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168回国会参議院2007/11/15

文教科学委員会 第3号

発言数
139
登壇者
15
会派数
3
開催日
2007/11/15

会議録

関口昌一自由民主党

○委員長(関口昌一君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日、木俣佳丈君及び大島九州男君が委員を辞任され、その補欠として川合孝典君及び外山斎君が選任されました。     ─────────────

関口昌一自由民主党

○委員長(関口昌一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、総務省総合通信基盤局電気通信事業部長武内信博君外九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

関口昌一自由民主党

○委員長(関口昌一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

関口昌一自由民主党

○委員長(関口昌一君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題として、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

友近聡朗民主党・新緑風会・日本

○友近聡朗君 おはようございます。民主党・新緑風会・日本の友近聡朗です。  先般の参議院選挙に愛媛選挙区から初当選させていただきました。元Jリーガーから初の国会議員ということをお伺いしております。昨日、浦和レッズが優勝して、私も大変うれしく思いながら今日初質問に立たせていただきます。ロスタイムまで全力で頑張りますので、よろしくお願いいたします。  本日は、まず最初にサッカーくじ、私にぴったりの質問であるかと思いますが、独立行政法人日本スポーツ振興センターのスポーツ振興くじtotoについて御質問をさせていただきます。  まず、文部科学大臣にお伺いいたします。  サッカーくじ事業全体について、これまでの実績を踏まえ、どのように評価しているでしょうか。あわせて、昨年までの、毎年売上げ低迷によりスポーツ振興助成に支出される金額は減少し続けておりますけれども、その理由について文部科学大臣の認識をお伺いしたいと思います。

渡海紀三朗自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(渡海紀三朗君) 若いJリーガーということで友近議員が来られた。やっぱり国会の議論というのは、いろんな層の方が世代を超えて参加をされ、また、いろんな経験のある方が来られるという意味で、スポーツの政策についてこれからも大いに議論をさせていただきたいというふうに思っております。楽しみにしております。  今サッカーくじ、いわゆるスポーツ振興くじのお尋ねがございました。  この導入時に、我々も実は随分議論をいたしました。中には、やっぱり青少年の教育に良くないんじゃないかといったような議論がありまして、ちょっと余談な話になりますけれども、私は多くのそういう陳情をいただきました。  当時私は実は自由民主党を出ておりまして、新党さきがけの政調会長でございまして、そういう立場で随分陳情を受けたわけでありますけれども、その方々にいつも申し上げたのは、やはりスポーツを振興することは非常に大事であるということは認めていただける。その上で、なおかつ今は非常に財政難であると。やはりそういった意味で、こういったものがうまく機能すれば、うまく機能すればスポーツ振興の財源として非常に重要な役割を果たすであろうし、また同時に、いい意味でスポーツに対する興味というものもこれによってやっぱり上がってくるんじゃないかと。  大事なことは、青少年教育において大事なことは、実は子供は買っちゃいけないんだよということをしっかり教えることが大事なんであって、子供が買うから駄目なんだというふうな、ガラス箱の中に入れれば実は子供は健全に育つんだという発想には立たないというふうに申し上げまして大変実はおしかりを受けたわけでありますが、今でもその考えは変わっておりません。  そういった意味で、スポーツ振興ということで実は創設されたくじでございますけれども、残念ながら、当初いろんな試算もやりました。そして、ちょうどワールドカップもありましたですね、あのとき日本と韓国で。こういうこともあって最初の二年ぐらいは非常に順調に実は推移をしたわけでございますが、その後若干売上げが落ちまして、そういった面で、なかなか当初の目的というものが実は発揮されていないというか、実現できていないということは大変残念に思っております。  その中で、このくじをどういうふうにしていくかということが言われたわけでございますけれども、昨年来、やはり経営体質をしっかりと改めるということをやり、なおかつ新たなメニューですね、これは御存じだと思いますが、高額当せんのBIGというものを導入をしたり、それから販路をできるだけ拡大をしようと、またこの拡大のためには、今ローソンとファミリーマートですね、コンビニでも買えるようにするとか、そういったことをやること、また経費節減の努力ということをやることによって随分と改善を見ております。  今年のシーズンを見ますと、十一月十日現在で約四百三十八億円、昨年のシーズン通しての売上げが百三十二億円でありますから、こういうことを考えますと、今シーズンは更に売上げが上がるというふうに見込まれておりまして、大幅な収益というものも見込まれるわけでございます。  後で御質問もあるかもしれませんが、かなり累損が出ておりますから、そういったものの対策というものもしなければなりませんが、当初の目的という意味では、スポーツ振興の財源としてこのスポーツくじが機能する日も思ったよりは近いときに来るのではないか。今やめてしまってこの欠損が国民の負担になるということよりは、しっかりと先ほど申し上げましたような対策を講じていくということが大事であるというふうに考えておるところでございます。

友近聡朗民主党・新緑風会・日本

○友近聡朗君 ありがとうございました。  大臣より経営体質、財源についてのお話等ありましたけれども、少し具体的にお伺いしたいと思います。  平成十三年から十七年の第一次事業では、売上げ低迷によってりそな銀行に対する業務委託料の未払問題が明らかになっているかと思います。昨年九月にりそな銀行に対し未払分を全額支払ったということでありますけれども、返済金額、資金調達の内容について具体的に説明をお願いいたします。

樋口修資文部科学省スポーツ・青少年局長

○政府参考人(樋口修資君) りそな銀行とは第一期、十三年度から十七年度まで経営委託をお願いをしておったわけでございますが、その間の累積の欠損が二百十六億円に上ったわけでございます。この二百十六億円を私ども昨年りそな銀行に対して一括返済をさせていただきますときに、みずほ銀行との間でシンジケートを組みまして、百九十億円をみずほ銀行からお借りをいたしまして、残余の部分につきましては、私どもスポーツ振興基金の一部を勘定間の融通という形で、一度貸付けを私ども一般勘定の方からくじ勘定の方に貸し付けていただきまして、この一部をりそな銀行への返済に充てたということでございます。

友近聡朗民主党・新緑風会・日本

○友近聡朗君 一般勘定、スポーツ振興基金から投票勘定へ融通したというお話でありますけれども、一般勘定からの貸付け三十四億円の資金調達とありますが、私の見させていただいたりそな銀行への返済額には二十六億円という数字がありましたけれども、その数字の相違について御説明を願いたいと思います。

樋口修資文部科学省スポーツ・青少年局長

○政府参考人(樋口修資君) 御説明申し上げます。  基金の方から、スポーツ振興基金の方から三十四億円を融通をいただいたわけでございますが、みずほ銀行からお借りした百九十億とりそなにお返しする二百十六億との差、二十六億円については、まずこれをスポーツ振興基金の三十四億の中から融通をするとともに、残りの部分につきましては、シンジケートを組みますときの手数料関係とか、あるいはりそな銀行からお借りしていたときの遅延損害金等々がございまして、そういったものに充当させていただいたということでございます。

友近聡朗民主党・新緑風会・日本

○友近聡朗君 ありがとうございました。  それでは、現在の第二期事業においてセンター直営方式の導入でコスト削減が図られているとされていますが、第一次事業と比較して採算ラインはどこまで下がったのか、第一次事業と第二次事業の違いを具体的に御説明ください。

樋口修資文部科学省スポーツ・青少年局長

○政府参考人(樋口修資君) 第一期の事業については、これはりそな銀行への委託ということでやらせていただきまして、残念ながら、十三年度、十四年度については黒字でございましたが、十五年度以降については、これは赤字ということで採算ラインが取れなかったわけでございます。  私ども、少なくともこの第二期、十八年度からにつきましては、おおむねこの十九年度の目標額、ございますように、二百二十一億円を私ども想定しておりまして、二百二十一億円程度売上げが進むならば、ほぼ収益について確保できる見通しが立つという数値になったということでございます。おおむね二百億を超えるところで一応の収益、損益ラインがセットできるだろうというふうに考えているところでございます。

友近聡朗民主党・新緑風会・日本

○友近聡朗君 それでは、少しサッカーくじ制度そのものの在り方についてお伺いしたいと思います。  平成十八年九月に変更された同センターの中期目標、中では、平成十八年度以降、二事業年度連続して毎事業年度末の繰越欠損金が計画どおりに減少しないと見込まれる場合には、評価委員会の厳格な評価を踏まえ、速やかにスポーツ振興投票等業務の抜本的見直しを行って所要の措置を講じるとされております。  今年度の売上げは、先ほど大臣もおっしゃられたように、新たなくじの導入で大幅に伸びております。二事業連続で計画どおり債務返済ができない状況は回避される状況にあるのかもしれませんけれども、今後くじの売上げがこのまま堅調に推移していくとは限らないのではないかと思います。  中期目標を見ると、売上げがこのまま伸びていけば、あるいは債務が中期計画どおりに減少していけば、サッカーくじ制度自体の見直しを行わないようにも思えますけれども、現在、文科省においてその制度そのものの在り方について検討はなされているかどうか、お伺いしたいと思います。

樋口修資文部科学省スポーツ・青少年局長

○政府参考人(樋口修資君) ただいま委員御指摘のとおり、私ども独立行政法人の日本スポーツ振興センターの中期目標において、二事業年度連続して繰越欠損金が減少しない場合には抜本的な見直しをと、そして毎年度適切に売上目標と売上げについての厳格な評価を踏まえながら事業の抜本的な見直しを行っていくということでございますので、私ども不断にこの売上回復と売上げの向上というものに努めながら、その売上げの推移を十分見極めながら、業務の在り方について不断の改善を図ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。

友近聡朗民主党・新緑風会・日本

○友近聡朗君 大臣にお伺いしたいと思います。  参議院の警告決議では、負担が国民に及ぶことのないよう、累積欠損金の解消を求めるとともに、サッカーくじ制度そのものの在り方を再検討すべきと指摘されております。  制度の存廃も含めて、文部科学大臣、どのように認識しているかお答えください。

渡海紀三朗自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(渡海紀三朗君) 冒頭申し上げましたように、この制度導入の経緯からしても、スポーツ振興という意味で、このサッカーくじが生み出す財源というものは非常に重要な役割をするんだというふうに認識をいたしております。  先ほどの御決議でございますが、国民の負担を求めないように、これはやめるということになりますと累損は国民負担になるわけでございます。今、いろんな工夫もし、また努力もし、やっと好転をしてまいりました。先ほど局長が申し上げましたように、不断の改善努力というものもやることによって、この傾向を我々としては何とか維持をして、そして、もちろんこの負債を、累損を解消するということも大事でありますけれども、大事でありますけれども、本来の振興というものに使えるように、これは繰り返しになりますが、更なる改善の努力をする。  そういう意味では、制度そのものの骨格、中でどういうメニューを作るかとか経営の中でどういう努力をするかということは、これは改善の努力はしますけれども、全体の骨格、このくじという制度の骨格は守っていく必要があろうというふうに考えております。

友近聡朗民主党・新緑風会・日本

○友近聡朗君 ありがとうございました。  それでは次に、制度スタート時の考え方のギャップについて、少しお伺いしたいと思います。  先ほどから出てきておりますBIGが導入されたことによって大幅に売上げが伸びていると承知しています。キャリーオーバーが発生すれば最高六億円の当せんということで、宝くじ以上の高額くじであり、サッカーファンでない新たな購買層を取り込んでいるとも思いますし、インターネットやコンビニエンスストア、くじの販売網を拡大したことで売上げの回復となったということは私も承知しております。  しかし、BIGについては、購入者がJリーグの試合を予想するものではなくて、コンピューターがランダムに予想したものを購入する仕組みであります。サッカーくじは、当初サッカーファンが勝敗予想を楽しむ知的ゲームであると説明されていたと思いますけれども、現在そのような性格が薄れてきているのではないかということ。あと、高額当せん金の購入のしやすさで売上げ増には成功したと言えるかもしれませんけれども、売上げ増のためになし崩し的に射幸心をあおる方向に流れ過ぎているのではないかと懸念されるけれども、文科省の見解をお聞かせください。

樋口修資文部科学省スポーツ・青少年局長

○政府参考人(樋口修資君) 現在のくじ事業につきましては、予想系のtotoと、それから機械による、乱数表によるアトランダム方式で機械が試合予想するBIGというBIG系の二つがございますが、私ども、あくまでもtoto系で知的なゲームということで予想していただきながらスポーツ振興のためにこれを御寄附いただく、こういうものを基本としながら、BIGも活用しながら、全体としてのスポーツ助成財源の確保を図っていきたいというふうに思っているところでございます。  また、BIGについては、高額当せん金ではございますけれども、私ども、一週間に一回ということを原則として購買をしていただいているわけでございますので、みだりに射幸心をあおるということには必ずしもつながらないんではないかというふうには考えておるところでございます。

友近聡朗民主党・新緑風会・日本

○友近聡朗君 ありがとうございました。  それでは、先ほど大臣からも御答弁があったんですが、本来の目的であるスポーツ振興助成額の見通しについてお伺いしたいと思います。  初年度、選手強化やグラウンド整備などスポーツ振興に五十八億円助成されましたけれども、昨年は八千万円というふうにお伺いしております。今シーズンの売上げ目標、先ほど大臣の方から具体的な現在の数字、四百三十八億円以上売れているというお言葉がありましたけれども、来年度のスポーツ振興助成と欠損金返済の考え方、あと見込額について御説明伺うとともに、スポーツ振興のために活用する姿勢を明確に示してほしいと考えますけれども、大臣の見解をお伺いしたいと思います。

渡海紀三朗自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(渡海紀三朗君) これは繰り返しになりますが、今年はそこそこ収益が見込めるという状況でございます、幸い。  そういう中で、ただ、先ほどもありました参議院の決議、国民負担を起こさないというためには、やはり一日も早くこの累損というものをなくさなきゃいけない、こういうこともあるわけでございます。ただ、本来の目的は、今、友近委員がおっしゃいましたように、これはスポーツ振興のためにこういうものをやろうということで、大議論の末、議員立法で成立をした法律だというふうに思っております。  そういうことを考えた場合に、やっぱり借金を返さなきゃいけないからどうにもこれを出せないんだということだけで本当にいいのかどうかですね。これは財務当局も含めて、今後、我々もできるだけその本来の目的に沿う財源というものを確保するように頑張っていきたいと。今どれぐらいの見込みかということについては即座にお答えできないわけでありますが、そういうつもりで、これから最後まで行きますとまだ少し売上げも伸びるというふうにも予想されておりますので、そういう姿勢で臨んでいきたいというふうにお答えをさせていただきたいというふうに思います。

友近聡朗民主党・新緑風会・日本

○友近聡朗君 ありがとうございました。  スポーツ振興のための財源支援そのものの在り方についてお伺いしたいんですが、サッカーくじのように必ずしも安定しているとは言えない財源を当てにして支援を行うというのではなくて、政策実現のために国として必要な予算は措置すべきではないかと思います。  現在、文化庁の予算が約千億円程度でありますけれども、スポーツ対策関連予算は約百八十億円程度であると認識しております。スポーツについてしっかり予算を付けていくことのできる国であるべきだと考えますけれども、大臣の見解をお伺いしたいと思います。

渡海紀三朗自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(渡海紀三朗君) 委員のおっしゃるのは、全くそのとおりだと思います。  この前、実は文化についてのお尋ねがあったときにも私は似たようなお答えをさせていただきました。やっぱり、スポーツというのは国民に希望と勇気を与える、また国民の健康にとっても非常に重要なことでありますから、もっともっと予算が増やせるということを頑張っていかなきゃいけないなというのが率直な実感でございます。  また、議員の皆様の中にも与野党を超えてそういう意見があることも承知をいたしておりまして、いろんな予算があるわけでございますから、その全体のバランスということもありますが、私としては精一杯努力をして頑張っていきたいと、そういうふうに思っております。

友近聡朗民主党・新緑風会・日本

○友近聡朗君 ありがとうございました。  スポーツ振興を行っていく上で、私の見解なんですけれども、スポーツ省あるいはスポーツ庁を設置、構想していくことが好ましいのではないかと思っております。前文部科学副大臣の遠藤副大臣の私的諮問機関など、また、あと自民党の中にも調査会など設置されていると思いますけれども、スポーツ省の設置について大臣の見解をお伺いさせていただきたいと思います。

渡海紀三朗自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(渡海紀三朗君) 委員よく御承知で、前副大臣の遠藤さんが大変熱心にこの件について動いておられます。懇談会をつくり、意見書を出され、そして、これはちょうど私がこの職に就任する前でございますが、政調会長代理という立場でございまして、スポーツ調査会という調査会を自由民主党の中にも設置をしたところでございます。  今委員がお話しになりましたような、その庁をつくる、省をつくる、こういったことも含めてスポーツ振興、スポーツ立国というものを実現していこうという意見は、先ほども申し上げましたように、与野党を超えて非常に強くあるところでございますが、これは、新たな省、庁をつくるというのは大変大きな問題でございます、国家の組織にとってですね。ですから、そういったことを考えたときに、一転、逆の面では、行政改革、省庁再編というようなこともやったわけでありますから、そういった中で、世論の盛り上がりなり、また国会の議論の盛り上がりなりを見ながらそういったものが実現をしていくんではないかなというふうに思います。  いずれにいたしましても、省ができる、庁ができる、これも大事なことでございますが、これは私の全くの私見でございますけれども、庁ができたからいいんだとか、省ができたからいいんだと、そういうことでは必ずしもない。先ほど委員がおっしゃいましたように、やっぱりスポーツの振興ということについて大いにこの国会で議論がされ、そしてまた予算を獲得していくという素地をといいますか、空気といいますか、そういうものが与野党を超えてでき上がっていくということが日本のスポーツにとっては一番大事なことであろうというふうに思っております。

友近聡朗民主党・新緑風会・日本

○友近聡朗君 ありがとうございました。  totoBIGが発売になって売上げが増えていますので、是非とも助成金額はスモールにならないように御要望を申しまして、次の質問に変えさせていただきたいと思います。  それでは次に、ドーピングの問題についてお伺いしたいと思います。  渡海大臣は、今臨時国会のあいさつの中で「国際競技力の向上に努めるとともに、国際的なドーピング防止活動にも積極的に取り組みます。」と述べられていますが、この御発言にお間違いがないか御確認させていただきたいと思います。

渡海紀三朗自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(渡海紀三朗君) 間違いはありません。  そして、今、実はWADA、世界ドーピング機構の二年に一回の会合がマドリードで開かれておりまして、松浪副大臣はそれに出席をいたしております。アジアの理事も松浪さんにやっていただいております。私も五年前にちょうど副大臣のスポーツ担当のときに同じ職にあったわけでございます。  同時に、ドーピングの問題というのは、スポーツのフェアネスといいますか、フェアプレーの精神からすると、これは大変残念なことであります。近ごろも残念な事件がありました。これはサッカーというより陸上界で、金メダルを幾つ取ったのかな、マリオン・ジョーンズは、涙の記者会見をされましたですね。これは御本人にとっても人生にとって大変なことでありますけれども、多くの夢を見てきた、またオリンピックという舞台を夢見ている、そういう選手にとっても大変大きな問題であります。  そういうことを考えたときに、これからやっぱりしっかりと我が国もそのことに取り組んでいかなきゃいけない。WADAはもちろん、それから日本の国内の機構もしっかりと今は整えておりますから、そのことを通じてこのアンチドーピングというものをしっかりと根付いていくように、この日本の社会においても根付いていくようにしたいというふうに考えております。

友近聡朗民主党・新緑風会・日本

○友近聡朗君 ありがとうございました。  文部科学省の方では、平成十九年五月、今年の五月ですけれども、スポーツにおけるドーピングの防止に関するガイドラインというのを策定し、周知しております。もし資料をお持ちでしたら、第一章の三、ドーピング防止活動の推進体制のところを読んでいただくことは可能でしょうか。

樋口修資文部科学省スポーツ・青少年局長

○政府参考人(樋口修資君) 今委員御指摘の、私ども、ユネスコにおきますスポーツにおけるドーピング防止に関する国際規約が、これが締結をされまして、私どももこれを受け入れ、我が国においてもこのスポーツにおけるドーピングの防止に関するガイドラインを本年五月に制定をさせていただいたわけでございますが、今御指摘の第一章三のところには、文部科学省といたしましては、我が国のドーピング防止活動を一元的に行うために、国内ドーピング防止機関として財団法人日本アンチ・ドーピング機構を指定をすると、そして文部科学省は、JADA、この日本アンチ・ドーピング機構のドーピング活動に対して必要な支援を実施をするということを盛り込んでいるところでございます。

友近聡朗民主党・新緑風会・日本

○友近聡朗君 ありがとうございます。  ホームページの中でも、ドーピング防止活動推進支援事業をJADAに委託して実施していますということが明確に書かれてあるかと思います。この内容のとおり、JADAは文科省が認める機関であるということが分かるかと思います。  そこで、お伺いいたします。  先ほど大臣の方からJリーグのお話が少しありましたけれども、本年五月、Jリーグで初めてのドーピング違反により、選手、まあAさんとしておきますが、選手Aが出場停止になり、当該所属チームが制裁金支払の処分を科せられました。本件は、チームドクターの治療行為、すなわちビタミンB1入りの生理食塩水の静脈内注入がドーピング規程違反に当たるとして処分されたケースであります。  そして今月、つい先日ですが、元チームドクターが、選手Aがドーピング禁止規程に違反したとして受けた出場停止処分などの取消しを求めて日本スポーツ仲裁機構に仲裁申立てを行いました。それに対してJリーグは同意しませんでしたけれども、選手AがJリーグが仲裁に同意することを望んでいることも先日の新聞報道などでされております。補足で申し上げますと、治療をした担当医師が提出した日本スポーツ仲裁機構への申立書によりますと、本件は、風邪と下痢で食事ができないまま無理をして練習したJリーグ選手が練習後三十八度五分の高熱を発し、水も飲みづらい状態になり、所属の担当医師から点滴を受けたことがJリーグによってドーピング違反に問われた事件であるという内容のものが届出されております。  この裁定について文部科学省に見解をお尋ねいたします。

