財務金融委員会 第17号
- 発言数
- 111 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 2008/04/25
会議録
○原田委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、金融商品取引法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。金融担当大臣渡辺喜美君。 ————————————— 金融商品取引法等の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○渡辺国務大臣 ただいま議題となりました金融商品取引法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 我が国金融資本市場の競争力の強化は、一千五百兆円に及ぶ家計金融資産に適切な投資機会を提供するとともに、内外の企業等に成長資金を適切に供給する等の観点から、極めて重要な課題となっております。このような状況を踏まえ、必要な制度整備を行うため、本法律案を提出した次第であります。 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、多様な資産運用、調達機会の提供を促進するため、特定投資家、いわゆるプロ投資家に直接の参加者を限定した取引所金融商品市場を開設できることとし、この市場に関連した情報提供の枠組み等について所要の整備を行うこととしております。また、上場投資信託、いわゆるETFについて、商品現物と交換可能な投資信託を導入できるようにするなど、その多様化を可能とする枠組みの整備を行うこととしております。 第二に、多様で質の高い金融サービスの提供を促進するため、証券会社、銀行、保険会社等の間の役職員の兼職規制を撤廃するとともに、証券会社、銀行、保険会社等に対して利益相反管理体制の整備を求めることとしております。また、商品現物取引、排出量取引、投資助言業務等に係る銀行・保険会社グループの業務範囲の拡大を図ることとしております。 第三に、公正、透明で信頼性のある市場の構築を図るため、金融商品取引法における課徴金制度について、算定方法の見直し、対象範囲の拡大及び除斥期間の延長等を行うこととしております。 以上が、この法律案の提出理由及びその内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○原田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○原田委員長 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として金融庁総務企画局長三國谷勝範君、監督局長西原政雄君、証券取引等監視委員会事務局長内藤純一君、経済産業省大臣官房審議官伊藤元君、環境省大臣官房審議官谷津龍太郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○原田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○原田委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がございますので、順次これを許します。広津素子君。
○広津委員 御質問の機会をいただきまして、まことにありがとうございます。 今回の改正におきまして、参加者をプロの投資者、特定投資家に限定した取引所を創設し、一般投資家への転売を制限して、その市場に上場される銘柄には現行の開示規制を免除し、簡素な情報提供の枠組みを新設するとされております。 ここで、一般の投資家には必要でプロの投資者には不要とされる情報とは、具体的にどのようなものでしょうか。また、その情報の不足を補うために、いわゆるプロの投資者と言われる方はかわりにどういう情報を用いて判断をすることが可能となるのか、お伺いします。普通に考えますと、プロの投資者の方が情報の分析力があり、より詳しい情報を必要といたしますので、お尋ね申し上げます。 さらに、プロ向け市場に上場する企業については、取引所ではなく、取引所に承認された民間のアドバイザーが登録審査をすることを可能とする条項もあります。その法人は民間のアドバイザーなどで、登録審査される企業に対して必ずしも独立性があるとは言えないと思います。プロ向け市場への上場に当たり、上場資格の担保ができないのではないかと危惧いたしますが、いかがでしょうか。
○三國谷政府参考人 お答え申し上げます。 プロ向け市場でございますが、これはプロ向け市場への直接の参加者を情報の非対称性が基本的に少ないプロ投資家、特定投資家に限定いたしまして、情報提供の枠組みなどをプロ向け市場を開設する金融商品取引所等が自主的に構築する、そういった新たな規律に基づく市場としようというものでございます。 こういった観点から、プロ向け市場におきましては現行の開示規制を適用しないこととしておりますが、プロ投資家の投資判断に必要な情報提供を確保し、投資家保護を図る観点から、プロ向け有価証券の発行者に対しまして、一つは、有価証券の発行時に有価証券の内容に関する情報及びその発行者に関する情報、これを法令で特定証券情報と定義しておりますが、この提供または公表を義務づけることとしているところでございます。また、二点目は、少なくとも年一回以上の発行者に関する情報、これを発行者情報と定義しておりますが、この提供または公表を義務づけることとしているところでございます。 これらの情報の具体的な内容、言語、会計基準などにつきましては、今後この法案を受けまして金融商品取引所等が検討することになりますが、有価証券の内容に関する情報といたしましては、例えば発行条件あるいは有価証券の要項などが考えられるところでございます。また、発行者に関する情報といたしましては、財務情報などが考えられるところでございます。 なお、プロ投資家が投資判断を行う上でより詳細な情報を必要とする場合には、プロ投資家自身が、発行会社が公表している情報、アナリスト等による情報等を収集、分析することによりまして投資判断を行うものと考えているところでございます。 次に、二点目の委託の問題でございますが、現在、イギリスのAIM市場等におきましてこういったプロ向け市場が隆盛をしているところでございますが、そういったところでもノーマッドという制度がございまして、自主規制業務の委託等が行われているところでございます。 今回、できる限り取引所の創意工夫を認める、そういった観点から、自主規制業務につきまして、プロ向け市場に関しましてはその一部を自主規制法人以外に委託することができることとしているところでございますが、この場合におきましても、自主規制業務の実施についての最終的な責任は取引所が負っているところでございます。その上で、自主規制法人以外に委託できる自主規制業務を投資者保護の根幹にかかわる事項以外のものに限定しますとともに、委託に当たりましては、取引所に対しまして委託先における自主規制業務の適切な実施を確保するための措置などを義務づける、こういった方策を講じているところでございます。
○広津委員 わかりました。次の質問に移ります。 今回の改正により、証券、銀行、保険会社等のファイアウオール規制を見直し、証券、銀行、保険会社間の役職員の兼職規制を撤廃することになっています。 例えば、銀行の顧客名簿を証券や保険会社の顧客獲得に利用されることが顧客にとっては不利益であることがファイアウオールをつくっていた理由だったわけですが、この点における顧客保護についてはどう解決されるのでしょうか。現在提出されている適正な情報の管理と適切な内部管理体制の整備というものでは、役員の下部に位置する内部管理組織で管理を行うことになるため、この組織は役員に対しては独立性がないと思います。そのため、管理体制としては弱いと考えますが、いかがでしょうか。
○三國谷政府参考人 今回の法案におきましては、銀行、証券、保険の間におきます役職員の兼職制限を撤廃する一方で、金融機関またはそのグループ会社による取引に伴いまして顧客の利益が不当に害されることがないよう、適正な情報管理を含む利益相反管理体制の整備を求めることとしているところでございます。 また、グループにおきます顧客情報の取り扱いに関しましては、内閣府令の改正によりまして、法人顧客に関する非公開情報の授受につきまして、顧客に不同意、いわゆるオプトアウトの機会を付与した上で情報の共有を認めることを考えているところでございますが、今般のファイアウオール規制の見直しの後におきましても、顧客が望まない場合には、金融機関が顧客獲得などの目的で非公開の顧客情報を金融グループ内で共有することは禁止されることとなるわけでございます。 次に、役職員との関係でございますけれども、今般のファイアウオール規制の見直しにおきましては、役職員の兼職制限の撤廃を行っておりますが、今申し上げましたとおり、これにかわるものといたしまして、自己規律に基づく利益相反管理のための体制整備を求めることとしているところでございます。この枠組みのもとにおきまして、金融機関、金融グループにおきましては新たな業務展開が可能になる一方、業務運営に当たりましては、厳しい規律づけが求められることになる次第でございます。 諸外国におきましても、このような金融機関、金融グループの自主的な規律づけによります内部管理体制の整備、これを求める規制の枠組みが趨勢となっていると承知しております。 議員御指摘の利益相反を管理すべき立場の役員が兼職すれば、その下の職員等はその意向に従わざるを得ないのではないか、あるいは適切な利益相反管理が行われないのではないかといった点におきましては、これは役員等においてそういった利益相反管理の趣旨を損なうような対応が行われた場合には、体制不備ということで行政処分の対象にもなるわけでございます。 当局といたしましては、金融機関における体制整備の状況につきまして、適切なモニタリングを行うことによりまして、規制の実効性の確保に努めてまいりたいと考えております。
○広津委員 わかりました。 ただ、今のお答えでは、例えば監査でも、内部統制組織は経営者をコントロールすることはできないわけです。それは、下部組織に属する者が上の者をコントロールするということは無理で、したがって外部監査が必要ということになっておりまして、これは監査のイロハでございますので、これもやはり同じような独立性の問題が生じてくるだろうと私は思っております。そのため、これについてはもうちょっと考えることが必要ではないかと思います。 次に、銀行、保険会社の業務範囲を見直し、銀行の兄弟会社に商品現物取引等の業務を解禁する枠組みを導入するという改正案につきまして御質問いたします。 最近のトウモロコシや原油の値段の異常な高騰には、世界人口の増加、地球温暖化による不作、バイオエタノールへの使用などの需給の問題以外に、商品取引、商品先物取引への大量の投機マネーの影響があったと思われます。 そのような中、銀行や保険会社の業務範囲を見直し、銀行の兄弟会社にも商品現物取引、先物取引の業務を解禁するという枠組みを導入して、さらなる投機資金源を入れるに当たっては、どのような規制を設けていかれるのでしょうか。 例えば、トウモロコシの値段の上昇は酪農や養鶏におけるえさ代の高騰をもたらし、まじめに酪農や養鶏を営んでいる人に、その人たちの経営努力ではいかんともしがたいコスト高による経営難をもたらしました。もし今後もこのようなことが続けば、国の支援にも限界があると考えられます。そして、銀行や投資信託などからの大量の資金が投機マネーとなり、まじめに酪農や養鶏を営んでいる人の経営を妨げるというようなことになれば、実業を助けるはずの金融が、実際には実業をつぶしてしまい、ひいては金融においても資金の投資先がないという状況になると思います。 また、燃油の高騰は、漁業における出漁を困難にし、ハウス農業や中小企業にも打撃を与え、まじめに物づくりをしている人々に大きな打撃を与えました。このようなことが短期的かつ頻繁に起これば、農業、漁業、商工業のような重要な産業でも、リスクが高過ぎてやっていけないということになり、後継者難がさらに激しくなると思います。 そのため、生活の基盤となる食料、原料やエネルギーに対する商品取引、商品先物取引への投機をむしろ規制する必要があると考えます。そして、もちろん日本の市場だけで規制を行っても無意味であり、世界の市場、例えばアメリカ、ヨーロッパ、中国の市場でも同じような規制が必要だと思います。 地球上の食料、エネルギーの需給が逼迫してきている現在、例えば昔の米相場のように、投機はもうかるので起こりやすくなります。そのため、投機による短期間で一定以上の値上がりに対しては、グローバルな規制を行うというようなことが必要であると思います。この点に関しましては、今後、どのような規制を行っていく予定でしょうか。 また、最後に、日本では農林水産省、経済産業省が直接的に管理している商品市場、商品先物市場ですが、金融による大量の投機資金の流入により、実業に携わる生産者がコスト高を吸収できずに撤退しなければならないような状況が起こらないよう、それぞれの省庁が協力して、グローバルな監視体制をつくっていかれることをお願いしたいと思います。
○三國谷政府参考人 御質問の前段の、制度的な枠組みにつきまして御説明申し上げたいと思います。 銀行につきましては、その経営の健全性を促す観点から、他業禁止規制を課し、その子会社、兄弟会社が行い得る業務とあわせまして、業務範囲を制限しているところでございます。こういった業務範囲規制につきましては、金融サービスの高度化、多様化等が進展する中で、規制の国際的な動向も踏まえまして、銀行本体の経営の健全性の確保などに留意しながら、新しい時代のニーズにマッチした枠組みを整備していくことが重要と考えているところでございます。 今回の法案におきまして、兄弟会社の間でございますれば親子会社間に比べましてリスク遮断の面ですぐれているといったことも勘案いたしまして、我が国におきましても、リスク管理等にすぐれた銀行グループの銀行兄弟会社に、当局の認可制のもと、商品の現物取引等の新たな業務を認める枠組みを構築することとしているところでございます。 なお、この銀行兄弟会社が商品の現物取引等の新たな業務を行うに当たりましては、銀行サイドにおきましては、銀行本体の経営の健全性を損なうことのないように留意する必要があると考えているところでございます。こうした観点から、法案におきましては、銀行持ち株会社は、銀行兄弟会社が営む商品現物取引などにつきまして、グループ内の銀行の業務の健全かつ適切な運営を確保するために必要と認められる要件、これを満たすために必要な措置を講じなければならないこととしているところでございます。 また、市場の適正化につきましては、私どもも鋭意取り組んでまいりたいと思っております。
