予算委員会 第7号
- 発言数
- 228 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2007/03/09
会議録
○委員長(尾辻秀久君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 平成十九年度一般会計予算、平成十九年度特別会計予算、平成十九年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、外交・防衛等に関する集中審議を行います。 質疑者はお手元の質疑通告表のとおりでございます。 それでは、質疑を行います。川口順子君。
○川口順子君 自由民主党の川口順子でございます。今日は、安倍総理の、主張する外交を中心として質問をさせていただきます。 毎年一月の終わりにダボスでダボス会議というのがございまして、各国の首脳あるいは閣僚、そういった方が大勢お見えになられます。今年のテーマは、シフトする世界の力の方程式というものでございました。 私は、この会議にここで三年続けて伺っておりますけれども、このシフトする世界の力の方程式という意味は、アメリカが力が弱くなっていき、中国やBRICsなどの力が強くなっていき、そういった中で今後世界が多極化をしていく、その中で世界の秩序を今後だれが維持をするのか、何が秩序なのかという問題意識だろうと思います。 国連あるいはWTOといったものも必ずしも十分に今機能していないと言わざるを得ないわけでございまして、今後、秩序をつくって、そしてそれを守らせる力を持つ者が存在をしなくなっていくことへの懸念であろうかと思います。 総理は、主張する外交をおっしゃっていまして、私も強くこれに賛同をするものでございますけれども、そこでおっしゃっている意味というのは、私の理解するところでは、例えば総理のおっしゃっているその基本的な価値を共有する国との連携の強化とか、オープンでイノベーションに富むアジアの構築とか、世界の平和と安定への貢献とか、そういったことについて、我が国の国益を確保しつつ世界の秩序づくりに貢献をしていくという意味であろうかと私は理解をいたしております。 そういった観点で、今日は二つ重要なテーマ、一つは北朝鮮の問題、それからもう一つは気候変動問題について、総理及び関係閣僚の御意見を伺いたいと思っております。 まず、北朝鮮の問題でございますけれども、実はこの点について、これは国民の非常に大きな関心事でございまして、七日、八日とハノイで会議が行われまして、日朝の国交正常化作業部会が行われまして、そこにおいて拉致について前進がなかったということについては、これは極めて残念でございまして、多くの国民が落胆をしていると私は思います。北の態度、北朝鮮の態度は遺憾と言わざるを得ないと私は思っております。 我が国の立場は、ずっと総理もおっしゃっていらっしゃるように、拉致問題の解決なくして国交正常化はあり得ないというものでございますけれども、この点について、ハノイでどのような進展、どのような経緯だったのか、そしてそれの評価、これについて、まず経緯については簡単に事務当局からお伺いをいたしまして、その後、外務大臣及び総理から今後の決意等についてお伺いをいたしたいと思います。
○政府参考人(佐々江賢一郎君) 事実関係につきまして、私の方から御報告をさせていただきたいと思います。 この七日、八日にベトナムで開催されました第一回目の日朝国交正常化のための作業部会においては、拉致問題等の懸案、そして国交正常化問題、この二つが議題として取り上げられたわけでございますが、基本的に我が方からは、この日朝平壌宣言にのっとって、拉致、核、ミサイル等の懸案事項を包括的に解決し、不幸な過去を清算することを基礎として、国交正常化を実現すると、こういう基本方針の下で今回積極的に作業部会に取り組む用意がある、こういう立場を表明したわけでございます。 その上で、特に我が国にとっての最優先課題である拉致問題については、我が方の立場を詳細に説明し先方の誠意ある対応を求めるとともに、不幸な過去の清算についても、我が方の立場を改めて表明いたしたわけでございます。 しかしながら、この拉致問題についても先方は基本的に解決済みであると、また、いわゆる不幸な過去の清算をめぐる議論についても日朝間の立場が依然として大きく離れているということが明らかになったわけでございます。 したがいまして、結果的に、今回の会合では拉致問題を含む日朝関係の進展に向けて具体的成果を得ることができなかったわけでございます。このことは極めて遺憾であったというふうに考えております。 以上でございます。
○国務大臣(麻生太郎君) 今、佐々江局長の方から説明がありましたとおり、具体的な成果が得られなかった、進展が得られなかったということに関しては遺憾ということに関しては基本的な態度であります。 ただ、今回は、一年一か月ぶりぐらいの再開をしておりますので、最低限お互いの立場というものを、こっちは全く変わっていないということを確認し合ったというところに関しましては一定の意味があったと思ってはおります。 会合の結果というものは双方とも持ち帰ることにいたしておりますので、北朝鮮側においても、これは現場で多分判断できかねる、上層部に持って帰るということだと思いますので、拉致問題等の懸案事項を解決するためには何すればいいんだということに関しては改めて検討することを私どもとしては望みたいと思っております。 いずれにいたしましても、そんな簡単にいく話ではありませんので、今後とも、我々としては基本的な態度を変えず、粘り強く交渉を進めてまいりたいと思っております。
○川口順子君 双方の立場の確認があった、粘り強くこれから交渉を続けていくということのお話、いただきました。 それで、同時に、核の問題というのがこの六者会談におきましては一つの大きなテーマでございます。二〇〇五年の六か国の協議の共同声明でうたっていますけれども、すべての核兵器及び既存の核計画の検証可能な放棄というのは達成をされなければならない目的でございます。これは、日本にとっては拉致、非常に大きな問題でございますけれども、米国を始めとしまして世界のほかの国においては、北の核兵器の開発をどうやって止めるか、どうやって全面的に廃棄させるかということが大きな課題であって、それは、核が拡散をしてそれが統治機構がきちんとしていない国あるいはテロリストのグループの手に渡ると大変に困るという懸念があるからであると思います。この点についての懸念は我が国も全く共有をしているわけでございます。 日本は、この核の問題そして拉致の問題を二つを解決をするということをやらなければいけないわけでございまして、これは本当に大変に難しい課題であると私は思っていますが、日本が持っているツールというのは、一つは強力な日米関係、そして私は、日米だけではなくて、日中を始めとするほかの国々との関係を良くしておくということも重要であろうかと思っています。それからもう一つ、これは日本の経済力がなければ北朝鮮が国際社会で責任ある国として発展をしていくということが難しいわけでございまして、それがまた日本にとっては一つのてこであるというふうに私は考えております。 ここで総理から、この二つのてこを活用して拉致の問題そして核の問題、この二つを解決をしていくということについて、これが私は日本の世界の秩序づくりへの一つの貢献でもあると思いますので、その点についての御決意を伺わせていただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 北朝鮮の核開発、核実験、核保有、これは正に世界のNPT体制に対する重大な挑戦であり、断固としてこれは許すわけにはいかないというのがこれは国際社会のコンセンサスであろうと思います。 特に、日本にとっては北朝鮮は日本への運搬手段であるノドンミサイルを二百基以上保有をしていると、極めて深刻な問題であるわけでありまして、日本としても許すわけにはいかない。そして、当然拉致問題も日本にとっては極めてこれは重大な問題であります。そしてまた、拉致問題は人権問題として今や国際社会として、国際社会が連携して解決しなければいけない問題であるというコンセンサスがほぼ形成されたと、このように思うわけでございます。 こうした問題を解決をするためには、今、川口委員が御指摘のように、日米同盟、強力なこの日米同盟をてこに、更に国際社会と連携をしながら、そして、北朝鮮にとってこうした問題を解決をしなければ、今北朝鮮が置かれている状態、大変厳しい経済情勢、エネルギーも不足をしているし食料も不足をしている、こういう状況を変えて未来を切り開いていくためには日本との国交正常化が何としても必要である、これはそういう認識は恐らく心の底ではあるのではないか。そうしたことをてこにこうした問題を解決をしなければならないと考えているわけでございまして、この方針の下に、日本は平壌宣言において核の問題やミサイルの問題や拉致の問題、こうした問題を解決をして正常化をするということを決めているわけでございます。 この六者協議におきましても、日朝の国交正常化作業部会ということが五つの作業部会の中の一つにこれを定め、その五つの作業部会の枠の中の一つに置かれているわけでございまして、こうしたてこをしっかりと生かしていきながらこうした問題を解決をしていきたいと考えております。
○川口順子君 力強い御決意ありがとうございました。 私は、総理が拉致問題が人権の問題の一つになったと今おっしゃられましたけれども、この点についての総理及び拉致の家族の皆様方あるいは関係者の皆様方の御努力を高く評価をいたしております。 この関連で、一つ私は、政府が最近行ったことで非常にいいことだと思うことがございますのでここで申し上げたいと思うんですが、国際刑事裁判所、これにつきまして、これの加入を閣議決定をしたということでございまして、拉致の問題の解決に向けてもひとつ意味のあることであると思っております。また、この国際刑事裁判所において人道の、拉致の問題、強制失踪、これが人道に対する罪に当たるということで規定をいたしまして、ICCなどの処罰対象にしたということもございます。今後の拉致の問題の解決に向けてひとつ評価をしたいと思っております。これは質問ではございません。 そして次に、主張する外交を実施をしていくためにはやはり強い足腰、基盤を持たなければいけないと私は思っておりますので、その点について若干お伺いをいたしたいわけでございます。 もちろん、外交を行う人間、外交官の質ということも重要でございます。それはそうですが、さらに在外公館の数あるいは人員の数、こういったものが十分にあるかどうかということが吟味されなければいけないと思います。 比較をしてみますと、日本の現状は他の国々と比べても相対的に弱いと言わざるを得ないと思います。例えば、在外公館数でいえば、日本の百八十九に対しまして中国でも二百二十六と、日本より三十七多いという状況でございます。それから、外務省の職員数で見ましても、日本が五千四百人であるのに対しまして、約ですが、ドイツあるいはイギリス、あるいは中国といった国も七千人を超えているという数がございます。自民党で森元総理あるいは町村元外務大臣が御尽力いただいて、外交力強化特命委員会が緊急提言をまとめました。これによりますと、今後更に人数を七千人、七千五百人体制、そして英仏並みの百五十以上の大使館の設置が不可欠であるとされておりまして、非常に大事なことであるというふうに思います。 麻生大臣にはずっとこの点について御努力をいただいていまして、大変に日本国のために結構だと私は思っております。今後引き続き、これは質問ではございませんが、引き続き御努力をよろしくお願いをいたしたいと思っております。 もう一つ、主張する外交について、日本がその主張する外交を行う場、これを十分に活用しているかどうかという問題があると思っております。 冒頭でダボス会議のことを申し上げました。一昨年、二〇〇五年、イギリスがG8のサミットをいたしましたけれども、このときにブレア首相は、会合に出てきまして、一番最初に正にそのテーマを、あるいはその流れをつくった。ブレア首相は、このときは、環境問題とそしてアフリカ問題と、この二つが重要なテーマだということをそこで言われて、世界のこの二つがその年のテーマ、したがってイギリスのサミットに非常に大きく注目も集まったということになったわけでございます。今年はドイツでサミットがございますけれども、メルケル首相もおいでになっていらっしゃいました。 もう一つ、九月の国連総会の場が十分に活用できているかどうかという問題意識を持っております。 私は、過去において、外務大臣のときに三年、国連の総会に行きました。一番短かったときは二日しかいられませんでした。そのときには二日間で八つの会談をいたしました。一番長くいたときで七日間ございました。七日間いたときにはずっと多くの会談ができた。恐らく世界の首脳あるいは外務大臣の常識では、国連総会の場というのはみんなが集まってくるところなので、一週間ぐらいはみんないて、効率よく大勢の人と会談をするということであろうかと思います。我が国は、いろいろな事情があってこういった場を十分に活用し切れていないというのは甚だもったいないことであると私は考えております。 ちなみに、昨年は総理も外務大臣も御出席できなかったということでございました。これは国会側の事情も大変にあると私は思っておりますけれども、是非、政府の側においても、特に総理においてこの点について積極的にイニシアティブを取っていただいて、こういった場の活用を行っていただきたいと私は思っておりますが、御所見をお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 主張する外交を展開をしていく上におきましても、国連の総会あるいはダボス会議、そうした国際会議の場を活用して日本の主張を展開をしていくということは極めて重要であろうと思います。 また、戦略的な外交を展開をしていく意味におきましても、この一年間の間に設定されている国際会議、一月にダボス会議があって、そしてサミットがあって、また国連総会があると、こういうのを見ながら、どのようにアジェンダを設定をしていって、そして日本の主張を展開をしていくかということを考えることも極めて重要であろうと、このように思います。 ブレア首相あるいはメルケル首相もサミットを開催するに当たってダボス会議を最大限活用されたと、私もそのように思います。来年は日本でサミットを開くことが決まっているわけでありまして、やはりこの日本でサミットを開く上においても、世界にまずもって日本が何をそこで議論しようとしているかということを伝える意味においては、ダボス会議も極めて私は重要な場になっていくのではないかと思います。 今後、国会開会中には国会の御承認をいただいた上において、できる限りそうした場に出掛けていって日本の考えを正しく伝えていく、そしてそれを世界に発信をしていって、また日本の国益を確保していく、あるいは日本がやるべきことがいかに地域や国際社会にとって有益であるかということを伝えていく上におきましても、是非そうした場を活用していきたいと、こう思います。
○川口順子君 総理から、積極的にそういった国際会議あるいは国際の場を使いたいという御決意の表明をいただきまして、大変にうれしく思っております。 来年、おっしゃられましたように、G8のサミットが日本であるわけでございまして、そのG8の場で、日本として世界に対していかなるメッセージを発信していくかということの私はそもそも第一歩はダボス会議にあるのではないかというふうに思っております。総理は、もう本当に超過密な御日程でいらっしゃいますのでなかなか大変でいらっしゃると思いますが、是非そういった発想をして実行に移していただければと私は心から思っております。 多分、そこのダボスの場で重要な発信のテーマになるだろうと私が思っております一つのテーマ、日本が世界で引き続きリーダーシップを発揮し、主張する外交の正に柱と位置付けるべきテーマというのが環境であると私は思っております。なかんずく気候変動、地球温暖化の問題であると私は思っております。 過去、京都議定書という名前で表されますように、この問題について日本は世界の中でリーダーシップを取ってまいりました。私も環境大臣時代には、京都議定書の実施細目の交渉が、大きい会議が三つございまして、ここで各国のリーダーの人たち、環境大臣の人たちと議論をさせていただいて、ようやく京都議定書はその後発効に至ったわけでございます。 今後、日本が地球温暖化の分野でリーダーシップを発揮し続けていくためには、自らがこの京都議定書の目標である六%削減ということをきっちり守っていく必要があると私は思っております。現実はどうかといいますと、六%削減の目標に対しまして八・一%の増加という数字が一番最新の数字でございまして、特にオフィスビルなどを含む業務部門、あるいは民間部門、家庭を含むですね、の伸びが大きいということでございます。 まず、政府といたしましても、この点について民間あるいはその他の方々、国民に削減に協力をしてくださいと言うためには、自らも削減をしていかなければいけないということだと思います。私はこのたび議員有志で、国等における温室効果ガス等の排出削減に配慮した契約を推進するための法律、いわゆる環境配慮契約法というものを検討しております。これにつきましての環境大臣の御認識を伺わせていただきたいと思います。
○国務大臣(若林正俊君) 川口委員には、元環境大臣として環境問題、とりわけ気候変動枠組条約の実施、京都議定書の推進に御努力をいただいておりますことに心から敬意を表しております。 今御質問ございました、政府としてどのような努力をしているのかということでございます。 政府はいわゆる政府の実行計画というのを定めておりまして、二〇〇一年度比でこの実行計画を進めてまいっておりますが、二〇〇六年度までに政府の排出する温室効果ガスの総排出量を七%削減するということを目標として掲げておりますが、実は、二〇〇五年度の実施状況を見ますと、二〇〇一年度比で一・二%減にとどまっております。このため、職員の省エネ努力を更に一層進めるとともに、専門業者などによる庁舎のエコ改修などが必要になってまいります。 委員を始めとした与野党の議員有志の方々によって、政府、官庁が購入いたします電力の問題を含め、環境に配慮した契約を推進するための法案を検討されていると承知いたしております。この法案が成立いたしますと、国の各省庁が一体となって環境に配慮した契約の推進に取り組むことになるわけでありますが、温室効果ガスの排出抑制につながるものと考えております。 また、この法案は、民間を対象としておりませんけれども、地方公共団体だけではなくて民間にも同様の取組が広がって、グリーン購入法と相まって、環境と両立する新しい経済づくりに役立つものと期待をいたしているところでございます。
○川口順子君 我が国の実際のその削減をどのようにやっていくのかということにつきまして、自主行動計画というものがございます。自主行動計画に基づいて様々な方が行動していただいている、削減努力をしていただいているということでございます。 現在、私が伺っているところでは、自主行動計画のフォローアップの作業を政府の方でしていただいているということでございます。私、この点につきまして一点評価を申し上げたいのは、経済産業省と、そして環境省が一緒にこの作業をしている、往々にして対立があると言われている二つの省が一緒にやっているというのは大変に好ましいことであると私は思っております。このフォローアップの結果、過程あるいはその作業のお話を伺いますと、対象業種三十三のうち、更に目標を引き上げようという業種が八つある、そして目標達成業種が十三となっているということで、頑張っている業種が非常に多いということは大変に心強いと私は思っております。 ここで、経産大臣に、この温暖化ガス排出削減の自主行動計画につきまして、その有効性あるいは今後どういうふうになるかということについて御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) 産業界は自主的に目標を設定して行動計画を作っております。御指摘のとおり、九八年から、つまり京都会議の翌年からはこれを我が省はフォローアップを毎年しています。今年度からは、経産省と環境省と中央環境審議会の三者でフォローアップをしています。 これいいことは、今まで参加してなかったところが年を追うごとに新しく参加してくれています。それからもう一つは、深掘りをしてくれています。こういう、ある目標を決めて、それをもう大体みんなクリアしていますと、更に自主的に目標値を上げてそれをクリアしていただいていまして、極めて効果が上がっております。もう既に目標値はクリアして、九〇年比でも若干マイナス二ぐらいまでなってきております。 ただ、まだ参加をしていただかないところがありますから、我が省の所管、例えばリースとか情報サービス等々は直接参加を呼び掛けています。それから、それ以外のところでうちの所管でないところについては環境省を通じて呼び掛けをさしていただいております。 それから、目標を決めている、目標というか、定性的にこんなことを取り組みますということは決めていますけれども、具体的な数値を決めてくれていないところがありますから、そこには、ただスローガンを掲げるだけじゃなくて、具体的に目標を掲げてくれということをお願いしています。 それから、問題は、我が省の所管の製造部門等はかなり頑張ってくれているんですが、それ以外の業務とか家庭、運輸ですね、ここをどうするかというのが課題なんであります。それで、オフィスは、例えば電力会社のオフィスもあれば鉄鋼会社のオフィスもあります。そこは精力的に業務部門でもオフィスのCO2の削減に今取り組んでもらっています。電力とか鉄鋼、具体的な固有名詞は挙げませんけれども、ここはもう相当精力的に業務部門にも取り組んでいてくれていますし、更に進んで社員宅における環境家計簿というような、つまりどういうエネルギー消費になっているかということまで含めて、家計レベルで徹底をしてもらっているところであります。
○川口順子君 大変に積極的に拡大及び深掘りに取り組んでいただいて、大変に結構なことだと思います。 私がまだこれが作られていない業種、セクターがあるということについて若干気になっておりますのは、病院と、そして大学でございます。 平成十七年の四月に閣議決定をされました京都議定書目標達成計画には次のような記述があります。すなわち、「私立病院、私立学校等の未策定業種においても、自主行動計画を策定し、特性に応じた有効な省CO2対策を講ずることが期待される。」となっているわけでございます。 私の知り合いにアメリカのエール大学の学長がいまして、この方が今年ダボスに行きまして、ある呼び掛けをいたしました。それが何かといいますと、二〇二〇年に一九九〇年比一〇%自主的に削減をしようということを呼び掛けたわけでございます。エール大学自身は二〇〇五年からこれを始めておりまして、最初の年に既に六%減少をさせた。そして、掛かる費用は総費用の、学校全体の掛かる費用の一%以下で全部達成できると考えられるということでございました。 普通、自主取組が多分成り立たないであろうと思われているアメリカですら大学においてこういうことが既に行われているというときに、日本の大学でまだその策定がなされていないと私は理解しているんですが、ということは非常に残念でございますけれども、まず、文科大臣にこの点について、今どういう状況にあるか、あるいは今後どのようにお考えかということについて伺いたいと思います。
○国務大臣(伊吹文明君) 今先生は大学という言葉と私立という二つの言葉をお使いになったと思いますが、国立の学校についてはよろしいんでしょう。ですから、私立については率直なところ、私どもで今日御質問があるというんでいろいろ伺ってみましたけれども、個別の学校、私立大学あるいは私立高校、中学別に、今のおっしゃった計画を自主的に作っているかどうかを役所として把握していないというのが残念ながら現状でございます。 今日、私は、国立学校についても必ずしも十分にすべての学校について策定しているわけではないので、所管をしている国立大学あるいは研究所、それから地方公共団体が所管をしている公立学校についても、少し積極的に文部科学省が表に出て促すということをやったらどうだということは申しておりました。 いろいろ個別にはエコスクールだとか、太陽光発電を使った場合何々という補助金はたくさんつくっているんですが、学校自体の自主計画を促すという作業は大変残念ながら遅れているというのが現状でございます。
○川口順子君 率直にお話をいただきましたけれども、私は、大学というところは若い学生が生活をしているところで、正にその若い人たちが住むことになる将来の地球の温暖化の問題であるということでむしろ率先をしてやっていただきたいところでございますので、今後、伊吹大臣には是非リーダーシップを取っていただいて、この点について取り組んでいただきたいと思っております。 病院についても同じことでございまして、病院の中にはESCO事業と言われるエネルギー改修サービスをやっていらっしゃるところもあると伺っておりますけれども、是非、私立病院、業界としてこの自主取組の計画を作っていただきたいと思っておりまして、この点についての現状及び取組について、厚労副大臣、お願いいたします。
○副大臣(石田祝稔君) 御答弁申し上げます。 御指摘の京都議定書目標達成計画につきましては、今委員が冒頭お触れになったとおりでございまして、現時点におきましては、病院団体として自主行動計画を策定するに至っていないと承知をいたしております。 厚生労働省としては、病院における省CO2、CO2を省いていくということを含む省エネルギー対策の推進については、これまでも機会をとらえて周知を行ってまいりましたけれども、今後とも、二十四時間体制で医療を提供すると、こういう病院の特性を踏まえまして、必要な助言等をしっかりとやってまいりたいと、このように考えております。
