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169回国会参議院2008/03/26

議院運営委員会 第9号

発言数
32
登壇者
8
会派数
3
開催日
2008/03/26

会議録

西岡武夫民主党・新緑風会・国民新・日本

○委員長(西岡武夫君) ただいまから議院運営委員会を開会いたします。  まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  人事官の任命同意に関する件のため、本日の委員会に参考人として人事官候補者・人事院総裁谷公士君の出席を求め、所信を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西岡武夫民主党・新緑風会・国民新・日本

○委員長(西岡武夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

西岡武夫民主党・新緑風会・国民新・日本

○委員長(西岡武夫君) 次に、人事官の任命同意に関する件を議題といたします。  候補者から所信を聴取いたします。  谷公士総裁にお願いいたします。谷公士総裁。

谷公士人事官候補者/人事院総裁

○参考人(谷公士君) 谷公士でございます。  人事院及び人事官の役割等につきまして、私の考えておりますところを述べさせていただきます。  国家公務員制度は、我が国行政の円滑な運営を確保する上で、その基盤となる重要な制度でございまして、人事院は、公務の民主的かつ能率的な運営を国民に対し保障するという国家公務員法の基本理念の下、中立・専門機関として、人事行政の公正の確保と労働基本権制約の代償機能という重要な役割を担っているものと認識いたしております。  そのため、人事官には、国民全体の奉仕者たる国家公務員としての強い自覚と高い倫理観が求められますとともに、国民各層や関係各方面の御意見を伺いつつ、誠実かつ公正に職務の執行に当たることが求められているものと考えます。特に近年、国民の公務員に対する目には極めて厳しいものがあることを十分認識し、公務員への信頼の確保に努めてまいることが重要であると考えております。  現在、行政を取り巻く環境が大きく変化いたします中にあって、公務員制度改革が重要課題とされ、様々なテーマについて鋭意検討が進められております。  全体の奉仕者である公務員は、国民本位の行政運営を実現すべく、公務に対する高い使命感と倫理観を持って与えられた職務に専念することが求められております。公務員制度は、そうした使命感と倫理観を兼ね備えた公務員集団を形成すべく、多様な有為の人材を確保、育成し、適切に配置、処遇し、高い士気と意欲を持って勤務させることを目的としているものと認識しております。  しかしながら、幹部公務員の不祥事や各分野における行政の対応をめぐる問題など、公務員の中に、国民の期待に沿った公共精神や行動様式を備えていない者を生じさせておりますことを率直に認めなくてはならないと考えます。中立・専門機関という立場から、公務員制度の運営を担ってきました人事院としても、自ら反省するとともに、必要な改革の実現に積極的に協力し、また、自らも実現に努めていく必要があると考えます。  私は、過去四年間を人事官として、後半の二年間を人事院総裁として、公務員給与の構造改革などの人事行政施策の推進に取り組んでまいりましたが、公務員制度や公務員の在り方に関しましては、解決していかなければならない問題がまだまだあると考えております。  仮に、人事官に再任されました場合には、他の人事官と協力して、そうした問題の解決に向け、微力ではございますが、最善を尽くし、適切な公務員制度及び公務員人事管理の実現に努めてまいる所存でございます。  以上、簡単でございますが、私の考えておりますところを述べさせていただきました。

西岡武夫民主党・新緑風会・国民新・日本

○委員長(西岡武夫君) 以上で候補者からの所信の聴取は終了いたしました。  委員会を暫時休憩いたします。    午後一時四分休憩    〔休憩後開会に至らなかった〕      ────・────    〔参照〕    議院運営委員懇談会速記録     平成二十年三月二十六日(水曜日)     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         西岡 武夫君     理 事                 池口 修次君                 小川 勝也君                 榛葉賀津也君                 岡田 直樹君                 世耕 弘成君                 山下 栄一君     委 員                 青木  愛君                 川上 義博君                 今野  東君                 佐藤 公治君                 武内 則男君                 那谷屋正義君                 直嶋 正行君                 中村 哲治君                 室井 邦彦君                 礒崎 陽輔君                 神取  忍君                 島尻安伊子君                 西田 昌司君                 長谷川大紋君                 丸川 珠代君                 山内 俊夫君                 義家 弘介君                 山本 博司君    委員以外の議員        議員       仁比 聡平君        議員       渕上 貞雄君         ─────        議長       江田 五月君        副議長      山東 昭子君         ─────    事務局側        事務総長     小幡 幹雄君        事務次長     橋本 雅史君        議事部長     東海林壽秀君        委員部長     諸星 輝道君        記録部長     富山 哲雄君        警務部長     井高 育央君        庶務部長     古賀 保之君        管理部長     中村  剛君        国際部長     高橋 邦夫君    参考人        人事官候補者        人事院総裁    谷  公士君     ─────────────   案件 ○人事官の任命同意に関する件     ─────────────    〔午後一時五分開会〕

