P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
168回国会参議院2007/10/30

法務委員会 第2号

発言数
186
登壇者
18
会派数
6
開催日
2007/10/30

会議録

遠山清彦公明党

○委員長(遠山清彦君) ただいまから法務委員会を開会いたします。  政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に警察庁長官官房審議官井上美昭君、警察庁刑事局長米田壯君、法務大臣官房訟務総括審議官貝阿彌誠君、法務大臣官房司法法制部長菊池洋一君、法務省民事局長倉吉敬君、法務省刑事局長大野恒太郎君、法務省矯正局長梶木壽君、法務省保護局長藤田昇三君、法務省人権擁護局長富田善範君、法務省入国管理局長稲見敏夫君、厚生労働大臣官房審議官荒井和夫君及び厚生労働省職業安定局高齢・障害者雇用対策部長岡崎淳一君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

遠山清彦公明党

○委員長(遠山清彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

遠山清彦公明党

○委員長(遠山清彦君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

千葉景子民主党・新緑風会・日本

○千葉景子君 おはようございます。民主党・新緑風会・日本の千葉景子でございます。  今日は、大臣の所信をお聞きいたしまして初めての、そして冒頭になります質問ということになりますので、是非大臣の率直なお考えをお聞かせをいただきたいというふうに思っているところでございます。限られた時間でございますので、できるだけ大臣からも簡潔に、そして分かりやすい御答弁をいただければ大変有り難いというふうに思っております。  さて、冒頭ですが、この間、鳩山法務大臣、官僚の皆さんの準備したものをお読みになるということではなくして、大変率直な自らのお考え方というんでしょうか、それを御発言なさる機会が多いように受け止めさせていただいております。  私は、大変ある意味で評価をさせていただいているのですが、しかし反面、やはり大臣という立場での御発言ですから、単に奇をてらうとか、ちょっと思い付きでということであったならば、これは私はやはり許されないものだというふうに思います。やはり大臣の立場で御発言をなさるわけですので、多分それだけの覚悟と、そしてこれからその御発言をどう体現をされていこうか、こういうものを胸に秘めて御発言をなさっているものだと思いますので、是非その辺りをお聞かせをいただければというふうに思っております。  ということで質問をさせていただこうと思っておりましたところ、また昨日、大変ユニークなといいますか、御発言がございまして、友人の友人がアルカイダ、これは大変衝撃でございます。バリ島に近づかないようにという注意もあった、あるいは、その後何回か日本にその人物が入国をしていたのではないかというようなことも御発言をなさったやに報道などで承り、その後またこの発言を御修正をなさったということでございますけれども、冒頭申し上げましたように、いささか、すぐ発言を訂正をなさるというような中身でございましたら、少し慎重にといいましょうか、御発言をなさるべきでないか。ちょっとやはり軽率だと言われるそしりを免れないように思われて仕方ありません。これについては、指摘だけさせていただきたいというふうに思いますが。  この間の大臣の御発言、一つは死刑執行をめぐる発言がございました。それからもう一つ、司法制度改革などに絡みますが、司法試験の合格者三千人が少し多いのではないか、こういう御発言もございました。その他はちょっとおきまして、この二点についてちょっとお考えをお聞かせをいただきたいというふうに思っております。  この死刑執行についての大臣の御発言ですけれども、九月二十五日の閣議後の記者会見で、死刑執行に関して法務大臣が絡まなくても自動的に進むような方法を考えたらどうか、そしてそれと合わせる形で、ベルトコンベヤーや乱数表といったような、そういうお言葉も使われたというふうに私も承知をいたしております。  どうなんでしょうか。この死刑執行について、大臣がやはり署名をして、そして最終的な責任を負うというのは、これまでの法の制度の趣旨、そしてその重さ、死刑の重さ、こういうことから大臣の署名、そして最終的な責任ということがこれまで法の趣旨として言われてきたところでもございます。この大臣の発言は、これに真っ向からといいましょうか、相対立する考え方でございますので、そこまで、これまでの制度の趣旨などを踏まえながらも、ここまで踏み込んだお考えを発言をされるということですので、かなり死刑問題に対してこれから覚悟を持って取り組まれていこうということなのかなと、それとも、いや、ちょっと思い付いたということなのか、そこを是非まずお聞かせをいただきたいというふうに思っております。  今日は同僚の松野議員もまた質問をなさるということでございますので、私はこの発言について大臣がどの程度、覚悟とそして今後の見通し、こういうものを持って発言されたのか、そこを聞かせていただきたいと思っております。

鳩山邦夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) 千葉景子先生という政治家、私は強烈なイメージを持っておりますのは、大変美しい方が当選されて、年齢を見ましたら私と同じなんですね。昭和二十三年で、ああ、同じ年でこんなすばらしい政治家がおられるんだなと、そう思った印象を強く維持いたしておりますが、先生から今御忠告いただいたような事柄については、割かし寡黙な方ではないんだろうと、やや多弁の嫌いがあって、言葉が過ぎることがあることはこれからも注意していこうと思っております。  ちょっと時間拝借して、昨日の発言についてでございますが、私がちょっと物の言い方が悪かったという反省はいたしておりますが、五年前、私が見聞きした、実際経験をしたことを申し上げただけでありまして、私どものグループに対してバリ島中心部には近づかない方がいいという話があったというふうに言ったことが、私にというふうに受け取られると大変な誤解になるわけで、私がその話を知ったのは事件後数か月後であります。  しかし、間違いなくそういう事実関係はございましたし、友人という定義がどこまでか分かりませんが、私の親しい友人が現地で付き合っている人が、あの地域は非常にクリスチャンとイスラムが激しい殺し合いを随分してきた地域でございます、アンボン島というようなところを中心にして。大変な虐殺がお互い起きている。そういう中で、イスラム過激派というんでしょうか、アルカイダ周辺居住者というんでしょうか、そういう形に大変有名な方がなっていったと、その事実を申し上げ、その後数年たったときに、その人が何度も入国しているという話を聞いて、私は入管に厳しく言ったわけでございます。  したがって、この話は、確かに私が法務大臣という立場をわきまえないで言ったという批判はありますが、ほとんどすべてのマスコミの方々に、こういう事実を知っているから記事に書いてくれと何度も頼んだこともありますが、頼んでもだれも記事に書いてくれなくて、頼まないと書くわけでございまして。これは我が国の安全、治安、テロから守るということを真剣に考えた場合には、私があれだけ問題提起しながら反応しなかった一部の機関や、あるいはマスコミの方には文句は言えないでしょうけれども、なぜ何にも反応してくれなかったのかなと。私が五年前から言っていることを今になって記事になったと、こういういきさつがございます。  死刑については、思い付きで物を言うわけはありません。こうした事柄は極めて重要にして、大変難しい問題について発言するわけでありますから、私について思い付きで物を言うなという批判が随分ありますし、発言が軽々しいという社説も二つ、三つ見ましたけれども、私はそういうつもりで申し上げているのではありません。  千葉先生にまず分かっていただきたいのは、私はこれは世論というのはとても大事だと思うし、あるいは臓器移植とは違うかもしれませんが、やっぱり倫理とか哲学とか人生観や世界観、生命観に直接触れる問題でありますから、日本人全体のそうしたものについての考え方が世論として形成されておれば、それにある程度従っていくべきだろうと思っております。  一方、死刑を廃止すべきだと、アムネスティ・インターナショナルだけでなくて様々な動きがございます。韓国だ、フィリピンだ、いろんな動きがございます。そういう方々のお話を私は心を無にして謙虚に承りたいということを前から申し上げておりまして、衆議院の委員会でもそう答弁いたしまして、昨日、保坂展人先生とも話合いをいたしましたし、その前には、EUトロイカというんでしょうか、日本も死刑廃止したらどうだという三人の大使の方々がお見えになって相当いろんな話合いをいたしました。それは、私はそういうふうな態度で臨んでこれからもいこうと思っておりますし、省内に勉強会を設けておりますが、その勉強会でも当然死刑廃止論の方々の御意見も、出張していって、承りたいというふうに思っております。  また、死刑というのは不可逆的な刑で、命はよみがえりませんので、それは再審請求、再審開始の可能性、あるいは大赦、特赦が死刑確定囚に適用されたことはないように聞いておりますが、刑の減刑は行われておりますから、恩赦というものについても十分検討を加え、あるいは非常上告という、裁判にミスがなかったかということについても改めてその調査をし、それから死刑囚が心神喪失状態にあれば当然刑の執行停止ということですから、そういうことを踏まえて、逮捕段階からでしょうか、ありとあらゆる調書そして裁判の結果を確定まで全部読み返して、万が一にも間違いがあってはいかぬということはもう慎重に慎重に判断しなければならない。だから最後に法務大臣がということは私はよく分かっておるつもりだし、自ら逃げるつもりは全くありません。  ただ、大臣が替わると全く死刑執行の状況が変わるというのでいいんだろうかと、ここに根源の疑問があるということを御理解をいただきたいと。刑事訴訟法は死刑の……

千葉景子民主党・新緑風会・日本

○千葉景子君 少し短く。

鳩山邦夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) はい。じゃ、刑事訴訟法が半年と決めていますけれども、それが実態に合っていない、法の要請するところに合っていないとすれば、場合によっては法律を変えて期間を延ばしてもいいんではないかと、こういうふうに思います。

千葉景子民主党・新緑風会・日本

○千葉景子君 全面展開をいただくと時間がございませんので、また本格的に議論をなさりたいということでございますので、また改めた機会に是非それはさせていただきたいというふうに思っております。  もう一つ発言で、司法試験合格者三千人、多いのではないかと。これもこの間の司法制度改革の流れ、それから閣議決定をして、そしてそれに基づいて多岐にわたる法案を策定をし、そして進んできていると、こういうことを考えたときには、いろいろ意見はございます、この合格者をどうするかというのはですね。問題はございますけれども、その流れの上で今様々な作業が進んでいるということを考えたときに、これ三千人は多いなという発言は、この司法制度改革全体を抜本的に見直そうというようなお考えの下の発言なのでしょうか。その辺、もしそういうことであれば、それは一つの御見識だというふうに思いますし、そうではないのか、ちょっとそこだけ簡潔にお答えいただければと思います。

鳩山邦夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) 司法制度改革の一環の中で、法曹に対する需要が様々に増えていく、そのことはよく理解をいたしておるわけでありまして、そういう意味で三千人、法科大学院開設に伴って新試験、旧試験、これが新試験だけになって三千人というところまで閣議決定しているわけでありますから、私はそれに異論を差し挟むわけではありません。  ですが、三千人でずっと行きますと、人口当たりの法曹の数というのが非常に増えるわけでございます。それが日本のような、日本の文明というのは訴訟社会ではない、いや、もちろん訴訟は必要なんですよ、だけれども、いわゆる日本は和の文明ですから、訴訟社会という形になるべきではない。つまり、乱訴が続出するような世界であってはならないと考えた場合に、最終的に人口七百何十人に一人というふうになる、法曹がですね、そこまでの必要があるかというふうに考えますと、三千人にするまでは閣議決定でいいんです、司法制度改革。このままずっと行くことに私は疑問を感じます。

千葉景子民主党・新緑風会・日本

○千葉景子君 この問題も、論じますといろんな問題点があろうかと思います。  ただ、決して乱訴を求めようということでもありませんでしたし、それから必ずしも法曹が訴訟にかかわるかどうかと、こういう問題もあります。いろんな分野で法曹がこの社会を支えていこうと、こういう理念もあったわけですので。ただ、今お話がございますように、じゃ、ずっと三千人でいいのか、一定の人数になったところで検証してみることも必要かと、こういう意見もございます。是非ここも、大きな理念を踏まえていただいた上で、これからまた再度議論などできれば幸いだというふうに思っております。  さて、このところ裁判員制度がいよいよ導入も間近になってくる中でちょっと気になりますのは、幾つかの冤罪事件が発生をいたしました。これは、二〇〇一年十月に再審無罪になりました富山の事件、それから二〇〇七年二月に無罪判決が出ました志布志の公選法違反事件、これも無実の人を、言わば人生を大きく狂わせてしまうというようなものでもあったわけでございます。これ細かくは申し上げませんが、先般このそれぞれの言わば被告人にされた方々から直接お話を伺うような機会がございました。  これを、このような冤罪事件ということを踏まえて様々な反省と取組がなされていようかというふうに思いますが、そのまず第一歩は、やはりこの当事者にきちっとその捜査担当者が、あるいはその責任のある立場の者が当事者にきちっと謝罪をすると、そこからやはり物事はスタートをしなければいけないのではないかというふうに思っております。どちらの当事者の方も明確に謝罪を受けたという認識はないというふうに申されておられました。やはり、私はまず、ここできちっとそういう姿勢を示すことが第一歩だというふうに思っております。  そこで、今日は警察庁にお越しをいただいておりますが、この富山の事件、そして志布志の事件、それぞれにつきまして、警察としてきちっとした当事者に謝罪はなさいましたでしょうか。

米田壯警察庁刑事局長

○政府参考人(米田壯君) まず、富山の氷見の事件につきましては、これは結果的にこの男性を犯人と誤認して、そして刑も確定し、二年九か月という長い期間身柄が拘束されたということで、この事実を重く受け止めまして、本年一月、富山県警本部長あるいは刑事部長ら幹部がこの男性に対しまして謝罪の意を申し上げたところでございます。(発言する者あり)  それから、鹿児島の志布志の事件につきましては、これは三月十九日、県警の本部長が記者会見におきまして、全員の方が無罪となった本件判決を組織として重く受け止めております、被疑者、被告人であった皆さんとその御家族には、結果として御負担をお掛けしたことにつきまして申し訳なく思っております、本部長として改めておわびを申し上げますというような謝罪をしたものと承知をしております。(発言する者あり)また、県議会におきましても再三謝罪の意を表明しているところでございます。

千葉景子民主党・新緑風会・日本

○千葉景子君 今、外野の方から大分発言がありましたけれども、それは私が申し上げたいことと同じでございます。氷見の富山の事件、今お話がございましたが、御本人からお聞きしたところ、警察が来られて、警察に来いと、そして連れられていった。そして、はっきりとどういう方か、名刺をもらうわけではなし、あるいは名のられることなく、まあ何だか済まんかったというぐらいなものであったということでございます。今、公選法の方は、当人に対して直接謝罪はされていないということでございます。  改めて、私は、もう一度きちっと当事者に対して出向いてやはり謝罪をする、これをなさるべきだ、それを求めたいというふうに思いますが、そうなさいますか。

米田壯警察庁刑事局長

○政府参考人(米田壯君) 富山、鹿児島両県警におきましてもこの事実は非常に重く受け止めておりまして、真摯に謝罪の意を表明しているものと私どもは承知をしております。  ただ、その謝罪の仕方につきましては、それはそれぞれの県警のそれぞれの現場におけるいろんな状況の判断の中で行われたものであるということでございます。

千葉景子民主党・新緑風会・日本

○千葉景子君 私は納得できません。普通に考えて、やっぱり当事者に、お訪ねをして、そして、これだけ無実の人を逮捕し、そして富山などは服役までしている、こういうことに対してやっぱり真摯に謝罪をする、これが当然のことだと思います。それを是非私は改めてなさるようにこの席で要求をさせていただきたいというふうに思っております。後、どういう対応を取られるかはまた改めて後日その対応についてまたお聞かせをいただくというふうにしたいと思いますので、是非それはきちっとやっていただくようにお願いをしたいと思います。  大臣、こういう状況なんです。ただ、これ検察の方も、やはりそういう捜査をそのままある意味ではうのみにして、そしてやはり冤罪を生じせしめたという責任があるだろうというふうに思います。そういう意味では、警察も当然、そして検察などもやはりきちっとした謝罪を行うということが必要ではないかと私は思いますが、大臣としてはこれをどう受け止められますか。

鳩山邦夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) 富山の場合は正に完全な冤罪事件、絶対にあってはならないわけですね、冤罪というものは。しかも、服役までさせてしまってから真犯人が現れるということでありますから、富山地検において地検検事正及び次席検事が元被告人の方に直接謝罪をしたと。このたびは誤った起訴をし、誤った刑の執行をしてしまい、大変申し訳ないことをしました、謝罪いたしますと申し上げたというふうに私は聞いております。  それから、志布志の事件については、直接の謝罪はしていないようです。鹿児島地検次席検事が無罪判決に対して控訴しない旨表明した際に、謝罪の念を表明したものというふうに承知いたしております。

千葉景子民主党・新緑風会・日本

○千葉景子君 私がお聞きしたのは、その程度で足りると、それで適切な対応だというふうに大臣としては考えられますか。それとも、いや、それじゃやっぱり謝罪の気持ちを表すためには足りないなというふうに感じておられるのか。どうですか。

鳩山邦夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) ぬくもりのある政治を目指す福田内閣としてはやや寂しい部分もあるかというふうに思いますから、富山事件に関しましては、このたびは誤った起訴をし、誤った刑の執行をしてしまい、大変申し訳ないことをしました、謝罪いたしますと法務大臣の私が今ここで申し上げましたので、お伝えください。

千葉景子民主党・新緑風会・日本

○千葉景子君 私はそういうことを申し上げているのではないのです。やはり、これで最も被害を受けたのは当事者、そして人生まで奪われてしまうような結果になっている。それに対してやっぱり直接、悪かったと、申し訳なかったという謝罪をすべきだというふうに私は申し上げております。是非それは改めてまた御検討をいただくように、そして御指示、御指導をいただくように、大臣、よろしくお願いをしたいというふうに思います。  もう時間がなくなってしまいましたので、ちょっと最後に指摘だけさせておいていただきたいと思います。  この冤罪事件で必要なのが取調べの可視化ということでございますが、これは近々こちらから提起をさせていただこうと思っておりますので、どうぞその際には、大臣にももろ手を挙げてそれを受け止めていただくようにお願いをしておきたいと思っております。  もう一つ、さきの通常国会で、超党派でDV法の改正がなされました。これでDVの被害の救済あるいは根絶にまた一歩前進を果たすことができたのではないかというふうに思っております。  ただ、このDV被害者の中に外国籍の女性も随分含まれております。この外国籍の女性がDVのためにいろんなところに逃げ隠れをせざるを得ない、こういう状況に追い込まれ、そして在留資格の更新をしようにも、夫からの協力が得られない、あるいは嫌がらせを受ける、様々な状況の下でやむを得ずオーバーステイ状況になってしまうというケースが多々ございます。  これについては、警察の方でもできる限り事情がはっきりすれば逮捕をするとかあるいは勾留をするというようなことを避けるという方向で取組をされているやに伺っておりまして、是非それをきちっとまた進めていただきたいというふうに思いますが。  そもそも、こういう場合には入管法違反として処罰の対象にそもそもすること自体が問題があるのかなというふうに思います。まあ期待可能性がないと言ってもいいのでしょうか、何しろ、自分では更新に行きたくてもそれが、その自由な意思が損なわれるという状況でございますので、そういう問題に対しては是非実情、そういうものを踏まえ、そしてDV被害を受けている女性の置かれている状況を踏まえたやっぱり対応、それから処罰性の是非についてこれから検討をいただくことができたらなと、そして対応いただければなと思いますので、これは今日はもう時間になりましたので、そういう希望と問題指摘だけさせていただき、後日また御議論をさせていただければというふうに思っておりますので、よろしくお願いをいたします。  時間です。

遠山清彦公明党

○委員長(遠山清彦君) いいですか。答弁よろしいですか。

千葉景子民主党・新緑風会・日本

○千葉景子君 時間が参りましたので、今日は結構です。

遠山清彦公明党

○委員長(遠山清彦君) はい、分かりました。

千葉景子民主党・新緑風会・日本

○千葉景子君 これで終わります。ありがとうございました。

松野信夫民主党・新緑風会・日本

○松野信夫君 民主党の松野信夫です。  衆議院の方から参議院の方に参りまして、この法務委員会で質問する機会をいただきまして、有り難く存じます。早速大臣の方に質問をしていきたいと思います。  先ほど千葉委員の方からも、鳩山大臣は率直に物を申されるということで、私もその点は評価をしているところでございますが、しかしやはり大臣としての御発言でありますから、聞いた方がどういうふうに受け取るか、これはやっぱり重々お考えをいただいた上で御発言をいただきたいなというふうに思います。  先ほども、自分の友人の友人がアルカイダだ、こういう発言が昨日ありました。大臣としてのその真意は別にあったかもしれませんが、そういう発言をすれば、何だ、日本の法務大臣は間接的にテロリストと友人なのかと、こういうふうに受け取られても仕方がない、そういうような状況になってしまうのではないか、こういうふうに思うわけでありまして、いささか軽率だというそしりは免れない。  それからもう一つ、これは今年の十月九日、法務大臣の閣議後の記者会見でございますが、民主党の小沢代表の政治資金管理団体、陸山会が不動産を所有しているということについて述べておられます。資産運用としてこれは認められないのではないか、それについては精査をして今後追及していかなければならない、こういうふうに言っておられます。こういう発言を聞きますと、これは法務大臣として何をどういうふうに追及するんだろうか、まさか指揮権発動でもして、自ら陣頭指揮に立って何らかの犯罪捜査でもおっ始めようというのか、いささか私は不穏当な発言ではないかというふうに思いますが、この真意をお聞きしたいと思います。

