予算委員会 第13号
- 発言数
- 568 件
- 登壇者
- 32 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2007/03/26
会議録
○委員長(尾辻秀久君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 平成十九年度総予算三案審査のため、本日の委員会に日本銀行総裁福井俊彦君及び日本郵政公社総裁生田正治君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(尾辻秀久君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(尾辻秀久君) 平成十九年度一般会計予算、平成十九年度特別会計予算、平成十九年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、安全・安心等に関する集中審議を行います。 質疑者はお手元の通告表のとおりでございます。 それでは、質疑を行います。福島啓史郎君。
○福島啓史郎君 自由民主党の福島啓史郎であります。私は総理と同郷の山口県出身でありまして、安倍政権の下で、この日本の政治、経済が良くなり、国民の生活が豊かになったという実感が感じられるような、そういう政治を実現してまいりたいというふうに思っております。私も全力を尽くしてまいりたいと思っております。 まず最初に、昨日発生いたしました震度六強の能登半島地震によりまして、不幸にして亡くなられた方に哀悼の意を表しますとともに、被災された方々に対しまして深甚のお見舞いを申し上げます。 そこで、週末におきますこの地震発生につきましての危機管理体制は十分だったか、また被害の現状把握、被災者の救済また早期の復興について全力を尽くすべきだと思いますが、総理のお考えをお聞かせいただきます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 昨日の能登半島沖を震源といたしました地震によりまして、お亡くなりになられた方の御冥福をお祈りするとともに、被災された方々に対してお見舞いを申し上げます。被災された方々が一刻も早く安心して暮らせるように、政府としても全力を挙げて対応してまいります。 昨日の地震によりまして、死者一名、重軽傷者百九十三名、全壊六十八棟、半壊百六十四棟などの被害が発生したことを確認をいたしております。これは九時現在でございます。本日の九時現在でございます。 九時四十二分の地震発生直後に直ちに私は秘書官から報告を受けまして、九時四十五分に被害状況の確認と住民の安全確保に万全を期するよう指示をいたしました。政府としては、緊急参集チームを招集し、九時四十五分に官邸対策室を設置をいたしました。被災者の救出、救助活動に全力を尽くすことなどを確認するとともに、私の特命によりまして防災担当大臣を団長とする政府調査団を直ちに現地に派遣をいたしまして、被災、被害状況の把握等を行うなど、危機管理の十全を期したところでございます。 今後とも、被災者への支援、被災地の復旧復興に全力を尽くしてまいる考えでございます。
○福島啓史郎君 被災者の救済と早期の復興に万全を期してもらいたいと思います。 それで、今回の能登半島沖地震によりまして改めて問題となっておりますのが原子力発電施設の安全性の確保でございます。今回はこの志賀原発が臨界事故の関係で運転休止中だったがためにその問題が出なかったわけでございますけれども、もし運転中だった場合にこの安全についてはどうだったのか、また関連して、相次ぐ制御棒事故によります臨界事故あるいはそれの隠し問題など、再発防止についてどういうふうに考えておられるか、経産大臣からお答え願います。
○国務大臣(甘利明君) 志賀原発の建屋の地点におきましての水平方向の最大加速度は今回二百二十ガルが測定されております。百九十ガルを超えますと運転停止になるわけでございますから、仮に運転していた場合でも、百九十を超えておりますから停止をしたということになります。 なお、耐震設計はどのくらいの基準かといいますと、最大加速度四百九十ガルが基準地震動になっておりますので、安全は十分に確保されております。 それから、相次ぐ事故隠しとかデータ改ざんがたくさん出ているが再発防止はという御質問であります。 実は、たくさん出ているというよりも、正確に言いますと、洗いざらい調べさせているということであります。私が就任以来、ぽろぽろとデータ改ざんが出てきましたものですから、そのたびに信頼を失ってはいけないということで、洗いざらい調べろということで、過去にさかのぼって期限を切って調べさせております。そうした中で、データ改ざんに加えて、法定で報告義務が課せられているものについても報告がなされていなかったと、あるいはそれに関するデータが改ざんされていたということで、ゆゆしき事態であります。 平成十五年の十月に抜本改正をして以降の案件はありませんから、現時点での安全対策は確保されておりますが、それでも、まず安全文化をしっかり築きたい、隠ぺい体質ではなくてきちんと開示するという体質に持っていこうと思っておりますし、過去のデータの中で、今の法体系の中で整備していくものがあれば増やしていこうと思っております。例えば制御棒の引き抜けに関しては、臨界ということに至った場合に報告義務になっておりますが、引き抜けたということで報告義務を課せたいというふうに思っておりますし、現法体系の中で追加することを、あればということで、今洗いざらい調べているところであります。
○福島啓史郎君 この耐震構造の設定始め、再発防止に全力を尽くしてもらいたいと思います。 私、今回集中審議の安全、安心、これの基本は良好な経済の実現にあると思うわけでございます。そういう意味では、自民党の掲げておりますスローガン、地域に活力、成長で活力というのは誠に意味があるものだと考えるわけでございます。それで、まず現状につきましてお聞きしたいと思います。 現在の経済は設備投資と輸出に支えられていると、しかし個人消費でまだ火がついていない状況でございます。先日発表されました土地の地価調査等によって、資産価値の上昇は個人消費の刺激する、そういう役割を果たすと思うわけでございますけれども、まず二〇〇六年度の実績見通し、それから二〇〇七年度の経済見通しであります名目プラス二・二%、これは実質が二・〇で初めてGDPデフレーターがプラスの〇・二というふうになっておりますけれども、その達成の見通しあるいは自信について大田大臣の考えをお聞きいたします。
○国務大臣(大田弘子君) 昨年の夏以降、消費に伸び悩みが見られますが、企業部門は回復が続いておりますので、平成十八年度は実質成長率一・九%、名目成長率一・五%程度になると見込んでおります。 十九年度につきましても、世界経済の回復が続く中で企業部門の改善が続くと見込まれ、雇用、賃金面でも正規雇用者が増加に転ずるなど明るい兆しが見られますので、家計部門も徐々に改善すると見込んでおります。実質成長率は、十八年度とほぼ同じ程度の二・〇%を見込んでおります。 こうした回復の持続によりまして、物価成長率がプラスに推移しまして、名目成長率は二・二%程度が達成されると見込んでおります。
○福島啓史郎君 その見通しを確実なものにしていかなければならないわけでございますけれども、この成長経済の実現のためには、現在グローバル化あるいは資源の希少化が進んでいるわけでございます。その中での成長戦略を立て、実行していかなければならないと思うわけでございますが、まず経済の発展には研究開発、設備投資、それから人材養成、雇用の確保が基本であります。特に人材養成の中では、我が国の伝統であった職人あるいは中小企業等の自営業を大切にする文化なり風土、これが最近崩れつつあるのではないかと思うわけでございます。こうした職人なりあるいは自営業を大切にする社会あるいはその後継者を養成する施策を充実していくということ。 それから三番目には、資源問題であります。グローバルな観点からの資源確保と省エネ、代替エネルギーの開発、推進、また先ほど質問いたしました安全な原子力発電の技術開発等を進めていかなければならないと思いますが、総理の御見解をお尋ねいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私たちの生活を今日よりあした、また今年より来年、向上させていくためには、またそして大切な社会保障制度の基盤を強化をしていくためにも成長していく必要がございます。そして、成長していくためには今グローバルな経済の中で大変な競争を勝ち抜いていかなければいけない。その中で着実に力強く成長をしていくためにはオープンな姿勢とそしてイノベーションが重要であると、こう考えています。 その中で、我々はまず研究開発の戦略的支援などに向けた長期の戦略指針、イノベーション25を策定をしたところであります。そしてまた、約四十年ぶりの減価償却制度の抜本的見直しによる設備投資の促進も図られると思います。そしてまた、成長底上げ戦略などを通して中小企業の人材育成や技術者への職業訓練などにも取り組んでいかなければならないと。ただいま申し上げましたように、イノベーションに我々しっかりとしたビジョンを持って取り組んでいくということでございます。 そしてまたさらに、今委員が御指摘になられました二点目でございますが、やはり物づくりの技能、職人の技、これやはり日本の最も得意とする分野であります。そしてまた、大切にしていかなければならないと、こう考えております。 技能労働者など職人の方々や自営業者の後継者の養成を図っていくことは成長の基盤を支えるための重要な課題であると認識をしています。このため、優れた技能者の表彰、顕彰や本年の二〇〇七年ユニバーサル技能五輪国際大会の開催等によって技能を尊重する機運を醸成することを通じて技能労働者の地位向上に努めてまいりたいと思います。そしてまた、公共職業訓練の実施や職業訓練を行う企業への助成等によって後継者の養成を支援をしていきます。また、自営業者については、後継者に対する研修事業の実施や後継者へのスムーズな承継を実現するための手引である事業承継ガイドラインの普及等に努めております。引き続き事業承継の円滑化に向けて総合的な取組を続けていく考えでございます。 そして、三点目でございますが、資源の少ない我が国が持続的に安定して成長していくためには、地球環境問題に対応をしながらエネルギー安全保障を確保していくことが重要であると考えています。このため、石油や天然ガスを始めとするエネルギー資源の確保、アジアへのエネルギー、環境協力など、自ら、私も先頭に立って戦略的な資源、エネルギー外交に取り組む考えでございます。 また、日本の強みである省エネルギーや環境分野での技術革新を更に進め、地球環境問題と経済成長の、これはもう両立が可能であります、この両立に向けて世界をリードしていかなければならないと、こう思います。こうした中で、原子力発電が重要な位置付けを担うものであることは、これは言をまたないわけでありますが、安全性、信頼性を大前提としながら引き続き原子力を推進していく考えでございます。
○福島啓史郎君 今のお考えの下に成長戦略を実現していかなきゃならないわけでございますけれども、私はこうした視点を踏まえますと、産業別の産業政策、産業分野別の産業政策が必要だというふうに思います。これはグローバルな競争の中での競争を勝ち抜いていくために、例えば鉄鋼等は私は十分に対応していると思うわけでございますが、電気製品等、サムスン等に比べますとまだまだ遅れているわけでございます。したがいまして、産業分野ごとの再編等を含めた産業政策を立て、実施していくということが一つと。 もう一つは、この地域の特色を生かしました地方分権を進めながら、地域の活性化のための地域戦略、これを樹立し実行していくべきだと考えますが、総理のお考えはいかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま正に福島委員が御指摘になられたように、この厳しい大競争時代に勝ち抜いていくためには、それぞれの産業分野別に十分に実態について分析をしていく必要があると、こう思います。国際的な強い競争力を持っている分野、またそうではない分野もあるわけでございます。技術開発の推進や規制の除去など、共通の政策課題を見いだして戦略的に取り組んでいく必要があるだろうと、こう思います。 このため、今後五年間に取り組むべき改革の方向性を示しました日本経済の進路と戦略に沿って、IT、環境、ナノテクノロジーなど先端的な分野におけるイノベーションの加速化や、日本経済の七割を占めているサービス産業、特に健康・福祉、育児支援、観光・集客、コンテンツ、ビジネス支援、流通そして物流などの分野における生産性の抜本的な向上を更に図っていかなければならないと、このように思っております。 そして、農林水産業においても、経営構造改革や農林水産物の輸出促進など、攻めの農政を推進をしていく考えでございます。 また、やる気のある地域が独自の取組を推進して、知恵と工夫にあふれた魅力ある地域に生まれ変わるための努力を政府を挙げて応援することも重要であると思います。 このため、新分権一括法案の三年以内の国会提出に向けまして徹底した地方分権を進めていきます。また、関係九法案の提出を含めた地域活性化のための対策を講ずることといたしておりますけれども、これは言わば地域力発掘支援新戦略と呼ぶべきものでありまして、政府一丸となって地域活性化の推進に取り組んでまいります。
○福島啓史郎君 重要な問題であります少子化対策、これも、最も重要なことは将来の不安の除去であります。 私、外務大臣政務官のときにヨーロッパに行って、人口は減って少子化が進んでおりますのは旧枢軸国、つまり、日本でありドイツでありイタリアであり、さらにスペインだということでございます。これはなぜかといいますと、大戦中の家族政策に対する反動と、それからやはり将来に対する不安が大きな背景だということを聞いてきたわけでございます。要するに、少子化対策としても、将来の不安を除くための成長経済が必要であるということが一つ。 それから、今の社会保障制度、なかんずく年金設計は一定の経済成長を前提にしているわけでございますね。したがって、例えば、低成長時代の平成十三年、十四年ごろの経済前提でいますと、五〇%を所得代替率割るわけでございますけれども、今のような経済状況、良好な状況であれば五〇%を上回るということでございます。要するに、社会保障制度の持続性を確保するためにも経済成長は必要だと思うわけでございます。 その意味で、少子化対策、社会保障制度の持続性、その観点から見た経済成長の重要性につきまして、総理の所見をお伺いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この人口が減少していくという局面に入る中において経済成長をしていく、この方法、そしてまた、あるいはまた社会保障制度を言わば給付と負担の側面から見てみて、給付を受ける側は増えていく中にあって負担を背負う側は減少していく、そうした人口減少局面に対して、我々、やるべきことをやっていかなければならないわけでございます。 そのために、先ほど申し上げましたように、人口減少下にあっても成長していくためには、やはりこれは生産性を向上させていくイノベーションが大切であろう、そしてまた新たな消費、消費者を求めていくためにもオープンな姿勢が大切であると、このように申し上げたわけでございます。 もちろん、少子化対策は我々しっかりと行っていく必要があるわけでありますし、この十九年度予算においてもそのための予算を盛り込んでいるところでございます。また、女性や高齢者を含め、意欲ある人々があらゆる分野でチャレンジをして、希望に満ちて活躍できる社会をつくっていくことも極めて重要でございます。その中で、我々、再チャレンジ支援総合プランや成長力底上げ戦略を通じて、努力をした人が報われて、そして格差が固定化せず、多様で複線化した生き方を可能にする、そういう社会をつくってまいります。 人口が減少していく局面においても日本は十分に成長していくことは可能であり、そのための政策を遂行、推進をしてまいります。そして、安心できる社会保障制度も構築をしてまいる考えであります。
○福島啓史郎君 成長経済を実現する上で重要なのは金融政策であります。バブル崩壊後の経済政策を検証いたしますと、財政よりも金融制度の有効性が確認されているところでございます。今後もマクロ経済政策あるいは成長政策を進める上で金融政策は重要であります。 そこで、日銀総裁にお聞きしたいわけでございますが、政府と日銀が成長率や物価水準について共通の目標を保有することが重要であると考えますが、御見解をお聞きいたします。
○参考人(福井俊彦君) お答え申し上げます。 ただいま福島委員から御指摘のとおり、政府と日本銀行が経済政策の大きな方向性について常に認識を共有し、そして最も望ましい経済的な成果を生み出していくということは肝要だと、金融政策運営の立場からもそういうふうに考えています。 日本銀行法では、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資すること、これが明確に日本銀行の目的というふうに書かれています。私ども、この目標を拳々服膺しながら日々努力をいたしておりますが、同時に、政府との関係で申し上げれば、先ほど総理からも御指摘のありました、去る一月閣議決定をされました日本経済の進路と戦略、この中にも適時適切な金融政策という項目がございまして、再びデフレに戻ることのないよう、民間需要主導の持続的な成長と両立する安定的な物価上昇率を定着させる必要がある、このため、日本銀行が政府とマクロ経済運営に関する基本的視点を共有し、進路と戦略で示す経済の展望と整合的なものとなるよう、適時適切な金融政策を行うことを期待するというふうになっております。私どもはこの期待に十分こたえる努力をしてまいります。
○福島啓史郎君 それで、日銀が持っておられる物価の見通し、これはゼロから二%、中心値は一%ということでございますが、これは一つの緩やかな物価数値目標と考えてよいのかどうか。 透明性確保の観点から、各国とも物価数値目標の考え方、物価数値目標政策あるいはそれに類似した考え方を持っております。それは様々であります。例えば、英国は正に物価数値目標、物価安定数値目標を持っております、二%プラスマイナス一%。ニュージーランドは一ないし三%、またEUは限りなく二%に近くということでございます。 日本も、日銀も日本型のこの物価安定数値目標を持つべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○参考人(福井俊彦君) 福島委員も御承知のとおり、日本経済、過去十数年にも及ぶ大変慢性的な苦しい状況から脱却して、ようやく安定的な成長軌道に復しつつある。一方、物価の面でも、デフレに逆戻りしないかという心配をいつも伴いながら、しかしながら、やはり持続的な成長の下で物価の基盤も次第に固まりつつあると、こういう段階でございます。 したがいまして、日本経済の将来のことを考えますと、日本経済の今置かれているこういうデリケートな状況に最も適した経済政策目標と物価安定についての理解を持って、何と申しますか、今後の経済・物価情勢の展開に最も即したきめの細かい政策をやっていく必要がある、こういう段階だと認識しております。 したがいまして、日本銀行で、今御指摘いただきましたゼロから二%程度という物価安定は、これは狭い意味でのいわゆるインフレーションターゲッティングではございません。これに余り縛られ過ぎてきめの細かい政策ができなくなってはいけない。やっぱり中長期的に、こうした緩やかな物価安定の概念を頭に置きますけれども、結果として息の長い経済成長に結び付けていくと。それが先ほどから御議論いただいておりますような日本の潜在成長能力を上げ、イノベーションの力を強め、国民が最終的に安心して生活のできる社会保障制度がきちんとつくられていくというふうな道にすべて通ずると、こういうふうな信念の下に私どもは政策をやらせていただいております。
○福島啓史郎君 この物価安定数値目標につきましていろいろ御議論があるところでございますけれども、日銀としても透明性確保のために日本型の物価安定数値目標というものを考えていただきたいというふうに思います。 それで、今総裁言われましたように、今は移行期、成長経済への実現の移行期だろうと思います。それで、そのためには、この移行期をうまくこなして成長軌道に乗せていくためには金融緩和的政策が引き続き重要だと思いますが、日銀総裁の見解をお伺いします。
○参考人(福井俊彦君) 経済がたとえ緩やかであっても着実に回復ないし拡大の過程をたどっていく場合には、余りにも低い金利がいつまでも続くものだという感覚がマーケットの中に定着し過ぎますとまた様々な弊害を生む心配がございます。そうした弊害を生まないということは、最終的なやはり安心材料としてみんなが感じられるような環境をつくりながら、今後の経済・物価情勢の変化に応じて緩やかに金利水準の調整を図っていくということが必要だと考えています。 しかし、当面は極めて低い金利水準を軸にした緩和的な金融環境を維持しながら状況の推移を見守っていくと、こういう状況でございます。
○福島啓史郎君 是非慎重な金融緩和的な金融政策をお願いしたいところでございます。 次に、環境、森林整備についてお伺いいたします。 ポスト京都議定書でございますけれども、今の現状を見ますと、一九九〇年比マイナス六%という約束はなかなか難しい、特に家庭やオフィス用あるいは輸送用等、また森林の吸収源対策としても難しい状況にあると言わざるを得ないわけでございます。 総理の実効確保に向けた決意と、それから、これからポスト京都議定書の交渉が始まるわけでございますけれども、その一番重要な点は現在この条約の外にあります米国、中国を中に取り込んでいかなきゃいけないわけでございます。EUの考え方、これは一九九〇年比で二〇二〇年には二〇%減らすということを言っておりますけれども、ますます厳格化の方向に進みますEUの考え方では米国、中国は入らないのではないか。日本として米国、中国をこの枠組みに取り入れていく方策が重要だと思いますけれども、それについてのお考えをお聞きしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま委員が御指摘になったように、確かに京都議定書に掲げるこの目標、我が国の目標であります六%の削減目標というのは大変厳しい目標であると、こう思うわけでありますが、これは正に我が国の国際公約でありまして、その確実な達成に向けて全力を挙げて取り組んでいかなければならないと、こう認識をいたしております。先般の地球温暖化対策推進本部におきましても、この私の考え、決意を示しまして、すべての大臣が先頭に立って取り組むように指示をいたしたところでございます。 そして、それと同時に、二〇一三年以降のこの枠組みについては、米国や中国、そしてまたインドといったこの主要排出国が枠組みの中に入ってこなければ実効ある温暖化対策は行うことはできないと、こう思うわけでございまして、こうした主要排出国を正に入れ込んだ枠組みを日本がリーダーシップを取ってつくり上げていかなければならないと、このように思います。そのための必要な取組と戦略について、ただいま政府内におきまして検討を進めていくように指示をしているところでございます。次期枠組みづくりにおきましても、日本は積極的な役割を果たしていく考えであります。
○福島啓史郎君 先ほど申しましたように、森林の吸収源対策、CO2の吸収源対策についても、今年度は補正が五百三十億円、また当初が二百三十五億円ということで、合計七百六十五億円付くことによってやっと間伐等の森林整備の目鼻が付いた段階でございます。しかし、これはまだスタートでございます。 課題が私は三つあると思います。 一番目は、補正なり当初なりで合計七百億円という必要額を引き続き確保していく必要があるということ、これについての財務大臣の御見解。 二番目に、県費等の地方公共団体負担分につきまして、地方債の起債の対象にする必要があるわけでございます。これは、地方債の対象にするということは支払を将来に繰り延べるということでございますが、森林は防災機能を持っており、また森林は成長するわけですから、将来へ繰延べいたしましても問題はないと思いますが、これについての総務大臣の見解。 それから三番目に、森林所有者負担があることがなかなかこの事業に取り組むことをためらわせるところでございます。間伐等の森林整備につきまして、森林所有者の負担がないような形で進められるモデル事業を更に拡充するなど、農水大臣の見解をお聞きいたします。
○国務大臣(尾身幸次君) 京都議定書の森林の吸収目標の三・八%を達成することが極めて大事であるというふうに考えておりまして、十八年度の補正予算、十九年度の予算を合わせまして、先ほどのお話のとおり、七百六十五億円を確保いたしまして、現在の三十五万ヘクタールの間伐の実施に二十三万ヘクタールを追加をいたしまして、結果として五十八万ヘクタールの間伐の実施に必要な予算を措置したところでございます。 今後とも、森林整備の重要性にかんがみまして、所要の予算の確保に努めてまいりたいと考えております。
○国務大臣(菅義偉君) 地方財政法の第五条では、地方債を財源とすることができる場合を、公共施設又は公用施設の建設事業費の財源とする場合等に限定をされております。私人の個々の財産となる民有林については公共施設とは認められないことから、その財源として地方債を起こすことはできないという取扱いになっております。 ただ、民有施設であっても極めて公共性が高く、後世代にも便益が及ぶものについては、個別法で、民間への助成についても地方債を財源とすることができるよう、地方財政法第五条の特例規定を設ける例もあります。そうした必要性があるのかどうか、御相談があればよく御事情を伺ってまいりたい、こう思っています。
○国務大臣(松岡利勝君) 先生にお答えいたします。 先生は林野庁次長もおやりになっておられましたから森林の関係は随分お詳しいわけでありますが、御指摘のとおりでございまして、どうやって間伐を進めていくか、材価が低迷した中でこれにつきましてはなかなか進まない。そこで、京都議定書の約束目標を達成していくと、こういう観点からも、今回は総理の大変な御決断もいただきまして、また財務大臣それから総務大臣の大変な御高配もいただきまして予算措置ができたところでございます。 いよいよスタートで、まだあと六年間あると、これをしっかりやっていかなければ達成ができない、こういうことでございますので、これをどう進めていくかということが課題でありますが、今の先生の御指摘の森林所有者の負担を軽くしていくということにつきましては、もうこれが一番また必要なことでございます。 そこで、今回、モデル事業といたしまして、七百六十五億円分のうちの二十億円近くを不在村地主等に代わって都道府県や市町村が間伐を実施していく、これを定額の助成方式ということでモデル的に実施をしていく、こういう形で今、ある一定の仕組みでこの事業をつくったところでございます。 先生はそれをもっと拡大して全体に及ぼせということだと思うんですが、なかなかモデル事業の性格等もございましてこれを全面的というわけにはいきませんが、幸いなことには、世界的に木材の需給がタイトになってきておりまして中国やインド、中東辺りで需要が伸びてきている、そういったことを背景といたしまして木材価格も上昇してきております。したがって、極力そういう背景をまたしっかりと生かしまして、ロットをまとめたり効率性を高めたりして、森林所有者の負担が軽くなるような、こういった方向も目指しながら、モデル事業につきましても着実に実施をして進めてまいりたい。今後ともまたよろしくお願いいたします。
○福島啓史郎君 三大臣にはしっかり今後の森林整備に向けて取り組んでいただきたいと思うところでございます。 次に、食育と農林畜水産、食品産業についてお尋ねいたします。 私、食育基本法の主査として取りまとめて二年前に議員立法により成立を見たわけでございますけれども、これは国民運動として今軌道に乗りつつあると思います。例えば、今自発的な運動といたしまして「早寝早起き朝ごはん」と、要するに早く寝て早く起きてしっかり朝御飯を食べて学校に行く、朝御飯を食べない子供たちは二割近くいるわけでございますけれども、午前中、朝御飯を食べませんと脳にエネルギーが補給されませんので授業に頭が入らない、そうしますと落ちこぼれていくということにもなりかねないわけでございます。 そういうことで、要するに、子供のときから朝食を食べる、また米を始め穀類や畜産物、水産物、野菜、果実、牛乳等をバランスよく取る、その食生活を子供のときに身に付け、それを実践していくということが重要だと思うわけでございます。アメリカは一九七〇年代にマクガバン・レポートというのを出しまして、進めているわけでございます。 このことは、健康寿命をできるだけ平均寿命に近づけていくためにも、つまりそのことによって医療費あるいは介護等の増嵩を抑えることをできるわけでございますし、また何よりも個人の幸せであります。さらに、農林水産業あるいは食品産業という面から見ましても、そのことによって地産地消やあるいは自給率を高めていく、また農林畜水産業と食品産業の連携を強めていく契機にもなるものだと思いますが、総理の認識をお伺いいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日本は平均寿命でも世界一であります。また、いわゆる健康寿命についても世界でも高い水準にあるわけでありますが、その理由においては日本の食生活にも関連があるんではないかと、こんなように言われています。 やはり、この食育というのは基本的に、生きていく上での基本ではないか、こんなように思います。知育、体育、徳育と、この基盤となるのが食育ではないかと、このように思うわけでありまして、そのため食育基本法を制定をして、これはまた委員が大変な御努力をされたと、このように思いますが、その中において食育推進会議が決定した食育推進基本計画を踏まえて関連する諸施策の充実に努めてまいりたいと、このように考えております。
○福島啓史郎君 次に、日豪FTA交渉についてお聞きします。 日本側は、牛肉等の食肉、それから乳製品、砂糖、それから麦、米、この五品目について自由化の、関税をゼロにする例外扱いをするということに強い関心を持っているところでございます。私の計算によりますと、この五品目を除外いたしましてもいわゆる自由化率は九二%ぐらいになるというふうに思います。先進国間のFTAの自由化率は九〇%以上だということがWTO上準則になっているわけでございますので、この五品目除外、先日ハワード首相が来られたときも総理から御発言があったと聞いておりますけれども、五品目除外について是非総理の実行力でもって実現していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 欧州とのEPAは、欧州との間において包括的な戦略的関係を強化をしていくということを合意をしているわけでありますが、その強化に向けて有意義であると、こう考えています。 しかし、EPAを結んでいくことによって、やはりこれは両国のメリットがこれが最大化されなければならないわけであります。その中におきまして農業は、日本と豪州、規模において大変大きな違いがあるわけでありますし、農業というのは、日本においては産業という側面だけではなくて、これは、地域にとっては環境や国土の保全、そしてまた文化や伝統にもつながっていくわけであります。 そして、日本の美しい国土、また景観を維持をしているのがやはり美しい農地ではないかと、このように思うわけでありまして、この多面的な機能、価値を十分に頭に入れながら、守るべきものは守っていかなければならないわけでありまして、先般、ハワード首相と会談を行った際にも、日本にとっての農業の重要性について説明をしたところでございます。 今後とも、国内の農業の構造改革の進捗状況にも十分に留意をしながら、日本として最大限の利益を得られるように政府一体となって交渉を進めてまいります。
○福島啓史郎君 この五品目を例外扱いしましても、先ほど申しましたように先進国間のFTAの条件はクリアいたしますので、是非、例外扱いを実現に御努力をお願いしたいと思います。 次に、北朝鮮の問題でございます。 私は、六か国協議は北朝鮮に振り回されている感じがするわけでございます。我が国として毅然たる姿勢と厳しい対応が必要だと思うわけでございます。 そのためには、まず、拉致問題に対し誠意ある対応を示さなければエネルギー・経済支援はしない、二番目には、核、拉致、ミサイルの問題が解決しなければ国交正常化と経済協力はしないという政府の方針を堅持すべきであるというふうに思います。 また、日米同盟、日米協調を確保して、分断工作を北朝鮮はやるわけでございますから、分断工作を排してこの基本姿勢を貫くべきだと思いますが、総理のお考えをお聞きします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この六者協議において、六者会合において合意がなされました。この合意の中において、北朝鮮が核廃棄に向けて具体的に行動で示していく、廃棄に向けて行動で北朝鮮が示していくことが重要であります。そのために国際社会は連携をしていかなければならないわけでございます。 この六者会合の中において、作業部会として日朝の国交正常化にかかわる作業部会が設置をされたわけでありますが、もちろん、我々の姿勢としては、拉致問題が解決をされなければ国交正常化はしない、この方針でございます。この基本的な方針は変わりがありません。 そして、日本が置かれている状況、拉致問題は極めて重要な問題である、そしてその問題が解決されなければならないと、この基本的な姿勢について六か国協議に、会合に参加をしている国々も理解をしているわけでございまして、その中において日本は、エネルギー支援においては拉致問題が進展をしなければ日本はこの支援に参加できないという日本の主張は理解されているわけでございます。 進展がなければエネルギー支援をしない、この基本方針を変えるつもりは毛頭ないわけでありますし、また、日米間においても、同盟関係の中において米側にも十分に理解されているわけでありますし、また、米側も北朝鮮に対して、日朝においてこの拉致問題を含めて交渉をちゃんと進めるようにということは伝えて、再三伝えられているわけでございます。 今後とも、我々はしっかりと連携を強めながら、特に日米間では連携を強めていきながら、この問題、拉致問題の解決のために全力を尽くしていかなければならないと思います。 いずれにいたしましても、北朝鮮にとって、この問題を彼らが解決をして、そして国際社会から受け入れられなければ、今彼らが抱えている深刻な問題、経済の状況、食料の状況、エネルギーの状況を変えていくことはできない、そのことを認識させなければならないと思います。