○渡辺国務大臣 委員が御指摘になられました食料、エネルギー関係マーケットの大変な急騰ぶりについては、私も深い関心を持って見ているところでございます。私のところで金融市場戦略チームを立ち上げてございますが、その中でも議論が行われております。 エコノミストの水野和夫氏の指摘によれば、九〇年代以降、世界の金融資産が大変な勢いで膨らんできております。九〇年当時と比べて、およそ四倍ぐらいになっております。まさしくこの膨れ上がった金融資産を背景に、世界中で食料と資源の争奪合戦の様相を呈しているというのが水野氏の指摘でございました。 彼の見解によりますと、十六世紀において価格革命が起こったこととの対比で論じています。十六世紀に新大陸からたくさんの金、銀がヨーロッパに流入をし、これが貨幣の増大をもたらした。そして、小麦の価格が当時六倍から八倍に上がったそうでございます。地中海ヨーロッパと東ヨーロッパが一体化をし、まさに当時のヨーロッパが拡大をしていく中で、封建中世から近代への歴史の大転換が行われたという指摘でございました。 そのようなアナロジーでいきますと、現在のグローバル資本主義の時代にあって、世界経済が一体化をし、このような形で短期的な価格の大変動が起こるというのは決して好ましいことではございません。 委員の御指摘を踏まえて、私もちょっと最近の事情を研究してみたのでございますが、例えばサブプライムショックというものがこの一年ぐらいの間に何度か起こりました。例えば昨年の八月にいわゆるパリバ・ショックというのが起こりまして、ニューヨーク・ダウを初め世界の株式市場が大変な下落をしたのでございます。そういたしますと、その直後に、例えばロイター・ジェフリーズCRB指数、これはエネルギーとか食料の穀物価格の指標でございますが、このCRB指数が異常な高騰ぶりを示す、そういった関連性が出てきております。つまり、サブプライムショックによって株式市場が下落をし、そのお金がCRB指数、あるいは穀物、エネルギー市場、そういったところに回っていくということが推測をされるわけでございます。 議員の御指摘のように、世界的な規制という意見もございますが、市場取引に過度の規制というものを加えてまいりますと、厚みのある市場というのは形成されにくくなるということがございます。当面大事なことは、このような世界の金融資本市場の動揺をいかに静めていくか、そのための国際協調の枠組みが必要であろうかと存じます。
○広津委員 丁寧な御説明、どうもありがとうございました。 これで私の質問を終わります。
○原田委員長 次に、鈴木馨祐君。
○鈴木(馨)委員 おはようございます。自由民主党の鈴木馨祐でございます。 きょうは、大臣、副大臣、大変お忙しい中お時間をいただきまして、ありがとうございます。きょうは、金融商品取引法の一部改正法の審議ということで質疑を進めさせていただきたいと思います。 ことしの年初からというより去年の後半から、金融市場も大変乱高下をしておりまして、まさしく先ほど大臣もおっしゃいましたように、パリバ・ショック以降、サブプライムの問題、そして為替あるいは債券、いろいろと乱高下をして、まさに大混乱の状況の中にあるわけであります。パリバといっても、またベアー・スターンズといっても、まさにプロの集団でありまして、これからそのリスクのあり方、いろいろと検討していかなくてはいけないんだろうなと思っております。 そんな中で、やはりそういう状況になってきますと、だんだんと国内でも、出てくる議論というものはどうしても、幕末ではありませんけれども、尊王攘夷ということになりかねないわけであります。果たして、これから少子高齢化をしていって国内マーケットがどんどんと縮小してくる中で、尊王攘夷でいいのか。私は、やはりそうではなくて、尊王開国、むしろ攻めの開国ということをしっかりやっていかなくては、恐らく我々の、日本というものの十年後、二十年後というものはないんだろうと。ただその一方で、開国をするにしても、ただ開国をするだけではいろいろと激変緩和なんかも難しいわけでございまして、そこのところできちんとした保護だとか規制というものも、その文脈で出てくるのかなと感じております。 そういう中で、今回の法律においては、投資者の保護と、そしてあとは規制の問題、さらにもっと広い観点で言えば、実際、間接金融から徐々に直接金融に移行してくる中で、資金調達をしている、経済を回す主体の企業というものの経営がマーケットに振り回される状況にならないかどうか、そういったことも恐らくこのマーケット行政をつかさどられる中で非常に御苦労されていると思いますが、そういった観点からきょうは質疑を進めさせていただきたい、そう思っております。 まず最初の問題でございますけれども、今、日本の国内の株式のマーケットにしても、いろいろなマーケットの多くを占めるのが外国人投資家であるのは、これは現実の問題であります。そして、例えばサブプライムの問題にしても、なぜこれほど健全な日本マーケットでここまでの大混乱が起きてしまったかといえば、外国で傷んだ外国人投資家がその傷みをカバーするためにキャッシュ率を上げる、そういった動きの中で、日本市場で手じまう、そういった動きが出てきたんだと思いますが、そうはいっても、もともとの大きな流れとして、日本国内に対して外国資金が十分に流入しているか、外国人投資家の投資というものを十分に集められているかといえば、実はそこは大きな疑問がつくところなんだろうという認識を私自身は持っております。 そこで、ぜひとも大臣にお伺いをしたいんですけれども、今、アジアあるいは欧米、いろいろな海外の投資家がございます。そういった投資家が日本市場に実際に投資をすることを阻害している、そういった要因というもの、投資の流入を妨げている要因というものをどういった形で分析されているのか、御見解を伺えればと思います。
○渡辺国務大臣 我々は、まさに日本市場への投資促進を呼びかけてきておるところであります。日本市場が万が一閉鎖的である、海外からの投資に対して陰に陽にハードルを設けているのではないか、そのような不信を持たれますと、このような投資促進にとっては大変な弊害になってまいります。まさにそのような不信を持たれないような不断の努力をし続けていくことが必要であろうかと思います。 今回の競争力強化プランにおきましては、投資家の保護と情報開示とのバランスの観点から、我が国の対日投資を促進し資本市場を活性化する仕掛けを考えております。今回の改正法案におきまして、プロ向け市場の創設を盛り込んでおります。これは、参加者を特定投資家、プロ投資家に限定する一方で、投資家に対する情報提供の具体的な内容、言語、会計基準等の枠組みについては取引所が自主的に構築をするという自由度の高い市場を整備していこうというものでございます。また、会計基準や英文開示についても、まさにハードルを低くしていく仕掛けを考えているところでございます。 我が国が開かれた市場として、内外の投資家にしっかりとその開国の方針を説明し、伝えていくことが重要であると考えております。
○鈴木(馨)委員 ありがとうございます。 まさに攻めの開国というためには、いろいろな意味で、英文そして会計基準、こうしたものを、海外の投資家も投資をするのに困らないような状況にきちんと整備をしていく、そのことは非常に重要なことだと考えております。 そうした中で、今回の法改正におきましては幾つもの柱があるわけでありますけれども、その一番の柱が、今大臣もおっしゃいました、プロ向け市場をきちんと創設するんだということにあるんだというふうに存じております。 ここで、その一番の、恐らくプロ向けといっても、なかなか耳に、初めて聞く人には実態がわからないわけでありますけれども、なぜプロ投資家、特定投資家とその他の投資家というものを分ける形の市場をつくるということを政策判断としてされるのか、お伺いできればと思います。
○三國谷政府参考人 お答えいたします。 まず、一般投資者が直接参加する市場におきましては、一般投資者の場合、情報の非対称性といった問題があります。したがいまして、投資者保護に万全を期す観点から、情報開示義務等の厳格な規制が必要とされているところでございます。これに対しまして、取引参加者が特定投資家、いわゆるプロ投資者に限定されます場合には、情報の非対称性が減少いたしますことから、自己責任に立脚いたしました自由度の高い取引の場を創設することが可能と考えられるところでございます。 この考え方に立ちまして、今般の改正におきましては、直接の参加者をプロ投資者に限定しつつ、法令に基づく公衆縦覧型の情報開示を免除するプロ向け市場を創設することとしたところでございます。こういった市場の創設は、国外を含めました内外の企業にとりまして、法令に基づく情報開示、それに伴いますコスト、こういったものを抑えながら、その成長に必要な資金の調達を円滑に行うことができる、こういったことにもつながるものと考えているところでございます。 金融市場を取り巻く環境は大変進化しております。そういった中で、やはり制度全体として幅と厚みを持ったような、そういった制度を構築してまいりたいということでございます。
○鈴木(馨)委員 ありがとうございます。 まさに今、世界の金融市場では、ロンドンを初めこうしたプロ向け市場といった動きも出てきているところであります。そんな中で、恐らく日本としても、こうした投資家をある程度絞った、まさにプロ向けで垣根を低くした形の市場というものの整備も大変重要なことかとは思いますが、ただ、今般のサブプライム問題を見てもわかりますように、プロ投資家といっても傷むときは傷む。そしてその結果、プロ投資家が大きく傷めば、実はその背後に、一般の投資家なり、日々の生活資金を投入しているような、そうした投資家も相当いるというのもまた事実であります。 そうした中で、そうしたプロ向け市場の非常に規制が低い中で、もし仮にこのプロの投資家が大きく傷んだとすれば、その場合、今守ろうとしている一般投資家というものにも大きな影響が出てくる。さらに言えば、その背後にいる大きな、いろいろな人間にも傷みというものが広がってくるということも考えられるんですけれども、その点についてはどのようにお感じになっていらっしゃるでしょうか。
○渡辺国務大臣 プロ向けに限定した市場においては、一般投資家は投資信託などによって、企業の将来性を見きわめるプロ投資家の資産運用を通じ、投資成果を享受することが可能でございます。 しかし、委員が御指摘のように、そのプロ向け市場で資産運用が常に高いリターンを享受できるかといえば、昨今のサブプライム関連商品の大暴落に見られるようなことがないとは言えないわけでございます。その場合には、当然、背後にある一般投資家に損失が及んでまいります。こういうことを想定し、プロ向け市場に投資する投資信託については、一般投資家が的確にそのリスクを判断できるよう、その投資方針や運用状況などに関する情報について現行の厳格な法定開示規制の対象としているところでございます。
○鈴木(馨)委員 ありがとうございます。 そうした形で、一般投資家がそこに資金を出す場合にも情報開示の規制ということをきちんとしていく、そのことが恐らくはリスクを担保することにもなると思っております。 さて、次の質問に移りたいと思いますが、今回、プロ向けの市場をつくるに当たって、会計基準もそうですが、情報開示義務ということでも相当柔軟な運用ができるような仕組みに設計をされているというふうに伺っております。 そうはいっても、今、実はその他の市場においては、さきのサービス法の改正においてもそうでしたけれども、四半期ごとの開示というものが義務になっているわけであります。こうした形で、義務的な開示というものがある程度頻繁な割合である。確かに、これは市場のオープンだとかあるいはそういったことのためには非常に大事な問題でありますが、ただ同時に、その一方のリスクとして、企業の経営、そこの市場で資金を調達する企業の経営者にとっては、その都度バランスシートに振り回されるような、そういった経営に陥りかねないというところもまた事実であります。 そうしたことを考えた場合に、ここのそうしたマイナスの影響と、そしてあともう一つは、透明性だとか信頼性という市場へのプラスの影響、そうしたところの比較考量というものが非常に大事になってくるなというふうに考えておりますが、その点についてどのような御見解でしょうか。
○渡辺国務大臣 金融商品取引法における開示制度は、投資家の投資判断に資する会社の財務情報等を適切に提供するということを目的としております。その際には、投資情報を適時迅速に提供する要請と、十分性、信頼性の要請、その間でのバランスを図りながら行われるということが大事でございます。 例えば、本年四月から導入されました四半期報告制度においても、適時に開示を行う企業に過度の負担とならないよう、次のような配慮を行っております。第一に、開示を求める情報は原則として連結ベースの情報に限る、第二に、監査人の検証は年度監査に比べて簡便な手続、四半期レビューと呼んでおりますが、そのような簡便な手続によるとしております。 金融庁としましては、引き続きディスクロージャーの適切な運用に努めるとともに、制度の趣旨を超えた過度の対応によって業務が萎縮することのないように対応してまいりたいと思います。
○鈴木(馨)委員 ありがとうございます。 まさに企業経営への影響と、そしてあとはマーケット自身の信頼性というところで、非常にそのバランスというものが難しい。これがまさに直接金融の宿命でございまして、ここはその第一人者でいらっしゃいます大臣のもと、金融庁の皆様にはその方面できちんとした形で適切な運営をお願いしてまいりたい、そう思っております。 最後の質問に移りますけれども、先日、今後の金融の監督ということで、いわゆるベターレギュレーションという考え方の中で、ルールベースとプリンシプルベースの最適な組み合わせということが今後の方針ということで打ち出されたところでございます。 そのプリンシプルベースのプリンシプルというものが先般公表されたという形で聞いておりますけれども、今現在、ベターレギュレーションについて、今後どういった形でその取り組みを進めていくのか、そんなところについて現状の議論の状況をお伺いしたいと思います。
○西原政府参考人 お答え申し上げます。 このベターレギュレーション、最適な金融規制といいますか、私どもにとりましては、金融規制の質的な向上、これは大きな取り組むべき課題ということで、その中の一つの大きな柱として、ルールベースの監督とプリンシプルベースの監督、この最適な組み合わせというのが標榜されておるわけでございます。 この点につきましては、昨年末の金融・資本市場競争力強化プラン、この中でも、我が国の金融資本市場の競争力強化に貢献するものであるということで、その具体策を推進していくという中で、事業者との対話を通じたプリンシプルの共有、よりよい規制環境を構築し、いわば金融機関にとってみればベストプラクティスのよりどころになるもの、あるいは関係者のルール解釈の基礎となる原則、これについて議論を行って、共通の認識を得た上で取りまとめるということで、委員御指摘のとおり、先週、議論の結果この取りまとめをいたしまして、共通の認識に立ったということで発表させていただいたわけでございます。 これからは、これを職員一人一人にまで浸透させていくということが重要だと思っておりまして、また、それと同時に、これで終わりということではなくて、これがスタート台だというふうに思っておりますので、そうした中で、やはり金融サービス提供者との間で継続的にこれからも対話を続けていき、さらに議論も深めていきたい、これからは実施の段階だというふうに思っております。
○鈴木(馨)委員 ありがとうございます。 ちょっと時間を厳格に考え過ぎまして、実は質問を一個飛ばしていましたから、多少時間が……ないようですので。 本当に金融のマーケットの規制というものは、まさに、縛り過ぎれば萎縮をしますし、縛らなさ過ぎればまたそれも、ちょっと緩み過ぎてしまう。それは投資家と企業という関係でもそうですし、また、先ほどおっしゃいましたけれども、投資者の保護と規制という関係でもそうでございます。私は結婚しておりませんが、まさに夫婦関係と似たようなものかもしれませんけれども、そうした非常に難しいかじ取りをされる金融庁の大臣以下皆様に心より敬意を表しまして、私の質問を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○原田委員長 次に、大口善徳君。
