沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第3号
- 発言数
- 10 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 2008/03/19
会議録
○委員長(市川一朗君) ただいまから沖縄及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日、大島九州男君及び高嶋良充君が委員を辞任され、その補欠として藤谷光信君及び武内則男君が選任されました。 ─────────────
○委員長(市川一朗君) 沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査を議題といたします。 沖縄及び北方問題に関しての施策に関する件について関係大臣から所信を聴取いたします。 まず、岸田沖縄及び北方対策担当大臣から所信を聴取いたします。岸田沖縄及び北方対策担当大臣。
○国務大臣(岸田文雄君) 沖縄及び北方対策を担当する内閣府特命担当大臣の岸田文雄でございます。沖縄及び北方問題に関する特別委員会の開催に当たり、所信に先立ち、沖縄における暴行被疑事案等につきまして申し述べます。 先般、在日米軍の軍人による暴行被疑事案等が発生したことは極めて遺憾であると考えており、このような事案が繰り返されないようにするため、現在、政府として、地元自治体等とも連携しつつ、綱紀粛正、再発防止のための徹底した措置がとられるよう米側に対して強く求めるとともに、政府としての再発防止策の具体化を進めているところです。沖縄担当大臣としても、県民の皆様の思いをしっかり受け止め、関係省庁や沖縄県等と連携しながら適切に対応してまいります。 続きまして、所信の一端を申し述べます。 まず、沖縄政策について申し述べます。 昭和四十七年の本土復帰以来、沖縄の振興開発のため諸施策を積極的に講じてきた結果、社会資本整備面を中心に次第に本土との格差が縮小し、また観光や情報通信産業の振興等においても成果を上げております。しかしながら、今日なお沖縄の社会経済は、全国に比べ低い県民所得や高い失業率に示されるように、厳しい状況にあります。 本年は、沖縄振興計画の後期展望を踏まえ、自立的な発展を更に進めていく上で重要な年であります。仲井眞知事が進める各般の意欲的な取組とも連携協力し、沖縄の魅力、優位性を生かし、地元の皆様方の意向に十分に耳を傾けながら、自立型経済の構築に全力を尽くしてまいります。 リーディング産業である観光業は、年間入域観光客数が六年連続で最高を更新するなど、好調に推移しております。引き続き通年型、滞在型の良質な観光・リゾート地の形成を進めることにより、更なる振興を図ります。 情報通信産業については、高度人材の育成や高度ソフトウエア開発など、より付加価値の高い分野の振興を図るとともに、沖縄IT津梁パーク構想の実現に向けた取組などを進め、アジア最先端の高度情報通信産業の集積を目指します。 沖縄科学技術大学院大学設立構想については、独立行政法人沖縄科学技術研究基盤整備機構を中心に先行的研究事業に引き続き取り組むとともに、恩納村キャンパスにおける研究施設等の建設工事を本格化させるなど、世界最高水準の大学院大学の設立に向け、より一層取組を進めてまいります。 沖縄の離島については、その自然や伝統文化は大変魅力的である一方、生活環境には厳しいものもあります。医療等の島の基礎的な生活条件の整備、情報格差を生じさせないための取組、それぞれの島の持つ魅力を生かした取組など、その活性化を図ります。 さらには、重点的、戦略的な社会資本整備を着実に進めるとともに、各種産業の一層の振興やアジア青年の家の活動を始めとする人材育成などに取り組みます。 先般、G8科学技術大臣会合を本年六月に沖縄の地で開催することといたしました。沖縄は、国際交流の拠点として位置付けられるとともに、科学技術の振興にも力を注いでいるところであります。この会合の開催は、こうした沖縄の存在を内外にアピールする上で大きな意義を持つものと考えており、その成功のために万全を期してまいる所存であります。 沖縄における米軍の存在は、我が国の安全及びアジア太平洋地域の平和と安定に貢献する一方、在日米軍施設・区域の約七五%が沖縄に集中しており、県民の皆様に大きな御負担をお掛けしております。この基地負担を軽減すべく、その整理、統合、縮小に向けて取り組んでまいります。普天間飛行場の移設・返還についても、地元の意向をよく伺い、沖縄を担当する大臣として、沖縄との橋渡し役を務めていきたいと考えております。