外交防衛委員会 第6号
- 発言数
- 269 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2008/11/11
会議録
○委員長(北澤俊美君) ただいまから外交防衛委員会を開会をいたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る六日、山本博司君が委員を辞任され、その補欠として山口那津男君が選任されました。 ─────────────
○委員長(北澤俊美君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。 テロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として人事院事務総局職員福祉局長川村卓雄君外七名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(北澤俊美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(北澤俊美君) テロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 本日は、参考人として、前防衛省航空幕僚長田母神俊雄君に御出席をいただいております。 この際、田母神参考人に一言申し上げます。 現在、本委員会ではいわゆる補給支援特措法改正案を審議しておりますが、今般、参考人の論文をめぐる問題を機に、我が国の文民統制に対する国民の懸念が高まり、その在り方が問われる事態となっております。 本日、参考人に出席を求めた趣旨は、国民の代表機関たる国会の場において、政府に対し、この問題をただす一環として招致したものであり、決して、本委員会は、参考人の個人的見解を表明する場ではありません。 参考人におかれては、この点を十分に理解し、質疑に対し簡潔に御答弁をいただきますようお願いをいたします。 さらに、本日の委員会の質疑に当たって、質疑者並びに答弁者に対し、委員長から一言お願いをいたします。 今回の前航空幕僚長の論文事案は、制服組のトップが自衛隊の最高指揮監督権を有する内閣総理大臣の方針に反したことを公表するという驚愕の事案であり、政府・防衛省において文民統制が機能していないあかしであります。このような中で国民が文民統制の最後のとりでとして期待するのは、国会であります。 昭和の時代に、文民統制が機能しなかった結果、三百数十万人の尊い人命が失われ、また、国家が存亡のふちに立たされたことは、忘れてはならない過去の過ちであります。 国家が存亡のふちに立った最初の一歩は、政府の方針に従わない軍人の出現と、その軍人を統制できなかった政府・議会の弱体化でありました。こうした歴史を振り返りつつ、現在の成熟した民主主義社会の下において、国民の負託を受けた国会が、その使命を自覚し、もって後世の歴史の検証に堪え得る質疑をお願いする次第であります。 それでは、質疑のある方は順次御発言を願います。
○浅尾慶一郎君 民主党・新緑風会の浅尾慶一郎です。 冒頭、二、三参考人に伺いたいと思いますので、事実関係ですので簡潔にお答えいただきたいと思いますが、いわゆるアパの論文につきまして、二百三十五件の応募のうち九十四件が自衛官だということが判明しておりますが、参考人は記者会見で、こういう論文があるということを紹介はしたことがあるが、勧めたこと、組織的に勧めたことはないと言っておりますが、自衛隊のどなたに紹介をしたのかお答えいただきたいと思います。
○参考人(田母神俊雄君) 私は、航空幕僚監部の教育課長にこういうものがあるというふうに紹介をいたしました。そして、私が指示をしたのではないかというふうに言われておりますが、私が指示をすれば、多分、九十八とか七十何ぼとかいう数ではなくて、もう一千を超えるような数が集まると思います。
○浅尾慶一郎君 次に、参考人はアパの代表であります元谷氏と様々個人的な関係もあるというふうに報道されておりますが、私が調べましたところ、参考人の公用車運行記録、都外、自衛隊の施設所在地以外というところで、本年の六月二日、アパグループ会長元谷氏の出版記念行事に行かれておりますが、このとき参考人は代休を取っておられますが、公用車を使って行かれたということで間違いありませんか。
○参考人(田母神俊雄君) 公用車を使って行っております。休暇については、取っていなかったのではないかというふうに思います。
○浅尾慶一郎君 今朝、防衛省からは代休を取っておられるという説明があったものですから、ちょっとその点を明らかにしたいと思いますが、防衛省、分かりますか。
○国務大臣(浜田靖一君) 当日、代休を取り参加したという記録があると承知しています。
○浅尾慶一郎君 代休を取ったときに公用車を使うのがいいのかどうかと、これは非常に不適切ではないかなということだけは指摘をさせていただきたいと思います。 次に、アパとの関係で、出版記念パーティーで、あるいはその他のときに車代等の授受はございますか。
○参考人(田母神俊雄君) 車代等をいただいたことはございません。
○浅尾慶一郎君 すなわち、一切資金提供その他便宜を受けて、提供を受けているということはないということでよろしいですね。
○参考人(田母神俊雄君) 資金提供等は一切受けておりません。
○浅尾慶一郎君 次に、防衛省に伺いますが、防衛大臣は、今回の田母神参考人の論文が自衛隊法第四十六条の懲戒処分の規定にある隊員たるにふさわしくない行為について、それの疑義があると、しかし定年との関係で疑義があるので、審理の時間がないので審理はしなかったというふうに答えておられますが、そういう理解でよろしいですね。
○国務大臣(浜田靖一君) 私、今回の事案につきましては、基本的に政府見解と異なる答弁を、というか論文を公表したということが極めて我々とすれば問題でありますし、また御自分の職種というものに対して、そこの自覚という部分に対して、その立場にありながらそういった論文を公表したということが問題だというふうに認識をしておるところであります。
○浅尾慶一郎君 私の質問は、まず政府見解と異なるものを発表したので人事上の措置として空幕長の職を解いたと、その次に、まあ過去にも国会の委員会の中で懲戒処分はしないのかという質問に対して、時間がないというお答えであったので、懲戒処分に当たる自衛隊法第四十六条に規定する隊員たるにふさわしくない行為があったと、あった可能性については否定しないという理解でよろしいですかということなので、簡潔にお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(浜田靖一君) 今回の、今委員の御指摘の点につきましては、我々とすれば、今回、時間がないというようなお話をさせていただきましたけれども、今回の手続等々を考えれば、我々とすれば、この田母神幕僚長に対していろいろな形でお働きかけをさせていただいて、辞任を説得いたしましたけれども、御自分が、そういった意味では、この処分に対していろいろな審問等に、審理に対してお答えをしていくということでお話をされましたので、そういった意味で今回手続に当たって時間が掛かるというお話をさせていただいたわけですので、そういう意味では、我々とすればその点も含めてしっかりと判断をさせていただいたということであります。
○浅尾慶一郎君 だから、長く答えていただく必要はないんです。その疑いがあったけれども、時間が、審理の時間が取れなかったので定年退職という措置をとったということで間違いないかどうか、間違いがないかどうかだけお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(浜田靖一君) 結果的にそういう判断をしたということであります。
○浅尾慶一郎君 私は、まず、審理に時間が掛かるということであっても、その述べられていることの中身を争っても、そんなにこれは集中的にやれば時間が掛かるものではないと思いますので、その判断は間違っているというふうに思います、もしその懲戒ということでやっていこうというのであればですね。 ちなみに、自衛隊法のこれは施行規則というものがありまして、自衛隊法施行規則の第七十二条、「勤務の停止等」、これ読み上げます。「任命権者は、規律違反の疑がある隊員をみだりに退職させてはならない。」。ですから、これは任命権者が多分総理だと思いますが、防衛大臣はそれを補佐する役割ということになると思いますが、みだりに退職させてしまったということで、自衛隊法施行規則に反するんじゃないんですか。
○国務大臣(浜田靖一君) 人事監督権は私にございますので、総理というよりも私の人事監督権ということだと思っておりますし、その中において今回の、むやみにということではなく、私とすれば、今回の田母神幕僚長の取った立場、そしてまたそのお考えというものが私ども政府とは見解が違うということを考えたときには、当然我々とすれば、今こういう形で懲戒処分というものができないということであるならば、当然……(発言する者あり)しない、それを私どもとすれば、しっかりと長くこのままとどまっていただくということが、今後自衛隊員に対してのいろいろな士気への影響というものも考えて、そういう部分で勘案をしたと思っておりますので、決してそれに該当するものではないというふうに思っております。
○浅尾慶一郎君 簡潔にお答えいただきたいんですが、自衛隊法施行規則の第七十二条の二項、「任命権者は、規律違反の疑がある隊員をみだりに退職させてはならない。」、みだりに退職させてはならない。どういう場合は、じゃ、みだりに退職させて、今回みだりに退職させたのではないというのであれば、なぜみだりでないかということをお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(浜田靖一君) 基本的に、今回の場合はみだりということではなくて、その理由がしっかりあるからそういう形を取ったということであります。
○浅尾慶一郎君 手続において時間が掛かるからということですが、過去の平均日数というのは五十四日ということなので、十分来年の一月までであれば時間があったということだと思いますので、私は、その時間を取らなかったのはみだりに当たると、ですから任命権者として自衛隊法施行規則に反するということを申し上げておきたいと思います。 ちなみに、田母神参考人は「鵬友」という雑誌の昨年の五月号に今回の論文と同じ趣旨の意見を発表しておりますが、そのことは間違いございませんね。
○参考人(田母神俊雄君) 間違いございません。
○浅尾慶一郎君 その「鵬友」に寄稿されたときに、何らか内局等から注意はございましたか。
○参考人(田母神俊雄君) 注意はありません。
○浅尾慶一郎君 そうすると、昨年の五月の段階では全く問題がなかったことが今年になって問題になってきているというのは、マスコミが本件を大きく取り上げたから問題になったというふうに田母神参考人は思っておられますか。 別の聞き方をいたしますと、内局としては、昨年五月では同じことを認識していたんだけれども全く注意をしなかったと、しかし本年になって世間が騒いだから注意するようになったという認識を田母神参考人は持っておられるかどうか、お伺いいたします。
○参考人(田母神俊雄君) 騒がれたから話題になったというふうに思います。
○浅尾慶一郎君 では防衛大臣に伺いますが、なぜ昨年五月の段階では全く注意がなかったんですか、全く同じ内容で。
○国務大臣(浜田靖一君) その「鵬友」の中身、「鵬友」の雑誌の性格というものが部内誌であったということもございますし、そこまで、我々とすればそこまで目が及んでなかったというのは事実だと思っておるところであります。
○浅尾慶一郎君 「鵬友」が部内誌というのは、これは任意のサークルが作っているということを承っておりますし、国会図書館にも出されている資料でありますし、しかも大臣のところには百冊ぐらい内局に届けられていると。したがって、部内誌だからいいと、部内誌であれば政府の見解と異なることを発表してもいいということを今おっしゃっているんですか。
○国務大臣(浜田靖一君) 我々とすると、今回の件も含めてそうでありますけれども、自分の意見、考えというものを、決してこれを言ってはいけないということは、私どもは常日ごろから言っているわけではございません。当然、我々を補佐する意味で専門的な知識等々を私どもに言っていただくのは、決してこれはいけないとは言っておらないわけでありますので、そういった意味においては、それが監督不行き届きであると言われても、今の状況からいえば、その当時の同人雑誌というものに対しての寄稿というものを、我々とすれば逆に言えばチェックしていなかったというのは事実だと思います。
○浅尾慶一郎君 じゃ、なぜ、今回はチェックをしたから航空幕僚長の職を解いたんですか。
○国務大臣(浜田靖一君) 私とすれば、先ほど来、今回の皆様方のシビリアンコントロールという点の御指摘を得た際に、今回の航空幕僚長という立場で、その見解を我々に通知せずに、そしてまた、その立場においてこれを発表したということが極めて問題だということを私どもは思っておるわけでございまして、その意味では、私どもの判断としてお辞めをいただいたということであります。
○浅尾慶一郎君 確認いたしますが、政府見解と異なることを発表しても通知があればいいと、あるいは政府見解と異なることを申し上げても気付かなければいいということですか。
○国務大臣(浜田靖一君) そのようなことではございませんで、我々とすれば、当然これを手続上しっかりと、こういった形で応募をしました、内容はこうでありますということを報告いただければ、それに対して適切な指摘をさせていただいて、その認識について我々とすれば我々の考えをお伝えをし、当然そこでどのような判断をされるかを含めて、航空幕僚長の立場としての意見というものを我々とすればただしていかなければならない立場にあるわけでありますので、ですから、言わないからとか言ったからということではなくて、今回の航空幕僚長という立場において極めて不適切であるという判断をしたところであります。
○浅尾慶一郎君 私の質問は、「鵬友」という雑誌に同じ内容のことを載せられたということを御本人が認めておられるわけです。そのときには一切注意もなかったと。その「鵬友」という雑誌は、航空自衛隊の方を中心に自衛隊の中がよく読んでおられる雑誌だというふうに理解しております。ということは、自衛隊の中の方は、その考え方が政府見解と異なってもそれがいい、そういう考え方が正しいものだというふうに思う可能性もあるわけですね。仮に政府見解と異なるということであれば、「鵬友」に載せた段階でチェックをし、そして指摘をするべきだったんではないかと思いますが、その点について政府側に誤りがあったかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(浜田靖一君) 確かに、委員のおっしゃるとおり、そのときにはチェックができていなかったというのは事実だと思います。 そして、それを、今おっしゃったように、それが多くの隊員に影響を及ぼしたのではないかということに関して、可能性についてはこれは否定をしませんが、我々とすればその点もまだそういったことをチェックしていないわけでありますので、要するにその影響が出たとか出ないとかということについてはですね。ですから、それはまだ今ここで私がお答えすることはできません。