鳩山邦夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) 小沢代表には若いころずっと御指導をいただいて、心から尊敬をいたしておるわけでありますが、政治資金というものは、もちろん、その透明化、透明性、国民からの信頼という問題で、大変重要な課題であると思っております。  基本的に言えば、政治資金というものは、政治活動を行うために必要な浄財を集め、これを不明朗な汚れた使い方をしないできちんと支出するという趣旨であろうと私は解しております。したがって、政治資金がたまって不動産として大きな財産になるという形は政治資金の本来の姿とは違うのではないかと。したがって、その運用についてこの間、一連のいろいろなやり取りがあったわけでありましょう。だから、それだけの政治資金を集める力というのはある意味ですごいのでしょうが、それが使われる、使うためでない分まで集めているとするならば、それは問題ではないかという、そういう意識から申し上げたことでございます。

松野信夫民主党・新緑風会・日本

○松野信夫君 政治資金の在り方について私がお尋ねしているわけではありませんで、今後、追及をしていかなきゃいけないというふうに法務大臣が言っている、これを私は問うているわけでございます。ですから、先ほど申し上げたように、法務大臣自ら陣頭指揮でもして犯罪捜査としてこれに乗り出すのかと、そういうようなところをお聞きして、私はこれはいささか不穏当な発言ではないか、これを指摘させていただいているところですので、もう一度お答えいただきたいと思います。

鳩山邦夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) そういう、陣頭指揮でというような意識は全くございません。むしろ、これは政界が、あるいは自民党、あるいは与党という形でこの問題はきちんと解明していくべきであろうということを申し上げたつもりです。

松野信夫民主党・新緑風会・日本

○松野信夫君 それでは、その問題の次に、先ほど千葉委員の方からもお話ありました、最近、無罪の事件が続いていると。特に、私の方はこの志布志の事件、これは大変な問題だというふうに考えております。  御存じのように、鹿児島地裁が今年の二月二十三日、公職選挙法に問われた十二人全員無罪、こういう判決を言い渡したわけであります。これを受けて、検察当局の方も一応の総括はなされているようにお伺いをしておりますが、私もその総括文書は拝見しましたが、全くこれでは役に立たない、あるいは表面だけ、形式だけなぞったにすぎない、こういうような総括をしているようであれば、またこういうような大失敗というか、無罪判決を、冤罪をつくり出す、こういうふうに言わざるを得ないと思います。  この問題については、今日は余り時間がありませんからそう詳しくは触れませんが、私は、警察がこれは事件をでっち上げた、それにチェックをすべき検察が全くチェックをできずに警察の暴走を許してしまった、しかも公判になってからは警察、検察一体になって一緒に暴走をしていると、こういうような構造的な問題があるというふうに思っております。  この無罪の判決について法務大臣としてどのようにお考えになっていらっしゃるか、まずこれをお聞きしたいと思います。

鳩山邦夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) 御指摘ありましたように、最高検ではこの志布志事件等の捜査、公判活動の問題点を調査検討し、本年八月、報告書を取りまとめて公表をいたしました。  言うまでもなく、犯罪の捜査というものは、捜査を尽くして、処罰されるべき者は処罰される、できるように努力をするし、処罰されるべきでない者は処罰しないように方向付けしていくということが必要なんだろうと。そのために日本の捜査は、自白あるいは客観的な証拠、これを慎重に吟味するところから始めるわけだと思っております。ですから、この志布志事件については、そうした捜査というものに関して基本的にやはり瑕疵があったということは認めざるを得ないと思っております。  私自身は、今月開催されました全国次席検事会同においてこういうふうに言いました。本年に入って捜査、公判の在り方が深刻に問われる事例が発生していますから、こうした事態を真摯に受け止めて、検察に対する国民の期待と信頼にこたえることができるよう努められたいというふうに訓辞をいたしました。これは、真剣に反省して、今後こういうことが起きないように努力していく必要があると思います。

松野信夫民主党・新緑風会・日本

○松野信夫君 真摯に反省はそれはそれで結構ですけれども、なぜこういうような事件が起こったのか、よくよくやはりチェックをしていただきたいというふうに思います。  この問題については何度でも私は取り上げていきたいというふうに思いますが、一つは、最高検の総括の文書によりますと、この事件は任官三年目の若い検事が主任検事となっていたので、いささかまだ経験も不足であったのできちっとした対応ができなかったと、こういうような指摘もあります。しかし、その問題を若い検事だったから失敗したんだというような総括では、これはまた同じようなことをやりかねない。私は内部文書も実はもう手に入れて、それ見ております。そうしますと、公判になって、この若い検察官も警察と一緒になって、それこそ何かテレビゲームでも楽しむように、要するに有罪に持ち込めばそれでいいんだと、実体的真実はどうかというような、あるいは警察の暴走をチェックするかというような視点が全くない形で、まるでゲームをやっているような内部資料も私は入手しております。  ですから、こういうような状態の検事がごろごろとしているようであれば、私は大変な問題だというふうに言わざるを得ません。総括文書を出すだけでなく、私はこういうやっぱり検事に対する何らかの処分も必要ではないか、あるいはしっかりとした指導体制、こういうものが構築されない限り何度でもこういう問題は発生するというふうに思いますが、法務大臣の方として何らかの処分とかあるいは指導とか、そういうのはお考えではないんでしょうか。

鳩山邦夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) 確かに残念な結果、被告人に大変迷惑を掛けたという形になっているわけですから、例えば捜査において、自白についてももっと精査すべきだったのではないかとか、消極証拠のようなものをもっと真剣に検討すべきではなかったというような反省点があると思います。  ですが、志布志事件のような場合におっしゃったようなことはあったかと思いますけれども、ただ、公判請求する時点では有罪判決を得られると考えて起訴したわけで、結果的に無罪になりました。その起訴時の検察官の判断と裁判所の判断が異なるということは制度上当然にあるわけで、なければ裁判は要らないわけでございますので、そういった意味で、指導はできますが、今、ちょっと処分ということは考えておりません。

松野信夫民主党・新緑風会・日本

○松野信夫君 志布志の事件は普通の無罪事件とは私は違うというふうに考えております。私は、これは構造的な問題があるし、正にでっち上げの事件に検察もその一端を担ったという仕組みがあると思いますので、この点はよくよく更にまだ追及をしていきたいと思います。  それで、先ほど千葉委員の方からも、間違ったことをすればやっぱり謝るというのが、これは大人の社会では常識だという話がございました。私も、やはり警察だけではなく検察も、この無罪となった被告人十二人に対してしっかりやはり申し訳なかったということでおわびをする、これが私はまず第一歩として絶対必要だというふうに思います。  私も被告人の皆さんお会いしましたけど、もうそれこそ人生を破壊された、めちゃくちゃなひどい目に遭ったということで、皆さんもう怒り心頭です。多くの人は、今までは警察、検察というのは正しいことをやってくれる、ある意味では警察、検察のファンでもあったんですね。ところが、こういうひどい仕打ちを受けたということで、ファンどころか全くその逆の立場に立つという非常に残念な事態になりましたし、また最近では国賠訴訟も提起される、徹底して真相を明らかにしてほしいということを彼らも望んでいるわけであります。ですから、私は、まず何といっても、やはりきちんと誠意を持って謝罪を検察もすると、本人に向かってやるというのが大事なことだというふうに思います。  最近、ボクシングで亀田選手が内藤選手にどうもかなりボクシングのルールにあるまじきようなことをしたということでありました。これで、最近福田内閣の渡海文部大臣も、これは亀田選手は謝るべきだというふうに言っておられます。現に、亀田選手も内藤選手のところまでわざわざ行かれておわびをした、そういうのを受けて内藤選手が分かったと、許してあげると、こういう大人の対応をそれぞれしたわけであります。  是非、検察もやっぱりそういう大人の常識ある対応を取られてはいかがかと思いますが、いかがでしょうか。

鳩山邦夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) 先ほど千葉景子先生の御質問のときにもお答えしたように、基本的にはそういう大人の態度を取って謝るのは正しいと思っております。

松野信夫民主党・新緑風会・日本

○松野信夫君 大臣もそのようにお考えであれば、是非それを、行って現実に謝るというようなことを御指示いただきたいと思います。  次に、時間がありませんので死刑の問題について、やはりこれはもう触れないわけにはいかないと思います。  もう衆議院の法務委員会でも質問があったし、先ほども質問がありました。しかし、私は大臣が今年の九月二十五日にお話しされた死刑についての御発言、これは法務当局の方からも発言内容、ペーパーでもいただきました。私もよくよく精査いたしました。しかし、一番やはり私が問題だなと思うのは、この死刑の判こをつくというのが精神的につらいと、苦しいと。だから、何か自分が関与しないでも自動的に死刑執行が進むようなことはないものかと。つまり、非常に逃げの姿勢が大臣の御発言の中に出ているわけです。  非常に、法務大臣として、判こをつくのは苦しいんだと、精神的につらいんだと、だからその関与がなくてもできるような方法がないか、こういうような精神あるいは資質では、やはり現行法上、死刑の執行は法務大臣が命ずるというふうに極めて重い責任を法務大臣に課しているこの趣旨を全く無視するものではないかと。法務大臣として、やはり精神的に苦しいから逃げるというような、こういう考え方で死刑制度に立ち向かうというのでは、私は根本的に誤りだというふうに思いますが、いかがでしょうか。

鳩山邦夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) 私は逃げるつもりは全くありません。それから、先ほど千葉先生のときに御答弁申し上げましたように、私は人の命を極めて大切にする方、人命尊重という考え方ではだれにも負けないという自負があります。  また、日本人がそういう考え方をする文明を築いてきたと思っております。人の命を大事に思うからこそ、人の命を奪う殺人という行為に対して、これは許してはならないと、人を何人殺しても自分の命は大丈夫というようなことであってはならぬのだろうということで、国民の八割以上が死刑存続を支持しているんだろうと、こう思うわけでございます。  ところが、刑事訴訟法上の要請にこたえる状態になっていない。死刑の、判こなのか署名なのか分かりませんが、判こなのか分かりませんが、例えば私が法務大臣になったときにいろんな人から、あなたは何人死刑執行するんですかと。だれだれさんはゼロだった、だれだれさんは十人だった、昔三年半みんな押さないときがあったとか、いろんな話を聞かれて、あなたはどうですかと、こう聞かれて、私は死刑廃止論にはくみしないし、死刑を執行しないという立場には立っていないと、明確に答えました。  答えましたが、だれが法務大臣になるかによって死刑が執行される場合とされない場合が全く大きく分かれるということがいいんだろうかと。もちろん、これは世論というものがあるので、日本の世論というものは十分にこれは受け止めていかなければならないと思っておりますが、そういう意味で、先ほど千葉先生にお答え申し上げたように、十分な精査をする、そして刑事訴訟法の要求するところの結果に近づけるべきではないだろうかと、そのために何かいい方法はないかという問題提起をしたんです。  これは、後ろの人たちは不満だと思いますけれども、私は半年というのが全部を精査するのに、あるいは再審だ恩赦だということの検討をするのに短過ぎるとするならば、その半年というのを一年とか二年に変えるという方法だってあるのではないかと。法律がある以上、粛々と執行して、刑事訴訟法にできるだけ合うようにするのが基本的な責務だと思っております。

松野信夫民主党・新緑風会・日本

○松野信夫君 少し私の質問と答えがかみ合ってないような気がいたしますが、私の質問は、大臣がこの九月二十五日に御発言された中に、例えば、だれだって判こをついて死刑執行をしたいとは思わないとか、大臣にとって精神的苦痛を感じないものはないとか、こういう発言をしているもので、それで自動的に進むやり方はないか、こうおっしゃっているから、いかにも精神的に苦痛だから自分は逃げたいと、こういう発言になっているんではありませんかと。  冒頭、私も申し上げたように、大臣の発言は非常に重い。ですから、大臣はやはり発言をする際は、こういう発言をすれば聞いた相手がどう受け止めるだろうか、これをやはりよくよく考えていただきたいと思うわけであります。今申し上げたように、どうもこの九月二十五日のこの発言は、精神的につらいから自動的に死刑執行を進めたいというふうにしか読めない。そこを是非御理解をいただきたいというふうに思うわけでございます。  恐らく、精神的につらいというのはこれは決して大臣だけではなくて、現実に死刑場で、ボタンを押すのかどうするのか、ちょっと私は見たことがないので分かりませんが、現実にその死刑執行に携わる職員、この人だって精神的には非常につらい。自分の目の前で人を殺していくわけですから、これはつらいということになるだろうと思います。  大臣は、そういうふうに現場で現実に死刑執行のボタンを押している職員の方からのお話を聞いたことありますか。あるいは、現実に刑場辺りごらんになったことありますか。

鳩山邦夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) あります。それは東京拘置所に参りまして、正直言って刑場を見ました。みんなで手を合わせて入場し、SPさんには入ってこないように指示があったのを記憶いたしております。何とも言えぬ複雑な気持ちでありました。そして、ボタンが三つありまして、三人がボタンを同時に押して、どのボタンの作動によって下が開いてどおんと絞首刑状態になるか分からないようにしているんですと。一人で押せばおれがボタンを押して死に至らしめたと、死刑を執行したことになるけど、三人だと、いや、おれのじゃなくて彼のボタンだったのかなというふうに思えるようにしているという話を聞きまして、なるほど今先生御指摘のとおり、それは判こを押す法務大臣以上に彼らはつらい思いだろうなとつくづく思いました。  逃げるつもりはありませんが、しかし現実に判こを押すときには非常につらい気持ちになるであろうと思いますし、そのつらさゆえに、だれが法務大臣になるかによって全く状況が変化すると、もちろんそれは思想信条、宗教上の理由、いろいろあるだろうとは思いますが、できる限り粛々と進むようにできる方法はないかと考え続けております。

松野信夫民主党・新緑風会・日本

○松野信夫君 私は、世界の潮流は確実に死刑廃止に向かっているというふうに考えておりまして、実は死刑廃止議連にも加入をしておる、そういう立場で質問をさしていただいているんですが。  先ほど、死刑判決が確定をして刑事訴訟法上は六か月以内にこれを執行しなければならない、その間に刑事記録、いろいろと精査をして、死刑という不可逆的な処置でありますから、万が一にも間違いないように記録の精査等々を行って、慎重の上にも手続を進める、こういう御発言がありましたが、しかし、どうも六か月というような期間では現実にそういう精査というのがなかなか難しいような御趣旨の御発言もありました。  実際には、そうするとそういう刑事記録の精査やいろんな手続に現実には、じゃどれくらい時間が掛かっているんでしょうか。どこにどういうような手続をして、どれくらい現実には時間掛かっているんでしょうか。もしそれがどう頑張っても六か月を超えているんだというならば、これはやっぱり法改正を視野に入れなければ、歴代の法務大臣はみんな違法行為をしているというふうに、法務大臣自らが違法行為をしているという非難すらなされてしまうわけで、その点はどうでしょうか。

鳩山邦夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) 死刑判決確定から執行まで半年ということが刑事訴訟法の規定であって、それが精査するための十分な時間であるかどうか疑問があるならば刑訴法の期間を延ばすというような改正もあり得るのではないかということを先ほど申し上げたわけでございます。  平成八年から平成十七年までの十年間で取りますと平均七年五か月だと、平成九年から平成十八年まで取りますと七年十一か月で更に延びてしまうわけでございまして、実際に刑事訴訟法の要請とこの期間が大きくずれているということについて確かに大きな問題を感じるということで、半年が現実的であるかどうかということも本当に考えなければならないと思っております。  今、法の番人である法務省が言わば法の求める状況をつくっていないということの御指摘がありましたが、正に私が民主党の幹事長から言われたことでもございまして、この辺も真剣に考えなければならないと思っております。

松野信夫民主党・新緑風会・日本

○松野信夫君 もう時間が参りましたので、ちょっと質問と答えとかみ合わないところもありますが、これはもう死刑の問題は、やはり大臣も言われるように大変重要な問題であります。私は、決して法務大臣関与なしに何か自動的にエレベーターに乗って進むようなやり方をしては絶対ならない。むしろ私は、死刑をこれはやっぱり廃止をするという方向での御検討を是非進めていただきたいということを申し上げて、質問を終わります。ありがとうございました。

今野東民主党・新緑風会・日本

○今野東君 民主党の今野東でございます。  この間、大臣の所信を伺いまして、私は、鳩山大臣が昨年九百五十四人もあった難民申請者について、昨年とりわけ多かったんですけれども、その大臣の所信の中で何らかの言及があるだろうと期待をしておりました。しかし、大臣は、入管行政については不法滞在者を厳しく取り締まるんだという決意は述べていらっしゃいますが、日本に自由を求めてやってくる難民の方々をどのように救うのかということについては一言も触れておられませんでした。私は大変残念に思いました。  今、答弁の中で人の命を大切にするということを大臣はおっしゃっておられました。人の命を大切にする、恐らく人権というものも大切にお考えなのだろうと思います。我が国の難民政策について基本的に大臣はどのようにお考えなのか、まずお尋ねします。

鳩山邦夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) 難民という方々は被災民と違って、本国へ帰れない、帰ると迫害その他不都合なことが起きるので是非とも日本で難民を認定してもらいたいというケースなんだろうと思いますから、その個別の事柄を慎重に検討しなければならないというふうに思っております。  それは、本当に難民として日本が受け入れなくちゃならないケースというものもあるでしょうし、そうしたときには温かくこれを迎えるべきであろうと思いますが、しかし、精査しませんとどういうケースが混じっているか分からないので、それは優しくかつ厳しくと、こういうことでやるしかないと思っております。

今野東民主党・新緑風会・日本

○今野東君 つまり、これまでと何ら変わらないということなんでしょうか。大臣の特別なお考えはないのだというふうに受け止めましたけれども。  私は、この二年間、品川にあります東京入管に毎月一回通っておりました。これは、一九九九年の春に来日したトルコからやってきたクルド人の難民の家族のことについて大変気になっていたからでありますが、彼は、一九八〇年代に住んでいた村をトルコ政府によって追い払われて、そして様々な差別、迫害があって日本に逃れてきた。私は、その事情を聞いていると難民としての蓋然性はきっちりとあるというふうに思っておりましたけれども、なかなか難民認定してもらえませんで、仮放免という形を取って、毎月毎月東京入管に出頭しなければならないという暮らしを続けていたんです。  今回が大丈夫でも次の月には拘束されるかもしれないというおびえを抱えて彼らは暮らしていたわけでありますけれども、日本の硬直した難民行政に怒り、そしてあきらめ、ついに彼らは日本で難民として認めてもらうことはかないそうもないということで第三国への出国を模索いたしまして、日本は難民として彼らを認めませんでしたけれども、カナダ政府が認めてくれて、そしてこの春、カナダに出国いたしました。日本に対する大きな失望とカナダという国への希望を持って彼らは出掛けたわけでありますが、カナダと日本のこの差というのは一体何なのでしょうか。  私は、このトルコから来たクルド難民のことに絞ってお伺いをしたいと思いますが、二〇〇六年に難民申請をした人々を見ますと、さっきも言いましたけれども、九百五十四人。このうちでミャンマーから来て難民申請をしている人が最も多いんですね、七割です。そして、トルコから来ている、多くの方々はクルド人の方々だと思いますけれども、トルコから来ている方々が百四十九人で第二位であります。しかし、日本はトルコから来ているクルド難民の方については一人も難民認定をしておりません。  トルコという国について、かつてクルド人二千万人も二千五百万人もいると言われておりますけれども、どうもはっきりした数字は分からないようですが、トルコ政府のクルド人についての差別的な行政がありました。つまり、言語、自分たちの言語をしゃべってはならない、音楽を聴いてはならない、民族の独特の行事に参加してはならないというような差別的な行政、今は随分緩和されたとはいいますけれども、依然としてあります。  このトルコという国について入管行政としてはどのように認識をしているのか、お尋ねしたいと思います。

鳩山邦夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) 確かに先生御指摘のとおり、トルコからの難民申請というのはクルド人ばかりであろうと思っております。この十年間で八百五十人ぐらいの申請があって認定がゼロなんですね。私もこれを見ますと、なぜ認定ゼロなんだというふうに若干の疑問を持つわけでありますが、今先生が御指摘あったように、いわゆる差別というのがあったんでしょうか。  近年、人権状況の改善がトルコ政府においてなされてきたと。したがって、トルコ自身も国際人権規約や協定を批准してきておりますし、クルド系トルコ人であることを理由とした迫害のおそれというのが相当減ってきていると。憲法改正が行われてクルド語の使用を禁止する制限を緩和したと。音楽もいけなかったんですか、昔は。そのことは私は承知しておりませんでしたが、クルド語教育やクルド語放送を認める法律というのが平成十四年に成立をしているというようなことで、多分、差別、迫害はそれほどでなしという判断を当局がしたのかなと思います。  要するに、今までゼロでしょう。ゼロであるということは、難民認定申請があっても難民と、日本が受け入れなくちゃならない難民という判断をしなかったということだろうと思います。

今野東民主党・新緑風会・日本

○今野東君 いや、その難民行政のトップでいらっしゃいますから、そういう人ごとみたいなことではなくて、トルコという国に現実にこういう迫害があって、そこから逃れてきている人たちにどのように対処するんですか、トルコという国をどう考えていらっしゃるんですかということを私はお尋ねしているんです。