西岡武夫民主党・新緑風会・国民新・日本

○委員長(西岡武夫君) ただいまから懇談会を開会いたします。  これより候補者に対する質疑を行います。  本日の懇談会の進め方でございますが、まず、大会派順に各会派一人一巡で質疑を行います。その際、発言時間は答弁も含めて約七分間程度でお願いいたします。  その後、あらかじめ質疑者を定めず、自由に質疑を行うことといたします。質疑を希望される方は、挙手の上、委員長の指名を受けてから御発言いただくようお願いいたします。  なお、質疑及び答弁の際は着席のままで結構でございます。  それでは、質疑のある方は順次御発言願います。那谷屋正義君。

那谷屋正義民主党・新緑風会・国民新・日本

○那谷屋正義君 まず、参考人に御質問をする前に、民主党は、この間様々な同意人事に向けて、そのスタンスとしては、何もちまたで言われているような経歴だけを重視するのではなくて、やはりこの間行われてきた実績、そうしたものをしっかりと検討さしていただく中で決定をさしていただくということをまず言明さしていただきたいと思います。  それでは、まずこちらから五点にわたりましてお尋ねをいたしますので、その後に参考人の方からそれぞれにお答えいただけたらと思いますので、よろしくお願いいたします。  人事院の本来の機能については、昨日の参議院総務委員会において谷候補自らが総裁としての所信を述べられ、その中で明言されたとおり、公務員の人事管理の中立公正な運営を確保し、あわせて、労働基本権の制約に対する代償として労使関係の安定と職員の利益の保護を図るとともに、人事行政の専門的機関として時代の要請や変化に的確に対応した人事行政施策を展開してきていると述べられました。  そうした中で、谷候補が人事院総裁に任命された〇六年の給与勧告では、それまで維持されてきた官民比較対象の調査基準を、私から申し上げれば改悪をされました。その年の勧告は、従来の基準であれば一・一二%アップであったにもかかわらず、新基準では格差が生じないとし、給与水準の改定を行わなかったことは不満が残るところであります。  谷候補の前任者であられた佐藤総裁は、その前の年には、人事院の官民比較の方法は精密なもので、現在の選択肢の中では最良の方法であると明言されました。その舌の根も乾かないうちに、総裁が替わられてすぐ比較方法の変更を行うことになったのは、執拗なまでの時の公務員バッシングに屈したとの見方も根強く残っているところであります。  そこで、谷候補者には、現在の公務員給与はその職務に対して適正なものとなっているかどうかを改めてお尋ねをいたします。また、こうした見方をいかに払拭し、その信頼回復へ人事院の使命をどう全うしようとされているのか、その決意を伺いたいと思います。  二点目。  一方、昨年の人事院給与勧告は、十年ぶりとなる年収ベースでプラスとなるものでありました。しかし、政府は、指定職以上の幹部職員に限定されたとはいえ、一部職員の給与を凍結するなど不完全実施の結果となりました。人事院は、この政府の対応について、財政が厳しい状況にあるとはいえ、指定職職員の給与改定を行わないという結論に至ったことは遺憾であるとの総裁談話を出されました。  人事院の使命を考えればこの談話は当然のこととはいえ、今後も人事院が公務員にかかわる人事管理をつかさどる独立性の高い専門機関であることに十分留意し、政府に対しても毅然とした態度を取られる決意がおありかどうかお伺いいたします。  三点目。  人事院の取組の大きな柱の一つに、民間人材の更なる活用など官と民の人事交流の一層の促進を挙げられていますが、その一方で、税金の無駄遣いが行われている天下り問題が懸念されているところであります。この問題については、まさに人事管理に取り組む人事官の力が問われていると考えます。  この天下り問題に対してどう考え、どう対処していくのか、決意をお願いいたします。  四点目。  公務員の定員削減や業務量の増加に伴い、非常勤・臨時職員を採用し、それらの職員に本来正規職員が行わなければならない業務を担当させております。にもかかわらず、その処遇は不十分であります。  このような実態を踏まえ、昨年の五月、参議院の総務委員会における育児休業法の審議の際に、「いわゆる常勤的非常勤職員の職務内容、勤務条件等の勤務実態について早急に調査すること。」の附帯決議を議決したところであります。それに対して人事院が、非常勤職員の給与実態の把握に努めるとともに、その実態に合った適切な給与支給の方策を検討する態度を明らかにしています。このことを本年の給与勧告に反映できるよう取組を推進していく覚悟はおありかどうか、お尋ねをいたします。  最後、五点目。  公務の職場も様々とその形態が多様化しており、また勤務環境も大変厳しいものとなっています。公務災害に関するニーズも種々出てくることは必至と言えます。  昨年の人事院の公務員人事管理に関する報告の最後に心の健康づくりの推進としても触れられていますが、実態把握をした上で、公務災害の未然防止及び被災者の十分な補償に向けて指導性が強く期待されているところであります。この点についても御決意を伺いたいと思います。  以上五点、よろしくお願いいたします。

