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170回国会参議院2008/12/16

財政金融委員会 第7号

発言数
118
登壇者
14
会派数
4
開催日
2008/12/16

会議録

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本

○委員長(峰崎直樹君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告をいたします。  本日までに、高橋千秋君、長谷川大紋君及び森田高君が委員を辞任され、その補欠として大河原雅子君、林芳正君及び相原久美子君が選任されました。     ─────────────

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本

○委員長(峰崎直樹君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として金融庁総務企画局長内藤純一君外五名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本

○委員長(峰崎直樹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本

○委員長(峰崎直樹君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、参考人として日本銀行総裁白川方明君、同副総裁山口廣秀君、同理事水野創君及び同理事山本謙三君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本

○委員長(峰崎直樹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本

○委員長(峰崎直樹君) 財政及び金融等に関する調査のうち、日本銀行法第五十四条第一項の規定に基づく通貨及び金融の調節に関する報告書に関する件を議題といたします。  日本銀行から説明を聴取いたします。白川方明日本銀行総裁。

白川方明日本銀行総裁

○参考人(白川方明君) 日本銀行の白川でございます。  日本銀行は、本年六月と十二月に、平成十九年度下期と平成二十年度上期の通貨及び金融の調節に関する報告書を、それぞれ国会に提出いたしました。  本日、日本銀行の金融政策運営について詳しく御説明申し上げる機会をいただき、厚く御礼を申し上げます。  まず、最近の経済金融情勢について御説明申し上げます。  我が国経済を見ますと、海外経済の減速により輸出が減少しています。加えて、企業収益や家計の雇用・所得環境が悪化する中で、設備投資や個人消費などの国内民間需要も弱まっており、我が国の景気は停滞色を強めています。  これまでに発表されました生産、雇用、個人消費などの経済指標は、いずれも厳しいものとなっています。また、昨日公表しました私どもの十二月短観の調査結果も、企業の景況感、設備投資計画などの面で、厳しい経済情勢をはっきりと示すものとなりました。  物価面では、国内企業物価は、国際商品市況の反落を主因に、三か月前比で見て大幅に下落しています。生鮮食品を除くベースで見た消費者物価の前年比は、エネルギーや食料品の価格上昇などを背景に、プラス二%程度となっていますが、今後は、石油製品価格の下落や食料品価格の落ち着きを反映して、低下していくと予想されます。  この間、金融面では、国際金融資本市場の動揺を背景に、投資家のリスク回避姿勢が強まっています。このため、CP、社債の信用スプレッドが拡大しているほか、CP、社債の発行が難しくなるなど、市場での資金調達環境が悪化しています。また、中小零細企業に加え、大企業でも、資金繰りや金融機関の貸出姿勢が厳しいとする先が増加しています。このように、我が国の金融環境は、全体として、緩和の度合いが急速に後退しています。  次に、経済、物価の先行きに関するリスク要因について御説明申し上げます。  国際金融資本市場は、これまでの各国政府や中央銀行による対策を受けて、短期金融市場で幾分改善が見られていますものの、依然として強い緊張状態にあります。こうした下で、国際金融市場や世界経済の動向次第では、我が国の景気が下振れるリスクがあることに注意する必要があります。また、我が国の金融環境についても、金融機関の貸出姿勢やCP・社債市場の動向など金融環境が一層厳しさを増す場合には、金融面から実体経済への下押し圧力が高まるおそれがあります。物価面については、景気の下振れリスクが顕現化した場合や国際商品市況が更に下落した場合には、物価上昇率が一段と低下する可能性があります。  以上を踏まえ、金融政策運営について申し述べさせていただきます。  ただいま申し上げましたように、現在は、経済、物価の先行きについて不確実性が高い状況にあります。こうした下で、日本銀行としては、経済、物価の見通しとその蓋然性、上下両方向のリスク要因を丹念に点検しながら、適切に金融政策運営を行っていく方針です。特に、当面は、米欧金融システムや国際金融資本市場の動向とその影響など、景気の下振れリスクに注意を払うことが重要となります。  この間、日本銀行は、国際金融資本市場や米欧金融システムの動揺が深刻化した本年秋口以降、様々な手段を駆使して、緩和的な金融環境を維持し、金融市場の安定を確保するよう努めてきました。すなわち、世界的にドル資金市場の流動性が低下している下で、各国中央銀行と協調して、九月にドル資金供給オペを導入し、その後、その拡充を重ねてきました。また、円資金についても、積極的な資金供給を一層円滑に行い得るように補完当座預金制度を導入したほか、年末越えの資金供給オペを昨年以上の頻度、金額で実施しています。さらに、CP買い現先オペや国債買い現先オペの積極活用を行い、市場の安定化に努めています。このほか、企業金融の円滑化をねらって、適格担保として受け入れる社債と企業向け証書貸付債権の範囲を拡充したほか、こうした企業債務の担保価額の範囲内で金額に制限を設けずに、低利で資金供給を行うという新しいオペレーションの導入を決定しました。  日本銀行としては、年末、年度末に向けた積極的な資金供給など、適切な金融調節の実施を通じて、引き続き、金融市場の安定確保に努めていく所存、方針です。  ありがとうございました。

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本

○委員長(峰崎直樹君) 以上で説明の聴取は終わりました。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

大久保勉民主党・新緑風会・国民新・日本

○大久保勉君 民主党の大久保勉です。  私は福岡県出身ですが、地元に帰って、特に北九州方面の財界人と話をしておりましたら、非常に誇らしいこと、そしてそれなりに誇らしいことがあるということなんです。非常に誇らしいことといいますのは、金融界の頂点に位置する日本銀行総裁のポジションが福岡県出身者であるということです。白川さん自身は小倉高校出身ということで、非常にそういった面で盛り上がっております。  もう一つなんですが、それなりに誇らしい面。これは、同じく福岡県出身でありますが、政界の頂点であります総理大臣、麻生さんに関する問いです。どうしてそれなりか。たまたま今日、これは東京新聞の政治面を見ましたら二こま漫画がありまして、これは言い得ているなと思いましたので御紹介したいんです。  一こま目。ブッシュさん、イラク人から靴を投げられる。まあ、そうですね、そういうのがありました。下の方。麻生さん、日本人からさじを投げられる。まあ、そういうことかなということで、そういうことで、それなりにということで、こういう意見があったということで御紹介したいと思います。  そこで、第一点目は麻生さんに関する質問ですが、麻生総理は百年に一度の金融危機であるということ、こういう認識でありますが、まず白川総裁も同様な認識であるか、このことに関して質問します。

白川方明日本銀行総裁

○参考人(白川方明君) お答えいたします。  現在、国際金融市場は大変緊張状態にあります。思い起こしますと、サブプライムローン問題の表面化から既に一年四か月強が経過しましたけれども、本年九月のリーマン・ブラザーズの破綻以降、国際金融市場の厳しさが増しております。  少し詳しく申し上げますと、短期金融市場では、これまでの各国政府、中央銀行による様々な措置の効果もありましてごく短い期間の取引につきましてはリーマン・ブラザーズの破綻前の状況に戻っておりますけれども、ターム物、すなわち少し期間の長い資金の取引でございますけれども、その市場につきましては金利は依然として高水準で推移しています。また、世界経済や企業業績の先行きに対する懸念を背景に株価は振れの大きな展開となっておりますし、それから社債等の信用スプレッドの水準も高い状態で推移しております。  こうした米欧金融機関や国際金融資本市場の問題は、米国を始め各国の実体経済へも大きな影響を及ぼしております。米国経済は金融と実体経済の負の相乗作用、マイナスの相乗作用が生じておりまして、これは悪化をしております。また、欧州経済も住宅投資、個人消費が減少する中で悪化していますほか、アジアなど新興国においても輸出環境の悪化などを背景に成長率が鈍化をしております。  現在の状況を正確に何年に一回かというのは別にしまして、現在、国際金融市場や世界経済は極めて厳しい状況にあるというふうに認識しております。

大久保勉民主党・新緑風会・国民新・日本

○大久保勉君 分かりました。  白川総裁、まだ固いみたいですね。百年に一回かどうかということで、端的にそうだということを期待していたんですが、どうなんです、百年に一回のインパクトがあるんですか。

白川方明日本銀行総裁

○参考人(白川方明君) これ、つまり百年に一回という言葉、前のグリーンスパンFRB議長が百年に一回、あるいは五十年に一回というような言葉を使って、そのうちの百年に一回という言葉は今割合人口に膾炙しておりますけれども、正確に百年か、あるいは七十五年か五十年かというのは別にしまして、戦後、こういう状況は経験しておりません。世界の金融の歴史を振り返ってみますと、前回非常に厳しい状況は、これは一九二九年以降の状況でございました。現在、それと全く同じ状況ではありませんけれども、しかしそれ以来ということであります。  そういう意味で、正確に百年かどうかは別にしまして、これは非常に厳しい状況であるというふうに思っております。

大久保勉民主党・新緑風会・国民新・日本

○大久保勉君 大分状況は分かってきました。  さらに、追加の質問としまして、いわゆる一九九〇年代はゼロ金利政策かつ量的緩和を実施されました。ところが、現在はそういう状況にないということから質問しますと、現在進行中の金融危機は、もしかしたら白川総裁にとりましては九〇年代末の日本の金融危機に比べてまだまだ深刻度が低いと、こういう認識かなと、少なくとも日銀の政策上は見えますが、このことに関してはどうなんでしょう。

白川方明日本銀行総裁

○参考人(白川方明君) 現在の世界経済の問題を考えますと、金融システムの問題と、それから実体経済の問題がお互いに共鳴し合うマイナスの相乗作用ということが非常に大きな問題になっております。  振り返ってみますと、日本の九〇年代もそうでしたけれども、当初はその影響をそれほど大きく見てなく、最終的にはある段階からこの影響が非常に大きいと、厳しいということを認識し始めたわけであります。  今回のサブプライムローン問題も、当初アメリカで起きた時点では、多分世界の多くの人は現在我々が経験しているような厳しさということを想定していなかったというふうに思います。その後の展開は、いかにこのマイナスの相乗作用が大きいかということであります。  そういう意味で、私は、九〇年代の日本と、それから現在の日本がどうかということにつきましては、これは予断を持つことなくしっかり見ていきたいと。その際の一つの大きなポイントは、実体経済と金融システムのこの相乗作用、これがどういうふうになっていくのかということをマクロの面、ミクロの面からしっかり点検していきたいというふうに思っています。  そういう意味で、現在の方が楽であると、問題は少ないというふうに認識しているわけではございません。常にそこについては注意深く見ていきたいというふうに自戒をしています。

大久保勉民主党・新緑風会・国民新・日本

○大久保勉君 現在の方が楽ではないということでしたら、どうしてゼロ金利、量的緩和をしないんですか。

白川方明日本銀行総裁

○参考人(白川方明君) まず、前回の政策でございますけれども、量的緩和政策あるいはゼロ金利という話がございました。二〇〇一年の三月以降、量的緩和政策という極めて異例の政策を採用したわけであります。この政策がどういうふうな効果を持ったかということについて最初に申し上げたいというふうに思います。  思い起こしてみますと、あのときは金融システムが大変に厳しい状況で、金融機関の流動性需要が非常に高まってくるということでございました。そういう状況の下で、日本銀行が金融市場に潤沢に資金を供給するということは、これは金融システムの安定性に対して、これは安定性維持という上で大変効果がございました。  今回、日本の状況がどうかということでありますけれども、今回はアメリカ発の金融市場の混乱という形でまず影響が及んでまいりました。こういう面でまず中央銀行として行い得ることは、金融市場の安定をしっかり維持するというふうに思いました。その結果、先ほど来申し上げていますとおり、ドル資金の供給オペを始めとして一連の金融市場の安定をしっかり維持するという政策を取ってまいりました。  で、前回の金融危機とそれから今回の問題、もちろん全く同じ、最終的にどのような程度になるかについてはまだ現状分かりませんけれども、しかし、毎回経済の問題の深刻さの現れ方は違ってまいります。現在の経済、金融の状況に即して中央銀行として何が適切かということをこれからも考えて、これまでもそうですけれども、これからも考えて対応していきたいというふうに思っています。

大久保勉民主党・新緑風会・国民新・日本

○大久保勉君 大分状況が見えてきました。非常に深刻度は同じくらい若しくはそれ以上に厳しいかもしれないが、一九九〇年代にやった日銀のアプローチが必ずしも今の状況に対して効果があるかどうか分からないと、こういうふうな理解でよろしいんでしょうか、もう一度確認します。

白川方明日本銀行総裁

○参考人(白川方明君) 量的緩和あるいはゼロ金利についても、その効果あるいは副作用を検討、検証しております。今回、経済、金融がどういうふうに展開していくかということにもちろん依存しますから、私自身いつも意識していますことは、あらかじめこの政策は絶対に採用しないとかあるいは絶対に採用するというふうには考えておりません。  そういう意味で、今の大久保先生の御質問に対して、前回採用した政策は採用しませんというふうに言っているわけではございません。ただ、あくまでも、これから展開していく経済、金融の状況に即して中央銀行として何が一番適切であるかということを考えていきたいということであります。

大久保勉民主党・新緑風会・国民新・日本

○大久保勉君 分かりました。  では、続きまして別の観点から質問したいんですが、麻生総理は、百年に一回の金融危機、そして全治三年ということをおっしゃっています。次の質問といいますのは、じゃ、今回の金融危機、さらには実体経済の悪化から回復するのに何年間掛かるか、こういったことに関して質問したいと思います。特に、百年に一回ですから、当然ながら歴史的な考察を踏まえて答弁をお願いします。

