安全保障委員会 第1号
- 発言数
- 9 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 2008/02/21
会議録
○嘉数委員長 これより会議を開きます。 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 国政に関する調査を行うため、本会期中、国の安全保障に関する事項について、衆議院規則第九十四条の規定により、議長に対し、承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○嘉数委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————◇—————
○嘉数委員長 国の安全保障に関する件について調査を進めます。 防衛大臣から防衛政策に関して説明を求めます。石破防衛大臣。
○石破国務大臣 嘉数委員長を初め委員の皆様に所信を申し述べます。 まず、十九日に生起いたしました護衛艦「あたご」と漁船清徳丸の衝突事案について申し上げます。このような事故はあってはならないことであり、心より申しわけなく思っております。現在、乗組員の方の捜索救助に全力を挙げております。 本事案につきましては、所信に引き続きまして改めて御報告を申し上げます。 防衛事務次官という極めて重い職責にあった者が収賄容疑により逮捕されたこと、海上自衛隊における特別防衛秘密流出事案において逮捕者が出たことなど、昨年明らかになったさまざまな不祥事は、防衛省・自衛隊に対する国民の信頼を大きく損なう極めて深刻な事態であり、改めて心より深くおわびを申し上げます。 捜査中の事案について引き続き検察当局に最大限の協力を行うとともに、みずからも、これまで問題となった一連の事案の事実関係や原因等を徹底的かつ速やかに明らかにしてまいる所存でございます。 これらに加え、給油量取り違え事案、航泊日誌誤破棄事案、装備品調達水増し請求事案などの一連の事案や、今般発生した事故への対応体制の不備は、それぞれが単発的なものではなく、その根底には構造的、組織的な問題があるものと私は認識をいたしております。 過去にも幾つもの不祥事や重大な事故が発生し、そのたびに改善を図ってまいりましたが、必ずしも十分な実効を得ることができなかったとの反省のもと、この際、新たな防衛省・自衛隊のあり方について白紙的に徹底した議論を行い、改革案を国会並びに国民の皆様の前にお示しし、御議論を賜りたいと考えております。抜本的な改革案を果敢に実行に移すことこそが国民の信頼回復につながる方途であると私は信じます。 一連の事案を踏まえ、文民統制の徹底、厳格な情報保全体制の確立、防衛調達の透明性向上につき、首相官邸に設置されました防衛省改革会議において、有識者の方々を交えて高い見地から議論が行われているところであり、今後取りまとめられる改革の基本的方向性を受けて、防衛省内に設置した各種検討会等においても、実務レベルの議論を進め、早期に防衛省改革のための具体的施策をお示しできるよう最善を尽くしてまいります。 国民の財産である自衛隊を用いて、国益を確保するとともに、国際社会における我が国の責任を果たすべく国際活動が本来任務として定められ、政府部内において一般法についての検討が開始された今こそ、国民の財産である自衛隊をどう正しく用いるか、どうすれば誤った用い方がなされないか、そして民主主義的文民統制の見地からそれにふさわしいシステムとはどのようなものかが議論されるべきであると考えております。 冷戦後、そして九・一一米国同時多発テロ後の安全保障環境は従来のものとは全く異なるものとなったとの私の認識はかねてから申し上げておるとおりでございます。我が国は、領土問題等の伝統的な国家間の関係から大量破壊兵器等の拡散や国際テロなどの新たな脅威や多様な事態に至るまで、さまざまな課題に直面いたしております。また、北朝鮮の核、ミサイル問題など、周辺の安全保障環境は引き続き厳しいものがあります。 このような安全保障環境において、我が国は、専守防衛、軍事大国とならないなどの防衛政策の基本は堅持しつつ、新たな脅威や多様な事態に実効的に対応すべく、多機能で弾力的な実効性のある防衛力を整備しなくてはなりません。