○委員長(尾辻秀久君) 時間が迫っておりますから、おまとめください。福島啓史郎君。
○福島啓史郎君 時間の関係で答弁は不要といたしますけれども、三点要望したいと思います。 一つは、岩国への厚木からの艦載機移駐等の米軍再編の問題、これは特措法等に基づきまして支援を強化しつつも、最終的には国防問題であり、また国際約束であります。関係地方公共団体の理解を得つつも、最終的には国が決断すべき問題だと思いますので、誠実に対応し、かつ決断をしていただきたい、これが一点目でございます。 二点目は、三位一体改革によりまして所得税の減税と住民税の増税が同時的に行われるわけでございますが、時期が違っております。一月に所得税減税、これ、だから減ったわけでございます。ところが、六月に住民税が増税になります。そうしますと、本来プラス・マイナス・ゼロのところが、納税者は増税感が残るわけでございます、与えることになるわけでございます。納税者の理解を十分得るように積極的に周知広報を図ってもらいたい、これが二点目でございます。 三点目は、パート労働者への厚生年金の拡大、これは再チャレンジということで進められているわけでございますけれども、社会保障政策上の問題であるとか、あるいは五年後の見直しなどきちんと議論をし、時間を掛けて結論を出すことが望ましいと思っておりますので、その点についても御要望を申し上げまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(尾辻秀久君) 以上で福島啓史郎君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(尾辻秀久君) 次に、芝博一君の質疑を行います。芝博一君。
○芝博一君 民主党・新緑風会、芝博一でございます。 まず最初に、私からも、昨日石川県を中心にして起こりましたあの大震災、大地震、被害を受けられました皆さん方に心からお見舞いを申し上げますとともに、まだ余震が続いております、十分に安全には気を付けていただいて頑張っていただきたいと、こう思います。 そこで、総理、この地震に対する安全確保と、そしてこの後の復興支援に対する国の、総理の御決意を改めて被災地の皆さん方にお伝えください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 能登半島沖を震源とする地震によりましてお亡くなりになられた方の御冥福をお祈りをするとともに、被災された方々に対しまして心からお見舞いを申し上げたいと、このように思います。一刻も早く安心して暮らせるよう、政府としても万全を期してまいりたいと、このように考えているところでございまして、政府を挙げて取り組んでまいる考えでございます。
○芝博一君 是非力強い御支援をよろしくお願いしたいと、こう思います。 ところで、地震というと昨年、一昨年、姉歯元建築士による耐震偽装問題が世間をにぎわせました。今もマンションに入居中の皆さん方は二重苦のローンの返済、さらには危険で退去しろと命令が出ているマンションにもまだ数名が残っている、こんな状況が続いていると聞いております。にもかかわらず、この姉歯と別件の事業主が、アパグループによる新たな耐震偽装が発覚をいたしました。今日はこの件について質問をさせていただきたいと、こう思います。 まず最初に、国交大臣、姉歯事件の、今日まで相当数時間がたっておりますけれども、姉歯が関与した物件の現在の処理状況、すなわち取壊しであったり、建て替えであったり、補強であったり、件数だけで結構ですから国民の皆さんにお知らせください。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 姉歯元建築士が関与した分譲マンション、ホテル、賃貸住宅、建て替えや耐震改修等の対応が必要なものは七十七棟あります。このうち、除却工事や耐震改修工事の完了又は着手、建て替え決議、耐震改修の実施計画の策定など、対応の方向性が確定し、具体的な工事の手続に入っているものは、分譲マンション二十八棟中十八棟、ホテル三十四棟はすべて、賃貸住宅十五棟のうち十三棟、計六十五棟、全体の約八割がそのように具体的な事業の着手に入っております。
○芝博一君 残念ながら、相当数の時間がたってもすべてが解決をしているわけではありません。 国交大臣、退去命令の出ているマンションにまだ何人か入居していると聞いておりますが、その事実を御確認ください。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 分譲マンション及び賃貸マンションのうち、特定行政庁が使用禁止命令を行った物件は、分譲マンション十一棟及び賃貸マンション二棟、計十三棟でございます。これらについては、昨日までにすべて退去が完了をいたしております。
○芝博一君 危険物件から退去をいただいたと、取りあえずはそこのところは安心をさせていただきたい、こう思います。 ところで、こんな状況が続く中で、今申し上げましたように新たな偽装問題が発覚をいたしました。手元に新聞記事がございますけれども、昨年、二〇〇六年の六月一日に、埼玉県と千葉県で建築中の分譲マンション、これ建築主がアパでありますけれども、富山県の一級建築士がデータの一部を差し替えた耐震偽装が発覚をしたと、こんな報道がなされました。 この問題につきましては、私どもの民主党の馬淵澄夫議員が六月七日の国土交通委員会の中でこの問題を取り上げて、当時の北側大臣にも質問をさせていただいております。そのときに、これは明らかにデータの差し替えで違法である、しかし偽装かどうかについては、時の山本政府参考人は、今検証中であると、こう発言をされております。それから相当数時間がたっているわけでありますが、あわせて北側大臣は、しっかりと建築主にも指導をする、私どももこの問題にしっかり対応していくと、こう答弁をされております。 そこで、今回のこの事件は私はポイントが二つあると思っております。一つは、通報を受けてから国土交通省の対応が非常に姉歯事件と変わって二倍にも三倍にも時間が掛かっている、これが一点であります。もう一点は、事業主のアパグループでありますが、あれだけの企業でありながら、その対応が非常に不誠実、コンプライアンスに欠如していると言わざるを得ません。 この問題について今から御質問させていただきたいと思いますけれども、大臣、まず、このアパグループの水落設計士がかかわった耐震偽装、最初にその情報を得たのはいつでしょうか。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 平成十八年、すなわち昨年の三月三日、イーホームズ株式会社より国土交通省住宅局建築指導課の担当者に対し、埼玉県、千葉県で疑義のある物件についての電話連絡があり、直ちに特定行政庁へ報告するように指示をいたしております。三月三日でございます。
○芝博一君 昨年の三月三日、これがポイントであります。 それでは国土交通大臣、その後、国土交通省として対外的に取った対応について、そのポイントを時系列的に、ポイントだけで結構です、御説明ください。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 先ほどの答弁でも申しましたように、即日、特定行政庁へその内容について調査して報告するように指示をいたしました。 五月二十九日、埼玉県、千葉県より疑義ある物件について経緯等の報告がありました。これを受けて、この田村水落の事務所のあります富山県に対しまして、構造設計者が関与した、すなわち田村水落が関与した物件のリストの作成等を指示をいたしました。 六月二十三日、富山県が構造計算設計者から入手し作成した物件リストを基に、関係する特定行政庁においてサンプル調査を実施するよう国土交通省から依頼し、また京都市等において調査が開始されました。これは四十二物件をリストアップをして、各特定行政庁に申入れしたわけであります。 本年一月二十五日、京都市から国土交通省においてホテル二棟について耐震不足を公表したところであり、これを受け、構造設計者が設計に関与した物件すべてを調査するようにまた関係特定行政庁に依頼いたしました。すなわち、前はピックアップした四十二物件でありましたけれども、そのうちに実際問題があるということが一月二十五日、本年一月二十五日、明らかになりましたので、その余の物件、すなわち田村水落が関与したすべての物件について、これはもう相当、二十以上の県にまたがりますが、すべての特定行政庁にすべての物件について調査するようにいたしました。 以降、耐震不足の物件が明らかになった場合にその旨を公表するとともに、全数調査の進捗状況について定期的に公表を行っております。最近は、三月五日現在の集計結果を三月七日に公表いたしております。 国土交通省といたしましては、早急に調査を行うよう特定行政庁に要請しているところであり、引き続き技術的支援を積極的に行ってまいります。
○芝博一君 今国交省が主なポイントを御説明いただきました。 私は、事前に国土交通省からこの姉歯事件と今回のアパグループに対する経緯を資料で請求いたしまして、私の方でそのポイントをまとめたのが今お手元に、掲示をしているパネルと資料であります。(資料提示) 系列的に説明を申し上げますと、姉歯事件のときには、二〇〇五年の十月二十六日にイーホームズから偽装の通報がありました。そして、十一月七日に偽装の確認をして、八日には緊急対策の着手をしております。そして、すぐに、十一月の九日に関係特定行政庁、すなわち県や市でありますが、打合せをして、そして十一月の十七日には姉歯の偽装リスト二十一物件を公表、さらには十一月二十一日に百九十二件の公表をして行政庁に確認をさせている。で、ほぼその年の十二月の末には国土交通省のそれぞれの対応と指示は一段落をして、年が明けて二月の十三日には耐震偽装がなかったとされる四百六十件についても、もう一度、心配だから国交省は再点検をしてください、ここまで念を押しているんです。そして、四月の六日に緊急調査委員会から最終報告書が出されました。実にここまで、年末まで二か月、そして緊急報告書出るまででも五か月なんです。 ところが、この右を見てください。二〇〇六年三月三日に同じイーホームズから埼玉、千葉の物件について通報がありました。ここからの対応が問題でありますけれども、報告は受けたけれども国交省が動いたのは五月の十一日、全国の特定行政庁に対して、これも疑義情報の把握時の在り方、すなわち疑問点、要するに通報があればその対応を、また若しくは公表方法をどうこうしなさいという通報を出しました。そして、それから五月の二十六日に現場に新聞の取材が入りまして、この報告を受けて今度は動き出すんです。五月二十九日、建築指導課長の通知として、これも五月の十一日にさかのぼって埼玉県と千葉県へ指導通知を発送しました。そして、六月の一日にアパマンション二件の新聞報道がありました。それが先ほどお話をしたとおりであります。実にここまで約三か月半、情報をもらってから三か月半の対応の遅れがある。そして、今大臣が説明をいただきましたけれども、六月の二十三日に改めて四十二物件を抽出して、その調査を特定行政庁へ依頼をした。 この対応の違い、遅れ、何があるんでしょう。私は非常に疑問に思っております。そして、表向きには国交省が公表したのは今の部分でありますが、次のパネルを見てください。 一月の二十五日に公表、会見をされました。京都のアパヴィラ京都駅前ホテルとアパホテルの京都駅堀川通のホテルが、調査の結果耐震不足、偽装である、このことを発表されました。建築主はアパマンション、そして構造設計者は田村水落設計、水落設計士であります。そして、この時点で、一番下にもありますように、一月二十五日時点で、六月の二十三日に四十二件サンプル調査をしたけれども、その中で二つのまず偽装が見付かった。しかし、調査中は七か月たってもまだ十七件ある、こんな遅い状況であります。 そして、このパネル、資料の上にもございますけれども、六月二十三日の部分においては四十二物件、ほかにも水落設計が担当した物件は多数あります。その部分だけを抽出して調査をするように、こう指示をいたしました。今後の対応のところにあります、残りの物件は百二十六件、これを報告の日からまさしく七か月もたってから残りの分を特定行政庁に調査をしろと要請をいたしました。 大臣、今私は、姉歯事件と今回の事件の概略を申し上げましたけれども、姉歯事件は、見ていただきますように、迅速に、そして国土交通省が強いリーダーシップを持って事の対策に当たられました。そのことは事実でしょう。ところが、今回のアパマンションのこの件、実に今日まで情報提供から一年以上たっているんです。一回目の調査を指示するまで七か月、この違い、処理に時間掛かり過ぎと思いますけれども、なぜなんでしょうか。明確にお答えください。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 六月二十三日以降、構造設計者が関与した物件四十二を抽出して、各物件の所在特定行政庁において、偽装等の有無とそれから耐震性の検証を行ってきたところであります。 姉歯の場合とは異なりまして、一物件が五、六棟という、一つの物件が千葉とかあるいは埼玉については五棟、六棟、(発言する者あり)いや、ちょっと待ってくださいよ、五棟、六棟という大きな建物が一団になっているわけです。そういうところが全然違うわけであります。 それから、構造設計者と特定行政庁との間で非常に見解が異なるというところがありまして、その照会が四十二物件について各行政庁から田村水落事務所に当然集中したわけであります。田村水落も仕事してますから、その間に一杯こう来るということからそれが遅れたということが一つ。 それから、構造設計者や元請設計者、工事監理者、施工者、建築主からヒアリングを多数回実施する必要があった。京都市の場合は実に五十回を超えるそのようなヒアリングをやっています。 それから、構造設計者との工学的な判断につきましては、専門家の助言を得て解決をしなければならなかった。京都市の場合は有権者委員会で審議もしていただきました。そういうところが姉歯とは違っておりまして、田村水落については実に二百二十六物件もあるわけです。したがいまして、それが十七都道府県にまたがっていたということで、田村水落と姉歯とは事情が異なってこのようになっているということでございます。
○芝博一君 大臣、私は納得できません。 姉歯の事件で、あれだけ皆さん方がある意味では危機感を持って対応したわけなんです。この国会でも対応いたしました。ところが、その以降の部分において、今の大臣の答弁では、棟数が多かった、物件が多かった、だから時間が掛かってもいいんだ、そんな答弁にしか聞こえませんでしたけれども、そういう解釈でよろしいでしょうか。私はそれはおかしい。人命にかかわる問題であります。 今日、昨日起こった、石川県で起こった地震のようなことが起こっていたら、国交省は、国は責任を持てるんでしょうか。そこが私は今回の事件の大きな問題だと、こう思っているんです。 そこで、今回の検査も特定行政庁任せ、何回した、こんなお話でもありました。ここにポイントは、姉歯事件との違いは、国交省の強力なリーダーシップが、指導力が発揮されていないんであります。その理由を改めてお聞かせください。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 私が替わったのは九月二十六日でございまして、それまでの話が大部分でございますので、まだ私ども、特定行政庁がこれについて最終権限を持っているわけです。私どもは、特定行政庁を指導するという立場でございます。 そういうことで、当初は四十二の物件を抽出して、その中に耐震的に問題があるというものがありましたから大きく広げているわけでございまして、その中には、今言うように、姉歯とは違って一つの団地というのが五棟、六棟あると、その中で、よく調べれば一棟は問題があるけれども、あとは全然問題がないと、そういうような非常に不思議な、なぜそういうところに偽装があったのか分かりにくいところもあります。 そういうことで、調査が長引いていることについては事実でありますが、我々としては懸命に、またこれの早急に結論を得べく今も努力中であるということを申し上げたいと思います。
○芝博一君 私は大臣の答弁は言い訳にしか聞こえない、私には、こう思うわけであります。 総理、今までの議論を聞いていただいて、事が急を要する事案であります。これだけ、今御説明しましたように大変時間が掛かっている。しかし、棟数が多かった、物件が多過ぎた、特定行政庁にはお願いをしていますから、そんな国交省の答弁のような、責任回避のような答弁に聞こえるわけでありますから、国の責任者として、改めてその件について御感想、所見をお述べください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま大臣が答弁をいたしましたように、姉歯の件とは性格が異なるということによって遅れているということでありますが、しかし遅れているのは事実でありますから、大分時間も掛かっています。関係の地方公共団体に対して早急に対応するように更に要請をしていかなくてはならないと、このように思います。
○芝博一君 私は、こう考えているんです。 今この経過表を確認してください、見てください。姉歯事件がほぼ二〇〇五年の年末から六年の当初に収束といいましょうか、行政庁での処分や処理、収束がなされようとしているときに、そのころに、二〇〇六年の三月にイーホームズから新たな物件の耐震偽装の報告がありました。片っ方ではもう収束報告を出そうと、こういう状況が国交省にありました。大変苦労されたことは分かります。しかし、現場ではもうさんざんこの問題にかかわってきた、そんな及び腰があって対応が遅れたんじゃないか。若しくは、どちらもイーホームズからの通報であります。問題のイーホームズでありますから信用できない、そんなことでも思ったんでしょうか。むしろ私は、問題のイーホームズからの通報ですから早急に立ち上げるべきと、こう思っているわけでありますけれども、若しくは、大臣、ひょっとして外部からの口利きや圧力や、国交省が対応が遅くなった配慮せざるような条件があったんでしょうか。 その辺について分かっていればお答えください。
○国務大臣(冬柴鐵三君) そのような事実は全くございません。 姉歯と田村水落との根本的な違いは、姉歯は、ちょっと見てください、それもう一遍出してください、十一月七日に本人が偽装を認めたんです。本人が認めたんです。申し訳ないということだったわけです。いいですか。ところが、田村水落はなかなかしぶとくて、二〇〇七年、いいですか、二〇〇七年一月二十五日、二〇〇七年一月二十五日、その段階で初めてそのような事実があったと見られたことはやむを得ないという、そういうことでございまして、それまで非常に、上ずっと書いてあるのを見てもらったら分かりますが、調査に調査を重ねたけれども、学説の相違だとかいろんなことを言って認めなかったんです。そこが根本的に違いがありまして、外部からの働き掛けとか圧力があったという事実は全くございませんので、申し上げておきます。
○芝博一君 国交大臣、今の答弁には私は間違いがあると思います。 一月の二十五日前後で水落設計はいろんな部分で認めなかったと、こう言いました。ところが、二〇〇六年六月一日の新聞では、インタビューに答えて、数値の入替えをしました、本人が改ざんをしたことを認めているんですよ、認めているんですよ。そことのそご、今大臣はそれ以降の一月前後と、こう言われました。新聞報道のときに既に富山の水落設計士はデータを改ざんした、差し替えをしたということを認めているんです。これがまさしく偽装なんですよ。そこの部分から出発しないと、認めるまで時間が掛かった、大変だと、これも今年の一月前後だ、とんでもない話であります。 ここの部分にまず疑義を呈しておきますし、改めてお聞きをいたします。 一月二十五日のときに、今大臣は一月二十五日のときに四十二の物件を抽出をして調査を依頼したと、こうありました。そして、残りは百二十六件ありました。この時点で、六月の二十三日時点で、残りの百二十六件、国交省として安全だからしなかった、安全が確認できていたんでしょうか。そこをお伝えください。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 先ほどの不整合は本人は認めていますけれども、耐震偽装はしていないと言っていたわけであります。そこをちょっと申し上げておきましょう。 昨年の五月二十九日、埼玉県及び千葉県から、田村水落設計が関与した物件について構造計算書に不整合があるとの報告を受けました。国土交通省といたしましては、他に同様の事案がないか調査対象を拡大する必要があると判断をいたしまして、この時点において構造計算書に偽装による耐震性の不足は判明していませんでした。 また、富山県が入手した物件リストが多数に及んでいたために、昨年六月二十三日、関係特定行政庁に対し、中高層の建物を主とした抽出依頼をいたしまして、埼玉県及び千葉県の物件を含む四十二物件を抽出をいたしまして取りあえず実施するように依頼したわけであります。その点で、その残りが安全と確認したのかというお問いですが、その時点ではそういうことを確認するいとまはありません。 したがいまして、とにかくたくさんあるものを全部にやるということになりますと大変な時間が掛かります。したがいまして、その中から中高層の建物を抽出をしたのが四十二でありまして、残りは安全であるという意味ではございません。
○芝博一君 私はその判断が間違っていると思うんです。姉歯のときには、いいですか、百九十二件の公表をしてすぐ検査に入っているんです。今回二百二十六件といっても、そんなに大差はありません。で、百二十六件の安全の確証も取れないまま四十二件だけを調査をさせて、改めてしたのは、七か月後の百二十六件は一月二十五日なんですよ。このタイムログ、この中には完成済みのマンションもあります。(発言する者あり)タイムラグ、この中には完成済みのマンションもあります。 その辺のことを考慮して、私は、六月の二十三日にすべての物件を特定行政庁へ早急に検査確認をすること、これが国交省の取るべき道ではなかったのか、このことを強く指摘をしておきます。 そして、三月の七日に中間報告がございました。この中で、三月の七日になってもまだ調査中のものが七十七件ある。物件は増えて二百二十六件になっています。一年たってもまだ七十七件残っているんですよ。そして、そのときに出たのは、京都の二ホテル以外に、一番最初に通報のあった千葉県のアパガーデンパレス、これも耐震偽装と、こうなっています。新たに大阪の天王寺のアパホテルも耐震偽装と発表されました。そして、七十七件がいまだに残っているわけであります。 ところで、大臣、一番最初に埼玉県と千葉県の二物件が通報されました。一件は三月七日に報告をいただきましたけれども、残り一件、埼玉県の若葉駅前物件、調査済みでしょうか。そして、この調査中である七十七物件、完了見込みはいつでしょうか。はっきりとお答えください。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 埼玉県のアパマンションにつきましては、昨年三月三日の通報を受けており、当初、建築確認を行ったイーホームズ株式会社において検証を行っていましたが、同社が業務が継続になりまして、それで同年五月十九日以降には埼玉県が特定行政庁として耐震性の状況等の調査を開始したわけであります。 この後、この物件の調査に当たりましては、六棟、延べ床面積が五万平方メートルを超える大規模団地でありました。設計者と特定行政庁との間で、姉歯とは違い工学的判断について見解が異なる点が非常にありました等から、調査開始から長時間を要していたわけであります。 なお、全六棟のうち二棟につきましては耐震性が確保されているということであります。残り四棟につきましては、第三者、すなわち日本建築構造技術協会による検証を行っているところであります。 いずれにしましても、疑義の把握から長期間を経過しておりますので、埼玉県に対して事実関係の解明や、国民の不安解消のため引き続き早急な対応を要請しているところであります。
○芝博一君 今るる細かく説明されましたけれども、昨年の三月三日に指摘された埼玉の物件はまだ結果が出ていない、これが結論なんです。 で、七十七件の完了見込みは、国交省、今言及されましたか。いつでしょう。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 全二百二十六物件のうち百四十九件については調査は完了いたしておりまして、百四十五件は安全であるという結論を得ています。耐震性は四件あります。そのうち、マンションは六十九棟ありましたが、うち調査中が今三十九棟ございます。(発言する者あり)
○芝博一君 いつだと言っている。私は細かく聞いているんじゃないです。残っている調査中が七十七棟あるんなら、件あるんなら、いつごろの完了見込みですか、安全のために。
○国務大臣(冬柴鐵三君) できるだけ三月末を目途に完了してほしいということを言っています。
○芝博一君 とにかく急いで対応されること、これも強く要望しておきます。 ところで、大臣、今回の水落設計士とアパグループは多くの仕事を、関係を持っていると聞いております。水落とアパグループのかかわった件数、そして何年前から仕事でかかわりを持っているか、分かりましたらお伝えください。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 現在調査を行っている田村水落設計の関与物件は二百二十六件のうちアパグループ物件は五十三件あります。 五十三件の内訳は、マンションが四十一件、ホテルは十件、駐車場が二件であります。
○芝博一君 何年前から。
○委員長(尾辻秀久君) 芝博一君、質問してください。──立って質問してください。
○芝博一君 何年前からもお答えください。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 田村水落設計として関与したアパグループの物件は、最も早いものは十年前の平成九年に確認済証が交付された物件が残っておりますので、そのころからだと思っております。
○芝博一君 実に水落とアパグループさんとの関係は全物件の四分の一に当たって、十年前から仕事は、要するに関係、設計を担当していたと、こんなことだろうと思っております。 ところで、当然ながら、この水落設計、もう既に処分をされておりますけれども、私は社会的な面からいっても事業主の責任も問われるべきだ、当然大事だろうと、こう思っております。事業主は金沢、そして水落さんは、設計士は富山、いろんな関係も云々言われるわけでありますけれども、事業主がやっぱりお客の皆さん方に対して情報公開をする、企業のコンプライアンスを高めていく、この部分は大事だろうと思っておりますけれども。 国交大臣、アパグループが本件を初めて知ったのは、認知したのは、気付いたのはいつだとお考えですか。
○国務大臣(冬柴鐵三君) アパ株式会社は、昨年の三月八日、イーホームズ株式会社から、このイーホームズがこれ確認をした張本人なんですが、その本人から埼玉県及び千葉県のマンションの構造計算書の一部に不整合があるとの報告を受けているということであります。三月八日です。
○芝博一君 アパグループさんは昨年の三月八日に確かに報告を受けて認知をしているんです。それを受けて、アパグループから契約者の皆さんにこんな文書が出ているんです。計算書の一部に不整合があるという報告を受けた。取りあえず工事は中止するけれども、関係行政に問い合わせをしたところ、今の段階で人命的に問題があるわけではないので、事実が明らかになるまではばたつくのはよくない。 国交省はこんな関係行政として指導されましたか。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 国交省はそのような指導はいたしておりません。
○芝博一君 それじゃ、この関係行政、行政庁、どこが指導したんでしょう、とお考えですか。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 推定しかないわけでありまして、国土交通省のことではないわけでありますから、三月九日にアパ担当者が電話で埼玉県の飯能県土木整備事務所に今後の対応を相談したところ、落ち着いて事実確認をするようにと指示をされたということを後の調査で知りました。そのようなやり取りがあったことは後の調査で分かりました。
○芝博一君 国交省じゃなしに埼玉県ということでありますけれども、いずれにいたしましても、大変関係の皆さん方にお配りするには不適切な文書だと、こう指摘をしておきたいと思います。 ところで、一月の二十五日の国交省の発表、すなわち京都の二ホテルの発表のときでありますけれども、時を同じくして、この発表を受けてアパの社長の元谷芙美子さんが、あの帽子をかぶって有名な方が会見をされました。泣いて、涙を流して会見でこう訴えられました。寝耳に水だ、今回の耐震偽装の発覚は、こう発言をされているんです。私もテレビで拝見をいたしました。つまり、京都市が勧告を出すまで構造計算書が偽造されている疑いがあることを全く知らなかったという意味だと私は思うんです。これは当然でしょう。 国交省、この発言について御見解、感想ありましたらお述べください。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 残念ながら、そのような発言を聞いておりませんので、コメントはいたしかねます。
○芝博一君 当時は大変有名になりました、今年の流行語でも受けるんじゃないかというぐらいの部分で報道をされたわけでありますけれども、社長が寝耳に水。ところが、片一方では関係者の皆さん方に文書も配付している。 そして、同じく、片一方では、一月の二十五日、同じ日にアパグループの代表の元谷外志雄さんから関係各位にこんな文書が出ているんです。京都のホテルは営業を中止して補強工事を実施します。しかし、ほかにもホテルが六つあって、一つはまだ問題です。成田の物件、千葉の物件も同じように今、国交大臣が言われました。それ以外にも工事中のマンションがほかに四件あって、一件が指摘をされている。そして、完成済みのマンションについては、自主的に安全性の再確認を行い、必要とあらば補強工事をします。こんな文書が関係各位に流れているんです。 ここで問題なのは、今、片一方では、アパの奥さんであります社長が寝耳に水、片一方では、グループの代表が経緯を事細かに認知をしていて、皆さんに配付をして説明をしている、この不整合、不誠実、私は不誠実だと、こう思っているんです。 ここで言う自主的に安全性の再確認をすると、こうありますが、これは認められません。すべて残り物件も特定行政庁の検査に掛かるわけであります。その解釈で、国交大臣、よろしいですね。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 一月二十五日まではいわゆる耐震性に問題がありという最終判断ができなかったわけであります。我々も特定行政庁においてそれまでにいろいろな不整合なり問題があるということについては報告を受けておりますが、耐震性に問題ありという最終判断はその前日まででございまして、我々はそれによって対応を変え、そして、みんなにもこれが問題である、耐震性に問題があるということを明らかにしたわけでございます。 したがいまして、それをアパグループがそれまで耐震性まで問題があるという認識があったのかどうか、そこは分かりませんけれども、アパグループとしては、そういうことが分かった以上、それをお客様に周知するためにそのような手を打ったんではなかろうかというふうに思います。
○委員長(尾辻秀久君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(尾辻秀久君) 速記を起こしてください。
○芝博一君 このアパグループの、そして水落設計の件について改めて総括をさせていただきたいと思いますが、事業主としてアパグループの態度は大変私は不誠実だと思っております。それは、コンプライアンスの欠如、そして後手後手に回っている公表、ある意味では操作的なものを感じますし、社長のうその発言等々を含めて、私は改めて事業主に誠実に対応していただきたい、まずはそのことをもって強く言っておきたいと、こう思います。 ところで、時間もありません、次の質問に移りたいと、こう思います。 次は、政治姿勢と事務所費問題であります。 平成十八年の一月二十六日に衆議院の予算委員会で、私どもの馬淵澄夫議員がヒューザーの小嶋社長の件についていろいろ時の官房長官であります総理と議論をいたしました。その中で、これは論点でございませんけれども、小嶋社長は、私は安晋会の会員で、こんな発言をされました。この安晋会について当時の議事録をひもといてみますと、総理は、この安晋会という会は、慶応の同窓の方々が親睦を図る会としてつくられて、一年に一、二回開こうかということになった、そして、安晋会というのは、そもそも私の事務所や私が管理をしている団体ではございませんから、後援会ではありません、こう発言をされております。 再確認をさせていただきますけれども、この認識でよろしいでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 答弁したとおりでございます。
○芝博一君 今、親睦団体で、後援会ではないと、このとおりだという確認もいただきました。 それじゃ、改めてお聞きをさせていただきたいと、こう思いますけれども、総理、あなたは、今アパグループの話が出ました、このアパグループの代表の元谷外志雄さんを御存じですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) パーティー等でお目に掛かったこともございますし、恐らく一緒に写真を撮ったこともあるんではないかと思います。
