政府開発援助等に関する特別委員会 第3号
- 発言数
- 38 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 2008/04/02
会議録
○委員長(溝手顕正君) ただいまから政府開発援助等に関する特別委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日、牧山ひろえ君、広中和歌子君及び谷岡郁子君が委員を辞任され、その補欠として藤原良信君、内藤正光君及び大島九州男君が選任されました。 ─────────────
○委員長(溝手顕正君) 政府開発援助等に関する調査のうち、参議院政府開発援助調査に関する件を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 委員外議員仁比聡平君から、参議院政府開発援助調査についての意見交換のため本日の委員会への出席を求められております。これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(溝手顕正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日は、平成十九年度参議院政府開発援助調査派遣団参加議員の方々から各十分程度御意見を伺った後、一時間程度委員との意見交換を行いたいと存じます。 御意見を表明していただくのは、第二班のインド、ネパールについては富岡由紀夫君、第三班のトルコ、ヨルダンについては加藤敏幸君、第四班のカメルーン、エチオピア、南アフリカ、英国については大塚耕平君です。 なお、意見を表明される際は着席のままで結構です。 それでは、まず第二班の富岡由紀夫君からお願いをいたします。富岡由紀夫君。
○富岡由紀夫君 それでは、ODA調査第二班から御報告いたします。 ODA調査第二班は、去る二月四日から十三日までの十日間、インド及びネパールに派遣されました。 派遣議員は、長浜博行議員、石井みどり議員、弘友和夫議員そして私、団長を務めさせていただきました富岡由紀夫の四名でございます。 まず、インドとネパールという二か国ですが、インドは、御承知のように、著しい経済成長を遂げ、人口も十一億人を超える超大国であり、現在世界で最も注目されている国の一つであります。これに対しまして、ネパールは国民一人当たりGNIが二百五十ドル程度とアジアで最も低い国であり、両国の置かれている状況は非常に異なっております。 議員団は、両国において様々なODA案件を視察してまいりました。本日は時間も限られておりますので、それぞれの国において特に感じた点を中心に御報告いたします。詳細につきましては、後日作成されます報告書を御参照願いたいと思います。 まず、インドについてですが、実は私、三年前の二〇〇五年にも同じくODAの調査派遣団の一員としてインドを訪問いたしました。そのときは二〇〇四年に成立しました現政権の下で経済成長の第一歩を踏み出した時期だったわけでございますが、その後、二〇〇五年度から連続して九%を超える経済成長を遂げております。今回の訪問では、前回と比べましても、わずか三年の間でございますけれども、その著しい成長は肌身に感じるものとなっておりました。 また、今回の訪問では、インドが成長を遂げる中で日印関係にも変化が生じているということを感じました。意見交換をいたしましたインド財務省のバンサル国務大臣が、日本とインドは従来から親密な関係であったものの、それは文化的な面からの関係にとどまっておりましたが、近年においては経済的な関係も深まり、要人の往来も活発になったとおっしゃっていらっしゃったのが印象に残っております。インドに進出する日系企業の数もここ一、二年の間に飛躍的に増加しているとのことでもあり、日印関係が新たな段階に入っていることを強く感じました。 もっとも、日本におりますと、経済成長などインドのポジティブな面ばかりを耳にいたしますが、実際にインドを訪問してみますと、都市の交通インフラの脆弱性、成長から取り残された農村や都市部の貧困層の問題など、今後インドが成長を持続させていくための開発課題も見えてまいります。 まず、都市の交通インフラに関してですが、議員団が訪問したムンバイとデリーの二都市では経済成長に伴って自動車を持つことができる中間層が増加したことなどにより、いずれの都市においても交通渋滞が慢性化しておりました。今後も自動車の増加は続き、一段と厳しい状況になるものと予想されます。 こうした交通事情を実体験いたしますと、デリーにおいて円借款で整備が進められております地下鉄、デリーメトロや無償資金協力によって建設されましたニザムディン橋の意義は非常に大きいと理解できました。また、デリーメトロへのODAは、インドという国の首都における東京メトロのような後世まで残る事業への支援であり、今後の日印関係を考えた場合にも非常に大きな意味を持つものであると思います。 また、デリーメトロは、京都議定書の温室効果ガス削減目標を達成するためのクリーン開発メカニズム、CDMの適用を受けたということでも画期的であります。CDMによる排出権獲得をODAの目的とすることは本来の目的ではないのですが、ODA事業の実施に当たり環境に優しい我が国の技術力を活用することは行われてしかるべきであり、こうした点でもデリーメトロは象徴的な案件として評価できるのではないかと思います。 次に、インドにおける貧困、格差問題であります。今回訪問したネパールと比較してみますと、ネパールでは全体的に所得水準が高くないと感じられたのに対して、インドでは非常に裕福な層が存在する一方で教育や医療すら満足に受けることができない層が存在しておりまして、その格差は非常に大きなものと感じられました。 議員団は、草の根無償で供与されたストリートチルドレンのための巡回学校用スクールバスや無償資金協力で医療機材を供与したサー・ジェイ・ジェイ病院などを視察いたしました。これらは、貧困層を対象として教育や医療を提供する団体への支援、貧困層が直接裨益する案件であります。実際にストリートチルドレンの子供たちに会い、授業風景などを視察いたしましたが、恵まれない環境にあることを実感する一方で、我が国のODAによって教育を受ける機会が初めて与えられ、将来に希望を見出している子供たちの輝く目にも接することができました。草の根無償は、規模が小さく目立つ事業ではありませんが、細やかなところまで手が届くスキームであり、ODAの一方の大きな柱として今後も活用されることを期待しております。 なお、インド政府や州政府の要人との意見交換の中では、現在進行中のデリーとムンバイを結ぶ貨物輸送鉄道案件を始めとして、発電所など大型のインフラ案件への協力を期待する声が中心でありました。インドの成長を後押しするこうした事業への協力も大切ではありますが、政府間協議の中では、インド国内における貧困問題や格差の拡大も注視し、その対策を働きかけていくことが重要ではないかと思います。 特に、民主主義国家であるインドにおいて、人口十一億人の大部分が居住する農村の問題は、今後のインドが政治的な安定の下、持続的な成長を実現するためにも非常に重要であるということをインド滞在中繰り返し伺いました。同じ民主主義国家としてインドが今後も成長を持続できるよう、我が国としても、農村問題について注視し、可能な支援を探っていくことが重要になると思います。 その点、ヤムナ川流域諸都市下水道整備計画の一つであります下水処理施設を視察いたしましたが、そこでは単に下水を浄化するだけではなく、取り除いた汚泥を肥料に、また浄化した水をかんがいに利用するという構想で設置されており、このような試みは今後も継続される必要性を感じました。 次に、二か国目の訪問国でありますネパールについて御報告いたします。 ネパールにつきましては、無償資金協力によるトリブバン国際空港への管制機材の供与案件と、既存のODA案件ではありませんが、昨年十二月に大分で開催されました水サミットでも取り上げられ、またネパール政府より我が国に対して開発調査の要請がある氷河湖問題について御報告いたします。 まず、トリブバン国際空港ですが、ネパール唯一の国際空港である本空港では、一九九二年に二度の航空機墜落事故が発生しており、これを受けてネパール政府より我が国に支援の要請があり、これまでに約五十億円の無償資金協力によりレーダーシステムや無線通信システムの整備を行っております。 空港当局からは、本件に関する我が国の協力に対して感謝の意が示されましたが、その一方で、供与した機材の一部、具体的には無線通信システムでありますが、これに不具合が生じ、二〇〇四年の不具合発生以降、現在まで同システムを利用できない状況にあることが明らかになりました。 当該システムの不具合が回復されていない背景には、機材供与後にその日本メーカーが事業から撤退したため、スペアパーツの入手が困難になっているといった事情があるとのことです。現在、外務省及びJICAにおいて対応措置を講じているとのことでありますが、不具合の発生から既に四年が経過しようとしており、早急な対応が求められると考えております。 この問題は、我が国の信頼にもかかわる問題でありますので、今後も注視してまいりたいと思います。 次に、氷河湖問題に関する調査概要について御報告いたします。まず、御承知でない方もいらっしゃると思いますので、氷河湖について御説明いたします。 