政府開発援助等に関する特別委員会 第2号
- 発言数
- 82 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2008/03/28
会議録
○委員長(溝手顕正君) ただいまから政府開発援助等に関する特別委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。 委嘱審査のため、本日の委員会に政府参考人として、理事会協議のとおり、外務大臣官房審議官秋元義孝君外九名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(溝手顕正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(溝手顕正君) 去る二十六日、予算委員会から、本日、午前半日間、平成二十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、政府開発援助関係経費について審査の委嘱がありました。 この際、本件を議題といたします。 政府開発援助関係経費について高村外務大臣から説明を聴取いたします。高村外務大臣。
○国務大臣(高村正彦君) 平成二十年度政府開発援助に係る予算案について概要説明をいたします。 平成二十年度一般会計予算政府案においては、政府全体の開発援助に係る予算として、対前年度比四・〇%減の七千一億七千三百万円を計上しております。 ODAを活用し、途上国の安定と発展のために協力していくことは我が国自身にとっても有益であり、我が国の外交政策において重要な課題であります。北海道洞爺湖サミット、TICADⅣにおいて主要な課題となる環境・気候変動、感染症を含む国際保健などの地球規模課題の解決に向け指導力を発揮するためODAを一層活用してまいります。また、人間の安全保障の視点も踏まえ、ミレニアム開発目標の達成に向け積極的に援助を実施します。このような取組を通じ、ODA事業量の百億ドルの積み増しなどの対外公約を着実に実施していきます。 本年十月には、技術協力、有償資金協力、無償資金協力を一元的に実施する新JICA、国際協力機構が発足します。これを契機にODA全体を効率的に実施し、効果を最大にしていくための更なる努力を行います。関係省庁、経済界、NGOと連携しつつ、オールジャパンの国際協力を効果的に進めてまいります。 今回お諮りしている予算案は、このような基本的な考え方に立つものであります。 まず、無償資金協力については、北海道洞爺湖サミット、TICADⅣ開催を念頭に置き、環境・気候変動問題やアフリカ開発への取組を始めとして、ミレニアム開発目標への貢献、人間の安全保障の推進、平和構築、防災、災害復興への対応等の観点から所要の予算を計上しております。 技術協力については、外務省所管の事業や文部科学省所管の留学生交流等の事業を始め、十三の府省庁が予算を計上しております。これらの事業の実施に当たっては、関係府省庁の間での情報共有と連携を通じ、一層の効率化を図っていくこととしております。 特に、JICAが実施する事業については、業務運営の効率化や既存事業の見直し等の合理化を図りながら、アフリカ支援や気候変動等の地球環境問題への取組等の強化に必要な予算を計上しております。 円借款については、引き続き、百億ドルの積み増し等の対外公約を着実に実施するためにも、積極的に活用することとしております。そのため、所要の財政融資資金等を計上しているほか、一般会計においても国際協力銀行に対する出資金及び交付金を計上しております。 国際機関への分担金、拠出金については、我が国外交政策上の重点事項等を踏まえ、地球規模の諸課題等への対応に国際機関を有効に活用するとの観点から所要の予算を計上しております。 さらに、これらに加えて、より効果的かつ効率的なODAの実施のため、NGOとの連携の強化や現地実施体制の強化等の予算を計上しております。 以上が平成二十年度政府開発援助に係る予算案の概要であります。 よろしく御審議のほど、お願い申し上げます。
○委員長(溝手顕正君) 以上で説明の聴取は終わりました。 それでは、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○藤末健三君 民主党・新緑風会・国民新・日本の藤末でございます。 本日は、ODAにつきまして御質問申し上げます。 まず始めに、高村大臣が先ほどの概要説明におかれまして、洞爺湖サミット、TICADに向けて気候変動及び感染症を含む国際保健などの地球規模の解決に向けて話を進められるという言葉をいただきました。私は、大臣にお願いしたいのは、水という問題を是非ともこのサミット、TICADに向けて話を進めていただきたいということでございます。 なぜかと申しますと、今水の問題につきましては二つ大きな観点がございまして、一つは飲料水の問題。飲料水については、全世界の約十億人以上の人たちがきちんとした飲料水を入手できない状況にあるという話。そしてもう一つは、衛生施設の話がございます。これは、排泄物などをきちんと処理できるかということでございまして、こちらの方は約二十億人以上の方々が衛生施設を利用できないというデータがございます。このような結果、年間約二百万人ほどの子供たちが衛生問題で命を失っているということでございまして、水の問題は非常に重要な問題ではないかと考えます。 実際、昨年、私、五月にアジアのWEF、世界経済フォーラムに参加させていただいたんですが、そのときのやっぱり課題がもうほとんど水でございました。地球温暖化よりも水の方が重いぐらいだったんです。実際に、今年行われましたダボス会議の議事録などを読まさせていただきますと、地球温暖化の問題とともにやはり水の問題。温暖化が起こり、そして気候が変動した場合、ますます水がなくなる、水をどう処理するかという問題が非常に脚光を浴びてございます。 私がこの水の問題について調べてみますと、過去の国際会議におきましては、二〇〇三年のエビアン・サミットにおいてG8の水に関する行動計画というものが策定され、そしてまた二〇〇七年十二月には我が国において第一回アジア・太平洋水サミットというものが開催されまして、我が国が非常にこの水の問題に取り組んでいただいているという状況でございます。また、本年は国際衛生年ということもございますので、是非ともこの水の問題を我が国がプレーアップする非常にいいタイミングではないかと考えております。 実際に、私、昨年、カンボジア、ベトナム、伺わさせていただき、二年前にアフリカを伺いました。やはりそこで印象的だったのは、エジプトにおいては日本が浄水施設、下水を処理して水を作るという施設を造っていたんですが、やはり現地の方が日本の下水処理施設から出る水は飲めるというところまでおっしゃっていただいていました。また、カンボジアでは井戸などを掘っておりまして、非常にカンボジアの方々の生活、ほとんどの方が雨水で、水をためて生活しておられますので、井戸が非常に有効に使われているところを実際に拝見させていただきましたし、またベトナムにおきましても、ホーチミンなどではもう浄化槽を造って、日本の技術を移転しているという状況でございます。 実際に、ODAの中で水の貢献を調べますと、非常に多くの貢献をしていただいておりますし、また我が国の水の浄化技術は世界でもトップクラスでございます。小型、小さく省エネでかつ質が高いという技術を持っていますので、是非とも我が国の技術をベースに、今回のTICADやサミットにおいて水という観点を是非打ち出していただきたいと思いますが、大臣、いかがでございましょうか。お願いいたします。
○国務大臣(高村正彦君) 委員がおっしゃるように水は生命の根幹であります。開発途上国における安全な飲料水及び衛生施設へのアクセスの確保ということは、生命、健康の維持に不可欠なものであります。ミレニアム開発目標にも設定されている非常に重要な支援分野であるわけであります。 我が国は従来から飲料水供給を中心に水分野において質の高い援助を積極的に行ってまいりました。一九九〇年代から継続的に世界のトップドナーであります。飲料水、衛生においては、二〇〇二年から二〇〇六年までの五年間で約七千億円に上る協力を実施してきているわけであります。今後とも、我が国の有する経験、知見、技術を活用しながら、国際機関や他のドナー等と連携し、ミレニアム開発目標達成及び世界が水、衛生の分野で抱える問題を解決するために貢献していきたいと考えております。
○藤末健三君 是非TICADとかあと洞爺湖サミットでこの水というものを我が国から打ち出していただきたいと思いますが、その点についていかがでございましょうか。お願いいたします。
○国務大臣(高村正彦君) 北海道洞爺湖サミットにおきましては、環境・気候変動問題、開発・アフリカ問題等が主要な議題として取り上げられる予定でありますが、御指摘の水の問題は、環境・気候変動問題、開発・アフリカ問題、双方ともかかわる重要な問題であると認識をしているわけであります。一月のダボス会議における福田総理の演説におきましては、開発の視点から水問題への取組の重要性に言及したわけであります。二月末に私も政策演説を行って、貴重な水の有効利用のためにということでこの問題に対するグローバルな対応を呼びかけたわけであります。 G8プロセスは他のG8諸国との協議を経て進めていくものであり、最終的にどのような論点が首脳レベルで取り上げられるかについては予断はできませんけれども、我が国としましては水問題の重要性にかんがみまして、委員が御指摘の飲料水の問題を含めて積極的に取り組んでいきたいと考えております。
○藤末健三君 是非お願いしたいと思います。 前の世界銀行の副総裁が言った言葉が非常に印象的でございまして、その方は、二十世紀は石油をめぐる紛争の時代、二十世紀は石油をめぐる紛争の時代だったが、二十一世紀は水をめぐる紛争の時代となるだろうということでございますので、是非とも我が国の水技術を普及していただくということは非常に国際貢献になると思います。汚い水をきれいにしてまた飲めるようにする、農作物に使えるようにするということは国際貢献としては大きいものだと思います。 続きまして、ちょっと少し現場的な話でございますが、日本の大学生を海外に派遣するということについてお話をさせていただきたいと思います。 私、国会に送り込んでいただいてからODAに非常に関心を持ちまして、自分でも一生懸命ODAのプロジェクトを見させていただいています。その際に、青年海外協力隊の方ともほぼお会いしているわけでございますが、やはり青年海外協力隊の方のお話をお聞きして感じますのは、行っていただく前に三か月ぐらいの研修がある、そして約最低二年行かれる、そうするとやっぱり帰ってきて就職するのが大変だという話とか非常にお聞きしています。 そこで私が思いましたのは、学生を派遣することはできないかなという話でございまして、実際に私の知り合いの学生の話を聞きますと、先月アフリカに行ってきたらしいんですが、アフリカに行ってきて、大学が学生をそういうODAのプロジェクトに国連経由とかで送り込んでいる例があると。それが非常にいいんじゃないかという話を聞いておりまして、私は海外青年協力隊のジュニア版、現役の大学生が海外に行って学べるようなものを、現地でボランティアができるようなものをつくってはどうかと思うんですが、その点、高村大臣いかがでございましょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 青年海外協力隊でありますが、二十歳から三十九歳までの有為な若者を対象としておりまして、今でも大学生も応募することができるわけであります。協力分野については、農林水産だとか保健衛生だとか教育分野、スポーツ等約百九十五種、多岐にわたっていまして、現実的にも大学生でも参加が可能な分野があると思っております。 さらに、大学の中には青年海外協力隊に参加することによって単位が取得できるという制度を設けております。学生の青年海外協力隊参加を促す措置を講じているわけでありまして、青年海外協力隊事業を実施しているJICAはこうした制度の普及に努めている、大学でも大いにそういうことをやってもらいたいと、こういうことをしているわけであります。 それから、外務省といたしましても、そうしたJICA側の努力を支援するために今後の青年海外協力隊の広報を行うに当たっては大学生に対しても青年海外協力隊事業のすばらしさをアピールしていきたいと、こう考えております。 委員も是非アピールを、PRをよろしくお願いしたいと思います。
