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168回国会参議院2007/10/17

予算委員会 第3号

発言数
375
登壇者
26
会派数
6
開催日
2007/10/17

会議録

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  予算の執行状況に関する調査についての理事会決定事項について御報告いたします。  本日の質疑割当て時間は百四十分とし、各会派への割当て時間は、民主党・新緑風会・日本六十五分、自由民主党・無所属の会四十二分、公明党十五分、日本共産党六分、社会民主党・護憲連合六分、国民新党六分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。     ─────────────

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 予算の執行状況に関する調査を議題といたします。  それでは、これより質疑を行います。直嶋正行君。

直嶋正行民主党・新緑風会・日本

○直嶋正行君 どうもおはようございます。民主党・新緑風会・日本の直嶋でございます。  今日は、私も福田総理に初めて質問をさせていただきますので、総理の御所見中心に幾つかお伺いをさせていただきたいと思います。  それで、質問に入る前に委員長にお願いがございます。  民主党として、防衛省前事務次官の守屋武昌氏の証人喚問、当委員会における証人喚問を求めさせていただきたいと思います。

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) ただいまの直嶋委員の御発言、御要求につきましては、後の理事会で協議することといたします。

直嶋正行民主党・新緑風会・日本

○直嶋正行君 はい、よろしくお願いいたします。  それでは、最初に、まず総理にお伺いをさせていただきたいと思います。  幾度か予算委員会等でも議論されてきたと思うんですが、特に小泉・安倍政権といいますか、小泉政権以降、この政権について総理の評価をお伺いしたいと思います。  御承知のとおり、改革なくして成長なしという小泉元総理の有名な言葉があるんですが、しかし、私どもがよくよく経過を振り返ってみますと、例えば消費税は上げないとこうおっしゃりながら、所得税、あるいは社会保険の保険料を始め、トータルいたしますと約九兆円の国民負担の増加を行われました。また、その後、安倍政権時代に年金記録問題が発生をしまして、そういう意味では、国民負担が増大する中で特に社会保障等のセーフティーネットが、言葉は悪いんですが、ぼろぼろになってしまったといいますか、そういう状況になったというふうに思っています。その結果が参議院選挙にも現れたんであろうというふうに思っておりますが、福田総理はこの六年半に及ぶ両政権についてどのように評価をされていますか、まずお伺いしたいと思います。

福田康夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(福田康夫君) 私は、過去の小泉改革、安倍改革、これいろんな議論ございますけれども、方向性というのはこれは間違えてないんじゃないかというように思っております。  それは、やはり日本の社会がこれからどう変化していくかということを見据えた上の改革である。そのために、中央政府から地方に分権していこうということ、地方の役割をもっと強く大きくしていこうという考え方、それからまた、官は人口が減っていくという中にあって今までと同じような規模を誇るべきものかどうか、むしろ民営化して、そして社会全体の活性化につながるようにと、こういうふうな趣旨、これは私、間違えてないと思います。  小泉改革で最初に金融改革をいたしましたけれども、これは金融がその結果、当時はやり過ぎだというような話もございましたけれども、その結果、経済も安定すると、安心して金融機関が働けるというそういう状況というのが生まれたわけでございまして、私は景気回復の一つのきっかけ、大きなきっかけになったというように思っております。  ですから、評価すべきものは多いと思います、多いと思いますが、しかし同時に、そのことによって生ずるいろいろな問題もあったというように思います。ですから、私どもは、方向性が正しいというのであれば、その方向性は守りながら、しかし、その生じた問題を一つ一つ丁寧に手直しをしていくという部分もあろうかと思います。  五、六年もたちますと世の中も変わってきます。社会情勢も変わる、そして外的要因も随分変わってくるというようなことがありますから、そういう変化にも対応していかなければいけないということがございます。そしてまたこれからは、環境問題ということが大きく取り上げられておりますけれども、こういうような時代にも対応していかなければいけないという新しい、新しくはないですけれども、より政策を強めていかなければいけない、そういう課題もあるものでございますから、そういうことも踏まえながら改革の方向性を見失わないようにしていかなければいけないと私は今思っているところでございます。

直嶋正行民主党・新緑風会・日本

○直嶋正行君 今、総理の方から方向は間違っていなかったと、こういう評価で、行政改革とか地方への権限移譲とかお話しされました。しかし、私がさっき申し上げたのは国民の生活面の話であります。今おっしゃった行政改革等については後ほどまた議論させていただきたいと思いますが、やはり六年半ですか、この両政権の時代に国民生活は大変傷付いてしまったというふうに思っています。  例えば、先日、財務省の民間給与実態統計調査というのが発表されました。これを見ますと、民間のサラリーマンの給与所得というのは過去九年間減少を続けているということが明らかになっています。また、二〇〇六年度までデータあるんですが、その前の年に比べますと全体で給与所得は約一・三兆円の落ち込みを示していると。それから、私は、その中の実態なんですけれども、実に年収二百万以下の方が二二%、一千二十二万人に達したということでありまして、これは社会としては非常にいびつじゃないかというふうに思いますし、よく言われる、何というか、非正規雇用の方が雇用者全体の三分の一を占めると。そういう中で非常に格差が広がっている。これは地方間の格差も言われていますが、国民の皆さんの間でも大変な格差拡大社会になってしまったと、こういう生活面の実態があると思うんです。  総理はこの点はお認めになりますか。格差が広がって生活面に大きな問題が生じていると、この事実についてはどうでしょう。

福田康夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(福田康夫君) 私は、そういう事実があるということは認めます。ただ、その原因がどこにあるかということも、これも究明しなければいけないところですね。  例えば、二百万以下の所得の人が一千万人いるといったような新聞報道もございましたけれども、これも中身をよく分析しなければいけないと思います。例えば若い人が、正規の雇用でないといったような人が、これはそういうふうにならざるを得なかった人もあるし、また自分の、何というんですか、考え方に基づいてそういうものを選択していると、こういう部分もありますから、また女性の方で家庭にいて時間の自由が欲しいとかいうような方もいらっしゃるといったようなこともありますから、すべてがそうならざるを得ないような状況に追い込まれたということではないわけですね。  もし不幸にしてそういうふうな状況があるならば、そういう方々には手を差し伸べる方法を考えなければいけないということで、それは具体的に今施策を講じて実行しているところでございますけれども、そういう問題もあるということです。  また、格差問題、都市と地方の問題とか、今は労働の格差でございましたけれども、いろいろなところで格差という問題が生じて、このこともいろいろ取りざたされております。都市と地方ということも経済的な面にかなり大きな影響を与えている。しかし、それだけでなくて、生活の部門にまでその影響が及んでいると、こういうふうなことがあります。これは、その原因というものをこれも究明しなければいけない。  その原因もいろいろな要因があると思います。構造的に、若い人たちがだんだん地方から都市へ行ってしまうというふうな構造的な問題もあるかもしれないし、それがまた悪循環でもって地方が疲弊していくということにつながっているかもしれないし、様々なことを考えた上で対策を講じていかなければいけないと思っておりますので、私どもも、そういう問題についてはどういう方法がいいのかということを具体的に今考えておるところであり、なるべく早くそれを実行していきたいと、こんなふうに考えております。いろいろな格差あることは、これも認めます。

直嶋正行民主党・新緑風会・日本

○直嶋正行君 格差の問題もあるということで御認識はいただいているようでございます。  非正規雇用のお話で申し上げますと、正に総理がさっき、すべてはそうではない、こういう人もいるというお話されましたが、正にその理屈でどんどん拡大されていって、本当は本来やはりきちっと正規雇用として雇用の安定をさせてあげなければいけない人たちが非正規で働かざるを得ない状況になっていると。私は、今そういう面でいくと、ここの問題点は非常に大きいというふうに思っています。この問題は、多分後で私どもの津田議員がお話をされるというふうに思います。  それで、今総理が小泉改革の中の一つとして例に挙げられました行政改革とか公務員制度について、これからちょっとお伺いをしていきたいというふうに思います。これはもう私どもも、行政改革、公務員制度改革が必要であるということに関しては全く同じ認識でございまして、むしろしっかり早く取り組んでいかなきゃいけないと、こういう立場に立っています。  それで、最初に官房長官にお伺いしたいんですが、何か出てくる前に聞きましたら、官房長官、今日何かお誕生日だという話を聞きましたが、お幾つかとはお聞きしませんが、おめでとうございます。じゃあ、お誕生日ならもっとしっかり質問すればよかったと思うんですが、取りあえず、この間、この公務員改革に関して官房長官の発言が報道されていまして、公務員制度の懇談会についての発言ですかね、公務員バッシング的な発想で議論するとバランスを欠くと、こういうふうに官房長官がおっしゃったというふうに報道されています。  これは事実かどうかということと、もしこういう発言をされたとすれば、公務員バッシング的な発想というのはどういうことを念頭に置いて発言されたのか、この点をお伺いしたいと思います。

町村信孝自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(町村信孝君) お祝いの言葉、どうもありがとうございます。恐れ入ります。  先日、公務員制度の総合的な改革に関する懇談会というのが開かれました。私、官房長官になって初めての会でございましたので、それに出席をして一言ごあいさつを申し上げたわけでございます。  公務員制度改革、いろいろな目的があるわけでございますが、やっぱり何といっても公務員が高いモラルを維持して、そしてその能力を高め、さらには誇りを持って職務に専念できる、そういう環境なり制度というものをしっかりつくり上げていく、これが私は公務員制度改革のエッセンス、根本的な考え方ではないだろうかと、こう思っているわけでございます。一生の職業、転職の場合は別として、一生の職業と思って公務員になろうと、そういう思いで入って皆さん来ておられるんだろうと、そう思います。  ところが、どうも昨今は、公務員であればとにかくたたくと、たたくことによって場合によったら人気が上がるかもしれないと、何となくそういう風潮がそこここに見られるような気がいたします。そういう視野だけでこの公務員制度改革というものをやっぱり論じてはいけないんだろうと思います。もっと、国家のために仕事をするという重大な使命を帯びた大変重要な職業だと、こう私は思うものですから、先ほど申し上げたような、公務員がしっかりと仕事をしていくための長期的な観点に立った総合的な制度を構築していく必要がある、そういう思いを込めて私が、今委員がお触れいただいたような、バッシング的発想だけではなくてバランスいい議論、長期的な視野に立った議論が、足が地に着いたような議論をしていただきたいと、そういうことをお願いをしたわけでございます。

直嶋正行民主党・新緑風会・日本

○直嶋正行君 公務員がやる気を持って仕事に専念できる環境をつくるというのは正にそうだと思うんですが、例えば官房長官は、今議論されています天下りの問題とか談合の問題とか、こういう点についてはどう思っておられるんでしょうか。

町村信孝自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(町村信孝君) 今、正にそういうことについて有識者の方々で御議論をいただき、あるいは国会でもこうやって御議論をいただいているわけでございます。  官製談合防止法というのを作るときに私も自民党の中でこの法案作成の推進をした者の一人でございます。そういう意味で、官製談合というものがもとより許されるわけはないわけでございまして、そういう意味で罰則付きの法制を作るということに私は全力を挙げて取り組み、今の法律もでき上がっていると、こう思っておりますから、そういう意味で、官製談合などというのはもとより許されるものではない、かように思っております。また、天下りということについてもいろいろな見方があろうかと思います。それがまた官製談合の温床になっているのではないかと。昨日、一昨日の議論でもそういう御議論がありました。  そういう側面があるということもやっぱりそれは率直に認めながらも、他方、四十代、五十代でまだまだ働く意欲そして能力のある人の第二の人生というものがどういう姿で展開をされることがいいのだろうかと。もとより押し付け的な天下りがあってはいけないけれども、そうした、まだまだ人生八十年、八十五年という時代に、長い第二の人生があるわけでございますので、そういう公務員の皆さん方の第二の人生がどうやって送ることが一番姿として望ましいんだろうかというようなこともやっぱり併せて考えていく必要があるんだろうと、そのように考えております。

直嶋正行民主党・新緑風会・日本

○直嶋正行君 四十代、五十代半ばで職場を去ってと、それは後どうするかというのはあるんですが。正に私は、今の公務員制度改革の、今の官房長官のお話聞いていると、ある程度天下りはやむを得ないみたいな、あるいは再就職先は必要だと、こういうお話に聞こえたんですが、今、正にそこが問題の一番の本質だと思うんです。  それで、私は、公務員制度改革の一番の要点の一つは、公務員の皆さんが基本的に天下りをしなくてもいいような制度にしていく、このことが一番重要な点ではないかなというふうに思っているんですが、この点、総理、どんなふうにお考えですか。

福田康夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(福田康夫君) 若い人が就職をするときに、やはり例えば民間で企業を選ぶといったときには、将来に対するその事業の拡大とか成長とか成長性ですね、それからその企業でずっと安心して仕事ができるかどうか、そういうことをまず考えると思うんですよ。公務員だって同じことですよね。  ただ、公務員の場合には民間企業と違って営利ということでない、公共のために奉仕する、そういう立場であって、したがって、ちょっと考え方が違うところもあるかもしれませんけれども、しかし、自分の一生を考えてそして就職するわけでありますから、その思いというのはスタート台では同じだというふうに思います。そしてまた、就職してから仕事をする上で安心して仕事ができるような環境というのも、やはりその仕事に打ち込むというためには必要なんではなかろうかというように思います。  そういうことを考えた場合に、将来自分の身分がどうなるか分からぬというようなことを最初から言われて、安心して仕事ができない。それじゃ途中から転職することを考えて在職中から将来のことを考えたことを始めるとかいうようなことがあってもいけないというように思います。やっぱり公務員というのは公共に奉仕するというそういう精神が必要だと思いますので、モラルは高く常に持っていていただかなきゃいけないと、こういうようなことであって、それは単にもうければいいというだけの話ではないということだというふうに思っております。そういうことも考えながら、やはりそこは丁寧に人生設計をしてあげるということも必要なのではないかと思っております。  もちろん、そういう中で、じゃ、のんべんだらりと温室の中にいるような気分でいてくれては困るということでありますから、そこはそこでいろいろな工夫も必要だというように思います。能力評価とかいろいろなことも、業績評価も必要かもしれませんけれども、いろいろな工夫をして、そして仕事を満足して定年が来ればそこで仕事から離れるというような、そういうようなことを考えた上で公務員制度というものも考えるべきではないのかなというふうに思います。  もちろん、就職、職業選択の自由はありますから、例えば途中でもってほかのところに行きたいとか、ほかの仕事で自分の能力を発揮したいとかいう方もあるでしょう。そういう方は自発的に離れるという自由もこれは確保されなければいけないと思いますね。だけれども、肩たたきのような形でもって出なければいけないというのも、これも何か理不尽のような感じがするんですね。ですから、そこのところは、いろいろな公務員としての資格、素質、そしてまた求められているものを満たすような形で、どういう形がいいのかということを公務員制度改革の中でも考えていただきたいと思っております。  ただ、問題の一つとして、じゃ、そのコストの方はどうなのかということですね。これも併せ考えなければいけないと思いますね。民間と比べてどうなのかとか、そして定年退職まで給料はずっと上がりっ放しでいいのかどうかとかいったようなこと、それからその待遇の問題も考えなければいけない。そういうようなもろもろのことを考えてその制度設計をするということが必要だと思いますので、天下りというのは、その言葉自身私は好きではありません。今まではそういうことがあったかもしれぬけれども、しかし、名前からしてそういう形のものはこれは今後はあり得ないんだというように考えるべきではないかと思っております。

直嶋正行民主党・新緑風会・日本

○直嶋正行君 ちょっとお考えが今のお答えの中で私に理解できないところもあるんですが、基本的に総理がおっしゃった、公共のためにしっかり奉仕をして安心して働くことができるようにすると。もちろん処遇の問題あるのかもしれませんが、それは正に、どなたも基本的に六十歳までちゃんとやれば職場にいることができますよと。現に国家公務員法は定年年齢は六十歳とするというふうに明確に規定しているんですよね。今までは、だから、それがほとんど守られてないといいますか、守られてなかったケースが多いということなんですが。  正に総理がおっしゃったように、安心して働けるというためには、先ほどおっしゃった肩たたきの仕組みをなくすということも含めて、ちゃんとやれば六十歳までは大丈夫だよということが前提にまずなるんじゃないかと私なんかはそう思うんですけれども、総理はそれだけじゃ駄目だと、こういうことなんでしょうか。まだやっぱり第二の人生どこかへ求めることでないと高いモラルは維持できないと、こういうふうにお考えなんでしょうか。

福田康夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(福田康夫君) 私は、民間並みの定年の時期というのは公務員でも当てはまるというように思います。  その定年後のことは、これはその個人の趣味、嗜好、それから能力といったようなものもありますから、それは私ども言及する必要はないんだろうというふうに思いますけれども、しかし、働けるのであればその定年まで働くというのは、これはあっても当然いいことだというふうに思います。それをしてはいけない、そのためにいわゆる天下りというそういう制度をつくるということであるなら、それはちょっと違うんじゃないかなというように思います。  ただ、もう一つ申し上げれば、先ほど申しましたように、コストの問題もあるということでありますから、そういうことについては民間の知恵もかりなければいけないだろうというふうには思っております。

直嶋正行民主党・新緑風会・日本

○直嶋正行君 コストの問題もちょっとできれば後で議論したいと思いますが、本人が働く気持ちがあるなら六十歳まで働けるようにすると、それが望ましいという話を今されました。  そういう点でいうと、私は、やはり今の公務員制度の中で一番問題になるのはキャリアシステムだと思うんです。これは別にどこかに書いている制度でもないんです。しかし、本庁の方々、キャリアと呼ばれる人たちは大体五十代の前半ぐらいまでにどんどん外へ出ていくというのが今までの仕組みですよね。総理がおっしゃったように、ある種肩たたきも行われると。ですから、ここをしっかり見直していくことが、今の総理がおっしゃったように六十まで働くことができるという仕組みをつくっていく上で一番大事なポイントではないかなというふうに思います。  それから、話を少し急ぐようですが、もう一つは、やはり後ほど議論させていただきますが、独立行政法人とか公益法人なんです。  これは、我々は、そこで税金が無駄に使われているということを従来から申し上げさしていただいています。このキャリアシステムと独法とか公益法人が天下りを通してつながっているわけですよ。ここは一体化しているんですね、天下りを通してつながっている。ですから、キャリアシステムを維持しようと思えば、やはりさっきおっしゃった肩たたきも含めて天下りが必要なんですよ。それがなければ維持できないと思うんです。  ですから、そういう意味でいうと、こういう構造をやはり正していく、それがすなわち本当の意味での公務員制度改革になってくるんじゃないかと、そのように思っているんですけれども、この点、総理はどのようにお考えでしょうか。

渡辺喜美自由民主党内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(渡辺喜美君) 直嶋委員には、さきの通常国会での国家公務員法改正の質疑のときにもいろいろと建設的な御審議をいただきました。  その際、私どもの方から御提案を申し上げましたのは、国家公務員のいわゆる天下り規制の中で、非営利法人についてもこれを含むというところは大変な改革であったと思います。つまり、独立行政法人やかつての特殊法人、認可法人、公益法人、こういった非営利法人への天下りというのが全体の九割近くを占めております。八十数%に及びます。この世界について、各省のあっせんを全面禁止をしたというのがさきの改正法でございました。したがって、こういう改革をもう既に行ったわけでございます。  今私が担当を仰せ付かっておりますのは、百一独立行政法人すべてについて聖域なき見直しをやるようにとのミッションでございます。まさしく行政減量・効率化会議などを通じましてこの全面見直しに取り組んでいるところでございます。各省にもお願いをして見直し案をいただいておりますが、必ずしも十分とは言えないような状況でございますので、国民の皆さんからも御意見をいただくという段階に今入っているところでございます。  こうした一連の総合的な改革を通じて、天下りというものが国民の不信を買っているところから脱却をし、正しい公務員の再就職、知見活用型の再就職に移行するものと考えております。

福田康夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(福田康夫君) キャリアの天下り、これは、御案内のとおりですけれども、随分減ったでしょう。というか、なかなかキャリアの方が独法のトップになるとかいうのは難しい、ほとんどできなくなりつつあるという状況になりましたね。五年前、小泉総理の方針に基づいて、もう五年前から難しい状況になってきたんですよ。今独法の役員の数も随分減っていると思います。恐らく、前は多過ぎたのかもしれぬですけれども、五〇%ぐらいいたかもしれませんけど、今はもう三〇%台になっているというようなことでございまして、これはそういうふうな効果というのは年々現れてきているというふうに思っております。  そういうことで、キャリアと天下りというものが結び付かなくなりつつあるという状況にあるということを御理解いただきたいと思います。

直嶋正行民主党・新緑風会・日本

○直嶋正行君 今、渡辺大臣、総理からも御答弁ございましたが、私どもは、さっき渡辺大臣から御答弁ございましたいわゆる人材バンクですか、この規制をする、だから大丈夫なんだと、こうおっしゃったんですが、先国会の議論でも申し上げましたように、それは結構抜け道もたくさんあって難しいんではないかというふうに思っています。  したがって、正に総合的にと今おっしゃったが、この公務員制度の、私が申し上げたキャリア制度だとか実績評価だとか、そういうものも含めて、あるいは早期退職勧奨制度を正していくとか、そういうものも含めてしっかりこちら側も取り組んでいかないと、本当の意味での改革につながってこない。  独法については、また後で議論さしていただきたいと思います。  さっき官房長官がお触れになった公務員制度の総合的な改革に関する懇談会という、ちょっと私もこれ資料ちょうだいして、どんな議論がされているか読ましていただきました。私は、さっきのバッシングの話ではなくて、結構建設的な議論が中にあるというふうに思っています。  特に、この中でも出ているんですね、退職公務員を受け入れている独法や公益法人には国から資金が流れていると、だからそういうところをきちっと改革していかなきゃいけないというのは、この中にもちょっと出ています。  それから、もう一つ言うと、今のこういうやり方を続けていくと、独法とか公益法人という仕組みは維持せざるを得ない、維持されてしまうだろうという話もこの中で、識者の中で出ています。  それから、もっと全体的な話で申し上げますと、例えば、本当は官僚機構というのは機能組織のはずなんだけれども、その機能を、様々な機能を発揮しなければいけない組織が共同体になってしまっている。これはもう、実はこの公務員制度改革というのはもう何回も同じような議論、繰り返し行われていまして、以前から指摘されていることなんです。共同体になって、お互いに共生しているんじゃないかと。だから、国民と共生できるようなシステムにしなきゃいけないんですよね、お役所が共同体化するんじゃなくて。そういうふうになってしまう一つの大きな原因が、私がさっき申し上げたようなキャリアシステムという、何か制度上ははっきりしないんだけれども慣行として運用されている、こういうものを残しておくというのはやっぱりよくないと思うんですよね。  総理はさっきの御答弁で、多分天下りを減らしていくとか、多分独法改革を進めていくと、この点はそうだと、こういうふうに思っていると思うんですが、キャリアシステムについてはどうもはっきりお答えがなかったように思うんですよ。この点はどうなんでしょう。

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 渡辺大臣。

直嶋正行民主党・新緑風会・日本

○直嶋正行君 これはちょっと総理の御見解を聞きたいんですけどね。

渡辺喜美自由民主党内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(渡辺喜美君) はい、取りあえず私に答弁をさせてください。

直嶋正行民主党・新緑風会・日本

○直嶋正行君 はい。

渡辺喜美自由民主党内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(渡辺喜美君) この問題は、第一には、先ほどの国家公務員法改正の中で、試験区分にかかわらない人事を行うと。年次とか試験区分にかかわらない人事というのを、正にⅠ種、Ⅱ種という試験区分が意味を成さなくなるということでございます。したがって、御指摘のように、試験区分によって人事を行うなどという法律は全くないわけでございますが、こういう事実上の慣行が行われてきたのが正に変わっていくものと我々は考えているわけでございます。現在、総理の下に有識者の懇談会が活動をいたしておりまして、こうした問題についても今精力的に議論をいただいているところでございます。  Ⅰ種、Ⅱ種といった試験区分をなくしてしまうべきか、あるいは幹部公務員の登用制度をどう行っていくか、それは今は、いわゆるキャリア制度の下では、大学を出たときの試験によって正にそういう幹部登用というルートがしかれるわけでございまして、そういったことについても、正にこの制度を全面的に見直しをしたらどうかという議論を行っているところでございます。

直嶋正行民主党・新緑風会・日本

○直嶋正行君 今大臣がおっしゃった、ああ、総理、ちょっとお答えあれば、済みません。

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 総理、答弁されますか。  福田総理大臣。

福田康夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(福田康夫君) 私も、今のキャリア制度とか、Ⅰ種、Ⅱ種とか、そういうような区分を廃するかどうするか、これは決めておりません。なかなか決めかねるような問題でもあると思っております。ですから、公務員制度改革の中でそういうことも含めて議論をしてもらいたいと。民間のようにやってもいいんじゃないかという考え方はあるかもしれぬけれども、民間の場合には、業績評価、割合しやすいですね、営業成績どうかとかいったようなことで。しかし、公務員の場合にはなかなかそういうことはできないという根本的な違いもあるかもしれぬということも踏まえて議論してもらいたいなと、こう思っているところでございます。

直嶋正行民主党・新緑風会・日本

○直嶋正行君 この間出た人事院勧告の中でも、人事管理に関する報告ということで、人事院の方からこのキャリア制度の見直しについても、さっき渡辺大臣がお答えになったような内容も含めて幾つか提案があるようです。  結構、話としてはいろんな提案も出ていますので、総理も今そう言っていただいたといいますか、まだちょっと決めかねているということなんですが、是非こういうものの制度、これは、たった一回の試験でやはり差を付けてしまうということについては、しかも、その人たちが確実に中枢のポストを占めていくということについては、やはり私は問題があるというふうに思っています。そういう意味で、こういうものとかさっき申し上げた早期退職勧奨制度を、慣行をなくしていくとか、そういうものを含めてしっかりやっていかなきゃいけないと思うんです。  ところで、さっき官房長官にお聞きしましたが、その政府の懇談会の取りまとめが、当初今年の十一月というふうに私ども聞いていたんですが、何か来年に先送りされてしまったという話が、ちょっと聞いています。これはやはりいけないんではないかと。これだけ一生懸命公務員制度改革に取り組んできて、いろいろ建設的な意見も出ていますので、きっちりまとめていただいて、当初、来年の通常国会に公務員制度改革の法律を出すということで聞いていました。そういうこともしっかりやっていくんだということをこの場で確認をさせていただきたいと思います。

町村信孝自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(町村信孝君) じゃ、ちょっと私の方から。  岡村さんが座長でございます。岡村さんの御判断で、大変重要なテーマでもあるのでもう少しじっくり議論をしたいという御判断で多少取りまとめの時期を後ろの方に持っていったというふうに私は聞いております。  いずれにいたしましても、拙速はいけないと、私はそう思いますし、先ほど総理がお話しされたように、なかなかこれは判断難しい問題ばかりだと私は思うんですよ。そういう意味で、余りにも一瀉千里的にだあっと、この日がもうデッドラインだからそこまでとにかくしゃにむに答えを出さなきゃならない、そういう問題ではない。私は、公務員制度というのはそれだけ重大な問題だと、こう思っておりますから、そこでよしんば、一か月か二か月か分かりませんが、当初の計画がずれ込んだとしても、それは大きな問題ではないと私は考えます。重要な問題であるだけに、しっかりと議論をしていい答えを出してもらう、それを受けて、政府としてどういう法案を作っていくのか、またしっかりと考えていかなければいけないと思います。

直嶋正行民主党・新緑風会・日本

○直嶋正行君 私が申し上げたのは、だから、来年の通常国会にちゃんと法案出てくるんでしょうねと、この点も確認しておきたいんですが、いかがですか。

町村信孝自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(町村信孝君) 基本的にはそういう方向で今政府部内での議論もやっているし、そうした懇談会等の場でも議論をやっているということでございますが、しかし、先にいつ出口ありきという議論は私は決して好ましいことだとは思っていないのであります。

直嶋正行民主党・新緑風会・日本

○直嶋正行君 これは先ほど渡辺大臣がおっしゃった法案、さきの通常国会で法案を審査したときにも、公務員改革の骨格の部分は次期常会に出しますということで、先ほどの人材バンク、まあ僕らは天下りバンクだと、こう言っていますが、これを中心とした法案の審議をしたわけです。ですから、これが出てこないと全体の姿にはならないということでありますから、さっき、冒頭、総理もこうした改革は必要だというふうに、受け継いでやらなければいけないという趣旨のことをおっしゃっていますので、是非そこは強く要請をさせていただきたいというふうに思います。  それから、ちょっとこの問題に関してあと一点、衆議院の方で私どもの長妻議員の質疑の中で、いわゆるこの人材バンク法案を、これは閣議決定されて、実は法律にもなっているんですが、閣議決定だって変えればいいというようなことを総理がおっしゃって、これを何か見直すようなことをおっしゃっているんですが、これはそういうお考えもあるということですか。何か渡辺さんはそのとき耳を疑ったというふうに新聞のコメントで出ていますが、ちょっとそこは確認をさせていただきたいと思います。

福田康夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(福田康夫君) 閣議決定というのは重いものですよ。ですから、そう簡単に変えるというのは、それはできないと思っております。  ですけれども、しかし一方で、公務員制度改革という全体の流れを検討している最中であるということもございますから、それはその流れも見ていかなければいけない。そういう中で、この人材バンク、どういう位置付けになるのかということをしっかり見ていかなければいけないということの趣旨で申し上げたわけであって、閣議決定を変えますとかいうことを前提にしたお話ではないということでございます。

直嶋正行民主党・新緑風会・日本

○直嶋正行君 是非そこはふらつかずに、私どもしっかりまたフォローもしていきたいというふうに思っています。  それで、あと、続きまして、独立行政法人の改革の話に入りたいと思うんですが、これは元々独法というのは特殊法人改革のちょうどタイミングでこの独立行政法人制度というのを、もちろん特殊法人がすべてこう移行したわけじゃありませんけれども、議論されたというふうに思っています。そのときに、特殊法人の問題点として、不明確な経営責任であるとか非効率であるとか経営の自律性がないだとか、いろんな問題点が指摘されたわけです。ちょうどこの特殊法人改革、平成十三年十二月に特殊法人等整理合理化計画というのが閣議決定されているんですが、そのときの官房長官が福田総理だったというふうに思います。  それで、改めて、この特殊法人からその一部が独法に変わっているんですが、どういう効果があったというふうにお考えなのか、まずお伺いしたい。  それからもう一つ申し上げさせていただくと、どうもこの特殊法人の改革が中途半端に終わった結果として、同じことが独立行政法人の問題点として今日議論されているんではないかというふうに私は受け止めているんですが、この点について当時の責任者としておやりになった総理の御所見をお伺いしたいと思います。

福田康夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(福田康夫君) この問題は、そもそもの話でございますけれども、特殊法人というのは経営責任の不明確性、事業運営の非効率性、不透明性、また組織、業務の自己増殖、また経営の自律性の欠如といったような問題が当時指摘されておりました。簡素、効率的、透明な政府を実現する観点から、御指摘のように平成十三年に特殊法人等整理合理化計画を策定しまして、抜本的な見直しを行ったという、そういう経緯でございました。  この整理合理化計画に基づいて、それまでに、改革対象である百六十三法人のうち、十七法人の廃止、四十三法人の民営化、三十九法人の独立行政法人化を含めまして、九割強の百四十八法人について措置を講じたということであります。その結果、財政支出を合計して一兆九千億円節減すると、こういったような成果が上がっております。

直嶋正行民主党・新緑風会・日本

○直嶋正行君 それで、独立行政法人の議論に入るんですが、正に独立行政法人の今問題点として言われていることが、今総理が特殊法人の問題点だというふうにお挙げになった不明確な経営責任とか効率の悪さと、こういうことが今指摘されていまして、さっき渡辺大臣もおっしゃったように、政府も今一生懸命取り組んでおられるということなんですが、さっき、特殊法人をこういう合理化する中で、一兆数千億でしたかね、成果があったと、こういうふうにお話がありましたが、実は独立行政法人をつくるときに当時の資産評価を替えたとかいろんなことで十二兆円税金を使って、要するにある種税金を使って償却しています。  それから、最近も報道されていますが、独立行政法人の経理上の問題があって、要するに、簡単に言うと民間企業なのに減価償却していない、これが積み上げると六千億円になると。これは欠損になります。ですから、一見黒字に見えるけれども、六千億の欠損金が出ている。これまでの繰越赤字と合わせると二兆二千億円の欠損という計算になると。  ですから、総理は合理化したと、成果あったと、こういうふうにおっしゃっているんですが、実は特殊法人を独法にするときにうまく処理して十二兆円の資産評価替えをして損金を出したと、それから、今申し上げたように相変わらず経理処理が非常に不透明なものですから、目に見えない、表に出てこない損失を抱えたままである。ですから、こういう点をやはり正していかないと独立行政法人改革にならないと思うんですけれども。  これは是非、総理、やっていただきたいと思うんですが。

