決算委員会 第5号
- 発言数
- 301 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2007/12/10
会議録
○委員長(小川敏夫君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日までに、大島九州男君、遠山清彦君、浜田昌良君、大久保勉君及び舟山康江君が委員を辞任され、その補欠として外山斎君、松あきら君、魚住裕一郎君、福山哲郎君及び吉川沙織君が選任されました。 ─────────────
○委員長(小川敏夫君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 平成十八年度決算外二件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣審議官兼内閣府大臣官房政府広報室長高井康行君外十四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小川敏夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(小川敏夫君) 平成十八年度決算外二件を議題とし、本日は全般質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○藤本祐司君 おはようございます。民主党・新緑風会・日本の藤本祐司でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 今日は、福田総理始め全大臣、全閣僚が出席していただいての平成十八年度の決算全般に関する質問ということでございます。 決算といいますと、国会の決算何やっているんだということを余りよく御存じでない方も、今日はテレビ入りでございますので、そこら辺りから入らせていただいて、テレビ中継ということがございますので、御答弁なさる方々には是非とも簡潔に分かりやすい御答弁をいただきたいということをまずお願い申し上げたいと思います。 決算といえば、当然のことですが、繰越金とか剰余金など、こういったものを含めた収支バランスというものを、この平成十八年度の収支バランスどうなっているのかということを示すということと同時に、もう一つ、会計検査院が平成十八年度に各省庁や独立行政法人等々、政府からお金が入っているそういう機関に対して調査をします。この調査報告書というのが出されまして、これに基づいての報告書というのが、非常に厚いんですけれども、これはテレビ見ている一般の方、なかなか見たことがないと思いますが、これ、千二百四十六ページ、今年は千二百四十六ページでございまして、過去一番多いときは千五百ページ弱のときもありましたし、大変厚い報告書を、我々としてはこれを中を見まして今日は幾つかの質問をさせていただきたいというふうに思います。 こうした、言ってみれば税金を正しく、適正にかつ有効に使っているかどうかというのをチェックしたものが、今ごらんに入れましたこの千二百四十六ページの平成十八年度決算検査報告と、これでございますので、この中身から少し質問をさせていただきたいと思います。 お手元にお配りをしてございますが、これ全体像でございます。ちょっと見えるかどうか分かりませんが、今年、平成十八年度、一番下に黄色く線が入ってあります、網掛けを入れてありますが、今年一年間で四百五十一件の指摘金額、指摘されておりまして、金額にして約三百十億円という、この金額が指摘されています。これ何かというと、ある意味、不当事項、あるいは処置要求事項、あるいは改善処置をしなさいよという事項でございまして、言ってみれば無駄遣いがあったんじゃないかということを会計検査院が示したものでございます。(資料提示) これパネルで見ていただきますが、平成九年度から、今回、約十年間示してございますが、平成九年度二百四十三億、十年度百四十三億、ずうっと来て、この十年間のトータルが何と三千五百八十五億円にも上るということで、増えたり減ったり、増えたり減ったりしてはいるんですけれども、基本的には減り続けているわけではないと。毎年毎年同じような指摘をしながらも、全然これ減ってないということでございますが、これに対しまして総理大臣あるいは財務大臣が毎年同じような説明をしておりまして、御指摘を踏まえて積極的に予算の質の向上に努めますと毎年言っているんです。 これ、真摯に受け止めて努力いたしますと言っても、結局学習効果がないような状況になっているというふうに私は思っておりまして、福田総理、この結果あるいは十年間の状況を見てどのようにお考えになりますでしょうか。
○内閣総理大臣(福田康夫君) 委員の御指摘のとおり、こういう不適切なる結果が出てしまうということについては本当に残念に思っております。 したがいまして、これは不断の努力そして注意、様々な努力が必要なのだと思っておりますので、そういうことについて再三注意喚起をする又は命令をするといったようなことをしておるところでございます。今後とも、具体的なことについて適切に、また厳しく対応していきたいと、このように思っているところでございます。
○藤本祐司君 結局、それが毎年毎年同じことの繰り返しで、こういうことで何にも減ってきていないということで、不断の努力をいたします、各省庁にきちっと対応策を考えさせますというふうに言っても、結局、これ変わっていないんですね。 このパネル、今申しましたが、平成十八年度だけ見ても三百十億円です。その次に、これ二一・九%と書いてありますが、これは実地検査の実施率、これは多分、この決算報告書を見ますと八・三%になっているんですが、実はこの八・三%というのは特定郵便局とか駅とか、そういう小さなものまで含めて、そこは全体で〇・三%しか調査をしていないんですが、金額的にも少ないので、実質的には中央省庁なりその出先機関などが三百十億円で、それが全体の二一・九%ということになっておりまして、毎年大体二〇%前後をこのように実地検査、要するにそこへ行って調査をして、多分一日か二日しか調査をできないんだろうと思いますが、その中で出てきたものがこの金額でございます。 これはもし実地検査を一〇〇%やった場合どうなるかということが、この左から五つ目の実地検査一〇〇%の場合の指摘金額、これ推定でありますが、単純計算するとこの金額になりまして、十年間トータルで一兆六千七百六十億円にまで上ってしまうと。これだけの無駄遣いがあるということでございます。これ多分精神的に、精神論で努力しますということだけでは絶対にこれ直らない、そういう問題だと思うんですね。 これは財務大臣にお聞きしたいんですが、こんな程度のことはそんなの関係ないと思っているのかどうか。これはやっぱり、どげんかせぬといかぬというふうに思ってきちっとやらないと絶対直らないんですが、これ精神論以外で具体的にどのような方法でこの数字を減らしていくことができるか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(額賀福志郎君) 基本的には今総理がおっしゃったとおりでございますけれども、藤本委員がおっしゃっている実地検査率というのは二〇%と書いてありますけれども、実態的にはその前に書類検査などをしまして、あるいはまたいろんな情報収集をして、これはちょっと問題ではないか、そういうところに実地検証、実地検査をしていくわけでございまして、しかもなおかつ、それは単年度でやっているわけではなくて、一つの案件について五年も六年も、あるいは場合によってはもう十年ぐらい継続的にやって傾向をきちっと把握していく、そういう中で指摘事項とかそういうものが出されていくわけでございますから、藤本委員の場合は、二〇%だからあとこれは五倍すれば一〇〇%だねという単純計算では成り立たないということは是非御理解をいただきたい。だから、この数字を見ると大変だねというふうに印象を持ちますけれども、実態的にはそういうことであると。 しかし、問題としてはやっぱりきちっと適正に国民の税金が使われていないということが問題でありますから、これは我々も総理の指示も受けまして、各省庁においてしっかりと対応するように毎年やってきているわけでございます。今年度もこの御指摘を受けた上で、来年度予算編成に当たっては、しっかりとこういう御指摘を受けた上で無駄のないように効率的に予算編成ができるように、しっかりと今対応させていただいていることであります。 しかもなおかつ、毎年こういうことが起こることについて何が問題かということについては、我々も緊張感を持って国民の信頼にこたえていかなければならない、あるいはまた、チェック体制をどういうふうにしていくかとか、そういうこともきちっと併せて考えていかなければならないというふうに思います。
○藤本祐司君 これが二〇%で五倍じゃないということは、そんなことは百も承知の話でございまして、会計検査院の方々がこれはおかしそうだなというところだけ行っているということでは、それはまあ一つあるんですが、ただ、この決算検査報告ずらっと見てみますと、後ろの方に国会から検査要請をした事項というのが書いてあります。これは、例えばタウンミーティングとかODAとか随契とか、あるいは談合による無駄遣いという、これ金額載っていないんですね。要するに、それは幾らになるか分からないと。数字が分からないからということなので、この一兆六千七百億になるかどうかというのはともかくとして、非常にこれ以上に膨らんでいる、この三百十億円よりも膨らんでいるということはこれは間違いないことなんですね。だから、そこのところをやはりきちっと理解をした上で、これでもうほとんどすべてなんだということではないということはきっちりと答弁をしていただかないといけないなというふうに思っておりますが。 それともう一つ、今大臣がおっしゃったように、これは平成十八年度だけではなくて、確かに十一年度から十八年度分まとめてということがこれ入ってはいるんですが、ただ、これ毎年毎年同じ指摘を受けているような事項というのもあることも事実なんですね。 例えば、これは総務省でいうと、情報通信格差是正事業の実施及び経理が不当というのが平成十四年度から十八年度まで連続で、十四、十五、十六、十七、十八ですから五年間ですね、五年連続で指摘を受けています。財務省も、租税の徴収額の不足が五年連続。文部科学省では科学研究費補助金の不当経理が、平成十四年度と十五年度飛ばして十六、十七、十八年度。厚生労働省、これは各種社会保険料の徴収不足あるいは不適正な支給というのは、これほぼ毎年指摘を受けています。労働局の超過勤務手当、これも四年連続。ということで、いろんな違ったような、違った中身が指摘されているのであるならばそこの中身、その単年度、そこのところで何か問題があったのかなというふうに思いますけれども、このように毎年毎年同じような過ちを繰り返しているということも現実にあるわけなんですね。 確かに人というのは間違いを犯しやすいんだと、犯すんだと、完璧なことはあり得ないということは分かるんですが、同じ間違いを同じ項目で、同じ事項で五年も六年も繰り返しているというのは、努力をいたします、精神論だけの話ではないんじゃないかなというふうに思いますが、福田総理、どのようにお考えになりますか。
○内閣総理大臣(福田康夫君) これは本当に毎年繰り返していることなんです。その原因が何にあるかということなんですけれども、それはいろいろあるだろうと思います。基本的に、いろいろあるかもしれぬけれども、基本的にやっぱり国民の税金を自分たちでお預かりして、預かってやっているんだという、そういう自覚がやっぱり乏しいのかなというふうな感じがいたします。ですから、そういうことについて、やはり公務員としての意識をしっかりと持ってもらうということを考えなければいけないと思います。人ごとで済ますということでない、自分のお金だったらどうするかということを考えたらばそんなの分かることなんでありまして、お金がお金でなくて物扱いになってしまっているというような意識、これが根底にあるんだろうと思いますんで、そういう意識改革なんかも併せてやっていかなければいけない。 それからもう一つは、やはりそういう経理知識とかそういったようなことがない人が仮に配属されるというようなことがあって、そのことによって起こることであるならば、そういう配属した人の責任も問われる問題だというふうに私は思っております。
○藤本祐司君 どう聞いても何か人ごとのようにしか聞こえなくて、それを具体的に、精神論、道徳論の話だけではないような気がしてならないんですね。先ほど申し上げたように同じ間違いが繰り返されていると。 舛添大臣にちょっとお聞きしたいんですが、厚生労働省の社会保障の関係というのは毎年繰り返されているんですね。それと同時に、もう一つ資料を提供しますが、(資料提示)この赤いところが、これが今までの指摘金額、過去の指摘金額なんですが、厚生労働省関係がずっと一番なんです。十六年度だけ文科省があるんですが、これは国立大学の独立行政法人にするときの評価のことでございますので若干毛色が違うので、それを除くとずっと厚生労働省関係なんですね。これは多分答えとしては、予算が一番多いからだとか特別会計の、社会保障の関係の特別会計があるからだというようなお答えが返ってくるだろうということは想定しておりますので、そのことは答えなくて結構なんですが、そうはいっても、額が一番大きいということを考えれば、やはり何らかの対応をしなきゃいけないんだろうというふうに思いますが、御決意をいただきたいなと思います。
○国務大臣(舛添要一君) 今理由は既におっしゃっていただいた、それともう一つは、事業主が例えばきちんと届け出ていないと保険料を徴収しようがないんですね。そういう点もあります。 しかし、これはやっぱりずうたいが大きくて予算規模が国家予算の四分の一が厚生省だから、それで漫然としておいていいというものではありません。国民の税金ですから、きちんと厳正に今後改善するように努力をしてまいります。
○藤本祐司君 具体論がなかなか聞くことができなくて、先ほど福田総理からも倫理的な話だとか意識の問題、意識構造の問題だけは言われているんですが、実はやはりこの中には意識構造というのは確かにあるんだと思います、倫理、意識構造。 ただ、その中の省庁のシステムであるとか、あるいは今日実は私のテーマにしようと思っていた記録の不備というところがやっぱり出てくるのかなと。幾らチェックをしようと思っても、記録がないので正しいのか正しくないのか分からないというような問題とかというのが出てきまして、指摘金額は確かに三百十億円なんですが、その背景にある金額というのは物すごい額になっている。それはなぜ背景、具体的に示せないかというと、記録の不備あるいは情報が公開されていない、こういったところから明確に出てきていないということがあります。ですから、そこの原因というのは、記録というのをきちっと取ってそれを公開するんだというところからチェック体制というのができ上がってきて、省内だけのチェックではなくて、国民の側のチェックというのをやはりするような仕組みというのをつくっていかないと多分駄目なんだろうなというふうに思っています。 我々はそれを踏まえまして、実は、菅直人代表代行を本部長といたしまして、私のこの後質問をする福山議員が事務局長、そして長妻代議士が事務局次長としておりますが、ムダづかい一掃本部というのを立ち上げました。(資料提示)このムダづかい一掃本部、これはHAT—KZというふうに、このHAT—KZシステムというのが無駄遣いを生んでいるんだということを我々は主張しております。 簡単に説明しますと、Hはひも付き補助金のHです、ひ、Hですね、の補助金のH。HATのAが天下りあっせん・仲介のAです。Tが特別会計。 最近、特別会計というと、その積立金といういわゆる埋蔵金の話が話題になっておりまして、運用益の累積繰越利益が〇七年度末で財政融資資金特会で十九・六兆円あるいは外為の資金特会で十九・三兆円と、それぞれ外為特会の場合は一・六兆円を一般会計に繰り入れたり、財政融資資金特会というのは十二兆を取崩しをするということになってはいるものの、十九・六兆円、十九・三兆円と、二十兆円の繰越利益が出ていると。それをどう使うのか、あるいはそれ自体が本当に必要なのかどうかということを考えていくのが特別会計でございます。 で、Kが官製談合。これは御承知のとおり、昨年度から水門工事、あるいは福島、宮崎、和歌山県での官製談合という問題がありました。で、Z、随意契約。特にこれは天下りと関係してきますが、天下りが頻繁に行われているいわゆる独立行政法人、こういったところを中心に、例えば情報システム調達の七割が随契であり、その落札率が九五・五%と、こういった指摘もあるわけで、これらをやはりチェックしていかないと無駄遣いというのは一掃できないんだということで我々は取り組んでいるわけなんですが、先ほど申しましたように、情報公開が徹底されていない、記録が残っていないということで、実際にどのぐらい無駄なのかということがなかなか証明できないという現実があるんですね。だから、本当にこのチェックをしていく、決算、無駄遣いをなくしていくためには、まずはやはり情報公開というのが必要なんだろうというふうに私は思っています。 我々民主党の税制調査会の中でも、租税特別措置の効果を確かめようと思っても利用実態を裏付ける客観データがないんだと。各省庁にヒアリングしても、実際に省庁自身も把握していないんだと。政策評価もしていないんだと。これじゃ、どうやって評価をするのかと、どうやってチェックするのかということを大変疑問に思うわけでございまして、今日のテーマ、記録、情報、いわゆる公文書といったところを中心にちょっとお聞きしたいと思います。 まず福田総理にお聞きしたいんですが、その中の公文書ですね。福田総理は官房長官時代に、この公文書に関して大変関心があって、今の日本の公文書館とか公文書の保管、保存、こういったところに対して懸念を示されている、そして有識者懇談会を設置しているということでございます。 文書管理法が整備されていないとか、あるいは公文書館のいわゆる職員の定員が、日本が四十二名、アメリカが二千五百名と、そんなような差が出てきている。もちろん、カウントの仕方が若干違いますので、そのまま比較はできないかもしれませんが、イギリスでも四百五十名、フランスでは四百四十名、中国では五百六十名、韓国は百三十名という、こういう公文書館、公文書の取扱いの考え方というのは大分違う、あるいは中間書庫システムも整備されていると、海外では。 この辺り、多分危機感もあろうかと思いますので、福田総理にその公文書、このいわゆる記録ですよね、この記録の考え方についてお聞きしたいと思います。
○内閣総理大臣(福田康夫君) 民主主義というのは、やっぱり国民一人一人が正確な判断をするということであるからには事実が明確でなければいけないというように思います。ですから、そういう事実をやはり国民にできるだけ明らかにしていくということは民主主義の原点だというように思います。そうすると、そういう記録とか事実とかいうものをどうやって公表し、そしてまたそれを残していくかということも、これも国として基本的な仕事ではなかろうかというふうに思っております。 そして、今委員御指摘のその公文書の重要性といったような観点からしますと、そういう記録、国が何をしたかといったような記録が、これはその国の歴史を形作るものでもあるというように思いますので、これは、そういう記録する文書がないということは歴史そのものが、またその存在が疑われる、若しくはその信憑性が疑われるというようなこと、後世になってそういうことが起こる可能性があるわけでありますから、やはりきちんとそういう文書というものは残していかなければいけないと思います。 一つの法律を取り上げましても、その法律がどういうような過程を経て成立したかといったような一つ一つの法律のその成立過程というものも残していかないと、何十年たって、あの法律は何のために作ったのかと、どういう趣旨でもって作ったのかといったようなことも分からなくなってしまうというようなことであってはいけないんだろうというように思いますので、こういう公文書というのは大事な記録文書であるというように思います。 ですから、当然しっかりと国でもってこれを保管すると、そして必要に応じて国民に開示することが国の義務であるというように思っておりますので、このことは大変大事に思っております。
○藤本祐司君 ありがとうございます。 去年、水門工事の件でヒアリングをしたときに、やっぱり保存期間が書類が五年間だからといって、五年以上前のものを破棄してしまったということを平気で言われるわけですね。でも、設計図書なんというのは五年間でその水門ができるわけじゃないので破棄するわけがないんだけれども、すぐ保存期間というのを持ち出して、破棄してしまいましたよとか、そういう言い訳に使われているんですね。だから、この文書管理というのはとても大切で、ここのところをやはりきちっとしていかないといけないんだろうというふうに思います。 また、今、福田総理が歴史という、歴史の事実というものを語るものが公文書であるというふうに言われていますが、最近、例えばテレビとかいわゆる雑誌とかで歴史の問題が出てくると、その制作協力、資料提供、アメリカ国立公文書館というのが最初に出てくるんですね。だから、日本の歴史というのが何かあたかもアメリカの公文書を基にしかつくれなくなってしまっているんじゃないかと、そういう危惧さえ私は持っております。 昔から、日本は和紙の文化ですので、和紙という保存能力を考えると、大変日本の歴史というのは、古い昔のことに関して言えば和紙でそれが保存されていると。ところが、戦後あるいは戦争の前後から基本的に日本の記録なり公文書というのがほとんどないというような状況になってきてしまっていると。そうなってくると、基本的に我々は記録を残すという文化から記録を抹消する文化へと移ってきてしまったんじゃないかという、そういうふうに今思わざるを得ないんです。 つい先ごろの話でありますが、沖縄での集団自決、これは日本の国軍の命令があったかなかったかというところで教科書問題に発展しているわけなんですが、この集団自決の資料がないと、資料がないからといって事実がないということを断定するわけには恐らくいかないんでしょう。ですから、資料がないからといって事実がないということになってしまうと、すべて日本の歴史というものが空白になってしまうということにつながってきてしまうだろうと思いますし、大体、戦争のときなんかも、敵国が攻めてきた、さあ逃げなきゃならないといったら資料、まず資料を焼き捨てるところからスタートするわけなので、資料がないのがある意味当然という部分もあるんだろうというふうに思いますので、この資料のあるなしが、あるいは文書のあるなし、記録のあるなしが歴史の事実があるなしとは多分無関係なのかなと、関係は全くないと言い切ることはできないんではないかというふうに思っているわけでありまして、正に福田総理がおっしゃったような、歴史を形作る一つのものとして公文書というのは大変重要だというふうに、その信憑性、信用性というのは大変重要な重いものだというふうに思っております。 さて、ちょっと観点を変えますが、質問ではございませんが、額賀大臣がいわゆる防衛省の問題で、人形町のいわゆる料亭に行ったか行かなかったか、宴席に参加したか参加しなかったかということについても、実際に記録として残っているのは、別の会合に出て家族と食事をしていましたよとか、あるいは写真がありましたよということなんですね。正に、推理小説の世界でなくても別の会合に時間をずらして行くことができるわけなものですから、基本的に守屋氏あるいは宮崎氏あるいはジム・アワー氏と同席していないということを一〇〇%完全に裏付けるという証拠にはなっていないわけでありますね。そこの証拠能力というところではいささか、若干疑問というのがあるわけなんですが、一方、守屋氏はいわゆる記憶の中で証言をしているわけです。 つまり、これは額賀大臣の不確かな形式知と言われる記録と守屋氏の暗黙知と言われる記憶と、その闘いになってきておるわけでございまして、これを証明するには、もう基本的には形式知はないものと考えて、暗黙知と暗黙知、つまり記憶と記憶を同じ席上でやはり議論をしてつじつまが合うか合わないかということをやらないと、多分これは本当のことが分かってこないんだろうなというふうに私は思っておりますが、福田総理にそこでちょっとお聞きしたいんですが、もし万一、これはもし万一なので仮定の話はお答えできないってまた答えられるかもしれませんけれども、公式的な記録がきちっとあるならば、どちらかに、これははっきり明確になるんだろうというふうに思いますが、公式文書の重要性ということを考えれば、やはり公式的な記録というのがあるかないか、そこのところは大変重要だと思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(福田康夫君) ちょっとよく分からないんですけれども、何の公式記録かちょっと具体的にお教えください。
○藤本祐司君 いや、例えば、例えばですが、行った、行ったことがあるという片っ方からちゃんとした記録が、公式的な記録が残っていればそれははっきり分かるんですが、今のところ記憶同士でしか話をしていないので、そこのところがよく分からなくなっていると。仮にどちらか、額賀大臣も絶対に行ってないという証拠が出せることができるのであれば、それはそれで額賀大臣の発言が多分正しいだろうと。ただ、守屋氏の方が絶対に来ているということが何らか明確な、客観的な判断ができるようなものがあればそれはできるんでしょうねという、ただそういうことをお聞きしているだけなんですけれども。
○内閣総理大臣(福田康夫君) 大変申し訳ありませんけれども、やっぱりよく分からないんで、もう一度御質問ください。
○藤本祐司君 要するに、記録というものの重要性ということで考えると、ちゃんとした記録が、まあこの問題じゃなくて、じゃこの問題じゃなくて結構なんですが、記録があるかないかということがやはりその判断の基準になるかどうかということなんですね。
○内閣総理大臣(福田康夫君) それはそのときの事例によりますよね。それは一般論だけですべてを決めるわけにはいかないんです。
○藤本祐司君 そういうことではなくて、要するに、記録というものがきちっと残っているのであればたとえこの問題であってもはっきりするんでしょうねということをお聞きしているんです。今、記録がないのでこれは明確になりにくいところがあるんだろうということは分かっておるんですが、記録があればそれははっきりするんですかということをお聞きしているんです。
○委員長(小川敏夫君) どなたにお尋ねですか、藤本君。藤本君、どなたにお尋ねですか。
○藤本祐司君 はい、どうぞ。
○委員長(小川敏夫君) 額賀財務大臣。
○国務大臣(額賀福志郎君) 私に関連して公式文書とか証拠があるかないかとかという話でございましたけれども、これは前から私もきちっと調べた上で申し上げておりましたように、守屋証言はあの証人喚問の中で、不確かな情報に基づいても結構だから、だれだれさんがいたとか、だれだれさんであるというふうに思うという形でもいいから言いなさいということから私どもの名前が出されたわけでありますけれども、後でマスコミのインタビューとか読売新聞のインタビューで、額賀さんが行っていないということであれば私は逆に不安になってきたと、そういうことをきっちりと言っておりますし、それから、当日は私はジム・アワーさんを、ジェームス・アワーさんを中心とした集まりの中で私も参加していたということでありますけれども、ジム・アワーさん自身が公の場で記者会見をして、私と一度も会食したことはない、その場に参加をしていないと明言をしております。と同時に、その主催者であった財団法人の理事長も、あるいはまたそこに参加をしておられた八人のうち逮捕された二人以外は、六人は私が参加をしていないということを明確に申し上げております。 あなたたちはきちっと取材をしてください。その上ではっきりと物を言ってくれなければ、私が疑惑を持たれるだけであります。 私は、きっちりとその点については国民の皆さん方に申し上げますけれども、しっかりと、その場所に参加をしていなかった身の潔白の証明ができたというふうに思っておりますから、この場をかりて国民の皆さん方に御理解をいただきたい、私を信じていただきたい、そのことを申し上げさせていただきたいと思います。
○藤本祐司君 ちょっと、本当はもう少し突っ込みたいところなんですが、実は外務大臣が九時四十五分からスリランカの大統領と会談をされるということで、ちょっと先に外務大臣にお聞きしたいと思うんですが、実は、この一連の問題あるいは水増し請求であるとかグアム島への米軍移転の費用の問題で、また後ほど石破大臣から御説明あるかと思いますけれども、これからちょっと想起することとして、実は直接的にはこの平成十八年度には関係ないんですが、ちょっとそこから思い起こせることが、実は沖縄返還の密約があったかなかったかというこういう問題があるわけなんですね。 これは二〇〇〇年の五月と二〇〇二年の六月でしたか、日米間の密約を裏付けるアメリカの公文書、これは、先ほど公文書が重要だというお話がありましたが、公文書の存在が明らかになったと、これは多分高村外務大臣も御存じだと思いますが。 その当時、二〇〇六年二月には、返還交渉をされた当時の外務省のアメリカ局長の吉野氏が密約の存在を証言をされていると。アメリカの公文書によると、沖縄返還費用が三万二千ドルありますが、その内訳が違う。内訳が日本の発表とアメリカの公文書とでは違う。そしてさらに、その三万二千ドルとは別に一億八千七百万ドルが、あっ、三億二千万ドルとは別に一億八千七百万ドルの日本側の支払があったというふうに記されているというふうに聞いてはおるんですね。それに対して外務省の見解はどうなっているんでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) この問題は国会で何度も何度も聞かれているわけでありますが、歴代外務大臣が一貫して答弁しておりますように、密約はございません。沖縄返還協定がすべてでございます。
○藤本祐司君 当初はこの密約がなかったという話であったわけなんですが、いわゆる外務省の吉野氏も密約はなかったという証言をされていましたが、その後、この公文書館に自分のサインもあるということから、密約はあったということを認められているんですね。 ですから、先ほどから、歴史がアメリカの公文書によってつくられているということであるならば、ある意味その公文書があるというふうに、私のところにも手元にコピーはあるんですね、これ原本ではございませんが。コピーがあるんですが、これを調べていただくことはできるんでしょうか。これが本当なのかそうなのかということに対してお調べになるということはできるんだろうと思うんですが、それはいかがでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 私たちとすれば、密約はなかったと、もうこれは断定していることでございますから、アメリカ側から、いや、あったんだよと問題提起されたこともございませんし、新たに調べるつもりはございません。
○藤本祐司君 もちろん、提起されていないのかもしれませんが、アメリカの国立公文書館にこのコピーが保存されているということを証明するようなコピーが残っているわけでありまして、私は、その中に密約があったかなかったかをここで証言してくださいなんてことを一言も言っているわけではございませんで、この公文書がなかったということであればあれなんですが、実際にコピーがあるので、それを調べてみたらいかがでしょうかということを申し上げているんですね。だから、調べてみて、いや、これは間違っていたよと、偽物だったよというのであれば、それはそれでいいんですが。 先ほどから記録というものについて申し上げているのはそこも一つございまして、公文書、これを調べるだけのこと、価値はあるような気がしてならないんですが、それを調べることもないんでしょうか。この挙証責任は政府が、外務省がやはりこれは立証するべきことだというふうに思っておりますが、調べることもできないんでしょうか。なぜ、それ調べることができないんでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 沖縄返還協定がすべてでありまして、その国会でもいろいろ質問があって、それに対して答えているわけです。そのコピーというのはいかなるものか、あるいはそのコピーの本物があるんでしょうけれども、それはどういうものか分かりませんけれども、いずれにしても、最終的に沖縄返還協定ですべてまとまっているわけで、その間の交渉過程でいろいろあった、そういうものを今何か特に蒸し返して調べる必要を日本政府としては認めていないと、こういうことでございます。
○藤本祐司君 どうも理解できないんですが、まあいろいろあったと。そのいろいろあったうちの一つなのかもしれませんが、私はその二千万ドル余計に払ったとか内訳が狂っているということで、それがいけないとかいいとかということを今申し上げていないことも分かっていると思うんですが、お分かりだと思いますが、そのことをなぜ調べないのかと。 アメリカの国立公文書館というのはワシントンDCとメリーランドにあるんだろうと思います。アメリカにいる日本大使館というのもワシントンDCにあるんだと思います。行って調べてちょっと話を聞けば二、三日で終わってしまうこと、それがなぜできないのか、とても不思議なんです。それをしないということは、何かおかしいことがあるんじゃないかというふうに疑わざるを得ないんですね。 それはもうそれがすべてだというふうにおっしゃっていますけれども、新たな証言が出てきた。吉野さんというアメリカ局長が、以前は密約はなかったと言いながらも、その後、密約があったというふうに言って新たな証言が出てきたんであれば、それはやはり調べるべきだというふうに私は思います。 鳩山法務大臣、済みません、通告していないんですが、例えば死刑の判決が下りましたと、死刑、この間三名の方執行されましたが、そのことには触れませんが、死刑の判決がありましたと。そして、その後に新しい事実が出てきましたということになったらば、もう一度これは事実関係を洗い直すということは当然されるんだろうと思いますけれども、いかがでしょうか、法務大臣。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 私が申し上げられることは、この間、三人の方の死刑を執行いたしましたけれども、それに当たりましては、すべての記録をそれは総力を挙げて全部読み返して、もちろんその後の再審の請求とか恩赦出願とか、あるいは死刑確定囚の方でも心神喪失の状態にあればこれは死刑を執行しないということになっておりますし、非常上告というのはまれであるかもしれませんが、そういう可能性もありますし、すべての記録を読み返して絶対に、いわゆる一般的に言うならば冤罪の可能性がゼロだという判断をした上で執行させていただきました。
○藤本祐司君 要するに、今すべてのことを調べた上でという話になりました。アメリカ返還協定と死刑を一緒にするのはおかしいじゃないかという話はあるかもしれませんが、多分すべての文書を調べた上で事実はこうだったよというふうに言いませんと、日本の歴史がゆがんでしまう可能性があると。それがいいとか悪いとかということではなくて、歴史というものをきちっと把握するためにも、アメリカに、公文書館に公文書があるんであればそれを調べても当然なんじゃないかなということを私は申し上げているだけであって、なぜそれが調べる必要がないというふうに判断されるのかがよく分からない。 平成十四年度の参議院の外交防衛委員会で当時の川口順子外務大臣が、河野元外務大臣が吉野文六氏に確認したらその密約は存在しなかったと、確認をしたら密約は存在しなかったというふうに答えていらっしゃいます。その際、川口順子外務大臣が、吉野氏、吉野さんの証言があった、したがって改めて、要するに否定をしたということですね、密約がないと、したがって改めて調査を行う考えはないとお答えになっていますけれども、そこのところは高村大臣、御認識されているんでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 川口外務大臣がどう答えられたか、私はよく、今聞いて初めて知ったわけでありますが、私はさっきから委員がおっしゃることを聞きましてよく分からないんですが、そこに何か問題があるかもしれないから、あるから調べろというんならそれは分かります、そこに何か問題があるから。さっきから、私は問題があると言っているのではない、だけど歴史を確定するために調べろと。これはちょっと、外務省の職員の数も限られていますし、問題があるから調べろ、こういう問題があるというんであれば、こういう問題があるというんであれば、それは場合によっては、確かにそれは問題があるなと思えば調べるかもしれませんが、私たちの認識は、あくまで沖縄返還協定という、それを国会で当時も十分審議をして、そして決まっているわけでありますから、その今の文書というのを私は読んでおりませんけれども、コピーがあればお渡しいただければ有り難いと思いますが、それは最終的に沖縄返還協定と同時に作られたものなのか、あるいはその前のいきさつ、段階のところなのかもよく分かりませんしね。 だから、そういうことを、そういうことを問題視される方がしっかり調べて私たちに言ってくださればいいわけですね。何か、ともかく調べろと、問題があると言っているんじゃない、ともかく調べろというのは、私はよく分かりません。
○藤本祐司君 問題があるというのは、要するに日本の発表とアメリカの発表が違うから問題があるというふうに言っていて、その中身について何が食い違うのかというのは外務省が調べてくださいということを言っているんです。 私どもは、コピーにあるんだからそれを調べてくださいねと。確かかどうかというのを、確かじゃないというふうにおっしゃっているんであれば調べてくださいということを申し上げているんですが、平成十四年六月二十八日ですが、福田総理が官房長官だったときの会見で、この件につきましては、沖縄返還時に密約はないが、どんな文書か調べて返事をすると回答されています、六月二十八日、平成十四年。ところが、翌二十九日、やはり当時の川口順子外務大臣が調査する必要はないと否定をしているんです。前の日に調査してみましょうと言って、翌日外務大臣が否定されているんですが、福田総理、今となって、この文書がどんなものか調べてみる必要性が私はあると思うんですけれども、総理、いかがでしょうか、公文書館の必要性ということから考えて。
○内閣総理大臣(福田康夫君) 私が官房長官としてそういう答弁をしたとするならば、それを受けて外務省では当然調べているでしょう。若しくは、もう調べる必要もない、もう既に、これはもう決定的な政府間の取決めが事実であるということであれば調べることもなかったかもしれません。しかし、外務大臣がそのように答弁をしたということは、私の発言を受けてされたんだというように理解しております。