○川口順子君 京都議定書の第一約束期間、我が国が六%を削減しなければいけない期間というのは、二〇〇八年、来年に始まるわけです。そして、二〇一二年までに目標を達成しなければいけないということでございますので、この環境、地球環境の問題というのは、すべての人が決してフリーライダーになるのではなくて取り組まなければいけない問題であるということをよく御認識をいただいて、私立病院においても積極的に取り組んでいただけるように厚生労働省においてもきちんと御指導をいただきたいと思っております。 その次に、もう一つお話を伺いたいわけですけれども、今後一つ大きなテーマとしては、二〇一三年以降どのような枠組みが世界でできていくかという問題でございます。 まず、米国、中国、インドといった大きな排出国が加わることが、これは大変に重要だということについてはもう論をまたないわけでございますけれども、そのときに考えなければいけないことは、どのような枠組みであればそういったことが、例えば米国が加わることが可能であるかということであるかと思います。 私は、米国が加わった後の排出量削減の仕組み、この点から問題を考えてみますと、一つ重要な要素は、市場メカニズムをどのように活用できるかということであるかと思います。御案内のように、米国は市場メカニズムについて非常に重要な価値を置いている国でございまして、これがないような制度であれば、恐らく加盟をするということは難しいというふうに私は思っております。 それで、市場メカニズムをフルに活用する制度というのは何かということですけれども、そこで脳裏に上がってくるのが排出量取引の問題でございます。これはアメリカにおいて、そもそも京都議定書ができましたときに排出量取引という考え方を導入したのはアメリカの発案によるものでございますし、それから既にシカゴにおいて、これは炭酸ガスではなくてSOxですけれども、において排出量取引が実際にキャップをかぶせてトレードが行われるという形で行われているという実績もあるわけです。また、EUにおいてもこの点については様々なもう既に動きがございまして、実施をされているわけです。アメリカでも州レベル、あるいはカリフォルニア、北東部七州などでございますけれども、そういうところで計画がございますし、ごく最近では、アメリカの大きな会社のCEOたちが大統領に対して、是非キャップをかぶせて排出量取引をやるようなレギュレーションをしてほしいということも言ったということもございます。 さらに、世界では、EUとそれからシカゴの取引所などのところで、制度面で連携を図ろうという動きもあるというふうに聞いているわけでございます。もちろん、その世界的な枠組みとして日本が今進めている自主取組、あるいは世界に冠たるトップランナー方式とか、そういったことを進めていくということも考えられないわけではありませんけれども、世界の多くのところが排出量取引ということで動きが今あるときに、日本もやはりこの問題については市場メカニズムの活用という観点から真剣に議論をする、そういうときが来ているのではないかというふうに私は考えておりますが、この点について経済産業大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) いわゆるCDMと違って、つまりCDMは途上国のエネルギー効率を良くしてそこで稼いだ分を取引するということですが、そうじゃなくて、一国のエネルギー多消費型の企業ごとに全部キャップをかぶせて、その間で取引をするということなんですが、実はいろいろ問題もあって、EUでは訴訟が絶えなくて、企業がEU委員会を訴訟するならまだしも、EUの国がEUの委員会を訴訟して提訴していると。イギリスやドイツがEU委員会を提訴しているわけなんですね。その理由は、不公平だということと、それから極めてコストが高いということのようであります。 ですから、これをやっていくなら条件整備が必要だと思います。つまり、今みたいに参加している枠組みが地球上で三割しかないと。そうすると、そこで例えば一万社ぐらいエネルギー多消費産業に全部キャップをかぶせて取引していくとなると、企業が出やすい、例えば中国だとかASEANだとか、企業が流出するその追い出し要因になりかねないということですから、だから要は、中国とか企業が進出していく先もみんな参加をしてもらうということが前提だと思います。 そういう意味で、現状でやれば効果もあるかもしれないけれどもマイナス点もあるし、一万社に全部個々にやるんだから物すごい労力を必要とするということで、今自主行動計画が成果をどんどん上げていますから、環境が整って、みんなが参加するという環境が整ったときにどうするかということを考えるという意味で、総合的に検討するということがいいんではないかと思っております。
○川口順子君 環境大臣に同じ点について伺いたいと思います。
○国務大臣(若林正俊君) 排出権取引というのは、排出量の確実な削減、また削減への経済的なインセンティブ、また排出削減コストの最小化を図るというような、そういう特徴を持っていると思います。市場メカニズムを活用していくという意味で有効な政策手段の一つだという認識は持っております。EUにおいても既に二〇〇五年から実施されておりますし、米国でも州レベルの導入が既に検討されているわけでございます。 しかしながら、今経済産業大臣が御説明申し上げましたように、実施に当たっていろいろな様々な実施上の問題点がございまして、事実、そういう問題が顕在化してきているということも事実でございます。 そこで、環境省におきましては、この排出量取引についてもう少し国内で知見、経験の蓄積を図るという必要がある、そんな目的で平成十七年度から自主参加型の国内排出権取引を実施をいたしました。十七年度では参加企業が三十一グループ、三十一社、十八年度では五十八社、五十八グループがこれに参加をいたしまして、自主参加型の国内排出権取引を実施をいたしておりまして、そういう蓄積、知見を踏まえまして、確実な効果が得られ、費用対効果の高い排出量取引制度、これどのように組み立てていったらいいのか、これを国際社会全体に及ぼしていくという場合に、これらの各国別、企業別の公平性とかあるいはコストの面でありますとか、問題が出たときの解決の方法ですとか、そういうようなことを総合的に検討しながら、やはり関係者の理解を得ながら検討を進めていくと、今そんな段階にあります。
○川口順子君 ありがとうございました。 経産大臣からも総合的に検討するという段階であるというお話ございましたけれども、これは日本の企業だけがそういう制度がもっと世界的に広がったときにビジネス機会を失うようなことがあってはいけないわけでございまして、いろいろな課題も多い。本当にこれが一番ベストかどうかということは分からないということではありますけれども、であればこそ、今十分に研究をすべきではないかというふうに私は思っております。 残り一分になりましたけれども、是非総理に、この気候温暖化の問題は正に、単に海面が上がったり温度が上がったりということではなくて、経済の問題でございますし、難民の問題でございますし、そこからそれがテロリストの巣になるかもしれないような、そういう惨禍ももたらす問題である。クライメット・セキュリティー、気候変動の安全保障という言葉もイギリスの外務大臣は使っているわけでございます。そういった広がりの大きい、正に世界の秩序づくりに日本がかかわらなければいけない点についての、総理のこれをやっていく、やるという御決意を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この気候変動の問題、地球の環境の問題というのは、地球の正に環境全体を守っていく我々は大きな責任があるわけでございまして、またそれぞれの国の生存基盤につながる重大な問題であるととらえておりますし、いち早く取り組んでいかなければ更にこの問題は大きくなっていく問題だろうと、こう認識をいたしております。 その中におきまして、二〇一三年以降の枠組みについて、米国とか中国、インド、そうした国々を、主たる排出国をしっかりと取り込んでいく枠組み、参加する枠組みをつくっていく上において、日本がリーダーシップを発揮をしていくことが大切だろうと思います。省エネ、また環境技術を日本は有しているわけでございまして、こうした技術を活用していくという観点からも、環境を守っていくということと経済は両立をするという、そういう考え方の下に日本は積極的にリーダーシップを発揮をしてまいりたいと考えております。
○川口順子君 ありがとうございました。終わります。
○委員長(尾辻秀久君) 関連質疑を許します。山本一太君。
○山本一太君 自由民主党の山本一太でございます。 引き続き、外交政策についての質疑をさせていただきたいと思いますが、個々の問題に入っていく前に、一つだけ安倍総理に御質問をさせていただきたいと思います。 総理、安倍内閣が発足してから六か月たちました。昨年の安倍政権誕生の前夜あるいはその直後も、総理が何度かこの舞台に立って、安倍政権の役割は改革のたいまつを引き継いでいくことだと、そういうふうにおっしゃった。その熱い言葉を私は今でもはっきり覚えているんですが、私は、その安倍政権の役割はもちろん改革路線を引き継ぐことだと思いますが、ただそれだけではないとずっと言い続けてきました。安倍総理は、小泉前総理の改革を引き継いでその改革を逆行させないというだけではなくて、その改革を深化させていくと、こういう私は役割を担っているとずっと信じております。 すなわち、小泉総理はもちろん時代が要請したリーダーで歴史的な役割を果たしたと思いますが、既得権益とか古い制度とか因習をぶっ壊す、これは創造のための破壊と言っていいと思いますけれども、壊す改革だった。安倍総理はこのポスト小泉の時代に、だれがやっても大変難しい時代に登場して、壊す改革からつくり上げる改革に変えていかなきゃいけない。私は、こういう大変難しいミッションを与えられているというふうに思っています。 そこで、政権発足後六か月たった。この六か月は安倍総理にとってはもう大変なプレッシャーの下で総理大臣としての重責を全うしよう、全身全霊を懸けて日々を過ごす闘いの毎日だったと思いますが、六か月振り返ってみて今までの、(発言する者あり)五か月、失礼しました、もうすぐ六か月です。五か月を振り返ってみて、この改革路線を引き継いだ、その中で安倍総理は、どのくらい安倍カラーというものを自分の政策の中で発揮してきたという感触があるか。特に、総理就任後のインタビューで何度か安倍総理おっしゃっていましたけれども、同じ改革路線でも小泉前総理と自分は違うと、タッチが違うんだとおっしゃっていましたけれども、このタッチの違いがどういう政策の違いとして出てきているのか、是非、率直な言葉でお答えをいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 小泉総理が登場したときは、日本は正にこの失われた十年から回復できないでいた中にあって、不良債権は山ほど積み上がっているし、成長もマイナス成長であった、経済もマイナス成長であったと。その中で、構造改革を行わなければ成長できないという中にあって、今までのやり方を変えていく、まずはぶっ壊さなければいけないと、こういうことではなかったかと思います。 ぶっ壊すという意味においては、私は小泉総理は正にふさわしい人物であっただろうと、このように思います。私は小泉総理とはスタイルが大分違うわけでありまして、小泉総理はやや副作用も伴うかもしれない劇薬も含むお薬ではないかと、私は、漢方薬のようにじわじわと効いていって、気が付いたらやはりかなり成果が出ているというラインでいきたいと、こう考えているところでございます。 おかげさまで昨年の臨時国会におきましては教育基本法を六十年ぶりに改正することができました。防衛庁を省、昇格させ、そして地方分権改革推進法も通すことができたわけでありまして、また道州制について正に先鞭を着ける道州制特区推進法が成立をしたわけでございまして、また、この内閣におきましても、この通常国会におきましてもこの予算の御審議をいただいておりますが、我々は財政規律をしっかりと守っていくと、こういう意思を込めた予算を作ることができて、そしてそれを御審議をいただいていると、このように思う次第でございます。 教育再生に向けた法案等々まだまだあるわけでありますが、私も全力で改革を進めながら国づくりに向けて、また国づくりを行った先を皆様に、国民の皆様にお示しをしながら全力で進んでいきたいと、このように思います。
○山本一太君 大変明快な御回答だったと思います。 今日は、NHKのテレビが入っているということで国民の皆さんも見ていると。国民の方々に私は是非理解をしていただきたいのは、安倍内閣とそれから小泉内閣は役割がちょっと違うと。小泉総理は、ぶっ壊す改革ですから熱が出るし、摩擦が出るし、ドラマチックな政局になり、あるいはジェットコースターみたいな舞台になるわけですが、安倍総理は、ぶっ壊したものから、それも拾い集めて、闘うときは闘いながら、しかしつくり上げていく改革ですから、それは小泉総理とちょっと違って少し落ち着いて実績を積み上げていく、そういうスタイルなんだということは是非国民の皆さんに分かっていただきたいと思っています。 さて、外交問題の方に移っていきたいと思います。 実は、総理がまあこの六か月間、総理としていろんな外交政策をなさった。この予算委員会の基本的質疑の二日目だったと思いますが、自民党の片山虎之助幹事長、別にお世辞を言うわけじゃないんですが、片山幹事長がまあ安倍内閣の六か月間はいろいろと成果があったと、特に外交政策については大きな実績を残したというふうにおっしゃいましたけれども、私も全く同感なんですね。何といってもこの六か月間の安倍外交のハイライトは、就任直後の最初の訪問先として中国と韓国を選んだ、日中首脳会談、日韓首脳会談を再開させたということだと思います。 私は、小泉総理は外交政策についてもいろいろと実績を上げられたと思いますが、思いますが、やはりちょっと東アジア外交については、まあ非常に不幸なことに靖国参拝問題というのがあったものですから、日中、日韓が停滞したと、これは否めない事実だったんですけれども、ここは総理がいろいろと政治的リスクを覚悟でブレークスルーをやって日中首脳会談を再開させた。これは私は非常に日本外交の中では大きく高く評価されるべきものだというふうに思っています。 さらには、国連外交について言うと、北朝鮮の地下核実験のようなものがあって、その後安保理で制裁決議ができた。これは安保理のメンバーだったこの日本政府が相当のリーダーシップを発揮したと。これはもうアメリカ、イギリス、フランス、安保理のメンバー国がみんな認めている。まあ私、JICAから国連機関に出向して実は国連で勤務した経験もありますけれども、国連の舞台で日本の常駐代表、大島大使だったんですが、常駐代表がアメリカの国連大使の横で記者会見をしたということは皆無でしたから、いかに今回この安保理決議において日本が主導的な役割を果たしたかということが言えると思うんですが、もちろんこれは麻生外務大臣が不眠不休の努力をされたということも言っておかないとアンフェアになってしまうと思うんですけれども、まあ国連外交もあった。(発言する者あり)今、よいしょじゃなくて本当に思っているから言っちゃっているんですけれども。 安倍総理の六か月間の外交を振り返ってみると、まず九月に就任をして、十月に中国に行って、韓国に行ったと。十一月の後半にたしかラオスのAPECの首脳会議に行ったと。年が明けて一月の後半からヨーロッパを訪問して、その足でたしかフィリピンのセブ島で行われた東アジア・サミットに行かれたというふうに記憶をしています。 この一連の流れを見ていく中で、私は安倍外交の一種の哲学みたいなのがある程度明らかになってきたというふうに思っています。さっき川口外相が主張する外交ということを言いましたけれども、主張する外交はあくまでも戦略であって戦術だと。安倍外交の哲学というのは、実は、歴代の政権が口では言ってもなかなか難しかった、つまり日本外交のウイングを広げるということかなというふうに思っています。 総理、私いつも言うんですが、日本外交の古くて新しい最大のチャレンジは、日米同盟を堅固に堅持しながら、あるいは日米関係を深化させながら、同時に、したたかにしなやかにこの外交のウイングを広げていくと。どこかの人が日中関係、日米関係は正三角形と言いましたけれども、これはピントが外れています。これは無理だとしても、日米関係を堅固にしながら中国にアプローチをする、韓国にアプローチをする。あるいはヨーロッパとのミッシングリンクとよく言いますけれども、ちょっと疎遠な関係から成熟した関係にすると。あるいはインドを戦略的に見る、あるいはアフリカ援助でイニシアチブを取る、ASEANの国々の首脳とその信頼関係を得る。 こういう外交のウイングを広げるというミッションに実は安倍総理は哲学として挑戦をしているんじゃないかなと思うんですけれども、そこら辺の外交哲学について是非語っていただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私が申し上げている主張する外交というのは、やみくもに日本の国益を主張するわけではございません。もちろん日本の国益を確保するために主張もしてまいりますが、地域や国際社会のために何をすべきか、また日本は何をやるかということをしっかりと主張していく外交でございます。 ただいま委員がおっしゃったように、ウイングを広げていくことは極めて重要であります。しかし、そのためにはそういう環境が整っていなければいけないわけでありますが、そういうやはり環境が整ってきた時代に今、日本はあると、こういうことではないだろうかと、このように思います。 その中にありまして、まずは中国、韓国といった近隣諸国との関係を、未来志向の関係を構築をしていく上において信頼関係をつくっていくことが大切だろうと思います。そしてさらには、やはり日本は自由と民主主義、基本的な人権、法の支配といった基本的な価値を多くの国々と共有をしています。そうした観点から今まで外交を展開をしてはこなかったわけでありますが、そういう国々との連携を強化をしていくことが大切だろうと思います。そして近隣の諸国を含めた、オープンでイノベーションに富むアジアを構築する上において日本も貢献をしていきますよというメッセージを出していく、実際に行動していくことも大切だろうと。そして、何よりも、日本は今や世界の平和と安定のために主要なプレーヤーとして時にはリーダーシップを発揮をしていく、貢献をしていくということも極めて私は重要ではないか。この私は三本柱において主張する外交を展開をしていくべきではないかと、その観点から外交を展開をしているところでございます。 今年の一月にもNATOの本部を訪問をいたしまして、北大西洋理事会で日本の総理としては初めて演説をいたしました。そういう国々との関係も更に強めていくことによって日本の外交力は更に増していくのではないかと思います。
○山本一太君 今の御回答も大変明快だと思うんですが、先ほど申し上げたとおり、安倍外交のそのハイライト、私は、外交政策については安倍総理は十二分に安倍カラーをこの六か月間、五か月間で発揮されてきたと思うんですけれども、何といってもその最も大きな転換点になったのは日中首脳会談だと思っています。 対中政策、対韓政策というのは、これは総理に申し上げるまでもなく、非常に難しい。歴史認識の問題がある。領土問題はないはずなんで、尖閣の問題とかあるいは竹島の問題なんかがあって、できるだけ和解のアプローチに行こうと思うとちょっと保守の方から攻撃されると。ちょっと突き抜けて対立しようと思うとリベラルから攻撃されると。こういう政治的リスクを覚悟で総理が私はあの中国訪問を決断されたというのは大変御立派だと思っております。 そして、この日中首脳会談の後で、総理が未来志向の日中関係を語る上でいつも使うキーワードがあって、それが戦略的互恵関係でしょうか、この日中関係の戦略的互恵関係ということの意味を改めてお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 戦略的互恵関係とは、戦略的な共通の利益の上に立って、お互いが利益を裨益することのできるような、お互いが利益を得ることのできるような、そういう関係をつくっていこうということでございます。 今までの日中関係は、言わば日中友好関係、言わば友好というのは友好な状況でございまして、その状況をつくることのみに専念をしていたわけでございます。そうなると、それは友好に反しているということをぶつけ合うという危険性も含んでいたわけでございまして、しかし、大切なことは、やはり友好な状況をつくることによってお互いが何を得ることができるかということではないか、どういう国益を得ることができるかということではないかと思うわけでありますが、お互い共通の利益をつくっていくことができるということを認識する必要があるのではないかと思います。 例えば、北朝鮮の問題あるいは東シナ海の開発の問題についても、これはやはりお互いが協力することは実はお互いの共通の利益なんだ、エネルギーの問題、環境問題等々があるんだろうと思います。そうした問題において、お互いが協力をすることによってこの戦略的互恵関係を構築をしていく、そしてその意味を国民が感じ取ることができるような、そういう関係をつくっていきたいと思います。
○山本一太君 今総理のおっしゃった戦略的互恵関係、互恵関係というやつなんですけれども、ちょっとパネル作ってみたんですね。(資料提示)実際はこんなに単純じゃありません。協力可能な分野は、場合によっては競争の分野になってしまうんですけれども。 例えば、ちょっと考えていただければ、経済、これは一々細かく言っている時間はありませんが、二〇〇五年の日中の貿易量も、これも日本にとって最大のパートナーになって、多分二千三百億ドルぐらいに香港を含めればなっていると思いますけれども、二年連続で日本の最大の貿易パートナーは中国。 二番の環境・エネルギー、これもよく総理がおっしゃいますが、例えば中国は石炭の公害が非常に問題になっていますけれども、日本のクリーンコール技術とか、ここら辺はかなり貢献できるんではないかと言われています。 安保理改革、これは日中関係がある程度正常化した後は、まあまだレトリックだと思いますけれども、例えば李肇星外相とか温家宝総理なんかが、首脳会談では、日本が国際社会で重要な役割を担いたいと思っていることは理解すると、今までにはないワーディングになっている。 北朝鮮問題、これはなかなか、先ほど川口委員の方からも御質問があって、日朝の作業部会は難しいんですが、それでも、中国側から、拉致問題についてはこれを理解し協力をするという言質も引き出されたわけなんですね。 じゃ、解決の必要なというか、まあこれもケースによっては協力分野になると思うんですが、国益がある程度対立してせめぎ合い調整していかなければいけない分野ということを簡単に考えてみると、一番の歴史認識の問題、二つ目は尖閣諸島をめぐる問題、三つ目にエネルギー資源競争、これは中国はかなりもうなりふり構わず資源獲得競争にエントリーしているということはあります。ASEANとのEPA、これ、経済協力連携協定ですが、この経済協力連携については、この間のセブ島でやった会議でちょっと日本が先に出たかなという感もありますけれども、これもやっぱり競争し調整していかなければいけない。五番は、麻生外務大臣もしょっちゅうおっしゃいますけれども、中国の軍事の不透明性。 まあ中国とは平和的に共存していく以外の方法はないと思いますけれども、やはりこうやってせめぎ合っていかなければいけない場面があるんだと思うんですね。 そこで、麻生外務大臣に一つお聞きしたいんですけれども、私は、大臣、ちょっと心配をしていることがありまして、それは、日本と中国の政府の国際社会における、何と言ったらいいでしょうか、宣伝力、広報力、例えばアメリカの議会なんかでいえばロビー活動の威力、こういうところでかなり日本は押されている感じがします。 もちろん、中国は民主主義の国じゃないし、日本は中国のように情報機関もないし、物量も向こうが圧倒的だということはあるんですけれども、それでも日本がこれからいろんな問題について各国と交渉をしていかなければいけない中でいうと、さっき川口委員のおっしゃった、国連の場を活用する、ダボス会議を活用するということもあると思うんですが、このハンディ、特に中国とせめぎ合わなければいけない分野におけるハンディを外務省としてどうやって克服していこうとお考えになっているのかについて是非お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) みんなそれぞれ得意不得意がありますから、百点満点は余り期待せぬ方がいいですよ。ですから、日本は物づくりは得意、しかし商売は余りうまくないと、向こうは物づくりは大したことないけれども商売はうまいとか、よく昔から長い間の言われていたことですから。 ただ、日本としても一方的に言われるのはいかがなものかというときには、事実と違っているときには、場所、タイミング等々を見計らって、きっちり言うべきことは言うということが基本なんだと思いますけどね。長い間、もうこれは戦前からプア・チャイナとかいろんな言葉が一杯作られてきました、きた言葉ですから、今に始まったことではありませんで、そう急激に直るものとも思いませんけれども。 ただ、こういったようなものというのを、何となく沈黙は金とか饒舌は銀とか言っているのではなかなか通用しないところでもありますので、今後いろんな場所等々きちんとした場で言っていくというのを、きちんとこちらから伝えるという努力をしないと、そのうち通じるというような話ではないということだけは、最近の方は言わないでも山本先生以上にしゃべられる方一杯今いられますから、よろしいんじゃないでしょうか。