そのためには、法制、装備、運用、それらすべての面からの検証が必要であります。 弾道ミサイル防衛については、昨年十二月十八日、イージス護衛艦「こんごう」による迎撃ミサイル発射試験に成功したところであり、引き続き迎撃ミサイル搭載イージス護衛艦の配備や地上迎撃システムの改修等を着実に進めるとともに、米国との緊密な連携のもと、運用の実効性の向上に努めてまいります。 テロや大規模災害などのさまざまな緊急事態により迅速かつ的確に対応できるよう、危機管理体制も一層強化し、国民の安全と安心を確保してまいります。 防衛省は、本国会に防衛省設置法等の一部を改正する法律案を提出いたしております。防衛大学校及び防衛医科大学校における研究の位置づけの明確化、陸上自衛隊の学校の生徒の身分の新設、自衛官の勤務延長及び再任用に係る任期の伸長等の措置を講じるとともに、情報保全機能を強化するための自衛隊情報保全隊の新編等の組織改編を行います。 日米安全保障体制及びそれを中核とする日米同盟は、我が国の安全の確保のみならず、アジア太平洋地域の平和と安定のために不可欠な基礎となっており、国際的な安全保障環境の改善のためにも重要な役割を果たしております。 在日米軍の再編は、抑止力を維持しつつ、関係地方公共団体、地元の方々の負担軽減を図ることを眼目といたしております。沖縄など地元の声によく耳を傾け、地域の振興にも政府全体としてきめ細かく配慮し、誠心誠意対応することにより、これを着実に進めてまいります。今般の在日米軍人による暴行事件は極めて遺憾であり、綱紀粛正と再発防止に向け、米国側に一層真剣かつ継続的な取り組みを求めてまいります。 また、新たな安全保障環境において、日米両国が多様な課題に適切に対処し、抑止力を維持するため、日米の認識の共有化を図り、役割、任務、能力に係る検討を進め、日米同盟の実効性のさらなる向上に努めてまいります。 我が国は、国際的な安全保障環境を改善するため、二国間、多国間の防衛交流や国際機関などが行う軍備管理・軍縮分野での取り組みへの協力を推進するとともに、国際社会の一員として、国際社会の平和と安定に積極的、主体的に取り組んでおります。海上自衛隊による補給活動は、国際社会が取り組むインド洋における海上阻止活動の重要な基盤であり、各国からも高い評価を受け、その活動の再開が強く望まれてきたところであります。本年一月十一日に、テロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法が成立したことを受け、一月下旬に補給艦「おうみ」、護衛艦「むらさめ」がインド洋に派遣されました。これらの艦艇は現場海域に到着し、相手国との調整を終了次第、現地で補給活動を再開してまいります。活動の再開に当たりましては、国会で御指摘いただいた事項を踏まえ、さらなる法の趣旨徹底と情報の公開に努めてまいります。 また、イラクにおいては、航空自衛隊の輸送活動を通じて、イラク国民によるイラク国家再建のための努力を国際社会とともに支援しております。 我が国の国益を確保するとともに、国際社会における責任を果たすため、今後とも国際活動に主体的、積極的に取り組んでまいります。 自衛隊のユーザーはあくまで主権者たる国民であります。我が国として過去の過ちを繰り返すことなく、防衛省・自衛隊がその任務を適切に遂行するためには、国民の皆様方の御理解と御協力が不可欠であります。そのために、私みずからが積極的に説明責任を果たさねばならないことを痛切に感じております。 嘉数委員長を初め委員各位の御指導と御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。 続きまして、二月十九日に発生した護衛艦「あたご」と漁船清徳丸の衝突事案及び防衛省の対応について御説明申し上げます。 本件は、十九日午前四時七分、千葉県房総半島野島崎沖合において発生いたしました。漁船清徳丸は船首部、船尾部の二つに割れ、乗組員の方は引き続き行方不明となっております。 