白川方明日本銀行総裁

○参考人(白川方明君) 現在の日本の経済の厳しい状況というものは、これは世界経済全体の厳しい状況を反映しております。その意味で、今の大久保先生の歴史的な観点を踏まえた答弁ということで、アメリカの一九二九年以降の大恐慌の経験、それから九〇年代以降の日本の経験、それから今回という感じでお答えしたいと思います。  一九二九年からのアメリカの大恐慌は、これは幾つかの理由がありましたけれども、一番大きな理由というのは、多くの金融機関の破綻に対して有効な対策が打たれなかったということだと思います。中央銀行の政策に即して言いますと、中央銀行は最後の貸し手ということで資金を供給する、ぎりぎりの局面では金融システム全体の崩壊を防ぐために最後の貸し手として資金を供給するというのが大事な役割であります。残念なことに、不幸なことに、当時はその役割が適切に果たされなくて、結果として預金取付けが起き、アメリカの預金の総量が短期間に約三割も減少するという事態になりました。  それから、マクロ政策の面では、財政金融政策が緊縮的に運営をされたということ、これも大恐慌が長引くということに影響しました。さらに、これは国際貿易という面ですけれども、保護貿易主義が広がっていき、国際貿易がだんだん縮小する、縮小均衡に世界経済が陥ったということがございます。  それから、バブル崩壊後の日本でございますけれども、関係者や国民の間で金融システム問題の性質やその大きさについて十分な理解が得られず、必要な対応策についての合意がなかなか得にくかった、得るまでに時間が掛かったということであります。これは、金融システムと実体経済のマイナスの相乗作用がいかに大きいかということが九〇年代の前半時点ではなかなか認識されにくかったということであります。  それでは、今回はどうかということでありますけれども、現在、各国の中央銀行は自国通貨の流動性という面で、これは積極的に供給を行っております。それから、金融市場のグローバル化を反映しまして、ドル資金の供給という面でも、これは主要国中央銀行の協調的な枠組みの下で金融市場に潤沢に供給するという枠組みがこれしっかりと整備をされております。それから、政府におかれては、経営が悪化した金融機関の公的管理や公的資本の注入、預金保険の保護対象の大幅な拡充や金融機関債務への保証の付与といった債務保証の対策を実施しております。それから、貿易の面でも自由貿易体制はしっかりと堅持をされております。  このように考えますと、過去の経験、過去の不幸な経験が、今回、現在の米欧の金融危機に対してそのまま当てはまる、これがその先例となるということは、これはないというふうに考えていますし、またそうあってはならないというふうに思っております。  そういうふうに申し上げた上で、先ほど来、私、注意深く現状を見ていきたいというふうに申し上げておりますけれども、金融システムが安定するためには、これは金融機関の損失額が幾らであるかということがしっかり確定すること、それからその上で資本が十分にあるということが確保される、この二つが前提条件となります。今回も含めまして金融と実体経済のマイナスの相乗作用が始まりますと金融機関の最終的な損失が幾らになるのかということ、したがって資本不足が幾らになるのかについてなかなか最終的に確定しにくい、不確実性が残るということも事実であります。  そういう意味で、中央銀行あるいは各国の金融機関の監督当局においては、現在の状況の推移を正確に見ていくということが非常に大事だというふうに思っております。

大久保勉民主党・新緑風会・国民新・日本

○大久保勉君 ポイントは、損失の確定そして十分な資本の注入。じゃ、それが確定されるまでにどのくらい掛かるんですか。三年で終わってしまいますか。

白川方明日本銀行総裁

○参考人(白川方明君) 当局者としては、もちろんできるだけ早くこのプロセスが完了してほしいというふうに願っておりますし、そのために必要な政策ということは、これはしっかりと対応していきたいというふうに考えています。ただ、時間についてあらかじめ必ずこうだというふうに固定的に考えずに、そこはできるだけ早く、三年と言わずにできるだけ早く完了させるという気持ちを持って、その上で状況の推移を注意深く見ていくということだというふうに思っております。  いずれにせよ、三年という数字もさることながら、現状について厳しい認識を持って必要な対策を取っていく。これは、当局においてももちろんそうですけれども、何よりも民間の金融機関においても必要な対策を取っていくということが必要だというふうに考えています。

大久保勉民主党・新緑風会・国民新・日本

○大久保勉君 何か九〇年代の前半に戻ったような気になりますが、結局、九〇年代前半も、状況に関してはまだ分からない、若しくは日本経済は大丈夫だとかそういった発言が多くて、いつの間にか十数年、十二、三年景気回復に掛かってしまったんですね。  さらには、たまたま平積みされていましたので買ったんですが、ジョン・ガルブレイスの「大暴落一九二九」という本を読みましても、いつの時代も当局者というのは非常に楽観的な発言が多過ぎて、結局は過去の経験でも、過去の悪い経験に対して、いや、違うということで否定しますが、危機といいますのは毎回毎回形を変えて起こってきまして、その大きい危機に関しては全く発言しないか若しくは無能であるというようなことを書いてありまして、もしかしたら今回の危機といいますのは、一九二九年型とは違うし一九九〇年とも違うと、ただ、危機の深刻度においては同じじゃないかというふうな気がします。  実は先週ですか、欧州社会党の党大会に出てきまして、そこの参加者にアメリカの民主党オバマ政権の恐らくブレーンになる人も来ていました。名前はガルブレイスさん、こちら、ジョン・ガルブレイスさんの息子でテキサス大学の教授です。彼とかなり議論したんですが、こういうことをおっしゃっていました。一回金融システムが壊れてしまったら、二度と回復しない。一九二九年に関しましては、ニューディール政策を行いましたが、結局、景気が回復したのは太平洋戦争が起こった一九四〇年代であった、非常に難しいということを強調されていました。  今回も、世界中で金融システムが壊れておりますから、二年か三年で本当に回復するのか、若しくは、もし二年、三年で回復するというような見込みで金融政策を運営されていましたらもっと大きい危機をつくり出してしまうんじゃないかと思いますが、こういった私の考え方に対して白川総裁はどう考えられます。

白川方明日本銀行総裁

○参考人(白川方明君) 今、大久保先生御指摘にあったガルブレイスの本ですけれども、私自身も、これ多少個人的な思い出になりますけれども、一九九〇年代の金融バブル崩壊後、割合早い段階で、私、ガルブレイスのその本を読みまして、非常に強い印象を持った覚えがあります。今回また、リバイバルで大変今売れておりますけれども、そこに書いてある基本的なメッセージは私は非常に大事だというふうに当時も思いましたし、現在もそういうふうに思っております。  振り返ってみて日本銀行の対応が十分であったかどうかについては、これはもちろん歴史の検証にまたないといけませんけれども、しかし、日本銀行が、ガルブレイスの本でも指摘されておりますし、今、大久保先生も御指摘になったように、金融システムがこれいったん崩壊、いったん崩れますと、これを元へ戻すのに相当大変に長い時間掛かると、これが最も私は大きな教訓であるというふうに思っています。  この面で、不幸なことにバブルが発生して崩壊してしまったというところで、それじゃ中央銀行が何が一番大事な仕事なのかといいますと、これは金融市場、金融システムの安定を維持するという仕事であります。先ほど申し上げた、最後の貸し手という仕事であります。このことは、私は常に意識をしておりまして、今回も、今年の秋のリーマン・ブラザーズの破綻以降、日本銀行が打ってきた一連の措置もそのことを強く意識しております。  そういう意味で、大久保先生あるいはガルブレイスのその基本的な認識については、私は金融システムの重要性という点において認識を同じくしております。

大久保勉民主党・新緑風会・国民新・日本

○大久保勉君 じゃ次に、具体的に何をするのか。中央銀行にとって一番基本的なことは、金利を引き下げるということがあります。ところが、日本において金利をこれ以上下げることができるのか、たとえ下げたとしても経済効果が十分にあるのか、こういった検証が必要だと思います。いわゆるゼロ金利の問題は、現在は日本だけではなく、アメリカ、スイス、世界各国でゼロに限りなく金利が近づこうとしております。そこで中央銀行が金利を下げても、これ以上下げることができないと。  ただ、実質的な金利はどうか。いわゆる企業間の信用リスクが高まっておりますから、いわゆる信用スプレッドが非常に広がっております。インターバンクでもそうです。ですから、銀行若しくは企業がお金を借りようとしましたら、いわゆるリスクフリーの金利はゼロ%なんですが、クレジットスプレッドが二%、三%で、実質は三%じゃないと金利は取れないと、こういう状況で、もう銀行が金利を下げてもどうしようもないと、こういう事態に陥っているのが現状だと認識しています。  次に何をしないといけないか。量的金融緩和、これもありますが、むしろ直接的に企業間信用に対して政府若しくは中央銀行が何らかのことをするということが必要じゃないかと思います。  そこで、今一番議論されておりますのは、日本銀行がCPを購入すべきじゃないかと、若しくは銀行の融資に対しまして、いわゆる銀行ローンを担保として適格担保として受け入れようと、こういった議論がございますが、こういったことに関して認識を述べられています。後で詳しいことを議論しますから、いわゆる最初の認識としまして、簡単に御説明をお願いします。

白川方明日本銀行総裁

○参考人(白川方明君) 今、大久保先生御指摘のように、世界の主要国の中央銀行は短期の金利水準を大幅に引き下げてきております。まあ国によって若干の差はございますけれども、相当に低い水準まで低下してきました。しかし、実際に最終的に企業が資金調達する際の金利、例えば社債ということを考えてみますと、国債金利と社債金利の間には金利の差、スプレッドというものがありまして、このスプレッドがむしろ拡大をするということになっております。日本はその度合いは欧米に比べますと小さくはありますけれども、しかし日本も含めて世界的にそれが上昇する、その結果、短期金利は引き下げたけれども、最終的に企業の調達金利がなかなか下がらないという現象が起きているということはそのとおりであります。    〔委員長退席、理事円より子君着席〕  中央銀行は、通常ですと、これは金融機関に対して流動性を供給し、民間銀行が企業に対して資金供給を行うという、そういう分業関係になっております。中央銀行が直接資金を供給するということはございません。あくまでも間接でございます。このことは、中央銀行が企業金融に対して影響がないということではなくて、安定的な市場環境をつくるという点においてはこれは大変大きな意味があります。いったんこれが壊れますと、先ほどの信用スプレッドが更に拡大してしまうということになりますから、現在、日本の信用スプレッドが相対的に小さいということは、そうした日本銀行の流動性の面での施策も影響しているというふうに思います。  二番目の役割は、これは日本銀行が企業の債務を担保に受け入れるということを行っています。これは企業の債務のそれだけ市場性が高まるということを通じて間接的に企業に対してもその影響が出ていくということであります。  細かい話はまた後から御質問があるということで、基本的なことを申し上げますと、今申し上げましたように、中央銀行のオペレーションの主たる領域は、これは流動性の供給でございます。民間部門の信用リスクを直接取るということは、これは中央銀行と政府との役割分担あるいは中央銀行の財務の健全性確保、さらには中央銀行の政策運営への影響といった様々な観点から検討を要するというのが、これが基本的な考え方でございます。  ただ、日本銀行としては、いずれにせよ物価の安定と金融システムの安定という、これは日本銀行法に規定されました使命を達成するために、その時々の金融市場や金融システムの状況を見極めつつ適切な役割を常に果たしていきたいというふうに考えています。

大久保勉民主党・新緑風会・国民新・日本

○大久保勉君 次に、もう少し細かい金融調整に関して質問したいんですが、私は、質問する前、若しくは定期的にあるブログを読んでいます。「本石町日記」というブログなんですが、いわゆるBOJウオッチャーの間では非常に評判のブログなんです。白川総裁は「本石町日記」というのは読まれたことはありますか。

白川方明日本銀行総裁

○参考人(白川方明君) 余り私の立場で特定の人のブログとかについて読んだ読まないということを言うのは、マーケットに対する悪影響もあると思いますんで、差し控えさせていただきたいというふうに思います。

大久保勉民主党・新緑風会・国民新・日本

○大久保勉君 分かりました。  読んでいると推測しますが、こっちの中に、最近のコメントとしましては、ここのところ日銀オペの誘導目標が下に外れぎみで、誘導目標の精度が落ちてきているという指摘がございます。このような日銀調整が難しくなっている理由というのはどうしてか。彼は、買い切りオペを増やした方がいいんじゃないかという指摘がございます。お願いします。

山本謙三日本銀行理事

○参考人(山本謙三君) まず、私から金融市場の動向について少しお話をさせていただきたいと思います。  委員御指摘のとおり、無担保コール・オーバーナイト物金利、十一月後半は私どもの誘導目標の中心であります〇・三%をやや上回って推移しておりましたけれども、足下につきましてはこれをやや下回る水準で推移しているということでございます。  その背景としては、これまで日本銀行の積極的な資金供給のオペレーションによって短期金融市場に潤沢な資金が供給されているということが挙げられます。特に、最近は年末越えの資金供給を大量に行っております。その結果、オーバーナイトといったごく短い金融市場におきましては資金余剰感が出ていると。  さらに、このところは準備預金制度の積み期間の最終日、実は昨日が最終日でございましたけれども、最終日に近づいておりましたことから、資金余剰感が高まりやすいという技術的な要因もございました。こうした資金余剰感の高まりに対しまして、日本銀行は、資金吸収のオペレーションも併せて機動的に行ってきたところでございます。  日本銀行としては、今後とも適切な金融調節の実施によりまして金融市場の安定確保に努めてまいりたいと考えております。

大久保勉民主党・新緑風会・国民新・日本

○大久保勉君 まあ分かったような分からなかったような。  僕の質問は、誘導目標〇・三%を大幅に下がっているということは、じゃ低め誘導されているんですか。

山本謙三日本銀行理事

○参考人(山本謙三君) 私どもの今の金融調節方針は、無担保コール・オーバーナイト物レートが〇・三%前後で推移するよう促すというものでございます。低め誘導ということではございません。

大久保勉民主党・新緑風会・国民新・日本

○大久保勉君 でも、目標の〇・三%を大幅に下回っているんじゃないですか。ですから、低め誘導していないんだったら、ちゃんと〇・三%に持っていかないと、持っていくようなオペレーションをすべきじゃないですか。いわゆる、このことに関しては、日銀のオペのやり方がへたくそなのか、こういう指摘もありました。若しくは、もう技術的な限界があるから別な方法でやらないといけないのか。一番か二番か、どっちですか。

山本謙三日本銀行理事

○参考人(山本謙三君) 先ほど申し上げましたように、準備預金の積み制度の最終日に近づいていたという技術的な要因もございます。私ども、資金供給のオペレーションを一方で大量に行いながら、併せて誘導目標に近づくように、できる限り、一方で資金吸収のオペレーションも頻繁に行ってきたところでございます。

大久保勉民主党・新緑風会・国民新・日本

○大久保勉君 全然かみ合っていないですよね。  つまり、現実問題として〇・三%大幅に下がっていますから、ですからそれが失敗なのか若しくはもう技術的に難しいか、どっちかしかない。どっちの回答ですか。一番か二番か、もう一度お願いします。

