財務金融委員会 第3号
- 発言数
- 129 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2007/11/02
会議録
○原田委員長 これより会議を開きます。 この際、遠藤財務副大臣から発言を求められておりますので、これを許します。財務副大臣遠藤乙彦君。
○遠藤副大臣 皆様おはようございます。このたび、財務副大臣を拝命いたしました遠藤乙彦でございます。 先週、ワシントンで行われました世銀・IMFの年次総会に出席をいたし、日本国代表として総務演説を行ってまいりました関係でごあいさつがおくれました。大変失礼をいたしました。 財務副大臣の重責を果たすべく、大臣の御指示をいただき、また森山副大臣ともども職務に全力を尽くしてまいる所存でございます。 原田委員長初め委員皆様の御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。 ありがとうございます。(拍手) ————◇—————
○原田委員長 金融に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 本件調査のため、本日、参考人として日本銀行総裁福井俊彦君、副総裁岩田一政君、理事稲葉延雄君、理事山口広秀君、理事水野創君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として内閣府大臣官房審議官梅溪健児君、政策統括官齋藤潤君、金融庁監督局長西原政雄君、財務省大臣官房審議官川北力君、大臣官房審議官古谷一之君、主計局次長香川俊介君、国土交通省大臣官房審議官菊川滋君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○原田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○原田委員長 去る六月八日、日本銀行法第五十四条第一項の規定に基づき、国会に提出されました通貨及び金融の調節に関する報告書につきまして、概要の説明を求めます。日本銀行総裁福井俊彦君。
○福井参考人 おはようございます。日本銀行の福井でございます。 ただいま委員長から御指摘がありましたとおり、日本銀行は、本年六月、平成十八年度下期の通貨及び金融の調節に関する報告書を国会に提出させていただきました。本日、日本銀行の金融政策運営に関しまして詳しく御報告申し上げる機会をちょうだいし、大変ありがたく、厚く御礼を申し上げます。 最初に、最近の経済金融情勢について御説明を申し上げます。 我が国の景気は、緩やかに拡大をしております。 この点をやや詳しく申し上げますと、まず、輸出は、海外経済の拡大を背景といたしまして、増加を続けております。また、企業収益が高水準で推移する中、設備投資も引き続き増加基調にございます。こうした企業部門の好調の影響は、家計部門にも緩やかに波及をいたしております。一人当たり名目賃金はやや弱目の動きとなっておりますが、雇用者数の増加が続く中で、雇用者所得は緩やかに増加しております。また、株式配当の増加などさまざまなルートによる波及も続く中で、個人消費は底がたく推移しております。このように内外需要が増加する中で、生産は増加基調を続けております。 先行きにつきましても、生産、所得、支出の好循環メカニズムが維持されるもとで、景気は息の長い拡大を続けていく可能性が高いと考えられるところでございます。ただし、米国のサブプライム住宅ローン問題に端を発して、国際金融資本市場において不安定な状況が続いておりますほか、米国経済の下振れリスクなど、世界経済についての不確実性がございます。今のところ、米国以外の地域の高成長によりまして世界経済全体としては拡大を続ける可能性が高いと思われますが、国際金融資本市場や世界経済の動きについては、引き続き注視していく必要があると考えられるところでございます。 物価の面では、国内企業物価は、国際商品市況高などを背景に、三カ月前比で見て上昇しております。消費者物価指数、生鮮食品を除くベースの指数は、その前年比はゼロ近傍で推移しておりますが、より長い目で見ますと、経済全体の需給ギャップが需要超過方向で推移していく中、プラス基調を続けていくと予想されます。 金融面では、企業金融をめぐる環境は引き続き緩和的な状態にございます。CPや社債といった資本市場を通じた資金調達環境は良好な状況にございますほか、民間銀行は緩和的な貸し出し姿勢を続けております。こうしたもとで、民間銀行貸し出しは緩やかに増加しておりまして、CP、社債の発行残高につきましても前年を上回って推移している状況にございます。 次に、金融政策運営について申し述べさせていただきます。 日本銀行は、これまで、金融環境は極めて緩和的であり、日本経済が物価安定のもとでの持続的成長軌道をたどるのであれば、金利水準は引き上げていく方向にある、引き上げのペースについては、予断を持つことなく、経済、物価情勢の改善の度合いに応じて決定する、こういう考え方で金融政策を運営してまいりました。実際の運営におきましては、物価上昇圧力が弱い中で余裕を持って行うことができてきております。すなわち、経済、物価の見通しのパスやその蓋然性、上下両方向のリスクなどを十分に点検しながら、ゆっくりと政策金利の変更を行ってまいりました。 今後の金融政策運営におきましても、こうした基本的な考え方を維持する方針でございます。まず、我が国経済が物価安定のもとでの持続的な成長軌道をたどる蓋然性が高いことをよく確認し、さらに上下両方向のリスク要因を点検しながら、経済、物価情勢の改善の度合いに応じたペースで徐々に金利水準の調整を行うことになる、そういうふうに考えております。日本銀行といたしましては、経済、物価情勢や内外の金融市場の状況などを丹念に点検し、金融政策を適切に運営することを通じまして、物価安定のもとでの持続的成長の実現に貢献してまいる所存でございます。 また、金融政策に直接該当する事柄ではございませんが、日本銀行は、平成十四年から平成十六年までの間、銀行による保有株式の価格変動リスク削減努力を促す観点から、銀行保有株式を買い入れました。本件株式の簿価は、九月末時点で約一兆六千億円となっておりまして、これを予定どおり、本年十月から市場での売却処分を開始することといたしました。処分に当たりましては、日本銀行の損失発生を極力回避するとともに、処分時期の分散に配慮することなどによりまして、株式市場に与える影響を極力回避することとしております。 一昨日でございますが、日本銀行は、経済・物価情勢の展望、いわゆる展望レポートの最新版を決定、公表したところでございますが、その中でも、ただいま申し上げましたとおりの経済、物価情勢に関する判断や金融政策運営の基本的な考え方をお示しいたしました。そのことをつけ加えまして、私からの冒頭の御説明とさせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○原田委員長 これにて概要の説明は終わりました。 次に、去る平成十八年十二月十二日及び平成十九年六月十二日、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づき、それぞれ国会に提出されました破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告につきまして、概要の説明を求めます。金融担当大臣渡辺喜美君。
○渡辺国務大臣 昨年十二月十二日及び本年六月十二日に、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条に基づき、それぞれ、平成十八年四月一日以降九月三十日まで、平成十八年十月一日以降平成十九年三月三十一日までを報告対象期間とし、その間における破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告書を国会に提出申し上げました。 これらの報告に対する御審議に先立ちまして、その概要を御説明申し上げます。 初めに、特別危機管理銀行である足利銀行について申し上げます。 足利銀行については、平成十五年十一月二十九日に特別危機管理開始決定がなされて以来、預金保険法に基づき所要の措置が講じられてきたところであります。 今回の報告対象期間中には、平成十八年三月期及び九月期における経営に関する計画の履行状況の報告が同行より提出されております。 なお、報告対象期間外のことですが、平成十九年三月期における経営に関する計画の履行状況の報告が同行より提出されていることを付言いたします。 また、昨年九月一日に、同行の受け皿について具体的な検討を開始することとし、受け皿の検討に当たっての基本的な視点、受け皿選定作業の進め方等について公表いたしました。 さらに、昨年十一月二日に同行の受け皿になることを希望する者を募集し、本年一月三十日に応募書類の審査を通過した受け皿候補に対して事業計画書を提出するよう要請し、三月三十日までに提出を受けました。 なお、報告対象期間外のことでありますが、その後、事業計画書について審査を行い、本年九月二十一日に、当該審査を通過した受け皿候補に対して、譲り受け条件等の提出を要請したことを付言いたします。 次に、破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容について申し上げます。 金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分は、今回の報告対象期間中には行われておりません。 続いて、預金保険機構による主な資金援助等の実施状況及び政府保証つき借り入れ等の残高について申し上げます。 破綻金融機関の救済金融機関への事業譲渡等に際し、預金保険機構から救済金融機関に交付される金銭の贈与に係る資金援助は、今回の報告対象期間中にはなく、これまでの累計で十八兆六千百八億円となっております。 また、預金保険機構による破綻金融機関からの資産の買い取りは、今回の報告対象期間中にはなく、これまでの累計で六兆四千五百十三億円となっております。 これらの資金援助等に係る政府保証つき借り入れ等の残高は、本年三月三十一日現在、一般勘定等の各勘定合計で九兆三千十億円となっております。 ただいま概要を御説明申し上げましたとおり、破綻金融機関の処理等に関しては、これまでも適時適切に所要の措置を講じることに努めてきたところであります。金融庁といたしましては、今後とも、我が国の金融システムの一層の安定確保に向けて万全を期してまいる所存でございます。 御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
○原田委員長 これにて概要の説明は終わりました。 —————————————
○原田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松本洋平君。
○松本(洋)委員 どうもおはようございます。自由民主党の松本洋平でございます。 本日は、通貨及び金融の調節に関する報告書について、そして破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告についてということで、幾つか質問をさせていただきたいと思います。 私がトップバッターでございますので、基本的なことを中心にいたしまして、いろいろとお話を聞かせていただきたいと思います。 まず、日銀からお伺いをしてまいりたいと思います。 今、福井総裁から、通貨及び金融の調節に関する報告書、概要説明ということでございまして、御説明をちょうだいいたしました。 日銀さんの認識といたしまして、日本経済、順調に推移している、そういう報告の内容だったかと思っております。それはそれで結構なことなのではございますけれども、しかしながら、私自身、例えば、日本も世界も金融の情勢が非常に緩和的な情勢にあるような状況、また、サブプライムの話もありますけれども、さまざまな情勢等々というものを見てきたときに、何か潜在的なリスクというのは、何となくえたいも知れなく、少しずつ大きくなってきているのかなというような印象を私自身は持っているところでございます。 一方、日銀がこれから果たしていただく金融政策というものを考えていただいたときに、もちろん第一義的には物価の安定というものをしっかりやっていただかなければならないわけでございますが、同時に、日本という国が抱える問題、それは、極めて厳しい財政の状況というものもある意味視野に入れた、そうした日銀の政策運営というものが求められていると思っておりまして、そういう意味では非常に微妙な調節といいますか、ある意味綱の上を渡っていくような、そういう日銀の政策運営というものが今私は求められているんではないか、そんなことを感じております。 そんな私自身の認識の上に立ちまして質問をさせていただきたいと思います。 本日の福井総裁の報告にもございますとおり、これからの我が国の経済の先行きというものを考えるときに、やはり海外におけるリスクというものをどう評価するのかということが大変重要な話だと思っております。 米国のサブプライム住宅ローンの問題というのは大変マスコミでも大きく喧伝をされたわけでございますけれども、サブプライムローンの問題というのは、我が国経済に与える影響を日銀がどう見ているのかというのを教えていただきたいと思っています。特に最悪のケースというものを想定したときに、日銀さんがそれをどのようにとらえていらっしゃるのかというのをまず教えていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○福井参考人 お答え申し上げます。 まず、委員が冒頭におっしゃいましたとおり、この先、非常に長い距離を見ましたときに、日本経済の場合、少子高齢化、人口減少、この厳しい問題に対処すると同時に、財政再建を着実に実現していかなきゃいけない。したがいまして、その中であるべき日本銀行の姿というのは、今後、非常に長期にわたり物価安定のもとで持続的成長をきちっと実現していく、この軸は崩せない、そういう意味で日本銀行の果たすべき役割は非常に重いというふうに自覚をいたしております。 そう申し上げました上で、当面の経済の見通し、これをしっかりさせた上で先につなげていくということになりますが、御指摘のとおり、現在の状況は、米国の経済が調整過程にある、そして米国のサブプライム問題に端を発した国際金融資本市場の動揺が不透明要因、不確定要因となっている、こういうことでございます。 こういう状況の中で、日本経済の、この先しばらく、ややロングランな経済見通しを立てるということは決して容易な作業ではございませんが、一昨日の私どもの政策決定会合では、日本経済につきまして、この日本経済を単体で見ると、今のところ、内需、外需、比較的バランスのよくとれた需要に牽引される形で、そして生産、出荷、在庫、このバランスも比較的いい状況で、みずからがリズムを崩す心配が余り少ない状況で、物価安定のもとで持続的成長を続ける可能性が高いと一応判断される。 そして、今起こっております外部環境につきましては、米国の経済のスローダウンは、かなりの程度その他の国の高成長によって吸収される可能性がとりあえず強い。 それから、サブプライム問題に端を発した国際金融資本市場の動揺については、いわゆるリスクの再評価の過程でございますし、各部門で損失の吸収ということが行われなければいけませんので、少し時間がかかるということではありますが、幸いにも、日本経済への直接的な影響という点で見ますと、日本の金融システムへの直接的な打撃はかなり限定されている、こういうふうな状況がございますので、私どもの見方によりますと、現在ただいまの状況に足を置く限り、物価安定のもとでの息の長い拡大が続く可能性が高いというのが今の判断でございます。 ただしということにどうしてもなってまいります。米国の住宅市場の調整が一段と厳しいものとなった場合、それから、金融資本市場の変動の影響がやはり予想以上広範なもの、あるいはより深いものとなった場合ということは当然考えられるわけでございます。その場合には、資産効果、それもいわゆる逆資産効果を通じ、あるいは信用収縮というプロセスを通じ、さらにはいわゆる企業マインドとか消費者マインドの悪化を通じて、さまざまなルートを通じて個人消費や設備投資が下振れる。特に、震源地であります米国景気が一段と減速する可能性はやはり考えられると思います。 欧州経済は非常に順調だと言われております。確かに、内外需、バランスのとれた堅実な成長が続いているんですけれども、欧州におきましても、国際金融資本市場変動の影響が結構大きいということは御承知のとおりだと思います。この金融環境の変化が実体経済に及ぼす影響次第では、欧州経済も下振れるリスクがあります。 アメリカや欧州の経済をめぐるリスクが顕現化した場合には、その程度いかんによっては、世界経済の中の他の地域の成長に悪影響を及ぼす。最終的には日本経済への影響ということも免れない可能性がありますので、注意深く見ながら金融政策を運営していかなければいけない。 今後とも、適時適切な判断については一層研ぎ澄まされた目で見ながら判断していきたいというふうに考えています。
○松本(洋)委員 ありがとうございました。 続きまして、報告の中でも、今、福井総裁から、企業部門の好調の影響というのが家計部門に緩やかに波及とありますけれども、そのペースというのは、我々の肌感覚からすると本当に、緩やかどころか、ほとんどないんじゃないかというような、私どもの印象としては、実はそんな思いを持っているところでございます。 さまざまなことが言われているわけでございますし、例えば、この前の参議院選挙では、都市部と地方部というような、そういういろいろな話もあったわけですけれども、すべては、企業部門の好調というものが家計の部門におりていき、それが都市から地方へという、そういう広がりというのが実はなかなか我が国において見えてこないというのは、大変私は重要な問題だと思っております。 そうした点を日銀はどのように見て、どう評価しているのか、教えていただきたいと思います。
