうと思うんですね。 一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律の例外的扱いに国立大学等はなってきたと。ついでに、国立大学附属の小学校の先生まで同じ扱いになっていたと。ところが、公立の高校以下はちょっとまた違う考え方で行われていると。特に高校以下は、今度は公立と私学がまた違うと。私学はもう一般企業と同じだというとらえ方だと。その辺をきちっと整理することが、今この教育ということを考える場合に、また使命職と言われている教員のこの在り方を考える場合の基本的な共通理解をする必要があると思いましたもので、確認をさせていただきました。 是非、またこういう観点からの協議したいと思いましたもので、お考えをお願いしたいと思います。 その次は、先ほど水岡委員もおっしゃっておりましたけれども、外国人学校問題でございます。 その前に、日本語教育の体制が、ちょっと私は、今日本の国は魂が入っていないというか、さっきの自民党の二人の話とも関係するのか分かりませんけれども、日本語教育、日本文化、言葉だろうと。大事と言っている割には日本語教育がえらいおろそかにされているなと。 先日、大臣にも申し入れさせていただきました。これ読み上げます。現在、世界中で日本文化の魅力が再評価されていることから、日本文化の発信力基盤を整備するため、指導者、これは日本語教育の指導者です、指導者の養成やカリキュラム作成を含む日本語教育体制を強化することと、これ申入れ内容です。また、世界の言語の中の日本語という観点から、世界各地域に日本語教育の拠点づくりを推進するとともに、国内の日本語教育事業への支援を強化することと、このように申し入れさせていただきました。 今は、日本の食べ物もそうですけれども、武道、空手とか相撲も何か大分広がっているようですけれども、日本の文化に対する再評価が始まっております。日本語学科を設けている大学も増えているんですけれども、そこの指導者はどうして養成しているんだと。どんなカリキュラムでやっているんだということは極めて不明確で、ガイドラインしか文科省も示していないというふうに理解しておりますけれども、この日本語教育体制が、しっかりとやらないかぬのに、何となく停滞しているというふうに感じております。 是非これは、日本国内だけで日本語ということではないはずですので、日本語そのものが今もう混乱している。国語と日本語の違いもあるわけですけれども、世界の言語の中の日本語という観点から、やはり発信力を強化する体制づくりをお願いしたいと、これは山内副大臣にお願いしたいと思います。
○副大臣(山内俊夫君) 山下委員から大変重要な課題、質問をいただいたわけでございますけれども、今、日本語教育の重要性というのは大変増しております、事実であります。特に、山下委員が今までの政治活動の中で、大衆とともにというようなポリシーでやられておりますけれども、まさに今、日本はグローバル化いたしておりまして、この日本語教育というのは内外ともに大変重要な課題になっております。 ただ、その分だけ複雑でございますので、少し整理をさせていただきたいなと思っておりまして、申し上げますと、まず国外における日本語教育という一つの大きなジャンルがあります。それと、国内における日本語教育のジャンルがあります。 これは国外におけるところはもう外務省が担当しておりまして、これは独立行政法人の国際交流基金、ここで海外における日本語の普及とか日本語の検定試験の実施、ここらは大体外務省がやっております。学校の建設とかそういったものについては文科省が随分お手伝いをしております。 じゃ、国内についてどうなんだろうということになってきますと、これがまた複雑でございまして、文科省の中でも初等中等教育局、これは小中高等学校における外国人の子供の日本語教育、これを初等中等教育局が担っておりまして、もう一つ高等教育局は、これは留学生とか就学生に対する日本語教育というジャンルであります。 私は今回、文科省の中で担っておりますのは文化庁なんです。その文化庁がじゃ何をやっているかといいますと、これは生活者としての外国人、ですからこれはもう難民とか中国帰国子女、この人たちの日本語教育というものを中心に考えております。そういったところについては独立行政法人日本学生支援機構とかそれとか国立国語研究所、この辺りがサポート隊で入ってくるわけでございますが、基本的に日本語教育の日本語指導者の養成、これは文科省が随分力を入れてこの事業に取り組んでおるところでありますが、今先ほど委員の質問の中に、日本の文化の見直しということが随分世界から注目を浴びております。 私、この十月の三十一日から一泊四日でオマーンの方に教育大臣会議で行ってまいりました。