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169回国会参議院2008/04/09

政府開発援助等に関する特別委員会 第4号

発言数
51
登壇者
8
会派数
4
開催日
2008/04/09

会議録

溝手顕正自由民主党

○委員長(溝手顕正君) ただいまから政府開発援助等に関する特別委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る二日、藤原良信君、内藤正光君及び大島九州男君が委員を辞任され、その補欠として牧山ひろえ君、広中和歌子君及び谷岡郁子君が選任されました。  また、昨日、姫井由美子君及び牧山ひろえ君が委員を辞任され、その補欠として下田敦子君及び徳永久志君が選任されました。     ─────────────

溝手顕正自由民主党

○委員長(溝手顕正君) 政府開発援助等に関する調査のうち、国際機関から見た国際援助の潮流と日本のODAに関する件を議題といたします。  本日は、国連開発計画駐日代表村田俊一君及び国連難民高等弁務官事務所駐日代表滝澤三郎君に参考人として御出席をいただいております。  この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多忙中のところ当委員会に御出席をいただき、誠にありがとうございます。  参考人の方々から忌憚のない御意見を拝聴し、今後の調査の参考にしたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。  それでは、議事の進め方について申し上げます。  まず、村田参考人、滝澤参考人の順でお一人二十分程度御意見をお述べいただき、その後、各委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。  御発言の際は、その都度委員長の指名を受けてからお願いいたします。  なお、御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、村田参考人からお願いいたします。村田参考人。

村田俊一国連開発計画(UNDP)駐日代表

○参考人(村田俊一君) 御紹介にあずかりました国連開発計画駐日代表の村田でございます。  プレゼンテーションの前に、私、一九五三年、昭和二十八年生まれでして、朝鮮戦争が終結した年でございます。その中で、私こういう冒頭で説明するのは、国連と非常に私は密接な関係を持ってそして幼少時代を送ったというところから多少説明させていただきたいと思います。  私、福岡県生まれでして、そのときには幼稚園のときにユニセフの脱脂粉乳を飲んだ時代でございまして、そしてミルクを運んだトラックはアメリカのNGOであるケアというNGOの団体でございました。その中で私は日本のNGOの幼稚園である日本赤十字幼稚園というところに通っておりまして、そういうところから日本というのはやはりいろんな国連機関からも要は手助けをしていただいて、そして私は高度経済成長の中で新幹線を初めて見るわけですけれども、それは世界銀行のローンで日本の要は復興というものがある程度の形で証明されていくということなんです。  ここで私はお伝えしたいことは、国際連合という国連の機関というのは日本の国民において非常に近しい密接な関係を持っているというところから入らせていただきます。  また、国際機関の中、国連機関の中で一番古い国際機関がございます。これは万国郵便連合でございまして、私が中学校のときにペンフレンドなんというそういったところで万国郵便連合の郵便切手を張って世界中にコミュニケーションができる、インターネットのなかった時代でございます。  そしてまた、私は国連開発計画でスーダン、エチオピア、ウガンダ等々、私はマラリアにかかり、それから赤痢にかかり、そしてチフスにもかかり、WHOにも非常にお世話になりました。そういう中で、日本のポリオそれから肝炎等々はWHOの関連によって随分、今日本の健康状態というものもやはり改善してきたわけでございます。  ということで国際機関は遠いところにあるものではなくして、私たちの身近な生活にやはりブレンドされているんだというところから今日はスタートさせていただきます。(資料映写)  そういう今近しい国連機関でも、だんだん日本が復興を遂げそしてODAという形で出資金をいただいたんですけれども、新聞も大いににぎわっておりますけれども、ODAがだんだん下がってきまして、今では第五位になってしまったということなんです。  グラフから見ますと、こういうふうにどんどん下がっていっている状況です。大変ゆゆしき状況であるというふうに申し上げたいと思います。  それで、次のスライドに参りますけれども、日本が最大の援助供与国となっている途上国の数は、以前は五十五か国、一九九七年、これがピークでございますけれども、二十六か国に今や減少してしまったと。ということで、またこの十年ぐらいの間に無償資金援助が五〇%以上減少した国というのは百四十二か国中五十九か国までになっていると、非常に残念な状況でございます。DAC諸国、せんだって行われましたG8開発大臣会合におきましても、OECDの事務局長から、こういうゆゆしき状況は早く改善していただきたいという形で高村外務大臣にも提言がございましたとおりに、随分これは減少といいましょうかODAの状況が悪化してきていると。  ということで、先生方にODAというのは非常にお金が掛かるものだという印象を持たれているかも分かりませんけれども、国民一人当たり大体一万円というふうに考えて、一年で一万円というふうに考えていただければ結構かと思います。その三〇%、三千円が全体の国連機関に要はシェアされているということなんです。三千円と申しますと、大体たばこが一箱今三百円ですから、一か月におけるたばこ一箱としますと、そのくらいの程度なんですよということをここで私申し上げたいんですよ。  国連機関は、非常に近しいところにありながら、そんなにお金が掛かっている機関ではないということをちょっと説明させていただきまして、このゆゆしきODAの減少に関して、私たちは国連職員として今非常に懸念される材料がございますので、それも一緒にひっくるめてお話させていただきたいと思います。  これは日本とUNDPの拠出金の推移なんですけれども、ピークの時代から一番、トップドナーであった時代から残念ながら今年は七番目に、デンマークに抜かれまして七番目に落ちてしまいました。  その中で、それでは国際機関の拠出金等々というのをちょっと申し上げましたけれども、このくらいの値段でといいますかプライスタグが付いているんですよということをもう一度反復させていただくと同時に、今国連機関で、最近WHO、世界保健機関で選挙がございまして、日本のキャンディデート、候補者がトップになることができませんでした。  国連開発計画においても、弓削昭子管理局局長が一人でアシスタント・セクレタリー・ジェネラル、事務次長補のポジションを持っている。ユニセフでは、事務次長補以上は今日本人は一人もおりません。以前は丹羽敏之事務次長がおられました。UNFPA、国連人口基金においても以前、和気邦夫事務次長補がおられましたけれども、今は日本人の政治的なアポインティー、ポリティカルアポインティーと申しますけれども、一人もおりません。どんどんボディーブローのように、日本のODAの拠出金が減ることによって国際社会でも日本の意見が少なからずとも通りにくい状況にあるんではないかということを私は懸念しているわけでございます。  それで、二〇〇七年から二〇〇九年には日本が国際舞台で指導力を発揮するいい好機というふうに踏んでいるわけですけれども、現在、先生方に、お手元に配付資料がございますのでちょっと見ていただきたいんですけれども、それでは、私たち在京の国連機関の職員はここに参考人として呼び出される前に何もしていなかったのかということで、少し説明させていただきたいと思います。  安倍晋三内閣前総理大臣に対して、私たち国連職員の中で、在京の議員連盟というのがございまして、お手元にある資料の中で、ちょっと読ませていただきたいんですけれども、ユニセフ議員連盟会長、谷垣先生。民主党では副会長は広中先生が超党派としておられます。国連世界食糧計画、WFP国会議員連盟会長、谷津先生。それから、ILO活動推進議員連盟会長、森山先生。それから、国際人口問題議員懇談会会長、福田現総理でございます。UNHCR、国連難民高等弁務官事務所国会議員連盟会長、元森総理でございます。予防外交・人間安全保障推進国会議員連盟会長、現高村外務大臣でございます。  この提案書を去年の平成十九年六月に提出いたしました。これを見ていただきますと、もう既に私たち在京の国連機関は先生方に、こういうゆゆしき状況を打開するためには、こういう提言というものを一回国会議員の方々でお話ししていただきたいという提言書をもう出したわけです。  その中で、結論的にはなりますけれども、最後のページの中で、援助実施手段としての国連機関の効果的活用というのがございます。その中で我が国政府ODA全体に幅と厚みを持たせ、ODA全体の効果を最大限発揮するために、こうした国連機関の比較優位性を活用して、二国間ODAと有機的な連携を図ることが必要であるというふうに書かれております。  また、この資料の中で紹介させていただきたい資料が一つございます。その資料は、せんだってODAの参議院開発援助に関する第八号、平成十九年六月十三日、ここで緒方貞子JICAの理事長が参考人として出席されているわけですけれども、その緒方理事長の参考人の発言をここでちょっと読ませていただきたいと思います。  まず、「もちろん、量を増やしていただきたいというのは第一にお願いすることだと思います。これは公約もいろいろおありになりますから、百億ドル増、そういうことについてはもちろん公約をきちっと実施していただきたいと。」云々というふうに書いておりまして、これ去年にこういった話がもう出ているわけでございまして、それでは、日本政府として今からこれをどう実施するかということを検討していただきたいというのが私の最後の結論になると思います。  どうも量とか質の議論が始まるわけですけれども、選択と集中だとか質の向上だとか、逆向きに解せば質を向上するために量を減らすというふうな解釈にも取れるわけです。これはまず量も質もやはり大事だと私は考えます。  ただ、質の向上というのは受入れ側として言われているわけじゃなくして、日本の政府が質の向上ということに関して言えば、世界的に言う、世界の世論は日本の質の向上なんということをコメントしたことは今まで私は聞いたことがございません。ということは、日本のODAの質というのは高いというふうに私は考えております。  ただ、質の高いやはり日本のODAを強化するためには量も必要なんです。その量がどんどんこういうふうに減っていくということは、日本の存在感というものが非常にこれから軽減されていく。よって、TICAD、アフリカ開発会議がタイムリーに五月二十八日から三十一日までございますし、その後にG8がございます。この二つのコンビネーションの大きなイベントというのは、恐らく先二、三十年回ってこないんではないかという気がしてなりません。この機会を通じて日本のリーダーシップを取るべく、もう一度質も量もそして人材も考慮しながら、先生方にやはりODAの問題そして国際機関へのサポートというのをもう一度考えていただきたいというのが私の結論の方向に持っていくわけですけれども。  先生方御存じかどうか分かりませんけれども、MDG、ミレニアム開発目標というのがございます。日本はじゃリーダーシップはどれほどのやはり力のあるリーダーシップを取ってきたのかと申しますと、国連では安保理と経済社会理事会というのと二つございまして、大きなところでいつもメディアに出るのは大体安保理の方でございまして、安保理では拒否権のある国がございますけれども、安保理での活躍というよりは、日本は経済社会理事会での活躍というものが非常にこれ評価されているわけです。  それに関連しまして、ミレニアム開発目標というのは、これは一九九六年、日本がリーダーシップを取って青写真をつくったわけです。それは余り知られておりませんけれども、私たち国連職員は、日本のリーダーシップによってこのミレニアム開発目標が世界的なグローバルなスタンダードになったということは非常に誇りに思っております。また、沖縄サミットにおいても、HIV、エイズ関係それからIT関係に関してグローバルファンドをつくろうという動きは日本の政府の主導で行われてきたわけです。  そういう実績のある日本のリーダーシップをさらに制度それからルールメーキングと申しましょうか規約の中に日本のやはりインプットが入る、これは大変重要な時期に差しかかっているというふうに考えております。  よって、TICAD、G8の機会を大いに利用していただいて、国際機関を活用するようなマルチと、国際機関と多国間援助と二国間援助を併せてサポート、支援するようなODAの新しい枠組みというものを考えていただければ非常に私たちは幸いだというふうに思っております。  僣越でございますけれども、以上をもちまして私のプレゼンテーションを終わりたいと思います。  委員長、ありがとうございました。