谷公士人事官候補者/人事院総裁

○参考人(谷公士君) まず一点目の問題でございますけれども、私どもは、最初の所信表明でも申し上げましたとおり、中立公正を確保するため、それから代償機能を確保するため、人事院の大きな二つの使命と考えておりまして、これを遂行するために全力を挙げて取り組んできたつもりでございます。  先ほどの御指摘ございました二〇〇六年の給与勧告の件でございますけれども、確かに昭和三十九年以来四十年の長きにわたりまして百人を比較対象の企業規模とすると、百人以上をということで取り組んでまいりました。しかし、最近になりまして、国会を含め各方面からその見直しを求める声が出てまいりまして、私どもといたしましても、多年にわたって続いてまいりましたものでございますけれども、現在段階において国民の御支持があるのかどうか、改めてもう一度検討していく必要があるのではないかと考えまして、専門家の研究会を設置し専門的見地からの御検討をいただき、また有識者の御意見もいただき、それから各省の人事当局あるいは職員団体の御意見もいろいろ聴きながら検討を進めてまいりまして、その結果、五十人以上でございますれば、私どもが官民比較の基本といたします同種同等の者を比較するラスパイレス方式を維持することができる、それからまた、調査の完了率九〇%に近い実効性、調査の効率、実効確保をすることができるという判断をいたしましたので、できる限り関係方面の御理解をいただく努力を尽くしました上で、私どもとして責任を持って判断をいたした結果でございます。  それから、昨年の指定職の凍結のお話でございますけれども、声明でも申し上げましたとおり、確かに指定職は最上級の管理職ではございますけれども、しかし私ども、基本権制約の代償機能として、民間の調査をいたしました上で責任を持って勧告させていただいているところでございますし、昨今の公務員の状況を考えますと、特に幹部職員の指導性の発揮ということが最も強く求められている時期でもございますので、このことについては大変残念だと思っております。  いずれにいたしましても、私どもの役割は重要でございますので、今後とも各方面の御意見は謙虚にお聞きいたしますけれども、判断は責任を持って毅然とした態度で下していくべきであると考えております。  それから、天下り問題でございますが、従来、天下り問題と申しますのは、個人の服務上の問題ということで法律が作られておりましたけれども、最近になりまして、どうも各省の人事管理システムの一環として組織的に行われているのではないかという御指摘が出てまいりましたし、また、民間企業だけではなくて非営利法人についての再就職についても考えるべきではないかという問題が出てまいりまして、あのような制度改正になったものと考えております。  人事院は、今年中は引き続き従来どおりの職務を執行いたしますので、これは私、まだ再任されるかどうか分からないわけでございますけれども、そういう間についてはやはりしっかりとその責任を果たしていくべきであろうと考えます。その後のことにつきましては、まだ新しい仕組みがどのように機能するかということは分かりません。所管から外れるわけでございますけれども、しかし、人事院としては、やはり職務の公正性の確保ということは非常に重要な役割でございますし、また他方、職員の退職後の生活ということも大事でございます。それから、各省の人事施策にかかわるということでございますので、これはまさに各省の人事管理がどうなるかということとも非常に大きくかかわってまいりますので、人事院の責任の範囲に入ってくるわけでございますので、引き続き、全体としての状況を見据えて、必要な意見を言う、あるいは必要な行動を起こす必要があると思っております。  いずれにいたしましても、府省の人事の都合で各方面に御迷惑を掛けるような仕組みというものはあってはならないわけでございます。  それから、非常勤の問題でございますけれども、これは昨年の人事院勧告の際の報告でも私どもとして言及させていただきましたし、それから先ほどの附帯決議についても承知をいたしております。様々な職務がございますので様々な処遇があることは当然ではございますが、しかし、実態を見ますと、同じような職務に従事しながら処遇について相当の差があるという問題があります。  それから、非常勤職員につきましては、常勤職員との均衡を考えなければならないと同時に、同じような立場にある民間の方々の状況も、民間準拠でございますから考える必要があるわけでございまして、現在、各省の実態を調査し、できれば近い機会に、その機会は今年の勧告になると思いまして、そのことについて私は申し上げられる立場ではございませんけれども、できるだけ早い機会に何らかの考え方を示すべきであろうと思います。  ただし、この問題は給与の在り方だけではございませんで、様々な身分の措置、あるいは非常勤職員の身分そのものをどう考えるかという問題も絡んでまいりますので、関係機関といろいろ連携を取りながら取り組んでいく必要のあるテーマと考えております。  それから、公務災害の扱いでございますけれども、職員が安心して公務に専念できますように、不幸にして災害に遭われた方々あるいはその御家族については十分な手当てをするということが必要であろうと考えております。  特に近年、脳・心臓関係の疾患でございますとか精神疾患でございますとか、非常に判断の難しい事例が増えてまいりまして、そういった事例について適切にかつ迅速に対処するためには現在の認定システムについて見直しを行う必要があると考えられるので、その見直しを進めてきたところでございます。できるだけ早くこの問題についてそういうシステムを確立していかなければならないと考えております。  また、災害を発生しないというのが最善でございますので、そういう意味での職場環境の整備、あるいは過重な労働とならないような、例えば本省の職員の超勤問題もございますし、そういった問題も考えていかなければならないと考えます。  人事院といたしましては、長期病欠者の職務復帰の相談室を設けますとか、あるいは心の健康管理のための研修教材を配付いたしますとか、あるいは健康診断の仕組み、相当時間の超過勤務を行う者については健康診断を行うといった仕組みを行いますとか、幾つかの試みを重ねておりますが、今後とも非常に重要な問題でございますので取り組んでいく必要があると考えております。  以上でございます。