樋口修資文部科学省スポーツ・青少年局長

○政府参考人(樋口修資君) Jリーグの川崎フロンターレの選手にかかわる事件でございますけれども、現在、今仲裁機構への仲裁申入れがあるという現状にあるわけでございます。  私ども、この問題につきましては、オリンピック競技団体については、これは少なくともそのJADAの規程を受け入れて、このアンチドーピングについての規程を受け入れて対応しているわけでございますが、残念ながら、Jリーグを主としますこのサッカー協会については現在JADAに加盟をしていないという形になっておりまして、最終的には、今のこの紛争事案については日本仲裁機構の方にそのチームドクターからの申入れがあって、残念ながら、現在の状況ではまだJリーグ側はこの仲裁を受け入れるという形になっておらないものですから、現在の段階では仲裁に至っていないという状況でございまして、私どもといたしましては、こういう事案が長引くということは、このドーピング活動を推進する立場にある文部科学省としても遺憾なことだと思っておるものでございますので、この問題については関係者に対して必要な助言等を行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。

友近聡朗民主党・新緑風会・日本

○友近聡朗君 ありがとうございました。  Jリーグが採用している、Jリーグの規程の中で採用している世界ドーピング防止機構、WADAの規程によりますと、点滴治療は現場の医師の判断で行ってよいとなっています。更に言えば、本件はドーピング違反に該当しないという見解がJADAの会長から七月に公表されております。  先ほども申しましたけれども、文部科学省はJADAを国内ドーピング防止機関として指定しております。さらに、当時の文部科学副大臣、遠藤副大臣でありますけれども、WADA常任理事である遠藤利明氏が、WADAの見解を踏まえて、本件はドーピング違反に相当しないという見解を八月に公表しております。  この一連の問題にかかわるJリーグ側の対応について文科省の見解をお聞かせください。

樋口修資文部科学省スポーツ・青少年局長

○政府参考人(樋口修資君) Jリーグ側といたしましては、これが医師の緊急に必要な医療行為であったかどうかについて、やはり必ずしも緊急な医療行為ではなかったということでこのような処分、チームと選手に対しての処分が行われたということでございまして、今回の仲裁の過程におきましても、選手あるいはチームからのいわゆる仲裁の申入れではなくてチームドクターということで、いわゆるこれは当事者ではないということでこの仲裁機構への申入れについてJリーグとしてもこれは同意をしないという形になっておるということでございますので、私どもとしては、仲裁という形では、これは当事者同士という形が取られないとできないものですから、チームドクターだけという形ではなかなか難しいわけでございますが、この事案がやはり本当にドーピングの観点からきちんと解決されるように、先ほど申しましたように、やはりJリーグにもお話をお伺いをして、適切に対応されるように私どもとしても指導、助言をさせていただきたいというふうに考えているところでございます。

友近聡朗民主党・新緑風会・日本

○友近聡朗君 本件が起きる前から、文科省の方からJリーグに対してJADA加盟を繰り返し行政指導をしていたのではないかと思います。文部科学省がドーピング防止機関としているJADA及び前文部科学副大臣がドーピング違反とはみなされないと公表した見解が無視されるのは、ある意味で文部科学省が無視されるのと同じではないかと思います。このようなことが許されてよいのか、文部科学大臣の御見解をお聞かせください。

樋口修資文部科学省スポーツ・青少年局長

○政府参考人(樋口修資君) 先ほども申し上げましたけれども、JADAには我が国のオリンピック競技団体が、主要なものがほとんど入っているわけでございますが、残念ながら、サッカー協会、Jリーグの上部団体であるサッカー協会については入っていないということで、Jリーグ独自のいわゆるアンチドーピングのコードを持ちながら独自の制裁基準でもって対応しているということでございますので、必ずしもJADAとの関係で、JADAの規程を受け入れてその義務を誠実に履行するという立場には現段階ないものですから、Jリーグ自身のそのアンチドーピングの取扱いに基づいてされているということでございますので、私どもとしては、JADAを通じて、この間、直接的にJリーグに対して義務を履行するようにと言う関係性にはないということについては御理解を賜りたいと思っているわけでございます。

友近聡朗民主党・新緑風会・日本

○友近聡朗君 私の手元にJリーグの、二〇〇七年Jリーグ規約・規程集というのがありますけれども、ここの第二条のところに、「本規程においてドーピングとは、世界アンチ・ドーピング機構(以下「WADA」という)および国際サッカー連盟(以下「FIFA」という)に規定されている内容と同一の定義とする。」とはっきり書かれております。あと、「WADAおよびFIFAが、世界アンチ・ドーピング規程を変更した場合は、自動的に変更されるものとする。」ということは申し上げておきたいと思います。  仲裁申立てにJリーグが合意しなかったことについて、選手Aのコメントが次のように報道されています。仲裁の場で明らかにしてほしい、引退した後の人生で汚名を背負っていくのはつらい、この機会で言わないと一生後悔すると説明し、仲裁を希望しております。  また、Jリーグが下した裁定には幾つかの問題点が指摘されていますけれども、特に、違反を摘発する警察官の役目であるドーピングコントロール委員会が違反の認定をする裁判官を同時に兼ねるという不当な違反認定で裁いたことには、Jリーグ自身も認める重大な手続の誤りであると思います。  元チームドクターは、日本スポーツ仲裁機構に申立てをする場合は辞職するようにとチームに迫られて、職を失ってまで今後のスポーツ界のために立ち上がりました。私もJリーグの出身の一人として、人一倍Jリーグへの愛情があるからこそ言わせていただきたいと思います。百年構想を始め、Jリーグの理念はすばらしいと思います。そして、青少年のあこがれの舞台であるJリーグが、芝生のピッチの上のみならず、アンチドーピングというピッチの上でも、全国民、全世界に向けてフェアプレーの精神を示すことを切に願っております。  最後になりますけれども、文部科学省は、日本の全スポーツ選手を守る責務を果たすために、仲裁拒否をしたJリーグを放置することなく、厳しく行政指導して仲裁の席に着かせ、当事者が公平公正な裁定を受ける権利を実現すべきであると思います。今回の問題は日本の反薬物対策の遅れを浮き彫りにしたものだとも思います。責任を持った誠実なる御回答を文部科学大臣にいただきたいと思います。

樋口修資文部科学省スポーツ・青少年局長

○政府参考人(樋口修資君) まず、国内の主要競技団体の中でサッカー協会だけが実はJADA、日本アンチ・ドーピング機構に加盟をしていないということがございまして、現在、サッカー協会の方においては、規程の整備等を行いながら、このアンチ・ドーピング機構に加盟する方向で作業を進めておられますので、私どもとしても適切にサッカー協会に対して指導、助言を行って、一刻も早くこのJADA、日本アンチ・ドーピング機構に加盟して、そしてコードを誠実に遵守するようにこれを指導していきたいと思っております。  現在、御案内のとおり、JリーグはWADA規程そのもの、アンチドーピングについての解釈についてのWADA規程そのものは受け入れているんでございますけれども、制裁のところが実はWADAの規程を受け入れていないということがございますので、いわゆるアンチドーピングの取扱いの問題と制裁、一体としてこれを誠実に履行するように、JADAといったところに加盟する方向で今検討が行われていますので、私どもとしても側面的に指導、助言を行ってまいりたいというのが一点でございまして、そしてまた同時に、この川崎フロンターレにおけるアンチドーピングの事案につきましては、私どもとしては、このJリーグが決定した処分の過程について関係者から疑義が唱えられている、委員御指摘のとおり疑義が唱えられているわけでございまして、また、選手本人自身もいわゆる名誉を懸けてということで、いろんなお考えがあるということをお聞きしておるものですから、この状況が長期化するということは、やはりサッカー界のみならず、我が国のスポーツ界にとってもこれは大変大きな問題だと私ども認識をしております。  したがいまして、解決に向けて、関係者、これは当然、サッカー協会、Jリーグも含む関係者において適切な対応が期待されることを期待しておりまして、Jリーグ等からも、今後、一度この問題についてはお越しいただいて十分お話を伺って、私どもとしてもどういう対応ができるか、よくお話を伺った上で適切な助言、指導を行ってまいりたいというふうに考えております。

渡海紀三朗自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(渡海紀三朗君) 事実関係といいますか、今我々が何ができるかということですね、そのことについて局長がお答えをしたわけでありますが、いずれにしても、JリーグもこのJADAの機構の中にお入りになる準備を進めておられるということでありますから、そのことも含めて、我々はちゃんと接点を持って、そしてこの個別の案件についても状況をよくお聞きをして、適切に対処をしていただくようにお願いをさせていただきたいと。  ただ、そのJADAの中で、実は入っておられて、それに、こういうふうにこうなるから、違反しているからどうのこうのという形に現時点ではなっていないということは御理解をいただきたいと思います。  ただ、委員の指摘も踏まえて、今後しっかりとこの問題に対応していきたいというふうに考えております。

友近聡朗民主党・新緑風会・日本

○友近聡朗君 ありがとうございました。  以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。     ─────────────

関口昌一自由民主党

○委員長(関口昌一君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、浜四津敏子君が委員を辞任され、その補欠として山下栄一君が選任されました。     ─────────────

関口昌一自由民主党

○委員長(関口昌一君) 質疑を続けます。

植松恵美子民主党・新緑風会・日本

○植松恵美子君 民主党・新緑風会・日本の植松恵美子でございます。このたびの参議院選挙におきまして、香川県から初の女性国会議員としてこの場に立たせていただいております。  本日は、大臣に向けまして、日本の将来に向けた大学院教育と人材活用の在り方についてお尋ねをさせていただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。  まず、せんだって大臣の所信表明が行われましたが、その中で、教育は国家百年の大計であり、どの社会であっても重要な課題です、天然資源が恵まれない我が国において人的資源こそが国力の基礎である、科学技術創造立国の実現は、我が国が未来に向かって成長するためには欠かすことができない、また、飛んで、少子高齢化、人口減少、グローバル化といった劇的な社会の構造変化の中では、日本の大学が、教養に裏打ちされた専門知識を備えた人材を育成するとともに、諸外国から優秀な人材を引き付ける、国際競争力のある知の拠点になることが必要であるとおっしゃっていられました。私も、この大臣のお考えには賛同しております。確かに、我が国には天然資源が恵まれておりません。そんな中で世界をリードしていく研究者をつくっていくこと、その研究者に教育を注いでいくことが将来日本のためになると私も考えております。  さて、末は博士か大臣かという言葉がございます。この言葉を使うとき、国民の皆さんは恐らく尊敬の念を持ってこの言葉を使っております。また、私の子供のころに言われたこともありますけれども、子供に向かってこの言葉を発するときは、将来は大臣や博士のような立派な人になってほしいという期待を込めて使われている言葉だと思います。  大臣と博士は同格に思われている職業でございますけれども、その渡海大臣にお伺いいたします。大臣から見て、博士とはどのような資質、能力を持つ人材であるとお考えでしょうか、お答えください。

渡海紀三朗自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(渡海紀三朗君) 博士というのは多分今でも尊敬されるんでしょうが、大臣が尊敬されているのかどうかちょっと、皆さんから笑いが漏れたところでありますが、それはさておきまして、やっぱりこの日本がこれから先も持続的に発展をしていく、そのためにはやっぱり日本の資源というのは突き詰めれば人間しかないんですね。資源も何もないわけでありますから、人間であり知恵である、そういうものを活用してこの日本の経済社会を支えていかないと我が国の将来はないわけでありまして、私はいつも科学技術は私のライフワークだというふうに言わせていただいております。今まで政府にこれで実は入らせていただくのは四回目になりますが、いずれも科学技術が関係しております。  それはともかくとして、そういった意味で、ただ単に科学技術だけではなくて、人文科学の部分においてもやっぱり立派な人材をつくり出す。博士と言われるのは、やっぱり高度に専門的な知識を持って、そしてよく最近使われる言葉でありますが、イノベーション、社会にイノベーションを起こすような、そういった高い専門知識を持っているということ、そういった研究能力を持つということも大事でありますが、同時に、学際の部分、そういった部分、要するに分野と分野の境目ですね、そういう部分も十分理解をして、国際的にも活動ができるコミュニケーション能力とか、そういったものを総合的に実は持った方というのを博士と呼ぶのにふさわしいんであろうというふうに思っております。

植松恵美子民主党・新緑風会・日本

○植松恵美子君 大臣がおっしゃられましたように、博士は高度な専門的な知識を身に付けなければなりません。そのためには、私は大学四年学部卒でございますけれども、更にその上、修士課程が二年、そして博士課程が三年、最短でも大学に九年間在学しなければなりません。ストレートに修了することができても二十七歳で卒業です。しかしながら、今、昨今では、やはり浪人をしたり、あるいは留年をする、また修士論文を出したり博士論文を出すというのは非常に難しいことで、その試験をパスすることは非常に難しいです。ですから、実際には博士課程を修了したときには三十歳を超えているという場合もたくさんあると思います。  また、この間、どのくらい自己負担、学費が掛かっているかを調べましたところ、学部四年間で約四百五十万、修士課程二年間で百五十万、博士課程三年で約二百三十万です。九年間で実に八百三十万の自己負担が掛かっております。これももちろんストレートで行って八百三十万ですから、どこかで一年留年したり、あるいは浪人するともっと費用が掛かるというわけでございますけれども。  さて、自己負担は九年間で八百三十万ですけれども、恐らく税金も大学を通じて使われていると思います。博士課程修了までにどのくらい税金、一人当たり使われていますか、教えてください。

清水潔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(清水潔君) 高等教育に関する公財政支出でございますけれども、機関補助と個人補助、あるいは研究に対する援助など、実は様々な態様の資金から構成されております。また、学部、大学院の区別もできないものも多うございます。このため、一人一人の学生について大学入学から博士課程修了までの間に投じられる額という形で公財政支出の規模を算出することは技術的に難しいこともございますが、OECDの国際比較統計の要領に即して便宜的に学部及び大学院全体に投じられた公財政支出について在籍学生を除してみるならば、二〇〇四年の数字で申し上げれば年間六十七万円ということになろうと思っております。

植松恵美子民主党・新緑風会・日本

○植松恵美子君 ありがとうございます。  一年間に約六十七万円ですから、これ九年間掛けますと、ざっと六百万円、一人の博士課程が修了するまで九年間で六百万円税金を使っているわけでございます。  ですから、先ほど申しましたように、自己負担が八百三十万、税金が六百万、計で一千四百三十万円ものお金を投じて、しかも四年の通常学部卒にプラス五年以上も大学で研究をする。非常にこれは難しい、難関であると思うんですけれども、それにもかかわらず、こちらのグラフを見ていただいたら分かりますように、我が国では年々高学歴化が進んでいることが分かります。  今大学の進学率は約五〇%、また修士課程、博士課程へと進む割合は増加傾向にありまして、今大学院の在学者数は、平成三年度においては九万九千人、そして平成十二年度では二十万、また平成十八年度では二十六万一千人の過去最高の数字となっております。十五年間掛けて二・五倍近く大学院の在学者数が増えてきているというわけなんです。  御存じのとおり、今少子化傾向にあって十八歳人口は減っているにもかかわらず、大学院に在学する数がこの十五年間で二・五倍も増えているんです。もちろん、これは学生一人一人がもっと上の勉強をしたい、もっと上に進みたい、進学したいといった個人個人の希望もあったかと思いますが、この時を同じくして、平成三年、大学審議会が出している大学院の量的整備の答申の中には、一、研究機関等における研究需要についての拡大が予想される、つまり研究者の需要が拡大される、あるいは企業における高度な専門知識、能力を有する人材の需要はかなり拡大、かなりです、拡大が見込まれるとあります。よって、平成十二年の時点では二倍以上の需要が拡大されると予想されております。だから、大学院生数は、学生、社会人、留学生を含み、当時の二倍強の拡大をすることが必要だと考えられています。  恐らく、この審議会からの提言を受けて大学院の重点化政策が行われたんだと思うんですけれども、この大学院重点化政策の目的は一体何なのか。そして、平成三年からいいますともう実に十六年たったわけでございますから、その目的は達成されたかどうか、教えてください。

清水潔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(清水潔君) 事務的なことでございますので、私の方からお答えさせていただきます。  まず、御指摘の大学院の重点的な整備でございますが、委員御指摘の平成三年の答申を踏まえ、他の先進諸国と比較しますと、学部学生に対する大学院学生の比率や人口千人当たりの大学院学生数が小規模であるという認識に立ちまして、ただいま大臣から答弁申し上げましたように、研究者のみならず社会の多様な方面で活躍し得るような人材の養成を図るために大学院のまず量的な整備を進めるということとともに、まずその量的な整備に伴って質的な整備も図ることが急務であるということで、質的な面では、教員組織、施設整備等が必ずしも十分な体制にない我が国大学院の基盤的整備に努めるということ、そして、その中でとりわけ卓越した教育研究実績を上げることが期待される大学院等に対して重点的な整備を図ることによって大学院の教育研究環境の充実強化を進めようとする、これが大学院重点化の目的でございます。  量的整備につきましては、御指摘のように、平成三年の計画、平成十二年において平成三年時点の学生数の二倍というその目標というものは達成されたところでありますけれども、質的な整備につきましては、種々施策はこの間講じてきておりますものの、例えば教員組織や施設等のその面、あるいは大学院における教育研究の体制あるいはその内容という面でまだ課題を残しているところでございます。  私どもとしては、そういう意味で、世界的な水準の教育研究拠点の形成、大学院における意欲的かつ優れた教育の取組を重点的に支援していくことを通じて、大学院教育の質の向上、これは重点化政策の一つの大きな目的でもございますけれども、質の向上を図って国際的に魅力ある大学院教育をつくっていきたい、このように考えております。

植松恵美子民主党・新緑風会・日本

○植松恵美子君 確かに量的な調整においては、先ほどのグラフにありましたように、平成十二年度では二倍に達成しております。これはすばらしいなと思いました。さすが数字を追っていくのは非常に、正確に二倍に増えているなと感心いたしました。そして、先ほどおっしゃられたように、他国に比べて量が少ないから日本も他国に負けないほどの量を輩出させようと、そういった思惑の下でこういった二倍に増えてきている。  先ほども申しましたように、平成十八年度では二十六万一千人、そしてこの十八年度の博士課程修了者は一万六千人、過去最高でございます。この博士が着実に予定どおり増えていったにもかかわらず、社会ではこういった博士号取得者はどこに吸収され、そしてどこで活躍をしているのだろうかと、私は非常に疑問に思っております。  就職率のグラフを作ってみました。  これは学歴別で就職率を出したものでございますが、この緑のグラフ、高校を卒業して就職をしようと思ったら七〇・九%の人が就職できております。しかしながら、それから九年も費やして、また、先ほども申しましたように、たくさんの税金と自己負担を使ったにもかかわらず、大学院を修了した人の就職者率は六四・九%。つまり逆を言えば、三五%の人は就職ができていない状況でございます。  また、生涯賃金に目を落としますと、高卒の男性で一生にいただける賃金が二億五千六百万、大学、大学院卒業して一生にいただける賃金が二億八千九百万。実にこの差額は三千三百万です。しかしながら、この間、九年間学費を払っているんですから、この間の八百四十万差し引きますと二千四百六十万。また、片や高校を卒業してすぐ働いている人たち、私も周りに本当に一生懸命働いている人をたくさん知っています。この方は働いて税金を納める納税者側に立っているわけです。しかしながら、片や学生でいらっしゃる方々はこの税金を使って勉強をさせてもらっている、そういった立場が違っております。  こういった中で就職、たくさんの勉強をして、たくさんのお金を使って勉強をした人がなかなか三五%も就職をできずに、聞くところによりますと、非正規雇用で非常勤講師として働いたり、あるいは塾の講師をしたり、アルバイトをしたりして生活を立てている人がおりますが、こういうふうに時間とお金を掛けてできた優秀な人材が就職もできずにいるこの現状、社会問題だとはお考えになりませんか。どうか大臣、お答えください。

渡海紀三朗自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(渡海紀三朗君) 先生御指摘のように、要するに、大学は出たけれどもといいますか、そういう言葉が昔ありましたが、博士課程は修了したけれどもと、これが随分問題になりました。  平成八年以来、この拡大も図るとともにポスドク一万人計画というふうな計画も作りまして、できるだけ研究者の数を増やす環境をつくろうということで、これは国立大学とか各種研究機関、独立行政法人の研究機関もございます、研究独法というのもあります、こういった中でそういった方々を活用する政策というものも実は展開をしてきたわけであります。  ただ、冒頭申し上げましたように、実はこのポスドクの皆さんに、ただ単に研究者になるということだけではなくて、より広く社会で活躍をしていただきたいと、そういうことも実は考えておるわけでございますが、どうも、ありていに言えば、むしろ受入れ側が少し何となくポスドクのような方は使いにくいのじゃないかと、そんな感じも持っておられる傾向がありますので、そういったことも含めて総合的により理解をしていただく必要があるのではないかなと。  個人の問題なのか、これは組織の問題なのかということもあるかもしれませんが、しかし、実際に経団連等が最近調査をしてみますと、実は雇ってみたら、雇ってみたら意外と雇った側の満足度が高い、使いやすかったというふうな例もあるわけでありまして、そういったいろんな意味でのミスマッチをしっかりと解消しながら、やっぱり、今社会問題というふうにおっしゃいましたが、そういう社会問題にならないように努力していく必要があろうと、そういうふうに考えております。

