国土交通委員会 第22号
- 発言数
- 138 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2008/06/03
会議録
○竹本委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、参議院送付、領海等における外国船舶の航行に関する法律案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省住宅局長和泉洋人君、自動車交通局長本田勝君、海事局長春成誠君、海上保安庁長官岩崎貞二君及び内閣官房総合海洋政策本部事務局長大庭靖雄君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○竹本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○竹本委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。穀田恵二君。
○穀田委員 私は、領海等における外国船舶の航行に関する法律案についてまずお聞きします。 一九八二年、海洋法に関する国際連合条約、いわゆる国連海洋法条約が採択され、九四年に発効しました。この条約は、いわゆる海の憲法と呼ばれる海洋に関する基本的な条約です。我が国は九六年に批准しています。また海洋環境の保護、保全及び持続可能な開発についてのアジェンダ21が、これは九二年に採択されています。これは、国交省の説明では、政策面から国連海洋法条約を補完するものとありました。 このような動きの中で、世界各国は、海洋の囲い込みを進め、かつ自国の権益を確保するために海洋の総合的な管理に取り組んできています。領海及び内水において不審な航行をしている外国船舶を規制する法律は、諸外国には同種の法制はありますが日本にはありません。整備しなかったのはなぜか、そして、どのような問題が生じて必要になったのか、まとめて大臣に問いたいと思います。
○冬柴国務大臣 我が国におきまして国連海洋法条約を批准した平成八年ごろに議論がなされたと聞いておりますが、海洋利用国家としての基本的立場から、海洋の自由を尊重し、必要最小限の制限とすべきであるとの考え方に基づきまして、法整備が行われなかったと承知をいたしております。 しかしながら、その後、諸外国にも同種の法制度が存在をし、また不審船事案など海洋をめぐる情勢が変化をしております。海洋基本法におきましては、新たな海洋立国の実現に向けて、海洋の安全の確保のための施策を積極的に推進していくことが求められており、この法案はこれを受けて制定しようとするものでございます。 四面を海に囲まれた海洋国家である我が国にとりましては、海洋の安全を確保することは我が国の安全を確保する上で重要であり、特に、領土に近接し、我が国の主権が及ぶ領海及び内水は我が国にとって極めて重要な海域であります。このため、今回、領海及び内水における外国船舶の航行秩序を明確にすることによって、外国船舶の航行の秩序を維持し、もって領海及び内水の安全を確保する趣旨で本法を提案させていただいた次第でございます。
○穀田委員 それぞれ領海と内水における安全を確保するということだ、その点は当然だと思います。 本来、領海においても船舶の航行は自由ではありますけれども、正当な理由のない、そういう意味での停留や錨泊等を禁止し、その不審な行動を取り締まることについては、私も当然だと思います。それだけは確認しておきたいと思います。 次に、明石海峡の船舶事故についてもう一回聞きたい。五月二十七日に質問しました。海上保安庁に一点質問します。 四月二十八日に、保険会社がサルベージ船を使って調査を行ったと聞いています。明石海峡の沈没船の油漏れ対策について、どれだけ油が残っているかなど、調査で明らかにされているのか、これをつかんでいるのか、また、安全宣言等の問題についての所見をお伺いしたいと思います。
○岩崎政府参考人 四月の二十八日、二十九日の両日、先生御指摘の、ゴールドリーダーという船のPI、船主責任の保険会社でございます。これはイギリスでございますけれども、これが手配したサルベージ会社により、ゴールドリーダーの船体状況について、ロボットを使って調査を実施いたしました。 この調査結果でございますけれども、現在、今申し上げたPI保険会社から委託を受けた専門家、これは外国人でございますけれども、この専門家によって報告書が取りまとめられていると聞いておりますけれども、まだ報告はございません。 私どもは、こういうことはできるだけ早くきっちり関係者の方に調査結果を出して、どういう状況になっているかということを周知してくれ、こういうことを指導しているところでございますが、残念ながら、繰り返しになりますけれども、まだ報告はないという状況でございます。 残っている油でございますけれども、正確なところはよくわかりませんが、一定の規模の油が衝突のときに出ましたけれども、まだかなりそのときの燃料油が船体の中に残っているんじゃないか、このように推定をしております。どのような状況で、タンクの中でちゃんと残っているのか、あちこちで漏れているのか、こういうことについて正確なことがよくわからないものですから、今申し上げたような、この船体状況の調査の結果を待っているところでございます。 今の環境の状況はぽつぽつと油が出ている状況でございますので、この状況であれば、兵庫県、神戸市において水質調査が実施されておりますけれども、それらの調査では、環境に影響があるといったような、油分等は検出されなかったと聞いております。
○穀田委員 今答弁ありましたように、結局、外国の調査ということで、まだ発表されていない。でも、これは四月の二十八、二十九にやっているんですね。もう一カ月もたっているのに、常識では、もちろんそれらの船との関係でいうと違うのかもしれませんが、問題は、我々日本国民ないしは兵庫県民その他、また漁業者が受けている被害の甚大さからして、早うしてくれというのはきちんと言ってくれなけりゃ困ると思うんですよね、これは。 だって、風評被害やその他を初めとして、やると。今ぽつぽつとしか油は出ていないから、今の長官の言によれば、結局、安全宣言その他についてはもちろん県や市が行うものだということを類推させる発言なんですけれども、そういう問題だとしても、これは、例えば今あったように、船体の中に推定される、これは次にどうなるんだということもあるので、要するにどうすればいいのかということを含めた前提となるわけですから、きちんとそれはやっていただきたいということを特に要望しておきたいと思います。 次に、日本船舶振興会の助成事業について聞きます。 日本船舶振興会に対する交付金は公的な性格を持つものだと思いますが、その点に限っていかがかと。
○春成政府参考人 日本船舶振興会への交付金の性格等でございますけれども、御案内のとおり、日本船舶振興会の交付金は、いわゆるモーターボート競走という公営競技の売上金の一部をモーターボート競走法に基づきまして日本船舶振興会の方に交付しております。 その交付金を用いまして、振興会の方から、海あるいは船舶関連、あるいは広く公益事業を対象にして助成金という形で交付されておりまして、私ども、このお金の内容につきましては極めて公益性の高いものというふうに認識しております。
○穀田委員 公的なもので公益性が高いものだと。もともと地方自治体がやっている競艇の売上金の約二・六%を交付している。だから、もともとお金自身が公的な性格を持っているわけですよね。 そこで、その交付金による助成については透明性が当然必要だと思いますが、その点はいかがでしょうか。
○春成政府参考人 委員御指摘のとおり、この交付金による助成につきましては、公平性、公正性あるいは透明性というものが強く求められるというふうに思っておりまして、そのような観点で、モーターボート競走法の中にも、この使途については公正かつ効率的に行わなければならないという規定もございます。
○穀田委員 競走法によると、四十六条ではそう書いてあるということですよね、公正に行わなければならないと記載されている。 ところが、日本財団の公正性に疑問を生じるような事実が問題となっている。今、皆さんにお配りしたのがそれであります。宮城県石巻市の地元紙「石巻かほく」五月二十七日付のコピーです。 石巻市には、小規模の場外舟券売り場、オラレの設置計画がありました。設置者は東京都青梅市です。東京都モーターボート競走会が運営しています。昨年八月に国交省に設置許可を申請し、九月に開設が許可された。しかし、許可の翌日から開かれた市議会で関連の条例案を市長が提案しましたが、否決されました。市議会の反対で計画はストップした。しかし、市は一度計画を断念したけれども、改めて誘致の動きも起こっていると言われています。 こうした中で、オラレを受け入れないと補助金が受けられないという声が出ていると言われます。オラレを受け入れられないと助成金は受けられないのか。配付した記事では、本年度、日本財団に交付申請した石巻市の団体への助成がすべて不採択になった、「オラレ問題が影響?」と報じています。事実関係はどうですか。
○春成政府参考人 ただいま御指摘の石巻市におけるオラレという小規模な場外舟券売り場でございますが、この件についての今御指摘の事実関係はそのとおりでございますが、石巻市のいろいろな団体が助成金の申請を船舶振興会にして、結果として不採択になったということでございます。これは、実際には、新聞記事は若干異なっておりますけれども、全体で八件ほど申請がありまして、うち七件が不採択になったということでございます。 いずれにしろ、事実関係として、それぞれの助成金の審査の結果につきましては、それぞれ合理的な理由のもとに判定がなされたというふうに理解しておりますけれども、ただ、一部に、この新聞の報道にありますように、非常に不適切な御発言があったということは事実でございます。 先ほども申し上げましたように、この交付金を、船舶振興会が得まして、それを助成金として各種事業に交付するということは極めて高い公益性を持ちますので、いわゆる透明性、公平性、公正さというのが求められておりますので、非常に不適切な発言だと思っております。
○穀田委員 不適切な発言だと。 ただ、もう一度言うと、報道によれば「何らかの考慮をせざるを得ない」、こういうふうに書いているわけですね。しかも、六団体助成ゼロ、その後申請したものを、今度は、この報道が出たものでまずいというので一団体を採択しているという経過なんですよね。何か一つだけは採択になったというのではなくて、その点では、六団体が不採択で、その後、こういう記事が出て、もう一遍申請したものをやった、こういう経過なんですよね。だから、ちょっと何となくいいように言っては、それはあきまへんで。 要するに、競艇の施設を受け入れた地域を優先する、それから、施設を拒否する地域には配分しないあるいは減らすということがこの新聞で、設置に反対がある一方で、既に受け入れ、やっている地域も存在する、「二つの状況を勘案した場合、何らかの考慮をせざるを得ない」全くこれは私はけしからぬと思うんですが、再度そのことについて発言を求めます。
○春成政府参考人 先ほども申し上げましたとおり、この助成金の交付については公正かつ公平に透明性を持って行われるべきものと考えておりまして、このような御発言は極めて遺憾であると思っております。そういう意味で、今後、船舶振興会に対して、そういった基本的な考え方について厳正に指導していきたいと思っております。
○穀田委員 きちんと指導するということだと。 そこで、実は石巻だけではないんですね。石巻地域以外でも、場外舟券売り場を受け入れないと、日本財団がやっているので一番多いのは福祉車両なんですが、福祉車両を受け入れられないとの声があります。事実関係を確認し、その点も今後ないようにという指導をすべきだと思いますが、いかがですか。
○春成政府参考人 そのようなことがないように、厳正に事実を確認し指導してまいりたいと思っております。
○穀田委員 モーターボート競走法の五十三条には、国土交通大臣は船舶等振興機関に対し監督上必要な命令をすることができるとありますから、きちんとやっていただきたいと思います。 そもそも、船舶振興会を通じて助成金を配分するやり方自体に私どもは若干異論を唱えて一貫して言ってきました。だけれども、さらに、公正に行うという法の規定すら守らない、言語道断だということだけ指摘しておきたいと思うんです。 今後、そういうことがないように、前も大体財団は不祥事件を一定起こし、何年でしたか、亀井さんが大臣の折には改善命令やそういう文書も出したという経過もありますから、きちんとやっていただきたい、最後にその点だけ指摘をして、終わります。
○竹本委員長 次に、高木陽介君。
○高木(陽)委員 領海等における外国船舶の航行に関する法律案について質問させていただきたいと思います。 我が国は、排他的経済水域は面積でいうと世界で六番目という、日本は小さな国だといいながら、海洋においては本当に世界に冠たる大国であると思うんです。そういった中で、その安全を守っていくという、特にその実務を担っている海上保安庁、いろいろと御苦労があると思う中で、ようやくこういった法律ができるということは喜ばしいことであるなと思うんですね。ただ、これが実効性があるものであるのかどうか、ここが一番大きな問題だと思うんです。 まず最初にお伺いしたいことは、我が国の領海内における不審船や、密輸、密航など犯罪にかかわる船舶または航行の秩序を損なう行為、これらの現状はどうなっているのか。例えば、今回の法律にもありますけれども、やむを得ない理由もなく停留等を行っている外国船舶は一体どの程度になっているのか、この点を最初に聞きたいと思います。
○岩崎政府参考人 領海内で停留や徘回を行っている船舶は、私どもで確認している範囲でございますけれども、年間四千隻ぐらいございます。大部分は、あらしがあったので少し波の静かなところによけるとか、エンジンが故障したとか、こういうものでございますので、こういうものは別に問題があるわけではございませんが、どうも正当な理由がなく何かやっているなというのが、これも私どもの確認した範囲でございますが、平均すると年間十隻程度ございます。 そうしたものについては、この十隻程度、何でとまっているのかというのがよくわからないものもありますけれども、先生がおっしゃるとおり密輸や密航なんかを企てているんじゃないかとか、そういう怪しげなやつも中にはいるんだろう、このように推察をしているところであります。