○山本一太君 私はまだまだ無口な方だと思いますけれども。 大臣のおっしゃるとおり得意不得意はあると思うんですが、麻生大臣のような国際的な人脈を持っている大臣が、得意不得意があるというので終わらせられたら困ると思うんですね。 例えば歴史認識の問題について言うと、これ大臣御存じだと思いますけれども、あのアイリス・チャンの「レイプ・オブ・ナンキン」という本がベストセラーになった。これも当然、まあ中国系の方々のネットワークがいろいろと宣伝をした結果だったと。特に今年はアイリス・チャンが亡くなったということもあって、アメリカで「南京」というドキュメンタリー映画ができたと。何か昨日ちょっとネットで調べてたら、一月に、ユタ州ですか、ユタ州のサンダンス映画祭、これインディペンデント系の映画の映画祭としてはかなりでかいです。ロバート・レッドフォードがたしかつくった映画祭だと一応映画好きの私は記憶をしているんですが、ここで「南京」が上映されると。そうすると、この「南京」は、そこに見に来た方々にやっぱりかなり歴史認識において事実誤認の印象を与えるということはあると思うんですよね。当然、このドキュメンタリー映画「南京」は、中国のテレビ局と提携をしていると。だから、こういうところは、もう大臣のおっしゃったとおり得意不得意もあると思いますし、中国ははっきり言ってメディアとか世論を気にしないでできるというところはあると思うんですけれども、是非そこは、まあ得意不得意だけじゃなくて、今おっしゃったように、黙ってちゃいけないと。私よりしゃべる人はざんざいるんであればもうどんどん使っていただいて、やはり日本の主張を是非していただきたいというふうに思っています。この件は御答弁要りませんが。 そこで、もう一問麻生大臣にお聞きしたいと思うんですが、この歴史認識の問題にも関係があるんですけれども、今この日本の国際宣伝力、いわゆる主要国に対する、議会に対するロビーの活動の力とか、あるいは国民に対するパブリックディプロマシーとか、こういうものが正に試される今事件が起こっているわけなんですね。御存じのとおり、まあこれ余りここで取り上げるのがどうかなとは思ったんですけれども、マイケル・ホンダ議員が、アメリカの下院の外交委員会に慰安婦問題についての日本政府を非難し、公式の謝罪を求めるという決議案を提出をしていると。 まあこれ、総理や外務大臣の御答弁は特に求めません。何かまた曲解されたりすると、外国のメディアが変に書くと困るので、私の私見からいっても、中身を見ましたけれども、相当筋が悪い。二十世紀最大の人身売買とか、慰安婦問題についてもちろん歴代の首相は謝罪をしている、それもほとんど勘案していないで、客観的な事実の検証がないまま非常に感情的でセンセーショナルな言葉を並べている、この決議案が今下院に出ていると。 これ、どうもいろいろ最近の報道を聞いてみると、何か下院議長のペロシ議長が数日前にどういうわけか後押しをする発言をしたり、あと下院の外交委員長のラントスですか、この人はハンガリー出身で、ユダヤ系で人権に大変厳しい。どうも今のまんまだとこういう決議が通るんじゃないかという憶測もありますが、まずこういう決議が出てきた背景を少し教えていただきたいのと、この決議案のこれからの展望について少し外務大臣の方からお話をいただければと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 国連に勤めておられたということなんで、国連で大体決議案、国連じゃない、アメリカにいらしたということなんで、アメリカのこの種の決議案というのは年間一万本ぐらい出ますかね。一万分の一というぐらいのことですよね、大体。私、大体そこのところは、日本の国会で決議案が通るというのは大変なことのように思いますけど、一万分の一にうわあっというような話ですかねと、基本的にはそうは思いますよ。 ただ、私どもとして、事実関係とはかなり違っているということもまた確かなんではないかという感じがいたしますので、これを出るところに出たからといって全部反論していくと、また、何というんですかね、相乗効果というような形でわんわんなるのも余り建設的じゃないなという感じがいたします。
○山本一太君 麻生大臣のおっしゃることは私よく分かります。私もアメリカにおりまして、ワシントンで国際政治を勉強していた時期があるんで、下院の決議なんというのは年間に一万本も出ると。例えば、イチローがヒットの新記録を作ればお祝いの決議も出ますし、どっかの高校のバスケットボール部が全米で優勝すればお祝いの決議が出ると。おっしゃるとおりで、これはあんまり騒ぐと、例えばマイケル・ホンダ議員みたいな人たちを利するとは思うんですが。 ただ、やはりこの問題について言うと、アメリカのメディアが、例えばワシントン・ポストとかニューヨーク・タイムズとか、こういうメディアがかなり取り上げていると。こういうことについて言うと、まあそのやり方はともかくとして、この決議案をある程度阻止するいろんな働き掛けをしなきゃいけないということなんだと思うんですね。 これは話せる範囲で結構ですけれども、外務省としてどういうこれは働き掛けをしているのかということを、話せる範囲で結構ですからお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) どういうことをしているのかというのを目に見える形で余りしないようにしております。
○山本一太君 目に見えない形でやっておられるということで、まあとにかくいろんなことをやっておられるということだと思うんですけれども。 これは、アメリカの今回のホンダ議員のこの下院の決議案に限ったことではなくて、例えば日朝の今問題があって日朝の作業部会があると。で、安倍総理が先般、チェイニー副大統領が来日されたときもおっしゃっていましたけれども、やはり北朝鮮がアメリカと国交正常化をしたいと。もし本当に国交正常化をしたいんであれば、やはりテロ支援国家の指定というものを、これを外さなきゃいけない。しかし、テロ支援国家指定というのは、いわゆるよど号のハイジャック事件をかくまっているという事件と、それから拉致問題、これが解決しない限りはこれは進まないということをはっきりアメリカ政府とも示し合わせるというか、何度も確認をされているわけだと思うんですね。これは今回の下院の決議だけではなくて、いろんな問題でやはり日米の議会のパイプというものをこれからどんどん太くしていかなければいけないという時期に来ていると私は思っているんです。 このマイケル・ホンダ下院議員の決議のことはもう結構なんですが、ワシントンでいろんな、例えば議会に働き掛けるいろんな活動をしている中で、私も何度もワシントンに行って大使館の方々にお目に掛かりましたけれども、これからは特に日米関係において議会とのパイプを強くしていかなきゃいけないというところで、大使館とそれからいわゆる議会、議員外交と、それから場合によっては民間のネットワークも含めて、これを総合的にやっぱりアプローチをしていく、そういう必要があるというふうに思うんですけれども、麻生大臣はそこら辺のところはどんな問題意識をお持ちでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) アメリカの場合は極めて開かれた民主主義の国であって、いわゆる選挙がない国と全然状況が違います。同じ議員でも大分、選挙のある国、ない国によって意味が違うと思います。このアメリカの場合は明らかにいわゆる選挙というのは広く行われている国でもありますので、その国会議員とワシントンで会うよりはその人の選挙区で会った方がよほど効果があると、基本的にはそう思っています。
○山本一太君 実はこの問題については、世耕補佐官がワシントンに行ってかなり静かに情報収集をして、この間帰国をして、少し二人でいろんな話をしたんですけれども、大使館の方でもこの今のリソースを最大限に使って例えば選挙区の事情等々も調べて、かなり上下両院にいろいろ働き掛けているようなんですけれども、なかなか現地の大使館に国会議員のデータベースといいますか、そのネットワークのデータベースがまだまだそろってないところがあるんじゃないかと。私は、例えば与党だけじゃなくて野党にも、例えばアメリカ関係でいえば、上下両院の議員のスタッフをしていた人もいるし、いろんなところに人脈があると思うんですね。そういうやはりデータベースをやはり外務省は大使館レベルでどんどん作っていくべきじゃないかという気がしております。 更に言うと、名前は言いませんけれども、アメリカに進出している企業の中でもかなり少人数の支店なのに、上下両院の議員に対して非常に有効なロビー活動をしているところがあります。これはやっぱり結論からいくと、もちろん、例えば中国のロビーに対して、物量ではかなわないというところはあるんですけれども、お金とか物量ではなくて、やっぱり人ではないかというふうに思うんですね。 そこで、実は安倍総理にもちょっと聞いていただきたいと思うんですけれども、アメリカの議会にロビー活動をやっている組織とか個人とかそういう人たちに共通しているのは、アメリカ在住がすごく長いんです。例えば、二年や三年じゃなくて、十年ぐらいそこにいて現地の人たちといろいろとパイプを作っているということがあるんですね。今の外務省の人事のシステムで果たしてどこまでできるかというのはちょっと分かりませんけれども、例えばアメリカ大使館とか主要な先進国の大使館においては、議会担当の例えば公使とか参事官とかこういう方は、まあそれこそ五年、十年いられるようにしたらどうだろうかと。つまり、あっちこっちを回らなくてもプロモーションに不利にならないような状況をつくって、やはり大使館にかなり長い間とどまれるような担当をつくったらどうかと思うんですけれども、そこら辺の人事改革についてはどう思われるか、外務大臣と総理の方からお聞きしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 特殊の例かもしれませんけれども、今の駐米大使、加藤良三、二十一年ぐらいいませんかね。二十一年ぐらいいると思いますよ。長過ぎると思います。まだそれでも足らぬと思われますか。どちらに考えられるかというところによってちょっと答弁の仕方が変わりますのでね。難しいところです。 ただ、基本的には、やっぱり人脈というのはやっぱり大きなものでして、そこの中にずっといる人で、駐ワシントンで一番長い大使が世界の中でだれかといえば、それはもうワシントンにいらしたらだれでも知っている名前が出てくるんですが、この人が一番長いんだと思いますが、一番影響力は、小さいところであってもかなり影響力があるというのは事実ですから、そういったものも考えていろいろやらねばならぬというのは確かだと存じます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、山本委員がおっしゃったのは、大使ということと同時に、議会担当の人については少し長くいた方がいいのではないかと。確かに、民間企業でワシントンに支店を出して情報収集やロビー活動をしているところは大変一人の人物を長く置いていて、その所員の数も少ないにもかかわらず結構大きな効果を上げているところもあります。そうしたことも今後はやはりいろいろと勘案をしていく必要があるのではないかなと思いますね。 特に、議員に対する働き掛けというのは、これはやはり、公式的にアプローチをするよりも、その議員にアプローチをするにはどうしたらいいんだろうかということを考えなければならないんだろうと。意外とそういうことは国会議員はよく分かるんですね。例えば山本議員にアプローチをするために自民党の偉い人を使えばいいと思ったら、結構それは逆に効果を発するかもしれない。むしろ、草津の旅館のおじさんに頼んだらすぐに山本さんに会えると、こういうことでありますから、そういう知識をしっかりと持っている必要もあるのではないかと思います。
○山本一太君 総理から大変前向きの御答弁をいただいたわけなんですけれども、加藤良三大使の二十年はもちろん、麻生大臣、長いと思います。アメリカ外交においては本当になかなか二人といない大変な人材だと思うんですけれども。もちろん大使が何回も赴任しながら長く経験を積んでいくという例はあると思うんですけれども、余り、何というんでしょうかね、日々のその活動の中で例えばいろんなことがあったときに各国会議員の事務所にロビー活動をするのは、やっぱり現場といいますか、やっぱり公使、参事官ぐらいのレベルなんじゃないかと思うんです。 私は、ここは何も外交官でなくてもいいと思うし、民間企業の中で例えば物すごくアメリカに人脈があって熱心な方がいればこういうところに抜てきをしてもいいと思うので、是非この件は、加藤良三大使、二十年は長く、もちろん短くありません、大変長いと思いますが、全体の傾向としてやはり議会対策というものがこれから非常に大事になるということを考えれば、少し人事のローテーションを考えていただければと思います。総理の方からは前向きな御答弁をいただいたというふうに理解をさせていただきたいと思います。 さて、あと五分あるものですから、もう一つちょっと取り上げたいことがございますが、国連改革についてです。 国連安保理改革については、麻生大臣御存じのとおり、日本はG4戦略というのを仕掛けまして、ドイツとそれからブラジルとインドと日本ということでチームアップをして、安保理改革のための決議案を国連総会に提出しようと、こういうことでかなり全力を挙げてきたわけなんですけれども、残念ながらこれがうまくいかなくなった。ちょっとニューヨーク辺りのいろんな状況を聞いてみると、どうもやはり安保理改革の熱がやや冷めつつあるところがあるというところがあります。 そこで、これは安倍総理も特に安保理の常任理事国入り問題については大変御熱心で、超党派の議員連盟の代表も官房長官になる前にずっと務めていただいていたわけですけれども、この国連に対する、安保理改革に対する戦略というものを日本はそろそろ見直すべき時期に来ているんではないかと、こんな気がします。 もちろん、常任理事国になるということは日本の悲願であるし、これまでの国際貢献のレコードから考えて十二分にこれはP5に入ってもいいと、つまり常任理事国になってもいい資格と能力と意思があると思いますけれども、現時点のいろんな状況を考えてみたときに、常任理事国ではなくても、これは決して敗北主義じゃないんですけれども、準常任理事国の流れをつくるとかそうした政策転換をどこかでやらなければいけない時期に来ているんじゃないかというような気がいたしますけれども、これについて、外務大臣、総理、どういうふうにお考えになるか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) いろいろそういった案がこの間出されているのは知らないわけではありませんけれども、準構成員とか準常任理事国とか、余りちょっと、いま一つ、何となく響きがどうかなという感じは率直なところですね。 ただ、私どもとしては、この話はいろいろこの間のG4とは違って、あのときの状態というのをつくったおかげで、少なくとも国連の中に、多分設立以来初めて改革案というのが物すごく盛り上がった一年であったことは否めない事実だと思いますね。あれは、日本たちが、日本ほかが提案しなければあれほど盛り上がることはなかったと思っております。 したがって、そういった問題を真剣に論議するという雰囲気ができておりますので、案は別の案に取り替えて、結論、採決にまでは至りませんでしたけれども、別な案をきちんと作り直してしかるべきときにもう一回提案をして対応をしていかねばならぬと思っております。 少なくとも、二十一世紀にふさわしい国連に変えませんと、できましたときの四十か国と今の百九十二か国じゃ全然状況が違うと思っておりますので。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) さきの大戦が終わって連合国を中心にできた国連から二十一世紀の国連に変えていくためには、日本が安保理の理事国になることは私は絶対的に必要だと思いますね。その意味において、何としてもこの安保理の改革を目指していかなければいけないと思いますし、日本が安保理の常任理事国となるために努力をしていきたいと。今、多くの国々が賛成してもらえるような、幅広い支持を得ることができるような今、案を策定中でございまして、しかるべきときに提示をしていきたいと、こう思っています。準常任理事国という案があるということは私も知っておりますが、現時点では私たちはそういう案を検討はしていません。 いずれにせよ、この安保理改革の我々は先頭に立って、何としてもこの改革を成し遂げたいと、そして安保理の常任理事国として責任ある役割を果たしていくべきだと、こう決意をいたしております。
○山本一太君 終わります。ありがとうございました。
○委員長(尾辻秀久君) これにて山本一太君の関連質疑は終了いたしました。 以上で川口順子君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(尾辻秀久君) 次に、浅尾慶一郎君の質疑を行います。浅尾慶一郎君。
○浅尾慶一郎君 民主党・新緑風会の浅尾慶一郎です。 外交は内政の延長線上ということで、かつての外交の結果も含めて少し検証していきたいと思いますが、まず、ガット・ウルグアイ・ラウンドに当たりまして、そのことを受け入れた結果、我が国は六兆百億円の対策費を使ったということでありますが、この六兆百億円の対策費を使い始めた年と、そして使い終わった年の全国の農家の生産農業所得の推移をお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(松岡利勝君) 浅尾先生にお答えさせていただきますが、今先生の御質問は、ウルグアイ・ラウンドが開始された、対策事業が開始された平成六年と、この終わりの年次である平成十二年の農業所得の推移についてということでございますね。 農家一戸当たりの農業所得は、平成六年が百五十九万円でございまして、平成十二年が百八万円となっておりまして、三二%の減少を見ておるわけでありますが、この原因は、一番のこの要因は、米の粗収益が約四十万円減少いたしまして、これが三九%の減少に当たる、こういうことであります。 いずれにいたしましても、米の減収が一番大きなその要因になったと、こういうことでございます。
○浅尾慶一郎君 今日はちょっとパネルも用意をさしていただいたわけでありますが、(資料提示)ガット・ウルグアイ・ラウンド、委員会の皆さんには紙も用意しておりますけれども、六兆円を使っておりまして、七年間にわたって、正確に言うと、平成六年はこれは補正予算ですから、六年間にわたって六兆百億円を使った。年間一兆円計算になりますが、生産農業所得は五兆一千億円から三兆五千億円と、トータルで減っていると。今おっしゃったように、戸別の農家の所得も減っているということなんですが、これは本当は使い方としては戸別の農家に対する戸別補償にしていればその分は減らなかったんじゃないかというふうに思いますが、それは政策の失敗だったというふうに思われますか。
○国務大臣(松岡利勝君) これは全くそうではなくて、ちょっと御説明をさせていただきたいと思うんでありますが、これはいわゆるウルグアイ・ラウンド協定というものを平成五年の暮れに一応受け入れ妥結をした、こういうことでございます。日本農業から見ますと、正に黒船来航みたいないまだかつてない自由化を迫られると、こういう状況でございまして、したがいまして、ちょうどこれ受入れがあったときの細川内閣から平成六年になって私どもまた自民党を中心とする内閣に移っていった。そういう中でこの対策の方も引き継いで検討をし、その検討を更に加えた結果この六兆百億ということになったわけでありますが、何といっても、このウルグアイ・ラウンド対策の、この関連対策と言っておりますが、このねらいは、グローバル化、国際化の中で大変な衝撃を受けるわけでありますが、その衝撃に耐えて国際競争に耐え得る農業構造をつくっていこう、だから構造改革を進めていこうと、これが一番のねらいでございまして、したがいまして、その結果、それなりの大きな成果は上がったと思っております。 といいますのは、この六年間で、担い手に限って見ますと、担い手の経営規模は二・五倍に増えておりますし、これはフランスやイギリスと比べましても、フランスやイギリスが数十年掛かってやってきて二倍なり二・五倍という規模拡大が行われた。それからいたしますと、担い手というふうに限っておりますが、この短い期間の間に二・五倍に規模拡大が進んだ、そしてまた稲の生産性というものは労働時間が六割短縮できた、この担い手の稲の生産の労働時間は六割短縮できた、したがって四割でできるようになった、こういうことで、体質改善というものはそれなりに大きく進んだわけであります。そういったことからしましても、これは体質を強化して国際競争に耐え得る農業構造にしようということは、一定の目的を果たしたと思っています。 一方で、今先生はこれを所得補償に使えばよかったんではないか、こういう御指摘でございますが、所得補償ということになりますと、そのまんま、固定したまんま、今のまんまで、はい、どうぞとお金だけを配るということでありますから、これは体質の強化になっていかない。ただ現状を固定して、その国際的な受けた衝撃を税をもってただ補てんをすると、正に補てんと、こういうことになってしまいまして、実はこのウルグアイ・ラウンド協定以降、補てんというのはなかなかこれは認められ難くなった。こういった点からしても、私どもの目指した政策方向というのはこれは正しかったと、このように思っております。
○浅尾慶一郎君 随分能弁に御答弁いただきましたが、所得補償というか、このガット・ウルグアイ・ラウンド、六兆が終わった後も増えていないんですね、今日は数字伺いませんけれども、増えていない。ですから、結果として、さっき申し上げたように所得補償、差額を戸別補償していった方がよかったんではないかということだけ申し上げさしていただきたいと思います。 能弁にお答えいただいたんで、以降の質問も是非能弁にお答えいただきたいと思いますが、まず、今日は参議院の事務総長さんにもお越しいただいておりますが、議員会館の光熱水費、これはただかどうか、その点、メーター使用料も含めてお答えいただきたいと思います。
○事務総長(川村良典君) お答え申し上げます。 参議院議員会館の議員事務室の光熱水費である電気、水道の使用料は、すべて参議院が負担いたしております。
○浅尾慶一郎君 議員会館、参議院、衆議院ともに一緒ということでございますが、この参議院に、議員会館に資金管理団体があって、そしてほかに事務所を有していない方が外務副大臣の浅野副大臣でありまして、彼のところ、今日たまたま海外出張に行かれているということで、外務大臣に、大変御足労でございますが、お調べいただいて確認いただいたわけでありますけれども、光熱水費を全く計上していないということでありますが、その点は間違いございませんか。
○国務大臣(麻生太郎君) 浅野副大臣、日印シンポジウムのため八日より公務で出張中でありますんで、御指摘がありましたので、出張先の浅野副大臣に電話して確認したところ、以下のとおりであります。 御指摘の点につきましては、総務省に提出させている政治資金収支報告書のとおり、光熱費は計上しておりません。 以上です。
○浅尾慶一郎君 浅野副大臣の事務所の方は、議員会館だと、先ほどありましたように、光熱水費は掛かりようがないというコメントをされております。 次に、菅総務大臣、一般論で伺いますけれども、政治資金規正法に基づく報告で虚偽記載があった場合の罰則というのはどういうふうになっていますか。
○国務大臣(菅義偉君) 政治資金規正法におきましては、故意又は重大な過失により収支報告書に記載すべき事項を記載しなかった者又は虚偽の記入をした者については、五年以下の禁錮又は百万円以下の罰金に処する旨の定めがあります。
○浅尾慶一郎君 そこで、松岡大臣、先ほどと同じように能弁にお答えいただきたいと思いますが、毎年この五年間、四百十六万円から七百七十九万円の光熱水費を計上されております。これもただのところで、ほかに事務所がないと、ですから計上しようがないというふうに思いますが、なおかつ、先般、我が党の小川議員の質問に対して、疑問があれば答えるということでありましたが、水曜日、芝議員に対しては一切答えられなかった。今日は答えられる準備があるかどうか、それも含めて御質問さしていただきたいと思います。
○国務大臣(松岡利勝君) お答えいたしますが、先般、芝先生にも確認の上お答えをしたわけでありまして、その結果、現行制度に基づきまして既に報告すべき点は適切に報告いたしていると、こういうことを申し上げたわけであります。 あわせまして、それ以上の報告の可否につきましては、現行制度が予定しておりませんので、法律で求められる以上のことにつきましては、制度の在り方にもかかわることでありますから、差し控えさせていただきたいと。 また、なお、この全体の取扱い等、各党各会派で御協議をいただいて、お決まりになればそれに従って対応するというのは、もうそれはそのとおりでございます。 このように申し上げております。
○浅尾慶一郎君 私が質問させていただいておりますのは、今参議院の事務総長からもお答えいただきました、議員会館では光熱水費掛からないんですよ。ほかに掛けようがないんです。ですから、中身を全部明かしてくれということじゃなくて、どういうふうに使っているんですかということをお伺いしているわけであります。