山本謙三日本銀行理事

○参考人(山本謙三君) 日々の金融調節で様々な工夫を行って、できる限り私ども金融調節の誘導目標を達成するよう努力しているところでございます。

大久保勉民主党・新緑風会・国民新・日本

○大久保勉君 じゃ、是非、様々な方法としまして、買い切りオペをもっと増やした方がいいんじゃないかという指摘もございます。私もそう思います。  それに関して、じゃ具体的にどういうことをやるか。一番としましては、変動利付国債及び物価連動国債の買い切りオペ対象にする、これは何度もお願いしていますが、まだ実現されていません。二点目は、投資適格企業発行のCPの購入。三点目、これは非常に難しいかもしれませんが、投資適格企業の社債若しくは融資の買い切りオペ、いわゆる購入です。四点目は、不動産証券化商品若しくはノンリコースローンの買い切りオペ。  一番、二番、三番、四番、全部やることは非常に難しいですが、その中で、でき得るものから先にやるべきじゃないですか。特に一番に関しましては、いわゆる国債を買うということですから、できないはずはないですよね。システム上の問題でしたら、いわゆるやる気がないというレベルの話かなと思います。このことに関して日銀の御見解を聞きたいと思います。

山口廣秀日本銀行副総裁

○参考人(山口廣秀君) お答えいたします。  先ほどの御質問でありますが、日本銀行は〇・三%の誘導目標に対してそれを達成できていないんではないかという御質問がありましたので、まずそれについてちょっと若干補足させていただきます。  十一月という月を振り返ってみますと、十一月の後半につきましては、実は誘導目標の中心であります〇・三%をやや上回っておりました。それが、その足下につきましては〇・三%をやや下回る水準で推移しているということでございます。  私どもの誘導目標の実現というのは、ある期間を通してならして実現するということがターゲットでございます。したがって、ある時々を見てみると〇・三%を下回ることもありますし、ある時を見ると〇・三%を上回っていることもあると、こういうことが起き得る、そういう調節であるということについて御理解をいただきたいと思います。  その上で、直接の御質問であります、まず国債の買入れオペにつきましてでありますが、御承知のとおり、私ども、円滑な資金供給という観点で、金融調節上の必要性に基づきまして、現在、フローベースでありますけれども、月一・二兆円の長期国債の買入れを実施しております。  今後これをどうするかということでございますが、この先の金融調節上の必要性あるいは先行きの私どもの資産、負債の状況、こういったことを踏まえて判断していく必要があると、かように思っておるところでございます。

大久保勉民主党・新緑風会・国民新・日本

○大久保勉君 私が質問したことに対してほとんど回答されていないんですよね。つまり、具体的に変動利付債を買ったらどうでしょうかということです。どうですか。

山口廣秀日本銀行副総裁

○参考人(山口廣秀君) まず、国債の買い切りについては今私が申し上げたとおりでございますが、具体的にどのような国債を買い入れるのかにつきましては、これまた重なるところがありますけれども、金融市場、金融調節上の観点あるいは市場に対する中立性の確保といったようなことから判断してきたわけであります。もちろんその過程では市場規模なども考慮に入れながら判断してまいったということでございます。  そういうことの結果として、現時点では変動利付国債あるいは物価連動国債を対象としていないという事情でございます。

大久保勉民主党・新緑風会・国民新・日本

○大久保勉君 白川総裁は銀行に対していわゆる信用不安を解消するということを言われましたが、金融機関自身は変動利付国債若しくは物価連動国債を相当持っています。需給でかなり割安になっております。非常にその結果、かなり金融機関にとりましては資本を食っているという状況にありますから、こういったところを理論値まで買い支えるということは非常に重要なことであります。財務省はこういったことを踏まえまして買入れ消却等も行っておりますから、日銀ができないはずないんですね。ですから、まだ自分たちがやるべきことに関して認識が少ないのかなと私は思っています。  さらには、CP、是非、適格企業のCP、例えばトヨタとかホンダとか、こういった企業のCPを購入するように検討してください。このことが日本経済にとって相当大きい影響、極めていい影響になると思いますから。この件はどうでしょう。

山口廣秀日本銀行副総裁

○参考人(山口廣秀君) 委員から御指摘のありましたまずCPでありますけれども、これについては、また御承知のところと思いますが、信用リスクのある資産ということでございます。したがって、一方で私どものオペレーションの主たる領域というのは、流動性の供給ということでありますので、そうした観点からいたしますと、信用リスクのある資産についてそれを買い入れるかどうかについては慎重な検討が必要だと思っております。  ただ、現在の金融市場の状況あるいは資本市場の状況については、私ども非常に注意深く見ておるところでございます。したがって、基本的な考え方は私ども流動性の供給を第一に考えるという立場でありますし、信用リスクを取ることについては慎重であるべきだというふうに思っておりますが、その時々の金融市場の状況、あるいは金融システムの状況を見極めながら、中央銀行として果たすべき役割は適切に果たしてまいりたいと、かように思っております。

大久保勉民主党・新緑風会・国民新・日本

○大久保勉君 まあ日銀さん自身は、自分の庭先だけは何とかきれいにしようとしていますが、百年に一回の危機に対して、金融システム上の問題はほとんど関心がないように見えますね。考えるんじゃなくてもう実行する時期だと思うんですね。今大手企業は何を、どういう状況が起こっているか。大変な状況ですよね。こういった状況で日銀のやるべき範疇は従来の延長線でしか考えないということでしたら、恐らくは一九二九年の前後で中央銀行が行ったこと、若しくは一九九〇年代の前半に日銀が行ったことと同じと思います。是非、前向きなことを考えてもらいたいなと思います。このことは日銀だけではなくて、財務省もそうだと思います。  そこで、財務省に質問しますが、先日の日経新聞によりますと、政策投資銀行が政府保証の前提でCPを購入すると、こういった記事がございました。そこで、質問といいますのは、財務省、どのような形で政府保証を付けるのか、このことに関して質問したいと思います。

川北力財務大臣官房総括審議官

○政府参考人(川北力君) お答え申し上げます。  まず、政策金融における危機対応制度について概略御説明申し上げます。  十月一日の政策金融改革の実施以降、政策金融の機能は日本政策金融公庫へ一元化されましたが、内外の金融市場の混乱の等の際には、従来、政策投資銀行と商工中金が政策金融機関として果たしてきた政策金融機能を引き続き活用できるようにするため、危機対応制度というのが設けられております。  この制度によりますと、主務大臣が認定いたしますと政策投資銀行及び商工中金は政策金融公庫からの信用供与を受けて政策金融としての貸付けなどを行うことができるというふうにされております。この危機対応業務につきましては、先般の生活対策におきまして、金融危機に対しましてこの危機対応業務を発動するということが盛り込まれております。  そこで、御質問のCPの買取りの件でございますが、先週の十二日、総理より、年末を控え企業の資金繰り確保を最需要課題として万全を期すということから、この政策金融の危機対応業務の発動なり拡充が指示されておりまして、その中に危機対応業務を活用して政策投資銀行等を通じたCP買取りのスキームを設けるということが言及されているところでございます。  現在、スキームの詳細は詰めているところでございまして、詳細は御答弁できる段階にございませんが、政府保証ということで御質問でございました。この危機対応業務は、政策金融公庫が指定金融機関に対して信用供与を行うという制度でございますので、それを円滑に行うために政策金融公庫の資金調達に際しまして政府が保証をするということは想定されておりますが、御指摘の新聞記事の内容をちょっとつまびらかにしておりませんが、現在想定しておりますのは、日本政策金融公庫の資金調達に際しての政府保証でございます。

大久保勉民主党・新緑風会・国民新・日本

○大久保勉君 時間がないのでこれ以上は深追いしませんが、是非、財務省の方もクイックに、そして、これまでの常識にとらわれないような対策をお願いします。  じゃ、最後の質問なんですが、これも政策金融公庫に対しましてドル資金の供給が必要ということで、再三再四言っておりますが、是非、外為特会の方からJBICに安いドルを融資し、JBIC経由、海外の日本現法にお金を出すべきじゃないかということを議論しておりますが、前回、時間切れで議論できませんでした。  この点に関して、もう一度、財務省自身は何か前向きな対応ができるかどうか質問して、私の質問を終わりたいと思います。

玉木林太郎財務省国際局長

○政府参考人(玉木林太郎君) 現在の世界的な金融危機の中、我が国企業、その海外事業を金融面でサポートすることは重要な課題と認識しておりまして、先般発表されました生活対策におきましても、JBIC、日本政策金融公庫の中のJBICを活用して、国際金融危機に対処するため、日本企業の海外における事業に対する貸付けを拡充することをお示ししたところでございます。  こうした現地法人等への支援を含めまして、JBICがいわゆる国際金融秩序の混乱への対処に係る業務を実施するに際しましては、必要な外貨資金の確保に困難を来すような場合、そうした場合には外為特会からJBICへの資金供給は可能であると考えております。この点は、先般、大臣から御答弁申し上げましたように、かつて旧輸銀に対して貸付けを行った先例もあるところでございます。  こうした資金供給の必要性があるかどうかは今後のマーケットの状況等によるものでございますけれども、現時点ではJBICによる外貨資金の調達に特段の支障は生じているということはないと考えております。

大久保勉民主党・新緑風会・国民新・日本

○大久保勉君 時間が来ましたので、これで終わります。

富岡由紀夫民主党・新緑風会・国民新・日本

○富岡由紀夫君 民主党の富岡由紀夫でございます。引き続き質問をさせていただきたいと思います。  まず最初に、先ほど御報告いただいた中でも、現在の日本の経済の状況、金融危機の状況はお話しいただきましたけれども、先週の参議院の予算委員会ですか、の中で副総裁が、今後の経済の見通しについて答弁されたときに、多分この十月の展望レポートをベースにお答えいただいたんだと思うんですけれども、今の経済が回復する時期、反転する時期が二〇〇九年の半ばぐらいには回復するだろうというお話が答弁としてされたと思うんですけれども。  今の状況、昨日短観が発表されて、非常に厳しい状況だということはこれはまた新たに周知の事実となったわけですけれども、見通しについて、来年の半ばぐらいに反転するという見通しについて変わりはないのか、総裁にお伺いしたいと思います。

白川方明日本銀行総裁

○参考人(白川方明君) 経済の先行きの見通しにつきましては、私どもは定期的に点検を行っております。今先生御指摘の日本銀行の見通しは十月末でございます。  このところ、これは日本銀行に限らず各国の中央銀行、それから国際機関、いずれもそうですけれども、月を追うごとに見通しを大幅に下方修正してきております。何よりも日本経済を包む世界経済全体が、ここに来てまた更にこの見通しが下方修正されているということでございます。  回復の時期について我々自身がどのような言葉で表現するかということについては、この後のまた定期的な決定会合の場でまた議論し公表いたしますけれども、現在判明しています様々な情報を考えますと、来年度半ばにもちろん回復をしてほしいというふうには思いますけれども、そうしたことが本当に実現するかどうかということについても注意深く見ていきたいというふうに思っています。  先ほどの冒頭の説明でも申し上げましたけれども、景気の下振れリスクが高まっているということで、平均としての成長率の見通しも下がってきていますし、それからその見通しをめぐる不確実性も高まっているということでございます。  そういう意味で、今先生の問いかけに対して簡単なイエスかノーかでちょっとお答えできなくて誠に申し訳ございませんけれども、そこについては大変厳しくその不確実性を見ていきたいというふうに考えております。

富岡由紀夫民主党・新緑風会・国民新・日本

○富岡由紀夫君 日々本当に状況というのは変わってきていると、急速に変化しているんだというふうに思うんですけれども、そういう状況の中で、やはりいつまでたっても十月の展望レポートのベースに基づいて経済見通しを日銀が状況分析をするというのは、私は余り望ましい姿ではないのかなというふうに思っております。  やはり、そのときそのときいろいろ状況は変わっているわけですから、その見通しについても、これはもう下振れリスクは明らかに大きくなっているわけですから、少し回復が遅れるとか、海外の減速の状況も、この展望レポートを見ますと、海外経済も減速局面から脱するというふうに書いてありますけれども、本当にそのままでいいのかというところは、私は時々、何というか更新して、新しい情報に変えて発信する必要があるんだと思うんですけれども、改めて、その海外の減速を来年半ばには脱して日本経済も反転するという見通しというのは、メーンシナリオは、いろいろな上下動する要因はありますけれども、そのメーンシナリオはそう変わらないという認識でいるということでよろしいんでしょうか。

白川方明日本銀行総裁

○参考人(白川方明君) 最初に、日本銀行の見通しの発表の仕方について御批判いただきましたので、少し考え方を申し述べさせていただきたいと思います。  これは日本銀行に限らずどの中央銀行もそうですけれども、原則四半期に一回、少し長い見通しを公表しています。それから、足下の状況については、これは毎月毎月の決定会合で公表するという形を取っております。毎回毎回の見通しについては、これは前回十一月の会合もこれはそれ以前の見通しに比べまして厳しい方向に修正しております。そういう意味で、三か月間何も変えていないということではございません。  それから、先行きの見通しにつきましては、実はこれは単に言葉だけではなくて、その背後にある様々な、何といいますか、体系的な見通し、これ自体を実は変えていくという作業をやります関係上、これはほかの中央銀行も基本的には三か月に一回という形で出しております。ただ、このことは、決してその三か月間、遠い、かなり先行きの見通し自体を変えていないということではこれはございません。不確実性が非常に高まっているという形でそのことは表現をしております。  以上のことを申し上げました上で、世界経済の回復の時期でございますけれども、今いろんな国際機関が見通しを公表していますけれども、その見通しを見てみますと、今のところは来年度の半ばというのを国際機関等の、あるいはほかの中央銀行もそうですけれども、それを標準的な見通しにしております。ただ、この標準的な見通しをそういうふうに発表しておりますけれども、同時に、そうした予測機関は、いずれもこれには下振れリスク、不確実性が非常に大きいと、ですから、余り一つ一つの数字についてはそれほど厳密に考えずに、むしろその不確実性が大きいというところを見てほしいというふうな、そういう情報発信をしております。  その点は日本銀行も全く同様でございまして、来年度の半ばまでは少なくとも現在の厳しい状況が続くということで、その後については、世界経済の見通しにも依存するけれども、そこについては不確実性が以前よりも高まってきているということでございます。    〔理事円より子君退席、委員長着席〕  自分一人の、例えばいろんな仮説も含めまして、見通しということは、これはもちろん申し上げられるわけですけれども、求められておりますことは日本銀行全体として現時点で整合的な見通しということなもので、多少明快さを欠く答えになって誠に申し訳ございませんけれども、下振れリスクについては非常に意識をしているというふうにお受け取りいただければと思っております。

