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168回国会参議院2007/12/06

農林水産委員会 第7号

発言数
102
登壇者
14
会派数
3
開催日
2007/12/06

会議録

郡司彰民主党・新緑風会・日本

○委員長(郡司彰君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日までに、山本博司君、西田昌司君、藤原良信君、青木愛君及び米長晴信君が委員を辞任され、その補欠として澤雄二君、市川一朗君、水戸将史君、広田一君及び姫井由美子君が選任されました。     ─────────────

郡司彰民主党・新緑風会・日本

○委員長(郡司彰君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  農林水産に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官梅溪健児君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

郡司彰民主党・新緑風会・日本

○委員長(郡司彰君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

郡司彰民主党・新緑風会・日本

○委員長(郡司彰君) 農林水産に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

一川保夫民主党・新緑風会・日本

○一川保夫君 おはようございます。民主党・新緑風会・日本の一川保夫でございます。  私は、本日、この農林水産委員会、参議院の農林水産委員会で初めて質問するわけですけれども、農林水産大臣とはかつて農林水産省時代同じ職場で同じ部局に勤めてきたこともあるわけですけれども、本日は農林大臣の農林水産行政に対する基本的な考え方、その姿勢を大臣とじかにお話をしていきたいというふうに思いますけれども。  まず第一点、私は、今回この農林水産委員会で大臣の所信表明があって以来、我が党からの法案の提出等があって、いろんな質疑が行われました。そういうやり取りを聞いておりまして、私自身も農林省に奉職したことがありますけれども、農林水産省という役所もそうなんですけれども、農林水産行政の今日進んできたいろんな施策があるわけですが、やはり自由民主党の長期政権のその体質というか、その弊害的なものが本当に残っているなという感じを率直受けております。  そういう面で、私はまず大臣にお伺いしたいのは、この参議院選挙の結果というものをどういうふうにとらえておられるかということに尽きるわけですけれども、民主主義のこういう制度ですから選挙を通じて国民の意思を問うというのは当然基本的なことでございますし、今回の参議院選挙の結果は、御案内のとおり、参議院では与党、野党のその勢力図が逆転してしまっているというのが現実でございます。この農林水産委員会でもその逆転の現象が現れているわけでございますし。そういう状況を見たときに、私は、この選挙前の、安倍政権までの農林行政、農業、林業、水産業の基本的な施策を、この参議院選挙の結果を受けて大臣はその施策の基本的なところを見直すなりあるいは変更しようとする意思があるのかどうか、その辺りをお聞きしたいわけですけれども。

若林正俊自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(若林正俊君) 一川委員とは、今お話ありましたように、同じ役所で同じ局で特に農地問題を中心に一緒に仕事をさせていただいてきたわけでございまして、委員も農林漁業、とりわけ農業の実態については非常に熟知しておられると思います。  そこで、御質問でございますが、今度の参議院の結果はいろいろな要素が積み重なってあのような結果になったものとまずは受け止めておりますが、その要素の中に中央と地方との格差の問題ということが課題としてあったように思います。その格差の問題の中で、地方においては、とりわけ農山漁村、農村部において、農業が主たる地域の生産業であるというような地域にあっては農政一般に対する様々な不満、不信が積もり重なっていたというような事実は率直に私も感じております。  しかし、この農政の基本的な方向を変える気があるかというお話でございますが、基本方向については、これは食料・農業・農村基本法の制定を受けまして農政の基本計画を定め、そしてその基本計画に従って政策を展開してきているわけでございますので、その基本については私は変えるような必要はないと考えているところでございます。  しかし、その食料・農業・農村基本法の定めるところ、そして農政の基本の政策を執行していくに当たって、推進していくに当たって様々な具体的な政策の展開をいたしているわけでございます。委員も御承知のとおりでございますが、政府が進めている農業政策は、力強い農業構造を確立していくという産業政策の面と、それから農村地域の活性化を図る、地域の振興を図っていく施策と、両面ございます。それらは車の両輪としてこれを展開していくという方針を定めているわけでございまして、そのような施策の展開方向については私は間違っていないというふうに考え、委員がお話しになりましたような基本方針について変えるつもりがあるかということについては、基本方向はその方向に即して、政策としては将来にわたって国民に食料を安定的に供給するという視点に立っていかなければいけないと思っております。  ただ、その執行に当たっては幅広い関係者からの十分な論議が必要でございまして、その意味で、本年四月から米や麦などの土地利用型農業の点につきまして品目横断的経営安定対策など三つの大きな政策の柱を立てているわけでございます。その三つの柱を一体的に実施しているところでございまして、こうした新しい政策の実施に当たっては、農村現場において制度の内容の普及あるいは浸透が十分でないということによる不安でありますとか様々な不信があるということも承知しておりまして、その中から各地で政策に対する要望が出されてまいっておりました。  私は、この八月に農林水産大臣になりました際に、幹部職員にひとつその現地の声というようなものをまず素直にしっかりと受け止めてくることが必要だという意味で、いわゆる御用聞き農政と私は申し上げているんですけれども、現場に幹部職員も実際出向いてそうした生の声を受け止めて、制度について必要な見直しを行うものは早急に改善を行うことによりましてこの政策についての信頼と支持が得られるような政策展開を図ってまいりたいと、このように考えております。

一川保夫民主党・新緑風会・日本

○一川保夫君 今大臣は基本的なそういう方向は変えないということでございました。  私は、そういうお話を聞いておりますと、やはり今回の選挙の結果についてしっかりとその結果を受け止められて、それを農業政策の中に生かしていこうという何か姿勢が見えないような感じがするわけですけれども。  私は、こんな例を取るとちょっと非常に恐縮なんですけれども、農林水産省出身の参議院議員というのが今五人だったですか。いや、私が今ちょっと言いたかったのは、かつては、この選挙前は、恐らく農林水産省出身の参議院議員は自民党が四人で民主党が一人だったと思うんです。今回は、民主党は三人になって自民党の方は大臣を入れて二人ですよ。ということは、農林水産省をバックに恐らくして参議院選挙を戦われた方もたくさんいらっしゃると思いますけれども、我々は別に農林水産省をバックにしておるわけじゃありませんから、そういう組織をしておるわけでありますけれども、じかに農村地域を歩いて農民の皆さん方の声に耳を傾けて、そういう施策を訴えながら今日のいろんな課題について自分たちの思いを訴えて、そして議席を確保してきたわけです。  そういう現象一つ見ましても、私はやはり農林水産省が今やってこられたもろもろの政策なり、それから農林水産省の農村に対するあるいは農民に対する姿勢そのものが、私は大きく農民の気持ちから懸け離れてきている、又は農村地域の現状を把握していないんではないかというような感じがするわけです。  大臣は御用聞き行政というようなこともおっしゃいましたけれども、役所の皆さん方が今の農林省の施策について、これは農林省だけじゃないですよ、県庁あるいは地方自治体の役人の皆さん方なり、場合によっては農協の皆さん方もそうかもしれませんけれども、本当に自信を持って農民の皆さん方に語り掛けている人は私はいないと思うんですよ。もうそこで、質疑があると、質問されるとそこで立ち往生してしまうようなケースが非常に目立つわけですよ。  私はやはり、今回の参議院選挙を通じまして、JAの組織から出ておられる山田さんもいらっしゃいますけれども、地方区ではいや民主党の人に入れますよと、しかし全国区、比例では山田さんに入れますよという人もたくさんいたんですよ。それは、山田さんは農協という組織の中で何か農民の気持ちを分かっていただけているんじゃないかなという気持ちで応援している人がたくさんいたわけですよ。自由民主党の政策なりあるいは政府が今遂行している政策に賛同したから山田さんに入れたという人は、それはいたかもしれませんけれども、割とそういう人は余り深く考えないで入れておる人が我々の農協の中にもたくさんいらっしゃいました。  ただ、私が言いたいのは、要するに今日のそういう農業政策なりそういう基本的な方向について、農民の皆さん方も農村地域に住んでいる方々も大変な不満があるわけですよ。また、将来に対して大変な不安があるわけです。その結果が、定数一名の選挙区というのは二十九あるんですよ、全国に。その定数一名の選挙区で自民党が確保したのは六つですよ。その結果を見ましても、私は、もっとしっかりと大臣に反省するところは反省をされて頑張っていただかないと、それは我々は政権交代を目指しておりますから政権を取ればしっかりとやりますけれども、しかし政権交代をするまでに日本の農村なり農業が崩壊するじゃないですか。  そこに対して、大臣の、もう一回、見解をお聞かせ願いたいと思いますけれども。

若林正俊自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(若林正俊君) 私は、これは日本の農業、農村がそういうような政策の進め方の中で崩壊するなどというように生易しいものではないと、もっとたくましく、力強く存在しているというふうに考えておりますことを結論として申し上げたいと思います。  そして、委員がいろいろおっしゃられましたこの参議院の選挙の結果、それぞれの党派、所属の参議院議員の変動があったわけですけれども、御自身もおっしゃっておられました、私自身も、別に農業、農村の人たちだけの支持で農業、農政を主張して衆議院時代から今日まで議員としての活動をしてきたと思っておりません。幅広くその地域の皆さん方の声をよく聞きながら、その皆さん方に、私が考えている国政についての考え方を訴えて、御理解をいただいて国政に議席をいただいてここに参ったと思うんです。各議員、みんなそうだと思うんですよ。  そういう意味で、選挙民が、その有権者の方が議員を選ぶときのこの選ぶ基準というのが非常に多様でありまして、それらを総合的に判断して選挙に臨んでいるわけでありますから、今のような数の変化が、だから農政に対する批判であると、数の変化によって何か変えなきゃいけなくなるというふうに私は考えているわけではございません。  何といっても、この基本は国会で決めた基本路線に従って行政、政府は政策を展開しているわけでありまして、その意味では我が農林水産省の農政の基本は食料・農業・農村基本法にあるわけでございます。この基本法については、与野党の十分な論議を経まして基本法が成立をいたしました。この基本法の枠組みの中で我々政府の方はその行政を執行をしてきているということを申し上げまして、その基本法路線の枠組みというのは、この参議院の選挙の結果があったからといってこれを変えなきゃいけないような状況になっていないということを申し上げたわけでございます。

一川保夫民主党・新緑風会・日本

○一川保夫君 私は、その基本法の話はこれから次やりますけれども、基本的に、私は基本法云々という基本的な理念なり方向付けを変えようという話じゃなくて、農林省の今実施されようとしているもろもろの施策というのは、そういう面で大変なやはり農村地域の方々、農業に従事している方々、それからまた農産物を消費している消費者の皆さん方も含めて、大変な強い関心があることは事実ですよ。  それは、いろんな分野でいろんな公約をして当選してきているのは事実ですけれども、しかし、今日やはり農業なり農村問題、食料問題に対する関心度というのは私は国民の中に大きいものがあるというふうに思いますので、そういったことも大臣に十分認識をしていただきたいというふうに思っております。  私はかつて農林省にいたときも、土地改良法という法律ありますけれども、土地改良法という法律は、御存じのとおり、法律の中で三分の二以上の同意を取りなさいというような基本的な姿勢がうたわれていますよね。しかし、現実問題、今農村地域で三分の二の同意を取り付けながら物事をやっていくというのは大変な難しい点がたくさんあるような気がするわけですけれども、しかし、そこに政治色が入って、余り強引なことをやっていると、私はもうそういう土地改良事業、必要な土地改良事業もたくさんあると思うんですけれども、それすらなかなか実施できないような、そういう状況が農村地域にあるような気がするわけです。  そういう面で、やはり農村地域の皆さん方の悩み、苦しみ、そういった課題をしっかりと受け止める中で、やはり反省するところは反省をして、農民の皆さん方が本当に意欲の持てるような、そういう農政を是非展開をしてほしいなというふうに私は強く感じておる次第でございます。  そこで、先ほど大臣が農業基本法の話をされましたから私からもちょっとお聞きするわけですけれども、農業基本法を制定、平成十一年ですか、相当の時間が経過しました。それで、私は、そのときのその基本的な理念というのは当然ありますよね。四本柱だというふうに言われておりました。食料の安定供給だとか、あるいは多面的機能の発揮なり、農業の持続的なそういう振興なり、又は農村の振興というようなことも含めたようなことがあったと思いますけれども、そういうトータルとして農村地域そのものをしっかりと活力のあるものにしていくというのが、私はやはり基本法の大きな理念の共通的な流れとしてあると思いますし、また食料という問題を前面に取り上げまして、消費者の皆さん方にも安心してまた安定的にそういう食料を供給していく、安全な食料を供給していくということも含めた基本理念があるわけですけれども、今日の農業政策のいろんなやり方を見ておりますと、どうもトータルとして農村地域全体、農業従事者全体に対してしっかりとした施策の日が当たっていないんじゃないかという感じがするわけですね。  そこのところは、私は、現行の農業基本法の理念から徐々に懸け離れてきたような、そういう農業政策が展開されているんではないかというふうに感じますけれども、大臣のお考え方をお聞かせ願いたいと思いますけれども。

若林正俊自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(若林正俊君) 委員が御指摘になりましたこの農業政策の受け止め方が現場でどのように受け止められているかということについては様々な意見があることを承知いたしております。しかし、この基本法の理念とこうおっしゃられました、その基本法の理念を達成するために、基本法の中でその施策の方向付けをいたしているわけでありますが、我々はその施策の、その基本法理念を実現するための施策の推進ということには全力を挙げて取り組んでいるつもりでおりますし、施策も大きく分けて、先ほど産業政策としての政策と地域振興、地域づくりという観点からの施策と大きく二面性があるということを申し上げましたが、さらにこれはそれぞれの政策がきめ細かく分類、分解されまして、現場においてそれが適合できるような様々な政策を具体的に展開しているつもりでございます。それらは、現場の変化に応じまして政策自身を拡充していくという必要性は更にあると思いますし、我々は毎年そのような思いで具体的な政策を提起いたしているわけでございます。  私自身としては、当委員会においてもお話し申し上げましたけれども、私の所信といいますか、私の農政についての考え方は冒頭にお話をしたとおりでございまして、そのような方向で展開することが基本法の理念に合致していると考えて政策を実行に移しているわけでございます。

一川保夫民主党・新緑風会・日本

○一川保夫君 大臣の所信の中にも、今回のこういう品目横断的経営安定対策云々という、そういうくだりの中に、高齢者や小規模な農家も安心して農業に取り組むことができるよう、集落営農の組織化の推進云々というような言い方があるわけですけれども、しかし現実問題、今農村地域では、高齢者や規模の小さな農家というのはもう今の農政の対象にしてもらえない、もう見放されたというような一種のあきらめの境地を持っている方々がたくさんいらっしゃるんです。  私たちも今回、私自身も、かつて衆議院議員のときは、まあ選挙区は狭いですからその地域の割と特色もそれなりに頭に入ったわけですけれども、選挙区が広がって、やっぱり地域全体を、県全体を動いてみますと、かつては割と保守的な地域だと言われたところに限って大変な不満が大きいわけですよ。それはなぜかというのは、そこは非常に過疎化が進み、そしてまた高齢化が進んでいるわけです。そういったところで非常に皆さん方御苦労されながら頑張っていらっしゃるわけですけれども、そういうところに対してしっかりとした農業政策が展開されていくという、そういう見通しが立たないということに対する大変皆さん方は不安感を抱いているわけです。  そういう現状を私は見るときに、どうも大臣のおっしゃっているような、この所信にうたわれているような、いや、すべての農家を対象に力強い政策をやっていきますというような趣旨のことをうたっておられますけれども、しかし現実はそういうものじゃないんじゃないですかと。やはり規模の大きいところに集中的に施策をつぎ込んで、そして意欲のある担い手を育成していこうというのが基本的に流れているような気がするわけですけれども、私はそういったところの姿勢をもう一回しっかりと点検をするところは点検をして改めていただかないと、実際の現場ではそういう受け止め方がされていない、大臣の所信にうたわれているようなことが現場では展開されていないというような感じがするわけですけれども、大臣のお考え方をもう一回お願いしたいと思うんですけれども。

若林正俊自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(若林正俊君) 農業も多様化していますよね。委員も農林水産省でお仕事を始めたころと今日とは農業の現場というのは大変に変わってきております。それは、やはり米麦中心、あるいは養蚕といったものを基幹として営まれてきた日本の農業というのが、前の農業基本法のときから、選択的拡大など多様な需要に応ずるような農業生産に転換していかなきゃいけないというようなことから、果樹でありますとか畜産でありますとか花でありますとか、そういうような新しく需要が伸びていく品目について生産構造を変えていったわけでございます。そういう選択をしていく中で農業者自身も多様化していったと、こう思っておりまして、大規模でなければうまく経営ができないような土地利用型の農業とかあるいは土地利用型の畜産でありますとかということのほかに、それぞれの作目によりまして農業の生産というのは特化していく傾向がございます。  そういう中で、特化しにくい、また規模を拡大しなければ自立できないといったような地域あるいは土地利用型の農業につきまして大変構造改革が、構造変革が進んでいきにくい、そういう現状にあるために、そういう地域における高齢者や小規模の農業者が今までのような形では農業にかかわっていくことが難しい状況になってきているということがあると認識しております。  そこで、農業基本法の面でいいますと、もう委員も十分御承知だと思いますけれども、二十一条で、国は、効率的、安定的な農業経営を育成し、これらの農業経営が農業生産の相当部分を担う農業構造を確立するために、営農の類型あるいは地域の特性に応じ、農業生産の基盤の整備の推進、農業経営の規模の拡大その他の農業経営基盤の強化の促進に必要な施策を講ずるものとすると明確に書かれているわけでありまして、産業政策としての農業経営の育成という視点はこの望ましい農業経営の確立の方向に沿って行っているものでございます。  しかし、それだけで農業ができるわけではありません。前にも申し上げていますように、地域の農業の中にあって、そういうような経営者だけで農業ができるという現実にないわけでございます。農業というのは、地域の中でいろんな方々の理解と支援がなければ維持できないという事情もあるわけでございまして、その意味では、農村対策として、地域対策として、この基本法においても三十四条で、その他の多面的な役割を果たす、そしていろいろな多様な農業がそこで行われているということ、そのことをやはり推進をしていくんだということもうたっているわけでありまして、その意味で、先ほど車の両輪と申し上げましたけれども、地域振興策として様々な政策を展開をいたしております。  そういう政策の中で、高齢に至ってきた農業者やあるいはまた小規模の経営をしている人たちもその置かれた状況の中で役割を果たしていただけるように各種の支援の措置も講じておりますし、またその方々のお力もいただけるような、地域としての地域力が発揮できるような対策も講じていると、このように御理解いただきたいと思います。