○高木(陽)委員 やむを得ない理由もなく停留等をしているという、まさに犯罪にかかわるようなことをしているかもしれない、ただ、なかなか外から見ているのではわからないわけですね。 だから、今回は、そういった形の中でさまざまな行動ができるようにするということなんですが、まず、今回の法律をつくること、制定することによって何が可能になるのか、この点をお伺いしたいと思います。
○岩崎政府参考人 今申し上げた、そういう怪しげなやつについては、私どもの方も、見つけ次第、立入検査や退去要請をしておりますけれども、これは今のところ任意の立入検査や任意の退去要請となっております。こうしたものについて、それぞれの怪しげなやつもかなり実効的にはきいているところもありますが、中には、それでもなかなか私どもの任意の立入検査あるいは退去要請に従わない、こういうものも、数は多うございませんが、現実にございます。 この法律はそうしたものに対してきっちり罰則も適用して、強制的な措置を含む必要な措置をとることができるようにいたすというのがこの法案の目的でございます。この法案を通していただければ、私ども、これを使いながら、こうしたものを的確に運用して領海の安全の確保に努めていきたい、このように思っているところでございます。
○高木(陽)委員 今までは任意だったのが今度は強制的に立入検査ができると。任意で立入検査をするときに、まあいいですよと受け入れるということは、余りやましいことをしているわけじゃないわけですね。そこら辺のところで実行可能な形にしていくということは大切だと思うのですね。 その中で、昨年の国会で海洋基本法が成立しました。この海洋基本法第三条で、基本理念の一つとして海洋の安全の確保をうたっている。これもちょっと遅きに失したかなと思うような形でしたけれども、ようやく海洋基本法というのができた。その基本法と今回の法律というのはどういう関係なのか、これも伺いたいと思います。
○岩崎政府参考人 海洋基本法をつくっていただきまして、海洋に関する諸施策を総合的に実施していこうということで、私ども政府としても取り組んでいるところでございます。 海洋基本法には、基本的な施策の一つとして海洋の安全の確保というのが掲げられておりまして、我が国としてもそのための施策を積極的に推進していくことが求められております。また、海洋基本法を成立させていただいたときに、衆参両院でも附帯決議をいただいておりまして、必要な法制度についても積極的に考えるようにというような附帯決議もいただいております。こうしたことを踏まえて今回提案させていただいたということでございます。
○高木(陽)委員 まず、海洋基本法を見て、それに基づいた個別法みたいな形で今回の法律が位置づけられるというふうに思うのですが、その中で、本来であれば、これまでも不審な船、または密輸、密航、いろいろとあったわけですね。現実問題そういう任意でしかできなかったという不都合があったわけですね。何でこれまでこういった法律をつくってこなかったのか、もっと早くやるべきだったのじゃないかなと思うのですが、この点はいかがでしょうか。
○岩崎政府参考人 先ほど穀田先生の御質問に大臣からお答えさせていただきましたように、平成八年当時、海洋利用国家として、我が国はできるだけ海洋の自由を尊重する、海洋の管理的な法案は必要最小限の規制とすべきという考え方でございました。 具体的に申しますと、例えば当時の議論でございますが、日本を含めて世界的に領海三マイルでやっていたところでございますが、領海十二マイルにしようという動きがあって、中には、幾つかの国では領海を二百海里にして、それでその領海内の通航についても必要な規制をしようというようなことも当時の議論としてはございました。 そうした議論があったものですから、海洋をできるだけ自由に使っていきたい、貿易立国としてそうしていきたいというような議論で、平成八年当時、この件については、繰り返しになりますが必要最小限の規制とすべきという考え方で法整備は行わなかったと聞いております。 海洋基本法も成立をさせていただきました、つくっていただきました。それから、諸外国にも同種の法制度がある。それからこの間、北朝鮮の不審船事案であるとか領海の警備をめぐるいろいろな問題が出てまいりました。こうしたことを踏まえまして、今回、法案を提出させていただいたというところでございます。
○高木(陽)委員 日本だけが海洋国家ではなくて、世界各国、海に面している、また排他的経済水域を持っている、そういった国々というのはたくさんある中で、特にアジアにおいては隣国の韓国、さらに中国、境界を海で接しているわけですね。そういったところもある中で、他国では、特に中国や韓国等々、どのような法制度を持ち、どのような対応をとっているのか、お聞かせ願いたいと思います。
○岩崎政府参考人 韓国、中国でございますが、韓国には領海及び接続水域法という法律がございまして、外国船舶の航行に関して規制を行うという制度になっております。不審なものがあれば停船さす、捜索する、拿捕する。中国ですと、そうした執行措置については特に例示的に定めないで、あらゆる必要な措置ができるといったような決め方をしているようでございます。 ロシア、フランス、イギリスなんかにも似たような形の、それぞれ国の事情が違いますので少々法形式なんか違いますけれども、こうした領海の航行に関する規制というのは多くの国でとられているという実情でございます。
○高木(陽)委員 それぞれの国でそれぞれの法制度のもとでやっているんですけれども、日本の場合には、コーストガードである海上保安庁が前面に立ってやるということで、自衛隊等はこの問題に対して積極的にかかわることは余りないと思うんですね。そういった部分で、まさに海上保安庁というのが前面に立ってやる、その中でいろいろな課題というのがあると思うんですね。これは後ほどの質問でもしたいと思うんですけれども、安全をどう確保していくか、こういった問題もあると思います。 その中でもう一つお伺いしたいのは、今回の法律で、外国船舶が停留等をしている場合、通報義務、こういうのをやるんですけれども、この理由というのはどういうことなのか、ちょっと伺いたいと思います。
○岩崎政府参考人 先ほども話がございましたとおり、我が国の領海等というのは、領土より広い四十三万平方キロメートルでございます。こういうところに多くの船がいるわけでございますので、私ども、これが怪しげな船かというのを効率的にちゃんと見きわめたい、こう思っております。 通報制度を設けておきますと、あらかじめ、私はこういう荒天のために緊急入域しますよというようなことを通報していただければ、その船についてわざわざ立入検査等をする必要はないものですから、こうした制度を創設させていただいて、効率的に怪しげな船を見つけるようなシステムにしていきたいと思っているところでございます。
○高木(陽)委員 今長官がお話しになったように、通報があれば、その船はもう大丈夫ですねということで、無駄が省ける、効率的になる、まさにそのとおりだと思うんですけれども、ただ、実効性をどのように担保するかということですね。ある意味でいうと、やってくれればいいんですけれども、やってくれない場合もあるわけですよ。やってくれないと怪しいな、こういう感覚になると思うんですけれども。 それ以外も、冒頭に、停船する、停留したりしているということで年間四千ぐらいだ、こういう指摘がありました。これは、例えばあらし、天候不順による避難だとかエンジントラブル、そういうトラブルがあるときは、一々報告するというよりも自分のところで手いっぱいな部分が結構ありますね。ここら辺のところで、その実効性をどのように担保するか。もう少し言い方を変えると、その後、立入検査、退去命令、これを具体的にどのように行っていくかということにもつながってくると思うんですけれども、この点はいかがでしょうか。
○岩崎政府参考人 一つは、通報自体が非常に手間のかかるものにしますと、船舶の運航者も大変ですし、受ける我々も大変なので、できるだけ効率的なことでやっていきたいと思っております。 通報内容も、船名でありますとか船籍港がどこでありますとか、なぜ停留、徘回するんだといった理由等々、通報事項も比較的限っていきたいと思っております。また、通報手段も、無線でありますとか電信でありますとか、そうしたものでいいよというような形にしていきたい、このように思っております。 それから、立入検査や退去命令をどんな形でやっていくかということでございますが、通報を行っていない船舶でありますとか、あるいは、通報はしたけれども、どうもその通報内容がおかしいんじゃないか、エンジンが故障してとまります、こう言っているのに、見てみたら動いているとか、そんなことがあるので、そうした虚偽の可能性があるものを重点的に立入検査をやっていきたい、このように思っております。
○高木(陽)委員 これまでもそういった不審な状況のときに保安庁が出動してさまざまな対応をしてきたと思うんですけれども、まず、今の通報制度を通報義務という形でやる。これはこれでそれぞれの海上保安部または保安所、いろいろなそれぞれの拠点をベースにしながらやると思うんですね。ただ、これは人員的にどうなのかなと。 業務として、そうやって通報が来る、それで対応で、またそれぞれの巡視船、巡視艇に、こういうことですよ、こういう連絡をし合うわけですね。日常業務ではあるかなと思う反面、こういうことをひとつ法律としてしっかりやる。日本の領海または領海外も含めて、周辺を航行している船というのは本当に多いわけですね。先ほど四千という数字もありましたけれども、そういった中で保安庁の業務自体がふえていくんじゃないかなと、素朴に。 まず、情報システムはどうなっていくのか。または人員的に大丈夫なのか。そして、それが実効性があるのか。ここら辺のところはどうでしょうか。 〔委員長退席、河本委員長代理着席〕
○岩崎政府参考人 今回の業務自体で、通報を受ける、あるいはそれにより立入検査をするということで物すごく急激に業務量がふえるということではありませんが、ただ、私ども、先生御心配いただいているとおり、今でもかなり手いっぱいなところがございますので、全体的に、保安庁の装備でありますとか定員でありますとか、こういうのは充実をしていきたいと思っております。 大臣の指揮も受けながら、この間、保安庁の予算でありますとか定員でありますとか、厳しい状況の中で少しずつふやしていただいております。今後とも、ちゃんと仕事ができるように、体制の強化について努力してまいりたいと思っております。
○高木(陽)委員 日常業務に支障を来さないようにやっていく、まさにそうしていただかなきゃいけないんですけれども、今長官おっしゃったように、現場はかなり手いっぱいになっているわけですね。本当に、いざいろいろな事件が起きたとき、事故が起きたとき、もう不眠不休でやっている、そういうのは日常茶飯事なわけですね。その一方で、海難救助という一つの大きな分野があるとともに、いろいろな刑事事犯も含めて司法警察としての役割も担っている。ある意味では警察と消防が海では一緒になっている。 こういう厳しい状況の中にあって、こういう法律をつくって制度をつくる、これはこれですごく大切なことだと思うんですね。でも、制度ができても現場が対応できないとなれば、何のために法律をつくったんだ。現場の保安官が苦しんでいるだけで、困っているだけでというふうになったら、まさに仏つくって魂入れずみたいな状況になりはしないかな、こういう心配をしているわけですね。 まさに海洋国家日本においての安全をどう確保していくか。国の安全保障という観点だと自衛隊という観点もあるんですけれども、海の場合にはまず第一義的には海上保安庁がしっかり担ってくれているわけですから、その点、絵にかいたもちにしないように、長官も現場をよく回られていると思うんですけれども、ここのところはしっかり状況把握をしながらやっていただきたいと思うんですね。 私も何度も、北海道の第一管区から沖縄の第十一管区までいろいろと見させていただいたことがあります。本当に、現場に行けば行くほどこれは大変だな、こういうふうに思うわけですね。 長官御存じのように、また委員の方でも御存じない方もいると思うんですけれども、例えば、尖閣列島、これは沖縄返還とともに返ってきて、今は二十四時間体制でずっと巡視船がその周辺を回り続けているわけですね。そういったことを知らないで、ただ領海、領土だからということで、ある意味では永田町なり、こういう国会なり、ここの部屋では守らなきゃいけないと口では言えるけれども、やっているその当事者というのは大変なことをやっているということを私たち国会議員ももっと知りながら、こういう法律制定にかかわっていかなきゃいけないなというふうに痛感をしております。 その上で、また次の質問なんですけれども、立入検査ですね。これは今まで任意だった、今度は強制的にできる。そうなると、今度は退去命令等々いろいろな手法があるんですけれども、悪いことをしているやつというのはそんな素直に聞かないわけですね。そのときに拒否された場合、これは一体どうなるんだろうか。この点はどうでしょうか。
○岩崎政府参考人 先生御指摘のとおり、そういうやつは、立入検査をしようと保安庁の巡視船が寄っていくと、多分わっと逃げちゃうというふうなことが考えられるわけであります。そうしたものについて、私ども追いかけていって、ちゃんと停船をさせて、それからその船に乗り込んでいって、その船長を逮捕する、こういう強制措置を含む必要な措置をとることになります。
○高木(陽)委員 強制的に停船をさせるということなんですが、もう大分前になってしまいましたが、平成十三年、奄美沖で、北朝鮮の不審船が逃走した、停戦命令を何度もかけた、でもとまらない、ずっと追いかけていく、最終的には銃撃戦になるわけですね。銃撃戦どころか向こうはロケット砲まで撃ってきた、こういうとんでもない状況というのはあるわけです。平成十三年の十二月でしたから、私もその二カ月後ぐらいですか、鹿児島へ行きまして、十管の当時の本部長またはその船長等々にお話をお伺いしました。被弾された「あまみ」もいろいろと展示をしたりして、保安庁の現実というものを多くの方々が見たと思うんですね。 その中で、ある意味では命にかかわっているわけですね、一歩間違えば。本当に命をかけてやっていただいているんですけれども、海上保安官のそういう安全というものもあると思うんです。ただ単に法律どおり停船の命令をした、立入検査をしようとした、強制的にできるといいながら、相手はなかなか言うことを聞かない、言うことを聞かないから追いかけていって停船させる。でも、停船させるというのはそう簡単なものじゃない。 そうなってきますと、まさに海上保安官の安全をどう確保していくか、これがこの法律の一番大きな肝じゃないかなと思うんですけれども、その点はどうでしょうか。