氷河というのは、文字どおり氷の河でございますけれども、その先端では、周りの土や岩を削って土砂を押し進めているわけでございます。その氷河が押し進めた土砂が先端にあるわけですけれども、現在地球の温暖化によりましてそのヒマラヤの氷河が融解して解けまして、その水が押し進めた土砂、土とか岩によってダムのように止められてしまって湖が形成されるというのが氷河湖問題でございます。この氷河湖自体は以前から存在していたわけでございましたが、温暖化により氷河の解けるスピードが上昇するのに伴って、近年、数、規模とも拡大しております。現在ネパール国内に二千を超える氷河湖が形成されておりまして、中には決壊のおそれがあるものも存在しております。実際に氷河湖が決壊して水があふれまして、水力発電所が破壊されるという災害も発生しております。 議員団は、ネパールにおいて、ヒマラヤ周辺の八か国から構成されている国際総合山岳開発センター、ICIMODという組織から概要説明を受けるとともに、航空機を利用し空中より氷河湖の状況を視察いたしました。予想以上に大きな氷河湖が形成されていることを確認して、対策が急がれていることを感じてまいりました。 この問題につきましては、現在ネパール政府より我が国に対して支援の要請があることでもあります。また、ICIMODからは、日本に対して氷河湖の状況をモニタリングするための衛星解析技術や砂防分野についての支援を期待する声がございました。 なお、氷河湖問題、ヒマラヤにおける氷河融解問題は、短期的には決壊による住民や経済インフラへの被害をもたらしますが、中長期的に見ますと、氷河という水源の枯渇による下流部のインドやバングラデシュにおける水不足問題をもたらすなど、地球温暖化問題の一つの象徴となる問題でもあります。 本年七月には洞爺湖サミットが開催され、地球温暖化問題が中心議題になると言われておりますが、我が国がサミットにおいて世界に向けたメッセージを発せられるよう、本委員会においても与野党を超えて何らかの貢献ができればと考えております。 この氷河湖問題を通じて地球温暖化問題に関する議論を深め、我が国としての貢献の在り方について本委員会として何らかのメッセージを発することができれば、ODA特別委員会が参議院の独自のものとして設置された意義、役割を果たすものになるのではないかと思っております。また、ODA調査派遣の成果を今後のODA政策に反映するという調査派遣の目的にもかなうと思いますので、今後の本委員会において氷河湖問題について参考人質疑などを行い、議論を深めることができるよう、この場をお借りいたしまして提案させていただきます。 さて、インド、ネパールにおける今回の調査は非常に充実したものであり、報告し尽くせない部分も多くありますが、時間もございますので、以上をもって第二班の報告をさせていただきます。 御清聴ありがとうございました。
○委員長(溝手顕正君) ありがとうございました。 次に、第三班の加藤敏幸君にお願いします。加藤敏幸君。
○加藤敏幸君 ODA調査第三班について御報告いたします。 第三班は、去る二月十二日から二十日までの九日間、トルコ及びヨルダンに派遣されました。派遣議員は、米長晴信議員、鶴保庸介議員、仁比聡平議員及び私、団長を務めさせていただきました加藤敏幸の四名でございます。 平成十六年度より行われている本院のODA調査において、中東を訪ねたのは十七年度のエジプト、タンザニア班以外に例がなく、今回が初めて中東に特化した派遣ということになります。当班は、この地域でエジプトに次ぐ供与実績があるトルコ及びヨルダンを訪ねることといたしました。 以下、調査を通じて気付いた点を申し上げます。 なお、報告書は今後取りまとめられるため、本日の報告で意見にわたる部分は団としての正式な集約でないことに御留意を願いたいと存じます。 まず、トルコについて御報告いたします。 トルコは、一人当たりGNIが比較的高い水準にあり、二〇〇六年には中進国入りしたことから、一般無償資金協力は行わず、円借款の対象分野も環境、防災等に限定されるなど発展段階を踏まえた対応が図られています。 派遣団は、イスタンブールにおいて、二つの大型円借款案件であるイスタンブール長大橋耐震強化計画、これは有名な第一、第二ボスポラス大橋などイスタンブールの重要な橋梁への耐震補強工事であります、及びボスポラス海峡横断地下鉄整備計画を視察しました。これらの事業は、日本の高い建設技術を活用した事業で、トルコ側からも大変期待されているものです。ただ、日本企業が協力していることはトルコの人々に知られてはいますが、日本のODAによることは余り知られていないのではないかという意見もあり、広報に更に工夫があればと感じられました。 トルコの有力大学であるイスタンブールのボアジチ大学においては、文化無償による日本語学習機材を使っている日本語クラスの学生の皆さんや同大学の有識者と意見交換を行いました。 我々は、トルコが順調に発展を続ければ将来的にODA卒業国に移行していくことを念頭に、長期的な二国間関係をいかに構築していくかという点に関心を抱いておりました。この点について有識者からは、インフラや経済面に限らずより草の根のレベルでの支援また文化面や人的な面での交流を拡大させる必要がある、また親日国であることを踏まえると機械的に援助を削減するのは適当ではないとの意見がありました。 アンカラでは、主にトルコ側の資金負担で造られた土日基金文化センターへの機材供与や草の根無償援助を行った知的障害者施設を視察しました。 このうち障害者施設では、日本のシニア海外ボランティアが職業訓練指導員として活躍されており、日本の顔が見える協力に貢献されていました。こうした草の根の協力が更に効果を発揮するよう、トルコの知的障害者施策全般に対する協力の在り方について検討が望まれると感じました。 カマン・カレホユック考古学博物館建設計画は、アンカラから約百キロ離れたカマン郡にあるカレホユック遺跡、これは五千年以上にわたる諸民族の生活の跡が堆積している遺跡です、に隣接する場所に出土品を展示する博物館を造るものです。日本の調査隊が二十年以上にわたり地元との協力関係を築きながら発掘調査を行っており、その地道な努力に感銘を受けました。一方、都市部から距離があることから、トルコ側に一層のPRや観光開発を通じて観光客を誘致する努力を促す必要があると感じました。 シニア海外ボランティアの皆さんとの意見交換では、トルコは中進国入りしたと言われるが、東南部などの地方では実感がないとの意見があり、また大使館からも地域間格差が重要な内政問題となっているとの説明がありました。国内の格差是正は一義的には当該国政府の課題でありますが、他方、トルコにおいては、この問題はイラク北部も含むクルド民族問題とも密接に関連していることを踏まえ、我が国としてどう対処していくのか更に論議を深める必要があると感じました。 ところで、シニア海外ボランティア制度は、国民参加型の国際協力の一環として重要な役割を果たしていますが、トルコについては本年中に中断せざるを得ないとのことでした。その理由は、トルコ側が外国人労働者関連の制度改正に伴いシニア海外ボランティアに対しても労働許可証取得を求めてきたことによるものです。この件については、ボランティアの皆さんだけでなく、視察先の障害者施設からも派遣の継続を望む声があり、早急な解決が図られる必要があると感じております。 次に、ヨルダンについて御報告いたします。 ヨルダンは中東和平プロセスやイラク復興支援に大きな貢献をしており、日本としても、同国の安定及び持続的成長が中東地域の平和と安定に重要であるとの観点から積極的な支援を行っております。 派遣団は、まず死海周辺において、南部女性の健康とエンパワーメントの統合プロジェクト及び死海展望台コンプレックス等を視察しました。 このうち前者は、ヨルダンの人口急増の抑制とリプロダクティブヘルスの確保の観点から、家族計画等に関する住民への啓発活動を行うのと併せて、女性に対しヤギの飼育や養蜂を行うための少額融資を施し、これによって女性が収入と発言力を得ることを通じて自発的な家族計画を行えるようにするものです。このプロジェクトは、イスラムの伝統を重視する保守的な南部の村落地域を対象とするものであり、ヨルダン政府関係者からは、欧米ではなく日本だからこそ可能な援助であるとの認識が示されました。 なお、派遣団からは、援助関係者に対し費用対効果にも十分留意しながら取り組むべきとの意見がありました。 アンマン及び近郊においては、キング・フセイン橋、第二次アンマン都市圏上水道施設改善計画、パレスチナ難民女性職業訓練センター及びヨルダン大学語学センターに対する語学機材供与を視察しました。 このうちキング・フセイン橋は、ヨルダン川をまたいでパレスチナ自治区とヨルダンを結ぶ橋であり、中東和平に向けた日本の協力の具体的成果として象徴的な案件であります。この橋にはいわゆるODAマークが付されてはおりますが、通行車両から十分見えるものでないことから、ヨルダン側担当官に橋への取付け道路に日本とヨルダンの国旗を掲げたサインボードを設置することを提案し、先方からも前向きな発言がありました。 上水道施設改善計画は、国民一人当たりの水の量が世界でも最も少なく、慢性的な水不足に悩むヨルダンへの貢献として現地で高い評価を受けている事業です。同施設は、毎年多くの学生、生徒が見学に訪れているとのことであり、そうした機会を通じて我が国の貢献が周知されることを期待したいと感じました。 