法務委員会 第2号
- 発言数
- 269 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2008/11/14
会議録
○山本委員長 これより会議を開きます。 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 各件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官原勝則君、内閣官房内閣参事官河合潔君、警察庁長官官房審議官井上美昭君、警察庁刑事局組織犯罪対策部長宮本和夫君、警察庁警備局長池田克彦君、法務省大臣官房司法法制部長深山卓也君、法務省民事局長倉吉敬君、法務省刑事局長大野恒太郎君、法務省矯正局長尾崎道明君、法務省人権擁護局長富田善範君、法務省入国管理局長西川克行君、厚生労働省大臣官房審議官中尾昭弘君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○山本委員長 次に、お諮りいたします。 本日、最高裁判所事務総局小川刑事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○山本委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。矢野隆司君。
○矢野委員 おはようございます。自由民主党の矢野隆司です。 山本委員長、どうぞよろしくお願いいたします。 そして、森英介法務大臣、佐藤剛男法務副大臣、早川忠孝大臣政務官、御就任まことにおめでとうございます。よろしくお願いいたします。 早速でございますが、去る十一月の十一日に法務大臣がお述べになられた大臣あいさつ、これに沿って幾つか質問をさせていただきたいと思います。 まず最初に、実はことしの五月にも私が質問をさせていただいたテーマでございますが、法科大学院について承りたいと思います。 大臣のごあいさつでは、法科大学院につきましては、入学者選抜方法の改善、教育内容の充実、厳格な成績評価及び修了認定、こういう文言が盛り込まれております。まさに過日の委員会で不肖私が質問をさせていただいた項目と合っておるわけでございますけれども、そこで、具体的にどのように取り組まれるのかということをお聞きしたいと思います。例えば、教育内容の充実ということであれば、検察官等の実務者教員を増員するべく検討するとか、あるいは新たな予算措置を考えておられるとか、そういったことを含めて教えていただきたいと思います。
○森国務大臣 おはようございます。 今、法科大学院についてのお尋ねがあったわけでございますけれども、まさに法科大学院は質、量ともに充実した法曹を育てる一つの機関として、しっかり育てるということは私どもの重要な使命であると心得ております。今御質問の中にもありましたように、直接的には文部科学省が所管をされているわけでございますけれども、司法試験を所管している立場からいっても、やはり法務省の役割は極めて重要であるというふうに思っております。 ただ、現況において必ずしも十分な状況になっているかというと、やはりまだまだブラッシュアップしなきゃいけない面があるというふうに思っております。検察官も教員として派遣しているわけでございますけれども、これはむやみに派遣すればいいというものじゃなくて、成果を上げていただいている法科大学院にはやはり優先して派遣すべきであると私は思っていますし、やはりそういった、法科大学院が内容的にグレードアップするような観点からサポートしていくことが求められているというふうに感じております。 いずれにしても、文部科学省と連携をいたしまして、また役割分担をして、法科大学院の内容の充実にこれからも努めてまいりたいと思っております。
○矢野委員 今、大臣からグレードアップというお言葉をいただきました。まさに、国民そして関心を持っておられる方々もそういったことを本当に望んでおられると思いますので、どうぞよろしくお願いしたいとともに、きょうは、重ねて御質問をさせていただきたいところでございますが、ほかにも伺いたいことがございますので、法科大学院のことについてはひとまずこれで終えたいと思います。 続きまして、やはり大臣あいさつの中でお触れになっておられます不法滞在者半減計画についてお尋ねをいたします。 大臣のごあいさつの中では、残り二カ月足らずとなったが、目標達成に全力を尽くす覚悟です、こういうふうに書かれておられたと思います。平成十六年に五カ年計画でスタートした時点では、不法滞在者が二十五万人という推計で始まったと聞いております。内訳が、不法残留者が二十二万人、密航者、やみ夜に乗じて上陸してきた密航者ですが、これが三万人いるという計算だそうですけれども、ことしの十二月が計画の終了期日だと思います。 そこで、現在のところ、この二十五万人に対してどれぐらい進んでおるのか、あるいはあとこれぐらいは何とかなるぞというような進捗状況を教えていただきたいと思います。
○森国務大臣 不法滞在者半減計画にのっとりまして今積極的に対処しているところでございまして、今委員の御指摘にもありましたように、平成十六年時点では二十二万人プラス三万人ということでありますけれども、本年一月一日現在の不法残留者数は前年比約二万人減の約十五万人というところまで来ております。法務省においては、残されました二カ月足らずの期間でございますけれども、目標の達成に向けて、不法滞在者削減のための諸施策をこれまで以上に強力かつ加速度的に推進しているところでございます。 これまで、不法滞在者を減少させるために、警察とも連携した徹底した不法滞在者の摘発や厳格な入国審査、在留審査等を実施し、また、昨年十一月二十日からは、これは私も現地を見て大変有力だと思いましたけれども、個人識別情報を活用した入国審査を実施しております。これにより、過去に退去強制歴がありながら氏名を変更した者や、偽造あるいは変造旅券を行使して入国をはかろうとした者を水際で発見することが可能になりました。そういったことで、先ほど申し上げたような数字にあらわれていると思います。 残された期間、個人識別情報を活用した新しい入国審査や厳格な在留審査の実施により不法残留者の新規発生をより強力に阻止するとともに、警察等関係機関との緊密な連携のもと、従前以上に積極的かつ効果的な不法滞在者の摘発を実施し、また、出頭申告等を促すための新たな広報活動にも取り組み、目標の実現に向けて全力を傾注してまいりたいと考えております。目標を必ずしも一〇〇%達成できるかどうかは別にして、かなりいい線までいくことを期待しているところでございます。
○矢野委員 大変心強い大臣の御答弁だったと思います。 それで、この不法滞在者半減計画ですけれども、この計画そのものについてはことしじゅうに期日が到来するということですけれども、それで何も終わるというわけではなくて、引き続き法務省としては全力を挙げて取り組んでいただかねばならない、こう思っております。 日本に滞在している外国の方々に対する在留管理制度というんでしょうか、この在留管理制度というものを来年新たに導入するようなお考えもあると聞いております。そこで、その在留管理制度の内容、そして現在の検討状況の様子、こういったことを少しお聞かせいただきたいと思います。これは、佐藤剛男法務副大臣にぜひ御答弁をお願いしたいと思います。
○佐藤副大臣 矢野委員にお答えします。 ただいま検討いたしています改正でございますが、これは法務大臣が外国人の在留管理に必要な情報を一元的、キーワードは一元的でありますから、正確それから継続的に把握する、こういう制度を構築するということを一つの大きな柱といたしております。 それから同時に、この情報を適法に在留する外国人に対する行政サービスの提供の基礎として用いまして、総務省において外国人の台帳制度を構築するというふうに予定しているものと承知いたしております。 御指摘の内容の点については、ことしの三月に、法務大臣の私的懇談会であります第五次出入国管理政策懇談会というものがあるのでありますが、そこが提出していただきました報告書で、「新たな在留管理制度に関する提言」というものを踏まえました内容となっております。 この新たな制度の導入の背景としましては、ただいま大臣が御答弁されましたように、我が国と諸外国との交流が非常に盛んになっております。そして、平成十九年には、外国人の入国者数は九百十五万人以上に達しました。同年末現在における外国人登録者数というものも約二百十五万三千人と、過去最高を記録いたしているわけでございます。 御指摘の検討の点でございますが、今回している検討というものは、このように増加する外国人の在留情報を一元的、正確、それから継続的に把握することによりまして、的確な在留管理の実現と適法に在留する外国人の利便性向上を図ろうとするものでございます。 現在、ただいま申し上げました新たな在留管理制度の詳細については、省内におきまして、平成二十一年の通常国会に関係法案を提出すべく、検討を進めてまいっている状況でございます。 以上でございます。
○矢野委員 次期国会に提出をしたい、こういうお話でございました。ぜひ精緻な制度設計をお願いしたいと思います。 さて次に、過日、大臣あいさつの冒頭部分、一番最初に掲げられたテーマ、裁判員制度について伺いたいと思います。 来年の五月二十一日以降に起訴された事件の公判からいわば全国民が関係するという意味で、法務省、最高裁判所ともに、その制度理解に関して周知徹底に全力を挙げておられるところだと思いますけれども、実は先日、私は家が大阪にございまして、大阪を代表するというか日本を代表するあるトップ企業の役員の方とこの裁判員制度についてちょっと面談をする機会がありました。 その中で、その役員の方が、正直、勤務時間内に社員を集めて啓発活動というのはなかなか難しい、日弁連とかそういう団体の呼びかけで模擬裁判の傍聴には社員を派遣するけれども、それも数人出せればいいところで、もう手いっぱいというか精いっぱいですというようなお話でした。これではなかなか啓発に時間もかかるのではないかなと、ちょっと危惧しております。 例えば、こういう経済団体や大きな社会的な影響力のあるような企業、それから裁判員に選ばれる確率の高い地域というのもやはりあるわけでして、そういったところへの手当てといいますかそういったものも含めて、現在の広報あるいは啓発活動、そういったことについて教えていただきたいと同時に、今後こういったこともやれればやりたいなというようなお考えがあれば、あわせて教えていただきたいと思います。 〔委員長退席、桜井委員長代理着席〕
○森国務大臣 私が大臣就任時に当たりまして麻生総理から第一の御指示がありましたことは、裁判員制度の円滑な導入を初めとする司法制度改革をきちんと推進することということでございました。 裁判員制度を円滑に実施するためには、委員御指摘のような広報活動というのは極めて重要であるというふうに思っております。認知度は大分おかげさまで高まってきたわけでございますけれども、中身の理解が本当に浸透しているかというと、これはいまいちという感じがいたしまして、中身を理解していただけばいただくほど、より積極的に裁判員裁判に参加しようという意識を持ってくれているというデータもありますので、なお積極的に広報啓発活動を続けてまいりたいと思っております。 今委員のお話の中にありました、やはり従業員を多く抱えた大どころの会社とかそれから大都市とか、そういうところをターゲットとして広報するというのも極めて効果的で一つの方法だと思います。現に、東京や大阪など、大都市においては説明会も多く行っておりますし、また経営者団体や多数の従業員を抱えておられる企業に対して、私はまだ伺っておりませんけれども、歴代の法務大臣がお訪ねしたり、あるいは法務省の幹部がお訪ねしたり、あるいは最高裁、日弁連と手分けしてお願いに上がっているところでございまして、従業員の方が裁判に参加しやすい環境の整備、例えば有給休暇をとらせていただくとか、そういうことを浸透させていきたいというふうに思っております。 ただ、地方都市とか中小・小規模企業等々、どなたにお願いが行くかわかりませんから、やはりそういうところもしっかりと目を配って、そういう方々にもPRが行き届くように、いろいろさまざまな角度それから観点からの普及をしなきゃならないと思っております。 いずれにしても、今、最高裁あるいは日弁連と一体となって、また手分けをして、テレビだとかインターネットあるいは新聞、さまざまなメディアを通じて普及をしているところでございます。現に、いよいよ二十八日に最高裁からお尋ねみたいな、要するに一斉に通知が出るわけでございますけれども、この週末にはかなり大々的な新聞折り込みをかけるということを予定しておりますし、あらゆる機会をとらえて、特になるべくメディアに多く取り上げていただくような方策を講じていきたいと思っております。 〔桜井委員長代理退席、委員長着席〕
○矢野委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。 今大臣の御答弁の中でもございましたが、今月の二十八日から、いわゆる裁判員候補者名簿に記載された国民の皆さんへの通知が始まるということでございます。 これからはちょっと最高裁判所の方にいろいろとお尋ねをしたいと思いますけれども、そもそもどのような具体的な内容の通知になるのか、あるいは受け取った側の国民はどういう対応をとればいいのか、相談や問い合わせ窓口の電話番号などもあるんですかという質問をしようと思いましたが、きょう配付資料として委員の皆様方のお手元にお配りをしております資料、これが全部でございます。ですから、この質問はちょっと飛ばさせていただきまして、これをごらんになっていただきながら私は質問をさせていただきたいと思います。 そこで、名簿記載者が受け取る書類というのは、まず「はじめにお読みください!」というリーフレットがございまして、それから「調査票」というタイトルの回答票への書き方を説明した小冊子、それから「よくわかる! 裁判員制度Q&A」という漫画、最後にマークシート方式の回答票です。この配付資料では全部同じサイズで一くくりになっておりますので、ちょっと見にくいかもわかりませんけれども。 その文字どおりに、「はじめにお読みください!」という資料から見ますと、この配付資料の後ろから三枚目になると思います、三枚目の横書きの上の段の部分に、その中に「月の大半にわたって、裁判員となることが、特に困難な月がある場合、」というのが、「調査票の送付」という欄に黄色い色で塗りつぶされている括弧が三つありますが、その一番下のところですけれども、「困難な月がある場合、」とあって、それを読みますと「(最大二か月まで)」とのただし書きつきであらかじめ辞退申し出ができるとございます。 それから、一緒に送られてまいります調査票、これはマークシートの書き方を詳細に説明した資料ですが、配付資料の十一枚目、調査票で言う四ページでも、要するに二カ月を上限にあらかじめ辞退できるという文言がございます。 そして、その辞退理由の例としては介護、養育などが挙げられているわけですけれども、現実には、そういう介護や養育で二カ月以上の期間が必要な国民の方々もたくさん実際にはおられるわけでございます。 そういったことを頭に入れておいていただきながら、一方で、「よくわかる! 裁判員制度Q&A」、漫画の方の二十二ページのイラストですが、この中にいろいろ事例が漫画で示されております。あるいは、二十五ページ、二十六ページの見開きの漫画ですが、これを読みますと、親族や同居人の養育、介護、こういったことについては二カ月の上限があるという文言は入っておりません。無期限に、あるいは無制限に辞退できるような説明になっております。 恐らく、この資料を受け取られた方々は若干戸惑われるのではないかなと思いますので、この調査票にございます上限二カ月という言葉について、どういう理解でいいのか、ちょっと御説明をお願いしたいと思います。
○小川最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。 今委員御指摘のとおり、法律上も辞退の申し出をし得る時期だとか、あるいは期間等には何ら制限を設けているわけではございませんので、候補者の方においては、個々の事件で呼び出し状を送付されるなどした段階で辞退の申し出をしていただくということも当然可能でございまして、これは同封いたしますパンフレットにも書かせていただいておるところでございます。 ただ、私ども考えましたのは、これに加えまして、名簿に記載された裁判員候補者の中には、その段階で特定の月について参加が困難であるといった事情があらかじめおわかりになっておられる方もおられますでしょうから、そうした都合を早目にお伺いして無用な呼び出し等を避けようというふうに考えまして、二カ月を上限としてそのような都合をとりあえずお伺いするという運用を考えたものでございます。 でございますので、あらかじめ申し出た二カ月以外でございましても、パンフレットにも書かせていただきましたが、個別の事件ごとに呼び出し状をお送りした際に、引き続き裁判員になることが難しい御事情があるのかどうかという点についてもお伺いすることを考えております。 このあたり、パンフレットでも御説明しておりますが、さらにコールセンターでも、今申し上げたような点についてきめ細やかに対応したいと考えております。
○矢野委員 ぜひきめ細やかな対応をお願いしたいと思います。 もう一点、済みません、この漫画本の中で質問させていただきます。 同じく二十二ページのところに、漫画の上の五つのイラストがある中の右の「妊娠中や出産直後」というところに、「(八週間以内)」という文言がございます。恐らく出産直後の八週間以内という意味だとは思うんですけれども、これを何も知らずに読んでしまうと、妊娠中と出産直後を足して全部で八週間以内しか辞退の期間が認められないのかとちょっと誤解をされるんじゃないかと思うんですが、その点を改めて教えてください。
○小川最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。 今委員御指摘のように、ちょっとわかりにくかったかもしれませんが、委員御指摘のような御理解で、妊娠のところが特に八週間以内というふうに限定されるという趣旨ではございません。
○矢野委員 ありがとうございます。 今回の名簿記載者、要するに最高裁判所から発送するのは何名かといいますと、これは二十九万人と聞いております。 そこで、今刑事局長からもお話がありましたけれども、コールセンターが設置されるということですが、これも実は教えていただいておりまして、百五十五回線用意をしていただいておるということで、さまざまな計算から十分に対応はできるということも承っております。 そこで、この調査回答票を返送した国民の皆さんの中では、もちろん理由を挙げて辞退を申し出られる方も多数おられると想像するわけですが、その辞退の申し出を裁判所の方で受理してもらったかどうか、この確認というのはコールセンターに電話をすれば教えてもらえるというのか判明するというのか、その辺はどうなっているのか教えてください。
○小川最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。 コールセンターではちょっとお答えはできませんけれども、地方裁判所の方に聞いていただければ当然対応するという予定でございます。
○矢野委員 ということは、コールセンターに電話をした時点で、あなたのお宅はどこですかということで、では、そこならこの地方裁判所ですよというようなことまで教えていただけるのか、いやいや、それはひとつ、お地元の身近なところですから、御自分で調べてお聞きくださいということなのか。済みません、通告外ですが、教えてください。
○小川最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。 当然、地方裁判所の電話番号等も御案内したいと思っております。
○矢野委員 それでは、裁判員制度に関する最後の質問をさせていただきます。 例えば、この回答票は、十一月二十八日に皆さんのところから、最高裁判所から発送されて、十二月十五日必着ですから、二週間ぐらいの間にちゃんと回答して返さなきゃいけない、こういう仕組みだと思いますが、中には、うっかり忘れていたということで出し忘れた人、あるいはこの書類をなくしちゃったなんという方もいると思うんですね。 そういう中で、例えば、今回の配付資料の後ろから四枚目ですが、「四つのお知らせとお願い」というものの括弧の二のところに、「同封の「調査票」記載のいずれの場合にも当てはまらない方は、返送不要です。」こういうふうに書いてありまして、辞退理由はありませんという人は出さなくていいですよとも読めるんですが、片や辞退理由があるのに出し忘れちゃったよという人も出てくると思うんです。 その辺の整理というものは、例えば出し忘れた人は裁判員選任手続に関しては次のステップに自動的に進んでしまうというようなことになるのかどうか、教えていただきたいと思います。
○小川最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。 調査票を期限内に提出いただけなかった方、これは義務的ではございませんので、任意でお願いしていることでございますが、その回答を期限内に提出されなかった方につきましても、その後地方裁判所に申し出ていただければその段階で必要な対応をとらせていただきますし、実際の事件が係属して、そのときに何人かの方を選んで呼び出し状をお出しすることになりますけれども、その際に質問票を同封いたしますので、その際の回答のときにまた辞退の申し出をしていただくことも十分可能でございます。
○矢野委員 どうもありがとうございました。 どうぞしっかりよろしくお願いしたいと思います。 最後に、大臣のごあいさつの中には触れられていないことで大変恐縮ですが、一点だけ大臣にお尋ねをしたいと思います。 今、社会では死刑制度をめぐりましてさまざまな議論がございます。その中で、死刑のいわゆる代替刑として終身刑を創設すべし、こういう御意見もございます。 そこで、この終身刑というものについての大臣の御所見なり、あるいはお考えといったようなものがあれば最後に承りたいと思います。