跡地対策や北部振興などについても、地元の要望を踏まえながら着実に推進いたします。県民の皆様の御負担を軽減できるよう、引き続き誠心誠意取り組んでいく所存です。 次に、北方領土問題について申し述べます。 我が国固有の領土である北方四島が、戦後六十年以上を経た今日に至ってもロシアの不法な占拠下に置かれていることは誠に遺憾なことであります。 二月七日の北方領土の日には、福田総理出席の下、市川委員長を始め多くの御参加を得て北方領土返還要求全国大会が開催され、この日を中心に全国各地で様々な活動が展開されています。 北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するという我が国の一貫した基本方針の下、この問題が一日も早く解決されるよう、国民世論を結集し外交交渉の後押しを進めます。また、返還要求運動や教育現場の声を聴きつつ、次代を担う青少年に対する北方領土教育や後継者育成等を中心に国民世論の一層の啓発を図るとともに、元島民への援護措置の実施に努めてまいります。さらに、昨年末に関係閣僚間で申し合わせた四島交流等の実施及び後継船舶の確保に関する方針に基づいて四島交流等事業の着実な実施に努めてまいります。 市川委員長を始め理事、委員の皆様方の一層の御理解と御協力をお願いいたします。
○委員長(市川一朗君) 次に、高村外務大臣から所信を聴取いたします。高村外務大臣。
○国務大臣(高村正彦君) 沖縄及び北方問題に関する特別委員会の開催に当たり、市川一朗委員長を始め委員各位に謹んでごあいさつし、所信を申し述べます。 まず、沖縄に関する事項について述べます。 昨今の北朝鮮の行動に見られるように、アジア太平洋地域には依然として不安定性と不確実性が存在しています。日米同盟は我が国外交のかなめであり、我が国の安全と地域の平和と安定のため、幅広い分野で信頼関係の強化に努めていくことが今後とも不可欠であります。弾道ミサイル防衛を始めとする日米安保・防衛協力を強化してまいります。 一方、沖縄には在日米軍の施設及び区域が集中していることにより、沖縄県の方々に多大な負担をお掛けしていることは十分に認識しております。最近、米軍関係者による事件、事故が続いて発生したことは大変遺憾であります。米軍関係者による事件、事故が二度と起こることのないよう、二月二十二日に取りまとめた当面の措置を着実に実施するなど再発防止に精力的に取り組んでまいります。在日米軍の兵力態勢の再編は、抑止力を維持しつつ沖縄の負担の軽減を実現するものであり、地元の切実な声によく耳を傾けて、地域の振興に全力を挙げて取り組みながら着実に進めてまいります。 次に、日ロ関係及び北方領土問題について述べます。 ロシアはアジア太平洋地域における重要な隣国です。政府は、極東、東シベリアを含むアジア太平洋地域における積極的な協力等を通じ、ロシアとの間で、戦略的利益に基づくパートナーシップの構築に向けて、日ロ行動計画に基づき、幅広い分野での関係の進展に努めております。特に昨年は、二度の首脳会談、二度の外相会談を含め高いレベルの政治対話が活発に行われたほか、両国の貿易額が初めて二百億ドルを超えるなど、両国の貿易経済関係も順調に推移しました。 しかしながら、日ロ間の最大の懸案である北方領土問題については、戦後六十年を経た今日もなお日ロ双方の主張が平行線をたどっています。こうした状況は日ロ双方の利益に合致せず、現状を打破する必要があります。 これに関して、年末、福田総理からプーチン大統領に対して、日ロ関係を平和条約締結交渉を含めたすべての分野において高い次元に引き上げるべく互いに努力していくという内容の親書を発出し、プーチン大統領からは、日ロ関係を高い次元に引き上げることに同意するという内容の返書を受領しております。また、先日行われた福田総理とメドベージェフ次期大統領との電話会談においても、すべての分野で日ロ関係を高い次元に引き上げることで一致するとともに、平和条約締結交渉についても、双方で達成された諸合意及び諸原則に基づき話合いを続けていくことが確認されております。 特に本年は、七月の北海道洞爺湖サミットの際にロシアの新大統領の訪日も予定されており、新たな日ロ関係を構築する重要な年でもあります。 そのためにも、政府としては、両首脳間の一致した認識を踏まえ、日ロ関係を高い次元に引き上げるべく、北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を早期に締結するとの基本方針に従い、引き続き強い意思を持って交渉を進めていく考えです。 これらの諸問題に取り組むに際し、市川委員長を始め本委員会の皆様の御指導と御協力を賜りますようお願い申し上げ、私の所信といたします。