○藤本祐司君 これ、通告のときにお聞きしたんですけれども、この存在自体を知らないと外務省の方がおっしゃっていました。知らないということは見ていないということなんで、調べていないということになるわけなので、私はこれを調べていただきたいなということを申し上げておきますが、高村大臣がスリランカの大統領との会談で九時四十五分ということですので、この問題はまたの機会に少し質問させていただくといたしまして、取りあえずこの問題はこの段階では終わりにさせていただきたいと思います。済みません。ありがとうございました。 それと、やはり防衛費の問題では、この間の外交防衛委員会で水増し請求の問題になり、そのときにも石破大臣が、水増し請求については見積書が正しいかどうかはアメリカの企業に聞いてみないと分からないと、恥ずかしながらというお話がありましたが、やはりこういう問題全部、向こう側に聞かないと分からないということなんですね。 もう一つ、この問題については福山議員がこの後、私の後やりますので、私は質問をいたしませんが、一点だけ。 グアム移転、住宅のグアム移転、これも日本とアメリカの言い分というのが必ずしも一致していないと。この文書、記録というのがなかなか一致しないところがあるんだろうなというふうに思います。 この間、石破大臣が一戸当たり四十四万ドルになるんだというのが正しい答えだということをたしかおっしゃっていたと思いますが、四十四万ドルといっても、一戸当たり五千万も掛かるんですね、五千万。五千万というのは、この間、私も被災者生活再建支援法の法律を考えるときに、日本の住居が一戸当たりどのくらいかと考えたらば、千七百から二千万ぐらいなんです。ですから、五千万というのはいささか高過ぎるんじゃないかと。こういうものを考えると、豪華な住宅を建てようと思えば幾らでも建てられるわけで、それを言い値で、水増し請求と同じように言い値で払うというのはやはりおかしい。 どうやってこういう適正価格の見積りを出させていくのか、具体的な方法を少しお聞きしたいと思っております。
○国務大臣(石破茂君) 委員から的確に御指摘をいただきましたように、四倍四倍と言われておりますが、四倍ではないということを先般お示しをいたしました。これはお手元に資料をお配りをいたしておりますし、あるいはテレビをごらんの方はこちらをごらんいただきたいと思っております。(資料提示) つまり、建て替えが一戸当たり十七・六万ドルであったではないかと、こういうふうにおっしゃるわけですが、いや、そうじゃないと。建て替えも四十四万ドルという、こういう極めて高いものであったのだということをお示しをしておる、そこは委員御理解をいただけるところだと思います。 また、私どもとアメリカとの合意で、新築、建て替えではなくて新築、これを幾らにするんだ、当初七十三万ドルというお話でございましたが、これを民活等により効率化して六十一万ドルにしようということになっておるわけですが、建て替えの四十四万ドルにせよ新築の六十一万ドルにせよ、この差は恐らく、ここの図にございますが、新築でございますので、下水とか電気とかそういうインフラを含みますので、その分が高くなるだろうと思っていますが、まさしく委員御指摘のように、仮にそうであったとしても、六十一万ドルなんていったら七千万円を超えるというお話でございます。そんな豪華な家を国民の税金まで使って我々が提供する必要があるのかといえば、それはどう考えたってそれは高過ぎるだろうというのが普通の感覚であります。 私どもとして今事前に調べておりますのは、例えば米本土で同じようなものを建てたとしたら邦貨換算幾らになるだろうかというのを今精査をいたしております。例えば、アリゾナ辺りでそういうようなおうちを建てるとすると、大体日本円で二千五百万から高いもので四千万ぐらいではないか。フロリダで建てるともうちょっと高い。ニューヨークで建てるとするともうちょっと高い。ただ、グアムですから台風常襲地帯でございます。そしてまた、湿気が非常に高いということもございまして、工法はそういうところに向いたものでなければならないが、じゃ、沖縄ではどうなんだと。沖縄でそういうおうちを建てるとすればどれぐらいか。大体四千万弱ぐらいであろうというふうに考えております。(発言する者あり)いや、米軍のおうちを建てた場合ですよ、米軍の住宅を建てた場合のお話をしているのです。 ですから、そういうものを見て、米軍住宅を建てるとすればどれぐらいのものなのか、その積算根拠はどうなるのか、どうしてそんな金になるのかということについては私ども全部精査をいたします。また、国会で明らかにしてまいりたいと思っております。こういうものであるとするならば払う。 今委員が御指摘のは、アメリカが言い値でこう言っておるというお話でございまして、私どもとして、これから先、積算根拠を示してもらいたいと。それが国民の税金の負担に値するものであるのかどうなのかということもきちんと明らかにした上で、それで国会の御了承がいただけなければそれはお金なんか払えないということでございます。そういうことをきちんと精査をするということを今やっておるところでございます。 以上であります。
○藤本祐司君 確かに高過ぎるだろうというふうに思っていらっしゃって、今から調べるんだろうということでございますけれども、こういうのはもっともっと早くやっぱりチェックしておくべきだっていうことだというふうに私は思いますし、是非これは情報を公開をして明らかに、みんなの前、国民の皆さんの前に出していかないといけないと。 今日はいろんなことを聞いていますが、多分、話があっちこっち飛んでいるなと皆さん思われるかもしれませんが、これはすべて記録とか公文書とか情報公開というところでつながっているわけでございまして、そのことをまず理解をしていただきたいということで、あとタウンミーティングに移ります。 これ、何で唐突にタウンミーティングかというと、実はタウンミーティングもこの平成十八年度決算報告の中で記録が不備、情報が明確でないということで、幾ら無駄だったかというのが全然分からないんですね、これ、残念ながら。電通、朝日広告社の方に会計検査院が赴いて話を聞いた。それを裏を取ろうとしたら内閣府の方では記録がなかったということで、これは証拠が出てこないので、これ幾ら本当に無駄だったかというのが分からないという、こういう問題でございまして、その問題というのは非常に根が深い。これはタウンミーティングだけではなくていろんなところで、今の防衛省の問題もしかり、様々なところで基になるデータがないというところがやはりこの無駄遣いにつながってくるんだろうというふうに思います。 町村官房長官にお聞きしたいと思うんですが、内閣府さんの方で新しく大臣と語る会というのをやるようになりました。(資料提示)これちょっと見ていただきますと、平成十三年度から十八年度、約二十一億六千九百万円がタウンミーティングで使われています、百七十二回です。この百七十二回、本当は百七十四回じゃないかというふうにきっと思われる方もいますが、内閣府とほかのところとの共同でやったり、内閣府のお金が出ていないものが二回ございますので百七十二回、二十一億六千九百万。一回当たり一千二百六十一万。 ところが、今年になって大臣と語る会をやり始めましたら、この下にありますが、平成十九年度十月二十七日、これが八十七万九千円でできましたよと。十一月二十八日は九十二万でできましたよと。これ、胸を張ってこんなに安くできましたというふうに決算委員会で言われていますが、それはもう明らかにおかしくて、差額が一千百七十万、一千百六十万あるんですよ。これだけの差額があるということは、これ百七十四回やると約二十億なんですね。この二十億、これは無駄だったという認識でよろしいんでしょうか。
○国務大臣(町村信孝君) 委員からは、去る十月二十八日、この決算委員会でこのタウンミーティングの御指摘を同様にいただいているところでございます。 従前のタウンミーティング、これは政府のいろいろな政策等々を広く国民の皆さんに知ってもらうといういわゆる広報的な機能と、それから国民の皆さんの声を聴くという広聴といいましょうかね、こういう両方の機能を持つべきなんでしょうけれども、どちらかというと知っていただくという広報の方を重視して、皆さんの声を聴くという、それを少し軽視する、そんなことからいろんなイベント的でやったりとか、あるいは進行を円滑にしようとか、いろいろなことでコストという観点が明らかに欠けていたという意味では委員の御指摘のとおりかなと、こう思っております。 そういう意味で、この新しい国民対話は、従前のタウンミーティングの反省の上に立ちまして、できるだけ国民の皆さんのお声に耳を傾けるということを重視しようということで、できるだけ小規模にすると。参加者数の数もうんと少なくするとか、あるいは一括して業者の方に委託をするということもしないと、それから運営も極力政府職員あるいは地元自治体の皆さん方の御協力も得るということ、あるいは会場も極めて狭い部屋、また安い施設を利用するということ、そんなようなことでコストの縮減を図っているということでございまして、これまで上川大臣、渡海大臣あるいは若林大臣、それぞれ語る会というものをやっております。
○藤本祐司君 新しいところの説明だけで終わっているわけなんですが、じゃ、広報活動、広聴活動がありましたよというふうに言っていますが、元々やらせがあれだけ、やらせ質問があった、あるいは動員を掛けている。つまり、その問題、タウンミーティングやることは分かっていながら言っているのに、どうして広報活動というのが効果があったのかと言えるのかということも一つあるんだろうなというふうに思います。 もう一つ、例えば今回、先ほどお見せしましたパネルで八十七万九千円、これ埼玉でやったんですが、参加者は百九名です。質問者が、大体十名ぐらいの質問者があったということですが、この百七十二回を見ますと、同じように百十名の参加者で、公的機関で、やはりやらせ質問を含めてなんですが、十名ほどの質問があった。そこのところの金額が八十七万どころの騒ぎではなくて、八百八十二万五千円ぐらい掛かっているんですね。十倍掛かっているんです。ですから、同じ効果でありながら十倍の予算を掛けていたということは、明らかに無駄だったということが言えるんだと思います。無駄か無駄じゃないかという、無駄だったかどうかということを考えれば、明らかに無駄だったんです。 大体、小泉総理が来たときにスモークたいているんです。これ、どうしてスモークたいているのが無駄じゃなかったと言えるのか。あるいは、一番最初の十三年度は九億四千万円のタウンミーティングに費用が掛かっています。説明によると、小泉元総理がすぐやれというふうに言ったので、見積りの精査もしないでやってしまいましたというのがその報告書に載ってきている。これを無駄だと言い切れないというのはどうしても理解できないんですが。 もう一度お聞きしますけれども、その前年度からの、十三年度から十八年度のタウンミーティングはやっぱり無駄だったと、だから改めたんだという解釈でよろしいんでしょうか。
○国務大臣(町村信孝君) それは委員御指摘のように、私も今立ち返ってみれば、明らかに過大な経費を掛けていたと、こう私も思っております。また、その経理処理も極めてずさんであったと、このように考えます。そんなこともありまして、既に関係した職員の処分も行っておりますし、そうした反省の上に立って、コスト意識を持った事務の遂行、そして厳正な会計事務処理というものを改めて今徹底をしているところでありまして、行政の無駄、非効率を排していこうというのはこれは福田内閣の大方針でございまして、こういう方針で今後ともこの国民の声を聴く機能を大いに充実させていきたいと考えているところでございます。
○藤本祐司君 多分このタウンミーティングに関していえば、無駄遣いの本家本元は小泉元総理だと思います。平成十三年度に九億四千万も掛けて、スモークまでたいて、そういうことをやっていたという、無駄だったということですが、職員の処分をされたというふうに今お話がありましたけれども、まさか二十億円の処分をしているわけではないんだろうというふうに思いますが、そのときの本家本元は多分処分は受けてないんだろうなというふうに思いますと、これはやはり税金ですので、この税金の無駄遣いというところを考えると、やはり国民側からすれば納得がいかないんじゃないかなというふうに私は思っております。 これは、事ほどさように、このタウンミーティングや今日取り上げたことだけではなくて、基本的にはどういう、情報公開がされていないとか、記録が徹底されていないとか、記録を破棄してしまったとか、タウンミーティングの場合は有印公文書を、偽装公文書を作ってしまって契約書と実際とは違っている中身になっていたとか、あるいは、今日は時間がなくて質問できませんでしたが、舛添厚生労働大臣に質問しようかなと思っていた、いわゆる労働関係調査委託費についても、昭和三十一年からずっとやってきた。 もう不必要になってきた今でさえ、平成十三年度から合わせて一億八千万ぐらいのものがあって、これは要するに成果物が何もないと。成果物何もない、つまり報告書もないし電子データも何もないというような流れで一億八千万円のものが使われてしまったと。これもう余りにもこういうのはずさんな管理でしかないわけでありまして、これを改めていかないといけない。 先ほどHAT—KZシステムというのを申し上げました。これもう税金の無駄遣いを防ぐためにはやはり情報公開が必要で、記録をちゃんと作らなきゃいけないし、記録は取っておかないといけない、公文書としても取っておかなきゃいけないということは再三申し上げてきたわけでございまして、正にこれをきちっとやるためには、やはりここは新しい政権が誕生して政権交代をしないと、記録というものがはっきり外へ出ていかないんじゃないか、正しい記録を作れないんじゃないかということを私は感じているところでございます。 というのは、今年だけだったらいいんですよ。恐らくまたそんな話だろうというふうに皆さん思っている、並んでおられる方は思っていらっしゃると思いますが、先ほど一番最初に示したとおり、十年間何にも変わらない状況だったと。この十年間何にも変わらない、学習効果がないという状況、それがまだ続いているという。それを考えると、やはり政権が替わって新しくがらっとやるしかもう方法はないんじゃないかなと私は思っております。 是非、今日はテレビも入っております、国民の皆さんもそこのところ、無駄遣いをそのまま放置しておきたいと、そしてどんどんどんどんそれによって税金が高くなっても構わないというのであれば、まあ今の政党でもいいんでしょうが、それはやはりちゃんとチェックした方がいいよということであるならば、必ず我々は政権交代をしてそこのところを明らかにしていきたいということを申し上げまして、私の質問を終わりにします。 ありがとうございました。
○委員長(小川敏夫君) 関連質疑を許します。福山哲郎君。
○福山哲郎君 おはようございます。民主党・新緑風会・日本の福山哲郎でございます。 本日は、各大臣におかれましては御苦労さまでございます。また、地元のことで恐縮ですが、若林農水大臣におかれましては、先日京都で卸売市場の八十周年の式典がありまして、京都までお越しいただきましてありがとうございます。市場関係者、大変喜んでおりました。 時間が今日はありませんから、突然本題に入らせていただきます。 十月の十六日、本院、参議院の予算委員会におきまして、四百十八名の肝炎の患者のリストを国が持ってそのときはいなかったという答弁だったんですが、持っていたことから端を発しまして、舛添厚労大臣も積極的にこの問題の解決に乗り出していただきました。また、福田総理も国の責任に言及をいただいて、実は和解も含めて大分前に進んでいます。このことに関しては心から敬意を表したいと思いますが、まだまだ詰めの段階が残っておりまして、そのことについて今日は質問をさせていただきたいと思います。 まず一つ、済みません、どうしても決着をしていただかないと納得ができない問題があります。ちょっとパネルを出していただけますか。(資料提示) 十月の十六日、私が、個々の四百十名のリストが国にあったはずだと、これは薬品会社、メーカーは名前も住所も持っていたはずだと言ったら、舛添大臣は、国としては、そのリストを特定、だれだれだという個人名を特定できる情報を持っていないのでと答弁されました。それから、個々の四百十八名というのがどなたであるかというのは確定できませんからと、実はこれは三度同じことを言われました。 そして、実はこれ笑い話みたいな話でございますが、それから三日後、十月の十九日でございますが、厚労省の地下倉庫から実はマスキングなしの資料、マスキングというのは黒塗りです、つまり個人が特定できる情報を、実は倉庫にあったということが判明をいたしました。三日後です。何なんだ、これはと。薬害エイズのときも郡司ファイルというのが出てきたとか出てこないという話がありましたけれども、この体質たるや私はもうけしからぬと思っていまして、実はその後、調査を、これは舛添大臣頑張っていただいてやっていただいていますが、残念ながら四百十八名、国が何も告知をせずにほったらかした方々のうちのもう五十一名の方が亡くなられていました。 これ、国会での答弁も含めて、大臣、お答えいただけますか。
○国務大臣(舛添要一君) 今御指摘のとおりで、この十月十六日の参議院の予算委員会の答弁の準備過程で担当官からそういう情報はないという報告を受けましたので、私はそれをこの国会の場でお答えいたしました。しかし、これは今委員御指摘のように、きちんと後から出てきたわけですから、本当にこれは大変申し訳ない。重ねてここで陳謝を申し上げたいと思います。 そこで、二度とこういうことが起こらないように、その情報管理、私はその後申し上げましたけれども、文書管理についてそういうことが行われる、組織としての体を成していないと、これは徹底的に、これは問題であるということを申し上げました。そして、その文書管理をきちんとやらなかった責任者を処分すると、そういうことでございます。 重ねて、十月十六日の参議院の予算委員会のこの私の答弁について深く陳謝を申し上げます。
○福山哲郎君 これ、国会の答弁だけの問題じゃないんですよ。過去五年間、裁判の間ずうっと国は、特定できる情報は持ってないんだ、持ってないんだと、確たる証拠はないからこの患者は救済の必要はないと主張し続けたんです。文書管理の問題じゃないんです。いいですか。 これ、じゃ何で出てきたんですか。ああ、マスキングなしの資料があったかもしれないと思って、ある方が倉庫に行ったら出てきた。何ですか、これ。おかしいじゃない。これ意図的に隠ぺいしたと言われても仕方ないでしょう、大臣。違いますか。
○国務大臣(舛添要一君) 私が調査した限り、例えば五年前にこの件を調査したチームがだれであるか、どういうメンバーから成っているかということすら記録が残っていない。これは組織として論外でありますから、こういうことをきちんと立て直す。 そういう中で、今の具体的な状況について申し上げますと、この議論をしているときにたまたま末席にいた職員が若干かかわってきたことがあって、その記憶をたどると、たしかどこかにあったはずだということで探してみたら出てきたという誠にお粗末なことでございますから、二度とこういうことが起こらないようにきちんと体制を整えたいと思っております。
○福山哲郎君 この話も実は隠ぺいなんですよ。だって、末席にいた人間がたまたまあったかもしれないと思って出てきたと。だって、その後の我々のヒアリングのときに厚労省は何と言いました。複数の人間がそのことの存在について知っていたと言っていますよ。 更に言えば、情報公開請求があって裁判が始まったときには、そのマスキングなしの資料を知っていた人間がいたというのが正に厚労省のこの間出た報告書に書いてあるじゃないですか。裁判が始まるときにマスキングなしの資料が含まれているということを知っていた人間がいると書いてあるのに、裁判の最中ずうっとその情報を持っていないと強弁をし続けたんです。そして、国会の答弁でも確定できないと言い続けた。これ大変な問題じゃないですか。
○国務大臣(舛添要一君) そういうような体質そのものをきちんと改める。そして、その調査の結果、ヒアリングをやる。そういう人間がいて、先ほど申し上げましたように、五年前の調査したメンバーすら分からないというのは組織の体を成していない。しかし、これをきちんと五年前の状況を再現して、じゃ、なぜ例えば知っている人間がそこできちんと告知をしなかったのか。 私が常に申し上げているのは、五年前の状況を再現したいと、その過程において、きちんとこれは今後二度とそういうことが起こらないような体制を整えたいということで今努力をしている最中でございます。
○福山哲郎君 病気は進行しています。裁判も起こっていたんです。それなのに、厚労省の職員はだれもこの資料の存在を進言もせずに、裁判ではないと言い続けた。やっとこれ、その後報告書が出てきました。次のパネルを見てください。(資料提示) 厚労大臣は、当時の状況を再現する、一九八七年以降の対応も早急に洗い出す、刑事告発も含めてきちんと対応する、当初の威勢は大変良かった。しかしながら、結果、何だったか。国の責任は認めず、追加調査はもう要らない、告知義務はなかった、文書管理を怠った責任だけで全く、二人だけ処分されましたけれども、下から二番目の注意でしたが、これが結果ですよ、大臣。 あなた、刑事告発も含めてきちんと対応すると言ったんですよ。そうしたら、いきなり、出てきたら、国は責任ありませんでした、あるのは文書管理のみでしたと。どういうことですか。
○国務大臣(舛添要一君) きちんと状況を再現する、それからその背景についても調べる、そして、法的責任があるとすれば、それは刑事告発も含めてきちんとやると、これは今も全く変わっておりません。そして、例えば、そのときのヒアリングをやり、しかもこれは外部の弁護士も入れる、それから西川副大臣をヘッドとし、政務官にも入ってもらう、つまり我々の同僚である政治家がそこに加わる、外部の弁護士も加わる、そういう形で議論をしてもらったところであります。 そして、その上で、例えば副作用報告書というのが医療機関、お医者さんからメーカーに上がってくる。これはきちんと上げてもらわないと、ある薬にどれだけ副作用があるか、これを調べないといけない。そのときに、そこはマスキングというかイニシアルで、実名で書かないことになっている。それで、そのときの、五年前の厚生労働省の認識としては、当然医療機関が、ないしお医者さんが副作用報告を上げる以上は患者さんにお知らせしているはずだという、そういう認識で行われていたということでありまして、それで、外部の弁護士の先生方にも、これは法的責任はどうだと、いろんな法律を検討していただきましたけれども、法的責任を問うことはできないということでありました。 しかし、私は、やはり命にかかわること、それでこの今のような状況があるにしても、患者さんの立場に立って何とかできないかと、こういうことをきちんとやらなかったことは厳に反省すべきであり、そこが問題であるという指摘を私は今もしております。
○福山哲郎君 医者が告知をしたはずだという認識だったから告知はしなかったと、薬事法上もそこまでは国に求めていないと、それが国の今の立場ですよね。この報告書にもそう書いてあります。薬事法は、いいですか、第一条の目的規定からしても患者の救済を図ろうとするものではないことは明らかであるから、よくこんなの報告書に書きましたね、これ、大臣。薬事法が患者の救済を目的としないんだったら何を目的とするんですか。よくこんな報告書認めましたね。これは書いてあるんです、明らかに。患者の救済を図ろうとするものではないことは明らかであると。本当に明らかですか、大臣。いいですか。──いいです、いいです。 大臣、実は薬害エイズの問題があって、九七年、反省から、厚労省は厚生労働省健康危機管理基本指針というのを作っている。医薬品等健康危機管理実施要綱というのを作っている。これ、役人から聞きましたか、報告。多分聞いていないでしょう。こういうものを多分厚労省は伝えていないんだ、大臣に。 お手元に抜粋をお配りしました。定義、大臣に読んでもらいましょうか。厚労大臣、読んでください。第一節の一項、大臣、読んでみてください。
○国務大臣(舛添要一君) 第一節定義、一項、この指針において健康危機管理とは、医薬品、食中毒、感染症、飲料水その他何らかの原因により生じる国民の生命、健康の安全を脅かす事態に対して行われる健康被害の発生予防、拡大防止、治療等に関する業務であって、厚生労働省の所管に属するものをいう。以上でございます。
○福山哲郎君 第五節も。
○国務大臣(舛添要一君) 第五節の二でいいですね。
○福山哲郎君 はい。
○国務大臣(舛添要一君) 健康危機管理担当部局は、健康危機管理に係る国内外の情報について、適宜、報道機関、政府広報、高度情報通信等を通じて広く国民に提供するとともに、医療関係団体等を通じて関係者への提供を図るものとする。以上です。
○福山哲郎君 どこに患者の救済を目的としないと薬事法に書いてあるんですか。 これ、厚労省が作ったんですよ。健康の安全を脅かす事態に対しては、健康被害の発生予防、拡大防止、治療等に関する業務だと書いてあるんです。健康危険情報の提供は、いいですか、広く国民に提供するとともに、医療関係団体等を通じて関係者への提供を図るものとすると書いてあります。先ほどの大臣の答弁は、医師がやっていたはずだから何にもしないでいいとおっしゃったんですよ。百歩譲って、医師が告知をするものだとしたら、医療機関に対して提供を図らなきゃいけないんじゃないですか、厚労省は。 更に言えば、この基本指針の下に実施要領があります。この実施要領の目的は、健康被害の発生を未然に防止し、及び発生した健康被害の拡大を防止することを目的としてと書いてあります。その下、医薬品等における危機管理の基本的心得のところでございます。二行目、健康被害の発生、拡大を防止するため、常に総合的な安全対策の立案、実施に努めるものとする。二、因果関係が不明である場合又は入手した安全性情報が不確実なため健康被害の発生のおそれの有無が直ちに判断できない場合には、常に、次です、最悪の事態を想定して、安全対策の立案、実施に努めるものとする。 そして、一番問題なのは、この実施要領の目的でございます。この実施要領は、厚生労働省健康危機管理基本指針に基づき、いいですか、薬事法に規定する厚生労働大臣の権限及びこれに関連する必要な行政措置に関する事務を的確、かつ迅速に行うことによりと書いてあるんです。どこに薬事法に患者を救済する必要がないと書いてあるんですか。これ全部薬事法を基に作っているんじゃないですか、大臣。
○国務大臣(舛添要一君) この薬事法に限らず、厚生労働省の仕事は国民の生命を守る、それが大基本であります。そういう中で、いろんな薬害の問題が起こってきたにもかかわらず、さらに今回また、フィブリノゲンというこの薬剤についてまた薬害を起こした、そういうことは広くこれは反省をしなければいけない。 そして、こういう指針がきちんとある。そのときに、ただ先ほど申し上げましたように、例えば副作用報告書、こういうものをどういうふうに活用するのか、この件について少し早急に私は議論をまとめたいと思っていますのは、せっかく副作用報告書が上がってきた、しかし先ほどの五年前の認識のときに、それは当然お医者さんが患者さんにお伝えしているはずだというふうな認識であったにもかかわらず、あったんですけれども、現実に知らないと、一度も聞いていない、ただあなたは肝炎だと言われただけである、したがって原因が分からないで、もう非常に周りの人から白い目で見られたと、いろんなことを原告の皆様方からもお伺いをしております。 したがって、例えば、これをせっかくお医者さんが副作用報告書を、これはメーカーに出すわけですけれども、これを何とか今のような形で告知できないか。それは正に今委員が御指摘したこのラインに沿うわけでございますが、他方、なぜそこに実名を書くなということを書いてあるかというと、この副作用報告書ですけれども、それは、そのことによってお医者さんが副作用報告を上げることをためらうと、そういうような状況があることも確かであって、それは今後の薬害対策の基本ですから、そういうことがあってはいけない。 したがって、この副作用報告書というもの、これは一例でございますけれども、これを何とか患者さんの命を守っていくためにどう活用するか、こういうことに具体的に手を打ちたいというふうに私は今考えていろいろ検討を進めているところでございます。
○福山哲郎君 舛添大臣は頭のいい大臣ですから、今副作用報告書の将来の課題について述べられました。私が言っているのは、二〇〇二年のときにこの実施要領に基づいて何もしなかったことの責任はないのかと問うている。今はその話を問うているのに、何で今、副作用報告書の将来の活用について、そうやって逃げの答弁をされるのか。おかしいじゃないですか。 それじゃ、この報告書の、今書いてあった、薬事法は救済を図ろうとするものではないということが明らかだということは、これ大臣、否定されるんですね。それでいいんですね。
○国務大臣(舛添要一君) 一般的な肝炎対策については、これはきちんと今のこの指針の観点から話しております。しかし、例えばクリスマシンについて個々にやりながら、今委員の御指摘にあるようなフィブリノゲンについてそこまできちんとやらなかった。 そうすると、これはなぜかと。それはもう数が多いからだと、そういう答えしか返ってきませんので、そういうことではなくて、やはり国民の生命ということをきちんと考えてやるべきであったというように、したがって患者さんの視線で物を考える点が欠けていたと、こういうことを先ほど来申し上げているわけでございます。
○福山哲郎君 それは責任があるということですよね、大臣。告知はしなければいけなかったと今おっしゃったんですよね。 もっと言います。クリスマシンの方は告知されているんです。四百十八名、手元に来たものに対してほったらかしたことに対しては不作為責任があるということを認められているのに、ここには認めないと書いてある。どういうことなんです、これは。全く矛盾しているんですね、総理。 これ、この報告書と今の大臣の答弁はずれているんです。私は、この報告書で役人の責任を問うことが実は委員会の趣旨ではありません。要は患者をどう救うかが趣旨ですから、余りこのことに時間を取られるのは嫌なんですが、こういう実施要綱が実態あるにもかかわらず、この報告書では薬事法上責任がないと言い切って逃れようとしているという事実だけは、総理、御存じいただきたい。これがまず第一段階です。 二つ目。実は今和解の協議が大詰めを迎えています。七日に和解勧告があるはずが十三日に延期になりました。実は今国が言っている和解の条件は、東京地裁の救済範囲で救済をするという議論を国は和解の場でしています。(資料提示)これはお手元、数字が小さいから見にくいと思いますが、青に色が塗られているのが実はその東京地裁の中で救済の範囲の方です。黒に塗られている方が、残念ながら今の国の和解案では救済をされません。なぜこの薬害について救済される方と救済されない方と二つに分かれなければいけないのか。これが今大変な問題になっています。 実は、四百十八名のリストがこの間出てきました。十一月の六日ですよ。十月の十六日に私が質問して十一月の六日、この四百十八名のリストが特定できるような状況になって、十一月の六日に病院から、あなたは、肝炎は実はこの原因ですよと言われた加地さんという方がいらっしゃいます。この方がやっと自分は、ああ、こういう原因で肝炎になったんだと、今実は肝硬変の手前で本当に厳しい症状ですが、この方が実名を出して今回提訴をされました。この方は残念ながらこの黒塗りの部分に当たります。四百十八名ちゃんと告知をされていれば、ひょっとしたらもっと早く治療が受けられたのかもしれないのに、つい一月前にしか彼女は知られなかったと。 この方は、次の表を見てください。(資料提示)これ、総理、すごく重要な問題なので見てください。フィブリノゲン製剤をめぐる時系列という表をお手元にお配りをいたしました。実は加地さんがフィブリノゲン投与されたのは、ごらんいただいているように一九九一年の三月、下でございます。実は、加地さんが投与されたフィブリノゲン製剤のF023HTというのは、八八年の十月に製造されています。これがいわゆる三年後に加地さんに投与された。これは実は肝炎発生の報告のあるロット番号の付いている製剤でした。これは製薬会社も国も、回収する必要があったにもかかわらず回収をしないで三年後加地さんに投与されました。そして、更に言えば、スクリーニングが始まって、もう安全性情報が流れてスクリーニングが始まった後、九一年一月、まだメーカーはスクリーニングをしないで製造を続けたF024HTというのを製造してこれも投与をし続けました。 次のこのペーパーを見てください。前回もお見せした四百十八名のリストの一部でございますが、星マークの付いている389Aというのが今申し上げた加地さんです。見ていただいたらお分かりのように、ロット番号023HTと書いてあります。見ていただきますと、023HTって何人もいらっしゃいます。そして、さっき言った製薬会社がスクリーニングをしないで製造を続けた024HTという方も四角に囲んでいらっしゃいます。この方々が東京地裁の範囲だと全部外れるんです。なぜかというと、東京地裁の範囲は、もう一回表出していただけますか。(資料提示)最初に出た判決のときの東京地裁の範囲は、東京地裁のこのこちら側の黒よりも向こう側の方しか原告団がいなかったからです。原告団がいないので、当然地裁の判決の範囲はそこまでに区切られました。 しかし、新たに四百十八名のリストが出てきて、現実問題として、今申し上げたようにスクリーニングをしなければいけないのに回収命令もしない、回収もしなかった、スクリーニングもしなかった製剤が世の中に出て投与をされました。そして、発症した人が今やっと告知をされて提訴を、十一月の六日に病院に言われて提訴をしています。今、このままの国のスタンスの和解の状況ならば、この人たちが救われません。四百十八名のうち今何人いるかというと、二十九名いらっしゃいます。これ、総理、こんなふうに救済を区別をすることが合理的な判断でしょうか。先ほど大臣が言われた不作為責任、告知をしなかったことも含めて。 もう一個だけ余計なことを言わしてください。実は二年後、厚労省は医療機関を広報して告知しているかどうかの調査を全部しました。これは二分冊あります。これを全部見たらほとんど告知してないんです、医者が。二年後、百歩譲って二年後、あっ、お医者さんは何にも告知していないんだと厚労省は分かっていたんです。さっき厚労大臣はおっしゃられましたけど、告知をしているものだと思っていたと。冗談じゃない、二年後のこの調査報告書を見たらみんな告知してないと出ているんだ。それでもほったらかした。 総理、ここは、舛添大臣は頑張っていただきました。勢いは良かった。しかし、だんだんだんだん厚生労働省に押されてしりすぼみになっていった。この報告書もさっき言ったとおりです。これは十三日に和解の勧告が地裁から出ると言われています。これはもう政治決断しかないんです。本当にこれを、この患者さんを区別をして国は救済をしないという立場を取られるのか。福田総理が内閣の責任者として、国の責任者として、この状況の中で一律救済をするべきだと。 一律救済すると被害者が際限なく広がると恐らく厚労省は説明していると思います。残念ながら、実はカルテが一九九〇年代のことですから残ってないんです。これ、原告になるにはやっぱり立証責任が要るんです。残念ながら、今これ多分テレビを見ながらでも、私もあのときそうだったかもしれないといいながら病院へ行ってもカルテが残ってない方がほとんどなんです。だからこそ幅広い医療費の救済が必要だということで我々は法案を出したし、そして自民党さんもそれに乗ってくれて今日から協議が始まります。それは必要です。しかし、これだけ明らかに立証責任ができた、そして四百十八名の中でも、国が告知をしてもらわなかったリストの中にも出てきた患者さんに関しては、そんなに際限なく広がるわけではありません。 一律救済をするというのが国としての、総理、責任ではないでしょうか。是非、総理の政治決断をこの場でお願いをしたいと思います。
○内閣総理大臣(福田康夫君) 今までの委員とそれから厚生労働大臣のやり取り伺っておりまして、確かにいろいろ問題あったと思います。特に厚生労働省というのは命を預かる役所であるということでありますから、その自覚を持って事に当たっていなければいけないというのは当然のことでございまして、そういうことについて問題があったんじゃないかなというような感じがいたします。 しかし、今御指摘のことにつきまして大阪高裁でもって裁判を行っておるわけでございます。これまでに和解の協議が進められてきておりまして、厚生労働大臣もこの間随分丁寧に応対してこられたと思いますよ。そして、苦労して今この問題処理に当たっているというように理解しておりますけれども、もうじき、今週和解案が提示されるというように伺っておりますので、私としては、この和解案が出て、そしてその段階において、これはもう厚生労働省だけの問題では済みませんので、関係省庁と協議して迅速に対応策を出したいと、このように考えておるところでございます。
○福山哲郎君 総理、申し訳ないけど、失望しました。そんな役人答弁は要りません。もう事ここに及んでいます。 法務大臣、これは一律救済ですよね。私は、法務大臣はいろいろ今世間をにぎわしておられますが、非常に優しい方だと思っています。チョウチョウの収集もされ、環境問題も一生懸命やられ、私は法務大臣とは長いお付き合いですので優しい方だということも分かっておりますが、この問題は際限なく広がらないのは法務大臣もよくお分かりいただいている、一律救済も排除しない、選択肢として、法務大臣、お答えください。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 私は、優しい気持ちを持っている人間だと自分で思っておりますけれども、しかしながら、これ個別具体の案件、事件でございまして、いろいろ感想を持つことはありますが、法務大臣というものは国が裁判するときには、この肝炎訴訟も一応私が国の代表格という形で扱われるわけでございまして、大阪高裁が和解案を今用意しているんだろうと思いますが、そうした事柄について私の立場で論評することは、実は今は差し控えなければならないんです。申し訳ありません。
○福山哲郎君 これが福田内閣ですわ。いいですか、だれも判断しないんだ。 いいですか、僕は、申し上げたように、法務大臣のおっしゃることも福田総理のおっしゃることも分かる。しかしながら、今排除されようとしている人たちは東京地裁の判決のときには原告団にいなかった。なぜいないか。国が告知していないからなんです。いないんだから、判決の中ではそこから先の判決は出ないんですよ、原告にいないんだから。それを東京地裁の判決の基準だと言ったら、この人たちは排除されるわけじゃないですか。それは理屈としておかしいでしょうと。そうなったら政治判断しかないじゃないですか。そして、際限なく広がると言っているんじゃない、私が言ったように。カルテはもうほとんど残っていない、残念ながら。 だから、総理、舛添大臣はこう言っています。国の責任を述べた福田首相の命に従えない役人は直ちに辞表を出してほしい。つまり、舛添大臣の権限ではもう限界があるんだ、舛添大臣がそれを一番よく分かっている。だから、こんな報告書しか出てこない。だから、舛添大臣はメッセージとして福田総理の政治決断しかないとおっしゃっている。そして、総理に来たら、総理が今みたいな答弁だったら、患者の方救われないじゃないですか。 総理、一律救済も排除しないと、それは選択肢の一つだで結構です。別にやると言われなくても結構。一律救済は排除しないと、選択肢の一つだとは思うとお述べいただけませんか。
