文教科学委員会 第4号
- 発言数
- 76 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 2007/12/25
会議録
○委員長(関口昌一君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、川合孝典君、山下栄一君、神取忍君及び大島九州男君が委員を辞任され、その補欠として木俣佳丈君、浜四津敏子君、山谷えり子君及び青木愛君が選任されました。 また、本日、青木愛君が委員を辞任され、その補欠として室井邦彦君が選任されました。 ─────────────
○委員長(関口昌一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官大江田憲治君外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(関口昌一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(関口昌一君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題といたします。 まず、第四回地球観測サミットに関する件について、渡海文部科学大臣から報告を聴取いたします。渡海文部科学大臣。
○国務大臣(渡海紀三朗君) 去る十一月三十日に南アフリカ共和国のケープタウンで開催された第四回地球観測サミットに出席してまいりました。 地球観測サミットは、平成十五年のエビアンサミットにおいて全球的な地球観測の重要性が認識され、その実現のために閣僚会議の設置が合意されたものであります。この地球観測サミットは、気候変動枠組条約締約国会議、COPでございますが、における議論の科学的根拠となる将来予測の検討と併せて、今後世界が環境に配慮しつつ持続的に発展していくために不可欠な各国による取組の場となっているものであります。平成十七年の第三回地球観測サミットにおきまして、全球地球観測システム、GEOSS十年実施計画が策定され、現在、参加国がこのシステムの実現に向けて着実に努力を重ねているところであります。 今回のサミットには、約七十か国、約五十の国際機関の代表が参加いたしまして、まず、地球観測に関する政府間会合、GEO加盟国及び参加機関が現在進めている取組について紹介されました。 私からは、日本代表演説を行い、地球規模の気候変動を監視するためGEOSSの構築を加速する必要があること、我が国は、これまで人工衛星によるアマゾンの森林減少や北極海の海氷の融解の把握、地上・海洋観測による熱帯地域の豪雨を監視するネットワークの整備、地球シミュレータを活用したインド洋ダイポールモード現象の予測成功などの成果を挙げ、GEOSS構築に貢献していること、今後、GEOSS十か年計画に基づいて、宇宙から見た全球規模の観測や地上、海洋の観測の体制強化、地球観測データを統合して使いやすい情報に変換するシステムの開発、全球三次元地形データの提供等を通じて、アジア地域を始め世界に貢献すること、GEOSSの成果が広く各国に普及することを目的に、GEOSSに関するシンポジウムを来年三月に東京で開催し、今後、このシンポジウムの開催を各国に展開することなどについて表明いたしました。 また、サミットにおいては、GEOSSの円滑な実施に必要となる事項について検討を行い、一、環境や持続可能な開発の健全な政策決定には、地上、海洋、航空機及び宇宙からの地球観測並びに科学的モデリングが必要であること、二、次回の地球観測サミットに向けて、GEOSSにおけるデータの共有に関する原則について合意をするためのプロセスを設けることを支持すること、三、GEOSSの進捗を確認し、中期的に評価し、実施に関する指針を作成するため、平成二十二年末までに地球観測サミットを開催することなどの事項を盛り込んだケープタウン宣言を全会一致で採択いたしました。 文部科学省では、国内における中核として関係機関と協力しつつ、引き続き、地上、海洋における観測を始めとして、温室効果ガスを監視する衛星、全球的な水循環を解明する衛星を順次打ち上げるなど、宇宙から見た全球規模の観測体制を強化するとともに、様々な地球観測データを統合して使いやすい情報に変換するシステムを開発することによって、アジア各国と協力して、アジア地域の防災対策の充実や水資源管理の向上など、アジア地域を主として主導的な役割を果たしてまいりたいと考えております。 なお、今次サミットへの出席の機会を利用いたしまして、私は、会議を主催した南アフリカのほか、出席した中国、欧州委員会の各閣僚と環境問題も含めた科学技術協力などについて意見交換を行いました。 南アフリカのマンゲナ科学技術大臣とは、平成十五年に締結した日・南ア科学技術協力協定に基づいて科学技術面での協力が順調に進展してきたと双方で認識することができました。また、科学技術に限らず、教育など様々な分野で協力を進めていくことの重要性を確認しました。 中国の万科学技術部長とは、日中間は経済面だけではなく、科学技術面においても協力関係が順調に進んでいるとの共通認識が得られました。また、今年一月の第一回日中韓科学技術協力担当大臣サミットの結果を踏まえて、環境分野における技術協力を含めて具体的な協力の進め方を検討することといたしました。 欧州委員会のポトチュニク委員とは、環境・気候変動に関する研究協力の推進によって問題の解決に積極的に貢献することが重要であると双方で認識しました。また、事務レベルにおける協議がまとまりつつある日・EU科学技術協力協定は、双方の科学技術協力の象徴となるものであることから、今後、署名に向けて引き続き努力することを確認しました。 今回の地球観測サミットについては、我が国が地球環境問題に積極的に取り組んでいる姿勢を国際的にも強く示す必要があると判断し、国会開会中でありましたが、国会の御理解をいただいて、文部科学大臣である私が参加させていただきました。 今回の会議では、インドネシア、バングラデシュなどアジアの国々が我が国の貢献を大変評価していることを実感し、地球環境問題の解決に向けて引き続き積極的に貢献していくことが我が国にとって大変重要な戦略であると感じた次第であります。 以上、御報告を申し上げます。
○委員長(関口昌一君) 以上で報告の聴取は終わりました。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○木俣佳丈君 おはようございます。民主党・新緑風会・日本の木俣佳丈でございます。 今日はクリスマスの日でありまして、それにもかかわらず、とにかくそんなことを言っている暇はないというような思いで質問をさせていただきますので、よろしくお願いしたいと思います。 まず、文部科学なものですから、科学の方から始めさせていただいて、文部の方に移りたいと思います。 ちょうど、渡海大臣、ああ、これ正式にまだ言ったことないものですから、渡海大臣、御就任おめでとうございます。遅くなりましたけれども、今から数えますと十何年前、十七年ぐらい前でしょうか、私が勤め先で勤めておりましたときに御一緒させていただいて、当時、南アの制裁解除をするかしないかという極めて大事な会議を御一緒、御一緒というかリードをしていただいたことを忘れませんし、その際にラーメンをおごっていただきまして、あの味は生涯忘れない思いでございます。格別な思いでこの場に立たせていただきますことを、まずお祝いを申し上げながらお知らせしたいと思います。 それはそれとして、まず万能細胞、iPSですか、の話から申し上げたいと思います。 予算原案ができまして、大臣の、そしてまた現場の役人の皆さんのお力でこれは満額通ったということで、大変おめでたいといえばおめでたいかもしれませんけれども、私はちょっとそういうふうに思っておりません。 これは、例えば、この万能細胞というのは、私が議員になってから最大の発明ではないかということを思っております。そして、これが日本人の手で発明されたというのはすごいことだと重ねて思っております。 例えば、イギリスの紙面では、これ十一月の十七日ですか、要は日本で発表する四日前、デーリー・テレグラフで発表されたわけでありますけれども、これを見た日本人記者が腰を抜かしたということが知らされております。特に、羊のドリーのクローンというあれをやったあの博士も、これができたんならば、つまりは、いわゆる胚から、受精卵からクローンをつくるということではなくて、要は人間の皮膚から、皮膚細胞からこれができるんなら私はもう研究をやめたと、これを発表したのが十七日。そして日本が、この御当地の日本が四日後になってようやく新聞紙上で発表されるというような、こういう状況になっているわけでありまして、同じようなことが政治的にも行われているわけです。 私も、実は京大の山中先生とも話をしまして、また関係者の方々と話をしました。驚いたのは、やはり山中先生御自身が文科大臣に、もちろん大臣は文科の行政について非常に造詣が深いわけでありますので、それは当然といえば当然かもしれませんが、陳情に来られたということなんですね。私、どちらかといえば、ちょっと大臣には失礼かもしれませんが、大臣の方がよし頼むということを言いに、お近くでもありますので、お地元が、ですから言いに行くぐらいのやっぱりものだと思いますし、会うならばこれはやはり総理が会って、よしこれは国を挙げてオールジャパンで頑張ろうじゃないかというような世紀の大発明であると私は結論付けたいと思います。 つまり、アメリカではブッシュ大統領がすぐに談話を発表して、こんなすばらしい技術というのは、つまりはこれは信仰的にも、私もクリスチャンでありますけれども、要は受精卵を使わずに、ローマ法王までこれはすばらしいということを言った技術であるから、国を挙げてオールアメリカで応援しようと、こういう発言をした。そういう技術に対して、つまりは日本ではチーム山中、つまり京大の一人の先生を中心としたチームで、もう本当に、駅伝を一人で走っているという表現がありましたけれども、そんな思いでされているのを見て、又は話を伺って、これは何とか国会で取り上げさせていただいて、大臣中心にオールジャパンの方に持っていっていただかなければいけないと、こういうふうに思うから今回取り上げさせていただくわけであります。 まず、発表がちょっと遅れてしまった理由とか、何か特別なものがあるんでしょうか。ちょっとそこの部分、いや大臣、大臣、大臣にお答えいただければと。
○国務大臣(渡海紀三朗君) 全体的なお話として、先生がおっしゃるように世紀の大発明、これはそうだというふうに思います。 私が行くか先生が来られるかという話もあったわけでありますが、先生が来られるということは割と早めに決まっておったものですから、これは、じゃそれをお待ちしようということを言ったわけでありますけれども、それ以前に、私といたしましては、これは早く動かなきゃいけないということで、早速担当部局に指示をいたしまして、とにかく何ができるかということを早く報告をしろということを指示をいたしました。 同時に、これは岸田大臣とも私は非常に親しいですから、これはオールジャパンでやらぬといかぬと、我が省は文部科学省のことはやれるけれども全体は大臣のところがまとめなきゃいけない、総合科学技術会議をすぐ動かしてくれということを申し上げまして、そして、ちょっと日にちは今はっきり覚えておりませんが、次の総合科学技術会議で我々は議論をさせていただいて、総理からもしっかりとしたメッセージをいただいてオールジャパンでやる。 当初の初動としては、実は発表以降はそんなに遅くはなかったというふうには思っております。ただ、先生が言われましたように、海外が非常に早く、また大きく反応したという意味では、これは日本の文化とでも言いましょうか、ささやかな発表にはなったわけでありますが、しっかりとした体制づくり、また我々は認識というものは持たせていただいてやっているというふうにお考えをいただきたい。 もう一点だけ。これは山中教授の研究に着目をして、もうずっと以前からこの研究というものに対して科研費等を通じて長い間支援をしてきた、この成果が実は今回の成果にもつながっているということは御理解をいただきたいというふうに思います。