○芝博一君 総理、それじゃ、あなたはこの元谷代表が主宰をする日本を語るワインの会に出席をしたことがあると思います。いつで、何回出席されましたでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私はワインは飲めないんですが、お酒飲めませんから、だれかに頼まれてその会に出たことはあると思いますが、これは記憶に明確でございませんので、いつかと今急に言われても、いつかということは思い出せません。しかし、出たことはあると思います。
○芝博一君 この元谷代表が編集長を務めるグループの機関誌に、私の手元にアップルタウン、これは各ホテルであったり事業所だったり、一部書店でも売られているわけでありますが、こういう会社の社報が出ているのを、月刊誌が出ているのを総理は御存じで、読んだことございますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 読んだことはございませんが、それに記事が出ていたという話は聞いております。 しかし、政治家ですから、いろんな人たちと付き合いますから、それをもってして何かまるで今までの議論と関連があるかのように言うのはおかしいんじゃないですか。
○芝博一君 いや、総理、先走って物言わないでください。私は知っているか、読んだかと聞いただけですから。何も聞いていないんですよ。 改めて、それじゃ申し上げましょう。実はこのアップルタウン誌の中に日本を語るワインの会の特集が出ております。実はこの写真も記事もパネルにしてお出しをしたかったんですが、どうもそうもいかないようであります。ですから、私から、先ほどの協議の部分があったと、こう思っておりますが、私からこの中身についてちょっとかいつまんで申し上げます。 日本を語るワインの会、平成の十七年の十二月号でありますが、十月の十二日、代表自宅にて今月の日本を語るワインの会が開催されました、今回のメンバーは、代表が副会長である、代表が副会長、代表は元谷さんです、副会長である安倍晋三氏の後援会・安晋会の面々、こうあります。 このことについて総理に改めてお尋ねをしたいと思います。この中身、御存じだったでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 一々そういう中身すべて確かめておりませんから。後援会かどうかというのは、私が委員会で述べたことがすべてですよ。
○芝博一君 そうすると、この安晋会は後援会ではない、任意の団体で、事務所も私も管理していない、こう言っているんです。しかし、私は事はそれだけでは済まないと思うんです。 政治資金規正法には、総理、こう書いてあるんです。政治団体の定義として、いいですか、組織的に継続的にある候補者を支持する会、これを政治団体と定義すると、こうあるんです。 総理は過去の答弁でも、今までの分も含めて、継続的、一昨年のその前にも忘年会、会合がありました、今回のワインの会もありました、継続されています。組織あるんです、会長もいる、元谷さんが副会長である、会員もいると答弁されております。そして、安倍さんの安と晋三の晋を取って安晋会で、慶応の皆さんが支援をしている、支持をしている。これで十分な私は政治団体と定義されると思いますけれども、その解釈でよろしいでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それはこじつけで、そのような懇親的な会でだれかが私を是非連れてきたいという声が掛かれば私も気軽に出る場合もありますし、その際に、例えばじゃ私の一字を取ってじゃ名前を付けようと、年に一、二回懇親をしようと、そのときにその懇親会で食べる食事の部分についてはみんな会費を取ってやろうということはあるんじゃないんですか。しかし、それは政治資金規正法上の言わば後援会でもないと。しかし、何となくその中で多くの人たちが私を精神的に応援をしようということであれば、それは言わば後援会ということを言う場合も、その個々の人たちが言うのはそれは分かりませんよ、それ。しかし、私は言わば政治的な意味においての後援会というふうには認識をしていないということでございます。 いずれにせよ、はっきり申し上げておきますが、このアパグループからは私は政治資金は全く受け取っていないわけであります。これはパーティー券も含めて一切ないということははっきりと申し上げておきたいと思います。
○芝博一君 どうも総理は先回り先回りで、何が心配か知りませんけれども、御答弁いただきます。 私は定義を聞いて、その定義の部分の中に今の安晋会の状況は政治団体と認め得るという、それだけの条件がそろっていますよと、こういうことを指摘したわけであります。これは総理の方が知る知らない、管理するしないじゃないんです。後援会であろうが安晋会であろうが、寄附があろうがなかろうが関係ないんです。これはまず団体の定義。そして、政治団体の定義に当てはまればこれは届出の義務が第六条で発生をするんです。それは総理側じゃなしに、もう一つは主催者側でもあるんです。で、そこまで厳格には申し上げませんけれども、安晋会は後援会的な要素を十分に含んで、政治団体である、これは私自身はそんな思いをしておりますけれども。 この安晋会、今も活動を続けられているんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) その後、私は出席したことはございませんが、私の後援団体でありませんから、すべて、どのような会をやっているかは把握をしておりませんから、答えようがないわけでありますが。 しかし、芝さん、これ全国にそういういろんな会があって、私を呼んで定期的に安倍さんの話を聞こうという会はかなりたくさんありますから、それ、全部それを後援会と認めて登録をしようなんというのはこれ全くおかしな話だと思いますよ。
○芝博一君 総理ね、総理側自身の方から認める部分じゃなしに、そういう部分は法律的にはやっぱり要件を満たせば政治団体。政治団体というのは、それは総理側から申請をしなくても、また会の人から申請しなくてもだれでもいいんです、関係者が申請をしなきゃならないという法律もあるわけでありますが。安晋会、これで安晋会で、例えば前の小泉総理を応援する安晋会じゃないと、こう思いますし、安倍派の名前から取っている部分だと思いますし、要件は満たしていると、ただそこの部分は国会の答弁とは違うものですから、改めて指摘をさせていただきました。 そして、次の問題に移りますが、総理、そこで、総理は今年の二月の九日付けで総理の収支報告書の事務所費の部分について訂正報告をなされましたでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 資金管理団体である晋和会の収支報告書の資産等の状況のうち百万円を超す敷金や資産等の項目別内訳への記載が事務的なミスが判明をしたために、収支報告書の必要な修正を行ったところでございます。 しかしながら、政治資金の収支総額及び支出総額に関する修正は一切行っていません。これは、資産等の状況においてずっとマークをしている欄がたくさんあるんですが、そこにたまたま、この敷金のところに記入を入れていなかったという事務的なミスでございます。
○芝博一君 訂正報告をしたと、それは資産のところで、ないというところがあると訂正をされたと、こう思っております。 それじゃ、そのあるとされた部分の資産、敷金でありますけれども、項目的には、それは幾らで、どんな形で訂正をされたんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今申し上げましたように、この政治資金の収入総額及び支出総額は変わりはないわけでありますが、このチェック項目にチェックを入れていなかったということでございまして、これは敷金の額は三百六十九万六千三百五十円でありまして、晋和会が二百五十八万七百四十四円で、そして東京政経研究会が百十万八千九百五円と、そして償却費その他で九十四万六百五十円ですか、ということ、この償却費その他はこれ関係ないんだな、今申し上げました敷金のところが総額でございまして、これ、チェックをしたかしないかということだと思います。
○芝博一君 敷金がなしからありになったと、そして今お話ありました、晋和会ともう一つの政治団体であります東京政経研究会で約三百七十万の敷金を認めたと、こういうことであります。 いつからさかのぼって訂正されたんでしょう。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いつからというのは、それ、私もよく分からないんですが、それはその回そのときだけだと思いますがね、それは恐らく。
○芝博一君 総理、私の方からお伝えしましょう。 〇五年度はなしで〇四年度にさかのぼって、入居したときから、その〇四年度から訂正も二年間されているんです。そこの前提の部分で、時間がございませんから。 そこで、総理、この団体が置かれている事務所の場所並びにその物件の所有者は御存じでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは神戸製鋼所の不動産カンパニーですか、そこが所有者でございます。
○芝博一君 今総理の方から、所有者は神戸製鋼所不動産カンパニー、こうお答えいただいたと思っております。 私、この名前を聞いてどこかであれっと、こう思ったわけでありますけれども、たしかここの神戸製鋼所、親会社でありますけれども、総理が政界に入る前までここで長らく社員としてサラリーマン生活を送られた、こんなことを聞きました。それが御縁で、先日も地方視察の中でわざわざ神戸製鋼を訪ねられた、そんな映像も見たわけでありますけれども、そこの事実関係はそれでよろしいでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それはそのとおりであります。
○芝博一君 そういう、総理と大変御縁の深い神戸製鋼所が所有する不動産物件でありますけれども。 ところで、総理、この不動産物件の賃貸料、今三百七十万円と、こう言われました。(発言する者あり)敷金がね、失礼、敷金が三百七十万円。ところが、どうも調べたら、聞いてみますと、同じフロアであったり、その階の部分というのはもっと高い敷金が要るようなんですよ。ここの全体フロアで払っている、訂正されたのは三百七十万ですが、総理が借りているフロア全体の敷金は御存じでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは、説明しますと細かい話なんですが、償却費その他を含めますと、償却費その他が九十四万六千五十円がございますので、振り込みの額としては四百六十四万二千四百円ということになっております。 ですから、これはほかの方たちと全く同じだということはもうはっきりと申し上げておきたいと思います。
○芝博一君 まあそこのところは納得したとしましょう。そうしたら総理、いや、納得しましょう、数字は納得しました。 そうすると、総理、今ちょうど、御存じのようにこの国会で政治と金の問題が言われております。そして、私も松岡大臣に後ほど聞きたいと思いますが、光熱費の問題も言われております、事務所費の問題。なぜ総理は二月九日のこの時期にあえて訂正をされたんですか。その理由をお答えください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それはミスが分かったからであります。
○芝博一君 当然の答えをいただきました。当然、ミスが分かった、それまでは、四年、平成四年からは分からなくて、ちょうど議論が真っ盛りになってきたときにそのミスが分かった、こういうことだと、こう思っています。 ところが、その前に、今回の件について一部で報道がございました。事務所費の敷金が収支報告書に記載されていない、こんな報告があったわけでありますけれども、それを見て、それに対応して、それが理由で訂正をされたんじゃないんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、言わば報告されてないというのではなくて、先ほど申し上げましたように、総支出と総収入ということは、これは訂正をしていないわけでありますから、全体の中にはちゃんと入っているわけであります。 しかし、そのチェックをする欄、芝議員もごらんになったことあると思いますが、細かいチェックする欄がたくさんあって、あれを全くミスがないという事務所というのはそんなにたくさんないと思いますよ、それは。そういうミスというのは起こるんですよ。ですから、そこでそういう指摘があったのでミスをただ直しただけであるということだと思います。
○芝博一君 総理、すべての人にミスがあるということを前提に物言ってもらうと困るんですけれども。 いずれにいたしましても、私は、今回急遽、今の時期に改めていろんな部分での報道、週刊誌等の報道もあった中で、急遽二月、今回訂正されたことにどうもいまいち釈然としない部分がある。これだけの金額でありますから、もっと早く気が付いてもいい、この部分であります。中の数字のことじゃなしに、やっぱり時期的な問題がある、こんな思いをしておりますので、御指摘をさせていただきたい、こう思います。 ところで、松岡大臣の光熱費でありますけれども、二〇〇五年で五百七万円、そして五年間で二千八百八十万円。何とか還元水を付けている、そして暖房も、こう言われましたから、事務所には確認いたしましたら、確認に行きましたら、浄水器も何にもなかった。これは確認させていただきます。 松岡大臣、総理も今の答弁でありましたように、ミスが見付かったら修正をしているんですよ。松岡大臣も修正報告されたらどうでしょうか。
○国務大臣(松岡利勝君) お答えいたしますが、私も何度か過去に修正したことはございます。今の時点におきまして、私は法律上、法令制度上必要なものはすべて手続を取っておりますので、そのとおりずっとこれまでも申し上げてきたとおりでありまして、現行法令制度上必要な報告は既にやっておるところでございます。
○芝博一君 相も変わらず三週間その答弁を松岡大臣は続けられておりますけど、国民から大いに不信を買っている、そのことだけは十分お伝えをしたいと、こう思います。 ところで、松岡大臣、あなたの政治信条、モットー、座右の銘は何でしょう。お答えください。
○国務大臣(松岡利勝君) 政治家として、それはやっぱり自分の職責を全うして、世のため人のためにしっかり頑張ることであります。
○芝博一君 お答えいただけませんでした。 大臣のホームページ、書類等々から私がお答えしましょう。松岡大臣の信条、座右の銘は真実一路なんです。しかし、私は、この言葉が一番似合わない人も松岡大臣だと、こう思っております。 委員長、改めて私は、松岡大臣には、領収書もそろっていると、こういうことでありますから、その領収書の提出を予算委員会に、そして改めて予算委員会で決議をいただきまして証人喚問を要求したいと思いますので、よろしくお取り上げください。
○委員長(尾辻秀久君) 理事会で協議中でございますから、引き続き協議をいたします。
○芝博一君 時間でございますので、私の質問を終了させていただきます。
○委員長(尾辻秀久君) 関連質疑を許します。犬塚直史君。
○犬塚直史君 総理、三月二十二日に原爆症認定訴訟で二十一名の原告勝訴、九名の請求棄却という判決が出たんですね、これ東京地裁ですが。実は今日も、総理、傍聴席に被爆をされた方々が来られております。また、全国で二十六万を超える被爆者あるいは手帳の交付を受けられない被爆経験者という方たちが多分このテレビを見ておられると思うんですけど、中には勇気を持ってこの原告団に入ることができなかったという方がたくさんおられるんですよね。 私は、この件を調べるに当たって、やっぱりこの原爆を造ったのは米国ですから、一九四五年八月六日と九日に落とされる前、四三年辺りから人体に与える放射線の影響というのはマンハッタン計画の中で研究はされていたわけなんですね。その後に、今度はマンハッタン調査団というところが原爆投下直後に日本に入りまして、まあ残念ながら、占領下の日本で日本も協力をしながらやったんですけど、必ずしも十分な調査が行われていない。 その後は、私は、この件を最もよく調べる資料ないかと思いまして、東京裁判の資料を今、国立国会図書館の中に過去数年にわたってマイクロフィルムで収めてきた日米の関連資料、全部で二千万ページあるんですけどね、この中に原爆ですとかABCCだとかいうキーワードで探してみたんです、総理。そうしたら、驚いたことに一言もこれは出てこない、全く出てこないということなんですね。要は分からないんですよ。この被爆による初期放射線、あるいはその後の残留放射線、あるいは入市の被爆者、あるいは被爆体験者と言われている方々の実態というのはまだ分かってないんですよね。 そうした中で、言わば六十二年間の間、自分は被爆したと思っていても被爆と認められてない、あるいは認められていただいたけれども原爆症とは認定されていない、こういう方たちが今たくさん見ておられると思うんですけど、まあ訴訟の立場の違いは超えて、まずは総理からこの方々にねぎらいの言葉をいただけますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この原爆症の認知については政府の立場等があるわけでございますが、しかし、戦後既に六十年たつわけでありますが、原爆症と認定された方あるいはまたこの認定を待つ方々も含めて戦後大変な思いをされた、大変な苦しみをされたということに対しましては心から同情したいと、このように思うわけであります。
○犬塚直史君 同情していただくのも大変大事なことだと思うんですけれども、一番言っていただきたかったことは、要するにこの原爆というものの放射線による人体に対する健康被害というものが分かってないということを総理にも是非この機会に御認識をいただきたいと思うんですね。 そこで、まず、厚生労働省の方で結構ですから、今回の判決文のページの百十三ページ、ここを読んでいただけますか。
○政府参考人(外口崇君) 東京地裁判決の百十三ページの記載でございますけども、残留放射能についての問題点という記載がございます。読み上げますか。 広島原爆、長崎原爆とも、原爆投下直後から残留放射能についての調査がなされたものの、誘導放射能及び放射性降下物について、十分な実測値が得られておらず、ある程度本格的な調査がなされたのは昭和二十年九月十七日の台風の後である。 DS86報告書自体、主たる内容は初期放射線による外部被曝線量の推定であって、残留放射能については一章を割くにとどまっており、しかも、その内容も、風雨の影響がある以前に速やかには測定されず、風雨の影響や放射能の時間分布を明らかにするのに十分なほどは繰り返されなかったこと、測定場所が少なく放射能の地理的分布を十分推定できなかったこと、標本の偏りの有無も不明であることなどを明記した上での検討となっている。
○犬塚直史君 総理、今読んでいただいたのの一番核心の部分がここなんですね。これは、長崎原爆爆発後三十分から一時間のイメージ図なんですね。(資料提示)要は、DS86というのは初期放射線、つまり原爆炸裂後一分間の放射線、初期放射線だけを測定をするような数値なんですね。ところが、ここで見るように、もう本当にこの地域全体が、山の反対側も含めて放射線による汚染が起こっていたと考えられるわけですね。 次のパネルをお願いします。(資料提示) そこで、この表をごらんになっていただきたいんですけども、こちらがすべての原爆死没者、そしてこちらがすべての生存被害者ですね。今この二十六万余というところが原爆手帳を交付されている方々なんですね。この原爆手帳を交付されている方々のうちで今度は原爆症認定、一番最後のところですけど、原爆症だと、あなたの病気は放射線の被害によるものだと、これは原爆症であると認定受けた方が何と二千人しかいないんです。この一番下のところですよ。 これ、厚生労働大臣に伺いますけども、こういう認識で間違いないんですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 被爆者健康手帳をお持ちの方、それから健康管理手当などを受けていらっしゃる被害者、それから原爆症の認定を受けた被害者の方ということはこのような分布になっているということで、私も報告を受けているところでございます。
○犬塚直史君 今、厚生労働大臣がお認めになったわけですよ、総理。 そこで、今度はこの次の図なんですけれども、(資料提示)これは原爆放射線の人体影響、一九九二年、比較的新しい報告書がここにあります。これ、実はもう既に質問通告の中で厚生労働省の確認は取っておりますので、信頼に足る資料だと。つまりは、放射線影響研究所、広島大学、国立水俣病研究センター、赤十字・原爆病院などの研究者が作成した、正に我が国の英知を結集したレポートがここにあるんですね。この中のこれ見ていただきたいんです。点々の部分は今まで分からなかった、実線になったときに初めて、例えば白血病と放射線被害の関連が分かってきたという疫学データが出てきたわけですね。あるいは、甲状腺がん、乳がん、肺がん、胃がん、結腸がん、骨髄がん。骨髄がんに至っては本当に七〇年代の後半になるまで分からなかった。実は、こういうレポートがまだまだ毎年のように出てきているわけであります。最近はがんのみではなくて、通常の健康被害もこうしたものが出てきているんですね。 厚生労働大臣に伺いたいんですが、被爆者の健康被害に対して放射線起因性がないと今度の判決で決め付けることは誤りだと。つまり、むしろ推定を行って、こういう方たちは原爆による放射線の被害がまずあると推定をすると、その上で健康被害が、一般に見られるような健康被害が出てきたとしても、これは放射線被害でないと決め付けないで、まずはこれは放射線被害だろうと推定をすると。逆に、反証をする責任というのは国があると思うんですけど、厚生労働大臣、いかがでしょうか。
○委員長(尾辻秀久君) 時間が参っておりますから、簡潔にお答えください。柳澤厚生労働大臣。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 失礼しました。 東京地裁の判決が出ましたけれども、今委員の御指摘のようなくだりがあると、そういう指摘もあるということも私も概括聞いておりますけれども、やはり訴訟の文章でございますので綿密な検討をした上で、いろんなところと協議をして対処策を考えていかなければならないと、このように考えております。
○犬塚直史君 委員長、一言だけ。
○委員長(尾辻秀久君) 犬塚直史君。
○犬塚直史君 総理、これは米国が一九九八年に放射線被曝退役軍人補償法というのを作っているんです。これは立法ですね、アメリカの。日本のこのデータに基づいて作っているんです。その中で何を言っているか。証拠となる記録がない場合であっても、当該疾病は当該退役軍人の義務兵役における職務期間中に罹患し又は悪化したものと推定する、こう書いているんですね。是非これを参考にしていただいて、是非早い機会の放射線影響による健康被害の救済を心からお願い申し上げて、私の質問を終わります。
○委員長(尾辻秀久君) これにて犬塚直史君の関連質疑は終了いたしました。 以上で芝博一君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(尾辻秀久君) 次に、山本保君の質疑を行います。山本保君。
○山本保君 公明党の山本保です。 まず初めに、昨日、石川県能登地方で起きました地震で亡くなられました方に私からも深い哀悼の意を表しますとともに、被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。 そこで、予定の質問に入ります前に、冬柴国土交通大臣にお聞きいたします。災害に遭われた方々また地域への救援、また復旧の対応はどのように進めておられますか。お願いいたします。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 昨三月二十五日、午前九時四十二分ごろ、能登半島沖ですね、輪島の南西約三十キロの地点で、深さは十一キロでございますが、震源とするマグニチュード六・九、暫定値でございますが、大きな地震が発生いたしました。今回の震災で亡くなられた方に対し謹んで哀悼の意を表するとともに、負傷された方に一刻も早く回復されることをお祈り申し上げます。また、多くのまだ避難生活を余儀なくされておられる方についても心からお見舞いを申し上げたいと思います。 国土交通省といたしましては、地震発生とともに非常体制を取りまして、二十四時間体制で今まで災害対応に当たっております。私は当日、ちょうどその時間に広島県呉市で行われておりました海上保安大学校の卒業式に出席をいたしておりましたが、私の祝辞だけを読ませていただきまして、直ちにヘリと固定翼機をもって一時半にはもう帰ってまいりまして、直ちに災害の対策本部に出席をしたわけでございまして、また、国土交通省防災センターに入って、それまでの事実と対応について報告を受け、そして指示もいたしました。 また、政府現地調査団へは当省からも職員四名を派遣をいたしますとともに、私が呉で情報を受けたときに、すぐに副大臣又は政務官で一番近い人に行ってもらうようにという指示をいたしまして、吉田政務官がちょうど新潟にいられましたので、直ちにそこへ専門家七名とともに派遣をいたしました。全容の把握、早期復旧の支援に今も努めております。 このように、国土交通省としては、内閣府等関係機関と連携しつつ、今回の地震被害に対し専門家を派遣し、また被害状況の把握や技術的な支援を行うとともに、所管の施設の災害復旧に全力を挙げて努力をしているところでございます。
○山本保君 どうぞよろしくお願いいたします。 それでは、質問に入ります。 最初に総理にお聞きいたします。 今回のテーマは安心、安全でございます。正に日本はこれから高齢社会になるわけであります。このときに、できるだけ長く健康で元気で生き生きとした、そういうお年寄りを少しでも多くいていただきたい、このことが非常に重要なことになってまいります。介護保険制度もできまして、その中にも、また後で詳しくお聞きしますけれども、元気な方に元気を維持していただくような、そういうお金の使い方もできるようになってまいりました。 まず総理に、これからの高齢化社会どうあるべきと、その展望についてお聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま委員が御指摘になったように、やはり高齢化時代に入って、ただ単に平均寿命を延ばしていくのではなくて、言わば健康寿命を延ばしていくことが大切であって、もう最後の瞬間まで元気で長生きできる、そしてまた社会ともかかわりを持っているし、あるいは生きがいを持って地域のためにも貢献をしていく、そういうことができることが大切であろうと、このように思うわけでございまして、そのためにも、やはり今委員が御指摘になった予防は極めて私は重要であろうと、このように思います。 介護保険制度において、平成十八年四月より介護予防事業を行っているところでありますが、この中身については、介護予防に効果があるなど高齢者の自立支援に資するものであり、保険料や公費を財源として実施するものにふさわしいものであると、そういう必要があるわけでありますが、具体的な実施方法については、市町村の創意工夫により介護予防事業の実施が可能になっているわけであります。 政府としても、より効果的、効率的に事業を推進をしていく必要があると、こう考えておりまして、先進的な介護予防事業の実例を積極的に情報提供をするなど、自治体の取組の支援に努めてまいりたいと、このように思います。
○山本保君 実は医療面で、医療の世界では予防というのはこれはもう常識なんでありますが、私の専門であります福祉の世界では、実は予防というのは大変難しいわけでございます。 子供の場合だけは例外的に国親思想といいまして、国がまず親に代わって対応ができることになっておりますけれども、大人に関してはなかなか難しかった。これがやはり立ち遅れを呼んできたとも思いますし、また、これからお年寄りが多い国になりますので、今までの介護保険のように具合の悪くなった方だけを、これは一番重要ですけれども、この方を手当てする、これだけではいつまでたっても減らない、若い人の負担も周りの負担も大変である、こういうことから、今お話に出ましたように、実は去年の四月から介護予防に関して介護保険の一部を使うことができるようになっている。総額で大体一千五百億、また来年からは多分二千億以上になると。これを元気なお年寄り一人で単純に計算しますと、元気なお年寄り、つまり介護保険を使っていないお年寄り一人当たり一万円近いお金になるわけでございます。 一年たってきましたけれども、残念ながら、私も地域で見ておりまして、それが有効に使われているというふうには余り見られないんですよ。まだ一年たっていませんから、役所としてはこれからだということかもしれませんけれども、しかし、私はどうも見ていますと、健康な方の中に不健康な方がいるんじゃないかという、そういう調査費に使ったり、また相談費用に使ったりしていると。こういう役所で使うような形でこのお金を使うのではなくて、今総理も言われましたけれども、元気で長生きのできるような方、その方たちの直接使えるような形でお金をもっと活用すべきではないかと思うわけです。 例えば、おふろでありますとか文化、踊りの先生なども、名古屋、西川先生とか工藤先生とか、お年寄りのための日本舞踊の会をやろうと言っておられる。また、食事でありますとかスポーツ、こういうような団体なり個人の先生方は一杯町の中にいるわけです。商店街でもこういうことをやっておられる。こういうところにお金がどうも入っていないんじゃないかと私は思います。ここに直接お金を使うような使い方をした方がいいんじゃないかということを申し上げます。 柳澤大臣、どうでしょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 介護についても予防ということが必要だということで、昨年の四月からそうした活動が現に始まったわけでございますけれども、まだなかなかスタート当初ということもありまして、十分にその対象者をつかみ切れていないという御指摘、福祉の専門家である先生、委員からの御指摘はそのとおりかと思っておる次第でございます。 で、私どもこれについて、今委員の御指摘のように、もっと社会のいろいろな、いわゆるソーシャルキャピタルと最近言うらしいんですけれども、そういうものを使って対象者をしっかり把握して、そして本当の予防の活動にいざなっていくと、こういうことが必要なのではないかという御指摘は私はそのとおりだと、このように感じております。 実は、私の出身の市の市長とも時々話をするんですけれども、もういろんなことを今工夫をしていると。ボランティア活動なんかの窓口も使ってボランティア活動というような呼び掛けをするとまたいろいろ出てくる。切り口というか、その切り口を利用することによって、対面するというか、認知をする顔ぶれが変わってくるというようなこともあるので、いろんな切り口からそういうことをやっているんですというようなことを私も報告を受けて、どんどんやってくれということを言っておるんですが、今総理が言われたように、各地で行われているいろんな工夫の情報を集めて、いい知恵をできるだけ整理をして、それを全国に普及啓発していくということが是非必要だろうと、このように思います。
○山本保君 ありがとうございます。積極的なお答えをいただきました。 もう既に予算は動いているわけでありまして、この使い方についてはいろいろあると思いますけれども、きちんとその地域の正に介護度が良くなっていくという結果が出ればよろしいわけですから、これは正に実証できるわけですので。 まあ私も自分のことからいいましても、二つほどこれは今までに弱点がありまして、まずお金がネグってしまってというか、中に入ってしまって、住民の方がそれだけお金が使えるんですよ、こういうこともきちんと市として出して、そのお金の有効な使い方をすべきです。それを役所の方だけで使っていますと、結局調査をしたりする。 調査についても、これも二つ目ですが、やはり生まじめなところがありまして、元気だといっても本当は元気じゃない人がいるはずだと、だからそのために調査しなくちゃいかぬ。わざわざそのために調査、まあしかし、それはそうなれば当然お医者さんなりサービスのところへ来られるわけですから、もうすべてのお年寄りが危ないといえばいつでも危ないということもあるわけですので、そこでそんなに細かく限定したことで仕事をするんじゃなくて、すべての方が使えるようなことをやるべきじゃないかと思っておりますので、今のお答えは非常に積極的にお受け取りしました。 是非、各地域でそれが安心してできるように、またこれからも御指導お願いしたいと思っております。 次に、総理、もう一つの、今度、これもよく聞く心配な点は、お年寄りが多いんですけれども、入院をしておりまして退院をすると。まあ実は突然、例えば今月末に出てくださいよとか、何か月たったら替わってくださいと。なかなか、私もこういうことを聞きますと、本当はなかなかそういうことはないんじゃないかという、制度面ではどうかと思っているんですが、しかし実際にはそういう声が確かにまだあるんです。 この辺の御心配をなくするために、例えば昨年の医療法の改正で、退院するまでに、退院後の、どういうふうに治療したり、又は家庭で、そして専門家が来るかとか行くとか、こういうクリティカルパスというんですか、何かそういう専門用語の、医療のそういう退院後の道筋をつくりなさいという法律を作ったはずなんですね。しかし、どうもそれがまだ動いていない、まあ四月から動かすようでありますけれども。これは是非、もっとこういうところの心配をなくしていくということが非常に重要だと思いますが、総理、いかがでございますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) お年寄りを含めて病気を抱えている患者さんが、この医療制度の中においてまだ治療が必要だと思っているのに出されてしまう、あるいはまた適切に次の、例えば急性期からこれは回復期の方に移っていくことができないということがあってはならないと、このように思うわけでありまして、急性期から回復期に、そしてまた在宅にこう適切に移っていけるような、そういう役割を分担をしながら、連携して支えることができる医療提供体制を整備をしていくことが大切であろうと、このように思います。 もちろん、もう急性期のところに入っている必要がないのに急性期に入っている必要はもちろんないわけでありますし、また在宅に移れるのにそうではなくてずっと病院ということよりもむしろ在宅の方がいい場合もありますが、しかし、全くどこにも行けないという状況がつくり出されてはならないと、このように思うわけでありまして、ただいま御指摘のように、先般の医療法の改正において、都道府県が策定する医療計画に医療機関の役割分担と連携を明示をして、適宜見直しを行うことによって地域において患者が退院後も適切な医療を受け入れられる体制の実現を図るということとしたところであります。 こうした取組を通じて、国民の皆様が本当に安心して生活できる、また医療の確保について安心できるようなそういう体制をつくり上げていきたいと、このように思っております。