○内閣総理大臣(福田康夫君) 私もこの訴訟について詳細承知しているわけじゃないんです。ですから、政治判断を今しろというのは、これはちょっと無理なんですね。もしそういうことであるならば、であるならば、私も政治判断ができるような状況をよく調査した上で、そして私の考えとしてやらせていただきたいというふうに思います。
○福山哲郎君 ごめんなさい、大変総理には失礼ですが、これだけの問題になっているものを委細、詳細を総理が知らない、そして判断できない、これから調査をするとおっしゃるんだったら、私、この委員会これ以上質疑続けられません。そんなばかな話ないでしょう。
○国務大臣(舛添要一君) ちょっと事実関係御説明をさせていただきます。
○福山哲郎君 そんなのもう要らない。そんなこと聞いていない。聞いていない。
○国務大臣(舛添要一君) いや、五つの判決が今出ております。東京地裁だけの判決が判決ではありません。例えば、名古屋地裁はもっと幅広く国の責任やメーカーの責任を認めています。仙台地裁に至っては国の責任ないと言っている。しかし、この五つの司法のこの御決定というものは念頭に置いて行動しないといけない。そういう中で今大阪高裁が何とかいい和解案をまとめようとしてくださっているところであります。 我々はもとより、私は既に申し上げましたように、これは薬害である、きちんと責任を認め償うべきは償わないといけない、二度とこういうことを起こしてはいけない。それで、今委員もおっしゃったように、総合的な肝炎対策含めてきちんとやります、訴訟についてもこれは全面解決を目指します、そしてできるだけ広くこの患者の方々を御支援申し上げる、そういう立場で私は今精力的に大阪高裁に対して国の考え方を述べ、そしてまた原告の皆さん方もそれぞれのお考えを述べておるところでございまして、何とか今週この和解案がいい形で出ることを、そのために努力は続けておりますが、大阪高裁の裁判長から、そのプロセスについて一切公表するな、言明してはいけないという厳しい命を受けておりますので、どうかそこのところは御承知いただきたいというふうに思います。 そして、私も基本的なところは総理に御説明申し上げておりますし、その大阪高裁の判決が……
○福山哲郎君 委細知らないとおっしゃっているんですよ。
○国務大臣(舛添要一君) いやいや、基本的な……
○福山哲郎君 知らないとおっしゃっているんですよ。
○国務大臣(舛添要一君) いやいや、そうではなく、基本的なところはちゃんと御説明申し上げておりますし、私がそのために厚生労働大臣でいて、詳細なところは私がやることが仕事ですから、全力を挙げてやっております。そして、その大阪高裁の判決が十三日に出るということでございますので、それまでも努力を続ける。そして、それが出た上で、これは私だけではなく総理と御相談して、国としてどういう立場を取るのか、それをきちんとやりたい。しかし、そこは広く御支援申し上げて助けるべきである。 そして、私がもう一つ付け加えるならば、私どもが総理の御指示の下に決断することについて、国民の皆様から広く支持を受けられないようなそういう決断は私は下すべきではないと、そういうふうに考えております。
○福山哲郎君 今のは排除しないとお答えいただいたということでいいですね、大臣、いいですね。一律救済は排除しないと、そのことも選択肢の一つだと厚労大臣がおっしゃられたということでいいですね。
○国務大臣(舛添要一君) まずは、十三日に出されるであろう大阪高裁の和解案、これを待ちたいと思います。そして、その上であらゆる可能性について総理と御相談を申し上げながら、つまり原告がいて、原告の方々が主張される、被告側も主張される。どういう形でいいかはこれは大阪高裁のリーダーシップですから、その上であらゆる可能性について総理の御指示を仰ぎながら決断を下したい、そういうことでございます。
○福山哲郎君 あらゆる可能性ともう御表明いただいたので、私はそう受け止めたいと思います。 総理はハンセン病のときに小泉内閣の官房長官をやられて決断をされた官房長官です。私らみたいな野党の議員の質問のときにその答えをしにくいのもよく分かります。政治決断をしていただきたいと私は思っています。別に十三日の前、どこの時点でも結構です。やはり一律救済をしたいんだと、今大きくうなずいていただければもうそれで十分でございますが、要はこの場で表明、まあ野党の議員につつかれて表明するのもなかなかあれでしょうから、それは結構でございますが、ただ、一つだけお願いをしたいと思います。 和解協議、今の状況ですと原告団の方は拒否だとおっしゃっています。それはなぜか。余り大きな声で言っちゃいけないのかもしれませんが、一人一人の例えば補償が少なくなっても、みんなで闘ってきて、みんなで薬害で苦しんできたから、部分だけで助けられるようなのはのめないと皆さんおっしゃっています。そのことの思いを、どうぞ舛添大臣も福田総理もしっかりと受け止めていただいて決断をいただきたい。これ、和解が決裂すると判決まで行きます。そうすると、新しい提訴者が出てきていますから、もう一回裁判が長引くんです。いつも申し上げているように、肝硬変、肝がん手前の方がたくさんいらっしゃる、その状況で一日、一刻を争う、そのことも含めて、国は一律救済を排除しないという立場でこの問題については対処いただきたい。 総理、先ほどの、委細、詳細は知らない、それはちょっと勘弁していただいて、ちょっと撤回していただいて、前向きな答弁をいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(福田康夫君) 私も、今この場で政治判断をすぐしなさいと、こういうふうに言われるから、それは、であるならば、改めてそういう判断ができるようなことは承知していなきゃいかぬでしょう。そんないい加減なことを私はしたいと思っておりません、無責任なことはできないということでありまして、そのように答弁しましたけれども。 これは十三日に和解勧告出るわけですね。ですから、先ほど舛添大臣も答弁したとおり、それを見て直ちに舛添大臣、関係大臣と相談をし、協議をして、そして、何しろ早く処理をするということが大事なんでしょう、この措置をするということが大事なんですから、そのことに専心したいと思っております。
○福山哲郎君 総理は十分御理解をいただいていると私は判断をして、次の質問に移りたいと思います。どうかよろしくお願い申し上げます。 防衛省の水増し請求の問題がいろいろ出てきています。石破大臣、今日、額賀大臣もいらっしゃいますが、額賀大臣が平成十年に水増し請求の問題でお辞めになられました。大変な事件になって、参議院で問責が可決をされて大臣がお辞めになったという事件でございますが、それ以降ですけれども、防衛省の中で水増し請求の事案が何件あって、総額が幾らかお答えください。
○国務大臣(石破茂君) 額賀財務大臣が防衛庁長官をお辞めになりました平成十年十一月以降これまでの間に過大請求事案は十二件発覚をいたしております。これらの事案のうちで今回の山田洋行の件を含みます二件は調査中で過払い額は確定をしておりませんが、それ以外の十件に関しましては、違約金三十七億円を除きました損害賠償金額五百九十七億円となっております。これら十二件のうち半数は防衛庁の調査により判明をしたものでございます。
○福山哲郎君 これ、国民の皆さん、見てください。(資料提示)今、山田洋行と実は富士インダストリーズというところが問題になっているんですが、額賀大臣がお辞めになられた平成十年から以降も総額五百九十七億円の水増し請求が行われて、延々とこれ続いているんです。これ、笑い話みたいな話なんですけれども、額賀大臣がお辞めになっている最中もやっているんですよ。額賀大臣がお辞めになったのが平成十年十一月。それを反省して調達改革の具体的措置というのが平成十一年四月。これを見ていただきますと、過払い額返還対象期間と、正に大臣がお辞めになっている瞬間、そして調達の具体的措置が行われている瞬間にもずっと水増しやっているんです。 石破大臣、恐縮ですが、石破大臣の前任のとき、前にやられたとき、平成十四年九月から平成十五年十一月、実は平成十四年から十五年の十一月まで大臣がやられている最中も、この表における四つ、下から四つです、富士と、以外のこの四つ、これ実は大臣の就任中に水増し請求をやられているんです。 実は、これ山田洋行が問題になっているんですけど、防衛省における水増し請求は全然普通のこと、ましてや額賀大臣がお辞めになられた時期を挟んでまでやっている。これは防衛省として、横行している、当たり前になっている、反省していない、こんなばかな話はないと思いますが、大臣、どうお考えですか。
○国務大臣(石破茂君) どうすれば抑止効果が出るかということで、委員も倍返しという制度を入れたということは御案内のとおりです。そしてまた、停止期間についても違約金がきちんと払われるまでということですから、通常の公共事業よりもはるかに長い期間停止をしております。 しかしながら、ばれなきゃいいんだというのがまだある。だとするならば、一体どうしてこれをきちんと見るかということで、これは累次私も答弁をしておりますが、例えば今度のチャフ・フレア・ディスペンサーにしても、この金額はおかしくないかということがきちんと見抜けると、当たり前の話ですが、そうでなければならぬだろう。それから、先ほどの御質問の、先ほどの前の質問者のお話で、私がお恥ずかしいことながらこの見積書は本当ですかというふうに確認せざるを得ないというふうに申し上げました。本来の商売でこの見積書本当ですかといって聞かなきゃいけないこと自体信じられないような話なんだけれども、そこまでやらなきゃ駄目なんだということになってしまったんだというふうに思っております。 ですから、これは本当に適正な金額であるのか、水増しじゃないのかということが見抜けるだけの能力と見抜けるだけの人員をそういうところに投入していかないと、ある種、一種性悪説的に物事を考えていかなければ仕方がないということだと思います。
○福山哲郎君 これ今、石破大臣が違約金は倍返しにするという話をされました。私も実はそう防衛省から聞いていたんです。ところが、これ見てください。下から四つ、違約金制度ができてからですが、百二十三億円水増し請求していたところが違約金十七億、二十七・五億のところが八・一億、二百三十一億円のところは十一億、二十四億円水増ししていたところが〇・七億です。全然倍返しじゃないんですよ、大臣。 それで、もう一個言います。これ取引停止期間があっても、特殊な企業群ですからまあしようがないとはいいながら、取引停止が終わったらすぐに戻るんです。で、違約金と返還は何を返還するかというと、水増しした分だけですよ。分かります。つまり、最初の収益のもうかった分は全然返さないでいいんです。水増ししておかしいことをやった分だけ返して、なおかつ違約金はこの程度。大体平均すると多分二、三%から五%。この程度の違約金なら、取引停止期間じっとしていて、新たに防衛省ともう一回商売し出したらすぐにこんなの回収できますよ。痛くもかゆくもない、こんなのは。もっと言えば、違約金を取ったのは最近で、その前までは、ずっと水増しした分をごめんなさいと返したらそれで許されたんです。これはやり得、ばれなければオーケー。 そして、さっき大臣おっしゃったように、これ、何でばれたか、何で分かったか。半分が防衛省の調査、半分は全部マスコミや内部告発なんです。本当に自浄作用がない。自浄作用がない。要は、この状況で額賀大臣、額賀大臣、自らの出処進退に懸かった水増しの後、ずっとこれが行われていたということを大臣、どう思われます。
○国務大臣(額賀福志郎君) 九八年でしたね。当時、調達本部の事件が起こりまして過大請求案件があったんだけれども、私もこれはしっかりと調査をさせたんです。しかし、そのときやっぱり証拠隠滅といって書類を燃やしたり隠したりとかそういうことがあって、防衛省としては調達実施の機構を全部解体をして、それから、発注する側とそれから装備の積算根拠をするものを分離させてチェック体制をきちっとした上で機構を改革したりしたんですけれども、昨年の施設庁事件と併せてこういう体質が改善されていないということについては大きなショックを受けておりますし、国民の皆さん方にどう説明していいのか、本当に分からないぐらい。 これは、今政府でそういう機構とかチェック体制だとか透明性をめぐって新しい体制を考えておられるということでありますから、しっかりと新しい省にふさわしい、政策官庁としてふさわしい、そういう体制をつくり直していってもらいたいというふうに思います。
○福山哲郎君 いや、もう証拠隠滅の話が大臣から出てびっくりしたんですが。要は、さっきの厚労大臣、倉庫に隠れていた資料と同じじゃないですか、体質は、防衛省も。 石破大臣、これ、どうしたらいいんですか、これ。どうぞ。短めに。大臣、短めにしてください。
○国務大臣(石破茂君) 自浄作用というお話がありました。 で、いいですか。結局のところ商社が水増しをした、それが見抜けなかったということで、つまり何が一番悪いのかといえば、それは、過大請求をし水増しをし、ちゃんとしたまともな商売をしなかったところが一番悪いに決まっているんです、それは。 だとするならば、当省として、それがきちんと見抜けるだけの能力、人員、本当はそれも国民の税金でやることなんですよね。それは委員も御案内かもしれませんが、このチャフ・フレア・ディスペンサーの事案を見ていて、本当にアメリカの契約制度がどうなっているか、法制度がどうなっているか。向こうも向こうで弁護士を出してきて、損害賠償請求するぞと脅かしてくるわけですね。だとするならば、こっちが同じだけの装備品に対する知識、契約に対する知識、交渉術、装備に対する認識、それも全部国民の税金を使ってやっていかねばならぬ。つまり、商社に今までそれをお願いしてきた。商社がきちんとした商売をする、民間企業でもそうでしょう。そう思ってきたのは全部やめ、当省として、全部その能力も人も国民の税金を使ってやる。 ですから、性悪説に立たなきゃ駄目なんだというお話がありました。しかし、日本の行政はすべて性悪説にのっとってやるべきものかといえば、必ずしもそうでもないかもしれない。しかし、このようなことになってくれば、そういうことも検討せざるを得ないということだと私は思います。
○福山哲郎君 今話題になっている、じゃ富士インダストリーズ、行きます。 富士インダストリーズが水増し請求していたのは、平成十四年以降五年間の間で、件数は何件で、一体どのぐらいの総額があったか、大臣お答えいただけますか。短めにお願いします。
○国務大臣(石破茂君) 御指摘の平成十四年から十八年度におけます防衛省と富士インダストリーズの間の契約は三百三十七件、契約総額八億円でございます。
○福山哲郎君 五年間で三百三十八件、五年間で三百三十八件水増しが行われているというのは、これもう常にやられているということですからね。これが富士インダストリーズの実態です。 では、もう一件行きます。 問題の山田洋行でございますが、山田洋行の契約が何件あって、そのうち今判明しているだけで水増し請求は何件ありましたか。
○国務大臣(石破茂君) 平成十四年度から十八年度の間、防衛省と山田洋行の契約件数は、中央調達で百十七件、地方調達で五百五十件でございます。今遡及できます限りすべての契約を対象に全件徹底的な調査を行っているところでございますが、中央調達分につきましては、十九年度に、本年度ですね、契約したものも含め、契約時に山田洋行から防衛省に対し外国メーカーの見積書の写しが提出されていた全件、つまり百二十三件中百十六件ですが、につきまして、十一月二十七日までに外国メーカー二十九社に対しまして当該見積りの写しを送付し、その真正性を確認をいたしているところでございます。 現在、八社三十九件について回答がございました。既に過大請求事案として公表した二件のほかに五件についてそのような疑いがあるというふうに考えております。そのほかの件も含めまして、現在真正性を確認をいたしておるところでございます。現在、そういう進捗状況であります。
○福山哲郎君 今話が出た中で、この間ドイツのメーカーが、三十一件、取引について山田洋行からの見積りが怪しいということになりましたが、この三十一件はまだ含まれていませんね、今の数に、大臣。短めにね、短めに。
○政府参考人(小川秀樹君) お答え申し上げます。 御指摘のドイツメーカーの件でございますけれども、これも全数調査の中で調査をしておるところでございます。契約件数は、十三年度から十九年度までで三十五件関連の契約があるわけでございますけれども、そのうちで、現在のところ十三年度分の契約四件について過大請求が行われた可能性が高いと考えておりまして、最終的な確認を急いでおるところでございます。
○福山哲郎君 今の数を聞いていただいてもお分かりのように、要は、山田洋行はそれぞれ部分的にいろんなところで水増し請求をしていたということは明らかだと思いますので、そのことの詳細は追って防衛省は報告をしていただきたいと思いますが、問題はチャフ・フレアの問題でございます。 次、ちょっと見てください。(資料提示)チャフ・フレアのヘリの問題でございますが、これ見ていただきますと分かりますが、実は相手の会社が山田洋行が危ないと、見積りをおかしくしているというのを実は防衛省の職員がメーカーに問い合わせをしました。メーカーから山田洋行はおかしいという書簡が届いたのが二〇〇二年の二月の五日でございます。山田洋行を通じて、メーカーから山田洋行の作為的水増しは違うんだということの書簡が届いたのが三月二十日でございます。この書簡が、実は今防衛省は偽造だという議論をされています。 そして、その後、旧防衛庁のロサンゼルス駐在員から、メーカーが謝罪したとの報告書が本省に提出されます。そして、二〇〇二年五月、本庁から調査のための職員が派遣をされて、二〇〇二年五月二十二日、調査結果が報告をされて、水増し請求は山田洋行はなかったということで減額をして契約をされています。 問題は、幾つかあるんですが、この五月の調査報告書、大臣、皆さんのお手元にもお配りをしました、ごらんください。これが防衛省が山田洋行は問題はないといった、見積りに水増しはないですよといった調査報告書なんです。二つ問題があります。 一つ、これ見ていただけますか。二ページ目の(2)、調査の概要ですが、あえて防衛省の職員の個人的な名前は申し上げません。調査概要のところに、BAE社が二種類のコーテーションを発出したことに関して、五月十四日から十五日の間、防衛省の職員が製造メーカーの所在地である現地に出張し調査を行ったと書いてあるんです。これ、だれに会ったかも、どういう経緯で何をしゃべったかも実は全然書いていない。分かります、だれに会ったか全然書いていないんです。こんな報告書ないんですよ、実は。 それともう一つ。山田洋行の説明によればといって、山田洋行はこのときに、三ページから四ページにずっと書いてあるんですが、技術支援費というものを見積りに載せたんだというふうに防衛省は書いているんです。技術支援費は役務の提供です。製品費と役務の提供は普通見積りでは別です。 これ、大臣、山田洋行の過去も今も含めて、技術支援費と製品費を一緒に見積りを出した例は一件としてもありますか。何件ありますか。大臣、短く答えてください、時間ないので。もう結論だけで結構です。
○国務大臣(石破茂君) 普通、そのようなことはございません。
○福山哲郎君 そうなんです。このときに山田洋行をかばうためにだと思いますが、契約を続行するためにだと思いますが、あえて技術支援費というものを入れて見積りを間違えましたという言い訳をつくって、このまま契約を続行します。調査をした相手方の名前も書いていない。これ、ここに守屋被告が、被告でいいのかな、守屋さんが介在をしたという話も出ていますが、私が言っているのは、これは守屋さんの、簡単に言うと一人の責任に全部なすり付けてはいけないと思いますよ。これは防衛省全体としてもこういうことを恒常的にやっていたのではないか。 石破大臣、この報告書に書いてあります、この報告書、行った出張ですが、五月の出張と三月の二十日の出張があるんですけれども、この出張、防衛省の職員と山田洋行の職員が一緒に随行しているという事実はありますか、お答えください。
○国務大臣(石破茂君) 山田洋行の職員が同行しておったというふうに承知をいたしております。
○福山哲郎君 これ、山田洋行の見積りがおかしいとメーカーから来て調査を入っているのに、山田洋行の人間が随行して、防衛省の人間がこういう報告書を出して、初めて技術支援費という言葉を使って、その見積りは正常でしたといって山田洋行と契約を続行しているんです。こんな調査はないでしょう、大臣。
○国務大臣(石破茂君) 結局、先ほど私がアメリカの契約と申し上げましたのはそういうことを含んで申し上げました。 つまり、防衛省があって、商社たる山田洋行があって、BAEという会社がある。これを甲乙丙というふうに申し上げましょう。我々が、防衛省を甲とします、そして、丙との間に接触する場合に、乙たる山田洋行あるいはヤマダインターナショナル、これの同意というものが必要であるというようなことが契約条項にあるとするならば、そういうことが結局起こるわけでございます。つまり、そういう者が同行しなくても我々とBAEの間でそういうことができる、そういう関係をきちんとつくっていかねばならないだろうということだと思っております。つまり、そういうような我々とBAEの間で直接そういう話ができるという形にしておかなければ、商社がある意味、アメリカの契約はこうなっていますよみたいな言を左右にする、そういうことでこういうことがあるとすれば、それはもみ消し以前の問題であって、そういうことがあってはならないことだと。 そういうような契約が可能かどうかということは、これから先アメリカの契約体系も含めてきちんと我々として確立していかねばならないことだと思っております。
○福山哲郎君 この一連の作業はまだまだ疑惑がありますので、防衛省も今調査をされていると聞いていますので、詳細に調査を早く出していただきたいと思いますが、まあ山田洋行が随行していること自身おかしいと思っています。 もう時間がなくなったので、総理、今バリで京都議定書に関するCOP13が行われています。大変、二〇〇九年にポスト京都の枠組みを作る重要な会議で、今日の午後から鴨下環境大臣がバリに行かれると承っています。実は、議長提案で、二〇二〇年までに先進国は二五から四〇%削減をしろという議長提案が出てまいりました。 総理は、十月の十六日の私の質問で、国内の排出目標を作るべきかと言ったら、当然そのとおりだと思いますと、大変御勇断をいただきました。あのときは私は政治決断をいただいたと思って大変意を強くしたんですが、あのときの総理のお気持ちは変わらず、国内の排出削減目標を作るということで変わらずということでよろしいですね、確認をさせてください。
○内閣総理大臣(福田康夫君) ただいまバリで会議しておりますけれども、すべての主要国が参加して実効ある二三年以降の枠組み構築のため行う、その交渉を行う場を立ち上げると、それは我が国としてはとても大事なことであると、最重要課題というように考えておりますので、そういう観点から……(発言する者あり)ええ、そういう観点から今会議で交渉しているところでございますけれども、我が国の交渉目標、目標と申しますか削減目標と申しますか、これはいろいろな状況ありますので、私がさきに申しましたように、これは削減目標を作るんですよ、作らなきゃ動きません、動くように作っていかなければいけない。じゃ、いつ作るかとかいったような具体的なことについて、これからだんだんと徐々に明らかにしてまいりたいと思っております。
○福山哲郎君 もう終わりますが、作ると御明言いただいたのと、環境大臣は実はこの間の委員会の質問で年内とおっしゃったんですが、年内全然動いていません。早急に国内の排出削減目標を作っていただきますことをお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○委員長(小川敏夫君) 関連質疑を許します。加藤敏幸君。
○加藤敏幸君 民主党・新緑風会・日本の加藤敏幸でございます。 福山議員に引き続きまして、決算にかかわり、これまでの政府の取られてきた施策、予算、使い方、あるいは現在進められている政策の在り方について、幾つか数点に絞って質問をさせていただきたいと思います。 最初に、格差問題について少し総理のお考えを御質問したいと思います。 この格差問題というのは、小泉総理の時代だったと思いますけれども、我が党の方から、格差が拡大するんではないかと、そのことについて質問をされたときに、格差拡大はないと。例えば、ジニ係数が大きくなっているということについても、高齢世帯の数が増えたので、それはそういう統計上の表れであって、また、ニートとかフリーターとか就業形態で不安定な方々が将来それが格差拡大につながるかも分からないというのが当時のお答えであったと、こういうふうに聞いております。安倍内閣に移りまして、そういう問題について、特にフリーターの皆さん、ニートの皆さん対策として再チャレンジ政策ということでいろんな取組をおやりになったと、そういうことでございます。 しかし、あるなしという論議を超えて、現実に私は所得の格差であるとか、あるいは社会制度を甘受するというそういう立場、これも随分差が出てくる、また中央と地方の格差も随分広まっていると。その議論はさきの参議院選挙のやっぱり結果につながってきたと、こういうふうに受け止めております。 規制緩和や構造改革というふうなことは、ちょうど十年前の橋本内閣時代からいろいろ大きく議論がなされ政策が展開されてきたと、こういうふうなことでございますけれども、低所得者層が拡大し、生活保護世帯も増え続けている。不安定雇用に就く人々の割合も急増している。ワーキングプアということがもう既に政府の方から、およそ一千二百万弱でございましたか、所得二百万円以下、年収と、そういうふうなお話も出ているということでございまして、医療の問題、経済の問題、地域というふうなものが随分ある意味で悲惨な状況に今陥りつつあって、そういう悲鳴が聞こえてきているということであります。 そこで、福田総理は、総理になられて何回かのインタビューあるいはこういう質問の中で格差是正ということも声として上げられたと思いますし、また自立と共生と、こういうふうなこともお話しになられたので、今日冒頭、格差の是正に対する総理のお考えと、特に共生ということはどういうふうな意味を込められて、思いを込められているのか、まずお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(福田康夫君) そもそも我が国は、我が国の現状を見てみますと、現状、それから将来を展望して考えた場合に、やはり高齢化、これはもう避けられない。同時に、人口減少も起こってきている。そしてまた、日本を取り巻く環境も変わっているんですね。アジアの発展、日本はそれに引換え割合とゆっくりと歩んでいるというようなことでございまして、そういう変化があります。 そういう変化を背景として、そしてまたグローバリゼーションといったようなこともございますけれども、そういうような状況の変化の中で我が国の社会構造もだんだん変わっていくということは、これは必然だと思うんですよ。しかし、そういう中で、今委員がおっしゃる格差が大きくなるということが、これが果たしていいのかどうかということは、これは当然、我々として、政治家として考えなければいけない問題だというふうに思っております。 そういう場合に、例えば、高齢者と若者の比率が変わってくる、そうすると、その高齢者を支える仕組みをどうやって構築していくかということももちろん大事でございますけれども、その反面、若者が負担が大きくなり過ぎては大変だと、こういうふうなこともかねがね指摘されているわけであります。また、格差というようなことでこの数年顕著なことに、非正規雇用化が進展したということもございました。また、大企業と中小企業の格差も大きいじゃないかと、こういうふうなことも言われておるわけであります。また、都市と地方の問題も、これも看過し得ないと、こういうふうなことでございまして、そういうことはいわゆる改革の中で起こったこともありますけれども、同時に、ただいま申し上げましたような経済社会の変化の中で自然に発生したと、自然の流れの中で発生したということもあろうかと思います。ですから、それはそれで放置しておいてよいのかどうか、これは今ここでもって踏みとどまって考えなければいけないときじゃないかというように思います。 私は、やはり日本の、昔日本国はすべて中流社会というか、中流の意識を持つ人が圧倒的に多いというように言われてきた。しかし、今意識調査しますと、そういう傾向は続いておりますけれども、しかし、若干やはり格差があるんじゃないかといったようなことも言われるようになってきておりますので、その辺を、将来を展望した場合にこのまま放置しておいてよいかどうかということで、その対応を我々としても今具体的な政策として実行を始めていると、こういうような状況になっております。 そういう中で大事なことは、自立は大事なんです。これはもう家庭の中にあっても自立ということは大事でございますけれども、同時に、家庭の中にあったって共生ということはありますね。家庭の中でお年寄りとそれから若い者と、それが支え合うという共生というこの言葉は、これは日本の昔からの伝統でありますけれども、そういうことはできるだけしなければいけないと。しかし、それで家庭が崩壊するような若しくは支障があるというときには、これはそれなりに社会でそれを支える仕組みをつくっていかなければいけないということは言えるわけであります。 また、地方と都市の関係も、やはり各地方自治体、自立の精神大事ですけれども、しかし、構造的な変化に対応できないようなところに対しては、やはり共生の概念で周りでもって支え合うということも考えていかないとこれからの社会はうまく回っていかないんじゃないかというように考えます。そういうことは大企業、中小企業の間にもありますし、あらゆる分野においてそういう問題は発生するんだと思います。 国際社会においても、やっぱり日本は力があるからほかの国を支えるという役割を今はやっておりますけれども、やはりそういう考え方がこれから必要だし、また環境問題取ってもこれは一国だけでどうこうするわけにいかない。自立も必要だけれどもやはり皆で協力し合う、こういう精神が大事なわけで、地球全体見て自立共生ということはこれほど大事なときはないんじゃないかなと、こう思っておるところでございます。
○加藤敏幸君 総論としてはそういうことなので、総理の言っている言葉の中に間違っていることは一つもないと、私はそう思うわけです。ただ、大変厳しい状況の中で国民のいろんな立場の人が声を上げているときに、内閣というのはやっぱり一つ一つの具体政策の中でそれを処理をしていく、対策を打っていくと、私はそういうことを、またそういうリーダーシップを求められているんだと、このように考えるわけであります。 まあ、やや説明がされたかなという状況ですけれども、具体論で今からちょっと少しこの格差の問題で話を進めさせていただきます。 特に、地域間格差の中で今焦眉の急になっているのは、やはり地方、特に医療問題というのが出てきております。これは皆さん方も地方に行ったときに、お医者さんが消えてしまったとかいなくなったとか、二年前までは二十人いた内科医が十人になったとか、さらに八人になりそうだという話は山のように聞いておられると思うんですよね。私も田舎の母親から聞きます。県立病院の診療科がのうなってえらいしんどいことになったんじゃ、こういう声をあちこちから聞こえるわけですね。 そこで、まず舛添厚労大臣に、この医師不足を中心とした地域、地方の医療の現状についてどのように今認識されておるか、そこをお答えください。
○国務大臣(舛添要一君) この格差の問題の最大の問題の一つが、今委員御指摘にあった医療の格差だというように思います。そして、全国各地私も歩きまして、一番皆さん方から不満を訴えられるのは医師不足、そしてまた病院の診療科が閉鎖されている、何とかしてくれと、こういう状況をきちんと認識しております。
○加藤敏幸君 別に大臣の答弁を代わりに補足する気はございませんけれども、やや分かりやすくパネルを作らせていただきました。(資料提示) 一つは、一九八六年の医学部の定員削減。これは旧厚生省が一〇%削減方針を出している。医師を増やせば医療費も増える、だから医者増やすんじゃなくて、減らそうじゃないかというもう極めて単純、分かりやすいといえば分かりやすいんですけれどもね。その後、診療報酬を段階的に引き下げて、言わば各病院経営が圧迫されてきたと。ここに書いている二〇〇二年には二・七%、四年が一・〇五%、六年が三・一六%と。それから三つ目は、研修医制度の改革。これはいわゆる医局改革と言われています。封建的な医局、医学部の先生との師弟関係を改善しようではないかという目的であったわけですけれども、結果として地方病院への若手医師派遣が難しくなってきた。先生があっち行けこっち行けと言っても、皆、いや私は好きなところへ行かせてもらいますというのが現状。それはいいことか悪いことかはともかくそういうことが起こってきた。それから四つ目が大学病院の独立行政法人化。これは国公立大学病院が地方派遣医師を引き揚げる、こういう現象を生んでいる。言わばこういう複合的な原因によって現状の困難が生み出されていると、こういうふうなことであります。これが今の現状であり、その原因であるということであります。 そこで、舛添大臣、問題はこれ以上傷口を増やさずにどう対応していくのかということだと思うんですよね。だから、そこは担当大臣、こういう原因があって現状があるということの中でどうされるのか、お答えください。
○国務大臣(舛添要一君) 今そのパネルで委員が御指摘になったこともそのとおりでございますし、例えば、福島県の大野病院で産婦人科のお医者さんが医療ミスだということで逮捕される、それ以来産婦人科の数が激減していますね。つまり、訴訟リスクへの対応というのも一つ大きな問題です。 それから、産婦人科、小児科については、女性の医師の比率が非常に高くなった。その女性のお医者さんが自ら出産、子育てなさるときの対応もやらないといけない。例えば、今の問題について言うと、女性医師バンクをつくるとか、保育所をつくるとか、そういうことができると思います。 それから、これは今年の五月に政府・与党の緊急医師対策をやりまして、特に、やっぱり診療報酬引下げによる経営圧迫というのはありますけれども、とりわけ勤務医の皆さん方が非常に過剰な労働を迫られる。ですから、そういうことを含めて、診療報酬を使ってこの状況を改善しようと、これも一つでございます。それから、採算が取れないというようなことの病院もありますからこれも支援する。 そして、最初のその医学部の定員削減なんですけれども、お医者さんの養成は十年掛かります。ですから、今から養成して十年後と。そうすると、例えば歯科医のようにこれは数が増え過ぎている問題もある。私は小まめにこういうことを見直していく必要があると思います。 そして、その訴訟リスクについては、一つは無過失補償制度、ノーフォールトというものを入れる、既に動き始めております。それから、死因の究明、裁判官の調停制度、こういうことについても制度化をしたいというふうに思っています。 ただ、この緊急医師対策、今年の五月ですけれども、私はそれを超えて、実を言うと、長期的にどういう医療システムにするのかということがないと、じゃ、医師は増やした方がいいのか、今医師を増やせば医療費は増える、これ実は間違いだったと、私は、そのこと自体ではなくて、医師を抑制したけど医療費は減っていません、正確に言えば。そういうことも含めて、どれぐらいのお医者さんがいて、どういう医療体制でやるのかと、この長期ビジョンをつくった上でないと個々の政策も生きないと思いますので、近々に私の下に直属の諮問委員会をつくってそういう医療システムの長期体制も考える。そして、今年の五月の政府・与党のこの一連の緊急医師対策に基づいてきちんとした対応を短期的にも、直近の問題についても取っていきたいと、そしてそれを実行しているところでございます。
○加藤敏幸君 やってください。これは国民の声を代表して早くやってくださいと、もうこれは私は言うしかないんです。 それから、医療の問題は医療サービスを受ける側の困窮という問題は実はあるんです。これはこの後に置いておきまして、その前に私は福田総理にお伺いしたいんですけれども、やっぱりこの十年、改革という言葉がある種のパラダイムだったと思うんですよね。改革がすべて悪くてこういう窮状が出たのではないという今の答弁ありましたけれども、しかしやっぱりやってきたことが今の惨状を生んでいるというのも事実であるわけです。 この規制改革、この話が出てきたときに、十年前にいろんな議論があったんですけれども、例えば社会的規制と経済的規制、金融制度とかなんとかの経済的規制については大いに緩和しようと、しかし社会的規制だとか労働規制だとか、そういうふうに規制すべき理由が別にあるということについては慎重にという声もあったんですけれども、結果として、例えばタクシーの参入が自由化された。そのときの議論というのは、サービスが向上してタクシー運賃が下がる、あるいは上がらないから国民にとってはプラスなんだと、そういう説明の中でずっとやってきて、結果は値上げなんですよ。 こういうことを考えたときに、やっぱり経済的規制、社会的規制とかいろいろ理屈をきちっと整理をして私は対応すべきであったということから、ひとつ総理にお伺いしたいのは、規制改革会議と経済財政諮問会議、このメンバーの方々の日ごろの物の考え方、それを全部お伺いをすると、共生という概念とはほど遠い新自由主義的、そういうふうな考え方をお持ちの方が随分多いと思います。 そこで、率直にお伺いしますけれども、総理自身、やっぱり政策のある種の転換をしなきゃいけないという思いで共生ということを言われているならば、ブレーンである経済財政諮問会議あるいは規制改革会議等のメンバーについてどうされるのか、そういうことのお考えがあるのか、ここをお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(福田康夫君) その規制改革会議とか諮問会議とかいうようなこともございますけれども、先ほどの医師の数の問題とかいう御提起ございました。こういうのはその時々の政策判断ということで行われるわけでありまして、その政策判断がどういう影響を将来及ぼすかということについては、良い影響を及ぼすだろうということで当然ながら判断している。しかし、それがそうでないというときもあるんだろうと思いますよ。ですから、それが誤ったという、若しくは社会情勢の変化などによって適応しなくなったというのであれば、それはそのときまた修正する必要は当然あるだろうというように思いますから、すべて過去に決めたことがいいと、ずっと続くんだというわけではないということだと思います。 それからまた、規制改革会議それから経済財政諮問会議というものがございますんですけれども、こういう会議はそこで提議をしていただきますけれども、その実行に当たりましては閣議決定をするというようなことでもって内閣が責任を持つわけですね。ですから、これは構成する委員の問題とかそういうことではなくて、やはり内閣の責任ということにおいて実施されるわけでありますので、内閣の責任は極めて重要だというように思っております。