西岡武夫民主党・新緑風会・国民新・日本

○委員長(西岡武夫君) 岡田直樹君。

岡田直樹民主党・新緑風会・国民新・日本

○岡田直樹君 自由民主党の岡田直樹でございます。  本日、参考人には誠に御苦労さまでございます。限られた時間でありますので、二点だけお尋ねをしたいと思います。  先ほど所信の中で、公務員は高い使命感と倫理観を兼ね備えなければならないとお話しになりました。公務員を公僕、公のしもべと言うとちょっと古めかしい表現になるかと思いますけれども、やはりいつの時代にも国家国民のために献身的に働くという使命感や倫理観がなければ公務員の職務は達成をできないのだと思います。しかし、もちろんその一方で、言うまでもなく公務員も人間であり生活者であり、また労働者でもございます。私は、安定した処遇と、そして適度の福利厚生というものも欠かせないものだと考えています。この公務員の持つ二つの性格、一面では公僕であり、またその一面では労働者であるというこの二つの性格の調和を図り、バランスを取ることが一番大切なんだと思っています。  また、先ほど所信の中でも、最近、公務員を見る目が非常に厳しい、こうおっしゃいましたし、いろいろな問題も現実にあるわけですが、そうした中で、公僕と労働者、この二つの性格をどう調整をしていけばいいか、大づかみな質問で大変恐縮でありますが、お考えをお伺いしたいと思います。これが第一の質問であります。  第二に、参考人が過去四年間、人事官としてどのようなお仕事をなされたか、御自分で評価をいただきたいと思うんです。  例えば、この四年間にできました人事院勧告や意見の申出に関する法律を調べてみましたら、平成十六年から十九年の一般職の職員の給与に関する法律の改正あるいは意見の申出に関する法律が五件、各党の賛否が気になったわけですが、与党のみならず民主党におかれてもほぼ賛成をされたということでございます。  こうしたことも含めて、四年間にどのような実績を積まれたか、参考人は自ら御自分の実績を誇るようなことは好まれないかもしれませんけれども、この際、率直にお述べをいただきたいと思っております。  以上、二点についてお伺いをいたします。

