外交防衛委員会 第11号
- 発言数
- 166 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2008/05/15
会議録
○委員長(北澤俊美君) ただいまから外交防衛委員会を開会をいたします。 委員の異動について御報告をいたします。 昨日までに、谷岡郁子君及び山内徳信君が委員を辞任され、その補欠として柳田稔君及び近藤正道君が選任されました。 ─────────────
○委員長(北澤俊美君) 証人の出頭要求に関する件についてお諮りをいたします。 外交、防衛等に関する調査のうち、防衛省問題に関する件について、五月二十二日午後一時に前株式会社日本ミライズ代表取締役社長宮崎元伸君を証人として出頭を求め、その証言を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(北澤俊美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、証言を求める事項の通知その他の手続等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(北澤俊美君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 ─────────────
○委員長(北澤俊美君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。 経済上の連携に関する日本国とブルネイ・ダルサラーム国との間の協定の締結について承認を求めるの件外二件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として警察庁刑事局組織犯罪対策部長宮本和夫君外十六名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(北澤俊美君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。 ─────────────
○委員長(北澤俊美君) 経済上の連携に関する日本国とブルネイ・ダルサラーム国との間の協定の締結について承認を求めるの件、刑事に関する共助に関する日本国と中華人民共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件及び経済上の連携に関する日本国とインドネシア共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件、以上三件を一括して議題といたします。 三件の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○犬塚直史君 民主党の犬塚です。 まず、日・ブルネイ、日中刑事共助及び日・インドネシアの経済連携、これはいずれも我が会派、賛成でございます。その上で関連する質疑に移らしていただきたいと思います。 まず、本題に入る前に、今大変話題となっておりますミャンマーの現状、我が国としてはどういうふうにとらえておられるのかを御報告いただきたいと思います。
○国務大臣(高村正彦君) ミャンマーの現状というのは、サイクロンの関連でよろしいですか。
○犬塚直史君 はい、そうです。
○国務大臣(高村正彦君) 今般のサイクロンによる被害は数万人に及ぶ犠牲者を含む大きなものでありまして、ミャンマー政府による我が国を含む国際社会からの援助要員の受入れが喫緊の課題で、人道上極めて重要であると考えております。 そのような観点から、我が国はミャンマー政府に対し、国際緊急援助隊医療チーム派遣を含む人的貢献を行う用意がある旨伝えてきたところでございます。また、福田総理からの書簡発出を含め、累次にわたり我が国を含む国際社会の援助要員の受入れについて働きかけを行ってきております。 今後とも、我が国を含む国際社会からの援助要員の受入れにつき、国際機関や他の関係国等と緊密に連携しつつ、引き続きミャンマー政府に働きかけてまいります。
○犬塚直史君 今おっしゃっていただいた、今日御出席ですが、木村副大臣の、我が国を含む援助要員の受入れが重要と考えているので、是非本国に伝え、御検討いただきたいというようなコメントですとか、あるいは福田総理の出された書簡では、やはり、援助要員の受入れが重要であり、それらの受入れを前向きに検討することを期待すると、そういった表現をされているんですけれども、まず疑問なんですが、それと同時に、五月九日の外務省のプレスリリースでは、ジャパン・プラットフォームによる三件の日本のJPF参加NGO五団体の援助事業開始、現地調査団の派遣を決定したと、こう書いてあるんですけど、これは相手国政府の受入れが確約されないままに送っているんでしょうか。
○副大臣(木村仁君) 在京の大使館の話では、受入れ態勢、向こうの受入れ態勢と申しますか、事務所等を自分で持っておるようなしっかりしたNPO等については個々にビザを発給しているという報告を受けております。 したがって、向こうの政府も納得の上そのような現地で活動根拠を持っているものについては、一部そういった外国からの支援を認めているということのようであります。
○犬塚直史君 一部こうした支援を認めるというのは結構なんですが、まさに待ったなしのこの状況の中で、もう少し私は表現を強めるべきではないかと思います。 例えば五月十三日の外務省の報道官の会見記録によりますと、相手国によります受入れの準備が整わないという理由が、例えば、来られる要員の人に対していろいろなサービスをしないといけない、宿舎をどうする、手配をどうする、あるいは通訳をどうするというようなことまで心配していただくのは結構なんですが、事態はまさにそれどころではないと、一体何を考えているんだということだと思うんですけど、大臣、いかがですか、もう少しミャンマー政府が受入れを、人員の受入れを表明するということを期待するというだけではなくて、もう少し表現を強めたらいかがでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 表現を強めたら受け入れるということであれば幾らでも表現強めますが、必ずしも表現強めるから受け入れるということではなくて、国際社会がそれぞれどうやってそれぞれの立場で説得していくかということが一番大切なんだろうと思います。 先週、私、アメリカのネグロポンテ副長官あるいは豪州のスミス外務大臣、それからタイの外務大臣にもお目にかかった際、それぞれお互いに国際社会が連携してミャンマーを説得していきましょうという話をいたしました。特にタイの外務大臣については、タイは日本よりも関与政策を取っておってそれなりの影響力があると思いましたので、タイの影響力を行使してほしいということを言いました。それだからというかどうか分かりませんが、早速タイはミャンマーに特使を送り、また首相も行くという話でありますし、そういう働きかけを強めているわけであります。 また、ASEANでまた、ASEANの外相会議ですか、開くということが決定したというような発表もされていますし、ミャンマーに対する距離感というのはそれぞれの国が違うわけでありますが、それぞれのやり方で国際社会が方向は一致して人的支援を受け入れるように説得していくということが大切であると、こういうふうに思っております。 ただ糾弾すればいいという話じゃなくて、受け入れさせるという目的に向かって日本がどうしたら一番いいかということを考えていきたいと、こう思っています。
○犬塚直史君 私は、糾弾ではなくて受け入れさせることが目的であるということは全くそのとおりだと思いますが、しかし、余りにも腰が引けた表現ばかりを繰り返していれば、受け入れる素地があるところももう少し背中を押すことにはならないんではないかという気がしてしようがありません。 と申しますのも、関与、我が国が関与をしている、どういう形でこのミャンマー国内情勢について強制ではなくて関与をしていくんだ、非常に重大な関心を払って関与をしていくんだというメッセージがいま一つ外側から見ていて伝わってこない。 例えばフランス、外務省に資料をお渡ししておりますけれども、フランスのクシュネル外務大臣が、最近、保護する責任という言葉を引用して、このような事態において重大な人権上の問題が発生している状況にもかかわらず、当該国家が自国の国民を保護する能力もなければその意思も持たないような場合には、それは、その当該国民を保護する責任は国際社会が負うという文脈で非常に力強い発言をしているんですが、この発言についてはいろいろな、例えばインターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙ですとか、あるいはファイナンシャル・タイムズ紙、あるいは五月八日はロイターなどなど、各紙一斉に報じておりますので、この中で当クシュネル外務大臣の発言のところだけをクオートした記事がありましたので外務省にお渡ししてあります。これ読んでいただけますか。
○政府参考人(秋元義孝君) お答えいたします。 いただきました英文文書におきましては、二〇〇八年五月七日火曜日、クシュネル、フランス外相でございますけれども、は、食料、ボート及び救難チームが到着していることを踏まえ、保護する責任を履行できるか、また支援物資の配布を授権し、それをビルマ政府に課す国連決議を得ることができるか、国連に目を向けていると述べたということが書いてございます。
○犬塚直史君 クシュネル外務大臣の発言については賛否両論、いろいろ今取りざたをされております。しかし、最も大切なところは、この今起こった大規模な自然災害が現地政府の対応によってこれ明らかに今人的災害に変わろうとしている。こういうときに、ただ相手方のその対応を注意深く見守るというだけではなくて、やっぱり懸念を表明するということを我が国としてはっきりと発言すべきだと思うんですけれども、大臣の御所見を伺います。
○国務大臣(高村正彦君) 注意深く見守るのではなく、懸念を表明する以上の働きかけを行ってきているところでございます。先ほども御紹介ありましたように木村副大臣からも行いましたし、その他いろいろなレベルで働きかけを行ってきているところでございます。 そして、日本が直接働きかけるのと同時に、先ほど紹介しましたように、タイのように関与政策を取ってある程度ミャンマーと日本よりずっと話ができる国に対しては、あなた話ができるんだからそれをやってくれと、こういうことを言って、現実にタイは動いてきてくれていると、こういうこともあるわけであります。 動かすためにどうするかということを考えながらやっているということであります。
○犬塚直史君 もう一つお伺いしておきたいのは、相手国の政府の受入れの受諾をあくまでも求めていくという、これは大事なことだと思うんですけれども、それと同時に、今現に目の前でこういう状況が発生している、当方としてはこれを解決に向けた取組をする準備が十分にあるというときに、この受入れを金科玉条とはしないで、ある場合には積極的に出ていくという、保護する責任という考え方を大臣としてはどのようにお考えになりますか。
○副大臣(木村仁君) 御指摘いただいております保護する責任というのは、大量殺りくあるいは戦争犯罪等からいかにして人々を保護するかという観点から、特に近年になって議論されている概念であると承知をいたしております。したがって、こういった点を踏まえれば、現在のミャンマー情勢を保護する責任に基づいて議論することは必ずしも適当ではないと考えております。 いずれにいたしましても、具体的にはミャンマー政府がサイクロン被害に対する援助要員を受け入れることが喫緊の課題であって、かつ人道上極めて重要であると考えており、これまで累次の、御報告いたしましたように、政府に対してその旨を申し入れてきたところでございます。
○犬塚直史君 先ほど申し上げましたが、自然災害がまさに人的要因によってこれはまさに人的災害になりつつあるという特異なケースであります。こういうときにあっても、そうした、このミャンマーのサイクロン以前に決められたそうした原則を繰り返すだけという御答弁でよろしいんですか。大臣、どうですか。
○国務大臣(高村正彦君) 保護する責任ということに委員が前々から関心を持っておられることをよく承知しておりますし、まさにこういう場合に適用できるのではないかと考えるのも一つの考え方としてあり得ると思います。 ただ、保護する責任というのは、要するに主権国家の主権を全く無視して人道的介入ができるんだと。例えばコソボ介入のときも、これは国際社会で、コソボ空爆ですね、国際社会で賛否両論あって、日本は理解するという立場を取ったわけでありますが、主権国家の枠を超えて実力行使を保護する責任の名の下にやるということは私はあり得ることだと思いますが、よほど慎重に考えないと、本当に危険な、この場考えて保護する責任だ、行けということがまだ必ずしも国際法的に確立した概念じゃないですね、保護する責任にしても人道的介入にしても私は同じ場面で使われていると思いますけれども、私は、同じ場面で人道的介入の根拠として保護する責任ということがよく使われるわけでありますが、そういうことを余り軽々に、軽々にというよりも本当に慎重にしないと、それは要するに強い国と弱い国、同じようなことが行われていても、強い国には保護する責任を発揮して人道的介入ができないけれども弱い国にはやるとか、いろんな場面がありますから、私は、今の事態が容易ならざることは認めますけれども、余り軽々に、委員が言っていることは軽々とは言いませんけれども、よほど慎重に保護する責任それからそれに基づく人道的介入というようなことは考えなければいけないことだと。 今、人道的介入をできるような、まさに主権国家の枠を超えて実力行使をするということが、やっていい状況であるとは思っておりません。