溝手顕正自由民主党

○委員長(溝手顕正君) ありがとうございました。  次に、滝澤参考人にお願いいたします。滝澤参考人。

滝澤三郎国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)駐日代表

○参考人(滝澤三郎君) ただいま御紹介いただきました滝澤でございます。  私、去年の一月から日本の駐日代表をしておりますけれども、それまで約二十五年にわたって四つの国際機関で働いてまいりました。そういう中で日本を外から見るという感覚があります。私いまだ半分外国人じゃないかというような又は半分日本人じゃないというような感覚もあるんですけれども、そういった立場を踏まえて、印象も含めて今日のお話をさせていただきたいと思います。  今日は、UNHCRの対象とする人々、その数ですね、それからODAと人道支援、特にUNHCRの場合は人道支援に特化していますので、そういった面からのコメント、それから日本がどういう形で貢献ができるのかということ等をお話ししたいと思います。(資料映写)  最初に、そもそもUNHCRの対象とする人々がどういう人なのかということをお話ししたいと思います。  一言で言いますと、UNHCRの援助の対象者として逃げる人々ですね、逃げる人々、自分の家を捨て、故郷を捨て、国を捨て、逃げる人々です。したがって、最も保護を必要とする人々ですね。なかなか私たちには難民であることの状態を想像することが難しいですけれども、恐らく日本であった例とすれば、例えば終戦後、満州から日本人が逃げてきた、又は沖縄戦で取り残された子供たち、そういうことかなと思いますね。そういう人たちをまず守る、そして助けて彼らの将来の自立につなげると、そういったことをUNHCRはマンデートとしております。  この絵の真ん中にありますけれども、こういう格好になっていますね。これは、真ん中の人を守る、守るんですね。そういうことを表したUNHCRのロゴでございます。この絵のいうところは、まずその左下にあります赤い字で書いてあるところ、難民の発生原因はやはり紛争です、戦争。それからもう一つは人権侵害ですね。例えば最近ではミャンマー等でありますけれども、そういったものをまず逃げる、命を守るために逃げるということですね。すると、多くの人々は国内で転々とします。それがいわゆる国内避難民という形になります。これは世界的には二千五百万人がいると推定されています。そのうちの一部が国境を越えて隣の国に逃げる又はもっと遠くの国に逃げる、彼らが難民ということです。国境を越えれば難民になる、国境を越えなければ国内難民、国内避難民ということですね。  その難民と言われる人たちは世界で約一千万人と言われています。彼らは、多くの場合キャンプに住んでいるんですけれども、多くの人は帰っていきます。でも、一部にはその受入れ国で住んでいく。それから、ごく一部は第三国定住という形でほかの国へ行きます。これがUNHCRの守る人々の物理的な動きですね。  次に、ここにはUNHCRの具体的な活動が書いてありますけれども、これは後ほど参考資料として読んでいただければよろしいかというふうに思います。  このチャートは、先ほど申し上げた難民なり国内避難民が世界的にどのくらいいるかということですが、現在のところ約三千三百万人、三千三百万人と思われています。この数字は、UNHCRが直接支援しているまた間接的に支援している人の数でありまして、このほかに約一千二百万人の国内避難民がいますので、世界的には四千五百万人、場合によっては五千万近くの人が家を追われて国内難民又は国外での難民として暮らしていると、そういうことがあります。  彼らがどこにいるかということですけれども、一番多いのが意外にアジアなんですね。アジアで千三百万人。続いて多いのがアフリカです。アフリカは数的にはちょっと少ないんですけれども、内容的には非常に深刻な状態にあるということです。紛争が続く、また経済開発も進んでいないために難民支援の質も低い、難民が帰ってきたと思ったらまた紛争が始まる、そういったことが繰り返されていまして、これはまさにTICADのまた開発のコンテクストで一番問題になりますけれども、難民問題また国内避難民問題の一番深刻なのはアフリカ大陸です。  ここで簡単にいわゆる人道支援、命を救うためになぜ国際機関がいいのか、命を救うためになぜマルチの組織がバイの組織よりも強みがあるかということを幾つか挙げてみました。  まず第一に、世界的なネットワークがある。UNHCRの場合ですと世界百二十か国に二百六十近いオフィスを持っております。その大半が国境地帯です。これ例えば日本のJICAができるかというとできませんね。ましてやその国境地帯にオフィスを置くということはできない。それから、言葉もできます。それから、文化も分かります。それから、オフィスがずっとありますから、その国のいろんなコンテクストが分かるわけですね、なぜ紛争が起こるのか。したがって、どういうふうにしたら紛争が解決できるのかということも分かりやすい。そういうことがあります。  それから、政治的に中立であるということ。ある国が隣の国に行って支援するというのはなかなか難しいんですね、これが人道支援であっても。ところが、国際社会を代表する国連という形で行きますと受け入れられやすい。例えば北朝鮮であっても国連機関は入れます。日本から行くのは難しいと思いますね。  それから、UNHCRの場合は緊急対応チームを常に用意してありまして、いつでも飛び出していけるということを、そういう体制をつくっております。また、いろんなマットレスとかテント等もいつも常備してあって事があったらすぐに現地に飛べる、そういう体制をつくっております。  それからさらには、国際機関同士また国際赤十字的なほかの人道支援機関とも一緒にいつもやっていますので、いろんなノウハウを、いろんな専門性を集めることができる。これもなかなかバイの機関が一つでやることは難しい点ですね。  最後には、紛争後のいわゆる平和構築においてUNDPも出てくる、WHOも出てくる、ユニセフも出てくるという形でいろんな機関が専門性を持ち寄って永続的な平和をつくる、そういう可能性が高い、こういうことも言えます。そういう意味でマルチの人道支援機関というのは強みがあると言えます。  ここから、ちょっと意外な数字なんですけれども、世界的に開発援助とそれから人道援助の推移はどうかということですね。DACのレポートによりますと、人道支援の額は六%から最近では九%です。これが平均です。ところが、日本の場合は極端に低い。これは私もショックだったんですけれども、二〇〇六年の場合二%でこの二十二か国のうちの最下位です。  簡単に言いますと、日本のODAのうちの九八%が開発に回りまして、二%だけが人道支援に回る。DACの平均をはるかに下回って最下位であると。これは日本のイメージとは少し懸け離れているんですね。私はもっと人道支援に日本が使っているかと思ったんですけれども、そうではない。これは過去一貫したパターンです。二〇〇五年にはインド洋地震また津波等で増えていますけれども、DACの統計によりますと二百五十億円前後というふうに言われています。ですから、日本の人道支援に回るODAが非常に少ないということは是非強調したいと思います。  私がびっくりしたのは、UNHCRにいただく日本政府からの拠出金は多いんですね、第二番目です。これコアと通常拠出そのほかのも一緒になっていますけれども、全部合わせると世界的に二番目の地位です。ですから、私はほかの機関に対しても日本はすごく人道的な支援をしているかと思っていたんですけれども、そうじゃなかったんですね。むしろUNHCRが少ない人道支援の多くをいただいている、そういうパターンだったと思います。その問題がどういうことになるかということですね。  難民支援の場合、日本は長い間難民鎖国という形で非難を受けてきました。難民に冷たい国、難民鎖国という形でね。例えば、先ほど村田代表が触れました、緒方先生は去年、日本の国には人間らしさがない、難民を入れない、今命を守るために逃げてきた人たちを入れない、日本には人間らしさがないと言った、そういうことも言われています。ほかの外国の学者はこう言うんですね、日本は難民を受け入れない、その代わりにお金で解決しようとしているんだと。これは必ずしも正しくないんですけれども、そういうイメージがあるんですね。ですから、辛うじて今までお金を出すという形で日本のイメージを守ってきたんですけれども、今後日本からのお金が減った場合どういうことが起こるか、私たちは非常に懸念しております。  ちょっと昔に行きますと、例えば一九九〇年代、緒方貞子さんが高等弁務官だったころは、日本は百三十億ドルから百四十億ドルという多額のお金を出していまして、そういう中で日本の人道支援大国ぶりが目立ったんですね。ところが、そのお金は今や六十億ドルぐらいになっています。通常拠出は六十億ドルから五十億ドルになっていまして、その昔日の面影はなしと。我々はようやくほかのソースからのお金で九十億ドルぐらいまでいただいていますけれども、お金がどんどん減っている。したがいまして、今後日本の人道支援が減りまたUNHCRに対する拠出が減っていけば、日本は難民を受け入れないしお金も出さない、金も出さないし受入れもしないという形で、日本のイメージはもっと悪くなるということが明らかです。  そういう中でUNHCRとしてもいろんな対応を取っております。一つ強調しておきたいのは、UNHCRの中では、極端ともいえる経費削減を行っておりまして、例えばハイコミッショナー自身が、高等弁務官自身が出張するときにエコノミーで飛ぶとか、我々も東京事務所の超過勤務手当といったことは一切払っていませんし、インターンの学生も含めて夜の八時、九時、十時、十一時まで働いていると。労働強化があって、職員の中には、我々は難民支援の現場で苦労して働いている、治安の悪いところ、衛生状態も悪い中で転々と回っている、我々の人権はどうなんだ、難民の人権を守るのはいいんだけれども、そのために入ったんだけれども、我々の人権はどうなるのだと、半分冗談で言う人が多くあります。  私から見ていましても、本当に献身的に自分たちの健康を犠牲にして働いている人が多い。人道支援の分野で働く人たちの典型ですけれども、そういったことも皆さんには是非念頭に置いていただきたいと思います。  人道支援においては、一人ではできないというわけでいろんなパートナーが一緒になってやっていく必要があります。そういう形で少ない金、人、物、情報また経験を持ち寄ることができる。日本の場合は特にそれが大切。なぜなら、先ほどの数字もありましたけれども、日本では人道支援の経験がありませんので、オンリー日本、オール日本でやるとインパクトも限られてしまうんですね。ですから、今後はほかの国際機関、NGO、日本だけではなくて外国のNGOも含めていろんなパートナーと一緒になってやっていく、それが人道支援のインパクト、命を救うインパクトにつながるんだろうと考えます。これがその絵ですね。  次に、一、二、日本のUNHCRといろんなパートナーの紹介をします。  ここでは詳しい点は省きますけれども、日本のNGOと南スーダンでUNHCRが中心になって働いていることを絵に示してあります。これは、バイ・マルチの連携ですね。上の方は、南スーダンでUNHCRが中心になってケニアにあった難民キャンプの中にあった教員養成校を南スーダンにつくるというプロジェクトを進めています。これはJICAと連携していまして、日本のNGOも入ってくる。そういう中で帰っていった難民が新しい社会をつくる、教育に携わる、難民が開発の代理人になるというそういうモデルケースをつくっております。  もう一つは、バイ・マルチのケースと言えるかどうか。東京オフィスにはeセンターというのがありまして、これは緊急人道支援のための安全管理のためのセンターです。今後は日本からもいろんな紛争地帯に行くであろうと、そういう中で危険地に行かざるを得ない、すると訓練が必要なんですね。ということでこのセンターは過去、世界中で一千人近い人を訓練していますけれども、日本の皆さんにも、例えば外務省、JICAそれからNGO、そういった人たちにも研修をしております。それで、彼らが将来、紛争地また紛争後の危険なところにも行けるようにそういうことをやっております。  ここにありますのは、日本企業との連携ですね。左上は、これはキャンプですね。電灯がないんです。ほとんどのキャンプというのは電気がないんですね、夜になると真っ暗。そういう中で日本の技術を使って太陽光発電で夜も明るくすると。すると、女性が夜トイレに行くのも安全だし、お母さんたちは夜なべをする、子供たちは宿題をするという形で、日本のテクノロジーで生活の質がどんと上がるんですね。しかも、安いということですね。これが一つの典型ですね。  提言に行きますけれども、先ほど村田代表も言われたようにまずODAの削減を停止していただきたい。その中で、仮に増えなくても、当然増えるべきですけれども、仮に増えなくてももっと人道支援に対する割合を増やしていただきたいと思います。  次は私の昔からの提言なんですけれども、もっと日本政府からの政策提言を強化していただきたいと。よく日本人を増やせと言いますけれども、日本人がただ数が増えても日本のプレゼンスはないんですね。やはり日本の顔というのは政策にあります。そういったところをもっと強くしてもらいたいと思います。先ほども触れましたけれども、オンリー日本は避けるべきであるということ。  それから、やはり人道支援のための人材育成ですね。そういう中では、例えば国際的なNGOに日本人がもっと行くべきだと思います。ほとんどいないんですね。大きな国際的なNGOはマルチナショナルといいますか各国の人が入っていますけれども、日本人がほとんどいない。国際機関に行くだけではなくて国際的なNGOに日本人がもっと行くべきだと。これも一つのキャリアパスになるわけですね。そういうふうに思います。  最後に、やはり難民受入れによる国際貢献。金を出す、人は出すのもそうですけれども、人を受け入れる、命を守るために逃げてくる人を受け入れるのも立派な国際貢献です。これはそんなにお金の掛かることではありませんので、しかもそのコストの一年目はODAに計上できるんですね。ですから、これ是非やっていただきたいと思います。  最後に、私この二十数年外国にいたんですけれども、その中の心の支えになったのはやはり日本国憲法の前文ですね。「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、」、これは、日本はそうやって今まで来たんですね。忘れてならないのは、今世界に日本の公正と日本の信義に信頼して助けてくださいという国はいっぱいある。今後は我々が、国際社会に頼るんじゃなくて、国際社会、特にアフリカの諸国から頼られる存在になるべきであろうと、そう思います。  私はもう一つ、「国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。」、これが恐らく多くの国連職員の気持ちだと思うんですね。外国に出ますと日本の名誉ということが非常に気になります。今後は、ODAをこれ以上減らすのをやめて、もっと日本が、国際機関の職員が日本人で良かったと日本人であることにプライドを持てるようなそういう政策にしていただきたい。この立派な憲法の前文はケネディーのスピーチ以上のパワフルなものがあると思いますけれども、これをTICADでまたG8で、また五年後、十年後、五十年後の日本のODAのベースにしていただきたいと、そんなふうに思います。  どうもありがとうございました。