○森国務大臣 私は、大臣就任以来かれこれ五十日になりますけれども、その間に、東京拘置所ですとか、あるいは島根あさひの新しい刑務所、これはまだ受刑者が入る前でありましたけれども、それから千葉の刑務所等を視察してまいりました。 千葉の刑務所は非常に初犯で重い罪の受刑者が入っていまして、殺人をした人が大体六割、それで千三百人の受刑者のうち四百人が無期懲役という刑務所でございます。 その千葉刑務所で、実際に受刑者の矯正ですとか、あるいは指導管理に当たっている刑務官の方の話を聞いたわけでございますけれども、最近非常に収容期間が長期化していて、無期懲役といっても、私ども素人は無期懲役でも結局十年ぐらいで出てきちゃうんじゃないかというふうな先入観を持っていたんですけれども、大体近年二十五年を超えないと出所しないということで、結果として、大体千葉刑務所でそれだけ多くの無期懲役の人がいても、年間に出る人が一人かそこらという感じで、どんどん入ってくるものですから、過剰収容の状態になっちゃっているわけです。そこで、無期懲役でなかなか出所できる希望がないという受刑者は、刑務官の人が指導やら矯正やら管理に当たるのはやはり非常に大変だというんですね。 そういうあれから考えますと、終身刑となると、これは全く生涯拘禁されるという受刑者の気持ちをそんたくすると、やはり絶望感を抱かざるを得ないことで、非常に過酷な刑罰であるということも言えるんじゃないかと思いますし、また、長期間の拘禁によって受刑者の人格が破壊されるというふうな意見もあるなど、刑事政策上いささか問題が多いんじゃないかというふうに感じております。 したがって、終身刑については、刑罰のあり方に関する種々の御議論もございますので、そういったことを参考にしながら、慎重な検討が必要ではないかと思います。 また加えまして、諸外国を見ても、現にこれを採用している国はアメリカとかごく比較的少数の国にとどまっているということも付言をしたいと思います。
○矢野委員 時間が来ましたので、終わります。ありがとうございました。
○山本委員長 次に、赤池誠章君。
○赤池委員 自由民主党の赤池誠章です。 近年、政府・与党は、世界一安全な日本の復活を掲げまして、治安回復のためにさまざまな施策を展開し、まだまだ課題山積とは言えますが、一定の成果を出しつつあるのではないかと思っております。 確かに、法務行政というのは本当に地味に見えるかもしれません。しかしながら、私たちの住む国家共同体としての秩序を維持していくという、国民にとって大変重要なことであります。 森大臣は、就任後、各地の施設を視察して回られたと聞いております。その中で、治安回復に向けて志を高く持ち日々の職務を行っている姿を目の当たりにして、治安回復に特効薬はなく、このような地道な努力の積み重ねこそ欠かすことのできない重要なことであるとの認識をあいさつの中で聞かせていただきました。私自身、立法府の一員として、微力ではありますが、世界一安全な日本、治安回復のために力を尽くしてまいりたいと存じます。 さらに森大臣は、重要なことは未来を見通して、さかのぼって今何をなすべきかが大事である、さらに頼りになるのが我々の日々の生活で培ってきた知恵、すなわち常識だということを強調なさっております。常識の通用する法務行政、まさにそのとおりではないかと感じております。 しかしながら、その昨今の国民の常識、いわゆる国家共同体としての視点、さらに未来を見通す点からいって、共同体の秩序を守る法務行政に関しまして、幾つかの懸念を抱えております。きょうは、そのうち三つの懸念に関して御質問をさせていただきたいと思っております。 一つは先ほどから話題になっております裁判員制度、二つ目は国籍法の改正の問題、さらに三つ目は人権擁護法についてであります。この三つに共通している懸念というものは、共同体としての国家、この日本そのものが崩壊しかねない、そんな危惧を抱いているところであります。 私たちは、世界最古、最長の統一国家としてのこの日本の中で暮らしております。その日本が崩れ、そしてただ無機質な個人や一部の少数者の方の権利ばかりが主張されて、日本という国がまとまりのないただの居場所になってしまうのではないかという危機感であります。 その中で、まず裁判員制度について質問をさせていただきたいと思います。 既に同僚議員からの質問がございました。最大の課題であります広報について、既に話がありましたので、簡単に国民への周知徹底に関して進捗状況を教えていただきたいと思います。
○大野政府参考人 裁判員制度広報につきましては、先ほど大臣からもお答えしたところでありますけれども、裁判員になることに対する不安を持たれる方がなお少なくないという実情にかんがみまして、例えば検察で非常に力を入れているのがいわゆる草の根広報でございます。 全国の検察庁の職員が、中小企業を含めた幅広い企業や自営業者のグループ、自治会等の地域の集まり、主婦や学生などのグループ等、さまざまな集いに伺うなどして説明会を積極的に実施しておりまして、法務省、検察庁分だけでもこれまで全国でそうした説明会が約二万九千回、対象人数は百三十四万人に達しております。 それから、いろいろな団体等を通じた働きかけという観点からいたしますと、例えば中小企業の関係等で申し上げますと、全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会、日本商工会議所、全国商店街振興組合連合会等の団体を通じまして、加盟企業や加盟商店振興組合に対しまして、説明会の開催や環境整備の協力を依頼しているということでございます。 それから、組織に属していない方々への周知も大変大切であります。そうした観点からは、全国地域婦人団体連絡協議会あるいは全国自治会連合会等に対しましても同様の協力を依頼し、説明会を開催しているところでございます。 なお、先ほど大臣が御答弁申し上げましたが、今月の末に候補者名簿に載った方への通知がなされる予定でございます。これにつきましても、幅広く周知することが重要であるということで、この週末に政府広報といたしまして、全国三千六百万部というふうに聞いておりますけれども、新聞折り込みチラシを配布すると同時に、来週末には政府広報番組の放送を予定しているわけでございます。 そうしたことで、裁判員制度の内容の周知に努めまして、不安が解消され、できるだけこの参加意識が高まるように、さらに最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
○赤池委員 ありがとうございます。 本年四月に最高裁が公表した裁判員制度に関する意識調査の結果を見てみますと、参加意向意識に結構差が出ているなということを感じました。都市部が高くてやはり地方が低かったり、大企業の社員の方々が高かったり中小企業の社員が低かったり、個人自営業主も低い、若年が高くて高齢者が低い、男性よりも女性が若干低いなどということで、非常に格差というものが見られます。 そういう面では、今後限られた予算や人員の中での、先ほど草の根広報という御指摘がございましたけれども、各地域ごとによりきめの細かい広報を実施していただきたいと思います。 知識があれば理解が深まるというのはもちろんでありますので、単にコマーシャルのみならず、やはりマンツーマンで説明を細かく、質疑を通しながらやるということが大変大事ではないかというふうに思っております。 そういう意味では既になされているわけではありますが、さらにきめ細かく実施をしていただきたいというふうに思っております。それに関しては質問をしないで、意見表明とさせていただきます。 裁判員の中でちょっと気になることがございます。それは、裁判員が重大事案にかかわるということで、殺人、強盗、放火、危険運転致死罪などという過程の中で、心理的な不安をどう抱えるかということがございます。特に、死刑というものを決定するという世界に類を見ない協議に加わる、その心理的な負担というのは非常に想像を絶するものがあるのではないかというふうに考えております。現在、どのような対策がなされているか、お伺いをしたいと思います。
○小川最高裁判所長官代理者 委員御指摘のように、裁判員裁判におきましては、まず審理、裁判の中で、裁判員の方にいたずらに心理的な負担をおかけしないような配慮をするということが大変重要であるというふうに考えております。 裁判員裁判では、公判前整理手続において取り調べる証拠を真に必要なものに厳選いたしますので、例えば遺体の写真でありますとか、裁判員の方が目にすることで心理的な負担となるような証拠、こうしたものは必要もないのに取り調べるというようなことはいたしません。 また、裁判員裁判では、三人の裁判官と六人の裁判員が十分な意見交換をして一つのチームとして結論を出すことになりますので、裁判員の方が一人で精神的な負担を抱えるようなことはないようにしたいというふうに思っております。評議や判決終了後においても、裁判官から裁判員の方に対して声をおかけするなどして、精神的な負担を和らげるように配慮したいというふうに思っております。このようなことを考慮しまして、裁判員の方の心理的な負担を軽減させていただきたいというふうに思っております。 また、それでもなお判決後に精神面でのアフターケアが必要となる方が出てこられました、そうした場合に備えまして、裁判所といたしましては、裁判員経験者を対象として、電話相談とか専門家によるカウンセリングあるいはメンタルヘルス対策の専門知識を有する民間業者に委託して、そうしたものを実施するというようなことも考えているところでございます。
○赤池委員 これはやったことがないわけでありますので、そのときの状況に対して、万全な準備、そして迅速な対応をお願いしたいというふうに思っております。 私自身も、地元の各ミニ集会などでこの裁判員制度の説明をさせていただいております。自分なりに一生懸命説明をしているわけなんですが、なかなか理解をしていただけないというのが率直なところであります。裁判員に呼び出されても断れるんでしょう、いや、過料十万円ですと言ったときに驚かれますし、死刑を含めてそういう重大事件を自分が決定するというその重みに非常に不安を抱かれる方が多いということであります。 マスコミに大きく報道される個別事件に対して、それぞれ司法への批判や不満があるというのはわかるわけでありますが、政府、裁判所が発行するパンフレットを見て、きょうも見せていただきましたが、なぜこの制度が必要なのかというそもそも論というものがなかなか理解しにくいのではないかということを痛感しているところであります。この経済不況の中で、自分自身の生活も大変な中で裁判員を義務としてお願いするということに対して、改めて導入目的、意義をわかりやすく説明しなければ到底受け入れられるものではないというふうに考えております。 そういう面で、何度もこのことは議論なされていると思いますが、改めて、わかりやすく国民の方にどう説明をするか、政府当局の見解をお尋ねしたいと思います。
○大野政府参考人 初めに申し上げたいのは、社会が複雑多様化する、あるいは国際化が一層進展するという中で、現在、日本は行政改革を初めとする社会経済の改革を進めて、自由で公正な社会を実現していこうというふうに目指しているわけでありますけれども、その社会の基礎になるのが司法制度でありまして、司法制度の役割が今後ますます大きくなっていくだろうというふうに思われるわけです。 そして、司法がそうした新しい社会において求められる機能をよりよく果たしていくためには、司法がもっと国民に身近なものになり、言葉をかえれば、その国民的な基盤がより強固なものになることが必要であると考えられます。 ところで、我が国の現在の刑事裁判でありますけれども、基本的には国民の信頼を得ているものと認識しているわけでありますけれども、国民の意識や価値観が多様化し、社会が急速に変化する中では、例えば裁判に時間がかかり過ぎるじゃないか、あるいは時として国民の感覚に合わない裁判が出てくるじゃないか、あるいは裁判の手続や内容がわかりにくいというような指摘がなされることがあります。 そこで、裁判官と裁判員が一緒に評議し、それぞれの知識経験を共有する裁判員制度を導入いたしまして、国民の良識や市民感覚を裁判に反映させ、あわせて裁判をより早く、わかりやすいものにすることによりまして、よりよい裁判を実現しようとするものであります。そして、その結果、司法に対する国民の支持や理解が一層深まり、司法が新しい時代にふさわしい、先ほど申し上げた強固な国民的な基盤を得られるのではないかと考えているわけであります。 なお、先ほど先生、共同体ということをおっしゃいました。裁判員制度を導入するということは、社会秩序や治安あるいは犯罪の被害者、人権というような問題が、他人事ではなくて、まさに共同体のみんなが一人一人にかかわり合いのある問題だというようなことをお考えいただく、そういう契機にもなり得るんじゃないかということが期待されるというふうに考えております。
○赤池委員 国会の中での答弁ですので仕方がない部分もあるとは感じますが、国民にわかりやすいということを大前提にしたときに、残念ながら、今の局長の答弁を一般の方に聞かせたときに、そのとおりだ、私だって参加したいというふうに思えるかということなんですね。 裁判が長くかかり過ぎる、確かにオウム真理教の問題を初めあったと思いますし、わかりにくい、常識と反する判決があったのではないかとか、法律用語でわかりにくいということはわかるんですね。でも、それは国民が裁判員として参加しなければ改革ができない問題なのか、裁判員に参加しなくてもできる話もあるんじゃないかという、その辺が判然としない。 より身近で、もちろん政治も、我々もそうだと思いますね、頼りがいのある、もちろん信頼が必要だということは、これは司法に限らず、すべての基盤でありますから、我々政治家もそうなんですが、ただ、では、議会の中に国民の皆さんを入れて、この委員会の中で議論をするかというと、これはやはり違う。その辺の、なぜ我々が直接参加しなければいけないかという、このぴっとくる理由までどうも至っていないのではないかというふうに思っております。 そういう面で、共同体の原理で、これを何とか強固にするためのこの制度の必要性ということは、それはプラス面に行けばそうなるのかもしれないし、逆に応報感情をかき立てたり、個人の権利意識ばかりを強く前面に押し立てたり、そういう逆効果もあるのかもしれない、共同体の崩壊に向かうかもしれない、そんな危惧を抱いておりまして、ぜひこの実施に当たって、慎重にも慎重を期してほしいということをつけ加えさせていただきたいと思います。大臣、一言よろしいですか。
○森国務大臣 私も、全くずぶの素人が法務行政のトップに当たりまして、今赤池委員のお言葉、非常に胸に響くわけでありますけれども、私なりにこの裁判員制度の意義ということを考えてみました。 これは、やはり今までの司法関係者もそれなりに一生懸命頑張ってきたと思います。したがって、現時点においても今までの裁判制度を支持する人も随分おりますから、そのことの証左だと思いますけれども、時間がかかり過ぎるとか、いろいろな刑事裁判における問題は一方であります。 ただ、裁判員制度の一番大きな意義というのは、お上の裁きから民主社会の判断に変わるということじゃないかと思います。そういう裁きを受けた方も、民主社会のそういう判決が下ったということであると、今までと随分違うと思いますから、いろいろな心配事もないわけではないわけでございますけれども、やはり大きな流れとして、この時期にあってこういう方向に向かって進むということは、私はとても意義深いことではないかと思います。 一方で、今赤池委員から御指摘のあったような危惧すべき点というのは、いろいろ運用の中で改善していかなければならないというふうに考えております。
○赤池委員 大臣から、みずからお言葉をいただきまして、本当にありがとうございます。 そういう面では、万能の制度はないわけでありますので、運用の中でやっていきたいというお言葉をいただきました。私の危惧が危惧で終わればいいと思っておりますし、そういう面では見直し条項もございますので、的確な対応をお願いしたいと思います。 次に、第二番目の私自身の共同体としての国家の危機の懸念は、この後審議をされる予定であります国籍法の改正についてであります。 国籍というのは御承知のとおり、まさに国家共同体の構成員を決める大切なルールであります。それが、一般の国民の中に崩れつつあるのではないかという懸念であります。 本年六月四日に最高裁判決が指摘した違憲状態を解消するために、今回法案を提出されるということであります。しかし、それに先立ってこの数日間、きょうの朝も物すごいファクスと電話、電子メールのすべてが批判であります。反対の意見であります。 内容を見てみますと、組織的に、同じような内容もある反面、みずからの言葉で今回の国籍法改正に対して大変な心配、危惧を抱かれている国民の方が全国各地、老若男女、そんな反対の声を寄せていただいているということであります。そういう面では、その疑念にしっかり国会としてこたえていかなければいけないということも感じております。 その中での代表的な疑念、質問を三つ、それぞれ法務当局からの見解をお伺いしたいと思います。 一つは、国籍取得届の虚偽届けについての刑罰が、今回新設をしようとしているわけでありますが、余りにも軽過ぎるのではないかという懸念であります。二つ目が、偽装認知を防止するためにDNA鑑定の導入を、必ず入れるべきではないかという意見であります。三つ目は、偽装結婚も横行していると言われている中で、偽装認知を防止するためにどのような形で実効ある対策を打とうと考えているのか。 この三点、法務当局の見解をお尋ねいたします。
○倉吉政府参考人 赤池委員から大変重い御指摘をいただきました。 今回の改正、最高裁の判決が出た、それに伴う違憲状態を解消するための改正ではございますが、ただいま御指摘のようなさまざまな御批判等々の文書が先生方のところにも来ているということも私ども承知しております。できるだけそのような御懸念、特に委員のおっしゃっていた国家のあり方にかかわるということを十分に踏まえつつ、そのような御懸念のないように私ども精いっぱい努めてまいりたいと思っております。 簡単に、ただいま御指摘のありました三点について申し上げます。 まず、罰則の点でございます。これは今度、虚偽の国籍取得届けがされたという前提でお話しだと思いますので、それでされたと。そうすると、害されるのは法務局等の事務の適正や信頼ということになります。しかし、何だ、役所の事務が害されるだけかということになろうかとは思いますけれども、そうは申しましても、国籍取得に関する事案というのは、日本国の構成員である日本国民の資格、これを適切に認定するための重要な責務であります。 そこで、類似の規定を見てみました。例えば、戸籍の記載または記録を要しない事項について虚偽の届け出をするという戸籍法百三十二条という規定がございます。あるいは、外国人登録法の関係で、その申請の関係でさまざまな虚偽の申請をするということが起こり得る。これについて定めている外国人登録法十八条というのがございますが、これらの規定の法定刑がいずれも一年以下の懲役または二十万円以下の罰金でございます。そこで、これに合わせまして今回も一年以下の懲役または二十万円以下の罰金としたところでありまして、これ自体は適切であると考えております。 一つつけ加えさせていただきますが、よく誤解されやすいのが、いわゆる偽装認知、虚偽の認知をして届け出をしたときはこの一年以下だけなのかというふうに誤解されている向きがあるということでございます。 この一連の届け出をいたしますには、まず認知届けというのを市町村に父親がいたします。そうすると、それについて、父親の戸籍の身分事項欄に、子の○○、どれそれという子を認知したというのが載るわけでございます。それから、その戸籍の証明書を持って法務局に参ります。それで、今回新設するこの罰則に当たるところですが、国籍取得届けというのをいたします。法務局では、そこで国籍があるという証明書を出しますと、それを持って今度、三回目、また市町村に参ります。そこの市町村で新たに届け出をいたしますと、今度はその子が日本人になるということになりますので、その子供の戸籍を新たにつくる。つまり、三段階あるわけでございます。 この第一の段階と第三の段階で、認知が実はうそなのに、親子関係がないのに虚偽の認知をしたということで届け出をしたということになりますと、これは公正証書原本不実記載等、戸籍に載りますので広く世の中をだますことになる、こういうことでございます。この罪名で、五年以下の懲役または五十万円以下の罰金となります。 だから、それぞれ個々の事案で、恐らくこの三つまで行ってしまうというのが多いだろうとは思いますが、途中で発覚して途中にとどまったとしても、それぞれの罰が科されるということになるので、適正な科刑ができる、こう考えているわけでございます。 それから、DNA鑑定の話がございました。偽装認知のためにDNA鑑定すべきじゃないかと。これもよくわかる議論なんですが、実は、委員の皆様方御承知と思いますが、日本の民法の親子関係を決める手続というのは認知で決まる、そのときにDNA鑑定を出せなんということは言わないわけでございます。ここに家族の情愛で自分の子供だと認知したというんだったら、それでとりあえずの手続を進めて、後でおかしなことがあったら、親子関係不存在とかそういうのでひっくり返していく、あるいは嫡出否認なんかでひっくり返していく、こういう法制度、これが日本の独特の制度でございます。 それを踏まえますと、DNA鑑定を最初の認知の段階で持ち込むことになりますと、やはり親子関係法制全体に大きな影響を及ぼすな、これを私どもとしては考えざるを得ません。 さらに幾つか問題がございまして、一つは、DNA鑑定で一番難しいのは、検体のすりかえがないかということであります。すりかえられた検体で来られるとみんなだまされてしまいますから。それから、現在の科学技術水準に合ったきちっとした鑑定ができているか、そこを判断しなければなりません。しかし、それの判断が迫られるのは、最初の認知届が出される市区町村の窓口あるいはこの国籍取得届が出される法務局であります。そういうところでそんな判断はできないという、ここに大きな問題が一つございます。 それから、鑑定には相当の費用がかかります。そうすると、この費用の負担能力がない人にはどうしても手だてがない。それから、外国国籍の子を認知する機会にはDNA鑑定を義務づけるとすれば、それは外国人に対する不当な差別ではないか、こう言われる可能性もあるということで、DNA鑑定の採用については消極に考えております。 それでは対策できるのかというのが先生の一番おっしゃりたいことだと思うんですが、申しわけありません、長くなって。 法務局では、最初に国籍取得の届け出が参ります。これには届け出人が出頭することが必要でありまして、また必要な戸籍などの書類を出していただきます。そのときに、当然に必要なことを聞きます。お父さんとどこで知り合ったのかとか、どこでどういう過程で子供ができたのかというようなことは聞きますし、その関係で必要な書類も確認をいたします。場合によってはというか、これはほとんど必然的だと思うんですが、その父親についての協力も求めたい、こう思っております。その子供が懐胎した時期に同じ国に滞在していなかったんじゃないかとか、そういう疑義が生じたということになれば、偽装認知の疑いもあろうかということになりますので、関係機関とも連絡を密にして、さらなる確認を続けるということで、不正の除去に努めてまいりたい、こう思っております。
