北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会 第3号
- 発言数
- 126 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2007/11/05
会議録
○委員長(下田敦子君) ただいまから北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 北朝鮮による拉致問題等に関しての対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房拉致問題対策本部事務局総合調整室長兼内閣府大臣官房拉致被害者等支援担当室長河内隆さん外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(下田敦子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(下田敦子君) それでは、北朝鮮による拉致問題等に関しての対策樹立に関する調査を議題として、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○白眞勲君 民主党・新緑風会の白眞勲でございます。 まず、福田総理の今回の訪米につきまして、官房長官にお聞きしたいと思います。訪米の予定につきましてですね。 福田総理は訪米してブッシュ大統領との初めての首脳会談というのを今後予定されているというふうに聞いておりますけれども、その席で当然拉致問題というものは議題に上るだろうというふうに思いますけれども、それでよろしいのかどうか、まずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) 訪米のことはいろいろ検討し、両国政府で話合いはしております。ただ、まだ最終的な確定はしておりませんし、もちろん国会のお許しがなければこれ、出られないわけでございますから、いずれ国会にお諮りをし、御相談をして、お許しをいただければアメリカに行くということになるんだろうと思います。 その際、何を話し合うのか。もちろんまだ個別に詰めて合意ができているわけじゃございませんが、当然のこととして北朝鮮の問題あるいは朝鮮半島の問題が議論をされると思いますし、その中で我が国の主張として拉致問題を触れる、これもまた当然のことなのではないだろうかと想像をいたしております。
○白眞勲君 それに関連しまして、この前、ヒル国務次官補が日本で行った記者会見で、テロ支援国家解除の問題というものが今話題になっているわけなんですけれども、よど号犯人の送還問題を北朝鮮と協議していることも明らかにしているわけで、このように話が、相当このテロ支援国家解除というものに対する何か話が具体性を帯びているような印象というのもあるわけなんですけれども、年内の指定解除というのも取りざたされているという中で、ちょっともう一回、町村大臣、町村官房長官にお聞きしたいんですけれども、いえ、町村さんがいいかなと思っているんですけれども。 ブッシュ大統領からは、テロ支援国家指定解除については拉致問題も考慮に入れていると、今まで再三政府というのは、そういう話をもらっているんだということを明確にしている政府としては、拉致問題が進展しない以上アメリカは北朝鮮に対するテロ支援国家解除はしないはずだと認識しているのか、それともやはり拉致問題が進展しなくても何か解除する方法もあり得るというふうに思っているのか、どういうふうに現時点では考えているのかお聞きしたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) 今まで小泉・ブッシュ間においても、また安倍・ブッシュ間においても、両国首脳の話合いの中でいろいろな表現はなされておりますけれども、基本的には日米関係を犠牲にしてまで米朝関係を進める、そういう考え方は取らないということはこの拉致に関連して両国首脳が共通認識をこれまで持ってきたということですから、当然、事務当局もそれを前提にして話合いをしていると、こう思っております。 ただ、委員御承知のように、最近のアメリカ政府の姿勢が従前とは少しずつ変わってきた感じも率直に言ってするわけでありますが、それじゃ拉致のことについて変わっているかどうか、最近のヒルさんとの話が私はごく最近時点でどうなっているか必ずしも詳細は知りませんけれども、基本的にそこは拉致問題の何ら進展がない状態でテロ支援国の指定というものが動くと私は考えておりません。 ただ、アメリカはアメリカ政府の考える基準というものが当然あるわけでありまして、その基準の中に拉致という単語がもとよりないことははっきりしていると思います。どういう基準があるか私もちょっと詳細には存じ上げませんが、そういうことではなかろうかと、彼らは彼らなりの判断基準がそれはあるんだろうとは思っております。しかし、それをある意味じゃ、別の次元で日米首脳間の合意が、共通認識があるというふうに私は受け止めております。
○白眞勲君 今の官房長官のお話では今までとちょっと何か雰囲気が変わってきたのかなというふうに思いまして、彼らなりの判断基準があるんだというふうにおっしゃったわけですので、その辺のテロ支援国家解除と拉致問題というのが今後どういうふうになっていくのかなというのは我々日本国民みんな非常に気になっているところだと思うんですね。 ちょっと高村大臣にお聞きしたいんですけれども、ヒル国務次官補のそのときの記者会見で気になるのが、北朝鮮が、テロ国家支援をしないという趣旨の北朝鮮側が声明を出したら、出す必要があるんではないかということをヒル国務次官補はお話をされているようでして、そうすると、今後しないなんという話の前に、今までのこの拉致問題は一体どうなっているんだということが我々としては気になるわけでして、早く解決してほしい拉致問題を、まずはそれを解決することが先決だよねというのが我々の考え方なんですけれども、高村大臣はその辺どういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) アメリカ側の説明は一貫しておりまして、この指定解除をするかどうかはまず第一義的には非核化がどう進むかと、そしてその際に、拉致問題を含む日朝関係の進展も考慮に入れると、こういうことを対外的にも発表してきているわけであります。 ヒル次官補が言ったのは、あれは私直接聞いたわけじゃありませんからよく分かりませんけれども、そういうことが必要だということを言ったんで、それがあれば解除するよと言ったんではないと、そういうふうに理解をしております。
○白眞勲君 町村官房長官にお聞きしたいんですけれども、先ほどの彼らなりの判断基準、つまりアメリカなりの判断基準があるんじゃないかという中で、やはり日本としてのこの拉致問題は非常に重要な要素でもあるという中で、今回福田総理が仮にアメリカに行ったとすると、やはりブッシュ大統領に対して、アメリカのテロ支援国家指定解除については解除しないでほしいという働き掛けは当然するというふうに見てよろしいんでしょうか。
○国務大臣(町村信孝君) これは具体的などういう話をするか、議題の設定が両国間ではっきり行われ、そしてそこで何を言うかということはまず外務大臣の方でお考えをいただくことになろうかと思いますが、これも常識的にとしか言いようがありませんが、当然我が方の考え方というものは明確にブッシュ大統領に申し上げることになるんだろうと、私はそう理解をしております。
○白眞勲君 やはり、もちろんアメリカに対してそういったお願いをするという、これは当然だと思いますけれども、と同時に、やはり今後、アメリカのテロ支援国家が解除されるかどうか、これも当然必要だとは思うんですけれども、と同時に、拉致問題解決のためにはやはり日本独自の外交というのももっと強力に推し進めていかなければいけないんじゃないかなと、そういうふうに私も思うわけでして、その辺について高村外務大臣としていかがお考えでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 日本独自の外交を進めなければいけないということは、これは当然のことであります。 それで、その日本独自の外交を進める中でも、各国と緊密に連携を取りながら国際社会の力を合わせてやっていくということが必要だと、こういうふうに考えております。
○白眞勲君 十月二十五日、今年のですね、外交防衛委員会で、正に私の質問に対して高村外務大臣は、この拉致の進展ということについて、数人帰ってくれば進展にはなり得るかもしれませんということを私におっしゃったわけですけれども。 そのときの私の質問というのは、中山補佐官が朝日新聞のインタビューで二、三人では進展にはならないというふうにおっしゃったことに対する御答弁ということですけれども、要するに、ちょっと官房長官にもお聞きしたいんですけれども、数人帰ってくれば進展だということで、官房長官、これよろしゅうございますね。
○国務大臣(高村正彦君) 私は委員の質問を、中山さんがどう言ったかというふうにはとらえておりませんで、要するに、よど号犯人が入ってきたら進展ですか、そして拉致被害者が数人帰ってきたら進展ですか、こういうふうに聞かれて、よど号犯人が帰ってきたってそれは拉致の進展とは言えないでしょうと、それから拉致被害者が数人帰ってきた場合は、それは進展になり得るかもしれないと、多分この言葉は正確だと思うんですが、その二つの対比でそういうふうに答えたんで、中山さんがどう言って、それに対してあなたはどう考えるかと、そういう話では、文脈では私の記憶ではなかったんではないかと、こう思っているんですが。
○白眞勲君 そのときの議事録あるんですけれども、ちょっと読みますと、こう言っているんです、私は。 これ私が、白眞勲君がまずこう言っているわけです。朝日新聞のインタビュー、平成十九年九月十六日に中山補佐官は、二、三人で取引することや、よど号犯の帰国は進展にならないと、こうおっしゃっているんですけど、こういうことでよろしゅうございますかというふうに聞いたことに対して、高村外務大臣は、よど号犯と拉致の問題は必ずしも直接関係しないんだろうと思います。ただし、数人の方が帰ってきたということは、帰るということは、それで解決というわけにはいかないと思いますが、進展にはなり得るかもしれませんというふうにおっしゃっているわけでして、私の質問というのは、あくまでも二、三人かどうかということに対する質問として私はお聞きしたつもりだったんですね。 ただ、高村大臣が今おっしゃったんで、まあそれはそれで私はいいと思っているんですよ、それは。それはそういう考え方を高村大臣がお持ちなんだということですから、それは、二、三人はどうであれ、ともかく数人帰ってきたときには進展にはなり得るかもしれないということでいいと思うんですけれども、というふうに私は受け止めたわけですけれども、官房長官もそれでよろしゅうございますね。