一川保夫民主党・新緑風会・日本

○一川保夫君 今高齢者と言われている皆さん方というのは、我が国の戦後、大変ないろんな意味で御努力をされてきた方々が今もう既に体力的に農業を継続していくこと自体が難しい段階に来ているわけですけれども、そういうそれぞれの地域で、いろんな伝統的なものの中で、また歴史的な中で、農業経営というものも集落でも独特のいろんな営農組織も形成されてきたりしまして、地域の農村社会をしっかりとそういう皆さん方が支えてきたわけですけれども、今日の例えば集落営農のこういう施策をやっていこうというようなことが現場で動き出しますと、そういう集落の中で従来割と仲良くやってきたような組織が崩壊しつつあるというようなこともお聞きしますし、それからまた、割と規模の大きい認定農家、従来はいろんな言い方をしておりましたけれども、そういう方々が、規模の拡大をしてしっかりとコストダウンを図って効率のいい農業をやりたいということで取り組んできた方々も、集落営農をやり始めた途端に一種の貸しはがし的な現象で規模すら拡大できない、もう規模を縮小せざるを得ないというような、そういう専業農家の方々もいらっしゃるわけです。  そういう面で、私は、今回、今進めていこうとしているような施策はもっと見直しを掛けてしっかりとした農村地域の方々に受け入れやすいような格好に持っていかないと、そしてまた、その地域の皆さん方のいろんな考え方、判断力が施策に反映できるような制度にしておかないと、やはり全国、一種の画一的な政策で物事を強引にやろうとしても、私はもうこれ以上進展はしていかないと思いますし、ますます農村社会に大きな亀裂が入ってしまうことが非常に心配になります。  そこで、大臣に一つお聞きしたいのは、多面的機能というのは、私は基本的には中山間地域と称するようなところがいろんな多面的な機能の役割的なものを大きく果たしているというふうな感じはするわけです。しかし、現実問題、農業としては非常に効率の悪いところです。高齢化率も高いし、さっき言ったように過疎化現象も進んできている。そういうところに対して、やはり平地部の方々も、上流地域の皆さん方がそこでしっかりと農業なり林業に従事しているというようなことも含めた、そこに住んでいるということ自体に大きな効果があるわけでございますので、そういう多面的機能の発揮という観点からしまして、中山間地域に対する対応を私はもっともっとしっかりとした考え方で取り組んでいただきたいなというふうに思います。  国際的にも、日本のいろんな言い方は、たくさん今までやってきておりますけれども、国際社会の中では日本という国そのものが中山間地域みたいな感じですよね。そういう面では、我が国の中山間地域に対する物の言い方、国際会議において、国際交渉において、日本の農業の立場を説明するときの言い方と非常に似通っているわけですけれども、そういう面では、私は大臣にも是非、日本の中山間地域に対してしっかりとした政策を動かして、それがやはり国際的にもしっかりと評価されるような、そういう姿勢で是非臨んでいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

若林正俊自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(若林正俊君) 農業の多面的な機能ということについては共通の認識を持たせていただいていると思っております。  様々な役割を果たしておりますが、特に条件不利地域、条件の不利な地域、国内の農業生産構造から見て条件の不利な地域につきましては、委員も御指摘のように、中山間地域等直接支払制度というものを設けまして、これを進めているところでございます。  この仕組みの中にありましては、その実際のどのような対策を講じていくかは地域にお任せしているわけでございまして、地域の中でこれをみんなで共同して、景観を保持をしていくことに力を入れようとか、あるいは水路や農道などのような、そういう生産の共同で行ってきたものを更にそれを維持していくことに力を入れようとか、様々な選択が地域で可能なように制度は仕組んでいるわけでございます。各地域において有効にこの制度を活用しながら頑張っていただいているものというふうに理解をいたしておりまして、その意味では、この直接支払制度については、我々は日本型の直接支払制度だというふうに位置付けて、このことをなおも強力に推進をしていくという考えでいるわけでございまして、制度の設計などにつきまして、私はいろんな御意見を聞きましても、おおむねこの政策の方向、あるいは政策の仕組み方、これらについては御理解をいただいているというふうに考えているところでございます。

一川保夫民主党・新緑風会・日本

○一川保夫君 大臣のところにいろんな声が聞こえてくるとは思いますけれども、相当いろんなスクリーンを通過して大臣のところに来ていますから、私はやはり生の声を、いろいろと役所の人も聞いておられると思いますが、本当にやはり我々、この今野党にいる皆さん方の声というのは率直に農村地域の生の声でございますから、そういったこともやはり十分耳を傾けるという態度が非常に大事ではないかというふうに私は思います。  そこで、ちょっと話題を変えまして、森林関係の話題に移りたいと思いますけれども、例の俗に言う京都議定書に関連した地球温暖化防止対策、こういった問題は今各省庁挙げていろいろと施策の点検をしながら取り組んでいこうとしているわけでございますが、特にこの森林管理という面で、今地球温暖化防止対策に対する今の農水省の施策というのは現実どういう施策が力強く動いているのかどうか分かりませんけれども、そこをお聞かせ願いたいと思いますけれども。

若林正俊自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(若林正俊君) 地球温暖化防止策におきましては、委員御承知のように、六%の削減を、CO2排出の削減をすると。そのうち、三・八%は森林で吸収してもらうというふうに組み立てているわけでございまして、いよいよ来年から本格実施に入っていくということでございます。  そういう角度から申し上げますと、京都議定書目標達成計画というのは十七年の四月に閣議決定をいたしておりますが、その中で、森林吸収源対策としては千三百万炭素トンの森林吸収量を確保するために、本年度は補正予算も合わせまして必要な予算を措置し取組を進めているところでございます。  二つ目は、バイオマスの利活用でございまして、本年二月に関係各省と作成した国産バイオマス燃料の大幅な生産拡大に向けた工程表というものを作っておりまして、その工程表に基づきまして、バイオエタノールの本格的な導入に向けた大規模な実証事業でありますとか、あるいは食料との競合の問題がございませんセルロースを活用するというような技術開発というものを推進しているところでございます。  三つ目として、さらに食品産業の自主行動計画というものを策定を求めておりまして、定期的なフォローアップだとか、まだ策定しない業種につきまして計画的に削減のための策定を取り進めているところでございます。  しかしながら、日本の国の十八年度の温室効果ガスの排出量速報値でいいますと、基準値比で減るというよりむしろ六・四%増加しております。六%の削減約束の達成はこのままでいけば厳しい状況にあるわけでございます。  農林水産省としては、本年六月二十一日に作成しました農林水産省地球温暖化対策総合戦略というものを定めました。そして、これに基づいて地球温暖化防止策としまして、現行の京都議定書目標達成計画に位置付けられております森林吸収源対策、バイオマスの利活用、自主行動計画の取組について更に加速化を図っていくということと、新たに施設園芸や農業機械、漁船の省エネルギー対策、それから農地から発生する温室効果ガスというのもございます、今カウントしておりませんが、これらの排出を削減する対策ということも追加的な対策として施策を推進することとしているわけでございます。  このような取組によりまして、農林水産分野における地球温暖化対策を総合的に推進をいたしまして、地球環境の保全に積極的に貢献する農林水産業の実現を図ってまいりたいと、このように考えております。

一川保夫民主党・新緑風会・日本

○一川保夫君 地球温暖化防止対策、要するに農業、林業、水産業も含めて、一次産業はそういう環境保全というものに対しての貢献も非常に大きいわけでございますので、ただ、私自身は森林関係を見ておりましても、現場でまだ具体的な施策が、これは地球温暖化防止対策の施策が動き出したから非常に現場でも充実した森林管理が行われているというような施策はまだ目立っておりませんので、そういったことをもっと現場で目立つような施策が動き出すようにしっかりとお願いをしたいというふうにも思っております。  そこで、ちょっと最後に、是非大臣に分かっていただきたいのは、あらゆる森林整備事業を、造林なり間伐もそうですけれども、いろんな施策を動かそうとしても、森林の所有界、境界の確認というのは非常に今難しいんです。これは、高齢化現象ということもありますし、山そのものが荒廃してきているということも起因するわけですけれども、私はやはりいろんな森林整備事業と併せて、その境界の確認ができるようなそういう制度をしっかりと一緒に動かさないと、あらゆる何か事業をやろうと思っても、何か政策を動かそうとしても、境界がはっきりしないから遠慮しますというようなところが結構あるようでございますので、その境界確認というような業務に対して、大臣としてしっかりと取り組んでいただきたいわけですけれども、その考え方をお聞かせ願いたいと思います。

若林正俊自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(若林正俊君) 森林の境界がはっきりしていない、境界確認が大事だという委員の御指摘は全くそのとおりだと思います。境界が確定していませんと、その上での施業の計画を立て、あるいはこれを実行していくことは難しいわけでございます。  そのために、制度、施策としては、森林整備事業の実施の前提として事業区域を確定させるための測量なども支援の対象にしておりまして、境界の確認を図って事業計画を立案し、そしてこれを施業に結び付けていくと、そういう事業の推進に当たっては境界の区域、事業区域の確定ということの測量などの支援はしているところでございます。また、森林組合などによる施業を集約化して能率のいい、効率のいい森林施業をするための境界の測定に対する支援もいたしているところでございます。そして、森林整備地域活動支援交付金制度という制度がございますが、この制度による施業の実施区域を明確化するためのくい打ちなどの作業に対する助成も行っているところであります。  また、この地籍の調査につきましては、国土交通省でございますが、森林境界の確認が円滑に実施されるように、国土交通省所管の山村境界保全事業というものを実施しておりますが、これとも連携を図りながら計画的かつ適切に森林の整備保全を推進をしていくということでございます。  最近非常に悩ましいのは、相続によって所有が分割され、都市部の方が森林を、林地を相続するというような事例が増えてきております。これがなかなか把握が難しいという状況の一つでありまして、地元におられれば地元の人と所有者と話をしながら境界確定ができるわけですが、地元にいらっしゃらない、しかも、いらっしゃらないだけじゃなくてどこに住んでいるかも分からないというような人が大分出てきております。  そこで、都市部において林地の所有をしているような人たちに、不特定多数の状態になっておりますことが多いんですけれども、いろんな縁をたどってその所有している人たちから情報を収集して、それを地元に戻して地元でその所有を確定していくというような、そういうことに手を付けているところでございます。  いろいろこの仕事についてはなお工夫を要すると思いますけれども、大変困難な事態になっておりますから、今後一層力を入れてまいりたいと、こう思っております。

一川保夫民主党・新緑風会・日本

○一川保夫君 もう時間が来ましたから私はこれで質問をやめますけれども、大臣に、そういった森林の管理、整備というのは大変重要な、これまた緊急な課題でございますから、そういういろんな施業の前提として、本当に境界の確認がしっかりと促進されていかないと物事が円滑に進んでいかないということを十分御理解をしていただいて、また森林組合のいろんな仕事も円滑にいくような施策も含めてしっかりと取り組んでいただきますことをしっかりとお願いをしまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。

亀井亜紀子民主党・新緑風会・日本

○亀井亜紀子君 国民新党、亀井亜紀子でございます。二回目の質問でございますが、前回の質問の続きから入りたいと思います。  前回の質問の最後のところで、私は一つ農業新聞からエッセーを引用いたしました。今日はそのエッセーを参考までに皆様にお配りをいたしております。農村工場の未来風景というものです。  このエッセー、私なぜ注目したかといいますと、ポイントは、農業は日々の暮らしの中にあるもので、会社や組織や効率的な経営システムには本来なじまないものだと思っているというこの玉村さんの主張があります。そして、この方は、私もそうなんですけれども、農業の経営体としてはいろいろあっていいと、効率的な大規模営農を否定するものではないけれども、数十年たったときに日本の農村がすべて、見渡す限りの広大な田畑が広がる中でコンピューターと大型機械を駆使して生産効率を上げる農業生産会社が中心になっていて、そしてサラリーマンのように若者が農業に従事し、労働時間が管理され、休日のシフトが管理されという、そういう形になっていたとしたらとても違和感を覚えますという、そういうエッセーです。  私もこれ疑問に思うことは、大規模営農を否定するものじゃないんですが、経営体はいろいろあってよいわけで、多様であってよいわけで、つまり今の効率化、大規模化というその農業の形が主流であるべきなのかどうかということがまず大きな疑問なんです。先ほど大臣も、農業も変わっていかなければいけない、今もう産業政策として農業を見ていますと。その中での今の政府の農業政策の方向性だと思うんですが、どうしても私も違和感を覚えざるを得ません。  もう一つの理由として、やはりこの大規模営農というのが日本の国土、いわゆる気候風土に合っていないと思うんですね。ですから、農業というのはやはり自然ですとかその国の気候風土と非常に密接に結び付いたもので、日本というのは国土の七割は森林です、そして平野は少ないですし、ですから、大規模営農に適したところというのは私の発想では北海道と思うんですが、先日参考人質疑のときに北海道の方が見えていて、実は北海道でも集落営農はうまくいっていないんですという発言もありましたので、ああいうところでもうまくいかないのであれば、やはり何かが間違っているのではないかと思うんです。  日本の原風景はやはり棚田ですし、中山間地で知恵を絞ってああいう形で農業を脈々としてきているわけですから、やはり今の大規模、効率化の営農という形のその方向性が本当に正しいのかどうか、もう一度大臣の所見を伺いたいと思います。

若林正俊自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(若林正俊君) 農村の原風景というお話がございました。私も農村育ちでございまして、目をつぶれば私が育った農村地域の原風景というのはいまだに鮮明にございますし、また山間へき地にも参ることが多かったわけでございますが、そういう地域の中で本当に棚田を始めとして非常に御苦労になって、農用地を保全をしながら多種多様な農業生産に従事している人たちもよく承知いたしております。  そのような日本の地形、地物、気候風土、そういうようなことは基本的に変わるわけでございませんから、そういう地域の実態、実情に応じながら多様な農業政策を進めていく、地域の実情に応じた形で政策を進めるということが基本であると思っております。  委員の御指摘のように、大規模営農というのは日本の風土あるいは気象条件からこれは無理じゃないかと、まあせめてあるのは北海道ぐらいじゃないかというお話でございますが、いやいや実は北陸地域におきましてももう二十ヘクタール、三十ヘクタールというような土地利用型農業も生まれてきておりますし、受委託を通じて中には百ヘクタールもの集団的な経営も生まれてきております。  しかし、傾斜地、先ほどお話ししました条件不利な地域、傾斜地においてそのような大型の農業を進めるというのは、これは難しいと思います。そういう地域には、地域に応じた形の花でありますとかあるいは畜産でありますとか野菜作りでありますとか、その地域の特徴、特色を生かした形でそれぞれの政策の推進が図られていると理解しております。  しかし、それにしても条件が不利であるためになかなか思うようにそれらの農業生産で自立していくということが難しい地域が一杯あることは承知いたしております。こういう条件不利地域の農業につきましては、先ほども一川議員に御答弁申し上げましたが、中山間地直接支払制度などを活用をしまして、地域が棚田を含め景観の保持のためにどういうようなことをやるか、これは地域の皆さん方の理解と同時に協力と意欲がなければできないことですから、そういう意味ではみんなの話合いの中でそういう政策が進められていかなければならないと、こう思っております。  同時に、こういう景観保持の農業というのは地域だけではなかなか難しくなってきております。さりとてお役所がこれをやるということも難しいということから、最近の特徴としてはNGO、そういうグループ活動の中でその土地所有者あるいは生産にかかわる人たちと共同してそれらの活動をしているというような動きも見られるようになってきておりまして、このことは今後の在り方を示すものとして我々も注目しなければならない、こう思っております。

亀井亜紀子民主党・新緑風会・日本

○亀井亜紀子君 ありがとうございます。  農業の形態として多様な農業があっていいと、中山間地は中山間地の農業があっていいということであれば安心できるんですけれども、これからの農業の形として、やはり地方には後継者がいないわけですし、逆に農家に生まれなかった子供がどうやって農業を始めるか、例えば農業生産会社が地方に増えていって、そこに入社することでその若者が農業に従事することができるようになると、そして若者を少し田舎に戻すような、そういう可能性がこういう大規模経営、農業株式会社にはあるのかもしれないとも思います。  ただ、私、農業生産会社についてですが、大臣は株式会社の農地取得についてはどのようにお考えでいらっしゃいますか。日本の歴史の中で、昔農地解放があって、それで農民にとって土地というのは大変な意味がありましたし、土地を獲得していったという歴史があるわけですけれども、今農業が今度は大規模化の方向に行って、その中で株式会社も出てきて、そして農地取得をもし認め出したときに、また歴史がちょっと戻っていくような、そんな気もするんですけれども、株式会社の農地取得について、個人的にどのようにお考えでいらっしゃいますか。

若林正俊自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(若林正俊君) 大変悩ましい課題だと思っておりますが、やはり農地はこれが利用されるということが大事なんですね。単に所有だけをして、そしてそれを利用しないという人がそういう利用目的でないような農地取得を認めるということはあってはならないことだというふうに思うのです。  と同時に、農地は公共財だと思うんですけれども、非常に分散して小さい農地が錯圃しているわけですけれども、有効に利用しようと思えば、それらを利用の調整をしてまとまって利用できるような方向に持っていかないといろいろな技術が生かされてこないというようなこともある、そういう特殊性を持っていると思います。  その場合に、株式会社が農地を取得をして営農をするというような場合も、間違いなくそれがきちっとできるというような制度的なあるいは現実的な担保があり、かつまた地域の他の農業者との土地利用上の調整がしっかりできるようなシステムができますれば、株式会社であるからという理由だけをもってそれを否定することはないと思うんですけれども、しかし農業というのは環境の変化によりまして大分その時々の土地利用の仕方が変わってくると思うんですね。そういう変わってきた中で耕作を放棄してしまった結果として不耕作の土地、この不耕作の土地をじゃ農業以外にこれをまた転用するというような、転売をするとか、そんなことが起こってくるということは防いでいかなきゃいけないと、こう思うんですね。  その意味で、今農地制度の改革につきまして論議をいたしてまいりまして、今かなりの詰めに入っているわけですけれども、株式会社を含め、私は、利用の面でいえば、賃貸借もありますし、使用貸借もありますし、あるいは無名契約による委託型の土地の利用の仕方もあると思うんですけれども、そういう利用の面については今の農地法制の中で決められているような規律はもう少し緩めて、有効に土地を利用するというようなことが担保されるような措置を講じつつこれは認めていったらいいんではないかというふうに私自身は今考えております。  これは各方面の有識者の意見、その他いろいろな方々の御意見をいただいておりますので、そういう意見を踏まえながら、新しい事態に対応した農地利用の在り方という観点から検討をさせていただきたいと思っております。

