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169回国会参議院2008/05/14

政府開発援助等に関する特別委員会 第7号

発言数
39
登壇者
8
会派数
4
開催日
2008/05/14

会議録

溝手顕正自由民主党

○委員長(溝手顕正君) ただいまから政府開発援助等に関する特別委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る四月二十三日、亀井郁夫君及び森田高君が委員を辞任され、その補欠として亀井亜紀子君及び牧山ひろえ君が選任されました。  また、去る四月二十四日、藤原正司君が委員を辞任され、その補欠として姫井由美子君が選任されました。     ─────────────

溝手顕正自由民主党

○委員長(溝手顕正君) 政府開発援助等に関する調査のうち、アフリカから見た日本の対アフリカ支援に関する件を議題といたします。  本日は、エリー・エリクンダ・エリネーマ・ムタンゴ駐日タンザニア連合共和国特命全権大使及びジャン・クリスチャン・オバム駐日ガボン共和国特命全権大使に御出席をいただいております。  参議院政府開発援助等に関する特別委員長の溝手顕正でございます。  この際、当委員会を代表して一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、ようこそおいでいただきました。ありがとうございました。ムタンゴ駐日タンザニア連合共和国大使、オバム駐日ガボン共和国大使におかれましては、御多忙中のところ当委員会に御出席をいただき、心より感謝を申し上げます。  当委員会は、二院制の中での参議院の特性を生かすべく、政府開発援助を始めとする国際援助・協力について調査を行うために設置されたものであり、二〇〇六年一月設置以来、我が国のODAに関する諸問題について積極的に調査に取り組んでまいりました。昨年の六月には、我が国の新たな国際援助・協力の在り方について国会から考え方を発信し、我が国のODA政策に反映させるため、七項目の提言を行ったところでございます。  本年は、我が国において第四回アフリカ開発会議、TICADⅣとG8北海道洞爺湖サミットが開催される年であります。また、ミレニアム開発目標達成に向けた折り返しの年でもあります。新JICAも発足するなど、我が国のODAが世界から注目を集めることとなる年でもあります。  その中で当委員会もTICADⅣ、G8サミットに向けた参考人質疑を行い、これまで国際機関、NGO等の有識者とアフリカ支援の在り方、我が国のODAの在り方等について議論をしてまいりました。  本日は、限られた時間でありますが、我が国とアフリカのつながり、アフリカの開発の現状、TICADや我が国のアフリカ支援への評価と期待などにつきまして、両大使から忌憚のない御意見を拝聴し、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。  それでは、議事の進め方について申し上げます。  まず、ムタンゴ大使、オバム大使の順でお一人二十分程度御意見をお述べいただき、その後、各委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。  御発言の際は、その都度委員長の指名を受けてからお願いをいたします。  なお、御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、まずムタンゴ大使からお願いをいたします。ムタンゴ大使。

エリー・エリクンダ・エリネーマ・ムタンゴ駐日タンザニア連合共和国特命全権大使

○参考人(エリー・エリクンダ・エリネーマ・ムタンゴ君)(通訳) 溝手顕正政府開発援助等に関する特別委員会委員長また委員の皆々様方、本日皆様方の前でお話しできることをとても光栄に思っております。非常にフランクにお話しさせていただけるものと思っております。我々が見るところの日本のODAプログラムの現状について、特にアフリカ向けの日本のODAについて見解を述べさせていただきます。  私のプレゼンは、まず概要というページから始まっております。(資料映写)これが本日の私の講演の目次のようなものです。最初にまず、なぜODAを提供するのか、その存在意義について考えてみたいと思います。それから、日本のODAの重点分野、三番目は実情ということで日本のODAの動向について考えまして、最後にアフリカにODAを増やしていただければということで述べてみたいと思っております。  それではまず、ODAの土台について考えてみたいと思います。  国際的に多分二つの主要な点が合意されていると思います。一つは利他的な行為ということです。つまり、他人のためにいいことをしましょうという精神からODAが提供されております。この観点から申しましても日本は世界の大国の一つであられまして、だからこそ日本のような大国に対して世界から期待感が集まってくるわけです。そして、日本に国際的な責任を果たしてほしいと期待が募るということであり、あげるからにはその対価としてお返しも期待するということだと思うんです、成果的に。  それから、第二番目のODAの理由なんですけれども、国はそれぞれ目標ではありますけれどもGNIの〇・七%をODAに掛けましょうということが言われております。もちろん実際にこの〇・七%を達成した国は限りがあるんですけれども。また、ほかにも国際的な申合せができております。例えばグレンイーグルズG8サミットでも合意されたものがあります。そして、五百億ドルアフリカに対して追加的に二〇〇五年から二〇一〇年にODAを出しましょうと申合せができております。つまり、毎年、五年間一年ずつ百億ドルずつ追加するという計算になるんですけれども。  今年、日本の高村外相が、ODAが日本では下がってきたけれども今後これをまた復活させるんだ、増額していくんだというふうにおっしゃっておられます。つまり、今はODA下がっているけれども、この傾向を逆転させるとおっしゃってくださっております。  もちろんこれは日本の自己利害にもかなうことです。日本は立派な国家であり、お国であられるということであるので、日本は当然アフリカの問題が解決されれば裨益するはずです。なぜなら、日本の国益にもアフリカの状態は直結しているからです。人々がいら立ちを感じて剥奪されているということになるとテロを呼びかねないということでありますし、これを封じ込めることができなければ、例えば感染症なども各国に広がってしまうということになるわけです。それから、ODAは善意の源にもなるということでありますし、ODAをもらっているから日本に親近感を持つということにもなるわけで、経済的にも政治的にもそれなりの恩典があるわけです。  それからさらに、もしアフリカの成長を底上げすることができれば、その結果アフリカ自体が新しいマーケットになれるわけです。もちろん日本というのは天然資源なりエネルギー源なり食料なり各国から輸入なさっておられるわけですから、やはり世界全体が安定するということは日本の国益にもかなうことになるのです。  また、アフリカ自体が強大な経済圏になることができれば、そしていいマーケットを提供することができるようになれば、日本の製品も更に売れるということになるわけです。  ODAとよく言われますけれども、もちろんアフリカに対して政府開発援助を提供することによってアフリカの経済が発展するようにするということが目標となっております。インフラですとか人的資源の開発ですとかFDI、海外直接投資を推進するという目的を持っているわけです。それからまた、目的の一つとして人間の安全保障を向上させるということ、安全な飲み水を提供する、ヘルスケアですとか医療サービスを改善する、学校を建てる、良い教育制度を構築する、防災計画を作る等々も入っているわけです。実際に幾つものプログラムがアフリカで現在走っておりまして、現地の人たちは非常に有り難く思っているところです。  それでは次に、もっとざっくばらんにお話しできればというふうに思っております。  地域別に日本のODAのトレンドを見るとどうなるかということなんですけれども、このチャートを御覧いただければと思います。スクリーン上に映っていると思うんですけれども、まず薄いブルーの線なんですけれども、あと白と。アジア、それで中東と、白がアフリカです、濃淡で分けているんですけれども。  例えば一九七〇年、アフリカはトータルの日本のODAの二・二%しか受け取っていなかったんです。でも、一一・四%に一九八〇年代は増え、九〇年代になりますと一一・四%と横ばいで、二〇〇〇年ぐらいになって一〇・一%まで伸び、二〇〇二年を契機に八・七%までまた下がってしまったんです。二〇〇三年が八・八%と微増だったんですけれども、そして四年になって一〇・九%とまた盛り返してまいりまして、二〇〇五年はまたちょっと微減してしまったんです、一〇・八%まで。  さて、二〇〇六年なんですけれども、ここで御覧いただくようにパーセンテージで取りますと三四・二%と、かなり増大しているわけなんですけれども、ただ気を付けていただきたいのは、これはパーセンテージの話でございます。確かにパーセンテージで見れば増えているけれども、いわゆるこのODAの絶対額ということになると実は減っているわけなんです。二〇〇〇年から二〇〇六年の間に三四%ということであります。ですから、三八%、実はODAの水準自体は二〇〇〇年以来減っているということなんです、パーセンテージでは三四%を占めているけれども。  そして、大体日本は平均いたしますと、一九七〇年から二〇〇五年の間に日本の出したODAのアフリカの取り分というのは平均一〇%であったということであります。二〇〇六年になって初めてこのようにパーセンテージは上がったんですけれども、先ほど申し上げたように、パーセンテージで見たもの、つまりスタートレベルが非常に低いところから見るとこれだけ上がったということであるわけなんです。だから、三八%、ODAのレベルは実は減っているわけなんです、二〇〇〇年以来。  TICADのお話が出ました。これは十五年前から始まったものです。一九九二年から。そして、本当にTICADがどのぐらいインパクトを持っているのかということを改めて見てみますとどうなるでしょうか。  私が評価するところによりますと、実はTICADはせっかく開かれているけれども、それほど大きなインパクトは出ていなかったという結果になっているんです。  例えば、国民のアフリカ大陸に対しての問題意識ということになると若干上がってきたと思います。マスコミの取材も増えた、PRも増えたということだと思うんです。しかし、実際のODAの流れで関連して考えてみると、余り効果はなかったなということだったと思うんです。これ、外務省の記録を今お示ししているんです。ブルーブックということで、私の手元に配付されているものなんですけれども、そこも御覧いただければと思います。  では次に、日本のODA予算のトレンドを考えてみたいと思います。是非このグラフ、御覧くださいませ。  ここにございますように、例えばこちらのラインを御覧くださいませ。こっちです。六二とかいう数字があると思いますけれども、二〇〇〇年から二〇〇六年の間、六二ですとか九〇ですとか。これが、その三八%ODAの水準が減りましたねということを示しているんです。  国防費はどのぐらいでしょうか、日本の場合、防衛予算。ODAに比べますと、もちろん国防費も微減していますし、公共事業支出は同時期一九%、約、下がってはおります。でも、ODAは三八%減っているわけでありますので、ほかの部門に比べてこれだけ減っているということです。二〇〇七年以来、日本が発表なさっておられます方針として、今後またODAは毎年二%から七%ずつODA減らしていくんだとおっしゃっておられるので、とても心配しているんです。  一人当たりのODAということになりますと、額で見てみますとどうなるでしょうか。ほかのDAC諸国と考えてみますと、いわゆる他の先進国と比べて日本がどこに位置しているかということなんですけれども、ヨーロッパ、アメリカ、その他先進国と比べての話です。  このグラフ、御覧くださいませ。ここです、日本は。二十二か国ここにあって、十七位と日本はなっていますけど、ランクとしては十七位です、二十二の国の中で、日本は。例えば日本は十七位だけれども、フィンランドは十五位ですかね、ちっちゃな国だけれども頑張っている。十六位にスペインが付いているということです。ほかにもカナダとか、あとカリブ海諸国、北欧諸国ですとか、非常に頑張っています。  先進国の中のGNIに占めるODAの割合ですけれども、この場合は日本は十八位になっています、二十二か国のうち。目標としては〇・七%以上ということになっていますけれども、GNIで、でも日本はまだ〇・二五しか行っていないと。アイルランドとかまたスペインにも大きく後れを日本は取っておられるわけですし、だからこそ是非当委員会の委員の方々に御注目いただければと思うんです。先ほども申し上げたように、たくさん出す先からは返ってくるものも大きいということなんです。議論の持っていき方としては、日本は六兆ぐらいの経済であるので、是非このODAのレベルを上げても何らおかしくはないのではないかと申し上げたいと思います。  次は、GNIのパーセンテージでODAを見た場合の日本のトレンドです。このグラフを御覧ください。  今までの推移が書いてあります。九七年以来、TICADのプロセスが始まって三年たったときです。二〇〇六年まで書いてありますけれども、まあ大体横ばい、大きな変化はないということがお分かりだと思います。もちろんできればODAが大きなインパクトを出してほしかったと思うんですけれども、実際はそうはいかなかったということです、ふたを開けてみたら。これは数値から見ても明らかです。九〇年代は〇・二ぐらい、二〇〇六年〇・二五ということで、本当微増したぐらいであります。〇・二二が〇・二五になったぐらいということで、なかなか〇・七まで行かないということです。  さて、この後進国向けの無償資金、どのぐらい日本が出しているかということです、日本のバイの二国間支援の中で。国連のシステムの中で計算されているんですけれども、もちろん後進国はそれだけ支援を多く受けるべきということになっているわけです。実際そうかもしれませんけれども、二〇〇五年の数字を御覧になってください。二〇〇六年も書いてありますけれども、だんだんとこれ収れんしてきている、重なり合ってきているわけです、二つの線が。つまり、このLDC向けのODAとほかの全体の国に対して出されているODA、無償援助というのはもうほとんど同じになってきたということです、二〇〇五年から二〇〇六年にかけて。つまり、差は付いていないということなんです。  私に言わせれば、やっぱり後進国ほどより多額の支援を受けてしかるべしと思っているんですけれども、実際はそうはなっていないと。後進国、LDCもその他の途上国も同じだと。差異が付いていないということになっているわけです、二〇〇五年から二〇〇六年を見てみますと。実際は、昔はもっとLDC向けの援助の方が高かったんです。  そろそろ結語に入りたいと思いますけれども、どうしてアフリカはODAを増やすべき先なのかということであります。ODA憲章二〇〇三年版においても、日本はアジアを重点地域として挙げられていますけれども、状況は急変していると思います。というのは、例えば天然資源をめぐって競争が激烈化してきています。アフリカはたくさん例えば鉱物資源を持っている、石油、ガスもありますし。石油、ガスの供給の一〇%以上をアフリカが占めているわけです。例えばアメリカに対して二〇%ぐらいはアフリカ産のエネルギー源であるということです。  それから、アフリカの経済もだんだんとこの十年間成長するようになってきた。EU、中国との貿易も増えているわけです。だから、是非日本もアフリカのマーケットを重要視してほしいということです。  アフリカは、世界の人口の一四%を占めている、全部で九億人ぐらいの人が住んでいるわけです。更にこの人口は伸びるんです、今後。ですから、これを是非御考慮いただきたく、アフリカは今後日本にとって大きなマーケットになり得るでしょう。現在のところ、まだグローバルなGDPに対してのアフリカの寄与度は低いですけれども、でも更に経済を伸ばすことができれば、もっと一人前の世界経済に仲間入りできるということです。  委員長、御列席の皆様、以上です。  御清聴ありがとうございました。