○国務大臣(町村信孝君) 余りこれは仮定の質問というか議論をしてもどれだけ意味があるのかなというふうには思うんですよ。こうした議論をして一体だれが貴重な判断材料を得るかというと、これは北朝鮮になるわけでありまして、そういう意味で、余り詰めた議論をすることがどれだけいいことなのかとは思いますが、せっかくのお尋ねでございますから、実際の進展の有無というのは、やっぱりこれは北朝鮮側が具体的にどういう対応をしてくるのかということ、そしてそれが最終的な、言うならば私どもはゴールというものを持っているわけでありますね、そのゴールに照らしてどうなんだろうか。 要するに、お互いにこの拉致問題、日朝間でしっかりとこの拉致問題を完全に解決しようという共通の認識があって、その上でこの具体の行動はどうとらえていくのかということと、そういう認識がないまま個々に何人帰ってきたからどうこうというのとでは大分意味合いがやっぱり違ってくるんだろうと、そう思うものですから、余り何人ならどうこうということを議論することがどれだけ意味があるのかなと、こう私は考えているわけでございます。
○白眞勲君 もちろん、町村官房長官としましては、そういったことに対しての具体的性格についてどうこう言うのが余り意味のあるものかどうか分からないとおっしゃっているんですけれども、でも、高村外務大臣ははっきり数人でなり得るかもしれないということはおっしゃっているわけですから、それについてはやはり一緒の考え方だということでよろしいんですよね。
○国務大臣(町村信孝君) なり得るかもしれないという適切なる表現で結構だと思います。
○白眞勲君 そういう中で、この十月二十五日の外交防衛委員会、やはり高村外務大臣が私に対して、北朝鮮の宋日昊氏の発言自体が日朝関係を今までよりは進めようとする意欲が表れてきたのかなというふうにおっしゃっているわけですけれども、現在継続しているこの日朝交渉について、そういった面からすると以前と比べて北朝鮮側のスタンスは少し変化が出てきたというふうに見ていらっしゃいますか。
○国務大臣(高村正彦君) そのときの答弁、御質問をよく覚えていないんですけれどもね。 具体的な言葉をおっしゃったことに対して、その言葉の中では表れているのかもしれないと。ただ、ほかのところで、労働新聞で私の悪口など言ったりしていますからね、いろいろあるんですけれども、それはそれとして、相手にそういう意欲が少しでも見れれば、それを受け止めてそういうのを更に引き出すようにしていくことが外交上必要だ、そういうふうに考えております。
○白眞勲君 町村官房長官も先ほど、北朝鮮側がどういう対応を取っていくかということに懸かっているんだというようなことを今おっしゃいましたけれども、ということは、今の日朝交渉においてボールは北朝鮮側にあるんだというふうに認識しているんでしょうか。
○国務大臣(町村信孝君) 日朝交渉に関しては、一つは懸案事項、拉致というのがあるわけですね。もう一つ、これはある意味では日本側としても不幸な過去を清算するというもう一つのテーマがあるわけでありますね。そこはそれぞれが球をやっぱり握っていると。それぞれのサイドできちんとそのテーマを議論し、具体の行動を取ることによって最終的には日朝国交正常化という大テーマが実現できるということになるのではないか、そのためお互いに最大限の努力をするということであると私は認識をしております。
○白眞勲君 今、日朝交渉話し合われているわけですけれども、やはりこれについて交渉自体の進展というのはあるんでしょうか、今、高村大臣にちょっとお聞きしたいと思うんですけれども。
○国務大臣(高村正彦君) 交渉自体進展があるかと言われてもなかなか難しいところでありますが、進展を得べく一生懸命やっているところでございます。
○白眞勲君 日朝の非公式協議、何回も開かれ、今後も開こうというような今意欲があるということを聞いているんですけれども、もちろん進展があるべき、一生懸命努力しているのは当たり前だと思うんですけれども、やはりやっているということは何か動きがあるのかなというふうにも思えるんですけれども、もう一度御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(高村正彦君) 公式にも非公式にも現時点でやっているということはないと思います、現時点で、今どっかでやっているとかね。あるいは、近々やると決まっているということもないと思います。ただ、そういうことができるのであればいつでもやる用意があると、こういうことでございます。
○白眞勲君 でも、日朝の非公式協議というのは続いているんじゃないかと思うんですけれども、もう一度ちょっと御答弁願いたいと思いますけれども。
○国務大臣(高村正彦君) 続いているという意味もいろいろあると思うんですが、もう中断して、やらないよということになっちゃっているわけではありませんが、ただいまこの時期にどこかで非公式にやっているとか、そういうことではないと。だけど、いつでも非公式協議をやるべく機を、やれば進展があり得る、全くないような状況でやるということじゃなくて、少しでも進展があり得そうな会合が開けるかなという機はいつもうかがっているところでございます。
○白眞勲君 少しでも、一歩一歩でもいいからやはり進展をさせていくということが非常に重要かと思いますけれども、やはり何か、今の高村大臣の非常に歯切れが余り、何か非常に考えながらお話ししているところに、我々は、ああやっぱり何かが動いているのかなとも思えなくはないんですけれども、その辺どうなんでしょうか。もう一度お答え願いたいと思います。
○国務大臣(高村正彦君) 残念ながら今、明快にこういう方向でやっていますよと、御報告すべきことがないわけであります。
○白眞勲君 拉致問題の進展に向けて日本政府としてはいろいろな方策というのは私はあると思うんですけれども、例えば、ある程度の進展があれば、それに応じて制裁の解除などの行動を取ることもあり得るという報道もあるわけです。 それに対して、どうなんでしょうか、例えば北朝鮮に対して何か人道支援などを今後、それはもちろん条件がいろいろ整わないとということもあるでしょうけれども、その可能性としてはあり得るんでしょうか。これは町村官房長官どうなんでしょうか、ちょっとお聞きしたいと思うんですけれども。
○国務大臣(町村信孝君) つい先般、十月半ばに制裁措置というものを延長をいたしました。それは基本的には核問題の解決ということがあるわけでありますが、それもない。また、拉致問題についても何ら進展がないという状況を踏まえて半年間の延長をいたしました。 そういう状況でございますから、今委員お尋ねの人道支援というものがあり得るのかどうなのか。なかなかそれは、どういう状況の下で人道支援というものが起こり得るか、それは分かりません。もうとてつもない何か事が起きたと、それについて国際社会の一員として何にも本当に絶対しないのかといえば、そこまで言い切ることはできませんが、普通に考えると、今例えば通常行っているような食糧支援というんでしょうかね、これは私どもは例の偽遺骨を送り返したときにストップしましたが、そういったものを今再開をする状況にはほど遠いというふうに考えているわけでございます。
○白眞勲君 私がお聞きしたいのは、今の時点でということではなくて、この拉致問題の進展に向けて、ある程度の進展があった場合に関することとしてのちょっと御質問でございますけれども、その点については官房長官いかがでしょうか。
○国務大臣(町村信孝君) したがって、その進展という言葉の定義によるわけでありまして、先ほど申し上げましたようなお互いに共通認識を持って大きなゴールに向けて進むということが確認できた上での進展が具体的な行動としてあるならば、それは先ほど高村大臣も申し上げたように、その間一切何のアクションも取らないということはないかもしれません。それはすぐれて、相手側がどういうアクションを、具体的行動を取ってくるのかということ、そしてどういう認識をお互いに持ち得るのかということに懸かっているんだというふうに私は考えております。
○白眞勲君 もう一度お尋ねいたしますけれども、そうしますと、そういうことに懸かって、両国がこれだったら進展と言えるでしょうというふうな時点になった場合には、やはり人道支援等も含めて考えているということでよろしゅうございますか。
○国務大臣(町村信孝君) 外交というものは常にそうだろうと思いますが、余り一つの条件を付けて、あらかじめこうだからこう、こうだからこうということを決め切ってしまうことはかえって手を縛ることになりますから、余り断定的なことを申し上げるつもりはございません。
○白眞勲君 そうしますと、最後に一つ、ちょっと気になることですけれども、よど号犯人についてヒルさんが触れましたし、また高村大臣も、先日の外交防衛委員会でも、今もおっしゃいましたように、よど号と拉致の問題は必ずしも直接関係しないと明確におっしゃっているわけですが、ということは、例えばアメリカがテロ支援国家の件で北朝鮮とよど号犯人の送還問題を話し合っているとしても、日本政府としては、拉致の進展とは、何ら影響を及ぼさないという認識でよろしゅうございますか。最後にそれをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(高村正彦君) よど号犯人が仮に日本に帰ってきたとしても、拉致問題の進展とは常識的に関係ないんじゃないでしょうか、私はそう考えています。
○白眞勲君 ありがとうございました。 ─────────────