亀井亜紀子民主党・新緑風会・日本

○亀井亜紀子君 それでは、次の話題に行きたいと思いますが、諫早湾の干拓についてお尋ねをいたします。  私、これ先日視察に行ってまいりました。超党派の議員連盟で公共事業チェック議員の会というのがございまして、その視察で行ってまいりました。私、これを見てきた訳は、一つには、私の地元の島根県でも以前中海の干拓事業というのが計画をされまして、結局無駄だということで中止されましたけれども、あれをもしやっていたらどういうことになったのだろうかと。諫早湾はかなり報道もされましたから、いろいろ紆余曲折あった中で最終的に造ってしまった、完成をしたわけですけれども、それがどんなものであるのか自分で見たかったんですね。もう一つ、先ほど大規模営農について質問いたしましたけれども、元々広大な土地が日本にはないわけで、これはかなりのお金を掛けて農地を造ってしまったわけですよね。ですから、総事業費が二千五百三十三億円、これで潮受け堤防と約七百ヘクタールの広大な農地を干拓して造ったわけですけれども、それがどういうものであるのか、自分の目で見てまいりました。  この事業は農業の問題でもあり、そして漁業の問題でもあります。今分けて考えたいんですけれども、まず農業について伺います。  これだけのプロジェクトをやったわけですから、漁業被害出ていますけれども、何かしらメリットが出てこないとやはり意味がないわけですし、少なくとも農業者にとっては良かったと思いたいわけです。  それで、その干拓地に立ってみました。今回、私、参考資料で五枚ほど写真をお配りいたしましたけれども、一番下の写真が中央干拓地です。どのぐらい広大な土地であるか、北米のプレーリーかと思うぐらい広大な土地なんですけれども、イメージとしてお分かりいただけるかと思います。  この土地の利用ですけれども、いろいろと問題がありまして、大規模営農をこれから長崎県は進めていきたいわけですけれども、幾つか問題がございます。  一つは、地盤が、これ干拓地特有だそうですけれども、軟弱なんですね。ですから、端的に言えば、大型機械による耕作には向かない土地なんです。地盤が軟弱で、例えば三年前にも、試験栽培中のジャガイモを重さ五トンの大型機械で収穫しようと思ったら車輪が地盤にはまってしまって立ち往生したという、そういう事故があったそうです。ですから、広大な土地で、これは大型機械でないと耕作できないわけですけれども、そういった地盤ではないということ。そして排水が悪く、まとまった雨が降ると本当に機械を畑に入れることができない。九州は台風も多いですし、雨が多いので、実際にそういった状況になることは多いことも予想されております。  また、ここで効率的な大規模営農が始まったとして、ここでできた大量の作物が地元に出回った場合に、従来の農家が困ってしまうと。つまり、低コストの作物が出回ると周辺の市場が値崩れを起こしかねないので既存の農家が太刀打ちできないといって困っているという、そういう現状もあります。  また、費用対効果ですけれども、このプロジェクトで農地ができて作物生産などによる総便益が得られたとして、費用対効果が〇・八一なんですね。ですから、百円の投資をして八十一円しか得られないという、そういう事業であるということ。  それからもう一つ心配されていることは、ここの干拓地に入りたいという人の中で、既にある程度規模の大きい農業をしていて、ただし農地を転々と持っている人が集約をしてここで始めたときに、逆にその周辺に、今までのところが遊休、耕作放棄地になってしまうと、そういう心配も今現地で起きているんですけれども、そういったことを総体的に考えたときに、このプロジェクトについて大臣どのように思われますでしょうか。

若林正俊自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(若林正俊君) さて、この諫早干拓についておっしゃられた御指摘は、当初、議論を始め、事業に着手するための調査段階から、そして今日ほぼ完成をしました、その後、営農をどうしていくかという全体にわたって、現地まで行かれていろいろ調査をされた、そういう中で問題を整理をされたことだと思いますが、限られた時間でこの干拓事業の、特に諫早干拓について委員に御納得いただけるように御説明するというのは大変難しいことでございますので、大筋についてお話を申し上げますが、そのような御関心を持っていただくことは有り難いことでありますので、この事業を担当している者から、また委員の御都合をお伺いして御説明をさせたいと思います。  しかし、是非御理解いただきたいのは、この諫早湾の干拓事業というのは、元々この長崎県、平たんな農地が乏しいわけでございまして、大規模な優良農地というのがない土地柄でございます。しかし、そこで農業をやっている人たちは、もう何とか農業の規模を拡大する農地を欲しいという、そういう強い願望が長いこと歴史的にもあったところでございます。それからもう一つは、ここは背後地が低い土地でございまして、高潮の被害とか洪水、そして常時の排水不良といったようなことから防災機能に対する要望も非常に強くて、農業だけではありません、その地域に住んでいる人たちからも堤防を、しっかりとした堤防を造って安心してそこに住めるようにしてもらいたいという、そういう要望が非常に強かった地域でございます。  そういう意味で、昭和六十一年に事業に着手をし、今年度末には完了予定というところまで進んでいるわけでございますけれども、この諫早湾地域では本当に度重なる水害によってずっと被害を受けてきた歴史がございます。しかし、平成十一年に潮受け堤防を完成をいたしました。ごらんになってこられたと思います。この潮受け堤防を完成して以来、台風とか大雨の際にこの潮受け堤防設置の事業の効果が顕著に現れておりまして、防災効果というのははっきりと現れております。そして、平成十七年の台風十四号、これは諫早湾が直撃されたわけでございますが、それが来襲したときにも高潮を防止する効果が発揮されまして、地元からは本当に感謝されております。そういう地元の人たちから、本当によかったというような感謝のお手紙も大臣あてにその時点でいただいているというところでございます。  この干拓地は、そういう意味で、農業生産の生産地を拡大するというだけじゃなくて、防災的な役割を果たすということを併せ行うような形でこの干拓事業が行われてきたということをまず御理解いただきたいと思います。  そして、この干拓地につきましては、本年八月に、長崎県の農業振興公社が入植をするといいますか、ここで営農をする人の希望を募りましたところ、新たに造成をする農地面積が六百八十ヘクタールあるわけですが、その一・五倍に当たる九百九十六ヘクタールの応募が寄せられております。  これらの応募した方々に土地の条件、今おっしゃられた、雨が降れば軟弱で大型機械が入らないかもしれない、それは土地によって違うんですけれども、そこで営農をする人たちにはその土地条件も十分御説明もした上で、それに合ったような形の営農をするということをしっかりと納得の上でこの土地を利用するようにしていただかなければいけないと思うんですね。話が違うといったようなことになって後でトラブルが起きるようなことがあってはならないと、こう思っております。  そして、この二十年度からは営農が開始されることになるわけですが、一気に、絵にかいたような形で大型営農がそこで直ちにすべて展開するというようなことは農業の特性からいって難しいですよね。ですから、そこに入った人たちと営農指導をする普及事業などとがしっかりと連携を組みながら、現実に即して着実な営農が展開されるようにしていかなければいけないと思います。  なお、御指摘になりました、ここに入る人が前持っていた土地を荒らしちゃうんじゃないか、耕作放棄するんじゃないかということでございます。これは営農、ここに入る農家を選定するに当たって、そういうことがないように、今までの土地が利用可能な土地である限り、周辺で希望する人たちにはこれをあっせんをして、その人たちが利用できるような形で、全体としてやはり農地の有効利用が図れるようにするということは大事なことだと思っております。

亀井亜紀子民主党・新緑風会・日本

○亀井亜紀子君 この干拓農地の問題についてもう少し続けたいんですけれども、現地に行って思ったことは、事業は終わりましたけれども、この諫早の問題、農業にしても漁業にしても、全くこれで工事が終わったからといって終わっていないんだなということなんですね。  農業に関しては、今、現地で県を相手に公金支出差止め訴訟というのがあると知りました。これは、この干拓農地に対して、長崎県農業振興公社が国から一括して約五十一億円で買い取って、これをこれから営農者に貸し付けると。これは五年リースで貸す予定であって、貸付料というのは、当初の五年間は十アール当たり一万二千円から一万七千円、それ以降は二万円程度になるということなんですが、五十一億円で県が買い取ると、で、県民にその税金が戻ってくるのが九十八年後というような計算でして、これは地方財政の健全性から考えてやはり違反であると地域の人が今、長崎地裁に訴えていて、今月十七日に判決が出るそうなんですが、この判決によっては、来春から営農者が入る予定ですが、それが例えば遅れてきたりですとか、何かしら影響があるのではないかと思いますし、全くいわゆる諫早問題というのは農地だけ見ても第二ラウンドに入っているんじゃないかと思うんですけれども、その辺、現状を御説明いただけますか。

中條康朗農林水産省農村振興局長

○政府参考人(中條康朗君) 県が農地のリース方式を取っていらっしゃることについての御質問でございます。多少専門的な話になりますので、私の方からお答えをさせていただきたいと思います。  委員御指摘のとおり、県の方では、立ち上げのときに営農が確立するまでの間、リース方式を取りまして、なるべく初期投資がその入植された方々に大きな負担にならないようにという配慮で営農の定着をまずは志向されておるようでございます。それにつきましては、県の方も、是非この地域を環境保全型農業の先進地といいますか、そういう地域としてのブランド化をしたいということ、それから、農地の配分をする場合に、せっかくの大規模な農地でございますから、これを細分化して配分するのではなくてある程度まとまった形の配分をしたいということ、こういった配慮もあるというふうに聞いております。  もちろん、今各地方公共団体、財政は厳しいようでございますけれども、そこは県の方も、議会等も含め十分検討された上でのこの制度の導入を今図られているということというふうに聞いております。

亀井亜紀子民主党・新緑風会・日本

○亀井亜紀子君 裁判は裁判なので、判決がどうなるのか見守りたいと思います。その結果によってやはり多少影響は出てくるのではないかと私は思っております。  今度、この干拓事業に関する漁業被害の方に話を移したいと思います。  私、自分の目で見てまいりまして、この上四枚の写真ですけれども、まず左上が潮受け堤防の北部排水門、これが今全部ぴしゃっと閉まっているわけです。この排水門の左側が調整池になります。右側が有明海側です。そして、その潮受け堤防のすぐ下のところなんですけれども、調整池内にアオコが発生しているのがごらんいただけるかと思います。  そして、二段目の左の写真ですが、これは潮受け堤防です。全長七キロということで、この長さ、広大さというのがイメージとしてお分かりいただけるかと思いますが、この途中から調整池内の淡水が有明海側に、海に排水をされています。もう少し近づいて写真を撮ってみると、海が変色しているのがごらんいただけると思います。調整池内、アオコがたくさん発生していまして、それが一日に十トンという量で排出をされているわけです。これが今現状なんですね。  この水門が閉まっているということ、この干拓事業と有明海で今起こっている漁業被害の因果関係について農水省はまだ認めておられないですし、科学的なデータがそろうのはしばらく先であろうと思います。ただ、いわゆる素人がこれを見て、やはりこれだけ排水を、この汚い水が有明海にばんばん出されているのを見たときに、何も影響がないだろうと考えるのは不自然な気がいたします。  まず、若林大臣は現地にいらしたことはおありですか。

若林正俊自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(若林正俊君) 農林水産大臣になる前に現地、一度見ております。しかし、農業生産という観点よりも、先ほど言いました地域防災的な視点も含めて全体を見させていただいたというような観点でございまして、その意味では、今委員がいろいろ問題出されております、そういうようなことを見るために出掛けていったということはございません。

亀井亜紀子民主党・新緑風会・日本

○亀井亜紀子君 この干拓事業の目的が途中から防災ということになって、農地造成ではなくて防災ということになって続けられて完成したということは私も承知しております。防災の機能は、もちろんこれだけ大きい潮受け堤防ですからあるはずですし、高潮のときですとか台風のときですとか、閉めればそれなりの効果は発揮すると思うんですが、私はふだんの気象条件のときのことを今考えておりますが、やはりふだんは、この水門をやはり手遅れになる前に開けて調査を、中長期的な調査をする必要があるんじゃないかと私は思っています。何年か前にこの干拓問題というのはノリの不作で取り上げられて報道されて有名になったわけですけれども、実はこれ、ノリの問題ではもうないんですね。有明海一体の漁業がもうおかしくなってきてしまっていると。  今までの流れですけれども、一九八九年に事業が着工したとき、このときには、この諫早湾内の漁師はタイラギという二枚貝が取れなくなったといって騒いでいたそうですけれども、湾外の人たちは特に影響はなかったので何も言わなかった。それが、九七年四月にこの潮受け堤防が閉め切りをされて初めて湾外に異変が起きた。そして、ノリの不作が起きて、漁民が海上デモをしてかなり報道をされました。その後で、工事が続けられる中で、やはり反対反対と唱えていてはしようがないからということで漁業関係者も割れてきて、また漁業収入も落ちているので、逆にこの干拓事業に加わって公共工事を請け負って、そこで生活費も稼いでという方向に転換していった漁業関係者がいて、彼らも二分されてしまいましたし、そういう中で完成したこの堤防なわけですけれども。  今、工事を推進して干拓事業に加わった人たちも、工事が完成したらまた漁業に戻ろうと思っていたようなんですけれども、完成してみたら漁業そのものが壊滅的な打撃を受けていて、やることはないしどうしようという状態にどうもなっているようです。今年、例えば十月までに、カキの養殖、これは潮受け堤防排水門のすぐ外側でやっていたものですけれども、九割が死滅してしまいました。また、アサリの養殖ですけれども、今年の八月に全滅です。  秋に見られる赤潮というのが規模が要するに大型化しておりまして、この原因としては、やはりこの堤防のせいで潮流が弱まったので、河川が流れ込んでいるんですけれども、その淡水と海水が前よりも潮流が遅くなった関係で混ざらなくなったから海が酸欠状態になって赤潮が大型化しているということが今研究者の間では指摘をされております。  それから、この調整池ですけれども、この底から取った土、海底が早い話がヘドロ化しているんですね。ですから、表面にアオコが浮くだけではなくて、海底がヘドロ状態になってきていると。ですから、今この干拓事業というのは、完成後、新たな漁業問題と環境問題に私はもう姿を変えてきてしまっていると思います。  日本は来年、洞爺湖サミットを主催いたしますし、その中で環境というのが大きなテーマになっているわけですけれども、その一方で干潟だった海を埋め立てて、まあ埋まってしまったものはしようがないですが、さらに、常にこの巨大な堤防で仕切って、その内側の淡水のところは海底がヘドロ化して、アオコはどんどんどんどん湾に放出されて、漁業がかつてと比べると三、四割しかもう収穫できなくなっていると、その状態というのはやはりどう考えても私は問題があると思います。  農水省が何かを変えるということよりも、これはどちらかといえばもう政治的な判断が必要なレベルに来ていると思うんですけれども、水門をやはり開けて中長期的に調査をする、その必要性について大臣はいかがお考えでしょうか。

若林正俊自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(若林正俊君) 諫早湾干拓につきまして、堤防の排水門を開放して調査をしてはどうかという、そういう御意見でございますが、このことにつきましては度々当委員会においても論議がなされてまいりました。しかし、漁業者との関係では、この漁業被害の因果関係をめぐりまして漁業者との間で訴訟もなお係属しているようなこともございます。  しかし、中長期のこの開門調査につきましては、これは十分な対策を仮に講じたとしても予期しない被害が生ずる可能性はあるわけでございます。また、その調査に長い年月を必要として、その成果はやってみなきゃ分からないといったような、そういうこともございますことから、平成十六年五月に農林水産大臣が、当時の判断といたしまして、中長期開門調査に代えて有明海の再生に向けた調査、現地調査、現地実証などを実施するということを決めておりまして、その判断に基づきまして各種の調査が行われているわけでございます。  このような形で、有明海の漁業との関係、有明海を再生していくということについての調査事業あるいは現地実証、これらについては今後も引き続き積極的な取組をしてまいらなければならないと思っておりますが、そういうことを続けることによって有明海の実態の解明と再生を図ってまいりたい。そして、委員の御提案がございました中長期の開門調査ということは、今申し上げましたようなことから、かつて十六年にいたしました判断を変えるつもりはございません。

亀井亜紀子民主党・新緑風会・日本

○亀井亜紀子君 この質問はもうこれで終わりにいたしますけれども、農水省のお答えというのもある程度は想定をしておりまして、なぜ開門できないかという理由として、一つは農地に海水が入ってしまうと。堤防の内側の淡水というのは農業用水に必要なのだということですけれども、現地に行って分かったことは、あの広大な干拓地に必要とされる水は調整池から取られていないということですね。ですから、アオコが発生して、あれだけ汚い水をかんがいに使うのかというので私も非常に不安に思ったんですが。  調整池に川が流れ込んでおりまして、その川の河口のところ、まだ混ざる前に手前でくみ上げて、その水を干拓地に回していますから、調整池に、それであれば水を、淡水をためておく必要がないのではないだろうかと思いまして、現地の農水の関係者の方とかに伺ってみましたら、実際には使われていないということも分かりましたし、また、水門を開けたときに水圧の関係であの堤防が壊れてしまうというような論理も農水省の方であったようですけれども、水門の内側と外側と、いわゆる海面が一定になったところで開ければ特別な圧力も発生いたしませんし、技術的に可能だということも聞いておりますし、それも素人でも分かることですので、結局今想定しなかった状況が、ですから、門を開門したときに想定できないような被害があるかもしれないとおっしゃいましたけれども、今、有明海で起きていることがそれこそ想定できないような被害でありますので、私は、できるだけ早く大臣も現地をごらんになって、手遅れになる前に開門調査をしていただきたいと強くお願いを申し上げます。  それでは、次の質問に移らせていただきます。  食料自給率についてですが、先日、給食の話題が出たことを私覚えておりまして、私が子供のときは給食はパンでした。あのころは学校で、小麦はほぼ一〇〇%輸入されている、米は自給率が一〇〇%で、でも給食ではパンが毎日出てくる。それをすごく不思議に思っていたんです。今は、週五日ある中の二・何回か、数字は忘れましたけど、三回弱は出てきているということですが。  例えば米の需要を増やすという意味で、公立校に給食は御飯にしなさいというように、強制というんでしょうか、国は、何というんでしょう、国の政策として強く言うことというのはできないんでしょうか、伺いたいんですけれども、よろしくお願いいたします。

