農林水産委員会 第5号
- 発言数
- 83 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2007/12/12
会議録
○宮腰委員長 これより会議を開きます。 参議院提出、農業者戸別所得補償法案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として農林水産省大臣官房総括審議官佐藤正典君、大臣官房統計部長長清君、総合食料局長岡島正明君、生産局長内藤邦男君、経営局長高橋博君、農村振興局長中條康朗君及び水産庁長官山田修路君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○宮腰委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○宮腰委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。近藤基彦君。
○近藤(基)委員 おはようございます。自由民主党の近藤基彦でございます。 私は、自民党農政の政策責任者の一人として、本院における民主党提案の農業者戸別所得補償法案の質疑に当たり、農業をめぐるさまざまな政策課題に対応するため政府・与党が進めている総合的な農政について確認した上で、同僚議員とともに、この法案が抱える問題点を明らかにしていきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。 まず最初に、食料自給率についてであります。 我が国のカロリーベースの自給率は低下傾向が続き、平成十八年度には四〇%を割り込み、三九%まで低下したところであります。食料自給率の大きな低下の主な原因は、国内で自給可能な米の消費が大幅に減少する一方、コスト面での制約等から国内で生産が困難な飼料穀物や油糧原料を使用する畜産物や油脂類の消費が大幅に増加しているということであると思います。 こうした状況を踏まえ、生産面では、食の外部化に伴う外食や中食など加工業務用の需要の高まり等に的確に対応していくとともに、消費面では、食事バランスガイドの普及、活用など、わかりやすく実践的な食育の推進等、生産、消費両面からの取り組みを進めているところであります。 しかしながら、現状の取り組みでは、食料・農業・農村基本計画に定める、平成二十七年度に四五%という目標の達成が危ぶまれる状況になっていくのではないかと危惧しているところであります。このため、あらゆる関係者が目標達成に危機感を持って、これまでの取り組みを振り返りながら、集中的、重点的な取り組みを進めるべきと考えておりますが、この点について、政府の御決意を伺いたいと思います。
○今村副大臣 お答えいたします。 ただいま近藤委員の方から御指摘がありましたとおり、食料自給率をどのように確保し、そしてまた向上させていくかということは、我が国農政の大変大きな課題でございます。特に昨今、いろいろな気候変動による不作、あるいはバイオマスエネルギーへの穀物の利用等々、食料の危機というものが言われている中で、大変重要な問題であるというふうに認識しております。 そういう中で、我が国としても、自給率向上のためには全力を尽くす覚悟でございますが、特にこの自給率の問題を分析してまいりますと、やはり一つには、海外に頼っているもの、大きなウエートを占める飼料作物でありますとかあるいは油脂、こういったものをどういうふうに減らしていく、あるいは国内の生産に切りかえていくかということが一つ。そしてまた、国内でしっかり生産できる米でありますとかあるいは野菜でありますとか、そういったものの消費を拡大していく、そういう両面で取り組んでいくことが必要であるというふうに思っているところでございます。 そういう意味で、具体的には、自給率に関する国民の皆様方の認識を再度深めるために、ぜひ国産で、国内でとれるものをできるだけ食べてくださいという戦略的な広報活動、そういったものをしっかりやっていくということでございまして、例えば朝ごはんビジネスということでやっておりますが、そういったものによる米の消費拡大でありますとか、あるいは飼料で申しますと、できるだけ国内で生産できる緑肥作物を普及する、あるいは耕作放棄地における飼料作物作付の普及、促進等々、こういったものをやって飼料自給率を向上することでありますとか、それから、先ほど言いました、生産者とそしてまた消費者、流通にかかわる三者の連携によって、できるだけこういった野菜等々の消費拡大を図っていくということであるかと思います。 そして、直接は関係ないかもしれませんが、よく医食同源と言われます。やはり、私たちの健康というものは食べ物からくるということもあるわけでございまして、そして加えて、私たち日本人のDNAの中には、昔から育った日本ならではの食べ物というものが一番ふさわしいんじゃないか、そういったことも考えられるわけでありまして、こういったところをきちっとまた精査をしながらしっかりとアピールをして、自給率拡大に向けて頑張ってまいりたいというふうに思っている次第でございます。 以上です。
○近藤(基)委員 食料自給率向上のためには、それぞれの関係者が地道に、継続的に取り組んでいくことが重要だと考えておりますので、そうした機運を盛り上げながら、ぜひ取り組みを強化していただきたいと思います。 引き続きまして、小規模農家等に対する支援についてであります。 今国会の福田総理の所信表明演説、あるいは若林農林水産大臣の所信の発言において、小規模農家等が安心して農業に取り組むことができるようにしていく旨が表明されております。これは、さきの参議院選挙において、政府・与党の農政が小農切り捨てであると批判されたことを受けたものと思っております。 政府・与党の進める農政は、農業、農村全体を対象とする総合的なものであり、さまざまな政策課題に対応しているところであります。この点について、民主党からは、本年四月から導入した品目横断的経営安定対策をもって、我々の進める農政が小農切り捨てであるかのような批判を受けているのは、大変遺憾なことだと思っております。 そこで、政府・与党の進める農政が小規模農家等に対してどのような施策を用意しているのか、確認の意味も含めてお答えをいただきたいと思います。
○今村副大臣 お答えいたします。 ただいま近藤委員から御指摘がございましたが、政府としても、小規模農家に対して、とにかくしっかりと頑張っていただきたいという気持ちは全く一緒でございます。 特に我が国は、御案内のように地形が大変急峻、そして、米国等のようなああいう広大な農地というものは少ないわけでありまして、そういったところで本当に国民の食を守り頑張っておられる小規模農家をどのように守っていくかということ、これは国土保全ということからも大変大切なことであるというふうに思っているところでございます。 そういうことで、大きく分けて、しっかりとそういった方が頑張っていける産業政策、そしてまた、農村全体としてもそれを支えていく、いわゆる地域振興政策、この二つが考えられるというふうに思うわけでございます。 この産業政策につきましては、小規模農家であってもきちんとやっていける、特に今回、品目横断の中で集落営農ということを打ち出したわけでございますが、これはむしろ、小さな農家であっても、やる気さえあればしっかりとその集落の中心になって、リーダーになってやっていける、そういったことも目指しているわけでありまして、こういったことについては小農切り捨てという批判は決して当たっていないというふうに私は思っているわけでございます。ぜひ、やる気を持って、リーダーになって取り組んでいただきたいというふうに思っております。そしてまた、いろいろな品目に対して、産地づくり交付金等々の展開によるバラエティーに富んだいろいろな農業、農産物の生産等に頑張っていただきたいというふうに思っております。 それから、地域振興政策といったことにつきましても、これも、例えば農地、水、環境対策、あるいは都市と農村の交流、そしてまた中山間地への直接支払いのさらなる充実、そういったことを含めて、地域が一体となって、皆さんが協力し合って地域を守り、そしてまた小規模農家もしっかりこれで守っていけるような、そういったことに取り組んでいるところでございます。 それからもう一つ、これは小さな農家でも、例えば、私も今回あちらこちら、いろいろな農山漁村の実態をということで視察に参りましたが、小さな集落でも、本当においしい野菜をつくって、そしてそれを道の駅に持っていって大変好評を得ておられる、そういうところもあるわけでございまして、そういう意味では、ぜひ、そういった皆さんが一生懸命つくっておられる農産物をいかに消費者の手に届けるか、そういった仕組みの充実もさらに考えていきながら、こういった小規模農家対策も展開をしていきたいというふうに思っているところでございます。
○近藤(基)委員 現段階でも、小規模農家であれ大規模農家であれ、生産調整をきちんとお守りいただいている方々には、産地づくり交付金もあるいは価格下落緩和対策もきちんとやっている制度になっているわけでありますので、決して小規模切り捨てではないと私は思っております。 それぞれの地域で多様な農業が展開されることによって農業、農村の持つ潜在力が引き出されるよう、今副大臣の御答弁にありましたように、引き続ききめ細やかな農政に努めていただきたいと思っております。 次に、品目横断的経営安定対策についてであります。 品目横断的経営安定対策については、農業従事者の減少、あるいは高齢化、耕作放棄地の増加など、我が国農政の抱える最大の課題に対応して、集落営農組織や認定農業者などの担い手を育成することにより力強い農業構造を確立するために、政府・与党が一体となって幅広い角度から十分な議論を重ねて、本年四月から導入したところでありますが、我々としても、導入に際し、農村現場で十分な説明を行ってきたつもりでありますけれども、この対策を実施に移してみると、これまでにない新しい施策ということもあり、さまざまな御意見や不満の声が出ていることは確かであります。 具体的には、制度の基本は間違っていないので施策の方向性は維持すべきという意見がある一方で、加入要件や申請手続等に関する不満や御意見が出ているほか、先進的な小麦産地等での手取りの問題等が発生していると承知をしております。 こうした点については、我が党としても、現場の声をきちんと受けとめて、必要な改善策の検討を現在鋭意進めているところでありますが、政府として、こうした生産現場からの意見を踏まえて、どのように対応していくのか、そのお考えをお聞かせ願います。
○高橋政府参考人 品目横断的経営安定対策につきましてでございますけれども、御指摘のような生産現場の意見等につきまして、若林大臣の御指示によりまして、生の声の把握、いわゆる御用聞き農政を私どもとしても実施してまいりました。 この中におきまして、今御指摘のような、対策の仕組みでございますとか、加入要件あるいは事務手続、さらには集落営農の組織化と運営、そして一部の小麦産地における問題等々、実態に即しました率直な意見が多数出されたところでございます。 この中で、加入要件でございますけれども、御指摘のような制度の原則、基本は維持しながらも、やはり、地域におきまして、地域農業の担い手として周囲からも認められている、さらに熱意を持って営農に取り組んでおられる方が今回の原則あるいは特例措置等の適用対象にならないというような場合もございます。このような場合におきまして、特認制度のあり方も含めまして、このような方々の対象への加入について現在鋭意検討を進めているところでございます。 また、これは非常に御批判の多かった事務手続の問題でございますけれども、交付金の支払い時期がばらばらであるというようなこと、あるいは支払い時期が遅いというような意見、さらに、なるべくまとまって農家に早期に支払うことができるようにしていただきたいということについては、これは私どもとしてもきちんと対応すると同時に、そもそも、提出書類等々、大幅な削減、簡素化、これが非常に批判が多かったところでございますので、これはきちんと行ってまいりたいというふうに考えております。 また、御指摘のございました小麦の問題等でございますけれども、急速に単収が向上しております地域におきましては、近年の生産性向上努力が過去の生産実績に基づく支払いに的確に反映をされていないという状況がございます。現在、小麦の国際相場が急騰する中で、我が国のこのような先進地におけます小麦産地の振興ということに対する対応策、これは現在早急に検討を進めているところでございますので、早く結論を出したいというふうに思っているところでございます。
○近藤(基)委員 農村現場の声をしっかりと受けとめて、小規模農家あるいは高齢農業者も意欲を持って農業が続けていけるような対策となるよう、我が党も政府と一体となって取り組んでいく覚悟でございますので、ぜひ推し進めていっていただきたいと思います。 引き続きまして、米の生産調整についてお聞きをいたします。 平成十九年産米については、年々消費が減少する中で、生産調整の実効性が確保されていない状況にあり、大幅に価格が下落する事態となりました。米価下落は、規模の大きい農業者の経営を直撃するだけでなく、稲作に取り組む多数の農業者の経営を不安定なものとし、地域の農業や経済全体に多大な影響を及ぼすものであります。 そういった観点から、政府・自民党は、こうした状況を是正するため、米の緊急対策を決定いたしました。既に政府米の買い入れなど具体的な取り組みが進められており、最近では前年産の価格水準まで回復しているとの話もあるようでございます。しかしながら、これらの取り組みだけで来年以降の米価の安定を図ることは困難であり、引き続き需要に見合った米生産を進めることが必要だと考えております。 平成二十年産米の生産調整について、その実効性を確保するため政府としてどのように対応していくお考えなのか、お伺いしたいと思います。
○岡島政府参考人 委員御指摘のとおり、平成十九年産の米価につきましては、作況九九でありながら、前年産を大幅に下回る異常事態となったわけでございますけれども、その背景としては、御指摘のとおり、一つは生産調整の実効性が十分確保できなかったこと、あるいは主たる売り手である全農が概算金の取り扱いを見直したこと、こういったこと、さまざまな要因があったかと思います。 そうした中で、私どもとしても十月二十九日に米緊急対策を決定し、最近の米の価格は下げどまったところでありますけれども、やはり重要なのは、二十年産の生産調整、いかにして実効性を確保していくかということでございます。 このためには、やはり、全都道府県、全地域で生産調整目標を達成できるよう全力を挙げていく、こういうことが必要であり、そのためには、生産調整に関する行政の関与のあり方をどうしていくか、あるいは生産調整実施者のメリット措置、一方で、生産調整に参加していただけない非実施者の方々に対するペナルティー措置、そういったことのあり方につきまして現在検討を急いでいるところでございます。
○近藤(基)委員 来年の生産調整の実効性を確保するというのは、大変難しい課題ではありますが、必ずやり遂げなければいけない課題だと思っておりますので、私どもも引き続き、政府・自民党あるいは生産者の皆様方あるいはJAなどの関係者が一体となって、生産調整の目標達成に全力を挙げるよう頑張っていきたいと思っております。 引き続きまして、農山漁村の活性化についてでありますけれども、福田総理は、本年十月一日の所信表明演説において、自立と共生を基本に、希望と安心の国づくりに取り組むことを表明しました。そして、構造改革を進める中で生じた地域間の格差の問題については、その実態から目をそらすことなく、さまざまな声に耳を傾け、地方活性化を進めていくという考え方を明らかにしております。 現在、過疎化、高齢化の進行により農山漁村の活力が低下していることは事実であります。このことは、食料の安定供給の確保、あるいは国土や自然環境の保全、伝統文化の継承といった国民全体にかかわる重要な諸機能を農山漁村が失うことにつながりかねません。 このような状況のもと、農山漁村を活性化することが喫緊の課題となっておりますが、活性化の推進に当たっては、農林水産省が積極的に対策を講ずるだけでなく、各省連携し、知恵を持ち寄り取り組むことが重要であると考えております。 農林水産省として農山漁村の活性化をどのように推進していくのか、その見解をお伺いしたいと思います。
○中條政府参考人 農山漁村の活性化をどのように推進していくかという御質問でございます。 委員御指摘のとおり、農山漁村は農林漁業の持続的な発展の基盤でありまして、食料の安定供給、それから国土の保全など多面的な機能の発揮という面からも、農山漁村の活力が維持されることが重要であると考えております。 このため、農林水産省では、農山漁村活性化法に基づきまして、地域の創意工夫を生かした取り組みの支援によりまして農山漁村の活性化を図ってきたところでございますけれども、さらなる活性化のために、全国の農山漁村の現場におきまして農林漁業者を初めとする関係者との意見交換などを行い、これによりまして得ました農山漁村活性化のための御意見をもとに、先般、農山漁村活性化のための戦略を取りまとめまして、十一月末に決定されました地方再生戦略に反映したところでございます。 具体的には、地域の活性化の推進役となります人材への直接支援を行うこと、祭りや伝統文化の保全、復活など農山漁村集落の再生を支援すること、子ども農山漁村交流プロジェクトなど都市と農山漁村の共生、対流により地域経済の活性化を図ること、さらには、農業、商工業の連携など各省連携によります政策手法を工夫すること、これらを推進しているところでございます。 なお、委員御指摘のとおり、これまでもこれらの施策につきましては関係各省としっかり連携して実施したところでございますけれども、今後とも、この連携を保ちながら、これらの施策に着実に取り組んでまいりたい、このように考えております。