○山本保君 このこともまだほとんど知られていないんですね。入院したときに退院までの治療計画を出しなさい、これは義務付けられておりますね、法律上。ところが、退院後についてはまだ努めなさいとなっておりまして、これは一律にはできないからだという意味だと思いますが、逆に一律に全部できるまでこの法律をこのままにしておいたのではいつまでもできません。 今からちょっと細かくお聞きしますけれども、できるところはどんどんこれを実際に進めるような体制を取らないといけない。これは冗談ではありますが、もしお医者さんが患者さんに、あなた出ていきなさいよと、どこへ行ったらいいですか、それは自分で考えなさい、もしそんなことを言われたら、これは明らかに法律違反であると。要するに努力していないんですからね。こういうぐらいの意識をちょっとしっかり国民に持っていただく、また医療関係者にも努力していただかなくちゃいけないと思うんですが、しかし、それには先立つものも要ります。 まず、厚生労働大臣にお聞きいたしますけれども、この制度のまず受皿となるような、今、地域の、県の計画と言われました。これの進み具合はいかがでございましょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今委員の御指摘の問題は、療養病床の再編の問題の絡みでのお話かと、このように理解をさせていただきました。そういう理解の下で申し上げますけれども、今その療養病床の、維持期に入るから、それでは転院というか、そういうものをしてください、受皿はどういうところでしょうかというようなことの問題意識の御議論かと思いますけれども、私どもとしては、今現に医療を受けておられたところの施設が例えば老健施設に替わっていただくというようなことが一つあるかとも思うわけです。あるいはその他の健康保険の施設があり得ると、それからまた最後には在宅もあり得ると、こういうことでございます。 ただ、その場合に、今委員が御指摘になられたように、正に断絶をしてしまって、その間の連携が非常に不安を招くというようなことは絶対あってはならないわけでございまして、私ども、今そういったことの言わば、最近のはやりの言葉で言うとシームレスですね、もう継ぎ目のない、そういうスムーズな連携の下での転居というようなことがもっともっとうまくいかなければいけない。それには医療のサービスを受けて、医療面での介護を受けているときに、既に次の介護面のいろんなケアを受けるところの人が出掛けていって、さあ、この方はどういうふうに受け入れましょうかといったようなことを事前に相談をしていただくというようなことが必要になってくるんではないか、こういうようなことも考えているわけでございます。 在宅の場合に、私のちょっと地元の話をさせていただきますと、想定問答に書いてくれておりますのであえて申させていただきますんですが、静岡県の医師会と静岡市立病院におきましてイーツーシステムというものをつくってあるんです。何ですか、そのイーツーシステムはと言ったら、お医者さんが病院にも、市立の病院にもいる、それから行き付けの診療所にもいる、自分はこの二人に診られているんだと、そういうシステムを実は静岡市においてはつくり上げたということでございます。 私は、これまでここのところを例を実例として挙げることは差し控えてきたんでございますけれども、そういう地域のネットワークというのをほぼ完成している地域もいる。ここだけではなくて、尾道もそうだということを聞いておりますけれども、そういうことをやっていただくことがこれから非常に重要になってくる。機能の分化と連携でございます。そういうことを是非これからも進めてまいりたいと、このように思います。
○山本保君 それでは、時間が詰まってきましたので、まだほかにあったんですが、そのことだけをちょっとあと二点、一緒にお聞きします。 つまり、今お話にありましたように、病院なりその後の体制が必要だと、これはもう各県で一生懸命やっていただくと、こういうことだと思いますし、それには応援をしよう。 そうなりますと、今お話に出ましたように、実はその方が医療から介護へ移るとかまたその御本人や家族の意見を聞いたりまた心を支えるというのは、これは実はお医者さんとか看護師さんの仕事には余りないんですね、もうそれどころではないわけですから。正にこれは福祉なりまたソーシャルケースワーカーという方たちが本来行う仕事なわけです。ところが、なかなかそれは医療の現場にはおられません。これを是非置かなくてはならないのではないかということ、そのために実はお金が要るでしょうと。 調べましたら、同じようなその地域連携のものが診療報酬に一つだけ入っているんですね。見ましたら、それは大腿骨頸部骨折というんですか、この骨折に関して今のように連携を取りますと一万五千円診療が出ると、こういう制度になっておるんですよ。どうしてこれが、このけがというか、これだけになっておるのか。これをもっと広げて様々なお年寄りの関係するものを中心に広げていくと、このお金でもってきちんとそういう専門家を置くと、こういう体制を取るべきではないかと思いますので、それをお聞きいたします。
○副大臣(石田祝稔君) 今委員御指摘になりました特に大腿部頸部骨折、ここにつきましては特に熊本市などの一部の地域で実施されておりまして大変成果を上げていると、こういうことでございますから、まず、平成十八年度の診療報酬改定におきまして地域連携クリティカルパスと、こういうことでまず試行的に導入をしたと、こういうことでございます。 ですから、これは当然、導入いたしまして成績が良ければほかの疾病にもこれは広く考えていかなきゃいけないと、こういうふうに考えております。
○委員長(尾辻秀久君) 以上で山本保君の質疑は終了いたしました。
○山本保君 じゃ、冬柴大臣から一言ありますか。
○委員長(尾辻秀久君) 質疑を終了いたしました。 ─────────────
○委員長(尾辻秀久君) 次に、仁比聡平君の質疑を行います。仁比聡平君。
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。 私からも、能登地震で犠牲になり被害に遭われた皆さんに心からお見舞いを申し上げます。 今日は総理、改憲手続法について総理にお伺いをいたしたいと思います。 あなたは、任期中の改憲、そのためにまずは手続法だと、今国会成立を繰り返し迫ってこられました。始まりました一斉地方選挙の前半戦前に強行する姿は見せたくないなどという与党内の思惑で四月八日の投票日前の衆議院強行は避けるけれども、四月十三日には単独でも強行するなどという日程が公然と語られているわけです。しかし、その法案自体に幾つもの重大な問題がある。 まず、最初のパネルを見ていただきたいと思うんですが、憲法をどうするのかという決定権は、これは国民一人一人にある。(資料提示)たとえ国会が三分の二以上で憲法を変えるんだという発議をしたとしても、その投票で過半数の賛成があって初めて憲法改正が成立をするというのが憲法九十六条の定めるところでございます。ところが、あなたが急がせている法案では、国民の過半数どころか二割の有権者の賛成だけで憲法が変えられることになってしまう。 このグラフは、総務省の資料から衆参それぞれ過去四回、合わせて八回の総選挙、参議院選挙、この数値から私がグラフにしたものですけれども、平均的な投票率は五八・二%。このときに無効票、白票も含みますけれども平均して四%。そうすると、二七・一%の賛成。つまり、四人に一人の賛成がありさえすれば憲法が変えられるということになるんですね。国民投票の場合はこの選挙とは違ってもっと白票が増えるんじゃないかという指摘がございます。あるいは選挙とは違う別のダイナミズムが働くということも考えられるわけですけれども、国民の皆さんに分かりやすく、選挙のときの数字を使えば、四人の一人で変えられる。 右のグラフは、投票率が四四・五%という一番低かった、近年では、九五年の参議院選挙の場合の数字を使ったものですが、これだと一九・五%の賛成、二割切った有権者の賛成で憲法が変えられるということになるわけです。国民が国の根本的在り方を決め、時の政府を縛る憲法が有権者の二割足らずの賛成で変えられ得る。総理、これはおかしいんじゃありませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 憲法九十六条には憲法改正について憲法の中で定められているわけであって、国会議員の三分の二の発議によって憲法改正の発議がなされて、そして国民投票によって憲法の改正ができる、そのための手続法は今までできていなかった、戦後六十年ずっとできていなかったという中において、今回、議員立法において、与党においてだんだんこの議論が深まってきたと、まあ与党の中というよりも委員会において議論が大分深まってきたと、こういうことではないかと、このように思っているわけでございます。これを今、先生、委員がそういう御指摘をなさったわけでありますが、正に国会の代表である国会議員が議論をして、最終的にそういう判断を下せば、それは正に国民の判断としてその法律ができると、こういうことではないだろうかと思います。
○仁比聡平君 いや、いろいろおっしゃいますけれども、有権者の二割切ってもですよ、賛成が、憲法が変えられ得る、そのこと自体否定できないじゃありませんか。いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 正にそういう中身を含めて委員会において活発な御議論がなされているということではないでしょうか。これは政府の提出をしている閣法ではございませんので、正に議員立法として提出をされて活発な御議論をいただいているということではないだろうかと思います。
○仁比聡平君 閣法でないのは当然のことでございます。だけれども、あなたがこの国会で五月三日までだとか今国会中に成立をだとか指示をして急がせているでしょう。その中身を私は聞いているんですよ。それは国会で決めていただくことだから私は知らないなんというような、そんな議論が成り立ちますか。今の二割以下の賛成でも憲法が変えられ得るというのは憲法の在り方にとって大変重大な問題です。改憲のハードルを一番低く設定する、そこが今の問題に現れているんじゃないんですか。 もう一つ、法案が有料広告を投票日前の十四日間を除いては全く自由だというふうにしている問題について指摘をしたいと思うわけです。 「あるある大事典」の例を引くまでもなく、国民の意識、世論に巨大な影響力を与えるテレビのコマーシャルでいいますと、全国でそんなコマーシャルがあったなということを知らしめる最小限の効果を生むために四億円から五億円もの料金が掛かるそうでございます。(資料提示) 私が準備しましたもう一枚のパネルは、これは二〇〇五年の小泉郵政解散というふうに言われた総選挙で、公示ごろから投票日前日までの十日余り、この期間に各政党が東京キー局だけでどれだけの有料CMを出したのかというこの推計値なんですね。ごらんのように、自民党三三・五%、民主党さんがもうちょっと多くて三八・六%、公明党さんが二五・八%、ちなみに我が党は二%。これはこの「企業と広告」という専門誌から引用をしたものなんですけれども、この「企業と広告」誌によりますと、あの総選挙でテレビ、新聞それからラジオ、この広告費というのは全国で全部で各党合わせて約百億円、そういう宣伝費が使われているというわけですね。これだけCMに巨額が掛けられているというのが現実だということです。 その中で、与党案ならば、法案が六十日から百八十日間というふうに国民投票運動期間をいっているわけですけれども、この間じゅう改憲派は大手の広告会社を使い、タレントも動員して、改憲を求めて圧倒的なイメージ戦略に打って出る有料CMを流し続けることが可能になります。それも、政党ではなくても、財界が直接あるいは資金を出して運動体をつくってでもできることになるわけです。国民はそんなお金はありませんよね、一生懸命カンパで集めても。 そもそも国民一人一人が決定権者である、主権者であるのに、こういうお金を持っている人たちが有利になるというやり方、これは国民投票にふさわしくないんじゃないですか。総理、いかがです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そういう中身の議論については正にこの国民投票法案を議論する場でやっていただきたいと、このように思うわけでありますが、いずれにせよ、言わば憲法を改正する際には国民の中で有意義な議論が行われ、そしてその結果が投票に反映されることがふさわしいと、このように思います。
○仁比聡平君 総理はこの問題でも法案急がせているわけですけれども、だけれども、巨額の資金を投入する者が有料CMで圧倒的に有利になるというそのこと自体は否定はできないわけでしょう。私、この点も国会での議論は全く尽くされてない、まして国民的議論は尽くされてないと思います。主権者である国民の投票運動は一方で規制をしながら、金で憲法を買わんばかりのやり方だと、こういう厳しい重大な批判が出るのは当然のことではないでしょうか。 総理がまずは手続法だと、こういった今国会成立をしゃにむに迫るねらいが、自民党新憲法草案を掲げた九条改憲で日本を戦争する国に変えようとするものであることは私は既に明らかだと思いますけれども、そのハードルをできる限り低いものにしようとするという改憲手続法は、国民投票の名にふさわしくない、極めて不公正、非民主的な違憲立法ではないでしょうか。断固として廃案を求めて、時間が参りましたので質問を終わります。
○委員長(尾辻秀久君) 以上で仁比聡平君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(尾辻秀久君) 次に、近藤正道君の質疑を行います。近藤正道君。
○近藤正道君 社民党・護憲連合の近藤正道でございます。 私も、能登地震の被害に遭われた皆様に心からお見舞いを申し上げたいと思っています。 その能登の志賀原発で、そして福島第一で臨界事故が長期にわたって隠ぺいをされておりました。多くの事故が隠されておりました。正に開いた口がふさがらない、こういう思いでございます。原発の安全、信頼は正に地に落ちた、こういうふうに思っておりますし、原発と隣り合わせの暮らしを強いられております地元住民の怒り、そして裏切られた悔しさは、正に頂点に達しているんではないかというふうに思っています。まだ隠されたことがあるんではないか、今月の末まで本当にしっかり出てくるのかどうか。私は、うみは徹底的に出していただきたい、こういうふうに思っております。 その上で、今回の隠ぺい問題については厳正な対処、処分を求めたいというふうに思っておりますし、安全の総点検は立ち止まった上でしっかりとやっていただきたいと、こういうふうに思っております。それができなければ、原発、原子力のあしたはないというふうに思っておりますし、原発の新設だとか増設だとかあるいはプルサーマル、そういう状況ではないというふうに思っております。 総理に、今回の隠ぺいの事態の認識、そして二度とこういうことを許さない、その決意をしっかりと述べていただきたい、こういうふうに思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 原子力の利用に当たっては、安全の確保は当然でありますし、また地域の住民の皆さんの信頼も私は必要であろうと、このように思います。 今回、明るみに出てまいりましたデータの改ざんはもうこれはあってはならないことであると、このように思います。原子力安全に対する言わば国民の信頼を著しく傷付けるものであると、私はこのように思うわけでございます。こうした電力会社の体質をも根本的にこれは改善をしていかなければならないと、このように思います。 再発の防止に万全を期していかなければいけない。甘利経済産業大臣が全電力会社に対しまして、すべての発電設備について過去にさかのぼって問題となる事実をすべて洗い出すように大号令を掛けているわけでありまして、電力会社ももう既に辞めた職員にも、呼び出してこういうことがなかったかああいうことがなかったかということをすべて聴き取りの調査もさせています。もうこの際ですから、全部、委員がおっしゃるように、出しなさいということを今指導をしているところでございます。 今月末までの総点検の結果を踏まえまして、信頼性の回復に向けて厳正な措置を講ずるべきだ、このように思っております。
○近藤正道君 松岡大臣にお尋ねをいたしますが、光熱水費、掛かるわけがない光熱水費に年間五百万を超える、そういうものを計上されている、そのことを問われて、大臣は三月五日、何とか還元水を付けているとか、あるいは暖房機も付けていると、そういうことが含まれていると、こういう答弁をされました。先ほども議論がありましたけれども、しかしこの浄水器も暖房機もないと、存在をしていないということはもうあらゆる事実からこれは明らかでありまして、真実一路を座右の銘とする大臣にお尋ねをいたしますが、この何とか還元水だとかあるいは暖房機を付けていた、あれはとっさに質問を受けた私はうその答弁ではないか、私はそういうふうに確信するんです。あの答弁は本当の答弁ですか、うその答弁ですか、明確に答えてください。
○国務大臣(松岡利勝君) お答えいたします。 あのとき、必要な範囲において、必要であるその範囲において確認した上でお答えを申し上げますと、こういうふうに最終的に申し上げたわけであります。したがいまして、必要な範囲において今申し上げているところでありますが、個別の内容に関することにつきましては今の法令、制度で求められておりませんし、今の法令、制度で必要なものはすべてお答えをいたしておりますので、今まで申し上げてきたとおりでございます。
○委員長(尾辻秀久君) 時間が迫っております。近藤正道君。
○近藤正道君 本当かうそかという、それだけ答えられないんですか。何で答えられないんですか。もう明らかに虚偽記載、明らかですよ。 私も、社民党としても、改めて松岡大臣の証人喚問、求めたいと思っています。検討してください。
○委員長(尾辻秀久君) 理事会で協議をいたします。 以上で近藤正道君の質疑は終了いたしました。 これにて安全・安心等に関する集中審議は終了いたしました。 ─────────────
○委員長(尾辻秀久君) この際、御報告いたします。 本委員会は、平成十九年度総予算三案につきまして、内閣委員会外十二委員会にその審査を委嘱いたしておりましたが、各委員長からそれぞれ審査概要について報告書が提出されましたので、お手元に配付しております。 つきましては、これを本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(尾辻秀久君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午後零時三十八分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(尾辻秀久君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 平成十九年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。 本日午後は、締めくくり質疑を六十分行うこととし、各会派への割当て時間は、民主党・新緑風会四十一分、公明党十一分、日本共産党五分、社会民主党・護憲連合三分とすること、質疑順位につきましては通告表のとおりでございます。 ─────────────
○委員長(尾辻秀久君) 休憩前に引き続き、平成十九年度総予算三案を一括して議題といたします。 これより締めくくり質疑に入ります。浅尾慶一郎君。
○浅尾慶一郎君 民主党・新緑風会の浅尾慶一郎です。 締めくくり質疑をさせていただきたいと思いますが、まず最初に、六者協議あるいは北朝鮮の対応についてどういうふうに判断されるか、外務大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 一言で言えば、大変残念な結果だったと思っております。これだけで終わるのは幾ら何でもとお思いだと思いますが、基本的には技術的なところが残って、バンコ・デルタ・アジアの話につきましてはそこそこの結論が出たと思いますが、その送金する手続等々の技術的な問題が残ったということであります。日朝間におきましては、双方ではっきりしたこれまでの見解を再確認できたというのはそれなりの成果を上げたと思っております。
○浅尾慶一郎君 御案内のとおり、我が国は、その六者協議のメーンのテーマである核問題とは別に拉致問題を抱えております。 拉致問題については、これが解決しない限り日朝国交正常化はしないと。しかし、拉致問題に進展があれば、六者協議で提議する五万トンないし百万トンの重油供給に応じるということでありますけれども、拉致問題はどういうことになれば進展するのか、御専門の総理に伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 拉致問題の解決というのは、拉致被害者全員の帰国でございます。そして、進展というのは、その帰国に向けて具体的に物事が動いていく、我々は、それは進展していると我々が判断すればそれは進展と認めると、こういうことでございます。
○浅尾慶一郎君 ここが大切なところですから確認させていただきますけれども、それが動いていれば、総理としても五万トンないしは百万トンの重油供給に応分の負担をする用意があるという理解でよろしいですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 進展すれば、当然六者会合の中で我々はもっと大きな役割を果たすことができると、このように思います。
○浅尾慶一郎君 次に、委嘱審査のときに、あるいは先般の集中審議でも議論をさせていただきましたけれども、沖縄駐留の海兵隊のグアム移転についてお伺いをさせていただきたいと思いますけれども、私は、これ何度も質問しても、なかなかこれは返ってくるのが難しいお金だなというふうに思っておりますけれども、この出資、融資の返済のスキームについてまずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(久間章生君) いまだスキーム自体が固まっておりませんのでここで申し上げることもできませんけれども、融資、出資については必ず私は返ってくるものと、また返ってくるようにしなければいけないと思っております。 それにつきましては、まだ経費そのものが概算でございまして、今言っているのは上限でございますから、幾らに抑えることができるか。この間先生の方から御指摘がありましたようなああいう、アメリカ本土におけるいろんな見積り等とも比較しながら我々としては精査をしていこうと思っておりますので、その結果スキームも決まって、こういう形で返ってくるということが胸を張って言えるようになるんじゃないかと思っております。
○浅尾慶一郎君 今、御答弁いただきましたその上限が二十五億ドル、三千五百戸で二十五億ドル、一戸当たり七十二万八千五百ドルなんですけれども、上限の場合には米軍が払う家族住宅手当が増えるという、そういうことですか。
○国務大臣(久間章生君) いや、それよりも下げようと思っているわけですから、上限よりもですね。そして、この間先生の質問では、どんなに、例えば私どもの方で五十年掛かって回収するといったときに、それは金利も増えるんだから同じじゃないかと言われましたけれども、今内部でちょっと粗い計算ですけれども、元利均等あるいは元金均等で返ったときに、五十年のときに一月当たりどれぐらいずつ払えるか、払うことになるのか、そういうシミュレーションをやってみろと言っていますが、私は五十年といったらかなり元金が均等化されますと金額が減りますので、かなり、二十五億ドルというのも下げますけれども、高い金額でも回収は十分可能であると、そういうふうに思っております。
○浅尾慶一郎君 本来は、そのお金が回収できるというのであれば、入ってくる収入の方が大体大まか分かっていて、それに対して掛かるコストがこれぐらいだから返ってくるということなんですが、今の御答弁ですと、掛かるコストがこれぐらいで、これから入ってくるお金をベースに計算をしてみようということなので、そもそもの置いているスキームが問題があるのではないかというふうに思いますけれども、その点についてどういうふうに思いますか。
○国務大臣(久間章生君) いや、どんなに高くても今の手当の枠からいって私は十分可能であると、そういうふうに踏んでおるわけでございますから、その辺は全体像がきちっと出たときにお示しできるんじゃないかなと私は思っております。
○浅尾慶一郎君 この米軍の沖縄への移転については別途二十八億ドル、約三千億円ぐらいの真水の財政支出が組まれておりますが、これについてはその財政支出の発注者がまだ決まっていないということが先般の委員会で明らかになりましたが、その後も決まっていないという理解でよろしいですか。
○国務大臣(久間章生君) これは、アメリカ国内においてもどこがどういう形でやっていくのかまだ決まっておりませんので、これはこれから先、そういう全体の、実施主体も含めてスキームが決まっていくことになろうかと思います。 いずれにせよ、今の段階では大まかに言ってこれよりは増えないよということを双方がとにかく、双方の議会に対するPRもあってでしょうけれども、確認し合ったということで、これからいかに抑え込んでいくかがこれから先の双方の、米国もそうでしょうし、私たちもその努力をしなければならないと思っているわけであります。
○浅尾慶一郎君 いや、私の質問は、我が国として三千億円出すと、我が国が発注者になるということではない、ないのか、それとも我が国が発注者になるのか、その点について伺っているわけですが。
○国務大臣(久間章生君) そのことにつきましても、我が国がなり得るのかどうか、私はそれは事業主体になるのは難しいんじゃないかなという気がいたしております。しかしながら、事業主体にならない場合でも、日本が、日本のメリットといいますか、日本の企業等がどういう形で参加できるようにしてやるか、それはやっぱり努力しなければならないんじゃないかなと思っておるわけです。
○浅尾慶一郎君 何回かこの委員会でも取り上げさせていただいておりますが、海兵隊を中心とする米軍の再編の費用を我が国が負担することについては、かなり我が国としてのどういうメリットがあるのかということも含めて検討するべきだと思いますし、なおかつ、費用については厳重にその計算をすべきだと思いますけれども、その決意をまず、最後に伺いたいと思いますが。
○国務大臣(久間章生君) 費用につきましては、特にこれから先精査して、国民の税金も、あるいはまたJBICの融資を使うにしても、これは間接的にはやっぱり国民の税金が流れていくわけでありますから、そういう意味では十分精査して、批判の起きるようなことのないように努めたいと思っております。
○浅尾慶一郎君 次に、昨年の三月十七日、この予算委員会で指摘をさせていただきましたけれども、駐留米軍で働いております労働者は、形式上、防衛施設庁長官が雇用主となっております。しかしながら、この防衛施設庁長官に労働基準法の違反があるということを指摘させていただきまして、それはお認めいただいたわけでありますが、その後の改善状況について伺いたいと思うんですが。
○国務大臣(久間章生君) 違反があるとまで断言できないかもしれませんけれども、現在の国内法とは非常に問題、国内法上問題があるのは事実でございます。したがいまして、私どもも、施設庁の方でも、外務省と一緒になりまして合同委員会等でアメリカ側に働き掛けておるところでございますが、若干、私も先生の質問があるということで初めて中身をちょっと調べてみました。若干意見が食い違っておりますのは、国内法が途中で改正された、その前に向こうとは覚書といいますか合意文書が交わされておって、こちらの国内法が後になって改正されたという、そういうことから、そこの辺の関係がどうなるのかということでいろいろと意見がちょっとあるようでございます。 しかしながら、この問題については、とにかく国内法が変わっておろうがおるまいが、現在の国内法に照らしておかしいところについてはやっぱりきちんとしなきゃなりませんので、これから先、昨年の三月から今日までも努力はしてきているようでございますけれども、私の責任においてきちっとさせたいと、そういうふうに思っているところであります。
○浅尾慶一郎君 違反があるかないかは微妙だという御答弁でしたけれども、日米地位協定の第十二条五項にはどういうふうに書いてありますか。
○国務大臣(久間章生君) 十二条の第五項は、所得税、地方住民税及び、これらのほか、除くほか、賃金及び諸手当に関する条件その他の雇用及び労働の条件、労働者の保護のための条件並びに労働関係に関する労働者の権利は、日本国の法令で定めるところによらなければならないと、こうなっております。
○浅尾慶一郎君 この日本国の法令で定める条件というのは、労働条件が変われば変わるわけですよね。変わった場合は、この地位協定の第十二条五項が、労働条件が、基準法の中身が変わったわけですから、変わるという理解で正しいんじゃないですか。だから、それが違反だということじゃないですか。
○国務大臣(久間章生君) 地位協定第十二条五においては、相互間で別段の合意をする場合を除くほかというのが頭にありまして、この相互間で別段の合意をする場合というのが、それ以前の合意が、これがそうなんだというような、そういう意見が出されているわけですよ。そこのところをめぐって、外務省と私どもが一緒になって、それはまた違うんじゃないかというようなことを言っておりますけれども、向こうはそういう今までの合意がこれであるからこれを除くほかということになっているんで、この既にある合意がある場合に、そう一方的に法律が変わったからといってどうなんだという、そういうようなことが主張としてあります。 しかしながら、向こうの国内での考え方でも、日本と同じようにすべきなんだからやっぱりそれはやるべきだということで、今何とかこれを乗り切りたいと思っているわけです。
○浅尾慶一郎君 少し分かりやすく指摘をさせていただきたいと思いますが、妊産婦等の有害業務就業禁止、これ労働基準法違反ですが、就業させているんではないか、あるいは年次有給休暇の繰越し、これ労働基準法で定められていますけれども、繰越しがないんではないでしょうか。
○国務大臣(久間章生君) 今、そういうことでずっと項目ごとに今要求をしておりまして、五項目ほど残っておるわけでありまして、今先生が言われたのはそのとおりであります。 それで、難しいのは妊産婦等の有害業務の禁止、これについても、妊産婦については重いものを持たせないとかそういうことについては合意があるわけですけれども、この妊産婦に限ればいつでも合意するんですけど、等の中に女性を指すんだという、そういう主張を国内でされるものですから、向こうの方は、女性でも元気な女性と妊産婦等でいう、等で読んでしまうのはちょっと乱暴じゃないかとか、いろんな意見があるようでございますから、この辺は少し詰めさせてもらってこの五項目についても合意を得たいというふうに思っているところであります。
○浅尾慶一郎君 しっかりと交渉をしていただきたいことだと思います。グアムへの移転費の負担だけさせられて、我が国の法令を本来は守ると協定に書いてあることについて守っていないというのは問題だというふうに思いますので、指摘をさせていただきます。 次に、横須賀基地内でアスベスト、いわゆる石綿使用が原因の中皮腫患者が発生したということですけれども、この概要について伺いたいと思います。
○国務大臣(久間章生君) 米海軍横須賀基地に勤務している労働者一名でございますが、昨年四月、悪性胸膜中皮腫と診断されました。これは、昨年八月に横須賀労働基準監督署から労災認定を受けて、今年の三月に在日米海軍により業務上傷病の取扱いがなされたところであります。
○浅尾慶一郎君 アスベスト、石綿を使用する環境においては労働安全衛生法を、まずその前に、立入検査等は厚生労働省やったかどうか、伺いたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 労働災害が発生した場合、同種の災害の防止の観点から、死亡事故等一定の災害については調査をすることとなっております。 しかしながら、本件につきましては、当該労働者が作業に従事していた時期、これが七七年から九五年というふうに認識しておりますが、このことから見まして、現在の基地内に立ち入っても当時の作業方法、作業手順等を確認して、こうした災害調査をすべき事案には該当しない事案、つまり災害防止に資することが既に状況が変わってしまって困難であるというふうに考えているところでございます。こうしたことから、本件につきましては災害調査は実施しておりません、いないところでございます。
○浅尾慶一郎君 ちなみに伺いますが、その九五年までの勤務で立入検査をしたケースは全国でありませんか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 横須賀におきまして二件それまでにあったということでございます。