○岩崎政府参考人 私も長官として本当に、海上保安官の安全の確保を図るというのは私の重要な仕事の一つだと思っております。 北朝鮮の不審船の事案では銃撃も受けました。先生御指摘のとおり、相当の装備も積んでいたということでございます。まず、そうした不審船がどれぐらいの装備をしているか、こうしたことをちゃんと情報収集するのが一つ重要だろうと思っております。それに応じて我々の防御性能、攻撃性能というのをよく考えていかなきゃいけないということが一つであると思います。それから、実際にそうした船に乗り込むときに、個々の保安官にヘルメットでありますとか防弾チョッキでありますとか、いろいろな装備もきっちりしてやらないと大変なことになると思っております。 こうした状況を踏まえながら、また、今回法律を通していただきますと外国船に対しての立入検査も強制的なものが始まるわけでございますけれども、その実施状況なんかも踏まえながら、きっちりしたものにしていくということについてはふだんから心がけていきたいと思っております。
○高木(陽)委員 まさに保安官の安全を最大限確保していかなければいけないと思うんですね。 その上で、保安庁全体の装備の問題。先ほどお話にも出ていましたけれども、人員体制もそうだと思うんですね。いざというときには二十四時間、四十八時間フル回転でやる。人が足りないとどうしてもそうならざるを得ない。さらに、その前の能登沖のときもそうだったんですけれども、北朝鮮の不審船は足が速かった。そういう部分では、かなり高速の巡視船、巡視艇というのが必要になってくる。海上保安庁の装備というのはかなり古いのがあって、ようやく計画的に更新をしながらやり始めている。 これはちょっと大臣にお伺いしたいんですけれども、海上保安庁の予算というのが千八百億前後。ことし、イージス艦が事故を起こしました。事故を起こしたイージス艦の一艦が海上保安庁の予算とほぼ同額ぐらいになっている。一方は、安全を守るイージス艦が漁船を沈没させてしまった。全体で同じ予算の保安庁が一生懸命それを捜索して原因究明をし、こういう何かおかしな話かなと私はちょっと思ったことがあったんですね。 そういうことを考えたときに、自衛隊と比較するというのは余り建設的ではないのかもしれないんですけれども、やはり海上保安庁の予算を含めて、安全の面も含めて、それは海上保安官の安全を守るということだけではなくて、まさに日本の海の安全を守っていくという観点から、装備だけではなくて人員配置もふやしていかなければいけないでしょうし、なかなか財政的には苦しいというような中で、そう簡単にはふえない中で、保安庁の予算というのは徐々にプラスさせていっている。 ここのところは、装備ですから、準備している段階でまた大きなものが起きちゃうとこれはまたとんでもないので、計画はあるんですけれども、これをある意味ではもう少し前倒しするぐらいやっていく、そういったことも必要ではないかなと思うんですが、最後に大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○冬柴国務大臣 御案内のとおり、我が国は四百四十七万平方キロという世界第六番目の大きな海域を保持しているわけでございますが、そのような広いところを守る海上保安の巡視船艇及び航空機は、巡視船艇が三百五十五隻、そして航空機が七十三機ということでございます。ところが、その約四〇%がいわゆる五十年代の建造でありまして、老朽化、旧式化いたしております。 したがいまして、私が平成十八年九月に大臣に就任させていただいたときから、これは代替整備を急がなきゃいけないということで、十八年の補正、十九年の予算、二十年予算というところでその代替整備を急激に進めていただいているところでございます。 なお、要員につきましても、当時、一万二千四百十一名にふやしていただきましたけれども、巡視艇というものは要員がワンクルーでは一日六時間ぐらいしか動かせないわけですよ。したがって、巡視艇があるのに空き巡視艇になってしまっている、動けない、そういうものを何とか解消するために、複数クルー制をとるべく、定員の増ということをこの大変難しい中で財務それから総務にお願いをいたしまして、今順次、複数クルー制の採用について実現を図っているところでございます。 我々は、そのようにして、広い海域における犯罪の防止あるいは海難救助その他、環境問題から、非常にいろいろな問題を処理しなければならない海上保安業務が完全に国民の期待に沿えるようにするために今後も頑張ってまいりたい、このように思っております。
○高木(陽)委員 今、大臣に就任されてからさまざまな手を打っていただいていると。それは本当に感謝を申し上げたいと思いますし、さらにそれを続けていただきたいなと思います。 私も、政務官を二年間やったときにいろいろと現場を見せていただいて、海を守るというのは、海は広いですから、その拠点となるのはやはり陸地なので、日本の一番の端にいつも海上保安庁というのはいるわけですね。 例えば、一番最北端というのは、本来であれば択捉島なんですけれども、なかなかそこは行けないというところで、まず稚内にいる。一番西は与那国ですね、ここにも海上保安官がいる。一番東というのはマーカス、いわゆる南鳥島ですね。これは、まず硫黄島まで千二百キロ、東京から南に下って、その硫黄島からさらに真東に千二百キロ行くわけですね。そこに一辺たった一キロの三角形の島、ここに海上保安官がいるわけですね。さらに、これは常駐はしていませんけれども、日本の一番南というのは沖ノ鳥島になりますから、今度は硫黄島から南西に七百キロですか。私はこれは全部行きまして、日本の端を全部見てまいりました。 そのときに思ったのは、「海猿」という映画またドラマがあって、海上保安庁というのはかなりクローズアップされた。ただ、やっていることはもっとどろどろしている、もっと大変なことをやっているというのは、多くの方々は知らない部分が多いんですね。 だから、ここのところは、やはり広報のことも含めて、本当に陰で苦労している人たちを宣揚できるように、またそのためのバックアップ体制というのに大臣を先頭に取り組んでいただきたいことをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○河本委員長代理 次に、鷲尾英一郎君。
○鷲尾委員 民主党の鷲尾英一郎でございます。 きょうは、領海等における外国船舶の航行に関する法律案につきまして質問させていただきたいと思います。 先ほど来の質疑を拝見させていただきまして、海上保安庁の体制というのは本当に大丈夫なのかと、かなり私の心の中では心配がございます。平成二十年度の予算規模でいくと千八百五十八億円でございますか、人員としては一万二千五百名ということでありまして、世界第六位の海域、先ほど大臣がおっしゃっておりました四百四十七万平方キロメートルを守るということで、本当にこの人員そして装備でいいのかなという気がいたしてまいりました。 この予算の充実ということについてもぜひ取り組んでいただきたいと思うんですが、その前に一つ、今回の法律案につきまして少し質問させていただきたいと思います。 今回は、今まで任意の立入検査もしくは退去要請だったものを、立入検査を忌避した場合に罰則を設ける、そしてまた退去命令を出せるぞということで法律の制定が行われるということでありますが、立入検査をするに当たっては、当然、そこに外国船舶がいて、その外国船舶を停船させなきゃいけないよと。 正直申し上げて、先ほど岩崎長官も、怪しいやつがいる、言うことを聞かないやつがいるということをおっしゃっておりましたけれども、これを停船させるためにはいろいろな方法が考えられると思うんですけれども、今この現状というのはどうなっているのかということについてお聞かせ願いたいと思います。 〔河本委員長代理退席、委員長着席〕
○岩崎政府参考人 これは私どもの訓令でございますけれども、停船のための手続というのをいろいろ定めております。停船を求める場合にはどういう手順でやるか。汽笛なんかを吹鳴して注意を喚起する。それから、拡声器でありますとか旗でありますとか発光信号でありますとか、そんなことで停船の要請を行う。それから、それによっても停船に応じないという場合は、船の進路を規制するでありますとか強行接舷等必要な措置を講じて停船させるということになっております。 ただ、ではこの方法で一〇〇%ちゃんとうまくいっているかと言われますと、かなり努力はしますが、難しいところもないわけじゃございません。相手の船が逃げていくのを停船させるにはちゃんと追っかけなきゃいけませんし、そのためにはスピードも要ります。それから、旋回性能なんかもいい船がないといいコースにちゃんと入れないといったこともございます。そうしたものを含めて充実が必要だろうと思っておりますし、先ほど来御支援いただいておりますが、そうしたことの充実なんかについても努めているという状況でございます。
○鷲尾委員 ありがとうございます。 この実施要領というんですかね、いろいろマニュアルでお決めになっているとは思うんですが、現場で有効な対策をとるというのがやはり最優先されなきゃいけないと思うんですね。最優先されなきゃいけないことをバックアップするような体制を、やはり法律を含めてつくっていかなきゃいけないなと思います。 きのうもいろいろ海上保安庁の方とお話しさせていただきましたけれども、日本の場合はかなり抑制的に、いろいろ基準なりマニュアルなりで運用しているというお話がありました。 少し話を続けますけれども、停泊をさせて、それから今度立入検査をするよという話になった段階も、やはりいろいろ、ある程度細かく、そういうマニュアルといいましょうか、その運用の基準というか、何かつくられているとは思うんですけれども、立入検査というのは本当に身の危険も伴いますし、立ち入る前に身の危険も伴っている場合も想定されるわけですけれども、この立入検査の場合は、どういう形で今、マニュアルの整備等をされているのかについてもお聞かせ願いたいと思います。
○岩崎政府参考人 立入検査につきましても、私ども、一般的な立入検査の運用規則を定めております。保安庁法の十七条の規定に基づきまして、立入検査の場合はどういうことを調べる、あるいはそのときの心構えはどうする、その方法はどういう形でやっていく、制服をちゃんと着用するといったいろいろなことについて、ある程度のルール化、マニュアル化をしておるところでございます。 こうしたもので、この法律に基づく立入検査もやっていきたいと思っておりますが、運用しながら、もし不測のことがあれば、直さなきゃいけないことがあれば、それはそれでまた適切に対処していきたいと考えております。
○鷲尾委員 必要なことがあれば、ぜひ我々も一緒になって考えていきたいなというふうには思うんです。 日本の領海では、不審船、工作船事案、いろいろありましたけれども、こういうものを踏まえて、領海をしっかりと守るために、海上保安庁さんだけじゃなくて、やはり自衛隊とも連携をしていかなきゃいけないと思うんですけれども、この連携を含めて、今現状、政府はどのようなことを進めておられるのかについてもお聞かせ願いたいと思います。
○岩崎政府参考人 領海の警備は、一義的には海上保安庁の仕事だと思っておりますし、そのように整理されておりますが、私どもだけですべて一〇〇%できるわけではないというのも事実でございます。そういう意味で、自衛隊・防衛省との連携は非常に重要だと思っております。 共同対処マニュアルというのを海上保安庁と自衛隊の間でつくっております。早い段階からいろいろ情報を共有していく、事案の発生した場合に海上保安庁と自衛隊との役割分担をちゃんと決めておく、それから海上保安庁が手に負えないといったときには自衛隊に速やかにお願いする、こうしたことはマニュアル等でも決めておりまして、そのようにして万全を期していきたいと思っております。 また、そのための共同訓練も必要でございますので、こうした共同訓練も、自衛隊と私どもの現場の海上保安庁とで、それぞれ巡視船なり、自衛隊の方からは護衛艦なり航空機なんかを出していただきまして、共同訓練をやっているという状況でございます。
○鷲尾委員 ありがとうございます。ぜひ、実質的に動ける体制というのを、連携を密にしていただいて、しっかりとこれからもつくっていっていただきたいと思います。 次の質問に移りますが、今回は外国船舶に通報義務を課すということでございますが、この通報義務について幾つか質問をさせていただきたいと思います。 通報義務を課したよということを、これは日本に往来する多数の船舶に対して周知徹底をまずさせていかなきゃいけないと思いますが、この周知徹底というのをどのような方法で行うおつもりなんでしょうか。
○岩崎政府参考人 周知徹底を図っていかなきゃいけないと思っております。 具体的には、船舶代理店等が日本にございますので、その海事関係者、あるいは海事関係の国際的な団体もございますので、そうしたところへの働きかけで周知をしていったり、それから関係省庁等を通じて周知をしていく、パンフレットやホームページによる周知を頑張ってやっていきたいと思っております。
○鷲尾委員 この通報義務なんですけれども、正当な理由のない通報義務違反に対して罰則は設けられていないということですが、これは実用性をどういうふうに担保していくおつもりなんでしょうか。
○岩崎政府参考人 通報義務は、我が国の領海で停留、徘回をする船舶について課しておるわけでございますので、その多くは、先ほど御説明させていただいたとおり、正当な理由で停留、徘回をしているもの、その正当な理由のある人も通報してください、こう言っているものですから、その人たちを、単に通報してこなかったといっただけで罰則をかけて逮捕していくというような、そこまでは少し過剰ではないか、国際法上でも適当ではない、このように考えております。 ただ、やはり通報はちゃんとしてもらうというのは重要なことでございますので、先ほどの繰り返しになりますけれども、通報制度について周知徹底をしていく、それから個別にも、外国船舶に対して、通報しなかった船を見つけた場合、私どもは立入検査に入るわけですけれども、そのときに、ちゃんと今度からは通報してくださいねといったことを現地でも指導していって、こうしたことの通報義務について実効性を担保していきたいと思っております。