○犬塚直史君 方向性として、こういう新しい概念、主権国家とそして人道的問題を解決する国際社会の努力というものをどういうふうにバランス取っていくのか、おっしゃるように保護する責任という概念を一つ一つのケースに当てはめてどうやって育てていくかということだと思います。 ですから、今回のことも、やっぱりこれはこれでしっかりと議論をして、どういうケースに、例えば、じゃ安保理の決議を取って、この当該国民守るためにどういう活動を安保理で決議ができるのかというような文脈で、一つ一つやっぱりおっしゃるように慎重に進めていかなければならないと思っております。その上で、保護する責任と介入する権利というのは全く違うものだということを申し上げて、次の質問に移りたいと思います。 さて、お手元に配りました国際刑事裁判所、ICC取扱い案件の一覧を御覧になってください。 外務大臣のリーダーシップをいただきましたICC、国際刑事裁判所、我が国の締結、昨年の四月二十七日にようやく実現をいたしまして、十月の一日から晴れて締約国となりました。今日の時点で、今ICCが訴追をしておりますケースがこの四件であります。コンゴ民主共和国、北ウガンダ、中央アフリカ共和国、そしてスーダン共和国のダルフールと。このダルフールの件について、赤字で二行だけここにハイライトをしてございます。ダルフールの状況だけがほかと明らかに違いますのは、付託をされたのが二〇〇五年三月三十一日、国連安保理決議一五九三号による付託を受けたのがこのダルフールのケースなんですね。これはどういうことかといいますと、この一五九三号は国連憲章七章の下による付託でありますので、執行機関を持たないこの国際刑事裁判所が場合によっては憲章七章下における強制力を持ち得るという、これは実は大変な決議を行ったわけであります。 この件については、我が国も、付託について当時の町村外務大臣が安保理において賛成票を投じました。アメリカはビトーを使わずにこれが成立したわけでありますけれども、まず、この国際刑事裁判所、憲章七章下で決議をしたと、そして国連加盟国を拘束するほかとは違う意味ということについて、外務省の方に見解を伺います。
○政府参考人(秋元義孝君) お答えいたします。 委員御指摘の安保理決議第一五九三号におきましては、安保理は、国連憲章第七章の下で、例えば、スーダン政府及びダルフール紛争の他の当事者は国際刑事裁判所及び検察官に対して十分に協力しなければならない旨を決定しております。 こうした内容を含めまして、決議の文言あるいは文脈、こういうものに照らしますれば、この決議は国連憲章第二十五条に言う安保理の決定を含むものでありまして、そのような意味で法的拘束力を有するものであるというふうに考えております。
○犬塚直史君 そのようなICCに対する国連安保理からの付託に対して、当該ダルフール政府が、訴追をされている二名の被疑者、一人は人道担当現職大臣、もう一人はジャンジャウィードと言われるいわゆる民兵組織のリーダーと言われております。この二人が共犯として訴追をされているわけですけれども、この被疑者の引渡しに全く協力をしていないという状況を踏まえまして、三月三十一日、欧州連合理事会が議長声明という形でこの安保理決議一五九三に触れて、これ以上の、つまり、ダルフール政府の協力が得られない場合は、憲章七章下のこの決議を踏まえて適切な措置を講じるべきであるという大変強い議長声明を発しているわけですけれども、これに対する我が国の立場を御説明ください。
○政府参考人(猪俣弘司君) 今、ただいま委員御指摘の声明は、スーダン・ダルフールの事態を国際刑事裁判所に付託する旨決定した安保理決議第一五九三号の採択後三年がたったにもかかわらず、スーダン政府が同決議をいまだに遵守していないことを受けて発せられたものであると承知しております。 我が国としましては、スーダン政府がダルフール問題に関する国際社会の強い関心を踏まえてICCに対して協力的な対応を速やかに行うことを強く期待しているところでございます。
○犬塚直史君 大臣、この資料に出しておりますように、やっぱりこれは国際社会の威信に懸けてこのケースをやっぱり成功させないといけないと思うんです。やっぱりほかのケースとは明らかに違って、国際社会が一致協力して国連安保理の決定の下にこの被疑者の訴追を成功させなければいけないまさに象徴的な事態だと思うんでありますけれども。 これについて、安保理付託したという事態は、半年に一度安保理での報告をしなければいけない。もう既に検察官が安保理で六回報告をしております。次の報告は今年の六月の頭ですか、もうそろそろ行われるはずでありますが、予想として大変厳しい報告が行われるだろうと。ついては、EUもそういう声明を発しているということを受けまして、実は昨日、我が国会でこのことに関する勉強会を行いました。 そして、その中で三つほど提案をさせていただいているんですけれども、まずはICCに対してこの協力を阻害している個人の資産の凍結と没収、ここまでやったらどうかということを実は議員連盟の声明で昨日発出したんですけれども、これに対する御意見を伺いたいんですが。
○副大臣(木村仁君) 御指摘のように、スーダンのICCに対する協力は極めて不十分であり、昨年十二月にはICCのオカンポ検察官が安保理に対してその旨を報告いたしております。我が国としても、このような状況が速やかに改善されることが重要であると考えております。 お尋ねのICCに対する協力を阻害している個人の資産の凍結及び没収につきましては、現在国際社会においてそのような具体的な議論があるとは承知しておりません。したがって、今後のダルフール問題をめぐる国際社会における議論を踏まえつつ、その実現可能性及び効果等も含めて十分に検討いたしてまいる所存でございます。このような点を念頭に、我が国としては、引き続き各関係国との連携を強化するとともに、適切な対応策について検討いたしたいと考えております。
○犬塚直史君 いや、ほかの国でこういう話されていないというのは十分承知しております。だからこそ議員連盟でこういう声明を出したわけですので、これに対する意見を聞いておるわけです。もう一度お答えください。
○副大臣(木村仁君) 一般論として申し上げますと、我が国においては、主として外国為替及び外国貿易法、いわゆる外為法に基づいて、必要に応じいわゆる資産凍結措置等の経済制裁措置を講じることが可能であります。 御指摘のような個人に対して経済制裁措置をとることの可否については、外為法の要件等を踏まえ、個別的、具体的な事態に応じて判断することになるわけでありますが、我が国としては、現在国際社会においてICCに対する協力を阻害している個人に対して経済制裁措置をとるべきであるといった具体的な議論があるとは承知しておりませんので、そういう動向を踏まえながら、現時点において我が国による経済措置につき云々することは、政府としては時期尚早と考えております。
○犬塚直史君 今のお答えを聞いていると、ほかの国がやってないから我が国やらないんだというふうにしか聞こえないんですけれども、少なくとも我が国議会で議員がこういう発言をしていると、これに対するコメントぐらいはしていただけないでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 私から委員にちょっと質問してよろしいでしょうか。 この趣旨は、現時点で外為法において日本国が独自にやれという趣旨なんでしょうか、それともその前段階として、そういうことをやるように国際社会に働きかけて、個人の資産凍結のようなことを求めるというような安保理決議をまずつくれという御趣旨なんでしょうか。
○犬塚直史君 国際刑事裁判所に対する協力を阻害していると確定されたスーダン政府閣僚を含むあらゆる個人の資産の凍結と没収を日本政府に対して要求をするという内容です。
○国務大臣(高村正彦君) 外為法に基づく経済制裁措置は必ずしも外務大臣の所管ではないと思いますが、私、外務大臣として見ても、先ほど副大臣が言ったように、一気にそれに行くのはちょっと唐突ではないかなと、こういう感じがいたします。委員がおっしゃるように、まさにICCというものがあって、そのことに対して協力義務が安保理決議によって課されているにもかかわらず、スーダン政府が全くそれに応じないと、こういう事態でありますから、それをさせるためにいろいろ考えるというのはそれは当然のことだと思いますが、個人の資産凍結というのは、相場観と言うとあれでありますが、一国がそれをやることによってそれだけ効果があるとも思えませんし、やはり国際連帯の中でやっていく話であって、外為法で所要の経済制裁措置をとることができることとなっているという場合は限定されているわけでありますが、直ちに当てはめるのはなかなか無理があるかなという感じは持っております。
○犬塚直史君 こういう言わば過激な意見まで日本の議会では発言があるんだというふうに使っていただければと思います。 もう一つ提案をしておりますのが、こうした個人によるスーダン国内外での活動を監視、追跡するためのICPO、国際刑事警察機構及び国際刑事裁判所とのより緊密な連携の実現ということを要求しておるんですけれども、これについての御意見を伺います。
○副大臣(木村仁君) スーダンのICCに対する協力を確保するための方策の一つとして、我が国を含む締約国が連携し対処することが重要だと考えております。また、ICCは、締約国に対する協力請求を行うに際し、適当な場合には、国際刑事警察機構、ICPO等を通じて請求をすることができるとされております。 以上の点を踏まえて、我が国としては、引き続き関係各国との連携を強化するとともに、ICCとICPOとの関係、間の協力強化の可能性を含め、適切な対策につき検討をいたしてまいりたいと考えております。
○犬塚直史君 次に、刑事司法における国際協力について伺います。 今ICCの話題が出ておりますが、例えばこうしたICCの被疑者となった外国人が日本国内に滞在する場合、この被疑者の引渡し等、刑事司法における国際協力はどのような形になるんでしょうか。
○政府参考人(猪俣弘司君) 我が国がICCローマ規程の締約国といたしまして、ICCの捜査又は訴追に対してこれに協力する条約上の義務を有しているのは委員御案内のとおりでございます。 お尋ねのケースにつきまして、例えば外国で発生しましたICCローマ規程の対象犯罪に関して、外国籍の被疑者が我が国に逃走してきたけれども我が国において当該被疑者を捜査、訴追しない場合ということもあり得ないわけではない、あり得ますので、このような場合にICCから我が国に当該被疑者の引渡し請求があれば、我が国はICC協力法に基づきまして当該被疑者の引渡手続を取るということになります。
○犬塚直史君 それでは、この当該外国人被疑者が在日米軍基地に滞在している一般人の場合、いわゆる駆け込みで米軍基地にいた場合はどのような取扱いになるんでしょうか。
○政府参考人(猪俣弘司君) ただいまのようなICCローマ規程の対象犯罪を犯した外国人、米国軍人以外の外国籍の容疑者というのが在日米軍の施設・区域に逃げ込むといった場合については、なかなか一般に想定し難いものと考えておりますけれども、仮に万が一、ICC犯罪というのは相当重大な犯罪でございますのでなかなかそういうケースはなかろうかと思いますけれども、もし仮にあったという全くの仮定のケースでお話しさせていただければ、そのような場合にICCから我が国に当該被疑者の引渡請求があれば、我が国は、米軍当局と連携し、ICCローマ規程あるいはICC協力法、我が国昨年作りました、に基づいて適切に対処するということになろうかと思います。
○犬塚直史君 それでは、そのような外国人被疑者が米国軍人であってそして在日米軍基地に滞在していた場合はどのような取扱いになるんでしょうか。
○政府参考人(猪俣弘司君) ICCローマ規程の対象犯罪を犯した在日米軍人、これもなかなか想定し難いと思いますけれども、仮にそういうことがあった場合という全くの仮定のケースでございますが、これは、我が国がICCローマ規程第九十八条2及びICC協力法第二十条第一項三号に従いまして、日米地位協定などの国際約束に基づく義務に反しない限度でICCに対して協力していくということになります。
○犬塚直史君 それは、地位協定が優先されるというお答えと理解してよろしいんですか。
○政府参考人(猪俣弘司君) 我が国に駐留する米国人に係る刑事裁判権の問題にかかわってくると思いますので、これにつきましては、我が国は日米地位協定に従って対処していくことになります。 この点については、先ほども言及させていただきましたけれども、ICC規程第九十八条2におきまして、派遣国、この場合は米国に相当しますけれども、国民のICCへの引渡しに当該派遣国の同意を必要とするという国際約束、この場合は日米地位協定でございます、に基づく義務に違反して引渡請求を行うことはできない旨規定されております。 〔委員長退席、理事浅尾慶一郎君着席〕 したがいまして、これはICC規程の締約国でありますNATO諸国や韓国に駐留する米軍人に係る刑事裁判権の問題につきましても同じような形で処理されると、地位協定に基づいて対処されるものと理解しておりますけれども、米国の同意なく米国人をICCに引き渡さないと定めた二国間合意、これはアメリカは各国とやろうとしておりますが、これは我が国としては締結しないということで締結しておりませんけれども、法的な関係の整理につきましては、先ほど申し述べましたとおり、特別、地位協定でありますとかほかの条約、日米間で結んでいる条約が優先するということだろうと思います。
○犬塚直史君 外務大臣に伺いたいんですけれども、やっぱりICCを本当に機能させるためには、やっぱり米国、中国、ロシアも含めて、いわゆるユニバーサルラティフィケーションといいますか、本当の意味での国際刑事裁判所に育てていかなければいけないということであろうと思います。 そうした中で、こういう言わば、今のお答えだと白黒はっきり言われたような感じは余りしないんですが、地位協定が優先するかのような発言があるんですが、この辺はやっぱりアメリカもICCに対する、今度の選挙の討論を聞いても、かなり態度が変わってきておりますので、やっぱりアメリカと連携してICCを機能させていくんだ、地位協定を金科玉条のようには言わない、日本からもアメリカに対してICC加盟に向けて働きかけていくんだという大臣の決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(高村正彦君) 委員がおっしゃるように、すべての主要国、主要国といわず、すべての国が加盟した方がいいに決まっているんですよ。ただ、今の大統領候補者がどういうことを言っているか私余りウオッチしてないんですけれども、少なくとも現時点のアメリカはこれには入らないということをずっと言ってきたわけですよね。入らないばかりか、幾つかの国に対しては入らない方がいいんじゃないのということまで言ってきたわけですが、そういう中で、日本とすれば入りますよということで入ったということです。 その中で、やっぱり法律上の解釈として、加盟していないアメリカ、そして日本とアメリカとの間の日米地位協定、そしてそういう中で法律上の解釈として今参事官が、政府参考人がお答えしたとおりの結果になると、こういうことでございます。 これからアメリカが入ってもらえればそれにこしたことはないと、私としてもそう考えております。