これはG8の国々とそしてアフリカとイスラム圏の国々で、大体二十三か国か四か国で教育者の問題を研究しようじゃないかということで、もう既に四回目に入っております。G8の国は議長を務めなきゃいけないということで、オマーンの議長と私とが並立で議長を務めさせていただいたわけでございますけれども、各大臣から、やはり日本の文化というものに対して大変な興味があります。特にイスラム圏の人たちは、日本語教育だけではなくて日本の文化教育をやりたい。 特に、私が直接お会いしたのはカタールの教育大臣、これは前任者の松浪副大臣がカタールで日本人学校をやろうという計画がありました。それがなかなかカタールの方からの明確な提示がなかったものですから、今回お邪魔をしてカタールの女性の副大臣と約三十分ばかり会談をいたしまして、確実にじゃ土地、建物は提供しますということになりました。ただ、条件としては、イスラム文化も一緒に日本人に勉強してほしいという依頼がありました。この細かいことについては事務方の方で今後努めていきますよという話になりましたから、これは来春、四月の開校を目指しております。大変日にちが切迫をいたしておりますけれども、そのような機運が随分起きております。 それと、最近ではイラクの教育大臣が私のところに訪ねてまいりました。今イラクは国の復興、戦後復興を一生懸命頑張っておるんだが、日本の戦後のように何とか日本に見習って頑張っていきたい、ひいては日本の教育のシステムを勉強したい、そういうようなことも言われております。 これはもう各国から随分私に対していろいろな意見を求めてまいりました。これは、ほとんど日本の教育を学びたい、まして日本の文化をあえて学びたいという大変な思いがあります。その中で……
○山下栄一君 結論を言ってください、結論を。
○副大臣(山内俊夫君) よろしいですか。 カリキュラム等、今から一生懸命文化庁として日本語教育をしっかりやっていこうと思っております。 ありがとうございました。
○山下栄一君 時間があったらいいんですけど、本当に、いやいや、もう活躍されている御様子はよく分かりまして、ありがとうございました。 外国人学校支援の問題ですけど、これも結論だけお聞きしたいんですが、今各種学校という扱いになっているところで、いわゆるインターナショナルスクール、欧米系と、それ以外のニューカマーの学校もそうですし、在日もそうですけど、明確な差別になっております。それで、これを同じ扱いにもうすべきだと。大学受験は基本的に同じ扱いになったわけですから。特に税の優遇、寄附税制の優遇については、インターナショナルスクールだけが優遇されていることについて、同じ扱いをしてもらいたいと。これは特に与党の議連でもそういうことを申し上げておりました。これは水岡議員も同じ考えだと思いますけど。この確認をまずさせていただきたいと思います。
○国務大臣(塩谷立君) 外国人学校に対しての寄附税制については、現在は一部を除いて寄附の優遇措置がとられているということでございまして、特にこの問題については短期滞在の外国人の子女を多く受け入れている学校を対象として寄附の優遇税制を行っているわけでございまして、これは当時、対内直接投資の促進という政策目的を達成するためということでございますが、今果たしてそれでいいのかという質問であると思います。 このことについては、新たな優遇措置を新しく対象となる外国人の範囲を広げるということで検討していくためには、新しいやはり政策目的を考えていくという観点で今後検討が必要であると思っておりますので、その点を今後も研究してまいりたいと思っております。
○山下栄一君 税制改正も年内でございますので、是非そこで実現を図るべく文科省の御努力をお願いしたいと思います。 薬物汚染対策で、先ほど御質問ございましたですけれども、厚労省、特に麻薬取締りの観点の部局、それから警察ですね、これはいつも出てくるんですけど、私はこの薬物、薬物乱用防止教室ですね、これは文科省がしっかり取り組むべきだということで、以前にもこのことをお話し申し上げて改善していただいておるわけでございますが、取締りの観点も大事なんですけれども、やはり啓発、健康への影響、こういうことをよく分かるように、内から啓発していくというか、そういうことがやはり大事だと。 そのために学校薬剤師ですね、学校薬剤師がこれは法律でちゃんと配置されているわけですけれども、活用がされていないと。大分これは訴えて改善したと聞いておりますが、どんな広がりがあるのかということですね。これは学校薬剤師の活用をやることが大学とか、大相撲もそうですけど、今大麻の話もありましたが、アメリカのようになったら困るなと思いますので、人間を駄目にしてしまうわけですから、この辺の啓発の観点から学校薬剤師の活用について取組状況と、更なる支援をしてもらいたいということを確認したいと思います。