○鷲尾委員 この通報義務ですけれども、実際に通報義務を課したとして、例えば一年間という期間を区切って、どういう期間を区切ってかはお任せしますが、どれぐらい通報というのは生じてくるものなんでしょうか。
○岩崎政府参考人 今、天気の悪いときの避難や機関故障、やむを得ない事由によって停留等を行っているものも含めまして、我が国の領海等に停留しているのは、大体年間四千隻ぐらいが私どもで把握しているところでございます。私どもの把握していないものも少々あろうかと思いますけれども、数字としては、この四千隻強ぐらいで間違いないかと思っております。
○鷲尾委員 四千隻ということで、それぐらいの通報がきっとあろうかと思うんですけれども、一つの観点としては、この通報の義務というのは、私もちょっと想像できない部分もあるんですが、例えば外国船舶に対して通報義務を課しますよといった場合に、外国船舶が逆に通報をする手間がかかってしまって、それでちょっと通報を怠ってしまうということも少しあるんじゃないかなというふうに考えられますが、これは実際、どういう手続になるのかという話が一つ。 あわせて、通報の義務づけということで、当然、新たに四千もの通報が上がってくるということですから、海上保安庁さんとしても、その通報の処理を含めてかなり業務量がふえてくるんじゃないかというふうに考えますが、その場合、今の体制で十分に対応できるのかどうかということについてお聞かせ願いたいと思います。
○岩崎政府参考人 通報のやり方でございますけれども、できるだけ簡易なことでやっていきたいと思っております。必要最小限でいいと思っております。 実際にはどんな形が多いかと申しますと、私ども、十一の管区本部がございますけれども、その管区本部それぞれに、オペレーションルームと申しまして、いろいろな緊急事態に対応するために二十四時間交代制で私どもの職員が何人か詰めておるところでございます。そこは二十四時間で対応しておりますので、いろいろな通信手段を持っております。こういう緊急入域や停泊なんかする船については、これはもう船ですから無線等の通信手段を持っておりますので、紙ではなくて結構です、無線等の通信手段でも結構ですから、何々丸ですよ、船長はだれですよ、こういう理由で停泊しますよといったことを通報してもらえばいい、このように思っておるところでございます。 したがいまして、先ほど高木先生の答弁でもお答えさせていただきましたけれども、これ自体で物すごく業務がふえるわけではございませんけれども、繰り返しになりますが、保安庁は本当に警察から消防からいろいろなことをやっておりますので、私もお話しさせていただいておりますけれども、現場の保安官、身内のことを言うのはなんでございますけれども、本当に頑張っておるなと思っております。何とか働きやすい、ちゃんと仕事ができる環境をつくってやりたいと思っておりますので、定員の面でも頑張っていきたいと思っております。
○鷲尾委員 長官が、働きやすい職場ということで、命をかけていらっしゃる方々ですから、ぜひとも我々もそれは協力させていただきたいというふうに思うところでありますが、次の質問に移らせていただきます。 また立入検査の話に戻りますけれども、今回、その立入検査の機会がこの法律の制定によってふえるのかどうか。それで、ふえるということも含めて、海上保安官の皆さんの危険が増すのかどうか、そういう心配もあるわけですよね。もう一つは、ほかの先生からも質問があったと思うんですが、今の安全確保についてどういう対応をされているのか。そしてまた、訓練の強化もやはり必要になってくるんじゃないかと思います。この点につきまして、今の政府がやられていることの現状をお聞かせ願いたいと思います。
○岩崎政府参考人 一つ目の立入検査の回数、機会でございますけれども、今私ども、外国船に対して、平均すると年間大体一万隻ぐらい、これは港に入っているものに対して立入検査するものも含めてでございますけれども、これが実は大部分でございますが、一万隻ぐらいやっております。 それで、正確に統計をきっちりとっているわけじゃないので、つかみの数になるんですけれども、少し不審な船舶らしいといったものについて、緊急入域しているものも含めてでございますけれども、今、年間大体五百隻ぐらい洋上で立入検査をしているという現状でございます。 私ども、この法律を通していただければ、こうした回数をできる限りふやしていきたいと思っております。すべてのものについてやるというのはなかなか難しいだろうと思いますけれども、せっかくこうした法律をつくっていただいたので、これの施行に合わせて、洋上での立入検査件数というのもできる限りふやしていきたいと思っております。 それから安全の問題につきましては、先ほどもお話しいたしましたとおり、やはりこういう外国船に直接乗り込むという機会がふえますので、そういう意味では、これで直ちに危険が増加するとは思いませんけれども、やはりそういうチャンスが多うございますので、より安全については心がけていかなきゃいけないな、このように思っております。いろいろ装備等についても考えていきたいと思っております。 それから、やはり訓練とかそういうのも非常に重要だろうと思っております。特に、訓練をどういう内容でやっていくかについて、一般的な訓練もありますけれども、やはり、外国船がどういうことをやってくるかよく見きわめて、それに応じた実際的な訓練をやっていくということが必要だろうと思っております。 私ども、現地の管区本部、現地の保安部でそれぞれ工夫しながらやっているのが現状でございますけれども、私ども本庁としても、そういういろいろな情報をできるだけ現場に送って、そういうことをヒントにそれぞれで工夫してちゃんとした訓練をやってもらうということは重要だと思っておりますし、今後ともそうしたことを現場にも指導していきたいと思っております。
○鷲尾委員 ありがとうございます。 この立入検査とか検挙のために、例えば船体を射撃するとか、そういう強硬措置をとる場合もあるわけですけれども、この法律案だと、海外に比べてと言っていいんでしょうけれども、比較的軽微な罪と同程度の罰則を規定しているということですが、外国船舶に対するものですから、余り優しいものでは実効性もやはり薄れるというふうに思うんです。この罰則規定について、今の政府のお考えも少しお聞かせ願いたいと思います。
○岩崎政府参考人 今回、罰則を定めさせていただいておりますけれども、既存の法律の罰則を参考にさせていただいております。 漁業法で、外国漁船が立入検査を忌避した罰則が「六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金」となっております。それから、国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律で、退去命令違反について「一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金」ということになっております。こうしたものを参考にしながら、今回の制度を定めさせていただいたということでございます。 これも、この法案の効果について、ある程度十分な抑止力になっていると我々は思っておりますけれども、実際に法律を施行、運用する中で、もし必要があれば、こうした罰則の強化についても改めて考えさせていただく機会はあろうかと思っております。
○鷲尾委員 それもぜひ、実績も含めて機動的に対応をしていかなきゃいけない事柄であるというふうに私どもも認識させていただいておりますので、よろしくお願いします。 最後に、海上保安庁の体制について、冒頭にも申し上げましたけれども、やはり体制としてはまだまだなんだろうなというのが私自身の実感でありまして、先ほど高木先生のお話、現場でのお話を含めてお聞きしまして、本当にしっかりやっていかなきゃいけないな、我々として何ができるんだろうなと。 一つは、やはりまず現状の認識を常に新たにさせていただくということと、立法府としても、こういうことについては、やはりその予算づけということでは積極的に応援していかなきゃいけないなと。 ですので、この予算については、海洋基本法ができたことによって総合海洋政策本部というのが立ち上がって、それで省庁横断的に議論をしながら話をしておるというのが現状だと聞いておりますが、冬柴大臣はこの総合海洋政策本部の副本部長でおられるということでありますので、長官の話をお聞きして、また私も現状を調べて、精いっぱい配慮していただきたいと思うんですが、総合海洋政策本部の副本部長としてのお立場、本部長たる内閣総理大臣に、しっかりとこの部分について予算をとるんだということの決意も含めて、いま一度、冬柴大臣からのお言葉をいただきたいと思います。
○冬柴国務大臣 ありがとうございます。 私も、海洋基本法が制定されまして、昨年七月二十日、それが施行されるときに、海洋政策担当大臣を拝命いたしました。 現在、先ほど来いろいろと細かく聞いていただきましたけれども、年間に立入検査を三万四千隻やっているんですよ。そのうち一万隻ぐらいが外国船です。それで、海難事故約四千五百件を処理し、中には、荒天の深夜、ヘリコプターで沈没せんとしている船の中へ降下して、そしてそこで助けを求めている人の人命を救助する。大変な仕事だと私はいつも思っております。外国船に乗り込む場合も、外国船よりも性能がいいということがやはり必須ですよ。 私は、そういう意味で、おとつい石垣の方へ参りまして、最新鋭の巡視船「はてるま」、千三百トン、代替整備の先駆けとなる船でございますが、私、進水式も行きましたし、その命名もさせていただいた船でございまして、大変縁が深い船でございますが、それにも乗船をいたしました。そのような新造船というものについて、海上保安官の士気を大変奮い立たせるんですよね。私はそういうふうに思いました。 今、三百五十五隻の巡視船艇の四割が旧式なんですね。したがいまして、これを一日も早く代替整備を進めなきゃいけない。 それから、巡視艇というのが日本の小さな港湾も守ってくれているわけですが、要員が少ないために、二十四時間いつでも通報を受けたら走っていける体制にないんですね。それは複数クルー制というものをとらないと、一番小さな船でも五人要るわけですね。そういう五人だけでは、巡視艇があってもそれを二十四時間運用することができない、そういう事情があります。 したがいまして、これについては、厳しい中も要員の確保ということで複数クルー制をとっていただきたいということで財務省あるいは総務省に申し上げまして、この苦しい中で、やはり、昨年は一万二千四百十一名だったのがことしは一万二千五百四名までふやしていただいているということは、そういう厳しい職務に対する認識が深まって、そして、このように苦しい中でも要員を確保させていただいているというふうに思っております。したがいまして、国土交通委員会の先生方にそのようなものをよく御理解いただいて応援していただければ本当にありがたいというふうに思っております。 もう一つは、石垣で「はてるま」の就役についてのパーティーというのを開きました。これは国土交通省がやったんではなしに、海上保安協会という民間の応援隊がみずから企画をし、そして、その費用が幾らか知りませんけれども、入場券を発売してやっていただいたんですね。 私は、こういうものが日本全国に広まって、海上保安に対する理解とそして協力体制が強力にできれば本当にすばらしいことだというふうに思っている次第でございます。
○竹本委員長 時間が来ております。
○鷲尾委員 大臣、私も応援します。 質問を終わります。
○竹本委員長 次に、森本哲生君。
○森本委員 民主党の森本哲生でございます。よろしくお願いをいたします。 領海等における外国船舶の航行に関する法律案に関しまして質問をさせていただきます。本法律案は参議院先議ということでございますので、既に議論がなされております。重複する部分があるかもしれませんが、御容赦をいただきたいと存じます。 本法案の趣旨や目的につきましては十分に理解をしているつもりでありますし、特に異論があるわけでもございません。むしろ、こうした法案、これは高木委員も申されましたが、どうしてこれまでなかったのかと不思議に感じるほどでございます。 もちろん、本法案提出の経緯につきまして、国連海洋法条約や昨年成立いたしました海洋基本法などとの関連、その中で、近年の世界的な流れ、つまり、徐々に海は管理すべきものという流れに対して我が国も対応をしていこうということだとは理解はいたしております。さらに、最近の資源高騰の動きが構造的で趨勢的なものになっておるとすれば、管理すべきものとしての海という考え方は今後ますます強まっていくものと考えます。 実は、余り宣伝をされておらないようでございますが、海上保安庁の英語名称が二〇〇〇年に、ジャパン・マリタイム・セーフティー・エージェンシーからジャパン・コースト・ガードに変わりました。英語のセーフティーには、犯罪や脅威よりもむしろ事故や災害からの安全というニュアンスがあり、もちろん、航行の安全や救難、防災は海上保安庁にとって重要な任務でございますが、コーストガードにすることにより国境警備というニュアンスが強まることで、外国の同様の組織との連想も含めて、外国からイメージしやすいということではないかと想像をするわけであります。 これは一例ですが、海上保安庁が今後、領海の警備や安全保障という側面に力を入れていこうという思いが働いているのではと私は想像するわけでありますが、このように海上保安庁の力点の置き方が変わりつつあるのではといった点につきまして、大臣の御所見をお伺いするものであります。
○冬柴国務大臣 御指摘のように、ジャパン・コースト・ガードというふうに変更をいたしました。それは、領海の安全確保を含め、海上保安庁が警察機関として行っている業務の性格を対外的に明確に表現していくために行ったものでございます。 北朝鮮による不審船事案という衝撃的な事故がございました。これを引き揚げた船体というのが今もまだ保存されておりますけれども、こういうものを見ましても、四面海に囲まれた我が国におきまして領海の安全の確保は非常に重要である、このように考えております。 あのような船舶によって、船舶といいますか、もう軍艦と言ってもいいような装備を持ったものによって我が国の国民が領海深く侵入されて拉致をされている、そういうことを考えましても、領海の安全確保は非常に重要だ、これは国民の総意だと思います。そのためにも、今回こうした法律を制定していただくことが必要だというふうに考えているわけであります。 さらに、海上保安庁においては、巡視船艇、航空機の代替整備を緊急かつ計画的に進めるとともに、空き巡視艇ゼロを目指した巡視艇の複数クルー化を図って、我が国の領海あるいは内水がすき間なく守られるような、そういう体制に取り組んでいかなければならないというふうに感じているところでございます。