○国務大臣(松岡利勝君) したがいまして、何度も申し上げているんですが、もう……(発言する者あり)いやいや、質問されているから答えているんですから、是非ひとつお聞きを願いたいと思いますが、私は、現行制度に基づいて必要な報告はすべて適切に行っていると、このように聞いておりますし、確認をいたしております。それ以上の報告の可否につきましては、現行の法制度はそれを求めていないということでありますから、それは差し控えさせていただきたいと、こういうことでございます。
○委員長(尾辻秀久君) 速記止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(尾辻秀久君) 速記起こしてください。
○浅尾慶一郎君 安倍内閣の下の閣僚であります。 安倍総理、今日はテレビ入っています。全国の方も見ておられると思いますが、こういう、私の質問そんなに難しい話じゃないんですよね。お金が掛からないところでどうして掛かっているんですかということをお答えくださいと。しかも、法律上、光熱水費というのは、電気、ガス、水道の使用料及びこれらの計器使用料等と書いてあるんです。ですから、そこに何か、何があるんですかと聞いても、それも答えられないと。そういうことについて、任命責任者として安倍総理、どういうふうに思われますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 既に松岡大臣が答弁をいたしておりますように、事務所費等々、今の光熱費もそうなんでしょうか、法令にのっとって報告をしているということでございます。
○浅尾慶一郎君 今総理が、電気、ガス、水道の使用料及びこれらの計器使用料、その後、施行規則に等と書いてあるんです。じゃ、松岡大臣、この等の中に何を含められたか、これぐらいだったら答えられるでしょう。
○国務大臣(松岡利勝君) お答えいたします。 何度も申し上げておりますが、そういった内容にわたるものについては、現行の法制度ではそこまでの報告を求められていないと。したがって、制度の在り方にもかかわる問題でございますから、それ以上のお答えは差し控えさせていただきますと、このことを申し上げているところでございます。
○浅尾慶一郎君 私は別にその金額を聞いているわけではありませんし、等の中に具体的な費目としてどういうものがあるかということも伺っただけですが、それも答えられないと。 正に隠ぺい体質だと思いますが、安倍総理、この隠ぺい体質的なことをかばわれるとすると、安倍内閣そのものが隠ぺい体質だと思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そもそもこの政治資金の問題については、これは政治資金の透明性、また政治の活動の自由ということを念頭に置いた上で定められているわけでありますが、その法律の定めるところによって、求めるところによって報告がなされていると、私はこのように承知をいたしております。
○浅尾慶一郎君 法律は最低限の規範なんですね。疑惑を持たれたときに説明責任を持つというのが閣僚としての務めだと思いますが、そういう方が大臣としてふさわしいと思われるかどうかだけ、総理に伺います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 言わば、これは閣僚であるないいかんにかかわらず、国会議員が政治活動を行う上において法律によって求められているわけでございます。その要件の上に立って報告がなされていると、このように松岡大臣は答弁をしていると、私はこのように承知をいたしております。
○浅尾慶一郎君 いやいや、私の質問は、そういう今の法律云々という話ではなくて、大臣として説明責任を果たされているかどうか、その点について簡潔にお答え、ふさわしいかどうかも含めてお答えいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 松岡大臣も議員として、この政治資金については、これは総務省に法にのっとって届出を行っていく、それが正に課せられている義務ではないかと思います。
○浅尾慶一郎君 あとは見ておられる方も含めて判断される問題だと思いますので、次の質問に移らさせていただきたいと思いますが、六か国協議の問題について伺いたいと思います。 安倍総理は、拉致の問題が解決がなければ五万トンあるいは百万トンの重油供給には応じないというふうにおっしゃっていますが、この姿勢に変わりないという確認をさせていただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 拉致問題において前進がなければ、このエネルギーの供給について日本は現段階では参加することはできない、この姿勢には変わりがないということでございます。
○浅尾慶一郎君 この前進の定義はどういう形でしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 第一回目の作業部会は昨日終わったわけでございますが、正にこれからも次の作業部会があって協議を進めていく中において、今どこまでということはあえて申し上げることは控えますが、しかし何をもって前進があるかということは、これは北朝鮮が決めることではなくて、私どもが判断をしてまいります。
○浅尾慶一郎君 重油供給については、かつてKEDOのような国際機関を通してやったケースもありますが、そういった第三者機関経由もないという理解でよろしいわけですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 現在、こうした第三者機関、国際機関を通してということが想定されておりませんが、いずれにせよ、私どもといたしましては、日本としては、拉致問題が前進しない中にあっては残念ながらこのエネルギーの支援については協力することができないと、こういう立場でございます。また、私どもの立場は、米国、中国、韓国、ロシアからも十分に理解されていると、このように考えています。
○浅尾慶一郎君 ところで、北朝鮮という国は核兵器を開発したと自分で発言をしております。一方で、イラクについては、後ほどこれは詳しく我が党の若林議員が質疑をさせていただきますが、久間大臣、イラクに核兵器がさもあるかのような状況でブッシュ大統領は踏み切ったと思うがその判断は間違っていたということをかつて発言されておりますが、仮にあることが明々白々の北朝鮮のような状況であったら違った発言になったかどうか、その点だけ久間大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(久間章生君) その国が武力行使に踏み切るのは何が、これが原因だということで一つに特定できるのかどうか分かりませんし、私は、あのときはないんじゃないかなと私は思っておったということを感想として述べたわけでありまして、それがどうだったかはその国の指導者でないので私は分かりません。
○浅尾慶一郎君 安倍総理は、イラクについてはそういう、国連の指示にも従わなかったという発言をされておりますが、北朝鮮の場合は、これは我が国のすぐ近くでありますけれども、先方は核兵器を、核実験をしたということまで言っているわけですけれども、そういう状況について、これは他国のことでありますけれども、アメリカの対応がイラクと北朝鮮で異なるという認識を持っておられるかどうか、お伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) イラクも、十二年間の長きにわたり累次の国連決議を無視してきたわけでございますし、また大量兵器を実際に使用した国でもあった。自国民も殺したし、また多くのイランの国民の命も奪ったのも事実であります。実際に使用をしたわけでありますから、事実、保有をしていたわけであります。その保有をもう既にしていないということを証明しようと思えばできたのにそれをしなかったといえば、我々は、当然国際社会としては持っているという合理的な疑いを持つわけであると、このように思うわけでございます。 この中において、このアメリカのアプローチが違うかどうか。何をもって違うと言えるかどうか。国際社会というのは極めて単純に割り切れるものではなくて、外交もそうなんだろうと、このように思うわけでございます。そういう意味におきましては、私どもはとにかく、この現在核兵器を実際に開発をしている北朝鮮を、この核を放棄させる、これについて全力を挙げていくべきだろうと思います。
○浅尾慶一郎君 なかなか、他国のことでもありますし、論評が難しいということであろうというふうに理解をさしていただいて、次の質問に移らさしていただきたいと思いますが、米軍再編特別措置法について伺わしていただきたいと思いますが。 まず、その米軍再編というものは、これはそもそも、全世界で米国が今まではいろんな国に軍隊を置いていたわけでありますけれども、いろんな冷戦構造が変化しまして、かつては、米ソ対立の時代はそれこそドイツにも軍隊を置いておかなければいけない、あるいはいろいろなところの近くに、旧体制の下の近いところに軍隊を置いておかなければいけないということで置いてきたわけでありますけれども、その構造が、世界の構造が変わったと。そして、新たな脅威としてどこから来るか分からないテロというものに対応するために、一番安全だと思われる本土にできるだけ多くの部隊を戻す、そこの本土からできるだけ速やかに対応ができるようにするというのが米軍再編の趣旨だということが様々なところで言われておりますし、それは米国議会でもそういう発言をブッシュ大統領自身がされておりますけれども。 したがって、私のまず総理に対する質問は、米軍再編そのものは米国が主体的に今申し上げたようなことで行ったという認識を総理も持っておられるかどうか、その点をまず伺わしていただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この世界全体の米軍再編の考え方ということについては、今、浅尾委員が御指摘になった点も含めて、現在のこの世界情勢の変化、国際環境の変化、安全保障をめぐる環境の変化に対応するための米軍再編だろうと、このように思います。そういう意味におきましてはもちろん米軍が主体的に行うわけでございますが、しかし、我が国との関係におきましては、抑止力の維持と地元軽減、地元負担の軽減という考え方にのっとって行っているわけでございます。
○浅尾慶一郎君 これはお答えいただけないということで私の方の話だけさしていただきたいと思いますけれども、今申し上げましたように、米軍再編は米国全体が新たな考え方に基づいて、ブッシュ政権、特にラムズフェルド前の国防長官のときに、レボリューション・イン・ミリタリー・アフェアーズということで、軍務の革命という考え方の下でその再編を行ったということがるる議会での発言、その他の発言でなされているわけであります。(資料提示) そういうことを考えますと、今日用意いたしました、我が国が沖縄におります八千人の海兵隊をグアムに移転するに当たって負担するという金額が非常に莫大なんではないかなというふうに思います。なぜならば、ドイツはこのような負担を、この規模の負担をしておりません。ほかの国もしておりません。我が国だけがこういった負担をするわけでありますけれども、まず、質問として、この必要な経費の積算の根拠をお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(久間章生君) これは、そのパネルにもありますように、アメリカの方の積算を基準にいたしまして、そしてグアムに移転する場合にどれだけの経費が掛かるかと。まあ細かくはこれから先まだ精査して積み上げなければなりませんけれども、やっぱり上限を決めなければ我々としても国内的にもたないわけでございますんで、まず財政から出せる分はどれぐらいが上限かというふうな、そういうこと、そしてまた融資その他でやれる分はどれだけあるか、そういうことを積算いたしまして、そしてその表にあるような数字を積算したところであります。
○浅尾慶一郎君 私の質問は、個別の例えば家族住宅一戸当たり、これ土地代入っていません、七十二万ドル、物すごい高いわけですよ。だから、一体どういう積算をされたんだろうかと。七十二万ドルというと、まあ一ドル百二十円で計算すると一億円近くなってしまうと。百円で計算しても七千二百万円です。土地代含まないでこの値段は余りに高いんではないかなというふうに思うわけでありますが。 そのことについて、何でこんなに高いんだろうということでありますが、たまたま米国の同じグアムに、これは三千五百戸ですけれども、二百四戸、スリーベッドルームユニッツ、ですから一ユニットに三ベッドルームがある典型的なアメリカの家だと思いますけれども、要するにベッドルームが三つ、それからリビングルームがあって三ベッドルームあるものを二百四戸造ると、造ったと、その契約をある業者が落札しましたよということが米国のこのプレスリリースに出ているんです、米軍の。 それを計算しますと、ちょっとこれはパネルにしなくてテレビごらんの方には大変恐縮ですが、委員の皆さんには配付した資料に出ておりますけれども、単純に言うと、一戸当たり十七万六千ドルでできているわけですよ。 日本が負担すると七十二万八千五百ドル、アメリカが実際に造ると十七万六千ドル、これはいかにも高いんじゃないですか。
○国務大臣(久間章生君) この住宅につきましては融資でやるわけでありまして、後から全部返してもらうわけですね。それと一つには、今二百戸と言われましたけれども、これはこれから先、短期間といいますか、要するにどっと八千戸を造るわけであります。そのときに、グアムというのは資材を全部輸送しなければならない、また、あそこの今の人口からいって、今の人件費で果たしてやれるかどうか、そういうことも加味されまして、かなり高めに出ているのも事実であります。 だから、これから先、そういうことを計算しながら、積算しながら、どこまで抑えることができるか。これは、これから先のまあいろんな積み上げのやり方だと思いますけれども、いずれにしましても、家族住宅につきましては融資でやるわけでありますから、出した分は返ってくると、そういうふうに考えております。
○浅尾慶一郎君 家族住宅は融資だから出した分は返ってくるということは、その負担は米軍の軍人さんがするわけですよ。高く造ったらそれだけ高い家賃を払うかって、そんなことないわけですよ。だから、返ってくるという保証もないんではないかなというふうに思いますが。 まず第一に、この積算、米軍に聞いてやったということですが、こういうプレスリリースが出ていることを防衛省として把握されていましたか。
○国務大臣(久間章生君) 先ほどから何回も言いますように、これから先、これが具体的になってきたときに、積算はこれからやるわけでありまして、とにかく我々としては真水の部分、要するに財政的に幾ら負担するか、アメリカは幾ら負担するか、その上限をとにかく決めておこうということでやっているわけでございまして、我々が二十八億に対してアメリカは三十一億ドル払うわけでございますから、そういうようなこともよく理解していただきたいと思います。
○浅尾慶一郎君 もう一度私の質問をさしていただきます。 アメリカの同じグアムで造ったその二百六戸の一戸当たり三ベッドルームがあるものが、一戸当たりの計算でいうと十七万六千ドルで落札がされていると、こういうそのプレスリリースについて防衛省としてこれから積算をされるんであれば、把握をされていたかどうかという、その質問です。
○国務大臣(久間章生君) 昨年その概算をしたときに把握しておったかどうか、私はつまびらかではございません、その後に就任しておりますから。しかしながら、これから先交渉するときは、今言われたような数字を参考にさせてもらいながら我々としては詰めていくつもりであります。
○浅尾慶一郎君 随分、十七万ドルと七十二万ドルというと四倍以上差があるわけですよね。だから、どういう計算をされているんだろうかなと。 私は、沖縄から海兵隊がグアムに行く、これはそもそもアメリカの国家戦略に基づいて行くものだというふうに認識をしております。しておりますけれども、沖縄の負担を考えるとある程度の負担はやむを得ないかなと思いますけれども、一方で、めちゃくちゃ差があるというのは余りにひどいんではないか。 ですから、先ほど伺いましたように、せめて、アメリカから全部教えてもらうということでなくて、こういうのはインターネットで調べれば出てくる話ですから、こういうものを一つ一つ見ているという姿勢が必要なんじゃないかなと、そのことだけ申し上げさせていただきたいと思います。 要は、この間、様々国民生活の中では負担が増えているんです。負担が増えている中で、例えば年金の保険料は毎年上がります。あるいは、今年は定率減税がなくなるといったような形で負担が増えている中で、削るべきところ、削れる可能性のあるところについてもっと真剣にやられるのが私は筋なんではないかなということを思ったものですから、この質問をさせていただきました。 今、負担が増えたということで、もう少しその負担の話もさせていただきたいと思いますが、今年は定率減税が完全になくなります。今、我が国は格差が拡大しているということが言われていまして、このことについて、一義的に、格差そのものはいつの時代でもあるというのが安倍総理の発言でありますが、私は少なくとも、格差そのものはいつの時代にあるというのは間違いないことだと思います。しかし、政治の務めは、格差があったらできるだけそれを小さくしていくというのが政治の務めだというふうに思います。 ところが、この定率減税をやめた結果、正に政治が格差を広げる方向で増税をしてしまった。このパネルを作りましたけれども、(資料提示)年収四百万、六百万という方は一六%増税なんです。年収三千万という方は七・五%なんです。これは正に政治が格差を、政権が格差を拡大した増税だということを認められませんか、総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この質問に答える前に、先ほどのグアムへの移転についてお話を申し上げますが、これは、米国の全体の米軍再編という考え方はもちろんあるんでしょうけれども、沖縄に過度に負担が集中をしているという観点から、負担の軽減、私どもが米側に主体的に積極的に働き掛けた結果、グアムへの移転が実現されたものでありますから、我が方としても当然ある程度の負担はしなければいけないと、こういう考え方であります。 そして、定率減税についてでありますが、平成十一年当時に景気対策として導入をされた暫定的な負担軽減措置でありまして、こうした導入の経緯や経済状況の改善を踏まえて、半減、廃止を行ったものであります。 定率減税の廃止は、中低所得者への負担がより大きく、逆進的であり、格差拡大に拍車を掛けるものではないか、そう委員はおっしゃったわけでありますが、定率減税が廃止されても、元々収入が少なく税負担がない方には当然これは影響がないということになると思います。 そもそも中低所得者に対して手厚い減税を行ったものを二年間で段階的に元に戻すことでありまして、逆進的になると、格差をより広げることになるというこの批判は、私は当たらないのではないかと思います。
○浅尾慶一郎君 事実は、今申し上げたように四百万の方で一六%、六百万の方で一六%増税なんです。そして、三千万の方は七・五%なんです。今総理は、定率減税で、これは景気対策としてやったというお答えをされましたけれども、実はそのとき三点セットで税制を変えているんですね。どういうふうに変えたかというと、所得税の最高税率を下げました。そして、法人税も下げました。そして、所得税の最高税率を下げた、あるいは法人税を下げただけではその恩恵が及ばない大多数の方に恩恵が及ぶようにということで、三点セットの三点目が定率減税だったんです。 今回、定率減税だけをやめた、それは景気対策だということでありますけれども、じゃ所得税の最高税率の議論が政府の中であったのかどうか、あるいは、仮に所得税の最高税率について議論ができないということであれば、給与所得の控除というのは年収が幾らの方でも五%の控除は上限青天井でずっと続くわけですよ、そこについて手直しをするというような議論があったのかないか、その点お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(尾身幸次君) 全体の税率のバランスの問題はございますが、定率減税については、あの緊急異例の、景気が極めて悪い中でどうしても減税をして需要を喚起しようということで、臨時異例の措置として行いました。 やり方は、所得税だけ簡単に申し上げますと、住民税も同じなんですが、税額の二〇%を全部一律に控除すると、こういうことでございまして、その中で二十五万円が頭打ちということになっています。したがいまして、税金を一千万円納めている人は九百七十五万円にまで減税をする、税金を二十五万円納めている人は二十五万円丸々、二〇%分、二〇%に相当する分が二十五万円であれば丸々減税をするということで、低い所得の方、中所得の方に物すごく厚い減税をしております。 それをこの景気の回復に伴って、経済の正常化に伴って元に戻したということでございますから、定率減税が格差の拡大をもたらしたということは全くないと考えております。
○浅尾慶一郎君 今、低い所得の方に特に恩恵があったということをおっしゃいました。低い所得の方だけに恩恵があったと、定率減税。 では、伺いますが、同時に所得税の最高税率下げませんでしたか。下げているか下げていないか、その点だけお答えください。
○国務大臣(尾身幸次君) そのときに全体の、定率減税は定率減税で独立しておりますから、所得税の税率をどうしたかということは、私はそのときの状況を存じません。
○浅尾慶一郎君 所得税の最高税率を下げているんですよ。ですから、その点、大臣としてそういう認識持っておられないんですか。
○国務大臣(尾身幸次君) 所得税の最高税率は六五%から五〇%まで下げておりまして、この五〇%の最高税率は現状においても変わりありません。
○浅尾慶一郎君 ですから、私が申し上げているのは、六五から五〇に一五%下げているんです、最高税率を。そして、先ほどのパネルにあったように、最高税率のところは変えずに定率減税のところだけいじると、四百万、六百万の方は一六%増税になって、そして三千万の方は七・五%、差があると、差が出るということなんです。 ですから、先ほど質問したように、最高税率の議論をしたんですかと。してないということであれば、私は、やはり格差が拡大していると言われている中で、政府が正に格差を拡大する増税策をしたということだと思いますが、その点について、もし反論があるのなら分かりやすい言葉で反論してください。
○国務大臣(尾身幸次君) 所得税の在り方については、全体としての税体系の中から考えていかなければなりません。日本は今五〇%にしておりますが、例えば、アメリカの最高税率は四五%、イギリスは四〇%、ドイツは四四%というようなことで、日本の所得税の最高税率は世界的な比較から見れば一番高い方に属しているわけでございます。その辺りのこともしっかりと御理解をしていただいた上で、税体系全体の中でどういうバランスを取るべきかということを考えた上で御議論をいただきたいと思います。
○浅尾慶一郎君 今、全体の話ということで御指摘がありましたけれども、先ほど私は二つのことを申し上げました。 もう一つは、給与所得控除というのは、年収が幾らの人でも五%は控除になるんですよ。ですから、五〇%をいじらないまでも、この五%のところをある段階でいじってもいいんじゃないかと、そういう議論があったんですか、ないんですかということを聞いたんですが、ないはずなんですね。ですから、何もそういうことは議論せずに、先ほど申し上げましたように、定率減税だけやめたと、結果として、年収四百万、六百万という人は一六%増税、三千万の人は七・五%増税ということになったということでありますから、せめて大臣であればその点の認識だけは持っていただきたいということを申し上げさしていただいて、次の質問に移らさしていただきたいと思いますが。 次は外務省に伺わさしていただきたいと思いますけれども、我が国の外交あるいは外交力ということを考えた場合に、全世界にある国の数とそれから大使館のある数というのを今日、委員の方には配付資料で配らさしていただきましたけれども、中国と日本との大使館、全世界の国の中にある大使館の数、数字でちょっとお答えいただけますでしょうか。
○委員長(尾辻秀久君) 速記止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(尾辻秀久君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(麻生太郎君) 御質問のありました中で、世界の国の中で日本が承認しております国は百九十一か国でございまして、そのうち日本の大使館がある国の数は百十七か国、また中国の大使館がある国は百六十か国と承知をしています。