○大口委員 公明党の大口でございます。早速質問させていただきます。 大臣、「金融商品取引法」、こういう書物まで著されておられまして、やはり非常に政治家らしく、一般の方にわかりやすいように工夫されて書かれていて、私も読ませていただきました。そういう中で、今回、タイムリーにも、この法案の改正法案を審議、答弁をされる、こういうことでございます。 それで、シティー・オブ・ロンドンの「ザ・グローバル・フィナンシャル・センターズ・インデックス3」に国際金融センターとしての競争力の比較というのがありまして、日本が、ロンドン、ニューヨーク、香港、シンガポール、チューリヒ、フランクフルト、ジュネーブ、シカゴ、そして東京、シドニー、こういう指数でいくと九番目になっている。 また、これは財団法人の国際金融情報センターが行ったアンケート調査によりますと、ニューヨーク、ロンドンと比較しますと、多額の個人金融資産の存在というのはプラス面なんですが、マイナス面として、国際金融に豊富な能力を持つ人材の雇用及び確保、あるいはファイアウオールの高さ、それから金融機関の取引規制の問題、香港、シンガポール等との比較におきましても、人材、取引規制の少なさ、ファイアウオールの高さ等々ということになっておるわけであります。 大臣は、この著書の中でも、ホップ・ステップ・ジャンプということで、日本の金融市場の競争力強化をするために、今はステップの段階、金融商品取引法の段階、「いわゆる「投資サービス法」」とございますけれども、次のジャンプの段階は、包括的な金融サービス市場法、いわゆる金融サービス法、こういうことも視野に入れておられると。そして、それとともに日本版FSA構想についても記述されておられるわけでございます。 そこで、日本の金融資本市場の競争力に関する大臣の認識、そしてまた、金融資本市場の競争力強化プランをどのように実行していくのか、その一環として今回の改正があるわけでありますが、そしてさらに金融サービス市場法、包括的なものですね、あるいは日本版FSA構想についての展望、これをお伺いしたいと思います。
○渡辺国務大臣 今御指摘になられましたように、日本の競争力が、残念ながら、我々の予想以上に低いところにあるという大現実がございます。 一方、日本には眠れる宝物があります。それは、家計の富、一千五百兆円に及ぶ。ソブリン・ウエルス・ファンド三百兆円の五倍ものお宝があるわけですね。こうしたお宝を十分活用し切れていないところに我が国の不幸があるのではないでしょうか。 まさに昨年末の強化プランは、このような問題解決の突破口をつくっていこうという発想でつくられたわけでございます。このプランをスピーディーかつ着実に実施していくことが大事でございます。 現在、ホップ・ステップ・ジャンプのステップ段階にあると、確かに私が自分の本の中で書いております。今までの流れを振り返ってみますと、まさに、包括的、横断的な規制の枠組みを目指してやってきております。したがって、次のステージにおいては、より包括的な規制の枠組みがあってもいいではないかという思いで御指摘の三段階論法を使ったわけでございます。現時点では、まさに、昨年九月に施行された金商法の適切な運用と定着を図っていくことが大事でございます。 日本版FSA構想というのは、いわゆる日本版SEC構想と対比をしながら、日本版でいいではないかという思いを込めてネーミングをしたものでございます。金融商品の多様化や金融コングロマリット化といった、金融を取り巻く環境の変化に的確に対応するためには、包括的、横断的な監督、監視を行うことが必要でございます。 我が国においては、銀行、証券、保険等の各分野を業態横断的に所管する金融行政組織が現在ございます。このような体制のもとで、引き続き、利用者保護、投資家保護の徹底に努めてまいりたいと考えております。
○大口委員 次に、今大変な話題になっております、日本の証券会社のトップ、野村証券のMアンドAを扱う企業情報部に所属していた中国人社員が、留学生仲間であった二人と二〇〇六年から二〇〇七年にかけて内部情報を流して、一年半で二十一銘柄、そのうち、この担当になっているもの以外が十六銘柄だという報道がありますけれども、このインサイダー取引によって、五千万とも言われておりますけれども、利益を上げた、こういうことで、これは証券取引監視委員会の調査、そして東京地検特捜部がこの元社員を逮捕する、こういう事態になったわけでございます。 本当に今、日本の金融資本市場を、競争力を高めよう、国民に対する信頼を本当にもっと高めていくことによって、貯蓄から投資へ、こういうことに大きく私は水を差す事件ではないかな、こういうふうに考えておるわけでございます。 今回、そういう点では、この金商法の改正によりまして、課徴金の水準につきまして、これを従来の倍ぐらいの課徴金になるように金額水準を上げたわけでありますけれども、過去のを見てみますと、平成十八年の一月十三日から平成二十年の四月二十二日まで、要するに、課徴金の制度がスタートして、勧告した日で見ますと、三十八件あるわけです。 その三十八件のうち、課徴金が十万円以下が五件、五十万円以下が二十五件、百万円以下が三十一件ということで、三十八件のうち三十一件は百万円以下、こういうことで非常に低いわけでございます。そこで大臣も、どかんと目の玉が飛び出るような課徴金というものをこれは課すべきではないか、こういうふうに著書でもお書きになっておるわけでございます。 そういう点で、確かにこの課徴金というのは、行政処分でありますので、反社会性とか反道徳性を問うものではないということで、利得の相当額ということで考えてきたわけでありますが、しかし、違反の抑止の実効性を一層確保していく、こういう観点からいくならば、今回、利得というものの可能性という形で最大限この額をアップするような基準を考えようとしたのではないかな、こう思っておるわけでございます。 しかしながら、本当に外国の場合は制裁的な課徴金というようなことも課しておるわけでありまして、憲法三十九条の二重処罰の禁止ということとの関係もありますけれども、私どもは、やはり違反抑止の実効性を確保することからいって、さらに水準を上げるべきではないかな、こう考えておりますけれども、今回の改正に関連して、さらにまた私どもはこの水準を上げるべきだ、こう考えておるわけでございますけれども、大臣の御答弁をいただきたいと思います。
○三國谷政府参考人 お答えいたします。 課徴金の金額水準につきましては、今御指摘ございましたとおり、一つには、規制の実効性を一層確保する観点からは、利得に必ずしもとらわれる必要はないのではないかといった意見がある一方で、これも御指摘のとおり、課徴金が反社会性、反道徳性を問うという形ではないものでございますことから、利得から完全に離れるべきではない、こういったいろいろな意見があるところでございます。 こういった中で、御指摘のとおり、私ども、今回の見直しに当たりましては、これまでインサイダー取引の売買価格は、重要事実の公表日の翌日の終わり値と実際の買った差額、こういったものを基準として課徴金の額を算出している、これが現行の制度でございますが、現実の世界を見ますと、その重要事実発表後もまだしばらく株価は変動する、こういった事実に着目いたしまして、これを、重要事実公表後の二週間以内の最高値または最低値、これを基準とした算出方法に変更することを考えているところでございます。 これによりまして、御指摘のとおり、過去の事例等に当てはめますと、おおむね二倍程度になるわけでございまして、最近起きました事象に当てはめてみましても、この水準は相当の効果があるものと考えているところでございます。 引き続き、課徴金の適正化には努めてまいりたいと考えております。
○大口委員 九万とか六万とか五万とか四万とか、こういう課徴金もあるわけでございますので、やはりこれは考えていかなきゃいけないと思います。 また、相場操縦、なれ合い売買、仮装取引、変動操作、安定操作、風説の流布、偽計取引等々の不正取引、あるいは開示書類の虚偽記載の罰則、こういうものは懲役十年以内、あるいは罰金は一千万以下、こういうことでございますが、インサイダー取引の罰則は、懲役五年以内、罰金も、個人は五百万、法人になると五億ということであります。 アメリカの場合は、禁錮二十年、個人の場合は二十五万ドルでございますので、日本の五倍となっておりまして、これは郵便・通信詐欺罪という形でやっておるわけでございますけれども、こういう諸外国に比べて、インサイダー取引の刑罰については、三年から五年に最近上げたばかりでございます。それにしましても低いのではないかな、こう思っておるわけであります。 没収、追徴につきましては、やはりかなり高額になっております。インサイダーで重要事実を知ってから買って、そして売ったら、その売ったもの全体にかかるというようなことで、追徴額は確かに大きな額になっておるわけでございますけれども、こういう刑罰のレベルにつきまして、妥当なのか、お伺いしたいと思います。 〔委員長退席、田中(和)委員長代理着席〕
○三國谷政府参考人 インサイダーに係ります罰則につきましては、これまでも複数回にわたりましてその強化を図ってきたところでございますが、御指摘のとおり、先般の金融商品取引法の改正におきまして、インサイダー取引につきましては、それまで懲役三年以下でありましたものを五年以下というぐあいに改正を図っているところでございます。 御指摘の相場操縦行為等につきましては、これが市場を通じまして直接的に一般投資者に損害を与えるという点で、刑法の詐欺罪に類似性があるということで十年以下ということになっているわけでございますが、インサイダー取引につきましては、構成要件が詳細に規定されておりまして、一定の要件に該当するとそのまま違反となる、こういったことを勘案いたしまして、法定刑が五年以下となっているところでございます。 一般論として申し上げますと、罰則の水準は、違反行為の性質や他の法令との均衡などを総合的に勘案して決められることとなっているところでございます。 インサイダー取引に対します法定刑につきましては、刑事罰全体のバランスを考えながら、今後も検討すべき課題と考えているところでございます。
○大口委員 平成十五年、金融庁は、大和証券のSMBCに対する行政処分、これを行っておりまして、このときは、事業法人部ですか、業務停止命令と、あと、業務改善命令ということで、法人関係情報の厳重な管理の徹底、十分な研修の実施等による役職員の法令遵守の徹底、再発防止策の策定、厳格な社内処分の実施による責任の所在の明確化、こういう業務改善命令を出しておるわけでございます。 今回のことにつきましては、確かに、確信犯的なインサイダー、個人的なものについてこれを社内で見つけるということは難しい部分もあるという指摘もありますけれども、ただ、二十一件中十六件はこの企業情報部の担当でない情報を入手してやっている、こういうことでございます。そういう点では、ここはやはり、この証券会社に対してきちっとした対応をしておかなければならない、再発防止のために厳重にきちっとしておかなきゃいけない。 もちろん、今は捜査の段階で、事実はまだ報道で私ども知ることでございますので、そういう点では、具体的にこの件についてということではないにいたしましても、大臣としてこのような事犯に対してどう対処されるか、お伺いしたいと思います。
○渡辺国務大臣 我々が一生懸命、日本の市場の競争力を高めよう、内外の投資を促進しようとやっているやさきに起こった事件としては、大変遺憾に思っております。 証券会社というのは、まさに金融資本市場の仲介者であり、高い公共性を有しております。一般的に申し上げますと、金融庁としては、証券会社が、市場仲介者としての高い公共性にかんがみれば、適切な業務運営体制をとっているということが極めて重要でございます。金融商品取引業者向けの監督指針においても、その趣旨を明らかにしているところでございます。 金融庁としては、こういう事件のあるなしにかかわらず、引き続き、法令や監督指針にのっとって、証券会社の業務の適切性の確保に向けて的確な監督体制をしいてまいりたいと考えております。
○大口委員 そういう点でも、金融人材をしっかりと育てていくということが本当に私は大事だと思います。今のニューヨーク等の市場あるいは香港の市場等からいっても、日本の金融の人材というものは、私は、いろいろな面でもっと育てていくべきではないかと思います。 そういう点で、市場参加者や当局における共通のコンプライアンス感覚を有する人材、金融専門人材に関する研究会というものを発足させておられるわけであります。我が党も青年政策で、高度金融人材、これを育てていくということを提言しているわけでございます。 強化プランに盛り込まれた項目のうちの金融専門人材の育成が特に重要であると考えますが、この点について大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○渡辺国務大臣 これも、金融のコンプライアンス感覚を共有した人材の必要性を私もかねて指摘をし、痛感してきたところでございます。御指摘の金融専門人材に関する研究会というものを昨年秋に設けまして、精力的に開催してまいりました。 人材の育成について申し上げますと、私が自民党の企業会計小委員長をやっておりましたときに、金融サービス士をつくったらどうかという提案をしたところでございますが、これも、国家資格にするとかいうこととは別に、まさに、民間からこのような人材を育てようという議論の高まりを期待して行った提案でございます。いろいろな角度から、資格制度も含めて議論をしていただいております。 今後は、先ほど御指摘になられましたプランに基づいて、基本コンセプトを公表し、広く意見を募集した上で、夏ごろまでに論点の取りまとめを行い、制度設計に取り組んでいきたいと考えております。
○大口委員 時間が参りましたので、以上で終わります。 ありがとうございました。
○田中(和)委員長代理 次に、佐々木憲昭君。
○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。 法案の審議に入る前に、今回の、野村証券の社員によるインサイダー取引事件についてただしたいと思います。 今回、三人が逮捕されておりますが、事件の概要、現在把握しているところ、説明をいただきたいと思います。
○内藤政府参考人 お答えいたします。 本件につきましては、四月二十二日でございますが、富士通デバイス株式会社に係る内部者取引事件ということの嫌疑に基づきまして、強制調査などに着手をいたしております。現在、調査を目下精力的に進めているというふうな段階でございます。 しかしながら、個別の事案ということの内容につきましては、本件は目下調査中でございまして、従来より、個別事案の内容につきましてはお答えを差し控えさせていただいているというところでございまして、本件についても、同様に差し控えさせていただきたいというふうに考えております。 これは、証券取引等監視委員会の活動を円滑に進めるという観点からも必要であるということでございますので、ぜひ御理解をいただきたいというふうに存じます。
○佐々木(憲)委員 調査中ということでありますが、最近はこの種の事件が急速にふえておりまして、証券取引等監視委員会にお聞きをしますと、風説の流布、偽計、相場操縦、内部者取引、これで勧告を受けた件数は、平成十七年度と十八年度はそれぞれ九件でありましたが、平成十九年度になると二十件にふえている。倍以上であります。大変ゆゆしき事態だと思うわけです。 渡辺金融担当大臣にお聞きしますが、インサイダー取引事件がこのように増加をしている、その理由というのは一体どこにあるとお考えでしょうか。
○渡辺国務大臣 まず言えますことは、こうした取引をつかまえる最初の段階、つまり、ちょっとこの取引は異常ではないか、そういったことを審査する件数が大体年間八百八十四件ぐらいございます。そして、その中から、どうもこれは臭いなというのを捕捉するその精度が高まってきたということが一つは言えようかと思います。 インサイダー取引につきましては、平成十七年四月に課徴金制度が導入をされております。また、監視委員会は、市場の公正性の確保、投資者保護の観点から、機構、定員の増強を行い、市場監視体制を強化してきたわけでございます。 このような市場監視のための体制が強化され、多様化された手段を戦略的に活用し、迅速、効率的な調査を行ってきた結果、近年、インサイダー取引についての多くの事案の告発及び課徴金納付命令の勧告がなされるようになったものと考えております。