○稲葉参考人 企業部門から家計部門への波及の問題でございます。 景気は緩やかな拡大を続けているというふうに判断しておりますが、委員御指摘のとおり、好調な企業部門に比べますと、家計の改善テンポというのは緩やかなものにとどまっているというふうに判断されます。この点は、一昨日公表しました展望レポートでも記述したところでございます。 ただ、先行きにつきましては、企業部門の好調さが続いていくというふうに判断されまして、そのもとで、これが家計部門へ波及するという、そういうプロセスは緩やかながら着実に進んでいくのではないかというふうに考えております。 その中身でございますけれども、雇用者所得、これは雇用者数の増加が続く中で緩やかに増加していくのではないかというふうに見ております。それから株式配当などの増加も、家計部門に対して波及してくる。つまり、こうしたさまざまなルートで企業部門の好調さというのが家計部門に波及してくるのではないかというふうに考えられるということでございます。 それから、失業率でございますけれども、足元で若干上昇してございますけれども、年初来の動きをならしてみますと緩やかな低下傾向にありまして、これが持続するのではないかというふうに見られるということでございます。 それから、賃金については、企業の人件費の抑制姿勢、これは根強いわけでございまして、加えて団塊世代の退職とか、それからパート比率の上昇ということがあって、ここのところやや弱目の動きになってございますけれども、これも労働市場の需給がさらに引き締まっていきますれば、徐々に賃金の上昇圧力というのは高まってくるのではないか、こういうふうに判断しております。 こうしたことでございますので、先行き、個人消費は緩やかな増加基調をたどっていくというふうに判断してよいのではないかというふうに考えております。
○松本(洋)委員 ありがとうございます。そうした部分にも十分に目配りをしながら、ぜひ政策運営をよろしくお願いしたいと思います。 続きまして、消費者物価指数のことでちょっとお伺いをしたいと思っております。 大分前からエネルギー、また特にことしに入って穀物価格の上昇というものが大変大きく取り上げられまして、だんだん消費者の台所にもその波というのが押し寄せつつあるんじゃないかという話がございます。 そんな中に、つい先日大変ショッキングなニュースが流れたわけでございまして、それはガソリン価格が一斉に各社大幅に引き上げをするというような、そういうことも実際にありまして、恐らく、暮らしている人々からしてみると、ここに来て一気に何か物価が上がり始めているなというような、そういう印象を持たれている方も大変多いんじゃないかと思いますし、私もそのように思っている者の一人でございます。 本日の福井総裁の報告の中では、消費者物価は前年比ゼロ近傍というような形で御報告をいただいております。また、展望レポートの中におきましては、こうした穀物だとか石油エネルギー等々の価格上昇というものは、企業の努力によって消費者には波及が及ばないように今のところなっているという話でございましたけれども、しかしながら、こうした最近のニュースを見ていますと、企業部門でもなかなか吸収が難しくなってきて、それが国民のところに押し寄せるような、その波がだんだん大きくなってきているんじゃないかと私自身は思っております。 そんな状況下におきまして、日銀は物価の先行きというものをどのようにお考えになられているのか、改めてお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
○岩田参考人 それでは、お答えを申し上げます。 ただいま御指摘がございましたように、原油価格あるいは穀物価格など、国際商品市況は高騰を続けております。 その中で、今御指摘がありましたのは消費者物価の方でありますが、企業間の取引価格であります企業物価指数、あるいは企業のサービスの取引価格であります企業サービス価格、こういったものは既に上昇に転じてきております。その一方で、規制緩和等の実施等がございまして、競争環境が極めて厳しい消費者段階におきましては、まだこの原材料高などの価格転嫁が企業物価指数あるいは企業サービス指数というようなところまでには進んでいないということが言えようかと思います。 加えまして、企業から家計への景気拡大の波及というのも、波及の程度が緩やかであるといったような状況のもとで、消費者物価指数、これは生鮮食品は除いておりますが、消費者物価指数としては前年比ゼロ近傍で推移しているということでございます。 先行きについてでありますが、先行きについては、私ども展望レポートを発表いたしましたけれども、最近の展望レポートでは、差し当たり、前年比ゼロ近傍で推移する可能性があると思いますけれども、より長い目で見ますと、経済全体の需要と供給のバランスを見ますと、やや需要超過の方向で今後も推移するであろう、そうした蓋然性が高いのではないかという判断をいたしております。 そうした需給バランスの改善というようなことを背景にいたしまして、さらに、御指摘がございましたように、ガソリン価格、これも消費者物価の指数の方に入っておりますので、こうしたガソリン価格の上昇というようなこともあって、次第にプラス幅が今後拡大していくのではないかというふうに考えております。 以上でございます。
○松本(洋)委員 先ほども申し上げましたように、大変微妙な政策運営が求められていますから、ぜひしっかりと、そうしたさまざまな動きというものに目配りをしながら政策運営していっていただきたいと思います。 次に、もう残り五分でございます。FRC報告に関して若干質問をさせていただきたいと思います。 まず、公的資金により実施された資本増強の実績及びこれまでの返済状況を教えていただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 公的資金による資本増強の実績でございますが、平成十年から十五年にかけて三十四行、現在では再編により二十二行になっております、これらに対し、約十二・三兆円の増強を行いました。 公的資金の返済等については、合計で約十二・三兆円であります。現時点で、注入額面ベースで約八・八兆円が返済され、残額は約三・五兆円となっております。なお、既に返済されている八・八兆円に対し、約一・三兆円のキャピタルゲインを実現しております。
○松本(洋)委員 ありがとうございます。 政府の努力もあって、いわゆる金融危機と言われているような状況というのが相当改善をしてきておりまして、実際問題として、公的資金による資本増強という問題については、金融の安定化というものはもちろんですけれども、納税者の利益という立場をより一層鮮明にしてやられているというふうに聞いておりますけれども、ぜひこれからもしっかりとやっていただきたいと思います。 また同時に、今回のFRC報告の中には、足利銀行に係る特別危機管理ということで報告が出されているわけでございます。先般もこの財務金融委員会におきましてさまざまな議論がされたわけでございますけれども、そうした話とはちょっと別の話といたしまして、足利銀行の受け皿選定の現状、そして第三段階における審査についての考え方を教えていただきたいと思います。 特別危機管理の終了に向けた最終ステージということで足利銀行の方からも報告がなされているわけでございまして、そういう意味では、いよいよ最終段階でございます。ぜひその点を教えていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○渡辺国務大臣 その前に、先ほどの答弁で十二・三兆円と申し上げましたのは、資本増強額でございます。返済額ではございませんので、誤解のないようにつけ加えさせていただきます。 また、足利銀行の受け皿選定の問題でございますが、去る九月二十一日、受け皿候補に対して事業計画書の審査結果を通知するとともに、譲り受け条件等の提出を、審査を通過した受け皿候補に対して要請いたしております。第三段階に移行をし、十一月二十二日の提出期限となっております。 第三段階においても、三原則、すなわち金融機関としての持続可能性、地域における金融仲介機能の発揮、公的負担の極小化という審査基準にのっとり審査をしてまいります。新たに公的負担の極小化という観点が具体化をしていくわけでございます。
○松本(洋)委員 ありがとうございます。大臣のおひざ元の話でもありますので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。 終わります。ありがとうございました。
○原田委員長 次に、佐藤ゆかり君。
○佐藤(ゆ)委員 自由民主党の佐藤ゆかりでございます。 きょうは、日銀の福井総裁並びに岩田副総裁にお越しいただきまして、まことにありがとうございます。時間が二十分ということで限られておりますので、計四問、最後に財政についてお話を伺いたいと思います。 まず、端的に、先ほどお話もありましたが、サブプライムローンの問題というのが夏場から市場を動揺させたという経緯がございます。その点について、福井総裁にもう一度、世界経済に対する見通しについてお伺いをさせていただきたいと思います。 懸念要因として、一つには、この夏でサブプライムローン問題の市場の調整というのはややクリアしたというような見方があるわけですが、今後、来春以降に向けてもう一つの山があるというふうに、今、市場関係者の中では言われているわけでございます。 要因としては、来春になりますと、このサブプライムローンのアジャスタブル・レート・モーゲージ、ARMの金利の再設定が集中的時期を迎えることもありまして、住宅市場の価格が下落をしておりますと、担保価値が下がって、金利再設定の際に金利がはね上がってしまうため、デフォルトがふえる可能性が言われているとおりでございます。それが一点目です。 それからもう一つは、最近の原油価格動向などを見てみますと、十月三十一日時点で、新聞にも出ておりましたが、例えばニューヨークの市場で、WTIの期近物、十二月物が一バレル九十六ドルをつけるというような、過去最高を更新している。あるいは金も一トロイオンス八百ドル台をつけ、非常な価格の高騰が見られるわけであります。さらに、三十一日にFRBは二五べーシスのさらなる追加利下げを行ったため、利下げを行いながら、いわゆる素原材料の価格の高騰がさらに続いていくのではないかというおそれも出てきているわけであります。 スタグフレーションというシナリオが日銀の見通しにとってメーンシナリオではないというふうに理解はしておりますが、目先、利下げと原油価格の高騰による長期金利の上昇とイールドカーブのスティープ化要因、そして、来春集中しますARMの金利再設定による金利のはね上がり要因など、金利がはね上がる悪材料というのは、幾つか、目先アメリカで見られるわけでありますけれども、こういった望ましくないイールドカーブのスティープ化に始まる今後の景気の悪化材料というのを大体どのぐらいの割合でごらんになっておられるか、お伺いしたいと思います。
○福井参考人 簡潔にお答えするには、やや複雑な問題ではございます。 サブプライムローンに問題を発しました今のリスクリプライシングのプロセスというのは、おっしゃいましたとおり、そう単純には進まないと思います。 これから金利の再設定が行われていく、あるいはそれ以外の価格の再設定が行われていく。その結果として損失の発生とか追加的な負担の増加ということがありますので、これを企業なり経済全体なりがこなしていく過程というのは、この先、生み出していくキャッシュフローを食いつぶしながらそれを消化していくということでありますので、トータルとしますと世界経済全体の成長にとっては明らかにマイナス要因になっているが、それがどの程度かというのは、今のところ正確には読めないが、多かれ少なかれあるだろうという前提はやはり考えておかなければいけないということだと思います。 一方、原油価格あるいはコモディティーの上昇につきましては、恐らくマーケットは、先行きの経済について、米国のスローダウンないし今申し上げましたような金融市場の中から出てくる問題について、エマージング諸国の強い経済成長力でもってかなり吸収できるだろうという見通しのもとに、先行きのコモディティー、オイル価格をやや強気に見ているというところがあるのに加え、もしかすると、一時的な投機資金がそちらに回っているということも重なって入っていると思います。 したがいまして、原油価格、コモディティー価格の実体経済との関係での均衡点は、これからさらに探りを入れていくというプロセスがあって、いずれ均衡価格が市場の中で見出されていくであろう。 したがって、今の原油価格、コモディティー価格の高さのままずっといくかどうかはわからないと思います。ある程度調整されていくのが自然でなかろうか。その調整された後の価格というものが、その先、持続可能な世界経済の成長の中でうまく吸収していけるものであるかどうかということが決め手になってまいりまして、そこがスムーズに吸収していかれるようであれば、インフレあるいはデフレ、スタグフレーションのリスクの度合いは軽減されていく、こういうことになると思います。 しかし、いずれにしても、経済というのはそううまいシナリオどおりいくとは限りません。いろいろ不規則な要因が入ってきて、あるいは市場がそれを拡大、増幅して悪い姿を見せ、悪い影響を経済にはね返してくるということがありますので、最終的には、市場の動きを今の段階で予測することは非常に難しい。 ただ、締めくくりとしてお尋ねのありました長期金利、これは、原理原則を申し上げますと、申すまでもないんですが、基本的には、将来の経済や物価に関する市場の見方を反映して形成される。だけれども、市場の常として、今申し上げましたとおり、さまざまな要因を材料として大きく変動するリスクが併存している、こういうことであります。特に日本の長期金利の場合には、海外金利の影響を受ける面が強い。日本だけでなくて、海外の金利も、お互いに影響し合う、共鳴し合っているところがありますので、その影響は拡大、増幅して出てくる可能性があるということだと思います。 そういうことを考えますと、先ほども申し上げましたけれども、一方では世界的なインフレ方向のリスクというものには注意をしていく必要がある。それは、原油価格の高騰が示しているかもしれないし、中国経済の過熱感が強いというふうな実態を踏まえてもそういうことが言えると思いますけれども、その一方で、やはりダウンサイドリスクが非常に強く出て、思わぬ世界経済の下振れ、これも十分考えられることであります。 したがいまして、世界的に長期金利の先行きを見ました場合には、上下いずれの方向にもかなりのリスクをはらんでいる。その場合に、長期金利だけではなくて、他の金融指標についても同じことが言えると思いますので、金融市況の予想外の大きな変動をもたらすリスクというのは、今から私どもも念頭に置いております。 展望レポートで、長期金利とだけ特化して書いておりませんけれども、「金融市況の変化など」と、少し表現は一見やわらかいんですが、実は長期金利よりももう少し幅を広げてリスク要因をそこに書かせていただいています。 今のところ、現実にこのリスクが顕現化するというふうには目には映っていないんですが、リスク要因としては結構大きいというふうに私どもは認識しているということでございます。