植松恵美子民主党・新緑風会・日本

○植松恵美子君 大臣、もう既に社会問題になっていると思っております。高学歴にもかかわらずフリーターとして働かなければならないこの日本は本当に知的な国家だと、あるいは知識を大事にするような国家だとは思いません。また、博士課程を修了したけれどもという言葉は、大臣になったけれどもと同じ言葉だと私は考えております。  もちろん、ポスドク一万人計画、このポスドク一万人計画によって毎年一万人の方々が研究者として五百万から八百万の平均収入を得て安定した生活ができますが、これは約、最長でも三年なんですね。その三年後は一体どういった生活になるか、まだ安定していないわけでございます。  結局、平成三年度、薄っぺらなこの大学院の量的整備について、二倍に増やせ増やせといって生まれた大学院生、博士課程修了生ですね、この人たちが今一体どのぐらい無職になっているか、トータルで人数が幾らになっているか把握されているかどうか。そしてまた、先ほどから質的な問題にはまだまだ課題が残っているとか、あるいは企業は、研究が狭くなっているから、あるいは視野が狭いから、柔軟性に欠けるからと言って民間企業は博士を雇うことは非常に敬遠しているけれども、使ってみたらいいからこれからちょっと使うのが経団連増えるかもしれないと言っていると、そうおっしゃっておりましたが、これは、じゃ研究者が本当に社会性がないから、あるいは柔軟性に欠けているからといった個人個人の資質の問題なんですか。それとも、今、日本の大学において教員というのは終身雇用制を取っております。なかなかその方が退職するまでは新しいポストが空いてこないわけですね。また、新しい国家プロジェクトを基にした研究機関、これも増設されているわけではありません。そういった中で、社会構造がなかなか研究者を受け入れるような体質がない、いわゆる社会構造の問題なのか、併せてお答えください。

渡海紀三朗自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(渡海紀三朗君) 一つ一つ御指摘になっていることは、私はあえて否定はしません。  総合的な要素があると思うんですね。個人がやはり余り専門性にはまり過ぎて幅がないと、これも私は原因だと思いますよ、はっきり言いまして。ですから、やっぱりそうはならないような質的整備というのは、もうちょっと幅の広い視野を持てるような教育のやり方というのは、これは是非これからの大学院では考えていってもらわなきゃいけないというふうに思いますよ。要するに、研究者になることだけがその道だということでもしやるとするならば、やるとするならば、それは本来の目的、必ずしも、もちろん研究者も要るんですよ、要るんだけれども、そういうことではなくて、幅広い人材をとにかくつくり上げようという目的でありますから、いろんなメニューが用意されなきゃいけないんだろうというふうに私は思います。  その中で総合的に、確かに社会のシステムの中にも問題がありますし、閉鎖的と言われた日本の研究室のシステムの中にも当然問題があるわけですから、若手がどうやったら活躍できるかというふうな工夫も当然やっていかなきゃいけないし、やっているわけでありますが、じゃ、事実、そういうことがちゃんと機能しているかという検証はこれからまだしていかなきゃいけない一つの課題だというふうに思います。  そういうことも含め、そしてまた、先ほどの経団連の例は、実は意外と、意外と使いにくくなかったということが最近分かったということでありますから、そういうふうなこともよく理解をしていただいて、より幅広くこういった方々が活躍できる場所を確保していくと。一元的にこれだけをこうやろうということを考えているわけではありませんので、そのことを是非御理解をいただきたいというふうに思っております。

植松恵美子民主党・新緑風会・日本

○植松恵美子君 私は、個人個人の質的な問題とか、そういった本当に総合的な問題、まあ構造的な問題もあり個人的な問題もあると大臣はお答えになったと思うんですけれども、そもそも、この平成三年度においてはっきりと、企業はかなりの需要拡大が見込まれる、研究機関においてもかなりの拡大が見込まれる、二倍に見込まれるから大学院を増設して二倍の卒業生をつくってもいいじゃないかということをここに書かれております。大変薄っぺらな私は答申書だと思っているんですけれども、この根拠は一体何だったんでしょうか。  例えば、今、これ去年と先ほど大臣おっしゃられたと思うんですけれども、去年になって経団連が、使ってみたらなかなか良かった。しかし、これ平成三年度です。何年前かな、十六年前に、企業はかなり拡大が見込まれる。じゃ、それ書く前に企業に使ってみたことありますかと聞いて回ってもよかったと思いますし、あるいは研究機関、具体的にどのような研究機関で増える見込みがあるか、需要が見込みがあるかということを調べた、あるいはこの後ろ盾になる資料があって二倍に見込まれると書いたものか。あるいは、大学進学希望者がどんどんどんどん高学歴化してくるだろう、だからといった適当な、場当たり的な予想に従って私はこの答申書を書かれた。こんな答申書を基に人生を左右される若者たちがこの日本に毎年一万六千人輩出されることになっているわけでございます。  私は、この平成三年度当時において見通されていた研究機関及び企業における需要の増大の見通しは本当に正しかったか、あるいは資料になるものが本当にあったかどうか、そして、もしこれが間違っていたと思うのでしたら今後どういった軌道修正をなさるつもりか、あるいはこのまま行かれるかどうかをお答えください。

清水潔文部科学省高等教育局長

○政府参考人(清水潔君) 平成三年の大学審答申で、企業等へのアンケート調査をあの答申時に行ったようでございます。  そこでは、企業における高度な専門的知識、能力、必ずしも研究者だけではございませんが、そういう需要について拡大が見込まれるということで、その時点での推計で申し上げますと、平成十二年時点での博士課程修了者の就職者数を約四千二百人と見積もっております。これは、実際に平成十二年度時点で博士課程修了者の研究者、技術者などへの就職者が四千五百人であるのとほぼ同様の結果になろうというふうに思っております。  なお、研究機関につきましては、様々な先駆的な研究分野の融合も含めまして、そういうものを推進していくために創造性豊かな研究者の養成確保が求められていたということで、平成三年の、博士課程修了者のうち研究者として就職した者は、平成三年度の三百九十四人から平成十二年度の一千二百六十七人と大幅に増えております。  なお、この間でのいわゆる我が国全体での研究者の総数はどのような推移をたどったかというものを見てみますと、平成三年当時、企業あるいは大学、研究機関等を含めまして、研究者の総数は六十二万人でございました。平成十二年には七十六万人に増えており、平成十七年の数字で申し上げますと七十九万人に増えております。この中心は企業でございまして、企業では、平成三年当時、三十四万人の研究者を雇用しておりましたが、平成十二年には四十三万人に増加しております。平成十七年では四十五・五万人、合わせて合計でこの十七年までの間でいえば十二・五万人の増加が企業セクターで研究者として増加したと、このような状況になっております。

植松恵美子民主党・新緑風会・日本

○植松恵美子君 ちょっと聞き取りにくかったんですけれども、全体としては需要が増えているとおっしゃっていたと思うんですね。  それならば、このグラフをごらんになってください。これは大学院・博士課程卒業者の就職率を表しているグラフでございます。分野別に表していますけれども、保健とか工学とかあります。保健というのは、御存じのとおり、医学部とか薬学系でございますから、これを卒業するとそのまま就職につながるといった分野でございます。人文科学といったものは、資格もなかなか関係なく、就職もないといったようなものでございますけれども、往々にして、平成三年から十八年にかけてたくさんの院卒業生が出たというのも分かりますが、それを考慮しても全体的に右肩下がりに就職率は下がっていると思っております。それで、特に人文科学といった分野は平成十八年度では三〇%を切っております。  それにもかかわらず、同じくこの平成三年から続いて平成十七年に行われました中教審の答申書の中には、まだしも欧米と比較すると我が国の大学院の人文・社会科学の分野の割合が低いと、だから自然科学分野も力を入れなきゃいけないけど、人文・社会科学系の分野がバランスの取れた発展を目指すことが重要である。つまり、今後もまだ、こんなに三〇%も切っている人文科学分野にあるにもかかわらずもっと重点を置いても、科学分野と同じように重点を置いていかなきゃならないといった答申書が出されているわけでございます。  そして、先ほども申されたように、量的な調整は、平成三年度においては二倍に拡大するといった答申書がきちっと書かれているにもかかわらず、十七年に至っては、もう量的な調整は大学の自主性に任せればいい、自由競争の中にほうり出して、その中で、需要と供給のバランスの中で大学が人員を考えて採ればいいといったような、どちらかというと責任を回避したような答申書に仕上がっております。  また、平成三年度には、科学者、研究者は研究者の需要が必要だから大学院を増やすべきだ、二倍に拡大するべきだとありますが、平成十七年度に至っては、進学希望者が多くなるだろう、この進学需要が増加傾向にあるからまだ増設してもいいんじゃないかなということを書かれております。本来、大学というものは、試験をパスして、その能力に合った者が進学をしていくものです。進学希望したからといって、そこの人員を増やして、そしてたくさんの人を採ればいいというようなのは、あるいは経営を余りにも重視しているのではないかと疑ってしまいます。  そしてまた、欧米諸国と比べるとというのが次々と出てきますけれども、本来私たちは、我が国の未来を担うリーダーをつくるための研究者をつくる大学院だと思っております。そのためには、どんな研究者をつくったらいいか、最終的には我が国は、十年先、五十年先、この分野で世界をリードしていきたいんだといったはっきりとしたビジョンを打ち上げて、そのビジョンを打ち上げたことによって学生さんたちが、じゃこの分野で頑張っていこう、この分野だったら世界に貢献できるんじゃないかと思って自分の進路を決めるはずです。  大臣にお尋ねいたします。将来、日本が世界に貢献し、誇れるような分野についての対策は取っていらっしゃいますか。今後、日本がどの分野で重点を置いていくつもりなのかを教えてください。

渡海紀三朗自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(渡海紀三朗君) 世界に貢献をしていくという意味では、いろんな意味で我が国が持っている非常に世界的レベルの技術なり、そして研究ですね、そういったものはいずれも貢献できるものだと思っております。分かりやすく言えば、環境なんというのはそうですね。環境を克服した技術というのは、この狭い国で、先ほどから人間、知恵しかないと言っている我々がやっぱり一番今蓄えている技術であります。  こういったことがありますが、国全体としての将来像としてはしっかりとした議論をしていただいております。これは基本的に総合科学技術会議で議論をいただいて、特に研究開発の分野でいうならば、科学技術基本計画というのがございます。これは基本法に基づいて、私も提案者の一人でございますが、五か年計画を作って、しかも大事なことは、ちょっと今しんどくなっております、きつくなっておりますが、その五か年の投資額を初めから決めて、そしてそこで集中的にその資源を配分をしていくというやり方をやっているわけでございます。第一期十七兆円、第二期二十四兆円という投資額を決めました。ほぼ達成をいたしました。第三期は、実は今二年目でございますが、大変危ない状況でございますけれども、その中で、我々としては、重点的な分野、簡単にお答えいたしますけれども、よく言われる四分野、加えて四分野、ライフサイエンス、IT、そして環境、情報という、これに加えて、ナノテクノロジー、エネルギー、物づくり、社会基盤、フロンティアといったような八つの分野それぞれに、それだけではなくて、その分野の中でまた精選をして六十二の戦略重点分野というものをつくっております、細かくは申し上げませんけれども。  そのキーワードは、国際的な科学技術競争へのまず対応というものを考えておりますし、それから、社会のニーズ、安全とか安心とかいうこのニーズに対応するものをやっていこう、これは国民生活に大きく関係するわけでありますし、国の長期的な戦略の中でやる国家基幹技術というものを五つ定めております。次世代スーパーコンピューターなんかがそうでございますが、こういったものをしっかりと議論をしていただいて、そして決めて、限られた資源であります、予算でありますから、そういうところへ集中的に投資をするということを方向性としてはっきり出しておりますから、興味を持っていらっしゃる方は、ああ、日本はこっち向いているんだなということはよくお分かりをいただけるのではないかなというふうに思っております。

植松恵美子民主党・新緑風会・日本

○植松恵美子君 安心いたしました。科学の四点分野についてきちっと国が打ち出して、そして大臣もきちっとお考えになっていらっしゃる。だったら、なぜこのような分野の、大学院の分野はこうしましょうとかというふうに国からの答申書はなくて、平成十七年度に至っては、自由競争の下において、大学の競争的環境の下で自主的、自律的な検討に基づく機能別分化の流れの中でこの大学院の定員を決めちゃったらいいんだとおっしゃっていらっしゃいます。  確かに、教育の現場にたくさんの手を掛けたり、あるいは口を出すということは余り良くないかもしれませんけれども、それにしましても、本気でこの分野で日本が将来世界をリードしていこうと思うのでしたら、予算の配分だとか、あるいは、人文科学に行ったとしても、まだ日本はそこの部分に重点を置くべきだと書く以前に、つまり国が指し示している方向とこの大学院の重点支援の示している方向に少し私はずれがあるように思います。そのずれの中で、自分の研究を一生懸命熱意を持って頑張っている若い知識、知恵が、そしてたくさんのお金を掛けた税金と自己負担の掛けたお金が無駄に使われていると私は思っております。  このように、私は本当に情熱を持って、熱意を持って勉強している若者たちのこういった熱意をそぐような、三十歳を超えて就職ができずに、博士号を取っているにもかかわらずきちっとした定職を持てないような社会に本当にすばらしい人材が生まれてくるとはなかなか思えません。  ですから、どうか大臣、最後に、ポスドク対策を含め、博士課程修了者の人材活用、本当の意味で人材を活用するための対策、これがあればお聞かせください。そして、この実行に向けた大臣の決意をお聞かせください。

渡海紀三朗自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(渡海紀三朗君) この人材活用というのは、先ほどの答弁でも何度もお話をしてきたわけでありますが、その前に、大学はやはり基本的には自主運営をしていただかなきゃいけないというのは原則だと思います。そして、当然そのときに、例えば国立の独法でいえば中期計画というのを作るわけですから、それは六年間の計画を私が一応承認をするわけでありますから、そういった手続を取るわけでありますから、そのときに当然国が指し示した方向と違っていればこれはちゃんと注意もするわけでありますし、そこで是正をされる。  もう一点は、やはり大学というのは、実はひょっとして百年間役に立たないことをやっているかもしれないんです。これは小柴先生がよくおっしゃるんですね。十年たって私のやっていることは多分何の役にも立たないかもしれない、百年たっても。でも、やらなきゃいけない。これがいわゆる基礎研究なんですね。それが人類の挑戦であり、また一千年たって実は物になったものもあるんですね。このいわゆる二つを併せ持っている。その基礎研究は実は自発的なアイデアで、競争的資金で頑張っていただくという仕組みをつくっているんですね。ですから、私は必ずしもそういったことが機能していないとは実は思っていないということを、まあ反論するわけじゃないです、委員のおっしゃっていることも分かりますから。  この大学院のポスドクの活用という意味では、これは繰り返しになりますが、まずはやっぱり研究者としていわゆる受け入れる、こういった体制をしっかりつくっていく、また若手が活躍できるような制度改正をやっていく。とかく白い巨塔と言われたような、こういう体質を改めていただくために一体何ができるかということは、今までもやっておりますし、これからもいいことがあったらやっていく。  それからもう一点。やっぱり社会とそれからドクターを出た人のミスマッチが随分起こっておりますから、これはやっぱり去年の調査でも明らかになったように、実は意外と経済界も使ってみるというのはあるわけでありますから、そういうことをもとに、出会いの場というと何か変な言葉になるかもしれませんが、そういうことじゃなくて、何というんですか、要するに情報がちゃんと伝わるように、お互いに、そういったことをやっぱり心掛けていかなきゃいけないだろう、そんなふうに考えております。  加えて、今日なるほどなと思う点もありましたから、いや、それは失礼な意味で言っているんじゃないんです、やっぱり素直に聞いておりましたんで、そういった点については今後また我々が検討する中で反映をさせていただきたいというふうに思います。

植松恵美子民主党・新緑風会・日本

○植松恵美子君 大臣がおっしゃるとおりに、確かに今なかなか日が当たっていない研究であっても五十年先、百年先、日が当たるかもしれない、必要になってくる研究を地道にこつこつとやられている博士の方たちたくさんいらっしゃると思います。しかしながら、先ほども申しましたように、研究職の道を歩むとこの日本では思うようにお金が使えないとか、あるいは生活さえも、明日の生活さえも安定していないような、そういった状況に置かれている優秀な人材がたくさんいらっしゃいます。  また、元に戻りますけれども、末は博士か大臣かと思って親御さんたちは育てているわけです。そして、本人も未来の希望を持って勉強にいそしんでいるわけでございます。こういった学費もたくさん掛かっていることも今日お話しさせていただきましたけれども、この学費を一生懸命稼いでいる親御さん、そして仕送っている親御さんの思いをやはり酌み取っていただきまして、こういった優秀な人材、そして時間とお金を掛けた本当にすばらしい人材が活躍できる場をつくる、また、そういった方たちに手を差し伸べてあげるような政策を今後考えていただいて、若者に未来のある、科学者に未来のある、そういった日本をつくっていってくださることを心よりお願い申し上げます。  本日は本当にありがとうございました。

藤谷光信民主党・新緑風会・日本

○藤谷光信君 民主党・新緑風会・日本の藤谷でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  私は、初めて参議院議員になりまして、それまで県議会議員、市議会議員は経験しておるんでございますが、何分にも新人でございますので、どうぞよろしくお願いいたします。  当選しましてからこの文教科学委員会に入れさせていただきまして、また、これまでの委員会での質疑の様子などの記録を読ませていただいてまいったわけでございますが、私が質問したい、聞きたいようなこともいろいろと出ておりまして、やはり大事なことはいつの時代もだれでも同じように感じるんだなと思いながら読ませていただきました。大変内容の深いこともありますし、もっと私ならこういうことを聞いてみたいなということもありますので、案外、私が質問することが過去にもあったかも分かりませんし、重複する点もあるかも分かりませんが、私なりにお尋ねをしたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。  今、植松議員さんからお話がありました学費の問題、大学院の学費の問題等ございましたが、私は、まず私学助成に関する政府の基本的な考え方をお尋ねしたいと思っております。  私学助成といいましたら、私学団体、学校法人、大学等への助成でございますが、これは取りも直さず、そこに通う学生たちの、生徒たちの経費の軽減ということにすぐつながるわけでございますので、そういう視点で大変私は大事なことだと思っておりますので、よろしくお願いいたします。  文部科学大臣は所信のごあいさつの中で、少子高齢化、人口減少などの劇的な社会の構造変化の中で我が国が成長を続けるかぎとなるのは、大学が国際競争力のある知の拠点となることと述べておられます。私もそのとおりだと思っております。しかし、当委員会では度々指摘されていることがありますし、今までの記録も読みますと、我が国の高等教育にかかわる財政支出は諸外国と比べて極めて貧弱であるというふうに私は理解をしております。対GDP比では欧米先進国の半分程度となっておりますし、大学が国際競争力のある知の拠点となるにはいささか不十分ではないかと言わざるを得ないわけでございます。日本は〇・五%、OECDは各国平均が一%を占めております。  平成二十年度の概算要求で国立大学法人運営費交付金、私立大学経常費補助金、奨学金事業のすべてについて増額要求を出しておられますが、私ども民主党はGDP比五%ということを掲げておりますが、それですべてというわけではございません。財務当局からも厳しい指摘も出されておりますので、概算要求の実現可能性もなかなか難しいなということも思っております。  そこで、この高等教育予算のうちの私学にかかわる概算要求の概要、それから、特に基盤的経費について十分な要求ができたとお考えになっておられるかどうかをお尋ねいたします。大臣にお伺いします。よろしくお願いします。

渡海紀三朗自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(渡海紀三朗君) 先生御指摘のように、教育における私学の役割、特にこれは、大学は七六%ぐらいかと、学生数でですね、思います。非常に重要なものがございます。ちなみに、私も私学の卒業でございますが、それはともかくとして、ただ一方、厳しい財政状況の中でいろんな基本方針というものが決められておるわけでございまして、一番といいますか、そういった上で壁になっているのが基本方針二〇〇六というものであります。  しかしながら、その後この教育の議論では、教育基本法の改正というものが昨年十二月にありました。そして、それに基づいていわゆる教育三法の改正という状況の変化というものがあるわけでありますから、いわゆる一度決めたからとにかくどうしようもないということじゃこれはもう何の政策的ないわゆる立案をする意欲もわかないわけでありますから、我々としては、こういった大事な大学の研究経費を支えるこの基盤的経費、これは私学の問題でございますけれども、対前年度比百十五億増の三千五百七十六億という額を概算要求では要求をさせていただいておりまして、要求した以上、しっかりこれを確保するようにこれから年末に向けて頑張っていきたいというふうに思っております。