若林正俊自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(若林正俊君) 子供に対する給食につきましては、余っているから、あるいはまた米がいいから必ずこれを食べろというのを教育現場に押し付けて、父兄の負担もあるわけでございますが、そういうのを法律上強制するということについてはいかがなものかと私は思うのでございます。  この日本型の食生活を将来にわたっても定着をさせ、そしてさらに多様な食材を楽しむことによりまして豊かな食生活ができていくということは非常に大事な、本当に大事なことであります。食育基本法なんかもそういう趣旨ででき上がったものと理解をいたしているわけでございます。  そういう中にありまして、できるだけ日本型食生活の基本であります米の消費というものが確実に増えていくというような展望が描ければ非常に好ましいことだというふうに思います。少なくともこの低下傾向に歯止めが掛かるということが大事なことだというふうに考えておりまして、その意味では、食育と一体的な取組として米の消費拡大を図っているわけでございますが、米飯学校給食は今、週三回ということに平均的になっております。そして、これの、二・九という計算になっていますね。ですから、これが三回確実に実現をされることに向かって働き掛けを強化いたしておりますが。  特に、都市部におきます米飯学校給食のフォーラムなどを開くということでありますとか、御飯食による生活習慣病の予防効果を啓発する食育健康サミットといったようなものを開催するとか、最近テレビでも放映していますが、テレビコマーシャルなどを活用した食事のバランスガイドの普及啓発とか、そんなことをやりまして、親たちもそれを理解すると、食材の負担は親が負担していきますからね。そしてまたPTAが、どういうメニューでやるかということも、親のかかわり合いが深いわけでございます。そういう意味で、それらの諸活動を通じまして、この学校給食もしっかりと定着をして米飯に子供たちがなじんでいくような、そういう教育効果が出るように更に一層努力をしなければならないと、こう思っております。

亀井亜紀子民主党・新緑風会・日本

○亀井亜紀子君 先日、給食で米飯を拡大しようと思うけれども、なかなか思うようにいかないというような御発言があったような気がいたしまして、それを阻害するものといいますか、なぜだろうというふうに思いまして、一方でまた、簡単にもうパンが買える時代ですから、給食でお昼一回御飯が毎日出てきたところでそう問題にならないのではないかというような気もいたしまして、それで質問させていただきました。  次に、転作についてなんですけれども、現実問題として、減反をしたり転作を奨励しても転作が進まないということがあります。それは、米の代わりに作るものが見当たらないという問題なんですね。その結果、やはり遊休農地が増えてしまうということが現実には起きてきたと思うんですけれども、やはりこれはちょっと見直す必要もあるのではないかと私は思っております。  つまり、どちらかといえば転作というよりも水田維持に補助金を出して、いざというときにすぐに米が、非常事態のときに増産ができるように水田維持管理のために補助金を出す方が、転作を奨励して遊休農地が増えるよりも現実的なのではないかと思うんですけれども、その辺りどのようにお考えでしょうか。

岩永浩美自由民主党農林水産副大臣

○副大臣(岩永浩美君) 米生産農家にとって生産調整は自ら進んでやりたくないというのはもう当然のことだと思います。しかし、議員が御指摘いただいているように、今需給のバランスが崩れていることについては御理解をいただけると思います。これ以上過剰米が出てきて生産者米価が下がっていくこと、それは農家にとってプラスになることじゃないことは言うまでもありません。そういうことを考えて、現在、生産者と生産者団体がその銘柄の米をどの程度生産するか、そういう点について主体的に決定をしていくことが一番まず大事なことだと私は思っております。その上で、豊作による過剰米については、現在行われている集荷円滑化対策において、主食用米などの市場から隔離して区分保管して、米粉パンとかそういうふうなものに活用をしていることはもう御承知だと思います。  そういう点で、今回、国としても生産調整を円滑にやっぱり進めていくために、先ほど委員からも御指摘いただいたように、水田を今後やっぱり維持していくこと、そして水田を活用していくこと、そのことがいわゆる棚田を保全していくことにつながっていきますから、そういうことも踏まえて、新規需要米の一つの制度として、やっぱり米以外の例えば飼料米とか加工用米にしていく、そういう一つの新規需要米の制度として利用しやすいようにその仕組みを改めて今後検討していこうと、こういうふうに政府としては考えておることを御理解をいただきたいと思います。

亀井亜紀子民主党・新緑風会・日本

○亀井亜紀子君 ありがとうございます。  農業については以上でして、先日、地元の町長とも話したんですけれども、やはり中山間地への直接支払というのは非常に助かると、棚田が維持できるのも中山間地直接支払というのがすごく大きくて、逆に山間地の農業をつぶそうと思ったらあれをなくせば一番手っ取り早いということを言われましたので、是非拡充をお願いいたしたいと思います。  最後に、時間なくなりましたけれども、森林、造成林についてお伺いをしたいと思います。  昨今、杉の造成林が大分社会問題化しているようでして、緑の砂漠という言葉も私初めて耳にいたしました。杉林というのは根が深く張らないので、土砂崩れが起きたり、そしてその結果として、大雨が降ると土砂崩れが起きて杉の流木が大量に流れ着くというような事態も発生しているようですし、また下草が生えなくて、要するに地面が真っ暗で緑の砂漠と言われているようですけれども、そういった問題が発生しております。また、杉の花粉のこともありますし、山から広葉樹が減ったことで鳥獣被害が起きていると、鳥獣が里まで下りてくるということ、これみんな関係していることだと思うんですけれども。  杉の人工林の割合、これは全国の森林面積に対して杉人工林というのは大体一八%ですけれども、植林、人工林の中の杉の割合というのは大体四〇%ぐらいはございます。ですから、この数字からいってもかなり杉に力を入れて過去に植林をしたということなんですけれども、今になってやはりこの偏りについて問題が出てきていると思います。  今各地で起こっている土砂崩れですとか緑の砂漠と言われる問題について、今後どのように対策を講じられる御予定でしょうか、お聞かせください。

辻健治林野庁長官

○政府参考人(辻健治君) 杉につきましては、我が国の固有の針葉樹種でございまして、形質がすぐれて加工しやすいといったことから、古くから我が国の主要な造林樹種というふうになってございます。また、戦後からの復興あるいは経済発展に伴う木材需要に対応するということから積極的に杉を植えてきたわけでございまして、今先生のお話のように全国で約四百五十万ヘクタールの杉の人工林が造成されてございます。  一方で、花粉症の問題だとかあるいは野生鳥獣の被害の問題だとかいった問題が生じているわけでございますけれども、杉の人工林につきましては、京都議定書の森林吸収目標、これ六・六%の削減のうち三・八%は森林吸収で確保するということになってございますので、このためには森林の手入れをしなければいけないといったことで、今年度から第一約束期間の六年間にわたりまして、現在三十五万の間伐をやっているわけでございますけれども、更に二十万追加いたしまして毎年五十五万の間伐を推進をしていこうというふうに考えております。  それからもう一つ、昨年の九月に閣議決定いたしました森林・林業基本計画では、奥地の例えば傾斜のきつい杉人工林につきましては広葉樹林に誘導していこう、転換をしていこうといったような方針を打ち出しておるところでございまして、そういった広葉樹林に転換するようなことの取組を進めることによりまして、多様な森林整備の推進に努めてまいりたいと思います。

亀井亜紀子民主党・新緑風会・日本

○亀井亜紀子君 以上です。

金子恵美民主党・新緑風会・日本

○金子恵美君 民主党・新緑風会・日本の金子恵美でございます。よろしくお願いいたします。  まず、品目横断的経営安定対策と農地・水・環境保全向上対策の農業従事者をめぐる政策的逆行性について質問をいたしますが、現在与党内でも見直しのための作業が進められているようですけれども、この品目横断的対策、先ほど来ありますけれども、大規模・中規模農業経営体を政策的に育成して、そして早急に農業の経営規模拡大を図る、それによって結果的には零細中小農家の離農を促し、農業従事者の減少やむなしとする考え方であるというふうに思われます。一方、農地・水・環境保全向上対策は、農業従事者を中心に、非農業者、都市住民、そしてボランティアなどをも巻き込んだ農業生産基盤維持活動の組織化を促し、その活動に交付金を交付するものでございます。言わば農業関連事業に関与する人口を増加させようとする、そういう政策であります。大臣もこれまでの質問の答弁の中で、この両方の政策が相まって我が国農業のあるべき姿が形成されるというようなことでおっしゃってはおられました。しかし、片や農業従事人口を減少させる政策、そしてまた片や農業活動に人を呼び込もうとする政策でございます。ここで矛盾が発生しているわけでございます。  農村地域は高齢化や過疎に悩まされております。そして、集落機能が失われつつある限界集落が確実に増え、そして消滅する集落も散見される状態にございます。この時期にあえて農業従事者を政策的に減少させる、このようなおそれの強い品目横断的経営安定対策を強引に進めることには賛成できません。住民にとって、農村部は生活する上で利便性が優れている場所ばかりではなく、むしろ不便な場合が多いとも言えます。そうした場所でも生活し続けるのは、生業としての農家に従事し、生きがいを感じられる要素があるからではないかというふうに思います。  そこで、大臣にお伺いいたします。  我が国の農業生産基盤は水田が中心であります。先ほどもおっしゃっていらっしゃいました。取水堰、そして水路、農道等の維持管理には多くの人手と費用が掛かりますが、農業従事者であれば率先してこの農業生産基盤の維持管理に当たります。しかし、離農すればその意欲は急速に失われるということになります。農業生産基盤の維持管理のための人手不足が心配されないでしょうか。その意味からも急速な農業従事者数の減少を避けるべきであり、現在の品目横断的対策の基本的な考え方を改めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

若林正俊自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(若林正俊君) まず先に申し上げなければなりませんが、政策として農業就業者の数を減少させるということを政策目的にしているようなことは決してございません。人間が幸せに生きていくためにどのような生活を望んでいくかということにつきまして、それぞれの方々が、ある人は所得の拡大を望んでいく人もいるでしょう、ある人は大都会の生活にあこがれて出ていく人もいるでしょう。しかし一方、やはり農村が持っております自然の美しさとかあるいは伝統文化、そして深い人間関係、そういうようなことに喜びを感じ、生きがいを感じて、その地域で頑張っているという選択もあるでございましょう。  ただ、全体の経済の成長、発展につれまして、やはり一定の所得の拡大、所得を上げていきたい、あるいはまた都会の生活を自分としては希望するというような人たちが年々ずっと拡大をしてきて農業就業人口が減少してきたという、その流れというのはあるわけでございます。  しかし、一定数量を超えて就業者が減っていくということは農業生産自身にも大きな負担になり、生産の目的が達せられなくなりますから、我々が農業就業人口、就業者を減らしていこうというような政策目標、政策課題は持っていないということをまずお話を申し上げておきたいと思います。  そしてまた、日本の農業は、前にも一川委員などにもお答えいたしておりますが、非常に大きな変化を来しております。かつてのように作れば売れるというような、そういう食料需給の状況ではなくなっておりまして、需要に合わせたものを作っていかなければ、その作ったものの価格は大変低落をしてしまうと。そういう意味で需要に応じた生産を拡大していくという方向が求められているわけでありまして、経済活動としての農業生産というのは、やはり需要に応じた形で多様化をし、そしてまた消費者の需要に即したような高品質の生産をしていかなきゃいけない時代になってきていると思うんです。  もう途中を省略して申し上げますと、そういうことを担うこの担い手というものがしっかりしていないと食料の供給力というものは維持できないというふうに考えているわけでありますが、そういう担い手だけで農業ができるわけではない。その担い手が農業をやっていけるためには、周辺の理解と協力と、そしてまたお互いの支え合いというのが必要なわけですね。同時に、農業の多面的役割、こう言われてきておりますけれども、種々の役割を果たすのは農村社会が元気が出る状況にしておかなきゃなりません。  その意味で、基本法でも定めておりますけれども、食料供給産業としての農業の担い手をどう進めていくか、こういう政策と地域の振興として農村を力強く元気なものとしていくためにする政策と二面性があるわけでございまして、そういう意味では両面を車の両輪として推進していくということが求められているということを是非とも御理解をいただきまして、生産対策だけで農村地域の活力が維持できるというものではないというふうに、我々もそのように考え、各種の施策を推進しているところでございます。

金子恵美民主党・新緑風会・日本

○金子恵美君 今おっしゃっていただいたわけですけれども、結局は絞り込んでいるということで、小規模農家というのを切り捨てているという状況じゃないですか。それで、担い手の育成ですけれども、それを補完するために農地・水・環境保全対策をやっていくということで、それが車の両輪なんですけれども、でも、とにかくその車の車輪のバランスが悪くて車が走り出さないような、そんな状況になっているわけでございます。  実際に、政策的に減少させる農業従事者を非農業者や都市住民、ボランティア等で政策的に補おうというふうにする、そういうものが農地・水・環境保全対策だというふうな言い方をなさっているように思われますけれども、ただ、これは一定のもちろん評価を得ているというふうに思います。それは地域の政策的には一定の評価を得ることはできると思いますが、しかし非農業従事者であるそうした人々が長期間にわたって農業生産基盤の維持管理作業に従事するという保証はないわけでございます。それは大変技術的にも難しいことではないかと思いますし、また反対に少数の農業従事者に負担が掛かってしまうということにもなりかねないというふうに危惧いたします。このお答えは結構でございます。堂々巡りになると思います。しかし、まず先ほども申し上げました農地・水・環境保全対策、一定の評価は得ていると。しかし、ただ問題点もございます。  そこで、農地・水・環境保全対策の予算措置についてお伺いしたいと思います。  本対策は、十九年度予算が、国では三百三億円ということでございますが、その内訳は国五〇%、そして地方五〇%の負担割合というようなことになっているということでございます。政策目標としては、五年後の二十三年度に農業振興地域内の農用地のおおむね半分程度、約二百万ヘクタールが本対策の対象になることを目指すということでございます。  この対策は、各地域での実施主体となる地域協議会が、都道府県、県内ブロック、市町村単位を合わせれば全国すべての地域で設立され、その数は今百三十一に上り、また活動組織も一万七千余りに及び、取組面積も百十万ヘクタールを超えていると、正確に言いますと百十六万ヘクタール近くということでございます。これは八月の三十一日現在の数字でございますが。  しかし、この対策なんですけれども、やはり地方財政が逼迫している中、当初から地方負担分が五〇%あるということで当該地方の財政状況によって申請が左右されるのではないかと懸念されていました。今年の三月十三日の予算委員会で当時の段本議員が、また同月十五日の十九年度予算の委嘱審査を行った農水委員会で松下議員がこの点について農水大臣及び総務省、農水省にただしたところ、本対策の地方負担分については、その大半を普通交付税及び特別交付税で手当てすることから財政上の心配はない旨の答弁がなされました。  そこで、現状と今後ということで大臣にお伺いしますが、まず十九年度の活動組織、取組面積、そして活動内容等の採択実績について、政府としてはどのようにとらえているのでしょうか。趣旨はすばらしいが申請目標を達成できないということで、この問題点があるからではないかと思われますけれども、いかがでしょうか。

若林正俊自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(若林正俊君) 農地・水・環境保全向上対策につきまして、政策目標としては、平成二十三年度までに農振農用地のおおむね半分、二百万ヘクタール程度を対象に実施しようということを掲げているところでございます。  そういう目標に対しまして、本対策の実施状況につきましては、委員がお話ございましたように、全国で百三十一の地域協議会が立ち上がっておりまして、百十六万ヘクタールの農地を対象に約一万七千の活動組織が立ち上げられております。また、農地、農業用水の資源を適切に保全するための活動にも積極的に取り組み始めているわけでございまして、私は初年度としては順調な取組が始まったというふうに考えておりまして、今後とも施策の更なる浸透を図っていきたい、このように考えております。

金子恵美民主党・新緑風会・日本

○金子恵美君 初年度としてはまあまあではないかというようなお答えだったんですが。  それでは、申請期限を当初は八月の三十一日までとしていたということでございますが、これをやむを得ぬ理由で申請できなかった市町村に対して十月の三十一日まで申請期限を延長したということを伺っておりますが、その理由はどのようなものでしょうか。

中條康朗農林水産省農村振興局長

○政府参考人(中條康朗君) お答えいたします。  この対策は本年度から本格導入したわけでございますけれども、この前に、十八年度に全国でおよそ六百地区を対象にモデル的に事業として実施してまいりました。したがいまして、本年度から本格導入しましても恐らくはスムーズに実施ができるのではないかというふうに考えておりまして、それで関係機関に対しまして当初八月三十一日を期限として採択申請手続を速やかに進めるよう指導してきたところでございます。  しかしながら、本対策が、取り組む意欲があって、なおかつその活動組織が既に設立されておって、採択に関する準備が整っているにもかかわらず、地方公共団体の団体負担分の予算措置が九月議会の補正予算で行わなきゃならない、この予算の成立を待たなければならないというふうな事情等もございまして、それでやむなく採択申請の提出期間を八月三十一日からおよそ二か月間延長させていただいた、こういう事情でございます。