福田康夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(福田康夫君) 実際、そういうことがあってはならぬのですよ。ですから、そういうことについては十分点検をしていかなければいけないと思っております。

直嶋正行民主党・新緑風会・日本

○直嶋正行君 これは、総理、新聞にも大きく報道されているんですよね。もう皆さん御存じのことだと思うんですよ。こんなに大きな報道されています。これは六千億と、さらにさっき申し上げたように繰越欠損を含めると二兆二千億。だから、さっき総理がおっしゃった、成果を上げたというものの何倍かの損失を出しているということなんですね。  渡辺大臣にお聞きしたいんですが、さっき独立行政法人でいろいろ成果を上げているというふうにおっしゃったんですが、今回、閣議決定したその独法整理合理化計画の方針に基づいて各省庁に整理合理化計画を出させたところ、ほとんどゼロ回答だったと、こういうことが言われています。この点はどうされるんですか。

渡辺喜美自由民主党内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(渡辺喜美君) 答弁に入る前に、先ほどの減損処理と減価償却の問題でございますが、減価償却の方については統一的な基準が各省ごとに選べる仕組みになっております。したがって、減価償却をしている独法としていない独法とがあって、これについては委員御指摘のように、やはり一覧性のある基準の方がよかろうという意見もございます。ただ、それぞれの独法において特殊性というのがございまして、その辺りも含めて今検討をしているところでございます。  また、今回の百一独法の組織、事務事業の見直し、これはもう正にゼロベースでございますから、必要なのか必要でないのかと、そういうところからスタートをいたしております。  八月の末に各法人の、各省から戻ってきました整理合理化案につきましては、八月十日に決めました、閣議で決めました基本方針に照らしてみると、残念ながら不十分と言わざるを得ません。各府省にとってはこれは必要だという御認識なんだろうと思います。また、短期間で出してもらったというところから不十分なものになったということも言えようかと思います。  もう一回出してくださいということで九月の末にも出してもらいました。若干手直し的なところは出てきておりますが、これも不十分ということで再度突き返しております。今、ヒアリングを精力的に進めております。また、減量化会議や行革事務局の方で気が付いた点については、紙のベースでやり取りを何回も今行っているところでございます。  国民の皆さんからのパブリックコメントもいただいております。続々私のところに今そういったメールが来ておりまして、こういったメールの中には非常にきらりと光る御提案なんかもあるわけでございまして、こういった様々な取組を通じてこの改革を進めてまいりたいと考えております。

直嶋正行民主党・新緑風会・日本

○直嶋正行君 大臣、独立行政法人通則法の会計基準は企業会計原則によるものとするというのをはっきり書いてあるんですよ。どこだって企業は減価償却しているんですよ。だから、このとおりやればいいんですよ。  どうですか、これやっていただけますか。

渡辺喜美自由民主党内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(渡辺喜美君) 企業会計基準からすれば、減価償却をしていないというのはおかしいではないかと、こういうことも言えようかと思います。企業の方は一方、税務会計基準というのもございまして、こっちの方は減価償却をしていたりしていなかったりとか、そういったこともございます。  いずれにしても、減価償却をしていないという点についてどういう特殊性、合理性があるのかと、この点については精査をしなければなりません。一般的には減価償却というのは、企業会計基準に照らすのであれば、これはしなければならないというのは当然のことだと思います。

直嶋正行民主党・新緑風会・日本

○直嶋正行君 こういう話になってくると、大臣は何か評論家みたいなことを言っているんですよ。法律に書いてあるとおりやればいいんですよ。  僕、ちょっと総理に申し上げたいんですけど、渡辺大臣ばっかり責めると気の毒なんですが、この独法ゼロ回答。なぜ気の毒かというと、この独立行政法人整理合理化計画の基本方針、これ閣議決定された。だれがやるかというと、主務大臣は本方針に沿って所管する独立行政法人についての整理合理化案を策定しと。だけど、さっきの大臣の答弁を聞いておると、何か各府省とやっていますと。これ大臣がやらなきゃいけないんですよ。  それからもう一つ申し上げますと、これは、各独法はそれぞれの主務大臣、主管省庁の大臣が担当なんです。しかし、独立行政法人の通則法というのはこれ総務大臣が担当なんですよ、法律は。評価も総務省が行っているんですよ。一体、渡辺大臣は何をするのかなと私は率直に思うんですよ。これ、やり方がおかしいんですよ、やっぱり。行革担当大臣がおやりになるなら全部責任持って行革担当大臣がやるという仕組みにしないと、ああだこうだという話で前へ進まないと、こういうふうに思っていまして、この点、総理、どうなんでしょうか。

福田康夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(福田康夫君) 当然、渡辺大臣が担当大臣として取りまとめの中心になっておりますけれども、それを遂行するために総務大臣との協議ということも当然ございます。  私どもも、これ渡辺大臣にすべてお任せするということでなくて、これに内閣の大きな課題ということで全体的に取り組んでまいりたいと思っております。

直嶋正行民主党・新緑風会・日本

○直嶋正行君 今、内閣の課題ということで全体的に取り組むというふうにおっしゃいましたが、是非、それぞれ主管大臣、主務大臣が責任を持ってやるというふうになっているわけですから、それは総理のリーダーシップが必要だと思うんです。  それで、実はこのやり方が、こういうやり方しているとなかなか進まないなというのは私も思っていまして、私どもは実は今法律を作っていまして、独立行政法人、特殊法人をいったん廃止をして、しかしすべてをなくすわけじゃありません。いったん廃止をした上で、三年間掛けて本当に要るもの、それぞれを見直してしまう、期限を付けて全部見直すと、こういう法案を出したいと思って今作業をしています。  独法とかこういう改革というのは、私はそういうやり方もきちっとやっていく上での一つのやり方だというふうに思うんですけれども、こういう考え方は福田総理は共有していただけませんか。

福田康夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(福田康夫君) 全廃というのが一体何を指すのか具体的にちょっとよく分からないですけど、何しろ独立行政法人というのは国民生活を始めとする本当に大事な政府の機能の一部を担っているんだという部分がございますので、国民生活に影響を与えてはいけないということも当然考えなければいけないです。  だからといって、何から何までという話でもないので、そこのところを円滑に、スムースに合理化をするなり、場合によっては廃止するという判断もあるかもしれませんけど、その際には、もちろん国民生活に影響を与えないような形のものであるということを念頭に置きながら進めてまいらなければいけない課題であると思っております。

直嶋正行民主党・新緑風会・日本

○直嶋正行君 政府の方針を見ますと、事業とか事務、すべてゼロベースで見直すというのが方針の第一番に書かれているんですよね。私は、ゼロベースというのは正にそういう大胆にやろうという発想だと……

福田康夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(福田康夫君) 気持ち、気持ち、精神……

直嶋正行民主党・新緑風会・日本

○直嶋正行君 気持ちですか、あれは。やらないんですか、あれは。やらないんですか、あれ。

福田康夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(福田康夫君) 精神です。

直嶋正行民主党・新緑風会・日本

○直嶋正行君 精神ですか。それはおかしいんじゃないですか。ちょっと答えてください。

福田康夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(福田康夫君) ゼロベースの見直しというのはゼロにするという話じゃないんです。しかし、ゼロに近づけるような努力をするという、その気持ちを言っているんであります。

直嶋正行民主党・新緑風会・日本

○直嶋正行君 いや、どうも、閣議で決めた方針が、気持ちが書かれているというのはどうも解せないんですよ。私は、やっぱり本気でやってもらわないといかぬと思うんですね。

福田康夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(福田康夫君) ゼロじゃない。

直嶋正行民主党・新緑風会・日本

○直嶋正行君 いやいや、ゼロベースと書かれているんですよ、これきちっと。事務事業のゼロベースでの見直しなんですよ。ですから、我々は、私はさっきのような御提案を申し上げたんですよ。考え方、気持ちじゃ駄目ですよ。やっぱり考え方でやる方針なんですから、そういう方針なら、そういう私どもが言っているようなやり方もあるんでしょうかということを申し上げたんです。どうですか、そういう。

福田康夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(福田康夫君) ゼロができればいいです。ですから、それを目指してやると、こういう意味であって、ゼロにするというふうに決めているわけじゃないんですよ。それはゼロでいいときもあるかもしれませんよ。

直嶋正行民主党・新緑風会・日本

○直嶋正行君 我々もそうなんですよ。廃止といっても、全部すべてを廃止するわけじゃないんですよ。一回廃止して、三年掛けてその間に個別に見直すと、正にこれがゼロベースだと思うんですよ。だから、そういうやり方をやるべきじゃないですか、そのゼロベースだとおっしゃっているんだったら。

福田康夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(福田康夫君) こういう議論、意味があるかどうかちょっと分かりませんけれども、要するに全廃といったときに、今までやっていたやつをストップしてそれでやり直すと、こういう意味じゃないでしょう。ですよね。私もそういう意味なんですよ。それは、全廃をするということを一つの目標とするとかそういう意味で、それはやっぱりそこに至るプロセスがあるわけですから、いきなりぱっと全廃するという、そういうふうな意味ではなくて、全廃というと何かそんなふうな意味に聞こえたものですから、強く感じましたものですから、そういうふうに申し上げました。

直嶋正行民主党・新緑風会・日本

○直嶋正行君 ちょっともう私の持ち時間が、舛添大臣にせっかく来ていただいたんですけど、どうも届きそうもないので、あと福田総理に一点御確認をさせていただきたいことがございます。  それは、実は総理の所信表明をしっかり読ませていただいたんですが、その中に、例えば安倍内閣のときはイの一番におっしゃっていたのが成長力の強化ということをおっしゃって、例えば概算要求でもそのために特別枠をつくるというようなこともなされています。ところが、総理の所信を読ませていただくと、安定した経済成長を進めるとおっしゃっているだけで、成長力を強化してということが全くおっしゃっておられません。  これは端的に言うと、従来言われていた、何というんですかね、上げ潮路線というんですかね、いわゆる経済成長を高めてやっていこうと、こういう方向をお変えになったのかどうか、これちょっと確認しておきたいと思います。

福田康夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(福田康夫君) 私は所信表明でもこういうふうに申しました。  改革と安定した経済成長は車の両輪であると、ともに進めてまいると、こういうふうに申し上げました。その後に、具体的に、今後、日本経済が安定的な成長を続けていくためには、経済全体として生産性を大幅に上昇させるなど成長力の強化を図らなければならない、そしてまた、このために内外投資の促進を図るとともに、成長著しいアジアの中にある強みを生かすアジア・ゲートウェイ構想を具体化し云々と、こういうふうにあるわけで、成長路線を無視しているわけじゃありません。また、軽視しているわけじゃありません。やっぱり成長しなければ今の財政負担も解消しないだろうというように思っておりますから、これは大変大事なことでございます。

直嶋正行民主党・新緑風会・日本

○直嶋正行君 最近の、例えば与党の自民党さんの財政改革本部とか、政調会長になられた谷垣さんも、どちらかというと従来からある種増税路線というか財政再建路線で、これはかなり自民党さんの中でも政府の中でも安倍内閣の時代に路線論争があった話なんですが、私はこの辺の与党内の動きなんかを見ていると、どうも総理は従来とは少し発想を変えて増税も含めて財政再建をしていこうと、こういうお考えなのかなというふうに思っているんですが、決して増税をやるということではないんですね。

福田康夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(福田康夫君) これも私が歳出歳入の一体化改革を更に進めてまいりたいということは申し上げておるわけであります。やはり歳出改革は前提ですよ、前提条件ですよ、これはもう今までもやってまいりました。かなり一生懸命やってきたけれども、しかしまだ無駄があるんではないかと、こういう御指摘も受けておりますので、これは一生懸命やっていきたいと思っております。  しかし、そういう歳出改革を進めた上で、それでも対応し切れないといったような社会保障の問題など出てきたときに、果たして社会保障を削ればいいという話にはなりません、これは。特に高齢化社会というか、高齢者が増えていく状況の中で社会保障はどんどん増えていくわけですね。そういうものを抑え込もうというのはやっぱり無理が出るということがありますから、そういう状態の中でやはり歳出と歳入、両方を見て財源問題ということは当然考えなければいけない。  そして、安倍内閣のときでも六月に基本方針出しております。それはこの秋にそういう状況を見ながら財政の在り方等を検討すると、税金ですね、消費税を含めた税財源等についても全体的に検討していこうと、こういうことは六月に決めておるわけでありますので、私どももそういうふうな考え方に基づいて今これから取り組んでいこうというように考えているところでございます。

直嶋正行民主党・新緑風会・日本

○直嶋正行君 もうどうも総理のお話聞いていると、まあ社会保障中心に増税もやむなしという感じなんですが、私どもさっき、冒頭申し上げたような今の国民の生活の状況を考えると、特に消費税なんかそうなんですが、国民に増税をお願いできる状況にはないと思っています。ですから、目一杯とにかく財政、歳出の方をしっかり見直してこれからもやっていくべきだというふうに思っていますので、そのことを改めて申し上げまして、私の時間来ましたので、あと、津田議員の関連質問をお許しいただきたいと思います。

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 関連質疑を許します。津田弥太郎君。

津田弥太郎民主党・新緑風会・日本

○津田弥太郎君 民主党の津田弥太郎です。  さて、本日は福田総理にお越しをいただいておりますが、首班指名の際、本院ね、本院、参議院のこと、あなたを内閣総理大臣に指名をしておりません。参議院における決選投票の結果を大臣、お述べください。

福田康夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(福田康夫君) 決選投票では、小沢一郎君百三十三票、福田康夫君百六票でございます。

津田弥太郎民主党・新緑風会・日本

○津田弥太郎君 正解です。あなたの小沢一郎氏に対する得票比率は七九・七%、これを下回る結果が参議院では過去一度だけあります。九年前の菅直人さんに対する小渕恵三さんが七二・五%。このときは、今回のケースとは異なって第一回投票では小渕さんが第一位だったんですね。その意味で福田総理は、戦後、参議院で最も信任を受けていない総理大臣ということになるわけです。この二院制を構成する我が国において、一方の院で指名をされずに総理大臣に就任されたことに対し、今率直にどのような思いを持っていらっしゃいますか。

福田康夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(福田康夫君) 衆議院と参議院で民意が異なるということになったわけであります。まあ参議院選挙で負けちゃったんですから、しようがないですよね、これは。そうした場合に、衆議院で示された民意を優先させるというのが日本国憲法の、これは決めている議院内閣制であります。ですから、内閣総理大臣を私がさせていただいております。

津田弥太郎民主党・新緑風会・日本

○津田弥太郎君 今回の福田総理の選出に関して、もう一つ特記されることがあります。  直近の国政選挙の民意ですね、今おっしゃった。参議院選挙で負けちゃったんです。だから、この結果、自民党が三十七しか取れなかった、公明党は九しか取れなかった、合わせて四十六。一方で、民主党は六十議席という多数を有権者に与えられたわけであります。この選挙結果は何によってもたらされたとお思いですか。

福田康夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(福田康夫君) この選挙は、やっぱりいろんな問題がございました。我が党の問題ということがほとんどであったわけでありますけれども、我が党というか、我が党及び内閣の問題だったのでありますけれども、いろいろな、金と政治といったような不祥事もありましたし、また年金問題ということについては、これは大きな傷を負ったというように思っております。で、そういう結果、国民の信を得られなくなった。その結果、国民の不信の高まる中で自民党が敗北をしたと、こう思っております。

津田弥太郎民主党・新緑風会・日本

○津田弥太郎君 今回の議席数は、四年前に導入をされましたマニフェストが定着をし、基本的には国民が各党、各候補者の政策を十分に吟味した結果というふうに私は考えるわけです。  今回、福田首相を選出した衆議院の構成は、小泉首相の下で行われた郵政選挙によるもの、安倍首相も衆議院選挙の審判を受けておらない。今回、福田首相までも民意を反映せずに我が国の最高責任者である総理大臣に選出されたことに対して、連立与党のパートナーである公明党の冬柴国土交通大臣、どのような見解を持たれておりますか。

冬柴鐵三公明党国土交通大臣

○国務大臣(冬柴鐵三君) 衆議院選挙の洗礼を受けております。その中で、福田康夫総理が圧倒的多数を占める結果をちょうだいしているわけでございまして、先ほど総理がおっしゃったように、憲法の規定に基づいて適法に首班指名によって、衆議院が優位という規定によって総理の席に就いていられるわけでございますから、憲法に適合した、そして民意は衆議院選挙においてきちっといただいております。

津田弥太郎民主党・新緑風会・日本

○津田弥太郎君 民意というのは直近の選挙なんですよ。参議院選挙の結果、それを受け止めた上で連立パートナーとしてどう考えているかお聞きしているんです。もう一回。

冬柴鐵三公明党国土交通大臣

○国務大臣(冬柴鐵三君) 直近の衆議院選挙で多数を得た人が、結論的には憲法の規定によって総理に適法に就任されるわけでございます。

津田弥太郎民主党・新緑風会・日本

○津田弥太郎君 私は、総理大臣としてこの国をどのような国にしていきたいかということを端的に表すのは、閣僚の人選だというふうに思うんです。小泉、安倍内閣しかり。しかし、福田内閣の場合は新任閣僚はわずかに二人、居抜き内閣であり、国民には安倍内閣と福田内閣の違いが分からない。  で、お尋ねをしますが、この会期中の突然の組閣という特殊事情がなくて純粋に自らの思いどおりに選んだ場合、閣僚に登用したであろう大臣というのは現在の閣僚の中で、まあ恐らく町村さんは除くのかもしれませんが、具体的にどなたとどなたになりますか。

福田康夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(福田康夫君) 私は、おっしゃるように国会の会期中ですから、もうただでさえ文句言われている状況の中でもうこれ以上時間を掛けることはできないと、こういう思いでもってなるべくなだらかに、そしてすぐ予算委員会も開かれますから、厳しい質問もあるわけですから、そういうものに対応できなければいけない、そういう思いでもって余り替えない方がいいだろうと。幸いにして皆さん粒ぞろいなんですよ。だものですから、今私がどなたがどなたということを言い難い、そういうことでございますので、私の選んだベストメンバーであるというふうに御理解いただきたいと思います。

津田弥太郎民主党・新緑風会・日本

○津田弥太郎君 つまらない答弁ですね。  それでは、本論に移ります。  最初に、年金問題ですが、総理は既に厚生年金の受給者でありますね。年金問題の被害者の気持ちもよくお分かりになるというふうに思うわけであります。  そこで、お尋ねをします。  消えた年金あるいは宙に浮いた年金についての対策、そもそも総理はどのような思いで行っていらっしゃるでしょうか。

福田康夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(福田康夫君) この年金問題はとても大事な大きな問題だと思っております。と申しますのは、すべての国民が関係していることですね。また、国民一人一人が政府を信用して長い間お金を預ける、そういう制度であります。お金を預けたのはいいけれども、しかし返ってくるときに間違いなく返ってくるかどうかというのは、もう間違いなく返ってくるのが当然だと思っているわけですね。それがどうやらそうでないかもしれぬというようなことになってしまえば、それはこの制度そのものが信用を失うということになりますし、ひいてはこの日本の政府に対する信頼というものも、これにも影響する。また、国家は一体何だといったような議論もあったとしてもおかしくない、そんなふうに思いますので、これは何としてもこの信頼回復のために全力を挙げるしかないというふうに私は思っております。  したがいまして、私を本部長といたしまして年金対策の閣僚懇談会をつくりまして、そして、そこで全面的に対応する体制をつくったところでございます。さきに、七月五日に政府・与党が決めた方針がございます。その方針に基づいて一つ一つの対策を着実に進めていくということが大事であろうかというふうに思っております。  また、政府全体で対策を着実に進めていくために、今言ったような閣僚会議でございます、閣僚懇談会ではなくて閣僚会議を設置したということでありまして、国民の皆様一人一人の年金記録が点検されて正しく年金が支払われるということが最重要課題だというふうに思っております。

津田弥太郎民主党・新緑風会・日本

○津田弥太郎君 そこで、舛添大臣、五千万件に対応する保険料総額についてはようやく社会保険庁からサンプル調査に基づく数値が示され、納付総額についてもこれを基に我が党の山井議員が試算を行い、六十五歳以上で二兆八千五百億円という膨大な額になることを明らかにしました。  政府としてこの給付総額に関するこれ以上の精微な数字を持っていらっしゃいますか。

舛添要一自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(舛添要一君) 大変いい質問でございますので、これを機会にきちんとお答えをさせていただきたいのは、今、冒頭、津田先生、やっぱりもらっている国民の目線で考えないといけないと。  私が考えますに、国民の皆様方は今何が欲しいかと、自分の年金がひょっとしてどこか消えているんじゃないか、きちんと自分の記録が欲しい、これの作業が全部の工程の中で最優先だと私は思って、今それをやっております。  そこで、例えばこの前のは、私も現場、一番最初に見てきました。五百二十四万件というのは、名前がなかったり、生年月日がなかったり、男女別が分からないって、これ何だろうと思って調べてみたんです。そうすると、例えば何とか金属工業所というのがあったとして、そこの事業所の番号があって、一番から百番までばあっと番号が付いている。だけれども、その事業所だから、名前や生年月日なくても分かるだろうと手抜きを、けしからぬことをしているわけですね。それで、全部やりなさいと。それで、まず千件をやってみたら全部できました。そして、私、昨日発表しましたけれども、五百二十四万件のうちの七割、これ今照合ができました。ですから、十二月までにこれをやります。  そして、サンプル調査を要求されましたから行いましたのは、まず東京の厚生年金から百五十件を取ってきました。したがって、国民年金のデータがまず入っていません、二二%。ですから、前提がいろいろありまして、それで無作為の抽出じゃなくて東京だけを取ったんです。だから、ちょっと細かいことは時間が掛かるので申し上げませんけれども。  私も年金いずれもらう立場から見ると、総額が幾らになるかの計算に力一杯エネルギーを使ったりお金を使うよりも、早く私の年金を確定してくれということが先だろうというふうに思ってやっていますので、サンプル調査が無意味とは申し上げません。  それともう一つ、もう一つ大事なのは、これも先生、是非現場をごらんいただきたいと思いますけれども、とにかくもう古臭い古臭いコンピューターシステムなんですよ。それで、あの五千万件の中にレガシーシステムといって、例えば、要するに既に年金もらっている人のデータも入っている、それから二十五年満たない人のデータも入っている、それから標準月額がどうだというのが入っている。そうすると、全部細かい数字が、今のコンピューターなら、今の現代的なコンピューターならできますけれども、これできないんです。  それで、今それを、おっしゃったことをやれと言うと、一回一回プログラムをお金を掛けて人手を掛けて組んで、そしてまた一月掛けてということなんで、私はこの問題の最高の責任者として、国民の目線に立って何が最優先か。それは二兆三千億じゃないかもしれないですよ。全体、四兆かも五兆かもしれない。だけど、その数字を出すエネルギーとお金があれば、私は一日も早く国民のためのこの一人一人の年金番号との統合をやって、必ずあなたの浮いた年金、本当はもらうべき年金、これを絶対かち取ってやるぞと、絶対取り戻す、そういう思いでやっておりまして、それで頑張ってプログラム組めと言って、おかげさまで二十日過ぎには試運転できると思いますので、もうできたところから動かし始めますから、十一月からその名寄せの作業を開始いたします。  そして、今申し上げたとおり、国民の目線に立って最優先課題と、私はその優先順位をそういうふうに置いているということをまず申し上げて、それで先生がおっしゃったことを本当はやりたい。しかし、時間とお金と膨大なプログラムを組まないといけないレガシーシステムであるということを御理解いただければと思います。

津田弥太郎民主党・新緑風会・日本

○津田弥太郎君 私の質問に全く答えてないんですね。  増田総務大臣にお聞きします。  結局、詳しい中身については一切データがない、持ってない、古臭いコンピューターだからというせいにしているわけであります。これだけの巨額の国民の財産が被保険者、受給者の立場からすると、納付記録から消えていたということについて、政府はこれは大変な猛省を行うべきなんです。  今回の年金問題に関する社会保険庁の責任を政府としてどのように総括をしているのか。まず、この年金記録問題検証委員会の所管である総務大臣のお答えをお伺いします。

増田寛也総務大臣・内閣府特命担当大臣(地方分権改革)

○国務大臣(増田寛也君) お答えを申し上げます。  この年金記録問題の発生、そしてこの社会保険庁の組織というものは、私どもも大変大きな問題を抱えている組織と、こういうことでございまして、なぜこうした大変大きな問題化をいたしました年金記録問題が発生したのか。その経緯、そして原因、さらには、当然責任が伴うわけでありますので、この責任の所在、こうしたものを明らかにしなければならないと、こういうふうに思っているわけであります。  そして、これは今委員からお話がございました第三者、多様なメンバーで構成されておりますが、まずこの第三者で構成をしております検証委員会できちんと検証していただく、政府というよりはむしろその検証委員会でそうした原因から責任まで含めてきちんと検証して明らかにしていただく、そうしたことが一番適切であろうということで、今この検証委員会での作業をしているところでございます。  私の立場からいいますと、この検証委員会をお守りをしている立場でございますので、そうした中での判断に影響を与えてはいけませんので、私の口からこの社会保険庁の責任、ここがこういう問題があるということを今の段階で言うことは少し差し控えさせていただきたいと思いますが、その検証委員会でのそうした報告をまずいただいた上で、政府としてこうした検証委員会のその報告をどう取り扱うか、こういうことであろうと思っております。

津田弥太郎民主党・新緑風会・日本

○津田弥太郎君 大変つまらない答弁です。  舛添大臣、同じようにこの社会保険庁の責任についていろいろやられているようですが、どのようにお考えですか、トータルで。

舛添要一自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(舛添要一君) 国民が自分の老後の安定、これの一番大事な基本である年金について、きちんと働いて掛けたお金、払ったお金をこういうずさんな管理をしてきた、これはもう本当に許し難いことであって、私は、この現状をきちんと反省した上で、この社会保険庁を解体し二分割して新たな組織に生まれ変わらせるべきだと、こういう思いで今全力で取り組んでおります。

津田弥太郎民主党・新緑風会・日本

○津田弥太郎君 そこで総理、さきの通常国会において私は厚生労働委員会の野党の筆頭理事を務めました。最終的には強行採決になりましたが、審議の過程においては与党の理事も委員長も年金問題の解明に私は誠意を持って取り組んでいただけたなというふうに感謝をいたしております。ただ、社会保険庁、ここの私たち野党への対応というのは、国権の最高機関に携わる者を愚弄するものでありました。そうしたこの社会保険庁の姿勢というのは今現在も何ら変わっておらない、通常国会の反省を全くしていない。  我々は必要に応じて国政調査権は当然に発動してまいりますが、社会保険庁の日常の隠ぺい体質というものはそれ以前の問題なんです。だから、是非総理から社会保険庁に対して厳重に指導を行っていただきたいというふうに思うんですが、いかがでしょう。

福田康夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(福田康夫君) 担当大臣にしっかり対応させます。

津田弥太郎民主党・新緑風会・日本

○津田弥太郎君 あのね、そういう答弁だけで済むような状況じゃないんですよ。  総務省の年金記録検証委員会では、七千八百四十件のサンプルを社会保険庁から提出してもらい、未統合の原因分析を行うというふうに承知をしておりますが、その内容及び進捗状況について、増田総務大臣、どうなっていますか。

増田寛也総務大臣・内閣府特命担当大臣(地方分権改革)

○国務大臣(増田寛也君) 今お話しのサンプリング調査でございます、七千八百四十件でございますが、このサンプリング調査で様々な未統合の原因となっている点について調査をしているということでございます。  内容等については、近々検証委員会の報告の中で併せて一体としてその結果明らかにしたいというふうに思っておりますけれども、このサンプリング調査の主な調査事項としては、当該記録の年齢別、男女別、あるいは当初の加入年代別、加入期間別等の基礎集計をここで行っておりますし、それから生存者の記録か死亡者の記録か、あるいは脱退手当金を受給している記録がどれだけあるかなど、この記録の内容についての事項などもそこでサンプリングしたものの中で調査しております。  それから、未統合の原因等を検証するこの原因検証という観点から、重要な氏名、生年月日、それから性別が正しく記載されているかなど、この記録の正確性に関する事項ですね、こうしたものを検証委員会の委員の皆さん方が全体の中からそういった七千八百四十件取り出しまして今調査をしていると、このように承知しているところでございます。

津田弥太郎民主党・新緑風会・日本

○津田弥太郎君 調べているところじゃないんですよ。数字が出ているんならちゃんと発表してくださいよ。数字の発表はできるでしょう、今おっしゃった平均加入期間とか男女の別だとか年齢など。入口段階で明らかにできるものは発表してくださいよ。もう一回。

増田寛也総務大臣・内閣府特命担当大臣(地方分権改革)

○国務大臣(増田寛也君) 今申し上げましたこの検証委員会での作業でございますけれども、今私申し上げましたような項目を調査をしているということでございまして、その後どういう検証委員会で問題意識を持って更に原因等の解明に当たろうとしているのかということにつきましては、今いろいろな作業をしているということでございまして、その点については私どもとしても、委員の皆さん方がいろいろ活動していく中で、ちょうどこの社会保険庁の関係者の皆さん方がどういう委員会が問題意識を持って立証しようとしているのかといったような点を推察させることは好ましくないだろうと、正確な原因等を調査する上では好ましくないだろうということで、これ以上の内容についての発表は差し控えさせていただきたいというふうに思っているわけでございますが、これは近々全体的な検証委員会での取りまとめを行いますので、最終の報告書の中でそうしたものを明らかにしたいと考えております。

津田弥太郎民主党・新緑風会・日本

○津田弥太郎君 さっき社保庁はひどいと言ったんだけれども、そこをきちっと記録検証委員会として、これをわざわざ総務省の管轄にしたんですよ。その総務省でもうデータは出ているんですよ。何でデータは発表できないんですか。

増田寛也総務大臣・内閣府特命担当大臣(地方分権改革)

○国務大臣(増田寛也君) この点につきましては、検証委員会の方で、もちろん置かれている目的で、原因それから責任等について明らかにするということ、そういうことでこの検証委員会の活動を今行っているわけでございます。この点について現在もう調査も継続中でありまして、私どもとしてはそこで委員の皆さん方が自由にこうした原因を検討していくと。そして、余り詳細ないろいろなデータ等を公表いたしますと、検証委員会がどういう問題意識を持ってこれ立証しようとしているのか、場合によってはそうしたことから事実を隠されてしまったり、あるいは相手方に不当な行為を容認するということになってもいけないという、そういうこともございまして、したがいまして、この調査の概要は詳細についての公表は今差し控えさせているところでございます。

津田弥太郎民主党・新緑風会・日本

○津田弥太郎君 委員長にお願いします。  今、七千八百四十件のサンプル調査についての集計の中身についての資料を要求したいと思います。

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 津田弥太郎君のただいまの資料請求につきましては、後の理事会においてお諮りしたいと思います。

津田弥太郎民主党・新緑風会・日本

○津田弥太郎君 それでは、この年金記録検証委員会以外に総務省には二つの年金関連の委員会が設置をされております。それぞれ三つが公開されているかどうか、お答えください。

増田寛也総務大臣・内閣府特命担当大臣(地方分権改革)

○国務大臣(増田寛也君) 私どもの方で年金関係、三委員会がございます。それぞれ性格や実情等が異なっておりますが、現在の状況でございますけれども、いずれも会議を公開をいたしました場合には、委員の率直な意見の交換、それから意思決定の中立性を損なうおそれがあるといったようなことがございまして、これは立ち上げのときに運営規則というものを定めてございますが、そうした運営規則によりまして会議は非公開、そして、その中で監視等委員会は原則非公開でございますが、委員長が必要と認めるときは公開と、こういう取扱いになっているところでございます。  当然、そのほかの二つは非公開、それから監視委員会も委員長が必要と認めるときは公開ということで原則非公開でございますので、その後、それぞれの委員会の委員長が会議終了後ブリーフィングを行う、それから議事要旨のほか議事録を公表して透明性を確保すると、こういう扱いでございます。