防衛省は、自衛隊の自衛艦、固定翼機、ヘリコプターを現場に派遣し、海上保安庁の巡視船等と協力し、行方不明者の一刻も早い発見のために全力を挙げて捜索に取り組んでおります。また、事件発生当日に副大臣を清徳丸が所属する漁業協同組合支所等に派遣し、対応に当たりました。私も本日、この後現場に参りまして、改めて現場での対応に遺漏なきを期してまいります。 現在、原因の解明のため、海上保安庁による捜査が行われており、防衛省におきましても、これに全面的に協力するとともに、再発防止のための取り組みを行っております。 安全確保に関する法令の遵守徹底を図るべく、事故当日に関係部隊に対し大臣からの通達「艦艇の安全航行について」を発出したところですが、今後、海上幕僚監部に設置した事故調査委員会を通じ、原因の解明を踏まえた再発防止のために必要なあらゆる措置を可及的速やかに講じてまいります。事故発生から大臣までの報告、連絡に時間を要したことは、危機管理上も極めて問題であり、事件、事故等の報告等に係る通達を即日改正し、重大な事件、事故については、各幕僚長等が直接、大臣、副大臣等に対して速報を行うことを明記いたしました。なお、報告、連絡のあり方については、今後検証を加え、さらなる改善を早急に実施いたします。 防衛省といたしましては、引き続き乗組員の方の捜索救助に全力を挙げるとともに、事故の原因の解明及び再発防止のための改善に取り組んでまいります。 以上でございます。
○嘉数委員長 次に、外務大臣から我が国の安全保障政策について説明を求めます。高村外務大臣。
○高村国務大臣 衆議院安全保障委員会の開催に当たり、嘉数委員長を初め委員各位に謹んでごあいさつを申し上げます。 まず初めに、さきの臨時国会において補給支援特措法が成立しましたことに関し、委員長初め委員の方々に御礼申し上げます。 海上自衛隊の補給活動が一時中断した際には、各国から活動再開を求める声が多く寄せられました。このことは、我が国が湾岸危機以来十五年かけて積み上げてきた努力でかち得た国際社会の信頼と評価の重みを改めて認識させられる契機となりました。我が国はこの経験を踏まえ、引き続き、国際社会における責任を果たしていかなければなりません。 我が国は、平和で安定した国際社会という基盤の上においてのみ繁栄を享受できる国家であります。狭い国土、限られた天然資源といった条件のもとで、国際社会との緊密な相互依存関係に基づいてみずからの発展を実現するほかに道はありません。我が国が平和協力国家として汗をかいていくのは、国際社会のためであると同時に、我が国自身のためでもあります。 平和協力国家を目指す我が国には、国際平和協力のためのいわゆる一般法が必要であります。そして同時に、現行法のもとでも実行可能なことがあることを忘れてはなりません。国連ミッションへのさらなる人的貢献などについて、防衛大臣を初めとする関係閣僚とともに積極的に検討してまいります。 また、各国のPKOセンター支援を初めとする平和構築維持能力支援や平和構築分野の人材育成等、平和構築に向けた取り組みを強化してまいります。 日米安保体制を基盤とした日米同盟関係は、我が国外交のかなめであります。米国との間で、弾道ミサイル防衛を初め、幅広い分野の安保・防衛協力を強化してまいります。在日米軍の再編についても、抑止力の維持と地元の負担軽減という考え方を踏まえ、沖縄等地元の切実な声に耳を傾けて、着実に進めていく考えであります。今般の在日米軍人による暴行事件は極めて遺憾であり、綱紀粛正と再発防止に向け、米国側に一層真剣かつ継続的な取り組みを求めてまいります。 北朝鮮をめぐる問題の解決は、我が国の安全保障にとり極めて重要であります。六者会合や日朝協議を通じ、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して日朝国交正常化を早期に実現できるよう、全力で取り組んでまいります。 我が国がアジアの平和と安定を目指す上で、アジア各国との関係強化は不可欠であります。中国との関係については、昨年末の総理訪中時に日中首脳間で両国の国際社会における責任につき、一定の認識を共有するとともに、安全保障分野での交流の重要性について一致をいたしました。