○近藤(基)委員 地方の振興、活性化は、農林水産省が主体となって政府を引っ張っていくという気概を持って全力で取り組んでいただきたいと思っております。 引き続きまして、WTO、EPA交渉についてお伺いをいたします。 WTO農業交渉につきましては、ファルコナー農業交渉議長が一月末に議長テキストの改訂版を提示する意向であると聞いております。さらに、二月末以降にもモダリティーが合意されるとの見通しもあると承知をしておりますが、このように、交渉は年明けから一層重要な局面を迎え、議長テキスト改訂版の提示後には山場を迎えることになると思われます。 WTO農業交渉は今後の我が国の農業の行方を左右する重要な課題であります。若林大臣はこれまでも精力的に取り組んでこられましたけれども、食料輸入国としての我が国の主張が交渉結果にできる限り反映され、今回のラウンドが成功裏に終結するよう、引き続きしっかりと交渉に臨んでいただきたいと思っております。 また、我が国は、WTOを補完するものとしてEPAを推進しています。特に、豪州、オーストラリアは我が国が交渉相手として取り組んでいる初めての農業大国であり、当委員会でも、昨年末の豪州との交渉入りに際して、全会一致で決議を行い、我が国農業の将来を危うくするようなことがないよう万全の交渉を求めたところであります。地方の現場では依然としてオーストラリアを初めとする農業大国とのEPA交渉に大変強い危機感を感じておりますけれども、これらの国際交渉に当たっては、我々としても全力で大臣を支援していきたいと考えております。 その上でも、年明けから一層重要な局面を迎えるWTO農業交渉やEPA交渉に臨む政府の御決意をお伺いしたいと思います。
○佐藤政府参考人 WTO農業交渉につきましては、ファルコナー議長の七月のモダリティー案につきまして議論を行ってきているところでございます。来年一月末には議長テキストの改訂版が提示される予定であるなど、引き続き重要な局面にあると考えているところでございます。交渉に当たっては、食料輸入国としての立場から、バランスのとれた交渉結果を得られるよう全力を挙げてまいりたいと考えております。 また、EPA交渉につきましては、二国間の経済連携や友好関係を深化させるために取り組んでおりますが、特に日豪EPAにつきましては、日豪両国の包括的な戦略的関係の強化を念頭に置いて交渉を開始したものであり、現在、我が国農業の重要性につきまして説明を行い、豪州側の理解を求めているところでございます。 今後とも、本委員会における決議の趣旨に即し、国内農林水産業や地域経済に十分配慮しつつ、我が国として最大限の利益を得られるよう政府一体となって取り組んでまいりたいと考えております。
○近藤(基)委員 我が国の農業の健全な発展を図りつつ、我が国の国益を実現できるよう全力で取り組んでいっていただきたいと思いますし、また、私どもも全力でバックアップをしていきたいと思っております。 以上のように、政府は今、農政あるいは農業というものを総合、トータル的にとらえて農業の構造の強化を図っているところであります。 最後の質問になりますが、これは民主党の発議者の方に御質問をさせていただきたいと思っております。 今、WTOのことに関して佐藤総括審議官より御答弁をいただいたところでありますが、農産物貿易をめぐる小沢党首の御発言と農業者戸別所得補償法案との関係であります。 小沢党首は、従来より、農産物貿易の自由化に大変積極的な発言を繰り返しているわけであります。先ほど述べたとおり、昨年末の日豪EPA交渉入りに際して、衆参の農水委員会においても、全会一致で我が国農業の将来を危うくすることがないよう万全の交渉を求める決議を行ったところでありますけれども、にもかかわらず、さきの参議院選挙を控えた去る七月一日、これは二十一世紀臨調が主催をして、あるホテルで開催された、NHKによりテレビ放映もされておりますけれども、第三回政権公約検証大会、こう銘打って、第二部で党首討論をテレビ中継されております。 当時は我が党の総裁は安倍総裁でありましたけれども、安倍総裁と小沢党首との党首討論において、小沢党首は、自由トレード、自由貿易協定を私はどこでもやれという主張であります、それによって市場価格が国内生産費よりも下がった場合に不足分を払うというのが我々の考えです、また、私は、自由な市場で、市場価格が生産費が、この辺は正確に読んでおりますのでちょっと言葉が合わないかもしれませんけれども、市場価格が生産費が下回った場合、何らかの理由で、その安全弁として、実質不足払い、所得補償方式という仕組みをつくっておくべきであると主張しておりますと述べられております。 小沢党首は、農産物貿易の自由化を前提として、これにより国産農産物の市場価格が生産費を下回った場合に不足払いを行う仕組みを導入すべきと主張しておられますけれども、選挙を前にした党首討論における小沢党首の御発言、しかも、政権公約検証大会と銘打ってあるわけでありますから、当然、参議院選挙を終えた今も党としてこの主張は変わることのないものであると思っておりますが、この点について、本法案の発議者からの御見解をお伺いしたいと思います。
○平野参議院議員 まずもって、宮腰委員長を初め委員の皆様方には、戸別所得補償法案の審議、きょうから入っていただきましたことに感謝を申し上げたいと思います。 ただいまの御質問でございますけれども、まず、この法案自体は、WTOに関するさまざまな農業協定、あるいはガット・ウルグアイ・ラウンド交渉で定まった今の枠組みを前提にしてつくられた法案であるということでございます。 その上で、しからば、今の御質問の中では、民主党として農産物の貿易に関してはどういう見解を持っているんだという御質問であったと思いますので、それに対してのお答えをさせていただきます。 基本的に、民主党とすれば、あるいは小沢代表もそうなんですけれども、ここまで自給率が下がっている、そして農山村も疲弊している、こういう状況をこれ以上悪くさせることは絶対あってはならない、むしろ、自給率を上げて、一生懸命農業に取り組んでいる方々に支援をして、農業の振興、農山村の活性を図るべきだというスタンスに立って、今回の法案も仕組んでいるということでございます。 そして、農産物を、しからばどうやって海外との競争の中で守っていくか。これは関税という方法と直接支払いという方法があります。 例えば、米につきましては、御承知のように、今高い関税で、ミニマムアクセスを除いて外国からの米が入ってくることを防いでいるわけでありますが、その結果として、米価は国内価格で形成される。そして、国内価格というのは、はっきり申し上げまして、国際価格と比べれば高い価格で形成されますが、その部分を、消費者が米を買うときに高い価格を払うということで、それで農業者の生産が確保されているということであります。 そこで、もう一つの考え方として、仮に関税がなかった場合にどうなるかといいますと、国内の価格が下がります。下がりますと、農家がやれませんから、その差額の部分を直接支払いでやることによって農家の所得を確保する。その考え方は、実は、アメリカ、ヨーロッパの中では、こういう形で定着しているということであります。 しかし、注意して申し上げなければならないことは、だからといって民主党が関税を引き下げていいと言っているわけではないんです。 申し上げますけれども、過去の問題の中では、経過を見ますと、例えば、米は一粒たりとも入れないといいながら、結局今はミニマムアクセスの拡充によって七十七万トン入ってきております。過去においては、オレンジの自由化、牛肉の自由化、そういったこともありました。そういう中で、交渉事の中で、結果として農産物の自由化というのは品目によっては進んできたという結果がございます。 先ほどの繰り返しになりますけれども、私どもは、これ以上の農業、農山村、そして自給率の低下はあってはならない。そのためにはしっかり対策をとるということでこの法案を仕組んでおりますし、繰り返しになりますけれども、自由化をするとは言っていないんです。(発言する者あり)言っておりません。それは一方的な決めつけでございまして、要するにだれも自由化をするということは言っていないということだけ繰り返し申し上げておきたいと思います。 以上でございます。
○近藤(基)委員 時間が来ていますので、これで私の質問は終わらせていただきますけれども、仮にとか、そういう問題ではないので、テレビで生中継をされて、小沢党首が、自由貿易を進める、そのために価格が下がったときの補てんをするとはっきりおっしゃっている。しかも、党首として、政権公約の舞台の中でそういうことをおっしゃっている。そういうことを否定なさってから、あるいはその公約を取り下げてから、そういうお話をしていただきたいと思います。 そういう意味では、大前提が、我々とすれば、貿易自由化を進める中での価格下落ととらえたいと思っておりますので、この点はまた、お時間をいただいて明らかにしていきたいと思っております。 これで終わります。お答えは結構でございます。
○宮腰委員長 次に、小里泰弘君。
○小里委員 おはようございます。自由民主党の小里泰弘でございます。 質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。 民主党の戸別所得補償制度の提示によりまして、改めて、日本の農業、農村の進むべき方向性を考える、そして議論をする、その機会をいただきましたことは、大変有意義であると思っております。 きょうは、参議院での審議を踏まえながら、まず一通りそれぞれの論点を整理して、今後のまた具体的議論に供してまいりたい、そんな考えのもとに質問を展開してまいりたいと思います。 言うまでもなく、農業、農村は、国民の皆様に安全、安心な食料を提供するというその本来の使命と同時に、豊かな自然を守る、国土を守る、日本古来のかけがえのない歴史、伝統、文化を守る、守ってきた、これが農業、農村であります。この大事な農業、農村をしっかりと未来へつないでいかなければなりません。そのためには、必要な国境措置により国内農業を守ると同時に、小規模農家も兼業農家も非農家も、地域総参加で地域活性化を図る、その中から農地と担い手を確保して農業経営の体質を強化していく、これが要諦であると私なりに認識をするところでございます。 そのような状況下、今もありましたように、現行の品目横断的経営安定対策や米政策について、小規模農家切り捨てであるとのいわれなき批判があり、あまつさえ、四町歩なければすべての政策の対象にならないかのごとき誤解が流布されているところでございます。 まず、個々には少ない面積であっても、集落営農に参加し、あるいは認定の農業者に作業委託や賃貸借により農地を集めることにより経営安定対策の対象となる、さまざまの特例による面積緩和措置があり、例えば、集落営農は、一応二十町歩となっていますけれども、緩和措置により、条件不利地では十町歩まで緩和される。さらに、生産調整を熱心にやれば、四町歩でも集落営農が可能なわけであります。認定農家の部分も、四町歩とはなっておっても二・六町歩まで緩和措置がある。私どもの鹿児島はほとんど二・六町歩であります。そこに、四反でも五反でも農地を集めて、賃貸借をして、作業委託をしていけば、みんなが参加していける、そういう仕組みになっているわけでございます。 さらに、今、お話にございましたように、制度の改善を目指しております。例えば、市町村が主体となって、経営規模に関係なくしっかり対象として認めていこう、そういった方向で議論も進んでいるわけでございまして、しっかり制度の改善を進めていかなければならない、そのように思っているところでございます。 また、品目横断的経営安定対策に参加しなくても、産地づくり交付金や米価下落対策等の従来の支援を受けられます。かつ、品目別安定対策において、畜産、酪農、野菜等、ほぼすべての品目にわたりまして、経営規模による差別なく経営安定のための支援が行われているところでございます。さらに、農地、水、環境保全向上対策、中山間地直払い制度、農業基盤整備事業あるいは農業災害補償制度もまた、経営規模の違いによる差は設けていないところでございます。 このように、小規模農家切り捨てとの批判は当たらないと私も考えるところでございますが、念のため、政府の御見解をもう一回お伺いしたいと思います。
○今村副大臣 ただいま小里委員が指摘されましたことについてでございますが、まさにそのとおりでございます。 先ほど近藤委員の問いに対してもお答えいたしましたが、やはり、我が国の地形等々の中で、大変狭い農地で頑張っておられる方がたくさんおられる、そしてまた、そういった方が日本の農業を支えておられるわけでございます。そういった方については、これからもいろいろな形で頑張ってもらわなきゃいけない。 特に、今御指摘がありました集落営農で、これが切り捨てじゃないか、小農切り捨てじゃないかというお話があるようでございますが、決してそんなことではございませんで、先ほどもお答えしましたとおり、むしろ小さな農家でも、こういったものに参加をしていただいて、そしてまた、地域のリーダーになってこれを引っ張っていかれるという道をちゃんと開いているわけでございます。そしてまた、仮にここに参加されない方であっても、いろいろな形での、産地づくり交付金等々、そういった支給の対象にももちろんしているわけでございまして、今後とも、いろいろな各方面にわたっての施策におきましてこういった農家をしっかり支えてまいるということでございます。 そういう点で、今小里委員のおっしゃったとおりでございます。 以上です。
○小里委員 ありがとうございました。 この後、政府に対する質問は用意しておりません。よろしかったら御退席いただいて結構です。 それでは、民主党に対してお願いしたいと思います。 民主党は、政策ビラ等におきまして、現行制度における農家への直接払い額が中山間地域直払い額の二百二十一億円しかないということで批判をしておられます。いかにも政府・自民党の施策が薄いかのような印象を与えているわけであります。 実際には、産地づくり交付金、品目横断的経営安定対策、野菜価格安定対策事業など、約五十品目にわたりまして、経営規模に関係なく、きめ細かく経営支援をしております。このような農家に直接支援する施策におきまして、年間約五千億円が投入をされているわけでございます。 また、関税、すなわち国境措置で農産物価格が支持される、このことによりまして、間接的に農家に対する支援となっております。この国境措置によりまして、OECDの試算によりますと、年間四兆七千億相当額が間接的に農家に行っている、そういう解釈ができるわけであります。 合算すると五兆二千億円となるわけでございますが、すなわち批判は当たらないと考えるわけでありますけれども、御見解をお伺いしたいと思います。
○平野参議院議員 まず、私どもの作成したビラについて、中山間地域等の直接支払い二百二十一億しかないんだということに対しての御批判でございますが、このもともとのリーフレットは、品目横断対策がまだ審議中のときにできていたリーフレットでありました。ところが、これは事実関係からいいますと、参議院の選挙中にこのまま配布されてしまったということで、まず一点目、直接支払い二百二十一億しかないというのは、事実としては違うということでございます。 そして、その上で申し上げなくてはならないのは、今回の審議の中では、このリーフレットの中では直接支払いの占める割合が、例えばアメリカが四六%、フランスが五二%、そういった数字になっておりますけれども、例えば〇・七%という、今二百二十一億しかないわけです。これに例えば、私は五千億という数字が本当に妥当かどうかよくわかりませんが、品目横断対策の一千七百億円というのを出したとしても、一・数%という非常に低い数字だということでございまして、いわゆる農業所得に占める直接支払いの割合は先進国の中においては格段に低いという事実は変わらないんだろうというふうに思っております。 そして、その上で、今リーフレットの話がございますけれども、一点だけ申し上げさせていただきますが、自民党さんも、民主党は農産物貿易自由化を前提としているということを盛んに吹聴しているようであります。先ほど来申し上げておりますように、私どもは自由化を前提にしているということは毛頭考えておりません。特にも、これからWTO農業交渉を今進めようとしているときに、与党と日本の野党の第一党が、農産物の自由化の問題をめぐって国論が二分されているというような印象を自民党が与えるということは、大変な重要な問題であると思っています。 この問題に関しては、繰り返しますけれども、ここまで自給率が下がっている、農山村が疲弊している、こういう中で、日本の農業、そして自給率の向上をしっかり果たしていかなくてはならないということに関して民主党がこういう法案を出しているということでございますし、先ほどの答弁に関して言いますれば、いわゆる交渉の結果として、自民党さんが、ファルコナー議長がどういう結論が出たとしても、今ここで皆さんが党の公約として、関税を一%も下げません、すべての農産物をガット・ウルグアイ・ラウンドの枠組みでやると言うなら別ですよ。結果として交渉事の中で下がることがあったとすれば、その実情に応じて直接支払いという支払いをすることによって農業あるいは日本の農産物は守れるということを党首は言っているんだということを繰り返しここで申し上げさせていただきたいと思います。 以上でございます。