津田弥太郎民主党・新緑風会・日本

○津田弥太郎君 あのね、この内閣官房にも置かれているんですよ。  渡辺大臣、年金業務・組織再生会議ですね。この会議の役割はどのようなもので、また昨日の会議がネット配信されるまで、これまで非公開を続けてきたわけですが、大臣、どういうふうになっているんですか。

渡辺喜美自由民主党内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(渡辺喜美君) この年金業務・組織再生会議というのは、御案内のように、日本年金機構が職員を採用するその基本計画を作ることとか、あるいは日本年金機構の業務の中でどういう部門がアウトソースできるかとか、そういったことを議論をしていただく会議でございます。この会議は原則公開ということになっております。  最初の会議のときに、私の方からは原則公開で、全面公開はいかがでしょうかという御提案を申し上げたのでございますが、委員の方々の中には、例えば舛添大臣がよく言われるレガシーシステムの詳細な実態を話さざるを得ない、その場合には民間業者の生々しい話なんかも出てきたりする、そういう場合にはちょっと非公開でないとなかなか発言しにくいとか、あるいは採用の基本計画を作るに当たってはどこからどこまで採用をするかと、こういう話でございますから非常にデリケートな問題もございます。何回処分を受けた、あるいはコンプライアンス違反、法令違反、そういったところをこの基本計画の中に盛り込むのになかなかタッチーな問題もあったりするということで、座長判断によって非公開とすることができるということにいたしました。  いずれにしても原則公開でございますから、会議、資料、議事要旨、それから議事録は原則公表でございます。また、昨日から始まったセッションでは、インターネット中継、これライブ中継、それから録画でも見られるようになっております。したがって、原則公開という趣旨は果たされているものと思います。

津田弥太郎民主党・新緑風会・日本

○津田弥太郎君 よく言うわ。  結局ね、知らしむべからずよらしむべからず、これ全部そうなんですよ。内容を公開しなきゃいけない、オープンにしなきゃいけない、検証しなきゃいけないというのが全部見えないところで議論がされている。ガラス張りにしなかったら意味がないんですよ。それが全くされていないというところ、これが実態です。  さて、年金問題続けます。  五月九日に社会保険庁は、オンライン上には年金納付記録が存在していなかった事例について、申立人が領収書を有していたことにより、八十四件の納付記録が間違っていたことを認めました。このうち二十九件については自後に市町村の台帳などで納付が確認をされ、最終的に五十五件、この五十五件が領収書のみでの記録の訂正となったわけであります。この八十四件と五十五件ということですね。  その後、数の推移については、九月の三日になって本年の三月末までの数字が発表されたわけであります。そこでの八十四件、五十五件、これに対応する数字は、舛添大臣、どうなっていますか。

舛添要一自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(舛添要一君) 今先生おっしゃったこと、ちょっと付け加えさせていただきますと、これは非常に大事な問題なんで、昨年十二月までに大体百万人ぐらいに御相談を受けました。そうしたら、領収書私持っているよと、だけどコンピューターの中に入っていないじゃないかと、この件数が今おっしゃった件数ですけれども、そこで、三月までにいわゆる五十五件、本当にその領収書しかない、市町村に行ってもない、本当に領収書だけが頼りだという方の件数が百八十件増加しまして二百三十五件でございます、二百三十五件。  それから、今先生おっしゃったように、市町村なんかのデータが実はあって、それで補強しながらやれたということ、つまり八十四件に対応する数字は三百七十一件増加いたしまして四百五十五件となっております。

津田弥太郎民主党・新緑風会・日本

○津田弥太郎君 舛添大臣、この五十五件ベースについては、地方自治体で調査を続けている限り長時間なかなか答えが出てこない。これはもうあっちこっち探していると言ってりゃ幾らでも時間稼げるわけです。  この八十四件ベースというのは、オンライン上の納付記録が領収書により間違っていたことが分かった件数でありますから、そうですね、これ極めて機械的に数字が出てくるわけです。全国三百九の社会保険事務所から連絡をもらえば、その日に集計ができるわけです。だから、一番新しいデータが常に出てくるわけです。一番新しい数字は何件になっていますか。

舛添要一自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(舛添要一君) 今、実はそれを九月末までの状況について集計をさせております。そして、この集計の数字が、大体年内をめどに今集計中ということでありまして、これは、今おっしゃったように、全部社会保険庁からすぐ数字もらってできるかというと、一応その領収書をチェックしてみたり、市町村にあるかという裏付けが必要なんで、それをやっている。  それで、間違ってコンピューターに入っているというよりも、コンピューターの中に、オンライン上になかったということが正確だと思いますんで、大体十二月を目指して今集計中でございます。

津田弥太郎民主党・新緑風会・日本

○津田弥太郎君 これまでの実績では、大体社会保険事務所当たり三か月に一件なんですよ。そうした訂正があるかどうかということなんだから、これマンパワーは関係ないんです。極めて容易に把握が可能なんです、この八十四件ベースの現在時の数字は。  何で九月末のが十二月末なんですか。そんなばかな話はないよ。もう一回。

舛添要一自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(舛添要一君) それは、今申し上げましたように、市町村に照会をしているからでありまして、一応やっぱり照会しないとですね、いいですか、領収書を持ってきますね、持ってきて、やっぱり一つでも二つでも後付けの資料があった方がいいんで、あなたはどの町のどのところでこういうふうに納付いたしましたって分かれば、じゃそこで領収書を探してみてください、そうすれば二重三重にいいわけですから、国民を信用していないということじゃなくて、正確なデータを期したいと、それで時間を掛けているので、何も手をこまねいてサボっているわけではございません。そういうことに時間が掛かっています。

津田弥太郎民主党・新緑風会・日本

○津田弥太郎君 これ、八十四件ベースというのは、手をこまねるとかこまねぬじゃなくて、形式的に出てくる話なんですよ。記録が、オンライン上記録がない。まあ間違っているかないかというのは、それは見解の相違だけれども、だからその数字がどのような状況であるかというのは、ある面では社会保険事務所のそれぞれの、三百九ある、その信憑性の問題とも関連してくるわけですよ。だから、この数字はタイムリーに出てこないと意味がないんですよ。もう一回。

舛添要一自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(舛添要一君) ですから、先生がおっしゃったように、こういう方が、要するに領収書ありますよと、それで、何人来ましたという、それは数字全部出ますから、その数字だけとにかく出せというなら、それは今至急にやるように指示をいたしますけど、ただ、私が申し上げているのは、そういう中に、本当に正しい領収書を持ってこられたのかどうなのか。それはやっぱり市町村と照合してそういう正確な全体像のデータを出した方がいいだろうという判断で調査をさしているので、何も手をこまねいているわけじゃなくて、どうしても先生が、今日段階で今何人来ているかと、とにかく領収書持ってきたという人の数だけ出せと言えば、それは指示をして懸命にやらせます。  ただ、その数だけを出すことは、ただその中に、先生、間違って、勘違いして、例えばですよ、別の領収書持ってこられたのかもしれない。百万件あって八十数件ですから、それはやっぱり一応検証して正確なデータを出したいという、そういう面の配慮もありますので、何も先生がおっしゃったのに出さないという、そういうことではございません。

津田弥太郎民主党・新緑風会・日本

○津田弥太郎君 出せるならすぐ出してください。これも委員長にお願いします。

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) ただいまの津田弥太郎君の資料請求につきましては、後の理事会で諮ります。

津田弥太郎民主党・新緑風会・日本

○津田弥太郎君 市区町村職員の年金保険料着服問題、舛添大臣のリーダーシップによる告発が始まりました。この大臣の方針自体、私も決して反対ではありません。ただ、中身について確認をさせていただきたいと思います。  大臣は、国際政治学者として活躍をされておられたときに、「求められる行政改革の姿」という論文を財経詳報という雑誌に書かれております。覚えていらっしゃるかどうか。この中で書かれている言葉の中に、官僚が不祥事を引き起こすのも、トップである大臣が省内を完全に把握をしていないからである、自らが主宰する省内の定期的会合を毎週開いているであろうか、部下の意見を十分に酌み取っているであろうか、という自らの論文を述べられているわけであります。  ということは、今後あなたの在任中に厚生労働省の職員あるいは社保庁の職員が不祥事を起こした場合には、当然あなたに責任が帰せられていく、それだけの覚悟を持って厚生労働行政に当たっていると受け止めてよろしいでしょうか。

舛添要一自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(舛添要一君) それは全く当然のことでありまして、信賞必罰、そして、よく市町村ばかりいじめておまえのところの社保庁や厚生労働省に甘いんじゃないか。全く違いますよ。それは、正確に申し上げると、この前も社会保険庁について全部告発して、私の地元ですけど、残念なことに、北九州市の小倉の横領案件については警察が逮捕しました。厳しくやっています。厚生労働省についても同じことについて、これは厳しく、一人残らず信賞必罰、必ずやります。

津田弥太郎民主党・新緑風会・日本

○津田弥太郎君 次に、無年金者の問題について舛添大臣にお伺いします。  六月十九日、無年金者、社保庁より無年金者の数に関し、厚生労働委員会に資料が提出をされて、数か月の作業期間をいただいた上で公表できるよう努力をしてまいりたいと。  四か月たちました。どうなりました。

舛添要一自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(舛添要一君) この数でございますけれども、これまた、先ほどちょっと御説明を申し上げましたことで、新たなコンピューターのプログラムを組まないと出ない。その特に無年金者の中で一番大事なのは、先生御承知のように、六十歳以上六十四歳以下の数字が欠けていたんですね。これは私は大問題と。じゃ、出るのかと言ったら、やっぱり一回一回残念なことにコンピュータープログラムを組まないといけません。それで指示しました。コンピューターのプログラムは完了しました。それで、今大車輪で大急ぎでやれということで、十一月下旬までに集計させます。

津田弥太郎民主党・新緑風会・日本

○津田弥太郎君 十一月下旬、約束しましたね。

舛添要一自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(舛添要一君) はい。

津田弥太郎民主党・新緑風会・日本

○津田弥太郎君 大丈夫ですね。よし。  この無年金に陥るということは、これは本人の責任ということもあるかもしれない。しかし、現実にこれだけ多くの無年金者が発生しているわけですから、国家の責務として年金制度そのものの改革も避けて私は通れないと思う。私は、国民皆年金という趣旨を貫徹する上では、老後の基礎的生活を賄う金額については税金で保障していくということが必要だというふうに考えるわけでありますが、福田総理大臣は、自らが年金未納の過去を持つわけでありますが、この件についての御見解をお伺いします。

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 福田総理大臣。──舛添厚生労働大臣。

津田弥太郎民主党・新緑風会・日本

○津田弥太郎君 それはないでしょう。

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 後に福田大臣から答弁をいただきます。

舛添要一自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(舛添要一君) この無年金者対策、これいろいろあると思います。  それで、特に今先生御指摘の民主党の案、私はいつも言いますけれども、学者のときには税金でやった方がいいという論文を正に書いておりました。ただ、その後、私、介護を経験しまして、実は介護も消費税でやった方がいいんじゃないかという考え一時持っていたことありますけれども、やっぱり自分が権利があって、恵みで、要するにお上の恵みでやっているんじゃないよと、もう自分の掛金でやっているというその自立性という面で優れた点もあると思います。  ですから、税金でやるのか保険料でやるのかと、これはずっと議論していかないといけないのと、それともう一つ、先生、これ民主党案だと解決しないといけないのが、生活保護との絡みをどうするのか。今、生活保護は、もう当然ですけれども、税金です。この年金は、半分は税金入っているとしても、基本的に掛金だという権利のものがある。そうすると、いつも我々が有権者に言われるのは、生活保護より低いじゃないのと、年金の方がと。この問題のバランスをどう考えるのか。  それから、もちろん財源をどうするのかというのは非常にあります。全額基本的なところを税金でやる、これも一つのいいアイデアだと思いますけれども、そのときにどうしても、仮にこれ全部を消費税で賄うとすると、やっぱり一〇%を超えるような消費税というのを想定せざるを得なくなるんで、こういうところの議論を正に国会の場できちんとやっていきたいなと思っております。

福田康夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(福田康夫君) 国民の老後生活の安定ということがございますので、無年金というのはこれ問題だと思いますよ。ですから、政府としては、そういうことが発生しないように、国民の理解を得ながらやっていくしかないということであります。  ただ、負担の問題について、今厚労大臣からもお話ししたとおり、これは大変大きな課題でございますので、これは正に与野党で一緒に考えていきたいなというふうに思っております。

津田弥太郎民主党・新緑風会・日本

○津田弥太郎君 端的にお聞きしますが、総理は何年間、払ってこなかったんですか。保険料を払ってこなかった、昔。

福田康夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(福田康夫君) 正確に覚えていません。

津田弥太郎民主党・新緑風会・日本

○津田弥太郎君 あなたは年金未納で官房長官を辞任をされたわけですが、そのときの記者会見で、政治に対する国民の信頼を失ったことはざんきに堪えないというふうに発言をされたわけでありますが、言葉の真意を教えてください。

福田康夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(福田康夫君) ちょうどこの年金問題が議論をされているときでありまして、そういうときに、本来払うべき立場の国民の一人として、またそれが政治家であるという立場で、そういう政治家の立場として決して好ましいことではないと、こう感じたからであります。

津田弥太郎民主党・新緑風会・日本

○津田弥太郎君 実はここに、昨年、東大生が書いたお役人言葉のなぞという本が出されているんですが、その中の東大生が選んだもう聞きたくないお役人言葉のワーストワンに、ざんきに堪えませんという言葉が選ばれています。  この著者の東大生によると、この言葉を知らしめたのは、今おっしゃった官房長官の福田康夫さんが、自らを含む閣僚たちの年金未納が発覚をして辞任を決意した際の記者会見の一言で、この東大生が理解するには、今おっしゃったことと違って、このざんきに堪えませんというのは、すんません、いいんじゃないそんなことというふうに理解をしているというふうに、まあよかったら後でお届けしますから、よく見ていただきたいと思うわけでありますが。  さて、私は、保険料未納問題を解決をするとともに、職業の別にかかわらず、すべての国民が同じ年金に加入する仕組みに改めること、すなわち年金一元化がどうしても不可欠だというふうに考えているわけでありますが、総理もそうした認識、決意をお持ちでしょうか。

舛添要一自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(舛添要一君) 最終的にはそれが一番やっぱり理想だというふうに考えます。  ただ、そこに行き着くステップとして、やっぱり国民年金と被用者の年金というのは、もう御承知のように、企業主が半分払っているというふうなこともございます。ですから、私たちは一歩一歩やっていきたいということで、被用者の年金の一元化をまずこれは是非今国会で成立させていただきたいなと思っています。そして、それをステップとして全部の年金の一元化ということをやるのが、段階的にやるのがいいんじゃないかなと、そういうふうに考えています。

津田弥太郎民主党・新緑風会・日本

○津田弥太郎君 総理、総理。

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) お答えになられますか。  福田総理大臣。

福田康夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(福田康夫君) 将来の年金のあるべき姿、しかし、年金だけでなくて社会保障全般について国民が安心できる、また信頼の置ける、そういう制度をつくらなければいけないと思っております。これは将来的な課題でございます。

津田弥太郎民主党・新緑風会・日本

○津田弥太郎君 それでは、中小企業退職金共済の未払問題について、舛添大臣にお伺いをしたいというふうに思います。  さきの衆議院本会議において、我が党の長妻議員の質問により、三百六十五億九千万円の退職金が時効を迎えた今も未払であるということが明らかになりました。まず、この原因についてお答えください。

舛添要一自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(舛添要一君) 今の現状の数字はよろしゅうございますか、原因だけで。

津田弥太郎民主党・新緑風会・日本

○津田弥太郎君 はい。

舛添要一自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(舛添要一君) 退職金をこれは適正に支給するためには、まず事業主がこの機構に対して退職届を提出しないといけません。それから、退職金請求書の入った退職金共済手帳というのがあります。これを労働者に交付しないといけないんですが、それで、これで退職するときにその紙に書いて請求すると。ところが、まあ理由をちょっと調べてみたんですけれども、退職者自身がこのシステムに入っていたというのをもう忘れていた、ないし、きちんと事業者が働く人に対してあなたはこういうのに入っていますよと知らせていなかった、そういうことがやっぱり一番大きな原因であったように思われます。

津田弥太郎民主党・新緑風会・日本

○津田弥太郎君 まあ聞きますわ、じゃ。  未払案件の中で金額の最も大きいのは幾らになるか。一千万円を超えるもの、五百万円を超えるもの、三百万円を超えるもの、それぞれ何件になりますか。

舛添要一自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(舛添要一君) 退職後五年以上未請求となったものの今の退職金のうち、一千万円以上のものが五件、五百万円以上一千万円未満が八十二件、三百万円以上五百万円未満は二百九十九件でございます。

津田弥太郎民主党・新緑風会・日本

○津田弥太郎君 これ、結局、退職金共済機構が契約上の当事者である事業主に過度に依存をし、個々の労働者への関与が薄かったことが問題なんですよ。そういうふうに答えなきゃ駄目だよ、大臣。  私は、国が掛金助成も行い、中小零細に退職金制度を普及させているということには、これは率直に敬意を表したいと思うんです。その立場から改善策を提言をしたいと思います。一つは、五年を既に経過をしてしまった案件、これについても機構が企業から提供された住所に基づき連絡を行う。あるいは、当該住所で連絡が取れない場合も、例の雇用保険トータル・システム、これを活用することも検討したらどうか、そのように思うんですが、このようなことを審議会で是非議論をしていただきたいと思いますが、いかがでしょう。

舛添要一自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(舛添要一君) 大変いい御提言ありがとうございました。  今おっしゃいましたように、早速、私、九月からこの問題看過できないということで対応を取りまして、まず、五年経過する前の方々に対しても、もう連絡先を入手しろと、そして今直接呼び掛けを行っております。それから、先般フリーコールを設置しまして、新聞にもこんなに大きな広告出しました。どうか皆さん、ここに掛けてくださいよと、あなたも対象者かもしれませんということで広報活動も行っています。それから、よく御心配なさるのは、五年の時効をどうするんだということですけれども、この件に関しては、五年過ぎたものであってもきちんと請求来ればお支払いすると。時効はありません。

津田弥太郎民主党・新緑風会・日本

○津田弥太郎君 時間がなくなってしまいました。総理に最後に一言申し上げたいというふうに思います。  七十一歳で総理大臣に就任されたと、偉大な父と完全に数字の上では並んでいるわけですが、お父さんを超えるためには解散・総選挙を行う、これはお父さん、やっていません。是非、この我が国の民主主義発展の功労者として後の世に伝わるよう、是非御検討をいただきますよう要望を申し上げまして、私の質問を終わります。

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 以上で直嶋正行君の質疑は終了をいたしました。(拍手)  午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時五十八分休憩      ─────・─────    午後一時開会

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  予算の執行状況に関する調査を議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。浅尾慶一郎君。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会・日本

○浅尾慶一郎君 民主党・新緑風会の浅尾慶一郎です。  今日は外交防衛の問題を中心に質問をさしていただきたいと思いますが、外交防衛自体、大変専門的なので、最初に分かりやすいテーマから行かせていただきたいと思います。  そこで、グリーンピアあるいは社会保険庁の建設、売却に関して、我が党の長妻衆議院議員がかつて社会保険庁のいろんな資料を調べたら、いろんなお問い合わせをされた政治家の名刺が出てきたということでありますが、グリーンピアの建設、売却に関して、あるいはグリーンピアの運営費が非常にほかのホテルと比べても高いということでありますが、国会の連絡室も含めて厚生労働省に対するお問い合わせ、どういうものがあるか、明らかにしていただきたいと思います。

舛添要一自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(舛添要一君) その前におさらいでございますけれども、国民の皆様にグリーンピア事業についてちょっと背景を申し上げたいと思います。  グリーンピア事業につきましては、昭和四十七年に策定されました基本構想に基づいて、昭和六十三年までの間にすべての施設、十三施設が建設されました。また、運営につきましては、施設が設置されている県又は公益法人によって行われておりました。その後、平成九年の閣議決定におきまして事業の廃止の方針が示されました。御承知のとおりです。  具体的には、各施設が年金資金を用いた資産であること等を踏まえ、施設を地域で、その地元で有効に活用いただくとの方針の下に、地元の地方公共団体へ優先的に譲渡することとして、平成十七年度までにすべて施設の譲渡を完了いたしました。そこまでが前提でございます。  その過程においていろんな陳情があったかということでございますけれども、これらの経緯の中で様々な関係者から政府に対して要望があったものと思われますけれども、設置に関する地方自治体からの要望を除きまして、具体的な事例は確認できませんでした。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会・日本

○浅尾慶一郎君 まず、グリーンピア事業については、誘致の過程、それから実際のグリーンピアの運営の過程、そしてグリーンピアの売却の過程において様々な問い合わせがあったということは、昨日レクの段階で政府委員が認めています。  これは陳情ということではありません。口利きということでもありません。問い合わせがあったということでありますが、それは資料に残っていると思いますので、その点について予算委員会に提示をしていただきますようにお願いしたいと思います。

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 委員長に対してですか。  ただいまの浅尾慶一郎君の資料提出につきましては、後の理事会でお諮りをいたします。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会・日本

○浅尾慶一郎君 あわせまして、グリーンピア以外にも社会保険事務所、社会保険庁の所管しておられます社会保険事務所の建設並びに、例えばビルメンテナンスといった運営についても様々な政治家から問い合わせ、まあ問い合わせを口利きというふうにとらえるか問い合わせととらえるかは御自由でありますが、問い合わせがあったと。それについてはリストが残っているということでありますので、そのリストも御提出いただきますように。  まず、そのことについて大臣、どういうふうに判断されるか、伺いたいと思います。

舛添要一自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(舛添要一君) いろんなところにいろんな形での陳情やお問い合わせがあったことはあると思います。そして、例えば国会連絡室において、ぱっと手書きでそれをメモするというようなことはあったと思いますけれども、それは基本的には破棄されているだろうと思います。したがって、今手元で調査してどれだけ出るかというのは今の段階ではお答えはできませんので、後は委員長の御裁断にお任せいたします。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会・日本

○浅尾慶一郎君 後段の社会保険庁に絡むものについても破棄されているだろうと思うということでありますから、破棄されてないものについては是非委員会に提出していただきたいと思います。よろしくお願いします。

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 併せて後の理事会で協議をいたします。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会・日本

○浅尾慶一郎君 それでは、テロに関して伺ってまいりたいと思いますが、まず、テロというものはどうして起きるのかということを、これは総理に、どういうふうに、どうして、なぜ起きるかという歴史認識も含めて伺いたいと思います。

福田康夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(福田康夫君) テロというのは、特定の主義主張に基づいて国家などにその受入れ等を強要したり、又は社会に恐怖などを与える、そういう目的を持って人の殺傷行為をするというようなことをいう、その定義というふうにしていると思います。  その原因ですね。お尋ねの原因につきまして、これはいろいろな事情がある、背景があると思います。一概に申し上げることはできないけれども、政治、民族、宗教、思想などの対立、そしてまた貧困問題とか経済開発の遅れ、そういうことがテロを一層助長していると、こういうふうな見方もあるところでございます。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会・日本

○浅尾慶一郎君 それでは、これは法律の問題でありますけれども、該当のどなたでも結構です、これお答えいただきたいと思いますが。  いわゆるテロ特措法においての定義のテロリズムと、今総理がお答えいただいたテロの原因とが余り合致しないように思いますが、その点について、どうしてそういうふうになっておるのか含めてお答えいただきたいと思います。どなたでも結構です。

高村正彦自由民主党外務大臣

○国務大臣(高村正彦君) 今総理がお答えしたのは、テロの背景をお答えしたんだと思いますが、その背景についてはまたこのテロ特措法と別にいろいろやっておりますが、テロ特措法は、いわゆるOEFだとかOEF―MIOだとか、そういったテロの、テロリストの脅威に直接対処する、あるいは阻止をする、そういった活動を規定しているものでございます。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会・日本

○浅尾慶一郎君 私が実はこれを聞かせていただいたのは、先ほど総理がお答えいただきましたように、元々貧困とか絶望ということがテロの根底にあると。その一つが九・一一テロだということだと思いますので、本来、その貧困対策とかあるいは絶望というのをなくしていくというのがあるべき政策論なんではないかなというふうに思いますが、それでその点を聞かせていただきました。  その点について、もう少し幅広く我が国として取り組んでいくべきではないかと思いますが、その点はどのようにお考えになりますか。

石破茂自由民主党防衛大臣

○国務大臣(石破茂君) 委員の御見識は、確かにそういう部分もあるだろうと思います。  よくテロの原因に圧制と貧困と言われますでしょう。じゃ、圧制と貧困が行われている国って我が国の近くにありますよね。そこに、じゃテロがあるかというと、ないわけですよね。だとすれば、圧制があればテロがない、だから圧制が良いのかというと、そういうお話には全然ならないわけですよね。そこのところはトレードオフの関係に立つわけではありませんが、基本的にはいろいろな、例えば日本でもありましたね、オウム真理教テロというのが。彼らも、民主主義によって選挙に立候補することによって自分たちの思うことを実現しようとした。だけれども、法定得票にも達せず、みんなおっこちたと。そこでぽおんとああいうことに飛ぶわけですね。  考え方はいろいろありますが、いろいろな人たちがいて、それがこれをやりたいということがある。しかし、それが実現できないということがある。実現値と期待値というふうに申し上げてもよろしいかと思いますが、実現値と期待値に乖離がある場合にテロということは起こり得る。つまり、自分たちが思っていることを民主主義的な手段によっては実現ができない。いろんな理由がございましょう。ですけれども、テロというものの本質は、私、前も答弁したことあるかもしれませんが、基本的に民主主義の全否定というのがテロの本質にあるのだと思っております。もちろん、貧困も絶望も解消していかなければなりません。しかし、貧困と絶望を解消するだけでよいのかといえば、そういう話になりませんで、そういうような民生の安定も大事だ、しかしながら軍事的なオペレーションというのも大事だ、その二つを両々相またせてどのようにしてテロをなくしていくかということだと私は思います。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会・日本

○浅尾慶一郎君 今の防衛大臣の御発言の中で、我が国の近辺に圧制国家があってそこはテロがないというのは、その国内においてテロがないという限りにおいてでありまして、国際的には米国もテロ支援国家というふうに指定されておりますんで、その点は御訂正されますか。

石破茂自由民主党防衛大臣

○国務大臣(石破茂君) 当然国内においてという意味で申し上げたのであって、かの国が、別にどこを特定しているかの問題ですが、それが、テロというのはどういうもの、つまり今議論されているのはテロというものがどういうものであるのか、それがまた個人テロと集団テロと国家テロと、テロというのは相当細分化して議論しないと本質が分からないところがあります。言い方が不完全であったかもしれませんが、国内においてという意味でもちろん申し上げております。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会・日本

○浅尾慶一郎君 もう一点伺わせていただきますが、今の大臣の御答弁ですと、テロに対しては軍事的なオペレーションが必要だということですか。

石破茂自由民主党防衛大臣

○国務大臣(石破茂君) それは民生の安定ということのみをもってしてテロがなくなるとは思わないということです。つまり、テロの目的が何なのかということであって、民生の安定ということがテロの目的なのかといえば、それはそうではない。あるいは、オウム真理教のように自分たちの理想の国家を実現したい、あるいは、総理から御答弁がありましたように、自分たちの主義、信条を実現したい、そのために民生の安定ということは、それはファクターから除外されるということはあり得るのでしょう。ですけれども、テロというものをなくすためには、そういうテロ行為というものをどれだけの人が支持をするのかということもまた問題なんだろうと思っております。ですから、民生の安定ということ、そしてまた国民あるいは大衆、それの支持がどっちへ向くかというお話、それは分けて考えるべきものだと思います。  それと同時に、軍事的なオペレーションというものも併せてやらなければいけない。ですから、テロとの戦いというのをやめたらばテロはなくなるかといえば、決してそうではないのだ。それは、国家と国家の戦争と非対称的な相手であるがところのテロ、そしてテロは強い者と強い者がぶつかるわけではなくて、低烈度のものをだんだんだんだんじわじわとやることによって全体的なテロ、これを増幅させることによって社会全体を混乱に陥れるもの、そういうようなテロの本質によく着目をしなければこの議論は間違えるんだと私は思います。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会・日本

○浅尾慶一郎君 もう一点質問させていただきますが、そうだとすると、拉致というテロに対して今テロ支援国家を外すという議論があるとすると、我が国としては一つの選択肢が狭められるという認識に立たれるかどうか。

高村正彦自由民主党外務大臣

○国務大臣(高村正彦君) 御質問の趣旨、はっきり分からないんですけれども、私なりに理解して申し上げると、やはり日本国とすれば日朝関係、拉致を含む日朝関係を進めるために、テロ支援国家に指定されている、そして北朝鮮が解除を求めている、望んでいると、そういうことを日本とすればてこに使わせてもらいたいと、こう思っているんですよ。日朝関係を進める、拉致問題を解決に向かって進めるそのためにこの問題を日本としててこに使いたいと、こう思っているんです。アメリカの側は、それは日本の立場は分かるねと、だけれども、それも分かるけれども、むしろ非核化のてこに十分使いたいと、こういうところがあると思いますが、日本とすれば、正に拉致は国家テロなんだから、これは外してもらっちゃ困りますよということはアメリカに言っているところであります。

石破茂自由民主党防衛大臣

○国務大臣(石破茂君) テロ支援国家に指定したというのは、いろんなファクターがあるんだろうと思います。よど号の犯人というものをどう考えるかという点もございますし、それは国際的にかくかくしかじか、こういうものをテロ支援国家というのだというスタンダードがあって、それに基づいて指定をしておるわけではありません。したがいまして、アメリカは幾つかの国を指定し、幾つかの国を解除をしておると、そういう状況にあるわけでございます。ですから、何をもってテロ支援というかということでございまして、今回、アメリカにおいてテロ支援国家を外すかどうかということにつきましては、日本の立場もはっきりしておりますわけでございますし、また外務大臣から答弁があったとおりだと思っております。  テロ支援ということ、拉致というものが国家主権の重大な要素であります国民を拉致している、そしてそのことがいまだなお継続しているということをとらまえれば、それはテロということになるのだろうというふうに思っております。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会・日本

○浅尾慶一郎君 それでは、いわゆる非対称戦争と言われるテロについて話を戻させていただきたいと思いますが、その非対称のテロの中で九・一一の脅威というのはまだ除去されていないかどうか、どう考えられますでしょうか。

高村正彦自由民主党外務大臣

○国務大臣(高村正彦君) オサマ・ビンラーディンはまだ捕まっておりませんし、それから、タリバン政権は崩壊いたしましたが、タリバンは一定のまだ勢力を保っておりますし、アルカイダはいろいろなところでテロを続行しておりますから、まだその脅威はなくなっていないと、こういうふうに思っております。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会・日本

○浅尾慶一郎君 そうだとすると、テロに対して、政府としてはインド洋で給油することがテロ対策になるということなんだと思いますが、それを、給油を継続していくということだと思いますが、その点について、前の安倍総理は職を賭して取り組むというふうにおっしゃっておられましたが、福田総理としても職を賭して取り組む覚悟があるかどうか伺いたいと思います。

福田康夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(福田康夫君) テロの脅威というかテロとの戦いですね、今実行している、これは国際社会としても重要な課題として位置付けているわけであります。インド洋における補給活動、これは諸外国が団結して行っている海上阻止活動というその重要なテロ対策の基盤になっておるわけであります。先般採択されました国連の安保理決議一七七六号にも示されていますように、国際的にも高く評価されている活動でありまして、活動の継続は強く期待をされております。  また、この二〇〇一年の九・一一のテロのときには三千名近くの犠牲者が出ました。そのうち二十四人は日本人だったということを忘れることはできないというように思っております。  そういうような海上自衛隊の補給活動を継続できるように新法の成立に全力を尽くすということは大変大事な課題だというように心得ております。でございますので、野党の皆様にも御理解をいただきたいと考えておるところでございます。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会・日本

○浅尾慶一郎君 端的に、安倍総理と同じように職を賭して取り組むかどうかお答えいただきたいと思います。

福田康夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(福田康夫君) 職を賭すとかそういうことは何を意味するか分かりませんけど、具体的に。政治家として極めて大事な課題だと考えておるわけであります。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会・日本

○浅尾慶一郎君 一部にはこの臨時国会をさほど延長しないで、つまり参議院にその特措法を送らないで閉じるという報道もされておりますが、職を賭すかどうかは別として、大事な課題だということであれば、参議院まで送って成立に取り組むという決意があるかどうか伺いたいと思います。