鳩山邦夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) それは、私自身がこれから研究調査、勉強をしなければならない課題だと思っております。  今までは少なくとも、今申し上げたようなことで、放送も認められた、教育も認められたということで、日本が受け入れなくてはならない難民とは考えてこなかったんでしょうから、トルコという国がどういう国かと言われますと、私は難民認定の責任者としてこれから懸命に勉強しようとは思います。

今野東民主党・新緑風会・日本

○今野東君 是非勉強していただくというか、特に入管行政、難民認定行政にかかわっている方々にこのトルコの現状というのをしっかりと把握していただいて、クルド語も使っていいようになったというようなことを大臣はおっしゃるんですが、放送では週三十分だけなんです、クルド語というのは。これは、まあゼロよりは緩和されているということは言えるかもしれません。しかし、このような状況の中では、これは相変わらず差別は続いているわけです。こういう現状を是非、入管行政の責任者として把握をしていただきたい、現場の方々にも分かっていただきたいと思います。  最近、トルコ軍はクルドの村を空爆して、クルド掃討にあらゆる措置をとるとギュル大統領が警告するなど、緊張が一気に高まっております。こういう状況についてもよく調査をしていただいて、そこから逃れてくる難民の方々については、多くは蓋然性がありますから、しっかりと、人の命を大切にする、人権を大事にするとおっしゃるのならば、対処していただきたいと思います。  大臣のお考えをもう一度お願いします。

鳩山邦夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) 今、空爆とおっしゃいました。空爆とおっしゃったんですね。

今野東民主党・新緑風会・日本

○今野東君 はい。

鳩山邦夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) 正に、そういうことであれば難民ということにも十分なり得るわけでございまして、人道配慮数累計十六人ということですから、クルド人に関してですね、人権的な配慮から在留を認めた例は十六件あるというわけですから、その点については法務入管当局もそういう認識はある程度あるわけでしょうから、これは、私がクルド人について、あるいはトルコ政府のやり方について今後十分勉強していく中で、私なりの判断をしたいと思っております。

今野東民主党・新緑風会・日本

○今野東君 是非これ、トルコからいらしているクルド人の方々への難民について優しい対応をしてくださいと、そこだけについてお願いするのではなくて、全体の難民行政について、これは国際的な責任を果たすという意味でも非常に大事なことだと思うんです。丁寧に優しく取り組んでいただきたい、難民として我が国に自由を求めてくる方々について広く自由を認めてやってほしい、私はそのように思います。  さて続いてですが、千葉さんも松野さんも冤罪の事件については質問をしておられましたが、大臣は、冤罪を防止するためにどのようなことが必要だと考え、またどのようなことをしていこうというふうにお考えでしょうか。

鳩山邦夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) 冤罪という定義は難しいと思うのです。つまり、先ほどの富山の一件のようなものは、真犯人が後から現れる、これ典型的な冤罪ということになるわけでございます。ただ、通常に裁判を行って無罪であるという場合をすべて冤罪と言うわけにはいかない。  これは、先生方御承知だと思いますが、司法制度というのか、刑事司法のシステムというのが各国違っていまして、有罪率、有罪になりそうかなというのをばんばん公判請求してしまって無罪が一杯あるという国もある。日本はそういう仕組みにはないものですから、有罪率が九九・九%になると、非常に慎重に選んで公判請求するという、そういう仕組み上の違いがあると思っておりますけれども、冤罪と言われるようなことがゼロになるように努力するのが我々の務めであり、法務大臣の務めであるというふうに考えております。  とにかく、それはやはり、自白だけに頼らず、客観的な証拠あるいは消極的な証拠についても十分これを吟味する必要があるということでございまして、あと最高検がいろいろ言ったことが書いてありますが、それを読み上げる必要はないと思いますので、これはもちろん警察と、警察庁と緊密に連絡を取りながら、検察庁といたしましては、あるいは検察あるいは法務省といたしましては、これはもう絶対に冤罪事件を起こさないということでありとあらゆる努力をしなければならないと思っております。

今野東民主党・新緑風会・日本

○今野東君 一つ教えていただきたいんですが、この委員会には法律の専門の方々が多くいらっしゃって、私の質問は非常に素人くさいと思われるかもしれませんが、被害届、事件を成立させていく一つのポイントとして被害届というのがありますね。これ、私が知っているある事件では、被害届を被害者自身が書いたのではなくて取り調べる側が書いて、そして被害者にサインをさせて事件を成立させてしまったということがあるんです。  これ、こういう件数について大臣は承知をしていらっしゃいますか。そして、何件ぐらいありますか。

鳩山邦夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) 私は、先生のその、言わば強圧的な形で被害届出を無理やり書かせて、それが冤罪につながっているのではないかという御疑問について、そういう先生が疑問を持っておられることは承知いたしておりますが、その被害届を書かせたとかいう件数等については承知しておりません。

今野東民主党・新緑風会・日本

○今野東君 それを調査するつもりはおありですか。

大野恒太郎法務省刑事局長

○政府参考人(大野恒太郎君) 一般的に申しまして、被害届は警察当局に出されることが多いわけでございますけれども、被害者によりましては、そのときの状況等によりまして自ら被害届を作成することが困難な場合もございます。  そんなことで、警察官において代書して、被害者に署名、押印をしていただくということもあるというように承知しておりますが、ただ、この被害届でございますけれども、大変日常的に作成されておりますので、数は膨大でございます。したがいまして、そのうちのどれだけが代書によって作成されているのかというような統計等は存在しておりません。

今野東民主党・新緑風会・日本

○今野東君 私はそういうことを聞いているんじゃなくて、大臣として、冤罪が起きる可能性がある、被害者自らではなくて取り調べる側が書いているこの被害届ということについて、件数を大臣自身が調べるおつもりがあるかどうか。二度と冤罪を起こしたくないということをおっしゃるのならば、当然こういうことについて調べなければならないんじゃないでしょうか。大臣のお考えを伺います。

鳩山邦夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) もちろん、被害届というのは被害者が自ら作成するのが普通なんで、それが警察官が代書して被害者が署名押印をするというケースもあるということは間違いがありませんので、先生からのそういう御指摘であるならば、それは細かい件数は分かりませんが、あらあらどれくらいの件数であるかは調べてみたいと思います。

今野東民主党・新緑風会・日本

○今野東君 調べてみたいという大臣からの積極的な答弁をいただきました。ありがとうございます。  それでは続きまして、遺骨調査の際、戦後処理の問題についてお尋ねをしますが、戦後処理、補償にかかわる問題は戦後六十二年間を経て依然として大きな問題として残されておりますが、三年前の二〇〇四年十二月に鹿児島県で行われた日韓首脳会談で当時の盧武鉉大統領は、戦争時に戦時労働力として強制的に動員された方々の遺骨問題の調査について協力を日本政府に依頼いたしました。そのとき、当時の小泉首相は検討したいと約束をしまして、その後調査が本格化しました。  この問題について、法務省に関係する部分を質問します。    〔委員長退席、理事山内俊夫君着席〕  宗教関係者の団体の方々にも協力をお願いして調査をしてもらっているんですが、この身元を確認するために、遺骨の、埋火葬許可証というものを出しているんですけれども、これをチェックするなどの手だてがあるんですが、最近になって戸籍受付帳が身元確認の手段として大変有効であるということが分かってきました。戸籍受付帳というものの存在について大臣は御存じでしょうか。

鳩山邦夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) 知りませんでした、正直言って。先生から御指摘を受けて、私は戸籍というのは言わば戸籍法というのか、一般に言う戸籍の関係だけだと思っておったわけです。  そうしましたら、先生御指摘のように戸籍受付帳というのがあって、これは属地主義というんでしょうか、その地域で例えば外国の方でも亡くなったりすれば、こういう国籍の人がこういう事件でこういうふうに亡くなったということを記録する。要するに、そこの地域の市町村長が受理して、あるいは届出があったもの、死亡届ですね、それを戸籍受付帳というものに記録するということを知りまして、こういうところに属地主義があるということで私はびっくりいたしましたので、多いのは死亡届等が多いようで、死亡の年月日時分又は死亡とみなされる年月日等が記されている。戸籍法施行規則第二十一条というものに基づいて戸籍受付帳というものがございます。

今野東民主党・新緑風会・日本

○今野東君 では、戸籍受付帳の保存期間について伺いたいんですが、昭和五十九年十一月一日の法務省令第四十号は、戸籍受付帳の保存期間を五十年と延ばしました。これは間違いありませんね。

倉吉敬法務省民事局長

○政府参考人(倉吉敬君) ただいま委員御指摘のとおりでございまして、五十年に延ばしました。

今野東民主党・新緑風会・日本

○今野東君 この日に出された関係通達は、既に保存期間を経過している受付帳で廃棄決定をしていないものについても同様とするとしております。この意味なんですが、昭和五十九年の時点で廃棄決定をしていない戸籍受付帳は二十七年後のつまり二〇三四年まで保存されるという意味なんでしょうか。それとも、それぞれの戸籍受付帳が作成された時点から数えて五十年の保存期間へと延ばすという意味なんでしょうか。どちらですか。

倉吉敬法務省民事局長

○政府参考人(倉吉敬君) 今委員御指摘のとおり、戸籍法施行規則二十一条に規定がございまして、そこにはその保存期間については当該年度の翌年から起算して五十年とされております。この当該年度というものはこの戸籍受付帳を調製した年度でございまして、したがいまして、この戸籍受付帳というのは毎年、年度ごとに調製することになっておりますので、それが作成された年、そこから五十年と、こういうことでございます。

今野東民主党・新緑風会・日本

○今野東君 そうすると、今残っているものと残っていないものとがあるということですか。

倉吉敬法務省民事局長

○政府参考人(倉吉敬君) そのとおりでございます。  ただ、この五十年の期間というのはそれほど厳しく厳格に運用されている実情にはないということを若干申し上げたいと思いますが、先ほど委員が御指摘のとおり、五十年に改正した年ですね、そのときに保存期間満了後も廃棄されず事実上保存されているものも実は想定されました。    〔理事山内俊夫君退席、委員長着席〕  そこで、昭和五十九年の改正が行われた時点で廃棄決定がされていない戸籍受付帳についても、これを調製した年度の翌年から五十年保存するという取扱いが民事局長通達により示されております。  そういうわけで、この五十年が経過した後も、市区町村の保管状況等にはよりますが、市区町村の判断によりまして事実上戸籍受付帳が保存されているという可能性はあるものと考えております。

今野東民主党・新緑風会・日本

○今野東君 それでは、今日は厚生労働省の方にもおいでいただいておりますが、韓国へ遺骨を返還するために仏教団体や市民団体が行った遺骨調査のデータがありますが、埋火葬認許証がない方であっても戸籍受付帳に記載されている方の数が圧倒的に多いんですね。つまり、遺骨返還に当たっての身元調査の手段として、この今相当残っている可能性があるというふうに法務省側がおっしゃった戸籍受付帳が大変有効であると考えますが、これを使ってその遺骨の調査をするということをしてもらいたいと思いますが、いかがですか。

荒井和夫厚生労働大臣官房審議官

○政府参考人(荒井和夫君) お答え申し上げます。  朝鮮半島出身の旧民間徴用者等の遺骨返還につきましては、先ほど委員が御指摘されましたように、平成十六年の十二月に首脳会議が開かれまして、その経緯を踏まえまして私ども厚生労働省、内閣官房、外務省などの関係省庁で取り組んでおります。  そして、具体的には、私どもの方では遺骨の所在情報をまず押さえる努力をしておりまして、現在までに千七百二十の遺骨についての所在情報を得ました。それに合わせて現地に赴いて、遺骨の確認と身元の調査を行います。身元の調査を行うに当たりましては、関連する自治体にその身元に関する照会をお願いしまして、そしてそこで回答をいただくという形になっております。その際に関係自治体が使われる材料、資料の一つとして今御指摘のものもあるだろうというふうに思っております。

今野東民主党・新緑風会・日本

○今野東君 いや、そういうことじゃなくて、この戸籍受付帳の方が大変有効だから、これに基づいて調査をしてくださいねと言うつもりがあるかどうかと聞いているんですよ。それだけ答えてください。

荒井和夫厚生労働大臣官房審議官

○政府参考人(荒井和夫君) 私どもは今のような形で、まず遺骨の所在情報に基づいて身元情報を集めることが重要だと考えてございます。自治体においてその戸籍受付帳を活用されているということはあるだろうと思っております。  なお、全市町村の戸籍受付帳を調査するということにつきましては、遺骨がかなり偏在していることもございまして、今のような形でやっていくのが一番合理的な方法ではないかというふうに考えております。

今野東民主党・新緑風会・日本

○今野東君 遺骨が偏在しているかどうかなんということは関係ないじゃないの。遺骨について自治体にどうやって調査をしますか、そして戸籍受付帳の方が大変有効だから、この埋火葬認許証に基づいて調べるのもいいけれども、戸籍受付帳についても大変有効だからこれに基づいても調べてくださいと言うつもりはありますかどうですかと聞いているんです。

荒井和夫厚生労働大臣官房審議官

○政府参考人(荒井和夫君) この戸籍受付帳に関しましてはその遺骨の所在情報がございませんので、私どもは、その遺骨の所在の確認をまずして、所在、つまりここにあるという、このお寺に預かっていただいているというその事実を確認した上でそこに行って、その遺骨を確認し、その上でその身元情報も併せて調べるということになってございます。  したがって、その遺骨を確認することがまず第一だと思ってございます。

今野東民主党・新緑風会・日本

○今野東君 だから、所在が分かって、所在が分かってから調べるのでございますとかなんとかという答弁を求めていませんよ。所在が分かって自治体に伺うときには、この戸籍受付帳に基づいても調べてくださいねと言うつもりはありますか、どうですかと。これ金も何も掛からないことですよ。

遠山清彦公明党

○委員長(遠山清彦君) 荒井審議官、質問に的確に答えてください。

荒井和夫厚生労働大臣官房審議官

○政府参考人(荒井和夫君) はい。  今の御質問に関しましては、関係自治体に身元情報をお願いするときに、当然に、その戸籍受付帳を保存している場合にはそれもその対象になるということは当然のことというふうに考えてございます。

今野東民主党・新緑風会・日本

○今野東君 いや、当然のことに考えていますじゃなくて、この戸籍受付帳に基づいても調べてくださいねと言いますか。言うか言わないかです。

遠山清彦公明党

○委員長(遠山清彦君) 荒井審議官、時間が迫っております。手短にお願いいたします。

荒井和夫厚生労働大臣官房審議官

○政府参考人(荒井和夫君) はい。  お答え申し上げます。  繰り返しになりますけれども、私ども、遺骨の所在情報に基づいて、その遺骨の確認をし、その上でその遺骨について朝鮮出身の方の遺骨だということではっきりした段階で、自治体の方にお願いして、その身元情報、関連自治体にお願いして身元情報を照会するということでございます。

遠山清彦公明党

○委員長(遠山清彦君) 今野東君、質疑時間を超過しております。短くおまとめください。

今野東民主党・新緑風会・日本

○今野東君 はい。  最後の質問にしますから、委員長からも口添えを是非していただきたいと思いますが、戸籍受付帳に基づいて調べよということを言うかどうかということをお尋ねしているわけで、そのことについて答えてもらえるように委員長からもおっしゃってください。

遠山清彦公明党

○委員長(遠山清彦君) 厚生労働省荒井審議官、イエスかノーかのクエスチョンですね、的確にお答えをください。

荒井和夫厚生労働大臣官房審議官

○政府参考人(荒井和夫君) 自治体の方に身元の照会をするときに、今の受付帳、今問題になっている受付帳もその調査の対象にしてくださいということは、私どもの職員が行ったときには申しているようでございます。

今野東民主党・新緑風会・日本

○今野東君 私どもの職員が行ったときじゃなくて、厚生労働省として、こういうことがありますから、埋葬認許証とともに、戸籍受付帳についても、これに基づいても調べてくださいということを言ってください。是非そのようにお願いします。  遺骨が六十二年間を経てまだ返ってきていない、どこで自分の肉親が亡くなったんだろうという思いは、日本の方も半島の方も関係ありません。できるだけ早くこれを実施しなければならない、そういう姿勢を持っていただきたいと思います。  質問終わります。ありがとうございました。

丸山和也自由民主党

○丸山和也君 自由民主党の丸山和也でございます。鳩山大臣並びに関係各方にいろいろお聞きしたいと思っております。  最初に、今日、私初めての御質問をするわけでありますけれども、鳩山法務大臣というのは本当に話題づくりの上手な人だなと思いまして、今日法務委員会があると思うと、昨日の夕方、早速また新しい話題をつくっていただきまして、新聞、今日私も朝ばたばたして見なかったら、ここへ入る前に見たんですけれども、渡されたんですが。朝日新聞を見ますと、朝刊ですが、「友人の友人がアルカイダ」、そんなことがあるかいなというような、もう本当びっくりするような発言ですけれども、そういうのがあったと。それで、メモが入りまして、今日の閣議後に、自分が経験したことを話しただけで、何が悪いのかという開き直りのように取れるような発言をされたということでまた話題になっているということで、現在進行形で、本当に楽しいというか、どきどきするような法務委員会になってしまったわけでありますけれども、そういうことが起こりました以上、これについて一言お聞きしたいと思うんですけれども。  報道によりますと、要するに、今年、日本政府が十六歳以上の外国人から日本入国の際に指紋を取る制度を十一月二十日に導入することになっていると、そのことに関して、その必要性を説明するつもりでこの発言をされたというふうに読み取れるんですけれども、その評価の当否は別にしまして、そういう趣旨で発言されたということはよろしいんでしょうか。

鳩山邦夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) 間違いありません。  十一月二十日から日本にお見えになる外国の方に人差し指の指紋と顔写真と、これをほとんど同時に取るわけでありますが、これはアメリカ等にも資料がありましょうし、あるいは諸機関にも資料があろうかと思いますから、危険人物等についてかなりの判定ができる。あるいは、日本で何か問題を起こして出て行った方が再入国するためにも使えるわけでありますし、パスポート偽造であったり、名前も適当に変えてもう一回入国しようとしたときも、この人差し指の指紋でできると、こういう対策でございまして、それに対してフォーリン・コレスポンデンツ・クラブでは、やり過ぎではないのかなと、そういうことをしなくてもテロ対策等はできるのではないかと。皆さん外国の方ですから、外国人登録証を持ち歩かなければならないような点についても若干の御不満があったのかもしれません。  そういう趣旨のお話がありましたので、実はテロ対策にはとても重要ですということを申し上げました。五年前にバリ島中心部で爆破事件がありましたねと。その関係ある方、アルカイダあるいはアルカイダ周辺協力者ということかもしれませんけれども、私の友人のところに、いつやるとは言わないけれども、バリ島の中心部には近づかないようにというアドバイスというか忠告があったと。これは事実でございまして、私はもちろんその話を爆破事件の数か月後に聞きましたけれども、それはうそをつくような話ではないし、なるほどそうかと、そう思っておりました。  ところが、アルカイダになっていく、あるいはアルカイダ周辺協力者になっていった人は、私の趣味の昆虫の世界では大変有名な、会ったことはありませんが、大変有名な人だったわけです。その有名人がその後何度も日本に入国をしているということを聞いたものですから、これは伝聞です、私は会っておりませんから、そのときに入管を呼んで、どうしてそういうことになるんだということを言いましたら、毎回偽造のパスポートを用意するかもしれない、ひげも一杯生やしているから変装というか非常に分かりにくい風体で入ってくる場合もあると。一日に何万人も入国していく中で、パスポートが全部偽造であるかどうか、あるいは名前が本物であるか、これを判定する時間というのはありませんと言うから、しかし、そんなことだったら物すごく危険が大きいじゃないかということを言ったわけでありまして、それが私の経験した事実なんですが、それを、経験した事実を言って何で悪いのかなという思いはあります。  ただ、立場を、先ほど千葉先生からもおしかりをいただきましたけれども、立場が立場なものですから、誤解を与えてはいけないというふうに反省をいたしております。

丸山和也自由民主党

○丸山和也君 分かりました、その趣旨は。  それで、つまりこれも、死刑の件でも話題を呼ぶ発言をされたということで、それもその直後だということでまた取り上げられているんですけれども。例えば、私の個人的に体験した、あるいは経験したところからの話でも、そういう、あるいはテロリスト、あるいはそれに近いような人がしょっちゅう出入りしているようなことを聞いている、あるいは知っている、だからこの制度も必要なんだというような発言の抽象的な発言でもよかったと思うんですけれども、こういうふうに具体的に自分の体験をぽっぽと出されるというのは、これはリップサービスからきているんですか。あるいは、鳩山大臣のもう個性というか、できるだけ個人的な話ももう出してやった方が国民は分かりやすいからというような意図もあるんでしょうか。それとも、そういうことはよくは考えてないんだけれども出てしまうんだというようなところなんでしょうか。簡単で結構ですけれども。

鳩山邦夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) こういう性格でございますので、慎重を期しておっても出てしまうという部分もあろうかと思います。ただ、分かりやすく説明したいという気持ちを強く持ち過ぎているせいかもしれません。