○浅尾慶一郎君 日本は百九十一か国承認していますけれども、実際に大使館を置いているのは百十七か国、中国は百六十か国に置いていると。 特にこの差が顕著に表れるのがアフリカでありまして、アフリカは、日本は五十三か国承認しておりますけれども、大使館を置いているのは二十四か国、現状では、しかありません。一方、中国は四十六か国に置いているということになると、これはそのいろんな理由が説明ができると思いますが、例えばWHOの事務局長選挙で、最後の段階に近いところで中国に日本の推薦した候補者が負けるということの一因にもなるんではないかなというふうに思っております。 私はこれは、今回アフリカに数か国増設をするということを外務省としても政府としても決められたと、これは是非推進をしていったらいいと思うんですが、ひとつ、そのアフリカ勤務といったときに、先ほど山本委員はアメリカに長く人を置いたらどうかということを言っておられましたが、まあアメリカももちろんそうかもしれませんが、特にアフリカに勤務をしようという気持ちになっていただける方の方が先進国よりはるかに少ないんではないかなと、これは今の体制の下では一般論で言えばそういうことなんではないかなというふうに思いますが。 そうだとすると、例えば三十代、四十代ぐらいで大使に抜てきして、十年ぐらいその地域で活躍をしてもらえるようなことも外交力強化という観点では必要なんじゃないか。それは、反対側には癒着という問題が出てくるかもしれませんが、しかし、ある程度その癒着があっても大丈夫だというような大丈夫な範囲を決めておいてそういう対応を考えられたらいかがかと思いますが、その点について、大臣、いかが思われますか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは銀行の支店長も似たようなもんなんだと思いますが、銀行の支店長が急にぱっぱぱっぱ替わっていく、なかなか替わらない、ずっといる、いろいろ各銀行によってやり方も違うと思いますが、日本の場合、おっしゃるように、例えばスワヒリ語ができるなんていうのはそうざらにいるわけではありません。したがって、スワヒリ語ができる現地に出ていたNGOの人を中途採用して大使館員にした例もあります。いろんな意味で、今言われましたように、その地域に長くいて、その地域に精通しているというのはすごく大きいと存じます。 その人たちはそこばっかりにいることによってかなり差が付くじゃないかというのは、その分は給与で何とかするとかいうのも一つの方法だとも思いますし、特別に後でそこの部分だけ何とか、これ役所ですから民間みたいにちょっと特別手当なんていうわけになかなかいかないところが難しいんですが、そういったところを考えて、現地向きとかやっぱり国内向きとか国際機関向きとか、やっぱり同じ外務省の職員でも、経験積ましても向き不向きが大分あるのは事実です。そういった意味では、やっぱり向いたところに置いた方が国益につながると私も基本的にはそう思っておりますので、どういう具合に柔軟的に、柔軟性を持ってやらせるかというのは、ちょっと簡単に思い付きでぱっと言うわけにまいりませんので、検討はさせていただきたいと存じます。
○浅尾慶一郎君 是非検討していただきたいと思うんですね。 今、給与というお話がありましたが、多分一番、これは質問通告しておりませんけれども、外務省の中で若い大使といっても五十代中ごろぐらいなんではないかなというふうに思います。先ほど申し上げましたように、三十代後半から四十代の方を十年ぐらいそこに大使で置いておくというようなことになれば、給与という面でいえばかなり恵まれる計算になるんではないかなというふうに思いますものですから、是非御検討いただきたいと思いますし、これはまあ政府全体の話になりますが、安倍総理はこういった考え方についてどういうふうに思われますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大使については現在も外務省以外からの大使という方もお願いをしていると、このように思います。専門家をどのように活用していくか、あるいはまた若い人を活用していくかということについてはまた今後の検討課題であろうと思います。
○浅尾慶一郎君 私の趣旨は、別に外務省の方も含めて検討いただければということであります。その方に三十代後半とか四十代でアフリカ、特に国の数も少ないでしょうし、またそういうところであれば、長い間やればそれなりにその現地の方との人間関係もできる。それが、ひょっとすると、まあ多分アメリカ以上に効果をそういう面では持つような国というのが多いんだと思いますので、そういう点について是非御検討いただきたいということを申し上げさしていただいて、次の質問に入らさしていただきたいと思いますが。 次の質問は、実は国連国際組織犯罪防止条約、いわゆる共謀罪と言われているものの基礎となる条約でありますが、先日、自民党国対におきまして浅野副大臣が発言をされまして、今まで外務省として必要だと言っていた新たに作る犯罪をかなり、四分の一以下に絞り込むという発言をされておりますけれども、そのことについて浅野副大臣が、これでこの修正案が成立すれば、条約批准に向けて努力するというふうに言っておられましたけれども、この発言の趣旨はどのようなものでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 自民党の法務部会の中で条約刑法検討に関する小委員会というのがありますけれども、この中において、この法律というか条約を早く通すということが必要なので、この条約刑法を速やかに成立させるためには国内法の整備と、これはもう前国会からずっともう御案内のとおりなんで、この対象犯罪というのはかなり多かったのを絞り込むように検討されてきたと、私どもはさように理解をいたしております。 これは、私どもとしては、この条約を締結するためには国内法の成立が早期にできることが私どもにとりましては期待をしているところですけれども、本件の小委員会の検討を基にして修正案が確定できて、それが院に付されて、それで法律が成立をするということになりました場合は、その本条約を締結すべく、私どもとしては最大限努力をすると申し上げております。 これは、数が余り膨大だったというのを縮めるというんで、それは縮め過ぎても条約は通りませんし、どの程度かというのはちょっと正直ここのところはまだ確定したわけではありませんので、最終的にどの法案が出るか、まだはっきりいたしておりませんので、このやり取りをよく見た上、かつここでよく、院に付されますので、その結果を見た上でしか、ちょっとお答えようのしようがございません。
○浅尾慶一郎君 私の質問の趣旨は、当初締結のために必要だと言っていた国内法の内容がかなりあったと、それが四分の一に減ってしまうと、それでも締結ができるということは、当初が間違っていたのか、それともということなんです。何で変えられるかということです。
○国務大臣(麻生太郎君) これは私どもの修正案を検討してきたということなんでして、私どもは、私どもとしては、この案をやらせていただくに当たりましては、政府原案というのはこれは、条約を実施する上ではこれは当然適切な内容だと考えております。それ自体は間違っていたということではございません。 ただ、立法府で修正を含めていろいろ御審議をいただくということは、これは当然あり得ることだと思っておりますので、政府といたしましては、これに必要な国内法が早期に成立して速やかに条約が締結できるように期待をしておるというのが私どもの立場でありまして、重ねて、重ねて申し上げておきますけれども、これは国会の中においていろいろ審議をされていかれるという過程の中において、これがどのように、最終的に決まった場合、それをもって私どもは条約の成立に努力はしますよ。努力はしますけれども、それで成立できるかどうかというのは、私どもは今、その内容を見た上で交渉させていただくということ以上は今の段階で申し上げることはできないと存じます。
○浅尾慶一郎君 確認ですけれども、条約の成立にならないかもしれないという発言ですね。
○国務大臣(麻生太郎君) これは相手のある話でございますから、私どもとして、これで、この内容を見た上で、これでできるかできないか、あらかじめ交渉はいたしますけれども、まだちょっと成案を得ておりませんので、今の段階で、するともしないとも申し上げる段階にはございません。
○浅尾慶一郎君 次に、今の国連国際組織犯罪防止条約というのは、今まで日本の刑法で規定されていなかったことが犯罪になるということで、新たな犯罪の類型をつくったものでありますが、ICCローマ規程というのがありまして、これは規程上の犯罪であって日本国内法で処罰できないものがあるということなんですが、今場内にお配りをさせていただいております資料の中に出ておりますけれども、幾つかあるわけですね。四つぐらいの類型のものが日本国内法では犯罪として、日本の刑法を含めて犯罪になってない、しかしICC規程では犯罪になっているというものがあるわけでございます。 国内法で処罰できない犯罪が日本で行われた場合、我が国はどのように対処をされるのか、その点についてお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これは当然理論上はあり得る話だということになろうと存じますけれども、いわゆる未遂行為みたいな形になるというお話なんだと思いますが、基本的には、これの中に出てくる可能性のありますもの、私どもほとんどのものは、殺人とか傷害とかいうことで、逮捕監禁とか、ほとんどのものはカバーできると思っております。 ただ、私どもの場合で、例えば、何でしょうね、戦争関係に関するものというようになりますと、これはなかなか私どものところではできにくいということになろうと存じますので、そういう場合におきまして、いわゆるICCというものが登場してくるという可能性は出てくるだろうと思っております。
○浅尾慶一郎君 私の質問は、日本の政府がICCに付託をするんですかという趣旨の質問です。
○国務大臣(麻生太郎君) ICCのローマ規程上の一部の、いわゆる先ほど申し上げた未遂行為のところですけれども、日本で処罰できない可能性というのは理論上これは確かにあろうと存じますので、そういった場合には、このICCが実際にその管轄権というものを行使するのは十分な重大性があるという事実のみであって、そういった可能性って、これはちょっと、戦争でも起きなけりゃとてもじゃないけどちょっとなかなか今の現行法の中では想像ができにくいんですけれども。私どもとしては仮に、そういうことはちょっとなかなか想像を、私の頭では想像できにくいところなんですけれども、戦争犯罪等々において基本的に処罰できないことはあり得るとは思いますけれども、常識に言って、例えば放火を手段としたような、いわゆる爆弾使うとか何というか、その放火の未遂というので挙げられなくちゃいかぬし、逮捕できますし、またいわゆる火器を使用した場合は、これはいわゆる爆発物取締罰則違反というのがございますんで、銃刀法等々使えますんで、大体これはほとんどのものはカバーできると、私どもの想像力ではそう思っております。
○浅尾慶一郎君 質問にお答えいただいていないんですけれども。 四つだけ類型資料をお配りしております。日本の刑法で、国内法で処罰できない行為というのがあります。こういうものがあったときに、日本国政府として、ICCを経由するのか、あるいはそのICCから依頼があったらそれに対応するのかということなんですが、時間の関係で、安倍総理も熱心な憲法に関する問題について質問をさせていただきたいと思いますが。 憲法三十一条は罪刑法定主義というものを定めております。日本の法律で罪にならないもの、これを、ICCを通ると捕まってしまうというのは、これは憲法違反になるんじゃないかと、その点について伺いたいと思います。
○政府特別補佐人(宮崎礼壹君) お答え申し上げます。 国際刑事裁判所に関する条約でありますローマ規程、集団殺害犯罪等の重大犯罪について、各締約国に対しまして国内法においてこれを犯罪とするまでのことは義務付けていなくて、国際刑事裁判所からの請求に応じて引渡犯罪人の引渡し等の協力をすることをもって足りるということにしているのが前提でございます。 それで、御指摘の罪刑法定主義でございますが、我が国において刑罰を科する場合の本来、規範でございまして、国際刑事裁判所による処罰について直接的に、直接に適用があるものではございません。ただ、そうではございますけれども、我が国として同規程に定めます義務に従って、強制力を持って引渡犯罪人の引渡し等の協力を行うこととします以上、当該犯罪人の処罰に至る一連の手続の全体が別途憲法三十一条が保障します適正手続の趣旨にかなうものであることは必要であると考えております。 この点につきまして御指摘できることが三つほどあると思います。 一つは、ローマ規程上、国際刑事裁判所が管轄権を行使します犯罪は、その集団殺害犯罪等の国際社会全体の関心事である最も重大な犯罪とされるものに限定されておりまして、その構成要件や法定刑なども明定されているわけです。 二つ目は、その同規程が規定しております国際刑事裁判所における手続につきましても、捜査、予審、それから公判の手続を通じまして、詳細、適正に定められておるということでございます。 三つ目には、我が国における引渡犯罪人の引渡し等の協力の手続についてでございますが、これはただいま国会に提出させていただいております国際刑事裁判所に対する協力等に関する法律案の定めるところによることになりますけれども、そこでは国際刑事裁判所の判断を尊重しつつも、我が国の裁判所による司法審査を義務付けております。それ自体の適正手続も確保されておるわけでありまして、このようなことを考慮いたしますと、我が国による引渡犯罪人の引渡し等の協力を含めて、一連の手続の全体は憲法第三十一条の保障する適正手続の趣旨にかなうものと言うことができます。 したがいまして、更に申し上げれば、先ほど御指摘の、我が国はこのような協力を行うための前提として、我が国自身が集団殺害犯罪等の重大犯罪のすべてを国内法によっても処罰することができるようにしなければならないというまでの必要はないというふうに考えております。
○浅尾慶一郎君 終わります。
○委員長(尾辻秀久君) 関連質疑を許します。若林秀樹君。
○若林秀樹君 民主党・新緑風会の若林秀樹でございます。今日は、総理になって初めて質問させていただきたいと思います。 まず冒頭でございますけれども、先週発行されましたニューズウイーク英語版、全世界に発行されているものですが、その表紙を安倍総理が飾ったのを御存じでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは存じております。アジア版については私は二回目ではないかと思いますが。
○若林秀樹君 これはアジア版というよりはワールドエディションの分で、日本版がこれなんですけれど、同じ記事を扱っても、表紙は安倍総理に配慮をして表紙を変えているんですよね。いずれにしましても、これ見ますと、ザ・レットダウンといって、期待外れという全体的な特集記事でありまして、私は一日本人として、こういう記事が全世界に発信されるということはやはり残念だというふうに思っておるところであります。 必ずしも、この中身はふさわしくない、合っていないところもあるかもしれませんけれども、現実的には、マスコミというのはある報道を、御自分はねじ曲げられて報道して、これ以上言うとその誤解が余計発散して、言わないんだということを昨日言われたようでありますけれども、ただマスコミというのは常に報道を、失言をすればその部分を切り取って、その報道姿勢に乗っかって報道をしていくということはメディアの常でありますので、今回の従軍慰安婦の問題につきましても、私はやはり発信して、おかしけりゃおかしいということを言うことが必要ではないかなというふうに思っております。 先ほど、麻生外務大臣がアメリカの下院議員の、決議は一万本あって採択されているって、それうそです。法案とか決議案をポストに入れて、取りあえず提案するのは一万本であって、実際に委員会を経て本会議で採択されるのは、日本よりは多いですけれどもそんな多くないです。 ですから、この問題を軽視をすると私は大変なことになるという意味において、麻生外務大臣がどういう情報を得られたか分かりませんけれども、私もワシントンの大使館に勤務していましたから、その情報を接している中で私は、黙っているということはそれを認めたということになりますから、おかしければおかしいということを言うということの意味において、やっぱり説明責任を果たしていくということが私は重要なことではないかなというふうに思っておりますので、あえてこの一連のマスコミ報道等、あるいは従軍慰安婦の狭義、広義の強制性云々とありますけれども、あえてここで安倍総理に対しまして発言機会を、是非何かメッセージがあれば、全世界のメディアが聞いておりますので、私は黙るべきじゃない、言うべきことは言うということがやっぱり必要じゃないかと思いますが、そういう説明責任を果たすということを中心に今日は伺っていきたいと思いますので、是非御発言をいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私のことについては海外の雑誌においてはいろいろな記事がありまして、結構いいことを書いてくれているところもございますので、そういうのも取り上げていただきたいと、このように思います。 そして、いわゆる従軍慰安婦問題に関する決議の問題でございますが、さきの議論におきまして既に外務大臣が答弁したとおりでございます。この決議案については事実の誤認等を含むものもあると、我々はこのように認識をしているわけでございますし、またこの慰安婦の問題につきましては、慰安婦の方々が極めてこれは苦しい状況に置かれた、辛酸をなめられたということについては本当に我々としては心から同情し、また既におわびも申し上げているところであると、このように思うわけでございます。 また、そういう中におきまして、私も先般、国会におきまして事実関係についてお話をしたところでございます。しかし、この問題については、残念ながら必ずしも私どもの発言というのが正しく冷静にこれは伝わらない、かなりこれは事実と違う形で伝わっていくという現状にある中においては、なるべく今は私どもこれは、非生産的な議論についてはそれを今拡散させることについてはいかがなものかと、このように考えているところでございます。
○若林秀樹君 いずれにしましても、様々な機会を通じてやっぱり説明責任を果たすということは必要だと思いますし、マスコミに背を向けてでは必ずしもそれは生産的では私はないというふうに思いますので、この今日の答弁も含めてしっかりと説明責任を果たしていただきたいと思います。 その上で、今日は、安倍総理が主張する、主張する外交ということをテーマに置きながら、イラク問題を中心に質問をさせていただきたいというふうに思っております。 思い出しますところ、四年前の三月二十日のこの参議院の予算委員会におきまして、その真っ最中だと思いますが、米国がイラク攻撃を開始しました。確かに大規模な戦闘行為はすぐ終わりましたけれど、あれから四年たって、いまだにその状況がむしろ悪化するばかりでありまして、一般の死傷者を巻き込んで、正に泥沼化の状況が続いているということは非常に残念であります。 この米国のイラク攻撃に対する日本の態度というのは既に何十回ともうこれまで議論してますんでここで繰り返す必要はないかと思いますが、私は、久間大臣の個人的な発言だといった、ブッシュ大統領の判断は間違ってたというのは、今では世界では常識的な私は認識になりつつあるというふうに思っております。 なぜかというと、確かに一連の国連決議を破ってきたのも事実であります。化学兵器を持っている、それを使ったのも事実です。しかし、本当に持っているかどうかが判明されない中で攻撃に移った、武力を行使したということに対して、日本の判断のよりどころは、米国の情報で持っているからといって、パウエル当時の国務長官が安保理で発言したり、日本に来てこうなんだ、ここで質問しても、ちゃんと聞いてる、絶対あるんだと。当時の小泉総理は、必ずあると思っている、だからそういうことは正当性があるということに対しまして、米国は、何というんでしょうか、大量破壊兵器が公式になかったということを認めているわけでありますんで、その辺において、私は、大分状況は変わっているということに対して日本政府は、何らかのそれに対するコメントを私は求めていきたいと思いますが、一切その部分での反省はありませんが、その点についていかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私どもは、日本は米国とともに武力行使を行ったわけではなくて、米国が行った武力行使に対して、我々はそのとき正に国連決議にのっとって行われた武力行使であると、こういう認識でございます。 そして、十二年間にわたって累次にわたる国連決議を無視をしてきたと。そして、先ほども申し上げましたけれども、大量破壊兵器を彼らは事実使用して、たくさんの人たちを、無辜の民を殺してきたという事実があります。つまり、実際に使っているわけでありますから、持っている可能性は極めて高い。それを持っていないということであれば、それを持っていないということを証明する機会は何回もあったわけでありますが、それらを彼らは生かそうとしなかったということでございます。生かそうとしなかったということは、これは私たちは、それであれば持っていると、こう判断をせざるを得ない合理的な疑い、理由が私はあったと。その中から我々は武力行使を支持をしたわけでございます。 現在においては、今イラクが復興に向けて努力をしていく中にあって、我々も国際社会の一員としてイラクの復興の支援にその責任を果たしていかなければならないと、このように考えています。
○若林秀樹君 ですから、それは分かってて申し上げているんで、私のポイントをちょっと答えながら是非考えていただきたいんですけれど。 要は、持っているということは最大限信用して、それで支持したわけですよね。それは、武力行使をするということは、これは大変なことなんです。つまり、例えで言えば、例えば民間人が家に銃を持っていましたと、過去持っていましたと。今も持っているかもしれない、怪しい。それをとっ捕まえて処罰しちゃったわけですよ。後で探したら、実はなかったと。これは冤罪なんです。 ここはやはりそこの事実はしっかり認めた上で、その上で、日米同盟ですから、そこは当然のことながら時計の針は戻せないわけなんで、それについては私は国際社会の一員として協力しているから当然であります。しかし、ないということを、事実に対して日本政府は支持をした、即、その前提が完全に崩れているということに対しては私は何らかのやはり国民に対するメッセージを発するべきだと思いますし、今までそれは全くなかったんです。何回言われたか。あるんだ、あるんだと言われて、それはなかった。なかったことに対して、やっぱりそれは率直に、判断を誤った、誤ったということに対する何らかのやっぱり反応は私は示すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) では、果たしてあのときのフセイン大統領とイラクの姿勢というのが、これは正に全く潔白だったんでしょうか、イノセントだったんでしょうか、全く無罪だったかどうかということなんですね。 彼らはもう事実、大量破壊兵器を使って、子供を含めてたくさんの人たちを殺しているんですよ。そしてその後も、その後も累次の、十七ですか、国連決議を行って、それをもうずっと無視をしてきた。自国民も殺してきた、イラン人も殺してきた、自国民であるクルド人もたくさん殺してきた中にあって、それは恐らくそのときは現在進行形だったんだと、このように私は思っています。 しかし、大量破壊兵器については、確かに今の段階では証明されていない。そして、ただ、彼らはそれをかつて使った、使った限りにはまた使うという危険性というのも十分にある。使ったものをもう既に廃棄をしたということを証明できるのにそれを証明しなかったら、持っているんだろうと、こう思うのは当然ではないでしょうか。 ですから、それらを取り除くためには、機会は限られている中にあって、そうした大量破壊兵器が世界に拡散されたらこれはもう大変なことになりますから、そのときにやはりある種の決断は必要であったと、我々は今でもこのように確信をいたしているわけでございます。 同時に、米国は日本にとっての大切な掛け替えのない同盟国でもあるわけでございます。そうしたことを総合的に勘案しながら我々は判断をした、その判断は私は間違っていなかったと、このように思います。
○若林秀樹君 ここもまた元に戻ったような議論になるんですが、安保理決議一四四一というのは武力行使にお墨付きを与えた決議じゃないんです、これは。これはもう常識なんです、これは。それと、査察は継続すべきだという、そのときの要請があったわけです。それを振り切って攻撃をして、さもあるかのような判断でやって、後でなかった、知りませんじゃ、これは済まないでしょう。やっぱり日本外交としては、そのときの判断は、将来に禍根を残さないために、何かそれに対する反省はないんですか、じゃ。 これに対して本当にアメリカだけのを信用をして支持をしているんですよ。理解じゃないんですよ、これは。だから、ここに対して私は、率直に将来に向けて日本外交としてどうすべきかということに対する反省がなくては、その過ちを認めるのが私は主張する外交の一つだというふうに思っておりますんで。 じゃ、久間大臣にちょっとお伺いしたいと思いますが、個人的な感想ということを申し上げたら、それはTPOでいろいろあるかもしれませんけれど、今の認識という意味でいかがでしょうか、そこは。
○国務大臣(久間章生君) 私はあのときは閣外におりましたから、政府がどういうような材料の下にどういう情報で支持したか、それはつまびらかではございませんけれども、やっぱり日本政府としては総合的に判断して支持をすると、そういうふうに言い切って、その後支持はしたわけであります。 ただ、先ほどから総理もおっしゃるように、支持したからといってイラクの戦争そのものを支援したわけではないという、そこだけはひとつ御理解しておっていただきたいと思うわけであります。支持をしたからそれを支援したかのように誤解されている方もおられます。テロとの戦いのアフガンの方は支援をしているわけでありまして、そこの違いも正確にやっぱり細かく理解をしていただきたいと思うわけです。