○藤末健三君 青年海外協力隊の制度は本当に存じ上げていて学生も行けることも伺っているんですが、ポイントは何かと申しますと、学生が三か月研修をして二年間行っちゃいますと留年しなきゃいけないんですよ。もう時間ないんで文部科学省の方にはお聞きしませんけれど、単位を提供するといっても留年はします、必ずこれはというのが今の制度だと思います、私は。数も少ないです。 私もしお願いできればと思っていますのは、実はその学生さんの話を聞きまして自分で調べてみました。実際にどういう制度があるかと申しますと、関西学院大学という大学がございまして、これは大体半年ぐらい海外にボランティアに行った場合に三十万の奨学金を出すと、大学としてという制度でございます。そして単位もあげると。これは国連の機関と協力しながらやっているようなんですよ。それで学生を送り込み半年間海外でボランティアをしてくださいと、そして経験を積んでくださいという話があります。 同様に、海外でボランティアをするという制度を持っている大学を調べますと、非常に多うございます、これは。その中でも特に大学が補助金、奨学金などを出しているところを調べますと、私が調べただけでも六つあります。例えば立教大学とか中央大学、名古屋商科大学、岩手大学、津田塾と先ほどの関西学院大学という形で、こちらの大学は授業として半年間若しくは一年、学生を送り込むと。そのときの補助金、大体奨学金が三十万から五十万なんですよ。というので行ってもらっているという状況でございまして、私は大臣に是非検討していただきたいのは、海外青年協力隊はやはり重いんですね、正直申し上げて、学生が使うには。実際に悪いかもしれませんけれども。 三十万から五十万で学生が行けますよという制度があって、一万人送り込んでも単純計算すれば三十億ですよ、はっきり申し上げて、三十万だとすれば。という制度をちょっと是非検討していただけないかということでございまして、高村大臣とあと文部科学省からお越しいただいています副大臣にちょっと見解をお聞かせいただきたいと思います。学生が半年や一年間、大学の授業として行ける制度をつくっていただきたいのと、今大学自身が奨学金をつくってやっているんですよ、自分たちで。それはやはり政府が助けてもいいんじゃないかというのが私の発想でございますので、ちょっとお願いいたします。 やれるというのはお答えいただけないと思うんで、検討するぐらいはお答えいただくと私はうれしいんですが、お願いいたします。
○副大臣(池坊保子君) 関西学院大学の事例は私も聞いております。大変いい事業だというふうに考えております。 文部科学省では、日本人学生の海外派遣支援制度というのは幾つかの制度がございます。これは長期、短期にわたって支援をするようにいたしておりますし、また海外の大学等に日本人学生を派遣する私立大学に対しては私学助成というのを行っております。 ただ、今委員がおっしゃいましたようにこれがODAの事業になるかどうかということは、また外務省とも連携を取らなければいけないと思いますが、二国間協議の中には無償協力、円借款そして人づくり、物づくりという技術の協力ございますね。私ども文部科学省は、海外青年協力隊に教員を派遣しております。これは本当に現地で教育のやり方を教えることがあって、現地の学生たち、先生にもまた子供たちにも大変喜ばれております。ところが、学生が、もちろん学生が行きましたら、現地の学生たちは異文化の理解だとか刺激を受けて活性化が図られるとは思いますが、専門性を有しているわけではありませんので、直接人づくりにはまだ役に立つだけのものを持っていないのではないかと思いますので、その辺のことはよく検討しながら、新しい道を切り開くことができるならそのようにしたいと思っております。一週間ぐらい行っただけじゃ決してこれはODA、向こうの協力にはならないと思いますので、長期にするとかいろんな方法を模索してまいりたいと思っております。
○藤末健三君 もう池坊副大臣から前向きなお言葉をいただきまして、非常にうれしく思います。 私は、この学生を送り込む効果というのは、途上国の方々に対する協力だけじゃないと思うんですよ。より大きいのは何かというと、学生が海外に行っていただき国際性を身に付けていただくということがまず一つ大きいと思います。それともう一つ大きいのは、やはり私が思っているのはODAのPRになると思うんですよね。若い方々がODAを体験し、そして帰ってきていろんなところでしゃべってくれる。私の周りにも学生が国際ボランティアで行くと一生懸命帰ってきてしゃべるんですよ。カンボジアも実は若い人と一緒に行ってきました、見に。 彼らはすごく現場で得たものが多く、そして帰ってきてからもいろんなところでしゃべってくれるというやっぱり効果がありますので、文部科学省には是非とも今ある制度を、正直申し上げて余り大きくないと思っていますので、もっと広げていただくように宣伝していただくということが必要じゃないかと思いますので、やっていただきたいと思いますし、あともう一度高村大臣に、このような制度を文部科学省と一緒に検討するということについてどうお考えかという御答弁いただけないでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 委員がおっしゃるのは、大学の授業として海外に学生が出て行くと。これは、基本的には文部科学省と大学自体の考え方なんだろうと思います。ただ、そういうことをすることについて私として反対するということは全くありません、全くありません。
○藤末健三君 まさしく教育にすごく重きはあるとは思うんですが、文部科学省だけでは多分できないと思うんですよ、正直申し上げて。ですから、例えば海外に、関西学院大学の場合は国連の機関と連携しながら海外に行ってプロジェクトを調整しているという状況ですし、またほかの大学の状況を見てもやっぱりJICAさんのサポートをいただいているんですよ、現地の。やっぱりそれをいただかなければ大学も安心して人を送り出すことはできないと思いますので、是非とも外務省として前向きにサポートしていく、協力していくというひとつお言葉をいただければ有り難いと思います。
○国務大臣(高村正彦君) 文部科学省そしてその大学がそういうことをやりたいということであれば、外務省は積極的に協力をしていきたいと、こう思っております。
○藤末健三君 池坊副大臣にちょっとお話しさせていただきたいんですが、やはり私も教育のウエートがこれは非常に高いと思っております。今の自分の知っている学生さんでも大学に入ったけれども大学が面白くないという方もおられますので、そういう方々がやはり海外を経験して、海外の方々と触れ合いそしてボランティアとして貢献するということは、日本にとっての教育力をアップする意味で重要じゃないかと思っています。 ですから、先ほどおっしゃっていただいた制度の拡充とともにもう一つ重要なことは、やはり単位がきちんと出せなきゃいけないと思っておりますので、海外でボランティア活動をした学生がきちんと単位を取れる枠組みがあるということをここで御説明いただければと思うんですが、いかがでございましょうか。お願いします。
○副大臣(池坊保子君) 国際協力活動なども含むボランティア活動を取り入れた授業科目を開設し、それを履修した学生に対して単位を与えるということは、各大学の判断により現行制度でも可能となっております。 平成十七年度においては二百七十五大学がボランティア活動の実践を取り入れた授業科目を開設しておりまして、そのうち八十二大学が国際交流、協力に関する活動を取り入れた授業科目を開設しております。ですから、海外でしっかりと学びましたときには日本の単位にもちゃんと戻ってくるようになっておりますので、各大学との連携の中でそのようなことは今可能で幾つもの例がございます。例えば帯広の畜産大学とか広島大学とか大阪大学、そういう大学はそのようなことをいたしておりますので、これからも更に単位の交換ということは盛んになっていくと思います。 委員がおっしゃるように日本の学生にとっては非常にいいことだと思いますが、それが向こうの現地の人たちにとってもプラスであるような方向を考えていかなければ二国間の支援にはならないと思いますので、その辺は考えていく必要があるかと思います。
○藤末健三君 是非池坊副大臣も本当にお願いですから議論を深めていただければと思います。 やはり若い方々が行って、私はこれは教育ということだけではなく、途上国に対する日本人の顔が見える支援という意味では非常に大きいと思います。若い日本人が現地に行き、そして現地で、例えば幾つかの大学の事例を見ていますけれど、現地で大学に入ってそこの方々にコンピューターの使い方を教えていただいたり日本語を教えていただいたりしているのが、かつ学生の方のレポートも読ませていただいたんですけど、相当大きな経験そして大きな友情を結ばれていますので、私は外交政策上も非常に重要じゃないかと思います。 外務省の政策の中に国際的に活動できる人間を育てるという国際キャリアパスのプランがありますけれど、私はその一環にもなると思いますし、もう一つ大きなことは何かと申しますと、私はODAを増やしたいという人間でございます。実際にいろんな方にこのODAの重要さを訴えるんですが、多くの有権者の方々はまず国内やってくれよと一言おっしゃるんですよ。やはりこのODAがどれだけ納税者の方々、有権者の方々に役立っているかということに対する私はPRがまだ薄いと思います。実際にODA予算落ちているではないですか。やはりまだ理解を得られていないんじゃないかと。 そういう中で若い方々を一人当たり極端な話言うと三十万ぐらいで送り込めるわけでございますので、やはり若い方々が途上国に行っていただき経験を積んでいただいて、それをまた日本に戻って、こういうことができるんだ、こういう人たちがいるんだ、途上国にということを広めていただくことは外交政策上も非常に重要だと私は思いますので、是非とも外務省の方々と文部省の方々が連携してこの制度を議論していただきたいと思うんですけど、大臣、一言またお願いしてよろしいでしょうか。高村大臣お願いします。
○国務大臣(高村正彦君) 委員のおっしゃることは基本的に大変結構なことだと、こう思っております。
○藤末健三君 是非検討を進めていただきたいと思います。ありがとうございます。 次に、カンボジアの話をちょっとさせていただきたいと思います。 昨年八月に私カンボジアに行ってまいりました。その中でやはり日本人の方々、JICAの方々が現地で非常に一生懸命カンボジアの経済復興、教育の問題などに取り組んでおられるところを現場を見させていただいて、非常に心強く思いました。ただ、一つ私が思いましたのは、それぞれのプロジェクトが何と申しますか独立して動いているような感じがございます。 例えば、私が伺いましたのは、国道を日本の技術でベトナムからタイまで延ばそうということで道路を造っていただいている。それは非常に意味があると思います。もし道路が通れば一気に新しい経済圏ができるというインパクトがある。 また、カンボジア日本人材開発センターというのが王立プノンペン大学の中に設置されていまして、実際そこに伺って、そこで学んでいるカンボジアの学生の方々とお話ししました。日本語を話せる人材をつくっておられる。ところが、やっぱり何が問題かと申しますと、日本語がしゃべれる人材をつくっても就職する日本企業がないということなんですよね。 ですから、何をお願いしたいかというと、例えばインフラ整備、道路を造られます、人材をつくります、またほかのインフラをつくりますということとともに、例えば投資協定をカンボジアときちんと結ぶというようなもの、制度のインフラをつくる、交通のインフラをつくる、人材のインフラをつくる、恐らくあと次にあるのは資金のインフラをつくらなきゃいけないと思います。そういう全体をパッケージにしたODAの計画みたいなものを作っていただく必要があると考えたんですが、その点、大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 我が国はこれまで御指摘のカンボジア日本人材開発センターに対して、日本語教育や市場経済化促進等の研修を実施して、対日理解の増進や市場経済に資する人材の育成を図ってきたわけでございます。 一方で、カンボジアの発展にとって日本企業による投資が増進することは極めて重要であると考えておりまして、昨年六月に署名された日本・カンボジア投資協定等によりまして、今後、日本、カンボジア両国の経済関係が深まっていくことが見込まれているわけであります。 我が国としては、今後、ODAで実施するプロジェクトと我が国の民間企業の活動が連携し、カンボジアの発展に寄与することを目指しながら、カンボジアに対する我が国のODAを実施するよう努めてまいりたいと思います。 委員がおっしゃるようにパッケージが大切だというのは、そのとおりだと思っております。