○佐藤(ゆ)委員 ありがとうございます。しっかりとこれらのリスクを認識していただきたいと思います。 実際、福井総裁は、四年前の三月ですけれども、私もマーケットから拝見いたしておりまして、御就任当時、直ちに緊急の決定会合を招集され、リーダーシップを発揮されたことがあります。それ以来、量的緩和の維持にも大変な御尽力をされてこられたわけでありますが、そういう意味では、来年の春、まさにこういった悪材料が集中し得る可能性のある時期でもありますので、ぜひとも福井総裁におかれましては、最後の最後まで万全を期して金融政策の運営をお願いしたいというふうに思います。 さて、金融大臣の方にお話を移させていただきたいと思います。 サブプライムローンの問題ですが、時間が限られておりますので、二点のみ、格付の問題についてお伺いさせていただきたいと思います。 今回の一つの問題としては、サブプライムローンの問題が露呈して、しかしながら、組成に組成、再組成を組み合わせたいわゆる再証券化商品の格下げに至るまでにかなりの時間を要した、その結果、市場の動揺が大きくなったという問題が一つ指摘をされているとおりであります。 格付変更の迅速化が必要であり、この観点で少しお伺いをさせていただきたいと思います。といいますのは、ほかの一般債券の格付であれば、運用会社であれば自前で評価をしたりもするわけでありまして、市場でも評価の選択肢があるわけですけれども、証券化商品の格付となりますと、なかなか中身が複雑なものですから、どうしても市場の運用者にとりましても、格付機関が公表している格付に頼らざるを得ないというようなところがまさにあります。特に、証券化商品でサブプライムローンを裏づけ資産に入れて組成したような再証券化商品になりますと、まさに格付機関の役割が重要視されていたわけであります。 その格付の格下げがおくれてしまったということでありますけれども、マクロ的に見ましても、実際、証券化商品は物によって本当にデフォルトの基準もまちまちでありまして、例えば、シングルAのトランシェで利払い不能になればデフォルトと定義するものですとか、あるいはダブルAのトランシェまで不履行にならなければ商品全体としてデフォルトにならないものですとか、基準がまちまちであります。あるいは、リスク分散をしているつもりで、組成の当時にはさまざまな裏づけ資産を組み合わせて組成していたはずのものが、市場の変動によって裏づけ資産同士のいわゆる相関関係が変わってしまうというようなこともあり、結果として見てみると、あるとき、その証券化商品のリスクが一方向を向いてしまっているというようなおそれもあるわけでありまして、非常にマクロ的に市場全体としてどのぐらいリスクがあるか把握しづらいというのがこの問題の根底にあると思います。 そこで、格付会社の位置づけが大きいわけであります。そういう意味で、この迅速化ですけれども、金融安定化フォーラムというG7の下の作業部会がありまして、それが先月、十月に、G7の財務大臣・中央銀行総裁会合に向けて事前報告をしていますが、それで、来年の二月と四月にまたG7の会議をやる際に、今後、格付業務に関する行動規範についてさらに強化策がとれないかの検討報告を行うことになっております。 ぜひこういう国際議論に我が国の金融監督当局も積極的に加わっていただきたいと思うわけでありますが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○渡辺国務大臣 佐藤先生のような専門家に私が述べるのは釈迦に説法というものでございますけれども、御指摘のような、いわゆる仕組み債のクレジットリスク評価において、デフォルトを決める際の定義がばらばらになっているというのは、そのとおりだと思います。 証券監督者の国際組織でありますIOSCO、証券監督者国際機構というのがございまして、〇四年に、格付機関の格付プロセスの品質や利益相反の回避などについての行動規範を策定いたしました。これによりますと、格付機関は、格付の継続的なモニタリングや定期的なレビューなどを行い、適時に格付を変更すべきとされているわけであります。ただ、実際はなかなかこのとおりにいっていないという現実がございます。 格付の変更方法については、原則として、行動規範の趣旨も踏まえて、格付機関が自主的に決定をすべきものでございます。かといって、何もしないというわけにまいりませんので、私のもとに金融市場戦略チームというのをつくりました。そして、きょう、たしか十時から、格付五社においでをいただいて、今現在ヒアリングをやっている最中でございます。今月中には、こうした検討結果を踏まえた第一次レポートを出す予定になっております。 また、仕組み債の格付において、市場価格変動を評価対象とすることについてどうかということでもございますが、これも、基本的にはそれぞれが自主的に判断すべきものでございます。また、御指摘の金融安定化フォーラム、FSFにおいても議論は開始されておりまして、金融庁としても、積極的にこれらの国際的議論の中に入って検討をしているところでございます。
○佐藤(ゆ)委員 関連で、もう一つだけ金融大臣に手短にお伺いさせていただきたいのが、信用格付を行う格付会社の基本的業務についてです。 一つ、市場で格付に関して混乱が起きやすいのは、格付というのはあくまで信用格付であるという行動規範に基づき、基本的には、発行体が元金と利子を支払えるかどうか、元利金の支払い能力を評価する信用格付を行ってきたわけであります。しかしながら、市場参加者の中で、トリプルAがついていれば市場リスクも少ないであろうというような誤解が起きておりまして、流通市場における価格変動リスクですとか、あるいは流動性リスクという別のリスクと混合したトータルな評価として使われてしまっているような嫌いもあるわけであります。 そこで、九月にムーディーズがアメリカの議会で証言を行っておりまして、そこでは、信用リスクの範疇を超えて、市場リスクの評価にも取り組む形で格付業務の行動規範を広げることを検討しているという証言がありました。このあたり、どのように大臣はお考えになりますでしょうか。
○渡辺国務大臣 今、まさにこの時間において格付五社のヒアリングを行っておりまして、恐らくそうした話題もヒアリング対象になっているかと思います。 どことは申し上げませんけれども、例えば、既存の信用格付でカバーしていない、幅広い市場期待に対応するためのツールを開発していく必要があるとか、具体的には、商品流動性の評価、ストレスケースにおける裏づけ資産間の相関関係、証券の適正価格評価、こういった新しいサービスを格付機関が始めるべきである、こういった御意見も出されていると聞いております。
○佐藤(ゆ)委員 ありがとうございました。ぜひ、市場での信頼の維持に向けて、こういった新しい取り組みにも積極的にかかわっていただきたいと思います。 最後に、金融税制について一つだけお伺いをしたいと思います。 社債の利子所得に対する源泉徴収の問題ですが、今回、日本では、国債と財投債については既に海外投資家向けに源泉徴収は廃止されておりまして、来年の一月には地方債についても源泉徴収が廃止になる見込みであります。残すところ、社債、一般債それから金融債、そして、こういう証券化商品の利子所得に関する源泉徴収だけが残されるという形になるわけでありますが、アメリカあるいはヨーロッパ諸国など主要諸国を見ますと、実はすべてこれらの経済域では、社債も含めて源泉徴収が廃止されているわけでございます。 租税条約上、例えば、日本の投資会社がアメリカで社債で運用して利子所得を得ると非課税扱いになり、日本の税務当局に原理原則支払うことになっているならば、アメリカの投資家が日本で社債運用をして得た利子所得についても日本の税務当局が徴税をする。ややもすれば、日本の税務当局が二重に海外勢と国内勢とから徴税をしているような印象も受けるわけであります。国際競争力の強化という意味で、税のイコールフッティングというのが今大事であるとの指摘を受けているわけでありますが、森山副大臣にお伺いしたいと思います。 水際での徴税をきっちりと廃止をするようなお考えが財務省として今後おありになるものかどうか、よろしくお願いいたします。
○森山副大臣 お答えを申し上げます。 我が国の債券に投資する海外投資家に対する課税のあり方を検討するに際しましては、今先生御指摘のとおり、金融市場の国際化の観点に加えまして、海外投資家が得る我が国源泉の所得に対する適正な課税の確保や、租税回避防止の観点を考慮しなければならないというふうに基本的に考えております。 仮に海外投資家が受け取る社債の利子に我が国が課税をしないとすれば、我が国における事業活動から得られる所得の一部に我が国が課税をできないことになりますし、さらに、租税回避行為が横行するおそれも考えられます。 いずれにいたしましても、金融市場の国際化の観点、我が国の適正な課税の確保の観点及び租税回避防止の観点を総合的に勘案いたしまして、非居住者が受け取る社債の利子に対する我が国課税のあり方につきましては、引き続き検討してまいりたいと考えております。 以上であります。
○佐藤(ゆ)委員 ありがとうございました。 これで質問を終わらせていただきます。
○原田委員長 次に、石井啓一君。
○石井(啓)委員 おはようございます。公明党の石井啓一です。 山本副大臣、経産委員会で御答弁ということで聞いておりますので、どうぞ御退席いただいて結構でございます。 それでは、私からも、まずサブプライムローン問題についてお尋ねいたしますが、残高と損失予想額について伺いたいと思います。 このサブプライムローンにつきましては、証券化されて、世界各国で売られておりますから、どの投資家がどれだけ損失をこうむるかというのが、その全貌把握が難しいというところに非常に不気味な問題になっておるわけでございます。我が国ではさほど、残高も損失も少ないだろうというふうに予想されておりますけれども、どの程度、我が国及び世界各国の金融機関の不良債権問題として深刻化するというふうに予想されているのか、金融担当大臣と日銀総裁にお伺いをいたします。
○渡辺国務大臣 サブプライムローン関連の損失がどれぐらいあるかということについては、いろいろな見解がございます。例えば、本年七月、FRBバーナンキ議長の議会証言では、損失が最大で約十二兆円になるとの指摘がございました。また、IMFの世界金融安定報告書の中で、損失が最大で二十兆円を超える規模と試算が出されております。 日本の金融システムではどういう影響があるかという点でございますが、現段階で断定的に申し上げることは差し控えさせていただきます。今後の市場動向を注意深く見ていく必要がございます。ただ、日本の金融システムは、御案内のように、不良債権比率が大幅に低下をしております。全体として金融システムの健全性は高まってきているということが言えようかと思います。また、サブプライム関連商品に直接関連するリスクは、全体として見れば相対的に限定されている、こういったことから、日本の金融システムに深刻な影響を与えるような状況にあるとは考えておりません。 ただ、適切にリスク管理に取り組んでいただくことは極めて大事なことでございます。また、その結果、ディスクロが必要な場合には、これまた適時適切に開示をしていただくということが、人々の疑心暗鬼を生まないで済むということにつながっていくわけでございますから、金融庁としても、日常的に金融機関とヒアリングや情報交換を進めているところでございます。
○福井参考人 損失額のIMFによる推計等につきましては、大臣からお答えのあったとおりでございます。 いずれにいたしましても、サブプライムローンそのものだけでなくて、証券化商品の範囲はかなり広範囲でございますので正確な額はわかりませんけれども、結果として出てくる損失額はかなり大きなものであろうというふうに考えておいた方がいいような気がしております。現に、海外の金融機関の中には、こうした市場変動の影響を受けまして、多額の損失を計上している、今後もさらに追加計上してくる可能性すら感じられるというふうな状況でございます。 ただ、こうした証券化商品に対する日本の金融機関の投資状況などを見ますと、確かに一部では、海外での証券化ビジネスに関連した金融商品在庫の評価損とか売却損を計上した先がありますのと、投資をした証券化商品の市場価格下落に伴う損失を計上した先も見られております。ただ、我が国金融機関全体として見れば、証券化商品への投資規模は総じて小さいわけでございまして、関連損失、今申し上げましたような損失を計上した金融機関の場合にも、それぞれの収益や体力の範囲内で十分吸収可能というふうに判断されます。 したがいまして、今回の問題は、少なくとも現時点において、日本の金融システム全体の安定性という観点から見ますと、大きな影響を及ぼす可能性はないというふうに見ております。
○石井(啓)委員 続いて、金融政策と為替の関係についてお伺いいたします。 米国のFOMC、連邦公開市場委員会は、九月十八日の〇・五%引き下げに続きまして、十月三十一日に〇・二五%引き下げまして、フェデラルファンドレートを四・五%とする決定をいたしました。市場では、米国が景気後退を回避するためにさらに今後金利引き下げを行うであろうと予想をされております。 そうなりますと、日米間の金利差が縮小いたしまして、ドルの高金利を目指したドル買い需要が少なくなる、円キャリートレードの巻き直しなど、一層の円高・ドル安が想定されるわけでございますけれども、今後の金融政策と為替動向の関連について、総裁に御見解を伺いたいと思います。
○岩田参考人 それでは、お答えをいたします。 今御指摘ございましたように、我が国の金利は、諸外国と比べまして低水準の状況が続いております。内外金利差に着目しまして、円キャリーの取引というようなものが生じやすい環境にあるということが言えると思います。 しかしながら、一方向に偏ったポジションが形成されるような場合には、その後に巻き戻しあるいは反動が生ずる、そして金融市場の変動につながる可能性があることにつきましては、御指摘のとおりでございます。こうした点につきましては、G7を初めといたしまして国際会議等の場でも広く認識されているところであります。 しかしながら、為替市場は、それでは、内外金利差だけですべて為替レートが決まるのかと申しますと、必ずしもそうではない。為替市場におきましては、金融機関やあるいはさまざまなファンドだけではありませんで、輸出入企業でありますとか、あるいは内外の投資家による取引が広範に行われております。したがいまして、為替相場は、金利差だけではなく、各国の経済、物価の状況、とりわけ、経済成長率ですとかあるいはインフレ率ですとか、経済の基礎的な要因と呼ばれるような要因、こういったものによっても為替レートが影響を受けるということが言えようかと思います。 最後に御質問のありました、金融政策との関連ではそれはどういうふうに考えたらいいのかということであります。 金融政策はあくまで、最終的には、物価の安定を通じて経済の健全な発展を図るというところに私どもの任務があるというふうに認識をいたしております。為替相場を含めまして、金融資本市場の動向といいますのは、こうした経済、物価情勢に影響を与える可能性がございます。そうしたことを踏まえて、リスクの要因を丹念に点検しながら適切な金融政策運営ということを行っていくことが重要であるというふうに考えております。 以上でございます。
○石井(啓)委員 ただ、端的に申し上げまして、アメリカがどんどん利下げしていく中で日本が利上げをしていくというのはなかなかやりにくい状況にあるなと。円高による景気後退も非常に懸念をされますし。そういうことだけを指摘しておきたいと思います。 次に、物価情勢で伺いたいのですが、最近、原油価格の上昇とか、あるいは小麦や大豆などの食材価格が上昇しておりますけれども、これによって、昨日、ガソリンがリッター百五十円を超えるとか、あるいは食料品やタクシー料金の値上げ等々が続いておるわけですけれども、そういう最近の価格の上昇というのは、原材料価格が上昇することによる生活関連物資の価格上昇ということでございまして、供給側の要因によるものでございます。 こういった中で、コスト転嫁をしにくい中小企業とか、あるいは消費に占める生活関連物資の割合の高い中低所得者には厳しい状況にあるわけでございますが、私は、利上げの判断というのは、供給側要因による当面の物価の動向よりも、むしろ、先行きの景気回復によって需要面で物価上昇圧力が高まるかどうか、この判断の方が重要だというふうに考えておりますけれども、総裁の御見解を伺いたいと思います。
○福井参考人 それでは、お答えを申し上げます。 委員御指摘のとおり、原材料高、これは交易条件の悪化をさせるわけでありまして、特に、御指摘のとおり、中小企業あるいは一部の消費者にとりまして厳しい環境につながっていくということでございます。 もちろん、供給要因でありましても、物価に対してはこれは上昇要因ということになりますので、経済全体を正しく状況判断していく上に、少し錯綜した要因として、これは分析の難しい問題を抱えるということは確かでございます。しかし、基本的には、日本経済が息の長い景気の拡大を続けていく中で、需給の引き締まりから物価上昇圧力がどれぐらい強まっていくか、ここを基軸に判断をしていけば、それに加える要因を上乗せして、総合的に正しい物価判断、ひいては政策判断にこれを結びつけていくということが可能になってくるのではないかというふうに思います。 私どもは、やはり、物価安定のもとでの息の長い景気の拡大パスをしっかりと確保していくということでございますので、どうしてもそういうふうな物の考え方になるわけでございますけれども、私どもの標準的な見通しどおり経済がこの後も推移するとすれば、マクロ的な需給ギャップはやはり需要超過方向で進んでいく、そんなに急速に進むわけではありませんが、じわじわと進んでいくということでありますので、そういう面から見ても、消費者物価指数のプラス幅は次第に拡大していくだろうというふうに見ています。 先行きの政策運営につきましては、そういうふうな意味で、丹念に分析が必要でございます。そして、この標準シナリオを崩すさまざまなリスクがありますので、その点にも十分配慮しながら適切な判断を行っていく必要がある。委員御指摘のとおり、単純に判断するなよというのはまさにそのとおりでございます。 〔委員長退席、田中(和)委員長代理着席〕
○石井(啓)委員 それでは、続いて総裁に伺いたいと思いますけれども、福井総裁の任期は来年の三月下旬でございましたね。まだ五カ月任期が残っていらっしゃいますので、今お尋ねするのはちょっと時期が早いのかなというふうな気もいたしますけれども、私が総裁に質問するチャンスがこれからあるかどうかわかりませんのであえてお聞きしたいと思いますけれども、来春の退任を前にされて、これまで総裁としての御自分の実績について、自負したい点もあろうと思いますが、反省されたい点もいろいろあろうかと思います、率直な御感想をお伺いいたしたいと思います。
○福井参考人 私は、任期が終わるまでは毎日全力を尽くしているという形でございます。格別の感想は持っておりません。それから、日本銀行の仕事は、やはり日本経済全体が安定して、しかし持続的に望ましい姿に常にたどり着くように、いわば縁の下の力持ちをしておりますので、格別華々しいイメージを持って仕事をしているということは一切ございません。
○石井(啓)委員 来年の三月の新総裁の選任というのが今から大変話題になっております。これは国会の承認人事でございますので、今ねじれ状況の中でどういうふうになるかということで注目をされていますけれども、次の日銀総裁を選任するに当たって、その条件とか資質についてどういうふうにお考えになるのか。この四年七カ月ですか、実際の御経験を踏まえて、福井総裁の御見解を伺いたいと思います。