藤谷光信民主党・新緑風会・日本

○藤谷光信君 どうぞ頑張ってください。  それで、今この私学の問題、大学ですが、大学生の約七割が私学に通っておるわけでございますが、大変この私学の果たす役割というのはですから大きいわけでございまして、いろいろな法律的な問題もございますけれども、私学助成の問題につきましては、法律で二分の一までは私学に対する経常費補助するということになっておりますが、今では一二%前後で推移しておりまして、ピークであった昭和五十五年は二九・五%と比べても相当な率としたら低くなっておるわけでございます。  そういうことで、私学助成の拡大につきましては、毎回いろんな方が質問をされておりますし、それから、請願もたくさん出ておりまして、私のところにも、あるいは与野党を問わず各議員さんのところにはいろんな請願が出ております。そして、大変必要なことである、重要なことであるということはみんな認識しておるわけでございますが、家庭の経済状況にかかわらず望んだ学生がすべて大学で学ぶことができる制度づくりが今求められておるわけでございますが、この高等教育の中での私学の位置付け、今文部科学大臣も私学出身だとおっしゃいましたけれども、その位置付けというものをどういうふうにお考えになっておるか、御見解をお尋ねいたします。  それから、国立大学、公立大学と比較しまして、私学に対する公費のあるいは国費の投入が少ない現状、学生一人当たりを見ましても公費投入額の格差というものがありまして、これは毎回毎回出ておることでございますが、その辺につきましても御認識をお尋ねいたします。  それから、国際人権規約の中の高等教育の漸進的無償化という条項がございますが、これはいろいろ問題がありますけれども、この件につきましてどういうお考えであるかということも大臣にお尋ねしたいと思います。

渡海紀三朗自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(渡海紀三朗君) 高等教育の中の私学の位置付けでございますが、先ほどお答えをいたしましたように、学生数でいいますと、大学は七四・七ですね、それから短期大学が九四・八ですか、これは非常に多いわけですね。そういったことを考えますと、やっぱり高等教育の中で私学が果たす役割というのも大変大きいものがあるというふうに考えられます。  で、やっぱり私学の位置付けというのは、よく建学の精神と言われます。我が母校でもそんなことをよく言っておりますが、そういうものに基づいてやっぱり多様な人材の育成ということを自由な校風の中でやっていくという、そこにやっぱり特徴があるのではないかなというふうに思っておりまして、そういった役割を十分に果たしていかなきゃいけないというふうに考えておるところでございます。  また、国立大学と比較して私学に対する国費の投入が少ないという御指摘でございますけれども、確かに、たしか一二%と五〇、五二ぐらいになっていますかね、今、だと思いますけれども、やっぱり教育の研究の維持向上という点から先ほど御質問がありました私学助成というものがあるわけでございますし、今後とも、私学助成、また奨学金事業もあります、こういったものを通じて、これからの私学の事業といいますか、私学の支援に努めてまいりたいというふうに考えております。  どういいますか、非常に、形式的に言えば基本的には設置者がというふうなことで、国は国費が多いとか、私学はだからどうしても少なくなるとか、こういうことも言われるようでありますが、これは確かに第一義的にはそうでございます。しかし、先ほど言いましたように、学生の七割五分というのはとにかく私学に通っているわけですから、教育のある意味の機会均等という意味からしますと、もっとこの差はやっぱり狭まっていかなきゃいけないというのが、これは私の個人的な考えでありますが、基本的な考えだというふうに言っておきたいというふうに思います。  それから、国際人権規約の高等教育の無償化の問題でございますけれども、これはやっぱり無償化した場合の財政的な裏付けをどうするかということは、これは無視できないと思います。簡単に計算すると二兆五千億ぐらい掛かると言われているんですね。これを今すぐ無償化というのは、なかなか今の日本の財政の状況の中では難しいなと。私学の三千億ぐらいを百億上げるのが大変しんどいわけでありますから、ちょっとそういう問題はなかなかクリアできないなという、そういう気持ちがございます。  また、やっぱりそうなってまいりますと、この高等教育の段階へ進学をされない方と、高校で終わられる方と大学まで行かれる方、また専門学校の方もいらっしゃいますが、そういう方々の公平感というのをどうやって保つのかなというふうな問題もあります。  ドイツやイギリスは入っているじゃないかというふうな話もされるようでありますが、しかし、私の聞いたところ、例えばイギリスは確かに条約を締結して批准はいたしておりますが、九八年からむしろお金を取り出したということでありますし、ドイツも二〇〇六年以降においてはこの無償化を守れなくなっているというふうに聞いております。ちなみに、アメリカは条約を締結しておりません。  ほかがどうだからどうだというのは、先ほど植松先生からも御指摘ありました、日本は日本の在り方があっていいと思うんですが、こういった全体の状況を考えたときに、なかなか現状では難しいのではないかなというふうに思っております。  以上でございます。

藤谷光信民主党・新緑風会・日本

○藤谷光信君 大臣が熱心にまじめに取り組んでおられるということはよく私は分かっておるのでございますが、まあ駄目だ駄目だと言うんじゃなくて、目標といいますか、努力目標といいますか、高く掲げて、大臣のその精神からいいましたら、これは駄目だと言うんじゃなくて、それに近づくように近づくように頑張っていただきたいと私は思っております。  それで、今大学のことをちょっと触れましたが、今度は高等学校以下の件ですが、高等学校以下も私学の果たす役割というのは大変大きいものがありまして、今、まず幼稚園からいいますと、幼稚園では非常に私学の占めておる地位といいますか、中心的な存在をしておるわけでございまして、今データを見ますと百三十七万人が私立へ通っておるということでございます。それから、義務教育段階、小中学校におきましても、今私学が大変話題を呼んでおりまして、多くの国民から期待感を持っておられるわけでございます。それで、今中学校受験というのが非常に過熱しておりまして、これがちょっと問題もある面もございますけれども、小中学校の義務教育のところに、私学への期待感というのがそこに表れておるんではないかと思います。  私学というのは、今大臣がおっしゃいましたように建学の精神というものがありまして、それぞれがその理念というものが違っております。しかし、日本の憲法に基づいて、学校教育法に基づいて運営をしておるわけでございますから、そこにはその枠内でのそれぞれが努力をしておるわけでございますが、そして、公立ではなかなかできないことを私学が取り組んで先進的な、パイオニア的な役割を果たしておるというところもあります、そういうことも御存じと思いますが。  そして、今では、例えば小学校で英語をするとか、もうだんだんとするようになりました。しかし、私学では早くから取り上げておったのがあるわけです。小学校でもできるじゃないか、やれるじゃないかということから分かってきて、それで公立もしよう、全国的にこれはいいよということになっていることもたくさんあります。そういうことで、やっぱり私学の今まで果たしてきた大きな役割というものも十分そこは見ながらやっていかなければいけないんじゃないかと思います。  また、そして高等学校でも、私学に通っておりますのは今三割ほどおると言われておりまして、百万人の子供たちがおるわけでございますが、地域によりましたら、公立の高等学校を滑ったから、失敗したから私学に行っておるというのもあります。また、将来のことを考えて、進学のことを考えて私学へ進むというのも最近非常に増えておりまして、私学は非常に多様性を持っておりまして、私学の価値といいますか、よって立つところが非常にウエートが大きくなっておるような気がするわけでございます。  そういうことで、私立高等学校は所管、所轄といいますか、許認可が知事でございますので県の段階でございますが、しかし国庫補助の占める割合というのは非常に今大事なわけでございます。そういう意味で、高等学校以下の件につきましてどういうふうに今お考えになっておるかということもひとつお尋ねをしたいわけでございます。  高等学校が今ほとんど全入の時代になっておりまして、ほとんどの子供たちが高等学校へ行きます。今データを見ますと、今度高等学校を卒業する生徒数と大学の入学定員がほぼ同じになってきておるというのも聞いておりますし、これからそういう教育制度の何か転換期に来ておるようなところがありまして、文部科学省としても大事な局面に私は来ておるような気がしてならないわけでございます。  そういう意味で、今の高等学校以下の私学の役割、それを、文部科学大臣の見解をお尋ねします。それから、私立学校振興助成法の二分の一の補助をということでございますが、その件につきましてもお考えをお尋ねをしておきます。それから、幼稚園のことを先ほど触れましたが、幼児教育あるいは小中学校の私学の件も将来的にはどういうふうに取り組んでまいられるのか、取組の方針、高等学校、幼稚園、小中学校を含めて大臣のお考えをお尋ねをしたいと思います。

渡海紀三朗自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(渡海紀三朗君) それぞれの学校段階でいろんな違いはあるんだろうと思います。  ただ、幼稚園は、先生も御経験があるというふうに承知をいたしておりますが、非常に私学の割合が多いですね、八割ぐらいというふうに聞いております。高校で三割。幼稚園の段階を見ていますと、私の地元でも、実は市立幼稚園がどんどんと、市の幼稚園がどんどんといわゆる私立の方へ移管をし始めているんですね。  そういう意味では、多分、まあ経営と言うとしかられるのかもしれませんが、そのノウハウもしっかりしておられるんだろうなと、そんな気がいたします。また、市民がそれを受け入れる素地があるということは、地域における信頼というのも多分かち得ておられるんだろうなと、そんなふうに思っております。特色のあることを随分やっておられるわけでありまして、そういった意味では、やはりこれが全部、私の地元の何とか市立であれば同じことしか多分やらないと思う、そういうことも含めて非常に役割を果たしていただいているというふうに思います。  それから、高校でございますが、実はこの間、某県の高校の支援をするということで、父兄の方々と一緒に来られました。授業料が大変だからもっと支援をしてほしいということでございましたが、そのときにやっぱりお話がありましたのは、行かれるインセンティブが非常に多種多様なんですね。やっぱりこの学校へ行きたいといって行く人もいると、それから逆に、要するに公立に受験したけど駄目で、とにかくここに助けてもらったという言い方はおかしいけれども、ここで受かったんでここへ行くと。そういう家庭状況によっても随分違うということも聞かせていただいたわけでありますが、いずれにいたしましても、そういう中で我々はこの私学というものもしっかり支えていかなきゃいけない。  確かに二分の一という法律がございます。ここに書いてある二分の一という補助の目標を念頭に置きながらも、国の財政事情を考慮して二分の一以内という裁量権を国に与えているという、こういうことに多分私学振興法はなるんだろうというふうには思っておりますが、我々としては、今回は、先ほどは大学の部分でお話をいたしましたけれども、対前年度比三十億円増の千六十八億五千万という概算要求を出しておりまして、年末に向け頑張っていきたいというふうに考えておるところでございます。

藤谷光信民主党・新緑風会・日本

○藤谷光信君 先ほども触れましたように、今教育の、少子化の流れでいろんな面で曲がり角に来ておるような気がしてならないわけですよね。幼稚園につきましても、認定こども園の制度も始まりました。それから、先ほど言いましたように、高等学校ももう全員高校に進むというような時代とか、やっぱり私学が歩んできた道もいろいろありますので、私学の関係者とかあるいは私学に通っておる保護者の意見というものもしっかりこれからは酌んでいただいて、積極的にしていただきたいと思っておるわけでございます。  それでは、次の質問に移りたいと思います。  昨年の六月ですか、民法の改正で、公益法人の一般社団・財団法人法、公益法人認定法、あるいは関係法令整備法などができまして、来年の十二月一日から施行するというのが出まして、これ宗教法人のことでございますが、公益法人の中のいわゆる宗教法人の公益性ということからちょっとお尋ねしますが、宗教法人というのは文部科学省の所管ということでいいわけですね。

高塩至文化庁次長

○政府参考人(高塩至君) お尋ねのように、宗教法人法につきましては文部科学省の所管でございます。それに基づきます個々の法人につきましては、いわゆる複数の都道府県にまたがるものについては文部科学大臣、単独のものについては都道府県知事の所轄ということになっております。

藤谷光信民主党・新緑風会・日本

○藤谷光信君 公益法人の見直しで、宗教法人のことも公益法人の一つということで、宗教団体、宗教関係者からは、法人の見直しということで宗教法人のいわゆる課税の問題から、宗教法人にこの取扱いがどうなるんであろうかという不安視をする意見の方がたくさんあるわけでございます。  実際には、宗教法人でも従来からあります伝統的な宗教法人あるいはいろんな宗教法人があるわけでございますが、実際には営利を行っておる、宗教法人が営利を行っておる、あるいは維持財団が本来的なものからちょっと外れておるなというのもそれはあるかも分かりません。ですが、そういうことはさておきまして、宗教法人というのは、本来、いわゆる憲法の大きな柱であります信教の自由ということから非常に公益性の強い、公益性が高いというふうに宗教の関係者は思っておるわけでございます。  そういう意味で、将来ともにこの宗教法人の公益性ということはどういうふうにお考えになっておるかということをちょっとお尋ねをいたします。

高塩至文化庁次長

○政府参考人(高塩至君) 今先生からお話のございました公益法人改革でございますけれども、これは現在、いわゆる社団法人、財団法人、それから中間法人が対象になっておりまして、宗教法人は対象になっておりません。  先生がおっしゃられましたような宗教法人に関する税制につきましては、やはり宗教法人の公益性を踏まえたものとなるよう、文部科学省としても注意してしっかりとやってまいりたいというふうに考えております。

藤谷光信民主党・新緑風会・日本

○藤谷光信君 この宗教法人の、公益法人の、財団法人、公益法人あるいは社団法人、今見直しが盛んに言われておりまして、大変大事なことでございますので、今ちょっと時間の問題もありますのでまたこのことは別の機会に質問させていただきますが、今おっしゃいましたように、宗教法人というのは公益性のあるものであるということをお尋ねしまして、私のこの質問はおかせていただきます。  課税とか非課税とか収益事業とかいうことにつきましては、これちょっと幅が広くなりますので、課税問題になりますと案外この文教科学委員会だけでは枠を超えるんじゃないかと思ったりしますので、この質問はこれでおきたいと思いますので、今後とも、宗教法人の正しい指導といいますか、内容につきましてもひとつよろしくお願いいたします。  次の質問に入らせていただきますが、私は、次は日本の伝統芸能の教育ということについてお尋ねをいたします。  昔から日本には、簡単に言いましたら、琴とか三味線とか尺八とかいう、音楽でいいましたらその分野もあります。あるいは、お茶とかお花とかいうのは、これは大体日本にしかない文化でございます。謡曲なんかはもう最たるものでしょうね。ですが、外国人が日本に参りましてその日本の文化に触れるときに、非常に感動するんですね。  私のところは、私、山口県に住んでおりますが、岩国市でございますが、米軍の軍人さんがたくさんおりまして、これ海兵隊ですが、多いときには一万人からおります、平生は五千人ぐらいおります。いろんな、飛行機の部隊でございますので、大変レベルの高い将兵がたくさんおりまして、お茶やらお花を見て、のめり込んで、お茶のお師匠さんになった人も白人の人でおりまして、いつも、お茶会に行きますと、お茶席にその人がちゃんと和服を着てきて、私のすぐそばに座るんですね。こっちがたじたじとなるようなことがあります。それから、琴やら尺八を吹く人もおりまして、どうかと聞きますと、もうこれはすばらしいと言うてやっております。  案外そういうことで日本人自身がちょっと恥ずかしいなと思うことがあるんですが、明治から、日本の教育、明治の新しい政府になって、近代化しなければいけないということで、学校の教育も、音楽教育もドレミファソラシドになったわけです。西洋のヨーロッパの音楽を中心にしたわけですね。  しばらくしまして、ずっと来まして、古いものも大事だということで、戦前、私も戦前の生まれですが、戦前には女学校、女子高等学校、女学校は大体琴とかお花とかいうものは皆しておりました。今は、今度はそれが、戦争が終わりまして新しい教育になりました。今選挙で選ばれた人は大体、中には戦前に生まれた人もおりましょうけれども、今お役所の人たちはほとんど戦後の生まれで、戦後の教育を受けたと思うんでございますが、いわゆる日本音階で音楽を勉強したという人はほとんどないんじゃないでしょうか、ドレミファソラシドは知っておりましてもね。ドイツの三大B、ブラームス、バッハ、ベートーベンというのは習って私も覚えておりますが、しかし、日本の琴の名曲は何かと、尺八の名曲何かと言うたら知らぬのですね。外国へ行って音楽の勉強に留学した人が、日本の音楽何かあるかと言うたら、日本の音楽知らぬと。ショパンやらいうのはどんどん弾いても、それで荒城の月を弾いたらすばらしかったというふうな話をよく聞きます。  そういうことから、私は、前から日本の音楽、日本の芸術、伝統芸能の大切さということを私は思っておったんですが、今年の十一月の中央教育審議会の初等教育分科会の教育課程部会の審議の中間のまとめ、伝統文化の継承というのが提起されておりました。学校でももう従前から、琴とかあるいはそういう古いもの、日本の伝わったものを大事にしようということがあるのは知っておりますが、明らかにこうやって小学校の唱歌、民謡、郷土に伝わるうたについて取り組むということが挙げられまして、中学校では、和楽器について簡単な曲の表現を通じて伝統音楽の良さを一層味わうことができるようにするというのもうたわれましたし、伝統的な歌唱の指導をする、こういうこともうたっておられまして、大変私はいいことだと思うんでございますが、これから将来にわたってそういうことが学校教育の現場に取り入れられるためにはいろんなまだ課題が私はあると思うんです。  先生によりましたら、そういう素養のある小学校の先生ももちろんおられます。それから、音楽の先生の中にもそういう素養のある人もありますけれども、概してなかなか日本の、例えば笙とか篳篥とかいうたら全く全然別の世界になってしまいまして、まだ琴ぐらいなら少しは分かるけれども、そういうこと全然、鞨鼓とか篳篥というたら何のことやと、こういう人もたくさんあります。  ですから、そういうすばらしいのが日本に伝わっておるんですから、それも取り組んでいただきたいわけでございますが、まず、外国で自国の音楽、例えば韓国行きましたら韓国の伝わってきた、あそこはカヤグムといって腹の上に、おなかの上に乗せて弾く琴がありますよ。それから、いろんな楽器もちょっと違ったのがありますね。インドネシアに行ったらガムラン音楽というのがありますが、そういう音楽を他の国ではどういうふうに自国の、ヨーロッパの音楽が主流でございますが、ヨーロッパの音楽ではなくてそれを取り上げておるのが、そういうデータといいますか、そういうものがありますでしょうか。

金森越哉文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(金森越哉君) お答え申し上げます。  国立教育政策研究所が行いました諸外国のカリキュラムに関する調査研究によりますと、伝統音楽にかかわるカリキュラムといたしまして、例えば、ドイツのバーデン・ビュルテンブルク州におけるギムナジウムの音楽教育では民謡と民族音楽の授業への導入を必須といたしております。また、韓国では、内容の中に専門的な人的資源を活用して我が国の音楽文化に対する理解を高めることが位置付けられておりまして、教科書において伝統音楽の教材が多く扱われてございます。また、シンガポールでは、多民族の構成を反映いたしまして、中国やマレー、インドの文化に関するそれぞれの民族の伝統音楽、例えば中国の管弦楽でございますとか、マレー音楽と舞踊、インド音楽と舞踊などが教材として奨励されているなどの報告がなされているところでございます。

藤谷光信民主党・新緑風会・日本

○藤谷光信君 今報告がありましたように、他の国では、自分の国のアイデンティティーといいますか、そういうことばかりじゃなくて、やっぱり教養として取り上げておると。私は、人間形成上、そういう伝わってきた歴史の中にある私たちは、決して私は復古主義を言うておるわけじゃありません。大切にそれをするということが案外忘れられておる教育の原点じゃないかと私は思っておるわけです。  先日も、国際交流という意味からも、私の地元から高校生が交換留学でアメリカへ行きましたが、たまたまその人のお父さんがお茶を習っておられまして、娘が行くんなら、先生、お茶をちょっと教えてやってくれと言うて、茶道をちゃんとした先生に習ってアメリカへ行きました。アメリカではお茶をたててきたそうです。十六歳の女の子でございますが、大変高く評価を受けたというふうに聞いておりますし、やはり我々が長年持っておる歴史の中にある芸術とか文化というものを、それはやはりちょっと手を入れれば、それが大きな私たちの、日本人の、人間の、どういいますか、資質の向上といいますか、内容の充実というものにすぐつながってくるんじゃないか、非常に教育的な価値があると私は思っておるわけです。  ですから、今回のことで音楽の中にそういうのを入れられるというのは大変いいことだと思っておるわけでございますが、もう一つは、そういう楽器を、例えば和楽器にしましょうか、和楽器なら和楽器を教える先生、教師の育成、長い間切ってきたわけですよ。学校で教えていなかったわけですよ。そうすると、それは中にはお琴ができる人があるでしょう。尺八ができる先生が中にはおられましょう、学校の中で。やはり、ただ、町の人を呼んできて、上手だからやってくれと、こんな音楽がありますよというだけならいいんですが、もうちょっと突っ込んで、子供たちにその良さといいますか、その高さといいますか、それを教えるということになると、やはり教育的な訓練を受けた指導者というものが私は大事になってくると思うんですね。  それで、日本の全国の大学の中で、音楽に特化しますと、音楽なら音楽の先生で教員の資格を取るときに和楽器についてどういう勉強といいますか、しておるかということをちょっとお尋ねいたします。

金森越哉文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(金森越哉君) お答えを申し上げます。  我が国の貴重な伝統文化である和楽器につきまして、学校の教員が適切に教育することができるようにすることは大変重要なことであると考えております。このため、学習指導要領を踏まえまして、大学の教員養成課程におきましては、音楽の免許状の取得要件として和楽器に関する内容を、平成十三年度大学入学者からでございますけれども、必修としているところでございます。こうした学生につきましては、和楽器に関する教育が適切に実施されるための指導がなされているものと承知をいたしているところでございます。