富岡由紀夫民主党・新緑風会・国民新・日本

○富岡由紀夫君 ちょっと何言っているのかよく分からなかったんですけれども。  昨日の日経ネットの記事の中で、イギリスのフィナンシャル・タイムズに白川総裁がインタビューを受けて、その中で、二〇〇九年度の日本の経済の成長については、〇・六%成長するという発表だったのを、マイナス成長になるということで下方修正することをインタビューの中で答えられたというんですけれども、それは本当ですか。

白川方明日本銀行総裁

○参考人(白川方明君) ファイナンシャル・タイムズのインタビューは先週のたしか木曜日にありまして、昨日の月曜日に掲載されておるわけでございます。  英語でいきますと、アイ・シンクと言って、それで二〇〇九年度の見通しについては、メイ・ターン・ネガティブでマイナスになるかもしれないというふうに申し上げました。今ここで申し上げたとおり、下振れリスクについては強く意識しているということでございます。  そういう意味で、マイナスだと、日本銀行の見通しではマイナスに下方修正したという言い方はしておりませんけれども、アイという形を使って、アイ・シンクでメイを使ってそういうふうに表現をしておりまして、その言っている意味は先ほど来申し上げていることと基本的に変わっていないということでございます。

富岡由紀夫民主党・新緑風会・国民新・日本

○富岡由紀夫君 アイ・シンクということで、メイということでお話しだったんですけれども、ということは回復の時期もメイ、もしかすると来年の半ばをどんどん延びちゃうと、再来年になるかもしれないということを言ったわけでございますか。

白川方明日本銀行総裁

○参考人(白川方明君) リスク要因が高まっている、つまり経済の先行きについて正確にこのポイントで予測できるわけでありませんから、その平均値の周りにばらつきがあるわけであります。そのばらつくのをリスクという言葉で表現していますけれども、下の方に下がっていく可能性が高まっているということをリスクで表現しているということであります。  そういう意味で、マイナス成長ということは、そのリスクが、もちろん一〇〇%確実であるというわけではありませんけれども、その可能性が高まっているということを表現しております。

富岡由紀夫民主党・新緑風会・国民新・日本

○富岡由紀夫君 あと、そのインタビューの中で、また記事によると、中央銀行の役割について、インフレ率が低いからといって中銀が何もしないのでいいのかと。いったんバブルが崩壊するとコストは膨大になり、金融政策の効果も薄れると語ったということですけれども、これはどういう意図、趣旨というか、理解したらいいんでしょうか。

白川方明日本銀行総裁

○参考人(白川方明君) ファイナンシャル・タイムズのその記事は、実は前後がその記事は抜けていまして、全体の質疑応答はネットの方にはすべて出ておりますけれども、質問の趣旨はこういうことでございました。  日本の一九九〇年代以降の経験あるいは今回のアメリカのクレジットバブルの崩壊で、そうしたことを経て、改めてバブルの崩壊の前に物価の安定、非常に低インフレ、それから、その下で低い金利が長く続くという事態があったわけであります。そうした経験を踏まえて、改めて物価上昇率、低い物価上昇率についてどういうふうに考えるのかという、そういうふうな文脈での質問でございました。  その質問に対して答えましたことは、日本のバブルの経験もそうですし、それから、今回のアメリカのクレジットバブルもそうですけれども、経済が非常に好調であるというときに、つまり成長率が高い、それからインフレ率も低いというときに、そのときに物価上昇率が低いということだけでもって低い金利が長く続きますと、それはバブルを生む一つの原因になるということを申し上げました。  そういう意味で、これは物価上昇率だけを見ていれば金融政策が運営できるというわけじゃなくて、経済全体としてどのような不均衡が蓄積しているのかということも注意深く見ていく必要があるという、そういう文脈で申し上げました。

富岡由紀夫民主党・新緑風会・国民新・日本

○富岡由紀夫君 では、今の状況について触れているわけじゃないわけですね。分かりました。

白川方明日本銀行総裁

○参考人(白川方明君) 現在の状況についての話では全くございません。  そういう意味で、新聞実は拝見しまして、こういう文脈で書かれると私の本意ではないなというふうに思いました。

富岡由紀夫民主党・新緑風会・国民新・日本

○富岡由紀夫君 今日、弁明できて良かったですね、これね。  それと、これはこの委員会でも前から前総裁とも議論していたんですけれども、短観が発表されて、非常に厳しいと。第一次オイルショック以降に次ぐ大幅な、何というか、引き下がり幅だと。下げ幅が大きかったということで、いろいろ各紙で報道されているんですけれども、非常に厳しいという内容なんですけれども、私は、実態はもっともっと厳しいんじゃないかなというふうに思っているんですね。というのは、日銀のこの短観の調査対象というのが、前も議論しましたけれども、資本金が二千万円以上の企業だけなんですね。日本全体で二千万円未満の企業というのはどのぐらいあるか、日銀はどういうふうに考えていらっしゃるんですか、認識しているかどうか、お答えいただきたいと思います。

白川方明日本銀行総裁

○参考人(白川方明君) 短観の対象企業だけ見てみますと、今先生御指摘のとおりであります。ただ、短観でカバーされないような規模の企業の重要性ということ、これは十分認識しております。  我々自身が心掛けていますことは、いろんな形で情報を収集するということをやっております。一つは、これ本店もそうですし、それから支店もそうですけれども、個別企業を訪問して、これは必ずしも大企業ではもちろんございません。小さな企業に訪問して実際どういう状況であるかということを調べておりまして、その結果は本部にも周知をされておりますし、それから四半期ごとに対外公表もしております。それから、アンケート調査という面でいきますと、短観ではカバーされない先、特に国民公庫、旧国民公庫のアンケート調査というのはこれ定期的に出ておりますし、そうしたことも見ております。  いずれにせよ、中小企業の動向についてもこれは十分に注意して見ているというふうに思っております。

富岡由紀夫民主党・新緑風会・国民新・日本

○富岡由紀夫君 白川総裁、御存じだと思うんですけれども、念のため確認しますけれども、調査対象の企業と調査対象から漏れる企業の、日本企業の割合をどのぐらいだとお考えですか。

白川方明日本銀行総裁

○参考人(白川方明君) 企業数でいきますと、それはもう圧倒的に中小零細企業の方が多いというふうに思っています。今正確に幾らであるかという数字は入っておりませんけれども、認識として、数において非常に多いと。  今、短観の企業は今一万社なんですね。一万社に対して回答率が約九九%ということでございますけれども、約一万社の回答でございます。日本全体の企業の数はもちろんそれよりもはるかに多いということは認識しております。

富岡由紀夫民主党・新緑風会・国民新・日本

○富岡由紀夫君 一万社は別に少なくてもいいんですけれども、対象となる範囲がどこかということなんですね。  御存じなければよく改めて御確認いただきたいんですけれども、大体資本金二千万円以上の企業というのは二十二万社ぐらいだと、上下多少あるかもしれませんけれども、大体二十二万社ぐらいだと言われております。あと、いろんな財務省の今法人所得、税務署が把握している数だと、日本全体で、これもいろいろと統計によって違うんですけれども、大体二百八十万社ぐらいあるということです。  要は、日銀が調査対象としているところは二百八十万社のうちの大体二十二万社ぐらいしか対象としていないと。率で言うと一〇%未満ですよね、そのぐらいのところしか対象としていないと。その中で一万社ピックアップして、そこから回答を得ているということですから、だから、資本金の大きな一割のところだけを調査対象として、九割は全然対象にすら入っていないというところの中で判断するのはどうなのかなというふうに思っているわけです。  あと、日本の企業全体で見ると、利益上げているのは、今はもっと悪化しているかもしれませんけれども、大体三割ぐらいしかないと、大体七割の企業は赤字だといったような状況の中で、今の資本金が大きなところが黒字で小さいところが赤字だというふうに一概には決め付けるわけにはいきませんけれども、趨勢としてはそういう傾向があるんだと思うんですね。そういう形になってくると、そのもうかっているところだけを調査対象として、そうじゃないところは調査対象とされていないということは、そこだけ見ても非常に悪化して悪いということが今回出ているわけですから、それ以外のところを見るともっともっと深刻な問題だと、私はそう認識すべきだと思うんですけれども、その点について改めるように日銀にもいろいろ何回も言っているんですけれども、さっき言ったように、支店長会議で聞いているとか、さくらレポートで報告しているとか、そういうふうにおっしゃるんですけれども、その実態的な具体的な、どこまで本当に調査対象、母集団を広げて標本的に納得いけるような調査の仕方をしているのかと。ただヒアリングといったって、たまたま行ったところを聴いただけというのだったら全くそんな信憑性ないわけですから、ちゃんとデータとして信用できるような調査の仕方をしていただきたいと。  我々もこういう調査の仕方で調べたんであれば確かにそうですねというふうに納得できるような調査の仕方をしていただいて、日本経済の実態を正確に把握していただきたいというのを是非要望したいと思うんですけれども、いかがでしょうか。

白川方明日本銀行総裁

○参考人(白川方明君) 日本銀行自身が経済の状況、特に中小企業、零細企業の状況を十分認識した上で政策判断を行っているかということと、それからあと、日本銀行自身が中小企業、零細企業をカバーした統計を自ら作っていくかという問題、取りあえずその二つに分けてお答えさせていただきたいというふうに思います。  前者の方は、これはまだ不十分であるというふうにおしかりを受けるかもしれませんけれども、私どもは決して短観だけを見ているわけではないということは、これははっきり言えます。  私ども、こういう国会の場も含めて、それからまさに中小企業の方からも含めて、ずっと言われていますことは、短観がすべてではない、短観は日本経済全体のすべてではないということはずっと、これは若いころから言われておりまして、私自身も支店長を経験したときにそれは強く言われていまして、実感しております。  そういう意味で、多分短観というものを重視しているウエートについて、我々内部で付けているウエートに比べて、むしろ日本銀行の外で日本銀行を御覧になるときに、我々が付けているウエート以上にそのウエートを付けられているような印象が時々私あります。  そういう意味で、短観は重要な統計ではありますけれども、決して短観だけで見ているわけではないということを、これは強く申し上げさせていただきたいというふうに思います。  後者の、統計を自ら日本銀行で作ってはどうかということであります。  統計につきましては、日本銀行も含めて公的セクター全体として統計をどう作っていくのかということから、別途統計行政の問題としてあります。今、統計として、企業のアンケート調査という意味では日本銀行の短観以外の様々な統計がありまして、日本銀行がすべてやっていくということは、これは日本銀行自身のまた人的な資源制約との兼ね合いがあって、これは決してその可能性を排除しているわけではございませんけれども、実はそうした統計全般の話、資源制約等の面もあるということは是非御理解いただきたいというふうに思っています。

富岡由紀夫民主党・新緑風会・国民新・日本

○富岡由紀夫君 これは是非ずっと検討していただきたいなと思うんですけれども。  例えば、十一月十七日にGDPの発表を内閣府がしたときに、もうすぐ一週間後ぐらいには民間のいろんな経済の、何というんですか、調査機関みたいなところがすぐ九年度の経済見通し、八年度の経済見通し、修正を掛けて新たな、何というんですか、いろいろ発表しているわけですけれども、そういうのがあるのに、例えば日銀はいつまでたっても展望レポートのままだと、半年前のままだとか、いろいろそういうのを見ると非常に、何というんですか、タイムラグが大き過ぎてなかなか、せっかくまとめていただいているレポートにしろいろんな発表についても活用しづらいなというところがあると思うんですね。  その辺は是非、さっき言った会見でもっとはっきりとそういった見通しについては修正を加えるとか、はっきりとしたものを出していただいた方が、私は中央銀行の在り方としてその方がみんなに期待されるところが大きいのかなというふうに思いますので、是非お願いしたいと思います。  それと、先ほどの議論の中でCPを買い取るというお話があって、そこはやはり中央銀行の役割として資金供給がメーンだからリスクを取るのはいかがなものかというお話があったと思うんですけれども、ちょっとアメリカのことなんですけれども、アメリカのことを心配している場合かというと、まあ心配しないといけないと思うんですけれども、アメリカの中央銀行、FRBの総資産が、平時では大体七十兆円ぐらい、日本円にして七十兆円ぐらいだったものが、今回の金融危機でいろんな多分対策を打ったことによって今二百兆円ぐらいの総資産になっているというふうに昨日、日銀の方にお伺いしたんですが、この中身、膨らんだ中身はどういったものなのか、日銀はどういうふうに分析しているのか、分かればお伺いしたいというふうに思います。

白川方明日本銀行総裁

○参考人(白川方明君) FRBは、今先生御指摘のとおり、バランスシートの規模が大変に拡大しております。FRBは、去年の特に年末以降、様々な金融市場の安定化策、それから最近は個別の金融市場のまた安定化策という策を発表しております。  少し細かな話になりますけれども、増えていることの一つは、これは金融市場全体に長めの資金を供給する、そういうオペレーションを実行しております。これはアメリカ国内でもやっていますし、日本銀行も参加していますけれども、各国の中央銀行が参加する形でドル資金供給、これを大変な勢いで増やしました。それから、ベアー・スターンズであるとかあるいはAIG、こうした投資銀行あるいは保険会社の破綻あるいは経営の悪化ということに対応して資金を供給し、それらの機関が資産を処分していくときのファイナンスを行っていくということを行っております。これは金融市場全体というよりかは個別の金融機関対策ということになります。  それからもう一つの範疇は、例えばコマーシャルペーパーのマーケットがそうでありますけれども、そうしたものを、資産を買い入れるということを行っております。  これはどういう枠組みの中でなされているかといいますと、まず、アメリカの金融システムの状況は大変に厳しいものがあります。先ほど信用スプレッドの拡大ということを申し上げましたけれども、その信用スプレッドの差を日米比べてみますと、これはアメリカは大変に大きいと、それぐらい今厳しい状況にあります。  そういう中で、この十月以降、アメリカで法律が通りまして、金融機関に対して資本を注入するということが行われました。その資本注入が行われるということと平仄を取る形で、FRBがそういう例えばCPであるという資産を購入するということをやっております。  この買っている資産と、例えばCP、どういうものかと申し上げますと、これは基本的にトリプルA、最上格のコマーシャルペーパーであります。それから、FRB自身が十分な信用補完、つまりFRB自身が損失を受けないような形で十分信用補完を受けるということを行っておりまして、その上で買い入れるということを行っております。  そうしたいろんな施策が積み重なりまして、先生御指摘のように、FRBのバランスシートが大変な勢いで拡張しているということであります。