○森本委員 ありがとうございました。 領海の安全もさることながら、警察機関としての役割を明確にということで理解をさせていただきました。また、今御答弁いただいた空き巡視艇につきましては、後でもう少し具体的に質問をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。 いずれにいたしましても、警備という側面に力を注いでいくということ自体は非常に大事なことだというふうに理解をさせていただいております。問題は、今回の法案も含めて、各委員さんも言っていただいておりますが、いかに実効性を高めていけるかというふうに私は考えます。 そこで、そうした観点からお聞きをいたしますが、資料を見せていただきますと、平成十九年において、停留等を行った外国船舶のうち、やむを得ない理由があったのが三千五百八。この中で通報ありが二千四百三十、通報なしが千七十八で、やむを得ない理由がなかったのが十三とあります。 そこで、教えていただきたいのでございますが、この十三については、やむを得ない理由ではないとすればどのような理由だったのか。また、海上保安庁としてどのような対応をし、その結果としてどうなったのでしょうか。立入検査まで行ったのかどうか、お聞かせください。
○岩崎政府参考人 この十三隻でございますが、一隻を除きまして私どもの任意の立入検査に応じましたし、それから、領海外への退去という要請に対してそれに従いました。 一隻を除く十三隻のうち、一隻を除く船でございますけれども、機関故障の修理が終わっているにもかかわらず、まだ機関故障だといってとどまっていたといった船舶でありますとか、天気が荒れていないのに荒天避難をしていた、こんなことを主張しておりました。 一隻は少し特異な例でございますが、これはロシアの船でございまして、ロシアの国内法令に違反しているということで、ロシアの巡視船から追っかけられて日本に逃げてきた、こういうものでございまして、これも私どもの領海に入ってくる正当な理由がないものですから、海上保安庁の方がその船に対して停船命令を出して立入検査をしようと思いましたけれども、この船は、残念ながら私どもの停船命令に従わないで逃走していきました。
○森本委員 長官、立入検査を行った船隻は何隻ですかね。
○岩崎政府参考人 やむを得ないといった十三隻のうち、十二隻は立入検査もやり、退去要請もいたしました。
○森本委員 そうすると、立ち入り拒否をした割合というのは、この逃げられた一隻ということで理解をしていいわけでございますね。 それでは、これまで海上保安庁法に基づいて任意に立入検査をしていたものが本法によって立入検査がしやすくなるわけでございますが、今後この立入検査がどの程度ふえていくか、これは今も質問がありました。ふやしていきたいというような方向で御答弁をいただきましたが、どの程度ふえていくかということについては見込みがつきにくいという理解でよろしいですか。
○岩崎政府参考人 先ほど答弁させていただきましたように、ふやしていきたいとは思っておりますけれども、海上保安庁はほかにも仕事がありますので、どの程度までできるか少しやりながら考えていきたいと思っております。 ただ、少なくともこうした不審なものについては、重点的に、手法もいろいろ開発しながら積極的にやっていくようにしていきたいと思っております。
○森本委員 そうすると、先ほど鷲尾委員の質問にもございましたが、立入検査がふえていくと海上保安官の危険が増していくということは理解をされておるわけでございますね。 そうしますと、海上保安官の武器使用につきましては、ちょっと読み上げますが、警察官職務執行法第七条を準用することになっております。 この規定には、「警察官は、犯人の逮捕若しくは逃走の防止、自己若しくは他人に対する防護又は公務執行に対する抵抗の抑止のため必要であると認める相当な理由のある場合においては、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度において、武器を使用することができる。」と書かれてあります。 問題は、事態に応じ合理的に必要と判断される限度がどの程度であるかでございます。陸上の警察官に比べて海上保安官の方が、相手が外国船舶となる可能性が高いため高度な武器をしている可能性も高いと普通であれば考えられるわけです。とすれば、海上保安官の立ち入りの際に携帯する武器も、それを想定して陸上の警察官よりも高度なものが必要であると考えます。比例の原則というものもありますが、ましてや場所を揺れる船の上でということも考える必要もありますし、この辺はいかがでございましょうか。現行はどの程度の武器を携帯していて、今後はどうしていくのか、お答えください。
○岩崎政府参考人 保安官の携帯している武器でございますけれども、けん銃等を装備させているところでございます。この武器についても、先生御指摘のとおり、やはり何が起こるかわからないので、できるだけその装備については充実させていきたい、このように思っているところでございます。 また、海上でございますのでなかなか武器の使用もしにくい環境でございますので、できるだけ性能のいい使いやすい携帯武器というのを考えていきたいと思っております。その辺のことも含めて予算の充実をお願いしているという状況でございます。
○森本委員 長官がここで武器のレベルを公表するというようなことはなかなか難しい問題だと思っておりますが、運用上よく検討をしていただきたい、そのことをお願いいたしておきます。 そして、これと関連をいたしまして、これも今、高木委員からあったかわかりませんが、不審船の早期発見ということ、長官はこれを効率的に対処するためということで御答弁いただいたと思うんですが、法案第五条、外国船舶の通報義務をここでは定めておりますが、近隣の中国、韓国、ロシアなどはどのようになっておるのか、現状をお聞かせください。
○岩崎政府参考人 諸外国の法律を網羅的に全部調べているわけでもございませんので必ずしも一〇〇%正確ではないと思いますが、私どもで調べた限り、このような形で外国船舶の航行に関する規制を設けている国は、中国、ロシア、韓国、フランス等多くございます。通報義務を課しているのはロシアでございます。中国とか韓国につきましては、通報義務を課しているかどうか、私ども見た限りでは不明でございました。 ただ、繰り返しになりますけれども、こうした通報義務を課すことによって不審な船舶か不審な船舶でないかということがよりわかりやすくなると思っておりますので、この制度というのは必要だろうと思っておりますし、また国際法上、特に禁止されておらないので問題はない、このように思っております。
○森本委員 長官、これは国際的な流れに乗って今回の法案は整備をされていく、その中で通報義務も入っていった、これはきっちりやろうという姿勢、これはよくわかります。 しかし今、中国、韓国の問題については少し、高木委員の質問のときに中国に対しては定めのないとかいう答弁をどこかでされました。中国、韓国がこういう通報義務がないのに日本がこれを通報する。周知徹底をされると言われましたが、これは両者がやることによって私はもっと効果がある。外国船舶が入る中でも、特に中国、韓国は量的に多いですよね。 ここのところの見解はいかがですか。
○岩崎政府参考人 先ほどいろいろな措置が講じられると申し上げましたのは、通報のところではなくて、いろいろなことについて、立入検査であるとか退去命令であるとか、そういう措置について、中国なんかについてはすべての必要な措置を講ずる権限を有する、このように中国の法律を読みますと書いております。 先生おっしゃるとおり、諸外国と同じような制度で国際的に統一される方が、それは外国船舶について国際的にわかりやすい制度だと思います。そういう意味で、私ども、もしこの法律が通りましたら、こういう法律をつくりましたということについては、機会がありましたら中国とか韓国にも話をしていきたいと思っております。 ただ、法律の決め方とか執行の仕方というのは、それぞれの国情、法律の決め方等々違いますので、なかなか、世界的にそうした部分まで一致に至るというのは難しいことかと思います。
○森本委員 長官、もうこれ以上はやりませんが、例えば参議院で広田委員がこのことについては触れられていますね。そのときに、ここでは少し私は問題があると思いますから読み上げませんが、このコメントは、長官として、今でもこの参議院で答えられた思いは同じでございますか。ちょっとそこだけ、広田議員に対して中国の問題について少しコメントされていますね。このことについて長官は、この気持ちは同じですか、今でも。 これは読みません。運用をやっているということですね。ですから、任意でもっていろいろなことがやれる国、やれない国、日本はしっかりと法案をつくって、しっかりやっていくんだと。これは評価しているんですよ。そこのところのコメントはいかがですか。これはもう読み上げません。
○岩崎政府参考人 先生御指摘のとおり、日本の法律というのは割合きっちり物事を決めてやっていくという体系でございます。これはこれで私は日本の法律のすぐれたところであると思っておりますし、海上保安庁も、法律の執行機関として、法律に従ってきっちり物事を進めていくということは重要だろうと思っております。
○森本委員 長官、ここのところのコメントは、このまま、きょうでも同じことを言われますか、任意でもってということで。ここのところはどうですか。少し、私自身は余りこういうことを言われない方がいいんじゃないかと思うのですが。
○岩崎政府参考人 諸外国の制度の状況について、十分な、きっちりした調査なしに軽々に答えるのは必ずしも適切ではないと思っておりますけれども、繰り返しになりますが、日本の法律はこういう制度でできておりますので、きっちりした形でやっていくということについてはそれを守りながらしっかりやっていきたいと思っております。
○森本委員 長官、今のコメントは、私の意向というものもある程度受け入れてこれからコメントするということでよろしいですね。これに対して私も少し感じるところがありましたので、今後よろしくお願いをいたします。 それでは、クルー制についてお伺いします。 体制についてお聞きをするわけですが、今回の法案でもそうですが、海上保安庁に求める役割が大きくなることもあって、今の大臣の答弁もありました、小さくなることはありません。国の環境保護という側面もますます大事になってきていますが、では、そうしたニーズに海上保安庁がこたえていけるかということは、いろいろな問題があるということも事実であります。 今、大臣答弁でも人員の問題がまずあるんだというふうに、私も認識をいたしておりますが、海上保安庁としても、空き巡視艇ゼロを目指して巡視艇の複数クルー制の拡充に取り組んでおられる。 例えば、CL型の巡視艇の場合、ワンクルー制だと即応体制確保率が二二・三。それがツークルーになると当然倍になって四四・七になるんですが、一〇〇%まで高めるためには四クルーの体制が必要なのかもしれませんが、現在、巡視艇全体として即応体制確保率はどのようになっておられるのか。
○岩崎政府参考人 今、平成二十年の一月一日から、CL型巡視艇、これは五人乗りですけれども、この一隻のみ配置されている三十四部署については複数クルー制を導入したところでございます。これで、先生御指摘のとおり、一クルーのときの対応よりも、二クルーになりますので、二二・三%の即応率が四四・七%に上がっていく、こういうことでございます。 それからさらに、大きな巡視船は配備されておりますけれども小さな船が一隻しかいない、こうしたところを中心に今年度から複数クルー制を導入しようということで進めさせていただいているところでございます。 大きな巡視船なり、かなりの数の船がおりますと、ある船が休んでいても別の船が対応できるといったことがございますので、数隻の船を持っている、それも小さな船を数隻持っているところはかなりの即応はできると思いますけれども、繰り返しになりますけれども、小さな保安部、小さな保安署で一隻あるいは二隻しか持っていないというのはなかなか対応できないので、今後こうしたものの充実について心がけていきたいと思っております。
○森本委員 そうすると、長官、即応体制確保率が今どのぐらいかというこの率はなかなか難しいということですか。
○岩崎政府参考人 私も、今、必ずしも全国的に全保安部の即応体制率というのを統計的にきっちり数字を整理して持っているわけではございません。
○森本委員 そうすると、先ほど大臣がおっしゃられた、海上保安庁が人的にもしっかりとふやして頑張っていかなければならないという決意も含めて鷲尾委員の質問に答えられたんですが、空き巡視艇をゼロにするためには、人員としてはどのぐらいの確保が必要と考えられておるんでしょうか。
○冬柴国務大臣 これは膨大なものでございまして、なかなかそうはいきません。したがいまして、我々十一管区まで、北海道が一、そして一番最後の沖縄が十一でございますけれども、それぞれに巡視船艇が配備されておりますが、手薄な場所もございます。 したがいまして、例えば秋田とか酒田とか青森とか、そういうようなところで、この間も北朝鮮の船、木造船が漂着したような場合がありますよね。非常に長い海岸ですよね。そういうところに巡視艇が要るわけですけれども、それを二十四時間配備するということになりますとそれこそ四クルー要るわけですね。ですから、一番小さいものでも五人の乗組員がおりますから、それを二十人配備しなきゃいけないということは、膨大な数になります。 したがいまして、順次重点的に配備をし、そしてまた航空機も七十三機ありますので、そういうのと合わせながら、日本の海、海岸線、これは三万五千キロメートルという世界で六番目に長い海岸線を持っているわけですから、そういうところをすき間なく守るということは大変困難な作業ではありますけれども、ここを何とか順次埋めて、海の安全というものを、海というよりも領土、領海に関するわけでございますので、守れるようにしていかなければならない、こんなふうに考えているところでございます。