○木俣佳丈君 大臣が一生懸命されておるのは私も分からないわけではないんですね。 ただ、私が言うまでもなく、実は渡海大臣はよく分かっていらっしゃると思うんですが、研究者同士のネットワークとかいうのは何にもないんですよね、実際に。ですから、京都大学の山中チームとしてはやっているけれど、例えば、名前を挙げるのはあれ、慶応大学、理化学研とかいろんなところがあるそうですね。そういったところに専門家がばらばらにいて、要はそれを統合しなければ力にならないというのはお分かりだと思うんですよ。 今回、二十二億ですか、予算案が付いて、確かに当初からすれば、重点政策の一つとして新聞も取り上げておりますので、これはすばらしいと思うんですが、やはりアメリカが、あのアメリカが必死になってこれをやっていまして、当事者の皆さんはどういうふうに考えていらっしゃるかというと、このままでは本当にどうにもならなくなるというのが当事者の皆さんのお考えだというのもお分かりだと思うんですね。 この件については、例えば山中さんが特許を一つ取ったとしたって、パッケージのような特許になりますので、要は外堀を埋められて内堀を埋められてしまったらこれは特許を手放すしかなくなるなんていう事態も起きる可能性があるんですよ。更に言えば、これは今からもう分かっていることは、臨床に進んでいくんですが、これを例えば認証といった場合に、日本なんかは物すごく遅いですよね、非常に。ですから、パッケージでとにかく特許を取るような体制というのを、ここ一、二年が勝負だというのが山中教授やほかの方々の御意見ですよね。 一、二年でどういうセンターをどんとつくって、そこは別に京都大学ということではなくて、要はいろんな教授がネットワークで日々意見交換ができるような、そういったものをつくるお考えはありませんか。
○国務大臣(渡海紀三朗君) 全くそのとおりでございまして、我々はそのネットワークをどういうふうに設計しようか、またどういうふうに考えていこうか、そこについても既に科学技術・学術審議会のライフサイエンス委員会、これを二十日に開きまして、この予算が確定をした段階で発表もさせていただいております。 それから、従来からのネットワークというのも、先生が御指摘の連携が悪いというのは日本の研究会に多々ありがちでございますから、今回は絶対そういうことになってはいけない。それから、要するにまた各省庁の縦割りということが弊害になってはいけないということで、先ほど申し上げましたが、総合科学技術会議、これと緊密に連携を取りながら、これは臨床までいきますと例えば厚生労働省また経済産業省、こういうものも絡んでくるわけでありますから、そういった体制が取れるように、それから、先生からいろいろ聞かせていただきました。そしてまた、今日も実は担当課が京都大学に行っております。事細やかにフォローをしながら、その体制を取るべくこれからも頑張っていきたいというふうに思っております。 また、西の拠点と言われている、これはたまたま地元ですから言いにくいですが、発生・再生科学センターですね、それから某私学とあえて言っておきますが、東の拠点も我々は認識をしておりますし、そういうところとの連携がスムーズにいくように、これは国主導でオールジャパンの体制をつくり上げていく、そういう決意でやってまいりたいというふうに思っております。
○木俣佳丈君 決意はよく分かりましたけれども、いずれにしてもここ一、二年が最大の山場になるだろうと。十年以内にこれは臨床に入っていくと。 ところが、今申しましたように、今日は厚生副大臣に来ていただいておりますが、例えば角膜、眼球の角膜ですね、この再生なんかでも、結局承認まで、承認申請後十年でようやく承認になっているなんていう例があるんですよ。ですから、今ホットなイシューだからということで大臣はそういうことを言われますけれども、ちょっと今日は官房副長官、わざわざ来ていただいていますので、通告をちょっとしていませんけれども、だけれども、今大臣の話を受けながら、そういった申請のところまで一気通貫で、とにかく目標を定めて、何年ぐらいで要は市場に出すのかとかいうことも含めて、それから特許を取るには、例えば日本でいろんな、特許庁と僕は朝話をしました。そうしたら特許庁は、こういったものでも、例えばこの特許については付随してこれ取らないといけませんよみたいなものはアドバイスをしないんですよ、実際。これはもう特許申請されていますよってはねるだけなんですね。 ですから、より内閣一体として今大臣がおっしゃったようなオールジャパンでここ一、二年のうちに何をするかということが勝負だと思いますから、一つは拠点をやはりどうするか、それからネットワークがないという、まあ東と西ということを言われましたが、これは文化芸術も全部東と西でばらんばらんなんですよ、実はね。ですから、ここで要は、このiPS、このiPSという言葉も実はまだワールドワイドな言葉になっていませんね。これはいわゆるソーコールドですよね。山中先生が使っているiPSという、その細胞ということしか言っていない。ですから、ES細胞と比べたら全然まだまだ世間的な通りが悪いわけです。 ですから、こういったことも含めて一体的に是非、闘うんだと、闘っても独り勝ちはできません。互角まで行けば十分なんです。だけれども、この世紀の発明を我が国が互角なところまで持っていけるかどうかは本当に今の段階が必要だと思いますので、副長官、ちょっと御答弁お願いしたいと思います。
○内閣官房副長官(岩城光英君) 木俣委員からいろいろと御指摘がございました。様々なこれからの課題もあろうかと思いますけれども、私どもといたしましては、文部科学省中心に、関係省庁とよく連携を取りながら対応していきたいと考えております。
○国務大臣(渡海紀三朗君) ちょっと、私の発言が誤解を与えてはいけません。 ネットワークはつくります。そして、どういうふうにつくるかということも既にもう決めております。ですから、先ほど、その拠点をつくりまして、それと京都大学を中心とした、幸い京都大学に新しいメニューの、トップ拠点というメニューがありますから、その中にしっかりとしたセンターもつくります。先生の認識は全くそのとおりでございまして、我々もその認識の下、どうやってそれを早く立ち上げるか、またどうやって支援をしていくか。知的所有権の問題についても、既に専門家も派遣をいたしておりますし、それからアメリカは発生主義でございますから、ですから、そういったところで隠れているやつがないかというようなことも探しに行く手だてもやっておりますから、御支援をまた今後とも、どういいますか、後ろから背中をどんどんどんどん早く行けとたたいていただきたいというふうに思います。
○木俣佳丈君 来年初に内閣改造をなんという話がありますので、ですから、今年中にというか、もうなるべく早く、やはり大臣のうちに、また副長官のうちに今のことを実現に向けていただければなと思いますね。 私伺ったら、一、二年がまず勝負で、それからそれ以降、例えば十年ぐらいで仕上げていかなきゃいけないと。それから後は、一、二年以降、第二フェーズに至っては、海外にいる研究者ですね、例えばこの分野では今までアメリカの、私も近くにおりましたが、NIHとか、これはまあ非常に有名ですよね、お金ももう日本の百倍出ていますよね、百倍以上、三千億とかいう単位で出ています。ですから、海外にいる日本の優秀な技術者というのか、研究者というのか、これをやっぱり引き戻してくる。もっと言えば、逆大リーガーじゃないんですが、要は、アメリカの又はインドのそういった研究者を日本に呼び戻すというところまでやはりつくらなければ全く機能しないということだけお伝えを申し上げたいというふうに思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。 これについてはもうこれで終わりますので、厚生の副大臣、もうどうぞ、お時間あるようで。 続きまして、ちょっと質問、今度はがらっと変わって文部の方に移らせていただきます。 今日も教育再生会議が午後、夜、夕方ですか、行われたりするわけでありまして、第三次の答申、これは最終答申ではないんですかね、行われるということでございます。片方で、文科省の大臣諮問機関である中教審というものが骨子のところまで出してきたということで、来年の初には指導要領の新指導要領が十年以上ぶりですかに改訂をされるということになるということであります。 私も子供を四人授かっておりまして、非常に教育について危機感を持ちながら暮らさせていただいています。危機感というのは、これ、現場を私も実はずうっと歩かせていただきまして、今年は特に、愛知県の豊橋というところが居住地であります。豊橋には実は二十二の中学、五十二校の小学校というのがあります、七十四校ありまして、これ全部回らせていただきまして、一時間から一時間半ヒアリングをさせていただいて、ずっとまとめたものを来年初にちょっとした本として出させていただくようになっております。 現場を回らせていただいて、今日も関係ある方々がいらっしゃいますけれども、非常に先生方一生懸命やっていらっしゃると。教育再生会議の第一次原案にありましたような、公教育が非常に危機に際している、崩壊しているというような書きぶりが冒頭ありましたね。私、これは、前の官房長官にも、座長なものですから、もう全くそれはおかしいじゃないかと。崩壊どころじゃないですよと、歯を食いしばってやっているじゃないかと。確かに一部不適格な教員がいるかもしれないけれども、しかし全体とすれば、要は社会がこれだけ乱れる中でよくやっているんじゃないですかと。ただ、学力の低下等々ということを考えたときに、実際に低下というのはあるのかなということを私も感じながらいるわけですが、この学力低下感については大臣はどのようにお感じになられていますか、今。
○国務大臣(渡海紀三朗君) 学力の問題についていいますと、いろいろな調査があるわけですね。これは一つは、OECDがやっていますPISAの学力調査というのがあります。先ごろグリア事務総長が私の下へ来られまして、二〇〇六年分のことで日本に対してこう思うということも言われたわけでありますが、また全国一斉学力調査というのも昨年、いや今年か、やらせていただいたわけであります。 PISAの調査を見ますと、若干やっぱり低下傾向にあるということはありますが、まあいろんな分野で依然として上位にあるという意味ではそれは認めることはできると思います。ただ、日本の教育で今一番問題になっているのは、基礎とか基本の知識とか技能ですね、こういったものを習得をしているという意味においては評価できるということでありますけれども、これ、我が国の調査でもそれからPISAの調査でもそうですが、これを活用する、応用するという能力ですね、ある意味の読解力というものが少し不足しているということが言われておるわけでありまして、そういう点については、今後まだ大いに改善を図っていかなきゃいけないというところであろうというふうに思っております。 少し余分なことを言わせていただいたら、OECDの調査で、これは事務総長がおっしゃったことですが、今回は科学リテラシーということで調査をされていますが、日本の、これ大人もそうなんですが、子供たち、これはPISAのやつは高校一年、十五歳だったと思いますが、科学に対する興味、これがOECD平均から比べると低いんですね。このことは、これは私の個人の意見でありますけれども、大変問題だなと。これは向こうからも指摘をされまして、それは困ったことだというふうな話をさせていただきました。我が国は、これから科学技術というものをしっかりとやって、そして持続可能な社会、発展を続けていくにはやっぱりこの傾向というのはちょっと困ったものだなと、どうしたらいいかな、最近、そんな問題をよく私自身も改めてじっくりと考えてみなきゃいけないというふうに思っているところでございます。 少し長くなりました。恐縮です。