金子恵美民主党・新緑風会・日本

○金子恵美君 実務的なところで、地方財政の中で、地方自治体の中で九月議会を待たなくてはいけないというような手続上の問題もあったのかというようなことで、理由があったのかということだというふうには思うんですけれども、ただ一方では、その地方負担分の財政確保というのが難しいということで、なかなか申請目標に達することができない。初年度とはいえ、目標の半分程度と低調であったからこそ、やはり申請期限を延長したのではないかということも言えないでしょうか。  そしてまた、例えば新聞の記事などをちょっと申し上げますと、日本農業新聞十一月の三十日に出ていた記事なんですけれども、財政難で支援が限定された、農家が裏切られたというふうに言っているというまた記事や、少し前に戻りますけれども、八月の三日の日本農業新聞、やはり自治体財政難響く、面積、計画の半分と、こういうことも。ついでに、国の予算が消化ができないんじゃないかというような見出しまで書いてあるわけでございまして、この八月の三日から考えますと、やはり八月の三十一日の締切りでは、このままでは本当に国の予算消化できないという、事業として成り立たっていかないというふうな思いがあったのかとも思われますけれども。  もう一つのその理由としまして、やはりとても手続上制度が分かりにくいということや、周知徹底がされていなかったということもあるとは思いますが、その中でちょっと一点確認をさせていただきたいんですが、今年度から五年間の予定で本格実施されるということでございます。今年申請しなかった、そういう組織、来年度また新たに申請をするということもあると思います。二年度目となる来年度についても申請を受け付けると、そういう予定であるというふうに伺っておりますが、そういった場合に、これは二年目からということですので、四年間でこの助成というものを打ち切るということになるのでしょうか。あるいは、申請して丸五年間の助成を受けることができるのかという、その辺のところが少しあいまいですので。  といいますのは、結局、その限られた期間の中でこういう活動をしていくということで、反対に活動自体が中途半端になってしまうだろうと。あるいは、例えば三年目にも申請をすると、それを受け付けることになれば、三年間助成を受けるということになりますけれども、実際にこういった事業はその限られた時間の中で実施できるのかどうなのかということで心配して、反対にもう申請をしないと決めているところもあるかもしれないと思いますので、その辺のところをお聞かせください。

中條康朗農林水産省農村振興局長

○政府参考人(中條康朗君) 本対策につきましては、平成十九年度から平成二十三年度の五年間の対策として開始したものでございまして、この期間の対策の実施を通じまして共同活動が実践され、そしてまた将来にわたって永続的な活動として定着するであろうということを目的としているものでございます。したがいまして、来年度以降に開始する地区でありましても、平成二十三年度までは今年度開始した地区と同様、交付金が受けられることとなります。そういう意味では、委員御指摘のとおり、二十三年度までの交付ということになります。  平成二十三年度以降の対応につきましては、本対策におきましてどのような体制ができ、どのような共同活動を行ったのか、しっかりと検証と評価を行った上で決定をされるべきものというふうに考えておりまして、事業制度としましては二十三年度までのものということで想定をしております。

金子恵美民主党・新緑風会・日本

○金子恵美君 次に参りますけれども、先ほど申し上げました地方負担分について、先ほども言いましたように政府は普通交付税と特別交付税で手当てをしたということで、十分賄える旨の答弁がなされた経緯がございます。地方負担金は二分の一について普通交付税により算定、そしてその残りについては市町村について七割、そして都道府県については五割が特別交付税で措置というふうになっています。にもかかわらず、申請実績が目標の半分程度にとどまった。それが地方負担分の手当てが不十分だったからではないかというような、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、そういう新聞での報道もなされているわけでございます。  また、もう少し言いますと、環境保全型農業への取組が予算不足でできないという例も実はありまして、これは環境保全米の全県運動を進めている宮城県でのことなんですが、先ほどもちょっと申し上げました日本農業新聞の十一月三十日の記事なんですけれども、共同活動は今年度はしているということ。しかしながら、来年度この上乗せになります支援を申し込もうとしたところ、もう財政的に困難であることから断られたということであるということで、環境に優しい農業を行う人たちの支援をするこの営農支援というのは行わないと言われてしまったということで、せっかくエコファーマーの資格まで取られまして頑張っていらっしゃる方々に対しての支援ができないというような状況の記事が載っていたところでございました。やはり、これを見ていきますと、地方での状況というのがどんなに大変であるかということが分かるわけでございます。  それでは、今後の課題として質問をさせていただきますけれども、二十年度の概算要求、本対策に要する経費として三百四億円を要求しているわけでございます。十九年度の確定額と同程度であるということでございますが、今後の予算折衝いかんで減額されることも十分に考えられるわけでございます。一般的に、今年度の本対策への参加を申請して採択された活動組織は、来年度も今年度と同様か、それ以上の活動を行うことも考えられるわけですが、たとえ十九年度と同額の予算を確保しても採択済活動組織の予算額を確保したことにしかならない。来年度、新たに申請して採択される活動組織の必要予算というものはどうなっていくのでしょうか、お聞かせください。

若林正俊自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(若林正俊君) まず、地方負担の問題について是非とも御理解いただきたいと思いますが、委員が御説明になり、御指摘になりました国と地方、県、市町村の負担の割合は委員の御指摘のとおりでございます。これは、農業関係の各種助成措置の中でも極めて高い助成措置になっておりまして、委員がおっしゃられるように国が二分の一負担しますが、その二分の一の残りの更に二分の一、四分の一については普通交付税で対処いたしておりますと同時に、それを更に超える四分の一部分でございますが、これらについて、市町村分については七割、都道府県分については五割の特別交付税の措置を講ずるという形でありまして、このような助成の体系、助成の措置というのは農林政策の中においても極めて高い国の支援の体制になっているということを是非、全体をバランスを見ながら、是非とも御理解をいただきたいとまず申し上げておきたいと思います。  そして、二十年度の予算要求が三百四億円ですか、十九年度と同じようなことであれば、対象を広げながら、十九年度のものが継続してやるとすれば足りなくなるんではないかという、そういう御懸念であろうかと思うわけでございますけれども、我々、その事業の実施状況を掌握をし、そしてそれらの状況をにらんだ上で、二十年度から新たに本対策に組み込まれる地域に対する交付金も含め、必要な予算は確保されるように努めてまいりたいと思っております。

金子恵美民主党・新緑風会・日本

○金子恵美君 その概算要求の件なんですけれども、あるいは今年は申請が少ない、恐らく予算を消化できない、来年度もそういうことが起きると見越し、予算を少なめに要求しているのではないかということ。だとすると、事業を本当に推進するための工夫をしているのか。  先ほど、地方財政がどんなに逼迫しているかということを申し上げたわけでございますが、十分な手当てはしているというふうにおっしゃられましたが、しかしながら、やはり先ほどの新聞の報道にもあるように、もう来年の申請はできないというような、もう事業はできないというところも出てきているということでございます。市町村分が例えば三・七五%、都道府県が六・二五%の負担だとしても、それすら難しいということを考えれば、あえてこれを見過ごし、そして予算を適当に計上しておけばいいのだというような思いがもしあるとしたら、これはとんでもない話だと思いまして、どのような方向で、先ほどおっしゃったようにこれは本当に両輪として考えていらっしゃる、両輪の片方だと考えていらっしゃるのかということ。これは私としても大変重要なポイントになってくるというふうに思ってございます。  いずれにしても、来年度地方負担分については、やはり普通交付税や特別交付税による手当てを拡充するなり、あるいは国と地方の負担割合の見直し等の措置を積極的に講ずるべきではないかとも思います。その辺の検討について一言あれば、お願いいたします。

若林正俊自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(若林正俊君) 先ほども申し上げましたが、この事業を大変重視いたしておりまして、中山間地の直接支払制度などよりも実は交付税措置などについて特別手厚く配慮をして事業の設計を仕組んでおりまして、我が農林省としては、この事業を正に車の両輪として重視をいたして強力に推進していく決意で臨んでいるということをまず申し上げたいと思います。  そして、今のような負担割合につきましては、やはりこの事業を行っていくことについてそれぞれいろんな受益があるわけでございますが、やっぱり町村の皆さん方に御理解をいただきまして、この制度の趣旨などについても十分な説明を行い、市町村の理解がより一層深まるように努力をしながら所期の目的が達せられるようにしてまいりたいと、こう考えております。

金子恵美民主党・新緑風会・日本

○金子恵美君 大臣からの決意を伺いましたので、どうぞ地方への財政的な支援をしっかりしていただくということと、それから地方いじめのような制度というものは本当に少なくしていただきたい、そういうものが存在しないようにお願いしたいというふうに思ってございます。  次に、緑資源機構の廃止と幹線林道事業の地方自治体への移管について質問をさせていただきますが、こちらもやはり地方いじめにならないようにということで御質問をさせていただきます。  まずは、平成十八年十月に発覚しました緑資源機構の官製談合事件をめぐりまして、農水省は同機構の十九年度限りの廃止、談合に関係した法人の許可取消し等の方針を十九年六月に決定いたしました。同機構が実施していた事業について廃止後の対処方針も明らかにされました。  その中でも、官製談合の舞台となりました緑資源幹線林道事業、いわゆる大規模林道事業については、この事業を継続することは国民の信頼を更に損なうことになるとして、実施主体を地方公共団体に移管し、区間ごとに必要性を検証しながら、国の補助事業として実施することになりました。ところが、移管先の地方公共団体は事前に相談を受けておらず、関係十五道県、北海道、青森、岩手、福島、富山、岐阜、鳥取、島根、広島、山口、愛媛、高知、熊本、大分、宮崎、これらの関係地方公共団体には戸惑いが広がっているわけでございます。  現在の林業、農山村をめぐる環境は、高齢化や過疎化の急速な進展、そして林産物価格の長期低迷等、極めて厳しいものがございます。林道の整備は、こうした農山村地域にとって、育林そして伐採作業の合理化といった林業経営面だけでなく、生活や観光事業に密着した幹線道路、災害や緊急時の迂回道路としての役割等、極めて重要な意味を持つ事業でもあります。  一方で、こうした地域を抱える地方自治体は財政難に苦しんでおり、整備途中の緑資源幹線道路事業がそのまま自治体に移管されることになれば、その事業費、負担割合の設定等によっては財政を大きく圧迫しかねないわけでございます。そういったところで、また財政確保の問題や事業遂行のノウハウの欠如の解決というものの不可能な事態に直面し、事業の分断や撤退を迫られるということも十分考えられるというような懸念もございます。  農水省に設置されました緑資源機構の談合等の再発防止のための第三者委員会は、関係者から同機構の在り方等についての意見、要望を募集しました。その中に、私の地元であります福島県からも、会津地域緑資源特定森林圏整備推進協議会の会長である県知事を始めとして多数の団体や関係首長さんが意見書、要望書を提出しています。そのいずれもが同林道の事業の一方的な地方移管と補助事業としての位置付けに反対しております。整備途中の緑資源幹線林道事業を国の責任で完成するように求めているわけでございます。  ということで質問をさせていただきますが、今回のこの林道事業の地方移管、林道完成を待ち望み、そして事業に協力してきた地方公共団体や地方住民に国の責任を転嫁するものであると言わざるを得ませんが、国の補助事業とした場合の補助率や事業遂行のノウハウの移管等については具体的にどのように定めていらっしゃるのでしょうか、お伺いいたします。

辻健治林野庁長官

○政府参考人(辻健治君) 今先生からお話がありましたように、緑資源機構の幹線林道につきましては、平成十九年度、今年度限りで独立行政法人が行う事業としては廃止をいたしまして、今後は地方公共団体、道県でございますけれども、道県において事業の必要性を判断した上で国の補助事業として実施するということにいたしているところでございます。  現在、関係道県といろんな打合せ、意見交換等をやっているわけでございますけれども、補助事業化に当たりまして地方公共団体から、地方負担が増えないこと、それからその負担が平準化されること、必要な人件費が確保されると、こういった要望がなされているところでございます。  このため、現在の国の負担割合、これ約八〇%でございますけれども、これを踏まえまして高率の補助事業、国費率が約八〇%となるような、そういった補助事業として予算要求を行っているところでございますし、また、地方負担の平準化のため、地方財政措置、公共事業債の対象になるように要望をいたしているところでございます。そして、補助事業の実施に当たりましては、事業の実施に必要な人件費や技術的経費の確保のほか、補助事業の移行を円滑に行うために現在の緑資源機構の林道技術者を現場に配置するなど、適切に対応してまいりたいと思っているところでございます。

金子恵美民主党・新緑風会・日本

○金子恵美君 分かりました。  平成十九年度の緑資源機構の幹線林道事業予算は百四十一億円でありました。一方で、事業の地方移管に伴う二十年度の概算要求額、山のみち地域づくり交付金として八十億円、そして幹線林道事業移行円滑化対策交付金として七億円余りが計上されているにすぎないということでございます。両方合わせても八十七億円余りにすぎません。  この大幅な減額については何か、どういう理由があるのかということをまずお聞かせいただきたいと思います。そして、この金額で十九年度と同程度の事業量が確保されるのか、お答えいただきたいと思います。

若林正俊自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(若林正俊君) 緑資源の幹線林道事業については、委員がお話しいただきましたように、独立行政法人が行う事業としては廃止するというふうに決めたわけでございます。  そして、その事業の継続必要性、新たなまた必要性などを判断するのは地方公共団体の判断にゆだねるという仕組みにいたしまして、どうしても地方公共団体としてこれが実施することが地域の経済あるいは地域の林業の発展のために必要だというようなお考えであれば、それに対して国は補助をするというふうに仕組みを変えているわけでございまして、平成二十年度の概算要求については、制度がそのように大きく変わることに伴いまして各都道府県において必要な見直しが行われるだろうということで、いろいろなヒアリングなどをいたしまして、補助事業としては山のみち地域づくり交付金として委員御指摘のように六十億円の予算要求をいたしておりますが、これらの地域のこの事業に対する判断というようなものを聴き取った上でこのような予算要求にいたしているところでございまして、各都道府県の要望を踏まえて適切に対処していきたいと、このように考えております。

金子恵美民主党・新緑風会・日本

○金子恵美君 ちょっと確認ですけれども、今、予算要求、山のみち地域づくり交付金として六十億とおっしゃいましたが、八十億ではないでしょうか。そこをちょっと確認をさせていただきたいということ。  ちょっと、時間が余りありませんので最後の質問をさせていただきたいというふうに思いますけれども、緑資源幹線林道事業の経費について、その地方負担分として……

郡司彰民主党・新緑風会・日本

○委員長(郡司彰君) 時間が来ておりますから、まとめてください。

金子恵美民主党・新緑風会・日本

○金子恵美君 都道府県と受益者が合わせて原則三分の一を今まで拠出してきました。そのうち、受益者負担分の五%は四年間据置きの二十五年元利均等半年賦の措置が設けられてきました。こうした措置については地方移管後も引き続き担保されるものでしょうか、お答えいただきたいと思います。

辻健治林野庁長官

○政府参考人(辻健治君) まず、最初の御質問でございますけれども、予算そのものを道県が補助事業として使える予算額は六十億でございます。それ以外に、今まで造った道路ののり面の緑化等をやらないと災害が起きると、そういった保全事業をやるための予算が二十億でございまして、これは経過措置法人でございます森林総合研究所に予算を計上しているといったような状況になっているわけでございまして、六十億で不足するのではないかというお話でございますけれども、実は道県の中には来年度は少し調査をやりたいと、しっかりと、そして次の年度から補助事業に入っていきたいといったようなところもございますんで、そういう意味では六十億で対応できるんではないかというように思ってございますし、予算上は六十億と二十億が流用できるようになってございますんで、そこは弾力的に対応してまいりたいというように思ってございます。  それから、今までは二十年間で負担金を支払っていくというシステムだったわけでございますけれども、それは起債対象ということになりますと、十年間で二年据置き、十年償還、十年間で償還ということになりますんで、単年度当たりの地方の負担額というのは増えるということになろうかと思います。  ただ、トータルでいきますと地方の負担は減ることになりますけれども、その年度、年度で見ますと負担額は増えるといったような状況でございます。

金子恵美民主党・新緑風会・日本

○金子恵美君 時間になりましたので、終わります。

郡司彰民主党・新緑風会・日本

○委員長(郡司彰君) 午後一時まで休憩いたします。    午後零時十二分休憩      ─────・─────    午後一時開会

郡司彰民主党・新緑風会・日本

○委員長(郡司彰君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、水戸将史君が委員を辞任され、その補欠として横峯良郎君が選任されました。     ─────────────

郡司彰民主党・新緑風会・日本

○委員長(郡司彰君) 休憩前に引き続き、農林水産に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

牧野たかお自由民主党

○牧野たかお君 これまで農林水産委員会では民主党さんのあの農業者戸別所得補償法案の審議に専念しておりましたので、まだ私、政府の側の皆さんに質問をしていないものですから、今日初めて質問さしていただきます。今までそういうやり取りの中でいろんなことを学ばせていただいたことを踏まえて質問さしていただきますけれども、まず食料自給率の質問をさしていただきます。  これまでも米政策の中で必ずこの食料自給率というのが出てまいりましたけれども、現在の我が国の食料自給率は、カロリーベースで四〇%を切って三九%になっていると言われております。この数字は、私たち日本人の一日当たりの食料としてのカロリー供給量二千五百四十八キロカロリーのうち、そのうち国内生産の食料で何%を賄っているかとされているものでありますけれども、数字の三九%という厳しさは感じるわけでありますけれども、一般的に言いますと、この数字の厳しさと裏腹に、お米が余っているような状況の中で本当に自給率は三九%なのかというふうに疑問に思っている方は、私を含めて一般の方一杯いらっしゃるかと思います。この考え方については後ほど申し上げますけれども、とにかくぴんとこないというのが私は一般的な方たちの一般の実感ではないかと思います。  そもそも、このカロリーベースでの今使われている食料自給率を採用して農政の目標にしたのはいつごろからで、どういう目的のために採用されたのかということを伺いたいと思います。

岩永浩美自由民主党農林水産副大臣

○副大臣(岩永浩美君) 食料の自給率については、平成十一年の七月に策定された食料・農業・農村基本法において、国内の農業生産及び食料消費に関する指針として、農業者その他の関係者が取り組むべき課題を明らかにしてその目標を定めるものとされました。  これを受けて、カロリーベースの食料自給率の具体的な目標については、平成十二年の三月に策定された食料・農業・農村基本計画において、基本的に五割以上を目指すことが適当であるとした上で、栄養バランスを勘案した望ましい食料消費の姿と主要品目の生産状況を踏まえた生産努力目標に即しつつ、平成二十二年度までの基本計画の計画期間内の実現可能性などを考慮して、目標値を四五%と設定されたところでございます。  なお、平成十七年三月に策定された新たな食料・農業・農村基本計画においては、野菜、果実や畜産物などの生産活動をより適切に反映する視点から、カロリーベースに加えて生産額ベースの食料自給率目標も併せて設定されたところでございます。