○赤池委員 今後の具体的な審議に、それぞれさらに突っ込んだ議論をお願いしたいと思います。 今回国籍法が導入されたきっかけというのは、先ほど言いましたように、最高裁の大法廷の判決であります。当初は、最高裁の判決だからすぐにこれは法改正せざるを得ないと私自身も思っておりました。しかし、これだけ国民多数の反対意見に接して、改めて最高裁の判決文を読みました。そこで驚いたことがあります。 十五名の最高裁判決で、多数意見は、その違憲の理由の根拠として、社会経済の環境の変化とか、夫婦の家族生活、親子関係の意識の多様化、非嫡出子の割合の増加、社会通念、社会状況が変化している、国際化だ、諸外国の動向だ、国際条約、規約を理由に挙げているわけです。一見もっともらしいわけでありますが、しかし、最高裁の三名の少数反対意見は、その一つ一つに関して統計データを使って、日本人の家族生活、親子関係の意識の変化はある程度あるにしても、国民一般の意識として大きな変化はない、例えば非嫡出子は二十年間で一%から一・九%にしか増加していない、日本人を父、外国人を母とする数も五千人から一万三千人にしかふえていない、西欧の三〇%や少ない国でも一〇%が非嫡出子である国とは違うんだということを明確に述べているということであります。 私は、国民常識は最高裁の多数意見よりも少数意見にあると思わざるを得ませんでした。最高裁判決でも間違っているものは間違っていると言わざるを得ないというのが率直な感想であります。 先ほど裁判員の中で、国民に身近で頼りがいのある司法を実現したいということを目指していると思いますが、そういう面では、最高裁こそ国民の常識から外れて、裁判員制度が最高裁に必要ではないかと思わざるを得ないわけであります。国籍法改正は、今回、慎重にも慎重を期すべきであるということを申したいと思います。 時間がございません。最後に、第三の国家共同体崩壊の懸念として、人権擁護法案というものを挙げさせていただきたいと思います。人権擁護の名のもとで少数者の権利ばかりが守られて、言論弾圧の危険性や無用な争い事を惹起するのではないかと危惧するところであります。 この法案に関しまして、大臣の所見をお尋ねしたいと思います。
○森国務大臣 人権侵害による被害者の実効的救済を図ることなどを目的とする人権擁護法案につきましては、人権擁護推進審議会の答申を踏まえたものであり、同答申を最大限に尊重すべきとした人権擁護施策推進法の附帯決議の趣旨に照らし、かかる目的を実現すべき法案の国会への提出を目指すべきものと考えているところでございます。 しかしながら、与党内においてもさまざまな御意見があることから、与党を初めとする各般の御意見を承りながら、引き続き真摯に検討してまいりたいと存じます。
○赤池委員 与党の中でまだ議論が進んでおりますので、私もしっかり参加をして議論を続けてまいりたいと思います。 きょうは、以上、裁判員制度、国籍法、人権擁護法の三つについてお尋ねをいたしました。この三つの共通する懸念として、私たちの住むこの共同体としての国家自体が崩壊の危険に遭遇しているのではないかという指摘をさせていただきました。 その根底にあるのは、すべて民主化すればうまくいくという民主主義的な幻想感や、最大多数の最大幸福というものが置き去りにされて、平等の名のもとで少数者ばかりの権利が保護されているという逆差別的な意識もあるのではないかと思っております。激動する現代日本だからこそ、しっかりとした歴史と伝統に根差した、まさに大臣がおっしゃる常識というものが今こそ大事だと思っております。 自分が死んでもこの国は残ります。先人たちから受け継がれたこのかけがえのない日本国を、これから生まれてくる子孫たちに渡していかなければいけないと思っております。民主主義が衆愚政治に堕し、古代ギリシャの末路と同じように、国家が崩壊しないように、そんな轍を踏まないように、この三つの法案、裁判員制度の実施、国籍法改正、人権擁護法の制定に関しましては、慎重にも慎重を期すべきであるということを訴えて、私の質問とさせていただきます。 きょうはありがとうございました。
○山本委員長 次に、神崎武法君。
○神崎委員 森法務大臣、御就任おめでとうございます。 大臣は伊能忠敬のお話をされましたけれども、私も、少年時代、青年時代、千葉県に住んでおりましたもので、大変懐かしく、興味深くお話を伺わせていただきました。 法務行政は日本という国のあり方にかかわる大変重要な行政でありますから、大臣が言われたように、子や孫の時代の日本というものを見据えながら、今やるべきことを着実にやっていくことが特に重要だというふうに考えております。 そこで、法曹人口問題を通して、やはり大臣の発言がぶれないでいただきたいということを特に私はお願いを申し上げたいと思うわけであります。鳩山元法務大臣は、当初は法曹人口を拡大する計画に疑義を唱えておりましたけれども、その後は、三千人達成計画は維持する、達成後は縮小の方向で見直すべきだ、こういう御意見だったと思います。保岡前法務大臣は、法曹人口問題につきましては、計画を堅持するお立場だったと思いますけれども、法科大学院の再編統合に踏み込んだ発言をされました。その真意を伺いたいと思っていたんですけれども、森法務大臣にかわられたわけでございます。 法曹人口問題、法科大学院の見直し問題につきまして、大臣がどのようにお考えになっていらっしゃるのか、お伺いをしたいと思います。
○森国務大臣 まず、法曹人口についてでございますけれども、私は、今の日本の現況を見ますに、諸外国との比較とか、あるいは法曹に対する需要、また弁護士の地域的偏在等々を勘案いたしますと、法曹人口についてはやはり大幅に増加させる方向が望ましいんじゃないかというふうに考えております。平成十四年三月十九日に閣議決定された司法制度改革推進計画では、平成二十二年ごろに約三千人程度とすることを目指すとされておりまして、私は、関係機関と協力して、この閣議決定の実現に向けて最大限努力をしてまいりたいと存じます。 一方、法科大学院でございますけれども、これは新たな法曹養成制度の中核的な教育機関でありますが、今、所期の目標のような態様になっているかというと、いささか物足りないものを感じております。 でも、これから、司法試験の合格率が継続的に著しく低い法科大学院については、入学定員の見直しとかを含めた入学者の選抜方法の改善、また、教育内容の充実、厳格な成績評価と修了認定の徹底などにより、現状の改善を図っていただきたいと思っております。そのために、所管の文部科学省と連携いたしまして、いろいろ聞き取りをしたり、また御要請をしたりしているところでございます。 いずれにしても、今決められた方向を基本的に堅持して、これからも取り組んでいきたいというふうに思っております。
○神崎委員 法曹人口問題、この法科大学院問題は、長年の議論の結果、政府として一定の方針を示したものでありますので、それぞれの法務大臣によって考え方が違うんじゃないかというような受けとめ方を国民にされますと、国民の信頼を失うおそれもあるわけでございます。ぜひ、ぶれないように、これからもよろしくお願いをいたしたいと思います。 次に、裁判員制度における精神鑑定の問題についてお尋ねをいたします。 東京渋谷区の歯科医師宅で兄が妹を殺害、切断した事件で、殺人と死体遺棄の罪に問われた事件の控訴審が東京高裁で行われております。この事件では、捜査段階で簡易鑑定が行われ、犯行時、精神病状態は見受けられなかった。公判段階では、別の精神科医が行った鑑定では、殺害時は心神耗弱、死体損壊時は心神喪失ということでした。しかも、本格的な鑑定は事件後八カ月後に行われているところでございます。 昭和五十八年の最高裁決定では、被告人の精神状態が刑法三十九条に言う心神喪失または心神耗弱に該当するかどうかは法律判断にゆだねられるべき問題としております。ところが、現実には、犯行時の善悪の弁別能力が鑑定事項として明示される場合が少なくないわけであります。 裁判員制度では、責任能力の判定の主体は裁判員、裁判官にあることが原則でありまして、鑑定人の役割は、判定の材料、つまり病気や病状がどんな性質で、認知能力や行動にどの程度の影響を与えたかを説明するにとどめるべきだ、このように考えます。 まず大臣にお伺いいたしますが、裁判員制度におきます責任能力判断の主体は裁判員、裁判官にあると理解してよろしいでしょうか。
○森国務大臣 そのとおりと存じます。
○神崎委員 裁判員制度におきまして、一般国民が責任能力を適切に判断できるのかどうかということであります。鑑定書は専門的で非常にわかりにくいし、一般国民にもわかりやすくするために、こういう鑑定書を含めて精神鑑定を公平でわかりやすいものに改善すべきと考えますが、その点についてはどうでしょうか。
○森国務大臣 これも基本的にはおっしゃるとおりでございまして、検察当局においては、裁判員裁判の円滑な実施のため、裁判員の方々にわかりやすい立証のあり方の検討を含め、さまざまな取り組みを積極的に行っているものと承知しております。 責任能力が問題となる事案については、詳細な鑑定書を読んで理解することを裁判員に期待するというのはいささか困難があると思われますことから、鑑定書はできる限りわかりやすく簡潔なものとして、鑑定人の証人尋問の際に、その内容について適宜補充説明をしていただくなどの工夫が検討されていると聞いております。 このような工夫により、裁判員が適切に責任能力の有無及び程度を判断することが可能になるのではないかというふうに考えております。
○神崎委員 最高裁司法研修所の研究報告によりますと、精神鑑定は原則として公判前の一回に限って行い、心神喪失などの結論を示すことは避けるべきであるというふうにしております。これは、全国の裁判官の指針になるのか。 その場合に、捜査段階において行われている簡易鑑定、これはもうやらなくなってしまうのかどうか。その点をお伺いいたしたいと思います。
○大野政府参考人 責任能力に問題がある事案についての鑑定の必要性、必要とされる場合にどういう方法を使うのか。これは、検察当局が個別の事案に応じて判断しているわけであります。 裁判員制度のもとにおきましても同様でありまして、個別具体的な事件の事情に応じて、簡易鑑定によるべきであると判断される事案につきましては、なお簡易鑑定を実施することはあるんだろうというふうに考えております。 例えば、過去にいわゆる精神病歴がなく、しかも、その犯行前後の行動も十分了解可能である、したがって問題なく完全責任能力があると認められる事案におきましても、そういうような場合には、仮に弁護側が責任能力を争うというふうに主張いたしましても、その主張自体が成り立たないんじゃないかと思われる場合があるわけです。そういうような場合には、仮に捜査段階で鑑定を実施するとしても、それは簡易鑑定で足りるのではないか、そんなことでございます。
○小川最高裁判所長官代理者 委員が御指摘されました司法研究でございますけれども、これは司法研修所が実務的に問題となる特定のテーマを取り上げまして、現場の裁判官や刑事実体法あるいは刑事手続法の研究者に研究を委嘱して実施した、こういうものでございます。司法研究の結果は、報告書にまとめられて全国の裁判官の参考に供されます。 性質上、あくまでも何人かの裁判官や研究者の研究結果ということでございまして、最高裁として何らかの指針を示したということではございませんが、今後、この司法研究を踏まえまして、裁判員裁判における審理のあり方等について、その検討をさらに深めてまいりたいというふうに考えております。
○神崎委員 早期に公正な精神鑑定を行えるよう、専門医による第三者機関の設置を提案する意見もありますけれども、いずれにせよ、公正な精神鑑定を今後どのように行っていくか、そのために改善すべきことはきちんと改善をすべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○小川最高裁判所長官代理者 先ほどから委員が御指摘しておられます十九年度の司法研究でございますが、可能な限り裁判員裁判においては裁判員の混乱を避けるために複数鑑定を防ぐというようなこと、委員御指摘のとおりでございますが、適正な鑑定を実施するためには、公正中立で有能な鑑定人を選定しなければいけない、これが大変重要なことであろうと思います。 これまでも、裁判所において鑑定人を選定するに際しましては、過去の鑑定事例などを参考にしながら、検察官や弁護人の御意見もいただいた上で公正中立で有能な鑑定人を選定してきたものと考えておりますけれども、裁判員裁判におきましても、裁判所が鑑定人を選定する場合には、今述べたような方法を適切に活用いたしまして公正中立で有能な鑑定人を選定することができるというふうに考えているところでございます。 また、鑑定手続においても、先ほど申し上げました司法研究が提言しております鑑定資料の提供のあり方とか、あるいは鑑定人との打ち合わせの活用とかいった点で検察庁や弁護士会とも十分意見交換を行って、公正適切な鑑定手続のあり方の検討を深めてまいりたいというふうに考えております。
○神崎委員 次に、法テラスについてお伺いをいたします。 法テラスが業務を開始してから二年になります。これは大変画期的な制度でありますし、これからも十分活用できるようにしてまいりたいというふうに思いますが、コールセンターへの相談件数が当初予想の四分の一、法テラスの知名度も約二割にとどまっております。周知が十分なされていないのではないかという点であります。 自治体、企業、団体、地域の町内会、自治会などとの連携とかアピールをさらに強化すべきと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
○森国務大臣 法テラスは、一般の国民の皆様にとって弁護士に相談するというのはなかなか敷居が高いというふうに思いますし、また、そういうときにちょっと電話をしてガイダンスをしてもらえるということで、国民の皆様にとって、知っていただければまことに有用な存在であるというふうに思います。 ところが、神崎先生御指摘のとおり、これはまだ認知度がまことに低くて、私なんかも、最近、いろいろな、何人かいるところで、法テラスを知っているかと聞くようにしているんですけれども、ここには二割と言われていますけれども、一割ぐくらいじゃないかと思いますね。やはり、これはとにかく知ってもらえば役に立つ組織でありますから、とにかく知っていただくことが極めて重要であると思います。 これまで法テラスにおいては、相談者の認知媒体等を分析して広報戦略に生かすとともに、金融庁等のキャンペーンと連携した広報や、テレビなどのマスメディアを利用した広報などに努めてきており、こうした取り組みの結果、コールセンターへの問い合わせ件数も、私が就任したからではないと思いますけれども、この十月から随分上がったりして、確かに上昇してきているということは事実でございます。 しかしながら、まだまだ不十分でございますので、さらに認知度の向上を図るために、地域住民にとって最も身近な存在である自治体ですとか各種団体とも連携をいたしまして、地域住民に対しまして法テラスをより広く紹介していただくことが肝要であろうかというふうに思っております。 法テラスでは、各種の地方事務所において、これまでも、地方自治体等の関係機関を集めた協議会を開催し、広報への協力などを働きかけてきたと聞いておりますが、先生の御指摘も踏まえまして、今後は企業や町内会などに職員を派遣して広報を行うといった活動を強化するよう法テラスに対しても働きかけをいたしたいと思います。 法務省としても、関係省庁等に対して、国民への周知について協力をお願いするなどの最大限の努力を払っていきたいと考えております。
○神崎委員 ぜひ頑張っていただきたいと思います。 被疑者国選弁護制度をめぐりまして、岡山弁護士会所属の弁護士が受任した事件のすべてで水増し請求を繰り返し、報酬を過大に受領していることが判明いたしました。金額は少額でありますけれども、これは制度の信頼を根底から揺るがす事件であるというふうに思います。 再発防止のためにどのようなことを考えておられるのか、伺いたいと思います。
○深山政府参考人 日本司法支援センター、法テラスと国選弁護人契約を締結している弁護士が、複数の被疑事件につきまして、被疑者との接見回数を水増しして法テラスに対して過大な報酬請求をした疑いが生じている事案が発生したことは、まことに遺憾でございます。 法テラスにおいては、既に国選弁護人契約の解除に向けて、本件を、支援センターの内部に設置された審査委員会、これは法律上設けることになっていますが、審査委員会に付議して所要の手続を進めているところでございまして、この委員会の議決を待って、この弁護士との国選弁護人契約を解除することになると予想しております。 また、これと並行して、支援センターは刑事告訴の要否についても現在検討しているところだと聞いております。 なお、本件に関しましては、この弁護士の所属する岡山弁護士会において懲戒手続も既に進められていると聞いております。 支援センターでは、他の契約弁護士による同種事案の有無を把握するために、現在、既に実施された被疑者国選弁護事件から一定のサンプルを無作為抽出いたしまして、その契約弁護士が報酬請求の際に提出した報告書に記載された接見回数と警察から入手した資料とを照合して確認することによる調査を開始したものと聞いております。 この事件の経過からも明らかですけれども、弁護士の方がこのような事態を発生させた場合には、法テラスとの契約が解除されるばかりでなく、弁護士の資格を喪失し、あるいは刑事事件にまで発展しかねないということでございます。 したがって、本件が極めて例外的な事案であることを期待してはいますけれども、いずれにせよ再発防止策を検討する必要があると考えておりまして、法テラスとしても、このサンプル調査の結果を見ながら、契約弁護士の接見状況を事後的にチェックする方法なども含めて、同種事案の再発を効果的に防止する方法について現在検討中であると聞いております。 法務省としても、この検討に十分な協力をしてまいりたいと考えております。
○神崎委員 二度とこういうことが起こらないように、万全の体制をとっていただきたいと思います。 それから、やはり国選弁護報酬が安過ぎる、これは引き上げをぜひしてもらいたいという強い要請がありますけれども、この引き上げの方向性についてお伺いをいたしたいと思います。
○早川大臣政務官 先ほどの岡山の不祥事の点につきましては、しっかりした再発防止策を講じなければならないというのは当然であります。ただ、国選弁護報酬基準の改定とは、これは切り離すべき問題であるというふうに考えております。再発防止策を講じることを前提としつつ、弁護活動についての実情等を踏まえ、弁護人の労力をさらに適切に反映したものとなるよう報酬基準を改定して、質、量ともに豊かな国選弁護人の確保に努めるべきであるというふうに考えております。 国選弁護人の報酬額というのは、日本司法支援センターが策定し、法務大臣において、財務大臣との協議等を経て認可した報酬等の算定基準に従って算定されることとされております。この報酬基準につきましては、本年七月の三十一日付で、最近の刑事裁判実務における審理の迅速化に対応して、弁護人の公判準備活動に係る労力を報酬に反映させる等の改正を行ったところであります。 来年の五月から、連日的開廷、集中審理を前提とする裁判員制度が実施されますけれども、こうした裁判員裁判における弁護人の訴訟準備や公判活動に係る労力等に見合った適切な報酬基準を設定し、裁判員裁判を担う国選弁護人を十分に確保することが必要であると認識しているところであります。 裁判員裁判の開始及び被疑者国選弁護事件の対象事件範囲の拡大に備えまして、平成二十一年度予算の概算要求において、国選弁護人の委託費として、約百八十五億円を要求しているところでございます。前年度九十億円の倍額以上というところで、満額に近い査定をいただくように最善を尽くすよう事務当局に指示しているところであります。 裁判員裁判についてのみならず、裁判員裁判対象事件以外の一般の被告人国選、被疑者国選についても、弁護活動の実情等を踏まえ、弁護人の労力をさらに適切に反映したものになるよう報酬基準を改定すべきであるというふうに考えております。大幅に増額する方向で、関係省庁の理解を得られるよう事務当局には指示しているところでございます。 法務省といたしましては、質、量ともに豊かな国選弁護人を確保するためにも、関係機関と協議をしながら、引き続き適切な国選弁護報酬基準の策定のために努力をしてまいりたいと考えているところであります。 以上であります。
○神崎委員 ぜひ頑張っていただきたいと思います。 次に、殺人罪の公訴時効廃止問題につきましてお伺いをいたします。 殺人罪の公訴時効は、平成十六年の刑訴法の改正で、平成十七年以降発生した殺人事件の公訴時効は二十五年になりました。刑訴法の不遡及の原則から、それ以前に発生した殺人事件の公訴時効は十五年のままであります。 これに対して、毎日新聞の世論調査によりますと、殺人罪の公訴時効をなくせという人が八〇%近くいるということが明らかになりました。また、DNA鑑定など、科学捜査が進歩し、事件から数十年たっても立証できるようになった、そういうケースもあります。こういった点から、殺人罪の公訴時効を廃止すべきという意見もあります。 まずお伺いしたいのは、殺人罪について、公訴時効は諸外国ではどうなっているのか、公訴時効のない国もあるというふうに承知しておりますが、いかがでしょうか。
○大野政府参考人 初めにお断りしたいのは、国によりまして、刑法、刑事訴訟法の立て方が違いますので、厳密な意味での比較ではございません。 その上で申し上げますと、日本の殺人罪の公訴時効は、先ほど委員が御指摘になられたとおり、二十五年であります。アメリカ・ニューヨーク州を例にとりますと、謀殺、これは日本の通常の殺人に当たりますけれども、これにつきましては時効がないという形になっております。一方、故殺、もっともニューヨーク州の場合にはこの故殺は傷害致死等も含むようでありますけれども、故殺につきましては時効は五年のようであります。 次に、イギリスでありますけれども、そもそも公訴時効の制度が設けられていないということであります。 それからドイツでありますが、謀殺、この場合の謀殺は計画的な殺人という中身のようでありますけれども、これについては時効がありません。それに対しまして、故殺、これは日本の通常の殺人、計画的ではない殺人に当たるようでありますが、その時効は二十年ということになっております。 最後にフランスでございます。フランスは、謀殺、故殺のいずれも、公訴時効は十年ということになっております。 以上でございます。
○神崎委員 米国のニューヨーク州では、DNAがあれば、被疑者を特定しないまま起訴し、時効を停止させる制度があるというふうに聞いております。ほかにもこのような制度があるのかどうか、また、このような制度を我が国でも検討してはどうなのか、この点についてお伺いします。