○木俣佳丈君 学力はどちらかというと低下傾向にあるということをお認めになったと思うんですね。 ただ、今最後に言われた科学のリテラシーの問題について、私、PISAもいいんですが、例えば国内の公文、ドリルの公文ありますね、公文の方々と話をしていますと、小学校五年生、六年生にアンケートを毎年千五百人ぐらいやっているそうですね。そうしますと、一番好きな教科というと理科って来るんですね。次、算数って来るんですよね。だから、それはやっぱりやり方なんだなと思うということをちょっとお伝えしたいということを思います。 やはり、小学校四年から五年のときに脳が、要は前頭前野、これは川島理論、川島隆太さんて東北大学におりますが、理論でありますが、四年から五年のときに前頭前野がきちんとできてくると。そのころに、これ実は特殊教育をされている例えば全盲の方や又は聾唖の方と話してもそうなんですが、抽象概念を教えていくのはその辺りからだと。なるほどなということを思いますね。ですから、今、私の子供たちが、何が言いたいかというと、例えば理科であれば実験がやっぱり少ないんじゃないのというような感じですね。やっぱりそういう分かりやすい何か、三次元の教え方というのが私は大事ではないかなということをつくづく思ったりいたします。 ちょっと話は変わりまして、ゆとり教育ということをずうっと言われてまいりました。このゆとりというのは何のゆとりかなと。これ、先生のゆとりなのか、要は授業時間を減らしたからゆとりができたというふうに言うのか、子供がどういうふうにゆとりを持てるかということか、いろいろ考えたんですが、やはりこれはもう教育は子供のためにあるわけでありまして、子供たちがゆとりの気持ちを持って、時間的に例えばぎゅうぎゅう詰めでも心のゆとりがある中で楽しく学んでいく。しかし、学ぶ学習というのは、やはりまずは苦痛があって、でも苦痛の後に快楽というか、学んだ楽しさというのが来る。逆は僕はないんではないかなというふうに思いますね。面白おかしく学習するというのはないということを思っております。 そしてまた、さっきの脳の発育なんということもありますけれども、例えば四年生より前に余り考えましょうというのをやり過ぎますと非常に混乱するということが言われています。ですから、基礎、基本をきっちりやっていく。つまりは、将来一つの学問体系という、まあ将来、自分の人生の夢というものが一つの家と例えるならば、その家を造るための道具を四年生ぐらいまでにしっかり作っていく、これが錬磨のことではないかなと思うんですね。 これ、道具とは何ぞやといえば、やはり早く正確に物を測れたり削り出したりするものですね。例えばトンカチであったり金づちであったりのこぎりであったり、数が多ければ多いほどその夢の実現というのはできるんだろうと。それを四年生ぐらいまでにやるべきではないかということを私は思っておるわけでありまして、さっきの抽象概念を教える、教えないということと併せて、今度の指導要領というものがそういうふうになるのかなということを若干疑問に思うわけであります。大分変更はされてきたけれども、時間を増やすことによってそういったことが達成されるかどうかというのは分からないということであります。 そういういろんな質問に入る前に、まず一番初めのキャッチフレーズ、ゆとり教育というものに対して、今度はどういう教育にしていくんだということを、言葉でまだ正式に出てきていないと思うんですけれど、大臣としてはどんな言葉を当てはめたいというふうに思われますか。
○国務大臣(渡海紀三朗君) 基礎、それから基本に関して、これが身に付くという意味では実はそれほど変化はないわけですね。まあ、学力低下と言ってしまうと非常に誤解が起こると思いますが。ただ、ゆとり教育というのは実は、簡単に言いますと、できるだけ自分で考える力、それを活用する力というものを生み出すために言われた言葉だというふうに理解をいたしております。理念は生きる力、要は、社会に出て単なる知識だけではそれは活用できないわけでありますから、そういうものを教科を越えて総合的にやっていくと、そういった試みがなされたわけでありますが、必ずしもそれはうまくいかなかった。これは私は反省をされていると、これは中教審の意見でもあるわけですから、ここのところはむしろ、ちゃんとそれを反省してこれを変えていこうということはいいことだというふうに思っております。 そうすれば、新しいやつはじゃどうなるのか。これは一月におまとめをいただくということで今審議をいただいておるわけでありますけれども、そういったところから、これは今正に委員が御指摘になりました、基礎知識をより身に付けさせることによって活用力を上げていくという方向が今示されているわけでございまして、どういう言葉でと言われましても今とっさには浮かびませんけれども、やっぱり生きる力というものは理念として変わっていないと言われておりますし、私もそういう表現でいいのかなというふうに思います。 瞬間的に、今度はどう表そうというふうなことは余り念頭になかったものですから、今そのことに対して私はこう言いたいという答えがなくて恐縮でありますが、やっぱりそういう、より実践的なといいますか、将来役に立つ、そういった方向につながる活用力とかそういったたくましさとか、そういうものを身に付けていくことが大事なんだろうと。理科でいうなら実験とか体験とか、そういうものを具体的に身に付けさせるということが大事なんだろうというふうに思っております。
○木俣佳丈君 今日の今日ですぐにどういう言葉か答えろというのも無理かもしれませんが、是非大臣のうちに、どんな言葉かというところはきちっと当てはめていただくというのが大事じゃないかなというふうに思いますね。 今の大臣の話の中でも将来役に立つという言葉がありましたけれど、やはり生きる力という言葉も含めて、ちょっと私にとっては、いや、それ耳触りはいいんですよね、生きる力を養うんだといったら、いや、それにノーなんということは絶対言いたくない。しかしながら、あいまいもことしているのは確かだと思うんですよね。 総合学習なんかも、私、例えば今回のカリキュラムで大分削るということなんですが、これ賛成のところと反対のところとありまして、余り低学年から総合学習やっても私どうだろうかなと思ったりするわけですね。 もっと言うと、中学のカリキュラムなんか見ますと、これ、私も本当に驚いた。改めて現場のあれを見まして、中学三年でも午後はほとんど実際の授業はありません。例えば選択の授業と総合と道徳、道徳もほとんどの学校では自習なんです。ですから、四限の掛けるの四、十六時間である程度やっているということなんですよ。もっと言うと、総合学習も又は選択授業も振替で遅れたところをやるとは言っているわけなんでありますけれど、実際には自習なんということも間々あるというのが現場のやはり状況のようなんですね。 ですから、今回削るというのは、確かに今言ったようなものをなくするということでは正なんですが、ただ片方で、これ相矛盾するかもしれませんが、その時代時代によってこれカリキュラムを組んでいかなきゃいけない。もっと言うと、もっと言いますと、指導要領というのはもうやめてほしいというのが恐らく現場の意見ではないかなと思うんですね。 何が言いたいかというと、日本は安倍前総理のころから、より中央集権型の、まあイギリス型のような教育に戻そうと。全国調査もそうですね。これ、中央集権を更に強化するということだと思うんですよ。だけれど、我々が見なきゃいけないのは、例えばフィンランドが例に挙げられるかもしれませんが、分権型の教育改革ではないのかな。つまり、これはまちまちで、例えば富んでいる町と余り富んでいない町とあるように、その現場現場で状況は違うと思うんですよね。 例えば我が町豊橋は、五%の、外国人の方々が二万人をもう超えました。こういうところがあるところもあれば、外国人はもうゼロというところもあると思う。ゼロというのはないでしょうけど、少ないというところもあると思うんですね。それから又は、やはり学習障害の比率が高いという町もあれば、いや、ほとんどないよという町もある。だから、やっぱり町々によってカリキュラムを相当組んでいった方がより効果的なものになる、つまりは分権が僕は必要じゃないかと思うんですが、どうでしょうか。
○国務大臣(渡海紀三朗君) ここは大変議論のあるところだと私も思います。 ただ、地方分権になじむこととなじまないことというのはやっぱり区別して考えなきゃいけないんじゃないでしょうか。ですから、教育においても、ある意味、地方の自主的な判断でいろいろやっていただくことが当然今もありますし、これからもあるんだろうなというふうには思います。ただ、学習指導要領という考え方をそれに当てはめたときに、果たして、果たしてそのすべてを例えば地域に任せてしまっていいんだろうか。これはいわゆる共通したある意味での基準でありますから、そういったものはやっぱりしっかり定めた上で、その上で例えばいろんな工夫というのは現在でもなされているわけでありますし、またある程度いろんなやり方、そういったものもこれは地方でやれるんじゃないかなというふうに思います。 具体的な科目についていろいろ考えたときには確かに自由度を上げていったらいいということは私もあるかと思いますけれども、そういったことを考えながら共通の基準として今作っている、また出させていただいているのが学習指導要領ではないかなと、そんなふうに思います。
○木俣佳丈君 ちょっと確認なんですが、学習指導要領というのは学校が守る最低限の基準ということでよろしいわけですね。
○国務大臣(渡海紀三朗君) 基本的にそれで結構でございます。
○木俣佳丈君 そうしますと、だから今回も再生会議で、これはまた副長官、又は、ちょっと細かい質問になるかもしれませんので、内閣官房の方答えていただけりゃいいんですが、これ一〇%例えばアップ授業時間をせにゃいかぬということを、現場にいらっしゃった方もあるけれども、言われますよね。今回、実際、例えば主要の四科目、小学校では、中学では五教科プラス体育についてはかなり授業時間がアップするわけでありますが、これ両方にちょっと伺いたいのは、授業時間をアップすれば、要はよくできるようになると。もっと言うと、何で一〇という数字が出てきたかというのをまず再生会議から聞きたいと思うんで、副長官から。
○内閣官房副長官(岩城光英君) 教育再生会議の第一次報告及び第二次報告では、基礎学力の向上を図るために、基礎、基本の反復、徹底、それから全国学力あるいは学習状況調査の結果を生かすこと、そして習熟度別指導の拡充、教員の質の向上、家庭学習の習慣を付けることなどの提言がございました。その中で、基礎的な学力を確実に身に付けさせるための一つの有力な手だてとして、必要な授業時間数を十分確保し、基礎、基本の反復、徹底と応用力の育成を図ることが必要であると、こういった提言がなされております。 この総授業時数につきましておただしありましたけれども、小学校では平成四年で五千七百八十五時間であったのが、現在五千三百六十七時間と、四百十八時間減っております。中学校でも平成五年で三千百五十時間でありましたが、現在は二千九百四十時間と、二百十時間減っておりまして、いずれも約七%減少しております。これを一〇%例えば増加するとすれば、国際的に比較しますと、小学校ではドイツ、シンガポールと同じ程度になりまして、それでもイタリア、インド、フランス、香港よりは少ない、国際的に見ても中程度のグループになってしまうということであります。 そういったことから、例えば工夫でありますけれども、四十五分授業を四十分とし、一日の授業時数を一こま増やす等の工夫により一週間の授業時数を増加させることや、夏休み、春休み等の若干の短縮により授業時数を一〇%増やすことも可能である、こういったことも踏まえまして、授業時数一〇%増の提言がなされたものでございます。