○若林秀樹君 私は、それはちょっとどうかなというふうに思います。やはり同盟国として支持をするという言葉を使ったということは、私はそれに対して、やっぱり同盟国として当然、同等の責任を負うということをはっきり明言してやっぱりやっているわけであります。 ですから、それに対して、やはり本当にどうだったかということに対しては私はしっかり真実を見て、将来に禍根を残さないような判断は必要だということは私は一回振り返ってみるということは常に必要なことではないかなというふうに思っておりますんで、当時、まあ自分はそこに入っていないとおっしゃいましたけれど、やはり閣僚になっての大臣の発言ですし、あのときの感想といえばそうなのかもしれませんけれど、もし感想でも持って、あれは間違いだったと思うんであれば、当然、安倍総理にそのことに対して今から判断を変えてもいいんではないかということを進言してもいいんじゃないかと思いますけれど、その点はされたんでしょうか。
○国務大臣(久間章生君) 度々言っておりますように、あのとき日本国政府としては支持すると閣議決定して支持を決定したわけであります。しかしながら、幸いなことに、戦争そのものには支援はしなかったわけでありまして、その後の復興については支援をいたしております。そこのところの違いを国民の皆様方にも分かっていただきたい。 あの時点で日本がアメリカに対して支持しないと言えるような状況だったかどうかについては、私は閣内におりませんから、おったとしたら支持しないとは言えなかったのかもしれません。だから、そこのところは自分としては分かりませんが、支持すると言い切って、それを現在も踏襲しているわけでありますから、その中で行動は制約されるわけであります。
○若林秀樹君 いずれにせよ、支持をすると言ったその行動の延長線上に同盟国として当然復興支援に入ったということは、それは全体の中でやっぱり判断すべきだというふうに思いますが、当時、大臣はそれは閣議決定だということも知らずに防衛大臣になってからも発言して、あれは単なるマスコミに対するコメントだみたいな、それはやっぱり勉強不足だと思いますし、その後のいろんな発言を見ますと、当然、閣内不一致だと思われても私は仕方がない。それはやはり、意見を言うときにはやっぱりTPOをわきまえて、それは政府の立場がありますけれど、それはしっかりとやっていただきたいと思いますが。 ただ、繰り返しになりますけれど、その問題については、私は、将来に対してやっぱり禍根を残すことになるかもしれない、しっかりそこを、本当に、真実を見た場合に日本政府として本当にこれで良かったかなということは常に検証すべきではないかなというふうに思っているところでございます。 で、チェイニー副大統領が来たときに不快感を表してお会いにならなかったということでありますんで、これは昨日の発言の中で、私はカウンターパートじゃないというんですけれど、実は久間防衛大臣はカウンターパートなんですよ。なぜかというと、日本には副総理というのは公式な官職としてはないんです。なぜ副総理格かといいますと、久間大臣は内閣総理大臣臨時代理になっているんです。御存じでしたか。ですから、総理がいないときには副総理格なんですよ。その順番は四番目なんです。当然、だから向こうは、こちらは副総理というところはないわけですし、日本の大臣というのは向こうのセクレタリーとはまた違って責任と権限が重いんですから、当然もう自信を持ってお会いいただくことがやっぱり必要じゃないかなと思いますが、副総理格だという認識は多分なかったと思いますが、事実そうなんですよ。それについては、しっかり認識しておいていただいた方がいいんじゃないかなというふうに思いますんで。 その上で、これまでのイラクの占領政策でありますけれど、(資料提示)悪化の一途をたどるイラク国内の治安情勢ということでありますんで、二〇〇三年の十一月、ずうっとこれ右肩上がりに死傷者が増えてきているというのは皆さんもう御理解をされているところだというふうに思います。ついに毎月の死者が二千名を超えて、ずうっと今も止まっていない。 ようやく一月の十日に昨年のイラク政策の見直しを発表したということでございますし、これまでに多国籍軍が三千三百人、イラク市民が五万五千人から六万人亡くなっているということを考えますと、やはりイラクのその後の占領政策、統治政策が問題あったんではないかなというふうに思いますし、これに対して麻生外務大臣もオペレーションが幼稚だったということを言われたわけですが、具体的にどのところが幼稚で問題があったか、教えていただけますでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 幾つかは例によって誤解の多い話ですんで。 先月の三日の京都での講演で申し上げた話の内容からスタートして類推しておられるんだと存じます。イラクへの武力行使が誤りであったというようなことを申し上げたわけではないのはよく御存じのとおりだと存じます。武力行使自体は極めて短期間で成果を上げたという点は確かだと存じますが、復興のためのいわゆる手段というか努力というのは必ずしも順調に進んでいるとはとても思われないと。かなり困難を伴っているのではないか、あらかじめ予想したものよりかなり困難なものになっているのではないかと。イラクの安定化、復興というものは、国際社会にとりましてはこれは極めて重要でして、あの地域における安定というものは、これは各国が一致して取り組むべきものでありますし、また平和構築の分野で我々はこれまで実績はかなりあると思っております。 どういう実績か具体的な話をというんであれば、よろしいんだと思います、そちらの方がよくいろいろ調べておられるんで御存じのことだと思いますんで。私どもとしては、そういった日本の経験というものを考えたときに、我々としてはそういった経験というものを我々のものと、もっと利用してもらうなり、いろんな治安というものは結構我々としては成果を上げてきたと思っております。
○若林秀樹君 その後の復興状況がうまくいっていないというのは分かっているんですよ。具体的に、じゃ、どこが問題で、どうすべきだったらいいのかということについては、外務大臣としてどういうふうにとらえているかということを伺っています。
○国務大臣(麻生太郎君) 少なくとも、我々が最初にやりました例でいけば、多分カンボジアが一番いい例だと存じます、カンボジアは最初に出したPKOですから。負傷者も出しましたし死傷者も出しましたけれども……
○若林秀樹君 違う。そうじゃなくて占領政策、アメリカの占領政策。
○国務大臣(麻生太郎君) いや、だから同じことでしょうが。 だから、経験、経験というものを語るのであれば、これまでちゃんとした経験を語らぬと説得力がないと思いますけれども。あなたにだけしゃべっているわけではない。テレビに向かってしゃべらないかぬということだと野党の方から教えていただきましたので。あなた、向こうを向いてしゃべらないと駄目ですよと言うから、私も今そのつもりでしゃべっております。 カンボジアの例を見るまでもなく、今、カンボジアというものは、クメールルージュの裁判というものも、あれ、日本人が裁判官でしております。カンボジアにおけますいろいろな、民法、民事訴訟法、いずれも日本人が行って、日本があそこで民事訴訟法をやらないと、いろいろなこれから仕事をやる、何が入ってくる、民事訴訟法、民法がありませんから、そういったところをきちんとやってやるところも我々がお手伝いをしております、等々を含めまして、いわゆる日本というのは、それはドンパチやるところはともかくとして、終わった後、平和を構築していく部分に関しましては、アフガニスタンのPRTを始めとしていろいろやっておりますから、そういった知見というものを見ていただいてもいい。また、イラクのサマーワというところでやりましたけれども、それはそれなりの成果を上げているというのは事実ではないだろうかということを申し上げております。
○若林秀樹君 いや、だから、結局私の質問に答えていないから途中で入れたので。 要は、米国の対イラク占領政策、統治政策にどこに問題があったと具体的に考えていらっしゃるのかを聞いているわけです。日本がやったことを聞いているんじゃないですよ。
○国務大臣(麻生太郎君) 人様のところの欠点を挙げて、おまえここが悪かった、あそこが悪かったと、自分がその現場にもいないのになかなか言うのはいかがなものかと思います。 結果論として、結果論として、米軍約三千人の死傷者を出しておると存じますので、そういったことに比べますと、日本の場合は、同じ国でも、南の方とはいえ、少なくとも、フランス国防省の中で、なぜ日本の陸上自衛隊だけが成功したのかというあの文は読まれたと存じますけれども、あの文を見ていただいても分かるように、日本の管轄だとか日本だけがうまくいったということを第三国のフランスが認めているというのは、書類がありますのでごらんになったと思いますので、是非御参考になったらと存じます。
○若林秀樹君 また私の質問に正面から答えていないんですが。 オペレーションは幼稚だったというのは、いろいろありますけれども、ただ私も議事録を読まさせていただきましたが、結果論として言うのであれば、やはりイラク政策自体どうあるべきだったということを日米同盟の中で、途中段階で言うのは私は当然のことだというふうに思いますし、ああ、こんなにひどかった、それに対して幼稚だったというのは私は不適切な発言だと思います。 やはり日米同盟で、イラク復興支援のために同じテーブルで入ってやっているんですから、それを途中で、結果を見てこれ言うんじゃなくて、私は、しっかりとそこに提案していく、その中で、やはり厳しい言い方ではあるかもしれません、それを言っていくことが日米同盟の在り方じゃないですか。 日本だけがうまくいったなんて話していないですよ。イラクの復興支援をどうするかということを、日本としてどうやるべきかということを、もっと大きい話をしているんだから、それに対してそういう歪曲した頭ぐらいしかないということは、私はちょっと信じられないですよ。よく私の質問を聞いて答えてください。久間さんはうなずいて分かっているようですけれども。
○国務大臣(久間章生君) 私も分かっていませんけれども。 ただ、アメリカの皆さん方と、私も、ずっと党の幹部をやっておりましたときにアメリカには毎年行っておりまして、向こうの皆さんと話をしましたときに、やっぱりバース党を全部切ってしまった、これはどうなんでしょうかねと。やっぱり日本の場合、もういったんばっと排除したけれども復帰させた、やっぱりこれが日本の復興には非常に役立った、フセインの下で嫌々ながらやっておったけれども、優秀なやつも中にはいますからねと。そういうような意見交換はやっぱりしているわけでありまして、それは、恐らく表のこういう舞台で皆さん言いませんけれども、いろんな話は外務省だってやっているんだと思います。ただ、外務大臣の立場としては、いろんな具体的なことは言えなかった。私は今、過去の、まだ閣僚になる前の話をしているわけであります。
○若林秀樹君 私は、もう少し外務大臣として、その発言に対してやっぱり責任持って、日米同盟の中でイラクの復興をどうしていくということに対して、やっぱり結果論だけ見ずに、やはり政策も含めてしっかり進言をしていく、そのぐらいの関係で本来は私はあるべきだと思います。 その上で、今回の新しい対イラクの政策について安倍総理は評価されるような発言をされておりますが、じゃ具体的にこれまでと違って何が良くて、今後この政策をやればどういくんだということについて少し具体的にお答えいただきたい。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほどの麻生大臣に対する質問でございますが、日本も、イラクの復興の支援についてこうするべきだという意見は随分言っております。これは首脳会談等々においても言っておりますが、同盟国ですから、こういうことを米国に言ってやったということを外に向かって言うべきでは私はないと思います。かなり日本は言うべきことを言っております。 しかし、そういうところで、そういう場で言ったからには日本にもやはり責任があるわけですね。日本も主体的にそういうところの中に入っていって、どの程度やっているかということに、これはやはりある程度は否定せざるを得ないということも我々留意をしておかなければいけないわけでありますが、しかし、我々はサマワ等で大きな貢献をしている以上、当然言うべきことは言っているということは申し上げておきたいと、このように思います。 そこで、本年一月に発表されました米政府のイラク政策で、イラクの安定化と復興に向けた米国の決意が示されたものであると、私はこのように認識をしておりますし、こういう認識をブッシュ大統領にも示したところであります。このような米国の努力が効果的に進められて、良い成果を上げることを期待をしたいと思っています。 我が国としては、今後とも国際社会と協力をしながら日本の責任を果たしていく考えであります。
○若林秀樹君 それはこれまでの一般論としての評価であって、これまでの統治政策、イラク政策と反省に踏まえて、その結果こうなったわけですから、その部分がどこが悪くて、今回のイラク政策にどう盛り込まれて、日本の政策も反映されて、だから具体的にもう少しどう評価するかということが将来につながるとは思いますので、そこのないあるだけで、安定と決意でどうのこうのと言われても分からないんですよ。そこはやはりしっかり説明責任を、日本政府としてどう具体的に評価をするのか教えていただきたいと思いますが。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の増派の決定は、正にこれはアメリカの決定であって、日本が一緒に決定したわけではないわけであって、その決定に対して日本が評論家のごとく評論するという立場は私は取るべきではないと、このように思いますよ。 ですから、日本は今国際社会の中において、サマワでのイラクにおける復興支援において大きな成果を上げました。そして、今空自による支援活動を行っているところでございまして、さらに、今イラク・コンパクトの完成に向けて日本も当然この努力をしているわけでございますが、しかし、私はこうしたアメリカの努力、今回のアメリカの政策の決定というのはアメリカの意思を示したものであると、このように認識をしているわけでありますが、何といっても、やはりイラク人による政府、そしてイラク人による統治がうまくいくことが、これは我々を含め国際社会が望んでいる方向である、その方向に行くことが望ましいと、このように考えております。
○若林秀樹君 今の答弁も具体的に分からない。何がいいのか分からない。評価するには、具体的に今回のイラク政策のどこが評価できるから日本としてやっぱりサポートしていくんだということなくして、アメリカがやることは決意示されたからいいということは、それは私は全く矛盾していますし、説得材料としては非常におかしいと思います。それを基に、今回イラクの特措法を……(発言する者あり)ですから、今回イラクの特措法の延長については、じゃその評価を踏まえて、今どういうふうに考えていらっしゃるんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 評価をしたということではございません。私が言ったことを正確に受け取ってもらいたいわけでありますが、このようなイラクの今後安定化に対する米国の決意を示されたものと認識をしていると、このように申し上げたわけであって、そういう認識をしているということを米側にも伝えたということでございます。 今後のイラクの復興支援については、我々はそのときの治安状況、政治状況あるいは国際社会の取組等々を総合的に勘案して、適切に判断をしたいと思っています。
○若林秀樹君 適切に判断するというのは、まだ現時点で全くもって白紙だということですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 現時点では決めておりません。適切に判断をしたいと思います。
○若林秀樹君 やっぱり総理としては、もうこれ今日は三月九日ですよ。六月には通常国会が終わるとしての現時点で白紙である、それが本来のやっぱり主張する外交の安倍さんの考え方なんでしょうか。やはり基本的には、今どうしていくんだという自分自身の思いがなかったらそんな議論できないじゃないですか。それは今は決まっていないという逃げ方は私はおかしいと思います。責任ある説明責任を果たしていないと思います。一方では、もう防衛省は議論をしているわけですから、久間大臣は二年欲しいと言っているわけですから、おかしいじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、私は白紙とは申し上げていないわけであって、ですからいろんな議論がありますよ、当然。分析をしなければいけませんし、先ほど申し上げましたように、治安の状況、あるいはまた政治状況、国際的な取組、そういうものについては情報収集をしながら現状の分析を行い、最終的には私は判断をする、それは適切な判断をしていく、こう申し上げているわけであって、今何にもないということを当然申し上げているわけではなくて、現在は、当然そういう分析等々をこれは行いながら、最終的な判断は適切に判断をしたいと、このように考えています。
○若林秀樹君 まあ白紙ということはちょっと言い過ぎかもしれませんけれども、いや、どういう方向で自分としては思っているのかということを聞きたいわけで、それに対して今、全くフィフティー・フィフティーでやるともやらないとも決めているという、それが今のお考えなんですか。それが安倍総理の今の、現状のこの特措法の延長についての認識ですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 基本的な基準というのは、もちろんこの法律を超える状況になればそれはもう活動を続けられないというのはまあ当然のことでございます。 もちろん、この法律が定めている範囲内において、そのときのこれは治安の状況も考えなければいけない。そしてまた、政治状況がどうなっているか、そしてまた今国際的な取組ですね、国際社会がこのイラクの復興支援についてどのような取組をそれぞれしているかという中において我々は判断をしなければいけないと考えています。
○若林秀樹君 聞いていてよく分かりにくいんですけれど、久間大臣は二年間ぐらいやっぱり必要だというふうにおっしゃっていまして、昨日のこの予算委員会でも言っていましたが、一年というような年限で法律を延長すると大変慌ただしいことになると、だから二年を希望しているということでありますけれど、私はやはりこの判断は、もう既に大臣としてはやはりそういう方向でやるべきだということをやっぱり進言されていると思いますけれど、ただ、いずれにしましても、これは内閣官房で決めることだとも言っておりますが、しかし何で二年もしなきゃいけないんでしょうか。 この、今、決議の一七二三って御存じですか、安保理決議。
○国務大臣(久間章生君) そういう国連決議とかいろんなことがありますから、最終的には総合判断をして内閣官房の方で取りまとめをして決められるわけであります。ただ、延長するというふうにもし決まるならば、一年というのは、もう、またそこで非常に期限を切られるので、二年にしておけば一年でやめることだってできるわけだから二年の方がいいなという、そういうことを言っているわけでありますから。また、国連の状況あるいはまた国際状況、いろんなことを総合的に判断しながら適切に判断するという総理の判断が、これから先それに向かって集約されていくんじゃないかと思うわけであります。
○若林秀樹君 そういうことの中で申し上げたいことは、国連でさえこの一七二三というのはイラクの多国籍軍の権限を今年末までしか延長していないんですよね。常に一年ごとに、先分からないですよ、混沌とした状況の中で。ただ、分かんない中で、じゃ二年欲しい、あとは米軍の動きを見て決断するというのは、私はやっぱり日本外交として安易だというふうに思いますんで。 それは、適切にしっかりとこの議論はまた国会の中で行われるというふうに思いますけれど、最初に二年あって、その状況を見て早く帰れるんだったら帰るって、どこを見ているんですか。復興支援でしょう、これ。これは本来のイラクの復興支援に日本がどうかかわるかということでありますんで、それは米軍の動きということは関係なくて、やっぱり純粋にその部分において今の自衛隊の派遣、そのところについて考えるべきでありますんで、私はこういう問題、非常に重要なことに対して非常に私は安易にやっぱり考えているんではないかなというふうに思っておりますんで。 もし反論があるんだったら。
○国務大臣(久間章生君) いや、そういうことじゃございませんで、テロ特措法の場合は、法律上二年だったのを、延長するときはその半分の一年にしたわけですね。イラク特措法の場合は、法律上の年限が四年になっているわけでありますから、その半分ということになると二年でありますから、せめてそれぐらいのタイムラグは持ってもらいたいなという思いもあるのは事実であります。
○若林秀樹君 まあ、慌ただしいからとか面倒くさいから取りあえず二年やっといて、後、途中で判断すればいいという考え方においてやるんだったら私はおかしいというふうに思います。ただでさえ国連も一年ずつしっかり議論をする、それに合わせて国会も一年ずつ議論するのはこれは当然じゃないですか。やはりそれは面倒くさくてもやるべきことなんですよ。それを最初から網掛けて、二年で途中で帰ればいいという発想は私は絶対慎むべきだというふうに思いますんで、そのことを申し上げておきたいと思います。 いずれにしましても、これはイラクの復興支援は、私はこれから五年、十年掛かる話だというふうに思います。これで自衛隊云々で終わる話じゃありませんので、主体的に日本がこのイラクの復興支援に対して五年、十年の先を見据えて、どういうビジョンで今これからやっていくのか、その上でのやっぱり判断をしっかりと主体的にやるということが必要だというふうに思っていますんで、今の動きを見ていると、もうまるで本当に米国の動きだけを見ながら延長するような印象を非常に受けるものですから、私はそれは安倍総理の主張する外交ではないというふうに思っているところでございます。 最後、少し安保理のお話をちょっとさせていただきたいと思います。 日本はこれからも本気で安保理入りを目指すのかどうか、まず総理にお考えを伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 戦争、さきの大戦が終わった後の中において連合国が主体となってつくられた言わば国連から、二十一世紀にふさわしい国連に変えていくためには安保理の改革が必要であり、そしてまた日本が常任理事国としてこの安保理の中に入っていって責任を果たしていくことこそ私は二十一世紀型の国連に変えていくことに私はつながっていくと、このように考えています。 安保理入り、安保理常任理事国入りを是非とも重要な課題として目指してまいる考えであります。
○若林秀樹君 私は基本的に安保理入りを目指すべきだというふうには思いますけれど、日本政府がどこまで本気なのか私は少し分からないというふうに思います。 例えば、昨年九月の国連総会、国連加盟五十周年の記念すべき総会であります。しかし、同じ時期にのんきに平気で自民党の総裁選挙をやって、(発言する者あり)のんきですよ、そんなの。それがあるのを分かっていて総理大臣も外務大臣も総会に行かずに、正に一年前にその問題がとんざしたにもかかわらず、一番いいアピールできる機会にもかかわらず、それを総裁選挙をやっている。あらかじめ総会の日程というのは分かっているんで、それを前に、前倒しにやろうと思えば幾らでもできるはずですよ。そのことを一番アピールできる機会を平気で総裁選挙をやりながら、それでニューヨークでみんないろんな外交をしているわけです、首脳が。そういうことをおいておいて、私は安保理入りが本気だというふうには全く思えません。私はこのこと非常に気になっていたんで、安倍総理はそういうことも分かっていながらああいう日程を、まあ組む中で、やっていたわけですよ。現実にそうじゃないですか、ニューヨークでやっていたのは。よくそういうことがやっぱり平気で日程設定ができる、そのことが私は安保理入りに対して全く本気じゃないということも私は言えるんじゃないかなというふうに思いますが、もし反論があるんだったら、どうぞ。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 自民党の党の総裁を決めるのはこれはまた党にとっても大変な一大事であって、みんなのんびりやっているわけではなくて、自民党の総裁は、我が国の基本的にはマジョリティーを持っている中においては総理になるわけでありますから、真剣な議論を行ってきました。ですから、その言い方は少し自民党に対して余りにも私は失礼ではないかと、このように思います。また、この日程の設定について私が主体的に日程を決めたわけではありません、候補者ではありました。 他方ですね、他方、安保理入りについては、極めてこれは重要な課題として取り組んでいくというのは、安倍内閣が九月の二十六日に発足をして、これは大きな課題になっています。そして、それから外交の展開において随分かなりたくさんの私は首脳と会談を行いましたが、すべての首脳との会談において安保理入りの理解に対して働き掛けをして、そして多くの国々からその支持を得ているわけであって、さらには、もちろん外務大臣もそうでありますが、内閣を挙げて取り組んでおります。そして、すべての大使館に対して訓令を発して、それぞれの国において働き掛けを強めるようにと、こういうことも行っているわけでありますから、その昨年のたまたま出席できなかった一事を取って全然やる気がないと、まあ決め付けるのは野党の役割なんだろうと、このように思いますが、我々はやるべきことをやっていると、こういうことでございます。