藤谷光信民主党・新緑風会・日本

○藤谷光信君 音楽の中の和楽器とか邦楽とかいうのは非常にマイナーなところがありますので一々そこは余り申しませんが、私としたら非常に大事なことと思いますので、今後もそういう教員の養成、それからそういう分野への充実といいますか、力をひとつ入れていただきたいと切に思うわけでございます。  また、それと同時に、教育の分野でいいましたら、学校で生の音楽、生の演劇に触れるということが大事なわけでございますが、私も長い間劇団をやっておりまして、もう地方の劇団、四十五年ほどになるんでございますが、私は山口県でございますが、山口県はアマチュア劇団がたくさんありまして、その中の大きなの三つありまして、その三つが県の方針でふれあい演劇教室というのをやっております。一つの劇団、アマチュアですから日ごろ仕事がありますので、大体、年間三校行くんです、小中高等学校。三つがやりますから、年間九校ほど行けます。それを二十年間しますから、ほぼ山口県のあちこちで皆子供たちが見えるわけです。それはその劇団だけですが、文部科学省の方の推薦でいろんな劇団も来ていただいております。  それから、今、歌舞伎も、私のところの地元の小学校では瀧先生という小学校三年生の女の先生がおられるんですが、歌舞伎が好きで、そして授業の中に歌舞伎を使っているんですね。それで、歌舞伎を子供たちに勉強させて、見せると。自分たちも鑑賞するし、自分たちもすると。  これは一例ですが、全国にはそういう人がたくさんおられると思うんですね。そういう方たちの力もパワーもしっかり利用していただいて、伝統的な芸能、芸術、文化、そういうものへも、もっと本当なら、文化財とかあるいは無形文化財についても私、もっと言いたいことがあるんでございますが、今日は学校現場におけるそういう伝統芸能、伝統芸術ということについて申し上げたわけでございますが、その辺について、今後の取組について大臣からお話を伺って、終わりたいと思います。

関口昌一自由民主党

○委員長(関口昌一君) 時間が来ておりますので、大臣、簡潔にお願いいたします。

渡海紀三朗自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(渡海紀三朗君) 時代は国際化しておりますから、日本人が、子供たちがいわゆる伝統とか文化、日本の伝統とか文化をしっかり身に付けるということは大変重要だというふうに考えております。そうでなければ、要するに国際社会にやっぱり出ていけないんだというふうに私は考えておりまして、そういった意味でも、学校教育の場にあらゆる、国語であろうと音楽であろうと美術であろうと、日本の伝統文化というものを教育の中に取り入れていくべきだというふうに考えておるところでございます。

関口昌一自由民主党

○委員長(関口昌一君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午後零時二分休憩      ─────・─────    午後一時開会

関口昌一自由民主党

○委員長(関口昌一君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、外山斎君が委員を辞任され、その補欠として大島九州男君が選任されました。     ─────────────

関口昌一自由民主党

○委員長(関口昌一君) 休憩前に引き続き、教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 自民党の西田昌司でございます。  私は、この七月の参議院選挙で初めて当選をさせていただいたわけでございます。私の尊敬する明治維新の立役者、一番の功労者だと言われております西郷隆盛は、政治の一番大事なことは何かということをこのような表現でお話しになっております。政の大体は文を興し、武をにぎわい、農を励ますの三つにある。その他百般の事務は皆この三つのものを助くるの具なり。あと以下ちょっと続くわけですけれども、要するに、文を興し、つまり政治の一番大事なのはこの文化、文明というものをしっかりと隆盛させて次の世代に伝えていく、そして武をにぎわい、つまり国を守り、そして農を励ます、農業、食料のこの問題をきちんと国民が貧しくならないようにしっかりしておく、それに備えておく、この三つのことが一番大事で、その他のことはすべてこの三つのことを助けるための道具なんだと、こういう表現をしているわけです。正に、それほど教育、文教行政といいますのは非常に大事なことだと思うわけであります。  ところが、この戦後の六十数年、戦後教育の中でこの文教、教育の行政がどうなってきたかといいますと、これはもう皆さん方それぞれがお感じになられると思いますけれども、随分ゆがんだものになってきてしまったと。その原因は一体どこにあるのかということが様々な議論をされてまいりましたけれども、特に安倍内閣の下で教育基本法を根本的にこの制定以来改正しようと、その中に、伝統や歴史や、そういう公共の精神、そうした今まで戦後の教育の中ではタブーとなってきたようなものをしっかりと織り込んで教育の改正をしていこうと、こういうことがなされてきたわけであります。  残念ながら、その理念を訴えてこられた安倍総理自身が、私が当選して上がってまいりました直後に総理を辞任されるということは、非常に私にとって残念なことではありましたけれども、しかし、その安倍総理が掲げられた戦後体制、戦後レジームからの脱却という大きな歴史観の提案です。そのことは間違いなかったと思っておりますし、そのことに基づいて私はこの教育の改革が進められるべきだと。  そこで、そうした背景で教育基本法が改正されまして、今その担当大臣として渡海大臣が就任されたわけでありますけれども、まずこうした教育基本法の改正を受けてこれから教育行政をどのように所管、指導していこうとされているのか、まず御所見をお伺いしたいと思います。

渡海紀三朗自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(渡海紀三朗君) 戦後の日本の教育というものは、一面においてはこの改正前の教育基本法の理念の下で構築をされているわけでありますけれども、一面においては国民の教育水準の向上、また日本の国の発展というものにやはり寄与してきたんだろうというふうに見ることもできるというふうに思います。  しかしながら、今言えますことは、やはり科学技術の進歩であるとか国際化の進展、また少子高齢化といったようなこの我が国の社会の大きな変化が起こっておるわけでありまして、そういう中で教育をめぐる環境というものも大きく変わってきているというふうにとらえなきゃいけない。そして同時に、これは委員も御指摘になったわけでありますが、いろんな意味で少し忘れられてきたところがあるというふうにも考えなきゃいけないんだろうと思います。  例えば、道徳心とか自律心とか、また、よく言われる公共の精神ですね、それから国際社会とどういうふうにかかわっていくか、よく言われるような一国平和主義といったような考え方、こういったものについては、やっぱり我々はこれからしっかりと見直していかなきゃいけない、そういった部分であろうと思いますし、また、教育において今後やっぱり重視していくべき一面であろうと思います。  昨年、教育基本法が改正をされたわけでありますが、この教育基本法もそういった新しい時代の教育の理念、そういったものをしっかりと明示することによりまして、当然国民が共通して理解するという土壌をつくり上げるということも大事でありますし、社会全体に教育改革というものを、教育再生というものをしっかりと根付かせていかなきゃいけないというのがこれからの教育行政に当たる者の基本姿勢だというふうに考えておるところでございます。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 今大臣がおっしゃいましたのは、社会の変化とか、そういう時代背景が変わってきたというようなことをおっしゃったんですが、確かに教育といいますのはそういうところにも対応していかなければならないと思うんです。  しかし、今回の教育基本法の改正というのは、そういう言わば枝葉末節の部分じゃなくて、戦後教育そのものが、先ほど申しましたように、教育の一番根幹といいますのは、その国の歴史や伝統、つまり日本人としての精神やそういう大切な価値観というものをしっかり教えていく、これ国民教育として当たり前のことです。  ところが、この当たり前の基になっている歴史観やまたそういう伝統、精神、そういうものが言わば戦後の体制の中ではずっとタブーになってきたじゃないかと、そこのところをもう一度根本から見直そうという、そういう大きな流れがあったことは間違いないですし、まず、そのことを是非御認識していただいた上での教育行政をしていただきたいと思うんです。  特に、今回、この教育基本法の改正を受けて、いわゆる十年ぶりに学習指導要領の改正も今検討されておりますし、それが今審議のまとめとして出てきておるんですが、私はこれ見ておりまして、どうも今まで教育基本法を改正してきたそういう大きな志の部分、本当の根幹的な部分が生かされているのかということに実はいささかというか、かなり疑問を持っておるんです。  といいますのは、そもそも、今まで教育の改革の方向といいますと、十年前は、今まで学力をどんどん伸ばすことをやってきたと、しかし学力を伸ばすことを重視してきた余り、どうも詰め込みになってきたじゃないか、詰め込み教育になって、そしてそのために人間性が十分教えることができなかったんじゃないかなと、そんなこともあって、いわゆるゆとりということにしようじゃないかと。ゆとりというところから週休二日、つまり五日制ということも含めて全体がゆとりということをテーマに改革されてきたと思うんですけれども、今回はそういうことじゃなくて、もう少し、ゆとりとか詰め込みとかいう以前に、まず教えなきゃならないのは歴史じゃないか、伝統じゃないかと、そういう大きな提言がされていたはずなんです。  まず、そこでお聞きいたしますのは、伝統や歴史、文化を尊重すると、こういうふうになっているんですけれども、じゃ、その伝統や歴史というものを一体どのようにして教えていくのかと、そのことが、この中見ておりましても、もう少し具体的に書かれていないんですね。  といいますのは、今申しましたように、元々この教育基本法の改正といいますものが何かといえば、今までの戦後教育に欠けてきたそういう歴史観、伝統や精神に対する精神の余りにも欠落、それが一番大きな問題だと言っているわけです。ですから、これはまた教育の根本でもあると私は思うわけなんです。ですから、これ、ワン・オブ・ゼムじゃなくて、一番教育の大きな柱が抜けてたじゃないかと、だからそれを直そうというのが教育基本法の改正であったんですね。  ところが、これ見ていますと、それがそういう形で書かれているのかなと非常に疑問なんですが、大臣はどのようにそれが生かされているとお思いでしょうか。

渡海紀三朗自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(渡海紀三朗君) 委員御指摘の件でございますが、私、先ほどの答弁で少し忘れられていたものということを言ったつもりでございます。時代の変化だけをとらえて今回の改正がなされているというふうには思っておりません。  ただし、新たな時代に向けてスタートするからには、しっかりとしたそういう時代の変化をとらえること、それから、先ほど申し上げましたような、これは教育基本法の中にもしっかりと書かれておるわけでありますけれども、公共の精神なりそういったものを教育の中でどうやってやっていくかと。ただ、それだけが、正にそのことが目的で教育基本法というものが作られたということではないと思います。この時期にやっぱりそういうことを一つの契機として、教育全般にわたってしっかりとした骨組みをつくっていこうという議論がなされて、その中で基本法が作られたという認識が私の認識でございます。  そういうことでございますけれども、確かに、おっしゃるように、先般改正された基本法の二条、教育の目標にはしっかりと今後の教育において重視すべき理念として新たに公共の精神や、伝統と文化を尊重し、我が国と郷土を愛する態度を養うことというものが規定をされたわけであります。  そういう意味では、ちょっと戦後こういうことがやっぱりしっかりと教育の中で位置付けられていなかったかなという反省は当然あったんだと思うんですね。それに基づいて、今、中教審で新しい学習指導要領というものの御議論をいただいている。  今はパブコメを求めている段階でございますけれども、こういうふうな目標の下でしっかりと目標が規定されております。我が国の郷土の現状と歴史について正しい理解に導くということも盛り込まれておるわけでございますから、指導要領の改訂をするに当たって、この審議のまとめということで今国民の皆さんの意見を聴いておるわけでございますけれども、教育基本法の改正を踏まえた改訂を行うというこの基本的な考え方に基づいて、この歴史につきましては、我が国の歴史や文化を大切にし、日本人としての自覚を持つようにするということ、これは、小学校の社会科でしっかりこういうことを教えるんだということをこの審議の中で書いておるわけでございますし、我が国の歴史の流れを理解させるために各時代の特色や時代の転換にかかわる基本的な内容の定着を図る、これは中学の社会科の部分でございますけれども、歴史教育の充実というものをしっかりしていこうということもこの審議のまとめの中に書いてあるわけでございます。  今いろんな御意見をいただいておるところでございますから、最終的な取りまとめをそういう意見も踏まえた上で行っていただいて、我が省としても、この歴史教育の充実など、学習指導要領の改訂ということにしっかりと取り組んでいきたいと、そのように考えておるところでございます。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 歴史教育の充実ということをおっしゃいました。  歴史教育、少しそれでは歴史教育の方に話を移させていただきますが、実は教科書の検定の問題なんです。これは度々、この前もこの委員会で議論がありましたけれども、そのことについて少々お尋ねしたいと思います。  といいますのは、これは正式な検定の手続を取られて、検定の意見が付されて、そして教科書会社から出されたと。それが、いわゆるあの沖縄の集団自決に係る問題であるわけですけれども、そのことについて非常に各界から何か抗議の行動等が出てきたと。そのことを受けて、検定を一度通った教科書が、教科書会社が直すのならそれもいいじゃないかと、それを受けようという形で大臣が答弁されているわけですね。  そして、しかも報道によりますと、いわゆる訂正申請ですね、つまりこれは、明らかな誤りがあった場合には一度出したやつ、検定を通ったやつでも直すということで処理してやっていこうということになっているというふうに伺っているんですけれども、これは、じゃ今まで検定したものは一体何だったのかと。そこのところが非常に大きな問題なんですね。じゃ、あの検定は何だったのかと。  それを調べてまいりますと、まず、平成十九年四月二十五日の衆議院の教育再生特別委員会で、政府参考人の答弁としましてこういう答弁をされているんですね。従来、沖縄戦における渡嘉敷島及び座間味島での集団自決につきましてはと、云々があるんですけれども、要するに、沖縄戦に関する研究者の近年の著作等におきまして、軍のこの隊長の命令の有無というのは明確ではないというような著作もあると承知いたしております。さらに、平成十七年八月に、従来の通説におきまして集団自決の命令を出したとされてきた元隊長等からの提訴が提起されていたというふうにも承知いたしております。これらを契機として、教科用図書検定調査審議会におきまして、改めて専門的な調査審議を重ねた結果、検定意見を付すことが適当と判断されたものと理解いたしておりますと答弁されているんですね。  じゃ、この答弁とこれは食い違ってくるじゃないかと思うんですが、大臣、いかがお考えでしょうか。

渡海紀三朗自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(渡海紀三朗君) まず一点申し上げておきたいことは、実は私は訂正申請が、やってくださいということを言ったことは一度もございません。これだけははっきりさせていただきたいと思います。記者会見とか国会質問等で、要はそういうものが出された場合はどうされるかというふうに質問をされたものですから、その場合は真摯に適切に対応したいということを申し上げたんであって、一部報道によって、私の方が誘導したようなことを言われることは大変心外でございまして、そのことだけははっきりと申し上げておきたいと思います。  前後の関係でございますが、この四月の政府委員の答弁等にありますように、正に手続上、検定規則にのっとってそのような検定意見が付され、そしてその検定意見を基にその審議会がこの意見を付すかどうかということを審議をされました。審議はしていないじゃないかという意見がありますが、審議はされております。ただ、特段の意見がなかったということで、これが検定意見になって、最終的には教科書の修正というものがあの段階で行われたということでございます。  その後、いろんな状況の変化はもちろんございますが、先ほど申し上げましたようないろんな経緯の中で、これは先生がお話しになりましたようないろんな経緯の中でそういうお答えをしておりましたところ、ついこの前ですね、十一月の一日ですかに教科書会社から訂正の申請がなされました。これは、実は検定の規則の十三条の一項、二項ということで実は行われたわけでございます。  そのときに付されていた理由はございます。ただ、中身については今まだ公表することはできませんということを私は申し上げておりますので、すべて終わった段階では何らかの公表は考えておりますが、細かく申し上げませんが、その理由が付されて、一項と二項の理由がありますから、その中のこういう理由でということで付されて出てきたものがありますから、事の性格上から、これを適当とするかしないかということについて私自身が判断をするということではなくて、審議会に対して意見を求めるという手続を取らせていただいているというのが今の状況でございまして、いわゆる検定というのは非常に厳格なルールがあります。厳格なルールがあります。これは一切、やはり政治的な介入があってはならないということでありますから、そのことを私は最大限念頭に置きながらこの問題に対処しているというふうに申し上げたいというふうに思っております。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 その訂正の理由が、もう少し、じゃ、どういう具合の理由でということを具体的にちょっと教えていただかないと中身が分からないんですけれども。  つまり、私が申し上げたいのは、以前に政府参考人の答弁で、この検定に意見を付すことが適当と判断したとおっしゃっているんですね。じゃ、それと違う事実関係が何か新しく出て、だから、これ事実じゃないから訂正するんだというんなら分かるんですよ。じゃ、それがあるのか、それでないんなら何の理由でもう一度訂正をしてくるのか、そこが腑に落ちないわけなんです。

渡海紀三朗自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(渡海紀三朗君) 少し長くなって恐縮でございますが、十三条の一項、二項というのは、これは一項は、「検定を経た図書について、誤記、誤植、脱字若しくは誤った事実の記載又は客観的事情の変更に伴い明白に誤りとなった事実の記載があることを発見したときは、発行者は、文部科学大臣の承認を受け、必要な訂正を行わなければならない。」、これが一項でございます。二項に、検定を経た図書について、前項に規定する記載を除くほか、学習を進める上に支障となる記載、更新を行うことが適切な事実の記載若しくは統計資料上の記載又は変更を行うことが適切な体裁があることを発見したときには、発行者は、文部科学大臣の承認を受け、必要な訂正を行うことができると。この一項、二項のうちの理由で発行者が訂正をされたと。  ただ、マスコミに対しても何にも申し上げておりませんから、今。要は、この訂正理由も、これで、これでこれを審査することが適当かどうかということも含めて意見を聴きたいという形で今審査会の意見を求めているというふうに御理解をいただきたいと思います。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 要するに、私が申し上げたいのは、客観的な事実が間違いであったということであるならば、それではっきりその理由を示していただかなければなりませんし、それと違う、例えば誤植とか、そういうことないでしょうけれども、それじゃ学習上の配慮、一体どういうことなのかと。  つまり、この教科書の検定制度といいますのは、やはり事実の積み上げできちっと国民に歴史を教えるわけですから、その審議会が、政治的な介入できないように、専門家がしっかり議論されるわけなんです。そこで正式の議論がされて、そして検定意見が付されていったんでき上がったものが今度もう一度訂正されるというのは、その理由というのは一体どこかといえば、これ、だれが見ましても、ああいう沖縄での抗議大会があったとか、様々な数が、多くの数がそういうふうに抗議しているんだと、そういう報道ですね。そのことに基づいたとしかこれ考えられないわけです。  しかし、それでもう一度訂正するとするなら、これ正に、その事実と別の事情で教科書の記述が変えられるという、正にこれ政治的な介入が数の力によってされたということを認めてしまうことになるんじゃないでしょうか。  ですから、訂正するなら、一体何が原因なのかと。客観的な事実が間違っていたのなら、そうだと言うべきですし、それがないのに訂正するということ自体非常に大きな、これ、これから大きなこの教科書検定制度に対しまして私は禍根を残すことになると思うんです。ですから、もう一度お聞きしますが、だからその理由は何なんですか。