○福井参考人 日銀総裁及び副総裁の人事につきましては、政府に任命権があり、国会の両院の御承認を得て決まるということであります。きっと適正な判断、人事が行われるということを私は信頼感を持っております。格別の基準というふうなことは私の頭の中にございません。少なくとも私よりもすぐれた人物をぜひ選んでいただきたいと思っております。
○石井(啓)委員 それでは、きょうは一時から本会議もありますから、これで最後の質問にしたいと思います。 福井総裁の来春退任の花道として年度内に一回の利上げが行われるのではないかという観測があります。私は、そんなことは、そんな心情で政策を判断するようなことはあり得ないと思いますけれども、念のために確認をしておきます。
○福井参考人 私ども、毎回の政策決定会合には予断を持って臨まず、こういうことになっておりますので、歌舞伎のように台本はないということでございますし、日本銀行の建物の中には花道というふうな装置もございません。
○石井(啓)委員 それでは、若干時間が残っていますけれども、皆様の幸せのために早く終わらせていただきます。 以上で終わります。
○田中(和)委員長代理 次に、小沢鋭仁君。
○小沢(鋭)委員 民主党の小沢鋭仁でございます。 幾つか質問をさせていただきたいと思います。 まず、先ほど来、物価上昇懸念の話が続いておりました。確かに、ガソリンの値上げというような話がテレビで報道されていたわけであります。ただ、今回のレポートは、日銀は、成長率、コアCPIともに下方修正しているんですね。全く先ほど来の話と逆な話をしているわけですが、今回、その下方修正をした原因、理由をどういうふうにお考えになっていますか。
○福井参考人 一昨日公表いたしました展望レポートのことをおっしゃったんだろうと思いますが、二〇〇八年度までを展望して、私どもは、日本経済は物価安定のもとで息の長い拡大を続ける可能性が高い、こういう見通しをお示しいたしております。この見方は、半年前の四月の展望レポートにおける見通しと基本的に変わっていないということでございます。 経済の見通しでございますけれども、委員御承知のとおり、六月に改正建築基準法が施行されまして、それに伴いまして住宅投資が今大きく下振れをしております。このことは、少なくとも成長率の推計の上では明確に下押し要因になります。 政策委員の経済見通しを数値で表現した場合どういうことになるかという数値の御報告もレポートの中で書いておりますが、二〇〇七年度の成長率が幾分、四月の数字に比べて低目の数字が出ておりますのは、主としてそれが背景となっております。それでは、二〇〇八年度の成長率がその分、一時的な落ち込みが回復して全部戻ってくるかどうかというのは、今の時点では正確に読み取る材料がございませんので、まだそこは十分に入っていない、二〇〇八年度の成長率は前回の予測並みということにしております。 いずれにしましても、成長率の水準は、両年度ならしてみて二%程度で推移する可能性が高いという点で、前回の展望レポート対比、数字の面から見ましても、ほぼ同じような見通しを出している、基本的には同じような見通しを出しているというふうにごらんいただければと思います。 消費者物価指数の方も、前年比で見て数字を厳格にごらんになられますと少し下方修正したような形になっておりますけれども、これは今後、より長い目で見たら、あるいはそう遠からず消費者物価指数はプラスの世界に入っていくというふうに私どもは見ております。そしてその後、極めてゆっくりとプラス幅が拡大すると見ておりますので、数字が多少下方修正されておりますのは、恐らく、さまざまな個別の理由を挙げると切りがないんですが、基本的には、企業部門から家計部門への所得の移転がやや鈍い、少なくとも今年度はやや鈍かったというふうなところをかすかに反映していると思いますが、大きな経済の前向きの循環メカニズムは変わっていないということを基本に据えておりますので、物価につきましても、四月の時点での見通しと基本的には見方は修正していないというふうに御理解いただきたいと思います。
○小沢(鋭)委員 決定的に違うんですね、私の見方は。景気は減速し始めていて、物価は下落を続けている、こういうふうに思っているんですね。これだけガソリン価格を含めて原材料が値上がりしているにもかかわらず、コアのCPIが下がり続けている。下がってないと先ほど総裁はおっしゃいました。そしてまた、さっきやじでも私申し上げましたが、ゼロ近傍、こういう話を岩田さんはおっしゃっていましたが、正確な数字を言ってくれませんか、コアCPI、マイナスでしょう。
○稲葉参考人 数字のお尋ねでございますので、お答えいたします。 消費者物価、除く生鮮、前年比を見ますと、数字をそのまま申し上げますと、マイナス〇・一%でございます。この動きが、八カ月マイナスの動きが続いておりますが、ごく小幅のマイナスの動きが続いておりまして、達観して見れば、ゼロ%近傍で動いているというふうに評価してよろしいと思っております。
○小沢(鋭)委員 マイナスはマイナスなんですよ。何でゼロ%近傍と言わざるを得ないのかというと、それは日銀が今まで発表してきていた政策基準と違うからですよ。違うから、ゼロ近傍と言わざるを得ないんでしょう。 私、昨年の三月のときですか、やはりこの委員会で質問したときに、これは岩田副総裁の話で、量的緩和解除のときの議論でありますけれども、いわゆるコアの消費者物価指数が安定的にゼロを上回る、そう思っているから量的緩和を解除するんだ、こういう議論がありましたよね。 安定的にゼロを上回るという話と八カ月連続マイナスという話は、これは矛盾するんじゃないんですか。そこのところを正確にちょっと答えていただきたいんです。
○福井参考人 昨年三月に量的緩和政策を解除いたしました。私どもは、その当時の利用可能な消費者物価指数で、安定的に消費者物価指数はプラスの領域に入り、基調的にもそれが続くというふうに判断いたしました。市場の判断とも完全に一致していたというふうに思います。 そして、何よりも、経済の前向きの循環メカニズムがしっかり働き始めていて、その後これが定着する。したがって、実質二%前後の安定的な成長軌道に経済は乗った、ここが一番確信を持って判断したところでございます。その後の経過を見ておりますと、やはり経済は緩やかな拡大を続けている。先行きを見ましても、生産、所得、支出の好循環のメカニズムが維持されるもとで息の長い成長を続けていくと判断できる。 今、海外あるいは市場環境にリスク要因が高まっておりますけれども、それでも、私どもの標準的な見方をすれば、日本経済の前向きの循環メカニズムはそう簡単に崩れそうもない、崩れない蓋然性の方が強い、こういうふうに見られる状況でございます。 物価の面では、その後指数の改定などもありまして、今、厳密に数字を見ると、ここ数カ月間、前年比マイナス〇・一ないしはそれに近い数字で続いておりますが、これもやはり、経済が着実にやや潜在成長能力を上回る成長を続けていく限り、需給がさらにタイト化して、基調的な消費者物価指数そのものもプラスの世界に入っていくことは間違いない、そういうふうに考えております。 ゼロ近傍で推移しております消費者物価指数は、そう遠からずプラスの世界に入り、そんなに急激に上がる、インフレの心配があるということを申し上げているわけではありませんが、ゆっくりとプラス幅を拡大していく可能性が強い、こういうふうに見ておりまして、これまでの量的緩和政策解除後の経済の推移を見ましても、これまでの政策判断にそんなに大きな狂いがあったというふうには考えておりません。
○小沢(鋭)委員 何でそんなに言い張るんですかね。 僕は、だから、一方的に物価が下落し続けるなどと言っているつもりはありませんし、先ほど来の話のように、まさに原油価格の高騰だとか、そういう原材料費の値上がりがある意味ではかなりCPIを押し上げていくだろうな、こうも思いますよ。ですから、大事な話は、その時々の判断をしっかりと行って、弾力的な運営を行うということなんじゃないんですか。 さっき、たまたま花道利上げ論というのが御紹介されましたが、私もそういう話を聞いているんですよ。ついでに言っておくと、いわゆる財務省は増税、それから日銀は利上げ、これがもう体質だというんですね。そういう意見がある。だけれども、これは違うんですよ。いわゆる一方的な話だけでは済まないでしょうということを私は言っていて、そして、例えば現実に、成長率も減速の見通しを出した、いわゆるCPIの下方修正もした、これは何回目ですか。 さっき申し上げましたように、この委員会で岩田副総裁が、安定的にゼロを上回る、こう答弁しているんですよ。それが日銀の政策判断の基準だ、こう言ってきていて、八カ月連続でマイナスになっているんですよ。これは安定的にゼロを上回るという話と違うと私は思いますが、なぜそういうところをお認めにならないのか、そこのところをもう一回聞かせてくれませんか。
○福井参考人 最近数カ月の物価の動きは、家計部門が企業部門に比べて相対的に弱く推移したという基調の上に、エネルギー価格の変動の前年対比の振れということもありまして、数字はそういうふうに出ています。数字がマイナスであるということを否定しているわけではございません。 しかし、経済全体の基調と物価の動きというものを組み合わせて考えた場合に、これをもって、物価安定のもとに持続的な成長パスに経済が乗っているという判断は揺るぎがないものであり、これが先々つながっていく可能性が強いという判断についても、これまた揺るぎがない。ただし、環境としてリスク要因が高まっているから、そのリスク要因は十分注意しながら今後の政策は進めなきゃいけない、こういう構図は揺るぎがないものだというふうに思っております。
○小沢(鋭)委員 揺るぎがないという話をそこまで強調される必要はなくて、もう少し弾力的にごらんになったらどうですかということを私は申し上げていて、例えば、失業率はどうですか。九月の失業率、悪化しているんじゃないですか。失業率が悪化して、成長率が減速して、CPIがマイナスになっている。この話は、かなり警戒感を持たないといけないんじゃないですか。 もう一回お願いします。
○福井参考人 失業率は、単月の数字で見ますと、直近月が四%に戻っている。よく承知をいたしております。四半期ごとにくくってみますと、失業率は引き続き緩やかに低下しております。 繰り返し申し上げておりますが、これまでのところ、企業部門からの家計部門への所得移転というものは、主として、雇用の増加、そして賃金の増加が緩いというふうに申し上げてきておりますが、雇用の増加のテンポがここで急変しているかどうか、まだ即断はできないというふうに思っています。 今後とも、私どもの判断では、緩やかな雇用の増加はやはり続いていくであろう、こういうふうに思っております。
○小沢(鋭)委員 私は、昨年のときも、いわゆる金融の量的緩和の解除は早過ぎると言ったし、ゼロ金利解除、あるいはまたさらなる利上げのときも、心配だ、こういうふうに申し上げてきました。この委員会でもそういうふうに言ってまいりました。 そのときに議論があった話は、先ほど岩田副総裁の議論を申し上げましたけれども、そういう前提が崩れていて心配だ、こういう話を言っているんですが、岩田副総裁、あのときたしか岩田副総裁は、まだ早い、こういう意見を個人的には日銀の政策決定会合でおっしゃっていたはずでありましたが、今になって、やはりあのときは早かったんだな、こういうふうにお思いになりませんか。
○岩田参考人 お答え申し上げます。 量的緩和の解除を行う、それから、その後ゼロ金利の解除を行う、これはそれぞれ三月と七月に行いました。私自身は、三月の時点でこれに賛成をいたしましたし、それから七月の時点でもこれに賛成をいたしました。 理由と申しますのは、量的緩和を解除するに当たりまして、新たな政策のフレームワークというのを三月に私ども発表いたしまして、量的緩和のときの三つの私どものお約束、その中の一つには、安定的にコアの消費者物価指数がプラスの方になるということも一つ入っておりました。 量的緩和を解除する条件、当時の日本の状況を思い起こしてみますと、そのときのコアの消費者物価指数というのは明らかにプラスで推移をしておりまして、私自身もこれは安定的にプラスの領域に入ったというふうに判断をいたしました。それから、その後のゼロ金利の解除ということにつきましては、これは新たなフレームワークということで、新しい政策のフレームワークを打ち出したわけであります。 そのフレームワークというのは二つの部分から成っておりまして、一つは、物価の安定の理解、物価の動向については中長期の物価の安定ということをそれぞれのボードメンバーの方々がどのようにお考えになるかということをまとめまして、それは数字で申し上げればゼロから二ぐらいである、こういうことが一つの柱でありました。ただ、これは重要なことは、中長期におけます物価の安定の理解ということでありまして、直ちに足元の物価の変動ということについての理解ではないということが一つでございます。 それから、もう一つの重要な柱は、リスクを丹念に点検する。これは、予測期間におけます一、二年の間に起こるであろう上振れ、下振れのリスクをよく点検するということと、その予測期間を超えるような思いがけないリスクというようなものについても十分検討した上で決定をする、こういう新しいフレームワークに基づいて私ども決定を行ってきたというふうに理解をしております。 以上でございます。
○小沢(鋭)委員 私は、今の話を聞いてもなかなかすとんと胸に落ちないわけでありまして、日銀や、またそれぞれの、福井さんや岩田さんがおっしゃってきたことと今の現状は少なくても違うな、こういうふうに、事実としてそう認識をいたします。 さらにはまた、経済財政諮問会議の議事録なんかを見ますと、経済財政諮問会議の中でもそういう意見が出ていますよね。これはちょっとしつこくなりますが、せっかくですから申し上げておきますと、「もともと日銀は去年の三月に量的緩和政策を解除したときには、将来的にはCPIはマイナスにならないという見通しが条件だったわけだから、これはある意味で見通しを誤ったというふうに考えるべきである。」こうはっきりと言っている委員の方がいらっしゃいますよね。 それで、なぜここが大事なのかというと、やはり日銀は、先ほどの話じゃないですけれども、金融正常化論を急ぎ過ぎなんですよ。金融正常化をするというのは、私は大事なことだと思っている。それと同時に、日本経済をどういうふうにするのかという話があって、日本経済をどういうふうにするのかというのが、まさにこちらが本体で、金融正常化は、これをある意味で急ぎ過ぎますと、まさに角を矯めて牛を殺すという話になりかねませんかということを私なんかは一貫して心配をしてきていて、その懸念が当たりつつあると私は認識しているし、なおかつ、経済財政諮問会議でもそういう意見まで政府の中から出てきている、こういうことですよ。ですから、その辺を本当にはっきりしてもらわないと、日銀の見通し、日銀の政策が誤ったかどうか、こういう話まで言うつもりはありませんけれども、これからも間違い続けるという心配があるものですから、申し上げております。 ついでに申し上げると、先ほど来話が出ているFRBでありますけれども、FRBはかなり機動的な運営をしていますね。これは委員の皆さんにはお配りしていないんですが、遠くから見えるかもしれませんが、これはFRBのまさに金利の調節の図と、日銀ですよ。 要は、先ほど来私が申し上げているのは、機動的にやってくれ、こう言っているわけですよ、かたくなではなくて。そういう話なんですけれども、まさに福井さんの、総裁のおっしゃられる、また記者会見でも、新聞で見たから本当かどうかわかりませんが、記者会見では、長い目で見たアップサイドリスクは軽視できない、こういう言い方をしているんですが、長い目というのはいつのことですか。このFRBの機動的な運営と決定的に違うんじゃないですか。福井総裁、どうですか。
○福井参考人 二つお答えしなければなりませんが、日本銀行の政策委員会のメンバーで共有している強い認識は、今おっしゃった金融正常化というふうなことで金融政策を自己目的化しない、こういう強い決意のもとに、あくまで日本の実体経済、持続的な成長、それを裏づける物価の安定、ここを基軸にしっかり置いて、それは足元の動きだけを見ていては判断できませんから、ずっと先まで見通して現在の政策を正しく判断しよう、こういうスタンスは一貫いたしております。 それから、FRBと日本銀行の金融政策の判断基準がそんなに違っているかということでありますけれども、それは私どもの認識では違っていないというふうに思います。FRBに限らず、主要国の中央銀行の政策判断基準というのは、やはり、いわゆるフォワード・ルッキング・アプローチといいますか、足元の状況は正しく把握いたしますけれども、それをずっと先々まで延ばして、経済がどういうパスをたどることが望ましいか、それを脅かす要因は何かと。ただ要因が何かというだけではなくて、上下の両方のリスク要因が顕現化する可能性というものをどういうふうに読むかということを判断しながら、早目に政策対応をしていく、この基本的なアプローチに変わりはございません。 米国の場合には、現実に住宅市場の調整ということがかなり厳しい姿で進んでおります。そして、経済全体に対するダウンサイドリスクというものがある程度目に見える形であらわれつつあるということでありますし、金融の面でも、いわゆるサブプライムローンをきっかけとする混乱の震源地はアメリカであります。そうした状況を踏まえながら、しかし、それでも先行き、経済に及ぼすリスクをあらかじめ遮断するために、いわゆるフォアストールという言葉を使っておりますけれども、予防的な対応をしている、こういうアプローチでありまして、我々の場合でも、現実にアメリカのような状況に置かれれば、同様な政策をとった可能性はあるというふうに思っております。日本の場合は、標準シナリオは今維持されている、これを今後とも維持しなければならないということでありますので、じっくり物事を考えながら着実に政策を進めている。 それは、実体経済そのものの相違から出てくる、表に出てくる政策行動の違いであって、とっているスタンスは変わりはございません。