○浅尾慶一郎君 私の質問は、チェックをしなかったことについての責任はどうなんですかということです。
○国務大臣(浜田靖一君) ですから今、「鵬友」に関しての記事を今委員がおっしゃったようにチェックをしていなかったのは事実でありますので、それは問題であったと思います。
○浅尾慶一郎君 その責任というのはどなたが取ることになるんですか。
○国務大臣(浜田靖一君) いえ、これは先ほど来申し上げているように、そういった場合には上司の判断を得るということになっておりますので、今、田母神幕僚長のそのときの地位の、あのときは、「鵬友」のときは自衛隊学校でしたか幹部学校でしたか、そこの上司がチェックする責任があったと思います。
○浅尾慶一郎君 そのときは航空幕僚長でありましたので、昨年の五月の段階は。したがって、官房長がその責任があるという理解でよろしいですか。
○国務大臣(浜田靖一君) そういうことになると思います。
○浅尾慶一郎君 そうすると、官房長に対して何らか見逃したということで処分を下されるんですか。
○国務大臣(浜田靖一君) これは先日処分をさせていただきました。これは今回の処分でありましたが、そのときの処分に関しては我々とすれば考えておりませんで、今回の件に関しての処分をさせていただきました。
○浅尾慶一郎君 私、これ非常に大きな問題だと思っていまして、つまり中の雑誌であれ、これはいろんな人が読まれることであって、そこに書いていることは、そのときは全く問題がないと、まあ多分問題視もされなかったんだと思うんですが、それが今度外に発表した段階で問題になっていること自体が実は非常に大きな問題だろうと思っています。 ちなみに、田母神参考人は今年の五月に東大の五月祭で講演をされています。私、その講演の原稿も読みましたが、かなり今回のアパの論文とは異なっておりますが、この講演については当時の石破大臣が原稿をチェックしたと、そしていろいろと筆を入れたというふうに聞いておりますが、そういう理解でよろしいですか。
○参考人(田母神俊雄君) 原稿は書いておりませんので原稿のチェックは受けておりませんが、石破防衛大臣からは十分注意して発言してくださいという指導は受けました。
○浅尾慶一郎君 石破防衛大臣からそういう注意を受けたときには、かなり内容が異なることを東大の五月祭では、内容が異なるというか、御自身の意見としてではなくて、世間でこういうことが言われている的な発言をされていると。今回のアパのときにはかなり御自身の意見として言っておられるんですが、東大のときとアパのときと中身を変えられたのは何か理由がございますか。
○参考人(田母神俊雄君) それは私の直接の上司であります大臣の指示でありますから、これには従わなければいけないということで、私は今回のアパの論文に比べれば軟らかい表現にしたというふうに思います。 ただ、私は、このいわゆる村山談話なるもので批判されておりますが、村山談話の見解と私の論文とは別物だというふうに思っております。全く、村山談話は別に具体的にどこのどの場面が侵略だとかそういうことは全く言っておりませんので、私は、村山談話の見解と違ったものを書いたとは思っておりません。我々も憲法十九条、二十一条、二十三条の自由は……
○委員長(北澤俊美君) 参考人に申し上げます。 冒頭の委員長の趣旨を体して御発言をいただきたいと思います。
○参考人(田母神俊雄君) はい。
○浅尾慶一郎君 防衛大臣に伺います。 石破大臣から注意をされたときにはかなりその大臣の注意であったので、それを受けて、それに従って発言をしたと、東大の講演のときはですね。今回については、口頭ではあったけれども、中江官房長に対してアパの論文に応募するということを田母神参考人も言っておられるというふうに聞いておりますし、そのほか九十四人の航空自衛隊の隊員が応募したのは、これはすべて中身をそれぞれのところにおいてチェックをしたというふうに、特に小松基地の論文についてチェックをしたというふうに聞いておりますが、そのチェックした結果、田母神参考人と同趣旨のものが相当数あったんではないかと思いますが、どういうチェックをされたか伺いたいと思います。
○国務大臣(浜田靖一君) 今調査をしているところでございまして、今回チェックした中身に関しては、今委員がおっしゃったように、ことで、田母神元幕僚長と同じ趣旨のものはなかったというふうに聞いておるところであります。 ただ、基本的にこれは聴き取りの形しか取れませんで、今のところまだ調査段階ということでございます。
○浅尾慶一郎君 私の質問は、もう出す前に事前に読んでおられるというお答えだったんですが、そういうまず事前に論文を、田母神参考人ではなくて、九十四人のうちの小松基地に所属しておられる方の部分については事前に読んでおられるということですから、まず事実関係について、事前に読んでいるという理解でよろしいですかということです。
○国務大臣(浜田靖一君) 今調査している中では、項目立て、そして本人に対して確認というところまでで、全部読んでいるというわけではないと思います、うちの方の調査では。
○浅尾慶一郎君 今朝の話では少し提出があったということだったんですが、そういうことではなくて、要するに、小松基地においては提出期限を延ばして取りまとめて全部まとめて出したということであるので、その段階で読んでいるという御発言だったんですけれども、そうではないんですか。
○国務大臣(浜田靖一君) 今、私への報告では、全部読んだというふうには聞いておりません。
○浅尾慶一郎君 ある基地において論文を取りまとめて、まとめて出すというのはかなり異例だと思いますが、加えて、先ほどお話がありました教育課長が懸賞論文を、あるよということを通知するファクスを全部隊に送っていると。その教育課長に伝えたのは田母神参考人だということでありますが、こうした企業が、メセナ活動とはいえ、主催する論文に航空の幕の教育課長がそれを通知するというのは、まず一般的に行われていることなのか、そして自衛隊の隊員として隊員たるにふさわしい行為なのかどうか、大臣の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(浜田靖一君) 今回のような形は初めてでございます。 そして、ただ、こういった懸賞というものに、論文の提出というものに対して応募することというのは決して我々は禁止しているわけでもございません。ただ、今回のように極めてそういう意味では異例の、異例というか、そういった状況の中で応募するというのは今後考えなければならないかなというふうに思っておるところであります。
○浅尾慶一郎君 論文に応募すること自体、私は問題があると言っているわけではありませんが、特定の企業が主催している懸賞論文を勧めるというのはやはり異例だということは認められるわけですね。
○国務大臣(浜田靖一君) 今回の案件に関しましては、委員のおっしゃるとおりだと思います。
○浅尾慶一郎君 教育課長の行為というのは、自衛隊法第四十六条の隊員たるにふさわしくない行為ではないんですか、あるんですか。
○国務大臣(浜田靖一君) 今御指摘を受けた点において、また我々とすれば検討しなければならないかもしれませんので、お時間をいただきたいと思います。
○浅尾慶一郎君 田母神参考人に伺いますが、参考人は論文の中で集団自衛権や武器の使用について見解を述べておられます。これは現行の政府解釈とは異なることをおっしゃっておられますが、その政府解釈を変えた方がいい、あるいは憲法を改正した方がいいという気持ちを持って、そういう世論を喚起しようと思って論文を書かれたという理解でよろしいですね。
○参考人(田母神俊雄君) その時点では、ただ紹介されておる、現行、一般に話されているようなことをまとめて書いて、日本の状況はこうなっていますと言っただけであります。
○浅尾慶一郎君 要するに、集団的自衛権の行使を認めるべきだという趣旨で書かれたのではないということですか。
○参考人(田母神俊雄君) 特にそこまでは訴えておりません。
○浅尾慶一郎君 私が読んだ限りにおいては、そういうものがなくてなかなか大変だというふうなことを書かれているような気がいたしますが、そうすると、少し書いたときと気持ちが変わったということですか。
○参考人(田母神俊雄君) いや、今はもう改正すべきだと思っております。
○浅尾慶一郎君 憲法を改正するべきだというふうに思っているという理解でよろしいですね。
○参考人(田母神俊雄君) はい。国を守ることについて、これほど意見が割れるようなものは直した方がいいと思います。
○浅尾慶一郎君 自衛隊法の第六十一条の政治的行為の制限についての解釈でありますけれども、政治の方向に影響を与える意図というのは、例えば憲法を変えるということも含まれるのかもしれませんが、そこについてどのような、意見を言うのは構わないという理解なのか、それとも、そこの解釈はどういうふうに大臣されておられるか伺いたいと思います。
○国務大臣(浜田靖一君) 先ほども申し上げましたように、我々、当然これは私を補佐する立場でスタッフの皆さん方いらっしゃるわけですから、私に対していろいろな御自分の知識等を私に言っていただくのは構わないというふうに思いますが、しかしながら、我々政府見解として今ある見解に沿った形の中で当然私を補佐するということがあるわけでありますので、御自分の知見を私に言う場合には、当然今回の問題になっているような案件に関しては、この範囲内で私どもに、私自身にまた知識をいただく、専門知識を言っていただくということになろうかと思います。
○浅尾慶一郎君 したがって、自衛隊法の八十七条、政治的目的のために官職、職権その他公私の影響力を利用することに当たる可能性があるというふうに理解していいんですか、本件については。
○国務大臣(浜田靖一君) 今回の、憲法に関して見解を述べる行為というのは、隊員の思想、信条、表現の自由というか、そういうものを有するわけでありますので、憲法に関して見解を述べることは一概に禁止されているわけではございません。 政治的行為との関係においては、日本国憲法に定められた民主主義政治の根本原則を変更しようとする意思を持って特定の政策を主張し、またこれに対するものでない限り隊法六十一条で制限される政治的行為には該当しないと考えているところでございます。
○浅尾慶一郎君 本件については、先ほども申し上げましたけれども、過去に、過去にというか一年前に「鵬友」という雑誌に全く同じことを書いていると、そのときは全く問題になっていない。アパの懸賞論文では問題になっているということは、そもそもその防衛省の中の基準が非常にあいまいであるということは私は指摘をさせていただきたいと思います。 これ、田母神参考人個人ということではなくて、中の基準がはっきりしなければ、幾らいろんなことを言っても、意見を言えと、多分、田母神参考人は、石破大臣が退任されるときか何かに、どんどん意見を言えということで自分の意見を言ったんだということを言っておられると思いますが、その意見を言ったら、過去は良かったけれども今度は駄目だというダブルスタンダードが一番の問題だと思いますし、ダブルスタンダードを改めない限りシビリアンコントロールというのは利かないと思いますが、その点についてどういう反省で取り組むか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(浜田靖一君) 今委員御指摘のとおり、そういった基準というのはやはり明確であるべきだと思っておるわけでございますし、今後我々とすれば、その点をしっかりと直しながら、こういったダブルスタンダードのないようにしていきたいというふうに思っておるところでございます。 まさに、我々とすれば、その点しっかりとした基準をつくりながら、またいろいろと御指摘をいただきながらそういったものをつくり上げていきたいというふうに思っておるところであります。
○浅尾慶一郎君 田母神参考人は、今の議論で、過去は問題になっていない、「鵬友」の記事については問題になっていないけれども今回問題になったことについて、そして空幕長を更迭されたことについて簡潔に、なぜそうなったのか御自身の感想を伺いたいと思います。
○参考人(田母神俊雄君) 私は、言われております村山談話と異なる見解を表明したということで更迭をされたということでありますけれども、これについては、シビリアンコントロールの観点から私は見解の相違はないと思っておりますが、大臣が見解の相違があると判断をされて、不適切だと判断をして私を解任をするというのは政治的に当然だろうというふうに思います。 私は、私の書いたものはいささかも間違っているとは思っていませんし、日本が正しい方向に行くためには必要なことだというふうに思っております。
○浅尾慶一郎君 いや、私の質問は、一年前は全く問題なかったと、で、今回問題になったことについて、どういう趣旨で今回は問題になって、一年前は問題にならなかったというふうに理解されているかという質問ですが。
○参考人(田母神俊雄君) 今回は、やっぱり多くの人の目に付いてマスコミ等で騒がれたからではないかというふうに思っております。
○犬塚直史君 今日は、田母神参考人に立法府にお越しをいただきました。多分、この質疑は全国の有権者も注意をして見ているでしょうし、田母神参考人が講演をされた東京大学の学生諸君も注意をしているでしょうし、何よりも二十四万の自衛官の皆さんも非常に注目をしている質疑だと思います。 今、自分の書いたことは間違っているとは思わないという発言がありました。私は、家族を思って、国を思って、そして世界の平和を願うという気持ちは、立法府も行政府も一つの変わりもないと思っております。しかし、今おっしゃったような侵略の定義、侵略の定義などということは、一国の憲法の問題を超えて、世界中の国がしっかりとした討議をしている真っ最中の非常に重要な立法府の議題だということをまず御認識いただきたいと思います。 外から見て、我々国会がどのような議論をしているかということについて、確かに歯がゆい気持ちをお持ちになることがあるかもしれない。しかし、立法府が徹底的な審議をして、意思決定を行って、これに、決まったことについては行政府がこれを粛々と実行していくという、この国家運営の基本をないがしろにするような今回の言動について、私は田母神参考人の個人的な思想、信条についてここで云々するつもりはありません。しかし、この件について余りにも政府の受け止め方が軽過ぎる。総理のぶら下がりの答弁を聞いても、非常に軽いことをおっしゃっておられる。 私は、今防衛大臣にもう一度確認しますが、この三権分立という、国会が徹底的に審議をして意思決定をするんだと、これについては行政府はきちっと粛々とやっていくんだというこの国家運営の、国家の原則に対する今回の田母神参考人の言動は重大な挑戦だとはお思いになりませんか。