富岡由紀夫民主党・新緑風会・国民新・日本

○富岡由紀夫君 CPを買っていると、ただ格付の高いものだというお話だったんですけれども、先ほど総裁がおっしゃられたような中央銀行がリスクを取るべきでないという考え方と照らし合わせて、アメリカの今のFRBの状況はどうなんですか。

白川方明日本銀行総裁

○参考人(白川方明君) 私、先ほどリスクを取るべきではないというふうに申し上げたわけではございません。  中央銀行の基本的な役割は流動性の供給であります。流動性の供給ではありますけれども、それでは、この流動性の供給に全くそれではリスクがないのかというと、これはもちろんリスクはございます。相手先の金融機関が破綻すると、これはもちろん回収できない可能性もありますし、それから担保となる資産が目減りをしますと、これまた回収できなくなる可能性もございます。  基本線は、流動性の供給は中央銀行、それから損失あるいは資本というのはこれは政府であるというのが、これは別に日本銀行に限らず各国の中央銀行における基本的な役割であります。  ただ、先ほど来、山口副総裁からもお答えしましたとおり、経済、金融の情勢が非常に厳しいというときに、流動性リスクとそれから信用リスクの境界線と、これ必ずしもはっきりしません。そういう意味で、私、リスクを取るのを一切これは排除をしているということではもちろんございません。  現実に日本銀行は、二〇〇二年に金融機関の保有している株式を買い入れるということを実行しました。それから二〇〇三年は、これはABCPを買い切るということを行いました。いずれもこうした施策を発表したときには、これは中央銀行として異例の措置であり、随分と批判も受けましたけれども、しかし、これは物価の安定と金融システムの安定という日本銀行に課せられた使命を達成する上でこれは必要だと思って判断したわけであります。  今回のFRBの措置でございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、アメリカ政府におきまして金融機関に対して自己資本を大量に注入をするということを行っております。それから、例えばトリプルAという話がございましたけれども、FRBは同時に信用補完をつまり受けると、十分にFRBに損失が発生しないような措置をとっているということで、この点は実は余り、FRBが買ったということはよく新聞で報道されるんですけれども、十分な信用補完を取っているという部分は実は余り報道はされておりません。  申し上げたいことは、中央銀行として、それぞれの厳しい経済金融情勢の中で何が一番日本の経済に貢献できるのかということについてこれは真剣に考えて対応していきたいということで、すべて日本銀行の前からリスクをシャットアウトしちゃうというふうに考えているわけではこれは決してございません。

富岡由紀夫民主党・新緑風会・国民新・日本

○富岡由紀夫君 非常に丁寧にお答えいただいているんですけれども、もう少し短めにしていただければ用意した質問が全部できるので、よろしくお願いします。  日本の財政赤字についてちょっとお伺いしたいんですけれども、財政は関係ないというふうに言うかもしれませんけれども、赤字国債がどんどん増えれば金利上昇要因になりますから、これは非常に金融政策とも密接に、切っても切り離せない問題だと思うんですけれども。  今、来年度予算について、いろいろ新聞報道によりますと大幅な赤字国債の発行が予想されます、三十何兆円ということでされております。あと、それじゃなくても、本当は赤字国債を削減するためにありますいわゆる埋蔵金と言われている財投特別会計の積立金とか、そういったものを今回も、二次補正でも使うし来年度予算でも当てにしているということなんですけれども、これは非常に金利上昇要因として、財政赤字が拡大するということ若しくは財政赤字が減らないということは、そういった金利上昇要因、リスクにつながるんじゃないかと思うんですけれども、その点について日銀はどのように見ていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。簡潔にお願いしたいと思います。

白川方明日本銀行総裁

○参考人(白川方明君) 少し教科書的な答えで申し訳ございませんけれども、長期国債の金利がどういう水準で決まってくるのかということを考えますと、先行きの経済の、実質的な経済の成長率、それから物価上昇率、それからそうしたものに関する不確実性、この三つに分解されるというふうに思います。財政が拡張する、国債が大量に発行されるということによって成長率なりあるいはインフレ率がどういうふうに先行き変化していくのかということがまず重要だというふうに思います。  財政政策が長期金利の上昇につながっていくというルートは、これは基本的には将来インフレが起きてしまう、もう少し正確に言いますと、国債が大量に発行される下で、中央銀行の金融政策がそのことによってゆがめられて本来の物価安定という目標からそれていくと、その結果としてインフレが発生し長期金利が上がってくるというルートであるというふうに思います。  そういう意味で、財政政策の運営、それから金融政策の運営ということに対してどの程度信認が確保されるかということが非常に大事であるというふうに思っています。

富岡由紀夫民主党・新緑風会・国民新・日本

○富岡由紀夫君 ちょっとはっきりよく表明されなかったような感じなんですけれども、やはりそういう危険はあるということだと思うんですけれども。今の財政赤字の問題を触れましたけれども、こういう景気の状況というのは、さっき言った下振れ要因というか圧力が、非常にこれからどういうものが出てくるか分からないという混迷した状況なんですけれども、とはいっても、今言ったような財政赤字の問題は、これはやっぱり解消に向けたいろんな努力しないといけないと思うんですけれども。  その中で麻生総理は、消費税の引上げについて三年をめどに言及されておりますけれども、一般論でお答えいただきたいんですけれども、いわゆるこういうような経済状況の中で消費税を引き上げるというようなことは経済にどういう影響を与えるのか、さらにどういったことをリスクとして想定しなくちゃいけないのかということで我々は想定する必要があると思うんですけれども、その点について白川総裁のお考えをお伺いできればというふうに思っております。一般論で、一般的なこういう金融環境下の中で、こういう低成長の中で、しかも金融リスクを抱えた中でのそういった消費税引上げの、やった場合のいろんな注意すべき点についてお伺いしたいと思います。

白川方明日本銀行総裁

○参考人(白川方明君) 消費税ということについては、中央銀行の総裁という立場ではお答えをちょっと差し控えさせていただきたいと思います。  もう少し広く、財政政策の運営ということについての一般論という形に代えさせていただきたいというふうに思いますけれども、現在、今海外でも実は同じ問題が起きております。海外の中央銀行、例えば典型的なのは米国がそうでありますけれども、金利水準が相当に低下してきてこれ以上下げる余地が、もちろん全くないわけではありませんけれども、相当に下がってきているわけであります。それから、金融市場、金融システムが十分に機能していないということであります。そういうふうな状況の下では金融政策の効果がかなり限定されてくるというのが現在アメリカが直面している問題であります。そういう状況であるからこそ、財政政策の役割というものに注目が集まっているというふうに思います。  我が国においても、日本経済の持続的な成長を実現していく上で適切な財政政策というものの果たす役割は、これは小さくないというふうに思います。問題は、何が適切かということだと思いますけれども、我が国の場合、国債残高が累増している中で、中長期的な観点から財政再建に取り組んでいくということも重要な課題であります。  お尋ねの消費税の問題も含めまして、具体的な財政運営につきましては、今申し上げましたような点に留意しながら政府、国会において適切に判断されていく、そういう問題だというふうに思っています。

富岡由紀夫民主党・新緑風会・国民新・日本

○富岡由紀夫君 はっきりとはお答えいただけないとは思っていたんですけれども、次の問題、質問に行きたいと思います。  さっきちょっと日銀特融について最後の貸し手というお話で議論があったと思うんですけれども、それに関連してお伺いしたいと思いますが、日銀特融と預金保険法との関係についてちょっとお伺いしたいと思うんです。  これ、日銀さんのいろんな公表文書を見ますと、この最後の貸し手としての機能である日銀特融を実施するときは、この預金保険法の百二条に基づいた破綻金融機関への全債務が全額保護される措置がとられる場合にのみそういったものを発動する用意があるといったことを日銀さんの概況報告書の中で、業務概況書の中で発表されていらっしゃるんですけれども、そういう認識で変わりないんでしょうか。

山口廣秀日本銀行副総裁

○参考人(山口廣秀君) 先生がおっしゃっておられる特融といいますのは、金融システムの安定を確保するために無担保で流動性を供給するものと、そういうことであろうというふうに理解しております。  その上で、こうした日銀特融を実施するに当たってということでありますが、まず最初に起動いたしますのは、政府の方から、個別金融機関が資金不足に陥る、こういったような場合などにおきまして、信用秩序維持のために特に必要だという御判断が政府サイドにあった場合にそうした業務を日銀に要請されてくると、こういうことで行われる業務だというふうに認識しております。その上で、日銀としては先生が御指摘のとおり四原則というものを一応作りまして、それに基づいて、信用維持のために必要な業務かどうかを自ら判断して対応していくと、このようにしてきておるところでございます。  四原則でありますが、一応ここで確認させていただきますが、一つは、システミックリスクが顕現化するおそれがあること、もう一つは、日銀の資金供与が必要不可欠だと、それから三つ目は、関係者の責任の明確化が図られる必要があると、それから、日銀の財務の健全性を確保する必要がある、こんな四原則を置いて判断しているということでございます。

富岡由紀夫民主党・新緑風会・国民新・日本

○富岡由紀夫君 いや、それはもう書いてあるので分かっているんですけれども、ちょっと時間がないので、要はその最後のところに、預金保険法の、さっき言ったことの繰り返しになりますけれども、百二条に基づき破綻金融機関の全債務が全額保護される措置がとられた場合、それを除いてはこの特融が行うことはないというふうに書いてあるんですけれども、それはそういうことなんですか。要するに、百二条の例えば二項とか三項に該当するような金融機関に対してのみしか発動されないということでいいのか、そこだけちょっと、これこそイエスかノーかで。

山口廣秀日本銀行副総裁

○参考人(山口廣秀君) 先生の御指摘のとおりでありまして、金融機関及び、金融機関というのをどう定義するかというところはありますが、証券会社等も含めてそうした対応の可能性があるということでございます。

富岡由紀夫民主党・新緑風会・国民新・日本

○富岡由紀夫君 多分、預金保険法が今かなり整備されてきているので、この特融というのは本当に限られた場合にしか発動されないというふうに状況は変わってきているということで整理するとよろしいんですか。

山口廣秀日本銀行副総裁

○参考人(山口廣秀君) 先生の御指摘のとおりと理解しております。

富岡由紀夫民主党・新緑風会・国民新・日本

○富岡由紀夫君 あと最後、ちょっと時間が余りないんですけれども、新銀行東京についていろいろと今問題になって、この委員会でも議論になったんですけれども、この新銀行東京を、日銀と取引する審査をするときにこれは問題なしというふうに判断されたわけですけれども、最初から、前の銀行から変わったわけですね、資本が、東京都が出して変わったわけですけれども、そのときに、要するに支配株主が変わったときに、今までの日銀との例えば当座預金取引とか、それを継続するに当たって審査をしたというふうに伺っております。そのときに、この新しいビジネスモデルについて特段問題ないという判断をされた上で、この新しい、株主が変わった新銀行東京とも当座預金取引を日銀はしたというふうに説明を昨日受けたんですけれども、そのときに新銀行東京のビジネスモデルについて心配はなかったのか、本当に無担保無保証人みたいな融資が成り立って、今まで日本の様々な金融機関がやっていてできなかったことがいきなり新銀行東京になったらできるというような、絵にかいたもちのようなビジネスモデルを、日銀はその可能性も大丈夫だというふうに判断した上でこの当座預金取引を継続したというふうに考えていいのか、ちょっとその辺の経緯をお伺いしたいと思います。

山本謙三日本銀行理事

○参考人(山本謙三君) 新銀行東京は、二〇〇四年四月、東京都がBNPパリバ信託銀行を買収して発足したわけでございます。新銀行東京の法人格はBNPパリバ信託と同一でありましたため、BNPパリバ信託との当座預金取引、私ども既に当座預金取引を結んでおりましたので、それが新銀行東京に引き継がれるということになりました。新銀行東京は、その後一年間準備期間を経て開業いたしました。  この間、日本銀行としては、同行の経営体制や業務内容などがBNPパリバ信託銀行とは全く異なるものになるということを踏まえまして、モニタリングなどを通じて、同行と当座預金取引を継続し難い理由があるかどうか、事由があるかどうかということを確認したところでございます。具体的には、自己資本比率の水準等を踏まえると信用力に問題がないと認められること、あるいは、業務の内容、事務処理体制にも問題がないと認められるということから、当座預金取引を継続しない理由はないという判断をしたところでございます。  同行の開業後も、日本銀行は日々のモニタリングを通じて経営内容等の把握に努めまして、その後、二〇〇七年二月から三月にかけて考査を実施し、改善すべき事項を指摘、助言してきたところでございます。

富岡由紀夫民主党・新緑風会・国民新・日本

○富岡由紀夫君 時間が参りましたのでこれで終わりたいと思いますが、この問題は引き続き、また機会があれば次の委員会で質問させていただきたいと思います。  どうもありがとうございました。     ─────────────

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本

○委員長(峰崎直樹君) この際、委員の異動について御報告をいたします。  本日、相原久美子君が委員を辞任され、その補欠として森田高君が選任されました。     ─────────────

小泉昭男自由民主党

○小泉昭男君 白川総裁、山口副総裁、水野、山本両理事には、大変、年末御多忙の中御出席いただきまして感謝申し上げたいと思います。    〔委員長退席、理事円より子君着席〕  早速、現下の状況を踏まえまして、数点お伺いを申し上げたいと思います。  今回の世界的な金融危機につきましては、過去の世界恐慌や一九九〇年代、先ほどもお話出ていましたけれども、日本の金融危機と比べて特徴的なものが大分異なる部分もあるんじゃないかなと、こう思いますが、どのようなものがあるのか、これは白川総裁にお答えいただきたいと思いますし、また、先ほども回復までの期間、今回のこの危機に対しての見通しもお話をいただきました。先般の十二月の十一日に財金でお答えいただきました山口副総裁のお言葉の中にも、日本経済については来年度の半ば以降、回復に向けて動き出すだろうと。とは思っておりますが、かなりリスクが高いシナリオであるというふうに思っておるということでありますと、大分厳しい見通しをお述べになっておられました。この辺のところで総裁として、どのぐらい期間が掛かるものか、いま一度お伺いをしたいと思います。  それと、昨日、日銀の短観発表をされまして、先ほど総裁からも、短観がすべてではないと、こういうお話もありましたけれども、日本の経済の牽引役であります自動車産業を始め電気機器関連、軒並み大幅に悪化をしておりまして、非製造業においても二けた台のマイナスでございまして、このように実体経済、雇用環境の急激な悪化に対しまして、日銀としてどういうふうに見解をお持ちなのかも伺っておきたいと思います。また、急速な円高によりまして、実体経済への影響についても総裁の御見解を伺っておきたいと思います。  よろしくお願いいたします。