○小沢(鋭)委員 余りこういう固有名詞というか、したくないんですけれども、ある意味ではFRBの認識と我々日銀は違わないんだ、こうおっしゃったから申し上げるんですけれども、今月号のある雑誌に載っている方の話だと、すごいんですよ、これは。日本の日銀の政策はスチューピッドだ、こうバーナンキさんが言っていると。これは私が言っているんじゃないですよ、申し上げておきますけれども。そういう話まで出ているんですよ。 では、内閣府に聞きます。 内閣府は、先ほど来の意見や何かを踏まえて、今回の日銀のレポートをどう判断するんですか。これでいいんですか。
○梅溪政府参考人 お答え申し上げます。 先般公表されました日本銀行の経済・物価情勢の展望、いわゆる展望レポートにおいては、好調な企業部門に比べると、家計部門の改善テンポが緩慢な状況が続いているものの、緩やかに拡大しているとの判断がなされております。政府といたしましては、景気の現状について、このところ一部に弱さが見られるものの、企業部門の好調さを背景に、基調としては回復が続いているものと認識いたしております。 このように、具体的な表現に違いはあるものの、景気の現状に対する基本的な認識については、政府、日本銀行ともほぼ一致していると考えております。 先行きの経済の姿について、展望レポートでは、「生産・所得・支出の好循環メカニズムが維持されるもとで、息の長い拡大を続けると予想される。」としており、「成長率の水準は、均してみると、潜在成長率を幾分上回る二%程度で推移する可能性が高い。」とされています。消費者物価指数の先行きについては、「前年比でみて目先はゼロ%近傍で推移する可能性が高いものの、より長い目でみると、プラス幅が次第に拡大するとみられる。」とされています。 これは、本年八月の内閣府経済動向試算などと基本的には同様であると考えております。 展望レポートでは、先行きの経済、物価情勢について、上振れ、下振れ要因として幾つか挙げておられますが、内閣府といたしましては、上振れリスクよりも、むしろ経済活動や物価の下振れリスクに十分留意する必要があると考えております。
○小沢(鋭)委員 本当は内閣府の大田大臣に来てもらいたかったな、こう思っているんですが、ただ、今の統括官のお話、政府ですから、違いますともこれは言えないわけでありますが、最後におっしゃった話は大事だと思いますよ。上振れリスクよりも下振れリスクの方を懸念している、こうおっしゃいましたね。やはり、それはよく言ってくれたと思いますよ、統括官として。だから、やはりそこなんですよ。この委員会の公の席で、ましてや野党質問に対して、政府の中で意見が違います、こういう話はなかなか言えないけれども、いわゆる下振れリスクの方を心配している、こういう発言まであった。やはり、ここはそれを本当に心配してもらわなきゃいけないんですよ。 それでは、福井総裁に一つだけ確認をさせていただきたいと思います。 私は、先ほど来、一方的な上振れ、下振れ、どっちかなんて言っていません。もし、このサブプライムの話、さっきも出ていましたが、この影響は私も大変大きいと思っています。これは本当に、いわゆる直接的な損失額だけではなくて、あるいはまた米国の住宅着工数の減少だとか、それが景気の後退につながるとか、それが株式マーケット、きょうも三百ドルくらいですか、きのう、ダウンしていますけれども、そういうマーケットが下落するとか、そういったことを通じて、日本に対する、直接的な損失額ではないけれども、そういった影響は相当大きいと僕は思っているんですが、この影響が今後出てきて深刻な事態になったときに、これは当たり前の話ですけれども、そのときは利上げではなくて利下げをするような覚悟もあるんですね。必要に応じてはやるんだということはあるんですね。その気持ちだけ聞かせてください。
○福井参考人 具体的な将来の状況を一定のイメージを描いて政策措置をあらかじめ予定するということは、金融政策上は絶対にあり得ないことでございます。将来の状況を正しく読み取りながら早目に手を打っていく、この基本が我々にとっても、とっているスタンスであります。 重ねて申し上げますけれども、日本経済にとって何が重要か。目先のダウンサイドリスクは我々は嫌というほどきっちり認識しております。これは誤りなく認識しております。だけれども、本当に長い将来を見通したとき、先ほど一回お答えしたんですが、これから厳しい少子高齢化、人口減少、財政再建という長いプロセスの中で一番困ることは、景気が大きく振れるということなんですね。これは国民の皆様にとって物すごく大きなダメージになります。あらゆる対応が全部行き詰まるというリスクがあるわけです。したがって、できるだけ長く物価安定のもとでの持続的な成長、たとえ緩やかであっても、これは絶対にキープしなきゃいけない。 したがって、我々は、ダウンサイドリスク手前のものは十分認識いたしますけれども、だけれども、そこにばかりかまけていて、将来、やはりバブルの発生あるいはその崩壊ということがあっていいかというと、これは絶対あってはならぬわけですので、そこまで読みながら安定的な経済運営をしたい、こういう判断をしているということを重ねて申し上げさせていただきたいと思います。
○小沢(鋭)委員 ということは、私の質問に対しては、それは必要に応じては利下げもあってもいいんだ、こういうお答えだったというふうに解釈していいんですね。これはいわゆる一定的なイメージを持ってやっているんではない、こういうお話でありましたからね。というふうにまず受けとめさせていただきます。 総裁の、いわゆる長い目で見て、あるいはまた大きな変動を起こさない、こういう思いでやっていらっしゃるというお気持ちは十分尊重しながら、私も重ねて、その大きな政策変更とは別に、それぞれの機動的な、ある意味ではファインチューニングというんでしょうか、そういった話が日銀はできるはずだし、ぜひともそういったマインドも持っていただきたい。大きな変動、こういう話の間にあるまさに小さなフラクチュエーションというんですか、そういうところも十分意識をして対応していただけるのが金融政策だと思いますので、ぜひそういったマインドも持っていただきたいと私も重ねてお願いを申し上げたいと思います。 それでは、今、景気みたいな話が出ましたからお尋ねをしたいんですが、国民にとって、とにかく政治に求める課題というのは、そのときのさまざまなニーズがありますが、やはりベースには景気をよくしてもらいたいというのが必ずありますね。必ずあります。例えば三本の政策課題というか、何か聞くと、景気をよくしてくれ、こう言います。 今、政府で、景気をよくしてくれ、この声に責任を持てる部署というのはどこですか。とりあえず、内閣府にお尋ねします。
○梅溪政府参考人 本年六月に閣議決定されました経済財政改革の基本方針二〇〇七におきましては、当面の経済財政運営の考え方として、人口減少社会下で、成長を持続させ生活の質を高めるため、「日本経済の進路と戦略」に示されました新成長経済の実現に向け、改革への取り組みを加速、深化するといたしております。 民間需要主導の持続的な成長を図るとともに、これと両立する安定的な物価上昇率を定着させるため、政府と日本銀行は、基本方針二〇〇七に示されましたマクロ経済運営に関する基本的視点を共有し、政策運営を行うことといたしております。
○小沢(鋭)委員 先ほど梅溪さんを齋藤統括官と間違えたようです。失礼いたしました。 梅溪さん、もう一回端的に答えてください。私が聞いたのは、国民が景気をよくしてくれと政府に対して求めるときの、そのときの責任の所在というか、大もとはどこですかということをお尋ねしています。
○梅溪政府参考人 景気をよくするためには、さまざまな政策ツールがあると考えております。先ほど御答弁申し上げましたように、景気に対する経済政策に関しましては、政府と日本銀行が経済に関する認識を一体、共有化いたしまして政策運営に努めていくところが重要かと考えております。
○小沢(鋭)委員 だから、その政府の中はどこですかと、こうお尋ねをしております。
○梅溪政府参考人 景気をよくするため、これは政府の非常に重要な課題でありますので、政府全体、一体となって取り組みを進めているところでございます。
○小沢(鋭)委員 与党の皆さんも、聞いていただいていて、これは参ったな、こうお感じになっていると思いますけれども。 我々がいろいろな選挙だとかさまざまな日常活動の中で、景気をよくします、こう言ったときに、どこに何を言っていけばいいのかわからないんですよ、本当に。こんな話で、景気に対して、本当に景気をよくしますなんということを言えるんですかという話を私は申し上げています。 それで、今の政府の中にはそういったまさにへそがないんだということを御指摘させていただいた上で、経済政策、景気対策の昨今のいわゆる経済学の主流の考え方は、今、日本は財政が大変厳しいから財政政策を発動する余地がないということとはまた別に、基本的には、景気に対して中核でそれに対応していくのはやはり金融政策だというのが主流の考え方だと思っておりますが、そういう考え方について、これは岩田副総裁に聞かせてもらった方がいいですかね、いかがですか。
○岩田参考人 今お尋ねのございました金融政策の実際の運営ということにつきまして、各国ともそれぞれ、やり方については、さまざまなバリエーションといいますか、いろいろなやり方をとっておられると思いますけれども、基本は、先ほど福井総裁が申し上げましたように、中長期的に見て経済変動の振れをできるだけ小さくする、それから、それを同時に物価の安定のもとで実現する、こういう二つの大きな目的、これをどうやったら一番うまく実現できるかということで、各国ともいろいろ知恵を絞って、中央銀行、知恵を絞りながら、その課題をうまく実現しようということで努力されているというふうに考えております。
○小沢(鋭)委員 ちょっとお答えが、違う方向からお答えいただいたので違うんですが、先に進みたいと思います。 政府、日銀一体となって、こういう言葉が出てきておりますし、これも繰り返しの話でありますが、それをはっきりさせるためには、やはり政府と日銀で一つの政策目標、少なくても、インフレ目標をしっかりと合意して、そして、その目標に対して結果がどうだったかという、結果責任を常に判定していくことが大事だと、繰り返し私はこの場でも申し上げておりますが、これに対して、内閣府の見解はいかがですか。 〔田中(和)委員長代理退席、委員長着席〕
○梅溪政府参考人 中長期的には、持続的な成長と両立するような安定的な物価上昇率を定着させることがマクロ経済運営の基礎となり、その実現に向け、政府、日銀が一体となって取り組んでいく必要があると考えております。 インフレ目標政策につきましては、幅広い観点から研究していくことが必要であると考えております。
○小沢(鋭)委員 きょうの時点ではそこまでなんでしょうが、幅広い研究をしていただいて、どこかで決断をしていただきたい、こういうふうに思いますね。御要望を申し上げておきたいと思います。 それから、先ほどから、地域間の格差の問題が出ておりました。この地域間の格差を示す何か具体的なデータを内閣府はお持ちですか。
○齋藤政府参考人 お答え申し上げます。 今回の景気回復局面は、二〇〇二年の初頭以降長期にわたっておりますけれども、その中で、最近の地域経済の状況について見るために、例えば、有効求人倍率の動向などを見ますと、これは、二〇〇二年の第一・四半期の景気の谷のころに比べますと、全地域で水準が改善しております。 ただ、この間の改善幅を見ますと、例えば、東海地方では〇・九倍ポイント程度改善しているのに対しまして、沖縄あるいは北海道では、それぞれ〇・二倍ポイント、あるいは〇・一倍ポイント程度というように、地域ごとにかなり状況のばらつきがございます。 また、こうした中で、例えば景気ウオッチャー調査、これは、タクシー運転手さんとか、コンビニ、ホテルあるいは美容院の従業員の皆さんなど、経済活動の現場を見ている方々に景況感を調べた調査でございますけれども、この景気ウオッチャー調査によりますと、このところ、多くの地域で景気の現状判断DIというものが低下しておりまして、五〇を下回っている状況でございます。
○小沢(鋭)委員 まず、全国的に、今ウオッチャーの調査では五〇を下回っている、こういう話がありますから、これも景気減速の一つの具体例だとまず私は思います。ひとつ、ぜひ頭に置いていただきたい、こういうふうに思います。 それから、地域間の格差の問題、やはり地方はきついんですね、今もお話がありましたように。それはもうここにいる全員が感じている話だと思います。 そこで、やや唐突なんですが、道路特定財源の話を聞きます。 地域をよくする、こういう意味で、道路特定財源の話を聞かせていただきたいんですが、今、道路特定財源は、特に来年三月で切れるいわゆる暫定税率の上乗せ分ですね、そこはどんな扱いになっているか。済みません、時間がないので、端的に、副大臣、お願いしたいと思います。
○森山副大臣 道路特定財源の暫定税率でございますが、小沢委員御承知のとおり、昨年閣議決定をされました道路特定財源の見直しに関する具体策におきましては、現行の税率水準を維持することとされているところでございます。
○小沢(鋭)委員 問題は使い道で、今それをきっと政府・与党の中で検討している、こういうことなんだろうと思います。 結論から申し上げますが、私は個人的に、この上乗せ分を高速道路の無料化に使うべきだ、こういうふうに思っているんですが、高速道路の無料化の経済効果というのをどのように政府は判定されていますか。
○菊川政府参考人 お答えいたします。 御提案の高速道路の無料化案でございますけれども、料金収入で賄うことになっております高速道路の維持管理ができなくなるのではないかといった幾つかの課題があると認識しておりまして、高速道路無料化の経済効果につきましては、現段階では、検討あるいは試算といったものは行っておりません。
○小沢(鋭)委員 菊川さんから大変厳しい、問題点だけの指摘があって、効果の評価はしておりません、こういう話ですが、ちょっとしてみてくださいね、一回。一回してみていただいた方がいいと思いますよ。 我々は、この高速道路の無料化というのをずっと選挙で公約し、マニフェストで掲げて戦ってきておりますが、これは、料金所は現代の関所だと僕は言っているんですよ。あれがあるから自由に出入りできない。まさに高速道路代、恐らく年間八兆円くらいだったですかね、そういった負担がなくなるという直接的な話もありますし、さらに加えて、無料化になると本当にさまざまなメリットがありますよ。 例えば、関所がなくなれば、要は、取りつけ道路を地方は幾らでもつくれるんですよ。関所があるから取りつけ道路をつくれないんですよ。ですから、私の地元でいっても、勝沼という区間から大月という区間、この区間は何にもそこに入れないですよね。でも、そこの関所がなくて、料金所がなくなれば、そこのところにそれぞれの地域で取りつけ道路をつくれるんですよ。そうしたら、地域はかなりよくなりますよ。(発言する者あり)賛成なのか反対なのかよくわからないやじでしたが、だから、いずれにしても、政府は一回ぜひこれの経済効果を考えてもらいたいと思うんですが、もう一回、菊川さん、どうですか。
○菊川政府参考人 お答えいたします。 今、先ほど八兆円というお話がありましたけれども、料金収入は年間二・一兆円、NEXCO系でございます。 それから、特定財源を使って、今、昨年十二月に閣議決定いただいておりますけれども、料金無料化ということではなくて、引き下げによる新たな措置というのを講ずるということで、そのためのいろいろな社会実験を現在やっているというところでございます。
○小沢(鋭)委員 確かに、料金の引き下げというのも、その引き下げられた分は国民にとって直接的なメリットになります。ただ、料金の引き下げと無料というのは、ゼロかそうでないかによって決定的に質が変わるんですね。これは年金の議論も一緒です。年金のいわゆる基礎的部分を全額税方式でやるか、あるいは、一部、三分の一もう税が入っている、こういう議論があって、与党の中から、程度の問題で、考え方はそんなに違わないんだという意見がありますが、ゼロかそうでないかによって決定的に質が違うんだと私は思っています。 この有料道路の話も、ゼロになった瞬間に一気にその活用がなされるわけです。我が国にとって最も重要なインフラの一つですよ。これをとにかく有効に活用する。例えば、道路がすいている、これを我が党の岩國議員は、道路が楽をしているからそれを道楽と言う、こういう話も言っていますよ。あのアクアラインが無料になったらどうなるかということを考えていただければ、本当にこれは経済的な効果は大きいし、そして、夢ができてきますよ。 ですから、ぜひ私は、この道路特定財源、ざっくり言って二・五兆円から二・七兆円あるんですね、上乗せ部分が。それの二兆円分を借金返済に回して、一気に国債で、今の民営化された会社の借金を国が肩がわりをして、約四十兆ですか、毎年二兆円ずつ払っていけば、三十年もたてばこれは全額返済できますよ。 この間、財務省のある人に、三十兆ぐらいの国債を発行できるかと言ったら、今の国債市場は大変堅調だから大丈夫だと思うというようなことを言っていましたけれども、一気にそれをやって、そして国民に夢を持たせていただきたい、こう思っていますが、財務省の御見解をお尋ねして、最後の質問にいたします。