○政府参考人(金森越哉君) お答えを申し上げます。 教育課程につきましては、中央教育審議会の教育課程部会におきまして審議をいたしてまいりました。今年の十一月七日、これまでの審議のまとめを公表いたしましたけれども、その中では、例えば小学校で申しますと、発達の段階に応じて、基礎的、基本的な知識、技能の定着を図るとともに、観察、実験やレポートの作成といった知識、技能を活用する学習活動を充実させる観点から、国語、社会、算数及び理科の授業時数を増加する必要があるとされております。また、子供たちの体力が低下する中で、運動の楽しさや基本となる体の動きを重視した体育の授業時数の増加も必要だとされております。 審議の過程におきましては、例えば小学校の低学年では、学力の基礎を培う国語と算数、それから体づくりの基となる体育を増加すること、中学年では、国語、算数、体育に加えて様々な観察、実験を行うための理科及び社会を増加すること、また高学年では、社会、算数、理科について確実な知識、技能の習得とともに、それらを活用する学習活動の充実を図ることを重視するというような考え方で議論がされまして、このような結果、教科全体を通じ、六学年合わせておおむね年間三百五十単位時間増加することとなったものでございます。これは、現在の国語、社会、算数、理科及び体育の標準授業時数の合計三千四百八十一単位時間と比較をいたしますと、約一割に相当するということでございます。
○木俣佳丈君 細かく言っていただきましたけれども、正解はないと思うんですね。例えば、フィンランドみたいに非常に時間が短くても効率的な教育を、授けると言っていいのかな、受けることができるような国もあったり、それから授業時間を長くしないと、しないとというか、した方がより効果的な国もあったりするかもしれませんが。 私は、再度申しますように、やはり地域地域の差が相当出てきているんだろうということで、今文科省としても白旗を振っているのならば、是非これ白旗振り続けてもう地方に任せれば、私は地方の市町村の教育委員会が十分できるんじゃないかなということを思うんですね。 文科省がやるべきものというのは、市町村がやっている先進的な事例があります。これ、要は、指導要領というのは最低限ということでありますから、それを超えた、超えたというか、それ以上のすばらしいアイデアを市町村の教員の方又は教育委員会の方というところがどんどん出してきているんですね。ですから、そういったものを、シンクタンク的にこういったものがある、ああいったものがある、ああいうやり方があるというのを、情報を流していくというのに徹して、若干異例の五つの反省ですか、今回の指導要領については五つ反省があるとるる述べられておりますけれども、あるならば、要はどっちに合わせれば良くなる、要は授業時間を増やせば良くなるとは私は思わないですよ、実際に、実際にですね。 なぜならば、やはり例えば、これは陰山さんなんかがよく言いますように、例えばコンビニが二十四時間やっていて、それからテレビを見る時間が異様に長い。あるゲーム機メーカーは、もう二時間以上使ったらもう使えないゲーム機をこれから発明しようなんて言って、最大手の方が言っていました、社長が。そのぐらいの時代になっているわけですから、現場現場にやっぱり合わせたやり方をしていかなければ何ともならないんじゃないかなというふうに思うんですね。 要するに、今回また変わりますと、この変えたものに対して二〇一一年から執行せよというような話になりますね。これは、要は法に準拠するようなものでありますからこれに刃向かうことはできません。だけれども、例えばいろいろすばらしい総合学習を展開しているところも一杯あるわけですね。 私の故郷なんかでも、例えば連だこって、たこをずっとつなげて、これギネスに載っているんですが、そういう中学があるんですよ。これをとにかく総合学習を使って展開していくなんというところがあるんですよね。これどうなっちゃうのかなというような話とか、あと、田んぼや畑があるものですから、米を作ろうと、食農教育ですね、これを展開しているところもかなり多々ありますね。こういったところはどういうふうになってしまうのかなと、非常に思うんですよね。 ですから、一番やはり現場としては困るのは、国の方針は聞かなきゃならない、しかし、この聞かなきゃならない方針が猫の目のようにぐるぐる変わるというのが一番大変な私は思いを持っていただいておるのかなということを思いますよね。やはり、どっちに国が合わせていけばどういうふうになるという時代はもう終わったと思うんですね。画一的に、何というか、こういうふうにやれば国民全部乗ってくるからやれるよという時代ではないと思うんですが、大臣、どうお考えになります。
○国務大臣(渡海紀三朗君) 時代がそういう時代であるという委員の認識は私は否定するものではありません。しかし、先ほども申し上げましたように、義務教育というのは憲法に保障された国民に与えられた権利であり、親はそれを受けさせなきゃいけない義務がある、これは二十六条であります。何も均質な、そういうものを全国一律にというふうには言いません。均質とは言いません。しかし、そういった機会を与えるものの一つのある意味の共通の基準として指導要領があるというのが私の認識でございます。 それから、今委員がおっしゃったような、例えば今までやってきた総合学習の中でこういうものをやっているというものをやっていただくことについては、別に否定しているものではありません。それは全体の時間の中で確かに負担にならないように考慮するという必要はあろうと思いますけれども、そういった種類のものであればいろんな工夫が現実にできるわけでありますし、また総合学習も残っている部分でうまく使っていただくことは可能でございます。私も現実に、実は都内で二年生と四年生の子供が英語で会話しながら遊んでいるというそういった授業を見せていただきました。まあ、遊んでいるんじゃなくて、これはコミュニケーション能力を図っているということだろうと思いますし、そういった理解をしていただいて各地域がいろんな努力をしていただく、各学校がいろんな努力をしていただくということは可能なんじゃないでしょうか。そういったふうに考えていただければいいと思います。 ただ、指導要領は確かにあんまりころころ変わって現場が混乱しないような、そういう配慮は必要であろうと思います。今回は十年に一回という指導要領の改訂でございますから、これからも身を引き締めて、しっかりといろんな意見を聴きながら作成に取り組んでいきたいというふうに考えております。
○木俣佳丈君 もう時間がございませんので、本当に大臣の決意はよく分かりましたし、ただ、重ねて、もう時代が我々が子供のころとやっぱり違うんだなということを思いますね。それをやはり学校の僕は先生のせいにしがちでありますけれども、確かにそれは学校の先生ももうちょっと気合を入れてやってほしいと思うことはありますね。ただ、原則論としては、家庭でできないことを学校でやらせるといったって、それはできませんよね。しつけができていない子供を学校でしつけてくださいとか、しかも給食費も未納な人が年一%もいる、これも集めてくださいとか、とんでもない話をやはり展開しようとしている世間一般があるわけですよね。 だから、この辺はよくよくやはりお考えをいただきながら、指導要領の中にそれをどういうふうにしていったらいいのかと。まずはやっぱり家庭だと思うんですよね。家庭のところをどうするか。だけれども、家庭でできないから学校で何をするべきか。やっぱりできることとできないことをはっきりもっと明示しなければ、あいまいもことしたやり方ではまた元のもくあみで、現場が本当に混乱し、現場が混乱するということは子供が混乱するということになりますので、この辺り是非連携を取っていただきながら、再生会議、中教審、やっていただきたいなということをお伝え申し上げまして、質問にさせていただきます。
○水岡俊一君 民主党・新緑風会・日本の水岡俊一でございます。 今日は時間が短いので、早速質問に入らせていただきます。 大臣、私、先週の週末、地元兵庫に帰って学校の関係者といろんな話をしました。大臣の地元でもあります兵庫でありますが、いろんな話が出た中で、文科省の予算ほぼ固まったということで非常に話題になりました。非常に厳しい財政事情の中、行政改革推進法の下で定数増というのは大変厳しいんじゃないかという見方もある中で大臣は非常に頑張っていただいたんではないかと、そういうような評価が地元兵庫からも出ておりましたが、この予算案につきまして、大臣の現時点におけるお考えがあればお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(渡海紀三朗君) 頑張ったんじゃないかと言われますと、ちょっと何かどう答えていいのかなというふうに思います。私はこの委員会で何度も、先生が生徒と向き合う時間を取るために頑張りたい、定数の改善、そして非常勤講師、それから学校のボランティアも含めて、総合的にとにかく向き合う時間を確保するということを何度も言ってきたわけでありますから、そういうことからすればまだちょっと足りなかったかなと、正直そう思っています。 ただ、ただですね、やっぱり行政改革というのもこれは今の日本の国にとって非常に大きな課題でありますから、そのことを考えたらまあまあかなと。常日ごろ私は、自分の評価は人がするもので、自分ではなかなか難しいというふうに言っておりますが、そこはいろんな方の判断を仰ぎたい。ただ、多くの先生方に御努力をいただきまして、やっぱり教育の問題大事だということで、これは最後の大物として予算の折衝では残ったんですね、ぎりぎりまで。ほかは大体片付いているのに、うちだけが片付かない、こういう状態まで頑張って出た結果でありますから、御支援をいただいた、特に文教の関係の先生方は本当に与野党を超えて御支援をいただきまして本当に有り難いなと、そんな思いであります。 これをきっちりと執行することによって、非常勤といいながら七千人という枠があります。しかも、これをできるだけ、ただ数だけいればいいという感じじゃなくて、長い間行っていただくような人も考えたいというふうなことも思っておりまして、今の学校の先生の現場の負担感が少しでもなくなればいいなと、そんなふうに考えているところでございます。