○委員長(下田敦子君) この際、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 北朝鮮による拉致問題等に関しての対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に外務省アジア大洋州局長の佐々江賢一郎さんを政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(下田敦子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○川上義博君 民主党の川上義博でございます。おはようございます。 まず最初に官房長官に、拉致議連の総会で横田さんが、対話路線の福田内閣になって、北朝鮮の態度も対話しようかという微妙な段階に来ていると。これは時事通信の十月十八日の文章でありますけれども、横田さんが、制裁一辺倒という形が本当に正しいのかどうか、そのときそのときで見直す必要があるという発言、会見でされているわけでありますけれども、この見直す必要がある、このことについて、官房長官、これからやはり制裁一辺倒じゃなくて対話に重点を置かなければいけないと、そのように思っているんだと、横田さんの発言に対してはそれも含めてどのような感想をお持ちになっているかどうか、まずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) 家族会の方々は、それぞれの事情を抱えながら、大変また苦しみながら、それでも家族会としての運動方針というのをこれまで随時まとめてこられたんだろうと思います。大変な御苦労があってのことだとお察しを申し上げているところであります。したがいまして、政府の立場で、家族会の運動方針がどうなるとか、あるいはその中のお一人が、あるいは横田さんがどういうお考えであるということについて、政府の立場で一つ一つコメントするということは避けなければならないと、こう考えます。 ただ、その圧力と対話というお尋ねでございましたが、これは小泉総理時代から対話と圧力、圧力と対話と、そのバランスといいましょうか、その両方を使いながらやっていくということでございまして、どちらか一方に偏してはいけないんだろうと思いますし、また、そうした圧力と対話の両方を取ることによって、現にこちらは、私どもは制裁をやりながら六者協議の場等を通じて対話も進めているわけでございましょう。そうした日本の行動というものが、やはり国内はもとよりでございますけれども、関係国からの理解も得てやらないと、ここはやはり日本だけの一方的な思い込みだけでやるわけにはいかないと。そうしたバランス感覚というのをやっぱり常に持ちながら、これは交渉に臨まなければいけないんだろうと、こう私は考えております。
○川上義博君 外交では、バランスとかそういう難しい場面というのが多分いろいろあるんだろうというふうには、それは理解をしておりますけれども、実は、先ほど遺骨の問題もあったんで、通常の食糧はあと半年、まあ経済制裁はやっていくんだと。遺骨の問題もあったという話でありますけれども、実は、薮中当時の局長が二〇〇四年の十一月十七日に参議院のこの拉致特で、まずこのめぐみさんの病院カルテは全体に信憑性があるのではないか、そのような心証を得ているという発言がなされているんですね。 その後に、当時の細田官房長官は、「北朝鮮側から、先般これが横田めぐみさんの遺骨であるとして渡されました骨は、」、ずっとありまして、「本件については横田めぐみさんのものではないという結論が出ました。」と、当時の官房長官はおっしゃっているんですね。それで、北朝鮮側の調査結果の中でも非常に核心的な部分でございますし、先方の調査が真実でなかったということを断じざるを得ない、極めて遺憾でありますと、こういう話であります。 これは一体だれが横田めぐみさんのものでないという結論を、これは鑑定した吉井さんがその結論を下したのか、政府がその結論を下したのか、どちらなんですかということなんです。 そして、北朝鮮側からと言っているんですけれども、これは北朝鮮政府なんですか、この訳の分からぬ骨を持ってきたのは北朝鮮政府なんですか。北朝鮮側というのはよく理解できない、どのように日本政府は理解しているんですか。その二点、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(伊原純一君) まず、委員の御質問の第二点目の方でございますけれども、これは平成十六年の十一月に平壌で開催されました第三回の日朝実務者協議の際に、我が方代表団の団長を務めておりました当時の薮中アジア大洋州局長と横田めぐみさんの配偶者であったとされるキム・チョルジュンと名のる方とが面会をいたしまして、その同人からの聴き取り等が行われたわけでございます。その際、このキム・チョルジュンと名のる方との話合いの結果として、横田めぐみさんの御家族、御両親に返してほしいとしてこの方から横田めぐみさんの遺骨とされるものが我が方代表団に提供され、受け取ったものであるというふうに承知しております。 それから、御質問の最初の点でございますけれども、この横田めぐみさんの遺骨であるとして渡されましたものについては、科学警察研究所及び帝京大学で鑑定をしていただきまして、その結果、その一部から横田めぐみさんではない全く別人のDNAが検出され、その旨は同年十二月八日に官房長官より鑑定結果ということで発表したわけであります。 この鑑定結果は、我が国の刑事訴訟法等の法令に基づく厳格な手続に従って日本で最も権威ある機関の一つが実施した客観的かつ科学的な鑑定に基づくものでございますので、これを政府の鑑定結果として発表したものであります。
○川上義博君 分かりました。政府の鑑定結果でこれはそういう判断を下された。もう一つは、遺骨をもたらしてきた者は夫と称されるキム何とかという方からもらったんで、北朝鮮政府からもらったのではないということなんですね。そういうことですね。
○政府参考人(伊原純一君) 今の委員の御指摘のとおりでございます。
○川上義博君 それで、ここに委員の皆さんにも配付させていただきましたけれども、この文章があるわけです。今回、薮中さんを当委員会にお呼びして、このことはまさか、私から見ればこれは信じ難い文章なんですね。こういう文章が一部報道されたようなことも聞いていますけれども、この個人的な念書というかメモというのはどうも私にとってはよく分からないんですね。理解不能なんです。内容がよく分からない。薮中さんにはここに来てもらって、自分で書いたもんじゃないよと、これは偽物なんだということを発言してもらって、我々の疑念を晴らしていただきたいというふうに思っていたんですけど、おいでにならないんです。 そこで、まあこの筆跡のことをああだこうだ言ってもしようがないわけでありますから言いませんけれども、この文章を官房長官なり外務大臣は、これはもう知っておったのか、こういう文章が当時出たことをもう認識しておって御存じだったのか、あるいは今日初めて見て、こんなものがあったのか、初めて今日知ったんだと、どちらだと考える、考えるというかどちらなんでしょうか。官房長官と外務大臣。
○国務大臣(高村正彦君) 私は初めて見ました。
○国務大臣(町村信孝君) この偽遺骨問題のとき、私は外務大臣でおりました。しかし、私もこのメモを、こういう話は、こういうような話として、御両親に直接お渡しすることを約束します、公表されないものとしますというところまでは余り記憶ありませんが、このキム・チョルジュン氏から遺骨を直接私に渡されました、こういう話は薮中さんから聞きました。
○川上義博君 それで、外務大臣、今初めてという答弁だったんですけど、これを見て一体どのような感想をお持ちですか。これは一体、こんなものは信じられないと、私も信じられないと思うんですけど、どのような御感想をお持ちですか。
○国務大臣(高村正彦君) 今私が感想を述べることよりも、本人に確かめてみます。
○川上義博君 それでは本人に確かめていただいて、それでまあこれは本当に本物か偽物か、真贋の、私は偽物だと思っておるんですよ。 佐々江局長、このことは多分御存じだったと思うんですけれども、これを見て、これはまあ薮中さんとは違うと、あるいはその他だと、どちらの方のお考えですか。
○政府参考人(佐々江賢一郎君) 本件につきまして私が受けておる引継ぎと申しますのは、この日朝の実務者協議の場において、先方から、先方というのはキム・チョルジュン氏でございますけれども、この遺骨についてめぐみさんの御両親に直接渡してもらいたいということ、そして政府から対外公表をしないこと、そしてこれを書面に明示しない限りは本件遺骨を引き渡さないということを先方が強く主張したということ、これに対して、この真相の究明のためにはできる限り多くの物的証拠を現地で収集すべきだという基本的な立場から、本件について横田さん御家族に伝達をして基本的に公表しないという我が方の考え方を伝えたと、それは事実であるというふうに聞いております。 しかしながら、その後に一行の平壌滞在中に北朝鮮側に対しまして改めて本件に言及した上で、この遺骨については、骨片については横田さん御家族に伝達することにするけれども、御家族の御意向を踏まえて対外公表する可能性があるということも併せて言って、北朝鮮もこれに異を唱えなかったという経緯があるというふうに引継ぎを受けております。そして帰国後、御家族の了解を得て、政府部内の検討を経て公表することになったというふうに聞いております。 したがいまして、本件文書については、現場における北朝鮮とのやり取りの中で我が方の考え方を伝えたということはあるということでございますが、こういう形でのものというものは私としては見たことはございませんし、これがそのものであるかどうかについてはにわかに判断できないということでございます。
○川上義博君 分かりました。 じゃ、これは書いた覚えはないと、ただこういう種のことを会話をしたということはある。それで、要するに、これを公表することも北の方は了解したということだろうと思うんです。 それで、実は私が仄聞していますのは、横田さんの御家族というのは今でも生存していると、生きているんだということを確信されておるんですよ。その上で、日本に持ってきて突然御家族の前でどうぞと言われて、これ何ですかと。仄聞している限り、正しいかどうか分かりません、これは何ですかと、そういうことになりますよね。その辺りの感情というものをお考えにならなかったんですかということ。何ですか、受け取ってくださいと言われたって受け取れるはずないじゃないですか。その辺りのことを考えたりすれば、一体これは何なんだという話に結果的になってしまったんですね。だれのものか分からない、これは横田めぐみさんのものではない、日本政府は断定しているわけです。 じゃ、その遺骨を一体これからどう処分するんですか、この余計なものを。余計なものを持って帰ってきてしまったということじゃないですか、どのように処分するんですか。
