予算委員会 第4号
- 発言数
- 250 件
- 登壇者
- 28 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2007/03/06
会議録
○委員長(尾辻秀久君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 平成十九年度一般会計予算、平成十九年度特別会計予算、平成十九年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、昨日に引き続き、質疑を行います。片山虎之助君。
○片山虎之助君 おはようございます。昨日に引き続き、質問をさせていただきます。 今日は教育再生についてでありますが、昨日も触れましたけれども、昨年の臨時国会で教育基本法改正が六十年ぶりに実現いたしました。関係者のある意味では長い間の悲願でございましたが、これが見事にできたという意味で、私は安倍内閣の大きな成果だと、このように思っております。 いろんな議論がありました、いろんな経緯がありましたが、我が国と郷土を愛するとか、公共の精神だとか、あるいは教育は学校と家庭と地域住民の協力によるとか、あるいは幼児教育だとか、生涯教育の理念だとか、家庭教育だとか、私学教育だとか、いろんなものが、私、盛り込まれまして、大変いいものができたと思いますが、これは総論ですから、これから各論をしっかりやることによって全体の教育再生ができるわけでありまして、教育再生会議の議論に基づいて今中教審でいろんな議論が、各論の議論が始まっている、そのうち結論が出ると思いますけれども。 この六十年ぶりの教育基本法改正の意義というんでしょうか、それについて、効果というんでしょうか、総理の御所見を承りたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 昨年の臨時国会におきまして、言わば六十年ぶりにこの教育基本法の改正を行うことができました。 旧教育基本法において、教育の機会均等、教育の自由ということが、学問の自由ということが徹底されてきたわけでありまして、その役割を果たし得たのではないかと、このように思います。その中で、やはり今委員が挙げられました公共の精神あるいは道徳、国や地域を愛する、そしてまた我が国の文化や伝統に対する尊敬の念、そしてまたやはり子供を教育するに当たって親の責任、保護者が一義的に責任を持っていく、そしてまたそうした家庭教育を地域で支援をしていく、そうしたことが書き込まれているわけでございます。正に教育再生を進めていく上におきましても、教育新時代を開いていくためにも、第一歩、この礎が正にこの新教育基本法、改正教育基本法ではないかと、このように思います。 この教育基本法の改正を受けて、教育再生に向けての議論を今活発化させているわけでありますが、関連法案をこの国会に提出をし、是非成立を期していきたいと考えております。
○片山虎之助君 是非、今総理のお考えを各論にしっかり生かしていただきたい。 中教審での議論も相当煮詰まっていると思います。特に、教師免許の更新制度、あるいは学校の管理体制の強化、あるいはゆとり教育の見直し等、一連の法案になると思いますが、そこで、今関係者で議論になっているのが地方教育委員会に対します文部大臣の一種の関与、勧告・指示権の話でございまして、これは総理始め皆さんも御承知のように、平成十二年施行の地方分権一括推進法において、それまで地方教育行政組織法の中にありました措置要求をこれをやめまして、自治法の中の一般的な是正要求に吸収したというか一元化、こうしたわけでありますね。ところが、その十二年以降、一度もその是正要求というのが使われてありませんし、教育委員会が変わっているわけじゃないんですよ、ずっと前から。しかし、十二年以前の地方教育行政組織法に基づく措置要求もほとんど使われていない、何件かあるようですけれども。十二年以降は是正要求も一遍も使われていない。 ところが、もう今回、教育再生会議等で、これを是非、勧告・指示権に直したらどうかと、もう一遍戻したらどうかと、こういう議論でございまして、まあ地方六団体等が反発しておるわけで、昨日も予算委員会が終わりましたら六団体の代表が大勢まとまって来られまして、文科大臣のところにもあるいは行ったかもしれませんけれども、いろいろお話聞きました。 こういうことでございましてね。措置要求も是正要求も、措置を求めたり是正を求めても、地方の教育委員会が聞かなけりゃしようがないんですね。これは同じなんですよ。だから、今自治法の中に書いているものをもう一遍分けて地方教育行政組織法に書いたって同じなんで、そこで一つ問題は、義務教育というのが自治事務になっているんですよ、法定受託事務でなくて。これは恐らく大議論してそう分けたと思いますけれども、その関係で、自治事務について言うことを聞かせるという今権限はないんですね、国の。法定受託事務はありますよ、いろんな手だてがある。 その辺、何か今回、自治法でまとめたのをもう一遍分けてくれと、同じものを、効果が必ずしもしっかりしないものを。私はどういう議論だろうなと、こう思うんですが、文科大臣、いかがですか。
○国務大臣(伊吹文明君) 片山委員にお答えをさせていただきたいと思いますが、まず、先ほど教育基本法を国会で改正していただいたわけですが、これだけですべてができるわけじゃない、これは御指摘のとおりです。 安倍内閣としては、今日はテレビの向こうの国民の皆様にしっかりとお伝えしたいのは、いじめあるいは学校現場が荒れているということについては、先生方が責任を持って、誇りを持って仕事をされて、学校現場でしっかりとお仕事がしていただけるように、もう一、二年の間にそういう学校をつくりたいと、そういう学校現場にしっかりと直したい、これはもう安倍内閣の基本的な方針です。 その上で、今、片山委員が御指摘になった、当面そのことを達成していく三本の法律について中教審で御審議をいただいている。で、経済の問題とか福祉の問題と違って、最終的に結論が出てくるのはこれは五十年ぐらい後ですけれども、しっかりやっていかなければならないと思っております。 そこで、教育委員会の問題については、これは、日本の国は主権はもう御承知のように国民にあるわけですから、国民は正当に選挙で選ばれた代表を通じてその主権を行使する、つまりこの参議院あるいは衆議院で決められた法律を一部の自治体は守ってくれるけれども、それ以外の自治体は守ってくれないということは、やっぱりこれはあってはいけない。 従来の、今委員がおっしゃったように、是正要求をしても要求にこたえるかどうかは、おっしゃるとおり地方自治体の判断にゆだねられているんです。ですから、未履修の問題のようなことが起こる、あるいは法律違反を行った教組の処分を要請しているにもかかわらず放置していると。だから、明らかに法律違反がある場合に内閣が是正要求を、是正あるいは要求という言葉が適切なのか、是正の指示をした場合には、これは極めてやはり限定的にしなければいけないと思います。 委員がおっしゃったように、従来とも使ってないというのは、これは使っちゃいけないんですね、本来。使っちゃいけない。けれども、どうしても困った場合は使わねばいけないという権限をいただきたいというのが我々の気持ちでございます。
○片山虎之助君 その、何ですか、措置要求ですか、それは使わない方が、使ってはいけないわけじゃないですね、使わない方がいいんですよ。いけないわけじゃない。 そこで、今の指示監督権にしても、自治事務については同じなんですよ。無理やり言うことを聞かせられないんですよ、法制論としては。だから、私はそこは、これは一般論として、たとえ自治事務でも、明らかに違法だとか極めて不適当なものについては是正の仕組みをつくったらいいと前から考えているんです。しかし、それは一遍にいきません。しかるべき調査会か何かで大議論して、そういう答申をもらってからの私は話になるんで、今、伊吹大臣が言われるように、指示権や勧告権を書いたって、聞かなければしようがないんですよ。そこはどうですか。
○国務大臣(伊吹文明君) もう片山委員とちょうちょう申し上げるのもいけないと思いますが、やはり法制上、私は御指摘のように不備があると思います。 憲法には国民に課している義務というのは四つしかないんですよ。これで一つは、この憲法が国民に保障する自由及び権利、つまり人権ですね、これは不断の努力によってこれを保持しなければならない、また、国民はこれを濫用してはならないという義務を一つ課しているわけです。あとの三つは、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負うという義務があります。それから、国民には勤労の権利と義務があるんです。それから、国民は法律の定めるところにより納税の義務を負うと。 だから、地方自治体に地方税の権利はあるんですよ。だけれども、国税はやはり国が管理しているわけですよね。そして同時に、勤労については、これは、この勤労の義務に対して不当なことをした場合には、労働基準局という、国がやはりそれを是正するわけです。そして、人権については、これはもう法務局というものがあって、人権を守っているわけですよ。ところが、教育だけは国と地方が分担をしてやっておりますから、そこのところが非常に法制的にあいまいになっていると思います。 本来これは、分担してやっているんならば、地方自治の本来の役割を果たすべき議会がその不備をチェックしてくれないと困るわけですよ。ところが、残念ながら、未履修の問題もいじめの問題もチェック機能というのは働いていないところにこの議論が始まっておりますので、法制的にどう組んでいくかというのは、地方自治の専門家でいらっしゃいますから御相談をしながらやっていきますが、このままの状態で放置していては、やはり国の教育に対する最終的な責任が地方自治体の対応によってばらばらになってくるという事態だけは避けさせていただきたい、これが私どもの考えていることでございます。
○片山虎之助君 大臣の気持ちも分かるんですよ。私も実態から見てうなずけるところがたくさんあるんですけれども、仮に今の措置要求をもう一遍昔に返して、十二年のときに、昔はまあ措置要求、ちょっと違うんですけれども、指示、監督にしたって効果は同じで、拘束できないんですよ。だから、そこのところは代位制度を自治事務についてもつくるかどうかなんですよ。これが国の事務で地方に渡している法定受託事務というのはできるんです、これはそういう法制になっているんで。そこのところは、新たに勧告・指示権なんか書いたって効果は同じなんですよ。大体、十二年の改正のときに文部省は、その当時は文科省じゃありません、文部省の時代ですけれども、納得をして、当時の文部大臣はこれで結構ですと言ったんです、これで十分できますと。 こういうことなんで、私はここのところは、実態は分かるし、気持ちは分かりますよ。だから、よくこれは検討していただかなきゃ。私の方でも、私の方と言うのもおかしいんで、私自身も検討しますけれども。安倍内閣は教育再生と地方分権はともに重要な課題なんですよ。両立することを考えないと。地方がこれだけわあわあ言っているときに、効果が同じものをまた新たに朝令暮改で元に返すようなことについては、私はここは慎重に総合的に考えていく必要があると。 何度も言いますよ。実態分かりますよ。気持ちはもうよく分かります。国民が四つの義務を負っているのもよく承知しています、三つだったか四つだか分かりませんが。しかし、うまくやらないと。法制論を私は言っているんで。何か御意見があったら。
○国務大臣(伊吹文明君) 平成十一年の地方分権一括法の中で、当時の国と地方の事務区分を法定受託事務と地方自治事務の二つに変えたわけですよね。そして、今おっしゃっているように、これを地方自治事務にしたということはおっしゃるとおりです。 もしも、しかし片山委員ももうその道の大家だから、もしも、地方教育、地教行法の改正で地方自治事務の一部を附則で変えるなんていうことに、基本法ですからね、地方自治事務は地方自治の。というようなことは法制的にも適当ではないでしょう、それは。そして同時に、地方自治法を所管している総務省もそれはオーケーとは言わないですよ。 ですから、やはりここは政治的な背景と同時に、今おっしゃったような法制的な面とを考えてどこかで到達点を見いだすと。そのために、是非、片山委員にも御協力をいただきたいと思います。
○片山虎之助君 それから、私学は今、首長の権限なんですよね、都道府県、市町村とも。これは大変うまくいっているんですよ、首長さんと私学が。だから、ここに教育委員会をかませるというのも私はアイデアとしてはあり得ると思うんです、専門家だから。まあ専門家でない教育委員会もありますけれども、大体専門家だから。しかし、そこで、今うまくいって関係者が嫌だと言っているものを、これは仕組む、制度を仕組むというのも私は無理があると思うので、その辺は慎重にしていただきたいと思いますしね。 それから、教育長の同意ですね、教育長の、これは昔大騒ぎをしてやめたんですよ。またこういう昔のお化けみたいなものを倉庫から取り出してもう一遍やろうというのは私は発想が余り良くないと、こう思いますんでね、もう、ひとつ簡潔にあれしてください。
○国務大臣(伊吹文明君) まず、片山先生、私学と知事の間は非常にうまくいっているんですよ、これはもう私は否定しません。しかし、国民から見るとちょっと虫が良過ぎるんじゃないんですか。 というのは、昭和四十五年から国民の血税が私学助成費として入っているんですよ。入っておって、知事部局は私学助成を私学にお渡しになっている。しかし、義務教育の未履修でもすべて、義務教育、中学校の未履修はすべて私学ですよ。そして、私学はカリキュラムの編成について知事部局からチェックを受けてないです。だから、教育委員会を関与させることは私はやらなくていいと思います。それであれば、知事部局の総務部に必ず指導主事を置いて、そして国の法律として国会が決めてくだすった義務教育のカリキュラムを守らせるという担保だけはしていただかないと困ります。 それから、事前承認の件は、ややお化け的だと言われればそのとおりです。しかし、教育長が失敗をした場合は、本来、地方議会がやっぱりそれをきちっとチェックしてくださるのが教育長を承認された地方議会の役割じゃないでしょうか。それがなかなかそのとおりいってないから未履修の問題ができたりいじめの問題ができる。そこにどう対応するかと、これは正に地方自治の在り方が問われている問題だと思いますので、力を合わせてひとつその辺りを直していきたい、国民のために直していきたいと思います。
○片山虎之助君 まあ言われるとおりなんですね。地方も虫がいいところあるんですよ。言うことは言って、それは私は地方分権正しいと思うけど、責任を持ってしっかりやるということがなきゃ、それは首長さんも議会も、それは十分私は心すべき御指摘だと、こういうように思います。 持ち時間の関係ありますんで、次やらせていただきますが、今日からベトナムのハノイで、例の六者会合合意に基づく作業部会を五つつくると。その中で日朝の作業部会の、正式な協議はあしたからですか、明日、あさって、今日は何か非公式の事前折衝があるようですけれども。 これは、作業部会ができたということは私は大前進だと思いますけれども、伝えられるところによると、あの北朝鮮の何とかという大使の方は固いですよね、顔も固いが言うことも固い。しかし、我々としてはこれは引くわけにはいかないんで、やっぱりもう一遍しっかり調査して真相を究明してもらって、責任を明らかにしてもらって、返すものは返してもらわないと。それから、失踪者というんですか、そういう方も何人もおられるんで、どういう決意で取り組まれるか、外務大臣、お願いします。
○国務大臣(麻生太郎君) おっしゃるとおり、今日から予備交渉、予備折衝、あした、あさって、七日、八日でハノイで久しぶりに日朝によります作業部会が開始されることが決まりました。過日の六者会談での、我々日本にとりましては大きな成果の一つだったと存じます。 この拉致の問題というのは、この何年かの長い間の取組によって、少なくともこれは国連の総会においてこの拉致という言葉が正式で国連で採用され、そして、北朝鮮にこの問題は解決するように日本だけが言うんではなくて、五者に限らず世界じゅうからこれを言えるようになった雰囲気づくり、状況づくりはこれは大いに成果が上がっているものだと思っております。 したがって、今回の五者の一致結束によって、日本というものは、核、いわゆる北朝鮮を核保有国として認めないのが六者協議の最大の目標だったんで、それを達成した上で、かつ日本の場合はほかに一つこの問題があるということで、我々はこれだけは別問題として徹底して扱うように、別扱いにするように要求、そしてそれも通して一応協議が再開されるところまでは来ました。 問題は、これから先どういうような向こうが誠意を見せて、拉致の問題は解決済みという大体そういう態度でこれまで来ておりますので、これはちょっと正直申し上げて、今日、あしたから、どのような段取りでやるかの部会は今日正に始まりますけれども、その段階で向こうがどういう態度に出てくるかというのはこれはちょっと何ともいかんとも予測のし難いところでありますが、これはもう片山先生、粘り強くやらにゃしようがないんで、きちんとやり上げてまいりたいと覚悟しております。
○片山虎之助君 そこで、去年一年は本当に北朝鮮に振り回されたある意味では一年だったと思いますよ。今年の二月になって六者会合で合意ができた、私はこれは大変いいことだと思いますし、この合意につきまして、初期段階では、寧辺というんですか、寧辺、寧辺、そこでの核施設の凍結、封印をやって、作業部会をつくったり、いろいろなことがありますが、五万トンのエネルギー支援と。それが二段階で、これは初期段階。次期段階で全部を無力化するとか、リストを全部出すとか、それをやって九十五万トンと。それで、これにつきましては、とにかくプルトニウムが増えることを止めるんだから、それはそれで大変な成果ではないかと。 それから、前回、一九九四年ですか、あのときはエネルギー支援、四百六十五万トンだったんですよ。今度は両方合わせて、二段階で検証しつつ百万トンだからこれは前進ではないかと、こういう評価が確かに私はあると思うんですけれども、それじゃ本当に北朝鮮の態度は変わったんだろうかと。今まで何度も、まあだまされたと言っちゃ言葉が強うございますけれども、だまされたんですよ、ある意味では。そこのところをどう見極めるのかですね。 この六者会合合意の評価について、総理、いかがお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かに、この北朝鮮というのはなかなか難しい国でございまして、九四年のときのKEDOの合意においても、あのときに、今委員が御指摘になったように、米国は毎年五十万トンずつ油を支援をすると。そして、それは日本、韓国が中心となって造っていく言わば軽水炉を、千メガワットの二基ですね、これを、事実上無償に近い、一応お金は貸すんですが、これは三十年しないと返ってこないというものでありますが、それを造って、完成するまでの間、供給するまでの間、年間五十万トンずっと出していこうという大変いい条件であったと思います。 しかしながら、そのときに既に抽出したプルトニウムについては不問に付されたという問題がありましたし、かつ、なおまたこういう約束をしておきながらウランの濃縮計画をスタートしていたと、このような疑いも濃厚になっているわけでございます。 そこで、今度の合意でございますが、この合意は、既に行われました六者協議における共同声明において北朝鮮が核を完全に廃棄をする、廃棄、放棄をするという約束をしています。この約束を履行するということを前提に、この合意において六十日間でこれこれこれまでやりましょうと。寧辺の核施設を停止をして封印していきましょう等々を北朝鮮が約束をして、そして国際社会は五万トンまずはエネルギーの支援をしましょうと。そして、またいろいろな作業部会において北朝鮮をめぐる問題について話をしましょうと。五つの作業部会でありますが、その中には米朝の交渉の場、そしてまた日朝の国交正常化について話合いをする。もちろん、ここでは、正常化のためには拉致問題が解決をされていなければいけませんから、ここで拉致問題についても話合いを行うという場が設定されました。日本にとっては、これは大きく九四年とは違うということでございまして、日本の個別問題、大きな最大の問題についてここで話合いをするということが担保されたと。そして、バランスよくこの五つの部会は、作業部会は進んでいかなければいけないということになっていますから、拉致問題だけが置いていかれることがないという仕組みになっているということだと思います。 いずれにせよ、我々は注意深く、北朝鮮が実際に、まず初期の段階の六十日間以内にやっていくということを約束した先ほどの寧辺の核施設関連についての停止、封印、そしてIAEA要員の復帰、そしてまた、すべての核計画の一覧表について五者と協議をすると。それは抽出プルトニウムを含むわけでございます。そうしたものをしっかりと我々はよく見ながら、実際に彼らが本当に行動を起こすんだなということは正に注意深く見ていかなければいけない。そして、何よりもこの作業部会において、日朝国交正常化の作業部会において彼らが誠意ある対応を示さなければならないと。そして、誠意ある対応を拉致問題解決に向けて彼らが前進するように、決断するように促していく、そのための国際的な連携を更に深めていきたいと考えております。
○片山虎之助君 総理の言われるとおりなんですね。今度は、六者合意、六者会合合意に基づく日朝作業部会ですからね。これは権威があるというのか、そういうきちっとした二国間協議になる。 それから、もう一方、米朝があって、これは恐らくテロ支援国家の指定解除が向こうの大きな願いでしょうから、じゃ、これをやるには拉致問題というのはどうしても何らか解決しないといかぬと言った。 私は事情は確かに違いまして、今回五万トンの緊急支援は参加しないと、我が国は。ほかもそれは納得してくれたと。それから、次期の九十五万トンの方も、これは拉致問題の進展がなければ加わらないと。拉致問題の解決がなければ、支援もなければ国交正常化はもちろんないと。こういうことは私、正しいと思うんですね。 これを貫いてもらいたいと思うんだけれども、それじゃ、日本外交孤立化論というのがあるわけですね。どんどんどんどんその核の問題が解決の方にプロセスとして流れていったときに、日本は利益は享受するけれども、おまえは負担しなくていいのか、ただ乗りではないかと、こういう議論が出てくるのかこないのか。そのとき、それは堪え得るのかどうか。私は基本的には、拉致の解決なければ支援なし、国交正常化なし、これを貫くべきだと思いますけれども、その辺の見通しは、総理、どうでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国際社会、こうした会議においては、国際社会においてそれぞれの国が自分の国益を考えていろんな主張をします。その中で主張を抑えてみんなの言うことを聞いていれば、おまえの国はいい国だな、いい子いい子と、こう言われるわけでありますが、しかし、残念ながら、私たちはそこで国益を失っていくということにつながっていくわけであります。 そこで、この六者協議、六者会合においては、もちろん核の問題を解決をする、これが大きなテーマです。しかし、我が国にとっては、拉致問題の解決、これは決して譲ることのできない課題であると、このように思います。そして、この拉致問題の解決をするためには、日本と北朝鮮との間のこの問題を解決をするためには、彼らが態度を変えなければ私たちも態度を基本的に変えませんよと、このスタンスを維持しなければ彼らは決して、残念ながらこの問題の交渉には応じてこない、決して今までの言っていることを変えて正しいことを言うという態度に転じることはないわけでありまして、ここは正に頑張りどころで、譲れない一線であります。 そこで、外交においては、この日本の考え方をほかの国々に説得することができなければ、確かに今委員がおっしゃったように孤立化につながっていくわけでありまして、我々はそれを恐れて、昨年来、あの北朝鮮に対する決議を行ったときからずうっと、海外に対してこの拉致問題がいかに大きな重大な人権侵害であるかということをずうっと説得をしてまいりました。意外と海外の主要国のリーダーもこの問題について知らない国がたくさんありました。私が首脳会談で、十三歳の少女も含む方々が拉致をされたんですよと言うと、結構驚かれる方が多い。一体どうしてそんなことやったんでしょうねと、こう質問があります。 こういう説明を繰り返しながら、世界各国の理解を得ながら、そしてまた、米国にも横田めぐみさんのお母さんの早紀江さんが行かれて、ブッシュ大統領と面会をして、大変なブッシュ大統領に対して感銘を与えた、これも大変大きかったと思いますが、米国は完全に日本の立場を理解をして支持をしています。五万トン、また残りの九十五万トンもこの問題が解決をしなければ日本もそれは出せないですね、当然ですねという考えであります。そして、中国に対しましても、昨年、訪中以来、私も説明をしております。中国も基本的には理解をしている、韓国もそうであります。 ですから、その中で理解をするということを、外交的に外務省も麻生大臣も外務省当局もそこは随分頑張っていただいてそれはかち取っておりますので、今のところはその理解は私たちは得ている。今後とも、この努力をしていきながら、この作業部会で何とか前進させるように全力を尽くしたい。そして、北朝鮮はこの問題を解決をしなければ決して国際社会から受け入れられないということを理解させなければならないと考えております。
○片山虎之助君 総理の熱の入った答弁、よく分かりました。是非、最大の努力をしていただきたい。 そこで、ノドンミサイル二百基が日本に向かって対置していると、ミサイルについては日本がある意味では唯一の当事者国ではないかと、こういう議論がある。ところが、このミサイル問題については、日本の国民もマスメディアも緊迫感というんでしょうかね、危機感というんでしょうか、そういうものが大変希薄だという議論がある。こっちだって大変なんだと。これについて、もう少し声を大きくして国民の皆さんに分かってもらう、メディアにも協力してもらって、国際的にもアピールして、北朝鮮に対していろんな、まあ圧力と言っちゃいけませんが、そういうことをすべきではないかという意見がありますが、外務大臣、いかがですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 御記憶のように、一九八九年にノドン、最初の一発目が飛んだときには国連の反応はほぼゼロ、何もありませんでした。騒いだのは我々だけ。次に、一九九四年にいわゆるテポドンというのが飛んだ、太平洋まで飛んだ。あのときにも、国連では議長声明、議長ステートメントまでしか行かなかったんであります。今回の七月のテポドンのいわゆる2、これは太平洋まで届かず日本海で落下ということになりましたけれども、このときになって初めて、我々としては猛烈言って、結果として制裁決議というところまで進められたのは大きな成果だったと思っておりますが、いずれにいたしましても、テポドンじゃなくてもノドンだけで日本は射程距離内にほぼ全域入るということになっております。これにいろいろな武器を積むということは可能性としては極めて大きいんであって、特に私のおります、ちょっと先生、太平洋側ですが、こっちは日本海側ですんで、かなり住民の意識は日本海側の方が私の知っている範囲ではすごく深刻であります。 そういうような状況にもありますので、私どもとしては、是非この点は、テポドンじゃないからいいとか、何とかじゃないからいいんじゃなくて、これはノドンというのは実戦配備できるほどであって、過日の七月の場合でも、正確なところに一定時間内に約六発のノドンを正確にほぼ順番どおりのところに撃ち切れているだけのレベルに達しておるということに関しては、私ども事あるごとにいろいろ更に言っていかねばならぬと思っております。
○片山虎之助君 よろしくお願いします。 もう時間がなくなったので、あと少しだけやらせていただきますが、例の税源移譲で三兆円のお金が国税から地方税に移りました。国の国税である所得税を減らして地方税である個人住民税を増やすと、こういうことでございまして、これが、国税の方は今年の一月からですね、これは減る方ですから。それから、六月からは今度は個人住民税が増える方になる。減る方はみんな有り難いけど黙っているんですよ。だから、増える方は増えた増えたと、こういうことになる。 しかし、これはプラス・マイナス・ゼロなんで、減った分だけ増えるんで、増えてもそれは元々減っているんで、そこを私はPRをしっかりやることと、その税源移譲が、これは大議論して政府・与党で苦労して決めた三兆円の税源移譲なんですね。その税源移譲の意義も国民に分かってもらう。国民に一番身近な地方団体の自主的な税としていろんな仕事をやってもらうんだと、監視もしやすいではないかと、こういうことなんで、どうもそのPRが、だんだん六月が近づいてまいりますと心配なもんですから、その国税、地方税の所管大臣である財務大臣と総務大臣から、その辺の国民に対する理解、認識についての今後の御努力の決意をお願いいたします。
○国務大臣(尾身幸次君) 今後ともこの点について、大変大事な問題でございますので、一生懸命頑張ってまいりたいと思います。
○片山虎之助君 もうちょっと、大臣、決意じゃないじゃないの。もう少し大きい声で。
○国務大臣(尾身幸次君) しっかりとやってまいります。
○国務大臣(菅義偉君) 国民の皆さんに分かりやすくしっかりと私も広報できるようにさせていただきます。
○片山虎之助君 見ている国民の皆さんに是非分かっていただきたいんですけれども、所得税が減った分住民税が増えるんで、その点をよく御理解を賜りたいと。 ほかに、税制については、消費税問題含めて御質問しようかと思いましたが、時間がありませんので最後に一問だけ。 大田大臣、上海の株の急落でニューヨーク市場が、これもまあ急落と言うのかね、どっと下がって、日本も今株式、ダウが一万七千円を割ったと、こういうことなんで、もう日本が一番大きいんですよね、下がり方が、ですよ。どうもその辺が心配なんで、そういうことを言うと、いや上がるときも早いんだと言うんだけれども、やっぱりその辺のあれと株価の状況と、国民に安心をさせてくださいよ。 それから、景気にどういう影響があるのか、基本的な景気の足腰は強いんですから、それをしっかりとひとつ御答弁ください。
○国務大臣(大田弘子君) 世界の株価につきましては、まず中国市場で下がりまして、それからその後アメリカにおいて市場予測を下回る指標が出ました。例えば設備投資の動向を示す資本財受注などですが、それを受けて大幅に下落し、それが他地域に波及いたしました。それから、対ドル・円レートも百二十一円まで円安方向で推移した後、直近で百十五円と円高に転じております。 ただ、最近の経済動向を見ますと、日本経済のファンダメンタルズに変化はなく、収益の改善ですとか設備投資の増加など企業部門の好調さが持続しています。景気回復の基調はしっかりしたものであると考えております。 今後も、実体経済や金融市場の動向は十分に注意してまいります。
○片山虎之助君 円高になっているでしょう、円高に。株安で円高に。ダブルじゃないかという議論があるんですが、その点どうですか。
○国務大臣(大田弘子君) 株価の動き、為替の動きは、基本的には経済のファンダメンタルズを反映したものになってまいります。今、日本経済の基調はしっかりしておりますので、心配は要りません。
○片山虎之助君 円高の方は大丈夫ですか、円高……
○委員長(尾辻秀久君) 片山虎之助君、御発言ください。
○片山虎之助君 はい。円高なんです、私が言っているのは。円高と株安が連動してダブルパンチにならないように、ひとつその辺の。 〔国務大臣大田弘子君「為替については尾身大臣が……」と述ぶ〕
○委員長(尾辻秀久君) 指名を待ってください。 〔国務大臣大田弘子君「はい」と述ぶ〕
○委員長(尾辻秀久君) 大田大臣。
○国務大臣(大田弘子君) はい。失礼しました。 為替市場については尾身大臣の方が御答弁にふさわしいと思います。いずれにしましても、景気の基調はしっかりしたものです。
○片山虎之助君 財務大臣、財務大臣。
○国務大臣(尾身幸次君) この問題については、昨晩もポールソン米財務長官とお話をさせていただきまして、日本、アメリカ、それからヨーロッパを含めました世界全体の経済の状況は順調にいっているということでございまして、株価あるいは為替レート等もそういう経済のファンダメンタルズを反映すべきであるというふうに考えております。 私ども、マーケットの動きでございますから、具体的な水準についてコメントすることは差し控えさせていただきますが、経済のファンダメンタルズは極めて順調であるということだけについて意見が一致したということを申し上げさせていただきます。
○片山虎之助君 それで、私の質問はこれで終わりにさせていただきますが、関連質問を同僚にお願いします。よろしくお願いします。 ありがとうございました。
○委員長(尾辻秀久君) 関連質疑を許します。松村龍二君。
○松村龍二君 自由民主党の松村龍二でございます。 平成十九年度の予算の審査を行う予算委員会にこうして同僚、上司の理解をいただきまして質問をさせていただきますこと、大変光栄に思います。総理大臣始め皆様、よろしくお願いします。 今日ここに立ちまして、二月の初めに補正予算のやはり予算委員会があったんですけれども、そのときはこの左側の議員席が全部空いておりまして、非常に寂しい思いをいたしました。国会議員の仕事というのは、やはり憲法にありますとおり、国会において審議を尽くすということがお仕事かと思いますけれども、欠席戦術というのか、おられませんで、昨日も野党の御質問聞いておりますと、櫻井先生なんかは御自身でニートの方を相談をしてうまく立ち直らせたというふうな非常に傾聴に値するお話もありまして、与党の先生方もそれぞれ地元の輿望を担って立派な見識を持っておられるわけですから、欠席戦術というようなことはされないようお願い申し上げたいと思います。 さて、この国会は格差の声を聞かない質問はないわけでございますが、私もそのような問題について一言触れて、総理大臣の政治に対する姿勢をお伺いいたしたいと思います。 バブルがはじけました後、日本は本当にトンネルの中へ入ってしまって、先があるのかなと。また、中国が猛烈な勢いで追い上げてくるということで国民が本当に意気消沈したわけですが、小泉さんは中国との競争はいいじゃないかと、それによって日本も益するところがあるんだと、両方とも得しようじゃないかというふうな御発言もありまして、今痛みを伴う改革を通り抜けて国民は明るい展望を持つことができると思います。また、若い方の就職についても売手市場になったというようなことも報道されるわけであります。 しかし、私の地元の問題について幾つか触れますと、やはり公共事業が、この平成十二、三、四年から十五兆円あった公共事業が七兆円まで、十四兆が七兆円まで下がったということで、またその上に競争が激しくて買いたたくと。公共事業が半減して、さらに昨日は総理が、三・五%もまた平成十九年度の予算で公共事業を減らしておると、非常に緊縮の締まった予算であるというふうなお話もありましたけれども、経済財政諮問会議が半分まで減らすといった目標を達したにかかわらず、更にまた公共事業に削減を掛けるということになりますと、昨日の片山先生の御質問のように、地方の経済はたまったもんじゃないという面がございます。そして、その絶対的な金額が減った上に予定価格の六〇%とか五〇%というような価格で落札するというようなことが常態になっております。そうしますと、その下請、更に下請ということに、孫請ということになってきますと非常にしわ寄せがございます。 私もこの日曜日に地元の大工さんの集まりに顔を出しましたけれども、水道管を布設する仕事をやっておるという方でしたけれども、本当に孫請の孫請ということでしわ寄せがあると、こんなお話がございました。 それから、一つ酒屋さんの例を取り上げたいと思うんですけれども、地方の酒屋さんというと、商店街のまあ顔役として商店街の世話役をやっていただいておるという方が多かったんですけれども、規制緩和に次ぐ規制緩和、初めは町の中に幾つの酒屋さん、あるいは人口割り、あるいは最後には二百メーター以内に酒屋をつくってはいかぬというような規制も取っ払われるというふうなことで規制が緩和されてきたわけです。その結果、酒屋さんも半分まで減るというような状況になっております。 これも先週地元へ帰ったときに酒屋さんにお話を聞いたところ、そのような規制緩和は差し支えないと。しかし、不当競争がその間あったんじゃないか。ビール一ケースが定価を割るような値段で量販店で売っている。これは、一括仕入れるお店ではリベートのビールが付いてきまして、そのリベートのビールでもうけているんでというようなお話でございまして、本当は公正取引委員会が不当廉売を取り締まらないといかぬのにそれが行われていなかった。そういう中で規制緩和が進んできたというふうな指摘もございます。 それから、保育士の問題なんですが、非常に私の県は特殊出生率が日本でただ一つ昨年伸びたんですね。それで、非常に保育が充実しているという印象を受けます。しかしその保育も、延長保育とか夜間保育とか休日保育とか、国民の要求するものを政府がどんどん推し進めてきたわけで、その限りにおいて裨益する方も多かったと思いますけれども、一面、保育士、保育所に負担が掛かっておるといった実態もございます。 ある正月のときに、保育士の女性の方三人、私のところに見えまして、今保育所は、現場は大変なんですよと。非常に労働が過重で、保育士になり手がないんだというような指摘もございまして、一面、すばらしい改革の中にそういう影があるといったことも感じるわけであります。 それから、もう一つだけ例を挙げさせていただきますけれども、看護師さんですね。 病気になったとき、病院に入ると白衣の天使と、正に天使さんというような感じでございますけれども、その看護師さんも、三十歳過ぎたベテランを雇うと給料が高くなるので、そういう方には辞めていただいて、新人を採用して安い月給で病院を切り回していこうといったことが常態化しているというような指摘もあるわけでございます。 このようなことで、いろいろ影があると思いますけれども、安倍総理は、非常に、美しい国日本ということをおっしゃるだけありまして、非常に優しく国民のためを思って政治をやっておられるなということを私、感じます。諸外国の為政者がどうか知りませんけれども、これほど国民に優しい、一人一人の国民の痛みを考えて対応しておられる内閣はないんじゃないかなというふうに私、思うわけでございますが、まず、安倍総理の政治に対する姿勢についてお伺いいたしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 六年前から私どもは構造改革に取り組んでまいりました。この構造改革をスタートした直後は、このスタートした当初よりもむしろ日本の経済は厳しい状況になりました。不良債権も増えたわけでありますし、また失業率も上昇した、有効求人倍率も落ちていく中にあって、そこでどうするかみんなで考えたわけでありますが、更にこの構造改革を進めました。 そして国民の皆様の本当に血のにじむような努力があって、そうした努力と構造改革が相乗効果となって現在の、緩やかではありますが、景気回復、成長の軌道に乗ってきたということではないかと、このように思います。そして、いよいよこの景気回復、しかし、この景気回復をやはり更に家計に、そして地域に、中小企業や各産業に波及させていくそういう段階に至ったと、こう思うわけであります。 この景気回復は、言わば三つの過剰、債務、設備、そして雇用、この三つの過剰を企業が解消する中においての回復であったものではございますから、なかなか雇用や家計、また地方への波及に時間が掛かってしまったのも事実であります。しかし、やっとこの明るい傾向は雇用にも現れてまいりました。正規雇用が四半期連続増加をしています。そして、有効求人倍率も、全国ではばらつきがありますが、傾向としてはずっと改善をしているのも事実だろうと。そして、これが進んでいけば、更に給与についても改善され、家計ももっともっと楽になっていくということになるのではないかと、こう期待をしております。 そしてさらには、政府としても積極的に地方の中小企業が地域の良さを生かして頑張っていく、そういう中小企業を支援をしてまいります。そしてまた、さらには地域活性化のための九本の法律を提出をしております。また、農家を、正に将来輸出産業としても未来を見詰めることができるように農業についての戦略を推し進めていきたいと、こう思っているところでございます。 やはり日本が隅々まで明るい希望を持てる、そういう日本にしていきたいと、このように考えております。