○佐々木(憲)委員 その精度が高まったからふえたと言うわけですけれども、では、それまでは見逃していたのかという話にもなりますので。ただそれだけではなくて、全体の取引の活発化の中でこういう事件が非常にふえてきている。その理由は何かということをもうちょっと詰める必要があるというふうに思うんです。 そこで、お配りした資料は、野村証券に関する証取法、金商法違反事件でありますが、このとおり繰り返されているわけです。金融庁の検査は、資料の下の欄にありますけれども、このように行われております。一番新しいところを見ますと、上の欄で、二〇〇三年八月、ニチメンによる子会社のTOBに絡むインサイダー取引というのがあったわけです。検査は、まさにこの時期の二〇〇三年、二〇〇四年、二〇〇六年というふうに行われているようですけれども、当然、このインサイダー取引を念頭に置いて検査というものが行われているはずだと思いますが、いかがですか。
○内藤政府参考人 お答えいたします。 今、先生御指摘のとおり、野村証券に対する検査でございますけれども、直近の検査は平成十八年八月二十八日に着手をいたしまして、平成十九年二月十九日に終了しております。この配付資料にございますとおり、この検査の結果、個人勧告という形での処理をしている、そういうことでございます。 検査でございますけれども、私ども監視委員会の検査は、常に市場動向等に関心を持って情報収集、分析を行うとともに、検査対象先の市場における位置づけでございますとか、あるいは抱える問題点、そういったものを勘案しまして、重点的に、リスクに応じた検査をやっておる。 特に検査の過程では、このインサイダー取引の事案そのものについての解明というよりは、むしろ、その未然防止といいますか、社内の体制がどういうふうになっているのかというような、リスクの管理体制あるいは内部の管理体制といったものに着目をいたしまして検査をしているというふうなことでございます。 他方、インサイダー取引の個別事案の解明というものにつきましては、私ども監視委員会の別の課で、市場分析審査課というのがございます。そこで一般的な情報を集めまして、そこでその情報を分析いたしまして、さらにその調査を深掘りをしていく、それで疑いがかなり濃厚であるというような場合には、特別調査課あるいは課徴金課それぞれにおいて本格的な調査をしていく、こういう体制でいわば多面的な調査をいたしまして、問題の解明に努めているというふうな体制をとっております。
○佐々木(憲)委員 多面的に検査、調査を行っていると言いますが、大臣、こういうふうに繰り返されているわけです。ずっと検査が何回も行われているわけですが、いまだにこういうインサイダー取引の事件が何度も起こっている。今、未然防止と言いましたけれども、未然防止の具体的な措置が検査結果に基づいてとられていても、それが起こる。 では、どこに原因があったのか。そういう究明は当然やる必要はあると思いますが、検査をただ繰り返していても、なぜこういう形で事件が起こるのか。その対応に問題があったのではないかというふうに思いますが、大臣はどのようにこれを受けとめていますか。
○渡辺国務大臣 こういった犯則事件を抑止していくためには、まさに委員御指摘のように、その原因を究明していくことは極めて大事なことと考えます。 一般的な問題でございますが、例えば、証券会社の内部管理体制がどういうぐあいになっていたのか、どこに問題点があってこのような事件が起きるのかということを解明していくことは、必要であろうかと思います。
○佐々木(憲)委員 具体的に例えば事例を挙げますと、今回のこの野村証券の場合は、海外での事業展開を行うために外国籍社員の登用を積極的に進めてきた。今回の容疑者の一人もその一人でありまして、入社したのが一昨年の二〇〇六年二月、すぐにMアンドAなどを行う企業情報部に配属された。昨年十二月まで在籍していた。ですから、重要な非公開情報に接する部署に会社に入って間もない人物を配置する、これはちょっと我々は常識的には考えられないんですけれども、こういう人事配置のあり方、こういうところにも問題点がなかったのか。 例えば大臣、この人事配置の問題についてはどのように御所見をお持ちでしょうか。
○渡辺国務大臣 個別の会社の人事配置にまで口を差し挟むつもりはございません。 一般的に、証券会社においては、証券市場の信頼を損なわないことが大事でございます。証券会社がイカサマをやっているんじゃないかなどと思われたら、これはアウトですよ。適切な内部管理体制を構築し、適切な業務運営を確保する、そういう体制をとっているんですという信頼は非常に大事なことだと思います。
○佐々木(憲)委員 この容疑者が逮捕された直後に、野村証券の渡部賢一社長は記者会見で、なぜ見抜けなかったのかと聞かれまして、把握できないので言えない、あるいは、ほかで口座を持つとチェックはできないんだ、こういう答えをしているわけですね。これでは、最初から不正がチェックできないんだ、事件を防ぐことはできないかのようなとられ方をされかねないわけであります。 こういう対応について、大臣としてはどう受けとめていますか。
○渡辺国務大臣 個別の問題についてはコメントはいたしませんが、一般論として、市場仲介者として公共的な役割を担っております証券会社が、市場の信頼を損なわないように、コンプライアンス体制、内部管理体制の整備を徹底して行っていただくことが大事でございます。 当然、それぞれの証券会社において、こういう認識のもとで業務運営を行ってもらう必要がございます。
○佐々木(憲)委員 この渡部社長は、四月二十二日の会見で、いつ事件を把握したのか、こう聞かれまして、けさ初めて聞いた、調査に協力する過程でインサイダー取引を確認したと答えているわけです。しかし、今回の容疑者逮捕は、野村証券の協力を得て、周到な準備の上で踏み切ったとされているわけです。 中日新聞の四月二十三日付によりますと、こう書いているんです。「監視委は社員の事情聴取を行うため、野村に協力を要請。出張で来日させるという手の込んだ手法で、二十二日朝、身柄の確保に成功。」したと。 監視委員会にこのことを聞いても答えないと思いますが、報道がこのとおりだとすると、野村証券は、逮捕以前に容疑者のインサイダー疑惑を知っていたということになる。なぜ渡部社長はけさまで知らないと答えたのか。これは、社長に知らせていないとすれば、これは野村証券のコンプライアンス体制が疑われるわけでありますし、社長は、知っていながら、きょうの朝初めて聞いた、こういううその答弁をしたことになる。 こういうことで、私は、今回の事件、野村証券の社長の姿勢も非常に重大な問題点を持っていると思いますので、委員長、この野村証券の社長の参考人招致をぜひ当委員会で行っていただきたいと思います。
○田中(和)委員長代理 後刻、理事会で協議をいたします。
○佐々木(憲)委員 事件が繰り返されるのはなぜかという点、先ほども申しましたけれども、その原因を究明するということが非常に大事でありまして、それに対する対応というものがしっかりなされなきゃならぬ。 社内で例えばコンプライアンス体制を確立したという場合、ルールはつくられているかもしれないけれども、それだけじゃだめなのであって、それが果たしてワークしているのかどうか、機能しているのかどうか、このことが改めてしっかりと問われなきゃならぬ。 例えば、研修というものは一体どうなっているのか。例えば、入ってすぐにこういう重大な情報に接する部署に配置する場合にどのような社内教育が行われているか。あるいは、情報管理の社内体制、これが一体どうなっているのか。今回も、担当以外の情報というものも知り得たというようなことでもありますので、その点をしっかりと調査する必要がある。 それから、重大事実を知り得る立場は、社内だけじゃないですね。社外の関係、例えば印刷だとか、そういう関係者のインサイダー取引というのはこれまでも問題になってきた。そういうことに対してどのような対応が必要なのかということなどもしっかりとこれは検証されなきゃならぬし、また、不備があればそこを穴埋めもしなければならぬというふうに思うわけです。 これらの点について、具体的な対応策を金融庁として今後どのように考えていこうとされているのか、大臣の見解を伺いたいと思います。
○渡辺国務大臣 一般的に、証券会社が適切な内部管理体制を構築するというのは、これは当然のことでございます。コンプライアンス体制の徹底を含む、役職員管理の一層の努力を求めたいと考えております。
○佐々木(憲)委員 今回提案されている金商法改正案というものは、課徴金のあり方なども含めて新しい提案が行われておりますけれども、果たしてこれが、このような事件にしっかりと対応できるような内容になっているのかどうか。今後、その内容について議論を深めていきたいというふうに思います。 きょうは第一回目ですので、以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。
○田中(和)委員長代理 次に、鈴木克昌君。
○鈴木(克)委員 民主党の鈴木克昌でございます。 私からは、主に、金商法等の一部を改正する法律案との関係から、温室効果ガスの排出量取引について質問をしたい、このように思います。 これは、この七月の洞爺湖サミットでも最大のテーマになっておりますし、今、ある意味では、国民を挙げてこの地球温暖化に取り組んでいかなきゃならないということであります。少し、順を追って御質問をさせていただきたいというふうに思います。 これは、今申し上げましたように、気候変動枠組み条約の究極の目標というのは、大気中の温室効果ガスの濃度を、自然の生態系に悪影響を及ぼすことのない水準に安定させるということでございます。気候変動に関する政府間パネル、すなわちIPCCのシナリオによれば、どのような安定化水準を想定しても、全世界で五〇%から八〇%という大幅な温室効果ガスの削減が必要かつ不可欠だというふうに言われておるわけであります。まさに、地球温暖化対策としての温室効果ガスの排出削減は、地球規模で重要かつ喫緊の課題となっているわけであります。 そこで、京都議定書に定めるところの温室効果ガスの削減目標、我が国についていえば、第一約束期間の最終期限である二〇一二年までに、温室効果ガスの排出を基準年である一九九〇年比で二酸化炭素に換算して六%削減するという目標、この課題に向けて、その第一歩としてこれはもう必ず達成しなきゃならない。これは、与党とか野党とか問わず、我が国における共通の認識となっておるんだというふうに思っております。 さて、ここで金商法等の一部を改正する法律案を見てみますと、銀行法の改正がありまして、銀行法第十一条、銀行の業務のうち、いわゆる他業証券業と言われている部分でありますけれども、ここに、「算定割当量を取得し、若しくは譲渡することを内容とする契約の締結又はその媒介、取次ぎ若しくは代理を行う業務であつて、内閣府令で定めるもの」が追加されております。この改正は、銀行にその業務として排出量取引を行うことを認める、平たく言えば、銀行に排出量取引を解禁するということではないかというふうに思うんです。 そこで、まず渡辺大臣にお伺いをしていきたいんですけれども、銀行に排出量取引を解禁しようということになった背景、そして、これは単に銀行の国際競争力の強化のためなのかどうか、そしてさらに、銀行が業務として排出量取引を行うことについてどのような意義を認めておみえになるか、このあたりのところからまずお伺いをしていきたいと思います。
○渡辺国務大臣 我が国における地球温暖化対策への取り組みというのは、極めて重大な課題だと考えております。 京都議定書の第一約束期間に既に入ったところでございます。この議定書の定めるマイナス六%の削減目標の達成のために京都クレジットの活用が予定されているのは、御案内のとおりであります。排出権取引をめぐっては、昨年の十一月に、京都クレジットの現物取引のインフラとなる国際取引ログが稼働するなど、最近においてその取引環境が整いつつあるというのも、委員が御案内のとおりでございます。 海外、特に欧州においては、銀行等が、京都クレジットを含む排出量の現物取引に積極的に参加をしている状況にございます。 我が国の銀行も、途上国でのクリーン開発メカニズムプロジェクトに対する融資あるいはコンサルティング業務等を通じて、排出量に関連する業務のノウハウを蓄積しているところであります。 銀行に排出量取引を解禁することは、このような銀行が培ったノウハウを活用しながら、みずから取得した排出量を、クレジットを必要とする企業等の主体に対して、まとめてあるいは小口化して売却をする、またその仲介取引を行う、こうしたことを可能にするわけでございます。排出量取引の円滑化、ひいては、我が国に課せられた温室効果ガスの削減目標の達成にも資するものと考えております。 〔田中(和)委員長代理退席、委員長着席〕
○鈴木(克)委員 今、大臣から、銀行に排出量取引を解禁することによって、京都メカニズムに基づく排出量、京都クレジットの取引の円滑化が見込まれる、そして、そのことが最終的には我が国の京都議定書の温室効果ガス削減目標の達成に資することになる、こういうお話でありました。 先ほどの御答弁の中にありましたように、確かに、クリーンメカニズム業務だとかコンサルタント業務、そういうものを我が国は先行してやってきたことも事実でありますし、そのノウハウをやはり十分生かしていかなきゃならないということもよくわかるところであります。 それでは、順を追ってお尋ねをしていきたいんですが、京都議定書のその目標を達成するのに、まず、国内の温室効果ガスの排出自体を削減することが最も重要なことだ、このように思うわけでありますし、それは当然申し上げるまでもないというふうに思います。ここは、排出量取引、京都クレジットを取引によって取得するということでありますけれども、そういったことも必要になってくるというふうに考えられるわけです。 この点に関して、我が国として、京都議定書の目標を達成するために、排出量取引によって一体どのくらいのボリュームの京都クレジットを取得することを予定しているのか、そしてそれは、京都議定書の削減目標、先ほどのお話のように、マイナス六%にどの程度寄与することになるのか、この辺をお示しいただきたいというふうに思います。 環境省ということでしょうか、詳しくひとつ御説明ください。
○谷津政府参考人 お答え申し上げます。 我が国は、京都議定書の六%削減目標を達成するために、御指摘のとおりでございますけれども、温室効果ガスの排出削減あるいは吸収源といった国内対策、これを徹底して行うというのが大原則でございます。 それでもなお不足する部分について、補完的に、京都メカニズムを活用して、海外からクレジットを調達して対応するということにしておるわけでございます。 三月に京都議定書目標達成計画を改定したわけでございますけれども、この計画の中では、基準年であります一九九〇年の総排出量の一・六%分について京都メカニズムを活用するという計画にしてございます。 これを排出量で見ますと、京都議定書の第一約束期間、これはことしから二〇一二年までの五年でございますけれども、この五年間全体で、二酸化炭素に換算いたしまして、約一億トンに相当する分を京都クレジットで対応したい、これが政府の計画でございます。
○鈴木(克)委員 一・六%、そして、量で一億トンというお示しがあったわけでありますが、京都議定書の目標を達成するために、国分として一億トン、民間分をお伺いしなかったんですが、恐らく民間分が二億トンというふうに聞いておりまして、合わせて三億トン、京都クレジットを取得することが前提となっておる、こういうことだというふうに思います。 そこでお伺いをするんですが、これは実際大変な数字ではないかなというふうに思います。これだけの量の京都クレジットを取得するのには一体どれくらいの費用がかかるものなのか、また、もし国内の温室効果ガスの排出削減が見込みどおり進まなかった場合に、国や国民にさらに追加的に費用がかかるということになるのではないかというふうに思うわけですが、その辺、経産省になりますか、御答弁をいただきたいと思います。
