財務金融委員会 第19号
- 発言数
- 107 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2008/05/13
会議録
○原田委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、金融商品取引法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として公正取引委員会事務総局経済取引局長松山隆英君、警察庁刑事局組織犯罪対策部長宮本和夫君、金融庁総務企画局長三國谷勝範君、監督局長西原政雄君、証券取引等監視委員会事務局長内藤純一君、財務省大臣官房審議官桑原茂裕君、主計局次長香川俊介君、農林水産省総合食料局次長平尾豊徳君、経済産業省大臣官房審議官橘高公久君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○原田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○原田委員長 質疑の申し出がございますので、順次これを許します。中根一幸君。
○中根委員 自由民主党の中根一幸でございます。 現在議題となっております金融商品取引法の一部を改正する法律案につきまして、本日で三日目の質疑となります。前回、先週の木曜日には、東証の斉藤社長を初め市場関係者をお呼びして参考人質疑が行われ、議論が深められたところでありますが、本日は、これまでの議論を踏まえ、我が国金融資本市場の競争力強化についてさらに議論させていただきたいと考えております。どうかよろしくお願いいたします。 さて、先日の質疑の際にもありましたが、シティー・オブ・ロンドンが発表している国際金融センターランキングによりますと、我が国金融資本市場の競争力は世界で第九位となっております。御存じのように、東京市場は、かつてロンドンそしてニューヨークと並び、世界の三極を占めると言われた時期もありましたが、現在は残念ながら、今やアジアにおける地位ですら、中国経済の成長に伴って香港、シンガポールといったライバルに脅かされつつある、そういった現状にあるわけでございます。 このように、世界規模で金融センターの間における競争が激しくなってきております。どの国も、いわば国家戦略としてこの金融資本市場の強化という課題に強力に取り組んでいるわけでございます。こういう中で、我が国だけが手をこまねいているわけにはいかないのではないでしょうか。 一方、我が国には、他の金融センターにはない強みもございます。先日、同僚のとかしき議員さん初めほかの議員さんも指摘しておりましたが、例えば我が国には、家計部門、約一千五百兆円にも及ぶ金融資産を保有しております。このような資産を保有している国は、世界でもほかにアメリカしかございません。現在、世界の金融資本市場で、そのプレゼンスの高さ、大変話題になっていると聞いております。いわゆるソブリン・ウエルス・ファンド、政府系ファンドともいうのでしょうか、SWFを合計しても、IMFの推計では約二兆ドルから三兆ドル、すなわち二百兆円から三百兆円余りであると言われております。そのことと比べても、いかに我が国の家計の金融資産の規模が大きいかということがわかるのではないでしょうか。 また、我が国には、優秀な労働力や技術を持った世界に冠たる企業が多数あることは、私がここで言うまでもございません。 このような資金運用と資金調達のニーズを適切に結びつけることが市場の役割であり、その機能を遺憾なく発揮させることは、我が国経済の豊かさを今後とも維持していくためにも、重要な課題であると考えております。 そこで、山本金融担当副大臣にまずお伺いしたいのですが、我が国金融資本市場の国際競争力の現状についてどのようにお考えでしょうか、また、国際競争力の強化のためには今後どのように取り組んでいくか、お聞かせ願います。
○山本副大臣 中根委員の質問にお答えさせていただきたいと思います。我が国の国際金融資本市場の競争力の現状はどうかというお話でございます。 元来、日本の国際金融資本市場というのですか、金融資本市場、いろいろな金融事件も発生をいたしました。後追い行政とよく言われますけれども、いろいろなことが起こって、初めてまた法律を整備していく、こういったこともあります。前回の金商法の改正は、これは投資家保護ということに主眼を置いて法律を制定させていただきました。したがって、規制がどちらかというと強かった、強くなってきた、こういうイメージが今まであったのではないかというふうに思います。 先ほど委員が御指摘ございましたけれども、国際金融センターとしての競争力の比較、日本はたしか今、ロンドン、ニューヨーク等に次ぎまして九位であります。このロンドン、ニューヨーク、香港、シンガポールだけでなく、最近は、中東の資本市場も非常に強化がされております。今のお話にありましたSWF等もそうでありますけれども、世界じゅうに投資をしてくる方の資本市場もそうでありますし、そしてまた、中東でも投資の受け入れもどんどんしておるわけでありますから、そういった意味で、出す方も入れる方も、国際競争力というのはいろいろな意味で世界じゅうがこれから相手になってくる、こんな市場かなというふうに思っています。 しかし、今お話にございましたけれども、具体的にちょっと見ますと、ニューヨーク、ロンドン、香港、シンガポールと比較いたしまして、国際金融センターとしての東京市場の評価というのは、いい方は、治安面、社会面などでの安定度の高さだとか、今お話にありました多額の個人金融資産の存在、これは大変プラスのポイントであります。両方ともそうであります。 それで、マイナス点でありますけれども、これは、ファイアウオールの高さだとか、それから、今お話にありました専門人材の雇用が少ない、こういうようなことが負の要素でありますので、こうしたことをこれから是正していきながら国際競争力をつけていかなければいけないということでありますが、今回、国際競争力強化プランは一体それではどういった形で整備されておるのか。 今の個人金融資産、今お話にありましたように、アメリカと日本で世界の大半を占めておると言われるぐらい日本の個人金融資産は多いわけでありますけれども、具体的にどういった形で国際競争力強化プランを策定したかということでありますけれども、主に四つ用意してあります。 プロ向けの市場だとか、それからETF、日本はETFの種類が大変少ないんですけれども、ETFを多様化するなどの、多様な資金運用や調達の機会を提供できるような場を整備する、これが一つ目であります。 次に二つ目ですが、プレーヤーがその能力を十二分に発揮できるような制度の枠組みをつくる。例えばこれ、先ほどお話にありましたけれども、ファイアウオール規制、こうしたものを緩和していくというようなこと、そして、銀行だとか保険会社がグループ企業を使った形で新しい事業展開をしていく、こうしたことが必要ではないかということで、制度の枠組みも変えていきます。 三つ目が、ベターレギュレーションとよく言っておりますけれども、規制の質的改善、対話を含めた形でしっかりとやりやすい規制をつくっていく。 四つ目が、先ほどもお話にございましたけれども、専門人材の確保だとか、市場をめぐる国際周辺環境を整備する、国際金融センターをつくっていく、そんなイメージがあるというふうに私ども考えております。 金融庁といたしましては、このプランをスピーディーかつ着実に実施に移し、内外の利用者の多様なニーズにこたえられる市場、内外から資金、情報、人材が幅広く集積する、魅力ある質の高い市場の構築を目指してまいりたいと考えております。
○中根委員 副大臣から詳細な御説明、ありがとうございました。 先ほど、副大臣もお話しいただきました。プラス面ということで、個人金融資産のお話、また、世界的に第二位の規模の実体経済の存在、そして治安や社会面についてのお話、また、マイナス面では、今回も出ておりますが、ファイアウオールの問題や、その専門人材の不足というようなお話もされていたようでございます。また、他の国際的な金融機関と比較して、金融商品、サービスの多様性に劣るという指摘も一部ございます。そういったことを、金融・資本市場競争力強化プランというものをつくり、スピーディーかつ着実に実施していくというようなお話をいただいたと思います。 私も、我が国の金融資本市場、国際競争力の強化のためには、本当に、もはや我々は一刻の猶予も許されない状況に来ていると思っております。金融庁に引き続き強力な取り組みを進めていただきたいと強く思っている次第です。よろしくお願いいたします。 さて、ここからは法案の具体的な中身に入っていきたいと思っております。 金融資本市場の競争力強化のためには、市場を活性化させる観点から規制緩和などの取り組みを引き続き進めていくことも必要ですが、何でも自由にすればよいというわけでもありません。やはり、投資家が安心して市場に参加し取引を行うことができる環境を整備していくことが大変重要でございます。その意味で、いわば自由と規律、この適切なバランスを確保していくことが大変大事だと思っております。 このうち、規律の観点からは、市場の公正性と透明性をより一層高め、市場に対する投資家の信頼を確保していく必要がございます。その意味では、今回の法案に盛り込まれている課徴金制度の見直しは、大変重要な施策であると考えております。 そこで、この課徴金制度の見直しについてこれから幾つか質問したいと思います。 まず第一に、今回の法案では、課徴金制度導入後の実施状況を踏まえて課徴金の金額水準の引き上げが行われておりますが、この水準で、違反行為を抑止するために十分であるとお考えでしょうか。利益水準を基準とした課徴金額では不十分との意見もあると考えますが、どのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。
○三國谷政府参考人 お答えいたします。 課徴金の金額水準につきましては、一つには、規制の実効性を一層確保する観点からは、利得に必ずしもとらわれる必要はないのではないかとの意見がある一方、他方、課徴金が反社会性、反道徳性を問うものではない以上、利得から完全に離れるべきではないとの意見もあるところでございます。 今回の見直しにおきましては、引き続き利得相当額を金額の基準とすることとはしておりますが、一点目は、違反行為に係る重要事実公表後のより長い期間における市場価格の変動を課徴金の額に織り込む。これは、例えばインサイダー取引でございます。二点目は、確定した利得のみならず、保有している株式等に係る利得も課徴金の額に取り込む。これは、風説の流布、偽計、相場操縦等でございます。それから、算定の基礎となるデータをより実態に近似したものに改める。これは、発行開示書類、継続開示書類の虚偽記載などでございます。こういったことを通じまして金額の引き上げを図っているところでございます。 例えば、インサイダー取引に係ります見直し後の算定方法を過去のインサイダー取引事案に当てはめてみますと、課徴金額は二倍程度となっているところでございます。 こうした見直しによりまして違反抑止の実効性を一層確保し、市場の公正性、透明性の確保に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○中根委員 ありがとうございます。 実際に今回の課徴金の見直しによって、一つの例ということでインサイダーの場合、今までの算定方法と比較すると、機械的に当てはめるとでございますが、約二倍程度の課徴金額が、要するに倍になるということです。これがどのくらい効力があるか、またいろいろな意見もございます。いろいろな国の制度を見ても、一概には言えません。日本的にこの中で一番よい、ベストな方法、よりベターな方法を、これからもとにかく大事なことは、先ほどから言っております、市場の公正性や透明性の向上だと思っております。その観点から、何とぞ御努力の方をよろしくお願いいたします。 そしてまた、課徴金についてでございますけれども、制度的な枠組みを整備するだけでは十分ではなく、市場違反行為の抑止のためには、制度を運用する証券取引等監視委員会の執行が重要になるものと考えております。執行体制の強化に向けて監視委員会はどのような取り組みを行っていくか、お考えをお聞かせください。
○内藤政府参考人 お答えいたします。 課徴金制度の執行についてのお尋ねでございますけれども、課徴金制度が導入されました平成十七年の四月に、私ども監視委員会におきまして課徴金調査・有価証券報告書等検査室という室をまず設けまして、翌十八年の七月には、課徴金・開示検査課、現在の課でございますが、に改組したことに加えまして、同課の定員についても着実に増員するなど、その体制の強化に努めているところでございます。 また、課徴金調査に係る事務の流れに関連して申し上げますと、担当する問題というのが二つございます。不公正取引の問題と開示書類の虚偽記載の問題がございます。 まず、不公正取引につきましては、市場分析審査課が幅広く証券市場の取引の状況を日常的な監視を行っておりますが、証券取引等に関するさまざまな資料、情報の収集、分析の結果、課徴金調査に相当すると思料される事案について課徴金・開示検査課がさらに調査を行う。開示書類の虚偽記載につきましては、課徴金・開示検査課内で、各方面から寄せられる情報に基づきまして、必要に応じてさらに本格調査を行う。こういうような体制をとっておりまして、幅広く情報収集しながら、迅速、効率的な調査に努めているところでございます。 今後につきましても、私ども、期待された機能を十分発揮するために、人材、定員、能力の面におきましても体制強化を図りながら、限られた資源の有効活用や実務上の工夫を行うことを通じて、課徴金制度の特性を生かした、迅速、効率的な調査の実施に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○中根委員 ありがとうございます。 我が国金融資本市場の競争力を高めていくためには、グローバルな競争が行われるような最先端の分野を、金融イノベーションを促すような取り組みを進めていくことが大変重要です。 ただ、それとあわせて、市場のいわばすそ野を広げていく、全体としての金融資本市場の機能を高めていく必要がございます。そのためには、中小企業金融の円滑化や地域の活性化といった課題についてもしっかりと目配りした上で、力強く取り組んでいく必要があると考えております。 このような観点から、今回の法案における手当てを含め、中小企業金融の円滑化に向けてどのような取り組みを行っていくか、お考えをお聞かせください。
○山本副大臣 中小企業の金融支援につきましては、金融庁としても、最も大切な役割の一つだというふうに考えております。銀行ももちろんでありますけれども、地域金融機関、やはり地域密着型金融機関というのが、これが相手の顔の見える融資になるわけでありますから、非常に大事だというふうに考えておりますので、地域密着型金融機関に役割をしっかりとこれからしていってもらいたい、こんなふうに考えておるところであります。 どういったことをやっているかと具体的な話でありますけれども、金融検査マニュアルがあります。別冊中小企業編でありますけれども、こうしたものを今までは金融機関に対してだけ話をしておりましたけれども、やはりこれは、利用者側、使用者側、ユーザーの方もわからなければいけないということで、商工会議所等にも出向きまして、中小企業に対して、こういった検査マニュアル中小企業編がありますから、ぜひしっかりと把握して、金融機関に対応してください、こういったことも説明をしておりますし、そして、劣後ローンをエクイティーにする、そうした形で債務者区分を査定できる、そうしたことも金融庁として認めるようになってまいりました。 それから、あした私も行ってまいりますけれども、各地域へ出向きまして、財務局を中心といたしまして、その地域、九州へ行きますけれども、例えば九州なら九州の金融機関関係を集めまして、金融庁から、財務局から、中小企業に対する対策をこうしてほしいというようなことも依頼をさせていただきたい、そうした形にもさせていただいております。 今回の法案につきましてどうかといいますと、銀行グループ等の議決権保有制限、現在、グループで一五%でありますけれども、この保有制限を、例外措置をつくりまして撤廃するものもあります。例えば、今までベンチャービジネス会社だけでありましたけれども、これからは、事業再生を行う会社、これにも議決権保有制限を撤廃していきます。最高一〇〇%までオーケーになっていくわけであります。 企業再生の局面におきまして、銀行グループ等が、負債だけに限らず、資本まで含めた総合的な企業ファイナンスに貢献していくことが期待される、こうした形を今回の法案改正で考えております。