○国務大臣(浜田靖一君) 私も、委員御指摘のとおり大変憤慨をしておるところでございます。 ですから、その方法論はいろいろな、辞めていただくための方法論はいろいろあったかもしれませんが、私とすれば、今委員が御指摘になったように、我々国会の重要性、そしてまた世界における今の情勢等々を考えればこういった発言というのはあるべきものではないというふうに思っておりますし、極めて不適切で極めて重大な発言であり、私とすればその責任の重さというのは感じていただかなければならない、私はそう思っております。ですから、航空幕僚長としての要するに職を解いた。 そしてまた、その後に、我々とすれば今一番早い形でお辞めになっていただくのが重要だと思ったので、その点で退職をしていただいたということでございます。それは、我々とすれば迅速な対応が必要だと思ったので、その方法を選ばせていただきました。
○犬塚直史君 防衛大臣は、その思いを共有していただいていると、今そういう答弁をされました。しかし、この一連の報道等々、一般の有権者あるいは自衛官に伝わってくる外から見た印象というものは、非常にあいまいなまま、まあまあまあまあとなだめていると、きちっとした対応をしていないと、そういうふうに見えるということはしっかり指摘しておきたいと思います。 まず、それでは伺いますが、防衛大臣、副大臣、政務官、給与の自主返納を決められましたけれども、これ、どうして自主返納を決められたか、その理由を伺います。
○国務大臣(浜田靖一君) 今般の給与の自主返納は、田母神前航空幕僚長の行為がその職責にふさわしくない不適切なものでありまして、防衛省・自衛隊の信頼を損ねたことを防衛省を預かる最高幹部として重く受け止めたということでございます。
○犬塚直史君 それであるならば、この張本人の田母神参考人に対してどうして懲戒手続に入らなかったのかなというのが、まあ一般的というか、もうごく常識的な感想なわけであります。 そこで、これは防衛省の事務方に伺いますが、田母神前幕僚長に対する懲戒手続には入ったんでしょうか、入っていないんでしょうか。
○政府参考人(渡部厚君) お答え申し上げます。 防衛省といたしましては、田母神前航空幕僚長を十月三十一日付けで航空幕僚監部付とし、さらに、十一月三日付けで勤務延長期限の繰上げによりまして退職させる人事措置を講じたものでございまして、懲戒処分の手続には入っておりません。
○犬塚直史君 懲戒手続には入っていないというお答えでした。 このときの、一番初めの十月三十一日の経緯を見させていただくと、副長がこの田母神参考人に対して二つのことを聞いているんですね。一つは、辞表を提出してくれないかと、要はごめんなさいと言って辞めてくれないかということですね。もう一つは、懲戒手続にもし入った場合、審理辞退の意思を、つまり審理を辞退してくれないかと、長く掛かるのはまずいから審理を辞退して、早急にこれを迅速に終わらせたいと。 この二点を田母神参考人に聞いたと聞いているんですけど、これ、このとおりでよろしいですか。
○参考人(田母神俊雄君) はい。そのとおりです。
○犬塚直史君 それに対する田母神参考人の答えは、辞表は出さない、辞めないと。そして、懲戒処分に入るのなら審理の辞退はしない。つまり、審理という意味は、この決められた、自衛隊法施行規則に決められたこの一連の流れの中の審理というところが場合によっては長く掛かることがある、数か月掛かることがある、これの辞退はしないと。また、そのときに規則違反の該当性について徹底的に議論をするという答えをした。これでよろしいですか。
○参考人(田母神俊雄君) はい。よろしいです。
○犬塚直史君 それでは、防衛大臣にもう一度伺いますが、どうして田母神参考人を懲戒手続の対象としなかったんですか。
○国務大臣(浜田靖一君) 今、田母神参考人からお話がありましたように、徹底的にこれを審理をするということでございますので、空将に私は降格をさせたわけでありますので、当然これは退職の日にちが一月の末までということになりますので、審理はあくまでも現職の自衛官、要するに現職であることが条件でありますので、その時点で定年ということがそこで確定をしてしまいますので、徹底抗戦ということであるならばこれは時間が掛かるということでございますので、その際に、それは、我々とすればそれを勘案して、早期退職と、退職として取り扱わせていただいたということであります。
○犬塚直史君 そうすると大臣、端的に言うと、時間が掛かるからまずいと、時間が掛かるからこれは早期退職扱いにしたと、今の答弁はそういうふうに聞こえるんですが、よろしいですか。
○国務大臣(浜田靖一君) そうではなくて、我々とすれば、時間が掛かるのではなくて、実質上、審理をしている間に同じように退職ということがそこに目の前に迫っているということがあるわけでありますので、それを審理をする中で、私の立場からすれば、当然私が判断をして退職をしていただいたということであります。
○犬塚直史君 防衛大臣、その判断が非常に私は軽い、非常に軽い判断だと思うんです。大臣、副大臣、政務官が減給をする。先ほど来言っているように、これは重大問題である。国権の最高機関である立法府に対する挑戦的な行為であるということは、これをほうっておいたらば国の形が崩れるぐらい大変なことだということは多分共有していただいていると思うんです。にもかかわらず、どうしてこれ懲戒処分にしないんですか。
○国務大臣(浜田靖一君) 私とすれば、常識的に言えば、航空幕僚長を解職、要するに解いた、更迭をしたという時点で、御本人とすれば極めて判断を大きくするところだと私は思っています。ですから、その時点で、懲戒処分するしないということよりも、その重さというものを御本人に自覚をしていただきたかった、そういう思いがあります。 ですから、今回、その中において、我々自衛隊という組織があるわけでありますので、その中においてこれを、政府見解と異なることをまた新たに主張をされて、その主張が表に出て、そしてまたそれが自衛隊員の士気につながる、落ちるということにつながることは私としては避けたかったということでございます。
○犬塚直史君 防衛大臣、今の発言は私は非常に問題だと思うんですよ。 この懲戒手続に入ったときに、審理のときに、国民の目の前で田母神参考人に堂々と自説を述べてもらって、その中で我々国会の審議がどういうことをやっているのかということをきちんとこちらでも言うことができる。もちろん我々は、私は三十四万人の有権者の厳粛な信託を受けてここに立っております。国会議員はみんなそうであります。そういうところで、我々が徹底的に審議していることに対して、行政府がこういうことを言うことについて、時間が掛かるからまずいだとか、あるいはいろんな自分の自説を述べられるとまずいというような、あたかも逃げているような印象を持ってしまうというのは当然だと思いますが、どう思いますか。
○国務大臣(浜田靖一君) そのように取られるとすれば、大変残念なことであります。私はそうは思っておりません。
○犬塚直史君 それでは、出だしにもう一度戻りますけれども、一番初めに辞表の提出を求められた。もしそれが駄目であれば懲戒手続に入るからということですね、懲戒手続に入るから、もし入ったときに審理辞退の意思を確認した、副長がですよ。要は、ごめんなさいと言って辞めるか、あるいは審理辞退をしてくださいと、懲戒をするから審理辞退をしてくださいねと、こう条件を出した。それに対して田母神参考人が乗ってこなかったから、今回の手続になったんじゃないですか。
○国務大臣(浜田靖一君) いやいや、そんなことはございません。私どもとすれば、当然その可能性というものも追求をさせていただきました。ただ、その手続をしなかったというだけでございます。
○犬塚直史君 それでは田母神参考人に伺いますが、副長が電話なり訪問なりをして田母神参考人のところに意思確認をしたと。辞職をするか、あるいは懲戒手続の審理辞退の意思表示をしてくれと言ってきた。これについてはどのようにお感じになりました。
○参考人(田母神俊雄君) まず先に、先生が私が立法府に対して挑戦をしているというふうにおっしゃいましたけれども、私は、いわゆる村山談話なるものを公然と批判したことは全くありませんし、論文の中でも全く触れておりません。したがって、それは妥当ではないというふうに思います。 それから、航空幕僚副長が私に言ってきたときに、私は、私が書いたものは、私は当然自衛官も言論の自由が認められているはずだから、その言論の自由を村山談話によって制約されるということではないのではないかというふうに思っておりましたので、岩崎副長に対しては、是非どこが私が悪かったのかを審理してもらった方が問題の所在がはっきりするというふうに申し上げました。
○犬塚直史君 私は、田母神参考人の、内容的なお話は別として、自分の書いたものをきっちりと審理してもらいたいという反応は当然だと思います。 この当然の反応に対して、それを受けて懲戒手続に入らなかったことの方が私ははるかに問題だと思うんですけど、大臣、どうですか。
○国務大臣(浜田靖一君) 私はそうは思っておりませんで、その懲戒手続の最後まで審理ができるというものは、その時点では私どもとすれば、時間が掛かって、その意味では途中でしり切れとんぼになる可能性があるということを、これを私どもとすれば判断したということでございまして、今委員のおっしゃるように、その判断がと言われても、私どもとすればそれが最善の判断だというふうに思っております。
○犬塚直史君 懲戒手続がしり切れとんぼになるというのはどういう意味かをちょっと御説明ください。
○国務大臣(浜田靖一君) 先ほどから申し上げておりますように、要するに定年が来る、まあ五十四日というのは平均日数でございますから、いろんな今お話がこちらの方にやじが来ましたけれども、基本的には一番、懲戒免職に至るまでの日数からすればこれは十か月ぐらい掛かっているわけでございます。そういったことも含め、また、先ほど田母神前空幕長がおっしゃっているように、御自分の意見を、しっかりと自分の意見を述べ、なおかつそこで自分の一つずついろいろな違反等についても審理をしていただくということを勘案すれば、我々とすれば決して短い期間では終わらないだろうということを思い、そして一月ということでございますので、我々とすれば、我々の判断として今回の決断をしたということであります。
○犬塚直史君 防衛大臣、自分の意見を述べることは何か都合が悪いことあるんですか。
○国務大臣(浜田靖一君) 私どもとすれば、いろいろな隊員等に対する影響等も勘案してと先ほども申し上げたとおりでございますので、そういった影響を、我々とすれば一番いい形で処分することが重要だということを考えて今回の判断をしたところでございます。
○犬塚直史君 私は、それが非常に国民に対して不信感を与えている対応だと思います。 どうして堂々と懲戒手続に入って、今おっしゃっているのは、これは総理も同じようなことを言っているんです。これぶら下がりの記事の内容ですので、これは確認をしなければいけませんが、麻生総理も、定年になるから、その段階で決着しないと具合が悪いという発言をされているんですね。こういう発言を聞くと、余りにも今回の話を軽くとらえている。 つまり、先ほど来田母神参考人がおっしゃっておりますけれども、我々が問題にしているのは、内容の問題というよりも、我々がここにいて立法府として意思決定に関することだけを我々はやっているわけですよ。外から見てどんなに歯がゆい思いを持ったとしても、立法府が決めることは立法府が決めないと国の形自体が崩れてしまうという危機感を持って今言っているわけです。そういうことに対して余りにも、防衛大臣、今の御答弁、時間がないとかいう話では余りにも軽過ぎる。 もう一度伺いますけど、これは麻生総理も同じような見解なんですか。
○国務大臣(浜田靖一君) 私とすれば、決して軽い判断とは思っておりませんので、その中では一番選び得る判断をしたということでございますので、決して軽い判断だとは思っておりません。
○犬塚直史君 もう一度伺いますが、時間が掛かることが先ほど都合が悪いとおっしゃいましたけど、どうしてそれは都合が悪いんですか。
○国務大臣(浜田靖一君) 今回の、それこそ今、私は、その言った内容が極めて政府見解と異なって、それが問題であるということをお話を申し上げました。これに関して、我々としては毅然とした態度を示す必要があった。ですから、そういった者に対しては一刻も早くお辞めをいただきたいという思いでそういった形を取ったわけであります。
○犬塚直史君 では、お辞めをいただく形としてどうして懲戒手続に入らなかったのかということを先ほど来聞いているんです。
○国務大臣(浜田靖一君) ですから、我々とすれば、それを長期化することによって今回途中で審理が終わってしまうということに対する、これを防止するためにも、我々とすれば辞めていただくというのが極めて重要だと思ったわけであります。
○犬塚直史君 先ほど来大臣に伺っているのは、長期化することがどうしてまずいんですかと聞いているんです。
○国務大臣(浜田靖一君) 長期化することによって、いや、私は別に長期化してもそれはいいのでありますけれども、しかし、それが一月で要するに定年退職が来るということが、これが一番の問題だと思います。
○犬塚直史君 長期化して一月に定年退職を迎えることがどうして問題なんですか。
○国務大臣(浜田靖一君) そこで審理が終わるということであります。
○犬塚直史君 けつが決まっていて、そこで一月で審理が終わってしまうから、だから懲戒手続に入らないというのは余りにも非合理な決断だと思いますけれども、どう思いますか。
○国務大臣(浜田靖一君) 私は、決してそうは思いません。
○犬塚直史君 もう一度、政府の見解を伺います。 これは懲戒手続に入るべき事案だったんですか、そうではなかったんですか。
○国務大臣(浜田靖一君) 入ろうと検討いたしましたが、それを最後まで審理、そして結論を得るまでに至らないという判断をしたということであります。