溝手顕正自由民主党

○委員長(溝手顕正君) ありがとうございました。  次に、オバム大使にお願いをいたします。オバム大使。

ジャン・クリスチャン・オバム駐日ガボン共和国特命全権大使

○参考人(ジャン・クリスチャン・オバム君)(通訳) 皆様、こんにちは。  溝手委員長、各委員の皆様、初めに、そして今団長の方からもお話がありましたが、私も在京アフリカ外交団を代表いたしまして、今回御招請をいただいたことを感謝申し上げたいと思います。  参議院における政府開発援助等に関する特別委員会の場で日本のODAについて、そして日本とアフリカの今後の関係の見通しという重要なテーマについてお話をさせていただくことを光栄に思います。  今日の会合は、我々にとって非常に重要な意味を持っております。TICADⅣの直前の時期に当たる、そして今は日本の各界からも新たなダイナミックな動きが現れつつある、そして実際的な道筋を付けて日本とアフリカの間の新たなパートナーシップ関係を構築しようという機運が出てきております。アフリカも世界経済そして貧困削減の軌道にしっかりと乗せよう、ODAを始めとする様々な協力メカニズムを活用しようという機運が出てきております。(資料映写)  私のスピーチの中では四つの主要な問題、これは今スクリーンに表れておりますが、を強調させていただきます。  まず、ガボンと日本の間の関係、そしてさらに日本とアフリカの間の関係、とりわけ日本のODA、円借款に焦点を当てて、それに関連する活動についてもお話を申し上げます。それから、TICADⅣそしてG8サミットにどのような期待を持っているか、そして最後に少し、アフリカにおける経済成長をどのように今後浮揚できるか、その見通しについてお話を申し上げます。  まず、ガボンと日本の間の関係についてお話を申し上げます。  ガボンと日本は、御承知のように一九六〇年代の半ばに外交関係を樹立いたしました。今年は、ですから外交関係を日本とガボンの間で樹立させ四十周年という節目に当たります。さらに、今後も様々な面で関係を強化していきたいと思っております。といいますのも、平和、人権、環境また天然資源の持続可能な利用という意味で両国は共通のビジョンを持っているからです。このような共通の基盤というのが国際的な会議、国際場裏において投票をする際にお互いに支持し合うという形で現れております。  経済面についてですが、ガボンと日本の間の貿易関係ですけれども、ガボンからの日本への輸出は、原油、マンガンあるいは木材、そして主にマグロですが、海産物を輸出しております。片や、日本からガボンへの輸出は、主に自動車、エレクトロニクスそして重機械であります。  両国は関係を強化することが可能であると考えております。そして、より確固たる関係、特に経済面においては確固たる関係を更に構築することができると信じております。ガボンでは、様々な企業がガボンにおける投資機会を活用されております。例えば、三菱石油開発ですとか、これはガボンにおける石油事業に従事されております。また、エラメット、日本エラメットという会社があります。この会社は、日本にマンガンを輸出しております。ガボンのマンガンの四割から五割は日本への輸出向けとなっております。そして、すべての企業があらゆる部門、ガボンでいろいろな機会がありますので、是非進出し、投資をしていただきたいと思っております。  さて、技術協力についてですが、この分野もまさにお手本と言えるような状況が見られます。例えばJICAですとかあるいは海外漁業協力財団などと協力をさせていただいております。このような関係を更に教育とか保健衛生にも拡大したいと思っています。といいますのも、どのような経済の成長の根本にあるのはやはり教育だと考えるからです。ガボンにおけるJICAのボランティアプログラムを基に様々な活動を進めていきたいと思っております。新しい協定が日本との間で結ばれました。これは青年海外協力隊に加えて、シニアボランティアについても活用させていただくということです。そして、ガボンにおける様々な形での技術移転を促進してもらえればと期待しております。  さて、政治の分野でありますが、日本・AU友好議員連盟を強化するということが我々の目的の一つですが、大変うれしいことにこの友好議員連盟がガボンと日本の間でもできました。この議員連盟の会長を務めていただいておりますのは、元法務大臣の杉浦先生であります。  さて、ガボンへのODAでありますが、ガボンは日本からのODAの受入れ国としてはまだ小規模にとどまっております。といいますのも、ガボンは豊かな国と実はみなされてしまっているからです。石油の産出国、産油国であるということで。これは我々異論があります。といいますのも、ODAというのは一人当たりGDPということがベースになっております。ガボンは小さな国で、人口は百五十万人であります。ガボンにおける石油部門はより対外的な活動をする分野と見られております。資本また人材、これはすべて外部から来ていると。ガボンは自らの石油会社を持っておりません。ですから、石油は本当の意味でガボンの経済成長に寄与していないのです。  ですから、ガボンについて是非とも考えていただきたいのは、それの代わりにHDI、人間開発指数を見ていただきたいということです。人間開発指数でいうならば、世界ランクの中でガボンは百二十四位であります。ですから、とても豊かな国とは言えないはずです。ガボンは、ですからODAから大いに恩恵を受けられるはずであります。二〇〇六年でありますけれども、無償援助では百九十二万ドルしか受けておりません。  先ほどタンザニアの大使の方からはODAについて全般的な数字を御紹介いただきましたが、是非この特別委員会で二つのことを考えていただきたいということです。ODAの円借款とそれから無償資金協力ということです。  百九十二万ドルの無償資金協力を得ております。そして、片や同じ年に以前の円借款の二百二十万ドル分を返還しているということです。ですから、ネットでいうならばマイナスの数字にガボンにとってはなってしまっているということです。これは是非とも御注意いただきたいところであります。  さて、パートナーシップということでありますが、日本からいただいている援助の水準、これはタンザニアの大使もおっしゃっているようにこの五年大きく減少してきております。アフリカへのODAは、一見しますと増えているように見えるわけですが、ただ、次のことを考慮しなければなりません。二〇〇六年増えたというのは、債務救済策によるものです。新規の借款や協力が行われたわけではない、債務救済策だということです。ですから、ODA借款で見ますと、一億六千五百万ドルの実行がありました。そして、六億二千二百万ドルもの日本に対する返済がありました。ということは、これもやはりマイナスの状況になっているということです。アフリカ側にとってはマイナス、日本にとっては正味でお金が返ってきているということです。円借款の恩恵を受けているのはほんの一部ということであります。是非ODA全体について二倍にするということなんですが、先ほどタンザニア大使からもお話がありましたように、ほかの様々な国に大きく日本は劣ってきているということです。  二〇〇七年の数字を挙げましょう。OECDの中では十八位に日本はとどまっています。ですから、多くの国に後れを取っているということです。トップがイギリス、アメリカ、中国であります。ですから、何ができるのか。まず、倍増していただく、アフリカに対するODAを更に促進していただくということです。  現状どうなっているのか。二〇〇五年ですが、日本はいわゆるEPSA・フォー・アフリカというプログラムを打ち出していただいております。これはアフリカの民間部門に対する支援のためのプログラムであります。確かにこのような制度は大変良い制度だと思うんですが、効果的に利用されていないというのが問題です。十億ドルがEPSA・フォー・アフリカということでアフリカ開銀に与えられておりますが、融資実行率が低過ぎるということで余り使われていない。アフリカで物事が決まるのではなく日本で物事が決まる、そして保証がないということでなかなか実行されないということが問題であります。ですから、アフリカは日本にとっての戦略パートナーであるということをもう一度検討していただきたいと思います。  先ほどタンザニア大使の方からもお話がありましたように、多くの資源があるわけですが、アフリカは日本にとってももっと良い戦略パートナーになれるはずです。豊富な人材そして豊富な天然資源そしてアフリカにしか見付からないような動植物といった生物多様性もふんだんにあります。これは、エコツーリズムにとっても良い期待が持てるということです。また、非常に豊かな人材がある。これ、まだまだ利用されていない。また、二〇五〇年には市場としても十五億人の市場が出現すると言われております。大きな市場になります。更に経済成長も可能になるでしょう。  ですからこそ、そのためのインフラ整備が必要です。まず我々はインフラ整備ということに重点を置かなければなりません。アフリカは、やはりこういった期待を実現したいと考えているからです。そのためには、国際社会からの支援が是非とも必要です。アフリカも自ら努力をしております。  また、第四回のTICADは、ですからこそ良いチャンスになると考えております。アフリカと日本との間のパートナーシップの強化に結び付けばと期待しております。ですからこそ、在京アフリカ外交団としては、更に関係の強化に動きたい、そして日本がアフリカにとっても良いパートナーになっていただけるようにということです。  TICAD行動計画は、より具体的なものになるべきでしょう。そして、そのための様々な措置がとれるはずです。なぜこういうことを申すかといいますと、アフリカに対しては、TICADのプロセスだけではなくなってきているからです。中国もアフリカフォーラムを持っている、インドもアフリカ向けの様々な援助制度を持ってきています。ですから、TICADについて日本が戦略を変えなければ、リスクとして重要性が弱まってしまう、そして効果という意味でもほかと比べて薄れてしまうという危険性があるからです。  思うに、アフリカは、繰り返しになりますが、日本にとっても良き戦略パートナーとなれると考えております。これは、アフリカにとっても恩恵をもたらしますが、日本にとっても恩恵をもたらすと確信しております。例えば、日本がアフリカに無償資金協力あるいは円借款を供与される場合には、日本にもある程度の見返りがあるからです。  例えば、円借款に的を絞ってお話を申し上げましょう。円借款は是非とも増やしていただきたい。特にアフリカ向けに増やしていただきたいと思っております。基礎的なインフラ整備、これは大変重要であります。また、社会サービスを、もちろん民間もありますので民間を通じて提供できるように、そして人材育成あるいは制度構築ということで是非支援をいただきたい。例えばシニアボランティアプログラムにとっても重要なプログラムです。アフリカ向けに是非強化をお願いしたいと思っています。  さて、優れた特別委員会の委員の皆様、在京アフリカ外交団は三つの提案を申し上げたいと思います。  まず第一に、ほかの国々と違いを図る、そしてTICADⅣにおいてこれまでとは違った状況を打ち出すということで、是非EPSA・フォー・アフリカのファシリティーを倍増していただきたい。向こう五年間で二十億ドルにしていただきたいということです。そして、意思決定についても日本からアフリカに動かしてほしい、すなわちアフリカ開銀の方に任せてほしいということです。  次に、真の意味での円ソフトローンという形での金融メカニズムをつくっていただきたい、これはインフラ整備向けということです。そして、このようなクレジットラインは、アフリカ開銀に対し百億ドルということで付けていただきたい。また、アフリカ開銀だけではなく、アフリカの各地域開発銀行、アフリカの各国の開発銀行にも与えていただきたい。  それから第三に、日本貿易保険を通じてしっかりとした保険制度を設けていただきたいということです。これはEPSA並びに円のソフトローンファシリティーの双方についてであります。インフラを整備しそして社会サービスの提供を拡大するということは、アフリカにおいても経済成長を更に実現しそしてミレニアム開発目標を実現する上での糧となるでしょう。  これが、私どもから是非TICADⅣの主催者、そして今後のG8サミットに向けて発出したいメッセージであります。  御清聴感謝します。