○加藤敏幸君 ある意味で内閣総理大臣のスタイル、リーダーシップの発揮の仕方とも非常に関係してくる内容だというふうに思います。ただいまの答弁、中身はおおむね私が大体そういう方向になるべきだなという方向だと思いますので、次に質問を移らさせていただきたいというふうに思います。 医療問題は、実はもう一つ、医療を受ける側の人たちが保険が買えないと、非常に貧しくてそういう状況があるということが実はあるわけでして、そこで、少しこの医療を受ける側の経済状況ということで考えてみたいんですけれども、格差問題のときにこういうことがありました。成功した人をうらやむという意味での格差問題、議論すべきじゃないと、これはこれで正しいんですよ。だけど問題は、成功していない人たちの問題として、例えばワーキングプアというのはどういう定義でされるのか分かりませんけれども、年収二百万の人たちが一千万人以上の方があり、かつ、この人たちについては雇用が不安定だと。 そこで私、申し上げたいんです。格差問題は何も年収一千万円の人と一億円の人との格差が拡大したということを議論しておったわけじゃないんですよ。もっともっと下の年収二百万円で子供を産み育てられるの、この現実がやっぱり日本の社会に大きな問題としてあるんでしょうと。 それから保険、国民健康保険が払えないから市役所から資格証明書をもらって、資格証明書をもらって病院に行ったら今まで滞納分を払わなければ診察できませんというこの現状の中で、私が申し上げたいのは、日本では一九六五年、昭和四十年までいわゆる貧困調査というのが行われてきました。この調査は厚生行政基礎調査における低消費水準世帯の調査であったけれども、なぜか昭和四十一年から打ち切られたということでございます。 御存じのように欧米諸国は、何でもかんでも欧米を出すと欧米かと、こう言われるんですけれども、アメリカは自由主義政権であろうと何であろうと貧困撲滅、これを大切にしておりまして、商務省がアメリカにおいては、家計に関する国税調査を定期的に行い、貧困ラインの定義付けを基に貧困層の実態把握をしている。また、アメリカの住宅都市開発省も、ホームレスに関する年次報告をきちんと出してホームレスに関する詳細な実態を分析をしている。新自由主義経済でばんばんやっておるはずのアメリカが、やっぱり貧困問題は正面にとらえていると、こういうことでございます。 我が国では、家計調査あるいは厚生省が五年に一度母子家庭調査と、こういうのをされていますけれども、それと貧困ということとは私は性格がやっぱり違うんではないかと。そういうふうな意味で、格差問題ではなくて貧困問題を今正面に据えなきゃならない、そしていろんな施策を打っていかないかぬ、そのためには私は、我が国における貧困、一体何なんだと、その定義とか現実、実態を調査する必要があるのではないでしょうか。 ということで、これはだれが答えていただく、厚生労働大臣。
○国務大臣(舛添要一君) 実は、加藤委員と私、全く同じ問題意識を持っていまして、奈良県の妊産婦のいわゆるたらい回しで赤ちゃんが亡くなるという件。この方がどうであったかどうかは個人情報にもかかわりますから分かりませんが、一回も産婦人科に行ったことないと、健診受けたことない。それで急に救急車呼んで、救急隊員も、おなか痛いって、どこか分からないと。ですから、是非皆さん健診を受けてください。 ところが、これは病気じゃありませんから、健診料が一万円なりなんなり掛かります。それで、今五回まで無料にできる。ところが、これ全国利用率が二・八回なんですね。秋田県なんか県の御努力で十回までやる、十回やれば相当いいと思います。本当は十三回ぐらいやればいいと思うんです。ですから、正に今の医療体制の問題の根底に、お金がないから産婦人科に掛かれないと、こういう問題がありますよということの認識はございます。 それで、さて調査ですけれども、実は高度経済成長の前まではやっぱり非常に貧困というのは大きな問題でしたから、国民生活の基礎調査はずっと行ってきた中で、その中から貧困問題、浮き上がらせてきたと。だから調査自体ずっと行っていまして、調査のデータは、基礎調査があったり消費生活のデータがあったり、今母子家庭云々とございましたが、いろんなデータがあるので、そこから貧困の実態というのは浮かび上がらせることができると思いますし、私のかつての同僚のこの問題を研究している先生方も基本的にそういう調査から貧困とはこういうものだと出していますので、データはきちんとあります。それをどういう形で活用していくかということで基本的な問題意識をともにいたしますので、そのデータの活用を更に図りたいというふうに思います。
○加藤敏幸君 データがあるなら出していただいてこれは議論をしたらいいんですけれども、ただ、構えとして、私は貧困問題という定義あるいはそういう概念でこの現状をやっぱり受け止めていくと、そういうことの中で私は与野党議論していける土俵もあるんじゃないかと、こういうように思いますけれども、いま一度、総理、御感想も含めて。
○内閣総理大臣(福田康夫君) そのように思います。
○加藤敏幸君 そのように思うということですから、そういうふうに思わさせていただきたいというふうに思います。 さて、次に建築基準法の改正、住宅着工の落ち込みについて御質問いたします。パネルをお願いします。(資料提示) これがここ一年間の新設住宅着工の現状です。六月の二十日、この新しい改正基準法が施行されました。それ以降、総計としてもこれだけの落ち込みが、また、特にマンションにつきましてはこれだけの落ち込み、ひどいときは七四%落ち込んでいるというこの現状があるわけでございます。 これは、建築確認手続の厳格化を目指した、そういうふうなことから、あるいは大幅な審査期間の延びなど建築確認業務が停滞したということであり、マスコミにも大きく取り上げられましたし、関係業界、非常にすそ野が広いですから、非常に悲鳴を上げておろうということでございます。 まず最初に、経済担当大臣、こういうふうな状況がどういうふうになっているのか、経済、GDPの成長に与える影響等についてお話をいただきたいと思います。
○国務大臣(大田弘子君) 御指摘のように、新設住宅着工、大幅に減少しております。住宅に加えまして、工場ですとかオフィスビルといった建築系の設備投資につきましても、先行指標を見ますと七月以降落ちております。GDP統計上はこの建築投資というのは工事の進捗ベースでカウントされますので、この着工の遅れは今後、当分の間、しばらくの間、GDPを押し下げる方向に働くと考えております。 先週金曜日に、七—九月期GDPの第二次速報を発表いたしました。これでは民間住宅投資は実質で前期比七・九%減となりまして、GDP全体で〇・三%押し下げに寄与しております。この影響で、建築資材の生産、出荷、こういったところにも影響が出ていると聞いております。 今、景気全体の認識としましては、基調には変化はなく回復が続いていると見ておりますけれども、今後、アメリカ経済、原油価格の動向と併せて、この住宅投資の動向というのは十分注視してまいりたいと考えております。
○加藤敏幸君 それでは次に、国交大臣に、かかる事態、どういう経過でこうなったのかということを御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 一昨年の暮れに、我々驚天動地と申しますか、驚くべき事件が起こりました。これが姉歯事件でございます。一級建築士が設計したマンション等が耐震強度が不足して、震度五程度でも倒壊するというような驚くべき結果が発表されまして、マンション業界を始め一般の不動産業界にも大きな影響を与えたわけでありまして、直ちにこれに対する対抗として、二度と再びこのようなことが起こらないように、そしてまた、一般の消費者の方々に不安を与えないように、そしてもっと深刻なのは、そのようなマンションを買った人は住宅ローンをほとんどの方が組んでおられるわけです。それが、次また新しいものを求めるためにはダブルローンを組まなきゃならないと、これはもうとてもできないようなことが起こるわけでして、そういうものを受けて、国土交通省としましては三つの手を打とうとしました。 一つは、建築基準法を改正をいたしまして、このようなことが起こらないように二重にチェックをしよう、ダブルチェックをしようということが一つです。 それから二つ目は、建築士、まあ百万人ぐらいいらっしゃるわけでございますが、その中で、構造計算等も最近の建物は非常にボリュームが大きくなっています。六十メートルを超えるような建物もあるわけでして、だれでもできるようなものではありません。したがいまして、そういうものに特化した構造計算についての専門家である一級建築士、それから五千平方メートルを超えるような床面積の設備を行うためには設備設計一級建築士という人たちをつくり、かつですね、かつ、もう下請が何重にもやられていた、だれがこれを書いたのか、計算したのか分からないような状況もあった。したがって、そういう面についても、関与した建築士はすべての図書に署名をしていただいて、そしてそれをユーザーには告知しなきゃならないような手を打ちました。 そして三つ目は、ダブルローンにならないように十年間の瑕疵担保を担保するということをしました。このような法制は大きな改革を伴いましたので、昨年の六月二十一日施行されましたけれども、その日から一年以内にこの改正された法律を施行するようにということで、今年の六月二十日に施行されたわけですが、今までは申請があれば二十一日以内に確認をしなきゃならないというものを、こういう大きなものについては七十日まで延ばしたわけです。したがいまして、建築確認申請から確認が、いわゆるダブルチェックも受けた確認が下りるまでは相当な時間が掛かってしまって、これが今、大田大臣もおっしゃるように、大きくこれが落ち込み、その表のとおりでございます、落ち込みました。 そういうことで、ただ十月になりますと、六月二十日に施行されまして、九月までは落ち込みましたけれども、十月になりますと住宅着工は九月と比較して二二・一%増えました。また、建築確認も着実に改善しつつありまして、九月に比較いたしまして二五・五%増えるということで、ただ構造計算が必要な非常に複雑な大きな建物については、いまだ十分とは言えません。 したがいまして、こういうものに対しては今まで五度にわたっていろんな扱いについて規則の改正とかもいたしました。けれども、十分ではないということで、先週、追加の取組として中小建設業者、大工、工務店等に対して面談方式で確認申請の相談に応じるサポーターセンターの設置を決めました。各都道府県に全部設置をいたします。 それから、審査機関と建築設計団体から成る協議機関を設定をいたします。そして、現在そのダブルチェックは二人の判定員が審査することにしておりますけれども、単純と申しますか、そして小規模な物件につきましては一人の判定員と一級建築士の資格を持った補助者一人でやっていただくという形で、この点も合理化をしようということにしております。 それからもう一つは、そういうことで遅れますと、中小企業の建築業者、それからまた資材提供する方、あるいは宅地建物取引業者等々、非常に幅広い業種で売上げが落ちるわけでございまして、また、建築確認が済んでも北海道とか東北のような雪が今降るところでは現実の着工ができない。そういうことから資金繰りに心配がありますので、私どもは早い時期から中小企業信用、まあ経済産業省の中小企業庁等と御協力を願いまして、政府系金融における手厚い融資、低利融資、そして長期で二年間据置きというようなものとか借換え融資をやっておりますし、それから中小企業信用保証協会による別枠保証業務も行っております。 そういうことで、本当に私は御迷惑を掛けておると思いますが、何とかこれが経済全体に影響を及ぼさないような一過性のもので、再びこういうふらちな人が出ないような、安全、安心な制度を構築するために頑張ってまいりたいと思っております。
○加藤敏幸君 対策の方は、特に中小零細の方々含めて私はきめ細かにお願いをしたいと思いますけれども、少し、ちょっとパネルを。(資料提示) 国民の皆さん方はちょっと分かりにくかったと思うんですけれども、これが時系列的に整理したものなんです。姉歯事件がすべての発端であったと。だから、やっぱりしっかりチェックをせなあかんなと、ぱらぱらぱらと、建築確認見ていないじゃないかとか、こういうふうなことであったんですけれども、二〇〇六年六月十四日に改正建築基準法、建築士法を成立させて、ちょうど一年、約一年後の六月二十日を施行日にしたわけですね。問題は、六月二十日同日、構造関係、技術的助言に関する告示が同じ日であり、八月十日、建築物の構造関係技術基準解説書がこの日になる、九月に実務者向け講習会が行われ、十一月にはちょっと問題が起こってきたということで、緩和措置に関する施行規則が出されたと、こういうことなんです。 問題は、現時点でも新基準の大臣認定構造計算プログラムはまだできていないんです。この前、十二月にはできるという話だったんですけれども、まだできていないし、構造審査の判定員も不足しているという状況です。 私は、厳格化するのは必要だったし、この法改正について、私も国土交通委員会のメンバーでしたから、北側大臣、冬柴大臣、二代続いて真剣に議論をさせていただいたし、やっぱり大切なことだったと思うんです。ただ、問題は、この技術基準をやっぱりもっと早く提示しないと、多くの人はやっぱりウエーティングになるわけですよね。設備投資なんかも実は新しい建築計画のときにそれがストップになっているという現状があるわけなんです。大変言葉はきついんですけれども、この辺のところは官庁発のやっぱり不況原因になる、こうやっぱり言われてもしようがないなと。 だから、私は、担当省庁としてこの仕事の進捗についてやっぱりもっとしっかりと督励すべきであったというふうに思うし、ただ、この姉歯事件というびっくりするような事件が起こって、関係部署が相当厳しい仕事の状態であったということも私は実は聞き及んでいるわけですから、一概にその部署だけが怠慢だったとか、そういうことではないと思います。不眠不休頑張られたことはあるんですけれども、しかし全体の内閣の日程管理として、これから先ですよ、これから先、こういう事例は緊急を要するとともに、もう少しきめの細かい対応というふうなことが教訓として残るんではないかと、こういうふうに思いますけれども、担当大臣のその辺のところの見解を簡単にお願いいたしまして、また、景気への対策を含めていろいろな問題があると思いますので、総理の御所見もいただきたいと。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 弁解がましくなるからまた簡略にいたしますけれども、この大きな法律を施行するためには、政省令四本を施行し、しかも告示も二本やっておりますが、こういうものを出すためには、常に学者の意見を聴き、委員会の審議を経て、パブリックコメントというものが行政手続法によって一か月、市民の声を聴けということになっています。そういうことでずうっと重ねてやってきたわけでございますが、いずれにいたしましても、結果はそのように落ち込んでいるわけでございます。 今何とかこれを持ち直して、二度と再びこういうことにならないように、これは一過性のもので、そして抜本的改革が成功するように頑張ってまいりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
○加藤敏幸君 また総理でいいですか。
○内閣総理大臣(福田康夫君) あの姉歯事件というのは本当に大きな事件だったと思います。で、それの、その対応をしたわけですね。それは国民の安全、安心という観点から欠くことはできないことでございますんで、そのこと自身は良かった。委員もそのとおりだというふうにおっしゃっておられますけれども、全くそのとおりでございまして、それで、ただ、そういう、この改正建築基準法、この法律が変えた後の手続をどうしたらば国民生活若しくは建築そのものに影響を与えないかということについての配慮が若干遅れたかなというようには思っています。そういううらみは残しますけれども、しかしこのことによって安全、安心を確保できるということは大きな進歩だというふうに思いますし、そうあらなければいけないということであります。 まあこれ、この新しい法律を緩やかに運用せいなんという話になったらば、それこそまた将来の禍根を残すということでございますから、ここのところは辛抱どころだというように思います。ただ、若干のそういう準備遅れがあったということについては、これはその私どもにも責任があると思いますので、担当部署においてしっかりと対応策をきめ細かくしてまいりたいと思っております。
○加藤敏幸君 それでは次に、物づくり教育ということで、少し視点を変えて質問をさせていただきたいと思います。 では、パネルをお願いします。(資料提示) 実は、昨年六月、同じ決算委員会で、小泉総理のときでしたけれども、物づくり教育の中で、技能五輪、ユニバーサル技能五輪が静岡で来年開催されるので、文部科学大臣に小学生、中学生、高校生のいわゆる修学先として経験させたらどうかということを提言させていただきまして、行ってまいりました。 これがそのときの、私が撮ったわけじゃないんですけれども、そのときの写真です。多くの小学生、中学生、高校生がユニバーサル五輪、これを、技能五輪、熱心に見ておられましたね。巡回するところをもうかぶりつきで動かないんですね。非常に私は成功したというふうに思います。 少し時間の関係がございますので若干質問を早めさせていただきますけれども、取った金メダルも一番多かったということで、やっぱりなかなか捨てたものではないなと、こういうふうな感想を持ったわけでありますけれども。 私は、なぜ小学生、中学生、高校生にこういうふうな物づくりの世界の一番トップレベルを見てほしいと言うのかというと、やはり子供たちにとって職業を、職業像、勤労観、職業観、あるいは自分の進路と、こういうのを具体的に体験する場が非常に少なくなっているという。つまり、職というものに対するきっかけがなかなかうまい具合に小さいときにできていない。だから、非常に自分が勉強するにしても、何で勉強するのかという動機のところがうまく体験的に形成できていないという嫌いが過去あったということでございました。なかなかこれは子供たちの進路をどうしていくかということ、そしてその職業に対する思いが、例えばニートとか、そういうふうな職業観によってなされているいろんな問題への対策というふうなことにつながるのではないかと、このような思いもあったわけであります。 そこで、まず舛添大臣に、こういうことでうまくいったんですけれども、じゃ職業教育とか物づくり教育とか、こういうふうなことを、これ良かったけれども、一過性に終わらせちゃいかぬわけですよね。毎年、日本でやるわけにはいかぬと。そうすると、こういうふうな成功したことをどう持続させて政策につなげていくのかというところをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(舛添要一君) 私も静岡へ行ってまいりました。それで、技能五輪とともに、アビリンピックといって障害者の方々の技能五輪も行われ、もう金メダル、アビリンピックは十二個でしたか、それから技能五輪が十六個。それでもう現場見て、これ物すごい人で、三十万人を超えて、予想をはるかに超えると。今写真お見せいただいたように、本当に子供たちが目輝かして見ていますね。それで、例えば静岡の左官で堀さんとおっしゃる方が、女性なんですけれども、この方もすばらしい技能を持って銀メダルを取られた。 ただ、一過性に終わらしちゃいけないという意味で、やっぱり物づくりの大切さ、こういう物づくりはどうなんだということでありますから、この物づくりを含めて雇用・能力開発機構、これはスパウザ小田原で随分評判を落としてありますが、こういう問題はきちんとこれは対処する。 私のしごと館というのが関西にありますけれども、これはやっぱり赤字体質であるとか、それからいろんな、運営が非効率である、こういうのは徹底的にメスを入れないといけないと思いますけれども、実を言うと、その技能五輪を支えたのはその雇用・能力開発機構で教えている先生たちであって、いろんなその下支えをさせていただきました。 ですから、いいところはいい、しかし、この効率化のところはきちんと効率化でメスを入れないといけない。そして、私のしごと館、これはいろいろ評判が悪い。キッザニアという子供たちの豊洲にあるのに比べると面白くもない、まあ値段ははるかに安いですけれども、入場料。こういう問題点がありますから、これは少し国民的な議論をきちんとして、物づくりの大切さ、そういうことを常に教える場所の必要性は必要として考え、しかし効率的な運営、そういうことを、経営という観点をどうするか、そういうことも含めた上できちんと議論をしてまいりたいというふうに思っております。
○加藤敏幸君 次に用意いたしましたパネルは、これも実は去年の六月の決算委員会で使ったものと全く同じなんですね。(資料提示)これは、企業内教育訓練の実施状況で、これ従業員の調査なんです。企業にやったかやらなかったかという、そういうんじゃなくて、受けた側、その従業員の皆さん方に聞いた調査でございまして、御案内のとおり、一九九八年以降、企業内の訓練というのは、実施状況はがくっと落ちているわけです。 これは、なかなか企業内でお金を掛けられないという状況がある、まして中小企業の皆さん方は、背に腹は代えられないということで長らく物づくりを含めてオン・ザ・ジョブ・トレーニング、これ会社の中でやってきたことができなくなったというのが現状なんですよね。それはどこが受皿になるのと、こういったときに、社会的な、社会化された職業能力開発というものがやっぱり大きな役割を持つんですねと、私はこういうふうに考えるし、そのことを今言われた、どうも私のしごと館は評判が悪いし能率が悪いし、今いろいろ言われたということですからそれは改善していただくにしても、その目的があって必要性がある。方法がまずかったと、だから目的も全部なしにするということでは、これどうにもならないんじゃないかと。だから、方法論は方法論としての問題をどうするかということと同時に、目的が必要なら的確に、私は、こういうふうな仕事とそれから物づくり、能力開発、学校教育も含めて問題があろうかと思いますけれども、その点、やっぱり方策を打つべきじゃないですか。
○国務大臣(舛添要一君) 先般、私も渡辺大臣も、日にちは別ですが、雇用・能力開発機構のそういう職業訓練の場を見てまいりました。今委員がその図でお示しになったように、例えばトヨタのような大企業は自ら訓練するシステムも持っております。しかし、中小企業、圧倒的にそういうシステムがないし、しかも減ってきている。そういう中で、きちんと職業訓練を行うということは必要ですし、非常に若者が喜んで生き生きとやっている。それから、技術の分野によっては一〇〇%の就職率で、それから採用した企業からも喜ばれている、そういう面があります。 ただ、これを例えば外注して、アウトソーシングでやれるものなのかどうなのか。やはり、効率化はやらないといけない。しかし、理念としてきちんとやっている。それから、離職者、つまり失業者の訓練というのもそこでやっていますので、そういうことのプラスマイナスを含めてきちんと議論をした上で、この問題についても大きな理想は私は間違っていないと思います、しかし効率化というこの命題にも取り組んでいきたい、そういうふうに思っております。
○加藤敏幸君 時間の方の関係がございますので、実は学校教育において、こういう職業教育も含めてその充実化をどう図っていくのか。インターンシップだとかいろいろありますので、そういう工夫はされておるということで、文科大臣にも質問を用意しておったんですけれども、大変申し訳ないんですけれども、これから是非そういう教育の、学校教育の場も充実をさせていただきたい。 それから最後に、私は、大臣の方から私のしごと館の話が随分説明されたんですけれども、あれはまるっきり全部税金かと聞いたら、雇用保険の、それも三事業で、事業主だけに負担をしていただいているということで運営をされていると、こういうふうなことでもあったというふうに思います。 したがって、そのよって来る財源との関係も大きなテーマですので、何ですか、白か黒か、あるかないかという、そういうなたを振り回すような議論ではなくて、もう少し細かな議論を、それが国民から分かるように、昔見た抵抗勢力劇場みたいなそういうことではなくて、私は、やっぱり一つ一つ細かな議論をしていただかないと、結果的に、何か大きな改革をしたけれども、後でまた修正を何回もせないかぬと、その修正のためのコストが随分掛かってしまうと。これは、決算委員会としては、改革をする、それを決めたけれども、それは後で問題が出てきた、それを修正するための費用の方がはるかに掛かるということでは、これ何をやっておるんだということになりますので、大変今内閣の中で議論が様々あるようですけれども、その辺のところはより正確できめ細かな、そして国民に分かりやすい議論をやっていただきたいということを要請申し上げまして、時間になりましたので終わります。 ありがとうございました。
○委員長(小川敏夫君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十五分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(小川敏夫君) ただいまから決算委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、平成十八年度決算外二件を議題とし、全般質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○浅野勝人君 自民党・無所属の会は、これから百三十五分、浅野チーム三人で担当をさせていただきます。 総理は、所信表明演説で、経済社会全般にわたる構造改革への取組を強調した上で、改革と安定した経済成長は車の両輪と述べておいでです。経済成長か財政再建か、党内外でどちらを重視するか論争が盛んですが、総理のお考えはAかBかではなくて、経済成長と財政再建を両立させるのが望ましいとお考えだと存じます。成長戦略と財政再建を結び付けるポリシーミックスですから、フクダノミックスを考えているのではないかという指摘もあります。だとしたら、その理念をもっと明確にお示しにならないと、政府部内がまごつくこともあります。総理の経済財政運営の基本方針、お考えを分かりやすくお話しいただきたいと存じます。
○内閣総理大臣(福田康夫君) 私の経済運営の基本方針というのは、それはもう御指摘のように、改革とそして安定した経済成長ということで、これは車の両輪でございますので、この二つを同時に追求していく。片っ方がうまくいかなければ、やっぱりその反対側もうまくいかないと、こういう関係にありますので、これはそういうことはしっかりと頭の中に置いて経済運営をしていこうと、こう考えております。こういうことは私の所信表明演説にも既に述べておりますけれども、そのとおりでございます。 経済が成長するということは、雇用の拡大とか所得の増加につながるという形で国民生活には良い影響を与えるものでございますので、今後、日本経済が安定的な成長を続けていくために、経済全体として生産性を大幅に上昇させなければいけない、こういうふうに思っています。 そのためには、内外の投資の促進を図るということも必要でございますけれども、成長の著しいアジアの中にある強みを生かすアジア・ゲートウェイ構想というものは、これは推進しておるところでございますが、それ以外に、観光立国の推進とか金融の競争力の強化ですね、また科学技術の発展に向けて戦略分野への集中的な投資を促進すると。そしてまた、人材育成を充実して世界最先端を目指す知的財産戦略を、これを推進すると。こういう多面にわたる施策を講じていかなければいけないと思います。 我が国が置かれている状況というものにかんがみて、当内閣として成長戦略をこれは取りまとめて更に強化していくという、その必要性もあると思います。ですから、経済財政諮問会議において今現在検討しているところでございます。いずれそれは発表させていただきたいと思っております。 他方、我が国の財政が主要先進国の中では最悪の状態にあるということはもう御案内のとおりでございますけれども、財政再建なければ持続的な経済成長、これは実現できないということでありますので、こういう点も踏まえまして、財政の無駄をなくすという基本方針はこれは堅持しております。 正に、必要なニーズにこたえるための財源の重点配分を行うということ。歳出改革は着実かつ計画的に実施する。それでも対応し切れない社会保障や少子化などに伴う負担増に対しては安定的な財源を確保しなければならないと。今後、国民的な合意を目指して、税体系の抜本的な改革を実現させるべく取り組んでまいりたいと思っております。 そういうようにして、その先に、若い人に希望の持てる、そして働く人、高齢者の人に安心を与えるような、そういう国づくりを進めてまいりたいと考えております。
○浅野勝人君 経済財政運営の成果である十八年度決算を見ますと、基礎的財政収支、プライマリーバランスは前の年に比べて三兆一千億円改善されています。公債発行額は二十七兆五千億円で五年ぶりに三十兆円を下回り、公債依存度が三ポイント改善されて、ネットで八千三百億円剰余金が生じました。 剰余金を主な財源にした補正予算の編成が最終調整の段階と承知をしておりますけど、総理はどのくらいの規模で何を重点に組むおつもりですか。──財務大臣、お願いします。
○国務大臣(額賀福志郎君) 補正予算を組むことについては、先般、総理からも指示を受けまして、今、鋭意作業をしているところでございます。 基本的には公債の発行には頼らないということを前提にしております。その上で、災害対策とか追加的な必要な財政需要にこたえると。例えば、最近の原油高に対応していろいろ生活にも影響がある、あるいは産業界にも影響がある、そういうことにどう対応していくかとか、緊急、必要な事態に対応して予算を、補正を組ませていただきたいというふうに思っております。
○浅野勝人君 額賀大臣、余計なことですけれども、例の出たとか出ないとかという話、今日午前中の答弁でもうはっきり分かりました。国民の方々も十分理解をしたと存じますから、もうこだわらない方がよろしいと存じます。 そこで、改めて財務大臣に本業の話を伺いますけれども、新規の国債発行額が二十六兆円台の前半になる見通しというのは確かでしょうか。もしそうだとしたら、せっかく三年連続して減らしてきたのに、四年ぶりに増えることになります。税収の動向によるとはいえ、前の年より少しでも抑えるというこだわりは持ち続けた方がいい。記録を伸ばすぎりぎりの努力と、併せて認識を伺います。
○国務大臣(額賀福志郎君) 今正に、来年度予算編成の大詰めの作業をしております。与党におかれましても税制作業の詰めをしていただいているものと思っております。 と同時に、十八年度の補正後の税収見積りは一・四兆円マイナスでありました。恐らく十九年度もマイナス、減額されていくのではないか。そういう中で予算編成の作業行われているわけでございますけれども、これはまず、委員がおっしゃるように、一つは日本の国民の生活に影響を与えてはいけない、経済成長についても安定した形をつくっていかなければならない、一方で世界最悪の財政事情であるということ、この連立方程式をどう解いていくかという話でございますけれども、国内的にもそれから国際的にもやっぱり日本が財政再建を努力しているということが強いメッセージとして発しられなければ、日本に対する信認が失われていくことになります。 したがって、私は、新発債は前年度より増やしてはいけない、そういう前提の下にこの予算編成作業を行いたいというふうに思っております。最大限の努力をしたいと思っております。
○浅野勝人君 アメリカの低所得者向けの住宅融資、サブプライムローンに関連する幾つかの点について見解をただしたいと存じます。 サブプライムローンを組み入れて証券化した商品は複雑多岐にわたっていて、焦げ付きのあおりは世界じゅうに計り知れない損害を与えています。 日本経済への影響をどのように把握しておいでですか。サブプライム関連証券に投資した金額と損失の規模はどのくらいと予測していらっしゃいますか。
○国務大臣(渡辺喜美君) 私どもは金融の担当でございますので、サブプライムローン問題が日本の金融機関あるいは金融システムにどういう影響を与えているかということをお答えさせていただきます。 サブプライムローン商品というのは、例えてみれば一〇〇%ビーフのコロッケだったものの中にどうも偽装牛肉が入っていたらしいと、そういうところから疑心暗鬼を生んでしまった構造に似ていると思います。結局、みんなが疑心暗鬼になったがゆえにお値段の付かない仕組み商品などが出てきてしまい、その損失が一体どれぐらいあるのかというところで更に疑心暗鬼が広がってしまったという背景がございます。 日本の金融機関に対しては、ではどれぐらい損失が出ているかといいますと、九月末時点でございますが、サブプライムローン関連商品は約一兆四千億円ございます。評価損、実現損は合計で計二千七百六十億円程度でございます。ということは、日本の預金取扱金融機関の自己資本が約五十兆円ございます。これはティア1資本だけであります。一方、十九年三月期の業務純益、本業のもうけが六兆七千億円ございますので、これは十分対応可能であるという状況でございます。
○浅野勝人君 予測される評価損が私が思ったより少なくてほっとしました。 本当にこの程度でだけれども収まってくれればいいんですが、様々な分野の企業に間接的にかなりの影響がこれから出てくる懸念があると存じますので、大事なことは今後の対応だと思います。 サブプライム問題が起きた主な原因は、アメリカ政府が踏襲してきた二つの経済政策にあると私は思っております。持家比率を引き上げる住宅政策とドル高の容認です。 アメリカの持家比率は世帯数の六五%くらいが限度と言われてきました。頭金を二〇%払って、月々の支払は月収の二五%程度をめどに元本と金利を確実に払うことのできる階層です。ところが、九五年を境に世帯の七〇%に向かってしゃにむに引き上げようとしたために、自宅を買うのが難しい低所得者層にまで購入の対象を広げました。そのために何をしたかというと、頭金はゼロ、所得証明は要らない、月々の支払は月収の四〇%でもオーケーと、むちゃくちゃな条件にせざるを得なくなりました。勢い、住宅ローンは幾らでも増えて、過剰流動性を生む素地が生じました。その上、ドル高を容認することによって元々無理な住宅政策を支えてきたというのがこれまでの図式だと考えます。 日本のような資源の乏しい物づくり貿易立国は、国際競争力を強めるためにドルを買います。その上、アメリカに物を売って得た輸出代金の黒字分をドルのまま資本輸出して運用していますから、言わば代金の一部を回収しないでアメリカに置いたままになっているのと同じことになります。アメリカ側から見れば、住宅ローンが資本輸入として戻ってきたお金の格好の受皿になりましたから、必然的に半端でない過剰流動性を発生させる原因になったというのが今回の構図でしょう。ですから、日本政府の財政金融政策とサブプライム問題は無縁ではないというのはあながちこじつけとばかりは言えません。 そこで第一点、サブプライムリスクが広がる中では当面、金融緩和を続けるしかないのだろうなとは思いますけれども、結果として、資本輸出を促す超低金利政策が過剰流動性を助長する原因の一つとなっていることについて、政府はいかがお感じになっておいででございましょうか。どなたにお答えいただくのが適当でしょうか。
○国務大臣(額賀福志郎君) 浅野委員の御指摘でありますけれども、金融政策は、基本的には日銀が内外の経済動向や市場動向を見定めてきちっと判断をしているものと思っております。今後、我々も、先般のG7においてこういうサブプライム問題、ヘッジファンドの問題等々について議論をいたしましたけれども、今後、このサブプライム問題については、リスクを分散したことが逆に不安定さを醸し出しているということにつながっているわけでございますから、これをどの程度きちっと把握することができるかということが大きな議論でありましたが、これから金融機関の危機管理機能あるいは格付の問題等々について今調査をしている段階であります。 しかし、基本的には、アメリカ経済もヨーロッパも我々も、経済成長の流れは揺るいではいない、時間は掛かるけれども元に戻るだろうという確信を持って、今、この前の国際的な共通の意識を持ったところであります。 我々も今後、各国の市場をきちっと注視しながら経済政策等を考えていかなければならないと思っておりますけれども、日銀も日本の経済や世界の動向を見ながら経済の動きを支えてくれる形で金融政策が取られていくものと考えております。
○浅野勝人君 一九三〇年代の大恐慌で住宅の価格が暴落してから以来、アメリカでは持家の値段は二度と下がらないという神話が続いてきましたけれども、今回、それが崩壊して、ブッシュ政権は懸命に有効な手だてを講じているようです。その効果はいずれ金融市場の安定化にはつながるとしても、アメリカの景気を後退させ、需要を減退させて、対米輸出に少なからぬ影響が出る懸念は織り込んでおく必要を感じます。外需に頼りがちなこれまでどおりのやり方だけではいささかの不安を感じます。 政策の軸足を一層内需拡大に移動させた予算編成の姿勢が求められると存じますが、この点、総理、いかがでしょうか。これは総理に伺います。基本方針。
○内閣総理大臣(福田康夫君) 日本は外貨準備高が非常に多いんですね。一兆ドルに近いところまで増大したということでありまして、その外貨準備がないよりはたくさんあった方がいいわけです。そしてまた、外貨準備の性格というのがございまして、要するに、通貨であります円の安定という、これを実現するためにこれはどうしてもなくてはならないものでありますので、これをどう扱うかというのは、これは細心の注意を払っていかなければいけないものであると、これはもう当然のことでございます。 安定性及び流動性に注意をしていくということでありますので、そういうことを可能ならしめるような運営をしていくということが大事でございます。ですから、この辺は慎重に対応しますけど、またそのことによって日本とかそれから海外の市場を混乱させる要因にもなり得るわけですからね、余り急激に運営をするとかいったような、そういうことはできない性格のものだと、こういうふうに考えております。
○浅野勝人君 総理、その上に立って、日本政府の予算編成の軸足を内需拡大に一層配慮するという姿勢が大事かなということを改めて指摘をさせていただいておきます。 もう一つ重要な点があります。 サブプライムローン債権を組み入れて証券にした多くの商品にトリプルAそれからダブルAという高い格付をしたものですから、安心して買われて世界じゅうに広がってしまいました。格付はあくまで一つの意見にすぎないはずだったのに、サブプライム商品でははるかに重要なお墨付きになってしまいました。現に、特定の格付会社の格付が、金融行政によって金融機関の資産内容の審査の際に投資や融資の適格基準として利用されています。そうなると、金融機関は行政が示す一定以上の格付があればそれで安心してしまいます。アメリカのポールソン財務長官が、格付への過度の依存を招いてしまったのではないかと、この点について検討し直してみる必要があると言っているのは正にそのことを指しています。 証券化された商品について、投資家が格付だけに頼らないように、参考になる情報については法令に基づいて開示を求めるようにすることを考えてみたらどうですか。 それからもう一点。投資家の心理状態が大変不安定なこの時期に、殊更、証券優遇税制はいじらないでしばらく存続する方がいいように思いますが、渡辺プロ、この二点、どうですか。