○若林秀樹君 たかが国連総会というような印象を受けるような発言しましたけれども、年に一回しかない、それも、それも五十周年ですよ、日本が加盟して五十周年のやはり記念すべきその総会を、やはり行かないんですよ、外務大臣も。総理も行かない。それで総裁選挙をしている。本来は、責任ある自民党、与党であれば、それを参加することを前提に組めるわけじゃないですか。それさえもやらずに、それは単なる一つの機会でそれ以外やっているといったって、だれも信じないですよ、そんなものは。私は、そういうことを平気でやっているということが、安保理改革について問われているわけですよ。熱心じゃないということで、私は思います、私はそう思います。私はやっぱりそれを応援したい立場で、そういうことを平気にやるという自民党がやっぱり信じられません。だから私は、この問題に対してどこまでやっているということに対してはやはり疑問を感じますけれど、私はその認識は正しいと思いますので、その反省も全くないということが私は信じられません。 その意味で、これが国連に対する主要国の経済的・人的貢献の比較ということで、国連への人的貢献あるいは経済的貢献ということでありますんで、やはり我が国の発言の背景は、やはり分担金そしてある意味ではODAの実績があるんだというふうに思います。 確かに、非常任理事国で常任理事国でない日本が今まで二〇%近く払っていたということに対してはやや多過ぎるんではないかという私は個人的に印象を持っています。それで今回、一六・六に下がった。しかし、これは発言力の根拠となるものですから、下がりゃいいというものでは必ずしもないかもしれない、ただ現実に一六・六に下がっているということは事実でありますし、それ以外もPKOあるいは職員の数等も世界の各国から見れば必ずしも貢献しているような状況ではありません。 そしてまた、さっき申し上げましたように、これまでの我が国の発言力の原点でありますもう一方のやっぱりODAも、二〇〇〇年はトップだったんですね。それが二〇一〇年になると、アメリカどころか、ドイツ、イギリス、フランスまで抜かれて五位になるというこの状況に対しては、私はやっぱりしっかり安保理入り、改革する一つの条件としては、国際貢献としてそのODAは入っているわけですから、我が国政府としてもこれをしっかり見据えて本当にこれでいいのかということも見る必要があるんじゃないかなというふうに思いますが、このODA予算については、前の小泉総理が、これからアフリカ予算は倍増する、あるいは五年で百億ドル上積みするということを発表されましたが、こういう認識で、安倍総理もその改革に戻ってやるということでよろしいでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 安保理入りについては、分担金は第二位であります。また、この分担金だけではなくて、日本の貢献は、経済的、政治的あるいはまた世界の安定、復興支援等々、多岐にわたっているわけでありますし、これは大変なこれは日本に対する評価もあると、このように思います。 ODA予算については、一昨年のイギリスにおけるグレンイーグルズのサミットにおきまして百億ドルの積み増しの公約をしたわけでありますが、この達成に向けて我々も当然今後努力をしていきたいと思っています。
○委員長(尾辻秀久君) これにて若林秀樹君の関連質疑は終了いたしました。 以上で浅尾慶一郎君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(尾辻秀久君) 次に、山口那津男君の質疑を行います。山口那津男君。
○山口那津男君 公明党の山口那津男でございます。 まず初めに、イラク情勢についてお伺いをいたしたいと思います。 このイラク特別措置法を作って、四年間の時限立法ということでこれまでやってまいりました。そしてその間、陸上自衛隊がサマワで人道復興支援活動に従事し、今その陸上自衛隊は日本に帰りましたけれども、航空自衛隊が引き続き人や物の輸送任務に今携わっているわけであります。 ここで大事なことは、この法律を作るということは、政府に対して何をやるべきかあるいはやらざるべきかという、こういう権限を与えるものであります。しかしその権限に基づいて、具体的にはイラクの情勢あるいは国際情勢、諸般のことを考慮しながら具体的な計画を作り、そしてまた実施要領を作り実行していくわけであります。ですから、言うなれば、この法律というのは容器であり入れ物であります。そしてそこに何を盛るかということが具体的な計画でありますから、言わば容器をどこまで与えるかという判断と、その中身をどうするかという基本計画の判断というのは、その慎重さにおいても具体性においてもちょっと異なるところがあると私は思うわけであります。 本年七月末に今の法律の期限が来るわけでありますが、これを延長するか否かを決めるに当たっては、このイラクの情勢がどうなっているのかということをしっかりと正しく認識するということが大前提になると思います。 そこでお伺いをいたしますが、このところバグダッドを中心とする情勢、治安情勢というものが極めて悪化をしてきているように報じられているわけであります。しかし、それがイラク全土に及んでいるのかどうか。それらを受けて、この国際社会、特にイラク国内で活動する国連の諸機関とか、あるいは各国が派遣した様々な部隊、こういうものの活動がどうなっているのか。どんどん減ってきているのか、それとも維持しているのか、逆にまた増えているのか、そういう状況が必ずしも国民の皆様には明らかではありません。 その点について外務大臣に、現時点での状況とこれからどうなりそうかという見通しと、分かる範囲でお教えいただきたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 今、国連というか、現在二十六か国が部隊を派遣をしております。治安維持活動やら人道復興支援やらやっておりますけれども、このグラフで見ますと、大体二〇〇五年、六年と、ちょっと減ったのが増えてみたりして、大体二〇〇五年の三月ぐらいから変わらずずっと派遣国数、人員ほとんど変わっていないというのが現状でございます。
○山口那津男君 派遣された各国の部隊の参加国数あるいはその人員というのはさほど大きな変化がないということだったろうと思います。 それでは、国連の諸機関、いろんな機関があると思いますが、そこの活動の状況というのは変化があるのかないのかというのはお分かりですか。
○政府参考人(長嶺安政君) お答え申し上げます。 ただいま国連諸機関の活動ということでございますけれども、これにつきましても、もちろん国連諸機関は人道復興活動ということでやっておりますので、ここに来て特段大きな変化ということはなく、地道に今国連機関も現地において活動をしているという状況でございます。
○山口那津男君 そうしますと、国連においても、また人道復興支援活動等に参加する各国の状況についても、今大きな変化なく現場で頑張っていると、こういう状況だろうと思います。 そこで、日本の航空自衛隊は多国籍軍の人や物、あるいはもう一つ、国連の要員を運ぶ、こういう仕事もしているというふうに伺っているわけですね。これが実際どういう状況なのか。昨年アナン事務総長の要請を受けて始まったと、こう聞いているわけでありますが、中には、民間の航空機で飛べばいいじゃないですか、あるいは他国の軍用機で運んでもらえばいいじゃないですか、わざわざ日本がずっとそれを運び続ける必要が本当にこれからあるのでしょうか、こういう意見を言う人もいるわけですね。 〔委員長退席、理事吉村剛太郎君着席〕 果たして日本が行っているこの輸送任務の状況というのは国連の要員との関係で特にどうなのかということを防衛大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(久間章生君) 御承知のように、航空自衛隊はクウェートからバグダッドの空港へ、そしてまたバグダッドの空港からクルドのところのエルビルへ、こういうような定期的な運航をしておりますが、特に北のエルビルというところは比較的治安が安定しておりますから、国連の職員辺りはそこでいろんな訓練を受けておりまして、訓練をしてバグダッドへ今度は運んでもらうと、あるいは物資を運んでもらう、そういうことをやっております。 ところが、バグダッドが御承知のとおり非常に治安状況が悪いものですからなかなか、国連の職員等もそこが一番不安でございますが、幸いにして、航空自衛隊のC130で運ばれます場合には、今まで一度もいろんなトラブルに巻き込まれたこともございませんので、大変安定的に運搬されておりますから、これからも非常に期待されているところでございまして、今までも国連からも感謝の言葉が我が国に対して述べられております。
○山口那津男君 昨年新しい国連事務総長が誕生いたしました。北東アジア出身では初めての事務総長ということでありまして、お隣の韓国の御出身であります。我が国と国連との関係というのは極めてこれまで重要な関係を結んできたわけでありまして、安保理での我が国の位置付けというものも今重要な課題になっているわけであります。それらを考えましたときに、この新しい事務総長潘基文さんと安倍総理ができるだけ早い機会にお会いになって、是非これからの我が国と国連との関係について様々な意見交換をすべきであると、こう思っております。 そういう中で、あわせて、イラクにおける国連支援の我が国の活動についての評価とか、あるいはこれからどういう要請がなされ得るのか、そういうことについても併せて意見交換をしていただきたいと思うわけでありますが、総理のお考えを伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我が国は、イラク復興支援に向けまして、国連機関、また国際機関を通じて行っているわけでございます。イラクにおける国連の活動支援として、航空自衛隊による国連の人や物資の空輸支援を行っています。先ほど久間大臣から答弁したとおりでありますが。 これに関しては、例えば昨年の八月に、アナン国連事務総長が小泉総理あてに書簡で、国連への空輸支援に感謝する旨表明がございました。国際的に高い評価を受けているわけでございますし、国連からも高い評価を受けているということではないかと思います。 我が国は、イラクを含めて世界各地での国連の活動に協力をしておりまして、重要な国連加盟国として国連と協力を更に行っていく考えでございます。 そしてまた、今、潘基文新事務総長についてのお話がございました。この潘事務総長とは、事務総長に就任される直前も含めて何回か、私も官房長官時代を含めてお目に掛かったわけでございますが、日本に対する知識も大変高い方でございますし、日本と韓国との関係を発展させたいと、本当にそう願っていた人物の一人であると、このように思っております。そしてまた、国連事務総長としては、正に、韓国という国を離れて、世界の国連ということにおいて、世界の中において国連の役割をしっかりと発展させていかなければいけない、世界の平和と安定のためにもフェアな事務総長として活動していこうという考え方を持った人物であると、このように思います。 私も、新事務総長に対しましては、事務総長に就任する前にも国連改革、あるいは日本の安保理入りについてお話をしたところでございます。当然、事務総長になった後の潘新事務総長とも是非お話をさせていただきたいと、このように思っておりますが、いずれにせよ、日本は国連外交を極めて重要な外交と、こう位置付けをしておりまして、さらに国連を通じた世界への貢献を行ってまいる考えであります。
○山口那津男君 是非近いうちの会見を実現していただきたいと思います。 次に、人間の安全保障という視点から幾つか御質問をしたいと思っております。 先般、同僚の澤雄二議員から新型インフルエンザ対策について強化をすべきであると、こういう御質問をして、総理のリーダーシップの下で今回新たな対策が講じられたところであります。その内容ももちろんでありますが、それに予備費を使うという決断をされたことも、私は大変高く評価をし、その英断に感謝をしたいと思うわけであります。 この予備費を使ってまでこういう決断をしたということはなかなかのものだと思うわけでありますが、財務大臣の御認識をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(尾身幸次君) 今お話しの新型インフルエンザ対策につきましては、先般、二月五日のこの参議院の予算委員会におきまして、公明党の代表の澤雄二議員がこの問題の重要性、緊急性について御指摘をいただきました。この指摘を受けまして、安倍総理がその場で決断をされまして、厚生労働大臣と私に対しまして、新型インフルエンザの緊急対応策を実施するようにという御指示をされたわけでございます。 私どもは、この安倍総理の指示を受けまして大車輪で検討いたしました結果、先週末の三月二日、関係省庁対策会議を開催をいたしまして必要な行動計画の改定を行いますとともに、その実施に必要な経費につきましては、今般、三月六日に臨時緊急的な措置として総額七十三億円の予備費の使用を決定したところでございます。 具体的な内容は、予防投与に必要なタミフルの確保、ウイルス変異に対応したワクチンの供給体制の確保、検疫体制強化のための防護服や検査機器の整備等でございまして、これに正に緊急異例の措置として予備費用で対応したところでございます。 今回の対応によりまして、我が国のインフルエンザ対策の一層の強化が図られるものと考えておりまして、公明党澤議員のこの指摘に対しまして、私ども高く評価しているところでございます。
○山口那津男君 この新型インフルエンザは国境を越えて侵入してくるという意味で、水際での防御、防衛というのが非常に重要だと思います。同時に、これは我が国からまたそういうものが外へ出ていくというようなこともあってはならないことだろうと思いますので、これは国際社会の中で緊密な連携の下に、これからも各国々の人々の安全保障、人間の安全保障という見地で遺漏なき対策を講じていただきたいと思います。 次に、対人地雷除去機の研究開発についてお尋ねをしたいと思います。 この対人地雷につきましては、国連の推定では全世界で一億一千万個以上埋められていると、こういう統計もございます。そして、分かっているだけでも二十分に一人が地雷の犠牲になっていると。そして、この地雷を除去するために地面を掘って一つ一つ手で除去作業をしていく、こういう人たちが訓練を受けてその除去作業に携わっているわけでありますが、そういう人たちでさえも年間数十人の犠牲が出ていると、こういう悲惨な状況であります。 そして、これらこの非人道的な対人地雷というものに対してオタワ条約というのが結ばれまして、これが規制をされたわけでありますが、これは時の小渕総理大臣の強力なリーダーシップの下で実現をしたものであります。 この対人地雷の怖さというのは、一度ばらまかれますとそれを除去しない限りいつまでも残ってしまう。これ残存性と言っております。そして、これが一たび爆発をすれば、人の命を奪うだけではなくて、体のいろんなところを傷付けて障害を残すという意味で残虐な兵器であると、残虐性と、こう言っております。そして、それは女性であれ、子供であれ、老人であれ、人を選ばず無差別に被害を与えると。ここも悪魔の兵器と言われるゆえんでありまして、このオタワ条約を我が国が積極的に結んだというのは大きな決断だったと、こう思います。 そして、その後、その傷付く人々をいかに少なくするかという視点から、我が国は、この地雷を探知する技術、そして地雷を取り除く技術、これをスピーディーに安全にやるということが非常に大きな目的でありまして、この機械の開発に取り組んでまいりました。我が党も一貫してこの開発を支援してきたわけであります。 そして、今、この対人地雷探知・除去機の研究開発が、国内外での実証試験も一応済ませまして最終の段階に入っているものと承知いたしております。 どんなものかということを、今パネルをお示しいたします。(資料提示) 今四つの種類の除去機を示しました。これは代表的なそれぞれ別なメーカーのものでありまして、まだほかにも幾つかの型があるわけであります。そして、この除去機はそれぞれ特色があるわけですね。キャタピラを用いるものもありますし、タイヤを用いるものもあります。それから、一般の建設機械を改良したものでありますから、ブルドーザーのようなタイプもありますし、パワーショベルを改良したものもあると。そういう機種でありますけれども、これの特徴の一つとして、除去機にレーキを附属して、そういう附属をしたというような機種もあるわけですね。 二枚目のパネルをお示しいたします。(資料提示) この機械は、先端に除去をするためのフレールハンマーという、分銅を鎖でつないだような、それが回転して地面を掘り起こして地雷を爆発させると、こういう部品が付いているわけですが、その後ろにレーキ、土を掘り起こす装置が付いておりまして、地雷を除去して同時に土を掘り起こす。掘り起こされた土が農耕地に変えやすくなると、そういう一石二鳥という大変多機能を持っているわけであります。 この機械を実際に使って畑を造っていると、こういうパネルを次にお示ししたいと思います。(資料提示) 地雷を埋めていた土地というのは大体荒れ地が多いですから、地雷取り除いただけで直ちに農耕地にはなかなかなりにくいわけですね。その初期段階で、こういうレーキで掘り起こしたところをこうやって耕すことによって、それが農耕地に生まれ変わるということが各地で実証されつつあるわけであります。 昨年の質疑でも外務大臣と議論をいたしましたけれども、ニカラグアなどでは、この前の開発段階の機械を使いまして、オレンジやバナナやコーヒーの畑を造って実際に収穫がもたらされたという結果も報告されているわけであります。 これは極めて有用性の高い機械であると、こう私は思うわけであります。そして、この機械は地雷を除去し、そしてその後、農耕地を造成し、そして宅地も造り、また簡単な道路なども造ると、そういうインフラ整備にも使える非常に汎用性の高い機械でありまして、これからそういう支援を地雷除去から次の開発へと段階的に結び付けていってこれを活用するということが極めて有用だと思うわけでありますが、こういう日本が開発している機械について総理としてどのようにごらんになるか、感想をお聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 紛争や戦争が終わった後も、地雷が敷設をされているがために、子供たちや言わば民間の一般の人たちが命を失ったり大変な障害を持つことになってしまう、そうした悲惨な事例がたくさんあるわけでありまして、この地雷の除去、その地域の、紛争があった地域、あるいはまた戦争があった地域の復興のためには重要だろうと、このように思います。 日本といたしましても、日本のこの技術力を生かして対人地雷除去機の開発に積極的に取り組んでまいりました。ただいま山口委員が示されたようなそういう新しい除去機が生まれていて、この地雷の除去と、あるいはまた畑を耕す、一度にできるようなそうした優れたものも出てきているということではないかと思いますが、平成十四年度から取り組んできた対人地雷除去機の開発を計画どおり本年度末をもって終了するとともに、アフガニスタンへの地雷除去機の供与を開始することにいたします。 〔理事吉村剛太郎君退席、委員長着席〕 こうした取組を含めて、政府開発援助を通じて世界の地雷被害国で広く活用されるように積極的に取り組んでまいりたいと思います。
○山口那津男君 昨年、外務大臣にニカラグアの例を出していろいろと教えていただいたわけでありますけれども、大事なことは、多段階、今までは地雷除去だけ、あるいは農業開発だけ、その他のインフラ整備と別々にやっていたわけですね。しかし、今大事なことは、例えば難民として村を離れた人たちが、まず初めに地雷を取り除く、そしてその後集落をつくる、取り戻す、そして生活の糧である農耕地を手に入れる、さらにその先の様々な活動を行うという段階を日本が一貫して示していくということが私は大事なことだろうと思うわけであります。 地雷除去機そのものは大変高価なものでありますけれども、その定住化を促進していくという長いスパンで、五年、十年の単位で見ると、それが現地の人々にとって一番効率的で、また得をするということを実例を示してあげる必要があると思うわけであります。 外務大臣はかねてから自由と繁栄の弧という御主張をなされていらっしゃいますし、またこの自由と繁栄の弧から漏れるアフリカの地域などの開発については、来年国際会議も予定をされておりますから、正にこれらの地域の支援にとっては重要な考え方だろうと思いますが、この点について外務大臣の所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 先生、これはやっぱり日本の今この地雷除去とか武器の回収とか、いろいろ日本の評価がこの種のことに高い理由の一つは、そのブルというか、その地雷除去機を実際運転して全部やるの日本人なんですよね、あれ。そこがちょっとおまえやっておけというのと違って、自らがそこに入ってきて自ら一緒にやるというところが非常に現地の人の協力も得やすい。事実、終わってみると一番きれいにできているというようなのが、これまで日本が各地のいわゆるODAの事業を含めましてこの種の仕事で最も成功した、いわゆる労働してみせる、みんなの前でというところが物すごく大きな説得力を持ってきたんだと思っております。 今回のこの地雷の除去も、これは実はもう物すごいいろんな人のアイデアを取って、工業高校か何かのアイデアも取ったりいろんなことをしてあれは作り上げてきた、ロボットみたいなものに最初しようとしていろいろ随分努力をして、結果的に現地に引き渡した後、現地の人がちゃんとそれをオペレーションして、かつ壊れたときはメンテナンスもできる程度に頑丈かつ易しくリペアもできますというところが一番大変だったそうです、私のこれは聞いた話ですけれども。 したがって、そこまで考えていろいろなものをやっておりますんで、私のは、少なくともそういったものを一貫して田んぼを耕して海外青年協力隊がやると、同じ田んぼを隣のと取り替えると、やっぱり青年協力隊の方が三割多くできるというようなのをやっぱりフィリピンのミンダナオなんかで見ますと、それはもう神様みたいですよ、もう。簡単に田んぼを取り替えますから、あの辺は。別に、じゃ、ちょっとチーティングとかマジックとか何かいろんなことを言って、ぶつぶつ言うものですから、じゃ取り替えようかって取り替えると、全く同じところで三割余計に取れますと、もう翌年からこれは神様みたいな扱いなんですけど。 何をやっているかっていうと、やっぱり働き方を教えている、働くことを教えているというのが、私ら、このODAがここまで伸びてきた非常に大きな、成功した、額も確かにありました、額も確かにいろいろいただきましたけど、そこがもう一つ我々が高く評価されるところで、地雷除去やって、耕作して、いわゆる作物取って、そこで終わりで、よくて。 日本はそこから売ってやりますものね。そこがすごいんですよ。これ、おまえ、作っただけじゃ日本の何かと同じになっちゃうぞと。これ、ちゃんと売るところまでやって、しかも金も回収するんだと。そこまで教え込むところはやっぱり日本のすごいところで、掛け算も教える、ちゃんと勘定の取り方も教えるというところが非常に評価が高い。私の行ったのは七、八か所しかありませんけど、いずれも評価の高さはそこだったと思いますんで、この姿勢は今後とも貫いていかねばならぬと思っております。
○山口那津男君 このODAで今大臣のおっしゃったような支援といろんな、様々な支援が競合するような場合も出てきますので、是非、この平和構築の言わば柱となるべき施策だと思いますので、これに優先度を与えて実施をしていただきたいと思います。 さて、総理に伺いますけれども、三月六日にイギリスのBBC放送が国際世論調査の結果を発表いたしました。これによりますと、国際情勢に最も肯定的な影響を与えている国の一つが日本であるということであります。日本など十二か国を対象にして、二十七か国二万八千人の人を調査した結果ということでありますが、その調査に参加したアメリカの専門家は、主にソフトパワーを通じて国際問題に関与している国々は肯定的に受け取られやすいと、こういうふうに分析をしているそうであります。日本の外交は正にソフトパワー中心で行ってきたわけでありまして、その中核がODAであったと、こう言っても過言ではないと思います。 ところが、この日本のODAの予算というのは八年連続で減ってきているわけですね。先ほども御指摘のあったところであります。無償資金協力の予算に至っては、ピーク時に比べて三五%近く減ってしまっているということでもあります。 質を重視するということはもちろん大事なことではありますけれども、英米独仏が増加傾向に転じていると、また中国も積極的にODAを使った外交を展開していると、こういうところからすると、日本の国際的地位を向上させるためにはその方向性を転換すべきであると、むしろ増やすというぐらいの決断が必要ではないか、こうも思うわけでありますが、総理の御認識を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) BBCの世論調査による調査結果、世界に対して好ましい影響を与えている国としては日本は連続一位ということではないかと思いますが、その背景には、やはり日本がずっとODA等を通じて、確かに山口委員が御指摘になったように、徳を積んできたということではないだろうかと、黙々と徳を積んできた結果がやはりこうした数字に表れているのは厳然たる私は事実だろうと思いますし、誇るべき事実でもないか。今後とも我々は黙々と世界のために、地域の発展や平和構築のために汗を流していかなければならないと、こう思います。 そこで、今大変厳しい財政の中において、それぞれの歳出の見直しを行っているわけであります。しかしながら、我が国としては、一昨年のイギリスのグレンイーグルズ・サミットにおいて表明をいたしましたODAの事業量の百億ドル積み増しの公約達成に向けまして、今後とも必要な事業量の確保ができるように努めていかなければならないと、こう思います。 あわせまして、ODAの質の改善。この参議院におきましては、ODAについて、決算等も含めてしっかりとこのODAの質を高めていくために御尽力をいただいていると、このように思うわけでありますが、この質の改善に引き続き努めてまいります。 そしてまた、国際社会の諸課題の解決や我が国の国益確保のためにODAを戦略的に活用していかなければならないと、このように考えております。