溝手顕正自由民主党

○委員長(溝手顕正君) ありがとうございました。  以上で参考人からの意見聴取は終わりました。  これより参考人に対する質疑を行います。  参考人に対する質疑を行う際は、御起立の上、発言をしてください。  参考人の方々は、御答弁につきましては着席のままで結構です。  また、各委員の発言時間が限られておりますので、御答弁は簡潔にお願いいたします。  それでは、順次発言願います。

轟木利治民主党・新緑風会・国民新・日本

○轟木利治君 民主党の轟木でございます。  質問をさせていただきます。  本日は、大変お忙しい中、村田さん、滝澤さん、お越しいただきまして大変貴重なお話をいただきましたことをまずもって御礼申し上げます。本当にありがとうございます。  早速ではございますけれども、時間も限られておりますので質問をさせていただきますけれども、まずマクロの質問をさせていただきますが、今ODAの日本の予算が大変減少に向かっている、これを是非反転してほしいということ、我々もそう思っておりますし、そうなければならない。社会貢献に対して日本の立場というのは大変重要であるということは認識をしております。  そういった中で、このODAの理念といいますかそういったところを照らし合わせて、現場におられるお二方から、その理念に対して日本のODAはどうなんだというところを御意見をいただきたいと思いますが。  この日本のODAの理念を少し読み上げますと、国際社会の平和と発展への貢献を通じて我が国の安全と繁栄を確保すると、これが理念だということでございます。国内から見ておりますと国際社会の平和というのは貢献しているんだろうと思うんですが、じゃ日本にとっての安全と繁栄に対してこのODAはどう役に立っているのかということがなかなか見えてこないというのも私としては感じております。そういった意味を含めて、国連の機構にお見えになるお二方から、この理念に対して日本のODAがどうであるかということをお伺いしたいと思います。  よろしくお願いします。

村田俊一国連開発計画(UNDP)駐日代表

○参考人(村田俊一君) 御質問ありがとうございます。  まず、日本は平和国家として今まで五十年間以上戦争をしたことのない非常に平和国家でございます。その中で、外交政策を具体的に表す要は手段としてODA以外に先生方、何があるんでしょうか。まず、軍事はそういった手段で外交的な要は説得力を持つというのはまずは憲法に反することでありますし、それはODAという困っている国それから困っている人々に援助の手を差し伸べる、これは日本の外交の真髄ではないかというふうに私は思っております。その要は実行したやはりベースで今の日本の信用というものが途上国においても産業国においても今確保されている、これがまさに日本の安全じゃないかと私は思っております。  また、ここでは自分の組織のことは余り言いたくありませんのでほかの組織のサポートをしたいと思いますけれども、WHOのことに関して、例えて言えば隣国である中国、鳥インフルエンザのことそれからHIV、エイズのこと、SARSのこと、日本の安全というものは保健衛生においても非常に大事なところでありまして、それは日本の国一国が安全の確保というものはできるものではございません。  現在のグローバルな世界において、横断的な環境問題もひっくるめて、やはり国際機関を通じて日本の今までの援助というものが非常に誠意ある実力をまた誠意ある態度で、そして信用を勝ち取ってきたということで、安全の確保というのは外交政策をODAに見るというふうに私はとらえたいと思います。  ありがとうございました。

滝澤三郎国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)駐日代表

○参考人(滝澤三郎君) 私の方からは、先ほど申し上げましたけれども、憲法前文、この理念を堅持していただきたいと。ここにあります、「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」、そして「日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。」とあります。そういう中で、どんどんどんどんとODAが減っていくと日本はこの崇高な憲法を忘れてしまったのかと、そういうふうに思われています。  私は、この憲法は六十年前にできたにもかかわらず、この先六十年もまた百年ももつものだと思います、少なくともこの前文については。ですから、この理念を是非強固に持っていただいてODA政策を立てていただきたいと、そういうふうに考えます。

轟木利治民主党・新緑風会・国民新・日本

○轟木利治君 ありがとうございました。  私も日本の外交手段というのはODAを中心としてやっていくべきものだろうと思いますし、そして国際貢献というのはやはり国連を中心にやらなければならないと思っております。どちらかというと大国は自国の都合といいますか、の主張を強く国連よりも持つときがございますけれども、そうではなくて、やはり国連を世界の平和という意味も含めて大事にしなきゃならないし、歴史的に見ても一回失敗をしているわけですから、そういったことも反省も踏まえてしっかりやっていかなきゃいけない。そういった意味で、軍事も持たない日本が何で貢献していくかということがこのODAによるものだろうと思います。  そして、先ほどからお話がございますように、汗もかくということが一つの日本のこれからの大きな課題であり、人道的に受け入れるということもこれも大きな課題だろうと思ってございます。そして、これまでの国際貢献、ODAというのはやはり大きなのは人道支援、これが中心であろうとは思いますが、その時々によっていろんな方向性も模索していかなきゃならないと思っております。そういった意味で新たに今出た問題でやはり地球環境の問題そして資源の問題、こういったものが新たな課題として大きく今クローズアップされているんではないかと思ってございます。  地球環境の問題についていえば、国内での削減をどうするかというのも大変大きな課題でございますが、日本が持っている技術をどう外国に提供し世界の削減をしていくかということも、これはODAと絡めて一緒にやっていかなきゃならないと思ってございます。こういった技術の中でも、企業対企業であれば相手側の企業がその環境設備を購入するメリットがあれば購入しやすいんですが、環境設備というのはメリットがあるものだけではございません、逆にメリットがないものが多い形でございます。そういったところにどう国として援助していくか、またそのサポートをやっていくか、こういったことも大事だろうと思いますし、企業とその相手国の中に国連のそれぞれの組織がどう仲介していただけるか、こういったことも大変大事なのではないかと思ってございます。  そういった意味で、今これから新たに、もう実際は着手されていろんな事例も挙げていただいておりますが、必要なそして特に地球環境また資源に関してのアドバイスを、こういった方法が日本にとって有効かつまた相手側の国の方々も喜んでいただく。どちらかというと、ある国では利益だけを自分のところへ持っていこうというスタンスも見えますが、やっぱりこれはギブ・アンド・テークでフィフティー・フィフティーでなければならない、お互いが利益をもたらすような形でなければならないとは思っておりますが、そういったことについての御提言をお二方からいただければと思ってございます。よろしくお願いいたします。