溝手顕正自由民主党

○委員長(溝手顕正君) ありがとうございました。  以上で意見の聴取は終わりました。  これより両大使に対する質疑を行います。  質疑を行う際は、御起立の上、発言をしてください。  両大使の答弁につきましては着席のままで結構でございます。  また、各委員の発言時間が限られておりますので、大使、御答弁は簡潔にお願いをいたします。  それでは、順次御発言を願います。

島田智哉子民主党・新緑風会・国民新・日本

○島田智哉子君 民主党・新緑風会・国民新・日本の島田智哉子でございます。  質疑に先立ちまして、サイクロンにより大きな被害が発生したミャンマーの被害者の方々また中国四川省において発生した大規模な地震により被災された方々に心よりお見舞いを申し上げますとともに、我が国が政府としても両国に対してできるだけの支援を行うことを要請いたしたいと思います。  それでは、質問に入らせていただきたいと思います。  タンザニア連合共和国のムタンゴ大使そしてガボン共和国のオバム大使におかれましては、大変お忙しい中、本日の本委員会に御出席をいただきまして、そして大変貴重なお話をお聞かせいただきましたことに心から感謝を申し上げる次第でございます。  さて、今月二十八日には横浜においてTICADⅣが開催されるということもございまして、このところメディアにおきましてもアフリカを特集する報道も数多くございまして、我が国の国民の多くがアフリカに関心を示している表れではないかと思います。  そこで、早速ではございますが、両大使がお感じになっていらっしゃる日本の対アフリカ支援に対する評価についてお聞かせいただきたいと思いますが、まずは今回のTICADに対してお聞きをいたします。  改めて申し上げるまでもございませんが、このTICADの特徴として、欧米におけます援助とは一味違ったオーナーシップあるいはパートナーシップをキーワードに、アフリカと日本が共同して開発課題に取り組んできたということがあるんだと思います。また、これまで三回開催されたTICADでは、例えば前回のTICADⅢでは、保健、医療や教育、水、食料支援などに五年間で十億ドルといったアフリカ支援策を約束し、そして実行してきております。今回のTICADⅣでも、アフリカから四十か国以上の首脳を迎える中で日本として積極的なアフリカ支援策を打ち出すべきと、私はそのように考えております。  両大使には、アフリカから見たこれまでの我が国のTICADプロセスへの評価と、そして今回のTICADⅣへの期待について是非お聞かせいただきたいと思います。

エリー・エリクンダ・エリネーマ・ムタンゴ駐日タンザニア連合共和国特命全権大使

○参考人(エリー・エリクンダ・エリネーマ・ムタンゴ君) (通訳) どうもありがとうございます、委員長。  さて、まずTICADのプロセスについての一般的な評価ということになりますと、私のプレゼンでも申し上げましたように、いわゆる国民に対して周知するという意味では効果があったと思うんです。日本の方にアフリカに対して関心を高めていただくという効果はあったと思うんですけれども、ただ、もう少し具体的な支援の話ということになりますと、TICADのプロセスはまだまだ我々の期待にはこたえていないと思うんです。これは日本側からいってもアフリカ側からいってもそうだと思うんです。  というのは、最初のお話でも申し上げたように、またグラフをお示ししたかと思いますけれども、ODAでのTICAD前と後でどのくらい変わったかという図があったかと思いますけれども、余り効果は出ていないんです、前と後では、横ばいであると。つまり、大きな変化はなかったということは、多分ちょっと効果が足りないんじゃないかということだと思うんです。TICADせっかく開かれているけれども、現場ではまだ余り大きな成果が出ていないということだと思うんです。  さは申しましても、この日本の支援が役に立たなかったということでは全然ないんです。非常に有効ですし、お役に立たせていただいております。ですから、もっと増やしていただければ更に有り難いということなんです。もっとこの成長を底上げしてくれるようなインフラ整備ですとかスキル訓練ですとか、またFDI促進ですとかに掛けていただければと思うんです。また、日本の民間の方にももっとアフリカの経済開発に参加してほしい、またビジネスパートナーシップに加わってほしいと思っています。  以上です。

ジャン・クリスチャン・オバム駐日ガボン共和国特命全権大使

○参考人(ジャン・クリスチャン・オバム君)(通訳) じゃ、ごく簡単にお答え申し上げます。  ムタンゴ大使もおっしゃったように、TICADについての我々の一般的な評価ということは、繰り返しになってしまうかもしれませんけれども、TICADに対して我々は期待感を持っているんです、特にTICADⅣに対しては。今年は是非このTICADで、いわゆるテーマということでチャンスのある大陸、より活力のあるアフリカというのがテーマになっているので、これが実施されることを願っているんです。より元気なアフリカを目指すということであります。  今までのところを拝見してみますと、どっちかというと援助ベースで支援が来ていたわけです。でも、今後は戦略的なパートナーシップの関係に移っていきたいというふうに思っています。やっぱり政治のレベルでも掘り起こしが必要だというふうに思うんです。いい関係を築いていきたいと。  それから、第二番目の点なんですけれども、やっぱりチャンスもあると思うので、これを考慮に入れてほしいというふうに願っております。いろんなセクター、アフリカにございまして、言ってみれば、是非もっとビジネス志向の高い関係をつくっていきたいなと思っております。つまり、ビジネス志向ということは、まずアフリカの経済成長に投資をしていただきたいということなんです、参加してほしいと。アフリカの経済の成長が底上げできれば、当然MDG、ミレニアム開発目標も達成できるはずなんです。  今までのところ日本が何をしてくださったか、社会サービス、いろんな面で寄与いただいております、有り難いと思っています。でも、援助ということをベースにした関係からパートナーシップの関係に成長していきたいと願っております。ですから、これはアフリカ、日本双方が望んでいることではないかと思います。

島田智哉子民主党・新緑風会・国民新・日本

○島田智哉子君 次に、ミレニアム開発目標、MDGsについて両国におけるお取組の状況、そしてまたAUの現状についてもお聞かせいただきたいと思います。  このMDGsにつきましては、二〇一五年までに世界が克服すべき開発課題を具体的に示されておりまして、ちょうど本年は折り返しの年にございます。そして、昨年国連で取りまとめましたMDGs二〇〇七進捗図表によりますと、残念ながらアフリカ、特にサブサハラ地域では十八の指標のうち達成見込みは一にとどまっておりまして、九つの指標ではむしろ二〇〇〇年当時よりも悪化している状況にあるとされてございます。  一方で、タンザニアにおかれましては年率五%以上の経済成長率にあると承知しておりますし、ガボンにおかれましては一人当たりのGNI、国民総所得がおよそ五千ドルと、安定そして成長されていらっしゃる国々も多いと承知をいたしております。そうした中で、今後MDGsを達成するためには、国際社会の協力とともに、アフリカで発展著しいタンザニアやガボンといった国がリーダーシップをお取りになっていく、あるいはAUといったアフリカの地域機関の取組も必要であると思います。  この点につきまして、貴国における取組またAUさらには我が国を始めとする国際社会はいかなる取組をしていくべきなのか、是非両大使のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