牧野たかお自由民主党

○牧野たかお君 お手元に配らせていただいた資料が今のカロリーベースの食料自給率と、下が国民一人一日当たりの供給熱量の比率を表したものでありますけれども、私は何が言いたいかといいますと、まずこの食料自給率という今カロリーベースで示しているものというのは、要は私たちが食べているもの、食生活がどんどん変化していく中で、要はそれに追随した形で国内の農産物が何%使われているかという私はデータだと思っております。  それで、一つは、その下に書いてあるように、昭和六十二年度が栄養バランスでいくとちょうどバランスが取れているときでありますけれども、本来ですと、要は、日本人はこういうバランスの取れた中で食料の自給、賄っているのが何%かというのが本来の私は理想上の数値じゃないかと思います。  それで、要するに何が言いたいかといいますと、今の上の方に数字出ていますけれども、要は、食料自給率が昭和四十年当時からどんどん、七三%から今三九%になりましたけれども、こういうふうになったというのは、米の消費量が四五%減少したのに対して肉類がおよそ三倍で、油脂類が二・三倍に増えるというような食生活の変化があったからこれだけ食料自給率、このカロリーベースの計算上では下がっているというふうに言われております。  この今の現在の栄養バランスで見ますと、脂質の摂取が非常に過多によって生活習慣病が増えているというようなことも言われているわけです。ですので、本来正しくないというか、本来あるべき食生活の姿でない中での食料自給率というか、そこで何%賄っているかというのは、私はちょっと食料自給率という言葉で使うデータとすると、データというか指標の計算の仕方がちょっと私は違うんじゃないかなと思います。  具体的に言えば、例えば、栄養バランスで六割が理想とされる炭水化物を賄う、六割が理想とした場合、その場合の炭水化物を賄う国内産の穀物が何%で、たんぱく質では国内産が何%というような指標の方が本当は理想的な形ではないかなというふうに思うんですが、その点いかがでしょうか。

岡島正明農林水産省総合食料局長

○政府参考人(岡島正明君) 御指摘のとおり、栄養バランス、非常に重要なものだというふうに考えております。そうしたことから、目標を立てる上においては、先ほど副大臣からも御説明したとおり、正に望ましい食料消費の姿といったようなものを考えながら、これに対応したPFC熱量比を示して、脂質の摂取量の低減でありますとか、あるいは炭水化物の摂取量の増大、増加等を図ることといたしております。  また、こうしたこれらの品目について、その消費量の目標と整合性を取りながら国内での生産量等を示した生産努力目標を作成しております。このため、現在の食料自給率の目標には、消費面における栄養バランスの改善の観点が反映されているとともに、併せて、その中で国内生産で賄われるべき内容についても考慮しているものと考えております。

牧野たかお自由民主党

○牧野たかお君 そもそも私、これは事前のちょっと打合せというか資料をもらうときに農水省の方と意見が全然合わないというか平行線なんですけれども、この今使われているカロリーベースの食料自給率というのは、私は名称としてはちょっと正しくないような気がします。言うならば、これはさっきも申し上げましたけれども、現在の食生活の中で私たちが消費しているカロリーの何%を国内のもので賄っているかということでありますので、自給率というよりもむしろ構成率じゃないかなというふうに思います。  それで、一般的によく言われるんですが、要は、三九%の食料自給率という言葉を使うと、日本は日本の国内で私たち日本人の人口を賄えるカロリーを自国で要は生産できる能力が三九%しかないというふうに勘違いを、私も実を言うと、恥ずかしいですが、つい最近までそういうふうに勘違いをしておりました。ちなみに、ここ数日、私の同僚の議員にも聞いてみましたが、そういうふうに勘違いしている人がかなりおります。  ですので、自国で要するに賄えるかどうかというのはこれは自給能力だと思いますけれども、よく私たちが食、食べ物、食料は国の安全保障の一つであるというふうに申し上げておりますけれども、そういう言葉に連動する数字というのは私は食料を自給する能力の比率ではないかと思います。自給力ですね。だから、それを何かごちゃごちゃに今使っているような気がして、私はちょっと誤解を与えているような気がいたしております。  ですので、ここでやっぱりこれから、もちろん国内の農業の振興を図って、そしてまた需要を向上させるために、私は、もちろん名称はカロリー自給率という名称をもうお付けになったから変えないというなら変えないで結構ですが、本当は私はこれは構成率だと思っていますけれども、それと併せて自国の自給能力、自給力を表せる数字を言わないと、私は、併用していかないと国民の皆さんに誤解を与えたままになってしまうんじゃないかなと思いますけれども、その点はいかがでしょうか。

若林正俊自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(若林正俊君) 委員が御指摘になりましたように、いわゆる食料自給率というようなことですべてのことを判断をするということについてはいろいろ問題があると思います。これは、しかし、総合食料自給率と、こういうふうにとらえて、いろんな要素を加味しながら共通の指標としてどういうような指標を作ることが可能かということでこの食料、カロリーベースの自給率で表して一つの状況を理解してもらうために作っているものでありまして、考え方とすれば食料の供給力、更に言えば食料の物別の供給量といったようなことで考えていくというのもあると思いますが、それを全体として見ますと、例えばえさを輸入して国内で鶏を飼う、そして鶏を飼って卵を供給すると、卵に着目すればこれは全部自給力なんですけれども、しかし、えさが八〇%輸入であるとすれば、それは自給力として言えばそれだけ減らさなきゃいけないわけですね。そういう共通の物差しとしてカロリーというものを使って総合的に算定したというものでございます。  そこで、食料の供給力というものを確保していくということが国家の安全とかという角度から議論されるわけでありますけれども、そういう意味で食料の供給力はどうかといいますと、例えば農地がどういうふうに保全されているか、あるいは農業用水というのが的確に供給されているのかどうか、また農業を営む担い手というのは構成がどうなっているのか、これによって供給力が変わってきます。また、農業技術の水準がどう変化していくのか、そういうような非常に多様な要素というものを前提にした上で生産が行われ、そして生産物に対する需要が発生しているわけでございます。  そういう意味で、農林水産省としては、平成十四年に不測時の、いったん緩急あった場合、そういう不測時の食料の安全保障のマニュアルというものを策定したことがございます。不測時に食料供給の確保を図るためには、具体的な方策を定めてその普及啓発を図り、ある種の危機感ですね、どんな事態になればどうなるのかということを想定して作ったわけでございます。  それのマニュアルによりますと、レベル0からレベル1、レベル2と、こういうふうに定めていまして、例えばレベル1といいますと、特定の主要な品目の供給が平時の供給の二割以上下回ってしまうというようになった場合に、一体国内でその下回った分を補うにはどうしたらいいのかといったようなことを事項別に対策を整理をいたしております。一番厳しいレベル2というふうにしますと、一人一日当たりの熱供給量、これはやはりカロリーになって体を支えているわけですから、その熱供給量が二千カロリーを下回るというような事態、戦時中、戦後直後ですね、そういう事態を想定して、果たしてそういう事態に、日本の限られた農地と技術と、そしてこれを生産に結び付けていくということで賄えるのかどうかというような検証をしたわけでございます。  これによりますと、もう制度設計が、現在の農業政策の制度設計を思い切って変えていかないとそれに対応できないわけでございますが、非常に、例えばの話ですけれども、今の水田よりも芋を作った方がカロリー高いんですね。だから水田の半分は芋を作る、サツマイモを作るというようなことにしてようやくこの二千カロリーを維持することができると、こういうことなんですね。  だから、こういうような想定をしながら、もしもこういう異常な事態が起こったときに我々はどういうことができるかといえば、国民の皆さんには、そのときにはもうお米は半分以上減らして、あとはお芋を毎日食べてくださいというような事態になりますよといったようなことも併せて実は言っていかないと、本当の日本の食料自給力というものが今どうなのか、所要の農地面積が今の農地面積を前提にする限りそういうことになっていくと思うのでございます。  そんな中で、農業基本法の議論の中でいろいろな考え方があるけれども、やはりカロリーベースで自給率を算定して、そのカロリーを供給するためにどういう組合せで生産を高めていくかということを示した方がいいと、こういうことに議論がなったわけでございますので、そういうふうに供給可能量をカロリーベースで示すというのが共通の分かりやすい状況だと思っております。

牧野たかお自由民主党

○牧野たかお君 済みません、初めて大臣に質問するんですけれども、ちょっと要領が分からなくて時間の配分がちょっとおかしくなってきましたけれども。  非常にちょっと、大先輩の大臣及び政府の皆さんに伺うのはちょっと失礼かもしれませんけれども、今の御答弁はそれで考え方として分かるんですが、私が申し上げているのは、現代の、要するに国内農業生産力が日本の人口の、じゃ何割を賄うことができるかというデータを作ったらどうかというお話をしておりまして、例えばカロリーベースの計算でも、要は赤ん坊からお年寄りまでの年代別に必要なカロリーを人口に掛けてみれば必要なカロリーって全部出て、それから割ることの日本国内で生産されている農産物、肉類も含めて、今大臣がおっしゃったみたいに、鶏卵の中にえさの部分があればそれを引いて、それを全部掛ければ私は今現在の国内で人口の何割を賄えるかというのは、私は計算上出ると思います。  それともう一つは、外国には今、日本で使っているこの品目別のカロリー自給率のようなこういう計算はどうもしていないというふうに伺っておりまして、要は生産量と国内の、それぞれの国の、イギリスにしてもフランスにしても、そこの人口を賄うことができるかどうかで一〇〇%、一一〇%とか八〇%と、多分そういう計算をしているんじゃないかと思います。  要するに、ほかの国がやり方も違うのに対比で、日本はこうだけれども外国はこうで日本は遅れているという、それはそれでそうなんでしょうけれども、対比する本当はデータが違っているというか指標が違っているように私は思うものですから、要はそういうものを併用してお作りになった方が、国民の皆さんにこれだけの、米をこれだけ生産できる能力はありますよと、だけれども食べないから今のカロリーベースの自給率、私は構成率だと思っていますけれども、ではこんなに低いと、これだけ差があるんだよということを示した方が、私は国民の皆さんにもっともっと日本の国内の農産物を食べてもらえる方法としてその方がいいんじゃないかなというふうに思って質問をさせていただいております。  これは、後の質問がございますので、私の意見として申し上げておきます。  それで、お米の需要の拡大は先ほど亀井議員がおっしゃいましたので飛ばします。  それで、米のことについて、ちょっと併せて、やっぱり米に一番合うのは何かといえば、飲物は何かといえば、私はお茶、緑茶だと思っております。ですので、緑茶をこれから需要を伸ばしていかなきゃいけないというふうに思っておりますけれども、学校給食の、要するに米飯給食のやつを私も実は文部科学省にお願いをしてデータもらったんですが、それじゃお茶を出している比率はどうかと聞いたら、そういうデータはありませんというふうに冷たく返答が返ってまいりました。ですので、全然気にも留めていないんだなというふうに私は受け止めたわけでありますけれども、お茶でもこの緑茶の生産量は全国の農業生産額でいえば千五百億円規模であります。サツマイモを上回って、バレイショ、乳牛の次に位置する農業産出額を誇っております。ですので、お茶をこれから日本伝統の飲物として更に普及させていくためにはどのようにお考えになるか、どのように取り組むお考えがあるのか、伺わさせていただきます。

若林正俊自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(若林正俊君) お茶の飲用を拡大するのにどのようなことをしているのかという、そこからお答えをしたいと思いますけれども、やはり伝統的に日本の緑茶というのは日本の生活に深く染み込んでおりまして、そういうことを身に付けていると。しかし、だんだんと他の飲料にシフトしていっているという傾向があることは否めない事実でございます。そういう需要、嗜好に合わせて供給も行われるということになると思います。  その意味では、やっぱり消費拡大のためのいろいろな試みをしていく必要があると思いますが、お茶の全国団体などと協力をしながら、例えば全国お茶まつりといったような消費拡大のイベントを催したり、あるいはお茶のおいしい入れ方といったようなことを子供たちに教えるための教室を開催するといったようなことをしておりまして、今、日本茶のインストラクター制度も団体側が制度を設計して進めたいというふうに考えていると承知いたしておりますが、これらの関係団体や地方自治体とも連携協力しながら、農林省としてもお茶の需要拡大には更に一層努めてまいりたいと、このように考えております。

牧野たかお自由民主党

○牧野たかお君 ありがとうございます。  お茶はカロリーが少ないから健康食品になっているんですが、要するに、さっきのカロリー自給率の中では、要するにカロリーがないものですから、要は入っておりません。そういうことで、余りカロリーベース、カロリーベースとやっていくと重要な農産物がともすれば忘れられてしまうおそれがありますので、よくこれからも振興に図っていきたいと思います。  これはちょっと質問じゃなくて、時間がないものですから早口で申し上げますが、委員としての提案でございますが、この農林水産委員会、おいしい牛乳は用意していただいておりますけれども、お茶はやっぱり日本の農業の中の最重要な飲物でありますんで、鹿児島の加治屋先生、そして野村先生もいらっしゃいますけれども、静岡県産一〇〇%とは言いませんので、静岡と鹿児島で折半で結構ですので、是非委員長と理事の皆さんで御相談をしていただいて、これからお茶をこの農林水産委員会で出していただけるようにしていただけると有り難いと思いますんで、御一考をお願いをしたいと思います。  時間がなくなりましたので、あと林政問題に行きますが、福田首相の二百年構想住宅についてはまたこの次の機会に質問させていただき、森林の整備のことについて伺いますけれども、森林におけるCO2の削減等の多面的機能というのはよく取り上げられております。先ほどもちょっとお話がありました。  しかし、森林がその多面的機能を発揮するためには、さっき大臣もおっしゃいましたけれども、適切な間伐とか枝打ちが必要であります。これは今まで国から、都道府県と市町村が援助をして、補助をして、森林所有者が森林組合なんかを通じて森林の整備、間伐、枝打ちをしてきたわけでありますけれども、現況ですと補助率は大体アッパーで七〇%ぐらいだと思います。今、実は私も山林所有者なんですけれども、大体、間伐等の個人負担というのが、七〇%補助とすると一ヘクタール当たり三十万円ぐらい掛かります。  ところが、今、材価の低迷がずっと続いていて、今五十年のヒノキでさえ切ってもなかなか収入にならないような状況です。ですので、一ヘクタール三十万の負担を払って森林の整備のための間伐、枝打ちをするという方が本当に極端に減りまして、今、人工林、個人所有の山というのはどんどん荒廃をしていく一方であります。  そういう中で、私は、さっき申し上げた多面的機能ということ等考えますと、私は、これは個人の負担だけを、もうやっていけない状況の中で、新たな補助制度というのをいろいろ考えていかなければいけないんじゃないかなというふうに思っております。  あとの質問、ちょっと併用になっちゃいますけれども、時間がないので。  一つは、花粉症が先ほどもありましたけれども、その話がありましたけれども、花粉症というのは今もう十人に一人が花粉症になっております。実は私も五年ぐらい前になったんですが、山の中に住んでいても花粉症になってしまう、今そういうことが各地で起きております。花粉症というのは森林が持っている多面的機能の反対側で考える、対極であるマイナスの要素だと思っておりますけれども、これもやはり花粉症を減らしていくという意味は私は公益性があると思います。  今、農林水産省の方では、花粉症対策として花粉が少ない杉の苗を植え替えることを奨励したり、また、すべて杉林を伐採をして広葉樹に変えていくと協力金を交付するというような、そういうこともやっておりますけれども、今の現状ですととても花粉症を減らすような当面の打開策には私はなっていないと思います。  やっぱりこれは、間伐をする、枝打ちをするというのを、先ほどのお話にもありましたけれども、とにかくそれを当面もう広げて広げてやっていくしかないと思うんですが、さっきも申し上げたように、個人負担ができない山主がこれだけ増えていますと、私はそれも難しいと思います。ですので、一つの考えとして、今の補助制度に花粉症対策を、間伐をすれば花粉症対策になるということで、今の補助制度に花粉症の対策の協力金として上乗せをするような、そういうお考えはないでしょうか。

辻健治林野庁長官

○政府参考人(辻健治君) 森林の有する公益的機能等の発揮に向けまして間伐等の森林整備を進めるというのは重要と考えているところでございまして、現在、我が国の森林資源が充実をしてきていると。  こういった中で、合板等の原料に一定の価格で大量に使用され始めてきているといったような状況でございまして、この一定の価格の下で、そして現行の補助制度を活用した場合に採算が合うような方式でやっていくということで、一つは、簡易で壊れにくい、なおかつ低コストの作業路を入れていこうと。それから、その作業路を使って高性能林業機械を導入することによって生産性を上げる、いわゆる生産コストを下げるといったことで、森林所有者の負担がほとんどない、森林所有者の負担にならないような、そういう取組を現在いたしているところでございます。先生御指摘のヘクタール三十万というのは、恐らくこれ、事業費だと思います。森林所有者の負担ではなくて、恐らく間伐をやる場合の事業費だと思いますので、これの三割ということになりますと十万程度だろうと思ってございます。  それからもう一つは、公益的機能の高度発揮が期待されている保安林につきましては、これは治山事業ということで、国が二分の一、都道府県が二分の一、いわゆる森林所有者の負担のないような形で森林整備を進めているところでございまして、こういった取組をすることによりまして森林整備を推進してまいりたいというふうに思ってございますし、花粉症対策につきましては、花粉の少ない杉の苗木の供給、花粉の少ないというのは通常の花粉の百分の一、いわゆる一%でございまして、こういった苗木の供給を大量に増やせるような、そういう取組をしているわけでございますし、もう一つは、先生のお話のように、雄花の多い杉の人工林で間伐をやっていきたいというふうに思っておるわけでございまして、先ほどの生産性を上げるような取組と、それから財源的、予算的には、地球温暖化防止森林吸収源対策の予算を使いながら花粉症対策も併せてやってまいりたいなというふうに思っておるところでございます。