谷公士人事官候補者/人事院総裁

○参考人(谷公士君) 繰り返しになりますが、私は、現在の公務及び公務員部門におけるいろいろな問題の中で一番本質的な問題は、使命感、職責の自覚にあると考えております。  公務員の立場でございますけれども、確かにおっしゃるように憲法十五条では全体の奉仕者と書いてございまして、奉仕者という概念は普通の民間での雇用関係では存在しない概念でございます。この日本という将来世代を含む共同体の運営をどうしていくかということを、共同体の構成員の中から選挙あるいは成績によって選ばれました者が担当していくというそういう役割でございまして、非常に特殊な地位を持っております。しかし同時に、各職員は勤労者であるわけでございまして、自分の労働をどう処分するかについての絶対的な権利を持っているわけでございます。  その両者をどのように調和させていくかということで、私ごときが申し上げることではございませんが、現在は、その基本権を制約する代償措置として私が従事しております人事院が設けられております。したがいまして、この人事院の役割と申しますものは極めて重いものであると考えております。  この役割がどのように見直されてまいりますのかは、これは私どもが考えるべき範疇のものではございませんで、公務員の在り方、国政執行の在り方に大きなかかわりを持つものでございますから、政府あるいは国会において十分な御検討がなされるものと思いますが、しかし現在の制度がある限り、私どもはその使命を果たすために最善の努力をしなければならないと考えております。  それから、四年間の仕事ぶりをどう考えるかという御質問でございますが、御指摘もございましたように、私といたしまして取り組んでまいりましたこと、人事院は三人の人事官の合議で行う組織でございますのでだれがということではございませんが、人事院として取り組んでまいりましたことの結果については、これは関係する方々、国民の皆様が評価されることだと私は思っております。  ただ、申し上げられますことは、私及び私の同僚は、すべて誠実に責任感を持ってそれぞれの施策を吟味し、決定してきたつもりでございます。その評価は、もちろんまだ施策が始まったばかりのものもございまして、時間の経過を待たなければ評価が出ないものもあると思いますけれども、いずれにしても、その評価は、私どもが申し上げるよりは、私どもにこの使命を負託されました方々においてなされるべきものと考えております。

岡田直樹民主党・新緑風会・国民新・日本

○岡田直樹君 ありがとうございました。

西岡武夫民主党・新緑風会・国民新・日本

○委員長(西岡武夫君) 山下栄一君。

山下栄一公明党

○山下栄一君 限られた時間ですけど、基本的なところ、根幹部分を確認させていただきたいと思います。  橋本行革以来今日に至るまで、公務員制度の改革の議論は進んではつぶれたりゆがんだりして今日に至ったのではないかと。また、今国会でも改革基本法案が出されようとしておるわけですけれども、労働基本権の制約の代償機能の方はよく言われるんですけど、もう一つの人事院の存在意義、こちらの方が非常にどんどん弱くなってきているといいますか、薄められていく方向で議論されておるんではないかということで非常に心配しております。  それは、人事行政の公正性の確保ということでございます。議論も人事院のこの中立公正性を弱める形でされがちだというふうに私は思っておりまして、この人事院の中立公正性の根拠はどこから来ているのかと、以前にも別の委員会で谷総裁にお聞きしたことがあります。  もう一度確認させていただきたいんですけど、国家公務員法三条にも人事行政の公正の確保ということが出てまいりますけれども、中立公正性という、ここが危うくなると国民はますます公務員に対する不信感が出てくるのではないかと思いますので、あえて確認させていただきますけど、この中立公正性、人事院の、内閣の所轄、人事院、その存在意義はやっぱり憲法十五条、全体の奉仕者であって一部の奉仕者ではないと、この規定から直接出てきているものだというふうに理解いたしますけれども、確認させていただきたいと思います。

谷公士人事官候補者/人事院総裁

○参考人(谷公士君) 人事と申しますのは、業務遂行の手段でございます。したがいまして、個別の人事権は、行政の執行責任を有する政府において、時々の行政課題を適切かつ効率的に執行するために行使をされるわけでございます。  しかし、実際に働きます公務員の大部分は、長期間にわたりまして勤務する職業的公務員であるわけでございまして、その公務員が安んじて公務に専念できるようにいたしますためには、人事制度及びその運用が公正中立に行われるという制度的保障と、これに対する職員の信頼が不可欠であると考えます。憲法十五条が全体の奉仕者たれということをお書きになっておられるわけでございまして、それを実現するためにはどうしても公務員が安んじて公務に専念できる仕組みが必要であり、また、その公務員の処遇は公正に行われなければならないと考えます。そして、そのことによりまして公務もまた公正中立かつ継続的、安定的、それから効率的に運営されることが期待されるものと考えます。  人事院が中立第三者機関という位置付けで人事制度とその運用について意見を述べる機能を与えられ、それからまた公務員を厳正な能力の実証に基づいて選定し、そして基礎的な素養や使命感を持った公務員を育成するという役割を与えられておりますこの現在の仕組みは、大変僣越ではございますが、非常に意味のある仕組みであると考えております。