○藤末健三君 パッケージの中で特に私が大事だと思いますのは、ODAプロジェクトをパッケージ化するということも重要だと思うんですけれども、もう一つあるのは、今経済連携協定とか投資協定とかを結んでいただいている、鋭意進めていただいていると思いますが、やはり例えばASEANとEPAを結びます、ベトナムと結びますという話になったときに、EPAのタイミングとODAのタイミング、あと人材供給のタイミングというのがある程度合わせていただかなければ、どんどんどんどん差が生じてくるんではないかと思っている、日本の立場として。 具体的なことを言いますと、ベトナムとかカンボジアを伺って思ったのは、インフラをつくっても法制度、例えば協定とかが間に合わないということが起きれば、結局他国がどんどんどんどん入ってきてしまう。自国のためにやらなきゃいけないということはないと思うんですけれど、私はODAは双方の国がやっぱり栄えなければいけないと思っておりますので、そこのきちんと、カンボジアありベトナムであり、協定のタイミング、インフラ、交通インフラづくりそして人材づくりというものを、やっぱり全体的なものを見た上で国単位のプロジェクトを進めていただけるようにお願いさせていただきたいと思います。 最後に、御質問でございますが、これは一番私が聞かなきゃいけないことでございますけれど、アフガニスタンやイラクに対する支援の話を教えていただきたいと思います。 今年はアメリカにおきましても大統領選があり大統領も替わられるし、また経済状況も非常に目まぐるしく変化している状況でございます。その中におきまして、我が国はアフガニスタンやイラクの問題に対してある貢献をしなきゃいけないというふうに考えております。 私は、自衛隊による貢献よりもこのODAによる貢献を進めるべきだと強く考えているわけでございますが、今年この予算において実施される中でいろんな状況が変化した場合に、その状況に変化に対応して予算執行は行うことができるかどうかということについて、高村大臣、お答えいただけますでしょうか。お願いいたします。
○国務大臣(高村正彦君) イラクにおいてもアフガニスタンにおいてもでありますが、援助需要だとか治安情勢等大きく変化することが想定されるわけであります。これまでもそのような変化を受けて、アフガニスタンにおいては当初の緊急人道支援から復興などへの支援を軸足を移し、またイラクにおいては無償資金協力による当面の支援から円借款による中長期的な復興支援に移行するなど柔軟に対応してきているわけであります。これからもその状況に応じて柔軟にやっていきたいと、こう思っております。
○藤末健三君 是非お願いしたいと思います。 最後に、私は高村大臣にはお願いとしまして、学生の派遣の話を是非議論を進めていただきたいと思います。あとまた、池坊副大臣には今日、いやもうお二人で、副大臣には前向きなお答えいただきましたので、是非外務省と交渉していただき進めていただきたいと思います。何かあったらもう応援させていただきますので。 私は、実際に昭和女子大の学長また多摩大学の学長とか大学の先生とお話をしますと、是非この制度はつくるべきだ、若い方々の国際性をつくるには英語の授業をするよりも海外に直接行った方が絶対いいんだということをもういただいていますので、是非進めていただきたいことをお願いしまして、質疑を終わらさせていただきます。 ありがとうございました。
○牧山ひろえ君 牧山ひろえです。よろしくお願いいたします。 本日は、昨日の外交防衛委員会での質疑に続きまして、五月の二十八日から三十日まで横浜市で開催される第四回アフリカ開発会議、TICADⅣについて外務大臣に再度伺いたいと思います。高村大臣、本日もよろしくお願いいたします。 さて、昨日も申し上げましたが、アフリカでは一年間に一千万人、より深刻な数字で言えば三秒に一人のペースで子供が亡くなっています。子供だけでも三秒に一人のペースです。まさにアフリカへの支援は同じ地球に生きる人間として待ったなしの重要課題であるのです。 昨日、私は大臣との意見交換をさせていただきましたが、やはり時間がなくお互いの主張がまとまり切らなかったとの印象がございます。昨日、私はODA総額が減る中で円借款を始めインフラ整備費だけが高い伸びを示していることを指摘させていただきましたが、大臣はインフラ整備費が駄目だとは一概に言えないと答弁されておりました。昨日お願いしたインフラ整備費の細目についてまだ御返答いただいておりませんので、少なくともインフラ整備費よりは人道的な支援を優先するべきだと考えます。 やはり私は人の命こそが優先されるべきではないかと思うんですが、確かにアフリカの中でも言わば食べる物に困らない国がある一方で、一日一ドル以下の生活を余儀なくされている、食べ物がなくて困っている、生きるのに困っている人々を抱える国があることも事実でございます。 このTICADⅣでは人間の安全保障など多くのテーマが掲げられていることと思いますが、やはり私は、この会議を契機に、まず生きるための支援を参加者全員が共有することに意義があるのではないかと考えております。 OECDの統計では、アフリカの五十三か国中二十九か国が五%の経済成長をし、資源価格高騰や国際的な穀物需給の逼迫による好景気で二〇%近い成長を遂げた国もございます。また一方では、ジンバブエやギニアビサウなど、この八年間の平均でマイナス成長を記録してしまった国もございます。私は、人道的な食料支援が必要であろう国とそうでない国との峻別には更なる綿密な調査が必要であると思います。ですが、もっと視野を広げれば、やはりアフリカに暮らす人もこの日本で暮らす私たちも同じ地球に住む仲間なのですから、食べ物がなくて困っている、生きるのに困っている方々に人道的な支援を優先するべきであると私は考えております。 このアフリカ開発会議の場でも、是非まず生きるための支援を議論のテーブルにのせてほしいんです。 重ねて申し上げるならば、TICADⅣは全体会議と個別会議の二本柱で構成されていると外務省の担当者の方々から昨日伺いましたけれども、今回はせっかくほぼすべてのアフリカの代表者が集まると聞いておりますので、一番弱い立場にある国に焦点を当てるべきだということを日本が主催国として声を大にして訴え、参加者の共通認識として周知するよう努力していただきたいと思うんですが、高村大臣、私のこの考えに対して御意見を伺いたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) まず、インフラのリストについては委員の秘書の方と外務省のあれで二週間程度猶予をいただいてリストを出すということになっていると承知をしておりますが、その猶予はよろしくお願いしたいと思います。 我が国は開発途上国の援助需要や経済社会状況や二国間関係などを総合的に勘案しながらODAを実施してきております。アフリカにおいて特に貧しい国に支援を集中すべきという御指摘でありますが、サブサハラ・アフリカ四十八か国のうち、三十四か国はいわゆる低所得国ということになっておりまして、アフリカ全体として厳しい貧困問題にさらされていると、こういうふうに思います。 そのような中で我が国としては、ガバナンスが良く必ずしも資源に依存せずに成長する経済的潜在性がある国や紛争直後の復興から開発の途上にあり平和の定着を図る上でも食料、医療支援などの人道的支援を特に必要としている国、我が国との中長期的な経済関係を強化する必要性が高い国など、それぞれの状況に応じたきめの細かい支援を行っていく考えであります。 委員がおっしゃる、まず生きるための支援だというのはよく分かるんです。よく分かるんですが、一方で、アフリカの国の中でガバナンスを良くして、よくやって五%以上の成長をし、もう少し支援をすればこれからどんどん成長が増えて、十年後、二十年後には今度は支援をしてくれる側にも回るような、そういう国にも援助するということもまた必要なことであって、貧困に対する対策、生きるための援助は必要ですが、その貧困を削減するという方向もやっぱり必要なんで、それは成長とそういう生きるための援助というのを、これをどちらか一方、こっちが優先でこっちは余り必要ないということは言えないのではないかというのが私の立場でございます。
○牧山ひろえ君 それぞれの国のお立場や御要望もあると思いますけれども、毎日物すごいペースで人々が亡くなっているわけですから、是非この私の思いを多くの方に理解していただいて、いわゆるあしたにでも死にそうな方がもうたくさんいらっしゃる国、いわゆる弱い立場にある国の支援をバックアップして、今後も日本が海外から一目置かれる存在であり続けることをお願い申し上げたいと思います。 また、昨日申し上げましたように、パレスチナで成功している母子手帳普及プロジェクトのような日本独特の人道支援方法も併せて御検討いただけましたら幸いです。私もそうなんですけれども、子育て中の母親にはやっぱり母子手帳というのはなくてはならないものですから、是非よろしくお願いいたします。 続いて、先日提出いたしました質問主意書の件について、十分な回答が得られなかった部分についてお伺いしたいと思います。 私は、アフリカ支援に関しての認識及びTICADⅣへの取組についての質問主意書を二月二十七日に提出させていただきました。その中で二〇〇五年四月のアジア・アフリカ首脳会議で当時の首相が国際公約した対アフリカODA倍増計画の成果を質問いたしました。 この対アフリカODA倍増計画は、公約した三年間で支援額が二〇〇三年基準の八・四億ドルから二〇〇六年の二十五・九億ドルに達したものの、実際には約束した贈与額が同八・三億ドルから七・四億ドルへと減ってしまいました。達成見込みではあるものの、今述べましたように内容に問題があるのではないかと思います。債務救済を除くいわゆる純粋な贈与額は実際には増えていないんです。 この点に関して主意書で政府の認識を質問しましたところ、現在集計中であるとの返答がありました。そのお答えがあってから一か月経過しましたけれども、また昨年末のデータなども出そろっているはずですから、ここで正式な報告をしていただければと思います。 このアフリカ向けODA倍増計画は当初の計画どおり評価できるものなのか、また国際公約は実際に守られたのか、御答弁ください。また、まだ集計ができていないというのであれば中間的な報告でも構いませんから、数値を公表の上、御答弁いただきたいと思います。御専門の方でも結構です。よろしくお願いいたします。
○大臣政務官(小池正勝君) 御答弁申し上げます。 二〇〇七年という年は本件公約の達成が求められる年でございます。ODA予算をめぐる状況は厳しい中で、我が国は本件公約の達成に向けて取り組んでまいりました。二〇〇七年につきましてはまだ現在精査中でございますが、公約はおおむね達成できたと考えております。 御指摘の中身の点の御質問がございました。我が国としては、ODA予算をめぐる状況は厳しく全体として予算が削減されている中で、アフリカ向け案件を積極的に実施してまいりました。 その中身でございますが、確かに我が国のアフリカ向け支援額には債務救済ということが含まれております。しかし、これはDACの統計でも贈与には無償資金協力、技術協力、国際機関への出資、拠出のほか債務救済が含まれているところでございまして、我々は公約はおおむね達成できたものと考えているところでございます。