○小里委員 きょうは、一通り、なるべく論点を整理したいと思っております。なるべく質問の趣旨に沿って、簡潔にお願いしたいと思います。 先ほどおっしゃいました五千億円、これはOECDの試算でございます。それと関税額、内外価格差ですね、これを合計した五兆二千億円、これを耕地面積一ヘクタール、一町歩当たりに直しますと、百四十三万円。ちなみに、米国は六・四万円、豪州は〇・四万円、そういう数字を御紹介しておきたいと思います。 農政におきましては、食料政策、地域政策、経営政策、その中での公共事業、農地制度、国境措置、さまざまの政策が組み合わさって展開をされているわけであります。その中の一部分のまたその一部だけを取り上げて農政全体を曲げてお伝えされるような、そういう手法はフェアではないということを指摘しておきたいと思います。 続きまして、食料自給率に入りたいと思います。 参議院での答弁では、数量目標を設定して、交付金を交付することで生産意欲を刺激して自給率の向上に向けていくと。また、毎年度毎年度農家とのやりとりをしながら目標に近づけていくんだという御答弁でありました。個々の品目の自給率目標は決めておられない。作目ごとにどの程度の生産量、生産面積、単収を目指すのかも見えてこないわけであります。何か行き当たりばったりの感がするわけであります。 そこで、発議者によると、とにかく、自給率を高めるには自給率の低い作物の生産振興だということでありますが、これを需要面からどんなふうに考えておられるか。 例えば国産小麦は、品質上、日本めん用など以外の需要は限られております。パンや中華めん、パスタには向かないとされているわけであります。需要や用途をよく考えてつくらないと、需要のない小麦があふれてしまう、在庫がふえる一方になってしまうということになるわけであります。 また、昨年の民主党法案提出に際しましては、自給率六〇%目標を達成する試算値として、過去最大単収と過去最大作付面積を目指すとされております。先日の参議院審議でもそのようなお話があったわけであります。これは、社会や食生活の変遷、農地の確保、品質、需要などの問題を無視した単純な発想と思わざるを得ないわけでありますが、その真意をお聞かせいただきたいと思います。
○平野参議院議員 まず、自給率を向上させるためにはどういう政策が必要か。 一つは、食生活の改善ということがあるということだと思います。例えば、今、米の消費が減っておりますけれども、一人当たり年に五キログラム、もうちょっと米を消費していただきますと、単純計算ですが、それだけでも自給率は二%ぽんと上がる。これは数字上の話でございます。 しかし、基本的には、麦、大豆あるいは菜種を初めとして、日本は圧倒的に外国の農産物に依存をしているということは御承知のとおりでございまして、こういった輸入に依存している作物をできるだけ国内で自給していくということがやはり基本ではないか。また、そうしなければ、政府の言っている、四〇%、今三九%ですけれども、自給率四五%の目標も達成できないし、ましてや私どもが言っている、四〇%から、五〇%を一応目標にしていますけれども、それが達成できないということだろうと思います。 しからば、つくったものが本当にはけるのかという問題がございまして、今、委員の質問の中には小麦の話がございましたけれども、一つ申し上げなくちゃならないのは、私は、日本は今までは、米の育種、そういったものには相当のお金と学者も投入してきましたけれども、そのほかの作物については随分薄かったのではないかというふうに思っています。ですから、そういった面の拡充がまず必要だと思います。 それからもう一つは、かつては製粉工場というのは各地域にいろいろありましたけれども、今は北海道にちょっとあるぐらいで、例えば東北あるいはほかの地域で小麦をつくったとしても、なかなかそれが製粉工場に回せない。一方の大手資本は大製粉場を国内に持っていますから、そこで流通経路がかなり押さえられているということもございまして、そういった流通面での拡充も必要だと思います。 さらに言えば、大豆につきましては、今、非遺伝子組み換えの作物というものをアメリカで特注栽培、いわゆる契約栽培でやっておりますけれども、最近問題になっているのは、アメリカでは、流通の過程の中において、その分離が非常に難しくなっているということが指摘されておりまして、将来の、二十七年度の目標では百十万トンぐらいの非GMの食用大豆の需要があるというようなこともございまして、こういったことに対しては十分国内の需要があるというふうに思っています。 したがって、そういった需要面に対しての施策をすると同時に、潜在的な需要もしっかりあるということで、それに向けた生産体制を構築していけばいい、することが大事だというふうに考えております。 それから、先ほどの委員の御質問の中に単収というお話がございました。これは、確かに昨年の国会の中で、過去最大単収、過去最大作付面積等々の試算を当時の篠原委員等々から御提示があったと思いますが、それは、当時、そういった過去の実績に基づいての試算という数字を提示したんだというふうに思っています。 単収をどのように設定するかというのは大変重要な問題でございますが、先般、私どもは、発議者試算ということで、一兆円をつくった場合には自給率がどうなるか、米に対する補償単価はどうなるかといった試算を公表しましたが、その段階では、政府が決めた、あるいは自民党がお決めになった生産目標、努力目標という単収をもとにして試算をしているということでございます。
○小里委員 民主党の昨年提出の法案に関する中で出された試算ではございますが、過去最大生産量をもとにした自給率五〇%コース、過去最大単収と過去最大作付面積をもとにした自給率六〇%コースの説明があったわけであります。さらには、民主党農林関係議員によるインタビューの中では、世界最高水準の単収の実現を前提とした自給率一〇〇%達成が可能であるような、そういった話も紹介をされているわけであります。 こういったことは、国民全体の食生活の見直し、技術の飛躍的な進歩、農地の確保といったようなことがいとも簡単になし遂げられるような話でありまして、全く現実離れした無責任な考えと言わざるを得ないわけであります。 民主党は本来、代表の発言あるいは政策ビラ、マニフェスト等におきまして、食料自給率一〇〇%を目指すとされております。達成するためには、現在の国内の農地の三・五倍の農地が必要となるわけであります。それはさすがに難しいということで世界最高水準の単収を持ち出されたのかな、そんなふうに思うところでございますが、非現実的な話だと言わざるを得ないと思います。 また、増加をする外食、中食需要への対応、そのためには経営感覚にすぐれた担い手農家の育成も必要であるわけであります。こういった観点から、食料自給率の議論におきましては、また見解をお示しいただきたい、そんなふうに思います。 そこで、今お話にありました新たな試算値に関連してお伺いしたいと思います。 参議院審議では、米の生産費が一万六千八百円、庭先価格が一万一千八百円を前提として、その差額五千円をそのまま補てんできるか判断が難しいという御答弁でございました。新聞報道によりますと、米の補てん単価は一俵三千円程度とされたと聞いております。これでは所得どころか生産費すら補償するものではない、随分と話が違ってきたなという印象をまず持つわけであります。 米について言えば、政策ビラで、一兆円の戸別所得補償により、米価が一俵五千円になっても一万五千円の所得が補償される、つまり一万円を補てんすると受け取れる記述がなされた。これを信じた農家が多いわけであります。それが、生産費すら補償されないとなれば、農家の期待を裏切ることになるんじゃないかと懸念をするわけであります。 また、麦、大豆につきましては、参議院の審議の中では、生産費と価格の差にプラスアルファもあり得るとしながら、今回発表があった単価によりますと、生産費の補てん、転作加算、いずれをとっても現行の水準より低い水準となっているわけであります。これでは、新たな交付金を払う米に対して、麦、大豆の収益性が逆進をするわけであります。米の生産調整を阻害しかねないし、ましてや麦、大豆の生産が拡大するとは到底考えられないわけであります。見解はどんなふうでございましょうか。 あわせて、今回出された試算がどういう位置づけになるのか、党としての公式見解になるのか、それもお聞かせいただきたいと思います。
○平野参議院議員 まず、この法律の枠組みにつきましては、御承知のように、標準的な生産費と標準的な販売価格との差額を基本として、その需要及び供給の動向を考慮して定める面積当たりの単価、これを基本にして交付金を算定しようということになっております。 まず、一点目の米についてでございます。 米については、これは参議院の農林水産委員会でも繰り返し答弁を申し上げたことでございますけれども、いわゆる過去三カ年の全算入経費、生産費と農家の手取り価格の差額を全額補てんするというのは必ずしも適切ではないのではなかろうか。その理由は何かといいますと、今のかなり低い米価水準の中においても、農家の方々がいろいろ努力して米をつくっておられて、過剰が続いているという中において、そっくりそのままやるというのが果たして適切かというような疑問を持っているということを繰り返し答弁をさせていただきました。 今回の試算を出させていただいたのは、まず一点目、これは党の公式見解ではございません。 それはなぜか。こういったものの試算をするためには単価を決めなければなりません。単価につきましては、政令もしくは省令への委任事項でございまして、これも参議院の農林水産委員会で何回も答弁したことでございますが、専門家の意見、農家の意見、さまざまな方々の意見をよく聞いて決める事項でございまして、これが決まらないうちはしっかりとした数字は出せないということでございます。 しかし、出せないと言ったのではわからないということでございますから、発議者が、発議者として、いろいろな前提を置きながら、今回数値を出させていただいたということでございまして、そこの数字を出す中で、考え方をわかりやすくする、わかりやすくしたという数字でございます。そして……(発言する者あり)よろしいでしょうか、まだ答弁が続いておりますが。 米につきましては、その上で、先ほど質問の内容が多岐にわたっていましたから答えさせていただきますけれども、その上で、米につきましては、全算入経費の中での自己地代あるいは自己資本利子、こういったものは見なくてもいいんじゃないだろうか。残るのは家族労働費でございますけれども、家族労働費を全額見るという考え方もございますれば、何割か見るという考え方もございまして、今回は八割という前提で試算をさせていただいております。八割というのは、これは決して根拠のない数字ではなくて、一般的に休業補償なんかをするときには六割から八割というようなことが労働費の中で補てんされておりますので、その数字を援用させていただいたということでございます。 ちなみに、所得補償については、全額所得補償をしなければならないという前提には立っておりません。しかるべき、今の、本来得るべき農家の所得に対しての一定の補償ということも所得補償の中に入っているということでございます。 麦、大豆につきましては、先ほど言いましたように、単収につきまして、将来の生産努力目標を前提にした単収で設定しておりまして、その結果として、あのような単価の設定にされております。その単価の設定の中で、現行水準からもし落ちるようなことがあれば、またその段階で、先ほど言いましたように、農家の方々、いろいろな方々の意見の中で最終的な単価を設定することになると思います。 それから、この数字というか考え方については、法律については言うまでもなく我が党が責任を持って出しているものでありまして、この結果、例えば、米についてはこういった価格の水準の考え方で設定します、麦、大豆についてはこういった価格の考え方で設定しますといったことは、これからどんどん、運動論として、消費者の方々、国民の方々、農家の方々の中に説明していただきまして、その結果の中でどういう反応が出てくるか、これは私どもがちゃんとリスクをしょってやる話であります。 ちなみに、根拠がない云々ということではなくて、今まで私どもは全国で何カ所か、いろいろなこれについての懇談もしくは意見交換をさせていただきましたけれども、批判がある一方で、ぜひこの方向でやってもらいたいという意見もたくさんいただいているということだけは申し上げておきたいと思います。
○小里委員 政策ビラの中で、米、たとえ一万円であっても補てんをしますと書いてあったわけです。それを、生産費までも補償しないということはもう明らかになったわけであります。これは事実として確認をできると思います。 言うまでもなく、食料自給率向上のためには、生産過剰基調の米から、自給率の低い麦、大豆等への転換、生産拡大が必要となります。そのためには、麦、大豆について、米並みかそれ以上の収益性、所得を補てんしないと、実効は上がらないわけであります。 そこで、米について仮に平均の生産費まで全額補てんし、その所得につり合うように麦、大豆に転作奨励金を乗せるとなりますと、大ざっぱな計算では、麦、米、大豆で現状程度の作付をするだけで、一兆円の費用が必要になるんです。これは、今回お出しになった試算値、そこで使われた数字を根拠にしております。それでいて、現在の生産構造は変わらないということになります。 また、仮に転作が進み、麦、大豆の生産が拡大すれば、それとともに費用はふえ、一兆円を大幅に上回っていくということになるわけであります。このため、米は平均の生産費全部は補てんをしないということにして費用の圧縮を図られたのではないか、そんなふうに解釈をいたします。 気がつけば、麦、大豆の支援単価が現状の水準を下回ってしまっている。要するに、一兆円ありきでありまして、数字をいじっているだけで、現場の実情から乖離している、制度の目的からそれてしまっているという指摘をさせていただきたいと思います。 そもそも、さらに言えば、民主党のビラで、米一俵一万円の所得補償とあるわけですが、これを行えば、米だけで一兆二千億円なんですね。米以外の品目も含めて、先ほどからありましたように、貿易の完全自由化を前提にした価格下落分、これを補償するということを想定しますと、先ほどのOECDの試算によりますと四兆七千億円が必要となるということになるわけでありまして、とにかくその政策ビラがいかにも無責任である、そこから発議者も苦労しておられるんじゃないか、そんなふうに推測をするわけであります。 農産物貿易自由化についてでありますが、これは先に答弁をいただきました。だから、指摘だけにとどめさせていただきたいと思います。 政策ビラの中で、米一俵一万五千円が五千円になっても、あるいは、中国からどんなに安い野菜や果物が入ってきても、その差額を補償しますと書いてあるわけでありますが、これはもう貿易の自由化を前提としているとしか思えない記述であるんですね。それは指摘をしておきたいと思います。 そこで、先ほど発議者からもお話がございました、消費者負担、すなわち関税による価格支持をやめて、税負担、すなわち直接所得補償に移行するという考えがやはり民主党の考えの根底にあるというのは間違いないと思うんです。 国際社会もそう見るんですよ。国際社会もそう見るんです。例えば、先日、オーストラリアから国会議員が見えて、日本の農林幹部に会われたそうなんですね。日本は戸別所得補償を導入するらしい、それであれば、もう関税とかなんとか言わなくてもいいじゃないかという指摘をされたそうであります。そのようになってしまうんです。戸別所得補償制度の導入で、日本もいよいよ農産物の完全自由化に踏み出したか、そういう解釈を受けてしまいかねないんですね。 そういう所得補償でございますが、肝心なことは、所得補償には輸入調整機能がないんです。関税が撤廃されますと、安い海外産品がどんどん入ってきて、農産物価格が暴落をする。これを所得補てんしても追いつかないわけであります。品質やロット面で劣る品目、あるいは内外価格差の大きな品目を中心にして、価格は大きく暴落をする。そして、よいものをつくる、安定した収入を得る機会が失われて、農家の経営意欲が失われる、そして自給率は下がっていく、これは想定をされるわけであります。そのような危険をはらんでいるのがこの戸別所得補償法案である、そんなふうに思います。 そこで、発議者に申し上げたいのでありますが、我々も戸別所得補償制度なるものを、このような制度を全面的に否定するものではないんです。仮に貿易自由化が、あってはならないことでありますが、想定外に進んでしまって、日本の農家は大変な危機に瀕する、そういうことになれば、これは、米も含めて所得補償制度の充実を図っていかなければいけない、すべての品目にわたってこれを図っていかなければいけない。これは品目横断制度上もなし得るという措置になっているわけでございます。 ただ、申し上げたいことは、その前にやるべきことがあるということであります。すなわち、貿易自由化交渉に毅然として対応して、日本の農業を守っていく、そしてまた、経営の体質の強化を図っていく、これが要諦である、このことをまた確認をさせていただきたいと思います。 ちなみに、民主党のマニフェストにおきましても、貿易自由化と所得補償がセットになっているかのごとく記述がなされているわけであります。自民党のマニフェストには、重要品目の確保とか上限関税の導入阻止としっかり書いてあるわけでありまして、やはり、民主党と自民党では、その力点の置き方が違うということを指摘しておきたいと思います。 貿易自由化につきましては、先ほどからもう議論が相当時間を食っておりますので、ここで一応控えさせていただきます。 続きまして、対象農産物についてなんですが、民主党は、参議院選挙で、すべての農家に所得を補償すると主張し、かなりの農村票を取り込まれたと認識をいたします。ところが、参議院での答弁を通じまして、選挙時の話とは随分違ってきたな、対象農家をかなり限定するということが明らかになってきたわけであります。 例えば、政策ビラの中では、先ほど申し上げましたように、中国からどんなに安い野菜や果物が入ってきても、すべての販売農家の所得は補償される、さらに、その政策ビラの中のQアンドAにおきまして、野菜、畜産等も所得補償の対象としますと書いてあるんですね。ところが、野菜や畜産、酪農は対象にしないということであります。これでは、民主党の所得補償を信じて投票した野菜農家、畜産農家、酪農家を裏切ることになるんじゃないか、そんなふうに思います。 また、米についても、所得はおろか生産費すら補償しないということでありまして、さらに、対象作目に生産数量目標を課しまして、これに従わない農家は補償しないということであります。これも、対象農家を限定していると解釈せざるを得ないわけであります。 以上、失礼ながら、公約違反とのそしりは免れないと思いますが、公党としてどのように対応されるのか、お伺いします。