○犬塚直史君 それでは、最後の結論に至らなかった、しかしながら、なるべく事を荒立てないように退職という形に持っていったと、そのようにしか今の答弁では受け止められないんですけれども、何か確とした、懲戒手続には入らないという確とした理由は今の答弁では全く見えてこないんですよ。 そういうやり方で、そういうやり方でこのような事案を処理されようとするという、私は、政府のやり方が最も重大な影響を与えるのは二十四万の自衛官の皆さんだし、東京大学を始めとする学生の皆さんだし、こういうことがこれほど軽く受け止められるのか、立法府の議論というのはその程度のものなのかというふうに受け止められかねないんですよ。 こんな、こういうやり方で政府は本当によろしいんですか。懲戒しなくていいの。
○国務大臣(浜田靖一君) いや、事の重要性というものを考えて、逆に言えば、我々の判断に対して、今日この委員会において参考人として田母神さんをお呼びをして、そして我々の政府としての考え方を言っているわけですから、その意味では、委員会、国会の、今日極めて正常な形で今やっているというふうに私自身は思っているところであります。
○委員長(北澤俊美君) 速記を止めて。 〔速記中止〕
○委員長(北澤俊美君) 速記を起こして。
○犬塚直史君 なぜ懲戒の手続に入らなかったのかということについて、一つの大きな原因は六千万円と言われる退職金の問題かと思うんですが、そういうことも勘案をして、五十四日と言われておりますが、その期間内で終わる審理を、この五十四日であれば一月の退職のときの前には終わるはずなのに、どうしてそれを途中でやめてしまったのか、どうして懲戒手続に入らなかったのか、もう一度伺います。
○国務大臣(浜田靖一君) これは我々とすれば、なぜ入らなかったとか言われれば、我々とすれば、この懲戒手続に入った際に、航空幕僚長から空将に格下げをした、その際にこの定年の日数というのは、航空幕僚長においては定年の延長はできますけれども、空将の定年延長はできませんので、その意味では、一月の終わりにこの定年が来るということでありますので、その中で一番重要な、一番厳しい措置をするべきだというふうに考えて、我々とすれば、今回、懲戒の手続に入らずに早期退職を求めたということでございます。
○犬塚直史君 それでは田母神参考人に伺いますが、もし審理に入ったら御自分のこの政治的な意見をそこで述べるという気持ちがおありになったんですか。
○参考人(田母神俊雄君) はい。審理に入れば私は、まあ村山談話というのは政治声明だと思いますから、我々にも表現の自由やら言論の自由は許されているはずだからというところは主張させていただくつもりでおりました。
○犬塚直史君 先ほど来、村山談話のお話をされておりますけれども、この件は、村山談話あるいは一国の憲法解釈ということを超えた話であります。 それはなぜかというと、なぜかというと、これは侵略の定義、侵略の定義というのは、まさにこの安全保障にかかわる国会論議の中の中心的な課題であります。つまり、第一次世界大戦と第二次世界大戦で数千万人の犠牲が出たと、その上でようやく戦争を含む武力行使の違法化というのができたと。それについて唯一許されるのは自衛権の行使と七章下の集団安全保障であると、それ以外のものは侵略であると。しかし、侵略の定義というのはまだなされていない。この定義がなされるのは多分、二〇一〇年に行われる、世界百八十か国以上の政府代表が行って徹底的に議論をするローマ規程検討会議の中だと思うんです。 私が申し上げたいのは、こういうことは行政府のことじゃないんですよ。こういう話は立法府が徹底的に議論するべき話であって、こういうような内容を、田母神参考人が自説を述べられるのは私は悪いとは思いませんけれども、しかし例えば……(発言する者あり)それでよくないんだよ、ちっとも。例えば、このファクスの送信票を見ますと、懸賞論文の募集についてと。いいですか、この送信元が航空幕僚監部人事教育部教育課というところから、あて先が、航空総隊司令部、各方面隊司令部、航空支援集団司令部を始めとする各責任者に向けてこれが出ているわけですよね。内容を読みますと、何が書いてあるかというと、この懸賞論文募集について、標記について歴史に重点を置いた精神教育の趣旨に合致するものとして隷下部隊に紹介願いますということが上から来ているわけですね。 田母神参考人は、統合幕僚学校の校長先生として経歴をお持ちですね。純真な自衛隊員が入ってくる。もう雲の上のような存在の方ですね。そういう人たちが、これから日本のこの専守防衛、我々は誇りに思っておりますけれども、専守防衛の自衛隊のこの立派な原則に基づいて行動する自衛隊員に対して、政府見解と違うこういうことを上から出すということについて私は大きな危機感を感じますけれども、田母神参考人はそのような自覚はお持ちですか。
○参考人(田母神俊雄君) 統幕学校の学生は一等空佐ですので、とてももう純真とは言えません、四十過ぎていますので。 それから、私が、学校では、国の方針とかいろいろありますけれども、それはまた学校の中ではいろんなことを議論、学校の中だけですから、例えば専守防衛という決められた枠から我々がはみ出て行動をするとかいうことではないわけですね。だから、それを結局議論をして、自由に議論をしましょうということですね、学校では。それも議論ができないというと、日本って本当に民主主義の国家ですかと。何か決められると、もう絶対に意見が言えないと。政治将校が付いていて、どこかの国と同じくなっちゃうんじゃないですか。
○犬塚直史君 今、田母神参考人の御意見はよく分かりました。私は、この内容についてこの場で議論するつもりは全くありません。 今問題にしているのは、こういう田母神参考人の受け止め方ですね、議論をしてもいいだろう。しかも、大きな影響力を持つ言わば行政の長たる人物が、しかも教職にある人物が、政府方針とは違う、しかもあくまでも立法の範囲である話をこのような形で上から下に下ろしているということについて大きな危機感はお持ちにならないんですか。どうして懲罰の対象にしないんですか。
○国務大臣(浜田靖一君) そこは大変問題であるから辞めていただいたわけでありまして、その辞めさせ方については御異論が、御議論があるかもしれませんが、私としては、今回迅速な対応で辞めていただいたということでございます。
○犬塚直史君 最後に、もう一度伺います。 今日は、防衛大臣にこのことだけを私は聞こうと思っていたんです。どうして懲戒処分しないのかということなんです。 一番初めは懲戒処分しようと思っていたんですよ。本人がもしごめんなさいと言って謝って辞めなければ、自分で退職をしなければ懲戒手続に入るということを前提として御本人に初めは連絡をしているんですよ。にもかかわらず、本人が徹底的に論戦をすると言ったらやめてしまったんですよ。私は、これが不思議で不思議でしようがない。どうしてそういう弱腰になるんですか。立法府としてきちんとけじめをどうして示すことができなかったんですか。もう一回伺います。
○国務大臣(浜田靖一君) 先ほど来申し上げていますように、この審理の時間、先ほど申し上げたように、その退職の時期というものを考えて、私とすれば、辞めていただくには一番それが早いということがございましたんで、私とすればそれを取ったということでございまして、委員の御意見に関しては、私はそういう指摘もあるだろうなというふうには思いますが、しかし私の判断としてはそういう判断を取ったということでございます。
○犬塚直史君 これは防衛大臣だけではなくて、麻生大臣も類似のことを述べております。定年になるから、その段階で決着しないと具合が悪いというようなことを述べております。 私は、このような政府の取組は問責に値するということを申し上げて、私の質問を終わります。
○小池正勝君 自由民主党の小池正勝です。 今日は特措法案の審議でございますから、まずこの特措法案についての質問をさせていただこうと思います。 まず初めに、外務大臣にお伺いしますが、アメリカの大統領がオバマさんにお替わりになるわけでありますけれども、そこで、そのアメリカの対テロ戦略というものにどのような変化が起こるのだろうかというふうな観点から御質問をまずさせていただきたいと思っております。 そこで、まず初めに、十一月の七日の日に麻生総理と大統領になるオバマ氏が電話会談をされたという、そのように報じられておりますけれども、これはどんな内容だったんでしょうか。
○副大臣(橋本聖子君) 十一月の七日に麻生総理は、朝七時から十分間、オバマ次期大統領と電話会談を行いました。 そして、電話会談では、まず麻生総理からオバマ次期大統領に対しまして米国大統領選挙当選への祝意を伝えたところ、オバマ次期大統領から謝意の表明がありました。 次に、オバマ次期大統領より麻生総理との個人的信頼関係を築きたいという旨述べたのに対しまして、麻生総理より同感である旨述べまして、オバマ次期大統領より、日本に対しては強い親しみを感じており、福井県小浜市もよく承知しているというところのお話がございました。 また、麻生総理から、日米同盟の強化が日本外交の第一原則であり、金融不安、世界経済の問題、そしてアフガニスタン、あるいは気候変動、そして拉致問題を含む北朝鮮問題への対応を始め、国際社会が直面する諸課題について日米で緊密に連携していきたいという旨述べたのに対し、オバマ次期大統領から、そのような課題に共に取り組み、日米同盟を更に強化していきたいという発言がございました。 以上です。
○小池正勝君 オバマ新大統領になるということで、アメリカの対テロ戦略に変更があるのかないのか、そこが一番肝心なところになるわけですが、この対テロ戦略についてどのように日本の外務省はお考えになり、とりわけアフガン問題というものに対して新大統領はどのようにお考えになると分析しておられるのか。そして、この特措法の関係でありますOEF―MIOとの関係でどのような考えなのか、どんな分析をされているんでしょうか。
○国務大臣(中曽根弘文君) オバマ氏は米国の次の大統領になりましてもテロとの戦いを継続していくと、そういう米国の基本的な考え方、ないと、私どもは理解をしております。再三、選挙期間中にも、あるいは、選挙期間中ですね、大統領選の最中もオバマ氏は、このテロとの撲滅ということについていろいろな発言をされております。アルカーイダを始めとするテロリストを壊滅させると、そういうふうにも述べておりますし、また、アフガニスタンに米軍を増派をいたしまして、そしてアフガニスタン復興のための相当の支援を行うと、そういうような考えも表明をされております。 ちなみに、アフガニスタンの復興支援のためには年十億ドルを支援するとか、あるいは米国に脅威をもたらそうとするテロリストを排除するためには軍事力を行使することをちゅうちょしないとか、アフガニスタンのテロ対策については再三発言をしているところでございます。 我が国といたしましては、引き続き、米国を含む国際社会と協力をいたしまして行っておりますテロとの戦い、これの一翼を担って一日も早くアフガニスタンに平和が来るように、そういうふうに努力をしていきたいと、そういうふうに思っております。
○小池正勝君 今のお話は、とりわけアフガン問題への対応ということを考えたときに、オバマ新大統領は、現状あるいは現状よりもより強化すると、こういうふうにお考えだという御認識でしょうか。
○国務大臣(中曽根弘文君) オバマ氏は、イラクの方の兵隊を、主要部隊を撤退をさせて、そしてアフガンの方を増強すると、そういうふうに述べておりますので、そのような考えだと思います。
○小池正勝君 このテロ対策の重要性というのは分かりましたし、アメリカはよりアフガン問題というのを強化していくんだと、アフガンのテロ問題というのを強化していくんだということもよく分かりました。 そこで、もう一つ、北朝鮮への対応というのも一つお伺いしておきたいんですが、新オバマ大統領になると北朝鮮への対応はどのように変化し、拉致、核、これはどのようになると見込んでおられますか。
○国務大臣(中曽根弘文君) オバマ次期大統領は、北朝鮮の核計画の完全そして検証可能な廃棄、これを目標として直接的、積極的な外交が必要であると、こういうふうに述べておられます。また、拉致問題につきましては、拉致問題に関するすべての問題を解決しなければならないと、全面的な協力を北朝鮮に強く求めると、そういう立場をまた明らかにしているところでございます。 委員御承知かもしれませんが、オバマ次期大統領の地元でありますイリノイ州、そこの韓国系の牧師さんが拉致をされているというような話もございまして、オバマ氏も非常に拉致問題には関心といいますか、解決をしなければならないというお気持ちが強いと、そういうふうに伺っております。 重要なことは、我が国としては、拉致と核とミサイル、この三つを包括的に解決をするということでありまして、新しい政権の発足に向けまして、私どもとしましてはこの目標をよく米国側に説明をして、そして引き続いて日米で共同して、この北朝鮮問題の解決を図っていくということが大事だと思っております。 また、我が国の対米戦略、これにつきましては、オバマ候補は、候補といいますか次期大統領は、日米同盟の重要性につきましてはもう再三これも発言しておりまして、安倍元総理、福田元総理が総理時代に国連総会に出席いたしましたときも、当時のオバマ議員は、国連総会の議事録の中で日米同盟の重要性というものを述べておられるわけでありまして、今後もこの日米の関係というものはしっかりとしたものでいくと、そういうふうに思っておりまして、私どもも努力をしていきたいと、そういうふうに思っております。 特に、拉致の問題につきましては、我が国の国民の皆さん、我々も、これ最重要課題と考えておりますので、よくオバマ候補にもまた説明をして、共に解決に向けて努力していきたいと思っております。
○小池正勝君 ありがとうございました。
○国務大臣(中曽根弘文君) 委員長、済みません。
○委員長(北澤俊美君) 中曽根外務大臣。
○国務大臣(中曽根弘文君) 先ほど国連総会と申し上げましたのは米国議会の間違いでございます。訂正をさせていただきます。
○小池正勝君 外務大臣、ありがとうございました。 続きまして、田母神参考人にお尋ねをさせていただこうと思います。 今日は、わざわざ御足労ありがとうございました。 まず、田母神参考人にお尋ねいたしますが、日本を語るワインの会というのを御存じでしょうか。
○参考人(田母神俊雄君) 知っております。
○小池正勝君 この会が、平成十六年の九月十五日にこの日本を語るワインの会というのが開かれて、田母神参考人は御出席をされましたでしょうか。
○参考人(田母神俊雄君) はい。私は、都合三回ほど出席したことがございます。
○小池正勝君 その平成十六年九月十五日の日本を語るワインの会の出席者は、田母神参考人、鳩山由紀夫民主党幹事長御夫妻、今回の懸賞論文のアパグループ代表の元谷外志雄御夫妻、それにもう一人と、(発言する者あり)元谷外志雄御夫妻の計六名というふうに出席されていたんでしょうか。
○参考人(田母神俊雄君) はい。そのとおりであります。