○大野政府参考人 アメリカにおきましては、ただいま御指摘のありましたニューヨーク州のほか、連邦あるいは幾つかの州におきまして、被告人をDNA情報により特定するだけで、氏名等によっては特定しないまま起訴して公訴時効を停止させる取り扱いが行われているというように承知しております。 ただ、米国以外にそのような取り扱いが行われている国があるかどうか、このあたりは、私どもとしてはこの時点ではまだ承知しておりません。 ところで、我が国におきましては、検察官が公訴提起、起訴をいたしますと、公訴時効の進行が停止するわけであります。その理由は、検察官が捜査を遂げて、特定の被告人に対し特定の罪となるべき事実について訴追をするという意思を裁判所に伝えることによりまして、刑事訴訟が現実に今進行し得る状態になるということで、公訴時効制度の理由とされている、証拠の散逸による訴追の困難化あるいは処罰感情の希薄化、事実状態の尊重といったような事情が妥当しなくなる、そういう理由ではないかというふうに考えられるわけであります。 しかし、今御指摘のありました、被告人を氏名等で特定することができない段階で、遺留体液等から判明するDNA情報のみに基づいて起訴することがそもそも一体妥当なのかという点についてはいろいろ議論があろうかと思います。また、仮にDNA情報で起訴したとしても、それによって現実に刑事訴訟手続が進むのかというと、進まないようにも思われるわけであります。 そういたしますと、DNAによる特定で起訴することができることを前提に、それに通常の公訴提起と同様の公訴時効の停止の効力を認めるということについては、やはり慎重な検討を要するのではないかというふうに考えております。
○神崎委員 そもそも、公訴時効が存在する理由としては、一つは、年月の経過に伴う証拠の散逸、それから二つには、長期捜査による捜査費用の問題、それから三つ目には、年月の経過に伴い遺族や社会の処罰感情が薄れること、こういうことが言われております。 また、犯人の利益説という立場から説明をする方もおられるわけでございますけれども、年月の経過に伴う証拠の散逸という問題については、DNA鑑定の精度がアップした、ですから、新たな科学捜査というものをどう考えるかという問題があると思います。 それから、長期捜査による捜査費用の問題は、長期間経過した場合、やはり証拠の管理が中心になるだろうし、新たな証拠が得られた時点で捜査を再招集するということですけれども、それほど費用はかからないのではないか、こういう問題があります。 それから、遺族や社会の処罰感情が薄れているということですが、公訴時効によって訴追できないことへの遺族等の被害感情、これが極めて強いという現実があるわけですね。 ですから、こういう殺人のような重大事件で公訴時効を存在させる根拠というのが果たしてあるのかどうか。 そこで、まず伺いたいんですが、公訴時効の根拠を法務当局はどのように理解されているのか、それから、殺人罪のような重大犯罪について、公訴時効を廃止するということも検討してはどうか、こういうことをお伺いしたいと思います。
○大野政府参考人 公訴時効制度の趣旨につきましては、先ほど委員が御指摘になったとおりでございます。証拠が散逸し訴追が困難になること、処罰感情の希薄化あるいは一定期間訴追されていないという事実状態の尊重等というふうに言われているところでございます。 殺人等の重大犯罪について、それでは公訴時効を廃止するかどうかということでありますけれども、ただいま申し上げたような公訴時効制度の趣旨あるいはほかの犯罪との均衡というようなこともあろうかと思います。さらに、平成十六年に、最近における公訴時効制度の趣旨の持つ意味が変わってきているのではないかというようなことも踏まえて、凶悪重大犯罪について公訴時効期間を延長する法改正が行われてまだほどない状態であるということも踏まえますと、なお慎重に検討すべきものではないだろうかというふうに考えております。
○神崎委員 暴対法の問題など、お尋ねをしたかったんですけれども、時間が参りましたので、これで終わります。
○山本委員長 次に、細川律夫君。
○細川委員 民主党の細川律夫でございます。 大臣には、昨日は参議院の方で、きょうはまた衆議院の方で、大変御苦労さまでございます。 そこで、先日の大臣の所信の中で、前の鳩山法務大臣と同じような内容の部分がございましたので、まず、そこからちょっとお聞きをいたします。 大臣は所信の中で、人権擁護法案についてこのように言われています。かかる法案の提出を目指すべきものと考えておりますが、与党内においてもさまざまな議論があることから、各般の意見を賜りながら、引き続き真摯に検討してまいります、このように述べられました。 この部分は、先ほど言いましたように、昨年十月十九日、鳩山大臣も同じようなことを所信で述べられました。しかし、鳩山大臣のときには、この法案については全く進展をせずに終わりました。私は、大臣が明確にあれだけ述べながらその進展が全くなかったということは大変遺憾でありまして、大臣所信の重さを考えれば、鳩山元大臣の責任は大変重いんじゃないかというふうに思います。 そこで、森大臣にお伺いいたしますけれども、やはり委員会での大臣のあいさつ、いわゆる所信表明というものは、単に法務委員に向けられたそういうものではなくて、国民に対する大臣の決意が述べられた、こういうふうに私は考えておりますけれども、そういう所信の重さというものについて、大臣はどのようにお考えになっておるのか。それとの絡みで、人権擁護法案の提出に向けまして大臣が今後どのような努力をされていくのか、まずお聞きをしたいと思います。
○森国務大臣 所信の重みということについてでございますけれども、これは、十分にその重みを認識いたしまして、自分なりに推敲に推敲を凝らして申し述べたところでございます。 しかしながら、人権擁護法案については、まさに、確かに同じという御指摘ですけれども、政策の継承性からいってもそんなに大きく隔たるわけもないのでございまして、申し述べたとおりでございますけれども、私といたしましては、与党を初めとする各般の御意見を踏まえながら、承りながら、引き続き真摯に検討を続けてまいりたいと思っております。
○細川委員 鳩山元法務大臣もこの場で強くそのような表明をされました。今森大臣も言われましたけれども、しっかり大臣が所信で述べられたことは実現をするように、やはり最大限の努力をぜひお願いしたいというふうに思います。 それから、先ほど、どなたかの委員の質問の中で、大臣が所信で述べられていたことについて質問がされておりましたけれども、矯正施設や入管施設などの視察をして回って現場を見て、職員と対話をする機会を得ることができましたということで、現場を見られたという千葉刑務所なんかのことを具体的に言われておりましたので、ちょっと関連してお聞きしますけれども、刑務所はどちらを、地元の刑務所の千葉刑務所だけでしょうか。
○森国務大臣 島根あさひの刑務所も行きましたけれども、あれはちょっと、落成式がありましたので、まだ受刑者が入っていない、収容者が入っていない状態でございまして、今のところ、拘置所のほかは千葉刑務所だけでございます。
○細川委員 この後、刑務所の視察というのは予定がありますか。
○森国務大臣 ちょっと今、まさにこの衆議院の法務委員会のことで頭がいっぱいでございまして、まだスケジューリングはしておりませんけれども、ぜひ、さまざまな種類の刑務所あるいは少年院等々の視察をこれから続けてまいりたいと思っております。
○細川委員 法務当局の方から徳島刑務所のことは聞いておられますか。
○森国務大臣 聞いております。
○細川委員 どういうふうに聞いていますか。
○森国務大臣 聞いたんですけれども、ちょっとうろ覚えなものですから、余りいいかげんなことは差し控えさせていただきます。
○細川委員 ちょうど一年前ですよ。去年の十一月十六日、徳島刑務所で大事件が起こったじゃないですか、大事件が。これは本当に大事な事件ですよ。私は、千葉へ行くよりも、まず徳島刑務所を視察すべきだったと思いますよ。法務当局も、しっかりそういうところはまず説明すべきじゃないですか。これは、去年の十一月十六日、徳島刑務所で受刑者三十一人が刑務所の職員に対して集団で暴行して、一時期は制圧されていたんですよ。 私たちは、実態調査に行きました。大変な事情を聞きましたよ。受刑者同士がお互いに、個別に情報を交換するなんというのは日常茶飯事に行われていたんですから。作業するところのカーペットの下にばっと紙を入れて、それでお互いが知り合う。収容所の窓と窓、お互いの横の窓で連絡し合ってペーパーを差し入れたり、刑務所の中で、二階と下の窓から窓へ通信をしていたんですよ。そんな事実があるんですよ。私たちが実態調査に行ったからわかったんですよ、徳島刑務所。 僕は行って大変びっくりしたんですけれども、これは第二工場で行われた。その第二工場ともう一つの工場というのは連絡になっているんですけれども、そこの連絡がかぎをとられてあけられたら、一斉に蜂起したんじゃないですかね。 こういうことが起こり得るというようなことが事前に予測をされていた事件なんですよ。受刑者の人たちに大変不満があって、その間に、徳島刑務所視察委員会からも再三にわたって、きちっとやれというようないろいろな申し入れもされていたんですよ。それがちょうど一年前に起こったんです。 私は、こういうところにまず大臣が行って、職員と親しくそこで話して、どうしてそういうことが起こったのか、二度と起こらないように、ぜひそういうところを視察してもらいたかったんです。 これは法務当局の方だって、私はおかしいと思いますよ。それは、確かに無期懲役の人のことも大事ですけれども、その根幹というんですか、刑務所の秩序の根幹がやられて、集団暴動が起こるなんということはあってはならないことなんですから。大臣、どうお考えですか。
○森国務大臣 委員のおっしゃることは極めてごもっともでございますが、受刑者については既に起訴済みで、といっても、それで問題が済んだわけじゃなくて、非常に深刻な問題をはらんでいるということは報告を受けております。 そういう意味で、国会開会中、なかなか遠くへ視察に行くことができにくかったものですから、いまだ行っておりませんけれども、早急に視察をして、また現場の声を聞いてまいりたいと思います。
○細川委員 ぜひ行っていただきたいと思います。 次に、裁判員制度のことについてお聞きをいたします。 この法務委員会では、ことしの七月に、当時の下村委員長と理事、合わせて五人で海外視察に行ってまいりました。その視察した帰国後に、視察団の提言という形で、裁判員制度に関するものと死因究明制度に関するものについて発表いたしました。この提言については保岡前大臣にも御説明をしておりますけれども、森新大臣も御承知のことと思います。この視察団では早川政務官も一緒に視察をいたしまして、その提言した当事者でもございますので、その提言に従って、きょうはちょっと御質問したいと思います。 まず、裁判員制度から質問いたしますが、来年の五月の実施を控えておりまして、国民の理解はいまだ十分進んでいるとは思えない状況でございます。多くの国民が、裁判員として司法に参加することについて消極的であるというような結果も出ております。その理由といたしまして、一つには、負担の大きさが挙げられております。我々民主党も、裁判員となる国民の皆さん方の負担軽減のための環境整備状況を検証して、裁判員制度が円滑に施行されるように、さらなる検討を行うためにプロジェクトチームで議論もいたしておるところでございます。 そこで、先ほどの提言に戻りますけれども、その中で三点の提案を行っております。一つ目は、小合議体の積極的な活用でございます。特に公訴事実に争いのない場合には、裁判官一人と裁判員四人の小合議体を活用すべきではないかというような提案ですけれども、これについて最高裁判所はどのようにお考えでしょうか。
○小川最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。 今委員御指摘の、下村先生と皆さんの御提言の小合議体の件でございますが、小合議体につきましては、裁判員法により、公訴事実について争いがないと認められる、それから事件の内容その他の事情を考慮して適当と認められる場合、しかもこれが当事者、検察官、弁護人の同意がないといけませんが、検察官、弁護人の同意が得られれば小合議体を利用することができるというふうにされておりますので、裁判所としましては、この要件を満たすという場合、その法の趣旨を踏まえて適切に運用してまいりたいというふうに思っております。
○細川委員 その要件に合うような事件については、ぜひ積極的にやっていっていただきたいというふうに思います。 二つ目の提言は、事件ごとの裁判員候補者の大幅な削減について提案いたしております。負担や不安を伴う国民の数の範囲というのを最小限にしよう、こういう提案でありますけれども、これについてはいかがでしょうか。
○小川最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。 今委員御指摘のとおりでございまして、事件ごとに裁判所にお呼びする裁判員候補者の人数を定めるに当たりましては、裁判員候補者の出頭状況を見定めつつ、裁判員を、また補充裁判員もございますが、選ぶために必要な最小限の人数に抑える、そういう運用を実現するように努めてまいりたいというふうに考えております。
○細川委員 三つ目の提案は、裁判員の辞退について柔軟な認定をしたらどうか、こういう提案でございます。 私たちが視察をいたしましたイギリスでは、六百通の呼び出したはがきに対して百名程度から出頭可能という返信を受けている、その余の五百人については、呼び出しに応じない理由というのを逐一問題にするような手続はとっていないということでございます。 我が国でも、辞退の認定に当たっては、柔軟に辞退を認めるような運営をする、そのことによって国民の不安とか、あるいは負担をなるべく軽減すべきだというふうな内容の提案でございますけれども、この考えについていかがでしょうか。
○小川最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。 裁判員制度の趣旨というのは、広く国民からの参加を得る、これが趣旨でございますが、一方では国民に多大な負担をおかけするということもございますので、国民の負担にできるだけ配慮して、個別の事情に応じて、国民の社会経済生活の実相に沿う適切かつ柔軟な辞退事由の判断を行う運用を実践してまいりたいと考えております。 裁判所におきましては、各種協議会等を通じて、裁判官の間でも広く共通の認識となっています、今申し上げた基本的なスタンスに沿った運用の実現に向けて、国民の社会経済生活に関する実情調査や模擬選任手続等の取り組みを進めているところでございます。 いずれにしましても、国民の負担の軽減という観点からは、調査票や質問票の活用によって早期に候補者の実情を把握して、柔軟な辞退事由判断を前倒しで行うことによって実際に裁判所にお越しいただく候補者の人数を最小限にするということが重要であると考えておりまして、そのような運用の実現に努めてまいりたいと考えております。
○細川委員 この提言というものは、視察団の提言となっておりますけれども、当時の下村委員長あるいは与野党の筆頭理事を含む視察団でございまして、この法務委員会でいろいろな議論をされたものを、いわば視察とともにその成果をまとめたような、そんな提言でもございます。 そういう提言でありますから、ぜひこれは尊重していただいて、裁判員制度の円滑な運営ということにぜひ資するようにお願いしたい。今ちょっと最高裁の方から御答弁いただきましたけれども、まだまだちょっと消極的ではないのかというようなところでもございますから、ぜひ積極的にやっていただきたいというふうに私は思います。 今私が提言の三つを申し上げて最高裁からお聞きしましたけれども、大臣、どんな感想でしょうか。
○森国務大臣 今委員から御指摘のありました、裁判員となる国民の負担を過重にしないという御提言でございますけれども、これは、裁判員制度の実施に当たって、極めて重要なことであるというふうに考えております。 ただ、御提言の点は、いずれも裁判所において個別の事件における具体的な事情を踏まえて判断される事柄であって、どうあるべきかを私の方から一概にお答えすることはできませんが、裁判所におかれて、裁判員となる方々の御負担には十分に配慮されて適切に対処されるものと思います。
○細川委員 ぜひ、円滑に実施がいくように、大臣の方も御努力をお願いしたいというふうに思います。 提言とは離れまして、ちょっと二、三聞いておきたいと思います。 先ほども質問で出ておりました国選弁護の報酬の低さというものが、非常に話題となっております。さらに、裁判員制度が始まりますと、公判前整理手続もより頻繁となって、そして記録を読んだりする準備もなかなか大変、そして裁判員にいかにわかりやすいようにやっていかなければいけないか、その対応などが要求されるということになりますと、普通のこれまでの国選弁護と比べますと、弁護士の弁護の方の負担も一層大きくなるのではないかということが予想されます。 そこで、弁護士の労力、負担が重くなる、それに対応した報酬となるべきだと考えておりますけれども、財務省に対する予算要求も含め、法務省の考え方を重ねてちょっとお聞きいたします。
○深山政府参考人 裁判員制度が実施された場合の国選弁護人の業務というものを考えてみますと、裁判員裁判の対象事件は重大事件に限られておりまして、先ほどお話にあったように、公判前整理手続が皆行われるということになりますし、その公判前整理手続も、事案が重大ですから、証拠開示の請求をどうするかとか、あるいは開示された証拠を検討するといった業務についても、一般の事件よりも準備が大変だろうと思います。 また、連日的な開廷、集中審理が行われますので、あらかじめ公判の推移を事前に十分予測をして、さまざまな展開を考えた公判準備が弁護人としては必要になるだろうと思います。 さらに、法律家ではない裁判員の方々にわかりやすい立証や主張の準備をしていただく必要がありますので、冒頭陳述とか弁論といったものもビジュアル化するとか、あるいは証人尋問などについても、反対尋問も同時期に連続して行うといった準備をする必要があると思います。 さらには、選任手続のための業務というものがありますので、こういった裁判員裁判の特性というものを考えて、その労力に見合った報酬基準を設定する必要があると思っておりまして、法務省としては、質、量ともに豊かな国選弁護人が確保できるよう、財務省等の関係機関とも協議をしながら、適切な報酬基準を策定するために、現在も努力しておりますし、これからも最大限の努力をしたいと思っております。
○細川委員 財務省に予算を要求するときには、ぜひ、労力のことを強く、どういうふうに、どんなに仕事をしておるか、そこを強調していただいて、しっかりした予算を確保していただきたいというふうに思います。 それからもう一つ、これはちょっと予算とも関係あるんですが、裁判員の日当の問題です。これは上限が一万円、こういうことになっておりますけれども、ちょっと低いんじゃないかというふうに私は思っております。きょうはちょっといろいろこの点についても御質問で細かくやってみたかったと思っておりますが、一応私の方からは、一万円ではちょっと低過ぎる、せめて上限三万円ぐらい、そういうようなことを検討すべきではないか。やはり裁判員制度を円滑に運営するためには、そういう点もきちっと配慮してやっていった方がいいのではないかというふうに私は思っておるところであります。 それでは、次に移りまして、その視察団でもう一つ、死因究明制度についても提言をいたしておりますので、そのことについて質問をしていきたいと思います。 この死因究明制度につきましては、前委員長の下村委員長のもとでは、委員長主催ということで死因究明の勉強会も何回か行いまして、法務委員会の委員の先生方の間では、この問題についての認識は十分深まっているところと思っております。 そこで、私が考えるには、行政府の対応がどうも積極的とは言えないということで、この私どもの視察団の提言では、委員会での勉強会あるいは視察を踏まえて、我が国の死因究明制度の問題点を指摘した上で、五年間で法医解剖を倍増させるなどの具体的な数値目標を掲げる一方、具体的な施策と制度変更についても提案をいたしております。 そこで、まず大臣にお聞きしたいと思いますけれども、死因究明制度についての大臣の基本的なお考えをお聞きいたします。
○森国務大臣 今お話のあった御提言については、私も要旨を拝見いたしました。個人的に申しますと、極めて傾聴に値する有意義な御提言というふうに感じました。 ただ、この申し入れのありました御提言の内容は、犯罪死のみならず幅広い死因究明制度に関する改善を求めておられまして、他省庁の所管にも及ぶ事項が含まれております。そんなことで、この死因究明制度のあり方について、関係省庁と連携協力しながら、大変もどかしく思っていらっしゃるかもしれませんけれども、何としても引き続き積極的に検討してまいりたいと思います。
○細川委員 今大臣言われたとおり、この死因究明制度の問題は、単に法務省だけの問題ではなくて、他省庁とも連携をしっかりやっていかないとこの問題は解決していかない、こういうことでございます。 現在、変死体を取り扱っているのは法務省あるいは警察庁、海上保安庁、こういうところはもちろんなんですが、医療とかあるいは公衆衛生を所掌している厚生労働省も関係ありますし、また法医学教室との関連では文科省の協力も必要でございます。 そこでお伺いいたしますけれども、現在、政府としては、他省庁を呼んで死因究明の検討会を何度か開いているというふうにも聞いておりますけれども、その経過と今後の見通しについてお伺いいたします。
○河合政府参考人 御指摘の検討会でございますが、現在、昨年の十二月二十六日に第一回の検討会を開催しましてから、六回やってございます。これにつきましては、死因究明を取り巻く現状につきまして、今議員御指摘の警察庁、法務省、文部科学省、厚生労働省、海上保安庁に参加していただいて、所管行政の立場から情報交換等を行ってございます。 見通し等でございますけれども、現在やっておるところは、本検討会を通じまして関係省庁間での意見集約を行い、本年中に作成することとされております犯罪対策の新たな行動計画におきまして、死因究明体制の強化に関する方針を盛り込むための作業を進めているところでございます。
○細川委員 今の答弁では、死因究明制度をしっかり確立していく、私はそんなに将来うまくいくとは、ちょっと心細い感じでございます。 死因究明というのは、例えば保険金殺人などで犯罪が見逃されているから、これを何とかするためにという問題だけではないんです。しっかりした死因を調査することによりまして、あのパロマのような事件の再発防止にもまずつながるわけなんです。あるいはまた、中毒とか感染症の発見にも、死因究明することによってつながっていくわけでございます。 そこで、私どもはこの提言の中で、審議会等の場を設け、制度の改善と基盤整備に向けた積極的な検討を開始すべきだというふうに提案をしているわけですけれども、今の政府の勉強会ではこの提言の趣旨が生かされるような、そんな答弁ではございません。 そこで、こうした勉強会に参加していく中で、死因究明制度に対し、一体どういうふうに厚生労働省は考えておられるのか。医療事故に関する死因究明の機関をつくるというのは非常に議論が盛んであるようでありますけれども、私個人の考えでいきますと、やはり一元的な死因究明制度の構築の中で医療安全の問題も考えるべきでありますし、何といっても解剖とか検査とかそういったところのインフラの整備なしには、医療事故の死因究明もまたどんなに議論しても絵にかいたもちになるようなことになるのではないかというふうに思っております。病院以外の死亡に関しても、中毒とか感染症あるいは事故といった、国民の健康あるいは安全にかかわる事項も多いものであります。広義の公衆衛生という観点は欠かせないところでございます。 そこで、厚生省として我々の提言をどのように受けとめておるのか、今後の施策についてどういうふうに結びつけていくのか、このことを厚生省にお聞きいたします。