○政府参考人(山中伸一君) 山下委員御指摘ございました薬物につきましては、先ほどもございましたけれども、薬物乱用、これは絶対にいけない、許さないと、こういうことで小学校から高校に至るまですべての段階の子供たちにしっかりと教えるということが重要だと思っております。その中でも、パンフレットをそれぞれ小学校五年、中学校一年、高校一年という感じで作って、それで配布するということもございますけれども、特に中学校、高校では薬物乱用防止教室というものをしっかりと開催してほしいということで言っております。 今年の九月にも通知を行いまして、すべての中学校、高等学校で年一回は開催してほしい、また小学校においても開催するように努めてほしいということで、その際には是非警察職員、麻薬取締官のOBですとか、先生御指摘ございました学校薬剤師の方、この協力を得て実際に子供たちの心にしみるような、これは駄目だと、絶対に駄目だということが分かる、理解されるような教室を実施してほしいということを通知したところでございます。 平成十九年度の薬物乱用防止教室、この実績を見ますと、学校薬剤師等の薬剤師を活用した学校というのが四千八十一校ということで、外部専門家を活用して教室を実施したという中の二五%、四分の一を占めているというところでございます。委員に前回お答え申し上げました平成十六年ですと、学校数が薬剤師を活用したところが二千七百八十三校ということで一八%でございまして、ここ四年間で学校薬剤師等の薬剤師の方を活用した教室というのが約一・五倍に増加しているといった状況になってきております。 文部科学省といたしましても、薬物乱用、これは絶対駄目だということをしっかりと小中高それぞれの年代に応じた形で教えていくということで、今後とも、学校薬剤師等の皆さんの協力を得ながら効果的な、心にちゃんと届くような、そういう教育の充実に努めてまいりたいというふうに思っております。
○山下栄一君 基本的に学校医、学校歯科医、薬剤師、法律でこれはちゃんと配置されることになっていると思うんですね。プールの検査ももちろん大事ですけれども、その他も大事なんですけど、薬物の防止の観点から、麻薬GメンのOBとかも活用するのもいいですけど、やっぱり薬物の分かりやすい話を、説得力のある話をするために学校薬剤師の活用を是非更に広げていただきたいと思っております。 文化予算のことでお伺いしたいと思います。特に文化予算の拡充は年々我が党も一生懸命訴えてまいりまして、一千億を確保されておるわけですけれども、子供の文化体験活動、これも年々強化していただいておるわけでもう六十億ぐらいですか、多くのお金を使ってやっていただいていると。 ただ、私は若干、懸念する必要もないのかも分かりませんけれども、文化庁は日ごろ余り、これ小中中心なんですね、小学校、中学校、高校も若干ありますが。基本的に連携が余りできるような部局じゃないのかなというようなことを、初中局も通していないわけですから。まあ、それは厚労省も経産省も、さっきやないけど直接学校でやっている時代なわけですけど、やっぱり学校の先生方の、まあ教育委員会が仕切っておるわけでございますし、様々な授業を組んでも、現場の授業計画とか年間計画とか受入れ体制をきちっと環境整備しないとせっかくの予算が有効に使えないんではないかという懸念を持っておりまして、と同時に、さらにこれは感性、先ほど道徳教育も出ておりますけど、感性豊かな創造性をはぐくむ、こういう観点からの文化芸術体験活動というのは極めて学校現場におけるこれは重要視すべきだと思います。更なる強化をお願いしたいというふうに思っております。 長年これに一生懸命取り組んでこられました浮島政務官にお願いしたいと思います。
○大臣政務官(浮島とも子君) 子供の文化芸術活動についてでございますけれども、子供たちが文化芸術に直接触れて心で様々なことを感じていく、そして学んでいくということは、豊かな感性と多様な個性をはぐくむために本当に重要で不可欠なことと考えているところでございます。また、重要な課題であると思っているところでございます。 これまでも、文科省におきましても、子供の文化芸術体験活動の推進に重点的に取り組んできたところでございますし、また平成二十一年度においても本物の舞台芸術に触れる機会の確保などの拡充、二十年度の三十五億、九百五十公演、二十一年度の要求では四十三億で千二百六十七公演を要求しておりまして、全国の子供たちが本物の舞台芸術や伝統文化に触れ、豊かな感性と創造性をはぐくむとしているところでございます。 今御懸念もございましたけれども、この事業は平成十四年から実施をしておりまして、各学校における事業の実施に当たりましては教育委員会等を通じまして学校の要望を踏まえ公演を実施するなど円滑な実施に取り組んでいるところでありまして、予算も有効に活用されていると思っているところでございます。 今後とも、教育委員会等、そして省内も初中局ともしっかりと連携を密にしながら図りつつ、効果的に子供の文化芸術活動を推進するとともに、より一層これから充実を図っていきたいと思っているところでございますので、どうか山下委員のお力添えもよろしくお願いいたします。