村田俊一国連開発計画(UNDP)駐日代表

○参考人(村田俊一君) 日本は、私も先ほど申し上げましたけれども、高度経済成長に育ったジェネレーションでございます。その中で日本は高度経済成長の副産物としてイタイイタイ病、PCBそして大気汚染、私たちは自分たちの学んだことをまた繰り返すことのないように途上国にアドバイスをするというのは、私たちはそういう経験はもう蓄積しております。ましていわんや、まだ環境問題の訴訟に関しては完全に終わっているわけではございません。  こういった厳しいレッスンの中で、途上国においても日本と同じようなミスをしない法律の整備であったり、そして一番やはり犠牲になる可能性の強い貧困層、そして行政サービスの行き渡るそういった企画立案もひっくるめて、環境問題に対して包括的なアドバイスをしたり、技術的な技術移転を行うということは日本のやはりODAの具体化されたプロジェクトではないかと思います。それは、日本の二国間の技術援助のみならず、多角的に国連の環境政策を通じて、そしてグローバルな環境政策をリードするようなODAの使い方、これがやはり日本の政府に求められているものではないかというふうに思います。  また、私たちはスーパーマーケットに行きますと日本の製品が非常に、これは特に水産資源それから穀物でございますけれども、先生方スーパーマーケットに行かれたら恐らくびっくりされると思いますけれども、サケはほとんどがチリ産でございます、北海道じゃございません。タコは、大体私タコ好きなんですけど、モーリタニアでございます。そのモーリタニアという国の存在すら知らない方もおられます。そして、穀物輸入は世界一でございまして、ちょっと穀物の要は価格が上がるとこれほど日本は影響を受けるということで、やはり資源というものに関しては、石油のみならず穀物資源、水産資源もひっくるめた形で多角的な外交をする上では国際機関というのはどうしてもなくてはならないやはり共存する存在ではないかというふうに思っております。  よって、企業とのパートナーシップも国連では重要視しております。そして、そういった新しいパートナーシップの展開を途上国で新しいフォーミュラとして、方程式として日本のODAと三つどもえになって実行していきたいというふうに思っております。  ありがとうございました。

滝澤三郎国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)駐日代表

○参考人(滝澤三郎君) 気候変動は将来大きな問題になることは明らかです。例えば、UNHCRの対象とする難民、国内避難民もですね、最近では環境難民といった言葉が出てまいりまして、これは将来的に大きな問題になります。環境難民というのはいわゆる我々が扱う伝統的難民ではありません。そういう範疇には当てはまりませんけれども、UNHCRの中でも将来確実に起こると思われるいわゆる環境難民にどういうふうに対処するかを検討を始めております。  それはおいて、私この環境問題と人道の中では日本の技術ということをもう一度強調したいと思います。  外から見ますと、日本の技術がいろんな問題を解決できるという期待が非常に高いんですね。先ほど申し上げたようにソーラーパネルによるキャンプの電化ですね、しかもコストも安い。これが典型的なものですけれども、同じように太陽光を使ったものとしては太陽光パネルで料理をするクッキングマシンですね、これも携帯用なんですね。ですから、どんなキャンプにも持っていける。しかも、人道支援のため、緊急事態に行く人道支援の職員もそれを持っていくと。太陽光だけあればお米なんかが三十分も掛からなくて炊けちゃうんですね。  そういったものも日本のテクノロジーから簡単なんですね。そういったものを、今までは人道支援に使うという発想が余りなかったかと思いますけれども、最近日本でもCSRの流れの中で、ああ私たちのつくったものが人道支援にも役に立つ、しかもビジネスチャンスにもつながるという形でいろんな流れが出ています。ですから、そういった意味での流れをどんどん強めていって、人道支援とそれから技術とそれからお金、利益ですね、その三つが一緒になるようなものを探っていければなと考えております。

轟木利治民主党・新緑風会・国民新・日本

○轟木利治君 ありがとうございました。  村田参考人にお聞きしたいと思いますが、日本のODAで、開発物で日本の公共事業的なことをODAでやろうとしたときに、現地の方で、国対国ではその契約は結ばれて進行していくんですが、現地に住まわれる方が、特にダムでいきますと移転しなきゃならないというその生活補償を含めてトラブルも若干起きているような話も聞いております。そういったところに日本のJICAがしっかりそういった現地調査もするように我々も要請はしておるんですけれども、そういった問題について、国連の方からの立場でどういった対策をやった方がいいのか、これからの御助言があれば少しいただきたいと思います。

村田俊一国連開発計画(UNDP)駐日代表

○参考人(村田俊一君) 先生、これはちょっと構造的な問題に入って申し訳ないんですけれども、日本のODAは単年度予算でございます。これは多年度予算にしていただきたいというのは前から私申し上げているんですけれども、単年度予算になりますとどうしても時間が限られてまいりますので、現地調査にも非常に時間を掛けられない理由がございます。  それで、じゃ国連との関連をどうするかといいますと、現地に根差す国連機関、UNDPもひっくるめてそうなんですけれども、私たちはデータも持っていますし、今までの蓄積された知識というものもございます。そして、時間の足りないところを国連機関の情報や今までの要はプロジェクトの経験を大いに活用してほしいんですよ。  この構造的な問題は、一昼一夜にして多年度予算になるということはまずあり得ないと思いますけれども、ただし、構造的には長い目で見て、この単年度予算を多年度予算にすることによって、もっとじっくりと、そして市民の参画ももっと効果的に、そして意見も吸い上げて、そういうことが行われるような状況をつくり出す私は責任は現地政府にもあるでしょうし、日本政府にもあると思います。  ただし、その埋め合わせということは言葉は良くないですけれども、もっとマルチとバイ、国連機関を大いに活用することによって、私たちを中に入れていただくことによって、その状況というのは多少緩和できるのではないかというふうに思っております。要は国連がリスクミニマイザーとなるような役割を果たせるんではないかというふうに思っております。  ありがとうございました。

轟木利治民主党・新緑風会・国民新・日本

○轟木利治君 大変貴重な、ありがとうございました、御意見を。  先日、G8の開発担当大臣会合でこれから新興援助国との協調をしていきたい、あと民間財団等とか、まあ民間の方は先ほどお話ししていただきましたんですが、この新興援助国とのパートナーシップといいますか、うまくいけばいいと思うんですけれども、お互いの利害も後々絡むのではないかと思うんですが、そういったところを考えて、この直近では日韓の表明もされておりますが、注意をするべき点とこうやったらうまくいくのではないかという御所見をまた村田参考人からいただきたいと思います。

村田俊一国連開発計画(UNDP)駐日代表

○参考人(村田俊一君) 非常にこれは国連機関が答えられる点かどうかございませんけれども、やはり外交というのは競争でございます。日本独自ですべてを包括的に、スコアカードであったらすべて百点を取れるような状況ではございません。よって、新興のドナーと申しましょうか、それは韓国もひっくるめていろんな国が今アジアでも浮上してまいりましたけれども、まずはお互いの協調する点でやはりどこからスタートするかというところが非常に大事だと思うんですね。  やっぱり地球環境であるならば、環境問題というのは隣国において非常に大事です。それから黄砂であったり、また韓国も日本の同じような経済成長の中で同じような今問題が浮上してきてまいりました。それは恐らく企業のPCBの問題であったり環境の大気汚染の問題であったり、そういったところでやはり隣国として同じようなミステークを、ミスを繰り返さないような技術協力というものは協力し合えるんじゃないかというふうに思っております。  やはりこの点ではお互いの利害というのはありますけれども、利を先に持っていって害をもう少し軽減するような形でのフォーミュラを、これからやはりG8の会議であったり、それから気候変動のことでもあったり、積極的に参加をしていただくというふうな促し方というのがとても大事じゃないかと思います。  ありがとうございました。

轟木利治民主党・新緑風会・国民新・日本

○轟木利治君 時間になりましたので、大変参考になる御意見をいただきましてありがとうございました。  終わります。

亀井亜紀子民主党・新緑風会・国民新・日本

○亀井亜紀子君 亀井亜紀子でございます。  今回質問するに当たって、ODAの拠出額が大変毎年毎年削減されているということをいろいろと勉強いたしました。私も大変心配をいたしております。  日本のODAの拠出額ですけれども、平成九年をピークに十一年間で四〇%も減っているとあります。二〇〇〇年までは世界第一位の拠出額であったのに、二〇〇一年にアメリカに抜かれて、そして昨年度では世界五位になってしまったということですけれども、一方で日本は二〇〇五年にグレンイーグルズ・サミットの公約として二〇一〇年までにアフリカへの援助を倍増するそれからODAも増やすと、小泉前首相は三年間でアフリカ向け政府開発援助を倍増し、ODA予算全体に関しても五年間で倍増することを表明したとあります。  そういうふうに国際公約として公の場で発言をしながら、現実には毎年二から四%削減をされています。今度の予算もまた削減をされております。こういった現状について、世界の各国は日本をどのように見ているんでしょうか。例えば、日本は約束を守らない国だと、そういうようなイメージをもう持たれ始めているのかどうか、現場で御活躍のお二人にお伺いをしたいと思います。

村田俊一国連開発計画(UNDP)駐日代表

○参考人(村田俊一君) 亀井先生、どうもありがとうございます。  国際公約に関して、今まで日本は遵守してまいりました。その上で日本の信用というものが続いているんであろうというふうに思います。よって、信用をされる日本というのは、国際公約を守ってきて、その国際公約も他の国に促して一緒に参加しようというそういった努力もしてまいりました。  今アフリカ開発会議を控え、G8を控え、途上国の首脳が四十四か国来られますけれども、その中でやはり日本の公約というものを期待しているところは多々ございます。この機会を逃して、そして積み増しの百億ドルでしたか、じゃいつからこれを計算していつまでにその公約を遂げていくかということなんですけれども、その要は説明がまだはっきり出てまいりません。ということは、今まで信用されていた日本は、具体的な数字と具体的な期間が提示されないような日本ではなかった過去において、今の日本はだんだん信用を失うかも分からないということなんですね。  まして、今突き付けられた大きなイベントがございます。ここでまた同じような、要は公約をして実施されないような状況になれば、日本の国際的な信用は更に失墜するんではないかというふうに私は思います。  ありがとうございました。