白川方明日本銀行総裁

○参考人(白川方明君) まず、一九二九年代以降のアメリカの経験との、あるいはその後のいろんな金融危機と今回の異同ということでありますけれども、先ほど別の委員にお答えしたこととできるだけ重複しないような形でお答えさせていただいた方がいいかなと思いますので。  共通していますことは、直前に大規模なバブルが発生をしていたということだと思います。アメリカの場合には一九二〇年代に大変な株式、それから不動産ブームが起きたわけでありますし、日本の場合もバブル期のあの不動産、株式ブームがございました。今回のアメリカのケースは、これはアメリカだけじゃなくて世界的にそうですけれども、証券化商品だけじゃなくて様々な金融商品、これが、クレジットが拡大してこのバブルが崩壊をしたという点でこれは共通しております。今回、例えば証券化商品あるいはデリバティブということが大きく議論されますけれども、確かに登場している商品は少し異なっている面はありますけれども、しかし本質的に起きたことは大規模な信用のバブルの拡大とその崩壊であったという点では私は非常に類似しているというふうに思っています。  違いの方ですけれども、一九二九年代、二九年以降と今回の違いは、前回の場合はアメリカの中央銀行が最後の貸し手としての役割を必ずしも適切に果たさなかったために金融システムが非常に動揺をしたということだと思います。マネーサプライ、預金が約三〇%減少するほどの、それだけの状況になりました。  今回はどうかといいますと、リーマンの破綻によって金融市場が不安定化したという点では似ている面はございますけれども、しかし銀行預金を始めとして金融システム全体の安定性を維持するというために、その後、特に十月に入ってから政府によって様々な措置が講じられてきました。その結果、金融市場はもちろん今緊張しているわけですけれども、一九二九年以降のような、ああいうふうな金融システムの大規模な混乱に陥ることは防ぎ得ているというふうに思います。  それから、二つ目の短観でございますけれども、日本銀行は、景気の現状につきまして世界経済の減速などを背景に停滞色が強まっているというふうにかねて判断しておりますけれども、今回の短観の調査結果もおおむねこうした認識を裏付ける厳しい内容であったというふうに受け止めております。  少し短観に即して詳しく申し上げますと、業況判断でございますけれども、自動車や電気機械のような非常に影響力の大きい業種において景況感が大幅に悪化し、先行きにつきましても更に悪化する見通しになっております。また、非製造業におきましても、個人消費関連を中心に全般的に業況感が悪化しています。結局、海外経済の減速によって輸出が減少していることに加えまして、企業収益や家計の雇用・所得環境が悪化する中で内需も弱まっているということを裏付けているというふうに思います。こうした中で、企業の雇用スタンスを見ますと製造業を中心に雇用過剰感が急速に高まっております。また、企業金融につきましても、中小企業に加えまして大企業でも資金繰りや金融機関の貸出態度が厳しいとする先が増えております。  日本銀行としましては、短観の結果やその他の様々な情報を踏まえまして、今週十八、十九日に開かれます金融政策決定会合において景気の現状と先行きの見通しにつきましてしっかり判断してまいりたいと思っています。  回復の時期がいつかということでございますけれども、半年に一回出しています展望レポート、十月に公表しました展望レポートでは、来年度の半ばまでは現在の厳しい状況が続くという見通しで、年度後半には回復に向かうというシナリオをメーンに立てておりました。先ほどのほかの委員に対する御質問と多少重複いたしますけれども、この見通しについては非常にリスク要因が高まっている、不確実性が高まっていると、我々としては下振れリスクを中心に見ているということでございます。正確にそれをいつかというふうにちょっと今申し上げることはあれですけれども、従来の見通しについてはこれは下方修正をする必要があるというふうに思っております。  それから、円高の影響でございますけれども、為替相場の変動は、申すまでもありませんけれども、輸出入や企業収益、それから企業、消費者の心理面やバランスシート、さらには交易条件や直接投資の採算等、様々なルートを通じまして経済、物価に大きな影響を及ぼします。特に、海外経済の減速が明確化している下で、足下の為替の円高は我が国の輸出を更に下押しする要因となります。ただ、一方で輸入物価の下落による実質所得の改善というルートもございまして、こちらの方は国内民間需要を下支えするプラスの効果も期待できます。  日本銀行としては、このような為替相場の変動の影響、もちろんこれだけを取り上げて議論するわけではありませんけれども、このことの影響も含めまして経済の推移をしっかり見ていきたいというふうに思っております。

小泉昭男自由民主党

○小泉昭男君 回復の時期というのはこれははっきり見通しが立たないというのは理解をできるんですが、先ほどもちょっと話が出ておりましたけれども、この今回の調査の内容については、これはこれ以上詳しく調査するというのはかなり厳しく無理があるんじゃないかなと私も理解をいたしますが、ただ、金融システムの安定化策はこれはもう絶対重要なことでございますので、これからも様々この分析を早急に進めていただくことが必要じゃないかなと、こういうふうに思います。  よく私たちの体に例えますと、問診からレントゲン、それからCTスキャン、そして内視鏡、様々やっても病巣が見付からないという、こういうことが現実にあるわけでありますから、経済は生き物でございますので、そういう部分では総裁の今お話しになられた部分は私は理解をいたしますが、継続しての御努力をお願いしておきたいと思います。    〔理事円より子君退席、委員長着席〕  今回の経済の下降速度は極めて速いと、これはもう日本国民のみならず世界各国も共通の認識にあると思いますが、中小企業は特に年末ぎりぎりでの運転資金の手当て、これがかなり厳しいということをもう様々伺っておりますが、中には、会社は黒字なのに倒産してしまうという、これが現実にかなり起きているということを聞いておりまして、実にこの十一月までの倒産件数、先ほども件数が出ていたかと思うんですが、一万四千件をもう上回っているということでございまして、これはかなり厳しい状況に進んでいるんじゃないかなと、こういうふうに思います。  これらの現実をどのようにお考えか、再度伺っておきたいと思います。  それと、金融機関に対して、先般までの委員会の中で、金融機能強化法案の審議の中でも、委員各位からも様々、貸し渋り問題、資金繰りの部分にも大分議論が深まっておりました。この中で、緊急保証制度の拡充、貸し渋り対策について、これはもう本当に共通の認識として対応策を講じていかなくちゃいけない、こんなことをつい先日まで議論をしたのを私も重要なことだと思っておりますが、日銀、十二月二日に金融政策決定会合を開かれたということでありまして、企業の資金繰り支援のために金融機関に対して新たな資金供給策を決定されたとのことでございますが、この中で、金融機関に対し三兆円程度の資金供給が見込めるとされたその趣旨、伺っておきたいと思います。  それと、今回の対象は、先ほども大企業の話出ていましたが、信用力が高い大企業が中心で、中小企業への恩恵は期待薄ではないかという、こういう報道もあったやに伺っております。この点についても見解を伺っておきたいと思います。  あわせて、金融機関の貸し渋り問題と年末の中小企業の資金繰り問題について総裁はどのようにお考えになっているか、この点についても伺っておきたいと思います。  以上でございます。

白川方明日本銀行総裁

○参考人(白川方明君) お答えいたします。  まず、倒産の件でございますけれども、今年に入りまして倒産の件数が増加をしているということは私どももはっきり認識しております。倒産件数、月々もちろん変動がございますけれども、十一月には、これは民間調査でございますけれども、千二百七十七件にまで達しました。これは前年同月を五・三%上回る水準でございます。  先ほど、黒字であるけれども倒産をするというお話がございましたけれども、倒産の原因、これはなかなか特定することは難しい面がございますけれども、民間の調査機関が倒産原因を分類してこれを発表しております。その内訳を見ますと、運転資金の欠乏を主因とする倒産というのは、これは八十一件で、全体でのシェアはこれは六%でございますけれども、しかし前年との比較でいいますと四割方上回っております。民間調査機関の分類でいきますと、いわゆる不況型ですね、つまり売上げが減ってくるという、こちらが一番シェアとしては高いわけですけれども、しかし運転資金が欠乏するということでの倒産も増加をしているということはそのとおりだというふうに認識しています。倒産の原因は、景気の停滞色の強まりを背景に、今申し上げた不況型の倒産あるいは連鎖型倒産、それもそれぞれ五・五%、二二・四%というふうに増加をしております。  我々としては、個々の倒産の全体の動き、これも経済の動きを見ていく上で、それから金融機関への影響を見ていく上で大変重要だということで、これは丹念に分析しておりますけれども、その原因、背景も含めてしっかりと見ていきたいというふうに思っています。  それから、二つ目の御質問でございます、日本銀行が先般決定しました新しいオペの件についてお答えします。  ちょっと長くなって恐縮でございますけれども、まず日本銀行がなぜこうした措置を導入したかということを御説明したいと思いますけれども、国際金融資本市場やあるいは米欧の金融システムの動揺が深刻化しました秋口以降、我が国の金融市場の安定を確保するために日本銀行として様々な措置をとってまいりました。先ほど冒頭の説明でも申し上げましたけれども、ドル供給オペあるいは補完当座預金制度の導入、それから国債現先オペ、CP現先オペ、こうした措置をとってまいりました。こうした対応の効果もありまして、我が国の金融市場は欧米と比較しますとこれは相対的に安定を確保しているというふうに言うことはできると思います。  しかし、我が国の金融環境を見てみますと、CP・社債市場での資金調達環境が悪化しているほか、資金繰りや金融機関の貸出態度が厳しいとする企業が増えるなど、全体として緩和度合いが急速に低下しています。  こうした情勢を踏まえまして、委員が御指摘になりました年末あるいは年度末に向けた企業金融の円滑化に資するという観点から、十二月二日に開催しました臨時の金融政策決定会合で、来年四月末までの時限措置としまして、民間企業債務の適格担保範囲の拡大と、それから民間債務を活用しました新たなオペレーションの実施という二つの措置を決定しました。  少し長くなって恐縮ですけれども、新たなオペレーションということでありますけれども、これは民間企業債務の担保価額の範囲内で、無担保コールレートの誘導目標と同水準の金利により金額に制限を設けずに年度末越え資金を供給するというものであります。ちょっと長ったらしくて恐縮ですけれども、これは要するにCP、社債あるいは貸付債権などの企業債務を担保としまして相対的に有利な金利、つまり現在コールの目標金利が〇・三%ですけれども、コールはこれはオーバーナイトの資金ですけれども、これを長めの資金であるにもかかわらずこのコールレートを適用する形で金融機関に資金を供給するということでございます。  したがいまして、このオペは、金融機関からいいますと資金調達のコストという面それから量という面、その両面からこれは有利なオペレーションでございますから、金融機関の融資活動やCP・社債市場での取引を後押しする効果を持つというふうに思っております。  この金額が今三兆円ということ、言及ございましたけれども、これは、現在受け入れています担保の額からしますと最低三兆円程度は見込めると、資金供給が見込めるということであります。  今回、日本銀行が担保の条件を緩和しましたので、金融機関が新たに担保を持ち込むということが可能になりまして、今、日本銀行には、信用判定と呼んでいますけれども、その判定依頼がたくさん来ております。そうしたものが加わりますと金額がもう少し潜在的には増え得るというふうに思っていますけれども、そうした措置を行いまして、先生の御質問の最後にございました年末、年度末の資金繰りに向けて日本銀行という立場から貢献をしたいというふうに思っています。  こうした手段を取っても、しかしこれは基本的に大企業向けではないか、中小企業には余りその恩典が均てんしないのではないかという御質問でございます。  今申し上げましたその新しいオペレーションは、これは金融機関に対して有利な条件で資金供給をし、最終的に企業金融に貢献をしていくということでありますけれども、こうした措置は金融機関の融資活動を全体として後押しするものでありますから、その影響は中小企業の金融の円滑化という形でもつながっていくというふうに期待しています。  それから、多少これ細かな話、技術的な話で恐縮ですけれども、例えば、コマーシャルペーパーということが先ほど来話に上がっておりますけれども、コマーシャルペーパーの中にABCP、アセットバックト・コマーシャルペーパー、ABCPというものがございます。これは資産を担保とするコマーシャルペーパーですけれども、この資産の中には例えば中小企業の保有する売掛債権というものも、これは担保資産になるもの、裏付け資産になるものでございます。したがって、現実にこういうABCPの持込みもございますけれども、こうしたABCPの持込みが増えれば、我々のオペを通じて中小企業にも波及していくというメカニズムもございます。  ただ、いずれにせよ、日本銀行のこうした措置だけで中小企業の資金繰りが円滑化するというふうに思っているわけではございませんけれども、中央銀行の持っている手段を最大限活用して、知恵を絞ってこれからも対応を考えていきたいというふうに思っています。

小泉昭男自由民主党

○小泉昭男君 大変大事な部分を御説明いただきまして、中央銀行として、日本銀行として発言されること、総裁として発言されることはマーケットにかなり大きな影響力を持っておりますので、今後とも不断の努力を続けていただきたい。なお精力的に、もしほかの手法があればそういうことも検討して、中小零細企業も活気が付くような方向にお導きをいただきたい、これをお願い申し上げまして、終わります。  ありがとうございました。

荒木清寛公明党

○荒木清寛君 それでは、白川総裁にお尋ねいたします。  まず、先ほど来議論されております日銀短観でございますけれども、十五日に発表されました短観では大企業製造業の業況判断指数が六年九か月ぶりの低水準となりまして、前回調査からの悪化幅も第一次石油ショック直後と並ぶ三十四年ぶりの悪化幅となっていると。現下の景気悪化を象徴する結果となっております。  そこで、もう繰り返しお話しいただいておりますから簡潔に答弁いただいて結構ですけれども、今回のこの短観の結果を日銀としてはどう分析しているのか。新聞の見出し等はもう景気後退、長期化懸念強まる等々のそういう見出しになっているわけでありますけれども、端的に言うとそういう内容だという分析なのか、お話しをいただきたいと思います。