福田康夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(福田康夫君) それは、この新法が成立しますように全力を挙げたいと思っておりますけれども、国会のその会期のことにつきましては国会でお決めになることでございますので、私から云々することはできません。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会・日本

○浅尾慶一郎君 お答えは要りませんが、大分安倍総理とはニュアンスが違うという印象を受けたということだけ指摘をさせていただきたいと思います。  次に、この不朽の自由作戦、OEFと言われておりますものですけれども、この国際法上の性格について伺っていきたいと思いますが、当初はこれは自衛戦争ということでありますけれども、その後、カルザイ政権の同意によって、爆撃をしてもあるいはトマホークを撃ってもこれは警察活動だというふうに政府の解釈があるわけですけれども、まずその解釈は正しいかどうか、政府はそういう解釈かどうかお答えいただきたいと思います。

高村正彦自由民主党外務大臣

○国務大臣(高村正彦君) 基本的に正しいと思っています。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会・日本

○浅尾慶一郎君 それでは、カルザイ政権は、例えば空爆がされるとかあるいはトマホークがどこどこに撃ち込まれるということに対して具体的にどういう同意を与えているんでしょうか。

高村正彦自由民主党外務大臣

○国務大臣(高村正彦君) 具体的にトマホークをここに撃っていいですよとか、そういうことの同意を一々与えているわけじゃないと思うんですが、全体的に、例えば各国が具体的にいかなる形で同意を得ているかということは、それは日本政府として必ずしも知り得る立場にないわけであります。  ただし、例えば二〇〇二年一月にブッシュ米大統領とカルザイ・アフガニスタン暫定行政機構議長が発出した米国とアフガニスタンの新しい関係に関する共同宣言においては、両国はタリバンの残党やアルカイダのネットワークを根絶するため継続的して協力するというコミットメントを再確認したとしているわけであります。  また、二〇〇四年三月にベルリンで開催されたアフガニスタン復興支援会議で採択されたベルリン宣言においては、不朽の自由作戦がアフガニスタン政府の要請と歓迎に基づくものであることを明記した上で、その関与が新しいアフガニスタン治安武装部隊が十分に組織運用されるまでの間、継続されることに合意がされているわけであります。  これらのことから分かるとおり、不朽の自由作戦が領域国であるアフガニスタン政府の同意に基づき国際法上適切に行われていることは明らかだと思います。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会・日本

○浅尾慶一郎君 最近はカルザイ大統領自身が、非常に二次災害、直接タリバンと関係ない人の被害が多く、そのことがかえってテロの温床になっているので是非空爆はやめてほしいというような要請も米国に対してされているというふうに聞いております。  今の、具体的にどこどこに対して空爆していいという同意はないけれども、包括的な同意ということでもって、自衛ではなくて警察活動だというのは私は少し無理があると思いますが。つまり、彼らの立場からすると、米国が勝手にやっているという立場に立っているんではないかと。そうだとすると、自衛だというふうに解釈した方がまだ筋が通るんではないかなと思いますが、その点は考え方が違うんでしょうか。

高村正彦自由民主党外務大臣

○国務大臣(高村正彦君) 今答弁いたしましたように、基本的には同意だと、そういうふうに思います。  ただ、個々のことについて、これは行き過ぎじゃないのとか、そういうことがあるというのと、包括的に同意があるということはこれはまた別の問題だと、こういうふうに思います。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会・日本

○浅尾慶一郎君 これ、これ以上議論してもあれですけれども、やはりそれは警察活動というのは若干無理があるんではないかなと私は思います。  次の質問に移りますが、二〇〇三年の補給艦への給油の、これは暦年、暦年というか、年度は出していただいておりますが、月別の補給艦への給油を出していただきたいんですが、その数字を出していただけますでしょうか。

石破茂自由民主党防衛大臣

○国務大臣(石破茂君) かねてから月別の補給艦への燃料給油実績につきまして御党から資料の提供を求められております。現在、最終の精査中でございまして、一両日中にお出しをいたします。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会・日本

○浅尾慶一郎君 それでは次に、ペコスへの給油量が異なった理由についての調査結果はいつごろ出ますでしょうか。

石破茂自由民主党防衛大臣

○国務大臣(石破茂君) これは、経緯につきましては、この委員会でお話をしたとおりでございますので、繰り返すことはいたしません。  なぜこのようなことが起こったのか、私どもとして、事務的なミスという、これもお恥ずかしいお話でございまして、おわびをせねばならぬものでございますが、なぜこの事務ミスが起こったのか、そして、なぜそれをチェックすることができなかったのかということにつきまして、関係者からの当時の事情の聴取という言葉を仮に使うとしますならば、そういう作業を今鋭意行っておるところでございます。  これは、海上自衛隊のみならず防衛省全体、内局も答弁の作成等々にはかかわっておることでございますので、関係者が相当多数にわたります。その多数の関係者から当時の事情を聴きまして、それを全部照合しておる作業を今昼夜兼行で行っておるところでございますので、そういうものが判明し次第、できるだけ早急に出せるように、今省内督励しておるところでございます。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会・日本

○浅尾慶一郎君 次に、イラク戦争のときにトマホークをイラクに向かって発射したイージス艦のポール・ハミルトンに対しても給油をしておりますが、このポール・ハミルトンはアフガン本土にもトマホークを同時期発射しておるんでしょうか。

石破茂自由民主党防衛大臣

○国務大臣(石破茂君) イラクに発射したということと、私どもが補給しました油が使われたかどうかということは、これはまた別の問題でございます。ポール・ハミルトンがアフガニスタンに発射したかどうか、それはアメリカの記録を見なければ分かりません。しかしながら、外務大臣からお答えが累次ございましたように、それは自衛、あるいはアフガニスタン・カルザイ政権の同意を得てということは別にいたしまして、どちらにしても当然許されたOEFの行為であるというふうに考えております。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会・日本

○浅尾慶一郎君 今の御答弁のイラクに発射した場合はどういうことになりますでしょうか。

石破茂自由民主党防衛大臣

○国務大臣(石破茂君) それは、問題になりますのは、私どもの補給した油というものがOEFに使われたかどうかということがまさしく論ぜられるべきものでありまして、それと全く関係ない日時におきましてイラクに対してトマホークを発射したということについて我が政府として云々申し上げる問題ではございません。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会・日本

○浅尾慶一郎君 全く関係ないというよりかは、かなり隣接した日時で発射しているということだと思います。この点について、また別途質問をさせていただきたいと思いますが。  現在、この給油は無料で行われております。無料で行われているがためにいろいろと言われますが、これは給油を有料で行うという選択肢はなかったんでしょうか。ちなみに、諸外国は有料で給油しています。

石破茂自由民主党防衛大臣

○国務大臣(石破茂君) それは、選択肢としては当然あるんだと思います。  ただ、当時の議論におきまして、我が国が果たすべき責任というのは何なのだということを考えましたときに、やはりその経済的な負担というものを我が国が負うことも、それは我が国が国際社会に対して果たすべき責任の一つではないだろうかという議論で無償というふうになったように記憶をいたしております。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会・日本

○浅尾慶一郎君 累次の外務省、防衛省、特に防衛省の説明では、能力の点が評価されているということであって、経済的な面ということではないわけでありまして、そういう観点からいうと、今度の新しい法律においては有償にするということも検討されたんでしょうか。

石破茂自由民主党防衛大臣

○国務大臣(石破茂君) 有償にしたらどうなるかというシミュレーションは、それは、私、余りこの言葉は好きじゃないんですけれども、頭の体操という意味ではあったんだと思っております。その議論は常にあるのだと思います。  ただし、ただし、どの国も金があり余っているわけではございません、我が国も同様でございますが。あるいは、非常に我が国に比べてなお経済的に逼迫をしておる国に対して無償ということは大変な意味のあることなのだろうというふうに思っております。  これ、我々も車を運転しますが、ただのガソリンスタンドあったらめちゃめちゃうれしいですよね、それはないわけですが。補給があると、なおかつただであるということになりますれば、それは経済的な負担もない。そして累次お答えしておりますように、日本の補給艦が浮いているということは非常な信頼性、あそこに行けば必ずいると、そして確かな技術で補給が受けられると、これはすごい安心感でございます。なおかつただということをどれだけ評価をするかであって、何だ、ただなのかというふうにおっしゃる方もありますが、無料ということが、我が国の国民の負担によって賄われておる無料ということがどれだけ多くの国にとって有り難いものなのか。何も恩着せがましく言うつもりは全くありませんが、経済的に非常に厳しい国においてこれが無償であるということは大きな意味を持つものだと思っております。

高村正彦自由民主党外務大臣

○国務大臣(高村正彦君) 海上阻止活動というのを各国が役割分担をしてやっているわけなんです。日本はその補給だけをやっているんですね。ほかで補給艦出している国は、自らも海上阻止活動をやりながら補給もやっている国と、日本みたいに補給だけやって海上阻止活動をほかの国にやっていただいている国とは、これはおのずから違うんだろうと、こういうふうに思います。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会・日本

○浅尾慶一郎君 今の高村外務大臣の説明は一つの考え方として私は理解します。  つまり、正面に立たないからガソリンをただにしているんだという多分御説明だと思いますが、それはそれで一つの考え方だと思いますので、次の質問に行かせていただきたいと思いますが、実際に、ただ一言だけ申し上げておきたいのは、現場で働いておられる人のいろんな話を聞くと、ただよりは有料の方が自分たちとしてもやりがいがあるんだということは言っていたということだけは申し上げておきたいと思います。  次に、今一番問題となっております空母への給油について伺いたいと思いますが、そもそも攻撃型空母への給油は自衛権の発動が終わった段階では想定がされないんではないか。つまり、そんな空爆、空母を使って空爆をしなければいけないような事態というのは実際にほとんどなかったんではないかというふうに思いますし、特にこのキティーホークについては、その直後に、まずイラクの南方監視作戦に従事しておりますし、そのままイラクの戦争に従事をしていると。  一方で、海上阻止活動において取り締まるダウ船と言われる船は、まあ日本の漁船のようなものをイメージしていただければいいわけでして、そういう小さな漁船に対して、空母、非常に高さが高いものが接舷もできるはずもないわけで、空母に対する給油というのはそもそも海上阻止活動においてはどう考えても私は無理があると思いますが、どなたか、いや、これは無理がないんだと国民が納得する形で説明していただきたいと思います。

石破茂自由民主党防衛大臣

○国務大臣(石破茂君) 委員御案内のとおり、攻撃型空母とそうじゃない空母があるわけではございませんので、もう総論で空母というふうに申し上げますが、実際に御指摘のように喫水が高いですから、接舷してとかそういうことはございません。  私どもの国は航空母艦を有しておりませんので、その使い方ということについて完全な知識があるわけではありませんが、やはり航空母艦のプレゼンスというものが非常に意味があるのだろうと思っております。それに航空母艦がいるということ。これは浅尾議員の方がよく御案内かもしれませんが、何か事が起こるたびに合衆国大統領がまず発する言葉は、我が空母はどこにいるという言葉をまず発せられるのだそうでありますが、航空母艦のプレゼンスというもの自体をどう考えるか。  あるいは、航空母艦の搭載機にいたしましても、例えば御案内のE2Cという飛行機がございます。あるいは回転翼航空機も多く搭載をしております。それが、いわゆる攻撃機のみを搭載しておるわけではございません。そしてまた、空母自体が単体で動くわけではございませんので、全体の空母機動群というものを編成しておるわけでございます。  そのプレゼンスというものをどう考えるかという点と、そして航空能力において優れております航空母艦が回転翼航空機あるいはE2Cのような哨戒機、そういうものを飛ばし得る、そしてまた飛ばすということはOEFに相当の意味があるものと考えております。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会・日本

○浅尾慶一郎君 コスト的に考えても、空母というのは打撃能力なんです。その打撃能力を持った空母機動艦隊を小さなダウ船の取締りに使うというのはコスト的に絶対合わないと思うんですが、コスト的に合う説明をしていただければと思います。

石破茂自由民主党防衛大臣

○国務大臣(石破茂君) コスト計算をしながらオペレーションをやるということは、普通、軍事的に余り行われないことでございます。  そこで、実際にその、コスト計算したら合わないものなんて幾らでもありますからね、そんなもの。そこへ、実際のプレゼンスというものをどう考えるかということ。空母すなわち攻撃なのだというふうに考えますのは、それは第二次世界大戦とかそういうときはそうであったかもしれません。しかしながら、現在において多くの機能を有しております航空母艦、そしてどのような飛行機が搭載をされておるか、それがどのような飛び方をするかということも全部併せて考えましたときに、そしてOEF、そしてまたそれを支援しますOEFというミッション、全体を考えましたときに、航空母艦は不要であると、そういう結論はかなり短絡的かと存じます。

高村正彦自由民主党外務大臣

○国務大臣(高村正彦君) 治安活動、警察活動にトマホークは要らないだろうというのは、日本みたいに安定した国ならそのとおりですよ。そのとおりですが、タリバン政権崩壊しても、やっぱりタリバンというのはその前まで軍隊であったわけで、軍隊を持っていた国の政府だったわけでありますから、それが正に地方に去って、それなりの軍事力ともいうべきような実力を持って治安を乱しているというときであれば、それは理論的には警察活動、治安活動であっても一般の軍事活動と同じような実力を行使することが必要な場合は十分あり得ると、こういうふうに思います。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会・日本

○浅尾慶一郎君 それでは、実際に自衛権の行使でない状況になった後で航空母艦が出動し、そこから艦載機が飛び交ってアフガニスタンを空爆した例があるかどうか、後で結構ですけれども、お調べいただきたいと思いますが。

石破茂自由民主党防衛大臣

○国務大臣(石破茂君) それは調べて御報告を申し上げますが、そういう例が皆無であったとは私ども承知をいたしておりません。  今、外務大臣から御答弁がありましたように、精密誘導兵器を使ってピンポイントでたたくということはあり得ることでございます。そういたしますと、そのときにそれにふさわしい兵器が使われるということはございますし、精密誘導兵器の精密誘導兵器たりますゆえんは、例えば何丁目何番地何号というふうにプログラムをすると、そのプログラム自体が誤っていなければ民間人を殺傷せずにピンポイントで軍事目標のみをたたき得るという点にございます。したがいまして、そういうものを使うことは、それは警察活動としてもあり得るということは委員御案内のとおりでございます。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会・日本

○浅尾慶一郎君 かなり分かりにくい答弁だと思いますので、もう少し具体に沿って伺ってまいりたいと思いますから。  二月二十五日に補給をしております。そして、補給した量を三日間で使い切ったとすると、その三日目以降にOSWという任務に従事したというのが米国国防総省の返答でありますが、二つありまして、一つは、その我が国が補給した油の以外にもキティーホークの中には油が入っているんですね。全く空ということはあり得ないわけですから。そうだとすると、後に入れたものが先に消費されるという理屈はどこから成り立つんでしょうか。もう一度言いましょうか。分かりますか。  後に入れた油が先に使われたという限りでない限り、政府の説明は論理破綻するということです。

石破茂自由民主党防衛大臣

○国務大臣(石破茂君) 我が方が補給をいたしました油というものを三日間に使い切ったということの御説明をいたしておるわけでございます。そういたしますと、それはもうすべての説明が成り立たないということをおっしゃりたいのだと思いますけれども、私どもが補給をした、その補給した油というもの、そうしますと、先に補給した、後に補給したという議論そのものが成り立たなくなってくるわけでございますね。私どもが御説明をしておりますのは、我々の「ときわ」からペコスに補給をした、ペコスからキティーホークに補給をした、その油をその量を使い切ったかどうかということの御説明をずっとしておるわけでございまして、そのことは、逆に申し上げれば、そういうような言い方をすることによって、私どもの補給した油がその目的どおりに使われたという言い方も同時にできる、できないという言い方もできるかもしれませんが、できるという言い方もできる、それは概念としては非常に難しい整理になりますが、どちらも成り立ち得る論理だと思っております。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会・日本

○浅尾慶一郎君 キティーホークの艦長の年次報告書には、残念ながらOEFという言葉は一切出てこないんです。OSWとOIFという、いずれもイラクに関する作戦名しか出てこないんですが、出てこないにもかかわらずそのぎりぎりの期間だけOEFだったというのはどうやって証明されるんでしょうか。

石破茂自由民主党防衛大臣

○国務大臣(石破茂君) それは、キティーホークが帰ってきていろいろなことを発表いたします。その中で、特筆すべきというのか、我がキティーホークはこんな任務にも従事したのだよということを、例えばシーホークでありますとかあるいは年次報告ですとか、そういうことに書いております。では、そこに書いていないことはやっていなかったのかといえば、そういうことではございません。  実際、その時期に、キティーホークの航泊日誌等々を見てみましても、そこでやっておりますことはOEF、少なくとも、委員御案内のとおり、イラク戦争というのが始まりましたのは三月二十日の時点でございます。そして、その前に行っておりますOSWというものの法的性質につきましても、これは今私が御説明するまでもございません。  そういたしますと、それまでの期間何をしておったのかということになれば、それは当然OEFというふうな推論が当然なされるべきでございますし、その時期にやっておったことがどうなのかといえば、全くOEFにそぐう活動をしておったということを確認をしておるということを申し上げております。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会・日本

○浅尾慶一郎君 今言われたそのOSWというのは、イラクの南方空域を監視するということなんですね。南方空域の監視は、やはりホルムズ海峡を越えたらこれは南方空域に入るというのがアメリカ側の整理にもなるんじゃないでしょうか。その点はどういうふうに考えられますか。

石破茂自由民主党防衛大臣

○国務大臣(石破茂君) OSWの法的な評価につきまして御説明申し上げる必要がありますか。申し上げる必要がありますか。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会・日本

○浅尾慶一郎君 はい。

石破茂自由民主党防衛大臣

○国務大臣(石破茂君) それは、湾岸戦争以来の累次の国連決議に従ってやっておる行為でありますし、これは委員の方がお詳しいのかもしれませんが、レーダー波を照射されたということになりますと自衛の措置をとってよいということは、これは国際法上の常識でございます、

浅尾慶一郎民主党・新緑風会・日本

○浅尾慶一郎君 ちなみに、OSWに従事することもテロ特措法の趣旨に合致するということですか。

石破茂自由民主党防衛大臣

○国務大臣(石破茂君) そのようなことを申し上げておるわけではございません。  OEFというものに従事をしておるということを御説明をしておるのでありまして、それがOSWという行動を同時に行っていたとしたらどうなるのかという御趣旨だとするならば、それはOEFという活動、これもやっておったという御説明になるのだと思います。  じゃ、OSWはどうなのかといえば、それは監視、まさしくウオッチという言葉に表されますように、監視をしておったということでございますし、そこでレーダー波を照射されれば自衛の行為としてそこを攻撃するということ、これは当然認められておることでございますし、このことについて国連で何か疑義が提起されたことが一度でもあるかといえば、一度もないのも御案内のとおりです。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会・日本

○浅尾慶一郎君 私が伺っておりますのは、OEFとOSW、両方の任務に従事しているということは法律に反しないのかということです。

石破茂自由民主党防衛大臣

○国務大臣(石破茂君) 反するものとは当然考えておりません。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会・日本

○浅尾慶一郎君 これは、そうだとすると、OEFという冠を付ければ何でもできてしまうと。  確認しますと、こういう例はありませんが、OEFに従事しつつOIFでも反しないということですか。

石破茂自由民主党防衛大臣

○国務大臣(石破茂君) それはもう繰り返しになりますが、その時期に何をしておったかということでございます。  ですから、キティーホークについて申し上げれば、私どもの油がOEFというものに使い切られたということを申し上げておるわけでございまして、じゃ、OEF兼OIFということになればどうなるのかということでございますが、私どもがきちんと御説明をしなければいけないのは、その油がOEFに使われたかどうかということなのでございます。我々が証明をしていかなければならないのはOEFに使われたかどうかということでありまして、じゃ、OEF、OIFということが同時に行われたかどうかという御質問であるならば、そういうことが行われたということは、これから確認もいたしますけれども、基本的にその油がOEFに使われたということを御納得いただくような説明をこれからもしていかねばならないと思っております。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会・日本

○浅尾慶一郎君 いいですか。OEFとOSWについては一緒であってもおかしくないという説明でありました。その点について言うと、本来は、じゃどうして日本が給油したのが全部OEFであって、OSWには一切使われてないのかということになりますので、そこも矛盾がありますが、私がもう一点聞かしていただいたのは、OEFとOIFでもいいのかという点であります。

石破茂自由民主党防衛大臣

○国務大臣(石破茂君) これは防衛省から必ずしもお答えすることが適当かどうかと思います、物事の所掌から申し上げまして。  ただ、ずっと御説明をしておりますのは、実際にOIFの活動が始まりましたのは三月二十日である、それには使われておらないという説明をいたしました。それがOIFのみに使われたということは、それは当然目的外ということになるわけでございます。  これから先、OEF、OIF、同じオペレーションを持つということが本当にあり得るのかどうなのかということは、これはきちんと調べて御説明をしなければならないことだということは認識をいたしております。

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 速記止めてください。    〔速記中止〕

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 速記を起こしてください。  それでは、高村外務大臣、答弁をお願いいたします。

高村正彦自由民主党外務大臣

○国務大臣(高村正彦君) 今のテロ特措法で要求されていることは、OEFに使われるということでありますから、先ほど委員が、冠に付ければいいのかといったら、そうじゃない、実態としてOEFに使われているということが必要であると、こういうことです。そして、そこに私はほかの任務が一緒にあったことがあったかどうか、それは承知しておりませんが、今の法律の建前でいえば、OEFに使われる、使われたという実態があればそれは適法だと、こういうことであります。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会・日本

○浅尾慶一郎君 ということは、例えばこのケースについていいますと、横須賀から出ていってインド洋を横切るところだけOEFで、イラクの近くに行ったら違う作戦でもそれはいいんだという解釈ですか、主たる任務がイラクだったとしても。

高村正彦自由民主党外務大臣

○国務大臣(高村正彦君) 日本が給油した油を使い切る、その時点がOEFであればそれは一向に構わないと。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会・日本

○浅尾慶一郎君 それでは、目的地がどう考えてもイラクなんですよ、目的地がイラクなんです、イラクに行く途中で油を補給して使い切ってしまえばいいんだということになりますね。

高村正彦自由民主党外務大臣

○国務大臣(高村正彦君) その間に実態としてOEFという任務に当たっていればそれは一向に構わないというのが今の法の建前であります。

石破茂自由民主党防衛大臣

○国務大臣(石破茂君) 先ほどのインド洋に行く途中がOEFであればというお尋ねの意味がちょっと私よく分からないのですけれども、インド洋に行く途中がOEFであればということですが、例えば東シナ海であれ何であれ、それは行く途中ならそうなるのかといえば、それはそういうことではございません。それはちょっと御質問の趣旨がちょっとよく判じかねますので、また御教示をいただければと思います。  じゃ、目的地がイラクなのかということですが、それはあの海域、あの地域を地図で思い浮かべていただければ分かるのですが、どっちかだけということはそれはないのでしょう。それは、OEFをやり、その後でOIFの作戦に移るということは、これは当然あることなのでございます。それは、地域が近接をしておりますから当然ある。  そして、例えば航空母艦というものはナイト・ランディング・プラクティス、これをきちんといつもやりませんと航空母艦として成り立たないわけですね。じゃ、そういうような飛行訓練をやっているということは、それはOEFのためでもありましょうしOIFのためでもありましょう。  ですけれども、それがOEFにならないかといえば、それはそんなことはない。やっぱりそれはOEFという作戦をきちんと遂行いたしますためにやらねばならないことでございまして、それはOEFのために使われたというふうな評価は十分成り立つものでございます。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会・日本

○浅尾慶一郎君 片道方式の質問なので余りしゃべるとやや不利なんですが、若干説明をさせていただきますと、今のお話で、航空母艦はNLPというのをやらなければいけないと。あるいは給油された三日間の後、精密照準爆撃訓練というのもやっています。精密照準爆撃訓練というのは、これは適宜やっておかないとピンポイントで爆撃が当たらないということですが、その訓練をやった直後に起きたのはイラク戦争ではなかったでしょうか。

石破茂自由民主党防衛大臣

○国務大臣(石破茂君) これは、まさしく委員御指摘のとおり、かなり頻度を上げてやらなければ能力は高く維持されないということなのでございます。  ですから、その頻度は非常に高く行われるということでございますし、その精密爆撃訓練、言葉は正確に使わなければいけませんが、それは、冒頭の議論にもありましたように、OEFにも当然使われるものでありまして、その訓練をやるということがOEFのためでもあるということは当然言えるということを申し上げたいのです。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会・日本

○浅尾慶一郎君 私が申し上げたいのは、その訓練をした後に実際の作戦に従事したのはイラクでの作戦であったと。  したがって、アフガニスタンへの空爆があったのかどうか分かりません。分かりませんが、多分間違いなく、二月の二十五日以降の最初の作戦というのは、軍事的な作戦はイラクの作戦であったと。適宜訓練が必要だとすれば、正にイラクの作戦のために給油を受けた後訓練をしていたというふうに考えれば、これは、これは間違いなくイラクのためにやっていたということだと思います。

石破茂自由民主党防衛大臣

○国務大臣(石破茂君) それは、どういう結論を頭に置いて立論をするかということになるわけでございます。  要はイラク戦争なのだと、この油はイラク戦争に使われたのだということを念頭に置いていろんな議論を組み立てれば、それは委員のようなお話にもなるのかもしれません。これは論理の世界のお話でございます。  他方、この精密爆撃訓練というものを、本当に、これはアフガニスタンでも全く今なくなったわけではございません。それは、外務大臣から答弁がございましたように、タリバンというものがそういう軍事的な能力を持っておる、国又は国準という評価には当たらなくても、そういう能力を持っておりますときに、そういうことをやらねばならない必要性というのが当時もあったし今もあるのかもしれません。  そういうものに対して行われたということであるならば、それはOEFのために使われたということも、これもまた事実としてあることでございます。それは、事実は事実としてお認めをいただきませんと、議論は議論として成り立たなくなります。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会・日本

○浅尾慶一郎君 事実は事実としてということであれば、逆に、二月二十五日から二十八日の間に、先ほどありましたように、OEFもやっていたしOSWもやっていたというのも事実として認められますか。OEF兼OSW、サザンウオッチもその間やっていたというのは事実として認められますか。

石破茂自由民主党防衛大臣

○国務大臣(石破茂君) それは記録をもう一度きちんと見直してみますが、OEFと、聞いていらっしゃる方、見ていらっしゃる方は分からないかもしれません、OEFというのは不朽の自由作戦というアフガニスタンを対象にしたもの、OSWというのはサザンウオッチという監視作戦をやっていたということ。これは、二つは当然並立し得る、並行し得るものでございます。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会・日本

○浅尾慶一郎君 そうだとすると、艦載機が離着陸しているのも正にOSWの部分もあるという理解でよろしいわけですね。(発言する者あり)

石破茂自由民主党防衛大臣

○国務大臣(石破茂君) 御質問があちらこちらから飛んできますので、できれば質問者一人に集中していただきたいと思っております。どうも頭が集中しませんものですから、できれば国対におきましても御配慮をいただきたいと思うものでございますが。  お話は、御指摘は、この間、OSWが並行して行われたのではないかというものでございます。  ただ、これ記録を見てみますと、キティーホークがOSWに参加をいたしましたのは三月の初め以降ということでございます。ここは記録からそのように出ておりまして、二月二十五日から二十八日までの三日間にこの任務を遂行していたということではございません。それまでに二十五日にペコスから、補給艦でございますね、航空母艦キティーホークに補給されました六十七万五千ガロンの燃料すべてが消費されているというお話をるるしておるわけでございますが、そのように考えましたときに、OSWに日本の燃料が消費をされたということはないというのが私どもの認識でございます。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会・日本

○浅尾慶一郎君 この議論をやっていますと、何としてもOEFに使われたんだというふうに政府としては主張されたいということだと思いますが、私は、そもそもアメリカからすると、このテロとの戦いにおいて、イラクもアフガンもアメリカ側からすると、アフガニスタンとイラクのフセイン政権、あるいはアルカイダとフセイン政権が少なくともイラク戦争の前までは一致のものだということをブッシュ大統領は言っておられるわけです。  ですから、問題は、日本政府がアメリカに対して十分説明をしてこなかったということも一つの原因じゃないかと、我々はその立場じゃないですけれども、今混同されているのは十分説明してこなかったのが原因じゃないかと。別の言い方をしますと、アメリカの立場からすると、日本はテロとの戦いで油を供給してくれているんだと、したがって、イラクはテロリストの巣窟だとそのときは言っていたわけですよ、フセイン政権はアルカイダと手をつないでいるんだと、だからフセイン政権をたたくためにOSWであれOIFであれその油を使ってもいいんだというふうに理解をしていたんじゃないかというふうに思います。  その点について政府に聞きますと、いや、交換公文でちゃんとやっているんだというふうに言うんですが、交換公文を読んでみますと、法第一条の趣旨にのっとってということがいろいろ書いてあるんですが、法に従ってということしか書いてありません。法を読むと、テロリストと戦うという、テロリズムをなくすということですから、このテロリズムは、イラク、当時の、ブッシュ政権が言っていたイラクはアルカイダと関係があるんだという立場と、日本は、いや、イラクはアルカイダと関係がないから、この油は是非それ以外のアルカイダのために使ってくださいよと、どの程度説明したのか、御説明していただきたいと思います。

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 外務大臣、答弁されますか。高村外務大臣。

高村正彦自由民主党外務大臣

○国務大臣(高村正彦君) オペレーションの前に説明しているのは海上自衛隊から派遣されている連絡員ですから、それについては後でしていただきたいと思いますが、先ほどの御質問について、米国防総省の報道発表があります。キティーホークの行動でありますが、二月の二十五日から二十八日の三日間にキティーホークはOEFを支援する以下の任務を行った。海面捜索監視統制、対水上戦闘航空偵察、海上阻止行動の哨戒、戦闘空中哨戒、捜索及び航空救難、指揮統制、空中給油、電子戦の訓練及び即応、暗視装置能力、精密照準爆弾訓練、模擬近接航空支援、精密航空計器能力、艦載機着艦能力、前方航空管制並びに航空機防御、こういう支援を行ったと、こういうことをアメリカが、アメリカ国防総省がプレスに発表しているところでございます。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会・日本

○浅尾慶一郎君 今の質問に対する答え。

石破茂自由民主党防衛大臣

○国務大臣(石破茂君) 日本の法律というものの趣旨は、これはかなり事細かに合衆国には説明をいたしております。それは、イラク特措法のときも私、防衛庁長官でございましたが、イラク特措法を一回英語に訳して、日本国憲法との関係も併せてるる米国に説明をいたしました。これは、テロ特措法におきましても同様だと思っております。  この法の趣旨、つまり我が国の場合には法の趣旨にのっとってしか自衛隊は活動しないということがこれだけ厳格なものであるのだということ。そして、法の趣旨、それは合衆国に対しましてもきちんと説明をいたしておりますし、交換公文だけではなくて、補給をいたしますときに、現場の調整官が一体何に使うのか、どれだけ要るのか、そのことも全部確認をしながら補給をしておるということも累次御説明をしておるとおりでございます。そのようにいい加減な認識を合衆国が有しておるとは私は考えておりません。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会・日本

○浅尾慶一郎君 テロ特措法には、九月十一日アメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃に云々かんぬんで対処するためというふうに書いてあるわけです。先ほど申し上げましたように、ブッシュ大統領は国連での演説においても、アルカイダとイラクのフセイン政権との間に明らかな証拠を持っているということを言っているわけです。ですから、向こうの立場からすると九・一一と関係するということなんですが、そこは日本は立場が違うんだということをどういうふうに説明されたかというのが私の質問です。

石破茂自由民主党防衛大臣

○国務大臣(石破茂君) それは、そういう説明を合衆国大統領がされたということは事実でございます。他方、私ども、これ繰り返しになって恐縮でございますが、そうであれば、イラク戦争、何でも使ってもいいんだというようなことには相なりませんで、であらばこそ、交換公文にそう書き、現地で調整をされておるということでございます。  委員御指摘のようなことだとするならば、それは調整も何にも必要ありませんし、交換公文だって要らねえじゃねえかという話になっちまいますわけであって、そういうお話にはならない。だから、だからこそその法の趣旨を徹底するために現場の調整というのを大変苦労しながらやっておるわけでございます。  ですから、何に使うの、どこでオペレーションをするのということを事細かに聞いて、そこで合意を交わして補給をする、そしてそれを行った後も確認しているということは、その法の実効というものをきちんと担保するためにやっているものでございます。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会・日本