牧野たかお自由民主党

○牧野たかお君 済みません、時間がなくなりましたので、意見だけ言って終わります。  長官、今事業費とおっしゃいましたけれども、私も実は何回もやっておりますが、現実的にそのぐらいの負担は個人に、市町村の補助がない場合は掛かります。それと、結局何が言いたいかというと、個人負担がとにかくみんなできない状態ですので、幾らいろいろ、作業道を入れようとか何かを入れようと、そういう話をしても、要は個人負担が払えない、そう思ってもうやらない方がほとんどなんですよね。とにかく、森林整備を進めるのにどうしたらいいかというと、個人負担をなくすしかないと思うんです。ただし、森林、人工林というのは個人の資産ですので、公費を使って個人の資産の価値を高める、これが果たしていいものかどうかというのは、これは議論があるかと思います。  ですので、当面というか今現在の森林整備の負担はすべて公費で賄うと、その代わり、将来、森林の所有者が売却したときに精算をするようなそういうシステムを考えないと、私は、森林整備というのは恐らく、幾らいろんなことをおっしゃっても現実的にはなかなか進まないというふうに思っておりますので、また御一考していただきたいと思います。  私の質問を終わらせていただきます。

山田俊男自由民主党

○山田俊男君 さきに、民主党の農業者戸別所得補償法案につきまして、平野委員を始め民主党の先生方とやり取りをさせていただきまして大変いい経験をさせてもらいましたが、本日は、若林大臣、岩永副大臣始め政府の皆さんと質疑をさせていただくのは初めてであります。要領が分からないといいますか、行儀作法がちょっと分からないところがあるかというふうに思いますので、どうぞその辺はお許し願いたいというふうに思いますし、さらに、大臣には一番最後に総括的に質問してお答えいただくということで是非進めさせていただけたら有り難い、こんなふうに思っているところであります。  最初に、農林省は米の緊急対策を決定いただいて取り組んでもらっております。最近の価格の動向を見ますと、ようやく下げ止まったかということでありますが、何としてでも、少なくとも昨年の価格水準までには回復してほしいと祈るような気持ちでいるところでありまして、是非、引き続いての対策をお願いしたいと、こう思うところであります。  ところで、作柄が悪いにもかかわらず米が、米価がかくのごとく下がっているということについては、需要減と、それと生産調整の取組が必ずしも十分進んでいない、過剰が原因だということが指摘されているわけでありますが、生産調整を達成するためにどういう対策を講じているのか。  ここは、確かに産地づくり推進交付金、これは出されているわけでありますが、三年間固定であります。とすると、生産調整の面積が増えればその分だけ単価が小さくなっていくという問題を抱えているわけでありますし、また、生産者と生産者団体による自主的な取組、これを法律の中にも盛り込んで、その取組が期待されているわけでありますが、生産調整方針策定を中心的に行います農協組織に対してはどんな対策を行っておられるのか。  さらには、農協以外の業者に対しまして、これも生産調整を義務的にやらせることには決してなっていないわけでありますけれども、どういう形での取組になっているのか。そこを岡島局長に是非お願いしたいというふうに思います。  それと、質問をそれなりに用意しましたので、簡潔にやらせていただいたら有り難いと思っています。

岡島正明農林水産省総合食料局長

○政府参考人(岡島正明君) 米の生産調整につきまして、正に農業者、農業者団体が主体的に取り組んでいただいているということですけれども、行政としても、まず、農林水産大臣が国全体の需給の見通しを定めて需要量の情報の提供をする、あるいは都道府県の県協議会への参画あるいは市町村の地域協議会への参画でありますとか、それから、市町村など、生産調整を実施しない方々への働き掛けなどに積極的に取り組んでいるところであります。  また、今御質問の中にもありましたけれども、米の生産調整を実施するメリット対策として、これは、地域にとっても三年間固定というのは、逆に言うと毎年幾ら来るのか見えやすいようにといったような様々な議論の上でいわゆる産地づくり交付金というものを交付しております。また、米価下落による販売収入の減少の影響を緩和する対策などを措置して、これらの支援措置については生産調整を実施することが交付要件となっていると。  これらの取組を通じまして、米の生産調整の円滑な推進を図ってきたところであります。

山田俊男自由民主党

○山田俊男君 次に、岩永副大臣にお願いしたいと思いますが。  十九年産の生産調整は、米政策改革要綱と、それと平成十六年改正食糧法に基づき実施されたと思います。果たして、これらの対策や改正法は有効に機能している、又は機能すると考えていいのかどうかということであります。  生産者と生産者団体が需要に見合った売れる米作りを行うという理念で米政策改革要綱ができていますし、十六年改正食糧法がその理念で作られたと思いますが、頭の中だけで考えたものになっているんじゃないのかという心配でありまして、生産者と生産者団体の自主的な取組だからということで行政が手を引く、さらに産地づくり交付金も固定する、それから、まじめに取り組んだ生産調整実施者には具体的なメリットが見えないというのでは、今後のやはり生産調整の達成に大変な危惧があるわけであります。  今後の取組の決め手は何なんだと、今大変な議論をしてもらっておられるというふうに思いますが、そのことに期待しているわけでありますが、どうぞ、どういう手だてを考えておられるのか、ポイントをお聞かせ願えたら有り難いというふうに思います。

岩永浩美自由民主党農林水産副大臣

○副大臣(岩永浩美君) 委員も生産団体にずっと在職をしておられたから、この生産調整には直接かかわっておみえいただいているんで、詳しい内容については大変よく御存じだと思いますが、現行食糧法を十六年に施行したことについて、農林水産大臣がやっぱり国全体の需給の見通しを定めてこの生産調整に入っていったことはもう御案内のとおりです。  そのときに、ただ国だけが関与してやるということじゃなくて、生産調整をしていく過程の中で生産団体がやっぱり主体的に取り組んでいただくこと、そして行政がそれをサポートしていくことによってスムーズに移行したい、そのことが十六年の法の改正の趣旨だったと思うんですね。  だから、それを受けて、十九年からは、これまで市町村が行っていた生産調整の生産数量目標の配分を今度は生産者団体が生産調整方針作成者ということで一応やってきたことは、もう議員が一番よく存じておられます。  だから、そういうことを踏まえて、この需給システムへ移行した十九年以降もその傾向というのは同じようにしてきたんですが、ただ、今言われたように、この機能が、システムが機能しているのかいないのかということを言われると、今私どもは、いろいろな問題はある、問題はあるけれども機能していないというふうに断定はできない、そういう一つの思いで、それを改善をしながら今後の一つの生産調整配分について努力を重ねていきたいと思っています。

山田俊男自由民主党

○山田俊男君 次に、内閣府の梅溪審議官にお尋ねしたいと存じます。  経済財政諮問会議のグローバル化専門調査会、さらには規制改革会議の専門委員会で、米価は下がってもいいと、さらに米価下落政策が遅過ぎたというような意見が出されているやに聞いているところであります。  米価が下がることで構造改革が進むという考え方のようでありますが、しかし、実際はむしろ育てるべき担い手が、組織が窮地に陥っています。米価の下げに苦しみ、何とか引上げを図ろうとしている、これは政府も、大変な大臣も御努力をいただいているわけでありますが、それらの取組を侮るような主張を一体内閣府はどう受け止めておられるのかということであります。  さらにまた、認定農業者に生産調整実施を要件とするべきでないとか、生産調整の目標は認定農業者にかぶせるべきでなく、自由な判断での生産を行わせるべきだという意見すらあると聞いております。一体どういう実態認識でこれら議論がなされているのか、全く農村の現場と懸け離れたことになっているのではないかと心配しております。  こうした主張がマスコミでも喧伝されて、それが正当な意見のように受け止められてしまったんでは、まじめに取り組んでいる生産者にとってはそれは我慢のならないことでもあります。こうしたことが総理の諮問機関でなされているということ自体が生産者の憤りとなっておりますし、今回の参議院選挙での生産者の反発の背景もそこにあったかというふうに思います。  こうした議論を事務局を担う内閣府はどう受け止めておられるのか、お聞きしたいと存じます。

梅溪健児内閣府大臣官房審議官

○政府参考人(梅溪健児君) お答え申し上げます。  先生御指摘のワーキンググループでございますが、これは、我が国の潜在成長力を高めていくためにはグローバル化のメリットを最大限活用する国内体制づくりが必要であるという認識の下に、昨年の経済財政諮問会議においてグローバル化改革専門調査会が設置されることが決定されました。とりわけ、専門的事項の効率的な調査に資するため、EPA・農業ワーキンググループを設置して調査審議を進めていただいているところでございます。  今御指摘なさいましたポイントでございますが、EPA・農業ワーキンググループでは、我が国の農業が産業として飛躍し、競争力があり、強くなることを目指して、農地の有効利用や農業経営の在り方などについて専門的な知識に基づき大変熱心に御議論をいただいているところでございます。  今後とも、潜在能力を最大限発揮させ、活力のある農業の実現に向けて議論を積み重ね、検討を深めていくことが重要であると考えております。

山田俊男自由民主党

○山田俊男君 私の手元で整理させてもらいましたが、議事録の幾つかを抜粋した内容のものでありまして、諮問会議におきますEPA・農業ワーキンググループにおける発言内容であります。  一つは、食料の安全保障については、今後、海外依存を確保することが近道というか、近道というよりもそれしかないという認識である。それから、農林水産省は価格を徐々に下げるということをアナウンスとして出し、その上で構造改革を進め、それでも赤字でも作るというところは作りなさいというメッセージを送ってやらないと構造改革は進まない。さらに、農地の証券化はみんながやる必要はないのであり、株式会社が入って株券で渡すから農地をよこせと言えばいいと。さらに、株式会社の導入等を含め、個別の企業が株と交換に農地を取得するような動きがどんどん出てくればいいと。これは一つの例でありますが、こういう議論が諮問会議、ないしは、この人は規制改革会議の専門委員のメンバーでもあります。こういう議論をさせておいて、させたままで本当にいいのかという心配であります。  引き続き梅溪審議官、小島室長にお尋ねしたいというふうに思うわけでありますが、市場原理ばかりを主張する特定の学者を集めて実態から懸け離れた議論を進めているこれら専門調査会や専門委員会の在り方をどう考えておられるかということなんです。  福田総理は、参議院選挙の敗北を受けて、経済自由主義だけで律することはできないと、こうおっしゃっておられるわけです。明確に所信表明されています。また、今までの考え方をがらりと変える必要があるし、地に足が付いた取組が必要である、でないと日本はおかしくなるとも、これは別の場所で発言されているやに聞いております。  参議院選挙であれだけの批判を受けたわけであります。参議院選挙前からの何の反省もない取組は一新すべきではないかと、こう考えておりまして、この点は梅溪審議官にお尋ねしたいと思います。

梅溪健児内閣府大臣官房審議官

○政府参考人(梅溪健児君) お答え申し上げます。  EPA・農業ワーキンググループにおきましては、先ほど申し上げましたような視点で我が国の農業を強いものにしていくために、多様な観点で活発な御議論をいただいております。ワーキンググループの議論を素材に、その後経済財政諮問会議で議論をし、その場では農林水産大臣にもお越しいただいて、更に施策の検討を行っているところであります。諮問会議の議論を経て、その後、経済財政改革の基本方針、いわゆる骨太の方針でございますが、そういうもので具体的な政策の形成につなげていっているところでございます。  こういう政策のプロセスの中で、EPA・農業ワーキンググループにおきましては、今委員御指摘の点も踏まえ、更なる審議を行っていただきたいと考えております。

山田俊男自由民主党

○山田俊男君 次の点は小島規制改革推進室長にお尋ねしたいと思いますが、今私が何点か議事録から拾って申し上げたところは、これは議事録が出ております。一方、規制改革会議の論議の概要が必ずしも十分伝えられていないのではないかと思っております。意識的に、これはかなり厳しいことをやっているから論議は公開しないようにしようということなのかどうか。突然いろんな結論を示されて、さあ受け入れろというようなことになっては、ますます不信と混乱を来すだけだというふうに思いますが、この点、お伺いしたいと思います。

小島愛之助内閣府規制改革推進室長

○政府参考人(小島愛之助君) お答え申し上げます。  規制改革会議におきましては、意欲と能力のある農業経営者が創意工夫を発揮し、地域経済の活力が高まるような仕組みを整備するという問題意識から調査審議を行っているところであります。  委員御指摘のように、この間の議論につきましてはまだ議事録等が十分整備されておりませんが、先ほど来御指摘ございます米価、実効性のある生産調整の実施等の点につきましても、引き続き農林水産省と協議しつつ調査審議がなされていくものと承知いたしております。  なお、規制改革会議の第二次答申におけます具体的な施策の決定に当たりましては、いずれにせよ最終的に政府、農林水産省との合意が必要でありますことを申し添えておきたいと申し上げます。

山田俊男自由民主党

○山田俊男君 いずれにしろ、この審議会、諮問会議並びに規制改革会議、本体までどうしろと言うほど私は見識があるわけではありませんが、少なくとも専門調査会、さらには専門委員会の在り方については大きな私は疑問と意見を持ちます。何としてでもメンバーの一新も含めた取組をお願いしたいし、それから農林水産省は、内閣府がやっているから言われっ放しだけど甘んじて受けているのか、仕方ないというふうに思っておられるのか、それともそれなりに別途対策を講じておられるのか。今、米の価格対策をあれだけの努力をやって大臣以下頑張っておられます。そしてまた、品目横断の政策の見直しも含めて農業転換に努力されている。とすれば、こうした動きに対してもしっかり影響力を行使されてしかるべきだと考えますが、この点、岡島局長、いかがお考えですか。

岡島正明農林水産省総合食料局長

○政府参考人(岡島正明君) 今御指摘の点につきまして、非常に重要な御指摘だと思います。一方で、先ほど内閣府の方から御答弁ありましたように、正にワーキンググループにおいては自由濶達な議論だということでありますので、私ども、機会があればきちっと説明してまいりたいというふうに考えております。

山田俊男自由民主党

○山田俊男君 次に、もう一回岩永副大臣にお願いしたいわけであります。  副大臣に、私も全中の専務としてこれらのことにおまえかかわってきたんだろうというふうに先ほど来言われておりまして、そう言われると私にも何ともはや責任があるわけでありますが、ともかく今申し上げました改革、改革、改革のこの流れの中で本当に押し流されてきたというふうに本当に身にしみているところでありますが、ともかく十六年改正法は、十六年改正食糧法は、ともかく生産者と生産者団体が作成する生産調整方針を国が認定するとか、それから豊作によって生じた過剰米、これを処理するために無利子の資金を融資する機構。二つ目。米の価格形成センターの指定、政府の買入れ、政府米の買入れ、売渡し、緊急時の命令等、何とこれだけの法律の内容になっております。  要は、政府の役割は極めて限定的な行為のみになっているわけでありますが、一体、これはもう平成六年の食糧法の改正と比べましても、これは本当に政府の役割を限定しているというふうに思います。生産、流通を基本的に自由とする流れの中でのこの法律になっておりますが、これはもうもしかしたら手抜き法というふうに言わざるを得ないんじゃないかと、反省込めて言っておりますけれども、この日本の気候風土の中での水田農業、さらには、歴史的、経済的な制約を持った零細な土地所有であったり利用だったりという、この極めてアジア的といいますか日本的な農業経営体の中で今後の対策を講じていく、生産調整の着実な実施も含めて取り組んでいくという場合にはやはり法律の見直しが必要ではないかと思うんですが、いかがでございますか。

岩永浩美自由民主党農林水産副大臣

○副大臣(岩永浩美君) 今回、生産調整の見直しについて、それぞれ様々な御意見がございました。  私自身も、大規模農家を中心とした農業経営だけが日本の一つの農業を支えているとは思っておりません。多面的な機能を有している棚田、農村の集落、それを維持している農家の皆さん方の努力があって自給率も確保できている、この一つの現実を踏まえるときに、生産調整は総合的な目でやっていかないとうまくいかない。それは、東北、北海道を中心とした大規模な農業、西南暖地を中心とした小規模零細の複合経営を中心とした農業経営、その中で生産調整がやっぱりうまくいくためには、何としてでも需給のバランスを確保していくということをまず前提に挙げなければいけないことは言うまでもありません。  その食糧法で示された今回の生産調整の見直し等々について、その枠組みを根本から変えるということは混乱を私は更に増していくことにつながっていくんで、枠組みを変えるということではなくて、生産調整が機能していく一つの形をもっと取らなければいけない。それは、今御指摘いただいたように、農業団体を中心としてやっていったその一つの成果が必ずしも上がっていないことを踏まえると、行政がサポートするサポートの仕方、それがもう少しやっぱり強くサポートしていくことによって生産調整がうまくいく機能を発揮していくことにもなると思うので、今後は行政と生産団体、農家の皆さん方とそれぞれ合意できる一つの合意文書を作ってでも、やっぱり生産調整を更に進めていくということをやっていかなければいけないと思っています。  ただ、その法の改正をすべきではないかということについては、私自身はその枠組みは変えない、しかしやっぱり小規模農家の皆さん方の意見が反映される生産調整、そのことには十分留意しなければいけないと思っています。

山田俊男自由民主党

○山田俊男君 ありがとうございました。  最後に、若林大臣にお尋ねしたいと存じますが、法改正が直ちにできないということであれば、生産調整の目標達成に向けたより有効な仕組みを構築する、今副大臣からもございましたが、そのことが大変必要になるというふうに存じます。また、若林大臣は環境大臣もおやりだったわけでありまして、大臣の方がむしろ環境対策について大変御存じだというふうに思いますが、今御案内のとおり、地球全体の温暖化の気候変動で、世界各地で災害が生じているし、不作が生じている。加えて、食料とエネルギーの争奪が出ているための価格高騰があるということであります。  自給率三九%、これはカロリーベースで。これが我が国では、圧倒的な食料輸入国でありますが、我が国は、そう考えますと、極めて不安定な位置に今いるのではないかと思います。本当に残されているこの大事な水田の機能、これを活用して必要な米の生産、それから、さらには飼料米も含めた、さらにはエタノール等を含めた新しい対策、さらには麦、大豆、その他の不足する作物の生産、これを合理的に組み合わせた仕組みこそ今本当につくり上げていくチャンスでありますし、大変大きな課題であろうかと思います。市場原理の導入による自由な競争、それから規制緩和、そうして国の役割の極端な限定という、市場原理と競争条件導入の仕組みだけでは必要な国民食料の確保はできないし、この我が国の将来、大変危ぶまれるという心配があります。  どうぞ、今こそ国は必要な国民食料の確保に向けて役割を果たすべきだし、当然のこと生産者も生産者団体も、おっしゃるようにもう真剣に役割を果たす、そうしてそれを国民合意形成していくという取組が必要だろうというふうに考えます。  どうぞ、大臣の見識を是非お聞かせ願いたいというふうに思います。