○犬塚直史君 少なくともICCに対する非常に否定的なアメリカの政策は明らかに変わりましたので、今後あらゆる機会を設けて米国に対する働きかけをお願いをして、次の質問に移ります。 日豪租税条約等に定める租税回避行為の防止措置というのがあらゆるところで講じられているんですけれども、しかし、こうした措置が一体本当に機能するんだろうかという疑問があるわけです。これはやっぱりタックスヘイブンというものの存在、世界貿易の五〇%、金融取引の五〇%がタックスヘイブン経由と言われている。大変な量です。課税逃れの総額が、これはまあ計算にもよるんでしょうけれども、二十五兆円と言われている。オフショアに隠匿されている資金の総額が一千百五十兆円と言われている。全世界の実体経済が三千六百兆円という計算がありますので、全世界の実体経済の三分の一近くがオフショアに隠匿されているという計算もあるという中で、やっぱりこのタックスヘイブン対策を抜きにして租税条約等々を議論することは、やっぱりこの大本のところをまず議論しないといけないんではないかと、こういうふうに考えるわけですが、これについて、今世界でいろんな取組はあると思いますが、財務省の見解を伺います。
○政府参考人(川北力君) お答え申し上げます。 委員からの御言及ございました日豪の租税条約の案でございますけれども、ここでは条約締結国でない第三国の居住者がこの条約の濫用を目的といたしました法人設立の行為、それに基づく租税回避につきまして防止するための条項を設けているところでございます。 この租税条約を含めました各国の税制の違いを利用いたしましたいわゆる国際的な租税回避行為につきましては、昨今、経済がグローバル化いたしまして、また経済取引が複雑化、多様化いたしましたので、そうしたいわゆるタックスヘイブン等を利用しました国際的な租税回避行為の増大という点につきましては、各国とも問題意識を持って大きな課題となっておるところでございます。 こうした租税回避行為でございますけれども、タックスヘイブンに子会社を設立することで我が国の課税を意図的に逃れようとするような行為につきましては、我が国におきましては税制上我が国の適正な課税権を確保するために外国子会社合算税制というような制度を持っておりますし、また、執行面におきましては、租税条約に基づく情報交換の拡充に努めてきているところでございます。 さらに、こうした問題につきましては、各国個別対応にはなかなか限界がございますので、国際的な協調が重要ということでございます。この点につきまして、例えばOECDでは有害税制フォーラムプロジェクトというものをつくりまして、これを通じまして各種の国際的な取組を行ってございます。このプロジェクトは九〇年代後半から実施されておりまして、現在では、OECD加盟国のみならず非加盟国にも声を掛けまして、タックスヘイブンを含むすべての国・地域におきまして税制の透明性や実効的な情報交換が確保されることを目指しまして活動をしております。我が国も、このプロジェクトを通じまして積極的な取組を続けているところでございます。
○犬塚直史君 そうしたタックスヘイブンに対する取組の一番最新の国際的な取組の一つとして、開発資金のための連帯税に関するリーディンググループという中のタックスヘイブン関連議題というのがありまして、ここに我が国外務省もオブザーバーとして参加をしております。現在、最近ノルウェーがこのタックスヘイブンについて議長国となって議論を進めているというふうに聞き及んでおります。 この議論の内容の文書は、お願いをしたんですがまだ入手できていないということですので、文書は結構ですので、今現在のこの動きに対する我が国の姿勢を伺います。
○政府参考人(大江博君) 今お話のありました開発資金のための連帯税に関するリーディンググループでございますけれども、先生御案内のとおり、飢餓及び貧困撲滅のための使用可能な資金の増加を目指して連帯税等の様々な革新的資金メカニズムについて議論をしていくということでございまして、その中でも今お話にあったタックスヘイブンの問題については、今そのお話もありましたけれども、去年の第二回総会のときに、そのときのホスト国であったノルウェーから、これは連帯税導入のときの問題点として、そういうタックスヘイブンが国際的な租税回避行為につながるということで取り上げようということになりまして、昨年の九月の韓国での第三回の総会でも決定を経てタスクフォースをつくろうということになって、これが、去年の十二月にタスクフォースの第一回会合が行われたところでございます。 それで、今年の四月のセネガルにおける第四回の総会においてもこの問題は議論されましたけれども、じゃ次回、第五回の総会、これは本年十月ギニアで開催予定ですけれども、そこでどう取り扱うのか、それから次回のタスクフォースをいつ開催するのかということについてはまだ決まっていないというのが現状でございます。 我が国としては、このリーディンググループに引き続きオブザーバーとして参加して、本件についても鋭意情報収集を行っていきたいと、このように考えております。
○犬塚直史君 実はこの第四回のセネガルの会議には私の事務所からも一人、オブザーバーではないんですが、全く外部から参加をして議論を聞いてまいったわけですけれども、残念なことに、日本の存在感というのは非常にまだ低いということです。 大臣にお願いしたいんですが、大臣、幾らこういう、例えば日豪租税条約のような、言わば表のお金を対象にして一生懸命働いている人たちを視野に入れた租税回避行為の防止措置をどんなにやったところで、その裏では世界経済の三分の一を占めるような、あるいは貿易の半分を占めるような経済活動がタックスヘイブンを経由して行われていると。言わばまじめに働いているのはばかみたいだというような状況を一刻も早く何とかしなければいけない。少なくとも、次回のギニアの会議には、高村大臣、外務省から担当をしっかりと派遣をしてこの議論に積極的に参加をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 委員の御意見を参考にしながら検討させていただきたいと、前向きに検討させていただきたいと思います。
○犬塚直史君 次に、劣化ウラン兵器について質問をいたします。 劣化ウラン兵器は人体に放射線被害をもたらす可能性があると考えますか。
○政府参考人(新保雅俊君) 劣化ウラン弾の健康や環境に与える影響については国際機関による調査が行われておりまして、ただ、これまでのところ、このような調査からは国際的に確定した結論は出されていないというふうに承知しております。
○犬塚直史君 劣化ウラン兵器はそれでは核兵器とは言えないと、こういう立場でしょうか。
○政府参考人(新保雅俊君) 核兵器につきましては、政府の見解として、核分裂又は核融合によるエネルギーを破壊力又は殺傷力として利用する兵器であるというのが長い間使っておりまして、この定義からいたしますと、劣化ウラン弾は核兵器に当たらないというふうに承知しております。
○犬塚直史君 今のお答え、大臣、余りにも私は被爆国日本としての外務省の発言とは思えないわけです。 といいますのは、確かに難しい問題であります。原爆が投下される、そしてまさに中性子線、それからガンマ線ですか、初期放射線によってあらゆる被害が高じてしまう。ここまでは確かに普通の戦争と同じかもしれません。 しかし、その後、いわゆる黒い雨が降る、あるいは残留放射能というものができてくる、そして非常に微粒な、私も科学者ではありませんのでよく分かりませんが、大きさにすると仁丹の粒ぐらいの大きさの放射能ですね、放射線を発射する物質が体内に取り込まれる。この仁丹と人間の体を比べると人間の体が富士山の約九倍というような、大変小さな放射能が人体に入る、それがその物質によっては骨に蓄積される、あるいは体の器官のあらゆるところに蓄積されるという特性を持っていると。そこから出てくる、体外に排出されることのないこの放射能が、いわゆるアルファ線とかベータ線という非常に射程距離の短い放射線を長年にわたって出し続けることによって、がんを始めとするあらゆる疾病に罹患をしてしまう、まさにこれが原爆ブラブラ病とかいろいろなことで言われている、科学的にはまだ明らかには解明されていない、しかし疫学上では解明されているという事態であります。 まさにここのところが劣化ウラン兵器が問題になっているところでありまして、まさに我が国が六十三年間にわたってこうした問題に直面をしてきた、その我が国が今のようなお答えでは、とても国際社会の一員として劣化ウラン兵器に取り組む姿勢とはとても言えないと思うんですけれども、大臣、もう一言踏み込んだ発言をお願いしたいんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 私も科学者じゃありませんので委員以上に分からないわけでありますが、核兵器の定義に関しては、これは日本国だけじゃなくて、国際社会は今政府参考人が述べたように理解されていると私は承知をしているわけであります。 〔理事浅尾慶一郎君退席、委員長着席〕 今委員が、劣化ウラン弾についてでしょうか、疫学的にはもう証明されているんだとこうおっしゃった、その点はそうなのかどうかちょっと私、私は今までレクチャーで政府参考人が言ったようなことをずっと聞いておりますが、それはその経過が解明されないまでも疫学的には解明されているという、今委員のお言葉のとおりかどうか、私なりにちょっと調べてみたいと思います。
○犬塚直史君 是非そこのところを調べていただきたいんですが、白か黒かということではないんです。疫学調査に基づいて、これはベルギーの国会で最近法律ができているんですが、要するに予防原則を適用するに足るぐらいの疫学的な結果が出ていると、つまり白か黒かと言われれば分からないと、グレーであると、グレーではあるけれども、しかしながらこれは非常に危険なグレーであると、予防措置としてこれを禁止するぐらいのグレーであるということを、WHOのこれは専門家をベルギーの国会に招致をして、そして、けんけんがくがくの議論の末、これまたあらゆる科学者の意見も議会で聴取をして、劣化ウラン弾に対する立法というのをしたわけですので、是非、大臣もこれについての関心を持っていただいて積極的な取組をお願いしたいと思います。 次に、防衛省に伺います。 自衛隊は劣化ウラン兵器を所有しているんでしょうか。
○政府参考人(小川秀樹君) お答え申し上げます。 自衛隊でございますけれども、御指摘のような劣化ウランを含有した弾薬は保有はしておりません。
○犬塚直史君 それでは、在日米軍基地には劣化ウラン兵器は存在するんでしょうか。
○政府参考人(西宮伸一君) お答え申し上げます。 在日米軍は、平素より即応態勢を維持するため、緊急事態に備えて様々な装備、物資を保有しており、劣化ウラン弾につきましても、このような観点から、我が国における一部の施設及び区域に保管されているものと承知しております。
○犬塚直史君 それでは、この劣化ウラン兵器、先ほど核兵器ではないと。まあ狭義に言えば核兵器ではありません、爆発して何とかという話でないですからね。しかし、広義の、内部被曝ということを考えれば、グレーではあるが非常に濃いグレーであるということなんですけれども、この劣化ウラン兵器の日本国内持込みについて政府の見解を伺います。
○政府参考人(西宮伸一君) 劣化ウラン兵器の白いか黒いかという点につきましては、先ほど来のやり取りということで私からは控えさせていただきたいと思いますが、劣化ウラン弾の保管がやっぱり厳重に行われるべきであるという考え方に立っておりまして、保管場所における火災の可能性を含め、様々状況に応じて厳重に保管すべきであるということで、政府として米側に劣化ウラン弾の管理に万全を期すよう求めてきておるところでございます。また、米側自身も、劣化ウラン弾につきましては厳重な管理基準の下に安全な管理に万全を期しておる、また訓練においては劣化ウラン弾は使用していないとの説明を受けておるところでございます。
○犬塚直史君 広島、長崎の被爆者の方たちが六十余年を経た今でも毎日苦しんでおられるという我が国の立場から、今のような答えはとても私は納得できません。やはり、こういう問題であるからこそ、グレーな問題であるからこそ、我が国がもう一歩踏み込んだ国際社会におけるリーダーシップを取っていただきたいと強く要望して、次の質問に移ります。 米印原子力協定、これについての我が国の現時点での立場を御説明ください。
○国務大臣(高村正彦君) 我が国は、一貫してNPTを基盤とする国際的な核軍縮・不拡散体制の維持強化を重視しているところでございます。このような観点から、我が国は、今回の二〇一〇年NPT運用検討会議第二回準備委員会の議論に積極的に参加し、二〇一〇年のNPT運用検討会議の成功に向けて努力しているところでございます。 米印合意につきましては、我が国は、インドの戦略的重要性や、十億人の人口を有するインドが原子力の活用により地球温暖化問題に対処しつつ増大するエネルギー需要を手当てする必要性は理解しているところでございます。他方で、NPTに加入していないインドへの原子力協力については、国際的な核軍縮・不拡散体制への影響等を注意深く検討する必要があると、こういう立場であります。 こうした観点から、我が国としては、インドと国際原子力機関、IAEAとの保障措置協定交渉の動向等を注視しているところでございます。また、今後、我が国としては、IAEAや原子力供給グループ等の場において、国際的な核軍縮・不拡散体制の維持強化に支障のないよう積極的に議論に参加していく考えでございます。