滝澤三郎国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)駐日代表

○参考人(滝澤三郎君) 私は、信頼又は約束を守らなかったという形でのバックラッシュはないんじゃないかと思います。  私自身、昨年までUNHCRの本部の財務局長をやっていまして、資金繰りで非常に苦労したんですね。いろんな国のODAなりまた人道支援額がどういうふうになるかは常に見ているわけです。例えば、アメリカは来年どうなるだろう、日本はどうなるだろう、そういうアセスメントの中で日本の方針というものは当然カウントします。同時に、それぞれの政府はいろんな問題を抱えていますので、予想しなくても起こる、政権が変わったりまた経済が悪くなるということもありますので、そういうことを常に予想しています。したがって、日本のODAが減るについて一定の理解はあります。  問題は、公約を守った守らないというよりも、むしろ日本の存在感がなくなっちゃうということですね。日本はいろんな理由からお金出してもらえない、したがってほかの国に行こうという形で日本の存在感がなくなってしまう、そちらの方が大きいと思うんですね。やっぱりジャパン・パッシングという、それがあるかと思います。

村田俊一国連開発計画(UNDP)駐日代表

○参考人(村田俊一君) 滝澤代表に関連してですけれども、こういう意見がもしも先生方にございましたら多少ちょっと考えてほしいんですけれども、国内事情でODAを増やさない、これは日本の国内の問題であってグローバルな論理展開とはこれはちょっと関連付けられません。経済的に苦しんでいるOECDの国々でもODAを上げてきている国は多々あるわけです。途上国でもあるわけです。だから、日本の国内事情だけで世界経済の一三%を占めている第二の日本の大国は、出せませんというふうに大見えを切って言えるわけがないです。それは言ってしまえば、一三%の世界経済を握る日本は、メンバーシップの一つの約束事としてODAや国連機関にある程度拠出するお金なんです。それはグローバルリーダーシップを執るべき一つのやはりメンバーシップフィーというふうに考えていただければいいと思います。  その辺でのちょっと誤解がありましたら、余りにも、例えて言えば、国内事情がどうしようもないから国際的にはちょっとというふうな、これは両方大事だと思うんですよ。そのバランスの問題がどうも話し合われていないような気がしてなりません。  委員長、ありがとうございました。

亀井亜紀子民主党・新緑風会・国民新・日本

○亀井亜紀子君 以前、緒方貞子さんの新聞記事を読んだことがありまして、緒方さんは、ODAというのは国の品格なんだと、そういう表現をされていました。何年か前に「国家の品格」という本が大ベストセラーになりましたが、その本が出版される前ですから、その前からもうODAは国の品格なんだということをおっしゃっておりまして、大変印象深かったことを記憶しております。ですから、やはり軍隊を派遣しない日本にとってODAというのは重要な外交手段ということは私も全くそのとおりだと思います。  ただ、今毎年削減されている中で、以前よりも少なくなってしまったODAをどのように有効に活用していくかといった視点も大事だと思います。まずどういう国にODAを拠出するべきかという観点で考えたいんですが、私の友人で昨年までアフガニスタンに国連ボランティアとしておりまして今スリランカに移動して赤十字で働いている人がいます、女性なんですけれども。彼女と今年意見交換をしました。そのときに彼女は、長いこともう日本に戻っていないんですが、日本の今の経済情勢は理解できるし、例えばワーキングプアという人たちが生まれるほど日本の国内事情が大変なのであれば、ODAをそれほど無理をして増やさなくてもいいということを言ったんですね。現場で働いている人からそういうことを言われたのは初めてで私も驚いたんですけれども、彼女はスリランカに拠出される日本のODAが有効に必ずしも活用されているとは思えないと、現地にいる日本人として思うらしいんですね。ですから、こんなことに使うのであれば、国内の困っている人に振り向けてほしいという気持ちがあるようです。  そして、もう一つ言っていたことが、スリランカにしても国内に紛争を抱えております。タミールのトラが反政府運動をしているわけですけれども、そういった国内で紛争を抱えている国の政府に対してODAを拠出するのはいかがなものかという意見なんですね。結局、日本人としてはどちらにもくみしないけれども、それぞれがそれぞれの正義を掲げて戦っていて、その戦いはお互いその資金がある限り終わらないだろうと。ですから、その一方に対してODA、政府に拠出をするとそれは内戦の方にも使われてしまったりするので、日本のODAを拠出する際の基準として、内戦を例えばしている国にはその政府に出さないというようなそういう考え方もあっていいと思うというふうに言われたんですけれども、どのようにお考えでしょうか。  例えば、そういう場合は、何というんでしょう内戦のある国には政府には拠出しない、その代わりに国際機関に多く振り向けましょうというような、何かそういう基準があってもいいかと思うんですが、お考えを両者に伺いたいと思います。

村田俊一国連開発計画(UNDP)駐日代表

○参考人(村田俊一君) 亀井先生、スリランカの問題もそうですし、コンゴの問題もそうですし、ソマリアもそうでしょうし、スーダンの問題もそうでしょうし、私はODAを語る前に、その紛争によって犠牲になる方々のことを、滝澤代表と私と時々話すことがあるんですけど、紛争になる前に、紛争になってしまうと非常にコストが掛かり過ぎる、人間の命もそうなんですけれども。よって、大体犠牲になるのは子供だとかそれから女性だとか、ジェンダーの問題後でちょっとタッチしますけれども、また病気で苦しんでいる方々だとか、そういう方々をそれでは人道的にほうっておいていいかと言われたときに、私はほうっておきません。そこに日本のODAのやはり比較優位性が出てくるのではないかと思います。  よって、構造的に紛争を予防的に考えるようなそういった状況と同時に、紛争になってしまってもやはり犠牲者を助けるようなそういったプログラムを国連組織と協力し合ってやる。やはり政治的に非常にデリケートなセンシティブなところは、日本のフラッグをあからさまに揚げるわけにはいかないとするならば、多角的に国連組織と共同で平和構築の分野にこれからやはり推進していっていただきたいというのが私の意見でございます。  ありがとうございました。

滝澤三郎国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)駐日代表

○参考人(滝澤三郎君) これはかなり深刻な問題、もしかしたら私そのコメントされた人を知っているんですけどね。知っていますけれども、UNHCRみたいな人道機関から見ますと、紛争地であるからこそ行くんですね。紛争地を避けたらUNHCRの行くところないんですね。まさに難民なり国内避難民というのは紛争ゆえに起こる。我々のミッションはまさにそこにいるお母さんを、お父さんを、子供を救うということですから、紛争があったから行きませんというのは、もう自分たちの組織のマンデートをなくすことなんですね。  ですから、UNHCRが出るか出ないかというときに紛争があるかどうかは一切ありません。むしろUNHCRにはオプションがないんです。マンデート上、紛争が起こって難民が出たら行かざるを得ないですね。そういうときにはお金があってもなくても、なくても行きなさいと、そういう難しさがありまして、これも私も苦労したことなんですけどね。ですから、紛争があったらUNHCR行く、真っ先に行く、UNHCRの旗を立てるということです。ですから、そういう中で有効でないからというのは人道支援についてはほとんど当てはまらない基準だと思うんですね。  もう一点は、政府とまた国民なり市民、特に紛争の影響を受けている市民は同一視しちゃいけないと思うんですね。もしかしたら政府がガバナンスがないゆえに、ガバナンスが悪いゆえに国内避難民が大量に出る、また国内避難民を圧迫していると。そういう中で政府が悪いから国民にも支援しませんよというと、これは人道支援の考え方に真っ正面から対立するものだと思いますね。  ですから、その方の言ったことよく分かりませんけれども、私は反対です。また、紛争があったら行く、行かざるを得ない、だれかが行くんだったらUNHCR又はICRC、赤十字が行くべきですね。そういうふうに思います。

亀井亜紀子民主党・新緑風会・国民新・日本

○亀井亜紀子君 今ガバナンスのお話がありましたので、ガバナンスという視点で質問させていただきます。  今中国がアフリカに戦略的に支援をしております。資源外交が見え見えの支援の仕方なんですけれども、中国はガバナンスということは全く気にせずに支援をしております。つまり、主権尊重で内政不干渉だと。ですから、その国において独裁体制であろうがどうであろうが、紛争を抱えていようが関係ないと、そういった立場で援助をしています。一方、欧米の国というのはやはり援助に当たって民主化を要求したり内政に干渉しますから、そういう意味で今アフリカの一部の国にとっては中国の援助というのは大変有り難いと考えているようで、いわゆる日本が一昔前によくやっていたひも付き援助のような援助の仕方だと思います。  日本はどのような基準で、先ほどの質問と関連しておりますけれども、ガバナンスということも含めてどういった国に援助をしていくべきなのか、その御意見を伺いたいと思います。  それからもう一つ、ODAの予算を二国間の援助と国際機関とに振り分けるわけですけれども、どちらをより重要視して少ない資源、ODA予算を活用していくべきかということについて伺いたいと思います。先ほどいただいた資料で日本と主要ドナーのUNDPへの拠出金の推移というのがございました。日本はずっと二〇〇〇年から順位を落としてきていますけれども、逆に上がってきた国、これはノルウェーがあります。けれども、このノルウェーは総額でいったら日本よりも拠出金は少ないはずです。日本はまだ世界五位でノルウェーは五位以下ですから。日本よりも少ないODA予算を、つまりこれでいえばUNDPにかなり振り向けているということなんですよね。ですから、ODAをどのように振り向けるべきか、そのことについてお二人にお伺いしたいと思います。