ヨルダン大学においては、我が国の無償援助で提供したLL教室が大学関係者に高く評価され、有効に活用されていることを確認しました。 なお、同大学は日本語専攻設置に向け我が国に専門家の派遣を要請しており、これに対し国際交流基金等が対応を検討中とのことでした。この背景には、いち早く韓国語が独立した専攻として設置されたという状況があり、派遣団と大使館との間で意見が交わされました。これにはヨルダンへの韓国企業の進出等様々な事情があるようですが、ODAに加えて日本語教育専門家派遣事業なども連動させて、日本に対する認知度を高める必要があるのではないかと感じました。 両国を通じての感想ですが、特にヨルダンでは政府関係者より、米国などと異なり日本からの援助は政治的意図が感じられることがないため国民に受け入れられやすいとの発言がありました。その真意のほどは検証の必要があると思われますが、中東諸国と対決した歴史を持たず、また成功の模範とされる我が国がこの地域への援助に関し一定のアドバンテージを有していることは改めて認識されてよいと感じました。 今回の派遣で意識せざるを得なかったのは、顔が見える援助への一層の取組の必要性です。例えば、日本はヨルダンに対する援助実績では米国に次いで第二位ですが、それでも青年海外協力隊員の方々との意見交換では、地方では東洋人というだけで小石を投げられたり、からかわれたりするなどの残念な状況もあるという話を伺いました。また、中東において中国や韓国のプレゼンスが増大しているとの状況も感じられました。相手国の人々に日本のODAに対する認知度をより高めてもらい、友好関係を確固たるものにしていくための努力が一層求められると感じたところです。 ただ、顔の見える援助を具体的にどのようにとらえ展開していくかには様々な考え方があろうかと思います。今後、当委員会で論議が深められればと思っております。 最後になりますが、今回の調査に御協力いただいたトルコ及びヨルダン両国、各視察先の方々、内外の関係機関の各位に感謝を申し上げ、報告を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(溝手顕正君) ありがとうございました。 次に、第四班の大塚耕平君にお願いいたします。大塚耕平君。
○大塚耕平君 大塚耕平でございます。 第四班の御報告を申し上げます。お手元のレジュメに沿いまして御報告をさせていただきます。 第四班は、二月二日から十四日まで、カメルーン、エチオピア、南アフリカ並びにアフリカ援助の先進国である英国を訪問し、調査を行ってまいりました。 今年はアフリカ援助に関して特別な年であります。我が国は一九九三年にアフリカ開発会議、TICADを開始いたしましたが、そのTICADの第四回会議が来月、横浜で開催されます。会議にはアフリカ各国から首脳が来日する予定ですので、我が国としても今後のアフリカ援助に関する考え方を表明する必要があります。また、七月の洞爺湖サミットにおいてはアフリカ開発が重要議題の一つとなっております。 その直前の今回の派遣ですので、今後作成する報告書の内容が日本のアフリカ援助の方向性に関して政府に対する有意義な情報提供となるように努力したいと思います。 こうした状況下、具体的に以下の点に留意して調査を行いました。第一に我が国援助の現地での実情と問題点の把握、第二にドナー国が足並みをそろえる援助協調という国際的時流と我が国援助政策の在り方、第三に中国に代表される新興ドナー国の動向です。 視察、ヒアリングの詳細につきましてはお手元の資料を御参照ください。 初めに、今回の派遣を通じて感じましたODA全般についての派遣団の所見を申し述べます。 我が国は、二〇〇三年にODA大綱を改定しました。その中で国益との関係に言及していますが、そもそも援助の目的ないし理念について国内のコンセンサスが必ずしも十分ではない面があります。国民の税金が原資である以上、ODAの国家戦略上の位置付け、国民的コンセンサスを明確にすべきと考えます。ちなみに、英国は外交政策と援助政策の分離を明確に行い、そのことが英国に対する信頼向上の面で効果を上げていると説明しています。英国の真意、援助政策の本当の姿は分からない面もありますが、こうした諸外国の枠組みを参考にすることも必要と思います。 二〇〇一年以降、先進諸国はODAを増額していますが、我が国は逆に削減しています。一九七五年の国連総会決議で定められた、先進国はGDPの〇・七%をODAに振り向けるという目標達成にはほど遠い状況であります。ODAの国家戦略上の位置付け、目的、理念に関する国民的コンセンサスが明確になるのであれば、ODAの規模についても一考の余地があると考えます。 次に、アフリカ援助についての所見を五点申し述べさせていただきます。 第一は、我が国のアフリカ援助の基本方針についてです。なぜアフリカに援助を行うのか、何を目的としているのか、そうした基本的な考えを明確にする必要があります。 英国は、先ほども申し上げましたように、外交政策と援助政策を切り離し、一貫して援助は貧困削減のためであると明言しています。実際がどうであるかは別にして、対外的には首尾一貫して基本方針を明確にしています。一方、中国はビジネスの一環、資源確保の布石と割り切っております。また、中国はアフリカにおける大規模建築案件をタイドローンを活用して廉価で手掛け、建設作業員を本国から投入、竣工後も作業員を当該国にとどまらせ、チャイナタウンをアフリカ各国に根付かせるという展開を戦略的に採用しているようにも推察できます。最近急速にアフリカ援助をてこ入れしている米国は、表向きは貧困削減による民主化支援ということですが、資源覇権の強化をねらっていると言われています。 翻って、日本はTICADという国際会議を催しつつ、何をアフリカ援助の目的、目標としているのかが他のドナー国に比べると相対的に不明確な面があるのではないかと感じました。中国もTICADと同様の会議を日本以上の規模でスタートさせましたので、言わば、アフリカ援助は他国と競い合うのか、あるいは差別化して独自の道を歩むのかという基本的な立ち位置が問われている局面だという印象であります。その点が明確でないために、援助規模に比べてアフリカでの日本のプレゼンスが低いという現状につながっていると感じました。 基本方針を検討する上で、現地で感じた派遣団としての印象を申し上げます。 他のドナー国との差別化、日本のプレゼンス向上の観点からは、JICA、青年海外協力隊のような人的貢献、顔の見える貢献が有益です。一方、他のドナー国との競合、各国政府・当局との関係強化の面からは、援助の規模や内容の面で尽力する必要があります。また、日本の外務省筋からは国連における票田としてのアフリカ、五十三票を持つ地域としての重要性を指摘する声も聞かれます。どれか一つに目標、目的を絞り込む必要はありませんが、少なくとも日本のアフリカ援助関係者が我が国の基本方針について認識を共有することが必要だと思います。 援助の対象分野は、貧困対策、医療などの保健衛生、教育、産業・経済対策、社会資本整備の五つが大きな柱だと思いますが、日本の援助と聞けば、アフリカ各国のみならず世界各国が何を連想するのかという点が重要であります。その印象は、言わば日本の国際的なアイデンティティーであり、日本外交そのものと言えます。 対象国の絞り込みも重要なポイントと感じました。国によって多少は援助分野のニーズも異なるでしょう。しかし、相手のニーズに合わせるのか、日本のODAの特性に合致したニーズを表明した先を対象にするのか。つまり、受動的なODAを行うのか、能動的なODAを行うのか。今回視察で得たわずかな知見に基づけば、教育や保健衛生分野での顔の見える援助というものが日本の援助の特性に合致し、かつ援助規模の割に効率的にプレゼンスを高めるのではないかという印象を持ちました。 第二は、アフリカ援助をめぐる国際的な動向と我が国の対応です。 アフリカ諸国では、ドナー国が協力して援助を行う援助協調というスキームが広がりつつあります。積極的に主張しているのは欧州諸国であり、特に英国が目立ちます。貧困削減プロジェクトに日本も参加してはどうかと問われれば、拒否し難い面があり、援助協調は時流としては不可避の流れと言えます。 そうした中で、我が国自身が援助協調を積極的に推進し、他のドナー国を引き込むということを念頭に置くべきではないでしょうか。そのためにも、第一点で御報告しましたような基本方針を明確にし、その中で重点分野及び方向性を確立する必要があると感じました。また、それを被援助国及びドナー諸国に明確に示していくためにODAの担当組織を対外的に分かりやすく整備し、オールジャパンで取り組むことのできる組織的、人的配慮が必要だと思います。 援助協調が更に進化したスキームは一般財政支援、つまり被援助国の予算に直接資金援助をすることです。一般財政支援は、他国や被援助国の自前の資金との相乗効果によって実際の援助以上のインパクトを与えることも可能になるものの、その逆、すなわち日本の援助の埋没という事態もありますことから、対応の適否については十分な検討が必要だと感じました。 第三は、第一点でも触れましたが、人的貢献の重要性です。 訪問国においてJICAの専門家、青年海外協力隊、シニアボランティアの活動を視察し、人的貢献の重要性を改めて再認識しました。