○森本委員 ありがとうございました。 次は、巡視艇、航空機の老朽化、そして旧式化についてちょっと伺います。 全体的には非常に、巡視艇では四六%とか航空機四一%とか、耐用年数を超えているものがございます。今年度予算で代替対象のうち、巡視船艇、代替対象約百二十隻では約五割、航空機が代替対象約三十機では約四割が達成できるということですが、今後の計画の中でいつごろ代替が終わるのか。年々代替対象は追加されていくということになるのですが、今後の中期的な見通しをお聞かせください。
○岩崎政府参考人 今緊急整備の対象としていますのは、先生御指摘いただいた、巡視船艇では約百二十隻、それから航空機は約三十機でございますが、これの緊急整備、代替整備は、私ども、二〇一〇年代のできるだけ早い時期にやっていきたいと思っております。 ただ、この後も、今先生御指摘いただいたとおり、また古い船が加わってまいります。その時点でまた耐用年数が過ぎた船が加わってまいりますので、この二〇一〇年代にまずとりあえずの緊急整備をやって、その後、引き続きそうした船に対する対応も考えていかなきゃいけない、このように思っております。
○森本委員 それに関連して、少し不都合な具体的なものがあったら教えていただきたいのですが、一九九九年、能登半島沖の不審船事案のときには、巡視船艇が十五隻で追跡したにもかかわらず、速度の問題などから追いつけなかった、これも大きな問題になりましたが、ほかには例がございますか。
○岩崎政府参考人 特に具体的に申しますと、高速で逃走する密漁船、こうしたものに巡視艇が追いつけなかったといった事例でありますとか、あるいはヘリコプターでございますけれども、夜間の捜索能力、救助能力、こうしたものが不足していて、夜間のつり上げ救助を断念せざるを得なかったといった事例が数多く発生をしております。
○森本委員 それと、装備の機能として古いのか新しいのかということは具体的に個別に見ていく必要があると思っておりますが、現状、防弾率がどの程度なのか、お答えできますか。
○岩崎政府参考人 北朝鮮の不審船事案以降、特に巡視船艇の防弾化についてはきっちりやっていかなきゃいけないということで対応しているところでございます。 その具体的な進捗状況でございますとか性能等につきましては、警備上の観点もございますので、この場での回答は差し控えさせていただきたいと思います。
○森本委員 全体の質問をさせていただいておって、やはりこのあたりはしっかりと整備をしていかないとということを私もお願いしておきます。どの程度のことを具体的にということはなかなか難しいだろう、そのことは理解はさせていただきます。 全体に、私も予算を見せていただいて、海上自衛隊と比べると、まあ比べるところが間違っているといえばそれまでなのかもしれませんが、やはりそういった整備については、同じ海を守るという観点からいっても、自衛隊と比べると非常に整備が奥ゆかしい感じがするのでございますが、いかがでございますか。
○冬柴国務大臣 大変奥ゆかしいと思います。 というのは、海上保安庁はことし一万二千五百四名まで、それまでは一万二千四百十一ですが、台湾は一万四千六百五十六人ですよ。日本の方より多いわけですね。韓国は一万一千六百十五人。多いんですよ。したがいまして、先ほど比較法の話がありました通報義務、これもその少ない人数で、職員一人当たり、経済水域では三百六十平方キロメートルを一人の保安官が守らなきゃいけない。ところが、韓国では三十九平方キロであり、台湾は三十八平方キロと、一人当たり十倍あるわけですね。アメリカは四万六千人もいられまして一人当たりは百六十平方キロですが、日本はそれよりも格段に広いんですね。 したがいまして、そのような通報義務とか、相手方に余り負担をかけない程度で、その捜査の端緒を得るために、我が国ではそういう方法をしていただいたということでございまして、大変人数が少ないんです。予算も少ないんです。しかし、頑張っています。
○竹本委員長 時間が来ております。
○森本委員 これで終わりますが、エールを送る意味でも、私ども家族そろって「海猿」を見せていただいて感動もしましたし、命をかけるという生きざまがやはり人を動かすんだな、そんな思いで見せていただきました。先般も、海上保安庁の関係の職員の方々に入庁当時のお話も聞かせていただいて、私も、かなり訓練をされて立派な方々がお見えになるんだなと。 どうぞ初心を忘れずにこれからも頑張っていただくことをお願い申し上げて、きょうの質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○竹本委員長 次に、川内博史君。
○川内委員 川内でございます。 「海猿」のことが先ほどからずっと話題に出ておりますが、鹿児島でロケをしまして、鹿児島の私の仲間、メンバーも、海上保安庁さんに対しては大変な敬意を持っているわけでございます。 今、大臣から、予算も人員も少ないが頑張っているのだというお話がございました。予算も人員も少ないからこそ、士気高く頑張れるという部分ももしかしたらあるのかもしれない。今国会で大きな話題になりました道路局は、お金があり過ぎるから余計なことまでしていたということがあるのではないかなというふうに思いますが、海上保安庁さんには、本当にこれからさまざまな役目、役割がふえていくんだろうというふうに思います。 そこで、もうさまざまな、具体的な、本件の法案が対象とする緊急入域に関する船の隻数とか、あるいは正当な理由のない緊急入域についてどうしたのかとか、お話が出ておりますので、ちょっとはしょらせていただきまして、大体毎年四千隻前後の外国船舶に対して今回の法律の制定というものの効果がどのようなものなのかということを改めてお尋ねいたしたいというふうに思います。 私の友達の、第十管区の海上保安本部に勤務する海上保安官の友人たちは、この法律ができると本当に仕事がしやすくなると成立を心待ちにしているんだということで、私もこの法律だけは通さなければいけないと思って筆頭理事を務めさせていただいておりますけれども、まず効果をちょっと教えていただきたいと思います。
○岩崎政府参考人 先ほど来答弁させていただいておりますとおり、今まで任意の立入検査とか任意の退去命令でやっておりますものが、今回は強制的にできるということでございます。 先生、今、現場の保安官のお話を言っていただきましたけれども、現場の保安官は、怪しげなやつがいても、任意の権限しかないものですから、私も現場に行ったときに、そういうやつについて歯ぎしりをかむような思いで対応している、こんなことも聞いたことがございます。 そういう意味で、数は先ほど申しましたとおりそんなに多くあるわけではございませんし、こういうことがしょっちゅう起こっているわけではございませんけれども、今そうした任意でやっているものについて、きっちりした対応ができるというのが一つの大きな効果だろうと思っております。 それから、二つ目でございますけれども、将来、こういうことについては何が起こるかよくわからないので、そうしたものについて、これは一役人として少し差し出がましい発言かもしれませんが、やはり国としてこういう法律はきっちり整備をしていくということが私は非常に重要だろうと思っております。そうした主権国家としての領海に対する姿勢というのをきっちり明示していくということも、対外的に必要だろうと思っております。 こうしたことも含めて、提案させていただいた次第であります。
○川内委員 ちなみに、領海等において停留等を行う外国船舶の状況ということで、全体の外国船舶の数については御報告があったわけでございますが、例えば、やむを得ない理由がないということで領海等において停留等を行っていた外国船舶の国籍別の隻数を、平成十七年、十八年、十九年と、年度で具体的な数をちょっと教えていただきたいと思います。
○岩崎政府参考人 まず、ロシアでございますけれども、十七、十八、十九で十三隻でございます。中国は二隻。それから台湾は、それ以前はございましたけれども、この十七、十八、十九はございません。韓国もございません。北朝鮮は二隻でございます。それから、その他が十六隻でございます。 その他の内訳、ちょっと正確な数字まで持っておりませんけれども、カンボジアとかそういうところが割合多くなってきておりまして、これは実は、ロシアでありますとか中国のオペレーターがカンボジアの船籍の船を使ってやっている事例も多くございます。この十六のうち、ある程度の部分のボリュームがカンボジアだったと記憶しております。
○川内委員 北朝鮮の船も、やむを得ない理由がないというふうに海上保安庁としては判断をしたけれども、領海等において停留等を行っていた、平成十九年に二隻という御報告でございますけれども、私の地元の鹿児島県では、いわゆる不審船として追跡を受けた船が、これまた徳之島の私の友人たちなんですが、あの不審船、工作船をその前の日、徳之島の湾内で見たよ、私は見たんだ、おれは見たぞというメンバーが何人かいまして、それは真偽はわかりませんよ、真偽はわかりません、ただ見たという証言だけですから。そういう証言もあるということでございます。 今回のこの法案の第六条の立入検査権あるいは質問権によって、こういうような不審船あるいは工作船の発見にも資するというふうに考えてよいのかということを教えていただきたいと思います。
○岩崎政府参考人 不審船の対応にも積極的に使っていきたいと思っております。 今ですと、少し厳密に申しますと、漁船タイプのものは、漁業法で強制的な立入検査規定がございますのでそれを使えるんですけれども、漁船タイプじゃないような、一般的な商船タイプのような形に偽装した不審船がもしあるとすれば、こういうものについては、こうした領海でうろちょろしていても、立入検査権限がない、強制的な権限がないものですから、これは漁業法は使えない、こういうことになります。 この法律を通していただければ、そうしたものにもきっちりした対応ができると思っております。
○川内委員 そこで、ちょっと海上保安庁さんの認識というか考え方をお尋ねしておきたいんですけれども、最近、不審船の認知件数というのはゼロである、この何年かですね、不審船、工作船についてはゼロだということでございます。 ただ、私が地元でいろいろな人から、いろいろな人と話をするわけですが、鹿児島の奄美諸島、あるいはトカラ列島、三島村、十島村というようなところは無人島もたくさんある、そういうところは覚せい剤などの絶好の取引場所なんだ、だれにも見られずに、夜陰に乗じてそういう取引が行われているのではないかというようなことを地元の人たちでうわさ話をしたりするわけですが、実際には、ここ数年、不審船も工作船も認知をされておらないということでございます。 平成十九年の警察白書などを見ると、実際に、検挙された押収量はがくんと減っているわけですね、一時期より。それは大捕り物が少なくなっているから。末端をいっぱい捕まえているということだろうと思うんです。 しかし、こういう書き方をしてありますね。「十八年に検挙した事件の捜査を通じ、十三年十二月に沈没した工作船が我が国への覚せい剤密輸を企図していたこと、十三年春にも工作船の工作員による密輸が敢行されていたことが解明されたところであり、これら捜査の結果から判断すると、覚せい剤の密輸に北朝鮮当局の関与が認められる。」とこれは断定していますね。北朝鮮当局の関与が認められると断定している。「また、十五年以降に押収した覚せい剤の中にも北朝鮮が仕出地」、北朝鮮でつくられたもの、「であると疑われるものもある。警察では、北朝鮮ルートの覚せい剤密輸入に重大な関心をもち、関係機関と連携した水際対策の強化、諸外国と連携した情報収集等に努めている。」「北朝鮮を仕出地とする薬物密輸入事犯の根絶のための国際社会への働き掛けを推進している。」というふうに警察白書では書いてありまして、「北朝鮮を仕出地とする覚せい剤密輸入事件」という地図とかグラフの中には、大体海上取引、洋上で取引をしていますよというポイントが示してあるわけでございます。 薬物事犯に関して、海上保安庁さんとしては、洋上での取り締まりあるいは水際での摘発というものが非常に大事だね、強化するよというふうに考えていらっしゃるのか、それとも、もう全体としては少なくなってきているんじゃないのというふうに思っていらっしゃるのか、どちらでしょうか。
○岩崎政府参考人 先生御指摘のとおり、洋上、水際の対策というのは私ども非常に重要だろうと思っております。頑張っていきたいと思っております。 一つは、今、先生、警察白書を読み上げていただきましたけれども、関係機関と連携してちゃんとした情報をきっちりつかむことが重要だろうと思っております。なかなか広い海域なのですべてを回っていくわけにまいらぬものですから、そうした情報を的確につかんでいくということが一つ重要だろうと思っております。 それから、二つ目に重要なのは、ふだんからそういうパトロールをしていないと、怪しげな船というのは、ふだんから状況をよく見ておかないと、これが怪しいか怪しくないかなかなかわからないものですから、そうしたことについても、勢力が少ないのでなかなか難しい中、心がけているところでございます。
○川内委員 そこで、ふだんからよく見ておかぬとわからぬよ、そういう水際での対策、摘発というのは大事だ、しかし、よく見ていないとわからない、私もそうだろうというふうに思いますが、では、組織の体制というものが十分なんですかということになるわけでございます。 きょうは、その組織の体制についてずっと質疑が行われてきて、老朽化したものを更新していきますよという御答弁であるわけでございます。さらには、ちっちゃな艇については複数クルー制を導入していますよということであるわけでございます。 先ほどから大臣も何回もおっしゃっているとおり、私の地元の第十管区にしても、例えば三島村とか十島村とか、非常に点在する島々、あるいはその中には無人島もある、すばらしい自然環境で、ちょっと地元のPRをさせていただくと、その三島村、十島村でつくられるお塩というのは最高のお塩だったりとか、また、副産物でできるにがりは日本で最高の豆腐をつくるためのにがりとして全国から引っ張りだこだったりするぐらいすばらしいところなんです。 そういうところで、他方で不審船あるいは工作船が暗躍しているのではないか、さらには、そういう島々の救命救急、災害時の対応ということも海上保安庁さんには頑張っていただかなければならないということで、本当に八面六臂の御活躍をしていただかなければならないし、そのための十分な士気の高さも海上保安庁の保安官にはあるというふうに私は思っております。 そこで、最後に大臣におまとめをいただきたいんですけれども、この装備、平成二十年度予算で千八百五十億円ですか、イージス艦一隻とそんなに変わらない予算で海上保安庁は運営をされているわけで、冒頭、予算が多ければいいというものでもないと私は思いますけれども、しかし、それにしても、必要な人員、必要な装備についてはしっかりと確保をし、さらに士気を高めていくということは必要であろうというふうに思いますので、最後に大臣に、海上保安庁の組織体制の整備について御決意を承って、質問を終えたいと思います。