○松村龍二君 昨年、安倍総理が就任されて以来、私は日本の国際的地位が非常に安定したというふうな実感を持つわけです。もちろん小泉さんが靖国神社の問題で神経を逆なでするぐらい頑張ったということの反動としてまた良くなったという面もあるかと思いますけれども、私は、日本の外交が世界の中において、その経済的地位あるいは文化的なすばらしさに見合った尊敬をかち得るようになったんでないかなというふうに実感するわけです。 最近よく歴史の物語をテレビ等でやっております。先般テレビ見ておりましたら、日本というのは、鹿鳴館の時代ですね、明治十五年ごろかと思いますけれども、不平等条約を解消するために西欧化するということで外国に対応しようということで井上馨卿が鹿鳴館を建てまして、日夜洋装した男女がそこで会をすると、パーティーをするというふうなことがあったわけです。そのときに外国の使者が見ておりまして、日本人の体格に余り洋服は似合わないよと、特に女性が洋服を着ると何か奇妙な感じがすると。まあはっきり言うと、何かまあ最近ちょっと言葉を選びませんとあれなんですけれども、ともかく日本人が体格が欧米人に比較して落ちるというふうなことで見られていたようです。 そして、私は、第二次世界大戦を経て、昭和五十年代にバンコックの日本大使館に勤務しておりまして、カウンターパートの方と話しておりましたら、こういうことを突然言われたんですね。自分の父親は、第二次世界大戦中に同盟国の日本がタイに駐留して、ルンピニー、競馬場に駐留しておるというのをタイ人が外から見ておって、日本人は体が小さいと、タイ人よりも体が小さい。また、タイ人の方がノーブルな顔をしているというふうに父親から自分は聞かされてきたのに、最近、昭和五十年ごろ来る日本人を見ると、体格もタイ人に劣らないし、決して父親から言われていたのと違うと、どうしてだろうと、こうやって突然私聞かれたんです。 それで、私は、やっぱり第二次世界大戦負けたのは体格に劣っているというふうな反省もあって、戦後栄養に気を付けて、ミルクを飲んだり、たんぱく質をよく取るようになって大きくなったんだろうという解説をいたしておりました。 それから、やはりオリンピックとかいろんなスポーツ大会においても、日本人はその体格その他にかなり劣等感に戦後さいなまれた時代があったと思います。 また、サミット等がありますと、日本の総理がかき分けかき分け、だれの横に立ってくれるかなというようなことを国民の最大関心事で、中曽根さんが堂々とかき分けてアメリカの大統領の横に立っていたんでみんなほっとしていたと、まあこんな時代があったわけでありますけれども、そういうことに比較して、今、日本は大変な、まあ国民が考えている以上の位置を得ているんじゃないかなと。先般、麻生外務大臣がそういう話をしておられるのを聞きまして、これは国民に是非語っていただきたいなと思ったので、麻生大臣、それから外交姿勢全体について安倍総理から後ほどお話をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 少々古い資料で正確な数字じゃないかもしれませんが、松村先生奉職しておられましたそのタイの大使館に、バンコックだと思いますが、そこにチュラロンコン大学というアジアで一番古い大学がございます。大分前でしたんで。その女子大生百人に聞きました。あなたはもし生まれ変わったら何人の何になりたいかという質問に対して、何って男か女かという意味ですが、に対して、日本人の女性三十二、すなわち三二%が日本人というのが答えであります。理由は、一番格好いい、一番いい物を着ている、一番さっそうとバンコックの町を歩き、一番金払いがいいという、これが圧倒的に理由の一番だったんですが、ちなみに日本人の男性と書いた人はゼロです。 これは非常に、私、その当時、大分前だったんですが、これ読んで、ああ随分時代は変わったなと私、正直思いました。一番格好良く思われるという時代になっておるというのが一つです。 体型の話で恐縮ですけど、最近、松村先生、お孫さんぐらいで蛯ちゃん現象という言葉を御存じでしょうか。国会議員だったら知っておいてもらいたいと思うんですが、知らない人の方が多いと思いますが、蛯原友里というファッションモデルが出てきているんですが、これがもう全くパリ・コレクションを上回っております。とにかく、ファッションショーに二万人の参加というのはやっぱりちょっと今までは考えられない状況が起きてきておる。で、こういったのに対して外国人が物すごい見に来るという事態になっておるというのが今の現状です。 そういう意味でいきますと、日本の持っております最近のいわゆるサブカルチャーとかいわゆるJポップとかジャパニメーションとか、いろいろあります。そういったようなものが非常に大きな影響力を与えつつあるというのは事実だろうと思いますんで、是非そういう意味では、妙に背伸びする必要もないんであって、BBCというイギリス国営放送において世界で最も貢献している国、昨年の二月だったかの調査ですけれども、世界に対する影響を最も肯定的にとらえておりますのは、世界三十三か国、四万人対象で五三%が好意的、そして日本がその中でトップにランクされたというのは事実でありますんで、日本のNHKがやったんでもない、政府がやったんでもない、イギリスの国営放送がやった調査によって日本の世界、日本は世界で最も貢献している国として一番に挙げられているという事実は明らかにこれは第三者の見る目だと思います。 外務大臣やらせていただいて一年何か月かたちますけれども、一番感じましたのは、やっぱり日本の国際社会における評価が上がった、上がっているという事実が一番の私の、ああ日本は変わったなと思っております一番の印象でして、是非その点はきちんと整理をして、何もおごる必要はありませんけれども、妙にへりくだる必要もないんで、普通に対応していくというのは大変大事なところではないかと存じます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま麻生外務大臣が答弁をいたしましたが、かつては日本は経済だけで評価をされていた時代もあったわけであります。しかし、そのときには同時にエコノミックアニマルなんていう、こういう言わば誹謗もされていたわけでありますが、しかし今日は、今、麻生大臣が答弁をいたしましたように、文化面においても、日本から発信する言わばカルチャーについても高い評価を与えられるようになった。そして、何よりも日本が地味にこつこつと行ってきた海外への援助、ODAを含めて、海外青年協力隊の人たちの努力も含めて、そうした積んできた徳がやっと成果として多くの世界の人たちから評価され始めたんだろうと、このように思います。今後もこうした姿勢を続けていかなければいけない。 そしてもう一点は、やはりこの六十年間、私たちは自由と民主主義、そして基本的な人権を守って法の支配を徹底してきた。この世界の多くの国々と共通の価値、基本的な価値を持っているということについても、世界の国々から正にある意味では安心して見られ、そしてまた敬愛を持って接してもらえる、そういう国になってきたんだろうと思います。 そしてさらに、今後は日本が現在のこの地位にふさわしい責任を積極的に、言われて果たすのではなくて、積極的に私は果たしていく必要がある。そして、地域の平和や安定のために、また世界のために何をすべきかということも堂々と私は主張していく、そういう時代がやってきたと考えています。 私が主張しております、申し上げております主張する外交は三本の柱でございます。先ほど申し上げました自由、民主主義、基本的人権、法の支配、この価値を共有する国々と連携を深めていく、志を同じくする人たちと一緒に、国々と一緒に国際的な課題に取り組んでいく。もう一点は、オープンでイノベーションに富むアジアの発展、構築に日本は積極的に貢献をしていく。そしてもう一点は、世界の平和と安定のために日本はなすべきことを積極的に行っていく。この三本柱の下に主張する外交を展開をし、そして結果としては日本の国益を守っていきたいと、こう考えております。
○松村龍二君 思えば、安倍総理の祖父が岸信介さん、また麻生外務大臣のおじいさんは吉田茂と、日本の戦後を切り開かれた方のDNAを持っておられるわけですから、今後とも主張する外交を展開していただきたいというふうに思います。 次、がらっと質問を変えますが、最近、東京都内において暴力団が抗争事件を起こしました。本年二月五日、住吉会系小林組幹部が車に乗っているところを襲われて射殺されたわけであります。たちまち翌日、二月六日に山口組系のマンションが豊島区と渋谷区にけん銃をぶち込まれるというふうな物騒な事件が発生いたしました。 私も昭和三十六、七年、最初に大学卒業して就職といいますか警察庁に採用になりまして、大阪府警に行ったわけですけれども、そのときはもう毎日毎日暴力団の抗争事件があるというような時代でありまして、暴力団の抗争事件、その後、広島事件というのがありましたけれども、戦後の日本の暴力団の抗争というのは大変なものがあります。 そういう縄張争いの中に、日本の警察は暴力団を根絶するということでいろいろ対策をしておられると思いますが、この事件につきましては山口組と住吉会の抗争でありまして、国粋会会長の自殺が報じられているわけですね。しかし、新聞を見ておりますと、翌朝自殺していたと、こういうわけですね。不思議な話だなと。けん銃というのは音がするんですね、パーンという音がね。それがだれも気が付かないで朝自殺していたというようなことは通常あり得ないわけでありまして、何か裏に何があるのかなというような感じもいたしますけれども。 このたびの抗争は、幸いこの事件については短期間のうちに鎮静化いたしましたけれども、山口組の関東制圧の動きは大きな問題でありまして、今後もいつこのような対立抗争が起きてもおかしくない状況であるというふうに思います。 今回のこの抗争事件が起きた背景と、警察の暴力団対策への取組状況についてお伺いします。
○国務大臣(溝手顕正君) 本年二月、東京都内において銃器発砲事件が連続して発生いたしまして、住吉会傘下組織の幹部が射殺されるなど、山口組と住吉会の対立抗争が事件として発生をいたしております。この背景においては、今現在警視庁において捜査中ということで確たることは申し上げられないが、背景の一つとして、一昨年の九月に東京都内に本部事務所を置く国粋会が山口組に吸収され、住吉会と山口組との間で縄張をめぐる緊張状態があったということが一つの原因とされております。 平成十八年末に全国の暴力団の構成員等は八万五千人でございます。特に山口組への一極集中が顕著でございます。また、暴力団は近年、組織実態を隠ぺいするとともに、企業活動を装ったり、政治活動や社会運動を標榜するなど、更なる不透明化が進展しているというのが状況ではないかと思います。 警察としては、暴力団の弱体化及び壊滅を究極の目的といたしまして、暴力団犯罪の取締りの徹底、暴力団対策法の効果的な運用、さらには暴力団排除活動等を推進しております。特に、暴力団排除活動については、犯罪対策閣僚会議の暴力団資金源等総合対策ワーキングチームなどの場を活用しながら、関係省庁及び官民が連携し、社会全体で暴力団を排除し、その資金を遮断するために効果的な施策を検討しているところでございます。 今後とも、暴力団の資金源に打撃を与える取締りを推進するよう警察を督励してまいりたいと考えているところでございます。
○松村龍二君 国家公安委員長がトップになりまして、日本じゅうの警察が心を合わせてこの取締りをやっていただけるものと思いますが、私どもの地方でも、公共事業のそれこそ入札等に暴力団が介入しておると、それから暴力団系の企業が設計士とか機具、機械とか、そういうものを持たないで身軽な状況の中で入札等に参加して落札していくと。暴力団ってはっきり分かっていればこれは排除、国の仕事については排除することになっていると思いますけれども。 そういうことで、必ずしも地方においても暴力団がいなくなっているわけではないというふうに認識いたしておりますが、せっかく組織暴力対策部長も来ておられますので、その決意を語っていただきたいと思います。
○政府参考人(米田壯君) 暴力団につきましては、まずその対立抗争につきましては近年減少傾向にございまして、昨年は統計上、対立抗争というものに該当するものはゼロでございました。それから、銃器発砲事件というのも統計上取り得る限り最少でございます。 これは、徹底した取締り、それから銃刀法等の重罰化、さらには使用者責任訴訟、事務所使用制限命令、こういった抑止策が効いているものと思いますが、その一方で暴力団の経済活動につきましては大変不透明化が進んでございます。この資金源というのは、単にお金をもうけるということではなくて、それを利用してまた新たな犯罪に利用されるということでございますので、大変重要なものでございます。 先ほど大臣から御答弁申し上げました犯罪対策閣僚会議の下のワーキングチーム、ここにおきまして、今、公共工事あるいは企業活動からの暴排の仕組みを検討しております。既に公共工事に関しましては、不当要求を受けた場合の警察あるいは発注者への通報義務といった枠組みをつくりまして、着々と成果物もできているところでございます。また、証券取引所あるいは日証協等とも連携の枠組みが昨年秋できまして、これも具体的な協力の詰めを行っているところでございます。 このような社会各層、関係機関、関係省庁とも連携をいたしまして、あらゆるところから暴力団を排除し、また私どもとしては取締りも徹底してまいりたいというふうに考えてございます。
○松村龍二君 これ、幸い対立抗争事件もあのようなことで終わっているからあれですけれども、本当に大事件になってきますと、それこそこの予算委員会でももうほとんどその話題で埋め尽くされるぐらい大きな問題になると思いますので、ひとつ、全国の警察の方も見ていると思いますから、しっかり取り組んでもらいたいというふうに思います。 次は、半鐘泥棒について御質問をしたいと思います。 昨今、地方で、村の鎮守の屋根の銅板がはがされるとか、それから公園の子供の遊具が、滑り台が取り去られるとか、それからケーブル窃盗、何か掘り起こして、ケーブルを何キロ、何百メートルにわたって掘り起こして、その銅線をいただいていくといった泥棒、そしてその究極として半鐘泥棒ですね。せっかく村民、地区の方がお金を出し合って、まあ百万なら百万掛けて造った半鐘を、くず鉄にしたら五万円か十万円のその半鐘を火の見やぐらの上から盗んでいくと。 これは単に、金属材が、中国が今非常にオリンピックブームで沸いておる、建設ラッシュである。そして、金属が中国内で足りないから日本からも仕入れると。で、その仕入先が今申しましたようなところであるということで、流れとしてはそういうことかと思いますけれども、それに携わっている人も暴力団とも言われますし、あるいは外国人でないかなというふうなことも想像されるわけですけれども、これは非常に社会的な不安、社会の安定感を覆す犯罪であると思うんですね。 生き馬の目を抜くという言葉がありますけれども、余り熟語化してきて実感がありませんけれども、生きている犬から目玉取っていくみたいな、表現を変えればそれに近いような私は反道徳性の強いゆゆしい犯罪であると、こういうふうに思いますけれども、これら金属材をねらった犯罪の実態等、警察の検挙、取組の姿勢、状況についてお伺いします。国家公安委員長。
○国務大臣(溝手顕正君) 昨年中における金属片、金属材の窃盗の認知件数は、警察庁の報告分によりますと五千七百一件、被害総額は二十億円と言われております。 その犯行態様は、会社の資材置場や倉庫、工事現場等から銅線や銅製、鉄製の建材等を盗むものが多く、中には、御指摘のとおり、寺社の屋根から銅板をはがしたり半鐘を外したりする極めて悪質なものがあるわけでございます。 これらの犯罪でいろんな風評が出ておりますが、いずれも非常に重量が重いものですから、複数犯、多数で行っているものだと考えておりまして、ほとんどが国内犯であるというように推定をされております。 この種の事件に関し、昨年中の検挙数は千五百六十二件でございます。国際的に多くの金属価格が高水準を維持しているために、国内においても高値取引がされているということが犯行の背景にあるようでございます。 こういった状況を踏まえまして、この種の事件についても引き続き関心を持って各都道府県警察の指導に当たるよう警察庁を督励してまいりたいと考えております。
○松村龍二君 ただいまの御答弁に尽きるかなとは思うんですが、やはり単に金属材が窃盗に遭っていると、警察も忙しいことはよく分かりますが、交通事故とかいろいろなことで忙しいことは分かりますけれども、やはり重点的に国民が不安を持っていることについて対応する。そして、そういう者を検挙したら、国家公安委員長賞なんというのはないでしょうけれども、特別に、警視総監賞とか警察本部長賞とかあるんだろうと思いますけれども、そういうもので顕彰して、やはりそのルートまで解明してそれを根絶するといった意気込みを持っていただきたいというふうに思います。 かつて、ストーカーの問題がありましたときに、警察が単なる相談事というふうに扱っておって大騒ぎになったことがありましたけれども、やはりそういう鋭敏な感覚を持ってやっていただきたいということを希望するわけです。 さて、次は、私は環境の問題について触れていきたいと思うんですが、その間に、インターミッションじゃありませんが、昨日、イノベーション25につきまして高市大臣に御質問があって答弁する機会がなかったようでございますが、このことについて一言、イノベーションの25についてどういうふうにされるのか、御質問いたしたいと思います。私もいろいろ地元関連の質問ありますので、手短にお願いします。
○国務大臣(高市早苗君) ありがとうございます。答弁席に立ってしまったらこっちのものでございますが。 安倍内閣は、イノベーションが起こりやすい国の形をつくることに挑戦したいと思っております。イノベーション、安倍内閣が目指すイノベーションというのは何かというと、技術革新だけじゃなくて、社会制度、システムの刷新から人材育成の在り方まで、今までとは違った考え方、新しい取組で画期的な成果を起こしていく。その成果はだれに還元されるかというと、それは生活者であり納税者である国民なんですね。ですから、今回の中間取りまとめでは、どのような成果を国民に還元できるかといったところで幾つかの御提言をしています。 例えば、それは安心、安全な社会であり、そして長寿社会でございますが、生涯健康な社会であり、そしてまた多様な生き方ができる社会であり、つまり住んでいる場所ですとか性別ですとか障害を持っている持っていない、そういったことによって大きなハンディキャップを感じないで済むような社会、これは技術革新や社会制度の刷新によってもかなり改善される点でございます。そして、日本の強みを持って国際社会に大きく貢献できる社会、こういった姿というのは私は多くの国民の皆様は賛同してくださると思います。イノベーション25という名前は付いていますけれども、二〇二五年をゴールとして正に今年からその挑戦を行っていくと、こういったものでございます。 そして、この中間取りまとめの作業まででもそうですが、これから五月末の最終取りまとめまでの作業も、七人の有識者議員の皆様、それからそれ以前に国民の皆様からもどういうイノベーションを望むかという御意見を募集いたしました。そして、技術的な評価に関しましては、日本学術会議の二千二百人の科学者の方々が英知を結集して技術革新や社会制度の改革についての御提言をいただき、またその技術が何年までに実現していつごろ社会に普及するかということについても、二千五百人の専門家の方々の意見を集めてかなり技術的な裏付けもいたしております。 昨日は民主党の平野委員から、大学生のレポートというような非常に厳しい御意見がございましたが、参加された国民の皆様始め科学者の皆様の御努力に対して何か冒涜を受けたように思い、大変残念な気がいたしました。 これから五月末の最終取りまとめに向けて精一杯また頑張ってまいりますし、その後、六月の骨太の方針にも反映させて、早速今年から動き出す、政府と国民みんなで力を合わせて取り組んでいく挑戦だと、このように思っていただきたいと思います。 ありがとうございます。
○松村龍二君 力強い御答弁、ありがとうございました。 それでは次、環境の問題、地球温暖化の問題について入ってまいりたいと思います。 昨日、片山先生が図版も持って御質問をいただいたわけでございますが、どうしても私もこの総論的な話がないと後続きませんので、重ねての御答弁になろうかと思いますが、昨日テレビ見てない方もおられると思いますのでお許しいただきたいと思いますが、「不都合な真実」という映画が今上映されております。私も先般行きましたら、五分ほど前に行ったら売り切れていて、最近の映画館は立ち見を許しませんので、その日はほかの映画を見て帰ってきたんですけれども、それでまた次のとき、機会を、行きましたら、昼でありましたけれども満杯ですね。割と六十歳、七十歳代の方も多いということで、本当に映画館の端から端までもう満杯というような感じで、非常に関心が深いというようなことも感じるわけであります。 確かに、我々の地球があと数十年もしないうちに温暖化によっていろいろ大変なことになってくるということは、それはまあ正常な感覚を持っている人間であればだれしも心配になるわけでございます。 まず総理に、この環境問題に対する御決意をお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 昨日も片山先生と御議論をさせていただきました。私が片山先生と同じ映画の趣味を持っていたというのは、何か大変親近感を感じさせていただいたような次第でございますが、正にこの温暖化については加速化して進んでいくというメッセージを映画は発しているわけでありまして、そして今すぐやらなければ後で大変なコストを払うことになると、そしてまた今のこの生活の様式をみんなで変えていかなければならないと、身近なことからそれぞれができることをやっていこうということではないかと思います。 京都議定書、何といっても京都という名前が冠されているわけでございまして、我々もこの議定書で課せられた目標達成のために全力を尽くしていかなければならないと思っております。 そして、それと同時に、日本は省エネ、環境、優れた技術を持っています。この技術をやはり生かしていく、それは海外の国、そういう技術がまだまだ遅れている国、そしてさらに、そういう国において膨大なエネルギーの消費が行われている国、中国やインド等に対してもこうした技術面での支援もしていくことによってこの温暖化に対しての我々貢献をすることができるのではないか。 そして、ひいては米国や中国、インド、この枠組みの中に入っていない国々を、二〇一三年以降ポスト京都の枠組みに正にこういう国々にも参加をしてもらって、新しい枠組みをつくっていく上において日本はリーダーシップを発揮していかなければならないと考えております。
○松村龍二君 若林環境大臣にお伺いいたしますが、最近のIPCCの国際機関の報告によりますと、この地球の温暖化が人為的な、人為起源の温室効果ガスによるんだということを断定しているというふうに聞くわけでありますけれども、その結果、今どういうふうに地球が、環境が悪化していくというふうにこのレポートは報告しているのか、お伺いします。
○国務大臣(若林正俊君) 委員がお話しになりましたIPCCというのは、国連の管理下の中で、世界の科学者約五百八十名余、大勢の科学者を結集しまして、科学的に中立の立場で、政策的に中立の立場で科学的にこの地球の環境変化を予測するという作業をしている組織でございまして、第四次の報告書の予測の部分が先般発表されたわけでございます。 大変深刻な状態を予測しておりますが、分かりやすく国民の皆さんに御理解いただくには、北極の氷が解ける、ヒマラヤの氷河が消え始めると海の水位も上昇をして水不足が起こり、砂漠化が進んで気候変動が激しくなりますから、集中豪雨とか台風、ハリケーン、熱波といったような災害が多発するだろうと、こういうふうに予測しています。そして、自然と共生しているシロクマなどの野生動物の生態系に大変大きな影響を与えるとともに、農業ですね、世界の農業、農業生産とか漁業生産というようなものに大変深刻な影響を与え、食料問題になっていくと。また、マラリアなどの病気も広がっていくだろう、こういうようなことを予測しております。 このIPCCではベリーライクリーという言葉を使っております。ベリーライクリーというのは、発生の可能性というのが九〇%以上という、そういう高い確率でこのことは起こるだろうというふうに予測をしているわけでございまして、その意味では、世界のエネルギー安全保障とかあるいは食料安全保障等と並んで気候変動安全保障といったような視点でこれをとらえていかなきゃいけないという国際世論が広がりつつあります。 今年の三月には、今月ですね、世界、G8の環境大臣会合がドイツで行われますけれども、これはG8が、ドイツで今年サミットが開かれますが、総理に御出席いただくわけですけれども、そのサミットでも主要な議題になるだろうというふうに予測して、見通しておりまして、そのための準備を進めているところでございます。
○松村龍二君 地球温暖化問題の二酸化炭素排出量の六%削減という約束を実現する上で、原子力発電は切り札の一つであるというふうに私は考えております。この原子力発電を推進していくことは極めて重要なことだと考えておりますが、総理の御見解を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 原子力発電に対する見方、この地球温暖化の問題が大きな問題として認識されるようになってから随分変わってきたと、このように思うわけであります。ある意味では、見直しがなされてきたと言ってもいいかもしれません。 原子力発電は、供給安定性に優れ、発電過程において二酸化炭素を発生しない、言わば温暖化という観点からいっても環境に優しいエネルギー源であります。こうした観点から、政府としては、今後とも、発電電力量の三〇から四〇%程度以上を原子力で賄うという目標を設定をしております。このため、原子力発電施設の新規建設に加え、ウラン資源を有効利用するための核燃料サイクルの推進、我が国へのウラン資源の安定供給に向けたウラン鉱山開発支援などに取り組んでいくことが必要であると思います。今後とも、安全の確保、これは大変大切でありますが、安全の確保を大前提に、政府、電気事業者、メーカーなど関係者が一体となって原子力の推進に着実に取り組んでまいります。 先生を始め、また御地元の福井県は、大変この原子力発電について御理解をいただき、御協力をいただいておりますことに感謝を申し上げたいと思います。
○松村龍二君 私どもの県は十三基の原子力発電所がありまして、それにプラスして「もんじゅ」があるわけであります。原子力エネルギーの供給、また日本のエネルギーの在り方について大変な貢献をしているというふうに自負いたしております。しかし、これはやっぱり安全を完全に担保していただかないと我々も協力できないということでございます。 私の地元であります福井県美浜町におきまして、大変残念でありますが過去に事件が起きまして、五名の方がお亡くなりになり、六名の方が負傷された。これは直接放射能が漏れるというような事件ではございません。パイプが古くなったのが気が付かなくて突然破裂したということに伴って、工事に当たっておりましたそれだけの犠牲者が出たということでございます。現在、刑事事件に発展しているところでございます。 関西電力に対しましては、この事故について深く反省し、再発することがないよう安全対策を講じることを強く願いたいと思います。 また、これは関東の方ですけれども、電力会社からのデータの改ざんが発覚しているということにつきましても大変に遺憾なことであると思います。 この原子力発電の安全の確保に対しまして、大臣は今後どのように、甘利大臣はどのようにお取り組みになるのか、お考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) 発電設備、なかんずく原子力発電は安全ということが大前提であります。何があっても事故が起きないという体制をしっかりしくということが大事であります。 美浜の事故に関しましては、徹底した原因究明を行った上で、再発防止の取組について厳格な確認を行ってまいったわけであります。 それから、昨今のデータ改ざんであります。私が就任する前後でぽろぽろとデータ改ざんが出てきました。私は、これに業を煮やしまして、すべて過去にさかのぼって洗い出せという大号令を掛けました。期限も切りました、三月一杯までにすべてを洗いざらい調査せよと。電力会社によっては、退職したOBを面接調査すると。二千人くらいの面接調査までやりました。資料に出てないものまで含めて、こういうことが過去にあったかと何十年と振り返って、全部今洗い出し作業をやっております。 これは何かといいますと、隠ぺい体質を払拭したいと思っております。データが違っていたら正直に開示をして、その原因と影響をちゃんと説明しろという体制を行うというために今作業中でございます。
○松村龍二君 それと同時に、原子力施設の立地地域の繁栄が図られなければ協力ができない。大変に地元は神経使っているわけです。私があるとき聞いた話でありますけれども、立地町と隣接の村と何か会合があって、隣村の方が、元気ですかというふうな、ゲンと言ったら立地の町長が跳び上がったと、原子力と言われたと思ってですね。 もうそれぐらい神経を使って、やっぱり、地域の方々がやっぱり心配していろいろ町長につらく当たる、そういう中を開発し維持していくということについては、今のお話のように大変に神経使ってやっておるわけですから、今までも気を遣っていただいていると思いますけれども、原子力の立地と地域の振興についてどのようにお考えなのか、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(甘利明君) 原子力発電所は安全なんであります。そのために、多重防護という安全の上にも安全を期する対策をしております。しかし、言わば迷惑施設の一つであります。 それに対して、立地地域から御理解と御協力をいただいてエネルギーの安全保障政策に貢献をいただいているわけでありますから、地域振興をしっかりとして、その協力に政府としてこたえていくということは大事なことであります。これからも地域振興を図るために、電源立地対策交付金を始めとした様々な支援策をしっかりと、に取り組んでまいりたいと思っております。
○松村龍二君 原子力問題で今一番大切な問題は、最終処分場をいかに確保するかということなんですね。運転は炭酸ガスを出さないし、非常に優れたエネルギーでありますけれども、燃やした、再処理によりましても残った最終の核燃料廃棄物、これを地下三百メートルの洞窟にガラス固化体として埋めるということによって完結するわけでありまして、この最終処分場を確保するということが、皆様御承知のとおり、一番大切な問題でございます。 最近、高知県の東洋町が名のりを上げられたということで、大変勇気ある町長の対応であろうと思いますが、こういう問題はえてして隣の町あるいは県が反対するといったことでつぶされがちでありますけれども、最近うれしいことは、やはりこのような問題が、それ見ろ、うまくいかなかったじゃないかといって冷やかすだけのマスコミの論調でない、やはり日本のエネルギーにとって、最終処分場を確保することが国民にとって大切なんだというふうな報道ぶりがちょっと出てきたなということは大変な進歩かと思います。 かつて、ITを東南アジアにも伝えたいといって森総理が話をしておりましたら、うちにはそういう電気は来ないんですという話があったんで、森さんが携帯電話でもインターネットつなげるんですよと言ったら、その国の方が携帯電話を充電する電気がありませんと、こういう返事だったということで、我々はいかに電気の恩恵にあずかっているかということかと思います。 そういう意味におきまして、この東洋町の最終処分場の文献調査に応募してこられた勇気と、今後どのように進めていくのか、さらには、やはり東洋町が実ればいいわけですけれども、地震の少ない、一番こういうところにあるといいなというようなところを政府も前面に出て選ぶということも必要かと思いますが、甘利大臣の御所見を伺います。
○国務大臣(甘利明君) 高知県の東洋町から文献調査の申出がありました。大変に有り難いことだと思っております。 これは文献による調査をするわけであります。調査段階は、概要調査、それから精密調査、そして建設という段階を踏んでいくわけでありますが、文献調査は文献による調査をする、そして次の概要調査に移る際には地元の理解をちゃんと確認をするということになっておりますから、地元の反対を押し切って強引に進めるということではありません。 そして、この最終処分場というのは、先生おっしゃるように、これがないと核燃料サイクルは完結しないわけでありまして、この建設に関しては、例えばフィンランドでも決定をいたしましたし、スウェーデンやフランスでもほぼ決定に向けて順調に進んでいるという話でありまして、どの国も正面からこの問題に向かっていかなければならない。 極めて安全なものであります。高レベル放射性廃棄物をガラスのペレット状にすると、それを特殊な金属、何十センチもある金属の筒に入れると、それをさらに漏れがないように粘土でくるむと、それを三百メーター以下の岩盤に安置するということであります。何か動いたり稼働したりする部分はありませんから、安置しておくだけですから、少なくとも原子力発電所以下のリスクしかないわけでありますから、特別に危険だという印象があるのはこれは誤解でありますから、その辺のところをきちっと理解をしていただくというPR活動が必要だと思います。 いずれにしても、文献調査をしっかりして、それで地元がどう理解をしてくださるかということを図っていくということになろうかと思います。
○松村龍二君 環境問題の各論の第二といたしまして、整備新幹線について御質問いたします。 整備新幹線は、利用されない国会議員もいないと、国民もいないというふうに思いますけれども、かつては公共事業の無駄、公共事業の最たるものだというふうな非難を受けた時代もありましたけれども、最近、鹿児島まで新幹線が、南半分が完成した、それによって鹿児島が大変に、九州が繁栄していると。また、八戸まで完成したというようなことで、新幹線が延長するたびに地域が活性化してくるというふうなことでございます。 そして、今北陸新幹線が富山—金沢、その白山基地というふうなところまで、また、新函館、これはもう青函トンネルはトンネルができているわけですから、そこを整備して函館まで新幹線を走らせようというようなことが今着々進んでいるわけであります。また、私の地元の福井につきましても、駅部だけは県として完成しようということで、もう来年でき上がる状況になっております。 新幹線は、自家用車に比べてCO2の排出量が八分の一、エネルギー消費量が六分の一であるなど、CO2排出やエネルギー効率の点から見て極めて環境に優しい交通機関であります。また、地域の活性化にも大変大きな効果があるわけであります。一方、平成十九年度予算案では、公共事業関係費が全体で三・五%削減されるなど大変厳しい状況にありますが、厳しい財政事情の中でも真に必要な公共事業はやるべきであると総理も言明しておられます。環境に優しく地域活性化にも大きな効果を持つ整備新幹線の整備は、真に必要な公共事業であると思います。 そこで、北陸新幹線につきまして、私の地元といたしましては、この新幹線は、関西までつなぐことによりまして、東海道において将来大地震が起きるといったときの代替路線にもなるんではないかと。また、人口も、驚くなかれ、東京と大阪の東海道新幹線の人口と今予定されます北陸新幹線の地域人口は同じなんですね。そこが非常に半分しか今できていないと、こういうことであります。 先ほど来申しておりますように、福井県はエネルギーにも大変な貢献をいたしております。また、道州制の問題もとやかく言われますけれども、福井だけが取り残されると。富山—金沢まで先にできて、大分時間があって福井までということでは、地域間競争に取り残されてしまうというふうな非常な心配をしておるわけでございます。 そこで、国土交通大臣に、また後ほど総理大臣にもコメントをいただきたいわけでございますが、この福井まで延伸するためには新たな財源を見付けていただく。新幹線の予算は全部で七百億、公共事業の一%でありますけれども、それと同額を地方が負担する。東海道新幹線ができたときには全部、山陽新幹線、東北新幹線できたときには全部国でやってくれたわけですが、地域がその国と同じ金額を負担してそれでも造りたいと、こういうわけであります。 したがいまして、公共事業費を増やして新幹線を増やしていただくか、来年、幸い道路特定財源の見直しもございます、その中から割愛して上乗せすればいいなというようなこともあろうかと思います。また、この新幹線が次々と延長することによりまして、JR東などは黙っていてもお客が、収入が増えると、こういうことでありますので、いわゆる根元利益論でこれに受け持ってもらうというような、いろいろ財源については指摘があるわけでございますが、福井、更には敦賀までの区間について新たな財源を何とか見いだして整備を進めていくべきであると考えますが、国土交通大臣の見解をお伺いします。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 整備新幹線は日本列島のバックボーンであります。そしてまた、環境に優しいというのは先生の御指摘のとおりでございまして、一人を一キロ運ぶのに乗用車の八分の一、航空機の五分の一と、CO2の排出量でございますから、大変有用なものであります。そしてまた、地方の活力なくして国の活力なし、これは安倍内閣のモットーでございますけれども、この整備新幹線が通ずることによって、その地域の活性化、そしてまた経済の拡大ということも図られているものですから、我々としてもこの整備新幹線は着実に整備をしていかなきゃならないという思いであります。 そういうことから、私も公明党の幹事長時代に関与させていただいたんですが、十六年の十二月に政府・与党の申合せというものを行いまして、今挙げられました北海道、それから東北、それから北陸、そしてまた九州の新幹線について、この部分についてはいつまでに供用できるようにしようというような合意を遂げたわけでありまして、現在これについて鋭意この開通に目指して努力をしているところでございます。 問題は、未着工の区間をどうするかという問題でございますが、これにつきましては、安定的な財源を見いだすという大変困難な問題があります。そういう問題で、あるいは収支採算性、JRの同意とか、そういう基本条件が整えられた暁には着工しようという申合せをそのとき、十六年十二月にしているわけでございますが、問題はやはり安定的な財源の手当てということになると思います。 ただ、未着工区間とはいえ、例えば北陸新幹線におきましては、芦原温泉駅とかあるいは南越駅につきましては駅関係の調査をやっておりますし、それから福井はもちろん駅部を、それから九頭竜川橋梁などの長大橋の橋梁の耐震設計も今調査を進めているところでございます。 いずれにいたしましても、ちょっと道路財源はそこは難しいと思いますけれども、安定的な財源を見いだすことにより早期に着工できるような環境を整えてまいりたいと思っております。
○松村龍二君 美しい国日本を完成させるためには新幹線がすっきりと通るということが必要かと思いますが、総理の思いをお聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この問題に熱心に取り組んでこられた松村委員の今までの御活動に本当に敬意を表したいと、こう思います。 今委員が御指摘になったように、新幹線は環境への負荷が大変低いのも事実であります、特に自動車と比べればですね。そしてまた、あるいは地域の活性化、経済効果、大きなものがある、これは私も十分に認識をしています。 こうした考え方の下に、累次、政府・与党の申合せに基づき着実に整備を推進をしてきたところでありますが、今後とも平成十六年の政府・与党申合せに基づき整備新幹線の着実な整備を推進をしていきたいと考えています。 整備新幹線の未着工区間については、現在所要の調査を行っております。ただいま冬柴大臣から答弁したとおりでありますが、まずはこうした調査をしっかりと進めてまいる考えであります。
○松村龍二君 国土交通大臣にもう一つお伺いするわけでありますが、まあ地元の関係の話が次々出て恐縮でございますが、今年、私、参議院選挙に臨むつもりでございますんで御理解を賜りたいと思います。 この高速・高規格道路なんですが、我が県はこの縦の線は一本あるんですね、北陸道という。ところが、若狭を走る京都との高速道路、これは今、実現、ゴーサインいただきまして、あと八年で完成します。阪神・淡路大震災のときに大変代替道路として使われた実績もあります。必ず役に立つと思います。 それからもう一つ、四十年来の悲願でありますのが、福井市から松本へ抜ける東海北陸自動車道というのが今、富山から名古屋の方へほとんど九九%完成しております。大変な動脈になります。これに十字に横切る中部縦貫自動車道というのが、まあ大分進んではいるんですが、肝心のところがまだゴーサインがございません。これについても是非、高速道路の問題が落着した今日、このような高規格道路も、環境に非常に優しい、交差点のない、またスムーズな交通が担保される道路でありますので、大臣の積極的な前向きの御姿勢をお願いしたいと思います。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 高規格幹線道路は、環境の面から見ましても、乗用車が時速二十キロでとろとろ走っているのに比べまして、安定的に六十キロで走りますとCO2の排出量は四割以上低減するということでございますから、高規格幹線道路は環境保全という意味でもその整備が急がれていることは事実でございます。 今お尋ねのありました中部縦貫自動車道というのは、福井県福井市から岐阜県高山市を経て長野県の松本市に至る延長百六十キロの高規格幹線道路でございますが、この路線につきましては、福井、岐阜、長野という東西に県を結ぶとともに、北陸自動車道、それから東海北陸自動車道及び長野自動車道と連絡をして、そして有機的な高速交通ネットワークが形成されるわけでございますから、大変この整備が急がれるものであります。 この中部縦貫自動車道におきましては、これまで二十八キロが供用いたしておりますが、現在四十六キロにつきまして事業を進めているところでございます。特に、福井県に関係する北陸自動車道から東海北陸自動車道の間七十一キロにつきましては、油坂峠道路など、ここは大変峻険な山ですが、ここは供用いたしておりますし、永平寺大野道路の二十四キロも事業を今進めているところでございます。 ちょっと詳しくなっておりますが、永平寺大野道路のうち、永平寺西インターから永平寺東インターの一・六キロにつきましては今年三月十七日に開通を予定しております。また、上志比インターチェンジから勝山インターチェンジの七・九キロにつきましても平成二十年度の暫定二車線での開通を目指して今頑張っているところでございます。未事業区間であります大野油坂道路三十四キロにつきましては、計画中のルート付近における自然環境、動植物全般の調査を現在実施をいたしておりまして、早急に調査結果を取りまとめてまいりたいと考えております。 今後とも、地元の皆様方の御理解と御協力を得るとともに、効率化を図りつつ、大変重要な道路でございますので、早期に整備経過が発現できるように事業を推進してまいりたいと、このように思っております。