エリー・エリクンダ・エリネーマ・ムタンゴ駐日タンザニア連合共和国特命全権大使

○参考人(エリー・エリクンダ・エリネーマ・ムタンゴ君)(通訳) どうもありがとうございます。改めて御質問いただきました。  我が国の場合には、ミレニアム開発目標については進捗が見られています。例えば小学校教育の普及ですとか初等教育進学率ということになるともう九〇%以上を達成しているので、九五%から九七%ぐらいの進学率には達せるというふうに思っているので、二〇一五年までに達成するのを前倒しで二〇一〇年までには初等教育普及ということにおいては達成可能じゃないかと思っています。無料ですべての子供たちに学校に入らせるという仕組みを入れてから急に進捗状況が改善したんです。  ヘルス、医療ですとか母子の健康ですとか、また五歳未満の乳幼児死亡率ということではまだまだ進捗が足りないんです。余りいい実績が上がっていないので、現在このヘルス施設を普及することに力を入れています。今キャンペーンを実行中でありまして、保健所をつくるですとかまた出先機関を各村落につくるといったようなことでヘルス関係の施設の充実化を今図っているところであります。  もちろん我が国の経済は成長しているんです、おっしゃったように。経済が成長してくれればそれだけ余力が出る、だからMDGが達成しやすくなるということなんです。ですから、成長を押し上げることに力を入れていますし、二〇〇五年、我が国の経済は七%強で成長しております。七・三%ぐらいだったんです、具体的には。年末までには七・六%の成長に今年はしたいというふうに思っているので、経済が元気があるとそれだけ税収も増える、余力が生まれるということでありますし、インフラにも力をそれだけ掛けられるということなんです。そうすれば更にMDGが達成できるということになると思います。  また、ある程度ヘルスですとか衛生の分野でも進捗が出てきています。きれいな飲み水を提供するですとか、いい実績を出しているところです。五〇%以上の人たちが飲料水にアクセスがある。でも、ちょっと農村地域は都市地域ほどまだ進んでいないという悩みがあるので、今農村地域に力を入れているところです。  主たる要因はやっぱり経済なんです。経済が成長してくれれば何事もやりやすくなるということなんです。だからこそ、先進国とパートナーシップ、なかんずく日本とパートナーシップを築いていきたいと切望しています。海外からの直接投資が我が国に入れば入るほど我が国の能力が上がる、だからMDGももちろん達成しやすくなるということになるんです。  以上です。

ジャン・クリスチャン・オバム駐日ガボン共和国特命全権大使

○参考人(ジャン・クリスチャン・オバム君)(通訳) どうもありがとうございます。同じ御質問ですよね。  やっぱりアフリカというのはいろんな課題を背負っていると思うんです。まだまだ克服しなくちゃいけない課題がある。そうでないとMDGは達成できないということなんです。  繰り返しになりますけれども、まずこのアフリカの経済成長を押し上げなくちゃいけないということです。まだまだ低過ぎるということなんです、全体としては。いろんな調査がされていますけれども、アフリカがちゃんとMDGを達成していくために必要なのは、まずアフリカが少なくとも七%の成長を毎年していかなくちゃいけないという計算になるんです。例えば二〇〇七年、アフリカの成長はまあ六%弱だったんです。ということは、まだこの最低限必要な経済成長率を達成していないということになるわけです、MDG達成のための。ムタンゴ大使もおっしゃったように、やっぱり何しろ経済の成長の底上げをしなくちゃいけない、これが先決なんです。これがかぎなんです、MDG達成のための。  現在の状況はどうでしょうか。どういう課題があるんでしょうか。最初の障害は、やっぱり債務の負担がきつ過ぎるということなんです。債務がのしかかっているということで注目がそれてしまうと。リソースが本来掛けられるべきところに掛けられなかったということなんです、国家から見ると、返済に充てなくてはいけないということで。本来だったら、教育だ、医療だ、そして経済に掛けなくちゃいけなかったけれども、やっぱり債務返済に資金が掛けられてしまったということであります。もちろんその債務の帳消しというのはされていますけど、帳消しされただけでニューマネーが入ってきていないということ、これが重要な点なんです。  ODAのことについては今は組合せということで、ODAの無償資金というのもあるんですけど、ODAの有償資金というのもあるので、これを使ってインフラ整備に充てていきたいというふうに願っております。そうすれば、アフリカは工業化の道を始めることができるわけです。これがかぎです。経済成長がすべてだということです。  ガボンの場合、多くのMDGについては今着々と達成しております、ヘルスですとか教育の分野では。でも、ガボンはやっぱりインフラを整備していかなくちゃいけないんです。だからこそ、日本に伺って何ができるか、どうやったら日本とのパートナーシップを強化できるか、JICA、JBICの方々の支援を得てインフラ整備を当たっていきたいと思っています。  以上です。

島田智哉子民主党・新緑風会・国民新・日本

○島田智哉子君 ありがとうございます。  そこで、少し具体的な問題になりますが、このMDGsの目標四から六では保健分野について定められてございますが、その中でも特に目標の六、エイズ、マラリア、その他の疾病の蔓延の防止についてアフリカは極めて厳しい状況にございます。エイズ、結核、マラリアといった三大感染症の蔓延は、住民一人一人の健康への脅威であるだけでなく、社会経済開発への重大な阻害要因であると言えると思いますが、この点について、我が国としても、八年前の九州・沖縄サミットにおいて三大感染症を主要議題として初めて取り上げ、その後の世界基金の創設につなげるなど世界の感染症対策に取り組んできておりますが、しかし世界各地で感染症の脅威は存在しておりまして、今後アフリカにおける感染症対策としてどのような支援を必要とされていらっしゃるのか、両国大使のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

エリー・エリクンダ・エリネーマ・ムタンゴ駐日タンザニア連合共和国特命全権大使

○参考人(エリー・エリクンダ・エリネーマ・ムタンゴ君)(通訳) どうもありがとうございます。  HIV、エイズの話なんですけれども、やっぱり予防ですとか制圧していくかぎというのは、まず啓蒙、教育、情報、広報だと思うんです。やっぱり自らを守りましょうということを周知徹底させるということだと思うんです。原因を分かってもらって、それに対して対策を取るために。  つまり、それで必要なことは投資が必要なわけです、人々に分かってもらうということですから。もちろん、実際にエイズにかかってしまった人たちに対しては、良い検査方法ですとか治療方法ですとか見付けなくちゃいけない。でも、十分装備を持っている病院が足りないという問題もあるので、医師自体も危険にさらされてしまうわけです、しっかりとした防護策が整っていないと患者さんを診るときに。予防策を講じなくちゃいけないと。そして、国民に周知することが大切である。問題意識を上げることが必要なんです、こういう予防策がありますよということで。  HIV、エイズは、まずワクチンをもちろん治療薬として発見しなくてはいけないということになるわけです。どんどんワクチンが見付かるように開発に力を傾注すべきであると思っています。やっぱりこれが最終的な解決策です。  同じようなことはマラリアについても言えるんです。マラリアについてのワクチンについての研究は余りされていないんです。というのは、非常にフランクに申し上げて申し訳ないんですけれども、一見したところマラリアというのは貧困地域の途上国だけにしかないもう病気なんです。アフリカに限らずですけど。ですから、製薬会社からいうと、余りお金にならないということで余り投資してくれないんです。ワクチンを成功裏に開発したとしても余り大きな売上げにはならないだろう、高くは売れない、貧困地域だけが対象だからということになるわけです、お金のない。これが現状なんです。  ですから、是非日本の方またほかのハイテクの国々が協力してくれることを願っております。ワクチンが必要なんです、マラリアについても。住友化学がより効果のある蚊帳を作っていただいていますけれども、蚊帳、薬剤処理した。でも、それよりももっと重要なのはワクチンを作ることなんです。それから、人々に知らせるということです。  結核の方はタンザニアで減ってきております。でも、HIV、エイズがその代わりに出てきてしまったということなんです、結核は減ったけれども。だから、HIV、エイズが減れば更に結核の感染も減らすことができるということなんです。  以上です、私からは。  それでは、オバム大使、どうぞ次。

ジャン・クリスチャン・オバム駐日ガボン共和国特命全権大使

○参考人(ジャン・クリスチャン・オバム君)(通訳) これは本当にセンシティブな問題ですよね、感染症については、MDGの中でも。特にヘルス部門の目標は大事なものばっかりです。  アフリカでもだんだんと問題意識は高まっているんです、今おっしゃったようなマラリアですとか結核ですとか感染症に対して。あともっと重要なのはもちろんHIV、エイズですけど、こっちの方が重い問題で。でも、こういった問題についてももう本当に大きな被害が国によって出ているんです、アフリカで。でも、問題意識は上がってきています。例えば我が国の政府も鋭意努力をして国民の啓蒙に努めています。教育、啓蒙というのがやっぱり一番重要かと思います、この分野で。  協力の話なんですけど、国際社会との協力ということから申し上げれば、我々が期待しているのは、例えば日本のようなお国でしたら是非今後とも御支援を続けていただきたいということなんです、これは重要な分野ですから。やっぱり人々の健康があって初めて国の開発がかなうというふうに思うので。日本は、TICADⅣのコンテキストでも新しいイニシアチブをヘルスについて御提案なさっています。このイニシアチブとても重要なんです。概念拝見しています。そして、日本がやろうとなさっていることも承っております。  つまり、こういったイニシアチブはオーナーシップが必要なんです、パートナーシップも必要と。オーナーシップ、パートナーシップ二つ重要だと島田先生もおっしゃっておられましたけれども、まさにそのとおりなんです。つまり、自主性も持ってやるけれども、お互いに協議をし合ってやりましょうということです。だから、十分この協議を尽くすということだと思うんです、日本側の提示されたイニシアチブについても、相手国側と。そうすればより実のあるイニシアチブになると思います。  あとTICADⅣに対しては、我々は日本にお願い申し上げているんですけれども、やっぱりアフリカにこういった感染症を対象とした研究センターをつくる必要があると思うんです。アフリカにおける五つの経済グルーピングというのがあるので、成長地域ごとに五つあるので各グループごとに、経済圏ごとに一か所そのリサーチセンターをつくっていただけるととても意味があるんじゃないかと思います。アフリカ人の研究者はもちろんそこで働く、日本からの研究者の方とも協力させていただくということです。やっぱり強力なリサーチ、研究が行われないと治療薬は開発できないということですので。  以上です。

島田智哉子民主党・新緑風会・国民新・日本

○島田智哉子君 ありがとうございました。  時間ですので質問を終わります。ありがとうございました。

姫井由美子民主党・新緑風会・国民新・日本

○姫井由美子君 民主党の姫井由美子です。  本日は、タンザニア連合共和国のムタンゴ大使そしてガボン共和国のオバム大使、貴重な時間、当委員会に来てくださいまして、また大変参考な意見をありがとうございました。  また、ムタンゴ大使におかれましては、昨日開かれましたテーブル・フォー・ツー推進議員連盟のヘルシーメニューのセレモニーにも参加していただきまして、大変感激をいたしました。このメニューは、私たちが健康的な食事ができるとともに開発途上国の子供たちの学校給食にその一部を寄附するということに充てられまして、こういった私たちの日常の活動にも大変理解を示してくださることに感謝をしております。  さて、両大使のお話、大変厳しくそして本当に正直に言っていただけたということ、大変感謝をしております。日本のODAの全体予算は減っているにもかかわらず、アフリカに対する割合はまあちょっと頑張って増えている。しかし、それは実際に直接投資額は増えていない。実はその内容に問題があって、先ほどオバム大使も言われましたとおり、債務免除に頼るところが多いということです。  私自身も、この債務免除という部分は切り離して、しかも大使が言われましたように、返還の部分も考慮して、さらにこのODAのアフリカに対することを考えていかなければならないというふうに思っています。その意味では、この洞爺湖サミット直前に行われるTICADⅣは、日本がアフリカ社会や世界に対してこれからの国際的リーダーシップをどのようにアピールするか、絶好のチャンスだというふうにも思っています。  しかし一方で、先ほどオバム大使が言われましたとおり、このアジアフォーラムは中国でも行われている、インドでも行われている、そして韓国でも既に行われています。そういった中で、ほかのアジアフォーラムとこの日本のTICADⅣの差別化、是非皆様に忌憚のない、ほかのフォーラムに比較しての感想と、そして日本にしかできない、ほかの国にはできない、日本にしかできないメリットをお聞かせいただければと思います。