○国務大臣(渡辺喜美君) まず、第一点目でございますが、格付会社というのは、商品の格付の信用リスクをうたっているわけでございます。つまり、これは一体デフォルト率がどれぐらいあるのかというところがポイントになるわけですね。でも、先ほどの例え話でいきますと、一〇〇%牛肉だったはずのミートコロッケの中にどうもそうでないものが混じってしまっていると、こういうことでございますから、買手が付かなくなってしまう。ということは、そのデフォルト率でなくて信用リスクでないところの不確実性が出てきてしまっているということでございます。 リスクというのは計測可能な不確実性をいいますけれども、計測できないリスクは、真の不確実性といいまして、非常に厄介なものでございます。日本では、例のBSE騒動が起きた後で、牛肉のトレーサビリティーというのをやりました。もうどこで生まれてどこの肥育農家で育てられてお肉になったかということが分かる仕組みがあるんですね。そういたしますと、もしそういうトレーサビリティーがこういった金融商品の中できちんと組み込まれていると、恐らく疑心暗鬼の世界は相当解消されていくのではないでしょうか。日本発の原債権で証券化をして、それを仕組み債にするなんという場合に、恐らく日本だったらトレーサビリティーがすべて可能な商品設計ができるのではないでしょうか。そういったことを私の下に置かれました金融市場戦略チームでは提言をさせていただいているところでございます。 それからもう一つ……
○浅野勝人君 それから税制の方、簡略に。
○国務大臣(渡辺喜美君) それからもう一つ、証券税制の話でございますが、これは私どもの要望としては、配当それからキャピタルゲイン、これは基本的に同じ企業価値から出てくるではありませんか、どうしてこれを差を付けるんでしょうかという主張をしてきております。残念ながら、私どもの意見はなかなかお認めいただけていないという状況にございまして、あとは額賀大臣にお聞きいただければと思います。
○浅野勝人君 自民党税調が決めることでありますから、どうぞひとつ、まだ残った期間よく協議をして、投資家の今の不安な心理を更に追い込むことのないように政府としても努力をすることが望まれると存じます。 それから、先ほど総理からも資本輸出がどんどん増えて外貨準備高が百兆円余りになったと、その運用についてのお考えがありましたけれども、アラブの複数の外交筋から聞いたことなんですけれども、サウジアラビアはアメリカに巨額なドル建ての外貨準備を持っていて、それに見合った米軍によるサウジ防衛の担保にしているということです。 インド洋の給油活動は、テロとの取組を多くの国が感謝をしてくれておりますし、シーレーン防衛にも間接的に役に立つ、費用対効果の大きい国際貢献で国益に沿った後方支援です。民主党の中にも個人的には理解をしていただいている議員の先生方がおいででございます。 再開に向けて、政府、与党が一体となって努力していく責務がありますが、総理、直近の世論の動向をどんなお感じでとらえておいでですか。
○内閣総理大臣(福田康夫君) インド洋の海上自衛隊の補給活動につきましていろいろと御審議をいただいているわけでございまして、これは我が国として、極めて国際社会に対する我が国の協力、いわゆる国際協力ですね、それを示すものとしてこれの実現をと申しますか、再開をさせていただきたいということで御協力をお願いしている最中でございますけれども。 現在、どういう世論の状況かというお尋ねでございましたけれども、私は、いろいろな報道ございまして、またいろんな世論調査ございますんですけれども、だんだんと御理解は進んできているのではないかなと、そしてそれが固定化してきているなと、こんなふうな感じで受け止めておりますので、なお、私どもは参議院におきまして、委員会におきましてそういうことについて、その意義についてよく御説明を申し上げたいと、こういうふうに考えているところでございます。
○浅野勝人君 アフガニスタンで軍事活動をしているISAF、国際治安支援部隊はどのような経過で生まれたのですか。
○国務大臣(高村正彦君) ISAF、国際治安支援部隊でありますが、二〇〇一年十月の対アフガニスタン武力行使後の混乱を早期に収拾するため、アフガニスタン暫定政権設立に先立って、アフガニスタン当局者及び特に人道復興分野に従事する国連要員等が安全な環境で活動できるようにするために、アフガニスタン国内の治安維持についてアフガニスタン政府を支援すること等を任務とする国際部隊の設立が急務になったわけであります。 このような経緯から、二〇〇一年十二月、国連安保理が安保理決議一三八六を採択し、ISAF、国際治安支援部隊が設立されたわけでございます。
○浅野勝人君 タリバンやアルカイーダなどのテロ武装集団との戦いでISAFに犠牲者は出ていますか。
○国務大臣(高村正彦君) 統計によりますと、スペインが二十三名、ドイツが二十二名、デンマークが七名、オーストラリアが四名、ノルウェーが三名、ポルトガル、スウェーデン、エストニア二名、チェコ、フィンランド各一名、この国はISAFだけに派遣している国でありますが、ISAFだけに派遣している国でこれだけの死亡者が出ているわけでございます。
○浅野勝人君 アフガンの現状から判断して、死傷者を出さないで済むと予測できる安全な地域を指定することができますか。
○国務大臣(高村正彦君) アフガニスタンの治安情勢は不安定の度合いを強めております。今後の見通しは楽観できない状態にあることから、我が国は、本年七月二十五日付けでアフガニスタンにかかわる危険情報を訂正し、従来は渡航延期地域としていた首都カブールを含む五都市についても退避勧告に引き上げたような状況でございます。 このようなアフガニスタンの状況を踏まえますと、現時点で民間人の生命や身体に危険が及ぶおそれがないと言えるような安全な地域を見付けることは困難、甚だ困難であると考えております。
○浅野勝人君 だと思います。 ちょっと読みます。 国連の決議でオーソライズされた国連の平和活動に日本が参加することは、ISAFであれ何であれ、何ら憲法に抵触しません。 国連の活動に積極的に参加することは、たとえそれが結果的に武力の行使を含むものであっても何ら憲法に抵触しない、むしろ憲法の理念に合致するという考えに立っています。 日本政府はこれまで、すべて日本国憲法を盾に国連活動への参加を拒否してきました。まずその姿勢を改めるべきだと繰り返し主張しています。 総理、この見解を受け入れて、将来、自衛隊をアフガンのISAFに派遣するお考えはありますか。
○内閣総理大臣(福田康夫君) ただいま外務大臣から答弁申し上げたように、ISAFは今危険な地域である。すなわち、治安維持活動といっても戦闘行為伴う、この可能性は極めて大きい。そしてまた、事実、犠牲者も、各国によってばらつきはありますけれども、相当の犠牲者を出していると。 こういう状況から考えますと、今現在、ISAFに日本の自衛隊を出すということは、これは憲法九条に合致しないということになりますし、じゃ将来どうなのかということになりました場合に、将来のことはまだ分かりません、どういう状況になるか。将来といってもどのぐらいの将来なのかということもございますので、将来のことを私、今申し上げることはできませんけれども、今現在は無理であるということを申し上げておきます。
○浅野勝人君 個々の国家が行使する自衛権と、国際社会全体で平和、治安を守るための国連活動とは全く異質のものであり、次元が異なるのです。国連の平和活動は国家の主権である自衛権を超えたものです。したがって、国連の平和活動は、たとえそれが武力の行使を含むものであっても日本国憲法に抵触しないというのが私の憲法解釈です。 恐らくこれは、国連で決めた集団安全保障措置は個々の国家の主権を超えた重いものだという理念だと推測します。国連の参加国が、たとえ軍事行動を伴うものであっても安保理の決定した集団安全保障に従わなかったら国際平和維持機関としての国連を機能させることができないではないかという問い掛けは、一つの見識と思わないでもありませんが、国家の主権、国の憲法を、日本の憲法を超越するものという見解にはやはり違和感を覚えざるを得ません。 この憲法解釈を総理はどのように受け止めますか。
○内閣総理大臣(福田康夫君) 憲法解釈と申しますのは、国連決議に基づくものであればすべてと、こういうことですね。これは我が国としては、先ほど申しましたように、九条に該当する武力行使ということはできないと、しないと、こういう解釈を取っているわけでありまして、現政府においてもそのような解釈をしておるわけであります。 ですから、そういう意味において、国連で仮に決まったとしても、それに、国連の決議だということで、それだけのことでもって参加するしない、これはそれだけでは決まらないと。これはあくまでも日本の政府は、場合によっては国会の協議を経て合意を得て行うこと、行うか行わないかということを決めることになるわけでありますので、今のようなお話であれば、これは無理、現状では無理であるというふうに考えております。
○浅野勝人君 実はこれは、民主党の小沢一郎代表が雑誌「世界」の十一月号に発表した論文の中で述べておいでのありのままの表現だったんです。一字一句誤りのないように気を付けて引用しています。 小沢代表の安保政策は、国連を最大限尊重する立場から、普通の国を目指す、傾聴に値する理論で、かねてから私は共鳴する部分が少なくなかったのですけれども、これは何とも得心がまいりません。そして、今日のアフガンについては、私が政権を取って外交・安保政策を決定する立場になればISAFへの参加を実現したいと思っているというのが結論です。率直に申し上げて、危うさを感じます。 総理、憲法の理念を異にする他党の党首と場合によっては政権をともにしてもいいと考えた前提に、安全保障政策について基本的な考え方が合意したからだと伝えられていますが、実際はどうだったのでしょうか。私は殊更、異を唱えたいのではありません。もし安保政策について双方の溝を超えた、ないしは超えられる可能性が見えたとしたら、それは十分に評価できる事柄です。おっしゃることのできるぎりぎりの範囲でお答えいただきたいと存じます。
○内閣総理大臣(福田康夫君) 小沢代表との会談の中身を話せと、こういうような御趣旨でございますけれども、私、あのときには小沢代表といろいろな話をしました。その中の部分として、一つというんじゃない、部分としてそういう安全保障の話をしました。しかし、このことは二人で決められる話ではありません。そうでしょう。これはやっぱり党もあるけれども、しかしその党だって大変なことだと思いますよ、それを決めるについては。であれば、やはり政党間の協議をするということも必要でしょう。また、国会の審議も必要でしょう。そういうことを経て最終的に決まることであって、ですから、それで、あの会談ですべて決まったという話ではございません。
○浅野勝人君 民主党代表の見解に御無礼があってはいけませんので、用心深く議論を詰めてまいりました。そして、国連の決議があれば、多数の死傷者を出している地域であっても自衛隊を派遣するくらいの決意で国際貢献に踏み切るべきだという判断に出会いました。民主党の副代表の一人が、何が何でも国連の決議がないと日本が行動をしないという考えは取るべきではないという柔軟な意見を述べていることも承知をしております。 世界の大方の世論が求めるテロとの戦いに、戦闘地域から遠く離れた安全な海上で後方から貢献したいという私どもの願いに、民主党の御理解をいただけないものかと、改めて深い思いがいたします。 時間があと六分ございますので、外務大臣に一つ伺っておきます。 実は、三月十一日に北京で、当時、カウンターパートだった武大偉外務次官、外務副大臣と二時間二十分会談する機会に恵まれました。日本語が達者な方ですから通訳抜きで、拉致問題を中心に政治、経済から文化、スポーツまであらゆる分野の話題に話が及びました。六者協議では、日本は全面的に武大偉議長を支援しますと申しましたら、佐々江が支えてくれると、一本取られました。やっと、やっと笑いが出ましたね。気が付いてくれましたか。 その中で、一番厄介だなと思ったのは東シナ海の油田の開発問題で、政治決着以外は難しいなという感じがいたしました。先日の日中外相会談では、福田総理の中国訪問までに共同開発に向けて政治決断を目指す必要性で意見が一致したと伝えられていますが、高村大臣、本当のところはどんなあんばいだったんですか。
○国務大臣(高村正彦君) 本当のところも今委員が言ったことで当たらずといえども遠からず、相当部分当たっていると思いますが、楊潔チ外相と相当突っ込んだ話合いをいたしました。そして、お互いの共通認識は、この立場を乗り越えるのは大変だねというのが一つ。そして、それでも乗り越えなきゃ駄目だねと、政治決断が必要だねと。私の方から、中国側が政治決断してくださいと、そうすれば日本も柔軟に対応いたしますと、こういうことを申し上げたわけであります。 そして、その政治決断してほしいということは、楊潔チ外相だけに言ったわけではなくて、胡錦濤主席、それから温家宝首相、そして唐家セン国務委員、それぞれに政治決断をお願いいたしますとお願いをしたところでございます。 いずれにしても、この立場を乗り越えて、できれば総理訪中までに何とかいたしましょうと。二人とも、私も楊潔チ外相もその決意だけは強いものがあると、こういうことでございます。
○浅野勝人君 この問題は、やっぱり外務大臣、政治が決断をしないと、局長協議、事務レベルで五十年やったって片付きませんから、何というんですかね、何か気合が合ったときに、えいやっという、その時期というのは外交交渉にとってとても大事な時期なのかなと。楊潔チ外相との間で心が通じたというようなことでありますから、是非精力的に大筋だけでも付けていただいて、このエネルギー問題が重大な時期にその決着というのは、日本だけではなくて、アジア、ひいては世界全体に大きな意味合いがあろうかと存じます。 時間が、私の仲間との打合せの時間がおおむね参りましたので、中村議員にバトンタッチをいたします。
○委員長(小川敏夫君) 関連質疑を許します。中村博彦君。
○中村博彦君 自由民主党の中村博彦でございます。 長年政治を目指してまいった私にとって、この舞台は感激一杯でございます。本当に長年支えていただいた皆さん方に改めて感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございます。 今回の会計検査院のこの十八年度決算検査報告、本当にまたまたひどい実態が出てございます。 渡辺大臣、必死に独法改革等に取り組まれておるわけでございます。そして今回、特に厚生労働省関係が指摘をされてございます。 この雇用・能力開発機構、本当に役員構成はOBが半数、そして何と職員給与のラスパイレス指数が一一三という極めて高い実態が出ておるわけでございます。そして、もうテレビで有名になりました私のしごと館、本当に総工費が五百八十一億円、見事な建物でございます。運営費が十二億円、自己収入が一億七千万円、常勤職員の給与が年収九百十五万円、本当に労働保険料を食いつぶしているという感じでございます。また同時に、職業能力開発総合大学等の分析をいたしましても、何と職業訓練指導に従事する職に就いた者は九・四%、卒業生の。こんな実態でございます。 私は、社会保険庁の問題、年金保険料流用という問題が出てまいりましたときに、本当にやはり保険料の使途というのは甘いチェックだな、チェックがされないままに推移をしてきたなという思いが大変強いわけでございます。この労働保険料を見てもそうです。そして、もうだんだん忘れがちになりましたけれども、年金保険料のあのグリーンピア、あの無駄遣いを見てもらいたい。私は、ここで政府がこの無駄遣いというものを徹底議論をしていくべきときが来ておるんでないか。 だから、介護保険料も、御存じのとおり無駄構造が、介護保険が始まって五年、六年たつうちの中で無駄構造が生まれてきておるわけでございます。地域包括センターという、これは地方公務員等の天下りの受皿として必要のない地域包括センターが生まれる。今までございました、在宅介護支援センターというのが民主導でございましたけれども、その在介センターのすべてをなくす、施設はもう使用しなくていいんだ、そしてすべて地域とのコミュニケーションや地域との相談業務を取り上げた形で在介センターをなくしていっておるわけでございます。 私は、そういう意味で、やはり保険料、もう少しチェックをする、そして保険料の受皿である各団体をもう少しシビアに洗い直す。これは行革大臣の本当に、独法百一か所でございますか、この独法百一か所と同時に、独法的な組織もたくさんございますから、その辺、どうぞひとつもう一度広く分析をし直してお願いをいたしたい、このように思いますが、行革大臣、どうでございましょうか。
○国務大臣(渡辺喜美君) 今回私に与えられたミッションは、独法制度が六年たちまして、根本に立ち返って全部の見直しをしてほしいということでございました。 元来、特殊法人や行政本体から切り出されて独法になったところが各省ひも付きの言わば子会社、関連会社になってしまっているのではないかと。そういうことだと、どうしてもガバナンスが効かない、先生御指摘の特会などを通じた無駄遣いが横行しているのではないかと、そういう批判が絶えなかったわけでございます。 御指摘の雇用・能力開発機構という独法は、何年か前にもスパウザ小田原というのが大変話題になりました。何百億円も掛けて造ったものが八億円で小田原に移されるという無駄遣いが指摘されたばかりでございます。 先生御指摘の私のしごと館、五百八十億円掛かりました。で、運営費に十六億円掛けて、収入は一億四千万円程度ということでございますから、もう正に赤字を垂れ流しているようなものではないかと、そういう批判でございます。 また、御指摘の職業能力開発総合大学校では卒業生が二百人でございます。では、本来ミッションの職業訓練指導員は一体何人ここからつくっているんだと。たったの二十名ですよ。六十六億円を使いながら二十名の職業訓練指導員しかつくっていないということは一人三億円も掛かっていると、こういうのが無駄遣いでなくて何なんだと私としては申し上げたいのでございます。 したがって、こういう観点から独法改革というのは聖域なく見直しを行い、そして今ようやく出口に近づこうとしているわけでございます。応援よろしくお願いいたします。
○中村博彦君 廃止も含めて御検討を願いたいと思います。 私はいつも自分の政治姿勢として、すべての情報は国民に開示をする、ガラス張りにする、そして国民に御判断をいただく、私はすべての懸案事項、すべての問題点は情報開示をするところから始まるんでないかなと、このように考えておるわけです。 しかし、国政の場をいただいて三年たちました。やはりなぜこんなにも官が事実を隠すのかなという印象は、私はゆがめない事実として持っております。だから、どう出してもらうか、よくじっと考えてみると、やはり官が守ろうとする部分については本当に出さない、これは本当に残念でならないわけでございます。だから、特にこの行政改革等は国民の前に陳列をする、そしてすべての情報を開示するとおのずと結論は、渡辺大臣、出るんでないか、そのように思えてならないわけでございます。 そして、先ほど申し上げましたこの労働保険料の問題、これは、この十九年四月より保険料も見直されました。保険料が、下げておるわけでございます。しかし、今のこのだぶつきを見ると、多少この失業保険部分というのは景気に影響をされることは事実でございますけれども、更なる減額というものができるんでないか、このように厚生労働大臣、思います。厚生労働大臣の官に切り込む姿は私は本当に尊敬をいたしておりまして、応援団になりたい、後ろから付いていきたい、こういう気持ちで舛添大臣を応援しておるわけでございまして、舛添大臣、ひとつ前向きな御発言をお願いいたしたい。 そして総理に、申し上げておるとおり、どうかひとつこのスリム化、行政改革を積極的に先頭に立ってお願いをいたしたい、その辺の御答弁をお願いいたしたいと思います。
○国務大臣(舛添要一君) いろんな今委員がお挙げになった点について、効率化、そして無駄を省く、この視点は絶対にないといけないというふうに思っています。それがたとえ税金であれ、保険料であれ、その観点がないといけないと思います。 さらに、それを超えて官と民の役割分担をどうするのかと、その原点に立ってしっかりと考えてみたい。つまり、やはりこれは国がやるべき、例えばセーフティーネット、国民の最後の命を守る、生活を守る、職業を守る、こういう点について、これまでは企業が、高度経済成長時代は企業がそういうセーフティーネットを提供していた、社宅であれ、福利厚生施設であれ。しかし、もはやこのグローバライゼーション、そして情報化、そしてこの企業の形の流動化、働き方の流動化、価値観の流動化、こういうことに伴いまして、それができなくなった。しかし、最後はだれが守るか。これは政府、中央、地方を問わず政府の仕事だと思います。 ただ、その中で、じかにやるのか、そして、例えば昔でいうと公社公団、今、独法、こういう形でやるのか。そこにおいて、天下りの問題があったり、この特別会計の問題があったりする。しかし、税金でやらないで独法でやることは、一つの事業としてやったときに収入は上がる。その収入をどういう形で組み込むか。すべてが特別会計は悪いことばかりではありません。 そういうことを議論しながら、そしてメスを振るうところはメスを振るい、場合によっては大なたを振るうということは必要だと思いますので、そういう思いで、総理自ら改革はきちんとやるんだということをおっしゃっておられます。その指示の下に必要な改革を行う、しかし長期的にはやはり官と民の役割分担ということについて国民的な議論を巻き起こす、そういう今のこの委員の御発言は、その起爆剤になり得るものとして極めて高く評価をしたいと思います。
○内閣総理大臣(福田康夫君) 独立行政法人の整理合理化、今進行している最中でございますけれども、これは、元々各省庁でやらなければいけない仕事を独立行政法人のような形にして今まで運営してきたわけであって、じゃその仕事が全く要らないものかどうかということは、これはよく実情を見て、そしてまた将来展望して、その必要性を判断しなければいけないということがございます。 しかし、そうやって各省庁の仕事をしている間に余計なことまで始めちゃったというのが、先ほど来委員が御指摘のことでございまして、こういう余計なことをしてしまう。その余計なことは、もちろんこれはもう問題あるんですけれども、どうしてそうなっちゃうのかということもやっぱり考えていかなければいけないと思いますね。その根源にあるものは何かということは考えなければいけない。 そういうふうな観点から、今、行革担当大臣が鋭意この整理について今折衝をしているというところでございまして、このことについては成果を上げなければいけない。そして、本当に必要なものは、これは残すこともあり得ます。しかし、そうでないものは民営化する。また、余計なことをしている部分は、これは削ってもらうとか、それからまた、例えば給与の問題とか、天下りと言われるようなそういうことが激しいところ、また、その結果随契が増えてしまうような、そういうようなところについては厳しく審査をしていかなければいけない。 そういうことをすることによって、本当に真に必要なものだけは残すけれども、しかしそれ以外は全部いろいろな形に変わってもらう。そして、政府の仕事ではない、そういうような形をつくっていかなければいけないと思っております。
○中村博彦君 もちろん官民役割分担、そして民が分担するべきものは民に分担させていただく。恣意的な制度づくりの中で官の権益にしないように、総理大臣も渡辺行革大臣もよろしく御指導願いたいと思います。 このペーパーを見ていただきたいんです。配っておられると思いますが、この自立と共生を目指す外国人政策でございます。(資料提示) こんな団体が日本にあったかと思うような団体でございます。まず、御説明をさせていただきます。この外国人研修・技能実習制度という制度でございます。下の方でございます。先に御説明をさせていただきます。 これ見ていただいたらお分かりのとおり、本当にひどい制度がございます。そして、この財団には国費補助金として六億二千八百万円出ておる。そして、中国の送り出し機関からJITCOを経由して、そして第一次受入れ機関、第二次受入れ機関と、人が、研修生、実習生が動いてくるわけでございます。そして、これ何と、この第一次受入れ機関から毎月一人一万五千円から二万円前後が送り出し機関である中国の組合に管理費として提供される、こういう実態でございます。そして、その送り出し機関では、中卒を高卒、学歴偽装、就労偽装、戸籍偽装まで行われておるわけでございます。そして、このJITCOは保険を持ちまして、年二万円から四万円前後の保険料をいただいている、そして保険料からいただく収支は一億円に上ると、こういうような状況でございます。そして、これはもう警察庁でもお分かりのとおり、この法令違反者が。本当に労基が入れば、ひどい長時間労働、そして失踪事件にもつながり、本当にこういう、国の機関としてこういうものが存在するかということでございます。平成十八年の失踪者数でも千六百三十五人、そして法令違反数が千二百九件、こういうような実態でございます。 そして、御存じのとおり、本人は一年目六万円、研修生として、そして、二年目、三年目、六万五千円、七万円程度の月収をいただいておりますけれども、あらゆる流れの中で、家賃を取られ、食費を取られて、自分の手取りは本当に少ないという実態がこの外国人研修・技能実習制度の研修生、実習生十六万人の実態でございます。多分、地方新聞で、この失踪事件、それからいろいろな傷害事件というものが出てきたことは、必ず報道で毎日一度ぐらいは出てくるという実態が、この実態でございます。 こういう実態をどのように考えられておるか、法務大臣。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 外国人の研修一年、技能実習二年という制度は、本来ならばすばらしい制度でございます。これは技術や技能の移転でございまして、最初の一年間の研修の方は今就労とはとらえていない、あとの二年間は実習ですから、就労、雇用ということになるわけでありましょう。 これは我が国が国際貢献する上でもすばらしい制度なのでありますが、今、中村博彦先生御指摘のようなことが後を絶たないようでございまして、上半期だけで百六十六機関か何かが不正な行為をやったなということで厳しく我々は今追及しておるということでございまして、実際には労働基準法の違反、あるいは今の先生のお話に関連するかと思いますが、自分のところで引き受けて、引き受けたらそこでやらなくちゃいかぬわけですが、名義貸しで人だけよそに送ってしまうとか、あるいはパスポートを取り上げて逃げられないようにするというんでしょうかね、そういうような例もある。 そういう意味で、とにかく非常に厳しくこれは当たっていかなければなりませんし、いずれこの制度の抜本的な見直しというものをしなければならないと考えております。
○中村博彦君 法務大臣も正に実態をよく御存じ、有り難いと思います。 本当に、今の日本は人口減少社会に入りました。もう御存じのように、労働人口が減少して、二〇三〇年には一千万人減という人口減少社会に入る。私は本当に日本経済に大きな減速が、人口減少、労働人口減少で加わるのでないかと、このように考えておるわけでございます。それを活性化させるためには、出生率と死亡率と国際移動が人口の推移の原点でございます。私は、ここで国際移動というものを考えるべきでないか。 今の実態も、ひどいながらも、中小企業の皆さんはJITCOを利用してでしか労働力を供給できない、だからこの制度でもと思いつつ泣き泣きJITCOを利用しておるのが実態だろうと、これは鳩山法務大臣もお認めいただけると思うんですね。だから、一刻も早くこの制度を変えていかなくちゃいけないと、このように考えるわけでございます。だから、私は、正に人材の鎖国から人材開国というものをここで全閣僚にお願いをいたしたいと、このように考えるわけでございます。 今、御存じのとおり、日本には外国人、ブラジル系日系人を始めとして二百八万人、外国人が生活しております。そして、御存じのとおり、生活者、地域住民としての十分な行政サービスが受けられていない。そして、御存じのとおり、所在情報を迅速かつ正確に把握することは極めて困難であり、混合世帯を把握する統一的な方向性が示されておりません。 今、全国には、外国人が多く住まわれておられる都市で全国集住都市会議というのがつくられております。その皆さんは、正に外国人の皆さんに対する住民サービス、生活支援ができないために悲鳴が上がっておるわけでございます。二十一年の通常国会を前倒ししてでも早急に在留管理の一元化、住民基本台帳を参考に外国人住民の台帳制度を創設すべきときが来たんでないか、このように思います。 総務大臣、御答弁をお願いいたしたいと思います。
○国務大臣(増田寛也君) お答えを申し上げます。 今、先生の方からお話ございましたとおり、この外国人の在留に関します情報をこれを正確に把握をすると、そして総合的に管理をしていくということは、そうした外国人の皆さん方の本国での生活にとっても大変有益なことでございますので、これまでこうしたことに向けましていろいろと私ども検討を進めてまいりました。そして、今年の六月に閣議決定をしておりますけれども、その中で、今お話ございました適法な在留外国人の台帳制度に改編をする、そしてそのための法律を二十一年の通常国会までに提出をすると、ここまで閣議決定で決めてございます。そうしたことを受けまして、今内閣官房の方に調整をしていただきながら、私どもとそれから法務省が緊密に連携をしてその細部を詰めております。 これは御承知のとおり、市町村の方の意見を十分聴く必要がございます、登録を今市町村の方に行っていますので。したがいまして、今後、市町村の意見も十分踏まえながら制度案の作成を進めていきたいと、このように考えております。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 委員長、いいですか。
○委員長(小川敏夫君) 鳩山法務大臣。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 今のお話のとおりですが、したがって、今先生がおっしゃった在留の一元的な管理という意味でいえば、在留カードという形に変えようと、今は外国人登録証というものを持ち歩いているわけでございます。私の家内も結婚前はハーフでしたから、オーストラリア国籍で外国人登録証を持ち歩く、これ常に持っていなくちゃいけない。しかし、その発行元は、法定受託事務でしょうか、これは市町村ということになっていますね。ですから、これはやっぱり日本国の入管、法務省の発行するカード、これは一元化すると。その市町村の皆さんにそれぞれの住んでおられる外国人にサービスを提供していただく分はその台帳で行うと、こういうことで制度を改めるわけなんで、法律改正も要れば予算も要りますので、野党の皆さんもどうぞよろしくお願い申し上げます。
○中村博彦君 ひとつ前倒しでお願いをいたしたいと思います。 今申し上げましたように、この外国人問題は大きく国内を、大きな揺るがしが起こっておるわけでございます。私は、そういう意味で在留管理一元化と同時に、ここに示させていただいておりますように、国際共生支援庁、横断的な組織というものが絶対に必要になってくると思います。各省庁に分かれて未解決部分が多くなっています。それをやはり総合的、横断的に定住促進、外国人受入れ、難民、留学生の推進等、多文化共生の教育、文化、生活支援などを担う国際共生支援庁を是非つくっていただきたい。 それと同時に、外国人の集住都市、そこを中心としてやはり、御存じのように、現在日系ブラジル人にしましても児童生徒が七万人もいらっしゃる中で、二万二千人が、日本語が分からぬというような状況下でございます。やはり、そういう中で福田総理の共生、自立でございますゆえに、早急に企業と国が折半してでも外国人寺子屋、日本語学習、日本文化の学習、それと、先ほどもございましたけれども、職業訓練学校を創設をすると、そういう準備に入っていただくようお願いをいたしたい、このように思います。 総務大臣、総理、御意見はどうでございましょうか。
○国務大臣(増田寛也君) 今お話ございましたような、この外国人が大変多くなってまいりますと、例えばその御本人のみならず、御家族ですとか御子弟の皆さん方に日本語の教室を開催をしたり、こういったものを多くは地方公共団体が今展開をしているわけでございまして、私もそうした経験ございますんですけれども、今これだけ外国人の皆さん方の数が多くなってまいりますと、こうした外国人住民施策というのは一部の公共団体というよりは正に全国的な課題としてとらえていかなければならないと、こういうことになりますので、総務省の方で多文化共生の推進に関する研究会というものを開催をいたしまして、そこで考え方を取りまとめをいたしまして、実際に実施をいたします公共団体の方にこういった施策を推進する際の指針を示しまして、そして計画の策定を依頼をいたしたところでございます。 今後も、実際の担い手は多くが公共団体によって取り組まれる場合も多いのでございますので、そうしたことをしっかりと支援をしていきたいということでございます。 それから、あともう一つ併せて国際共生支援庁といったようなことでお話ございました。組織の関係についてもお話がございました。 これは、行政組織の改廃等、これもまた総務省の方で担当しているわけでございますが、こうした行政組織の設置については、行政改革の観点からもやはりそうしたことについては慎重に検討する必要があると、こういうふうに思っておりますが、いずれにしても、現在の各省庁でいろいろな施策を行っておりますので、そうした省庁の連携を図りながら、総務省としても、あるいは会議がございますので、そういったところを通じて政府全体としてもこの外国人施策に取り組んでいきたいと、このように考えております。
○中村博彦君 前向きの御検討、ありがとうございます。 先ほどの外国人研修・技能実習制度、JITCOの実態に戻りますけれども、しかしながら、このJITCOの果たしてきた役割、労働力、そういう部分については本当に一刻も早く、鳩山大臣が申し上げさせてもらいましたように、一刻も早く大改革をしてつくり直さなくてはいけないんでないか。 私は、国際技術移転、名ばかりの国際技術移転から国内人材確保型へ変えていく。もちろん、国際技術移転の一部分は各国にニーズがあるかと思います。そういう部分と、私たちのこの一生懸命頑張る企業に応援できる外国人材については国内人材確保型として制度は残す。そして、当然これだけの大きな問題、社会問題を惹起せしめておるわけですから、第三者監察機関をどうつくっていくかだろうと思うんです。今までJITCOがその不正、不当については利益団体同士でございますからチェックはできないという甘さがございました。だから、当然出直すときは第三者監察機関が是非必要だと、こういうことでございます。 どちらにしても、今のJITCOはすべて廃止をする動きの中で御検討を願いたい。米国務省のマーク・レーゴン人身売買監視対策室長は、こんな制度が日本に残っておるのか、これは正に強制労働でないか、ここまでマーク・レーゴン氏が指摘をしておるわけでございまして、この国際的信頼を取り返すためにどうするのか、大臣の御答弁をお願いいたしたいと思います。外務大臣。
○国務大臣(高村正彦君) 米国国務省が本年六月に発表した二〇〇七年人身取引報告書の中で、外国人研修制度において研修生が強制労働の状況に置かれている可能性があるので、日本政府が実態の調査に一層努力すべきである旨を指摘しているわけでございます。 外国人研修・技能実習制度の下で、これまで民間レベルでの国際間の技術移転を行ってきているわけでありますが、一方で、研修生の受入れ機関の一部では研修手当の不払や所定時間外労働をさせるといったような制度の趣旨を逸脱した不適正な事例も生じているのは委員が御指摘のとおりでございます。政府としては、こうした不適正事例の排除に努めるとともに、制度の見直しについても検討していくこととしております。先ほど法務大臣もそのように述べておられたとおりでありますが。 このような我が国政府の方針については、米国に対しても本年七月に御指摘の米国担当者の訪日時に説明を行ったところであり、また今後も米国の理解を得られるよう必要な説明を行っていく所存でございます。
○中村博彦君 そして、総理がおっしゃられておりますように、このアジアとの共生、私は、今、ODA事業の一環として日本センターがございます。それから、国際交流基金による国際文化交流事業がございます。こういうものを統合してジャパンカルチャーセンターをアジア各国につくられたらどうか。 また、ベトナム人看護師養成支援事業がございます。今、休止中でございますけれども、アオザイという機関誌がございますけれども、アオザイという機関誌では本当に有り難いという形で褒めたたえられておるわけでございまして、この二つの事業をインドネシア、フィリピン等アジア共生のために是非、国際貢献事業として展開をお願いいたしたい、このように思うわけでございます。 これ時間がございませんので飛ばしていただきますが、そして、今大きな問題として起こってございますのが、難民問題でございます。 一九八一年、国連の難民条約加入をいたしております。日本は、難民受入れは六年、三十四人、先進国に比べて極端に少のうございます。ベトナム、インドシナ三国から例外的な措置で入ってきたことがございますけれども、どうかひとつ難民問題につきましても恒常的な受入れ、第三国定住導入を早急に展開していただきたい。 それと同時に、先ほども申し上げましたように、中国へ行ったりして大変企業がいろいろな苦悩の中にございます。私はそういう意味で、日本国内に外国人就労特区を創設する、そして優秀な専門労働者を入れて、そしてそこで日本の良さと外国人の良さを合体した形で産業を興していく、企業を起こしていくという制度をつくるべきでないか、このように考えておるわけでございます。 また、看護職、介護職、EPA交渉でございますけれども、小泉内閣のときに対フィリピン、安倍総理のときに対インドネシアとの協定ができ上がっております。この流れを加速をさしていただきたいし、十分な対応をお願いいたしたいと思います。 そのようなすべての問題をひとつ外務大臣、そしてこのEPA協定やこの流れを、総理、ひとつ力を入れていただくことを是非お願いしたいので、御答弁をお願いいたしたいと思います。