顔の見える援助として、またアフリカにおける過去の植民地支配と無縁である日本の人的貢献は現地で快く受け入れられています。 もっとも、人的貢献を拡大していくためには人材確保が必要です。そして、人材確保のためには、そうした方々の帰国後の処遇などを含めた言わばアフターケアの配慮も考えなくてはなりません。 また、シニアボランティア対応として、プロジェクト単位での人材募集というスキームの導入が有益だと思います。例えば、エチオピアでは大手自動車メーカーのある技術者が早期退職制度で退職の後、現地で技術指導を行っていました。同様の意欲をお持ちの方は少なくないと思われるものの、一人でアフリカに行くことはなかなか決断できないとの声も聞きます。したがって、例えば自動車整備の技術指導チームを編成し、一定規模のプロジェクトとして派遣するということならば是非参加したいというリタイア世代も多いのではないでしょうか。我が国で団塊世代が退職時期を迎えている中、プロジェクト単位での援助を検討するなど、人的貢献の拡大に向けた工夫が必要と考えます。 第四は、以上のような諸点を踏まえた上での今年のTICAD及びサミットへの対応です。 TICADでは、アフリカ援助についていかに日本の基本方針を示すか、各国との個別対応においていかに有益な合意と方向性を見出すか、そしてサミットにおいては援助協調の問題も含めいかに日本がリーダーシップを発揮し、アフリカ諸国から見た日本のプレゼンスを高めるかということが重要と考えます。 TICAD、サミットでは、単に数値目標を示すということではなく、ここで申し述べましたような基本方針を明確に打ち出すことがより重要と感じました。 第五に、アフリカ諸国が部族社会であるということに関連した留意点を申し上げます。 現地での懇談や視察の中で、アフリカ諸国が過去の植民地支配の影響によって国家としてのアイデンティティーがやや希薄であること、多くの部族によって社会が形成されているために国家としての制御機能がやや不十分であることなどを感じました。 そのため、その時々の援助が特定の集団や地域に集中する傾向があるのではないか、国民全体として諸外国の援助を有効活用して国全体を発展させたいという意識がやや希薄ではないかという心証を抱きました。アフリカの自立、発展のためには、そうした懸念に対応する教育や価値観形成が必要ではないかと感じた次第です。また、そのことは、AUによるNEPAD、すなわちアフリカ開発のための新パートナーシップ構想など、アフリカ諸国自らの自助努力の成否と表裏一体の問題と考えます。単なるドナー国依存からの脱却をサポートできるような援助でなければならないと思います。 以上、アフリカ援助について派遣団の所見を申し述べました。アフリカ援助をめぐる国際環境は激変しており、我が国もその動向を的確に把握し、誤りなき援助政策を推進していく必要があります。 最後に、派遣に当たり、参議院事務局、外務省、在外公館、JICAを始め多くの関係者にお世話になりましたことを感謝申し上げまして、御報告を終わらせていただきます。
○委員長(溝手顕正君) ありがとうございました。 以上で意見の聴取は終わりました。 これより意見交換に入ります。 発言を希望される方は、お手元の氏名標をお立てください。委員長から順次指名をいたします。 発言が終わりましたら、氏名標をお戻しください。 なお、本委員会の委員には派遣団に参加された方がおられますので、発言に対して回答をお求めになる場合には、意見表明者に対してだけではなく、派遣団に参加されたその他の委員に対してお求めいただいても結構です。 また、意見表明者だけでなく、派遣団に参加されたその他の委員がお答えいただいても結構です。 回答される場合は挙手をお願いします。 なお、発言はすべて起立してお願いをいたします。 それでは、発言を希望される方は氏名標をお立てください。 犬塚直史君。
○犬塚直史君 大塚理事に伺います。 オールジャパンで取り組む支援ということを今の御報告の中でおっしゃいました。例えば、自動車整備などプロジェクト単位で支援をしてはどうかという大変私は前向きな御提案だったと思います。そしてまた、今年行われるTICADに向けてどういう取組をするのか。英国が外交政策と援助政策の分離ということをスタンスとして言っている、日本もやはり基本的なスタンスを明確にするべきではないかという御指摘、まさにそのとおりだと思います。 そこで、一つ提案なんですけれども、既に前国会で当ODA委員会におきまして、援助大国から援助人材大国へという提言書を委員会としてまとめて、そしてこれをもう既に政府に対して提言をしております。内容的には、大変今のお三方の御提言に出てきたものと非常に一致する部分が多いと思います。 例えば、顔の見える支援でありますとか、あるいは、例えばシニアボランティアの労働許可の問題もありましたが、行かせるときにどういう環境整備を行っていくのか、行って帰ってきたときにどのようにして雇用の継続性や社会保障の継続性を図っていくのか、アフターケアをどうするのかといったこと、これはすべて人材にかかわることですので、せっかく委員会で前国会のときに作った提言ですので、是非TICADに向けて改めてこれを再提起するなり、あるいは更にバージョンアップさせたものを作ってはいかがかと思うんですけれども、理事の御意見を伺いたいと思います。
○大塚耕平君 ただいま犬塚委員より建設的な御質問、御提言をいただきました。 援助人材大国へという報告書、既に当委員会でまとまっているものでございますので、これも踏まえて、やはり私も、TICAD、サミットに向けて当委員会として、政府に対してその報告書の内容を盛り込んだ会議対応をするべきではないかということを当委員会として申し述べるのが適当と感じました。 また、援助人材大国へというその報告書の内容を具現化するために、そうした方向に向けた環境整備、つまりアフターケア等の環境整備も必要だという点についても御賛意をいただきましたが、まさしく環境整備なければ若い方々が帰国後の仕事の心配をしながら青年海外協力隊の一員として海外へ乗り込んでいくということもできませんので、是非そうした方向について当委員会として積極的に政府に働きかけていくべきだというふうに私も思います。 以上です。
○委員長(溝手顕正君) よろしいですか。 それでは、次に、まず旅行に行かなかった人に質問してもらおうと思います。田村耕太郎君。
○田村耕太郎君 大塚先生の話の中にありました受動的か能動的かという話で、僕も援助というのはこれから能動的であるべきだと思うんですね。 といいますのは、受動的な案件というのは、これは要請型とよく言われるんですけど、自分たちの国でこういう案件がやりたいということを持ち上げてくるわけですけど、多分こういう被援助国というのは、自分でそういう案件を開発、分析、調査そして立案する能力がやっぱり不十分だと思いますし、それともう一つは、開発独裁というか、有力議員や有力官僚がやっぱり自分の地元に利益誘導しようというような動機も強いところがあると思うんですよね。ですから、本当にその国に合った、その国の経済発展に資するような案件というのは、やはり援助する日本の方でしっかり調査分析して本当に合うものを考えていく、能動的、こっちからオファーするような形が望ましいと私は思うわけです。 ということで、まずお三人にお聞きしたいんですけど、日本が皆さんが見た案件を引き受けてやっているわけですけど、また完成させているわけですけど、どの段階から日本がかかわるかというところまでお聞きになったかお聞きになっていないか分からないんですけど、皆さんが見られて、日本が入っていくタイミング、私はできるだけ完全にオファー型の方が望ましいんじゃないかと思うんですが、アフリカ、トルコ、インドを見られて、本当にちゃんと日本が望ましいものをつくるべく立案段階からしっかり入っているかどうか、その点についてお三人の率直な感想をお聞きしたいというのと、僕は、新しい援助のタイプとして出てきたのが、インドでこの前発表になりましたけど、工業団地に投資型の案件をしていく、特別目的会社に日本が出資していって日本企業がインドで活動しやすくしていくというような案件をインドで始められたと。 これを見られたかどうか分からないんですけど、僕はこれはある意味アフリカにも使えるような形式になっていくと思うんですね。貧困削減かエネルギー資源の確保か、アフリカのところで大きな命題二つあるんですけど、その中間といいますかね、日本の企業がもっと活動しやすくなるような環境整備に投資していくというようなスタイルも考えられると思いますんで、もし富岡先生それを御存じでしたら感想をお聞きしたいですし、大塚先生には、二問目の方では、こういうスタイルがアフリカで日本独自の切り口として、日本独自の切り口が必要じゃないかというような問題提起をされていましたが、インドで始まったようなこういうスタイルですね、投資型の日本企業を誘致して活動を支援するような形の投資型の開発案件というのはアフリカで使えると思うんですが、現地を見られてきた大塚先生はどう思われるか。 まず一問目は三名にお聞きして、二問目は富岡理事と大塚理事に、もし感想があれば、御存じでしたらお答えいただければと思います。 以上です。