丸山和也自由民主党

○丸山和也君 それでは、やっぱり鳩山大臣というと、今回はとにかく死刑問題についてやっぱり一石を投じられたというか、これもやや分かりやすく発言しようということからかも分かりませんけれども、いろいろ話題を呼んでおりますけれども、この問題についてまずお聞きしないわけにいかないと思いますので、聞かせていただきたいと思います。  大臣は死刑制度については廃止じゃなくて必要性を訴えられているようなんでありますけれども、各今までの大臣、別の大臣も含めまして、また鳩山大臣もそうかも分かりませんけれども、現在の日本における世論の動向を見ますと、やっぱり八〇%、あるいはそれ以上の人が支持している、だから自分も制度は必要なんだというお考えなのか、あるいは世論が仮に死刑廃止になろうがどうなろうが、自分個人としては死刑制度が必要だと思っておられるのか、そこら辺の御見解を可能であればお聞きしたいと思います。

鳩山邦夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) これは丸山先生、大変重要なポイントだろうと思います。  私は日本の文明という言い方をするんで衆議院では怒られましたが、やはりこの縄文以来の日本の文明というのは非常に優しい。縄文文明と中国の長江文明というのは呼応しています。ともに特徴は武器を持っていない、武器を作らない文明だった。だから、尭、舜、禹というんでしょうか、夏王朝、殷、周という中国の歴史の中で、黄河文明があっという間に南に攻め込んでいくわけですね。そのころ長江流域と縄文の日本とは交流があって、とても幸せな平和な文明があった。その歴史と伝統の中で、日本人というのは物すごく命を大事にする。命を大事にするからこそ、人の命を絶つような殺人という行為を行った人間には厳罰で臨むべきだというのが日本の文明の中に基本的に内在をしていると思っています。私はその代弁をしようと思っているんです。  ですから、丸山先生、世論が、アムネスティ・インターナショナルとかEUトロイカとかいろんな方々の意見を聞いておりますが、その世論が日本の中で激しく変わっていけば、それは私は世論に従って行動すべき問題だと。こういう倫理とか哲学と直結するような問題は世論には常に敏感でなければいけないと思っております。  実際に、やや乱暴な発言をしてしまったとは思いますが、私はベルトコンベヤーと言ってはいけないと言ったんですけれども、ベルトコンベヤーとこうなっちゃうんですが、自動化というのも、いろんな判断をして、間違いがなければ法務大臣がすんなり判こを押せるような、粛々と行くような仕組みはないかという意味で言ったんですが、インターネットで鳩山法務大臣、死刑執行自動化賛成か反対かという、ヤフーが集め出している。何万票かの投票で、賛成八四%、反対一三%。私はぞっとしましたですよ。そんな乱暴な自動化などという表現が出て、それに賛成が八四%だと。それだけ凶悪犯罪が減っていない。毎日のように小さなお子さんの命が絶たれるような事件があって、それに対する国民の怒りというのが非常に強くあるんだなということを思うと、むしろその結果にはぞっとする思いがいたしました。

丸山和也自由民主党

○丸山和也君 今お聞きしたのは、やや重要だと思いましたのは、やっぱり鳩山大臣というのは信念の人だし、命の尊さを重んじられておる。その考え方をすれば、たとえ世論が圧倒的に廃止になろうとも、おれは死刑は必要なんだということをむしろ逆の意味での啓蒙をされて頑張られるのかなということも一応どうかなと思ったものですからお聞きしたんですけれども、やっぱり世論は非常に重視するお考えだということで、分かりました。  それから、やっぱり廃止あるいは存続の問題とは別に、やっぱり現実の問題として、非常に死刑の問題というのは、僕はこういう角度からちょっと今日は質問をしてみたいと思うんですけれども。  やはりこれ朝日新聞の今年の十月十八日朝刊ですけれども、ある元刑務官で今作家でもある坂本敏夫さんというのが寄稿されているんですね。法相発言を機に現実直視をということで、この中で法務大臣が述べられたようなことに対して、最終判断をするという大臣の職責を放棄するとんでもない発言であると思う、とはいえ、問題だと切り捨てるだけでは意味がないと。それからちょっと飛ばしますが、死刑囚は執行までどのような毎日を送りどうやって最期を迎えるのか、鳩山氏の発言はこうしたことを考える材料になるはずだと。最初はとんでもない発言だとおっしゃっているんですけれども、考えるいい機会を提供してくれたということで評価はされているんですね。  そこで私がお聞きしたいのは、現在百数名ですか、百五名とか、はっきりした数字は分かりませんが、百数名の死刑囚、確定死刑囚がおられると聞いています。しかも、これが刑事訴訟法の規定とは大きく離れて平均七年五、六か月とか言われています、これが実際ですね。すると、そういう死刑囚が、七年六か月、平均、この日々を送る、ここの処遇の問題ということを避けては通れないと私は思うんですね。  それで、これは現実の日々体験する課題でありますから、この問題について私は少しお聞きしたいと思うんですけれども。まず、私が二つ問題があるんじゃないかと思っているのは、外部との接見といいますか、面会の問題ですね、これが一点と、それから死刑執行日時の告知の問題ですね、この二つが非常に大きいと。私はとりわけ告知の問題が大きいと思っているんですけれども、その前に接見、面会、ここについて少しお聞きしたいんですけれども。  これも、私も弁護士を三十年以上やっておりましたから、いろんな接見をやりまして、多少は体験もしているところから感ずるところがあるんですけれども、やはり死刑囚の接見というのは独特のものがありますが、これは、必ず立会人といいますか、刑務官が立ち会うということになっているのか。そこら辺は、現場ですね、あるいは規定上はそうなっているんだけれども、例えば弁護人が接見者である場合には立会いを外しているような例もあるのか。例えばその割合とか、そこら辺について、実情をちょっとお聞きしたいと思います。

梶木壽法務省矯正局長

○政府参考人(梶木壽君) 新法の百二十一条でございますが、刑事施設の職員に死刑確定者の面会の立会い等を行わせることを原則とすると定めております。それは、死刑確定者は刑の執行に至るまでの間、確実にその身柄を確保することが要請されているとともに、来るべき自己の死を待つという極限的な状況に置かれ、日常極めて大きな精神的動揺と苦悩のうちにあるというようなことにかんがみまして、死刑確定者の心情の安定が得られるように留意をして処遇を実施する上で、その心情等を把握するために職員の立会いを付す必要性が高いという考え方に基づくものであると承知しております。  この原則に対しましてただし書がございます。死刑確定者の訴訟の準備その他の正当な利益の保護のため、その立会い又は録音若しくは録画をさせないことを適当とする事情がある場合において、相当と認めるときには立会い等を行わせないことと定めております。この場合の立会い等の措置の要否というのは個別的な判断でございます。先ほど御指摘もございましたが、様々な面会の中で、再審請求に係る弁護人との無立会面会の事例というのもあると承知しております。新法施行後間もない時期でもございます。各施設で確定者の心情を十分に把握するということを第一義に考えながら、この個別的な判断に努めているものと承知しております。

丸山和也自由民主党

○丸山和也君 答弁としては非常に結構で、法もそうなっていることは私も承知しているんですが、現実の問題として、心情の安定のため、あるいは心情把握のためという、そういう名目の下になかなかやっぱり例外的に立会いを外すということは行われていないと聞いているんですね。それと、また常にやっぱり面会中に刑務官なんか立会いしているということで、むしろ心情の安定を阻害する作用の方が大きいんじゃないか、あるいは、常に監視されているということから、死刑が確定して長い執行までの年月を自由に話すとか心安らかに過ごすということにむしろマイナスになっているんじゃないかという指摘も結構現場の弁護士からたくさん聞いておりますので、そこはできるだけ新しい法の趣旨に基づいて、死刑囚の本当の心情の安定に期するのは、立会いがあった方がいいのかないのかとかいうことも含めて、個々のケースによると思うんですけれども、できるだけ柔軟に、死刑囚の心情に配慮するような形で運用をしていただきたいと思います。そう言っておきます。  それから、私が一番気にしております死刑執行の日時の告知の問題ですね。これは、現在、聞いておりますところによると、告知は死刑が執行される当日の朝、死刑囚に伝えられると。そして、まあ大体午前中ですか、執行されるというふうに聞いておるんですが、これは間違いないですか。

梶木壽法務省矯正局長

○政府参考人(梶木壽君) おおむねそのとおりでございます。

丸山和也自由民主党

○丸山和也君 じゃ、これからは少し法務大臣にもお聞きしたいと思うんですけれども。  私は、やや個人的な所見にもなりますけれども、どのような罪を犯した人であれ、まして最高刑の死刑を言い渡され確定した人であれ、これはもう死刑が執行されるということが確定しているわけですね。恩赦とか再審とか、そういう例外の場合はありますけれども、基本的にはいつかは死刑が執行されると。この人たちが死刑を待つ期間というのが七年六か月も掛かると、平均ですね。この間、そういうことであれば、最初の一か月、二か月、あるいは六か月過ぎようが、一、二年は大丈夫かなと思って、あるいは三年、四年になってくる、五年目に入るとなると、あしたの朝はどうなるのかなと。寝るときに、普通は人間って、まあいずれ死刑になるとなっていても取りあえずは寝るということがあっても、明日の朝はどうなるのかと、常にそういう不安におびえて一夜一夜を明かすことになるわけですね。  これは、考えてみれば、死刑囚であろうが何であろうが非常に残酷な一つの僕は仕打ちじゃないかと思うんですね。結果的にそうなっているんじゃないかと思うんですよ。ですから、やはり死刑囚の人権、死刑囚にも人権があるわけですから、人権ということを考えた場合には、死刑執行日の告知ということについては、是非これまでの考え方を改め、新たな規則を作るなりして告知をやっていただきたいと。しかも、私は少なくとも三か月ぐらいの告知期間は必要だと思いますね。その三か月の間に、できれば、もちろん自分の心の整理をする、あるいは親族等の心の整理も必要だし、あるいは被害者の遺族の最終的な面会とか、いろんな形での心の整理も必要でしょうし、何らかのやはりこの猶予期間といいますか、が是非必要じゃないかと思います。  やはり、人間というのは生をうけていつかは死ぬわけですけれども、それが法律によって絶たれるということに対して、人間はやっぱり最後の尊厳があると思う。死刑囚にあっても尊厳はあると思います。私は、できれば、これはもう提案ですけれども、例えば三か月の猶予期間を与えて、その期間内に死刑囚が自ら執行の日を選択できるようなことを考えていただけないかと。これは全く新しい発想でありますけれども。これはなぜかというと、自分は刑として死刑の執行を受けるわけでありますけれども、自分の命を法律によって絶たれることに対する最後の自分の尊厳の示し方、これが日時の選択になるんじゃないかと思います。もちろん、それが選択できない場合はその最終日に執行と、こういう規定でもいいかと思うんですけれども、そういう、自分の死を自分である意味で選択するというようなことが死刑執行制度の中においても実現可能じゃないかと思っているんですが、ここらについて検討していただけるでしょうか。法務大臣、非常に人間的な、博愛精神にあふれた法務大臣の御見解をお聞きしたいと思います。

鳩山邦夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) 今の丸山先生のお話はショッキングでした。というのは、実は、先生から死刑の告知の質問が出るということは聞いておったわけですが、三か月などというような期間だとは思っていなかったんですね。あるいは、ましてその中から日にちを選ばせるなどというお話を聞いて、ショックというのは、非常に強い衝撃を受けまして、そういう考え方もあるなと、率直にそう思います。  私は、小学校のときかと思いますけれども、「私は貝になりたい」という日本じゅうがしいんとしたあのテレビドラマを、あれは日本でビデオテープというのが初めて使われたドラマだそうで、前半がビデオ、後半は生だったようで、フランキー堺さんから私はテープをもらって、また何度も見させていただいた。あの「私は貝になりたい」のシーンを思い出すわけですね。それこそ、その靴音におびえるような日々、しかし、その靴音が逆に釈放ではないかと期待するような日々。結局、当日の告知で、ワインとチーズか何かで、飲みなさい、食べなさいと言われて、教誨師の指導を受けて死刑が執行される。今でも一番よく思い出すシーンなんですね。もし、それが前の日だったらどうなんだろうと。前の日というか、一日前、二日前に告知されておったら、これはもういたたまれなくて、どうしようもない二日間、三日間を非常に心情的に苦しんで過ごすんではないかなと。  そういうふうに考えておりましたから、当日告知というのは、心情の安定を害することが、一番懸念が少ないのが当日告知なんだというふうに考えておったんですが、三か月前とか、最後の最後の尊厳として死刑執行日を選ぶなどというお話になりますと、これは非常に衝撃的なことでございますので、よく考えてみたいと思います。

丸山和也自由民主党

○丸山和也君 これ、なぜ私が、一見突拍子もないように思えるかもしれませんけど、やはり再度申し上げたいのは、やはり刑ですから、これ受けるわけで、まあ言葉を悪く言えばやられるわけですよね、これが法的に正当化されているわけですけど。だけど、その中にも自らの決定権というか、自己の尊厳を示す一つのやっぱり僕は手段じゃないかと思って、これはやっぱり人間主義に立脚していると私は思っているんですね。  それと、そういう三か月間を設けるかどうかは別にして、告知期間を、告知をしないでいきなりやるということに関しては、国連の拷問禁止委員会からも、非常にこの日本の制度は問題があると指摘されております。例えば、文章で言いますと、死刑確定者及びその家族のプライバシーを尊重する目的とされている、死刑執行時期についての不必要な秘密主義及び恣意性。特に、委員会は、これは拷問禁止委員会ですね、委員会は、死刑確定者が自らの死刑執行について、執行の数時間前にしか通知されないため、死刑確定者及びその家族に、死刑執行の日が不確定な状況が続くことによる心理的重圧が掛かっていることを遺憾にすると、こういうふうに、これはもう繰り返し言われていることだと思うんですけれども。  やはり、人間というのは、死刑囚であっても、例えは適当かどうか分かりませんけれども、牛や豚の屠殺じゃないんですから、どこかへ引き出されて屠殺場に連れていかれるという、こういうこととやっぱり格段の差が幾ら死刑囚でもあってもいいんじゃないかということで、私はこれ是非検討していただきたいと、このように思います。  それから、もう一つお聞きしたいのは、これも関連するんですが、よく法の六か月は短いし、記録の精査するにも足りないんじゃないかと、あるいはそれを延ばす必要あってもいいんじゃないか、一年、二年、ということを鳩山大臣もおっしゃっていただいたんですが、実際に、これはもう現実の問題ですが、どういうケースが執行されて、どういうのが執行されないか。  一般的には、例えば再審の疑いが非常に、再審請求されているとか、恩赦の請求があるとか、心身喪失だとか、いろんな疑いがあるようなケースについては配慮している、やっていないというようなお答えがされているんですが、じゃ、そうでないケースはどういうふうに選択しているのか。例えば、法務大臣になられて、事務方から、大臣、例えばこの十件ございますと、この中から何件か選んでくださいというような形で持ってくるんでしょうか。そこらが本当に分からない。これはどこまで言えるか分からないケースもあると思うんですけれども、やはりやみに包まれているんですね、死刑の執行というのは。それで、これはある意味じゃやっぱりゆゆしき問題があると私は思うんです。  例えば、たくさんの弁護人が付いた、あるいはマスコミも注目していると、支援者が一杯いると、運動も起こしていると、これはなかなか執行されないみたいだと。となると、逆に言うと、そういう、言葉は悪いんですけれども、世論に訴えて、騒ぎじゃないんですが、大きな運動としてこれ何か事件を取り上げた場合は、その死刑囚はまず大丈夫だろうと言えるとか、あるいは避けようと、執行をですね。おとなしくてじっとしていて何も言わない、そういう弁護活動も何もなされていない、そういう死刑囚から順送り、ベルトコンベヤーは違うにしても順送りでされているのか、ここら辺の選別の基準というのは、大まかで結構ですけれども、どういう合理的な基準に基づいてなされているのか、それとも、好みでとは言いませんけれども、適当に選ばれているのか、ここらは本当に分からないところなんでありますけれども、できる範囲でお答えいただきたいと思います。

大野恒太郎法務省刑事局長

○政府参考人(大野恒太郎君) 死刑執行の対象者をどのように選んでいるのかというお尋ねでございましたけれども、死刑判決が確定した場合には法務大臣の命令によって執行する。その場合、原則といたしましては、やはり死刑判決が確定した順に記録を検討していくということになるわけでございます。個々の事案につきまして関係記録を十分に精査いたします。  そして、ただいま御指摘ありましたけれども、例えば、刑の執行の事由があるかどうか、あるいは再審となる事由があるかどうか、非常上告の事由はどうか、あるいは恩赦を相当とする情状等があるかどうか、この辺りを慎重に検討していくわけであります。そうした検討の結果、こういう事由等がないと認められるケースにつきまして初めて死刑執行命令が発せられるということになるわけでございまして、その意味で慎重かつ適切に対処している、適正に対処しているというように考えております。

丸山和也自由民主党

○丸山和也君 時間の制限もありまして、いろいろ聞きたいことありますので、死刑の問題はこのくらいにさせていただきまして、改めて法務大臣の軽妙な発言によってこの死刑問題がクローズアップされたということについて大変喜ばしく思っております。  それから次に、自殺の問題に移りたいと思うんですけれども。  まず、先般、自殺対策基本法というのが制定されまして、それに基づいて自殺の総合対策というのが決定されてまいりました。それでこの問題について法務省がどういうふうに関連があるのかと思われるんでしょうが、私はこれは、自殺の問題というのは、確かに日本は年間三万人以上の自殺者が九年連続ですか、発生していると。自殺大国と言われています。私は、日本は世界で二番目かと思ったら、まあ細かく数えますと世界で九番目だと。ただ、その一、二、三とかいろいろある国は旧ソ連邦あるいは東欧とかそっちの国でして、いわゆる大国というのは変ですけれども、大国の中ではロシアに次いで日本が第二位というふうに言われて、まあ自殺大国と言われても仕方がないという、悲しい現実でありますけれども。  これ、それに国が着目しまして、何とか自殺を減らそう、また遭われた遺族なり周辺に対していろんな援助なり支援、サポートしていこうと、これは非常にいい取組だと思うんです、大変評価したいんですけれども、やはり一つそこから欠落している部分があるし、それはどちらかというと法務省の所管の仕事じゃないかと思いますのでお聞きするわけでありますけれども。  これはばかにならない問題ですね。例えば、三万人というと、それはやっぱり家族がおりますから、例えば四人家族としますと三、四、十二。それから、更に未遂者も含めると、もっと関係する家族なり関係者が多いと思うんですけれども。  自殺が発生したとします。現実の話で、私も鳩山大臣流に私が体験した事件をお話ししますけれども、ある家族から相談を受けまして、御主人が亡くなったと、自殺したと。それで、小さな事業をやっていまして借金が何千万かあると。この自宅を売って返済して、家族としては悲しみを乗り越えて新しい生活をやろうと、こういうふうに決意して、そのために相談に来たわけでありますけれども。  実際、自殺が公表というよりもまあ世間に知れた場合、その売却しようとしていた自宅、自宅で自殺が発生したので、自宅が売れないんですね。なかなか売れない、あるいは売れたとしても半分以下で買いたたかれるとか、そういうことでなかなか、不動産の処分ということにまで自殺の影響が及ぶ。これは、まあマーケットだから関係ないじゃないかと言ってしまえばそれまでの話なんですけれども、やっぱり日本における自殺に対する物の見方、とらえ方、あるいは人権意識、こういうのが微妙に絡んでいると思うんですね。  そこで私が取り上げたいのは、情けないかな、裁判所である判決が出ています。この判決は、ある地方裁判所の判決なんでありますけれども、結構大きな意味を持っていまして。  簡単に事情を言いますと、あるマンションで、これはもう公表されていますけれども、あるマンションで奥さんが亡くなられた。自殺ですね。それで、子供さんの、障害児だったようです、子供さんの行く末をいろんな悩まれて自殺されたと。それで、あと御主人とお子さんが残されて、御主人はまたその後だれかと再婚されて、同じうちでさらに自殺の発生した六年半ぐらい住まれていた。ところが、家庭も落ち着いてきたんで、再婚家庭も落ち着いてきたので新たに別のところに住居を新築、買われてそこに移転しようとしてそのマンションを売却された。  これはまあ不動産業者も入って売却したんですけれども、買われた方ですね、これも家族ですけれども、買われてしばらくしてから近所から風評を聞いた。どうやらあそこは自殺があったらしいマンションらしいよということで、六年半以上も前のことなんですけれども、それを取り上げまして、その売買契約の解除、要するに売買の目的物に、要するに契約の目的を達しないと、瑕疵があったということですね、まあ法理的構成ですけれども、それで売買契約を解除を申し立てた。  それで、もちろん売主側としては、そういう、もう六年半も前のことだし、人の死は何も物件価格に影響するわけでもないし、幸せな生活をその後営んで、我々もそういう理由で転居するだけだから何も問題ないと、そういうことを告げなかったからといって売買契約に瑕疵があると思われないというような答弁をやるんですけれども、何と裁判官が、こういうふうに言ったんですね。  これは裁判官の見解なんですけれども、やっぱり、これは建物にまつわる嫌悪すべき歴史的背景に原因する心理的欠陥であり、これも瑕疵と解すると。要するに、忌み嫌うべき、嫌悪すべき事情なんだと、自殺というのはね、だからそれはもう契約の目的を達しない、解除してもいいんだと、こういう一つの、まあ判官も個人ですから見解を述べるのは自由なんでしょうけれども、明らかに自殺に対する偏見と差別的発言なんですね、これ、見方じゃないかと私は思うんですね。  だから、こういう一地方裁判所の判例ですけれども、これが一つのベースになりまして、不動産取引の中でもこれは非常に重要な問題としてされているんですよ。現実の問題としてそれはおかしいじゃないかと、じゃ何年、六年半、十年以上前はどうなんだとか、際限のない問題なんですけれども。  ここら辺について、やはり法務省としてはこういう、自殺の防止ということだけじゃなくて、自殺にまつわる差別とかあるいはその家族の苦しみというところから、観点から、自殺を忌み嫌い、またそれに伴う差別ができるだけ発生しないように、しかも商業取引までにそれが及ばないような何らかの啓蒙活動というか、そういう視点で指導をしていただきたいと思うんですが、法務大臣、このような考え方についてはどのようにお思いでしょうか。