○中根委員 時間がそろそろなんですが、渡辺金融担当大臣が来られましたので、最後に一つ、御質問させていただきたいと思います。 以上、今回の法案、法改正の内容について伺いましたが、我が国金融資本市場の競争力強化を実現していくためには、制度の整備とあわせて、制度を実際に活用しビジネスを行っていくプレーヤーもまた変わっていくことが重要であると考えております。 こうした観点から、金融庁が発表した昨年末の金融・資本市場競争力強化プランを見てみると、金融専門人材の育成が課題として取り上げられております。金融サービス業が高い付加価値を生み出す産業であることにかんがみれば、金融に関し専門的なスキルを持つ人材を育成していくことが戦略的には大変重要な課題であり、ぜひとも力を入れていく必要があると思っております。 昨今、我が国市場における外資系金融機関の活躍が大変注目されておりますが、その中で実際に働いている人の多くは、我々と同じ日本人であります。日本人は金融に不向きだなどと悲観的に思い込む必要はないのではないでしょうか。この点について、先般、金融人材に関する研究会が設置され、先月末には、金融専門人材に関する基本的なコンセプトを公表したところとお聞きしております。 そこで、市場の発展を担う人材の育成に向けた大臣のお考えを最後にお聞かせ願います。
○渡辺国務大臣 今委員が御指摘のように、共通の知識、共通のコンプライアンス感覚を持った、金融に詳しい専門人材がいろいろなところに散らばっていることが大事だと思うんですね。監督当局のみならず、発行会社であったり、証券会社であったり、取引所であったり、自主規制機関であったり、そういうところの共通のセンスを持った人材がいますと、言ってみれば、生態系の秩序が非常に良好に保たれるのではないでしょうか。何でもかんでもがんじがらめの規則で縛るというやり方よりは、ある程度のルールとプリンシプル、これに基づいてそれぞれの分野のプレーヤーがより自由に活動できるというシステムを我々は目指したいと考えております。 そのために、金融専門人材をどう育成していくかという勉強をしてまいりました。昨年十一月に設置をして、ことしの四月三十日に、基本コンセプト案をまとめて公表しております。この案では、例えば仮称でありますが、金融士といった資格を創設したらどうかという意見もございました。金融専門知識の習得を目標にしたり、あるいは、一定の能力水準のシグナルとして機能するではないかとか、金融法務に関する知識それからファイナンスに関する知識など、具体的に、金融専門人材に求められる資質についての提言が多く含まれております。 今、各方面から幅広い御意見をいただいているところでございまして、本年の夏ごろをめどに、論点の取りまとめを行っていただくことになろうかと思います。
○中根委員 ありがとうございました。以上で質問を終わりにしたいと思います。
○原田委員長 次に、関芳弘君。
○関委員 私は自由民主党の関芳弘でございます。 本日は、金融商品取引法の一部を改正する法律案ということで質問をさせていただくわけでございますけれども、私も、金融機関の方で十七年ほど勤めてまいりまして、何とかこの日本におきまして金融部門、金融資本市場が競争力をどんどんとつけていくようにというのを頑張っていきたいというふうに思っているわけでございます。 その中で、いろいろな税制の改正とかも去年やってきましたけれども、やはり非常に思いますのが、このように資源のない日本においては、どんどこどんどこお金というのを日本に集めてきまして、それを本当に有効に使っていくというふうな方法をとらないといけない。まずはお金をしっかりと日本に集めてこないといけない、これがまず第一だと思います。その中でいろいろ知恵を出して合理化を図り、本当に質のいいお金として有効な投資をしていくというふうな使い道を探していくという、その前提としてお金はしっかりと集めてくるんだ、こういう点がまず大事だと思いますので、その中におきまして、税制優遇はもっともっと金融部門の方にやっていったらいいと思いますし、知恵も集結するような方法を制度、システムとしてもとっていったらいいんだろうなと思うところでございます。 今回、この金融商品取引法の一部を改正する中にありまして、プロ向けの市場の創設をやっていこうということが項目の一つで挙げられております。今、ロンドンなどではプロ向けの市場というのが非常によくでき上がっていて、資金がしっかりと集まっていっているという現状があるわけでございますけれども、今回、我が国の金融資本市場の競争力強化という課題の中のプロ向け市場の創設、いかにして海外の市場に対して優位性が保っていけるのか、優位性を発揮していけるのか、そういうふうな優位性につきましてお聞きしたいと思います。
○山本副大臣 関委員から、プロ向け市場の御質問がございました。 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、今まで、前回までの金商法につきましては投資者保護の立場でありましたけれども、これからは逆に攻めの姿勢に入っていかねばいけないということで、国際競争力を向上するための今回の改正だというふうに考えております。 したがって、そういった意味で、アマチュアとプロとこの場合分けたわけでありますので、その中で、プロ向け市場というもので、日本はプロ向け市場というものがありませんでした。今委員御指摘のように、ロンドンでいきますと、今、プロ向け市場は千六百三十四社加盟をしておるところであります。アメリカにおきましても最近大分活発化してきまして、ゴールドマン・サックスとかベアー・スターンズとかシティグループ等がいろいろなプロ向け市場に参加をしてきておる、こういうふうに聞いております。 日本におきましても、そうした意味でプロ向け市場をこれから開設していく準備をしておるわけでありますけれども、どういった形かといいますと、情報提供の様式や言語、英語でもいいというふうな言語にするとか会計基準等だとか、具体的な内容を取引所が自主的に構築することができるようにする、取引所みずからが創意工夫を発揮して魅力的な市場を構築する、そうしたことができるような形でプロ向け市場を開設していきたいというふうに考えております。 委員御指摘のように、せっかく千五百兆円を超える個人資産を持っておるわけでありますし、世界第二位の規模のGDPを持った日本でありますので、日本の資金は当然でありますけれども、海外からも資金が投入できるような、そうした市場を提供していきたいというふうに考えております。
○関委員 ぜひこの日本に世界の資金がどんどんと集まってくるような、そんな市場の創設につながっていければと私も思うところでございます。 二点目の質問でございますけれども、証券、銀行、保険会社のファイアウオール規制の見直しという点が、今回、大きな項目として挙げられております。 この点につきましては、私も金融で勤めておりましたときに、銀行でございましたが、証券とか保険を取り扱いますときに、その取扱窓口については、銀行業務の人たちといわゆる情報の共有をできないようにだとかいうことで、パーティションをいっぱい山のように入れて、支店の中にしろ本店の中にしろ、仕切りが山のようにできていって、情報に対してこのファイアウオールというのをしっかりと管理していくんだというふうな対応をとっていったところでございます。 今回、こういうふうな規制の見直しによりまして、証券、銀行、保険会社の間の役職員の兼職規制を撤廃していこう、また、それにあわせまして、利益相反管理体制の構築をしっかりと立てていこうというふうなこともうたわれているわけでございますけれども、利用者に不利益、利益相反が起こらないように、本当に、きっちりした管理というのがこういうふうな規制緩和におきましては大事になってくることだと思うんですね。 こういうふうな中において、やはり民間の各会社というのは、利益の極大化が最も大事なところでございますので、いかんせん、自分たちの行動規制についてどうしても緩くなりがちなようなところが将来的には出てくるような懸念があるわけでございまして、そういう点においては、やはり当局の方でしっかりとした管理、チェック体制というのをとって、そういうふうな民間の企業の方が、あながち、その行動が緩みがちになるようなところを見ていかないといけないと思うわけでございます。 こういう点につきまして、当局の方でチェック体制をどのようにしっかりとやっていこうかと考えていらっしゃるか、その点についてお聞きしたいと思います。
○西原政府参考人 お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、この利益相反の問題、これは大変に重要なチェックポイントだと思っております。特に、金融機関の組織形態がグループ化していく、あるいは多様化していく、こういった中で、あるいは金融サービス、これが多様化し高度化していく、こういったことに伴いまして、今後やはり、金融機関とその顧客、その間における問題ということが、これまで以上にやはり利益相反の問題あるいは優越的な地位の濫用の問題等々、弊害が生じる可能性があるというふうに思っております。 したがいまして、今般、ファイアウオールの見直しということで規制緩和を行ったわけでございますが、兼職の問題あるいは情報の共有の問題、そういった観点で規制の緩和が行われたわけですが、その一方で、この利益相反の管理のための体制の整備、これは非常に重要な問題でございますので、やはり、個々の具体的な状況に応じまして自己規律というものを働かせていただく。私どもは今、ベターレギュレーションという中で、プリンシプルに基づいた、自主性を重んじた監督規制のあり方というのをやっておりますけれども、この自己規律を求めていくということが非常に重要であろうかと思います。 そういった中でこの利益相反管理の実効性を確保していくということになるわけですが、今、それでは、具体的なチェック方法、あるいは監督の着眼点、監督手法、こういった点についてどう考えているかということでございます。 これは今後、府令ですとかあるいは監督指針等によって明らかにしていくつもりでございますが、現時点において視点といたしましては、例えば、金融グループ内における利益相反を管理するための情報の集約、これが適正に行われているか、あるいは社内での監視体制、これがしっかり行われているか、そのもとで利益相反の抽出、特定がしっかりなされているか、それから、利益相反管理、チャイニーズ・ウオールの構築、あるいは記録保持といった体制、そのほか、利益相反の管理を行う部署が営業部門等から独立しているかどうか、そういった点、あるいはその管理方針が適切に定められているかどうか等々、留意すべき点がいろいろあると思っております。 そういったことを中心に、適切な管理体制が行われるよう、我々といたしましてもしっかりとしたモニタリングを行っていきたいというふうに考えております。
○関委員 今回のファイアウオール規制の見直しのそもそもの目的が、多様で質の高い金融サービスの提供ということで、利用者に対しての利便性を考えた上でのことでございますので、チェック体制のところをきっちりとやることによって、利用者の方に、そのそもそもの目的の質の高い金融サービスの提供ということをしっかりと実現していっていただきたいと思うところでございます。 次の質問ですが、村上ファンドの問題ですとかホリエモンの問題ですとか、いろいろなところで金融商品、サービスに対してきっちりとしたその管理体制法律をつくろうということで、金融商品取引法というものができ上がった理由の一つだと思っているわけなんです。 ただ、先般、建築基準法も改正をしまして、その建築基準法が非常に精緻にでき上がっていて、実際の運用面、実体経済からいくと、不動産の動きに対してなかなか柔軟な動きができなくなってしまったという声が多々あって、それもマスコミなんかでもよく報道されたところでございます。 今回、この金融商品取引法も、きっちりとした管理体制をつくっていこうという意味合いからいろいろな管理項目をたくさんつくっていったがために、いろいろ金融会社の方からは、今まで窓口で例えば二十分で終わっていた新商品の取り組みについては、もうその三倍ぐらい時間がかかるんです、大変になりましたよというふうなのを実際の実務担当者の方から耳によく入ってきたり当初しておりました。 これは、私は、建築基準法の改正と同じようなことがこの金融の世界においても、きっちりと余りにも細かいチェック項目を実態面で決め過ぎて、すごい問題が起こってきてしまっているんじゃないのかなというのを非常に危惧しております。しかしながら一方、最近はその声も大分おさまってきたようなところも感じられるところでございます。 そのようないわゆる新しい法律がスタートしたときには、大きな改正でございましたので、それがしっくり落ちついていくまでには時間もかかるのも当然でございますけれども、そういう点につきまして、いざ、実際に金融商品を取り扱いしている実務担当者に対して、当局の方から、例えば、こういう点についてはもっと緩和できる項目で事務手順を余りきつくしなくていいんだよとか、そういうふうな指導が実際になされたのかどうなのか、そういう点についてお聞きしたいと思います。
○三國谷政府参考人 お答えいたします。 貯蓄から投資への流れを進めるに当たりまして、金融商品が持つリスクなどにつきまして投資者が十分な説明を受ける機会を確保し、そのことを通じて、国民が安心して金融商品への投資を行うことができるような環境を整備することは重要であると考えております。 このため、金融機関等におきましても、金融商品取引法の趣旨を踏まえた実務の運用が求められ、金融商品の販売、勧誘につきましては、相応の説明の体制を構築することが必要になると考えているところでございます。 一方で、一部の金融機関におきましては、法令の適用等について極めて保守的な対応もとられ、時として、過剰とも言えるような事務的な対応が行われていたのではないかとの指摘もございます。また、一部には、当局の検査監督のあり方にもそういった原因があるのではないかといった指摘もあったところでございます。 こうした状況を踏まえまして、金融庁としては、本年二月に質疑応答集を公表いたしまして、一つは、金融商品の販売、勧誘に係る法令の考え方を明確化するとともに、その内容を検査監督等に当たる当局の担当者にも周知徹底を行うことによりまして、適切な対応が確保されるよう努めているところでございます。 金融庁といたしましては、今後とも、各種の機会を通じまして法の趣旨を十分説明していきますとともに、実務の動向等を注視しながら、必要があれば、さらなる明確化等を図ってまいりたいと考えているところでございます。