○富岡由紀夫君 田村先生の質問にお答えします。 受動的か能動的かという問題は、二〇〇五年にインドに行かれたとき田村先生も一緒の団で視察させていただきましたけれども、そのとき田村先生も御理解したと思うんですけれども、インドの場合は、どちらかというと向こうが全部ODA案件を要求してくるんですね。それ以外のものをこちらから提案しても、インドは要らないよということで、そういう提供国をまず選別したり、それとあといろんなプロジェクト自体も選別するということで非常に、援助を受けるんですけれども、立場的には比較的優位な立場に立って、嫌だったら受けないよというぐらい強気な態度を取っているというのは御存じだと思います。 そういった中で、どういったものを日本として提案して援助していくかというのは非常に難しい問題だというふうに思っております。その国、その地域によって、そこは対応をやっぱり変えていく必要があるのかなという感じします。すべて受動的に受けるんじゃなくて、ここは今言ったように、余り自分たちで効果的な利用ができないというのであれば日本から提案をさせていただいて、どうでしょうかという形で日本から提案型のODAをやっていくという必要性もあるかと思います。それは、国によって、地域によって対応は別々にやっていく必要があるのかなと私は思っております。 あと、二つ目の特定目的会社をつくって日本からの投資を誘致するという話は私は存じ上げないんですけれども、ただ、インドの場合は、やはり日本との今経済交流というか日本からの投資をたくさん促進しようという思いはありまして、その中でやはりインフラ整備というのが非常に大きな地位を占めているんじゃないかということをインドは理解しております。 今、交通渋滞が非常に、三年前行かれたときより更に激しくなっておりまして、都市のインフラなんかも非常に厳しい状況になっております。そういった意味で、デリーメトロみたいな地下鉄とか、自動車じゃない交通手段を整備する案件に日本が協力するとか、あと橋を造って交通渋滞を緩和するとか、そういったことは非常に有効な手段かなと、日本が投資する環境整備という観点からいっても非常に有効かなという感じがしております。 そういった意味で、提供する側とそれを受ける側がよく話合いをして、どういう形がお互いにメリットがあるのか、お互いに本当にニーズを満たせるのか、よく話し合ってやることが一番重要かなというふうに私は感じておりました。 以上です。
○加藤敏幸君 田村委員の御質問にお答えをいたします。 結論からいえば、富岡理事のお話にありましたように、オファー型とかいろいろ言われますけれども、混合型という状況も一番それが多いケースになってくるんだろうというふうに思います。議論を整理をしたり、そういうことの場合に、切ったような非常に先鋭な議論ということも大変必要だというふうに思いますけれども、現実は極端ではなく、それらのことを頭に入れて案件ごとにということになるケースが多いと思います。 私、二年前にベトナムの方にも行かせていただいたんですけれども、そのときに御報告を申し上げましたように、ベトナムは政府自身がベトナムにおける国家計画というんでしょうか経済発展計画というのを、日本の大変な学者のアドバイスに基づいてプランニングは非常にしっかりしたのを持っていると。それに基づいてやっぱりODAについての要請も出てくるという。 それから、トルコはこれはもう中進国入りをしていくという意味で、ある意味で卒業国になっていくということで、国としての相当な援助の体験、経験、ノウハウを持ったというそういうふうな国々に対する対応と、先ほど大塚理事の方から報告があったアフリカというまだ対象国の政府自身がどういうふうな国の形をつくっていくのか、最も効果的なODAを何をもらえばいいのかということについての考え方がまだ完全にでき上がっていない、そういうケースの場合における在り方論を含めて、やはり相手の状況によってそこの味付けが変わってくると、こんなふうな感想を持っているということであります。
○大塚耕平君 田村委員から二点御質問いただきましたが、まず一点目の受動的、能動的という点については、私も申し述べましたようにより能動的に今後進めていくべきだと思います。ただ、全部が提案型になりますと、今度は受入れ国側からすると言わばかなり押し付けられているような印象も受けるかもしれませんので、今、加藤委員おっしゃったように受動型、能動型混在した形で適度なバランスで行っていくのがいいと思います。 アフリカにおいて能動型のものがどれだけあったかというのは、つぶさに背景まで熟知をするまで至りませんでしたので必ずしも的確なお答えはできませんが、ただ、企画段階から積極的に関与をしているのであればこうはならないだろうなという事例は幾つかありました。 例えば、西アフリカ最大の物流拠点であるカメルーンのドゥアラ港というところにガントリークレーンの大規模な施設を日本のODAで導入したわけでありますが、当地の港湾局関係者に聞きますと、これはうまく機能していますかと聞きましたら、うまく機能していると言うんですが、コンテナは山積みになっていまして余りうまく運び出されていないような印象を受けましたので、このコンテナの維持管理はうまくいっていますかというふうに聞きましたら、ええ、それはオランダに任せているから大丈夫ですという、こういう回答でございまして。 やはり先ほどの自立をするということをサポートするという点も含めて、もし日本が最初から企画段階から参画をすれば、そういうその後の維持管理も含めたところまで配慮をした上で最終的なODAを決定する、そしてそのことが翻って日本の経済にも多少はプラスになるという全体像を描いた上でスタートをさせるべきだなということを感じた次第です。 そして、二点目のSPCの問題については、非常に日本にとっても活用し得るアイデアだと思います。 ただし、アフリカのケースで申し上げますと、SPCにもし資金を集めても、それではアフリカのどの企業にあるいはどういうプロジェクトに投資をしたらいいかということをだれが判断するんだという意味において、情報が足りないだろうという気はいたします。例えば、日本の在外公館はアフリカでは人数も拠点も縮小傾向にありますが、聞くところによると、中国はアフリカすべての国において百人単位の大使館をつくっているというような話もございました。 そうしますと、仮に資金だけ集めても、それをどのように活用したらいいか、よりリスクの少ない投資、そして援助国、被援助国側にとってもプラスになるような投資、これを判断するだけの情報をどうやって集めるかということが非常に大切だと思います。そのことができれば、SPCというスキームも十分活用に足ると思います。 その観点で申し上げれば、つまりかつて日本の商社マンが世界に言わば日本の先遣隊として各地で活躍をしておられたような状況をいかにもう一度つくり上げるか、こういう点が大事だと思います。アフリカの駐在商社マンの数も減っているというふうに聞いておりますし、たしかカメルーンではドゥアラという町に日本人の民間ビジネスマンは二人しかいなかったと。そして、私たちがアフリカで歩いておりますと、アジア人と見ると、通りがかりのアフリカの方はみんなニーハオと言ってくると。 こういう状況では、せっかくスキームをつくっても、それをローリスク・ハイリターンないしはミドルリターンで運用する情報に十分に接することができない点をどうやってカバーするかということが大切だというふうに認識しております。
○田村耕太郎君 ありがとうございました。 終わります。
○委員長(溝手顕正君) 藤末健三君。
○藤末健三君 私は、ネパールとあとイギリスについてお話をお聞きしたいと思います。 先ほど犬塚議員からもお話がございましたが、昨年ODA委員会から出しました提言書の中に、PDCA、プラン・ドゥー・チェック・アンド・アクションというフォローアップをきちんとやるべきだという話をしていたわけでございますけれど、特にこのネパールのトリブバン国際空港の供与機材の不具合というのは非常に大きな問題じゃないかと思います。四年間も不具合を放置しているという状況、そして提供しているメーカーも日本であればもう最低五年は部品を保管しなきゃいけないというルールがございますので、その部品もないという状況でございまして、その詳細を是非富岡団長から教えていただきたいということと、もう一つございますのは氷河湖の問題ということでございますけれど、具体的にどのような貢献が可能かということをちょっと簡単に教えていただければと思います。 そして、第四班につきましては、イギリスでOXFAMに会われているということをちょっと書いてございますけれど、私もイギリスのODAについては、実際にイギリスのODAの執行機関や、あとOXFAMとかも議論して、いろいろ勉強させていただいておりますが、是非大塚団長におかれましては、このOXFAMと議論した中で何か非常に印象に残ったものとか我々に対する示唆があれば教えていただきたいと思います。 以上、お願いいたします。