山下栄一公明党

○山下栄一君 ちょっともう時間がなくなってしまったんですけど、人事官は、就任するときに最高裁長官の面前において宣誓書に署名してからでなければその職務を行ってはならないと、こうあります。私は、難しい国家試験を通られて役所に勤められるときに、この宣誓というのは物すごく大事ではないかなというふうに思っていまして、形だけの宣誓に最近なっているのではないかと。宣誓文に署名するだけとかね。私は、幹部の前で声を出して、そして全体の奉仕者であるということの使命感を自分自身に言い聞かせるためということも含めて、厳粛な雰囲気の中で宣誓を実際行う、声を出して誓いを立てるということを大事にした方がいいんではないかと。スタートのときもそうですし、途中で昇任するときもこういうことをきちっとやるべきではないかと思うんですが、おろそかにされているのではないかなと、こんなことを感じるんですけど、お考えをお聞きしたいと思います。

谷公士人事官候補者/人事院総裁

○参考人(谷公士君) 確かに、宣誓という行為は公務に就くに当たって自らの立場というものを再確認させるという非常に重要な意味を持つものと考えます。私も、もう四十数年前になりましょうか、宣誓をしたときの光景を今でも覚えております。ただ、多人数で採用されますと、全員がというわけにいきませんので、代表者が読み上げてという形でございましたけれども。  大変、御指摘をいただきまして、私としては不十分でございましたけれども、現在どのような形で各府省においてこれが行われているかの実態を把握しておりません。おっしゃるように、その在り方というものは、やはり厳粛な様式を持って改めて自分の職責の意味を自覚させるようなものであるべきだと思います。

山下栄一公明党

○山下栄一君 ありがとうございました。

西岡武夫民主党・新緑風会・国民新・日本

○委員長(西岡武夫君) これより自由質疑に入ります。  質疑のある方は挙手をお願いいたします。  武内則男君。

武内則男民主党・新緑風会・国民新・日本

○武内則男君 お伺いをしたいというように思います。  人事院の設置の必要性についてはお話のとおりだというふうに思いますが、ここ数年、どうも代償機能が著しく低下をして、人事院勧告制度が公務員の賃金決定システムとしての役割を十分果たせなくなっているのではないかというふうに考えますが、総裁はどのようにこの代償機能を果たそうとしているのか、その基本姿勢をお聞かせください。

谷公士人事官候補者/人事院総裁

○参考人(谷公士君) 代償機能の重要性を認識しておりますことについては何度か申し上げました。  私どもといたしましては、公務員の処遇をどういうふうな基準で決めるかということについての基本的な考え方でございますけれども、公務に比較し得る仕事というのはないわけでございまして、そういう意味で、市場原理で決められておると考えられます民間の状況、これをなるべく公務の状況に近いような形で比較をいたしまして、そしてその民間の水準に合わせるという民間準拠方式を取ってきております。これは多年にわたって定着をしてきておるわけでございまして、国民始め各方面の御支持をいただいておるものと考えます。  ただ、近年、その一部について見直しをしたということは事実でございますが、これは、先ほども申し上げましたけれども、常にこの制度につきましては制度の本来の趣旨に沿って見直しをしていくという必要があるわけでございますけれども、私どもとしましては、民間準拠を基本といたしますが、その際の手法といたしましては、同種同等の者を比較する、それもなるべく多くのサンプルを取って比較をするということが基本でございます。かつ、精度の高い調査を行うということが基本でございまして、そういうことの中で、私どもとしては責任を持って判断をしてきたつもりでございます。  しかし、人事院の機能が低下しているかどうかということは、これは、先ほども申し上げましたように、人事院に役割を与えておられる方々の御判断でございます。そういう御指摘をいただくということであれば、私どもとしてもなお一層自らの使命の達成に力を尽くしていかなければならないと考えます。

武内則男民主党・新緑風会・国民新・日本

○武内則男君 不完全実施になったという昨年の状況をどのように、じゃ、認識をされていますか。

谷公士人事官候補者/人事院総裁

○参考人(谷公士君) 先ほどもちょっと申し上げましたけれど、指定職が凍結されたということでございます。確かに、指定職は最高の管理職員でございまして、いわゆる一般の職員とは立場を異にするとは思いますけれども、しかし、やはり指定職といえども基本権はあるわけでございまして、その基本権制約の中で私どもが従来からその在り方について勧告をいたしてまいりました。  先ほども申し上げましたけれど、特に重要な役割を期待される時期にもあるわけでございますので、その処遇が凍結されましたということにつきましては大変残念でございます。私どもとしてその必要性を申し上げてまいりましたつもりでございますけれども、その努力が足らなかったと御指摘いただくならば、それも一つのお考えかと思います。