○関委員 私は、法律のそもそもの内容のあり方というのは、規制を非常にきつくするときには、何か事件が起こって、それが本当に全体のごく少ないパーセンテージだけしか占めていないような悪い点が発生したときに、それがあくまでも全体に広がるのを余りにも恐れ過ぎて非常に厳しくし過ぎると、本当は、今まで善意の人たちが効率よく運用できていたようなところに悪影響を与えてしまうようなことが法律ではあってはならないと思いますので、その点については、運用面等の指導をしっかりしていただいて、効率のいい金融商品の取引ができるような体制を今後もぜひともつくっていくべきだと考える次第でございます。 では、最後の質問をさせていただきます。 これは非常に大きな内容の質問でございまして、私も自分自身でどう考えていったらいいのかなというのを常日ごろいろいろ考えて、なかなか結論が出ないような項目なんですが、要は、実物経済と金融との関係ということについて、非常に大きなことで質問させていただきたいんです。 今、世界的に大問題化しているいわゆるサブプライムの問題が発生して、世界的に、余っているお金の行き場がなくなって、必ず用途のあるという石油、原油の方にお金が行って、原油ががんと上がっていって、また、原材料の方がどんと上がっていっているというふうなことが起こっていまして、結局は、金余り状況のそのお金の行き場がなくなったものが、金融が実物経済の価格というところに悪影響を非常に与えていってしまっているというところを、私は、経済全体の仕組みからいって非常に疑問というか、危惧をしているところがございます。 例えば、どんなに金余りがされていたとしても、原油なんかの大事なところについては、どんどん価格が上がっていくような投資先として選んではいけないんだよとかいうふうな規制ができないのかな、そういうふうな規制をやると、やはり、自由資本主義経済に対してはこれはもう本当にやってはいけないことなのかな、そういうふうな点についてどのように解答を出していったらいいのかな、非常に私は今自分自身で悩んでいるところでございます。 このように、実物経済、金融経済、この関係のあり方においてどういうふうに考えていくべきなのか、できれば、大臣の方から御高説を賜りたいと思います。
○渡辺国務大臣 よく犬の体に例えて、実物経済が犬の頭だとすれば、金融経済が犬のしっぽだとかつては言われていたわけです。しかし、最近では、しっぽが頭を振り回しているではないかという例え話を聞くところであります。ベルリンの壁が崩壊をし、九〇年代半ばに世界経済が一体化をしております。私のところの金融市場戦略チームでもこの問題を議論いたしました。 エコノミストの水野和夫氏の見解によりますと、九〇年代から今日にかけて、世界の金融資産が約四倍の大きさに膨れ上がった。まさに、この膨れ上がった金融資産を背景に、資源、食料の争奪合戦の様相を呈しているという指摘でありました。ちょうどこの現象は、十六世紀、今から五百年ほど前に新大陸が発見をされ、新大陸から金、銀がヨーロッパに流入をし、貨幣が増殖をした。地中海ヨーロッパと東ヨーロッパが一体化をし、小麦の価格が六倍ほどに値上がりをしたと言われております。まさにそういった歴史のアナロジーでいきますと、もしかしたら、近代から次の時代への大転換が起こっているのではないかという大胆な仮説を水野氏は述べているわけであります。 事の真相はよくわかりませんけれども、まさに今我々が経験をしているのは、もしかしたら、そういった歴史の非連続的な変わり目なのかもしれません。 そういう中で、では一体こういう問題にどう対処していくかということを考えてみますと、直近のお金の流れ方を見ていますと、例えば昨年、サブプライムショックというものが三カ月に一回ぐらいの頻度で起こったわけでございます。そういたしますと、株式市場がどんと値下がりをする。株式市場から例えば商品市場あるいは原油マーケットにお金が流れる。また、為替の世界においては、ドルの実質実効レートが史上最安値圏にある。産油国などはまさにドルで石油代金を受け取るわけでありますから、ドルが値下がりをいたしますと、財産そのものが減っていってしまう。そこで、まさにお金の運用として、そういった商品、エネルギー市場にお金が流れていく。こういう循環があることを指摘する人もいるわけでございます。 したがって、そういう状況の中で、では、マーケットを規制することによってこうした問題は根本的に解決をしていくのかというと、なかなか難しいものがあろうかと思います。 私も、ダボス会議等々で、まずはこのサブプライム問題、これの根本解決をやっていく必要性を訴えてきたところでございます。日本が十数年前にこの問題に直面をし、大変な苦労をし、バランスシート調整というものをやってきたわけであります。最終的に、公的資金の投入という苦渋の決断をして不良債権問題の解決を行ったわけでございまして、そういう日本の歴史の教訓というものを披露してきたわけでございます。 いずれにいたしましても、この問題は、洞爺湖サミットでも食料価格の高騰問題として取り上げられる予定と聞いております。世界的な枠組みづくりが必要であろうかと存じます。
○関委員 ありがとうございました。以上で質問を終わります。
○原田委員長 次に、石井啓一君。
○石井(啓)委員 おはようございます。公明党の石井啓一でございます。 まず、法案の審査に入る前に、昨日起きました三菱東京UFJ銀行のシステム統合に伴う障害について伺いたいと思いますが、セブン銀行のATMで引き出しができなくなる障害が約二万件起きた、また、六つの提携金融機関に口座を持つ顧客が旧東京三菱のATMから入金できないという障害が二百六十二件起きたというふうに報じられています。 振り返ってみますと、二〇〇二年四月にみずほフィナンシャルグループがシステム統合したときに、大規模な障害を起こしまして社会的な指弾を受けたわけでございます。そのときの反省を踏まえて今回のシステム統合も十分な準備をしてきたようでありますけれども、結果として、提携金融機関との接続テストが不十分だったようでありまして、このみずほの教訓が必ずしも生かされていないということについては大変残念だというふうに思っております。 この際、徹底した原因究明を行うとともに、システム統合の山場は七月以降の旧UFJ店の切りかえにあるというふうに聞いておりますので、再発防止に万全を期すべきだというふうに考えております。大臣の御見解を伺いたいと思います。 〔委員長退席、田中(和)委員長代理着席〕
○渡辺国務大臣 メガバンクがシステム統合によってメカパンクされては困りますので、十二分な点検をしていただいたはずでございます。それでも昨日のようなふぐあいが出たというのは、担当大臣として大変残念であります。 昨日、セブン銀行のATMにおいて、旧東京三菱店舗発行のカードが使用不能となる障害が発生をしたわけでございます。また、提携金融機関の口座保有者が旧東京三菱ATMから当該口座に入金できる新たなサービスを十二日より開始の予定でございましたが、入金を受けられない障害も発生をいたしました。既にこれらは復旧はしておりますが、細かなプログラムミスがあったわけでございまして、なぜこうしたプログラムミスが生じたのか、これは究明をしていく必要があろうかと思います。 同行のシステム本格統合、デー2と呼んでおりますが、二十年末の完了を目指して引き続き作業が続いております。同行においては、今後の取り組みに万全を期すことが重要であります。システム障害が発生した場合には、銀行法二十四条に基づき、事実関係及び障害の原因、事後改善策等について報告の提出を求めているところであります。 金融庁としても、今回の障害の直接の原因となったプログラムミスについては説明を受けているところでありますが、今後、準備プロセスにまでさかのぼった深みのある原因究明を求め、再発防止策の徹底を求めてまいりたいと考えます。
○石井(啓)委員 金融庁としても、検証とまた検査を今後しっかりやっていただきたいと思います。 では、法案に関しまして質問いたします。 金融庁の資料によりますと、GDPに占める金融セクターの割合というのが各国示されておりまして、我が国の七%に対してドイツが五・六%、フランスが五・二%、ドイツ、フランスより意外に頑張っているんだなという感じですが、英国、米国では八・三%ということでございます。 また、英国の経済成長に対する金融業の貢献ということでいきますと、英国の一九九〇年以降の実質GDP成長のうち約半分が金融業の成長、ビッグバン以降の二十年の英国労働力人口の増加のうち約六割が金融業ということで、イギリスはビッグバン以降、金融業で国を引っ張ってきたということがございますが、我が国においては金融業をどの程度の成長産業にしようという目標なりあるいは戦略なりをお持ちになっているのか、その点についての見解を伺いたいと思います。 その際、日本人の国民性、例えば競争よりも和をたっとぶ、また出るくいは打たれるとか、金もうけは必ずしもたっとばれない、こういった国民性からして、欧米と伍して金融業を成長産業にさせるのはなかなか難しいのではないかというふうな意見も散見をされますけれども、御見解を伺いたいと思います。
○渡辺国務大臣 御指摘のように、我が国の金融サービス業がGDPに占める割合は横ばいでございます。大体七%ほどであります。 よく言われますように、イギリスにおいては金融業が経済成長に対して大変な貢献をしてきたという指摘がございます。寄与度においても金融業が成長の伸び率の半分を占めているという報告でございます。また、イギリスの労働力人口の増加のうち約六割が金融業によるものという報告がございます。 日本においても、経済財政諮問会議に出されています成長シナリオの試算を仮に達成しようと思えば、何がしかの牽引役が必要になってまいります。そういったことを考えますと、やはり金融業に課せられた役割というのは非常に大きなものがあろうかと思います。少子高齢化も進展をする中で、持続的な成長を実現していくための高い付加価値を生み出す産業として、金融サービス業が期待をされるところでございます。 成長のポテンシャルを持った内外企業に金融産業は適切に資金供給を行うことができます。他の産業部門の成長を促進するのに金融サービス業は不可欠の存在であります。他産業の多様な資金調達、運用ニーズがさらに金融イノベーションを促す、そういう相乗効果も期待をされます。まさに、こうした好循環のプロセスを通じて、雇用の創出にもつながり、金融サービス業自体の成長が国全体の成長に大変な貢献をしていくことが想定できるわけでございます。 御指摘のように、日本人が和をとうとぶ民族であるという御指摘もあろうかと思いますが、日本人は、それではリスクをとらない民族なんだろうかということを考えてみますと、決してそうではないと思うんですね。例えば、江戸時代においては、大阪堂島の米マーケットにおいて先物取引が行われていました。まさに、これは世界に先駆けての先物市場だったわけでございます。 また、戦前においては、産業資金の大半が株式によって調達をされていたという歴史的な事実がございます。例えば、一九三一年、直接金融の割合は、株式、事業債を両方合わせますと、何と八六・四%に達していたということでございます。一九四一年においてすら、この割合は、株式が四三・八%、事業債が一五・二%と、貸し出しの四一%をはるかに上回っていたということでございます。それが、戦時体制を通じ、戦後どれぐらいになったかというと、一九五一年には、何と間接金融の割合が九割近くにもなってしまっていた。 こういうことを考えますと、決して、我々の祖先が直接金融に不向きであるとかリスクをとらない民族であるというのは俗説にすぎないと私は考えるものでございます。
○石井(啓)委員 私も、ぜひ日本人のDNAに期待をいたしたいと思います。 それから、次の質問ですけれども、我が国の株式市場におけます外国人の投資でありますけれども、株式の保有比率では金額ベースで三〇%近くまでに上昇しております。売買比率では六〇%に達しております。外国人が我が国に投資することは歓迎すべきことでありますけれども、外国人の売買比率が高まるほど、例えばサブプライムローン問題のような海外での金融ショックに我が国市場が影響されやすくなります。 我が国の金融機関は、サブプライムローン関係の不良債権というのは少ないはずなんですけれども、ただ、先進国の株式市場を見ると、我が国の市場の下落率が一番大きくなっている。これは、外国人の売買比率が高い、あるいは我が国の産業構造がやはり輸出主導だ、こういった点があるかと思いますけれども、私は、外国人の売買比率が高いことを問題にするということではなくて、国内の投資家の投資が少ないということがむしろ問題ではないかというふうに思っております。 今回の金融商品取引法あるいは金融・資本市場強化プランで、国内投資家の投資の活性化というのを促そう、特に個人の投資の活性化を促そうというふうにされていると思いますけれども、今回の法改正以降の方策についてどういうことをお考えになっているのか、お伺いをいたしたいと思います。
○渡辺国務大臣 御指摘のように、我が国の株式市場では、売買に占める外国人投資家の割合が六割から七割の水準であります。また、保有に占める外国人投資家の比率も三割近くのところまで来ております。 日本の市場の下落率がとりわけ大きいと言われておりますが、ドルベースで比較をいたしますと、ニューヨーク証券取引所の下落率とほぼ同じ傾向が出ております。昨年八月にいわゆるサブプライムショックが走った以降を比べてみますと、そういうドルベースの比較をいたしますと、まさにほぼ同じ状況であるということが言えるわけでございます。 御指摘のように、日本人が日本の株を買わないところに大変大きな原因があることは、私もそのとおりであろうかと思います。我が国株式市場において、個人の投資家、機関投資家、多様なニーズを持つ投資主体が幅広く市場に参加をしていただくことが重要でございます。国内の投資家、特に個人の投資家の活性化のためには、今回の金融商品取引法の改正に加えまして、昨年末の金融・資本市場競争力強化プランにも掲げていますように、貯蓄から投資への流れを促進するための税制の整備、そして金融経済教育の一層の充実による金融経済基礎知識、活用能力の向上などが重要であるかと考えております。 金融庁としては、プランに盛り込まれましたいろいろな施策を着実に実施に移して、厚みのあるマーケットの構築に努めてまいりたいと考えます。
○石井(啓)委員 それでは、最後の質問になるかもしれませんが、今回の改正でプロ向け市場の枠組みを整備しようとしておりますけれども、プロ投資家の対象として、法人すべてというふうにされております。 ただ、ここでちょっと私は懸念がございまして、法人といいましても、今は一円資本金が認められるようになりまして、法人設立が非常に簡素化されている状況では、実質一人オーナー法人というのもあるわけですね。さらに零細中小企業の経営者も、法人ということになるとプロ市場に参加をできることになるんですけれども、これは、個人をプロ投資家と認める場合の要件、すなわち純資産または金融資産が三億円以上で、かつ経験が一年以上、こういう個人の要件の穴抜けになってしまうんではないかという懸念もございますが、この点についての見解を伺いたいと思います。
○三國谷政府参考人 お答え申し上げます。 まず、特定投資家への移行ということにつきましては、これはさまざまなチェック事項が設けられているわけでございます。 まず、個人の場合でございますと、純資産額及び金融資産が三億円以上と見込まれるなどの要件を満たす必要がございます。また、こういった者が特定投資家となるのは、特定投資家となることを申し出た場合ということでございます。また、一般投資家から特定投資家への移行に際しましては、金融商品取引業者は、特定投資家に対する特例の内容や当該移行に伴うリスクを記載した書面を事前に交付し、同意を得なければならないこととされているところでございます。 また、特定投資家への移行に際し、投資勧誘を行う金融商品取引業者には、その段階での適合性の原則が適用されることとなっておりまして、この場合、金融商品取引業者が、投資者の知識、経験、財産の状況に照らしまして、特定投資家への移行についての適合性を適切に判断することが求められているところでございます。 その上で、今般の改正法案は、これはプロ市場でございますけれども、特定投資家からプロ向け市場への取引の申し込みを初めて受けました場合には、金融商品取引業者は契約締結前に、プロ向け銘柄に関します情報提供の内容、それから、その知識、経験、財産の状況に照らして適当ではない者がプロ向け銘柄の取引を行う場合にはその者の保護に欠けることとなるおそれがある旨といったことを、告知または書面交付しなければならないこととされているところでございます。 また、プロ向け銘柄の取得の勧誘等を行う者は、その相手方に対しまして、有価証券届け出書が提出されていないことなどを告知しなければならないこととする。こういったぐあいに、投資者の自己責任に立脚するためのさまざまな手続を設けているところでございます。 金融庁といたしましては、これらの枠組みが適切に運用されることによりまして、プロ向け市場につきまして投資者保護が十分に確保されていくよう努めてまいりたいと考えているところでございます。