○富岡由紀夫君 藤末理事からの質問にお答えします。 日本のODAにはPDCAが必要だ、事後フォローが必要だというのはまさしくおっしゃるとおりでございまして、今回ODAのインド、ネパールを視察するに当たりまして、どこを見ようか、どの案件を見ようかということを事前に委員部の皆さんや外務省の皆さんと相談したわけですけれども、多分外務省にお願いすると大体成功案件しか見せてくれないんですね。ですけど、今回外務省の報告書の中でトリブバン空港は、ほとんどみんなA評価なんですけれども、ABCのA評価なんですけれども、A評価じゃないB評価、C評価がある案件だったんですね。ですから、そのトリブバン空港というのは是非見させていただきたいということで視察の案件に入れていただいたわけでございます。 見させていただいた上で、ちょっと事前に皆さんに御認識いただきたいんですけれども、だからODAは駄目だというんじゃなくて、こういう駄目な案件というのは当然あるんだと思うんですね。一〇〇%すべての案件が成功するというのは、まさしくそっちの方が逆におかしなわけでございまして、失敗した案件もあると。そういったものを見させていただいて、そこは原因がどこにあったのか、今後どうしたらそういった失敗が減らせられるか、それが今後のODAにつなげていく上で非常に意義があることだというふうに思っておりまして、私はこの案件については、ちゃんと具体的にその失敗原因を明確にして今後のODAに反映させていきたいなというふうに思っている意味で見たわけでございます。 今お話ありましたように、事後フォローというところが非常に重要なんですけれども、今回、普通ODA派遣視察へ行くと皆さんから感謝されるんですけれども、一定の感謝はされましたけれども、ただ、公式の場でスライドの中で若しくは書面の中であからさまにこの案件についてクレームを言われたというのはここが初めてなんですね。 具体的に日本のメーカーも名指しで公式文書の中で出ていますので申し上げますと、東芝が情報通信機器の提供メーカーなんですが、そのメーカーに対して非常にクレームを言っておりました。何度注文しても納品に少なくとも九か月とか十二か月ぐらい掛かっちゃう、普通の注文してもそのぐらい掛かると。そして、いついつまでに機械を直してくれということで約束したんだけれども、その期日を守らないと。具体的には去年の十二月までに直すはずだったのが、私どもが行った二月の時点でまだ何の連絡もないといったことを公式な場で文句を言われました。ですから、我々は、その問題については至急対応しますと、よく調べて対応しますということで持ち帰ってきたんですね。 それで、外務省の方にもその話をさせていただいて、至急これは対応しないと信頼関係をなくしてしまう、せっかく五十億も無償資金で日本がODA供与をしたのにかかわらず日本に対して不信感を持ってしまう、日本の信頼を損なってしまうということで、やったことがかえってマイナスになってしまうということは非常にこれはもったいない話だと私は思っておりますので、両国の信頼関係においても非常に問題があると思っていますので、早く対応しないといけないということで持ち帰ってきて、外務省についてその詳細を調べてくれということでお話をさせていただいたんですね。 二月の二十七日にそういう話を一度させてもらって三月十日に回答が来たんですけれども、そのとき非常に内容が不十分だったものですから、よく再度調査してくれ、さっき言った事後のアフターメンテナンスの期間とかその後の再契約の契約の状況とか調べてくれということでお話ししたんですけれども、いまだにまだ回答が来ていないんですね。これは外務省にちょっと非常に強く要求をさせていただきたいんですけれども。 我々が見に行って、行ったにもかかわらず、そこで彼らは勇気を振り絞って文句言ったわけですね。それに対して我々は、ちゃんと承りましたよということで、調べますよといって帰ってきたのに、その後の回答がまた遅くなってしまうと二重の信頼を損なうことになってしまうんで、至急詳細を全部調べて、どこが原因だったのか、今後どうしたらいいのかということを回答しようと私は思っているんですけれども、そういうことを外務省にも再三申し上げているんですけれども、いつまでたっても回答来ない。これでは非常に、何というんですかODAを外務省バックアップしてもっとやろうやろうという立場でいるにもかかわらず、それができづらくなってしまうということで、私は非常に残念な思いでおります。 したがって、これは外務省さんにこの場で改めて申し上げますけれども、是非その辺の詳細を明確に全部調べてもらって、質問したことだけしか調べるんじゃなくて、もう全部最初から出してください、一体どこが原因なのか、今後のODAにそれを生かしましょうという観点でやっていきたいというふうに思いますので、その辺は是非お願いしたいと思います。 二つ目の氷河湖の問題でございますけれども、具体的に今要請があるのは、まず調査をしてくれ、どれだけ危険な氷河湖、決壊する可能性がある氷河湖があるのかということが一番大きな先方からの要望でございました。それこそ大きなものから小さなものまでたくさんあるんで、あと危険なものからまだ余り危険性の低いものあるんで、そういったものをまず衛星技術とかそういった日本の測量技術とかそういったものを使って調べてくれというのが一番大きな要望でございました。 そういったまず危険度を調査した上で、日本はいろんな土木技術、砂防技術、そういったダムの技術とか高い技術を持っておりますので、そういったものを私は日本のODAとして生かせるんじゃないかなというふうに思っております。 ダムが決壊して洪水であふれるだけじゃなくて、最終的には、水が今度なくなってくると、下のバングラデシュとかそういったところは、洪水で水があふれて困るだけじゃなくて、非常に何というんですか肥沃な土も運んできてくれるわけですね、洪水があると。そこでまた次の年、そこで作物を植えていろんな農産物ができるということ、それがなくなってしまってきているということが非常に大きな二次被害的な問題だと思っております。 いずれにいたしましても、これは地球温暖化が一番の原因でございますので、その温暖化の一番象徴的な案件の一つだと私は思っておりますので、こういった意味で、今度洞爺湖サミットで環境問題をやりますので、日本は積極的にこの問題に関与してリーダーシップを発揮できるようにできたらいいのかなというふうに思っております。 以上でございます。
○大塚耕平君 イギリスについて御質問いただきましたが、皆様お手元の資料編の十二ページに私どもの第四班の日程がございますが、二月の十二日に、OXFAMというイギリス最大の言わば海外援助をしている窓口のNGOを訪れました。そして、その下に外務省と書いてあります。翌日の十三日は、午前中に国際開発省、略称DFIDというそうでありますが、この三つに参ったわけでございますが。 そのOXFAMと外務省とそして外交政策とは切り離した援助だけをやっている国際開発省、そして今回はお会いできなかったんですが援助にかかわる民間事業者、この中の人材の交流が非常に弾力的に行われているということが、大変少ない面談の機会でございましたので、その中で得られた参考情報だと思います。といいますのは、外務省をお訪ねして開発関係の担当局次長とお話をしていましたら、たしか午前中にOXFAM行ってきましたと言いましたら、この間まで私はOXFAMにいましたというようなお話だったんですね。したがって、恐らくイギリスという国は、援助関係者の官民そしてNGOの間の人材の流動性が高いんだろうなということを感じました。 せっかくいただいた御質問なので一つ付随して私の意見と情報を申し上げますと、たしかノルウェーとかオランダだったと思いますけれども、例えばノルウェーにおいて、日本について詳しい人はどういう人がいるかというのが、日本でいうところの外務省というか政府にデータベースがあるというふうに伺っております。日本について詳しいこの方は今どこの企業のどういうところにいて、あるいは政府のここにもいてというそういうデータベースの中から、じゃ日本に対して何かアクションを起こすときにどういう人たちにサポートしてもらってそれをやるのが一番いいのかという、まさしく人材の有効活用をやっているということを聞いたことがあるんですが、援助においても同じことが言えまして、恐らく日本がそれを、どういうふうに人材の有効活用をやるかというのが最大のポイントだと思います。 そのことは、先ほど田村委員から御質問をいただいた、SPCを使って資金は集めたけれども、じゃどこにそれを投資したらいいんだという判断をするときにも、多分外務省から上がってくる情報だけ、あるいはある特定のルートだけから上がってくる情報だけではベストの判断ができないだろうと思いますので、人材の有効活用という点が大変印象に残った点でございます。
○藤末健三君 ありがとうございます。
○委員長(溝手顕正君) 長谷川大紋君。
○長谷川大紋君 自由民主党の長谷川です。 ODA海外派遣団の二班、三班、四班の団員の皆様方、大変御苦労さまでございました。皆様方の御報告に基づきまして質問をさせていただきます。 私も昨年十二月、派遣団員として第一班、藤末団長の下でベトナム社会主義共和国を訪れました。五日間にわたりましてカントー橋橋げた崩落事故現場などを視察いたしまして、ODA関連の調査を行ってまいりました。現地での素直な感想を申し上げますと、ベトナム政府は日本のODAに対しまして大変感謝をしておりました。また、現地の人々の勤勉でひたむきな姿を拝見し、大変好感を持って帰国したわけであります。 また、その折、初めて青年海外協力隊員の方々と直接お会いをいたしまして、懇談を通じながらその苦労の一端を知ることができたわけであります。私がお会いしましたのは、ベトナムにおきまして日本語の教育と柔道普及活動あるいは中小企業育成のノウハウなどの分野で様々であったわけであります。そして、それを現地において貢献し、生き生きとしておる姿も拝見してきたわけであります。 先ほどもお話がありましたが、ODAは技術的支援はさることでありますが、顔の見える援助により、現地で活躍する青年協力隊員の皆さんの認識を高めていく必要を強く感じたのであります。同時に、隊員の皆さんが活動を終了し帰国した後、その貴重な体験をこの日本国内で十分に発揮できるような環境を整えていく必要があるのでないかと強く感じた次第であります。 各班の皆様方も、それぞれの派遣先で青年協力隊あるいはシニアボランティアの方々とお会いしたというお話があったわけでございます。皆様方の御感想を含めてお話を伺わせていただきたいと思います。 以上であります。よろしくお願いいたします。