○政府参考人(伊原純一君) 今、佐々江局長の方から御説明しましたとおりの経緯でこの遺骨とされる骨片については持ち帰ってきたわけでございますけれども、その際、先方のめぐみさんの夫であったとされる方からのお話のとおり、帰国後、薮中局長は横田さんの御家族にこの日朝の実務者協議の結果を御報告し、その際にこの遺骨についても御相談をしたわけでございます。この際の御家族の方とのやり取りの詳細につきましては、この場で答弁することは差し控えさせていただきますけれども、結果として、この遺骨とされるものの扱いについては横田さんの御家族の御了解も得て、また政府部内における検討結果を経て、今佐々江局長が申し上げましたとおり対外公表を行うということとしたものと承知をしております。 したがいまして、当時の状況におきましては、これは御家族にきちんと御報告すべきであるという判断の下に御相談をしたということだと承知しております。
○川上義博君 いや、もうこれ以上しつこく言いませんけれども、今の余計なものを、余計なものですよ、あんなものは、それをどのように処分するかというのは、これはまただれと相談するんですか。それは外務大臣、これは何でもかんでもそのまま新潟県警に保管していく、そのまま未来永劫保管していくつもりなんですか。
○政府参考人(佐々江賢一郎君) 本件につきましては、捜査当局の方で証拠として保管しておく必要があるというふうに承知をしております。
○川上義博君 これは何のための証拠か、何の証拠なんですか。(発言する者あり)いや、私が発言しているんですから。 だから、どうも偽物という証拠があるということを保管しておくんですか。そういうことなんですか、今おっしゃったとおり。
○政府参考人(佐々江賢一郎君) これは捜査当局の方でお答えいただく方が適切だと思いますけれども、我々は当局の方から今後いろんな捜査を行う上で必要なものであるというふうに説明を受けております。
○川上義博君 まあ分かりました。 次に、ちょっとこのことをお伺いしますけれども、先般、総理の訪米の準備で外務省の次官とそれから局長が訪米されたということでありますけれども、実はこの訪米は、準備だけじゃなくて、別な話もしたんじゃないかという話があるわけなんですよ。 その話というのは、先ほどの話もありましたとおり、十二月三十一日にテロ支援国家の指定解除をアメリカがするらしいと、そのためには大統領が議会に対して報告書を提出しなければいけない、それが十二月三十一日に指定解除するんであれば四十五日以前だということがあるらしいんですよ。あるかどうか分かりませんけれども、これ、はっきりしてもらいたいんですけれども、報告書を提出する、アメリカの議会にですね、そうすれば十一月十六日だというんですよ。これを延期してもらいたいと、延長してもらいたいというようなことを申出をしたんだという話がうわさとして出ているわけなんですけれども、そのことについては、北米局長も来ていると思うんですけれども、どういうふうにどんな話をしたんですか。
○政府参考人(西宮伸一君) お尋ねの谷内外務次官の訪米でございますけれども、谷内次官は、これは発表いたしておりますけれども、米政府関係者と二国間関係、それから日米両国が共通の関心を有する地域的課題、あるいは国際的課題につきまして意見交換を行うために先月二十四日から二十七日まで訪米いたした次第でございます。 その際、ネグロポンテ国務副長官が主でございましたけれども、そのほかにホワイトハウスのジェフリーさんとおっしゃる安全保障担当大統領次席補佐官などと会談を行いまして、日米関係、テロとの戦い、アジア情勢など幅広い問題につき意見交換を行った次第でございます。 北朝鮮問題につきましては、北朝鮮が六者会合において年末までに実施すると約束した措置をきちんと実施することが何よりもまず重要であるということを確認し、また、谷内次官より拉致問題に対する我が国の考えを説明いたしまして、テロ支援国家指定解除の問題を含め、日米で引き続き緊密に連携していくということで一致をした次第でございます。
○川上義博君 それでは、要するに報告書の、十二月三十一日まで支援国家指定を解除してもらいたくないと、延長してほしいと、提出をしないでもらいたいという、そういう話は一切なかったんですね、具体的には。
○政府参考人(佐々江賢一郎君) 私、谷内次官の訪米に先立ちまして、別途局長レベルの協議ということで訪米もしておったわけでございますが、その点につきましては、従来からアメリカ政府として、この問題についてはまず非核化の進展の状況を見極めることが重要であると。ちゃんと北朝鮮が約束したことを実施するかどうかという問題、そして拉致問題を含む日朝関係の進展、この二つが重要であるということで、その点についてアメリカ政府が再度確認をしたということはございましたけれども、この点について我々が何か新しいことをアメリカ政府に言ったということはないというふうに思っております。
○川上義博君 いや、それで、例えば外務大臣、これが事実だとすれば、十一月十六日に、総理がいつ行かれるか今調整中でしょう、だろうと思うんですけれども、十一月十六日に提出されれば、議会に、それが自動的にそのまま三十一日にはテロ支援国家指定解除という話になってしまうんですよね。それでいいんですか、外務大臣。
○国務大臣(高村正彦君) 日本政府としていいのか悪いのか問われれば、そうでない方がいいと、こういうことであります。
○川上義博君 今官房長官が食糧支援の話ありましたけれども、要するに通常の食糧の支援は大体やらないんだと、ただ国際協調の点におけばそれは別途なものであるというふうなことを今おっしゃいました。 今、重油が百万トン、どんどんどんどん履行されているんですね。韓国もやった、中国もやった、アメリカも今五万トンですか、今度ロシアも、やったかどうか、やろうとしていると。そういうときに日本だけ、六者協議の合意事項の中で拉致の進展のことは十分慎重に取り扱うんだという一項目が入っているんですけど、ほかの国がどんどん進展していって、最後に、拉致の解決がされなくても日本の応分の負担というのは十万トン残るわけなんですよ。ほかの国はすべて完了して、なおかつそれ以上に追加支援という話も出てくると思うんですね。そのときに、国際協調とこの拉致の問題とが両立できなくなる状況というのは必ず出てくると思います。そのときに、外務大臣、判断、外務省も判断、政府も苦しむと思うんですけれども、十万トンの残りを一体どうするんだと、最後まで突っぱねるのか、あるいは六か国協議というのを脱退するのか、その辺りのことをどのように今思っていらっしゃいますか、そういう覚悟はありますか。
○国務大臣(高村正彦君) 拉致の進展が全くない状況においてはエネルギー支援等はしないというのが日本政府の方針でありまして、それについては国際社会も、あるいは六か国協議の北朝鮮を除く四か国の理解は得られていると、こういうふうに思います。 今、我々が大切なのは、この拉致の問題を進展させるということが一番大切なので、そのために全力を尽くします。最終的には解決することが大切ですから、それに向かって進展をさせるというために全力を尽くしていくということであります。
○川上義博君 それでは、時間が来ましたから、最後に、私は鳥取県の選出でありまして、このたび矢倉三夫さんという方が警察に告発したんです、拉致をされているんじゃないかと。そのことを、警察は今告発を受けてどのように取扱いをされるんですか、これは告発を受理をするんですか。 そのようなことをちょっと警察の方にお伺いしたいのと同時に、特定失踪者の代表者の皆さんから、生存者全員の帰国というのが特定被害者だけ、認定被害者、十七人ですか、これだけを示すんですかということなんですね。この特定失踪者のその他の四百六十人と言われる方も、要するに生存者全員の範疇に入っているんですか、生存者全員というのはどうやって確認するんですかということを言われておるんですよ。そのことを、これは官房長官に聞くべきものだったかもしれませんけれども、外務省も関係がありますから、最後に警察庁と外務省にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(池田克彦君) ただいま御指摘の矢倉富康さんに関する告発状は、今年の十月三十一日、お父様であります矢倉三夫さんによって鳥取県米子警察署に提出されております。 提出されました告発状につきましては、現在、鳥取県警におきまして精査中でございまして、告発要件を満たしていると判断された場合には、これを受理するということになります。 警察といたしましては、これまでも御家族から北朝鮮による拉致ではないかという届出を受けておりまして、現在まで所要の調査、捜査を行ってまいりましたけれども、これからも引き続き鋭意捜査を推進してまいりたいというふうに考えております。
○政府参考人(河内隆君) お答えいたします。 政府におきましては、これまで拉致被害者と認定している十二件十七名以外の方におきましても、いわゆる特定失踪者の方も含めまして、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない方が存在しているとの認識を有しているところでございます。 この認識に基づきまして、関係省庁、関係機関が全力を挙げて国内外の調査、捜査を進めているところであり、北朝鮮に対してこれまで認定している拉致被害者に限らず、すべての拉致被害者の安全確保と速やかな帰国を強く求めているところでございます。 なお、どうやって、だれが生存者かを確認するのかとのお尋ねに関しましては、政府におきましては関係省庁・機関が緊密に連携を図りつつ関連情報の収集及び分析を行っているところであり、その具体的な内容等についてはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。 以上でございます。