○石井(啓)委員 個人の場合は、御本人からプロ投資家に移行したいという申し出があったとしても、その時点で、例えば純資産とか金融資産が三億円以上ないとはねられるわけですよね、そういう要件がないと。ところが、法人の場合は、実質個人事業主と同じような法人であっても、この申し出について受けるかどうかというのは、そういう明確な基準はなくて、ある意味で金融業者の判断にゆだねられている。そのところがちょっとどうなのかな、ここは少し検討課題ではないかなというふうに私は思うんですけれども、最後、もう一度御答弁いただきたいと思います。
○三國谷政府参考人 ただいまお答えいたしましたが、その場合におきまして、これが一つには申し出に係るものであるということ、その場合に、金融商品取引業者がそういった内容について説明する、そういった要件が設けられていること、そしてまた、移行に際しまして、その移行が適合しているかどうか、すなわち、この移行が投資者の知識、経験、財産の状況に照らしましてそういった適合性がなされているかどうかといったことを適切に判断することが求められているわけでございます。 こういった仕組みによりまして、この移行に当たりまして適正化が図られるよう努めているというところでございます。
○石井(啓)委員 この辺は少し運用の実態をよく見させていただきまして、これからまた検証させていただきたいと思います。 以上で終わります。
○田中(和)委員長代理 次に、佐々木憲昭君。
○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。私は、きょうは法案の内容についてお聞きをしたいと思います。 まず、プロ向け市場についてであります。 法案では、プロの投資者、すなわち特定投資家に限定した市場をつくる、そしてそれを運営する、こういうことですが、渡辺大臣、そのプロの投資家というのはどういうものですか。
○渡辺国務大臣 金融商品取引法では、お客様が特定投資家、つまりプロであるか一般投資家であるかという区分に応じて規制の適用を柔軟化する特定投資家制度を設けております。具体的には、投資者のうち、その知識、経験、財産等の状況から金融取引に係る適切なリスク管理を行うことが可能と考えられる者を特定投資家と位置づけております。金融商品取引業者が特定投資家との間で行う取引については、適用する行為規制の簡素化を図っているところであります。 特定投資家の範囲としては、金融機関等のいわゆる適格機関投資家のほか、国、日本銀行、地方公共団体や上場企業等を規定しております。また、その他の法人及び知識、経験、財産の状況に照らして特定投資家に相当する者として一定の要件を満たす個人については、原則として特定投資家には当たりませんが、本人の申し出及びリスクについての適切な情報提供等の慎重な手続を経た上で特定投資家として取り扱うことが可能となっているところであります。
○佐々木(憲)委員 プロ向け市場の参加者となる特定投資家というのは、一定の要件を満たした個人や法人だけではなくて、地方自治体が含まれる。 この地方自治体というのは、なぜプロなんですか。知識、経験、財産の状況から適切な資産管理ができる、そういう金融のプロであると。なぜ自治体がプロなんでしょうか。
○渡辺国務大臣 地方自治体は、一般的に投資に対して十分な知識、経験、財産を有するものと考えられることから、特定投資家として位置づけられています。 個々の地方自治体の選択により一般投資家に移行することが可能でもございます。つまり、特定投資家として位置づけられていますが、それぞれの自治体の判断、選択によって一般投資家に移行することもできるということであります。これに関して、地方自治体との間で金融商品取引契約を締結しようとする業者は、その地方自治体に対して、一般投資家への移行が可能ですよということを告知しなければならないとされております。
○佐々木(憲)委員 一般投資家にもなることはできるとしても、特定投資家の要件は備えている、今大臣は投資に対して十分な知識があると。 しかし、これはよく考えてみますと、自治体の職員が本当にそんな金融のプロなのか。ほとんど開示情報のない海外の企業あるいは新興企業の業績、将来のリスク、そういうものを判断する能力があると見ているわけですか。
○渡辺国務大臣 一般的に、地方自治体の余資運用というのは、かなり厳格に規制をされているのが実情であろうかと思います。したがって、そうした運用の規制の中にあって、今回、金商法の体系の中で特定投資家として位置づけているわけでございますが、先ほども申し上げましたように、一般投資家に移行することも可能でありますし、また、金商業者は一般投資家への移行が可能であることを告知しなければならないという規定を設けているところであります。
○佐々木(憲)委員 これは答弁になっていないですよね。一般投資家なら一般投資家でいいんじゃないですか、そうなることができるとか言わなくても、最初からプロじゃないんですから。 この金商法で自治体がプロの中に入ったのは、前回の改正であります。プロになれば、先ほどの説明がありましたように、説明義務などは、そういう規制は受けないわけです。もうプロですから、そういう基礎的な説明などはしなくてもよろしいと。果たしてそういうことで市場にいざなうということが適切なのかどうか。 そこで、具体的に確認したいんですけれども、前回の法改正後、具体的にプロとして金融商品を買った事例があるか、その自治体の数と金額を示していただきたい。
○西原政府参考人 お答え申し上げます。 自治体が購入しているものということですが、先ほど大臣からも答弁がございましたように、国債や地方債や政府保証債、こういった安全性の高い金融商品が中心であるというふうに承知しておりまして、いわゆるプロとして、特定投資家としてどのような金融商品をどの程度購入したかという実績につきましては、把握をしておらないのが実情でございます。
○佐々木(憲)委員 法律はつくったけれども、実際にそれがどう使われているか把握していない、私はこれはかなりいいかげんじゃないかと思いますよ。法改正によって実態がどうなったか、それを十分に把握して、それで次の改正に進むというのが本来のあり方だと思うんですね。 自治体にはプロはおりません。情報も掌握はできない状況にあります。新銀行東京というのを見ても、自治体がまともな管理もできていない、これは明らかであります。しかも、資金の原資というのは公金ですからね。それなのに、今度はプロ向け市場にどうぞお入りくださいと。これは余りにも無責任だと私は思います。こういう特定投資家に入れることが私は最初から間違っていると思いますが、大臣、これは一般投資家で十分なんじゃないんですか。
○渡辺国務大臣 金融商品取引法では、顧客がプロであるか一般投資家であるかという区分に応じて規制の適用を柔軟化する制度にしてございます。投資家のうち、知識、経験、財産等の状況から金融取引に係る適切なリスク管理を行うことが可能と考えられる者を特定投資家、つまりプロと位置づけて、適用する行為規制の簡素化を図っているところでございます。自治体のみならず、国、日本銀行などもこの特定投資家の範囲に含まれているところであります。
○佐々木(憲)委員 説明になっていないですね。 適切なリスク管理ができる者と言うけれども、それができないのが実態なのであって、プロ向け市場の中でプロ同士が売買している金融商品はいかにリスクが高いかということは、例えばロンドン証券取引所のAIMの事例でも明らかでありまして、日経新聞の昨年七月二十六日付ですが、こういうふうに紹介されております。 AIMでは資源高相場を反映し株式時価総額の五割が鉱山と石油・ガス関連で占めている。企業買収や投資などの事業計画だけで上場できる。経営実態を持たずに資金を集める器を示すキャッシュシェル、この仕組みがトラブルを多発させている。典型は二〇〇五年に油田開発会社のリーガル石油がギリシャの石油発掘に失敗したケースだという紹介がありまして、これについてアメリカの証券取引委員会、SECのカンポス委員が、AIMを、まるでカジノじゃないかということでことし三月に批判をした、こういうことが報道されているわけですね。 したがって、一般投資家に対してこういう金融商品というのは原則転売禁止なわけですよ。そのプロ向け市場に自治体を組み入れる、どうもこれは理解できません。 問題なのは、プロ向けの商品は一般投資家には販売できないんですけれども、そのプロ向け商品を組み合わせて投資信託あるいはファンドなどを組成した場合、説明義務違反などがなければ一般投資家への販売が可能である、こうなっているわけです。例えば、プロ向け市場の中でAという金融商品がある、Bという金融商品がある。それは、それぞれ一般投資家には販売できないわけです。しかし、このAとBを組み合わせた金融商品をつくりますと、一般投資家に販売できるわけです。これは私はおかしいと思うんですね。ハイリスク・ハイリターンに変わりはないのに、なぜこれは一般投資家に販売できるんでしょうか。
○渡辺国務大臣 プロ向け市場における直接の取引参加者はプロ投資家に限定されています。一般投資家は、投資信託等により、企業の将来性を見きわめるプロ投資家の専門的な資産運用を通じて、プロ向け市場における投資成果を享受することが可能であります。 この場合、一般投資家は、投資信託の運用対象となる個々のプロ向け銘柄について、自分自身で投資判断を行うことは必ずしも必要ではありません。他方、投資信託の運用状況やリスクについて、的確に投資判断を行うための情報は適切に得られることが必要であります。このため、プロ向け市場に投資する投資信託については、一般の投資家が的確にそのリスク判断ができるよう、その投資方針、運用状況に関する情報について現行の厳格な法定開示規制の対象としているところであります。 プロ向け市場については取引所ルール等による自主的な情報提供の枠組みを創設するものでありますが、これは必ずしも投資判断に用いられる絶対的な情報量が少ないということを意味するものではありません。投資信託の投資運用を行うプロが個別のプロ向け銘柄について投資判断を行う際には、専門的な見地からの十分な情報の分析等が行われているものと考えております。
○佐々木(憲)委員 その説明ではなかなか納得できないですね。 つまり、プロはそれなりの情報源があり情報を掌握しているとしましても、それが必ずしも万全ではありませんで、先ほど言いましたように、かなり深刻な失敗もあるということですから、それを前提としてプロはプロの市場で売買しているわけですね。それを一般投資家に組み合わせて販売できるということになりますと、プロ向け市場の危険な状況をいわば拡散して、一般投資家を巻き込むことになる、そう言わざるを得ないと思いますよ。 しかも、このプロ向け市場というのは参加者の要件を限定しておりますが、金融資産三億円以上で、かつ一年以上の取引がある場合、これは一般投資家から特定投資家に移行できる、こうなるわけですね。そうすると、専門的な知識がない場合でも、資産が三億円以上あって一年以上取引している、こういう要件が兼ね備わっていれば、どうぞプロ向け市場で取引してください、こうなるわけでありまして、これも相当危険な状況だ、トラブルが多発する状況をつくると私は思います。 先ほど石井議員も指摘していました法人の問題、これもかなり広い範囲を対象としているわけですね。そういうことを考えますと、今回の法改正というのは、結局、投機的な分野に一般の国民が巻き込まれるおそれがある、そういうふうに思わざるを得ません。大臣、いかがですか。
○渡辺国務大臣 一般投資家が直接参加するマーケットにおいては、情報の非対称性という問題がございます。当然、投資家保護に万全を期す観点から、情報開示義務等の厳格な規制が必要とされているところであります。一方、取引参加者がプロ投資家に限定される場合には、情報の非対称性が減少することから、自己責任に立脚した自由度の高い取引の場を創設することが可能であります。こうした考え方に立って、今回の改正案においては、直接の参加者をプロ投資家に限定しつつ、法令に基づく公衆縦覧型の情報開示を免除するプロ向け市場を創設するものでございます。 地方公共団体は、先ほどから申し上げていますように、一般的には投資に対して十分な知識、経験、財産を有するものと考えられることから、特定投資家に位置づけているわけでございますが、そうした選択をせずに一般投資家に移行することは可能であります。また、金融商品取引業者は、地方公共団体に対して、一般投資家への移行が可能であるということを告知しなければならないわけでございます。自信のない地方公共団体は一般投資家の道を選択するということになろうかと思います。
○佐々木(憲)委員 今の説明を聞いても全く納得できないですね。 要するに、自治体という素人をプロ向け市場に巻き込むものであり、そして一般投資家をプロ向け市場の中でつくられる投機的な商品に巻き込んでいく。結局、私は、これを実行すれば相当金融被害というものが広がると思います。トラブルが多発し、大変な事態にならざるを得ないと思います。しかも、投資家、消費者を保護する体制も今の段階ではまだ極めて不十分であります。そういう中で規制緩和だけどんどん進めていく、これは私はやるべきではないというふうに思います。 もう時間が参りましたので、続きは次回にすることにしまして、きょうはこれで終了したいと思います。
○田中(和)委員長代理 次に、大畠章宏君。
○大畠委員 民主党の大畠章宏でございます。金融商品取引法の改正案について質問をさせていただきます。 最初に、渡辺大臣が先ほど委員の質問に答える形でいろいろと御発言をされておりましたが、ちょっともう一度そこら辺、御認識を伺いたいんですが、犬のしっぽの話をされましたが、しっぽが犬を振り回すというのは正常だと思いますか。 〔田中(和)委員長代理退席、委員長着席〕
○渡辺国務大臣 これはたしかバーナンキ議長がいつかおっしゃった言葉であろうかと存じます。当然、その例えからわかるように、極めて正常でない状況を指して言っておられたのではなかろうかと思います。しかし、これが世界の現実であるということもあわせて指摘をされたのではないでしょうか。
○大畠委員 サブプライムローン問題もそうですが、私たちが想像をする範囲をはるかに超えていろいろな金融商品が世界を飛び回り始めて、それが、おっしゃるようにしっぽが実体経済というのを振り回すという状況も生まれ始めていますけれども、そこら辺は、各国ともその状況、現状というものをしっかり見据えて、決してしっぽが犬を振り回すような状況を許してはならないと思うんです。現実だという話でありますけれども、それによってどれほどの人が被害をこうむるか、あるいはさまざまな現象に突入して大変な思いをしているわけですから、しっぽが犬を振り回すような状況が現実起こっているとすれば、やはり人間の英知をもってそういうものはいさめていかなければならないと私は思うんです。 それから、もう一つ大臣に御認識を伺いたいと思うんですけれども、経済というのは一体何を目的とすることになるのか、経済の目的というのは何でしょうか。
○渡辺国務大臣 経世済民というのが経済であろうかと思います。この出典については不勉強にして覚えておりませんけれども、私の理解では、まさに経済活動を通じて人々が自分の幸せはこれだという選択が可能になり、まさにその選択を通じて幸せを手にする、そういうメカニズムであろうかと考えます。