○森山副大臣 先生御承知のとおりでございますけれども、無料化の問題につきましては、具体策におきまして深刻な渋滞の解消等の政策課題に適切に対応していくということになっておりまして、効果的な料金の引き下げに取り組むことが、限られた財政資金を有効に活用する観点から適切ではないかという考え方に基づくものだろうというふうに思っておりますので、そのような考え方でさらに検討を進めてまいりたいと思います。
○小沢(鋭)委員 もう時間なのでこれで終わりますけれども、正直言って、この考え方は我が党の中でもまだ煮詰まった話ではなくて、私の個人的な見解としてきょうは申し上げさせていただきましたが、来年の三月で暫定税率上乗せ分の、ある意味では期限が来る。二・五兆円から二・七兆円の使い道をどうするかという議論になっている。 このときに、政府としては絶対にこの財源は放さない、こう言っているわけだから、我々はその一部は国民に戻せ、こうずっと言ってはいるんですが、私の考えは、そうであるならば、ここはそういった無料化に使ってやることがかなり地方活性化の起爆剤になるのではないか、こう思っておりまして、ぜひとも御賛同をお願い申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○原田委員長 次に、下条みつ君。
○下条委員 民主党の下条みつでございます。 温かき大臣とお聞きしているお父上に続きまして、正しい、そして、本当に温かい答弁をいただきたいというふうに心からお願いして、質疑を始めたいと思います。 まず、大臣が委員会の最初にお読みになりました、処理のために講じた措置の内容に関する報告、この件についてちょっとお聞きしたいと思います。 私も、銀行におりました関係で、足利銀行については内容的には大変に進んでいる、人員、人件費等、そして、リテールのマーケット、インターバンキング、動産の処理等々はなかなかいい方向でいっているんじゃないかなというふうに思いますが、その中で、御努力は大変認めるんですが、幾つか質問したいところが出てきたということで、それを中心にまずお聞きしたいと思います。 それで、まず十六年の三月対比、人員は、そのときは二千六百数十名いらっしゃって、きのうの夜、ことしの三月の御実績をいただいた中では二千百名ちょっとと、非常に人員を削減しているので、いい方向にこの処理ができているなというふうに思っています。 そこで、ぽっと人件費の方を見たんですが、人件費の比率についてちょっとお聞きしたいと思います。 十六年の三月、人件費が二百四億で、うち給与・賞与が百四十四億、比率でいくと七〇・五%であった。ところが、ことし三月を見ると、確かに人件費は落ちています、約十億ぐらい落ちて百九十四億になっている。一方で、給与所得が百四十億ということは、単純に割り算すると七二・二%。つまり、三年前の三月から比べて、給与・賞与所得の割合が上がっちゃっているんです。 まず、人件費が落ちているのに給与・賞与所得が上がった理由と中身について、もう一度教えていただきたいと思います。
○西原政府参考人 あらかじめ登録されていなかったものですから、ちょっと手元に資料がございませんで、改めて調べまして御報告させていただきます。
○下条委員 私の手元にありますから、お見せしましょうか。 大臣、要は、人は減っているんですね。それなのに給与所得の割合がふえるということは、単価当たり中身が、どういうふうな人が入っているか知らないけれども、給与が相当によくなっちゃっているわけですよ。これが一億、二億ならわかるんですけれども、相当よくなっているんですね。だから、私は、どういうふうなリストラをなさっているのかなと思いながら、皆さんから資料は出ていませんが、中堅どころの人たちは関連会社に出して人件費を落とす、一方で、言いたくはないけれども、上の方の人たちはそのまま残しているんじゃないかというふうに単純に、これは想像ですよ、思われるのであります。 その点、今、資料がないというんですけれども、ぜひ大臣からもお気持ちをお聞かせいただきたい。要するに、人件費の中で給与所得が上がっちゃっている。破綻処理をして機構に入った後、内容が悪くなっているわけですね、費用内の給与所得が。いかがお考えでございますか。
○渡辺国務大臣 その背景の正確な説明は後ほどやらせていただきたいと思います。 私がよく聞かされた話は、足利銀行は日本一給料の安い銀行になった、出世をするたびに給料が下がっていくという話をよく聞きました。人件費の面でも相当リストラをやったのであろうと思いますが、今委員御指摘の数字を聞いておりますと、それが変わったのか、あるいは、御指摘のように、年配者だけ残って若い者がどんどんやめちゃったとか、そういう背景があるのかもしれません。 いずれにしても、正確な説明は後ほどさせていただきたいと思います。
○下条委員 私も、こういうふうな仕事を今しておりますけれども、二十年、金融機関でちょっと給料をもらっておりましたので、いろいろな情報を入れるところによると、確かに大臣おっしゃっているとおりで、余り給料がよくないという話も聞いています。 だけれども、現実の数字が三年前よりもよくなっちゃっているわけですね。人は減っているんだけれども中身がよくなっているということは果たしていかがなものかなというのが私の第一番目のクエスチョンでございます。 ですから、その辺を含めて、これから後でまた話しますけれども、いい商品にして売るわけじゃないですか、だから、そのときに、果たして私が相手の社長だったらどうかなというところが見えてき出しているということをまず申し上げたいと思います。 次に、こういう細かいのは余り好きじゃないんですが、ちょっと読ませていただいたら、運用資産の投資信託、三年間で預かり資産が物すごくふえているんですね。個人の預かり資産が、十六年三月の千四百億から、十九年、ことし三月に五千百十八億。これはいいですよ、預かり資産がふえた、どんどん物を売って資産がふえている。その中でも特筆してあるのが投資信託なんですね。この投信については、七百六十一億から、去年が千九百九十六億、ことしが三千三十二億と、もう膨大に上がってきちゃっている。 私は、それ自体を別にいけないと言っているのではなくて、釈迦に説法でございますけれども、投信というのは金融機関にいろいろな手数料が入るわけですよ。だけれども、入るといいながらも、きちっと、よく言う説明責任を果たして売っているのかなというところだと思うんですね。それが一つ。 つまり、これはどこそこの証券会社の品で、黒船か知りませんが、どこそこで運用していて、こういう場合にはこうなります、こういう場合はこうなりませんよということをきちっと説明しているか等々含めて、要するに、業容の手数料を取るために割と危なっかしいのまでどんどんセールスマンに売らせていると、結局最後は、しばらくした後に結果が出てきます。その辺を、把握している範囲内でまずお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○西原政府参考人 委員御指摘のとおり、この間、投資信託の伸びが急増いたしております。平成十七年三月には一千百七十六億だったのが、十九年三月で三千三十二億、御指摘のとおりでございます。 扱う商品といたしましても、十四の投資信託委託会社の商品について、二十八の品目を扱っているというふうに承知しております。 こういった商品につきましては、リスクがどういう点にあるのかについて、やはりしっかりとした説明ということが非常に大事でございます。新しい金商法の世界におきましても、当然のことながら、利用者保護の観点から、販売、勧誘の規制ということがしっかりかかっておりますが、それが守られているかどうか、これは我々、しっかりウオッチをかけていかなければいけないと思っております。 特に足利銀行におきましても、まず、そういった体制がしかれているかどうか、内部管理体制がしっかりできているかどうか、それがチェックポイントですし、また、そういったことがもしうまくいかなくて、苦情というような形で上がってきていないかどうか、それに対して、ちゃんと上まで上がる仕組み、それから、そういったことがなぜ起きたかという要因分析をする仕組み、そういったことができているかどうか、それが重要なチェックポイントだと思っておりますので、今後もしっかりウオッチをかけていきたいというふうに思っております。
○下条委員 局長、とかく手数料が入ると、もう行け行けどんどんでやっちゃうんですよ、営業マンは。私も証券会社で部長を五年やりました。やはり一番気をつけなくちゃいけないのは、そのときはサラリーマンはいいと思っているんです、転勤しますから。でも、その後、売った品に対してクレームが来ると大打撃が、やっとこうやって皆さんが、清算をやったり取締役をきちっとやったり、いろいろやってきたせっかくのいい商品が、実際は、買い手側からすると、何じゃこれはというふうにならないように、監督と、筋道をきちっとつけて営業マンに対して指示をしておかないと、僕は、この膨大な上がり方を見ると、老婆心ながら、ちょっと心配をしています。そういうことを議事録に残しておきたいので、ここでお話をさせていただきました。ぜひ監督指導の中で続けてチェック機能を持っていただきたいと思います。 本当にやっているのかなということが、外貨建てのものとかいろいろありますでしょう、今細かくは言いませんが。その辺をきちっとやっておかないと後で出てきますよということを申し上げておきたいと思います。 そこで、ちょっとだけ話をずらしますと、いただいた資料はすべて本体ベースの資料。大臣も本体ベースの結果をお読みになったんですが、関連会社が幾つかありますね、存続の関連会社。僕もこの資料だけなんですが、整理する会社と関連会社。 後ほどお聞きしますけれども、公募にかけるのは、この関連会社はセットになるんですか、それとも、関連会社のあしぎん事務センターとか保証とかシステム開発とかディーシーカードとかというのは、セットじゃなくて、全く離れた形になるのか。 というのは、この委員会で議題に上げられないんですよ、この関連会社は。中身の開示が本体しかないものですから。きのう夜の八時、九時にいただいた実績の資料も本体しかない。 ということは、言いにくいけれども、売る前にこういうことを言っては物すごくいけないのかもしれないけれども、自信があるのであればいいと思うんですけれども、事実として、これは一緒にセットであれば、委員会にかけるように資料として出すべきだと思いますが、いかがですか。
○西原政府参考人 今御指摘のとおり、子会社につきましては、廃止する方向のものと、それから存続するものと分かれておりますが、存続するものにつきましては、足利銀行の子会社という形で連結ベースのものでもございます。そういった面では、今後引き継ぐ際には一体のものとして処理されていくということでございます。 したがいまして、その内容についてもう少し開示をしろということでございましたら、そうした資料を用意させていただきます。
○下条委員 大変正直な発言で、ありがとうございます。 局長、大臣、要は、一体セットで売るんだったら、セット商品の部分の附属品を、こういう言い方はあれですけれども、いいかもしれないし、普通かもしれない、悪いかもしれない。これはきちっと委員会にかけて中身の検索をしないと、言い方はあれですけれども、いや、この分はこっちに持っていっちゃえ、この分のこれはこっちに持っていっちゃえというふうなこともできなくはないですね、財政バランスそして中身のいろいろな問題について。 ですから、本体はもちろん一番必要でございます、何千人もの対象がありますし。関連も含めて、ぜひ早急に資料をお出しになっていただきたいと思いますし、私もたまたまそういうことを昔やっていたので、しっかり見ていきたいなというふうに思って、それによって、後ほどお話しする公募の部分の価値も上がっていくことになるというふうに思いますので、何とぞよろしくお願いいたします。 次に、足利銀行がこうやって機構に入って、その後に、去年の公募を十一月にやって、十二月の半ばか何かに締め切って、今だだだだっと選定の中をくぐっています。リンゴの選定みたいにいろいろ区分けしてやっているわけですね。直近でいくと、いよいよ、ちょっと候補者の選定が決まってき出している。私としても、そういう中でのお話なので、あえて、こういう部分もありますよということをずっと議事録に残してやっていった方が素直だと思います。 これは、例えば、どこかが買って、あけてみたら、おいおい、何だ、トランクに入っているタイヤがパンクのままじゃないかとかなっていたらたまらないわけであります。それを事前に僕が言うのは、今政府に課せられている責任だというふうに思っていますので、あえて今申し上げました。 その中で私が一番懸念しているのは、公募の資料の前文にあるように、地域できちっとやってくれる銀行にしましょうよという話がありますよね。例えば長銀なんかの場合は、もう釈迦に説法です、結局、外資ファンドに遭って、いいところで売り抜けられちゃって、向こうの国の方だけおいしいもののお金が行っちゃった。損したのは残った我々じゃないか、日本国民だというようなことがあっちゃいけない。特に那須にもあると思います、大臣。お地元でございますし。 これはある意味で御決意になってしまうんですが、今、外資系ファンドがいろいろ来て、ビルを持っていったり、会社にしても、株式をわざとやっていますけれども、私は、こういう地場の優良になり得るいい銀行については、ぜひ長い目で見て、それを温めてもらえる先に絞って、ただ条件だけではなくて、その条件に温かさを入れていって、言いにくいですけれども、黒船を排除してもらいたいな。私も田舎の人間ですから、そういう感じがいたしますけれども、黒船排除とは前文には書いていません。その辺、大臣のお考えと御決意をお聞きしたいというふうに思います。
○渡辺国務大臣 内外無差別という大前提で審査は行ってきております。とりわけ外資を排除するというスタンスは全くとってきておりません。厳正に、粛々と今まで審査を進めてきたつもりでございます。 与謝野大臣のときに第一段階がスタートいたしました。そのときに、三つの原則、すなわち、金融機関としての持続可能性、地域における金融仲介機能の発揮、公的負担の極小化、この三原則にのっとって、今ようやく第三段階にたどり着いたわけでございまして、この方針は今後とも変わることはございません。
○下条委員 そういうお声出ししかできないと思いますが、地域に密着するとなると、やはり私は、法人の方々がその中でもいいなという、これもまた老婆心でございますけれども、申し上げておきたいというふうに思います。 時間がどんどんたってしまいますけれども、あともう一つ足銀で言うと、これは余り言いたくはなかったんですが、十月に行員が逮捕されましたね、局長は御存じだと思いますけれども。十月に逮捕されたというのはどういう意味か、僕もよくわからないんですが、実際は十二年も前から横領をやっていた。それがずっと機構に入ってからもわからなくてということが結果としてわかったわけですね、最近。十月ですから、三週間ほど前の話ですけれども。 やはりそういうところを見ると、まだまだ、ちょっとどうなのかな、まだ眠っていると大変だぞと。さっき言った子会社の方にリスク分散してあるのもちょっと懸念でありますし、余り文句ばかり言ってはいかぬですけれども、僕は事実しか申し上げていません。ですから、こういうことがまだまだあるなら先に出してしまえということだと思います。と同時に、さらなる厳正なものが必要であるなというふうに私は考えておりますが、最後に、この件に関して局長からお聞きしたいと思います。
○西原政府参考人 御指摘のとおり、行員による不祥事が起こり、それに基づく逮捕ということが最近起こっております。実際に発覚しましたのは、たしかことしの春だったと思います。しかしながら、もとをただせば、非常に長期間にわたって横領行為を重ねていたという事実もございます。 そういった点で、やはりこういう不祥事が起こる火種をしっかりと絶やさなければいけないということで、いわゆる人事異動とか、そういった面での入れかえをきちっと定期的に行うとか、あるいは、いろいろな物事について牽制機能をもっと働かすというような形で、中での改善計画をしっかり立てさせまして、こういったことが二度と起こらないように、今厳正に指導しているところでございます。