○国務大臣(高村正彦君) 先ほど御指摘ありましたジャパンカルチャーセンターの点について、それとNPO、JFBネットワーク協同組合が立ち上げたベトナム人看護師養成支援事業の点について私から答えさせていただきます。 日本センターは、我が国の技術協力を得つつ、実践的な民間人材の育成を目的とした東南アジアや中央アジアなどの被援助国の事業であります。これに対して国際交流基金が行う国際文化交流事業は、我が国に対する諸外国の理解を深めることを目的としており、両者の事業は性質を異にするものであります。一方で、既に各国の日本センターには国際交流基金の日本語教育専門家が派遣されているなど、両者の連携は可能な範囲で進んでいるものと承知をしております。 委員御指摘のベトナム人看護師養成支援事業は、ベトナム保健省が派遣する看護留学生を日本において民間レベルで直接支援、育成するものと承知をしております。他方、ODAを活用した技術協力として、ある程度実務経験を積んだ看護師から病院における看護部長などの看護分野における指導的人材まで幅広く受け入れ、我が国の看護技術を習得させるJICA研修事業があるわけであります。政府としては、こうした技術協力を通じて途上国の医療の向上に貢献しているところでございます。 取りあえず、この二点について私から答えさせていただきました。
○内閣総理大臣(福田康夫君) 先ほど来、外国人労働者の問題とか難民の問題とか御指摘ございまして、いろいろな御提案等がございました。傾聴に値するものもございましたので、また鋭意研究をさせていただきたいと思います。 日本・インドネシア経済連携協定によりまして、インドネシア人の看護師と介護福祉士の候補者となるような候補者の受入れというものが特例的に決まりました。これは大変、今後のことも考えて重要な意義を持つものと考えております。できるだけ速やかにこれが円滑かつ適正な受入れが実施できるよう必要な準備を進めていきたいと、こういうことでございます。まずはこの協定が国会で御承認をいただくということが前提になります。
○中村博彦君 最後に、建築確認審査の適正化の件でございますが、先ほどるる大臣から御説明をいただきましたけれども、私、一つポイントだけ申し上げておきたいと思いますのは、阪神大震災のときでも一番に建築が倒壊した問題点は何だったのか、これは設計施工の建物が多かったわけでございます。木村建設と平成設計一つ取っても、これは夫婦、究極の最低基準で余裕を持たせず荷重計算をやっておられるわけですよね。だから、私はやはり設計施工というところに問題があるんでないかと、その一体業者に。ここをやはりもう少し突いていただきたいと、このように思います。 本当に前向きで検討をしていただいておりますけれども、やはり私はそういう部分を視点としてとらえていただいて、やはり実態分析というものをもう一度し直した形で今回の対応をお願いいたしたいと思います。最後に大臣。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 御提案を重く受け止めて検討させていただきます。
○中村博彦君 それじゃ、終わります。
○委員長(小川敏夫君) 関連質疑を許します。松村祥史君。
○松村祥史君 自由民主党の松村祥史でございます。チーム浅野の三番手として、全閣僚出席の中で質問をさせていただきたいと思います。 浅野先生から外交、防衛、財務と国家の基本を成す質問がございました。また、中村先生から行革、雇用といったお話がございました。私は、今日は地方再生、地域再生、地域を支える農商工、このことについて御質問をさせていただきたいと思います。 まず、総理におかれては所信表明の中で、国民生活を守り、国家の利益を守ることこそ政治の使命である、また、政治と行政に対する国民の不信を率直に受け止めており、国民の皆さんの信頼なくして政策も改革も実現不可能であり、信頼の回復が喫緊の課題であると御発言をされておられます。 御就任以来、七月の参議院選挙における我が党の大敗をとらえ、ねじれ国会の現状の中で、真摯な姿勢で誠意を持って国会運営に当たられておられると認識をしております。 我が党においても、やはり参議院選大敗後、地方の再生、これは喫緊の課題であるということを真摯に受け止め、また反省もし、文字どおり地方の再生に向けてのきめ細やかな政策の実現のために、私、熊本でございますが、私の熊本の大先輩でございます野田毅先生を委員長に地域活性化特命委員会を設置をいたしまして、十一月二十二日に、地域活性化緊急対策、暮らし、仕事、希望の再生を提言したところであります。その内容の大きな柱は、やはり何といっても地方と都市の財政力の格差是正とその実現のための方策であると思っております。 総理におかれましても、事あるごとに地域経済活性化、地方再生と地方重視の姿勢を打ち出していただいておりますし、地域再生の戦略的取組を強化するために、就任早々の十月には、総理のイニシアチブの下、内閣に置かれた四つの、都市再生本部それから構造改革特別区域推進本部、地域再生本部、中心市街地活性化本部の四つの実施体制をまず一元化され、そこに実際の地方の声を直接反映させる仕組みを講じられました。これは私は、非常に総理のスピーディーな対応に深い評価と敬意を表するものであります。 また、早速ながら、十一月の三十日には地域再生戦略を決定され、誠実に着実にそのことを実行されておられます。今日はここに持ってまいりましたけれども、まさしく三十三ページにも及ぶ事細かなことが記されております。これもまた、実現に向けての第一歩であろうと思っております。 そこで、まず総理にお伺いをいたしますけれども、従前よりこの四つの部門というのはそれぞれの実績もございましたでしょうし、成果もありました。この評価を踏まえて、また評価はあったものの、参議院選の大敗後、やはり地方の再生なんだと、こんな思いで一元化され取り組まれておられるものと思っております。 今日はテレビも入っておりますし、地方の、やはりまだまだ疲弊をしていると、不安を感じていらっしゃる国民の皆さん方が多数いらっしゃいます。そこに力強いメッセージとしてのお言葉をいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(福田康夫君) 私は、やはりこの数年間の様子を見ておりまして、都会は元気になった、しかし地方はその元気からは取り残されているなというような思いはしております。これは別にいわゆる改革のためというだけではないと思いますね。これは世界的な趨勢、地方から都市へ、都市人口はどんどん増えていくというのは世界的な趨勢でもあるんですね。そういうこともございます。 いろんな要素を考えてみまして、それを放置しておいていいかどうか、これはやはりここでよく考えなければいけないというように思っておりまして、やっぱり日本はこういう自然の多い地域であり、そして地方がその自然を守るという機能もありますし、やっぱり地方も元気で初めて日本全体が活力を取り戻すと、こういうようなこともあるんだと思います。 そういうようなもろもろのことを考えまして、やっぱり地方には頑張ってほしいなというように思いますし、今地方は人口はだんだん減ってくるというそういう現象はある中で、どのようにしたらば地方がまた活力を取り戻すことができるのかどうか、そのためには、地方の例えば医療とか学校とか、そういったようなことにも配慮しなければ若い人が住んでくれないだろうというようなこともありますし、いろんなことを考えていかなければいけない、そういう時期にあるんだろうというように思います。 そういうことで、地域が自立をするという、そういうような仕組みももちろん考えなければいけないけれども、と同時に支え合う、地方それから周辺の都市が支え合うような共生の概念も必要なんだろうというように思います。私が地域活性化統合本部、四本部を統合しまして一つの、何というんですか、横の連携が取りやすい、同じ地域に二つの本部が、今までの二つの本部が一緒に取り掛かるとか、三つの本部が取り掛かるとか、そういうことが可能になるような、横の連携の取れるようなそういう体制もつくりました。 そして、十一月三十日に地方再生戦略を取りまとめました。これは先ほど御指摘のありましたように、党の方も大変御協力いただきました。党の地域活性化推進委員会ですね、ここで本当に具体的な事細かな政策を御立案いただいたわけでございますので、これを大いに参考にさせていただきまして政府の方針として採用させていただいたということで、地方が希望と安心が持てるような地域に再生できるように関係閣僚に今指示をして、そして政府一体となってこの地域再生を図っていこうと、こういうように考えているところでございます。
○松村祥史君 総理、ありがとうございました。その思いは恐らく伝わったものと思います。現在、十九年度の予算でそのことをしっかりと措置をいただきまして、地方の元気の活力を取り戻すための施策、その実現に我々もともに頑張らせていただきたいと思っております。 このことについては、十八年度、それ以前からもそれぞれの部署であったわけでございますが、平成十四年には都市再生特別措置法及び構造改革特別区域法を制定いたしましたし、平成十七年には地域再生法も施行いたしました。これについては、これまでそれぞれの施策に投じられた予算や、また目標とした成果の達成度、これについてはどのように評価しておられるのか、増田大臣に御所見をお伺いしたいと思っております。 また、これまでの実施したプロジェクトが地域再生に大きく貢献した事例、地域の計画作りに参考になるような事例がございましたら、これも併せて御紹介をいただければと思います。
○国務大臣(増田寛也君) お答え申し上げます。 これまで四本部で様々な事業をやってまいりました。これはいずれも私どもの評価としては大いに成果が出てきたと、こういうことでございますが、例えば都市再生本部、これは当初はかなり大きな大都市部を念頭に置いて考えておりましたんですけれども、それだけではないだろうと。やはり地方部の疲弊は全国にまたがっておりますので、稚内から石垣島へということに代表されるがごとく、かなり地方の中での、しかし経済の集積地としての都市部を対象に行うですとか、あるいは中心市街地の中でも更にきめ細かく、商店街を対象にして、そしてそこの空き店舗対策などにメスを入れていくですとか、それから、これについては一方では地域再生等の手段、それからあと、一方で大きな構造改革特区の手段も使いながら、いろいろな穴を空けていくと。 例えば、私どもの岩手県の遠野はどぶろく特区というのを認めていただきました。これは一番初めに認めていただきましたけれども、このことによりまして、それまでに比べましてこの間、数十万人観光客が多く入ってきたということでございまして、各地域で似たようなところが大分出てまいりましたんですけれども、しかし、かなり先行者の利益というものを地域では得させていただいたということがございます。 それからあと、これは定性的になかなか言いづらいところがあるんですが、そうしたことがいずれにしても地域の新たな発想を原点にしてございますので、これまでどちらかといいますと一律で国から押し付けられるところが多うございましたけれども、やっぱり自分たちで何か他と違いを工夫をしていくとそれが大きく効果を得るんだと。こういう、ある種、精神的な部分になるかもしれませんけれども、自分たちでいろいろと工夫をしていこうということに大いにつながったのではないかと、このように考えております。
○松村祥史君 大臣、ありがとうございました。 ここで一つ要望させていただきたいと思いますけれども、四つの本部がございまして、それが一元化をされ一つの本部になった。これはもういつでもあることなんですが、その手続の複雑さ、また周知度の、全国津々浦々まで周知できているか、こういったことは非常に、いつものことながら、なかなか通達しにくいものでございます。そういう意味では、この地方再生戦略、本部を立ち上げられて、こういったことを地方の活力にするんだということを是非先頭になって宣伝していただき、地域の活力の一端にしていただきたいと思います。 何かございますか。
○国務大臣(増田寛也君) 手続のことを今御要望ございましたんで、少しそこのところだけちょっと申し上げさせていただきたいんですが、今御懸念をいただきましたような、実際に本部を一本化したけれども手続がなかなか複雑にならないようにと、この観点が大変大事でございますので、四本部を一本化しまして、その大きな統合本部の中はもう完全に地域別に全部ブロック別の担当参事官制度というのをしくと。そして、ある地域の、例えば熊本といいますか九州ブロックの担当参事官はもう徹底的に各県のことを勉強して、それで手段としてはそれぞれの四つの法律がございますのでその四つの法律の手段が使えるわけでございますが、しかし相談に行くときはその方面担当の参事官のところに行けば全部答えが出てくるように、そしてむしろ地元の発意を後押しするようなそういう形で進めていきたいと。 参事官のところには思い切って権限も移譲いたしますし、地域の代弁者として、むしろこちらの方の省庁をリードするようなそういう役割を担わせたいと、ここはしっかりと徹底をいたしたいというふうに思っております。
○松村祥史君 いやいや、早速御要望におこたえいただきましてありがとうございました。是非、周知徹底をいただきまして、先頭に立って頑張っていただきたいと思います。 私も地方に今暮らす一人でもございます。週初めに東京に出てきて、週末には地方に帰ると。本当に過疎化の進む地域でございますけれども、それぞれの地域にはそれぞれの良さがあると、これはもうここにいらっしゃるだれもが御存じのことであります。しかし、そのことに意外と気付かないのがそこに住む方々であると。であるならば、その目利き役、やっぱりマンパワーを活用することというのは非常に大事なことであろうと思います。是非こういったことも視点の中に入れていただいて活力の一端にしていただきたいと、また、私どももそのことをしっかりと地域で話しながら頑張ってまいりたいと思います。 余談でございますけれども、今年の流行語大賞が「どげんかせんといかん」でございました。私の隣の宮崎県、東国原知事の発せられた一言でありましたけれども、東国原知事は私の大学の先輩でもございますけれども、この「どげんかせんといかん」というのは、その後に続く言葉があると思うんですね。やっぱり必死なときに出る言葉です。もうどうしようもないから「どげんかせんといかん」と。これがこの言葉の、今年の流行語大賞になった地域の疲弊を表している言葉ではないかなと思います。そういう意味では、総理が先頭に立って戦略本部を立ち上げていただいたことは大変感謝をしておりますので、今後ともよろしくお願いをいたします。 さて、少々ブレークダウンをいたしまして、経済、農業、林業と、こういったことを御質問さしていただきたいと思いますが、この経済の話は、先般予算でも甘利経済大臣にいろいろとしつこくなるほどお話をさしていただいております。 やはり我が国の経済を支える中小企業、九九・七%が中小企業でございまして、四百三十万社。その四百三十万社の八七%の三百八十万社弱は小規模事業者でございます。これが日本全国に点在をしてこの日本の経済の下支えをやっている、こう思っております。雇用の七割も占めておりますし、ここが甘利大臣のときに打ち出していただいた経済成長戦略にのっとって、いかに小規模事業者が、小規模企業者が中堅企業に成長していくか、このことによって、日本の活力というのはもっともっと可能性を秘めておりますし、そのことが必要不可欠であると思います。 そんな中で中小企業対策予算を見てみますと、平成十八年度が政府全体で一千六百十六億円、平成十九年度は一千六百二十五億円となっております。私は、これが高いか安いかという話ではなくて費用対効果、この四百三十万社の分析がそれぞれにできているか、これがやはり今委員会の決算の役割でありましょうし、このことによって税と雇用を今後どれだけ生むことができるか、これが非常に大事な目安になってくると思っております。 自身で経営者をやっておりましたときにはこの一千六百億の予算が少々安過ぎるのではないかなと、安いというよりも小さ過ぎるのではないかなと、こう思っておりました。これが二兆、三兆付けばいいというものではございませんけれども、やはり今後、この人口減少を迎えた我が国において、資源のない我が国において、この中小企業を成長させていく上で、これから政策の充実もさることながら、この予算についての大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) 二千億に満たない、かき集めてもですね、中小企業予算を称して、ガット・ウルグアイ・ラウンド対策の子牛の予算にも至らないではないかというふうにやゆされたことがあります。日本の経済は大企業がしっかりしていますけれども、それを支えるいわゆるサポーティングインダストリーがあって初めて成り立つわけであります。その大事なサポーティングインダストリーの予算としては、その経済の規模の割には小規模で、裏返せば相当効率的にやっているんだろうと思いますが、ただし、金融政策とかあるいは税制等で総合的にカバーをしていくということで、その少ない予算を最大限活用して今日まで来たと思っております。 中小企業担当大臣としては多いにこしたことはありませんが、財政再建のさなかで精一杯の要求をしていきたいというふうに思っております。
○松村祥史君 是非、その政策の充実と、伴います予算措置、これも是非今後、成長戦略に併せてお考えをいただきたいと要望しておきたいと思います。 それでは、引き続きまして、まちづくり三法について少し御見解をお伺いしたいと思います。 これはもう、甘利大臣にまちづくり三法のお話は釈迦に説法でございますけれども、大臣に御就任なされる前に、私、三年前に当選してまいりまして、まずプロジェクトチームに入れていただいたのが中心市街地活性化、まちづくり三法見直しプロジェクトチームでございました。座長をお務めいただいたのが甘利大臣でございました。 この法案については、やはり地域の疲弊を招いた原因は無秩序な大店の進出を許したことであったし、これを止めることによって地域の活力、また地域減少の中においての商店街の活性化や町中居住によるコンパクトシティーの創設、こういったものであったと思います。昨年施行後、二件が認定を受けられました。また、今年は十六件でございますか、認定を受けられたと聞いております。 私の地元の熊本市それから八代市も努力のかいあって二件いただいたわけでございますけれども、今後、これは三年で百件の認定の目標に近づいていると期待するわけでございますけれども、もう一つの目標でございます認定基本計画に描かれた経済活動の向上目標の一〇〇%達成については今後どのような取組をお進めになる御予定なのか、御見解をお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(甘利明君) まちづくり三法の見直しの座長をさせていただいて、先生に大変な現場のお知恵をいただきました。 従来の言わば見直し前の法案では、大型量販店対地元小売商店で、この綱引きが地元を冷えさせていたと、強い方にどんどん引っ張られてしまって地元の商店街が疲弊をすると。それによって町全体の正に顔が失われていく、お祭りがなくなる、文化がなくなる、重大な問題になったと。 見直し作業をやってみて先生もお気付きになったと思うんですが、実は物品販売が商店街プラス大型店でも説明ができない、つまり別な形態に吸い取られていく。例えば、無店舗販売たるインターネットが進展していくとそっちにも引っ張られる、あるいは物品から消費経済がサービス経済に変わりつつあると、縦、横、斜めのいろんな要素があるということが分かりました。ただし、大事なことは、どれだけ人が、往来が激しくなるかということが経済活動が活性化していく、しかし一方で人口は減っていくということがあります。 そこで、内外を含めて人の往来を激しくしてその消費活動を活発にすると、そこに存在する商店街や中小企業の売上げを拡大していくという手法を取ったわけであります。そこで大事なことは、いかに一言で言えば差別化を図るかということであります。つまり、うちはよそと違う、同じ町だったら行くはずがない、一か所行けばもう済んじゃうわけでありますから。差別化を図って、あっちも行ってみたいしこっちも行ってみたいねと。その差別化が、荒唐無稽な差別化ではなくて自分の町に由来した、つまり歴史と伝統と文化を反映をした差別化をしていかなきゃならないと。 そこで一番大事なのは、町づくりのグランドデザインを中央から地方に移すことであると。そこで、都市計画法の改正もやったわけでありまして、町づくりのグランドデザインを市町村の主体性と責任に任せたわけであります。これは受け取る方にとっては重荷にもなりますけれども、自由にデザインが描けると。そこで、いろんなプランを作って差別化を図って魅力競争と。これは一足す一が二じゃなくて、一足す一が三とか五になる方策でありますから、消費人口が減っていくのであるならば、外からも取り入れる、移動を増やしてそして全体のパイを大きくすると、そういう手法を取ったわけであります。この法に従って、先生の御地元を始め何件も認定をさせていただきました。 具体的に予算を投じてこのグランドデザインの競い合いをして実体経済に反映をさせたいと思っておりますし、これをしっかりと検証していきたいというふうに思っております。
○松村祥史君 大臣、ありがとうございました。 この中活というのは取ることが目的ではなく、認定を受けた後、また一つ気付いたことがございますが、この認定に向けた作業、これがやっぱり地域の団結と申しますか、町を良くするんだというような勢いというものを生むような気がいたします。これの認定に向けての取り組む市町村が今後ますます増えてくることを期待をしておきたいと思います。 次に、中小企業の金融また施策の全般について、ちょっとお尋ねを二点ほどしたいと思っておりますけれども。 非常に中小企業は景気がいいとまだ感じておりません。そんな中での金融対策というのはとても大切でございますし命綱でございます。特に、小規模事業者にとっては、施策の充実もさることながら金融の円滑化というのはとても大切なところでございます。このことは、以前、予算委員会でも甘利大臣と議論をさせていただいたんですが、この小規模事業者の施策の充実という点で御答弁いただいたのに、ITを活用した経営力向上支援というお話をいただきました。商工会等ではネットde記帳というようなことをやってそれぞれの会員さん方と一対一でつながって、そのことによっていろんな経営指導をやっていくというお話を受けております。 そこで、そういったものをつながって、どんどんどんどん膨らんでいくことによって、私はこれは非常にいいことだと思うんですね。もちろん、それぞれの企業ですから、これは個人情報の保護ということがとても大事な観点でございますが、そのことを守りながら、それぞれの企業の指導をやりながら情報が入ってくる、そしてその経営の状態が良くなってくると税と雇用が増えた。じゃ、小規模事業者というのは今どれだけの税をやっているんだ、どれだけの金融対策が必要なんだ、こういったものがデータ化できる、これは必要なことではないかなと。是非これは進めていただきたいと思いますが、あわせて、この小規模事業者にとっては、こういったことをやることによって金融のクイック融資化というものを考えられないかと思います。 小規模事業者というのはおよそ契約書のない仕事の取引が多うございます。ですから、五年間優良な健康状態であっても、たまたま先方の都合で風邪を引いたと、こういったときにクイックの融資が欲しい、しかしながらその手続というのは煩雑でございましてなかなかそうクイックで融資を受けることができない。こういったことを考えますと、このITを活用した経営向上、また小規模事業者が頼りにしているマル経、こういったもののクイック融資化、こういったこともこういうものと併せてやっていく必要があるのではないかと思いますが、どのようにお考えでございましょうか。
○国務大臣(甘利明君) 御指摘のとおり、ITをどうやって小規模企業者に活用して経営効率を上げていくかというのは非常に大きな課題であります。 そこで、先生は全国連の青年部の長をやっておられましたけれども、商工会連合会等あるいは商工会議所では、中小企業、零細企業と結んで、インターネットを通じてITを中小企業者に導入をさせると。ネットde記帳というのは正にその代表例であります。そういったASP、あるいはその中の言わば発展型と呼んでいいんでしょうか、SaaSですね、それを使って、記帳だけじゃなくてもっと広範囲にIT経営を中小企業に導入をしていくということが大事であります。 その際に、政府系金融機関がその後押しをできれば一番いいわけでありまして、例えばマル経融資というのがありますけれども、これもまともに申し込んでいたんであれば経営指導を受けると、しかも半年ほどしっかり受けてそのうちに対応をされると、こういうASPとかSaaSを活用している場合は、それをもっと短期間で対応をするということが相乗効果で政府系の資金を借りやすくする、必要なときにリアルタイムで出ていくようにできるという効果もあろうかと思います。そういう措置をとらせていただきたいと思っております。 もちろん、政府系金融機関、民業を補完しながら、中小企業の志ある、あるいは意欲ある、そしてアイデアある中小企業をしっかり下支えし、後押ししていくように目配りをしっかりしていきたいと思っております。
○松村祥史君 大臣、もう一点お尋ねをいたしますが、金融対策の一つで、今年八月に信用保険法を改正いただいて流動資産を担保にできるようにしていただきました。これはなかなかまだ経営者の方々が御存じありません。ひとつ御披露しておきますが、大臣の御尽力によりまして、我が国においては売り掛け債権、それから流動資産、このことを、二つを合わせますと百四十兆近い市場があると。その百四十兆の中の流動資産、いわゆる酒屋さんであればお酒が担保になる、こういったことでございますけれども、こういった利用率が高まっていくことは非常に大切であると思います。 ただ、これは流動資産を担保にすることが大事なことではなくて、我が国においてはやはり第三者保証それから不動産、こういったものに担保を依存しがちでございます。小規模事業者や中小企業者の皆さん方が経営困難になって、第三者保証や不動産担保で皆さんに御迷惑を掛けて再チャレンジができるかというと、そうではありません。やはり金融文化の中に、我が国の金融文化の中に第三者保証に頼らない制度設計、このことをやっていく必要があると思います。そういう意味では、極めてこういったことは大事であると思っております。 そのときに、大臣以前お話をいただきました、政策金融の中で傘を貸す制度を今後考えている、政策金融というのは雨の日に傘を取り上げるのではなくて雨の日に傘を貸すんですよと、その予約ができるような制度も今後検討していきましょうというようなことを御答弁いただいたことを覚えておりますけれども、このことについて、いろいろありましたらば教えていただけませんでしょうか。
○国務大臣(甘利明君) いわゆる大企業は、あらかじめ枠を決めておいて、それから必要に応じて資金調達をすると、いわゆるコミットメントラインというのがありますが、この制度を中小企業にもつくり出すことができないかと。それは、先ほどの先生のお話と合わせて中小企業金融をしっかりさせるものでありますが、在庫担保の融資あるいは売り掛け債権担保の融資、これらの一連の中でそういう仕掛けをしっかりしていきたいと思っております。 それから、売り掛け債権というのは、言わば手形みたいなものですよね。最近は手形というのが減ってきて、それを割り引くという資金調達がなくなってきたと。売り掛け債権の手形割引のようなそういう仕組みができないかと、いろんな角度からその資金調達、必要なときに必要な資金が調達できるように中小企業政策を進めてまいりたいというふうに思っております。
○松村祥史君 是非、我が国の金融文化の中に第三者保証や不動産に頼ることなく、円滑な資金調達ができるような文化を今後築いていけますようにお願いをしておきたいと思います。 さて、昨年統合されました政策金融について御質問させていただきますが、二〇〇七年版中小企業白書によりますと、平成十七年度における大企業の資金構成は、自己資本比率が三六・三%、社債比率が五・八%であり、金融機関からの借入金比率は一八%まで減ってきております。他方、中小企業の場合は、自己資本比率が二〇・八%に対し、社債比率が〇・八%、借入金比率は平成十一年度は四八・六%から大きく低下したものの依然として三二・一%にとどまっているのが現状でございます。資金の三割を借入金に依存する中小企業にとっては円滑な資金調達というのは、これはとても大事なことであり、必要不可欠なことでございます。こんな実態を見ますと、中小企業というのは本当に大変だなと。自分でもやっておりましたけれども、三割やはり借金に頼るというのは本当に厳しい実情だなと思います。 平成十八年度までの過去五年間を見ますと、政府系金融機関の貸付残高は、残高それから信用承諾実績ともに年度を追って漸次実は低下する傾向にあると。五年前に比べ、貸付件数は三万八千百九十二件、貸付金額は一千三百七十八億円余りと、それぞれ減少をしております。 ということは、政策金融の借り手が減っているということなんですね。しかし、先般もお話ししたとおり、他方で倒産件数は増えていると。ということは、小規模事業者の倒産件数が増えているんじゃないかというお話をした記憶がございますが、またこれに、政策金融に投入する額も過去五年間で一千億円減少しております。これは中小企業の経営が実に良くなったと、こんなことではないと私は思っております。そしてまた、一部の中小企業の経営というのは、財務体質について改善の動きが見られてはいるものの、特に新興の企業の場合の信用が不十分ですから、こういったものを借りることができないところが多いんじゃないかなと。 そのことを考えますと、政府系金融機関による民間金融機関の補完機能、また引き続き重要であると考えますし、今後、この政策金融機関の、政府系金融機関、失礼しました、充実について大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) 近年、倒産の実態を分析をしますと、負債総額では減っておるんですが、件数が増えております。ということは、御指摘のとおり小規模倒産が増えている。ということは、中小、中でも小規模の事業者にとって厳しい状況になっているということだというふうに思っております。 政府系金融機関の貸出しの伸びが落ちております。というのは、一つは、巷間言われるほど中小企業の景況感は良くないと。つまり、大企業はいいけれども中小企業は大変だということの表れで、その資金需要がそんなに旺盛ではないということが一つあろうかと思います。もう一点は、行革の中で、これは民業補完に徹せよという指示をいただいておるわけでありますから、一般的な金融は民間の金融に任せて政府系でなければできない部分を担当せよということで、政府系が担っていたものを一部民業にお渡ししているという点があろうかと思います。 しかし、民間金融機関が必要な資金ニーズを満たしてくれないということについては、当然、政府系機関が資金を用立てをして、それが中小企業の発展を支えてやがて税金として返ってくるという目利きができるものについてはしっかりとやっていかなきゃいけない、雇用も支えているわけであります。そこのところはしっかりと目配りをしていきたいと思いますが、行革の流れの中で民業と連携を取りながら、政府系金融機関の使命をしっかり果たしていくように中小企業政策に取り組んでいきたいと思います。
○松村祥史君 是非、政策金融の役割についても充実をお願いしたいと思います。 また、これは質問通告しておりましたけれども、政府系金融機関、これは中小企業金融公庫それから国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫等と国際協力銀行と、来年、二十年度の十月から株式会社日本政策金融公庫となってまいります。一つの銀行となってまいります。これはこれで大変改革の中でいいことではございますが、それぞれのパートナーとしての存在でございましたから、それぞれの機能がございます。それが一つになることでこういった機能が損なわれることなく、是非今後も監督し御助言いただきますようにお願いをしておきたいと思います。 立て続けで申し訳ございません。最後になりますけれども、農商工連携についても是非御意見を伺いたいと思います。 十月三十日に経済産業省と農林水産省が連名で公表されました農商工連携、今後の取組についてでございますが、実は私、この土日で地元のJAの皆さん方と勉強会を二回ほどやってまいりました。その中で農産品の加工品、私の地元の芦北というところでございますけれども、そこでデコポンというかんきつ系がございます。これが地元のお菓子屋さんと組みましてデコポンゼリーというものを作って、二〇〇〇年度から大変ヒットをしております。農商工連携の正にはしりでございます。是非、こういったものを進めていくことというのは正に時宜を得たものだと思っております。今後の取組について御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) 地域振興を図る際に、よく従来言われたのが企業誘致であります。しかし、それは大事なことでありますが、その論法に頼りますと、結局、その地域の一次産業がなくなって全部企業立地がなされたときに繁栄をするということになってしまいます。そうではないと思うのでありまして、地域の一大産業である農林水産業をリーディングインダストリーにしていくという発想がないと本当の意味での地域振興はできないというのが私の思いでありまして、そこで、農水省、農水大臣と一緒に何かできないかということで協力しまして、商業的手法あるいは工業的手法と農林水産を組み合わせるとどういうことができるかと、つまり企業であるならばいいものを作ると、それは大事なんですけれども、そうすれば必ず売れるさで終わっちゃうんですね。 つまり、市場が何を求めているかとか、あるいは市場のニーズに従ってここを変えるとか、そういう川上から川下につながった産業がないと、御自身企業経営者として企業は成り立たないと思うんですね。そういう観点で農林水産業を見ていって市場とつなげていこうという努力であります。そこに、例えば食品加工であれば地域資源法を活用して、その予算を使って地域の産品を企業化していくということも可能なわけでありますから、その市場と作っている、生産しているところをつなげて、そこにブランド戦略なりマーケティング戦略なりを入れてつなげていこうと。そうすれば、例えば価格的には高くたって、おいしくて、しかも今安全がキーワードですから、安全なものだったら幾らでも売れるぞと、国内外に向けてですね、そういう協力ができないかということで提案したわけであります。
○松村祥史君 是非この農商工連携、地方再生戦略の中にも盛り込まれております。農家の皆さんにとっては高付加価値を付けて所得を増やすこと、また地域の隠れた逸品を掘り起こすこと、これ大事なことであろうと思いますので、是非全力を挙げて取り組んでいただきたいと思っております。 次に、若林農林水産大臣にお尋ねをしたいと思いますが、今の農商工連携もそうでございますが、土日と地元の農家の方々とお話をさせていただいたときに、やはりこの参議院選挙の大敗の一因の中に品目横断的経営安定対策についていろいろと不安の声が聞こえました。説明不足もあったのでしょうが、面積の要件、対象農家の絞り込み等、制度上の問題の把握、最も不安に思われたのが小規模農家、高齢者等の切捨てと取られたことであったように感じます。また、小麦、ビートといった対象品目についても、経営安定に資する支援なのかどうかというようなことが地元の農家の皆さんから聞かれました。その点を踏まえまして、今後の方向性、是非大臣に詳しくお話をいただければ有り難いと思います。 また、政府による余剰米の緊急買入れを行っていただきました。銘柄米の市場価格も下げ止まったと聞いておりますし、今後の余剰米対策、その対応についてもお尋ねをいたしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(若林正俊君) お答えを申し上げます。 まず、品目横断的経営安定対策についてでございます。 これは本年度から導入したばかりの新しい制度であるということもありまして、制度に対します理解、普及浸透が十分でないというようなことがまず第一、ベースとしてあったと思います。そのために、地域、現場において不安や不満が多く聞かれているところでございます。 そのために、私は八月、農林水産大臣を担当をいたしました際に、まず現場において生の声をしっかり聞いてきてもらいたい、俗称御用聞き農政と、こう称したわけでございますが、現場に行きまして、この品目横断的対策について、その仕組み、内容、それから加入の要件、そしてこれを実施する場合の事務手続、さらには、今お話がありました小規模な農家やあるいは高齢者などの皆さん方も地域としてこれを組織化していくための集落営農の仕組みといったものを、これを実態に即してどういうふうに受け止められているかということをまず聞いてこいと、説明するよりも先に話を聞くことが大事だということを指示をいたしました。 その結果、東京、大阪、神奈川を除く四十四の道府県にすべて幹部が直接出掛けていきまして、話を聞いてまいりました。それらの生産現場の話を今集約をいたしまして、制度の根幹となります考え方をこれを維持しながらも、これが地域の実情に即して生かされていく、そういうような制度について改善措置を検討しているところでございます。 なお、米の価格の下落が問題になりました。十九年産米の米価につきましては、米の消費が年々減少していくという中にありまして生産調整をしっかりして需給のバランスを取らなければいけないわけですが、生産調整の実効性が十分確保できていないということ、また、主たる売手でありますJAの全国的な組織全農が、実は今年から非常に慎重を期して概算金の取扱いについて制度の見直しをした、このことが誤解を生んだといったようなことなど、いろいろな要素がございますが、作況は全体で九九という作況でありながら前年産を大幅に下回るという異常事態が出たわけでございます。そういうことがございまして、多くの皆さん方に不安、動揺を与えていたということがございました。 そこで、この十月二十九日には米緊急対策を決定しまして、政府の買入れによります下支え、最近の米の価格は……(発言する者あり)もうまとめます、底を打ったんではないかというふうに思いますが、委員が非常に御心配になっておりますことにつきましては、我々も全力を挙げて対応をいたしております。 委員から詳しくというお話がございましたけれども、このような三分での答弁になりましたけれども、また機会を見て十分御説明をしてまいりたいと思います。
○松村祥史君 大変申し訳ございませんでした。終わらせていただきます。もっと詳しいお話を聞きたかったんですが、次回またやらせていただければと思います。 どうもありがとうございました。 ─────────────
○委員長(小川敏夫君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、行田邦子君が委員を辞任され、その補欠として川合孝典君が選任されました。 ─────────────