○大畠委員 それも一つのお考えだと思うんですが、もともと、人間社会の中でお金というものも何もなく、お互いにとったものはみんなで共有しながら生きてきた時代も過去にはありました。お金という、そういう貨幣とか何かがない時代ですね。ずっと来て、しかし、そのうちにお金というものが発明されたというか、いつの間にかできてそれを流通させる。その中で、一人一人が働くことによってそれに価値を加えながら、そこで得たもので、結局、最終的には生きていくということですよね、生活をしていく。これが私は経済なんだと思うんです。 市場原理主義経済というもの、それは人間の欲望というのがありますから、より楽をして巨額の富を得ようということになってきておりますけれども、私は、最近の日本の社会の中の価値観、あるいは日本人としての物の見方、考え方も大変変質してしまったと。勤勉性というものがあったり、あるいは正直、あるいは約束した場合にはそれをきちっと守るという、言ってみますと、言うべきことは言う、そしてやるべきことはやる、決められたことは守る、これが日本の社会を維持してきた、あるいは戦後の復興でもそういうものが原点となって今日に来たわけでありますが、今では、言うべきことはもう言わない、やるべきこともやらない、約束しても規則があっても、見つからなければ約束はほごにする、そして巨額の益を得る、そういう社会風潮が非常に顕著になってきているんじゃないかと私は思うんです。 私は、経済の目的というのは、みんなが生活をして生きていけるということが一つの経済の目的だと思いますし、そういう意味では、仕事につきたい人は仕事につける、そして働くことによって益を得て、そしてみんなが生きていける、これが原点だと思うんです。それが、先ほどのしっぽが犬を振り回すと同じように、本来の経済の目的はどこにあるのかというのがよくわからなくなってしまって、巨額の益を得る、ばれなければ何をやってもいいという、あるいはサブプライムローンもそうですが、実体がないにもかかわらずそれをオブラートで包んで、いかにもいい商品のようにして世界にばらまいて売ってしまった。そして、買ったところは、あけてみたら腐ったリンゴだったというのがわかったということですね。 だから、そういうことを私たちは英知をもって未然に防いでいかなければならないと私は思うんです。今回、この金融商品取引法の改正についても、そういう原点を押さえておかないと、何のための金融商品取引法の改正なのかわからなくなりますからこういうことを申し上げたわけでありますけれども、そういう観点でこの法律案について何点か質問させていただきます。 先ほど佐々木憲昭委員から、プロとは何ですかという定義の話がございました。プロ市場をつくるというのは確かに必要なんでありましょう。世界がそういう流れの中で、そういう市場をつくり、一つの金融という商品の取引というものを活性化しているということですから、本質的にプロの市場をつくるというのは私も賛成でありますが、一体どういう人がこのプロ市場に参入するのかというところが、先ほどの委員の御指摘にもあったように、どうもあいまいなところがあるんだと思うんです。私は、プロ市場に参入するのには何らかの資格要件というのをはっきりしておかないといけないと思うんですね。 したがって、この件について再度お伺いしたいんですが、プロ市場に参入するという資格、決して幾らお金があるとか何かじゃなくて、結局は人間がやるわけですから、プロ市場に参入してそこにいろいろ参加するという資格は、アメリカの事例を見てもイギリスの事例を見ても、一つの資格要件というのを、単なるお金とか何かじゃなくて、参入する資格要件というのを明確にすることが私は市場の混乱を防ぐためにも必要だと思いますが、最初にこの件について大臣の御認識あるいは金融庁の御認識をお伺いしたいと思います。
○三國谷政府参考人 お答えいたします。 いわゆるプロ、特定投資家の範囲でございますが、これは金融商品取引法におきまして四つ、一つは適格機関投資家、二つ目は国、三つ目は日本銀行、その他、投資者保護基金その他内閣府令で定める法人ということになっているわけでございます。その中に、適格機関投資家、国あるいは日本銀行以外でございますと、そういった特定投資家も一般投資家になれる道を講じているところでございます。一方において、通常一般投資家である方々であっても、その方々の資質あるいは財産の状況等に応じまして、プロになりたいという方につきましては一定の要件のもとにプロになる道も講じているところでございます。 今御指摘のありました個人につきましては、一つは、資産につきましては金融資産も含めまして三億円以上という要件、それから一年以上の経験、こういったことを前提といたしまして、かつ自己の申し出、かつその段階での金融商品取引業者側でのチェック、こういったことを経まして特定投資家という、そういった制度をこしらえているわけでございます。 こういった特定投資家の方々は、一般的には、一般投資者の方々と異なりまして情報の非対称性が少ない。したがって、基本的には自己責任に立脚した、自由であるいは活性化した中での取引が可能になる、こういった道をこしらえているものでございます。
○大畠委員 今、自己責任という話がありました。確かにそうかもしれませんが、今の要件も一つかもしれませんが、例えばアメリカにおいては、投資銀行業務とか証券業務の管理監督者の登録要件として試験合格者を規定している、あるいはCEOや銀行取締役等の幹部には、法規制の基礎知識や経験、意欲、行動力を総合的に評価して登用する仕組みがあるという話です。日本でもそろそろこういう、渡辺大臣がよく言っているグローバリズムという話であれば、日本においてもプロ市場に参入する企業、あるいはそういうところが管理監督するメンバーには少なくともこういう、野球でいえばプロテストというんですかね、入団テストで、どのくらい球が遠くに飛ばせるのか、バッティングがどうなのか、守備はどうなのか、そこら辺をプロテストを受けて、それに合格した者がこのプロ市場に参入できる。 単なるお金を幾ら持っているかとか、一年やったといったって、何もしないでじっとしていたって一年たつわけですから、私は、プロ市場に参入できる何らかの要件というものを明確にした方が、先ほどの佐々木先生のお話じゃありませんが、プロ市場に参入してさんざんな目に遭って退場するという、その原資を、例えば税金であったりあるいはまた一般の市民の投資というものであれば大変なことになるわけですから、もうちょっと明確な、プロ市場に参入するための資格の試験というか、そういうものを規定すべきだと思うんですが、再度この件についてお伺いしたいと思います。
○三國谷政府参考人 御指摘ございましたが、アメリカにおきましては、投資銀行業務あるいは証券業務の管理監督者の登録要件として試験合格を規定していますことや、国法銀行の取締役などについて法規制の基礎知識、経験、意欲、行動力などを総合的に評価して登用する仕組みがあると承知しているところでございます。一方、我が国におきましては、現状、銀行や保険、金融商品取引業者の役員につきまして、要件としての試験等を実施しているわけではございませんが、業法におきまして適格性や欠格事由が定められております。また、監督指針におきましても、具体的な着眼点や監督手法を明確にしているところでございます。 また一方、金融庁では、現在、我が国金融資本市場の発展を担う人材の確保、育成が急務であるとの考え方のもとに、昨年十一月に金融専門人材に関する研究会を設置いたしまして、先般、基本的なコンセプト案をまとめまして公表したところでございます。こういった中で、例えば金融士、仮称でございますが、こういった資格の創設を含みます金融専門人材の確保、育成の案なども提示されているところでございます。なお、こういった事柄につきましては、今後、各方面から幅広くコメントをいただきながら、さらに研究を加えまして、論点の取りまとめを行っていきたいと考えているところでございます。 いずれにいたしましても、御指摘のとおり、金融機関の役職員のみならず、我が国金融資本市場に携わる者のレベルアップ、これは市場の競争力強化の観点から不可欠だろうと考えております。金融庁といたしましては、引き続きフィット・アンド・プロパーの規定の適切な運用、あるいは資格制度の創設を含む検討、そういった取り組み、あるいは人材の確保、育成、こういったことに取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
○大畠委員 今の御指摘も踏まえてぜひやっていただきたいんですが、恐らくプロ市場といったら生き馬の目を抜くというような、昔、江戸とか東京と言われましたが、それ以上の激しいハイリスク・ハイリターンの市場ができるわけですから、そこに参入する方についても、今の経験とか何かだけではなく、一定レベル以上の、例えばTOEIC七百点以上ぐらいの会話力も必要でありましょう、いろいろな要件を、明確に指標としてハードルをつくって、それを超えた方が参入するという一つのものをつくることも私は大事じゃないかと思いますので、この件についてはさらに検討していただきたいということを要請しておきたいと思います。 それから二点目には、今回の法改正が、プロ向け市場の創設、金融サービス体制の強化、公正、透明で信頼性のある市場の構築というものをねらいとしているという話でありますけれども、結局は、貯蓄から投資への流れをさらに拡大しよう、日本の国民は余りにも貯蓄というものに大部分の資産を投入しているという話でありますから、それを国際並みに投資の方に流れを変えて、日本の企業の実力値以下に非常に低い株価を適正なレベルまで上げて、その企業活動を通して経済が活性化され、それが国民のところに行き渡って生活を維持できる、こういう流れにしようという目的だと受けとめているわけであります。 今回、銀行と証券、保険の三業種間の規制を緩和する、こういうことでありますけれども、資金力を持ち情報を持つ銀行が競争上有利な展開とならないのか。また、ファイアウオール規制緩和というものを行うと同時に、その一方で課徴金の見直し等も打ち出されているわけですけれども、優越的な地位の濫用というようなことがあると、公平公正な競争、市場での競争ルールというのが維持できないということにもなりますから、この件について、金融庁と公正取引委員会の見解を伺いたいと思います。
○渡辺国務大臣 銀行がその融資業務等を通じて顧客に優越的な地位を持ち得ることは御指摘のとおりでございます。その濫用は顧客保護の観点からあってはならないと考え、今回の提案をしたところであります。 現行の銀行法令におきましては、顧客に対し、銀行またはその子会社等の営む業務に係る取引を行うことを条件として、信用供与を行うことを禁止しております。また、銀行としての取引上の優越的地位を不当に利用して顧客に不利益を与える行為を禁止しております。今回の改正を契機として、金融商品取引法上の内閣府令においても、証券会社が親銀行等の取引上の優越的地位を不当に利用して証券の勧誘をする等の行為を禁止行為として規定することを検討しております。 金融庁としては、銀行等の優越的地位が濫用され、顧客保護に欠ける事態が生じることのないよう、引き続き法令の厳格な運用に努めてまいります。
○松山政府参考人 お答えいたします。 金融機関が有する資金力、情報をもとに、融資を通じた影響力を不当に利用するなどいたしまして、グループ傘下の企業の利益を図って金融商品の販売活動等がなされる、そういった優越的な地位の濫用等といったような行為、これは金融市場における公正かつ自由な競争をゆがめる行為であると考えております。 このため、公正取引委員会といたしましても、従前から、独禁法上の考え方、不公正な取引方法についての考え方、ガイドラインといったものを公表させていただきましたり、あるいは実態調査を行う、あるいは、個別事件として、例えば三井住友銀行の金利スワップ商品の押しつけ販売について排除勧告を行うといったようなことで取り組んできているところでございます。 今後とも、金融市場の動向について注視をしていくとともに、独占禁止法上、違法と見られる行為がございました場合には厳正に対処してまいりたいと考えているところでございます。
○大畠委員 そこら辺もぜひ、公正取引委員会としてもまた金融庁としても、公正な競争ルールというものを維持するようにさらに一層努力をしていただきたいと思います。 公正取引委員会においては退席していただいて結構でございますので、どうぞ。 それから、今回の法改正の一つの目的が、貯蓄から投資への流れを大きくするということがあると思うんですけれども、これまでそれぞれ努力はしてきたんだと思うんですが、なかなかそういう流れができない。その要因の一つは、国民のいわゆる株式投資に対する信頼性への不安というものがあったんじゃないか。そこで、金融庁としては、今回の法改正に至るに当たってどのような分析をして、そして今回の法改正に至ったのか。 特に、信頼性への不安という意味では、最近株取引について、インサイダー取引、松野委員からも先日御指摘がありましたけれども、野村証券、NHK、日経新聞関係者によるインサイダー取引の事件というものが発覚をして、一般社会にも衝撃を与えました。これらはひょっとしたら氷山の一角なんじゃないか、そういう情報を得る関係者が、同じような形で、よくわからないようにアンダーグラウンドでいろいろなところに情報を流しては、親戚筋とかあるいは友達とか、そういうところでそういう取引をして無法な利益を得ているんじゃないかという、信頼性を失わせるような衝撃を与えているわけであります。 ここら辺、金融庁として、今回の問題というものをどう受けとめておられるのか、そして株式投資そのものに対する国民の信頼をどう回復させようとしておられるのか、いわゆるコンプライアンスの徹底ですとか、国際的な金融市場としての評価を維持あるいは発展させる、向上させるためにどういうことを考えておられるのか。監督官庁としての再発防止も含めての御見解を伺いたいと思います。
○渡辺国務大臣 我が国の個人金融資産一千五百兆の半分が預貯金、低金利の中で塩漬け状態になっております。豊かさを実感するためには、こうした家計の富がリスクテークを行って、収益の確保を適切に行っていくことが必要であります。 貯蓄から投資への流れを促進していくためには、御指摘のように、株式市場等に対する投資者の信頼を確保することが不可欠であります。そのためには、多額の個人金融資産を保有する投資者に多様な運用機会を提供すること、そして、透明で公正な金融資本市場を構築して、国民が安心して投資できる環境を整備することが大事であります。 昨年九月末に、包括的、横断的な利用者保護や市場の公正性、透明性の確保を目的とする金融商品取引法を施行したところであります。今回の法案においては、課徴金制度の見直し等、バージョンアップを図るところでございます。こうした法令の適正な運用を通じて、国民が安心して投資できる環境を確保していくべく、全力を尽くしてまいりたいと考えます。 また、御指摘のインサイダー取引の事件は、まさにこうした国民の信頼を裏切るものでございます。金融当局としては、国際的に信頼される公正な金融市場を実現するために、こうしたインサイダー取引等の不正取引の防止、そのためのコンプライアンスの徹底を図ってまいりたいと考えます。 具体的には、インサイダー取引に対する罰則の強化、課徴金制度の導入、証券取引等監視委員会の機能強化、インサイダー取引の未然防止の観点からの制度整備、例えば上場会社役員等の売買報告義務、上場会社役員等の短期売買差益の提供義務、証券会社における法人関係情報の管理義務等によって、不公正取引の未然防止、早期発見、早期対処に努めてきたところであります。それでも不公正取引事案が生じるというのは極めて遺憾であります。類似事案の再発防止に努めてまいります。 当局による厳正な監視、監督に加えて、現在、日本証券業協会において、上場会社や証券会社の役職員などインサイダー情報を入手する可能性のある者に対するデータベースを構築し、委託売買におけるチェック機能の拡充に向けた検討が進められているところであります。 こうした法令等の規制や自主規制機関の取り組みに加えて、最終的には、個々の市場参加者のモラルの維持向上も当然のことながら必要であります。インサイダー情報に該当する重要事実を知ることとなる者は、一般事業会社の役職員はもとより、金融機関の役職員、公認会計士、報道関係者など公共的な役割を担う者においては特に極めて高い倫理観を持ってコンプライアンスを徹底していただく必要がございます。 そうした観点から、金融庁としては今後とも、法令等の規制や罰則などに対する周知徹底に努めていくとともに、金融機関に対し役職員への十分な研修の実施を求めるなど、引き続き市場参加者のモラルやコンプライアンス体制の向上に向けた取り組みを進めてまいります。