○牧山ひろえ君 さて、実際にはODA予算は十一年で四割減っています。この減少は、骨太の方針二〇〇六のODAを今後五年間で二から四%ずつ毎年減らすという方針によるもので、厳しい財政状況の中、毎年マイナスシーリングされている結果なんです。 しかしながら、今日は詳しくは述べませんが、複数の日本の国際公約が達成困難な状況にあり、海外からは整合性がないのではないかと日本のODAに対して疑念を抱かせる結果となりかねないと思います。海外で支援を倍増しますと言っておきながら、国内では財源がないとぼやいているのでしょうか。せっかく日本がリーダーシップを取って海外に向けて支援を拡大すると宣言したわけですから、やはりODA予算のマイナスシーリングは避けるべきだと考えております。まさにTICADⅣとG8が開催される四十年に一回の好機である今年こそ、ODAについては万全の財政規模を確保することも大変意義深いのではないかと考えます。 高村大臣、今年も骨太の方針は六月ごろに閣議決定されることと思いますが、この際、骨太の方針を修正すべく外務省として一層の努力をすべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 本年は第四回アフリカ開発会議、TICADⅣやG8北海道洞爺湖サミットが開催される重要な年になる、四十年に一度とおっしゃいましたが、まさにそういう年でございます。 ODAを活用し、途上国の安定と発展のために協力していくことは、我が国自身にとっても有益であると、我が国の外交政策において重要な課題であります。我が国がふさわしい国際的責任を果たすために途上国の開発及び地球規模の課題に積極的に取り組んでいきたいと考えているわけであります。 一般会計のODA予算は過去十一年で四割減という厳しい状況にあるというのは委員御指摘のとおりでございます。残念ながら、〇六年の我が国のODA実績は、米国、英国に次ぐ第三位となってしまいました。他国がODA実績を伸ばす中で、国際社会の諸課題を解決し、国際社会における発言力及び信頼を高めるためにODAの一層の活用は不可欠であると、これも委員と同じ認識でございます。 骨太方針二〇〇六では、一般会計ODA予算について二〇一一年までの五年間はマイナス四ないしマイナス二%とされておりますが、一方で、同方針ではODA事業量について百億ドルの積み増しを目指すとの国際公約を着実に実施するということとされているわけであります。 外務省としては、TICADⅣやG8北海道洞爺湖サミットでしっかりとした成果を上げて、ODAの重要性についての国内で一層の理解を得る契機としたいと考えております。国際社会における主導的な役割を果たすため、引き続きODA予算の確保に向けて取り組んでいきたいと、こう考えているところでございます。 是非委員に応援をよろしくお願いをいたします。
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。 昨日の外交防衛委員会の場で木村副大臣から、四十四か国のアフリカ諸国の首脳がTICADⅣに参加するとの御答弁をいただきました。この四十四か国の首脳が日本で一堂に会する意義はとても深く、いろんな面で活発な意見が交換なされることを期待してやみません。ですが、アフリカ諸国でも隣国同士のトラブルや部族間のトラブルなどが依然としてあり、内戦や国際問題にまで発展するケースもございます。 TICADⅣでは多くのアフリカ首脳が集うわけですから、日本が音頭を取って、トラブルや対立問題を抱える諸国の仲裁役になって、未来志向の話合いを通じた平和提案をしてみてはいかがでしょうか。まさにTICADⅣの目的でもある人間の安全保障にも結実する行動であると思います。高村大臣、隣国トラブルや対立問題を抱える国々の間に立って、是非とも人間の安全保障を実現していただきたいと思うんですが、御意見をお聞かせいただけたら幸いでございます。
○国務大臣(高村正彦君) 委員御指摘のとおり、平和の定着というのは持続可能な開発の前提として極めて重要でありまして、そのためにもアフリカ諸国が平和と安定に基づいた関係を構築し維持することが大切だと考えております。特に、我が国は平和協力国家としてアフリカ諸国のオーナーシップを尊重しつつ、アフリカにおける平和構築に積極的に貢献していくことが重要と認識しております。このような認識の下、TICADⅣにおいてもアフリカにおける平和の定着と民主化を重点事項の一つとして議論して、具体的な成果を国際社会に発信していきたいと考えております。 まさに平和の定着というのは持続可能な成長のためにもあるいは人間の安全保障のためにも、ともかくすべての基礎の基礎でありますから、一生懸命取り組みたいと思います。
○牧山ひろえ君 では続いて、日本版ノーベル賞とも言える野口賞についてお伺いしたいと思うんですが、このことを、この野口賞について御存じない方はたくさんいらっしゃると思うんですが、今後どのようにこの野口賞について周知徹底を図っていくんでしょうか、また認知度が今あるとお考えでしょうか、参考人の方、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(高村正彦君) 済みません、参考人じゃなくて私から答えさせていただきます。 野口英世アフリカ賞につきましては、第一回授賞式及び記念晩さん会がTICADⅣの初日である五月二十八日の夕刻に、TICADⅣに参加するアフリカ首脳や国際機関の長の参列の下、盛大に行われることとなっています。この機会を最大限に生かして、国際的に本賞の意義を発信していく考えであります。 TICADそのものを余り知らない人がたくさんいるんですが、私は、多分野口英世賞の方がすぐ国民に知れ渡る、国際的にも知れ渡ると思っているんですが、むしろTICADというものを知らせるのが大変だと、今苦労しているところでございます。
○牧山ひろえ君 この野口賞に関してなんですが、残念ながら賞金となる民間からの寄附金が当初の目標に届かず結果として公金を投入する事態に陥るなど、制度面での問題も指摘したいところですが、広報面の課題もあるということを申し上げておきたいと思います。 次に参りますが、先ほど藤末先生のお話にもありましたが、いわゆる平和構築の人材育成寺子屋構想のパイロット事業が昨年から始まり、先日、第一期生が輩出されたとのことですが、まさに日本にとっては朗報であると思います。 これまで、海外での活動を志す若者は、自力で支援団体を探り当て理想とする活動に従事してきた経緯がございます。若いうちは勢いで活動できるんですが、いざ結婚や就職など現実の問題に直面すると、どうしても志半ばにして帰国しなければならない状況にあったそうです。これを俗に魔の三十代と言うそうです。 この寺子屋構想の背景には、お金を出すが人は出さないと言われ続けた日本の支援方法が次なる段階に進みつつあるものだと高く評価したいと思います。 ただ、残念なのは、この寺子屋構想に応募してきた多くの若者が門前払いに遭ったことです。日本人の定員はたった十五名と大変な狭き門なんです。聞くところによりますと、九十人を超える志願者があったそうですが、その多くの志を生かし切ることができなかったことは大変残念に思います。結論から言えば、予算が少ないからとなるのかもしれませんが、このプロジェクトを継続して、日本から海外に多くの有能な人材を派遣、輩出していくことは大変意義深いことであると思います。 高村大臣、私は、こうした人材育成とまたその受皿をきちんと担保していくことがODA活動では求められている姿なんだと思います。この寺子屋構想はたった二年間のパイロット事業でありますが、その後継続されるべきであるとお考えでしょうか。人材育成の観点も含めて是非御答弁ください。
○国務大臣(高村正彦君) 二年間というのは、あくまでパイロット事業としての期間が二年間ということでございます。人材の育成という本件事業自体の性質上、これは中長期的視座に立って検討していくということが不可欠であると、こう思っております。 パイロット段階を終えて事業が本格化される場合の在り方に関しましては、パイロット段階で得られた教訓やノウハウを組織的に集積するのみならず、関係省庁間の情報共有、連携協力の推進等、政府一体として効果的かつ効率的な対応が取れるよう引き続き検討を進めてまいりたいと思います。 予算の関係がありますから、今私が一存で言うわけにいきませんが、まあもう少し拡充してもいいのかなと私個人としては思っているところでございます。
○牧山ひろえ君 続いて、広報体制について伺います。 例えば外務省のホームページではTICADⅣとG8双方へのリンクが張られていますが、官邸のホームページにはG8のバナーしかございません。 先ほどの話題にも出ましたけれども、いろいろな場所でTICADⅣの話題を出すんですけれども、いま一つ浸透していない、つまり国民に知られていないという印象を受けます。この広報体制について、政府では具体的にどのような取組をされていますか。御担当の方、是非お聞かせください。
○政府参考人(木寺昌人君) お答え申し上げます。 TICADの広報につきましては、ロゴを作成するとか、それから横浜市の方でも大変御熱心に、一校一国運動とかですね、学校で一つの国を勉強する、成果を地下鉄の駅に発表するとか、そういうことを進めていただいております。 それからさらに、外務省としては、アフリカに関係するサイドイベント、これはJBICでありますとかJICA、ジェトロ、そういったところがTICADとタイミングを合わせて様々なセミナー等を開催する、それから写真展でありますとかコンサートでありますとか、そういったものを通じてアフリカそれからTICADをよく知っていただくということをやっております。 それから、女優の鶴田真由さん、この方に親善大使になっていただきまして、今アフリカの方にお出かけになってアフリカと接すると、そういう映像をさらに皆さんに共有していただいて、アフリカ、TICADを更に広く知っていただくと、そういう作業をどんどん進めているところでございます。
○牧山ひろえ君 引き続きお願いいたします。 時間となりましたので、終わらせていただきます。
○石井みどり君 自由民主党・無所属の会の石井みどりでございます。 高村外務大臣、連日の激務が続く中で御奮闘の日々でございます。まずそのことに心からの敬意を表したいと存じます。 本年は、五月のTICADⅣまた七月の洞爺湖サミットと開発問題が議題となる国際会議が我が国で続きます。 二十年度の一般会計ODA予算は七千二億円と十二年度予算以降、九年連続の減少となっております。世界的に見ても二〇〇〇年に一位であったODA事業量は二〇〇六年に米英に続いて三位となりました。また、二〇一〇年にはドイツ、フランス、イタリアにまで抜かれ六位になるとの予想もあります。 我が国は、軍事的にでなくODAを主要な外交手段としてきた経緯がございますが、国際的な発言力低下が懸念されております。特に、福田総理が議長となるこのTICADⅣ、これに関してでございますが、低下傾向にあるODA予算を反転させ対アフリカ向けODAを拡充することが必要と思います。 社会保障分野の削減は国民の目に見える形で影響を及ぼしておりますが、外交分野ではそれが大変見えにくい。ODAの減少による外交への具体的な影響、現在の予算規模の妥当性について大臣にお伺いしたいと存じます。
○国務大臣(高村正彦君) 途上国の安定と発展のために協力していくことは、これは我が国自身にとっても利益になり我が国の外交政策において重要な課題であります。また、我が国はODAを通じ国際社会の平和と発展に貢献することにより、国際的な評価や信頼、国際社会における発言力を高めてきたという経緯もあるわけでございます。 他方、一般会計のODA予算は過去十一年で四割減という厳しい状況にあります。ODAを効果的に実施するため質の改善に引き続き努めてまいりますけれども、国際社会の諸課題を解決し、国際社会における発言力を高めるためにODAの一層の解決が不可欠であります。質の改善だけでは補い切れないところがあるということでございます。 本年、我が国は、G8北海道洞爺湖サミットや第四回アフリカ開発会議、TICADⅣを主催します。これも踏まえて、二〇〇五年から二〇〇九年の五年間でODA事業量を百億ドル積み増すという国際公約を着実に達成するということも念頭に置きながら、引き続き必要なODA予算の確保に向けて取り組んでいきたいと考えているところでございます。