渡海紀三朗自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(渡海紀三朗君) 何度も申し上げておりますように、この訂正理由が適切かどうかということも含めて意見を今求めておるところでございます。  西田議員に御理解をいただきたいのは、要するに、これが今間違っていたから必ず変わるとか変わらないとかということは、これはやっぱり審議会が御判断をいただくと。先ほど言われましたように、単純な、どう見ても、例えば一足す一が三と書いてあったとか、これを見過ごしてしまいましたみたいな話は、これは何らためらうことなく処理できると思いますけれども、こういった状況の中でのこういう審議でございますから、今非常に静かな環境の中で審議会の先生方がやっぱり御議論をいただいて、そして御判断をいただくということが必要であろうと。  また、私はこの仕事に携わりましてすぐこの問題に実は、まあ出くわしたという言い方は良くないですね、を処理することになったわけでありますが、やっぱり検定制度というものは非常に重いものだというふうに思っております。それだけに、やっぱりルールに沿った、ルールの中で物事を処理していくということを最大限私は今まで留意をしてきたと。そのルールにのっとって今回出てきたものであるということ。しかも、それも、しかもその判断も含めて、やっぱり中立的、専門的に、まあ学問的という言葉もありますけれども、御判断をいただくという意味において今審議会に意見を求めているということを御理解をいただきたいというふうに思います。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 余りこの問題ばっかり言っていましても話進みませんから、最後にもう一言付け加えさせていただきたいんですが、要するに、先ほど言いましたように、私は何も、日本の歴史、自分たちの都合のいいことだけ教えろとか、都合の悪いこと教えるなとか、そういう次元で言っているわけじゃないんですね。要するに、こういう検定の制度があって、その中できちんとした手続がされてきて、それが一部の数の力によってもう一度訂正し直すと、それをまた文部省もそれを受けるということ自体非常に問題じゃないかと思うんですよ。  やっぱりそこは毅然として、検定制度というのは独立してあるんですから、それはそれで、具体的に何が客観的な事実が違っていたのか。先ほどおっしゃったように、一足す一が三であるならそもそも間違いですから、それが通ること自体が本来ないんですよね。ですから、普通書いてあるのは誤植とかそういうことなんですよ、これが書いてあるのは。ところが、そうじゃないと。明らかに政治的な配慮がここにうかがわれるわけですね。正にそれは政治介入そのものになるんじゃないでしょうかと、これは。  ですから、これは我々のいかなる政治的な勢力、私がこうしろと言ったから訂正するとかしないとか、そうでもないんですよ。そういうことは私はしたくもないし、するべきではないと思っています。そうじゃなしに、独立した形でやっているその制度を、これをやっぱりゆがめてしまってはならない。ですから、そこはきちんと筋道を立てていただきたいと。これはもう何遍も言っても堂々巡りになりそうですから、これはきつく要望したいと思います。  それで、そのことを受けて、今言いましたように、歴史というものは非常に大事な問題なんですが、その歴史が実はきちんと日本人の手によって日本人の歴史が教えられてきたのかなということに実は私自身、一番大きな戦後の教育に対しては疑問があるわけなんです。  といいますのは、日本人自身が自分たちの国の歴史をきっちりと語ること自体ができなかったわけですね。戦前と申しましょうか、戦争中といいますのは正に戦時体制でありますから、自分たちがとにかく挙国一致で当たらなければ、国から攻められているわけですから、ほかの国から、戦争状態なんですから、これはどこの国でもそうです。それが終わった後、平時になった後、じゃ、あの戦争は一体何だったのかと、そういうことも含めたこの歴史に対するもう一度研究なりそういう自由な討議ということが当然必要になってくるんです。  ところが、そのことが、日本は占領されておりましたから、昭和二十七年四月二十八日までの間というのはいわゆる占領中であります、自由に日本人自身が自分たちの国の歴史を語り、発言し、出版する、この当たり前のことができていなかったんですね。できずに、占領された立場で、占領した国の立場での様々な報道がされ、それが一つのいわゆる東京裁判史観と言われる言葉になろうかと思うんですけれども、それが日本の正史だという形で教えられてきた。占領期間中は仕方なかったかもしれません、主権というものが認められていなかったわけですから、自由に我々が議論することができていなかったんですから。しかし、占領は終わったわけですね。だから、終わった段階で、本来、今からもう五十年前にそういうことを取り組むべきだったんだが、実はそのことが全くされてこなかった。その一番もとというのが、教育基本法もそうですけれども、この昭和二十七年までの間に、占領直後に全部作られていると。  だから、そういういろんなタブーがあったじゃないかと、そこをもう一度勇気を持って改正していこうじゃないかと。正に、私は、教育基本法の改正というのは、安倍総理がおっしゃっていましたけれども、戦後体制、戦後レジーム、正にそういう占領体制から一歩、二歩踏み出して、本当の意味での日本人による日本人の歴史をもう一度取り戻す、そのことが一番に言われていることだと思うんですよ。  ですから、この問題といいますのは、枝葉末節の問題じゃなくて、教育の根幹にかかわる話なんです。その根幹にかかわるところが、今言いましたように、教科書問題のような形で何か政治的な、私は国民の大勢からすると、決して多数じゃなくて少数だと思いますけれども、いわゆる数の力でそういう圧力が掛かってなってくるような形で歴史がまたゆがめられてしまう、教科書の検定がゆがめられてしまうということはとんでもない話でありますし、むしろきちんと堂々と事実を事実として報じるべきだし、日本側に、あの戦争に対して、日本にももちろん責任があったでしょう、軍部にももちろん様々な問題があったと思います。しかし同時に、それは戦争というのは他の国との間の関係でありますから、自分たち一国だけではこれは説明付かないんです。ですから、大きな流れが必要だと。その大きな流れを、どこにあるのかなという、そのことを考える、そのことが教育そのものだと思うんですよ。  歴史教育というのは、また伝統を教えるというのは、正にそういう大きな流れ、その中に真実があるんじゃないかと。正に歴史に対する謙虚さです。そういうことを子供たちに教えていく、これが歴史教育そのものじゃないでしょうか。そして、もっと言えば、それが教育そのものじゃないんでしょうか。  私は、さきの指導要領の改正のときに、十年前のときに、生きる力、こういうことが言われましたね。生きる力とは何ぞやという議論がありますけれども、私自身は、例えば今言いましたように、そういう歴史的な、そういう日本人の長い物語ですね、こういうことを教える。つまり、我々の国というのは今これだけ豊かになっている、しかし、つい五十年、六十年前、戦争があった直後どれだけ貧しい生活をしていたのかと。もっと言えば、もう百年前、明治の初めから江戸の末期、外国の勢力に国が攻められようとしていた、そういう困難の歴史を乗り越えて今日我々の国があるんだと。そういう国の物語というもの、そういうことをしっかり教えるところから、よしと、この国をしょって立とう、自分たちの家族を守っていこう、地域社会を支えていこうという公の精神なり生きる力が生まれてくると思うんですね。ですから、生きる力というのも正にそういう日本人としての大きな歴史観、これをしっかり教えることが一番大事だと思うんです。  ところが、残念ながら、そういう大きな教育改革がされてきましたけれども、そういうことがほとんど触れられていないんじゃないかなと、言葉だけが躍っているような気がするんですが、大臣、いかがお考えでしょうか。

渡海紀三朗自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(渡海紀三朗君) 西田先生おっしゃることは、それは多少違う部分もありますが、基本的によく理解しておるつもりでございますし、私もやっぱりいつも、これは特に政治に志してからは、この国の過去がどうだったか、また現代のこの国の状況はどうあるか、そして未来に向かってどう歩いていかなきゃいけないかということを常に考えるよう心掛けております。  その中で、我々の時代というのは、実は歴史というのは、特に日本史は途中で終わってしまうんですね、大概。ですから、そうですね、大正までも行かなかったと思いますね。そういうことは、例えばいろいろ議論する中でもやっぱりちゃんと教えていかなきゃいけないねということはいつも議論をさせていただいておるつもりでございます。  今回の実は教育課程審の様々な議論の中でも、これじゃまだ不満足だというお気持ちなんでしょうが、しっかりその辺のところは基本法に基づいて私は議論していただいているというふうに思っております。昨日も知事会がございまして、神奈川県の松沢知事が、とにかく高校でも日本史をやるようにもっとやったらどうだというような御陳情もいただいております。  今、この学習のまとめの中でも一つよく言われていることは、それまでの学習の量からするとここで世界史をやることが大事だけれども、ただ単に世界史ということじゃなくて、世界と日本の関係とか、それから、この時代に日本はどうあったか、そういうことをしっかりとやっぱり一緒に教えていくことが大事だろうということも議論されているわけでありまして、割り振りがありますから、最終的にこれだったら完璧だというふうにはならないわけでありますけれども、そういうことにもちゃんと心を砕きながら議論はされている。  もう一点だけ、生きる力というのは、そういうとらえ方もありますし、ただ、よく言われておりますのは、知識だけあっても、具体的に社会へ出てそれを応用して活用していく力がなければ、実は現実に人間社会で大人として生きていくことは難しいじゃないかと。そのために、詰め込みじゃなくて、考える、そういった時間を教育の現場でもっとつくろうというふうに言われたほどでございます。  文部科学省は、聞いてみたら、そうだったってみんな言っているじゃないかと言うんですが、私はいつも。だけど、一度も使ったことは、生きる力というか、ゆとり教育かな、は使ったことがないということを言っていますが、そういう意味で、生きる力、応用力というものを大事にしたいと。これは今も変わっておりません、理念として。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 もう少しその話もお話ししたいんですけれども、時間がありませんので週五日制、このことについてお聞きしたいんです。  といいますのは、先ほどちょっと申しましたけれども、元々この五日制が出てきましたときは、今までの受験勉強で詰め込みだと、人格がそれで教えられないと、もう少し地域に子供さんたちを、帰っていただいて、地域と家庭で子供を二日間は面倒見ていただきましょうと、そして学校は、学校だけに頼るんじゃなくて、そういう地域社会、家庭の力が必要だと。そして、学校の中では、いたずらにそういう学科の教育だけじゃなくて総合的な学習を取り入れて学科の授業数は少なくなったんですね。その形で週五日制でしましょうと、こういうような説明であったと思うんですね。  ところが、現実問題、今回は、今回のこの学習指導要領の改正で、やはりゆとり教育、これは文部省はおっしゃっていないということですけれども、いわゆるゆとり教育のために基礎学力が落ちてきたじゃないかと。もう少し基礎的な学力を増やすために学科の授業どんどん増えているわけですね。これは結構だと思うんです、基礎学力を増やしていくというのは。  ところが、そのために今度は学習の時間が非常に、時間割が窮屈になってくるわけですね。じゃ、それなら、土曜日今まで休みといっていたんだけれども、土曜日をもう一度半ドンに戻して学校できっちりカリキュラムとして使えるようにすればいいんだけれども、これはしないというんですね。これはこのまま堅持するのが適当だと書いてあるんです。何で適当なのかという理由がない。国際的にみんなそうだからと。  先ほど植松先生の話にもありましたけれども、世界がどうだからとか、そんなことじゃないんですよ。今、日本がどうだという話でこれはしなければなりませんし、だから週五日にするというのは、何か今までずっとやっていましたから、世界的にもそうですからというようなことでしかなくて、教育のためだという説明は前はしていたんですね。今、この週五日制をしなければならないという教育的な意味があるのかと。  もっといえば、これからは家庭に戻すといったけれども、親がとんでもないモンスターペアレンツがいると。だから、親学で、親も学校が教えなきゃならないといっている時代なんですよ。そしてもう片方で、土曜日は自由に使って補習授業でもやってくださいと。私学はどんどんやっていますよ、カリキュラムに入れて。こういう週五日制にこだわってしまうと、結局は公立学校が相対的に学習内容が窮屈になるだけじゃなくて、本当に教育の目的から外れてしまった使われ方をしてしまうと思うんです。  ですから、ここは是非もう一度、こういう現状を考えましたら週五日制は見直すべきだと思いますけれども、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

渡海紀三朗自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(渡海紀三朗君) この議論は、随分この導入のときにいろんな議論があったと思いますよ。  それで、やっぱり、さっき西田委員もおっしゃいましたように、地域と学校と家庭と、これがうまく回っていないからそういう話がまた出てくるんだというふうに正直思います。まず第一に考えることは、やっぱりこの当初のねらいがうまく働くように考えることというのも考えなきゃいけないというふうに思います。  それから、今回の一〇%時間を増やしたということは、私はよくやったと正直思っています、これは率直な私見でございますが。要は、なかなか今までだったら過去のことを反省して直すということをやらないのが教育行政じゃないかなと思っていたんですが、すんなりそこは認めて、やっぱりこれは変えましょうということは、これは我が省も、今は責任者でございますから我々も反省をしなきゃいけないわけでありますけれども、ただ、切り口は、基礎学習の中身をがっと増やすというよりも、反復することによってより確実なものにし、その応用力が付くように直していくということでございますから非常に子供に負担が結果的にわっと掛かると、学習力という意味では、そういうことではないというふうに承知をいたしております。  こだわるわけではありませんが、しかし、やっぱり親と接するといったような当初の目的はもっと果たされ、また土日の問題については、今でもいろいろやっているし、これは私学だけではなくて、また公立学校でも地域によってはそういうことをしっかりやっておるわけでありますから、その活用はより活用されるように考えていくと。  当面は、やっぱりこれは社会全体、日本がどうだから、世界がどうだからということはありますが、全体の流れとしてやっぱり自然な流れだというふうに私は考えております。今すぐ六日制を戻さなきゃいけないという状況にはないというふうに考えております。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 前のゆとりから、カリキュラムを、時間数を一〇%増やした。これ、よくやったと大臣おっしゃったんですね。私もよくやったと思います。  しかし、じゃ片方の週五日制に何でこだわるのかと、その理由を聞いているんですよ。そこは教育の、だから学力落ちてきたからこれじゃ駄目だというので、今まで授業時間減らす流れだったけれども、増やしましたと。これはいいと、勇気のある改革だと。地域社会、家庭に戻してと思ったけれども、実はできていなかったと。じゃ、これも含めて、ちゃんとしたカリキュラムやるためには土曜日はもう一度授業をしようじゃないかと。これもまた当然そういう試行があってもいいんですけれども、何か初めから、これは世界の流れですから、基準ですからというのはこれ理由にならないと思うんですよ。そこが、もう時間ないので最後、私言いっ放しで申し訳ないですけれども、ちょっと申し上げさせていただくと、ですからそこが少し本末転倒になってやしないでしょうかと思うんですよ。  私は、この週五日制というのは、結局、ILOの批准をしたときに、週四十時間労働だと、五日間で八時間、これを公務員からみんなやっていこうと。そのときに、学校の先生も一緒にその流れの中でどどっときたと。それが、それが本来の理由だったのに、違うゆとり教育とか家庭に戻すとかいう、教育と本来関係のない問題が一緒くたになってこれなってきてしまったんだと思っています。だから、ここはもう一度本来の、教育のためにはいかにあるべきかということで、これは是非見詰め直していただきたいと思いますし、もうこれ答弁していただく時間がないのでこれで終わりますけれども、是非そのことを御検討いただきたいと思います。  ありがとうございました。     ─────────────

関口昌一自由民主党

○委員長(関口昌一君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、山谷えり子君が委員を辞任され、その補欠として神取忍君が選任されました。     ─────────────

関口昌一自由民主党

○委員長(関口昌一君) 質疑を続けます。

義家弘介自由民主党

○義家弘介君 自由民主党、義家弘介です。  この七月、初めて国政の場に来るチャンスをいただきながら、必死になって今も学び、汗をかいています。  この三か月の中でつくづく思ったことが一点あります。それは、町には、あるいは地域には子供たちの声が、叫びがあふれています。しかし、永田町には子供たちの声が全く聞こえない。聞こえるのは数字です。上がってくる数字、調査結果のみが今の教育の現状として上がってくる。その中で、例えばこの一週間を考えてみても、この一週間で約五百名の大学生、若者たちと出会いました。そして、講演等を通して二千名の人々と向き合い、そして多くの声をいただきました。それをいかに伝えていくかが選んでいただいた私自身の使命である、その思いで様々な提言、そして発信、学びをしてまいりたいと思います。  さてそこで、まず大臣にお伺いしたいんですけれども、学力低下、学力格差について大臣はどのように思っていらっしゃるか、お答えをお願いします。

渡海紀三朗自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(渡海紀三朗君) 先ごろ行われました全国学力調査がまずございます。これで一般的に見る限り、一般的に見る限り、基礎的な知識等は、これはまあ国語と算数、数学だけの話でございますから一概に言えないわけでありますけれども、その知識というものは学んでいると。ただ、やっぱり応用問題になると非常に弱いねと。しかし、考えてみると、このことはずっと以前からよく我が国の教育の課題として言われていたことでございます。そういった意味で、やっぱり応用力を付けていかなきゃいけないということは言えるんじゃないかなと。  それからもう一つ、これも最近の、これも調査ですから、義家議員が今数字しか上がってこないということを言われましたので、ちょっと答えるのが怖くなっておりますが、少なくとも数字によると、同じ分野ですね、同じような定点調査をやると、学力が著しく低下をしているということはないんだろうなと。  あとは格差でございますが、格差はやっぱり地域によって、この前やったのが四十三年前ですか、やっぱり都市とへき地とか、こういう格差がもっと広がっていたということでありますけれども、今回の調査を見る限り、数字の上では、数字の上では少なくともその格差というものはそれほど大きくないと。ただ、一部、一部の地域において少し全体の中から外れた地域がありますから、こういったところはまだちょっと問題があるなというのが率直な感想でございます。  いずれにしても、やっぱり格差はあってはいけない、特に義務教育においては機会均等というものは守られていかなきゃいけないというのが私の基本的な考えでございます。

義家弘介自由民主党

○義家弘介君 ただいま学力テストのお話をいただきましたけれども、これは恐らく委員の皆さんはみんなこの学力テストの問題に触れ、そして分析したと思うんですけれども、このテストを私が一番最初に見たときの率直な感想を述べさせていただきます。ああ、文部科学省逃げたなと実は思いました。それはどうして思ったのかというと、差の付きにくいテストだからです。私自身、塾、予備校、そして高校の教師として様々なテストをこれまで作ってまいりました。その中で、差の付かないテストをあえて作っている、つまり学力格差、地域格差が出ないテスト、終わった後問題にならないテストをこれは作ったのではないか。基礎とそれから活用といいますけれども、あれは私に言わせると基礎中の基礎と基礎的活用なんですよね。つまり、保護者たちが公教育に求める学力のニーズと、そして文部科学省がテストを行った学力の現実というものが物すごく懸け離れている。  例えばこの平均点ですけれども、まず国語Aですね。小学校が八一・七%、それから国語B、活用が六三%。中学生に至っては、国語Aの知識の部分が八二%の正答率、中学校の活用が七二%と。これ、もし教師なら、点数付けられません。これは成績が付けられない。つまり、問題が実は浮き彫りになっていないんですね。つまり、このテストで測られたことというのは、標準層と低学力層、その差がどのぐらいあるかということであって、高い層と低学力層の差として考えたら物すごい差があるんですね。  私自身、七十億掛けて行った学力テスト、私は実はこの学力テストをすることについては評価、支持している人間です。なぜかというと、学力低下、学力格差が叫ばれてきたのに、四十三年間、それ、正確なデータさえ持たれないまま議論だけが表面上でされてきた。その意味では大いなる第一歩だと思うんですけれども、これは、後に問題になったとしても、もう少ししっかりと分かる、傾向が分かるテストを作るべきだったのではないかなと思います。  そしてまた、学校あるいは生徒たちに勉強以外でもアンケート取りましたけど、これ、すごい事実が浮き彫りになるわけですね。例えば、今、夢が子供たち持てないと言っているんですけれども、何と八〇%の子供たちが夢を持っているという結果ですよね。それから、規則を守るのも大事だとほとんどの子供が思っていると。学校なんかの項目を見ると、何と礼儀正しいと思っている、そういう学校、中学校は八八%。ほとんど、だから、言ってみれば、子供たちは夢も希望も持っていて、正答率、基礎問題は八割を軽く超えて、そして授業中も非常に落ち着いていて、以前に比べたら読書時間も増えて、そして礼儀正しい子供たちがすごく増えている。これがこの裏側から見た分析なわけですね。しかし、これは現実の学校の実態、現実の若者たちの実態と大きく懸け離れてしまっている。  その意味で、まず、指導要領の見直し、一〇%増の前倒しも含めて、非常に踏み込んだ見解を出されている大臣に対しては非常に敬意を持って見守っていますけれども、来年の学力テストに向けて、より精査した問題、これはもう日程も決まっていますから、より精査して具体的にして、未来を考えたときに基準となるような、そういった意義のあるテストを実施していっていただきたいとまず心から思います。  さて、続いての質問ですけれども、今、地震、災害、この問題については、非常に大きな問題としてですけれども、地震とか災害、火事が起きたときに避難するところはどこかというと、学校ですよね。しかし、その学校が果たして耐震基準を満たしているのか、あるいは、あれだけ問題になったけど、調査は既に完了しているのか、その辺の、耐震性がある建物、そしてない建物、あるいはまだ調査さえされていない建物、この辺について、文部科学省の方にお答え願いたいと思います。(発言する者あり)

舌津一良文部科学大臣官房文教施設企画部長

○政府参考人(舌津一良君) 数字で若干答えさせていただきますが、(発言する者あり)大変申し訳ございません。  今年の春の時点の耐震化率でございますけれども、これは五八・六%でございます。それから、耐震診断率は約九割程度でございます。  数字としては以上でございます。

義家弘介自由民主党

○義家弘介君 これは、このデータは心がないものですから、実際に耐震について満たしているか満たしていないかの事実ですけれども、まだ診断さえしていないという学校が何と六・六%もあるわけですけれども、これ、各都道府県、市町村の教育委員会に対してはいつまでにどのような対策を実施してほしいと文部科学省側から言っているのか、是非お答え願います。

舌津一良文部科学大臣官房文教施設企画部長

○政府参考人(舌津一良君) これは昨年度でございますけれども、昨年中に終えていただきたいと、調査、耐震診断を終えていただきたいというお願いを申し上げたわけでございますけれども、ちょっと数字はあれですけれども、昨年の年初めでは六割程度であったわけでございますけれども、今年の春の時点で九割近くまで上がったわけでありますけれども、しかもなお、その調査を発表する際には、各都道府県を通じまして市町村に対してすべての耐震診断を速やかに終えるようにという強い指導も行っているところでございます。

義家弘介自由民主党

○義家弘介君 診断はもとより、これは耐震化、これをしっかりと行っていかないと、最も子供たちが生活する場所ですから、本当にとんでもないことになってしまうわけですが、このいまだ耐震化、耐震性のない建物で未改修のものが三四・八%ありますけれども、その理由についてどう考えているか、お答え願えますか。

舌津一良文部科学大臣官房文教施設企画部長

○政府参考人(舌津一良君) 耐震化が進まない理由ということで平成十七年度にアンケート調査を行っておりますけれども、それによりますと、最大の理由は、財政的な負担の問題ということとか、あるいは学校施設が他の公共施設に比べて数が多いということで、どうしても行き渡りにくいというような、そういうような意見が出ておるところを確認しておるところでございます。

義家弘介自由民主党

○義家弘介君 正に財政の問題、これは、地方に行けば行くほどそれはすごく切実な問題だと思います。しかし、いかにお金がなかろうと、子供たちの安全を確保すると、そういう意味では、これは急速に進めていかなければならないものなので、是非更なる後押しをしていかなければならないと思っています。  そして、この問題に対しての本題に入りますけれども、町がどんどんどんどんできるたびに戦後多くの学校が造られていきました。そして、その学校が今建て替えの時期を多く迎えています。例えば、築三十年以上の建物、学校が三八・五%あるというわけです。それを今この財政で耐震化さえできない自治体が全部建て替えることができるのかという形になると、それは現実的な意味では不可能であろうと思います。その中で現在、日本の学校の適正規模化をこれは進めていかないと本当に財政をより圧迫していく大きな原因になると思います。  私も日本じゅうの学校に行きましたが、ひどい学校あります。例えば、トイレの大便の戸が腐ってしまっている、これはちょっとびっくりしましたけれども、腐ってしまっているとか、あるいは雨漏りなんかしょっちゅう起こったりという形で、学校の設備というものがかなり老朽化してきた中で適正規模化を進めていかなければならないわけですけれども、是非大臣にお聞きしたいんですけれども、この適正規模化をどのように行っていくとお考えなのか、是非お話をいただきたいと思います。