○水岡俊一君 定数増の部分でいえば、文科省の要求は三千六百六十九人だったわけでありまして、その中で千人、その他百九十五人を加えて千百九十五人というような数字であると。これをどう見るか、いろいろな考え方がありますが、今お話のあったように、行財政改革を進めていかなきゃいけないというそういった状況下においては一定の評価が与えられてしかるべきだというふうな思いも持っております。 ただ、私たち非常にこれまでのこの文教科学委員会で随分と論議をしてきたことは、これからどうするんだと、来年度だけじゃなくて、来年度以降どうしていくんだと、そういったことをどういうふうに私たちは確かめていくのか。これで話になって出てきたのは教育振興基本計画の話でありますね。そういった意味からすると、教育振興基本計画を来年策定をしていって、それが今後何年間をスパンとし、そして数値的な目標をどのように置いて、そして年次更新をどのようにやっていくのかということが分からなければこれは手放しでは喜べないというふうに思うわけですね。 そういった意味からすると、今大臣は教育振興基本計画の策定状況を踏まえて現時点での今後の見通し、今後の取組の姿勢という点においてはどういう見解をお持ちか、お聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(渡海紀三朗君) 振興基本計画、これは教育基本が改正を昨年されまして初めて作るという計画でございます。大体、今年度末までに作業をするということで、今中教審で御議論をいただいておるところでございますが、この中で想定をしておりますのは、基本的には、大体、今後十年間の教育の在り方等をどういうふうに考えるかということを前提として、当面、二〇〇八年以降五年間ですか、の計画を立てるというのが一つの今の議論だと聞いております。 その中にどこまで、どういう形で数値目標を入れていくのかということについては、これはまだ議論中のことだと思います。その中で、結局、例えば基本計画、振興基本計画という性格でございますから、数値をどういうふうに扱うかというのは大いに議論のあるところだと思います。いろんな基本計画見ましても、漠と目標を定めたものからきっちり数字を書いたもの、これはいろいろあるわけでありまして、教育振興基本計画の場合はこのことを余り法律上は、法律上ははっきりしていないというのが私の認識でございます。 我々が議員立法しました科学技術基本計画というのは、投資目標を書かなきゃいけないというんで法律に書いてあるわけでありますから、その辺とは性格が違うというふうに思っておりますが、全体の計画を立てるわけでありますから、どういうふうな形で、どういうふうな方向性でやるかということについては議論の中である程度議論しないと物事が決められないんじゃないかなというのが率直な印象でございまして、現在まで、まだ数値目標を置いてという形にはなっていないというふうに私は認識をいたしております。
○水岡俊一君 率直な意見をありがとうございました。 教育振興基本計画がなかなかまだその途中で、数値的な目標も示すところではないというお話でありましたが、これはやっぱり問題ですよね。かねがねこの委員会では、そういったものを明確にしていかなきゃいけないという論議をし続けたにもかかわらず、昨年以来ですね、この文科委員会でも強行採決で、そういった不十分な、あるいは目標がはっきりしていない、あるいは過程がはっきりしてきにくいような法案内容で通過をしているということに私たちは大きな憤りを持ってきたわけですね。そういった中で、大臣が率直なお考えを示していただきました。 そこで私は思うのは、先ほどから大臣の在任中にというお話がございましたが、私は、大臣が今就任をしてまだ間もないところですから、私はそういうことを思っているわけじゃなくて、是非ともこの教育振興基本計画を策定する大臣として明確なものを示していただきたい、これ非常に期待するところなんですよね。そうでなかったら、今年の千百九十五人というのは、渡海大臣の努力なのか、あるいは伊吹前大臣の置き土産なのか、あるいは意地なのか、そういったふうな評価がされるだけで、今後の日本の教育をどう進めていくかということにおいて渡海大臣がきちっとその道筋を示していく、そして、それを基本計画あるいはこれからの定数改善計画、そういったものに表していっていただきたい、こういうふうに期待をするところですが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(渡海紀三朗君) 水岡委員の御質問の趣旨はよく分かっているつもりでございます。 私も、何度も例に出して恐縮でありますが、科学技術基本法を作成をいたし、しかも、通過をするときの答弁にも立ってまいりました。そして、第一次、第二次、第三次と三回の投資目標をこの中に書き込むという作業をやってまいりました。 時代とともにこういったことの意味というのも変わってまいります。この委員会で佐藤委員の御質問にもお答えをいたしましたが、第三次科学技術計画、二十五兆円の投資を五年間でやるという三年目が来年でございます。これは非常に厳しい。やっぱり現在の財政状況等、もちろんその突っ張りには、言葉は悪いかもしれません、なるかもしれません。ですから、現時点においてそういった数値目標をしっかりと書き込みたいということは、それは私もよく理解できるところでありますが、そのことを出した途端に、例えば今回も壁になりました行政改革法、これとの関係をどうするかということを片付けてないと、それは書いたらうそになりますよ。そのこともよく実は分かっていただきたい。 そういうことを踏まえた上で、前提で、これを変えるという前提で、これが変わればということであれば書けるかもしれません。しかし、そんな無責任なことはやっぱりできないと思うんですね。ですから、やっぱりそういった問題意識を掲げつつも、どういうふうに最終的にこれを仕上げていくかということは、私は結構、大変悩ましい問題だなというふうにとらえております。書かないと言っているわけではないわけでありますけれども、そういったことも御理解をいただきたいなと、そういうふうに思っております。
○水岡俊一君 行財政改革を推進していく法律があるからして、それを踏まえた上で、それをないものとして数値を考えていくというのは難しいというお話は今ありましたが、しかし、文科省は今年それをやったんじゃないですか。つまり、行財政改革推進法がありながら、三年間で二万一千人以上の定数改善を要求するということを見事に打ち出したじゃないですか。 ですから、今大臣はそうおっしゃいますが、その文科省のその意気込みを是非、今ここでしぼめることなく、これからやっぱりどんどんと出していっていただきたいと、こういうふうに思うところです。もちろん、数値目標になれば財政的な問題という中で全部つながってまいりますから、そういったことも含めながら是非とも文科省一丸となって進んでいただきたいと、こういうふうに期待をするところであります。 今日は時間がありませんので、次に進みたいというふうに思っております。 先ほどから木俣委員の御質問の中でいろいろやり取りをされておりました。PISA二〇〇六の結果が発表されて、事務総長ともお話しになったということを今聞いたところでありますが、ここで私お伺いをしたいのは、そのPISA二〇〇六の報告を聞かれたということを踏まえて、今年の四月に行われた全国学力・学習調査、その結果、そしてその意義、そういったものについて大臣の今の見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(渡海紀三朗君) 一言で簡単に表現をさせていただきますと、傾向は似ているなということだと思います。 先ほども申し上げましたように、PISAの方も、順位が下がったといいますが、非常に上位にあるという意味ではそんなに大きな変化はないわけでありまして、学力調査も、基礎的な知識、技術、こういったものは下がっておりません。要は、横若しくは少しは上がっている。ただ、読解力とか活用力という点においては、日本の児童は、生徒は問題があるということでありますから、そういった意味では、それをどういうふうに活用していくかということは、同じ方向に出ているわけでありますから、今回の学習指導要領の改訂とかそういったものにもちろん反映をしていくというか確認ができたと、方向性として傾向はこうだということは確認できたわけでありますから、そのことを前提としてやっていた作業はこのまま進めていいだろうという確認の意味でございますが、できたというふうに言えると思います。 ただ、やっぱり確認ができただけでは意味がないわけでありますから、特に全国一斉学力調査の方は、やっぱり国それから都道府県、市町村、また個々の学校と一人一人の生徒というものにこの成果を反映をしていかなきゃいけないわけでありますから、そういったことをしっかりと受けた上でのそれぞれが持っている責任というものをちゃんと果たせるようにこの結果を生かしていきたいというふうに考えております。
○水岡俊一君 よく似た結果というふうにお話しになりましたが、PISAは恐らく対象は五千人ぐらいですかね、全国学力・学習調査は百数十万人、総額七十七億円。それを掛けたテストの結果とPISA二〇〇六の結果がほぼそう変わらなかった、同じ傾向だったという点については、大臣、どうお考えですか。
○国務大臣(渡海紀三朗君) 今もお答えしましたように、まず一つPISAと違うのは、PISAは高校一年、十五歳だったと思いますね。それから、こちらは中学三年、それから小学校六年ですか、そういった違いがあります。それから、いわゆる日本全国一斉学力テストというものの目的は何度もお話ししたとおりでございます。 そのいわゆる出た傾向とPISAが出た傾向をじゃどう考えるか、傾向は同じだけど、一人一人にじゃどういう指導をしていくかというときに、個々人の差というものは、木俣先生も先ほど随分おっしゃいました、地域とか個々人の差というものがあるわけでありますから、そういうものを反映をするという意味では、これは全然違うというふうに私は考えております。
○水岡俊一君 個々人の指導に生かしていきたいという思いは分かります。 ただ、私は、恐れながら経験者の一人として申し上げるとすれば、その全国学力・学習調査の結果として出てきた個票、それを見て、ああ、こういうことだったのか、だからこういうふうにこの子には指導をしていかなきゃいけないななんていうことを思って指導ができるかというと、これはできないです。言葉が少し正確ではないかも分かりませんが、できないというよりは、する必要がないんです。なぜか。そんなこともう既に分かっているからです。この調査で出てくるような結果は、日常的に子供と接していてそのほかのいろんな形で酌み取ることができていて、既にその対応はやっているんですよ。それを中学三年の十月に、小学校六年の十月に個票をいただいて、そういった分析を見ても、もう既にやるべきことはアイ・エヌ・ジーなんですよ、やっているんですよ。そして、残されたその学年の終わりまでの時間はもうそんなにないんです。教育課程はびっしり決まっているわけです、そしてたくさんの課題があるわけですから。 そういったことで、実際に今個々人の指導に生かしたいという思いは、僕は限りなく反映しにくいんだろうというふうに思うので、この七十七億円、来年は六十数億円ですか、本当に必要なのかということは是非、行財政改革で厳しいと言っている中でありますから、大臣にももう一度お考えをいただきたいと、こういうふうに思っているところであります。 それから、ある意味で私は大臣に期待を申し上げているのは、渡海大臣はやっぱり科学者ですよね。やっぱり、科学的にどう物事をとらえるかということで論理を組み立ててこられました。これまでの国会答弁を聞いていてもそうであります。例えば、文科省の定数増の論理はまだまだ不十分じゃないか、それを財政当局に認めさせるための様々な論理をもっと科学的に構築していかなきゃいけないというお考えを恐らくお持ちだろうというふうに私は思っているわけですね。 そういった観点からすると、是非とも、先ほどからの木俣さんのお話にもありましたが、学力とは何なのか、ゆとりとは何なのか。つまり、学力が下がってきたと判断したのは何によって判断したのか、それは本当にそうなのか、あるいはその学力とは私たちが次の時代を担う子供たちに求める学力と言えるのかどうか、あるいはその学力がもし落ちたとしたらそれはゆとりのせいなのか、ゆとりとは何だ、ゆとりをやったからその学力が落ちたのかということをもっともっと科学的に私は考えていただきたいというふうに思うんですよ。 