○松村龍二君 どうもありがとうございました。私も副大臣として北側大臣にお仕えをしまして、公明党の大臣、ひとつよろしくお願いします。 最後に、重要な御質問をしたいと思います。 先ほど若林大臣から、この地球環境が悪化したときに、稲作、我が国の農業に大変な影響があると、こういうお話がございました。そこで、この日本の農業をどういうふうに展開していくかということは日本人の生命を左右する大変に重要な問題でございます。 先般、三月一日の衆議院予算委員会におきまして、民主党の篠原議員が政府案と民主党、戸別所得補償制度案の比較表をお示しして、あたかも民主党案がバラ色で政府案よりはるかに優れているかのごとく対比されておられるわけであります。 私も、先般、野党欠席の中を補正予算の委員会でこの質問をしたところでございますが、松岡大臣は昨日もちょっと砲火を浴びられて御苦労さまでございましたけれども、私は松岡大臣には、大変尊敬しております。といいますのは、食管制度が変わった後、日本のお米の価格がともすると下落しがちであると、それをどのように乗り切ったらいいかということにつきまして、自民党の国会議員を代表してリードして対策を展開されたと。 まず第一に、生産調整を強化して、お米を作り過ぎないことによって価格を安定させようと。その次に、今度は、田んぼで麦、大豆を作ることによって、それに多少の補助を付けることによって米の生産を調整しようと。国民が米をもっと食べていただければいいんですけれども、趣味や嗜好は自由であるというふうな状況で、せっかくこの何千年来の米を日本人が今ないがしろにしておるわけですけれども、将来、温暖化が進んで外国で干ばつが進みますと、アメリカ、オーストラリア、オーストラリアは今年も干ばつですね、まあ日本に大豆を始めもう輸出もできないと、そういうときに日本人が頼れるのは稲作しかないというふうな指摘もあるわけでございます。 そういう意味において、非常に重要な問題につきまして、この前、篠原議員が示したものは、自民党の農水、四ヘクタール以下切捨てとか、ソ連時代の共同農場と同じだとか、それから自給率についても、自民党は五〇%を目標にするけれども、十五年で五〇%にするけれども、民主党は十年で五〇%にするぞと。それから、小沢さんは一〇〇%自給率なんていうとんでもない、できもしないことを言っておられます。また、生産調整は民主党は廃止というようなこと、あるいはその価格が下がったときにこれを直接補償すればいいんだ、WTO上も難しいようなことを言っておられる。 それから、何よりも私が許せないのは、完全自由化をして、それによって価格が下がったら直接補償と言うんですが、アメリカですら二千円、七〇%を上限にして全部関税を下げろと言っているのに、小沢さんは自由化、完全自由化、ゼロにする。そうしますと、三千五百円の中国米と一万六千円の日本のコシヒカリが競争するということを小沢さんは言っているわけです。ということは、日本のお米の価格を下落させようということを主張しているわけですから、私はとんでもないことであると、こういうふうに思いますが、農林水産大臣、この篠原議員の比較表につきまして御意見を賜りたいと思います。
○国務大臣(松岡利勝君) 松村先生にはいつもいろいろと、特に農政の面では先頭に立っていただいてお世話になっておりますが、今先生が御指摘になりましたのは、多分この表だと思うんですが、衆議院の方で、これは原口先生と、それから篠原先生がお示しになりました表でありますが。これの、まあ私もその悪口を言うとか言わないとかじゃなくて、事実に即して、これはちょっと違っているということをはっきりしておいた方がいいと思うので、先生の御指摘、御質問でありますから。 まず、ここで民主党が一兆円を、これは全農家に、販売農家に戸別所得補償政策という名前でやるんだと。それに対して自民党は、価格保証を直接支払にして千七百億円のみだと、増額なしと、こうなっておりますが、これにつきましては、もう全く今現在が、これを含んで六千八百億円、今政府は直接農家に行く助成をいたしております。加えて、農業者年金もございますし、担い手対策もありますし、そういったことを加えますと、一兆一千億円が農業者に所得として渡っておると、農業者年金も含めましてね。だから、そういった意味でもこれはもう全く表が間違っておると、こういうことであります。 それから、生産調整をこれ廃止するとなっておりますが、廃止いたしますとどういうことになるかというと、今、日本の米の需給は大体八百四十万から八百五十万トン、これを生産調整を廃止いたしますと、千二、三百万トン取れると、みんなが作れば、作ればの話ですが。まあしかし廃止すれば、作るとなれば、そうするともう大変な過剰になりまして、これはもう大暴落、これは間違いない。何のために今まで一生懸命生産調整をやってきたのか、これは全く意味がなくなってしまう、こういうことでございます。 それから、自給率も一〇〇%ということになりますと、あと千四百万ヘクタールの農地を新たにつくんなきゃならない。今、二千五百万ヘクタールの森林を、そのうち約六割ぐらいをこれは農地にしなきゃ、適地の問題も含めますと、果たしてそれはできるか。また、財政的にもどれほどの負担になるか。現実的にこれは絵にもかけないようなやっぱりこれはもちではないかと、こんなような話でありまして、したがって、私どもが進めておりますのは、戸別所得補償政策というのは、昨日も言いましたが、これはWTO上もその取決めからできません。かつまた、国民的にも理解を得られないと思っています。したがって、私どもが進めている今の政策が、これは一番きちんとした農家、そして農村、農業の振興のための一番正しい方向の政策だと、このように思っております。(発言する者あり)
○委員長(尾辻秀久君) 松村龍二君、質問続けてください。
○松村龍二君 私の持ち時間はあと五分でございますので質問をさせていただきますが、今、この農業問題と併せて、現場では有害鳥獣に大変な被害を受けております。簡単な例で申し上げますと、私の地元の海岸べりのある村で、最近合併しましたけれども、猫の額ほどのところに野菜を作って、それで自分の孫に野菜を食べさせてやろうと思ってその収穫に当たりましたところ、その日の朝、猿が来まして、お猿さんが来まして、これを取っていったと。そのおばあさんからすると、孫にせっかく野菜を食べさせてやろうと思って作った野菜が、まあ猿もいつ収穫するのがおいしいか人間以上に知っておりまして、収穫の日の朝取っていくと。こういうことで一例を申し上げましたけれども、大変な有害鳥獣の被害があるわけでございます。 私は、この有害鳥獣対策は拉致の問題とちょっと似ているところがあるなと。といいますのは、農林水産省、これは網、さく、そういう対策ですね。それから、自然保護の担当では環境省が対策、それから警察庁は猟銃、猟の責任、この三者がみんながもたれ合って、全部自分のことじゃないと、こういうふうに思っている面がありますね。 したがって、総理がやっぱり司令塔になって、拉致のときもそうだったと思うんですね。国民がさらわれたのに、警察も薄々知っている、だれも薄々知っているけれども、外務省も薄々知っているけれども、国としてこれを取り上げるということが初めて安倍さんのときになって、小泉さんになって実現したわけでありまして、この拉致の、拉致じゃない、有害鳥獣対策もひとつ是非関心を持っていただきたいというふうに思います。 なお、警察庁に対しては、ライフル銃を許可するのに猟銃を十年たたないと許可しないというふうに戦後のある時期に改正しまして、これは実情に合わないんじゃないかと。猟師が昭和五十年ごろ五十万人いたのに、今は十五、六万まで減っておりまして、シカやらイノシシは、散弾銃ではぱらぱらと当たるだけですから、ライフルでないと退治できないわけですね。そのライフル銃が猟師が持つということについて余りうるさく、十年たたないと許可はしないというようなことはもう理不尽なことである。 議員連盟におきましては、議員立法でもうそれ変えちゃおうかと、銃刀法を変えちゃおうかと言っているぐらいなことでございますので、私はもう今日質問しませんけれども、国家公安委員長におかれましても、また総理大臣においても関心を持たれまして、日本の農業の浮沈はやはり有害鳥獣対策をしっかりするかしないかと。まあ恐らく江戸時代、縄文時代なら村の食料が襲われたらそのあれをやっつけたと思うんですが、今は日本人は心が優しくなったせいか、そういう点が問題あると思いますので、ひとつ御関心をお持ちいただきたいと思います。 以上で私の質問を終わります。どうもありがとうございました。
○委員長(尾辻秀久君) 関連質疑を許します。田村公平君。
○田村公平君 田村公平です。 私の生まれ育ったところは、先ほどのように新幹線も地下鉄も走っておりませんし、JRは単線でディーゼルカーががたごとと走っております。そういうところに生まれ育ったものですから、先ほどの松村龍二先生のように格調高い質問ができるかどうか自信はありませんが。 それはさておき、この三十年以内に五〇%以上の確率で起きると言われております南海地震、大体あの南海地震はいろんな研究が進みまして、百年周期で起きております。地震というのは、台風とか大雨だとか予報技術が発達しておりますから逃げる時間というのは結構あるんですけれども、備える時間も、地震というのはなかなか予測が付かない、そういう問題。あるいは、山崩れ、地すべり。日本列島、地形が急峻でありますから、これは生まれ育った地域が悪いとかいいとかいうことじゃなくて、そういう地勢学的に厳しい環境の中に我々日本人は住んでいます。 実は私、高校二年生のときに、昭和三十八年だったと思いますけれども、第十八回山口国民体育大会で山岳部の選手として初めて山口県の美禰郡というところに行きました。うらやましいなと思ったんです。あの秋吉台の辺りでずっと山岳競技をやったものですから、四国の私たちの登る山というのは、V字谷で空が狭いんです。やっぱり中国山脈、中国山地というんでしょうか、優しい、とげとげしくない。 考えてみたら、薩摩と長州と土佐と薩長土肥で明治維新をやって、どうして土佐だけこんなに遅れてしまったのかなと。山登りますと、ずっと一般国道から主要地方道に入って、それから村道、林道と、こう行くんですけれども、あの当時からきれいに舗装されておって、うらやましいなと思ったことがあります。これはちょっと余談であります。 そこで、防災対策、ここにパネルを持ってきておりますけれども、これは長野県岡谷市のヒライシ沢砂防堰堤です。(資料提示)これは約三・九億円の砂防堰堤を造るためにお金が掛かりました。これがなければ恐らく推定被害額は五・九億円。つまり、損得でいったらおかしいんですけれども、いずれにしても国民の税金ですから、生命、財産、公共財を含めて堰堤があった方がお金も生命、財産も助かったという事例です。 これは熊本県の阿蘇郡小国町で、やはり三億円の砂防堰堤があったおかげで二十九億円、推定被害総額が軽減されたという例であります。 何を言いたいかというと、私、地元のことばっかり言うわけにもいきませんので、つまり日本列島というのは、九州であろうと本州であろうと北海道であろうと、例えばだれも想像しなかった宮崎でも竜巻が起きました。北海道でも起きました。高知県でも足摺岬で竜巻が起きました。つまり、気象がどんどんどんどん荒々しくなってきているということを言いたいわけであります。 そして、実はこの黄色いところ、これは大規模災害対策で予算が結果として伸びざるを得なかった。この紫っぽいところはいわゆる通常の河川事業費であります。こっち方に高知県における河川の現状であります。今はもう二十億円にまで下がってきています。この平成十一年、十二年、十三年、十四年、十五年と額が伸びたのは、平成十年九月二十四、二十五で一日で千ミリの雨が降って一万五千棟余りが床上、床下浸水し、そして高校生、あるいは、あのときは美容師さん、普通の公の道を歩いていてマンホールに吸い込まれて亡くなりました。 これもこの後でまた触れますけれども、事業費というか予算が増えたのは災害関連だけで増えている。あとはどんどんどんどん右肩下がりなんです。治水というのは政治の大きな要点だと思います。かなめだと思いますけれども、こういう傾向があるということをまず政府、そして国民の皆さんにも知ってほしい。 これは都道府県別の土砂災害危険箇所数、上位十県であります。どういうわけか、溝手防災担当大臣の広島県が一番であります。これは前、溝手大臣一緒に荒谷川というところを、そこでも人が亡くなり、生命、財産失われたわけですけれども、あるいは呉市、一緒に現場にも行きましたけれども、最後の、ベストテンの十番目が高知県でありまして、こういうふうに、危険箇所というのは約、全国で二十一万か所あります。これは対象戸数が五戸。五戸を割って四戸、三戸、二戸、一軒しかないという場合は恐らくこれのもっと何倍にも増えるはずです。補助事業というか、そういう防止のための予算の最低限は五戸以上の人家がないと、あるいは老人ホームとか公共的なものがないと補助対象になりませんので、事業をやるときの。それでも二十一万か所あるという、こういう厳然たる事実があります。 そこで、今災害が起きたときに災害復旧ということで、激甚災害だとかいろんな制度あります。私、三十八年ぶりに、実は十一年前の阪神・淡路の大震災は激甚災害制度の下では本激のA基準には採択されませんでした。あの当時の標準税収が三十兆円ですから、掛ける四%だと一兆二千億円ぐらいの公共災害がないと本激のAにはなりませんでした。今どんどんそういうのが掛かるように改正をしましたんで、本激のA基準は標準税収の〇・五%、本激のB基準は〇・二%。だから、大分制度が変わってきたんですけれども。 災害が起きてから災害復旧するのも国の大きな責任だと思います。しかし、でき得れば災害を起こさないように予防医学的なことで対策をしていった方が、先ほどのパネルでも説明させていただきましたように費用対効果が、いずれにしても我々国民の税金であります。危ない箇所は分かっている。それを計画的にどんどんどんどん年次計画立ててやっていくようなことを考えられないものかなと、防災対策基本法的なものが考えられないかなと思って、これはだれに、これは冬柴大臣と、そして溝手大臣と、あと総括的な意味で大きな方向性の問題ですから総理からお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 今、河川はんらんの状況あるいはそれに対して堰堤が果たした役割等についてパネルを示しながら御説明をいただきました。 実は、その二十一万か所の中で、二番目は私の地元の兵庫県で、残念ながら、でございまして、日本国というのは本当に美しいすばらしい自然に恵まれておりますけれども、非常に急峻な山が海岸まで迫っておりまして、高知県もそのような地勢がたくさん見受けられるところであります。 私どもは非常に厳しい歳出削減、これは大きな目標でございまして、プライマリーバランスをきちっと取れるようにしようということでやっているわけでございますが、限られた予算ではありますけれども、重点的そしてまた効率的に必要な社会資本整備は早急に進めていくということで、今お示しのような危険な箇所につきましては、それぞれ年次計画を定めて、河川につきましては下流から堤防を整備していくのが筋ではありますけれども、それが間に合わない場合には輪中堤を造って、そして水没する危険のある家を、人家をまず守るとか、そういうことで今整備を一生懸命進めているところでございます。 重点的に必要な整備は早急に進めるという方向で頑張っているところでございます。
○国務大臣(溝手顕正君) 先生御指摘のとおりでございまして、おたくの高知県は地すべり危険箇所とかそういう危険箇所が全国で十番目、私のところは一番だということで、余り有り難くない共通点がございますが。また、加えまして、高知県の場合は東南海・南海地震などの大規模地震の発生のおそれがあるという非常に不安定な場所でもございます。 我が国の自然的な条件を考えますと、災害から国民を守るというのは大変重要なことで、国にとりましても極めて重要課題の一つであると、このように考えております。いろんな段階におきまして、自ら助ける自助、公助、共助が連携して、それぞれの役割を果たしながら取り組んでいくことが必要であろうと考えております。 御指摘がございました防災対策基本法の考え方でございます。特に、自主財源の少ない地域の御出身、あるいはそういったところにお住みになっている方々にとりましては、特にこういった防災対策基本法という考え方でもって自ら武装するというか備えていくという考え方は非常に理解できるところでございます。 具体化に当たっては、財政面の負担等様々な困難があろうかと思います。現在、政府で行っておりますことは、社会資本整備の重点計画において防災に強い施設を造っていこうということ、そういう方向性で政府が進んでおりますが、これと防災という観点から進んだ場合と必ずしも一致しているわけではないと、取り残された問題をいかに対応していくかという一つ大きな問題点の指摘であろうと受け止めております。 いずれにいたしましても、災害に強い国土というのは我々の望むところでございまして、防災担当大臣といたしましては、災害に強い国土づくりに向けまして一生懸命努力をしてまいりたいと思います。関係諸団体と提携しながら誠心誠意災害対策にも当たってまいりたいと、このように考えております。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この災害危険箇所数では防災担当大臣の広島県が一位でございまして、田村委員のところは十位でございますが、私のところも七位でございまして、たまたま答弁者全員がこの中に入ってしまったわけでございますが。 先般も私は新潟を視察をした際、これは地震でございますが、山古志村で被災された方々のお話を伺いました。正に生活が根っこから奪われてしまう、そしてもちろん近親者も亡くなられたということでございます。 そして、今委員が大変分かりやすく表で示していただいた、あらかじめ防災をしっかりしていた場合と災害があったときのコスト的な面においての比較も示していただきました。しかし、もちろんそれと同時に、多くの人命が奪われるという点もございます。私たちの大切な仕事は、国民の生命、財産、身体を守るということにおいては、防災というのは大変重要な仕事でございます。そして、やはりあらかじめ常に日ごろの備えという観点から我々政府も、また国民も備えていることが大切であろうと、こう思うわけでございまして、過去の災害から学んだ教訓も踏まえて、ハード、ソフト一体となった災害対策の充実に努めていきたい、災害に強い国づくりに努めてまいりたいと思います。
○田村公平君 大変前向きな答弁をいただきまして、ありがとうございます。 災害の一番つらいところは、その被災された方だけじゃなくして、救援救難活動に当たる行政機関、あるいは警察、消防団等々含めてですけれども、地域住民だけじゃなくしてみんなが被災者になり得るというところに大変切ないものがあります。そういう意味で、防災とかいうことをもっともっと認識してほしいし、災害に遭った人はよく分かっているんですが、遭わない人にとったらもう全然、一生遭わないかもしれないものですから、実感として体験できないという、その理解度というか、そういうものがばらつきがあるものですから、せっかく全国中継ですから、そういうことも国民の共通の思いとして、日本列島、いつどこで地震が起きてもおかしくないし、いつどんな風水害が起きてもおかしくないような、だんだんだんだんそういう環境に、地球が荒々しくなってきています。それでそういうことを申し上げました。 ちょっと格差問題。 余り、私、郵政のことに本当は触れたくないんです。この前、(発言する者あり)いや、ひるみそうです。郵政民営化に反対票を入れたものですから、役職停止一年、党の方でいただいておりまして、いただいたというのか、(発言する者あり)ええ、解けましたんで。 これ、今日の地元新聞ですけれども、高知県、郵便局、いわゆる集配局という、配達機能を持った、七十一局あったのが二十七局なくなりました。三十五局が時間外窓口も廃止になりました。 それで、私どもの大変過疎の、徳島県の県境にある馬路村という村があります。村おこしで、合併もできないところで頑張って、ユズを中心として一生懸命全国に売っております。それは、郵便局から注文のはがきが来て、それで仕分をして送るわけです。そこも、職員、外勤職員入れて八名いた馬路村の郵便局員、三人になります。そこで切手の売りさばきや、いろんな郵貯、簡保のこともやらぬといかぬ。私、何かこういうのを地方いじめ、なかなかこういう機会がないと馬路村のことを言っても分かってくれない。 もう一つ言うと、高知県の道路は異常気象、山崩れとか大雨が降ったりとか、すぐ通行止めになるんですけど、一年間に延べ一万五千時間道路が止まります。平成十七年もそうです。(発言する者あり)はい、救急車はもうあきらめています。いや、この前も、うそのような本当の話です。パトカーが事故があって行けないもんですから、警察官がパトカー降りて走るんですよ。いや、うその話じゃないです、これ。 ちょっと高知県のイメージ言いますと、室戸岬と足摺岬があって、国道は五十五、五十六号線、海岸縁に一本線なんです。あと、松山に行くのが三十三号、高松に行くのが三十二号、高速道路は途中までです。そういうところに、七千百平方キロのところに七十九万人の高知県民が散在して住んでいます、山あり谷ありですから。森林面積が八六%で、平場、平地が一四ぐらいしかない。 そういうところで、郵便局の機能というのはすごく大事だと私は思っておりますし、地域の人も頼り切っておりますが、現実問題としては、時間外窓口も物すごく何時間も掛かるところに行かないと、不在の分とかいろいろあるんですけれども、休みの日とか朝早くにといっても、三十五局ですから、ほとんど七つぐらいしか残らない。そういう、これ現実の話をしています。附帯決議は一体どうなったのかなと、そういうふうに思います。それで、本当にこれ、総務大臣、お伺いします。 もう一つあるんです。三位一体の改革、昨日も片山先生もお触れになっていましたけど、地方は実は何かやりたいと思っても、いわゆる裏負担のお金はないもんですから、十年前に比べますと、十年前、高知県庁発注の農水それから国交関係の公共事業、二千億円あったんです。今年は八百億円。公共事業依存型の県でもあるんです。ほかに税収の道ないんです。そこで何が行われているかというと、低価格入札という名前の下に、予算というのは御案内のとおり、建設物価、労務単価、この工法であれば一億円なら一億円掛かる、それに請け負った業者さんも二、三%の利益がないと、ただではだれも仕事してくれませんから、で、入札をする。そうすると、これバナナのたたき売りじゃないんですが、一億円が六千万になり、だれもそれをとがめないから、六千万が五千万になり四千万に。経営が苦しいから、技術者も雇わぬといかぬ。で、どんどんどんどん地獄の底に落ちていくような、たたき合いというんですけれども、低価格入札の競争が起きる。 昨年、建産連、建設産業団体連合会の新年賀詞交歓会は、通常、おととしまで使っていた会場が半分になって、立食だったのがテーブルの板付きになって、今年の新年賀詞交歓会もそうです。つまり、業者さんもいなくなってきた。私の知っている人も、最近顔見ないなと言ったら、自殺していました。下請の人です。 そういう、県が仕事をやりたいと思っても裏負担分ないですから、三けた国道だと六割が国費で四割が県負担ですから、とてもじゃない、三けた国道もなかなかできない。そういうことについて、総務大臣、ちょっと御見解を聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(菅義偉君) 地域が公共事業の減少で非常に厳しい状況にあるということは、私もそれは承知いたしております。 今、私は、全国の地域をできるだけ自分の目で確かめたいということで、機会あるごとに視察をさせていただいています。 しかし、例えば委員の高知県ですけれども、高知県というのは、例えばカツオは高知で有名でありますし、私かつて高知に行ったときに土佐清水のサバというのを、びっくりしました。こんなに大きいサバなんです、清水サバという。例えば、そういうものを地域ブランドとして何とか売り出すことができないのかと。私は、地域には必ず地域の特徴とか魅力がありますので、そうしたものを支援するための今回施策を打ち出させていただいています。 今、道路のお話がありました。確かに、その道路もそういう形で、企業誘致するにもなかなか道路がないということも私伺っています。道路におきまして、特に地方の道路におきましては、道路特定財源の今回の改革の中でもそのまま据え置かさせていただいています。それは、地方の道路が非常に遅れているという観点から、そういう形で地方の特定財源はそのまま据え置かさせていただいています。 今先生からお話がありました郵便局、集配局の問題でありますけれども、集配局の再編によって集配業務が集約されても、郵便局そのものは引き続き存続をし、郵便、貯金、保険のサービスはこれまでどおり提供され、また集約される地域のサービスはこれまで同様にするという、こうしたことを実はお約束をさせていただいています。集配局の実施に伴いサービスの変化する場合はその代替措置をとると、こういうことにも実はなっているところであります。具体的には、そうしたものがされなければこれはまた相談をさせていただきたいと思いますけれども、基本的には代替サービスを行うという形で集配局再編を行っていることを御理解をいただきたいというふうに思います。 いずれにしろ、地域が安定して安心をして生活をすることができるように、本年度は地方税そして交付税とも昨年を上回ること五千億円確保させていただきました。さらに、地方の市町村長、これ、上下水道の整備等に利率五%を超える利率で公的資金を借りているところが、全国で実は十兆円ほどあります。その中で、三年間、五兆円を補償金なしで繰上償還さす、そういう仕組みを今回、十九年度予算でつくらせていただきます。その場合も、そうした地方を優先をして行わさせていただきたいと思います。
○田村公平君 清水サバの話が出ましたけれども、そちらにお座りになっておる山本大臣の選挙区であります。これはもう言わずもがなでありますけれども、県庁所在地の高知市から土佐清水市まで行くのには最低でも四時間見ておかないと、途中で交通渋滞や、百キロちょっとなんですけど、線形が悪いものですから物すごく遠いんです。で、サバというのはあたると怖いんですから、なかなか総務大臣がおっしゃるようにそうは簡単にいきませんよ、と思います。 そして今、私は余り郵政触れたくない。だけど、あのときの六閣僚との、特に竹中平蔵大臣とのお話の中で、民営化するということは、五十円のはがきが三十円になり、八十円の封書が六十円になって、一日で届くとか二日で届くというならそれは大いにいいことだけれども、だけどこれは、窓口業務はなくなる、全部で九局でしか時間外には行けない。あの広い高知県、九局ですよ。人口五百人が点在しておる大川村というところがあり、愛媛県との県境なんですけれども、そこも実は無集配化されて、馬路村と同じ運命をたどるわけです。だから、これ、やっぱりそういうものかいなと、田舎はどんどん貧しくなっていって。 私、この予算委員会に、昨日ですか、出てくるのに、日曜日地元で行事があって、最終の飛行機七時なものですから、六時からの結婚式で、私の同窓生の次男坊さんだったものですから、七時半のディーゼルカーに乗って、朝の七時八分に東京駅へ着いた寝台特急瀬戸号というのがありますけれども、交通の便も悪い。ただ、余りよく寝られないものですから、窓から外をぼうっと見ていたら、名古屋駅辺りではもうびっくりするような、見たこともないような、二百メーターぐらいある、首を上げても見切れないぐらいの大きなビルが建っている。 ああ、うち、高知県は有効求人倍率〇・四八なんです。百人就職したいと言っても四十八人しか就職できない。だから、本当はこんな話も余りしたくないんです、自分の田舎ばかにして。だけど、その昔クレージーキャッツ、日本が右肩上がりというか、日本が戦争に負けて復興の過程の中で、クレージーキャッツがこんな歌を歌いましたよ。銭のないやつはおれんとこへ来い、おれもないけど面倒見るよと。その後がいいじゃないですか。見ろよ青い空、白い雲、そのうち何とかなるだろうと。夢と希望があったんです。 今のこの閉塞感は、私ら田舎に生活している者にとっては、そのうち何ともならぬという思いの中で国会議員をやらせてもらっていることにむなしさを感じながら、毎週毎週、金、土、日、地元の人に、おまえには恨みはないけど仕事がない。公平さん、あんたには恨みはない。それを言われながらいろんな会合に出たりすることが情けなくもあり、つらくもあります。 そういう思いを込めて、これは総理、美しい国というのは何なんでしょう。私のところは一級河川が四本もあって、山もあって、海もあって、本当に私は自分の国というか、高知県を誇りに思っています。土佐の高知に生まれ、育ち、そしてやがておやじと同じ田村家の墓に入るわけですから、東京には私、墓もありませんし。だけど、先行きが見えない。 総理が描く、それは高知県だけではないと思います。島根県もそうでしょう。(発言する者あり)ああ、済みません。財政窮乏県と言われるところは皆そうだと思います。似たようなデータが全部そろっております。第四グループという財政力指数〇・二二クラスのところであります。そういうことについて総理、是非、総理が描く国づくりというのは、私は新幹線欲しいと言っているわけじゃないです。地下鉄が欲しいとか言っているわけじゃないんです。 もっと言いますと、道路特定財源は、昭和二十九年ですか、道路を造るために目的税としてスタートしました。そのおかげで世界のトヨタもできました、日産もホンダも。なぜかというと、世界で初めて自動車を走らせる舗装道路ができたのはデトロイトなんです。フォードが金を出して舗装したんです。これが、自動車が走る道路の、すべての道はローマに通ずるじゃないですよ、自動車のための道路なんです。だから、自動車産業も伸びた、道路特定財源のおかげで。 うちなんか公共交通機関がかなり脆弱というか、ゼロに等しいものですから、軽四輪は必ず大人がいたら人数分要るという。ガソリン税も東京の人よりも多く払っています、東京は、大都市は交通網が整備されていますから。だって、平成十年にJRの土讃線が三か月も止まったけれども、全国放送にもならないし、止まっていることもみんな分からない。山手線がちょっとがたがたすると、もうNHKを含めて朝から大ニュースで一体どこの国の話かなと。 そういうことが、ちょっとどういうふうに言ったらいいんですかね、ちょっと総理、国づくりの原点で。先ほど言いました新幹線が欲しいとか、地下鉄が欲しいとか、五分ごとに電車を走らせろとか、そういうことを言っているわけじゃないんです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど田村委員がクレージーキャッツの歌で、金がないやつはおれのところへ来いと。しかし、おれもないけどと。だったらどうするんだろうということなんですが、ただ、夢や希望を持っていた。しかし、やはりこれは、なかなかみんながお金がないとこれはうまくいかないのは事実でございまして、事実、今政府も大変財政の状況が厳しい状況であります。 ですから、何とか立て直すためには、構造改革を行いながら経済を立て直して、景気を良くして、税収を上げて、そして、それからさらに、美しい国をつくっていくために、その果実を国民に広く行き渡らせるようにしていかなければならないと、こう考えているわけでございます。 ですから、だからこそ、この国会におきましては九本の地方を支援をしていくための法律を提出をしています。中小企業の対策もやっている。そしてまた、事実、この六年間見てみて、確かに構造改革が進んできて、また、なかなかその中で、日本全体としてはうまくいき始めてはいるわけでありますが、だからこそ、なかなかうまくいってないと焦燥感を感じるんだろうと思います。若い人たちは地元に働く場所がないから都会に出ていってしまう。 であるならばどうしようかということでありますが、しかし、それはそう簡単に直ちにこれだという答えはない。だから、そこは大変悩ましいところであります。だからこそ、しかし、かといってそういう地方を私たちは見捨てようとは決して思っていないということはまずはっきり申し上げておきたい。地域の活性化なくして国の活力ない、これが私の内閣の基本的な考え方であります。 確かに、委員の地元の高知県は厳しいんだろうと思いますが、しかし、四国全体として見ますと、四国も厳しいところでありますが、しかし、谷間の状況では、有効求人倍率も〇・六、これは四国全体でありますが、四国全体〇・六だったものは〇・九一まで上がりつつあるのは事実であります。しかし、残念ながら、高知県の上がり方はというか、高知県は大変厳しい状況でありますが、四国全体としては良くはなっています。そして、鉱工業生産においても、九三だったものが一〇六に上がっている。五・八、失業率が五・八だったものが三・四になっています。 これは客観的な数字を今申し上げているんであって、これはやはり基本的にこの構造改革を進めてきた成果でもあります。ただ、まだこれが行き渡っていないわけでありますから、そこで、やはり先ほど菅大臣も申し上げましたように、地域の良さを生かした、地域資源を生かした中小企業の取組を応援をしていきたい。 ただ、今、田村委員は、それはそうはいったってインフラの整備ができてないではないか。確かにインフラが遅れているところもあるんだろうと、このように思います。だからこそ、この道路財源の今回の大改革におきましても地方の道路財源については別の扱いをしたところでありますし、また、そもそも本当に必要な、また遅れている道路についてはこれは当然造っていくわけでございます。 その上で、今までの道路財源が、揮発油税を含めた道路財源が自動的にすべて道路に行くという仕組みはなくした、しかし真に必要な道路は造っていかなければならないと、このように思うわけでございますし。 また、先ほどお話が出たサバの話も、これを聞いてそれを一回食べてみたいという人も私は出てくるのではないかと思いますし、私の故郷の山口県の油谷町は、これは日本海側でありまして、中国地方全体はいいのでありますが、山陰側は厳しい中にあっては、そこでマグロの養殖をスタートいたしました。マグロはなかなか養殖が難しいんですが、大体五十キロぐらいの養殖に成功いたしまして、そしてこれは養殖でやっているものでございますから大変とろの比率が高いということで、これはもう大変全国的に人気にもなってきて、正に地場産業としては成功しつつあるわけであります。 そういうところもしっかりと我々光を当てながら応援をしていきたい。是非、高知県において町おこし、また地域づくりが可能なように、我々はそういうところに常に光を当てていく努力はしてまいりたいと思っています。
○委員長(尾辻秀久君) あらかじめ申し上げます。 午前の質疑は十一時五十四分で終了いたします。御協力お願いいたします。
○田村公平君 あと一問、二問で五十四分ぐらいになろうかと思います。 総務大臣、今のやり取りの中で、私の高知県だけではありません、財政窮乏県の話をしました。そういうところに交付税措置を手厚くするようなお考えは美しい国づくりの上でありませんか。
○国務大臣(菅義偉君) 私は、さきの財政諮問会議の中で、今東京に税収が集中し過ぎている、そうした問題を初めて実は提案をさせていただきました。 いずれにしろ、地方で生活をする人が一定水準の行政サービスを受けられるようにするのが私どもの仕事でありますので、そのことについては全力で取り組んでまいりたいと思います。
○田村公平君 何かいまだにちょっと納得できないところがあるんですけれども、五十四分までですから。 国土交通大臣、先ほど来のやり取りを含めまして、道路特定財源のことも、これは真に必要な道路は政府の責任においてきっちり造るということでありますけれども、なかなか真に必要な道路という定義がいま一つよく分からないし、郵政のときにも、そんな話にはならないといいながら、現実問題は二十七も無集配局になり、それから五百円だったレタックスは倍近くに上がったし、結構我々レタックスを多く使うんですけれども、そういうことで一種の、私政治家やっていて、政権与党にいながら何か政治不信みたいなことも感じることがあるものですから、是非大臣、その道路の件、地方は道路は本当に困っているんです。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 高知からは道路整備についての要請がもう再々あります。五十五号、五十六号、土佐湾を囲んだ長大な海岸線を走っている道路でありますから、ちょっと、そしてまた山が迫っています。そういうことで、海が荒れますと、その道路が水をかぶり、そして壊れるという、そういうこともわきまえております。 したがいまして、今回の道路特定財源の改革におきましても、真に必要な道路は整備するということを大原則にいたしまして、それは余りにも抽象的ではないか、(発言する者あり)だから今から言いますよ。真に必要な道路ということになりますと、これは価値観が入りますから、その内容を中期計画として、十九年、今年ですね、示しますと言っているんです、具体的に、定量的に。そして、その中には五十五号、五十六は入るんじゃないでしょうか。 それともう一つは、高知県、(発言する者あり)いいですか、高知県だけじゃなしに、四国四県を一つとして、この国土形成計画法というのができまして、それで、全国計画とそれから多層的にもう一つの広域地方計画を立てることにしています。その広域地方計画の中で、例えば四国四県の道路整備がどこが最も急ぐのか、そういうものをきちっと自主的、自律的に出していただければ、国の方はそれを最優先してやっていこうという態度でいるわけでございまして、これからそういう意味で頑張ってまいることを申し上げます。
○田村公平君 高知県の道路だけではありません。道路はネットワークであります。大動脈を高速道路とすれば、地域高規格あるいは主要地方道、一般国道、市町村道に至るまでネットワークができて初めて正に清水サバも総理のお口に入るかもしれないということでございますので。 若干時間ありますけれども、あと一問、海上保安庁関係の、国土交通大臣、これは午後三分ぐらいで……(発言する者あり) 日本は海に全部囲まれているんですけど、高知県なんかに配備される巡視船は物すごく老朽化した船で、もっと海上交通、治安の問題含めて、北朝鮮の不審船に対する高速艇はできたんですけど、装備等どういう整備計画を持っておられるか、答えられる範囲で。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 海上保安の巡視船艇、航空機が老朽、旧式化しております。そういうことで、今年度の予算でも、また十八年度の補正でも相当程度整備を進めていただいております。 今までと違う仕事がたくさんできてきました。一つは、北朝鮮の船籍の船を入れないというようなこともありますけれども、本当に四面環海の国でありますから、いろいろなところで隣国と、我々の領土であるにかかわらず占拠されたり、いろいろややこしいことを言ってきたり、そういうところも全部守らなきゃならない。 それから、立入検査ですが、三万八千件、一年間ですよ、三万八千件、一日にすれば百件以上の立入検査を本当に命懸けで海上保安員はやっているわけでございます。そういうことで、我が国の、取り巻く海の安全を守っているわけでございます。特に、要員の確保というところが、一万二千三百人の職員でございますけれども、それでは足らないようになっております。それは、領海警備の強化のために巡視船を多数かつ継続的に投入せざるを得なくなってきているわけでございます。空き交番ゼロ作戦というのがありました。そのように、沿岸部に三百六十五日、二十四時間、三交代でやっているわけでございますが、即応態勢が手薄とならないようにするためには巡視船艇の複数クルー制度というものを導入してもらわないと、これ守れないんですね。そういうことで、治安対策の強化とか海上防災、海難対策強化、必要な要員の予算を計上しているわけでございます。 今後も、海難も、あれは命懸けで、「海猿」という映画もありましたけれども、頑張っているわけでございますので、またそういう意味でも装備もやってまいりますので、よろしくお願いいたします。
○委員長(尾辻秀久君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十四分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(尾辻秀久君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、平成十九年度総予算三案を一括して議題とし、質疑を行います。田村公平君。