渡海紀三朗自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(渡海紀三朗君) 学校の適正規模が教育をする側から、まあ受ける側からもありますが、どれぐらいが一番いいんだろうというのは、これはなかなか難しい議論だと思いますね。やっぱり、子供が余り少な過ぎてもいろんな意味で切磋琢磨が起こらないとか、そういうことで今学校教育法の施行規則では十二学級以上十八学級以下と、こういう規定があるわけで、まあしかしこれはあくまで標準でございますから。ただ、要は、例えばいろんな学校を統廃合してやると、京都が随分大胆にやられたわけでありますね、西田先生の地元。そういうことも一つの方法であろうというふうに思います。  ただ、現実にやっぱりこれをどういうふうに考えていくかというのは、責任を逃げるという意味じゃありません、だけどやっぱり地域がどう考えるかということは非常に大事でありますから、設置者の市町村なり教育委員会なりがどういうふうにお考えになるか。  第一、その中において一番大事なことは、やっぱり地域の住民ですね、父兄を含んだ住民が、やっぱりこの地域である、まあ小学校なら小学校をどういうものであってほしいかということにちゃんとコンセンサスが取れる、全員賛成していただくというのは無理かもしれませんが、そういったことが一番の基礎になるんじゃないかなと、そんなふうに考えております。

義家弘介自由民主党

○義家弘介君 私の考え方ですけれども、例えば、私は十二年間北海道で過ごしました。そして、たとえ生徒の数が本当に少なくなっても絶対に残さなければならない学校というものが当然あるわけですね。しかし、一方で、横浜市の教育委員もしてきましたけれども、徒歩十数分で隣の小学校に行ってしまうと。片や教室ががらがらで、片や一杯という学校も現実には存在しているわけですね。そこを分けて統廃合の議論というのをしていかないとならないと思うんです。  今、統廃合、適正規模というと、すぐ、うちの学校にはこれしか学校がないのにこれを廃校にするのかという議論になりますけれども、残すべきはしっかりと残す、これはどんなにお金が掛かってでも、校舎を建て替えてでも残す。そして、統合すべきは統合していくというその指針が今必要なんですけれども、設置者に任せるというお話でしたけれども、これ設置者はなかなか難しいんですね、実は。任されても難しいところがあるんです。というのは、例えば、そういうことが進むと、当然、住民との話合いというよりあつれきも生まれるんですよね。その中で、例えば首長なんかが票を気にして、まあまあちょっともう少し待とうじゃないかという、選挙の票なんかを気にしながら一歩引いてしまうという現実も実は全国的にもあるわけですね。  だから、ある意味では、その基準を文部科学省が進めていく、選択と集中で、とにかく必要なところは絶対に建て替えて、そこにお金も投資する、投入すると。そして、整理すべきところはしっかりと整理していくというような方針をある程度文科省が出さないと、なかなか進まないのが今の日本の教育行政なのではないかなと私自身は感じます。  その上で、よく学校選択制あるいはバウチャーなんかがすごく議論されて様々な意見が分かれますけれども、例えば都市型であれば、学校を適正規模にするときに選択型を選ぶ。例えば、学校選択制にして、どの学校が必要で、どの学校が求めているのか、これは学校選択制にすれば多くが分かるわけですよね、その中で整理をしていく。あるいは、郡部、都市部であったならば、今度は選択型ではなく創造型、みんなで話し合って、市町村合併の中で自分たちの昔からの地域の呼び名さえ消えている中で、学校を基点にして新しい地域をつくるために統廃合をしていきましょうという、そういう流れをどんどん進めていかなきゃいけない。  バウチャーというと、とかく競争原理という話になるんですが、例えば、創造型でつくった学校に対してバウチャーのように予算をぼんと付けていくという形のバウチャーの利用の仕方、定義の仕方というのもあると思うんですね。だから、バウチャーイコール競争で、利用券で格差を生み出してみたいな議論だけが今行われているわけですけれども、そういうトータルの議論をしながら、もうこれ、今築三十年が三八・五%ですけれども、あと十年したら築四十年、そして耐震化も行われていれば物すごい莫大なお金が今度はぼんと掛かってくる。これは、教育、学校だけじゃなくて都市計画もそうでしょうけれども、戦後に建てたマンションとかビルとかが一気にこれから建て替えの時期になる。そういう中で、まず子供たちの安全を守るために、それから地域の避難所、それから地域の象徴を守るために適正規模化を進めていかなきゃいけない。その中で、文部科学省がある意味でイニシアチブを取る意思はあるのかどうか、もう一度確認させてください。

渡海紀三朗自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(渡海紀三朗君) ちょっと分からないのは、例えば、ちっちゃいところでも残さなきゃいけないところはあると。しかし、こういうところですぐひっ付けてもいいようなところもあるじゃないかということになりますと、じゃ適正規模という考え方ができるのかどうかですね。これは地域地域の、先ほども言いましたように、必要に応じて地域が考えないと、ただし、地域にじゃやる力があるかといえば、確かに、地域で住民の皆さんが反対をされると首長はどうしても後ろへ下がってしまうというような現状もあります。  ですから、選択制というのも含めて、これを否定はしていないわけでありますから、やっぱり地域の方で、地域の実情に応じてしっかりとした計画を立てていただきたいということを我々の方から申し上げることはできると思いますが、その規模を決め付けることも、こことここというのも、なかなかそういう意味では難しいんではないかなと。先生がおっしゃっている話でも何か難しいように思うんですね。  それから、あとは、選択制はこれはお決めいただければいいことだと思います。そのことによって、例えばいいところは増えて、片っ方は空っぽになるから統合されるじゃないかと、こういう考えも一部には何かあるやに聞いておりますが、それは、これも別に責任を逃げるわけではありませんが、地域がどういう選択、もう事実やられているところがあるわけですから。  その中で、このバウチャーというのは、私も再生会議に出たときにも何をもってバウチャーをやろうとしているのかがよく分からないんですね。アメリカのバウチャーなんかは、これは貧しい人が例えば私学へ行けないからクーポン上げるというふうな制度も州によってはあるわけでありますし、また、この前御質問をいただきましたが、それは塾にまで広げたらどうだというような話もあります。  結局は、義務教育において大事なことは、教育の機会均等、格差が起こらないように、それは完璧には無理でありますけれども、やっていくということが基本でありますから、そういったことを基本として、確かに学校というのはこれからの少子化の社会を迎えてある程度統廃合というのは行わざるを得ない、それをしっかりと地域がやっぱり自立してやっていただきたいなというのが正直な私の気持ちでございますし、まあこのメッセージが伝わったら少しはみんな考えてくれるかなと、そんなことを思いながら今答弁をさせていただいております。

義家弘介自由民主党

○義家弘介君 正にそれぞれの設置者が考えなければ、事故が起こってから、じゃ公教育の責任はだれが取るのか、公教育の責任はどこなのかというまた議論にまで広がっていく問題だと思うんですね。これはなあなあにしていれないもう時期に入ってきてしまっているので、これはどんどんどんどん訴え掛けていくべき、どういう方向性で、どういうビジョンを持って、どういう五年計画、十年計画を持って行っているのかということは進めていくべきだと思います。  さて、続いての質問ですけれども、実は先日も驚くべきニュースがありましたが、横浜の関東学院のラグビー部の学生が、合宿所として借り上げているアパートで大麻の栽培をしていたと、そして、報道によると種は町で買ったという形でコメントしているわけですけれども、大臣にお聞きします。  今、薬物の蔓延というのは本当に若者たちの中で深刻だと言われていますけれども、果たして町でそんなに簡単に薬物が手に入るような状況があるのかどうなのか、是非大臣の見解をお聞かせ願います。

渡海紀三朗自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(渡海紀三朗君) 正直、余りそこは把握しておりません。ただ、話を聞くと、何か割と簡単に手に入るんだなと。例えば、この間の事件ありますね。テレビ見ていると町で買ったと。そんなに簡単なのかなというふうな気がいたします。  それから、実は知っている方が、その息子さんがということで実は大変嘆いておられましたが、そのルートなんかは、何か、何でそんなの手に入れたのと、こう聞いたら、どこか国はあえて言いません、ヨーロッパのある国から実は送ってもらったらそういうのが入手ができるんだとか、そういうふうに考えれば意外と簡単に手に入る、物によるでしょうけど、簡単に手に入るのかなと、そんなことでしか今答弁はできない状況でございます。

義家弘介自由民主党

○義家弘介君 今大臣のおっしゃったこと、実はもっと事は深刻です。本当に簡単に手に入るんです。例えば、クラブなんかに行っても平気で取引をされているという現実があるんですね。  そこで、一つ是非皆さんに御紹介したいのが、これ携帯電話です。これ古いやつです。ローテクの携帯電話です、もう古い。こんなのでも簡単に手に入れられちゃうんですよ、実は。今、携帯電話のポータルサイトを開いて、そして大麻、スペース、種と打ち込んでみました。そして、これを検索すると一体何件ヒットするかなんですね。今、サイトの結果が三百九十八件ヒットしております。その中の一つ、じゃ、開いてみます。一体どんなふうに買えるのか。実はこの携帯電話さえあれば簡単に買えちゃうんです、大麻の種。すごいことが書いてあります。今、このサイトを開きます。  安い、激安、価格破壊、大麻、マリファナの種なら○○でと。このサイト名ですね。超高品質、インドア種、発芽厳禁ですよ、大麻の種を所有すること自体は合法です。実は脱法なんですけれども、まあ合法です。マリファナ種は学術研究又はコレクション観賞を目的として使用し、絶対に発芽させないでください。購入後は厳重な自己管理の下、発芽目的の方に譲渡しないでくださいと。元気のよい種だけを厳選し、じっくりと御観賞ください。独自ルートで仕入れ、この価格が実現。しかも今なら送料無料。十粒三千四百円、二十粒五千九百円。御注文方法は代引き郵便のみの取扱いとなりますと。堂々とこういうふうに、で、チケットとして送ってきますと、送りますと、大麻の種、チケットとして送りますという形でやっているわけですね。実は、極端に言えば、小学生が自分のお小遣いで大麻の種を取り寄せることができるわけですよね、今携帯電話持っていれば。  さらに、これはおととい、家の近所の有名商業施設の中に入っている雑貨屋で手に入れてきたものです、これ。こういう雑誌があるんです。これ、若者たちのお店です。ただ、大人もいますし、大体高校生から大学生、二十代前半ぐらいでしょうか。ここに一体何が特集されているかというと、賃貸マンションの作り付けクローゼットで簡単大麻園、臭い対策は天井側に換気扇を付ける、大麻の栽培の方法を書いてあるんです。さらに、もっともっと驚くべきことは、北海道自生大麻草、北海道にある自生大麻草の特集なんですね。これが実は今の現実なんですよ。  正に、あと、ほかにも大麻の育て方なんかの解説をしている……(発言する者あり)失礼しました、今ちょっと見せたかっただけなので。そういう状況の中で今教育が行われている。  現在、携帯電話の子供たちの普及率についての御認識について、文部科学省の方にお願いいたします。

金森越哉文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(金森越哉君) お答えを申し上げます。  携帯電話などの使用状況につきまして、平成十九年七月、内閣府が行いました情報化社会と青少年に関する意識調査の速報によりますと、携帯電話やPHSの使用状況につきまして、小学生では三一・三%の者が携帯電話やPHSを使用している、また中学生では五七・六%、高校生では九六%の者が携帯電話やPHSを使用しているという意識調査の速報がございます。

義家弘介自由民主党

○義家弘介君 半分以上の中学生、そして三分の一の小学生、そしてほとんどの高校生が現在携帯電話を持っているわけです。  私自身も現場に立ちながら、この携帯電話の問題というのは非常に苦労いたしました。ネットの問題も含めて様々な問題が出てくるわけですけれども、例えば学校での取組で、この携帯電話を学校に持ち込むことに対して、具体的に、こう取り組んでいる学校があるとか、あるいはこう取り組んでいる教育委員会があるとか、実例があったら是非教えてください。

金森越哉文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(金森越哉君) お答えを申し上げます。  携帯電話の学校への持込みにつきましては、児童生徒の発達段階や地域の実情等に応じまして、例えば、一律に持込みを禁止しているケースでございますとか、校内に持込みはできても校内での使用を禁止するケース、また休み時間などに限定して使用できるケース、特段の禁止や制限はないがマナー指導などを行うケースなど、各学校の判断によって様々な指導がなされているところでございます。

義家弘介自由民主党

○義家弘介君 各学校の判断という中で、実は携帯電話の取組について、とある一生懸命やっている学校に行ったことがあるんですね。その学校は、数年前まで授業中とにかく携帯電話が鳴って、先生たちが指導が非常に大変だと。その中で親と一緒にいろんな話合いを重ねた結果、とにかく携帯電話は学校に持ち込まない、持ち込んできたら担任の先生に預けるという取組をして、今は落ち着いたという学校に行ってまいりました。そして、昼休みになって生徒たちと交流しようとして廊下に出ましたところ、多くの生徒たちが、あっ、ヤンキー先生だと寄ってきました。そしたら、みんな携帯電話、写メール持っているんですね。持っているじゃないかと。  結局、学校がどんなに言っても、出さなければそれで終わりなわけですね。そこでまた学校裏サイトとかそういった形でいじめに使われている、あるいは出会い系サイトに利用されている、様々な問題が今出てきている。これは学校だけではもう対応のしようがない。そして、正に買っているのは親ですから、それは社会総掛かりで考えていかなければならないことですけれども、これは私自身の個人的な考え方ですけれども、義務教育、中学生までの子供に携帯電話を持たせる場合はフィルタリングサービスに加入することを義務付けると、そのぐらい今考えていかないと大変な事態になるのではないかと思うわけですけれども、是非総務省のお考えをお聞かせください。

武内信博総務省総合通信基盤局電気通信事業部長

○政府参考人(武内信博君) 携帯電話の利用の面におきましても、違法、有害な情報に対応するためにはフィルタリングは非常に重要なものであるというふうに認識はしております。  一方で、携帯電話事業者のフィルタリングサービスというのは、違法な情報に限りませんで、青少年が犯罪に巻き込まれるおそれを防止するという観点から、ブログなどのコミュニティーサイトなども対象とするということなど、非常に広範な規制を掛けているところでございます。  このため、フィルタリングを掛けることを未成年者や監護権を持つ親の同意なくして一律に義務付けをするということは、表現の自由等の観点から慎重に検討する必要があるというふうに認識しておりまして、フィルタリングサービスについては親権者の判断に基づき提供されることが望ましいというふうに考えております。  携帯電話事業者では、現在、すべての契約者に申込みの際に親権者に対しましてフィルタリングサービスの利用の意向の確認を行っておりまして、その意思が確認できない場合は契約をしないという取扱いをしておるところでございます。  このような結果、携帯電話のフィルタリングサービスの利用者は、平成十九年九月末現在では二百十万人ということで、この一年間で三・三倍というふうに非常に伸びてはおるということで、一定の成果が上がっているというふうには認識しております。  総務省といたしましては、引き続きフィルタリングサービスの更なる普及促進に努めてまいる所存でございます。  以上でございます。

義家弘介自由民主党

○義家弘介君 この議論はこれからもずっとしていかなければならないことだと思うんですけれども、ただ、私自身は、自由とか権利、これは責任あるいは義務の上に立脚していると思うんですね。まだ責任を取れない子供たちに対して、これは駄目なんだという、そういう大人たちの気概が欠けてしまったことがまたなあなあな子供たちを、青少年問題を助長していることの中の一つだと思います。  ただ、この問題はもっともっと具体的に話を進めていかなければならない問題ですが、一方、学校サイドとして何をすべきか。これは、携帯電話の取扱いについて進めていくこともしかり、そして情報の授業等、教える方がその危険性をちゃんと説明することも大事なわけですけれども、それ以上に道徳教育、これをどう徹底していくかということに私は懸かると思います。  今、週一時間、道徳の時間という形で学習しなければならないと決まっているわけですけれども、多くの学校にも行きましたけど、この道徳の時間がいつの間にか人権の時間に変わってしまっていたり、あるいは本を、課題の本というか文章を読んで感想を書くだけの時間に変わってしまっていたり、取り扱う教師によって全く別の授業になってしまっているというところが見えます。  そして、多くの予算を掛けて心のノートというものを文科省で作ってそれぞれの学校に配付していますけれども、アンケート等の結果として、心のノートの活用、どの程度だと文部科学省は認識していらっしゃるでしょうか。

金森越哉文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(金森越哉君) 私どもが平成十四年度に実施をいたしました道徳教育推進状況調査結果によりますと、道徳の時間の教材として心のノートを使用した割合は、小学校では九七・一%、中学校では九〇・四%となっているところでございます。

義家弘介自由民主党

○義家弘介君 その数字が、学校から出てくる数字と現実の違いの正に明らかになっているところだと思います。是非、知り合いの子供に心のノートを見してもらっていただきたいんですね。新品のまま置いてあるなんという子供も今まで何人も出会ってまいりました。ちょっと紹介しただけでも使ったということになるわけですから、配ったというだけで使ったといって書くこともできるアンケートなわけで、数字なわけですよね。  その中で、今道徳教育を、例えば教育再生会議の二次報告の中で特別な教科、評価を伴わない特別な教科として位置付けて行うべきではないかという提言をしました。これに対しては、当然、否定的な意見も、様々な議論が分かれるところですけれども、大臣はこの評価を伴わない特別な教科として道徳を位置付けるということについて現時点ではどのようにお考えでしょうか。

渡海紀三朗自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(渡海紀三朗君) この道徳の問題というのはよく記者会見でも聞かれるんですね、再生会議でもよく出てきますから。徳育という言葉はどうかというような質問もありました。私は余り言葉にはこだわりませんとお答えをいたしましたが、要は、人間としての基本的なルールを教えていくということが大事なんだろうというのが基本的な人間でございます。  この特別の教科という意味がまだもう一つ実ははっきりしていないんです、申し訳ないんですが。要するに、教科化という言葉もございます。教科化というと、一般的には点数を付ける、ちゃんと教科書がある、専門の教師がいると、これが規定だと言うんですね。しかし、そこまでは言っておられないわけですね、あれ、再生会議も。  だから、その特別の教科というのは何をイメージをされているのかというのが少し実はばらけておりまして、それは教科書を作れということなのか、まあ教科書は、これは検定の問題もありますから、なかなかこれは検定にはなじまないという意見も非常にあるわけで、私も実はそう思いますがね。だけど、その特別の教科というのが、義家議員に御質問して申し訳ないんですけど、どういうことをイメージされているのか、それがはっきりありましたら、むしろ教えていただきたいというふうに思っておりますが。

義家弘介自由民主党

○義家弘介君 この話合いのとき担当室長でずっと再生会議で進めてきたわけですけれども、まず一義的には、それが正常な形で全部の学校で行われるためにどうすればいいかというところから実は私自身の問題意識が始まりました。  じゃ、教えるためには、みんながちゃんと教えるというためにはどうすればいいか。その中で、教科にするしかないだろうと。じゃ、教科にするとしたら教科書問題はどうするのか、これ自身については実はまだ意見が分かれているところなんですね。一冊を、数冊をこれでという、あるいはたくさん出された中から自分たちで選ぶわけですけれども、その辺の基準については自分自身もどうしていいのかというところ、はっきりと判断が付きかねます。ただ、一方でルール、責任、権利はたくさん教えているんですけれども、ルールや責任は教えていない中で、このいじめ問題にしても、それから情報の問題にしても、ボーダレスな社会の中で若者たちは生きているわけですね。具体的対応策も出せぬまま来ている。  そこで、何で私が道徳にこだわるかというと、この国には国教もありませんし、共通のルール、共通の物差しというものも法律以外はないですよね。その中で、例えば人を殺すほど追い詰めてもなあなあな指導のまま卒業していくなんという状態さえ見え隠れする中で、今、二つなんだろうなと。道徳教育、心の教育をきっちりと、駄目なものは駄目というルールを教育していくのか、あるいはこのままいけば欧米、アメリカなんかで導入されているゼロトレランス、寛容度ゼロ教育に向かっていくのか、その今分岐点にあると思うんですね。  私は、実はゼロトレランスじゃない方がいいと思っているんです。細かいルールを決めて、それに抵触したら例外なく処罰していくという在り方よりも、でかいルールの中でそれは絶対許さないぞと、守っていく、あとは教育的配慮の中で、教育的ぶつかり合いの中で導いていくのが理想だと思うんですが、道徳教育も行われない、ルールさえ明確に示せない、共通の物差しの議論さえできないならば、これはゼロトレランスにならざるを得ないほどの今世の中なんだろうなと思うわけですけれども、是非大臣は、このゼロトレランスの方向に向かっていきつつあると思うんですね、今。ゼロトレランスの方に向かっていくのか、それとも道徳教育をもっと真に議論した上でみんなが共有できる、教師も共有できる物差しとして子供たちにしっかりと教えていくことをまず一義的に選ぶのか、どちらの方向であるべきか、是非お考えをお聞かせください。

渡海紀三朗自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(渡海紀三朗君) 基本的に義家議員の考え方と同じでございます。  ただ、まだ分からないのは、教科にすればなぜきっちりと教えられるようになるのかという点が、要するに、中身を充実させることのために何をすべきか、これは我々もしっかりと考えていきたいと思っておりますし、中教審の審議のまとめの中でもそういう方向性がきっちりと示されておりますから、今度の指導要領の中でもそういうことはしっかりと書き込んでいきたいと思いますが。  教科という言葉があれば、先生はまあ、先生というとあれですね、義家先生は先生をやってこられたからそれでよくお分かりになるのかもしれませんが、ですから、やっぱりゼロトレランスみたいな方向に行くことは良くないと思っておりますから、しっかりその前で教えるべきことを充実さして、しっかりとその時間を使っていくということが大事だというふうに考えております。