今や大きく政治を左右しているのは世論ですよね。そして、世論を大きくリードしているのはマスコミです。やはりマスコミの力が大きい中で、ややもすると問題の本質を見逃してしまって、ゆとりが駄目だから授業数を増やそうではないか、あるいは教える時間、教える内容を増やそうではないか、そのことで学力が上がると期待をする、学力が上がると期待をしたその学力とは一体どんなことか、その期待をした学力で大学生は分数ができるようになるのか、大学生で分数ができるようになることが日本の文部科学省としての大きな期待なのか、その辺りは非常に専門家として是非マスコミにも世論にもきちっとした考えを示すべきだと私は思うんです。 だから、大学生で分数ができない、あるいは小数ができない、それは小学校や中学校でやってなかったのか。違うんですよ、やったんですよ。やったんだけれどももうそげ落ちちゃった。つまり、そういう勉強の中身でしかなかったという批判は、これは甘んじて受けなきゃいけないだろうと思うんですね。 だから、まあ理科のお話が出ましたが、恥ずかしながら私は理科の教員でありますので、理科のことについていろいろ論議をされるとなかなか恥ずかしい思いをするわけでありますが、例えば科学に対する興味が少ないという事務総長からのお話があった。それはやっぱり理科の実験が少ないんじゃないかというお話、これは正にそのとおりだと私は思います。私、自分自身は実験大好き人間だったんですね。ところが、やっぱり学校現場にいる中で、理科の実験をたくさん子供たちと一緒にやりたいと思っていてもできない事情があるんですよ。前にもこの委員会でお話をしました。本当に一日の学校の授業の中でそれはできないことの方が多いんですね、そういう要因が多いんです。それは私がサボっていたというか、私に力がなかったかもしれません。しかし、一時間理科の授業をやった、その後に、小規模校でしたから、私はすぐ着替えて技術・家庭科を二時間教える、そしてまた帰ってきて違う学年の理科を教える。そういったことからすれば、実際に十分間の授業の間のこの時間に準備をして、子供たちに安全で楽しい実験をさせるということが本当に今の教育課程の中でできるのかということを、是非大臣を始め文科省の皆さんにはよくよく見てほしいと思うんですよ。 我々の求めるのは何なんだと。それは一部の門外漢の声の大きな人の意見に流されることなく、しっかりと現場を見た、そういった観点から是非お願いをしたいというふうに思っております。 さて、学力テストの話にちょっと戻りますが、四十三年前に学力テストはなくなりました。なぜなくなったか、大臣、もうお聞きになっているというふうに思いますし、もうこれ以上私が細かく言う必要はないと思うんですが、いろんな要因がある中で大きな問題点として挙げられたのは、いろんな準備をする、テストをするからそのテストに掛ける準備をする、そういったことが本来的な調査の目的にもなっていないし、あるいは本来的に子供たちの学力を上げようとするための現象としては思えないということでありました。 また、もっと言えば、机間巡視をしながら子供の点数を上げるために先生がここ間違っているよと言わんばかりに指を指したり、あるいは成績が振るわない子たち、あるいは手に障害を持っていて書くことが遅れてしまって点数を獲得できない子供の答案を抜いてしまったり、あるいは欠席をさせたり、そういうことが起こってしまうから全国学力テストは四十三年前に止まったはずなんですね。 ところが、今年復活をした。同じことが起きやしないかということを再三再四にわたって私たちは言いました。しかし、これは絶対大丈夫です、文科省の方々は通知でもしっかりと指導をしますと、こういうふうにおっしゃった。 時間がないので、もう私続けますが、ここで本当はそういった実態があるかどうか、文科省の方、情報が入っていますかと聞きたいところなんです。恐らくは、いや、余り聞いておりませんとおっしゃるだろうと思って私は言うんですが。 実は、私の手元には幾つか報告が上がっております。日本の中国地方で、ある県のある町の教育委員会が通知を出しております。平成十九年度全国学力・学習状況調査実施にかかわっての依頼。見出しのことについて取組をよろしくお願いします。ついては、別紙様式により、平成十八年度末に配付した問題集の活用について取りまとめをし、報告をしてほしいという文書がある。そして、この文書の中身を見ますと、四月二十四日の平成十九年度全国学力・学習状況調査に向けて、各小中学校では実施体制を整え、先日配付いたしました問題集、各小中学校で作成した問題をまとめたものなどを活用し、計画的な取組を実践していただいていることと思います。いろいろありまして、対象児童生徒への指導については、先日配付した問題集を取捨選択し児童生徒にやらせること。いろいろあります。そして、最後に注釈が付いている。どういうことが書いてあるか。今更点々点々、今更点々々という考えを捨てる。日々、児童生徒に力を付けるチャンスであるので、二十四日までの期間を有効かつ計画的に活用すると、こう書いてある。 こういうペーパーが実は私のところに手に入っているんですが、文科省はこれについて調査を、こういう資料、報告を聞いておられるのか、あるいはおられるとしたらどんな感想をお持ちなのか、ちょっとお聞きをしたいんですが、これは大臣、あるいは局長でも結構です。
○政府参考人(金森越哉君) お答えを申し上げます。 全国学力・学習状況調査のために言わば過剰な対策を行ったような事案があるかということにつきまして、詳細は承知をしていないところでございますが、この調査は、学習指導要領に示される内容のうち、各教科等の土台となる基盤的事項を十分身に付け活用できるようになっているか、すなわち、ふだんの授業や学習を通して身に付けるべき知識、技能や、それらを活用する力がどのような状況にあるかを調査するものでございまして、事前に特別の練習を必要とするものではございません。 もちろん、各教育委員会や学校がふだんから学力の向上のために様々な取組を進めること自体は大切なことと考えておりますが、この調査につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対応するよう今後とも周知徹底に努めてまいりたいと考えております。
○水岡俊一君 大臣、一言どうですか。
○国務大臣(渡海紀三朗君) 私もそんなに強く認識をしていたわけじゃありませんが、なぜやめたか、そういう話は聞いたことがあります。そしてまた、東京都内のどこかの小学校かな、あそこで多少そういう、今、水岡先生が御指摘になったようなことが起こったというふうなことも耳にしました。 我々がやっぱり今大事なことは、ちゃんとやらなきゃいけないことは、だからこれは駄目なんだということではなくて、さっきの、例えばやるべきかやらない、やらなくてもいいという議論はあると思います。あると思いますが、しっかりと、やるからには、これをちゃんとやっていくというためにどうやってやっていくかということだろうと私は正直思っております。 それから、先ほど先生は一人一人のというお話をされました。そこでずっと話をされておりましたが、それだけじゃないんですよね。それぞれの学校が今どういうところにいるか。これは、地域によってはもうやられておるところもあるわけでございますが、そういったこともありますし、都道府県間の全体の位置、兵庫県知事も、うちはこうなんだよねということをよくおっしゃっていますよ。そういったこともありますから、そういうことにおいてこの全国学力調査というものがなされているというふうにお考えをいただきたいと思います。 ただ、御指摘がありましたような様々な問題がないとは言いません。これはないと言ったら、それはおかしいと思います。それは、そういうことが起こらないようにやっぱりやっていかなきゃいけないんだろうというのが、率直な印象と言われましたから、率直な印象でございます。
○水岡俊一君 大臣、ちょっとそれは率直過ぎるというか、これまで文部科学省がきっぱりとそういったことはやらせない、そして指導もしていく、通知もしていくというふうにおっしゃってきた内容ですから、そういうこともいいか悪いかの論議があるだろうということはちょっと、是非お考えを直していただきたいなというふうに私は思って、ちょっと、もう、ちょっと時間がないんですわ。
○国務大臣(渡海紀三朗君) 誤解していますよ。
○水岡俊一君 いやいや、もうちょっと行きます。
○国務大臣(渡海紀三朗君) やるやらないの議論をしているんですよ、私は。やるやらないについては、いいですか、ちょっとだけ。
○水岡俊一君 いやいや、もういいです。
○国務大臣(渡海紀三朗君) 勝手に、勝手に決め付けられては困りますから、国会の場所で。
○委員長(関口昌一君) 渡海文部科学大臣。
○国務大臣(渡海紀三朗君) 済みません。 冒頭のやるやらない、これを、ということについてはいろいろな議論があるところでしょうと。指導するということはきっちりと、そこはやると言ったことですからやっていきます。そこはちょっと誤解しないでいただきたいと思います。
○水岡俊一君 いや、指導はするけれども、やるやらないは論議がある……
○国務大臣(渡海紀三朗君) いや、そういう意味じゃない。試験のやるやらないの問題ですから。
○水岡俊一君 試験はそうです。それはいろいろ論議があるということでありますが。
○国務大臣(渡海紀三朗君) そういう意味で言ったんです。
○水岡俊一君 それで、少しまた、それでもちょっと引っ掛かることがあるんですが、要するに、このテストを行って、この学校はどんな位置にいるのか、あるいはこの子はどんな成績なのか、あるいはこの町はどんな成績なのかということを公表しないというのが文科省の考え方ですよ。もうやられていますよと今お話がありましたけど、それはおかしいんですよ。
○国務大臣(渡海紀三朗君) もうやられていますよ。
○水岡俊一君 ええ、今そうおっしゃったと思うんですが、それは私の聞き違いだったら許してください。 既に、そういった意味では、これは各県ごとの数値についてはお示しをしましょうと、そしてそれ以上の細かい地域、市、町あるいは学校ごとの数値を出すことは、これは文科省としては絶対良くないと思っているということで今までのお話が来たわけですよね。 ところが、実際には、旭川学テ最高裁の判決をひもとくといろんなことが出てくるわけですが、その中で私、一番重要だなと思っているのは、要するに、これが憲法違反でないということを最高裁が言っている理由の一つに、個々の学校、生徒、市町村、都道府県についての調査結果は公表しないという一定の配慮、これがあるからこれは違憲ではないという考え方が旭川学テの中の最高裁判決では出ているわけです。そのことを十分踏まえて今回の学力調査の問題もこれは取り組まれたんだろうというふうに思うんですね。しかし、事前の学習も今私が示したとおりあります。それから、実際に終わった後、結果が公表されますね。公表されたら、この町はまた通知を出しております。そして、その通知の中で、標記調査に係る個人票返却時の添付資料や指導方法の改善計画等、別紙一の事項を参考にしながら工夫して作成し、下記によって報告をください。 その報告の内容をちょっと御紹介しますと、つまり、このある小学校は、回答する学校は、国語のA問題では何点だったか、国語のB問題で何点だったか、平均点がですよ、ということを全部報告をさせる用紙になっているんです。そして、この用紙の集計した結果をどうするかというと、教育委員会で、教育委員会議で報告をしますと、こう書いてある。こういうことが行われると、完全に序列化が情報としてできちゃうじゃないですか。このことを言ってきたんですよ。 このことについては、私の資料がおかしいと言われるかもしれないから、ここちょっと委員長にお願いをしたいんですが、是非文科省には、こういった事前の準備であるとか事後の調査等についての各都道府県における教育委員会がやっているこういった一連の指導あるいは調査について調査をいただいて、そしてその内容を当委員会に出していただきたいと、こういうふうにお取り計らいをいただきたいんですが、委員長、いかがでしょうか。