○田村公平君 午前に引き続き、質問をさせていただきます。 冬柴国土交通大臣、先ほどは海上保安庁の件で、私ちょっと補足をさせていただきたいんですけれども、日本は海に囲まれているということと、それから輸出入含めて国際物流、九〇%以上が海上交通によっておるということ。それから、自分の県のことばっかり言って申し訳ないんですが、高知県は漁港だけで八十八あるんです。それから、金華山沖ではうちの土佐船の漁師の人が六百人ぐらい遭難して死んでおります。それから、遠洋漁業、沿岸含めて高知県の船、カツオ船もマグロ船も結構沖に出ています。これは三重県でも宮城県でも静岡県でも、海に囲まれているというのは漁業というのも大変大事な産業だと思いますし、遭難が起きた場合は、実は荒天時に巡視船が出ていきます。「やしま」級のヘリコプター搭載艦を一杯欲しいんですけれども、そういうわけにも予算の関係もあっていかないだろうし。 それぞれの船のランクに応じて、大臣、先ほどの御答弁の中で、二十四時間体制も取っていただく、その人員の問題、それから装備の問題。それは、実は高知県の海上保安部に配置されている船は、全国ぐるっと回って、もう耐用年数が切れたような船があります。十六ノットから十八ノットでエンジン回しますと、一生懸命整備してあっても、ビスが浮いてきたり、塗料がはげてきたり、それじゃ本当の意味での警備救難活動はできないと思いますんで、是非その点を計画的に、船、航空機等々の装備含めて更新を図っていただきたいなという思いであります。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 先ほどちょっと時間がなくてはしょってしまいましたけれども、十八年度から総理にもお願いいたしまして千トン級の巡視船四隻を認めていただきまして、それで補正等でも何とか三百五十トン級の三隻、百八十トン級を二隻、航空機を二機やってくれということでお願いしまして、最後は大臣折衝までさせていただきまして、尾身大臣認めていただきまして、何とかですけれども。しかしながら、不審船が時速七十キロぐらいで逃げるのに、こちらが三十五キロで追い掛けたらそれは追い付くはずないわけでございますから、私は不審船は、最近はもうああいうことでそういうニュースはありませんけれども、しかし備えはきちっとしておかないといかぬわけでございます。 そして最近では、先ほども言いましたけれども、年間、あんまりみんな御存じないと思いますけれども、三万八千件もですよ、立入検査やっているんですよ。それは命懸けの場合もあるんです、それは相手の船に乗り移るわけですから。おとなしくしておってくれたらいいですけれども。そういうこともやっています。それから、北朝鮮船舶に対する入港禁止措置。それから、東京湾と大阪湾の入口にテロ対策ということで、海洋権益の保全といった新たなものもありますけれども、この東京湾と大阪湾の入口には千トン級の巡視船を常時泊めて、そしてテロの防止のためにやっているということも国民の皆さんはまだ御存じないと思います。それから原発ですね、海辺にあります、そういうものもやっているわけです。 したがいまして、今、田村委員が御指摘のように、海上保安の、四面環海の我が国の地勢を考えたときに、海上保安の働きというのは大変重要だし、そしてまた本当に皆さん、我々、私も視察に行かしていただきまして、それで魚釣島も行きましたよ。 あのときも、台湾からあるいは香港から船を連ねて、領土だという主張をして押し寄せてくるということですから、もう全国から海上保安、艦艇を集めまして、二十隻態勢でそれを阻止したんです。そのときのビデオもありますけれども、最後は放水、船から相手の船に目掛けて放水して、入ってきてはいけないと。で、ついに入ってきましたから、今度体当たりしているんです。こちらの船にも相当な傷がいきましたけれども、これはなかなか大変なことでございまして、最後は反転して帰っていきましたけれども、そういう戦いもしているわけです。 そういうことを考えますと、今、田村委員がおっしゃっていただきましたように、本当に昭和五十年代に造られた、建造されたような船とか、そういうものが大宗を占めているわけでございますが、これを早急に巡視船艇百二十隻及び航空機三十機、これを代替装備を緊急的に進めていかなければならないという状況にあると思います。 そのようにまた頑張ってまいります。よろしくお願いします。
○田村公平君 マラッカ海峡に「やしま」を派遣したり、諸外国との連携を図りながら、これはマラッカ海峡は海賊も出ます、海難事故も一杯あります。是非、海上保安庁の予算、人員的なものを含めて、大臣、心配りだけじゃなくして、実効ある予算を獲得してください。よろしくお願いします。 次に移ります。 教育基本法も改正をされました。画期的なことだと思います。教育は知識を教えるだけでなく、豊かな心をはぐくむものではないかと思っております。 文化芸術振興に関する基本的な方針の見直しについて、文化審議会の答申に基づき二月九日に閣議決定されたことも御案内のとおりであります。文化、芸術で国づくりを進める、文化芸術立国を目指すと初めて明示をされたわけであります。経済大国、経済大国とばかり言われてきた日本では、我が国では画期的なことだと思います。 このために一体何をすべきか、具体的な戦略が欲しいと私は思っております。海外に比較して文化予算が非常に少ない。日本は、これは外国との比較の場合、韓国が一千二百七十四億円、二〇〇五年のベースでございますけれども、日本は一千十六億円、フランスはさすがに三千八百十九億円、イギリスでも二千四百八十六億円というふうになって、アメリカはちょっと制度が違いまして、九百二十三億円ですけど、アメリカは寄附ということに対しての税制上の優遇措置がすごいもんですから、国の、それぞれの国の文化というのは成り立ちが違いますけれども、余りにも予算が少ないんではないかなと。芸術、文化に対する助成が、助成というのは助成金の助成です、芸術活動や芸術家団体等になっています。芸術、文化を支える専門家、アートマネジャーあるいは舞台技術者の育成等、こういう専門家が活動できるシステムと雇用の場が必要だと思っております。 我が国では商業演劇で、まあもうかっているといったような表現はおかしいかもしれませんけど、成り立っているのは、浅利慶太さんがやっておる劇団四季、小林公平さんがやっております宝塚歌劇団、それから松竹がやっておる歌舞伎座、で、歌舞伎座のわき役とか鳴り物のこの大部分は国立劇場の養成所から来ております。 そういうことを踏まえた上で、文部科学大臣、我が国の文化芸術振興にどのような方針で臨まれていくのか、是非お答え願いたいと思います。
○国務大臣(伊吹文明君) 安倍内閣は美しい国をつくるということを大きな目的として、その一つとして教育の改革を進めているわけですが、改正教育基本法でも、日本の伝統文化を尊重し、それをはぐくんでくれた国土、そして郷土を愛するということをわざわざ明記しているということは、我が国が長年にわたって祖先が蓄積をし、積み上げてきた伝統であり文化であるというものを尊重しなければならない。同時にまた、我々、今に生きる者は、そこへ新しい感性を持って、新しい文化を付け加えて後世に引き継いでいかねばならないと。それにしては、先生の御指摘は、随分と予算が少ないんじゃないかなということだと思います。 なるほど、今正に先生が御指摘になりましたように、国情によって寄附に頼っているもの、そして市場原理の中で代金を取ってやっているもの、いろいろなことがありますので一概に比較は難しいと思いますが、我が国の場合は、例えば地方公共団体は大体国の約四倍ぐらいの文化予算を使っておるんですね。それから、民間の方々が例えばメセナのようなものを使ってやっておるのが大体三百億程度ございます。しかし、国の助成としては、市場に乗らない部分を、しかも伝統的な部分はこれは支えながら次の世代に受け継いでいかねばなりませんので、予算が不十分だという御指摘はやはり私は甘んじて受けねばならないと思います。 引き続き、予算の獲得、そして御指摘になりましたように、アメリカのように寄附の免税の対象の文化事業を拡大していくということを通じて、先ほど先生がおっしゃいました文化、芸術に関する基本的な方針に沿っていくように、厳しい財政事情でございますが、財務大臣の当然の御理解もいただいて、一生懸命やらせていただきます。
○田村公平君 財務大臣、よろしくお願いいたします。 地方でもすごく頑張っている劇団とか芸術関係の、一杯あります。静岡県芸術センターとか、それから兵庫県のピッコロシアター、あるいは島根県のしいの実シアターと劇団あしぶえとか、これは世界的にもコンクールでいい成績を収めました。それから新潟市のりゅーとぴあとダンスカンパニーとか、いろんな意味で地方でも頑張っているところ、そういうところに人も集まり、それから何よりも大人だけでなくて子供たちを含めて情操教育にも役に立っています。全国に公立の文化ホールと称するものが約二千以上あるんですけれども、これほとんど箱物行政で、貸席業になっておるのが現状であります。 例えば、いいクラシックの、ウィーン・フィルならウィーン・フィルの、一番手は絶対日本に来ないんですけれども、二番手、三番手が日本に来たときに、じゃ高知の人間はどうするかというと、大体切符も高いですし、東京とか大阪まで出て行くとこれもう十万円相当になります。だから、接するということがなかなか難しい。じゃ、地域社会でどうするかということを、そういう意味でアートマネジャーとか、そういう人材を育成していくことも大事だと思いますんで、大臣から力強い答弁をいただきました。引き続き是非よろしくお願いをいたしまして。 大体、私さっき、ずっと午前中は田舎のこととかいろんなことを言いまして、お金欲しい、予算欲しいということ、本当は三重苦なんですよね、国の財政、地方の財政。いろんなことを考えたときに、あれも欲しい、これも欲しいと言うのも心苦しい部分があります。しかし、だれかがどこかで上手にシェアを変えながら、限られた予算の中で効果のある仕事をしていくのが政治の務めだと思うし、また、それが政府の責任でもあると思っておりますので、よろしくお願いをいたします。 次に、ODAのことに入らせていただきます。 内閣府等の調査によれば、国も地方も財政大変厳しいし、ずばり言えば大赤字です。その中で、何でODAで我が国の国民の税金を発展途上国というか、そういうところに回さなければならないのかという、あのお金があったらうちの村は、うちの町は、うちの市は、うちの県はもっと良くなるという声もあります。 それで、外務大臣にお尋ねいたしますが、ODAのことについて是非私の今の意見に対する御意見ありましたら、お聞かせください。
○国務大臣(麻生太郎君) ODAに対してのいわゆるいろいろな御意見、批評等々は我々もよく熟知しているところだと存じますが、基本的にODAは単なる施しというのとは全然違う種類のものだと、基本的にはそう思っております。 何となくこういったものを使って日本にとって好ましいいわゆる国際環境をつくる、いわゆるでき上がった国際環境にいかに当てはめるのではなくて、こういったものを通じて日本にとって好ましい国際環境をつくる、つくっていく、それは結果として日本の安全とか繁栄につながっていくというためにODAというのは本来使われるものだと思っています。 いわゆるグローバライゼーションとか、いろいろな表現が今あちらこちらはんらんしていますけれども、いろいろな国際社会におけますいろんな抱えております課題、環境の話とかいろいろありますけれども、こういったものが日本の平和と繁栄にこれ直接にもうつながってくる時代になっておりますんで、環境に限らず感染症だとかテロだとか、食料だ、エネルギーだ、人口問題だといろいろございますけれども、そういったものが我々としては、いかにそういったものをつくることによって、ハードのものをつくるだけではなくてソフトの面でもそういったものが影響していくものだと思っておりますんで。 基本的には、税金を使って国の環境、日本という国の国際的な中における日本という国の立場、若しくは日本という国に対する環境というか保全、いろんな表現ありますけれども、そういったもののために生かされていくようにということで、税金を使ってそういうことをやっていくという自覚がきちんとなければいかぬものだと思っております。
○田村公平君 私ども参議院は決算とODA重視ということで今までもやってきましたし、私も先般ケニア等にも視察で行かさせていただいたんですが、この国会でも、随分でもないそんな昔でもないと思いますが、問題になりました無駄なODAの典型と言われたのが、ケニアから飛行機で一時間ぐらい行って三時間ぐらい車でがたがた道を走ったところにソンドゥ川という川が流れておりまして、ソンドゥ・ミリウの発電所です。 私も、日本のマスコミ等を通じて、あるいは国会のやり取りを聞いておりまして、鈴木宗男さんの利権だとかいろんなことを言われていて、さぞかしひどいことをやっているのかと思って行ってみましたら、環境にも大変配慮しておるし、それでソンドゥ川にちょっとした堰を引いて、川が高いものですから落差を利用して六十メガワットぐらいの発電所を造っている。 別にダムを、六十メガワットって何か大きなダムがあってむちゃくちゃなことをやっているかなと思ったらそうじゃなくして、流れ込み式で、その現場にも行かさせてもらいました。出てきた残土で土地を平らにして、そこの学校には近在から、進学率が非常にいいものですから一杯人が来て、寄宿舎も現場で出たいろんな廃材を使って、地域と非常に上手にというか共生しながら、併せてかんがいもやりながら。ところが、その工事が中断したために無駄なお金が要った。 その次の工事がサンゴロというところでやるというふうに現場で聞いてきましたけれども、せっかくのODAですから、日本の国で言われていることと現場に行ったら随分温度差もあります。そういうことはやっぱり、外務省は非常にそういう意味でもPRが私は下手だと思います。 中国は物すごくアフリカでは大きなスタジアムとか物すごい目立つものを造っておりまして、現場に行くと、私たちは日本人ですけれども、あなたは、こういう顔を見ると、チャイナかと。まあ向こうから見れば同じように見えると思うんです、現地の人から。それが非常につらい思いをしました。 今日、ここにお札を持ってきました。(資料提示)後ろは、これカンボジアのアンコールワットです。これは日本の援助でできた日本橋です。このカンボジアの通貨、多分現地で五、六円ぐらいだと思います。カンボジアの人に聞きますと、日本のおかげですばらしい橋ができましたと、ずっと内乱が続いてきて、感謝していますと。しかし、その感謝の言葉をどういうふうに政府として言えばいいか分からないもので、一番頻繁に使われておる通貨に、紙幣に、私、カンボジア語読めませんけど、お札にしてくれているという例もあります。 こういうことを、今ほんの一例を私申し上げましたけど、我が国は基本的に軍事力を背景としての外交交渉ができません。ある意味で、私はこの第四班の私どもの院の派遣の報告書にも、第四班書かせていただきましたけども、ODAは一種の外交上の武器であると。本当にミサイル撃つとかそういう意味じゃないですよ。そういうふうにちょっときつい表現もさせていただきました。 今申し上げましたことについて、外務大臣としてのお考えがあればお伺いいたしたいです。
○国務大臣(麻生太郎君) ODAは、外務省といたしまして、若しくは日本といたしまして、外交上の極めて重要なツールであることは、道具であることははっきりしておると思っております。 今、例を挙げられましたんで、ケニアのソンドゥ・ミリウの水力発電と、水力発電ってえらく大きなものに聞こえますけど、ちょろちょろ流れるとは言いませんけど、そんな、大きな大ダムで三峡ダムなんてものとは全くけたが違う小さなダムなんですけれども、そのダムを使いまして水力発電を小規模のものをさせていただいております。 これは、結構騒ぎになったのはもう先ほど言われたとおりで、このおかげで二期工事が止まっておりましたけれども、今スタートをさせていただいております。今御指摘のありましたように、小学校二つ、中学校一つ、たまった、堆積いたしました泥を使って平らにしてそこを学校を造っておりますが、この学校がめちゃ評判がいいものですから、越境入学という言葉があるのかどうか知りませんけど、遠くからもそこに来て、学校の質は極めて高いということになっております。 二期工事も今スタートしておりますんで、こういったものが本年の十一月には完工できるだろうと思っておりますので、工事は順調に進捗しておると思っております。いわゆる環境問題とか社会問題とか、いろいろあのとき騒ぎになりました問題につきましては、今私どもの得ている報告では、その後学校ができたりなんだりした結果、その種の問題今全くないと聞いております。 それから、今お札の話が出ましたけれども、それはカンボジアだけの話じゃありませんで、ミャンマーでもバングラデシュでも同じようなお札を既にできております。この間、タイとラオスの間にできましたあの橋、横をつないでメコンにつながっていくあの橋にも、それを記念して切手が出されたりいたしておりますので、いろんな意味でそういったものは、ほかの国もやってないわけじゃないんですけれども、やっても、日本が造った橋は少々な洪水とか増水じゃ流れない。やっぱり建築技術というか土木・河川工学、いろんなもののおかげなんだと思いますけれども。 そういったもので、とにかく流れない。ほかの橋が流れてもその日本の橋だけ残るというようなのが過去何度かあったそうで、そういった意味では極めて評価の高いものだと思って、これは結果的に技術水準の高さの証明につながってみたり、日本という国のブランド名を上げるということに寄与しているんだと思っておりますので。 お札とか切手とかいろんな例に使っていただいておりますのは事実で、お見えになるたびに、切手を一つちょうだいしたりいろいろちょうだいいたしますので、我々としては、我々のODAの結果こういうことになっておるということを素直に感謝してくれるという国は、全然おまえらに関係ない、おれたちだけで造ったんだよなんて顔される国よりは、何となく、おお、いい国だなと、何を言っているかお分かりだと思いますけれども、そういう国に比べりゃ、我々としては、非常にまたそういった感謝されるんであればという気持ちになるのは正直なところです。
○田村公平君 私も、インドネシアとかネパールとかミャンマーとか、そういうところばっかり、アフリカもそうですけど行っておるものですから、日本に対する期待も大きいし、そして本当に子供たちの目が輝いている、地域の住民の人もすごく感謝してくれている、それが本当の意味での生きた、世々代々伝わっていくODAだと思っております。 特に、ボロブドゥールの遺跡のあるところに富士山よりもっと大きい、あの富士山のような形をした活火山、メラピという活火山がありますけれども、その下に火山、土石流のセンターを日本のODAで造って、今それはもう地元のインドネシアの政府の方々が逆に周辺諸国に火山性の土石流や砂防、防災、南南協力というか、そこからまた人をどんどんどんどん教育して派遣しているという、そういういい話。悪い話ばっかりじゃないんです。悪い話は僕は余り承知しておりませんけれども、一番悪いと思って行ったソンドゥ・ミリウが一番良かったんでびっくりしたぐらいですから、百聞は一見にしかず。 しかし、外務省も在外公館にどんどんどんどん出ていって、日本へ帰ってきて二、三年いて、また出ていくものですから、内政面というか、PRが下手なんです。これは是非、大臣、もう少しPRも頑張るように、これは答弁は要りません。答弁、やりますか、要りますか。はい、どうぞ。
○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘をいただきまして、誠に私どももそう思って、これは外務省に入って一番最初に立て直すのはまずホームページから直せということで、紙なんか幾ら配ったって見るやつはほとんど決められておるんだから、ホームページでインターネットを使えという話をして、今、お札、コイン、切手等々のことに関しましては、大体今外務省のホームページ、ODAのページでクリック、クリックというか、つないでいただきますとほとんど見えるようにだけはしております。 今後ともPRに努めてまいりたいと存じます。
○田村公平君 いよいよ最後の項目で、あと五分、五分じゃないか、もうちょっとあるか、で締めくくっていきたいと思いますけれども、片山先生も昨日、また同僚議員も地球温暖化のこと、私自身も防災という観点からもそういうことも申し上げましたけれども、森林によるCO2の吸収量の確保が大事であるということはもう自明の理でありますが、ところが、補正含めて大変いい予算を林野庁の方で付けていただきました。 高知県、森林面積日本一でありますから、これは民有林含めて、作業道とか今までないところまで手厚く配慮していただいておりますけれども、いかんせん、山の持ち主である山林地主さんはもうへとへとになりまして、自己負担もない、地方自治体の負担金もない、ないない尽くしで、金目だけはどんと付いたけど、何か、金、予算というのは見えるけれども、食べたくても食べられない、役に立ちたくても立てることができない。それはひとえに外材の輸入が多いということでありますが、その点について、松岡農水大臣は大林区様であられまして、もう一番山のこと詳しい人ですから、是非御答弁お願いします。
○国務大臣(松岡利勝君) いや、どうも田村先生、ちょっと御質問があると思ってなかったものですから失礼いたしましたが、いずれにいたしましても、外材が多くて、今日まで木材の値段が下がって、そしてまた国内の森林経営というのは大変な打撃を受け、影響を受けてきたと。そのことによって山が手入れができなくて荒れてきていると。そういう状況にありますが、それに対しまして、安倍総理、とにかくこの森林をしっかりしたものにしていって、京都議定書、この約束も目標達成していく、そしてまた災害に対処するためにも森林の整備をしていくと、そういういろんな目的を持ちまして、今、十八年度と十九年度の当初予算合わせまして、いまだかつてない予算措置をして取り組んでいる、こういう状況であります。 そういう中で、実は国際的にも木材需給というのが非常に需要が伸びてきまして、中国やインド、中東、こういったところで大変な勢いというか伸びでございまして、したがって状況が変わりつつあると。こういったことも生かしながら、国産材の競争力を高めながら、そしてまた森林経営が上向いていくような、そういう方向に向かって全力で努力をしてまいりたいと思っております。
○田村公平君 是非、山が宝の山になるようによろしくお願いいたします。 そして、最後に環境大臣にお尋ねします。今のやり取り含めまして、京都議定書が実効あるものにするためには、特に林野のことも含めて、取組について三分程度でお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(若林正俊君) 京都議定書において義務付けられております温室効果ガスの削減目標は、御承知のとおり六%であります。その六%のうち三・八%に当たる年間千三百万炭素トンは森林吸収源によって確保すると、こういうことにされております。このカウントできるのは、ただ山があればいいということではありませんで、これは適切な状態に保全をしているものということになります。例えば、地ごしらえとか地表のかき起こしなどによる更新事業、あるいは下刈り、除伐などの保育事業、間伐、主伐といったように手入れをした森林だけがカウントされるわけであります。 このような京都議定書の運用上認められた森林整備、これは地球温暖化防止以外にも、国土の保全とか水源の涵養とか生物多様性保全の公益的機能とかいろいろな要素を持っておりまして、美しい国づくりのもとになるのが森林整備だと考えております。 環境省としましては、林野庁、農林水産省も大変御努力いただきまして、この千三百万炭素トンの確実な実施のために、これは六年間にわたって毎年二十万ヘクタールずつの新規の整備が必要になりますが、初年度は補正も含めまして二十三万ヘクタールの整備をする予算を得ておりまして、そういうことを通じまして、これから毎年二十万ヘクタール以上の整備を進め、手入れをしていくということを通じて温暖化対策の拡充を図ってまいりたいと、このように考えております。
○田村公平君 山の話、海の話、道路の話、郵便局の話、地域間格差、いろいろ言ってきましたけれども、環境問題も含めて、是非私は、そうはいいながら、やっぱり情けない思いをしながら、いい、均衡のある美しい国を総理、よろしくお願いをいたしまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(尾辻秀久君) 関連質疑を許します。三浦一水君。
○三浦一水君 自民党の三浦一水でございます。関連質疑を続けさしていただきます。 安倍総理、総理御就任おめでとうございました。本日が初めての総理に対する質疑の機会でございますので、あしからず、遅れましたがお祝いを申し上げたいというふうに思います。 総理には、総理が幹事長時代あるいは幹事長代理時代、大変その下でお世話になってまいりました。仕事をさしていただきました。本当に、同年代で考えましても大変きちっとした国家観をお持ちであり、そして歴史観をお持ちであり、そして時にはマスコミとでも闘う姿勢をその当時見せていただきました。大変共感をし、勉強をさしていただいた思いがあります。 支持率は、片山幹事長もおっしゃっていました、私は付いてくるものでいいと、私もそう思っています。是非スピード感のある政治を安倍総理らしく思い切って展開していただきたいと、そのように期待を申し上げたい、国民とともに期待を申し上げたいと思いますし、私も昭和二十九年生まれの同年でありますから、大いにエールを送りたいというふうに思います。また、命運は総理とともに懸けてまいりたいというふうに思います。よろしくお願いします。 小泉政権、大きく改革の扉を開いてまいりました。それをまた支えられたのが安倍総理であります。今その成果はもう正に既に生まれつつあるなと実感をいたしております。十八年度の補正、本当に災害対策あるいは障害者に対する追加措置、鳥インフルエンザ、きちっとした対策を立てていただきました。この十九年度の予算も本当に七兆五千億という税収の増を見たということ、これは大きなやっぱり特筆されるべき点ではなかろうかというふうに思っております。 国債の発行高が四兆五千億圧縮ができた、あるいは地方交付税も一定の要望にこたえることができた、あるいはまた、特別会計の改革により新たな財源も生み出し、六兆三千億の財政健全化も果たすことができた。総理の所信を承り、本当にそのとおりだというふうに感じたところであります。中小企業の予算も若干ながら増やしていただきました。あるいは税制におきましても、予算とは違いますが、非常に中小企業税制におきまして特に内部金留保課税を撤廃をしたということ、あるいはまた承継税制で三千万円のこの非課税枠を新たに制度をつくったということ等々、減価償却も含めまして非常にその点は評価がある、反応があるわけでありますが、なかなかマスコミ始め全体の評価を受けられないところは私としても歯がゆい思いを持つわけであります。代わりにPRをしておきたいというふうに思います。 私は地方の議員でもあります。そしてまた、我が国のやっぱり在り方というのは国土が、地域がバランスの取れたものが必要である、そのように念じて政治生活を務めてまいりました。そういう意味では、我が党の各議員の格差議論とほぼ似たような気持ちを持つわけであります。そういう中で、欲を言えば、いま一歩、国としての財政の調整機能を十分発揮していただいて、予算面で地方に対するめり張りをもう一歩利かせていただければな、そういうふうに感じておるところでございます。 国が果たすべき財政調整の機能も含めまして、総理の御見解を賜りたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日本という国がやはりバランスよく発展をしていくことが大切だろうと思います。例えば東京だけが一極集中で、東京だけが栄えていくという国になっては私はそれは美しい国ではないと、このように思います。熊本県を始め各地域がその良さを生かして発展をしていけるように、またその地域に暮らす人たちがその地域で未来に夢を描くことができる、そういう国づくりを行っていかなければならないと、こう考えているわけでございます。 そこで、我々、言わば三位一体の改革も行い、地方に税源移譲をしてまいりました。しかし、その中におきましても、やはりこの財源のある地域とそうでない地域がございます。また、この景気回復におきましても、産業にそれぞれ景気の回復の恩恵があるところ、ないところ、ばらつきもあるわけでございます。それは結果としてそれぞれの地域の財政力につながっていくわけでございます。 日本全体としては景気が回復をし、成長しているわけでありますから、そういう中でいかに、言わば委員が御指摘になったように、うまく調整をしていく、バランスよく発展をさせていくことができるかどうか、それが正に政治のこれは出番であり、役割であろうと、こう考えているところでございます。十九年度の予算におきましても、交付税については、これは私ども五千億円増やしたわけでございまして、そういう意味におきましては、やはり地域にしっかりと目配りをしていきたいと思っております。
○三浦一水君 同様の趣旨を総務大臣にお伺いをしたいわけでありますが、その前にちょっと、私ども地方の人間として考えますときに、決して地方のエゴとして、あるいは無い物ねだりでそういうことを言うわけではないということを是非御理解をいただきたいと思うんです。やっぱり、バランスの取れた国づくりを目指していくために地方自身がやっぱり浮揚していく必要がある、そのための大きな支えがひとつ国による調整の機能であろうというふうに思っております。それでもって地方もそのバランスの取れた国づくりに大きな一翼を担っていきたい、そういう趣旨であります。 財政力の乏しい地域は、今総理もお話がありましたように税源移譲は必ずしもプラスに働かないと、このことはもうよく指摘をされるところであります。そういう中で、総務省の役割というもの、より大きな期待をするところでありますが、大臣の御所見を賜りたいというふうに思います。
○国務大臣(菅義偉君) 総理の、地方の活力なくして国の活力なし、こうした考え方の下に私どもは、財政力の弱い地方であっても一定水準の行政サービスができるように、まずこのことは地方税、地方交付税の総額確保、そして調整機能が大事だというふうに思っています。これについて言いますと、昨年比約五千億円伸ばさしていただきました。 そして、これは十九年度から三年間でありますけれども、当時高利率のときに地方の市町村が上下水道の整備等にお金を、公的資金を借りています。今、五%を超える金利のものが十兆円あります。その中で、これから三年間で五兆円について補償金なしで繰上償還できる、こういう仕組みをつくらさしていただきました。これの効果は約八千億円あるだろうと、こういうふうに言われております。こうしたことも、できるだけ財政力の低い地方を優先的に考えていきたいというふうに思っております。 そしてまた、総務省としては、今日まで過疎対策あるいは中心市街地の活性化対策等を取り組んできました。さらに加えること、十九年度から頑張る地方応援プログラムというのを作らさしていただきます。それは、地方には必ず地方の特徴があって魅力があると、そうしたものを生かすために、頑張る地方に対して一定の成果指標というものをつくって、そこに対して特別交付税やあるいは交付税で支援をしていこうというふうに思っています。 例えば委員の熊本県、正に都会と農村の人口交流というのが非常に活発に行われているというふうに聞いています。そうしたものについても、やはり一定水準以上のものであれば、そうした人のにぎわいというのはやはり地域の振興にも役立つわけでありますから、そうしたきめ細かな政策というものを是非取らさしていただきながら、そしてまた、税の抜本的改正の際には偏在度の小さい地方消費税というものの導入、そうしたものも含めて私どもは考えていきたいと思っています。
○三浦一水君 次に、格差の中で、格差につきましては、もう雇用の格差始め様々な議論をいただいております。私は合併市町村を見ておりまして、ちょっと総務大臣に一点御所見を賜りたいんですが。 合併市町村のその後でありますが、本庁の所在地への地域内の一極集中というのが非常に顕著に見られる地域があります。これは条件によっても違うようでありますが。そういう地域を見ておりますと、支所に行きますと、もう当然、もう議会のスペースは空っぽですね。それから、職員さんが大体二割ぐらいの率で本庁所在地に移っていると、本庁に移っていると。しかも、通勤でなくして住所移転まで行われているというような状況がございます。もとより支所で見ましたら予算の権限がありません。そのことから、従来非常に人のにぎわいのあった旧市町村のにぎわいというものが大変陰りを見せている地域が全国散見されるのではないか、我が地元においてもそうであるというふうに感じております。 ここは災害を考えてみましても、実は去年のちょっとした大雨で局地的なものでありましたが、災害の対策がすぐに執行ができないという不都合が実際支所管内であったわけであります。このようなことを考えますと、市町村ベースでは様々な条例等の制定も含めまして取組もなされているようでございますが、私は全国的な一つの問題として、総務省も余計この点に意を用いながらあるべき姿を考えていくべきじゃないかというふうに思っております。 合併したけれども何もいいことがないということをごく当たり前に聞かされる、このことは非常に重大だと考えております。総務大臣のお考えを賜りたいと思います。
○国務大臣(菅義偉君) 合併をした市町村が活力のある市町村に変わらなければ何もならないわけでありますから、私どもは合併後の市町村の均衡ある発展というものに様々な財政措置等をとらさせて、そして支援措置を講じているところであります。 例えば、周辺地域の住民の多様なニーズを新市町村の施設等に反映するための仕組みとして地域自治区や、あるいは地域審議会などの制度というものを実は設けております。地域住民が身近なところできめ細かな施設のサービスができるようにという配慮の下であります。 さらに、地域間のコミュニティーバスを運行するなど、地域の行政サービスの向上に努めさせていただいておるところでありますけれども、今委員から御指摘のありましたこうした問題について、都道府県とも協力をして、合併以前とその後についてそうした格差が生じないように私どももしっかりと連携をして取り組んでいきたいと思います。
○三浦一水君 政令都市の指定を受けますと区役所が持てると。区役所の権限というのは相当なものがあるわけであります。規模は別としましても、その人的な配置もまた別として、一定の権限というものは今後支所の中で少し強化があっても私はいいんじゃないかという思いがいたします。 是非、大臣、十分実態の調査をいただいて、今後の対策に生かしていただければと思いますので、その点、要望申し上げておきたいというふうに思います。 農林水産のことについてお尋ねをしていきたいと思います。 総理と大臣にお尋ねをしますが、WTO交渉あるいは日豪のEPA交渉も始まろうかという時期にあります。WTO交渉につきましては、本当に政府としてこれまで毅然とした姿勢の中で取組をされてきましたことを評価をするところであります。なかんずく、重要品目の制度の導入あるいは上限関税を阻止をするという点においては非常に強力な運動を展開をされておりますこと、評価するところであります。 去る二月の二十六日の経済財政諮問会議のEPA・農業ワーキンググループの会合で、国境措置を撤廃した場合の国内農業への影響について農林水産省から試算が示されました。これによりますと、農業の総産出額は三兆六千億円である。現在の農業総産出額が八兆五千億円でありますから、その四割強が喪失をされる。重大なものであります。また、したがって、GDPは九兆円減少し、その結果として三百七十五万人分の就業機会が失われ、食料自給率は、今の低いと言われている四〇%から一二%まで激減をするということが言われたわけであります。 これによりまして、農業生産が維持されることによって発揮されてきたいわゆる国土、自然環境の保全等の多面的機能にまで大きな影響が及ばないかと危惧をするわけであります。農業、食料産業の比重が大きい地域の経済においては余計その打撃が大きいと推測をするところであります。 まず、総理にちょっとお伺いしたいんですが、そのような多面的機能、私は非常に重要な意味を国民全体の中で持つというふうに思うんですが、総理、多面的機能についてお考え等ありましたら、ちょっと冒頭にお聞かせいただければというふうに思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) お答えをする前にちょっと訂正をさせていただきたいんです。 先ほど、地方交付税、前年度五千億円上回ってと、このように申し上げましたが、正しくは地方税、地方交付税等の一般財源総額を五千億円、前年度に上回って確保したということでございますので、訂正をいたします。 農業の多面的機能でございますが、私は、農業、言わば産業面としての農業というのはあるわけでございますが、産業面だけで見るのはこれはやはり農業の本質ではないと、このように思うわけでございます。何といっても農業というのは、地域の、また日本全体の環境において環境を保持するという役割を持っています。そしてまた、地域社会を構成をしていく上において農業の存在は極めて大きい。そしてまた、言わば地域の文化や伝統もやはり農業ということと密接に、これは切り離すことはできない、結び付いていると、こう思うわけでございますし、そして、何といってもこの農業というのは私たちの食料を守っている、食料の安全保障という観点からも見ていかなければならない。水を涵養しているという、最初に申し上げました環境、また地域の保全、国土の保全ということもあるわけでございます。 そうした多面的な機能を正しく評価をしていく必要があると思います。単に産業という角度からだけで農業を見るべきではないと、私はこのように考えております。
○三浦一水君 総理と大臣にお伺いをしたいわけでありますが、先ほど申しましたWTO、EPAの交渉の重要性、もう既に御認識のところでありますが、日豪のまたEPAの協議が始まろうかということを聞いております。 オーストラリアといいますと、これは報道でもありますように、千八百八十七倍の、我が国の経営規模に比較して、経営規模を誇る世界の本当に冠たるオーストラリア農業でありまして、この一か国でも我々が関心を持っております重要品目のかじ取りを誤るならば、これはもう間違いなく我が国農業を崩壊に追い込む事態になりやしないかと、これはもう全国民が今、全農業者、まずは農業者、そして国民も大きな関心をこのことに示しているわけでありますが、それに向けての決意を総理、大臣からお伺いをしたいというふうに思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) また詳しくは農林水産大臣からお答えをいたしますが、まずは、この豪州とのEPAについては日豪間の戦略的な関係を強化をしていくといったメリットがもちろんあるわけでございますが、しかし、ただいま三浦委員が指摘をされたように、豪州は何といっても農業大国であります。規模が全然日本とは違うということも頭に入れておかなくてはならないのは当然ではないかと思いますが、国内農業への影響を十分に踏まえて取り組んでいかなければならないと、こう考えております。 農業は地域の主要な産業として、先ほど申し上げましたように、食料を生産をしているだけではなくて、環境や自然、さらには伝統文化と、また農村の景観、この美しい景観を守っていくことこそ私は美しい日本をつくっていくことにつながっていくと、このように思います。 先日も、三浦委員の地元熊本の六郷小学校の子供たちと電話で話をしました。この小学校五年の人たちは実は昨年田植を経験して、そしてお米を作ったわけでございます。田植してお米を作る、そういう経験をして、刈取りをする。自然のすばらしさや厳しさを勉強するということでございまして、そのお米をプレゼントしていただきまして、そのお礼の電話をしたところでありますが、やはり、何人かの子供たちと話をしましたら、皆さんやはり、田植をしてそれを刈り取るその喜びを感じたということを皆さん話をしていました。ああ、これこそやっぱり日本の文化なんだな、みんなで助け合って、水を分け合っていくということもそうでありますが、こうしたものを決して私は失ってはならないなと、改めてこのように思ったところでございます。 この農業の重要性を十分に認識をしながら、守るべきものはしっかりと守っていくとの方針の下で、国内農業の構造改革の進捗状況にも留意をしながら日本として最大限の利益を得ることができるように全力で交渉をしてまいりたいと考えております。
○国務大臣(松岡利勝君) 三浦先生にお答えをいたします。 まず、その前に、三浦先生は同じ熊本でございますし、またお父さんの三浦八水先生にも大変お世話になりまして、三浦八水先生もそれから三浦一水先生も私も同じ済々黌の同窓でもありまして、いろんな関係でお世話になっておりますが、今日は熊本同士で御質問いただきまして、ありがとうございました。 そこで、今のお話でございますが、もう基本は、今総理がお答えになったことがもう正に基本でございますが、日本農業の将来の発展のためにはどうしてもこれから輸出も是非やっていかなきゃならないと思いますが、しかし、事豪州との関係におきましては、もう先生おっしゃいますように、余りにも大国であると、農業大国であると。したがって、これはどうやって対応していくか。やっぱりその場合、実は昨年のこの政府間の共同研究の報告書の最終の合意に当たりまして、麻生外務大臣にも特段の御配慮とお力添えをいただきまして、そして、その合意の締結に当たりましては、最終合意に当たりましては、もう守るという意味でいいますと、守るためのあらゆる方法、あらゆる武器、これを全部報告書の中にそろえて、例えば、具体的に言えば、関税の段階的削減のみならず除外、そしてまた再協議、もうすべての柔軟性の選択肢を全部取りそろえてそしてこれから交渉に入ると、このような体制を取ったところでございます。 したがいまして、総理がおっしゃいましたように、私ども、守るべきはとにかくしっかりと守り抜いて、そしてその上で日本農業の国際的な発展を目指していくと、こういう考え方で取り組んでまいりたいと、このように思っております。