村田俊一国連開発計画(UNDP)駐日代表

○参考人(村田俊一君) 非常に政策的な難しい質問ですけれども、なるべく答えてまいりたいと思います。  まずは中国の外交からですけれども、中国の場合にはこれは政府の形態がちょっと違いますので、日本とは比較できないところがございます。これは政府主導のビジネスだと思っております、私は。これはODAじゃございません、厳密に言いますと。ODAは非常に透明性の高い援助形態を持っておりまして、DACでもどのような分野にどういうふうに使うかということがはっきり話し合われるわけですね。受益国政府に関してもODAを使う場合にはちゃんとしたしっかりした要は相談のメカニズムというのがございまして、例えば支援国会議だとかそういうことが開かれるわけです。よって、中国の今資源外交に関しては、これは政府主導のビジネスというふうなとらえ方をしますとある程度の答えが返ってくるわけでございます。  その中で、私申し上げましたけれども、日本国にとって、アフリカの国々においても、インドも最近は非常に活発になってまいりまして、韓国もそうですし、外交における競争相手がやはり増えた、途上国においてもオプションがたくさん出てきたということの現実を日本の政府はとらえるべきだと思うんですね。  じゃ、そういう非常に競争相手の多い中、ノルウェーはODAの拠出はちっちゃいのにどうしてということになりますけれども、ノルウェーはUNDPのこれは分担金でございません。拠出金ですから、任意の拠出金ですから、やはりハイリスクな仕事をしているUNDP、ガバナンス中心にやっていますから、民主的ガバナンスとかそういったもののやはり彼らの政治カルチャーにフィット感があるんですね、UNDPという組織に対して。だから、非常に拠出金は上に上がってくる。その中でまたジェンダーのことに関してもやはり北欧諸国に関しては非常にジェンダーを重要視している。これもフィット感がある。ということは、国益にマッチしている、そしてパフォーマンスの高いところにお金を落とすのは国益を反映することにつながるんだという外交政策があると思います。  じゃ、二国間援助と多国間援助をどういうふうに使い分けているか。これはJICAの組織のようにノルウェーにはNORADというのがございまして、それはやはり国内でどういうふうに振り分けるかというのは恐らく議論があると思いますし。  ただし、日本の政治的に非常にセンシティブなところは、国連開発計画、UNDPではパートナーシップファンドというのを政府が今設立しまして、リベリアにおいての選挙だとかそれから警察機構の強化だとか、イラクにおいてはJBICのファンドをUNDPがマネッジしてクルド人地域の要は電力事業だとかそういう具体例は多々あるわけでございます。  要するに、私が申し上げましたマルチとバイの援助協調、これを大いに利用していただくと同時に、その要は援助協調を引っ張っていっているのが恐らくノルウェーのような国だろうというふうに思います。  ありがとうございました。

溝手顕正自由民主党

○委員長(溝手顕正君) 滝澤参考人、時間が来ていますので、手短にお願いします。

滝澤三郎国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)駐日代表

○参考人(滝澤三郎君) 第二点について触れてあります。  人道支援の場合、やはり先ほども申し上げたようにマルチというのが圧倒的な優位性があると思います。そういう中で北欧諸国は、これは必ずしも人道支援に限りませんけれども、マルチを国策として使うという傾向がありますね。彼らはアイデアを出す、お金をほかの国から出してもらうと。人の国の金で自分たちの国のアイデアを実践する、そういう賢さがあるんですね。日本は多分、北欧が出したアイデアをサポートしてお金を出す形で、むしろ逆だと思うんですね。先ほども申し上げたように日本がアイデアを出してノルウェーが金を出すという、そういうところを将来的には考えていくべきだろうと、そんなふうに考えます。

山内俊夫自由民主党

○山内俊夫君 自由民主党の山内でございます。  今日は、村田参考人、滝澤参考人、私は大変楽しみにしてまいりました。今までのやり取りの中で随分参考になる点、多々聞かせていただいたわけでありますけれども。  私は今自民党の国家戦略本部、本部長は福田総理なんですけれども、TICADⅣに向けてどのような主要な政策を出したらいいかということで、ようやく三月掛かって取りまとめが終了いたしました。そして、今週の末に福田総理に提案をさせていただくという運びになっておりますけれども、まだまだ中身について、TICADⅣの現場において、横浜の二十八日から三十日までの大会の中でどのようなセレモニーを組んでいったらいいか、今そのプログラムの作成中であります。  皆さん方の大変貴重な御意見を聞かせていただけるものと思って今日大変楽しみにしてまいりましたが、いかんせん二十五分しか持ち時間がございませんので、はしょった形で質問になろうかと思いますのでその点は御容赦のほどお願いしたいと思っております。  まず村田参考人にお聞きしたいのは、実はこの日本のODAというものが一時期ほぼ一兆円から、今は六、七千億までダウンしてきたと。これ大変な問題であろうと。  といいますのは、大体歴史的に背景を見てみますと、ODAの第一期というのは大体一九五四年から六三年ぐらい、この時期にまあ戦後補償的な意味合いがあったということであります。そして、第二期に入ってまいりますと、これは六四年から七六年、これは経済協力の伸長期ということで、日本も随分経済的には活発になってきた。そして、第三期が一九七七年から八八年、これはもう計画的な拡大時期に入ってきております。そういったことで随分ODAが伸びてきた、随分予算も拡充してきた。そして、八八年から二〇〇〇年、まあミレニアム計画目標が設定されるまでの間、これは援助内容がかなり充実してきた時期であるということも言われております。そして、二〇〇〇年から現在までの間にこの援助の見直し時期にちょうど差しかかってきているんですね。その中でダウンをしてきたということ、これは日本経済の動向にも非常に密接に連動しております。  私なんかも、地元は四国の香川なんですが、帰りますと、山内さんいろいろ外国のこと一生懸命やられていますね、いや、我々は今生活が大変なんですよ、先ほど亀井先生からの話もありましたようにどうも国内では大変なんだけど何でODAを一生懸命やるんですかねという質問がよくあるんです。  私も以前に調査団で行きまして、そちらの参考人席でお答えしたことがあるんですが、日本は基本的に哲学が、私なりに県民の皆さんに話をしているのは、日本は武器を持たない国際協力なんですよということ、もうその一言で余り詳しくは説明しておりません。そうしますと、大体半分ぐらいは理解をしていただけるんですけれども、どうもまだまだ国内的にはそういうような意識が強うございますから、我々政治の責任としてしっかりとこのODAの重要性というものはもっともっと認識をしながらPRも努めなきゃいけないなと思っております。  それで、先ほど言いましたようにこのミレニアム開発目標、これターゲットが一から十八までありますね。その中で、私は特にポイントにしておりますのが貧困削減、これがいろいろプログラムの中に入っておりますけれども、二〇一五年を中心に目標設定されておりますけれども、その削減が一日当たり一ドルで生活する人たちが一九九〇年の約半分にしようということなんですけれども、今その具体的な展開はどのようになっておるか、ちょっとお聞かせいただけたらと思います。村田参考人に。

村田俊一国連開発計画(UNDP)駐日代表

○参考人(村田俊一君) 山内先生、ありがとうございます。  ミレニアム開発目標は、もう一度私、日本政府のリーダーシップによって一九九六年に原案として提出された非常に重要なドキュメントでございまして、その要は原案、アイデアが、滝澤さんがおっしゃいましたけれども、日本はやはりそういったところでのリーダーシップを取るべきだと。そのフォローアップがないままミレニアム開発目標なんという名前が付いてしまって、日本の要はリーダーシップがどうも消えていってしまったんではないか、だれがこれはじゃ原案を出したんだと私も調査したところ、これは日本なんですね。  その中でやはり貧困削減だとかそれからジェンダーの問題それからHIV、エイズの問題、この最後の八番目がこれパートナーシップということで、一国がまた一機関が解決するということはまず不可能、だから協力し合おうじゃないかというのがこれが第八番目に入るわけですね。それがG8の会議の中で、開発大臣会合の中でそのパートナーシップをいかに組むか、民間セクターもひっくるめてということで話し合われているわけです。  その中でやはり二〇一五年までに、一ドルと申されましたけれども、二ドルで生活しているのは大体二十三億人ぐらいいるんじゃないかということなんですね。今産業国に近くなってきているようなアジアの国々は、随分その状況が良くなってまいりました。アフリカも経済成長が大体四%から五%。  ただし、私たちが少し気を付けなければならないような状況というのは、優等生であったと言われるようなケニアがああいう状況なんですね。ミレニアム開発目標の中で、グローバルに見る視点と、大体サブサハラの国々が今一番遅れております。しかして、アフリカの国々でも成長が著しいと思われた国でもやはり政治状況の悪化によって要は貧困層が更に拡大する可能性があるということも言えるわけです。  よって、ガバナンスという意味では、貧困問題だとか汚職の問題だとか、それから一番最底辺にいるようなまたそしてHIV、エイズに苦しんでいる人をどういうふうに底上げしていくかというところにやはり私たちの努力と、そして日本のODAのこれからの言ってしまえば計画が必要になってくると思うんですよね。  やはりギャップは出てまいります。早く進む国そして貧困状況から脱却でき得る国、そしてグローバルにはリッチな国とそれからプアな国、持っている国、持たない国のギャップが経済的には先生これ広がっていっているんですよ。ただし、押し延べるとアベレージでは何となくうまく二〇一五年解決できるんじゃないかと言いますけれども、構造的に見るとやはりアフリカのサブサハラの国が一番遅れている。しかしてまた、国々によっては言わば利益の分配による問題が起きていますから、その国においてもあたかも経済成長は緩やかに成長しているように見える、しかし構造的には貧富の差があるんですよと、こういう状況でございます。

山内俊夫自由民主党

○山内俊夫君 ありがとうございました。  昨日も実は、総理官邸でアフリカ諸国の在京大使集めて懇親会がありました。私もそれに参加をいたした。各国大使ともいろいろ話をいたしておりますと、彼らが最近大体異口同音に言い出したことが、昔は供与だったんですね。ところが最近、我々は供与は要らない、我々はもう自立したい、どうも日本のASEANに対するODAの在り方を見てみるとASEANがどんどん伸びてきているじゃないか、我々は少し立ち遅れていると、そういう自覚も各国大使も言い始めました。そういったことで、サブサハラ四十八か国の中で、貧困のベースというのは我々も感じているんですよ、それはやはり乳幼児の死亡率が非常に高い、これを何とかしたい、それとエイズ、マラリア等も何とか駆逐していきたいんだ、それに対して我々もできるだけ自助努力をしていきたいというようなことを言っております。  そういった意味で、具体的にターゲット七、八、ここにエイズ、マラリアに対する撲滅目標ありますけれども、この現状どんなものなのか、ちょっとお知らせいただけますでしょうか。