○冬柴国務大臣 海洋基本法、その中にも、海の安全の確保、あるいは、四面環海の我が国におきましては、貿易量の九九・七%が外航船舶によって運ばれているわけでして、そのうち食料も六一%を外国に仰いでいる、そういう中にあって、広い海域を守るこの海上保安が韓国あるいは台湾の人員から比べてもほぼイーブンということでございますので、いかに始末しているかがよくわかっていただけると思うわけであります。 その上、私は、この間の「はてるま」というのが代替整備の先駆けでございますが、大変すぐれた性能をいろいろ持っております。先ほどの夜間についても、赤外線で全部見えます。そういうことで、やはり装備というものが最新化されることによって守備範囲も広がるわけであって、船艇の数だけふやしたらいいというわけじゃなしに、一隻が持つ能力を高めることによって、国民が期待される海の安全というものが十分に果たされるんだろうと思います。 ただ、巡視艇も、佐渡島にも私行きまして、そこでも見せていただいたのは、最新のデジタルです、そして夜間も見ることができるわけでありまして、そういうものが全国の諸所に配備されることによって、この海の安全というものが、人員は少なくて装備の数も外国から比べて格段に少ないけれども、その能力は非常に発揮できるというふうに思います。 そういう意味で、私も、ことしはこの巡視船艇、新規九隻、そして継続、今建造中が二十五隻と大変大きく頑張っていただいておるわけでございまして、航空機も新規三機と継続七機、二十年度予算は三百九十五億円、代替整備をするために確保させていただきました。 今後も、要員の確保とともに、そのような、装備が新しくなければ、相手と対峙するときに、やはりこちらの装備がすぐれているということが抑止力に働く、これはもう間違いないわけでございますから、その面でも頑張ってまいります。よろしくお願いしたいと思います。
○竹本委員長 時間が来ております。
○川内委員 終わります。
○竹本委員長 次に、後藤斎君。
○後藤(斎)委員 民主党の後藤斎でございます。 ちょっと質問通告にはないんですが、大臣はきょうはシートベルトをして出勤をなさったでしょうか。
○冬柴国務大臣 もちろん、六月一日からきちっとやっていますし、その前も、私は後部座席にいつも座って、そしてできれば燃料も少なくやろうということでハイブリッドカーに乗っておりますが、私は、後ろに座るときにあれをつけた方が楽だ、長距離を走る場合も、そういう意味である程度習慣がついておりますので、シートベルトはきちっとしております。
○後藤(斎)委員 大臣にお答えをいただいたように、もう一九八五年から、一応、努力義務で後部座席のシートベルトをしなさいよということがあったにもかかわらず、六月一日日曜日から義務化をされて基本的には行政処分の対象になるということで、私は助手席に基本的には乗るようにしているんですが、私も以前からやっているんですが、きょう、バスに乗っていてもなかなか見つからないんですね。 今一番困っているのは、タクシーも私はよく乗るんですが、タクシーの運転手さんとかの背中のところに、義務化がされますよ、ぜひしてくださいよというのがあるんですが、なかなか一般道では、去年の統計では八・八%くらいの方しかしていない。実際、タクシーに乗る場合、私もほとんど今まではしていませんでした。 ですから、これから、タクシー業界にしても、後でお聞きをしますが、ただでさえ非常にお客さんが離れてしまって大変だという状況であります。あわせてバス業界も、よく言われているのは、今までバスガイドさんも立って後ろの方へ向かっていろいろな案内をしていたにもかかわらずそれがなかなかできなくなるとか、高速バスも基本的にはこれからは義務化ということで、これが一番厳しい部分でありますけれども、シートベルトがうまく見つからなくて例えば運転手さんと口論になったりということ、やはりこれも、国交省も当然今まで警察庁ともいろいろな協議をなさってきたと思うんです。 やはり実際に義務化の部分がスタートをして、やはり業界に、混乱まで行くかどうかというのは、まだとりあえず指導にとどめるということで、警察庁もお話をされているようでありますが、その点について、これから、タクシー、バス業界を所管する国交省としてどのようなお取り組みを、例えば義務免除を少し先に行かせるとか、そういうことも含めてどのように対応なさるのか。冒頭、簡潔で結構ですから御答弁をお願いいたします。
○本田政府参考人 お答え申し上げます。 まず第一に、私どもとして、輸送の安全の確保、これは公共交通の最大の使命であり、かつ、被害軽減対策の推進は最も重要だと考えております。 したがって、今回の改正道路交通法に伴う後部座席シートベルトの着用に関しましては、タクシーでありますと全国乗用自動車連合会、そしてバスでありますと日本バス協会などを通じて、これまでにも後部座席シートベルトの着用を徹底していただくための要請とともに、今先生がおっしゃいました、常に使いやすい形で維持されるというようなことのお願い、かつ周知徹底を行っております。 ただ、いよいよこれが実施されるという段になりますと、とりわけ、タクシーなどにおきまして、お客様に言ったにもかかわらずお客様に守っていただけないといったような事態もあろうかと思います。そうした旅客運送事業者の免責に関しましては、警察庁によりますと、運転者が乗客の方にちゃんと注意を喚起する、あるいはステッカーを張るなどして十分お客様にお願いをしたということがあれば、相当な努力をしたと認められる場合には、運転者に対して責任を問うことは難しいというような見解をちょうだいしております。 したがって、事業者、運転者に対しては、いずれにしましても、お客様にシートベルトを着用してくださいということをちゃんと言っていただくということをお願いしております。それと同時に、やはり、とりわけタクシーの場合には、それを守っていただかないお客様との間でトラブルが起こることが十分考えられます。 したがって、全国乗用自動車連合会などに、トラブル防止のための対策についても検討するようお願いするとともに、これは利用者となられる一般国民の方々に周知あるいは理解をお願いすることが最も大事だと考えますので、関係団体とともに私どもとしても、ホームページなどを通じてこういった着用の周知を図ってまいりたい、こう考えております。
○後藤(斎)委員 ぜひお願いしたいのは、最後に局長がお答えいただいたように、周知という点では、報道でも五月の三十一日ないし一日、二日、きょうも含めてかもしれませんけれども、かなり短い期間でいろいろな報道をするんですが、その後というのはそういう状況に多分ならないと思うんですね。 例えば著しい肥満であるとか、妊婦さんであるとか、けがをしているとか、いろいろなことで義務免除の規定も当然あります。いや、おれは太っているからやらなくていいだろうみたいなことで、どの程度かという程度問題も当然あるので、やはり例外を認めると必ずそういうことになるので、ぜひ、ドライバーさんがきちっとした周知をすれば行政処分を科されないような、先ほど、そういうふうなことも警察庁の方から情報としてとっているという、それもまたきちっと業界の方にも徹底をしていただければというふうに思います。 済みません、あと幾つか、法案に入る前にお尋ねをしたいことがあります。 住宅着工件数の問題については、この委員会でも今国会でもかなりの委員から質疑がありました。国交省さんが従来からお話をしたのは、ことしに入ってから多分審査も徐々にふえ、大丈夫だろうというお話は聞いておるんですが、実際、四月の住宅着工も実質で八・七%減少し、十カ月連続のマイナスである、特にマンション系について非常に低迷をしているということの報告がございます。 この点につきましては、審査の強化ということだけではなく、個人消費、給与所得の低迷ということも当然あると思うんですが、この点について国交省としてはどのような認識を持たれ、対策を講じられるとしたらどのような対策を講じていくおつもりなのか、簡潔で結構ですからお答えください。
○和泉政府参考人 まずは基準の改正での混乱、おわび申し上げます。 この委員会でも御報告させてもらいましたようなさまざまな手を打ちまして、情報提供、技術的支援等に取り組んでまいりました。 住宅着工でございますが、昨年九月の六万三千戸、これは年率換算で七十三万戸、対前年同月比四四%減でございますが、それを底に回復してきております。直近の四月の水準でございますが、これは改正法施行後、単月では最高の九万八千戸になりました。これは年率換算しますると百十五万戸でございます。ただ、対前年同月比で八・七%減と、一応、対前年で一けた台の減少幅となっております。 また、確認件数あるいは確認申請件数についても同様の状況でございます。 加えて、今委員御指摘のように、このところの景気回復の足踏み状態、あるいは住宅市場に関しましても、国内外の金融資本市場の変動あるいは資材価格の高騰、こういったことがございまして、まさに委員御指摘のような分譲マンションの在庫がふえるなどの状況がございます。こういった市場の動向につきましては引き続き注視してまいりたいと思っております。 加えて、今までの努力をさらに加速するために、例えばピアチェックが要らなくなるような型式認定、こういったものを追加するとか、加えて、こういったことの影響が中小企業に及びますので、引き続き関係機関と連携して、セーフティーネット貸し付け、融資、こういったものについて万全を期してまいりたい、こう考えております。
○後藤(斎)委員 局長、今の部分は現状ですが、いわゆる姉歯問題からスタートして、昨年六月からの審査基準の強化ということに加えて、来年の平成二十一年の十月一日から住宅瑕疵担保履行法が実質スタートをすることになっています。これは、十月一日時点で新築住宅を引き渡すには保険加入または保証金の供託のどちらかを選択しなければいけない、そうでなければ引き渡しができないということであります。 この中には、保険会社を指定する指定保険法人というのがありまして、現在までようやく二法人が何とか指定をされたということであります。 細かくはまたいずれかの機会でお尋ねをしたいと思いますが、実際、今まで自主的に保険を掛けていた世帯というのは、一戸建て、マンションを含めて年間大体二十万戸だというふうに言われています。そこに要する検査員の方の人数が三千二百人程度だというふうにお聞きをしています。保険が義務づけられると対象が、先ほどお尋ねをしたような住宅着工件数が減るのかどうかということも当然ありますが、今の推移で見れば、年間八十万から九十万戸の新築住宅が販売可能になるというふうなことで、この二十万戸と現状を比べると、保険対象というものが四倍から五倍くらいになるという現状の中で、検査員の方は、国交省が目標にしているのは三千二百が五千人、一・五倍にすればいいということであります。 取扱件数というのが四倍から五倍になるということで、検査員の不足ということで、また審査強化と同じように、第三か第二かは別としても、国交省発官製不況ということになりはしないかという懸念を持っている一人でもありますが、その点についてはこれからどのように運用なさっていくんでしょうか。
○和泉政府参考人 事実関係はまさに今委員御指摘のとおりでございまして、私どもも非常に心配して、そういった轍を踏まないように十分な情報提供等々をしなくちゃならないと思っています。 まず御指摘の保険法人でございますが、五月十二日に二法人を指定しました。現在、四法人を追加で審査中でございますので、要件が整い次第速やかに指定してまいりたい、こういったところでございます。 加えて、今委員から五千人という話を紹介していただきましたが、五千人で足りるということでなくて、最低限この程度は必要であろうと。ただ、保険法人の作業が始まりますので、その状況を見ながら、不足があれば追加していくという構えでやっていきたいと思っております。 ちなみに、その検査員の資格でございますけれども、広く一級建築士、二級建築士等が検査員になれますので、それについては順次、保険法人における必要人数を勘案しながらふやしていく努力をしていきたい。加えて、まさに来年の十月一日から保険に入るためには、その前に検査を受けなきゃならない、こういったことがございますものですから、周知徹底については従来以上に万全を期したい。 一例を挙げますると、すべての建築業あるいはすべての宅建業に対してこういった問題をダイレクトメールで注意喚起して、こういった状況になっているんですよというようなことを知っていただくとか、あるいは来年の十月一日以降に引き渡される予定のマンションについて個別に把握して、その供給事業者に対して今の状況をお知らせするとか、スムーズにこの法律が施行されるように最善の努力をしてまいりたい、こう考えております。
○後藤(斎)委員 次に、この間も大臣にお尋ねをしましたが、四川省の大地震で今なお、一千万人なのか四千万人なのかちょっと別としても、被災されている方がたくさんいらっしゃいます。亡くなられた方が八万人と言われていますが、そのうちの象徴的なのは、校舎が崩壊をしてということで小さな子供さんが集中的にお亡くなりになりました。 それ以降、国としても、文科省も、学校の校舎の耐震化への補助率を上げて促進をしようという動きがあるんですが、いろいろ考えて、結局は、避難所というのは通常であれば公園であるとか学校であるとか市町村の役場であるとか、そういう公的機関が多分多いと思います。お話を国交省にお聞きしましたら、地方公共団体における耐震改修促進計画の策定というのは、都道府県では一〇〇%策定済みということになっていますが、市町村ではまだ四五・一%だというふうにお聞きをしています。 そういう中で、自治体でもなかなか財政的に余裕がないとか、もちろんいろいろな理由の中で、学校の校舎も含めて耐震化がおくれている地域も財政力という裏返しの部分であるんですが、その点について、国交省としては、トータルした住宅政策そして災害政策も御担当なさっている省としてはどのように対応をなさっていくのか、これも簡潔で結構ですからお教えください。