○三浦一水君 豪州とのEPA協議の重要性というのは重々理解をしているつもりであります。その中に守らなければならないものがあると決意を聞いて本当に安心をいたしております。是非頑張っていただきたいというふうに思います。 総理にお尋ねしますが、フードマイレージという言葉をお聞き、お耳にされたことがございますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) フードマイレージという言葉は私、残念ながら寡聞にして存じ上げませんでした。先生から質問をいただきまして勉強させて、正直申し上げまして勉強させていただいたわけでありますが、食材の生産地から食卓までの距離に着目をして地産地消の促進や地球環境への配慮を促す考え方であると、こういうことでございますが、消費者ニーズが多様化をしている中にあって食品事業者が様々な形で積極的な情報提供に取り組むことは消費者の選択に資するものであると、このように私は考えております。
○三浦一水君 ありがとうございました。 僕がお尋ねするまで知らなかったとは思えない御理解ぶりでありまして、敬服をいたしました。 まだ私もあれでありますが、このフードマイレージという考え方を聞いて、本当に今、環境的視点が非常に求められる地球人類でありますが、大事な考えだなと痛感をいたしております。まあ、飛行機のマイルはポイントが高ければいいわけでありますが、フードマイレージはポイントが高ければ高いほど地球環境に対する負荷が高いということのようであります。なぜならば、食料で考えましても、その輸送した距離と重量を掛けたものがフードマイレージのポイントだということであるそうであります。 先日、NHKを見ておりましたら、イギリスのその商店におけるフードマイレージの価格表の下の表示というものが特集をされておりました。結構の消費者の方々がそれを見ながら選ぶんだと。それはやっぱり環境は大事だと、そういうことを口々に言われていたわけであります。 これは、我が国においても今地球温暖化の影響、九州でもサンゴ礁が、我が熊本県でも見られるようにもう実際なってまいりました。これはもう大変な生態系の変化であります。あの水俣もそうであり、そして天草などもそうであるということであります。色の付いた魚ももう珍しくはないという状況であります。 そういう中で、我が国もこれフードマイレージを食品に表示していくこと、これは今後研究をしていっていいんじゃないかなと思います。あるいはこれは民間が取り組むことかもしれませんが、是非大臣、その辺お考えを聞かしていただければと思います。
○国務大臣(松岡利勝君) 三浦先生の大変これは大事な御指摘だと私も思います。といいますのは、生産地から食卓までどのような、時間も含め距離を含め、言ってみればエネルギーを使って届くかと、こういったようなことだと思いますし、イギリスの人が一九九四年からこれはもう提唱して始めているということであります。 たまたま、じゃそれで計算をすると、日本のフードマイレージは、今先生おっしゃいましたように、ほかの、飛行機のマイレージは多い方がいいんですが、これは多い方が悪いという点でいうと、韓国の三・四倍だと、またアメリカの三・七倍だということで、日本のフードマイレージ、トータルでいえば、だからその分、日本の食生活というのはいろんなマイナスの面が負荷が掛かっていると、この表示で表せばそういうことでございますが、日本でいえば、これが地産地消というようなそういう考え方につながっていくんだろうと思います。 したがって、そういう意味では、この地産地消という観点からも、こういったことも消費者の皆さんの選択の一つの指標としてあってもいいのではないかと、そう思いますので、ただ、これを国として制度的にというわけにはなかなかすぐにはまいらないと思うんですが、民間の方でそういったことを事業者の方がこれをお進めになると、こういうことについてはこれは一つの大きな環境に対する問題意識からしてもいいことではないかと思いますので、我々もいろいろ研究をしてみたいと思います。 そういったことで、今後そのような方向が日本でも定着する、しない、そういったことも含めて、私どもも一つの方法としてはいい方法ではないかと思いますので、しっかり研究をしてまいりたいと思っております。
○三浦一水君 ありがとうございました。 次に、中山間地のことに絡めまして二点お尋ねをしたいと思います。 一点は、我が国のこの中山間地を中心とします地域での放牧の可能性であります。 畜産経営の省力化、低コスト化という意味では、放牧は有効な効果が確認をされております。低コストでも生産ができるということであります。また、牛が、荒れた土地の手入れを自ら動物がやってくれるということにおきまして、比較的中山間地で耕作放棄地発生などの未然の防止の効果も一方で期待をされております。家畜排せつ物が草地に還元をされると。多大な家畜排せつ物の処理の対策を今打っているわけでもあります。このような環境上のメリットも非常に大きいということであります。 このようなことを考えてまいりますと、平地に比べて多面的機能を有するという特徴があるわけでありますが、生産条件が不利な中山間地等におきまして放牧を進めていくということは、食料自給率向上の観点からも一石二鳥あるいは三鳥の効果があるんではないかというふうに思います。 飼料の輸入額を見てみますと、二百二十八億ドルという金額になるそうであります。我が国の農産物の純輸入額が三百九十六億ドルと、これであります。さっき、フードマイレージにも関連する数字でありますが、この三百九十六億ドルのうちのやがて六〇%にも及ぶのが飼料の輸入額であるという現状があるわけであります。 そのような点からも、放牧は、一つ中山間地において今非常に耕作放棄が増える状況の中で、粗放的な日本型の取組が一つそこに大きな可能性があるのではないかということを期待するわけであります。是非こういうことを飼料の作付けの増産とも絡めて今後進めていくべきではないかというふうに思いますが、大臣の御所見を賜りたいと思います。
○国務大臣(松岡利勝君) 三浦先生のおっしゃるとおりだというふうにまずは思います。 実は、先生も御案内といいますか御存じのとおり、私は阿蘇がふるさとでありますが、阿蘇の草原というのはもう正に放牧の対象地でありまして、放牧をするためにその作業として野焼きをいたします。野焼きをいたしますから古い枯れ草が早く焼けて、これがまた灰になって肥料になって、そしていい草がしっかり生えると。そのことでいい草がしっかりと根を張って、そのおかげで保水力が高まり、また土壌もしっかりと支えられまして災害も防ぐと。こういうことで、畜産の放牧というものが、あの草原の景観も守りながら、そしてまた災害対策、保水対策、いろんな意味で大きな役割を果たしていると。これは放牧が基になっているわけであります。 昔から林間放牧ということもよく言われておりまして、森林の下刈りの作業、これの軽減のために牛を林内に放してそして草を食わせるといったようなことで、林間放牧ということも随分言われてまいりました。また、今先生改めて中山間地にそういう放牧を大きく広げていってはどうかと、こういうことだと思いますが、いろんな条件整備が必要だと思いますが、私はこれはやっぱり大きな一つの方向性だろうと、こう思っております。 とにかく飼料が足りない、輸入の六割はえさだと、こういった点からいたしましても、いかに粗飼料の確保を国内において図っていくか、これが非常に重要な点だと思っております。今またえさも高くなってきておりますから、そういった意味でもこれは一つの大きな有効な対策ではないかと、こう思います。 それから、今、鳥獣害等もあるわけでありますので、そういった意味でも、まあ牛が代わりにやってもらえるというわけじゃありませんが、そういった面のこれは効果もまた期待されるんではないかと。 そこで、ちょっといろいろ調べてみましたら、今地方自治体やJAによって放牧に取り組みたい人と土地を提供したい人との仲介、あっせん、この放牧可能地マップというのを実は作っておりまして、またその放牧の専門指導者、いわゆるこれ放牧伝道師と言われるそうで、私も知らなかったんですが、こういった方もおられて、七十四名今全国でおられると。それから、移動、設置が容易なソーラー電気牧さくの導入支援、また水田においてもこれを放牧をして水田の機能を維持していく、こういった観点、そういったこともひとつ積極的にやろうと、こういうことで取り組んでいるところでございます。 これらの施策を総合的に推進いたしまして、先生が今御指摘なさいましたような方向が大きく展開できるようにやってまいりたい、そのように思っております。
○三浦一水君 是非力強く進めていただきたいというふうに思います。 中山間地につきましては、今後のこの非常に高い高齢化率の下で、もういや応なしに農業従事者も減らざるを得ないんではないかという見通しを持ちたくないけど持たなきゃならない、そういう状況ではないかというふうに感じております。それがための経営対策でもありましょうし、個人であれ、あるいは集落営農であれ、大臣が言われたとおりに受皿をつくっていくことが何よりも大事だというふうに私も感じております。 ただ、今それだけでも中山間地の対策、もう様々にあらゆるものをやっぱり考えていかなければ国土の保全機能も持てないんではないかという危惧を持っておるわけでございますが、若い方々やあるいは女性の方々、そして定年を迎える団塊の世代などにより、いわゆる販売農家としてではなく、趣味や生きがいのためのそういうところでの定住、あるいは農村、都市の交流というものが非常に中山間地においても大事になってくるんではないかというふうに感じております。 内閣府の昨年二月の調査でありますが、二十代と五十代で農山漁村で定住してみたいという方々の比率が三〇%、そしてまた二居住ですね、自分の家とそれから農山漁村の地域と二居住地域の居住希望者が五十代では四六%、あるいはまた都市と農山漁村の交流そのものが必要だと考えられる人は各年代で七〇%から八〇%あると。非常に強い傾向が出ているわけであります。 このような中に、私も時折、県内歩いておりますと、最近都市からそういう声が、実際オファーが来るんですよという話が聞かれます。これはもう非常に期待を持ってそういう話を聞くわけでありますが、一つやっぱりネックになるなと、ネックになるものの一つとして、いわゆる農地取得上の五反要件というのがありまして、これがやっぱりなかなか、五反という大きな面積をそういう方々が入手をして取り組むということはできないという話でつっかえてしまうわけであります。 県なりで特例を申請するということも何かできるような話も聞いております。あるいは特区でやっているところもあるというふうに聞いておりますが、農林水産省は今後、農地制度の在り方ということにつきましても、お考え、今見直しを始められているやに聞いております。是非、そういう非常に趣味的あるいは家庭的取組に対する農地の在り方ということについて限定的な見直しも必要かと思いますので、その点、大臣の御所見を賜りたいと思います。
○国務大臣(松岡利勝君) 三浦先生の御指摘のように、中山間というのは非常に重要なところでありまして、似たような条件のヨーロッパ等におきましても、そういった地域の重要性というのはこれはもう歴史的にも非常に高くやっぱり認められておりまして、したがって、条件不利地域、こういったことに対する政策、制度というのがずっとあったわけでありますが、我が日本も十二年度に中山間の所得補償ということでこの制度を取り入れ、十七年度からまたそれを更に延長して今やっておる、こういう状況でございますが、いかにしても、やはり人口減少なり高齢化なり、こういったことの中で、なかなかこの中山間の振興、発展というものがその問題をいろいろ抱えておる、こういうことでございます。 そこで今、私どもといたしましては、先生がおっしゃったように、もう団塊の世代と言われる、いわゆるリタイアされて第二の人生、こういった方々も半分前後の方が、やっぱり定住するなり滞在、都会と農村というふうに両方にまたがって滞在的に定住するなり、そういった形で希望されておられる、若い人も望んでおられると。そしてまた、都市と農村の交流は、今先生おっしゃいましたように、どの世代も七〇%ぐらいがきちんとそういったような意向を示しておられる。こういうことでありますから、じゃ、どうそれを、受皿をつくっていくかというのが大事なんだろうと、こう思います。 そこで、農山漁村活性化法案も今国会にお願いをいたしておりますけれども、そこでは、廃校施設ですとかいろんなそういう空き家ですとかも十分いろいろ整備をしながら、都会の方々が定住したり滞在したりできるような、そういった条件もしっかり整えていこうと思っておりますし、また農地制度の面でも、市民農園的な、これは今の農業基本法を新しく作りますときも、作り変えるときもこの市民農園の制度というのは大きく位置付けたわけでありますが、また今回、改めて今、担い手への農地の集約化ということを、その観点からひとつ農地制度を点検、検証してみようということで先般から検討を始めたところでございます。 したがいまして、その中におきまして、今の先生の御指摘の若い人や新規参入の方々、また都会の方々が市民農園的にその中山間にお見えになる、こういったことに対してどう農地制度の観点からこたえていくか、こういったことについても、先生、十分検証をして結果を出していきたいと思いますので、また何とぞいろいろ御指導もよろしくお願いしたいと思います。
○三浦一水君 ありがとうございました。 漁業でありますが、魚食の文化がもう誠に世界的な広がりを見ております。もう中国の消費量の伸びというのは、またその中でも突出したものがあると。最近、マグロにつきましては国際的な買い付けが非常に激化をしまして、奪い合いと、買い負けるなという言葉まで出てくるような状況もあるようでございます。 我が国は、そもそもつくる漁業ということではもう先進国でありパイオニアであります。また、マグロの蓄養ということにつきましてはいろいろ議論もあるようでございまして、やっぱり幼魚を取らなければならないという問題があるようでございます。それもありますが、やはりこのつくる漁業ということを今後しっかりやっていくべきだろうと思います。 時間の関係がありますので、この点は要望に止めさせていただきたいというふうに思います。 それからもう一点、要望を林業について申し上げておきたいというふうに思います。 本当に我が国の国土の三分の二は森林が占めるわけでありまして、京都議定書に基づきます地球温暖化対策の中でも大きな役割を我が国の森林は認められ、果たしていこうという今過程にあるわけであります。このような中で、今年の補正予算と来年度の予算で七百六十五億の追加整備的な予算が計上されておりますのは、本当に現場で山を守る方々の大きな励みになっていると評価をするところでございます。 これから戦後造林されました森林が非常に伐採期を迎えてまいります。また、十七年にはそれまで一〇%台で低迷をしておりました国産材の比率が二〇%台まで回復をしたという追い風も今受けているわけであります。是非この追い風をしっかりつかみながら、本来の林業のあるべき姿、川下もしっかりにらんだ政策の展開、そこに重点を絞っていくべきではないかというふうに思っております。 この点も本当は大臣の所見をいただきたいところでありますが、時間の関係で要望に止めさせていただきたいというふうに思います。 ちょっと、国井副大臣、今日お見えになっていると思いますが、国井副大臣に一点お尋ねをしたいと思います。 農林水産省では、農林水産省独自の農林水産省知的財産戦略本部というのが立ち上げてあります。また、その戦略を今策定中でありまして、間もなくその知的財産を生かした農林水産業の振興に取り組むべく、それが策定されるやに聞いております。 実は、何か手前みそで申す話じゃございませんが、私も昨年、副大臣時代に歯がゆいことが幾つかありまして、山形のリンゴが中国で無断で、失礼しました、サクランボが栽培をされていたり、あるいは青森のリンゴ農家と話をしておりました。優秀な農家です。台湾向けの輸出なんかも大きく手掛けられているところであります。ヨーロッパで勝負しようと思って乗り込んだと。英語も堪能な農家でありました。ところが、ヨーロッパで競合したものは中国産のふじリンゴだったということでありまして、これがもう価格的に太刀打ちができないという話がありました。それから、我が熊本県のイグサも、最高のときには七千ヘクタールという面積を誇ったんですが、中国で栽培されますイグサ、日本にしかないマーケットでありますが、それに押されまして、今やもう千五百ヘクタールを割り込もうという大変もう残念な状況であります。 これらのことを考えますときに、いわゆる知的財産というものがしっかり保護をされていて、国内においても国外においても明確なその権利主張ができる状況にあるならばこんなにはならなかったろう、そんな思いを持ちながら、農林水産分野で遅れていると言われていることを私と宮腰副大臣と提唱をし共同提案しまして、中川昭一大臣に本部を設立していただいたと、そういう経過があります。 国井副大臣、是非この方向をしっかり今後やっていただきたいと思いますが、最近の状況につきまして副大臣の方から、本部対策責任者としてお聞かせいただければと思います。
○副大臣(国井正幸君) 今、三浦委員の方からお話ありましたが、伺うところによりますと、昨年、三浦先生が副大臣当時に提唱されまして、今日まで省内において鋭意検討中でございまして、結論から申し上げますと、今月中に省内の取りまとめが終わると、こういうふうなことでございます。 しかし、それを一刻も早く具体化すべきというふうなことでありまして、今次国会におきましても、知的財産をしっかり保護をすると、こういう観点から種苗法の改正法案を今次国会で提出をさせていただいておる次第でございます。 いずれにしても、新品種の開発あるいは新技術の開発、さらには遺伝情報の保護、こういうものをしっかり利活用しながら、我が国においては、より高品質で、より安全で、より効率的な農業の振興を目指して頑張っていきたいと、このように思っております。 あわせて、食品産業の分野においても、そうした知的財産をしっかり活用した産業の育成等々についても頑張っていきたいと思っておりまして、これらをしっかりと体系的にまとめ上げた知的財産戦略をこれからも省内において総合的、一体的に是非進めていきたいと、このように思っておりますので、よろしくお願いします。
○三浦一水君 次に、社会保障の問題を数点聞かせていただきたいというふうに思います。 まず、療養病床再編の問題でありますが、医療それから介護療養病床三十八万床を今後、医療療養病床は十五万床、それから老人福祉健康施設等のいわゆる介護の部分で十五万から十七万床、それから在宅へと、誠に大掛かりな移行再編計画であるわけであります。 しかし、今現状で厚労省も多くの指摘を耳にされているとは思いますが、多くの懸念がこれについては示されておるわけでございます。まず、在宅に変えるにしても、現実的には家族の介護力や訪問看護など支援体制が不足をしている、変えれないと、こういう方々が、我が足下の調査では八割以上の方が、昼間もそれから夜、昼夜を問わず両方で介護者がいないという調査の結果もございます。また、介護医療に携わってきた多数の医師、失礼しました、介護医療、療養医療であります、これに携わってこられた医師の方々あるいは看護職員、これらの方々が職を喪失し、結果として患者、対象者に対するサービスの低下につながらないかと。そしてまた、医師、看護職員自身の雇用不安も懸念がされております。 平成十二年の四月の介護保険導入以降、介護病床を整備した医療機関が非常に多いと聞いております。特に、平成九年から十三年ころに整備されたものが多く、まだ多額の負債と未償却の設備資産を抱えているという状況が散見されます。移行のための更なる設備負担はとてもこれは困難だと、とてもじゃないという悲鳴に近い声も聞かれるところであります。改修費で五十万とか、あるいは改築百二十万、創設費百万という支援もあるようでございますが、地域介護あるいは福祉空間等整備をしていく交付金ということになっておるようでございますが、これでもとても間に合わないという声が率直に聞かれるところであります。 そしてまた、療養病床再編に基づきまして、療養医療費の抑制効果は期待できても、在宅サービス系の整備あるいは介護施設の移行、そして今申し上げましたような民間の負担等々を考えますと、本当にこれは民間まで含めた社会的なトータルコストにおいてこれが減少できるのかという疑問も頻繁に言われております。 これらの諸問題に対しまして、柳澤大臣の所見をいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 療養病床の再編成につきまして、人的な面あるいは物的な面、さらには財政的な側面について御質問を賜りました。 まず人的な面でございますけれども、この療養病床の再編成というものは、そもそも人材の効率的な活用を図る観点も含めまして最初スタートを切らせていただいている次第でございます。これから、今、老健の施設に行くにしても在宅の施設に行くにしても、様々な人的な需要もそこで発生してくるというように考えておりまして、この人的な面の需給については、私どもうまくマッチングができますように、お医者さんあるいは看護師さん等につきまして研修等をいたしまして、最も現場にふさわしいようなそういう能力を身に付けていただくべく取り組んでまいりたい、このように考えております。 それからまた、施設面、物的な面につきましてのお話もあったわけですけれども、この辺につきましては、今、そもそもが数年掛かりで取り組んでいる、十八年から二十三年までの段階的な移行をしているわけでございますけれども、既存の建物を活用して転換できるように、床面積などについても、また廊下の幅、幅員等につきましても経過的な緩和措置を講じているところでございます。 そして、その施設整備につきましても、今先生も御指摘、お触れいただいたわけですけれども、福祉空間の整備等交付金というものを交付するほかに、独立行政法人福祉医療機構の福祉医療貸付けにおきまして融資条件の優遇措置も講じておりまして、こうした施設転換が円滑にできますようにそういう配慮をいたしておるということでございます。 それから、それらを全体にひっくるめて、一体財政資金面のことについてどう考えているのかというお話でございましたけれども、元々、医療の必要性の高い方々を受け入れる病床に限定して医療保険は行う、そしてその必要性が低い人々については、これは老健施設やケアハウス等に転換をしてもらうということでございますが、この議論におきまして、これは一定の前提の下であらあらの試算をいたしたわけでございますけれども、再編成が完了する平成二十四年度におきまして、医療給付費が四千億円程度減少するのに対して介護給付費の方の増加は一千億程度になるというようなことで、給付の関係では三千億円程度の減少が見込まれるわけでございます。 それで、施設費はしからばどうなるかということでございますけれども、私ども、先ほどの交付金等は一年に四百二十億円例えば十九年度においては予算を計上しておりまして、あらあらのところ、今先生が御指摘いただいたように、これが逆転現象を起こすなどというような事態には至らないで済むのではないかと、このように考えている次第でございます。
○三浦一水君 大臣のお話を聞いておりますと、本当に何ら問題はないというふうにも聞こえるわけでありますが、本当にこれは現場、各分野、それぞれの立場があります。医療機関の方もあれば、対象者の方もある、患者さんもいる。その雰囲気とは随分違うんですね。ここは今何か調査も進んでいるんじゃありませんか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) この療養病床の転換につきましては、中医協におきまして、現在、その仕上がりの具合というか、一応一つの区切りも付きましたので、そうした観点から調査をいたしまして、そしてその結果に基づいて、またこれからどのような対応策を取るかというようなことについて検討をいたすということにいたしております。
○三浦一水君 是非そこは実態をまずよく見極めて対策をお願いしたいと思うわけでありますが、医療機関の中には、大臣、こんな話まであるんですよ。こんな話までする人がいます。じゃ、もう移行をしないで今の介護療養の費用を、報酬をいわゆる特殊養護老人ホーム並みに下げてくれればいいじゃないかと、あとは配置も換えてもらっていいと、その中でやるよ、やり通すと、その方がずっとコスト的にも安いんじゃないかと、円滑にもいく、患者にも迷惑は掛けないと、そう言い切る医療機関の方もいらっしゃるわけであります。その辺も十分踏まえていただきたい。 何か、大臣、御感想ありますか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今の療養病床を、外形的にはそのままにして人員配置だとかあるいは診療報酬だとかの単価を引き下げる、そういうようなことで引き続いてこれを継続入所させておくというような方針があり得ないかと、こういうお話でございます。 一つの考えだとは私も思いますけれども、現実の療養病床を取った場合には、やはり引き続いて医療行為の必要な方々もいるわけでございまして、そういうようなところへ急にお医者さんの割合を低めてしまうというようなことがあった場合には、そうした本来引き続いて医療のサービスが必要とされる患者さんが困ってしまうというような、そういう事態も考えられるわけでありまして、言わば居抜きで換えてしまうというようなことについては、私ども、せっかくの考え方でございますけれども、ちゅうちょを感じざるを得ない、こういうことでございます。
○三浦一水君 有床診療所についてお尋ねをさせてもらいたいと思います。 過疎地におきましては、小病院と救急医療の役割も併せて果たすような、誠に国民に身近で重要な有床診療所であるわけであります。四十八時間の入院期間制限は外れたというものの、新規の病床は基準病床数の中でカウントされるということに変わったわけであります。 このことから、若い医師を始め新規参入が非常にしにくい状況が見られるわけでありまして、厚労省は、この点若干の是正をすべく、小児、在宅医療のベッドについては届出を認めるというようなことを柱とした緩和措置をしたというふうに伺っておりますが、まずその点、大臣の詳しい説明をお聞かせいただきたいと思います。 〔委員長退席、理事吉村剛太郎君着席〕
○政府参考人(松谷有希雄君) 具体的内容で細かいところですので、局長から答弁させていただきます。 有床診療所の一般病床につきましては、提供する医療サービスの内容が様々であることなどから、今般の医療法改正におきまして、一般病床に一律に課しておりました四十八時間入院規制は撤廃したところでございます。 これに伴いまして、原則としては施設の設置に当たりまして都道府県知事の許可を要するものとなったわけでございますが、しかしながら、今先生御指摘のような問題等もございますので、在宅医療の推進のために設置されるもの、あるいはへき地に設置されるもの、さらには小児医療、周産期医療を担うものなど、地域において良質な医療を提供するために特に必要なものとして都道府県の医療計画に記載されるものにつきましては、施設が円滑に整備される必要がございますことから、病床過剰地域におきましても都道府県知事の許可を要しないということといたしたところでございます。
○三浦一水君 リハビリテーション医療の見直しについて、これは要望さしていただきたいというふうに思います。 今次の見直しでは急性期リハビリがより重視をされることになった、この点は評価ができるというふうに思っております。一方で、新たにいわゆる百五十日、百八十日等の上限日数が設定をされた。何よりも継続ということ自体が重要なリハビリにおきましては、医療保険から介護保険への継ぎ目のない連携というものが必要不可欠でありまして、多くの患者さんなどから不安や懸念がこれも指摘をされております。今、中医協の診療報酬改定後の結果検証部会によりまして特別調査が行われていると聞いておりますが、しっかりとこの点も実態に即した対応がされるように強く要望をいたしておきたいというふうに思います。 次に、自閉症を始め発達障害について厚労大臣と文科大臣に、文部科学大臣にもお尋ねをさしていただきたいというふうに思います。 文部省での調査研究におきまして、自閉症を始め発達障害の方の発生率が最大六%の可能性があるという結果があります。それだけ本当に身近にある障害なんだということをその率から改めて感じるところであります。しかし、自閉症を始めとします発達障害につきましては、世間ではそのことが引きこもりと誤解をされたり、あるいはまた生まれ付きの障害であることが十分知られていない、後天的なものであるという理解もあるようであり、親の育て方の問題にされ誤解を受けるということもあるようでございます。社会的な理解がなされていないというのが現実であり、また課題ではないかというふうに思っております。 先日、郷里の総合療育センターを視察をしてまいりました。また、自閉症の子供さん方を持つ親の会の方々とも懇談をいたしました。まず口々に申されますのは、周囲の方々の理解が欲しいんだと、何の対策よりもこれなんだということを強烈にアピールされます。これはもう大変印象的でありました。発達障害の子供さんたちへの周囲の無理解や対処の悪さから学校でのいじめや登校拒否などが発生することも多いと一方で聞いておりますし、その対処法が逆にきちんとちゃんとしていればそうした事態への対応にも役に立つんではないかとの思いを持ちます。 さらには、障害者の自立支援を進める中で就労支援に取り組んでいくことはもう言うまでもなく非常に重要なことであります。が、就労の場であります事業所では、発達障害などの障害に関するこれもまた理解、意識が十分ではないというのが現状と言わざるを得ないと思います。こうした現状を変えていくためにも、まずは知ること、そのことに意味があるんだなと強く感じます。 文部科学省ともよく御連携をいただいた上で、自閉症を始め発達障害への対処方法の開発普及や国民各層の理解を求めることが必要ではと思いますが、まず厚労大臣にお考えを賜りたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 自閉症児を含みます発達障害児の皆さんの自立支援のためには、三浦委員の御指摘のとおり、まず発達障害についての国民全体の理解というものが何よりも肝要であると、このように認識をいたしております。 厚生労働省といたしましては、都道府県、指定都市におきまして発達障害者支援センターを設置しまして、相談支援や発達支援、就労支援等を行うとともに、発達障害の特性や対処方法に関するパンフレットの作成、配布等の普及啓発活動を行っているところでございます。平成十九年度からは、さらに、この知見を集積しまして、全国に向けて情報提供や普及啓発活動を行うための発達障害情報センター、これ仮称でございますけど、これを国に設置をいたしましてこの活動を強化していきたいと、このように考えているところでございます。 それから、自閉症を含む発達障害につきましては、有効な支援手法が十分に開発されてこなかったということも、三浦先生暗に御指摘いただいたかと思うんですが、この支援方法の確立のために、十九年度からは、地域における先駆的な発達障害者支援の仕組みを分析、検証いたしまして、有効な支援手法を開発、確立するための発達障害者支援開発事業を実施することといたしております。 これらの開発に当たりましては、文科省ともよく連携を取りながら、その早急な、また効果的な手法の開発に努めてまいりたいと、このように考えます。
○理事(吉村剛太郎君) いいですか、伊吹文部大臣は。
○三浦一水君 ちょっと付け加えたいので。
○理事(吉村剛太郎君) ああ、そうですか。三浦一水君。
○三浦一水君 文科大臣にお尋ねをしたいと思いますが、同様の趣旨から、私は一般の子供さん方に理解をいただくために、一般の教育の中にこの発達障害の方々に対する理解というものを取り入れていくべきではないかというふうに感じます。発達障害に対して、一方で教職員や子供が一定の理解を持つことが逆に発達障害ではないいじめや引きこもりの減少にも私はつながるんじゃないか、いろんなプログラムを見せていただきながら、その区別を持つことが非常に大事なんだなということを現場でも痛感をしてまいりました。 教職員は、例えば療育センターなどの専門知識を持った方々から研修を受けて、自閉症に対する理解あるいは発達障害全体に対する理解を高めるべきというふうに考えておりますが、文部科学大臣の御所見を賜りたいと思います。
○国務大臣(伊吹文明君) 先生のおっしゃる社会の現状というのは、私はよく分かります。 〔理事吉村剛太郎君退席、委員長着席〕 私も、ボランティアで各種障害者団体連合会の会長を二十年近く地元で務めております。我々はとかく建前を話しがちですが、障害者の仲間の人たちと一緒にやっていると、社会の理解は建前とは全く違うところにあるということは私もよく分かります。ですから、迂遠ではございますけれども、一つ一つやはりこつこつと積み上げていかねばならない。 特に学校現場は、障害者、そして自閉症を含む発達障害の方々を、できればインクルーシブに教室内にやって、一緒に教育をしていく場であるべきだと私は思います。であるだけに、まず、先生が御指摘のように、教師がそのことを理解しなければならない。ですから、文部科学省では国立特殊教育総合研究所というものがございまして、この中で自閉症の教育推進指導者講習会、あるいはLDやADHDの高機能自閉症の指導者研修というのをやっております。これが各教育委員会に今度は持ち帰り、各地の教育委員会でこのことを更に広く理解してもらって、そこの指導を受けた子供が初めて自閉症なるものはどういうものかということを理解するんだと思います。 そういうことの積み重ねの上に、やはり先ほど厚生労働大臣が御答弁になったような社会の理解が進んでくると思いますので、御指摘のことを拳々服膺して、私も自分の経験で建前と現実は違うということを知っておりますから、できるだけ前へ進めるように努力をさせていただきたいと思います。
○三浦一水君 両大臣から非常に前向きな御答弁をいただきありがとうございました。是非よろしくお願いを申し上げていきたいと、私もまた汗をかきたいというふうに思います。 対中ODAの問題につきまして、一点お尋ねをしたいと思います。 対中円借款につきましては、二〇〇八年の北京オリンピックまでに新規供与を円満終了するということについて、日中間の共通認識に至っていると。 外務大臣にお尋ねしたいというふうに思いますが、済みません。対中ODAというものを、七九年から始まったということでありますが、ちょっと歴史的に見てみまして、ちょうど、不肖自分のことで恐縮なんですが、七九年、私はちょうど北京に行きました。その年から二年向こうで勉強をさせてもらったんですが、ちょうど文化大革命が終わって三年目、四人組の裁判が真っ最中の時期でありました。非常にまだまだ混乱をし、政情も安定をしないというところもあったのかと思っております。そのような中に日本はODA、これ踏み切ったということであります。その意味は非常に大きいものがあるんじゃないかなとまず思っております。 その後のことと言っていいと思うんですが、中国側は自ら社会主義市場経済を導入すべく今日まで進めてこられておるわけでありますが、それを後押しするという意味では非常に大きな役割があったんではなかろうか。この前、近隣の外交関係の方とお話をしていたときに、また同じような評価があったわけであります。その後、中国はWTOへ加盟をいたしました。あるいは、今それを基に非常に経済的には国際ルールに基づいた方向での今努力がなされているようでございます。 諸外国との貿易、我が国との貿易ももう御存じのとおりの状態でありまして、これは貿易のみならず、今、日中間の一日の往来は一日一万人ということがよく頻繁に言われるわけでありまして、これは本当にそういう経済面のことのみならず、我が国の安全保障においても非常に大きな役割を果たしてきた。ODAが中国のその自らの施政の支援となったという点では、私はその評価をしっかりしておいていいことではないかというふうに思っております。 今後は、残るその二〇〇八年以降というものは、以降は円借款終わるわけでありまして、限られてくると思いますが、草の根は、規模は何か累計額でいうと五、六十億だということを聞いておりますが、これはもう非常に評価が高くて、私も参議院のODA調査団で中国に行かせてもらったとき、たかだか日本円で換算しますと四百万円ぐらいのものが中国の二十ヘクタールを超えるような農地のかんがいに役立っているとか、あるいは学校の改修に役立った現場とか、これは、どうも言われております余り向こう側の評価がないんだということとはもう全く違って、大変なやっぱり感謝と評価が示されるという現場も見てきたわけでありまして、この点は是非今後も考えていっていただきたいなと思うわけであります。 外務大臣、お考え、何か御所見ありましたら。
○国務大臣(麻生太郎君) 中国のODA、一九七〇年代ぐらいから、そうですね、ちょうど文革の終わったぐらいからですか、ちょうど胡啓立辺りはみんな下放から帰ってきたところぐらいだったと思いますが、始まっておりますが、少なくともこの対中ODAをうまく活用して、少なくとも中国の沿海部のインフラとか、そうですね、環境対策、保健、医療、いろいろこれを使ってうまく中国の経済発展に多大な貢献をした、寄与したということは、これは間違いなく大きな役割を果たしてきたと思っております。 こういったものは、同時に、経済が発展したために少なくともいろいろ、対中関係においてはいろいろ御意見、中国の脅威論等々いろいろ出てきたところではあります。しかし、他方、中国の経済がそれによって発展をすることによって、これは大きな意味ではいわゆる市場になっていった、マーケットになっていったという面もこれは否めない事実であろうと思いますので、これ、一方的にいいことだけ、悪いことだけあったわけではないと存じます。 その中で、少なくとも経済発展をして、その経済発展の中から国防費に回った等々、これまたいろんな意見が出てくるところではあります。しかし、少なくとも、間違いなく中国という国は、経済発展をした結果、他国にODAみたいな形までできるようになられておりますので、そろそろ終わってもよろしいのではないかというのは当然の御意見でして、二〇〇八年の北京オリンピックをもってこの中国に対する円借等々は無事に円満に終了するということで双方で合意ができております。 その以後の話で、いよいよ無償資金協力の話、いわゆる草の根の話があっておりましたけれども、これは今農地の、何というか、改良の話を一部されましたけれども、これは日本にとって結構、感染症とか鳥インフルエンザの話を含めまして、これは日本に直接影響が出てくるところでもありますし、いろんな意味で、技術協力という面も含めまして、少なくとも水の問題は結構深刻ではありますんで、少なくとも、渤海湾の魚は食べたら危ないですよという話が堂々と国連機関の一部で言われるような話にまでなったというのに、一緒に、ここのところは我々と、我々がかつて似たように、東京湾が死の海になってみたり、私どもの九州のいわゆる玄界灘といいますか、いろいろ結構しんどいことになった歴史があります。これ、きれいに今して、今ボラが泳げたり、いろいろ魚が取れるまでになったというのはもう歴史的にやってきた経験がありますので、これ一緒にやりませんかという話は今しておるところですが。 こういったものは間違いなく双方の利益になるんだと思っておりますんで、きちんとそういったこと、我々がかつて歩んできた道でもありますんで、そういったところは今後日本の国益も踏まえつつ協力はやっていきたい。中でも、今草の根と言われましたが、地方の分は本当に二、三百万の話でもうえらい効果が上がっておるというのは事実、これはもう全然新聞に載りませんけれども、ここらのところの方が物すごく効果が上がっておるというのは事実のように、私どももそのように感じております。
○三浦一水君 ちょっと時間が残り少ないんですが、三月の七日、八日、日朝国交正常化のための作業部会がハノイで開催されると。幹事長からもさっきお尋ねが、朝あったところでありますが、私はまあ二〇〇二年の九月十七日、あの日朝平壌宣言を結び、なおまた北朝鮮がラングーンの事件も認めない、あるいは大韓航空の爆破事件も認めない、皆嫌疑がある中に、この我が国の拉致に関する問題を認めてきたということに大変驚きを持ちました。これは大変な向こう側としても決断を持ってきたんだなというふうに思ったわけであります。 その中身がまたすばらしくて、核問題あるいはミサイル問題、そして日本人の生命と安全にかかわるこの拉致の問題、さらには日朝国交正常化という点も入っているわけでありますが、向こう側にとってはこの国交正常化以外にはメリットはないということが言えるんではなかろうかと思っております。これらが包括的な協議としてできる舞台を日本が持ったということは大変なことだという思いを持ちました。ちょっと中断があったようでございますが、三回目が再開されるということであります。これはもう中身的に六か国協議と余り変わらないものである、核もありミサイルもある。そういう中で、是非日本外交がむしろ六か国協議をリードするような成果を上げていっていただきたいなと、大きな期待をするところであります。 麻生大臣、一言所感をいただければと思います。
○委員長(尾辻秀久君) 時間が参っておりますので、手短にお答えください。麻生外務大臣。
○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘のありましたとおりに、今日の予備会談は終わっております。明日午前中、明日午後とそれぞれの大使館でやることにいたしておりますけれども、その内容は、少なくとも三浦先生、六者協議の中で日朝がやるというところが大事なところです。日朝だけで、米朝だけで個別にやるのではありません。六者協議の中の一環としてやるこの形が非常に崩せないところでもありますので、そこのところをきちんと踏まえた上で、日本としては他の四か国と違って拉致という特別な事情も抱えておるので、我々としてはほかの国と立場は違いますということを申し上げて、それに従ってこの問題が解決するまで我々としてはということはもう御存じのとおりであって、大概日本というのは最後に金払わせられて終わりだというのがこれまでの長い歴史だと思いますけれども、少なくとも、日本はこの場合と違って金は払わぬと言っておるんですから、少なくとも今までとは随分状態は違ってきたと思っております。