○浅尾慶一郎君 今のお話ですと余り御答弁になっていないんですけど、残り二分ということで、最後の質問に移らさせていただきたいと思います。また、この外交防衛については委員会等でもしっかりとやっていきたいと思っておりますが。  最後に、特定健診制度、これについて伺っていきたいと思いますが。  メタボリックシンドロームが対象になっているということだと思いますけれども、この基準について、いろんな議論があると思いますが、どのように考えておられるか、厚生労働大臣に伺いたいと思います。

舛添要一自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(舛添要一君) 今回の医療制度改革におきまして、平成二十年度から生活習慣病の共通リスクであるメタボリックシンドローム、内臓脂肪症候群に着目した特定健康診査を実施するということになりました。  そこで、この特定健康診査の項目について、現行は、老人保健事業における基本健康診査の項目を、現行の下にメタボリックシンドローム用の診断基準を最新の医学的知見を踏まえて検討すると。こうした結果、例えばLDLコレステロール、これ悪玉コレステロール、これを入れる代わりに総コレステロールという項目を廃止する。それから、例えば腎機能障害を把握するための血清クレアチニン検査及び尿潜血検査については、これはほかの検査でできますから廃止するというような項目の変化を行っていますけれども、今回の健診項目の見直しによりまして健診の内容を生活習慣病の予防に重点化すると。  また一方で、貧血検査や心電図検査等については、これはやめるんじゃなくて、従来どおり医師の判断によって実施することとしておりまして、幾つかの項目が変わったからといって健診を受ける方々に不利益を与えるようなことにはならないというふうに考えておりますし、また今後とも必要に応じてこの項目の見直しをしてまいりたいと思います。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会・日本

○浅尾慶一郎君 今、最後に御答弁いただいたところが実は一番の課題でありまして、従来は、例えば貧血の検査とか心電図とか、つまりメタボリックとは逆の症状の方が対象になるようなものも基本的な検査に入っていたわけでありますが、今度の特定健診ということになると、それは基本項目から外れるということになります。で、健診機関と保険者の契約にゆだねられるということなんですが、それが外されてしまうと、正にメタボリックの人だけは検査で対象になるけれども貧血の人は見付からなくなってしまうという心配の声があるんですが、その点はどういうふうにやって貧血の方も検査で見付けていかれようとするか、お答えいただきたいと思います。

舛添要一自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(舛添要一君) これは健診のときに、一般的にまず血液取ったり、尿を取ったり、心電図取ったりやりますですね。そして、それに基づいて必ずお医者さんの問診というのがあります。その問診のときに、若干私は貧血の気味があります、ちょっと心臓心配ありますということをはっきりおっしゃっていただけば、お医者さんの健診もありますし、その項目を外さないでやれると、そういうことでございます。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会・日本

○浅尾慶一郎君 なかなかその問診で、個々人が気付くというか、自分で言うというのは大分難しいんじゃないかなというふうに思います。  もう一点、この特定健診で心配されているというのは、私もそうかもしれませんが、メタボリックの人の症状というか、データを国が一元管理するということでありまして、そうだとすると、個人情報の最たるものである電子化された健診データを国が一括して管理することに対して危機感というか、非常に心配されている声がありますが、その点についての個人情報の保護はどのようにされようとされているか、伺いたいと思います。

舛添要一自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(舛添要一君) 先生御懸念のことはそのとおりなんで、やっぱり自分の健康情報のデータというのは一番機微にかかわるものですから、これは基本的にきちんと守っていくということをやります。  それで、例えば一つの工夫として今考えていますのは、それぞれの保険者から例えばデータが来ますね。そのときに、浅尾さんとか有村さんとか植松さんという、そういう名前を外してデータ化して上げると。そうすると、調べるときには最終的には分かりますよ。だけれども、ああこれはだれだということは分からないと。そういう工夫もやりまして、国としては全力を挙げてこのデータの管理というのを、データの保護ということをしっかりやりたいと思います。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会・日本

○浅尾慶一郎君 時間が参りましたので終えたいと思いますが、是非、個人情報の保護については心配される声が多くありますので、取り組んでいただきたいと思います。  終わります。

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 以上で浅尾慶一郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 次に、野村哲郎君の質疑を行います。野村君。

野村哲郎自由民主党

○野村哲郎君 自由民主党の野村哲郎でございます。    〔委員長退席、理事林芳正君着席〕  今日は総理が御出席いただいておりますので、まず最初に、先般の総理の所信表明の中で福田総理は、いわゆる格差問題、とりわけ地域経済の立て直しにお触れになりました。その中で農業問題と中小企業対策について所信を表明されたわけでございますが、中小企業対策につきましては後ほど同僚の松村議員からの質問でお願いを申し上げたいと思いますが、私は農業問題に限定して質問をさせていただきたいと思います。  先般の総理の所信表明の中で、「食料の安定供給は今も将来も極めて重要なことであり、安全、安心な食を生み出す日本の農林水産業が活力を持ち続けることが必要です。攻めの農政を基本に、担い手の頑張りにこたえる支援を行います。高齢者や小規模な農家も安心して農業に取り組める環境をつくり上げるなど、農山漁村に明るさを取り戻します。」という、大変、所信表明の中で農業の問題をお触れいただいたところでございます。  福田総理の御地元の群馬県は、農業の産出額は二千二百億円、そして若林大臣の御地元の長野県もこれも二千四百億と、両県とも私は非常に農業を基盤産業として県として発展をしてきているというふうに認識をいたしております。  私の鹿児島では、畜産なり畑作を中心に四千二百億でございまして、これにまつわる食品産業になりますと五兆六千億、この農業を基盤としまして一兆円産業が成り立っております。もう農業なくして、私どもの地元の鹿児島の産業は本当にもう基礎的な部分を担ってもらっております。  そこで私は、総理が先般の所信表明、そしてまた群馬の地域をお考えになり、日本を考えていただいたときに、日本の農業農村、この役割なりあるいは国が果たすべき役割は何なのか、そういう、大変失礼な言い方かもしれませんが、基本的な認識を是非ともお伺いしたいというふうに思っております。よろしくお願いいたします。

福田康夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(福田康夫君) 私の群馬県は、東京から近いものですから都市化がだんだん進んでまいりまして、農業から変わってくる部分が随分あります。そういう中でありますけれども、しかし、やっぱり農業というのは大事な産業でございますし、またそれで生活をしているわけですから、またコミュニティーを守っていくというそういう観点、広いいろんな角度からの観点で極めて重要な部分だと思います。また、自然環境を守るとかいったような機能もございます。我が国の農業農村というのは、国民に食料を供給するというだけでないんですね。地域の文化の継承とか農村景観の保全とかいったような多面的な機能も持っております。こういうような農業農村が持つ潜在力を引き出していくということが、地域を再生して、また安心できる豊かな国民生活を実現するための基本であるというふうに思っております。  将来にわたって国民に食料を安定供給するというためには、意欲ある担い手を支援するということによりまして力強い経営を育成するということが一つございます。また、現場の声を真摯に受け止めながら、集落でまとまって特色のある営農を行うということに対しまして支援を行っていく必要もあると思います。また、小規模な生産者に対してもきめ細やかな支援も、これも必要だと思っております。  そして、もう一つ申し上げれば、都市と農村の交流の推進、地域の環境保全に向けた先進的な営農活動に対する支援等によりまして農村の活性化を図るということと、そしてもう一つは、都市と農村がともに支え合う共生の考え方、これが私は大変大事だろうというように思っておりますので、そういういろいろな課題を総合的に勘案しながら施策を展開してまいりたいと考えております。

野村哲郎自由民主党

○野村哲郎君 ありがとうございました。  過去におきましては余り農業に関心のないというよりも薄い総理もおられたんですけれども、しかしながら福田総理は、非常に農業産出額が全国でも上位の県でございます。群馬県民だけじゃなくて、日本全国の農業者の皆さん方が大変期待しているというふうに思いますので、どうかひとつその期待にこたえていただきますように、よろしくお願い申し上げたいと存じます。  次に、本国会におきまして民主党さんが選挙公約で掲げておられました戸別所得補償に関する法案が提出されるというふうに伺っております。これは、具体的な議論は、提出された段階で農林水産委員会で具体的に議論したいというふうに思いますが、基本的な問題につきまして大臣の見解をお伺いしたいと思います。  現在その山場を迎えておりますWTO交渉との関連でございます。我が国を始めとするG10なり、あるいはブラジル、インド等のG20、これ、アメリカの国内支持政策について、現在、これはもう大臣一番お詳しいわけでありますが、シビアな交渉を行っております。先日も若林大臣はインドのナート商工相と電話会談もされておりまして、今月中には、国会の許しがあればという前提でありますけれども、WTOのラミー事務局長なりあるいはファルコナー議長との意見交換もされるというふうに私お伺いをいたしているわけであります。  そこで、こうした非常に今緊張した状態が、このWTOの交渉が続いているというふうに思っているわけですが、こうした中で民主党の戸別所得補償制度に関する法案は、私はこれはWTOの交渉上大きな問題を惹起するのではないかということを実は懸念しております。  そこで、今後の交渉に当たりましては、そういうことは抜きにして、我が日本の、抜きにしてという意味よりも、そういったことに惑わされずにやっぱりきちっとした毅然たる態度で是非とも交渉していただきたいというふうに思いますが、決意のほどをよろしくお願いいたします。

若林正俊自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(若林正俊君) お答え申し上げたいと思います。  今委員が御質問になりました中で、WTO農業交渉についてまず状況の御報告をして御理解をいただきたいと思います。  WTO農業交渉は、現在議長をしておりますファルコナー農業交渉議長、これが七月に関税削減などのルール、いわゆるモダリティー案について提案をしております。そのファルコナー提案を基本にしまして、高級事務レベルの会合を、連日連夜かなり詰めた議論をいたしております。特に、種々技術的な問題がありますから、それらの技術的な問題から先に詰めるということで、かなり詰まってきている段階でございます。その意味では今重要な局面を迎えているというふうに言っていいと思います。  私としては、これらの国際交渉に当たっては、我が国の農業が、先ほど総理がお答えしておりますように、食料の安定的な供給を図るということだけではなくて、種々の多面的な役割も果たしているわけでございますので、そういう多面的機能を果たしているということを十分認識した上で、しかしやはり経営として体質の強化を図る、国内農業の構造改革を進めるということを念頭に置きながら、守るべきところは守りながら攻めるところは攻めるという方針の下で、多様な農業が共存するような、そういう輸出国と輸入国とのバランスが取れた貿易ルールの確立を目指して戦略的に対応をするという考えでいるところでございます。  御質問の中で、民主党が農業者の戸別所得補償法案を検討をしておられるのでございますけれども、このこととどう関係するのかというお話でございましたが、実は、この民主党の農業者戸別所得補償法案についてはまだ必要な事項が明らかにされていないために、現時点でこれを判断するということは困難であります。  いずれにしても、我が国としては、世界でも有数の食料輸入国でございます、そういう我が国の立場ができる限り反映されるような、そういう結果が得られるように戦略的に対応をしていかなければならない、このように考えておるところでございます。

野村哲郎自由民主党

○野村哲郎君 次に、米政策についての御質問をさせていただきたいと思います。  この米政策改革の見直しにつきましては、先般、私どもの同僚の佐藤議員より総括的な質問が出されましたので、私はひとつ今日は具体的な議論を農水大臣としてみたいというふうに思っております。  現在、もう収穫もほぼ最終コーナーに入っておりまして、一番私どもの南九州が遅いと思いますが、今週ぐらいが収穫の最大の山になってくる、山場を迎えるだろうと思っておりますが、今年は大変、おかげさまで台風もほとんど上陸しませんで、久しぶりにといいますか、黄金の稲穂が本当にたわわに実っております。こういう田園風景を見ますとやはり瑞穂の国という実感がわくわけでありますけれども、かつては農村にそういった収穫の喜びが活気にあふれる季節であったわけでありますけれども、しかし、近年の状況を見ますと、収穫の喜びとはほど遠い、大変重い空気が漂っていることも事実でございます。  米という字は、祖父、祖母から習いましたけれども、八十八という字になって、八十八回の農家の手が入るんだと、そのぐらい大変苦労して育てるのが米だというのを聞いた覚えがありますけれども、そういう収穫の喜びを味わえないという、そういった状況が今醸し出されております。  大変小さい数字を申し上げてみたいと思いますが、十九年産の生産状況につきましては、九月十五日現在の農林水産統計で作況指数が全国で九九というふうになっております。そして、十九年産米が二十三万トン余ると、こういう農水の発表が、見込みがありました。ただ、全国農協中央会の試算によりますと、十八年産米のやはりこの在庫が十二万トン程度発生するのではないかと。合わせますと、三十五万トン前後に需給ギャップが膨れてしまうという予測も出ております。  こうした状況の中で米市場を見ますと、供給過剰を見越した影響だと思うわけでありますが、米の価格形成センターにおきまして落札が行われなかった、八月、九月、落札が出なかったと。ようやく、十月十日の同センターにおける取引結果を見ましても、上場した米はほぼ落札されておりますが、ただ平均価格が一万四千四百三十四円であります。昨年同期の平均価格の一万五千七百三十一円を千三百円程度下回る状況となってございます。  一方、じゃ、所得はどうなのかということでございますが、八月十日の、これも農林水産統計でありますが、十八年産米の生産費は、十アール当たり、一反歩当たりですけれども、十四万三千円、そして粗収益が十一万三千円、いわゆる三万円が十アール当たり赤字になっているという状況にあります。ただ、この中には自家労賃部分も入っておりますので、それが大体四万円程度ございます。差し引きますと、自分で働いた分の一万円は収入として出てくるということになるわけでありますが、十アール当たり一万円、一町歩で十万円、十町作っても百万にしかならないと、こんな状況が今の米作農家の状況であります。ただ、今年、十九年産のまだ生産費は出ていないわけでありますので、原油高騰等を考えましたときに、やっぱりこの生産費の方はコストアップになっているだろうという気がいたしております。  先ほど申し上げましたけれども、十九年産米の価格がかつてないほど低迷している要因は、今、先ほど言いました過剰米の発生、そして一方では、供給過剰を見込んだマーケットが敏感に反応して、その結果、買い控えなり低価格での入札になったというふうに思っているわけでございます。  もう少し数字を言わせていただきますと、実は米のこの価格というのは、大体十二年から十四年ぐらいまでは一万七千円程度でございました。しかしながら、十五年になってみますと、これはもう大変な不作でありまして、作況不良によりまして二万二千円になりました。その後、十六年になりますと一万六千円、そして十八年が一万五千円、そして今年が一万四千円台でありますから、毎年米の価格は千円ぐらいずつ実は下がっていることになってまいります。もう一つ考えられるのは、作況指数が一〇一という、今年は九九でありますが、良かったその十七年さえ一万六千円であったのが、今年は九九で一万四千円台と。非常に生産農家は、もう我慢できないと、もうワーキングプア以下だと、こういったような悲鳴が実は聞こえてきております。  こういった状況を踏まえまして、我が党におきましては、今日からでありますが、政治主導で米改革政策を見直すと、こういうことで集中的な審議をすることになりました。  このような米価の低迷している状況を大臣はどう御認識されているのか、お伺いをいたしたいと思います。

若林正俊自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(若林正俊君) 野村委員は、鹿児島にありましてJAの中堅の職員また幹部として、三十有余年もそこで農業農村のために活躍をしてこられておられます。そういう意味で、今種々数字を挙げておられますが、今挙げられた数字については同じ認識をしているわけでございます。  そこで、重なるかもしれませんけれども、十九年産の米価の水準について言いますと、これまでのコメ価格センターの入札取引の全銘柄の平均を前年産同期と比較しますと約八%安の水準になっております。これはお話にございました十九年産の作況は九九であるにもかかわらずです。実は作付面積が目標を上回っているわけでございまして、作況としては九九ですけれども、生産量はその生産目標を超えるというふうに見込まれているわけでございます。  そして、そういう需給状況が供給過剰になるというふうに見込まれていることのほか、幾つか主要な米価低迷の理由を考えてみますと、主たる売手であります全農の概算金、この概算金の取扱いを全農は見直しをいたしまして、集荷段階では七千円程度の内金を払うという方式としたということも影響しているんじゃないかと私は思うのです。  おととい、さきおとといとNHKが農村の状況、特に米作の地帯の報道をしておりましたが、どうもその報道の中でちょっと誤解を招くんじゃないかと思いますのは、この農協が払っておりますその概算金の内金でございますが、これを支払金、支払金というふうに報道をしておるんですね、七千円。びっくりした農業者が、こんなことじゃやっていけないというように対応、意見を言っております。  しかし、これは委員も十分御承知のように、いろんな諸費用が掛かりますから早めに内金を払っておきましょうと、これは昔からのやり方でございます。その後、暮れまでの間にこの概算払をまたもう一回いたします。それはどんな状況になるか見通した上で概算払をすると、そして年度末に精算払をするというようなことでございます。しかし、先行きの米価の低下が予測されるということを心配したことであろうかと思いますが、七千円のこの内金の支払ということが、そのことが全農自身が先行きかなり安くなるぞという見通しをしているんだと、卸などにそれが影響していたんじゃないかという心理的な要素があるように思います。  それから、もう一つ挙げますと、どうしても過当競争に陥りがちな流通業界、そういう構造を持っているわけでございます。高くなるとき、不足するぞというともうべらぼうに高くなり、少し余るぞというともう大変な低下をするというような、そういう投機性を持っているということ。そしてまた、基本的には消費者の米の購入行動でございますが、一時はおいしいお米が欲しいということで、少し高くてもおいしいお米を志向しておりましたが、ここのところ低価格米への志向が強まっているというようなことも背景にあるように思うのでございます。  主食である米については、その需給、価格の安定を図ることが大変重要だという点は委員と認識を共有しているわけでございますが、やはり生産調整の円滑な推進を図るために、地域の実情に応じた産地づくり交付金という制度がございます。その産地づくり交付金の交付とか、米価の下落によります販売収入の減少の影響を緩和するための対策などを講じているところでございます。  今後とも、水田農業を営む農業者の方々の経営の安定に支障が出ないように考えていくということが重要であると思っておりまして、米に関するこれらの政策を適切に運営をしていかなければいけないと、こう考えているところでございます。

野村哲郎自由民主党

○野村哲郎君 今大臣の方から御答弁いただきました中で、言わば過当競争で投機的な動きもあるのではないかというお話でございました。  それはそれとして、私は、このままの状況が続けば農家は、先ほど申し上げましたように生産費さえも賄えないレベルまで落ち込んでおるわけでありますので、今後再生産に取り組めないのではないか、こういうふうに思うわけでありまして、これまで消費者に安心、安全なものを、おいしいものを届けたいというこの生産者の意気込み、あるいは意欲が農家から失わせてしまう、まさしく危機的状況にあるというふうに思うわけであります。  そこで、再生産を確保できる価格水準を維持するためには現在の市場環境を変えるしかない、当面の手だてはないのではないかと、そういうふうに思うわけであります。具体的には、緊急的な措置として過剰分を市場から早急に隔離する必要があるのではないか、こういうふうに思います。  今年の七月に決定いたしました米穀の需給及び価格の安定に関する基本方針におきましては、備蓄運営方針として政府買入れを四十万トンとしております。買入れ時期、この数量を含めて緊急的に措置する考えがないか、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

若林正俊自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(若林正俊君) 委員御承知のように、食管法が改正されまして今食糧法という形になっておりますが、この食糧法の制度におきましては、政府の役割というものは不作のときに備えた備蓄運営というものに実は限定をするということになっております。これは、食糧法の法律では三条と二十九条に政府の売渡しについての規定と併せてそのように明記されているわけでございます。そういう意味では、生産過剰分を政府が買い入れるというような制度にはなっていないわけでございます。  十九年産につきましても、その意味では、政府がやりますのは不足の事態に備えての備蓄でございますから、回転備蓄という考え方で適正な備蓄量を、一応基本計画では百万トン程度というふうに考えて指示されているわけでございますが、現在七十七万トンの在庫になっております、若干余裕があるわけですけれども。  やはり、買入れをしたものは、これは回転備蓄としてまた売っていかなければいけないわけでございまして、そういう意味での回転備蓄の運営の観点から、一時期多量のものを買うということになりますと、その数量については、またこれを売っていかなきゃいけない。これが一年超え二年になると古米という形で価格もうんと低落してしまいますから、その買い入れた数量をまた適時、翌年までの間に売っていくという仕組み、運営をしなきゃいけないわけでございます。  しかし、最終的な十九年産の作柄を総合的に見極めながらこの備蓄運営の範囲内において運用をしていくと、運営をしていくということは考えられるんではないかと、こう思っております。

野村哲郎自由民主党

○野村哲郎君 今の大臣の御答弁、ちょっと解せないんですが。  確かに、食糧法にそういう定めがあります。ただ、政府のこれに基づきましての基本方針、これの言葉じりをとらえるわけじゃありませんが、米穀の需給及び価格の安定に関する基本方針であります。だから、その中では当然今おっしゃったように備蓄という、需給があるわけでありますが、価格に関する基本方針であります。その中に、四十万トンというのが基本方針の中にうたわれたわけでありますから、これは、いや、その価格調整するための備蓄じゃないよ、これはあくまでも不足に対する備えだぞと、こういうふうにおっしゃりたいんだろうと思うんですけれども、私どもはこの基本方針を見たときに、価格の安定に関する基本指針と、こういうふうになっているわけでありますから、ここは今価格が下落しておりますから歯止めを掛けないといけませんよ、だから今政府で考えておられるようなこの備蓄米を早期に発動して買い取ってくださいよ、市場から隔離してくださいよと、こういう私は気持ちでございまして、こういったやはり大臣の方から強いメッセージを発しなければ、先ほど卸の投機的な云々という話もありましたけれども、これではやっぱり米価は下がりっ放しになっていくと、農家は大変な不安を覚えておりますので、是非ここは踏み込んで私は答弁をいただきたいと思います。

若林正俊自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(若林正俊君) 委員のお気持ちはよく分かるんです。よく分かるんですけれども、我々はやはり法律に従って運営をしていかなければなりません。  念のためでございますが、実は、この食糧法の法律の定めのところを引用させてもらいますと、米穀の需給の均衡を図るための生産調整の円滑な推進、米穀の供給が不足する事態に備えた備蓄の機動的な運営及び消費者が必要とする米穀の適正かつ円滑な流通の確保を図るということが基本方針で法律上定められているわけでありまして、そのための米穀の適切な買入れ、輸入及び売渡しを行うものとすると定められております。  そして、三条では、米穀の備蓄というのは、米穀の生産量の減少によりその供給が不足する事態に備えて必要な数量の米穀を在庫として保有することをいうというふうに定義されているわけでございまして、また、政府の買入れ及び売渡しの条項、二十九条でございますが、これによりますと、米穀の備蓄の円滑な運営を図るため、農林水産省で定める手続に従い、基本方針に即し、国内産米穀の買入れを行い、及び四十七条第二項に規定する事業者その他省令で定める者に対してその米穀の売渡しをすると、こういうふうに細かくその運営の、運用の仕方が法律で規制をされているわけでございます。  その意味で、基本計画というのがございますが、基本計画はこの中に定められた基本計画でございますから、不作の場合などに異常に高騰するようなときに備えて備蓄を売渡しをすることによって価格の安定を図っていくと。価格の低下が起こった場合に、低下自身をこの食糧法で支えるというのは法律の趣旨の中にないわけでございます。  しかし、運営、運用というのがございますので、今この基本計画の中で百万トン程度の備蓄を持つことが適当だという方針が定められております。若干余裕があるという意味で、先ほど今年産についてやや需要量を上回った生産が見込まれると言われております。そういう状況も見極めながらこの運用に当たってまいるというのが実は政府の運営上のルールだと、こんなふうに思っておりまして、その点は是非とも御理解をいただきたいと思います。

野村哲郎自由民主党

○野村哲郎君 今後も農林水産委員会でまた大臣とこのことについては議論をさせていただきたいと思いますが。  ただ、法律は法律として、その運用の結果、いわゆる備蓄米を政府が買い入れた、その結果によって米がこれはまた価格が持ち直してくる。それは結果として、何も価格操作をするという意味じゃなくて、備蓄米をやっぱりこれは百万トンなら百万トンやるわけでありますから、そうしますと、結果として私は価格がアップしてくるんじゃないかというふうに思いますので、そこは、法律上は価格操作をしないんだ、あるいは価格を維持していくための法律じゃないんだというのは御趣旨はよく分かりますけれども、私は結果としてそのことが可能になってくるんじゃないかと思います。  それからもう一点は、これは同じ量をまた四十万トン売ると、こうなっておりますので、これは買ってすぐ売り出しますと逆に市場を冷やしてしまう。これは古い、古いといいますか、古米が出てまいってくるわけでありますから、安い古米でありますのでなおさら価格を冷やしてしまう、そういうようなおそれがありますので、是非そのところも御配慮をいただきたい。これはもう御答弁は要りませんので。  次に、時間もありませんので、米政策改革のその見直し、先ほど需給バランスの問題をおっしゃいました。  需給調整に協力をいたしております生産農家が最も不安に思っておりますのは、毎年毎年需給調整、いわゆる生産調整に協力しても、正直者がばかを見ているんじゃないかと。むしろ、過剰作付け県というのが全国でもう三十三県にも上っております。まじめにやっているところ、そしてそういう過剰作付けをするところ、そういったところで米価の下落に歯止めが掛からないと、こういうふうに思っておりまして、まさしくそういう日本の米政策に協力している農家の犠牲で成り立つ私は日本の米の現状だろうというふうに思っております。  そこで、今年度より、価格は市場で、そして所得は政策でという方針の下に品目横断的経営安定対策が、これが導入されました。  米におきましてナラシと呼ばれる下支え対策がございます。しかしながら、先ほど年次別に平均価格を申し上げましたけれども、こういう下落が続く中ではナラシは下支えにならない。いわゆるこのことは私どもは党の中でも制度設計の時点から危惧いたしておりまして、これが導入初年度からもう現実的なものになりました。この対策では、米価下落が続きますと下支えの水準が連動して下がりますので、米作農家の経営安定対策にはなってこない、こういうふうに思います。  したがいまして、米価を安定させて、そして消費者にも安心して安全なお米を食べていただく、また生産者にも安心していそしんでもらう、そういう経営安定対策としてもうこのナラシじゃなくて抜本的な見直しが必要だというふうに私は思うんですが、大臣の御所見をお伺いいたしたいと思います。

若林正俊自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(若林正俊君) 今委員が御指摘になられました品目横断的経営安定対策、今年から実はこれをスタートを切ったということであります。米対策の流れの中でいいますと第二ステージに今年から入るという意味で今年から始めたわけでございまして、是非とも我々はこの品目横断的経営安定対策が有効に作用をすることを願いながら、各JAを始め地方公共団体、そして現場において農業にかかわっている皆様方にその御理解をお願いをしてきているところでございます。  この品目横断的経営安定対策につきましては、委員がお話しになりましたような米価の変動によりまして販売収入の減少が農業経営に与える影響を緩和するという観点から、この対策に加入をする、加入をするという意味は生産調整に協力をするということであります、生産調整に協力をし参加をしている農家については品目横断的経営安定対策の収入減少影響緩和対策、言わば今委員がおっしゃられましたナラシ対策というものを講ずることにしているわけであります。  しかし、担い手以外の方、規模の小さい人たちなどもいるわけでございますが、この規模の小さい方々で、これに、生産調整に参加していない方には稲作構造改革促進交付金、言わば担い手ではない人のナラシ対策というようなことも残して措置をしているところでございます。  そして、これは地域でどのような形で運営するかは地域にゆだねているわけでございますけれども、そちらを余り強くしますと、生産調整に理解をして参加するという人たちの方が参加意欲が少なくなってくるということもございます。だから、政策の方向としては、やはり担い手の皆さん方には品目横断的経営安定対策の方に積極的に参加をいただいて、その代わり、この収入減少影響緩和対策、ナラシ対策を充実させていくということが基本でなきゃならないと私は思っているわけでございます。    〔理事林芳正君退席、委員長着席〕  そこで、このいわゆるナラシ対策についての基準価格を仮に固定をして、販売価格にかかわらず一定水準の収入とか所得を補償するというふうな仕組みにした場合には、消費者のいろいろなニーズがございます、それに応じていいお米を提供していく、売っていくと。しかも、一定の価格で売るということを外れて安売り競争に拍車を掛けるおそれもありますし、全体として更に価格水準が低下をして、今まで有利に販売していた生産者にも影響が出てくるというようなことも考えられるところでございます。その意味では、生産条件の不利を直接、ゲタと、こうしておりますが、これらを導入して底上げを図るというようなことについては、米についてこの対策を講ずることとしていないわけでございます。  その意味で、この米政策改革につきましては、確かに今年から実行に入りましたけれども、種々御意見があることは承知いたしております。需給のギャップが生じていることから、全都道府県で生産調整の実効性が崩れてしまいますと、委員おっしゃるように価格の低下を更に加速することになっていくわけでございますので、先般、米政策改革を含めました農政改革三対策を着実に実施して現場に定着をしていくために、私を本部長とします農政改革三対策緊急検討本部というものを設置をいたしました。  八月来、キャラバン隊と称して全国四十四道府県に幹部を派遣して各地の話を伺ってきておりますので、そういう生産調整を始めといたしました米政策についても、そういう現場から出ております意見を真摯に受け止めながら、この食糧法の枠組みを踏まえながら、念頭に置きながら、幅広い視点で検討をしてまいりたいと考えております。これもそうゆっくりしてられない今の米価の動向もございますので、できますれば来月の中旬ぐらいまでにはこの緊急対策本部で対応を決めていきたいと、こんなふうに考えているところでございます。

野村哲郎自由民主党

○野村哲郎君 今大臣がお答えになりました農政改革三対策緊急検討本部、このことについては時間がありましたならば後ほどまた御質問をさせていただきたいと思いますが。  ただ、私は、米の供給過剰の大きな要因としては、一つはやっぱり需要が、日本人の食べるお米が減ってきたと、これは高齢化とともにでありますが。それと、やはり先ほど来申し上げております過剰作付け、この二つが要因だというふうに思っております。これはもう三十数年来、米の生産調整が行われてきておりまして、かつては国なり、そして地方自治体、そして生産者団体連携して減反に取り組んできたわけでありますが、もう本当に需給バランスの維持というのに文字どおり官民一体となって取り組んできた歴史がございます。  しかし、先ほど大臣お答えになりましたように、米政策改革の中で第二ステージとして今年度から需給調整機能が生産現場にゆだねられました。生産者並びに生産者団体と、こういうふうになったわけでありまして、主体的に生産者団体等が需給調整を担うシステムに移行したわけであります。私は、これは国が全く責任を放棄したと、そういうふうに思います。といいますのは、これはもうこの議論をしているときから申し上げてきたわけでありますが、集荷率が全国ベースで四割ぐらいしかないJAが、四割しかないんですよ、そのJAが需給調整の成果を上げられるわけがない、わけがない、こういうふうに思っております。  そういう意味では、先ほども申し上げました、ちょっときついかもしれませんが、国が全くそういう責任を放棄してきたのではないのか、それを生産者や生産者団体に言わば押し付けてきた、その結果がこうした過剰県を、作付けの過剰県をどんどん生んできている、そして二十三万トンの過剰、こういったようなことになってきているのではないのかなというふうに思うんです。──ちょっと待ってください、ちょっと待ってください。  それで、私は、今年の作付けがどうかと三月の時点で農林水産委員会に、当時の松岡大臣に御質問をさせていただきました。もうこの過剰作付けは可能な限り抑えると、大変、大臣から決意のほどを伺ったんでありますけれども、今になってはもう過剰作付けは紛れもない事実でありまして、二十三万トンは余ってしまうと。こういった、七万二千ヘクタールの過剰作付けという数字が農水から出されておりますけれども、本当にこの需給調整ができないのは、農家が悪い、生産者団体が悪い、そういう責任に負わせるということじゃなくて、もう需給調整能力に限界のある農業団体に主体的な役割を担わせること自体が私は問題があると、こういうふうに思うんであります。そうでありませんと、毎年毎年同じことが繰り返されて、先ほど来お話しいたしておりますように、米価が下がってくる。  そういう意味では、需給調整システム、これを抜本的にやっぱり変えていかなきゃならない。これは、例えば民主党さんが出されておりますような、国なりあるいは県なり行政、そういうものだけでいいのかどうかというのはいろんな、そこに行き着く、需給を調整する仕組みはいろいろあると思うんです。  ですから、もう少しこのことを、第二ステージに上がったからさあ現場でやりなさいよと、こういうことじゃなくて、もう少し抜本的なシステムを検討していただきたいというふうに思うわけでありますが、いかがでしょうか。