○平野参議院議員 今委員がいろいろなことを申し上げていただきましたので、ちょっと時間を拝借いたしまして、いろいろ私どもの考え方を申し上げさせていただきたいと思います。 まず冒頭の、関税を引き下げれば農業経営が圧迫される、そのとおりであります。 今までの自民党農政は何をやってきたか。麦、大豆、全部の関税を引き上げました。菜種もそうです。何をやってきたか。何もしなかったんです。だから自給率が下がったんです。諸外国が何をやっているか。関税が下がったら直接支払いをやるんです。直接支払いをやって、その国の農産物を守るんです。今までの自民党農政、政府の農政は、直接支払いという観点が全くなかった、ほとんどなかったんです。そんな政府からの補助金で何をやってきたかというと、箱物づくりとか、そういったことばかりやってきた。 その中で、例えばヨーロッパは砂糖の輸出国です。何であんなにヨーロッパが砂糖の輸出国か。それは、てん菜をつくらなければあの国は農地を守れないからです。そして、てん菜をつくって、三圃式農業が伝統の地域でありますから、ビートを作物の中に入れる。つくることによって、砂糖は過剰になります。過剰になりますけれども、ヨーロッパはそれを正々堂々と、直接支払いをやった上で、さらに輸出補助金までつけて輸出をしている、そういう政策をやってきたんです。それが諸外国の例であって、今まさに小里さんが言ったような懸念のことをほうっておいたのが今までの自民党農政なんです。 今回の我々の問題は、直接支払いを入れて、まず今の中での生産費と市場価格の差額を補てんしようということの政策を入れておりまして、何回も自民党の委員の皆さん方は自由化論者のように仕立て上げたいようでありますけれども、自由化論者で自由化をさせるということが前提に立っているということではないということだけは繰り返し申し上げておりますし、過去の例において、いろいろな交渉をやってきて関税が下がった、繰り返しになりますけれども、関税が下がったことに対して放置をしてきました。結果、我々は、民主党としては、こういった政策を出すことで、FTA、WTOについては私どもは推進の立場に立っております。日本は貿易立国でございまして、こういった推進をする中で、ひょっとしたら、さっきの発言じゃないですけれども、自民党の皆さん方が、これから始まるWTOの交渉の中で、一%も関税を下げません、すべての農産物は今の国境措置を変えませんと公約で……(発言する者あり)いや、宣言するのは別ですよ。宣言してください。宣言してやってみてください。しかし、それは結果として、交渉事の中で、いろいろな中でその関税が下がってきたというのが今までの交渉の経過じゃないですか。 そういうこともあり得るという前提の中で、もしあったとすれば、この直接支払いの中で対応することで農業を守っていくということで、繰り返しになりますが、農業を守っていく、農村を守っていくということについては、口ばかりでやってきた自民党農政とは絶対違うんだということだけは申しておきます。 その実態は何かといえば、自給率は三九%、高齢農家が今生産費が割れる状態の中で米づくりを続けている、こういう状況の中で、今までの農政は何をやってきたか。何もやってこなかったじゃないですか。そういったことに対して、私どもは、今回の直接支払いの中できちっとした答えを出しているということでございます。 あと、今いろいろしゃべりましたけれども、小里さん、何かいろいろ聞かれたと思いますけれども、忘れてしまいましたので、またお聞きください。
○小里委員 忘れられるほどに大分答弁がそれてしまっていますので、ぜひ簡潔に、質問に沿ってお願いしたいと思います。 とにかく、先日、参議院審議におきまして、民主党の質疑者が、戸別所得補償をマニフェストに盛り込んだ選挙で当選させていただいた、そう言われたんですね。そのとおりなんですよ。農村にとってのマニフェストとは、すなわち政策ビラなんです。それを信じて多くの方々が投票された。そのことはやはり肝に銘じておかれないといけない、そんなふうに思うわけでございます。 続きまして、米の生産調整についてお伺いしたいと思います。 米について、行政が生産数量目標を設定し、その割り当てられた数量目標の範囲内で生産した農家に所得補償を行うということ、これは生産調整そのものですよね。そう思うしかないわけであります。 民主党は、これは需給調整であって生産調整ではない、あるいは、ポジだネガだと言って、あくまで生産調整であるとお認めにならないわけでありますが、失礼でありますが、これも言葉の遊びの域を出ていない、そんなふうに思います。 とにかく、市場の仕組みを離れて生産をコントロールする、これは生産調整以外の何物でもないと思うんですね。それが、生産調整を廃止する、減反を廃止するという言葉を信じてこられた農家に対して公約違反となるんじゃないかと思うわけでありますが、とりあえず答弁をお伺いします。
○平野参議院議員 まず、米の生産調整、需給調整、どちらでもいいんですけれども、私どもは需給調整という言葉で使っておりますが、これは必要不可欠であると思っております。 この姿勢につきましては、昨年の通常国会で衆議院で提出させていただいた我が方の基本法の中でもその旨の発言をしております。 それは何が違うか。私どもは、直接支払いをやることで、米をつくる、計画にのっとって米をつくる農家に所得補償をするんだということを言っておりまして、つくらないことに対しての補てんをするのではないということでございまして、根本的に今までの生産調整の考え方は違うんだということ、このことも繰り返し申し上げていたと思っております。 ですから、この生産調整が、何が違うかといいますと、今まで生産調整、需給調整、需給調整といいながら、なかなかうまくいかなかったということは何かといいますと、一つは需給調整に参加する人と参加しない方のメリット差がなかった。繰り返しになりますけれども、私どもは需給調整をする農家にメリットを与えるという意味においても直接支払いだということでありまして、今までの生産調整の視点に根本的に抜けていた、いわゆる需給調整にしっかり参加して、それに協力する農家にメリットを与えるということが大きく違うんだということでございます。
○小里委員 ありがとうございました。 民主党も、内心ではこれは生産調整だと思っておられると思うんですよ。事実、先日の参議院の答弁におきまして、生産数量目標についての説明の中で、民主党の発議者が、この生産調整へのただ乗りを許さないとか、生産調整の参加者に補てんをするとか、無意識のうちに生産調整という言葉を使っておられるんですよ。十一月六日の答弁に至っては、私どもは、米の需給調整に参加した、つまり生産調整に参加した農家に所得補償をすると念を入れておっしゃっているんですね。こういうことは指摘をしておきたいと思います。 大分質問を飛ばしまして、そろそろ最後の方に向かいたいと思いますが、日本の農業、農村の将来のあるべき姿についてお伺いしたいと思います。 担い手不足、高齢化、コスト高など多くの問題を抱えているのが日本の農業、農村であります。日本の農業のこの現状を認識した上で、将来的に農業、農村のあるべき姿をどうとらえるのか、まずその明確なビジョンが必要となるわけであります。 例えば、担い手の確保、農地の確保、規模拡大や効率的、安定的な経営の確保、地域総参加型の明るく豊かな農村といったようなビジョンが必要になるわけであります。そして、このビジョンを達成するためにいかなる政策が必要かを提示する必要があります。 残念ながら、民主党の提案は、ただ交付金を出すというだけで、あるべき農業構造についてのビジョンも、そこに行かんがための政策も欠けていると思わざるを得ないわけであります。すなわち、民主党案では、脆弱な農業構造がそのままとなる、農業、農村の展望を開くことはできないと考えるわけでありますが、簡潔に答弁をお願いします。
○平野参議院議員 まず、委員も言葉の遊びはやめた方がいいとおっしゃいましたので、生産調整とか需給調整ということは、余り言葉の意味として、私も分け隔てなく使ってきたつもりでありますが、言葉の問題として意味がないです。ただ、考え方として、政府のやってきた生産調整とは全く違うということを申し上げているということを繰り返し申し上げさせていただきます。 その上で、望ましい将来の構造展望でございますが、多分、小里委員のイメージの中では、この食料・農業・農村基本計画の中での望ましい経営体のことをイメージして、既に政府はそういったものをイメージしながらやっているということで今質問されていると思います。 しからば、今の農地の流動化の状況はどうなのか。五ヘクタールから上に行こうという農地の規模拡大の志向農家は全然ふえていません。農地面積が減っている、あわせて農業従事者も減っている。 本来であれば、これだけ米価が下落すれば、これは自民党さんもそれを期待しているんでしょうけれども、米価が下がって農地流動化が進む、農地流動化が進むことによって経営体の規模が拡大される、多分それは皆さん方が想定していることなんでしょう。しかし、実態はそういうふうになっていないんです。 それは、皆さん方、データを見ればわかりますけれども、十五ヘクタール以上は、今、農業構造の中では一部の農家です。こういった方々はまだ規模拡大を続けています。しかし、それ以下の人方は、農産物価格は下がるわ将来の見通しは持てないわ、リスクが大きくて規模拡大なんかしませんよ。 だから、まず一点目、申し上げておきたいのは、政府の言う構造展望というのは全く絵にかいたもちであって、政府すらこういったことで、皆さん方、自民党の委員にお聞きしたいんですけれども、これは地元に行って胸を張って説明できますか、これが将来の展望ですと。やってみてください。私は、ずっとこの問題、国会議員まだ七年しか入っていませんが、一度もこんな話をしたことがないです。話をしたら笑われますよ。 では、今何が問題になっているか。この農産物価格が低下している中で、基幹的農業従事者の……(発言する者あり)いや、今話をしているのは、この法案の背景を説明しています。基幹的農業従事者の六割はもう六十五歳以上です。その農家の方々が一生懸命になって頑張っている、生産コストの割れも起こして頑張っている。まずはそういった方々に一定の考え方で所得補償して、特定の経営体を育成するのではない、地域として取り組もうじゃないかということで、販売農家すべて、米に関して言えば、もちろん生産調整に参加している、需給調整に参加している農家という限定がつきますが、そういう農家を対象として所得補償をする。それは、特定の経営体ではなくて地域としての取り組みをやってもらいたいということで農業者戸別所得補償法案を出しているということでございまして、最大の違いは何か、特定の経営体を育成するということには立っていない、地域として農地、農業を守っていこうという観点で今回の農業者戸別所得補償法案を出しているということでございます。
○小里委員 ありがとうございました。 農業構造の続きでありますが、例えば二十戸の集落があったとして、担い手はいない、小規模で高齢農家も多いと仮定をいたします。そこに、民主党案のように、あなたに二十万円、あなたに十万円とか、そんなふうに交付金を配って、その先に何が生まれるかということでございます。農業の実力が上がるわけではありません。規模拡大が進むわけではない。効率化が進むわけでもない。担い手が育成されるわけでもないのであります。現状は変わらないんですよ。 我々が考えるのは、小規模農家も高齢農家も非農家も農村社会の大事な構成員でありますから、まずはそういった地域総参加で農村の活性化を図っていこう、みんなで農地や水資源を守り、環境を守っていこう、そして、かけがえのない伝統文化を守っていこうということであります。そのために、農地、水、環境保全向上対策とか中山間地域直払い制度、あるいは農山漁村活性化法といったような制度を用意して、さらに充実を図っているところであります。 そのようにして、小規模農家も高齢者も非農家も、みんなで明るく豊かな農村社会を構成していこう、そういった中から強い農業もつくっていかないといけません。そのために、高齢で農作業のできなくなった人は農地を貸していただけませんか、あるいは、ほかに収入があって農作業に手が回らない人は作業を委託していただけませんか、それを認定農家なりに集めて、しっかりした担い手をつくっていく。あるいは、小規模で効率が悪いんだったら、みんなで農地を持ち寄って効率化を図って、コストを下げて所得を上げていきましょうと、それが集落営農であります。 そして、農地を集めやすくするためには農地政策も必要だ、そしてまた、効率的な生産のためには圃場整備も、かんがい事業も、そういった土木事業も必要であります。もちろん、関税措置、国境措置も重要な要素であります。 このように、地域振興政策としての農村政策、産業として自立できる農業経営を目指す農業政策、その中間にあるのが集落営農だと思いますが、農地制度、農業土木、国境措置等も含めて全体としての総合的な政策のパッケージで進めていこうと、まさに総合農政でもって農業、農村の保護を図り育成を図っていこうと、これがやはり筋道であろうと思うんですね。 この秋、私は地元の集落営農のリーダーからお便りをいただきました。その要点を読み上げさせていただきます。 私たちも、美しい農業、農村を守るために集落営農組合を設立し、初年度の取り入れを迎えようとしております。私たちは、村を守るために、みんなで力を合わせ、知恵を出し合いながら頑張っています。民主党案では個々ばらばらになり、集落の景観を守ることはできません。 こういうふうにお便りをいただきました。 あるいはまた、経済界、経団連の評価によりますと、無原則に交付金を交付する民主党案につきまして、市場ニーズに即した農業の競争力強化を阻害するおそれがあるとして、低い評価となっているわけであります。 民主党案では、生産費と価格の差を埋める努力もせずに、ただ単に補てんだというだけで、あるべき農業、農村の姿は見えてこないということを現場や経済界も気づき始めている、そのことを申し上げたいわけであります。 民主党は、参議院選挙で国民に約束したことを実行するためにこの法案を出されたはずであります。ところが、参議院からの国会審議を通じてわかってきたことは、この法案が必ずしも国民との約束を果たすものにはなっていないということであります。 すべての販売農家に所得補償するといいながら、対象が限定され、畜産農家も酪農家も野菜農家も果樹農家も対象になっておりません。さらに、麦でも大豆でも、生産数量に従わない農家は外される。米農家は、所得はおろか生産費までも補償されないわけであります。廃止すると言っていた生産調整も、名目を変えて実施をするわけであります。必要とする一兆円の算定根拠については、一応の試算値は出ましたけれども、説得力がない。財源についても二転三転しているわけであります。あるべき担い手の姿、あるべき農業構造も見えてまいりません。さらに危惧すべきことは、この法案の裏に貿易の完全自由化への意図があることがぬぐい切れないことであります。 もちろん、この法案の中にも学ぶべきことはいろいろあるだろうと思います。さらに活発な議論の上に、この法案の本質が判断されんことを期待いたしたいと思います。 時間となりましたので、質問を終わります。
○宮腰委員長 次に、西博義君。