○三浦一水君 ありがとうございました。
○委員長(尾辻秀久君) これにて三浦一水君の関連質疑は終了いたしました。 以上で片山虎之助君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(尾辻秀久君) 次に、木庭健太郎君の質疑を行います。木庭健太郎君。
○木庭健太郎君 公明党の木庭健太郎でございます。十九年度予算案について、総理並びに関係大臣に質問をさせていただきます。 まず最初は、政治と金の問題。衆議院、そして参議院の予算委員会でも昨日議論になりました。この政治と金の問題、これまではどちらかというと、政治と金の問題になると、金がどう入ってくるかという問題について、政治資金規正法上のいろんな問題について自民党の皆さんとも協議しながら、例えば企業・団体献金の個人への禁止の問題や様々な問題に取り組んできた。今回の問題は何が一番焦点になってきているかというと、言わば今度は出の問題。政治資金というのは税制上も保護されている面があるんですから、その使い方自体もやはりきちんと国民に分かる形で、理解できる内容でなければならないというのが正にこの問題の発端だったんだろうと、こう思います。 この辺の認識、総理として、今回のこの事務所費問題というのが政治と金の問題でこれだけマスコミに注目されている、この辺をどんなふうにまず認識されているかという問題ですよね。 それとともに、昨日から議論聞いていて、指摘された方々が公表するかどうかという問題。小沢代表は自ら自分の問題について公表されたんです。それが完璧だったかどうかは別として、でも、公表したことで何が分かってきたかというと、どうもあの不動産のものはおかしいでと、これは直さにゃいかぬでという話に公表したことでつながるんですよね。そういう意味では、その公表の在り方というのはひとつ考えなければならない問題ではないかと。 つまり、何を申し上げたいかというと、総理はいつもおっしゃいます、どうやってこれを公表するかしないかという問題は、正に各党において一致した見解が出たらそれに従う、議院内閣制ですからと、こうおっしゃる。それも一つの見識と思う。でも、安倍内閣として、今回指摘されたこの政治と金、事務所費問題含めて、こういう問題が指摘されたときにどうスタンスを取るかというような内閣独自の一つの在り方を持ってもいいのではないかという気もしますが、併せて見解を求めておきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この政治資金の在り方というのは、正にこの政治資金規正法を作り、その後改正もされているわけでありますが、正に政治活動とそれを裏付ける資金の集め方、使い方について、正にこの政治とお金の問題については、その透明性を確保していく、また担保していくための法律でもあるわけでありまして、その観点からも、国民の皆様からの信頼ということも含めてこれも法律を定めてきたわけであります。 一方、その際には、各党間でいつも議論をして、政治活動の自由との兼ね合いの中からこういうルールを作っていこうと。こういうルールで各議員が活動をしていき、そのお金をこのように処理をしていこうということを決めていって、そしてその下に、ルールにのっとって報告をしているわけでございます。言わばそのときのルールで決めて、そのルールにのっとってこの政治資金については皆さん処理をしている。 ですから、言わば法律に反しているか反していないかということが一番大きな問題になるかどうかということではないかと、このように思います。 その中で、今事務所費等の問題が浮上してきて、指摘をされているわけでございます。この事務所費の在り方、これはやはりもう少し透明性を持った方がいいではないかと、私もそれはそのように思うわけでございます。そしてまた、ただいま木庭委員が御指摘をされましたように、小沢さんが公表されて、しかし十億円に近い不動産を個人の名義にして持っていていいのだろうかということもあるんだろうと思います。つまり、不動産の取得、保有の問題もあるわけでございます。 そうしたことも含めて、今後、政治資金規正法の改正も視野に入れながら、今言ったような問題点を議論をしていくことが大切だろうと、その議論をするようにということを私は自民党に指示をいたしております。今言ったような観点から議論をしているわけでございます。 そこで、各党においてこういうルールで公表していこうということになれば、これはもう各議員が全員、私の内閣も含めて全員ですね、これは、公表するということは、それは私は当然ではないだろうかと、このように思います。
○木庭健太郎君 今総理の見解をお聞きしました。そして、是非、その政治資金法の改正の問題なんですよね。これだけ問題が起きた場合、政治として一つの答えを出すには、やはり今回、この国会でやはり政治資金規正法の改正、視野に入れるというのでなく、是非、この国会で改正する方向でまとめたいというような決意を総理・総裁に是非持っていただきたい。 私どもも意見も出させていただいております。その中身、どんな改正にするから、これから各党間で協議すればいいことだと思うんですが、その前に、まずはとにかくこの政治資金規正法は、今国会でやはりこういう問題が指摘された以上、改正していくんだと、その強いメッセージが国民に伝わることが大事ではないかと考えるんですが、総理の見解を求めます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、総理であり、また自民党の総裁でもございます。総裁としては、今与党に対して、与党というか自民党に対しまして、そう指示をいたしました。そして、今与党間で議論が始まったと、このように私は承知をしているところでございまして、今この場に立っておるのは、私はまあ基本的には総理として答弁に立っているわけでありまして、正に協議が始まったわけでありますから、今私が申し上げましたような方向で是非御議論をいただき、取りまとめをいただきたいと思います。
○木庭健太郎君 それでは、外交問題で今もお話ありましたが、麻生大臣の方から、いよいよあしたから日朝の直接の交渉が六か国協議の枠内での進展を始める。さらに、米朝でも協議が始まるわけでございまして、言わば拉致問題はそういう意味でとらえるならば、正に新たな局面に入っていっているのが今の段階ではなかろうか。 拉致問題に対してどう臨むかについて、総理も一貫して、この拉致問題の解決なくして日朝国交正常化はないんだ、それが一番の基本だ、それはそのとおりだと思いますし、その方向だと思います。ただ、新局面を迎えて、これから日朝そして米朝に対してもやはり日本としてかかわるような部分も持ちながら、先ほど国際社会の問題もおっしゃっておりましたが、正にこの拉致問題が新しく始まろうという今、どういう姿勢で総理がこの拉致問題の解決へ臨んでいかれようとしているのか、それを国民の前に明らかにしていただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この拉致問題の解決、私の内閣の最重要課題の一つでございます。 今般、この六者会合におきまして日朝正常化の部会が設けられることが決まりまして、そしていよいよあしたからその部会において議論が始まります。当然、私ども、正常化するためには拉致問題の解決がなくてはならないという姿勢で臨んでいるわけでございまして、当然あしたから、拉致問題の解決に対して北朝鮮が誠意ある対応を示すよう強く求めていくことになるわけであります。 そして、それと同時に、国際社会との連携を深めなければならない。特に米国、中国、韓国、ロシア、その中でも、日米同盟関係にあります、米朝の協議も行われるわけでありますが、その場におきましても、米側から日本との問題、拉致問題に対して誠意ある対応を取るように促してもらえるように我々も米側に働き掛け、また、米側も日本の立場を理解し、そして支持もしているわけでございます。 またさらには、例えば米国がテロ支援国家指定を解除する作業を開始をすると、こういうことになっているわけでありますが、この指定の解除について合意がなされたわけではなくて、言わばこの指定についての作業を開始をすると、解除する作業を開始をするのであって、私どもの立場は拉致問題の解決も重要な要素であるということでございます。 先般、チェイニー副大統領と会談をした際にも、米国がこの解除をする際には当然拉致問題が解決をしていくという方向にあることを条件にしてもらいたいということも申し上げているわけであります。米国も同盟国として当然日本の立場はよくよく理解をしてくれていると、このように理解をしているわけであります。 要は、先ほど麻生大臣が先般質問に答えましたように、つまり、この六者会合の目標に到達をするためには、日朝のこの作業部会も結論を得なければいけない。つまり、六者会合というパッケージが言わば完成するためには拉致問題も解決をされなければいけないということについて言えば、正に全体の枠組みの中に入れ込むことができた、こう言って私はいいのだろうと、このように思うわけでございまして、つまり、北朝鮮をめぐる問題を解決をするためには拉致問題を解決をしなさいということは日本以外の国々も当然北朝鮮に求めていくということになるわけでございます。
○木庭健太郎君 今総理がおっしゃったように、六か国、それぞれこの拉致問題についての取組の中でどう協力関係をつくっていくかって大事でございますが、もちろんアメリカの関係、今総理がおっしゃったとおりだと思うんですが、もう一つは、やはり中国というこの国とどうきちんと対応できるかということが我が国にとってこれから大事な点だと思うんです。 総理が先般中国に行かれまして、八年ぶりですか、共同文書を結ばれたのは。本当にそういう意味では大きな進展がこの中国では起きてまいりました。四月には温家宝首相が来られるということでございます。一つは、やっぱりそういう個別の問題もそうですが、共通した課題に協力して取り組んでいるというこの形が大事なんじゃないかなと思うんですよ。 その中の一つが、もう参議院は環境、環境と、ずっと環境の問題が昨日から取り上げてやっておられるんですけれども、やはり環境というテーマは正に日中の一番大きな課題だと思う。総理のいらっしゃる山口、黄砂が起きれば山口に黄砂が降るわけですよ。私の福岡も同じなんですよ。黄砂が起きれば福岡必ず黄砂来るんですから。最近は、中国のばい煙かばいじんか知りませんが、それが、その有機物が日本に来て何か光化学スモッグの原因になっている。もう本当にそういう意味では、この環境問題というのは、中国、日本なんて言っていられないような大きな問題だと思うんです。 したがって、是非この環境問題、例えば環境汚染の防止であるとか省エネルギー、循環型社会への転換への問題、さらに環境教育の問題、こういった点を一つのパッケージにして日中の環境のパートナーシップのようなことを是非始めるべきだと思うし、ただ、始めようとするときに問題になるのは何かというと、今もちょっと話あったんですけれども、資金というか、支援するときの元手をどうするかという問題なんですよ。 これまで、環境の問題、中国の環境の問題というのは、ODAがかなり果たした役割は大きいんですよ。でも二〇〇八年になったら、これ、ODA、新規はもうなくなるわけですから、じゃどうその元手を確保するか、資金面。 そうなりますと、私は、こういった際、是非日中で共同でそういう基金を設立するとか、これは一つの考え方ですけれども、何かそんなものが必要じゃないかと思うんですが、含めて総理の見解を求めておきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 昨年の十月に訪中をいたしました際に、胡錦濤主席、また温家宝首相と会談を行いまして、日中間において互恵的、戦略的互恵関係を構築をしていくということで一致をいたしました。 環境の問題というのは、もう正に委員が御指摘になったように、中国だけの問題ではなくて、日本及び地域、また世界に大きな影響を及ぼす問題であります。こうした問題について、正に環境保護やエネルギーの分野において日中が協力をしていくということこそ正に互恵関係に私は合致をしている、互恵関係をつくっていくという精神また方向に合致をしていくし、私はその大きな柱であると、こう考えております。 そして、特にこの中国の環境保全については、日中双方が共通の利害を有する重要な課題であります。今おっしゃったとおりであって、黄砂が飛んでくる、そういう被害は正に日本が直接受けるわけでございます。これまでも、中国に対するODAは環境分野を重点的に行ってまいりました。黄砂や酸性雨対策、森林保全、水資源の管理等を実施をいたしてまいりました。また、昨年の十二月には、中国との間で新たなエネルギー閣僚対話の創設及び省エネ環境官民モデル事業の実施で合意をしています。日本には省エネ、世界に冠たる省エネの技術がありますし、環境保護のための技術がございます。この分野で本当に正に我々は日中間の協力を進めていきたいと思います。 今後とも、御指摘の考え方、そういう基金がいい、基金という考え方、これもなかなかいろんな側面からの検討が必要だと、こう思っておりますが、そうしたお考えも踏まえつつ、考え方も踏まえつつ、我が国の持っている高い技術や知見、経験を生かしながら、環境保護やエネルギー等の分野における日中協力を推進して共通の戦略的利益を拡大をしていく考えでございます。
○木庭健太郎君 外交でもう一点だけ、麻生大臣に。 何か平和構築者の寺子屋構想、これPKOが始まるときですよね。我々は、是非、PKOを始めるんなら、やっぱりそれを始めるための日本は日本でセンターを持つようなことも考えると。これはどっちかというと本当は防衛省ですわな、担当。外務省ですか、PKOの。そっち。 是非、そういう一つの日本版PKOセンターのようなもの、各国、アジアの方々も来ていただいていい。言わば、平和に対する取組というのは金だけじゃ駄目だったというのがPKOの正に一つの反省の中で生まれてきたものですから、このPKOについては、この平和維持活動は、もう単にその平和維持活動という分野だけで、選挙の監視であるとか、もう行政の分野とか、もうあらゆる意味で広がっておりますし、そういった意味では、これから日本がやっていく問題、各国と協調しながらやっていく問題、それはODAはもちろん大事ですが、もう一つやはりこの平和構築のためにどういった人材を育成するかと、これが一つのポイントになると思うんですが、これについて見解を外務大臣から伺っておきます。
○国務大臣(麻生太郎君) 日本で何となくPKOといいますと、やはりドンパチやる話の方が皆さん語られるんですけれども、ドンパチが終わった後、その国をどうやって復興させていくか、再興させていくかというのは、これはかなり全然別の種類の能力、技術、なかんずく行政能力が問われるんだと思っております。 今、例えばクメールルージュの裁判がカンボジアで行われておりますけど、これは裁判官は日本人がしております。それから、クメールルージュ、カンボジアの、例えば復興していくに当たっては、裁判がしっかりしてなくちゃいかぬためには民事訴訟法とか民法とか、そういう法律がきちんとしてなくちゃいけないんですが、その法律も民法関係は日本から、これは法務省からいろいろ人をかしていただいて、そこで法律を作っております。 そういったようなことを、ほかにも幾つもありますけれども、そういった例を一つ一つやっていくのがすごく大事なんですが、私、そういうのやりたいという人は、どこかで行かされる国の、例えばクメール語ならクメール語の訓練も要りますし、税法もついでにやっていただけませんかとかいうことをやってもらうのはこれはすごく訓練が要るんだと思います。最低限、マラリア対策やら何やら自分で自分の身を守るぐらいのことは練習しておいてもらわぬと、思い付きぐらいに行ってもらっちゃ困りますので、きちんとやる。ということまでは考えて、それで、ほかの国でもやってみる気ありませんかという話をしたら、是非参加をしたいという国は結構ありましたもんですから、それなら、うちはそれを訓練しますというんで、そういったところで訓練を受けた人がまた自分の国に帰って自分の、人を訓練するもよし、日本と一緒になってどこかに行って仕事をして、どれどれ第何期生卒というようなのがあちこちで仲間ができていくというのもよし、いろんな形でそういう訓練をやるというのを称して寺子屋と呼んだんですけれども、そういった形のものをやっていきたいという形で、今回の予算の中にも一部予算をいわゆる調査費みたいな形で上げさせていただいておりますが、そういったものの実現に向けてやっと今進みつつあります。いろいろ知恵をかしていただければと存じます。
○木庭健太郎君 調査入ったところだと思うんですが、できるだけ早く形にしていくということを、我々も知恵かせる部分は一生懸命おかししたいと思います。是非とも実現をということをお願いしておきたいと思います。 地域の活性の問題、格差の問題、これもずっと議論になりました。私は、この地域活性、そして格差という問題、一つはやっぱり中小企業に対する対策こそある意味では一番大きな根本の一つ。もちろん全体を底上げすることも大事。底上げする中でどこに目を向けてやればいいかということになれば、やはり中小企業の対策の問題だと思います。切れ目ない中小企業の対策が必要であり、なおかつ中小企業にとって何より大切なのは、今血液とも言える資金繰りの環境をどう整備するかという問題なんです。 いろんな指標ありますけれども、ちょっと表を持ってきました、これ。(資料提示)中小企業の資金繰り、DIの推移ですよね。まあDIってお分かりでしょうけど、これ資金繰り非常に好転しているという数字から、企業数から悪化しているという企業数を引いてやるとDIが出てくるわけであって、マイナスというのは何かといったら悪い方が多いということですよ。 やっぱり見ていただけば分かるように、この〇一年、〇二年のころって本当厳しかったんだ、資金繰りが。これ、もう中小企業庁さんといろいろ相談して、特別融資とかつくってどうにか、大変だった時期ですね、やっぱりね。見れば分かる。ただ、心配なのは何かというと、四、五、六見ていただくとどうなっているかというと、横にはったまま上がらないんですよ、横ばいしているんですよ。では何かというと、やっぱり資金繰りは今も厳しいんだと、依然。そういうものを証明する数字だと思いましたので、ちょっと見ていただこうと思って出したわけでございまして。 是非とも、こういう資金繰りをどうするかという問題で最終的にやっぱり中小企業や零細企業が頼るのはどこかといったら、政府系金融機関ですよ。だから、政府系金融機関がそれに対応するようなシステムを何を持っているかが大事であって、私どもは一貫してやはりそういう厳しい中小企業や零細企業に無担保無保証、こういったシステムをやっぱりつくっておいてやらなければならないということを申し上げてきた。特に地域活性化をやろうとするのであれば、やはりこういう本人保証なしぐらいのやつですよ。何か、経済産業省の方で検討をしていただいて、中小企業金融公庫ですか、ここで何とかそういう本人保証を免除するような制度を創設しようかという検討に入っていたということはお聞きしておりましたが、どうなったかお知らせください。
○国務大臣(甘利明君) 御指摘のとおり、中小公庫におきまして本年四月より経営者の本人の保証が免除される保証人猶予特例制度を創設をいたします。これ、約束を守ってもらう必要があります。それは定期的な財務報告等でありますけれども、そうしますと、プラス〇・一%だけ金利を上乗せしていただきますが、本人保証が免除されるという画期的な制度がスタートするわけでございます。
○木庭健太郎君 大臣、これ御自身で特約内容とかこの上乗せ金利の問題見られて、どう感じました。 私は、やっぱり新しい、画期的な制度ですよ。画期的な制度だけど、やっぱり何か官僚発想というか、何か上の方からの発想じゃないかな。現場にしてみれば、こんなに特約でいろんな条件付けられて、これ借りる気になるのかどうか。正に新しい制度で、いろんな条件も、リスクとかいろんなことを考えればそれは大事な点だとは思うんですけど、これから始めるわけですから、こんなに一杯特約が要るのかということですよ。 そこは大臣が見てもらいたいんですよ、こんなに重ねて要るかどうかと。本当なら上乗せ金利、やっぱり要りますかね。そこも本当、その融資の状況も含めて、やっぱり現場の感覚と合ったようなことというのを考えることこそ、これは政治のレベルの話ですよ、これ。だれが判断するか、大臣が判断するしかないんですよ、これ。その辺は是非含めて、見守っていただきたいし、検討もしていただきたい、こう思います。どうぞ、一言あれば。
○国務大臣(甘利明君) 定期的な財務報告等、これはもちろんその債権を担保するためにも、例えば財産を勝手に売っちゃったりされると困ります。ただ、財務報告というのは貸す側からして経営をしっかり見てあげるという意味もあろうかと思います。そして、言ってみれば税金から貸し出すわけでありますから、そのリスクに対して応分の責任は借りる方も頑張って取っていただくと。まあ〇・一というその上乗せがどれくらい過大なものであるかということは、これからも中小企業を経営していくという点からしっかり注視しなければいけないと思いますが、とにかく貸す方も貸手責任で、しっかり経営を見詰めながらうまくいくようにやっていきたいと思っております。
○木庭健太郎君 もう一つ、今は担保というのは、単に不動産の担保だけに限らず、様々なものが担保で認められるようにいろんな法改正もなされているんですよ。ところが、現場に行くと、これもうどうなってしまうか。例えば、今はもう売り掛け債権というのは当然担保にできるんですよ。ところが、この売り掛け債権を担保にして融資を受けた企業がどう見られるかということになると、何かこの売り掛け債権を担保にした途端に、何かあそこは危ないぞみたいな風評が流れるんですよ。これはもうできてから随分たつのに、なかなかこれもう改善されないところがある。もうこの辺は是非、中小企業庁、まあ経済産業省ですね、是非、こんな風評被害みたいなことでせっかくできたものが生かせないというのは悲しいですよ。 この辺を是非見てもらいたいし、もう一つは、今は、今度は動産も、例えば倉庫の中に眠っている資材含めて、今度は動産も今は担保にできるんですよ。こういう制度が生まれているんですよ。ただ、今度は動産の担保というのは、どう価値を評価するかとか、この評価方法、なかなか大変なところもあるんです。 こういった面も含めて、今申し上げたこの売り掛け債権の問題、そして動産の問題、大臣、ちょっと御意見を。
○国務大臣(甘利明君) 資金調達手法が選択肢が広がるということは極めていいことだと思いますし、従来は個人保証であるとか不動産担保もう一辺倒でありました。その個人保証についても極力徴求しない、第三者保証も徴求をしない方向。 それから、動産担保、売り掛け債権であるとかあるいは、いろいろ先生の今のお話にありましたように、例えばワインとかあるいは豚というのもあるんですね、それから昆布。これは商工中金がそういうノウハウがかなりあります。そういうことで、政府系から、まあ商工中金、民営化していきますけれども、政府系から民間金融に広げていきたいと思っております。 それから、この動産担保をするとき、市場の整備をするということが大事ですよね。それから、その評価をちゃんと行うということが大事でありますから、ここで、ABL協会、今年の六月に設立する予定であります。これは銀行とか商社とかリクイデーター、平たく言うとバッタ屋だそうでありますけれども、その評価能力が高いと、そういう協会をつくりまして、この融資がちゃんとすそ野を広げていくように努力をしてまいりたいと思っております。
○木庭健太郎君 今おっしゃったように、民間には民間のいろいろなアイデアもあるし、是非そういうのも活用しながらこういったものを広げていただきたいし、もう一つは、資金繰りの問題でもう一点だけ伺っておきたいのは、再チャレンジという、まあ総理にとっては一番大事な項目の一つで、ところがこの再チャレンジという問題でも何が中小企業の経営者にとって一番問題になるって、これもやっぱり資金繰りの問題なんですね、再チャレンジするときの。 再チャレンジするときのこの資金繰りの問題で何が一番問題になってくるかというと、結局、一回倒れて次起き上がろうという人たちですから、何があるかというと、過去の債務を抱えているわけですよ。過去の債務を抱えたまま、それでもやろう、そういった人たちがいたときに何か手助けする手段があるかというと、これなかなか厳しくて、こういうものの仕組みがないんですよね。 だから、もう是非こういった仕組み、つまり過去の債務を抱えたままなおかつ、これは政府系金融機関にお願いするしかないんだろうと思うんですが、それでも、その返済資金も対応しながらできるようなその制度、これも何か検討はなさっているということはお聞きしましたが、どういう形で発足させるのかお聞かせください。
○国務大臣(甘利明君) 起業の成功率を見ますと、初めて事業を起こすものと、一度失敗してそして再チャレンジで事業を起こすと、これなかなか今は難しいんですけれども、まあ一年、二年たって、三年目くらいが評価ができる年ですけれども、その時点で評価をしますと、再チャレンジ型の方が黒字化は一〇%ポイントぐらい高いんですね。つまり、これはアメリカなんか、アメリカみんなすべてがいいとは思いませんが、アメリカでは失敗した経験を持っている方が成功するという評価になっているんです。事実、日本でも調べてみますと、うまくいく率は高いです。ただ、再チャレンジがなかなかできない。先生おっしゃるように、過去債務を抱えていますから、それまでひっくるめて貸してくれるという制度がなかったものでありますから、今度は中小公庫や国金に再チャレンジ支援融資、まあバツ一融資とか言っていますけれども、これをきちんと設定して、再チャレンジに道がうんと開けるようにしてまいります。
○木庭健太郎君 今、少し中小企業問題で経済産業大臣と議論しましたが、総理もこの中小企業対策、ともかく必死になってやろうというお考えのようですから、一言、中小企業に対してメッセージを送っていただければと。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この全国四百三十万の中小企業の活力こそ私は日本の活力の源ではないだろうかと、こう思っております。特に地方の中小企業が活性化することが、その段階でやはり日本の経済も本格的に景気が良くなったなと、これを皆さんに実感をしてもらえるのではないかと、こう思っています。 このために、先日取りまとめました中小企業底上げ戦略を推進をいたしまして、成長の成果を下請企業にも波及させるように、下請代金法の執行を強化をし、下請取引の適正化を図っていきます。 まだまだ導入余地の大きいIT化への支援を強化をいたします。中小企業ではまだまだITの導入が遅れています。中小企業の経営改善をそうした形で進めていきたい。 自動車産業などの先進的な経営ノウハウを中小企業にも普及をさせていきたいと。やはりそういう中小企業に、なかなかそういう最先端の経営ノウハウ等々を研修する機会がないところにも、やはりそういうノウハウを伝えていくことが大切ではないかと思います。 これに加えまして、地域資源を活用した中小企業の試みを支援するための法案、先ほど話が出ました不動産担保や個人保証に過度に依存しない資金調達環境を整備するための法案をこの国会に提出をするほか、事業の継続が困難になった中小企業が早期に撤退し、言わばだんだん困難になってくると、もう最後の最後まで頑張って借金がどんどん増えていって、後はどうしようもないということになる前に次の道に進めるようにしていくことが大切であって、早期に撤退して新たな事業に再挑戦できるように専門的なアドバイスを行う相談窓口を全国に設置をするなど、再チャレンジする起業家を支援をしていきたいと、このように思います。 今後とも、あらゆる政策を総動員して中小企業の活性化に我々も全力を尽くしていきたいと思います。
○木庭健太郎君 地域活性化という問題で、今日は、小さなお話かもしれませんが、地域にとってはとっても大事な問題の一つである高速道路の使い方の問題なんですよ。(資料提示) これ何を持ってきたかというと、スマートインターチェンジというのが今あるんです。何かといいますと、インターチェンジのための取付け道路なくてですよ、これは私の地元の須恵というところのパーキングエリアなんですけれども、パーキングエリアとかサービスエリアから、今はETCがありますから無人化でできるわけで、そういう窓口をつくって一般道路へ流すわけですよ。新たなインターチェンジというか、その取付け道路造らなくても、既設のものを使いながらそこに下ろしていくことで、まあ駅みたいなものですね、列車でいえば。それが地域に次々に増えていくというのが、正にこのスマートインターチェンジという在り方なんですけれども、これが非常に利用していただいていて、私のこの須恵というところは一日二千六百台ぐらいですよ、使っているのが、ここ。そして、今は試験状況から本格導入にもう変わって今やっていらっしゃるんですけれどもね。 こういういろんな機能を持ったこのスマートインターチェンジなんですけれども、どんなことで、ほかにも災害とかいろんなことで役立っているという話も聞いているんですけれども、ちょっと国土交通省の方から、どういったタイプでどんなものがあるか、簡潔に御説明いただけますか。
○政府参考人(宮田年耕君) お答えいたします。 我が国の高速道路、インターチェンジ間隔が非常に欧米に比較して長うございます。委員御指摘のように、ETC専用でありますスマートインターチェンジの整備に積極的に取り組む必要があると認識しております。 国土交通省では、平成十六年度からスマートインターチェンジの社会実験を進めておりまして、昨年十月には十八か所でスマートインターチェンジの本格導入を行っております。現在、十七か所で社会実験を実験中でございます。 スマートインターチェンジを設置したときの効果でございますが、従来の一般道を利用しておりました交通が高速道路に転換し、既存の高速道路ネットワークの有効が図られるとともに、例えば東北自動車道、寒河江スマートインターチェンジにおきましては、高次医療を担う病院までの搬送時間が短縮をされました。次に、関越自動車道、駒寄スマートインターチェンジにおきましては、IC周辺で商業施設が相次いで開業してございます。 このほかにも、地域生活の充実といった観点での効果といたしまして、通勤時間が短縮された事例、周辺の交通渋滞が緩和された事例、災害時における代替ルートが確保した事例というのがございます。更に申し上げますと、地域経済の活性化の効果といたしまして、工業団地へのアクセスが向上した事例、観光地へのアクセス時間が短縮し観光振興に寄与している事例、様々ございます。
○木庭健太郎君 何を言いたいかというと、これが何が一番いいかというと、安上がりにできるということなんですよ。それもインターチェンジでなぜ取付け道路が必要かというと、減速した車が、高速で走っているわけですよ。それを減速させるためには、普通だったらどこかに道路を造らなくちゃいけないですよ。ところが、サービスエリアとかパーキングエリアというのは元々減速するために、休むために入るところなんだから、取付け道路全く要らないんですよ。そうすると、インターチェンジを一つ造ろうとすると大体四、五十億ぐらいですか。これだったら十分の一ぐらいですよ。正にそんなお金で今言ったような地域活性化につながっていく。 私は、このインターチェンジとか、これパーキングエリアとかサービスエリアだけじゃなくて、同じようなのがあるじゃないですか、大臣、高速道路上には。速度が落とせるところ、速度が落とせる場所、高速バス、停留所があるんですよ。仕組みは同じですよ、減速できるんですから。だから、そういう意味では高速バスのバス停ですか、こんなものもちょっとお考えになられて、多分大臣方も地元帰ったら自分のところも欲しいということがあると思いますよ。是非こういうものを検討すべき、高速バスの停留所も含めて、と思いますが、いかがですか。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 今言われましたように、高速道路のバス停は三百二十か所ぐらいあります。全国ですよ。したがいまして、そういうものを活用してやるということはいい。高速道路にはインターチェンジが必ず要りますが、大体五十億、一番安くて三十億、ちょっと高いもので六十億ぐらい掛かるんですね、広い面積を取るから。だから、欧米の倍ぐらいの距離がインターチェンジ間にはあるわけです。 そうすると、騒音と排気ガスだけを置いていただく町も途中には十キロぐらいあるわけですね。したがいまして、その中に今おっしゃったようにサービスエリアとかパーキングエリア、これは同じぐらいの面積で五十億ぐらい掛けて造ってあるわけですから、ここへそのETCを利用して穴を空けて、そしてそこから出入りができれば非常に便利になるわけですね。今局長が言ったように、いろいろな意味で地域活性化に役に立っています。 したがいまして、そのバス停が全部使えるかどうかは別としましても、本当に大体三億から五億ぐらいで造れるみたいですから、せいぜい掛かって八億ということですから、これはやはりこれから利活用する意味で大いに考えていかなきゃならないし、社会実験を経た上で、それが良ければ本格的に移行する。須恵インターというのは一番優等生でございまして、一日二百六十台ぐらい、(発言する者あり)二千六百、二千六百台ぐらいが通っているようですから、もうこれは恒久的なものになります。
○木庭健太郎君 今申し上げたスマートインターチェンジだけじゃなくて、ETCの導入ということが料金を割り引く問題含めていろんな役に立っている部分はあると思うんですよ。是非、高速道路というのは、そういう意味ではいろんな活用の仕方というのが私はあるんではないかなと思うんですよ。 例えば、料金の割引の問題についても、例えば観光の活性化、区間ごととか季節ごとの一日乗り放題みたいなところもつくってみたりと、いろんな工夫もなされているようであるんですけれども、この辺も更に深めていく必要があるんだと思いますが。私は、高速道路、ただとか言っておりません。そういういろんな仕組みをつくることで、それが活性化につながっていくと思うんです。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 今、木庭委員は二つのことをおっしゃったと思うんです。一つは、各高速自動車会社、民営化しましたから、東、中、西、本四架橋、そういうところが企画して割引をする、これ営業的にやると。これは非常にたくさんやってられまして、例えば九州でも、御存じのとおり、かごんま満喫ETC割引と、数日間乗り放題というようなこととか、いろいろ南国云々、これは営業努力としてやっていらっしゃるわけで、私どももこれは大いにやっていただきたいという期待を込めてあります。 もう一つの問題は、政策的に今もうでき上がった既存の高速道路をどう有効活用をしていくか。これについては、高速道路造ったときの沿革によってもう料金がまちまちになっていたり高かったりするところがありまして、これを使われる国民の皆様からは、もう少し引き下げて、そして、何回も何回も払ったりしなくても起点で払えば終点まで行けるという、そういうものをすべきだという政策的な問題がある。 これは我々が政治の場でやらなきゃいけないわけですが、御存じのとおり、民間にしてしまったものですから、我々が民間会社にただでこれやれと言うことはできないんですね。したがいまして、これはいろいろと考えまして、平成二十年の通常国会に、どういうふうにしてまけていただくか、無理なくまけていただくかを考えて、料金の引下げをして有効に活用したいと。そのことは、昨年の十二月八日の道路特定財源の処理をしたときの合意書の中にそのように書かれてあります。必ずやります。
○木庭健太郎君 バス停の話をしましたので、今度はちょっと、一般の普通のバス停の話をちょっとしたいと思ってパネル持ってきました。(資料提示) これは何のパネルかというと、私の地元の福岡のど真ん中の天神というところに何ができたかというと、これ広告付きバスシェルターと言います、広告付きバスシェルター。つまり、広告会社が、こういう施設を造るやつから管理から、広告を出すことで広告料で造るんですよ、広告料で。バス会社も、停留所ですけれども、こういう上物にお金掛ける必要ないですよ。出すのは、広告を出した先が出すんです。国は何をすればいいかというと、道路、これ使用するための規制を緩和してもらわないとこれできないわけですよ。公共がだから何もある意味では出さずにこういうものができていく。 どんなところだというのは、見ていただければ、バス停もある意味では町の中出てくれば、お年寄りや皆さんにとってみれば、バリアフリーという問題でいけば、どこかであなた、公共がわざわざベンチ造るよりバス停にこんな形できれいな形でできていけば、ある意味では別の意味での町づくりもできる、お金も掛けずに。こういう一つのシステムが今、これは試行的にようやく幾つか始まっているようなんですけれどもね。 私は、やっぱり町づくりとかいろんなものを考えた場合、政府もバリアフリーの町づくりということもおっしゃっている。またさらに、町の景観の問題、いろんな町づくりの観点からもいろんな要素がある問題だと思っています。是非こういった視点、地方のバスのいろんな路線があると思うんですけれども、こういった提案があった場合、お受け取りできるような省であっていただきたいと、このように思っておりますので。私がお聞きしたら、何か大臣はこの問題非常に、神戸でも何かお取組みになっておられる、お好きなようでもございますし、是非その辺も含めて御答弁をいただいておければと思います。
○国務大臣(冬柴鐵三君) パリのシャンゼリゼに行きますと、本当にきれいなバス停がありまして、そこには広告が、きれいな女性とかの写真がぐうっと出ていますよね。ああいうものが日本でなぜできないのかなと思っていました。神戸で今二十五造っています。もう福岡では三つできています。 これは、本当にきれいなものが地方自治体の負担なしにできるわけでありまして、上屋があります、雨が降っても乗客は、待っている人はぬれることがありません。そういう意味で、そしてまた、これは新バリアフリー法から見ても、これは障害者の方、御高齢の方がバスを立って待たなければならない、雨が降ったら軒先へ走っていかなきゃならないということではいけませんので、大いにやらなきゃならないと思っております。 ただ、いろんな問題で、まだ解決しなきゃいかぬ問題があります。というのは、日本の道路というのはそんなにシャンゼリゼみたいに広くありませんので、それを造ってしまうと、あと車いすでそこを歩行する人が通れなくなるとかそういう問題もありますので、若干いろいろ修正はしなきゃなりませんけれども、もう平成十五年一月三十一日付け道路局長通達で、バス停留所の上屋への広告物の設置についてという通達を出していまして、原則的にはこれ認められるようになっているんです。なっているんですけれども、なかなかそういう意味で、広告の色とか余り目に付きやすいやつは自動車運転者がそれに見とれていて自動車事故を起こしては困るとかいろんな問題がありまして、解決すべき問題はあるけれども、大きい方向としてこれは是非進めていかなければならない課題であるというふうに思っておりますので。