○小池正勝君 ありがとうございました。 続きまして、防衛大臣にお尋ねをさせていただきます。 私は、文民統制と、それから再発防止という観点から御質問をさせていただこうと思うんであります。 我が国は、戦前の戦争に至る経緯、終戦に至る経緯ということからして、その反省の上に立って、自衛隊という実力組織は、厳格な意味で国民の意思に基づく、国民の意思に基づいて運用されるんだということが、恐らく国民全員の意思なんだろうと思うんですね。それがまさに文民統制ということの意味だと思いますし、自衛隊はこの文民統制に服さなければいけないということは国民みんなが思っている、それはそうなんだろうと思うんです。それがこの自衛隊を貫いていると思うんですが、まず防衛大臣にお伺いいたしますが、この文民統制というものについてどのようなお考えを持っておられますか。
○国務大臣(浜田靖一君) お答えいたします。 文民統制とは、軍事に対する政治の優先、軍事力に対する民主的な政治統制を意味するものであります。軍事力というのは、国民を守る力であると同時に、使い方を誤ると国民に対する脅威にもなり得る。このため、軍を政治の統制の下に活用するとともに、軍の政治介入を防ぐ文民統制を確保するための制度がつくられたと承知しているところでございます。 我が国における文民統制の制度について具体的に申し上げれば、まず第一に、国民を代表する国会が、自衛官の定数、主要組織などを法律、予算の形で議決し、自衛隊を民主的コントロールの下に置いておる。 二番目として、国の防衛に関する事務は内閣の行政権に完全に属しており、内閣総理大臣及び国務大臣は憲法上すべて文民でなければならないとされております。 三番目として、内閣総理大臣は自衛隊に対する最高の指揮監督権を有しており、内閣には国防に関する重要事項を審議する機関として安全保障会議が置かれております。 四番目として、防衛省では、文民たる防衛大臣が国の防衛に関する事務を分担管理し、主任の大臣として自衛隊を管理し、運営しておるわけであります。その際、副大臣と二人の政務官が政策と企画について防衛大臣を助けることとされております。 以上のように、我が国においては、国会、内閣、防衛大臣という様々なレベルで文民統制が制度的に担保されているというふうに考えているところであります。
○小池正勝君 この文民統制ということからして、田母神論文は問題があったという御認識なんでしょうか。
○国務大臣(浜田靖一君) そのとおりであります。
○小池正勝君 そこでお伺いしたいのですが、先ほども民主党の方から御質問がありました。懲戒手続を云々という御質問があったわけでございますが、その辺の御議論を私も少しさせていただこうと思うんであります。 大臣は十一月の六日のときも御発言されて、この点について御発言をされておりまして、懲戒手続ができるならしたかったんだという御趣旨の御答弁を十一月六日の日にされたと私は記憶しております。議事録を読み返させていただきますと、その御答弁を少し引用させてもらいますと、私、私というのは大臣ですが、私とすればその手続、その手続というのは退職金を切るという手続ですけれども、その手続が取れればそのようにしたかったわけでありますが、その懲戒免職の手続をしている間に定年が来てしまう云々と、こうおっしゃっておられるわけです。 すなわち、この懲戒手続をしたかったんだけれども、その懲戒の手続に入っていくと、自衛隊法の懲戒処分の手続というのは非常に時間が掛かるんだと、一般職の国家公務員と違って非常に時間が掛かるんだと。で、十か月というお話も出ておりますけれども、十か月も掛かってしまう、その間に定年が来てしまう、その間ずっと給料を払い続けにゃいかぬようになってしまう。そのことの方が国民の理解が逆に得られないんではないかということで、今回、懲戒という手続を取らずに空将への降格と申しますか左遷と申しますかをしたんだと、こういうことでよろしいでしょうか。
○国務大臣(浜田靖一君) はい。そのとおりでございます。 そしてまた、今回の、加えて申し上げるならば、自衛隊員の、とりわけ幹部たる者についての自らの立場を踏まえた節度ある行動を取ること、そしてまた、それに対して我々政治家がそうした隊員の行動に最終的に責任を負うといった信頼関係に基づくシビリアンコントロールがあるべき姿と考えておりまして、今回の田母神氏が空将という航空自衛官の身分を保有したままで政府見解とは異なる自らの意見を更に主張するようなことがあれば、自衛隊の内外に与える影響が大なものというふうに我々は思いまして、今回も、ですから、シビリアンコントロールの観点からも今回の退職という措置は適切だったというふうに思っておるところであります。
○小池正勝君 今のお話は、現行制度の上では最大の措置、最強の措置をされたと、こういう御趣旨の御答弁だと私は理解するんですが、そういう理解でよろしいんですか。
○国務大臣(浜田靖一君) 我々が取り得るべき最善の処置だったというふうに思っています。
○小池正勝君 そこで、大臣は、したかったけど時間が掛かってできない、したがって、現行制度の下では最善の措置だと、こうおっしゃられたわけですが、現行制度上どうして十か月も掛かるんだろうかと、その疑問なんです。恐らく国民の皆さんは、どうして十か月も掛かるんだろうかと。これ私もそう思いました。何でなんだろうかと。で、いろいろ調べさせてもらいました。 そうすると、自衛隊法というのは一般職の国家公務員にない非常に特殊な手続があるということが分かりました。今回のような案件であれば、事実認定というのは、論文は現にあるし、御本人がお書きになったということをお認めになっているわけですから、事実認定で争われるということはまずないわけですよね。そうすると、事実認定にはそんなに時間が掛からない。そうすると、もし仮に一般職の国家公務員ということであれば、懲戒手続はまさに懲戒権者が御判断されればできるわけです。もちろん、事後に不服申立てとかなんとかという手続はありますが。ところが自衛隊の場合は、先ほど来お話が出ている施行規則という中で審理手続というのを踏まなければ処分ができないとなっていて、これに大変時間が掛かると、こういうことなんですね。 そこでまず、人事院の方においでいただいていると思いますが、一般職の国家公務員ではこういう審理手続はありませんね。
○政府参考人(川村卓雄君) 一般職の国家公務員についてでございますけれども、懲戒処分の要否等の検討に当たりまして、任命権者におきまして事実関係を十分に把握することが当然に求められますが、御指摘の自衛隊員について定められておりますような事前の審理手続は定められておりません。
○小池正勝君 ということなんですね、我々は一般の公務員のイメージでおったわけですけれども。そうすると、事実認定は今回は特に問題があるわけではないわけですから、まさに懲戒権者が御判断されれば、事後的に争うことはあっても事前にの問題はない。したがって、十か月も掛かるということはまず考えられないわけです。ところが、自衛隊法にはそういう規定がある、審理手続があるということなんですね。 そこで、この審理手続というのを詳細に読ましてもらいますと、まさに懲戒権者が通知をして、そして弁護人まで付けてやるという手続になっていまして、確かに時間が掛かるというのもうなずけるわけですけれども、大臣は、懲戒したくてもできない、時間が掛かってできないと、こうおっしゃったわけですけれども、であれば、これ、恐らく自衛隊を考えるときに一番大事な問題は文民統制ということだと思うんですね。その文民統制という極めて大切なことが、この審理手続というものによって貫徹できない。恐らく懲戒処分というのは、文民統制のためには再教育とか極めていろんなことをやっていかなければならないと思うんですけれども、しかし、この文民統制の担保措置として懲戒処分があるというのは否定できないし、大臣もその趣旨の御答弁はされているわけですね。そのときに、したくてもできない、審理という手続があるからできない。これはどうお考えになりますか。
○国務大臣(浜田靖一君) できないと言っているわけではなくて、要するに、途中でその審理が定年によってできなくなるということを申し上げているんで、我々とすると、それをできないと言っておるのではなくて、そういったことを勘案したときに、我々とすれば、その手続をするよりも早期退職をしていただくということの方が、私とすれば、同じ退職ということに、選ぶことになってしまうということであるならば、早期に辞めていただくことが重要というふうに考えたところであります。
○小池正勝君 この審理という手続が時間が掛かるという御認識があって懲戒手続に入らなかったということではないんですか。
○国務大臣(浜田靖一君) 途中で審理が中断されて定年退職が執行されるということは、要するに、懲戒処分をするに当たっての審理というのは現職でなければならないということでありますので、となれば、その時点で現職の自衛官でなくなるということになれば、当然そこで退職が決定して審理がそこでストップをするということになるので、我々とすれば、それを断念したということであります。
○小池正勝君 ということは、要するに、懲戒手続に入っても結果として定年退職になるのなら早めに定年退職してしまう、こういうことなんですね。いずれにしても、審理という手続に時間が掛かるということの御認識があるからそういうことになるわけですよね。 であれば、まさに、この審理という手続自体一般職にはないわけですけれども、これが制度的な問題になっているというふうにはお考えになりませんか。
○国務大臣(浜田靖一君) 今逆の面で言いますと、行政改革関係の議論の中ではこの審理という手続というものに対しての認識が少々違っていまして、逆に言うと、我々の、自衛隊のやっていることの方にも議論が今行っているようなお話も聞いているところでございまして、それを、逆に言うと、一般職の方に合わせてそういった形にした方がいいというところは少々議論があるのかなというふうに思っておるところであります。
○小池正勝君 そういたしますと、いずれにしても、制度的な問題があって定年退職したいんだというお考えになったけれどもできなかったという理解でよろしいわけですね。
○国務大臣(浜田靖一君) 委員、済みません、もう一回質問していただけますか。
○小池正勝君 審理制度という制度があって、それが障害になって、結果として途中で手続が打ち切られてしまうわけですから、長く掛かって、したがって懲戒の手続に入らなかったと、こういう理解でよろしいんですね。
○国務大臣(浜田靖一君) 私どもとすれば、そういう判断、総合的に勘案してそういう判断を下したということでございます。
○小池正勝君 分かりました。 そこで、先ほども御議論があって、民主党の方の御質問の中に、この施行規則の七十二条二項を取り上げられて、七十二条の二項という中に、任命権者は規律違反の疑いがある隊員をみだりに退職させてはならないと、こういう規定が確かにあるんですね。これに違反しているではないかという御質問があって、その答弁がもう少しはっきりおっしゃっていただきたいと思ったんですが。 これは私の理解ですけれども、みだりに退職というのには定年退職は入らないという理解だと私は考えますし、しかも、七十二条の二項というのは、条文の位置、七十一条の後の七十二条でございますから、当然審理手続に入った後の規定であると、そのように理解してよろしいんでしょうか。
○国務大臣(浜田靖一君) 依願というのを排除したものは、そういうことになろうかと思います。
○小池正勝君 今の私の御質問は、定年退職というのは、このみだりに退職には入らないという考えでよろしいかということを申し上げているんです。
○国務大臣(浜田靖一君) そのとおりでございます。
○小池正勝君 ということは、今回の措置というのは、七十二条の二項に言う、任命権者は規律違反の疑いがある隊員をみだりに退職させてはならないという規定に全く違反しているものではないと、こういうことでよろしいんですね。
○国務大臣(浜田靖一君) はい。そのとおりでございます。
○小池正勝君 いずれにしても、先ほど来の御意見をずっと拝聴しておって、現行制度で最大限の田母神氏に対する措置をとった、そして文民統制ということを最大限に置いて今回措置をとったと。もう一度、大臣からその趣旨を答弁していただきたいと思います。
○国務大臣(浜田靖一君) 今そういういろんな御指摘ございました中で、我々とすると、取り得べきことをしっかりと考えてその決断をしたということでございまして、方法論についてはいろいろな御指摘があるかもしれませんけれども、今回の事案に関しては極めて不適切、そして不適当なものであったし、そういった御自分の立場というものも含めた中で、我々とするとそれには問題があるという判断を下したわけでありますので、その中で取り得る手段の最善の部分を最大の判断をして今回の処分を決めたということでございます。
○小池正勝君 田母神参考人にお伺いしますが、今の議論を聞いておられてどうですか、感想を一言お願いします。
○参考人(田母神俊雄君) 特に感想はありません。
○小池正勝君 いずれにいたしましても、文民統制というのは極めて大切だというのは、もうどなたも異論がないわけです。そこで、再発防止ということを総理もおっしゃられたし、当然二度と起こしてはならないということはみんな同じ理解だろうと思うのでありますが、この再発防止に向けてどんなことを防衛大臣はお考えになっておられますか。
○国務大臣(浜田靖一君) 先ほど浅尾委員からも御指摘があったとおり、我々とすると、その基準の明確化、そしてまたそれに対する周知徹底、そしてまた隊員個人個人の自覚というものを、しっかりとこれを指導していかなければならぬというふうに思っています。 まず、先ほどお話にあったような、御指摘のあったことを踏まえて今後検討してまいりたいというふうに思っておるところであります。
○小池正勝君 官房長官に突然の御質問で恐縮ですが、この再発防止ということについてどのようなお考えでしょうか。
○国務大臣(河村建夫君) まさに、このようなことを再び起きないようにするということは極めて大事だし、国民の皆さんもそういう心配を抱いておられるということであります。 今防衛大臣述べられましたように、まず省内において規律をきちっとするということが第一でありましょうし、シビリアンコントロールの重要性というのはどういうものなのかということを、防衛省には、やはり教育研修を持っているわけでありますから、そういうところでもう一度きちっとおさらいをするといいますか、勉強をすることは必要だというふうに思います。 防衛省の今お立てになったその方向を政府としてもきちっと検証しながら、また一方では、今防衛省改革、今進んでおるわけであります。そうしたものの中でその対応をきちっと考えていくことが重要であると、このように考えます。
○小池正勝君 今官房長官がおっしゃられたのは、防衛省改革というのを今やっているわけですけれども、これは官邸の方でおやりになっているわけですよね。当然、その中にも、このシビリアンコントロールというのを常に第一義に考えてやっていくと、こういうことでよろしいんですか。