○犬塚直史君 もうすぐ、五月十九日から二十一日の間、NSG総会が開かれるわけであります。ここで我が国がどういう立場を表明するかということを今お願いをしているわけですが、今大臣おっしゃったのは、この米印原子力協定については注意深く検討するという表現をされました。これは全く変わっていないじゃないですか。 六月十四日、昨年の六月十四日に今のことを確認をいたしました。そうしたところが、当時の麻生太郎外務大臣が答えている、当外交防衛委員会です。読ませていただきます。「注意深く検討するという今の日本の立場は、懸念を表明しているということとは違いますね。」という質問に対して、麻生大臣、「日本からとしては、このインドの話に関してはダブルスタンダードみたいな形になるのは避けてもらわないとこちらとしては難しいことになるという話はしてあります。そして、したがって、向こうとしては、それは分かっておると、そういうことにならないようにするためにいろいろという話を向こうはしてますんで、よほどこれきっちりやってもらわないとなかなか難しいですよという話はもうかなり前の段階から言っておりますんで、これまで時間が掛かっておるというように理解をしておりますから、懸念を表明しているという意味ははっきりしております。」と、こう言っているんです。 外務大臣がはっきりとこの外交防衛委員会で、注意深く検討するというのは懸念を表明しているという意味だと、それははっきりしていると、こう言っているんですから、外務省もこのときから文章として注意深く検討じゃなくて懸念というふうに書いたらどうですか。どうして変えないんですか。
○国務大臣(高村正彦君) 麻生大臣がどう答えたかというのは今初めて聞きましたけれども、麻生大臣も、注意深く検討しているということは懸念を表明しているということだと、こういうことを言っているわけで、注意深く検討している、それは懸念を表明しているということです。 今申し上げましたように、国際的な核軍縮・不拡散体制の維持強化に支障のないように積極的に議論に参加していく、場合によっては支障が出るかもしれない、だから支障がないように積極的に議論に参加していくと、こういうことを申し上げているんです。
○犬塚直史君 NPTの枠組み自体を揺るがすようなこういう特別な協定に対して懸念をはっきりと表明できないような立場は我が国は取るべきではないと思います。懸念を表明するのであればはっきりと懸念を表明した方が、特にNSGの会議ではしていただきたいと思うんですけれども、最後に大臣の決意を伺って、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(高村正彦君) もう一度申し上げます。 国際的な核軍縮・不拡散体制の維持強化に支障のないように積極的に議論に参加していく。要するに、原子力供給グループから供給したものが間違っても核兵器開発に使われることがないように保障措置をしっかりとって、そこがきっちり確認できるかどうかと、そういうことでありますから、単に懸念を表明する以上に私は強い言い方をしていると、こういうふうに思っております。
○犬塚直史君 終わります。
○佐藤正久君 自由民主党の佐藤正久です。 議題の三条約関連の質問の前に、ミャンマーのサイクロン災害について質問をさせていただきます。 まず最初に、サイクロンや台風などの情報あるいは警報の伝達について質問をいたします。 最近、地球温暖化の影響のせいか、台風とか低気圧、サイクロンなどの被害が以前にも増してやっぱり増えている、短時間に多くの雨あるいは強い風が被害をもたらすという傾向にあると思います。 アジア、アフリカの発展途上国におきましては、まだまだ脆弱な建物、あるいは治水対策の遅れ、デルタ地帯などの立地条件等の要因からやっぱり大きな被害が出やすいと。今回もあのエーヤワディー管区のようにやっぱりデルタ地帯の方で起きているということが言われております。 今配付しております資料一を御覧ください。これが世界気象機構というところが定めている各地域における気象観測の分担あるいはその所在地になります。今回のミャンマーの場合は、インドのニューデリーにありますそういう気象局の方が警報あるいは情報の伝達担当と。日本の東京の場合は、このⅣという地域の同じデルタ地域帯のベトナムとかそういうところが担当になるというようなことが分かります。 それでは、気象庁の方にまずお伺いいたします。 今回、どのようなサイクロンに関する警報あるいは情報がインド政府からミャンマー政府になされ、そしてミャンマー政府が住民に流したのか、これについて教えてください。
○政府参考人(櫻井邦雄君) 世界気象機関の枠組みにおきまして、地域ごとに熱帯低気圧に関する情報を地域内の各気象機関に提供するセンターが設置されておりまして、このセンターの発表する情報を参考に各国の気象機関がその責任において国内に警報を発表するということになってございます。 このミャンマーを含みます北インド洋地域におきましては、インド気象局が熱帯低気圧に関する情報を各国に提供しておりまして、この度のサイクロンでもミャンマー気象局に対して情報が提供されております。 世界気象機関の情報通信網経由で気象庁が得た情報によりますと、ミャンマーの現地時間の四月二十八日午前九時半からインド気象局が三時間ごとに情報提供してございます。このサイクロンがミャンマーに上陸する一日以上前の五月一日午後零時半には、中心付近の最大風速が三十五メートルの強いサイクロンがミャンマーの西海岸、ラカイン州サンドウェイの南西六百五十キロメートル付近にあって、その後、東北東に進んで、二日の夜ごろミャンマーの北緯十六度から十八度付近に上陸する見込みということを発表してございまして、それ以降もサイクロンが衰弱するまで情報の提供を継続してございます。
○佐藤正久君 防災あるいは減災の観点からはこういう警報というものの伝達が非常に重要な要素でありまして、それが今度はミャンマー政府からやっぱり住民の方にどういうふうに伝えられたかという部分も一つの焦点になろうかと思います。 そういう観点で、ミャンマーの方にも邦人の方が住んでおられます。邦人保護の観点から、今度外務省の方にお伺いします。 今回このような警報というのは、在ミャンマーの日本大使館の方に伝えられ、そして大使館の方から在留邦人の方に届けられたという事実はあったんでしょうか。
○政府参考人(谷崎泰明君) お答えいたします。 今回のミャンマーに上陸しましたこのサイクロンでございますけれども、現地のテレビ、ラジオ放送を通じまして在留邦人の方々にもその予報が伝えられていたという状況にございます。 その上で、大使館といたしまして、この現地報道に加えまして、さらにミャンマー気象局から入手したサイクロン接近の情報を踏まえて、二日、日本人会役員に対し注意喚起の情報を伝えました。さらに、サイクロンの接近についてという一枚紙でございますけれども、その中身の情報をメールマガジンを発出いたしまして、サイクロン上陸の予想日時、地域等に関する情報提供、さらには被害に関する注意喚起を行いました。 以上でございます。
○佐藤正久君 今の答弁を聞いて安心いたしました。 在留邦人自身のやっぱり自助という部分も大事でしょうけれども、最近言われておりますような共助あるいは公助の観点からは、それぞれの日本人会あるいは在外公館あるいはJICA等の拠点とか、やっぱり連携しながら自ら守るという観点が非常に大事だと考えます。そういう面では、事前の情報というものが非常に大事ですので、これはミャンマーだけではなくていろんなところに公館があり多くの邦人が住んでいますので、今後ともそういう体制を取っていただきたいというふうに思います。 加えて、特に発展途上国の部分についてはなかなかそういう情報伝達もしにくいというところもあろうかと思いますので、そういう面では、日ごろからどういうふうな形でそういう事前の情報を流すかという部分も構築しておいていただきたいなと思います。構築することによって、逆にそれが別な場合の危機管理にも使えますし、あるいは住民の、あるいは邦人の意識の高揚にもつながると思いますので、その点については今後ともしっかりと整備をお願いしたいと思います。そういうことによって、災害が発生後の多分邦人の安否の確認という部分についても効果があると思いますので、是非よろしくお願いいたします。 続いて、災害支援についてお伺いいたします。 今まではどちらかというと生活面のテントとかあるいはジェネレーター、毛布というものの支援物資が中心に日本政府からも送られていたというふうに認識しておりますが、これからはどうしても感染症を含めた衛生面の支援が一つの焦点になってこようかと考えます。 日本政府として、今後、衛生面の支援というものをどういう形でやっていくのか、現在の検討状況あるいはお考えをお聞かせください。
○国務大臣(高村正彦君) 我が国政府は、当初からミャンマー政府と連絡を取りつつ、先方の要請に基づき約六千四百万円相当の緊急援助物資の供与及び一千万ドルを上限とする緊急支援の実施を決定したところでございます。 今御指摘の衛生面における支援の重要性は深く認識しているところでございまして、緊急援助物資の中には、ポリタンクや簡易水槽など、安全な水の確保に資する物資が含まれております。また、上限一千万ドルの緊急支援については、国際機関と協力しながら実施していくこととしております。その中には安全な水の供給等の衛生対策を計画している国連児童基金、ユニセフ等も入っているわけであります。 ユニセフによる支援プロポーザルの内容でありますが、安全な飲料水の供給とか安全なし尿処理施設の供給、医薬品の供給、マラリア予防のための蚊帳の供給、そういったことを提案しているわけで、そういったところと連携しながらやっていきたいと、こう思っております。
○佐藤正久君 是非とも、これから衛生面の支援は間違いなく出てくると思いますので、引き続き御努力をお願いしたいと思います。 そういう中で、やっぱりミャンマー政府における医療支援というのは恐らく限定的なものになりますので、いろんな形での外からの支援というものは多分一つの大事な要素と考えます。しかしながら、なかなか外からの人的支援を受け入れるという今状況にはなっておらず、やっぱり限定的なものだというふうに今聞き及んでおります。 ミャンマー政府にとっては、やはり外からはなかなか、受け入れた場合いろんな、地上でいろいろ動かれるというのを嫌な部分もあるのかなというふうに個人的には考えておりまして、であれば洋上からの衛生支援というものはどうなのかなと。例えば、病院船のようなものを日本の方から派遣をし、それに行くときは衛生物資を積んでいって港に降ろし、その後必要に応じて病人とかを船の方に運んで船の中で治療をするという形だと、非常に地上からなかなか見えにくい分野で支援ができるというメリットもあり、また支援する医療関係者に対する食事とかふろとか、あるいはそういう生活面の面倒もミャンマー政府の方に頼ることはありませんので、そういうことも一つの手かなというふうに考えます。 実際にインド政府とかあるいはフランス政府の方は、既に艦船を派遣してそのような医療物資を運んでいるという動きもあります。日本の場合は、欧米とはまた違ったミャンマー政府との外交関係を持って関与をしておりますので、そういう面でも一つのプロポーザルとしてはいいのかなというような個人的な考えを持っているんですけれども、このような考え方についての外務省の今のスタンスをお聞かせください。
○副大臣(木村仁君) 日本の艦船、特に海上自衛隊の輸送艦は病院船として十分活用できるものと考えておりますし、今委員がおっしゃられましたように、災害時における海上からの艦船による支援ということは大変有効であるというふうにも思われます。 いずれにいたしましても、軍隊の受入れについては、物資の受入れのための艦船及び輸送機による輸送に限りミャンマー政府は許可しておりますけれども、我が国としては、ミャンマー政府との連絡を取りながら、先方の要請に基づきできる限りの支援を行いたいと思っておりますので、貴重な御意見として参考にさせていただきたいと思います。
○佐藤正久君 引き続きまた御検討の方をお願いしたいと思います。 次に、支援の仕方の一つとしてよく南南協力という言葉が、あるいはやり方がありますけれども、今回ミャンマー政府は、欧米あるいは欧米の影響を受けた国際機関からの支援というのに非常に距離感を持って今対応をしているような感じにも見受けます。 しかしながら、近隣の友好国、例えばタイとかインドあるいは中国等からの衛生面の支援は受け入れたと。実際に、タイのサマック首相が現地の方に行かれて医療支援の受入れを確約させたという報道もございます。 日本は、欧米とまた違った今外交関係を持っておりますので、そういう場合、あるいは国際機関を通じたやり方だけではなく、ミャンマー政府との友好関係を持っている国、例えばタイのようなASEAN諸国あるいはインドと連携をしながら、あるいは彼らを通して緊急的な支援をするというやり方も一つの方策かなというふうに思います。 現在の取組状況、今後の検討状況についてお聞かせください。
○副大臣(木村仁君) 現在のところ、我が国としてはミャンマーが、政府が受け入れやすい形の人的支援を実現しようと努力をしてまいりました。今後とも、受け入れやすい要員支援の効果的な実施のために、国連機関、他の関係国と密接に連携しつつミャンマー政府に働きかけていきたいと考えておりますが、御承知のように、ミャンマー政府は隣接の国に対しては既に協力を求めている様子でございます。 いずれにいたしましても、そういう使いやすさということも含めて交渉してまいりたいと思っております。