○石井みどり君 本年は洞爺湖サミットもあり、環境問題に関心と注目が集まっています。 本年二月のダボス会議では、福田総理が、今大臣がおっしゃったように、今後五年間で百億ドル程度の新たな資金メカニズムを構築するクールアース・パートナーシップ構想を表明されました。これは、温室効果ガスの排出削減と経済成長を両立させ、気候の安定化に貢献しようとする途上国支援でありますが、インドを訪問した後でその意義は大変高くなったというふうに思っております。 一方、財政状況も厳しく、ODA予算も年々減少する中で、実現に向けてはその意義、目的を明らかにして国民の大きな理解を得ていく必要があると思います。この国際公約の意義とその実現に向けた今後の方向性、二十年度予算での措置状況について、大臣にお伺いしたいと存じます。
○国務大臣(高村正彦君) 福田総理は、本年一月のダボス会議におきまして、地球温暖化問題への対応としてクールアース推進構想を表明し、その中で、排出削減と経済成長を両立させ、気候の安定化に貢献しようとする途上国への支援として百億ドル規模の資金メカニズムによるクールアース・パートナーシップを構築する旨発表したわけであります。これによって、途上国との政策協議を経て、省エネ努力などの途上国の排出削減への取組に積極的に協力するとともに、気候変動で深刻な被害を受ける途上国に対して支援の手を差し伸べてまいりたいと思います。 既に我が国は、インドネシアを始め数か国との間でこのクールアース・パートナーシップを推進中であります。今後も他の途上国に対し積極的に支援を行っていくことによりまして、二〇一三年以降の実効性ある枠組み構築へ向けた交渉を促進していきたいと考えております。 このクールアース・パートナーシップでありますが、今後五年間にわたる気候変動対策に関する途上国支援の枠組みであり、ODAやそれ以外の公的資金による様々な措置が含まれているんです。ODA百億ドル積み増すというのとこのクールアース・パートナーシップ百億ドルというのは必ずしも同じものではないわけでありますが、平成二十年度のODA予算においては、例えば環境プログラム無償の新設やJICA交付金の政策増の手当てをしており、さらに円借款等も活用して支援を実施していく予定でございます。
○石井みどり君 ODAを通した地球温暖化対策に関しては、本年二月にインドに行かせていただきましたけれども、デリーで視察しましたデリーメトロ、これで導入されました電力回生ブレーキシステムという我が国の技術がクリーン開発メカニズム、CDM事業として登録されましたが、これは大変注目されると思います。これは我が国の技術が地球温暖化問題に貢献できることを示した具体的な事例であると思います。今後とも、ODA事業の実施に当たっては、こうした我が国の技術が活用されるべきと思います。 ただし、円借款事業についてはアンタイドということが原則でありますので、我が国の技術を用いることができるとは限りません。現にデリーメトロでも車両は外国製のものでありました。環境面で効果が期待される案件などについては、我が国の技術を積極的に活用すべき場合もあると考えられます。 環境問題への我が国の技術力を通した貢献の可能性あるいはまたODA事業での積極活用について、大臣の御見解を伺いたいと存じます。
○国務大臣(高村正彦君) ODAを通じた地球温暖化対策につきましては、二〇〇二年に策定した持続可能な開発のための環境保全イニシアティブにおいて、我が国の経験と科学技術の活用を基本方針の一つに掲げて取り組んできているところでございます。 具体的には、我が国の省エネに関する知識や技術を活用し、例えばエネルギー分野の政策、制度支援その他の技術協力、老朽化した発電所の改修、風力発電所の建設を通じた再生可能エネルギーの推進などの支援を行っております。このような取組を進めることは、開発途上国における持続可能な開発の実現を通じて国際社会の発展に貢献し、地球温暖化問題の解決にも資するものであります。 今後も我が国が有する優れた技術や知見等を活用しつつ、先般発表したクールアース・パートナーシップを推進していく考えであります。 インドの地下鉄の話でありますが、これはCDMとして認められたわけでありますが、今世界でCDMとして認められたのは二つしかないんですが、その二つとも日本の援助でございます。
○石井みどり君 さて、ODA予算が減少される中で、開発途上国の課題の克服を支援するとともに相手国において我が国の一定のプレゼンスを保つためにも、ODAが量から質、クオンティティーからクオリティーへの転換が求められています。 インドとネパールにおいて医療機関も視察いたしましたが、歯科医師としてオーラルペディアトリクスが専門でございましたが、医療従事者として働いてきた観点から見ますと、非常に衛生面というところでも課題が残されておりました。手術室で使用される機器等も拝見いたしましたが、術前術後の周術期管理を含めた感染症対策等について相当な課題があり、今後相当な努力が求められるというふうに感じました。 これまで医療機会の我が国のODAは、機材の供与などハード面が中心でありましたが、今後は人材交流などを通した我が国の経験、特に成功体験ですね、あるいは知識の伝承といったソフト面での支援が大変重要となってまいります。途上国は、しかしながら一足飛びに我が国の今の高い水準そして高度先進医療の機器といったものを求めるという傾向がありますけれども、それはもう形だけで、中身が伴わなければ意味がありません。そういう機器も使いこなして初めて有効になるわけであります。 こうした指摘は保健衛生分野だけに限らず、様々な分野にも妥当するのではないかと思います。ODA予算は十三府省が所管しており、例えば厚生労働省所管のODA予算は九十三億円、一般会計でありますが、外務省はこうした専門知識を有する省庁とも連携して事業を行う必要があると思います。ソフト面での重視、各府省との連携に関する現在の取組状況について大臣にお伺いしたいと存じます。
○大臣政務官(小池正勝君) 御指摘ございましたように、このODAというのは十三府省庁にまたがっておる、御指摘のとおりでございます。そして、その間の連携それから人材のお話がございました。外務省、JICAは途上国に対しまして政府間ベースの技術協力を行っておりますが、その分野は御指摘の保健とか医療とか農林水産とか環境とか鉱工業とか多岐にわたっておりまして、それぞれの分野において専門性を有する各府省の専門的な知見を有効に活用していかなければならないと思っております。 例えば、お話がございました途上国から要望のある技術協力案件の審査の際に、保健とか医療とかいった分野であれば厚生労働省というように、専門性を有する府省の意見を聴取しているほか、実施に際しましても、当該府省庁の人材を専門家として途上国に派遣したり、研修講師としてお願いしたりしているところでございます。 また、外務省以外の十二府省庁が所管する技術協力予算につきましては技術協力連絡会議を開催しまして、各府省が、各省庁が実施する個別事業につきまして情報交換を行っておりまして、平成十八年度当初からは各省庁の実施予定案件に関する情報を既にデータベース化いたしました。こうして得られた情報については関係在外公館とも共有して、我が国の援助方針とそごがないか確認しているところでございます。 また、各省庁が実施したODA事業に関する評価結果についても、外務省は毎年、経済協力評価報告書として取りまとめておりまして、連携を十分に図ってまいっているところでございます。
○石井みどり君 草の根・人間の安全保障無償は原則として一千万円以下の小規模な事業でありますが、政府が手の届かない分野をカバーするNGO辺りですね、こういうところが担っていることが多いわけですけれども、本当に直接貧困層に対しての裨益ができる大変重要なスキームであるというふうに思っております。そしてまた、大使館や領事館が実施する事業に対しても、顔の見える援助としての効果も高く、先ほど藤末委員からもそういう御指摘があったかと思いますが、実際に今回、インド、ネパールで視察した複数の案件からも、大変現地で喜ばれ、本当に日本に対する感謝の思いを多く聞かせていただきました。今後一層推進されるべきだというふうに思いました。 しかしながら、近年の予算規模を見ますと、十五年度に百五十億円だったものが二十年度には百億円と三〇%以上減少しています。ODA予算全体の減少幅が十五年度から二〇%程度であることと比べると、外務省がこのスキームを重視しないどころか軽視しているのではないかというふうにさえ思いました。外務省としての草の根・人間の安全保障無償の位置付け、二十年度予算での規模の妥当性についてお伺いしたいと存じます。
○国務大臣(高村正彦君) 草の根・人間の安全保障無償資金協力は、開発途上国における草の根レベルの社会経済開発プロジェクトを実施することを目的とし、NGOや地方公共団体を被供与団体として実施される資金協力でありまして、原則おっしゃるように一件当たりの上限を一千万円としていると。現場のニーズに適切に対応できる機動的な支援と考えております。 ODA予算の減少傾向が続く中で、平成二十年度の草の根・人間の安全保障無償資金協力の予算については、今述べました本件協力の性格をも踏まえて前年度との同額の百億円を計上しております。その前が百五十億というのはおっしゃるとおりなんですけれども、二十年度と十九年度は百億円、同じ額を計上しているわけであります。今後とも草の根・人間の安全保障無償資金協力を通じ、開発途上国における基礎生活分野を優先的に支援していく方針でございます。 前は百五十億円じゃないかと、こうおっしゃる、そのとおりなんですけれども、その前ちょっと見ていただくと五十億円ぐらいにとどまって、急速に伸ばしたものではある。ちょっと長い傾向で見ていただくと、これは外務省がいかにこの草の根・人間の安全保障無償資金協力を重視しているかお分かりいただけると思います。ある一時期見ると百五十億から百億に減っていると、こういうことでありますが。 ちなみに、予防外交・人間の安全保障議員連盟というのがありまして、それが一生懸命これを応援しておりますので、是非委員にもお入りいただければ大変有り難いと思います。
○石井みどり君 ありがとうございます。 なお、草の根無償の分野では外部委嘱員という非正規職員の方が非常に大きな役割を果たしておられることを今回の視察を通じて知りました。 外部委嘱員の役割そして現在の外部委嘱員の総数、二十年度の予算額についてお教えいただきたいと存じます。
○政府参考人(別所浩郎君) お答え申し上げます。 草の根無償外部委嘱員は、草の根・人間安全保障無償資金協力の実施に係る作業のうち支援対象部門に関して専門知識を必要とする業務、あるいは専門知識を有する方々に委嘱することによってより一層効果的、効率的な援助が実施されて、供与資金の適正執行も確保し得ると判断される業務について補助的作業の委嘱を行っているところでございます。 この委嘱員につきましては、在外公館内で補助的業務を行う館内業務型委嘱員と特定案件の調査を実施する特定案件型委嘱員がございますが、館内業務型委嘱員契約としては、平成十九年度で日本人が百十六名、現地の方八十名との間で契約実績がございます。また、平成二十年度草の根無償外部委嘱員謝金予算は八億五百五十七万円を計上しております。
○石井みどり君 ありがとうございます。 ムンバイで出会いました外部委嘱員の女性の方ですが、NGOの一員としてアフリカで活動した経験もお持ちでした。そして、本当に各地の現場、実際の現場を御存じでありましたので、本当に有能に、大変感謝をされながら現地で働いておられました。意向としては将来的にもこういう開発分野に携わっていきたいということで、熱意だけでなく知識も経験もある有能な方でありました。本当に被供与団体からも信頼されるなど、現地で一番大切な信頼そして人間関係をおつくりでありましたので、まさにこういうことこそが我が国の顔、人間の顔が見えるという立派な仕事をされておられました。 一方、この方のように開発分野のプロとして働いていきたいと願う人が今増えていますが、我が国ではキャリアパスは確立しておりません。諸外国のように人材が育成されないという問題も指摘されています。昨年六月本委員会が取りまとめた報告書でも、国際援助活動におけるキャリアパスの確立を提言されています。 在外公館における外部委嘱員をNGOや青年海外協力隊の経験者などのうち開発分野で仕事を続けたいと希望する人のキャリアパスの一つと位置付けて積極的に登用し、草の根などの事業を担ってもらうということは、我が国の人材育成という観点から高い効果が期待できると思われます。 在外公館における外部委嘱員の積極的登用について大臣の御見解を伺いたいと存じます。 これで質問を、お答えいただいて、終わらしていただきます。