○国務大臣(河村建夫君) シビリアンコントロールというのはもう大前提になっているということで、御指摘のとおりであります。
○小池正勝君 私も、自衛隊というのを考えるときに、このシビリアンコントロールというのは極めて大事だと、これはどなたも異論がないわけですから、このことを肝に銘じてこれからやっていくということを是非お願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。 今、小池委員の質問の中で防衛大臣がお答えになりまして、今回の論文については文民統制上問題があるという御判断を示されました。一方、先ほど参考人の答弁の中では、自衛官にも言論の自由はあるんだということが言われたわけですけれども。 要は、国民が一番知りたいのは、文民統制とこの言論の自由、特に自衛官の言論の自由の関係はどういう関係なのか、それをはっきりさせることによって再発防止をするということが求められていることだと私は考えております。 その内容に入ります前に、まず事実関係について幾つか参考人にお聞きしたいと思いますが、今回の件については、論文を対外的に発表する前には官房長の、事前に文書で届出をするということがルールになっていたはずですが、報道によりますと、文書ではなくて口頭のみの了解という、報告ということになっておりますけれども、それはルールからすればルール違反だと思うんですね。なぜそういうことをされたのか、またその理由についてお答えいただきたいと思います。
○参考人(田母神俊雄君) これについては、ルール違反と報道されておりますが、私はルール違反とは認識をしておりません。 通知、通達については、職務に関し部外に論文等を発表する場合ということになっておりますので、今回の私の論文につきましては、別に自衛官の職務をやっていなくても書ける内容でありますし、職務に伴って得た知識をもって書いているものではございません。私のただ歴史研究の成果として書いたもので、職務に関係していないので私は通知をしておりませんでした。
○浜田昌良君 今御答弁で、ルール違反ではないと、職務とは関係なかったからと御答弁ありましたが、今回の論文、投稿につきましては、田母神参考人以外でも航空自衛隊の方が九十四名も投稿されているわけでございます。この方々はすべて職務に関連するという前提で上司の了解を得られているわけですが、なぜその方たちは職務上に関連をして、参考人の場合は関係しないというお考えなんですか。
○参考人(田母神俊雄君) これは各部隊等ごとに指示が出ておりますので、市ケ谷においてはそういう指示が出ておりますけれども、それぞれ部隊は部隊でまたいろいろ指示が、部隊ごとに指示が出ているかというふうに思います。その部隊で決めたルールに従ってやっていると思います。
○浜田昌良君 でも、そのルールの運用といいますか、それは御自身が判断するだけじゃなくて、できたら、また、それを運用されている官房長に本来は確認すべきじゃなかったかと思うんですけれども。 もう一点質問しますが、先ほど民主党の浅尾議員の質問の中で、今回の論文と同内容について「鵬友」という雑誌に載せられたということがありました。この件については同じように官房長に文書で了解を得たんでしょうか。
○参考人(田母神俊雄君) これについては、同じように連絡しておりません。
○浜田昌良君 そういう意味では、御本人は職務に関係をしないという見解を述べておられますけれども、一般の国民から見れば、そのルールに、ちゃんとした手続を取っておられないというふうに映るわけでございます。 その次にお聞きしたい問題といたしまして、先ほど航空幕僚監部の教育課がこの論文、懸賞論文について全国の部隊に応募要領をファクスで送ったという話があります。これについて参考人は紹介をしたと。じゃ、その紹介はどういう意図でされたんですか。
○参考人(田母神俊雄君) 日本には今、日本の国が悪かったという論が多過ぎるというふうに思います。そして、今歴史を見直すということで、日本の国はいい国だったという見直しがあってもいいんではないかと、そういう論文を募集しているから、勉強になるからということで紹介をいたしました。 私も今回びっくりしていますのは、日本の国はいい国だったと言ったら解任をされたと。そしてまた、責任の追及も、いい国だと言ったような人間をなぜ任命したんだと言われると。すると……いいですか、しゃべっていいですか。
○委員長(北澤俊美君) 参考人、質問者がそこまでは求めていないようでありますから。
○参考人(田母神俊雄君) ちょっと変だなというのが私の感想です、日本の国が悪い国だと言う人を就けなさいということですから。
○浜田昌良君 個人の見解を述べられるんではなくて、質問に的確に答えていただきたいと思いますが。 今聞きましたのは、そうしますと、後輩の航空幕僚監部であったり、また航空自衛隊の方々が、やはりそれを、その紹介によって投稿をしてもらうということを意図されていたということですね。
○参考人(田母神俊雄君) はい。投稿することによって勉強になって、結果として自学研さんというか能力向上になるということで紹介をいたしました。
○浜田昌良君 先ほど民主党の浅尾委員からの質問で、東京大学でも講演をされたという話がございました。そのときには、防衛省、官房長官に文書で届け出されたんでしょうか。
○参考人(田母神俊雄君) はい。連絡していると思います。
○浜田昌良君 それがなぜ、東大のときには報告をされて、今回の論文投稿にはされない、どういう違いがあるんでしょうか。
○参考人(田母神俊雄君) これは東大で講演をする前に、制服自衛官が東大安田講堂で講演するのは初めてだということで、石破防衛大臣にも話をいたしました。そして、石破防衛大臣の方からもいろいろ諸注意があったこともあって、一応通知をしております。
○浜田昌良君 先ほどの御答弁では、今回の論文で記載した内容については職務上知り得たものじゃなくて個人の研さんという話もありましたが、東大でお話しされたことも今回の論文の内容と多分近いんだと思います。そういう意味では、若干参考人の答弁には矛盾があるのではないかと思いますが。 次の質問に移りたいと思いますけれども、今回のこの田母神論文が発表されて、国民がどのように受け止めたかという問題ですね。 これについては、航空自衛隊のトップが第二次大戦の日本の侵略を正当化するような表現があった。そうすると、今後新たに戦争に自己増殖的に突入するんじゃないかと、そういう不安感、シビリアンコントロールに対する国民の不安というのが今回の論文を読まれた方が多いんだと思うんですが、これにつきまして、まず政府側の官房長官、防衛大臣に、そういうことについて御見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(河村建夫君) 今般の田母神前航空幕僚長が政府見解と明らかに異なる見解、公にされたということ、これは憲法に関することもあり、あるいは、この不適切な表現、誠に不適切だということで、文民統制上問題があるからということもあって、我々のその認識の下でございます。そのことについて、国民の方々に対しても、今御指摘いただいたようなことの御懸念もある、このように考えて、極めて遺憾であるというふうに認識をいたしておるところであります。 防衛省では、この問題については文民統制上の観点から必要な人事措置をとったということでありますけど、いずれにいたしましても、日本において、主権者たる国民を代表する国会議員で構成している国会がございます。ここを始めとして、内閣また防衛大臣という様々なレベルで文民統制が行われている、制度的に担保されている、このように考えておりますが、さらに、政府としても、今後とも文民統制というものが常に確保される、このことが大事でありますから、そのように努力してまいりたいと、このように考えます。
○国務大臣(浜田靖一君) 今官房長官が申し上げたとおりでございまして、我々としても大変遺憾に思っておるわけでございまして、今、今日、委員会におきましていろいろな委員の皆さんから御指摘等受けたことをしっかりと踏まえながら、私ども、改善に向けて頑張ってまいりたいというふうに思っておるところであります。
○浜田昌良君 今、官房長官、防衛大臣から遺憾なことであったという答弁がございました。さらに、本件につきましては、防衛大臣も減給処分、また防衛事務次官、局長等も懲戒処分を受けているわけであります。さらに、御後任の空幕長、外薗空将ですね、記者会見のときにこういう発言があるんですね。今般、航空幕僚長という要職にある者が政府見解と異なる意見を公にするという不適切な行動を取ったことによりまして、結果的に国民の皆様の信頼を損なうような事態を招いたことを真摯に反省し、心より深くおわび申し上げますと、こういう表現があるんです。 そういう意味では、各大臣また同僚、後輩であった外薗現航空幕僚長がこういう発言をしているということに対して田母神参考人は良心の痛みを感じませんか。
○参考人(田母神俊雄君) 私は、日本ほど文民統制が徹底した軍隊はないと思います。諸外国では文民統制、一般的に、政治が軍を使って問題を解決をするか、軍を使わないで問題を解決をするか、それを政治が決めるという文民統制が普通の形だと思います。日本においては、これが自衛官の一挙手一投足まで統制すると。論文を書いて出すのに、大臣の許可を得ているという多分先進国はないと思います。だから、これだけ徹底していてまたやるといったら、本当、自衛隊は動けなくなります。 私は、大臣がそれをとにかく徹底をすると言われれば、現職である人たちは、大臣の指示ですから、これは従わざるを得ないと思います。ただ、私は、そういう言論統制が徹底したような軍には自衛隊をすべきではないというふうに思います。
○浜田昌良君 今、言論統制を徹底したような自衛隊にすべきではないという御発言がありましたが、それでは、自衛隊においては言論の自由というのは全く制限がなくていいのかという問題ですね。 一つお聞きしたいと思いますが、平成四年に陸上自衛隊の三等陸佐が週刊誌上でクーデターの呼びかけで懲戒免職になっております。そういう意味では何らかの、私は、自衛隊には言論の自由についての制約というのは付いて回ると理解しておりますが、これについて防衛大臣の御見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(浜田靖一君) 先ほども申し上げましたが、我々とすると、意見を発表するというのは決して、これは言論の自由も当然我々も考えなければならないわけでありますので。しかしながら、あくまでも政府見解、そしてまた我々の考え、政府の考え方に沿った中で議論をしていただくということでありまして、決して言論を抑圧するとか、そういったことではないわけでありますので、我々とすれば、しかしながら、それもしっかりとした政府の意向に沿ってやるという前提がまず確保されることが重要だと私は思っております。
○浜田昌良君 今大臣から答弁ありましたように、言論の自由と、自衛隊にとってもあるのは、政府見解をしっかりベースにしてその上で考えていくということが基本だと思っております。 そういう意味では、参考人にお聞きしますけれども、ちょっと今回の論文は逸脱を感じませんか。
○参考人(田母神俊雄君) 私は、逸脱を感じておりません。政府見解による言論統制だと、結局、政府見解で言論を統制するということになりますね。それは私はおかしいと思います。
○浜田昌良君 言論の統制について何も制約を受けないような発言をされておりますけれども、私はそのことについてもう少し自衛隊の中で、防衛省の中でしっかりとこういうことが二度と起こらないように徹底していただきたい、再発防止策を取っていただきたいと思いますが、防衛大臣の御決意をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(浜田靖一君) 先ほど来、浅尾委員からも御指摘もありました。我々とすれば、しっかりとしたそういった基準も含めて作って、それを、あくまでも基準は作っても最後は隊員一人一人のこれは考え方、そしてまた自覚ということになるわけで、この間、昨日も訓示の中でお話をしましたが、まさに服務の宣誓に当たっての思いをもう一度思い返していただいて、それに対して我々としてはしっかりとした基準を明確にして、それを破らないようにしっかりとした体制を取っていきたいというふうに思っているところでございます。
○浜田昌良君 今防衛大臣からも御答弁ありましたように、しっかりした基準を作って具体的にしていただくと、非常に重要だと思っております。 そういう意味では、一つのアイデアなんですけれども、自衛隊の方々がずっと自衛隊という組織の中で上がっていくだけじゃなくて、ある一定のタイミングでいいんだと思うんですが、外に出てみると。他省庁に出向したり民間に行ったりすると。そういうことで外から自衛隊を見るということの経験が私は重要だと思うんですが、こういうことについて大臣の御見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(浜田靖一君) 現在、幹部自衛官については、広い視野に立った人材育成の観点から、他省庁への出向とか民間企業での研修も行っております。また、防衛省改革では、プロフェッショナリズム、職業意識の確立のために文官、自衛官を問わず、自らの任務についてその意味を理解して、より高次元の倫理観、使命感、責任感を持って仕事に当たらなければならないとされております。そのために、国内外への留学や様々な行政経験の機会を与えていくように提言されております。 いずれにせよ、この事案を受けまして、このようなことが二度と起きないように、人事上の施策や教育を含めてどのような防止策があるのかも含めて検討してまいりたい、今委員の指摘のあったことを更に一層進めていきたいというふうに思っておるところでございます。
○浜田昌良君 是非、本件を契機として、そういう自衛官の、一般国民が持っている感覚と同じものを共有されるということの体制をつくっていただきたいと思います。 参考人にこれを聞いても、答えは限っているかもしれませんから、違う質問なんですけれども、今回の件、今までの質疑でも言いましたように、国民には文民統制についての不安を覚えさせた。また、後輩の外薗現幕僚長に対しては、さっき言った謝罪会見もしなきゃいけなかった。そして、防衛大臣を始め、事務次官、局長等が懲戒処分を受けることになった。こういうことを受けて、それなりのトップの座におられたわけですから、退職金の一部でも返還すると、そういうようなことはお感じないですか。
○参考人(田母神俊雄君) その意思はありません。今何だったですかね、ちょっと忘れちゃいましたけど。最初の質問は、ちょっと済みません、もう一度お願いします。