○松あきら君 公明党の松あきらでございます。福田総理が御就任になって初めて質問に立たせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 御承知のとおり、今原油価格が高騰しておりまして、ガソリンや灯油が跳ね上がって、師走の家計を直撃しております。特に中小企業は深刻な状況にあるわけでございます。折から、住宅着工件数の減少の影響で、関連企業は正にダブルパンチに遭っているわけであります。 私ども公明党は、早速、今月三日、一週間前でございますけれども、町村官房長官にお会いをしていただいて、緊急の原油の高騰対策に対する申入れを行ったところでございます。明日、関係閣僚会議が開かれるというふうに伺っております。どうか政府におかれましては、この冬の庶民の生活に身も心も温かくなるような対策実現をどうぞよろしくお願い申し上げます。 さて、今年二〇〇七年はブラックマンデーから二十年、アジア通貨危機、そしてブラジル・ロシア危機から十周年という年であります。今現在もサブプライムという新たな金融市場の混乱に世界じゅうが遭遇をしているわけであります。なぜか十年ごとに大きな金融危機に見舞われるわけでございますけれども、これまではこれらの危機が来るたびにそこから学んで、一生懸命に新たな手法を考えてそして乗り切ってきたと。しかし、なぜかこれらの新しい手法はもう素早く他国の市場に伝わりまして、また新たな危機を生むという、こんな状況になっております。 先ほど渡辺大臣は、我が国はサブプライム関連の損失は少ないというお話をされました。にもかかわらず、なぜか日本の株式市場は他の欧米先進国や新興国に比べて市場が最も弱い動きを示しております。例えば、我が国最大手の自動車メーカーが史上最高額の決算を更新しながら初年来の安値を更新していると、理解に苦しむ事態が発生しております。 いろんな事情はあると思います。しかし、その背景には我が国の証券市場での外国人投資家の動きがあるというふうに言われております。東証一部の最近の売買シェア六〇%以上が外国人投資家によるものという指摘があります。 日本の株式市場がこんなに弱いのはなぜか。国際的に見て日本の金融市場に魅力がないからという言い方もあります。確かに、サブプライム問題で日本の金融市場は余り大きな被害を被らなかったことは幸運なことだというふうに思っております。自らバブルの経験から、日本の関係者が不動産絡みの投資には良い意味で慎重だった、これはもう評価されるべきことでありますけれども、しかし他方では、我が国の金融機関がビジネスに消極的だったという厳しい評価もあるわけでございます。 これまで我が国は、額に汗して一生懸命に働いてすばらしい優れたものを作ってきて、これが海外の市場で評価をされて、それで外貨を得ていた、この外貨で海外の資源を獲得するという、こういう好循環が維持をしてきたわけであります。しかし、我が国の金融システムに対する信頼感が失われれば、せっかくその物づくりで獲得した富の蓄積があっという間に失われてしまう、こういうことにもなりかねないと心配をしております。これからは、単に技術立国というだけでなく、技術と資本の輸出を着実に成功させていける二十一世紀型モデルへとシフトしていくべきではないでしょうか。つまり、技術立国プラス金融立国へと日本の政策を切り替えていく時期ではないかと私は思うわけであります。 先月、財務省は、世界第二位の九千五百四十四億ドルに上る外貨準備の運用状況を公表いたしました。先ほど総理は細心の注意を払うとおっしゃっておられましたが、この外貨準備をめぐっては積極運用を求める声も根強くありまして、運用先の多様化などが主張をされているところでございます。 いずれにしましても、現在の日本の歳入を少しでも改善して金融立国としてグローバル化した社会に対応していくためには、この一兆ドルに近づく膨大な資金や他の政府資金、資産をどのように扱うのか、大局的な視野に立った判断が必要になってくるものというふうに思います。世界の金融市場の中で、今後我が国はどのようなスタンスで取り組んでいくのか、総理のビジョンをお聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(福田康夫君) 経済というのはいろんな要素で成り立っているわけですね。ですから、一概にこうすればいいんだというわけにはいかないところはあるんです。日本の場合には、国の負債もたくさん抱えているというハンディキャップも負っているという状況でありますから、そういう意味においては経済運営にも多少制約条件が付いていると、こういうことです。 〔委員長退席、理事神本美恵子君着席〕 過去を振り返ってみますと、日本の経済というのは過去十数年あんまり伸びてないんですね。そして、国民の所得も一人当たりでいえばこれも伸びてないと、まあ横ばいという状況が続いております。こういう状況というのは、バブルの崩壊と、バブルをつくってしまった結果生じてきた問題だと。しかし、それと同時に、バブル崩壊過程において政治が不安定であったといったようなことも影響していた。そして、経済が回復基調になったというのは、金融界の不良資産処理をした、その結果今の、まあ成長率は必ずしも高くはないけれども、しかし安定成長期に向かってきたと。 こういうふうなことがございますんで一言で申し上げるのは難しいんだけれども、しかし、我が国の将来のことを考えた場合に、そういう状況の中で、これからやはり国内の需要を強化するということももちろん、拡大ですね、ということはもちろん当然のことでございますけれども、と同時に、外国との間の経済関係をもっと強化していくと、その方策をいろいろ考えていかなければいけない、そういう段階に立ち至ったと思います。今、金融の拡大と、こういうふうなお話もございましたけれども、そのことも一つ入っていると思います。
○松あきら君 ありがとうございます。日本経済のかじ取りをどうぞよろしくお願いいたします。 次に、我が国の資源外交についてお尋ねをいたします。 先週四日、経済産業委員会でレアメタルの資源外交について甘利大臣と議論をさせていただきました。甘利大臣自らが南アフリカとボツワナへ赴かれて、大変御苦労なさったけれども大成功であったということを伺ったわけでございます。その中で、世界は資源ナショナリズムの高まりと激化をする資源獲得競争という大きな変化を迎えておりまして、各国とも大統領や首相が直接資源外交に関与していることを肌身で実感したというお話も伺いました。 申し上げるまでもなく、レアメタルはニッケル、タングステン、プラチナなど三十一鉱種あるわけでございますけれども、携帯電話、パソコン、電子機器、自動車と、我が国が世界に競って生産している製品に使われている金属資源であります。これらがなくては、日本の物づくりはもう立ち行かなくなっていくわけであります。 資源大国中国は、南アフリカやロシアと並ぶレアメタルの産出国で、ほとんどのレアメタルはこの上位三か国に偏在していると言われております。しかし、例えば中国に関しましては、これは御存じのとおり、資源輸出国から消費国へともうシフトをしているわけで、これからも日本が中国から安定した供給を受けられるかどうか、これは大変に私は不安があるというふうに思っております。 また、中国は、資源獲得のために、スーダンやナイジェリアなどアフリカの産油国において大規模な援助プロジェクトと引き換えに鉱区を取得するなど、もはや資源戦略、資源戦争と言っても過言でない状況になってきております。EUあるいは米国、ロシアなど、各国ともインフラ整備、防衛装備の調達など様々なカードを駆使して生き残りを懸けて権益を図ってきております。民間の努力や経済産業大臣だけに資源外交を任せておけばよいという時代ではないというふうに思います。我が国も知恵を絞り、EPA、FTAを含め、使い得る様々な手段を組み合わせて国益のための資源確保外交を展開すべきではないでしょうか。 私は、石油ビジネスに長年御経験をされて、そして以前より外交通と評価の高かった福田総理にこそ、その先頭に立って国益のために陣頭指揮を執っていただきたいというふうに思うわけでございます。総理の御所見をお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(福田康夫君) 中長期的に考えた場合に、レアメタルとかだけの話じゃないんですね、実は。レアメタル以外にもエネルギーそのもの、エネルギーといっても、今使っている例えば石油とか天然ガスとかいったようなそういうものも場合によったら供給は需要よりも下回ってしまうと。獲得競争、戦争になるかもしれぬと、こういうことですね。 ただ、そこまで行きますと、やっぱり環境問題で頭を打つということもあるんですね。ですから、いずれにしても、技術開発、日本の得意とする環境・省エネ技術、こういうものは更に進めていかなければいけない。 また、レアメタルも、レアメタルを使わないで済む技術開発も必要かもしれないと。産業界ではそういうことを始めているんです、部分的にね。ですから、そういうことも視野に入れなければいけない。じゃなきゃ、もう必ず頭を打ちますよ、それは。この物はできませんと言って手を上げなきゃいかぬという時代が来るわけですから、そういうことを避けるための知恵を働かさなければいけないということであります。 取りあえずは、やっぱり石油の契約とか、またいろいろな資源の契約などについて経済産業大臣も大変苦労されておられますけれども、同時に、外務省も一生懸命やっておる、外務大臣も一生懸命やっておられる、みんなが総掛かりでやることだと思います。私も、できることがあれば一生懸命やろうと思いますけれども、しかしこの資源問題とかいうことについては、これはもう本当に日本の全能力を傾けて取り組む課題だというように心得ております。
○松あきら君 ありがとうございます。 実は、今からお伺いしようかと思っていたことも大分御答弁の中に入っているなと思って伺っておりました。資源確保のために必要なことは、もちろん外交だけではないわけであります。 〔理事神本美恵子君退席、委員長着席〕 我が国は天然の鉱物資源はほとんどないわけでございます。しかし、産業活動や消費生活から生み出される大量の廃棄物に正に貴重な資源が眠っておりまして、それは宝の山であるとも言われております。携帯電話を始めとする電子機器のくずを製錬して金銀など貴重な金属を取り出す技術、我が国は世界最高水準にあると言われております。静脈産業と言われているこの分野、この技術的基盤の重要性というものは飛躍的に高まっております。例えば、製造業の様々な部品製造の工程において発生する削りくず、これをどうやって減らすか、そういうことにまで日本人特有の細心さで気を配り、技術開発を進めてきております。 先ほど総理もおっしゃってくださいました省資源、省エネルギー、この物づくりと、大切なことであります。今後、我が国経済を牽引するエンジンとなることが、これらの省資源、省エネルギー型のモデルづくり、期待ができるというふうに私も思っております。 この分野を強化して世界標準のモデルを確立していくことでアジアのリーダーとなって経済発展と環境改善、この両方を実現していくことを私も目指すべきではないかというふうに思っている次第でございます。このために、資源有効利用促進法などの制度的枠組みの強化や、あるいは企業の取組を促す税制、財政などの支援措置を総動員すべきと考えますけれども、総理、いかがでございましょうか。
○内閣総理大臣(福田康夫君) 私は委員のお考えに賛成なんです。先ほど省エネとか環境問題で世界リードすると、アジアとおっしゃったですかね、というそういう国になるべきだと。正に、私は日本というのはそういう国でなければいけないと思っています。 そして、日本だけ努力してもレアメタル問題解決しないんですね。資源問題も解決しない。そういうことを考えれば、やはりそういうものをなるべく使わないで済ます方法を考える。若しくは、代替するものがもっと豊富にあるような、そういう資源を使うとかいったようなことを工夫していかなければいけない。そういうことについて、日本は非常にそういう面において進んでいる国だと思いますので、そういう国のモデルとして、生産、消費のモデル国として世界のリーダーシップ取っていく、そういう立場にあっていいのではないか、それを目指していきたいと、こんなふうに私は思っております。 委員のおっしゃるように、この問題は極めてこれから大きな課題になってくるんですね。環境問題においても、そのことはもうおもしのような形になってくると思います。ですから、そういう時代に今から備えておきたいと思っているところです。
○松あきら君 ありがとうございます。 省資源、省エネルギーの物づくりのリーダー、日本はそういう国になっていかなければならないという総理の力強いお言葉をいただきました。いろいろな政策を総動員して、御支援をよろしくお願い申し上げます。 今までは少し大きなお話でございましたけれども、これからはごく身近な問題に移りたいと思います。 飛び込み出産という言葉を御存じでしょうか。妊婦健診を受診してない妊婦が陣痛が始まってから初めて病院に飛び込んで出産をする、これが飛び込み出産。午前中に舛添大臣からの御発言もございました。新聞報道によれば、神奈川県内の大学病院などで扱った飛び込み出産は、二〇〇三年の二十件から年々増えて、今年は四月までに既に三十五件、百件を今年は超えそうな勢いだというふうに言われております。 健診は母体と胎児の状態を把握する大切な大事なもので、受診をしなければ出産のリスクは一気に高まるわけでございます。ですから、病院は飛び込み出産の増加に悲鳴を上げているというのが現状であります。総務省が十月にまとめた緊急搬送の実態調査では、飛び込み出産を理由に医療機関に搬送を拒否された回数が二〇〇六年は延べ百四十八件と、二〇〇四年の調査から二年で四倍になっております。 この問題の背景はもちろんいろいろあるわけでございますけれども、大きな理由は経済的な問題で、一回一万円前後掛かると、こう言われております妊婦健診を受けていないという問題があるわけでございます。厚生労働省は、本年一月に全国の自治体に対して、本来、妊婦健診は十四回程度が望ましいとしながらも、最低五回程度の公費負担というものを実施するようにと通達を出したわけですね。しかし、自治体における健診助成の格差は非常に大きいものがあります。秋田県では十回なのに、大阪府では残念ながら一・三回しか公費負担を行わないんです。全国千八百二十七市町村の平均もわずか二・八回であります。 私は、よく地方議員さんに相談されるんです、自治体に公費負担を増やしてくださいと。国からは五回無料だというふうに大きく皆さんに宣伝もしているし国もそういう方針であるのに、何でやってくれないんですかと、こういうふうに言いますと、その自治体は、だってうちは不交付団体ですよと。交付金の中に全部入っているんですよ、少子化対策で。だから、うちは財源が来ていないんだから、幾ら増やしたいと思ったって増やせないと。 ですから、この問題は本当に大変な問題なんです。妊婦健診は母と子の命にかかわる問題であると私は思っております。少子化対策の土台の根本的な問題であると思っております。 平成十年度に健診費用は一般財源化をされて、地方交付税で措置をされることになりました。先ほどお話ししましたように、交付税というのは、お金に色は付いていない、これに使わなきゃいけないということが、ひも付きではないために大事なこういうことが行われていない。本来、私は実は、健診というのはすべて無料にすべきであるという、こういうふうに思っておりますけれども。けれども、今五回は無料でということであるので、せめて、国が五回までという通達を出しているんなら、全国あまねく私はこの五回は無料にすべきだと思うんですね。地方分権というのは非常に大事な問題であるということは私もよく分かっております。けれども、既に法律で決めたから地方分権の流れに逆らうわけにはいかないということは本末転倒ではないかと私は考えます。これが我が国の重要な少子化対策なのだと、本当に私はそれが残念でならないわけであります。 先ほどもお話ししましたように、これは少子化対策の一項目というには余りにも重い、親子の命が懸かっている問題であります。全国どこでもだれでもが安心して出産ができるように、明確に制度を私は変えるべきではないかというふうにお訴えをさせていただきたいと思います。 少子化対策、国民の生命、健康にかかわる問題に対して、これは、舛添厚生労働大臣そして増田総務、両大臣のお考えをしっかりとお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(舛添要一君) 午前中も、私、奈良県の例で申し上げたとおりでありまして、一つはやっぱり貧困、格差、こういう問題が背景にある。それとともに、松委員、もう一つは、やはり地域、家庭、親族、コミュニティー、こういうものの中で子供を産み育てることの重要性、そういうのがきちんと伝わっていない。それから、妊娠した、じゃみんなに相談をして、どうするべきか。だから、非常に若い御夫婦なんかで正にそういうところにむとんちゃくなこともあって、昔は、御家庭で産婆さんが来られて出産というようなことで、ずっとそういう皆さん方の先祖代々の知恵みたいなものが受け継がれてきた、そういうことも実はあるんだろうと思いますが。 いずれにしても、今の問題の御指摘ですけれども、これはやはり地方分権推進委員会の第二次勧告ということで平成十年から一般財源化をして、おっしゃるように不交付団体をどうするのかということがございますけれども、五回まではこれはできるように基本的にはなっております。それで、松委員の地元の神奈川はたしか二・二回しかやっていない。秋田のように十回やるところもある。それで、介護にしても医療にしても私はこれこそ正に地方分権の最たるものであって、例えば私の里の福岡で、陣痛というときに東京から助産婦さんが来るわけじゃありません。介護の問題もそうです。 ですから、やはり地方がしっかりやらないといけない、しかし国も支えますよ。そのときに、補助金という形に戻った方がいいのか、それからやはり交付税の措置としてやった方がいいのか、そういうことも含めてそれは議論があるところですが、これは後ほど総務大臣とも相談しながら、それは我が厚生労働省だけで決められません。 しかし、もう一つは、是非健診ということを妊婦の皆さん方も積極的にやっていただきたい。これはもう周知徹底して健診受けてくださいよと、こういうことを申し上げている。 それから、例えば出産したときに後で三十万とか五十万来ますね。こんなのだって最初からあった方がいいんじゃないか、こういう御議論も十分承知はしておりますんで、基本的に、貧困であるがゆえに健診を受けないということをなくすように今は全力を挙げたいというふうに思っています。
○国務大臣(増田寛也君) いろいろ御心配をいただいておりますけれども、補助金の時代にちょうど二回見当で予算を措置していたということがありましたんで、市町村の方でもそういった回数にまだ頭がなっている可能性もございます。五回でももちろん少ないわけでございますが、今年度から少子化対策の中で二百億を七百億、額を増やしまして地方財政措置をとりました。 そういうことで、私ども調べましたら、今年度ちょっと市町村の方も準備が整っていないところ多うございますが、関東地方のところでも、いろいろお聞きしますと、来年度から少なくとも五回までは増やすといったようなことを言っているところも多うございます。私どもも、こうした地方財政措置をきちんと講じた上で、厚生労働省ともよく相談をしながら、こうした問題にしっかりと取り組んでいきたいと考えております。
○松あきら君 何しろ地方の議員さんが非常に悲鳴を上げているということであります。交付税が増やしてくださったとしても、私はこの問題は大きく残るというふうに思っておりますので、是非両大臣、御検討いただきたいというふうに思う次第でございます。 ちなみに出産育児一時金、これ今まで後でしかもらえなかったのを何年も掛かって委任払い、そのときにもらえるようにしたのは、私、頑張ってさせていただきましたけれども、そのときに申し上げたことは、大体いいことであればすべて、いいことなんだけどお金がない、財源がないからできないとおっしゃるんですよ。でも、これはそもそも予算が取ってある。取ってある予算を後で払うのを前に払えばいいんだから、金の卵だからやってくれということで、これはやっていただいたんです。今回も交付税でこのお金が取ってあるならば、きちんとこれを使えるような形にしていただきたいということを申し上げさせていただきたいと思います。 それでは、育児休業給付の在り方についてであります。 公明党では、育児休業制度につきまして二十二年前から取り組んでまいりました。一九八五年に独自の法案を国会に提出をいたしました。それは、休業前賃金の六〇%の所得保障と休業後の原職復帰の義務付けが柱でございました。九二年に育休制度が創設されてからは、育児休業給付アップに取り組んでまいりました。その意味で、本年十月から給付金が休業前賃金の四〇%から五〇%に引き上げられたことは大変にうれしく思っております。 しかし実際は、これは五〇%休んでいる間にもらえないんです、三〇%しかもらえない。何でかと役所に聞きましたら、これ、こう言うんですね。最初に全部五〇%渡しちゃうと職場に復帰しないで辞めちゃうんじゃないか。もう時代錯誤も甚だしい。そして、今のやり方は、三〇%くれて、職場復帰して半年たって働いたのが分かって、そこで初めてその雇用主が申請をして二か月後にやっと申請が下りればもらえるという、こういう制度なんですね。実際にもらいたいときにこれがないというのは、私は正に、雇用保険から出すと、いろんな理由はあるとは思いますけれども、実際に必要なときにこれをもらえないという制度はおかしいのではないか。是非お考えいただきたいと思います。 あと一分で御答弁よろしくお願い申し上げます。
○国務大臣(舛添要一君) 後で払わないと職場に復帰しないというのは、もう時代が全然そういう時代ではございません。それから、先般の雇用保険法の改正に伴う参議院の厚労委員会の附帯決議にもそのことはきちんと書いてございますので、今後、省を挙げて検討し、今のような方向で前向きにこのシステムを変えることができるか、そういう形で検討させていただきたいと思います。
○松あきら君 もう力強い御答弁だったと思います。是非前向きに検討していただきますようによろしくお願い申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(小川敏夫君) 関連質疑を許します。魚住裕一郎君。
○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。 今朝からずっと各政治課題等質問が相続いたわけでございますが、決算委員会でございます。平成十八年決算の審議ということでございますが、総理、この平成十八年、本当に政府また与党において大変な努力をしたと思っております。プライマリーバランス、基礎的財政収支も三・一兆円削減をした、あるいは国債依存度改善、二・九%もポイントを下げた、また公債の発行額を三十兆を下回るという、もう本当に予算を組むときにぎりぎりと努力をしたという記憶がございます。 そういったすばらしい努力にもかかわらず、今回、会計検査院の検査結果が届けられまして、もちろん今話題となっている守屋前事務次官の問題、あるいは装備品の問題等について大変な不正あるいは無駄というのがあろうかと思っておりますが、この会計検査院の検査結果、これは四百五十一件、指摘の金額が三百十億円。今朝もございました、これは一部でありますから、これを大体五倍ぐらいしたら全体の額じゃないかというような指摘もあったところでございますが、政府においても大変な努力をしながら絞りながら、結果として、これだけ多くの無駄が指摘される、あるいは不正も指摘される、そういう結果となったわけでございます。毎年同じように繰り返されている。総理の御所見をいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(福田康夫君) 国民の行政に対する信頼を取り戻すというためには、政府における無駄を徹底して排除するということが何よりも大事なんだろうというふうに思います。それも不正とか、もう明らかに意図的なものだとかいったようなそういうことについては、これ相変わらずそういう問題が起こることについては嘆かわしい、そういう思いでございます。 この無駄を排除するという観点から、随意契約の見直しとか、それから入札制度の改善とかいうものを着実に実施するように、先般も各閣僚に対してそういう指示をいたしたところなんですけれども、これはいつまでたってもそういう問題残っているなということで、これでギブアップするわけにいかないんですね。これはもう何か問題が起こりそうなところを一つ一つつぶしていかなければいけない、そういう執拗な努力をこれからも続けていくことは大事だと。そして、もう不断の努力ですね、これは。一瞬の緩みも許されない。 これから予算の質の向上ということに向けて、政府一丸となって取り組んでまいりたいと思っております。
○魚住裕一郎君 会計検査院、おいででしょうか。今回の検査結果の中で御指摘があった、いろんな事項が指摘されていますが、例えば不当事項三百六十一件、百一億円余というような数字が出てございます。その中では、本来徴収すべきものをまだ徴収してなかったり、あるいは不当であるから国に返すべきだ、そういうような指摘されていて未返還、既に返還済みのものを引けば大体七十億ぐらいこれからしっかり取り立てる必要があろうかというふうに思っておりますが、これは毎年だと大変な金額になるな、過去にさかのぼってどのぐらいきっちりそれが返還なされているのか。例えば過去十年間について、残っている件数あるいは金額をお示しください。
○会計検査院長(大塚宗春君) 過去、平成十八年九月三十日現在で、平成七年度から平成十六年度までの十年間の数字でお答えしたいと思いますが、その間検査報告に掲記いたしました不当事項が二千五百九十八件ありまして、指摘金額は千四百八十四億円でした。そのうち是正の処置、処理が完了していないものが二百四十八件、九十四億円余ということになっておりまして、指摘金額千四百八十四億円のうち、まだ九十四億円がまだ返還されていないという事態になっております。失礼いたしました、九十四億円が是正の処理が完了しておりません。このうち、更に国に返還を要すべきものは七十六億円、言い換えますと、九十四億円と七十六億円の差額は徴収をまだしていないという、例えば税のそういったようなものであります。
○魚住裕一郎君 今、まあ七十六億が大きな数字かどうかというのはあれなんですが、大変な金額だと私は思っておりまして、これは各省庁で任せきりになっているのかどうか。やはり会計検査院がしっかり指摘をした以上、各省庁でこの金額を取り戻すべきではないかな、そんなふうに思うところでございますし、また、これ毎年同じような指摘がある。参議院の本会議でも提案がなされましたけれども、やはり担当した公務員の懲戒あるいは刑事告発等、そういうこともしっかり考えていくべきではないのか。あるいは、不正経理がなされた場合にはその省庁には同じ金額、ペナルティーとして次はもう出さないとか、そういう会計検査院の組織の在り方も含めて権限を強化していく、そういうことが大事ではないかなというふうに思っているところでございます。 私ども公明党においては、税金のムダ遣い対策検討プロジェクトチーム、山下栄一参議院議員を座長にしまして立ち上げまして、その点をしっかり会計検査院法の改正も含めて検討をしていきたいと思っておりますが、権限強化また実効ならしめるため、総理の決意をいただければ幸いでございます。
○内閣総理大臣(福田康夫君) 会計検査院の検査機能の重要性、これは十分認識を政府としてもいたしておりますので、検査活動が円滑かつ厳正に行われ、その機能が十分発揮できるよう、検査体制の充実強化について今後も十分引き続いて配慮してまいりたいと思っております。
○魚住裕一郎君 そこで、一つ指摘された項目の中で取り上げてみたいと思っておりますが、農林水産省の一般会計でございますが、トレーサビリティーシステム導入促進対策事業で導入した機器が補助の目的を達していないという指摘がございます。金額は二億四千三百五十四万円という大変な金額でございます。 今朝ほどもたしかトレーサビリティーという言葉がございました。私は、一般感覚でテレビつけると、ニュース見ますと食品会社の社長がいつも何か頭を下げている図がばっと出てくる。それほどみんな食に対して敏感になっている。そういう中で、やっぱりしっかりしたトレーサビリティー、BSEも含めて、本来導入されたんではないのか。 だけれども、この会計検査院の指摘、これはある協議会でやったようでございますが、生産者の出荷拠点十八か所においては端末装置は四か所しか設置されていなかった。また、加工流通・販売業者二者は実際にその配送センター等について端末装置が全く設置されていなかった。だから、必要なデータも集まらない。設置されなかった端末の装置はこん包されたまま倉庫に保管されていたり、所在不明となったりしていた。データが全然集まらない、また消費者にもそのデータ、トレーサビリティーの結果を示すこともできない、そういうような事項が指摘されているわけでございます。 農水省はトレーサビリティーやめるんですか。やるならきちっとやって、皆さんの安心を確保することが一番大事じゃないですか。農水大臣、御答弁お願いします。
○国務大臣(若林正俊君) お答え申し上げます。 このトレーサビリティーシステムの導入事業でございます。これは平成十五年度から十七年度までに実施した実証実験事業でございますけれども、全体で二百三十八地区実施いたしております。そのうち五地区で会計検査院から不当な事業の執行状況だという指摘を受けております。 まず、この返還でございますけれども、このうち、今お話がありました山形県の事例を除きまして、いずれも補助金返還は終了いたしております。 このようなことが起こることがないように、補助事業者である都道府県、この都道府県が補助事業者でございますが、この補助事業の実施に当たって事前の十分な審査、確認を行うということが大事でございます。また、事業実施後には、その補助事業の目的達成に向けて、その実施状況を十分フォローアップして検証をしていくと、このことを更に指導を徹底しなければならないと、このように考えております。 このトレーサビリティーシステムというのは非常に大事な仕事でございまして、食の安全、安心というようなものを消費者サイドの目から見ますと、その信頼を確保していくために、これが全体の事業の中で、流通の中でこのトレーサビリティーが把握できるということが確立しますと、その安心感が、信頼感が高まっていく、こういう事業だと思っておりますけれども、牛肉については御承知のように強制的にすべてやるようにいたしたわけでございますが、そのほかのものにつきましては、これは業者の任意の事業でございます。できるだけこれが導入されるように指導してまいりたい、こう思います。
○魚住裕一郎君 先ほど松あきらさんからも御指摘ございましたけれども、原油高騰問題、これ本当に目下どこを歩いても、やっぱり高いね、最近ガソリン満タンにしたことがないという、そういう人、本当に多うございます。 十二月三日、我が党の緊急対策本部、緊急の申入れをさせていただきました。政府におかれても、関係閣僚会議等で近々対策を公表されるといいますか、決めていただけるというふうに承知をしているところでございますが、やはり中小企業、その中でも、例えばクリーニング屋さんとかおふろ屋さんとか大変な影響があるところでありますとか、あるいは運送業の方々、これについては高速料金何とか下げられないかということ、あるいは農業、漁業あるいは寒冷地の生活、福祉灯油みたいなことはできないかとか、いろいろ御提案をさせていただいたところでございますが、やはり先ほども温かい、身も心も温かくなるようにというようなお話ございましたが、ちょっと総理の御決意をまたお願いをしたいと思いますが。
○内閣総理大臣(福田康夫君) まず、政府の対応を申し上げますと、明日、原油高騰下請け中小企業に関する緊急対策関係閣僚会議を開催いたしまして、具体的にどういう対応をするかということを決めてまいりたいと、このように思います。その場ですべて決めるということになるかどうか分かりませんけれども、できるだけ早急に対応策をまとめていきたいと思っております。 この原油の価格の高騰ということでありまして、これは一時的なものかどうかということもあるんですね。ひょっとするとそうでないかもしれぬということも今考えておかなければいけないということでございますので、長期にわたる場合には、単に燃料がどうこうというふうな話だけでない、いろいろな製品に、商品にそのコストアップ要因となって降り掛かってくる可能性もあるということなんでありまして、これ一時的な対応というような形で今しましても、それだけで済むかどうかということがあります。この原油高騰というのは、そういう問題もあるんだということは、これは承知おき願いたいと思います。
○魚住裕一郎君 新聞記事等いろいろ載ってございますが、この十二月、予算も組まなきゃいけない、あるいは税制もきちっとやらなきゃいけない。そんな中で、先週の金曜日、道路特定財源の政府・与党の話合いといいますか、決定がなされた。その中で、早速この高速道路料金の引下げ等が決定を見たというふうに報道されているところでございますけれども、やはり私は、暴論といいますか、この際、原油が上がってガソリンが上がっているから暫定税率を撤廃したらどうかというのは、私は地方を回っていると、本当に道路をしっかり整備しないとこれは大変なことになるな、地域の活性化の命の道、あるいは命懸けの道もあって、大変な思いで地方でお暮らしになっておみえになる方もいる。 しかし、いろんな話聞きますと、やはりこれだけ急騰しますと、取りあえず落ち着くまで一時的な停止できないか、床屋談義かもしれません。そういうような声が本当に私のところにも多く伝わってきておりまして、この場をおかりいたしまして、総理にもその旨お伝えをしておきたいというふうに思っております。 続きまして、先ほどもございました地域活性化という観点で御質問をさせていただきたいと思うわけでございますが、この間、陶磁器が著名な地域、ちょっと訪問をさせていただきました。 ライフスタイルが大きく変わってきた。例えば、結婚の引き出物で食器を贈る人がいなくなったというようなこともあるのかもしれません。また、中国等、本当に安価な製品がどんどん入ってきている。さらに、今申し上げた原油の高騰。実は、その地域では、この夏そしてまた十月ですか、この陶磁器を扱う商社が相連続して民事再生法の適用を申請した。まあ倒産ですわね。そうなると、今までその商社が扱ってきていたこの販路あるいはマーケットが一気に、そのメーカー、地場産業からしてみると消えてしまうという、そんなことを意味するわけでございまして、いろいろ話をする中で、本当に大変な苦境の中で努力しているというようなことがございました。 一時は、戦後は日本の経済引っ張った、そういう陶磁器でございますけれども、やはり伝統的な工芸品産業、これ、しっかり振興をしていくべきだというふうに思いますが、この辺の施策について経産大臣、お願いいたします。
○国務大臣(甘利明君) 陶磁器を始めとする伝統的工芸品は、その地域の地場の産業で、雇用を支えている、地域経済を支えている、加えて地域の伝統と文化が息づいているわけであります。その産業の活性化というのは、経済のみならず、地域コミュニティーあるいは地域の文化を守っていくという点からも大切なものというふうに考えております。 経産省といたしましては、伝統的工芸品産業の振興に関する法律、いわゆる伝産法でありますけれども、これを支援の軸として、後継者の確保、育成それから販路開拓、原材料の確保等に関する助成を行っているところであります。 また、本年度から、産地の技術等の地域資源を生かした新商品の開発、販路開拓を総合的に支援をする中小企業地域資源活用プログラムというのを始めているわけであります。これらをツールといたしまして、地域に根付いている、伝統と文化を支えている地域産業がしっかりとこれからも発展していくように取り組んでいきたいと思っております。
○魚住裕一郎君 これは一経産省だけの問題ではないと思います。やはり、地域間格差の問題が大きく生じている中、どう、地域振興又は中小企業振興に道筋を付ける必要があろうかと思っておりまして、政府においても四施策を統合化して地域活性化統合本部というのをつくったと承知をしております。 そこで、担当大臣にお聞きをしたいわけでございますが、その産業が、それが火が消えてしまったらもう地域没落するような場合、やはり現場でも販路開拓とかいろいろ知恵を絞っている、そういうところにやはり政府としての支援の手を差し伸べることは本当に大事だと思っておりまして、その辺についての施策について御答弁をいただきたいと思います。
○委員長(小川敏夫君) どちらですか。
○魚住裕一郎君 まず、増田さん。
○国務大臣(増田寛也君) 先般まとめました地域再生戦略、これの中核的な事業として地方の元気再生事業というのがございますが、正に今、先生お話がございましたとおり、地域の産業の核となっているようなものですが、非常に疲弊していると。これに対して、地元の皆さん方のいろいろな工夫を凝らしていただく、そういったものに国が直接支援をするというこれはソフト事業でございます。 ですから、今いろいろと先生も具体的な例、御承知かと思いますけれども、是非いいアイデアを凝らしていただくと。そうしたものが出てまいりますと、私ども、これは第三者の目を通して本当にいいものかどうかということを選んでいきます。私、それはむしろ選ぶというよりは手助けをしながら中身を充実していくということでございまして、こうしたものをお使いいただければというふうに思います。
○委員長(小川敏夫君) いいですか。
○魚住裕一郎君 そこで、違った観点で国土交通大臣にお聞きしたいと思いますけれども。 時間がだんだんなくなってきました。改正建築基準法、これについても先行委員がしっかり質問させていただきました。六月二十日、参議院選挙をやっている最中で、私どももどれほど聞かされたか。やっぱりしっかり、ソフトは大事だと思っておりますけれども、お取り組みをよろしくお願いをいたします。 そして、最後に、整備新幹線の関係もうそろそろ大事な時期になってくるかなと思っておりますが、この間も富山県の知事で石井知事、あるいは谷本石川知事とか、あるいは北陸の経済連の会長でありますとか、あるいは県議会の議長さん、みんな大挙してお見えになった。多分大臣のところにもお願いに参上したというふうに思っておりますけれども、既に着工されている金沢までをしっかり整備する、そして二十年度に駅が完成する福井まで、未着工の区分についても着工できるように検討すべきではないかというふうに思うわけでございますが、国土交通大臣の御所見を承りたいと思います。一分でお願いいたします。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 既着工部分については、予定どおりに完成するように全力で頑張ってまいります。未着工部分につきましては、財源の見通しが一番大事でございます。収支採算性、JRの同意、並行在来線の経営分離等の基本条件が整えられることを確認した上で、どうするかということになります。財源について、よろしくお願いいたします。
○魚住裕一郎君 終わります。
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。 最初に、総理、薬害肝炎問題について午前中も厳しい質疑がありました。総理、今この時間に、原告の皆さんがあなたとの面会を求めて官邸前に集まって面会を待ち望んでいらっしゃる。そのことを御存じですね。
○内閣総理大臣(福田康夫君) 来られるという話は聞いてはおりましたけれども、今という話は初めて聞きました。