○岡田直樹君 自由民主党の岡田直樹でございます。 最初に、少しだけ自分の思いを述べさせていただきたいと思います。 私は元新聞記者でありまして、平成九年十一月といいますとちょうど十年前になりますが、北朝鮮に初めて渡りまして拉致問題の取材をいたしました。当時、北朝鮮は拉致ということをもちろん一切認めませんで、我々が拉致と一言言った途端に怒声を上げてでっち上げだと、こう叫ぶような状況でありました。しかしながら、本当に底知れないようなやみの中に必ず拉致はあるということを確信しておった次第であります。それから十年間たちました。 その翌年の平成十年にも北朝鮮に行きました。その年、北朝鮮で憲法の改正があって、これはむしろ改正というより改悪というべきものだと思いますが、軍事をすべてのことに優先をさせる、先軍政治という言葉がございますが、その年、金正日が国防委員長という肩書で北朝鮮を支配する、そういう体制が確立をしたわけであります。 私のほんの短い滞在期間でありましたけれども、やはり北朝鮮という国は人権、自由というものが全く見られない、また、ろくに食べるものもないと、こういう状況の中で義憤に駆られたというと格好よ過ぎるかもしれませんけれども、何とか何の罪もない拉致被害者の方々を救いたい、また、あわよくばそうした独裁者に虐げられている北朝鮮の人々も何とかしたいと、こういう気持ちで政治家になった、そういう思いがございます。 しかしながら、それからの拉致問題というのは非常に遅々たるものでありまして、小泉総理が訪朝をして五人の被害者の方々、帰って五年、しかしながらまだまだ多くの被害者の方がやみの中にいると、こういう状況を何とか打破をしたいわけであります。 御家族の方々もだんだんと年を召される。この委員会で横田めぐみさんの拉致現場の視察にも参りましたし、その後横田さんの御両親をこの委員会にお招きをして本当に胸の張り裂けるような思いを伺ったこともございます。何とかこの日本国民の重大な人権侵害、そしてそれは取りも直さず日本国の主権の侵害でもあると思います。この拉致問題について、高村大臣始め政府の方々、どうか全力で解決にお取り組みをいただくよう改めてお願いをしたいと思います。 ちょっと前置きが長くなりましたけれども、福田内閣になりまして初めての拉致特の質疑でございますので、外務大臣の基本的な姿勢というものをお伺いをしたいと思います。 小泉総理あるいは安倍総理の下では、拉致問題の解決なくして国交正常化なしあるいは拉致の解決なくして支援なしと、こう言い続けてきたわけであります。この基本姿勢に変わりはないと思うわけでありますが、先ほども出ました対話と圧力のバランス、小泉時代には対話と圧力と言い、安倍時代には圧力と対話と言うことが多かったようにも思うわけであります。安倍内閣では独自の経済制裁も実施をするなど圧力にウエートを置いてきたと思うわけでありますが、福田内閣は対話路線にかじを切るのではないかと、そういう観測もございます。 この辺り、福田内閣の外務大臣として、高村大臣の基本的な御認識、所見というものをまずお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(高村正彦君) 現状において、拉致問題には具体的な進展が見られていないわけでありますが、我が国はすべての拉致被害者の一刻も早い帰国を実現し、不幸な過去を清算して国交正常化を図るべく引き続き最大限の努力を行っていく考えであります。 対話と圧力については双方が必要であるわけでありますが、それらの間のバランスを考えることが重要だと考えております。また、対話にしても圧力にしても、関係国、更に広く国際社会の理解と協力を得ることにより効果的、実効的になることがある点にも留意する必要があると、こういうふうに思っております。 十月三日の六者会合成果文書では、早期に日朝国交正常化を実現するために、日朝双方が誠実に努力すること、またそのために精力的な協議を通じて具体的な行動を実施していくことが確認されたわけであります。今後、六者会合も踏まえて、北朝鮮が拉致問題の解決を含め日朝関係の改善に向けた具体的な行動を取ることを期待しているわけであります。 対話にしても圧力にしても、これは手段でありまして、目的は北朝鮮が拉致問題を含む日朝関係の改善に向けた具体的な行動を取る、取らせると、こういうことでありますから、そのために何が有効かということを状況に応じて圧力なり対話なり適切にやっていきたいと、こういうふうに思っております。
○岡田直樹君 外交でありますから押すときもあれば多少引くときもあるのかもしれません。そのさじ加減というものは、外務大臣よく見定めてお願いをしたいと思います。アメリカそして韓国も北朝鮮に対して急接近をしておるのではないかと、こういうふうにも見えるわけでありますけれども、日本として慎重な対応を是非お願いをしたいと思います。 それから、先ほど白先生からもお話がございました先日の外交防衛委員会での質問に対する御答弁、繰り返しになりますけれども、数人が日本に帰るということで、解決というわけにはいかないが進展にはなり得るかもしれないと、こう大臣御答弁になりました。その真意というものを改めて大臣のお口から、先ほどは官房長官に対する御質問であったかと思いますので、高村大臣からお話をいただきたいと思います。
○国務大臣(高村正彦君) 解決というのは拉致被害者が全員が帰ってくると、こういうことが必要であります。我々はそれをもちろん目指すわけでありますが、その間の進展というのは、そういう解決に向けて北朝鮮が具体的な行動を取って、そしてその中途段階まで進むということだと理解しておりますから、拉致被害者が数人帰っていることは中途段階に進んだと言い得る可能性があるということを質問に答えて申し上げたわけであります。 よく官房長官と私と意見の相違があるのではないかと言われましたが、官房長官が記者会見をやった夕方に、夕方というか、官房長官から電話が掛かってまいりまして、私が苦言を呈したということがあしたの新聞に載るかもしれませんが、自分の言った意味はこういう意味ですという説明がありました。私は、その中に私を批判したようなことは、少なくともそのとき官房長官がおっしゃったことになかったと思いましたんで、ただ、私、レストランの中で電話を聞いていたんで、よく聞き取れなかったこともあったんで、出た後にまたこっちから念のためにして、要するに私に苦言を呈したんですか呈さなかったんですかと言ったら、呈したことはありませんと、こういうお答えをいただいているんで、全く意思の不一致なところはないと、こういうふうに考えております。
○岡田直樹君 外務大臣の発言は、膠着した現状を少しでも前進をさせたいと、そういう思いからのものであると思います。まあ今不一致はないというお話でございましたので、政府一丸となってそのように進んでいただきたいと思います。 米朝関係、皆様御存じのとおり、核の問題で若干前進があるようでありますが、そこにこの日本の拉致問題が置き去りにされるのではないかというものは、これはすべての方が懸念をされているところだと思います。これからの日朝の協議どうあるべきか。先ほどは、今現状では非公式にも行われていないというお話でありましたが、これからの展開あるいは決意というものをお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(高村正彦君) 私たちは、あくまで拉致、核、ミサイルの問題を解決して、そして、それに対して国交正常化、不幸な過去の清算、そういったことをすべて成し遂げて日朝関係を良くしていくと。いずれにしても、拉致問題が解決していない上では国交正常化はできませんし、国交正常化できない限り過去の清算の大型経済協力はできないと、これだけはもう十年ぐらい、もっと前かも、十年ぐらい前から我が国政府は揺らいだことがない原則でありますから、これは今後ともしておきながら、そういう中にあってもお互いに具体的な行動を取り合いながら一歩一歩進めていくと、こういうことをやっていきたいと、こういうふうに思っております。 核の問題と拉致の問題、この問題はできるだけバランスよく進んだ方がいいと、こう思いますが、核の問題を進むのを遅らせてバランスを良くするんじゃなくて、核の問題が進めば、それに追い付くように拉致の問題もスピード感を持って進むような、そういうことをするように最大限の努力をしていきたいと、こういうふうに思っております。
○岡田直樹君 重油についてお伺いをしたいと思います。 北朝鮮の核施設の無力化と引換えに重油の支援が、中韓米、ロシアもそうですか、援助が始まっておりますけれども、中国あるいは韓国、またロシア辺りから、日本も早くこの支援に加われ、重油を援助せよと、こういう要請は日本にございますか。
○政府参考人(伊原純一君) 北朝鮮に対するエネルギー支援につきましては、二月の六者会合の際にこれが話し合われまして、その際に日本としては、日本の立場、すなわち拉致問題において進展がない今の現状においてはエネルギー供与等の支援には加わることはできないということを六者協議の場で説明をし、北朝鮮を除く残りの六者の参加国はこういう日本の立場を理解したということであります。 しかしながら、当然でありますけれども、ほかの今エネルギーを実際に供与している国からは、日本も早く北朝鮮との関係で進展を見てこのエネルギー支援に参加してほしいと、そういう要請は私どもの方にも度々来ております。
○岡田直樹君 拉致問題で進展を見ればこれは援助をするにもやぶさかでないと思いますが、しかし、進展がない限り援助をしないというこの原則は絶対に崩すべきではないと、これが私の考えでありますが、外務大臣のお考えはいかがでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 進展がなければ経済協力はできないと、これは原則でありますから、その原則は維持していきたいと。更に言えば、大原則は拉致問題が解決しない限り大型の経済協力はないと、こういうことであります。
○岡田直樹君 私は、アメリカと朝鮮の関係、米朝関係が前進することを決して喜ばないわけではないんですけれども、最近のアメリカが少し北朝鮮に対して融和的になり過ぎているのではないかと、こういう懸念も抱くものであります。その象徴として先ほどから度々話が出ておりますテロ支援国家の指定解除の問題がございますが、私は拉致もこれは重大なテロの一種である、そして拉致問題の解決こそ指定解除の要件である、このことをはっきりとアメリカに働き掛けていくべきではないかと、こういうふうに思っております。 アメリカの姿勢はこの点についていかがでございましょうか、またどういうふうに働き掛けていくおつもりか、その辺りについてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(高村正彦君) アメリカには、そういう立場から従前より働き掛けているわけであります。 私が外務大臣にこのたび就任したその翌日はもうアメリカへ行ってライス国務長官にお会いして、テロ支援国家指定については、これを解除されることはかえって日朝関係の進展の妨げにもなるんだから、これを解除しないでほしいと、こういうことを申し上げたところ、日本の立場はよく分かっている、そういうことも考慮していくと、こういうことを言っておられたわけであります。 あらゆる機会に日本政府はそういうことをアメリカ側に働き掛けているわけでありますが、アメリカの立場とすれば、第一義的には非核化措置の進展ということを考え、そしてそれと同時に拉致を含む日朝関係の進展も考慮に入れると、こういうのがアメリカ側の立場であります。 我々は、その二番目の点について更に日米関係きっちり考えてくださいよということはこれからも随時申し上げていきたいと、こういうふうに思っています。