鳩山邦夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) 先生のおっしゃること、よく理解できます。  実際に三万人の自殺者があれば、家族は十数万人は数えることができるわけでありましょう。そういう意味で、自殺者の親戚、親族であるということがいろいろ言われて不合理な差別が起きると、それが人権侵害の疑いが少しでもあるようならば、これを認知した場合にきちんと対処する、いわゆる人権擁護局の仕事として対処するということだというふうに思っています。  各種の人権啓発活動を今までやってまいりましたけれども、その中で先生から御提起あったような自殺に関する部分があったかどうか、なければこれからは啓発活動の中に入れるべき課題であるかなと、そんなふうに思っております。  ただ、その不動産の価格の問題については、これはちょっと私、今答弁能力がないかなという思いです。

丸山和也自由民主党

○丸山和也君 ありがとうございました。  そういう意識を持って当たれば、そういう不動産価格に影響していくような現実も少しずつ変わっていくと思いますので、是非啓蒙活動に御努力いただきたいと思います。  それから次に、入管の問題について少しお聞きしたいと思います。  私の今手元に、若干、数年前の小冊子ですけれども、前の、いずれかの時期に入管局長もたしかされた坂中英徳さんという方が出されて、これ中央公論の二〇〇四年二月にも掲載されているんですが、外国人受け入れ政策は百年の計であるという、こういう小冊子を、この方は法務省に入られてから入管局一筋で、局長をやって退職されたという人で、非常に勉強家で、いろんなところで発言もされている方で、私もよく知っているわけでありますけれども、この方がこの入管政策について、小手先のことでなくて、こういう提言をされているんです。ちょっと若干、数年前のものになりますので、数字については正しいかどうか分かりませんけれども、若干読ませていただきます。  間もなく日本は人口減少期に入る。二〇〇六年の一億二千八百万人をピークに、日本人口は急激に減っていく。出生率がこのままの低い水準で推移すれば、五十年後は一億人を切り、二一〇〇年には六千四百万人へと半減すると推計される。こういうふうに指摘して、二十一世紀の世界は百億人の大台に向かって人口が爆発的に増加し、人口問題と南北問題が深刻化することを背景として、開発途上国から先進国へ向かう人の大移住が地球規模で展開されるものと予想される。一方、人口が減少に向かう先進諸国の間で、国家と経済の生き残りを懸けて、国際労働市場からの人材獲得競争が激しくなるであろうと。こういう前提の下に書かれているんですけれども、日本はヨーロッパの人口減少諸国と同じく、その後をたどっているんですけど、この急激な人口減少というのはもう世界に類例がないと思うんですね、日本の場合は。これは、もちろん少子化対策とか政府でもいろいろやられて、若干功を奏すかなというところもあるんですけれども、とても予想される少子化対策の効力ではこの人口減少の基本的な流れは止められないと、これはもう明らかなことだと思います。  そこで、この彼も提言しているんですけれども、そうなると、日本社会がこれまでの経済力、国力を維持してそれなりに大きな日本としての、世界に冠たる日本としての地位を目指していこうとするんであれば、大量の要するに労働力といいますか、移民ですね、受け入れていかなきゃならないと。この論文によれば年間六十万人ぐらいと、五十年間で三千万人といいますと六十万ぐらいになりますけれども、人口減少がもっと加速していますから、あるいは七十万人ぐらいになるかも分かりませんけれども、必要な人口としては。そういうことをやっていくのか、それとも人口減少社会に合った国づくりを目指していくのかと。  これは、基本的には国づくりの問題であって、入管行政そのものの問題ではありませんけれども、こういう大きな方向性について、やはりどういう方向に向かうのかという考え方とか問題意識を持ってないと、本当の意味での適切な入管行政というのはできないと思うんですね。  そこら辺、そういう観点から、法務大臣は内閣の中枢でもありますから、そういう視点を持って発言もしていただきたいと思うんですが、その前に、法務大臣としてはこういう人口の、移民ですね、そういうことによる国づくりも、例えばヨーロッパとか、フランスとかドイツはやりましたけれども、そういうこともして、新しく人口減少社会に国づくりをしていく、そういう方向性が正しいと思われるのか、いや、やっぱり自然減少に任せて、それなりに縮小した中でやっていくのが正しいか、そこら辺、入管行政につながってくる根幹の国づくりの方向について、簡単といいますか、あれで結構でございますけど、基本的な意識をお聞きしたいと思います。

鳩山邦夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) この問題提起も非常に私にとっては衝撃的な中身で、特に移民というような形のことが今後あり得るのか、あるいはやるべきかやるべきでないかと、こういう問題ととらえさせていただきます。  私は、人口というものは五十年で倍々計算で増えております。一九〇〇年十五億人、一九五〇年三十億人。したがって、倍々でいくと二〇〇〇年に六十億かなと思ったら、大体六十億でぴたっと合うと。二〇五〇年に百二十億人にはならないでしょうが、今丸山先生御指摘のように百億人というオーダーがやってくる。  これは、東大の松井孝典先生の言を持ち出すまでもなく、地球のキャパシティーを完全に超えて巨大な人間圏ができ上がって、右肩上がりで来たものが全部崩壊をすると。ひょっとすれば三十年以内に世界食料危機が地球を襲うということまで環境学者、大勢の方々がそういうふうにおっしゃる。とすれば、国力は維持したいが、必ず食料不足がやってくるときに人口はある程度少ない方が有利だと。労働力が豊富になければいけないんだけれども、人口自体は自然に減っていった方が、環境的に考えた場合に三十年後の食料危機には耐えられやすいんではないかとか、非常に難しい問題が一杯あって、変数の多い関数のような、そんな感じがいたしまして、何とも言い難いんですが、現時点では移民ということを考えないで少子化対策でいくというふうに私は思っております。

丸山和也自由民主党

○丸山和也君 基本的な問題ですから、すぐ簡単に答えが出るんじゃないんでしょうけれども、やはりこういう問題意識を持って入管行政をやらないと。例えば、じゃ、部分的に労働力を入れると、あるいは、どの分野にしろ、やはり外国人がたくさん入ってくる、それに対する例えばいろんな社会的な融和の問題、あるいは犯罪の問題、いろんな問題がたくさん必然的に起こってまいりますと、すべてやっぱりこれ法務省の行政に関係してくる部分が非常に多いものですから、是非政府の方でもこういう視点を持った入管行政の議論をしていただきたいと、このように要望しておきます。  それからもう一つ、これはほかの方もいろいろ聞かれているんですけれども、法曹人口の問題ですね。  これは大臣の所信の中でも、言葉としては矛盾はしている、矛盾あるような、三千人を目指してやると、しかしちょっと多いんじゃないかという視点で見直すと。その言葉上の矛盾については、一応三千人という方向でいくんだけれども、そのままではずっといいとは思わないので、そういう視点から見直しをしていくということで理解させていただきました。  その考え方については私も基本的に賛成なんでありますけれども、現実の問題として、やはり新しい法曹人口を考える場合、新たに設立といいますか、重要になってまいりましたロースクールの問題が非常に重要だと思うんですけれども。  先般でしたか、慶応大学の教授が、ゼミでしたか何かで生徒に問題に出るような判例を事前に紹介して問題になっている事件がありました。こういうのはなぜそういうことが起こったのかと考えてみますと、やはりロースクールが予想以上にたくさんでき、しかもロースクール卒業しても、当初七割、八割司法試験に合格すると言われていたのがそうでもないと、四割、五割だなと、非常にロースクール間の過当競争といいますか、新しい制度が予想したようにはなかなかうまく機能しないんじゃないかというところから、ゆがんだ受験競争の結果、こういう入試問題の不正につながるような事件が起こったんだと思うんですけれども、ここら辺についてはどのような対応を今後していかれようとされているのか、所見をお聞きしたいと思います、大臣に。

鳩山邦夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) 法曹人口、司法試験合格三千人問題については、先ほど千葉先生にお答えを申し上げたとおりでございます。正直言って、法曹の質と量と両方の問題があるもんですから、大変難しい。  私の祖父ぐらいの時代は、大学の法学部を出ると弁護士資格がもらえたという時代だったと思います。逆に私の学生時代、そこに居並ぶ弁護士の先生方は、三百人とか五百人合格という超難関の試験を通られて法曹資格を得られた方々。この三人はそういう優秀なのは一人もいないわけですけれども。そういう意味でいえば、やっぱりかつての旧司法試験、それはあの試験に通るというのはもう大変なことだったんだろうと、それを切り抜けられた方々というのはやっぱり尊敬に値すると。  法科大学院という考え方は、これは法曹人口を増やしたいということと、何かもっと幅広い人間を法曹にする方法はないだろうかと、そしてこの司法試験と法科大学院とを有機的な関連を持たせたらどうだろうという発想から出てきたもんだろうと思うんですね。ただ、予想に反して法科大学院が一杯できたと。しかし、法科大学院というのは、入学するのが難しいのかどうか分かりませんけれども、法科大学院を出たらまあ大体司法試験受かるもんだなんて、そんな甘い司法試験であっていいはずがない。そうしたら、丸山先生が受けられた司法試験と余りに落差が多くなる。やっぱり法曹というのは、それだけ人間性も豊かでなければならないけれども、それだけの難関を突破した私は非常に優れた方々がなるべきものだと思っております。  その人数がどれくらいが適当であるかといえば、閣議決定で三千人までの道はつくったんで、ここまではしようがないんだろうなと思いますが、これ、三千人でずっといくと、明らかに弁護士過剰になると。現在でも、私の家のすぐ近くの方が司法試験に合格した、司法修習が終わった、勤めるところがないんだと言って相談に見えて、じゃ法テラス行きますかなんていう話になる。あるいは、この間聞いた話は、司法試験通って司法修習終えた、ふるさとへ帰った、けれども、既に優秀な弁護士が一杯いてなかなか自分のテリトリーができない。となると、そういう者に近づくやや反社会的なグループがあって抱え込まれるというようなこともあるというふうに聞いている。  他方、もちろん国際的な問題が増えてくれば司法の需要はあると思うし、企業内弁護士なんていうのは意外と少ないらしいですから、これがもっと増えるということはコンプライアンス上もいいのかもしれないと思うし、ゼロワンというんですか、何か一人かゼロかと、無医村のようなところ、無弁護士村というような話もあるし、だからその辺のバランスはこれから取っていかなくちゃいけないというふうに私は思います。  ですが、これ、今後の推移を見ていかなくちゃ分からないことですが、日本を訴訟社会にしたくはないと。つまり、どっかで交通事故があると、弁護士さんがうわっと来ておれにやらせろという、そういう訴訟社会にはしたくないなと、こういうように思います。

丸山和也自由民主党

○丸山和也君 時間が迫ってまいりましたが、考えてみたら大事なこと一つ抜かしていましたので、ちょっと問題が戻りますけれども、刑事局の、一般受刑者の隔離処遇ということについて、これは是非聞いてほしいという要望がいろんなところからありますのでお聞きしたいんですけれども。  いわゆる隔離処遇というのは一つの例外的な措置だと思うんですけれども、例えば府中刑務所を調べてみますと、約二千六百人ぐらいの受刑者がおられて、そのうちの何名かな、五十九名、私の統計では五十九名が隔離処遇されていると、単独居室というんですかね。それで、これが延々と続いている人がいると。例えば三年、五年、十年と、こういう話も聞く、あるいは数十年という方もいるんじゃないかというふうに聞くんですけれども、ここら辺について実態はどうなのか、またできるだけ隔離処遇から外すという、戻すというかね、一般の共同に戻すという、そういう配慮なりをされているのか、そこら辺について簡潔にちょっとお聞きしたいと思います。

梶木壽法務省矯正局長

○政府参考人(梶木壽君) 今お尋ねのありました隔離という処遇でございますが、これは新法に基づいてつくられた新たな制度でございますので、五年も六年も運営をしているというものではございません、新しいものでございます。  それで、実態を申しますと、本年十月十日現在で全国の刑事施設で約七十名の者がこの処遇を受けているというふうに承知をしております。条文の細かいことは委員御承知のとおりでございます。

丸山和也自由民主党

○丸山和也君 新法の下ではそうかもしれませんけれども、旧法の下でも、事実上単独にそういうずっと処遇されていて、それが更新更新といいますか、されている方がたくさんいるというふうにも聞いているんですが、そこらはどうなんですか。

梶木壽法務省矯正局長

○政府参考人(梶木壽君) 今お話のあった、あるいは旧法時代のこともあろうかと思います。我々は、できる限り受刑者を集団で処遇したいと思っております。それは人間の本性でもありますし、また効率ということもございます。そして、工場に出していろんな作業をさせたいというふうに思っております。  ところが、残念ながら、就業を拒否する受刑者というのがおります。これは、その受刑者によって動機はいろいろなんですが、とにかく工場で働くのは嫌だという受刑者がおります。あるいは、工場に出すとすぐ周りの人間とトラブルを起こしてけんかになってしまったりという受刑者がおります。こういう受刑者につきましては、委員が先ほど御指摘になりました隔離処遇とは別でございますけれども、要は集団処遇になじまない、トラブルを起こしたりする、そういう人でございますので、この人たちについては単独処遇をしなければならない場合があるということでございます。

丸山和也自由民主党

○丸山和也君 できるだけ共同処遇の原則に配慮して、あくまで単独処遇、隔離処遇というんじゃなくて、別の懲罰といいますか、ならないように、またそういうやっぱり精神的な障害を起こす確率が高くなるというふうに精神科医なんかも言っていますから、是非配慮をしていただきたいと思います。  それで最後に、非常にこれも鳩山大臣がびっくりされるかも分からないんですけれども、まあ、そうびっくりされないと思うんですけれども、一つお聞きしたいんですが、昨今、やっぱりいろいろニュース見ていますと、薬害フィブリノゲンの問題とか、防衛省の不祥事とか、こういう他省、直接的には他省の問題でありますけれども、いわゆるコンプライアンス違反というか、法律違反というか、こういう事件が非常に各省庁でたくさん起こっております。  例えば薬害フィブリノゲン、今回のフィブリノゲンにしましても、結果的には、何年もたってからあるいは訴訟が起こって、国と製薬会社の責任がどんどん追及されてくる中で、いや、個人を特定するデータがあったんだと、しかしその前までは、裁判の中でもそういうのはないということで国側もやっているわけですね。ところが、何年かたって出てきたと。それで、最終的には製薬会社、国とも、多少責任のなすり合いはあるんですけれども、当時としてはやむを得なかったとか、しかし結果的には人命配慮の常識がなかったと、大変申し訳ないと、国としても監督責任あるいは適切な指導なり、あるいは公表しなかった不作為の責任を認めるということで謝罪して、何らかの対応をしてお茶を濁すと。これは薬害エイズでもそのとおりだったんですけれども、こういうことが繰り返されていくと。  見ていますと、やはりこれ、私は思うんですけど、法務省は、やはりもう少しそういういろんな各省庁の、他省庁の問題ではありましても、指導的なリーダーシップが発揮できないのかと。例えば、衆議院法務委員会で最後のときに、無所属の滝実先生ですかね、ちょっとおっしゃっていましたけど、あれは防衛省の問題ですけど、これだけのことがいろんな前から言われていて、例えば法務省辺りが、法務大臣辺りが閣議辺りでリーダーシップ取ってもっと早く対処できなかったのかなと、こういうようなことも法務委員会で発言されていますけれども、正に私の言いたいところはそういうところでありまして、法務省というのは霞が関の法務部長というか法務部門みたいなものじゃないかと思うんですね。ですから、縦の社会、国民に対しての部分だけじゃなくて、やっぱり国の一機関として、国のいろんな他省庁に対する法的お目付役でもあり相談役でもあるんじゃないかと思うんですね。そういう意味で、余り遠慮をしないで積極的に鳩山大臣の人柄の下にそういうところにぽんぽんぽんぽんいろんなことを発言してもらって、刺激を与えてもらったらいいんじゃないかと思うんですね。  やはり情けないですよ。もう厚生省にしましても、薬害エイズのあれだけのことがあって、謝罪して、国も謝って、同じことがまた今回繰り返されている。情けない。これ、国の法的な番人がいたのかというふうに私は思うんですね。もちろん、厚生省の問題ですから、法務省がそこまで行って嫌われるの嫌だとか縦割り行政いろいろあるんでしょうが、そこは是非、そういう法務省の役割という、やっぱりこれだけ法治社会、コンプライアンスが国ともに重要になってきた時代においては法務省の役割というのはもっと大きくなって当たり前だと思うんですよ。  予算も取って大きくなって、大臣も大きな体格の人ですから、大臣の体格に見合うような法務省であってほしいと思いますので、是非元気を出して、他省庁にぼんぼん言って、内閣の中でも発言されて、おまえの省はだらしないじゃないかと、法務省にもっと相談に来いと、あるいは法務省から定期的にこういう問題がないか調べに行くぞというぐらいの感じで是非やっていただきたいと思うんです。  そういう意味で、最後に一言、法務大臣の決意を、相談があれば受けるというのが今までの姿勢だったと思うんですけれども、積極的な意気込みをお示しいただきたいと思います。

遠山清彦公明党

○委員長(遠山清彦君) 鳩山法務大臣、簡潔に御答弁お願いいたします。

鳩山邦夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) 現行制度で政府のコンプライアンスを担う部署という、部局というのは決まってないですね、機関は。でも、やるとすればそれは法務省以外はあり得ないので、訴訟のときにただ代表格として法務省が、法務大臣が形式的に出ていって、実態は全部各省庁がやるということではやはり情けないなというふうに思いまして、企業の法務部に当たるような形で法務省が頑張れる形になればいいなと思って努力してみます。

丸山和也自由民主党

○丸山和也君 是非お願いします。

遠山清彦公明党

○委員長(遠山清彦君) 午後一時三十分に再開することといたし、休憩いたします。    午後零時三十三分休憩      ─────・─────    午後一時三十分開会

遠山清彦公明党

○委員長(遠山清彦君) ただいまから法務委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

木庭健太郎公明党

○木庭健太郎君 公明党の木庭健太郎でございます。  今日は、大臣の所信ということで、大臣が様々に御発言になられたことに対して朝から様々な質問があっておるようでございますが、その中の一つの、まず私は新司法試験の問題について確認の意味でもお尋ねをしておきたいと思うんです。  この新司法試験というのは、ある意味では司法制度改革の一番大きな柱の一つとして、当委員会でも様々な法案を通したり取り組んできた課題の一つでございまして、つまり平成十三年でございますが、司法制度改革審議会、この意見書の中で、司法試験というのは今後は知識偏重の受験技術を否定し、法科大学院修了者の七、八割が合格できるよう実践的な教育を行うと。新制度の導入を提言した上で、そこには、先ほどこれ大臣もおっしゃっていますが、法曹の窓口をできるだけ間口を広げていって様々な経験を持つ人材も受け入れていこうと、そんな理念の下に始まったのがこの新司法試験の一番きっかけだと思っております。  そしてさらに、平成十四年には閣議決定がなされております。この閣議決定、何かというと、今後の法的需要の増大を考え合わせると、法曹人口の大幅増加が急務となっていることを踏まえて司法試験の合格者の増加に直ちに着手する、平成二十二年ごろまでには司法試験の合格者数を年間三千人程度とすることを目指すとしているのは、これは閣議決定でございます。  それを受けて、今新司法試験が始まっているわけですが、始まって一回、二回ぐらいのところで、大臣から突然、毎年三千人はどうなんだみたいな発言があると、閣議決定というのは何のためにした閣議決定なのかというようなことにもなっていってしまうし、そこはやはり大臣としては様々な状況を踏まえながら閣議決定に基づいてまずはそこへ向かって進めるのが道筋の問題だろうし、その大臣から多過ぎるというんでは、これ一体どの方向へ政府として持っていこうとしているのかというのが分かりにくくなるのではないかと思いますが、大臣の見解を改めて求めておきます。