○中尾政府参考人 お答えいたします。 委員御指摘のように、厚生労働省におきましては、監察医制度というものを持っておりまして、公衆衛生という観点からこの制度の的確な運用に努めているところでございます。また、死体解剖医の認定というふうなことでありますとか、そういう死体検案の実務に従事する医師への講習会の実施、そういったことを行っているところでございます。 それで、今回の御指摘の提言でございますけれども、これにつきましては、スウェーデン御視察の成果等を踏まえて、死因究明全体について幅広い観点からまとめられた貴重な提言であるというふうに認識をしているわけでございます。厚生労働省関係につきましても、監察医制度のより的確な運用ということについて御指摘をいただいているところでございます。一方、御提言の実現のためには、監察医制度以外にもさまざまな対策が必要であるというようにも認識をしております。 厚生労働省といたしましては、御提言を踏まえまして、公衆衛生の向上の観点から、関係省庁と十分連携して議論を行っていくことが重要であると考えております。
○細川委員 全く積極性が見られない答弁だというふうに思います。 監察医制度の話も出ましたけれども、監察医制度が機能しているのは全国で五つじゃないですか。ほかのところはないんですよ。だから、解剖の数のアンバランスがこの委員会でもずっと言われてきたじゃないですか。全然違うんですよ。全く違う。 そういうこともあるから、これは本当に厚生労働省も私は非常に関係があると思いますから、ぜひ積極的に動いていただきたいと思いますし、政府の動きが鈍いのならば、これはやはり政治家主導、政治主導でしっかりまたやっていかなきゃいかぬかとも思っております。 この提言のメンバーでもありました早川政務官が非常にこのことについても熱心に研究もされ、提言もされておりますから、早川政務官に、この点について、一体どういうふうに他省庁との連携をしていくのか、そのことを、まず政務官が汗をかくというところから、ひとつどういうふうにお考えかをお聞きしたいと思います。
○早川大臣政務官 今回、図らずも法務大臣政務官を拝命したわけであります。 委員御指摘の死因究明制度についての問題点については、まさに認識を共有させていただいているところでございます。 提言の内容につきましては、犯罪死のみならず、幅広い死因究明制度に関する改善を求めるものでありまして、他省庁の所管にも及ぶ事項が含まれております。 先ほど森法務大臣から御答弁がありましたが、死因究明制度のあり方について、関係省庁と連携協力をしつつ検討していくというふうに私も考えているところでございます。 法務大臣政務官として、法務大臣を補佐し、法務大臣の御指示をちょうだいしてこの問題に取り組ませていただきたいというふうに考えておりますので、御理解を賜りたいと思います。
○細川委員 理解ができるような積極的な意見が全然出なくて、非常に残念だと思いますね。もうちょっと、早川先生、いろいろなところで、勉強会でもいろいろな積極的な発言をされておりましたし、大臣を補佐されるという立場はわかりますけれども、政治家の一人として、せっかく法務行政、政府の中に入ってやっておられるんですから、もっと個人の考えでもどんとこの場でひとつ話していただきたいと思いますが、どうぞ。
○早川大臣政務官 私は、すべてこういった国民全般にかかわることについては、政治がその責任を持って、政治主導で進めていかなければならないというふうに考えております。 本当に尊敬を申し上げます細川先生のリーダーシップのもとで、こういう提言が取りまとめられた。そういう意味では、与野党を超えてこの問題には取り組んでいく、そしてあわせて内閣においては、やはり各省庁を横断する内閣官房がその役割を果たしていかなければならない。 法務大臣政務官としては、法務大臣の御指示をちょうだいしながら、そういった役割を与えていただければ、しっかりと汗をかいてまいりたいと思っております。
○細川委員 何か抽象的に積極的だったんですけれども、私どもの提言の中では、死因究明制度をどのように構築していくかということで、幅広い人たちに集まってもらって専門的な立場から議論をする、そういう審議会などのようなものをつくるべきではないか、そこで専門的な人たちに議論をまずしてもらう、こういう提案もしているわけなんです。 私は、これはそんなに難しい問題ではないというふうに思いますけれども、大臣、こういうことはぜひやっていただきたいと思うんです。
○森国務大臣 提言者と今机を並べておりますので、提言者になるべく活躍していただけるように配慮をしたいと思います。
○細川委員 大変積極的な答弁をいただきましたので、ぜひその方向で、委員会での視察団の提言でありますから、その提言が生かされるようにひとつよろしくお願いをいたしまして、私の質問は終わります。
○山本委員長 次に、加藤公一君。
○加藤(公)委員 民主党の加藤公一でございます。 森大臣とは別の委員会で数年前御一緒させていただいて以来でございますが、改めてよろしくお願いをいたします。 きょうは、大臣所信に対する質疑ということでありますので、先日の大臣の御発言の部分と、それ以外、そこに網羅をされていなかったことも含めて、限られた時間の割には多少幅広になるかもしれませんが、基本的なお考えを伺ってまいりたいと思っております。 まず最初に、先日、会計検査院の検査報告が発表されましたところ、金額的に法務省所管の部分が一位だ、こんなことが報じられまして、予算規模はそんなにないのにどうしてこんなことになるんだろうとちょっと疑問に思ったところであります。これは経理上の不手際とかなんとかという話ではありませんから、そのことを殊さらに申し上げるつもりはないんですけれども、中身を伺いますと、法務省所管の不動産について、その登記が適正に処理をされていなかった、こういう指摘があったわけであります。 そこで伺いますけれども、会計検査院の指摘では、三十九部局、四百九十九口座について検査を行った結果、そのうち二十五部局、五十六口座で訓令違反があり、登記の嘱託を怠っていたという指摘でありましたけれども、その会計検査院の指摘以外、法務省全体、法務省所管のすべての口座について、どれほどの訓令違反があったか調査なさいましたでしょうか。
○森国務大臣 会計検査院の指摘の内容については、今委員からのお話のとおりでございます。 今回の指摘は、訓令違反の指摘を受けたわけでございますけれども、登記の嘱託を求めている当省の訓令について、登記の嘱託の必要性や具体的手続が明確になっていないとの内容でありまして、国有財産の的確な保全という観点で見るとおおむね適正に処理されていたということでありまして、それ以外の口座についての独自調査は行っておりません。 したがって、全体でどれだけの旧訓令違反があったかについては把握をしておりません。
○加藤(公)委員 今の大臣の御発言ですと、法務省としては適正にやっていたけれども、会計検査院の方ではそれが適切ではないと指摘をされたというふうに受け取れるのでありますが、そういう御趣旨でしょうか、ちょっと確認をさせてください。
○森国務大臣 今回の会計検査院の指摘は、不動産を取得した場合等に登記の嘱託を求めている当省の訓令について、「登記の嘱託の必要性や登記の嘱託を行うに当たって必要な具体的手続が明確になっていないなど、実務上、十分でない面が見受けられた。」という内容でございまして、訓令に基づいた適切な登記の嘱託を行えるように、訓令の改正を行う必要があるという内容でございます。 したがって、当省としては、これを受けまして、今月の十日付で旧訓令を改正いたしました。
○加藤(公)委員 実は、昨日も御説明は承りまして、十日付で訓令を変えられた話も伺ったんですが、それまでの旧訓令のもとでは、そうはいっても、法務大臣が決めた訓令に従ってきちんと処理をされていなかったと検査院から指摘をされたわけですね。 法務省からすると、いやいや適正なんですよというお立場なのかもわかりませんが、少なくとも、もともと大臣が発出をされた旧訓令に従っていなかったという指摘を検査院にされたわけですから、それが法務省全体でどれだけあったのかということを把握することは必要なんじゃないかと私は思うんですが、大臣、どうお考えになりますか。
○森国務大臣 旧訓令を改正いたしましたことによって、特に不都合が解消したというふうに認識しております。
○加藤(公)委員 いや、私が申し上げているのは、旧訓令で、その訓令どおりに手続がなされていなかった、登記がなされていなかったのは問題だと検査院から指摘をされました。その検査院から指摘をされた中には、今回新しい訓令にするに当たって、いわゆる検査院と法務省との解釈の違い、見解の違いというものでないものも一件実は含まれているんですね。 つまり、会計検査院に指摘をされたんですから、会計検査院が調査したところだけじゃなくて、法務省所管の国有地について全体を把握して、本当に見解の相違の問題だけなのか、訓令を変えればそれで全部事が足りるのか、それ以外のものもあったのか把握をすべきじゃないですか、こう伺っているんです。調査をされたらいかがでしょうか。
○森国務大臣 お言葉でございますけれども、今言われました残る一口座につきましては、民有地に建物を新築した案件であって、登記が必要な案件だったところ、建物を取り壊し済みで、現時点では登記すべき対象にはないということが判明しております。 私どもとしては、確かに旧訓令に沿っていったら不適切だったという御指摘と思いますけれども、むしろ旧訓令がそのまま残っていたことに問題があったので、それを改めることによって問題は解消したというふうに認識をしているところでございます。
○加藤(公)委員 旧訓令が残っていたことは、確かに問題だと思います。指摘をされて新たにされたことはそのとおり、判断としては正しいんだろうと思います。 ただ、私が申し上げているのは、今大臣がお答えになったその一件も、取り壊しちゃったからよかったじゃなくて、本当は登記しておかなきゃいけなかったものがされていなくて、今は壊されちゃってなくなっています、こういう話なんですよ。だから、民有地に、つまり借地に建物を建てて、本来は登記しておかなければならなかったものがされていなかったことは事実なんですね。つまり、その段階ではもう明らかに新訓令にも違反をしている状態なわけですよ、その一件というのは。 私が申し上げているのは、そういうケースもあり得るから、会計検査院が調査したもの以外の口座についても一度お調べになった方がいいんじゃないですか、こう伺っているんです。
○森国務大臣 確かにその一つの例については、おっしゃられるとおり、ある時期においては不適合だった時代があるわけでございます。そういったことも踏まえ、委員の御指摘を受けまして、改正後の訓令に適合していない事例がないかどうかについて速やかに確認をさせたいと思います。
○加藤(公)委員 ないことを祈りますが、仮に新訓令に対しても違反をするようなものがあったとすると、すぐ登記をしなきゃいけない。莫大な費用がかかるとは言いませんが、そうはいってもコストの発生する話でありますし、せっかく訓令を変えたのに、それに対して反している状態が長く続くというのも決して美しい話ではありませんので、今大臣がおっしゃられたように、速やかに対処をしていただきたいと思います。 できれば、なかったという報告が僕は理想だと思いますけれども、いつまでになかったのかあったのかはっきりしていただけるか、それぐらいはお答えいただけませんか。
○森国務大臣 今、いつまでにというのはちょっと御容赦いただきたいと思いますが、とにかく可及的速やかに確認させることをお約束したいと思います。
○加藤(公)委員 では、初回でございますのでその言葉を信じて、次に行きたいと思います。 今の不動産登記の問題なんですが、少し大局的といいますか、そもそも論で考えますと、国有地あるいは地方自治体が持っている不動産、あわせて固定資産税を免除されている各種の団体、例えば宗教法人だったり学校法人だったり、あるいは社会福祉法人なんかもそうかと思います、あるいは独立行政法人なんかもそうだと思いますが、これらの団体についてはそもそも不動産登記しなくていいということになっていますが、まず、その理由から大臣にお尋ねをしたいと思います。
○森国務大臣 不動産の表示に関する登記については、所有者等に登記申請を義務づけておりますけれども、御指摘のとおり、一定の者についてはその申請義務を免除しております。このような取り扱いを受けている不動産は、一般的に取引の対象になりにくく、権利関係を登記によって公示するよう義務づけるまでもないものであるという考えに基づいて、申請義務が免除されたものと考えております。
○加藤(公)委員 実際には、不動産登記法の附則で、登記しなくていいですよ、適用しませんよと書いてあるわけですね。しかし、その適用しませんというところは、未来永劫とは書いていないわけですね。当分の間はこの適用を除外するという規定になっているわけです。 つまり、法の趣旨からすると、これは私が素直にその法律を読んだときの判断でありますけれども、国有地であれ公有地であれ、あるいはさまざまな団体、公益法人の所有する不動産であれ、本来は登記をした方がいいけれども、何がしかの理由で当分の間はその適用を除外しておきましょう、こういう趣旨ではないかと思うんです。 本来は登記した方がいいんだというお考えでいいかどうか、大臣の御発言をいただきたいと思います。
○森国務大臣 まず、基本的には委員の御指摘のとおりだと思います。 不動産登記制度の趣旨は、その権利関係を公示することによって取引の安全を図るというものでございますけれども、このうち不動産の権利関係を公示するという点のみを形式的に重視すれば、原則どおり、本来登記すべきものということになると考えられます。 しかし、取引の安全を図るという不動産登記の目的からいたしますと、一般の取引の対象になりにくいと考えられる、先ほど申し上げましたけれども、一定の不動産について登記の申請義務を免除するという趣旨は、現在も合理性を有していると考えます。 さはさりながら、現在の取り扱いは長年定着しているところだというものの、確かに、ある不動産が取引の対象になりやすいものとなったかどうかということについてはやはり時代によって変わっていくものでありますので、時代のニーズや実務への影響なんかも踏まえまして適切に対処すべきものと考えております。
○加藤(公)委員 取引の対象になりにくいというのは、いわゆる一般の民有地、私有地に比べれば多少なりにくいんでしょうが、かといって、そもそも取引の対象にならないわけではないですね。学校法人であれ独法であれ不動産取引は当然されるわけでありますし、あるいは何も土地に限らず、建物を建てることだって当然あり得るわけであります。 私も別に不動産登記法専門で勉強しているわけではありませんけれども、素直に読めば、今大臣もおっしゃられたように、本来はすべて権利関係を明確に登記した方がいい、ただ、当分の間は適用を除外しましょう、その除外する理由というのは幾つかあると思いますが、当分の間は除外しましょう、こういう話です。 私の知る限り、昭和三十五年以降、法改正のたびにこの当分の間という言葉はずっと入っているんですね。平成十六年の改正のときにも同じ附則が入っていたと思いますけれども、三十五年からでいうと、もう四十八年間、当分の間が過ぎちゃいました。その間、随分時代は変わったんではないかと思いますし、これから先、さらに変化もしていくだろうと思いますから、今すぐ、あしたからという話ではないにせよ、そろそろこの当分の間に決着をつけた方がいいんじゃないかと私は実は思っているんですけれども、大臣、どうお考えになりますでしょうか。
○森国務大臣 先ほども申し上げましたとおり、委員の御指摘も踏まえまして、しっかりと勉強させていただきたいと思います。
○加藤(公)委員 では、この不動産登記の問題に関連をして一つ伺いますけれども、法務省所管の国有地はどれぐらいおありなのか。あわせて、不動産登記法の十四条の所定の地図、平たく言うと正確な地図を備えているのはどの程度の範囲なのか。これは通告してございますので、ちょっと細かい話ですが、大臣から承りたいと思います。
○森国務大臣 当省所管の国有地の面積は、三千九百九十四万一千百九平方メートルであります。これは、平成二十年三月三十一日現在であります。 お尋ねの点については、当省所管の国有地のうち、不動産登記法第十四条第一項に定められている地図を備えているものがどの程度あるかとの趣旨と思われますが、そのような観点での把握はいたしておりません。
○加藤(公)委員 要は、正確な地図がどの程度備わっているかわからない、こういう話であります。 確かに、地図づくりというのは非常に大事な作業で、私は進めるべきだと思っているんですけれども、かといって、これはかなりコストのかかる話でもありますから、きょうあすすぐやってくださいと言うつもりはありません。しかし、先日、大臣所信を伺っておりましたら、森大臣が伊能忠敬さんのお話をされていらっしゃいました。郷土の偉人伊能忠敬は云々、四万キロ歩いて日本全図の完成という驚くべき事業をなし遂げました、こういう御発言でございました。私も大変な偉業だと思います。つたない知識ではございますが、それは理解をしております。 せっかくこれをおっしゃった森大臣が法務省のトップにいらっしゃるときに、この地図づくりを今までよりもさらにスピードアップして進められるという御決意を私は承りたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○森国務大臣 前の委員会で加藤委員から縄延び、縄縮みなどという用語も教えていただきまして、地図に大変御造詣の深い加藤委員でございますので、その加藤委員からの御要請でもありますし、一生懸命前向きに地図の整備に取り組みたいと思います。
○加藤(公)委員 ありがとうございます。ぜひ前向きにお願いしたいと思います。 確かに、今すぐ取引の対象にならない国有地、公有地があることは私ももちろん承知をしておりますが、これから先、さまざまな場面で土地取引を活発にしていかなきゃいけませんし、そうでなくても、正確な地図を把握しているということは、政府の役割として非常に重要だと思っております。これまでも何度も実は質疑させていただいているんですけれども、一生懸命やっていただいていることは承知をしていますが、なかなか十分じゃなかったと思っておりますので、森大臣のときに一つの成果としてやっていただけるように、今の御発言に期待をしておきたいと思います。 では、後半戦は、今度は検察行政について少し伺いたいと思います。証拠品の取り扱いの問題であります。 先日、京都地検で、証拠品である覚せい剤を紛失するという事案、事件がありました。誤って破棄をしたのではないか、こういうふうに報じられておりますが、実は証拠品の紛失あるいは誤廃棄というのはこれだけではなくて、例えば昨年だったでしょうか、渋谷のきょうだい間の短大生殺人事件の凶器、木刀とかのこぎり、この証拠品が捨てられてしまったとか、あるいは緑資源機構の事件のときにも、その証拠書類、段ボール箱一箱を紛失したとか、一般国民からすると考えられないようなことが過去にも起きているわけであります。 そこで伺いますけれども、証拠品の紛失あるいは誤廃棄という事案が過去十年間でどれぐらいあったのか、まずその実数から教えていただけますでしょうか。
○森国務大臣 お尋ねの件でありますけれども、過去十年間ということでありますが、あいにく平成十六年以前については、関係文書の保存期間が経過しており、把握できておりません。 平成十七年以降で申し上げますと、検察庁における証拠品の誤廃棄や紛失の事例は、平成十七年で十一件、平成十八年四件、平成十九年三件、本年は十一月十三日現在までに十件の、合計二十八件でございます。
○加藤(公)委員 つまり、多い年だと毎月一件ずつ、ことしはそれ以上のペースに今なっているんですね。七カ月ちょっとで既に十件発生をしている。自然にといいますか素直に考えると、これは極端に多いんじゃないかと私は思うんですね。 証拠品というのは、公判請求するかどうかの判断についてもそうでしょうし、実際公判を維持していく上でも極めて重要なもので、本来一件もあっちゃならぬ話だろうと思いますから、毎月一件ずつ証拠品をなくしていますというのは、これはどう考えてもおかしいんじゃないかと私は思うところであります。 そうなると、検察の、検察官の方を含め事務官の方も、私は決して性悪説で何か疑ってかかっているわけじゃないんですけれども、これだけなくすということになると、今回の京都地検の覚せい剤のようなものである場合にはなおさらのこと、場合によっては、本当はなくしていなくて、どこかへ横流しされているんじゃないのとか、持っていかれちゃったんじゃないの、こんな疑念も生みかねないんですが、そんなことはないでしょうね、大臣。
○森国務大臣 先ほど申し上げた二十八件の事例の内訳でございますけれども、検察庁で廃棄したことが明白であるもののその手続に問題があった事例と、実際に紛失してしまった事例とに分けられます。 前者、すなわち廃棄したことが明白であるものについては、他に横流ししていないことは明らかであります。 後者の紛失された事例については、証拠品の所在が不明になったことを受けて、当該証拠品が所在する可能性がある場所すべてについて鋭意調査を行うとともに、関係者に対して必要な事情聴取等の調査を行っており、その結果、当該証拠品が紛失された状況をできる限り明らかにするように努力をいたしております。 すなわち、いずれも証拠品が横流しされたという状況は認められなかったものと承知をしております。
○加藤(公)委員 もちろん、私もそれを信じたいと思いますし、そんなことが絶対ないようにお願いをしたいと思いますが、そうはいっても、この数はやはり非常に多過ぎると思いますので、誤廃棄や紛失を今後防止していくためにどんな手だてを講じていらっしゃるのか、あるいは講じるおつもりなのか、伺いたいと思います。
○森国務大臣 先ほど申し上げた事例におきましては、いずれも職員が必要な確認を怠ったことなどによって誤廃棄または紛失が発生しておりますので、当該検察庁において、必要に応じて関係職員の職責を問うとともに、上司から職員に対し、基本的な注意を怠らず、証拠品の適正な管理に努めるよう改めて注意を喚起していると聞いております。 また、全国検察長官の会同において、法務当局から、職務上の過誤の防止について職員への適切な指導を行うよう指示しているものと承知しております。