○国務大臣(高村正彦君) 委員がお会いになった方のようにすばらしい方はたくさん海外におられるんです。こうした方々が草の根無償外部委嘱員として途上国の草の根レベルの住民や現地NGOとの間で緊密な関係を構築したり、途上国の援助需要を把握することにより国際協力の最前線で経験を積まれること、これは開発分野のキャリアパスにおいても有益なものであると、こう考えております。 こういう観点も踏まえて、草の根無償外部委嘱員につき広く人材募集を行って有能な方々が活躍できる場を提供していく考えでございます。
○西田昌司君 自民党の西田昌司でございます。よろしくお願いします。 私は、この二月に、このODA委員会の調査団で、大塚耕平団長の下、アフリカ三か国、カメルーン、エチオピア、南アフリカに行ってきたわけでありますが、そのときの正式な報告はまた後ほど団長の方からあるんでしょうが、その感想も含めまして二、三お伺いしたいと思います。 その率直な感想なんですが、非常にアフリカは遠いんですね。片道三十時間、まさに本当に遠い国だなという印象なんです。その一方で、日本はTICADⅣを提唱しておりますし、ODAの中心をアフリカに移していっているわけですけれども、非常に地理的に遠いこともありますし、そしてその情報も、私自身初めてアフリカへ行きましたけれども、ほとんどの国民がよく知らないんですね。そんな中でなぜアフリカなのかということを率直に実は感じたわけなんです。 元々、ODAは貧困撲滅とか人道的な見地によるものが一番の柱だと思うんですけれども、その一方で、現実には被援助国の経済開発を通じて援助国側が直接利益を受けるタイドローンのような形のものがあったり、そういうこともたくさんやってきたと。しかし、これはある意味でいいますと国民の税金を使うわけですから、これもある意味仕方ないことだと思うんです。しかしその一方で、最近では石油やレアメタルなどの資源確保といういわゆる国益論ですね、これが盛んに言われたりしているんです。しかし、私はこれももうひとつ納得がすっと落ちてこないんですね。それよりも、もう少し違うところにODAの主眼を置いてほしいなという気がしたんです。 といいますのは、アフリカに行きまして一番感じましたのは、実はアフリカが抱えている問題といいますのは、我々この日本が抱えている問題、まさにその鏡としての姿があるんじゃないかなと。後でもう少し詳しく言いますが、要するにアフリカの問題といいますのは、日本もそうですけれども、近代がもたらした様々な問題のひずみがアフリカにも出ているし日本にも出ていると。その問題を共有することによって、つまりODAを通じて同じ問題を共有することによって日本自身のためにもなると。まさに、情けは人のためならず、我々のためにもなるんだというような大きな国民的合意があれば、より一層ODAというものが意義のあるものになるんじゃないかなと、こんな印象を受けたわけなんです。 例えば教育面の支援で、学校建設等を日本は実施をして実際に感謝をされているんですけれども、この被援助国において必ずしも人材育成というのが成功しているようには感じられないところもあるんです。 その原因は、長い間これらの国は植民地として欧米の支配に、ヨーロッパの支配に置かれていたということがありますし、そしてそのためと同時に、多民族国家なんですね。そして、その中で国としてのアイデンティティーが本質的にも不足している部分があると。そして、教育をする場合にも、いわゆる多民族国家ですから幾つもの言語があると。その言語をどれで教えるのかというと、結局はかつての旧宗主国の言葉、英語であったりフランス語であったり、そういうことが使われて教育されてくると。 そうすると、これ国民教育ということが本当にまともに行われないわけなんです。自分たちの国の歴史や文化というものが外国語で教えられるはずがないわけで、結果として、そういう教育を行っていくと、国民教育ができない一方で、いわゆる国際教育といいましょうか、英語がしゃべれたりフランス語がしゃべれたりするんです。 そうすると、ある程度の高い知識を持つと、わざわざ自分の国にいてなくてもよくて、宗主国に行ったり海外に出て能力を発揮できると。そういうところから、自分たちの国を本当に育てていこうと、そういう人がなかなか十分に教育できる仕組みになっていないんじゃないかなと。そういう意味でも、国民教育としていわゆる国語や歴史や道徳というもの、自分たちの文化というものをいかにして教えていくかということをまずきっちりやっていかなければならないなということを痛感したわけなんです。 さらに、アフリカでは、いわゆる公正な所得の再分配が行われていないということも非常に気になるところなんです。経済成長をしましても、その富が一部の人に集中してしまうと。ほとんどの方にその富が分配できていない。特に、一番アフリカの中で発展しているといいますと、サブサハラ以南、南アフリカ共和国ですけれども、ここでは非常に経済は発展しているんですけれども、その片っ方で、タウンシップという名前でいわゆる難民街、貧民街と申しましょうか、そういう方々が人口の四分の一近くおられるという現実を見ましたときに、いわゆる経済成長して果たして彼らが救えるのかと、そういうところも非常に疑問を感じたわけなんです。 そう考えますと、公正なルールがないままにいわゆる市場原理主義といいましょうか経済発展が行っても、なかなか富が分配されずに、アフリカ国民の全体の利益にはなってこないんじゃないかなと、そういうところも非常に大きな問題点として感じました。 さらに、そういうことから考えましたら、安い人件費を売り物にして東南アジアのようにどんどんどんどん工業発展していくということ自体なかなかアフリカの将来の姿としては描けないし、現実、アフリカの方がみんなネクタイして靴履いてスーツ着て生活するということ自体やはり想像が付かないわけで、逆にそれはアフリカの環境を破壊するということにもなりますし。 ですから、アフリカの開発というものがどういう方向であるべきものかということがやっぱり援助する側もしっかりと理念として共有しておかないと、なかなかこれは我々が期待する効果は得られないんじゃないかなと、そんな気がしたわけです。そういうことから、アフリカのODAは貧困克服ということを中心に農業支援とかそれから保健衛生、教育や医療、こうしたものを中心に行うべきではないかなという気がいたしました。 またさらに、アフリカでは第二次大戦後多くの国が独立しましたけれども、近代国家としての姿が不確定な要素があります。大航海時代にイギリスやフランスなどそういうヨーロッパの植民地になって、その後はいわゆる冷戦時代で大国の論理に振り回され、そして今冷戦が終わってからは今度は市場原理主義、グローバリズムの渦の中で漂流している感じがするわけです。旧宗主国としてのヨーロッパ諸国や覇権国家としてのアメリカやロシア、最近では中国もそうですけれども、中国などはそれと同時に資源外交やビジネスだということで彼らはアフリカに進出しております。 そういう中で、日本は旧宗主国でない唯一の先進国なんですね。その国がアフリカの援助というものをどうあるべきだということを明確に打ち出していくということは非常に大きな意義があると思うんです。 そういうところから幾つか質問させていただきたいんですが、まず冒頭申しましたようになぜアフリカなのかと、これをもう一度説明していただきたいんです。つまり、イギリスなどは例えば人道上だと、DFIDという外交と切り離した省庁が管理しながらやっていますけれども、中国がビジネスだとかレアメタルだとかいろんなことを言っているんですけれども、地理的にも遠い日本がなぜアフリカ支援をこれからやっていく意義があるのかということを是非お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(高村正彦君) アフリカは依然として貧困や紛争等の問題がありまして、感染症やあるいは小型武器の拡散等の不安定要素を抱えているわけであります。 アフリカ諸国においては、近年平和の定着や民主化などの進展が見られる部分もありまして、年五%以上の経済成長を遂げる国も少なくありません。我が国は、アフリカ問題の解決なくして世界の安定と繁栄なしとの考え方に基づいて、こうしたアフリカの諸問題に対しても、国際社会の責任ある一員として平和協力国家にふさわしい貢献をしていくことが求められているわけであります。 また、我が国は一九九三年に開始したTICADにおいて一貫してアフリカ諸国の自助努力の重要性を訴えてきました。すなわち、途上国は自らの国づくりに責任を持たなければならない。援助国はこうした途上国の自立に向けた自助努力を尊重して支援を行うべきという考え方であり、我が国の対アフリカ支援の理念を示す重要な開発哲学であります。 さらに、我が国はアフリカが豊富な天然資源を有し潜在的な巨大市場であることや、世界の国家の約三割に当たる五十三か国が存在することも念頭に対アフリカ支援を行っているわけであります。 我が国がTICADプロセスを始めたのは一九九三年であります。そのときはちょうど冷戦構造が崩壊して、それまではお互いに両陣営に取り込もうとアメリカもソ連もいろいろ関心を持って援助もしたわけでありますが、冷戦構造崩壊しちゃうともう両陣営に取り込む必要というのが薄れてきて、関心が薄れたということがありました。しかし、そこには貧困があり飢餓があり紛争があると。そういう中で、私たちは、さっき委員がおっしゃった情けは人のためならず、まさに遠いところであってもこの地球上に一緒に生きているわけでありますから、そういうことは応援していかなければいけないねと。 そして、アジアの成功体験をアフリカに生かそうということもありました。一九七〇年代ぐらいまでアジアとアフリカの貧困の程度って同じぐらいだったわけであります。それが急速に差が付いてきたというのは、それはいろいろ理由はあります。 ただ、それは、大きな理由はやっぱりアジア諸国が自助努力をしたと。そして、少し言わせてもらえれば、その自助努力を日本が支援したということもあるんだと思うんですね。そういう自助努力を支援してアジア各国が経済がテークオフ、離陸していい状態になったと。今もうアジア諸国の中で援助する側に回っている国がどんどん出てきていると。このアジアの成功体験を、まあ九三年時点は援助する側に回っていた国はそんなにないと思いますけれども、そういうアジアの成功体験をアフリカで生かそうと、そういうこともあったわけであります。 そういうことで始めたわけでありますが、近年になると、また世界の目がアフリカに集まっているんですね、レアメタル、資源等ありますと。あるいは国連加盟国の三分の一弱がアフリカの国、五十三か国でありますと、国連外交を展開するにはそれは票田だと考えるところもあるかもしれません。そういうことも主権国家として外交を展開していく上でゼロじゃないんです。ゼロじゃないんですけれども、私たちがTICADを始めたのは、やはりそこに貧困があり飢餓がありそして紛争がある、そこを何とか克服するためのお手伝いをしようということで始めたわけでありますから。 そして、まさに自助努力、オーナーシップという言葉、援助の世界でオーナーシップという言葉が定着してきたのはこのTICADプロセスの中で定着してきたとも言えるわけで、そういう観点から私たちはこのTICADをやっていきたいと、こういうふうに考えているわけです。