鳩山邦夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) 閣議決定の前に、司法制度改革審議会の意見書というのがあって、司法制度改革、木庭先生おっしゃるように、その大きな柱の一つが司法試験合格者の増というんでしょうか、もちろんこれが法科大学院との有機的な連携を取って増やしていくということで、本年は千八百何十人かな、新試験で合格をしていると。ただ、合格率は四〇・一%ということで、七、八割ということではないと。私は、それは七、八割よりも四〇%の方がある意味ではいいと思っております。それだけ狭き門をくぐった優秀な方が司法試験に合格するのでよろしいと思っております。  私の発言が余計な不安とか混乱を与えているとするならば反省しなければいけないかもしれませんが、私は、閣議決定に従って平成二十二年ごろに三千人が合格すると。平成二十二年はもう旧試験がほとんどなくなる、つまり旧試験合格者がほとんどなくなるときでもあろうと思いまして、そこまで三千人でやっていくということについては、これは積極的ではないにしても、閣議決定しているわけですから、それでよろしいかと、こう思っているわけでございます。  ただ、その後もずうっと三千人というオーダーが続いた場合にどうなるかということは今のうちから考えておかなければならないというので、所信表明でもあえて三千人では多過ぎるのではないかという観点から将来見詰め直していこうということを申し上げているわけでございます。  ですから、企業内弁護士もまだまだ少ないということでありますし、例えばコンプライアンスとか、あるいは法律問題を処理するという意味でいうならば、法務省はもう司法試験受かった人がごろごろとあふれ過ぎていて、ちょっとあふれ過ぎているんじゃないかと思うことがありますけれども、他の官庁とかあるいは証券取引監視委員会とか公正取引委員会とか、非常に法律的なことが重要ですから、もっと法曹資格を持った人が一杯入っていてもいいんじゃないかとか、もちろん国際的な問題とか著作権、特許権等の問題とか、いろいろ法曹の需要が増えることはよく理解いたしておりますし、ゼロワン地域というんでしょうか、弁護士が一人しかいない、あるいは一人もいないというところの解消は法テラスにも頑張ってもらって解消していかなければならないと思っておりますが、ただ、三千人でずうっといきますと、人口減少がこれやむを得ない傾向で続いていった場合に、弁護士過剰、法曹過剰という事態になることは私はかなり明確に見えてくるものですから、あえて今のうちから、三千人までは閣議決定でいくが、その後どうするかということを見詰め直していきましょうと発言をしているところでございます。

木庭健太郎公明党

○木庭健太郎君 今、法科大学院からの合格者の割合の問題、大臣は大臣で考え方を一つ示されたわけですが、私たちはやっぱりこの法科大学院つくった趣旨の一つというのは、やはり法学だけを専門にやってきた人以外もそこに入ることで、そこで鍛えてもらうことによって、そこを窓口として、ロースクールというものを経験すれば司法の窓口、弁護士なりそういう法曹家への窓口が開けるという意味でいけば、私はやっぱりその最初の司法改革の理念の一番最初のところ、やはり法科大学院という一つの窓口を通して出ていく、レベルでいうと、そこから出ていく人たちについてはある一定程度の割合をきちんと通していくというのは、私は逆に、減っていくんじゃなくて、多い数字でいくことが大事じゃないかなという気はしているんですけどね。その辺はどんなふうに事務当局として認識しているか、教えてください。

菊池洋一法務大臣官房司法法制部長

○政府参考人(菊池洋一君) 司法試験の合格率は受験者の総数とそれから合格者の数の割合でございますので、結果として出てくる数字であるというふうに理解をしております。  司法制度改革のときの御議論、審議会の意見書では、次のように述べられております。法科大学院では、その課程を修了した者のうち相当程度、例えば七、八割の者が新司法試験に合格できるよう充実した教育を行うべきであると。これは、合格率のことを言ったわけではなくて、法科大学院の教育についてコメントをしたものであるというふうに理解をいたしております。  今年の司法試験の合格率、四〇%ちょっとでございましたが、これは合格者の数が千八百五十一人であったということによる結果でございますが、この合格者につきましては、試験の結果を踏まえたものであるというのは当然でございますけれども、先ほど来、大臣からも御説明申し上げているとおり、閣議決定で平成二十一年には三千人程度を目指すという、この方針を踏まえて少しずつ合格者を増やしてきている、そういったことも配慮したものであるというふうに理解をいたしております。

木庭健太郎公明党

○木庭健太郎君 大臣がその三千人問題で、将来のことを見据えて日本を訴訟国家にはしたくないんだというようなこともおっしゃっておりました。それはそれで一つの考え方として私はよく理解はできるところはあると思うんです。  ただ、どうしても数字が先に三千人、もうこれ以上、こんな多過ぎるんじゃないかみたいな話をすると、やはり現状はどうかといえば、人数をどうしていくかということより、私は大事なのは、さっき大臣がおっしゃった中でいうと、現実、今、日本はやっぱり足りないんですよ、弁護士、ゼロワンの問題も含めて。偏在した形で、本当足りない部分は一杯あるんですよ。正にそういったところへどううまく弁護士また法曹関係者をきちんと張り付けていくことができるかという問題。  さらに、大臣、もうすぐ裁判員制度始まるんですよ。こういったものが始まっていけば、またいろんな形でこういう法曹に携わる方たちの整備というのを、これを、ある意味じゃ人数をどうこうするという話より先に、三千人、つまり今、法曹人口が足りないと言っているところにどううまくこういう人たちを張り付けていけるかという環境整備を是非法務省そして大臣がまず取り組んでいただいて、そこで本当に充足した形の一つの姿が見えた段階で、その次はそういった人数がどうなのかという御議論に移っていただくのは結構だと思うんですが、私は、今やるべきことというか今言うべきことは、人数を将来どうこうする、もうその方向で進んでいるんですから、それに本当に、きちんとその人たちが働く場所の問題、実際はあるわけですよ。あるけれども、そこに行き着いていないという問題がある。  そういった環境整備を是非大臣に自ら先頭に立って、さっきおっしゃっていただきました、企業内弁護士の問題、ゼロワン地域の問題、法テラスの問題を言っていただきました。正にそういったところへ大臣自らきちんとした形で本当に、司法に国民が今まではどうしても携わる部分が少なかったという問題があったから増やす話が起きているわけですから、国民が直接そういう法というものに接することができるという体制づくりのためにまずは御努力をいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

鳩山邦夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) 大変説得力のあるお話で、よく分かります。  私、先ほどもお話をしましたが、家の近くの方が、ずっと別の職業をしておられたんですが、思い立って弁護士になろうと。司法修習を終えたときには五十歳のようです。ところが、どこでも年齢の関係もあって雇ってくれないんで困ったという相談を受けているわけです。そういう方こそ本当はゼロワン地帯に行っていただくとかそういうようなことが、いや、それは拒否されるかもしれませんが、そういう、法テラスなんかの役割も増大するので、確かに需給のミスマッチみたいのがあるんだと私は思うんですよ。その辺は日弁連の先生方ともよく相談をして、需給がうまくマッチするようにそれはできるだけのことはいたしたいと思っております。  ただ、他方、実は私は、今の木庭先生のお話をよくかみしめてこれから歩んでまいりますが、この間、こういうことをある方に注意されたんです。それは、もちろん国会議員の大先輩なんですが、鳩山さん、そもそもが人数で、枠で物を考えるのはやめてくれませんかと。やっぱり、自分も弁護士だけれども、質というのが極めて重要だし、法科大学院というのは、先ほど先生のお話にあったように、幅広く法学未修学の方にも道を開くという面もあるし、幅広く人材を弁護士や法曹界へという意味があるんですよと。だけど、どうしても枠の議論になるが、その年その年の司法試験でできれば人格まで判定をある程度できるような形で、いい人が一杯いれば千人でもいいし五千人でもいいと、そういうような発想もこれからは必要ですよというアドバイスを受けたことだけ御報告いたします。

木庭健太郎公明党

○木庭健太郎君 もう一つ、実は先ほどは、外国人労働者の問題というか、丸山委員の方からもっと高度な移民という非常に大きな観点でのお話があったんですけど、その外国人労働者の問題、正にそういう大きな観点よりも具体的な、今目の前に起きている問題で言うと、この外国人労働者を日本にどうしていくかという正に具体的な問題も、いろんな職種によってもですけれども、今現実に目の前に起きている。  その中で、実は大臣が、報道によりますと、前の長勢さんという法務大臣は、外国人の単純労働者の受入れを認めるような私案まで実は提示されたときがございました。これに対して鳩山法務大臣は、これ、十九年、今年の九月三日の東京新聞でございましたが、外国人の単純労働者の受入れが外国人犯罪につながるおそれがあるということを理由に拒否、否定したというような報道がなされておったんですけれども、大臣はこの外国人労働者の受入れという問題について基本的にどんなお考えをお持ちなのか、改めてこの委員会で御説明をいただいておきたいと思います。

鳩山邦夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) 外国人労働者問題の前段階になるかもしれませんが、外国人の研修生、技能実習生問題というのがございますね。これで、長勢前大臣は比較的、この研修生、実習生を労働力と見て、どんどん入れたらいいじゃないかという発想から物を言われた。それに対して、厚生労働省案というのもある、あるいは経済産業省案というのもあるというような状態があって、その議論と外国人労働者一般の議論というものはどうしてもセットになってくると思うわけでございまして、今、外国人だといったらすべて疑っていいということではもちろんないんですが、不法残留半減計画というのがあって、昔二十九万ぐらい、今は二十万ぐらいになったかなということなんですが、その不法残留と不法就労みたいなものがどうしても絡み合ってきてしまう。  単純労働者を入れた場合に、最近は余りはやらなくなった三Kというんでしょうか、汚いとかきついとか危険だとかという、日本人が余りやりたがらないところに結局彼らが大量に行く。そして、その雇用がうまくいけばいいんですが、なかなかうまくいかないで、それがまた不法残留とかいうふうな形になる危険性というものがあるものですから、現時点で私は、労働力の需給関係ということについては厚生労働省と密接に連絡を取らなければいけないと思いますが、一定の技術や技能を持ったいい優秀な外国人はどんどん来ていただいて日本で働いていただきましょうと、特定活動という表現になるのかもしれません。  それから、例えば研修、技能実習という場合は、今三年間で終わりですけれども、もし優秀だったら再実習で五年間とか、いろんな考え方があると思っておりまして、今のところはまだ単純労働に門戸を開くというふうに私は考えておりませんで、一定のいい能力を持った方々に来ていい仕事をしてもらいたいというふうに考えております。

木庭健太郎公明党

○木庭健太郎君 そういう考えでいいんでしょうが、発言のときに何か、受入れが犯罪につながるようなおそれがあるというようなもし御発言をなさったんなら、それはやめられた方がいいんではないかなと。  それは正に違法で入国した人たちの問題、そんな問題ありますよ。それは正に外国人の方たちで違法で入ってきてそういう問題が起きているということは事実かもしれないけど、労働者で受け入れるときの問題についてまで、それが即犯罪へというような表現になると、私は、人権問題みたいなことでちょっと言われそうな気もしますし、その辺はちょっと、これ新聞報道が間違いだったら間違いで結構でございますが、そこは用心をなさった方がいいような私は気がいたしましたので。発言あります。それじゃ、どうぞ。

鳩山邦夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) それは気を付けます。それは気を付けますが、実は、研修生、技能実習生で受け入れた方も、犯罪と言ってはいけないんでしょうけれども、よくそのまま散っちゃって分からなくなっているケースがすごく多いんで、そんなことも念頭にあったものですから。

木庭健太郎公明党

○木庭健太郎君 それでは、単純労働というより、厚生労働省にも来ていただいておりますが、今、介護福祉士、看護師、この受入れについてフィリピン等と具体策が進められているとお聞きしております。そういう海外からどうしても労働力として不足だから入れざるを得ないような現状とともに、実はこの問題、やはり国内で、ある意味じゃ賃金も低い厳しい環境の中で熱心に働いていらっしゃる国内の方々の配慮や保護策の問題、いろんな問題が絡みながら、ただ現状、労働力不足の中でこの看護師、介護福祉士の問題は具体的な問題として今俎上に上がっているわけでございまして、まず厚生労働省からお伺いをしたいんですけれど、フィリピンやインドネシアとの間、EPAで日本での国家資格取得などを条件にして受け入れると合意しているんですが、この枠組みの中身及び受入れの条件、これを教えていただきたいし、また介護福祉士の問題については外国人労働者としての受入れが可能となるような医療の在留資格の拡大、これについて法務省から御意見を伺っておきたいと思います。

岡崎淳一厚生労働省職業安定局高齢・障害者雇用対策部長

○政府参考人(岡崎淳一君) フィリピン及びインドネシアとのEPAの関係でございます。これは、EPAという国際連携協定という枠組みの中で特別な措置として特例的に看護師あるいは介護福祉士の候補者を受け入れるということにしたというものでございまして、労働力不足対策という趣旨ではございません。  中身といたしましては、看護師、介護福祉士それぞれ要件はあるわけでございますが、日本の国家資格をまず取っていただくということ、そして国家資格を取得後は就労可能な資格ということでその後それぞれ専門職として働いていただくと、こういうことを考えているということでございます。  最初、入国の段階では六か月間の日本語研修及び最初の受入れ研修をいたしまして、その後、それぞれ病院あるいは福祉施設等で働きながら試験合格を目指していただくと、こういうことを考えているということでございます。それぞれきちんとした条件でということでありますので、受入れ施設におきましては、それぞれ最初の段階では看護助手あるいは介護助手という形で働くということになりますが、それらの日本人の方と同じような労働条件、同等の労働条件を義務付ける等々、必要な措置を確保するということにしているということでございます。

稲見敏夫法務省入国管理局長

○政府参考人(稲見敏夫君) 御質問の介護福祉士を受け入れる場合の在留資格の対応でございますが、一つには、委員御指摘のとおり、現在の医療という在留資格、これを改正いたしまして、その対象に介護福祉士を加えるということが考えられます。二つには、全くその専用の在留資格を新設するという方法も考えられます。それから三つ目には、ただいま御説明ありましたEPAの受入れで対応する方法でございますが、特定活動という在留資格で個別に対応するという対応も考えられます。  今後、こういう対応のいずれの対応を取っていくかということにつきましては、介護福祉士の受入れの是非そのものと併せまして、関係省庁、厚生労働省さんになりますが、と連携を密にいたしまして、EPAによる受入れの状況等も見ながら検討を進めていく必要があると考えているところでございます。  以上でございます。

木庭健太郎公明党

○木庭健太郎君 先ほど、大臣、この技術を持った人たちをどうするかという問題についてはちょっとお答えもいただいたんですけれど、今お話をちょっとお聞きしたのは、その中でも今EPAというのを使いながらこういったものが新たに始まろうとしている。私は是非、このEPA使ったこういう受入れ、もちろん円滑にいろんな形で行くことはいいことだろうと思うし、また一方で、そういう場合、国内の配慮とかいろんなこともあるなと思い悩みながら、ただ今後、やっぱりこういう技術を持った方たち、こういった人たちをどう日本とのかかわりの中で取り入れていくかというような問題については、期間の延長の問題も先ほど大臣が話された点もある。  いろんな方途はあると思うんですが、こういった技術を持った方たちをどう位置付けていくかという問題について、大臣から一言御意見を伺っておきたいと思います。

鳩山邦夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) 介護福祉士の場合にどういう形を取るかというのは今の答弁のとおりだと思いますし、看護師でも細かく見ると七年間ってなっているんですね。それもなぜ七年間という制限が必要なのか、私には優秀な方であるならば七年間に限る必要はないというふうに思います。  二年ほど前に久しぶりにフィリピンに行って昔の知り合い等に会ったら、お子さんどうしていると言ったら、娘は張り切って勉強して看護師になって日本に行くと言っているということを言うんですね。  ですからもう、スタンバイという言い方は変ですが、日本に行って看護師、場合によっては介護福祉士もあるかもしれませんけれど、そういう福祉関係の仕事をしたいと言ってもう頑張って勉強をしている、そういうお嬢さんの姿等を見ますと、やっぱり技術を持ったり一定の訓練を受けた方に大いに頑張ってもらうというのが国際国家の道なんだろうと思います。

木庭健太郎公明党

○木庭健太郎君 もう一つ、法テラスがちょうど一年を迎えましたので、これも新聞報道がいろいろなされております。一年たってみて、ゼロワンの解消であるとか様々な意味での問題解決にも非常に大きく貢献している一方、一番多分法テラスの中核事業は電話相談というようなことになるだろうなと我々も予想をして、そういった流れができるんではないかなと思っておりましたら、この電話相談の方は、意外というか、一年たって二十三万件ぐらいでございまして、百万件ぐらい行くんじゃないかと言われたこの流れから比べるとどうなのかというような現状がございます。  こういった、法テラスが一年たってみた、こういった課題を抱えているな、特にその電話相談辺りはこんなことを少し取り込まなくちゃいけないな、そういう様々お感じになっている点はあると思いますから、その点について、事務当局で結構でございますから、お答えをいただければと思います。

菊池洋一法務大臣官房司法法制部長

○政府参考人(菊池洋一君) 日本司法支援センター、いわゆる法テラスでございますけれども、情報提供業務というのが重要な業務の一つでございます。委員御指摘のとおり、法テラスの国民の皆様に対する浸透度といいますか、認知度というのがいま一つ伸びていないというのは非常に残念なことであるというふうに思っております。  法テラスにおきましては、これまでマスメディアを利用する広報活動をしてきましたけれども、これからは、全国五十か所の地方事務所の運営も軌道に乗ってきましたので、地方事務所におきましても地元のメディアとかあるいは自治体の広報誌といったものを活用して地域に根差した広報活動を取り組んでいると。これも、この活動は今後も進めていくというふうにお聞きをしておりますし、また各地の学校や図書館などの公共施設を利用した広報活動、あるいは関係機関の相談窓口担当者や地域の住民の皆様を対象とした説明会を開くなど、様々な形で広報活動を工夫して取り組んでいくというふうにお聞きをしております。  もう一つ、認知度を高めるためには、サービスの質の向上といいましょうか、利用者の方に喜んでいただけるような情報提供をするということも大切なことであるというふうに考えております。  そこで、法テラスでは、電話を受けるオペレーターの方に対して随時研修を実施しておりますし、またFAQ、よくある質問と答えを集めたものでございますけれども、こういったものの内容を一層充実するといった形で提供することができる情報の質の向上に努めていると。さらには、オペレーターの方の法的知識を補うという観点から弁護士会の協力をいただきまして、コールセンターに弁護士を配置して情報提供業務を支援するといったような工夫もしているところでございます。  私ども法務省といたしましても、法テラスと協力をして認知度を高めるための広報に更に一層力を入れてまいりたいというふうに考えているところでございます。

木庭健太郎公明党

○木庭健太郎君 是非、この法テラス、長い審議の果てに仕上げた一つの大事な機関ですし、是非とも私たちも見守って育てていきたいし、より一層多くの市民の方に使っていただけるということが一番大事な観点ですから、その取組を強めていただきたいと思います。  最後に、裁判員制度について刑事局長から一つだけ聞いておきたいと思うんです。  何かというと、模擬裁判をこの段階で随分やっています、裁判員制度に向けて。その中で、被告が捜査段階での自白を撤回して無罪を訴える事件、想定の事件、こういう事件については、裁判員から証人尋問、被告人質問の内容や用語が難解とか、評議時間が足りないとか、この自白という問題に絡んで様々な感想が寄せられているんです。つまり、自白の任意性とか信用性が争われる公判になるとこれは複雑化、長期化しがちですし、これについての審理方法というかやり方というのは、ある意味では抜本的に考えなければいけない面があると思うんです。私は何かということを特に今日は申しませんが、捜査段階から含めて、一体どんなやり方をしていれば裁判員の皆さん方に分かりやすい審理ができるのか。まあ民主党さんは民主党さんで何かお考えで、法案も出されるような話もちょっとお聞きしておりますが、そのことはそのこととして、ともかく、そういう審理の在り方はもう今から研究しておく必要が私は絶対あると思っているんです。そこについて一言伺って、質問を終わります。

大野恒太郎法務省刑事局長

○政府参考人(大野恒太郎君) 裁判員裁判は刑事裁判になじみの薄い一般の国民の方が審理に参加するわけでありますので、従来よりも格段に分かりやすく、しかも迅速な裁判を実現する必要があるということでございます。そして、今委員の御指摘のございました捜査段階の自白の任意性、信用性の立証につきましても全く同様のことが言えるわけでございます。  その関係でありますけれども、まず一つは公判前整理手続の活用でございます。ここで証拠開示を行い、争点を明確化することによりまして任意性につきましても迅速で的確な公判審理を実現することが可能になると思われるわけでありまして、まず検察当局におきましては積極的にこの手続を活用することに努めているわけでございます。それからもう一点申し上げますと、検察当局におきましては、現在、裁判員裁判におきまして自白の任意性について効果的、効率的な立証を行うための方策の一つといたしまして、検察官の取調べの録音、録画を試行をしているところでございます。  そうした努力を重ねることによりまして、来るべき裁判員裁判において分かりやすく効果的な立証をいたしたいということでございます。  以上であります。

木庭健太郎公明党

○木庭健太郎君 終わります。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。  裁判員制度の実施が迫って、国民の皆さんの不安も伝えられているわけでございます。その中で、志布志事件そして富山の氷見事件を知ったある市民の方から、私はもう何も信じられないという声を伺いました。こんな冤罪事件が現実に起こっているのに裁判員として人を裁くなど考えられない、どんな判断をしても生涯自分にトラウマが残ってしまうのではないか、そういうふうにおっしゃるわけです。私は当然の感覚ではないかと思います。この二つの事件を徹底して検証して、我が国の捜査の違法、その下での構造的な問題を徹底して明らかにしてその抜本的な対策を打ち立てるということは本委員会の重大な責務だと私は思います。  今日は志布志事件に絞って、大臣並びに法務省の認識をただしたいと思っております。  午前中、千葉理事そして松野委員始めこの問題が取り上げられまして、そこで謝罪の問題については議論がございました。それで、この点については私はまた別に譲りたいと思いますけれども、一点大臣にお尋ねをしたいと思うんですけれども、完全な冤罪ですかね、というようなお言葉を午前中使われたと思うんですね、富山の氷見事件について。これ、富山の氷見事件は、事件はあったが真犯人は別にいたという意味で、おっしゃるように完全な冤罪事件でございます。鹿児島の志布志事件についてはそのような御表現をされなかったように私は伺ったんですけれども、志布志事件は事件そのものがなかった、だから犯人が初めからいるはずがない、そういう意味で完全な冤罪事件なんじゃないんでしょうかね。だからこそ、最高検はこの二つの事件を、個別の事件を取り上げて最高検が検証するということ自体が極めて異例のことだと思います。加えて、その検証の報告を国民の皆さんに公表をしたというのは、これは初めてなのではないかと思うんですね。  二つの事件が我が国の刑事司法を考える上で極めて重大な事件だからこそこのような検証に最高検も取り組んだというふうに私は受け止めておったんですけれども、大臣の認識は違いますか。