○委員長(関口昌一君) 後日、理事会で協議させていただきます。
○水岡俊一君 それでは、時間もなくなってまいりました。次の問題に参りたいと思います。 教員免許更新制度の問題がこの間ずっと論議をされてまいりましたが、強行採決をされたときに附帯決議がたくさん付きました。このことは大臣もよく御存じだと思いますが、この附帯決議、何項目でしたか、二十二項目、この二十二項目の附帯決議がどのように今準備を、附帯決議を生かしながら準備を進めているのかということをお尋ねをしたかったんでありますが、もう具体的に絞ってちょっと申し上げます。 それで、一つは、この附帯決議の中で十六番目に、「現職研修と免許状更新講習との整合性の確保、特に十年経験者研修の在り方について検討すること。」と、こういうふうに書いてあります。このことはもうこの委員会の論議で再三再四にわたって論議したところでありまして、この附帯決議はそれはもう妥当なものだというふうに思っておりますが、これについては文科省として現時点でお考えがありますでしょうか。
○政府参考人(金森越哉君) お答えを申し上げます。 十年経験者研修と免許更新制の在り方、特に十年経験者研修の見直しについてでございますけれども、十年経験者研修は、各教育委員会により、公立学校教員の得意分野づくりを促すための制度として運用されているものでございます。一方、更新講習は、国公私立すべての教員に最新の知識、技能を身に付けさせるためのものでございまして、両者はその性格を異にするものでございます。 一方、現在、中央教育審議会の教員養成部会におきましては、現職研修の在り方について議論されているところでございまして、国会の附帯決議の趣旨を踏まえ、十年経験者研修を始めとする現職研修の改革に取り組んでいるところでございます。 教員養成部会におきましては、先般ワーキンググループの報告が取りまとめられましたが、その中では、十年経験者研修につきましても、一定の要件を満たせば免許状更新講習としての認定を受けることを可能とするとともに、免許状更新講習を教育委員会の判断により十年経験者研修の一部として実施することも可能とする方向で検討が行われているところでございます。
○水岡俊一君 時間がないので、本当は細かく論議をしたいんでありますが、また来年の通常会で詳しくやりたいというふうに思っておりますが、附帯決議が二十二項目、これについて早急にその準備を進めていただきたいし、その内容について当委員会でまた論議ができることを期待をしたいというふうに思っております。 それから、指導が不適切な教員をつくるとして、その認定制度が今論議をされているところだろうというふうに思っておりますが、こういう制度の運用、それから指導改善研修、そういったものが任命権者に任されるということになると思いますが、そこで、大臣、こういったことについては、公正で公平性があって、納得ができて、そして客観性があって透明性があるということが担保されるというふうに私は思っているんですね。そうでなかったら、要するに一方的な決め付けで指導が不適切な教員と認定されてしまうとこれは大変な問題になるというふうに思っておりますが、そういった意味では、実際に本人が、その認定の中においては、本人が推薦する同じ職場の教職員からの意見を聴いたり、あるいは常設の職員団体との協議の場を持つんだと、あるいは苦情処理制度をしっかりと確立するんだということが大事だというふうに思っておりますが、それについて、大臣、お考えがあれば是非短くお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(渡海紀三朗君) 先生のおっしゃるとおりだと思います。公平公正で透明性のある、そういったやり方をしていかなきゃいけない。今そのガイドラインを策定すべく、これは協力者会議というものを設置して検討しているところでございまして、来年の早い段階にまとめて周知するように、附帯決議の趣旨の実現に努めてまいりたいと思っております。
○水岡俊一君 最後に、資料をお配りをいただいていると思うんで、この資料について一言お願いをしてと思っております。 これは文部科学省のホームページから特殊学級の状況を拾い出しまして、私の方で計算をしてグラフにしてみました。ここで申し上げたいのは、平成八年に特殊学級は二万二千七百七十一学級あった。ところが、今年の速報値で見ますと、三万七千九百四十二学級に増えている。そして、子供の人数というのは実はこの十年間で一五%減っております。二百万人ほど減っているんですね。にもかかわらず、この特殊学級に入っている子供の児童生徒数というのは実は倍ほどになっているんですね、比率的に見て。全児童生徒数に対する比は〇・五二だったのが、今一・〇五になっているんです。特殊学級が増えるということについては、障害を持つ、障害のある子供にとって、より教育条件を整備していくという点で有効な部分も僕はあろうかと思いますが、インクルーシブ教育を進めていくんだ、特別支援教育を日本では、この文科省では進めていくんだということが大々的に打ち出された二〇〇七年、そして障害者権利条約が署名もされた二〇〇七年、にもかかわらず昨年から急激なカーブでまた学級が増えている。このことを一体どうとらえるかなんですね。 これについては、もう私、質問して終わりたいと思うんですが、要するに、本当にその一人一人の子供を学級に送ることがその子にとっていいのか、これは分からないですね。つまり、今学力問題が非常に取りざたされていますから、普通学級からその子を追い出す、そういう学級に送り込むということが行われていないかということが非常に大きな問題だと思うんですね。これらについて是非文科省としては調査をしていただきたい。なぜそうなったのか、本当にその子供は行きたくて学級を選んだのか、あるいはその心情に至るまで細かい、温かい調査をしながらこの問題について取り組んでいただきたいと思いますが、この現状を踏まえて、今後の方針をお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(渡海紀三朗君) インクルーシブエデュケーションというのは、この委員会でも度々お話がある、衆議院でも随分議論をしております。日本もその方向に行かなきゃいけないということははっきりしておるわけでございまして、障害のある子供の就学先の決定ということは、今保護者の意見の聴取ということを一番重点的に義務付けるということを行っておりまして、そういうことに、インクルーシブエデュケーションに向かおうということであります。 ただ、委員が御指摘しておられますような特別学級の学級数が増えていると。今、分析としましては、知的障害者の数がやっぱり増加しているということに加えて、学校教育という観点からは特別支援学校、とりわけ高等部の整備が従来余りされていなかったわけでありますが、その数が増えたということがあります。それからまた、特別支援学校の一人一人の障害の状態等に応じた教育に対する理解が深まったということが原因というふうに考えておりますが、いずれにいたしましても、これは設置者は都道府県でございますけれども、ともよく連携を取りながら、実態の把握というものに努めてまいりたいというように考えております。
○水岡俊一君 終わります。
○浮島とも子君 公明党の浮島とも子です。 本日は、教員の定数、そして体験活動、そして学校の耐震化の三点についてお伺いをさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 まず、質問に入らせていただく前に、前回我が党、公明党でも申入れをさせていただきました、そして私も前回質問をさせていただきましたけれども、今回、公益法人の保有する伝統芸能の公開施設の土地建物についての固定資産税の非課税措置が今般の税制改正において実現をいたしました。本当に関係団体の方からは喜びの声が多数寄せられておりますけれども、本当にこれからも難しい案件でも闘っていかなければならない、実感をしたところでございます。お礼とともに、これからも文科省、そして文化庁の皆様には先頭に立って闘っていっていただきたいということをまず冒頭お願いさせていただきたいと思います。 それでは、まず教員が、先ほど来からもございましたけれども、教員が子供と向き合う時間が少ないという現場の声を私も数多く伺っております。きめ細かい教育をしていくためには、やはり先生が現場で子供たちと向き合う時間、これを取ることが必要不可欠だと考えておりますけれども、そのために、本当に事務を効率化していくということも重要でございますけれども、現場の教員の増員、そして定数の改善が必要不可欠であると思います。 先ほど来からもございましたが、昨日閣議決定されました来年度の予算案、政府の予算案には教員の定数の改善が盛り込まれているものと承知をいたしております。この教員の定員数についての拡充について、今後どのように取り組んでいかれるのか、大臣のお考えをまず冒頭お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(渡海紀三朗君) 先ほどから御報告を申し上げておりますが、平成二十年度予算案におきまして、まず定数増を千百九十五人、純増で千人でございますけれども、また退職教員や社会人経験者など非常勤講師を七千人、それから事務の外部化、これは学校支援ボランティアを活用して行うわけでございますが、全国千八百か所ということで、子供と向き合う時間を拡充をするということにさせていただいておるわけでございます。 今回の予算というのは、大勢の先生方の御支援もいただいたわけでございますが、来年に向かって、やはりより教育の重要性というものをどのように訴えていくかといいますか、理解を広めていくかということは私は一番重要だろうと。 今年一番やってみまして厚かった壁が行革法でありますが、この行革法を考えた場合に、地方公務員は今削減している中で、やはりなぜ先生だけ、今、水岡先生、うなずいておられますが、この声はやっぱり非常に大きかった。我々はやっぱり教育は大事なんだと、声を大にして言っているわけでございますけれども、現実なかなか、ただ単に法律の壁というよりも、そういった声を我々はやっぱり、そうだね、先生はやっぱり大事だねという声になかなかできなかったということを残念に思っておりまして、そういったことをこれからもしっかりと広めていって、八月の概算要求でまたしっかりと要求をさせていただくということであろうかというふうに思っております。