○伊藤政府参考人 お答え申し上げます。 先ほど環境省の方から答弁をさせていただきましたとおり、政府が国の財政資金を使って購入する予定の量は一億トンでございます。 民間からの購入ということが御指摘ございました。これは、自主行動計画のまさに信頼性を確保する観点から民間の企業が自主的に購入する分でございますが、これは、当然民間企業がみずからの資金で購入するというものでございます。 その上で、量は一億トンということでございますけれども、それでは一体幾らかかるかということですが、当然のことながら、単価をどういうふうに見込むかという問題がございます。この点につきましては、京都クレジットを取得するための費用に関し、クレジットの価格が市場における需給動向等により変動するものでございまして、なかなか予想することは難しゅうございます。また、クレジット調達のタイミングなどの不確定な要素が多いことから、現時点で、幾らかかるということを試算するのは難しい状況でございます。 それから、これも先ほど環境省の方から答弁させていただきましたけれども、先般、先月でございますけれども、政府といたしましては、京都議定書目標達成計画を改定いたしまして、新しい目標達成への道筋を示したわけでございます。 具体的な対策といたしましては、既存対策の着実な推進に加えまして、病院、外食産業等による新規計画策定等の自主行動計画の拡大の強化、それから、現在御審議をいただいております省エネ法改正等によります省エネ対策の強化、それから、対応がおくれております中小企業の排出削減対策の推進等を進めていくことになっております。 こうした、さらなる排出削減対策とそれから森林吸収源による対応というのを加えまして、従来どおり、約一億トンの京都クレジットを取得することにより、六%の目標は達成し得ると考えております。
○鈴木(克)委員 今、御答弁を聞いて、本当に大丈夫かなというふうに正直思っておるわけですね。 確かに、おっしゃるように、幾らかかるかということになると、その単価をどう出すのか、これは市場の動向ということでありましょう。それからまた、いつのタイミングに購入するかということにもよる。これは全くそのとおりであります。 しかし、一応目標を設定した以上、幾らかかるか全くわかりませんということで、私は本当にそれでいいんだろうかなと。難しいことはもちろん私もわかっておるわけですけれども、では、ちなみに、過去にどれだけこの分野というかこういうことに対してお金を使ってきたのか、これをとりあえずお示しをいただけませんか。
○伊藤政府参考人 これまでの政府によります京都クレジットの取得の状況でございますが、これは、環境省、経済産業省が一体となって進めておりますけれども、十八年度から、予算それから債務負担行為を予算においてつけていただきまして、平成二十年三月二十七日時点で、取得量につきましては、二千三百四万トン取得させていただいております。 ちなみに、予算額について簡単に御紹介いたしますと、十八年度クレジット取得費として五十四億円、これは経済産業省計上分、環境省分合わせてでございます、それから、国庫債務負担行為の限度額が百二十二億円、それから十九年度につきましては、クレジット取得費が百二十九億円、これは予算でございますが、国庫債務負担行為限度額として四百七億円ということでございます。 したがいまして、政府は、平成十八年度及び十九年度におきまして、国庫債務負担行為の合計額でございます五百二十九億円を用いまして、先ほど申し上げました二千三百四万トンの京都クレジットを取得する契約を締結しております。
○鈴木(克)委員 そういうことになりますと、それで逆算をする、予測するということはもちろん不可能かもしれません。不可能というか無理があるのかもしれませんけれども、一つの目安になるわけですよ。そんなふうに私は理解をいたしますが、そこは違うんですか。全く違うんですよということなのか、それはやはりある意味では一つの目安になるというふうに判断をしていいんですか、その辺をちょっと御答弁いただけますか。
○伊藤政府参考人 まさにそれは計算の問題として、これまでの二年度間におきまして二千三百四万トンを五百二十九億円で契約したということからすれば、一トン当たりの契約金額の実績というものは出てまいります。それから、一億トンを取得するということからすれば、二千三百四万トンにさらに上積みする額も出てまいります。 そういう形から、機械計算ということはそれはできる話ではございますけれども、ただ、繰り返しになりますけれども、実際にどれほどの資金がかかるかということにつきましては、これから将来にわたっての単価の変動がどうなるかということに左右されるわけでございますので、現時点のところでの試算ということは、お述べすることは難しいというふうに認識をしております。
○鈴木(克)委員 冒頭私が申し上げましたように、今、国民最大の関心事は環境問題であります。どういうふうにこの環境問題が、地球に、そして人類に、日本に影響を与えるかということは、時間があれば後でまた詳しく申し上げたいと思いますけれども、そういうことの中で、目標はあるけれども幾らかかるか全くわからない、やみ夜にやたら操縦をしていくような感じにしか私は聞こえないわけでありまして、これはやはり、非常に難しいことではありましょうけれども、一つの額を算定して、そして国民にも、こういうものですよ、これぐらいのいわゆるコストはかかるんですよということを出していかない限り、私は、国を挙げての環境問題の一つの方向性を出すというわけにはいかないんじゃないかなというふうに思っておりますので、ひとつ、ぜひ今後御努力をしていただきたいというふうに思います。 それから、またこれも繰り返しになるわけですけれども、京都議定書の目標を達成するためには、まず京都クレジットの取得ありきという考え方ではやはりだめだ、私はこのように思っております。国内の温室効果ガスの排出削減を進めるということが最も重要であるというのは、これはもう言うまでもないわけであります。 一方、環境経済学だとか公共経済学からの立場は、温室効果ガスの削減に向けて努力している国内企業に市場メカニズムによってインセンティブを与える施策として、いわゆるキャップ・アンド・トレード型の排出量取引制度である国内排出権取引制度の導入が提言をされておる、このことは御案内のとおりであります。 我が党も、昨年五月に、脱地球温暖化戦略ということで、具体的な地球温暖化対策として、国内排出権取引制度の導入を提唱しておるところであります。実際、今、EUにおいては、キャップ・アンド・トレード型の排出量取引制度が導入をされて、大変盛んに取引が行われているというふうに聞いておるわけであります。 そこでお伺いをしてまいりたいと思うんですけれども、EUで行われておるキャップ・アンド・トレード型の排出量取引制度とは、実際どのような制度であり、どの程度の規模の取引が現実行われておるんだろうか。また、それ以外の国、先進国といいますか、の取引の実態についても把握をしておるところがあれば、ぜひお聞きしたいというふうに思います。
○谷津政府参考人 お答え申し上げます。 欧州におきましては、EUの域内を対象に、二〇〇五年一月から排出量取引制度が導入されております。 この制度は、CO2を排出する発電所あるいは工場などに排出枠を割り当てまして、その排出枠の達成を義務づけるとともに、他社から応分の排出枠を購入すれば、その枠を超えて排出することも可能という制度でございまして、御指摘のとおり、いわゆるキャップ・アンド・トレード型の排出量取引制度と呼ばれております。 具体的な中身についてのお尋ねでございますので、少し数字を入れて御答弁させていただきます。 まず対象施設数でございますが、全体で約一万一千五百施設、火力発電所、製鉄所、セメント製造施設、大型ボイラーなどの、大規模なエネルギー燃焼施設を主な対象にしております。ちなみに、自動車燃料については対象から外れております。 制度開始からの三年間、これは二〇〇五年から七年までの三年でございますけれども、これを第一フェーズの試行期間として位置づけておりまして、比較的緩い目標設定をしたというふうに承知してございます。 さらに、本年からは、京都議定書の第一約束期間と重なる五年間でございまして、これを第二フェーズといたしまして、第一フェーズより、より厳しい目標設定を行っていると承知しております。 二〇〇七年からは新たにブルガリアとルーマニアがEUに加盟をいたしましたので、現在の対象国は二十七カ国ということでございます。 また、ことしからは、EU域外ではございますけれども、EUと同様の制度を導入したノルウェー、アイスランド、またリヒテンシュタイン、この三カ国と国際的に市場をリンクさせまして、クレジットの相互融通が可能な体制を整えてございます。 排出の実態量についてのお尋ねでございます。EU—ETSにおける排出量取引市場の市場規模は、二〇〇六年の数字で見ますと、年間十一億トン、これは、額にいたしまして二百四十四億ドル、約三兆九千億の規模の市場になってございます。 そのほかの先進国についてのお尋ねでございます。ニュージーランドはことしから、オーストラリアが二〇一〇年から制度を開始するとしておるほか、カナダにおきましても、二〇一〇年からの導入を目指して検討が進められていると聞いております。 私ども、米国の動向に非常に注目しているところでございますけれども、アメリカにおきましては、州レベルで先行的な取り組みが進められておりまして、カリフォルニアなどの西部、イリノイなどの中西部、また、ニューヨークなどの北東部諸州でそれぞれ独自の排出量取引制度が導入または検討されております。 例えば、ニューヨーク州を中心といたします北東部の十州では、二〇〇九年の一月から義務的な排出量取引制度を開始することといたしておりまして、ことしの九月には、第一回の排出枠配分のための入札、いわゆるオークションが行われると伺っております。 最後に連邦議会の動きでございますけれども、全米規模で、この制度を導入するための法案審議が活発化していると承知しております。上院では、昨年十二月五日に環境公共事業委員会で、キャップ・アンド・トレード型の排出量取引を導入するためのいわゆるリーバーマン・ウォーナー法案が可決をされまして、下院においても、法案提出に向けた準備が進められていると承知しております。
○鈴木(克)委員 今、EUで、間違いなければ、十一億トンそして三兆九千億というような数字がお示しをいただいたんではないかなというふうに思うんですけれども、要するに、これは金額で出るんですよね。先ほど、出ないということでありますけれども。 やはりこの際、きちっと目標数値を出して、数値というか金額を出して、国民に周知徹底をしていく必要があるんじゃないかなと。この数字と先ほど私が伺った数字とは違うんだということかもしれませんけれども、そのことの議論はまた後刻させていただくというふうにさせていただきたいと思います。 今、いろいろとEUにおける先行事例をお示しいただきました。また、アメリカ等も御紹介があったわけであります。EUの制度をそのまま我が国に持ってこられるかどうかということは別としても、私は、これは非常に参考になるんじゃないかなというふうに思っております。そこで、国内排出量取引制度が導入されたとしても、単に取引の規模が拡大するだけにとどまって、国内の温室効果ガスの排出削減という効果が見られないということにもしなれば、これは制度としては失敗ということになるわけであります。 そこでぜひお伺いをしたいんですけれども、EUにおいては、域内排出量取引制度であるEU—ETSを導入したことによって域内の温室効果ガスの排出削減が実際に進んでいるんだろうか、これをお伺いし、もしそうでないとしたら、その原因はどこにあると考えられるのかというところをひとつお示しをいただきたいと思います。 環境省から御答弁をいただきたいと思います。
○谷津政府参考人 お答え申し上げます。 先ほど御答弁させていただいたとおり、EU—ETSは、二〇〇五年から二〇〇七年を第一フェーズ、また、二〇〇八年から二〇一二年を第二フェーズとしておるわけでございます。 第一フェーズにつきましては、これを世界で初めて導入するという観点から、EUにおきましては試行的な期間と位置づけられておりまして、比較的緩やかな排出枠が割り当てられたと承知しております。 この制度は二〇〇五年に導入されたわけでございますけれども、この制度を導入する以前には、制度の対象となっております発電所などの個別施設からのCO2の排出量が必ずしも正確に把握されていなかった。逆に言いますと、これを正確に把握する制度がなかったということでございます。この結果、実績の数字がない中でどうやって排出量を割り当てるのかというところでEUは御苦労されたんだろうと思いますけれども、実際にやられましたのは、例えば、稼働状態は別にして、施設の能力に着目したような、緩やかな割り当てがなされたというふうに伺っております。 この結果、個別施設からの排出量が制度的に把握されるようになりました二〇〇五年の実績に比べまして、制度全体での総排出量は、結果的にプラスの八・三ということで、削減というよりはふえたというふうに聞いております。 最近の状況でございますけれども、EUの発表によりますと、二〇〇六年の排出量は、前年、二〇〇五年に比べまして〇・三%の増加ということになっていると聞いております。 ことしから第二フェーズが始まるわけでございますけれども、ここでは、二〇〇五年に比べまして全体で五・七%の削減ということで、第一フェーズに比べて一段の深掘りがされるというふうに承知しております。
○鈴木(克)委員 今、非常に大事なことをおっしゃったわけでして、確かに、EUは第一フェーズでは非常に苦労をして、しかも、ある意味では、テスト期間であるということで非常に緩めの目標をまず設定して、結果的には、八%ぐらい伸びても仕方がないというのが八・三%だったということであります。しかし、これはテスト期間というところに非常に意味があるというか、そういうことを非常に苦労の中でやってきたということが、私はすばらしいことだというふうに思っております。 第二フェーズでは、五・七%ですか、第一フェーズの経験を生かしてこれは恐らく達成できるというふうに私は思っております。 そこで、いわゆるキャップ・アンド・トレード型の排出量取引制度については、先ほど御紹介のあったEU、そしてアメリカの一部の州、そしてオーストラリア等でも導入に向けた検討が行われておるということのようであります。先ほど一部紹介があったんですが、アメリカにおいても、共和党のマケイン、民主党のクリントン、オバマ、いずれの大統領候補も、連邦レベルでのキャップ・アンド・トレード型の排出量取引制度の導入に非常に前向きな姿勢を示しておるというふうに聞いております。 それに対して我が国においては、キャップ・アンド・トレード型の排出量取引制度であるところの国内排出量取引制度について、先ほど御紹介ありましたけれども、三月に政府が改定した京都議定書目標達成計画においても、自主行動計画の拡大強化による排出削減効果を十分踏まえた上で、他の手法との比較やその効果、産業活動や国民経済に与える影響、国際的な動向等の幅広い視点について、具体案の評価、導入の妥当性も含め、総合的に研究していくべき課題とのみ位置づけられているというふうに思っております。 これは、制度の是非について結局結論を出していないんですね。先延ばしをするということです。これは、国際的な潮流を無視した、ある意味では消極的な対応だというふうに思うんですよ。こういう国が七月のサミットで環境問題をということが本当に言えるかどうかということでございます。 そこでお聞きをするんですが、国内排出量取引制度の導入が温室効果ガスの削減に寄与する可能性があるにもかかわらず、我が国において導入されていないのは一体なぜなのか。そして、導入に踏み切らない理由として、産業界の反対が強いため導入できていないんだという指摘もあると思うんですが、いかがでしょうか。 環境省そして経産省、両方からこのことについてはっきり御答弁をいただきたいと思います。