○浜田昌良君 別に御答弁は、今の退職金関係で聞いておりますので結構でございます。 このように、本人としては言論の制約を受けないというような御答弁を続けておられますけれども、私は、もう一度この文民統制、シビリアンコントロールと自衛官の思想、信条の自由、これはあるでしょう。言論というものについてはそれぞれの立場がやっぱりあるんだと思うんですね。そういう意味では、一自衛官の場合と航空幕僚長の場合と、いろんな形で何らかの制約が多分あるんだと思うんです。ここら辺のシビリアンコントロールと自衛官の言論の自由に、思想の自由について、官房長官に再度御答弁をお願いしたいと思いますが、よろしくお願いします。
○国務大臣(河村建夫君) 当然、自衛隊は厳格な文民統制の下にあるわけでございます。そのことを考えますと、自衛官の場合においても、特に航空幕僚長のような幹部がその立場において見解を公にする場合、この文民統制との関係あるいはその社会的影響、こういうものはやっぱりしっかり十分考え、考慮すべき、当然そういうことだというふうに思います。 やはりノブレスオブリージュと言いますが、高い地位にある方は非常に社会的責任が大きい、そういうことをしっかりとわきまえて対応していただく、これはもうシビリアンコントロールの一つの根幹にある考え方だと、こういうふうにも思っておりますので、今回の問題が不適切と言われるそのゆえんだというふうに考えております。
○浜田昌良君 今官房長官から再度御答弁をいただきましたが、御発言は短くですね、じゃ御答弁。
○参考人(田母神俊雄君) 国民に不安を与えたと文民統制についておっしゃいますけれども、今朝九時の時点で私は、ヤフーの、私を支持をするか、問題があると考えるか、問題がないと考えるかといったら、五八%が私を支持しておりますので、不安を与えたことはないと思います。
○浜田昌良君 どういうデータを使われたか分かりませんけれども、そういうトップであった方が、そういうことをもって自分の行動を正当化するというのは非常に私は問題だと思っております。そういう意味では、今回のことをしっかり、防衛大臣、官房長官、外務大臣、受け止めていただきまして、こういうことの二度とないようなしっかりとした対策をお願いさせていただきまして、私の質問を終えさせていただきます。 ありがとうございました。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。 今回問題になっている田母神参考人の懸賞論文はアパグループが募集したものであります。まず、このアパグループとの関係についてお聞きいたします。 参考人とアパグループの元谷会長が従来から親しかったということは今明らかになりました。この元谷氏は、昨年の八月二十一日に小松基地においてF15戦闘機に搭乗し、四十八分間実際の飛行を体験をされております。 まず防衛省にお聞きしますが、小松基地でこの元谷氏以前に自衛隊協力者として民間人をF15に搭乗させて飛行させたと、こういう例はあったんでしょうか。
○国務大臣(浜田靖一君) 今委員御指摘の件に関しましては、現在確認できる範囲では、小松基地における部外者のF15への体験搭乗は、平成十八年度におきまして、平成十八年六月に一回、同年八月に一回、同年十二月に一回、計三回を実施しているところであります。また、平成二十年度におきましては、平成二十年四月に一回、同年七月に二回、計三回を実施しているところであります。
○井上哲士君 民間人の自衛隊協力者が今数出されましたが、自衛隊の輸送機に乗るとか、それから戦闘機に搭乗して滑走路を走るということは少なくないようでありますが、戦闘機に実際に飛行するというのは極めてまれなわけですね。 民間人を戦闘機に搭乗させる場合、どういう手続となり、最終決裁者はだれになるんでしょうか。
○国務大臣(浜田靖一君) お答えいたします。 部外者を自衛隊の航空機に同乗させて飛行する場合については、航空機の使用及び搭乗に関する訓令に基づきまして、幕僚長又は権限を委任された部隊等の長が、自衛隊の広報業務を遂行するに当たって特に有効である場合などにおいて部外者の搭乗を承認しているところであります。 昨年の八月二十一日の元谷会長らのF15体験搭乗については、当時の航空幕僚長が承認をしているところであります。
○井上哲士君 ここに、元谷氏の搭乗の承認を求める第六航空団司令から航空幕僚長あての〇七年八月七日付けの進達書、それからこれを承認をした電報の起案書、同月の八月の十三日付けでありますけれども、これを持っております。当時のこの電報起案書の発信者は航空幕僚長であり、当時はあなたでありました。なぜこういう異例の便宜供与を元谷氏に許可をされたんでしょうか、参考人お答えください。
○参考人(田母神俊雄君) 元谷代表は平成十年から小松基地金沢友の会の会長として第六航空団及び小松基地所在部隊を強力に支援をしていただきました。その十年間の功績に対しまして、元谷代表が体験搭乗をしたいという希望がありまして、体験搭乗の希望者はいっぱいいるわけでありますが、その中で元谷代表を部隊の要請に基づいて許可をいたしました。 以上です。
○井上哲士君 あなたは論文の中でえこひいきは大事だということも書かれておりますが、いっぱいいる中でこの元谷氏に特別の便宜供与を図ったということであります。 このアパグループはホテルも経営しておりますけれども、自衛隊員がアパホテルを利用する場合には何か特別の利用契約というのがあるんでしょうか。
○国務大臣(浜田靖一君) 今回の、今御指摘のお話でありますけれども、自衛隊員は私的にホテル等を宿泊する際には、主として福利厚生を目的に防衛省共済組合が契約をしました株式会社JTBベネフィットに申し込むことができます。この場合、株式会社JTBベネフィットが提携する複数の宿泊施設の一つとしてアパホテルグループの施設が含まれていることなどから、結果として同ホテルの宿泊料金の割引の適用を受けることができるということになっております。
○井上哲士君 その一定の利害関係がある特定の民間企業の幹部との極めて密接な関係ということなわけですね。 私は、今回の懸賞論文に小松基地が異例の対応をして大量の応募があったということ、これはなぜなのか。それから、田母神氏が、参考人が一位となって三百万という民間の懸賞論文としては相当高額な賞金を手にされたと。こうしたこととこうした便宜供与が関係がないのかどうか、こういう問題は更に解明をする必要があるということを申し上げておきたいと思います。 そこで、次に参考人にお聞きいたしますが、今年の一月三十日に熊谷基地を視察をして講話をされたということが埼玉新聞にも報道されておりますが、御記憶にあるでしょうか。
○参考人(田母神俊雄君) はい。講話を行った記憶はあります。
○井上哲士君 防衛省にお聞きしますが、この基地視察の際などに航空幕僚長が行う講話とか訓示というのは、これはどういう性格のものなのか。言わば職務権限に基づく教育的な中身と、こういうふうに考えてよいのでしょうか。
○国務大臣(浜田靖一君) 講話とか訓話について厳密な定義はございませんが、講話は部外者に対して広報目的で実施をして、訓話は上級者が部内の者に対して教えを諭すために実施することが多いと考えておるところでございます。
○井上哲士君 幹部が教え諭すものだということが言われました。 それで、当日、この一月三十日にあなたが「我が愛すべき祖国日本」と題して行ったとされる講話の記録文書を私持っておりますが、この中で、専守防衛は国策だがこれがずっと続くかは検討されなくてはならないとか、南京大虐殺はだれも見ていないとか、決して日本が侵略のために中国へ出ていったのではないのですなどなど、今回の論文とほぼ同趣旨のことを述べておられますけれども、御記憶にあるでしょうか。
○参考人(田母神俊雄君) 私はいつも前置きをしてしゃべるんですが、これは私の私見であると、だから正しいかどうかは皆さんが判断をしてくださいと。でも、これは私の考えですということでしゃべっていますが、しゃべっている内容は多分論文に書いたのと私は一緒だと思います。
○井上哲士君 「朝雲」によりますと、今年の四月一日に、空自の准曹士先任集合訓練の場で田母神氏も訓話に立って、東京裁判や南京大虐殺にも触れながら戦後教育の危うさや自虐史観を指摘したと、こう報道されておるわけですね。 つまり、今回と、論文と同趣旨の内容で様々な場所に行って訓示や講話をしているわけです。つまり、任務として幹部自衛官を集めて、その場で職務権限として教え諭す、つまり教育をしているわけですね、航空幕僚長として。その内容がまさに憲法にも政府見解にも真っ向から反する、こういうものだということなんですよ。先ほどから議論になっているような一自衛官の言論の自由という問題ではないんですね。強力な権限を持つ人が、その権限としてこういう講話をしている。自衛隊の外で公にしたら更迭されるような内容を、職務権限として自衛官に教え込んでいるということなんですね。防衛大臣、重大だと思われませんか。
○国務大臣(浜田靖一君) 大変重大なことだという認識の下に、今回お辞めをいただいたということだと思っております。
○井上哲士君 つまり、今回論文が明らかになりましたけれども、まさに職務としてこの間ずっとやってきた問題が、今問題だとおっしゃいました。 田母神氏、参考人のこのときの講話を見ますと、自衛隊は親日派、保守派の代表として外に向かって意見を言っていかなければならない、問題が起きたときは航空幕僚長を先頭に航空自衛隊が頑張るしかないと、問題は何ぼ起こしていいから頑張ってくださいと、こういうことを述べられているんですね。まさにけしかけているんですよ。私は、本当にこれは重大だと思うんですね。今回の集団応募の背景にも、こういう問題があるということを言わざるを得ません。 報道によりますと、田母神氏は一年七か月で二十か所近く基地視察などで講話もされているということでありますが、どういう講話や訓話をしてきたのかと。そこに憲法や政府見解と全く反することが行われてきたのではないか。これ全部明らかにしていただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(浜田靖一君) 今御指摘をされて、大変、全国何か所でも訓話、講話をしていらっしゃるというお話を聞きました。 我々とすれば、すべて確認を今しておりませんので、今後検討をさせていただきたいというふうに思っているところであります。
○井上哲士君 この一年七か月の間にそういうことをやっておきながら、言わば放置をされてきたと。ここに政治の責任は極めて重大なものがあると思います。 さらに質問いたしますが、田母神参考人は「鵬友」の平成十六年三月号の中で、統幕学校では今年の一般課程から国家観・歴史観という項目を設け、五単位ほど我が国の歴史と伝統に対する理解を深めさせるための講義を計画した、主として外部から講師をお迎えして実施をしてもらっていると、こういうふうに述べられておりますけれども、これは事実でしょうか。
○参考人(田母神俊雄君) はい。事実です。
○井上哲士君 この一般課程の創設を主導されたと、こういうことでよろしいでしょうか。
○参考人(田母神俊雄君) はい。日本の国をやっぱり我々はいい国だと思わなければ頑張る気になれませんね、悪い国だ、悪い国だと言ったのでは自衛隊の士気もどんどん崩れますし。そういう意味で、こういうきちっとした国家観・歴史観なりを持たせなければ国は守れないというふうに思いまして、そういう講座を私が設けました。
○井上哲士君 つまり、当時、統合幕僚学校長だったわけですが、この「鵬友」という雑誌は部内誌だと言われました。そこに論文を載せるというだけではなくて、陸海空のすべての幹部に対する幹部教育の体系を改定したということなんですよ。既に国家観や歴史観の教育はもう四年間行われております。 この幹部教育のカリキュラムの概要を昨日いただきましたので、一部お手元に配付をしております。教育目的としては、「上級部隊指揮官又は上級幕僚としての職務を遂行するに必要な自衛隊の統合運用に関する広範な知識及び技能を総合的に修得させる。」というふうになっておりますが、具体的に平成十六年度の一般課程の歴史観・国家観の教育目標を見ますと、「健全な歴史観・国家観を育成し、防衛戦略研究及び将来の部下指導に資する。」と、こういうふうになっております。その後、この課程は幹部高級課程ということになっておりますが、平成二十年四月のものも付けております。ここには、例えば大東亜戦争史観という教育内容が出てまいりますし、日本国憲法の本質というものもあります。ほかの年度を見ますと東京裁判史観という項目もあるわけでありますが、この東京裁判史観とか大東亜戦争史観という呼び名自体が侵略戦争を否定する歴史観の中で使われる非常に特殊な言い方なわけですね。 大臣、先日の質疑で、今後とも、村山談話などの政府見解を踏まえた適切な幹部教育に努めると。つまり、これまでもそういうものを踏まえた幹部教育が行われてきたという認識なわけですが、こういう内容の歴史観・国家観教育というものが適切だとお考えでしょうか。
○国務大臣(浜田靖一君) いや、私も今委員からお話があったようなそのカリキュラム、そしてその中身については私も把握しておりませんので、その件に関して私の考えというのはちょっと今申し上げられません。中身を見れば、見させていただいて、どういうことなのかというのは確認はしたいとは思いますが、今この場で発言は控えさせていただきたいと思います。
○井上哲士君 私は、これは自衛隊の幹部教育の場で一体何が行われているかということを防衛省が把握をしていないと。これは重大だと思いますね。しかも、これが田母神氏の下で四年前から行われてきているわけです。私が出しました資料には、この講師の名前は全部黒で消してあるわけなんですね。なぜその講師の名前を伏せる必要があるのか。こういう方が名前が明らかになりませんと、どういうことが行われているかということが分からないわけですね。 実は、平成十八年のカリキュラムの中の歴史観・国家観の②という部分は大正大学の福地惇教授が四月十七日に行ったということが、新しい歴史教科書をつくる会の関係のホームページで明らかにされておりまして、講義内容も全部載っております。福地氏は、この講義の内容の中で、この講義の目的は、第一に、昭和の戦争は東京裁判の起訴状と判決に言うような侵略戦争では全くなく、自存自衛のためにやむを得ない受け身の戦争だったこと、第二に、それが了解できれば、現憲法体制は論理的に廃絶しなくてはならない虚偽の体制であると断言できることを論ずることでありますと、これが講義の目的だと、こういうふうに言っているんですね。 驚くべき内容でありまして、事は何か論文で明らかにしたということにとどまらない。つまり、村山談話にも政府見解にも反するような特異な歴史観・国家観を自衛隊幹部全体に職務として教え込むと、こういうやり方が、先ほど田母神氏が自らこの幹部学校については指導したと言われました。そういうことで行われている。大臣、重大だと思われませんか。