○委員長(市川一朗君) 以上で所信の聴取は終了いたしました。 本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。 ─────────────
○委員長(市川一朗君) 次に、先般本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。小林正夫君。
○小林正夫君 委員派遣について、その概要を報告いたします。 去る二月十二日から十四日までの三日間、沖縄県に赴き、同県の振興開発及び基地問題等に関する実情を調査してまいりました。派遣委員は、市川委員長、喜納理事、伊達理事、遠山委員、紙委員、山内委員及び私、小林の七名です。 初めに主な日程について申し上げますと、一日目は、宮古島において宮古島市及び多良間村からの概況説明聴取、バイオエタノール製造施設等の視察を、二日目は、沖縄本島に移動し、国立戦没者墓苑での献花等の後、内閣府沖縄総合事務局、防衛省沖縄防衛局、外務省沖縄事務所及び県からの概況説明聴取、宜野座村サーバーファームの視察、北部市町村会との意見交換を、三日目は、キャンプ・シュワブ、キャンプ・ハンセン両米軍基地の視察及び基地周辺住民からの意見聴取、中部市町村会との意見交換を行いました。なお、本派遣の直前に在沖米海兵隊員による少女に対する暴行被疑事件が発生したため、別途、事件の概要などについて外務省沖縄事務所から説明を聴取いたしました。 まず、沖縄県の概況ですが、百三十七万人ほどの人口ながら、その増加率は全国一であること、完全失業率は七・四%と全国の二倍近くに及ぶこと、一人当たり県民所得は二百二万一千円と全国平均の約七割にとどまること、財政依存度が高く、全国平均の約一・七倍であることなどの特徴が見られます。 こうした中、本土との格差縮小に向け、地域の特性などを生かしつつ自立的発展のための基盤整備を進めており、今後は、那覇空港の第二滑走路の建設、情報関連、観光、農林水産、製造などの分野を中心とした産業振興のほか、基地返還に伴う跡地利用を進めることなどが課題となっているとのことです。 また、本県には全国の米軍専用施設・区域の七四・二%が集中し、特に人口密度の高い本島中部地域における県民生活への影響が顕著で、その整理、縮小が求められております。このため、普天間飛行場の移設、兵力削減、グアム移転などが予定され、現在、普天間飛行場移設については代替施設建設のための環境影響評価の手続が進められております。 米軍基地縮小に対する考え方や基地返還による経済的影響についてただしたところ、防衛省沖縄防衛局から、SACO最終報告及び再編実施のための日米のロードマップにより沖縄への集中度合いが七〇%に減少するとともに、土地利用価値の高い中部での返還が可能になるため、当面これらの確実な実施を目指したい旨、外務省沖縄事務所からは、新規産業が興ることで影響を相殺することも可能である旨、それぞれ答弁がありました。 また、今般の暴行事件に関しては、従来より綱紀粛正を申し入れ、若い兵士の深夜外出禁止などの措置がとられているとのことでしたが、基地の外に居住する者には対処できない、基地の外に住む者の実態が把握できていないなどとの委員からの指摘もあり、外務省沖縄事務所より、自治体や警察との協議、米軍の考え方を聴くなどし、早急に対策を打ち出したいとの考えが示されました。 なお、沖縄県からは、海兵隊員による暴行被疑事件に関し再発防止に向けた特段の配慮を求められたほか、産業振興と雇用の創出、拡大、在日米軍再編、アジア・ゲートウェイ機能の強化など、多岐にわたる要望がなされております。 次に、宮古地域の概況ですが、同地域は宮古島市と多良間村で構成され、人口は約五万七千人、サトウキビを中心とした農業が地域経済を支える重要な役割を担い、県全体に比して第一次産業の構成比が高くなっております。また、一人当たりの所得は約百八十四万円、圏域別でも最も低い水準にあります。多良間村は、宮古島と石垣島の中間に位置する二島から成り、同村の出生率三・一四は全国一位であり、人材育成などに力を入れているとのことでした。 委員より医療施設の状況などについて質問したところ、出生率が高いにもかかわらず多良間村には産科がなく、宮古島市の施設を利用するため産婦の負担が大きい、一方、宮古島市でも医師の確保に苦労している、病院が老朽化しており建て替えが必要になっているなどの状況が明らかにされました。 