○大畠委員 今の答弁にもありましたけれども、金融にかかわる情報というものは、取引をしている当事者だけではなく、今のお話にあったように、報道機関あるいは印刷とかそういうところも全部情報が流れているわけでありまして、それをインサイダーみたいな形で悪用するかどうかというのは心の問題なんですね。残念ながら全体的に日本人のモラルは今落ちておりまして、不心得な日本人が非常に多くなっているという意味では、今の御指摘は当然やってもらうとして、さらに一層推し進めなければならないんですね。 これは、企業体あるいは組織全体としてそういうモラルの向上を図らなければならないと同時に、取り締まる方の気持ちも大事なんです。言ってみますと、取り締まる方はやってもやらなくても別に給料変わりませんから、そういうものを見聞きしたときに、よし、これはやろうというのは、警察組織と同じように、正義感というものが非常に強くないとこれはとめることができないんですね。したがって、私は、金融庁の内部でも、こういう横行している、横行すると言っていいのかどうかわかりませんが、こういうのは断固としてさせない、インサイダーなんかさせない、強い決意を持って、これは取り締まる方もかなり体制を強化しながらやることが必要なんだと思うんです。 そこで、ちょっとアメリカの資料をいただいたんですけれども、アメリカではたしかSECのメンバーが三千人ぐらいおるんですね。証券取引等監視委員会のメンバーは、アメリカが三千五百六十七人、日本はどうかというと、平成二十年度末で千四百十七名。一人一人がすごくやろうとしても、これだけネットとか何かで情報が飛び交いますと、ある程度の人数でやらないといけないんじゃないか。今回の法改正がもともとアメリカ市場並みの金融市場をつくろうということですから、監視体制というのをそれなりの、メンバーもそれから体制も整えないと、とても公平な市場の維持というのはできないと思うんですけれども、ここら辺、証券取引等監視委員会の強化というものはどういうふうに考えておられるのか。 それから同時に、先ほど大臣からもお話がありましたけれども、報道機関だとかあるいはさまざまな金融の情報を取り扱う機関に対して、モラルといいますか、先ほど言いましたように、決められたことは守る、そういうことはしないんだといったらそれを徹底させるという、その二段階が私は必要だと思うんですが、ここら辺に対する金融庁としての取り組みについて、体制についてお伺いしたいと思います。
○内藤政府参考人 お答えいたします。 まず、私どもの監視委員会の市場監視体制でございますけれども、先ほど出ました、いろいろインサイダー事件、最近多発をいたしております。その件につきましては、私どもは、委員会の中の情報の収集、分析でございます、それから、それを通じまして、問題があろうという事案につきまして本格的な調査に移るという形での、委員会の各課の連携をより密にいたしまして、私どもの機能の向上というものに努めているところでございます。また同時に、自主規制機関でございますとかさまざまな一般の国民の皆様方から寄せられる情報でございますけれども、年間に大体六千件から七千件ぐらいございまして、そうした情報も収集をいたしまして、その中から集約をして問題の解明というものに努めているところでございます。 それから、組織体制の点でございますけれども、私ども監視委員会は平成の四年度に発足をいたしまして、四年度におきましては監視委員会全体で八十四人の定員でございました。それが平成二十年度末に三百五十八人というふうなことで、約四倍に拡充をいたしてきております。その間、監視委員会におきまして、課徴金制度の導入でございますとか金融商品取引法の施行でございますとか、さまざまな、私どもの機能拡充というものと相まって組織の体制の拡充ということになってきたわけでございます。 委員御指摘のアメリカの証券取引委員会と比べますと、歴史も違いますし、まだまだの感がございますけれども、組織の体制、そしてまた機能の拡充を含めてますます強化を図っていきたいというふうに考えているところでございます。
○大畠委員 私の先ほどの発言はちょっと間違えていまして、千四百十七名というのはこれは金融庁も入れた人数ですが、今御指摘のように監視委員会としては三百五十八名、アメリカのSECのちょうど十分の一という体制でございますが、自由市場を広げるということは、やはり監視体制もかなりきちっとしないと、さっき言ったように、見つからなければいいなどという形で、やり得とかあるいはルールを逸脱してそういう行為が横行すると、結局市場の信頼性というのを失うことにもなります。 大臣、これはどうなんですかね。国際的に開かれた市場をつくろうということで、今回こういう法改正をしてプロ市場もつくろうというんだけれども、昔、大臣も御存じのプロレスなんかでよく、ズボンのところに凶器を挟んでおいて、レフェリーにわからないようにかちかちやって随分痛めつけられた、それをテレビで見ていて、何でレフェリーは見つけないんだと我々も思ったんだけれども、そういうことがこれは起こり得るような感じがするんです。 どんなに国際的に開かれた市場、プロの市場をつくるといったって、レフェリーが足らなければ、例えば野球だってそうだけれども、アンパイアはいる、ファーストにもいる、セカンド、サードにいないとか、そういう体制でプロの野球チームをつくろうとしたって、何か、お金がないと言うのかもしれませんが、もしも国際的な開かれた市場をつくるといったら、監視もきちっとしていますという体制もつくらなければこれは不十分な形になって、とても日本の市場に、では参入しようという話にならない可能性もありますね。 したがって、ここのところは証券取引等監視委員会の内部からはなかなか、要求してもできないかもしれないけれども、やるんだったらこういう監視機能も私は強化すべきだと思うんですが、大臣としての御認識をお伺いしたいと思います。
○渡辺国務大臣 今、証券監視委員会内藤事務局長が答えたのが現状でございます。体制強化に努めてきていることについてはぜひ御理解をいただきたいと思います。 また、金融自由化を進めていく中で、一般的に事後チェック型のシステムにこの国のあり方、行政のあり方を変えてきたのは御案内のとおりであります。事前の統制型の行政ですと、逆に行政コストというものは比較的少なくて済んでしまうということは言えたかと思います。つまり、はしの上げおろしまで行政サイドで統制をしていくわけでありますから、事後チェックシステムにおける監視体制のようなものは必要がないということになるわけであります。しかし、そういったシステムと我々はさよならをしたわけであります。 では、事後チェック型の体制の中で、監視システムの中で、のべつ幕なしどんどん人員を増強していくのが妥当なのかという、行政のコストの問題も考えていく必要があろうかと思います。 そこで、先ほど来御指摘をいただいております金融専門人材、これをやはり育てていく必要があるのではないか。金融関係のコンプライアンスのセンスを共有した人材が、監督当局のみならず、発行会社や証券会社や取引所や自主規制機関、そういったところに散らばっていけば、まさに行政コストの肥大化を防ぎながら安定した生態系の秩序というものが維持されていくのではないでしょうか。 サッカーの試合などでも、レフェリーがいきなりレッドカードを出すわけではないんですね。まずイエローカードを出します。しかし、よく見ていますと、イエローカードを出す前に、ラフプレーを行っている選手に対してはレフェリーはどなったりしているんですね。君、ちょっと荒っぽいよとか、どういうことを言っているかわかりませんけれども、そういうシグナルを見て、すぐ、これはちょっとまずいな、こう思う自己抑制が働く。そういったことがやはり金融資本市場においても大切なことではないでしょうか。その意味におきましても、先ほど御指摘の金融専門人材の養成は急務であると考えております。
○大畠委員 今、サッカーの事例が出されました。確かにそういうのも見聞きしますが、私が子供のころ見たプロレスなんかでは、リングに上がるとき一応全部チェックしますね、凶器を持っていないかどうか。せめてそのくらいはきちっとやらないと、事後対処方式だけでは公正な市場という信頼を得ることがなかなか難しいと思いますので、財政難かもしれませんが、それだけの国際的に開かれた市場をつくるというのであれば、証券取引等監視委員会のメンバー等についても、アメリカの三千五百人まではいかなくても、せめて半分ぐらいの監視の体制をつくることが私は必要だと思いますので、大臣におかれましてはさらに御検討をしていただきたいということを申し上げておきます。 それから、お手元に、これは松野理事からいただいた資料でありますが、皆さんにお配りをさせていただきました。これはマザーズの市場のデータの一部でありますが、百六十社ぐらいのデータの一部分、一枚目の紙だけをコピーしてきたんですが、これを見ますと、初値に比べて現在の株価は、一番のところなんか二・五%、ですから百分の二に下がっちゃったり、二番目のところが初値が一株二千二百万だったのが六%ぐらいになってしまったり、その次も二千五百万の初値が六%ぐらいに落ちてしまったり、もちろん、一千五百万で初値売り出したものが現在でも一一八%、値上がりしているというところもございますが、総じてこれを見ると大変なところで、とてもこれじゃ一般投資家はこの市場になかなか参入できないなと思いました。 もちろん、今回のプロ市場というものは、ハイリスク・ハイリターンというものでありますから、こういうところに参入することになるのかなとは思うんですが、同時に、こういうものの市場でありますから、当然投資家、あるいは金融業界と顧客との間等でトラブルがいろいろ発生していると思うんですが、一部お伺いしますと、金融関係で四万件ぐらいのそういう訴えがある中で二件しか解決しないとか、そういうお話も伺っています。そういうことでは、私は信頼される市場というのを構築することは難しいと考えるわけでありますけれども、この投資家あるいは顧客とのトラブルに対してどのような対応をしているのか。 特に、処罰等は内部に対して甘いんじゃないかという指摘もございますし、それから、不良金融商品というものを知りながら売り抜けてしまう、売り抜けてしまったらもう自分の責任じゃない、こういう、自己責任という話になるのかもしれませんが、私は、これは何らかの手当てをしないと、なかなか市場の拡大というのは難しいんじゃないかという思いを持っております。 同時に、トラブルを防ぐためにイギリス等では成熟した機関投資家やオンブズマン等が存在しているということでありますが、なかなかここら辺が日本の場合には見えておりません。さらに、頭のよい非合法的組織人といいますか、暴力団とかそういうのもいろいろと姿を変えて入ってくる可能性もございますので、金融市場に対してどういう対応を警察庁の方でも考えておられるのか、あわせてお伺いしたいと思います。
○三國谷政府参考人 御指摘のとおり、金融分野における裁判外紛争解決制度、これにつきましては、さまざまな取り組みが必要と考えているところでございます。 金融庁におきましては、平成十二年に、消費者団体、自主規制機関、業界団体、弁護士会、あるいは学識経験者、それから関係行政機関の自主的な参加によります金融トラブル連絡調整協議会、これが発足いたしまして、ここにおいてさまざまな取り組みを行ってきているところでございます。 平成十四年におきましては、裁判外紛争解決手続の整備に資するために、その紛争解決支援手続のモデルを策定しているところでございます。各自主規制機関、業界団体では、モデルを踏まえまして、苦情・紛争解決支援機関を設置するなど、その解決に取り組んでいるものと承知しているところでございます。 一方、加えまして、先般の金融商品取引法におきまして、金融商品取引業協会の業務の一つといたしまして、投資者からの苦情対応、あっせん業務が定められております。平成十八年改正におきまして、民間の団体が苦情解決、あっせん業務を行うことにつきまして行政が認定を与える認定投資者保護団体制度、これを導入したところでございます。こういった制度の活用によりまして、金融分野における裁判外の苦情紛争解決が促進されることが期待されるところでございますが、私ども、この問題につきましては、引き続き一生懸命取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
○宮本政府参考人 暴力団でありますとかその関連企業を初めといたします反社会的勢力が、その時々の社会経済情勢の変化に対応して巧みに不正、不当な資金獲得活動を行っている実態がうかがえるところでございます。特に最近では、多額の資金を短期間で獲得することができる証券取引につきまして、証券取引等の知識を悪用した経済不正事案を敢行するグループ、こうしたグループと連携をするなどして、いわゆる業績の悪化した企業を利用した仮装増資でありますとか相場操縦でありますとかといった経済不正事案を敢行している状況がうかがえるところであります。 警察といたしましては、こうした巧妙化する反社会的勢力の資金獲得活動の実態の把握に努めるとともに、この種犯罪の取り締まりを徹底するとともに、犯罪収益の捕捉、剥奪を図ることといたしております。 また、犯罪対策閣僚会議のもとに設置をされました暴力団取り締まり等総合対策ワーキングチーム、こういった場を活用いたしまして、企業社会から反社会的勢力を排除するための施策を推進しておりまして、証券・金融分野につきましても、金融庁など関係機関と協力して反社会的勢力の排除に取り組んでいるところであります。
○大畠委員 とにかく、いろいろな状況の中で、自由化、規制緩和等をしますといろいろな人が入ってきますから、十分な体制をとって、市場の透明性、公平性を確保していただきたいと思います。 最後の質問になりますが、格付会社というものがサブプライムローンの問題のときに浮上しました。この格付会社のあり方、先ほどの参考資料にも出しましたけれども、一体この格付会社というものは日本においてはどうなのかなという指摘もございますし、証券取引等監視委員会の検査というのは十分なのかという指摘もございますので、格付会社の日本における現状と日本版のSECの検査体制というのは大丈夫なのかということを質問して終わりたいと思います。