エリー・エリクンダ・エリネーマ・ムタンゴ駐日タンザニア連合共和国特命全権大使

○参考人(エリー・エリクンダ・エリネーマ・ムタンゴ君)(通訳) ありがとうございます。  どのように差別化を図るかという御質問がありました。TICADのプロセス、これは日本対ほかの国々と比較してと、これはなかなか難しい問題であります。  ただ、肝心かなめのことを申し上げますと、援助効果ということです。どのような成果、結果を現場で上げられるかということです。やはりパートナーシップの質の高さということです。それがかぎを握るでしょう。  さて、我々は戦略的パートナーシップという提唱をしております、日本とアフリカとの間で。なぜそれが必要かということは説明いたしました。戦略的パートナーシップを日本とアフリカの間で持つことの意味については既に申し上げました。更に申し上げますと、アメリカはアフリカとの戦略パートナーシップを既に宣言しております。また、EUもアフリカとの戦略パートナーシップを既に発表しております。  また、中国もアフリカとの戦略パートナーシップを既に公表しております。ですから、前回の中国・アフリカ会議の実績を見ていただきますと、八つの具体的な項目の提案が行われております。この戦略パートナーシップの実現のための八項目の政策ということが打ち出されております。  日本の外務大臣、我々のカウンターパートなんです、日本の外務大臣に戦略パートナーシップということを呼びかけてみますと、本当にアフリカは資格があるのかどうか、適格かどうかという疑問を呈されてしまうんです。是非ともお願いしたいんですが、より深く突っ込んで、アフリカが日本に何を提供できるのか調べていただきたいと思います。これから正当な論拠となるのではないでしょうか。アフリカとも戦略パートナーシップを持っていただく根拠となると思っています。  日本の援助政策の中では、アジアということに重きが置かれております。アフリカにも焦点が当たっているんですけれども、しかし中心ではないということです。アジアと競争するつもりはありませんが、ただ、アフリカのレベルをもう少し引き上げていただきたいということです。より具体的なアフリカとの関係をもう少し構築していただきたいと。ですから、TICADⅣにおいては具体的な成果を上げていただきたいと思っております。行動計画ということが言われておりますし、いろいろな提案がなされておりますが、まだ目にしていないのは、英語では、骨格はできているけれども肉付けが行われていないという表現があります。そこなんです。実際に中身がどうなるのかということです。  姫井先生の方からも話がありましたように、日本は今良い立場にあると思うんです。G8の国の中でもリーダーシップを発揮できる立場にあります。ですから、アフリカに対してもG8の中でリーダーシップを発揮していただきたいということです。  日本がささやかな提案をされるとほかの国も追随するようになって、ささやかな提案にとどまってしまうでしょう。日本が大々的に提案をしていただければ、日本がアフリカを重要なパートナーとして見ていただければ、そしてそれをほかの国にも言っていただければほかの国々も追随するでありましょう。  例えば、今本当にリーダーシップを発揮されるおつもりがあるのかどうか、その選択肢は日本に懸かっているわけです。是非私は主張したい、日本が実際にリーダーシップを発揮していただきたいということです。

ジャン・クリスチャン・オバム駐日ガボン共和国特命全権大使

○参考人(ジャン・クリスチャン・オバム君)(通訳) ありがとうございます。  ムタンゴ大使は、すべて私の代わりにおっしゃっていただいたと思います。  まず、関係の見直しということではないでしょうか、日本とアフリカとの間の関係について。ムタンゴ大使からもお話がありましたように、今戦略的な関係という領域に入るべき時期だと思います。なぜ戦略的と申し上げるかということなんですが、アフリカも日本に多くのことを提供できると思うからです。  御承知のように、平均ですべての確認済みの天然資源の四割はアフリカに賦存していると言われるからです。さらに、期待される天然資源の賦存量から考えますと、九割までもと言われているくらいです。日本は鉱物資源を絶対的に必要とされているはずです。また、アフリカは片や大きな市場であります。これから発展が考えられる次の大陸はアフリカ大陸なのです。南米やアジアの時代ではありません。これからはアフリカです。ですから、ビジネス機会が基本的に広がるのは、これからはアフリカだからです。  そういったことを念頭に置きつつ、戦略的な関係を日本とも構築したいと思っています。ふんだんな天然資源もある。そして、訓練がされるべき豊富な人材もあります。是非技術移転を日本から行っていただければ、そしてアフリカで事業を立ち上げていただければ双方が繁栄できるということです。それが基本的な考え方です。  さらに、差別化ということについてですが、TICADとほかの国の様々なイニシアチブの間の差別化、これはムタンゴ大使もおっしゃっていたように難しい問題ではありますが、基本的なことは、どのようなイニシアチブであっても、判断されるためには行動志向かどうかということで評価されます。これまでのTICAD、以前のTICADというのは本当のところ行動志向に結び付いていなかったということです。ですから、今回ははっきりと行動志向であってほしいと思っています。そのために、日本のカウンターパートともお話をさせていただいております。  行動計画をきっちり作っていただく、そして具体的な措置を盛り込んでいただく、そしてもう一つの要素はフォローアップメカニズムということです。フォローアップメカニズムなしには評価ができないからです、どのような進捗が見られたのか。ですから、この二つの要素が重要です。  これまで、例えば中国、これはインフラということに関してもクレジットラインを提供してくれております。これはアフリカの国々に対するクレジットラインです。日本もやはりほかとは違うんだ、アフリカとの協力ではほかとは差別化が図れるんだとおっしゃるならば、先ほどの私の冒頭のスピーチでも申し上げましたようにクレジットラインを設けていただくということです。円借款。  円借款は非常に重要な意味を持ちます。といいますのも、国を発展させるために無償資金協力だけでは足りないんです。借款が必要です。これは譲許的な条件で、例えば満期もより長い期間そして低利率で。それによってインフラ整備が図れるからです。こういったことがなければ前に進むことはできません。それを我々はお願いしたいんです。すなわち、TICADについての具体的な措置ということです。

姫井由美子民主党・新緑風会・国民新・日本

○姫井由美子君 ありがとうございました。大変具体的にお答えいただきました。  そして、この時期にやるかやらないかの選択権は日本が持っている、これは非常に刺激的で重要な提言だと思います。資源が少ない日本としましては、経済産業大臣は、資源外交の第一のターゲット、相手をアフリカというふうに見ております。是非そういった意味での日本の連携も深めていきたいというふうに思っております。  そして、ビジネスパートナーとしてこれからはアフリカを見てほしい、もちろんそうだと思います。その中で、今アフリカでは中国の存在感が非常に強まっている一方で、日本は出遅れているとも言われています。このビジネス的にも見た民間外交の意味でのお二人の中国に対する見解と、それから日本の民間外交に対する思いをお聞かせいただければと思います。

エリー・エリクンダ・エリネーマ・ムタンゴ駐日タンザニア連合共和国特命全権大使

○参考人(エリー・エリクンダ・エリネーマ・ムタンゴ君)(通訳) ありがとうございます。  民間についてでありますが、二つ、三つぐらい重要な問題があるかと思います。  もう御承知かと思いますが、日本の民間部門は、どのような国、どのような地域でも日本の政治家がやはりきちっとした意思を持てば必ずや民間はそれに付いてくる、出ていくということがあります。  ちょっと例を挙げましょう。ブッシュ大統領。これは八年間の任期の中で、少なくともアフリカ大陸を二度訪れております。中国の首脳もほとんど毎年訪れている。胡錦濤主席あるいは温家宝首相ももう頻繁にアフリカを訪れております。  ところが、日本とアフリカの関係の歴史をひもといてみますと、首脳の訪問、これまで二回しかありませんでした。これは森元総理そして小泉元総理。しかも、短い期間の滞在でしかありませんでした。また、今年の初めブッシュ大統領はタンザニアだけで三日間滞在されました。こういう政治的なシグナルを政治家がきちっと民間に向けて送っているということです。民間がアフリカに投資をしようと思っても、譲許性のあるクレジットラインを設けられていなければ、より安い資金が民間にも使えるようにしていただかなければ動かないということです。ですから、まずそういう資金、基金あるいはファシリティーを設けていただくということです、日本の民間部門がアフリカに投資をしやすいように。  それから、先ほどオバム大使からもお話がありましたように保険ということです。リスク保険ということです。毎回民間に話をいたしますと、アフリカはリスクが高過ぎるという答えが返ってきます。残念ながら、アフリカは言わば一つの国として考えられてしまっているようです。実はアフリカといっても多くの国があるわけです。リスクの低い国もあるんです。ただ、アフリカ一体として見られてしまっている。アフリカを個別の国としてとらえていただきたい。この個別の国でリスクの低い国について見ていただきたいんですが、やはりパーセプションとしてリスクの高いと見られてしまっているということです。  ですから、保険制度を充実していただければ、例えばNEXI、日本貿易保険ですが、そこでの貿易保険、輸出保険をしっかり使わせていただければ、民間の方のリスクもカバーされるはずです。  以上です。

ジャン・クリスチャン・オバム駐日ガボン共和国特命全権大使

○参考人(ジャン・クリスチャン・オバム君)(通訳) 繰り返しになりますが、既にムタンゴ大使、もうすべてのことをおっしゃっていただいたかと思うんですが、民間部門は非常に重要な意味を持っております。  先ほど来、パートナーシップというお話をさせていただきました。それから、今やいわゆる官民パートナーシップという話も多く聞かれるようになっております。アフリカは良いシグナルを必要としております。ムタンゴ大使の方からも話がありました政治シグナルをきちっと出していただければということです。  日本の政治家、もっと頻繁にアフリカを訪れてください。この四十年間の日本とガボンの間の関係の中で、今年ようやく外務大臣をお迎えすることができました。初めてです、四十年の中で。片や、ガボンの多くの大臣、そして大統領ももう五度以上日本を訪れているんです。ということは、何かしなければならないということでしょう。政治的な関係の強化が必要だということです、日本とアフリカとの間で。そうすれば、恐らく民間部門へのプッシュにもなると思うんです。  例えば、アメリカという話が出ました。また、ヨーロッパですが、ほとんどのヨーロッパの国の元首や首脳、フランスなどいろんな国を訪れております。そして、国を訪れるときにはビジネスマンを大勢引き連れていくんです。ですから、日本の総理がアフリカにいらっしゃるときには、是非ビジネスマンもたくさん連れてきてください。そうすれば、大きなシグナルになるはずです。これは日本の民間に対しても、アフリカは重要な投資先になるというシグナルにつながるはずです。  さて、金融ファシリティーについてですが、私どもは三つの提案を出させていただきました。これはTICADⅣに関連してです。  一つは、より円借款をもっと多くアフリカ向けに出していただきたいということです。これは保証付きでということです。我々は保証のメカニズムの制度があるわけですが、過去提案をさせていただきました多国間保証という制度です。そうすれば、これはNEXI、日本貿易保険にも協力していただいて、いい制度になるはずです。  また、日本の民間部門はいろいろな入札に参加していただきたいということです。例えば、インフラ整備事業の入札がたくさんあるんです。これまでのところ日本の企業は余り応札されておりません。アフリカに行く際にも、ODAのプロジェクトがあるときのみであります。それ以外にもたくさんのプロジェクトがあるんです。例えば国際機関とかあるいは各国政府がやっているものもたくさんあるんです。