○富岡由紀夫君 今、長谷川委員からお話ありました点は非常に隊員の皆さんからも関心が強くて、将来の大きな問題だということで共通の認識を皆さん持って行かれたというのは私も非常に感じました、強く感じました。 我々のODA委員会でも、去年の提言の中で、海外で行かれていた人たちが戻ってきた後のその後の仕事はどうするんだ、その後の生活はどうするんだという、これは非常に大きな問題だということで提言の中でもまとめさせていただきましたけれども、これはもう本当に早急に対処しないといけない課題だと私も思っております。 具体的には何をしたらいいかと、今はまだそんなないんですけれども、せっかく海外でそういう活動をされた経験は非常に重要ですから、貴重ですから、そういったものが生かせるような国際機関とかそういった援助機関とか国内でもそういったものがありますから、そういったところに優先的に職に就けるような対応とか、そういったものを考えていかないといけないのかなと思っております。 また、あと民間企業においても、そういった経験というのはいろんな企業の中で発想していく中で私は非常に有効だというふうに思っております。広いグローバルな視野を持っていろんな物事を判断できるというのは、一般の企業の中でも私は生かせるんじゃないかなというふうに思っておりますので、そういった民間企業の採用の人事の方もそういった観点をある程度評価していただいて採用していただくようなことも、我々としては働きかけていく必要があるのかなというふうに思っております。 いずれにいたしましても、この委員会の中でこの問題は大きなテーマだと思いますので、また議論させていただきたいなというふうに思っております。よろしくお願いします。
○加藤敏幸君 他の団員の方にも御質問をしていただければとは思いますけれども、今の質問に関して端的に私なりの経験を申し上げますと、私は電機産業の産業別の労働組合並びにその傘下の労働組合の活動をやっておったんですけれども、二十数年前に産業別労働組合としての協約改定交渉の統一要求項目に青年海外協力隊の休職という項目を取り上げたことがあるんです。 当時は参加したい皆さん方は会社を退職してそれで協力隊に参加をするということで、なかなかそこが非常に難しいところがあったんですけれども、二年間とか休職ということを協約上確立をして、帰ってきたときには元の職場なり、その企業の当然再開ということが、言ってみると私どもの立場でできることとしては一番直接的なことであったというふうに思いますので、あらゆるケースにということについては言葉は及びませんけれども、できることからいえばそういうことではないかと、こういうふうに思います。
○大塚耕平君 今、長谷川委員からの御意見は、恐らく海外協力隊の方が帰ってきてからどのように更にその分野を御経験を生かして活躍するかということだと思うんですが、やはりそのためには、今、加藤さんがおっしゃったように、派遣するときからの制度設計も含めた全体像が用意されれば恐らく長谷川委員がおっしゃったような姿に近づくのではないかなと私も思います。 といいますのは、例えば、たしかエチオピアで青年海外協力隊の皆さんと私たちも懇談会やりましたら、帰ってから職が決まっていた方は一人だけです。それはどういう方かというと、西東京市から派遣をされていた公務員の方なんですね。保健師としていらっしゃっていたわけで、戻ったらまた市役所に戻りますと。 そういう方は安心して来ることができるんですが、やはりODAのために何か人材協力として諸外国に行く、あるいは青年海外協力隊の一員として行くという場合には、ちょうど育児休業制度のようなそういうような制度がもし日本のこのビジネス環境の中に用意されていれば、それを使って実際に海外で一年、二年経験をしてまた職場に戻ると。そして、職場に戻れば、当然その職場の中でその国との関係において生かせることはあるでしょうし。 それに加えて、先ほど私が申し上げましたような、じゃエチオピアと多少関係のある日本国民というのはどのぐらい、どこにいるんだというデータベースがあれば、これはいざというときに、じゃその方にもう一回協力していただこうとかあるいは御意見を伺いたいというような、そういうまさしくオールジャパンとしてのその国における経験のある方々の知見を活用できるようになりますので、やはり派遣する段階の制度整備と、そして戻ってからの情報や経験が散逸しないような政府としての対応と、この二つが重要なポイントではないかなと思っております。
○長谷川大紋君 ありがとうございました。
○委員長(溝手顕正君) 石井みどりさん。
○石井みどり君 済みません。第二班で調査団で行った人間なんですが、むしろ質問というより御提言という形で申し上げようと思っておりました。 今まさに大塚団長で行かれた、きれいにまとめていただいたんですが、多分、二班、三班、四班、同じようなことを感じられたんじゃないかと思うんですが、そして先週の本委員会でも私は外務省に対してこの件で御質問をさせていただきましたが、まさに人材のところに関してですが、本当に日本ではキャリアパスというところが確立していない。国際援助活動におけるキャリアパスをいかに生かしていくか。 先週の委員会でも私は質問させていただいたことで、インドのムンバイで出会った外部委嘱員の方、非常に国際経験豊かで、そしてNGOの一員として既にアフリカに行かれていたその経験を生かして今後もこういう分野で働きたいということであったんですが、なかなかそういう情熱もあるし経験もあるしノウハウもお持ちの方々のそういう人材を十分現在生かし切れてない。ですから、先週は外務省の方で、例えば草の根・人間の安全保障、草の根無償の資金協力辺りで外部委嘱員を採用されるときは是非こういうことを考慮していただきたいということをお願いしたんですが、今御質問とか御意見を伺っていてもそのことはどの班もお感じになっておられますので、是非本委員会として、昨年報告書でも出ておりますが、そういうせっかくの日本で育てた人たちを生かすようなことを本委員会が提言をしていただきたい、更に提言をしていただきたい、これは民間企業を含めてそういうことをお考えいただきたいというふうに思いました。 それと、これは私はインド、ネパールで感じたことで、多分ほかの二班の方も同じではないかと思うんですけれども、例えば保健、医療に関してですけれども、もちろん人材が行く、海外青年協力隊の実にやる気があって本当に熱心な方々が行かれているんですが、現地での苦労は、それは医療職としてその苦労は本当にもうすさまじいなという思いがいたしました。 ですから、国の実情それぞれ違いますけれども、やはり人材の育成とかそういうところに関して、例えば特にTICADⅣ辺りでも今回支援のところが出ておりますので、その国の例えば社会インフラ、保健・医療インフラあるいは交通インフラ、その国の政策をきちんと立案するところの人材をまず養成することが私は重要ではないか。もちろん現地で日本の経験だとかノウハウを提供することも大事なんですが、余りにも格差があるんですね。もうその現実のすさまじさ、非常にそこを感じましたので、そういう形での貢献の方が私は効果があるんではないかと思いました。 それと一点、これは質問とかなんとかじゃないんですけど、先ほど藤末委員の方からの質問に対して第二班の団長の、富岡先生が団長で行かれたので少し御説明がありましたが、カトマンズのトリブバン国際空港における案件ですが、少し私は団長と違う意見を持っておりますので、公平な立場でやはり聞いていただきたい、御報告をさせていただきたいと思います。 確かに第一フェーズでの一九九四年、九五年の供与したものが、機器が大変トラブルがあったと。そして、第二フェーズの一九九九年度のところでそれは修理するとかそういうところがあったわけですが、ただ、それが二〇〇四年にトラブルを起こした。これを提供した東芝はもうこの分野から撤退をした。私も帰って調べましたけれども、民間企業では、まあ五年は一応あったわけですね。この管制機器等こういうところに関して言えば、先進国では絶えず最新のものを使うので、修理をしたりして古い機種を使うことは余りないので、リニューアルのスピードが非常に速い。このタイムラグというか、非常にそこのところが、私どもが感じるよりも、向こうの方々の方が古いものを補修して修理して使われるので、そこのところの訴えがやはり先進国の人間が受け止めるのよりも非常に大きく訴えられたんだというふうに私は受け止めました。 そして、ODA案件として決して失敗ではありません。私はそう思いました。おおむね成功でありましたが、一部やはり今後の検討課題として残った。やはり本来であれば、こういう先進機器ですから、なかなかこういう機器を補修したりする人材がいないのかも分かりませんが、今後はそういうところも含めての援助であるべきだというふうに思いましたので、そこのところが失敗というところを非常に強調されたので、私としては少し異論があるということを付け加えて申し上げたいと存じました。 以上でございます。