○山口那津男君 総理、これは何だかお分かりでしょうか。(資料提示)これはクラスター爆弾の子爆弾であります。これはアフガニスタンでUNMACAという国連機関の代表からいただいたものでありますけれども、アフガニスタンに投下されたクラスター爆弾、これはこういう子爆弾を多数詰め込んだ大きな爆弾を落とすと。そして、空中でこれが散り散りになって、子爆弾が爆発をすると。ところが、不発弾が多数出まして、こういう色をし、またこういうひらひらが付いているものですから、子供たちが何かと思って寄ってくるところでこれが爆発して大きな被害をもたらすということが生じているわけであります。アフガニスタンだけの話ではありません。これはふたが取れるようになって、この中に爆薬が入っていたわけですね。 問題なのは、このクラスター爆弾、ふたを開けたところ、パネルでもお示ししたいと思いますが、(資料提示)これが不発率が高いと、この不発の子爆弾が残ってしまうと、そして無差別にまた残虐な被害を与えるということで、この点では対人地雷と同じその非人道性があるわけであります。そうした意味で私は、この人道的な見地からこのクラスター爆弾については規制をすべきであると、こう考えるわけであります。 しかし、また一方では、この不発弾が出るかどうかということとも考え合わせなければなりません。安全保障上は、これが面的に有効に機能するという技術が確立すれば、これは安全保障上有用な兵器であると、こういう考え方もあり得るんだろうと思うんですね。 昨年の十二月、我が党の荒木議員から防衛大臣の御見解を伺ったんですが、今日は外務大臣にお聞きしたいと思うんです。 その人道上の側面とそれから安全保障上の側面をどう我が国として考えていくべきか。あわせて、これの条約上の規制の在り方について、ノルウェーのオスロで最近国際会議がありました。この点については、今までこの特定通常兵器使用の制限・禁止条約、いわゆるCCWというこの枠組みの中で今までは議論されてきたところで、なかなか結論が出ませんでした。そこでオスロの会議が開かれたわけで、将来は地雷のときと同様にオタワ条約のような方向性を目指しているとも言われるわけでありますが、このクラスター爆弾についての規制の在り方の考えと条約上の議論の土俵の在り方について御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘がありましたとおりに、これは人道上の側面と安全保障というか、その効果の面と両方の必要性のバランスというのがよく言われるところで、これだけ面の確保ができる爆弾はそうざらにありませんので、そういった意味では、いわゆるこの問題というのはいろいろやっておりますけれども、例えば、米反対、中反対、ロ反対、豪反対、大体主要なところみんな軒並み反対というようなことになったというのはもう御存じのとおりであろうと存じます。 そこで、そういった中で、CCWという例のサーテン・コンベンショナル・ウエポンズと言うんですけれども、このCCWの会議の中でこれだけ別にしてやらないとという話になってこの間の会議になったんですが、残念ながら、いわゆる今申し上げたように米中ロ豪等とみんな参加せずということになりましたものですから、これはもう全然、一番のところが参加しませんので、これはなかなか効果が薄いということを考えますと、これは今後ともやらにゃならぬな、そこらのところの参加を促して、実際会議に参加して、この条約にサインするところまで持っていくというところがこれ今後のところで一番大事なところだと存じます。 そこのところで、日本の場合は、小型の武器の使用制限とか、いろいろなコンベンショナル・ウエポンというやつに関しましては日本の場合、実績がありますものですから、いろいろ私どもとして今回これに参加をさせていただきましたけれども、残念ながら宣言と、宣言のサインするところまでは至らなかったというのは効果が上がらないというようなところもありますし、いろいろ議論すべきところは多々あろうと思いますんで、今後これを更に議論を詰めて、うまくいけば地雷の成功したときと、あれと同じようなところまでいければと、我々もそう思っております。
○山口那津男君 ありがとうございました。
○委員長(尾辻秀久君) 以上で山口那津男君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(尾辻秀久君) 次に、井上哲士君の質疑を行います。井上哲士君。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。 今国会は、冒頭から政治と金をめぐる問題が噴出をしております。今日も閣僚の事務所費や光熱水費をめぐって、だれが聞いても信じられないような答弁が出ましたが、総理は問題ないと擁護をするだけでありまして、総理自身の金権問題への姿勢が問われております。 そこで、今日は総理自身についてお聞きいたします。 まず、お聞きするんですが、下関市に本社がある株式会社トヨシステムプラント、岡本豊之社長を御存じかと思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 存じ上げております。
○井上哲士君 マスコミ報道を見ますと、総理の地元後援会の幹事長であり、二〇〇五年の総選挙のときには安倍選対の事務局長を務めておられた大変大事な方だと思います。 去年の自民党総裁選挙のときの開票の様子が地元紙に出ておりますが、下関市内で総理の地元後援会約四百八十人がテレビ中継されるその総裁選挙の結果を見守り、選出の映像が流れると、大きな拍手で包まれ、万歳三唱やくす玉割りが行われたと。そして、岡本豊之幹事長の携帯電話には安倍氏から地元の皆さまの御支援に感謝いたしますとのメールが届いたと地元紙は報じております。 そこで、お聞きするんですが、二〇〇二年一月三十日に総理が支部長をしている自民党山口県第四選挙区支部がこの岡本氏の会社から五十万円の献金を受けておりますけれども、これはどういう趣旨と経過だったでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、広くいろんな方々から政治献金をいただき、政治活動を支えていただいております。 今、突然の質問でございますので、確認のしようがございません。
○井上哲士君 後援会の地元幹事長の方なので私は分かると思うんですが、この会社はガラス瓶の再資源化装置の製造、販売などを行っております。 政府からいただいた資料によりますと、同社は、この再資源化のための特殊車両の研究開発として新規産業創造技術開発費補助金、経済産業省から受けております。二〇〇〇年六月一日に交付決定をした三千百一万円、さらに二〇〇一年七月三日にも交付決定をし、三千五百八十二万円の補助金をもらっております。 政治資金規正法は、国から補助金を受けた法人は、交付決定を受けた日から一年以内、政治的寄附ができないということになっております。先ほどの五十万の寄附、総理に対する寄附というのはこの法に抵触するんじゃないでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そもそも、事前に御質問が通告がなされてはおりませんから確認しようがないと、このように思います。 そしてまた、我々、政治献金、広く浅くこれは支持をしていただいているわけでございますが、その際、この補助金を受けているかどうかはこちら側が確かめようがないわけでありまして、先方が補助金を受けている際には補助金を受けていますということを申出がなされれば、もちろん我々そうした寄附はいただかないわけでございますが、いずれにせよ、その件については私はよく詳しく、これは会計責任者がやっておりますから、そちらの方にまず問い合わせをしてみなければ、今何ともお答えのしようがございません。
○井上哲士君 これが政治資金規正報告書で、きちっと五十万出ております。 先日、私、一昨日指摘をした医療法人からの、補助金を受けている医療法人からの献金については返却をされたというふうにお聞きをいたしましたけれども、国から補助金を受けた会社から献金を受けるということは、結局、会社を通して税金が政治家のところに流れ込んでいくということでありますから、これ国民の理解得られません。しっかり一つ一つ見ていく必要があると思うんですね。 しかも私は、今日これ問題にしますのは、これ以上の問題があるんじゃないかと。この会社は経産省の補助金で大砕神というこのごみ処理の特殊車両を造っております。これがそのパンフレットでありますけれども。 二〇〇一年当時、この会社はこの大砕神という装置、車を売り込むために、旧日本道路公団の支配下にある財団法人、パーキングエリアやサービスエリアのメンテナンスを請け負っていた道路サービス機構とハイウェイ交流センター、そしてその下請に働き掛けをしておりました。 総理、この二つの財団にこの件でお話をされたことはありませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それはもう全く記憶がございません。
○井上哲士君 では、是非思い出していただきたいんですが、私、ここにパーキングエリア、サービスエリア販売に関してのお願い、こういう文書を持っております。極秘というふうに書いてあるわけでありますが、この文書には、このトヨシステムプラントという会社がハイウェイ交流センター、道路サービス機構という二つの財団にこの大砕神を売り込みに行った、そういう経過が書いてあります。そして、こう書いてあるんですね。両財団を訪問をして、落札先を教示願えないか、それから、両財団から大砕神Ⅲを推薦していただけないかを要請すべく、両環境対策課課長と面談をしましたと。しかし、トヨシステムプラントは未知の小企業で、活動の前面や側面には全国ネットの著名企業のサポートでもあれば公信力もあるがと、門前払いですと、こう書いてございます。つまり、未知の小企業だと、そして公信力、公の信用力が足りないということで門前払いをされて売り込みがうまくいかないということを書いているんですね。じゃ、どうしたのかと。 もう一つ持っておりますが、これは二〇〇一年の四月二十日にこの岡本豊之氏が発信者で出したメールであります。表題は高速道路情報ということになっておりますが、私はこれ、非常に見て驚きました。各サービスエリア、パーキングエリアの攻略を模索していたが、このほど構想がまとまった、そして以下のアクションを起こすことにしたと、こう書いてですね、いいですか、こう書いているんです。内閣筋から国土交通省経由で両財団に連絡、下記のとおり面談することになったと。面談設定後、再度内閣筋から直接財団の理事クラスに当社機を委託組織に推薦するよう実動部隊の環境部門に伝達するよう電話で要請していただいた。また、訪問には秘書も同行する。また、既に電話で全業者のリストの提供も約束をされていると、こう書いております。そのときに提供されたリストが、これ私持っておりますが、これであります。 つまりですね、なかなかうまくいかないので内閣筋の政治家に口利きをお願いをするという中身だということなんですね。このメールが出されました二〇〇一年四月といいますと、安倍総理が内閣官房副長官の要職に就いていた、そういう時期だと思います。そして、この岡本社長は、販売に当たっている代理店の皆さんにはこの内閣筋というのは安倍晋三さんのことだと、こういうことを言われているということを私はお聞きをいたしました。 総理、この岡本社長の依頼を受けて二つの財団などに電話で要請をされたんじゃないですか。いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そのメールがどういう性格のものか私は全く分かりませんが、私は全くそういう記憶はございません。
○井上哲士君 しかしね、このメールは非常に具体的なんです。いいですか、あなた否定されますけれども、代理店の方は、先ほど言いましたように、岡本氏から内閣筋というのは安倍さんのことだと、こういうことを聞いていると。そして、総理と岡本氏の関係というのは、二〇〇五年の総選挙の安倍選対の事務長でもあった、地元後援会の幹事長であったと。さらに、二〇〇〇年に環境展というのが行われたときに、総理の昭恵夫人がこのトヨシステムプラントのブースをわざわざ訪れて、受付にいた岡本夫人と話をしていたということも周りの方は見ておられるんですね。ここまで肩入れするような内閣の関係者というのが当時官邸にいたとは思えないんですね。これはやっぱりここで言われているのはあなた自身ではありませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 委員は勝手なその決め付けを随分しておられますが、まずそのメールがですね、私は全くどういうメールか分かりませんし、岡本さんから出されたメールかどうかも分かりません。そして、そもそも、私が何かその内閣のその筋というのは私だということを、まるでそれを前提にお話をされておられますが、私は全くそんな記憶がないんですから、今突然そんなことを言われて、テレビの前で、まるで私が何かそういうことをやっているかのごとく結び付けをしておりますが、また先ほどの政治献金とのかかわりで、まるであるかのごとく言うというのは、もう私は極めて心外であります。(発言する者あり)
○委員長(尾辻秀久君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(尾辻秀久君) 速記を起こしてください。(発言する者あり) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(尾辻秀久君) 速記を起こしてください。 井上哲士君に申し上げます。 本日は、外交・防衛についての集中審議をいたしております。今、理事の皆さんもお集まりになり、その旨で質問をしていただくように委員長からも申し上げます。
○井上哲士君 外交・防衛等に関するという集中質疑の設定でありますし、私は本当に、外交ということからいったときに、政治の信頼というのが必要でありますし、その大本にはやはり今ある政治と金の問題というのはきちっと解明する必要があると、こういう立場でおります。 先ほど、二〇〇二年に五十万円の献金を受けているということを明らかにしましたけれども、それ以外の政党支部とか資金管理団体、政治団体の収支報告書を一九九八年から直近の分まで見ました。しかし、この会社からのまた岡本氏名で献金しているのはこの年だけなんです。そうしますと、やはり、総理は否定されておりますけれども、この翌年に献金をしたと、内閣筋に依頼したというメールのあるその翌年に献金したというのは、私は口利きの謝礼だということを思わざるを得ないんです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは失礼ですよ、ちょっと。
○井上哲士君 いや、具体的な資料を示して私は質問しているわけですから、それは是非お答えいただきたいと思います。
○委員長(尾辻秀久君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(尾辻秀久君) 速記を起こしてください。 いま一度、井上哲士君に申し上げます。 本日は、外交・防衛等に関する集中審議をいたしております。理事の皆さん方の御意見も、ただいまの井上哲士君の質問は外交・防衛等に関する集中審議の中での質問とは認め難い、こういう御意見でございます。私もそのように判断をいたします。 よって、質問を変えていただきますようにお願いを申し上げます。井上哲士君。
○井上哲士君 私は、予算委員会というのは国政にかかわるすべての問題を議論する場でありますし、そして外交・防衛等の集中審議という表題にもなっております。そして、先ほど申し上げたような理由から、この問題はやはり国民の信頼という、これは大変重大な問題だということでこの質問をさせていただきました。 今、国民は、いろんな政治献金による税金の還流など、厳しいまなざしを向けておるからこそ、私は客観的資料も出して御質問をいたしましたし、そういう立場で質問をしておりますけれども、委員長のそういう御意見でもございますので、引き続きこの問題は更に様々な場で総理に対しても追及をしていきたいと、そういうことも申し上げまして、ここで私の質問としては終わりたいと思います。
○委員長(尾辻秀久君) 以上で井上哲士君の質疑は終了いたしました。 ─────────────
○委員長(尾辻秀久君) 次に、近藤正道君の質疑を行います。近藤正道君。
○近藤正道君 社民党・護憲連合の近藤正道でございます。 京都議定書の約束の年が来年から始まります。京都議定書の達成は、我が国にとりましては正に至上命令でございます。その一方で、欧米では、京都議定書以降をどうするか、枠組み対策についても削減の数値を示した議論が活発に行われております。ポスト京都議定書の温暖化対策は、六月のドイツのサミット、そして来年の日本のサミットでも主要なテーマとして語られるわけでございます。 日本が環境問題で世界をリードするしっかりとした構想を持つことができればサミットでリーダーシップを発揮することができると、こういうふうに思っておりまして、質問の第一は、六月のサミット出席に当たりまして、総理がポスト京都議定書に対してどのような構想を持っておられるのかお聞かせをいただきたいと、こういうことでございます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 現在、EUの首脳部、また米国の議会、州、民間などにおいて、気候の安定化を念頭に置いた具体的な提案が議論をされているというふうに私も承知をしております。 地球温暖化は、本年六月に予定をされているハイリゲンダム・サミット、さらには来年の我が国で開催されるサミットにおいては重要なテーマとなってまいります。我が国として現実的なリーダーシップを発揮できるよう将来の数値目標を真剣に検討をしなければならないと、こう認識をしております。 いずれにいたしましても、このポスト京都、二〇一三年以降の温暖化対策について、米国や中国、インドを含む主要排出国が参加する枠組み、仕組みをつくっていく上において日本もリーダーシップを発揮をしていかなければならないと考えております。
○近藤正道君 政府は、究極の目的と、そして早期に世界全体で排出量を半分以下にすると、こういう考え方を持っているわけでございます。総理はその究極目的と、そして排出量の半減を目指す、そのためのポイントとなる時期と数値について是非これをお示しをいただきたいと、こういうふうに思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この気候変動枠組条約の目的は、自然の生態系や人類に悪影響を及ぼさない水準で気候を安定させることでありまして、我が国を含めてすべての加盟国は究極的にその達成を目指しているわけでございます。 その中において、二〇二〇年までに二〇%削減、あるいは二〇五〇年までに五〇%削減、いろんな目標を設定をするべきだと、こういう意見がございます。どこを起点とするべきか、京都議定書のときにもそういう議論があったわけでございますが、そういう中において、どこを起点とするかにおいてそれぞれの国々にとって目標を達成するのが難しい、あるいは容易になっていくということにもなっていくんだろうと、このように思いますが、いずれにせよ我が国としては、我が国としては、先ほど申し上げましたように、主要排出国である米国や中国やそしてインド、途上国も含めて、そういう国々が入ってこの条約の目的に資するような結果を出せるように、我々もそういう枠組みづくりをしていく上においてリーダーシップを発揮をしていくことが重要であると、こう思っております。
○近藤正道君 具体的な時期と数値が必ずしも明確ではないんではないかな、こういうふうに思えてなりません。 温暖化の最後なんですけれども、昨年の十一月の末に日本経団連がこの温暖化対策について意見書を発表いたしました。私もこれを読ましていただきましたけれども、結論として大変やっぱり後ろ向きではないか、こういうふうに思っています。 こういう意見書を背景に総理が本当にこのサミットで主導性を発揮できるんだろうか、あるいはこういう意見書ではそもそも京都議定書の達成それ自身がおぼつかないんではないかと、こういう危惧の念を持つわけでございますが、是非、総理から経団連のトップに対してしっかりと話をしていただいて説得をしていただきたい、そういうことをすべきだと、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この地球温暖化に対する取組は、これは政府だけではなくて、もちろん経済界も、国民みんなで取り組んでいく、自分ができることを身近なことも含めて取り組んでいかなければそう簡単には、日本の目標達成のためにもそれはなかなか簡単に達成できるものではないと、このように思うわけでありますし、そういう取組が私は必要であろうと、このように思います。 日本経団連が次期枠組みに、枠組み構築に向けた意見書を発表していることは私も十分承知をしております。今後、地球温暖化に積極的に取り組むという方向性については政府と方向性を、また認識を共有していると、こう認識をしています。経済界、各業界についても、我々もこの目標を達成しなければならないということにおいて督励をしていきたいと考えています。
○近藤正道君 是非、日本経団連について、やっぱり温暖化問題に積極的に取り組むように総理の方から説得をしていただきたい、要請しておきたいというふうに思っています。 米軍再編の特措法についてお尋ねをいたします。 米軍再編の進捗に応じて、米軍再編の進捗に応じて再編の交付金を自治体に支給すると、こういう枠組みでありますが、交付金の交付要件だとかあるいは各段階の交付割合について、政府は何度質問をしてもこの中身を明らかにしてくれません。それは、この制度が結局出来高払、国の方針にきちっと協力すると、そのことを見届けたときに交付金を払うと、こういう仕組みになっているわけでございまして、そのことがそうさせているんだろうというふうに思っています。 こういう国の政策に協力するかどうかを自治体に迫る、そしてお金で、金で住民の心を押さえ付ける、住民の自治をやっぱり否定する、こういうやり方は私は大変やっぱり問題がある、こういう法案は私は出すべきではないと、こういうふうに思います。御答弁願います、総理。総理。
○国務大臣(久間章生君) 決してそういうつもりじゃございませんで、しかしながら、さはさりながら、やっぱり協力していただくその代わり、協力していただくところは負担が増えるわけですから、そういうところにはやっぱりここは交付金を交付すべきじゃないかという、そういう議論もあって、そっちの方がやっぱりいいだろうということで、ちょうど原子力発電と同じような考え方でやったわけでありまして、これを言いますと原子力発電のあの交付金だっておかしいじゃないかということにつながってくるわけでありまして、私はやっぱりそこは、負担を伴うところにはそれなりのことはしてやるべきだという私たちの気持ちの方が軍配が上がるんじゃないでしょうか。 だから、そしてまだ決まっておりませんので、いろんな具体的なことについては申し上げることができないわけでありまして、これから先、そういうような法律が通りましたら、それを受けた形で、じゃ具体的にどうしようかということを決めていきたいと思っております。
○近藤正道君 私は、原発の場合も含めて、こういう金で、札束で顔をはたきながら事業を進めるやり方、これ全くおかしい、改めるべきだと、こういうふうに思っています。 最後に、政治と金のことでございますが、先日もあるいは今日も松岡農水大臣の話が出ました。本当にこの事務所費、あるいはとりわけ光熱費、松岡大臣の場合はとりわけ不自然さが目立ちます。議員会館は光熱費ゼロ、そういうところで何でこんな金が出るのか。総理、聞いておられてこれ不自然だと思いませんか。せめて私は、私の内閣の下でこういう不自然はおかしい、是非内閣の一員にとどまっている限りは国民に対してきちっと説明責任を果たしなさいと、そういうふうにやっぱり言うべきなんじゃないですか。やましい点がないんなら、なぜそういう指導をされないんですか。任命権者としてされないんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この委員会でもう既に何回か松岡大臣がお答えをいたしましたように、法令にのっとって報告をしているということでございます。
○近藤正道君 しかし、具体的に、具体的にほかの人と比べて、とりわけ松岡大臣の場合、やっぱり不自然ですよ。何でゼロのところに一月に何百万も金が掛かるんですか。四百万も五百万も掛かるんですか。このことについては総理として、やっぱりおかしい、そのことについてはちゃんと説明しろと、内閣にとどまっている限りにおいてはそういう当たり前のことをやるべきだと、そのぐらいのことを何でやらないんですか。そうでなければ、やっぱり同罪、かばっているとみんな思いますよ。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど答弁をしたとおりでございます。
○委員長(尾辻秀久君) 時間が参りました。 以上で近藤正道君の質疑は終了いたしました。 これにて外交・防衛等に関する集中審議は終了いたしました。 次回は来る十二日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時八分散会