姫井由美子民主党・新緑風会・国民新・日本

○姫井由美子君 ありがとうございました。日本がやるべく第一歩を具体的に示してくださったことに心から感謝をいたします。  アフリカを訪問した小泉総理がつくりました野口英世賞、TICADで第一回受賞されて各一億円受賞者に渡されます。是非有効に活用していただくとともに、この野口英世賞の認知度を高めてくださいますようお願い申し上げて、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。

椎名一保自由民主党

○椎名一保君 自由民主党の椎名一保でございます。  本日は、タンザニア連合共和国のムタンゴ大使閣下、ガボン共和国のオバム大使閣下、お忙しい中お越しいただきましてありがとうございます。心から御礼を申し上げる次第でございます。  初めに、ムタンゴさんと少しお話をさせていただきたいと思います。  お久しぶりでございます。二〇〇五年にタンザニアを訪問させていただきまして、たしかそのとき、二〇〇六年に中国でアフリカフォーラムがございまして、是非その前に、中国へ行く前に日本に来てくださいとキクウェテ大統領にムタンゴ大使からいろいろ御進言をいただきまして、キクウェテ大統領御夫妻が訪日をしてくださいました。大変日本としては、本当に顔が立ったというか、感謝を申し上げるところでございます。  ダルエスサラームへ参りまして、ティンガティンガでしたか、すばらしい芸術がございまして、驚いたんですけれども、数百名の画家が一か所で絵をかいておられるんです。それで、お一人お一人が全部違った個性で、ティンガティンガというのはその代表する画家の名前だったと思いますけれども、お一人お一人がみんなそれぞれの個性を本当に、何というんですか、おおらかに表現をしておられまして、タンザニアという国はキリマンジャロがあって大草原があって本当におおらかなすばらしい国だなという印象をまず受けたことを今思い出しております。  今かなり厳しい御指摘を、ODAが大分減ってしまったんではないかという御指摘をいただきましたけれども、日本も御承知のとおり一九九〇年代の初めから未曾有の経済危機に見舞われまして、かなり厳しい状況だった。今は皆で力を合わせて頑張って、大分良くなってきました。  しかし、我が方の問題なんですけれども、日本人というのは、他の国ももちろんそうであると思いますけれども、援助に見返りを求めないというそういう国民性が非常に強い国なんですね、国民性なんですね。この間お帰りになられましたチュニジアのハンナシ大使ともよくお話をしたんですけれども、椎名君、日本人はこれだけODAやってきて何を求めているんだということをよく聞かれたんですけれども、政治をやっている私でさえこういう目的でこうなんですということはなかなか明確に言いにくいところがございまして、しかし今日の、今、島田さんと姫井さんの御質問、またこれからお伺いしますけれども、お二人の話を聞いて、やっぱりアフリカの方々が幸せになることが日本国民も幸せになるんだということが明確なメッセージで、これも全国ネットで配信されておりますので恐らく相当の方々が見てくださっていると思うんですけれども、やっぱりアフリカの人々が幸せになることが日本の国、国民も幸せになるんだということが大分流布されて広がっていくのではないかと思うんです。  そういう意味で、今回の私が思うTICADⅣとその後の洞爺湖におけるG8サミットはやっぱりこういうことが重要な目的であって、日本国民がそういったこと、こういうことに関してきちっと認識を新たにするということがやっぱり大きな目的の私は一つだと思って、国会議員みんなでそれに努めるつもりでございます。今お二人がお話しなさったことがきちっと日本国民に伝わるようにしていきたいと、こう思っております。  また、二〇〇五年のグレンイーグルズで三か年間で援助を倍増するということもきちっと日本政府は申し上げているわけですから、今回恐らく四十二か国か四十三か国の元首がわざわざ日本においでくださるわけですから、その方々にきちっとやはりそれらのことを形で示さなければ、我が国としても大きな信用を失うんではないかなと、そういう思いを持っておりますので、議会挙げて、まあ挙げてというと大変僣越でございますけれども、みんなで力を合わせて政府にきちっと働きかけていきたいと思っておるところでございます。  お二人にお伺いしたいんですけれども、今食料事情が危機的な状況にあるということを、これはアフリカだけでなくて他の国々もそうなんですけれども、そういうことが実際に進んでおる状況であると思います。  TICADにおきましてもサミットにおきましても、環境問題と同じぐらい重要なテーマとしてこの食料援助、食料の基盤整備の援助等がこれから議題になると思いますけれども、お二方、このことに対しまして具体的にこういうことをということがございましたら、この場でお聞かせいただければと思います。

エリー・エリクンダ・エリネーマ・ムタンゴ駐日タンザニア連合共和国特命全権大使

○参考人(エリー・エリクンダ・エリネーマ・ムタンゴ君)(通訳) どうもありがとうございます。  椎名先生、本当にタンザニアへいらしてくださってありがとうございます。また、御親切なお言葉、我が国の大統領に対しておっしゃっていただいてありがとうございます。二〇〇六年、訪日果たしました。これは皆様方の御招待を得たおかげでありますし、もちろんキクウェテ大統領は中国を訪れる前にもう日本を訪れたことがあるわけでして、これもいい信号だというふうに受け取っていただければと思います、日本の皆様方には。対日関係重視している表れであるということです。日本からの御支援、感謝しております。  それでは、食料について述べてみたいと思います。  もちろん食料危機ということが起こっているんですけれども、この食料危機というのは、見方を変えてみるとチャンスも到来するということだと思うんです、その裏には。短期、中期、長期それぞれ取るべき対策はあると思うんですけれども、もちろんおなかをすかしている人たちがいる、それは食料援助という形でこたえなくちゃいけないんですけれども、中長期的な視野から見ますと、まだまだアフリカには潤沢な耕地があるんです。だから、耕作地として適している、作物もできるということであって、我が国の七〇%の国土は農業に適しているんです。でも、今作っているものでは足りないということなんです。  食料については、天候が味方してくれればほとんど自給自足できるんです。干ばつとか大雨が降り続くと大変なんですけれども。言わば、アフリカというのは世界に対して穀倉地帯にもなり得るわけなんです、やり方によっては。もっともっと食料生産ができれば、農業増産できればということで、そうすれば輸出もできるわけですし。  ですから、日本は単に食料自体を援助としてお出しになる代わりに、もちろん食料援助自体も多とはしているんですけれども、でももっとかんがいするですとか肥料を提供するですとか農業を普及させるですとか作物の品種を多様化するですとか研究開発を農業で進める、そういった形での農業支援をしていただければと思うんです。また、収穫後のポストハーベストの処理の仕方ですとか、こういった面で支援をしていただければ成果が上がるんじゃないかというふうに思います。  他人に頼らないで済むような自力、自らの能力を構築していきたいと思っているんです。能力構築です。そして、自分で必要な食料を作っていきたいと。余分が出た場合には輸出に回すということをやっていきたいんです。  だから、例えば日本から中間財的な形で投入いただければ、支援いただければ食料を増産できると思うんです。例えば食料をどうやって作るのか、そのノウハウを教えていただければと思います。

ジャン・クリスチャン・オバム駐日ガボン共和国特命全権大使

○参考人(ジャン・クリスチャン・オバム君)(通訳) じゃ、食料ということで私もお答え申し上げます。  現在、世界は本当に食料危機に直面しています。幾つかで危機的な状況が起こっています、アフリカも含めて。だから、問題は深刻なんです。私の母国においても、若干ではありますけれどもその危機的な状態が出ています。食料価格が高騰しているというのが大きな問題になっているんです。  でも、このタンザニアの大使がおっしゃったように、短期的に食料援助すれば済む問題ではないんです。もちろん具体的に何か国かに対しては食料援助がされていますけど、長期的な解決策はあくまでもアフリカに対して必要な技術を提供することだと思うんです。そして、必要なリソースを提供すること、必要なノウハウを提供することだと思うんです、どうやったら食料を増産できるのかということで。農産品の増産ですとか、またその他農業関連の活動を振興するために。  同僚もおっしゃったように、アフリカというのは土地に恵まれているんです。私の母国でも八か月ぐらい雨が降る。何でもこのガボンで栽培することができるんです。だから、ガボンが今必要としているのは、いい経営管理ノウハウなんです。農業の部門においてもまた漁業においてもそうなんです。湖もたくさんありますし、漁業の潜在性はとても大きいんです。ですから、技術をまず投入することが重要です。ガボンでは日本のJICAと協力させていただいて、例えば魚の養殖などを推進しています。これは目に見える形の経験になるわけで、これを是非アフリカ全土に広めていただきたいというふうに思っています。そして、目に見える形で食料増産を実現していきたいと思っています。そのためには新しい技術が必要ですし、新しいノウハウも必要なんです。  日本は比較優位をお持ちですよね、農業、漁業において、アフリカと比べれば。例えば、ネリカ米のお話ですけど、これ日本のプロジェクトですよね、アフリカ向けの米ということで、ネリカ米プロジェクトがありますけれども。この栽培に適しているアフリカの国もあるんだけれども、それに加えて研究にも力を入れていただければと思います。どうやったら生産量を増やすことができるのか、そしてどうやってその品種を例えば改良することができるのかですとか、これはガボンですとか中央アフリカを入れてと。  中央アフリカ地域ですと、米というのは必ずしも最初に挙がってくる主食的なものではないんです。やっぱりカサバが中心、若しくはバナナの方が中心だということになるので、どうやったらカサバを増産できるのか、バナナを増産できるのかということが問題になるわけです。そのために新しい技術を使いたい、かんがい施設を充実したいというふうに思っているので、この分野で是非日本からの支援が出ればというふうに思っております。  まとめますと、食料危機というのは、解決するために食料援助だけがすべてではないということです。長期的な解決策はほかにあるということで、是非ノウハウを授けていただきたい、新しい技術を提供していただきたいということなんです。

椎名一保自由民主党

○椎名一保君 具体的ないろいろ御示唆、ありがとうございました。まさに自給率を高めていくことが大切であると、申し上げるまでもありません。  先ほどオバム大使が人事交流の促進をというお話でございましたけれども、たしか在ガボン日本大使は加藤さんと申しまして、去年まで参議院の国際交流課長だった方です。恐らく──加藤さんではございませんけれども、皆さん海外に出張に当たっては国際交流課長さんにいろいろお世話になったんですけど、加藤大使が盛んに私たちに対して、ガボンへ、ガボンへと頑張っておられますので、どうか大使閣下からもそういうメッセージがより大きくなるようにというようなメッセージを伝えていただきたいと思います。  ムタンゴ大使にお伺いしたいんですけれども、やはり海外からの投資を促進したい、促進することが一番重要なことだと先ほど来言っておられますけれども、具体的な海外投資の誘致促進策、代表的なプロジェクトみたいなものがございましたらちょっと御披露いただきたいと思います。

