農林水産委員会 第2号
- 発言数
- 4 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 2008/03/18
会議録
○委員長(郡司彰君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、川崎稔君及び芝博一君が委員を辞任され、その補欠として米長晴信君及び高橋千秋君が選任されました。 ─────────────
○委員長(郡司彰君) 農林水産に関する調査を議題といたします。 平成二十年度の農林水産行政の基本施策について、農林水産大臣から所信を聴取いたします。若林農林水産大臣。
○国務大臣(若林正俊君) 農林水産委員会の開催に当たりまして、私の所信の一端を申し上げます。 農林水産業と農山漁村は、食料の安定供給はもとより、国土や自然環境の保全、良好な景観の形成、文化の伝承といった多面的機能の発揮を通じ、国民の暮らしにおいて重要な役割を担っています。農林水産業を持続的に発展させ、農山漁村の活性化を図ることは、地域を再生し、国民生活の安定向上を図る上で不可欠であると考えております。 農林水産行政をめぐっては、今年度から実施に移した農政改革の着実な推進、食品に対する消費者の信頼の確保、重要な局面を迎えているWTO交渉への的確な対応を始めとして、先送りのできない数多くの政策課題を抱えています。 私は、昨年、農林水産大臣に就任して以来、生産現場や消費者の声を十分に踏まえるよう心掛けながら、これらの課題に取り組んでまいりました。今後とも、常に国民の立場に立った農林水産行政を展開することによって、地方の主要な産業である農林水産業の活力を高め、生産者や消費者が主役となる社会の実現につながるよう、全力で諸施策の推進に取り組む所存であります。 その第一は、国内農業の体質強化と農山漁村の活性化です。 農業就業人口の減少、高齢化などによる生産構造の脆弱化や経済のグローバル化が進展する中、我が国の農業、農村が活力を持ち続けるためには、意欲ある担い手の育成などにより農業経営の体質強化を図り、力強い農業構造の構築に取り組むことが不可欠であります。 このような観点から、昨年四月より水田・畑作経営所得安定対策の導入、米政策改革推進対策の見直し、農地・水・環境保全向上対策の導入という三本の柱から成る政策改革を実施に移したところです。これらの対策については、その着実な実施を図るため、私を含めた農林水産省幹部が全国に出向いて直接生産者や関係の皆様の御意見を伺い、より地域の実態に即したものとなるよう必要な改善を行ったところであり、引き続き、関係者に丁寧に説明を行いながら、対策の普及定着に努めてまいります。その際、高齢者や小規模な農家も安心して農業に取り組むことができるよう、集落営農を組織化しやすくするための支援を充実するなど、きめ細かな対応に努めてまいります。 また、米の消費の減少や、輸入に多くを依存している麦、大豆、飼料作物等の国際需給や価格の動向等を踏まえ、米の生産調整を確実に実施し、水田において自給率向上が必要な麦、大豆、飼料作物の生産を進めるとともに、非主食用米等の低コスト生産を着実に定着させる取組を推進します。 農業の最も基礎的な生産基盤である農地については、その有効利用を図る観点から、昨年十一月に「農地政策の展開方向について」を取りまとめたところであり、この方向に沿って改革を順次具体化してまいります。 このほか、生産、流通の各段階での食料供給コストの縮減の取組を強力に推進するとともに、農協の経済事業改革を推進します。また、農業の体質強化に向けて、生産性の向上、低コスト化を図る技術の開発普及を推進するほか、知的財産の戦略的な創造、保護、活用を進め、農業の潜在的な力の発揮を図ります。 農山漁村においては、人口の減少や高齢化などにより、その活力の低下が懸念されており、農山漁村の活性化を図るため、既存の枠組みを超えた新たな取組が必要となっています。昨年十一月に取りまとめた農山漁村活性化のための戦略に基づき、地域のリーダーとなる人材の育成、祭りや伝統、文化などの保全、復活による農山漁村集落の再生、子供たちの農山漁村における宿泊体験を始めとした都市と農山漁村の交流の促進等に取り組みます。また、地域の基幹産業である農林水産業と商業、工業等の産業間での連携、いわゆる農商工連携を強化し、地域産品の販売促進、新商品開発への支援などを通じた地域全体の所得の向上と雇用の確保を図ります。 さらに、深刻化、広域化する野生鳥獣による農林水産業被害に対応し、地域の実態に即した対策の抜本強化を図るため、市町村等の計画に基づく取組を総合的に支援します。 第二は、食と農に関する施策の戦略的な取組についてです。 昨今、途上国の経済発展に伴う食料需要の大幅な増加、バイオ燃料需要の増加や地球温暖化による農業生産への悪影響など、食料をめぐる世界情勢に大きな変化が見られます。食料問題については、現在、私が主催する食料の未来を描く戦略会議において議論を行っているところであり、今後、この議論の成果を取りまとめ、食料に関する認識を国民全体で共有できるよう広く発信してまいります。さらに、平成十八年度に三九%に低下した食料自給率を平成二十七年度までに四五%とする目標の達成に向けて、生産と消費の両面から戦略的な取組を進めるなど、将来にわたり食料を安定的に供給するための施策を積極的に展開してまいります。 食は生命の源であるとともに、健康で充実した生活の基礎となるものであり、生産、加工、流通の各段階を通じて食品の安全と信頼を確保し、消費者の視点に立った農林水産行政を展開することは国の重要な責務であります。 