若林正俊自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(若林正俊君) 委員が多年にわたる農政への知見から、今委員が申し上げられましたような種々の政策の推進について危惧の念を持っておられると、非常に心配をしておられ、今御提案もあったわけでございます。  私は、委員がお話しのように、すべて規制の緩和の下で自由な競争によって、予定調和的にこの農業の果たす役割が果たせるというふうには考えておりません。やはりそれぞれの作目あるいはそれぞれの地域において、生産者一人一人は、どんなに規模が大きくなったとしても、そんな全体の需給まで見通すような生産構造ではございませんから、生産者が組織する団体、その団体が信頼をしております全国的な指導の立場にある団体、そしてまた行政施策の執行に責任を負っている農林省を始めとして地方公共団体、これらがやはり知恵を出し合って、それぞれの事情に応じた施策をきめ細かく実施していかなければその目的を達成できないし、役割を果たせないと、このように考えているところでございまして、これは一般論として申し上げれば、以上申し上げたようなことであります。  そこで、米の生産調整について申し上げれば、農業の生産者、また農業者団体がこれに主体的に取り組むということが基本であるとする食糧法の物の考え方、これは、基本はそういう基本でいくべきだというふうに考えておりますけれども、行政がこれを任せっきりにするといったように受け止められていることは非常に残念でございますが、事実、実際のこの生産調整政策を進めていくに当たって、やや都道府県あるいは市町村のかかわり方、連携ということが弱かったんではないかという認識は持っております。  その意味で、生産調整の実効性を確保していくということのためには、全都道府県、また全地域で生産調整目標を達成できますように、この三者一体になって連携を密にして取り組んでいかなきゃいけない、こう考えているところでございまして、とりわけ、まずこの生産調整自身につきます行政の関与の在り方でございますが、行政がもっと、生産者団体が目標を設定するに当たって、単なる情報提供だけではなくて、行政側がそれを支援をしていく、プッシュしていくというような関与も必要ではないかということで今関与の在り方を検討しているところでございます。  また、二つ目として、生産調整の実施者のメリットの措置についても、もう少し傾斜的にめり張りを付けたメリット措置を講ずることができないかということも検討の対象でありますし、また、生産調整に乗ってこない非実施者などに対する、まあ言葉はどうかと思いますけれども、ある種のペナルティー的な措置につきましても、その在り方について今検討を急いでいるところでございまして、委員が御指摘になられました生産調整の目標達成を確実にするための全体としてのメリット措置、地域に対する支援の措置といったようなことについても、今、都道府県を始め関係方面と調整をしているところでありますが、早急にお互い納得、合意が得られて、新しい来年度に向けての体制づくりをしてまいりたいと、このように考えております。

山田俊男自由民主党

○山田俊男君 ありがとうございました。

紙智子日本共産党

○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。  先日私は、北海道の標茶町という、釧路からもう少し山に入る方ですけれども、ここで開かれました酪農危機突破釧根集会というのに参加をしてきました。そこで出された声は非常に悲痛なもので、過去最悪の赤字だと、このままじゃみんな死んじゃうと、メーカーは最高の利益を上げた、もうこれは人災だという言い方をしていました。三十数年間酪農をやってきたけれども、今のえさの暴騰は我々の努力だけでは越えられないというんですね。朝から晩まで三百六十五日休まず働いても何で借金だけが増えるんだと、こういう声が出されていました。  それで、大臣はこの間中国に行かれて、日本のリンゴを販売を促進するということでテレビなどでも報道されておりましたけれども、そのことをいろいろ言うつもりはないんですけれども、日本の酪農の大変な今の危機的な状況の中で、やっぱり現地に行かれて、本当に大臣が先頭切って現場の状況をよく聞いて、そしてやっぱり現場でその対策について陣頭指揮を執るというのが、私は、本来の農林水産省の在り方ではないかと、行政の在り方ではないかというふうに思うんですけれども、まず大臣、いかがでしょうか。

若林正俊自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(若林正俊君) 現場が悲痛な叫びを上げているということにつきましては、私もいろいろな角度から現地の皆さん方の声を伺っております。委員がおっしゃられるような、過去こんなことはなかったという生産者側の認識であります飼料の高騰というのはそのとおりだと思っております。  酪農経営におきます飼料費の比率、約四割強ですが、それらのことを考えますと、今のような飼料の高騰が酪農経営に大変な影響を与えているということについては十分認識しているつもりであります。さらに、飼料のみならず光熱水費などについても上昇をしておることから、併せて大変な経営の状況になっていると承知しております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 私も現地で話を聞いて驚いたんですけれども、酪農家の皆さんは今の飼料や燃料代の高騰で経営のやっぱり展望を見えない状態になっているわけです。  それで、例えば、子牛に飲ませる、生まれてから一週間、二週間、三週間ということで飲ませるミルクですね、代用乳、これについて言いますと、元は、二十キログラムの袋だと思いますけれども、これで五千五百円ぐらいだったものが今一万円になっていると。もう倍近くなっているということなんですね。それから、原料の輸入、その値上がりしているというのも、原料になっているのが輸入の脱粉なんですよね、脱脂粉乳、これが上がっているということがあると。それから、配合飼料や燃料代なども二〇%以上にもう軒並み上がってきていて、これからでいうと十二月、組勘の償還ということになってくるわけですよね。それで、もうどうしようもないという中で牛を売りに出さなきゃいけなくなっているんですよ。本当は牛は置いておいて搾りたいわけですけれども、しかし、その組勘の精算ということになったらどこかでお金をつくらなきゃいけないわけで、売りに出さなきゃいけないということになっているわけです。  ところが、こういう状況はほかにもあるものですから、牛がたくさん出されてくる。そうすると、出した牛がまた戻ってくるということになるわけですね、価格も下がっていますし。結局、また返ってきた牛というのはえさも食べさせなきゃいけないということになっているわけで、非常にやっぱり大変だと。この前行ったときには、その釧根の地域で三百頭の牛を出したんだけど百頭戻ってきたということですよね。  こういう状況になっていて、この状態を続けますと、それこそ搾る牛がどんどん減っていって、この酪農の言わば生産基盤ですよね、これそのものが大きく崩れていくことになりかねないと、そういう声が現に上がっているんですけれども、このことについて大臣は御存じでしょうか。

若林正俊自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(若林正俊君) 生産者側が、将来、先行きを見ながら、現状の苦しみの中で非常に悲観的な見方をしている生産者もいらっしゃるということは承知しているつもりでございますが、すべてみんながみんなそういうような認識であるというふうなことではありませんで、こういうような対応、こういうことをしてもらえば、ここを乗り切ればまた来年につなげていけるということで、必死で頑張っている酪農家も、もというか、そういう農家が多いというふうに、私はそう認識いたしております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 この地域でいうと、農協ごとにも今いろいろ白黒、実際帳簿なんかを見せてもらうわけですけれども、大体一つの農協でいうと六割ないしは七割が赤字ですよ。それで、黒字のところももちろん中にはありますけど、それらも含めて平均しても三百万から五百万の赤字なんですよ。だから、多い人は何千万ですよね。そういう状況になってきていて、先行き暗い人ばかりではないという話もあるんですけれども、しかし多いですよ、実際、現場は。だから、そういう事態をやっぱりとらえてやる必要があると思いますし、生産者はとにかく言うのは、一刻も早く乳価を引き上げてほしいと言うんですね。それも、四月までさかのぼって引き上げてほしいというふうに言うんですよ。それが言わば最大の願いだと思うんですけれども、今、乳業メーカーと生産者団体との間でちょうど飲用の乳価についての交渉が行われている最中だと思うんです。当初、十一月末までにはそれ決着を付けるということだったんだけど、まだ決まっていなくて十二月に入っていますけど、依然としてその話が続いていると。  それで、農水省として、この乳価の交渉なんかは、今までも民間同士の交渉なんだといって手は出せないようなことを絶えず言うわけですけれども、そういうことであれば本当に事態は大変だと、やっぱり農水省としてやるべきことがあるというふうに思うわけですけれども、この点、大臣、いかがですか。

若林正俊自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(若林正俊君) 生産者、酪農家と、その生産者の搾った乳の買上げをいたします乳業メーカーとの関係は、言わば共存共栄なんですよね。メーカーの方からしましても、本当に委員がおっしゃるように、その地域一帯でもう酪農をギブアップして酪農生産がなくなってしまうといえばメーカーだって経営が行き詰まってしまうわけでありますから、そこは生産者の事情、状況というのは、専門の指導員も含めまして、メーカーはメーカーとしてお互い生産者との間に連携協力しながら、終年、いい関係を持って現場はやっていると、これが普通の状況であると思うんです。  しかし、今の置かれた状況のように、急激にえさ代が高騰していくといったような中でコストが大変な状況になっているというようなこと、そのことにどう対応するかということは、やはり酪農のメーカーの方も、乳業のメーカーの方も、そのことを真剣に、深刻に受け止めて対応をしていくというふうに聞いております。  そして、例年ですとこの乳価交渉というのは年明けから大体始まっていくものなんですが、今年は、生産者団体の方はえさ価格の高騰の情勢などを踏まえまして二十年度の乳価についてはもっと早めに交渉に入ってもらいたいということを求めておりまして、メーカー側もそういう事情を承知して既に話合いが始まっているというふうに承知しているところでございます。そういう乳業メーカーも、酪農家が飼料価格の高騰によって極めて厳しい状況にあるということは、先ほども申し上げましたが、理解をいたしておりまして、この交渉には真摯に応じているものと私は認識をしているところでございます。  農林水産省としましては、こういう生産者団体と乳業メーカーとが現状の認識を共有しまして日本の酪農の安定的な発展のために前向きな交渉が行われることを期待しているところでございますが、農林水産省が直接これらの生乳取引に介入をして直接干渉するというわけにはまいらないというのが状況でございます。  そういう民民交渉の過程で生乳価格が決定されていくというのは、過去においてもずっとそういう体制で、お互いが最終的には納得、調整してこの生乳価格を決めてきているということでございまして、我々としましては、そういう乳業メーカー自身も経営の中で決して楽な状況でございません、そのことはやはり製品価格にこれが反映されて、量販店や消費者の負担もお願いをしていかなければならない状況になっていくということも考えられるわけでありますから、そういう意味では、引き続き海外の諸情報を我々としては関係者の方に提供しまして、量販店や消費者の理解が醸成されますように推進を図っていく、環境条件を整えていくということで対応をしていきたいと思っております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 乳業メーカーに対して、もうけるなということは言いません、それは。もちろん利益上げなきゃいけないというふうには思いますけど。ただ、九月末、九月の中間決算の段階で、ある乳業メーカーでいいますと、純利益が三六・三%になっているわけですよ。主にチーズ部門が良好だったということなんですけれども。片や生産者は、生乳で出す場合には大体七十一円とか二円とか何円かで出すんですけど、チーズに出す場合は四十円ですよ。だから、価格は下がるわけですよね。確かに量ははけるんだけれども、しかし価格は下がるということでは、その分野にシフトが多くなればなるほど生産者の方はすごく大変になっていくということなんですね。だから、そこのところはもう少しやっぱり生産者に還元すべきじゃないのかなというふうに思うわけです。  それで、今お話大臣からありましたけれども、確かに共存の関係で、よって立つ生産者がつぶれてしまったら乳業メーカーだって成り立たなくなっちゃうということだと思うんですね。  そういうことで、例年三月末には、その価格、加工原料乳なども決定されるわけですけれども、それを今、早めにやるんだという話なんだけれども、これやっぱり、来年、普通だったら三月末だけど、一月にももう早期決定するような話合い設けて、あるいは現在の飼料価格や燃料価格を前提としてこの乳価を試算して発表するというふうなことを通して、民間ベースの乳価決定もある程度支援もできるというか、応援になる形になるんじゃないのかと。  今やっぱり生産者にとって必要なことというのは何かというと、やっぱり希望なんですよね。先行きが見えるようになるということで、あと三か月もすれば乳価は上がるということが分かれば、これは、じゃ、もう少し頑張るかということになっていくというふうに思うんですよ。そういう措置を、民間でということなんだけれども、政府として、そういうやっぱり方向性というか、示していくということではそういう措置をやるべきではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

若林正俊自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(若林正俊君) 委員も御承知のように、この生乳取引につきましては、行政側は、取引交渉が円滑に的確に行われるような体制づくり、環境づくりをずっとしてきているわけでございまして、今は指定団体、指定生乳団体は、北海道、今のお話であれば北海道はホクレンが、そして東北、関東、北陸、東海、近畿、中国、四国、九州、それぞれのブロック別に農協が販売農協連というようなものを組織しまして、それで、生産者の立場からこれを一元的にメーカーと交渉できるような体制づくりというのは今まで農林水産省も陰に陽に働き掛けをしながら、今、かつてのようにばらばらではなくて、そういうブロック別の話合いができるような体制を取ってきたわけでございます。  そういう中でその地域の牛乳取引をしている乳業メーカーとの間に非常に状況に応じた、物別に、用途別も含めまして、きめ細かな交渉がずっと続いていくわけでございまして、行政側がこれをとらえて決めるというよりも、もっともっときめ細かな価格の折衝、交渉があり、最終的にはその理解の下に乳価が決定されているというのが実情でございます。  そのような生産者の販売のための体制整備もしっかりしてきておりますから、その各ブロックの農協、販売農協連を中心にしっかり結束をして乳業メーカーと真摯な折衝を続けていかれることが望ましいと、こう考えておりまして、今年の状況を踏まえながら、少し前倒しで交渉が始まり、折衝が続けられているというふうに承知いたしているところでございます。行政が個別のことに直接に介入することは差し控えた方がいいというふうに考えているわけでございます。  なお、いろいろな情報の、新しい情報、生産費あるいは価格の見通しなどについて余り途中でいろいろな情報を出しましてということは、かえっていろいろな予断を与えるというようなことから無用の混乱を起こすおそれがありますので、やはりきちっとしたデータが積み重なって出せる時期にこれを公表していくということが正しいと、私はそう考えております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 やっぱりもう今度やめちゃおうかどうしようかというふうに悩んでいるところにある中で、何となくあいまいもことしてよく分からないというんじゃなくて、前倒しでやるんだったらやるんだということなんかを含めて、やっぱり希望の持てる方向をもっと打ち出していく必要があるんじゃないかというふうに思うんですよ。だって、そうしていかなければ、今本当に現に大変な借金抱えている人たちがもう続けられないということになってしまっているわけですから、そういう意味で私は農水省としてやれることというのはいろいろあると思うんです。そこをいろいろ工夫していただきたいと思うんですけれども、やっぱり情報が、今前倒しで早くやろうとしているということも言われているんだけれども、現に伝わっていないんですよ、現場には。ですから、やっぱり現地に行かれて、そういうことも直接的に受け止めながらやっていく必要があるというふうに思うんですけれども。  前回の質問をした中で、例えば家畜飼料特別支援資金というのがあって、これは見直しをして発動する基準を少し緩めたということをこの前言われました。使い勝手が良くなるようにしたということなんだけれども、現場でいいますと、やっぱり借金をしなきゃいけないということになるわけですから、そうすると、やっぱり利子が付いていくということ自体も大変重い負担になっていて、これ自体も利用をちゅうちょしてしまう、せっかく制度があってもちゅうちょしてしまうということになっていて、これなんかも無利子にしてほしいという声なんかもあるわけですよ。  ちょっと時間が迫ってきたので続けてちょっと言いますけれども、現在、バターなんかも不足しているという話があるんですね。それで、脱脂粉乳は今国際価格の方が高いですよね、国内のよりも。それで、その国内産をもっと使えるようにという話があるわけですけれども、やっぱり不足の事態にこれからなっていくということになれば、そんなに制限しなくても、搾る量も制限しなくてもいいということなんかも言うんでしょうけれども、言っているという話もあるんですけれども、しかし、実際にそのメッセージが伝わったときにはもう時遅しというか、あきらめてしまっているということにもなりかねないというように思うんですよ。北海道では生産抑制が必要ないというふうに今言っているんだというふうにこの前レクチャーのときに言っていましたけれども、しかし現場には届いてないからこそ、当座の経営困難を回避するために牛を売りに出しているわけですよね。  だから、そういうところに行って、生産基盤を縮小させないように、生乳は回復できなくなってしまわないように、農林水産省として、やっぱり来年度は計画生産ということで抑制をしなくてもいいんだと、だから牛を保持しておきなさいと、そのためには無利子の資金も用意するんだというようなことも含めて生産者を励まさないと、やっぱり本当にそうかということにならないと思うんですよね。  そういう点で、是非思い切った手だてを取っていただきたいというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。

若林正俊自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(若林正俊君) 大変苦しい事情にあるということ、そして将来、先行きについて、いろいろ形態によって違いますが、今までの経営の負債を一杯抱えている酪農家もいらっしゃるでしょう。それぞれ個々によっていろいろ違いがあると思いますが、私は、やはり生産者団体が本当に、さっき組勘というお話がありましたが、生産者の事情をよく承知しているわけです、一番分かっているわけですよね。そういう生産者団体が、北海道であれば北海道単位に組織化してホクレンという組織をつくり、そのホクレンが生産者の、また単協のJAの更に委託を受けた代表として乳業メーカーと話をするし、経営の相談にも応じているということであります。  我々は、そういうJAの指導力、組織力、それらを非常に高く評価いたしておりまして、いろいろな情報も、すべての農家に直接情報を的確に伝えるというよりも、そういう事情をよく分かっている生産者の組織ですから、そういう組織を通じてお話を、情報を伝達をするのが基本になろうかと考えているところでございます。  なお、先ほどお話ありました畜産飼料特別支援資金について無利子にしたらどうだというお話ございますが、もう委員も御承知のように、実はこれは災害資金と同じ、災害で打ちのめされた状態であっても、災害とかそういう環境変化に応ずる一時的な経営悪化に対する措置としては、一・三五から一・四五%という言わば政府資金の中では一番の低い条件を提示しているわけでございまして、災害資金並みのものをここで提供するということで御理解をいただきたいと思います。

紙智子日本共産党

○紙智子君 じゃ、時間になりましたけれども、やっぱりしばらくは穀物市場はこの後も高い値段が続くと言われているわけですから、そういう意味では、先を見越して温かい対策を取られることを最後に心から要求いたしまして、質問を終わります。

郡司彰民主党・新緑風会・日本

○委員長(郡司彰君) 本日の調査はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時二十四分散会

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