○木庭健太郎君 地域活性について、小さな課題かもしれませんが、ただ、そういった小さな課題から地域活性が開けていくこともある。本当に民間のお知恵もかりながらそういったことに取り組むのが正に格差の問題、地域の問題の大きな要素だと思っておりますので、それぞれのお取り組みを要望するものでございます。 そして、今度はがん対策について一つ総理にお伺いしたいと思うんです。 がん対策につきましては、がん対策の基本法を皆さんの合意の中で作らせていただきまして、いよいよ今年の四月、この基本法が施行されるわけです。基本法が施行されますとどうなるかというと、まず一番大事になってくるのは、基本法に基づいて基本計画を閣議決定するという作業が一番最初に来るんだろうと思います。 是非その中に、日本におきましては、がん対策の中でやはり放射線治療における分野が欧米に比べて遅れているという要素があります。人材もまだ育っておりません。やはりそこをどう強化していくかというのがこの基本計画を立てる中の一番大きな課題の一つであり、また、もう一つ大事なのは、がんについての緩和ケアというのがあるんですけれども、日本の場合は、緩和ケアというのが、もうずっと進行してしまってどうしようもなくなった時点の緩和ケアみたいな問題になってしまっている。ある意味では、これでは役に立たない。緩和ケアというのはがんと分かると同時に始まるようなシステムをつくっていかなくちゃいけない。これも基本計画の大きなテーマ。 そして、これらを総合的にやるにしてみても、何が一番大事になってくるかというと、じゃ、どんながんで、どんな人たちが、どういう状況にあるかということが日本の中で分かる、がん登録という問題。もちろん個人情報の問題もあり、いろんな面で配慮しなければなりませんが、やはりそういった登録制度ができることで初めてがん対策先進国としての取組ができるんだろうと私は思うんです。 私は、がんの問題について、私も六年前に自分の父をがんで亡くしました。今、日本でがんで亡くなる方が一番多いわけで、三人に一人はがんでございます。さらに、がんという問題になると、どういうふうに本人そして家族に伝わってくるかというと、私も経験がありますが、やっぱりがんというのは怖いし、痛いし、つらいし、それは本人だけでなくて家族もそういった思い、ある意味では、がんと言われたけれどもあきらめるような、そういう風潮というのがどうも日本はまだまだ残っている。 でも、安倍総理もいろいろな方からお話を聞かれているということも聞きましたけれども、私も中川先生始めいろんな方から聞いてみて、いやいや、がん分かった時点でこれと闘うということができるんだ、がんと本当にある意味では付き合いながらきちんとしたことができるんだということが、ある意味じゃようやく最近少しずつ理解されるようになってきた。 正に、私は、このがんの対策基本法を作る。そして、その基本計画を作っていく中で大事なことは、是非総理から、がんというのはある意味じゃ闘える、そういう病気なんだ、国民に対して、日本はそれについての対策については先進国としてこういう取組もできるんだという、ある意味じゃメッセージですよね。そんなものができるような対策を是非とも今後先頭になってお取り組みいただければと思うんですが、このがん対策基本計画に向かっての総理の御決意なり、お気持ちなり、伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま木庭委員が御指摘になったように、がんは日本人の死亡率の第一位であります。このがんに対しては、我々、正にこのがんを克服すべく、健康フロンティアにおいても、がんにかかった方々の生存率を引き上げていくという計画も、この目標も立てています。 がんは元々、がんになったらおしまいだ、痛いし、怖いし、そもそもそういう恐怖を本人に与えないように本人にも言わない、もうなるべく話題にもしないという時代が随分長かったんではないかと思います。しかし、がんは、正にこれはしっかりとした情報を得て、的確に判断をして対応していけば十分に治っていく可能性もあるし、克服も可能でもあると、このように私も思います。 昨年の六月に成立をいたしましたがん対策基本法に基づき、患者や家族の方々のニーズを十分に踏まえて、本年の夏ごろまでにがん対策推進基本計画を策定することにいたしております。 政府としては、その計画の中身については、正にこれは委員が御指摘された中身でありますが、初期段階から、治療の初期段階から、緩和ケアの実施など患者本位の治療体制の整備、そしてもう一点は、放射線医療を担う専門医等の育成。 日本では、まだまだこの放射線医療にも偏見があって、放射線医療を受けたらもうおしまいなんじゃないかという誤解があるんだろうと思うんですね。手術をするという方法、そしてお薬を飲むという方法、そしてこの放射線。実はこの放射線は、欧米等では大変効果的な治療方法、そしてまた負担も少ない、こう言われているわけでありますが、日本ではまだその専門医が少ない。私も中川先生等からお話を伺いました。 その専門医等の育成、そして、がんの罹患率や生存率などを把握する仕組みであるがん登録の推進、そしてまたセカンドオピニオン可能な医療機関の紹介など、国立がんセンターや拠点病院を中心とした相談支援体制の拡充を始め各般にわたる対策を総合的に進めていかなければいけないと。実態をしっかりと把握をして、そしてそれに対する施策を打っていく必要があると、このように考えております。
○木庭健太郎君 次は、障害者の就労支援の問題についてお尋ねをしておきたいと思うんです。 これも総理にお尋ねしようと思っておるんですが、政府において成長力底上げ戦略というものが策定をされたと。その中でも、この障害者の就労支援に政府も一体となって取り組むことが盛り込まれている。この障害者の雇用の問題というのは、もう何度もいろんな形で議論をしてきたんですけど、ともかく、現在、法定雇用率の達成企業の割合というのは四三・四%ですよね。そして、これ、率先してその障害者雇用の取組を進めていただいている企業もある一方で、やっぱり障害者を雇用するよりも納付金を納めるという、そういう仕組みになっているものですから、それをどうしても選択してしまう企業もある。そこがある意味ではなかなかこの法定雇用率という問題がクリアできない要素になっているだろうと思うんですよね。 私は、何かこの納付金を納めたら解決するんだみたいなこのシステムがこのままでいいのかなというのをちょっと本当正直言って、何かこの制度自体本当にいいのかどうかということも含めて検討する時期に来ているんじゃないかなと、こう思うし、総理は、下関ですか、小規模作業所に御自分で行かれたということも聞いて、現場の人たちからも、特に小規模作業所だったらもう自分たちで立ち上げたもう大変なところが多いわけであって、そういったところに行かれて、昨年来の障害者自立支援法の問題を含めていろんなことも話をされたとも伺っております。 ともかく、この成長力底上げ戦略において障害者の就労支援の問題、どう取り組んでいくのかと伺うとともに、私は是非この際、やっぱりこの法定雇用率の問題、つまり金払えばどうにかできるんだみたいな問題、是非再検討していただきたいと思います。どうでしょうか、総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 障害者の方々も含めて、国民の皆様すべてが誇りを持って、生きがいを持って働くことができる日本にしなければならないと、このように思います。 このような中で、障害者の方々の雇用は着実に今進展はしているわけでありますが、ただいま御指摘のように、法定雇用率一・八%に対して企業の雇用率の平均は一・五二と、こう下回っております。法定雇用率達成に向けた取組を一層進めていかなければならないのは当然のことでございます。障害者の方々の働きたいという意欲が高まる中で、これを実現できるように、福祉から雇用へという、そういう流れを確実なものにするための課題があると、このように考えています。 このために、成長力底上げ戦略の柱の一つである就労支援戦略の中に、障害者の方々の就労支援策を位置付けを行いました。具体的には、福祉及び雇用両面にわたる総合的な取組を進める福祉から雇用へ推進五か年計画の策定、そしてまた、授産施設等における工賃水準、大変これは低いわけでありますが、この引上げを図る工賃倍増五か年計画による福祉的就労の底上げ等について、政府一体となって取り組んでまいります。 そして、さらに、ただいま委員が御指摘になった、障害者の方々の雇用機会の拡大のために、企業に対する雇用率達成指導を厳正に実施をいたします。障害者雇用促進法制の整備についても今後検討を進める必要もあるでしょう。先ほどおっしゃったように、納付金を納めれば終わりという企業があれば、これは大変悲しいことでもありますし、それでまた、そういう企業の存在は正に企業として社会的な責任を果たしていないわけであります。 我々は、今後とも、障害者の方々が生き生きと働くことができる場の確保に向けてこうした取組を進めてまいります。
○木庭健太郎君 それでは、関連質疑を許していただきたいと思います。
○委員長(尾辻秀久君) 関連質疑を許します。松あきら君。
○松あきら君 公明党の松あきらでございます。引き続きまして、どうぞよろしくお願いいたします。 まず初めに、中国残留孤児の問題をお伺いいたします。 終戦後の混乱の中で中国東北部に置き去りにされた中国残留孤児の皆様は、計り知れない辛酸をなめられて、そして帰国後も、日本語の問題などもありまして日本の社会の中で孤立をして、自立できない人、こういう人も多く、様々な問題がそのままになっているわけでございます。 去る一月三十一日、孤児たちの念願でありました総理との面会が実現をいたしました。私もその場で御一緒をさせていただきました。安倍総理から温かい数々のお言葉が掛けられまして、もう孤児の皆様は泣いておりました。総理もそのときお感じになったと思います。本当に生きていて良かったと、初めて将来の明るい希望が見えたと、もう大変に喜ばれたわけでございます。 しかし、厚生労働大臣は、今年の夏ごろまでに専門家に入っていただいて審議を尽くして結論を出したいというコメントをされましたけれども、具体的に法律を作って何らかの支援制度をスタートさせていただけるんでしょうか。きちんとした法律がないとただの予算措置になってしまうんですね。そうしますとどうなるかというと、もしかしたら時間がたつと支援制度が縮小されてしまうかも分からない、あるいは支援制度そのものが、まさかと思いますけれども、打切りなんということになるかもしれない、様々な不安があるわけなんですね。 北朝鮮の拉致の被害者の方々、この方々も筆舌に尽くせぬ苦しみ、悲しみ、悔しさを背負って帰国をされたわけでございます。そして、その方々のために、議員立法でございましたけれども、法律を作って支援制度がなされたんですね。 私は、この孤児の皆さん、もう本当に老齢化しているんです。そして、多くの方は生活保護に頼っています。時間もない、生活保護で正に精神的にも苦しい。生活保護でない、法的なよりどころのある新しい枠組みを是非早急につくっていただきたい。総理の御決意をお伺い申し上げます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この中国残留邦人の問題に、松先生、大変長い間取り組んでこられました。また、党としても取り組んでこられましたことに本当に敬意を表したい、こう思います。 松先生始め、また与党の皆様と御一緒に残留邦人の皆様とお目に掛かりました。皆様から、本当に日本に帰ることは自分たちの夢だった、何とか祖国に帰りたい、祖国は必ず温かいはずだと、そのように夢を見ていて、やっと夢が実現されたにもかかわらず、言葉の問題、習慣の問題等々もあってなかなか就労もままならないと、結果としては本当に寂しい結果になってしまったと、こういうお話を伺ったわけであります。 裁判の結果、あるいはまた法律の問題は別に、こうした皆様の事情をよく考えながら、きめ細かな配慮を持った対応をしていくことが私は必要であると、このように考えています。 今後、厚生労働大臣の下で、生活の支援、日本語教育、二世三世の就労支援を始めとした具体的な支援策について、有識者の方々にもお入りをいただいて検討をしなければいけない、また与党の皆様方ともこれは検討をしていくということになるんだろうと思いますが、余り時間を置かずに、もちろんなるべく早い方がいいわけでありますが、夏までには新たな支援の枠組みを取りまとめなければならないと、こう思っています。 そして、中国残留邦人の皆様が、日本に帰ってきて本当に良かった、やっぱり祖国は温かい、こう思っていただけるように、日本人として尊厳ある生き方ができる、そういう仕組みをつくってまいります。
○松あきら君 ありがとうございます。 今の総理のお言葉で、法的よりどころのあるということも含まれていると私は認識をいたしましたけれども、そういうふうに解釈をさせていただいてよろしゅうございますでしょうか。うなずいていらっしゃいますのでよろしいのだと思います。何か胸が熱くなりました。じゃ、もしありましたら。いいですか。よろしいですか。はい。 ありがとうございます。そういうふうに私は確信をいたしました次第でございます。大変に感激をいたしました。孤児の皆様も本当に喜んでいると思います。 それでは、次の質問に移らせていただきます。 中小零細企業の評価、資金需要対応の基本的改革と再チャレンジについてお伺いいたします。 ここのところ、少し株価が下がっているようであります。一万七千円を割っているということでありますけれども、しかし、先般の金利の引上げに象徴されますように、景気は徐々に回復がされてきております。この景気回復基調を維持すべく、政府・与党も努力を重ねているわけでございます。 しかし、先日の上海株暴落を発端にした世界同時株安、これに見られますように、経済のグローバル化に伴って今後どのような事態が起こり得るのか想像が付かないわけであります。そこで、経済のグローバル化に対応し得るきめ細かな景気拡大策など、十分な体制を整備する必要があると私は考えます。 先ほど木庭議員からも中小企業、様々な御質問ありました。正に中小企業、大事な九九・七%の中小企業であります。特にその中小企業に対する金融機関の貸出し態度、先ほど木庭議員は血液というお話もなさいましたけれども、その貸出し態度についての検証及び対応が必要であります。 まだまだ多くの中小企業は景気回復のベネフィットを十分に享受していないんです。かつての貸し渋りの記憶や、あるいは金融機関からの貸出しをめぐる苦い思い出、もう本当に苦しい嫌な思い出一杯あります。これ最近のことで忘れられないんです、まだまだ。皆様の血税である公的資金の注入を受け、景気回復で救われ、十分な年金制度が実施され、しかも税金を払っていないメガバンク。一行だけですよ、税金払っているのは。とんでもないんです。こういうところには公的性格があることを忘れないでいただきたいと私は思っているわけでございます。 国民の多くを占める中小企業、先ほど申しました、その従業員、家族を守る責任を有し、中小企業が景気拡大に貢献できる体制をつくり、維持する方向性を示すことが政府であり総理大臣の使命であると私は思っております。そこで、これらの具体的対応策について、私は資金、金融の側面より総理及び金融担当大臣に御質問をさせていただきたいと思います。まだです。待ってください。これからでございます。 中小企業の入口も出口もすべて融資に懸かっていると言って過言でない、私はこう思っております。そして、その資金調達はほとんど金融機関からの借入金に大半依存していますね。借入れの際には金融機関から不動産担保を求められることが依然、ほとんど、九九%ぐらいそうであります。 これまで政府は、先ほども甘利大臣から御説明いただきましたけれども、担保至上主義是正に向けて、中小企業の資金調達手段の多様化、これを考えていただいて、いろいろ資金調達の拡大等に取り組んでいただいたものと私も承知をいたしておりますけれども、これらの資金調達手法は中小企業にとって本当に利用されて効果が上がっているのか、またこれらの資金調達手法はそもそも中小企業にとって利用しやすいものなのか、これまずお答えいただきたい。 また、金融機関は、不動産だけじゃなくて中小企業や企業経営者が持つ技術、そして発明、知的財産、これを評価して融資する能力を高めなければならないと私考えるんですね。こうした財産の評価体制というものは確立されているんでしょうか。今後、中小企業の技術、発明、知的財産を評価をした新しい金融手法を確立する責務があると思うんですね。 知的財産、ノウハウが担保になり得たというのはたまにニュースになるんです。こういうふうにニュースになるということ自体が本当にまれであるということの証拠ですよね。やはり今後、中小企業の技術、発明、知的財産を評価した融資をいかに拡大をしていくか、これが、こうした体制の整備を是非私は推進すべきだというふうに考えますけれども、山本金融担当大臣、この二点、御所見をよろしくお願い申し上げます。
○国務大臣(山本有二君) 松委員のおっしゃるように、日本の活力イコール中小企業であろうと思います。現在グローバルな経済の中で頑張っている多くの大企業のほとんどが、町工場から、あるいは中小企業から発展した企業であることを考えてもそうでありますし、ただ、大企業は日本の拠点都市にしかございませんが、中小企業はあまねく日本の津々浦々にございます。この中小企業が活性化することすなわち日本が元気になることでございます。 その意味で、私どももこの中小企業が必要に応じて十分な資金需要そして供給があるような体制づくりに邁進しているところでございますが、松あきら議員御指摘のとおり、既存の融資の手法で考えていきますと、人的担保、物的担保、特に不動産担保に重点を置いた担保システムでございます。それにおいて融資された総額がほぼ二百五十五兆円ございます。これ以上融資をするとなると、これは恐らく清算価値に等しいわけでございますから、もう一工夫ないと絶対に無理でございます。 そこで金融庁が考えましたことは、今般のバーゼル2、いわゆる銀行の自己資本の規制の基準においてリスクウエートを、中小企業においてはバーゼル1では一〇〇でございました、これを七五パーに変えることによって、低減することによって随分金融機関の肩の力が抜けてくれるのではないか。言わば貸し渋り、貸しはがしという言葉は貸手の態度でございますから、その態度に変化が生じるようなことを、これは実は事務局を日本が取りまして、そして日本の提案で世界基準が変わったわけでございまして、全世界の中小企業が日本に対して高い評価をしていただいているところでございます。 次に、新しい融資基準というものを求めなければなりません、二百五十五兆から変わりませんから。そのことはリレーションシップバンキングの中における機能強化、特にアクションプログラムで我々は十七年、十八年と懸命に金融機関にお願いをしてまいりました。 その一つは、担保形態の中における物的担保、一体今までと同じことでいいですか、もっとイノベーションをお願いしますということにおいて、松委員のおっしゃるように、中小企業の中における何かいい知恵はないか、何かいい財産的価値はないかとすると、在庫がありました。これを在庫をそのままで担保に取れるかというと、取れません。動産担保という新しい方法を法務省にお願いして、登記所でできるようになりました。だから、これがやや進んでいるということは御指摘のとおりでございます。 次に、売り掛け債権担保、これを転々流通させて、評価して、それで担保に取るというのはなかなか難しいんです。しかし、これも今国会で電子記録債権法ができ上がりますならば流動化することができます。これで担保にしっかりすることができるわけでございまして、在庫が四十七兆円、そして売り掛け債権が九十一兆円ございますから、この二つ合わして百三十兆円になんなんとするような新しい融資が、可能性でございますが、可能になってくるわけでございます。 そして、おっしゃる特許などの知的財産、これにおきましては、既に九州等ではデジタルカメラにおける特許で一億五千万円以上の融資があったというのがニュースになったわけでございますが、着々とやっておりますし、先ほど木庭先生、木庭委員のおっしゃったように、人に対する担保においても第三者保証を取らないような国民公庫あるいは信用保証協会のやり方、さらには本人保証免除のやり方、これは中小公庫でやっておりますが、このように事業会社、金融機関がリスクテークを人に対して行う、つまり人に夢を買う、あるいは人に夢を与えるということになりますと、恐らく郷土愛とともに新しい境地が開かれるのではないかというように思っております。
○松あきら君 すばらしい御答弁、ありがとうございました。 一つ御紹介いたします。こういうことを言っている人がいます。メガバンクは安心できる企業にしか貸さない、雨の日に傘を貸さずに晴れた日に貸す姿勢は余り変わっていないのではないかと。企業の潜在力を見極め、育てるという理念が感じられないという、こういう御意見もありました。今大臣からも種々お話ございました。力強い思いでございますけれども、是非よろしくお願いをいたします。 それでは、次に参ります。 近年、金融機関には特にコンプライアンスが求められるようになってきております。そのコンプライアンスというのは、一般的に法令遵守というふうに訳されておりますけれども、この元々の意味は願望、要請、需要等にかなうことということでありまして、その意味は単純に法令遵守に限られるものじゃないんですね。社会の信頼にこたえることを含めた概念であるということであります。特にメガバンクは、先ほどから申し上げておりますように、金融危機の際の公的資金注入で再生を果たしたわけでございますから、注入された公的資金に見合った社会的責任を果たしてもらわなきゃならないと私は思っているんです。 金融機関が社会的責任を果たしていくために政府としてどのような取組を実施していくおつもりなのか、総理にこれをお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど松委員から、晴れた日には傘を貸して雨の日には貸してくれないと。人によっては、雨の日には貸してくれないどころか貸してもらった傘を返せと言ってくるという人もいるわけでありますが。 しかし、金融機関には、適切なリスク管理の下に中小企業等に対する金融仲介機能を発揮をすることを通じて我が国経済に貢献する重要な役割があると、このように考えています。正にこれは社会的な存在としての当然責任もあると、私はこのように考えております。しかしながら、金融機関に対しては、例えば担保至上主義であるなどの指摘もございます。 政府としては、金融機関に対して、担保、保証に過度に依存しない融資方法の多様化等を促してきたところでございます。今後とも政府としては、こうした取組を通じて、金融機関が中小企業を始めとした社会の期待、信頼にこたえてその役割を適切に果たしていくように、責任感を持って適切に果たしていくように促してまいりたいと考えております。
○松あきら君 ありがとうございます。 本当に中小企業の皆様がまだまだ苦労しているという実態があります。金融機関は、土地担保に依存した形式的な融資にまだこだわっていると、企業の将来事業計画の分析力に欠ける現場の実態、少し景気が落ち込んだら再発する貸し渋り体質、先ほど雨の日に貸した傘を返してくれという、総理おっしゃいましたけれども、正にそのとおりであります。自分たちが企業の生命線を握っているというおごりの体質、やっぱりこれもあるのではないかというふうに思います。こうしたメガバンクの体質、金融企業の体質を中小企業の経営者やその家族は今でもはっきり覚えております。そうした状態を改善しない限り、こうした貸し渋りは再発するというふうに私は思っております。十分に、十分に、十分な措置をとっていくべきであるというふうに私は思う次第でございます。 先ほど木庭議員から再チャレンジのお話がありました。 私もこの問題を実は御質問しようと思っておりまして、そもそも事業に失敗した人が再チャレンジをしようと思っても、資金がなければ、調達できなければ再チャレンジは不可能なわけでございます。そもそも、一度経営に失敗したと、資金も担保もない、画期的技術、新発明もない、ない、ない、ない。でも、実はこういう方が多いんですね。ほとんどとは申しませんけれども、こういう方が多い。こういう経営者にも家族もあり従業員もあるわけです。こういう経営者に再チャレンジというのはあり得るんでしょうか。 安倍総理は、官房長官時代から再チャレンジに可能な社会の実現にずっと取り組んでおられます。私は、これはまたニート、フリーターの方はもちろんとして、中小企業、零細企業の方々も非常に心強い、心強い思いをしているというふうに私は思っております。こうした経営者の現実を踏まえて、再起業に対する支援についてどのような対策を講じていくおつもりなのか、短くて結構です、よろしくお願いいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 人生は長いわけでありますから、その間には失敗をすることもあります。しかし、何回でも挑戦できる、そういう社会でなければいけませんし、言わば勝ち組、負け組が固定化しない社会こそ正に格差が固定化しない社会であろうと、このように思います。 先ほど甘利大臣が答弁したように、言わば一回失敗した経営者の方が次に成功する率が高い。これは当然であって、どうしたら失敗するかということをよく分かっているからではないかと思います。しかしながら、現実問題は資金調達が大きな障害となっているわけであって、一回失敗したからといって、一回失敗したことによって門前払いを受けることがございます。積極的に金融支援をしていくことが、そうした方々がもう一回挑戦するためには必要ではないかと、このように思います。 具体的には、政府系金融機関によってリスクや担保不足による上乗せ金利を大幅に圧縮した新たな融資制度の創設、過去に失敗した事業の債務を返済するための融資、無担保無保証人による融資の拡充などを行うこととし、また、民間金融機関の融資を円滑化するための信用保証協会による新たな保証制度の創設などの措置を講じてまいります。さらに、事業の継続が困難になった中小企業の経営者が早期に撤退をして、早期に店じまいをして新たな事業に再挑戦できるよう、弁護士や会計士等による専門的なアドバイスを行う相談窓口を全国に設置をしてまいります。 こうした施策によって、何回でもチャンスのある挑戦できる社会にしていくことによって日本は更に活力を得ることができると、このように思います。
○松あきら君 安倍総理、本当にありがとうございます。 一度失敗しても希望を持って出直しができる社会の実現、これを今の総理の御答弁から感じられました。本当に心から期待を申し上げます。 それでは、次の質問に参ります。 柳澤厚生労働大臣に御質問申し上げます。 私が過日、某テレビ局で発言をいたしました、その気持ちはまだ私の中にあります。けれども、私は、国民の皆様は今大臣に何を求めているか、それは全身全霊で命懸けで少子化対策あるいは子育て支援をやってもらいたいと、その本当に血のにじむようなそれを見せていただきたいというのが、私は全国民の、特に女性の皆様の思いではないかというふうに思います。 そこで、これでございます。(資料提示)マタニティマークでございます。このかわいらしいマーク、結構皆様、御存じない方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。 経緯を申し上げますと、私、妊娠初期の方はもう大変に通勤もつらい思いしているんですね。それで、特に今はお医者様が余りおなかの赤ちゃんを大きくしないという方針もありまして、七、八か月でも目立たない方いらっしゃるんです。本当につらい、そのときにこのマタニティマークが欲しい。だけど、全国NPOの方とか自治体いろいろやってくださっているんですけれども、ばらばらなんですね。だから、みんなが、ああそれがマタニティマークねというふうに認識できるマークがないんです。 ですから、私は所属が経済産業委員会でしたので、予算の委嘱でもやりました。行政監視委員会でもやりました。至る所で私はマタニティマークの全国統一マークを作ってくださいとお願いしましたけれど、厚労省は、それはNPOがやっていることです、民間がやっていることです、国は口出しできない、そんなのできませんよと、もうずっと門前払いを私はされていたんです。でも、レクに来てくださる若い方たちはこそっと私に言いに来てくださいました、何回も何回もやっているもので。松先生、それは自分はやっぱり必要だと思います、こういうことを一つ一つやっていかなきゃいけないと思います、言ってくださいました。 ついに昨年、このマタニティマークを作ろうかどうしようかという検討会が省内にできた。すぐ私にも知らせが来ました。もううれしい、やった。まあ検討委員会ができるとほぼできるんですね。そして、私は、全国の公募ということで多分公募をするんじゃないか、やっぱり公募をしていただいてこのかわいらしいマークができたわけでございますけれども、しかし、ここからなんです。 私は、やっぱりこれは広く皆様にお配りしたいと、母子手帳のときにこれを付けていただきたいと申し上げましたけれども、それは何にもやってくださらない。作ってはくださったんですけれど。そして鉄道事業者の方が、これ六万五千個、かわいらしいバッジですとか携帯に付けるラップを作ってくださって、私の地元の横浜駅とか東京駅とか主要な駅で配ってくださった。あっという間になくなりました。 ですから、私は是非このマタニティマーク、母子手帳と一緒に配っていただきたい。大臣、御決意よろしくお願い申し上げます。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 松先生から大変私に対して、こうした何というか私の気持ちを表させていただく機会を与えていただいた、そういう御厚情にまず感謝を申し上げます。 マタニティマークは、本当に今委員がおっしゃられるとおり、公共交通機関等で妊婦の方に対してみんなが温かくするという何よりの手段であると、このように考えます。これを母子手帳とともに配付するということでより効果的な活用ができるじゃないかと、こういうことでございまして、私どもそのような方向で努力をさせていただきまして、平成十九年度予算案でございますが、地方財政上の措置としてこの費用を盛り込ませていただきました。今後ともその方向で努力をいたしたいと、このように考えております。 ありがとうございます。
○松あきら君 ありがとうございました。終わります。
○委員長(尾辻秀久君) これにて松あきら君の関連質疑は終了いたしました。 以上で木庭健太郎君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(尾辻秀久君) 次に、小池晃君の質疑を行います。小池晃君。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。 貧困と社会的格差の広がりは大変深刻であります。とりわけ国民健康保険の高過ぎる保険料、そして保険料を払えない人からの保険証の取上げ、これが命の格差まで生み出している。マスコミも深刻な社会問題として取り上げております。 昨年度の国民健康保険の保険料の滞納は四百八十万世帯を超えました。そのうち一年以上滞納して保険証を取り上げられて資格証明書を発行された世帯は三十五万世帯で、いずれも過去最高であります。特に、九七年に国保法が改悪をされまして市町村にこの資格証の発行が義務付けられた、これ以降、激増しています。 資格証が発行されるとどうなるか。窓口では十割払わなければいけないわけですから、支払額が余りも多いということで受診を控えるという傾向が指摘をされています。 厚生労働省にまずお伺いしますが、保険証を取り上げられてしまった人が一体どういう影響が出ているのか、どれだけ受診を控えているのか、何らかの調査をやっていますでしょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 国民健康保険は住民相互扶助によって成り立つ社会保険制度ですので、まずすべての被保険者に公平に保険料を負担していただくというのが制度の存立の基盤であります。 そして、しかし、低所得者等の事情のある被保険者の方々には、もう委員もつとに御承知の負担軽減措置等が講じられているところでございまして、負担能力があるにもかかわらず保険料を納めていないという未納の方については、公平の観点から資格証明書を交付しております。 資格証明書の交付を受けた被保険者の医療費は、いったん支払った後に今度は市町村から給付費相当額の償還がされることになっておりますので、言わば保険者と同じ扱いをさせていただいておると、財政的にはそういうことになりますので、御指摘のような調査は行っておりません。
○小池晃君 結局調査やってないという答弁ですね。私は、払うことができるのに払えない人のことを問題にしているのではない。もう保険料払うことができない人のことを私は問題にしているんです。 私は、保険証の取上げを自治体には押し付けながら、その実態を一切調査していない、影響を調査していないというのは余りにも無責任だと思います。 全国保険医団体連合会の調査結果があります。資格証発行全国一位の神奈川県では、資格証を発行された人の受診率は一般被保険者の三十二分の一です。全国二位の福岡県では百十三分の一です。これでは必要な医療を受けられないんです。 このたび、日本共産党の国会議員団としても、全国のすべての病院を対象にして国保の保険証取上げによる被害などについてアンケート調査をやりました。今日の時点で六百を超える御回答をいただいております。この中で、過去三年間で保険証を取り上げられ受診が遅れて重症化したケース、全部で九百三十件もありました。 三十六歳男性、風邪だと思っていたら熱が下がらず肺炎になった。高血圧で治療を中断して脳出血になった。がんの治療を途中で中止した。四十五歳の男性、腹痛を放置したら虫垂炎が悪化した。こんなケースがたくさん寄せられている。しかも、最悪の場合は命も落としている。 これは私どもの調査とは別の調査ですが、全日本民主医療機関連合会が、保険証取上げによって患者さんの受診が遅れ、その結果亡くなられたケースをまとめています。過去二年間で二十五名の方が亡くなられている。例えば、三十二歳の男性、気管支ぜんそくの発作を繰り返していたが、保険証がないため受診せずに売薬のみ。夜間に激しい発作で市民病院に搬送されたが、翌朝亡くなられた。五十五歳の男性、自営業。腹部や背部の痛み、倦怠感があったが、保険料三十五万円を滞納しており、保険証が取り上げられて受診せず、市販の薬だけ飲んでいた。ようやく受診したときには既に膵臓がんが肝臓に転移した状態で、二か月後に亡くなられた。 総理、日本というのは国民皆保険制度の国のはずなんです。ところが、実態としては、保険証取り上げられ、受診が遅れて病状が悪化して命まで落としている、こんなこと絶対にあってはならないことだというふうにお考えになりませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今の委員の御質問をお伺いをしておりますと、突然いきなり保険証を取り上げられてしまうようなそんな印象を受けたわけでありますが、決してそんなことはないわけでありまして、まず、次のような理由によって保険料を納付することができないと認められる場合には被保険者証を取り上げることはしません。 例えば世帯主がその財産について災害又は盗難に遭ったこと。世帯主又はその者と生計を一つにする親族が病気にかかり、又は負傷したこと。世帯主がその事業を廃止し、又は中止したこと。世帯主がその事業につき著しい損失を受けたこと。こうした事項があった場合には保険証を取り上げることは当然ないわけであります。 また、どちらにしろ、いきなり保険証を取り上げるということはなくて、この資格証明書を発行するまでの交付事務の流れでありますけれども、通常、滞納が発生した場合には、納付相談を行う中で、災害等その後の事情により保険料を納めることができない場合には、条例に基づく保険料の減免の検討を行います。また、どうしても支払が困難な方については、生活保護の申請の援助等を行います。 そうした事情がないにもかかわらず、なお納付をしない方には、通常六か月又は三か月の有効期間の短い被保険者証を交付して納付相談の機会を確保をするわけでありまして、さらにそれでも納付しない方については、災害等保険料を納付することができない特別な事情がないことを確認した上で資格証明書を交付をしていると、このように私は承知をしております。
○小池晃君 そんな丁寧なことが現場で行われていたらこんな事例が生まれるはずないでしょう。こういう実態がたくさん出ているんですよ、実際に受診を控えね。病気の場合は除外する特別な理由入っていますよ。しかし、病気の人が次々保険証取り上げられている。そういう実態が現実にはあるんです。これは現実なんです。 もちろん特別な事情であるかどうかは自治体が判断します。保険証取り上げるなという運動広がっていますから、取り上げない、きちんとやっている自治体も中にはある。しかし、多くの自治体では機械的な保険証の取上げやっている。それがこうした私が紹介したような事態を生んでいるんですよ。 こうした方々というのは、決して払えるのに払えないわけじゃないんです。だって、病気になって悪化して命まで落としているんですから、そういう人が払える能力があるわけないじゃないですか。払いたくても払えない人たちなんです。こういう人たちだって、これまでは大変だけれども一生懸命保険料払っていた。しかし、政府の進めた構造改革路線の中で切り捨てられ、振り落とされ、生活が苦しくなって保険料払えなくなっている人たちなんです。 私が聞いたのは、例えば商店街でクリーニング店経営していたけど、大手スーパーが出店をして売上げが三分の一に激減してしまって保険料が払えなくなった、保険証取り上げられたというんです。あるいは、タクシー運転手だったけれども、規制緩和で台数が増えて収入が激減して、そしてリストラをされ、健保から国保に移って保険料払えなくなった。保険料払えず、本当にみんな苦しい思いしているんです。 しかも、先ほどいろんな事情でちゃんとやっているとおっしゃるけれども、じゃ、こういうことはどうなんですか。子供だって取り上げられているんですよ。千葉市では、乳幼児医療費助成対象の子供たち、小中学生約九百人の保険証が取り上げられています。東京の板橋区では、気管支ぜんそくで東京都の公害医療の助成を受けている通院していた小学生の保険証まで取り上げられているんです。実際やられているのは、現場で起こっているのは、きれい事いろいろおっしゃるけれども、生活に困って保険料払えない、そして保険証取り上げられ病院にも行けなくなっている、こういう事態が起こっているんです。 あなたたちがやっていることは、正に政府がやっていることはそういう人たち切り捨てることばかりなんですよ。私問いたいのは、こういうこと続けていいのか。そういう建前だと言うけど、実態は違うんだから。だとすれば、こういうやり方をやめさせるということをしっかりこの場で述べるべきじゃないですか。どうですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど申し上げましたようなルールに基づいて相談をしながら対応する、これは私どもの方針ですよ。いきなり今言ったような御事情で、しかし、今言ったような御事情が、そのものが本当にそうであれば、そんなことはしないように指導しなければいけない。しかし、それぞれの個々の事情については、その滞納に至った経緯を、全体をよく見てみないと私もここでは答えようがございません。どういう経緯で未納に至ったかということについては、よくこれは全体を見てみなければ、これは何とも答えようがないわけでございます。 いずれにしても、国保も国民の皆様の保険料で成り立っているわけでありますから、その保険料を払っていただくということが前提になっている。しかし、様々な理由がありますから、特に健康保険であれば、病気になったらそれは保険料が払えないという事情もある、そういう事情は勘案するような仕組みになっていますから。そしてまた、それでもなお難しい状況の場合は、生活保護ということになっていけば、これはもう医療費が全く無料になっていくわけである、そういう手続を取るように、そういう指導もされるようになっているわけでありますから。もちろんこの相談の窓口においてはきめ細かな対応ということは当然私は必要であろうと、そのように思います。
○小池晃君 そうなってないのであればそういう指導をするというふうにおっしゃった。そういう指導をきちっとしていただきたい。 実態としては、正に生活に困窮している人からも保険証取り上げているんです。こういうことはしないんだということを明言していただきたい。──いや、総理に聞いているんです。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今もう総理が本当にきめ細やかな御答弁をしてくれたと、私はそのように思います。委員も御承知のとおりでありますけれども、資格証明書でいきなり保険証を取り上げるなんというような手続にはなっておりません。 それから、本当にその過程で要するに納付の相談をきめ細かにやるという前提であります。それにもかかわらず資格証明書にせざるを得ないというところになっているというのが我々の考え方でありますが、今総理が言われたように、具体の問題については更に何か目こぼしがあるのかないか、こういったことについてはよく見るように、よくまた相談に乗るようにと、こういうような指導は徹底させていきたいと、このように考えます。
○小池晃君 実態としてはそういったことはやられてないんです。しかも、資格証は滞納者との接触の機会を増やすためだというふうにおっしゃった。納付率を上げるためだとおっしゃったけれども、滞納率がどんどん伸びるのと同時並行で資格証が伸びているんですよ。資格証を幾ら発行したって国保の滞納者は減ってないじゃないですか。これが現実なんですよ。全く機能してないし、しかも命すら奪う事態になっていることについて、私は真剣にこの実態を、調査もしてないんですから、まず調査していただいて、そういったことをなくするという努力をすべきだというふうに思います。 しかも、何でこういう事態になっているのかをやっぱり正面から見る必要がある。やっぱり国保料高過ぎるんですよ。そういう実態があるんです。 例えば大阪市の例を紹介したい。(資料提示)これは大阪市の夫婦、四十歳以上の夫婦子供二人の世帯です。これ、収入が二百八十万円で、自営業であればこれがそのまま所得になりますから、所得二百八十万円、こういう世帯の国保料が年間四十五万円です。介護保険料八万円、国民年金保険料、夫婦で約三十四万円、所得税、住民税で四万円、残るのは百八十九万円しかないんです。こういう本当に莫大な国保料が掛かってきている。 これ、極端に高い自治体じゃないですよ。全国で一番高いのは大阪府の守口市ですから、そこはこの同様のケースで五十三万円の国保の保険料になっている。正に国保が貧困をつくり、ワーキングプアをつくる、こういう実態になっている。 首相にお聞きしたいんですが、保険料を払う払うと簡単に言うけれども、総理、こういう所得二百八十万円で四十五万円の保険料、支払能力を超えた保険料だと思いませんか。──総理、総理が手を挙げているんだから。いいですよ。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今、二百八十万、所得。所得ですか、これ。所得ですか。それから、基本的に引かれるのはいろんな控除があります。ただ、国民健康保険の場合には控除は独自にやっております。 それはどうしてかというと、もう国保に加入している人たちについては広く薄くもうみんな負担をしてもらわなければ保険として成り立たない、こういう考え方でやっておりますが、ただ、その具体の話として、今いきなりそういう数字をぶつけられて、それについてコメントをしろと言われても、私でも、ちょっと今計算をし始めましたけれども、なかなかちょっと計算が答弁の時間までには間に合わないという状況です。全然もうこれでは問答にならないと思いますね。