○下条委員 物というのはなかなか難しくて、眠っているものがいろいろあったり、今回の、ちょっと別の委員会でしょうけれども、社会保険庁の問題があったり、いろいろありますから、ぜひ厳正にやっていただいて、機構としていい形でそれを公募の上でさばけるようになっていただきたい、これは希望でございます。頑張っていただきたいと思います。 次に、自主共済についてちょっとお聞きしたいと思っています。 いろいろな共済がこの日本国にあります。頼母子講、無尽、そういういろいろなことがある。それはもう、構成員が五百人程度から物すごく小さいものまで、いろいろなものが今共済でこの日本国に眠っている。 昨年の四月に、保険業法の改正で、現在の保険会社と事業内容が似通っているということで、保険会社は、免許制、最低資本金十億円、取扱商品は自由であり、資産運用も自由となったところ、共済を少額短期保険業者と位置づけ、登録制、最低資本金一千万円程度、掛け捨てだとか短期だとかに限定する一方でということが出ました。一方で、情報開示の責任を押しつけたり、募集規制とか責任準備金、検査監査の内容等、制度改正が昨年の四月に行われたわけですね。 私は、この辺、認識の問題、非常に難しいところではあると思うんですが、単に保険業というのは営利を目的としていますけれども、その目的の中に、営利だけじゃいかぬということで、記載する中に、保険業の公共性にかんがみ、保険業を行う者の業務の健全かつ適切な運営及び保険募集の公正を確保することにより、保険契約者等の保護を図るために保険業法という法律をつくっている、こういう目的があります。ただ、要は、保険業というのは、ほとんど、保険会社の営利をきちっとやっていってくださいよという法律だと思うんですね。 そこで、私ども民主党としましても、少し共済を残していったらどうかと。いろいろないい伝統があるし、それによって拘束されているといろいろな問題が起きて、例えば無尽があったりして、それが小さいものであれば、簡単に言えば、もしかするとほかの方で運用しているかもしれない。それを一、二年でぶった切ったときに、運用したものを中途解約しなければいけない、損失が出てくる。現状、今民主党が参議院で出しておりますけれども、ざっくり言うと、保険期間が、ある例でいえば二年以内の政令で定める期間内、保険金額一千万円以下の少額短期共済に関しては保険業法の対象から除いたらどうでしょうかという法案を今参議院で民主党が出しております。 そこで、もしこれが通らない、そのまま昨年の保険業法が通ってしまう、そのまま実行された場合は、ともかく、今、自主共済というのは大体三百九十個ぐらいある、その約四割に当たる百六十五の業者が廃業になってしまう、もしくは、生き残るのは四、五十共済あるかどうか、下手すれば二、三十ぐらいになってしまう。それによって非常に不利益をこうむる方も膨大に出てくる。これは、一部、衆議院とかそれから建設とか、いろいろ共済は残りますけれども、一般的なものですね。もちろん、大臣の地元にもたくさんあると思いますけれども。 その中で、私は、これはこれからの議論になると思うんですけれども、私どもの民主党で参議院に出しておりますので、共済について枠をもうちょっと小さいところまで入れていってあげたらどうだというような、今申し上げた、参議院に出している共済の枠でございます、その辺までおろしていったらどうかなということによって、この伝統ある日本独自の共済制度が守られていくんじゃないか。 一方で、例えば頭にあるのは、なぜそうするかというと、悪いやつが出てくるじゃないかと。オレンジ何とか等いろいろありますよね、今出ているのが。そういう人たちには厳罰を処する、罰の方を厳しくしていったらどうかなというふうに考えるのでありますが、これは大臣のお考えをまずお聞きしたいというふうに思います。
○渡辺国務大臣 何年か前に、私が自民党の金融調査会の事務局長をやっておりましたときでございますが、知的障害者の団体の皆さんからこの問題について指摘を受けました。自分たちの団体で、各県ごとのケースが多かったように記憶しておりますが、少額短期のまさに共済制度を持っておる、この制度がないと、知的障害者が入院をしたときとか、そういうときに非常に困ってしまうんだという切実なお話を聞いたのでございます。 不覚にも立法段階でこうした問題についての考えが十分に及ばなかったことについて、私も反省をいたしました。そして、政令をつくる段階で、できるだけ柔軟対応ができるものをつくったらどうかということで、知的障害者のみならず、多くのこうした少額短期の共済をやっておられる団体の皆さん方の話を聞いてつくりましたのが現行の政令、省令でございます。したがって、ぜひともこの中で保険事業を続けていただきたいと考えております。 しかし、現実にやっておられる皆さん方からはさまざまな悩みや不便さが寄せられております。金融庁としても、誠心誠意こういう御相談には応じているつもりでございます。そうした努力をしておりますので、具体的なお話がございましたら、何なりとお申しつけをいただければと思います。
○下条委員 ありがとうございます。何か恐縮してしまうようなお言葉の選び方でございまして。 この問題は、現実には、僕らのチームの民主党から参議院に出ておりますので、これは回ってきた段階でまたしっかり議論をしたいと思っております。私が今提案しておるのは、たまたま参議院に出ておりますから、今のままではちょっと、今まさに大臣おっしゃったとおりで、本当にたくさんの方に被害が行くと思いますよ。それがひいては、いろいろな問題がそこに発生することによって反発が出てくると私は思います。 ですから、これは言いにくいけれども、私がそっちの席に座ったら、保険を掛けておきたいなと思っています。そのためには、こういう部分は抜け道を少しずつつくっておかないと、余りきちきちにやるとアキレス腱が切れますよ、物事は。来年の四月まで二年間の離陸部分で時間を置いているかもしれませんが、だけれども、実際は、そんなものじゃ大体共済は終わらないです。だから、私は、今度法案がどういうふうに衆議院に回ってくるかによって、またそこでしっかり議論をしたいと思いますので、提案として現段階で質問をさせていただきましたので、今後ともよろしくお願いしたいと思います。 時間の関係がありますので、次に移りたいと思います。 次は、これは私の持論でございますし、提案でございます。ですから、どういうお考えがあるか、私はちょっと聞きたい、大臣に。 それはどういうことかというと、今ちょっと大臣も触れられていましたけれども、体が障害で不自由な方々、そして、俗に言う難病を患っている方々、いろいろなハンディを持っている方々が、今この世の中で、私どもと一緒に空気を吸っております。その中で、御家族や御親類ははかり知れないいろいろな御苦労をなさっていると私は思います。 そこで、こういう障害者の方とか、それから難病の方々にはいろいろな補助が出ております。例えば社協からいろいろなものが出ていたりしています。あえてこの場では、たくさんあり過ぎて言いませんが、ただ、私は物が言いにくいんですが、やはり国の予算もほどがあるじゃないですか、切りがある。そうしたら、障害者や難病にかかっている方々は一体どうやって、例えば、スロープをつくったり、車いすを買ったり、いろいろなベッド設備を用意したり、オペレーションをしたり、薬を調達するにはやはりお金が必要なわけですよ。 それで、私はずっとヒアリングをしてまいりました。そうしますと、一部の地銀とか自治体では、障害者に関しては、例えば車いすの資金をローンで出したり、また、それ以外に、若干でございますけれども、御承知のとおり、タクシーとかそれから高速なんか、障害手帳があれば安くなる。これは今まで、温かい配分だと思います、やられていると思いますけれども、一方で、それだけじゃやはり足らないんですね。払わなきゃいけないんです。払うというのは、金がなきゃ払えない。金がというと、所得があればその人はいい、また、家族が頑張っていればいいんですが、足りない場合が非常に多いんですよ。 そこで、社協の方の実態を私は調べました。これは金融庁とはちょっと違うんですが、それを調べると、例えば長野県なんかは、私の地元でございますけれども、介護費等については、資金は無利子で三年間貸すとか、年利三%で貸すとかとあるんですよ。そのほかに、障害者は、六年間で、据え置き半年間で社協からお金を貸し出しますよというシステムがあるんです。いろいろなところも聞きました、地銀も聞きました。でも、結論を言えば、こういうシステムはあるんですが、借りにくいと言うんですね、大臣。借りにくいと。 私がきょう何でこの話題を出すかというと、借りにくいものは、あっても借りないわけですよ。例えば、難病になってしまうときと、なる直前と、僕はやはり違うと思うんですよね。なってしまうと、そこの一つの枠に入るからいろいろなものがあるけれども、なりそうで、もうちょっと薬で抑えられる場合もあるわけです。いろいろな難病、数限りなく難病はありますけれども。その部分について、私は、一部の地銀とかでやっている金利がやはり高いと思うんですね、三%。先ほど総裁がいらっしゃったわけですけれども、今、公定歩合は〇・幾つで物すごく低いわけじゃないですか。ですから、そういう方は、大臣、そんなたくさんいらっしゃらないんですよ、難病の対象は。それだけでも金融庁としていい指導を銀行その他にやってくれたらと。これは法律で決めろということじゃないです。指導していってもらいたいんです。つまり、難病や障害者に対する貸し金について、これは僕の提案ですよ、大臣、温かい指導を今後やっていただきたい。 つまり、どういうことかというと、それは保証人なくて金貸せ、そんなの無理です。でも、難病や障害者の場合には、ほとんど親族がいてケアしているわけですよ。そうしたら、その人たちは少なくとも保証人なら保証人に入ってもらいながら、ただ、金利については、そういうことであったら、例えば三十万のオペレーションフィーが必要だ、それとか難病の通うためのタクシー代が必要だったりするわけじゃないですか。そういうお金一つ一つが今は調達できない人が多い。その部分について、ぜひ、これは法令じゃなくて、各金融機関に、こういうのが出たぞ、ついてはそういう商品を考えたらどうだと指導してもいいんじゃないか。例えば二%とか一%でしばらく貸して、まあ、その方がどうなるかわかりません、長生きしていただきたいけれども、親族で働いている方のところから月々五千円とか一万円を少しずつ払っていけるようなシステムがあってもそろそろいいんじゃないかと思います。 そうすれば、言いにくいですけれども、政府の予算は使いません。使わない。皆さんが指導することによって、銀行は今度向くわけです。私も二十年いて、MOFから来た、どこから来たといったら、もうぴくぴく動いていますから。そうすれば、そこで商品ができるわけですよ、向こうの開発として。 どうですか。そういう指導をぜひ、温かいことでやっていただけないかなという僕の提案でございます。いかがでございますか。
○渡辺国務大臣 大変いい御提案だと思うんですね。銀行、今不良債権処理に終わりを告げて、特にメガの方はそうでございます、非常に好調な収益を上げているところがあるわけでございますから、そういうところが、社会貢献の一環として、あるいは企業の社会的責任の一端を担うという観点からこうした取り組みを行っていただくことは非常に意義のあることかと思います。 それぞれの金融機関における自主判断の世界ではございますが、金融庁といたしましても、こうした取り組みを行っているところに対しては、大いに公表をして、こういうところがPRにつながるようなことを行ってきております。 より一層、こうした金融機関の取り組みが行われることを期待いたしております。
○下条委員 ありがとうございます。 ただ、大臣、期待だけじゃちょっと寂しいので、PRももっとしていただきたいですし、それから、もし可能であれば、先ほど申し上げたとおり、指導要綱として、こういうことをやっているというPRを、ちょっと済みません、PRは、政府委員で構いませんが、どの程度のペースで、どういうふうにPRしているか、お聞かせいただけますでしょうか。
○西原政府参考人 今、件数を調べさせておりますが、現在、CSR事例集というものをつくっておりまして、コーポレート・ソーシャル・レスポンシビリティーという観点から、社会的責任を踏まえた取り組み、それがどんなものがあるかというのを金融機関に対して、例えば障害者の方々に対して配慮した取り組みがなされているというような事例がありましたらそういうものを載せていくというような形で、そういう事例集をつくってございます。 その中にいろいろな例がございまして、例えば、バリアフリーのそういった取り組みをしているもの、あるいは介護サービスに対しての金利の軽減ですとか、あるいは、先ほども御指摘ありました車いすの寄贈等々のいろいろな事例が上げられております。そういった事例が上がるたびに、それを載せるような形でやっております。 今後も、そういった形で、いろいろな事例が上がりますたびに載せる工夫をしていきたいと思っております。
○下条委員 ありがとうございます。 そういう手が、ひいては、回り回って、金融機関は、載せるのはいいPRになるなと。ただ、そこで僕が思うのは、やはり金融機関というのは営利ですから、先ほど大臣がおっしゃったように相当いい状態になってきている、それはいろいろな意味で、人件費の問題、固定費の問題含めていろいろあると思うんですが、そこはきょうは避けますが。 いずれにしても、営利だけでやるようなことで、それをただ通過点にしてしまうと、せっかくこの委員会で持ち上げたこの話がそのまま終わってしまうので、ぜひそのPRも色を出してもらって、非常にいいことをやっているんだという、ある意味で大臣の一言を入れたり、そうやっていただくことによって、遠回しの指導、指導というのは、はい、そうですよとはなかなか大臣も言えない、私もわかります、それは。 ですから、その一言を入れることによって、ああ、大臣が奨励しているんだなということによって、人々も、こういう商品がある、金融機関の本当に心ある方々も、それに対して温かい気持ちでプレゼンできるんじゃないかと思いますので、ぜひ前向きに大臣にも検討していただきたいというふうに思います。 次に移りたいと思います。消費者金融の問題でございます。 ことし上半期の統計によれば、倒産企業の六割が従業員が五人以下、資本金五百万未満が四割を占めている。企業経営者の皆さんは大変苦労しているということであると思います。 そんな中で、毎回いろいろな委員会で出ますけれども、前総理は景気はいいと言っておりましたけれども、景気がいい国が、毎日九十人ずつ自殺者があると私は思わないのであります。何かがおかしいと私は思います。 そんな中で、貸金業法が変わって、上限金利の問題、これはもうあえてここで申し上げません、いろいろな問題が出て、消費者金融各社がいろいろな、ある意味で引き上げをした、審査の部分で厳しくなった等あると思います。一方で、クレディアがことし九月に破綻をしている。 一つは、急激にやることによって、消費者金融自体の破綻が相当出たり、状況が悪くなってきているというのは、これはまあ、もろ刃の剣というんですか、いいことである反面、こういうことが出てきているということだと思います。 そこで、ずっとその先の話をしていくと、いろいろな消費者金融が物を貸さなくなる、貸さなくなるということは、借りていた人がいるのに貸さなくなる、一体その人たちはどこから金を借りるか、こういう順番になりますね、議論としては。 今私が調べていくと、銀行などは大幅に伸ばしているところもあるし、いい業績も上げていますけれども、銀行が貸すところや、ある程度いいところが貸すところというのは、企業にしても個人にしても、非常に中身がいいところだというふうに僕は思います。 ここに来て、私は、やみ金の摘発をちょっと調べさせていただきました。十八年の検挙事件数が百四十八件、これは警察からいただいている数字であります。一方で、ことしに入って、だから、まだ終わってなくてあと何カ月かあるし、この数字は直近ですから二カ月ぐらい前にしろ、もう既に去年の倍近く、やみ金の検挙数が上がっちゃっているわけです。 私が何を言いたいかです。要するに、消費者金融の金利をがっと落としてもいいよ、グレーゾーンの、これはいろいろ、けんけんがくがくがあった問題がありました。あれを落とすことによって、借りていた人の矛先が違うところに向き出しているということではないかと思います。 簡単に言えば、やみ金業者の方にだんだん手が行かないと、とてもじゃないけれども、あした暮らしていけないということではないかなと思うんです。だからこそ、やみ金の検挙数が去年に比べて莫大にふえちゃっているわけです。つまり、金の借り手はいきなり全部返済できるわけがないのであります。 ですから、私がこれを見たときに、一つは、このままでいいのかな、このままやみ金の業者を野放しにしていいのかな、何か対策をまず打つべきじゃないかなという感じがしています。でないと、これはどんどん、例えば、消費者金融で借りられない、銀行も貸してくれない、信金も信組も貸してくれない。では、しようがないといってごじょごじょと入っていって、これは出ている数でこれですから、極端な話、けたが違っているぐらいの形の方々が苦しんでおられるかもしれない。 これは検挙する側は、当然、警察、検察等々ですけれども、指導部分、チェック部分は金融監督庁でございます。その辺、まず、どういう方向でやみ金業者に対して対応するか、御意見をいただきたいと思います。
○西原政府参考人 お答え申し上げます。 ただいま御指摘がありましたように、摘発件数、これは昨年に比べますと、ことしの前半、高い数字で伸びております。これにつきまして、私どもも、警察と連携をとりまして、情報を提供しつつやっておりますので、このところ、そういったところに力を入れている一つの成果かなというふうにも思っております。 実際のところ、確かにやみ金の利用が増加しているのかどうかという点はなかなか把握しにくいんですが、私どもの一つの見方としてありますのが、金融庁それから財務局そして都道府県に寄せられた苦情、この中身を分析しますと、無登録営業に関する苦情、相談というものがございます。すなわち、やみ金融に対する苦情、相談ということでございます。 この件数を見てまいりますと、一昨年度におきましては二万三百六十四件でございました。十八年度につきましては、これが一万九千七十五件、それから、この前半におきましても大体横ばいのような数字になってございます。そういう意味では、実態として、相談件数としては横ばいにあるかなというふうに見ておりますが、いずれにしましても、ここは慎重に見きわめていく必要があるというふうに思っております。 いずれにしましても、やみ金対策というのは非常に重要だというふうに認識をいたしておりまして、したがいまして、前回の法律改正におきましては、ほかの規定に先立って、罰則規定については一月からこれを施行させておりますが、無登録営業あるいは超高金利、これに対する罰則を大幅に引き上げてございます。 それから、ことしの四月には、多重債務問題改善プログラム、この中におきまして、やみ金対策ということを盛り込みまして、撲滅に向けて警察と監督当局が取り締まりを徹底するというようなこと、それから、被害相談を受けた場合に無登録業者への電話による警告の実施というようなことで、この春からは、無登録業者と思われる相談を受けたものについては、事実を確認し、警告を発するというようなことも実施させていただいております。 今後とも、やみ金対策につきましては、警察とも連携をとりまして、しっかりと対応していきたいというふうに考えております。