エリー・エリクンダ・エリネーマ・ムタンゴ駐日タンザニア連合共和国特命全権大使

○参考人(エリー・エリクンダ・エリネーマ・ムタンゴ君)(通訳) どうも御質問ありがとうございます。  我々としては、IMF、世銀の出している処方せんに従っていいマクロ経済環境整備に今努めているところであります、アフリカ全体で。我々としては、もう処方せんに書いてあることはありとあらゆることをすべてやっているわけで、全力を尽くしてマクロ経済環境の改善に努めています。構造改革もやっていますし、もう各部門すべて例外なくやっています。金融部門であれ、農業部門であれ、政府のガバナンスであれ、いろんな分野でです。  そして、円滑化するような機関もつくっています、我が国で。例えばタンザニア投資センターももうできています。ここに行けばワンストップという形で海外の投資家にいろんなサービスを提供することができます。一か所へ行っていただければ関連政府の部署と一どきに会えるといったようなこともできています。一々自分で巡る必要はないと。土地が必要、入国ビザが必要ですとかいろいろニーズがあると思うので、又は労働法についての教示が必要とかいろいろニーズがあると思うので、それについてはもう一か所で全部済ませることができるようになっています。  そして、非常に魅力的なインセンティブ、奨励策も講じています、外資誘致のために。例えば法人税の支払についても十年間は猶予期間として払わなくていいですとか、例えば利益を本国に送還するといったようなことについても恩典がありますし、関税についての優遇策ですとか機材を輸入した場合には、それからまた駐在員をエンジニアとして派遣する際に、本国から、ある程度優遇して労働許可を優先的に出すですとか、いろんなことをやっているんです。  でも、まだ問題は残っております。やっぱりイメージの問題かなと思うんですけれども、いろんなことを具体的にやっているんですけれども、丁寧に。例えば日本を拝見してみますと、タンザニアはこんなに努力している、でもやっぱりアフリカ全体リスキーじゃないか、危険じゃないかと今でも多分日本の方は思っていらっしゃると思うんですよ、内戦があるじゃないか、戦争があるじゃないかということで。例えばタンザニアでは一件も紛争が起こったことがないんですよね。常に平和国家であったんです。でも、このことを御存じの日本の方は少ないですよね。  ですから、是非我々を助けてほしいんです。イメージ間違ったものがあったらそれを払拭したいと。一緒に払拭することを手伝ってください。アフリカで問題があることは事実だけれども、アフリカ全部が問題を持っているわけではないんです。つまり、問題というのは特徴的にあるわけで、それを正確にマスコミが伝えていないと思うんですよ。何か一緒くたにアフリカはみんなこうだというふうに言い切ってしまうということなんです。ちゃんと幸せな生活を送っているアフリカ人の方が多いんです、悩んでいる国よりも、実際は。ですから、正しい報道を望みます。正しいイメージを持っていただきたいと。  あと、もっと日本とアフリカのコミュニケーションも促進してほしいというふうに思うんです。例えば日本の航空会社はアフリカ大陸を除いて世界中に直行便を持っておられるということもありますが、定期便を持っておられる、アフリカには定期便がない。これは問題ですよね。やっぱり日本の方にアフリカ直接御覧いただきたいので、日本からの便があることを願っています、飛行機で。航空会社の方は言うんです、ビジネスが余りないからアフリカには飛ばさないんだと、飛行機を。新路線というのは五年ぐらい掛からないと一人前にならないわけです。キリマンジャロは日本の方どなたでも御存じですよね。だから、二年もたてば、就航すれば十分お客さんは集まると思うんです、乗客は。  だから、ある程度時間を掛けるということも重要、だからパーセプションイメージが重要、是非この点で助けてください。

椎名一保自由民主党

○椎名一保君 よく理解できます。一生懸命協力したいと思っております。  最後にオバム大使、ガボンには地球環境を維持するために最も大切な熱帯雨林が国土の八〇%を占めておられます。これからいろいろまた開発計画等もおありと思いますけれども、この環境と開発をどのように両立させていくか、その辺りについてお伺いしたいと思います。

ジャン・クリスチャン・オバム駐日ガボン共和国特命全権大使

○参考人(ジャン・クリスチャン・オバム君)(通訳) まず、環境についてなんですけど、これはやっぱり大事な分野です。ガボン及び大統領自らが強調しているところであります。ガボンにおいてボンゴ大統領が自ら力を入れておられるんですけど、本当に環境に配慮をしております。ガボンは、現在、国土の一一%以上をこの環境保護対象地域にしています。十三の国立公園があるんですけど、今。そのうちの一つの国立公園はもう既にユネスコの世界遺産になっています、ロペというところなんですけど。つまり、環境はしっかりと保護しているんです。ガボンはまさにコンゴの世界でも有数の森林地帯を持っているということであって、環境の配慮にも最も力を入れている国の一つなんです。  環境にも配慮しつつ開発を遂げていく、どうやったら両立できるかということなんですが、両立の方法は幾らでもあるというふうに思います。今や規制も厳しくなりましたから、森林伐採も特にガボンでは今、昔ほど容易にはできないようになっています。例えば一本木を切るんだったら十本新しく植えなくちゃいけないといったような形でやっています。これが規則なんです、我が国の。  あと、森林部門、林産業で起業家を今育成しているんです。そして、材木の製材ができるように図っています。枠も設定されていまして、例えば材木の量を単位として、例えばこれ以上は伐採したらいけませんよといったような枠も設けています、毎年。こういった形で環境に配慮しているということなんです。でも、日本との協力も必要です。また、国際社会との協力も必要です。クールアースというのを今なさっていますよね、日本でクールアース構想ということで、美しい星構想ということで。  高村外務大臣がガボンに対して御提案なさっています、日本との交渉を始めるようにと。そして、パートナーになりましょうとおっしゃってくださっておられるので、TICADⅣのときにこの件についても我が国大統領が日本当局と御相談させていただくことになると思います。このイニシアチブ、とても重要ですので実現を希望しております。  また、加藤大使のことを御紹介いただきましたけれども、本当に立派な方です。本当にガボンで御活躍なさっておられます。一生懸命日本とガボンの友好促進に努めておられるんです、ビジネスの面でも文化の面でも。加藤大使御赴任以来、目に見える成果が魚の養殖でも上がっているんです、今ここに力を入れているので。加藤大使のおかげです。  どうもありがとうございました。

椎名一保自由民主党

○椎名一保君 両大使、非常に明快な分かりやすいお話、ありがとうございました。必ずこのお話が、お二人の御意見がTICADとG8サミットに反映されるように私ども頑張っていきたいと思います。お二人のお話をお伺いいたしましてますますお国を訪問したくなりましたんで、できるだけ近いうちにまた友人と、山内友人等と御一緒したいと思っております。  今日はありがとうございました。

谷合正明公明党

○谷合正明君 公明党の谷合正明です。  今日は、ムタンゴ大使またオバム大使、本当に貴重な御意見をいただきましてありがとうございます。私は、実は今日食料価格高騰問題と環境問題についてお聞きしようと思っておったところなんですが、ちょうど今、椎名先生の方から質問がございましたので、若干それに関連するような形で質問をさせていただきたいと思います。  まず、先ほど来、いつもムタンゴ大使から答えられておりますので、オバム大使にまず初めに質問をしたいと思います。  先週、議長公邸でお会いしたときに、円借款、投資の促進が私との会話で話題になりました。まさにアフリカ諸国が今求めているのは円借款であり投資ということが今日の御意見の中でも伺えたわけであります。  しかし、大使が言われたように、石油資源で例えば一人当たりの平均所得が幾ら高くても、それが国民全体に裨益が渡らなければ余り意味がないというか、貧困層に届かないのであれば意味がないという御指摘はまさにそのとおりだと思っております。私もいろいろなアフリカの国で活動している経験の中でそのことは強くいつも思ってきたところでございます。  よくアジアの経験をアフリカの経験にということで言われます。東アジアでは貿易、投資、援助が一体となって成功を収めたと言われております。これからアフリカでまさにそういうアジアの経験をということであろうと思いますが、そうした経済成長が新たな貧困や格差を生み出してはこれは意味がございません。そういう意味では、その新たな貧困格差を生み出さないためのそういう経済成長、そして経済成長を支えるための投資であるとか援助の在り方についての配慮、その点についての御所見を賜りたいと思います。

ジャン・クリスチャン・オバム駐日ガボン共和国特命全権大使

○参考人(ジャン・クリスチャン・オバム君)(通訳) どうもありがとうございます。  非常に重要な質問をしていただきました。今先生からお話がありましたように、一人当たりのGDPというのは非常に人為的な側面があるんです。本当のところ富というのを評価できない、その国の国民の富あるいはその国自体の富もきちっと評価できない、これはまさにガボンに当てはまります。といいますのは、ガボンといっても二つの経済があるんです。石油部門と非石油部門の二つです。  石油部門では、国際的な企業、多国籍企業が入ってきている、そして石油の生産に従事していると。彼らは余りガボン人を雇ってくれません。ほとんど外国人です。しかも、石油の生産のための資本、これもガボン国内からの資本ではありません。これはすべて外国から入ってきた資本です。そして、彼らが生産するこの資源の付加価値も国内経済に還流してこないんです。ですから、ガボンの予算として入ってくるのはロイヤルティーの支払のみと、政府に払われるロイヤルティーのみと。ですから、これはもう外部経済と言ってもいいほどです。  非石油部門、これがガボンにとって意味ある経済であります。本当のところの経済活動の指標になるわけです。ですから、先生がおっしゃるように一人当たりのGDP、これを石油資源とほかの資源と合わせて見た場合には確かにミスリードする、誤解を生むということです。これは私の先ほどの演説の中でも申し上げたとおりです。  ですから、大事なことはそして是非御配慮いただきたいのは、この特別委員会の場でも人間開発指数の方です。これは国連が開発した指数です。この人間開発指数の中では、例えば教育水準の高さとかあるいは保健衛生の水準とか道路が何本あるのか、こういったことを見れば本当のところの国の開発の度合いが分かってくるわけです。その意味でODAを与えていただくときには是非この人間開発指数の方を考慮していただきたいということです。  さて、ほかにどのような活動を推進していかなければならないのか、アフリカ大陸全体についてですが、既にお話がありましたように円借款をインフラ整備に使わせていただければということです。もし、インフラ整備のために円借款をいただければ、これは日本にとってもいいはずです。なぜならば、御承知のようにこういう円借款が与えられますと日本の企業も入ってくるからです。そして、実際の事業の実施には日本の企業が従事することになるからです。ですから、ウイン・ウインといいましょうかヘルプ・ヘルプと、双方にとって恩恵がもたらされるはずです。  これは椎名先生もおっしゃったことですが、日本がガボンに援助を与えるときには何も見返りを期待していませんよとはおっしゃいましたけれども、そうではないんです。パートナーシップということは、お互いに資源を投入して、両方とも成果、恩恵が上がるようにということです。一方がもう一方に援助を一方的に与えるということではないはずです。我々はこういう関係を変えていきたいと思っているんです。援助がある国に与えられれば、やはり日本にとっても恩恵が見返りとしてあってしかるべきだと思っているからです。