○谷津政府参考人 お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、去る三月に改定をいたしました京都議定書目標達成計画におきましては、その改定に先立ちまして、中央環境審議会地球環境部会また産業構造審議会との合同部会において、さまざまな観点からの御議論がございました。その結果、これも御指摘のとおりでございますが、幅広い観点から総合的に検討すべき課題という結論をちょうだいしたところでございます。 環境省といたしましては、国内排出量取引制度は、今後の温暖化対策の有効な選択肢の一つであると認識しております。 こうした観点から、二〇〇五年、平成十七年度から自主参加型の国内排出量取引制度を運用してきております。これまで約百五十社の民間企業の方々の御参加、御理解、御協力をいただきながら、国内排出量取引制度の知見あるいは実際的な経験の蓄積に努めているところでございます。 また、ことし一月には、産業界の代表また学識経験者から成ります検討会を設置いたしまして、現在、関係者の御理解をいただきながら、国際的な動向も踏まえつつ、我が国の実情に合った排出量取引制度の具体的な制度設計のあり方について検討を進めておるところでございます。 今後、その検討を加速させてまいりたいと考えております。
○伊藤政府参考人 お答え申し上げます。 国内排出量取引制度につきましては、自国の排出量を直接規制できる一方、個々の企業への排出枠の割り当てが前提となるものでありまして、企業の海外流出を招くおそれがないか、その公平な実施が困難ではないか等の指摘がございます。 こうした中で、先ほど環境省の方から御答弁させていただきましたとおり、政府は、京都議定書目標達成計画を改定いたしまして、対策を講じているところでございます。 そして、製造部門につきましては、自主行動計画の拡大強化ということを柱としているわけでございますけれども、EU—ETSにつきまして、先ほど御答弁の中で環境省の方から御紹介しましたとおり、約八%排出量がむしろふえているという状況の中で、自主行動計画の効果により、製造部門においては、一九九〇年比マイナスの数字を達成しております。 それから、国全体としての排出削減を進めるためには、一九九〇年比三割あるいは四割伸びております、民生部門あるいはビルとか病院とか学校とかにおきます業務部門における対策を強化していくということが重要であると認識をしております。 ただ、当然のことながら、さまざまな政策手段というものを勉強する、検討していくということは当然でございまして、経済産業省におきましては、先月から、産業技術環境局長の私的研究会である地球温暖化対応のための経済的手法研究会の場におきまして、主として二〇一三年のポスト京都以降を念頭に置いて、国内排出量取引制度や環境税を含む経済的手法について、個別具体的な制度設計や前提条件等、制度の詳細にまで掘り下げて幅広い検討を行っているところでございます。
○鈴木(克)委員 今、両省から御答弁をいただいたわけでありますが、やはり腰が入っていないというか、本当に引けておるような感じがしてなりません。企業の海外流出を恐れるとか、例えば自主的行動計画を拡大してそれにまつとか、では、国というのは一体全体どういう指導力を発揮し、どういう立場にあるのかということになるわけです。 もちろん、企業の側にもいろいろと言い分はあるでしょう。しかし、これは海外へ行けば済むという話じゃないわけですよね。むしろ、そんな姿勢の企業は、これから、やはりある意味では国民の厳しい目線にさらされていくというふうに私は思います。 それよりも何よりも、やはり国が毅然たる態度できちっとした方針を示さない、だから結局、現在のような状況が進んでおるということではないかなというふうに思っております。 いずれにしましても、先ほどからのお話のように、この四月からもう京都議定書の第一期約束期間が始まっているわけですよ。我々は一九九〇年と比較して六%削減をしなきゃならない、これははっきりしておるわけです。二〇〇六年の実績では、基準年に比較して六・四%の増加となっておるということです。したがって、本当にこの第一約束期間を達成するというのには、もうありとあらゆる施策を実行していかなきゃならないというふうに思います。 先ほどもお話がありましたように、政府は、世界全体の温室効果ガスの排出量を現況に比して二〇五〇年までに半減、こういう目標を掲げてみえるわけであります。それで、繰り返しになりますけれども、環境問題を主要議題の一つとする北海道洞爺湖サミットの開催がもう七月なんですよ。これ、我が国は議長国であります。議論をリードしていかなきゃならない。こういう立場の中で、先ほどの両省がおっしゃっているような状況で本当に大丈夫なのかな、これは話にならないんじゃないかなというふうに思います。 したがって、早急に我が国においてもキャップ・アンド・トレード型の排出量取引である国内排出量取引制度の導入に向けた議論はもう私は避けられないというふうに思っておるわけですが、先ほどお話がありました検討会、これは、環境省が国内排出量取引制度検討会、経産省が地球温暖化対応のための経済的手法研究会、本当に検討会、研究会の好きな国でして、何かといえばこういうものをつくっているわけですけれども、今のこの検討会、研究会のまさに検討状況、これは一体全体どうなっておるのか、そしていつまでに結論を出そうとしておるのか、いつまでに結論を出すのか、それをひとつお教えいただきたい。
○谷津政府参考人 お答え申し上げます。環境省におきます検討状況でございます。 先生御指摘の検討会におきましては、国内排出量取引制度を検討するに当たっての論点整理、これを行って、それぞれの論点について、諸外国の事例、また、二〇〇五年から実施しております自主参加型排出量取引の経験を踏まえつつ、制度の具体的内容にまで踏み込んで検討を進めているところでございます。 第一回を一月三十一日に開催をいたしまして、五月九日には第五回検討会という予定で、精力的に検討を進めているところでございます。 検討状況、内容について、ごくかいつまんでお答えを申し上げます。 例えば、この国内排出量取引制度の対象が課題、論点になるわけでございますけれども、まず、化石燃料の輸入販売元を対象にするような、いわゆる上流に割り当てるやり方、また、化石燃料等を実際に使用する発電所とか工場を対象とするような、下流に着目した割り当てをするやり方、またその割り当ての方法、これも非常に重要な論点でございますけれども、過去の排出実績を踏まえたグランドファザリング、対象技術の水準に着目いたしましたベンチマーキング、また、排出企業が入札などによって排出枠を調達するオークション方式など、さまざまな方式があるわけでございます。 また、最近欧米で特に論点として浮上してまいっておりますのが、国際競争力下にある業種へいかに配慮するかといった点についても検討を進めているところでございます。 この検討会におきましては、こうしたさまざまな方式について利害得失を十分分析いたしまして、詳細な検討をしているところでございます。 いつまでかというお尋ねでございます。今後、幾つかの制度オプション案を含みます中間的な取りまとめを、五月の半ばを目途に行うこととしております。
○伊藤政府参考人 経済産業省では、先生からも御言及がございました地球温暖化対応のための経済的手法研究会というのを設けまして、個別具体的な制度設計や前提条件等、制度の詳細まで掘り下げて幅広い検討を行っているところでございます。 本研究会は、その導入を前提とした結論を出すということは必ずしも目的とはしておりません。結論の取りまとめ時期につきましては、今後の審議状況も踏まえまして今後検討してまいりますが、現時点では、六月ごろまでに論点整理を行うことを予定しております。 それから、タイミングの議論で洞爺湖サミットについて先生から御言及ございましたけれども、現在、京都議定書におきましては、世界全体の排出量の約三割しかカバーをしておりません。今後の新しい枠組みづくりにおいては、一カ国ずつで二割を占めておるアメリカと中国を含めた、主要排出国を組み込んだ枠組みがつくれるかどうかにかかっていると思っております。 このため、これまでも交渉の立ち上げ等に政府として取り組んでまいりましたが、主要排出国すべてが参加する枠組みづくりへ向けまして、サミットの場も活用して、引き続き精力的に取り組んでいきたいというふうに考えております。
○鈴木(克)委員 各委員も聞かれておっておわかりになると思うんですけれども、遅い、緩い、そして先進的ではない、私はこのように断じさせていただきたいと思います。 最後に、確かに洞爺湖サミットの、アメリカ、中国を入れた枠組みを考えていく場ということは、意義のないことだとは言いません、意義のあることだというふうにもちろん私は思っていますけれども、しかし、その議長国である日本は、あなたのところはどうなのと言われたときに、今検討しております、研究をしておりますということで本当に済むんですか、このことを私は申し上げておるわけでございます。 いずれにしましても、ちょっと視点を変えまして、排出量取引制度で先行しておる、先ほどのあの欧州の排出量の価格を見てみますと、一時的に急騰したり急落した局面も見られたところでございます。そして、排出量取引制度は必要な制度というふうに考えているわけでありますけれども、やはり、適正な需給を反映した価格が円滑に形成されることが望ましい、このように考えております。 この点、例えば先ほどもちょっと出ましたけれども、アメリカの連邦上院に提出されておりますリーバーマン・ウォーナー法案については、一定の価格安定措置というのが盛り込まれているというふうに聞いておるわけでありますが、そこで、仮に国内排出量取引制度を導入するとした場合にも、適正な価格の円滑な形成を可能とするための何らかの方策を検討していく必要があるのではないかというふうに考えているところであります。 そこで、環境省にお尋ねをするんですが、この検討会における議論においてこの点は何か議論されておるのか、整理をされておるのか、そのところをお聞かせをいただきたいと思います。
○谷津政府参考人 お答え申し上げます。 御指摘のクレジットの価格をいかに円滑に形成していくかという点は、極めて重要な検討課題の一つというふうに認識してございます。 国内排出量取引制度に期待される機能は、一つは、排出枠、キャップによって確実な排出削減を確保する、二つ目は、取引、トレードを認めることで社会全体の排出削減費用の低減、すなわち、効率的な削減を実現するという点にあると認識してございます。 この費用・効果の高い排出量取引制度を実現するためには、この取引を行います市場が効率よく機能いたしまして、適切な価格が形成されることが不可欠でございます。このために、特に、取引所あるいは取引を仲介する金融機関等の果たす役割が極めて大きいと考えております。 この環境省の検討会には、銀行、証券取引所からもメンバーとして御参画いただいておりまして、また、事務局といたしましては、金融庁にも御協力、御理解をいただきまして、オブザーバーとして参加をちょうだいしているところでございます。 今後の会合において、この極めて重要な論点についても取り上げまして、適切な価格形成のためにどのような措置が我が国としてふさわしいのかという観点から議論を深めていきたいと考えております。 さらに、御指摘の価格の乱高下といった事態に対応するための措置につきましても、諸外国、先生御指摘のアメリカの例なども踏まえまして、議論を深めていきたいと考えております。
○鈴木(克)委員 大臣、お待たせしたんですが、今るるお聞きをいただいておるように、洞爺湖サミットまで残された時間というのは本当にあとわずかですよね。私は、この五月、六月に関係省庁がどのような結論を出してくるのか注視をしておるわけですけれども、先ほど来の議論のやりとりで、私は、本当に遅いし、先進的でないし、非常に緩いし、何をやっているのかなというような気がしてなりません。 そこで、今回の金商法の改正で、内閣総理大臣による認可制ということではありますけれども、金融商品取引所の兼業の業務として排出権取引市場が開設できるように規定の整備が図られた、こういうことだというふうに思います。もう海外においては、欧州を中心にこの市場が開設をしておるわけでして、また、取引所がもう既にできておるということでございます。 残念ながら、現時点ではその具体的な制度設計について結論が得られておらないということでありますけれども、いずれにしても、そういう中で排出量取引市場の開設を認めようとしておるねらいはどこにあって、その趣旨について、大臣からすっきり、はっきり、きっちり答弁をいただきたい。お願いします。
○渡辺国務大臣 冒頭申し上げましたように、我が国の地球温暖化対策への取り組みは極めて大事でございます。 我が国においては、今月から、温室効果ガスの排出量削減義務が適用される京都議定書第一約束期間に入ったところであります。同議定書に定めるマイナス六%の削減目標達成のため、京都クレジットの活用が予定をされているわけでございます。そういう中で、昨年十一月に、京都クレジットの現物取引のインフラとなる国際取引ログが稼働しておるわけであります。つまり、その取引環境が整いつつあるという状況にございます。 御指摘のように、欧州においては、銀行などが、京都クレジットを含む排出量の現物取引に積極的に参加をしている状態にもう既になっております。我が国の銀行においても、いろいろなノウハウを蓄積してきているところでございます。排出量取引の円滑化、ひいては、我が国に課せられた温室効果ガスの削減目標の達成、このことにも排出量取引の円滑化は大いに貢献をするものと考えております。 今回の法改正に当たっては、まさに、排出量取引について金融商品取引所が適時に期待される役割を発揮していくことができるよう、前広に手当てをするものでございます。
○鈴木(克)委員 以上で私の質問を終わらせていただきますが、どうぞ各委員におかれましても、今議論をお聞きいただいたとおりでございます。まだまだ我々は本当に十分な体制ができておるということではありません。この分野で世界をリードしていかなきゃならない我が国がこういうような状況でサミットを迎える、このことを我々は本当にもう一度よく考える必要があるんではないかな、このことを申し上げて、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○原田委員長 次に、小沢鋭仁君。