鳩山邦夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) 冤罪という言葉は法律用語ではないだろうと思うんですね。私が完全な冤罪と申し上げたのは、今先生お話のあったとおり、全く別のところに真犯人がいた。ところが自白があったりなんかして、自白に頼り過ぎたというミスがあったと思いますよ。消極的な証拠に目が行かなかったという面もあるのかもしれませんよ。それで実際に刑が確定して服役してしまったというわけで、こういう冤罪はもう絶対にあってはならない、完全な冤罪であると。  志布志の事件は、私も細かい報告を受けているわけではないので、またいろいろ読み返してみようとは思いますが、結果的には確かに非常に申し訳ない形になっているんですが、当初、検察は起訴の時点では有罪判決を取れるというような思いがあったというふうに聞いているものですから、それはいろんなところに瑕疵があったからこういう結果になっているわけですが、そういう意味で私は冤罪という言葉は使わなかったということなんです。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 今の大臣の御認識は、これは是非最高検ないしは刑事局からしっかりお話を伺って報告を受けて深めていただきたいと思うんです。  私は、今大臣がおっしゃったように、当初有罪と確信をして起訴をしたが、それが刑事訴訟の過程において無罪ということになりましたという通常、まあ通常のといいますかね、そういった無罪事件も大変問題ですけれども、それとは違った更に問題をこの事件は持っていると思うんですよ。その点について、最高検の検証が私は十分なものとは思えない点がございますので、その点を二つだけ今日お尋ねをしたいと思うんです。  第一は、この検証の中で、志布志事件について、自白を始めとした供述証拠の吟味、ここに大きなウエートを割いていらっしゃいます。だけれども、これがまるで人ごとのように、事後的、客観的にその自白を吟味するというような立場に立っているように私には見受けられる。つまり、捜査や公訴、公判、そして論告、そういう形で動いていく訴訟の過程での、プロセスでの検察官の判断の是非、そこにメスを入れようとしていないのではないかということなんです。  具体的な争点として、アリバイの事実の認識についてお尋ねをしたいと思うんですけれども、この件は、アリバイが成立するのではないか、それと表裏一体の問題として、検察が公訴を提起した第一回会合、第四回会合を中心に四回の会合の日時がいつかということが訴訟の公判の初めの段階から釈明を求められていたわけです。ところが、検察官がこれを釈明をしたのは第四十二回の公判期日、平成十七年の七月の十五日になって初めてのことでした。その点については最高検の検証にも記載はあるわけですけれども、私が尋ねたいのは、なぜ捜査が始まって二年を超えて、裁判が始まって二年余りたって、そういう時期になるまでなぜ特定をしなかったのか、特定をできなかったのかという問題です。その点について検証は何も触れておられないんですね。  この事件は、複数、それも十三人と言われた多数の被疑者が会合をして、そこで現金が供与をされたという公訴事実なわけです。それだけの人数が集まったということを刑事裁判上主張されるのであるから、その人たちがいつ集まったのかということは、これは起訴時に特定をされているのが当たり前のことであって、それがどうして二年間も特定をできなかったんですか。刑事局、いかがです。

大野恒太郎法務省刑事局長

○政府参考人(大野恒太郎君) ただいま委員御指摘の点でございますけれども、具体的な事件における検察官の公判活動ということでございます。  これは、その時々の証拠関係あるいは訴訟の推移を見て検察官が判断することでございまして、この時点で法務当局から具体的にコメントをすることは避けさせていただきたいと思います。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 今のそのような刑事局長の態度では、検証して国民の皆さんに公表したと言ったって、これで検察に対する信頼を回復することはできませんよ。  この問題について、午前中、松野委員からも内部文書というお話がございました。これ朝日新聞が具体的に報じていますよね。私、その報道の限りで今日紹介をしますけれど、平成十六年の十一月五日に、つまり、刑事公判が始まって一年半たっている。この時点で、鹿児島地検の三階の審議室、そこで検察と警察が協議をした、そこの記録があるわけです。  そのときに検察は、一回目会合の午後七時半ごろの開始は難しいのかと警察に尋ねているわけです。それはつまり、明らかになってきた争点からすると、七時半ごろから一回目会合が始まらないとアリバイが成立してしまうんじゃないかという問題意識ですよね。これに対して県警は、同窓会に出席していることを考えると、午後七時半からの開始は難しいと述べた後に、警察官調書でこの辺りの時間を調整したのは見当たらないというふうに、警察の捜査段階で取ってきた調書と矛盾してしまうからだということを吐露しているわけです。続けて地検は、四回目会合はおおむね大丈夫かと聞いていますが、これに対して県警は、ホテルを午後七時半ごろ出ていることになると思うので、午後八時過ぎに買収会合のあったとされる四浦に着ける計算になると述べた後、しかし、七時半ごろには中山さんが出席していたとの調書もあるのでネックとなる。  つまり、警察が作ってきた調書と、訴訟で明らかになり検察官もアリバイの問題について得ている、得つつあるその心証との間に乖離があって、これが調整できないという問題になっているわけですよ。  その点について、地検は正直にこう言っているようです。アリバイがないことを検察側主尋問で突っ込んで言うと、これに調書が付いていっていないということになるわけですね。このような認識を検察とそして警察が公判の途中の平成十六年の十一月の時点で有していた。  これ重大な事実が告発をされているんだと思うんです。早い段階からアリバイが成立をするという前提事実を認識をしながら、起訴をしたその手続でのアリバイの成立を恐れて、最高検が検証しているように、基本的な捜査をすればアリバイが成立するというのは分かったにもかかわらず、それを怠って真実を曲げる意図があった、そう言われても仕方がないんじゃないんですか。  私は、この内部文書について、今申し上げた点以外にもたくさんの記述がございます。これを最高検がしっかり調べるとともに、この委員会に提出をするということを強く求めたいと思いますが、刑事局、いかがですか。

大野恒太郎法務省刑事局長

○政府参考人(大野恒太郎君) ただいまお尋ねになっておりますやり取りでございますけれども、個別具体的な事件における捜査機関相互のやり取りに関するものでございます。したがいまして、御指摘のようなその報告書の存否、内容についてはお答えを差し控えさせていただきます。  なお、でっち上げというような御指摘もございましたけれども、検察当局におきましては、同窓会出席等の事実があったとしても、その時点ではなお犯罪事実自体も成立し得ると考えていたというように承知しております。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 判決はそのような検察の主張を全面的に否定したわけでしょう。捜査段階から捜査機関側は、アリバイが成立する前提の事実についての揺るぎない確信を持っていたというふうに認定をされているわけですよ。今の刑事局長の御答弁では、一体何のための検証なのかということになるじゃありませんか。捜査側も、捜査が始まったその〇三年の七月の二十四日にはアリバイの前提事実を認識していたというふうに、これは裁判上述べ、そして認定をされているわけですね。遅くともこの時点、あるいはそれから一年がたった平成十六年の時点、ここで検察がしっかりアリバイについての認識を深めていたなら、十三人の、あるいは十二人の被告人の皆さんはもっと早い段階でこの事件から解放されていたんじゃないんですか。  私は、それを捜査機関同士の内部の協議の問題だといって目を向けようともしない、そんな態度は、検証したという最高検や、そして法務省として絶対に許されないと思いますが、改めて提出を求めたいと思います。いかがですか。

大野恒太郎法務省刑事局長

○政府参考人(大野恒太郎君) 最高検の検証の目的でございますけれども、検察として捜査、公判に反省すべき点がどんな点にあるのかというようなことを明らかにすることを目的にしたものでございます。そのため、最高検におきましては、検察の持っておる記録、それから当時の捜査に関与した検察官等から必要な事情聴取等を行い、その上でああした報告書をまとめたものであると、このように理解しております。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 それでは国民の皆さんの検察に対する信頼は傷付けられたまま回復はしませんよ。  別の角度からお尋ねをしますけれど、どうしてこのようななかった事件がつくられていったのか、そこには自白の強要過程があるわけですね。そして、幾人もの自白が無理やりに取られて、それが、一つの事実がさもあったかのように収れんをさせられていくという過程を無罪判決は断罪をいたしました。  私は検察に問いたい。警察の暴走を抑制すべき任務が、そして権限が検察にあるんじゃありませんか。その職責をあなた方が果たさなかったということについての、底を突いた検証がなされていないのではないですか。  検証の報告書の中には、警察の捜査過程を的確に把握していたとは言い難かったという、そういう表現がありますけれども、的確に把握していなかったどころの話じゃない。この事件では、警察では自白に追い込まれたが、検察官の面前では否認をし、その下で警察に返されたら警察ではまた自白に追い込まれたけれども、検察官の前にまた出てきたときには更にまた否認をする、そうやって否認と自白の間を九回も自白が変遷した、供述が変遷したという、そういう被疑者だっているわけでしょう。そういう事態があるときに、どうして留置場やあるいは警察の取調室の中で何が行われているのかということを検察は今になってでも検証しようとしないんですか。  一つだけ無法な取調べの実態を紹介しますが、藤元いち子さんという、被疑者、被告人とされた被害者がいらっしゃいます。任意の取調べの最中、〇三年の四月の二十日に取調室で自白に追い込まれた上、お姉さんに対して携帯電話を掛けさせられているんですね。妹から買収された、藤元いち子さんがお姉さんを買収したという、この証拠を取ろうとした。それで、ありもしないのに、藤元いち子さんは電話口で現金と焼酎をもらったようにしてというふうに頼んだけれど、お姉さんから断られたというわけです。その始終の過程を女性巡査が下着にICレコーダーを忍ばせて、その通話内容を録音していたというわけです。  こういう中身は録音するんでしょう。何で取調べは録音、録画はしない。こういう警察の密室での取調べについて、検察がしっかり突っ込んで、何が起こったのか、どうすればこういう事態を抑制できるのか、このことを明らかにしなければ検証にならないんじゃないんですか。  これらの取調べの状況について、取調べ小票というものが存在するということもまたメディアで指摘をされているわけです。小さい票という字を書いて小票と読みますけれども、この小票の中には、留置場での被疑者の様子、留置場から取調べ室に連れてこられるときのその被疑者の様子、自白をしたときであれば自白に追い込まれていく過程の供述やあるいは表情、被疑者の様子、あらゆることが書いてある。そして、報道によれば、この中の犯罪事実の立証に不可欠だと警察が考えた点だけが調書化され、証拠として提出をされている。  検察は、こういうことを警察がやっているのであれば、実際にその取調べの小票を入手をして、これを検証して、そして私たち国会の委員会にも提出をするべきなんじゃないんですか。もう一度、刑事局長、伺います。

大野恒太郎法務省刑事局長

○政府参考人(大野恒太郎君) ただいまの取調べ小票でございますけれども、これは検察庁に送致されているものではございません。そして、警察の恐らく内部文書であろうということでございまして、その詳細については十分承知しておらず、確たることは申し上げられません。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 今の点について、警察が送致をしないというのは、これは先ほどの内部文書に戻りますけれども、警察が小票が出たら飛ぶというふうにその協議の中で言っているわけです。そういう違法な捜査の実態や接見妨害の実態などがこの中には克明に描かれているから、だからこれは出したくないわけでしょう。だけれども、そのような密室において被疑者を人質に取ってこういう形での自白強要が行われている。ここに構造的な問題があるんだから、ここをこの事件を契機にして徹底して検証をする、そうしないと我が国の刑事司法は次に進むことができないじゃありませんか。大臣、いかがです。  私は、この警察と検察の内部記録……

遠山清彦公明党

○委員長(遠山清彦君) 仁比聡平君、質疑時間が過ぎております。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 内部記録が少なくとも報道で十一通、そして小票については七十五票あるのではないかという報道もあります。これを検証するとともに、省で検証するとともに、この委員会に提出をしていただきたいということを強くお願いをしたいと思います。一言御答弁をいただくとともに……

遠山清彦公明党

○委員長(遠山清彦君) 鳩山法務大臣、簡潔に御答弁ください。

鳩山邦夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) 今やり取り聞いておりまして、結果として残念な事件が起きてしまったなというふうに思っておりますが、その細かい内容について私はまだ承知いたしておりませんので、また事務当局からも報告をよく聞いてみたいと思います。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 一言だけ。

遠山清彦公明党

○委員長(遠山清彦君) 質疑時間は終局しております。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 社民党・護憲連合の近藤正道でございます。  私は、九月二十五日の大臣のいわゆる死刑発言について関連をしてお尋ねをしたいというふうに思いますが、今日も何人かの先生方、このことに言及をされておりますので、重複をできるだけ避けたいというふうに思いますが、ともかく最初の大臣の発言は、法務大臣が絡まなくても死刑執行が自動的に進む方法はないかというふうに私は受け取ったんですが、その後、様々賛否両論、意見がございまして、大臣、その後週刊誌だとかあるいは新聞等に自分の真意をいろいろ語られましたし、衆議院でもあるいは今日の参議院の法務委員会でもお話しになられて、今現在の問題意識、それなりに整理されてきていると、こういうふうに理解をいたします。  そこで、時間がありませんので、私は、この間の大臣の発言以来の問題意識の整理の最終局面といいましょうか、私自身はこういうふうに実は理解をしておるんですが、つまり、死刑判決が確定をした、しかし法務大臣によってその後の対応が随分違うと、これが果たしてどうなんだろうかというところから問題が起こってきて、例えば確定後、死刑というのは後戻りできない刑罰でありますので、恩赦の問題だとかあるいは再審の問題だとかあるいは心神喪失の問題とか、支障のある問題点を第三者による専門家集団からしっかりと慎重にその検討をしていただくと、その時間が六か月で短ければもっと延ばしてもいいではないかと。ここに言わば意図が、真意があって、それが一応決着をしたら、あとは割とスムーズに執行に移したらいいんではないか、こういうふうに私は大臣の発言を整理をしているんですけれども、大体そんな理解でよろしいんでしょうか。

鳩山邦夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) おおむねそういうようなところだと思っております。もう繰り返しますと時間が掛かりますから、先ほどから御答弁申し上げてきたように、私は、世論とかそういうものは非常に大事であって、死刑廃止論についてもこれは心を無にして承ると、昨日も保坂展人先生といろいろお話合いをさせていただいたし、EUトロイカからのお話も承っておると。  ただ、日本の世論がどういう状況にあるかは先生御承知のとおりだと思いますし、そういう中で、法務大臣が替わることによって執行したり執行しなかったりいろいろ、粛々と行われる状況ではなくなる。その結果、刑事訴訟法が半年と言っている要請が実際は七年半になっていると。その間、極めて慎重な、恩赦等、再審、心神喪失、非常上告、ありとあらゆることを検討して、判決に至るまでの最初からの調書等を全部読み返して絶対間違えないようにという、それこそ冤罪であっては大変でございますので、そういうことをやるのが本当に半年でいいんだろうかというふうな思いがあって、何かもっといい方法はないだろうかというふうに考えております。  それは、先ほども披露いたしましたけれども、肉親では、兄弟ではありますけれども、民主党の幹事長には兄弟でありますがゆえに相談をしたことがある。どう思うね、兄さんと言ったら、法の番人である法務省が半年以内に執行しなくちゃいけないのを放置しているのはこれは違法というものだと、違法状態の解決を、解消をどうするつもりだと、こういうようなことも話合いの中にありました。  そうなりますと、半年というところに無理があるんではないかなという部分も考えますと、それは、それをもう少し延ばすというような考え方もあって、いずれにしても刑事訴訟法の期待するものと実態が、その乖離が小さくなるようにしたいと、こう思っております。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 今でも死刑判決確定後、局付けの検事がその辺の記録の精査をしているんだろうというふうに聞いておりますけれども、それを第三者のより複数の専門家集団に任せると、その整理が付いたらスムーズにということは、私はやっぱりお聞きする限りにおいては、問題の所在を先延ばしをする、あるいは責任の分散化を図る、逃げというふうな印象を私自身は非常に強く持ちます。やっぱりこれは、死刑をどうするかという本質論に正面から向き合う以外には私はないんではないかと。  今日時間がありませんので、とんとんと行きますけれども、例えば大臣がヨーロッパと日本の文明観の違いというふうなことをおっしゃるけれども、隣の韓国、日本と文明的には非常によく似ているというふうに私は思うんですが、ここは金大中政権以降十年間死刑が執行されておりません、十分御存じだと思いますけれども。そのことだとか、あるいは、国連の先ほども話が出ましたけれども拷問禁止委員会、ここから指摘や勧告が出ておりますけれども、この韓国の状況あるいは国連の拷問禁止委員会等の指摘、勧告、どんなふうに大臣は受け止めておられますか。

鳩山邦夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) それは、そういう様々な御意見というものを、私はこの間EUトロイカの方々ともお会いをいたしましたし、死刑が残虐な刑罰ではないかと、絞首刑が、例えば。そういうような意見をおっしゃる方もあるし、それらはすべて心を無にして全部承っていこうというふうに思っておりますが。  文明的なことを私申し上げますが、韓国というか朝鮮半島の文明というのは基本的に動物文明型で、ヨーロッパと大体同じ系統にあると思います。日本のこの植物文明型というか美と慈悲の文明、和をなす文明というのは、むしろ長江文明や、あるいはエンヤという歌い手がいますけれども、ケルト人の文明や征服される前の中南米の文明に色濃く表れているんだろうと思っております。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 時間がありませんので残念ながら議論はできませんので、次へ行きます。  大臣が死刑廃止を訴える団体がどう考えているのか聞く機会を持ちたいと、こういうふうに発言していただいたことは大変結構なことだというふうに思っておりますし、国会の死刑廃止議連の保坂展人衆議院議員と、昨日でしょうかね。

鳩山邦夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) 昨日お会いしました。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 昨日お会いしていただいたということを今日聞きまして、大変結構なことでありますが、いずれにいたしましても、アムネスティ・インターナショナルとか日本にはかなり歴史と伝統を誇る廃止を目指す団体があるわけでございますが、この人たちとこれからあれでしょうか、かなり精力的に話合いの場は持っていただけますでしょうか。

鳩山邦夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) 精力的かどうかは、こういうときに精力的という表現が当たっているかどうか分かりませんが、昨日も保坂展人先生とは静かにいろいろお話をいたしまして、それは中には鳩山邦夫は法務大臣の資格がないばかりか人間の資格もないなんていう恐ろしい人権感覚で私を批判する人もいますから、それなら私はチョウにでもトンボにでもなりましょうと、こういうふうに言ったわけですが。  そういうばかげた議論をするつもりはありませんが、アムネスティ・インターナショナルの方ともいずれはお会いしなくちゃならないと思いますし、昨日保坂展人先生にお約束をしたのは、勉強会というのはこれはあくまでも内輪であって、外輪につくる勉強会というのはちょっとこの問題にはなじまないと思うので、内輪でつくります。その内輪である局長や担当者、我々で例えば議員会館の会議室の方へ出ていって、そこで保坂先生を始めとする方々とお目に掛かるという、そういう機会はつくりましょうと昨日私はお返事をいたしました。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 精力的という言葉は何となくこの場にはそぐわない、一生懸命というそういう趣旨で申し上げたわけでございますので、少しニュアンスを訂正させていただきたいというふうに思っています。  次に、裁判員制度について申し上げて、質問をさせていただきたいというふうに思っています。  いよいよ間近に迫りましたけれども、この言わば周知、一生懸命最高裁、法務省、言わば周知徹底に努められていることは理解できるんですけれども、これが浸透していかないと。そういう中で、先ほども御議論がありましたけれども、冤罪が鹿児島あるいは富山で発生をいたしまして、こういうところにもし自分がかかわるということになったらどうなるんだろうかという、そういう不安が国民の中にもかなり広まるんではないか。そういう意味では、先ほどの話でもありませんけれども、やっぱり今からきちっと抜本的な手を打っていかなければならない、そういうふうに私自身も思えてなりません。  お聞きしたいのは、この裁判員制度については制定の過程からいろんな議論がございましたけれども、法が制定をされましていよいよ施行間近でありますけれども、依然として、裁判員の言わば辞退理由、どういう場合に自分がそういうところに座るのか、あるいは拒否ができるのか、このことについてはずっと以前からもう議論があるわけでございます。  お尋ねをしたいのは、先ごろ法務省の方で政省令をある程度取りまとめて辞退理由を確定しつつあるやにお聞きをいたしておりますが、信念とかあるいは宗教上の理由から自分は人を裁くということはできないと、正に思想、信条を理由として裁判員を辞退したいという国民の一部の人たちの心にどういうふうにこたえていくのか、そのことをひとつお聞かせをいただきたいというふうに思います。