○加藤(公)委員 これは私の意見として申し上げておきますけれども、今までも多分指導されたり、上司の方が注意をされたりということはされてきたんでしょうが、それでも減らないんですね。ことしは非常に多いペースで推移しているわけですから、正直言って、やはり仕組みに何か問題があるんじゃないかと僕は思うんです。僕は、検察の内部の事務手続までは知りませんから、具体的にどう管理をされているのかということは大臣御自身の目で確認をしていただいたらいいと思いますけれども、何か仕組みを改める、システムを変えないとこのまま続くんじゃないかという心配をしております。 報道でしか存じ上げませんけれども、あの渋谷の短大生殺人事件の重要な証拠紛失のときには、段ボールにそれを入れて床に置いておいたら、ほかの廃棄していいものと一緒に捨てちゃった、こういうふうに報じられています。段ボールに入れて床に置いておくようなものなのかどうかということも私は疑問がありますし、また仮にそこに置かなければならないんだとしても、それが何物か、どんなものかわかるように普通は表示をしておくのが当たり前のことじゃないかと思います。 一度これは真剣にお取り組みをいただいた方がいいんじゃないかと思っておりますので、きょうは私の意見まででありますけれども、ぜひこの点は、本当に二度とないように、検察行政の信頼を失うような話ですから、二度とないようにお願いをしたい。また、来年、裁判員制度が始まるに当たって、国民の皆さんが裁判に参加をされる。そのときに、いやいや済みません、実は証拠があったんですけれどもなくしちゃいましたなんて言える話じゃありませんから、ぜひ厳しく取り組んでいただきたいと思います。 続いて、矯正施設の処遇の件について伺いたいと思います。 刑務所での処遇で、現在、人工透析を受けられないという理由で刑の執行が停止をされていらっしゃる方は全国でどれぐらいいらっしゃいますでしょうか。
○森国務大臣 平成二十年十一月一日現在で、百六名ということであります。
○加藤(公)委員 つまり、罪を犯してしまって、判決が出て、本来は刑務所に収監をされなきゃならない方が百人以上今その場にいらっしゃらない、つまり収監をされていないという状況です。 もちろん、人工透析ができなくて、刑務所に行ったらぐあいが悪くなったとか命を落としたなんということがあってはなりませんから、今の状況では何が何でも収監しろなんということは言えませんけれども、これは今後必ずふえていくケースだと思いますので、これもまた積極的に取り組んでいただかなければならないと思います。刑の適正な執行という観点からも問題だと思いますけれども、大臣の御所見を伺いたいと思います。
○森国務大臣 委員御指摘のとおり、刑務所で透析治療が実施できる体制を整えるということが刑の適正な執行の観点から望ましいことは申すまでもありません。 刑務所では、従来から、医療刑務所等に人工透析装置を設置し、透析治療を行う必要のある受刑者に対する適切な治療に努めているところですが、透析を担当する医師の配置が必ずしも十分でないことなどから、一部の患者については、外部の医療機関に通院させるほか、諸般の事情を勘案してやむを得ない場合には、刑の執行停止の措置によって対応している現状にあります。
○加藤(公)委員 つまり、やむを得ない場合が既に百人を超えちゃっている、こういう話であります。恐らく、広く国民の皆さんはその事実は御存じないと思いますが、悪いことをしたら捕まるよ、裁判で有罪になったら刑務所に行くんだよ、こういう子供に教えるような話が実はそのとおりになっていない、こういう話なんですね。もちろん、お体が悪いという事情はあるにせよ、それが実行できていない。 やはり、きちんと罪を償っていただいて更生をした上で社会に復帰をするという仕組みが機能するように、この人工透析問題というのはお取り組みをいただきたいと思います。きょうは初回ですからこれぐらいにしておきますが、人工透析の患者さんは今現在、私の知る限りでは年間一万人ずつぐらいふえていらっしゃるようでありますから、刑務所、矯正施設においてもその対応は先手を打ってしていただかないと、執行停止の方の数ばかりがふえていくということになりかねませんので、問題提起をしておきたいと思います。 最後に、やはり同じ刑務所問題に関連をいたしますけれども、犯罪白書にもあるように、高齢者の方の犯罪がふえてしまっています、大変残念なことでありますが。 高齢受刑者の方の半数が窃盗犯。実際には、そのうち八割の方が再入者であります。つまり再犯が非常に多いという状況でありますけれども、この御高齢の犯罪者の再犯を防止するために政府としてどんな取り組みをされているのか、まずここから伺います。
○森国務大臣 御指摘のとおり、高齢者による犯罪が大変増加しております。犯罪白書においては、高齢犯罪者の特性として、親族等からどうしても疎遠になりますし、また単身で経済的にも不安定な状態の者が多いこと、さらに高齢期特有の心身上の問題点や疾病を抱えている場合が多いことなどが指摘をされているところでございます。 このため、高齢の刑事施設出所者のうち特に就労が困難で身寄りのない者については、これはもう生活に困窮して、つまり外に出たらとにかくまた窃盗か何かをして戻らざるを得ない構造的な状況にあるわけでありまして、そういう人たちについては、社会福祉施設への入所や、あるいは生活保護など必要な社会福祉サービスが受けられますように、さまざまな相談に乗ってまいりたいというふうに考えております。 そのため、刑事施設において社会福祉士などを活用した相談、支援を行いますとともに、保護観察所においては、保護観察官が刑事施設や福祉関係機関との協働により、自立に向けた方針を作成し、出所後の福祉サービスの確保に向けて、刑事施設入所中から計画的に調整を行う取り組みを厚生労働省と連携して行ってまいりたいと考えております。 また、刑事施設出所後、直ちに福祉による支援を受けることが困難な者につきましては、更生保護施設での一時的な受け入れを促進し、社会生活への適応に必要な指導、訓練を実施した上で、福祉サービスに確実につなげていく仕組みを構築することなどを目指しまして、高齢の出所者の社会復帰に努めてまいりたいと思います。 なお、私、法務大臣に就任いたしまして、さまざまな課題がありますけれども、高齢者にかかわらず、やはりこうした再犯の防止というのが極めて重要なテーマであるということを改めて感じました。そういったことについて、これから真剣に取り組んでいきたいということを申し添えます。
○加藤(公)委員 時間が参りましたので終わりますけれども、御高齢の方々と同時に、知的障害をお持ちの方々が罪を犯してしまったケースというのも、サポートすれば再犯は幾らでも防げるものが、残念ながら繰り返してしまうというケースが非常に多いところでありますので、高齢者対策とあわせて、ぜひ取り急ぎお取り組みをいただきたい。また後日、この件についても議論をさせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○山本委員長 次に、河村たかし君。
○河村(た)委員 河村たかしでございます。 まず一問目は、この間、麻生さんのうちを何人かの方が見に行くというツアーをやられまして、それで逮捕されてしまったということで、この逮捕が不当な逮捕ではないか、不法な逮捕、違法な逮捕ではないかという疑惑があるということで、そのことについてお伺いしたい。 まず、きのうちょっと電話しましたけれども、総理は、このビデオ、「YouTube」というんですけれども、そこに出たらしいですけれども、これは見ておられますかね。
○原政府参考人 お答え申し上げます。 お尋ねのビデオでございますけれども、麻生総理は見ておられないものと承知しております。
○河村(た)委員 それは残念でございます。今外国に行っておられるようでお忙しいと思いますけれども、自分のうちへ来た方のことでございますので、ぜひ見ていただくようにお願いしたいと思います。 ということは、見ていないということですけれども、このお話自体は知っておられると。報告は上がっておりますか。
○原政府参考人 本件につきましては、被疑者が逮捕された後、速やかに総理大臣秘書官を通じまして麻生総理に報告がされたものと承知しております。
○河村(た)委員 どういう感想を言っておられたですか、何ぞ御感想を。
○原政府参考人 感想ということでございますが、麻生総理がどのような感想を持たれたかにつきましては承知をしておりません。
○河村(た)委員 わかりました。それはまたぜひ見ていただいてその御感想を聞かせていただきたいということで、ぜひ見ていただくように骨を折っていただくかどうか答弁してちょうだい。ちょっとだけでいいですから。
○原政府参考人 先生の方からビデオを見ていただくようにという御要請があったことについては、秘書官にお伝えします。
○河村(た)委員 ありがとうございます。 では、次は森大臣に、当たり公妨という言葉があるんです。これはちゃんと質問通告してありますから、当たり公妨というのは御存じですか。御感想はどうですか。
○森国務大臣 あいにく、全く存じませんでした。今回担当者から説明を受けたところでは、お尋ねの言葉は、これはインターネットか何かで担当者も見たらしいんですが、警察官が自分から体当たりしておいて、公務執行妨害で相手を逮捕する事態を指す言葉として使われているのじゃないかなという報告を受けました。
○河村(た)委員 そういうことがあるらしい。私もこれを知らなくて、よくこういうことをやってぱくるということがあるらしいので、大臣、ちょっと話を聞いておいていただきたい。 正直言って、言うことが全然違うもので、私は推測では言わないから、当事者にちゃんときのう、電話ですけれども、これは本人に聞いておりますのでここで言えるわけですけれども、警察側の言うのと御本人たちが言うのと全く違うんですよ、はっきり言って。だから、大臣、とりあえずよく聞いておいてくださいね。 それでは、警察側に聞きますが、ちょっと時間がないですから、もう一問、刑務所の話をしなきゃいかぬのですから、ぜひ短く、一応、今回の概要を説明いただけますか。
○池田政府参考人 今回の事件の概要でございますが、呼びかけに応じて集まった約六十名の方が、十月二十六日の午後三時過ぎごろから、麻生首相のお宅拝見と称するツアーに参加して、いわゆるハチ公前広場で集会を行った後、麻生首相の私邸に向かって無許可の集団示威運動を行ったというものでございます。 警視庁におきましては、午後三時五十分ころ、ツアー参加者が渋谷区内の歩道上において、東京都公安委員会の許可を受けずに集団示威運動を行ったということで、東京都公安条例第一条違反により一名、また三時五十一分ごろ、この被疑者を奪還するために警察官に暴行を加えたということで、公務執行妨害により被疑者二名を現行犯逮捕したものでございます。
○河村(た)委員 それだけれども、今の公務執行妨害で捕まったという人の話からすると、これは何か、スクランブル交差点におったときに、いわゆるプラカードとか幕とか、ああいうものを下げてくださいということで、それはみんな下げた。ビデオに映っていますね、初めのところで。渋谷署のお巡りさんが出てきて、麻生さんのうちの近所のところまではみんな行っていただいていいよ、何十人かで。ところが、あとは五人ずつで、デモにならぬように行ってくださいよということで、それならいいよということにこれは一たんなっていますね。それに従ってずっとやっておったんだ、こう言うわけですよ。何でこれが逮捕されてしまったんですかね。
○池田政府参考人 当初、御指摘の渋谷署の警備課長が了承を与えたという御指摘なんですけれども、警備課長の方は、こういう行為をすると集団示威運動に当たるということで、そういう意味の指導をしていたわけでありまして、集団示威運動をすることの了承を与えたというような事実はございません。
○河村(た)委員 局長、あなたはビデオを見られましたか。
○池田政府参考人 「YouTube」の映像は見ております。
○河村(た)委員 その中で、いいと言っておるじゃないですか、こういうふうならいいよと。
○池田政府参考人 こういうことをすると集団示威運動になる、ならないようにしなさいということを言っておるわけですね。したがって、そういう示威運動をしてもいいというような了承を与えてはおりません。
○河村(た)委員 示威運動はしたらいけません。集団示威運動をやったら、集団という条件がついておりますけれども、これは許可が要る、届け出が要るということでしょう。 それは厳密に、そこら辺の文章があるじゃないですか。きょうは皆さんに配付資料を出しまして、ちょっとそこの文章がありますけれども。ビデオがあるのでこういうのはちゃんと映すといいんだけれども。ああわかったね、いいよ、それではね、これはたしかそういうふうになっていますね。それなら、そういうことだったら行ってもいいということじゃないですか。
○池田政府参考人 先ほども申し上げたのですけれども、例えば集団示威運動というのは、プラカードを上げるとか風船を上げるとか、そういうような気勢を上げるような行為、こういうことをするなということをあのとき言っておるんですね。そういう形で歩道上を麻生邸の方に行かれるということであれば、これは集団示威行動ではありませんので、当然行っていい、こういうことを言っておるにすぎないのでありまして、集団示威運動をやっていいということを言っておるわけではございません。
○河村(た)委員 そんなこと当たり前じゃないですか。集団示威運動をやるには届け出が要るということですから、それは当たり前であって、そういうふうに、全部そういうものをおろして、そこまでは六十人、あとは五人ずつならいいよということで行ったということで逮捕されたんだけれども、何で逮捕されるんですか。
○池田政府参考人 あの「YouTube」の映像は行進の始まる少し前の映像だろうと思うんですけれども、行進が始まるときに、プラカードとかああいうものを下げなさい、下げなきゃだめですよという警告をして、それであの行進は始まっております。 その後、プラカードが上げられる、風船とかこういうものが掲げられる、こういう事態になりまして、それに対して、そういうことはしてはだめだという警告をしたにもかかわらずプラカードを上げる、こういう行為があったので、これは公安条例第一条違反である、こういう判断をして逮捕したというふうに承知しております。
○河村(た)委員 そこのところは、次がありますので、一応、後でもう一回検証してほしいことを頼みますので。両方の言い分が全然違うわけです。 次に、その方は公安条例違反で逮捕されましたけれども、この人は、しかしビデオを見ておる限り、公妨だ、公妨だと言ってやっておりまして、公安条例違反というふうに告げられておらぬと思うんですけれども、これはどうなっておるんですか。
○池田政府参考人 公妨だというシーンは、恐らく、公安条例違反の被疑者を逮捕した後に奪還行為があったことについて公妨だというふうに映像の中で出ているというふうに思います。
○河村(た)委員 その次のところへ行きますけれども、あとの二人の方は、今度は公務執行妨害で逮捕ということになっておるんですが、今言われた奪還行為があったということを言っていますけれども、あのビデオを見る限り、奪還なんてありはしないのじゃないですかね。あれは、それこそ当たり公妨じゃないですか。 一人渋谷署のお巡りさんが来て、ああ公妨だと言って、ちょっとここへ出てきますけれども、ばんと自分からぶつかっておるのがはっきり映っていますね。自分からぶつかる。大臣、本当によく見えるんですね。やはりビジュアルというのはすごいもので、きちっと見えます。これが偽造されておるという説は聞いたことがない、カットされておるところはありますけれども。 となると、奪還に来たのでぶつかられてというのはうそじゃないですか。
○池田政府参考人 これは、渋谷警察署の警察官二名に対して体当たりなどをして奪還行為があったということで、公妨だというふうに判断したというふうに承知しております。
○河村(た)委員 承知しておりますと言いますけれども、しかし、これは画面で全然違うよ、局長さん。それはどういう根拠で言っておるんですか。
○池田政府参考人 先ほど御指摘にもありましたように、画面は当然いろいろな場面をつないでいるわけでありまして、画面が映っているところが当然すべてではありません。 被害を受けた者がそのように確かに受けたというふうに証言しておりますし、これは間違いないものというふうに承知しております。
○河村(た)委員 委員長、こういうことで、次のあれに行かないかぬものですから、やはり過剰な逮捕であったかなかったのかということを、ちょっと向こうの情報をちゃんともらって、御本人たちの主張はこれです、きょう配ったものに書いてある、それからビデオがありますので、一遍ちょっと理事会で、理事会で協議すると途中で大体いいかげんになるのが常ですけれども、しっかりやっていただきたいということでございますが、要請しておきます。
○山本委員長 理事会で相談いたします。
○河村(た)委員 では、このことは結構でございます。 次は、矯正局さんに、名古屋刑務所の話をお伺いしたいと思います。 これは資料をつけておきました。皆さんのところに行っておると思いますけれども、「名古屋刑務所事件に関する国会質疑について 「消防用ホース」という言葉を用いて、法務当局が答弁を行った最初の事例は、平成十五年二月十八日衆議院予算委員会における森山法務大臣(当時)の答弁である。」ということです。 それから、もう一つつけておきましたけれども、これが、僕がずっと質問しておるのが多いんですが、「委員会審議における「消防用ホース」等の言葉の使用回数について」ということで、これは二百三十五回ですね、二百三十五回。ですから、事前に言っておきますけれども、司法でやっておることだという言い逃れはできません。 問題は、委員会で、塩崎さんも見えるのでちょうどいいんです。あれからもう五年になりますよ。一緒にやってきまして、当時、起訴されて、刑務官はお金がなかったわけですよ。起訴休職だと、ただだった。ところが、みんなで一緒にビデオを見ましたね、あの部屋で。それから、保坂さんもおったんですけれども、今見えぬけれども、もうほとんどかわられてしまいましたけれども、そこの中で、これは何じゃ、暴行なんて何もないじゃないかという話がありましたね、革手錠の事案。 それで、当時の大林さんが、今度検事総長になられると思いますが、ありがたい御高配によって、ありがたいというか、そんなものは当たり前なんだけれども、給料ゼロだったのを六割にしたということで、刑務官たちはずっと一応裁判を続けることができる。それから、アルバイトも認めてくれたものだから、一応つないでいますけれども。余り裁判のことを言うと逃げられるといかぬので、高裁でまたとんでもない判決で、端的に言えば、消防用ホースを使ったから暴行である、特別公務員暴行陵虐であるという、それだけの判決ですよ。 ということになったということで、刑務官を助けないかぬということも事実ですが、もう一つ、先ほど、刑務所の質問が出ているでしょう、いろいろ徳島のことやら、加藤さんも言いましたけれども。刑務所の中でどういう処遇が行われておるかというのはどえらい重要ですよ、はっきり言って。そうでしょう、大臣。 だから、真相を解明するというのは、僕は何遍も言っているけれども、裁判じゃないんですよ。裁判というのは、疑わしきは被告人の利益というのはうそですけれども、今、疑わしきは明らかに検察官の利益ですけれども、しかし、そこまで持っていけば一応いいわけですよ。だけれども、矯正局というのは、今矯正局長来ているけれども、法務大臣も、どういう処遇が行われているか。例えば、保護房の中でくそまみれになる人がいるじゃないか、そういう場合はどうやって衛生管理するんだ、そういうことをきちっとしないと、当然これは受刑者のためにならぬですよ。それは、国民のためにならぬということですね。 そういう立場から、革手錠もありますけれども、放水事案の真相解明というのはどえらい重要なんです。徳島事件なんかのああいうものを再発させないためにも、こういうことをきちっと、何だったのかということを明らかにせないかぬ。党派は関係ないからね、言っておきますけれども。政局は関係ないよ、大臣、これは本当に。これはわかるでしょう。 一番最初の原点をもう一回、ちょっと私も振り返ってみたんです。何でこんなことなのかといいますと、今言った、もう一回読むと、名古屋刑務所事件に、僕は事案と言っていますけれども、関する国会質疑で、予算委員会で、もうこれは五年前です、森山法務大臣が、途中で下に線が引いてありますけれども、「懲役受刑者に対し、懲らしめの目的で、その必要がないのに消防用ホースを用い、」こう書いてあるわけです、「消防用ホースを用い、」と。それから、ちょっとありまして、「加圧した水を多量に放水する」、加圧した水という表現を使っています。 ところで、矯正局長、「消防用ホースを用い、」ということで、これがもとであらゆるマスコミ報道それから国会審議が、こう言われたから、みんな、例の出初め式の放水ですね、言ってみれば。私もそう思ったんです。だから言っているんです。それはとんでもないなと思いました。これは間違いない暴行だと思いました。 しかし、後で説明があるかどうか知りませんけれども、これは実際は違うんですね。だから、この「消防用ホースを用い、」これをまず訂正すべきじゃないんですか、国会に対して。
○尾崎政府参考人 委員が長年御指摘のとおり、この消防用ホースが通常の水道に接続されたものであったということは御指摘のとおりでございますが、接続されたものが消防用ホースであったということは、そのように承知しております。
○河村(た)委員 大臣、よく聞いていてね。また後でこれはしますからね。 今言われたように、通常の水道に接続されておったわけですよ。舎房で受刑者の皆さんが手を洗ったりする水と同じ配管に、そこにたまたま消防用ホースというものがつながれていた。だから、それは消防用設備ではないんですね。消防用設備じゃないわけです。 だから、消防用ホースという言葉をやはり、私はこれは消防用ホースじゃなかったと思いますよ、訂正すべきだと思うんですけれども、どうですか。
○尾崎政府参考人 この点は、現在、刑事裁判もまだ未確定で、この事実関係について詳細に行政の立場から申し上げる立場にはございませんけれども、用いられたものが消防用ホースであったということはこれまでの認識であったというふうに考えております。
○河村(た)委員 これまでの認識というのがやはり間違っておったんじゃないですか。正確に言えば、かつて消防用に使っていたホースがありました。しかし、そのホースが古くなって、穴もあいていたんだそうです。保護房なんかでふん尿まみれになったりしますと、洗うのに非常に大変なんです。時間がないのでこっちから言っていきますと、下手すると、ゴムホースでやると一時間半とか二時間かかるという状況になるわけです。体もうんちまみれになる。水量が少ないとデッキブラシで洗わないかぬ状況になるということになって、そういう場合に、なるべく早く、受刑者に負担をかけないように処遇するためには、圧力は水道と同じですからゴムホースと同じなんですよ。だけれども、口径を太くすると量だけ出るわけです、ざあっと。こうやってやるために使った。たまたま廃品利用であったということなのであって、では、この消防用ホースは消防用器具の中に載っていましたか。
○尾崎政府参考人 消防用備品の特別な帳簿というものは存在いたしませんけれども、一般物品管理のための物品管理簿はございます。その中に非常用備品、非常用具類という項目がございます。その中に消防用ホースの記載はあるのでございますけれども、同帳簿上のホースが当時この事件で問題になっている消防用ホースなのかどうか、それについてはこの記載からははっきりいたしませんので、何とも事実関係は不明であるというふうに申し上げるしかないと思っております。