○岡田直樹君 北朝鮮がシリアに対して核技術を供与しておるという、こういう話を最近聞くわけであります。この核拡散について言えばアメリカにとっても極めて重大な脅威であると、このことについて外務省はどんな情報を持っておられますでしょうか。
○政府参考人(伊原純一君) 委員御指摘のとおり、核の不拡散というのは非常に重要な問題でありまして、先般の六者会合、十月三日の合意文書におきましても、その一項の第三のところで改めて、北朝鮮は核物質、技術及びノウハウを移転しないと、そういう約束を再確認したということが明記されております。 私ども、シリアの件について今ここで御説明できる材料を持ち合わせておりませんけれども、引き続き、北朝鮮がこういった核の不拡散についての約束をきちんと履行するように、アメリカを始めとする関係国とよく連携を取っていきたいというふうに考えております。
○岡田直樹君 未確認の情報であるにせよ、シリアという国はアメリカのテロ支援国家の中に入っておると承知しております。テロ支援国家を支援する国というのは、これは二重の意味でテロ支援国家であると、そういう観点からこれはやはり指定解除というのは論外ではないかと、こう思うわけであります。しかし、まだ未確認の話、仮定の話について御質問してもお答えはないと思いますので、この点についてはその指摘にとどめさせていただきたいと思います。 先ほど、それから、よど号のハイジャック犯の送還、これをもって拉致の進展とはならないと、こういう外務大臣の御答弁でありました。よど号のハイジャック犯が送還されてきたとしても、これはテロ支援国家の解除の一つの要因にもならないと、そういう材料にもならないと私は思うわけでありますが、外務大臣からも御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(高村正彦君) 日本国政府の考え方として、よど号の犯人が帰ってくるということと、テロ、拉致問題の進展とは何の関係もないとは言いませんが、少なくとも進展にはならないと、こういうふうに考えているということは申し上げました。 それで、アメリカ側がどう考えるかということは、それは別問題かもしれません。別問題かもしれないけれども、私たちは、この拉致問題が解決しない限り日朝関係が進展しないわけでありますから、そういう状況の中でテロ支援国家解除は困りますよということは申し上げていくと、こういうことであります。
○岡田直樹君 この問題の最後に、福田総理がアメリカに訪問をされてブッシュ大統領と首脳会談をされる、その際には必ず、このテロ支援国家の解除をやめてほしいと、このように強く申し入れていただきたいのであります。これだけは今日、外務大臣から一言明確な御答弁をいただきたいと思うわけです。 以前、横田めぐみさんのお母さんがブッシュ大統領の本当に心を揺さぶったと言われる会談がございました。そのぐらいの気持ちで、気迫でブッシュ大統領に働き掛けていただきたいと、このように思います。外務大臣からお答えをいただきます。
○国務大臣(高村正彦君) 総理がこの話を、ブッシュ大統領との間で、会談の中でしないということは考えにくいことだと認識をしております。
○岡田直樹君 次に、南北関係、韓国と北朝鮮の関係についてお尋ねをしたいと思います。 韓国と北朝鮮、もとより同じ民族でありまして、その友好関係が深まることをとやかく言うわけではありませんけれども、盧武鉉大統領のこの政権も若干北朝鮮に対して甘いのではないかと、こういうふうに思わざるを得ません。 先般の南北首脳会談、北朝鮮に金大中大統領と合わせて二度も呼ばれていくような形になって、また、盧武鉉さんのパフォーマンスというんでしょうか、しかし、それがむしろ金正日の方が一枚上手のような、何か丸め込まれてしまったような、そういう印象を受けるわけであります。 韓国にも拉致問題は当然あるわけですが、余り韓国政府はこの問題に重きを置いていないようであります。日本が韓国と連携をしてこの拉致問題の解決を図っていく、そのために韓国政府にどのように働き掛けをしていけばよいか、この問題についても外務大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(高村正彦君) 我が国は、北朝鮮をめぐる諸懸案の解決に向けて、従来より韓国とも緊密な連絡を取ってきたわけであります。 十月五日の日韓首脳電話会談においても、両首脳は、引き続き緊密に連絡しながら、六者会合などの場において日韓の緊密な連携を図っていくことで一致したわけであります。 先般の南北首脳会談におきましては、核関連については、金正日国防委員長から盧武鉉大統領に対して朝鮮半島の非核化へのコミットメントが再確認されましたが、拉致問題についても盧武鉉大統領が金正日国防委員長に対し、日本人拉致問題についての日本側の立場を伝え、日朝関係を前進させるように働き掛けたものと承知をしております。 いずれにいたしましても、我が国としては、今後とも六者会合などの場を含めて韓国と緊密に連携しつつ、諸懸案の解決に向けて取り組んでいく考えでございます。
○岡田直樹君 いろいろと限られた時間でお伺いをいたしましたが、先ほどは、福田総理が訪米をした際にはブッシュ大統領との間でテロ支援国家指定解除の話題が出ないことはあり得ないと、こういうふうに明確な御答弁もいただき、お聞きをしたかいがあったと思っております。日米同盟をより強固にして、また北朝鮮に対する必要があると思います。これも大きな意味でのテロとの戦いであり、インド洋上の活動とも決して無関係ではないと思うわけであります。 最後に、こうしたグローバルな視点から、この日朝の拉致問題、どのようにとらえておられるか、外務大臣の御決心を、御所感を伺って質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(高村正彦君) 日朝問題は、もちろん人道上の問題であり、日本の主権が侵害されたという問題であり、これは日本人が人道的に大変な目に遭ったということでありますから、日本の問題として大きい問題でありますが、これは同時に人道問題というのはグローバルな課題でありますから、こういうことは国際社会、アメリカその他多くの国の理解を得て、そしてこの解決に向けて大きな国の力をかりながら日本としても精一杯の力を発揮していく、それが福田首相の考え方だと思いますし、私も精一杯手伝っていきたいと、こういうふうに思います。
○岡田直樹君 ありがとうございました。終わります。
○風間昶君 公明党の風間でございます。 まず、国連の北朝鮮人権状況決議につきまして、この国連総会での対北非難決議の前段として十月の二十六日に国連人権理事会のマントラボーン特別補佐官、国連総会の第三委員会で北朝鮮の人権状況について報告されたと聞いていますが、政府としてはどのように報告をなされたのか、どのようにそれをまた評価しているのか、伺いたいと思います。
○国務大臣(高村正彦君) ムンタボーン北朝鮮人権状況特別報告者は、国連総会第三委員会で北朝鮮の人権状況全体について報告をいたしまして、北朝鮮では多くの人権侵害が継続していることに言及されたわけであります。 拉致問題につきましては、一九七〇年代から多くの日本人が北朝鮮エージェントにより拉致されたと述べ、北朝鮮当局が拉致や強制失踪問題に適切に対処すべきである旨報告したところであります。 日本政府としては、北朝鮮の人権状況改善に向けた特別報告者の努力を高く評価しており、今後とも特別報告者に対して最大限の協力をしていく所存でございます。 北朝鮮の人権状況に改善が見られない中、我が国及びEUは、昨年及び一昨年に引き続き、十一月二日、北朝鮮人権状況決議案を国連総会第三委員会に提出いたしました。本決議案は、今月中に第三委員会で採決に付され、また同委員会での採決後は来月中旬ないし下旬に国連総会本会議で採決に付される見通しでございます。 本年の北朝鮮人権状況決議案は、昨年の決議を基本としつつ、人権諸問題に関する記述を拡充するとともに、拉致被害者の即時帰国を含め透明性のある方法で拉致問題の早急な解決を強く求めることが明記されております。拉致問題の早急な解決を求める国際社会の意思を明確にするためにも、この北朝鮮人権状況決議案が多数の国の支持を得て採択されるよう、ニューヨーク、東京及び各国の首都において他国への働き掛けを行っているところでございます。
○風間昶君 少なくとも、今大臣がおっしゃったように、三回目の決議でありますから、この二回の決議を上回る、そういう中身にしていかなければならない、その一端を大臣はお話ししていただきましたけれども、具体的に、ニューヨークや東京だけではなくて、更にその決議がきちっと実効を担保できるようにもう一工夫が必要じゃないかというふうに思うんですが、そこについてはどうでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) いろいろ工夫していきたいと思いますが、本年の決議案は、今次国連総会で提出された国連事務総長報告や特別報告書による報告も踏まえて昨年以降の進展を加味したものとなっているほか、より多くの人権上の問題について言及するなど、内容の充実が図られているわけであります。 拉致問題への言及は、新たなパラグラフとして独立し、これまでの懸念の表明に加えて、北朝鮮政府に対し、拉致被害者の即時帰国を含め透明性のある方法でこれらの問題を早急に解決するよう強く要求するとの文言が追加されているなど、去年の決議より良くなっているわけで、そしてこれを採択するに当たって多くの国に賛成していただけるように最大限の努力をしていきたいと、こう思っています。
○風間昶君 それで、国内においても、十二月に予定されておりますけれども、北朝鮮人権侵害問題の啓発週間について、これは二回目になるわけでありますけれども、去年はシンポジウムやディスカッション等々イベント開催をされておりますけれども、今回はどのような活動をこれに加えてするのか、あるいはもうちょっと斬新な形で行っていくのか、現時点での準備状況をまず伺いたいと思いますし、この国連総会での対北非難決議の採択等も非常にリンクする話でありますから、もっとやはり国民の多くの方々にきちっとPRをしていくことが大事じゃないかというふうに思っておりますが、この件を含めて、国内における準備状況と具体的な広報活動について伺いたいと思います。