○下条委員 局長、ありがとうございます。 私が何でそういう質問をするかなんですよ。要するに、油虫がたくさん家に出ました、出てきたものを退治しました、これはそれでいいと思うんです。でも、何で出ているかということが一番重要だと思います、大臣。 私は思うけれども、要するに、借りられない人が単純にふえたということなんです。相談件数は、今局長は横ばいだと。そんなもの、相談できないですよ、局長。だから横ばいなんだ。局長が悪いと言っているんじゃないですよ、大変よくやっていただいていると思いますが、でも、私は、横ばいはそれは横ばいでいいけれども、現実問題として、やみ金の検挙件数が莫大にふえているわけですよ。そして、私もいろいろヒアリングしていると、借りられない人がふえている。これは何かというと、やはり、物事に修正が必要だという話になっていくと思うんです。 そこで、もう時間がないので最後にいたしますけれども、十六年の二月に改定された金融検査マニュアルというのがある。金融庁としても、十七年、十八年にかけて行われた地域密着型金融の機能強化の推進に関するアクションプログラムというのがありました。これは何かというと、各金融機関に中小企業向け融資の目標を設定させる、そして進捗状況を報告させる、こういう話です。これは別に悪いと思っていないですよ。 何が悪いか。結局、金融機関は総量で報告しています。つまり、いいところにだけたくさん貸すわけです。いいところにだけたくさん貸して、このプログラムは、金融庁の皆さん、渡辺銀行はこれだけ貸しましたよ、こういうことになるわけです。でも、それだと結局、中堅どころとか、頑張れるところには貸さないわけですよ。 なぜか。大臣、金融機関の人たちはサラリーマンなんですね。二、三年の間になるべく問題がないように終わらせたい。いいところにだけ貸しちゃおうと。それで、中小企業の人はみんな個人金融からも借りていますよ。いろいろ抵抗があるにしても、なかなかやっていけないから。そこが、消費者金融がなくなったところの部分がやみ金に行っているからこういう数字で出てきていると私は思っています。 ですから、私もしばらくいさせていただきます、財金に。大変温かい大臣の発言が先ほどから続いておりますので、これは議論していきたいと思っています。 ただ、この問題はこれからもっとふえますよ。検挙数で、去年一年間の何倍も半年でやっていくわけじゃないですか。これは大変な数になります。ということは、自殺者も減らない。また、報告は、一度やってすべてよければ、国会は必要ないです。法案は全部、一生同じものをやればいい。 でも、これについてもう一度考え直して、地域密着型をやるのはいいけれども、総量じゃないぞ、件数だぞと。例えば、何社ぐらいにどれだけあなたたちは貸したんだということをこれからの指導の中のプログラムで入れていっていただきたいというふうに思います。ぜひ前向きの御答弁をいただきたいと思います。大臣、お願いします。
○渡辺国務大臣 金融機関が適切なリスクをとって金融仲介機能を発揮していただくのは当然のことでございます。まさに、今、下条委員が御指摘をされたことは、我が国金融の構造問題の一つであろうかと思います。リスクをとるということは、リスクに見合ったプレミアムをいただくのが金融機関の行動でございます。 残念ながら、日本の金利の体系は、非常にゆがんだ、いびつな体系をいたしております。二%ぐらいのところに大きな山があって、二〇%を超えたところに小さなこぶができる、こういうゆがみの構造を正していくことが必要ではなかろうかと思います。 やはり、リスクに見合ったプレミアムをとることによって、適切な金融仲介が行われ、今経営状態が多少よくないところでも、プレミアムを払うことによって資金の調達が可能となり、そして、立ち直って立派に育っていくということがあってしかるべきなんだと思うんですね。 一方、消費者ローンの世界もまさに同じことでございます。上限金利にへばりついたビジネスモデルでやっていたのが、やはり、個別のリスク判断、スコアリングモデルがもっと精緻化されていくことが大事であろうかと思います。 そういたしますと、どうしても、今あるゆがみのシンボリックな例である多重債務者の問題というのは全面的に解決をしていかなければなりません。もう既に、その対策に政府としては取りかかったところでございます。 一方において、移行期間、貸し渋りや貸しはがしがないようにという意味もございまして、三年間の猶予期間を設けたところでございます。この間にきちっと構造改革を行っていくということが大事なことであろうかと思います。
○下条委員 またいろいろなところで出ると思いますけれども、結局、総量であれば、金融機関は、何回も言いますけれども、結果は出ていますけれども、いいところにしか貸さない。おっしゃったような形になるように、ぜひアクションプログラム法でも取り込んでいっていただきたいというふうにお願い申し上げまして、時間が参りましたので、私の質疑は終わりにします。 ありがとうございました。
○原田委員長 次に、佐々木憲昭君。
○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。 現在の金融情勢は、十年前のように金融機関が相次いで倒産するというようなことはないわけでありまして、先ほどの大臣の概要説明でも、破綻金融機関への資金援助や資産買い取りは報告対象期間にはなかった、こういうことが言われているわけです。しかし、過去、大規模な税金投入が行われたわけであり、その返済もまだ完全に完了していない、あるいは返済されないことが確定する、こういう事態もございます。それから、大手金融機関は法人税は一円も払っていないというような状況もあるわけです。 与謝野元大臣は、この状況を見まして、銀行はまだ半人前だというようなこともおっしゃっていましたけれども、渡辺大臣は今の状況をどのように見ておられるか、お聞きをしたいと思います。
○渡辺国務大臣 確かに、銀行の健全性が回復してきた、収益が向上してきたといっても、言ってみれば、まだ病み上がりのような状態にあるのではなかろうかと思います。逆に、こういう状態があるがゆえに、リスクがとれずに、過度の、サブプライムローンのような商品に手を出さなかったという、けがの功名もあったかもしれません。 いずれにいたしましても、銀行が健全性を回復し、金融仲介機能をきちんと果たしていただくということが大事なことでございます。 日本の場合には、土地担保金融という、右肩上がりの時代には非常に有効であった金融のやり方が、デフレ時代に突入して非常に困難に直面をしてきた苦い経験があるわけでございますから、この歴史の教訓を踏まえた新たな金融仲介機能の展開をしていくことが大事であろうかと存じます。
○佐々木(憲)委員 仕組みとして、金融機関が破綻した場合には資金援助が行われるというようなことになっておりますが、その業務に必要な費用、これは預金保険機構が金融機関から預金保険料を徴収して賄っている、こういうことですね。 今の保険料の実効料率、これは平成八年に決められたものでありまして、それまで〇・〇一二%だったのが〇・〇八四%と、七倍に引き上げられたわけであります。 当時の引き上げの理由、これはどういうものだったんでしょうか。
○西原政府参考人 お答え申し上げます。 平成八年に料率を引き上げてございます。そのときの考え方でございますが、平成七年十二月の金融制度調査会の答申で触れられておりまして、それによりますと、預金保険が発動されるようになったこの四年間、当時ですので平成四年から七年のことを言っておりますが、この四年間と同程度の破綻が生じた場合にも対処し得るよう、この間の破綻処理コスト合計額である二兆円から二・五兆円を今後五年間で引き直して、それをカバーし得るようということで料率が算定されたというふうに承知いたしております。
○佐々木(憲)委員 当時の大変な破綻が相次いだ状況を踏まえて、預金保険の支出が急増するということでこういう実効料率になったということでございますが、現在の預金保険機構の責任準備金、これは幾らになっているでしょうか。
○西原政府参考人 お答え申し上げます。 現在の責任準備金の額ということでございますが、預金保険機構は、一般勘定におきまして預金保険料を受け入れまして、破綻金融機関等の処理に必要な経費を賄っているところでございます。 そこで、一般勘定の責任準備金ということになるわけですが、実際のところ、これまで実施されました資金援助等に係る費用を賄うために、既に、全額それを取り崩しておる状況にございます。したがいまして、現在は欠損金が生じているということで、その額でございますが、十八年度末時点におきまして一兆九千三百二十六億円、欠損が生じておる。これらにつきましては、今後、金融機関から徴収する預金保険料によってその解消が図られていく、こういうことになってございます。
○佐々木(憲)委員 今は、その当時の保険の支払いによって大変な欠損が生じており、また、それは借金で埋めているという状況だそうでございます。しかも、その規模は約二兆円ということであります。 そうなりますと、年間の預金保険料の収入で毎年毎年埋めていくということになりますが、年間の保険料の収入は幾らでしょうか。
○西原政府参考人 お答え申し上げます。 預金保険料の収入でございますが、十八年度で見てまいりますと五千四百四億円となってございます。
○佐々木(憲)委員 民間銀行からの保険料収入が年間五千四百億円ということですが、四年間でこの欠損は、特に支出の方が大幅な、特別な事情がない限りは埋め合わせがついて、借り入れはなくなる、そういう計算になるわけですね。 そういう状況でありますが、実は、この十月一日から郵政民営化が行われたわけですね。ゆうちょ銀行ができたわけであります。このゆうちょ銀行は、もともとは、民間銀行とは違いますので、預金保険機構にはもちろん入っていなかったわけであります。 そうなると、今度は庶民の貯金です。これは、今までは政府保証だったけれども、今度は預金保険機構の保証に移る、そういう理解でよろしいでしょうか。
○西原政府参考人 お答え申し上げます。 民営化前の日本郵政公社に預けられましたものにつきましては、二つに区分されまして、定期性の郵便貯金等につきましては独立法人の郵便貯金・簡易生命保険管理機構に承継されまして、これにつきましては、引き続き政府保証がつくという形で保護されます。 一方で、民営化以前に郵政公社に預けられました通常貯金、こういったたぐいにつきましては、ゆうちょ銀行に承継されまして、これは、民営化後に新たに預入される預金とともに、預金保険制度のもとで保護される、こういう形になります。
○佐々木(憲)委員 そうなると、郵政公社のときは預金保険料は払ってはいなかったんだけれども、ゆうちょ銀行になると保険料を払わなければならないという部分が出てきて、それは、例えば、定期性郵便貯金の新規のものと通常預金がそれに加わって、それがふえていけば保険料もふえていく、こういう仕掛けになるわけですね。 そうなると、年間の負担額、今まではゼロだったんだけれども、新たに年間の預金保険料を払わなきゃならない。負担額はどのぐらいになるんでしょうか。
○西原政府参考人 お答え申し上げます。 ゆうちょが支払うべき保険料でございますが、これは郵政民営化法に規定がございまして、民営化後に負担する保険料につきましては、民営化後二カ月間の預金の平均残高に預金保険料率を乗じて算出するということになっておりまして、現在、民営化後まだ一カ月でございますので、保険料の算出は、現在では困難な状況にございます。 しかしながら、かつて民営化法案の審議の際に郵政民営化準備室の方で一定の試算をしておりまして、その試算によりますと、初年度の預金保険料は約四百億円というふうに見込んでおると承知しております。
○佐々木(憲)委員 四百億円というのはかなりの金額ですよね。郵政民営化準備室の骨格経営試算ですか、これによりますと、十年の見通しを試算しておりますけれども、合わせて一兆円近い、大変な規模になるわけであります。 ここで渡辺大臣にお伺いしますけれども、郵政民営化でゆうちょ銀行が新たにできて、今まで政府保証だったものが、今度は預金保険機構に保険料を払う形での新しい事態に入っていくわけです。年間四百億円、こういう負担がふえていく。それは、非常に高く上げられた、十年ほど前に七倍に上げられた保険料、この水準を払うわけです。その高い保険料というのは何によって決まったかというと、当時の民間銀行の破綻の欠損金まで含めて埋め合わせをするための保険料であります。 つまり、郵便貯金の、庶民の責任は一切ないわけですね、過去の民間銀行の倒産については。それなのに、その当時の破綻を含めた高い保険料でゆうちょ銀行が負担をしなければならない。つまり、庶民にそういう負担を負わせていいのかという問題が生じると思うんです。これが非常に問題だと私は思うんです。別枠で考えるべきではないのか。なぜ、責任のない、民間の銀行の破綻処理の負担まで、公社が民間になったからといって、負わなければならぬのか、そういう感じがするわけです。 その点、お聞きをしたい。つまり、責任がないにもかかわらず、負担するというのはおかしいのではないかということなんです。
○渡辺国務大臣 先ほど西原局長から答弁申し上げましたように、民営化以前から預けられております定期性の郵便貯金、例えば定額貯金などは、これは政府保証つきでございます。一方、民営化後に預けられたものは預金保険の対象になるということであります。 民営化に伴って、民間金融機関として相応の預金保険料を御負担いただくというのは、合理性はあろうかと思います。他の民間金融機関と競争をやっていくわけでありまして、その切磋琢磨の中で、経営の合理化を進めながら利用者の利便性向上につながることを目指すわけですね。 したがって、利用者側からいたしますと、サービスが向上するということにならないとなかなかお客さんがついてこない、こういうことにもなるわけでございます。 したがって、預金保険料のコストをどういうぐあいに吸収するかというのは、まさしくこれは自主的な経営判断の世界でございまして、これを全部お客様に転嫁するなどということをやってしまったら、切磋琢磨の競争の中では勝ち残っていけないのではないでしょうか。 まさしく、そういう点で、民間の競争の中での経営努力によってこのコストは吸収されるものと考えます。
○佐々木(憲)委員 定期性の部分については、過去の点については政府保証だ、それはそのとおりでありますが、しかし、通常貯金です。これは過去の分も含めて預金保険料の計算の基礎になるわけです。ですから、過去の部分も含めて、なぜ民間銀行のものを負担しなければならないのか、そういう疑問は今の答弁では解消できないわけですね。 それから、負担の問題ですけれども、民営化してから非常に負担が、サービスが悪くなったとか、あるいはさまざまな手数料が引き上げられて、非常に不満があるわけです。利用者から寄せられております。 例えば、ゆうちょ銀行に対する振り込み、これは昨年の四月以前は七十円だったんですね、一万円以下の場合は。これが昨年の四月以降は百円になって、今度、民営化したら百二十円になったわけです。それから電信現金払い、これは、一万円以下の場合は三・五倍。それから普通為替の場合は四・二倍。通常の現金払いは六・七倍、これは六十円から四百円になっている。それから定額小為替、これは一枚十円だったのが一枚百円、十倍になっている。 ですから、余りにも手数料の引き上げが大き過ぎるのではないかということで、民営化された後の窓口で、何だこれは、これなら民営化する必要はなかったじゃないか、前の方がよかった、そういう発言があるわけですね。だから我々は民営化は反対だったわけですけれども。 しかし、こういう状況は、吸収というよりも、いわば利用者への転嫁ですよね。この辺の料金の引き上げは余りにも過激なやり方で、やるべきじゃないと思いますが、大臣、最後に見解をお伺いしたいと思います。
○渡辺国務大臣 民営化に当たって今御指摘のような料金の引き上げが行われたことについて、利用者から御指摘のような声が出ていますことは私もわかっております。ぜひ、ゆうちょ銀行におかれては、利用者の声に十分耳を傾けて、特に料金改定の場合には丁寧な説明を行っていくことが大事だと思います。 金融庁としては、各金融機関が利用者に対してどういうサービスを提供し、その際、利用者に対してどういう説明体制をとっているかということについて、引き続きウオッチをしてまいります。
○佐々木(憲)委員 これは説明すればいいというものじゃなくて、負担を軽くしてもらいたいということなんですよ。 どんどん高くしておいて、説明はいたします、これじゃだめなんで、現実に庶民の負担の軽減を念頭に置いてやっていただきたいということを最後に申し上げまして、終わります。
○原田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時三十四分散会