○河村(た)委員 いや、これはまた後でちょっと頼みますけれども、本当に明らかにしなきゃだめですよ。これは実は載っていなかったんです。別なんです。 では、もう一つ言いますけれども、消防訓練を刑務所でやっていますけれども、その消防訓練のときに、この事件というか問題になったホースは使われていましたか。
○尾崎政府参考人 消防訓練の際にどのホースを用いたかという記録がございませんので、このホースが用いられたかどうか、この場でお答えすることはできません。
○河村(た)委員 では、消防訓練のときに、この法務委員会で問題になった消火栓と言われるものですね、外形だけ消火栓と書いてある実は水道の栓なんだけれども、それは使われましたか。
○尾崎政府参考人 委員が言及された消火栓が消防訓練で使用されたということはなかったと承知しております。
○河村(た)委員 こういうことですよ、塩崎さん。(発言する者あり)いやいや、一緒にやっておったからですよ。今度は与党の方の責任者だから。それで、先ほど言いましたように、これは消防用ホースとしても別になっていたわけです。 では、仮に刑務官たちが、消防用ホースは一応外形でも、昔使ったああいうものですから、それをやめて、固有名詞でいうとサニーホースとかいろいろあるらしいんだけれども、口径の太いホースというのがあるでしょう。テレビなんかで、消防訓練なんかで水がどどどどと出るじゃないですか。ああいうものを使って、消火栓という名の水道栓につけて、それで、出るところだけは何か金具があるんですが、それを使った場合はやはり暴行になるんですか。これは起訴したんですか、起訴と言うとおかしいけれども。では、問題にしたんですか、法務委員会と予算委員会で。
○尾崎政府参考人 暴行に当たるかどうか、また起訴するかどうかというのは検察当局の判断ではございますが、一般論として申し上げて、そういった場合が暴行に該当するかどうかということは、個別具体的な事情のもとに、個別的に判断されるべき事柄であるというふうに考えております。
○河村(た)委員 何か法務省の話を聞いておると、都合が悪いと検察庁になっていって、そんな八百長はいかぬですよ。皆さん検事でしょう、はっきり言って。しょっちゅう連絡をとっているじゃないですか。八百長だからいかぬ、そんなことは。明らかに国会に報告して、塩崎さん初め、僕もそうだけれども、保坂さんもそうだけれども、物すごい数の人間が、マスコミも物すごく報道して、刑務所はどういう処遇をしているかやったんですよ。 だから、矯正局長は、そういう、例えばふん尿まみれになって、体もそうだし、保護房の中がむちゃくちゃになっている。特に、視察不能というのがいかぬらしいです。視察孔というのがあるところにいろいろちり紙なんかを張りつけたり、それから上に監視カメラがあるけれども、そこに飯なんかをばんとぶつけると見えぬようになるわけです。受刑者というのはよくそういうことをやるらしいんです。しかし、刑務官というのは、やはり特に保護房は中の動静をしっかり見ていかないかぬから、それをなるべく早く見えるようにせないかぬ、これは当然ですね。だから、なるべく早く中のそういう汚れなんかを彼らは取る必要があるわけです。そのために、通常の水道より倍ぐらいの水が出る、管だけ太い、それを使って清掃していけないのかと聞いているんですよ。ちゃんと答えてくださいよ、本当に。
○尾崎政府参考人 先ほど申し上げたように、そういった方法が適正なのか不適正なのかということにつきましては、具体的な事情をもとに個別的に判断されるべき事柄であると思います。
○河村(た)委員 法務大臣、全国の刑務官は処遇できぬと言いますよ、こんなことを言ったら。いいかね、あなたは今、見に行く、見に行くと言いましたけれども、私はよく行ってきますけれども、大臣なんかが来るところは上辺だけで、全然現場の本当の苦しいところを見ていないとみんな言っていますよ、言っておきますけれども。 今みたいなことを矯正局長が言っておったら、ではどうやってきれいにするんですか。あくまでゴムホースでやるんですか、二時間もかけて。刑務官は残業代も思うように出ぬですよ。それから、受刑者のためにならぬじゃないですか、なるべく早くきれいにしてもらわないかぬのに。そういうことでしょう。 だから、これは困ったことだ。消防用ホースを用いてというのを訂正する気はないのかといって聞くと、そうだと言われかねずいかぬので、訂正してくださいと頼んでおきます。どうですか。
○尾崎政府参考人 委員御指摘のような、通常の水道に接続されていた等の事実につきましては、十分認識をしております。
○河村(た)委員 そういうことでして、これはちょっと口頭では頼んでいまして、返事が来ませんけれども、一番わかりやすいのは、笹川さんも一緒でもいいけれども、要するに、パスカルの原理というのがありまして、山本さんも覚えておるでしょう。水道の圧を全部かけて密閉すると全部同じ圧力で行くわけですよ。今の当該使われた消火栓というのは別になっているけれども、管は同じですから、舎房の受刑者の生活用水と全く同じ管ですから、夜中に、刑務官に聞きましたけれども、夜の二時とか三時はほとんどだれも使っておらぬから、一番最高の圧力になります。そこで、パスカルの原理で、一番遠くでもいいんだけれども、では、当該使われた消火栓のなるべく一番近い栓で水をばっと出します。私に手を当てさせてくれ、圧力をはからせてくれ。それ以下の水圧だということは、物理学的に間違いないです。では、私の手は血まみれになるかという話ですよ。これは暴行なのかという話なんですよ。これを名古屋刑務所でやらせてもらえぬですか。
○尾崎政府参考人 事案が発生した当時と現在とでは、給水設備の状況あるいは水道管の状況が異なっておりますし、また、そういう検査をやられるということになりますと、施設の保安状況についても十分な考慮が必要と考えております。 そのような事情も含めまして十分に検討した上で、委員御指摘の計測ができるかどうか、あるいは適当かどうかについて検討してまいりたいと考えております。
○河村(た)委員 では、そういうことで。 僕も個人的にやれというわけじゃないですけれども、本当に口先だけで、処遇をどうしろとか刑務官が過剰収容で大変だとか、大臣、こんなことを言うのは簡単ですけれども、大臣でいえば、あなたの部下ですからね。これは明らかに冤罪です。実際は、自己のプラスチックの自傷行為だったんです。それで苦しんでおるわけだ。これが最高裁まで行きまして、失業するとどうなるんですか。 部下ですから、ぜひひとつ、大臣に御感想だけ言ってもらって、きちっと調査して、それであと、委員長には、これは司法のことじゃなくて、今言った、ここで物すごく質問していますから、予算委員会でも、だから、ちゃんと一遍、調査を開始する、やるということをぜひ一言言ってほしいんですけれども。
○山本委員長 理事会で協議します。
○河村(た)委員 大臣、ちょっと感想でいいです。
○森国務大臣 河村委員の御熱意とお取り組みには、個人的には敬意を表します。しかしながら、法務大臣としては、裁判所の判断を尊重して、法の定めるところに従って対処いたしたいと思います。
○河村(た)委員 最後にしますけれども、今、突然だったですからそれでいいですけれども、いいことはないですけれども、これは司法とは全く違うからね。どういう処遇がされて、どういう処遇が今後必要か、こういう事故を防ぐためにはどうしたらいいかという問題で、すべからくこれは法務行政の問題ですから。
○森国務大臣 今後ともしっかりとした調査を続け、よりよい矯正行政のため努力をしたいと思います。
○河村(た)委員 以上で終わります。ありがとうございました。
○山本委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後零時十七分休憩 ————◇————— 午後一時十八分開議
○山本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。高山智司君。
○高山委員 民主党の高山智司でございます。 きょうは法務委員会ということで、今度国籍法の改正が、もうこの後趣旨説明もあるようで緒についたということなんですけれども、この国籍法の改正、もう御案内の方も多いと思うのですけれども、そもそもは先般最高裁判例が出まして、またその原告の方も、無国籍のお子さんを抱えているお母さん方というのは、実はフィリピンから来られている女性が非常に多いということで、その遠因といいますか原因というのは何だったんだろうなということで私もいろいろ調べましたら、もう二十年ぐらい前でしょうか、じゃぱゆきさんというようなことで、フィリピンから日本に出稼ぎに来る女性が非常に多いというようなお話があったわけです。 それで、ちょっときょうは時間がないので、いろいろと質問しようと思ったこともはしょりながら私の口からも言わせていただきますけれども、驚くべきことに、我が国で人身取引に対します刑罰、刑法の改正があったのは平成十七年ということで、人を売り買いすることが平成十七年まで我が国では刑法の処罰の対象になっていなかったということで、随分私もびっくりしたわけですね。それもこれも、平成十六年の人身取引対策行動計画というのがありまして、それに基づいて、法務省では入管行政を厳しくしたり、あるいは外務省でビザの発給を厳しくしたりとか、そういうことがあったようなんです。 まず法務大臣に今までの経緯で伺いたいんですけれども、我が国の人身取引対策行動計画、平成十六年から始まりました、それで厳しくビザの査定なんかを始めたわけです。それによって、フィリピンから日本に今まで興行ビザで随分な人数が入ってきたようなんですけれども、それが大幅に減っていっているんです。その経緯につきまして、もし今、そこに手持ちの数字がございましたら、何を改正したおかげで、何万人いたのがこれぐらいに今激減してきているというお話をいただけますでしょうか。
○森国務大臣 ただいま委員から御指摘のありましたとおり、平成十六年十二月に政府が策定した人身取引対策行動計画において、演劇等の興行活動を行おうとする外国人の上陸許可基準を見直し、この基準から、外国の国、地方公共団体等の機関が認定した資格を有することの基準を削除し、芸能人としての能力の有無について実質的な審査を行えるようにすることなどが定められました。法務省では、この行動計画を踏まえまして、上陸許可基準を定める法務省令を一部改正して、当該基準を削除し、平成十七年三月から施行をいたしたところでございます。 さらに、平成十八年には、これに加えて、人身取引や不法就労に関与した者、暴力団員等を招聘した業者等から排除することなど、同法務省令の改正を行い、平成十八年六月より施行しているところでございます。 その結果として、フィリピンからの興行の在留資格による新規入国者数の推移でございますけれども、平成十五年が約八万人だったのが、平成十九年には五千五百人になっているところでございます。
○高山委員 今法務大臣からお話しいただきましたように、実は我が国も、平成十六年、十七年から、この人身取引に対しては非常に厳しい態度で臨み始めて、興行ビザということで、踊り子さんということでフィリピンから八万人もの方が来られていたんですけれども、実際には、いわゆるフィリピンパブというようなところで接客をやったり、こういうことに従事していた。それをなくしていこう、資格外労働をなくしていこうということで、五千人まで随分興行ビザを絞ったわけですね。 ところが、何かそれに逆行するというか、それの裏をかくような手段があるらしいということで、私も最近報道を目にしましたので、きょうちょっと質問させていただきたいんです。 私がきょうお配りしておりますこの資料ですけれども、まず、一ページ目の1ですけれども、ここに、慈善目的ビザの入国者がパブで接客を行っていたと。 つまり、今まで興行ビザで八万人も来ていたわけですよね。それが、ビザの発給が随分厳しくなったということで五千人に減ってしまった。その結果、実際フィリピンパブというところに働きに来る方が減ってくるのかなと思いましたら、どうもそうではなくて、慈善目的ビザということで、短期滞在のビザ、これはとりやすいようなんですけれども、それで入ってくる人が随分ふえてきたということなんですね。 これは、外務省の方に伺った方がいいと思うんですけれども、いわゆる興行ビザの発給と、この慈善目的の短期滞在のビザ、これはどちらの方がよりとりやすいものなのか。そして、きのうちょっと細かいことを聞きますよということで通告してありますけれども、実際、チャリティー目的ということでビザの申請が何件あって、何件が許可になっているのかということを、ビザの発給そのものは外務省ですので、外務省、お答えください。
○伊藤副大臣 委員にお答え申し上げます。 どちらがよりとりやすいかはちょっと一概にお答えできないんですけれども、興行査証、興行ビザの申請に当たっては、通常、法務省の入国管理局が発行する在留資格認定証明書をあらかじめ取得した上で、同証明書とその他の必要書類を在外公館に提出し、査証申請することになります。また、短期滞在査証については、在留資格認定証明書の手続分が省略されるということであります。 なお、在留資格認定証明書を取得しないで直接大使館に興行査証を申請する場合には、在留資格認定証明書を交付申請の際に必要な書類を査証申請時に提出するということになるわけであります。 そして、もう一つの御質問であります、どれぐらいがということ、また、チャリティーということでありますが、いわゆるフィリピン人に対する短期滞在査証の発給件数は、平成十九年の数字で約六万件となっております。ところが、そのうち、チャリティー目的ということでペーパーが違うわけではありませんで、書き方によっては、例えばNPOに対する協力とか、また日本語的に例えば慈善目的とかいろいろありますので、その中で、チャリティーを目的とした査証の申請を特定するというのは困難だということをお答え申し上げます。
○高山委員 私が今配りました資料の四番目と五番目とかを見ていただきたいんです。これは大使館に出す書類でして、「招へい理由書」というのがありまして、これはサンプルを外務省からいただいたものなんですけれども、「招へい目的」とかいうところがありますね。ここに書いたりするわけなんです。 それで、今外務省からは、なかなかその目的はということで御答弁いただきましたけれども、これは法務大臣に伺います。 昨日、これは非常に細かいことなので、私が資料をつけさせていただきました。私の配りました資料3というのを御確認いただきたいと思うんですけれども、これは法務省が外務省に問い合わせて聞き取った数字ということなんですけれども、外務省から協議があったのが二百三十三人、入国した者が百八十四人と書いてあります。これは法務省が作成した資料なんですけれども、今確認していただいても構いませんけれども、この数字は間違いございませんか。
○森国務大臣 間違いございません。
○高山委員 これは一応わかるみたいですね。だから、二百三十三人の方の申し込みがあったんだけれども、そのうち百八十四人の方しか申請はおりなかったということだそうです。これは外務省からいただいた、この目的と書いてあるものをどんどん調べていくとわかるということでございます。 さてそれで、つまりこのビザ発給の段階で全員におりているわけじゃないわけなんですけれども、この記事によりますと、何と、国会議員の元秘書の関連しているビザだけはおりているんだけれども、類似ビザ申請の出ているところはなかなかおりていないと。だから、何かこれは国会議員の口ききなりなんなりがあったんじゃないかというような報道がありました。ですので、もし本当にそうだとすれば物すごく不公平なことなので、これは確認をしていかなければいけないなと思うんです。 これはもう新聞記事にお名前も出ていますので、きょうは御本人にお越しいただいていますので、倉田副大臣に端的に伺いたいと思うんですけれども、まず、この元秘書の方、これはTさんという秘書の方だと思うんですけれども、倉田副大臣は最近も御連絡はしているんでしょうか、そして、最近はいつ会いましたか。
○倉田副大臣 これは、総務副大臣としてお答えすべきことでもない、個人的な御質問ということでよろしゅうございますか。 そのT氏は、五年前に私のところをやめて、その後、フィリピン女性と結婚している存在です。最近は、民事事件、実は詐欺に係る民事事件があるんですけれども、その記録を欲しいということを言いまして、二、三日前に沼津の私の事務所へ記録を持ってきたと。私は会ってはおりません。
○高山委員 また、報道によれば、倉田先生の選挙のときの選対の事務長のようなものを務めていて、名刺も持って活動していたということですけれども、これは事実ですか。
○倉田副大臣 私は実は、三年前の夏の、十七年ですね、選挙のときに、清水の方から沼津、伊豆へと移籍してまいりました。選挙がありましたのが九月十一日ですが、移籍が決まったのが八月十九日。どなたも存じ上げないところへと移転したものですから、もうやめてはいた秘書ですが、もともとの秘書に手伝ってくださいよと。事務長ということではありませんが、手伝ってくれました。そのほかにも清水から何人かお手伝いに来てくれた、その中の一人であります。
○高山委員 また、この記事にあります未来チャリティーなりNPO「MIRAI」というところで、このT氏が中心的役割を果たされていて、また、地元でチャリティーの活動をしたりそういうことをやられているということは、倉田副大臣は御存じでしたか。
○倉田副大臣 これは、一つは、主な役割をやっていたかどうかは知りません。 それからもう一つ、未来チャリティーという言葉は、私は、実はレイテ島災害復興支援チャリティー実行委員会というのは聞いておりましたけれども、未来チャリティーという言葉自身、未来というのがくっついていること、これはいつできたのか云々も知りません。新聞を見ていて、いつの間にかこれは変わっているのかなというぐあいには感じております。
○高山委員 今率直にお答えいただいたわけですけれども、この記事によりますと、T氏が元秘書ということなのか、あるいは倉田事務所関係者ということなのか、あるいは先生御本人なのか、法務省と外務省に対してもこのチャリティーの件でビザの発給をよろしく頼むというようなことで、口ききあるいはお願いをしていたのではないかと。 私、率直に言いまして、ビザの申請であるとか在留資格、これはかなり裁量が大きくて、かなり複雑な行為ですので、私なんかでも地元の方から頼まれて、この在留資格は今どうなっているのか調べてもらえませんかということはあります。 それで、まず端的にこれは倉田先生に伺いたいんですけれども、この件のみならず、倉田先生も法務委員会とか長くやられていますので、在留資格の件あるいはビザ発給の件に関しまして、倉田先生御自身あるいは事務所の方がそういう問い合わせをなさったことはありますか。別にこの件のことではありません。
○倉田副大臣 ちょっとわからなかったのですけれども……(高山委員「法務省、外務省に問い合わせをしたことがありますか、この件だけじゃないです、ほかの件も含めて」と呼ぶ)とにかく法務省、外務省に働きかけをしたようなことは一切ありません。 問い合わせについては一件だけ、こういうことがありました。 ことしの夏のような気がしますけれども、Tさんが相談に来ました。春からお願いをしているビザの申請に関し、どういうビザなのかは私は知りません、なかなか発給がなされていない、多分二、三カ月たっているんでしょうね、それで、審理状況を教えてもらえるように話をしてくれないか、こう言うんですね。彼が示した電話番号、ここのところへ問い合わせてくれればいいんだというので、そこへと電話しまして、私は自分を名乗りました。それで、審理状況について話せる範囲で教えてあげてくれませんかと言いましたら、どういう人ですかと言いますから、チャリティー実行委員会の事務局と聞いておりますよと。では電話をかわってくださいということで、彼に電話をかわりまして、そこでアポをとっていました。いつどこで会う、いついつ会うというアポをとっておりましたということはありました。 それ以外にございません。
○高山委員 倉田副大臣、今のは外務省に電話をした件でしょうか、それとも法務省に。これは外務省だと思うので、外務省にちょっと確認させていただきます。 外務省に確認いたします。今の倉田副大臣からの電話というのはどのように受けて、どの部署に記録をとって処理をするように指示した、そしてまた、これは別に進捗状況を聞くだけですから、こういう進捗状況であるということをいつ報告したか、答弁をしてください。
○伊藤副大臣 一般的に言って、査証の発給手続等について、政治家を含め外部からいろいろな問い合わせがあるというのは事実であります。また、その問い合わせに応じて必要な事実関係の説明等も行っているわけでありますけれども、本件はただいま捜査中でございますし、個別の案件について今お答えをすることは差し控えたいと思います。
○高山委員 ちょっと今、間違いがありますので。 フィリピンパブの店主の方と踊り子さんで来ている方は、もう捜査が終わって起訴されております。そして、公判もきのうあったというふうに私は聞いております。捜査は終わっておりますので、もう一度答弁してください。
○伊藤副大臣 私の方にそれをお答えする資料はございません。
○高山委員 これは、もう二日ぐらい前から、私はこの件に関してちょっとやりとりを詳細に伺いますのでということを外務省の方に通告してありますので、今、一たん議事をとめてください。そして外務省の方で調整をしてください。委員長。(発言する者あり)
○山本委員長 ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○山本委員長 速記を始めてください。 伊藤外務副大臣。
○伊藤副大臣 今委員の御質問なんですけれども、踊り子さんについては捜査が終わっているので答えられるのではないかということでございましたけれども、この事件、総合的にどのように絡まっているか私にもつまびらかではありませんけれども、この事件、総合的に見てまだすべて捜査が終わっているということではございませんので、そういう意味で、今お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
○高山委員 そうすると、パブの経営者や踊り子さんの捜査が終わってもまだ捜査が終わっていないということは、背後で派遣をしていた黒幕がいるというような印象があるということを外務省自身が今この委員会で明らかにしたことになるんですけれども。 別に先ほどのやりとりそのものは、倉田副大臣が問い合わせて、それがいつ返事が来た、これはどこが違法なのかわからないぐらいの問題ですので、もし外務省に何の不正もないのであれば私は答えていただきたいと思います。委員長、これは時間がもったいないので、後刻理事会に報告でも構いませんので、外務省から私の質問の答えを理事会に報告いただいてください。
○山本委員長 理事会で協議します。