○三國谷政府参考人 特にサブプライムローン問題等をめぐりまして、格付会社に対してはさまざまな指摘がございます。 一つには、証券化商品に関する格付ビジネスに利益相反の可能性が内在していたのではないか。もう一つは、格付モデルの内容やその妥当性等について適切なディスクロージャーがなされていたかどうか。三点目は、格付に必要かつ十分な情報を組成者から適切に入手、聴取していたか。四点目は、格付情報の意義、これにつきまして投資家に誤解を与えていなかったか、いわば信用リスクとそれからリクイディティーリスクの違い、こういったことでございます。 こういった指摘があるわけでございますが、また一方、主要な格付会社というものは、我が国を含めまして国際的に活動しているわけでございます。サブプライムローンに関連いたしました証券化商品も多く、これは米国において組成をされまして格付が付与されたものでございますが、こういった国際的な活動ということにかんがみまして、金融庁といたしましても、金融安定化フォーラム、それから証券監督者国際機構、IOSCOでございますが、ここにおける格付会社をめぐる議論にこれは積極的に参加してきているところでございます。 こういった中で、先月公表されました金融安定化フォーラムの提言におきまして、一点目といたしまして、IOSCOは信用格付機関の基本行動規範を二〇〇八年までに改訂する、二点目は、格付会社は改定後のIOSCO基本行動規範を履行すべく速やかにみずからの行動規範を改訂すべき、三点目は、当局は格付会社による改訂後の基本行動規範の実施状況について個別に、あるいは集団的に監視することなどが提言されているところでございます。 金融庁といたしましては、こういった格付会社が国際的に活動していることにかんがみまして、引き続き国際的な議論に積極的に参画いたしまして、各国当局と連携を図りながら適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。
○大畠委員 これで質問を終わります。
○原田委員長 次に、中川正春君。
○中川(正)委員 中川正春です。引き続き、質疑を進めていきたいというふうに思います。 渡辺大臣、きょう、この委員会が開かれる前に理事会がありまして、大臣の話が出ておりました。何で冒頭顔を出さないんだ、いわゆる欠席をするんだという話が問題になりました。法案を審議するその当事者が欠席というのは前代未聞だ、この委員会でかつてあったことがなかった、そういう指摘もありまして、ちょっと紛糾をしたんです。以後そうしたことがないように、そして前例としないようにということを確認しながら、一言申し上げたいというふうに思います。 それで、その話をしていましたら、後から報告を受けたんですが、閣議に出ておられたということですね。道路特定財源に関する基本方針を先ほどその閣議で決めたということだと思うんですが、その閣議の決定した内容というのが今手元に届いているんですけれども、これはどう見ても、きょう、もう一回政府の方が衆議院の方に出してこようとしている法案とは矛盾をしますし、素直に考えて、地方に対しての配慮ということがあるのであるとすれば、それだけを法案にして出してきたらいいじゃないか、一般財源化というのはもう決まったことでしょうということが、一般的に考えたら、当然そのように解釈されることなんですね。 それを、かたくなにこれにこだわって、あえてもう一回同じ法案を衆議院に出してくるということに対して、閣議でそれぞれどのように主張されたのか。何も言わなかったのか、それとも、それぞれ見識のあるお二人ですから、おかしいでしょうと話があったんだろうとやはり私は期待したいんですけれども、どのような主張をされましたか。
○渡辺国務大臣 けさの閣議で、総理大臣から御発言がございました。二十一年度から一般財源化することは、与党とも合意の上、国民にお約束したことであり、いかなる状況になろうともこれを実現する所存であるということ、そして、道路特会の無駄を徹底的に排除するのみならず、政府全体で、行政と密接な関係ある公益法人について集中点検を実施し、支出の無駄を徹底的に是正するということを、改めて総理から指示をいただいたところでございます。 行革推進法には、税率を維持する前提として、一般財源化をする、環境に配慮する、そういう趣旨のことが書かれておりまして、私は行革大臣も兼ねておりますので、その点から、今回の決定は非常によかったものと考えます。
○中川(正)委員 それは、法案についての矛盾というのは当然閣議の中で議論があっていいんだろう、しなきゃいけないというふうに思うんだけれども、さっきの話を聞いていますと、何も議論はなかったということなんですね。
○渡辺国務大臣 事前にいろいろな議論はあったものと思いますが、閣議の席上、そういった討論会みたいなことにはなっておりません。
○中川(正)委員 いかに形骸化しているかとよく指摘をされるところですが、渡辺さんならやるんだろうと期待をしていたんですけれども、そういうことで終わったということで非常に残念でありますし、今回の法案については、世論の背景から見ても、なぜかたくなに道路族にあれだけの配慮をしなきゃいけないんだということだと思います。そのことを指摘しておきたいと思いますし、そういう意味では、これから政府の中でももっと尋常なというか、活発な議論、これを求めるところであります。 さっき、話の中で、行革大臣も兼ねていられるということが出ましたけれども、そこのことについて、この法案の審議に入る前に、足元の問題でもう一つ取り上げておきたいと思うんです。 天下りなんですけれども、金融庁、あるいは財務省もそうかもしれないけれども、関連のところへ向いてどういう浸透度をもって天下りが今現実としてあるか。公益法人も含めて、大臣はどれぐらい認識をはっきり持っておられますか。数字をつかんでおられますか。今、役所の人間がそれぞれの関連機関で何割ぐらい天下っているのか、トータルで、ストックで。認識を持っておられますか。
○渡辺国務大臣 手元に数字はございませんので正確にはお答えできませんが、万単位の数で、今までこうした天下りと言われる人事が行われてきておるものと思います、ストックベースにおきまして。
○中川(正)委員 役所の方にも、その現実はどうなっているのかということで資料を出してもらったんですけれども、実は、役所の担当者も知らないと言うんですよ。つかんでいない。では何をつかんでいるんだと言ったら、平成十五年八月十六日から十六年八月十五日まで、この一年間にだれがどこへ天下ったか、これはわかっている、しかし全体は知らないんだと言うんですよ。それでいいんですか。
○渡辺国務大臣 私が先ほど申し上げたストックベースの数というのは、全体の数でございまして、金融庁だけの数ではもとよりございません。 その担当者がどういうお答えをしたのか存じませんけれども、全体像は金融庁としては把握をしていないということを申し上げたのではないでしょうか。
○中川(正)委員 そうじゃないんですよ。知ろうとしていない。そこで責任を逃れているわけです。 もう一つは、こうして一年単位の天下りというのは一覧表でここへ出ているんです。これだと数字はわずかに見えるけれども、全体で、ストックで見てみたときの影響力、それが、天下りと言われるものの無駄とそれから偏在性、そして、特に民間の方は、公益法人なんかをモニターしますと、本当はあそこの組織は要らないんだけれども、これは要らないとは言えないそういう民間の弱みの中で、役所がつけ込んでどんどん負担金も出させてつくっているという現状、これは確かにありますね。これは、例の道路財源の議論のときに一つ一つ公にしてきたことですよ。同じような構造というのが、実はこの金融庁の中にもあるということを指摘しておきたいと思うんです。 それに対して、大臣が今指揮をとっているのであれば、この足元の自分ができるところをまずやったらどうですか。全体の組織づくりに先駆けて、そこのところを全廃していくということをまず始めたらどうですか。まず、そのことについての心構えといいますか、腹の決め方を確認しておきたいと思います。
○渡辺国務大臣 きょう、増田総務大臣から、早期退職慣行の是正についての発言がございました。 国家公務員のいわゆる肩たたきの是正については、平成十四年十二月の閣僚懇談会申し合わせに基づいて、各府省の幹部職員の平均勧奨退職年齢を、平成二十年度に、当時と比べて原則三歳以上高くすることを目指して取り組んできたわけでございます。それぞれの各府省において人事の実情等を踏まえて取り組んできたわけでございますが、幹部職員の勧奨退職年齢は引き上がってきてはおります。しかし、申し合わせ以降、天下り是正の観点などから、六十歳定年までの勤務や定年後の継続雇用の促進が求められるなど、国民の関心は一層高まってきております。 私も閣僚の一人として、今後、夏の人事異動、私の場合には人事権はございませんけれども、人事異動の検討を本格化させる際に、この申し合わせに基づく取り組みの最終年度であることを踏まえて、ウオッチをしてまいりたいと考えております。
○中川(正)委員 大臣、ちゃんと答えてください。そんな話じゃないんですよ。自分のこの範疇の中で、大臣みずからがまず率先してできることがあるでしょうということを言っているんです。さっきの答えだと、やらないということですよ。評論家みたいに周りに目くばせをしているというだけの話ですよ。
○渡辺国務大臣 天下りというのは、私の理解では、人事の一環として各府省が、年功序列人事の最終出口として特に非営利法人に送り出す、そういうことを言っているわけであります。 したがって、金融大臣というのは、御案内のように人事権がないのであります。つまりこれは、総理大臣の権限を私ではなくて金融庁長官のところで所掌しておるわけでございまして、こういう大臣は、恐らく私ともう一方ぐらいいらっしゃるかもしれませんが、あ、内閣府の担当大臣はみんなそうですね。ですから、そういう意味のことを私は先ほど申し上げたわけでございまして、ただ、行革大臣のミッションがございますので、この問題については真剣に取り組んできております。 当然、金融大臣としてもそういう観点からウオッチをしてまいるということを申し上げたつもりでございます。
○中川(正)委員 言いわけしているような形になりましたけれども、最初の大臣の意気込み、あれを忘れないでもらいたい。やはり、議論を起こして、波風を起こして、それで初めて事は成っていくんですよ。何かすべてがおとなしくなっちゃって、これでは、法律自体も成立をしないという形になってしまう。それが見えてきているような気がいたします。 もう一つ、もっと深刻な話がありまして、若い人たちがどんどんやめていくんですよ。それで、どこへ行くのかというところをずっとこれもまた表に出してもらったんですけれども、日興コーディアルとかゴールドマン・サックス、それからドイツ証券等々、こういうリストがいっぱい並んでくるんです。いわゆる外資へ向いて恐らく引き抜かれていったり、あるいは、新しい世界を求めてそこへ行くんでしょう。こういう状況が加速をしてきているということで現場は非常に危機感も持っているし、これからの役所の組み立てをするのに一番ここは大事なところだろうというふうに思うんです。それについての対策もこれは同時に考える必要があるというふうに思います。 これについてはどのように対応をしておられますか。
○渡辺国務大臣 金融庁は、御案内のように、民間から中途採用で入ってくる人たちがかなりの数に上ります。正確ではございませんが、恐らく二割ぐらいは、そういう民間からの職員になっているかと思います。証券監視委員会においては、恐らくそれを上回る割合になっているのではないでしょうか。三割ぐらいだと思います。つまり、金融庁の金融行政を行うに当たって、民間の人材を採用しないとやっていけないという状況にございます。 こういう職員は任期つき採用が多うございますので、彼らは、任期が終わった後、再び民間に戻るわけであります。民間の中には、内外無差別でございますから、当然外資も入っているかと思います。委員が御指摘の、若い職員がやめて外資に行くというのは、恐らくそういう事例も含まれているのではないでしょうか。
○中川(正)委員 そういう事例は含まれていないんです。それこそ、役所を目指してその準備をして、難関を突破して入ってきたという人たちだけが対象なんです。 そこで、職場の恐らく士気といいますか、企画部門のやりがいということも含めてどこかで狂いが来ているというふうにこれは理解をして、一度、しっかりとしたチェックを入れる必要があるんだろうというふうに思います。そのことをきょうは指摘をしておくだけにとどめておきたいと思います。 さて、この法案の関連に入っていきたいと思いますが、まず入り口で、先ほどからサブプライムの問題が何回も指摘をされました。出てきました。 思い出すのですけれども、ちょうど日銀の総裁人事の議論をこの国会でしておったときに、G8の会合があるので、それに日本としてもやはり国家的に考えれば間に合わす必要があるだろうということを、何回も与党の方から提案がありまして、そんな申し入れがありまして、我々もそんなことを考えていきながら、コンセンサスをつくっていったということがあったんですが、あの会合というのは、サブプライムをどう受け取って、どのように対応するかという、世界の一つのポイントになっていった会合なんだというふうに思うんです。 大臣、あなた、このG8の蔵相会議の席でどんな発言をされましたかと意地の悪い質問をしようとちょっと思ったんですけれども、出ていないということですよね。金融担当大臣がそうした席に出ないということについて、日本政府として、あるいは世界のそうした会議の枠組みの中で、当然、出たい、出るという意思表示はしておられるんだろうと私は思うんですが、そこはなぜ出られなかったのか。どのように認識されていますか。
○渡辺国務大臣 G7、G8の会合には、各国とも金融担当のトップは出ていないんだろうと思います。例えば、イギリスのFSA長官もG7、G8には出ておりませんし、アメリカでいきましたら、SECの委員長は出ておりません。 しかし、そういった金融監督当局のトップは、金融安定化フォーラムには集っているわけでございます。日本からも、金融庁の幹部がこのフォーラムに出ています。同時に、財務省、日銀も参加をしています。今回のG8の中で、金融安定化フォーラムの提案が相当大きなポジションを占めていたかと思います。 昨年十一月でございますが、私が金融市場戦略チームとして報告を受けておりますが、このチームの報告書なども、相当、金融安定化フォーラムの報告書の中に反映をされているわけであります。 例えば、証券化の一連のプロセスにおける各当事者の情報伝達の確保、トレーサビリティーの確保、あるいはリスク管理の問題、バーゼル2の実施の重要性等々、戦略チームで指摘をした話が国際的な舞台で結果として採用されたと同じことになっているということからも、決して金融担当大臣が何もしていないで指をくわえて眺めているということでは全くございませんで、それなりに私も活躍をさせてもらっていると思います。 また、この前、東京のG7会合においては、私自身、ストロスカーンIMF専務理事とのバイの会談も行っておりますし、イギリスの大蔵大臣とも会談を行い、日本の歴史の教訓等々について意見を交換しております。
○中川(正)委員 私が申し上げたのは、私も出ていくと言ったらどうですかと言ったんですよ、G7、G8。 ほかの国の金融担当者も、いわゆる企画立案部分については財務大臣が兼ねているところが多いわけでありますが、しかし、監督部分についても、これは、仕組みをつくっていくというのは、そこのところからやはり出てくるわけだから、それを見て、私たちも出ていこうよというネットワークを張ったらどうですかということを申し上げた。 そこのところを一つ指摘をしておきたいのと、額賀大臣が、帰られてから、公的資金をそこで日本の経験からいくと入れるべきだというふうなことを主張したというふうに言われていましたが、それ以外に何を主張されたか、ここを確認しておきたいと思います。
