少子高齢化・共生社会に関する調査会 第1号
- 発言数
- 4 件
- 登壇者
- 1 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 2008/11/19
会議録
○会長(田名部匡省君) ただいまから少子高齢化・共生社会に関する調査会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日までに、山本博司君、岩本司君、有村治子君、蓮舫君及び福島みずほ君が委員を辞任され、その補欠として浮島とも子君、松下新平君、岡田広君、舟山康江君及び渕上貞雄君が選任されました。 ─────────────
○会長(田名部匡省君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、会長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○会長(田名部匡省君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に岡田広君を指名いたします。 ─────────────
○会長(田名部匡省君) 少子高齢化・共生社会に関する調査を議題といたします。 先般、本院から、カナダ及びアメリカ合衆国においての少子高齢時代における外国人労働者の受入れと地域社会での共生問題に関する実情調査並びに両国の政治経済事情等視察のため、海外派遣が行われました。 その調査結果につきましては既に議院運営委員会に報告されておりますが、本調査会の調査に資するため、派遣議員である私から便宜報告を行います。 平成二十年度重要事項調査第三班は、少子高齢時代における外国人労働者の受入れと地域社会での共生の問題に関する実情調査及び政治経済情勢等視察のため、本年七月二十日から二十七日までの八日間、カナダ及びアメリカ合衆国を訪問しました。 派遣議員は、大石尚子理事、藤谷光信委員、礒崎陽輔委員、島尻安伊子議員及び私、田名部匡省の五名であります。 カナダでは、近年、高齢化が顕著となっており、特に第一次ベビーブーマー世代が六十五歳に達する二〇一一年には加速度的に進むと予想されています。そのような中、今回訪問したケベック州では二十世紀初頭以来、欧州、アフリカ、南米及びアジアから七十五万人の移民を受け入れてきましたが、彼らを労働者として受け入れ、生活者として地域社会にいかにして溶け込ませるかが重要政策課題となっております。 他方、アメリカ合衆国では三千万人以上の移民を受け入れ、そのうち約二千万人を労働者として雇用し、二〇〇六年のデータでは、全労働力の約一五%を外国人労働者が占めているとされており、彼ら抜きで米国経済の現状を説明することは困難であります。特にシカゴは、移民を積極的に受け入れてきたという歴史的経緯から外国人労働者も多数おり、多種多様な人種から構成される多文化共生社会の典型となっております。 それゆえ、この度、両地域において少子高齢時代における外国人労働者問題と地域社会での共生問題について調査を行った次第です。 以下、調査の概要であります。 まず、カナダでは、高齢化問題について世界高齢者団体連盟及びケベック州家族・高齢化担当省から、地域における共生についてモントリオール市、ケベック州移民・共生文化省、モントリオール日本語補習校及びオリンパスNDTカナダ社から、外国人労働者の受入れについて連邦人的資源・社会開発省、同省サービス庁、連邦歳入庁及びケベック州雇用省からそれぞれ説明を聴取するとともに、カナダの高齢化問題について連邦政府のルブレトン高齢者担当国務大臣と、また、ケベック州の少子高齢化問題についてケベック州家族・高齢化担当省ブレ大臣とそれぞれ懇談を行いました。 高齢化対策については、特に低所得高齢者への支援、高齢者への虐待対策を積極的に推進するとともに、関係機関の施策の連携を図ること、少子化対策については、財政的援助、保健制度の充実等に努めている等の説明がありました。 外国人労働者の受入れについては、カナダ国民、移民等ではカバーできない短期的労働需要を満たすものであり、労働者ではなく、事業者の要望に沿って実施される。近年、外国人労働者は増加しており、労働需要の半分が単純労働者であり、これは増加傾向にある。外国人労働者は、カナダ人労働者と同等の賃金、労働基準が保障されているが、単純労働者はカナダの法的な仕組みを十分に理解していない者も多く、追加的な保護が必要であり、雇用者に対し、住居の提供、州による医療保障が始まるまでの医療保険等を義務付けている。外国人が母国で習得した資格、能力をいかに評価するかが課題である等の説明がありました。 地域における共生については、モントリオール市では、現在、毎年二万二千人の移民が来るが、移民を多様性社会の中で溶け込ませる努力を行っており、また、人種差別の撤廃に向け、二〇〇四年の文化的多様性と取込みに関するモントリオール宣言で、すべての人々が尊重され自治体から質の高いサービスを受ける権利を保障している。ケベック州では、これまで年間四万八千人の移民を受け入れ、総計七十五万人に達している。同州の移民政策は永住を前提としており、移住から三年後に市民権を得る権利が発生する。同州の移民政策の特徴としてフランス語化の堅持がある。移民には、フランス語化とともに社会への溶け込み、価値観の受容を求め、子弟にはフランス語学校への通学が義務付けられている等の説明がありました。 次に、アメリカ合衆国では、多文化交流・地域共生問題についてシカゴ市、シカゴ・マイノリティ・ビジネス開発評議会及びシカゴ日本商工会議所から、外国人労働者の受入れについて連邦労働省からそれぞれ説明を聴取いたしました。 多文化交流・地域共生については、シカゴ市において、シカゴ人間関係委員会、文化部、市長室特別イベント担当、シカゴ姉妹都市国際プログラム担当らが協力して、差別、偏見の撤廃、多様な文化的素養の涵養、国際交流の推進に尽力している。少数派のビジネスチャンスについて、米国では、連邦政府の事業を受注するためには当該企業の全購買の五%をマイノリティ企業から買い入れなければならないという法律があり、大企業もマーケットとして将来性のあることもあり、マイノリティ企業とのビジネスに率先して乗り出しており、シカゴ・マイノリティ・ビジネス開発評議会がそれを積極的に支援している等の説明がありました。 外国人労働者の受入れについては、連邦労働省は受入れ事務を、効率化やコスト削減の観点から、一九九六年、六つの事務所にまとめ合理化を図ったが、二〇〇五年、さらにシカゴとアトランタにプロセスセンターとして集約することとなった。シカゴでは短期労働許可申請を受け付けており、所掌を分化することで担当者の業務の効率化や専門性の深化、ひいては事務処理の迅速化に寄与している。労働省のプログラムで外国人労働者を雇用する場合、米国人を雇用する場合と同じ水準の給与を払う必要がある上、往復の航空賃、住居の提供等コストが掛かること等の説明がありました。 以上が海外における調査の概要でありますが、最後に、今回の調査に当たり、多大な御協力をいただいた訪問先の関係者各位に対し衷心より厚く謝意を表し、報告を終わります。 本日はこれにて散会いたします。 午前十時十一分散会