武内則男民主党・新緑風会・国民新・日本

○武内則男君 最後に、公務員制度改革の要諦は、公務員制度をより民主主義的に改革をしていくこと、キャリア制度の廃止や縦割り行政の弊害を除去は当然として、政策形成の過程で官僚独占やあるいは上意下達方式から参加型への転換、対等な労使関係の形成といったところが大変重要であると思料いたしますが、総裁のお考えをお聞かせをいただきたいと思います。

谷公士人事官候補者/人事院総裁

○参考人(谷公士君) 先ほども申し上げましたけれど、公務員の地位というのは非常に特殊なものでございまして、この共同体の運営に国民の負託を、これはまあ成績主義ですから試験でございますが、そういう形で受けて事務に当たるわけでございます。そういう意味では、真の使用者たる国民と、対等と申しますよりは特別な関係にあるというふうに私は思います。しかし、勤労者であるわけでございまして、勤労者としての自己の労働を処分する権限は完全に持っているわけでございますので、その権利は尊重する必要がある、そのために人事院が設けられていると思います。  それから、もう一つは、公務を真に能率的に運営していきますためには、これに参加する職員が十分満足して、自らの処遇に対して満足し、理解して公務に当たるということが極めて重要なわけでございまして、そういう意味で、具体的な人事制度の設計に当たりましては、当事者である職員あるいは職員団体の意向を十分お聞きした上で具体的な制度を決めていくということが何より重要であろうと思います。それを参加型という言葉を使うかどうかは別といたしまして、そういう考え方の下に人事院といたしましても、従来から勧告を実施いたしますに当たりましては、内容を決定いたしますに当たりましては、関係団体と多数回にわたる意見交換、意思疎通を行ってきているところでございます。

西岡武夫民主党・新緑風会・国民新・日本

○委員長(西岡武夫君) 島尻安伊子君。

島尻安伊子自由民主党

○島尻安伊子君 自由民主党の島尻安伊子でございます。谷参考人、本当に今日はお疲れさまでございます。  私の方からは二点御質問をしたいというふうに思います。  まず一つは、人事行政の分野においての他国との緊密な連携と交流を推進するという中で日中韓人事行政ネットワークというものがございますけれども、このものについての方向性と、それから、ここで培われたネットワークといいますか、こういうものを今後どのように生かしていくのかということをお聞かせいただければというふうに思います。  そしてもう一つは、やはり私、女性の立場からの質問になりますけれども、職員の勤務環境の整備ということで、女性に限らず男性職員も育児や介護にかかわらなければならない、こういう状況において、これまでも数々の、ワーク・ライフ・バランスといいますか、職業生活と家庭生活の両立というための支援策は講じていらっしゃるようでございますけれども、これを今後どのようにまた充実させていく計画といいますか、がおありかということをお聞かせいただければというふうに思います。

谷公士人事官候補者/人事院総裁

○参考人(谷公士君) まず、日中韓の人事行政ネットワークでございますけれども、日中韓の人事機関同士が意見を交換していく、これは同じような文化的な基盤を持っているもの同士ということで始まったわけでございまして、現在、シンポジウムを開催したり、共同研究をいたしましたり、それから行政官の交流、相互の研修というようなことを行ってきております。  まだ始まりましてから三年目ということでございますので、今後は更にこれを発展させていく必要があると思いますが、私個人の考え方といたしましては、今は人事担当職員同士の交流ということであるわけでございますけれども、いずれは各省をも巻き込んだ公務部門全体の交流ということが実現すれば非常に望ましいというふうに考えております。もちろん、個々の省庁におかれましては既にバイでそういうことをやっていらっしゃるところももちろんあるわけでございますけれども、いろいろな段階でそれぞれのこの特に関係の深い三国の交流を深めるということが必要であるわけでございますけれど、公務部門においてもそういうことを進めていくということが非常に重要ではないかというふうに考えております。  それから、女性職員、両立支援の問題でございますけれど、これは官民を問わず職業生活と家庭生活のバランスが求められているわけでございまして、こういった問題につきましては、公務部門は率先してそういう取組をしていくことが適当であると私も考えております。  幾つかの、例えば三歳未満の子を養育するための育児休業制度でございますとか、それから要介護のための介護休暇でございますとか、そういう制度をこれまでつくってきておりますし、それから、昨年には育児のための短時間勤務制度というものも提案させていただきまして、国会の御同意をいただいて法律化されたわけでございます。  今後もこのような仕組みを考えていく必要があると思いますけれども、そのためには、やはり実態として各職場においてそういう両立支援が可能となるような職場環境といいますか、職務の執行体制を整えていくという必要があるわけでございますし、これは、女性職員に限らず、男性職員についてもそのような理解を持って家庭生活に参加することができるような意識と環境を整備するということが必要かと思っております。