○浅尾慶一郎君 そうすると、米軍基地だから立入検査をしないで、ほかの件では立入検査をするということになるんですか。それとも何かほかの理由があるんですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 立入検査をいたしましたということをお答えしたんですが。
○浅尾慶一郎君 次に、作業環境の測定は行っておりますか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 労働安全衛生法上は、事業者は有害な業務を行う作業場について必要な作業環境測定を行わない旨を定めております。石綿については、石綿障害予防規則におきまして、事業者は、石綿等を取り扱い、又は試験研究のため製造する屋内作業場において、この屋内作業場について六月以内ごとに一回、定期に、石綿の空気中における濃度を測定しなければならない旨規定しているところでございます。
○浅尾慶一郎君 したがいまして、その作業環境測定は、これはどちらかというと防衛大臣に伺った方がいいかもしれませんが、現地において作業環境測定を行いました。
○国務大臣(久間章生君) 防衛施設庁としては行っておりません。しかしながら、防衛施設庁が米軍に問い合わせたところによると、米軍の方では行ったという報告を受けております。
○浅尾慶一郎君 雇用主が防衛施設庁でございます。雇用主が作業環境の測定を行わないというのは、労働安全衛生法の違反ではないでしょうか。
○国務大臣(久間章生君) これは雇用主、言うなれば派遣業みたいなものですから、米軍との関係はですね、派遣をしているわけですけれども、法的な義務は事業主というふうになっておりますから、その事業場を持っている人が作業環境の測定をする義務なのか、あるいは派遣している防衛施設庁長官がその義務者なのか、その辺はちょっと調べてみますけれども、今のところ、そういう、とにかく事業主は米軍でありまして、そこが環境測定をやった、我々としてはやっていないということであります。
○浅尾慶一郎君 厚生労働大臣に伺いますが、雇用主が行わなくても、それで事業主はこのケースでいえば米軍であるから、米軍が作業環境測定をやれば労働安全衛生法に違反しないという解釈なんですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 浅尾委員は一般的な法律関係をお尋ねかとも思いますが、冒頭挙げられました労働者の件に即して少しお答えさせていただきますと、労働者が従事していたエアコンを取り付けるために石綿のスレート板に穴を空ける作業というのは短時間で終了するものでありまして、六か月以上継続して行われるものではないという認識でございます。したがいまして、各作業場は、規則が義務付けられる作業環境測定の対象にはならないということを考えておる次第でございます。 労働安全衛生法に基づく石綿の作業環境測定は、先ほども申したように、屋内作業場で六か月以上石綿を取り扱っている場所において行わなければなりませんが、こうした作業場が現在、米軍基地の中にあるということは承知をいたしておりません。
○浅尾慶一郎君 しかし、エアコンの取付けで現に労災認定をされているというのは事実であります。 私が申し上げたいのは、別に米軍だからとかそういうことではなくて、先ほど来申し上げておりますように、我が国の法令をしっかりと適用していくその努力を少なくともしていただかないといけないということでありますので、地位協定の見直しも含めて労働法令の遵守をどのように確保していくのか、その点について防衛大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(久間章生君) これからも我が国の法令を遵守するよう努力していきたいと思っております。
○浅尾慶一郎君 我が国の法令というか、相手方に対してしっかりと申入れをするということなのか、その点について伺いたいと思います。
○国務大臣(久間章生君) これまでも度々防衛省に対して御質問がございましたけれども、アメリカのいろんな運用上の問題、いろいろとアメリカ軍の問題につきましては日米合同委員会が一つの窓口となっておりまして、外務省が一つはこれはその責任の一端を背負う形になっておりますが、我々としても、やっぱり防衛施設庁あるいは防衛省としても、外務省と一緒になりまして法令の遵守についてはこれから先も強く訴えていこうと思っております。
○浅尾慶一郎君 今日は締めくくりの総括質疑でありますから安倍総理大臣に伺いたいと思いますが、我が国の法令を、しかも条約あるいは協定においてもそれを守るという決まりになっているわけですね、基本的に。その解釈についてはいろいろあるかもしれませんが、基本的に我が国の法令を守るということが協定に書いてあると。美しい国ということであれば、我が国として主張すべきことはちゃんと主張すべきだと思いますが、安倍総理大臣、どういうふうに考えますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 在日米軍は我が国の安全とそして極東の平和と安定のために日本に駐留をしているわけでありますが、その際、基本的にはもちろん日本の法令を遵守してもらう、そしてまた地位協定によっていろいろなことが定められているわけでありますが、運用によっても、これからも言わば同盟というのは信頼関係であり、また駐留がスムーズにいくように努力をしていきたいと思います。
○浅尾慶一郎君 念のためにもう一度伺いますけれども、現在、駐留米軍で働いておられます日本人の労働者に対しては労働基準法で担保されている様々なことが適用されていない部分がある、これについてしっかりと適用されるように交渉する意思を安倍総理として示していただきたいという質問です。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 労働環境の改善については、日米合同委員会の下に、労務分科委員会の場等において今後とも粘り強く取り組んでいきたいと、このように思います。
○浅尾慶一郎君 役人の書いた御答弁を読んでいただいているわけですけれども、そうじゃなくて、私の質問は、美しい国、主張する外交というんであれば、少なくとも協定で書いてあることを相手方に主張するのは当然じゃないですかという質問です。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 当然、主張すべき点は我々も主張しております。あとは解釈の問題等について今申し上げたところであります。
○浅尾慶一郎君 余り御答弁いただいていないようなので次の質問に入りますけれども。 次に、ハローワークの民間業務委託について伺っていきたいと思いますが、まずILO八十八号条約の趣旨はどういうところにあるんでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、職業安定組織の維持というもので、求人と求職というものが効果的に行われる、また募集とかあっせんとかいうものも確保できるようにするというのが本来の趣旨と理解しております。
○浅尾慶一郎君 同条約に基づきまして我が国はどのような法的義務を負っておるんでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) この条約の法的義務を一言で言えば、国の監督の下で全国ネットワークでの公共職業安定組織というような形で維持するということが、大まかに申し上げればそういうことだと存じます。
○浅尾慶一郎君 この条約の第九条には英文でスタッフという言葉があって、これがパブリックオフィシャルでなければいけないと、こういうふうに書いてありますが、ということは、その職員は公務員でなければいけないという解釈でよろしいんでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは単語の極めて技術的な質問で、これはフランス語ではパーソナルと書いてあると思いますが、いかがと思い、私、これは昭和二十年代に採択された古い条約なんだそうですけれども、ILOの百八十一条条約というのも同時にありまして、民間の職業仲介業の可というものをその後認めたような形になっておりますので、今の関連の事情というものもある程度考慮しないとこれは浅尾先生難しいんだと思いますけれども、今も言われたようにスタッフという意味のところがパーソナルとちょっとディフィニション、定義というものが少し分かれておるところだとは存じますけれども、基本的には今言われたところだと存じます。
○浅尾慶一郎君 では確認させていただきますが、基本的には公務員でないといけないということでよろしいわけですね。
○国務大臣(麻生太郎君) 第九条の職業安定組織の職員は公務員でなければならないとされておりますけれども、なお、今申し上げましたように、九条の一の職員の、英文ではスタッフ、フランスではパーソナルと訳されておりますので、公務員かと言われるとなかなか難しいところかと思いますけれども、今言われたとおりだと存じます。
○浅尾慶一郎君 つまり、職員は公務員でないといけないということなんでありますが、ところが、このハローワークのネットワークを含めて一部民間市場化テストをするということになりますと、そうすると条約違反になるんではないかと思いますが、その点についてどういうふうに考えられますでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 美しく譲り合っておりますけれども、条約の解釈は外務省の所管という総理の御下命でしたので答弁をさせていただきますけれども、今、先ほどちょっと申し上げましたように、この話は九条の一項の話と、その後ILOの百八十一条というのとの関連もありますんで、他の条約との関係もありますんで、関連事情を考慮する必要があるという点は、私ども、解釈する立場からいうと、その点は考慮されなければならないと存じます。
○浅尾慶一郎君 ここに厚生労働省の考え方、確かに条約の考え方、解釈は外務省ということでありましたけれども、厚生労働省の考え方という資料がありまして、そこでは、スタッフという言葉については本条約において一か所しか用いておらず、他に構成員を示す言葉がないことから、管理職ではなく職員全般を指すことが明らかであるというふうなペーパーに書いてあるんですが、そういう理解で厚生労働省としては動いておられるということでよろしいですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 第九条にスタッフという言葉が英文ではありますし、フランス語の文章では今言ったようにパーソナルという言葉があるわけですが、和文の訳は正文なのかどうかはちょっと今私定かでないんですが、お読みしますと、職業安定組織の職員は、中略をいたしまして、身分の安定を保障される公務員でなければならないということでございます。
○浅尾慶一郎君 ところで、この市場化テストは大田大臣のところで担当されておるわけでありますが、そういう解釈なんですけれども、どういう理由でその市場化テストを、法的理由ですね、政策的理由ではなくて、どういう法的根拠でやっておられるか、伺いたいと思います。
○国務大臣(大田弘子君) 条約につきまして、政府としての最終的な解釈は外務省の所管事務に属するものと承知しております。 今の御質問ですが、昨年十一月三十日の経済財政諮問会議におきまして、民間議員からハローワークへの市場化テスト導入に関する二つの提案がございました。この提案と今、麻生大臣から御説明のありましたILO八十八号条約との整合性について集中的に検討を行うために、私の私的諮問機関としてハローワークとILO条約に関する懇談会というのを設置いたしました。委員は花見忠上智大学名誉教授を始めとする国際法と労働法の専門家等五名で、花見先生に座長をお願いしております。本年三月末を目途に検討結果を御報告いただく予定となっておりまして、私からその結果を経済財政諮問会議に報告いたします。 この検討結果につきましては、職業紹介機関の充実という目的のために政府部内における今後の対象事業の選定に生かしてまいりたいと考えています。
○浅尾慶一郎君 私の質問は、政策的根拠ではなくて、法的には今外務大臣そして厚生労働大臣がおっしゃいましたように公務員でなければいけないということになっているわけですよ。それをどういう根拠に基づいて私的懇談会をつくられたのか、その点を伺っているわけであります。
○国務大臣(大田弘子君) もちろん私、経済財政政策担当大臣には、条約について政府としての解釈を確定する権限はございませんけれども、条約の解釈について政府部内での検討に関与することが必ずしも否定されているわけではないと考えております。
○浅尾慶一郎君 ということは、経済財政諮問担当大臣が私的懇談会でこういうふうに条約を解釈しましょうということを提案をされると、私的懇談会の結論に基づいてですね、された場合に、外務省として聞く枠組みになっているんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) もちろん、外務省は、これは所管の省でありますから条約の解釈は行いますが、必要に応じて関係する省庁とも意思疎通をしながら検討していくということは当然あり得ると思います。
○浅尾慶一郎君 今までの国会での答弁によりますと、条約の解釈は外務省だということになっていまして、かつてその条約の解釈を他の担当大臣の指摘によって変えた例というのはあるんでしょうか。──外務省に、外務大臣に。
○委員長(尾辻秀久君) 速記止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(尾辻秀久君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(麻生太郎君) 済みません。他の大臣の指摘によって条約の解釈を変えたことがあるか。他の大臣が公式の場で、これこれ指摘に基づいてこの条約は解釈を変えろというのが正当な理由が我々としても納得できるというものであれば、それは条約の解釈改正というのはあり得ないことはないでしょうけれども、我々としても、それは主体的に私どもの方で検討させていただいた上で決定させていただきます。
○浅尾慶一郎君 あるかないかという答弁ですと、多分ないんだと思うんです、今までの国会答弁で言うと。 ただ、一応、そういう例があれば予算委員会に提出していただきますようにお願いしたいと思います。
○委員長(尾辻秀久君) 理事会で協議をいたします。
○浅尾慶一郎君 なぜそういうことを申し上げているかといいますと、次の質問に入るわけですけれども、外務省は、いわゆる共謀罪について、これは一文たりとも、かつて、国内法を変えると条約とそごが出てしまうという主張をされてたんでそういうことを伺ったわけでありますが、そうすると、別に他の大臣ではなく、国会が指摘すれば条約解釈を変えるという、そういう柔軟なスタンスに麻生外務大臣の下で変えたという理解でよろしいですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 先ほども御答弁申し上げましたように、そういった当然立法府のお話ですからいろいろ御意見が出てくる、当然のことだと存じます。 それを受けまして、私どもがその問題を受けてどのようにそれを我々主体的に最終的に判断するか、条約解釈の話だろうと思いますんで、そこのところはきちんと御意見としては拝聴させていただいた上で、どうするかというのは最終的に外務省で判断をさせていただいた上で条約の交渉をさせていただくということになろうと存じます。
○浅尾慶一郎君 そういうことになってくると、国会に対していろんな議論、まあ特にこの国会でもなかなか進まないと言われておりますいわゆる共謀罪ですね。これについて、今まで言ってきた議論の論拠が少し変わってくるんではないかと思いますが、そういう考え方ではないか、あるいはそういう考え方でないんであればどうして違うのか、その説明をしていただきたいと思いますが。
○国務大臣(麻生太郎君) 特にこれまでの答弁と変わっているところはないと存じております。 共謀罪につきましても、いろいろな御意見がある。我々としては、その問題が条約で通るか通らないかというのは、我々としても各国等々と話を聞いてみないとどうにもなりませんから、それを我々は、国内法で決められて国会で決められたということになれば、それに伴ってそれで交渉いたします。しかし、それによって通るか通らないかというのは、これまた別の判断ということになろうと存じます。
○浅尾慶一郎君 つまり、外務省として当初考えていたことがあって、国会ないしは閣内で指摘をされて考え方を改める場合は、そこからもう一度、その所管をする国連の事務総長なりILO事務局に対して、こういうふうに解釈を変えるんだけどどうかという手続が必要だということですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 手続と言われるとあれですけれども、浅尾先生、こういった条約と新しく国内法で通った条約とかなりここに違いがあるんだけれども、これは国際的な国際司法裁判所なり国連なりどこなり、そういったところできちんと、のめる範疇なのか否かというのは聞いてみないと何とも申し上げられません。
○浅尾慶一郎君 この問題について議論をすると長くなりますからこの程度にさせていただきたいと思いますけれども、是非、一歩たりとも条約解釈は変えられないんだという姿勢を、もしそうであれば改めていただきたいということを申し上げて、次の質問に入りたいと思いますが。 この予算委員会でも何度か定率減税の廃止について、これは逆進的なんではないかということを総理に質問をさせていただきました。総理は違うというふうにおっしゃっておりますけれども、引き続きこれは逆進的ではないという、そういう理解でよろしいですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) その考え方に変わりはないということでございます。
○浅尾慶一郎君 定率減税は、法人税の、まあ法人税率を下げることと、それから所得税の最高税率を下げることと三点セットで定率減税が導入されました。今回は定率減税だけがなくなったわけでありますが、その法人税の税率は、各国と比べて日本は高いという認識を持っておられるのか、あるいはここで上げたら高くなるという認識を持っておられるのか、総理に伺いたいと思います。
○国務大臣(尾身幸次君) 法人税の基本税率は現在の段階において大体四一%でございまして、アメリカ、ドイツと並んで世界的には一番高い水準でございます。で、ドイツの方は近くこれを三〇%前後に下げるというふうに聞いております。
○浅尾慶一郎君 法人が負担するのは法人税だけではありません。社会保障費用のうちで法人が負担する、事業主が負担する数字を主な主要国でお答えいただけますか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 日本の法人の社会保険料それから労働保険料の負担でございますが、この負担は、アメリカよりは高くヨーロッパ諸国よりは低いという水準でございます。なお、どの程度かということでございますが、これは日本は二〇〇六年九月時点、諸外国も同じですが、アメリカは二〇〇五年の実績で申しますと、日本が一三・二、アメリカが一一・三、それからちょっとヨーロッパはかなり幅がありまして、ドイツが二一・四から一番高いフランスで三二・三ぐらいの幅でございます。
○浅尾慶一郎君 先ほど尾身大臣は、日本、アメリカ、ドイツが法人税が高いというふうにおっしゃいました。しかし、法人の側からすると、税で払うか社会保障費で払うか、それは余り変わりがないわけでありまして、両方足した場合、どうなりますでしょうか。
○国務大臣(尾身幸次君) この法人所得課税につきましては、国民所得比で日本は四・六%でございまして、ほかの国と比べてやや高い水準になっております。社会保険料の事業主負担につきましては六・二%でございまして、これはほかの国と比べてやや中位という数字、中くらいということでございます。
○浅尾慶一郎君 先ほど社会保障費については厚生労働大臣から御答弁いただきました。法人税については財務大臣から御答弁をいただきましたが、これは単純に足す種類の性格ではないかもしれませんが、単純に足してみますと、日本が五三・八九、アメリカが五二・〇五、そしてさっき安いと言ったドイツは六一・八、フランスは六五・六三、イギリスは六一・四、中国でも六〇・二四という数字になるわけでありまして、ヨーロッパと比べれば我が国の法人税あるいは法人が負担しなければいけない公租公課が決して高いということにはならないと思いますが、その点について総理に伺いたいと思います。そういう認識を持っておられるかどうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) もちろん給付と負担両方で考えていくわけでありますが、そこで企業の負担がどうなっているかという観点から御議論をいただいているわけでございますが、アメリカよりは高く、ドイツ、フランスよりは低い水準だと、これは社会保障の負担でございますが。 そこで、今後、企業に対する税制の検討に当たっては、この社会保険料を含む、企業の種々の負担も含めて更に検討をしていく必要があると考えております。
○浅尾慶一郎君 今アメリカよりは低いとおっしゃいましたが、ほぼアメリカと一緒なんですね、五三・八九と五二・〇五ですから。ヨーロッパへ行くと六〇%を超えるということなので、そういう意味でいいますと、今回定率減税を廃止するときに、法人税と所得税の最高税率についてはこれは触ることができないと、法人税については、もう既に我が国の法人の税負担が高いからという理屈は、本来は片っ方しか見ていない議論なんではないかな、つまり社会保障費について見ていないという話なんではないかと思いますが、その点についてどういうふうに思われますか。
○国務大臣(尾身幸次君) 平成十一年の税制改正を行いました。そのときに、同時にいわゆる定率減税とそれから法人税の引下げと所得税の最高税率の引下げをいたしました。法人税の引下げと所得税率の最高税率の引下げは言わば恒久的税制の改正の一環として行ったものでありまして、定率減税はいわゆる景気対策として、緊急異例の景気対策として行ったものでございまして、時期は同時でございましたが、この二つは性格は異なるものであると考えております。
○浅尾慶一郎君 私の指摘は、つまり、日本の法人税が既に高過ぎて、これ以上下げられないから定率減税の廃止によって財政不足を補ったんだという説明を今までされてきたわけなんですよ。しかし、社会保障料を含めるとそういうことではないんではないか。 もっと言うと、これ聞いてびっくりしたんですが、財務省では実効税率について、実効負担率について数字も持っていないわけですよ。つまり、先ほど必ずしも足すのが正しくないと言ったのは、社会保障費については、これは利益から損金として落とせるわけですから、足すと若干税率が変わってくると。ですから、しかしその数字さえ持っていないというのは行政の怠慢だと思いますが、怠慢でないと思われるんであれば御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(尾身幸次君) これは制度そのものが各国によって違いますから、結果として、国民所得の中でどのくらいの比率を結果として占めているかという指標で一応私どもは比較をしております。
○浅尾慶一郎君 いやいや、制度が違うというんであれば、今までなぜ、じゃ、ほかの国と比べて日本の法人負担が高いとおっしゃっていたんですか。
○国務大臣(尾身幸次君) 法人税の実効税率の国際比較という表がございまして、これによってほかの国よりも高い、今現実にアメリカと日本が四一%程度ということで、例えばフランスが三三%、イギリス三〇%、中国三三%、韓国二七%という、委員もお持ちの表がございます。その表に基づいて私どもは考えております。
○浅尾慶一郎君 私の質問は、今、尾身財務大臣がお答えいただいたのは税負担だけなんですよ、企業は社会保障費、そういうのも負担するわけですから、その両方を比較した答弁、数字でないとおかしいんではないですかという質問なんです。(発言する者あり)
○委員長(尾辻秀久君) 浅尾慶一郎君、質問を続けてください。質問してください。質問をしてください、浅尾慶一郎君。
○浅尾慶一郎君 繰り返しの質問になりますけれども、比較をするときに法人税だけを比較して企業負担の答えをするのはおかしいんではないかと。企業が負担するのは社会保障費も同じように負担するわけですから、なぜその数字を持っていないのですかという質問です。
○国務大臣(尾身幸次君) OECDの統計を基に社会保険料の事業主負担の国民所得比を機械的に計算をいたしますと、日本は六・二、アメリカ四・二、イギリス四・七などと比べまして、ドイツ九・八、フランス一五・〇というふうになっております。
○浅尾慶一郎君 ですから、私の質問は、なぜその日本の法人の負担が必要以上に高いというときに法人税のことだけをおっしゃっているんですかということなんです。
○国務大臣(尾身幸次君) 私どもは、法人の負担という意味からいえば、法人税とこの社会保険料の事業主負担はもちろん両方とも法人の負担になりますから、考えるべきものであると考えております。
○浅尾慶一郎君 ですから、なぜ今までの定率減税を廃止するときに、法人税は既に日本は非常に高いんだと、あるいは所得税の最高税率も高かったのをこれ戻すわけにいかないんだということなんですが、法人税については本当は社会保障費も含めて比較をすれば必ずしも高いということにはならないんじゃないですかという指摘をさせていただいて、その点について今正に御答弁いただいたから、では今までの国会の中で、法人税が高いからこれをもう上げるという議論にはならないんで定率減税をやめたということの今までの一連の答弁をやめられるかどうか、その点について伺いたいと思います。
○国務大臣(尾身幸次君) 法人税は法人税で今国際比較を申し上げました。それから、社会保険料負担についての数字も一応申し上げました、国際比較がございます。これを両方足してどうかというのは、これは統計の系列が違いますからそう簡単には比較できないということも私は先ほどから申し上げているところでございます。
○浅尾慶一郎君 その統計が違うということなんですが、ですから、先ほどもその点も指摘させていただきました。せめて、少なくとも財務省において両方を一律で見るような体制を研究されたらいかがですか。
○国務大臣(尾身幸次君) この御意見はある意味でごもっともだと思っております。私どももこれからいろいろ調査研究をして、こういう点のこの比較もこれから一生懸命頑張ってやっていきたいと思っております。
○浅尾慶一郎君 次に、定率減税との絡みで申し上げさせていただきたいと思いますが、ストックオプションという制度がございます。ストックオプションは、基本的にはこれは給与として、給与所得としてカウントされると、で、一部例外があると、そういう理解でいいかどうか、その点についてまず伺いたいと思います。
○国務大臣(尾身幸次君) このストックオプションで利益を得たものは、その人の個人の所得になると思っております。
○浅尾慶一郎君 給与所得と株式の譲渡所得では税率が違うんです。その点についてどうなっていますか。
○国務大臣(尾身幸次君) 給与所得は給与所得の系列の中に入ります。株式の譲渡所得は分離課税でございまして、譲渡所得については分離課税制度になっております。(発言する者あり)ちゃんと聞いてくださいよ。私は正しく答えているつもりですよ。委員と意見が違うかもしれません。しかし、答えとしてはきちっと答えているつもりですよ。
○浅尾慶一郎君 私は、意見ではないんです、これ。ストックオプションは、基本的に給与所得として課税されるんですか、それとも譲渡所得として課税されるんですかと。
○国務大臣(尾身幸次君) 今、分離課税で別だということを申し上げました。ちゃんとやじ飛ばさないで聞いてください。
○浅尾慶一郎君 それは、分離課税になるのは実は適格の場合だけなんです。原則は給与所得課税なんです。違いますか。
○国務大臣(尾身幸次君) いろんな条件がございまして、適格の株式譲渡益については分離課税であります。そうでないものは給与所得になるというふうになっております。レクを受けてそう答えております。
○浅尾慶一郎君 なぜその質問をするかというと、適格の場合には現在一〇%になるんです。適格の分離課税の場合は一〇%の税率なんです。で、本来、給与所得として認定されるものであれば最高税率は地方税も含めれば五〇%になると。 ですから、そこは、本当は定率減税を廃止する中で、それが本当にいいのかどうかということについて、少なくともその効果についてまずは測っておかなければいけないんではないかと思いますので、まず伺いますが、ストックオプションの税制適格制度によって税収がどのように変わったのか、あるいは政策効果がどのようになったのか、その点について、政策的にどういう効果があったのか、伺いたいと思います。
○国務大臣(尾身幸次君) 適格のあるストックオプションについては給与所得の分類で総合課税をすると、こういうことであります。
○浅尾慶一郎君 分離課税です。
○国務大臣(尾身幸次君) 分離課税。分離……
○浅尾慶一郎君 適格は分離課税で、適格にならないのは給与所得……
○国務大臣(尾身幸次君) 適格は分離課税で、適格でないものについては総合課税の対象になるということでございます。
○浅尾慶一郎君 質問を分かりやすく言います。 適格になったものは税制上優遇されます。じゃ、その優遇された結果、どのぐらい税収が減収になったのか、その数字をお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(尾身幸次君) 分離課税について、この株式譲渡所得の分離課税について、税収がどうなるかということについては、実はそのときの株の相場の動き、それから経済情勢等々で変わるわけでありますので、私どもとしては、この分についての税収のいわゆる効果といいますか増減というのは数字的には計算をしておりません。
○浅尾慶一郎君 私のここから先は意見ですから意見が違っても結構ですが、ストックオプションというのは、言わば基本的には給与に近いものだという形で企業に勤めておられる方に与えられますと。ある場合だけこれは別にしているということなんですが、ストックオプションがもらえる方というのは社会の中でごくわずかなんです、ごくわずか。ところが、定率減税の対象者は数多くいると。で、定率減税を廃止する、一方でストックオプションは残すということであれば、よっぽど政策的な意味があるんではないかということになるわけです。よっぽど政策的意味があるんであれば、少なくとも数字の裏付けがなければいけないと思いますが、その点について、ないというんであればなぜないのか、そして、なくてもいいんであればなぜなくてもいいのかという点について、財務大臣、御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(尾身幸次君) この適格のストックオプションについて、これはいわゆる株式譲渡所得と同じ扱いでございますが、これについては株式譲渡所得の、例えばどういう数字になるかということは正にその株価の水準、それからそういう経済状況によって結果の数字が違うわけでありますから、私どもとしてはその経済効果は計算できないというのが今の現状でございまして、そのことによって、我々もいろいろと検討はしているんですけれども、計算をしていないというのが実情であります。
○浅尾慶一郎君 じゃ、別の角度から総理に伺いますが、定率減税廃止しました、定率減税は廃止しました。で、実質的に給与所得の代替措置であると言ってもいいストックオプションについてはまだ一〇%という物すごく減額された税制が残っていると。この点について不公平か公平か、どういうふうに思われるか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 定率減税については、これは言わば未曾有の不景気が続いている中において定率減税を導入をしたわけであります。これは、言わば恒久な減税ではないということで導入をしたわけでございます。そして、今般、景気が回復軌道に乗る中において、この言わば定率減税を段階的にこれは元に戻していくと、こういうことでございます。 今委員が指摘されましたストックオプションにかかわる税制については、これはまた、また別の議論の中で最終的な判断をしたと、こういうことではないかと思います。
○浅尾慶一郎君 私は、まあそれはそれぞれの考え方がありますから、ここは意見の違いだということかもしれませんが、少なくとも定率減税をなくすんであれば、そのストックオプション等々、給与所得だというふうに、基本的にはだというふうに認定しているものについて、それをやめた場合の政策効果と続けた場合の政策効果について数字で持っておいて国民に説明する必要性があると思いますが、その用意があるかどうか、伺います。
○委員長(尾辻秀久君) 安倍内閣総理大臣。 指名を変えます。尾身財務大臣。
○国務大臣(尾身幸次君) このストックオプションの分離課税については、あるいはベンチャーを育てる、経済を発展させるという意味から、意欲を持って経営をしていただくという意味で分離課税にしているわけでございまして、通常のものとはちょっと違う、通常の給与とはちょっと違うと思っております。
○浅尾慶一郎君 その効果は、数字がないわけですよね、効果の数字がないわけですよね。だから、どうしてそれが分かるんですか。
○国務大臣(尾身幸次君) その方が意欲を持って経営をし、ベンチャーを育てるという意味で、数字的な細かい計算ができなくても、政策としてはその方が妥当であるというふうに考えてやっているわけでございます。
○浅尾慶一郎君 時間の関係で最後の質問になりますけれども、この予算委員会で政治と金の問題、随分議論されました。 冬柴国土交通大臣、公明党の太田代表は、松岡農水大臣、もっと政治的な説明責任を果たせというふうに言っておられますが、冬柴大臣も同じ御意見ですか。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 私は、公明党の議員ではありますけれども、安倍内閣の一員であります。