義家弘介自由民主党

○義家弘介君 教科、必修にしても教えない高校があれだけたくさんあったわけですけれども、しかし全体がしっかりと同じ物差しでできるようにする環境を整えるということ、これは実は文部科学省にしかできないことでもあると思いますんで、是非今後とも議論していってください。  これは、時間を掛けている間に多くの子供たちがまた情報がシャワーのように降り注ぐ中で道を踏み外していく、これを黙って見ていることはもはや今時代としてできないと思うんですね。是非、自分自身も様々な実体験あるいは現実に即しながら、力を合わせて、子供たちを守るために、そういう教育行政、教育政策をつくっていくために尽力していきたいと思います。  どうもありがとうございました。以上で終わります。

山下栄一公明党

○山下栄一君 最初に、奨学金行政につきまして質問させていただきます。  渡海大臣になられて初めての質問でございまして、よろしくお願いしたいと思います。  九九年、平成十一年に奨学金の私は理念の転換が大きく行われたというふうに考えております。それは、従来の経済的な困難ということは今も変わっていないと思いますけれども、学力の基準でございますけれども、それを英才という言い方していたと思うんですね。育英会という言葉もそこからきたのではないかと思いますが、結果としての成績を重視して成績優秀な人に奨学金をというそういう考え方から、結果としての成績というよりも、そうではなくて学ぶ意欲、これを大事にした、正に学を奨める、育英から奨学へという、そういう理念の転換を図ることによって奨学金政策を変えたと、それが平成十一年であったというふうに思っております。  当時、私たちは野党でございましたけれども、こういう観点から繰り返し繰り返し文科省、財務省とも相談し、交渉し、そしてその方向性で実現したのがきぼう21プランというふうに思っております。  ところが、以来八年たつんですが、これは私はつい先日、そういうまた学力基準、三・二以上とかそういうふうなことが、無利子じゃなくて有利子の方ですけど、厳然と、この理念の転換が図られたにもかかわらず不徹底で、今も堂々とこの成績基準によって不採用になっているという、そういう学校があるということを知ったわけでございます。  これは学生支援機構の方でもそういうことを問題視されていろいろと調査されたというふうにお聞きしておるわけでございますけれども、現在、こういう成績の基準によって、本来の奨学金行政と反する、そういうことが行われている学校、どれぐらいあるのかということを確認させていただきたいと思います。

渡海紀三朗自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(渡海紀三朗君) 独立行政法人日本学生支援機構において、先月、これは各大学等に照会を行いまして、先生が今お話しになっておりましたいわゆる学力、そういった基準で奨学金を運用している大学が、今大学の集計は終わっておりますが、全大学七百五十六校の六・三%、四十八校が、先ほど言われました新しい奨学金の理念といいますか、それではなく、同機構のこの基準ではなく学校独自の基準を設けているという状況でございました。  取りあえずこれでよろしいですか。

山下栄一公明党

○山下栄一君 その中に国立大学も入っておったということをお聞きしたわけです。  それで、政策転換を行って、希望する人にはもう全員奨学金という、もちろん収入の上限はあるわけですけれども、希望する人には全員ということがもう数年達成されてきているという大変な努力されて、これは少子化対策、様々な観点から非常に大事な政策だと私は思うわけですけれども、国立大学でもそういう、もう八年もたっているのに全然違う基準で行われたという、そこにちょっと私は教育行政に不信を抱くような、感じまして、なぜこんなことが起こるのかなというので確認したんですけれども。  理念の転換は行われたけれども、育英会法から支援機構法には変わったけれども、法律はほとんど変わっていないと。省令も変わっていないと。どこが変わったかと。それは、運営する機構の内規といいますか、文部大臣が認可されているそうですけど、そこで初めて、いろんな観点がございますけれども、その中に結果としての成績ではなくて学ぶ意欲の観点でこれをやるんだということが初めて出てくるという。  私は、やっぱりこういう基本的理念の大きな考え方、違いですので、戦前からあった英才教育という観点から学ぶ意欲を大事にしようという理念の転換を図ったにもかかわらずこういう実態があるという、その原因の一つに、やっぱり法律、政省令、そこにやはりきちっと明記してはどうかと、内規で書くんだったら。  だから、別に違反するというか、その指導どおり行わなくてもこの八年間まかり通ってきたということがあるわけでございますので、そういう観点から改善措置を具体的にとっていただきたいと。御見解をお伺いしたいと思います。

渡海紀三朗自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(渡海紀三朗君) 先生がおっしゃるとおり、国立大学にもあったということは、これは指導不行き届きということも言えるわけですから、我が方の、大変遺憾なことでございます。  現在、同機構において当大学に対して基準を改めるように個別に指導をしているというところでございまして、文部科学省としては、こうした事態がやっぱり発生した原因というものを法令面も含めて原因を明らかにして、学力基準の取扱いについて同機構の貸与基準がきっちりと守られるように、結果、先生がおっしゃっていたこの理念がちゃんと守られるように、学生の教育の機会が適切に確保されるよう対処してまいりたいというふうに考えております。

山下栄一公明党

○山下栄一君 ありがとうございました。  次の質問に移ります。  教育の国際化ということでございます。様々な世の中の変化によりまして、日本の国内にも多くの外国籍の方が仕事その他で来ておられる。その子供さんの学習権、学ぶ権利、教育を受ける権利がきちっと保障されていない実態があると。このことについては、徐々にいろんな形で運動も行われ、全く進展していないとは言いませんけれども、進み具合が余りにも遅過ぎるというふうに思っております。もう二十三都市ですか、外国人の集住都市。外国人集住都市会議というのも二十三都市、プラス二市がオブザーバーとして参加されているようでございますけれども、数がどんどん増えておる。中には五〇%近い町もあると、外国籍の方が。  もちろん、教育の観点だけじゃございません。福祉の観点、また治安の観点もあるかも分かりません。様々な無理解の中で自治体そのものも御苦労されて、様々な、特に子供さんへの支援も含めて行われておるけれども、どうしても国の施策が法務省、警察中心とする治安の観点からが強過ぎて、そういう観点も必要でないとは申しませんけれども、それが強過ぎて、そして一番、特に教育行政の中で大事な教育を受ける権利、ここがちょっときちっとされていない。これは、私は、日本の国際貢献といいますか、品格ある国といいますか、そういう観点からも非常に理解のある国であるということを示していくためにも非常によろしくない状況があると。  特に国際人権規約、また子どもの権利条約等で、こういう民族は違っても、国は違っても、その母語ですね、その方たちがしゃべられている言葉、住んでいるところが日本であっても、その母国語といいますか、承継語といいますか、そういう言葉をきちっと学ばないと忘れてしまうわけですから、特に長期に滞在してまいりますと子供さんが日本の学校に行ってもよく分からない、いじめにも遭うと、そういうことから自主的に学校をつくられて自分たちの民族の誇りや言葉を大事にする。人間にとって言葉は魂だというふうにも思いますし、それは日本の方が外国に行かれても、日本人学校があり、そして様々な国の理解はともあれ、文科省も外務省も一生懸命支援されて、外国に行かれた日本の駐在員の子供さん等を支援されている、してきた実態もあるわけです。それが、日本に来られた外国の方に対する学ぶ権利を保障するということが余り進んでなかったとしたら、これは私は胸を張って世界の日本という形にはならないのではないかと、このように思って、そういう観点から質問させていただきたいと思いますけれども。  まず、一体日本に、例えば学齢期、義務教育年齢の子供たちがどれだけいらっしゃって、その方々はどのように教育を受ける権利が保障されておるのかという実態調査はどうなっているのかということを、どこまで把握されておるのかということをまずお聞きしたいと思います。

池坊保子公明党文部科学副大臣

○副大臣(池坊保子君) いつも山下委員には、外国人子弟が差別なく教育を受けられるような環境整備が必要ではないかと、力強い御支援をいただいていることをうれしく思っております。  今文部科学省では、平成十七年から十八年度にかけて、全国十二の自治体において外国人の子供の就学をしていない実態調査というのを委嘱し実施いたしました。これによりますと、公立学校や外国人学校に就学している者は八一・四%、八千四十五人、転居、出国等により居住不明の者が一七・五%、千七百三十二人、不就学の者が一・一%、百十二人いることが判明いたしております。  今や何十万人と言われる子供たちがおりますので、この不就学は今のところこういう実態でございます。

山下栄一公明党

○山下栄一君 これはもう質問しませんけれども、学校基本調査の中で、不就学学齢児童生徒調査というのをやっておられます、毎年やっておられるわけですけど。この調査は、これは日本の学校ですけど、ただ日本の学校に外国籍の方も、それは在日の方であろうとニューカマーの方であろうと行かれている、七万六千人ぐらいというふうに聞いておりますけど、いらっしゃると。ですけれども、その不就学学齢児童生徒調査というのをされているんですけど、長年ずっとこの中に、外国人は対象から除外するという形でずっと調査をやってきていると。これは、まあそういう時代もあったんでしょうけれども、もちろん、義務教育は特に就学義務がないということもあってそうなったかも分かりませんが、私は、お金掛けて、何千万か忘れましたけれども、こういう調査を委嘱してされるということは一歩前進やとは思いますけれども、こういうこと、基本的に実態をよくつかんで、そして、いかにしてこの日本の国内における外国籍の子供たちの学ぶ権利を保障していくかという、そういう視点に立った教育行政をしていただきたいなと。  この調査票の見直しをやっぱり考えるべきではないかと、これは御提案しておきます。答えは結構です。これ、急にちょっと今資料を手に入れて言うているのでね、答弁の準備できていないと思いますので。  だから、今、先ほど副大臣おっしゃった、十七年、十八年、二年掛けて、手を挙げた自治体、それ、ちょっとでも支援しようということからだったと思いますけれども、就学実態調査をされたと、不就学の。これは家庭訪問されたりしながらされたという、私は特にこの調査で評価したいのは、公立の学校、私立、いわゆる一条校だけではなくて、外国人学校、いわゆる各種学校の学校、それだけではなくて、またもう一つ先の、認可はされていない、要するに各種学校にもなっていない、必死で自分たちの民族の誇りを守ろうとして、例えばブラジルの方、ペルーの方が一生懸命お金はたいて自分たちでつくって、だけれども日本の各種学校扱いにもなっていない。もう授業料にも消費税掛かるし、建物も全部、税の優遇措置も何にもない、支援が全くない中で一生懸命この子供たちの教育しようとして、その学校までも調査されたと聞きました、私は。それで、不就学というのはどうなっているのかと。就学していない子供たちがいらっしゃる、それをなくしたいという気持ちからだと思うんですけれどもね。  だから、この教育調査というのは、私はこれは非常に進んだ調査をされたなと評価したいんですけれども、ただ手を挙げたところだけで、全国十二自治体、先ほど申しましたように集住都市はもう二十五に増えておるということもありますし、これ全国の実態のごく一部が分かってきているということなわけです。だから、これはちょっと私は、この調査をこの二年間だけに済ませないでやっていただきたいと思うんです。  これはなぜこのような調査をされたのかということの調査目的をちょっと、治安目的だけじゃないと思いますのでね、確認したいと思います。

金森越哉文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(金森越哉君) お答えを申し上げます。  御指摘の調査は、不就学の外国人児童生徒に対する支援事業の一環といたしまして、外国人が多数集住している自治体を対象に、戸別訪問による実態調査をお願いしたものでございます。  今回のような戸別訪問による詳細な調査につきましては、費用の問題や、また自治体側の体制や負担の問題などもございますものですからこのような形の調査になったものでございますが、今回の調査結果によりまして外国人の子供の不就学の状況についてのある程度の傾向は把握できたものと考えているところでございます。

山下栄一公明党

○山下栄一君 先ほど副大臣の御答弁の中で不就学、こういう調査をしたところの不就学、全く学校に行っていない、そういう認可されていない学校にさえ行っていない、一・一%とおっしゃったんですけれども。法務省が掌握している外国人登録者というのは、きちっと掌握されております。その中で学齢期、例えば五歳から十四歳は昨年で十二万八千人いらっしゃると。ところが、学校に行っているという、推計で八万七千人。これはいわゆる公立の学校、私学の学校、いわゆる一条校だけではなくて各種学校も含めてなんですけれどもね、その先の認可されていない学校も一部入っていると思いますけれども。で、十二万八千人中八万八千人が何らかの形で学んでいるという。ということは、差引きしますと四万人の子供が、五歳から十四歳ですよ、どこも行っていないということになるわけですね、これは法務省と連携していただいたら分かると思うんですけれども。この子供をどうするのかということを、やはり先ほどの実態調査をされたんだったら、そこに焦点を当てた、ましてそういう自治体で一生懸命取り組んでいる各種学校の設置基準は知事なので、若干裁量の余地を踏まえながらその建物に対する支援とか単費でやっておられる自治体もあるわけで、静岡また愛知、岐阜その他ですね。そういうところは、国としても支援するために調査をされたと思いますので、ここに焦点を当てたやはり施策が私は必要ではないかと、このように考えるんですけど、一挙にはいきませんけれども、その問題意識をちょっと大臣にお聞きしたいなと。

渡海紀三朗自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(渡海紀三朗君) 従来より、やっぱり公立の義務教育学校への外国人の子供の受入れ、それから日本語指導、教員の配置、外国籍の子供が公立義務教育学校への就学の機会を逸することがないように、日本の教育制度や就学の手続等についてガイドブックを作りまして、まあいろんな国から来られておりますから、ポルトガル語、中国語等七か国語で作成し、教育委員会に配付をして促進を図るなどの就学支援を行ってきております。  細かいお話はもう先生時計を気にされておりますからしませんが、やっぱり日本の国はそういうのもしっかり受け入れるということを我々も努力をして、可能な限りの施策というものをこれからも検討しようということで、有識者による検討会において更に検討を進めていくということにしたいというふうに思っております。

山下栄一公明党

○山下栄一君 私が住んでいる大阪でも、うちの近くに、これは外国籍、特に中南米の方ですけど、公立の小学校ですけど入られる。だけれども、とにかく言葉が分からぬわけです。だけど、近くに自分たちの学校もないと。行かざるを得ないけれども、いじめに遭ったりという実態があります。何とかしようということで有志の方がその学校にボランティアで行って、ポルトガル語をしゃべれる方が、もちろん日本語も分かっている方が行って支援されていると、それに対する公的支援はないと、こういう実態があるわけです。日本のこの一条校に、小中高、養護学校も含めて七万六千人の方が今在籍されていると。しかし、ほっておけば不登校になってしまうというふうな実態もあるわけです。  それで、日本語教育の体制、日本の言葉が分からないから、日本語教育の体制、これも各自治体で、放課後特別に日本語教育をその学校の中でされるとか、そういう支援員を配置するとかいう自治体もございます。また、ポルトガル語も忘れてしまうので、ほっておけば、ずっと日本にいらっしゃったら。そういう母語の言葉を教えるための民族学級を放課後、特に大阪なんかは盛んでございますけど、そういうところを自治体単独で支援されているというところもあると。  外国籍の方が日本の学校にいらっしゃって勉強することが非常にしにくい状況が現実にあるという、ここに対する支援を私は検討すべきだと思うんですけど、御所見を副大臣にお伺いしたいと思います。

池坊保子公明党文部科学副大臣

○副大臣(池坊保子君) 確かに、今おっしゃいますように、まずは子供が学校に行ってもらうことです。学校に行ってもらうには、先ほど大臣がお答えいたしましたように、日本語の指導とか、あるいは有識者会議を持ちまして、どのようにしたらいいかという方策を今練っているところでございます。それから、行った子供たちの保護ということも、支援ということも大切なのではないかと思っております。  山下委員よく御存じのように、二〇〇二年に総合規制改革会議の要望によって、例えばインターナショナルは、大学受験資格、インターナショナルだけ渡すようにと言われました。私は、インターナショナルに付与するのはいいけれども、ほかの外国人学校はどうなるんだろうか、きちんと高等教育を受けている者はすべて大学受験資格を与えるべきではないかということで、私は中華の学校も韓国も朝鮮学校もすべてもう何度も何度も見てまいりました。強い信念で、いろんなあつれきがございましたけれども、よくあんな情熱があったなと思うぐらい頑張りまして、きちんと高等教育をやっているところには大学受験というのを付与するようにいたしました。  その間にインターナショナルスクールだけが税制上の優遇措置が得られるようになりました。ほかの外国人学校にはそれが今のところは与えられておりません。やはり、私は、子供たちが差別されることなく教育を受けられるような環境を整えていくことは私たちに与えられた使命だと思っております。  各省庁の本当に厚い壁がございます。特に税制というのは財務省の強い拒否反応もございますけれども、これはしっかりと協議をいたしまして、教育上の見地から、子供たちを、いい子供を育てるということは、その子供たちが日本でまた住んで生活するのですから日本の国益にもなるわけで、広い意味からもやはりこれはいろんな支援の一つとして、例えば優遇措置もそうだと思います。それから、ソフトの面では、さっきおっしゃいましたように、教室の廃校利用とか、それからボランティアの日本語指導というようなことも考えられるのではないかと思っております。

山下栄一公明党

○山下栄一君 最後の質問になるかも分かりませんけれども、今ちょっとそれ触れていただいたんですけれども、日本の一条校に行っておられる外国籍の方への支援、これも是非積極的な、自治体がやっているところは自治体を支援するとかいう形でやっていただきたいというふうに思います。有識者会議も立ち上がったようでございますので、そこでもしっかり御検討願いたいと思いますが。  今副大臣ちょっとおっしゃいました税の問題なんですけれども、同じ各種学校なのに寄附税制の優遇がインターナショナルスクールにはあるのにアジア系、また中南米のそういう学校にはないと。これはひどい私は差別やと思います。三年前の大学受験の資格、接続ですね、そういう学校から大学へという、また大学院への編入、これについては同じような、インターナショナルだけという当初の案を覆して、そして、池坊副大臣も一生懸命走り回っていただいたわけですけれども、こっちの方は、大学受験資格の方はインターナショナルスクールだけではなくて各種学校の場合は同じ扱いをするということが、若干例外はあるけれども、基本的にそうなったと。  だけど、同じ理由で元々インターナショナルだけと言っていたのに、そちらの方だけ保障されたのに、もう一つの寄附税制の方、自分たちで一生懸命学校をつくって学ぶ権利を保障してあげようという切実な方々でつくった学校に一切の支援がないと。それは各種学校にもなっていない、各種学校があっても寄附が得られないと。浜松ではスズキ自動車が支援したいと思っているけれどもペルーの学校に寄附税制受けられないと、こういう実態があるわけです。これはもう同じ各種学校という学校教育法上の扱いをしながら、投資目的とかいう全然違う目的で差別されていると。これは学ぶ権利を保障するという政策目的を持った文科省が絶対やってはならないことだと私は思うんですね。そういう政策目的はどうなっているんだと、投資促進するためだけに欧米系の学校だけ優遇するのかと、こんなひどい話はないと私は思います。  同じ各種学校ならば大学受験資格と同じような扱いを厳然とすべきだと。それは財務省が反対するんだったら体を張ってでも大臣を先頭に私はやるべきだと、このように私は思うんですけれども、今まで献身的にこの問題に取り組んでこられた副大臣の御決意を再度お伺いしたいと思います。

池坊保子公明党文部科学副大臣

○副大臣(池坊保子君) 今、山下委員がおっしゃいましたように、経済産業省には経済産業省の意見があると思います。文部科学省には、当然、教育、文化、芸術、スポーツ、科学技術の進展に対してきっちりとした見識を持つべきであると私は思っておりますから、学びたい、そして、なぜ学校に行けないかという子供たちの多くがこれは経済的な理由というふうに保護者が答えておりますことをかんがみますと、これからきっちりと教育的見地から優遇措置ができるように財務省に、先ほど体を張ってと言われましたが、太い体を張って頑張ってまいりたいと思います。

山下栄一公明党

○山下栄一君 時間がもうすぐ参りますのであと一点ですけど。  外国に日本人学校があると。そこには、向こうの国の支援はほとんどないかも分からぬけど、日本では一生懸命支援をされている。特に、文部科学省が認定している学校には支援をされているわけです。同じようにブラジル人学校があると。ブラジル政府は認定している、だけれども各種学校にもなっていない、こういう学校が日本全国に五十を超えてあるわけです。ここの学校ぐらいは少し、国がきちっと保証しているわけですから、これは税の優遇、これぐらいは先に私は考えるべきではないかということについて、大臣、何かございましたら、急に振りまして申し訳ないですけれども、是非これは積極的に御検討いただきたいというふうに思います。

渡海紀三朗自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(渡海紀三朗君) 要は、我が国にはいろんな制度があります。そして、学校教育法という法律の下でいろんな基準を作り、その要件で認可をしているという手続だというふうに思います。  日本人学校の教育課程の認定のこの要件ということでありますけれども、これにつきましては、私も従来からもっと踏み込んでいろんなことを考えるべきじゃないかという考えは実は持っておりますので、少し時間をいただいて、今後、どういう問題点があるのか、またどういう要件が整えばいいのかということについて少し時間をいただいて検討させていただきたいというふうに思います。

山下栄一公明党

○山下栄一君 もう時間になりましたので、済みません。

関口昌一自由民主党

○委員長(関口昌一君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後二時五十二分散会

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