○西委員 公明党の西博義でございます。 民主党の提案者並びに政府の方から御答弁をお願いしたいと思います。 まず初めに、農政の方向性について、先ほどから若干議論が出ましたが、そのことについて申し上げたいと思います。 このたび、民主党は、原則として農産物を販売するすべての農家に所得補償を行うということで、戸別所得補償制度の創設ということで提案がありました。しかし、ずっと拝見しておりますと、民主党案は、現状維持ということにこの法律自体は重点があるというふうに思います。そういう意味では、農業の抱える諸問題の先送りとなっていくのではないかという危惧を抱いております。日本の農業の将来をどういうふうに描いているのかということについては展望が開けていないのではないかというふうに考えるわけでございます。 一方、政府は、農業経営の規模拡大を図り、経営の合理化、効率化を進めることによって農業の競争力を高めていく、こういう方向で構造改革を進めている。 具体的な提案内容はもちろん異なっているわけですが、ある意味では、民主党の議員の皆さんも、特に農林水産業の将来を案じて種々苦労なさっているということについては、これは共通で、今回の法案を提出したことについては、これはその気持ちについて敬意を表したいというふうに思います。 しかし、私には、どうしても問題の先送りになる懸念が強いのではないかと。この法律の先に何があるのかということは全く見えないし、また、気になるところでございます。本当にこれで問題の先送りにならないで改革が進んでいくのかということについては、ぜひ熟慮をお願いしたいというふうに思います。 まず初めに、先ほどちょっと議論がありまして、途中になっておりました対象の農家についてお尋ねをしたいと思います。 民主党案の対象農家、これは、先ほどもいろいろありました野菜、果樹農家、実は私の地元の和歌山はまさしく野菜、果樹農家でございまして、果樹が約六〇%、野菜が一五%、全部で、これで七五%という農家収入の割合でございますが、それから畜産の農家、それから十アール以下の農家、それから生産数量の目標に従わない農家、これが次々と対象外ということが参議院の議論の過程で明らかになってまいりました。 そこで、政府の方にお尋ねしたいんですが、民主党案で、これは今申し上げたこと以外にもあるのかもしれませんが、そういう意味で対象外となる農家、これは全農家のうちのどの程度になると想定されますか。お聞きをしたいと思います。
○長政府参考人 お答えいたします。 民主党案の対象農家となる販売農家につきましては、詳細は把握しておりませんので、当省としての見解をお示しすることはできませんが、御参考までに、二〇〇五年の農林業センサスについて、わかる範囲内で御説明申し上げたいと思います。 私どものセンサスにおきましては、全農家数、二百八十五万戸というふうにとらえております。この農家数は二つに分類されまして、一つは販売農家。私どもの販売農家は、経営耕地面積が三十アール以上または販売金額で五十万円以上の農家というふうに定義されております。それから、これ以下の農家が自給的農家ということで、数でいきますと、販売農家が百九十六万戸、自給的農家が八十八万戸というふうなことになっております。 私どもが詳細に把握できますのは販売農家でございますが、このうち、野菜農家あるいは畜産農家といったことでございまして、こういった農家があるわけですが、これらのうちに、野菜で例えば八割以上、大部分が野菜の販売、あるいは畜産で八割以上、こういった農家を単一経営農家としておりますが、これらについてどの程度あるかということで見てみますと、販売農家の百九十六万戸のうちの、野菜の単一経営農家が約十三万戸、それから果樹、同じように単一経営で十四万戸ございます。それから、畜産の単一経営で約六万戸。これらを積み上げていきますと約三十三万戸ということで、販売農家のうちの二割強といったことになってまいります。それから、これらの単一経営農家でありましても、そういった米等の生産を行っているということがございます。 それから、経営耕地面積についてでございますけれども、十アール未満の農家ということがどれぐらいあるかということで、これは販売農家のうちの約五千五百戸ということで、割合としては非常に小さいものとなっております。これは、規模は小さいけれども、販売は一定程度のものはあるといった、そういう農家でございまして、先ほど先生御指摘になりましたように、野菜、施設野菜農家ですとか、それから畜産農家、そういったものが含まれると思います。 私どもでわかる範囲ということでは以上でございます。
○西委員 今御答弁いただきました内容につきましては、民主党さんの案をそのまま定義づけるということは、今の現状では統計的には無理だというふうに理解をいたしましたが、いずれにいたしましても、相当な農家が、全農家が参議院選挙の折にはそういう恩恵にあずかれるというふうに誤解した面が確かに多かったと思うんですが、実はそうではなくて、随分抜け落ちる部分が実際には出てくるということは事実だというふうに思います。 それから、小規模の農家への交付について、ちょっと議論を進めてみたいと思います。 これは議論がややこしくなりますので、まず米だけについて想定してやってみたいと思います。 参議院における、今までの委員会における議論を前提にしております。その議論を踏まえますと、その当時の米の標準的な生産費は一万六千八百円という議論でございました。一方の標準的な販売価格は一万一千八百円という議論でございました。その差額が約五千円。実は、この差額五千円でございますが、その時々の需給動向を考慮して交付する金額を決める、こういう議論でございます。参議院の議論によりますと、例えば、例えばでございますが、五千円ではなくて三千円が交付される、こういうことになるというふうに理解をしております。十アール当たりの米の収穫は大体八俵程度、多くても十俵までですが、そのうちの半分を売ったというときには交付金は半分になるのかということでございます。それが一つ。 それから、販売農業者の定義がよくわからないんですが、これをはっきりさせていただきたい。最低限度はどれだけになるのかということです。極端に言えば、一円でも売れば販売農業者になるのかという下限のことをどういうふうに考えるのか。それから、その証明をどうするのか。例えば縁故米等で売るというような場合も、現実にはたくさんございます。そういうものについてどういうふうに考えているのかということです。少額な交付金まで対応するということになると、費用対効果の面からもかなり非効率な面が出てくるのではないか、また、人件費も相当かかるのではないかというふうに思うんですが、すべての販売農家ということにこだわる余り、対象を広げるとさまざまな問題が出るというふうに考えておりまして、この点に関するさまざまな疑問点についてお答えをいただきたいと思います。 〔委員長退席、江藤委員長代理着席〕
○平野参議院議員 まず、冒頭、西委員の方から、この政策は農業構造を固定する、あるいは今の現状を先送りするのではないかという御発言がございまして、これは先ほどの小里委員の最後の発言にも関連するわけでありますが、これが今の米の販売農家をどうするかという定義にも関係しますので、ちょっと説明をさせていただきますけれども、私どもは、この法律をつくる前提で、農村は今、今までにない非常な変化、急激な変化を迎えている。先ほども申し上げましたように、基幹的農業従事者の六割は六十五歳以上、人口減少社会に入っています。そして農産物価格が低下している。そういう中で、担い手がもう出てこない。そして、今、特に中山間地域の中で農家はどうやっているか。コスト割れを覚悟していますけれども、米づくりを続けている。何で米づくりを続けているかといえば、一つは、今までずっとそういうことをやってきたから。しかし、やめたら、要するにだれも耕作する人がいないから、耕作放棄地になってしまうと困るからとやっています。そういう中で、では、どうするのか。私どもは、先ほども言いましたように、集落の中でその方向性を考えていく基盤をまずつくりたい。そのためには、今意欲を持っている農家すべてにまず所得補償をする、販売農家を対象として所得補償をすべきだというふうに考えております。 そして、品目横断とは何が違うか。品目横断については、要件緩和したとか何かいろいろ言いますけれども、こういう経営体をつくれということが私どもは間違いだと思っておるんです。その中でどういう経営体をつくっていくか、地域の農地をどうやって守っていくか、どういう方がその担い手になっていくか、地域に任せればいい。集落営農も大事です。集落営農はどんどんやっていけばいいです。しかし、生産法人の計画をつくれとか、経理の一元化をしろとか、そういうことまでかける必要はない。緩い生産組織からやっていけばいいじゃないか。そういう中で、地域の農業を地域ぐるみで考えていく。特定の経営体をつくる、そういうことではなくて、そういう地域ぐるみで考えていくことが大事であるという前提で考えておるということでございます。 その上で、今の御質問でございますけれども、米につきましては、ある農家があって、米を五ヘクタールつくっています、その中で、一部は自家飯米あるいは縁故米として出すかもしれません。それを一々確認するのは大変でございまして、これは省令委任事項でございましたけれども、多分一定の面積、例えば一反歩については、これは自家飯米だ、縁故米だというふうに確定をしまして、そこから、五ヘクタールから米をつくっているとすれば一反歩除いてやる、その残りの四・九ヘクタールを対象にすればいいんじゃないかというふうに考えています。 今、想定では、八百四十万トンぐらいが米の生産量としてあると思いますが、販売数量については、私ども発議者の前提は、七百万トンぐらいが販売の米ではないかというふうに思っていますが、そこはこれから精査が必要だと思っていますが、考え方とすれば、作付した水田の面積から一定の面積を減じてやるということでございます。 次に、米については、しからばどういう考え方で単価を設定するかということでございますが、先ほど西委員からも詳しく御指摘がございましたが、全算入経費の生産費と農家の手取りの価格、そのまま補てんすることは私どもは適切であると考えておりません。今回発議者試算として出したのは、家族労働費の八割ということを前提に試算すると一万三千五百六十円が補償すべき米価水準になりまして、一俵当たりになりますと三千円ぐらい、そういう試算が出てまいりまして、これぐらいがこの試算の前提で考えたときの適切な水準じゃないかなということで数字を出させていただいております。 それからあと、販売農家につきましては、基本的には、これも省令委任事項ですが、農業センサスで言う販売農家は、経営規模が三十アール以上もしくは販売額が五十万円以上という形になっていますが、私どもで言う販売農家は、経営規模は原則として十アール以上、かつ、それに満たない場合でも、市町村長がこれは販売をしているんだというような農家であれば販売農家と認めればいいじゃないかというような考え方で今進めております。
○西委員 この政策、一つの特徴は、小さな規模の農家でも適用されるということが特徴だと思います。その上で、自家消費とかそういうこと、例えば一反とかいう表現がございましたけれども、小さい農家であればあるほど、その部分の額といいますか、面積というのは大きくきいてくる。そこの部分はきちっと定義されることが大事だというふうに思っております。この部分、まだまだちょっとあいまいな表現だったように思います。 それから、次でございますが、小規模の農家の支援について、私ども公明党は先日、大臣の方に申し入れをさせていただきました。内容は、米政策、それから経営安定対策、それから農地、水、環境保全向上対策、これに加えて小規模な農家についての支援策、これで四本柱というふうにさせていただいたんですが、小規模農家等の支援策で、私ども何点かお願いを申し上げました。 意欲的な農家を担い手にすること、また、集落営農組織が農業生産法人化へと育成、誘導策をぜひ講じていただきたい、これが一つ目。二つ目が、地産地消の担い手ということで小規模農家、高齢者の農家などを支援するために、直売所、いわゆるファーマーズマーケット、これの整備をぜひとも推進していただきたい、こういうことで多様な担い手が支える農業を目指していきたい、こういう提言をさせていただきました。 現農政に対して、小規模の皆さんを切り捨てになるという批判もありますが、この点について、私ども提言させていただいたことについての大臣の御所見を賜りたいというふうに思います。
○今村副大臣 お答えさせていただきます。 ただいま西委員が指摘されました事柄、本当に私は政府としてもしっかり取り組まなければいけない事柄であると認識しております。 特に、今申されました四項目の申し入れの中でも、小規模農家対策というものは第一番に挙げておられるわけでございます。そしてまた、先ほどの委員の質問にもありましたように、小規模農家のウエートというもの、日本においては大変高い、そして、特に中山間地等においてはそういった方が一生懸命営農に取り組んで、国土保全の役割も十分果たしておられるということで、大変重要なことであると思っております。 そしてもう一つは、農業総産出額の中で今や野菜農家は米と並んで四分の一の産出額をする、その大部分をこういった小規模農家が担っておられるということでございまして、野菜の消費の拡大というものは、これから、自給率の向上でありますとか、あるいは国民の健康の増進ということで、大変大事なことであるというふうに思っておりますので、しっかりと取り組んでいきたいというふうに思っております。 具体的には、今申し入れがあったことに沿って私たちもやってまいりますが、特に小農切り捨てということが集落営農を進める中で言われているわけでございますが、これは決してそうではございませんで、やはり、小さな農家であっても、意欲のあるところはそういった農地を請け負っていただいて、そして地域のリーダーとしてしっかりと農地を守っていただく、あるいは農業を守っていただくという積極的な役割をこれから果たしていってもらわなきゃいけないわけでありまして、そういった点についての支援策、できるだけ参画しやすい規模要件づくり等々について弾力的に今後また対応してまいる決意でございます。 そして、先ほど野菜の話もいたしましたが、本当にこうやって精魂込めてつくられる農産物というものは大変付加価値が高いものでございます。十アール当たりの単収も大変高いわけでございますので、そういったものをまたしっかりと消費者の皆さん方に評価しまた買ってもらいやすくするいろいろな地産地消のモデルタウン等々を構築して、あるいは道の駅等々への出荷等も含めて、そういったことがスムーズにできますように、今後とも私たちもしっかりとした政策を展開してまいりたいというふうに決意しているところでございます。
○西委員 ありがとうございました。 それでは、また発議者の方に御質問申し上げたいと思います。 先ほどちょっとお話がありました、三千円の確定の件です。 需給動向を考慮した面積単価の決定というこのプロセスについてでございますが、民主党案では、農林水産大臣が面積単価を決める際に基本とする標準的な販売価格、これはコメ価格センターの標準的な価格から農協などの手数料を差し引いた額というふうに答弁されております。それから、標準的な生産費については、十アール当たりの全入経費、こういうことでございます。これを基本にして、さらにそれにファクターである需給動向というものを考慮して農林水産大臣が面積単価を決める、こういうことを答弁されております。 この決定過程は、非常に難しいというか、悪く言えばあいまいな部分、裁量部分が多く残されているのではないかというふうに思っております。以前、米価の決定に政府が大変苦労してまいりましたけれども、そういうようなことになるのではないかという懸念を私自身は抱いております。 どこが正しいのか、どこが公正なのかという部分は大変難しい問題で、その年その年においても、考え方、生産量等において局面が違いますから、難しい問題をはらんでいるというふうに思いますが、発議者はどのような御見解か、お伺いしたいと思います。
○平野参議院議員 米についてどの程度の補てんをするか、あるいは所得補償をするかということについては、他の作物についてもそうなんですけれども、この判断は慎重にいろいろな形で検討してやっていく必要があると思っています。 その上で、今回、私ども発議者として考えたのは、全算入経費ということを前提にして、少なくとも自己資本利子でありますとか自作地地代、これまでは補償しなくていいのではないかと。そうしますと、残った全算入経費の中のいわゆる物財費等の経費以外の経費としては家族労働費が残るわけですが、家族労働費をどの程度補てんすべきか。これは、五割、六割それから八割とか、いろいろな意見がございました。あるいは全部、十割でいいじゃないかという意見もございましたけれども、まずここは、雇用保険法に基づくいろいろな手当等を勘案して、今回はまず八割ということで発議者としての考え方を出させていただきまして、こういった筋道をしっかり示しながら米に対しての補てんをする、この筋道を示していくことが非常に大事なことではないかというふうに思っています。 裁量の余地があるのではないかという御趣旨だったと思いますけれども、かつての米価が、コーラ瓶を割りながら米価を決定したとか、ベトコンという言葉もございましたけれども、そういったいろいろな過程もあったと聞いておりますが、そういったやり方ではなくて、先ほど言った、考え方を整理してこうこうこうだということで、しっかり示しながらやるということで裁量的な余地は省いていけますし、そこに政治の良識というんですか、きちっとした判断が示せるのではないかというふうに思っております。