○西田昌司君 もう時間が余りありませんので、幾つか、今いろいろお話しいただいたんですけれども、そういうTICADⅣを日本が提唱してきたということは、国際社会の中で日本がまさにリーダーシップを発揮してやっていこう、かつて自分たちが通った道でありますから、貧困を克服して、そして国づくりを行ってきたその経験、知見を生かしていこうということは非常に大事なことなんです。 同時に、今日本が先ほど言いましたように抱えている問題が、実はそういうことをやってきたんだけれども、例えば国内でいえば余りにもグローバリズムとか、そして国内での自分たちのアイデンティティーにかかわる歴史とかそういう伝統とかいうことが戦後非常におろそかにされた結果、実は自分たちの国で出てきている様々な問題というのは、まさに経済だけでいってしまうと様々な問題が出てくると。アフリカも当然経済成長は必要なんだけれども、それ以外にもっと国づくりの根幹になる歴史や伝統、このソフトを、その辺のところを主眼に置いた是非援助を続けていただきたいということで、これは要望させていただきたいんです。 同時に、今おっしゃったように日本がそういう国際的な社会の中で誇りある立場を示していきたいと。これは非常に大事なことなんですが、そういうことからいいますと、日本はいわゆる国連の安全保障理事会の常任理事国になって、国際社会に対してその責務を果たしていきたいと。この大きな悲願と申しましょうか、そういう形で外務省自身も取り組んでこられたと思うんですが、これは何も国連の常任理事国になるのがこれ目的じゃなくて手段だと思うんです。目的は何かといえば、日本のこの見識というもの、これを国際紛争や国際社会の中で生かしていきたい、そのためには常任理事国入りが必要なんだと、こういうことだと思うんですね。 そうしますと、今常任理事国ではないけれども、自分の目の前の国でとんでもない事件が起きていると。例えば中国、このチベットの問題というのはゆゆしき問題だと思うんです。まさに人権侵害と申しましょうか暴力で国民を抑圧していくというのは、やはりこれ国際社会の中では通用するものじゃありません。そしてまた、毒入りギョーザの事件、この事件の捜査の報道の在り方も、我々被害を受けた国といたしましても、これ当然納得できるものではないと。 そういうことからいいますと、非常に中国という国が、経済力、軍事力が大きくなってきて、国際社会の中でリーダーシップ発揮しようとしている国でありますけれども、同時に、我々が大切にしている、そういう国際的な常識や良識とは随分違うところに位置していることがそういう面でも明らかだと思うんですね。そうしますと、常任理事国ではないにしましても、近隣の国に対しましても我々の見識を示さなければならないし、特に目の前に北京オリンピックがありますから、そのことによっていろんな国が自分たちの国の立場を含め、このオリンピックにどう臨むのかということも含め、中国に対してかなりのコミットをしていると思うんですよね。 だから、日本も本来、常任理事国を目指すというだけの心構え、心意気があるなら、やっぱりそういうことも日本から訴えていかなければならないと思いますが、この問題に関しましての大臣の御所見をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(高村正彦君) 常任理事国入りは目的ではなく手段であるというのは、私はそのとおりだと思います。国際社会で日本がやりたいことを、どうあるべきだということを実現していくための手段として国連常任理事国にいた方がやりやすいと。手段であっても、中期目標ではあるんですよ、最終的な目標ではないというのはおっしゃるとおりだと思います。 それから、チベットの問題というのは二つの側面がありまして、中国の内政問題という側面と、もう一つは人権がかかわる問題だと、こういう側面があります。そして、このことについて今実際起こっているのが何なのか。中国政府が言っていることと、それからダライ・ラマ十四世が言っていることと、これは物すごい大きな、大きな隔たりがあるわけですね。その隔たりの中の大体中間のどの辺に真実があるのかということは、はっきり言って、はっきり言って一〇〇%分かるわけじゃありません、分かるわけじゃありません。分からないからこそ私たちは、私は、透明性をもっとはっきりしてください、中国政府はオープンにしてくださいと、こういうメッセージをずっと出しているわけであります。 日本と中国は戦略的互恵関係、こういうのにあると両首脳で決めたわけでありますから、そういう中で、その戦略的互恵関係である中国に対して、オリンピックをちゃんとやるように、みんなから祝福されてやるためにもここは透明性を発揮してオープンにしなければ、中国として決して得なことではありませんよというメッセージを今までも出してきましたし、これからも出していきたいと。 それから、ギョーザの問題も、まさにこれは両国の捜査当局同士とそれから食品衛生当局同士の話があって、これは大きな仕組み、将来に向かっては食品衛生当局同士がやると。それから、このことの真相究明は捜査当局同士なんですね。ここがないとお互いの戦略的互恵関係といってもなかなか信頼感が出てきませんから、ここは今まさに捜査当局同士がかなり緊密にやっていると。 途中経過でジャブの応酬があったり、マスコミを通じてのジャブの応酬というのは余り私はいいことじゃないと思っています。本当に協力して事実を解明すると。これがないと、よく記者の方に政治決着するんじゃないですかとこう言われるんだけれども、政治決着なんかできる話じゃないんですよ、これは。国民同士の、両国民の食の安全の問題ですから、こういう関心の問題で政治決着なんというのはないんで、これは真相を究明してもらうということが何よりも大切だ、そういうことは言い続けていきたいと、こう思っています。
○西田昌司君 もう時間が来たので終わりますけれども、まさに情報公開はもちろん大事なんですけれども、同時にやはり日本としての考え方、この見識を示すと。非常識なことをしたら、それは非常識だよと、こういうやっぱりメッセージも発しておかないと誤解をされて、日本は何も物を言わなければ、何をしてもいいんだというような誤った彼らが理解をするとこれ困りますので、是非そのことだけはお願いをしまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○谷合正明君 公明党の谷合正明です。 今年の施政方針演説の中で福田総理は平和協力国家という言葉を用いました。「平和協力国家として、国際社会において責任ある役割を果たします。地域や世界の共通利益のために汗をかく、魅力に満ち、志のある国を目指したいと思います。」というふうに述べられたわけでございます。 二十一世紀に入ってからも依然として戦争、紛争が絶えず、不幸な歴史が繰り返されております。特にその中でも小型武器や対人地雷などの非人道的な兵器が子供を始めとする多くの一般民衆の犠牲を生んでいるというのが特徴ではないかというふうに思います。小型武器による年間の犠牲者が約五十万人というふうに推定もされております。 こうしたことから、やはり我が国としても、このODAの中でも平和協力国家として通常兵器であるとか小型兵器の軍縮への取組を一層力強く進めていただきたいわけでありますが、まずこの点について高村外務大臣に御決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(高村正彦君) 小型武器は冷戦後に頻発している地域紛争等において主要な武器として使用されているわけで、紛争を長期化、激化させるだけでなくて、紛争後の復興開発を阻害し、さらには紛争の再発生を助長する原因として極めて重要な問題であると認識をしております。 我が国としては、二〇〇一年に採択された国連小型武器行動計画に基づきまして国際的なルール作りと被害国におけるプロジェクトの支援、これを二本の柱といたしまして、小型武器の取組において積極的な役割を果たしてきているわけでございます。 特に実際に小型武器の被害に苦しむ国や地域において、包括的な観点からの小型武器対策プロジェクトを積極的に支援しております。紛争予防・平和構築無償資金協力により、カンボジア、シエラレオネ、リベリアなどで小型武器回収を始めとしたプロジェクトを支援しているほか、西アフリカ諸国経済共同体諸国の小型武器管理計画を支援しているわけでございます。
○谷合正明君 実は先日シエラレオネの外務次官の方にお会いして、日本のその取組、高く評価をされておりました。まさにこの小型武器の回収があったわけでありますが。 更に付け加えますと、人間の安全保障の理念を基にしたソフトパワーの外交を、しっかりと平和外交を推進していくということが求められているんだと思っております。国連総会の本会議、二〇〇六年の本会議でありますけれども、十二月に行われた際に、武器貿易条約、ATTに向けて、通常兵器の輸入、輸出及び移譲に関する国際基準の設置についてを賛成百五十三、反対一、棄権二十四の圧倒的多数で採択されました。 我が党としましても、この武器貿易条約、ATTを早期締結する必要があるというふうに考えておりまして、推進小委員会というのも設置してまいりました。 現在、ATTが国際世論の後押しも受けまして、また日本政府そして英国の積極的な取組もありまして、いよいよ本年、先月二月には政府専門家会合も行われましたし、この専門家会合を幾つか経て、本年の国連総会の場に報告書が提出されるというふうにお聞きをしております。 このATTが今考えておりますのは、兵器のいわゆる管理でございます。何も輸出を禁止させるというものではございません。とりわけ大型武器につきましては、基本的には国家の管理運用下にありまして、その使用や移転もコントロールされやすいわけでありますが、小型武器については、不法取引によって簡単に紛争地に拡散するだけじゃなくて、安易に使用されて日々多くの命を奪っているわけでありまして、アナン前の国連事務総長も小型武器を事実上の大量破壊兵器というふうに呼んでいるわけでございます。 そこで、我が国としてもこのATTの条約の早期締約をしっかり実現すべく積極的に取り組むべきであると考えておりますが、大臣の御見解をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(高村正彦君) 武器貿易条約は、今後、通常兵器の輸入、輸出及び移譲に関する国際共通原則を定める国際約束を作成しようという構想でございます。 我が国は、武器輸出三原則等の下、原則として武器を輸出しておりません。また、国連等において小型武器を含む通常兵器の問題に積極的に取り組んでいるところでございます。 ATT、武器貿易条約は、こうした我が国の立場と基本的に合致するものであります。我が国は、これまでも国連総会決議案の提出や東京でのシンポジウム開催等を通じこの条約に関する国際的議論に積極的に参加してきており、今後もこうした努力を続けていきます。積極的に議論をリードしていきたいと考えております。
○谷合正明君 ありがとうございます。 その際、このATTにつきましては、まだ議論が始まったばかりでございますので、どのようにまとめていくかということが、対象武器の範囲であるとか、そういったことがまさにこれからの課題なんでありますが、現時点で例えばアメリカがどこまでこのATTに参加してくるのかであるとか、中国だとかロシアといった協力は得られるのかとか、いろいろな論点があるわけでありますが、我が国としては主体的にかかわっていくわけでございまして、このATTの検討に乗り出した国際社会の行動を何としても結実させる必要があると思っております。 いろいろな幾多のハードルはあろうかと思いますが、それを越えていくためのリーダーシップをどう発揮するのか、我が国のこのATT実現に向けての役割というのはどのように認識されているのか、この点について再度お伺いいたします。
○国務大臣(高村正彦君) 本年は、国連の枠組みで武器貿易条約、ATTの実現可能性や構成要素等について検討するための政府専門家会合が開催されているわけであります。第一回会合は二月に開催され、我が国からも政府専門家が参加しました。今後、五月に第二回会合、七、八月に第三回会合が開催されることとなっております。 政府としては、ATTは平和協力国家としての我が国の立場と基本的に合致するものと考えております。我が国としては、国際紛争等の助長を回避し、かつ幅広い国の参加も得られるような国際約束の作成を目指すべきとの立場から、ATTに関する国連総会決議の原共同提案国として積極的に参加していく考えでございます。二国間や多国間の枠組みを通じて、いろいろ積極的にやっていきたいと考えております。