村田俊一国連開発計画(UNDP)駐日代表

○参考人(村田俊一君) HIV、エイズのことに関しましては、やはりアフリカの状況というのは非常に深刻でございます。アジアにおいてやはり中国、インドは人口が非常に高いものですから、ただしアフリカの国々に比べまして政府の行政サービスというものが行き届いているところがございます。例えて言いますと、レソトなんというちっちゃな国がございますけれども、そこではHIV、エイズのことに関しては人口の四五%がもうHIV、エイズに感染しているか若しくはキャリアなんということを言われていまして、南アフリカが大体五百万人ぐらいのHIV、エイズの患者がいるんではないかというふうに言われております。  その中で二通りアプローチがあると思うんです。  一つはやはり延命薬。HIV、エイズはまだ完全に治りませんので、やはり延命薬。これは高うございます。UNで今考えられているのは、それでは彼らの生活状況それから価値観、こういったものに少しずつチャレンジしていこうじゃないか。例えて言えば字が読めなければHIV、エイズのことに関して予防措置ができないんですね。それから、HIV、エイズにかかってもいいではないかというそういう投げやりな価値観をチャレンジしていくというのは、これは人間の価値観を変えていくというのは並大抵のことではございません。ただし、これはあきらめずにコンスタントにやっていこうということです。  それから、HIV、エイズの場合には人間のやはり価値観を変えるということで、特にHIV、エイズのプログラムそれからWHOそれからUNDP、ユニセフ、UNHCRもひっくるめまして、これは全体的にやはりエイズの取組というのをやっているわけです。それはやっぱりツートラックで、一つはトリートメントと言われるWHOはやっぱり延命薬の開発、それからもう一つは社会的なやはり価値観を変えたり教育の分野に関して力を入れると、特に女性、子供たちに感染しないようにどうするかということを今話し合われています。  また、マラリアのことに関しましては、せんだってUNDPと住友化学とそれから読売新聞におけるジョイントのシンポジウムがございまして、日本の民間セクターの中でも国連機関と協力しましてマラリアの蚊帳を、オリセットという蚊帳なんですけれども、これが非常に風通しも良くて、そういった地道な、シンプルではありますけれどもそういったやはり援助が非常に役に立っていっている。各国におけるマラリアの対策においては、随分、今そういった蚊帳の状況に関しては、タンザニアの大使も、タンザニアでは今オリセットがそういうふうに活躍されていますので、随分減ってきたということは言われております。  具体的な統計資料のことに関しましては、後日、先生の方にお送りしたいと思いますので、特にマラリア、HIVエイズのことに関しましては、やはりアフリカがどうしてもターゲットになるんではないかというふうに思っております。  ありがとうございました。

山内俊夫自由民主党

○山内俊夫君 確かに今アフリカ諸国の平均年齢は非常に低いんですね。レソトの名前出ました。レソトも私国王とも話をしてきました。大体三十五歳が平均だということを聞いておりますし、またボツワナとか大体アフリカの南部がほとんど三十代というようなことでありますから、是非我々もそういったところに地道に協力をしていきたいなと思っております。  それで、時間が余りないので少し話を変えさせていただきますが、国連高等弁務官の方の滝澤さんに少しお聞きしたいんですが、我が国の拠出金というんですね、これを具体的にちょっと説明いただけますでしょうか。どういったものがあるのか。

滝澤三郎国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)駐日代表

○参考人(滝澤三郎君) 日本からUNHCRへの拠出金の一つの性格が、まず国連機関に対するお金を出す場合に一つは分担金という制度、これは言わば税金みたいなものなんですね。これは義務的に払わざるを得ないと。UNHCRの場合はその分担金にのっとらずに拠出金制度、つまりこれは寄附金ですね、そのお金を出す国の政策等によって自由に決められると。  そういう中でUNHCRは、先ほど申し上げたように日本政府からは多額の拠出金をいただいています。残念ながら日本のODAが全体減る中で、政府としては義務的な経費である分担金に、そのレベルを保つために拠出金のものを減らすという傾向がございました。その影響がまさにUNHCR又はユニセフ又はUNDPの拠出金に表れているわけですね。ですから、私先ほども申し上げたように、人道支援に対する政府の考えは冷たいというより、むしろ法律的な仕組みからある意味では理解できる面もあるんですね。  ただ、もちろん大きな問題はODAが減っているところですね。その中では分担金にしわ寄せが及ぶということは理解はできます。そうはいいましても、日本の財政事情が悪いから減っても当然だというわけには私たちとしてはまいりませんので、外務省ともいろんな方に相談しまして、一般拠出以外のいろんなプロジェクトベースのものをつくりまして、総額としては事実、去年は、二〇〇六年も増えております。これはいろんなことでイヤマークされたものですね。  例えば南スーダンにおける教員養成校を造るとか、そういった形になっております。これが一つ問題でして、人道支援の場合は、今要る、明日要るというようなものがあって、そこに使途が決められたものを、それが増えると非常にフレキシビリティーなくなるんですね。ですから、同時にやはりベースになる一般拠出は増やしていただく形で、UNHCRが命を救うためにいつでも出かけていくことができるようにしていただきたいと、そんなふうに考えております。

山内俊夫自由民主党

○山内俊夫君 私も少し難民高等弁務官の事務所の費用を見ていますと、我が国の拠出金、総収入が十二・六八億ドルなんですね、それでそのうち日本が約〇・九。まあ多いのか少ないのか、ちょっと私は判断しかねるんですけれども、全体に下がってきております。  先般、財務省ともいろいろ話をいたしまして、日本の外務省とも話したんですが、昔中国に随分円借款をいたしまして、それが今どんどん向こう景気がいいものですから返ってきているんですね。その返ってきているお金は新しいジャンルに使えないかという話しましたら、なかなか固いんですね。それは国庫に一度入れますからと言って、そういった資金はあるんですけれどもなかなか出さない。ここら辺りをもう少し考え方変えてもらわなきゃいけないかなということなんですね。日本は昔から大体借款中心でいきましたから、最貧国待遇のときに債務弁済を随分やりましたけれども、それ以外にやはり順調に返ってきている資金もあると。その辺りをもう少し掘り起こしていきたいなと考えておりますし、その中で滝澤さんに今後このODA削減の中で拠出金とか出資金、これについてどのような考え方で我々が動けばいいか、少し参考になる御意見ありましたらお聞かせいただけたらと思います。

滝澤三郎国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)駐日代表

○参考人(滝澤三郎君) これも難しい問題ですが、まず第一に、一番望ましい形は、ODAが全体が増える中で人道支援も開発支援も増えるという、これが一番望ましい形ですね。    〔委員長退席、理事谷川秀善君着席〕  もしそれができない場合は、私たちのポテンシャルの観点からやはり人道支援の割合をもう少し増やしていただけないかと。先ほどもお見せしたように日本の人道支援に対する割合が極端に低い、二%前後であると。これは対外的にはやや説明し難い面があるんですね。なぜ二十二か国の最下位であるかということですね。ですから、できるならばその割合を少し変えていただいて、人道支援額を増やしていただきたいと。  人道支援はある意味ではインパクトが見えるんですね。開発支援の場合なかなか長期の観察が必要ですけれども、人道支援の場合は命が救われる、物を食べられる、寝ることもできる、水もあるというか、非常にインパクトがありますね。そういう点ではいわゆるビジビリティーもあります。ですから、私たちとしては、是非人道支援に対する関心をもう少し増やしていただきたいと、そういうふうに希望するところでございます。

山内俊夫自由民主党

○山内俊夫君 大分時間がたってまいりましたので、最後の質問、これは私の今日の質問のポイントでありまして、お一人一、二分でまとめてアドバイスいただけたらと思います。  今度TICADⅣ、横浜で先ほど話が出ました五月の二十八日からあります。昨日も中田市長ともいろいろ話をしまして、十分なサポートをお願いしたいということをお願いしてまいりましたが、この大会に向けて、村田さん、滝澤さん、それぞれアドバイスをいただければ。    〔理事谷川秀善君退席、委員長着席〕  アフリカの元首が今のところ大体四十か国ぐらいがほぼ目鼻が付いております。最終的にタンザニアのキクウェテが来るかどうかとかいろいろ話が出ておりますけれども、ほぼ四十か国ぐらいになるかなと。これ多少中国に対して対抗心を持っているわけじゃないんですが、中国が先般北京で開かれたフォーラムが三十五か国ぐらい集まっておりますので、それに対抗するという意味じゃありませんけれども、是非成功させていきたいと、このように考えておりますので、是非アドバイスをいただきたいと思います。

村田俊一国連開発計画(UNDP)駐日代表

○参考人(村田俊一君) 山内先生、やはりTICADとG8を一くくりのパッケージというふうに考えていただきたいんです。  G8の要は議題の中にアフリカ開発というのが入ってまいります。ということは、TICADとG8をまずは政策的に切り離して考えないということがまず第一点でしょう。それがG8の開発大臣会合でも、途上国における援助というものまたアフリカのことがやはり議題に上りました。ということは、TICADで話し合われたものをG8でフォローアップするというふうな、要は連動したものを日本の国策として今から話し合われることがいいんじゃないかというふうに私は思いますけれども、そこがまず第一点です。  第二点は、私は中国と比べる必要はないと思います。中国のアフリカ会議は非常に閉鎖的なクローズミーティングというふうに聞いております、外にオープンされておりませんので。日本のミーティング、今度のTICADも、特にTICADは非常に透明性の高いオープンなミーティングでして、日本の透明性という、外交手段における透明性ってこういうものなんだというものをアピールするには大いにメディアを使っていただきたい。  日本人ほどアフリカのことを知らない国民もいないと言われるぐらいです。昨今、日本の読売新聞も、在京のアフリカの外交団から批判を受けております。どうも日本の新聞というのはアフリカのマイナス面ばっかり書いて、いいことは全く書いてくれない。そういう意味では、TICADというまたG8というのは、日本国民に対してやはり大いにキャンペーンをして、日本の外交それから国際的に日本というのはこういうふうに受け取られているんだというアドボカシーと申しましょうか、やはりメディアに訴える、国民の意識を高揚するいい機会ではないかというふうに思っております。  ありがとうございました。

滝澤三郎国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)駐日代表

○参考人(滝澤三郎君) 二点ございます。  一点は、このTICADの場を通してアフリカの人道問題に対する認識をシェアしていただきたいと思っております。  今回の一つの柱が人間の安全保障ですけれども、まさに人道危機は人間の安全保障を根底から覆すものであります。そういったことに対するアテンションがやや少ないというふうに私どもは考えております、感じております。これが一点でございますが。  もう一点は、TICAD、これで四回目、十五年目になりますけれども、やはりただ会議を開けばいいというものではございませんね。今までのTICADのインパクトをモニターして、アセスですね、この次のものにもっと目に見える形でターゲットをつくっていく、そういうことが必要じゃないかと思います。そういうことを通してTICADの具体的なインパクトが見えてくるだろうと思います。  そういう中で例えば人間の安全保障なり又は平和構築といったアジェンダを日本から積極的に打ち出していって、アジェンダセッティングの点ではもっとできるんじゃないかと、そんなふうに考えております。