○西委員 少し見えてきた感じがしますが、まだ詳細にわたってはこれから詰めなければいけない問題が多々あるのではないか。生産の面積、生産量、そのときの気候等による価格の変動、あらゆるものを考慮に入れながら多分決めていかれるんだろうなと。生産調整という言葉は使わないというふうにおっしゃいましたけれども……(平野参議院議員「使います」と呼ぶ)いいんですか。 それは結果的にはそういうふうになりますから、それを考慮しないで米政策はあり得ないわけですから、現実はそこら辺のところも十分考慮しながらということになるんでしょうが、大変難しい課題をはらんでいるのではないかというふうに考えております。 本当にこれを実行するということになりますと、この単価を政府が決めなければいけないということになるんですが、一度ぜひ行政側の今担当していらっしゃる皆さん方に、この考え方についてどういうことを想定できるのか、またどういう問題点があるのかということを聞いてみたいと思いますが、いかがですか。
○岡島政府参考人 西委員まさに御指摘のとおり、私ども行政の実務を担当している者としてもなかなか難しい問題がまだまだあるのかなと思っております。 また、今出されております法案の規定ぶりだけから見ますと、これまでの食糧法の規定ぶり等と比較して、例えば、審議会に諮るといったようなことが今出されておる法律案にはないといったようなこと、あるいは、省令にゆだねるべき事項についての例えば客観的な算定ルールの制定とかそういった考え方、そういったものも示されていないといったような相違点も幾つかございます。 そういった意味で、今発議者からいろいろなお考えを表明されておるわけですので、私ども行政としてもそれはきちっと聞きながら、具体的にどういうことができるのかということは考えていく必要があるというふうに考えております。
○西委員 この法案が成立するという前提でしたが、それはそれとして、大変行政側でも考えるべき問題は多いというふうな御答弁のように思います。 時間があと五分ということでございますので、ちょっとはしょらせていただきます。 大臣、せっかくお見えでございますので、一点お伺いをいたします。 米価の大幅な下落を受けて、先ほども申し入れの件をお話しいたしましたが、私ども提言を幾つか行わせていただきました。 米政策につきましては、生産調整への取り組み体制の強化、それから生産調整や転作を一層推進するために、継続的に生産調整を行う農家にメリット措置を講ずること。それから、品目横断的経営安定対策の見直しとして、いわゆるナラシ、収入減少影響緩和対策で一〇%以上の大幅な下落というようなことに対する、やはりこれは何らかの対策が要るのではないかというようなことを申し上げました。 これらの点について、補正予算それから来年度予算、ぜひとも必要なものだというふうに考えておりますが、この点についての大臣のお考えをお伺いしたいということと、民主党の法案では、中山間地域等直接支払い制度、これの恒久化を盛り込んでおりますが、私ども公明党は、この中山間地域等直接支払い制度とそれから農地、水、環境保全向上対策、これも恒久化すべきだというふうに主張しております。さらに、共同活動を前提とせずに営農活動への支援ということで、これを畜産業へも適用すること、さらに有機農業等へのステップアップの支援などに拡大をするということを提言させていただいております。 環境直接支払いが文字どおり新しい対策の車の両輪、今は車の両輪といいましてもこちらの車の輪の方が随分まだ小さいものですから、十分な両輪となるように要請したいというふうに思いますが、大臣の御所見を賜りたいと思います。
○若林国務大臣 委員がお述べになっておられますように、十一月十三日に公明党の方から、米政策さらに品目横断的経営安定対策などについて申し入れを受けているところでございます。 米の生産調整につきましては、農業者、農業者団体が主体的に取り組むことが基本でありますけれども、行政としてもこれと適切に連携をとって生産調整の実効性を確保していくことが重要でありまして、そのための一つの方法として、生産調整の実施のメリットというものを確保していくことが重要であると考えております。 品目横断的経営安定対策につきましては、現在、所要の見直しを検討しているところでありますけれども、その中で、例えば、小麦について言えば、急速に単収が向上した一部地域では、近年の生産性向上努力が過去の生産実績に基づく支払いの面積単価に的確に反映されていないという御意見がございます。さらに、小麦につきましては、国際相場が急騰しているということの中におきまして、こうした先進的な産地への対応が重要であるというふうに考えております。 こうしたことを踏まえまして、その具体的内容について現在検討しているところであり、いずれにしても、公明党からの申し入れがありましたことなどにつきまして、関係方面と今調整中でございますが、そのことを補正予算あるいは本予算の中で実現してまいりたい、このように考えております。 また、中山間地等直接支払い制度と農地、水、環境保全対策の恒久化とのかかわりでございます。 中山間地直接支払い制度と農地、水、環境保全対策の施策は、委員がおっしゃられましたように、一つの産業的政策としての担い手政策と地域対策、これが車の両輪であるというふうに認識をいたして政策を進めているところでありますが、農業、農村が食料の安定供給の機能や多面的な機能を発揮していく上で、このことは非常に重要なことだと認識いたしております。 これらの施策を効果的にかつ円滑に実施していくには、この施策を実施しつつ、一定の期間においてその実証、効果を検証しながら、必要に応じて内容の見直しなどを行うことが情勢の変化に的確に対応していくということになるわけでございまして、そのようなことが重要であるというふうに考えております。 また、農地、水、環境保全向上対策は、地域振興策でありまして、先進的な営農活動につきましても、地域のまとまりを持った取り組みによりまして、水路、農道等の資源保全の共同活動と一体として行うことによって、農村環境の保全向上という効果が生ずるものと考えております。そこで、本対策における共同活動と営農活動につきましては一体的に取り組んでいただきたい、このように考えて政策を仕組んでいるわけでございます。 畜産経営における飼料生産や有機農業につきましては、化学肥料、化学合成農薬の使用を低減するという要件に該当する場合には、営農活動支援の対象としてこれを取り上げております。 また、今後とも、中山間地域などの直接支払い制度や農地、水、環境保全向上対策のさらなる普及、定着に向けまして、種々工夫を凝らしながら一層の努力をしてまいりたい、このように考えております。 〔江藤委員長代理退席、委員長着席〕
○西委員 全く大臣と同意でございまして、種々これから工夫をしながら、私どもも最大限の努力をさせていただきたいと思っております。 以上でございます。ありがとうございました。
○宮腰委員長 次に、小平忠正君。
○小平委員 民主党の小平忠正です。質問の機会をいただきましたので、質問をさせていただきます。 私は、当委員会に所属をしておりまして、けさ以来非常に活発な議論が展開されておりましたが、久しぶりというか初めてというか、こういう闊達な議論の展開、これは我々、当農水委員会においてある意味ではいいことではないか、こう思っております。 きょう、私の時間が三十分という非常に短い時間でありまして、本来であれば、我が党が自信を持って提案したこの所得補償法案、これについて、確認を含めて質問したいのでありますが、時間がありませんので、とにかく、現下厳しいこの農林水産行政、もう待ったなしであります。したがって、私は、まず最初に、現下の自民党の政府による農政の問題点、これについて質問をしたいと思います。 なぜならば、いわゆる品目横断的経営安定対策を含めて、私に言わせれば、不備で、現実にそぐわない農政によって農民が翻弄されておりますので、これを打開するために質問いたします。まず、これについてお答えをいただきたいと思います。 五点お聞きしますので、ひとつ簡潔に、明瞭に御答弁をいただきたいと思います。 まず、一点目でありますが、本年から始まった経営所得安定対策等については、まだ農家個々に交付されていない段階で早くも見直し論議が噴出をしております。 私は常々、この法案が提出される以前から、新制度に移行する際に慎重な考察と配慮が必要だ、こう指摘をしてまいりました。これが足りなかったのではないか、こう思います。 まず、従来の作物ごとに支払われていた交付金にかわる生産条件不利補正対策において、特に麦については、昨年までの麦作経営安定資金と同程度の補償を行うと説明をされてまいりましたが、本年麦の収穫が終わり、収入を勘定するときになって、想定以上に減収していることが判明いたしました。収入を勘定するときになって、特に北海道、九州の落ち込みは大きく、生産者は戸惑いを通り越してまさしく怒りを覚えております。大臣も聞いていると思います。 このような事態になった原因は、面積支払いにおける算定に問題があった、こう思うのでありますが、いわゆる市町村単価を算定するに当たって共済単収を用いたことにより、直近の収量の向上を反映できなかった地域が出てしまい、政府は、共済の算定として平成十年から平成十六年の期間を設定いたしましたが、その間に、生産現場が麦の本作化を目指し、品種を切りかえ、生産技術の向上によって品質、収量の向上を果たしてまいりました。農民の努力であります。これは、一朝一夕に成るのではなく、ここ三、四年でようやく成果が出てきたわけであります。 十九年度の面積支払いにおいて算定の不備により生じた溝を埋める対策を考えておるのか、まずこれについてお伺いしたいと思います。
○若林国務大臣 委員が御指摘になりました品目横断的経営安定対策におきまして、現実の問題として、北海道あるいは九州の一部におきまして、麦の単価設定が実情に合わないということから、非常に大きな影響を受けるこれらの地域の人たちから制度の見直しが強く求められている、私も、その背景については、委員の御指摘のあったとおりだと思っております。 この品目経営安定対策につきましては、御承知のとおり、本年から導入されたばかりの新しい制度であるということもありまして、制度に関する普及、浸透が十分でないということによる不安だとか、あるいは不満の声が多く聞かれていることを承知いたしております。 このため、私、八月に農林大臣を承ったときから、各組織の中の幹部に対しまして、生産現場の生の声を把握する、いわゆる御用聞き農政を実施するということを指示いたしました。各地域、東京、神奈川、大阪を除くすべての道府県を回りまして、現場の意見を聞いてまいりました。そういう意見の中で、委員が御指摘のようなことも出てまいっております。 それで、いろいろな意見の中には、対策の仕組みだとか加入要件とか、またその事務手続が煩雑であるとか、また集落営農の組織化、運営化に関しまして、実態にもっと即したものにしてもらいたいといったような意見が多数出されております。 このうち、それぞれにつきまして、加入要件については、原則は維持しながらも、地域農業の担い手として周囲から認められるような、熱意を持って営農に取り組む者が本対策に加入できるような検討もいたしているところでございます。 また、事務手続につきましても、交付金の支払い時期がばらばらで、かつまた遅いという意見が多く出されたことから、なるべくまとまった額を早期に支払うことができるようにするということも検討いたしておりまして、さらに、提出書類も大幅に削減、簡素化するという考えであります。 そこで、委員が御指摘になりました小麦についてでありますが、急速に単収が向上した一部地域では、近年の生産性向上の努力というものが過去の生産実績に基づく支払いの面積単価に的確に反映していないということも我々も認識をいたしたところでございまして、小麦の国際相場が急騰する中でございますので、こうした先進的な地域に対しましては何らかの対応が必要だということの上で、どのような措置をとったらいいのか、今検討しているところでございます。
○小平委員 鳴り物入りで始まった、新しく価格政策から所得政策、品目横断的経営安定対策をスタートして、本来ならば、初年度から見直しというのは本当はおかしいんですがね。残念ながら、私どもが指摘したとおり、こういう状況が起きましたので、最近の新聞報道等によって、見直しの方向を進めている、こういうことも仄聞しています。 これも、一にかかって、我々が参議院で勝利して、そして我が党がこういう法案を出したことによって、政府も自民党も黙っておれない、慌てふためいて今対策に入っていると思います。しかし、方向としてはそういうふうに進めてもらいたい、これが、現下、農民の切実な思いですから、まず重ねて申し上げておきます。 次に、二点目でありますが、参議院選挙において我が党の勝利の一因となった戸別所得補償をなぞって、品目横断的経営安定対策の加入要件について見直そうとしている、今私が申し上げたとおりでありますが。麦、大豆の過去実績がありながら、今回の面積要件、所得特例に合致せずに支援対象から外れた者に対して、どういう措置をとるのか。 昨年まで、麦、大豆を作付し、生産調整に参加してきた水稲農家が、今年になり面積要件、所得特例を満たせず、支援対象から外れたとはいえ、生産調整は行われなければならなかった。当然、麦、大豆は作付できず、大幅な所得の減少は覚悟しながらも、緑肥等で対応した者もいるわけであります。面積支払いは何を作付しても支払うべきものであり、また、要件を満たした時点で過去実績を有する者は支援対象者となるとされているのではないでしょうか。 今言われているように、加入要件が下がり、二十年度に支援対象者となった者については、加入要件の設定自体に問題があったとして、十九年にさかのぼり支援策を講ずるのも大事ではありませんか。これについて政府のお答えをいただきたいと思います。
○高橋政府参考人 今御指摘のございました品目横断的経営安定対策でございますけれども、そもそも、この政策の基本的な考え方といたしまして、いわゆる主業農家の生産シェアが低いなど構造改革がおくれております米、麦、大豆等を中心といたします土地利用型農業部門におきまして、対策の対象者となります担い手、このような人たちが他産業並みの所得を確保し得る、いわゆる効率的かつ安定的な経営体を目指す、そういうような農業経営に発展していく努力を促すという観点から、一定の要件を課しているところでございます。そして、このような努力の結果として要件を満たした段階でこの対策の支援対象となるということでございます。 さまざまな制度があるわけでございますけれども、このような制度対象をどのようにするかということにつきましては、原則といたしまして、その制度の目的に従いまして設定された要件を充足した段階で制度対象となるというふうに考えております。 例えば、要件を充足していない状況というものにつきましては、まさに千差万別でございます。このため、例えば、制度発足に当たって過去にさかのぼり適用するということについては、一定段階、既に要件を充足していた方々との公平性の確保の問題を初めといたしまして、制度の安定性の確保という観点から困難であるというふうに考えております。 いずれにいたしましても、本対策の対象者になるということにつきましては、要件を満たした段階で対象とするという考え方で進めてまいるわけでございます。
○小平委員 高橋局長、役人的な答弁はわかりますよ。公平性とか、それはわかるけれども、あなたたちのその設定に不備があったから、その公平性をきちんと保つために見直しをしろと言っているんだ。それを、現下のことに縛られてできない、それでは何ら前進ないでしょう。時間があればもっとここについて確認したいんだけれども、とにかく五点についてまず質問します。 とにかく、今の答弁はなっておらぬ。そんなのでは全然だめだよ。だから我々は法案を出したんだ。あなたたちの法案がよければ、今の自民党農政がよければ、我々はこんな法案は出さない、所得補償政策は。悪いから出しているんだよ。しかも答弁はそのとおり、何ら前進ないじゃないか、これだったら。こんなことをやっているからますます農民は政治不信になっていくんだ。とにかく、前に進ませてもらう。 今、二点までいったよな。三点目だ。 次に、所得の減少の補てん策として出された収入下落影響緩和対策、これもおかしなものでありますが、これが、米においては、全国作況がことしは九九、北海道は九八でありましたが、地域によっては九四、悪いところは七〇を下回るところも出ました。加えて、価格も需給の緩和状況が続き、例えば北海道の生産者の手取り価格は概算金として一万円という現状です。 昨年まで、稲得として一俵当たりの補てん、担経としての面積当たりの補てんと二本立てがありましたが、本年から、いわゆる麦や大豆をひっくるめての補てんであり、この対策が発動したとしても稲作農家の所得の減少は免れない。それぞれ農作物によって生産費は大きく異なり、所得率も違うのは当たり前である。単に収入だけを見て補てんを行うのではなく、現在の石油価格の上昇に見られるように、生産費を考慮した所得補償をすべきではないか。 加えて、掛金の問題もあります。制度の発足初年度ということもありまして、積立金は下落幅に対応できないことも想定をされております。稲得、担経のときにも起きた積み立て不足がこの制度の設計段階にも危惧されていたにもかかわらず、対応しなかったのはまさしく見通しが甘かったのではないですか。お答えいただきたい。