○小池晃君 これのどこが広く薄いんですか。四十五万円、これはちゃんと自治体当局にまで確認している正確な数字ですよ。総理、これが実態なんです。年間所得二百八十万円の世帯で四十五万円、これ決して、先ほどから繰り返していますが、極端に高い自治体ではない、これが実態なんです。これは、こういう保険料にしてきたのは正に政府なんです。まあ頭割り、人頭割、要するにそういう応益負担の保険料の比率を高めるという指導をしてきた結果、こういう実態に今なってきているんです。こういう保険料の水準でいいと思いますか。総理、率直な感想をお伺いしたいんです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この国保については、大体おおむね国庫負担五〇%で推移をしているわけであります。 この数字については、私ども初めて拝見をしているわけでありますから、この場ですぐにこれが正確だということを前提にお答えをするわけにはいかないわけであります。 いずれにせよ、これは保険制度でありますから、国民みんながお互いに相互扶助の観点から保険料を払っていただいて、そして半分は国が国庫負担をしていくという中で、この仕組みが、安心の仕組みができていると、このように思います。
○小池晃君 さすがにこれが払える水準だとはとても言えないと思うんですよ。しかも、何でこういうことになってきているか。暮らしを支えるべき社会保障制度が暮らしを壊す、襲い掛かってきているような実態があるわけですね。 これ、経過をちょっと見ていただきたいんです。(資料提示)一九八四年と現在を比べてみますと、国保世帯の所得というのは、平均で約百八十万円から何と二十年間で百六十五万円へと減少しているんです、実額で。いったん上がっていますけども、結局下がっているわけです。この二十年間で住民一人当たりの保険料というのは、三万九千円から七万九千円へと二倍以上になっています。これは、世帯で見たとしても、一世帯当たりの保険料で見ても、十万三千円が十五万二千円へと一・五倍になっているんですね。所得、収入が減りながら保険料が上がっているわけですからこれは払えるわけがない、そういう事態が起こっているわけなんです。 ところが、国は八四年の法改悪で国庫負担の比率を下げました。先ほど五〇%で推移したと言うけれども、違います。八四年に大幅に国庫負担の比率を下げたわけです。その結果、一九八四年度から二〇〇四年度までに市町村国保に対する国庫の支出比率、これ四九・八%から三四・五%に下がってまいりました。総理、この国庫負担の削減というのが正に国民健康保険の高過ぎる保険料をつくってきたんです。 国民健康保険自体は性格が変化してきているわけです。農業や自営業者中心の保険だったのが、だんだん無職者、失業者、不安定雇用の労働者、低所得者中心の保険に変わってきた。だとすれば、国の手厚い援助があって初めて成り立つはずなんです。ところが、この二十年間を見れば、逆に国保が低所得者中心の保険にどんどんなっていく中で国は国庫負担の比率をどんどん下げてきた。その結果、保険料が高騰して払えない人がたくさん出てきている。私は、国民健康保険の保険料を払える水準にするためにも、そして国保財政を本当にしっかり立て直していくためにも、国庫負担比率を引き上げるということが待ったなしの課題になっているというふうに考える。 総理、全国市長会、全国町村会、国保中央会も国保の財政基盤を確立するべく抜本的な財政措置を講ずることという意見を上げています。私、こういう声にしっかりこたえるべきじゃないかと思いますが、総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは若干細かい議論でありますが、国民健康保険の国庫負担については、先ほど私が答弁をいたしましたように、医療給付費等の比率で見れば、平成十六年度までおおむね医療給付費等の約五〇%の水準で推移をしています。保険料の水準上昇の背景に国庫負担の引下げがあるという指摘は私は当たらないと思います。 いずれにしても、国民健康保険が保険制度であることを踏まえれば、主たる財源は保険料とすべきであって、また他の医療保険制度との均衡や厳しい国の財政状況をかんがみれば、現状より国庫負担を引き上げることは困難でございます。 なお、国保財政は、高齢化の進行や低所得者の増加等によって厳しい状況にあることを踏まえて、低所得者を多く抱える保険者を財政的に支援する保険基盤安定制度等について平成十八年度以後も当面継続することとしたわけでございます。 先ほど委員がおっしゃったのは、昭和五十九年に退職者医療制度を導入した際に、退職被保険者以外、この退職被保険者の国庫負担が減少したことからそのパーセンテージが、国庫負担のパーセンテージが低下をしたということを指摘をされているんではないかと思いますが、退職被保険者以外の一般の被保険者に対する国庫負担の割合は、平成十六年までの間、五〇%で推移をいたしています。
○小池晃君 一九八四年に医療費の四五%から給付費の五〇%に下げたわけでしょう。国庫負担比率を大幅に下げたんですよ。それが大きな原因である、そのことをお認めになりますね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは今私が申し上げたとおりでありまして、それは昭和五十九年の退職者医療制度のこの給付費等について、医療給付費等については、これはこの退職者医療制度が導入されたことによって、先ほど申し上げましたように、退職者の保険者以外の、退職者保険者の割合が増加したと、これは国庫負担の少ない退職者、退職被保険者が増加したということであって、この退職被保険者以外の一般被保険者の医療給付等に対する国庫負担の割合は、平成十六年度までの間、約五〇%で推移をしております。
○小池晃君 ですから、この間の制度改悪で国庫負担比率下がったことは事実なんです。これは否定しようがない、今お話があったように。 私、財政が厳しいから仕方がないんだとおっしゃるけれども、だったら、何で金持ち優遇の一兆円の証券減税は継続するんですか。六割以上の大企業の法人税の設備投資の減税をやるんですか。そういったところにはお金をばらまきながら、こういう大変な思いをしている国民健康保険の加入者からは悲鳴が上がっているのに、それを救う手だても、手も打とうとしない。本当に冷たい政治だと思いますよ。金がないんじゃないですよ。こういう人たちの痛み感じる心がないのが今の自民党、公明党の政治じゃないですか。私は国保の今の現状にそこははっきり現れているということを申し上げたい。 もう一つ、国の責任が医療において深刻に問われているのが医師不足の問題だろうというふうに思います。この問題、取り上げたいと思います。 全国各地の医師不足は病院や診療科の閉鎖といった深刻な事態を招いています。住民、患者の命と健康を脅かしています。過重労働やストレスによって医師や医療スタッフの心身むしばまれて、医療事故の背景にもなっています。 日本医労連がまとめた実態調査の中間報告によれば、勤務医の九割以上が当直勤務を伴う連続三十二時間の勤務を月三回、さらに三割近くは月に一度も休日を取れない過酷な勤務状態にあると言われています。この報告では、医師自体が過労死する状態にあるとまとめている。 私は日本の勤務医というのは極めて過酷な勤務状態に置かれていると思いますが、総理の認識はいかがですか。──総理が手を挙げているじゃないですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) そんな、医療の勤務形態なんというのは私、答えさせてくださいよ。
○委員長(尾辻秀久君) 柳澤厚生労働大臣。
○小池晃君 手を挙げているじゃないですか。あなたはいいよ。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 平成十七年度に、日本医労連の調査は私は存じませんけれども、私どももその問題については関心を払って、それを踏まえまして平成十七年度に医師の勤務状況に関する調査をいたしました。 病院勤務医の一週間当たりの勤務時間でございますけれども、休憩時間や研究に当てた時間などを含めて言わば病院に拘束されていた時間、始業から終業までということで見ますと、確かに平均で約六十三時間ということになりますけれども、休憩時間等を除いた実際の従業の時間は平均で約四十八時間でございます。これでも開業医の方々に比べて病院勤務医の方々の勤務状況は大変厳しいということは、私どもも認識をいたしております。 そこで、厚生労働省としても病院勤務医を取り巻くこのような厳しい環境、勤務条件を改善していくことは喫緊の課題であるというふうに認識をいたしておりまして、第一に医師の集まる拠点病院づくり、それから第二にネットワークの構築、さらには病院勤務医と開業医の連携を取るための電話相談事業等のいろいろな手だて、それから労働基準法に違反している事例等に対する基準監督署の指導の徹底、このような対策を引き続き推進してまいりたいと考えております。
○小池晃君 医師の勤務実態というのは研究時間だって十分な勤務時間なんですよ。しかも、待機と言うけれども、休憩と言うけれども、患者さん来るまで待機している時間、こういうのは全部無視するんですか。こういうのは立派な勤務時間ですよ。厚労省の調査というのは、そういうのは全部無視して、実際に現実に診療やっている時間だけを勤務時間だと。これほど医師の勤務実態と私、懸け離れた話ない。大体これ国民の実感にも、日本のお医者さんたちのみんなの実感にも全く反する今の話だと、とんでもない認識だと。こういう認識でやっているから、私はこの問題解決できないと思うんです。 産科医療の実態、先日、岩手県の花巻市に行ってまいりました。ここは県立の花巻厚生病院という唯一の県立総合病院の産科休診が最初の引き金引いたんですね。二軒だけだった産科開業医のうち一軒お医者さん亡くなられた。今では病院と診療所が一か所ずつだけなんです。妊娠が分かった時点で予約してももう満杯だというふうになっている。妊婦さんは盛岡やあるいは北上市まで行かなければいけない。花巻市というのは東京二十三区より広いんです。新幹線も止まるんです。ところが、そんな町でお産ができない。妊婦さんが健診で隣町まで行くのに自分で車を運転する、こういう実態がある。隣町の遠野市というところでは雪のあるときは三時間も掛かるんだと聞きました。間に合わずに車の中で出産したという例も一年に一回も二回も起こっている。 私は、これはある地域の話ですが、総理に基本的な認識、これ今国民的な関心です。みんなが心配しているんです。やっぱり深刻な医師不足が原因でお産ができない、命が脅かされる。あってはならない事態が広がっていることについて総理はどうお考えですか。──総理。いいよ、もういいですよ、ちょっと。ちょっと、ちょっと。お呼びでない、お呼びでない、お呼びでない。(発言する者あり)
○委員長(尾辻秀久君) 安倍内閣総理大臣。総理、お答えください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 産科の不足、医師不足状況については我々も十分に認識をしております。 医師全体の数は増えているわけでありますが、地域においてのこれは不足の状況、そしてまた、あるいは科目、特に産科、小児科が不足をしているという現状については十分に認識をしているわけでございまして、地域によっては必要な医師が確保できない状況が生じている。公的医療機関においても分娩を取り扱っている施設は減少しています。 この背景としては、産科医をめぐる厳しい勤務状況、我々もこの厳しい勤務環境があるということは十分に承知をしております。産科医療のリスク、訴訟の増加の懸念、少子化による出生数の減少などが影響していると、こう認識をしています。 このために我々は、対策といたしましては、医師が集まる拠点病院をしっかりと整備をしていく。そして医師が不足する病院への医師派遣の仕組みを構築をしていきます。こういうネットワークをつくって派遣もしていく仕組みをつくっていく。また、産婦人科医師に多い女性医師の就労を支援するための女性医師バンクの設立を行います。産科医療のリスクや訴訟の増加に対応する、産科の先生は割と訴訟されるリスクが大変高い、このように言われておりまして、最近は産科医を志望する医学生も減少してきたと、このように思います。そうしたことを勘案をしながら、産科医療補償制度の創設に向けて検討をしてまいります。 こうしたことを総合的に取組を進めているわけでございまして、また、平成二十年度の診療報酬改定においても産科などへの対応を含めた診療報酬の在り方について検討することが必要と認識をいたしております。国としては、いま一度それぞれの地域の実情をしっかりと把握をいたしまして、都道府県と協力をしながら地域ごとに具体的で実効性ある医師確保対策を講じてまいります。厚生労働大臣には強力な指導力を発揮をしていただくことになると思います。
○小池晃君 具体的で実効性のある措置をとらなければいけないというふうにおっしゃる。じゃ、具体的に国が何をやってきたか。国公立病院などが産科や小児医療を守る先頭に立つべきだと私は思います。ところが、花巻でも産科医療の危機のきっかけになったのは、これ県立病院の撤退なんです。 厚生労働大臣、ここで初めてお答えいただきたいんですが、九六年から二〇〇五年の間に産婦人科のある病院というのは二八・七%減少しているんですが、国立病院の産婦人科は三五%減っているんです。全体より突出しているんですよ。これが実態なんです。正に国が率先して、あるいは公立病院などが率先して産科、小児科削ってきているんですよ。 産科、小児科確保する、先ほど総理は実効性ある措置をとるとおっしゃるのであれば、国立病院の産科、小児科の切捨てやめると、これまで産科、小児科をやめてきた病院は復活をさせる、このくらいのことは当然やるべきではないですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 地域によってお医者さんが不足をしているというところがあるということは我々も承知をしております。 そこで、先ほど来申し上げているように、一般的なネットワーク、拠点づくりというようなことももちろんこの中から出てきているわけですけれども、やはり都道府県が中心になって医療対策協議会を開く。そのときに、この国公立の病院の人たち、公的な医療機関も積極的にこれに参画してもらいまして、そして医療の連携体制に必要な協力をしてもらうということを考えております。 加えまして、私どもは、ただ中央の会議を持って指針を決めて、それを、画一的にこれを地方に伝達するということで事を終わるというようなことではなくて、実際に役所の中にチームを、ブロックごとのチームを、担当のチームをつくりまして、そしてその協議会が行われるときには実際にその中に相談に参画するような形で、今言ったような具体的でかつ実効性のある体制をつくってまいりたいと、このように今考えてこれを、体制をスタートしているところでございます。
○小池晃君 私が言ったことに全然答えてないんですよ。いろいろやると言ったけど、国公立病院減らしてきたのを、じゃ早期に復活させる、このぐらいのことをせめてやるべきじゃないかって、一切答えていない。
○国務大臣(柳澤伯夫君) そうした具体的で実効性ある解決策、これを構築する中で、その中で国公立病院がどのような役割を演ずるか、これについて私は腰が引けたような対応は許さない、こういう形で私は参画をさせようと、こういうことを申し上げたつもりでございます。
○小池晃君 今までどんどんどんどん率先して減らしてきたのに、そういうこと言ったって具体的なことが全くないじゃないですか。私はやはり、そういう意味では本当に国は口先だけじゃなくて、それこそ今まで廃止した病院を復活させる、そのぐらいのことを決意を持ってやるべきだと思いますよ。当然やるべきじゃないですか。 しかも、先ほどあったような診療報酬の問題もある、出産一時金の大幅な増額も必要だと私ども思っています。助産師の役割ももっと重視すべきだと。助産師の養成数を増やして院内助産所をつくる、あるいは助産所と救急病院との救急搬送システムをつくる、これが実効性ある制度だと思うんです。こういったことを本当に本気でやるべきだというふうに思います。しかも、より根本的な問題があるんですが、日本の医師の数が果たして今のままでいいのかという問題なんですよ。 これ、パネルを持ってまいりましたが、(資料提示)一九七〇年から日本の医師数をグラフにしております。一九七〇年には大体世界の平均と日本の医師数というのはパラレル、同じぐらいでした。一九七〇年、日本の医師数は人口十万人当たり百十二名、そのときOECD平均は百二十名です。当時日本政府は、いわゆる一県一医大政策を立て、医学部入学定員を増やす政策を進めたんです。ところが、一九八二年の臨調第三次答申を受けた閣議決定でこれは方針転換をする。八六年に医学部の入学定員を一〇%削減するという方針を出す。九七年にも定員削減を続ける閣議決定をしています。 一方、OECDはその後も医師の数を増やしている。医療水準やあるいは患者さんたちが求める医療の質、これが高まっているんですから、私は世界の流れというのは当然の方向だと思う。ところが、日本は抑えてきた。その結果だんだんだんだん格差が開いているわけです。このOECDの平均に照らせば、大体十二万人から十四万人日本の医師数は少ないという指摘もございます。 総理、私はこの流れを見れば日本は世界の水準から大きく立ち遅れてしまった、こういう認識を持つべきだと思いますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 医師の数は現在毎年三千五百人から四千人程度増加をしています。確かに現時点においては過剰な状態ではないわけでございますが、将来的には必要とされる医師の数を上回る数の医師が供給されることが見込まれています。 また、なお、平成十六年末における我が国の人口千人当たりの臨床医師数は二・〇人とOECD平均を下回っておりますが、例えば米国やイギリスなどはこの医師に対して患者のフリーアクセスが言わば制限をされているわけでありますが、日本は皆保険制度の中で完全にフリーアクセスが保障されていると、こういう違いもございます。また、人口密度も違って効率的な診療も可能な地域があると、結構それも、そういう地域も多いということも言えると思います。 しかしながら、地域間や、先ほど申し上げましたようにこの小児科、産科等のこの診療科目において医師の偏在、不足があるのは事実であります。このために、我々は何にもしていないわけではなくて、平成十八年度補正予算と十九年度予算において医師確保対策として合計で百億円を計上をいたしております。これは十八年度の当初、まあ約上回ること倍になっているということでございます。 先ほど申し上げましたように、医師が集まる拠点病院から医師不足病院へ医師派遣を行う際の助成や、臨床研修における医師不足地域や小児科、産科等の重点的な支援を始めとして、各般にわたる取組を進めてまいります。
○小池晃君 今総理は偏在だというふうにおっしゃったんですね。厚生労働省の見解も、医師は足りないんじゃない、偏在なんだと言うんです。 偏在という言葉は、どこかで余っている、どこかで足りない、こういうのが偏在と言うわけですね。厚生労働省は病院と診療所の偏在とか診療科目による偏在とも言っていますが、地域による偏在とも言っている。偏在と言うからには、足りない地域があって一方で足りている地域があるということになると思うんです。 ところが、人口当たり医師数トップは日本で今徳島県ですが、徳島県もOECDの平均より少ないんです。だから、一体どこに過剰な地域あるいは十分な地域があるんでしょう。これ実態として見れば、偏在ではなくて日本じゅうどこでも不足地域だというのが実態だと思います。私、充足している地域があるんだったら一体どこか言ってほしいと思いますよ。だから、今の日本の医師数の実態というのは、これは偏在ではなくて絶対的不足なんじゃないですか。そのことについてお答えいただきたい。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今委員はOECDの例を、これを基準として物をおっしゃっているわけですけれども、私どもとしては日本の国内の状況について観察してそういうことを申し上げております。ですから、例えばある県においてこれを幾つかの医療圏に分ける、あるいは第三次医療圏ぐらいに分けてみるというようなことをした場合も、それで非常に、そこにお医者さん方、厚くいらっしゃるところと薄くいらっしゃるところがある、これは事実でありまして、そのことを、そういうことを我々は観察した結果、今申したような偏在ということを申し上げているということでございます。
○小池晃君 じゃ、厚くいる都道府県とは一体何県ですか、言ってください。──駄目、駄目、ちょっと、ちょっと止めてください。
○国務大臣(柳澤伯夫君) もちろん基本的に西高東低ということで徳島なんかが、今委員も言っておるとおりですけれども、私どもは、各県の中でも非常に厚いところと薄いところがある、そういうようなことで地域的な偏在があるということを申し上げているということです。
○小池晃君 答えられないんですよ。医師が足りている県なんてないんです。絶対的不足なんですよ。 私、いろんな対策、先ほど総理おっしゃったけれども、例えば医学部の入学定員を増やす、これいいことだと思います。しかし、見てみますと、たった十年間だけ、しかも一〇%増やす、終わったらこれ前倒して逆に定数減らさなきゃいけない、こういう腰の引けた対策なんですよ。なぜこうなっているのかといえば、医学部の入学定員の削減を決めた十年前の閣議決定があるからなんです。だから、入学定員を増やすってことを思い切ってできないんです。 今のこの実態から見れば、総理、私は、十年前の閣議決定を見直す、そしてやっぱり医師数の増加、医学部の入学定員を増やすということを国民の声にこたえてやるべき時期なんじゃないですか。お答えいただきたい。──総理、閣議決定の問題だよ。閣議決定、何であなたが出てくるの。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど申し上げましたように、三千五百人から四千人、毎年これ増えているわけでございます。この傾向でいけば、将来はこれは供給が上回っていくという可能性もあるわけであります。しかし、現在のところ、科目によっては確かに不足している科目もある、また地域もあるわけでありますから、それに対して我々は対策を打っているわけでございますし、先ほど申し上げましたように、百億円、補正と当初予算でこの医師不足対策費は組んでいるわけでございます。
○小池晃君 私は、医師不足の問題というのは、国民健康保険の問題とともに、社会保障に対する国の支出を抑制してきた、こういうやり方が本当に現場で矛盾を生んでいるんだということだというふうに思います。やっぱり、この転換をなくして国民に安全な医療を提供することは決してできないというふうに思います。 私たち日本共産党は、命と暮らしを守る、そういう政治に転換していく、国民健康保険の危機を打開して、医師不足をなくしていく、そのために全力を尽くして奮闘していきたいと、そのことを申し上げて、私の質問を終わります。
○委員長(尾辻秀久君) 以上で小池晃君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(尾辻秀久君) 次に、福島みずほ君の質疑を行います。福島みずほ君。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。 先日、二月二十八日、社民党は、キヤノン、宇都宮にあります、栃木県宇都宮市にあるキヤノン光学機器事業所に調査団を派遣をいたしました。衆議院でも議論になりました。 二〇〇三年に労働者派遣事業法が改悪をされ、製造業も派遣が可能となりました。そのキヤノンの工場で話を聞いて驚きました。偽装請負、指揮命令は請負はできませんが、偽装請負、請負をやっている、二〇〇五年の段階で派遣に切り替える、そして一年たって、当時は製造は一年しかできない、一年たつと直接雇用義務が発生する、一年たったらまた、二〇〇六年、請負に戻しました。つまり、同じ人たちなのに請負、派遣、請負とやっている。結局、正社員にしないために請負と派遣を使って、それぞれ偽装の潜脱、派遣の潜脱をやっている。これが日本の大企業の中で正に起きていることです。これが本当に問題だと。いったん非正規雇用の中に入ると正規の社員になれない。今の若者たちの中に、将来が見えない、雇用が不安定、十年働いても給料が上がらない、そのことを生んでおります。 それで、この労働者派遣事業法、二〇〇三年、製造業にも解禁するに当たって、政府・与党は賛成、野党は反対をしました。こういう雇用の劣化が起きるというからこそ反対をしました。 ところで、今の段階で直接雇用義務が労働者派遣事業法に規定があります。総理、お聞きをいたします。直接雇用義務、これの指導をもっとやるべきではないですか、いかがですか。(発言する者あり)いや、総理にお願いします。結構です。いや、総理。いや、総理、お願いします。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 派遣労働法で一年、あるいはこの二十六業種以外では一年あるいはこれから三年になるということですけれども、そういうことについて直接の雇用を働き掛けると、契約を申し込むと、こういう義務は生じますから、法律の命ずるところの、法律に沿ってそのようなことをやっていただくということは、これはもう欠くべからざることでございます。
○福島みずほ君 大臣から直接雇用義務について、これはやらなければならないことだという力強い答弁がありました。 ところで、厚労省に聞きましたところ、監督をした、指導した中で直接雇用したケースがあるかというふうに聞きましたところ、そういうデータはないというのが答えでした。ですから、先ほど厚労大臣が新聞、二月二十七日にもあります、偽装請負、直接雇用を指導するということに沿って今日、答弁をされたと私は理解をいたします。大企業の中で請負を放置している、あるいは派遣を放置している、あるいは潜脱をやっている、これについて直接雇用を厚労省が挙げてやっていただけるということで、力強い答弁ありがとうございました。 ところで、総理、いやちょっと、総理、お聞きをいたします。 二〇〇三年に製造業について派遣が可能となりました。私は、それが今の若者の雇用の悪化を招いた大きな理由だと考えます。せめて二〇〇三年度の段階、製造業について派遣を認めない、これに戻すべきではないでしょうか。いかがですか。 いや、総理、お願いします。総理、ちょっと総理。
○委員長(尾辻秀久君) 補充の答弁があるんですか。
○福島みずほ君 いや、委員長、総理、質問時間が短いので総理にしてください。
○委員長(尾辻秀久君) 補充の答弁ですか。それじゃ、補充の答弁をさせます。柳澤厚生労働大臣。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 先ほど、直接雇用を福島委員は、させるという力強い答弁云々という私の答弁をある意味で確認するような形で、実は私の言っていることと違うことをおっしゃっています。それは、私は雇用の申込みをしなければならないということを申し上げたのでございまして、直接雇用をするということを申し上げたんではございません。 それから、直接雇用に限らず、雇用の安定を図るための措置を講ずるということが私どもの趣旨でありますので、実際に直接雇用をする場合もありますし、それからその違法な、あるいは適法でない状態を本来の状態に戻すというようなこともあります。 というようなことで、この状態を、雇用の安定を図るための措置ということで、法違反を是正するということを指導しているということでありますので、誤解のないように、また御勝手な確認というのは、大変申し訳ないですが、お避けいただくようにお願い申し上げます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど、私への質問でございますが、近年の言わば非正規雇用者の増加についてでありますが、この背景には経済産業構造の変化、また、これはやはり価値観の多様化ということもあるんだろうと、このように思います。企業や労働者が様々な働き方を求めているというのも私は事実だと思いますよ。例えば、三割の方が今後も派遣労働者として働きたいと、このように希望しているのも事実でございます。労働者派遣法等の労働分野の規制改革もこうした多様な働き方を可能にするという観点から行われたものであります。 他方、景気の持続的な拡大や、政府が講じてまいりました様々な施策によって正規社員が増えているのも事実であります。四四半期連続正規社員が増えているという事実も見ていただきたいと思いますし、また、企業においても我々が今中途採用を増やしていく、あるいは正規社員を、非正規の方々で正規になりたいという方々がいればその方々にもっと道を開いていくべきだと、このような正に目標を掲げているわけでありますが、そうした中において幾つかの企業が、ではそういう意味において、今までたくさんの非正規社員を雇用していたけれども、この方々を正規にしようという会社も次々と現れていることも事実であって、こうした傾向がもっともっと拡大をしていくように、そのためにも更に成長していかなければいけない、景気を持続していかなければいけないと、このように考えております。
○福島みずほ君 厚生労働大臣と総理大臣の発言を聞いて、現場の実態が全く分かっていらっしゃらないと思います。というのは、若い人たち、あるいは非正規雇用で働いている人たちは正規社員になる回路が本当にないんです。厚労省にも聞きました、正社員になるという直接雇用義務をした例のデータはあるかと。そういうデータは取っていないというのが回答でした。 宇都宮のキヤノンでも、実際、正社員になりたいといってみんなは訴えたわけです。労働組合をつくったわけです。 今、年収が三百万円以下の世帯は四割です。そして、派遣の人たちの八割は年収が三百万円以下、パートの人たちは二百万円以下の人が九割です。みんな貧困層、働けど働けど我が暮らし楽にならず、じっと手を見るという。将来、五年、十年、まあ一年後も自分がどういう働き方をしているのか分からない、とっても生活が不安、心が不安、人生が不安な中で生きています。多様な働き方があるとか多様な生き方があるなんという、そういうレベルではないんですよ。選んでいないんですよ。みんなは正社員になりたくても、いったん非正規になれば、その回路がない。それを法律がつくり、法律が現時点においても解決しようとしないからこそ、この予算委員会で質問をしているのです。格差が労働者派遣事業法の改悪の一つによっても生じているのであれば、製造業がばっと派遣で増えたわけですから、法律によって私たちは解決をすべきです。 次に、社会保障の問題について移ります。 見てください。(資料提示)社会保障費削減の動向、二〇〇二年から二〇〇七年予算。今日、予算案の審議ですが、二千二百億円ずつ削減目標、厚労省、厚生労働省、社会保障関係費の削減目標です。一律に、形式的に二千二百億円の削減が提案をされています。 国民の皆さんも記憶にあると思います。二〇〇三年は健康保険の改悪、二〇〇四年は年金の改悪、二〇〇五年は障害者自立支援法と介護保険の改悪、二〇〇六年は医療制度の改悪です。そして、二〇〇七年は生活保護、これについての見直しが言われております。 そこで、二つ質問をいたします。 生きている人間がいるのに、なぜ削減目標二千二百億円、こう形式的にたたき切るのか。そのために現場では、例えば介護保険、特養老人ホーム、月に三万一千円負担増、出なくちゃいけない。障害者自立支援、原則一割負担、引きこもりになる、あるいは自殺した障害者の人がいる。あるいはリハビリ、百八十日で原則打切り。現場をどんどんどんどん命の必要な部分を打ち切っています。国家にとって必要がない人間は死ねというのかと言っている人たちがいます。 この社会が、障害者や高齢者やリハビリが必要な人たち、それをどう扱っているのか。現場で何が起きているのか。二千二百億円削減、形式的になぜやるのか。それから、今年度生活保護費四百二十億円の削減、これはなぜ行うのか。それについてお答えください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 福島委員は、自分が決めた論理で、その論理に当てはまることしかおっしゃらない。先ほど、パートから、例えば非正規から正規に行く道が全くないとおっしゃったけど、そんなことは全く事実とは違うと思いますよ。 例えば、このワールドストアパートナーズは六千人の契約社員のうち五千人を正社員にするということを発表していますね。そしてまた、例えばNTT西日本も四千人を正社員化すると、パートタイマーの人をですね、このように宣言をしています。そういう会社は幾つもたくさん出てきているんです。そういう道も出てきたということは、よくこれを冷静にそういう事実もちゃんと見ていただきたいと、このように思います。 全くないとおっしゃったから、私はちょっとした例を挙げたわけであって、まだまだ膨大なこれは例もあるということも申し上げておきたい、このように思います。 そして、今の御質問でありますが、まず生活保護は、これは最後のセーフティーネットとして重要な役割を担っている制度でございます。制度の公平性の観点から、自立促進等のまた観点から、国民生活の実態等を踏まえて、制度の在り方について適宜見直しを行っていくことが必要であります。 平成十九年度予算案においては、母子加算の見直し、すべての自治体で就労支援プログラムを策定をして、生活保護受給者の就労等を促進すること、また不動産を担保とした、言わばリバースモーゲージを導入すること等としたところでございます。特に、この母子加算については、現行の母子加算を含めた生活保護の基準額は母子世帯全体の平均的な所得層の消費水準をこれ上回っているわけでありまして、このため、今回の見直しは、生活保護を受けている母子世帯と受けていない母子世帯の公平性を図っていくという観点に立って、激変緩和にも留意をしながら段階的に行うことにしています。 その際、現状の一律、機械的な加算を廃止をする一方で、生活保護を受けている母子世帯の自立を促進する観点から、就労している母子世帯等に対しては自立支援を目的とした給付を創設することとしています。あわせて、来年度中に全自治体で就労支援プログラムを策定をして、これに基づいて、個々の母子世帯を始めとする被保護世帯の状況に応じたきめ細かな支援や、福祉事務所とハローワークとの連携による就労支援を一層促進することなどによって、生活保護を受けている世帯の自立をしっかりと支援をしていかなければならないと、このように考えているところであります。 また、リバースモーゲージについては、高齢者世帯が不動産を所有している場合に、生活保護を受け、死亡時に扶養義務者が不動産を相続することは社会的公平の観点から問題であることから、不動産を担保とした貸付制度を導入して、貸付金によって生活費を賄うこととしたものであります。 このように、今般の生活保護の見直しは、いずれも制度の公平性の観点、自立促進等の観点から必要な改革であると、こう考えているところでございます。
○福島みずほ君 母子家庭の就労支援がどれほどうまくいっていないか、総理は御存じないと思います。そして、比較するものが違います。母子家庭の中で比較するのではなくて、共働きや普通の世帯と比較すべきです。 母子世帯では手当や年金の平均は二百二十四万円。先ほども言いました、生活保護に頼らざるを得ないところが今百四十二万世帯、増えているんですよ。なぜか、歴然としています。さっき私は言いました、年収三百万円以下の世帯が四割になっている。貧困層が増えているわけだから生活保護を必要な人たちは増えているわけです。私たちが障害者自立支援法などに反対をしたときに、最後生活保護があると言いました。しかし、今年度の予算案で生活保護を四百二十億削るということで怒っているわけです。 次のパネルを見てください。(資料提示) グアム移転経費の内訳、これ防衛省からいただきました。日本側の分担が六十・九億ドル、約七千億円です。家族住宅について一体どういう家族住宅を造るのか、それについて七千億円の明細を出してほしい、そういうふうに今日まで言いましたが、防衛省は一切、七千億円ということしか明らかにしてくれません。 生活保護の母子加算は単年度、節約をして、これ六十億円です。六十億円は確かに大金です。でも、生活保護の母子加算削減して単年度六十億、それに比べてこれは七千億円なんです。一体国民の税金をだれのために何のために使うのか。外国の土地に外国の基地を造る、そのための住宅費を含め七千億円、将来日本は税金使う。でも、どうして生活保護九万一千世帯の母子家庭が生活保護の母子加算の、頼りにしています、九万一千世帯、それを単年度で削減して六十億円。六十億と七千億、一体何に日本政府は税金を使うのか、そのことを言いたいと思います。 そして、先ほど総理は全くない、私は全くというのはちょっと極端かもしれませんが、なかなか正規雇用になる道がありません。そして、今年度に出てくるチャレンジという、再チャレンジという名の労働法制はうそっぱちです。ちっともチャレンジにはなりません。 パート法案については、パート法案については、差別禁止をする部分は、期間の定めがなくて、しかも正社員的パートというふうに法案でなっています。これは一%にも満たない人であるというふうに私たちは理解をしています。これはとんでもないパート法の法案です。というのは、パートの人たちの中で一%だけ差別禁止をするのであれば、残りの九九%はじゃ差別禁止が掛からないのか。これを出して再チャレンジあるいは正社員化、正社員と同様の均等待遇があるというのは全くのまやかしです。 それで、私は今日、格差拡大の問題と、それから社会保障の切捨ての問題について質問をしたのは理由があります。 私たちは、柳澤大臣の、女性は子供を産む機械ということに怒りました。それはなぜか。国家が上から見下ろして、十把一からげに、女性たちを十把一からげに言って、十把一からげに上から見下ろして、十五歳から五十歳、子供を産む役目の人は頭一人分頑張ってほしいと、こう言ったわけです。一人一人の生きていく人生や生活や悩みや苦しみを全く見ることなく、上から役割を押し付けている。自己責任という形で女性たちに頑張れと言っている。それは違うだろうというふうに思いました。 ところで、同じことは他の政策にも行き渡っているんじゃないか。私は、いろんな工場現場で、あるいは派遣で働いている人、スポット派遣で働いている人たちなど、いろんな話を聞きました。日本版エグゼンプション、これは一日の時間規制をなくすという法案で、今国会には出てこないことになっておりますが、これは断念はまだされていません。じゃ、女性は産む機械であれば、労働者は二十四時間働く機械なのか。じゃ、産む機械から生まれる子供は工業製品なのでしょうか。 これから全国学力テストが始まります。全国一斉学力テストが始まります。また、学校の外部考査が始まります。それは教育再生会議が学校の外部考査と言っています。また、教員の免許更新制、世界で教師の免許更新制を採用しているのはアメリカの一部の州だけです。つまり、産む機械、そして二十四時間働ける機械、そして子供たちは品質管理をするようにやっていくのでしょうか。そこで、愛国心、忠誠心ですね、国家に対する忠誠心を押し付けて、そのように国民を支配をしていくというところが今の政治なのではないでしょうか。 だから、さっき掲げた二千二百億円の削減、今年度の予算案に含まれている四百二十億円の生活保護の削減も、現場で一体何が起きるのか。今、役所に行って生活保護の書類の交付さえなかなかもらえないという人たちが出ております。一体国民をどう見ているのか。 これは、自民党新憲法草案が正に国民を統治の対象として、管理の対象として見ているのだというふうに思っております。それは日本国憲法は一人一人が大事だという、そういうことをやっていて、その自民党新憲法草案にのっとるような、そのような福祉の切捨てや格差の拡大について、これは反対をしなければならないというふうに考えています。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) もういかにこれ福島委員が決め付けをしているということがはっきり分かったと思います。先ほど、全く正規社員になる道はないとおっしゃったけれども、少ないというふうにおっしゃった。大分それは違いますね。極めて少ない、これは大分違いますね。 そしてまた、言わば再チャレンジの支援、これは全然うそっぱちと言った。しかし、それは恐らく半年後、一年後にあなたが言ったことはいかに違ったかということが私ははっきりすると、このように思います。 そしてまた、今、生活保護の見直しについて四百二十億円削減したとおっしゃった、だから大変だとおっしゃった。それは違います。全く違うということをまず申し上げておきたい。 そのうちの百八十億円は、例えば人工透析費用であります、生活保護者の方の。これは今般の障害者自立支援法に基づいてこれは医療に変わったわけであって、この方々に対しての給付は全く変わらない。百八十億円はただ付け替えただけということをまず申し上げておかなければならない。これは生活保護から変わりましたけれども、医療の方にして全くこれは全部給付するということについては変わらないということはまず申し上げておきたいと思います。 そしてまた、リバースモーゲージの六十億円、そしてまた就労支援等々において、また就労、退院の促進の百億円等々については、これはこういう政策を打っていった結果、この方々が言わば就労することによって見込まれる額であって、言わばこれは就労することによって減っていく額でありますから、言わば完全な削減、取り上げるという削減ではない。また、リバースモーゲージの導入ということも、リバースモーゲージが進んでいくことによって六十億円程度、そういう効果が出てくるであろうと、こういうことであります。 ですから、四百二十億円のうち、これは事実上母子加算の見直しということにおいては六十億円程度であると、こういうことは申し上げておきたいと思います。
○委員長(尾辻秀久君) 以上で福島みずほ君の質疑は終了いたしました。(拍手) 明日は午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時二十五分散会