○仁比聡平君 今この時間に官邸の前で、全国から原告の皆さんはつらい体を押してあなたに会う、その思いで集まっていらっしゃるんですよ。 大阪高裁の和解勧告の動きの中で、原告たちは、国が四百十八人の命のリストの対応すらできない、原告の切捨て、薬害肝炎被害者の切捨てをし、肝炎問題の幕引きをしようとしているのではないのか、その必死の思いでおいでになっています。 三十年前に、総理はスモンという薬害、御存じでしょうか、このスモンの薬害の福岡地裁がこのような判決をいたしました。少しお聞きいただきたいと思います。 その被害の深刻さと広がりのすさまじさは当裁判所にとっても驚きであった。その根源が肉体的苦痛にあることからの叫び、安全であると信頼して飲んだ薬が毒であったことを知った悲しみからの叫びであることに、裁判所も、被告ら国と製薬企業もよく耳を傾けなければならない、これこそが本裁判の原点だからである。それは、第一に、元の体に返せとの叫びに見られる早期完全救済への当然の願いであり、第二に、薬害根絶との訴えに見られる道義性の高さである。被害者は早期救済を口々に激しく声を限りに迫り続けている。被告らは速やかにその叫びにこたえるべきである。 このように裁判所は断罪をしたわけです。今の薬害肝炎の被害者の皆さんの姿そのものではありませんか。 ところが、その後三十年、薬害は後を絶ちません。それは、国が幾たびも断罪をされながら、被害から目を背け、国と加害企業の責任による早期全面救済そして被害根絶という当然の立場に立とうとしないからではありませんか。被害者の皆さんが、今現に総理に会って決断を求めたい、そう言ってこの国会に来ている、官邸の前まで来ている。 原告団はこう述べています。私たち原告団は、薬害根絶の最後の裁判と位置付け、この五年間闘ってきました。原告だけが救済されても全面解決とは言えません。同じ被害を受けた者に同じ被害救済がなされることが前提でなければなりません。 大臣やあるいは政府の官僚の方々から間接的に聞くだけでは、この被害者の思いは分からない。総理が直接面会をして、そして全員の平等の救済を決断をするべきではないんですか。この委員会が終了したら、私は総理が是非ともお会いいただくことを求めたいと思いますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(福田康夫君) この問題につきましては、担当大臣が丁寧に対応しております。そして、大阪高裁で今週、その和解の結論が出るんですね。誠実に対応してきたと思います。ですから、その和解の判断を見て、政府としてどういうふうにしたらいいか、適切な対応をしたいと思っております。
○仁比聡平君 予想されているその和解の勧告に納得がいかない、そんな思いで集まっていらっしゃいます。総理は、総理はこの薬害肝炎の被害者に何らかの落ち度がある、そんなふうに思われますか。投与の時期や製剤の種類、あるいは裁判を今提訴しているかしていないか、そんなことに全くかかわりなく、原告も、そしてすべての被害者には何の落ち度もないわけですよね。その皆さんの被害の実相そのものにしっかり目を向けるという、そのことがあって初めて政治決断というのはあり得るんじゃないんですか。 大阪高裁の和解の勧告というのは、それはあるでしょう。だけれども、今、目の前に原告の皆さんが来られているんだから、だから今日お会いになられるというのが私は当然だと思いますが、もう一度お尋ねいたします。
○内閣総理大臣(福田康夫君) 今申したとおりでございまして、大阪高裁の和解案が出た段階で、舛添大臣そして関係府省で迅速に対応すると、こういうことで考えておるところでございます。
○仁比聡平君 私は、会わない理由はないと思うんですよ。今からでも考え直して、短時間でもお会いになられることを強く求めておきたいと思います。 格差が広がる中で、〇六年、この決算の審査の対象になる年にも生活保護の世帯が百万を超えたと。そういう状況の中で大問題となっている生活保護基準の引下げ問題について引き続きお伺いをしたいと思います。 この問題を議論した生活扶助基準に関する検討会、この検討会は厚生労働省の援護局長の私的検討会にすぎないわけですよね。そして、わずか五回しか行われていない。伺いますと、各回一時間半程度で、厚労省からの資料の説明を含めてもトータルで八時間ぐらいしかやられていないわけです。ですから、生活保護を受給をしている当事者や貧困問題にかかわっている関係者、一切声を聞いていない。生活保護を受けている方々の生活実態がどのようなものなのかという、その具体的な検証というのはやっていないわけですよね。 この検討会の結論を引下げという形で実施に移すなんというようなことは、これは絶対にあってはならないと思いますが、総理は来年度予算でやるつもりですか。総理、総理、総理。
○内閣総理大臣(福田康夫君) これは厚生労働省の所管の問題でありまして、事実関係を詳しく大臣から説明をさせます。
○国務大臣(舛添要一君) この、今委員御指摘の生活扶助基準に関する検討会でありますけれども、これは全国消費実態調査など客観的なデータを用いて五年に一度の頻度で検証を行うと、その明確なルール作りを今回行ったわけでありまして、十月十九日から十一月三十日まで五回、合計八時間以上、きちんとした議論をやっております。 そして、その明確なルールに基づいた、しかも全国消費実態調査などの客観的なデータに基づいてその検討会のメンバーが出された、これを基本にして、今からどういうふうに予算編成に反映するか。それはまた、与党の皆さん方とも具体的に検討をしながら、例えばどういう形で激変緩和措置をやるのか、それからその配分の割合を変えることによって処置するのか。これは今からの検討課題でありますけれども、初めて明確にこのルールができたわけですが、ですから、これはきちんと尊重した上で、最終的には政府・与党一体となって予算編成過程に反映させていきたいと思っております。
○仁比聡平君 とんでもない話ではありませんか。一部の報道で来年度予算は見送るなんていうような報道がされているから、そういう答弁があるかと思ったら、今、舛添大臣は引下げやると言っている。総理、それでいいんですか。与党の皆さん、それでいいんですか。総理、どうですか。
○委員長(小川敏夫君) 舛添厚生労働大臣、答弁、端的にお願いします。
○国務大臣(舛添要一君) この検討会の結果を尊重して、政府・与党と協議をしながら予算編成にどのように反映させるかを慎重に検討したいと、そういう答弁でございます。
○仁比聡平君 全然はっきりしないというか、とんでもないお話だと私は思います。 中日新聞が十二月の二日に、生活保護切下げ、物差しの当て方が逆だという社説を掲げました。国民は健康的で文化的な最低限度の生活を憲法で保障されている。だれでも働けなかったり、収入が減ったりして生活苦に陥ることがある。そのときに、目安になる最低生活費と収入との差額が支給される。これが生活保護だ。とすればさっきの場合、これは厚労省の検討会が言った場合ですけれども、低所得者に対しては不足分の保護申請を促すのが筋だと、こう言っているわけですね。 生活保護水準以下の暮らしを余儀なくされている人々が広がっている。だからこそ、その実態を直視をして、調査をして、雇用や社会保障や税、その在り方を検討する、抜本的に見直していく、それが当然の国の責任なんじゃないんですか。 今回の検討会で、私は伺いたいんですけれど、国、つまり生活保護の水準以下の世帯の中でどれだけが現実に保護を受けているのかという捕捉率という言葉で言われています。逆に言うと、生活保護基準以下の暮らしを余儀なくされながら生活保護を受けていない、あるいは受けられずにいる世帯がどれだけあるのか、その原因は何なのか、国はここの点を調査をしたことがありますか。
○国務大臣(舛添要一君) 現に生活保護を受けている人の数は分かります。しかし、これは申請主義で、どの方がそういう必要性を感じているか、これは申請をしてからでないと分かりませんので、今委員がおっしゃったことの数はつかめません。
○仁比聡平君 調査すらしていないわけですよ。 生活保護水準以下の暮らしをしていらっしゃる方々がたくさんいるから、だからそこに合わせて引き下げると、そういうふうに言いながら、どうしてそんな実態が広がっているのか。その実態を調査すらしていないのに、何でこんな引下げの議論なんかやれるんですか。 ちょうど二年前のこの時期に、私の地元の北九州市で五十代の男性が二度にわたって生活保護の窓口で申請を拒絶をされて、申請書すら渡されることなく、恐らくお正月に餓死し、四か月たってミイラ化した遺体で発見をされました。違法な水際作戦で、本来なら保護を受けられるはずの人々を追い返して、サラ金苦や自殺や心中、そして餓死、そういった悲惨な事態にまで至らしめてきた保護行政の方こそが今正面から検証と転換を迫られているんじゃないんでしょうか。 今日私が指摘をしたいのは、そういった実態を調査をするということは可能だということです。 同志社大学の橘木教授は、今申し上げた保護水準以下の暮らしの中で現に保護を受けている世帯は、我が国では一六・三%ないし一九・七%にすぎないという推計をしていらっしゃいます。私、この研究を拝見して驚きましたけれども、これまで何人もの研究者が日本の捕捉率を調査をし、その結果は九・八%ないし一九・七%まで、つまり二割以下だということになっているんですね、されているわけです。さらに、外国の研究者の調査では、イギリスでは八〇%、アメリカでは六〇%から六七%だというわけですからね。私は、セーフティーネットというんだったら、これぐらいの数字になるのは当然ではないかと思います。 今政府が、生活保護水準以下で暮らしていながら生活保護を受けずに苦しんでいる方、もちろん頑張っている方、その実態を調査をしようとしないのは、その実態を調査をしようとしないのなら実態から目を背けようとするものではないのか、そのことまで疑いたくなるんですが、これまではやっていない、分かりました。これからやるべきじゃありませんか。
○国務大臣(舛添要一君) 午前中にも加藤委員が同様な貧困世帯の研究ということをおっしゃいました。これは全国の生活実態調査、消費のデータ、たくさんございます。そういう中で、今私のかつての同僚を含めていろんな大学の先生方がこの生活保護の捕捉率を推計した研究を行っています。一八・五%とか四〇%とか、低い方は六・五%、いろいろそういうことがございます。 ただ、やはり生活保護というのは、片一方で乱用があってはいけない、しかし片一方では本当に困っている人の最後のセーフティーネットですから、先ほど北九州の例をお挙げになりましたけれども、そういうことがないようにきめの細かい対応を一つ一つやっていく。しかし、個人のプライバシーに非常にかかわるところでもあり、申請主義でありますから、今、先ほど午前中に加藤委員に御答弁したように、いろんなデータを用いてそういう実態そして貧富の格差、こういうものについて内閣を挙げてこれはきちんと取り組むという姿勢も総理がお示しになっているところでありまして、我々は、その問題から目をそらすとか意図的にそういうことをやっていないということではないということを御理解願いたいと思います。
○仁比聡平君 生活保護の要件を満たす人がどれだけいるかを調べろという話じゃないじゃありませんか。生活保護水準以下の生活をしている方々の中で、現に生活保護を受けている方々はどれぐらいいるのかということをまずは調査をするべきだということなんですよ。しっかり研究をして、政府の検討会の中でも求められているわけですから、これをやるというのは私は当然のことだと思うわけです。 そういう実態を調査もしない中で万が一切下げを強行するなら、生活保護世帯への給付の引下げとともに、保護を受給をしていない、あるいはできないでいる膨大な世帯に重大な影響を及ぼすことになります。 総理、このパネルをごらんいただきたいと思いますけれども、(資料提示)生活保護基準が引き下げられたら、地方税の非課税基準やあるいは介護保険の保険料、利用料、障害者自立支援法の利用料、この減免、軽減の基準、地方税の減免、公立高校の授業料の減免、国保、国民健康保険料の減免や公営住宅の家賃の減免、生活福祉資金の貸付金、就学援助、こういったたくさんの収入の少ない世帯への支援の施策、負担軽減の施策、これにすべて連動することになるんじゃありませんか。これを、生活扶助基準を引き下げるということをすれば、今所得減と負担増で苦しんでいらっしゃる一般世帯の家計を直撃し底抜けをさせることになる。総理はその御認識がありますか。総理、総理。
○内閣総理大臣(福田康夫君) 生活保護の基準は、先ほど来厚労大臣から御説明しているとおりでありますけれども、実際に予算編成をする、そうして個々のケースを考えた場合に、それはやっぱりその事情、事情ということもあろうかと思います。したがいまして、具体的にはこれから激変緩和といったようなことも考えていかなければいけないんだろうというふうに思っております。
○仁比聡平君 自助ということもあるというふうにおっしゃるけれども、今議論になっているのは、本当にぎりぎりで生活をしていらっしゃるその皆さんから更に給付を奪い、あるいは負担軽減の支援策を奪おうという、そういう議論なんですよ。私は、この議論で浮き彫りになっているのは、逆に生活保護水準以下で暮らしている生活実態がどれほど深刻かということなんだと思うんです。 私がお会いしたある三十五歳の青年は、心臓病を患って日雇派遣すらままならなくなって、食パンにマヨネーズだけ、これで何か月も過ごして、とうとう病院に救急車で担ぎ込まれるということになりました。 二十三歳のシングルマザー、四歳、三歳そしてゼロ歳の子供さんを育てていますけれども、三千円あったら一週間もつ、そうおっしゃっているんですね。 全国の生活と健康を守る会連合会の実態調査で大阪の男性がこのようにおっしゃっています。一日の食事はラーメン一杯か素うどん一杯、あとは職を求めるも該当するところ更になし、とぼとぼと家に帰り、安い発泡酒を少々飲み、ふろは三日に一度でももったいない、朝目が覚めて、今朝も生きていたのか、何でこのまま、眠ったまま死なせてくれないのか。こんな思いで生活をしていらっしゃるのが生活保護水準やそれ以下の国民の暮らしの実態なんですよ。 ここから更に数千円だとか引き下げて、何が自助だというのか。その総理の認識を私は問うているんです。総理、いかがですか。総理、(発言する者あり)総理の認識じゃないですか。総理、時間ないんですから。
○委員長(小川敏夫君) 舛添厚生労働大臣、その後、総理、お願いいたします。
○国務大臣(舛添要一君) 憲法で国民には勤労の義務ということが書いてある。そして一生懸命みんな働いて、税金を払い、一生懸命やっている。そういう勤労世帯の一番下の十分の一の人たちの水準に比べて生活保護の水準が高いという数字が出ているから、さあどうするかなんです。 それで、生活保護を受けられている方は本当に、今おっしゃったように、気の毒な例がたくさんございます。働きたくても病気で働けない、いろんな例がある。しかし、一生懸命働いている人たちから見て自分たちよりも水準が上だという数字が出たことについて、これは政治的にしっかりと検討しないといけないと、そういう点についても付け加えておきたいと思います。
○仁比聡平君 だから、もしそういう舛添大臣のような実態があるんだったら、それを引き下げるというのが政治の責任でしょうと私は総理に問うているんです。いかがですか。総理、答弁できないんですか。
○内閣総理大臣(福田康夫君) ちょっと今の質問の意味が分からないですよ。私は別に自助、すべての場合に自助しようというふうに言っているわけでもないし、今、引き下げるってどういう意味ですか。
○仁比聡平君 結局、国民の皆さんの現実のこの貧困が広がる中での実態をお分かりになっていないんじゃないですか。 私、もう一つだけ今日紹介をしておきたいことがあるんですね。それは、そういった世帯にこれまでどれだけの負担増を政府がかぶせてきたのかということです。(資料提示) これは福岡市の国民健康保険料、これを私の方で分かりやすくグラフにしたものですけれども、二百万円の年所得、この方に四十七万円の国保料を課しているんですよ。福岡市医師会の試算によれば、国民年金の掛金が三十四万円、住民税が十一万円、所得税が四万円、合わせて合計九十六万円。この負担を二百万円の年所得の方に課しているという、そういう実態がある。(資料提示) さらに、格差が広がる中で、国保の加入世帯を見ても、所得階層は年収百万以下、二百万以下という方々が激増をしているわけです。福岡市でいいますと、九七年からこの十年間の間に激増して、二百万円以下の方々は八割を超えているわけですね。 こういう国民の暮らしが大変になっているところに耐え難い負担増をかぶせて、そして更に生活保護基準まで引き下げて、連動する様々な生存権保障の施策を後退をさせようとする、そんなことは絶対に許されないということを強く申し上げて、時間が参りましたので質問を終わります。
○又市征治君 社民党の又市です。 朝からずっと大変でございますが、私が最後ですから是非しっかりと御答弁をいただきたいと、こう思います。 さて、私は二週間前、ちょうど二週間前の決算の本会議で総理に、今、政府に対する国民の最大の願いというのは格差社会の是正、切り下げられた福祉、医療など公共サービスや勤労者の賃金、労働条件の回復ではないか、このようにお尋ねをいたしました。総理は、今もありましたが、自助努力が基本だとした上で、一つ一つ処方せんを講じていく、こうお答えになったわけですね。 しかし、振り返ってみますと、国会開会から今日でちょうど三か月目ですよ。政府は新テロ特措法ばっかりおっしゃるわけだが、国民生活の改善のために何をしようというのか一向に見えてこない、これが国民の実感だとおっしゃいます。 そこで、今日は、総理の処方せんとは何か、順次伺ってまいりたいと思います。 通告したのを二つまとめてまず申し上げたいと思いますが、まず、私たちが昨年反対をいたしました高齢者医療の負担増の問題です。総理は、これも総裁選の中で見直すと、こうおっしゃっておられますが、どうも今伝わってくるところ、半年延期だとか一年減額というこんな話。これじゃ何の助けにもならない。悲鳴が上がっていますよ。 もう一つ、これも総裁選のさなかに総理はおっしゃった。悪評高い障害者自立支援法についても見直すと、こうおっしゃったわけです。与党案が出ましたけれども、応能負担の復帰に全く及び腰、利用者負担という発想をやめて、障害者の生活そのものに支援をしてくれとおっしゃる障害者の皆さんの要望、これには非常にほど遠い。 こういう言ってみれば弱者いじめのこんな措置、どう具体的に改善をなさるのか、その処方せん、まず総理、この二つお聞かせください。
○内閣総理大臣(福田康夫君) 高齢者医療制度のことをまずお尋ねございましたけれども、この高齢者医療制度は、昨年の医療制度改革で、今後高齢化に伴う医療費の増大が見込まれると、こういうふうな状況の中で、現役世代と高齢者の負担の公平化を図るということ、そして医療制度を将来にわたって持続可能な制度とするということを目的として実施したものでありまして、その理念、方向性、これは私は適切なものと考えております。 一方で、新たな高齢者医療制度をより円滑に施行するために、実施するために、高齢者の置かれている状況に十分配慮しながらきめ細かく対応するということに努める必要もあると思います。そういうふうな考え方の下で、先般、与党におきまして激変緩和措置という形で取りまとめが行われたものでございまして、政府もこれを適切に実施したいと、こういうふうに考えております。 それから、障害者自立支援法の抜本的改革、見直しにつきましては、これも与党プロジェクトチームにおいて検討が進められまして、十二月の七日に報告書が取りまとめられて、障害福祉施策全体について、五つの視点と九分野にわたる基本的な課題と方向性を提示してもらっております。 そして、利用者負担につきましては、既に特別対策を含めて所得に応じたきめ細かな負担軽減措置を講じておりまして、応能負担の考え方も取り入れた仕組みとなっておりますが、本報告書におきましては、低所得者の負担を更に軽減するなど負担の応能的な性格を一層高めるとともに、特に障害児を抱える世帯の負担感や子育て支援の観点を考慮すべきというような提言がなされております。 政府も、これらの御提言を十分に踏まえて具体的対応策を検討してまいりたいと考えております。
○又市征治君 何かお聞きしていると、総理は総裁選のときに立派なことをおっしゃって、我々と考え方よく似ているなと、こう思ったんですが、みんな何か丸投げで、そこで検討されたものを今度は政府がやってまいりますというのはちょっといかがかなと。こんなことを言うとすぐ時間なくなるから、次の話に、聞きますよ。 そこで、もう一つ私は、先般、健全な社会の持続的な発展を期すためには、抜け穴ばっかりが大きくなったこの派遣労働制度に対して規制を提案をしたんですが、総理は九月から具体的な見直しの検討を開始しているというふうにお答えになった。ところが、この検討の場で経営者側はなお派遣制度を拡大をしている。無責任で安上がりの雇用を執拗に求めているわけですよ。 政府が見直すべきは、正に今日も出ましたが、ワーキングプアをなくす立場から、派遣元によるピンはねの禁止であるとか、製造業の派遣の禁止であるとか、あるいは日雇派遣を禁止をするとか、社会保険加入をもっとしっかり促進をするとか、直接雇用への切替え義務の強化などだとか、こんなことこそが政府が今しっかりと実態を見詰めてやらなきゃならぬことだと思うんですね。この点について、総理はどのような御所見をお持ちですか。
○内閣総理大臣(福田康夫君) 労働者派遣制度につきましては、労働者の立場に立てば、御指摘のように分野を制限するなどの規制を強化をすべきという、こういう意見になるんでありますけれども、一方、雇用を拡大するためには、自由度の高い制度となるように更に規制を見直すべきという意見があるということ、様々な意見があるんですよ。そういうことを踏まえまして、現在厚生労働省において具体的な見直しの検討を行っているところでございまして、政府としてその検討結果に基づいて適切に対応してまいりたいと考えております。
○又市征治君 もう一つ、私が、まともに働いても生活保護基準に満たない年収二百万円未満の世帯をなくすことを求めたことに対して、先ほども今問題になりました厚生労働省の検討会は、事もあろうにこの低賃金を逆に利用して、生活保護基準を切り下げる案を打ち出されている。これじゃ本当に厚生労働省の名が泣きますよ。酷薄で薄情なという、酷薄労働省ぐらいに名前を変えたらどうかという声が聞こえてきそうですよ、これは本当に。 総理はさっきも明確にお答えになっていないんだけれども、今のこの生活保護基準そのものを下げることそのものに総理は賛成なのかどうかを明確にしてくださいよ。今、本当にこの寒空で、本当に一千万人も年収二百万以下の人々が増えてきている、こういう状況を逆用するなんてとんでもない話ですよ。 ここのところをまず明確に、一国の総理です、明確にしてください。
○内閣総理大臣(福田康夫君) 生活保護は、これは先ほども随分御説明申し上げましたけれども、客観的なデータで定期的な検証を実施して設定されるべきものだというようには考えております。そういう意味で、今般厚生労働省のその検討会議が行った客観的データ、そして、それに基づいて報告書が出ておりますけれども、これは意味のあることだというように考えております。 そこで、更に引き下げるかといったようなことに賛成するかどうかということでありますけれども、必要なところはそういうデータに基づいて引き下げるところもあるかもしれぬけれども、しかし、引き下げるといっても、やはりそれはその生活実態というものに着目して、激変緩和措置とか、そういうことは講ずるというように考えております。
○又市征治君 さて、今どうも下げるんだということに聞こえてしようがありません。激変緩和をとりながらということは、つまり下げるということですよね。国民の皆さんがどうお聞きになっているか、是非しっかりと聞いていただきたいと思うんです。 私は今、四つ、五つの問題の改善問題を申し上げました。これらには当然財源が必要だということにもなってまいります。だから、先般も特別会計の私は余剰資金の活用を求めたわけでありますが、総理はその時点では何もお答えにならなかったんですが、先週の六日、突然十兆円を財政融資特会から出すと、こういう報道が出てまいりました。 今ごろになって自民党の中では、霞が関に埋蔵金があるとかないとかという話が降ってわいておりますけれども、実は私自身、これ二〇〇三年の三月以来五十回余にわたって決算委員会で質疑をやってまいりましたが、そのほとんどでこの特別会計を取り上げて、主に今の財政融資資金特別会計と外国為替特別会計などの莫大な余剰資金の活用というものを提案をしてまいりました。 一昨年、つまり二〇〇五年度で二十兆円の活用が具体化されたわけですから、これは歓迎をいたしますが、この二〇〇六年度決算でいえば、この二つの会計だけで約四十一兆円がある、余剰金があるわけですね。そこから十兆円の拠出ということですから、そのねらいは一致をするわけでありまして、私は歓迎したいと思うんです。しかし、使い道がいかぬ、使い道が。 問題、国債の整理、つまり銀行への支払の前倒しが不要だと私は言いませんが、しかし今大半の国民は九年連続で所得がマイナス、増える負担、上がる物価、厳しい年末を迎えようとしているこういう時期に、むしろこの暮らしの改善、消費の拡大にこれを回して、それを通して税収増を図っていくということこそが乗数効果は多いんじゃないでしょうか。だから、せめて半分の五兆円ぐらいは国民生活の改善に還元したらどうかと、このように提言したいと思うんですが、総理のお考えをお伺いします。総理にお聞きしたい。総理にお聞きしたい。
○委員長(小川敏夫君) どちらですか。
○又市征治君 総理にお聞きします。
○委員長(小川敏夫君) 総理、よろしいですか。福田内閣総理大臣。
○内閣総理大臣(福田康夫君) 先月、確かに参議院の本会議で御質問ございました。特別会計の剰余金等の活用についてという御指摘でございましたけれども、私から申し上げましたのは、そのとき、毎年度の予算編成において最大限財政健全化に活用するため、剰余金等を厳格に精査してまいりたいと、そういう答弁をいたしました。
○又市征治君 それで十兆円。
○内閣総理大臣(福田康夫君) ええ。それで、正にそういう考え方に基づいて財政投融資資金の特別会計の準備金の活用について検討しておったわけでございまして、その結果でございます。 また、やっぱり今のような先進国の中で最悪の財政赤字を持っておるという、その国がこの負担を将来に残していいのかどうかということは常々考えているところですよ。ですから、この余剰資金についてはその補てんに使おう、少しでも将来に対する負担を軽減したいと、そういう思いで行ったわけでございます。
○又市征治君 答弁が全然反対の方向なので、それは私は歓迎すると言った。問題は、それを本当に国民の暮らしに回して、そこから税収が上がるような努力をするべきじゃないかと、こう申し上げているわけで、半分ぐらいはと、こう申し上げた。 もう一つ、この絡みで提案をいたしますよ。 今、先ほどからも出ていますが、庶民を石油の値上がりが直撃している。灯油は、先週の経済産業省の調査でいうと、十八リットル缶が千七百三十五円、昨年同期よりも三百二十四円、二三%値上がりしている、こういう報告ですね。だから、特に高齢者や低所得世帯では本当に深刻だと。二日に一回のふろをもう一週間に一回にしようかなどという、そういう悲鳴が上がっている、そういう声も伝わってまいります。また、レギュラーガソリンの昨年同期との価格差は、一リットル当たり正味では十九・七円、一五%アップしている、こういうことでもあります。ですから、運輸業界はもとよりですが、やはり田舎ほど車社会になっているわけで、そういう地域でこのガソリンの高騰による悲鳴が上がっていると、こういう状況でもあります。 多分、先ほども総理お答えになりましたが、経済界の方ではかなりこの値上がりというのは、投機的な要素は一過性のものじゃないのかという見方が強いようですけれども、そこは見解が違うとしても、例えばこのときに、どう生活を支えていくのかということが政治に今求められているというときに、例えばですよ、例えば来年一月から石油を昨年の十二月の価格で販売するように業界に求めて、そして今年十二月との価格差というものをこの特別会計の余剰資金で当分の間補てんするということは検討できないか。先ほども言われた十兆円の中の本当数%で済む話だろうと思うんですよ。 あるいは、電源開発及び石油特別会計でも余剰資金は四千五百億円あると前回申し上げました。こういう格好でやるならば、何か石油券を配るなんということよりもよっぽどましじゃないか。この年末に向かって、いや、福田サンタさん、えらい温かいプレゼントくれたというくらいの措置を是非とられたらどうかと。早急に御検討いただけますか。
○内閣総理大臣(福田康夫君) 原油価格の高騰対策については、寒冷地における国民生活へ十分目を配りながら、今後、的確な対応を図ってまいりたいと考えております。 だから、余剰資金があったらそれを回せといった話は、これは一過性の消費で、それだけで終わってしまう可能性あるわけですね。そういう経験かつてしたじゃないですか、今から十年はたってないけど、八年か九年ぐらい前に。景気対策ということでもって方々から要求があって公共事業を増やした、しかし、それはその後の景気の浮揚とかそういうものにつながらなかった、そういう経験もあるんですよ。 やっぱり一過性に終わってしまう消費的なものに大事な剰余金を回すというのは、これは避けるべきではないかということが我々の考え方です。
○又市征治君 あったかい福田サンタさんになるのか、ああ、冷たいなということになるのか、そこは是非、もうそんな時間がないわけでしょうから、是非とも率直にやっていただきたい、しっかり検討いただきたいと。そのことだけ今日は、一つの私の提案ですから、いろんなやり方があると思いますよ。 次に、高村大臣にお伺いをしてまいります。 今年の四月に私、当時の麻生外務大臣に、アメリカ大使館の地代が何と九年間も滞納されているということについてただしました。びっくりしました、私自身も。 これが先ほど妥結されて発表されたそうですけれども、大臣から、これ簡潔に説明をいただけますか。
○国務大臣(高村正彦君) このたび合意が成立いたしまして、滞納部分についての支払が完了をいたしました。 内容を述べますと、平成十年から十九年までは年額七百万円……
○又市征治君 少な過ぎるね。
○国務大臣(高村正彦君) 七千万円支払ったということです。それから、平成二十年から二十四年までは年額一千万円、平成二十五年から平成三十九年までは年額千五百万円とすることで合意をいたしました。 決して少な過ぎないと思います。
○又市征治君 私が少な過ぎると申し上げたのは、イギリス大使館と比べると低過ぎるじゃないかということを申し上げているつもりで申し上げているんです。 日本が払っています二千百億円規模の米軍への思いやり予算からすりゃもう五けたも小さいのに、アメリカが強気なのか、政府が弱腰なのか、これじゃ国民の皆さんが聞いたら日米同盟といってもとてもじゃ対等だとは思わない、そういうことだと思うんで、まだ、ただ、高村大臣になってそこは頑張っていただいた点だけは私は評価をしたい。今まで十年間もほうっておられたというのは、これは何のこっちゃということですよ。 次に、もう一つ高村さんにお伺いしますが、日米平和・文化交流協会についてであります。 ここへ外務省の一〇〇%外郭団体である独立行政法人国際交流基金から、例えば二〇〇三年度から二〇〇七年度までの五年間で一千八百万円が助成をされましたね。毎年この金を使って議員御一行が、今年の大型連休のときには額賀さん団長でアメリカにツアーが行われているわけですけれども、この団体に外務省は二〇〇五年四月に立入検査を行って八項目の厳しい、およそ社団法人とは認められないという改善命令を出されたわけですね。なのに、翌年以降現在まで助成をずっと続けられている。この基金の原資はもとより一〇〇%国費です。 当決算委員会や会計検査院報告でも、国が公益法人に造成させている資金、基金を厳しくチェックをしてきたわけですけれども、外務省としてもまた基金においても当然もっと早く打ち切るべきだったんではないかと思うんですが、打ち切られなかったのは何か政治的な圧力でもあったんですか。この辺のところを御説明ください。
○国務大臣(高村正彦君) 政治的圧力があったとは聞いておりません。 このセンターは、日米安全保障戦略会議が日米両国の人物交流を通じた更なる日米間の信頼構築に資する公益性の高い活動であると判断して、国際交流基金の日米センターですね、判断して、その参加者の渡航費、通訳費、宿泊費、会議・会合設営費の一部を助成してきたと承知をしております。確かに立入検査して改善命令出しましたが、改善命令出したことについてはおおむね改善されていると、こう思っております。
○又市征治君 にもかかわらず、先般ここへ捜索が入ったわけですね。そういう意味で、本当に適正なのかどうか、もう一遍改めて問われることになると思いますが、今日はこれ以上深追いはいたしません。しかし、適正ではないということが疑いがあるから捜索が入ったと、こう思います。 そこで、最後に額賀大臣にお伺いをいたします。前回の決算委員会でも積み残しがちょっとございましてね、したがってお聞きをいたします。 前回、十一月十九日のこの決算委員会で、あなたの福志政経懇話会に山田洋行から六年間で、あなたの御説明によると六年間で二十万円を十一回もらったと、こういうふうにおっしゃった。 しかし、私が同社の関係者からの入手した資料では、差し上げてあると思うんですがそちらに、それよりも若干短い期間、つまり二〇〇二年の十月から二〇〇六年の六月までの四年二か月間、かなり短いんですが、この間で十三回、二百六十万円というふうに、こういう数値になって出てきているんですが、ここのところはどのように御確認されたか。訂正なさるなら訂正なさるということを、国会の場でおっしゃったことですから、是非国会の場で明確にしていただければと思います。
○国務大臣(額賀福志郎君) まず、先ほどの日米平和交流協会のことについてでございますけれども、私どもは、先ほど外務大臣がおっしゃいましたように、日米の戦略会議というのを向こうのヘリテージ財団等と共催をして、日米同盟関係あるいはまたアジアのことを、あるいは世界のことについての安全保障について、学識経験者とか政治家とか多くの方々と討論をしたりあるいは意見交換をしている、その趣旨に賛同して参加費を払って出席をしていることでございまして、何ら問題がございません。 それで、今の又市委員がおっしゃいましたことは、前お答えいたしましたのは、十一回ということは私言っておりません。総額で二百二十万円とお答えをしております。 それはどういうことかと申しますと、平成十六年から十九年までの資料はきちっと持っておりまして、その間に政治資金パーティー代金として、朝食勉強会、十回を開いております。そして、山田洋行の問題がこれだけ社会問題化したものですから、これは誤解を与えないために返済をしたいということで、私の弁護士を通じて山田洋行に行かせました。そして、私どもの記録では十六年から十九年まで、ここまでありますけれども、それ以前に山田洋行から政治資金パーティーで御協力をいただいた点がありましたらお示しをしてくださいというふうに問い掛けましたところ、平成十四年から十九年までで二百二十万円でありますと。その上で、我々は二百二十万円をお返しをいたしまして、政治資金パーティー代購入代金として返済を受けましたということになっております。 又市委員の提供されましたこの資料は寄附金となっておりますけれども、我々は寄附金行為を受けたことはありません。寄附金行為というのは、一方的に無償で資金の支援を受けるものですから、政治資金規正法上五万円を超えるものは全部報告をすることになっているわけであります。これは、個人であれ、企業であれ、労働組合であれ、みんなそうなっておりますけれども、政治資金パーティーというのは政治資金規正法八条に基づきまして、これは言ってみれば政治団体等の主催者が催物を行って、あるいは講演会を行って対価を得るものでありまして、これは禁止されておりません。堂々とした政治活動の一環でございますので、きっちりとこれは私は報告させてもらっておりますので、問題があるとは思っておりません。
○又市征治君 私が聞いているのは、問題あるとかないとかでなくて、回数は、私が資料を上げたのは山田洋行の資料なんです。私が寄附金と書いたんじゃないんです。そういう意味では、山田洋行の帳簿上、福志政経懇話会への寄附金、寄附と書いてあるんですね、これ。見られたとおり、寄附金と書いてあるじゃないですか。そんなことを言っても、私に言われたって困るんです。山田洋行に言ってもらわにゃいかぬ。ちょっと待ってください。山田洋行としては寄附金として扱っておるということを、ここにたまたま出ているわけです。 それから、問題は、私は問題があるとすれば、額賀さんが、これはよく分からぬから山田洋行に聞きましたというのはおかしい話ですよ。自分がお金もらったんだから、全部それはしっかりとチェックされておらにゃいかぬ、自分のところで。これだけの、あなたの金銭感覚でいったら二十万というのは大したことないのかもしらぬけれども、それはやっぱりそこのところが問題として問われているんだろうと思う。 そこで、最後にもう一つ、今もおっしゃったが、朝飯勉強会と言われるけれども、この間答弁なさったのは、百人前後の集まりで、一回当たり一千八百万円とか一千四百万円もお集めになっているわけですね。
○委員長(小川敏夫君) 又市君、時間を過ぎておりますので質疑をおまとめください。
○又市征治君 最多の年では、年に四回もやられていると。そうすると、パーティーが事実上の寄附であって規正法の抜け穴だと、こう批判されている中で、少なくとも三回は防衛庁長官在任中であって、相手の山田洋行はその受注企業だったわけです。
○委員長(小川敏夫君) 又市君、時間を過ぎておりますので質疑をおまとめください。
○又市征治君 はい。 パーティー自粛という大臣規範などに照らしてどう思っておいでになるのか、この点だけをお聞きして、終わりたいと思います。
○国務大臣(額賀福志郎君) それから、先ほどのパーティー券についてでございますけれども、山田洋行側には、それ以前にも山田洋行側でそういうことがあったとすれば御報告をいただきたいというふうに言ってあります。
○委員長(小川敏夫君) 時間が来ておりますので、答弁簡略にお願いします。
○国務大臣(額賀福志郎君) これは、弁護士同士できちっとそういう話合いができているということをお知らせを申し上げます。 それから、私は朝食勉強会で百人から百二十人前後で年四回やらせていただいておりますけれども、一般的な政治資金パーティーのようにアルコールを振る舞って食事を出してというような社交的なパーティーを開いているわけではありません。その意味で、自粛された中で、許された範囲でこのパーティー資金を開かせていただいているものと思っております。
○又市征治君 申し上げたいことは多々ありましたが、終わります、時間が参りましたので。 ありがとうございました。
○委員長(小川敏夫君) 他に御発言もないようですから、本日の審査はこの程度といたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十九分散会