○額賀国務大臣 これはもう中川委員も御承知のとおりでございまして、私もG7に行かせていただくときは、渡辺金融大臣からいろいろと情報を聞いたり、日本の金融界の状況を教えていただいたり、そういうことをしながら、お互いに連携をとりながらワシントンに行ってくるわけでございます。もちろん、日銀の総裁とも意見交換をしたりするわけでございます。 今話がありましたように、この前のG7においては、これは、アメリカのサブプライム問題から実体経済にどういう影響が起こっているのか、減速懸念が起こっているわけでございまして、その問題意識を共有し、そして、お互いにそれぞれの国が金融の安定化のためにベストな政策を展開していって、より健全な市場それから経済の順調な回復のために努力しようではないか、やるべきことをやっていこうではないかということをお互いに確認し合ったわけでございます。 それは、世界の経済の安定と金融市場の安定に結びつくように最善の努力をしようということでございます。 一方で、金融安定化フォーラムで、今渡辺大臣がおっしゃったように、きちっとした情報開示をする、リスクの再評価をする、それからまた、今おっしゃったように、バーゼル2を、日本はもう実施をしておりますけれども、ほかのG7諸国で実施していない国々は早急に行うべきであるとか、そういうことをきちっと申し合わせて、この六月にG8の財務大臣会議がありますけれども、そのときにきちっとフォローしましょうという話をしたりしてきたわけでございます。
○中川(正)委員 もともとサブプライムという住宅ローンの組み立て方というのが、本来、バブルを前提にして、土地の値段が上がっていかなければこの仕組みは成り立たない。三年据え置いた後、変動金利で持っていくわけで、その三年後の変動金利というのは、土地が上がっていくという前提でないとこれは成り立たない仕組み、あるいはまた、それの枠以外に、担保力以上に消費を喚起するような形のいわゆるオーバーローンを認めていくような形。これは、アメリカの監督当局が確実にサボタージュしていた、こういう形のものを認めてきたということにも責任があるということ、こんなことをやはり国際社会の中ではっきりさせていく、その議論の中で基本的にははっきりさせていく、そういう主張もできる日本の金融当局でなければならないと私は思うんですよ。そんな主張が、なかなか皆さんの帰ってきてからの話では出てこなかったんです。 ただ、あの問題はもう起こったんだから仕方ない、それに対しては日本もそういう経験があるから、公的資金をまず入れるべきだ、これが聞こえてきただけで、そうした根本的な原因に対してだれが責任を持っていくんだ、そこを具体的にどう改善したんだということ、この議論が出てこないんです。今の安定化フォーラムの中でも、やはりそれは基本的に押さえていくべきだというふうに思うんです。 その上で、今回の金商法、日本の法律の中で具体的にそれがどこで反映されているのか。二つあると思います。 さっきの問題と、それからもう一つは、ちょっと話が出ました、証券化をしていく過程の中で、もとの商品へのトレーサビリティーとか格付とか、それから商品の説明、いわゆる透明性とか、さまざまにあると思うんです。それがどこまで私たちの国内の法律の中で改善され担保されているかというのは、私は余り見えてこないんですよ。それはどのように今位置づけて意識されているんですか。
○額賀国務大臣 今、中川委員が御指摘なさった、それぞれの国の金融監督それから中央銀行、これがそれぞれお互いに連携をとって、そして今後監督をきちっとしていこうではないかということは申し合わせをさせていただきました。 また、先週、アジア開発銀行の総会があった際も、日本と韓国と中国では、やはり財務当局、金融当局が、このサブプライム問題を教訓にして、お互いに連携をとって、監視、あるいはまた、こういうことが再び起こることがないようにお互いに情報交換をしようということを申し合わせをして、ことしじゅうに一回会合を開こうということをいたした経緯があります。
○渡辺国務大臣 サブプライムローン問題が惹起したことは、我々に非常に多くの教訓をもたらしてくれたと思います。 委員が御指摘のような、証券化を前提とした融資のモデル、まさに、ローンを組んで、それを即証券化してリスクを分散してしまう、こういったモデルに内在した危うさというものも考えさせられたわけでございます。 先ほども申し上げました私のもとでの金融市場戦略チームは、こうした問題点を指摘し、そして報告をいたしました。証券化商品の取引に関して、原債権に関する情報のトレーサビリティーを改善すること、これはもうまさに監督指針の改正につながっております。市場動向を的確に把握するための当局における体制の充実強化の推進、そして、金融安定化フォーラム等のさまざまな国際的な枠組みへの積極的な参画、こうした取り組みを通じてサブプライムローン問題の対応を行ってきておるところでございます。 今般の法案においても、例えば、金融の複雑化、多様化に対応し、金融グループとしての統合的なリスク管理を可能とするため、ファイアウオール規制を緩和するとともに、利益相反管理体制の整備を求めているところでございます。 金融庁としては、これら一連の取り組み等を通じて、市場の透明性、金融機関の経営の健全性を確保することにより、金融システム全体の信頼性をより高めていくことが重要であると考えております。サブプライムローン問題については、さらに警戒水準を高めて対応してまいりたいと考えます。
○中川(正)委員 ぜひ、この法案の採決の前にそこのところをしっかり整理していただいて、これから改正をしていかなければならない、あるいは仕組みとしてやっていかなければならない問題点と、それから、この法律の中で、原因のしっかりとした究明、そうしたもののベースに立って、ここはこんな形で運用をしていきます、あるいはまた法律の中でこのように書きました、そこまでいっていないんだと思うんです、法律はまだこれからなんだろうと思うんだが、それを出していただきたいというふうに思います。 そのことをまず要求をしておきます。いいでしょうか。
○渡辺国務大臣 承知いたしました。
○中川(正)委員 次に、ちょっと時間が迫ってきたのではしょりながらいきますが、いわゆる貯蓄から投資へということで、マーケットの競争力を増していくような戦略をとっていくということ、これはもう何年も前から指摘をされ、千五百兆円の個人資産の運用というのがターゲットですねというような話もここ数年何回も何回も聞かされてきたんですが、実際のところは、さっきお話の出たマザーズだとかジャスダックだとか新しいこの市場も、結局は独立できずに、それぞれに大証だとか東証に吸収をされながら、また、東証自体が国際競争に出おくれているというような指摘を受けながら、現実はどうも思惑とは違ったところへ向いて押し流されているというのが正直な見方といいますか、一般の専門家の見方で、そこに危機感が今あるんだろうというふうに思うんです。 そこのところの原因というのは、さっきは、日本人がリスクに適応できるのかできないのかという話がありましたけれども、その前に、構造的な部分というのをちょっと指摘しておきたいというふうに思うんです。 これは、日銀の部門別の金融資産・負債残高で、それぞれ資金の循環統計の中からそれを図表化したものを手元にちょっと配付をさせていただいたんです。 右の方で、資産で、これが資金運用されるわけですが、ここに載っている家計の千五百四十五兆円、それから非金融法人で千八兆円、一般政府で五百七兆円、これが元手になるわけですが、これが真ん中の方の金融仲介機関へ向いてさまざまな形で渡っていく。よく言われているように、預金が多いでしょう、九百七十六兆円ですね、こういうことなんですが、実は、この預金も、あるいは保険や年金も、あるいは財政融資資金預託金も、これはこの金融機関の仲立ちによって運用されるのです。それで、運用される先というのが、貸し出しで四百八十四兆円あったり、融資で三十兆円、それから、証券で四百八十五兆円というのは、貸し出しと同じぐらい証券も四百八十五兆円ありますよということで、この面積の比率はおかしいんですが、そういうようなことからいくと、証券化をされているのが、ここに証券、証券、証券と三つあるんですが、金融機関の方で四百八十五兆円の証券化、それから、保険・年金基金で三百二十七兆円証券を買っている、それから、その他の金融仲介機関で百三十六兆円証券を買って運用しているわけです。 実は、その中をちょっと調べてもらったんです。その内訳がどうなっているかということなんですが、ここで、括弧の中に書いてあるのがそうなんですけれども、例えば、預金の取扱機関で証券で運用しておるのが四百八十五兆円あるんですけれども、その中の三百十兆円というのは、国債とFBと地方債なんですね。率にして六四%。それから保険・年金基金でも、三百二十七兆円のうち百七十六兆円というのは、これは全体の五四%ですが、これがやはり国債とFBと地方債。また、その他の金融機関の中でも、百三十六兆円のうちの四五%、六十一・四兆円が国債、FB、地方債、こういうことです。 この構造を見ていると、いかに国債あるいは地方債がこの運用の中で大きなウエートを占めているかということなんです。これは、今、金融市場を活発化するというのは一体どういう意味を持っているのかというのを、もう少し日本の場合ははっきりさせなきゃいけないんだろうと思うんですよ。三通りあると思うんです。 こうした日本の資産の運用を、もっと効率的にいわゆるもうかる部分へ向いて、貯金から、預金から直接投資へ向いて持っていくという、それを皆さん何年も前から目標にということで言っているわけですが、それも一つあるだろう。しかし、投資資金を世界から集めてくるということ、これもあるだろう。あるいはまた、世界の資金を運用して、その運用するということの中で手数料ということをその金融業の糧として、そこでもうけていくということもあるだろう。こういう性格が一つの市場の中にあるんだと思うんですね。 そんな中で、千五百五十五兆円あるから、この日本の金融資産をしっかり運用しなければいけないということで、それへ目標をつくっていって今まで一生懸命説明をしてきた皆さん方がふと振り返ってみると、いや、国債が実はこれはどうしようかという話なんです。この運用を一般の株式だとか民間の債券にかえていくということになると、この国債で固定化している部分をどうするのかという戦略をしっかり立てていかないと、そのような構造には日本はならないんだということ、ここが一つ構造的な大きなネックなんだろうというふうに思うんです。 そこのところの戦略が見えてこないままに、なし崩し的に、ここが弱いから、あそこが弱いからといってマーケットを広げていくということが、将来の日本の財政運営にとってどういう影響が出てくるのかということ、ここの説明をしっかりしてもらった上で方向性を議論していかなければならないんだろうというふうに思うんです。 それについての整理した話はありますか。
○渡辺国務大臣 貯蓄から投資へという考え方は、間接金融に偏重をしておりますマネーフローを、直接金融や市場型間接金融を活用することによって、より効率的に運用していくということでございます。預金取扱金融機関に過度に資金が集中することを回避することによって、経済システム全体の適切なリスク分散を図ることでもあります。必ずしも、国債を他の有価証券によって代替しようということでもないわけであります。 また、貯蓄から投資への流れがさらに加速して、金融資本市場において我が国の金融資産がより多く運用される状況になった場合も、国債は安全資産として引き続きポートフォリオの重要な一角を占めるということを考えれば、国債の消化と貯蓄から投資への流れは整合的な側面もあるものと考えております。 金融庁としては、国債市場を初め、さまざまな金融商品マーケットの動向を引き続き注視しながら、資金の運用者及び調達者の双方にとって、より効率的でかつ利便性の高いマーケットを構築していくことが重要であると考えております。
○中川(正)委員 見方に異論があるんですけれども、逆に、国債が資金を固定化しているために日本の市場が魅力的なものにならないんだということを意識して戦略を立てないといけないと思うんです。さっきのような説明では、本当の意味で戦略につながっていかないんだろうというふうに思います。 もうかるところにしか金は集まってこないんですから、それが、こんな形で国債で固定化されてしまって、金利も低く抑え込まれてしまっていて、その中で一部がマーケットへ回ってきて回転している。だから、海外から入ってきたときに、フローの中の六〇%のプレーヤーが外国人だというふうな異常な市場、あるいは、浮いている分で三〇%も外国人が持っている。これは市場が小さいんだと思うんですよ、固定化されているために。だから、この小さな市場ということを意識しながら次の戦略を立てないと、とんでもない方向に行ってしまうんじゃないかなということを指摘しておきたいというふうに思います。 それから次に、食料、資源、エネルギーの投機資金ということと、いわゆる実体経済との関係、これも一つ意識をしておく必要があるんだろうというふうに思います。これも時間の関係で、本当はそっちで答えてもらおうかなと思ったんですが、指摘をしておきたいと思うんです。 実は、経産省と農水省にそれぞれ、実体的にプレーヤーとして投機資金がどれだけ先物のマーケットにあって、よく言われる当業者、実質的にその品物を使って製品として生産している人たち、その人たちがどれぐらいの割合になっているのかというのを出してもらいました。 農業関係の、いわゆる穀物、トウモロコシだとか大豆だとか、アラビカコーヒーとかロブスターコーヒーとかこういうたぐいのものは、当業者割合、投機じゃない、自分たちが商品の値段のリスクヘッジをするために買っているという人たちは、何と一けた台、九%から、せいぜい行って二〇%、二五%台でしかないんです。ほかはすべて投機資金なんですね、これを見ていると。 それから、金や銀や白金、バナジウム、ガソリン、灯油、原油、アルミニウム、こちらの方の市場でいっても、こっちは穀物ほど極端なことはないんですが、当業者がリスクヘッジをしているものが三〇%から四〇%ですというデータを出してくれました。 これからいって、今の実体経済に対していかに投機資金というのが影響を及ぼしているか。恐らく、こういう波を増幅させているという役割を今とっているんだろうというふうに思うんです。そこのところを、所与のものとしてやる、与えられたものとしてそれにどう対応していくかということだけではおさまるということではないと思うんです。いわゆるグローバルな形で資金がこうやって動いてくるとすれば、これに対して新たな秩序というのはやはり必要なんだろうというふうに思うんです。 そこのところの戦略を日本としてどう考えていくのか、今そういう体制をしっかり考えていこうということになっているのかどうかということを、最後に確認をしておきたいと思います。
○渡辺国務大臣 この問題は、私も深い関心を持って研究をしてまいりました。先ほども申し上げました金融市場戦略チームの議論の中で、金融資産が九〇年代から世界的におよそ四倍近い膨らみ方になっております。日本の場合には、それが二倍弱の水準でございます。こうした膨れ上がった金融資産を背景に、食料、資源のマーケットにお金が流れ込んでいるという実態がございます。 では、いきなりマーケットを規制するということが正しいやり方であるのかどうか。マーケットというのは、御案内のように、いろいろなプレーヤーの厚みのある市場というのは非常に大事なことでございます。 一方において、一方向にお金が投機され、大変な資源、食料の高騰を生んでいる。この現実に対して、サミットでも、既に食料の高騰問題について話し合っていこうという企画が福田総理からなされているわけでございまして、まさに、国際的な枠組みが必要なものと考えます。
○中川(正)委員 もっと突っ込んでいきたいんですが、時間が来たので、これで終わります。 ありがとうございました。 ————◇—————
○原田委員長 この際、連合審査会開会申入れに関する件についてお諮りいたします。 内閣委員会に付託されております内閣提出、株式会社地域力再生機構法案について、内閣委員会に対し連合審査会開会の申し入れを行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○原田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 なお、連合審査会の開会日時等につきましては、内閣委員長と協議の上、公報をもってお知らせいたします。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時十七分散会