白川方明日本銀行総裁

○参考人(白川方明君) 簡潔にお答えしますと、先生の御質問に対しては全くそのように思っているということでございます。毎月、決定会合で景気の下方修正を行っておりまして、今回の短観で出てくる景気の姿、企業が見る景気の姿というのは相当に厳しいものになるだろうというふうに私ども思っておりまして、私自身もそう思っておりました。そうした私どもの見通しをほぼ裏付ける、しかし大変に厳しい内容であったというふうに思います。  今先生御指摘の業況判断の数字ももちろんそうでございますし、それから設備投資、それから雇用の状況もそうであります。それから資金繰りもそうでありますけれども、どの指標を見ても非常に厳しいものがあるなというふうに思いました。  ちょっと細かな答えでございませんけど、大勢としてはそういうふうな感想を持っております。

荒木清寛公明党

○荒木清寛君 今回の短観は、短観というのはそもそも、三か月ごとに民間企業の景況感あるいは設備投資状況等を調査するもので、現下の経済の動向を比較的正確に反映をする統計とされております。先ほど来、調査対象はどうかという議論もあったわけでありますけれども、しかしそうした性格のものとして認識されているわけであります。  しかし、今回の、今回といいますか、の短観は九月の調査ということで、実際にはリーマン・ブラザーズ経営破綻の前の状況の回答といいますか、そういうものに基づく発表ではなかったのかとも考えられるわけであります。  これ、なかなか大変なことでございますけれども、現下、経済の動きも大変これはもう本当に急速な動きでありますので、もう少し日銀の中でのそういう分析や集計に掛ける時間等を短縮することで、より早くこうした調査の結果を公表していただく工夫というのはできないんでしょうか。

山口廣秀日本銀行副総裁

○参考人(山口廣秀君) お答えいたします。  今回の短観の結果でありますが、これは実は十一月から十二月にかけての調査結果を集計したものであります。まず最初にそれをお断りした上で、さはさりながらということでありますが、私ども、従来から一日でも早く公表したいということで、可能な努力は惜しまずにやってきたつもりでございます。  ただ、一方で、やはり統計の信頼性を確保するという観点も非常に重要でありまして、それは回収率についてある種の高さをやっぱり維持しておきたいという気持ちがあるわけでありますが、そのためにはやはり一定の期間が必要だという事情もございます。それからもう一つは、調査表を回収した後に何がしかのミスというのはやはりあるものでございます。したがって、そうした誤りについて私どもとしてもチェックする時間というのが掛かるということもございます。  こういったこともありますので、この辺りについては御理解いただきたいと思いますが、ただ一方で、私ども、胸を張るわけではありませんが、調査表を送付して統計を公表するまで大体一か月ぐらいで処理しておりまして、そういうことからすると、これだけの調査については結構スピーディーに対応しているというような自負をしているところでは取りあえずあります。  いずれにしても、これから更に改善の余地がないかどうかについては先生の御指摘もありますのでしっかり考えていきたいと、かように思っております。

荒木清寛公明党

○荒木清寛君 失礼しました。リーマン・ブラザーズ危機以前というのは、ですから前回の短観ということになりますね。  そこで、次に、先週開かれました日中韓三か国の首脳会談での声明の採択について一つお尋ねいたします。  この三首脳会談では、三か国の首脳会談では、国際金融及び経済に関する共同声明が採択をされました。その中で、日中両国が韓国に対しまして外貨を融通する通貨交換協定の規模拡大が行われることになりました。そして、この会合を受けまして、日本銀行と中国人民銀行、韓国銀行は今後定期的に会合を開くことで合意をした、このように報道をされております。  こういう地域レベルでの中央銀行会議というのは日銀としては初めてではないかと思いますけれども、こうした新たな会議を今後行っていくことの意義をどのように認識しているのか、お尋ねします。

白川方明日本銀行総裁

○参考人(白川方明君) 十二月の十日に、日本銀行、中国人民銀行及び韓国銀行は、これから三つの中央銀行の総裁会合を定期的に開催していくことで合意した旨を公表いたしました。第一回の会合は来年、中国人民銀行が開催する予定でございます、主催する予定でございます。  この意義あるいはその背景について若干申し上げたいと思います。  実はこれまでも、日本、中国、韓国の中央銀行総裁の間では、何年も前から非公式な形で三者間の意見交換の場を持っておりました。私自身も四月に総裁に就任して以来、何回かその非公式の三者の会合に出席をしておりました。これは人間だれしもそうですけれども、そういう形で顔を合わせまして議論しますと、やはりそれ以前と比べますと確実にやっぱり親しさが増していくということで、この会合の意義というのはお互いに大変にあるなというように思っておりました。そういう中で、自然発生的にこの会合をもう少し公式的なものにしていってはどうかというのが、その三つの中央銀行の総裁間でそういうアイデアが浮かんできまして、それで今回の発表に至ったというものであります。  この会合は、個々の、時々の金融経済情勢について話し合いますほか、中央銀行が行う様々な業務に関する共通の関心事項につきまして意見交換を行う予定でございます。中央銀行総裁が直接顔を合わせまして議論を行う場としては、BISの総裁会議とかあるいはアジア地区の、東アジアの中央銀行総裁の会議であるいわゆるEMEAPという、エミープとかエミアップと呼んでいますけれども、その総裁会議がございますけれども、いずれも総裁レベルでの率直な意見交換として機能をしております。  地域で二者間あるいは三者間ということでありますけれども、今回日中韓がスタートしたわけでありますけれども、実は二者間、三者間という意味では、必ずしもアジア地区というわけではございませんけれども、例えば日本銀行とそれからFRBと欧州中央銀行とか、バイの組合せ、あるいは三者間で様々な業務で実は行っております。これは金融政策だけではなくて、金融調節とか決済システムとか銀行監督とかいろんな面で、これは必ずしも総裁ではございません。理事以下とかあるいは局長以下という形で、様々な実はそういう場を持っております。今後ともそうしたものを充実していきたいなというふうに思っております。

荒木清寛公明党

○荒木清寛君 そこで、今回この日中韓三か国の各中央銀行は、金融不安時などに必要な資金を融通し合う枠を拡大することで合意をしました。すなわち、韓国ウォンとの交換による日本・韓国、中国・韓国の融通枠をそれぞれ三百億ドル規模に引き上げるという、こういう取決めのようでございます。  具体的には、日韓の融通枠でいいますと、このウォンと円の交換枠を従来の三十億ドルから二百億ドルに引き上げることで合計、円とドルで計三百億ドル相当のそうした融通枠にしたと。これは来年の四月までの暫定措置ということでございます。一方、中国・韓国の融通枠でいいますと、現行の四十億ドルのこの交換の枠を二百六十億ドル相当拡大をすることで三百億ドルの交換枠にしたと。これについては有効期限が三か年ということでございます。  このように今回、日韓、中韓の融通枠を三百億ドル、日本円でいいますと二兆七千億円にまで拡大をしたねらいはどこにあるのか。また、日韓と中韓で有効期限が異なっているのには何か意味があるのか、併せてお伺いいたします。

山口廣秀日本銀行副総裁

○参考人(山口廣秀君) お答えします。  先生御指摘のとおり、私どもは今月の十二日に韓国銀行との間でスワップ取極の引き出し限度額につきまして、従来三十億米ドルであったわけでありますが、これを二百億米ドルに増額するということを韓国銀行との間で合意したところであります。この結果として、実は財務省が結んでおりますドルとウォンのスワップ取極と併せて、日韓のスワップ取極の引き出し限度額というのは三百億ドル相当になったということでございます。  今回の措置でありますけれども、先生御承知のとおり、金融資本市場がかなり緊張した状態にある中で、これから先起こり得るであろういろんな事態に備えるというようなことを通じまして、地域の金融市場の安定を期していきたいと、こういう観点からこうした合意に至ったということであります。特に、金融市場の緊張感の一時的な高まりというのが年末から年度末を越える辺りについてあり得るかもしれないというような観点に立って、四月末までの時限措置ということで一応合意に至ったということでございます。  以上が私どもと韓国銀行との間で決めました中身とその考え方でありますが、一方で、中国人民銀行と韓国銀行との間のスワップの増額についてでありますが、これは、当局の当事者で私どもないのでコメントは差し控えさせていただきたいというふうに思います。

荒木清寛公明党

○荒木清寛君 最後に白川総裁にお尋ねをいたします。  日銀は、金融政策の自主性が尊重される一方で、透明性の確保、特に国民に対しての説明責任ということについても努力が求められるわけでございます。本年度の業務運営方針におきましても、その中の一つに対外説明活動に取り組むということが明記をされております。ウエブサイト等によりますと、来週には日銀本店で総裁御自身が、プロではないといいますか、一般市民を対象にしてそうした講演も行うというふうにも承知をしておりますけれども、こうしたことも含めて、日銀の金融政策についての透明性といいますか、国民向けの説明の充実についてどういう方針で臨んでいかれるのか、最後にお尋ねいたします。

白川方明日本銀行総裁

○参考人(白川方明君) 日本銀行は日銀法の定めによりまして金融政策の運営について独立性というものをいただいております。独立性をいただくということは、その裏返しとして、日本銀行がどのような経済情勢について判断を行い、どのような考え方で金融政策を運営するかということをこれをしっかり説明する責任がございます。先生御指摘の説明責任だというふうに思います。この点は日本銀行全体として、それから私も強く意識しております。そうした日本銀行による説明の努力が、これが最終的に日本銀行に対する信認を確保していく最も重要な基盤であるというふうに思っています。  こうした認識の下で、日本銀行では、本日のこの席もそうですけれども、国会における説明を始め講演や記者会見などの場を通じまして政策や業務について丁寧な説明を行うように努めております。  私自身、総裁になりまして、東京以外という意味ではまだ公式の出張としては大阪、名古屋、それから今月初の福岡ということで三か所でございますけれども、東京以外の場所に参りますときには、全体での講演会のほか、記者会見もそうですし、それからもう少し小さいのも含めて、できるだけいろんな場で説明をするということに心掛けております。  今先生御指摘の来週開催されます、これは市民講座ですけれども、にちぎんNIGHT、たまたま夕方にやりますので、にちぎんNIGHTというふうになっていますけれども、その市民講座みたいなものを、全体が一時間でございまして、第一回の講師が私というふうになっていますが、実は昨日も、市民講座ですから、できるだけ分かりやすくということで、どういうふうにすれば一番分かりやすくなるかなと思って、実は朝方、原稿に手を入れていたんですけれども、できるだけそういう努力を私自身も先頭を切ってやっていきたいというふうに思っていますし、それから政策委員会のメンバーもそうですし、それから支店における支店長もそうした役割を担っていくというふうに自覚をしております。  今後とも、日本銀行の政策とそれから業務をしっかり説明して御理解をいただく努力をしていきたいというふうに思っています。

荒木清寛公明党

○荒木清寛君 終わります。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 大門でございます。  白川総裁、お忙しい中、お疲れのところ、御苦労さまでございます。答弁はもう短くで結構でございますので、簡潔に質問していきたいと思いますが。  今日、先月この委員会で取り上げました金融機関の不動産投資、J—REIT問題ですね。七割暴落して大変なことになっておりますが、これはリスクを証券化して分散するという点では、私は日本のサブプライムローンと言ってもいいんじゃないかというふうに思って取り上げてきているわけですが、今日はその問題を日銀との関係で質問したいというふうに思います。  まず、金融庁に伺いますが、私が質問した後、J—REITの一斉調査を行われたということでございますけれども、まだ集約できていないかも分かりませんが、どういう影響を金融機関あるいはJ—REITそのもの、投資法人ですね、どんな状況になっているか、分かる範囲で結構ですが、教えてもらえますか。

三國谷勝範金融庁監督局長

○政府参考人(三國谷勝範君) お答えいたします。  金融庁におきましては、様々な機会を利用いたしまして、今般の経済金融環境の変化などが御指摘のJ—REITやその運用業者を含めまして金融に与える影響などを幅広く把握するよう努めているところでございます。  一般論として申し上げますと、J—REITにつきましては、一つは、投資口価格が下落傾向にある、二点目といたしましては、増資や債券発行などによる資金調達も厳しくなっているのではないか、三点目は、金融機関等の融資姿勢も慎重になっているのではないかといった点が指摘されてきているものと認識しているところでございます。  金融庁といたしましては、引き続きJ—REITをめぐる状況などをよく注視してまいりたいと考えているところでございます。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 白川総裁、伺いますが、この間、金融機関の不動産投資の在り方、特にJ—REIT、あるいはDCFですね、収益還元法、こういうことが様々な問題があるのではないかということで、参考人質疑でも私伺いましたら、皆さん、何といいますか、検討しなきゃいけない課題があると、問題点があるという御指摘がされました。  日銀も考査の中でこういう銀行の不動産投資、融資、点検して問題点指摘を既にされてきたところでございます。例えば、二〇〇六年度の考査の実施方針等の中に二〇〇五年度を振り返ってというのがありますが、ここにもきちんと指摘をされておられます。将来キャッシュフローの見積り、担保評価の設定について問題のあるケースが見られたということで指摘されていると思いますが、その後もこういう銀行のリスク管理の点で指摘をされておりますが、この機会に白川総裁に伺いたいんですけど、この数年の金融機関の不動産投資が今、局地的かも分かりませんが、建設バブルが崩壊するということで、金融機関にも多大な不良債権を生んでおります。そういうことを引き起こしたわけですが、特にそういう不動産投資の在り方と、特にJ—REITとか収益還元法について総裁のお考えがあれば、短くて結構ですので、教えてもらえればと思います。