○高橋政府参考人 品目横断的経営安定対策のうちの収入減少影響緩和対策の関係でございますけれども、これは基本的に農産物価格が市場の評価にゆだねられているということを前提とした上で、農業収入の変動を緩和することによりまして担い手の経営安定を図るためということで導入したものでございます。 御指摘のとおり、基本的に、米の価格等につきましては、現在、コメ価格センターにおけます入札取引で形成されているわけでございますけれども、御承知のとおり、例えば本年産の場合、当初、低水準の取引価格でスタートしておりますけれども、さまざまな米の対策、米緊急対策を決定した結果、現時点におきましては、北海道の米等の一部の米については対前年産の価格を上回るなど、最近価格が上昇している銘柄も相当数ふえてきているところでございます。 このように、米の価格というのは、需給がきちんと調整されている中で、一定の価格の変動はあるわけでございますけれども、その影響を緩和するということで、現時点においてこのような対策をとらせていただいたわけでございまして、例えば、販売価格にかかわらず、一定水準について、一定の収入、所得を確保するような仕組みというようなことを想定した場合には、消費者ニーズへの対応等によって有利に販売しようという意欲が低下をしていく、安売り競争に拍車をかけるおそれがあることとか、あるいはコスト縮減努力等も低下するおそれがあるということで、なかなかこういった問題は難しいのではないかというふうに考えております。 なお、大幅な価格下落が生じた際におけますいわゆる拠出金の積立金との関係につきましても、現在、さまざまな現場におけます意見を踏まえながら、その対応等について検討を重ねているところでございます。
○小平委員 米のナラシ対策は九割補てん、こういうことで出されました。でも、結果として、ことしの収穫が終わって見えた現象は、とにかく大幅な収入減、まさしく当てが外れたんですよね。あなたたちは、今まで稲得、担経をやってきた。今度は品目横断的、ひっくるめてやろうということ。これは、ある意味では戦後農政の大転換ですよね。初年度にとって大事なことは、間違っても前年対比収入減になってはいかぬということ、これが大前提ですよ。これがいみじくも崩れたので私は指摘しているんだ。 ともかく、聞いておるといらいらするのは、まさしく役人的な答弁なので、それは役人だから仕方ない、でも、我こそは国家なりという、そういう気概を持って取り組んでいく姿勢が見えないのは残念です。 まず、とにかく質問だけさせていただきます。 四点目は、米の需給調整という過去から引きずってきた大命題、これがあります。 本年の過剰作付、消費の減退等により、政府の買い入れ三十四万トン、また十万トンの全農を含めた処理、とりあえず市場隔離するのは一点評価はしますが、問題は、十九年産の米穀年度が終わる来年の七月以降に政府米の放出は考えているのか。そうだとすれば、単に半年ばかり米を積んだとしても、実情は、遅かれ早かれ米が市場に出てくることになるわけです。 回転備蓄は、財政負担の問題もあり、米がこれだけ市場にだぶついている現状では、さらに消費の減退まで予測されるときに、私は、政府米の備蓄のあり方、そのことも再考できないかと思うんですが、基本的に、当然いい答えはいただけないでしょうけれども、まず答えていただきたい。
○若林国務大臣 まず、米の政府の買い入れの考え方でございますが、これは、食糧法、法律に基づきまして、直接価格を支えるというような運用はしないということが法律で決められているわけでございます。その法律の定められた枠の中での運用として、その時々の米の需給が反映された価格を念頭に置きながら買い入れ措置を講じたということでございます。 委員がおっしゃられましたように、今の食糧法によります政府の適正備蓄の水準は、基本計画におきまして百万トンというふうに定められているわけでございます。そういう中で、適正備蓄の水準まではまだ余裕があったところから、昨今の米価緊急対策として、百万トンまで積み増すことができるという意味で、三十四万トンの買い入れをする。と同時に、政府米の販売は、当面は市場に影響を与えないということを原則として、これを抑制していこうとしたものでございます。 そのほかの対策と相まって、一応、今、米価については下げどまってきたようなことでありまして、それなりの効果を上げていると思っておりますが、しかし、市場の動向というのはなかなか的確に予測できないのが市場でございます。その意味では、今後の需給のあり方ということについて、私どもの方から思惑を呼ぶような、予見となるようなことは差し控えなければならないと思っております。 そこで、お尋ねがありました、来年の七月以降備蓄米の販売をどう扱うかということでございます。これは、現時点では今申し上げましたような理由から確たることを申し上げられませんけれども、七月に至るまでの米の需給の状況、さらには七月以降の価格の状況といったようなことを、全体を踏まえまして、その時点で適切に判断してまいりたいと思っております。
○小平委員 幸か不幸か、六十数万トンの現況の備蓄状況でしたから、政府は三十四万トン助かったわけですよね、そちらによけるということについて。しかし、問題は、来年度は百万トン、これはいっぱいいっぱいですから、今の回転備蓄では来年どうするか。当然、市場に放出をしなければ、来年さらにまた豊作等が期待されたら、これはもう大変な状況になる。そういう中で、あなた方は今綱渡りの状況を続けている。だから、そこをしっかり安定しなければ毎年またことしのような豊作下落によって米の価格が上下して不安定な状況に相なりますので、私どもは、いわゆる回転備蓄を棚上げ備蓄、これが根底にあります。 これについては、きょう時間がありませんので、また次の機会に譲って、大臣にも御意見等を、また質問したいと思うのでありますが、私は、この問題は、単にことしだけの、その場しのぎの対応であると思うので、まだまだ問題は残っていると指摘して、次に移ります。 次、五点目でありますが、まず、今言われた過剰米対策を含めて、まさしく来年はどうするのか。生産調整非参加者対策、参加者メリット対策、過剰米が発生した場合の処理方法等、これはきのうきょう発生した問題ではありません。今まであいまいにしてきたツケが一挙に噴き出したと言っても過言ではないと思います。今の産地づくりに対する交付金では、麦や大豆をつくっても到底米には及ばない。まして米はどこにでも自由に売れる、だから過剰米が発生する。米の収入と同程度の手厚いメリット対策が転作についてなければ、実効性の確保は困難であると思います。 また、生産調整は、個人はもとより、地域で達成しなければ何の意味もなさない。地域で達成できなかった場合に、経営所得安定対策などの個々の補償に対しても、個々の補てんに対しても制限を設けるのも一つの方策ではありませんか。 米は国民の主食であって、このことは論をまたないわけであります。それに対し国が主体的に指導するのは、安定供給の面から見ても当然であり、また責任もあると思います。今その状況は、その責任を政府は放棄しているように見えてなりません。来年以降も過剰米が発生した場合の政府としての対応いかんを問いたいと思います。お答えください。
○若林国務大臣 まず、何としても、二十年度、二十年産につきましては、このような需給のバランスが崩れ、供給過剰の状態になることを防がなければなりません。その意味で、来年度の作付、来年度におきます生産調整を、都道府県別に、さらに都道府県から地域に、どういう形でおろしていくかという作業に今入っているところでございます。 そういう作業の中で、定められた生産目標というものをしっかりと達成できますように、初年度でありましたので行政がやや腰を引いて、行政とJAを主体とした生産者団体との連携が十分でなかったのではないかという御指摘もあり、そのような反省も含めまして、二十年産につきましては、国、都道府県、市町村、行政が生産者団体と緊密に連携をとり、そして作付段階に応じながら情報交換をしつつ、しっかりとした生産調整目標が達成できるようにまず対策を講ずるということであると思います。 また、委員も御指摘でございました、非実施者、生産調整に参加していないというのが特定の地域あるいはまた特定の経営、生産者の中にかなり集中的に出ているというようなこともございます。そういう生産調整の非実施者などに対します何らかのペナルティー措置と申しますか、行政推進上のいろいろな諸施策の適用について何らかの措置が必要ではないかというようなこともただいま検討中でございまして、各方面の意見を伺っているところであります。 そして、生産調整を実施して、正直者がばかを見ることがないようにしてもらいたいという声が非常に多いわけでございます。そういう生産調整の実施者に対するメリット措置のあり方につきましても、幅広く関係者の意見を聞きながら、現在検討をしているところでございます。 要は、需給のバランスが保てるように、二十年産につきまして、ことしのようなことがないように、しっかりとした生産者団体との連携をとって対策を進めていきたい、このように考えておるところでございます。
○小平委員 大臣、ある程度前向きな御答弁をいただいたんですが、けさほども自給率について自民党さんの方から質問がありました。 この国の自給率が低いのは、麦、大豆が特に低いことも大きな要因ですけれども、米が一〇〇%で抑えられている。なぜ欧米は自給率が高いか。それは、主幹である、小麦や牛肉がどんと多いからですよ。国内の消費以上に生産している。それを輸出や援助に振り向けている。だから総体的に自給率が上がるわけですね。しかるに、我が国は主食の米は一〇〇で抑えられている。だから上がらないんですよ。しかも、こういう状況でもってだぶつけば米価が下落する。悪循環です。 したがって、政府としては、そこを考慮して、言うならば国内の消費以上の米をつくっても米価が安定する、そういう体系づくりをすることが私は政治の責任であると思います。そうすれば、おのずから自給率を上げる大きな要因にもなる。そこをぜひ考えていただきたい。 そして、最後に、今まで猫の目農政が展開された、三年ごとに、いろいろな名称が変わった。まず間違いなく、政府にしても、局長を初め皆さんにしても、今まで変わった何十回の猫の目農政の名称を覚えている方はいないでしょう。私も言えませんよ。ころころ変わった。でも、それは微調整にすぎなかった。今回は初めて、価格政策から所得政策に移行する中において、新しい方向で、抜本的な方向転換です。したがって、初年度から混乱が起きないように、しっかりと農民含めて農業界に受け入れていかれるように進んでいかなきゃならない。 これがうまくいっていない。だからこんななったわけです。これがなければ、我々はこんな法案を出しませんよ、我が党として。それが私は特に指摘をしたい。あなたも大臣をやられて、現場で経験されたでしょう。 それで最後に、平野さん、発議者に、私が今るる申し上げたことは、現下の農政、まさしくなっておらぬと思うんです。こんなに農民が翻弄されて、年を越せない、こんなはずではなかったというのが国内の農民の大宗です。この国は、いわゆる独特な二種兼農家を大宗とした農業形態ですね。そういう中で、非常に難しい点もある。 私、今るる政府の問題点を指摘したんですけれども、最後に、平野さん、発議者として、我が党のよさをぜひもう一度聞かせてください。
○宮腰委員長 平野達男君。 なお、質問時間が終わっておりますので、簡潔にお願いいたします。
○平野参議院議員 時間でございますから簡潔に答弁させていただきますが、いずれ、今回の我が方の戸別所得補償法案では、今価格が下落をしている、そういう中で、生産費の中の経営費、物財費すら賄えない農家がおられて、そういった農家が頑張っておられる、そういった農家が意欲を持って取り組んでいる、こういった実態等を踏まえて、一定の所得補償をしながら、五年後、十年後の地域の農業のあり方、農村のあり方、そういったことをしっかり考えてもらいながら、その地域に合った経営体あるいは経営組織あるいは個別農家の育成、そういったものをやっていくような基盤を設置することだというふうに考えております。 今回の品目横断対策には、今さまざまな問題が出ておりますが、基本的には、私は、経営体の育成を急ぎ過ぎている、今農業の担い手、だれが農業をやっているのか、農村がどういう状況になっているのか、そういったことの現状認識が十分でなかったということで、一つのモデルを設定しながら、そのモデルの育成に向かって突っ走り過ぎた、それが大きな問題ではなかったかというふうに思っております。 私どもは、きょうの答弁の中でもるる申し述べさせていただきましたけれども、現状を把握した上で、どういう形で地域農業を育成していけばいいか、地域として取り組む、集落として取り組む、そういった観点で取り組むことが一番大事じゃないかということを繰り返し申し上げさせていただきたいと思います。
○小平委員 終わります。ありがとうございました。
○宮腰委員長 次に、菅野哲雄君。
○菅野委員 社会民主党の菅野哲雄です。 審議入りした農家への戸別所得補償法案は、米価の下落とも相まって、今大変注目されている法案です。きょうは入り口の部分しか質問できませんが、品目横断的経営安定対策とも関連し、論点は多岐にわたっておりますので、ぜひ今後も丁寧な審議をお願いしておきたいというふうに思っております。 さて、私も二〇〇三年に、農業の食糧供給機能、多面的機能の対価として、農家に直接支払い、所得補償を実施するための法律案を民主党さんと一緒に国会に提出してまいりました。当時は少数派ですから否決されたという経過があるわけですけれども、そういう立場を考えると、今ここまで直接支払いというものがやっと来たなという感慨深いものを持っております。そういう意味で、直接所得補償の考え方には賛同いたしますし、この実現に向けて私も一生懸命取り組んでいく決意を冒頭申し上げておきたいというふうに思っております。 もう一点、振り返ってみますと、私、二〇〇〇年の六月に当選してまいりまして、そして農業の、農家の現状がどうなっているかということを訴えながら議論してまいりましたけれども、二〇〇一年に当時の谷津農水大臣は、政府において直接支払い制度というものを、この骨格を二〇〇一年の夏ごろまでに国民の前に提示するという答弁をこの農林水産委員会でいただいて、期待していたんですが、実は二〇〇一年の四月に総理大臣がかわるという状況の中で、これからがずっと、農政が直接支払いという方向から今日の品目横断的経営安定対策に変わっていった、私はこういう流れというものがこの五年、六年であったというふうに思っています。当時も、農村地域を見たときに、やはりこのままじゃいけないんだ、何か所得補償的な政策を導入しなければもたなくなってきているんだという観点が私はそこにあったというふうに思っています。 それで、提案者にお聞きしたいんですが、今日の政府の、品目横断的経営安定対策まで今日なっているんですけれども、当時からこういう今日までの経過を振り返って、品目横断的経営安定対策というものを提案者として今現時点でどう評価しているのか、これを率直にお聞かせ願いたいと思います。 そして、今、小平さんの質問に対して、農村の現状を認識していないという表現をされましたけれども、私もまさにそのとおりだというふうに思うんですけれども、提案者としての考え方をお示し願いたいと思います。
○平野参議院議員 まず、農政は、農産物ということに着目しますと、かつてはやはり価格政策であったと思います。そして、価格政策から構造政策に転換をして、生産性を向上させて、価格下落があったとしてもそれに対応できるような農業体、農業者あるいは経営体を育成するという方向で転換されてきましたけれども、今、構造政策はなかなか進まない。なかなか進まないのはなぜかといいますと、やはり経営が安定しないということなんだろうと思います。 一方で、農産物価格は下落基調にあります。世界じゅうで農産物価格が上がっているんですけれども、米を中心として日本は農産物価格が下がっている。そういう中で、しっかりとした農業者、地域としての農業の振興を図っていくためには、一定の直接支払いが必要なんだ、所得補償が必要なんだということで今日のような経過に至っているのではないかというふうに思います。 品目横断についてはさまざまな問題がございますけれども、私どもも、直接支払いを導入したということについては評価をしております。 なお、品目横断等のさまざまな評価については、きょう、せっかく舟山発議者も見えておりますので、ぜひ答弁をしたいと言っておりますので、ぜひ舟山発議者の御答弁を聞いていただきたいと思います。
○舟山参議院議員 今委員御指摘のとおり、私は、この背景には、まさに二〇〇一年ごろから競争原理、構造改革、これは農業だけではなくすべての政策において効率性を最優先していこう、そういった考えがずっと進んできたと思うんです。それが、農業におきましても、効率を高めていこう、構造改革を進めていこう、このような方向でこの品目横断的経営安定対策が導入されたのではないかというふうに思っております。 私は、この法律の特徴というのは、一定規模以上の経営体に施策を集中して農業の構造改革を進めていこう、それによって競争力を高めていこうというものと理解しておりますけれども、結局、経営規模を入り口段階で限定することによって、やはりある意味選別政策という批判は免れないんじゃないかと思います。 近藤委員からの御質問に対して今村副大臣から、それは集落営農があるからそこで救っていこうというお話がありましたけれども、その御答弁の中でも、やる気さえあれば集落営農に参加できるんだからいいではないかというようなことがありましたけれども、では、逆に集落営農に参加していない人はやる気がないのか、そんなわけではないと思います。やはり地域の事情ですとか、例えばリーダーがいない、またなかなか集まらないといった、そんなような事情で集落営農には参加できない、やる気があっても参加できないというような方はたくさんいらっしゃいます。 そしてもう一つ、今、農村は、過疎化、高齢化、そして農業従事者の減少の中で、かつてないほどに非常に激しい構造変化に見舞われております。今、担い手を限定するような、選べるようなぜいたくな状況にはないと思います。構造改革が進む前に農業の基盤自体が崩壊してしまう、そんな危機的な状況を迎えている中で、今の品目横断的経営安定対策、これでは農村の現状を救うことはできないと思います。 以上です。