○小沢(鋭)委員 民主党の小沢鋭仁でございます。金商法の改正案について幾つか質問をさせていただきたいと思います。 まず、この金商法の改正、先般の改正がある意味では消費者保護を念頭に置いた改正、こういう話であれば、今回の改正はまさに東京国際金融市場の活性化、競争力強化を目指した改正だ、こういうふうに言えるのではないか、こう思います。 そして、私は、この財務金融委員会でもこれまで何回か、そういうことを目指すべきだ、こういう指摘をしてまいりました。それはとりもなおさず、この十年間を振り返ってみると、日本の国際金融センターとしての位置づけ、評価が著しく低下した、そういう危機感からも申し上げてきたわけでありまして、そういった意味では、金融庁が昨年の末に金融・資本市場強化プランですか、それを策定し、今回この改正を行ったということは評価をさせていただきたい、こう思っているところであります。 そういった中で、どうやって日本のこの東京の国際金融センターの位置づけを高めていくか、機能をアップしていくか、そういう観点から何点か質問をさせていただきたいと思います。 ただ、その前に一点申し上げておきたいのは、一九九六年にビッグバンというある意味では大改革がありました。今回のこの金商法改正はそれに次ぐ改正だというふうに金融庁は位置づけておられるようでありますし、大臣もそういう意気込みでいらっしゃるようであります。その心意気は評価をするわけでありますが、では、この間なぜこんなにおくれたのかという話も、私は野党ですから、申し上げておかなければいけない、こう思っております。 この間、いわゆる改革改革という話が先行してきたにもかかわらず、この問題は一向に顧みられることなく進んでまいりました。私は小泉改革、郵政改革のときにも本会議場で申し上げたんですが、小泉元総理の言われる郵政改革の話は、ある意味では金融システムの一部の改革であって、そうではない、金融システム全体の改革、金融システム全体を展望する改革というのが全く欠落している、そして、ある意味では一部のところだけに執着してやっているような改革はまさに日本にとっての本質的な改革にならない、こういう言い方をしたわけでありますが、まさにこの十年の与党政治はそういったことに陥っていたのかなということを御指摘申し上げておきたい、私はこういうふうに思います。 そして、具体的な中身に入る前に、せっかくのこの金商法の改正、こういう話をしようと思っておりましたら、世間を騒がす事件であります。野村証券のインサイダー取引、こういう話が、ある意味では冷や水をかけるようにこの事件が起こりました。本来であれば、その具体的な内容を聞かせていただきたい、こう思っておったわけでありますが、理事会協議で、きょうの場はそうではない、こういう話になったようでありますので、具体的な内容というよりも制度論的な話で何点か御質問させていただきたいと思います。 まず、この事件、どういう経緯で発覚したか、それをお教えいただきたいと思います。
○内藤政府参考人 お答え申し上げます。 今先生お話がございましたインサイダー取引事件でございますけれども、現在、私ども、委員会といたしまして鋭意調査をしているところでございます。そこで、恐縮でございますけれども、個別の事案の内容というものにかかわります論点でございますので、従来より、お答えすることは差し控えさせていただいているというところでございます。これは、証券取引等監視委員会の活動を円滑に進めるためにも必要であるということで、ぜひ御理解をいただきたいと思います。 なお、一般論でございますけれども、私ども監視委員会といたしましては、証券市場における取引状況や市場動向につきまして日常的に幅広い観点から監視を行っております。一般からも情報提供を受け、あるいはまた情報提供を受けるべくいろいろ働きかけをしながら、さまざまな情報を収集、分析いたしまして市場監視に努めているというところでございます。 その中で、市場の公正性というものが疑われるような、そういう事例を発見いたしますれば、これをさらに深掘り、分析をいたしまして本格的な調査につなげていくという形で市場監視の実効性を高めているというところに全力で努めているところでございます。
○小沢(鋭)委員 動いている事件だと思いますから、今の御答弁は御答弁として結構でありますが、一般論としてお聞かせいただくといたしますと、市場動向をチェックしている、こういうお話でありますが、やはりこれはなかなか難しいのではないかな、こういうふうに推測します。ある意味では、そういった一般からのいろいろな連絡、報告もあり、こういうお話であって、そういう話になると、きっかけは極めてわかりやすいんですが、市場動向をチェックしているだけでわかるものかな、こう思っておりまして、どういうチェック体制をとっておられるのか御説明いただきたいと思います。
○内藤政府参考人 お答えいたします。 私ども監視委員会には市場分析審査課というものがございます。そこが中心になりまして、まず、市場の監視についてのさまざまな情報を集めまして分析を行っております。 少し具体的に申し上げますと、一般からの情報受け付けと申し上げましたけれども、これは、例えば平成十八事務年度でございますけれども、実績で約六千五百件ぐらいの件数の情報が私どもに寄せられております。ですから、日々、デーリーにさまざまな情報が入ってくるというのが実際の姿でございまして、そのうちインサイダー取引に関係する情報で四百七十一件というものがございます。 それから、取引審査というふうに呼んでおりますけれども、東京証券取引所等の取引所とも連絡を密にいたしまして取引の実態を把握いたしまして、インサイダー取引であるとか株価操縦などの市場の公正性が疑われるような取引については早期着手、早期処理の方針のもとに審査を行っておりまして、これについては、例えば平成十八事務年度におきましては、監視委員会、財務局合計で約千件、インサイダー取引につきましては約八百八十件の取引審査という形で調査分析を行っております。 そのほかさまざまな問題が世の中で取りざたされておりますので、それについても機動的に市場分析審査課の中で分析をし、そしてまた自主規制機関である東京証券取引所等の取引審査とも情報交換を密にいたしまして分析をさらに深めていく。その中で、先ほど申し上げましたように、疑いがかなり濃いというようなものにつきましては、本格調査にのせるべく、犯則事件の手続であるとかあるいは課徴金の事件の手続であるとか、そういった形にのせまして、それぞれの担当課でさらに調査を進めるという体制をとっております。
○小沢(鋭)委員 もう一点、別な観点から質問をさせていただきますが、今回のインサイダー取引でありますが、問題は、このインサイダーの基準がなかなか難しい、こういうことなんだろうと思うんですね。今回のような事例はもう明解だ、こういうふうに思いますけれども、ボーダーの事例というのもなかなかいっぱいある。 いろいろ調べてみますと、いわゆるインサイダー取引の際の重要事実、こういうような言葉に突き当たるわけでありますが、この重要事実というのが一体何なのかという話を明確にしておいてもらわないと、ここのところは一般の投資家も判断がなかなか難しい、こういう話になるんだろうと思います。 かつても申し上げましたが、日本の法令というのは、どちらかというと、これはやってもいいです、こういう書きぶりになっているんですけれども、私なんかがいろいろな皆さんと話をしていると、とにかくこれはやってはいけないということを明快に書いてくれ、それをやってはいけないということを明快に書いてくれればそれはやらないんだと。自由な取引だから、それはやってはいけないということを明快に書いてくれればそれはやらない、それ以外のことは自由に、とにかく創意工夫をしていろいろやらせてもらいたいんだ、こういう意見もあります。 そういった意味で、この重要事実ということをどこまで明快にお示しになっているのか、それを御質問させていただきます。
○三國谷政府参考人 御指摘の重要事実でございますが、これは、例えば金融商品取引法百六十六条におきましては、大きく分けまして、一つは決定事実、これは合併や業務提携など会社の意思決定に係る事実、二点目はいわゆる発生事実でございますが、これは災害に起因する損害や主要株主の異動など会社の意思によらない事実、三点目は売上高などの決算情報の予想値における差異、四点目はこれら以外の重要な事実であって投資判断に著しい影響を及ぼすものということが書かれているわけでございます。 さらに、この重要事実につきましては、決定事実、発生事実、それぞれの項目が列挙されておりまして、また、それぞれの軽微基準があるものにつきましても政省令等におきまして明記しているところでございます。
○小沢(鋭)委員 後ほど質問をしようと思っておりましたけれども、サブプライム問題に端を発して、日本の金融機関というのは直接的にサブプライム関係証券を持っていない、こういう話でありますが、ただ、アメリカが全般的にトリプルAの債券を含めて相当値崩れをしている、こういう話になると、日本の金融機関は相当そのトリプルA関係の債券は持っているだろう。そういう話になっていくと、日本の金融機関は今回決算が相当悪いのではないか、こういうような話もあったりして、例えば、そういう予測あるいはまたそういうことを、今回日本の金融機関も大変厳しいというような話を金融庁が判断したとして、それを受けてだれかがその金融関係のファンドを買ったとかあるいは売るとかしたら、これはインサイダーですか、例えば今みたいな話であれば。
○三國谷政府参考人 決定事実あるいは発生事実以外の項目といたしまして、決算の数値の差異がございます。決算の数値につきましては、いろいろな事象が集約されまして一定幅の変動があった段階で一定以上の水準になりますと、これは重要事実となるわけでございます。 したがいまして、仮にさまざまな要因があったとして、それが決算の見込みに反映した、この段階で重要事実になると思われます。
○小沢(鋭)委員 今の一般論はなかなかわかりづらいので、三國谷さん、どうか少し、漫画のような形でも結構なので、こういう話がインサイダーなんだという話をもっとわかりやすくしておいていただくことを御要望しておきたい、こういうふうに思います。 それでは中身に入らせていただきますが、金融資本市場を活性化しよう、こういう話でありますけれども、金融資本市場のアクターということで考えていきたいと思います。日本では余りなじみがない機関でありますが、かなり大きな影響力を持っているものとして、私は、投資銀行、インベストメントバンクというのがある、こう思っております。 まず、投資銀行というのは、定義ではどういう話になるのか、日本の金融機関ではどういったものが該当するのか、御質問いたします。
○西原政府参考人 お答え申し上げます。 投資銀行ということですが、これにつきましては、法令等による明確な定義というのはございません。しかしながら、実際に預金を元手にして融資を行うといういわゆる商業銀行、これに対する言葉として用いられることが多うございます。 そこで、一般的にこの投資銀行というのは何ぞやということですが、業務として、例えば有価証券の引き受けを行うもの、あるいはMアンドAの助言業務といったもの、あるいはファンドや証券化商品を組成するといった業務、こういったことを行う金融機関を指して用いられているということと思います。また、銀証分離の制度下にあります日本ですとかアメリカの場合におきましては、主として法人向けのビジネスを行う証券会社を投資銀行と呼ぶことが多うございます。 それで、我が国においてはそれではどうかと申しますと、やはり野村証券などの大手の証券会社、あるいは大和証券SMBCですとかみずほ証券、こういった銀行グループの法人金融専門会社、こういったところが通常投資銀行というふうに呼ばれると思います。
○小沢(鋭)委員 今の御説明でもわかるように、投資銀行と名前がついておりますけれども、どちらかというと証券会社ですね、我が国でいえば。ですから、そこのところが少し混同する、こういう話だろうと思いますが、その投資銀行、例えば、固有名詞で挙げても差し支えないと思いますが、ゴールドマン・サックスだとかモルガン・スタンレーだとか、そういった外資系の投資銀行というのが、ある意味では、昨今、日本の金融資本市場の中でいろいろな形で名前が出てくるわけであります。 例えば、ゴルフ場をだあっと系列的に買収しているとか、あるいはまたシティーホテルを買収しているとか、そういうことを投資銀行がさまざまな形でしている、こういう話でありますが、そういう外資系投資銀行の数多くの買収案件等を見ると、これは本当に銀行なんだろうか、こうも思うし、証券会社なんだろうかとも思うし、ただ、そういった形ですさまじく日本の金融資本市場の中で動いていることは事実であります。 そういったことというのは、例えば今の金商法の中で、日本の銀行、証券会社、同じことが当然できるんでしょうか。
○西原政府参考人 お答え申し上げます。 一般的に申しまして、我が国の証券会社と、我が国で業務を行っている外国証券会社の日本法人あるいは日本支社との間で、法令上行える業務に違いはございません。したがいまして、証券会社が、法令上の制約という意味でいいますと、今御指摘のお話については恐らく証券会社自身ではなくてその関連会社がやったものというぐあいに承知しておりますけれども、証券会社自身、本体で、例えばゴルフ場ですとかホテルですとか、それを買収することについても、法令上の制約はございません。
○小沢(鋭)委員 そうしますと、なぜ日本の会社はやらないのかな、こういうふうに思うんですね。かつて日本の会社で、例えばニューヨークのロックフェラーセンターとかを買収したこともあります。アメリカのゴルフ場も買収したことが、そういう話もかつてバブル華やかしころありました。 ただ、そういうときも、どうも不動産として買っているわけですよね。いわゆる会社としてそういうものを買うのではなくて、不動産会社が不動産として買っている、こういう話でありますが、この経済文化、何が原因で日本の証券会社等はやらないのかな、こうも思うんですが、もし御見解がありましたら、お答えください。
○西原政府参考人 お答え申し上げます。 日本の証券会社も決してやっていないわけではございませんで、若干例を挙げさせていただきますと、例えば野村証券の場合には、その子会社の中に野村プリンシパル・ファイナンスというものがございます。ここでは、ハウステンボスについて買収を行ってやっているという事例ですとか、それから、先ほどの大和証券グループの中では大和証券SMBCプリンシパル・インベストメンツ、こういったところでは、いわゆる温泉旅館を六社まとめて再建させるために投資を行うというような形とか、そういう面での投資活動は行われておりますけれども、目立った形で報道されていないという面はあろうかと思います。 しかしながら、いずれにしましても、やはり金融サービスを営む以上は、ニーズを的確につかんで、それに対して高い金融サービスを提供していくということは必要だと思いますので、そういった面で、我々としましても、仮に外資系のそういったところから比べておくれているとすれば、よく言われますのは、一つは人材が不足しているのではないか、そういうことも言われております。そういう面で、やはり高度な専門性をつけた人材を教育していくような、いろいろな仕組みが必要かなというふうにも思っております。
○小沢(鋭)委員 今お話しいただきましたように、幾つかの事例もあるようであります。制度的には当然のことながら全く差異なくできる、こういう話であります。 これは私の私見なんですけれども、金融資本市場、こういう話をされているわけでありますが、日本人の意識というのは、金融までは行っているんだけれども、資本政策というかそちらが決定的に弱いのかな、こういうふうに思います。ですから、日本でもMアンドAもある程度動くようになりました、今のようなハウステンボスの買収とか、そういう事例もあるんだろうと思います。ただ、それが極めてまれで、決定的にそこは欧米の金融機関と違う。こういう話は、やはり資本政策というか、それに対する考え方が及んでいないのかな、こう思っております。 そういった意味では、金融・資本市場競争力強化プラン、こういう話では、ある意味でいうと、金融の側面よりも資本市場のところにもっと力点を置かないと、それがいいのか悪いのかわかりませんが、少なくても水準として、欧米の金融機関とやっていることが違ってくる、こういう話になるのかなと思っておりますので、一点、私のつたない私見を申し上げておきたいと思います。 加えて、今回は、そういう話の中で、銀証分離、ファイアウオールの若干の緩和をしてきているわけであります。先ほどもありましたが、アメリカでは、ある意味ではグラス・スティーガル法があって銀行と証券の分離があり、それがまた若干垣根が低くなっている。日本もそれにある意味では合わせたというか、日本も同じような話をしている。片やヨーロッパでは、もうユニバーサルバンキングですよね。これはもう銀証一体です。保険も一体です。 今回の我が国のこの改正法の動きというのは、そういう意味では、ユニバーサルバンキングの方向に進んでいく、そういう一歩なんでしょうか、この位置づけは。いかがですか。