○高山委員 私、今度外務省にもう一つ伺います。 外務省で、先ほどのビザの申請があったのが二百三十三人、入国したのが百八十四人ですけれども、この中で、ビザが申請して結局だめだったという人も百人近くいるわけですね。この中に、身元引受人が未来チャリティーなりNPO「MIRAI」ですか、そういう人がいるというもの、つまり、私が今ちょっと疑惑を持っているNPOあるいはチャリティーの委員会からの申請でも落ちたものというのはあるんですか。教えてください。
○伊藤副大臣 たびたびのお答えでちょっと恐縮でありますけれども、本件のいわゆるチャリティーコンサートの出演を名目としたフィリピン人へのビザ発給に関しては、警察当局が捜査中であり、今お答えすることは差し控えさせていただきます。
○高山委員 いや、外務副大臣、済みません。査証の落ちた方ですよ。利益供与を受けたと思われる百八十四件の方じゃなくて、未来チャリティーが出しているけれどもだめだったということもありますかということを私は伺っているんですけれども、これは全然捜査と関係ないじゃないですか。お答えください。
○伊藤副大臣 お答え申し上げます。 それを含めてこの事件の概要について捜査中でありますので、お答えを差し控えさせていただきます。
○高山委員 これは、あたかも倉田副大臣が何か疑惑に満ち満ちた口ききをして、それも外務省が応じてしまったがために何か隠しているんじゃないかという、これはかなり疑惑を持たれる答弁だなと思って、非常に残念な思いがいたしますけれども、時間もあれですので、ちょっと次の質問に移らせていただきたいと思うんですね。 ただ、このフィリピンパブの問題というのは、もし口ききが本当にあったとすれば、まさに今我が国が進めている人身取引で、そういうじゃぱゆきさんというものはどんどん減らしていこうというのに逆行する行為であって、本当に残念なことだなというふうに私は思っております。 この件で、最後、倉田副大臣に伺いたいんですけれども、鳩山総務大臣がちょっと問題があれば事情聴取をしてというような新聞報道であったんですけれども、この件で倉田副大臣は、鳩山総務大臣から何か呼ばれて状況を聞かれた、あるいは麻生総理からちょっとこれはどういうふうになっているんだという確認等、こういうことはありましたか、倉田副大臣。
○倉田副大臣 鳩山大臣に対しましては、最初に新聞報道があった十月十七日の週の翌週にお会いをしまして、直接、報道されているような一連の件はございませんということ、幾つかの質問にもお答えをしました。そのように御説明を申し上げました。大臣からは、これといったコメントはございませんでした。
○高山委員 鳩山総務大臣や麻生総理も何かこれで不問に付しているということですけれども、私は、きょうの外務省の答弁を聞いてちょっと疑惑が深まったんじゃないかと思って非常に残念な気がいたします。 さらに、通告してある質問で、先に進ませていただきたいと思うんです。 きょうは総務省にお越しをいただいておりますので、ちょっと伺いたいんですが、まず、平成研究会という千代田区にあります政治団体、これは今津島派になっているんだと思うんですけれども、この平成研究会から平成十七年に国政研究会という静岡県の清水市にある政治団体に寄附の記載というのはありますか。平成研から国政研究会というところに平成十七年に寄附はありますか。
○倉田副大臣 先生から、総務省を通じまして、昨日、御質問があったようですね。 私は、昨夜、私の経理関係者の者に聞いてみました。一切おかしなことはありませんということでしたけれども、さらに、今言った平成……(高山委員「ちょっと、端的に質問に答えてください。平成研から国政研に寄附があったか、十七年」と呼ぶ)はい。ありました。もう少し詳しく言いましょうか。(高山委員「いや、いいです」と呼ぶ)いいですか。
○高山委員 それは、額、幾らですか。
○倉田副大臣 七月の五日に二百万円です。国政研究会に。
○高山委員 平成十七年の国政研究会で、収入の欄に平成研究会から寄附があったという記載はありますか。
○倉田副大臣 昨夜、全部調べさせて判明したところによりますと、その七月五日の二百万円の記載が欠落しておりました。
○高山委員 総務省に伺いますが、こういう場合、政治家が記載をミスってしまうということは、去年ぐらいから閣僚の中でも非常に多いので、総務省では、こういうときに、どういうふうに訂正をしたり、また注意をしたりするというふうに指導していますか。 総務副大臣ですよ、総務副大臣に聞いています。こういう場合、どういう訂正や指導をするかということを聞いているんです。 委員長、時間をとめてください。時間がもったいないので。
○山本委員長 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○山本委員長 速記を始めてください。 倉田副大臣。
○倉田副大臣 総務省としましては、事実と違う記載があれば、それは直ちに訂正をしていただく、このような御指導をしているところでございます。 この場をかりて言うのであれば、全くの欠落といいますか漏れてしまったということでございますけれども、個人として、大変申しわけなく、おわび申し上げます。早速訂正をします。
○高山委員 訂正は、どこをどういうふうに訂正するのか、一応教えてください。
○倉田副大臣 寄附がありましたと書きます。 したがって、繰越金が増加する、年々繰り越されて、手元にある資金になっているわけです。そこをやります。
○高山委員 これは、ただ本当に記載漏れなのかなというので、私もちょっと調べてみたんですけれども、これもまた、先生の秘書で、Nさんという政策秘書をやられていた方なんですけれども、もうやめられている方なんですけれども、いわゆる橋本派の日歯連の不正会計問題というのがありました。そのときに、裁判の中でも、このNさん、倉田先生の政策秘書をやられていた方ですね、この方がいろいろ証言もされているんです。相手の都合があって、もち代や氷代なんかの記載がなかったこともあるですとか、これは裁判の中でそういう証言をされているので、そういうこともいろいろ記載があったんですけれども、当時、例えば派閥からいただくような寄附があったお金を、何か都合があってわざわざ記載しなかった、そういうような話なんでしょうか。 たまたま先生のところの政策秘書をやられている方が、平成研の滝川事務長の前任者なんですよね。だから、同じ派閥でお金をやりとりしていて、随分詳しい方が政策秘書でやられているのに、どうしてこういうミスが起こるのか。それとも、何か都合があって、表に出せないようなお金の使い方があったのかというふうに勘ぐるような材料が随分そろっているものですから、改めて伺いたいんです。 これは、倉田副大臣に改めて伺いますけれども、二百万円の記載漏れがあったわけですね、しかも平成十七年です。訂正の機会は、今までも何回もあったわけですね。実際、繰越金があったのであれば、二百万ですから、もうこれは三年分の記載漏れなんですけれども、ここで二百万あったというのは普通気づくと思うんですね。だから、何かひょっとして、繰り越しじゃなくて、また、使途不明のお金の使い方でなくなってしまったのかという疑念も生みかねない今状況なんですよね。 私、きのう指摘したんですけれども、これはまだ訂正も結局きょうなされていないわけですか。そうすると、なかなか今疑惑が晴れないまま、しかも、今どちらかといえば、政治資金に関して指導的立場にある総務副大臣がこういう状態だということであれば、本当は関係する人の参考人招致もしないとなかなかわからないなと思うんですけれども、まず、これは倉田副大臣の名誉のこともありますので、伺いますけれども、この二百万円は裏金ですか、何なんですか。
○倉田副大臣 裏金でも何でもございません。多分、これは振り込まれたと思います。 ちょっと言いわけをさせてもらいますと、あの当時、私は清水から沼津へ移りました。もともとの比例区支部というのが新しい第六支部になったり、それから清水の方のいろいろな団体を解散してみたりというような手続を幾つかやっている中で、残念ながら漏らしたようでございます。 平成研に対しましては、きちんと経理関係者の字で二百万円の領収書が出ておりました。 したがって、書くのは半年後ですよね、まさしくいろいろな混乱の中で書き落としてしまった、そういう状況でございます。
○高山委員 麻生内閣の副大臣という要職につかれている方が、こういう何かフィリピンパブで口きき疑惑があるじゃないかとか、あるいはまた政治資金の不正経理か、あるいは記載漏れがあるじゃないかとかいう疑惑を持たれるということは、また政治不信がより高まってしまうことにもなりますので、ぜひ早急にまず訂正していただきたいと思いますし、また外務省に、何のやましいことがないのであれば、やりとりを公開していただきますように改めてお願いいたしまして、私の質問を終わります。
○山本委員長 次に、保坂展人君。
○保坂委員 社民党の保坂展人です。 森大臣に早速お聞きをしていきたいと思います。 先日、死刑の執行がございました。大変残念だということで、私ども、超党派で、死刑については廃止の方向で検討していこうじゃないかという議員連盟もやっておりますので、その際、抗議の申し入れなどをしたわけです。 まず伺いますけれども、私自身は東京拘置所の死刑の刑場を、今から五年前そして昨年と、二回続けて見ております。大臣は刑場を視察されましたか、死刑執行の命令の前に。
○森国務大臣 私は、就任後、十月十七日に東京拘置所を訪れまして、刑場も視察いたしました。
○保坂委員 その際に、衆議院の法務委員会でも二度見に行っているんですが、まず、死刑執行に当たって、ドアがあいて、観音像か絵があったと思うんですけれども、そして正方形の部屋があり、ボタンを押す部屋があり、そして中央に四角い、そこに死刑囚が立つというところはごらんになったと思うんですね。 その下の部分、つまり落下してくる部分については、大臣はお入りになりましたか。そして、要するにどういう状況で落下していくのかなということを立体的に見られましたか。
○森国務大臣 階段をおりて半地下のようなところまで行きまして、下からも見ました。
○保坂委員 ところで、日本では絞首刑という形で死刑が執行されているんですが、これはどのような法的根拠があるか御存じですか。
○森国務大臣 刑法に定められているところです。
○保坂委員 私の理解ですと、これは太政官布告じゃないですか。いわば、死刑を執行するという意味じゃなくて、絞首刑というものですね。太政官布告にポンチ絵があって、太政官布告が生きている分野というのは非常に珍しいんですが、この死刑の執行方法については、太政官布告じゃないですか。
○大野政府参考人 法律の根拠でありますので、事務当局の方から御説明いたします。 刑法第十一条の一項に、「死刑は、刑事施設内において、絞首して執行する。」という条文がございます。
○保坂委員 その具体的なやり方については、太政官布告なんですよ。それは変わっていないんです。 法務大臣に伺いますが、アメリカで、州によって違いますけれども、死刑の執行方法で、薬物注射で処刑を行うという例がございますね。その死刑囚の方が連邦最高裁に、薬物でも苦しいんだといって訴えを起こしている。これを連邦最高裁が受理して審議をしている間、昨年からことしにかけて死刑の執行をとめていた、こういうことは御存じですか。
○森国務大臣 そのことについては存じません。
○保坂委員 結局、連邦最高裁の結論は、苦痛はないようだという方向で出たようです。 しかし、絞首刑というのは、やはりこれは相当の苦痛があるというふうに思われませんでしたか、刑場を見て。率直にどうでしょうか。
○森国務大臣 それは、より苦痛のない方法を選択することが望ましいかと思いますけれども、しかしながら、どういう方法がやはり一番苦痛がないかということは、私はわかりません。
○保坂委員 アメリカの例を指したのは、アメリカで絞首刑はということを議論したら、これはやはり苦痛があるという結論になるだろうということを指摘しておきたいと思います。 ところで、日本は国連の人権理事会のメンバーなんですね、再選されて二回続けて。議長国へという意欲も持たれていた。 ところで、十月、つまり処刑のあった十月の下旬というのは、国連の規約人権委員会、自由権の委員会の、日本政府がこの委員会に出した報告書に対する審査がございまして、それについて総括所見、いわば日本政府の報告書を各国が評価し、改善勧告とかいうことをまとめる、しかもこれは死刑について相当厳しい意見が出たということも新聞報道されましたけれども、その直前だったですね、今回の処刑というのは。 今回の総括所見の中で、日本政府に対する改善勧告というのが幾つかされております。御紹介しますと、世論調査の結果にかかわらず、世論調査は御存じのとおりですが、死刑廃止を前向きに検討し、必要に応じて、死刑廃止が望ましいことを国民に知らせるべきであるという勧告も出ている。 そういうときに、その直前に処刑が行われる。これは、国際社会、国連の人権をめぐる議論にとって一体どうだろうか。日本政府は国連でどんな議論がされていようと関係ないよ、日本は日本でいくんだ、だからいろいろ死刑等々のことについて国連で余り言ってもらうのは不愉快だ、こういうメッセージを国連の場の議論に与えかねないと思います。その点、いかがですか。
○森国務大臣 私は、個人的に言えば、保坂委員のような死刑廃止というお立場の方があるということは十分理解いたしますし、また決して否定するものではありません。 しかしながら、我が国は我が国の法の上に成り立って存在する国家でありますから、法務大臣としては、我が国の法の求めるところに従って、みずからの職責を粛々と果たさなければならないと思っております。 確かに、国連から十月末に勧告があることは承知しておりました、中身はわかりませんでしたけれども。しかしながら、死刑を執行する時期と国連からの勧告というのは直接的には関係がないと私は思っています。
○保坂委員 日本は、国際社会の中で、やはり人権について発言をしていこうという立場なんですね。これは、法務省もそういうことになっているわけですよ。法務大臣の所管は人権擁護でもあるわけですね。 死刑については、世界じゅうにいろいろな議論があるわけですね。死刑廃止国も非常にふえている。執行を停止している国も多い。 国連のこの決議というか勧告は、読んでみると、死刑を全部即時にやめろというふうに言っているわけではないんです。もっと絞れというふうに言っていたり、高齢者あるいは精神障害者の執行に対してより人道的にアプローチしろとか、あるいは死刑執行をやむを得ずするのであれば、突然朝呼び出して処刑ということではなく、その死刑囚及び家族に事前に告知をしなさい等々、いろいろ具体的なことも並んでいます。これに日本政府は一年以内に回答しなければいけないんですね。 ですから、法務大臣として粛々とというのはわかりますけれども、国際社会の議論はしっかりしながらやるのかどうか。むしろ、国連のこういう勧告とか、死刑執行停止決議というのが国連総会で十二月に採択されましたけれども、その直前にも鳩山大臣の処刑があった。いわゆる国際社会のそういった節目節目の、日本の死刑執行についての意見表明がある直前とか、それと軌を一にして処刑が行われているというのは、どうも、国際社会の人権をめぐる議論に対して、この点については聞きませんという態度に思えるんですね。そういうことではないんですか。
○森国務大臣 私は、先ほども申し上げましたけれども、国連からのそういった勧告あるいは保坂委員のような方の御意見というのには耳を傾けなければいけないと思っております。 しかしながら、我が国は現に死刑制度が存置しておりまして、最高裁の判決が下ってから原則としては半年以内に執行を法務大臣が命令するということになっておりまして、そういったことを我が国の法の求めに従って法務大臣が職責を果たさなければ、決してしたいことではありませんけれども、我が国が法治国家として成り立たないと私は思っております。
○保坂委員 先日、大野刑事局長にお会いして、刑事局長に就任してから数えると二十一人なんですね。極めて多い数なんです。日本は実は死刑制度を持っていて、三年半執行がされない時期がありましたけれども、この間十年間、法務大臣とこの話をしていますけれども、二人ないし三人あるいは四人という時期も大分長かったですよ。その時期と比べれば大変多い処刑数になっているということは、まず申し上げておかなければならないと思います。 森大臣は恐らく御存じないかもしれないんですが、一昨年のクリスマスの日に処刑された藤波さんという方がいらっしゃいます。彼は七十五歳で、しかもクリスチャンです。彼は死刑の執行が近いということを予測して支援者に手紙を書いているんですね。そこには明確に、自分はもう立てません、自立歩行できないんです、車いすなんです、こういうふうに書いている。 大臣、この国連の勧告の中にも、高齢者とか精神障害者、そういう方に対するアプローチを考えるようにと書いていますね。では、車いすの方をどうやって処刑するんだろうか。どうやって処刑すると思いますか。ちょっと具体的に考えて言ってみてください。
○森国務大臣 ちょっと恐縮ですけれども、そういったケースについては私は存じません。
○保坂委員 大野刑事局長とも先日話したときに、やはり盆暮れは避けているんですね。盆暮れ、正月ですね。一月の正月に処刑とか、これはやはりカレンダーの中で、この時期はふさわしくないということで、処刑はないんです。 国際社会の中で人権を語っていくときに、クリスマスの日にクリスチャンの自立歩行できない人の処刑をする、これはル・モンドにでかく出ましたよ、こういうことについてもう少し関心を持たれたらどうですか。感想がありましたら。
○森国務大臣 その事例についても私内容を知りませんけれども、いずれにいたしましても、法務大臣としては、そういった個別のケースについて言及することは避けたいと思います。
○保坂委員 ということは、この国連の勧告がありました。これから答えを出していかなければいけないんですね。時間がもう迫っている。 今回、お二人の方の処刑があったんです。大臣自身がおっしゃっているように、麻生内閣はまだスタートして間もないですね。ですから、法務行政というのは非常に各般にわたって広範囲ですね。いわゆるインプットするためのいろいろな勉強とか支度とか大変だったと思いますが、このお二人について、一人の方は、ずっと処刑されるまで、久間三千年さんという方は直接的な証拠はないんですね。DNA鑑定なんです。本人は、ずっと冤罪だと手紙にも書いているんですね。冤罪だ、冤罪だと言って、最後まで冤罪だと言っている。もう一人の方は、全く逆なんです。高塩さんという方、この方は、自分は死刑がふさわしいだろうといって、一審で死刑が出るんであれば従うつもりでいた、二審は死刑だった、いわば最後まで上告せずに取り下げた、そういう形なんですね。 つまり、二つの事件とも、他の国では、例えば無期懲役という判決が出たら、死刑まで繰り上げて検察官が上訴することを制限している国もあります。ですから、死刑は、人の生命を簒奪するという究極の刑です。大臣は、どの程度の時間、この資料を読んだり、どのくらいの分量のものをどのくらいの時間をかけて精査をされましたか、ちょっと具体的に答えてください。
○森国務大臣 まず、これは関係部局において十分精査し、その上で結論が出されて私に上げられて、私は私なりに、これは人の命にかかわることですから、熟読玩味して、その上で裁判所の判断を尊重して粛々と職責を果たしました。どれだけ読んだかとか、あるいはどのぐらい分量を読んだかという定量的な問題ではないと思います。
○保坂委員 定量的な問題ではないんですが、どのぐらいの厚さの資料を何時間かけて、あるいは何日かけて読んだのかだけは答弁してもらえませんか。死刑の情報公開というのはやられていますね、鳩山さんのときから。処刑した事実について公表しているわけで、大臣が最後のところで判断するという仕組みになっていますから、どの程度の判断をされたのかということについて答弁をしてください。
○森国務大臣 先ほどのお話でも、法務大臣になって、いろいろ全体を把握する時間が必要ではないかとか、そういう御意見もありましたけれども、私は、別に法務大臣というのは職業訓練所じゃないので、就任した初日から法務大臣だと思っております。これまで私が人生で生きてきた全人格と全存在をかけて、また、先ほど申し上げたように、熟読玩味して、その上で裁判所の判断を尊重すべきというふうに思って粛々と職責を果たしました。
○保坂委員 熟読玩味の時間と分量をお答えにならないということは大変残念だということを申し上げて、終わります。 ————◇—————
○山本委員長 次に、内閣提出、国籍法の一部を改正する法律案を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。森法務大臣。 ————————————— 国籍法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○森国務大臣 国籍法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。 この法律案は、日本国民から出生後に認知された子が届け出により日本の国籍を取得するためには、父母の婚姻を要するとの国籍法の規定は違憲であるとの最高裁判所判決があったことにかんがみ、父母が婚姻していない子にも届け出による日本の国籍の取得を可能とするとともに、国籍行政の適正な運用を図るために必要な整備を行おうとするものであります。 第一に、出生時に日本国民との法律上の実親子関係が存在していないため出生により日本国籍を取得しなかった子について、父母の婚姻及びその認知により嫡出子たる身分を取得した場合には届け出によって日本の国籍を取得することができるとされている現行法の規定を改め、父母の婚姻により嫡出子たる身分を取得したとの要件を削除することにより、出生後に日本国民から認知されて日本国民との法律上の実親子関係が生じた場合には、届け出による日本の国籍の取得を可能としております。 第二に、出生後に日本国民から認知されて日本国民との法律上の実親子関係が生じた子が日本の国籍を取得する届け出をする場合において、虚偽の届け出をした者についての制裁を新設することとしております。 第三に、経過措置として、二十歳に達するまでに日本国民から認知されたが父母が婚姻していなかった者のうち、改正後の国籍法によっても日本国籍を取得できない者等について、所定の要件を満たすときは、改正法施行以後三年間は、法務大臣に届け出ることにより、日本の国籍を取得することができることとしております。 なお、この法律案は、一部を除き、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行することとしております。 以上が、この法律案の趣旨でございます。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに可決していただきますようお願いいたします。
○山本委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 次回は、来る十八日火曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後二時九分散会