○佐藤正久君 今朝のテレビでも、タイのサマック首相なんかが実際現地の方で視察している模様とか、それで医療チームの受入れを認めさせたと。非常にリーダーシップが取れるような映像がありましたので、こういう形で、タイというのは日本との関係もいいわけですので、引き続きそういう南南協力的な形で、大事なのは支援がいかに被災民に届くかという点ですので、いろんな方策を考えていただきたいというふうに要望をいたします。 続いて、日中間の刑事に関する共助に関する条約について御質問をいたします。 現在のそういう刑事に関する共助条約を締結している国、あるいは署名を今済んでいる国の状況について、現状をお聞かせください。
○政府参考人(猪俣弘司君) 現時点で我が国が刑事に関する共助条約を締結している国は米国及び韓国でございます。また、現時点で署名まで行っている刑事共助条約ということになりますと、今回御審議いただいております日中刑事共助条約でございます。
○佐藤正久君 それでは、今の名前が出ました米国、韓国あるいは中国がほかの国とどういう今締結状況になっているのか、現状をお聞かせください。
○政府参考人(猪俣弘司君) 韓国につきまして、これまで我が国、米国、中国を含めて十八か国・地域との間で刑事共助条約を締結していると承知しております。アメリカ、米国でございます、これまで我が国を含めまして五十三か国・地域との間で刑事共助条約を締結している。中国につきましては、これまで韓国や米国を含め三十五か国・地域との間で刑事共助条約を締結していると承知しております。
○佐藤正久君 今答弁ありましたように、日本の場合は今までは二か国、今回中国とやっても三か国。米国、韓国、中国もそれぞれ五十三か国、十八か国、三十五か国と、日本と比べれば多くの国とこの種条約を締結しているということだと思います。 お手元に配付しました資料二というものを御覧ください。 これでは、日本と海外におけます、実際にどのぐらいの外国人の方が日本におられ、そして実際に昨年度どのぐらいの検挙者数があったのか、あるいは海外における在留邦人がどのぐらいかというものをうちの事務所の方で調べて簡単にまとめたものですけれども、やはりこれだけ多くの外国人の方が日本に住まれ、あるいは犯罪件数がこのぐらい検挙だけであると。また、日本の、邦人も住んでいる。また、経済的な観点でもいろいろ交流があって、この前のギョーザ事件に見られるような、いろんな形が多分出ていると。恐らく日本の方で犯罪を起こしても海外に逃亡していると思われる人もいるんでしょうということも踏まえると、この種の条約というものは今後やっぱりあった方がいろんな面で効果が大きいというふうに私も思います。 ただ、なぜやっぱりこれほど日本はほかの国と比べて条約が少ないのか、なぜそして締結が今なのか、この条約というのはあればいいという、どちらかというとマストよりもベターの条約なのか、この辺についての考え方を教えてください。
○政府参考人(猪俣弘司君) 我が国は、刑事共助条約を締結していない国との間、すなわち締結していますのは米国と韓国だけでございますけれども、国際捜査共助法というのがございまして、その法律に基づきまして、当該国との間で相互主義が保証されることを条件に、当該国から要請されました共助を実施することは可能であるという状況でございましたので、これまでも諸外国・地域との間で数多くの共助が実施されてきております。 ただ、近年の国際犯罪の増加に伴いまして、委員まさに御指摘のとおり、いろいろな外国の方が来られたりとかいうこともあって国際犯罪も増加しておりまして、残念ながらそういうことの状況を踏まえますと、捜査、訴追その他の刑事手続に関する国際的な協力の重要性が高まってきていること、それから刑事共助条約を締結することによりまして共助の実効性を高めることができることに加えまして、共助の更なる効率化、迅速化を図ることができるということにかんがみまして、捜査共助条約というのを最近締結するようになっているわけでございます。 その関係で、中国との関係につきましても、当然日中間の人的往来の増加に伴いまして、我が国における来日中国人犯罪も残念ながら増加傾向にありますので、こういったことも考えながら、日中間で、首脳間で刑事司法分野における協力を強化する必要性が確認され、今回の条約の署名、それから今回御審議いただいている状況に至っております。
○佐藤正久君 ただいまの答弁で、やっぱり必要性というのはよく理解できたと思います。 資料二にもう一度目を通していただきたいんですけれども、中国、韓国、アメリカというのは、この表を見てでもやっぱり上位、一位、二位を占めておりますので、必要だなと感じます。 今後の話なんですけれども、今後もやっぱりこの種の共助条約というのは、私は個人的には必要な国とはしっかりと条約を結んでいった方がいいんではないかというふうに思います。フィリピンとかブラジルなんかも、このぐらいの多くの方が日本におられ、そして犯罪件数もこのぐらいあるんであれば、ここも一つの対象かなという感じはいたします。今後のこの種の条約をどういう考えで締結していくのか、これについての考えをお聞かせください。
○国務大臣(高村正彦君) 我が国は、米国、韓国及び中国以外の外国等との間の刑事共助条約の締結についても積極的に検討していきたいと思っております。 現時点において、我が国は、香港及びロシアとの間で刑事共助条約の締結に向けた交渉を開始し、締結に向けた作業を行っております。香港との間の協定については、既に条文テキストについての実質的な合意に達しており、双方における所要の手続が整い次第署名を行う予定であります。 今後、どのような国との交渉を開始するかについては、各国・地域との過去の共助実績、経済的、社会的結び付き、二国間関係等を総合的に勘案の上判断していくこととしております。 刑事共助条約を締結することの意義としては、相手国・地域との間の共助の実効性を高めることができること、共助の更なる効率化、迅速化を図ることができること等が挙げられます。また、特に我が国からの共助要請の件数が多い国・地域との間で刑事共助条約が締結されれば、我が国の犯罪捜査がより円滑に行われることとなり、我が国にとって意義深いと考えているところでございます。
○佐藤正久君 是非とも、今後とも国民の安心、安全のためにも、この種の条約というのはしっかりと今言われた観点に基づいて推進をしていただきたいということをお願いし、私の質問を終わります。 以上です。
○山口那津男君 公明党の山口那津男です。 まず初めに伺いますが、我が国はブルネイ、インドネシアなど二国間でEPAを締結するとともに、ASEANともEPAを締結するアプローチを取っているわけであります。ASEANについてはプラス3という形で、中国、韓国、日本がともに協力、協調関係を持ちながらお互いの連携を強めていこうという一方での関係もある中で、中国あるいは韓国がASEAN及びその構成各国に対しどのような貿易政策を取っているか教えていただきたいと思います。 それとあわせて、それらの政策と比べ、日本が二国間でEPA、あるいはASEANとも重ねてEPAを締結する、この日本のアプローチの特徴あるいは有意性についてもお述べいただきたいと思います。
○政府参考人(小原雅博君) お答え申し上げます。 中国及び韓国のASEANに対するFTA政策でございますが、これはASEAN全体を対象として物品分野の交渉を先行させて、その後でサービス及び投資分野についても交渉を行うというアプローチを取っております。 これに対しまして我が国でございますが、ただいま御指摘ございましたが、ASEAN各国との多様な経済関係を維持しているということを踏まえまして、ASEAN全体との交渉に加えて、ASEAN各国との二国間EPA交渉を進めてきた次第でございます。 また、二国間EPAにつきましては、多くの日系企業がASEAN各国に進出しております。そして、この地域との緊密かつ幅広い経済的つながりというのがございまして、そうしたことにもかんがみて、物品やサービス貿易に加えまして、投資や政府調達、競争、知的財産等の分野でのルールづくり、人の移動、人材育成や制度整備支援などの協力といった幅広い分野を対象としております。 こうした我が国のアプローチは、第一に、二国間EPAにおいて日本側、相手国側双方の個別の関心を踏まえて、広範な分野を対象として高いレベルの自由化を達成する協定を実現したということ、それから第二に、ASEAN全体とのEPAも同時に推進することによって、日系企業がASEANの域内におきまして現地生産を行う上で日本からの部品調達を容易にしたという、こうしたことによりまして、日本とASEAN域内の生産ネットワークの強化に資すること、こういった点で有益であったと考えております。
○山口那津男君 我が国の貿易政策全般を考えた場合に、本来であれば、WTOで多国間で交渉を締結するということの方が国益実現にとっては望ましい姿だと思います。 そこで、現在のドーハ・ラウンド交渉に今後どう臨んでいくのかということをお聞きした上で、それとの関係で世界各国ないしいずれかの地域とEPA交渉をどのように進めるのか、相互の関係も踏まえながらお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(高村正彦君) WTOを中核とする多角的な自由貿易体制を維持強化することは我が国の対外経済政策の基本であります。WTO交渉は、年内妥結に向けて、今後閣僚レベルで農業、NAMA、非農産品市場アクセスのモダリティー、関税削減等の方式でありますが、に合意できるかどうかの重要な局面を迎えております。我が国としては、積極的かつバランスの取れた合意を得て交渉が年内に妥結するよう、今後とも交渉に積極的に参画していきたいと考えているところでございます。 我が国は、経済連携協定は、WTOを補完し、我が国と深い経済関係を有する国との間で更なる貿易や投資の自由化を推進するとの観点から有益であると考えており、積極的に推進していく所存でございます。 今後のEPAの交渉相手国・地域については、今後の経済連携協定の推進についての基本方針や骨太の方針二〇〇七等にのっとり、我が国に有益な国際環境の形成、我が国の経済利益の確保、また相手国の状況等を踏まえて政府部内で十分検討した上で選定していく考えでございます。
○山口那津男君 日本とブルネイの経済連携協定におきましては、ブルネイから日本への農林水産品の輸入実績は現在ないと伺っております。それにもかかわらず、特定品目についてアクセスの改善を取り決めているわけでありますが、その理由はどういうことでしょうか。今後、輸入実績が確実に期待される、またそれを促進すると、こういう意図でこのような取決めをしたのでしょうか。
○政府参考人(田辺靖雄君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、直近時点におきましてブルネイから日本への農林水産品の輸入実績というのは大変少のうございます。 ただ、このブルネイとの交渉におきましては、ブルネイ側から、現在石油、天然ガス、LNGでございますが、への依存というのがブルネイの経済の体質なわけでございますが、このような経済の構造から脱却して、経済の多角化戦略を取っているのだということで、ブルネイにとりまして農林水産業は輸出潜在力を備える中核産業の一つであるということで、農林水産品に関する市場アクセスの改善について強い要望があったところでございます。 我が国としては、この交渉を進める中で、このようなブルネイ側の関心にも配慮しつつ、市場アクセス交渉の結果が我が国の農林水産業に悪影響を与えないよう十分検討した上でアクセス改善内容を取り決め、合意をしたところでございます。今後の輸入動向につきましては注視してまいりたいと考えております。
○山口那津男君 日本・インドネシア経済連携協定におきましては、看護師、介護福祉士の受入れを認めているわけであります。それに先立って、日本・フィリピン経済連携協定でも同様の規定を置いたわけでありますが、これらは特定の分野を定めて労働者を受け入れる道を開くものと評価できるわけであります。 今後、日本の少子高齢化に対応する労働市場の変化を展望したときに、一般的な出入国管理政策を取ることももちろんできるわけでありますが、それに加えて、労働市場のニーズに合った特定の分野ごとにEPAなどの個別合意を二国間ないしは地域と結ぶことによってこれを受け入れていく手法というのは有効であると考えられます。このような自然人の移動を規定したEPAをこれから増やしていく考えはおありでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 日本・インドネシアEPAでは、両国間の貿易・投資を自由化する一環として、我が国はインドネシア側の要請に基づき、看護師・介護福祉士候補者等の受入れを行うことを約束いたしました。今後とも、我が国のニーズ、相手国の要請、我が国の出入国管理政策等を総合的に勘案しつつ、EPAに基づく特定分野人材の受入れに前向きに対応していきたいと考えております。 EPAに基づく看護師・介護福祉士候補者等の受入れは、我が国の出入国管理政策の枠内で行うものでありまして、いわゆる単純労務者を受け入れるものではないことはもちろんでございます。
○山口那津男君 次に、日中刑事共助条約についてですが、中国の一国二制度の下で香港とも別途条約を締結することになっているということは先ほど大臣からも述べられたところでありますが、一方で台湾との共助についてはどうなのか。これは過去実績があるものでしょうか。また、台湾は独立した国家主体ではないと、中国の一部であると、こういう考え方の下では台湾との共助条約とかあるいは国際合意というのは結ぶことはできないんだろうと思うのでありますが、この点について法務省に伺いたいと思います。
○政府参考人(三浦守君) 刑事に関します共助、捜査共助につきましては、いわゆる外交関係というものを前提としているわけでございますので、我が国が台湾から共助の要請を受理いたしましたり、あるいは我が国から台湾に対しまして共助の要請をするということはございませんで、その捜査の共助の実績というものもございません。現状においてはそういうことでございまして、いわゆる正式な共助の形のものを行うのは困難であるというふうに考えております。
