財務金融委員会 第20号
- 発言数
- 14 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 2008/05/23
会議録
○原田委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、金融商品取引法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がございませんので、これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○原田委員長 これより討論に入ります。 討論の申し出がございますので、これを許します。佐々木憲昭君。
○佐々木(憲)委員 日本共産党を代表して、金融商品取引法改正案に反対する討論を行います。 反対する第一の理由は、新設される特定投資家市場、いわゆるプロ向け市場と一般投資家との遮断が不十分なため、プロ向けのリスク商品取引に一般人が巻き込まれる懸念があることです。 一般投資家への転売禁止の規制が設けられるものの、プロ向け市場で流通する高リスク商品を投資信託などを通じて一般投資家に販売することに新たな規制は設けられておりません。そのため、転売禁止規制が運用上無力化する懸念があります。また、国内外の新興企業の将来性を分析し、リスクを判断するだけの能力を持っているとは言いがたい地方自治体や法人、資産家を特定投資家とし、プロ向け市場に参加できる資格者であるとする合理的根拠は見当たりません。知識もリスクテーク能力もない一般投資家がハイリスク・ハイリターンの市場に巻き込まれる可能性が残された本制度には賛成できません。 第二の理由は、商品現物との交換可能なETFを解禁することによって、新たな金融被害の火種をふやすことになるからであります。 金や米、麦などの商品先物は、ハイリスク・ハイリターンの金融商品として、本来厳しい規制のもとで取引が行われるものであります。しかし、現実には、監督行政も甘く、個人投資家、消費者保護制度が不十分なため、商品先物などの金融商品による被害が続発しています。たとえETFとはいえ、商品先物に連動するハイリスクの金融商品が銀行の窓口等で販売されることになれば、リスクを理解できない高齢者や一般投資家を巻き込む危険性を高め、新たな金融被害を生じかねません。消費者保護制度の改善には手をつけず、このようなリスク商品を拡大することには賛成できません。 第三の理由は、銀行、証券、保険の間のファイアウオール規制の緩和です。 証券会社、銀行、保険会社の間の役職員の兼職規定の撤廃など、ファイアウオール規制を緩和することは、利益相反による弊害防止策を大きく後退させるものです。金融ビッグバン以降、コンプライアンス重視を標榜する監督行政のもとで規制緩和を進めてきましたが、金融機関の不祥事は後を絶ちません。融資先の中小企業に金融派生商品を押しつけた三井住友銀行が事件を起こしたのも、ほんの二年前のことです。金融機関の管理体制にゆだねる形の規制緩和には反対です。 本法案には、課徴金制度の強化など若干の改善内容を含んではいます。しかし、約束してきた金融サービス法の制定を先延ばしにし、規制緩和をさらに推し進める内容となっています。これらを総合的に判断し、本法案に反対するものであります。
○原田委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○原田委員長 これより採決に入ります。 金融商品取引法等の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○原田委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○原田委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、後藤田正純君外二名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党の三派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。松野頼久君。
○松野(頼)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、案文を朗読し、趣旨の説明といたします。 金融商品取引法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。 一 金融商品取引に関する苦情等に対し、公正かつ迅速で透明性の高い解決を図るため、金融分野における裁判外紛争処理機能の更なる拡充に向けた検討を進め、広く活用される中立な制度を確立すること。 一 証券会社関係者によるインサイダー取引は市場の信頼を根底から揺るがす重大な違法行為であることにかんがみ、自主規制機関との連携強化を図りつつ、証券会社関係者の証券取引に対する監視体制を強化すること。 一 最近の新興市場の低迷を踏まえ、市場の健全な育成を図りつつ投資家の保護を強化するため、取引所が新興市場における上場基準の適用について、その適正化に向けた検討を推進するとともに、調達資金が事業目的に適合し、効率的に使用されるよう、上場後においても適切な監視に努めるよう促すこと。 一 プロ向け市場に参加する特定投資家の範囲については、その知識、経験及び財産の状況を踏まえ、運用状況を検証した上で、投資家保護の観点から必要な見直しを行うこと。特に、中小法人及び地方公共団体のプロ向け市場への参加については、慎重な運用に努めること。 一 ファイアーウォール規制の見直しについては、利益相反による弊害防止や銀行等の優越的地位の濫用防止の実効性を確保するため、証券会社・銀行等・保険会社の利益相反管理体制の整備に対する厳正な監督を行うこと。 以上であります。 何とぞ御賛同賜りますようによろしくお願いを申し上げます。
○原田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○原田委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。 この際、本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。金融担当大臣渡辺喜美君。
○渡辺国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府としましても、御趣旨を踏まえ、配意してまいりたいと存じます。 —————————————
○原田委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました本法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○原田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○原田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前九時十二分散会