白川方明日本銀行総裁

○参考人(白川方明君) できるだけ短くお答えしますけれども、不動産の問題を考えますときに、個々の金融機関のリスク管理の問題と並んで、あとそのマクロのやっぱり不動産市場の動きというのがどうしても関係してまいります。  不動産市場をめぐる動きをやや長い目で整理をしてみますと、バブルの崩壊の後、長年にわたりまして地価の下落が続きましたけれども、景気の回復を背景に二〇〇五年ごろから地価、大都市部の地価でございますけれども、これが前年比でプラスに転じました。この間、不動産金融という面でも、大都市を中心にマンションやオフィスビルなどで先生御指摘のREITやあるいは私募ファンドなどへの転売を前提としたプロジェクトが増加をいたしました。昨年秋以降は、サブプライムローン問題の影響を受けました外資系金融機関等が不動産金融市場から撤退をしました。また、この間、景気減速の影響から、マンションの在庫が積み上がったり、あるいはオフィスビルの入居率が低下するということが起きてまいりました。  こうした不動産金融面の変化やあるいは不動産需給の引き緩みを背景にしまして、いわゆる転売型のビジネスモデルを採用しました中堅不動産業者の倒産が増加したほか、地価等の不動産市況も再び下落に転ずというのがこれ全体的な動きでございます。  先生御指摘の金融機関の問題でございますけれども、バブル崩壊時の苦い経験を踏まえまして、金融機関サイドでは不動産関連融資のリスク管理の強化に努めてきております。DCF法、ディスカウント・キャッシュ・フロー法の採用もそうした取組の一環というふうに理解しております。  このDCF法は、これは不動産が生み出す将来のキャッシュフローを現時点での価値として評価する指標でありますから、それ自体は非常に大事な有用な指標であると思います。ただ、重要なことは、将来のキャッシュフローの見通しをどう立てるか、それから将来の価値を現在に引き戻すその割引率をどう設定するか、これが決定的に重要であるわけであります。  REITでございますけれども、不動産を投資対象に組み込んで小口化した商品として投資家に販売する仕組みでございますけれども、この投資対象となる不動産の評価はこのDCF法によって行われているというふうに理解しております。  今回の景気回復局面におきましては、大都市や地方都市などで需給見通しが甘めであった結果、その後の不動産業者の倒産により信用コストが増加しているという例があるのも事実でございます。また、一部の金融機関ではREITの保有に評価損を抱えている先も見られます。  こうしたことを通じて私が感じますことは、DCF法というその手法自体はこれは非常に大事で、むしろそうした観念がない投資というのは非常に危険だというふうに思います。何らかの意味でそのDCFということだと思います。どうしても経済、金融の状況がいいときになりますと評価が甘めになっていくということになりますので、やっぱりリスク管理をしっかりしていく必要があるというふうに思います。  リスク管理の重要性それ自体はもちろん一般論としてはみんな認識していると思いますけれども、これは日本のREITというか、もう少し広く不動産の金融を考えてみますと、実は、特にアメリカのサブプライムがそうですけれども、経済全体に影響を与えるマクロ的なショックが加わった場合は、実は分散の利益であるとか、そうしたこともうまくとらえられていないわけであります。つまりリスク評価が甘いわけであります。それから割引率にしましても、現在の金融環境がずっと続く、いつでも資金が調達できるという前提で考えますと、当然甘めの評価になってまいります。  そうしたことにつきまして、先生から言及がありました日本銀行の各種のレポート、これは割合早い段階からそういうリスク管理の重要性あるいは問題点の指摘は行っております。ただ、そうした面でまだまだ日本銀行として行うべきことがあったなというふうにも思っております。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 丁寧な御答弁、ありがとうございます。  この問題の本丸に伺いますが、国交省はこのJ—REITについてどういうふうに今の段階で評価されていますか、簡潔にお願いします。

内田要国土交通大臣官房審議官

○政府参考人(内田要君) J—REITでございますけれども、優良な賃貸不動産を取得、保有しましてその賃料等を投資家に配当する仕組みということで、優良な土地ストックの整備等につきまして一定の役割を果たしてきているところというように考えておるところでございます。  昨今、例えば東証REIT指数が昨年五月のピーク時から大きく下落したことは事実でございますが、サブプライムローン問題以降の世界的な金融の混乱、信用収縮の影響が大きいものというように考えているところでございます。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 その程度の認識だから、次に移って、もうずぶずぶのものを昨日出されたんだというふうに思います。  昨日、住宅・不動産市場活性化のための緊急対策というのを出されました。この中でJ—REIT救済策というのはどれになるか、簡単に説明してくれますか。

内田要国土交通大臣官房審議官

○政府参考人(内田要君) 先生御指摘のように、昨日、国土交通省は、十二月八日の総理からの指示を受けまして、住宅・不動産市場活性化のための緊急対策を取りまとめ、公表いたしたところでございます。その総理の御指示は二点ございまして、健全な事業を営む住宅・不動産事業者の資金支援、二番目といたしまして住宅需要の下支えのための住宅取得者の負担軽減ということを中心に取りまとめたところでございます。  このうち、御指摘の、まあJ—REITを特記しているわけではございませんが、日本政策金融公庫の危機対応円滑化業務を活用した健全な事業を営む住宅・不動産事業者等への資金支援策ということで、健全な事業を営む住宅・不動産事業者等に対する資金繰り支援を挙げているところでございます。その中にはJ—REITも含まれているというように考えております。  以上でございます。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 ちょっと何か飛ばされたのもあるんだけど、今言われた政策金融公庫の危機対応円滑化業務を活用して低利の融資をしてあげるというのにJ—REITも含むわけですね。あと、合併等のための環境整備というのは、要するに合併交付金とかをJ—REITにも使いやすくしてあげるということですね。三つ目は、これは後で日銀に伺いますが、投資法人債、J—REITが発行する社債みたいなものですけれども、それとか、銀行からJ—REITに証書貸付けした債権、これを日本銀行の適格担保化してほしいというふうなことが昨日出されたものに盛り込まれております。  最初の、危機対応円滑化業務を活用してJ—REITにも低利で融資をしてあげるということなんですけれども、これは財務省に聞いた方がいいかな。財務省が、政策金融公庫のこの円滑化業務ですね、それで十一日ですか、今月の十一日にこの円滑化業務の対象となる者ということで、国際的な金融秩序の混乱により云々ということとか、先ほど何度も言われた健全な事業を営むというふうなところが対象だということですが、これはちょっと財務省に聞きますけれども、このJ—REITの投資法人のやってきたということは、普通の中小の不動産会社は助けてあげなきゃいけないと私は思いますけれども、助けてあげないところもあると思いますが、このJ—REIT一般が健全な事業を営んできたとか国際的な金融秩序の混乱とは言えないんじゃないですか。これはそもそも今回の金融危機の前から下がり続けているんですよ、J—REITの指数。こんなやり方やってきて、収益還元法もいいかげんな将来期待値を盛り込んで割引率を変えてバブルを起こしてきたわけですね。どうしてこんなところが健全な事業を営んできたとか国際的な金融秩序の混乱によってそういうところに至ったというような判断になるんですか。

川北力財務大臣官房総括審議官

○政府参考人(川北力君) お答え申し上げます。  先生御指摘ございましたように、日本政策金融公庫法によります危機対応業務につきましては、主務大臣が対象や実施期間を定めまして、その内容を指定金融機関や政策金融公庫に通知することとされております。  先日の危機認定の際には、対象とすべき事案といたしまして、国際的な金融秩序の混乱に関する事案、対象となる者につきまして、国際的な金融秩序の混乱により、一時的に業況又は資金繰りの悪化を来している中小企業等で、中長期的には、その業況が回復し、かつ、発展することが見込まれるもの又はその資金繰りが改善し、経営が安定することが見込まれるものとする通知をしてございます。  私どものこの通知あるいは危機対応業務の中では業種、業態の区別なくこうした資金繰りに着目しました通知を出しておりますので、一義的にはこの通知を受けた指定金融機関が対象者に該当するかどうかを判断いたしまして融資判断を行うということでございます。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 時間ないんだから聞いたことに答えてくれないかな。J—REITがこういうものに該当するのかどうかと聞いているんですよ。何でそれを答えられないの。制度の説明なんか分かって聞いているんだよ。

川北力財務大臣官房総括審議官

○政府参考人(川北力君) 失礼いたしました。  繰り返しになりますが、危機対応制度は不動産とか住宅とかそうした特定の業種、業界を一律に限定する、あるいは排除をするという制度になってございませんので、先ほど申し上げましたような対象事案に該当するかどうかにつきまして指定金融機関が融資判断の中で対応するというものでございます。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 これからの対策ですから、実際にやられる前後にもう一度厳しく指摘したいと思いますが、日銀も、これは日銀に要請するというふうな対策で、日銀がという意味じゃないですが、日銀にも、先ほど言いました適格担保化ですね、それを求めると。このJ—REITの投資法人債あるいは銀行がJ—REITに貸している債権について日銀に対して適格担保化を求める。つまり、適格担保制度というのがありますよね。日銀が担保として受け取ってあげるというふうなことですね。で、資金供給ということですけれども。私は、これ慎重に日銀はやられた方がいいんじゃないかと。こんなものまでどんどん適格担保にしちゃうと、もう日銀はごみ箱じゃないんだから、こんなものをどんどん持ち込まれてやったらもうおかしくなってくると私は思っております。  この間、先ほど、中小企業対策を含めてトリプルBまで受け入れるということで、それはまあそれで意味があると思うんですが、J—REITの場合はよく吟味しなきゃいけないと私は思っております。昨日、具体的に要請したところはどこかというと不動産証券化協会ですね。これはこの委員会でも私言いましたけど、三菱地所とか三井不動産とか住友不動産とかいう日本最大のディベロッパーと、それに金融庁と国土交通省がお墨付きを与えた団体でございまして、もう大変な圧力団体だというふうに思いますし、この間の不動産バブルを引き起こした元凶だと私は思っていますから、相当な圧力で日銀に適格担保化してくれと来るとは思うんですけれども、これから来ると思うんですけれども、具体的には、非常に慎重に吟味して対応してほしいと思います。  これはもう時間がありませんので、総裁の姿勢をお聞きしたいと思います。

白川方明日本銀行総裁

○参考人(白川方明君) 日本銀行では、取引先金融機関、これは適格担保制度について申し上げたいと思いますけれども、取引先金融機関に対しまして貸付けなどの信用供与を行うに当たりまして、資産の健全性を確保する観点から担保を徴求しています。また、その担保は、信用度や市場性が十分であり、権利行使に支障がないものに限定するということを基本原則としております。日本銀行では、こうした基準を満たす資産として、具体的には国債や社債、企業に対する証書貸付債権等を適格担保として公表しているところであります。  先ほどの社団法人不動産証券化協会からですけれども、これは御要望はいただいております。  日本銀行としては、先ほど申し上げました原則の下で、資産の健全性を確保しつつ、金融調節の円滑な実施とそれを通じました金融市場の安定確保を図る観点から、本件を含め必要に応じて適格担保の範囲や要件について検討を行っていくということでありまして、そうした考え方で対応したいというふうに思っております。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 昨日出た国土交通省の緊急対策全部を否定するわけではございません、中小の不動産企業大変ですからね。そのどさくさに紛れ込ましてこのJ—REIT救済策をはめ込んでいると、このこそくさを私申し上げているんです。J—REITは、まず、今までのやり方、経営責任、在り方、全部きちっと問うべきです。その上で合併なり救済支援なりする必要があればまた別の判断をすべきで、こんなどさくさ紛れに昨日の夕方出して、その中でだれも分からないだろうと思ってやったのか分かりませんけど、私は絶対これ見逃しません。  もうそういう点ではこれから具体的になると思いますが、そういうところできちっとした日銀の対応も金融庁の対応も求めて、質問を終わりたいと思います。

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本

○委員長(峰崎直樹君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。     ─────────────

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本

○委員長(峰崎直樹君) 租税特別措置法の一部を改正する等の法律案を議題といたします。  発議者大塚耕平君から趣旨説明を聴取いたします。大塚耕平君。

大塚耕平民主党・新緑風会・国民新・日本

○大塚耕平君 私は、発議者を代表いたしまして、ただいま議題となりました租税特別措置法の一部を改正する等の法律案につきまして、提案の理由及びその概要を御説明申し上げます。  世界的な金融危機と景気後退、急速な円高などの影響により、日本経済はかつてない速さで悪化しております。とりわけ輸出関連企業の業績の大幅下方修正を受けて、年末にかけて中小企業の経営や資金繰りが悪化し、非正規労働者を中心に大量の雇い止めが行われるなど、雇用情勢が深刻化しております。  この間、麻生首相は、政局より政策、景気対策が最優先課題、ポイントはスピード、年末が心配などとして、解散・総選挙には踏み切らない一方で、十月三十日に景気対策を発表しました。しかしながら、その裏付けとなる第二次補正予算案を今国会には提出せず、来年の通常国会で対応する意向を表明しております。景気対策を最優先としながら肝心の補正予算案を提出しないのは、国民に対する重大な約束違反であり、背信行為と言っても過言ではありません。  道路特定財源制度の廃止、一般財源化も同様であります。福田前首相は、道路特定財源を生活者財源として、使い道を道路整備だけに限定するのではなく、地球温暖化対策や医療、少子化対策など、様々な政策に活用すると公約しました。ところが、この公約は麻生政権の下で道路を中心とした公共事業関連への転用に変貌し、一般財源化の理念が再び骨抜きになる公算が大きくなっています。これは第二次補正予算案の来年への先送りに続き、国民に対する明確な公約違反と言えます。  また、道路特定財源制度を廃止する以上、三十四年間道路の緊急整備を理由に増税してきた暫定税率を廃止しなければ、到底国民の理解は得られません。暫定税率の廃止は、世界的な金融危機と雇用不安の中で、圧迫される国民生活と企業活動への支援になると考えています。また、車に依存することの多い地方では、生活コストの削減を通じて、都市と地方の地域間格差を是正する効果が期待できます。  私たちは、先般、足下の急速な実体経済の悪化に対応するため、国民の切実な声に耳を傾け、緊急に講ずべき経済・景気対策を取りまとめたところであります。今回これを早急に実施するため、経済対策関連法案の一環として、本法律案を今国会に提出した次第であります。  以下、本法律案の概要につきまして御説明申し上げます。  第一に、平成二十一年三月三十一日限りで、揮発油税、地方道路税、自動車重量税、自動車取得税及び軽油引取税の暫定税率を廃止することとしております。  第二に、これに伴い、揮発油業者又は石油製品販売業者が、平成二十一年四月一日から、揮発油又は軽油の販売価格を引き下げることができるよう、政府及び都道府県に揮発油税等の暫定税率の廃止に伴う調整措置の実施を義務付けることとしております。  第三に、国は、揮発油税等の暫定税率の廃止により生ずる地方公共団体の財政への影響を考慮し、必要な財政金融上の措置等を講ずるものとしております。  以上が本法律案の提案理由及びその概要であります。  委員各位におかれましては、何とぞ、提案の趣旨を御理解いただきまして、御審議の上、速やかに御賛同賜りますようお願い申し上げます。

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本

○委員長(峰崎直樹君) 以上で本案の趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後三時二十七分散会

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