○山口那津男君 しかしながら、台湾は我が国に隣接するわけであり、また人的、経済的な交流というのはかなりのものがあるわけであります。また、実際に日本国内で犯罪を犯した台湾国籍の人、台湾籍ですね、の人が国外に逃亡していると、こういう人数も二けたに達しているわけでありますから、この点が全くこの共助の国際合意の枠から外れているというのは好ましいことではないと思うわけでありますが、何らかの意味でこの台湾と捜査の協力関係というのはつくれるものでしょうか、またできているものでしょうか、警察庁に伺いたいと思います。
○政府参考人(宮本和夫君) 日本警察といたしましては、台湾との捜査協力を行う必要がある場合におきましては、ICPOルートにより台湾当局との間で情報や資料の交換を行っているところであります。
○山口那津男君 現実にはICPOを通じて捜査の協力関係があるということでありますので、是非適切を期していただきたいと思います。 次に、日中刑事共助条約では、双罰性の欠如により共助を拒否できる場合を限定しておりません。これは日韓の関係でもそうでありますが。一方、日米の刑事共助条約では強制捜査の場合に限定しているわけでありますが、その理由は何でしょうか。
○政府参考人(西宮伸一君) お答え申し上げます。 日米刑事共助条約におきましては、条約上別段の定めがない限り双方可罰性の有無にかかわらず共助を実施する旨定められておりまして、双方可罰性の欠如を理由に共助を拒否できるのは、共助の実施に当たり強制措置が必要であると認められるときに限定されているわけでございます。 その背景の考え方といたしまして、犯罪の国際化が進行し、刑事事件の捜査に関する国際協力を一層強化する必要が増大しており、例えば各国の法制度の技術的な差異に起因する双方可罰性の欠如を理由として常に共助をすることができないとすることが必ずしも妥当とは言い難い状況となっている、こういった背景があるというふうに考えております。
○山口那津男君 一方で、日米刑事共助条約では、アメリカ側は行政機関による犯則調査にも共助を要望してきたということでありますが、日本からは要求しなかったということであります。それぞれの理由はどういうことだったんでしょうか。
○政府参考人(西宮伸一君) 日米刑事共助条約第一条三は、他方の締約国の請求に基づき、一定の条件の下でございますが、犯罪の疑いのある行為についての行政機関によるいわゆる犯則調査につきまして、同条約の規定にしたがって共助を実施する旨を規定しております。 これは、交渉当時の経緯として申し上げれば、日米刑事共助条約の交渉過程において、我が方として特段の必要はないと認識しておりましたが、米側においては強い要望があるということで盛り込まれた規定でございますけれども、当時米側がこれを要望した理由につきまして、日本政府としてお答えする立場にはございません。
○山口那津男君 これは双罰性のところとも私は関連があるのではないかと思いますが、行政機関の犯則調査と日本で考えられているものがアメリカでは刑事処罰的な手続で行われているという分野もあるのではないかと、その辺の認識の違い、実務の違いが横たわっているのではないかという気がいたしますけれども、日本で今後制度をどうつくるか、改正するかによってこの点は影響を受けていくのかもしれないと、そういう問題意識を持ちながらこれから勉強していきたいと思っております。 さて、最後に伺いますが、欧州諸国とは各種犯罪について様々な協議や連携を強めてきているところでありますが、この共助の実績というものも幾つかの国であるわけですね。例えばイギリス、フランス、オランダ等々でかなりの件数あるわけでありますが、今後、この刑事共助条約の締結の必要性はあるとお考えでしょうか、それとも現状で足りると、十分であると、そうお考えでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 英、仏、オランダ等の欧州諸国と我が国との間では共助実績が比較的多いというのは御指摘のとおりであります。 政府としては、この点も踏まえつつ、国際捜査共助の強化の観点に立って今後の刑事共助条約締結へ向けた取組を進めていく考えであります。前向きに検討したいと、こういうことでございます。
○山口那津男君 以上で終わります。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。 日本・インドネシアEPAに関連して、まず食料安全保障、最近よく言われる食料主権という問題についてお聞きします。 食料をめぐる世界的需要、価格動向は厳しくなっておりまして、最近、例えばエコノミストという雑誌は、「日本が飢え死にする」というショッキングな見出しを立てて欠落する食料安全保障を特集をしております。 二〇〇四年の四月の国連人権委員会で食料に対する権利の決議が採択をされておりますが、日本はこれに賛成しておりますが、その理由はどういうことでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 我が国は、二〇〇四年の国連人権委員会で採択された食料の権利決議に賛成したほか、国連総会で毎年採択されている食料の権利決議に対しても賛成票を投じているところでございます。 食料の権利決議においては、国、地域、国際的なレベルにおいて貧困を取り除くための緊急措置をとること、すべての人は十分な食料を確保し、飢餓から解放される基本的権利を有すること等が盛り込まれているわけであります。我が国は、この決議に対して、すべての人々に対する基本的人権の保護に資するものであると考えて賛成票を投じているところでございます。
○井上哲士君 この採択された決議の第八項目に、食料主権に関する特別報告者のレポートを留意するというのがございます。この特別報告者はジャン・ジグレール氏でありますけれども、その中身を見ますと、カンクンの失敗に照らして、食料主権というこの新しい概念を検討し理解することは不可避である、食料主権の概念の第一の重要な構成要素は食料安全保障政策に関する国家と個人の主権を回復することであるとした上で、各国政府に対し、人権規約に従って食料に対する権利を尊重し、保護し、履行することを勧告する、食料安全保障と食料に対する権利に優先順位を置くような農業と貿易モデルを検討すべきであると、こういう非常に注目すべき指摘をしております。 私、これを読みまして、この食料主権、食料安全保障という問題は、単に発展途上国だけの問題ではなくて、先進国にとっても大変重要な問題であると痛感をするわけでありますが、この点の認識はいかがか、農水省にお聞きしたいと思います。
○政府参考人(小風茂君) お答えいたします。 今委員御指摘ございましたが、食料への権利の決議、これ国連人権委員会で採択されております。また、今お話ございましたように、二〇〇四年の決議では、途上国を念頭に、各国が食料安全保障に関する施策について主権を取り戻すことを考慮すべきとの食料主権に関するレポートに留意するということが確認されております。ただ、食料主権につきましては、概念そのものが確立しているというものではなく、また今後更に議論されていくべきものというふうに考えております。 我が国といたしましては、国連人権委員会で採択されております食料への権利、この決議を尊重して、食料自給率の目標の達成に向けて、将来に向けて食料を安定的に供給するための施策を積極的に展開するとともに、食料安全保障等を確保する観点から、多様な農業の共存を基本理念といたしまして、食料輸出国と輸入国のバランスの取れた貿易ルールの確立、これを目指しまして積極的に取り組んでいるところでございます。
○井上哲士君 同じ年の十一月に、世界自然保護連合の第三回総会で生物多様性と飢餓根絶のための食料主権の確立をという決議も採択をされております。これも日本は賛成をしておりますけれども、その理由はどういうことだったんでしょうか。
○副大臣(木村仁君) 御指摘のように、二〇〇四年十一月の第三回世界自然保護会議において、生物多様性の保全と飢餓終えんのための食料主権の促進という決議のコンセンサス採択に日本は参加をいたしました。 この決議は、貧困、飢餓への対応と生物多様性の保全との間には関連性があることを認識しつつ、国際自然保護連合メンバーに対し生物多様性の保全と貧困撲滅において食料主権を支持する政策もしかるべく考慮するよう要請するということ、それから、IUCN事務局長に対して生物多様性の保全と飢餓の終えんに関するイニシアチブを策定するよう要請すること等が盛り込まれております。 IUCNでは持続可能な農業は生物多様性の保全に資するものと認識されており、この決議はその趣旨を踏まえたものであることから、我が国はコンセンサス採択に参加いたしております。 ただ、この決議では食料主権ということについても言及されておりますけれども、食料の権利に関する国連人権委員会特別報告者のレポートで提唱されている食料主権については、概念そのものがまだ十分確立されているわけではなく、今後更に議論されていくものと存じてコンセンサス参加をしたものであります。
○井上哲士君 この決議は、食料主権を支援する政策に十分な考慮を払うことと、今引用もされました、こうなっているわけですね。私は、この食料主権にかかわる二つの決議に日本が賛成をしている事実は非常に重要であるし、その趣旨にこたえるやっぱり行動が求められると思うんですね。今まだ概念は不明確だという答弁がありましたけれども、これはやはり決議に賛成した政府としてはもう少し自覚を持ってその趣旨にこたえることが必要だと思うんです。 食料主権は、途上国も先進国も、輸出のためではなくて、それぞれの国が自国民に対して食料を安定的に供給する責任を負う、そして実効ある輸入規制や価格保障などの農業政策を自主的に決定する権利と言ってもいいと思うんですね。この点から、これまで日本が行ってきた二国間のEPAの農業分野の評価というものが問われてくると思います。 そこで、まず聞くんですが、各国の農林水産物の関税率を比較する一つの目安として平均関税率がございますが、アジア各国、日本、インドネシア、韓国、タイ、インド、この平均関税率はどうなっているでしょうか。
○政府参考人(小風茂君) お答えいたします。 OECD、経済協力開発機構でございますけれども、これは、主要国の農産物における平均関税率というものを一定の前提を置きまして分析し、それらを取りまとめた結果を公表しております。この分析では、御質問ございました国又は地域の農産物の平均関税率というものにつきましては、日本は一一・七%、インドネシアは四七・二%、韓国は六二・二%、タイは三四・六%、インドは一二四・三%という記載がございます。
○井上哲士君 今挙げていただいた数字見ましても、日本はアジアの中でも一番低い平均関税率ということになっているわけですね。決して農業保護大国ということではないということがこの数字から明らかなわけでありますが、アジアの中でも一番低い平均関税率の日本が今までの二国間EPAで農業分野において高い関税譲許を行っているわけですが、その理由はどういうことでしょうか。
○政府参考人(小風茂君) お答えいたします。 御指摘のこと、アジアの中では平均関税率が低い日本がどうして譲許を行ってきたかという御指摘でございました。 EPAにおきましては、WTOの協定におきまして、実質上すべての貿易について関税を撤廃するということにされております。例えば、そういうふうになっておりますので、このため、各国とのEPAの交渉に当たりましては、守るべきものはしっかり守ると、こういう方針の下で、我が国の基幹作物あるいは地域の農林水産業における重要品目、こういうものにつきましては関税撤廃の例外扱い、こういうものを確保いたしまして農林水産品については一定の譲許を行っていると、こういうことでございます。
○井上哲士君 仮にすべての二国間EPAが発効した場合に、発効から六年から十年後ぐらいでは日本に輸入される農林水産品目の大部分の関税率が撤廃ないしは極めて低くなっていると思うんですが、具体的にこの六ないし十年後ぐらいの関税の姿というのはどういうふうになっているんでしょうか。
○政府参考人(小風茂君) ただいま現在、アジア諸国との間では日本とのEPAが発効いたしております国は、シンガポール、マレーシア、タイ、この三か国でございます。それからまた、交渉が妥結したものは、フィリピン、ブルネイ、インドネシアの三か国とそれからASEAN全体と。それから、現在交渉を行っておりますものがベトナム、インド、韓国の三か国ということになっております。 交渉が妥結したアジア諸国とのEPA交渉に当たっては、先ほども申し上げましたが、守るべきものは守ると、こういう基本方針の下で、我が国の農林水産業に悪影響を及ぼさないよう取り組んできておるところでございます。 また、現在交渉中のアジア諸国とEPAがすべて発効したという仮定で将来の農林水産物の平均関税率を算定するということは技術的になかなか困難であるというふうに認識しております。
○井上哲士君 下がっているんですか、上がっているんですか。それはいかがですか。
○政府参考人(小風茂君) 現在、交渉した結果、譲許すれば、関税率はその譲許したものについては下がるということになります。交渉中のものは、まだ、その取扱いについてはまさに二国間で話合いを行うということになろうと思います。
○井上哲士君 段階的な削減措置も終わって、広範囲な撤廃ということになると思うんですね。 今、守るべきものは守ると盛んに言われたわけですが、インドネシアからの農林水産物の輸入はアジア諸国の中では中国、タイに続いて第三番目ということでありますし、インドネシアは日本への輸出増を望んでおります。 今回の締結によって、将来のインドネシアとの間の農林水産物の輸入動向の予測というものはどういうふうになっているんでしょうか。
○政府参考人(小風茂君) 我が国とインドネシアの農林水産物の貿易の状況でございますけれども、インドネシアの対日輸出に占める割合は約三千億円、全体の一二%ぐらいでございます。そういう状況を踏まえましてEPAの交渉をいたしまして、インドネシアとのEPAの交渉におきまして、守るべきものはしっかり守ると、こういう方針の下で、我が国の基幹作物あるいは地域の農林水産業における重要品目、こういうものについては関税撤廃の例外扱いを確保したところでございます。 また、インドネシアとのEPAが発効した後のインドネシアから我が国への農林水産物の輸入動向につきましては、国内の需給動向、あるいは他国からの輸入動向、こういうものが影響することでありますので一概には言えない面があるというふうに考えておりますけれども、いずれにしても、今後ともインドネシアからの農林水産物の輸入動向というものは注視してまいりたいというふうに考えております。