○三國谷政府参考人 御指摘のとおり、ヨーロッパではユニバーサルバンク方式でございますが、我が国におきましては、従来、銀行本体における証券業務を原則として禁止する一方で、持ち株会社、子会社方式による銀行、証券の相互参入は認めたわけでございますが、その際に、利益相反の弊害あるいは優越的地位の濫用の防止といった観点から、いわゆるファイアウオール規制を設けてきたところでございます。 しかしながら、この規制につきましては、金融機関のグループ化などが進展する中で、金融グループとしての総合的なサービスの提供の障害となっているのではないか、あるいは、金融グループとして要求される統合的なリスク管理あるいはコンプライアンスの障害となっているのではないかといった指摘がなされているところでございます。したがいまして、今般の法案におきましては、適切な利益相反管理体制の整備を求めた上で、ファイアウオールにつきまして所要の見直しをしているところでございます。 これらの措置によりまして、金融グループとしても総合的なサービスの提供あるいはリスク管理などが可能となるわけでございまして、そういったヨーロッパの金融機関等につきましても、我が国において相当程度柔軟な活動が可能になると考えているところでございます。 御指摘の今後の方向ということでございますけれども、また、ユニバーサルバンクにつきましてはさまざまな論点がございます。 一つには、預金の受け入れを業務とする銀行本体が有価証券の引き受けリスクなどのある証券業を併営しますことを、銀行の財務の健全性確保あるいは預金者保護などの観点からどう考えるか。あるいは、銀行による利益相反の弊害、優越的地位の濫用の可能性についてどう考えるか。それから、御指摘ございましたけれども、アメリカにおきましても引き続き銀行本体による証券業務が規制されているといった状況にございます。 したがって、こういった論点がございますことから、なお慎重に検討していく必要があるのではないかと考えているところでございます。
○小沢(鋭)委員 私も、自分なりに結論を今持てているわけじゃないんですけれども、ただ、一つだけ感じておりますのは、いわゆる制度的にファイアウオールを立てて分離する、こういう話はどうもしっくりこないんですね。同じ組織でしょう。その中でファイアウオールといったって、それは虚構のあれのような気がいたします。 ですから、そういう意味でいうと、例えば、銀証分離で会社は全然違います、グループも全然別ですというんだったらこれはまた話がわかる。だけれども、グループとして持ちますとか、あるいは本体の中でファイアウオールをしっかり立てて内部統制をしっかりやりますからみたいな話は、何か中途半端といいますか、いや、それは結局、後ろでこうやっていろいろ話をしているんでしょう、こういうふうに思っちゃうんですね。ですから、今どっちがいいかというのは私は冒頭に言ったように結論が出ないんですけれども、それはどっちかにした方がいいのではないかな、こういうふうに思っておりますことを少し申し上げておきたいと思います。これから私も少し勉強させていただきます。 それでは、次にファンドなんですけれども、時間が押していますので、これは簡単にお答えをいただきたいと思います。 もう一つ、いわゆる金融資本市場のアクターとして注目を集めているのがファンド、こういう話であります。これは日本語訳だと集団投資スキームというんですか、資料を見ると。集団投資スキーム、何かこう出ているんですが、まず、このファンドを設立するに当たってどういう、免許制か届け出制か、あるいはまた、今金融庁はどこまでファンドを把握できているのか、どのくらいの額があるのか、一括してちょっとお答えいただければと思います。
○三國谷政府参考人 まずファンドが免許制か届け出制かといった話でございますが、まず、ファンドの設立自体、これには参入規制はございません。しかしながら、金融商品取引法は利用者保護を図る法律でございます。したがいまして、一般投資家を対象としてファンド持ち分の販売、勧誘を行う場合や、あるいはこのようなファンドの運用を行う場合には登録が必要とされているところでございます。なお、適格機関投資家、いわゆるプロを対象としてファンド持ち分の販売、勧誘を行う場合や、このようなファンドの運用を行う場合には、届け出制としているところでございます。 なお、日本のファンドの数はどれくらいかということでございますけれども、さまざまな動きがございますけれども、三月三十一日時点で登録が義務づけられている業者の数は十九社、それから、現在八十三社が登録申請中であると承知しております。なお、プロ向けファンドの取扱業者につきましては、届け出でございますが、現在四千百五十八社と承知しております。
○小沢(鋭)委員 先ほど投資銀行のことを聞き、今回ファンドの話を聞いておりますのは、金融資本市場の中で活性化をしていく、こういう観点で考えたときに、通常の銀行業務あるいはまた証券業務等々に加えて、この辺のところがどこまで入ってくるのか、どこまで資金規模を持って動くのかというような話、ある意味ではベースの銀行、証券というのは大体一定といいますか、あるんでしょうから、それがどこまで入ってきてどこまで動くのか、こういう話なのかな、こう思っておりまして、やはりそういったところをある意味ではしっかり見ていくことが必要だし、必要であれば育成もしなければいけないし、こういうことなんだろうと私は思っておるものですから、お尋ねをいたしました。御指摘だけ申し上げて、次に移ります。 環境の問題、先ほど私の同僚の鈴木委員もされておりましたが、私は、この問題、ある意味では環境と金融の融合という観点で申し上げたいと思います。 若干宣伝させていただきますが、ここに「環境ファイナンス」という本があるのでありますが、これは実は私が監修をさせていただいて、二〇〇五年につくらせていただいた本であります。まさに環境と金融を融合させる、こういうことが必要だ、それから環境政策が極めて重要だという意識から、金融の側面から環境を十分サポートし、環境政策を推進することができるんだということを書いたものであります。 今回、そういう意味では、初めてこの金商法の中に環境というような言葉が入ってきたのかなと。今まで、政府のそういったものは、強化プランの中にも、環境という言葉はあるんですよ、これは何とか環境をよくする、こういう話の環境という意味で、いわゆる環境問題を扱ったというところはないわけでありまして、そういう意味では第一歩かなというのは評価をしたいと思います。 そして、金融商品取引所での扱いだ、こういう話でありますが、さっきも出ておりましたが、ちょっと一点だけ、つまらない質問で申しわけありませんが、金商法の中は金融商品取引所という名称になっているわけですが、一般的には依然として証券取引所、こういう話になっています。最初、僕は、金融商品取引所って何だったかなと思って一生懸命調べたら、ああ何だ、証券取引所のことか、こう思って驚いたんですけれども、何でこれはまだ統一されていないんですか。
○三國谷政府参考人 金融商品取引法は少し前までは証券取引法という名前でございました。現実に、今の金融商品取引所でございますが、長い間証券取引所ということでもって、愛着というか名前が定着してきているという事実があろうかと思います。 そこで、法律でございますけれども、法律は、金融商品取引所には、その名称または商号のうちに取引所という文字を用いなければならない、ただし、金融商品取引所でない者が紛らわしい、誤認されるおそれのある文字を用いてはならないということでございます。そういった中で、やはり長い間証券取引所という形でそういった名前が使われてきたところにつきましては、引き続き従来の名称を使用しているということかと思われます。
○小沢(鋭)委員 わかったようなわからないような話でありますが、金融商品取引所と言われて、僕も不勉強で、わからぬな、こう思っちゃったくらいなので、もしわかりやすければ、統一した方がいいのかなというふうに思います。 それで、環境に対して金融がやれることは結構あるんですね。ですから、金融庁にもぜひ知っていただいて、推進をしていただきたいと思いますが、私がこの本の中で紹介した話としては、例えば預金金利の一部を途上国の省エネルギー事業に回すというような排出権つき定期預金とか、そういうアイデアだってあり得るわけです。 ですから、まさにそういうものを推進していくということは、海外の排出権を日本が獲得していく、こういう話になるわけでありまして、そういった話も十分あるし、また逆に言うと、大変環境問題に意識が高い、あるいはそうした事業に対して、いわゆるファイナンスをするときの金利を減免していくとか、そういう話というのはいっぱいあって、環境をバックアップする金融というのはいろいろなアイデアがあり得る、こう思うわけでありますが、その一つが今度の排出量取引だ、こういうふうに思います。私はもう推進大賛成で、民主党としては推進するという話を決めているわけであります。 もう一つ、先ほどのエコファンドという言葉がありますが、そういうファンドもあります。 ただ、これは日本で人気がある割にはそのファンドの率が低い、こう言われておりまして、欧米、特にアメリカなんかは、私が調べたところは、定義にもよるんですが、ファンドの六割とか七割が環境問題をある意味では意識した環境配慮型のファンドになっている、こういう話もあるんですが、その辺の実態はいかがですか。全ファンドに占めるエコファンドの割合というのは、例えばアメリカなんかではどのくらいあって、日本ではどのくらいあるか、こういうことはいかがですか。
○西原政府参考人 お答え申し上げます。 今の御指摘のいわゆるエコファンド、これがどのぐらいの割合を占めているのかというお話でございました。私ども、残念ながらそういう観点からの統計をとっていないものですから、私ども自身では把握できないんですが、調べてみましたところ、NPO法人で社会的責任投資フォーラムというものがございます。 ここが取りまとめました数字によりますと、昨年末、二〇〇七年十二月末の公募SRI投信、これが五十ファンドありまして、残高が約七千四百億円というふうになっております。このうちの約七千三百億円、すなわち九八・六%に当たりますが、それが投資の評価項目に環境に関する取り組みが含まれているファンドというふうになってございます。この数字は、その前の年、一年前の数字が三十七ファンドで三千七百億円ですので、この一年間で、ある意味では倍増しているという状況にございます。 しかしながら、その占める割合ですが、公募株式投信全体の残高が昨年末で約六十六・七兆でございますので、パーセンテージにいたしますと一・一%という非常に低い数字というふうに理解をいたしております。
○小沢(鋭)委員 先ほど鈴木委員が排出量取引の重要性を大臣に質問しておりましたので、通告しておりましたがそこは割愛させていただくとして、今のような実態です。 それで、洞爺湖サミットは、ある意味では環境を意識する、こういう話ですから、大臣、ここはぜひそういったことを金融庁として大いに推進するという柱を立てていただいて、積極的に御発言、御活躍をいただければいいのかなと思います。例えば車は、エコカーをつくろう、こういう話は政府としてやっているわけです、割と推進しているわけですよね。そういう意味では金融だって、エコファンドをつくろうといって、のぼりを立てて大臣が持って回るという話は大変受けるような気がしますね。ですから、そういう意味では、まさに金融として何ができるのか。日本は金融の、ある意味では、個人の金融資産が大変あるわけですから、それを活用して環境政策を推進するという話は、これはぜひ金融庁としてやっていただきたいな、こういうふうにお願いをしておきます。 では最後に、金融・資本市場競争力強化プランの理念といいますか考え方について少し御質問したいと思います。 まず、日本は金融というと昔から、ちょっと言葉は適切でないかもしれませんが、金貸しとか、やや卑下したというか差別的な言葉遣いがあって、製造業がとにかく本体、立派なんだ、こういう話があって、金貸しの方はいま一つなあ、こういう話があるわけでありますけれども、今や各国の政策の中では、まさに金融センターがそれぞれの自国の経済を引っ張っていくという位置づけ、そういう戦略的な産業だ、こういう位置づけがなされているところがあります。ロンドンもそうです、ニューヨークもそうです、シンガポールもそうです、香港もそうです。というような意識でこのプランはつくられているんでしょうか、あるいはまた政府の中でそういう認識があるんでしょうか。
○渡辺国務大臣 我が国の金融サービス業がGDPに占める割合は、二〇〇六年の数字でいきますと約三十五・二兆円でございます。比率でいきますと六・九%ほどでございます。この数字は、二〇〇二年が三十三・五兆円でございますから、ほとんど横ばいに近い状態になっております。 やはり、日本が成長していくためのポテンシャリティーを発掘していくという立場からいきますと、金融サービス業にはもっと頑張ってもらう必要がある、そういう思いを込めてこのプランをつくり、今回の法改正を提案しているところでございます。
○小沢(鋭)委員 ぜひ政府全体で少しそういう意識を持ってもらう、こういう話が必要なんだろうと思います。 例えばある新聞を見ますと、日本はせっかく製造業で獲得した富を、金融分野の競争力の差が国富の流出を招いている、こういう書き方をしている新聞もあるわけですね。せっかく製造業でもうけた、だけれども、まさに金融サービスの競争力が低くて、それがみんな外へ行っちゃっている、こういう認識もあるわけでありますから、ぜひそこは戦略的な産業としての位置づけをしていただき、さらにはまた、少なくてもアジアの国際金融センターとしてのナンバーワンの位置づけは確保してもらわないかぬ、こういうふうに思います。 そういう話をいろいろ、今回の改正も含めてしていただいているんですが、その中で私は意外と大事だと思っておりますのが、強化プランにもあるんですが、都市機能の向上というところがあるんですね。 いわゆる外国人従業員の人たちが日本に入ってくるときの良好な生活環境、あるいは税制も含めて、こういう話でありますが、国際金融情報センターの調査では、それが日本の場合は香港とかシンガポールに比べて弱い、こういう話があって、振り返って考えてみると、ロンドンのシティーというのがある意味では復活したのは、シティーの都市開発と一緒にあの国際金融の制度改革がなされた、こういう話なんですね。そういった意味では、まさに都市機能を強化していくとある意味では金が入ってくるというのか、金が入ってくるから都市機能もよくなるというのか、これは卵が先か鶏が先かわかりませんが、少なくても同時にそれは起こっているような気がします。 そういった認識を金融庁としてお持ちでしょうか。金融庁の政策として都市機能を強化するということはできないかもしれませんが、そういう認識があれば、政府としては一体としてやらないかぬ、こういう話になると思いますが、いかがでしょうか。
○渡辺国務大臣 この話は前任の山本金融大臣が大変御熱心に取り組んでおられた課題でございます。 今現在、都市再生本部においてこの構想の実現に向けて着々と準備が進んでいるものと思います。やはり金融産業が内外のお金を集め戦略産業として育っていくには、そうした器も大変大事かと思います。そういう観点からの政策を忘れたわけでは毛頭ございませんで、政府としてそうした取り組みを行っていることを御報告させていただきます。
○小沢(鋭)委員 時間になりましたのでこれで終わらせていただきたいと思いますが、さっき申し上げたように、アクターとしてはインベストメントバンクだとかファンドだとか、そういったところに目を向けていただきたい。さらにはまた、環境問題もしっかり金融の方でも推進をできる、そういう金融政策を打っていただきたい。さらにはまた、外資を取り込む、金を取り込むためにも都市機能を充実させていただきたい。以上を改めて御提案申し上げて、私の質問とさせていただきます。 ありがとうございました。
○原田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時五分散会