鳩山邦夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) 先生御指摘のとおり、この裁判員制度というのを国民になじませる、定着させると。国民と裁判を近付けるために身近な感覚でもって裁判というものを国民が見れるようにするために行う仕組みが逆に、広報宣伝も啓発もうまくいかないで、あんなものはやりたくないよという方だらけになって理解されないで、逆に、裁判員裁判と国民の間の距離が開くというばかげた結果になってはいけないと、こういうふうに思って、これを定着させる、本当に根付かせるというのはそう簡単なことではないと思って、模擬裁判等も行って真剣に努力しているところでございます。  そこで、辞退を認める政令については、これ、二回パブコメみたいなやり方をして、今パブリックコメントにかかっておりますが、最初にパブコメというよりもアンケートでどんなふうだという調査をして、それを基に案を作って今パブコメにかけているということで、先生おっしゃっている思想、信条等で人を裁くなどということは自分にはできないというような方は、それをそういう方に裁けと言えば精神的な矛盾や葛藤を抱えることになるわけですから、いわゆる自己に精神上の重大な不利益が生じるというふうに解釈して差し支えないと私は思っております。裁きたくないという方について幅広くそれを認めてあげるのが裁判員制度を定着させるためには必須の条件だと私は思っています。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 思想、信条を理由に裁判員の辞退を認めるかどうかって、これ議論になっておりますけれども、今ほど大臣が、心身に不都合があるという場合、これは正に思想、信条を理由にして裁判員を辞退するケースそのものであるというふうな趣旨の御発言をされましたけれども、それでよろしいんですか。

鳩山邦夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) 基本的にそれで結構です。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 もう一つ、今日は死刑の話が幾つか出ましたのでお尋ねをいたしますが、例えば人を二人以上殺したような場合にはこれはやっぱり死刑の問題と向き合わざるを得ない、そういうケースになるというふうに思うんですが、自分は死刑廃止論者であると、こういう死刑が具体的に問題になるようなケースの事件はやりたくないと、かかわりたくないと。この場合はどういうふうになるんでしょうか。

大野恒太郎法務省刑事局長

○政府参考人(大野恒太郎君) 死刑に反対であるということで思想、信条を理由とする辞退が認められるかどうかということでございますけれども、死刑に反対であるという申立てがあったことだけで、当然に、今考えております政令案の自己の精神上に重大な不利益がある場合に該当するものではないというように考えております。  じゃ、どういう場合がこれに当たるのかということでございますけれども、余りそういう人はおられないんじゃないかとは思いますけれども、したがってごく例外的な場合になるかとは思いますけれども、死刑の適用が具体的に問題となり得る事件におきまして、本人が死刑にかかわる一切の行為に携わることができないという強い信念を持っていて、それによって死刑の適用可能性について評議において何らかの話をするということすらその信念に反して言わば耐え難い精神上の負担となるというような場合には、これは当該の具体的事件において裁判員としての職務を行うことが困難であると認められることになると思われますので、その場合には政令の除外事由に該当し得るのではないかというふうに考えております。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 分かりました。  最後の質問でありますが、共謀罪についてお尋ねをしたいというふうに思っています。  大臣は所信の中で、共謀罪の早期成立について触れられていました。しかし、この共謀罪は、与党が衆議院のみならず参議院でも過半数を占めていた時代であっても成立しなかったと、そういういわく付きな法案であります。今、参議院では与野党の勢力比が逆転をしているわけでありますが、その中で、今までだってできなかったやつを大臣はあえて所信の中で一項目を起こして決意を述べられておりますが、一体どうやってこの法案の早期成立を目指すというふうにおっしゃるのか、何かウルトラCでもおありなのか、お聞きをしたいというふうに思っています。  何かいろいろ聞くところによりますと、自民党では小委員会を開いて、名称を変えるとか対象犯罪を絞るとかいろいろ議論があるようでありますが、いずれにいたしましても、それは従来の政府の答弁とかなり私は矛盾するような、そういう性格を帯びているというふうに思っておりまして、私がこんなこと言うのもなんでありますけれども、解散の話等もいろいろ出ている状況の中で、やっぱり率直に現実を直視されて、これは取り下げるというのがむしろ妥当ではないか。にもかかわらず、逆にこういう状況の中でなおかつ早期成立を目指すということの真意を大臣から直接お聞きしたいと、こういうふうに思う次第であります。

鳩山邦夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) この条約刑法の問題は、現実に今の状況は先生御指摘のとおりだと思っております。そもそもが自由民主党の中にも、あるいは、まあ公明党さんのことは木庭先生や委員長に聞いていただければいいんで、自民党の中に少なくともいろいろな意見があるということだったわけですね。サイバー条約関係の方はまだいいにしても、組織犯罪の共謀罪ということになれば、日本の法制にはごくわずか、それは予備とか共謀とかないわけではありませんし、それは共同正犯、共謀共同正犯というのはまた別の理屈でありましょうから、今まで余りなじんでいる分野ではないと。  ただ、組織的な犯罪が怖いという時代の変化があるわけですね。それはテロもありますし、あるいはいろんなシンジケート団みたいなものが暗躍をする。そういう中で日本だけが、G8の中では日本だけが締結をしていないという状況ですから、是非とも我が国が締結できるように野党の皆様方にも理解いただけるような法律案に作り替えていっていいのではないかと。そして、国際的に日本も組織的な犯罪についてきちんとやるんだと。  別に、組織的な犯罪というのを拡大解釈して、労働組合が何かやったからとか市民団体が何かやったということはもう一切関係ないわけですから、言わば犯罪組織として、犯罪を目的として存在しているような組織についてのみこれは妥当するわけでございますから、それほどの御心配はないわけでありますが、それでも様々に御心配の向きがあると思いますので、是非、社民党さんにも民主党さんにも共産党さんにも国民新党さんにも理解をいただけるようになれば有り難いなと、そういうふうに考えて、中身についてはいろいろ話合いの余地は十分あると思っております。

近藤正道社会民主党・護憲連合

○近藤正道君 終わります。

松浦大悟各派に属しない議員

○松浦大悟君 民主党、社民党から推薦をいただきまして、秋田県において初当選をさせていただきました無所属の松浦大悟と申します。どうぞよろしくお願いいたします。今日が私にとって初めての質問ということになります。よろしくお願いをいたします。  まず、自殺対策について質問をしたいと思います。  大臣、御承知かどうか分かりませんけれども、私の地元の秋田県は十二年連続自殺率が第一位、全国第一位が続いております。こうしたことの原因の多くは経済的困窮だというふうに言われています。中小企業の社長さんが会社が倒産し自殺をされる、あるいは一家の大黒柱のお父さんが借金を抱えて多重債務に陥り自殺をされる、こうしたケースが後を絶たないわけです。  国では去年、超党派の議員によりまして自殺対策基本法ができました。内閣府を中心に自殺対策の体制づくりが行われました。秋田県においてもようやく行政が重い腰を上げまして、NPOとともに自殺対策に取り組み始めているところです。私は、全国で年間三万人以上の方たちが自殺でお亡くなりになっている、こうした事態、こうしたことはやはり異常だというふうに言わざるを得ません。自殺対策というのは私たちが早急に取り組まなくてはならない課題だというふうに考えています。  そこで、大臣に質問があります。大臣は、自殺対策において法務省はどのような役割を果たすべきだというふうにお考えでしょうか。地方における弁護士不足を解消するために法テラスというものが開設されましたけれども、現状はまだまだ人手不足という状態です。自殺されたお宅に法テラスの弁護士さんが行かれて整理をされたところ、ああ、これぐらいの多重債務であれば幾らでも任意整理することはできたのにというケースがたくさんあるわけです。死ななくてもよかった人たちが身近に相談できる弁護士さんがいないということで命を絶たれている。  大臣は所信において、三千人程度に増やす予定の司法試験合格者は多過ぎるのではないかというふうに発言をされました。法曹人口を減らすということになりますと、今までと同じように地方までは弁護士が回ってこないという状態が続くということになろうかと思います。自殺者の数はこれでは減らせないのではないかというふうに考えるわけです。大臣、この方向は果たして本当に正しい方向なのかどうか、大臣のお考え聞かせてください。

鳩山邦夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) 初めての質問でいらっしゃるんですか。

松浦大悟各派に属しない議員

○松浦大悟君 はい。

鳩山邦夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) 立派な質問をされますね。  私、実は二十八歳で初当選して、法務委員会に無所属で配属されて、最初に発した質問が、刑事局長や官房長や事務次官はなぜ検事じゃなければなれないんだと、検事以外になった例はないのか、そうでないと公務員試験に受かった法務官僚はやる気が出ないじゃないかというのが私の第一問であったのに比べると、はるかにレベルの高い質問されて、御立派な人柄がよく表れていると思います。  ただ、先生に知っていただきたいのは、私は三千人については、先ほど木庭健太郎先生にもいろいろお話があって、よく考えてみなくちゃならない要素が多いと思いますが、昔五百人とか、その前は三百人とか、で、七百人ぐらいになっていくんですかね、それが。だんだん、いわゆる旧司法試験の合格者数が増えていった。ただ、これ、司法制度改革という中で飛躍的に増大させて、これは今、旧試験と新試験と両方合わせて今年で二千三百人ぐらいになった、二千三百人ぐらいが合格と。だから、以前に比べればもう信じられなく増えているわけです。それが本当に三千必要なのかということを私は申し上げているわけで、だからこれからも当分法曹の数、弁護士の数は飛躍的に増大します。  ただ、そういうところが新たな自殺の原因になる、自殺の原因の一つが司法過疎、弁護士過疎という状況にあるとすれば、これくらいの多重債務だったら弁護士いれば救ってやれたのにという話があるというふうに先生のお話でありますと、そのいわゆる弁護士過疎の解消ということはやりたい、やらなければならない。日弁連が開業資金の、過疎地域で開業するときの無利子貸付けをされるという大変立派なことをされておりますし、法テラスの方も常勤弁護士を、まあ百人ぐらい雇っているのか分かりませんが、もっと雇ってそういう弁護士活動のところに送り込むとか、一生懸命やってみたいと思います。

松浦大悟各派に属しない議員

○松浦大悟君 大臣、格差問題は小泉改革の負の遺産だというふうに言われています。地方ではそれが自殺という形で現れている。最後にすがる、よすがのその弁護士の数が足りないということは、本当に命に直結している問題なのだということを御理解いただきたいというふうに思います。  続いて、死刑問題について質問をしたいというふうに思います。  鳩山大臣の死刑自動化発言によりまして、内容の是非はともかく、死刑問題がクローズアップされました。これ、私、非常にいいことだというふうに思っています。なぜなら、一年半後にはいよいよ裁判員制度が行われるわけです。裁判員の審理の対象の多くは死刑にかかわるものだというふうに予定をされています。そうであるならば、国民はより広く、またより深くこうした死刑の実態について知らなければならないというふうに思うわけです。そうすることによって初めて適切な量刑判断ができるのではないでしょうか。  質問なんですが、今現在、この死刑についてはどの程度の情報公開が行われているのでしょうか。

鳩山邦夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) 理屈の上では国家の刑罰権というものは刑の執行そのものに限られるわけであって、その刑罰権の作用、それを超えて刑の執行を受けた者やその関係者に不利益や精神的苦痛を与えることは相当でないというふうに従来理論付けられてきたんだろうと思うわけでございます。したがって、執行された遺族の感情、あるいはここまで来たから次はおれかというような意味で他の死刑確定者の心情の安定とかいうようなことで弊害があると、こういう考え方で来たわけです。  ただ、他方、国民の理解を得るためには可能な範囲で情報を公開する必要があるということで、現在は死刑執行後に死刑を執行したという事実と人数だけを公表するということになっております。ですが、今省内で勉強会をいたしておりまして、情報公開についても、あなたのような意見を取り入れて、少し考え直していこうかという空気はございます。

松浦大悟各派に属しない議員

○松浦大悟君 では、海外においてはどのような状況になっているでしょうか。

大野恒太郎法務省刑事局長

○政府参考人(大野恒太郎君) 海外におきます死刑の情報公開の関係、網羅的に把握しているものではありませんけれども、私どもが調べて分かりました範囲では、例えばアメリカ合衆国のある州におきましては、死刑執行後に死刑の執行を受けた者の氏名、人種、性別、それから犯罪年月日、執行日や死刑判決から執行まで要した期間などについてホームページに掲載して公開していると、こういう例もあるというように承知しております。

松浦大悟各派に属しない議員

○松浦大悟君 先ほど大臣おっしゃられたように、これまでは死刑囚のプライバシーの問題ですとか遺族感情をおもんぱかって情報公開を行うべきではないという議論があったかと思うんですが、私は次のステージに突入しているというふうに思うんです。まあそうした感情に最大限配慮をしなければならないということは申すまでもない話なんですけれども、この国が裁判員制度という制度設計をした以上、そのシステムが適正に作動するような、そういう条件整備をしていかなければいけないというふうに思っております。  大臣、例えば昼御飯を選ぶときに、AランチかBランチか選ぶときに、そのランチの内容がエビフライなのかハンバーグなのか、それともカレーライスなのか分からなければ、ランチの選びようがありませんよね。この裁判員制度における量刑判断もそれと同じだというふうに思います。死刑といったものがどういう内容のものなのかということが分からなければ、これ判断のしようがないのではないでしょうか。  例えばこういう話があります。ある歌手の人が下積み時代に喫茶店でアルバイトをしていました。その喫茶店にお客さんが来て、ウインナーコーヒーを注文されたんです。その歌手の方は当時、ウインナーコーヒーとはどういうものかということを知らなかった。それで、フライパンでウインナーをいためてコーヒーと一緒に出したんだそうです。ところが、そのお客さんは、それを黙ったまま食べてお店から出ていかれたということなんですね。つまり、そのお客さんもウインナーコーヒーとはどういうものかということを知らなかった。つまり、お互いウインナーコーヒーというのはどういうものなのか知らなかったにもかかわらずコミュニケーションだけが前に進んでいったという、こういう笑い話なんです。  私は、裁判員制度においてもこうした事態になるのではないかというふうに危惧をしております。死刑についてよく知らない裁判素人の市民が死刑の実態を踏まえないコミュニケーションを重ねていくのではないか、大変怖い事態だというふうに思っています。私は、できる限り国民に死刑についての情報公開をすべきであろうというふうに考えます。本人や家族が了解をすれば、被害者遺族やジャーナリストなどの立会いを認めてもいいのではないか。もし受刑者が望むのであれば、カメラによる撮影も認めてもいいのではないかというふうに思います。もちろん、いつ、どこで、だれが処刑されたのかを事前に予告することは、まあこれは言うまでもありません。こうした完全情報がもたらされて初めて国民は、量刑についての判断ができるのではないでしょうか。  裁判員制度が始まる前に死刑の完全情報公開をすべきだと思いますが、大臣のお考えを聞かせてください。

鳩山邦夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) 先ほど丸山先生から、死刑の告知を三か月ぐらいにして、その中で確定した方に選ばせたらどうだという、非常に一つの考え方を示唆するものを御提起いただいた。で、あなたのおっしゃっていることは基本的に間違っていないと思います。つまり、裁判員裁判というのは、百円盗んだ、五百円盗んだという裁判に出てくるわけじゃないわけですから。死刑が刑罰に含まれる事件は一〇〇%裁判員裁判でやると。そのときにやっぱり死刑というのを、人を裁いて死刑という量刑をするというのがどういうことであるかということを、やっぱり裁判員の方にできるだけ分かっていただく必要があると。  私は、ちょっと後付けみたいな言い方で良くないかもしれませんが、死刑とか死刑の執行というのはタブーであって法務大臣というのはそのパンドラの箱を開けないものだということを私にささやいた法務官僚はいましたけれども、なら、開けてやろうじゃないかと。やっぱり議論はした方がいいんですよ。それは死刑廃止論も聞かなくちゃならないと思って、それはもう覚悟の上で。  で、いろんな議論があって、死刑というのはどういうものかと。その執行が、例えば私も知らなかったのが実はあるんですよ。絞首刑というのは、あれ、刑法の前の方に書いてあるんですね。私も大学で刑法は取ったんだけれども、随分前の方に、刑法というのは、死刑は絞首によって行うと書いてある。そういうこともみんなで議論をして、絞首が一番いいのか、ほかにもっといい、安らかな死というのはあるかどうかという議論だってしたらいいと思うんですよ。そのパンドラの箱を開けてどんどん議論する中で、結論はそう簡単に出るかどうか分からない、そういう中で裁判員制度を迎えたいと思うし、あなたが言う、だから死刑の執行についてもできる限り国民に知らしめたらどうだということも有力な意見の一つとして承っておきます。

松浦大悟各派に属しない議員

○松浦大悟君 国民が死刑とはどういう内容のものかということが分からないから、今国民世論が激高しているんだというふうに私は思っています。死刑の完全情報公開をしてもなお国民が、それでも死刑を望むというのであれば、これは仕方がないことだというふうに私は思いますが、しかし私は、国民の多くは死刑の内実を知れば死刑について慎重にならざるを得ないというふうに思っています。その観点から、私は死刑の完全情報公開を求めたいというふうに思っております。  次に、刑事訴訟法四百七十五条第二項は、死刑執行の命令は裁判確定の日から六か月以内にしなければならないと規定していますが、実際には平均七年以上掛かっています。時間が掛かっている理由と、その間どのようなことが行われているのか、お聞かせください。

大野恒太郎法務省刑事局長

○政府参考人(大野恒太郎君) 死刑の執行につきましては慎重を期するという趣旨から、刑事訴訟法四百七十五条第二項、今委員の御指摘ございましたけれども、このただし書では、上訴権回復、再審請求、非常上告又は恩赦の出願等がされ、その手続が終了するまでの期間等についてその期間に算入しないということが規定されているわけであります。  判決確定の日から執行までの平均期間が七年を超えるということの理由の一つといたしましては、確定者の中には再審請求や恩赦の出願を再々行っている者がいるというような事情等もございまして、関係記録の検討等に慎重を期しているということがあるわけであります。それと同時に、現在、死刑の確定者数に比べまして執行者数が相当少ないという実情もございます。  そんなこともありまして、死刑が確定してその執行がなされぬまま長期間を経過する者が増えているというような状況にあるわけでございます。  以上です。

松浦大悟各派に属しない議員

○松浦大悟君 つまり、人命を奪う不可逆的な刑罰であるから慎重になっていると。  これは違法状態ではないということでよろしいんでしょうか、再度確認させてください。

大野恒太郎法務省刑事局長

○政府参考人(大野恒太郎君) 法の規定と開きがあることは、これは明らかでございますけれども、これが例えば国家賠償であるとかあるいは職務上の職責が問題になるというような、そういう意味での違法状態とは直ちに言えないんではないだろうかというように考えております。

松浦大悟各派に属しない議員

○松浦大悟君 今、違法状態ではないという答弁がありましたが、大臣は週刊誌のインタビューにおいて、違法状態ですとか法治国家ではないという発言をされております。今もその考えというのは大臣はお変わりないでしょうか。

鳩山邦夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) 兄に、違法状態だぞと、放置するのかと、こう言われてかなり強い影響を受けておりまして、だけど逆に言えば、それは違法状態を解消しようといったら、じゃ半年間で百人以上かと、そんなことできないよというようなのが政治家同士の会話でございます。  ですから、やはり違法に近い状態だという表現は取らざるを得ないでしょうね。だって、法律が要請している状態ではないわけですから。法の期待する状況になってない、違法に近い状態であるということは間違いないと思います。  ただ、その規定の趣旨からいって、人の命を奪う不可逆的な刑罰でございますので、そこのところは違法とまで言い切れるかどうかというのは微妙なところだろうと思っておりますが、だから先ほどから申し上げておりますように、精査するのに半年間で本当にいいのかと、足りないんじゃないのという問題提起もいたしておるわけでございます。  なお、委員長にちょっとお願いがあるんですが、質疑通告で、例えば先ほどからこの優秀な、私より優秀なお二人がおられますので、先ほど質疑通告がありながら質問がなくて非常にがっかりしておられる方もいますので、次回辺り、先生方にも、私より優秀な副大臣や政務官に答弁の機会を与えていただければ有り難いと、諸先生方にお願い申し上げます。

松浦大悟各派に属しない議員

○松浦大悟君 大臣から御答弁いただきましたけれども、私は法務大臣が法律を破ってはいけないというふうに考えます。ですので、大臣は大臣就任中に何らかの形で処刑をされるものだろうというふうに考えております。  何人処刑をされる予定なのか、聞かせていただきたい。長勢大臣、前任の大臣は十か月間に十人という異例の速度で死刑を執行いたしました。鳩山大臣も同じようなスピードで執行されるのか、それとも更にスピードを上げて百人強の死刑確定者の処刑をされるのか、それとも以前の法務大臣のペースに戻して慎重に対処をされていくお考えでしょうか。どの程度死刑執行を予定をしているのか、お聞かせください。

遠山清彦公明党

○委員長(遠山清彦君) 質疑時間は終了しております。鳩山法務大臣、簡潔に御答弁お願いいたします。

鳩山邦夫自由民主党法務大臣

○国務大臣(鳩山邦夫君) それは、今慎重に考えております。処刑という言葉は何となく抵抗がありますので、刑の執行ということで考えております。

遠山清彦公明党

○委員長(遠山清彦君) 本日の調査はこの程度にとどめまして、これにて散会いたします。    午後三時五分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