○浮島とも子君 本当に現場が第一でございまして、その声を大切に、先生と生徒が向き合える時間をしっかり取っていただくよう、最大の努力をしていただきたいとお願いをさせていただきたいと思います。 次に、体験活動の充実についてお伺いをさせていただきたいと思います。 最近は、昨今は、都市化や少子化、そして地域の社会における人間関係の希薄化が進んでいく中で、児童生徒が自然の体験活動、そしてボランティア活動、芸術体験活動、様々な体験をする機会が極めて重要になってくるとともに、今ではなかなかその機会が十分でないと私は感じているところでございます。 一例を申し上げさせていただければ、太陽の昇るところや沈むところを見たことがほとんどないという子供たちの割合が増加していると今回この独立行政法人国立青少年教育振興機構の調査の中で結果が出ているところでございます。大臣も、先ほど木俣委員の御答弁のときに実験や体験が必要であるとおっしゃられておりましたけれども、私も前回質問をさせていただいたときに、本当に子供たちが頭で考えるのではなくて心でいろんなものを感じて、そして体験をしていくということが本当に必要、そして重要であると考えているところでございます。 子供たちの豊かな感性、そして創造性をはぐくみ、国際社会で活躍することのできる人材を育成する上で、様々な体験活動をしていく、提供していくということが極めて有意義である、また必要であると考えております。このために、学校における自然体験、ボランティア体験、そして文化芸術体験などの推進のため、国においても積極的に支援していくことが重要と考えておりますけれども、学校での体験活動の一層の推進に向けて文科省はどのように取り組んでいかれるのか、お伺いをさせていただきたいと思います。
○副大臣(池坊保子君) 浮島委員にはいつも体験活動の重要性を主張していただきまして、心より感謝申し上げております。 私も、社会的規範とか生きる力というのは、教科書によって得ることはできない、むしろ肌で感じて、様々な体験を通して、自然に人間はどうあるべきなのか、あるいは自然に生きる力を培っていけるのではないかと思っております。 文部科学省でも、豊かな体験活動推進事業というのをいたしております。小中高等学校で豊かな体験活動をいたしましょうと申し上げても、じゃどういうふうにしたらいいのか、みんな分からないと思いますので、まずモデル校というのをつくりまして、そのいい例を小中高等学校に発信をしていきたいと思っております。二百三十五校、今やっております。 そして、特に来年からは自然体験活動ということで、これはすべての小学生を、もう短い期間ではなくて六日間ぐらい自然と触れさせましょうと。例えば、都会の方が馬の世話をするところに行く、始めは汚いな、もう足を踏み入れることもできない。でも、帰るときになると本当に涙を流しながら、また来るよという、そういう自然の中から日常生活で自然への畏敬の念だとかあるいは謙虚さ、それから自分と違う文化や生活があるのだというのを知ることができます。これを私どもは来年から特に推し進めていくつもりでございます。
○浮島とも子君 ありがとうございます。 今副大臣御答弁いただいたように、教科書では学べないことがたくさんあります。どうか子供たちが心で感じて学んでいく、そういう体験がとても重要だと思いますので、全力で取り組んでいただけるようお願いをさせていただきたいと思います。 次に、文化芸術について御質問をさせていただきたいんですけれども、我々公明党は、文化芸術は人を幸せにして一人一人の心を豊かにする、それが結果として社会を豊かにしていく、非常な大きな計り知れない力を持っているのが文化芸術だと思っているところでございます。そのため、文化芸術が尊重され、大事にされる社会を目指して、文化予算の拡充、子供たちの文化芸術活動の推進、充実などを内容とする要望を財務省にも行うなど、文化芸術立国日本の構築のための施策を強力に推進して、求めてまいりました。 子供たちが生き生きと学び、健やかに育つ環境を整えることが私たち大人に課せられた使命だと私たちは感じております。特に、子供たちが学校や地域など身近なところで日本のすばらしい伝統文化や優れた現代の文化芸術に触れる機会を充実させていく、これが必要であると考えております。 今年度の本物の舞台芸術に触れる機会の確保については八百十二公演、伝統文化こども教室事業については二千八百か所、そして学校への芸術家等派遣事業については七百五十六か所ほどの予算措置をされていると承知いたしておりますけれども、IT化が進んでいく中で必要なことは、子供たちが機械でのやりとりだけではなくて、本物の文化芸術に触れて、日ごろ感じることができないような感動を直接体験していく、これをより一層充実させていくことが必要と考えております。 文科省として、文化芸術体験活動の推進に向けて今後どのように取り組み、実現をしていくのか、来年度の政府予算案における措置を含めて御見解をお伺いさせていただきたいと思います。
○副大臣(池坊保子君) 公明党には、文化芸術予算獲得に向けて、うちの渡海大臣のみならず財務大臣にも要望をしていただきまして、その皆様方のお力のおかげで一千十八億を得ることができました。 私は、文化芸術を大切にしない国は本当の意味で貧しい国なのではないかと思っております。今おっしゃいましたように、じゃ、これをどういうふうに使うのか。きめ細やかに使ってまいりたいと思っておりますが、本物の舞台芸術体験事業や伝統文化こども事業などの大幅な拡充を願っております。例えば、本物の舞台芸術に子供たちが触れる。これは十九年度は三十三億、八百十二か所でございましたが、来年は三十五億、九百五十公演を目標にいたしております。また、伝統文化こども教室は今まで二千八百か所、十七億でございました。来年は四千か所、二十億円をと考えております。 例えば、バレエやオペラや、そして幅広く日本の伝統文化にも触れてほしい。私は、やはりピアノも知っている、でもお琴も知っている、それからバイオリンも知っているけれども三味線もちゃんと聴いたことがある、そういうもの、いろんな芸術文化に触れることが子供が豊かに生きていくことになると思います。また、文化芸術は心を豊かにするだけでなくて、経済波及というのも大でございますから、その辺を考えますと、社会全体の心身ともに活力ある社会をつくっていくために大切な要素であると認識しておりますので、これからきちんとしたこの一千十八億、使っていきたいと思っております。
○浮島とも子君 是非ともよろしくお願いいたします。 先ほども委員の方から、今日はクリスマスであるという冒頭お話がございましたけれども、私もいろんな地方に回らせていただいているときに、このクリスマス、おじいちゃま、おばあちゃまに、お孫さんに何のプレゼントをなさいますかとお伺いすると、いや、孫がゲームが欲しがっているからゲームなんだという声がたくさんありました。そこで、私から、おじいちゃん、おばあちゃんにお願いをさせていただいたのは、ゲームを買うのも一つかもしれませんけれども、今年はゲームを買わずに何かのチケットを買って子供にプレゼントをしてほしいということをお話をさせていただきました。お子さんはいただいたときにただの紙切れじゃないかと思うかもしれないけれども、ゲームをいただいたよりも、もし、おじいちゃん、おばあちゃん、そしてお父さん、お母さんと劇場に行って何かいろんなものを聞いたり見たり触れたりする、それがきっと一生の思い出になるかもしれない。小さいときからそういう劇場に足を運ぶという観点からも、どうかゲームをプレゼントするのではなくて、今年はチケットをプレゼントしてほしいということを申し上げてきたことでございますけれども、どうか文化庁、文科省としても一層の努力をしていただきたいと思います。 そうしましたら、次に、喫緊の課題である学校の耐震化についてお伺いをさせていただきたいと思います。 学校の施設は、子供たちが一日の大半を過ごす本当に大切な活動の場所であると同時に、地域の避難場所にもなる防災拠点でもございます。その安全性の確保、この確保をしていくことが極めて重要であると考えておりますが、平成十九年四月一日の現在では、公立小中学校の耐震化率は約六割弱にとどまっております。さらに、大規模地震に対しての倒壊又は崩壊の危険性が高いとされる建物が四千三百二十八棟も存在することが調査で明らかになっています。 国民の安心、安全の観点からも、こうした状況は一日でも早く改善しなければならないと私は考えているところでございますけれども、子供たちの命、そして国民の命を危険にさらさないよう、学校の耐震化、これを早急に進める必要があると思いますけれども、大臣の御見解をお伺いさせていただきたいと思います。
○国務大臣(渡海紀三朗君) 私の認識も全く同じでございます。そして、これはあえて申し上げれば、総理が非常に気にされていることでございまして、安心、安全な国づくり、この耐震化というのは喫緊の課題でございます。 このために、政府といたしましては、十九年度補正予算案に千百三十八億円、また二十年度予算案において対前年度比十億増の千百五十億円の計二千二百八十八億円を計上しているところでございます。 もっと積めばいいじゃないかという話もあるんですが、ただ、いろんな執行状況を考えますと、これは単にお金の問題だけではありませんで、先ほど水岡委員から科学者と、私は科学者というよりは建築でございまして、よく分かっているつもりでございますが、時期がこうやって学校の場合集中したり、夏休みにやろうとか、そういった問題もございますので、適正に、できるだけ早急にできるように頑張っていきたいというふうに思っております。
○浮島とも子君 是非早急によろしくお願いいたします。 でも、一つここで指摘しなければならない点が、地域間の格差の問題がございます。公立小中学校の耐震化率の進捗については相当な格差が、地域差があるということがございました。調べたところによりますと、全国一位である神奈川県、これは八九%、最下位である長崎県の三七・三%まで広く分布をいたしております。その要因は、財政上の問題、また地震に対する意識の違いなど様々あるとは思いますけれども、学校施設の安全性は全国どこにいても確保されるべきと私は考えております。重要だと考えております。 このため、予算の確保はもとより、学校の設置者である地方公共団体の取組をこれまで以上に加速させることが必要であると考えますけれども、御見解をお伺いしておきたいと思います。
○政府参考人(舌津一良君) お答えいたします。 耐震化の取組につきましては、委員御指摘のとおり、地域によって格差があるわけでございまして、文部科学省といたしましては、これらの解消を図るために、例えば校舎の地震補強事業に係る国庫補助率につきましては、従前から全国的に三分の一から二分の一のかさ上げを行っているところでございます。また、体育館はこれまで三分の一でございましたが、この補助率を平成十八年度から二分の一にかさ上げを行うというようなことも行っております。 またもう一点、いわゆる地方負担分の問題でございますけれども、これに対する地方財政措置につきましても段階的に改善を図っているところでございます。具体的には、従来、東海地域等に限られておりました地財措置につきまして、平成十八年度からは東南海・南海地震防災対策推進地域及び日本海溝・千島海溝周辺地域にも対象を拡大し、さらには今年度からはこの措置を全国に拡大していただいたところでございます。 このように、現時点におきましては、地域によりまして地震補強事業に関する地方負担への支援制度については地域によっての極端な差はなくなっているところでございます。 さらに、文部科学省といたしましては、これまでも市町村ごとの耐震化率の状況を公表してまいりました。また、重ねて、設置者に対しましても、学校ごとの耐震化の状況を公表するようにお願いをしてきているところでございます。加えまして、今後は市町村からの耐震化の具体的な事業計画を提出していただきまして、きめ細やかな指導をしてまいりたいというふうに思っております。 このようなことを通じまして、耐震化が進むように最大限の努力をさせていただきたいというふうに考えております。
○浮島とも子君 国民の命にかかわる大切な問題でございます。この地域間の格差がなくなるよう全力で取り組んでいただけるようお願いして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(関口昌一君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午前十一時五十九分散会