引き続き、さまざまな分野における具体的協力を進めることで戦略的互恵関係の構築を目指します。同時に、軍事面における透明性の向上等も引き続き働きかけていく考えであります。インドとの間では、戦略的グローバルパートナーシップのもとで安全保障協力の対話を進め、共通利益の実現を目指してまいります。 こうした関係強化は、我が国のより強固な安全保障環境の整備、ひいては世界の平和と安定に資するものであり、引き続き重視していく考えであります。 大量破壊兵器及びその運搬手段の拡散は、我が国のみならず国際社会全体にとっての脅威であります。北朝鮮やイランの核問題の解決を初めとして、国際社会のすべての国に対し、引き続き軍縮・不拡散体制の維持強化及び自国の不拡散努力の強化に取り組むよう呼びかけます。 以上のような国際的諸課題への対処に当たり、私は、我が国の安全保障政策の遂行の任に当たる者として、国民の皆様の御理解と御協力を得るよう努めつつ、その使命と責任を全うすべく全力を尽くす決意であります。嘉数委員長を初め本委員会の皆様の御支援と御協力を心よりお願い申し上げます。
○嘉数委員長 次に、平成二十年度防衛省関係予算の概要について説明を求めます。江渡防衛副大臣。
○江渡副大臣 平成二十年度の防衛省関係予算について、その概要を御説明申し上げます。 平成二十年度予算については、安全保障環境を踏まえた防衛力の近代化、政策立案機能や情報保全機能を強化するための組織づくり、国際社会の平和と安定のための取り組み、効率性と優先度を踏まえた防衛力整備の推進、弾道ミサイル防衛システムの運用基盤の充実強化など、必要な事業はおおむね確保できたと認識しております。予算の作成に当たっては、財政事情が引き続き厳しく、また、防衛装備品の調達に係る信頼が揺らいでいる状況にあり、これまでにも増して合理化、効率化の努力を行い、国民の御理解をいただけるよう努めました。 平成二十年度の防衛省所管の歳出予算額は四兆七千七百九十六億五千万円となっております。また、新たな継続費の総額は千四百十九億四千四百万円、国庫債務負担行為の限度額は一兆七千九十九億千五百万円となっております。 次に、平成二十年度の防衛省予算について、特に重点を置いた施策について御説明申し上げます。 第一に、安全保障環境を踏まえた防衛力の近代化です。海洋の安全確保のため、哨戒能力を向上させた次期固定翼哨戒機P1を導入いたします。また、防空能力の強化のため、現有のF15戦闘機の近代化改修を促進いたします。さらに、最先端技術に重点を置いた航空機技術の研究として、高運動ステルス機技術のシステムインテグレーションの研究を実施いたします。 第二に、政策立案機能や情報保全機能を強化するための組織づくりです。給与課の新設等を通じて政策立案機能を強化いたします。また、我が国の防衛上必要な情報を適切に管理、保全するため、三自衛隊の情報保全隊を統合した部隊の新編等を実施いたします。 第三に、国際社会の平和と安定のための取り組みです。これまでの国際平和協力活動の実績を踏まえ、装備品の改善充実を実施するとともに、国際平和協力活動に係る常日ごろからの教育・広報体制の充実等を図ります。 第四に、効率性と優先度を踏まえた防衛力整備の推進です。一括調達等の活用による効率性と優先度の追求や、新素材を用いた艦齢の延伸によるライフサイクルコストの低減を図ります。また、部隊の能力の維持を図りつつ、総人件費改革を推進いたします。 第五に、弾道ミサイル攻撃への対応です。弾道ミサイル防衛システムについて、迎撃システムの取得が進捗したことを踏まえ、運用基盤の充実強化を図ることにより、運用の実効性を向上させます。 以上に加え、新たな脅威や多様な事態等への対応、在日米軍再編のための取り組み、機動戦闘車の開発を含む研究開発事業と情報通信態勢の構築、人材強化の取り組みと環境対策の推進、基地対策等の推進などの諸施策も実施してまいります。 これをもちまして、平成二十年度の防衛省関係予算の概要の説明を終わります。
○嘉数委員長 以上で説明は終わりました。 次回は、明二十二日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後二時十五分散会