○和泉政府参考人 委員御指摘のとおり、地震における死者数を減らすためには、耐震化がその最大の課題でございます。 ちなみに、今委員は学校を例に挙げられましたが、例えば庁舎とか学校とか公民館みたいな、防災拠点となる公共建築物の耐震化率はまだ六割でございます。これを引き上げていくことが大事でございまして、現在、阪神・淡路大震災の直後につくられました耐震改修促進法の改正を受けまして、目標としましては、そういった建物については九割の耐震化を実現する、こういったことを目標に頑張っております。 今、まさに委員御指摘のとおり、都道府県についてはすべて耐震計画ができましたけれども市町村はまだ四五%。こういったものを各市町村に対して働きかけまして引き上げると同時に、いわゆる支援面につきましても、これは平成二十年度の予算で、従来の予算額は、平成十九年度の国費は百三十六億円でございましたが、これを二十年度に百七十億円に引き上げました。 加えて、いわゆる避難所となるような建築物に対する補助率を、従来は国が七・六%、地方が七・六%と極めて薄かったわけでございますが、これを一気に、国は三分の一、地方は三分の一、合計三分の二、こういった形に引き上げまして、支援についても強化してまいっております。 学校のみならず、いわゆる地震時に避難所となるような建築物の耐震化促進について、引き続きこういった支援措置の強化も含めて努力してまいりたい、こう考えております。
○後藤(斎)委員 大臣、さっき私はタクシーの話をしましたけれども、東京のタクシー料金の初乗りが七百十円に上がって、ちょうどきょうで半年になります。 この半年間に何が起こったかというと、ドライバーの方の給与を上げたいというのが重立った目的だったはずなんですが、なかなかドライバーの方の給与も上がっていない。むしろ、売り上げは、ずっとこの半年間、継続的に落ち込んでいる。特に四月なんかは、一台当たりの営業収入というのは昨年に比べて四・五%も落ちてしまった。一方で、原油が高騰して、燃料価格が非常に高騰している。その転嫁もすぐできない。当然、その需給の中で決まる。一方で、先ほどもありました、個人所得や給与所得も減っていて、なかなかタクシーに乗りたくても乗れないという、いろいろな要素が絡んでいるのはよくわかってはいるんです。 今、国交省として交通政策審議会で議論しているという話はしていますが、やはり、すぐできること、これから少し時間をかけてやることというふうに分けながらきちっとした対処をしていかなければ、タクシー業界、ドライバーさんからも、経営者の方からも、おい、このままじゃもうおれたちどうしようもないよ、廃業だよというお話もよく聞きます。 その点について、現状認識とこれからの対応について、簡潔で結構ですから御答弁いただけますか。
○本田政府参考人 タクシー事業の状況でございますが、長期的に輸送需要が低迷しております。また一方で、地域によっては非常に車両数が増加するといったことあるいは燃料価格の高騰もありまして、総じて非常に厳しい状況に置かれております。とりわけ、その影響がタクシー運転者の労働条件に影響しておるかと思います。他の産業と比較して著しく低い賃金水準に置かれていると我々も認識しております。 これまでの対応としましては、まず、一昨年以降、やはり全国各地から消費者の理解を得ながら運賃の改定をしたいというお話がございました。これは、運転者の労働条件の改善を主な目的とするということから、私どもも順次改定の処理を進めております。今後、こうした運賃改定の趣旨に沿って確実に労働条件の改善がなされるよう、指導してまいりたいと考えております。 それから第二に、供給過剰の問題につきまして、昨年、緊急調整措置についてその指定要件を見直し、本年一月から仙台市を緊急調整地域に指定しましたし、それ以外の地域におきましても、供給過剰ぎみの地域につきましては、昨年十一月から、労働条件の悪化や不適切な経営を前提とした安易な新規参入、あるいは増車を抑制するための措置を試行的に今実施しております。 また、本格的な制度の見直しにつきましては、本年二月から交通政策審議会のワーキンググループにおいて御議論を賜っておりまして、今までのところ、全国各地の事情をいろいろ御紹介した上で、論点の整理を行う段階まで来ております。今後、秋から年末にかけて、さまざまな角度から具体的な制度設計についてしっかりした御議論をいただく予定でおりまして、私どもとしては、その最終的な取りまとめをいただいた上で、それを見据えて新たな制度の見直しを図ってまいりたい、こう考えております。
○後藤(斎)委員 今まで最近のいろいろなことのお話をちょっと聞いたんですが、きょうのメーンの部分にちょっと入ります。 先ほど予算の充実、整備の充実、人員のさらなる確保という、いろいろな観点からお話がありました。今、要するに燃料価格が非常に高騰しています。一千八百五十八億の二十年度の予算のうち、燃料費は維持費等一般経費というところに入るということでよろしいでしょうか。 平成二十年度の単価というのを燃料で見させていただくと、例えば、軽油なんかはリッターで見ると七十六円、ガソリンは百三十八円ということですから、それから比べると三割とか四割上がってきているわけですね。軽油は何でこんなに安いのか知りません、倍ぐらいになっているわけですね。となると、大臣が限られた中で一生懸命やるんだというお話をしても、実際、燃料がなければ飛行機も飛ばないし船も走らない、かつかつにするのは当然必要なことかもしれませんが、必要なところにやはり予算の充当ができなければ、整備の更新も当然できませんし、今ある船でさえ走らないということで困るわけですね。 何のための予算なのか。海を守り国民の生命財産を守るという、海上保安庁の本来の仕事ができるかどうかというのは、私は、何らかの形でこの手当てというものを、これはほかに当然ありますけれども、特に、私が今回のいろいろな議論をきょうも聞いていて、やはり予算という部分で、今ある部分をどう、例えば燃料高騰に対応してやるかというのは本当に喫緊の課題だと思うので、その点について、大臣、やはりきちっと財務省とかけ合って、海を守り国民を守るという視点から大切なんだということで、そうしないと海上保安庁の職員の方が少しずつけちけちして、いや、きょうは百キロ行かなきゃいけないのを五十キロにしようとか、それじゃ困るわけで、ということをやはり遺漏なきようにするには、ぜひ大臣がきちっとやはり発言をしていただくということが必要だと思うので、その点について大臣いかがでしょうか。
○冬柴国務大臣 まさに一番頭が痛いところでございます。 そういう中でも、私は、おとついでございますが日曜日に石垣へ行きまして、海上保安協会という任意の団体、いわゆる応援団でございますが、そこの方々から聞いた話はすばらしい話だった。 あそこでは離島がたくさんありまして、急病人が出ますと、海上保安庁のヘリコプターで患者を搬送してもらっている。一体一年間どれぐらいだと言ったら、九十回出動したと言うんですよ。では、その油代はどうなっているんだと言ったら、いや、それは自分の方の自前の中からやりくりしてやっているんですと。それぐらいはやはりこれは別枠でだれか出してもらわないと大変だねということのお話をいたしました。海上保安協会に加盟いただいている御婦人たちのお話でも、そのように我々は海上保安に救っていただいたという体験があって、どうしてもこれは応援したいんだという話がありました。 私も、そういうことも具体的に知っておりますし、燃費の高騰が必要なものまで削減しなきゃならないようなことにならないように予算要求その他でしっかり頑張ってまいりたい、このように決意をいたしております。
○後藤(斎)委員 千八百五十八億を国民一人当たりで割ると、海上保安レポートの平成二十年号にも出ていますけれども、千四百五十円なわけですね、国民一人当たり。そういういろいろな予算の捻出というのは当然政府の中でやってもらわなきゃいけないんですが、それでどれだけプラスの面があるかというのは、当然財務省との予算の査定の中ではお話をされていると思うんです。やはりその部分のきちっとした確保というのは、これは人件費込みですから、僕は初め人件費を抜いているのかなと思ったら、人件費込みなんですよね。という中で、人件費も九百八十一億を一万二千人で割るとどのくらいかということが出てきますけれども、いや、これで本当によくやっているなというふうに多分ほとんどの方が思うんですね。 やはりそこはきちっとした根拠の中で、大臣が先ほど来お話をされている、ほかの国よりもはるかに少ない人数で広い面積、そして効率的にやっているということも含めて、なおかつ私は、大切なのは、平成十一年の能登半島の不審船以降で、関係機関との連携というものがやはり必要だと思うんですね。今回の臨検をどうするか、立ち会いをどうするかというときに、やはり不測の事態というものが当然想定をされながらやる。 そういうときに海上自衛隊との連携というものもどうしているかというのは、いろいろ共同マニュアルみたいなものをつくってやられるというお話もありますが、やはりそれをもっときちっとやる、そして情報管理をしながら、二度とそういうことが起こらないようにするために何がということで、今回の法案も当然海上の安全の確保ということで提出をされていますから、ぜひ総合的に大臣に、人、物、金、そして他省庁、他機関との連携、そして国際連携も含めての対応をお願いしたいと思いますが、最後に御決意をお伺いしたいと思います。
○冬柴国務大臣 御指摘のとおりでございまして、領海等の安全を確保するためには、防衛省等との連携が重要と考えております。 平素から、防衛省との間におきましては早い段階からの情報の共有などを行っておりまして、特に不審船、工作船対策につきましては、自衛隊との共同対処が的確に行われるように共同対処マニュアルを作成したり、あるいは共同訓練等を今も実施しているところでございます。 領海等の安全を確保するためには、防衛省はもとより、内閣官房など関係機関と連携し、適切に対処をしてまいりたい、そのように思っております。
○後藤(斎)委員 以上で終わります。ありがとうございました。
○竹本委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○竹本委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 領海等における外国船舶の航行に関する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○竹本委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○竹本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○竹本委員長 次に、内閣提出、空港整備法及び航空法の一部を改正する法律案を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。国土交通大臣冬柴鐵三君。 ————————————— 空港整備法及び航空法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○冬柴国務大臣 ただいま議題となりました空港整備法及び航空法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。 近年の経済のグローバル化に伴い、アジア地域が急速に発展する中、四面環海の我が国においては、世界の活力を成長のエネルギーとするため、人流、物流の両面における世界に対する窓口である空港について、国際競争力を強化していくことが喫緊の課題となっております。 一方で、急速な少子高齢化の進展、産業の空洞化等を背景にして、我が国では地域の活力の減退が生じているため、地域における広域的な交通の拠点である空港においては、国内外の人や物の流れを活発化させることにより、観光振興や物流の高度化等を図り、地域の活力を向上させることが不可欠となっております。 このような状況において、我が国では空港整備が概成しつつある一方で、引き続き航空需要の着実な増大が見込まれるため、今後は、既存の空港を十分に活用するとともに、多様化、高度化する空港利用者のニーズに的確に対応し、空港のより的確な運営を図っていく必要があります。 このような諸課題に対応するため、この法律案を提案することとした次第です。 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。 第一に、国土交通大臣は、今後の空港の中長期的な整備及び運営のあり方を明示するため、空港の設置及び管理に関する基本方針を定めることとしております。 第二に、空港の設置管理者や工事費用の負担割合等を定める空港の区分制度を見直すこととしております。 第三に、空港ターミナル等の空港機能施設の的確な運営を確保するため、国管理空港における空港機能施設の建設及び管理を国土交通大臣の指定を受けた者が行う制度を創設する等の措置を講ずることとしております。 第四に、空港の設置管理者は、利用者利便の向上及び安全の確保を図るために必要な協議を行う協議会を組織することができることとしております。 なお、政府は、平成二十年度中に我が国の開かれた投資環境の整備及び我が国の安全保障の観点から、空港の設置及び管理に係る制度に関し検討を行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずることとしております。 その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。 以上が、この法律案を提案する理由であります。 この法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議をよろしくお願い申し上げます。
○竹本委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 次回は、明四日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時六分散会