○国務大臣(浜田靖一君) その部分につきましては、我々、統幕学校において平成十五年度から一般課程で歴史観・国家観という項目を、課目を設けられておりまして、同課目が我が国の歴史について部外講師を講義等に実施しているというのも承知しております。ただ、部外講師による講義は、歴史認識を含めて様々な事項についてバランスの取れた見解と幅広い視野を有する自衛官を育するために有意義であると考えております。他方、部外講師の選定については、自衛隊員が偏向した歴史認識を有することなく歴史を客観的に理解することができるよう考慮しつつ、慎重に行う必要があると考えているところでございます。 今先生の御指摘にあったことが、逆に言えば、これを確認するという意味では、まだ我々とすればそういったことも意識の中にはございませんし、逆に言えば、今先生から御指摘のように、これは重大なことではないかといえば、まだその影響がどのように出ているのかを今把握をしておりませんので、この場でお答えをすることは控えさせていただきたいと思います。
○井上哲士君 今回の田母神参考人の行為も、そしてあの懸賞論文に多数の自衛官が応募をしたということにも、私はこれ影響が出ているんだと思うんですね。つまり、そういう議論をすること、公然と言えるような雰囲気や土壌をつくってきたということは非常に私は重大だと思います。 今、バランスが取れた中身でなくてはいけないという趣旨のことを言われました。これを見ている限りでは、およそバランスが取れた中身とは表題を見ているだけでも私には思えません。一体この中で、どこで村山談話とか政府見解が徹底をされているのか全く見えてこないわけでありまして、まずこの講師の名前を明らかにすること、それから、こうした国家観・歴史観に関するこの間の幹部教育の内容、講師名、すべて全容を明らかにしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(浜田靖一君) 先生の御指摘のことに関しましては、御本人の確認も、意思の確認もさせていただかなければなりませんし、その辺に関してはお時間をいただきたいというふうに思うところでございますし、ただ、今先生の御指摘のあったように、こういうことを自由に議論しているからこうであるという御指摘がある反面、他の議員の先生から、もっと議論をしてしっかりと吐き出させることも重要だというような御指摘もあり、我々とすれば、その良い方法を今後選んでいきたいというふうに思っているところであります。
○井上哲士君 一自衛官の議論の自由とかという問題ではないんですね。幹部教育として任務として集めて、その中で教育しているんですよ。その中身が重大だということをもっとしっかり認識を持っていただきたいと思います。 田母神氏を空幕長に任命した当時の安倍内閣自体が、日本の戦争は侵略戦争でないと、こういういわゆる靖国派の皆さんが多数派を占めていたということもありましたし、今回の論文についても政府筋から、あんなもの大したことないと、日本人みんなが思っていることというような発言も出ているという、こういう土壌をつくってきた政治の責任は重大だと思います。 こういう事態のまま自衛隊を引き続き外に出していくようなことは厳しく問われておりますし、この問題の一層の徹底究明が必要であって、テロ新法の採決というのは論外だということを申し上げまして、質問を終わります。
○山内徳信君 社民党・護憲の山内徳信でございます。 私は、今日の田母神参考人の答弁を聞いていまして、日本は、戦前の軍隊が暴走したその少し前まで、そういう状況に立ち至っておるという危機感を感じております。したがいまして、防衛大臣もしっかり答弁をして、この委員会終わればという気持ちを持ったらいかぬと思います。 政府見解に対する田母神参考人の見解、村山談話、河野談話等々が政府の見解になるわけでありますが、参考人本人は言論の自由を主張していらっしゃいます。基本的人権としての言論の自由を私たちは尊重しますが、その職責にある人が個人と同じように、全くそういう気持ちで論文を書くことが、あるいは若い自衛官の前で講話をすることが許されていいのかどうか。そして、御本人は逸脱しているとは思わないとついにおっしゃったんです。 したがいまして、政府として、防衛省として、自衛隊の再教育、自衛隊の中の総点検をする必要があると思いますが、大臣、決意のほどを語ってください。
○国務大臣(浜田靖一君) それこそこの案件というのが、先ほど来、委員の先生方から御指摘がありますように、極めて重要な問題という御指摘を私自身も受けておるわけでございますので、その点は今委員から御指摘の思いをしっかりと体してやっていきたいと思っておりますし、この問題、今日の委員会というものを、終わったからそれでいいというふうにも考えておりません。我々はしっかりと答えを出していかなければならないと思いますので、今の先生の決意ということでございますので、しっかりとやっていくということを申し上げておきたいと思います。
○山内徳信君 日本の海軍軍縮が軍部の方から軟弱外交として批判された歴史があります。国会審議の中で制服を着た軍人が黙れと言ったことがあります。そういう流れの中で、私たちは五・一五を学びました。二・二六事件を学びました。そして、いよいよ日本は大陸への、東南アジアへの侵略戦争、挙げ句の果ては太平洋のハワイの真珠湾攻撃までやってのけて、そして結果は広島、長崎に原爆投下され、東京の大空襲、一夜にして十万も死んでいったと記録にはあります。沖縄は半年にわたって日米の唯一の地上戦でしたが、それはまさに地獄の状況でございました。 その結果、日本に平和憲法ができて、基本的人権も尊重されるようになって、主権在民の世の中になって、自衛隊ができて、今日自衛隊の中身がどうなっておるか。それはもう既に、今までの委員の皆さん方からの指摘ではっきりしております。このままの状態だと再び戦前の轍を踏む、そういう危機感を持っているのは私一人ではないと思います。与野党問わず国民すべて、自衛隊はやはり逸脱していかない、こういうふうな思いでおると思っておるわけであります。 さて、私は、論文について少し触れたいと思います。 私は、この論文なるものを読ませていただいたときに、果たしてこれを論文と称していいのかというところまで疑問を感じました。論文というのは少なくとも、やはり学位論文とか卒業論文とか、相当時間を掛けて研究して積み上げていったのが論文だろうと、こういうふうな思いがあったからであります。 そして、テーマは、課題は、真の近現代史。私は、これを読んだときに、なぜここに真のというのが出てくるのかと、課題を与えた方にも問題があると私は感じました。それに九十四名の自衛官の諸君が応募して、その頂点に立ったのが田母神、当時の航空幕僚長。トップに立った方です。その方が出されたのが、「日本は侵略国家であったのか」と、こういうテーマで論文を出していらっしゃいます。 私は残念に思いました。そういう職責にある人は、やはり、なぜ硫黄島の戦跡の調査研究に行かれたのか、なぜ沖縄戦の調査に行かれたのか、そして、なぜ戦前の日本のやった、その日本軍のやった行為の検証とか反省とか、そういう反省がどうして今の憲法に収れんされてこないのかと。そこまで大変な状況に日本の自衛隊は陥っておるということであります。 そして、悲惨なアジア太平洋戦争を大東亜戦争に置き換え、それを肯定し評価をするというこのやり方。私に言わせれば、田母神さんのあの論文なるものは事実に反する。侵略戦争とか植民地支配というのは日本の歴史学会ではもう学説になり通説になっておるのを、自衛隊の中では、あるいは国民の間で一部おりますよ、一部おりますよ、靖国との関係とかあるいは沖縄における教科書問題、沖縄県民の集団自決は日本軍の関与は今まで書かれていたのに、それは教科書から削っていくと。だから沖縄県民は、十一万五千人が怒りを持って県民大会に結集したんです。 そういうふうにして、田母神論文は歴史の真実を語らず、一部を語って歴史を歪曲し、歴史を改ざんしておると。沖縄戦の中を生き残った一人の人間として、歴史の改ざん、真実を語らない、そういう歴史は歴史ではありません。独り善がりであります。そういうふうなことを、私はこの戦争の中を生き残った日本国民の一人として、今力を込めて、自衛官のトップにおられた田母神さんに申し上げておきます。 そして、私は田母神さんの話を聞いていて思いました。日本は悪い国だと言われたくないためにとおっしゃっていましたが、日本は悪い国じゃないんです、私はどこへ行ってもそんなことを言うんです。これほどいい国がありますか。これほど水も緑もいっぱいあって、人も良くて、地方にはそれぞれの地方語があるじゃないですか。 私が指摘しておきたいのは、悪いことをやってきた日本の戦前の侵略戦争、植民地支配、そのことが問われてこなければいかぬのです。その結果として平和憲法が生まれたじゃないですか。したがいまして、悪かったこと、教訓にしなければいかぬこと、反省しなければいけないことは、政府はもちろん、現職の自衛隊諸君も、そういう視点に立ってやはり国家観とか歴史観を持たなければ、一部偏った歴史観、偏った国家観を持つと、そのやいばはどこに向くかは戦前の日本の軍隊が示しておるじゃないですか。問答無用と言って、時の犬養首相に銃弾が撃ち込まれたじゃないですか。違いますか。 そういうことを、私は今怒りと、あるいはこの時点で訴えておかなければいけないことを申し上げました。一言でいいですから、私のこの見解に対して反省するところがあるかないかだけお尋ねいたします。
○参考人(田母神俊雄君) 先生のおっしゃっていることが、私は全面的に正しいとは思えません。悪いことを日本がやったというのであれば、じゃ、やらなかった国はどこですかと私は論文に書いていますが、日本だけがそんなに悪いと言われる筋合いもないし、また私の論文が論文と言えないということは、それは私が評価したのではなくて審査員の先生方が評価してくれたことですから、それは私には関係ありません。
○山内徳信君 このような発言が出てくる今の自衛隊の中身でございます。大臣、しっかりと胸に刻んでこれから再点検、再教育をやってください。自衛隊を一部の講師でやりますとそういうふうになります。風通しのいい、国民からやはり理解されるような、そういう教育でなければいかぬだろうと思います。 さて、私はたくさん準備をしてまいりました。集団的自衛権も行使できない、あるいは武器の使用も極めて制限が多い、また攻撃的兵器の保有も禁止されていると田母神さんは文章の中で強調していらっしゃいます。私は、これを読みまして思いました。田母神さんは相当不満を持っていらっしゃるなと思いました。したがって、あなたは集団的自衛権も行使し、あるいは武器も堂々と使用したいというのがあなたの本音ですね。お答えください。
○参考人(田母神俊雄君) 私は、そうすべきだと思います。
○山内徳信君 私があなたに質問したいのは、あなたは我が国が侵略国家だったなどというのはまさにぬれぎぬであると、こういう表現もございます。 私はここで申し上げておきますが、あなたはお一人の、幕僚長というお一人の立場での動きではないと思っております。今、去年から今年にかけまして、高校二年生が学ぶ歴史教科書から、沖縄における沖縄戦のとき日本軍が集団自決に関与していたというその表現を検定結果で削らそうとしたんですね。削らそうとしたんです。 そして、この動き、もう一つは、大阪地裁や高裁で大江健三郎とか岩波を被告にして、慶良間で現地隊長としてやった赤松隊長の弟、あるいは梅澤さんは現在健在でいらっしゃいますが、この人々が原告になって、そういう集団自決は命じなかったとか、あるいは大江健三郎のあの「沖縄ノート」は出版をやめろと、こういう趣旨の訴えでございますが、私は、この大阪高裁の判決は明確に軍の関与、集団自決に手りゅう弾が配られたという、そういう物的証拠まで指摘をされておるわけであります。そういうふうな一連の動きが田母神さんとも絡んでおるんだ、こういうように私は認識をしておるわけでございます。 お答えも聞きたいんですが、あと五分しかありませんから、大変貴重なものですから、私は、ここで沖縄戦の実相について少し申し上げておかなければいけません。二十万余りの人間が死んでいって、四名に一人は死んでいったと言われておるんです。 沖縄戦は、一九四五年四月一日に米軍が沖縄本島、私が住んでいた読谷と嘉手納の西海岸から怒濤のごとく上陸しました。そして、日米の死闘が繰り返され、六月二十三日、牛島司令官と長参謀長が自決をして組織的な戦いは終わったとされていますが、実は、九月七日になってやっと日米両軍は、現在の嘉手納飛行場の中に森根というところがありまして、そこで双方代表が出て戦争終結の調印を交わしておるわけであります。 半年に及ぶ戦争はまさに地獄でありました。極限の状況に追い込まれていったとき、この地球上で最もどうもうな野獣になるのは人間であります。戦っておる兵士たちはそういうふうになっていくんです。 そして、どういう事例を田母神さんに申し上げておきたいかというと、日本軍に民間人はごうから追い出されていくんです。半年近くもふろに入ったことのない赤ちゃんや子供たちは、腹をすかして泣いておるわけです。そして、同じごうにおる日本軍が、あの子供の口をふさげといって母親に言う、あるいは祖母に言う、ふろしきやおしめで口をふさいで殺していったわけです。それが戦場の姿です。食料をよこせ、これから戦いに行くと。私たちが一緒になって馬車を引いて国頭の山の中に逃げ込んでいた馬を二週間に一遍ずつ来て、この馬に弾薬を積んで南部戦線に弾薬を運ぶからこの馬をくれと言って持っていって、実はつぶして食ったんです。食料の強奪ですよ、これは。 田母神さん、沖縄の人が沖縄の言葉で話し合うと、なぜスパイとみなされて日本軍に殺されなければいかぬのですか。だから、私は、日本の東北には東北弁、関西弁とか、熊本弁とか、沖縄の言葉とかいっぱいあるじゃないですか。それは文化だよ。戦場になったときに、文化も人間も全部否定していったのが旧日本軍ですよ。二十万余りの人々が戦争のために死んでいったわけであります。沖縄戦の教訓は、軍隊は最終的には国民を守れない、守り切れないんですよ、戦争を始めてしまったら、ということであります。 命どぅ宝、命こそ一番大事と、これが沖縄の心であります。そういう体験を未来に生かすことが今必要であり、自衛隊諸君にも日本の未来を平和な未来にする必要があるんです。それゆえに、日本の平和を更に持続、発展させ、併せて人類の幸せに貢献する基本は、日本の平和憲法を守り、その精神を広く実践することであって、田母神さんが反論みたいにおっしゃっていたあの幾つかの言葉は、私の立場からは取り消し、撤回をしてほしいと、こういうことをお願いをして、私の質問を終わります。 以上です。
○委員長(北澤俊美君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後零時四十一分散会