○国務大臣(麻生太郎君) 時間が終わりそうなんで、割り込んだような形で恐縮ですが、先ほど理事会預かりになっておりました分がありました。条約の解釈は他の省庁からの指摘で変えたことがあるかというんで、今、理事会で御説明と申し上げましたが。 先ほど申し上げましたように、解釈を決めていく過程で国会若しくは他の方々の御意見を拝聴させていただいた上でどうするということはありますが、いったん決めた条約の解釈というものを、他省庁を含め、外部からの意見等々において変更したことはありませんし、これまでも変更したことはございません。
○浅尾慶一郎君 最後の質問にします。 農水大臣は法律が改正されたら全部開示する用意があるというふうにおっしゃっておりますが、法律改正の場合は遡及が普通はしないんです。しかし、農水大臣のケースは遡及するという理解でよろしいですか。
○国務大臣(松岡利勝君) それは、私一人にそれが妥当かどうかと言われましても、それは全体で決めていただくことでありまして、私がここで答えることは適当ではないと思っております。
○浅尾慶一郎君 終わります。
○委員長(尾辻秀久君) 関連質疑を許します。櫻井充君。
○櫻井充君 浅尾委員に引き続いて質問をさせていただきます。 今の御答弁聞いていてちょっと何点か聞きたいところもありますが、最初に、まず自分が用意してきた質問についてさせていただきたいと思います。 まず最初に、タミフルの問題について質問をさせていただきますが、三月五日のこの予算委員会で、私は十代に使用禁止すべきだという主張をさせていただきました。厚生省でどういう判断をされたのか分かりませんが、そのときには否定的な意見でしたが、結果的には十代に禁止になったと。私はこの判断は正しかったというふうに思っています。 なぜあのときと今に至って判断が変わったのか、その点についてまず御答弁いただけますでしょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) まず、櫻井委員が先般のこの予算委員会におきまして、十代でインフルエンザにかかって亡くなるという率はもう非常に少ないと、にもかかわらず、タミフルを服用した結果こうした事故が起こっているということを考えると、因果関係いかんということではなくて、それはちょっとわきに置くとしても、これはやはり考えてみるべき事柄ではないかと、こういう大変示唆に富んだ御発言をいただきました。 私どもは、このタミフルの効能あるいは副作用というようなことについて考え方を何かのプロセスを踏んで変更したということには今現在なっておりません。おりませんですけれども、昨今のいろいろな事故の状況を考えまして、そして、たまたま委員の御指摘と同じラインの話になりましたけれども、先般、緊急安全性情報を出しまして、十代の方々に対しては原則としてこの服用を差し控えてもらいたいと、こういうことを伝えるように製薬メーカーに伝えたところでございます。
○櫻井充君 意見を取り入れていただいたことには本当に感謝申し上げます。 ただ、一方で、今、方向をそれほど大きく転換したわけではないという御答弁でした。考えていただきたいのは、一度承認したから一〇〇%問題があるということが分からない限り継続して使い続けたのが今までの薬事行政であって、そうではなくて、一〇〇%の安全性が確立できないようなことが判明してきた場合には勇気を持ってそこでその使用を禁止して立ち止まって検討するという、そういう姿勢に僕は変わるべきだと思いますが、その点についていかがですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、委員の今御発言の言わば射程がどの程度の射程の話になるかということで、私もここでにわかにそのものずばりに御答弁するという準備はありませんけれども、いずれにいたしましても、私は今回のことにつきまして、まず添付文書の改訂を行いました。これは、精神・神経症状についてこの副作用を追記させてもらったわけですが、その後、十代の子供たちの事故がありまして、さらにそれについては個別の評価、検証を行ったわけでございます。そのときの考え方でも、因果関係にむしろ否定的というような結論を先生方からいただいたわけでございます。 さらにまた、十七年度におきましては疫学的調査を実施いたしまして、これについても有意な差はタミフル服用をしなかった場合とした場合とで認識し難いと、こういうようなことであったわけでございます。 しかしながら、今年になりまして、二月の半ばから末にかけてまた同じように中学生の子供たちの転落死というものがありましたので、ここで注意事項というもので医療関係者への警告をいたしたわけでございますが、三月になりまして、これは幸いにして死亡には至りませんでしたけれども、同じような異常な行動が見られたということで、ここでもう私どもは、今回は因果関係は定かでないというか、そこについては今までと変わるものではないんだけれども、やはり緊急安全性情報ということで、今申したような措置を医療メーカーに対してとるように指示をしたと、こういうことでございます。
○櫻井充君 統計の取り方によって有意差が出るか出ないかというのは、これはあるんだと思うんですよ。自分自身も、研究していた際に、自分の導きたい結論、何とかしたいと思えば、統計的な手法をいろいろ駆使してそのことに関してやり遂げていったという経緯はありますから、その統計の手法によってこれは有意差が出る出ないというのはあるんだと思うんです。 その点でいうと、果たしてこれまで調査研究をやられていた主任の方が、主査の方が果たして適切だったのかどうか。つまり、当該関係企業から研修という形で資金提供を受けている方が本当に適切だったのか。こういうことをやられていると、やはり第二の薬害エイズじゃないかというふうに今言われていますが、そのような嫌疑を掛けられてしまうんじゃないのかなと、そう思いますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) ちょっとその前に。 緊急安全性情報を出しまして、私どもこれからなすべきことは、これまでに製薬会社等あるいは医薬品機構を通じて私どもにもたらされた副作用とおぼしき事例については、逐一これに当たって検査をすると。再確認というか、念査をします。再チェックをいたします。そういうことをいたすつもりでおりますが、また同時に、十八年度から十九年度にかけて、拡大されたサンプルによります疫学的な調査も今実施中でございます。 これらの、これからの調査あるいは調査の取りまとめにおきまして、今委員が御指摘になられたようなメーカーから奨学寄附金を受けている先生がお仲間にいらっしゃると、あるいは主任の研究者という立場でいらっしゃるということが報道をされているわけでございます。 私は、一般論として言いますと、この奨学寄附金というような寄附金を、きちっとした機関が受け止めてきちっとした規律の下で使用されている場合には、それが即問題であるというふうには考えておりません。しかしながら、今回のように、いったんとにかく検証もし、医学的な検査、検証もし、あるいは疫学的な調査もしたということの一応の結論の上に立って、その後の事態の推移によってもう一度これを見直すというような特別なケースであることを考えますと、やはりここはその先生にちょっとこの席から引いていただいて、そしてこの調査の最後の取りまとめ、結論を得るという作業をした方が、これはやっぱり国民に対する責任だし、我々の薬事行政に対する信頼からいってもそれが適切ではないかと、このように考えているということでございます。
○櫻井充君 一般論としてはおっしゃりたいことはよく分かりますが、しかし、嫌疑を掛けられるような方がそこに就任されるということそのもの自体が決していいわけではないと思っています。 これからまた質問させていただきますが、規制改革会議のメンバーがもう自分の利益を上げるためにだけその会議を使っているのと同じようなことがここでも行われているのではないのかなと、そういう感じがします。 ただ、一方で、現場で研究していた側の人間からしますと、研究費が物すごく少ないんですね。安倍内閣でイノベーションだ何だという話になってくるとすれば、この研究費の予算を増額していただかないと、これからこういう問題というのは僕は多々起きてくるような感じがしております。そういう点で、安倍総理、大学の研究費をもう少し増やしていただけないでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 研究費を含めてイノベーションに対する投資については、この十九年度予算においては増額をいたしております。今後ともこうした大学における研究を促進をしていくためにこの研究費に対する国の支援も充実させていきたいと、このように思っております。
○櫻井充君 そこの中で私は一点問題があると思っているのは、これは経済財政諮問会議だったか規制改革会議だったか忘れましたが、要するに、ここにも競争原理を持ち込んできて大学の研究費に差を付けるべきではないかと、そういった意見がありますが、私はそういうことをすると基礎研究から何から皆駄目になってしまうんじゃないかと、そういうふうに思われますが、伊吹大臣、その点についてはいかがでしょうか。
○国務大臣(伊吹文明君) 大学には改正教育基本法に書いてありますように三つの大きな目標がありまして、目的がありまして、一つは立派な知的エリートを社会に送り出す教育です。二番目は研究です。三番目は生涯教育を含めてそれらの成果を社会に還元するということです。 ですから、教育の分野においては、これは効率ということももちろん税金を使うわけですから大切にしなければなりませんけれども、同時に、大学を維持するために、競争を超えた、利潤を超えた大切な分野があります。この部分をしっかりと維持した上で、研究開発についてどうするかということは議論の余地が十分あると思います。
○櫻井充君 ありがとうございます。研究者は本当にみんな一生懸命頑張ってやっているので、そこのところに関して言うと、もう少し研究費を増額していただきたいと思います。 それから、厚生労働大臣、改めてお願いしたいことがありますが、今はタミフルの異常行動だけが表に出ていて問題視されているようなところがありますが、きちんとまず副作用というものを全体としてとらえていただきたいことと、それから、これを禁止することによってインフルエンザ脳症になったらどうするんだとか、様々な不安を抱えている方々がいらっしゃいますが、私が見ている範囲で申し上げますと、タミフルの服用によって本当に致死率、死亡者数が変わったのかどうか、それからインフルエンザ脳症が変わったのかどうか、その辺のデータがはっきりしないんだと思うんですね。つまり、今使えなくなったということに対しての不安感は、そういうものに本当に効くのかどうかという科学的な根拠が全くないからそういうことになっているんだろうというふうに思うんですよ。 ですから、異常行動だけが取り上げられていますが、是非副作用とそれからタミフルの効果と、併せて検討していただきたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) タミフルについて今委員は使えなくなったと、こうおっしゃったわけですが、別段十代の方々についてもほかにリスクがあればもうこれは別の話でございまして、一般には差し控えていただくということで、先ほども申したように原則としてということを申し上げました。その他の方々については、よく慎重に対応していただくという前提の下で現在でもなおこれは有用性を認識した上での薬剤ということになっておりますので、その御認識は是非よろしくお願いいたしたいと思います。 今回いろいろのことを調べさせていただきますが、これはただ異常行動であるとか精神神経科だけではなくて、すべての副作用として、副作用ではないかということで御申告になっていただいているケースすべてについて当たって検討をするということでございます。そういうことで、総合的な検討の上での結論を出したいと、こういうように考えております。
○櫻井充君 念のために、効果のことについてもきちんとして調査していただけますか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 拡大した疫学調査をやることによってそうしたことも明らかになってくることを期待いたしたいと思っております。
○櫻井充君 なぜ今のようなことを申し上げるのかというと、先週、肝炎に関しての判決が出ました。そこのポイントが幾つかあるとは思うんですが、あの当時、フィブリノーゲンの安全性という点ではその疑問を呈している方々がいらっしゃった。それにもかかわらず、果たしてこのもの自体を使わなければいけない状態だったのかというと、必ずしも、もう今や使っておりませんから、そうすると、不必要だったものを過剰投与して、結果的にその被害者を拡大してしまったという問題があるんじゃないのかなと、私はそう見ているんですね。 その点でいうと、まずノンAノンBの感染が肝硬変やそれから肝がんを引き起こすということを厚生労働省としてはいつ知ったんでしょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 現在ではノンAノンBというのは、まあ今やC型ということで認識してよろしいかと思うんですが、C型肝炎ウイルスに感染した患者の一部が肝硬変に進行し、時には肝がんを合併することが明らかになっているわけでございますが、こうしたC型肝炎の病態、予後が解明されたのは昭和六十三年にC型肝炎ウイルスが発見されて以降のことであるというのが我々の見解でございます。それ以前の時期におきましては、C型肝炎の予後についての知見は確立していなかったということでございます。 なお、C型肝炎ウイルスが発見される以前はノンAノンB肝炎と呼ばれ、その予後の研究が行われていましたが、昭和六十二年あるいは昭和六十三年に刊行された教科書には、予後は比較的良好というふうに記されていると承知をいたしております。
○櫻井充君 C型肝炎と言うとそういうふうに逃げられると思ったから、ノンAノンBというふうにして質問をしております。 ノンAノンBに関して、厚生省の班会議で、そのノンAノンB感染が肝硬変や肝がんを引き起こすという、そういうことが報告されていると思いますが、それは何年ですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) ちょっと急な御質問で、今手元に資料がございませんのでお答えすることができません。
○櫻井充君 私はちゃんとノンAノンBと言って通告してあるんですよ。それを、厚生省がC型にしないと都合が悪いからC型と言っているだけの話なんです。 私が調べている範囲では、八三年に班会議から報告があったと。ですから、先ほどの大臣の御答弁より相当前から厚生労働省は知っていたはずなんです。若しくは、知らなかったとすれば、その方がもっと問題だと思いますよ。それは、世界の国々で危険があるんだと、そういうふうに言われていたからです。 その上で、今のような認識だからいつまでたっても国は責任を認めないわけですが、少なくとも、もう三回の裁判の中で一部は国の責任という形で認める判決が出ているわけであって、私は全部とは申しませんよ。少なくとも一部に関して言えば明らかに私は国の責任があると思っていて、その点についてはもう認めるべきじゃないかと思いますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) もちろん、いろいろの説が裁判でも判示されているわけですけれども、私の知っているところでは、あの東京の地裁の判決、一番最近の判決ですが、それも私どもの認識とほぼ同じだというふうに考えております。 肝臓の専門家である織田先生という方がいらっしゃるわけでございますが、平成元年にはC型肝炎研究の推進を目指して非A非B、ノンAノンBですが、型肝炎推進事業が発足しましたという記述がございますので、私は、C型肝炎の予後が明確になってきたのはこのとき以降ですという記述も先生の著述の中に認められるところであります。
○櫻井充君 この点についてはあしたの厚生労働委員会で続きをやらせていただくことにして、もう一つ、原告団の方々、今日は実は傍聴されておりまして、大臣それから総理にお願いがありますが、是非原告団の方々に会って話を聞いていただけないかと、その点について総理とそれから厚生労働大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 罹患された方々は大変な御苦労をされてこられただろうと、このように思います。まず国としては早期発見、早期治療に向けて研究開発等に更に力を入れていきたいと、このように思うわけでございます。 患者の方々と面会したらどうかという先生のお話でございます。先生からのお話でございますから、また先生のお気持ちに対しましては敬意を表するところでございますが、しかし一方、言わば裁判が続行しているという状況もございますので今日は、本日のところは先生のお話を承ることにとどめさせていただきたいと、このように思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 裁判をやって争っていることにつきまして裁判外でいろいろと話合いをするということは、やっぱり三権分立その他の原則からいってやっぱりいろいろ混乱をもたらすことになると思います。そうではなくて一般的対策についてお話をいろいろ聞かせていただくということは、私ども担当者をしてそうした役目は当然のことで果たさせていただきたいと、このように考えます。
○櫻井充君 それはおっしゃるとおりだと思いますよ。つまり、裁判のことに関してということは、これは司法の場に任せることですから、それは大臣のおっしゃるとおりです。ですから、今大臣がおっしゃったように、行政側に対して治療の要望であるとか様々なことがありますよね。その国の認識とか、そういうことについて原告団の方々と、そうすると今のお話ですと意見交換をする準備があるということですね。
○国務大臣(柳澤伯夫君) そうしたことについては、それに一番ふさわしい担当の者を通じていろいろお話を聞かせていただくということ、ちっともこれは支障はないというふうに思います。ただ、裁判の争点については、これはやはりもう委員もお認めになるとおりでございます。
○櫻井充君 今現場の担当官すら会ってもらえない状況にあります。そこはもう少し考えていただきたいなと思うんですね。 これともう一つ別個に、治療体制をどうするかということは、これは裁判とはまた別だと思うんですよ。つまり、国の責任とか、そういう問題ではなくて、感染症対策として今後どういうふうに国として対応していくのかということが極めて大事なことなんだろうと、そう思います。 その上で、これはもう今後経過していけば、何年か何十年か経過していけば肝硬変、肝がんになるというリスクが極めて高いということを考えれば、しかもこれは治療する手だてがないんだったら別ですが、今であれば三割から四割の方が完治される、そういうことを考えてくると、やはり国が責任を持って、ある程度責任を持ってきちんとした治療の提供体制をつくるべきではないのかなと、そう思いますが、これは総理の御決意を私はお伺いしたいなと、あした、柳澤大臣にお伺いしますので。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほどの答弁で申し上げましたように、患者さんの皆様は大変な御苦労をされているという中にあって、やはり早期の治療、また治療の体制、そしてまたその研究に対して国としてはもちろん全力で取り組んでまいります。そしてまた、この治療の体制について、我々も何ができるかということについても考えていきたいと、このように思います。
○櫻井充君 ありがとうございました。 その具体的なことはあしたの厚生労働委員会で詰めさせていただきたいと、そう思います。 それから、じゃ次の話題に移りたいと思いますが、規制改革会議そのもの自体、それから特区とか、こういうこと、こういう場面で様々な規制が緩和されているという、言葉で良く言えばそうですが、私は、ある種規制がゆがめられていって、ある一部の人たちだけが利益を得ているんじゃないか、そのことをずっと指摘してまいりました。 もう一点申し上げると、これは昨年の教育特のときから申し上げてきたとおり、株式会社立大学を設立したがために、学生の皆さんがすごく大きな影響を受けて困っていらっしゃるわけです。このときの認可の経緯を調べてみると、かなり文部科学省は、私はあのときに文部科学省の責任じゃないかということを随分追及いたしましたが、調べてみると、文部科学省だけの問題でないことはよく分かってまいりました。 あの当時、文部科学省はどういうことを心配されて株式会社立大学を認めない、そういう見解を出されていたんでしょうか。
○国務大臣(伊吹文明君) これは当時のやり取りのことでございますのでいろいろな政策判断があったと思いますが、文部科学省が主張しておりましたのは、株式会社が大学を経営する場合、株式会社として長く存続をしなければならない限りは必ず利潤を上げなければなりません。利潤を上げるには、売上げを伸ばすか経費をカットするかということです。売上げが伸びない、つまり生徒が十分確保できない場合に、経費をカットするということでなければ会社はつぶれます。会社が経費をカットすることによって大学の基本的な基準が侵される、つまり、教授の数あるいは授業の場、そういうものが侵されるということになると、結果的に文部科学省が大学その他に要求をしている大学としての基準が維持できないおそれがあるんではないかということを主張していたわけでございます。
○櫻井充君 それでは、今やLEC大学に対して改善勧告を出さなければいけないようになっている状況をかんがみると、その当時文部科学省が難色を示したといいますか、懸念していたことが現実のものになっているんではないんでしょうか。
○国務大臣(伊吹文明君) 当時の文部科学省のそのような危惧に対して、一般則ではなく地方自治体が申請をした特区としてこれを実施するという決定が行われ、それに従ってLEC大学から申請があり、それを文部科学省等において審査をいたしましたけれども、結果的に、先生が御指摘になるように、そこに入学をした本来責任のない学生の諸君が基準に合った授業を受けられていないということについては、文部科学省に私は責任、認可をした責任があると考えております。
○櫻井充君 私は文部科学省の責任を問うていることではなくて、その当時心配されていたことが現実に起こってしまったんではないのかということをお伺いしているんですが。
○国務大臣(伊吹文明君) まあ結果責任ということからいえば、先生の御指摘のとおりだったと思います。
○櫻井充君 もう一つ、今、株式会社立大学にも私学助成金を入れるべきではないかというような意見を述べられている方がいらっしゃいますが、この意見に対して文部科学省としていかにお考えでしょうか。
○国務大臣(伊吹文明君) これは非常に法律論的に私は難しい御主張じゃないかと思います。日本国憲法第八十九条は、御承知のように、公金その他公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくはその維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対してこれを支出し、又はその利用に供してはならないという憲法上の規定がございます。 したがって、私学助成を受ける学校法人については、学校法人の設立に対して寄附行為の認可であるとか法人の解散命令、役員の解散勧告、予算の変更勧告など公の規制を課すということが前提になって私学助成費というのは出ているわけです。 したがって、株式会社立の学校に私学助成費を入れるということは、私は現在の憲法解釈からいって非常に難しい。庶民的に言えば、株式会社の配当のために国民の税金が使われるということはやっぱり少しおかしいんじゃないでしょうかと思います。
○櫻井充君 おっしゃるとおりなんだと思うんです。 そこで、なぜこのような大学が結果的に生まれてきたのかというと、特区の利用をして株式会社立大学ができ上がってきています。そこで不思議なのは、その特区の中で株式会社立大学で実は手を挙げてきたのはLECではなく、最初にほかの予備校であったりそういったところが手を挙げてきたにもかかわらず、実はこのときに最終的に特区として認定された株式会社立大学は全く違うLECともう一つ別な大学でした。 なぜこのような経緯になったのか、その当時の特区の担当者にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(檜木俊秀君) 私、当時、内閣官房及び内閣府の特区担当推進室及び担当室の総括担当の参事官をやっておりました。その立場でお答えいたします。 地方公共団体が特区計画を申請してまいります。その地方公共団体が申請してまいります特区計画について、特区法等に定める要件に適合しているかどうかを判断して関係省庁、この場合は文部科学省でございますけれども、その同意を得て認定するということになっております。 LEC大学に係る特区計画についても、認定の手続はこのような手続を経て行われたものと承知しております。 なお、現在、私は担当の任を離れておりますので、詳細につきましては御容赦いただきたいと存じます。
○櫻井充君 要するに、LECの会社の社長さんが、実は自分たちが手を挙げたいんじゃなかったんだけれども、内閣府からやらないかというふうに声を掛けられたと言っているんですが、それは事実でしょうか。
○国務大臣(渡辺喜美君) 内閣府が声を掛けたということでございますが、内閣府の特区担当というのは、特区のミッション、つまりこれをオールジャパンで展開をしていく、あるいは地域再生に役立たせる、そういうミッションを帯びておりますので、そのミッションの範囲でいろいろと交渉することはあろうかと思います。
○櫻井充君 それでは、そういう中で今回その株式会社立大学を特区として結局申請し、認可した結果、学生さんたちに対して多大な迷惑を掛けているわけですよ。そうすると、その企業そのもの自体を、もし内閣府が今おっしゃったように声を掛けるということだったとすれば、声を掛けたとすれば、不適切だったんではないかというふうに思いますが、いかがですか。
○国務大臣(渡辺喜美君) だれがだれに声を掛けたかというのは定かではございませんが、特区のミッションを果たす過程で文科省とよく協議をし、文科省が大学設立の認可を行っていただいたものと承知をいたしております。
○櫻井充君 文科省は謙虚に自分たちにそういう認可をした責任はあるというふうに御答弁いただいていますが、私は、文部科学省の責任というのはあくまで特区としての実験を、実験の場ですから、ある部分いうと、そのことに対して了解しただけだと私は思います。 むしろ、その特区として了解してくれということの交渉事をずっと行ってきていたのは特区の推進室であって、むしろ特区の推進室の責任の方が私は重いんじゃないのかなと、そう思いますが、いかがですか。
○国務大臣(渡辺喜美君) 御案内のように、特区というのは地方公共団体の申請に基づいて行われるわけでございます。したがって、この申請を特区室の方で審査をし、特区の認定を行うわけでございます。御指摘のような多少お行儀の悪い株式会社が出てきてしまったことは大変残念に思います。
○櫻井充君 それは、残念だというのは余りに他人行儀であって、文科省は真摯に自分たちにもその認可の過程で問題があったということを御答弁されています。内閣府はそう全く思っていらっしゃらないんですか。
○国務大臣(渡辺喜美君) お行儀の悪い点は、これは大いに改めていただく必要があろうかと思います。
○櫻井充君 そんな人のことじゃないですよ。要するに、そこのところに声を掛けて、そしてそうやって言わばごり押しをしているわけですから、そこのところに問題はないのかと。内閣府若しくは特区推進室に問題はなかったんですかということを申し上げているんですよ。
○国務大臣(渡辺喜美君) 特区というのは一種のパイオニア的な役割を果たす場合があるんですね。したがって、そういう中で大いにチャレンジをしていただきたいと考えておりまして、中にお行儀の悪い人がいたというのは大変残念でございます。
○委員長(尾辻秀久君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(尾辻秀久君) 速記起こしてください。
○国務大臣(渡辺喜美君) 人ごとのように答弁しているわけではございませんで、特区の特例措置につきましては、地方公共団体や民間事業者等からの具体的な提案を受けて、各省庁において実現に向けて検討するよう求められることを基本としております。株式会社による大学設置等に関する規制の特例措置についてもこのような方針で関係省庁とも協議をした上で決定されたものであり、法令にのっとり適正に行われたと考えております。
○櫻井充君 まあ責任がないということなんでしょう。 それでは、先ほど地方自治体からというふうに大臣はおっしゃいましたが、これは第五十七回博友会というある議員の親睦会の中で、その当時の檜木さんが、特区というのは自治体のものという誤解をしていらっしゃる方が多い、これは規制改革を皆さんから御提案いただく制度ですと、要するに、何というか、企業というんでしょうか、そういう人たちのためなんだというような趣旨の発言をされているわけです。少なくとも地方自治体のものではないと、こういうふうに言明されているんですね。 問題があると思いませんか。
○国務大臣(渡辺喜美君) 特区の提案というのは地方自治体も民間もだれでもできます。
○櫻井充君 済みませんが、総理、行革担当大臣として適切だと思われますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 思います。
○櫻井充君 思うという根拠を挙げていただけますか。先日からの答弁は極めてひど過ぎます。 この間、いいでしょうか、それでは、教育委員会の制度に関しても後で、実を言いますと、規制改革会議の中で一部の委員の中だけで議論をしたということが報告されているんですよ。そのことに対しても適切だというふうに言っておりました。そして、前倒しでワーキンググループをつくったということもそこの報告会の中でうたわれています。しかし、そういったものを本当に規制改革会議という公の名前を使ってやるような人たちが本当に適切なんでしょうか。そして、ましてや、そこのワーキンググループを前倒しして行ったところの事務局の中には草刈議長のところの会社の方が二人も入って仕切っておられると。つまり、これは公私混同で、この間申し上げましたが、そこの委員会、草刈さんのところの秘書の方も発言されているような会なんですよ。そのことについて渡辺大臣は何も問題はないと。しかし、行政組織上こんなことが本当にあっていいんでしょうか。 総理は、もう一度お伺いしますが、何をもってして渡辺大臣が適切だとお考えなんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いきなり何をもってしてと言われても、渡辺大臣は正に私が任命した大臣であり、公務員制度改革も含めて精力的に仕事をこなしていると私は信じております。
○櫻井充君 まあしようがない。 もう一つ申し上げておきますが、特区の評価委員会の委員長という方がいらっしゃいますが、この方は、先ほど私が株式会社立大学に私学助成金がどうですかと言ったときに、伊吹大臣は、そういう考えは問題があるというふうにおっしゃっていましたが、このことをずっと主張されている方です。現在は経済財政諮問会議におられる八代さんですが、この方が特区評価委員会の委員長を務められている。つまり、本人はもう絶対的に株式会社立大学をどんどんどんどん進めろと。特に、宮内議長のときには二人そろって文科省の方に要するに要請に行ったりとかしているような人たちなんですね。 これは客観的に本当に評価できるのかどうか、現在の、私はだから、経済財政諮問会議や規制改革会議は問題じゃないのかというふうに感じているんですが、総理はどうお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど伊吹大臣が答弁したのは、言わばこの私学助成金とのかかわりにおいてそういうことは行えないというお考えを披瀝されたんだろうと、このように思うわけでありまして、この株式会社立について、言わばそこで利益を上げるために、またあるいは損害を、何らか企業経営がうまく立ち行かなくなったときに学校において設置基準を下回るというようなことがあってはならないということを伊吹大臣はお答えになったんだろうと、このように思うわけでありまして、そういう中にあって、ちゃんと特区においての、どうして株式会社を認めるかということを十分に理解した上で、教育において、理想に燃えてそれを取り組んでいこうということであれば、しっかりと認可をするにおいて検証する必要があるわけでありますが、その上において、十分資格があれば、それはまた、これはそういう資格があるということで、しっかりと学校の経営もやってもらうことも可能ではないかと、このように思います。
○櫻井充君 済みません、よく分かんなかったんですが。要するに、そういう人物が有識者だといって本当に入っていていいのかどうかということなんです。 じゃ、別な事例をちょっと御紹介したいと思いますが、郵政公社がザ・アールという会社と契約をして、接遇・マナーのレベル認定に関する事務の委託ということで、結果的に入札は一応してここになっているんですが、どうしてこの会社になったでしょうか。