○山下栄一君 今本物のそういう芸術体験ということで、本当に有名な名立たる音楽団体その他舞台芸術、学校に派遣されておるわけですけれども、九年間で一回経験するというふうな、要するに小学校一年から中三の間に一回経験させようみたいな計画で進んでいるようですけれども、これはちょっと小学校で一回、中学で一回ぐらい、二回ぐらいはやっぱり経験させるというようなことも極めて大事ではないかと思っておりまして、そのことについての、一遍にいかぬかも分かりませんけど、決意をお願いしたいと思います。
○大臣政務官(浮島とも子君) 私も、直接自分が文化芸術に携わってきた人間として、本当に子供たちに小さいときから本物に見て聴いて触れるという体験活動をどうしても推進していきたいと思っているところでございます。 私個人といたしましては、本当に最低年に一回は子供たちが様々な文化芸術、伝統文化に触れる状況をつくっていきたいと思っておりますので、これからも全力で頑張っていくということをお話をさせていただきたいと思います。
○山下栄一君 もう時間余りございませんけれども、最後に中高一貫教育につきまして。 ちょうど十年前に学校教育法改正されまして、公立に中高一貫の、これは三つ、いろいろ類型あるようですけれども、制度化されました。制度化されましたけど、ちょっと懸念が出てきております。 中高一貫ということは、六年生のときに、中学行くと六年間、中高の六年間がある意味では行けるということなんですけれども、これが今まで私学がこれ一生懸命やってきた、成果も上げてきたんですけれども、公立で誤るとこれはちょっとまずいことになっていくというふうに思うわけです。その懸念が出始めているというふうに感じておりまして、この辺の考え方をお聞きしたいと思うんですけれども。 法律のこの施行規則でも学力検査を行わないというふうに書いてございますし、また附帯決議でも受験エリート化することを、受験エリート校化ですか、エリート校になるようなことは駄目だというようなことを附帯決議で行ったんですけれども、学力試験というふうな建前ではないけれども実質学力検査をしているというか、何十倍という倍率に殺到して、それをこの定員枠にはめるために二度にわたって適性検査という名の下に実質学力試験のような、ある県ではもう県内随一の公立の受験実績を誇る学校に中学なんかつくったら、無償で行けるわけですから、私学はお金出さないかぬのに。そこでもう高校入試要らぬわけですから、六年間保証される。そんなことになっていくと、懸念されたようなことが具体化していく。これがあんまり、法律違反じゃないのかなと思うようなことが、具体県名申しませんけれども、出始めていると。これ今どんどん増えている、どんどんというか、増えていると思うんですよ、各県で。間違うとこれはもう公私の、これは私学を追い出すような民業圧迫といいますか、そんなことにもなりかねないと。 したがいまして、適性検査というのが本当に学力検査みたいになっていないのかと、普通の学力ではとても答えられないような適性検査になっていると、それも一回、二回もやって。これは抽せんで決めたらいいと思うんですけれども、そういうことにならないようなことになっている面もあり、具体的な私学からも陳情があったというふうに聞いておりますが、懸念が出ておりますので、この適性検査でどのようにされているのかとかということのウオッチをすべきではないかと思いますが、お考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(塩谷立君) 中高一貫教育につきましては、平成十一年度から行ってちょうど十年になるわけでございまして、中等教育の新しい一つの体系として、多様化の推進あるいは生徒の個性を養うという点で大変期待をされてきたわけでございますが、今お話がありましたように、導入に当たっては、受験エリート校化することや、あるいは受験戦争の低年齢化を招くことのないようにということで、十分そのことに配慮しながら推進をしてきたわけでございますが、自治体で、今お話あったような適性検査が、そういうものがどう具体的に行われているかをしっかりと私ども調査して、この中高一貫教育が十年を迎える中でいろいろな課題また成果もあると思いますので、そういったものを検証して、今後中高一貫教育の改善に努めてまいりたいと思っております。
○山下栄一君 終わります。
○委員長(中川雅治君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後四時二十六分散会