若林正俊自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(若林正俊君) 委員もJAの幹部職員として三十有余年もこの現場で仕事にかかわってこられた方でございますからよくお分かりだと思うのでございますが、実はこの生産調整、言わば減反から始まって今日に至るまで三十年にわたって、国がこの生産の転作面積、そして結果的には生産面積について、まあ割り当てるといいますかね、上から下ろしていったわけでございます。  これに対しては生産段階でいろんな問題が起きましてね、こんなふうにしても、お米といっても北海道から沖縄までその品質も違いますし、その生産の状況も違うし、また流通の姿形も違っているわけでありますから、上から国が県を通じ市町村に下ろしていく、もちろんJAの意見を聞きながら下ろすといいましても、なかなか地域間調整を的確にするということが難しかったと。まあいろいろ試行錯誤を繰り返しながら、いろんな知恵を入れながらやってきても難しい。  そこで、JAを始めとしてこの米関係の皆さん方とさんざん議論をした上で、やはり地域の特性というものがあります。JAの中にも差がございます。そういう皆さん方のもっと積極的な参加を求めなければこの生産調整というのはうまくいかないという議論の経過として、これは自由民主党の総合農政調査会、農林部会等、JAの皆さん方とさんざん議論をした上で、この今の米対策大綱をつくり、今の制度に移行してきたという経過がございます。  そして、国は突き放したんではなくて、国はこのデータを全国レベルから、マクロから取ったデータを県別に下ろし、そして県がそれを市町村の方に下ろして、そういう需給の見通しとか今の状況、消費の状況などを勘案をし、そして販売力を地域でよく考えていただいて、地域の協議会、これはJAだけじゃありません、市町村も入っていただいて、その関係の皆さん方との協議会の中でこのビジョンを作成して決めていくと、こういう仕組みにしたわけでございます。  今年から全国的な状況を今集計中でございますけれども、県によってすごく違うんですよ。もう非常にこれがうまくいって、予定している形で計画とほぼ同じ達成をしているところもあれば、半分も行っていないというような県もございます。これを町村別に下ろしていきますと更に差があるんだと思います。こういう差がどうして出てきたのか、どうしてこういう差が出てくるのか、それをもし是正をするとすればどんな知恵があるのか、これはもう生産者及び生産者団体の皆さん方と一緒に考えていかなければいけないと思うのでございます。  なおも作付面積が計画面積を上回ったということは残念ではありますけれども、しかし、見ようによってはそんなに大きな開きはないんですよ。と思います。これはもう少し精査してみなきゃ分かりませんけれども、よくこの事態を認識して現場が頑張って生産調整をしておられるなというふうに思います。  一方、さっぱりこれについてはただ乗りといいますか、もうそういうことは我関せずで、作るだけ作ってどんどん売っちゃうというような人たちもいるわけでございます。これを国や県が、行政が頭から取り締まっていくということは非常に難しかったという長い苦い経験があるわけですから、やはり集荷、出荷について、今四割とおっしゃられましたけれども、知見を積み重ねてこられるJAの皆さん方を中心に我々もよく検討して、どうやったらこの計画が守られていくのか。そのためには、これに参加する言わば担い手なり集落営農なり、こういう人たちが、参加したらそれだけのメリットがあるというような意味で、やはりメリットを拡充をしていく方向で、自主的に参加しやすいようなインパクトを与えていくということではないかなと私は思うのでございます。

野村哲郎自由民主党

○野村哲郎君 今大臣御答弁いただきましたように、私は何も元に戻せという話じゃございませんで、要は、今まで三十数年間やってきたこの需給調整、いろんな今までの変遷を経ているわけでありますが、国がきちっと、あるいは行政がやった方がいいのか、あるいは生産者の皆さん方の自主的なそういうものに任せるのか、そういったいろんな方法論のところはあると思うんですが、要は、今の状況の中では生産調整、いわゆる需給調整に協力した人たちが、一番正直者がばかを見ているということで、この米の低落に悩んでいるわけですよ、悲鳴を上げているわけですよ。だから、本当に調整に協力した人が、今大臣がおっしゃいましたように、本当にメリットがあるというシステムをつくり上げていかなければ私はこの需給バランスは取れていかないだろうと、こういうふうに思います。  ですから、何も一つだけで決め手があるわけじゃありません。三十年間もやってきていますが、なかなか決め手がない。ただ、いろんな合わせ技によってこの需給調整をきっちりやる、そういう仕組みを是非ともつくり上げていただきたいというふうに思うわけであります。  あとしばらくしかないんですが。  そこで、この米の問題も含めて、大臣のところで農政改革三対策緊急検討本部が立ち上がったということが先般新聞発表されました。私、この担い手法案が昨年の六月に参議院を通過したわけでありますが、そのときに当時の中川大臣に委員会で特別発言をしていただきました。していただきましたというのは、中川大臣が自分から求めて特別発言をしていただきました。それは何かといいますと、農政の大転換として導入される新しい経営安定対策は、その実効性に未知の部分も少なくないことから、今後、その政策効果をしっかり検証し、必要に応じて適切な見直しを検討すると、こういう非常に前向きな発言をいただいたわけであります。先ほど大臣おっしゃいましたように、農水でも八月からキャラバンをされまして、いろんな意見を聴かれて、今回対策本部をおつくりになったというふうに理解いたしております。  そこで、こういった新しい三対策の見直し、これについて、まだ今からだろうと、十一月の中旬ごろには先ほど大体方向を出したいということでございますが、見直しの視点、大臣がどのような具体的に、まあ具体的にはまだ言えないのかもしれませんが、どういう方向で見直しを今指示しているということになっておるのか、その辺りをお聞かせいただきたいと思います。

若林正俊自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(若林正俊君) この農政改革三対策の緊急対策本部という形で見直しをする決断をしたわけでございますが、実は自民党の方も基本問題小委員会で検討が始められるというふうに聞いております。もっとも、役人は入れないということを決められたそうでありまして、どういう検討が進んでいるのか私の方には状況が分からないんですけれども、それは党は党としていろいろ御検討になるということ、その検討を横でにらみながら、政府は、行政は行政として、今、先ほどお話ししましたキャラバン隊を各地、四十四府県で、鹿児島にも行きましたけれども、を回ってきて、もういろんな意見が出ております。そういういろいろな意見を真摯に受け止めて、幾つかの形にこれを分類した上で、すぐできることについてはすぐやると、制度にかかわってくるものについては来年度予算に関係させて制度的な制度設計の見直しにつなげていくというような姿勢で対応をしたいと考えているわけでございます。  この三対策は、実は、品目横断についてだけ非常に関心が集中しておりますけれども、実は農地、水、環境の保全対策、つまり地域づくりと非常に密接に関係をしているわけでございまして、こういう、地域の中で生産される米のみではありません、他の作物も含めた生産の組織化、生産の体制というようなものを考えた上で、いわゆる認定農業者以外の人たち、あるいは米以外の作物に重点を置いている人たち、こういう人たちも地域ぐるみで農業構造の改善と地域の活性化に参加をいただけるようにするにはどうしたらいいかという視点で見直しをしていくべきじゃないかなと私は今考えております。

野村哲郎自由民主党

○野村哲郎君 今大臣からお答えいただきましたが、私ども党の方で、基本小委員会の中で今日から集中的に議論をしております。したがいまして、私どもも、是非ともこの米の改革、そして品目横断、そして農地、水、環境、この三対策につきまして党としてきっちりと私ども政治主導で見直しをしたいと、こういうふうにも思っておりますので、どうかまた大臣とのすり合わせもやらしていただきたいと思います。  以上で終わります。

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 関連質疑を許します。松村祥史君。

松村祥史自由民主党

○松村祥史君 自由民主党の松村祥史でございます。野村哲郎先生に引き続きまして、関連の質疑をさせていただきたいと思います。  野村先生からは、地域経済の主軸たる農業政策について詳しい御質問がございました。私からは、もう一方の主軸であります中小企業、とりわけ事業承継について御質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。  振り返りますと、参議院の選挙がございまして、私どもは大敗をいたしまして、参議院の中での第二党になったわけでございます。その選挙の反省としても、やはり地域の格差、これは否めない事実でございますし、このことをいかに細かにやっていくか、このことがとても大事なことであると思っております。その中の一つが農業政策であり、私は中小企業政策だと思ってもおります。  福田総理におかれても、今国会はねじれ国会の中で大変、野党の皆さんとも話合いの中で、真に国民の利益とは何ぞやと問いながらしっかりとその政策の実現に御尽力をされていると承知しておりますし、参議院選以降、私ども地方を回りますとこんなお話をよく聞きましたし、改革の必要性というのは十二分に理解ができると、しかしながら、もう少し具体的に、もう少し分かりやすく、もう少しきめ細やかにやってくれなければ、改革の先に何があるのか私どもは国民の一人として見ることができないと、こんなおしかりにも似たお言葉をいただいたところでありました。今国会は、その点はより細かな議論をさしていただいているところでありますし、私はこの中小企業政策というのは今後極めて重要になってくると思っております。  確かに、我が国経済は景気の回復を見たということで、一応の回復は見たことは理解をしております。しかしながら、現実どうなんでしょうか。実際はまだまだ景気の回復を実感として感じていらっしゃらない方の方が多いと思います。  中小企業政策の持論を展開させていただくと、私は中小企業政策の充実というのはやはり税と金融対策であると、こう考えております。加えて言うならば、経営支援や販路の拡大の支援、こういったものになってくるんでしょうが、私も実は経営者をやっておりましたから、経営の面白みという部分では、やはり一人で始めた会社が、一人増え二人増え、企業の体力を付けていく、このときに、やっぱり大きくなっていくことに実感を覚えますし、喜びも感じる。その中で、社員の生活をしっかりと支えながらやっていくことにも喜びも感じてまいります。そしてなおかつ、やはり企業としてのプライド、ステータスが出てくるのは社会貢献という、こういう大きな位置付けを感じたときではないかと思います。  じゃ、その社会貢献というのは何なんだといいますと、やはり税であり雇用であると、こう考えております。こういう税、金融対策の中で今中小企業が苦しんでいる、私はこう理解もしておりますし、このことについては、しっかりと対策をきめ細やかに今後打っていく必要があると。  そんな中で、経営者の皆さん方の少し平均年齢を見てみますと、これは中小企業白書の社長交代率を調査をしたものでございますが、資本金別の代表者平均年齢の推移については、資本金十億円以上の社長さんの平均年齢は六十三歳でございます。資本金一千万円未満の会社の社長さんの平均年齢は五十七・三歳。全社長の平均を取りますと、大体五十八・五歳という状況であるようでございますが。  じゃ、八四年、今から二十年ほど前を見てみますとどうであったかといいますと、やはり十億円以上のところは六十三歳。一千万円未満のところはどうであるかというと、五十二歳という極めてまだ若い方々がどんどん平均的に経営者として活躍をされたと。自分のことで恐縮でございますが、私は三十五であったかと思いますが、社長を拝命をいたしました。これから見ますと非常に若かったなと、こう思いますけれども。  経営者というのは若ければいいというものではないと思っております。若ければ若いなりに経験を積むことができますが、その逆に、経験知がないということで判断を非常に誤りやすくなってしまう。こういった企業にとっては致命傷になりかねない問題もありますけれども、やっぱり企業の成長には体質というのが必要だと思うんですね。それは、若い社長を迎えるに当たっては、やはりそれなりの御意見番、中小企業でいいますと同族経営が多うございますから、先代でありますとか、そういう方々がしっかりとお目付役としてやっぱりいていただく、そういう企業体質をつくることこそがやはり成長の一要因になっていくと、こう思っております。  残念なことに、年間、今中小企業者、二十九万社が廃業をするそうでございます。二十九万のうちにアンケートを取ってみますと、約七万社が後継者の不足によって廃業をすると、こう言われております。この二十九万社の廃業ということで雇用の喪失は二十万から大体三十五万の喪失があるのではないかと言われております。雇用の喪失、また廃業による技術の喪失、また商店街等の衰退、こういったことにはやはり事業の承継の円滑化を図っていくことは極めて私は大事なことであり、喫緊の課題であると、こう思っております。  じゃ、なぜゆえにさっき申し上げたように経営者の平均年齢が上がったのかと、こう考えたときに、これは一因でございますけれども、経営者の皆様にお尋ねをしてみますと、やはり企業の状況が余り良くないから、なかなか同族企業の場合は後継者が後を継がないという実例が多うございますが、他方で、やはり事業を承継するときに、非常に厳しい実情でありながら税でなかなか事業の承継が進まないというような話も聞きます。  中小企業の経営者にとっては個人の保有資産は大体その大部分が事業用資産です。その事業用資産がなければ、その仕事さえうまくいかないというのが実情です。これはもう必要不可欠な資産であります。これに税金が掛かる上に、万が一先代がすぐ、まあ急に亡くなったとして、それに係る税を、借金をしながら税をやらなきゃいけないというようなのが実情ではないかと。また、土地や建物みたいなものは大体、中小企業の場合は金融資産ではありますけれども、担保としてこれは設定を受けておりますし、これは売却のできないものであります。また、非上場の株式においても、残念ながらそんな状態の会社でございます、よし、おれが高く買おうなんという方々がいるはずもございません。また、売るべきものであるという認識も薄いかと思います。  そんなことを考えますと、我が国の税制において、中小企業を育成するということにおいては諸外国と比べると大変まだまだ厳しいものがあるなというのが実感でございましたし、やはりこれを変えていく必要があると今思っております。  そのことから、私どもは党の中で実は事業承継の検討問題小委員会というものをつくらしていただいて十数回に及ぶ議論、今年までですから二十数回に及ぶ議論をやらしていただきまして、その提言を取りまとめさせていただいたところでございます。支援策の中でも、やはり一番重要なのはこの税制、とりわけ非上場株式に係る相続税の八〇%以上の減免措置の導入を中核とする取りまとめをやったところでございます。  福田総理におかれては、総裁選の公約の中で事業承継税制を大胆に拡充することを掲げられておられましたし、先日の代表質問においては様々な中小企業支援の中でも特に事業承継の円滑を強力に推進することを明言していただきました。また、公明党との連立政権合意においても事業承継税制の抜本見直しというふうに、いろいろと御理解もいただき、力を注いでいただいていることと思います。よく理解をしております。  そこで、総理にまずお伺いをしたいと思いますが、事業承継の円滑化、かつ事業承継税制、これについての御所見をお伺いしたいと思います。

福田康夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(福田康夫君) 中小企業のいろいろな問題点についてお伺いいたしましたけれども、確かに中小企業もう今大変だと思います。全体的には景気が上向いているという中で、いわゆるその格差というものが存在するというようにも思っております。  中小企業というのは、もう私から申し上げるまでもなく、日本の産業を支える基盤であるというように思います。中小企業の存立ということもありますけれども、大企業の存立の基でもあるというように思いますので、中小企業対策というものは私は大変大事な課題だというように考えております。  特に、今のような状況で、大企業との比較においてという問題もあるかもしれない。そしてまた、地域によって、特に地方にある中小企業は都市と地方というその問題に巻き込まれてしまっているという問題もあるというふうに私は思います。若者が、若い人が承継しないというのは地方の問題と何か似たような感じもしますので、ですから、この問題を地方の問題とも絡めて考える部分もあるんじゃないのかなと、こんなふうに思っています。  そういうことで、どういう支援ができるかということを考えるわけでありますけれども、今、事業の承継の問題とそれから税制の問題と二点おっしゃられましたので、そのことについてお話をさしていただきますけれども、この中小企業の事業承継、これは事業の将来性それから後継者不足、若い人が継がないということ、相続の問題、そういうようないろいろな課題がございます。これは総合的な支援策を推進していく必要があると考えておりますので、一つのことで、対策で済む問題ではないというふうに思っております。特に事業承継税制の在り方につきましては、事業承継の実態を把握しながら、課税の公平にも留意しながら今後の税制改革の議論の中で検討していきたいと考えておりますが、私も今まで申してきておりますので、力を注いで具体的な政策につなげていきたいと考えております。

松村祥史自由民主党

○松村祥史君 税については税の抜本的な議論の中でということでございましたけれども、総理、いかがでしょうか。お立場はよく分かります。しかしながら、中小企業、これから国際競争力を高めていくための成長戦略も必要ですし、やはりこれから地方の活力を取り戻すという意味では、是非政治家としてもこのことには強力に取り組んでいただきたいと思っておりますので、決して今の答弁で不満ということではございません。しかしながら、しつこいようでございますが、抜本的な改革の中でというよりも、是非お答えをいただければ有り難いと思います。

額賀福志郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(額賀福志郎君) 経産大臣も来ておられますから後でお話をいただいたらいいと思いますけれども、松村先生、松村委員は本院に中小企業というか商工会を代表する形で来ておりまして、日ごろから御活躍されていることをよく聞いております。今日お話を今いただきまして、正に全国の商工会、中小企業の皆さん方の悲痛な思いを代弁しておられるんだなということを感じ入って聞いておりました。  確かにおっしゃるように、中小企業、なかなか地方で元気が出ておりません。これから中小企業にどういうふうに活力を与えていくのか、あるいは地方に雇用の機会を与えていくのか、中小企業が今後どう発展するかに懸かっているものと思っております。その意味で、我々も非常に重く受け止めて今後対応していかなければならないというふうに思っております。  それから、事業承継の問題でございますけれども、これはもう長年、与党の皆さん、政府もこの問題に取り組んできたわけでございまして、昨年は先生がおっしゃる非上場株の相続時精算課税制度の特例を設けて対応さしていただきました。さらに、今委員は自民党の中で特別委員会を設けて更に非上場株の減免措置について精査、検討をしておるということでございますので、我々もその中身を情報として見さしていただきましたけれども、今後皆さん方の考え方がどういうふうに結び付けていったらいいのか、全体の中で議論をし、皆さん方に夢が与えることができるように努力をしていきたいというふうに思っております。

松村祥史自由民主党

○松村祥史君 財務大臣、ありがとうございました。財務大臣のお立場でも御質問させていただきたいと思っておりましたが、今御答弁をいただきました。税を所管するお立場として大変前向きな御答弁をいただいたものと思っておりますので、是非今後も議論を深めさせていただいて、この事業承継税制については御検討いただきたいと思っております。  また、この委員会のもう一つの提言でございますけれども、この事業承継、税制だけでは駄目だと、こういったことも少し議論させていただきたいと思いますが、実は私の地元熊本県では、昨年、県議会の中で中小企業基本条例というものを作っていただきました。これはもうあくまでも条例でございますが、今全国に七つほどあると聞いております。今回は先駆けて、地元の中小企業者の皆さん方がこの議会に事業承継税制の請願というものを出されておられましたので、そのことを採択をされて、これを、総理を始め財務大臣、経済産業大臣、法務大臣にお出しになったということを理解しております。  その中で、税制措置のみならず民法上の問題への対応を図ることを強く要望されておられます。具体的には、中小企業の経営者が、経営権や事業用資産を後継者に集中できなくなりまして、なかなかその事業が続かないというような実態が発生しているということで、事業承継問題検討小委員会も民法上の遺留分に関する問題解決に向けた新規立法の必要性についても提言を行ったところでありました。  民法上の障害を取り除いて、中小企業の事業承継を円滑にするための特例措置の早期立法化が私は必要であると、このように考えておりますが、所管される鳩山法務大臣に御所見をお伺いしたいと思います。

鳩山邦夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) 私も二十数年間、東京の中小企業をバックに代議士をいたしておりましたから、事業承継の円滑化というのが中小企業の活性化のために一番大事である、したがって、今税のお話がありましたけれども、税制において、相続財産がほとんど株式だった場合に、類似業種比準方式とか純資産額方式とかいろいろあるが、大減税でなくちゃ駄目なんだなんてことばかり演説をしておった、そういう身でございますが、同時に、今先生御指摘のとおり、相続人が多数おられるがために、結局、中小企業のオーナーが亡くなられたときにこの承継ができなくなると、こういう事態があるわけでございます。片や民法上には相続の規定があって、遺留分の規定がございますね。絶対にこれだけは確保できるという遺留分の規定というのがある。  そうしますと、オーナーが亡くなって長男が後を継ぐときにどういう特例があればいいのか。先生方も随分研究をされて、自民党内であるいは与党内で議論をされたし、恐らく甘利経産大臣の方では中小企業庁ともいろいろ話し合われているんだろう、そういうふうに思いますと、できる限り特例のようなものを法制化することによって民法の例外的な扱いを決めるということでお手伝いできればというふうに思っております。  ですから、もう先生方の御意見にあるわけですけれども、例えば、オーナーが後継者に株式を贈与、生前贈与したときに、いずれ亡くなった場合には遺留分減殺請求というのが出るわけでありますから、そういう事業用の資産とか株式に関して相続から取り除いておくという、そういうような、これはやはり関係者、つまり相続人が全部集まって契約をしておく必要があるんだろうなと。  私のように兄弟仲が大変いいと問題はないと思うんですが、兄弟間が微妙な場合もあるでしょうから、やはりこの契約のようなスキームが必要なのかなと思いますし、また、例えばオーナーがいて、社長で、後を継いでいるのが長男で、一人で専務あるいは副社長で、一生懸命頑張ることによって株式の価値が上がっていく。したがって、お父さんがその後継ぎの長男に株式を生前贈与したときの、そのときの価格で固定をしておいて、一般に相続財産というのは亡くなられたときの価値、価格で全部評価しますけれども、生前贈与したときの価格で留め置いておいて相続財産を計算するというような方法も先生方で御議論されておられると思いますので、これも私ども応援をしたいと、こう思っております。  ただ、民法典という大法典は、親族法、相続法、非常に立派にできておりますから、民法を書き換えるというのはなかなか難しいので、例外的な規定を設けるという形で対処していただければと、そういうふうに思っております。

松村祥史自由民主党

○松村祥史君 大臣から大変、特例を設けた中での措置を考えようということで御答弁をいただきまして、ありがとうございます。  基本は、やはり後継者が不足をしてしまうということが一番大事なことでございます。特に、事業用資産が分配をしたときに、これが同族系の企業では一番の問題でございまして、家族でもめたり兄弟でもめたりと、こういったものはなかなか人に相談できることでもございませんし、こういったものをやはり、後継者の育成という観点から守っていく、又はそういうスキームをつくっていくということは非常に大事なことであると思いますので、是非、早期の御検討をいただいて立法化いただきますように、よろしくお願いをしたいと思います。  続きまして、今日は甘利大臣もおいでをいただいておりますが、前回の予算委員会でも甘利大臣とこの事業承継税のことについては議論をさせていただきました。大変な御理解をいただきましたし、あれからまた私どもも小委員会をつくって幾分か議論をして、今日のような御答弁をいただいたものと思っております。しかしながら、やはり即効性のあるものを今後やっていかなきゃいけないし、もっと具体的に、やっぱり予算措置も含めて考えていく必要があると思っております。  そういう面では、所管をされる甘利経済大臣に、この事業承継の円滑化、また事業承継税制、今ほどの民法上の問題、こういうものを含めて今後どのような政策を展開される予定であるのか、具体策をお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

甘利明自由民主党経済産業大臣

○国務大臣(甘利明君) 相続に関して大企業と中小企業の違いを述べますと、お話にありましたように、中小企業の場合は経営者の相続が正に企業の存続と直接かかわってしまうと。その理由は、もう既にお話にありましたように、事業用資産の多くが経営者の個人資産であると。でありますから、相続が発生をしたときに、事業を引き継ぐ者に経営資源を集中をさせるということに関していろんな制約があるということであります。法務大臣から遺留分の取扱いについて大変前向きなお話が出たというのは勇気付けられることであろうと思います。  我が省といたしましても、事業用の資産の相続に関する評価に関して抜本的な提案をしたいと。これは、先生が小委員会で取りまとめたものを基盤とした要求をしたいと思っておりますが、これは相手があることでありますから、よく相談をさせていただきたいと思います。  一方で、事業資産の承継は比較的うまくいったとしても、実は経営に当たる人が見当たらないということもまた中小企業の存続を困難にしている理由の一つでもあります。  そこで、後継者難に対して、マッチングの支援等、人の支援、マッチングだけじゃなくて、いろんな経営相談も含めて相談ができるような事業承継の支援センターというものの設立の支援をしていきたいというふうに思っております。全国百か所くらいで会議所とか商工会に窓口を設置していただいて、いろんな相談に乗れるようにできたらというふうに思っておりまして、これもしっかりと予算も確保していきたいと思っております。

松村祥史自由民主党

○松村祥史君 大臣からも強力な支援をいただいたものと思っております。  やはりマッチングをさせていくというのは非常に大事なことであると思うんですね。私が知る限り、これは長野の商工会議所でございましたかね、長野の商工会議所においては、やはり公募をやって、その地域の方に限らず、この事業をやりたい方々と、空き店舗ができたらそういうところを公募をしてくれる、またそのときの開業用のいろんな支援、資金の調達、こういう窓口、パートナー役をやっていただく、こういったところもあるようでございます。既に始まってもおりますし、また市側も、これは商工会であったと思いますが、カモン後継ぎさんというような支援窓口をつくられて既に始められているところもあると聞いております。是非、こういったところは強力に御支援をしていただきたいと思います。  と申しますのが、東京商工リサーチの、これちょっと二〇〇三年ものですから三、四年前のものではありますけれども、先代経営者との後継者の関係という部分を調べてみますと、二十年以上前だと大体八割が親族の方なんですね。御子息であったりお嬢さんであったりという部分でございますけれども、ここ四年ほどの資料を見ますと四割が大体親族でございます。そして、以前六・四%ぐらいしか、二十年前には六・四%ぐらいしかなかった親族以外の方々、こういったものが三八%に増えてまいっております。それだけやはりいろんな方々が、親族に限らず、会社のありようも変わってきたし事業の承継のありようも変わってきたと、そういうものをどんどん促進をしていく。  こういったことは、例えば都会であればこれは問題がないにしても、問題がないと言うと語弊がありますが、地方にとってはこういった会社がなくなることで雇用の場が失われる。そうなると、やはり高校を出た方々やそれぞれ就職をする方々の場所がなくなる。そうなりますと、それを求めて人口の流出が起きる。これが地方のやはり流出の歯止めになるように後継者の育成、企業の育成というのは大変重要なものであると思っておりますので、今後よろしくお願いいたします。  その観点から大臣に、これもまた昨年の予算でやらせていただいたんですが、四百三十万社のうちの三百八十万社が小規模事業ですよと、小規模企業でございます。このことで議論をいつもさせていただいております。私は、基本的にはこの中小企業政策というのは、大企業が〇・三%であるならば九九・七%の中小企業、このうちの八七%の三百八十万の小規模事業者がやっぱりどんどんステップアップして、企業の体制が大きくできるような支援策が必要だと思っております。  このことを考えますと、まだまだこの小規模事業者が倒産がここ数年増えているんではないかと。数値的には倒産件数は六期連続でやや増加傾向にありますし、負債総額は減ってはおります。ということは、小規模事業者の倒産が増えているんではないかと、このように思うわけでございます。  そういう意味では、今後、この中小企業政策の中での小規模企業の支援というのは極めて重要な役割を担うと思いますが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

甘利明自由民主党経済産業大臣

○国務大臣(甘利明君) 御指摘のとおり、負債総額は減っておりますけれども、件数がここへ来て若干また増えております。ということは小規模倒産が増えている、小規模企業の倒産が増えているということであります。これは、開廃業率と相まって日本の企業総数自身がまだ減っていくということでありますから、これは日本経済の活力に極めて重要な課題であります。  そこで、中小企業、特に小規模企業については、元気にしていく処方せんで即効的効果ともちろんその構造的効果と両方ありますのがITの活用だというふうに思っております。ただし、小規模企業ですとソフトを品ぞろえするというのも相当な財政負担になってしまいますから、その情報処理を外に委託して、そういうところと連携を取るということが極めて大事であります。いわゆるASPと言われる事業者とどう連携を取っていくか。商工会、会議所、どちらでしたっけ、ネットde記帳は商工会の方ですね、これもかなり小規模企業の経営刷新に貢献をしているわけであります。そして、昨今では、ASPの一種でありますけれども、よりオーダーメード型にできるというサースですね、SARSというのはかつて評判が悪かったですけど、これはサースの方は評判がいい方でございまして、これを活用してIT対応をしていって経営効率を上げていくということが大事なことだと思います。あわせて、いろんな人材を派遣をしてマーケティングであるとかあるいはブランド戦略等々もお手伝いをしたいと。中小企業地域資源活用法というのも先国会に出させていただきました。  法律、そしていろいろな支援施策を活用をしていただいて小規模企業の活力を引き出していきたいというふうに思っております。

松村祥史自由民主党

○松村祥史君 ありがとうございました。  時間もございませんので、最後に政治と金の問題について一点、総務省に確認をしておきたいと思います。  先般、小沢一郎氏の政治資金団体、陸山会が不動産を賃貸していた問題に対して、小沢事務所では賃料を返還する旨を表明されたようであります。  このことについては我が党としてもその推移を見守りたいと思っておりますが、この件に関し、毎日新聞の報道によれば、総務省は、政治資金規正法は預金や国債以外の資金運用を禁じており、一般論としながらも、家賃収入は法違反の疑いがあると指摘している。ただ、その一方、東京新聞や経済新聞の報道によれば、小沢事務所は、利殖目的ではなく政治資金規正法が禁止している資産運用や収支目的には当たらないと述べ、また民主党の鳩山幹事長は、総務省と相談してこういうやり方になったと聞いた、法的にはやましいところはないと述べていらっしゃいます。  世間の相場よりも若干安い金額とはいえ、やはり不動産から収益を得る行為というのは、一般論としてはどうなんでしょうか。金銭的運用と見なされても致し方がないと思う方々もいらっしゃるし、こういったものはしっかりとやっていかなきゃいけないと思いますが、総務省としての統一的な考え方をひとつお示しをいただきたいと思います。

久元喜造総務省自治行政局選挙部長

○政府参考人(久元喜造君) 総務省といたしましては、これ、実質的調査権を有しておりませんので、具体的事案についてのお答えは差し控えさせていただきたいと思います。  一般論ということになりますが、政治資金規正法八条の三は、政治資金の運用方法は、銀行等への預貯金、国債証券、地方債証券等の取得や元本補てんのある金銭信託といった特定の安全かつ確実な方法に限定されておりまして、金銭等の運用として不動産の取得等を行うことは禁止されているところであります。  そこで、この運用とは、一般に、金銭等を利殖その他の目的のために将来、資金として回収することを前提に他の財産の形態に換えることというふうに考えております。政治資金規正法は、こういうふうに金銭等の運用の方法を制限しているところでありまして、一方、所有している不動産の第三者への貸与も含めまして、所有している不動産の利用方法それ自体を直接規制する規定はないというところでございます。

松村祥史自由民主党

○松村祥史君 ちょっと時間もなくなりましたので、このことについては、やはり透明性のある制度設計、やはり国民の皆さんの信頼を得るという意味では、今後、与野党を問わず議論をしていく問題であると指摘をして、終わらせていただきたいと思います。

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 以上で野村哲郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 次に、渡辺孝男君の質疑を行います。渡辺孝男君。

渡辺孝男公明党

○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。  本日は、福田総理並びに関係大臣に、周産期医療、そしてまた救急医療、緊急医師確保対策並びに障害者対策につきまして質問をさせていただきます。  まず最初に、周産期医療に関して質問をいたします。  舛添厚生労働大臣に質問となります。  周産期医療の現状に関して、出生数当たりの産婦人科医師は減少していないが、低出生体重児や高齢出産等の出産に伴う危険性の高い症例は増えていると統計上の分析があります。この前段部分、出生数当たりの産婦人科医師数は減少していないとの認識について、大臣、どのようなお考えを持っておられるのか、お伺いをしたいと思います。

舛添要一自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(舛添要一君) お答えいたします。  統計上は出生数当たり医師数は横ばいでございますけれども、全体の総数はやはり減少傾向にございます。それから、分娩を行う施設、これは減少しているというのが現状であります。