○菅野委員 私どももそういう考えでもってこれまで議論してまいりましたし、農村の現状をしっかり認識していくこと、このことの大切さというのは私はずっと訴えてきたつもりであります。 面積要件によって選別を行い、小規模農家を切り捨てていくことにあるということは、私どももずっと主張してまいりました。そして、仮に農業の大規模化を促すにしても、法律で選別を行って強制的に進めていくことが日本農業の実情に合致しているのか、このことが、農村地域を見たときに、私は疑問に思わざるを得ません。しかしながら、今起こっていることは、財界を中心に農業の一層の大規模化、そして株式会社による農地取得、農業参入の促進を求めている動きが一方では活発になっていると私は認識しています。 これらについて提案者はどう考えておられるのか、お答え願いたいと思います。
○平野参議院議員 私どもも、今、先ほど舟山発議者も言いましたけれども、農村の急激な変化に直面しているという中で、その変化というのは、農業従事者の減少であり、農家の高齢化であり、その高齢農家が後継者がいない、そういう状況でございます。そういう中で、農地の流動化、そういったものは不可避です。積極的に進めていく必要があると思います。 しかし、進めていく必要があるのですが、それは、こういう四ヘクタール以上の経営体にしなくちゃならない、特定の生産、集落営農をつくらなくちゃならないという指示のもとでやるのではなくて、繰り返しになりますけれども、それは地域集落の中で、その実態に合わせた、その変化のスピードに合わせた流動化、生産の組織化みたいなものを進めていけばいいと思っています。 そして、一方で、大規模化の中でもう一つ問題がありますのは、大規模化、大規模化といって、現状は大規模化が進んでいない。先ほど私も答弁の中で申し上げさせていただきましたけれども、特に中規模な経営体と言われる農家の規模拡大意欲というのは、ほとんど今出ておりません。農業従事者が減少すればだれかが規模拡大するはずでありますけれども、農業従事者の減っていく割合と、最近では、農地面積の減っていく割合というのが大体平行移動しているということでありまして、農地の流動化が進んでいない。これは何かといいますと、繰り返しになりますけれども、将来の見通しが立っていない、経営の安定の見通しが立たない、経営規模を拡大するにはリスクが大き過ぎる、メリットがない、スケールメリットを追求するメリットがないんだということで、各農家が規模拡大に取り組めないという状況だろうと思います。 この問題をきっちり整理しないと、財界が何を言おうが、農林省が何を言おうが、規模拡大、流動化、構造改革というのは進まない。その前にやるべきことは、まず所得をきっちり安定して、意欲のある農家が将来の見通しを持って取り組めるような環境づくりをすることが必要ではないかと考えているということでございます。
○菅野委員 そのとおりですが、株式会社も資本力をもって大規模化に突き進んでいこう、こういう流れというものは、私は許してはならないことだというふうに思っております。集落を崩壊させるようなそういう流れというものは絶対にあってはならないということを私どもは主張しておりますし、ここにいる人はほとんどそうだというふうに思って、次の質問に移っていきます。 法案が所得補償の対象としている主要農産物について伺っていきます。 私も、対象は当面、米が中心にならざるを得ないと思うんですが、一方、これは品目横断的経営安定対策ですが、地方からは、ソバ、菜種などの地域によって重要な位置を占める作物も柔軟に対応してほしいという要望が寄せられています。また、EUの直接支払いでは家畜経営も対象になっているものと承知しています。これは、家畜経営については別枠で制度がつくられていますから、このこととの整合性をどうとっていくのかなという問題はあるというふうに思います。 そこで、米、麦、大豆以外に対象を想定する農産物がありましたら、その考え方とあわせてお聞かせ願いたいと思います。
○平野参議院議員 まず、この法律につきましては、当該作物の標準的な生産費と農家の販売価格に差があるものについて、一定の考え方に基づいて所得補償をしていこうということでございまして、そういった差のある作物についてはできるだけ対象にしていきたいというふうに考えております。 しからば、米、麦、大豆その他政令で定めるものというふうに法律では規定しておりますが、その他政令で定めるものとしてどんなものがあるか。これは、例として挙げれば、てん菜、でん粉用バレイショ、これは既に品目横断対策でも対象になっておりますが、てん菜やでん粉原料用バレイショあるいは雑穀、菜種、飼料作物等も、これはいろいろ生産費と販売価格の差を検証しなければなりませんが、対象になり得るというふうに考えております。(菅野委員「畜産については」と呼ぶ)失礼しました。 今回の場合は農作物を基本に考えておりまして、畜産の方は、今回の法律の中では対象外ということでございます。
○菅野委員 私は、畜産については、議論するつもりはないんです。ただ、別枠で制度を設計されていることと、この直接支払いという制度がどう結びついていくのかという、この議論だけはしておかないといけないという考えを私は申し上げたくて、畜産について質問いたしました。それは、今後の大きな議論の俎上に上ってくる課題だと私は思っています。 それから次に、法案は、国と都道府県、市町村などの行政が主体となって、主要農産物の種類ごとに生産数量の目標を定めるとしております。所得補償の対象になるのは、生産数量の目標に沿って農産物を生産する販売農家ということになっていますから、大変重要な意味を持っているというふうに思っています。 他方、これは参議院の審議でも論点になっていたようですが、民主党がことし一月に発表した政策インデックスでは、米の強制減反を廃止し、三百万トン備蓄体制を確立するとあります。この点との整合性と、生産数量の目標を決定、配分していくプロセスについて御説明をお願いしたいと思います。
○平野参議院議員 まず、作物につきましては、需給調整が必要な、あるいは生産調整が必要なと言ってもよろしいですけれども、米と、いわゆる生産振興を図っていくべき麦、大豆等々の作物と分けて考える必要があると思っています。 米につきましては、今やっているような需給調整のシステム、当該年度においてどれだけの米の需要があるかということを想定した上で、県ごと、市町村ごと、それで最後は農家に対しての配分面積を配分していく。今回の法律、我が方で想定しておりますのは、自主的な調整を基本としながらも、国、県、市町村がそこにかんでいくというような仕組みを考えております。 麦、大豆といった生産振興を図るべき作物につきましては、まずは、一定の単価を提示いたしまして、この単価で農家の方々が生産に取り組んでいただけるかどうかということのまずコミュニケーションから始まると思います。その後、現状で、その地域において麦、大豆等がどれだけつくられているか。当面、三年から五年ぐらいのタームで二割から三割上げてもらえないだろうかといったような具体的な数値を設置していきながら、各農家に生産に取り組んでもらう、そういった仕組みを今想定しております。
○菅野委員 生産数量の目標を設定したということですね。これは、今後やはり大きな議論をしていかないといけないと私は思っています。減反政策が四割という状況になって、農家の生産意欲がそのことによってどんどんどんどん減退してきた、こういう流れの中で、後継者も育っていかない、こういうことが現場で起こっていることだというふうに思っています。そのことをどう克服していくのかという課題が一方でなければいけないというふうに私どもは思っているんです。 そういう意味で、二〇〇三年に法案を提出したときには、この減反政策は撤廃するんだという一つの思い切った提案というのをして、今日まで議論してきているというふうに思っています。ここの議論というのは非常に難しいものがあるし、減反をした上で、米と見合うものをどう生産、シフトしていくのか、そのために所得補償という考え方をどうつくり上げていくのかという、この議論をしっかり行っていって、シフトしていく体制というものをつくっていくという大前提があるというふうに思うんですけれども、ややもすれば、先ほどから議論しているように、その視点でもって直接支払いをやるんじゃなくて、価格を保証するという論点に行っているということがどうしてもひっかかる部分として存在しますから、この点については答弁は要りません、ただ、今後しっかりとした議論を行っていく大きな課題だということを申し上げておきたいというふうに私は思っています。 次に、対象農業者の範囲について質問します。 参議院段階での審議では、販売農業者の範囲として、面積で十アール以上、または市町村が販売をしていると認める農家とお答えになっていると承知します。 いずれにしましても、現状、耕地面積で五割、農家戸数で全体の三割しか対象とならない経営安定対策と比べ、農家の戸数や対象面積がどの程度アップすると想定していられるのか、法案提出者のお答えをお願いしたいと思います。
○平野参議院議員 まず、今の御質問にお答えする前に、先ほどの転作の推進の仕方についての考え方でございますが、基本的に、転作を進めるためには、やはりしっかりとした補てん措置をとらなければこれは進まないだろうというふうに思っています。 その具体的な補てん措置の考え方ですが、まず、麦、大豆等を転作でやった場合には、その生産費と市場価格との差を補てんするということがまず基本ですが、それプラスで、当該作物を生産した場合の所得と米をつくったときに得られる所得というのは、やはり補てんしなくちゃならないんだろうと思います。 今回は、私どもの発議者のいろいろな試算の中では、米をつくったときに得られる所得が確保されるような補てんをするということを具体的に提示しようと思っておりまして、試算の中でもそういう数字を出しておりまして、価格をやるというよりは所得を、要するに遜色ない所得にするんだという考え方で進めることが大事だというふうに思っています。 その上で、今の御質問でございますけれども、その結果として対象農産物をどこまで限定するか、そういったことが今はまだはっきりと定まっておりませんから、確たる数字は申し上げられませんけれども、まず、対象になり得る作物等々を想定していきますと、私どもは、ちょっと途中はしょりますけれども、結論だけ申しますと、対象農家については全農家戸数の約六割、農地面積につきましては、果樹とかあるいは野菜等の面積を除いた面積が対象になり得るんだというような一定の想定で考えますれば、約六割ぐらいが候補になるというふうに考えておりまして、少なくとも今の品目横断対策よりはずっと対象農家、対象農地面積は拡大するのではないかというふうに考えております。
○菅野委員 次に、政府の施策についてお尋ねします。 自民党の農業基本政策小委員会が、米政策や品目横断的経営安定対策の見直し案を取りまとめております。大臣は、この見直し案をどのように評価していらっしゃるのでしょうか。もし自民党の見直し案を受け入れる場合、政府の経営安定対策あるいは米政策が、失敗とまでは言わないまでも、不十分だったことをお認めにならざるを得ないというふうに思うんですが、お答え願いたいと思います。
○若林国務大臣 お答え申し上げます。 自由民主党が、米政策あるいはまた品目横断的経営安定対策について、大変熱心な議論をいたしまして、また、現地にも赴いていろいろ実情を聞いた上で方向を出された、私ども、そのことを承知いたしております。 自由民主党が、農業基本政策小委員会におきます品目横断的経営安定対策の見直しでありますとか、あるいは生産調整についての米政策の見直しについては、基本的には我々と同様の問題意識を持って検討を進められ、方向性を出されたというふうに理解をいたしておりまして、政府としては、自民党の論議も踏まえながら、現在、その具体化につきまして所要の見直しを検討しているところであります。 今まで進めてまいりました品目横断的経営安定対策あるいは生産調整、米政策というものについて、同じ方向を向いた政策展開が図られているものと理解しております。
○菅野委員 やはり、この四月から実施して、私ども、実施に当たって、この農林水産委員会で品目横断的経営安定対策について本当に多くの議論を行って問題点を指摘してきました。今の見直し案というのはその議論に沿って見直しがなされていると言わざるを得ないというふうに私は思うんです。それくらい強引に、品目横断的経営安定対策、戦後農政の大転換だ、これをしなければ農業はだめになってしまうんだということで、ごり押しした結果として今日の状態を招いているということを申し上げておきたいというふうに私は思っております。 本当に、農水委員会で議論したことをどう政策に反映していくのかということをしっかり行うべきだということを強く申し上げておきたいというふうに私は思っています。 それからもう一つ。大臣は、経営安定対策の面積要件には特例措置があるから要件を見直す必要はないとおっしゃってきたと思います。今回の自民党の見直し案では、特例措置と並んで、要件を満たさなくても支援対象とする知事特認を市町村あるいは水田農業推進協議会の権限へと移譲していく方向とされています。 現行の知事特認では適用事例が一件もなかったはずですが、特認の要件緩和でどの程度の農家が新たに支援対象になると考えているんですか。この点を答弁願いたいと思います。
○若林国務大臣 お話ございました、私は今の面積要件について変えないと申し上げましたのは、基本の面積要件を変えないということを申し上げてきているわけでございまして、今も基本の面積要件につきましてはさまざまな特例の措置がございます。一々申し上げませんけれども、それらの特例措置に加えて、最後に知事の特認という制度を今も設けているところでございます。 しかしながら、委員が御指摘になりましたように、知事の特認の適用事例がございません。これにつきましては、県段階では生産現場や地域の実情を把握することがなかなか難しいのではないかというような意見が出ているところでございます。 そこで、一番地域に密着しております、地域の実態を把握しております市町村が、市町村の実情に応じまして特認を申請するということが適当ではないかという声がありますことを受けまして、政府としても、そのような声を踏まえて、特認制度のあり方を今検討しているところでございます。
○菅野委員 特例措置や特認要件の緩和で対応するくらいなら、私は、メンツにこだわらず、四ヘクタール、二十ヘクタールという面積要件を見直した方がいいんじゃないでしょうかと。なぜこんなに四ヘクタール、二十ヘクタールにこだわるんだろうかなということで、今主張させていただいております。面積要件にこだわればこだわるほど小規模農家切り捨てという批判はついて回るということを御指摘しておきたいというふうに思っています。 それで、自民党の見直し案を実行に移しますと、支援対象農家はふえる。その上に、先ほども議論があったんですが、小麦に顕著なように、生産性向上分の支援額を上乗せする、さらには産地づくり交付金の別枠で生産調整支援なども検討されているようですから、今の予算では当然足りないと思います。 補正予算で対応するとの報道もされていますが、どの程度の追加予算が必要なのでしょうか。それから、補正予算で対応するとなると、あくまでも一過性の対応、対策なのでしょうか。このことをお答え願いたいと思います。
○若林国務大臣 今委員が御指摘になりましたようなさまざまな事項、これらを見直しを含めまして検討しているところであります。 その検討の中から、対策の改善、拡充を図っていくには、新たなる予算措置が必要になってくるものも出てまいります。その新たな予算措置につきましては、事柄によって補正予算で対応すべきものと、事柄によっては二十年度予算で対応すべきもの、政策の中身によって異なってまいります。その意味で、この補正予算の要求とあわせまして、二十年度の予算要求も今いたしております。 編成過程に入るわけでございますので、今私からその金額を申し上げるわけにはまいりませんけれども、財政当局との間で激しく、そしてまた精密な論議を展開しながら、我々が必要と考えています所要額はこれを確保してまいりたい、こう思っているところでございます。
○菅野委員 補正予算、二十年度予算という予算措置で対応していくんじゃなくて、私は、制度的なしっかりとした対応というものが必要なんだ、そのためにも、この品目横断的経営安定対策というものの問題点をしっかりとらえて、今後の方向性というものはこの委員会の中でしっかりとつけていく必要があるということを申し上げて、もう一つ質問を用意したんですが、次回に譲らせていただいて、終わります。
○宮腰委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時六分散会