○政府参考人(富田善範君) 北朝鮮人権侵害問題啓発週間は、国民の間に広く拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題についての関心と認識を深めるために設けられたものであり、昨年度は、今委員御指摘のとおり、十二月十四日木曜日に日比谷公会堂で横田滋さん、早紀江さん御夫妻による講演会を開催しましたところ、約八百五十名の参加がございました。 本年度は、十二月十六日日曜日に東京都港区のニッショーホールにおいて、拉致問題対策本部、法務省及び外務省共催による拉致問題を考えるみんなの集いを開催し、政府関係者の出席、映画「めぐみ—引き裂かれた家族の30年」の上映、横田御夫妻と池田理代子さんとの対談、南こうせつさん及び池田理代子さんらによるコンサートを予定しております。 開催に当たりましては、本年度は多くの国民の皆様が参加しやすい日曜日に開催することとしたほか、拉致問題解決のために活動されている南こうせつさんや池田理代子さんをお呼びするなど、国民の皆様に拉致問題を身近な人権問題として考えていただけるよう配慮しております。 このほか、関係省庁や地方自治体において同週間の趣旨にふさわしい事業を実施する予定であり、現在取りまとめの作業をしているところであります。 また、PR活動についてもお尋ねがございましたが、政府としても幅広く広報を実施する必要があると考えております。法務省におきましては、今年度はポスターを昨年度より倍増して印刷するほか、チラシの配布や新たに車内広告の掲出、インターネット・バナー広告の掲載等を予定しております。また、各府省庁や地方公共団体においても様々なPR活動を行うものと承知しており、各機関と連携して北朝鮮人権侵害問題啓発週間について幅広く国民への周知を図ってまいりたいと考えております。
○風間昶君 この今のお話を受けて、済みません、官房長官に通告していませんけれども、十二月十六日、官房長官は御出席、今予定をされておりますか。
○国務大臣(町村信孝君) まだちょっと先のことでもありますので、必ずしも私自身の日程、明日の日程も私まだ見ていない状況でございまして、よく時間のやりくりできるかどうか見極めたいと思っております。
○風間昶君 済みません、通告していなくて。 万が一出れないということになれば、少なくともメッセージぐらいは発信していかないと、これは国として拉致問題を解決するという明確な姿勢が国民の皆様方に伝わらないと思いますので、よろしくお願いしたいというふうに思います。 次に、第二回南北首脳会談後、十月の五日に韓国が、何ですかこの名前、難しいんですけれども、沈允肇という人なんですか、外交通商次官補を日本に派遣して高村外務大臣とお会いをされたということを伺っていますが、この首脳会談の報告がどういう報告であって、なおかつその報告受けて、この首脳会談に対してどのような評価をしているのか、外務大臣にお伺いしたいと思いますけれども。
○国務大臣(高村正彦君) 先般の南北首脳会談の結果につきましては、十月五日、盧武鉉大統領から福田総理に対して電話で説明がありまして、また訪朝に同行した韓国外交通商部の沈允肇次官補から私及び薮中外務審議官に対してそれぞれ説明があったわけであります。その結果、我が国としては、今回の南北首脳会談及び会談の結果採択された南北関係の発展と平和繁栄の宣言は、南北関係の進展、朝鮮半島の緊張緩和に資するものであったと評価をしております。 北朝鮮の核問題に関しましても、今般の南北間の宣言におきまして、六者会合共同声明の履行のため南北が協力していくことが明記され、金正日国防委員長から盧武鉉大統領に対して朝鮮半島の非核化へのコミットメントが再確認されたことは有意義だったと思います。 また、韓国側より、日朝関係については、盧武鉉大統領より金正日国防委員長に対して、拉致問題についての日本側の立場を伝え、日朝関係を前進させるよう働き掛けた旨の説明がありました。 今回の働き掛けも含め、北朝鮮が拉致問題の解決を含め日朝関係に真剣に取り組むことを期待をしているわけであります。
○風間昶君 今お話がありましたこの核問題に関してですが、北朝鮮の核無能力化作業チームへ、一日から、米国を中心とした寧辺の作業チーム、寧辺に現地入りしているというふうに聞いていますけれども、そして一部の報道で、この作業チームに日本の核専門家が参加する可能性を示唆する報道があったわけでありますけれども、原子力の分野に関してやっぱり日本は技術的にもかなり知見も持っていますし、ある意味ではかなり日本は最も進んだ国の一つであるというふうに思っておりますから、私は無能力化の具体的な作業に日本も参加すべきではないかと思っておるんですけれども、このことについて、その考えがないとは、私はそういう答弁を期待していませんで、あるんだと思うんですけれども、具体的にはどのように考えていらっしゃるのか、お伺いしたいと思いますが。
○国務大臣(高村正彦君) 御期待に近い答弁ができるかと思いますが、無能力化の活動については、今月一日より米国の専門家が訪朝しているわけであります。米国は、米国以外の四者、日韓中ロも活動に参加することを希望していると承知しております。 無能力化の活動への専門家派遣については、我が国としても関心を有しておりまして、現在検討を調整しているところでございます。委員の御期待の方向に進んでいくと思います。
○風間昶君 分かりました。 十月の五日に官房長官御自身が家族会の方々と懇談され、なおかつ、それから三週間たって総理とまた懇談をされて、三十一日のこの間の委員会で御発言をされた官房長官、拉致発生後長い年月がたって、被害者や御家族の方々もお年を召されて、拉致問題の解決はもう今や一刻の猶予も許されない状況であることを改めて痛感したというふうに述べられました。これはもう痛感だけじゃどうもならない話でありますから、改めて率直な感想をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) 二〇〇五年の七月に、私は当時外務大臣でありましたが、この御家族の皆さん方と外務省の中でお目に掛かりました。その他の機会にもお目に掛かったこともございますが、改めて官房長官として十月五日の日に約一時間にわたってお目に掛かりました。その後、総理も十月二十六日の日に御家族と会われました。 大変月日がたっておられます。御家族の皆さん方の焦燥感、いら立ち、憤り、こうした思いを私も重く受け止めております。ちょうど私がお目に掛かった日は横田めぐみさんのお誕生日、拉致されて三十年という、たまたまではありましたがそういう特別な日に当たっていたということもございました。 したがって、本当に早く解決をしなければいけない、そういう思いで、政府を挙げて北朝鮮と必死の交渉をしなければいけないという思いでございます。できるだけ本当に早くこの問題を解決しなければいけないんだという強い気持ちを持って、政府一体となって拉致被害者の早期救出のために全力で努力をしてまいりたいと考えております。
○風間昶君 決意も伺いましたけれども、具体的に、そうすると、対話と圧力の姿勢を重視しつつどんな対応を取っていくのかということがやっぱり国民の皆さん方にとっても非常に関心が高いわけであります。少なくとも北朝鮮への経済制裁はこの十月十四日以降も半年、船舶・品目輸入禁止を決めたわけでありますけど、これにとどまらないで、やはり拉致問題解決に向けて内閣全体として具体的にどのように進めていくのか、官房長官にお伺いしたいと思いますけど。
○国務大臣(町村信孝君) 北朝鮮とどういう具体的な交渉をするかという、その中身についてはこれは外交交渉に係る話でございますから余りつまびらかに申し上げることもできませんけれども、これ日朝だけでやっている状況と、一つは六者協議という国際的なフレームワークの中でやることの意味というのは私は一つはやっぱりあると思います。 日本が幾ら言っても取り合わないという状況が続いていたわけでありますが、少なくとも六者協議という場で、アメリカからも、またその他中国等々からも北朝鮮に対してやはり全体のこのフレームワークが解決をしなければいけないと。核の問題、ミサイルの問題、そしてこの拉致の問題等々を含めて、全体がやはりバランスよく解決しなければこの六者協議全体が成果を上げたということは言えないわけでございますので、そういう意味では、こうした国際的なフレームワークも大いに活用しながら関係国とも緊密に協議をしていくということがこの六者協議、できる以前の状態とは少々違うところなのかと思ったりもいたします。 また、同時に、日本としてもこれはやっぱりバイの関係でもやらなければいけない。そういう意味で、先ほど来から申し上げておりますけれども、こうした国家的な犯罪行為というものを許すわけにはいかないわけでございますので、拉致の解決、併せて不幸な過去というものをどのように清算をしていくのか、そして最終的に国交正常化に至っていくんだという我が方も取り組まなければならない課題がそれはあるわけでございまして、こうしたことについては先方と本当に率直な議論をする中で答えを見いだし、そして生存しておられる皆さん全員が日本に帰ってこれるようにしっかりと取り組んでいきたいと、こう思っているわけでございます。
○風間昶君 今官房長官おっしゃっていただいたように、正にこの六者協議の基本的な構図というのはやはり北にある核を放棄させるというものが目的であるわけでありますから、当初は米韓が中心になってというか、米韓と日本が協調して更に中国入れて、北以外の五者で核放棄迫るという状況であったわけでありますけれども、しかし、この二年ぐらい前から、米国はかつて拒否していた北朝鮮との直接対話に少しハンドルを切り始めているし、韓国もまた朝鮮半島の平和的解決という観点から北朝鮮支援にややシフトしつつあるような印象を受けますし、中国、ロシアは北朝鮮とかつてのような親密な関係ではないものの、日本が期待するような状況に今なっているのかと考えると非常にそこの部分は私は不安を感じるわけであります。 そういう意味で、北朝鮮の核始め、中国の軍事力増強、また一定の軍事力を持っているロシアなども、非常に軍事的な不安を抱える北東アジア全体の安全保障の進展に向けて日本として外交上どういうふうに持っていくべき立場があるのかということを、これはきちっとやっぱり発信しなきゃならないんではないかというふうに思っておりますが、この件について、北東アジアの安全保障の進展に向けての日本の態度、是非これは外務大臣として今御発言をいただければ有り難いというふうに思います。