○井上哲士君 要するに、具体的試算をされていないということだと思うんですが。 これまでアジアの諸国の二国間EPAを批准してきましたけれども、そういう二国間EPAの農業分野の関税削減が日本農業に与える影響、事前、事後、これは試算をされているんでしょうか。
○政府参考人(小風茂君) アジア諸国とのEPAにつきましては、シンガポール、マレーシア、タイということの間では締結をし、既に発効しております。 これらの国との交渉に当たりましては、平成十六年十一月に策定されましたみどりのアジアEPA推進戦略、こういうものに即しまして、アジアにおける食料安全保障、あるいは食の安全、安心、農林漁業、食品産業の共存共栄、あるいは農山漁村の発展の観点、こういう観点からお互いの農林水産業の存立を尊重しつつ対応するということでやってきたところでございます。 これらのEPAによる我が国農業への影響試算というものは行っておりませんけれども、守るべきものは守ると、こういう方針の下で、我が国農林水産業への影響は及ぼさないよう交渉をまとめてきたところでございます。 今後とも、その農林水産物の輸入動向につきましては注視してまいりたいというふうに考えております。
○井上哲士君 守るべきものは守ると言われますが、既に批准したものも含めて試算を行っていないということでありますから、これはやっぱり、関税削減を進めながら実際日本農業に与える影響を具体的に試算もしていないという姿勢は、これは絶対改められるべきだと思うんですね。 インドネシアとの協定では、合板とカツオ・マグロは今後の再協議ということになっておりますけれども、一般論として、貿易、経済状況や他のEPAの見直し状況によって、再協議の結果、関税撤廃や削減を含む譲許ということがあり得るんでしょうか。
○政府参考人(小風茂君) 委員御指摘ございましたけれども、今回のインドネシアとのEPA交渉の結果、合板、カツオなどの品目につきましては協定の発効から一定期間経過後に再協議を行うという扱いをされておるところでございます。再協議とされた品目につきましては再協議を行うということが求められておりまして、その旨協定の中に、五年後に一般的な見直しを行う際、あるいは四年後の再協議、そういうものが協定の中に盛り込まれておるということでございます。また、そのときにまた議論する、協議をするということになろうかと思います。
○井上哲士君 そのとき協議をするということでありまして、守るべきものは守ると言いながら、やっぱり担保措置が見えてこないわけですね。やっぱり食料主権という先ほど述べた立場に立って、実効ある輸入規制や価格保障などの大局的な判断が必要だということを指摘をしておきたいと思います。 最後、有害廃棄物の問題についてお聞きするんですが、今回の譲許表の中には灰及び残留物とか薬剤廃棄物、下水汚泥、医療廃棄物等々が入っております。これによってこういう有害廃棄物の輸出が促進をされるんではないかという懸念が相手国の国民からも出ているわけでありますが、これが有害廃棄物の輸出促進にならないのかどうか、環境省にお聞きしたいと思います。
○政府参考人(由田秀人君) 本EPA協定の発効後でありましても、日本・インドネシア間あるいは日本・ブルネイ間におきましてはバーゼル条約が従来どおり適用されることとなっております。したがいまして、有害廃棄物の輸出を行おうとする場合には、バーゼル条約に沿いました国内法であるバーゼル法に基づきまして、環境省の確認及び相手国の書面による同意、それから経済産業省の承認が得られない限り当該有害廃棄物を輸出することができないことになっておりまして、今後ともこのような有害廃棄物の輸出手続を適切に適用していく所存であります。 また、有害廃棄物がバーゼル法の手続を行わずに輸出されるようなことがないよう、我が国では関係省庁が連携いたしまして、一点は、事業者に対しまして関係法令を周知するためのバーゼル法等の説明会の開催を毎年やっておりますが、十九年度実績では全国十都市でやっておりますし、それから事業者からの輸出の個別の相談に応じる事前相談の実施をやっておりまして、十九年度の実績では約三万件に及んでおります。それから、税関への申告時における慎重な審査とか検査などの対策を行っておるところであります。 さらに、環境省におきましては、インドネシア、ブルネイを含めましたアジア各国からの参加を得まして、有害廃棄物の不法輸出入防止に関しますアジアネットワークのワークショップを過去四年にわたりまして開催しておりまして、アジア諸国とバーゼル条約の実施のための各国の取組の情報交換等を行うなど、不法な輸出入の防止についての国際的な取組を行っておるところであります。 これらの活動を通じまして不適切な輸出の防止にも最善を尽くしているところでありますが、EPAの発効後も有害廃棄物の輸出が促進されることはないように適切に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○井上哲士君 時間ですので終わりますが、やはり有害廃棄物条項を条約に盛り込みますと、形式的には輸入可能性が整って相手国の国民に不安を与えておりますし、環境NGOなども、途上国の甘い監視体制を突いた形でこのバーゼル条約規制外の中古テレビなどの脱法的処理が行われるんではないかということも指摘をされております。 農業分野については、今既定路線としてあらゆる品目の関税率を下げる措置については納得もできません。 また、外国人看護師・介護士の研修生制度、彼らに低賃金、過重労働を押し付ける可能性もありますし、労働者としての保護も十分ではないと。医療行為をさせる懸念も指摘をされておりまして、日本・インドネシアEPAについては賛成しかねるということも指摘を申し上げまして、終わります。
○近藤正道君 社民党・護憲連合の近藤正道です。 私も、インドネシアEPA協定について質問をさせていただきたいというふうに思っています。 インドネシアとのEPAについては、人の移動ということで、看護師・介護福祉士候補者の受入れが含まれております。インドネシアからの候補者は、六か月の日本語の研修期間を除きまして実質それぞれ二年半、三年半の医療・介護現場での研修期間内に看護師そして介護福祉士の国家試験に合格しないと在留資格はなくなると、こういう形になっております。現状、日本人の場合でも合格率はそれぞれ九割あるいは六割ということで、この試験は決して容易な試験ではございません。 このインドネシアからの資格者につきましての合格率について、外務省としてはどのような見積りを持っておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○副大臣(木村仁君) 合格率そのものについてどの程度になるかはまだ十分明らかでありませんけれども、インドネシア人看護師・介護福祉士候補者に対しては、六か月間で六百七十五時間の日本語研修を実施することを想定しております。やや高度の文法、漢字等を習得し、一般的な事柄について会話や読み書きができるようになるためには、約六百時間程度学習する必要があると考えられております。そのことにかんがみますれば、現在想定している日本語の学習時間は、受入れ病院、介護施設等での就労、研修を開始するに際しては適切であると考えております。 その後、看護師・介護福祉士候補者は、受入れ病院、介護施設での就労、研修等を行いつつ、日本語能力のみならず、日本の介護、看護等についても更に技術を磨いていくことになります。受入れ病院、介護施設も、候補者が国家試験に合格するよう支援することが期待されておりまして、これが病院、介護施設側の利益にもなるものと考えます。 私どもとしては、この協定の趣旨にかんがみ、優秀な候補者ができるだけ多数国家試験に合格し、資格を取得した後も日本で生き生きと働いていただくことを強く期待をいたしております。
○近藤正道君 医療・介護現場での研修時の労働条件、待遇はどのようなものになるんでしょうか。
○政府参考人(岡崎淳一君) インドネシア人の看護師、介護福祉士の候補者の方々につきましては、受入れ施設で国家資格の取得に向けた研修、就労しながら研修を受けると、こういうことであります。その際には雇用契約の下に働いていただくと、こういうことを考えております。その際の条件につきましては、これは各受入れ施設の方から求人条件として出していただいて、それをインドネシア側に示して、その条件の下で雇用契約を結んで働いていただくと、こういうことを考えております。
○近藤正道君 いずれにいたしましても、候補者は日本の医療、介護の資格がないわけでありますので、日本の看護助手だとかあるいは無資格の介護労働者というレベルと大体同じくなるんだろうと思うんです。法的には最低賃金しかなくて、あとは結局、資格のない日本の労働者と同レベルで結局市場にゆだねられると、こういう形になっていくんではないですか。どうでしょう。
○政府参考人(岡崎淳一君) 最低賃金という一番下のセーフティーネットはございますが、それ以外に、今回入ってこられる方々につきましては日本人の同じ仕事をしている方と同等の報酬を受入れの際の要件とすると、こういうことにしておりますので、決して最低賃金ということではなくて、それぞれの施設で同じ仕事をしている方々、日本人と同等の賃金は保障していただくと、こういうことを考えているというのが一つであります。 それからもう一つは、インドネシア側からの要望もありまして、インドネシアではちゃんとした看護師の資格を持っておられて実務経験がある方を受け入れると、こういうことを考えておりますので、私どもとしましては、それに見合った処遇をしていただくように受入れ施設の方にも要請しながら、要望しながら求人条件を出していただくと、こういうふうにしていきたいと、こういうふうに考えております。
○近藤正道君 受入れ機関が社団法人の国際厚生事業団ということでありますが、この事業団の監督権限、これはどの程度のものなんでしょうか。
○政府参考人(岡崎淳一君) 国際厚生事業団につきましては、今回EPA協定がお認めいただいた後に受入れの際のスキームを厚生労働大臣の告示できちんと定めると、その中で、国際厚生事業団を告示の中できちんと位置付けた上で仕事をしていただくと、こういうことを考えています。 強制的な権限ということではありませんけれども、この国際厚生事業団にきちんと報告をしていただくとか、あるいはその巡回指導を受けていただくということ自体がスキームの中の要件になっておりますので、そういう中で受入れ施設の方ときちんとした対応をしていただく。それを超えた部分につきましては、当然、労働関係法令違反その他につきましては権限のある労働基準監督署その他の方で問題があれば対応すると、こういうことで対応していきたいというふうに考えております。
○近藤正道君 外務省にお尋ねをいたしますが、インドネシアから大量の候補生が日本へやってくるわけなんですが、これによってインドネシア国内の医療・介護水準に悪影響を及ぼすことがないのか、日本政府としてはこの点について調査検討はされたのか、お聞かせをください。
○副大臣(木村仁君) 日本・インドネシアEPAはインドネシア側に看護師、介護福祉士を送り出すことを義務付けるものではございませんで、むしろ向こうからの要望があって入った要項でございまして、インドネシア国内における医療・福祉サービスの提供はインドネシア自身が責任を持って行う事項であると考えております。したがって、インドネシア政府として、その判断で定数を決めて送り出すものでありますから、インドネシア国内の医療サービスの充実を図ることの障害がないように配慮されるものと思っております。
○近藤正道君 いずれにしても、日本政府としてはインドネシアの国内情勢については調査はされていないということですね。
○副大臣(木村仁君) 交渉の過程でいろいろ意見の交換はあったと思いますが、大掛かりな調査をしたということはないと思います。
○近藤正道君 最初の二年間の実績で受入れの人数を見直すということでありますが、資格試験までの期間が看護三年、介護四年を上限としておりまして、見直しの際に国家試験の合格率を考慮しないというのは私、問題ではないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○副大臣(木村仁君) 今、二年の期間で受入れ枠をまず決めておりますけれども、インドネシア人看護師・介護士候補者の受入れにつきましては、これらの者の円滑かつ適正な受入れを行うことができるかどうか、我が国の労働市場に悪影響を及ぼさないかどうかといった点から二年間の人数の上限を一応決めたものでありまして、まずは円滑なスタートを切ることが大切だと考えております。 三年目以降の受入れの人数枠につきましては、その時点までの受入れ実績や受入れ施設等の状況を踏まえて政府として責任を持って判断していく考えでありますが、この検討を現時点で予断することは適当ではないと存じます。 その際、国家試験の合格状況について十分な資料が得られるものであれば、看護師の方についてはそうでありますが、介護福祉士の方についてはまだ試験が行われていないということかもしれませんが、そういう材料を得られる限りにおいて検討の対象となり得ると考えております。
○近藤正道君 厚労省の方にお尋ねをしたいんですが、結局、看護・介護職員の労働条件を低い水準に固定して現場での職員不足に拍車を掛けることになるんではないかと、私はそういう懸念が払拭できないんです。今、外国人研修生あるいは実習生が安価な労働力として使い捨てられている、こういう問題が引きも切らないと、こういう状況であるわけでありますが、そのようなものにならないかという心配をしております。 大臣告示で雇用契約の条件としていろいろ、今ほど申し上げられたように、日本人と同等と、こういう話をしておりますけれども、今言った懸念、払拭できるというふうにお考えでしょうか。