谷合正明公明党

○谷合正明君 大変にありがとうございます。  次に、ムタンゴ大使にお伺いをいたします。  実は私が初めて訪れたアフリカの国は貴国でございまして、私が修士論文を書くために貴国のアルーシャ、ダルエスサラームを訪れて米とかメイズの流通システムを勉強してきました。農業の問題を取り上げようと思ったんですが、若干省きます。  それは、まず大きな話をいたしますと、日本のODAは、この量、いわゆる金額まず増やさなければなりません。これは私もそう思いますし、ほかの方もそう思っているわけであります。しかし、そのODAの総量が増えたといっても、アフリカ五十数か国ある中で、何といいましょうか、それをすべての国を満遍なく強力に支援するほどの金額を確保するというのは非常に難しいと思います。  そういう意味では、援助対象分野あるいは援助対象国というのを絞り込まなければならないのではないかというのが日本のODAの今の議論であろうかと思います。実はこのODA特別委員会の中でもODAのめり張りのある援助ということについては、特に親日的であるとかあるいは政府のガバナンスがあるとか、そういう国にしっかり支援していこうじゃないかという御意見もございますが、この援助対象国の絞り込みというのはなかなか御発言できないかと思いますが、これは日本側の視点であります。アフリカ側からの視点からで答えていただきたいんですが、どういうアフリカの国に支援していただきたいのかということを御所見をいただきたいというふうに思います。

エリー・エリクンダ・エリネーマ・ムタンゴ駐日タンザニア連合共和国特命全権大使

○参考人(エリー・エリクンダ・エリネーマ・ムタンゴ君)(通訳) 非常に難しい御質問ですね。ただ、できる限りお答えをしたいと思います。  まず、タンザニアを訪問していただいたことを、修士論文を書くために、エンジョイしていただけたでしょうか、感謝します。  さて、日本がどのように判断をすべきなのか、ODAなどの援助をアフリカに振り向けるために。これは非常にデリケートな問題だと思います。二つ、三つぐらいの基準、尺度を設けられたらどうでしょうか。  まず、その国がどれだけ恵まれているか。例えば一人当たりのGDP、これは単にガイドラインにすぎないということです、決定的な要素ではないと思うんですが。これはオバム大使もお話ししましたように、GDPで見ると一見高いように見えるけれども、実際に入ってくる収入はその国から外に出ていってしまっているという場合が多いと思うんです。そういうところを是非じっくり調べて考慮していただきたいということです。  第二に、国に対する援助ということですので、どこまで生まれている収益をとどめていることができるのかということです。もっと多くの収益がとどまっているということならば、全く何もない国にもう少し振り向けられるということになるのかもしれません。  ただ、アフリカ全体として見るならば、キャパシティーあるいは知識ということが必要です。経済面でも金融面でも日本の専門家から助けていただきたい。多くの鉱物資源やガス、金、石油など、恵まれている国もあるんですが、せっかく上がる収入がどこまでその国にとどまれるか、最小限の分しか残ってない国もあります。ですから、もっと多く残すための知識とかノウハウ、能力が必要になってきます。金融エンジニアリングですとか、もっと交渉力を付ける必要があります、多国籍企業を相手に。確かに競争が激しい、外国投資を誘致しようとして競争になっている。多国籍企業の方が大きな力を持っているわけです。ですから、投資を行われていても実際にその国の中に残るお金は少ないという場合もあるんです。その面での支援をしていただければと、能力開発ということです。  さて、第三の分野として私が示唆したいのは、ほかにどのような可能性、見通しがあるかということです。  援助は成果を生むはずです。しかし、国によっていろいろな要素でどのような成果かは変わってくるはずです。例えば内戦状態になっているとか紛争があるという場合には危険が多過ぎる。まずそういう問題解決に集中すべきでしょう、すなわち開発のために投資をするよりは。  ただ、安定しているような国、例えばガボンやタンザニア、非常に安定した国ですので、そうしますと、先の見通し、可能性としていい成果を生み得る可能性も大きいと思うんです、そういった国に援助をすれば。ですから、将来的な見通しということも考えていただきたいと思います。こういう要素に是非配慮いただければ、国によって状況が違います、非常に豊かな国もありますし、非常に貧しい国もあります。ですから、あらゆる要素を考慮していただきたいと思います。  ただ、究極的にはやはり慎重に考えていただいてということです。何が公平か、何が正義に根差しているのかということを考えていただければと思います。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 社民党・護憲連合の近藤正道です。  オバム大使そしてムタンゴ大使、ありがとうございました。皆さんのプレゼンとそれと委員の皆さんとの議論で本当に意義深い話になったというふうに今日思っております。  率直に申し上げまして、私は、アフリカ支援の場合は無償と技術協力が基軸だろう、今までそういうふうに思っていました。ですから、経済成長よりも個々の保健とか医療とか、そういう人間の基盤を整えるということがまず優先されるべきなんだろうと、そういうふうに思っておりましたら、今日お二人のお話は、とにかく経済の底上げ、これがやっぱり一番大事で、そして有償とか投資を求めるということが非常に強調されていました。そこは、私率直に言って、私が今まで思っていたことと今日のお話と随分違うんで、ここは認識を改めていかなければならないというふうに思っておるんですが。  そこでお聞きしたいのは、そういう多分まず無償が中心だろうという考え方は日本人のごく普通の感覚だというふうに思うんですが、こういう認識のずれの中でアフリカの国別の援助計画を作る際に、皆さん方、随分じれったい思い、あるいは何で自分たちの思いがちゃんとこの中に入っていかないんだろうという思いをたくさんされているんではないかというふうに思うんです。そこのところをやっぱり率直に聞かせていただきたいということが一つと、もう一つは、一番今大事なことは経済の成長の底上げだという話をされておりました、とりわけオバムさんがされておりましたけれども、その際に、経済の底上げを図るに当たってイの一番に大事なのは、今一番必要だというふうに皆さんが思っているのを一つ挙げろというふうに言ったら何を挙げられるのか、お聞かせをいただきたいと、この一つでございます。

ジャン・クリスチャン・オバム駐日ガボン共和国特命全権大使

○参考人(ジャン・クリスチャン・オバム君)(通訳) 今提起なさった問題についてなんですけれども、経済の成長の底上げをするために今一番大事なものは何なのかということなんですけれども、無償が全然重要でないと申し上げたわけではないんです。無償援助は今でも重要なんです。それは変わりません。日本がいろいろグラントという形で無償援助を提供してくださっています。これはとても役に立っているんです。おかげさまでこれを使って社会サービスを改善することがアフリカには出ています、ヘルスですとか教育、衛生の面で。役立っているんです。  しかしながら、我々が申し上げたかったのは、無償援助だけではないですよということなんです。つまり、このミレニアム開発目標を達成するためには、いろんな評価が言っているようにやっぱり何はあっても経済成長が先決だということです。アフリカが経済成長を来すことができればMDGが達成できるということなんです。  ですから、そのための処方せんはやはりインフラ整備であると。道路を造る、経済インフラを整えるということなんです。例えば、アフリカの国と国の間のつながりがまだうまくいっていない、道路網が発達していないんです。港も必要、鉄道網も必要、また発電所も必要、送電網をつくらなくてはいけないということです。つまり、エネルギーを確保しなくちゃいけないんです、アフリカ大陸全体。これらが処方せんだと思います。  だから、インフラを整備する、インフラを整備できれば経済成長ができるということです。インフラつくるためにはやっぱり有償資金が必要なんです。無償援助だけでは足りない。だから、長期的な融資が必要です、状況性に富んだ資金が。  だから、アジア諸国に対して日本がなさったことと同じことを是非円借という形でアフリカにもいただければと思っているんです。アフリカはちゃんとお借りしたものは返済する能力があるんです、管理運営能力もちゃんと身に付けておりますので。アフリカでインフラが今までできていないということがあるんですけれども、ビルド・オペレート・トランスファーというBOTというやり方があるので、是非アフリカでもこれ試していただければと思います。例えば道路網の設定ということについても、もちろん道路ができれば経済成長が高まります。インフラが必要なんです。いい経済成長が実現できれば更にMDGの目標を達成しやすくなるということなんです。

エリー・エリクンダ・エリネーマ・ムタンゴ駐日タンザニア連合共和国特命全権大使

○参考人(エリー・エリクンダ・エリネーマ・ムタンゴ君)(通訳) どうもありがとうございます。  じゃ、私からも補足ということで申し上げます。  三つ重要かと思います。インフラと人材開発とFDIということだと思う。これが三大要素だと思うんです、経済成長を底上げするに必要な。  日本は御経験をお持ちなんです。日本型のアプローチというのが参考になると思います。アジア、なかんずく東南アジアで一番成功を収めている開発の例があると思うんです。最近の例ではベトナムだと思うんですけれども、典型的な例ということで。日本は対ベトナムということを、いろんなことをなさっていますよね。でも、アフリカ向けのプログラムとベトナム向けのプログラムは日本から見て違うものになっているわけです。多分、スキル開発ですとかインフラ整備ですとか、より志向の高い援助が日本からベトナムに行っていると思うんです。日系企業はどんどんベトナムに投資なさっておられる。だから、同じことをアフリカでやってほしいなというふうに思っています。  もちろん無償援助というのは重要なんです。侮るつもりはありません。しかし、この無償援助の交渉をするのに三年、四年、優に掛かるんです。やっと無償資金が出たということになると、毎年毎年実は新しい要請をしなくてはいけないということになっているわけです。  例えば、五十四キロの道路ということでタンザニアの南部に道路を造りましょうということで合意が付いているんです。資金は無償援助でやるということなんですけれども、これをまとめるのに四年間掛かりました。資金というのは毎年毎年少しずつ実行される、出されるということなので、かなり厄介なメカニズムになっているんです。当初は、八百キロ完成しないとマラウイにつながらないんです、最終的にはマラウイとつなげたいというふうに思っているんですけれども。でも、毎年十キロしか道路が延びないということになると、八百キロを完成するのに何年掛かってしまうんでしょうか。こういうことなんです。そうすると、もう未来永劫開発はかなわないということになっちゃうわけです。  円借款のことを申し上げましたけれども、円借款の方がもうちょっと足の速い資金ということでもうちょっとスピードアップできるんですけれども。もちろん返済義務は我々は負うわけです。だから、返済義務がいったん掛かると少し交渉にも拍車が掛かるということになるんですけれども、やっぱり成長を底上げしたいので、そしてそれを達成することができれば自助努力ということの余地が大きく出てくる。だから、他人様の無償援助に永遠に頼る必要がなくなるということになるんです。だからこそ、各国の経済成長を確約するのが大切で、アジアもそうでしたよね。  もちろん文化的な違いはあるかもしれないけれども、アジアができたことはアフリカにもできるというふうに思っておりますので、是非最終的には自らの面倒を見ることができるような自らの力を付けていきたいとアフリカも思っているんです。これが目的です。リソースはもうあるんです。プラチナも鉄も金も石油もあると。ただ、石油はせっかく出るのにそれを運ぶ道路がないといったような状況なんです。鉄鉱石についてもそうです。だから、道路を造りましょう、そして鉄鉱石を運びましょうということです。鉄鉱石を売って収入を得るから、それを返済資金に充てますということなんです。  以上です。

溝手顕正自由民主党

○委員長(溝手顕正君) 以上で両大使に対する質疑を終了いたします。  一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、長時間にわたり大変有益な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。当委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。  本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後三時十二分散会

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