渡辺孝男公明党

○渡辺孝男君 この減少の考え方ですけれども、やはり出生数当たりの産婦人科医師は減少はしていないというけれども、元々かなり無理をしながら診療をやっていたということでありまして、そういう意味では、考え方としては足りないのがそのまま持続している、あるいは、今後いろいろなハイリスクの分娩がありますので、より以上に不足をしているという、そういう認識をしていただいて対応をしていただきたいと、そのように思います。  次に、厚生労働大臣に質問をいたしますけれども、現在、そういうことを考えると、産科医はどれくらい足りないのか、今後もハイリスク分娩の増加傾向が続き、女性医師の増加の傾向も変わらず、そしてまた産科医の労働条件もこれからは改善しなきゃならない、そういう流れでございますので、このことを考えると更にどれくらい不足するのか、この産科医の不足の予想についてお伺いをしたいと思います。

舛添要一自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(舛添要一君) 今申し上げましたように、平成十四年から十六年までで、二年間で総数は四百四十人減っております。パーセントにして四・二%です。そして、いろんな各地域の医療状況を、医師不足状況を見てみますと、やっぱり深刻であることは確かでございます。  それで、じゃ絶対的に何人必要かという、これはもう現場の声に応じて一つ一つ対応していく必要があると思いますので、今の日本の人口だとこれだけ産婦人科のお医者さんの数が必要だというのをきちんと出すということは、いろんな意味では、正確性ということから見ても、またいろんな条件が、今先生がおっしゃったように、高齢出産のリスクとか、非常に体重が低い小ちゃな赤ちゃんが生まれてくる、特に新生児ですね、この問題が非常にありますので、むしろ数を出すよりも、今先生御指摘になりましたように、非常に過剰な労働条件ですから、これをいかにして改善するか、それは診療報酬の見直しを含めてやりたいというふうに思っています。  それから、女性の医師が増えている。この方たちのために保育所の施設を造るとか、こういうことも非常に必要ですし、それから、やはり訴訟を起こされてしまう、そうすると訴訟に対してどうするかと。これは、無過失補償制度であるとか裁判外の調停制度であるとか死因の究明制度であるとか、こういうことを総合的にやっていかないといけないというふうに思いますし、それから、産婦人科医だけではなくて、それをサポートする体制、例えば助産婦さん、こういう方々をどう活用していくかと、こういう総合的な対策をきちんと取る必要があると、そういうふうに思っております。

渡辺孝男公明党

○渡辺孝男君 それはそうですけれども、やはりどれくらい不足しているのかというのをしっかりとらえないと本当の対策はできないんじゃないかと思いますので、これしっかり検討してもらいたいと思います。  次に、関係することでありますけれども、総務省、厚生労働省実施の緊急要請における産科・周産期傷病者搬送の実態調査の集計、分析について、どのような状況にあるのか、増田大臣にお伺いをしたいと思います。

増田寛也総務大臣・内閣府特命担当大臣(地方分権改革)

○国務大臣(増田寛也君) 今、総務省の、私どもの消防庁とそれから厚生労働省と共同で今調査をしているわけでございますが、この産科・周産期傷病者の救急搬送時における実態ということで、これは平成十六年から十八年の三か年の総救急搬送人員、すべての救急搬送人員ですね、その中で、産科・周産期の救急搬送人員、それから医療機関へ受入れ照会を行ったが受入れに至らなかった回数、そしてなぜ受け入れてくれなかったのか、その理由などの項目について、今、回答を求めているということでございます。  これにつきましては、都道府県を通じて全国の市町村消防本部に対して調査を依頼しておりますので、今各消防本部からの回答が出そろうのを待っているところでございます。間もなく回答がすべてそろうところでございますので、集計を行いまして、来週中には、来週の末までにはこれを公表したいというふうに考えております。  この調査の結果が出ましたら、私ども、この円滑な妊産婦の救急搬送受入れ体制が構築できるように、これは厚生労働省とよく相談をして、その後の体制について検討していきたいと考えております。

渡辺孝男公明党

○渡辺孝男君 奈良県での本当に残念な事例があったわけでございます。これを踏まえて、公明党も緊急の申入れを厚生労働大臣にさせていただきまして、党内にも救急医療の体制整備に関するプロジェクトチームというものをつくりました。今より充実するということで本部をつくったわけでございますけれども、しっかりこれやっていきたいと思いますので、このための大変重要な資料でありますので、早期に分析をして調査結果を出していただきたい、そのように思います。  次に、厚生労働大臣にお伺いをしますけれども、これも大変重要な課題でありますけれども、周産期医療ネットワーク、特に総合周産期母子医療センター等の未整備県の早期対応ですね。これについてどのようにされているのか、舛添厚生労働大臣にお伺いをしたいと思います。

舛添要一自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(舛添要一君) 今、渡辺先生、先般の奈良県の大変不幸なケースについてお話しになりました。実は、奈良県はこのセンターを来年の春に整備するという予定でやっていたところでございますけれども、今年度整備したのが秋田県と長崎県、それから今年度中に整備できるのが岐阜県と鹿児島県、それで今申し上げましたように来年度は奈良県と佐賀県で整備すると。そうしますと、残っている県は山形県と宮崎県ということでございますので、とにかくこのネットワークを確実にやりたいということで、未整備の県についても、だから何もしないんではなくて、ネットワーク化ということで全力を挙げていきたいと、そういうふうに思っております。

渡辺孝男公明党

○渡辺孝男君 整備に努力されているということでありますが、今の状態でも頑張っておられる県は当然あるわけでありまして、更にレベルアップをしていただきたいということであります。  次に、また厚生労働大臣の質問になりますけれども、産科医療に対して診療報酬上での評価を改善する方向で見直しが行われていると認識をしておりますけれども、例えば緊急の母体搬送の受入れが円滑に行われるよう診療報酬において評価をすることも検討されているということでありますが、これ具体的にどのように進んでおりますか、この点をお伺いをしたいと思います。

舛添要一自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(舛添要一君) これは先生御指摘のように、母体搬送をきちんと受け入れてもらわないと助かる命も助からないということでございますので、現在、診療報酬改定に向けまして中医協において議論を重ねていただいております。そして、次期診療報酬改定において必ずこれ検討する重要な事項として取り上げたいというふうに思っています。そして、その中医協における御議論を踏まえまして診療報酬の見直しを確実に行っていきたいと、そういう決意でございます。

渡辺孝男公明党

○渡辺孝男君 現場の医療関係者は一生懸命非常に頑張っておられるので、それで世界最高レベルの死亡率低下に頑張っておられるわけであります。そういうものをしっかり評価をしていただきたい、そういうふうに思います。  次に、広く救急医療の体制整備、全般的なお話を厚生労働省、それから総務省にお伺いをしたいと思うんですけれども、救急治療を要する重症の傷病者を迅速に適切な医療機関に搬送するためには、傷病に応じた救急医療情報システムを構築することが大変重要であります。  しかし、まだ未整備な県があり、早期導入に関して厚生労働大臣、どのように取り組んでおられるのか、この点をお伺いをしたいと思います。

舛添要一自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(舛添要一君) 今先生おっしゃいましたように、緊急医療情報システム、これをもうとにかく早く整備しようということで、今のところ四十七のうちの四十四都道府県につきましては導入されております。これは厚生労働省の補助事業ないし県の単独事業ということで導入しておりますけれども、今山形県、島根県、沖縄県、この三つが未整備でございますので、これも早急にやりたいと。  ただ、じゃ未整備だから何もしないかというと、この残る三県、今申し上げた三県につきましても、消防の方で毎日、どこがベッド空いているかと、こういう状況をきちんとして確認するということをやっております。  先般、私、現実に千葉に視察に参りました。千葉の消防署も見てまいりましたけど、これはまた是非IT化、消防のシステムのIT化、こういうことを含めて消防の方にも努力していただく、そして我々も努力する、そういう総務省、厚生労働省、きちんとスクラムを組んでこの緊急医療情報システムの完備に向かって努力をしたいと思っております。

渡辺孝男公明党

○渡辺孝男君 次に、消防庁を所管する増田総務大臣にお伺いをしたいと思うんですけれども、救急搬送には救急指令台の機能強化、先ほども厚生労働大臣の方からもお話がありましたけれども、例えばリアルタイムでの受入先病院、病床の情報把握、あるいは搬送手段、搬送ルートの決定、そしてまた隣県を含んだ広域連携システム、そういうものをつくることが大事だと、そのように公明党は考えておるわけでありますけれども、総務大臣として救急指令台の機能強化についてどのように取り組まれるのか、この点をお伺いをしたいと思います。

増田寛也総務大臣・内閣府特命担当大臣(地方分権改革)

○国務大臣(増田寛也君) この救急指令室ですね、救急指令台、この機能強化というのは大変重要でございますので今様々なことを行っているわけでございますが、先ほど厚生労働大臣からも話ございましたような、特に救急医療情報システムを活用させていただきますとすぐに、今お話ございましたとおり、病院の空きベッドの状況がリアルタイムで分かりまして一番最短時間でそちらの方に行くことができると。したがいまして、こういった情報システムを使わせていただいて、そしてできるだけ要請にこたえていきたいと。  この救急医療情報システムでございますけれども、これを更に県単位から超えて広域運用にしていくということになりますとより成果が上がってきます。今こうした広域的な運用ということで成果を上げているのは、関西地域がこうした仕組みをうまく使い出しているということでございますが、これ全国に広げていきますとより効果が出てくるわけでございますので、その広域的な運用も含めて病院選定をより円滑に、スピーディーに行うことができるようになるよう、厚生労働省とよく相談をしてそういう仕組みをつくっていきたいと。  それから、あわせて、この消防とそれから地域の医療機関との間で病院選定により円滑な連絡が行えるようなそういう体制の整備というのを常日ごろからしておりますと大変効果的なわけでございまして、こうしたことを関係機関とよく連携をしていきたいと。そのことによってこの救急指令台の機能を更に強化していきたいと考えております。

渡辺孝男公明党

○渡辺孝男君 また、救急医療の向上のためにはメディカルコントロールが重要でありまして、先日、東京の消防庁を視察をさせていただきました。その折に、救急隊指導医が二十四時間体制で指令台におり、適時、救急隊に指導、助言を行っている、このような先端的な体制を見させていただいたわけでありますが、このようなすばらしいシステムを全国的に構築することが大事だと思いますけれども、この点、消防庁の方にお伺いをしたいと思います。

大石利雄消防庁次長

○政府参考人(大石利雄君) お答えいたします。  現在、指令室に救急隊指導医を二十四時間常駐させておりますのは、御紹介のございました東京消防庁のほかにも横浜市、千葉市、京都市、合わせて全国で四本部がこのような体制を取っているわけでございます。  その他、全国の消防本部でどのようにしているかということでございますが、現場の救急隊が医療機関に搬送するまでの間、当番医師と携帯電話等で常時連絡を取りながら医療機関に搬送するということができるように、いわゆるメディカルコントロール体制というものを構築しております。この仕組みによりまして、適宜医師から救急隊員が指導を受けて、いわゆる特定医療行為等の行為を行うという形になっているわけであります。

渡辺孝男公明党

○渡辺孝男君 こういうシステムが全国に配備されるようになれば、非常に、いわゆるたらい回しというようなことが起こらなくなってくるんではないかと、そのように期待しておりますので、この整備をしていただきたいと思います。  続いて、増田総務大臣にお伺いをしますけれども、重症な救急患者、特に心臓発作で心肺停止状態に陥った患者さんの救命には、近くに居合わせた人が救急蘇生の実施をしていただく、そしてまた救急隊が救急蘇生をしまして適切な処置をし、適切な病院に運ぶと、そのような迅速な対応が必要となります。これは病院前救護と言われておるわけでありますけれども、先般消防庁はそれらに関係する一つの資料を、調査結果を発表されたわけであります。その結果では、生存率に地域間格差があるということも分かってまいりました。こういうものを是正するために、またメディカルコントロールの強化にどのように取り組まれるのか、お伺いをしたいと思います。

増田寛也総務大臣・内閣府特命担当大臣(地方分権改革)

○国務大臣(増田寛也君) 今先生お話がございましたとおり、消防庁の方で、心臓病による心肺停止により救急搬送された患者の一か月後の生存率についての統計データを発表させていただきました。都道府県間で生存率に最大で約五倍ほどの差があると。これ、名前を挙げて恐縮なんですが、これはもう発表いたしましたんで、一番成績良かったのは佐賀ということでございまして、逆に低かった都道府県は山口ということでございまして、この間に大体そのぐらいの差がございました。  いろいろ、こういうことで、できるだけ生存率を高めるような努力をしていかなければならないということでございまして、やはり救急隊員が現場で応急措置をする、その質をできるだけ高めるということで、今先生の方からお話がございました医師が指示、指導するいわゆるメディカルコントロール体制の充実強化が大事であるということでございます。  このメディカルコントロール体制強化のためには、それぞれの地域ごとに、今地域のお医者さんなどに入っていただいたメディカルコントロール協議会というものをつくっていただいているわけでございますが、これも大変数多くて、都道府県単位であったり地域単位であったり、あるいは医師会単位でこれいろいろつくっていただいたりということで、全国で数にして現在二百四十八のメディカル協議会というものをつくっていただいております。  今度はさらに、その協議会同士での質の向上を全体として上げていくために、全国の連絡会というものを立ち上げました。そこで、それぞれ入っていただいている個々の協議会の全国的ないろいろ研修などを行って質を上げていこうと、こういうことを今立ち上げたところでございまして、これ、やはり政府の中で厚生労働省それから関係機関と十分連絡をする必要がございますので、私どもも救急隊員の応急措置の質の確保、向上という観点で積極的にこうした取組を各省とともに図ってまいりたいと、このように考えております。

渡辺孝男公明党

○渡辺孝男君 メディカルコントロールがきちんとしていけば、より救急を要する患者さん、救命できる、社会復帰に近づくということでありますので、しっかりやっていただきたいと思います。  それと関係しまして、特に一刻を争う重症な傷病者に対してドクターヘリの活用が重要となってきております。  そこで厚生労働大臣に、ドクターヘリの平成二十年度の予算概算要求と都道府県の導入予定の状況について、お伺いをしたいと思います。

舛添要一自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(舛添要一君) さきの国会におきまして我々みんなで努力しまして、救急医療用ヘリコプター、いわゆるドクターヘリを用いた救急医療の確保に関する特別措置法、これを成立させることができました。その中に、第三条に、地域の実情を踏まえつつ全国的に整備することを目標とすると、こういう条文がございまして、これに基づきまして今現状では十ばかりの道県に導入されております。具体的には、北海道、千葉県、神奈川県、長野県、静岡県、愛知県、和歌山県、岡山県、福岡県、長崎県でございますが、今年度は福島県、埼玉県、大阪府、この三つに導入を予定しております。  そして、今先生お尋ねの二十年度におきましては、更に三県に導入をしたいということでございまして、今十三機ありますから、その三機加えますと十六機、これ毎年整備のお金が掛かりますんで、その予算要求を、十三機プラス三機、十六機分の予算要求、十四億円を来年度の概算要求に盛り込んでいるところでございますんで、どうか皆さん御支援を賜りたいと思います。

渡辺孝男公明党

○渡辺孝男君 まだまだもっとハイペースで進めなければいけないという思いでありますけれども、よろしくお願いいたします。  それから、これに関連するわけでありますけれども、北海道とか広い地域では一か所だけでは足りないのではないか、それから需要が多いところはやっぱり複数機整備が必要になってくるんではないかということで、一都道府県一事業というのではなくて、複数事業が展開されることが望ましいわけでありますが、この点に関して厚生労働大臣のお考えをお聞きしたいと思います。

舛添要一自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(舛添要一君) 今先生、北海道、これ日本の面積の二二%、これ私も北海道なじみありますので、本当に広いところ。ところが、東京の隣の先ほど私が訪れた千葉、千葉県におきましても、あれも結構広い県でありまして、南と北を分けると、北に拠点で一機置くと、そのヘリコプター南まで来れないんですね。だから千葉県でも実は二機必要であると。  ただ、今は限られた予算の中で、とにかく全都道府県にまず一機ずつ配備しようということをやっておりますけれども、これは先ほど総務大臣もお答えになりましたように、関東だって、千葉、埼玉、神奈川、東京、それはどこに住んでいるかによって、例えば千葉の病院に神奈川からドクターヘリが飛んでくるんですね。こういうことを考えると、若干広域的に何機というような考え方を入れてもいいでしょうし、是非将来的には今おっしゃったように複数機導入する。そして、また逆に小さな県は地域全体で数数えればいいわけですから、これは総務省始め関係省庁と御議論した上で実現の方向で努力をしたいと思います。

渡辺孝男公明党

○渡辺孝男君 やはり地域のニーズに応じて柔軟に対応をしていただきたいと思います。  先ほど財政的な制約もあってなかなか進まないというようなお話もありましたけれども、それと関係しまして、ドクターヘリの方は特別措置法でございますけれども、その中にはドクターヘリ助成金交付事業を行う法人登録制度が盛り込まれているわけでありますが、その検討はどのように進んでいるのか、この点、厚生労働大臣にお伺いをしたいと思います。

舛添要一自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(舛添要一君) 今御指摘のとおり、今厚生労働省の下でこの八月より今の件につきまして検討会を設けております。その中で、助成金交付事業を行う法人の基準、それから助成金の交付対象などについて今検討を進めているところでございまして、早急に考え方をまとめまして、年度内にこれはお示しいたしたいと思います。

渡辺孝男公明党

○渡辺孝男君 次に、緊急医師確保対策についてお伺いをしたいと思います。  地域の救急医療にとってもこれは大事な対策でございまして、今臨時緊急的医師派遣システムによる第一次の派遣が行われておりますが、その状況と効果について厚生労働省にお伺いをしたいと思います。

外口崇厚生労働省医政局長

○政府参考人(外口崇君) 医師不足地域への緊急臨時的医師派遣につきましては、本年五月三十一日に政府・与党で取りまとめた緊急医師確保対策に基づき、七月一日の栃木県大田原赤十字病院への内科医の派遣を皮切りといたしまして、北海道、岩手、和歌山、大分の計六病院について医師を派遣しているところであります。  今回の医師派遣によりまして、救急患者の受入れの継続や再開、あるいは休止が予定されておりました分娩の継続などの成果を上げたと承知しております。また、この医師派遣を契機といたしまして、周辺の医療機関を含めた医療機能の分化、連携の検討が始まるなどの効果も認められております。

渡辺孝男公明党

○渡辺孝男君 まだまだその派遣要請に対して派遣数が少ないんではないかという実感を持っておりますけれども、次に厚生労働大臣にお伺いをしたいんですが、その後の都道府県よりの派遣要請の状況と、それから今後の派遣の予定についてお伺いをしたいと思います。

舛添要一自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(舛添要一君) ただいま十県程度の医師派遣の要請が国の方に参っております。厚生労働省としましては、要請先の県内の情勢、派遣の必要性その他を速やかに調査の上、地域医療支援中央会議、こういうものを開催いたしまして、必要性が高いと優先順位を決めまして、それから順に派遣していきたいと思っております。  現実に派遣した先からは大変助かっているというお声も賜っておりますんで、この事業を更に進めてまいりたいと思います。

渡辺孝男公明党

○渡辺孝男君 緊急医師確保対策は厚労省だけの問題ではなくて他省庁にかかわるわけでございますが、大変地域では期待をしておりますんで、今後更にどのように力を入れていくのか、その決意を福田総理の方からお伺いをしたいと思います。

福田康夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(福田康夫君) 産婦人科とか小児科など、全国各地の医師不足を訴えている声を真摯に受け止めていかなければいけないと思います。  地域にお住まいの方が必要な医療を受けられるように医師を確保していくことは、これはもう喫緊の課題でございます。これまでも、今年の五月に緊急医師確保対策を政府、与党一体となって取りまとめをいたしました。先ほど政府委員からもお話ございましたけれども。そして六月には、この対策に基づきまして経済財政改革の基本方針二〇〇七において閣議決定いたしました。というようなことで、政府全体としてこの問題に取り組んでいくと、こういう考え方であります。  医師確保対策の更なる推進のためには来年度も必要な措置を講じます。そして、地域の医療が改善されたと実感できるように、厚生労働省、総務省また文部科学省などを始めとしまして、政府全体として様々な対策を具体化してまいりたいと思っております。

渡辺孝男公明党

○渡辺孝男君 本当に地域によっては大変厳しい状況にありますんで、この対策、緊急医師確保対策ですね、特に一生懸命やっていただきたいということでありますので、総理にもよろしくお願いをしたいと思います。  次に、障害者対策についてお伺いをしたいと思います。  最初に福田総理にお伺いをしたいんですが、昨年十二月に国連で採択されました障害者の権利に関する条約に、国連本部で現地時間の九月二十八日に日本は署名を行ったわけであります。日本でもこれまで五年間に及ぶ障害者の代表の方々等を含めた議論をしてきたわけでありますけれども、署名に至りましたので、今後、障害者の皆さんが期待の大きい同条約批准に向けての政府の取組についてお伺いをしたいと思います。

福田康夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(福田康夫君) 障害者の権利に関する条約につきましては、これは政府といたしましても、障害者の人権及び基本的自由の完全な実現を確保し促進するというために重要な意義を有しているということを十分に踏まえて、今後可能な限り早期の締結を目指して検討を行ってまいりたいと思います。その際、今後とも障害者団体等の意見も十分参考にしながら進めていきたいと思っております。

渡辺孝男公明党

○渡辺孝男君 やはり現場の声をしっかり受け止めて対策を講じることが大事でございますので、よろしくお願いをしたいと思います。  次も総理にお伺いをしたいんですが、障害者を障がい者と、害を平仮名でがいと書く、そのように表記を改める自治体が増えているわけであります。例えば私が住んでおる山形県では、本年二月に県議会で決議をし、三月に条例を改正し、表記を改めたわけでございます。隣の福島県では、条例改正ではありませんけれども、平成十六年より行政文書や部署名の名称変更等を行っております。  障害者の害の字は、以前はいしへんに疑いという、これも支障という字を書いておったわけでありますが、昭和二十二年に公布されました当用漢字ではその字がなくなってしまいまして、今の害するという害が代わりに使われたということであります。  政府としましては、このような表記を改めることについてどのような対応をされているのか、また総理御自身はどのようにお考えなのか、この点をお伺いをしたいと思います。

福田康夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(福田康夫君) 障害という表記の問題でございますけれども、この害の字に関しまして、障害者に対する差別、偏見を助長しかねないということで、他の表記を求めるという意見があることは承知をいたしております。  現時点では、他の表記について、平仮名表記をするというほか、別の漢字を用いるべきだという意見とか、また表記の見直しよりも差別解消を優先すべきというような意見など、様々な御意見ございます。そして、そういう状況でございますので、広く合意が得られた状況にあるというようには今現在言えないということがございます。また今後、幅広い議論が行われるだろうということを期待をいたしております。また、実際問題として、これ法令改正ございますね。これが数多いんですよ。そういうようなことがございますので、もう少しそういうことも含めた議論をしていただきたいと、こう思っております。  いずれにしましても、政府としては、障害の有無にかかわらず、国民だれもが相互に人格と個性を尊重し支え合う共生社会を実現するために、障害や障害者に対する国民の理解を促進して関心を深めていくことが重要だという考え方には変わりはございません。

渡辺孝男公明党

○渡辺孝男君 障害者という特別な言葉がなくなるような社会になれば一番よろしいわけでありまして、チャレンジドという言葉を使おうという流れもあります。この点、障害者の権利条約批准に向けての検討の中で協議をしていただければと、そのように思います。  次に、厚生労働大臣にお伺いをしたいんですが、公明党はこれまでいわゆる身体、知的、精神の三障害の福祉サービスの枠に入りにくい障害者に対する福祉サービスの提供に努力をしていたわけでありますけれども、その中の一つに高次脳機能障害者への福祉サービスの提供があります。高次脳機能障害というのは頭部外傷とか脳卒中などで記憶障害や認知障害等が起こってしまいまして社会的に支障を生じている状況でありますが、これがモデル事業から全国普及の事業になりました。これがどのように進んでいるのか、舛添厚生労働大臣にお伺いをしたいと思います。

舛添要一自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(舛添要一君) 今先生おっしゃいましたように、この分野、特にいわゆる障害ということの三つの障害から外された方々に対して公明党が非常に努力なさっていることを厚生労働省としても高く評価したいと思います。  そこで、高次脳機能障害支援普及事業ですが、これは、都道府県が指定する高次脳機能障害の支援の拠点となる機関において、まず相談支援コーディネーターによる高次脳機能障害者に対する専門的な相談支援、まず窓口設けて相談しましょう、いろんなことを専門家が御相談しますと。それから、やっぱりこれは産婦人科の場合と同じで地域のネットワークがないといけませんから、関係機関とでネットワークを構築しようと、これが二つ目でございます。それから、この高次脳機能障害の支援手法に関する研修ということも行っておりまして、平成十八年十月から障害者自立支援法に基づく都道府県地域生活支援事業として実施しているところでございます。  平成十八年度までに十九都道府県でこの事業が開始されております。今年の三月末現在で、支援拠点機関として十八か所が指定されました。そして、三十一人の相談支援コーディネーターが配置されました。それから、七千百八十七名の自治体職員や福祉事業者などを対象として国立身体障害者リハビリテーションセンター、また各都道府県において研修を実施しているというのが今の事業の進捗状況でございます。  今後とも、この高次脳機能障害の方々に対して国そして各都道府県が支援できる体制を更に充実していきたいと、そういう思いで今努力を重ねております。

渡辺孝男公明党

○渡辺孝男君 まだまだ都道府県によりましてはこのサービスを受けられていないところも多いわけでありまして、早期に実現をしていただきたいと、そのように思っております。  最後の質問になりますけれども、これもまた障害者関係でございますけれども、特に重度の障害者になりますけれども、冬柴国土交通大臣にお伺いをしたいと思います。  自動車事故により脳に重度の障害を持ち、意識が十分に回復していない遷延性意識障害者がおられます。以前は植物症、あるいは植物状態と呼ばれていた時期もありましたが、名称が適切でないということでこういう難しい名前になったわけでありますけれども。このような重度の障害者に対する治療やリハビリや介護、福祉のサービスの提供を公明党は強くこれまでも求めてきておりまして、このサービスの提供に関して、今、独立行政法人自動車事故対策機構が全国四か所の療護センターを設置し運営をしておるわけでありますが、この療護センターがない北海道、九州地域があるわけであります。そこに同じような機能を営んでいただくために、療護施設機能の一部の一般病院への委託事業というのが行われていると聞いておりますけれども、これがどの程度進んでいるのか、この点を大臣にお伺いをしたいと思います。

冬柴鐵三公明党国土交通大臣

○国務大臣(冬柴鐵三君) 私も、今御指摘のありました千葉の療護センターへ今年の二月に視察をさせていただきました。八十あるベッドほとんどが満杯になっておりまして、寝たきりの方が非常に多いわけですが、大変手厚い、ほとんどマンツーマンで食事から日常の排せつから何から何まで昼夜を分かたず看護をしておられる、そういう姿を見せていただきました。  その中に、中学生のときに頭部を交通事故によって強打された男の子、かわいい男の子がいましたが、お母さんは毎日ずっと見舞いに来ておられると。しかも神奈川から毎日来ていらっしゃるということも伺いました。しかし、こういう子供さんのお母さんから後日私にもお礼の手紙がありまして、ここ、これがあったから子供は生き延びているんだ、そして回復の兆しがあるということで、ちょっとあれですけど、名前をお母さんの手紙の下に書いてありました。  これは大変、私は見せていただきまして、本州にはそういうものが四か所あるけれども、北海道、九州にはないということで、何とかこれはならないのかねということもそのときに私も申し上げまして、その後いろいろ検討をいただきまして、今、四月の十九日からそういう委員会を立ち上げてずっと検討してまいりまして、九月、委託契約手続を二つの病院との間で、に入ったということでございまして、十月下旬には委託契約を締結し、入院患者を募集し、十一月中旬以降には入院患者の受入れを開始できるということでございまして、もちろん入札をして決めたわけでございますけれども、もう病院も決まっておりますので、そこで委託をして手厚い介護を受けていただくということになると思います。  遷延性というのは大変難しくて分かりにくいですけれども、先ほど委員がおっしゃったような名前で呼ばれたこともあるような、本当に重篤な症状でございます。  そういうことで、自動車は我々の生活にもう不可避な生活手段でありますので、そういうことが引き起こす、不可避的にこれらを引き起こす事故に対して、こういうものは必要であると私は強く感じた次第でございます。

渡辺孝男公明党

○渡辺孝男君 ありがとうございました。

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 以上で渡辺孝男君の質疑は終わりました。(拍手)     ─────────────

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 次に、紙智子君の質疑を行います。紙智子君。

紙智子日本共産党

○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。私は、生産者米価の暴落問題についてお聞きいたします。  二〇〇七年産のお米の十月十日の価格センターの落札価格は、平均で昨年の同月に比べますと七・九%下落と。これ、六十キロ当たりで一万四千四百三十四円で、昨年の同月と比べますと千二百三十一円下がっているわけです。お配りしております資料のように、毎年下がり続けていると。  政府の調査でも、昨年の米価による全国平均の家族労働報酬、これは一時間で二百五十六円と、そういう水準ですね。米生産者の九五%がこれ採算割れですよ。経営が成り立たないということで、先日、NHKのテレビでも「ライスショック」ということで報道番組がありました。このままでいけば担い手も集落営農も育たないと。来年はもう米作りをやめなきゃならない、こういう農民の怒りが沸騰していると。  この事態に対して、まず福田総理の受け止めをお聞きしたいと思います。

若林正俊自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(若林正俊君) お答えいたします。委員長の御指名でございますので。

紙智子日本共産党

○紙智子君 さっき農水大臣のは聞きましたから、総理の感想を。

若林正俊自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(若林正俊君) いいえ、それは違う委員に対してお話をしたわけでございます。  事実関係について、今数字を挙げられて米価の動向のお話がございます。委員が挙げられた数字はそのとおりでございます。十九年産米の価格水準は、前年同期比と比較しますと、全銘柄平均で平均八%安という水準になっております。  これは、十九年産米の作況は御承知のように九九であるものの、作付面積が目標を上回ったために生産量が生産目標を超えるというふうに今見込まれていることがまず第一の理由であります。第二の理由は、主たる売手であります全農の概算金の取扱いの見直しがございまして、出荷段階では七千円程度の内金を支払うという方式が、生産者へのショックと同時に先行き相当下がるんじゃないかという思惑を呼んだことが二つ目にあると思います。三番目としては、どうしても体質的に流通業界は過当競争に陥りやすい業界の構造になっているということ。そして最後は、やはり消費者の米の購入動向として低米価への志向が強まってきているといったことを背景にしたものと思います。  主食である米について、その需給、価格の安定を図るということは大変重要でございまして、そのために、生産調整の円滑な推進を図るための地域の実情に応じた産地づくりの交付金の交付、また、米価の下落による販売収入の減少の影響を緩和する対策などを講じているところでございます。  今後とも、水田農業を営む農業者の方々の経営の安定に支障を来さないことが重要であると考えておりまして、米に関するこれらの政策を適切に運営してまいりたいと、このように考えております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 総理。

福田康夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(福田康夫君) ただいま農水大臣から説明申し上げたように、米の価格が下がる理由というのは幾つかあるわけでございます。その中でもやはり需給バランスが悪いということ、要するに生産過剰ということですね。その一方、国民の嗜好の問題もあるというようなことでございまして、両々相まってこういうような状況になってしまったということでございます。  ですから、そういう状況を踏まえた上で適切な政策を実施していくということが必要なんでございまして、農業経営者の安定というのは、これは生活の安定というのは、これとても大変大事だというふうに思いますので、そういう政策を適切にしていかなければいけないと思っております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 生産者の安定ということを言われたわけです。  それで、対策なわけですけれども、生産者の皆さんの声を代表して、先日、農民連の皆さんが政府に対しての要請をいたしました。備蓄制度の活用による政府の買入れやってほしいということを言いました。若林農水大臣は十月二日の記者会見の場で、価格を支えるという意味でこの備蓄制度を活用するということはいたしませんとお答えになりました。  これでは、対策取りませんよと言っていることと同じなんですね。何もしないおつもりでしょうか。

若林正俊自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(若林正俊君) お答えいたします。  私が申し上げておりますのは、食糧法という法律によりますと、この法律上、国が買入れ、売渡しという過程を通じて運用をしていきます米の需給につきましては、備蓄の制度しかないわけでございまして、この備蓄の制度というのは、法律で決められておりますように、過剰米が発生した場合のこの安定を図るための運用でございまして、価格を維持するためにこの備蓄の制度を運用するということは法律上できないようになっているということを申し上げているわけでございます。  しかしながら、この適正の在庫量、備蓄量というのは基本計画において百万トン程度というふうに決められておりまして、さらに、運用としては四十万程度の買入れ、そして買入れをした以上はやはり四十万程度の安定的な売渡しというのが決められているわけでございますが、今の在庫水準を見ますと、まだ若干、二十数万トンの余裕がございます。そういうような余裕を備蓄制度の趣旨の範囲内において適切な運用を図っていくということは余地としてあるだろうというふうに考えているわけでございます。  基本的には、米の消費の拡大と、さらに米の需要に応じた生産体制をしっかりとつくっていくということが基本になると考えておるわけでございます。