西岡武夫民主党・新緑風会・国民新・日本

○委員長(西岡武夫君) 山本博司君。

山本博司公明党

○山本博司君 公明党の山本博司でございます。今日はありがとうございます。  三点だけお聞きをしたいと思います。  第一点目は、障害者雇用に関してでございます。  今、政府全体で法定雇用率の二・一%を上回っておりますけれども、多様な能力を持つ方々の人材の活用ということも考えて障害者の採用を積極的に行うべきだと思います。特に今ユニバーサル社会の構築に公的機関が率先をして取り組む、これは大事なことだと思いますけれども、この障害者雇用ということに関しての御所見をまず伺いたいと思います。それが第一点目でございます。  それから第二点目は、内閣人事庁との関係でございます。  今、国家公務員制度改革の中で幹部人事を一元管理する内閣人事庁が検討されておりますけれども、この内閣人事庁ができた場合の人事院との関係、これをどのようにとらえていらっしゃるのか、御見解をお聞きをしたいと思います。  最後、三点目は、公務員の意識改革でございます。  ある識者なんか特に言われておりますけれども、今、日本全体で改革が進んでいるけれども、良い制度とか良い組織ができるだけでは本当の改革にならない、やはり新しい時代の公務員制度改革に当たっての公務員自身の意識を変えることが最も大事であると、このような指摘もございます。そういう意味で、こういった点をどう考えていらっしゃって、どう実行されるのか。  この三点の御所見を伺いたいと思います。

谷公士人事官候補者/人事院総裁

○参考人(谷公士君) まず、障害者の方々の雇用ということでございますけれど、確かにこれは人事院が直接所管するということではございませんが、各府省ともに法定雇用率は達成いたしております。  人事院自身といたしましては、例えば、職員の採用試験の際に点字試験を認めますといったような受験上の便宜を図るという制度を整備してきております。今後とも、成績主義の原則というのは公務員の世界にはあるわけでございますが、その成績主義の原則とそれから雇用促進法の趣旨、この双方を勘案いたしまして、障害者雇用の促進のために適切な対応を図っていく必要があると認識いたしております。  それから、人事庁との関係でございますが、今回の人事庁の構想、これはまだ政府内において御検討中の段階にあると承知いたしておりますけれども、基本的には、私の考えでは、具体的な人事に関する各省と内閣との役割調整ということがその背景にあるというか、主眼であるわけでございまして、そういう意味では、直ちに人事院の役割への影響があるということではないというふうに考えております。  ただ、問題は、この人事庁創設にかかわりましていろいろ指摘されました問題点、この問題点は、ほとんどが人事院の使命にもかかわってくる問題でございますので、制度改正は制度改正といたしまして、人事院としてそれらの課題に取り組んでいく必要はあると思いますし、また、制度改正ということになりました際には、人事院としての協力をしていくべきであるというふうに考えております。  それから、意識改革が最も重要であるというのは私も全くそのとおりだと思っております。しかし、これは最もまた難しい問題でもあるわけでございまして、人事院ができる範囲のことといたしましては、研修その他の機会を通じて公務員の意識というもの、公務員の使命というものを認識していただくような努力をしていくということになるわけでございます。  それから、もう一つ申し上げたいのは、今制度の改革が行われようとしているわけでございますけれども、制度は、具体的な運用もあって初めて機能するものでございますので、運用が極めて重要であると思います。特に人事制度のようなものについては、詳細を決め切るわけにはまいりません。様々な事例に、しかも生身の人間の絡む事例に対応いたしますので、運用というものが極めて重要、例えば、現在問題になっておりますキャリア制度もすべて運用の積み重ねでございます。  しかし、運用といえども、それを改め難いときには、基盤となる制度を改めて、それを契機に新たな運用を積み上げていくということもあり得るわけでございまして、そういう意味で、制度改革は、どのような運用がその制度の中で行われるかという、その見通しとそのフォローというものが極めて重要であろうというふうに考えております。その意味では、人事院もそういう役割を果たしていく必要があると考えております。

西岡武夫民主党・新緑風会・国民新・日本

○委員長(西岡武夫君) 他に御発言ございませんか。──他に御発言もないようですから、これにて候補者に対する質疑を終了いたします。  谷総裁に一言ごあいさつ申し上げます。  本日は、御意見をお述べいただき誠にありがとうございました。委員会を代表して御礼申し上げます。ありがとうございました。  なお、懇談会の速記録は本日の委員会の会議録末尾に参照掲載することといたします。  これにて懇談会を終了いたします。    〔午後一時四十八分終了〕

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