○国務大臣(高村正彦君) 我が国といたしましては、不透明、不確実な要素の残るアジア太平洋地域の平和と安定を確保していくためには、域内諸国間の信頼関係を向上させ、これを通じて安全保障環境を向上させていくことが重要であると考えております。 六者会合の下に設置されている北東アジアの平和と安全メカニズム作業部会では、これまで二回にわたって北東アジア地域における安全保障環境を踏まえ、信頼醸成及び北東アジアの平和と安全のための協力をどのように図っていくかについて議論が行われているところでございます。 我が国としては、この作業部会において、北朝鮮の非核化の進展状況をよく見極めながら、朝鮮半島を中心に地域の安全保障環境の向上や信頼の醸成のための議論を着実に進めていくべきであるとの立場で、その旨発言もしているところでございます。具体的には、日米安保体制を堅持しつつ、二国間及び多国間の様々なレベルの対話を通じて域内の信頼醸成を促進していくとともに、核を始めとする大量破壊兵器及びその運搬手段の拡散防止のための現実的な努力を重ねていくことが重要であると考えております。 また、我が国としては、日朝平壌宣言にのっとって、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を解決し、不幸な過去を清算して日朝国交正常化を早期に実現すべく最大限努力を行っていく考えであり、こうした努力は北東アジアの安全保障環境を改善する上でも重要であると、そういうふうに考えております。
○風間昶君 終わります。
○山下芳生君 北朝鮮の核問題を中心に伺います。 核問題をめぐって北朝鮮は、核関連施設の稼働停止、封印など、今年二月の六か国協議で合意された初期段階の措置を実施し、十月の同協議では年内に核施設の無能力化と核計画の完全申告を柱とする次の段階の措置を行うことが合意されました。このことは、朝鮮半島の非核化への重要な一歩であり、国際社会の総意を背景に六か国が粘り強く交渉を続けてきた結果だと私は考えますが、高村大臣の所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(高村正彦君) 本年十月三日に採択された六者会合の成果文書におきましては、北朝鮮は本年末までにすべての核計画を申告することに合意をいたしました。また、無能力化についても、すべての核施設を無能力化することを再確認した上で、そのうち本年末までの具体的な行動として、寧辺の三施設を無能力化することとなっています。このことを、北朝鮮が第二段階の具体的な非核化措置をとることを約束したことは、委員がおっしゃるように意義があることだと考えております。 十月の成果文書によって北朝鮮の非核化に向けた年内の行動が明確になったわけでありますが、政府としては、このような結果が得られたのは、朝鮮半島の非核化の実現が重要であるとの国際社会の意思を背景に、我が国を含め米国、中国を始めとする関係国が断固たる決意で粘り強く六者会合に取り組んできたからであると考えております。 ただ、重要なことは、非核化に向けて具体的な行動が実施されることであります。十一月一日から米国の核専門家のチームが無能力化の作業のために訪朝しているところでありますが、我が国としては、十月の成果文書に従って北朝鮮による非核化措置が実施されるよう、さらに六者会合共同声明の完全実施に向けて前進できるよう、引き続いて米国を始めとする関係国とともに努力していきたいと、そういうふうに考えております。
○山下芳生君 六か国協議で合意された第二段階の措置の年内履行が実現をいたしますと、これは朝鮮半島の平和体制に向けた協議、あるいは米朝の国交正常化交渉の開始につながって、北東アジアの平和と安定の第一歩となると思います。 先日、米国のヒル国務次官補と北朝鮮の金桂冠外務次官との間で行われた米朝間の詰めの協議では、北朝鮮が今後二週間以内に核計画申告のプロセスを開始することが合意され、先週から米国の核問題専門家チームが北朝鮮に入るなど、核施設の無能力化に向けた動きが本格化しつつあります。こうした米朝間の第二段階の履行に向けた動きについて外務省はどう評価しているのか、先週ヒル次官補と会談された佐々江局長に伺いたいと思います。
○政府参考人(佐々江賢一郎君) 無能力化の活動につきましては、ただいま委員御指摘のとおり、今月の初めから米国の専門家が訪朝いたしまして作業を開始をしているところでございます。それにはやや時間が掛かるわけでございますが、主としてこの寧辺の施設、五メガワットの実験炉、再処理工場、核燃料棒製造施設の無能力化、こういうものが実現すれば核兵器に利用可能なプルトニウムが生産できないということになるわけでございまして、それは非核化に向けた大きなステップであるというふうに考えております。 いずれにしましても、我々としてはこの寧辺のいわゆる三つの施設にとどまることなく、すべての既存の核計画、核施設の無能力化、そして二〇〇五年九月の共同声明に言っておりますすべての核兵器、既存の核施設の放棄を早期に達成することが重要であるというふうに考えております。これに向けて引き続き努力をする必要があるというふうに考えております。
○山下芳生君 続けて佐々江局長に伺います。 核問題をめぐっては、この間、米国は積極的な対話路線を通じて北朝鮮との協議を前進させております。これに比べ日朝協議関係は率直に言って立ち遅れていると言わざるを得ない状況にあると思います。その主な要因はどこにあるのか。また、今後の日朝関係の進展に向けてどのような方針で臨もうとしているのか。
○政府参考人(佐々江賢一郎君) 委員が今、米朝関係のことについて御指摘でございますが、この米朝関係につきましては、先般十月三日の成果文書におきまして、両者間の関係を改善する、そして完全な外交関係を目指すということが共通の認識としてあるわけでございまして、今こういうような認識に基づいて、米朝の作業部会において広範な検討作業が行われているということは事実でございます。 他方、この同じ成果文書におきまして、日朝関係についても、日朝双方が平壌宣言に従って不幸な過去を清算して懸案事項を解決することを基礎として早期に国交を正常化する、そしてそのために誠実に努力する、そしてまた日朝双方が精力的な協議を通じて具体的な行動を実施していくということが約束をされているわけでございます。 我が国としては、これまでも日朝協議に真剣に取り組んできておりますし、これからもそうしていくことがますます重要になっているというふうに思うわけでございますが、残念ながら、現時点まで北朝鮮が拉致問題の解決、あるいは進展に向けて具体的な行動を目に見える形で取っていないということも事実でございまして、これが日朝関係が進展していない最大の理由であるというふうに思います。 我々としては、この非核化の問題、あるいは米朝関係と併せて日朝間もこの重大な懸案を解決して進展を見ることが重要であるというふうに思っておりまして、特にこの拉致、核、ミサイルという問題を包括的に解決すべく引き続き努力をしていく必要があるというふうに思っております。
○山下芳生君 拉致問題と核問題の関係で言いますと、日朝平壌宣言の精神に立って諸課題の包括的な解決を図る立場が重要だと思います。今進行しているプロセスで、核問題の道理ある解決が図られるなら、拉致問題の早期解決の新しい条件が開かれることになると思います。 拉致問題の早期解決の上でも、六か国協議の合意に即して核問題の解決のための積極的な役割を果たすことが政府に求められていると思いますが、高村外務大臣の考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(高村正彦君) 北朝鮮による核保有は、我が国のみならず東アジア及び国際社会の平和と安全に対する重大な脅威であります。こういう認識の下で、政府としては六者会合に積極的に参加し、北朝鮮の核放棄を実現すべく全力を傾注しているところでございます。 同時に、政府としては、G8サミットを始めとする国際会議や様々な二国間の首脳会談等において拉致問題を含む北朝鮮問題を取り上げ、各国からこの問題に対する我が国の立場へ理解と協力を得てきているところでございます。 いずれにしましても、政府としては、六者会合共同声明を全体としてバランスよく実施することが重要であると考えておりまして、朝鮮半島の非核化と拉致問題を含む日朝関係の双方がともに前進するように、引き続き最大限努力を行っていく考えであります。 先ほどもちょっと申し上げたように、核問題が先に進むということは、必ずしも拉致問題が取り残されて不利になるということではないと思っています。核問題が進むということで拉致問題が解決しやすい条件になってくる場合もありますので、私たちは、核が先に進めば、それに負けないように拉致も進むように全力を尽くしていく考えでございます。
○山下芳生君 最後に町村長官に伺います。 福田総理は先月二十六日、就任後初めて拉致被害者家族会の方々と面会され、その際、拉致問題をめぐる日朝交渉について、今が一番いい時期になってきた、北朝鮮が核放棄すればまともな交渉ができると述べられました。これは重要な認識だと思います。政府が核問題で積極的な姿勢を取ることが拉致問題での国際的な理解と支援を高め、問題の早期解決の条件が生まれると思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(町村信孝君) 基本的な認識は、今高村大臣が言われたことと私も違う考えを持っているわけではございません。 こうやって核の問題が前進をするための第一歩が踏み出されつつある、この状況を私どもも歓迎をするわけであります。しかし、それらが本当にこれからどんどん進んでいくと、いろんな国が北朝鮮に対して支援をする。そのときに、日本がその支援に参加をしないということは、全体の北朝鮮に対する支援がスムーズに行かなくなるという状況になってしまうわけでありますので、当然北朝鮮としても一定のそうしたエネルギー支援等々が欲しければ、この拉致問題を解決しないわけにはいかない。そういう意味でいい条件が生まれつつあるというふうに福田首相が言われたのではないのかなと、こう私は受け止めているわけでありまして、そういう意味から、六者協議というフレームワークも一つの有効な、私どもにとりましては、拉致問題を解決するための有効な手段として、この場を活用しながら拉致問題の一刻も早い正しい解決を図るべく全力を挙げていきたいと思っております。
○山下芳生君 終わります。
○委員長(下田敦子君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後零時四分散会