紙智子日本共産党

○紙智子君 最初のところで産地づくり云々かんぬんという話もありました。  それで、備蓄の問題は後ほどまたお聞きしますけれども、品目横断で対応、一つはしていくという話ですよね。  そこでお聞きしますけれども、品目横断対策に入っている米の生産農家、これ米生産農家の何%ありますか。

若林正俊自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(若林正俊君) 今回の品目横断的経営安定対策に加入している米の作付け農家の数は推計で約二十一万戸でございます。米の販売農家数に対する割合は約一五%でございます。一方、本対策でカバーする米の作付面積は四十四万ヘクタールとなっておりまして、十八年産水稲の作付面積、百六十八万ヘクタールでございますが、その四分の一。さらに、市場に流通をしています米、つまり売られている米で見ますと約四割をカバーをしているということでございまして、この数字は、昨年度まで担い手を対象として実施しておりました経営安定対策の加入面積に比べると約二倍を超える加入になっております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 担い手以外の対策で稲作構造改革促進交付金というのがあります。実際には産地づくり交付金の方に回してしまっていて、米価下落の対策に回す資金はないという話も聞いているわけですけれども、実際にはどれだけの地域がこれ活用できるんでしょうか。

若林正俊自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(若林正俊君) お答え申し上げます。  稲作構造改革促進交付金というものがございます。委員の御指摘のとおりでございまして、これは、各地域協議会が地域の実情に応じた生産調整のために需要に応じた作物の生産の推進が効果的であると判断した場合に産地づくり交付金への融通が可能となるという制度になっております。こうした中で、稲作構造改革促進交付金の対象となります全国で千三百六十一地域のうち五百九十九地域において、協議会の判断に基づきまして、稲作構造改革促進交付金を米価下落対策として措置しているものと承知いたしております。  なお、この各地域の協議会でございますけれども、これは、構成しておりますのはその地域、これ市町村単位が原則でありますが、市町村と農協、農業委員会、共済組合、土地改良区、そして生産農家、さらにお米の実需者、消費者団体、こういう皆さん方で構成をしているわけでございまして、こういう皆さん方が地域の水田農業ビジョンというものを策定をいたしております。そして、この産地づくりの計画の中で具体的な交付金の使い方、助成の水準といったようなものを決めることになっておりまして、そういうビジョンの実現に向けた取組として、その地域の今申し上げたような人たちが協議、判断をした上で、今申し上げましたような対応を取ったということであります。  この場合に、すべてをその下落対策に充てないように、すべてを産地づくり交付金に充てるか、半分充てるか、あるいは一割充てるか、それらも含めて全部この地域の協議会の自主的な判断にお任せをしていると、その結果として選択されたものということでございます。

紙智子日本共産党

○紙智子君 ですから、全体の中で実際にもう使ってしまって使えないというところがあって、使えるところはどれだけなのかということを聞いたんです。推定で結構です。

若林正俊自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(若林正俊君) 今御答弁申し上げましたけど、千三百六十一地域のうち五百九十九地域でございます。

紙智子日本共産党

○紙智子君 もう一つ聞きます。  品目横断対策の対象になっているところでこの値下げ幅が一〇%を超えて下がった場合に、その分については補てんできますか、できませんか。

若林正俊自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(若林正俊君) この品目横断対策の収入減でございますが、米価、米の収入だけで判断するということになっておりませんで、大豆とか麦とかその他の作物も含めましてその当該農業者が生産をいたしております生産所得全体を対象として、その一〇%減ということで対応しているわけでございます。  実は、この加入者でございますけれども、ファンドを積んでおりまして、国と加入者との間は一対三で、農業者が一、国が三の割合で拠出をすることになっておりますから、制度を安定的に運営していくためには、対策の加入者の積立金が、負担がどういうふうになるかということも考慮した上でこの設計をしていくことが重要だと考えております。  そういう意味で、本対策の補てんにつきましてはこのような加入者の積立金の負担とのバランスも配慮しながら、米の十アール当たりの収入額の減少幅は、最近の傾向から全国平均で一〇%の範囲内でずっと収まってきているということ、米のみを対象とした、十八年産までの実施してきた実は担い手経営安定対策とは異なりまして、先ほど申し上げましたように、この対策は対象品目も含め全体としての収入増減を合算、相殺する仕組みになっているということでありますから、一〇%の収入減少に対応し得るように制度設計を行っておりまして、今申し上げました本年産につきますと、米は、米だけで取ると八%の下落でございますが、全体としてこの一〇%の設計に入っていくものというふうに予想をしております。  そういう意味で、更にこれを超えて下がったときにどうするかということを今ここで申し上げるということは、更に米価が先行き下落するおそれが非常にあるということを見通すような結果になり、市場に誤解を与えるおそれがありますので、今私の方は米価水準の更なる低下を助長するようなことになるおそれがあるのではないかと考えておりまして、今のこの制度設計一〇%を今の段階で変えるという考えは持っておりません。

紙智子日本共産党

○紙智子君 たくさんのことを説明いただいたんですけど、結論は、米農家の八五%は対象外と。それから、稲作構造改革促進交付金も使えない地域が半数あるわけですよ。それから、品目横断にのっているところも、下落幅が大きければその分の補てんはされないと。これでは農家は救われないわけです。しかも、米価の今後の見通しで、さっきもちょっと話になりましたけれども、生産量が消費量よりも二十三万トン多くなると言われていると。そうなると更に下落を続けるんじゃないかと言われているわけです。  当面の価格下落を防ぐためには、この二十三万トン、これをやっぱり政府が買い上げて需給バランスを是正するというのが先決じゃないかと。これ、いかがですか。

若林正俊自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(若林正俊君) 先ほど来お答えを申し上げておりますように、政府が米を買入れ、売渡しをするというのは食糧法に基づいて行っているわけでございまして、食糧法上、法律上明確に、需給に介入をして価格を維持するというような趣旨でこの食糧法の運用をすることができない仕組みになっているわけでございまして、その意味で政府が、おっしゃられる二十三万トンの余剰が予想されるということでございますけれども、そういう価格安定を、価格を維持することを目的として政府が買入れをするというのは法律上許されないことだというふうに思います。  なお、しかし、運用として百万トン程度の備蓄は適当だという基本計画がございますので、現在の在庫量から見まして、なお若干のそういう在庫の積み増しということは考えられないわけではございませんが、しかし、そうして買い上げたものは、やはりその全体として言えば売渡しをしていくと、買入れしたものは売っていくんだという、そういう回転備蓄の考え方に立っているということを申し添えておきたいと思います。

紙智子日本共産党

○紙智子君 法律の上ではできないけれども、しかし運用上、備蓄制度の運用の中でそれについてはやるということだと受け止めておりますけれども。

若林正俊自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(若林正俊君) 法律で許されるような趣旨で運用しなければなりませんので、委員がおっしゃられるような形で価格を安定させるという趣旨で余剰分を買うということはできません。

紙智子日本共産党

○紙智子君 四角四面なんですよね。  ですから、実際の運用でやれるわけですから、実際に、総理にお聞きしたいんですけれども、自民党の対策本部でも、やっぱり政府による買上げは必要だと言っているわけじゃないですか。そして、この備蓄制度は制度設計上は百万トンだと、これ政府の方針ですよね、百万トンだと。今七十七万トンだと。間が空いているわけですよね。だから、そこのところをやっぱり防ぐためにも、緊急対策として最も有効な手だてであって、やるべきだと思います。  それともう一つは、価格下落のその原因の一つというふうに指摘されているわけですけれども、備蓄米ですね、これの放出、政府の放出。これ余りぎみのところに放出すれば当然下がるわけですから、今こういう現状のときにはこれやめるべきだというふうに思うんですけれども、総理、いかがでしょうか。総理に聞いています。

若林正俊自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(若林正俊君) 今備蓄をしておりますものは、不作などによって供給側が不足をし、価格が高騰するようなことに備えて備蓄をしているわけでございます。そして、その備蓄は置いておくと古米になり、古々米になり、非常に価格の、それを販売しようとしますと価格低落をもたらして財政的にも大変な負担になるわけでございますから、基本的には回転備蓄の考え方に立っているわけでございまして、備蓄したものは計画的に安定的に、一方で売り渡しながら全体の備蓄量が確保されていくという、そういう仕組みになっているわけでございます。委員がおっしゃるように、今の需給がいろいろ緩んでいるというようなことから、売らないということを決めて買っていくわけにはまいらないわけでございます。  しかし、市場に悪影響がないような形で買入れあるいは売渡しをしていくというような運用の範囲内で適正に対処していきたいと思っております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 市場に悪影響を与えないようにということの趣旨でやる分にはいいと思いますけれども、もうちょっと、やっぱり四角四面じゃなくて、今の実情をとらえて、今本当にこの瀬戸際に立たされている生産者の立場に立って柔軟な対応を取られるべきだと思いますよ。  そもそも、この米の生産がこんな惨たんたる状況になったということの背景には、小泉構造改革路線とその下での米政策改革路線というのがあると思いますよ。政府自身が米生産にもう一切手を出さないと、そして、すべてこれは市場原理でやってもらいますというやり方を取ったというのが今の事態をつくっていると思うんですよ。品目横断的経営安定対策にしても、全国から今不満の声が上がっていますよ。もう本当に不評ですね、この対策というのは。  私、先日、福田総理の地元であります群馬県、麦の産地のところに調査に行きました。おいしいうどんの原料であります、きぬの波というんですか、そういう品種のものを作って、本当に頑張っておられるわけですけれども、この方たちが明らかに収入減になると言っているんですね。品目横断的経営安定対策では麦生産を継続することはできないということで、そういう声が出されているわけですよ。こういうやはり政策は直ちに是正すべきだと思います。  そして、我が党はこれまで、お米でいいますと米の不足払制度それから直接支払制度を組み合わせて、六十キロ当たりの価格で一万八千円程度にするべきだということを主張してきました。今こそそういう政策に切り替えるべきだというふうに思いますが、総理、いかがでしょうか。

福田康夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(福田康夫君) 水田農業経営者の方々の生活の安定といったようなことに支障を来さないように、これからの農政、今農水大臣いろいろと苦労しておりますけれども、そういう方向で努力してもらいたいと思っております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 やはりこの品目横断経営安定対策というのは、WTOの下で、言わばグローバルの流れを前提として、そういう中で縮小再編というふうに言ってもいいものだというふうに思うんです。ですから、本当に小手先の対応では日本の農業は崩壊してしまうというふうに思うんですよ。  食料自給率が今三九%でしょう。そういう中で、先進国の中でも最低限ということでありますから、この食料自給率を引き上げるということを本当に中心に据えながら、各国のやっぱり食料というのは主権にかかわる問題として、むしろWTOの協定を改定させていくという方向で、是非強いイニシアチブを発揮してほしいということを最後に申し上げまして、質問を終わります。

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 以上で紙智子君の質疑は終了をいたしました。(拍手)     ─────────────

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 次に、山内徳信君の質疑を行います。山内徳信君。

山内徳信社会民主党・護憲連合

○山内徳信君 このたびの参議院選挙で比例区から当選してまいりました、沖縄出身の社民党の山内徳信でございます。  総理大臣を始め関係閣僚への質問のできますことに誇りを感じ、同時に、国民に対する責任の重大さをひしと感じております。  そこで、総理にあらかじめ次の三点についてお尋ねいたします。  一つ、戦中戦後、今日までの日本政府の沖縄施策は天に恥じない一視同仁の政治の展開であったと自信を持って言えますか。総理の御認識をお伺いいたします。

福田康夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(福田康夫君) 沖縄につきましては、さきの大戦で筆舌に尽くし難い苦難を経験されたわけでございます。また、今なお基地の集中によりまして沖縄県民が多くの御負担を抱えているということもございますし、更に申し上げれば、経済社会についても厳しい状況があると認識しております。  沖縄政策を進めるに当たっても、地元の切実な声に耳を傾けながら地域の振興に向けた取組を進めるとともに、県民の御負担の軽減に向けて政府としてこれからも全力を挙げて取り組みたいと思っております。

山内徳信社会民主党・護憲連合

○山内徳信君 二つ目は、沖縄の面積は国土面積の〇・六%、人口は約一%であります。その狭い沖縄に在日米軍専用基地の七五%が押し付けられております。それにもかかわらず、更に新基地建設計画が進められようとしております。  本土と比較してこの七五%というのは異常で差別的取扱いだとは思いませんか。総理の御見解を賜りたいと思います。

福田康夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(福田康夫君) 御指摘のとおりでございます。  沖縄は今なお基地の集中によりまして県民が多くの負担を抱えておられます。その負担の軽減は重要な課題と心得ております。  政府といたしまして、今後とも沖縄など地元の切実な声によく耳を傾けて地域の振興に全力を挙げて取り組むとともに、普天間飛行場の移設・返還を始めとする米軍再編を着実に進めることを通じまして沖縄の負担の軽減に努めてまいりたいと、かように考えておるところでございます。

山内徳信社会民主党・護憲連合

○山内徳信君 三つ目は、日本国憲法は平和主義に立脚しております。そこで、現在の防衛省を改編し、平和省と位置付ける。自衛隊を二分割し、一つは自然災害等に対するレスキュー隊、いま一つは福祉貢献隊として、地方や離島における福祉や介護、その他に従事するマンパワーとして位置付ける。新しい平和の世紀を切り開くため、福田総理の手で平和省構想の政策検討会議の創設を提案いたします。  時間を掛けて結構であります。人類に新たな希望を与える御回答をお願いいたします。

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 質問ですか。

山内徳信社会民主党・護憲連合

○山内徳信君 質問でございます。(発言する者あり)いえ、あらかじめ総理に三点と申し上げてあります。

福田康夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(福田康夫君) 軍事力がなくて済む世の中、世界であれば、それにこしたことはないと思っております。究極的にはそうなるように願っておりますけれども、我が国の平和と安全、今現状は我が国が発展とそして繁栄を続けていく上において、これはもう前提的なことでございますね。それで、そのために、独立国家として非軍事的な手段による努力を行うというだけでなくて、侵略を排除する国家の意思、能力を表す自衛隊の存在、これは防衛省とともに必要不可欠のことであると思っております。  今後とも、こういうような体制の下で我が国の平和と安全を守るために万全を尽くしてまいりたいと思っております。

山内徳信社会民主党・護憲連合

○山内徳信君 次に、文科大臣にお伺いいたします。  今国会の大きな問題点の一つが教科書検定問題であります。  県民大会の意思は、撤回と記述の復活でございます。総理を始め関係者の答弁は、県民大会の意思を重く受け止めている、文科省で真摯に検討していると強調されております。しかし、いまだ具体的なことは何も示されておりません。今回の事態は、文科省自身が事実をねじ曲げた政治的、行政的介入の結果であります。そのことを十分に知っておられる文科大臣、過ちはすなわち改むるにはばかることなかれであります。  そこで次の三点をお伺いします。  一つ。この事態をいつまでにどのような方法で解決されるのか、具体的にお答えください。

渡海紀三朗自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(渡海紀三朗君) 私は、就任以来すぐこの問題が起こりまして、そして常にこの県民の皆さんの思いというものを重く受け止めなければいけないというふうに言わしていただいております。そして、これは総理も同じ発言をされておるわけでございますけれども、そういった中で、一方、この教科書の検定というのは、これは委員も御承知のように、いろんな歴史の反省から民間の教科書会社が提出をされて、そしてそこに介入が起こらないという制度を築いてきたわけでございます。いかなる政府もこのことに介入をするというのは許されない。  今委員の方から、過ちを改むるにはばかることなかれ、これは昔、私が別の党におりましたときに言われた言葉でありますが、全くそれは正しいと思います。しかし、この検定自身、手続的には一応、その手続にのっとって政治介入なりまた特定の思想が入り込まない仕組みの中で中立公正に行われたというふうに報告を受けております。  なお、この解決ということがございました。その中にあっても我々は何かこの解決策を見いださなきゃいけないということで今日までいろいろな可能性を模索をしてまいりました。こちらから勧告を出してという制度もあるじゃないかと、こういうこともあるわけでございますが、訂正勧告というのはこれは正に政治的介入になるわけでありまして、そういうことは厳に慎まなきゃいけない、こういう思いもあります。  なお、それほど時間があるとは思っておりません。これはもう来年の教科書を考えますとそんなに時間は残されていない。そういう中で、これは消極的だと言われるかもしれませんが、既に数社、教科書会社の方から、もしこの、いわゆるこれは検定規則十三条の一項、二項という項目がございまして、修正というものを出すときにはどういう手続になるかと、こういう相談もございます。そういったことには真摯に対応し、しかも、これもやっぱり中身の問題は我々が介入することなく再度審議会において審議をしていただくのがよかろうと。これはあくまで想定でございますけれども、そんなことについても準備を進めているのが今の現状でございます。

山内徳信社会民主党・護憲連合

○山内徳信君 二つ目は、今回の教科書改ざん問題は文部省内部の職員によってしむけられたとの指摘があります。この事態の責任を文科省はどのように取る考えか、お答えください。(発言する者あり)

渡海紀三朗自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(渡海紀三朗君) 責任をどのようにということでございますが、この前も知事さん始め議長さんにお会いをして、皆さんの思いはしっかり受け止めさしていただいたつもりでございます。  ただ、先ほど申し上げました。教科書検定というのは、今、少し御意見が飛んでおります。先ほど石破大臣がいろんなところから質問があるというお話をされておりましたが、法律上は私が検定を行うということになっております。これは行われております。前大臣のときでございますけれども、そういう手続にのっとって、そして検定審で政治的介入を受けることなく行われているということでございます。  今私ができることは、これは終わった検定についてどうするかという問題でございますから、別の席の御質問でございますが、それについてどうするということは先ほど申し上げたとおりでございまして、先生盛んに時計を気にされて、私はやっぱり今回いろんな疑問が生じたということは、片道ですから少しお話をさせていただいたら、これはやっぱりそういうことがあってはならないんだろうと思います。やっぱり疑義が生じるということ自身は我々も反省をしなきゃいけない。  ですから、以前から実はいろんな場所では申し上げておりますけれども、この検定審議会、静かな環境で、できるだけ委員の先生方が公平中立に検定を行っていただかなきゃいけないわけでありますけれども、同時にその手続の透明性を少しでも上げられないか。今は議事録は全面公開はもちろんしておりません。しておりませんけれども、やはり議論の一部を紹介するなり、そういったことは今後の課題としてしっかりやっていかなきゃいけないんではないかなと、そんなふうに思っております。  そういうことをすることによって今の職責の責任を果たしていきたいというふうに考えております。御理解をいただきたいというふうに思います。

山内徳信社会民主党・護憲連合

○山内徳信君 三点目に、今回の事態を反省し、検定制度の真実性、中立性、客観性、透明性を今後どのように確保していくお考えか、お答えください。  特に、私はここで真実性を提起をしてございます。これにつきましては、御努力をしていただきたいということで、答弁は求めずに、時間がありませんから先に急ぎたいと思います。(発言する者あり)ああ、そうですか。大丈夫ですか、委員長。

渡海紀三朗自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(渡海紀三朗君) 先ほど半分はお答えをしたと思いますけれども、この中立性、公正性、また専門的に学術的にどうやればもっともっとこの検定制度というものが良くなるか。これは繰り返しになりますが、今回そういった面ではいろんな意見が寄せられたわけでありますから、これは私が責任であるというふうに先ほども申し上げましたけれども、こういったものを、これ独断的にこちらでやるわけにいきません。やっぱり審議会の先生方の御意見も聴きながら、もう少し上げていかなきゃいけないんじゃないかなというふうに思っております。

山内徳信社会民主党・護憲連合

○山内徳信君 教科書問題で、最後に総理大臣にお伺いしたいと思います。  そのことは、総理は沖縄の声を重く受け止めると言われておりますが、事態がここまで来れば、行政の最高責任者としてこの事態の収拾のために総理御自身の決断が必要なときではありませんか。首相談話を出すことを含めて、総理の決意をお伺いしたいと思います。

福田康夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(福田康夫君) この沖縄戦が住民を巻き込んで、そして悲惨な戦いになってしまったということ、これは、その結果多くの人々が犠牲になったことなどをこれしっかりと教育でも取り入れていくということが私は必要だと思います。そういう意味で、今回のことでいろいろな方から御要望ございました。沖縄の方々、仲井眞知事さんも御上京されて御要望されたというようなことも聞いておりますので、そういうことを、そういう声を真摯に受け止めて、そしてまた、かつ重く受け止めてこの問題に対応しなければいけないと思います。  現在は、文部科学省でもって文部科学大臣がこの問題に真剣に対応しているところでございますので、その状況を見守っていきたいと考えているところでございます。

山内徳信社会民主党・護憲連合

○山内徳信君 次に、日々苦悩の果てない基地の島沖縄から、総理大臣、外務大臣、防衛大臣に率直に沖縄の現状を申し上げておきます。  自然環境とジュゴンの生息している海域を破壊することは、個人にとっても政府にとっても許せません。名護市辺野古海域は沖縄県においては保全すべき第一級の海域として指定されております。そこにV字形新基地を建設することは、沖縄県民として受容の限度を超えております。東村高江のヘリパッド六か所の建設計画のある場所は、沖縄本島の飲料水六〇%を供給しているダム群の所在するやんばるの森であります。なぜ今ごろ自然環境を破壊してヘリパッドを造るのか。さらに、金武町キャンプ・ハンセン内の射撃場建設計画には、町長、議長を先頭に地域住民の強い反対運動があります。  これらの問題解決は新基地建設計画の凍結以外にありません。そこで、米国政府と凍結交渉に入ることを強く訴えます。  沖縄に余りにも負担を掛け過ぎると思いませんか。総理の御認識をお伺いしたいと思います。

福田康夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(福田康夫君) 沖縄の皆様に大変負担をお掛けしているということは、これはもう先ほど来申し上げているところでございます。その負担をいかにして軽減するか、このことを政府として軽視するとかそういうことは全くありません。これまでも大変な努力をしてきたと思います。これからもそのつもりで努力してまいります。  また、自然環境を守るということも大事だと思います。そういう沖縄の県民の皆さんの声をしっかり聞きながら、これからの施策を進めてまいりたいと思います。また、御協力もお願いしたいと思っております。

山内徳信社会民主党・護憲連合

○山内徳信君 時間ですから、また細かい具体的なことは外交防衛委員会で質問させていただきたいと思います。  ありがとうございました。

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 以上で山内徳信君の質疑は終了をいたしました。(拍手)     ─────────────

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 次に、自見庄三郎君の質疑を行います。自見庄三郎君。

自見庄三郎国民新党

○自見庄三郎君 国民新党の自見庄三郎でございます。  福田内閣総理大臣、御就任おめでとうございます。私も長い付き合いですけれども、福田総理には徳というものがありますからね。一番西洋人が理解しにくい徳、バーチューというものがありますから、是非国家と国民のために御活躍を心からお願いいたします。  さて、総理に質問をいたします。文芸春秋三月号です。文芸春秋三月号に書いてあるんですが、是非、これ、経済財政諮問会議民間議員でもございます伊藤忠商事会長の丹羽宇一郎さんが次のように書いてあるんですよ。ちょっと読んでみますと、一九八九年に冷戦が終了し、共産主義の敗北が明確となると資本主義の暴走が始まりと書いてあるんです。これ、アメリカですよ。アメリカの資本主義の暴走が始まり、ワシントン・コンセンサスが台頭し始めたと。ワシントン・コンセンサスとは何か。それは国際通貨基金、IMF、世界銀行及び米国の財務省の間で広く合意された米国流の新古典派対外経済戦略で、いいですか、小さな政府、規制緩和、市場原理、民営化を世界じゅうに広く輸出するんですよ。米国主導の資本主義を推し広げようとするものだと。日本もその標的となり、民営化が進み、社会を市場原理にゆだねた結果、格差社会が深刻化している、こう丹羽宇一郎さんが述べているんです。  私は、小泉・竹中政権はこの米国の世界経済戦略ですよ、この世界経済戦略に唯々諾々と従い、小さな政府、規制緩和、市場原理、官から民へという政策を私は強行してきたと思いますよ。その一例が、郵政民営化もその典型的な一つだと私は思っております。鉄道、電信電話、通信事業は、これはアメリカでは一遍もアメリカ国有鉄道であったことはありませんよ。アメリカは、日本のような電電公社のように、アメリカ国有電信電話会社あったことはありませんよ。しかし、そのアメリカでも郵便事業だけは国営なんですよ。これは国営でないと成り立たないスキームなんですよ。  私は十年前に郵政大臣を拝命いたしましたよ。そのとき、(発言する者あり)ありがとうございます、アメリカの郵政公社の総裁、ラニオンさんという人にワシントンでお会いした。フォード自動車のかつての最高経営者、アメリカの民間最高の経営者賞をもらった人がこう言いましたよ。自見さん、広いアメリカのどこに出すにも、郵便の場合、郵便はがき三十円の仕組みは絶対に国営でないとできないと。民営化が好きなアメリカ国民でも、郵便を民営化するというような、こういったばかな経営者は一人もおらぬと言って、大切なことは国営で効率化を図ることだと、こう語っていますよ。  四年前にブッシュ大統領、ブッシュさんよ、ブッシュ大統領が設定した米国郵政庁に関する大統領委員会よ、これが答申出した。郵便は引き続き公営、公務員でやるのが最適であるとの結論を四年前に出しているんですよ。事郵便事業に関しては、アメリカは外国と内側に対して完全にダブルスタンダードだ。  福田総理、このことについてどう思いますか。

福田康夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(福田康夫君) 国によって郵政事業の運営の仕方は違うわけでございますね。アメリカは国営、しかしヨーロッパ、例えばドイツでは、これは何ですか、民営ですかね、国ごとにその運営の仕方が違いますんで、一概にこうだといって決め付けるということでもないようには思っております。

自見庄三郎国民新党

○自見庄三郎君 一九七〇年代、南米がありますね、あそこが米国のいわゆるネオコン、グローバル政策、新自由主義の実験場だったんです、はっきり言えば。それで、シカゴ・ボーイズという人が、これは新古典派の教育、主に、アメリカのビジネススクール出てきて経済界、政界に、要職に就いてその政策を遂行したんですよ。もう多くは申しません。経済は一時的にうまくいくんだ。ところが、もう完全に社会が分裂して、外資が一杯入ってきて、結局社会は崩壊するんですよ。それがこのネオコン、新自由主義の恐ろしいところ。  今、日本の現状を見るに、正に総理、史上最大の、自由民主党が破壊、負けたでしょう。小さな政府、必要な予算まで削っちゃった。まあネオコン思想に財政当局が悪乗りしたと私は思っているんだけど、それでこういうことになった。  そういった、やっぱり私は今本当に心配するのは、総理、この日本国が第二の中南米の道を取るんじゃないか、そういうことを思いますよ。是非そのことをよく理解をしていただいて、そして総理、今度はどうせブッシュさんとお会いしますよ。あなたの本だ、「一国は一人を以って興り、一人を以って亡ぶ」って。あなた、日本国の宰相だから、ブッシュに直言しなさいよ、アメリカの財務省中心のネオコン思想で日本の社会がたがたになったと。それでアメリカいいんですかと、国防総省も国務省も。そういうことを、捕まえてみれば我が子なりという言葉あるけど、アメリカの下で対外経済戦略を日本もここまでやったんですよ。それに追従した日本の政治家も新聞もマスコミも悪いかもしれない。だけど、そういうことをばしっと、ここが私は根本原因だと思いますよ、今の政治の混迷の。  どうですか、御意見を。

福田康夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(福田康夫君) 大変大きなお話をされましたので、私も頭の中整理付きませんけれども、日本、我が国は戦後アメリカの市場経済というものを、これをまあ模倣ではありませんけど、その中で経済活動をしてきたというようにも思います。  ですから、そういう流れの中で、今もアメリカとは協調的な対応をしてきているということでございますけれども、しかし、アメリカがそれじゃすべていいのかというわけではないんですね。経済的な面においても、やっぱり財政もそしてまた貿易収支もこれは問題がないわけじゃないです。日本も余り大きなことを言えないです。貿易収支とかそういうのは良くても財政赤字と、こういう問題ありますからね。ですから、そういうところをアメリカとどうやって協調していけるかというところを模索していかなければいけないんじゃないかと思います。アメリカと日本、これ、GDP合計しますれば、世界のGDPの四割でしょう。とても大きな影響力を持っているわけですね。それだけに日本の責任も大きいと思います。  ですから、日本の悪いところ、財政赤字を何とかして健全化する方向に持っていきたいと、こういう思いを持っておりますけれども、そういうことで、我々としても何もアメリカに追随するとかそういうことでなくて、世界全体の経済の中でどうすべきかということを中心に考えるということも必要なんだろうというふうに思っております。

自見庄三郎国民新党

○自見庄三郎君 厚生大臣に一つ質問。医療審判所をつくってくださいよ。産科の問題がたくさんもっていますけれども、産科のお医者さんは全医者の五%しかいないんです、総理。ところが、訴訟件数は四〇%あるの。金額にしたら六〇%あるの。だから、物すごく過重労働と訴訟の多さでなり手なんかいませんよ。  ところが、ほかの先進国はみんなそういう審判制度に近いものがありますけれども、日本だけないんですよ。ですから、もう警察に飛び込まなきゃならぬ。アメリカなんか医療事故で刑事事件になることはめったにありませんよ。  ですから、やっぱり私は、きちっと医療審判所を厚生大臣、つくるべきだ、そういう質問ですが。

舛添要一自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(舛添要一君) 自見先生御承知のように、福島県の大野病院で産婦人科のお医者さん、一生懸命手術したのに医療ミスということで警察に逮捕される。それ以来、産婦人科の数ががっと激減してきました。それ以来、私もお医者さんたちとともに、これどうするかということをずっと研究を続け、またこれは民主党の同憂の国会議員の皆さん方とも組んでやっておりまして、おっしゃるような死亡原因の究明、そして、とにかく一生懸命医療行為をやったのに警察に逮捕される、そして訴訟リスク、これではお医者さんのなり手がございません。  ですから、早急に、名前を医療審判所というか何とするかは別として、今、厚生労働省でも作業を開始させまして、医療事故調査委員会と、仮の名前ですけれども、これを本日、素案をまとめて公表したところでございます。いわゆるADR、裁判外の調停制度は、それとはある意味で若干別に外に置くかなと。これもしかし議論が煮詰まっておりませんので、是非、自見先生の御意見も賜って、みんなで議論して、一日も早くこの訴訟リスクからお医者さんを解消する、させる、そのことによってきちんとした医師の確保をやる、そういう思いでございますので、郷土の大先輩でございます自見先生のこれからの御支援をお願い申し上げまして、終わります。

自見庄三郎国民新党

○自見庄三郎君 総理、財政赤字、財政赤字と言いますけれども、いいですか、日本国は八百三十兆ぐらいの粗債務ありますよ。しかし、純金利資産、金融資産、世界の一番大きな金融資産を持った国ですよ。ヨーロッパの国は金融資産、大体GNPの一五ないし二〇よ。日本はGNPに匹敵する五百八十兆ぐらいの金融資産を持っているんですよ。だから、純総資産は、純負債は二百五十億円ぐらいですよ。それはね、何も私が言うんじゃない。二百五十兆、ごめんなさい、二百五十兆。ちゃんと加藤さんも書いている。  財政当局が危機感をあおり過ぎていないか。危機感だから財政支出が要る、社会保障料が要る、すぐ増税だ消費税となるから、そこはびしっと、やはり総理大臣ですから、それは財政当局が緊縮財政、増税はDNAだ、そんなの分かっているよ、大臣がいる、財務大臣がいる。だから、それを超えて、やっぱり国民の目線に立った、財政当局の財政論理だけに縛られない国家をつくっていくべきだと、そう思いますが、御意見、どうですか。

福田康夫自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(福田康夫君) 御高見、ありがとうございます。これからもどうぞよろしく御指導をお願いしたいと思います。

自見庄三郎国民新党

○自見庄三郎君 ありがとうございました。

鴻池祥肇自由民主党

○委員長(鴻池祥肇君) 以上で自見庄三郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)  これにて質疑通告者の発言はすべて終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時十五分散会

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