昨今、薬物中毒事案の発生により食品の安全に関する不安が高まっていることや、食品表示に対する消費者の信頼を揺るがすような事案が相次いだことを重く受け止め、内閣府や厚生労働省と迅速な情報共有を図りながら政府一体となった対策を進めるとともに、食品表示特別Gメンの新設による監視体制の強化や食品の業者間取引へのJAS法の品質表示の義務付け、食品の製造、流通等にかかわる企業の法令遵守の徹底を図るなど、消費者の信頼確保に努めてまいります。また、国民の皆様から情報提供があった場合には、直ちに行動するとともに、たらい回しにならないよう関係機関との連絡を密にするなど、消費者の視点を重視した対応を徹底し、消費者から見て分かりやすい行政を推進してまいります。 このほか、食品の製造過程における管理の高度化を促進するなど、農場から食卓までを通じた食品の安全確保の取組を進め、消費者の被害の未然防止に努めるとともに、国民の皆様に食や農への理解を深めていただくよう、食育を推進してまいります。 米国産牛肉の輸入問題については、現在、日米間の技術的な会合の結果を取りまとめる作業を行っているところであり、食の安全と消費者の信頼確保を大前提として、科学的知見に基づいて対応してまいります。 次に、現在、重要な節目を迎えているWTO農業交渉については、多様な農業の共存を理念として、引き続き議論に積極的に参画し、輸出国と輸入国のバランスの取れた貿易ルールの確立に向けて戦略的に交渉に取り組んでまいります。一方、日豪を始めとしたEPA交渉については、我が国全体としての経済上、外交上の利益を考慮し、守るべきものはしっかりと守るとの方針の下、食料安全保障や国内農業の構造改革の進捗状況にも留意しつつ、政府一体となって取り組んでまいります。 我が国の農林水産物や食品の輸出促進については、平成二十五年までに輸出額を一兆円規模にするという目標の達成に向け、検疫協議の加速化など輸出環境の整備、品目別の戦略的な輸出促進の取組、意欲ある農林漁業者等に対する支援、日本食、日本食材の海外への情報発信等に重点的に取り組みます。 第三は、地球環境保全に対する貢献です。 農林水産業は、自然の循環機能を利用しながら営まれる活動であり、持続可能な農林水産業を推進することにより、地球温暖化を始めとした環境問題に適切に対応していく必要があります。農林水産省としても、本年七月に開催される北海道洞爺湖サミットに向けて、農林水産分野における資源・環境対策に積極的に取り組んでまいります。 まず、京都議定書における温室効果ガスの削減目標を達成するため、美しい森林づくりを国民的な運動として展開し、市町村の自主性、裁量性を生かした森林整備の取組を支援するなど、間伐を始めとした森林の整備保全等の森林吸収源対策を着実に進めてまいります。 次に、国産バイオ燃料の大幅な生産拡大に向けて、農林漁業者とバイオ燃料製造業者の連携による低コストでの安定供給に向けた取組や、食料と競合しない稲わらや間伐材等の非食用資源から効率的にエタノールを生産する日本型バイオ燃料生産拡大対策を推進します。 さらに、昨年七月に策定した農林水産省生物多様性戦略に基づき、農林水産施策に生物多様性の保全をより重視した視点を取り入れ、生物の生息・生育環境としての質を高める持続可能な農林水産業を推進してまいります。 第四は、森林・林業政策の推進です。 我が国の国土の三分の二を占める森林は、地球温暖化の防止のほか、国土の保全、水源の涵養など多様な機能を有しております。この緑の社会資本ともいうべき森林を後世に引き継いでいくため、森林・林業基本計画に基づき、国民のニーズをとらえた多様で健全な森林づくり、国民の安心、安全の確保のための治山対策を推進するとともに、森林施業の集約化等によるコスト削減、市場ニーズに対応した木材製品の安定供給体制の確立により、国産材の利用拡大を軸とした林業・木材産業の再生を図ります。 なお、官製談合問題を起こした緑資源機構については、本年度限りで廃止することとし、今後とも、入札談合の再発防止に万全を期し、国民の信頼回復に努めてまいります。 第五は、水産政策の展開です。 我が国の水産業、漁村は、資源状況の悪化、漁業生産構造の脆弱化、燃油価格の高騰など厳しい状況にある一方、世界的に水産物への需要が高まるなど、これまでにない情勢変化に直面しています。 こうした中、力強い水産業と豊かで活力ある漁村を確立するため、昨年策定した水産基本計画に即し、科学的根拠に基づく持続的な利用を基本とした水産資源の回復・管理の推進、漁船漁業の構造改革や新たな経営安定対策の導入による足腰の強い経営体の育成・確保、品質・衛生管理機能の強化や漁港、漁場、漁村の総合的整備など、水産政策の改革を早急に進めてまいります。また、燃油価格の高騰に対応するため、漁業者の経営体質の強化や省エネ型漁業への転換を緊急かつ集中的に推進します。 平成二十年度の農林水産予算の編成に当たっては、以上のような農林水産政策を展開するために十分に意を用いたところです。 また、施策の展開に必要な法整備については、今後、御審議をよろしくお願いいたします。 以上、私の所信の一端を申し上げました。 農林水産行政は、現場に密着した政策課題であると同時に、国民の毎日の生活に深くかかわっているものです。このため、生産現場の取組や消費者の声を積極的に政策に反映するとともに、分かりやすく丁寧な政策運営を行うことにより、国民の信頼と支持が得られるよう努めてまいります。 委員各位におかれましては、農林水産行政の推進のため、今後とも一層の御支援、御協力を賜りますよう、切にお願い申し上げる次第でございます。
○委員長(郡司彰君) 以上で所信の聴取は終わりました。 本件に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午前十時十五分散会