○政府参考人(岡崎淳一君) 個々の入ってこられる方の条件につきましては、先ほど申し上げましたような日本人で同じ職務に就いている方と同等以上の報酬、したがいまして、資格取得するまでは看護関係の、看護師ではない方との同等ということになりますが、資格取得後はむしろ看護師なり介護福祉士と同等の報酬ということでございますので、これはきちんと守るようにしていきたいと、こういうふうに考えているというのが一つでございます。 それからもう一つは、全体として外国人の看護師、介護福祉士の方が増えていく中で、全体として、マクロでの影響がどうかと、こういうお話もあるのかもしれません。その部分につきましては、むしろその受入れ枠をどう考えていくかということにつながっていくんだろうと、こういうふうに思っておりますが、その辺も含めまして、当初は二年間で四百人、六百人でございますが、その辺の状況も見ながら受入れ枠については適切に考えていく、こういうことで対応していきたいと、こういうふうに考えております。
○近藤正道君 私の前の共産党井上議員の農業に対する影響、そして今私は日本の労働市場、とりわけ看護だとかあるいは介護の現場に及ぼす影響についてお話をさせていただきました。外国人労働者、あるいは研修生、実習生の問題、こういう問題がきちっと解決されない中でこの制度が入るということについて私は、本当に慎重にならざるを得ない、反対せざるを得ないと、こういう点を指摘をさせていただいて、時間がありませんので、次の質問に移りたいというふうに思っています。 防衛大臣にお越しをいただきました。 防衛省の報償費の裏金のことでございまして、私は去年の十二月と今年の一月と三月と、三度聞いております。その都度大臣は調査中ということでありますが、もうそろそろこの問題がマスコミに出て、あるいは国会で議論になって半年たつわけでございます。この間、中間報告もない、一切ない、報告もないと。一体本当にその調査をしているのか、こういう私は心配も持っています。まあ一部マスコミも、もうやめたんだと、こういう話もちょっと以前出ておりましたけれども、きちんとやっぱり国会に、これだけ議論になっているんですから、せめて中間報告なり、今現在どうなっているのか、これからどうなるのか、報告を是非してください。どうぞ。
○国務大臣(石破茂君) 先生始め当委員会において、あるいは衆議院の委員会においてもそのような御指摘をいただいております。 調査をやめたのではないかという御指摘でございますが、そのようなことはございません。私として、この報償費の問題についてきちんと国民の皆様方に御説明できるようにということで事務方に対して強い指示を出しております。 現在、江渡副大臣を中心にその議論を行い、調査の厳正を期しておるところでございまして、時期がいつということを今申し上げる段階にはございませんけれども、きちんとした報告ができるというようなことを目指しましてといいますか、それが行い得るように作業を進めておるところでございます。いいかげんにするつもりは全くございません。
○近藤正道君 今までと全く同じ答弁でありますが、前回もここで少し時間を食っているんだという話がありましたけれども、一番のネックになっている点、時間が掛かっている点、何なんですか。もう少し、これだけ時間もたっているわけで、何度も議論になっているんで、せめてこういうところでやっぱり今少し時間食っているんだというぐらいの話はしてしかるべきなんじゃないですか。
○国務大臣(石破茂君) これ、時間が掛かっておりますのは、時間といいますか、その報償費を使いましたその時点からかなり時間が経過をして、担当者が変わった等々の問題がございます。ただ、担当者が変わったから分からぬみたいなことでは駄目なので、その者が現在おりますところ、それをきちんと把握をし照合をするということを行っておるところでございます。 一番の問題はそういうことかなというふうに私は認識をいたしておりますが、いずれにしても、きちんとした御報告ができる、それも不正確な御報告ではなくて精度の高い御報告をしなければなりませんので、そのために時間を要しているものでございます。そう多くの時間を掛けずに御報告ができるように今更に督励をいたしておるところでございます。
○近藤正道君 うみは早期に徹底的に出していただきたい、強く申し上げておきたいというふうに思っています。 外務大臣に最後でございますが、本日冒頭に二十二日の宮崎さんの証人喚問の実施が決定したわけでありますが、今年の一月の初めに当委員会で、平和・文化交流協会の秋山直紀さんを参考人として招致をいたしました。その際にも、秋山さんが理事をやっております平和・文化交流協会、いろんな問題があるんで立入調査等もやっぱり外務省としてするべきではないかという、こういう話も出たやに思っておりますが、その後、秋山さんは破産ということで、今、東京地裁で破産の手続に入っております。しかし、私が承知している限りにおいては、まだこの方は平和・文化交流協会の理事の職にあるということであります。 今年の一月に外務省が立入調査をやられたようでありますが、資料が十分整わなかったと。文化協会の、何というか、協力は得られなかったんだろうと思うんですけれども、ごく一部の調査しかできなくて、またもう一度やらなければならないと、こういう調査結果が出ている。 しかも、秋山さんは、破産決定を受けながら依然としてこの平和・文化交流協会の理事の職にとどまって、仄聞するところによれば、従来の活動、つまり、アメリカへ行って防衛関係者と日本の国会議員を会わせる、そういう仕事にも従来どおりやっておられるような、そういう報道もなされております。 まさに、外務省の立入りにも協力をしない、理事も辞めない、ある意味では外務省随分なめられているなと、秋山さん、やりたい放題のことをやっているなと、こんなことでいいのかなと。外務省はもっと所管法人の運営の在り方、これだけ大きな問題になっているわけでありますんで、もっときちっとやっぱり監視をしてチェックをしてしかるべきやっぱり措置をとると、こういう毅然たる態度を取っていかないと、まだまだ防衛利権、防衛省の利権の問題についてはいろんな議論があって、もしかするとまた再燃するかもしれないと、こういう動きもある中で、やっぱりこれはまずいのではないかと私は思えてならないんですが、どうなっているんですか、これは。
○副大臣(木村仁君) 御指摘のように、立入検査もいたしましたが、ほとんどの資料が既に公安によって押さえられているという面があるのと、若干当該団体の協力も十分でなかったと思いますけれども、十分な成果を得られておりませんので、また改めて資料等の提出を命じ、やり直す必要があると思っております。 それから、秋山理事につきましては、破産手続が確定しましたら既に理事としての立場にないはずでありますから、そのことは通知をもって指摘しております。ただ、若干特例等の規定があれば民法の規定にかかわらず理事ができるというようなことの解釈がいろいろあって、当該団体でも検討をしていると思っております。 なお、出張した形跡がありますけれども、ほとんど国会議員と向こうの政府との仲立ちをするような立場には既になかったように理解しております。
○近藤正道君 時間がもうあとわずかなんですが、この平和・文化交流協会には独法を通じて外務省から助成金等が出ているんじゃないんですか。そういう関係にありながら、いろいろ議論のある、しかも破産決定を、破産の立場にある、破産者の立場にある秋山さんが今もこの協会の理事にとどまっている、それに対して外務省がきちっとした指導力を発揮できない、それは問題なんじゃないですか。大臣、どうですか。
○国務大臣(高村正彦君) かつて具体的なプロジェクトに対しての支援はしてきたという事実があります。ただ、今そういうことは一切なくなっているというふうには承知をしております。 行政は法律によって行われるものでありますから、法的に何ができるか検討してみたいと思っています。
○近藤正道君 終わります。
○委員長(北澤俊美君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 まず、経済上の連携に関する日本国とブルネイ・ダルサラーム国との間の協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(北澤俊美君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定をいたしました。 次に、刑事に関する共助に関する日本国と中華人民共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件の採決を行います。 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(北澤俊美君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 次に、経済上の連携に関する日本国とインドネシア共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(北澤俊美君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定をいたしました。 なお、三件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(北澤俊美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(北澤俊美君) 次に、投資の自由化、促進及び保護に関する日本国とカンボジア王国との間の協定の締結について承認を求めるの件、投資の自由化、促進及び保護に関する日本国とラオス人民民主共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件及び全権委員会議(千九百九十四年京都、千九百九十八年ミネアポリス及び二千二年マラケシュ)において改正された国際電気通信連合憲章(千九百九十二年ジュネーブ)を改正する文書(全権委員会議(二千六年アンタルヤ)において採択された改正)及び全権委員会議(千九百九十四年京都、千九百九十八年ミネアポリス及び二千二年マラケシュ)において改正された国際電気通信連合条約(千九百九十二年ジュネーブ)を改正する文書(全権委員会議(二千六年アンタルヤ)において採択された改正)の締結について承認を求めるの件、以上三件を一括して議題といたします。 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。高村外務大臣。
○国務大臣(高村正彦君) ただいま議題となりました投資の自由化、促進及び保護に関する日本国とカンボジア王国との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 平成十九年一月以来、両国間で協定の締結交渉を行ってきた結果、平成十九年六月十四日に東京において、我が方安倍内閣総理大臣と先方フン・セン首相との間でこの協定の署名が行われた次第であります。 この協定は、投資の許可段階における内国民待遇及び最恵国待遇の原則供与、並びに技術移転要求を始めとする特定措置の履行要求の原則禁止を規定するとともに、収用等の措置がとられた場合の補償措置、支払等の自由な移転、投資紛争の解決のための手続等について定めております。 この協定の締結は、我が国とカンボジア王国との間の投資の増大及び経済関係の更なる緊密化に大いに資するものと期待されます。 よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。 次に、投資の自由化、促進及び保護に関する日本国とラオス人民民主共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 平成十九年三月以来、両国間で協定の締結交渉を行ってきた結果、平成二十年一月十六日、東京において、私と先方トンルン副首相兼外務大臣との間でこの協定の署名が行われた次第であります。 この協定は、投資の許可段階における内国民待遇及び最恵国待遇の原則供与、並びに研究開発要求を始めとする特定措置の履行要求の原則禁止を規定するとともに、収用等の措置がとられた場合の補償措置、支払等の自由な移転、投資紛争の解決のための手続等について定めております。 この協定の締結は、我が国とラオス人民民主共和国との間の投資の増大及び経済関係の更なる緊密化に大いに資するものと期待されます。 よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。 最後に、全権委員会議(千九百九十四年京都、千九百九十八年ミネアポリス及び二千二年マラケシュ)において改正された国際電気通信連合憲章(千九百九十二年ジュネーブ)を改正する文書(全権委員会議(二千六年アンタルヤ)において採択された改正)及び全権委員会議(千九百九十四年京都、千九百九十八年ミネアポリス及び二千二年マラケシュ)において改正された国際電気通信連合条約(千九百九十二年ジュネーブ)を改正する文書(全権委員会議(二千六年アンタルヤ)において採択された改正)の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 これらの改正文書は、平成十八年十一月にアンタルヤで開催された国際電気通信連合の全権委員会議において採択されたものであります。 これらの改正文書は、国際電気通信連合の財政基盤を強化し、民間事業者の参加を促進することを目的とするものであります。 我が国がこれらの改正文書を締結することは、電気通信の分野における国際協力を増進するとの見地から有意義であると認められます。 よって、ここに、これらの改正文書の締結について御承認を求める次第であります。 以上三件につき、何とぞ、御審議の上、速やかに御承認いただきますようお願いをいたします。
○委員長(北澤俊美君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 三件に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十九分散会