○参考人(生田正治君) お答え申し上げます。 公社化まではいわゆる一〇〇%官だったんですね。だから、各郵便局でも接遇、マナーといいますか、お客様に対する対応というのは非常に平たい言葉で言えば大変ぶこつだったと思います。公社化とともに、やはりこれはサービス業であると、真っ向サービスの精神でお客様本位でいこうと、こういうことでスタートいたしまして、お客様に対する接遇レベルの向上というのを最重要視いたしました。 それを教えるのに、内部で教える人というのは経験がないからいないわけですよ。だから、これは外部の専門家にお願いするよりしようがないと。ということで、公社二年目の平成十六年度から大々的に研修を始めました。マニュアル作りも始めました。約二万人の郵便局長も全員研修を受けさせました。 そうしたことで、これは平成十六年度から始まっているわけでございまして、平成十六年度から十八年度まで接遇レベル向上等に関しましてやりました契約が二百六十五契約あるわけであります。二百六十五、金額にしまして二十二億六千万円投じております。そのうち、今御指摘のザ・アールにお願いした、実はザ・アールというのはこういった意味では業界の中でもトップレベルの実力のある立派な会社なんですが、ザ・アールにお願いしたのは二百六十五件中の三十七件、金額は二十二億六千万円中の六億九千万円と、こういうことでございます。 選び方、ここが御質問のポイントだと思うんですが、これは別に研修に限らず、私の公社スタートと同時に発しました極めて強い指示によりまして、契約というものは原則すべて競争契約とすると。それで、トヨタから来た高橋副総裁を調達委員長としまして、そこで厳重審査するということで、一定基準額以上の調達につきましてはその委員会が極めて厳格な事前審査をして、その結果は私が委員長をしている経営委員会に報告すると、こういうことで進めてきているわけであります。そういった過程の中で極めて厳正に、平成十六年以降極めて厳正な公社の契約管理手続に従いまして公明正大に適正に業務を委託してきたと、こういう次第でございます。
○櫻井充君 極めて厳正にというのは何回もおっしゃっていましたが、今日皆さんのお手元に資料をお配りさせていただきましたが、これが入札状況の調書でして、結果的には二社しか応募していなかったんでしょうか。わずか八十七万二千円ぐらいの差でなぜかザ・アールに入札しているんですね。それだけじゃなくて、最初はそういう格好だったんですが、十二月の十三日には追加という形になり、更にまた平成十九年度では前倒しの契約だということで、どんどん増えていっているんですね。 これはなぜこういうことが起こるんですか。
○参考人(生田正治君) 十八年度につきまして二回契約変更したこととその内容についての御質問だというふうに理解いたしますけれども、実は平成十八年度は接遇・マナーレベルの認定につきまして検定試験を二回やることにしていたんですけれども、民営化準備を加速せないかぬと、レベルアップもしなきゃいけない、こういう事情の変更がございましたので二つの契約変更をいたしました。 一つは、非常に受験生といいますか受講さす人数が増えました。初め十万人のつもりだったんですが、十六万四千人ということで六割も増えたということでございまして、それに応じて研修の仕方と金額が増えると、こういう変更を一ついたしました。 それから、平成十九年度分をやんなきゃならないんですが、民営化準備の作業が物すごく忙しいわけです。したがいまして、民営化準備の作業にできるだけ影響のない時期にやんなきゃならない、四月にやろうということにしました。四月にやろうとすると、その契約と準備というのは大分それより前倒しになるわけでございまして、細かくなって申し訳ありませんけれども、四月に試験をしようとするとしますと、受験者の申込みは一月中に終える必要があると、その前に業者も確定する必要がある。それから、契約を締結するためには事務及び企画案の募集期間として二か月必要であるというふうなことで、実際は十九年度分を十八年度にやったというふうなことで変更いたしました。 これは、今までやっていた研修のその延長線上で、同じレベルで同じ内容でやんなきゃなりませんから、企画案を出させまして、そういう企画に応じたところに、企画の基準をパスしたところに競争入札に応じさすということで数がかなり絞られました。あとは市場経済ですから、競争原理に応じまして、金額の多寡が小さいかも分かりませんが、少しでも安いところで合理的にやろうと、こういう判断をいたしました。
○櫻井充君 今、増えましたというお話でしたが、これは郵便局で働いている方々のホームページの中の書き込みなんですけど、そこの中に、今回の募集は当局の対応がえらいしつこかったように思いますと、断ってもしつこく出せ出せと言ってくると、班長さんに班員に応募するよう言ってくれと言ってくる始末、班長さんが休みを返上して出てこいなんてよう言わぬと、そういうふうにおっしゃっているんですよ。つまり、これは自主的にということではなくて、意図的に出せ出せと言っただけの話じゃないんですか。
○参考人(生田正治君) 職員が非常勤入れますと三十七人おりますから、いろんな意見の人間、いろんな立場の人間がいると思います。だから、今先生がおっしゃったようなことを感じた者もいるとは思います。ただし、民営化を立派にやって、市場で民間と伍してやはり事業を維持、成長さすためには一定レベルにしていく必要があると思います。 したがいまして、やってほしい人には受けたらどうかという話は、私は具体的には知りませんが、多分そういう話もあっただろうと思います。
○櫻井充君 そうやって一生懸命努力されているのに何でぽんと首を切られなきゃいけないのか、私には理解できないところがあります。 その上でもう一つ、このザ・アールという会社そのもの自体ですが、ここは売上げランキング、派遣会社の売上げでいうと百五位でしかない。しかも、ホームページをのぞいてみると、財務諸表すら載っていない。なぜこの会社が選ばれるんでしょうか。
○参考人(生田正治君) 先ほど申し上げましたように、やはりこういうことのできる会社の数というのは非常に限られております。安けりゃいいというものじゃありません。やはり、業界の中でも定評のある質の高いところを選ばなければならない。その中で、あくまでも競争原理を働かせて少しでも経済的にやってくれるところを選ぶ。これは、言わば私ども事業をやる場合には常道であると申し上げざるを得ないと思います。
○櫻井充君 この会社の社長さんの奥谷さんは、今度の新しい郵便貯金銀行でしたっけ、郵政、たしかそこの社外取締役か何かに就任されるんじゃなかったでしょうか。
○参考人(生田正治君) 私どもがザ・アールもたくさんお願いしている業者の一つとしてお願いしたのは平成十六年度からであります。日本郵政株式会社が社外取締役としてお願いしたのは十八年度かな、十七年度かな、多分十八年だと、後でありますので因果関係は逆になりますし、私どもも奥谷社長が社外役員に選ばれたというのは新聞で知ったのが初めてでございますので、今回の契約等に関しましては全く関係がないと、これははっきり申し上げられると思います。
○櫻井充君 社外取締役の規定の中には、直接の利害関係のない独立した有識者や経営者などから選任される取締役のことですというふうに書かれていることから、逆に言えば、こういう取引のある人に対して社外取締役に決定するということは私はおかしいと思いますが、いかがですか。
○参考人(生田正治君) ちょっと私が回答申し上げるのは妥当かどうか、実は妥当じゃないと思うんですけれども、これは日本郵政株式会社が自発的にお選びになったわけでありまして、先ほど申しましたように、私どもは選ばれたことは新聞で承知した次第であります。
○櫻井充君 それでは、総務大臣、いかがですか。
○国務大臣(菅義偉君) 奥谷氏につきましては、平成十八年一月に取締役として選任の決議を許可しております。当時、株式会社ザ・アールと日本郵政公社との間で職員研修契約が結ばれていたことは事実でありますけれども、日本郵政株式会社との取引でないために利益相反の観点が特に問題はなかったと考えました。
○櫻井充君 新しく会社が生まれ変わるんで全部別というのが、それは論理なんでしょうが、果たしてそれが通用するのかどうかということだと思いますね。 このザ・アールという会社は、年商十数億の会社であって、この郵政公社との取引だけで四年間で約八億円ぐらいあります。ですから、かなり問題が多いと私は思っているんですが、もう一つこの方が社外取締役にふさわしくないと思うのは、いろんなところのインタビューの中でどう答えているのかということですが、下流社会だの何だの、言葉遊びですよ、そう言って甘やかすのはいかがなものかということです、大体経営者は過労死するまで働けなんて言いませんからね、過労死を含めてこれは自己管理だと私は思います、例えば祝日も一切なくすべきです。こういう方が取締役としてなぜ適切なんですか。
○国務大臣(菅義偉君) 私は、奥谷氏が認可をされたというのは今日までのその実績であるというふうに伺っています。
○櫻井充君 実績というのは何を指しての実績でしょうか。
○国務大臣(菅義偉君) 女性の中からそういう実績のある、意欲のある方という形で選ばれたというふうに聞いています。
○櫻井充君 そういうとのそうは何を指しますか。
○国務大臣(菅義偉君) ですから、多くの社外取締の方と比較をして、女性の中でそうした今までの実績があるから選ばれたというふうに聞いています。
○櫻井充君 それでは、平成十九年の二月七日の衆議院の予算委員会で川内博史委員の質問に対して、今私が申し上げたようなことに対して柳澤大臣は、この記事に関して論評することは差し控えたいけれども、しかし、そこに述べられていること、記載することについておまえはどう思うかといえば、それはもう全く私どもの考えではございませんと、そうはっきり答弁されています。総務大臣はいかがですか。
○国務大臣(菅義偉君) この選任に当たっての中では、平成三年から郵政審議会の委員も務められた、そういう中で過去の実績を見詰めて決定をされたというふうに聞いていますし、私も認可しました。
○櫻井充君 答えていない。答えていない。
○委員長(尾辻秀久君) 速記止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(尾辻秀久君) 速記起こしてください。
○国務大臣(菅義偉君) 指摘された発言が事実であれば、それはやはり不適切だというふうに私は思います。
○櫻井充君 これはこのことだけではなくて、いろんな場面でそういうふうにおっしゃられているんですよ。そういうことを受けてどう思われますか。
○国務大臣(菅義偉君) 今お答えさせていただいたとおりであります。
○櫻井充君 それでは、お願いがありますが、もう一度きちんと、この方がそういう地位に就くことが適切な方なのかどうか、もう一度評価していただけないでしょうか。
○国務大臣(菅義偉君) 郵政株式会社で、平成三年から十二年までの間に郵政審議会の委員としても実績があった、そういう中で選任をされたというふうに思っております。
○櫻井充君 それでは、実績を具体的に五つぐらい挙げていただけますか。
○国務大臣(菅義偉君) 私は、そういう、平成三年から十二年まで、郵政審議会の委員の中での活動について評価されて取締役に任命されたというふうに聞いておりますので、私は郵政公社株式会社でそれに基づいて決定をしたと思っています。
○櫻井充君 だから、具体的に実績を挙げてください。実績実績と言われたって、我々何にも分かんないんですから。
○国務大臣(菅義偉君) 先ほど来申し上げましたけれども、郵政審議会の委員としてその活動が評価されてという形であるというふうに考えております。(発言する者あり)
○委員長(尾辻秀久君) 速記止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(尾辻秀久君) 速記起こしてください。
○櫻井充君 じゃ、そこで委員をされると、それが実績になるんですか。
○国務大臣(菅義偉君) その委員会の発言や行動を見て私は評価したものだと思っております。
○櫻井充君 じゃ、そうすると、今そうおっしゃったんです。じゃ、発言と行動を具体的に教えてください。
○国務大臣(菅義偉君) 私は、平成三年から十二年間の九年間における活動とか行動を評価して選任するということでありましたから、私は認可をしたんであります。
○櫻井充君 過労死するまで働けなんて言いません、これは自己管理ですと、こういう方が社外取締役の中で働きたいと思われますか。
○国務大臣(菅義偉君) そういう発言が事実であれば、私は先ほど不適切な発言だったなということを答弁させていただきました。
○櫻井充君 ですから、こういう不適切な発言をされているんですから、社外取締役としてふさわしくないんじゃないかと私は指摘しているわけであって、検討していただけないんでしょうか。
○国務大臣(菅義偉君) 委員のような意見があることも私は参考にさせていただきます。
○櫻井充君 なぜこんなことを申し上げているのかというと、この方も実は規制改革会議のメンバーだったんですよ。こういう考え方の方が規制改革会議にいて、要するに世の中をねじ曲げていくし、僕は今おかしいと思っているのは、一部の人たちだけが同じような形で、ポジションを変えるけどぐるぐるぐるぐる回っていて、そして社会を変えているということなんですよ。我々は国民から選挙で選ばれていますよ。官僚は、これは国家公務員法があって、きちんと職を全うしなきゃいけないために働いていますよ。 しかし、全然関係ない、しかもこんな発言している人たちが有識者なんて私はおかしいと思う。そして、この人たちそのもの自体がいろんなところで利益を得ていっていること、その社会がおかしい。これが格差をつくっている私は元凶だと思っています。総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 規制改革会議のメンバーは、その方が所属をする会社の代表として出てきているわけではなくて、正にその方々の見識によって選ばれているわけでありますが、いずれにせよ、決めているのは国民の代表である国会、また政府、私たちが決めているわけで、主体的に決めているわけでございます。 ちなみに、ほかの例えば審議会においては、それぞれの業界の代表者の方が業界を代表して入って意見を述べる場合もあるということは申し添えておかなければならないと思います。
○櫻井充君 国会で決めるとおっしゃいますが、必ずしも全部が国会で決まっていっているわけじゃないんですよね。ですから、閣議決定だ何だっていうことで決められていることもあって、それは国会がお決めになるということとは違うんじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いや、ですから、先ほど私が申し上げたのは、国会と、正に国民の代表である私たち政府が決めているわけであります。
○櫻井充君 経済財政諮問会議は、総合科学技術会議と決定的に違うのは、両院の承認もない、罷免権もない、それからもう一つは守秘義務もない、こういうところで自由勝手にやっているから格差社会が付いていると思いますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) その格差社会の議論と全くこれは別だろうと思いますが、経済財政諮問会議においては総理大臣である私が議長であって、私が責任を持って決めているということでございます。
○櫻井充君 それでは、これはまた別な例ですが、オリックスでレンタカーの車検を一年から二年に規制を緩和してくれということもございました。このときにその規制改革会議の議長は、やはり委員長は宮内さんでした。そして、もう一つ申し上げると、このときは審議会でも何でもなかった。総理が勝手につくった会なんですよ。そして、それは閣議決定された会でもないところで実はそういうものが決められていっている。で、その当時のオリックスの台数が、レンタカーの台数が業界のトップで、ごめんなさい、レンタカーの保有台数、トップじゃない、四万六千台と、業界の第二位ということなんです。これが二年に一回になるだけで恐らく四億円程度の費用の削減につながっていくんだろう。そのことを委員会の委員長の方が決定されていっている。そういう政治のシステムにこそ私は問題があるんだと思っています。 最後にもう一度だけ申し上げますが、今の政治が僕は危機的な状況にあると思っているのは、本当の意味で我々国民を代表している国会議員やそして官僚の手によってきちんと運営されているわけではなくて、一部の有識者と言われている、私から見たら全くその見識もないような人たちが権力をかさに着て、そして規制や何だ、制度を変えていっていることに大きな問題があるんじゃないかということを指摘いたしまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(尾辻秀久君) 以上で浅尾慶一郎君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(尾辻秀久君) 次に、澤雄二君の質疑を行います。澤雄二君。
○澤雄二君 公明党の澤雄二でございます。 私は今日は、新型インフルエンザではなくて、「あるある大事典」問題をきっかけに今放送法の改正の中で放送事業者に対する新たな行政処分について政府で検討を進められていると思いますが、この点について質問をさせていただきます。 放送事業者ということでございますから、NHK、民間放送事業者に対しての新たな行政処分でございます。これ、テレビの放送内容について新たに行政処分を与えるということですから、処分、つまり放送内容について政府が罰則を与えるということでございますね。「あるある大事典」がやったことはもう言語道断であります。私もかつてテレビ局に籍を置いた者として怒りを覚えるぐらいでございます。そのことについては国民の皆さんと全く同じであります。しかし、テレビというのは認可事業ではありますが、マスメディアであります。そのマスメディアが放送した内容について行政処分、つまり政府が罰を与えるということは、憲法で保障された、しかも民主主義の根本原理である言論、表現の自由とかかわりが出てくる。 まず最初にお伺いしたいのは、そのかかわりが出てくるということについて、大臣、御認識はお持ちでしょうか。
○国務大臣(菅義偉君) まず、委員既に御承知のとおり、放送においてはその目的として、放送の自律の下で憲法に定める表現の自由を確保し、公共の福祉に適合するよう規律することが求められています。そして、具体的には、放送番組の適正を図る上において、放送法に規定されている番組準則を踏まえ、放送事業者が自ら番組基準を策定をし、放送番組審議機関を設置することとされています。 しかし、今も御指摘ありましたけれども、こうした放送事業者の自主、自律を基本とする制度の下においても、放送番組については近年問題の事例の発生が続いております。特に、今御指摘のありました明らかに捏造された番組、「あるある大事典」でありますか、非常に私は深刻な状況にあるというふうに思っております。そのために、電波、放送を所管する立場として、番組編集の自由に配慮をした再発防止策、そうしたものを講じることによって、法改正を含めて必要があるのではないかなというふうに思っております。 具体的には、事実でないことをあたかも事実のように放送した場合に、国民生活等に悪影響を及ぼすときには、その放送事業者に再発防止計画の提出を求める制度を考えているところであります。その計画については、総務大臣の意見を付けて公表することとしたい、こうした法改正を今度の国会に提出をしたいということであります。
○澤雄二君 今大臣がおっしゃいました、おっしゃったことを繰り返しますと、放送法においては、その目的として、放送の自律の下で、自律の下ですね、大臣、さらに、憲法に定める表現の自由を確保して公共の福祉に適合する規律を求められていますと。ですから、放送局というのは、これに基づいて自主的に自律的にこういうことを間違いない放送をすると、それは言論の自由に保障されているからだということが前提になっています。 そのことを前提にしてお伺いしますが、今編集の自由は尊重するとおっしゃいましたが、今度の行政処分、法律で放送内容を罰するということと、もう一度聞きます、言論の自由とのかかわりをどう認識されていますか。
○国務大臣(菅義偉君) 私は、報道の自由というのは当然だけれども、事実と異なる報道の自由はないということを記者会見で申し述べました。それは、表現の自由にもやっぱり憲法上無制約ではない、このように私は考えています。また、放送法においても、報道は事実を曲げてはならない、曲げないですることとされておりますので、事実の異なる報道の自由は私はないというふうに考えます。
○澤雄二君 大臣は今大変な間違った認識をされていると思います。このことは後で議論をしたいと思いますが。 事実でないことを放送する若しくは報道する自由はないとおっしゃいましたが、事実でないことを報道する、放送する権利、それが言論の自由ということで、もうこれは世界的な概念としてコンセンサスになっています。それは報道機関が、報道の自由というのは自律作用があるからでございます。つまり、間違ったことを報道すると、周りの人間がそれは間違っている、間違っている、間違っていると言う、報道の自由、言論の自由の中でそれを言うから間違っていることが更に証明されていく、こういう原理の中で、言論の自由の概念の中でですよ、そういうことが今言われています。それがコンセンサスにほぼなっています。ですから、今度の事件も週刊朝日が訴えました。これも自律自浄作用でございます。このことはちょっと後で議論したいと思いますけれども。 再発防止策、これはどうしても考えなくてはいけません。国民の理解を得なければいけない。だけれども、再発防止策として、いきなり行政処分、法律の規制によってこれを再発を防止させるというのは余りにも一気に行き過ぎている。しかもそれは、言論の自由という憲法で保障された民主主義の根本原則をいとも簡単に行政処分で罰しようとしている。これは全く次元の違うジャンルで実は議論をしなければいけない。今総務省が問われているのは、正にそのことを同一視して混同して議論していることのインテリジェンスが正に問われているのであります。 そのことについてどういう認識をお持ちですか。
○国務大臣(菅義偉君) 私、先ほど申し上げましたけれども、憲法の表現の自由の中でもそれは無制約ではない。やはり私は、この間のあるある大放送のように、(発言する者あり)大事典のように全く捏造されたものを事実として放送されるわけでありますから、国民の資産であります公的電波を所管する大臣として、このことについては非常にこれ深刻に考えました。 そして、今私ども総務省でどういう行政指導があるかといえば、委員既に御承知のとおり、私ども行政指導が一つありますよね。総務大臣が最も厳しい行政指導というのは警告です。そして、その中でも再発防止策というものを受けてきました。また、電波法の中では停波、電波を停止する罰則もあります。また、免許を取り消す罰則もあります。しかし、余りにも行政指導とその罰則の間に間があり過ぎる。 そういう中で、私どもは再発防止策というものを、今の報道の中では表現の自由という、そういう中でもこれはやはり必要だなということを考えているところであります。
○澤雄二君 今の御答弁についても後で少し詳しくお聞きしたいと思いますが、今の御答弁の中で、一番厳しい処分として免許返上という措置があると、それ以前の問題として、行政処分ではなくて、行政処分といいますか、行政指導がありますと今言われました、その中間地点の処分を考えたんですと。つまり、中間地点の処分として言論の自由、表現の自由に公権力が介入していくということをお考えになった。 つまり、この言論の自由に侵害する法律を作らなければいけないということについて、大臣自身がどれほどお悩みになられたか、省内で検討されたかということを、ちょっと皆さん納得いくように御答弁いただけますか。
○国務大臣(菅義偉君) 昨年もインゲンマメが減量に効くという報道番組がありました。そして、このことが報道されてから、そのことを信じた多くの国民の方が入院したりという健康の騒ぎがありました。 今回、この「あるある大事典」が報道されて、翌日にはスーパーに納豆が全くなくなってしまった、そう言われるぐらいそれは私は国民にとって大きな影響というものが電波というのはあるというふうに思っています。 そこで、全く事実でなかったことを捏造されて報道されたわけでありますから、それはやはり私は、電波を所管する大臣としてこうした再発を防止するものを考えなきゃならない。しかし、先ほど来言われていますように表現の自由ありますから、そこに抵触しないような形で再発防止計画というものを私どもは事業者、報道事業そのものに出してもらって、そして私の意見を付けて国民の皆さんに約束してもらう、そういうことを考えておりまして、罰則は考えておりません。
○澤雄二君 行政処分というのは罰則であります。報告を求める、そのこと自体だけでそのテレビ局は社会的信頼を失墜します。営業的大打撃を受けます。それを罰と言わないで何を罰と大臣は考えておられるのか。そのことだけでも、大臣は十分にお考えになったとはとても思えません。 では、質問を変えますが、本来、言論の自由という問題は最高裁まで争われる事柄であるということの御認識はお持ちですか。
○国務大臣(菅義偉君) そのことについては十分に承知をいたしておりまして、最高裁の判決においても、表現の自由といえども無制限に保障されるものではないという判決が出ておることも承知しています。
○澤雄二君 それでは、お伺いいたします。 私もテレビ局に身を置いた人間として少し調べさせていただきましたが、放送内容が事実であるか否かであることを説いた法律、法規制というのは世界各国に例がありますか。
○国務大臣(菅義偉君) それぞれの国の法規制についてすべて確認をしているものではありませんけれども、少なくともアメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、韓国において放送内容が事実かどうかにかかわる記述があることは承知をしております。
○澤雄二君 具体的におっしゃってください。
○国務大臣(菅義偉君) アメリカにおいては犯罪や大災害に関する報道等の禁止に関する条項があり、その違反に対しては課徴金の賦課や違反行為の停止命令、免許取消しという措置があります。 また、イギリスにおいては法律や番組基準にニュースにおける十分な正確性等に関する条項があり、その違反に対しては訂正、事実認定書の放送等の命令、命令遵守を怠った場合は過料の支払、さらに免許取消し等といった措置が適用されるということであります。 フランスにおいては放送事業者と国とが結ぶ協約に情報の正確性に関する条項があり、その違反に対しては催告、催告に従わない場合には放送停止、さらには免許取消しという措置が適用されております。 ドイツにおいては州間協定にニュースの真正の点検に関する条項があり、その違反に対しては、それぞれ州によっては違うようでありますけれども、例えばベルリン州においては、違反解消等の要求及びその放送命令に違反した番組の広告収入の州への納付、法令違反を繰り返す場合には免許取消しといった措置が適用されていると聞いています。
○澤雄二君 今おっしゃったのは、イギリスにおいてはいわゆる放送の準則みたいなものであります。つまり、政治的には公平でなければいけない、報道する内容は客観性がなければいけないというような、そういうことの、日本の放送法でも定められていることを定めたものであります。 アメリカにおいても通信法というのはそういうことであります。公序良俗に反してはいけないとか、わいせつとか広告とか、それから政治的分野においてはもちろんそういう規制はありますが、放送された内容が事実か否かをとらえる法律、そしてそれに罰則を与える法律というのは世界に例がありませんが、どうですか。
○国務大臣(菅義偉君) 今申し上げたとおり、各国に私はあると思っています。
○澤雄二君 それは後で、それでは検証させていただきます。ないはずであります。ありません。それから、そのことをお知りにならないということだけでも、大臣、これは余り検討されてないなということが分かるんでございますが。 次に伺います。 テレビは二十四時間いろんな番組が放送されていますが、どんな対象になるのか、この行政処分の。お伺いいたします。ドラマは対象になりますか。
○国務大臣(菅義偉君) 私どもが考えていますのは、報道は事実を曲げないこととするに違反する放送について検討しているところでありまして、いわゆる報道が対象となっております。この場合の報道というのは事実を事実として伝える番組を言いまして、ニュースその他の社会的な事象を事実として伝えられるあらゆる放送番組を対象になります。
○澤雄二君 私が聞いているのは、ドラマは対象になりますかと聞いているんです。
○国務大臣(菅義偉君) ですから、私は、報道とは事実を事実として伝える番組を言い、ニュースその他の社会的事象を事実として伝えるあらゆる放送番組が対象という形であります。例えば、バラエティーなども、その中で事実を事実として伝える部分があれば、それは当分対象になると考えます。
○澤雄二君 ということは、ドラマも処分の対象になると考えていいですか。大臣、そこにいらっしゃってください。
○国務大臣(菅義偉君) 再現ドラマはその対象になる予定です。
○澤雄二君 大臣、よくお分かりになっていないと思うんですが、再現ドラマだけではないと思います。多分、あらゆるドラマを対象にしないとこの法律は意味がないんだというふうに思います。 次に伺います。バラエティーはどうですか。
○国務大臣(菅義偉君) バラエティー番組の中でも、事実を事実として伝える部分があれば、その当該部分については対象になります。
○澤雄二君 漫才やコントはどうでしょうか。
○国務大臣(菅義偉君) 事実を事実として伝える部分がそうなると思います。
○澤雄二君 では、最後に伺います。ニュース番組はどうですか。
○国務大臣(菅義偉君) 対象になります。
○澤雄二君 どういうことを報道したら対象になりますか。
○国務大臣(菅義偉君) 報道は事実を曲げないこととするという放送法になっていますので、そういうことであれば当然対象になると思います。
○澤雄二君 報道、私も政治部に籍を置いておりましたのでそういう記事はよく書きましたが、総合的にいろんな取材をして、総合的な判断で記事を書く場合がございます。これは事実と異なることが往々にしてありますが、これは罰する対象になりますか。
○国務大臣(菅義偉君) 是非御理解をいただいて、そういう中で、故意、重過失の場合を対象にさせていただきたいというふうに考えております。
○澤雄二君 それでは伺いますが、今言われました、社会的に悪影響を与えた場合と言われましたが、社会的に悪影響を与えるという判断はどなたがするんでしょうか。どういう判断基準が法律であるんでしょうか。
○国務大臣(菅義偉君) いずれにしろ、これから提出するわけでありますので、具体的な内容についてはちょっと差し控えさせていただきまして、考え方を是非、これは委員会でこれを提出した中でまた議論をしたいと思いますけれども、措置の契機が表現の自由にかかわることでありますので、その規定は社会的影響が大きいもの等に限定する観点から、一定の国民生活への悪影響等が認められる事実に限って適用することとしております。 その判断は個別具体的な事例ごとに対象範囲、対象者数だとかあるいは対象地域の広さ、あるいは個々の対象への影響具合、健康被害度の程度など、当然そうしたものを踏まえ総合的に判断をするという形に考えています。
○澤雄二君 そのことは今法律の条文には全く書かれていませんが、悪影響を与えた場合というのと、もう一つ、放送の、法律の条文に今書かれています、おそれがある場合と書かれています。更に判断が難しくなりますが、これはどうお考えですか。
○国務大臣(菅義偉君) ただ、この再発防止策の前提となるのは、放送事業者が基本的に自分たちがそういう捏造したということを認めることが前提になっております。
○澤雄二君 そのことは法律に書いていませんが、どう担保されますか。
○国務大臣(菅義偉君) そこはこのように実は考えています。 例えば、今回の「あるある大事典」、あれは捏造されたじゃないかなんということは、雑誌だとかあるいは視聴者だとか、いろんな方からありました。私どもがそれについて報告を求めて、その中で放送事業者が自ら捏造したことを認めていることであります。ですから、私どもとしましても、放送事業者が明らかにその捏造したということを認めるものについて対象になる、そういう仕組みの法律にしたいと考えています。
○澤雄二君 社会的悪影響を与える、又はおそれがあるという判断がすごく難しい。さらにその上に、放送されたものが虚偽であることを確認する必要があります。この事実か真実かという問題はすごく難しい。例えばイラクに大量破壊兵器があったかどうかということについても、これはどうやって判断するのか、すごい難しい問題あります。 大臣はそこをどう判断されようとしていますか。
○国務大臣(菅義偉君) 先ほど申し上げましたけれども、明らかに放送事業者が自分たちの報道したものはこれは捏造だということを認めた場合に私どもはこの再発防止計画を、これを国民の前に出させていただいて、具体的なこれによって罰則もないわけですから、その行政処分そのものが罰則だと言われますけど、しかし今まではどういうことかといえば、行政指導を私どもはしてきました。その行政指導をしてきた中で再発防止計画というのは出しました。しかし、そのことが守られていなかったわけでありますし、私はやはりこういう状況の中で、放送事業者が自らその捏造したということを認めたものについてはやはり再発防止計画というものを国民の皆さんに約束してほしい、こういう中の法律であります。
○澤雄二君 今大臣が言われた、放送事業者が虚偽の放送をしたというのを認めた場合と言われましたが、これも実は大変な落とし穴があります。 なぜかならば、そのことを問う権利が総務省に発生するからであります。何月何日に放送した内容は事実かどうかということを問いただせるんです。つまり、それは任意の事情聴取をされるようなものなんですよ。自白の強要みたいなところもあるわけ。次から次へと、怪しいと思われるものを総務大臣の判断でもってそれは事実かどうかと聞くことができるんです。しかも、そのことを確かめようとすると、ニュースの場合にはニュースソースにまでたどり着く場合が多々あります。 このことについてどうお考えでしょうか。
○国務大臣(菅義偉君) 私が申し上げておりますのは、捏造したということを報道事業者が認めた場合でありますから、そのことについて再発防止策を出してもらうということでありますから、それは御理解をいただけるのじゃないかなと思います。
○澤雄二君 だから、幾らでも問いただせることができると聞いているんです。これは怪しいと、疑わしいというときには、総務大臣、問いただせますよね。そのことをどう判断されますか。