山内俊夫自由民主党

○山内俊夫君 ありがとうございました。終わります。

浮島とも子公明党

○浮島とも子君 公明党の浮島とも子です。  本日は、村田参考人そして滝澤参考人におかれましては、本当にお忙しい中お越しくださいまして、また貴重な御意見を賜り、心から感謝申し上げます。ありがとうございます。  私の方から、まず両参考人に、アフリカにおける女性の地位向上に向けた現状と課題についてお伺いをさせていただきたいと思いますけれども、先ほどの話もちょっと出ておりました目標、UNDPでは人間開発報告書等で各国のミレニアムの開発目標に取組の数値化をして評価をされておりますけれども、二〇〇七年に取りまとめられた国連のミレニアム開発の進捗の図表というのを見せていただきましたけれども、それによりますと、就学率そして女性の賃金労働者の割合といった男女間格差を表す指標については、悪化はしておりませんけれども、現状のままでは二〇一五年には目標達成不可能とされておりました。  そこで、私は、この女性の地位の向上というのは貧困対策に不可欠であり、とても重要なものであると考えております。私もアフリカの方にODAで視察に行かせていただきましたけれども、伝統的に女性が水くみをされている、長距離にわたって長時間水くみをされて、一人で移動することがとても多くて難民キャンプの周辺で襲われたりするというお話もたくさん伺いました。  そこで、まず村田参考人には、アフリカにおける女性の地位向上に関する取組の現状と、また女性の地位向上のため我が国が対アフリカ援助政策において望む点がございましたら、お伺いをさせていただきたいと思います。  また、滝澤参考人には、難民キャンプ等での女性の安全確保の現状又は同様に女性の地位向上に向けた何か御要望などございましたら、お伺いをさせていただきたいと思います。

村田俊一国連開発計画(UNDP)駐日代表

○参考人(村田俊一君) ジェンダーのことに関してMDGSの中では非常に重要視されているところがございます。  UNDPの三つのやはり柱の中で、特にHDRと申しまして人間開発報告書というのは、これグローバルな意味で人間開発報告書を出版すると同時に、最近はナショナルHDR、国内で要は人間開発書を作っているんですね。例えて言えばニジェールであったりソマリアであったり、国内に特化した形で今人間開発報告書を作っております。要はナショナルHDRと言われる国内の人間開発報告書は、網羅されていることは、やはり今の行政サービスはこういうこういう地域には行き届いていないんですよという警鐘を鳴らす非常に政策的には重要なツールなんです。  そういうことを今UNDPでは世界各国やっておりまして、最近の動きとして、アラブ地域の地域人間開発報告書というのが非常にセンセーションを巻き起こしました。女性地位向上に関して非常にさる国を非難した勇気のあるドキュメントでございまして、そういう形でグローバルにも国それぞれにおいても政策的に警鐘を鳴らしていくということと、ジェンダーに特化したそういったプロジェクトをユニセフ、UNHCR、HIV、エイズのグループもひっくるめて、特に弱者をその貧困から要は救うためにどうするのかということを共同プロジェクトをやっております。  それでは、日本はその中でどういう立場にいるかと申しますと、UNDPではジェンダー関係のWID基金なんて、ウイメン・イン・ディベロップメントなんていいますけれども、WID基金というのをトラストファンドとして日本政府から拠出していただきまして、それに応じて、日本のジェンダー寄与ということに関して、やはりアフリカは特に日本のプロジェクトを通じて啓蒙活動なりそして共同プロジェクトを遂行する上でのシードマネーとして利用させていただいております。

滝澤三郎国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)駐日代表

○参考人(滝澤三郎君) 最初の御質問、難民キャンプ等での性的な暴力に対する施策ですが、この問題は二〇〇〇年ぐらいから非常に大きなアテンションを受けております。閉ざされたキャンプの中で性的暴力があっても相談することもない、それで周りからのけものにされて犠牲者が更につらい思いをするというようなことを目の前にしまして、UNHCRはいろんな形で女性を守る、女性の命を守る、女性の体を守るという政策を取っております。例えば、そのキャンプの中を明るくする、そういうところにソーラーパネルを使うんですね、そういったことを使って女性の安全を守るということをこの数年強化しております。  もう一つは、今の点は女性を守るという面ですけれども、もう一つは女性の持つ力を解放するということですね。ちなみに、この守るそれから力を付けるというのは人間の安全保障の二つの根本なんですけれども、女性の持つ力を解放するという点では最近UNHCRの本部主導で新しい動きがありまして、これはウイメン・リーディング・フォー・ライブリフッズですね。そういう形で、世界の経済界の指導的な立場に立っている女性たちが集まって、お金を出して女性たちのキャパシティービルディングをするために、女性たちをエンパワーするためにプロジェクトをやろうと、それを始めております。  ここにはまだ日本から実は一人も入っていないんですね。ですから、私たちとしては、日本のビジネスで活躍されている女性に是非このWLLのプログラムに入っていただいて日本の顔を見せてもらいたい、日本のアイデアを是非UNHCRのプログラムに入れていただきたいと、そんなふうに思っております。

浮島とも子公明党

○浮島とも子君 ありがとうございました。  次に、滝澤参考人の方にお伺いをさせていただきたいと思うんですけれども、人道支援と先ほど来からお話がございます難民援助に関して、海外の難民キャンプへの支援もとても重要であると考えておりますけれども、一方で難民の受入れも重要な課題として取り組んでいかなければならないと私も今すごく強く感じているところでございますが、滝澤参考人は難民の第三国定住について積極的に活動をされているということは承知しておりますけれども、その現状と課題をお話ししていただけたらと思います。

滝澤三郎国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)駐日代表

○参考人(滝澤三郎君) 難民の第三国定住を通した保護ですね、これはUNHCRがこの数年戦略的に進めているところです。これについては日本でも是非始めていただいて、難民がもっと日本に来て救われるということを呼びかけてまいりました。そういう中で、政府は昨年勉強会を立ち上げまして今粛々と勉強が進んでいるというふうに我々は理解しております。  これは、私どもの方からの提言としましては、大量に日本に難民を再定住という形で連れてくると難しいと。むしろ、数は少なくとも、来てから難民の皆さんが日本に来て救われてよかったと、そういう形で落ち着くような形を是非進めたいというふうに思っています。  そういう中で三つのパーティーがあると思うんですね。一つは中央政府が難民を再定住という形で積極的に受け入れるという政策。もう一つは地方自治体が、じゃ我が自治体でどうぞ住んでくださいと、そういうことが必要だと思うんですね。最後にそれをきめ細かなサポートするNGOが出てくると。この三者が出て、そこにUNHCRがいろいろな形でアドバイスするという形ができれば、日本での再定住による受入れはできると思います。また、そのときが来たと、そういうふうに考えております。

浮島とも子公明党

○浮島とも子君 ありがとうございました。  時間が来てまいりましたので、これで終わらせていただきたいと思います。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 社民党・護憲連合の近藤正道です。  私の質問は五分でありますので、端的にお尋ねをさせていただきたいと思います。  ODAの減少が今大きな問題になっております。私も大変今お二人の参考人の話を聞かさせていただいて更に危機感を強めておりますが、しかしあの骨太二〇〇六で二〇一一年までは毎年、前年比二ないし四%削減ということが規定されておりまして、これがあるとなかなかやっぱり大変だなという思いがしております。  私がお聞きしたいのは、こういう財政難のときに、真っ先にイの一番に最も強烈にODAがやり玉に上がる。この我が国の言わば体質の背景とか原因を皆さんは現場におられてどういうふうに見ておられるかということと、この体質を変えるためにやっぱり当面何が一番大事なことなのか、お二人に一言ずつお聞かせをいただきたいと、こういうふうに思います。

村田俊一国連開発計画(UNDP)駐日代表

○参考人(村田俊一君) 先生、これはODAとはちょっと離れたところから申し上げますけれども、日本のやはり教育制度に問題があると思います。日本人は、やはり人道援助でも、地震が起こったりそれから干ばつがあったりすると、日本の若者というのは街頭募金をやったりして、非常に私は国際問題には興味のあるジェネレーションだというふうに踏んでおります。  しかして、そのジェネレーションと先生方との関係において認識にずれがあるんではないかというふうに私は思う次第でございます。要は、財政的なもの、予算的なものと国民の意見というものに対するロジックのつながりが非常に浅薄であるんではないか。  もう一つは、現代社会という教科がございます。受験において公民が、私たちが毎日苦しんでいる問題を教えないというのはやはり教育制度に問題があるんじゃないかというところでもう少し議論させていただきたいんですけれども、やはりこれが受験の必須になると高校生も大学に行くまでに環境問題、国連の問題そして気候問題、難民の問題、全部書かれているんですよ。その存在をスキップしてほかの教科で受験をする方がほとんどなんですよ。こういう状況にメスを入れるというのが、これから長い意味で日本の国民を国際的な舞台まで高揚させるという、やはり着手するべき問題じゃないでしょうか。

滝澤三郎国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)駐日代表

○参考人(滝澤三郎君) 私は、今の若い人は国際的な問題には潜在的には非常に関心があると思います。国際機関に行って働きたい、UNHCRで働きたい人はどんどん増えています。課題は、そういう潜在的なポテンシャルを実現するためまず現場を見てもらう、それが必要だと思います。なかなか映画等でやっても分からないですね。現場に行って目の前で人が死んでいる、じゃ私は何ができるんだろうというそういう切迫感がないと、なかなか人道支援に対する関心またコミットメントは出てこないと思うんですね。  ですから、具体的なあれとしては、例えば難民キャンプへ行ってもらうとか、かつてキャンプ・サダコというのがあったんですけど、若い人に、大学生にキャンプに行って一月暮らしてもらうんですね。そういう形で頭でなくハートで理解する、そういうことを我々大人がやるという形で若い人たちの関心またコミットメントを強めていきたいと、そんなふうに考えております。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 終わります。

溝手顕正自由民主党

○委員長(溝手顕正君) 以上で参考人に対する質疑を終了いたします。  参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、長時間にわたり大変有益な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。当委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。  本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後三時散会

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