○委員長(溝手顕正君) 亀井亜紀子さん。
○亀井亜紀子君 亀井亜紀子でございます。 アフリカにいらした大塚委員にお伺いをしたいと思います。 このスケジュールを見ていて、中国ODA案件について視察をされた、それから十日目、在南アフリカ中国大使との意見交換とございますけれども、中国とどのような意見交換をされたのか、私は興味がございます。 先日JICAの人と話をしたんですけれども、アフリカが変わってきたと言われておりました。つまり、八〇年代からアフリカの飢餓だ貧困だと言われていろんな国が援助をしながら二十年間何も変わらなかったと。ところが、中国が資源外交を始めたので一部の国が非常に豊かになってきていると言われました。 ですから、旧ソビエト諸国の例えばカザフスタンですとかそういうところが今経済成長をしていますけれども、同じようにアフリカも恐らくアフリカ一帯として飢餓、貧困だというふうにはもう見られないときが来ると思うんですね。資源のある国とない国と確実に分かれてくるでしょうし、中国は相当戦略的にそれは援助を始めていると思いますけれども、中国の政府の方と意見交換されたと日程にございますので、どのようなお話であったかをまず伺いたいと思います。 それから、アフリカに対してだけじゃないですが、やはりODAを出すときに大きなポリシーというのが、地域別でも構いませんが、必要だと思うんですね。私の周りには随分協力隊だった人間もおりますし、話を聞いております。 アフリカに関して言うならば、持続可能な成長という言葉はありますけれども、持続可能な援助が必要なんじゃないかと思うんですね。つまり、日本が引き揚げてしまったら、例えば交換のパーツがないですとか現地に負担を掛けてしまう援助、お金が掛かる援助というのは無駄だと思うんです。 ですから、日本で例えば海外青年協力隊で何の専門技術もない人が行くときに、大体村落復興員というポジションで行くはずです。何をやるかというと、例えばアフリカで蚊帳を普及したり、というのはマラリアの予防に、蚊に刺されないようにするには蚊帳が役に立つので蚊帳を提供して使い方を教えて回ります。また、有機農法などもあります。有機農法でも、肥料を使うのであれば肥料にはお金が掛かりますけれども、ミミズ農法か何かであればミミズをまけばいいわけですから持続可能な農法になりますし、そういった現実的な方法を教えてあげないといけないと思うんですけれども、何か農業分野の視察ですとかそういう情報が現地でありましたでしょうか。それも教えていただきたいと思います。
○大塚耕平君 今日は一緒に派遣団に参加していただきました内藤委員も西田委員もいらっしゃいますので、もしお時間があれば、委員長からお許しいただければ、今のような問題については両委員からも御感想を聞いていただければ幸いでございますが、まず一点目の中国大使が何を言っていたか。 まさしく何を言うかが聞きたくて我々も会いに行ったわけでございます。外務省の方にお願いをして、そもそも面談を受け入れてくれるかどうかと思いましたが、快く受け入れていただきまして、外務省の皆さんにもお手数を掛けた次第でございます。 正確に印象に残ったフレーズを申し上げますと、まるでアメリカのビジネスマンのような立派な背広を着て流暢な英語を話す中国大使はこのように言っておりました。私たち中国が南アフリカに援助をするいわれはない、なぜならば一人当たりGDPは中国より南アフリカの方が高い、本当かどうか知りません、したがって我々はアフリカへの経済進出はビジネスだと思っていると、こういうふうにはっきり言っておりました。 それは、先ほど所見の中でも申し上げましたように、中国のアフリカ援助というのは非常にパターン化されているようでありまして、我々が得ました限られた情報に基づくとそのように思えたんですが、つまり大規模な建築案件を非常に安く入札で落として、したがって必ずしも援助だけじゃないんですね、そしてそのプロジェクトを完遂するために建設作業員も中国本土から連れてくると、しかも片道切符が多いというふうに聞きました。そして、その労働によって得た所得を元に現地で残ってチャイナタウンができていくと、こういう言わば国家としてのビジネスモデルをやっているなということを感じました。 同時に、当然資源を獲得することを念頭に置いた援助というのもやっているように思いますが、ただ、一言だけ感想を申し上げますと、私は中国はそれは国家としてある意味当然の本能でそういう行動をしているんだろうなと思いますので、行き過ぎた点は隣国でありますから、中国に対しても意見を言っていかなくてはいけないと思いますが、逆に日本も見習うべき点があるのではないかなということも若干感じた次第でございました。 そして、農業支援でございますが、おっしゃるように農業をどういうふうに発展させるかがアフリカの持続可能な成長のためにも、そして亀井さんおっしゃるように持続可能な援助のためにも重要な点でありまして、エチオピアではつまり市場性のある作物をどうやって作るかということについて熱心な日本の支援が行われておりましたので、こういうことはしっかりやっていくべきだと思います。そのことによって、例えば牛の品種改良なんかもやっていたんですけれども、今まで飼っていた牛よりも倍の値段で売れるような牛が育てられるようになったとか、あるいは市場性のある農産物を作れるようになったという非常に感謝の言葉も聞きましたので、そういう援助は続けていくべきだなというふうに感じました。 以上です。
○富岡由紀夫君 今持続可能な援助ということでお話ありましたんで、ちょっとさっきのトリブバン空港について若干補足させていただきますと、新しい機械にしないといけないというのはそれは確かにおっしゃるとおりなんですけれども、日本の事情なのかもしれませんけれども、ただ、先方は機械をメンテナンスしてほしい、いつまでに納品してほしいということで日本はこれ約束しているんですよね。それを約束を破ったということは、日本の信頼失墜につながってしまっているんじゃないかなと私は思っております。 それで、一回導入したら、その後は新しい機械になるからもう事後フォローができないよというんであれば、最初のときからそういう案件は私は導入すべきじゃないんじゃないかなと思っております。当初から最後までちゃんと事後フォローができるようなものなのかどうか、先方が新しい機械に十年たったら取り替えられるかどうか、その資金力まで含めて判断した上で、もうそれっきりでいいんだというんだったらそれをやったらいいですけれども、そうじゃなくて先方は資金がなくてその機械をずっと丁寧に使い続けたいんだと、そういうニーズであるんであれば、それにちゃんと対応したような日本は事後フォローができるようなものがない限り、私は援助すべきじゃないというふうに感じております。 やったら一回きりじゃなくて、その後ちゃんとフォローができるのかできないのか、先方のニーズに合ったフォローができるかできないか、そこまで考えた上で無償資金供与でも何でもODA供与しないと、そこは私はやっぱり信頼失墜につながってしまうんじゃないかなというふうに思っております。 今回、言ったように、日本のいろんな新しい、そういった古い生産をしないという、いろんな日本のメーカーの事情もあるかもしれませんけれども、その辺の事実関係を私知らされてまだおりませんので、是非そこをまず実際よく教えてほしいと思います。そのいろんな何というんですか契約がどういうふうになっているのか、事後フォローの契約がどうなっているのか、約束はどういう約束をしたのか、そういったところをまず明確にした上でこの事実関係を明確にしていくべきだと、今後のODA案件の施策に反映できるようにしていきたいなというふうに思っております。 以上です。
○委員長(溝手顕正君) 予定の時間が参りましたので、これをもちまして意見交換を終了いたします。 限られた時間でありましたが、派遣団に参加された方々から貴重な御意見をいただくとともに、本委員会として大変有意義な意見交換を行っていただいて、ありがとうございました。 委員長として申し上げますが、今日、様々な貴重な御提言につきましては、更に深掘りの必要な、あるいはそういう判断もしていかなくてはいけないと思います。これは各会派の理事を通じてまた後刻協議をさせていただきたいと思います。 今日の調査はこの程度でとどめたいと考えます。 ─────────────
○委員長(溝手顕正君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 政府開発援助等に関する調査のため、今期国会中に必要に応じ参考人の出席を求め、その意見を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(溝手顕正君) 御異議ないと認めます。 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(溝手顕正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時三十五分散会