なお、両市村から、宮古島市の振興に向けた伊良部大橋の早期実現や多良間港の整備などについて、それぞれ要望がなされました。 次に、視察先の概要について申し上げます。 まず、バイオエタノール製造関連施設についてですが、宮古島では、CO2削減、地域振興の観点から、サトウキビの精製に伴い副次的に生じる糖みつからバイオエタノールを製造し、これを直接ガソリンに混合したE3と呼ばれる燃料で島内で消費されるすべてのガソリンを賄おうとする構想の下、その実証事業が進められております。しかし、別方式のバイオエタノール燃料を進めている石油業界の協力が得られず、難航しているとの報道もなされています。これについて尋ねたところ、海外ではE3など直接混合方式が主流であり、E3が水を含みやすいとする石油業界の懸念についても、適切に管理を行えば問題なく、本事業は地産地消型システムを根付かせる上で意義があるとのことでした。 次に、宜野座村サーバーファームは、IT関連企業の誘致、育成による地域活性化や雇用創出を図るために設置された施設で、データセンター機能を有するサーバースペース、コールセンター事業のためのオペレーター室、企業育成支援用のインキュベート室が準備され、現在五社が入居しております。若者を中心に約四百四十名の雇用が創出され、周辺地域への経済効果も現れているとのことでした。太平洋を眺望できるカフェテリアなどもあり、就業環境への配慮が感じられましたが、派遣労働者が中心とのことで、委員からは、今後、長期雇用や賃金の上昇等の労働条件の改善を行い安定した雇用に結び付けるとともに、更なる雇用創出に向けた事業拡大を図ることが課題との意見も出ました。 次に、米軍基地についてですが、キャンプ・シュワブでは、普天間飛行場の代替施設建設予定地である辺野古湾岸域を視察し、現在のV字型滑走路案に至った経緯などに関し沖縄防衛局より説明を聴取しました。委員からは、施設建設が周辺環境に影響をもたらすとの懸念もあることから、環境アセスメントについて適切に対応すべきとの指摘などがなされました。 キャンプ・ハンセンでは、米陸軍複合射撃訓練場の移設に関して、説明聴取や移設先の視察を行った後、訓練場近隣の金武町伊芸区住民からも説明を聴取しました。それによると、現在も同施設での訓練が行われている上、早朝や夜間の訓練は中止するとの約束も履行されておらず、騒音や流弾の危険性に不安を感じているとのことでした。 最後に、地元自治体関係者との意見交換について申し上げますと、北部市町村会からは、北部振興事業への支援を始め同地域における懸案事項の早期実現について要請があり、中部市町村会からは、中部地域への振興策、沖縄中部国際文化観光交流センターの建設のほか、各市町村が抱える問題について要請がありました。なお、今般の暴行事件に関し、両市町村会から再発防止に向けた実効性ある対策などが求められております。 今回の派遣では、産業振興と雇用創出もさりながら、直前に事件が発生したこともあって、沖縄における基地問題の深刻さを目の当たりにし、対策の重要性を改めて感じました。特に、普天間飛行場移設、キャンプ・ハンセンにおける複合射撃訓練場移設に関しては、これらが実現するまでの間の県民の負担解消に向けた取組が、そして暴行事件や基地騒音問題などに関しては、十分な対策とともに履行確保に向けた取組がそれぞれ必要であると思います。 委員長も現地で発言されておりましたが、委員会での質疑などを通じ、これらの取組が政府によって適切になされるよう、本委員会としても厳しい目をもって臨んでいかなければならないと私自身も決意を新たにした次第でございます。 報告を終わるに当たり、今般の委員派遣に際し御協力をいただきました沖縄総合事務局を始め、国の関係各機関、沖縄県宮古地域の市村、県北部市町村、県中部市町村及び視察先の皆様に厚くお礼を申し上げます。 なお、文書による報告書につきましては、本日の会議録の末尾に掲載されますようお取り計らいをいただきたいと存じます。 以上です。
○委員長(市川一朗君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。 ただいまの報告につきまして、別途、詳細にわたる報告書が提出されておりますので、これを本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(市川一朗君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時三分散会