○国務大臣(菅義偉君) 今まで私ども総務省がどういう指導をしてきたかということを、経緯をたどっていただければ私御理解をいただけるのじゃないかなと思いますけど、総務省で検閲するようなことは全くしておりませんし、今回の場合も、先ほど申し上げましたけれども、視聴者だとか、あるいはマスコミで報道をされて、そうした問題になったとき、私どもはその事実についての聴取を実はしてまいりました。 ですから、そういう中で、放送事業者が明らかに自分たちが捏造したということを認めた場合の再発防止計画であります。
○澤雄二君 今大臣もおっしゃいました、今まで厳しい行政指導をテレビ各社受けてまいりました。それは、それなりにかなりの実効力があったはずでございます。 それを今回一気に、しかも中間点として法律で行政処分を与える。それは、表現の自由、言論の自由に間違いなく抵触することであります。世界に例がない法律規制をされようと今しています。私は大変な問題、ここにあると思っております。しかも、「あるある大事典」の再発防止と言論の自由ということを正に混同して今議論をされています。そのことが大変インテリジェンスが問われている。 しかも、お調べになってください。言論の自由の概念とはどういうことか。虚偽の報道をする自由もその中に含まれているはずでございます。ですから、常に最高裁の判断にゆだねるまでこの問題は協議されるわけでございます。 もう一度じっくりと、もう一回検討する必要があると思うんですけれども、総理大臣、どうでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま総務大臣が答弁したように、言わば捏造をすると、悪質に、そういうことがなければ全く問題ないんですから、放送局の皆さんも全然心配する必要ないんだと思いますよ。ですから、その捏造をとにかくしない、そしてそういうことをしたら大変だという緊張感をもっと持っていただかなければならないと思います。 もちろん報道の自由は大切でありますから、そのことを念頭に置きながら、しかし、やはり捏造はやはり大問題でありますから、そういうことは今後二度と起こらないようにしていくために何をすればいいかということで総務省として判断をしたんだろうと、このように思います。
○澤雄二君 正に言論の自由というのは、自律作用がある、自浄作用があるというのが言論の自由で、虚偽の報道も認められると私は言いました。週刊朝日がこのことを問題提起したことは、正にその自律作用の働きであります。 それから、民放連が定款を変えました。非常に自己規制を厳しくいたしました。また、BPOも、NHKと民放が協議をして、非常にこれも厳しい対応をするようにいたしました。 つまり、こういう自律自浄作用に身を任せるのが本来の言論の自由だと思います。簡単に公権力がそのことに介入してはいけない、このことをもう一回肝に銘じて議論をしていただきたい、お願いをいたしまして、質問を終わります。
○委員長(尾辻秀久君) 以上で澤雄二君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(尾辻秀久君) 次に、吉川春子君の質疑を行います。吉川春子君。
○吉川春子君 日本共産党の吉川春子でございます。 安倍総理に慰安婦問題についてお伺いいたします。 安倍総理は、三月一日の夜、官邸で記者団の質問に答えて、九三年の河野官房長官談話について、当初定義されていた強制性を裏付ける証拠がなかったのは事実だと語られました。そうですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 既に今まで何回か答弁を申し上げているわけでございますが、私は河野官房長官談話を継承していくということを申し上げているわけでございまして、そしてまた慰安婦の方々に対しまして御同情を申し上げますし、またそういう立場に置かれたことについてはおわびも申し上げてきたとおりでありまして、今まで答弁してきたとおりであります。
○吉川春子君 当初定義されていた強制性を裏付ける証拠がなかったのは事実だと、このようにおっしゃったんですか、おっしゃらないんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、今まで累次この場においてもまた本会議の場においても答弁をしてきたとおりでございまして、それを見ていただければ分かるとおりであります。
○吉川春子君 そういう発言はなかったと、取り消されるんですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 累次、今まで答弁してきたとおりでございます。 ですから、今、吉川議員がおっしゃったことも私は答弁をしてきた中の中身でございます。
○吉川春子君 総理が記者会見で官邸でおっしゃったかどうかだけを私伺っているんですけれども。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 強制性について私が申し上げたことは、記者会見で申し上げたことはすべてこれはニュースにもなっておりますから、それはそのとおりであります。
○吉川春子君 官房長官談話では、広範な地域に慰安所が設置された、慰安所は軍の要請によって設置された、慰安所の管理運営、慰安婦の移送について旧日本軍が直接又は間接に関与したとしております。これはお認めになるんですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど答弁をいたしましたように、河野官房長官談話を継承しているということは、この官房長官談話を正に引き継いでいるわけでありますから、その中身も、それを引き継いでいるということでございます。
○吉川春子君 さらに談話では、慰安婦の募集について、本人の意思に反して集められた、官憲が直接これに加担したこともあった、慰安所の生活は強制的状況で痛ましいものであったと言っていますが、これもお認めになりますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 河野官房長官談話を継承すると、このように申し上げております。
○吉川春子君 お認めになるんですね、今言ったこと。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そうです。
○吉川春子君 河野談話の内容と、それから首相官邸での記者会見の強制性はないという発言は矛盾すると思いますが、談話を受け継ぐとおっしゃるならば、この発言は取り消されたらいいと思うんです。いかがでしょう。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そうした発言も含めて今私は答弁をしているわけでございますが、この河野官房長官談話を継承していくということでございます。
○吉川春子君 今年一月三十一日、米下院外交委員会で慰安婦について決議案が出され、二月十五日、慰安婦被害者三女性、つまり、オランダ人一人、韓国人二人が証言しました。 安倍総理は、この証言内容について強制性を裏付ける事例、証拠というふうにお考えになりますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この米議会の証言について私がここでコメントする立場にはございませんが、河野官房長官談話について、これは継承していると、継承していくと申し上げたとおりであります。
○吉川春子君 強制性を裏付ける証拠がないというふうに言われているわけですけれども、これは強制性を裏付ける証拠であるというふうにお考えになりませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 米議会における証言については、私はここで立ち入ることはいたしません。既に私も累次その強制性については申し上げてきたとおりであります。
○吉川春子君 外務大臣、お伺いしますが、この三人の証言のうちの一人はオランダ人です。オランダ人が慰安婦にされた経過はどのように報告されていますか。
○国務大臣(麻生太郎君) 経過ですか。
○吉川春子君 そうです。
○国務大臣(麻生太郎君) インドネシアはオランダ領だったんだと思いますが。
○吉川春子君 それだけでは慰安婦は発生しませんね。その後どうなったんですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今の御質問の内容は、その経過はと言われたんで、インドネシアはオランダ領だったから起きたと申し上げたところまでは御理解いただけているという前提でよろしゅうございますね。
○吉川春子君 はい、結構です。
○国務大臣(麻生太郎君) その後、先ほど河野官房長官談話の話というのを安倍総理からずらっと言われた一連の関係の中にすべて物語っていると私もそう思います。
○吉川春子君 オランダ人は強制収容されて、強制収容所から女性たちが軍隊によって拉致されて慰安所に入れられたと、こういうことですね。
○国務大臣(麻生太郎君) 私は、その方の証言はそうなっておるというように理解しております。
○吉川春子君 アジア女性基金の報告書はそれと違う内容になっていますか。
○国務大臣(麻生太郎君) オランダのところ、オランダ人のところの細目はよく存じませんけれども、そのようになっておるかどうか、ちょっと今のこの段階で存じているわけではございません。
○吉川春子君 事務局、答えてください。通告してあるでしょう。
○国務大臣(麻生太郎君) 事務局から何か言われておりませんので、私が代わりに読ませていただきます。 平成五年八月、河野官房長官談話の際に発表された調査結果でも明らかにされているとおり、現在、インドネシアに慰安所が存在したこと及び慰安婦の出身地としてオランダが含まれていることは確認されましたと書いてあります。
○吉川春子君 強制収容所にオランダ人を収容し、その中から若い女性だけを選んで拉致して慰安所に連れていった、この証言があったと外務大臣言われました。これは強制性に当たらないんですか、総理大臣。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) このオランダ人の女性も含めてこの官房長官談話は出されているわけであります。ちなみに、軍がその事実を知って直ちに慰安所を閉鎖したと、こういう事実関係があるわけであります。
○吉川春子君 軍が関与し、強制されて慰安婦にされたんですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、つまりその事実を軍が知って、軍がその慰安所を閉鎖をしたと、こういう事実関係がございます。
○吉川春子君 法務省に伺います。 平成十六年十二月十五日、東京高裁において中国山西省の慰安婦の事件が判決が出ましたけれども、事件の背景事情としてどのようなことが認定されていますか。
○政府参考人(大竹たかし君) お答えいたします。 御指摘の判決は、原告らの主張は法的根拠がないとして請求は棄却されておりますけれども、その御指摘の判決文によりますと、旧日本軍の北シナ方面軍が一九四〇年から四二年にかけて、いわゆる三光作戦を実施する中で、日本軍構成員らが駐屯地近くに住む中国人女性を強制的に拉致、連行して性的暴行を加え、監禁状態にして、いわゆる慰安婦状態にする事件があったとの事実認定がなされております。 ただ、判決文において、慰安所においてそのような行為が行われたという事実は認定されておりません。
○吉川春子君 四人の控訴人の中の二人の女性の事実について報告していただきたいと思います。
○政府参考人(大竹たかし君) 判決文によれば、原告の供述に基づいて以下のような事実を認定したということでございます。 まず、原告のうち十五歳の未婚の女性については、一九四二年、日本軍兵士らによって自宅から日本軍の駐屯地のあった村に拉致、連行、監禁され、複数の日本軍兵士らに性的暴行を繰り返されたとされ、もう一人の未婚の原告については、一九四二年、三人の中国人と三人の武装した日本軍兵士らによって無理やり自宅から連れ出されて日本軍駐屯地に拉致、連行、監禁され、上記三人の中国人のほか多数の日本軍兵士らによって性的暴行を加えられたとされております。
○吉川春子君 この事実について、強制の事例と安倍総理大臣、お認めになりますね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いわゆる従軍慰安婦については河野官房長官談話で申し上げているとおりでございます。
○吉川春子君 日本軍が拉致、連行して慰安婦にしたという事実を裁判所が認定していますが、これは認めますか。証拠になりませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この裁判の結果については、これは国側が勝訴していると、このように承知をしておりますが、いずれにせよ、河野官房長官談話で述べられているとおりであります。
○吉川春子君 日本軍の兵士による拉致、連行によって慰安婦にさせられたという事実を裁判所は認定しているんです。それを強制性と認めるかどうかということを安倍総理に聞いています。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これ請求自体は棄却をされているわけでありまして、この判示の事実認定部分は傍論であるということでございまして、言わば法律上重要ではないと、このように考えております。
○吉川春子君 それでは、証拠にはなり得ない、総理のおっしゃる証拠にはなり得ないということですか。確認します。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今申し上げたとおりであります。
○吉川春子君 これを、裁判所の認定は認めるのか認めないのか。否定するんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今申し上げたとおりであります。
○吉川春子君 甘言であれ、強制連行、拉致であれ、慰安所は日本軍管理下の下、逃げられず、慰安婦とされた女性たちは毎日レイプされたんです。ワシントン・ポストによれば、身の毛のよだつような体験の証言をしたと、こう言っているんです。これをもって強制性はなかったとそれでも総理大臣はおっしゃるんですか。そのことを端的に、あなたの考えを言ってください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 既に私の考えは申し上げているとおりでありまして、河野官房長官談話で述べられているとおりでございまして、この考え方を継承していくということでございます。
○吉川春子君 兵士による拉致、連行も河野官房長官談話の中に含まれているということでいいですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいまの裁判の事案につきましては、別途私が答弁したとおりであります。
○吉川春子君 裁判の事案でなくても、オランダも挙げました。どうですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) オランダの事案につきましては河野官房長官談話で述べられたとおりであります。
○吉川春子君 オランダの事案は、日本軍による拉致、連行によって慰安婦にさせられた事例です。それを安倍総理はお認めになったということですが、安倍総理、慰安婦の被害者の女性たちが今何を一番望んでいるとあなたはお考えですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、もう常々申し上げておりますように、慰安婦の方々が辛酸をなめられたわけでありまして、御同情申し上げますし、当時そういう状況に置かれたことにつきましてはおわびを申し上げているとおりであります。
○吉川春子君 今日までまだPTSDで苦しんでいるんですよ。日本政府が本当に心から公式に謝ってほしいと思っているんです。 総理、公式に謝る必要があると思いませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、私はここでおわびを申し上げているわけであります。内閣総理大臣としておわびを申し上げているわけでありますし、河野官房長官談話で申し上げているとおりであります。
○吉川春子君 河野官房長官談話は閣議決定されていません。 それでは、閣議決定しますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 河野官房長官談話ですべてでございます。
○委員長(尾辻秀久君) 時間が参っております。吉川春子君。
○吉川春子君 安倍総理、一度被害者に直接お会いいただきたいと思います。細田元官房長官はお会いになりましたけれども、安倍総理も直接、慰安婦にお目に掛かって謝罪をしていただきたい。そのことを最後にお願いします。いかがですか。
○委員長(尾辻秀久君) 時間が過ぎておりますから、指名はいたしません。 以上で吉川春子君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(尾辻秀久君) 次に、福島みずほ君の質疑を行います。福島みずほ君。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。 河野官房長官談話を踏襲されるとおっしゃいましたが、閣僚の中でそれに反する発言が出た場合は、それを注意をしてくださいますね。安倍内閣の下では絶対に認めないということでよろしいですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 継承すると申し上げてあります。
○福島みずほ君 問いに答えてください。 閣僚で違う発言、特別補佐官で違う発言をした人間をきちっと注意をしてくれますね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私がもう既に総理として申し上げているとおりであります。
○福島みずほ君 総理ではなく、質問に答えてください。他の閣僚や他の大臣、他の特別補佐官の違う発言を許さないということの確認を取りたいんです。どうですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 内閣として継承しておりますから、そういう事態にはなりません。
○福島みずほ君 では、きちっと注意をお願いします。 次に、民法についてお聞きをいたします。 代理母と死後、凍結後の妊娠した件について、裁判所は民法と現実が合っていないというふうに言いました。民法の抜本的見直しが必要だと考えますが、長勢法務大臣、いかがですか。
○国務大臣(長勢甚遠君) 先般の最高裁判決のことをおっしゃっているんだろうと思いますが、判決は、現在の取扱いが正当であるということを決定をされました。あわせて、この問題についての、法制度としてどう取り扱うかが検討されるべき状況にあるというふうに決定の中で述べられております。 この問題につきましては、医学上あるいは法律上、社会の在り方、いろんな観点から議論する必要がある問題でございますので、現在、厚生労働省、法務省一緒になって日本学術会議に御検討をお願いしておりますので、そういう議論、また各方面での御議論を踏まえて検討していきたいと思っております。
○福島みずほ君 凍結精子後の妊娠についてはどうですか。
○国務大臣(長勢甚遠君) 凍結精子に関しても最高裁判決があるわけでございまして、現行規定が正当であると、必要があると思っておりますが、各方面でいろんな御議論もありますので、生殖補助医療全体の問題、これからもいろんな観点から御議論があると思いますが、それらを見守っていきたいと思っております。
○福島みずほ君 民法七百七十二条も現状と法律が合わないことだと思いますが、抜本的見直し、是非よろしくお願いします。いかがですか。
○国務大臣(長勢甚遠君) よく御存じでございますので詳しい説明は省略をさせていただきますが、離婚後三百日以内に生まれたお子さんの戸籍をどうするかという問題で、現行法は前夫の戸籍に入れるということになっておるわけであります。これは、父子関係を早期に確定をするということが子供の福祉のためにもいいということでありますので、私は基本的にはこの仕組みは維持されてしかるべきだと思っております。 ただ、嫡出推定を覆すためには裁判を必要とするということでありまして、今はいろんな事情のある方がおられるわけでありまして、その中にこの規定の趣旨に沿いながらも何かどうも手続上が過大な負担になるということがあるとすれば、それはなるべく早く解決できるような道を検討したいと今思っておるところでございます。
○福島みずほ君 各党検討中ですが、社民党も案を考えています。是非、でも法務省が取り組んでくださるようお願いいたします。 次に、地方の疲弊についてお聞きをいたします。 地方の疲弊は政府・与党の政治の結果生まれたものである、そう思います。三位一体改革の中で総計七兆円地方にお金が行かないということになりました。蛇口を締めれば疲弊するのは当然です。いかがですか。総務大臣。
○国務大臣(菅義偉君) 三位一体改革は地方の自由度を拡大をするとともに、加えて、国、地方を通じての財政の健全化を目的としたものであります。 確かに、非常に国、地方とも厳しい状況の中で、プライマリーバランスの回復に向けて歳出の見直しに取り組み、結果として地方の交付税の総額を抑制をしてきたところであります。地方にとって厳しいものであったと思いますけれども、しかし、地方財政の健全化を進める上では必要であったというふうに思っています。 そういう中で、平成十九年度に当たっては、地方税、交付税、一般財源総額対前年比五千億円上回っておりますし、また、三年間で五兆円を超える、公的資金の五%を超える部分については補償金なしの繰上償還を認めるということで地方には配慮させていただいています。
○福島みずほ君 税源移譲が人口比で行われたために人口の少ない自治体は誠に疲弊をしています。この現実をどう見られますか。総理大臣、総務大臣、いかがですか。
○国務大臣(菅義偉君) 交付税の一般財源総額を確保し、日本全国どこに住んでも一定水準以上の生活ができる、そういう仕組みに配慮させていただいています。
○福島みずほ君 違いますよ。人口の少ない自治体は疲弊をしています。小泉改革で格差が広がったかどうかに地方の首長さんは、そうでない、どちらかといえばそう思うが八九・二%。五千人未満の自治体では格差を感ずるという人が大変多いです。九六・二%です。今、人口の少ない自治体、地域は疲弊をし切っています。この仕組みを変えるべきだと考えますが、いかがですか。──そのとおりと久間さんが言いました。
○国務大臣(菅義偉君) どんな過疎地であってもそれぞれ地方には特色がありますから、そうした特色を生かして地方が頑張れる仕組みのために頑張る地方応援プログラムというものを私ども作らさせていただいていまして、元気な地方をつくるように頑張っていきたいと思います。
○福島みずほ君 地域は疲弊しています。頑張る自治体ですが、自由に独自の施策を展開するための財政面の裏付けや権限移譲の具体策が全く明らかではありません。具体策を総理、示してください。総理。
○国務大臣(菅義偉君) そうした地方の取組をするべき、特徴を生かして活力ある地方になるべく、私どもとしては特別交付税で処置をしていきたいというふうに思っています。 この頑張る応援プログラムは一年間三千万まで三年間を考えています。
○福島みずほ君 これがどのようになるのかよく分かりません。また、地方は疲弊をしている中で国が取っているのは、東洋町に対して六十億円、高レベル廃棄物を、放射性廃棄物を引き受ければ六十億円調査費を出す、それから在日米軍基地特別措置法案が基地を受け入れた割合に応じて金を出すと。 地方を疲弊させながらひざまずかせて札びらで横づらをひっぱたく、その札びらは税金である、このことはどうですか、総理大臣、ひどいと思いませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いや、ひどいのは福島さんの言い方ですよ、それは。 いわゆるこの米軍再編については、協力をしていただいている地域については、当然、我々はその地域の振興について協力をしていく、これは当たり前のことなんだろうと、このように考えております。 また、先ほど菅大臣が答弁いたしましたように、頑張る地方応援プログラムを始め、さらにこの国会において九本の地域の活性化のための法律を出しているところであります。
○福島みずほ君 出来高に応じてお金を払う、沖縄振興法はなくす、そして東洋町など引き受けるところ、調査にするところは金を払う、これが今の日本の政治のひざまずかせて言うことを聞かせるやり方です。国と地方の協議の場を設けるなど、地方の疲弊ではなく、地方の復活に向けて政治はやるべきであると。鉄道も、そして駅も学校も病院もみんな、郵便局もなくして、地方を疲弊していく、この政治をつくってきたのは間違いなく政府であり、この政治を変えるべく頑張っていくと申し上げ、私の質問を終わります。
○委員長(尾辻秀久君) 以上で福島みずほ君の質疑は終了いたしました。(拍手) これにて締めくくり質疑は終了いたしました。 以上をもちまして、平成十九年度総予算三案に対する質疑は終局したものと認めます。 ─────────────
○委員長(尾辻秀久君) それでは、これより討論に入ります。 討論の通告がございますので、これを許します。なお、発言者は賛否を明らかにしてお述べ願います。下田敦子君。
○下田敦子君 民主党・新緑風会の下田敦子でございます。 昨日、能登半島地震による被災者の皆様に心からお悔やみとお見舞いを申し上げたいと思います。一日も早い復旧復興対策を講じることを願ってやみません。 私は、民主党・新緑風会を代表いたしまして、ただいま議題となりました平成十九年度予算三案に対しまして、反対の立場から討論をいたします。 平成十九年度予算案は、骨太方針二〇〇六で示されました五年間の歳出改革の初年度に当たる予算として、各経費の単年度の目標は、数字の上では一見一応達成したように見えます。しかし、このところのマスメディアは次のように述べています。安倍政権三か月、税財政、成長依存、くすぶる火種、これは日本経済新聞です。改革見劣り、安倍予算、朝日です。それから、財政再建、危うい楽観、毎日新聞。不安定な税収増に依存、読売。来年度予算、改革減速させてはならぬ、産経など、いま一つ安心、納得のいく論評はございません。 平成十九年度の最大のポイントは、国債発行額を抑えたと表現しているところでございます。安倍総理は、昨年九月の所信表明で、歳出をゼロベースで見直すと言われました。果たしてそうでしょうか。前年度からの税収増は七・六兆円という過去最高額が見込まれる一方で、国債発行額は税収の増加額を下回っています。しかし、このたびの税収が伸びた理由は、小渕総理時代から開始された定率減税の廃止、一・一兆円の税収増であります。及び、配偶者控除と特別控除が二重に適用できないなど、事実上の増税が国民に強いられた結果の税収増であります。国民の生活格差は確実に広がりまして、生活が非常に苦しくなっています。また、新たな国債の発行は二十五・四兆円と、国債発行額は長期的にますます増加することと理論上言えるのではないかと思います。 事ほどさように、財政制度の基本的な見直しがなされず、財政改善への努力は私は見えません。 道路特定財源の一般財源化の事実上の骨抜き、そして安倍内閣は参院選挙終了までは議論をしないという消費税の引上げ隠しなど、民主主義を否定した選挙対策としか考えられないこの予算編成は国民を愚弄するものであります。むしろ、この消費税問題は参院選の最大の争点として広く国民に知らしめる必要があると私は考え、国政報告会の場で申し上げております。 国の債務残高の税収比は夕張市よりはるかに悪化しています。民間の経営感覚から見れば、この国会運営一つにしても、霞が関のお役所にしても、人、物、金において無駄が多過ぎます。破綻する国の債務を子や孫に残すことはできません。早急に抜本的な財政改革を望みます。 次に、特別会計の予算についてですが、十九年度の改革として、三十一の特会から十七の特会へ統廃合すると掲げています。例えば、先般予算委員会でも申し上げましたが、石油特別会計と電源特別会計を統合してエネルギー対策特別会計が創設されるようですが、このことに伴いまして、一般会計と異なる取扱いの整理、つまり、歳入歳出、借入金、剰余金処理等の統一的ルール作り、情報開示の促進などが必要であります。しかし、現実には予算説明に特別会計の説明がないので透明性に欠けます。企業会計を参考にして、資産、負債のディスクローズをしないことには、私は特別会計の意味がきちんと透明性を持ってでき上がることはないと思います。 次に、財投改革です。 財投の規模の縮減を掲げていますが、融資計画の内容は特殊法人向けが依然として多く、地方向けが少ないのが現状であります。また、地方財政計画は七年連続で赤字であります。ただいまも議題になったとおりであります。国と地方の会計、地方交付税、地方への財源移譲をどうするのか、使われ方の問題が今大きな今後の問題と考えます。 最後に、総理が書かれた「美しい国へ」の少子国家の未来の項目に、どこまでが国家の役割か、未曾有の超高齢国家に突入する日本では高福祉国家は実現不可能であるなどと消極的な考えが述べられています。この中で、昨年の医療費減額により行き場のない介護難民が急増しています。現場では大変な悩みとして、家族も受け入れる側も悩んでおります。社会保障費の毎年二千二百億円の減額により福祉切捨てに一層拍車が掛かっております。高齢化・少子化対策に、地域社会に貢献しようとする事業に対して、産業構造を変える意味でも国の特段の配慮を望みます。 また、生活保護費、なかんずく母子家庭の問題であります。 対象となる母子加算の段階的廃止等を図るなど、このような弱者切捨ての対応は政府の役割を放棄することのほかにならず、私は強く反対いたします。私事で恐縮ですが、私は母に育てられました、母子家庭の出身者です。 何とぞこのことを心を持って対応していただくようにお願いを申し上げまして、このたびの討論を反対をして終わらせていただきます。 失礼いたしました。(拍手)
○委員長(尾辻秀久君) 澤雄二君。
○澤雄二君 公明党の澤雄二でございます。 私は、自由民主党及び公明党を代表して、ただいま議題となりました平成十九年度予算三案に対し、賛成の立場から討論を行うものであります。 我が国経済は、これまでの構造改革が奏功し、戦後最長の景気回復が続いており、企業収益や設備投資が堅調であるほか、正規雇用者が増加に転じるなど、雇用情勢にも顕著な改善が見られています。一方、財政の現状は、歳入歳出改革の進展により、単年度の赤字は大きく縮小したものの、なお債務残高は高い水準にあります。 かかる情勢を受けて編成された十九年度予算は、財政健全化に向けた大きな前進が見られるほか、再チャレンジ支援や少子化対策などの予算が拡充され、美しい国日本の実現に寄与する内容となっていることから、大いに賛意を表するものであります。 以下、本予算に賛成する主な理由を申し述べます。 賛成の第一の理由は、財政健全化に向けた確固たる姿勢を示す予算になっている点であります。 本予算では、新規国債発行額を過去最大の四・五兆円減額し、一般会計の基礎的収支の赤字は前年に比べて実に七兆円近く改善しております。この結果、国債残高の増加ペースは大幅に鈍化し、国と地方の債務残高の対GDP比は十八年、十九年度と二年連続で低下する見込みとなっております。税収増加分を安易に歳出に回すことなく国債や借入金の返済に充てた政府の姿勢を高く評価するものであります。 賛成の第二の理由は、活力とチャンスに満ちあふれ、健全で安心できる経済社会の実現に向けた万全の施策が盛り込まれている点であります。 本予算には、物流インフラの整備などの競争力強化策のほか、まちづくり交付金などを活用した地域の活性化策、さらに、勝ち組と負け組を固定化させないための若年者雇用支援や中小企業者の支援策が盛り込まれており、これらは地域の成長力強化や再生に大きく寄与するものであります。また、少子化対策として、乳幼児に対する児童手当の拡充とともに育児休業給付が引き上げられたことも、国民の要望に迅速かつ適切に対処したものであります。 賛成の第三の理由は、交付税特別会計の借入金の償還に着手している点であります。 地方の財源不足を補うために行われてきた交付税特別会計の借入金の残高は五十三兆円にまで膨らみ、その処理が極めて重要な課題となっております。本予算では、交付税特会の新規借入れを十四年ぶりに停止するとともに、借入金残高のうち、国負担分の十八兆六千六百億円を一般会計に承継した上で償還を開始することとし、十九年度においては一兆七千億円もの償還が実施されることとなっております。財政健全化の足取りを確実なものとすべく交付税特会借入金の償還に明確な道筋を付けた政府の努力を多とするものであります。 賛成の第四の理由は、政府部門の合理化に向けた取組が着実に進んでいる点であります。 特別会計の改革については、三十一ある特別会計法を一本化し、会計手続のルールを共通化するなど、行政の効率化の観点からも大きく前進しております。今次の改革は、これまでに例のない大胆な内容であり、財政システムの効率化に大いに資することは間違いありません。さらに、国家公務員を約二千百人純減し、三百七十億円の人件費を削減する点も効率化の観点から高く評価できるものであります。 以上、本予算に賛成する主な理由を申し述べました。 政府におかれましては、本予算成立後、迅速かつ適切に執行されることを要請いたしまして、私の賛成討論を終わります。(拍手)
○委員長(尾辻秀久君) 以上で討論通告者の発言はすべて終了いたしました。討論は終局したものと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 平成十九年度一般会計予算、平成十九年度特別会計予算、平成十九年度政府関係機関予算、以上三案に賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(尾辻秀久君) 多数と認めます。よって、平成十九年度総予算三案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。(拍手) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(尾辻秀久君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時十四分散会