○谷合正明君 そこで、確認させていただきたいんですが、ある識者によると、我が国のこの武器輸出三原則とこのATTの関係性で、恐らく我が国の場合、ATTより現に厳しい基準で適用されているわけでありまして、このATTをつくることは何ら困難性は伴わないわけであります、我が国にとっては。 しかしながら、このATTというのは、武器輸出三原則を補強するのか、三原則の修正を迫るものなのか。つまり、我が国の武器輸出三原則が、極端な話、武器輸出の余地を生むようなことはないのかということも言われているわけでありますが、この点について確認をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(高村正彦君) 政府としては、武器輸出については、平和国家としての立場から、それによって国際紛争等を助長することを回避するとの目的の下で、いわゆる武器輸出三原則及び武器輸出に関する政府見解に基づいて、引き続き慎重に対応していく考えでございます。武器貿易条約は、こうした我が国の立場と基本的に合致するものであります。 武器輸出三原則はより厳しいもので、そういう考え方を国際的に国際約束として、それほど厳しくなくともやりましょうと、こういうことですよね。そういう約束ができたから必然的にそこまで日本も緩めると、そういう話じゃありません、ありません。仮に武器輸出三原則を緩めるとすれば、それはまた別の観点からいろいろあるかもしれませんけれども、この国際約束を作ったからその国際約束と同じだけに緩めると、そういう話になるというものではありません。
○谷合正明君 分かりました。ありがとうございます。 いずれにしましても、このATTにつきましてはNGOなんかもかなり積極的に実現に向けて頑張ってこられていらっしゃいまして、この運動をしてきた二〇〇三年の当時は、これは理想論だというふうに、非現実的だというふうに言われていたそうでありますが、ここまでこの議論が進んできております。富士山で言ってもまだ二合目のところなのかもしれませんが、いよいよこの実現に向けて我が国の平和協力国家としてのソフトパワーをしっかり発揮していただきたいし、そういう場であると私は思っておりますので、よろしくお願いいたします。 最後に、アフリカそして環境、この問題についてお伺いいたします。 今年は、アフリカと環境が、二つが大きなキーワードになるわけでございます。私は、いろいろ現場でアフリカの支援関係者の方の話を聞きまして、アフリカの環境問題で今一番何が深刻ですかということで聞いてまいりましたら、一つには、アフリカの森林破壊というのがあるというふうにお伺いをいたしました。世界で森林破壊というとどうしてもアマゾンに目を向けがちなんですけれども、まさに酸素の供給源、まあCO2の吸収源でもありますが、アマゾンに次いで世界で第二番目の大きな森林地帯というのがアフリカのコンゴ流域のコンゴ盆地の森林地帯なんですね。 まさに、私は、アフリカと環境がキーワードとなっている年にアフリカの持続可能な森林経営を可能とするあるいは森林保護を進める、こういった取組が日本が積極的にあってしかるべきだなというふうに考えました。とりわけ国際熱帯木材機関というITTOという国連機関を我が国は横浜に招致をしておるわけですね。その横浜でTICADが開催されるということは、これは本当に時宜にかなっているんじゃないかなというふうに思います。 そこで、私は具体的にアフリカの森林問題というふうに提起いたしましたが、アフリカの環境問題についての取組を最後にお伺いをいたします。
○国務大臣(高村正彦君) 御指摘のあった国際熱帯木材機関は、アフリカのコンゴ盆地における取組として、同地域のカメルーン、中央アフリカ、コンゴ民主共和国、ガボン、コンゴ共和国に対して、一九八九年から二〇〇七年までの間に計七十件、約二千九百二十二万ドルのプロジェクトの実施を支援しています。このうち我が国の支援額は約二千八十六万ドルであり、アフリカ、コンゴ盆地におけるITTOプロジェクトに対するトップドナーとなっているわけであります。 今後とも、こうしたアフリカの環境問題への取組を継続していく考えでございます。
○谷合正明君 是非、金額だけでなくて、これやっぱり広大な地域ですので、効率的にまた我が国も現地の専門家を養成していく必要があると、私はそのように考えております。 このTICADの大成功のために、是非積極的に取り組んでいただきたいと申し上げまして、私の質問を終わります。
○近藤正道君 社民党・護憲連合の近藤正道です。 地球温暖化の防止に関しまして、政府は、さきのダボス会議で、先ほど来議論がありました五年で百億ドル支援というクールアース・パートナーシップ、これを提起をいたしましたし、またさきのバリ会議では、ツバルなど温暖化による深刻な被害と闘っている島嶼国を救えというメッセージを発信して一定の評価を得ているところでございます。京都議定書以降の主要排出国が参加する国際的枠組みづくりのためにも、日本がリーダーシップを発揮する上でも、温暖化防止の闘いの象徴としてのツバルなど島嶼国の声を国際社会に伝えていくということは我が国の責務ではないかというふうに思っております。 今日、お手元に配付資料をお配りをいたしました。世界で最初に沈む国、温暖化によって最初にこのままいくと沈むんではないかというふうに言われておりますツバルの記事でございますけれども、この記事の右側、アルピニストの野口健さんとツバルのイエレミア首相が対談をしているんですが、この中で首相が洞爺湖サミットに招待してほしい、世界のリーダーが温暖化防止に力強い行動を起こすように訴えたいと、こういうふうに述べているわけでありますが、外務大臣、ツバルのこの首相を洞爺湖サミットに招待するお考えはございませんか。
○大臣政務官(小池正勝君) 地球温暖化というのは極めて大切な問題でございまして、政府としても積極的に対応しているところでございますが、とりわけツバルにつきましては、先生がおっしゃられましたように総理が提唱されましたクールアース推進構想に基づいてツバルを支援していくという所存でございます。 一方で、北海道の洞爺湖サミットでございますが、これのアウトリーチ会合につきましては、既に政府として十八日に同会合への招待国につきましては発表を済ませておるところでございまして、現時点におきましてはそのような考えは持ってはおりません。
○近藤正道君 今年に入りまして、鴨下環境大臣あるいは環境省のスタッフ、外務省の皆さん、JICAの皆さんがこのツバルを訪問をして調査をされております。これは平成十九年度、今年度でありますが、この予算の環境連携強化費一千四百万円、これに基づくものというふうに考えておりまして、これは継続として二十年度の当初予算の中にも続いているようでございます。 まず、環境省、今日来ておられましたらお聞きをしたいんですが、この調査の結果はどうなんでしょうか。政策目標は達成されているんでしょうか、お答えください。
○政府参考人(谷津龍太郎君) お答え申し上げます。 環境省では、二月に専門家を現地に派遣いたしまして、環境の現状を把握するとともにどのような環境改善に関するニーズがあるのかと、また今後、地球温暖化の進行に伴ってツバルでどのような問題が生じる可能性があるのかといった観点から基礎的情報の収集を行ったところでございます。 その結果、首都のあるフォンガファレ島では、人口集中による生活排水や廃棄物の問題が生じており、また人為的な土地の改変も進んでいると。こういうことによりまして海岸を保全しているサンゴが一部で死滅をいたしまして海岸浸食が進行している、こういう実態を把握したわけでございます。これらの環境問題はツバルにおいて地球温暖化の影響に対する脆弱性を高めるというふうに考えておるわけでございます。 このように、今年度の調査は所期の目的を達したところでございますけれども、環境省といたしまして、この成果を外務省などと共有をして今後のツバルの環境協力の具体化に活用していきたいというふうに考えております。
○近藤正道君 ツバルにつきましては、この地球温暖化問題が非常に人々の関心を強めている中、テレビ、マスコミでも非常に頻度高く放映されるようになりました。私も、そういう刺激を受けまして興味を持っている一人でございますが、まさに温暖化防止の闘いの最前線で苦闘していると、そういうイメージを強く持つわけでありまして、日本がこのツバルの救援のまさに先頭に立つということは、日本の姿勢を内外に示すという意味で私は非常に意味があることではないかと、こういうふうに考えております。そういう意味では、是非頑張っていただきたいと思うんですが。 今ほど環境省からお話がありましたけれども、大臣にお尋ねをいたしますが、来年度も一定の予算を組んで継続をされるようでありますが、今度はどの予算枠で出されるのか、具体的な援助案件にどうつながっていくのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(別所浩郎君) 先ほど環境省さんの方から御報告ありましたとおり環境省さんが調査団を二月に派遣されたわけでございまして、その後、三月には外務省、環境省、JICAから成る調査団、これは一体で参ったわけでございます。 先ほどから話になっております、いわゆるクールアース・パートナーシップ構想、それに関連する形でその調査団の人たちがツバルの政府関係者とも協議いたしまして、二〇一三年以降の気候変動枠組みづくりに向けた我が国の立場に賛同するということをツバル政府からも言っていただいております。そういうことを受けまして、まさにクールアース・パートナーシップ構想の中の枠組みの中でツバルを支援していこうと、そういうことにしているわけでございます。 先ほど、環境省さんの方から状況についてはいろいろ御指摘ございました。そういった御指摘を踏まえまして、調査団の結果を踏まえまして、具体的に支援策はこれから詰めていくというところでございます。
○近藤正道君 クールアース・パートナーシップの問題もありますし、そしてまたこれから、来年でしょうかね、島サミットも予定されているわけでありまして、是非その中でまさに象徴的な位置付けを込めてツバルの支援に政府が乗り出していただくことを強く望みたいというふうに思っています。 最後の質問でありますけれども、先ほども少し話がございましたけれども、途上国側にとってはODAによる必要な社会基盤整備であっても温暖化防止のプロジェクトに流れていってしまうのではないかというそういう危惧があるようでありますが、少なくともホスト国の承諾が得られるならば、京都議定書のクリーン開発メカニズム、CDMにおける我が国の温暖効果ガス削減クレジットがカウントされる余地があるわけでございます。 現在、先ほども紹介がありましたけれども、インドの省エネ地下鉄、大きな成果を上げているわけでありますが、是非ODAを活用して途上国での温暖化ガス削減事業に力を入れていただきたい、入れるべきだと、こういうふうに思っています。 途上国における排出量の削減であると同時に我が国の排出削減目標にも資する、この二つのことを同時に実現することになりますので、ODAを活用して途上国での温暖化ガス削減事業に力を入れていただきたい、こういうふうに思っておりますが、大臣に決意のほどをお聞かせいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(高村正彦君) CDMは、先進国における排出削減約束の遵守に貢献すると同時に、途上国においても持続可能な開発に資する技術や資金の移転をもたらすわけであります。我が国はODAを通じてもCDM事業を推進できるように努力をしていく考えであります。 先進国によるCDM事業実施のための公的資金の供与はODAの流用になってはならないと、これは国際的に合意されているわけであります。特定のODAプロジェクトをCDM事業として登録するためには、このような条件を満たしているものとして被援助国の同意や国連CDM理事会の承認が必要なわけでございます。 政府としては、今後も途上国における温室効果ガス排出量削減に資するODA事業をCDMとしても有効に活用できるように案件の発掘や国連への登録支援、途上国のCDM事業実施能力の向上等に努力していく考えでございます。 委員が言った方向で努力していきたいと思います。
○近藤正道君 終わります。
○委員長(溝手顕正君) 以上をもちまして、平成二十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、政府開発援助関係経費についての委嘱審査は終了いたしました。 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(溝手顕正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時十一分散会